魔女と6騎の百騎兵 (デスギガント)
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~序章 幕開け~
~深淵の闇の中での出会い~


初めまして、デスギガントと申します。
自分は二次創作小説を読むのが好きで、自分も面白い作品を作りたいと思ってきました。
まだまだ、始めたばかりで文章とかがいろいろとおかしかったりすると思いますがそこは暖かく見守ってくれたら幸いです。
今作では、『魔女と百騎兵』の世界に自分の考えたオリキャラを登場させていくものとなります。基本、原作通りに進めますがオリジナル展開やクロスオーバー(主に技)などもしていくつもりですので、もし苦手でしたらお気をつけください。
それでは、長々と失礼いたしました。

初投稿です!どうぞッ!



ココハ・・・ドコダ・・・?

 

ナニモナイ・・・マックラナクウカン・・・

 

ナニモキコエナイ・・・ナニモカンジナイ・・・

 

オレ(ボク)(ワタシ)ハ・・・ドコニイルンダ・・・?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???『&#$%●▼………?(ドコニイル………?) $%■#*………?(ヘンジヲシロ………?)』

 

どこからか声が聞こえてくる・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・ダレダ・・・?オレ(ボク)(ワタシ)ヲ・・・ヨンデイルノカ・・・?

 

???「ホォエ………?」(一つ目の小さな生き物?)

 

???『キヒヒヒヒヒヒ………。』

 

どこからか謎の笑い声が聞こえた次の瞬間、巨大な二つの眼がこちらを見ていた・・・

 

???『&#●▼$%■#*………。(ミツケタゾ………。)』

 

・・・ダレダ・・・?ナニヲイッテイル・・・?

 

???『■#$………?(アン………?)』

 

次の瞬間、自分の周りを囲むように光が現れたがすぐに消えてしまった・・・

 

???『………コレデ リカイ デキルカ?』

 

・・・ッ!?

 

???『キヒヒ………。ドウシタ? ソンナニ オドロクコトデハ ナイダロウ? ムシロ コノクライデ ドウヨウシテモラッテハ コマル。』

 

???『デハ アラタメテ シツモン スルゾ………。』

 

???『“オマエラ”ノ “ナ” ハ………?』

 

・・・“オマエラ”?・・・オレ(ボク)(ワタシ)イガイニモ・・・ダレカイルノカ・・・?

 

・・・ナマエカ・・・マァ・・・イイカ・・・

 

それぞれ自分の名を言うが、その声は自分と謎の声にしか聞こえなかった・・・

 

???『ヘェ………ナルホドナ………。イッチョマエニ “ナ” ガ アルト イウノカ。』

 

???『フ~ン………。サスガニ コノテイドノ チエハ アルトイウワケダ。 タダノ “マナニア” トハ チガウ ヨウダナ。』

 

・・・“マナニア”・・・?

 

???『マァ ソウデナキャ ハジマラナイカ………。 ダガ オマエラニハ ワタシガ モットイイ “ナ” ヲ ヤルヨ。』

 

???『ワタシガ ジキジキニ ヤル “ナ” ダ。 シンミョウニ ハイチョウシ キオクニヤキツケテオケ!』

 

???『オマエラノ “ナ” ハ………。』

 

・・・ゴクリ・・・

 

???『ウ~ン………。イキオイデ イッテミタモノノ アラタメテ カンガエルト オモイツカナイ モノ ダナ………。』

 

ズコー!!・・・オイオイ・・・ナンダヨソレ・・・

 

???『マァ………ソノママ “ヒャッキヘイ” デ、イイカ………。』

 

テキトウダナッ!!!オイッ!!!

 

???『ソウ………オマエラノ “ナ” ハ “ヒャッキヘイ”。イイカ オマエラノ “ナ” ハ “ヒャッキヘイ”………ユメユメ ワスレルナヨ………。』

 

・・・オレ(ボク)(ワタシ)ノ “ナ” ハ “ヒャッキヘイ”・・・

 

・・・イマイチ、シックリコナイナ・・・

 

???『・・・スコシ ナットクシテナイ ヤツモ イルガ マァ………イイダロウ。』

 

???『ワタシカラ オマエラニ イイモノヲヤロウ。』

 

すると何も無い所から小さな兜が現れた・・・

 

・・・カブト・・・?

 

・・・カッコイイガ・・・オレ(ボク)ニハ・・・スコシチイサスギルナ・・・

 

・・・ワタシニハ・・・ギリ・・・ムリネ・・・

 

???「ムキュ?」(一つ目の小さな生き物?)

 

・・・ン?ナンダ・・・アノ・・・チンチクリン・・・?

 

・・・ア、チョットカワイイ・・・♪

 

一つ目の小さな生き物?は小さな兜に近づき、小さな兜をかぶった・・・

 

その時・・・!

 

・・・ッ!?

 

あたりが急に眩しくなり、思わず目をつぶってしまった・・・

 

そして・・・目を開けて見ると・・・

 

一同「………ッ!?!?!?」

 

そこは、さっきまで闇だけが支配していた場所とは明らかに違う場所だった・・・

 

空は翠色に染まり・・・地面のような場所は薄い青色で・・・よく見ると・・・根っ子ようなものも生えていた・・・

 

そして、何より・・・

 

???「ムキュ?」(兜をかぶり、手?翼?のようなものを生やしたさっきの生き物?)

 

少年少女たち「・・・アンタたち(お前ら)(テメェら)(君たち)・・・誰(だ)?」

 

さっきの小さな生き物?(百騎兵)(兜をかぶったことによって姿が変わり、手?翼?のようなものが生え、さっきよりは大きくなったが、少年少女たちと比べたらまだまだ小さい。胴と足も生えたがそれよりも手?翼?の方が大きく、目も一つ目から二つになり、口もできた。)がおり・・・

 

そして、見知らぬ少年少女たちがその場にいた・・・

 

少女A(背が小さく明るそうな少女)「もしかして、君たちもさっきの声を聞いたの?」

 

少女B(クールそうな少女)「え、えぇ…。そうよ。真っ暗な場所にいたら急にどこからかね…。」

 

少年C(逞しそうな少年)「オレもだ。ったく、さっきまで真っ暗闇だったってのによ…。どうなってんだ…。」

 

少年D(賢そうな少年)「…ボクも。全く意味がわからないよ…。」

 

少年E(少し目つきが悪い少年)「…まぁ、とにかく。全員、さっきの訳わかんねぇ声に連れてこられたって訳だ…。」

 

百騎兵「ムキュ?」

 

???『キヒヒ………挨拶は済んだか?』

 

一同「…ッ!?」

 

また謎の声がまた聞こえる、しかしさっきより流暢に聞こえるようなった・・・

 

???『キヒヒ………上出来だ。もう少しだから我慢しろよ………。ちなみに、その兜はワタシが創ったとっておきだ。』

 

少年E「一つしかないがな…。」

 

少年E以外「たしかに。」

 

???『仕方ないだろう!マシなのがそれしかなかったんだから!………それにオマエラにはその兜は必要ないみたいだからな………。』

 

少女A「えっ?それってどういう………?」

 

???『………とにかく、その兜はオマエに騎士の力を与えて………?』

 

ズシンッ…!ズシンッ…!

 

少女B「な、何ッ!?」

 

少年C「地震かッ!?」

 

少年D「いや…何か足音のようにも聞こえたけど…。」

 

???『………あん?何か………いるな………。』

 

怪物(巨大な黒いトカゲの様な何か)「グオオオオオオォォォッ!!!」ドシンッ!!!

 

一同「…ッ!?」

 

???『ちっ、邪魔が入ったか………。』

 

少女A「な、何あれ…?」

 

少年C「お、おい。じ、冗談だろ…。何だよあのバケモンはッ…!?」

 

???『まぁいい………ここを出るぞ。細かいことは実戦で覚えな。』

 

少年D「そんな!?無茶苦茶なッ!?」

 

???『ウダウダ言ってないで、ワタシの指示通りに進むんだ。遅れるなよ!!』

 

少年E「チッ、仕方ねぇ…とにかく逃げるぞッ!!!」

 

少女B「わ、分かったわ…ほらっ!アンタたち、逃げるわよッ!!」

 

少女A,少年C,D「…ッ!」ダッ!←走り出す。

 

百騎兵「ムキュ?」

 

少女B「アンタもよ!ほらっ!来なさい!」ガシッ!←小さな生き物?を抱える

 

少女Bは百騎兵を抱え走る、他の者たちも全力で逃げる・・・

 

???『そのまま真っ直ぐ進みな。』

 

するとその先に・・・

 

小さな魔物「…」ウジャウジャ

 

少年D「何かいるね…さっきの奴の仲間かな?」

 

少年E「んなことはどうでもいい…問題はここをどう抜けるかだ。」

 

少女B「さっきの奴が追ってきてる…ッ!」

 

???『キヒヒ…そういえばオマエラ、丸腰だったな。』

 

少年C「見りゃあわかんだろ!」

 

???『騎兵を名乗るなら、剣くらいは持っていないと格好がつかんぞ。ほら、武器ならこれを使いな!キヒヒ…とっておきだぞ。今度は人数分あるからな…。』

 

そう謎の声が言うと、大きな剣が目の前に現れた・・・

 

少年E「おぉっ!?なかなか良いじゃねぇか。」

 

???『名付けて、ボンクラ・ロング・ソード!!』

 

少女A「おぉー!なんかかっこいいー!」

 

少女B「ん?…ちょっと待って…ボンクラ?」

 

???『通称、ボロノ刀剣だ!!…キヒヒ…どうだ?邸宅裏の焼却炉に捨ててあった、由緒正しき、ゴミクズ剣だ。その刃の痛み具合といい、刀身の錆具合といい、実に素晴らしいボロクズ具合だろう?』

 

少年C「ゴミ押し付けてるんじゃねぇ!どこがとっておきなんだ!?」

 

少年E「な~にがボロクズ具合だッ!こんな緊急時にッ!ふざけてる場合かッ!?」

 

???『そんなゴミクズでも無いよりマシだろう?わざわざ送ってやったんだ、感謝はされど文句を言われる筋合いは無いはずだぞ………?』

 

少年C,E「ぐぬぬ………ッ!」

 

???『そんなことより…はやく先に進め!追いつかれるぞ!』

 

一同「…あッ!?」

 

少女A「そうだったー!?逃げてたんだったー!!」

 

少年D「あ、そういえば…さっきのチンチクリン君はッ!?」

 

少女B「大丈夫よ…私が抱えてき…って、あれ?いないッ!?」

 

少年E「オイオイ…まさか、落としたんじゃ「ヤッ!」ザクッ!…ん?」

 

振り返るとそこには百騎兵が小さな魔物を切り裂いていた・・・魔物からは黒い血のようなもの溢れ、そして血も魔物も消えていった・・・

 

一同「………(唖然)」ポカーン

 

百騎兵「ワキャッ!」b←指?でグーポーズしている

 

少年E「…オメェ見た目と違って、結構やるな…。」

 

少年C「それによく見ると…あんなにウジャウジャいたってのに、一匹もいやしねぇ…こいつまさか一人(?)で…?」

 

少女B「と、とにかく助かったわ。急いで先に進みましょう!」

 

一同は先に進む・・・その途中、この場に不釣り合いな家を見つける・・・

 

少女A「あら?なんでこんなところに、家が…?」

 

少年D「それに…誰かいるぞ。」

 

黄色い長髪の少女「なあ、ババア!絵本よんで!」

 

老婆「はいはい………。ちょっとお待ちよ………。」

 

そこには、黄色い長髪の少女と先端がグルグル巻きになっている大きな杖を抱え、大きな魔女の帽子?を被っている老婆がいた・・・

 

老婆「それじゃあ、昔話をしてあげようかね。」

 

黄色い長髪の少女「………昔話?」

 

老婆「むかしむかし…。ここではない、どこかの世界………。そこには、一人の魔女がいました。その魔女は………。」

 

黄色い髪の少女「ちがう!絵本だ!絵本がいい!なあ!なあったら!」

 

老婆「………。(汗)」

 

少年E「ったく、ガキはのんきでいいよな…。婆さん困ってんじゃねぇか…。」

 

少女B「まあまあ…。微笑ましいじゃない…。」

 

???『なんだ、ここは?どうして、こんなところに、ここがある?さっきの襲撃者といい、気に食わんな………。』

 

少年C「ん?あんた、この場所に見覚えがあるのかい…?」

 

少年D「それに…“襲撃者”って、なんのこt…」

 

さっきの怪物「グオオオオオオォォォッ!!!」ドシンッ!!!

 

一同「ッ!?」

 

???『ちっ、またコイツか………。先を急ぐぞ、百騎兵!』

 

少年E「…ッ!走れーーーッ!!!」

 

一同「…ッ!!」ダッ!

 

少年Eの叫びとともに、一同は再び走るが・・・

 

少女A「あっ!ちょっと待って!あの女の子とお婆さんも助けなきゃ・・・ッ!」

 

少女Aが先ほどの少女と老婆を助けに引き返した・・・それに少女Bも加わる・・・

 

少女B「あッ!危ないわよッ!!」ダッ!←少女Aを追う

 

少年E「オイ!オメェら!ったく、しゃーねぇなー………って、うん?」

 

少年C「やれやれ…仕方ねぇ…って、どうした?…うん?」

 

少年D「どうしたの…?何だ、あれ?どういうことだ?」

 

百騎兵「ムキュ?」

 

少年たちと百騎兵も手を貸そうと引き返そうとしたら、そこには妙な光景が映っていた・・・なぜなら、少女や老婆は怪物がいるにもかかわらず平然と会話していて、怪物はそんな少女や老婆には目もくれずこちらに迫っていたのからである・・・そして・・・

 

 

 

 

 

 

少女A,B「…あっ…!」

 

怪物は二人の少女の目の前まで迫っていた・・・

 

少年E「…チッ!」ダッ!

 

少年Eは、急いで二人の近くまで走ると・・・

 

少年E「…ぃよっとッ!」ガシッ!グイッ!←少女A,Bを引っ張る

 

少女A,B「きゃっ!?」

 

怪物「グオオオオオオォォォッ!!!」←巨大な前足を振りかぶる

 

ズシンッ!!!

 

少年Eは少女A,Bを引っ張り肩に抱え、怪物の一撃を間一髪躱した・・・

 

少年E「逃げるぞッ!」ダッ!←二人を抱えたまま走る

 

少女A「ちょっと、待ってよ!まだ、女の子とお婆さんがッ!!」

 

少年E「それなら、たぶん大丈夫だ…。奴の狙いは、あくまで俺たちみたいだからな・・・それに見ろ・・・」

 

少女B「何言って…ッ!…うん?(顔を上げる)…え?」

 

少女A「(同じく顔を上げる)…え?」

 

そこには、先ほどと同じように何事もなかったように会話している少女と老婆がいた・・・

 

少年E「…どうやら、あのガキんちょと婆さんにはあの怪物は見えてもねぇし、聞こえてもねぇ。そして、あの怪物も俺たち以外には見向きもしてねぇ…というか、見えてないって感じだ…。わかったら、逃げるぞッ!!」ダッ!

 

少女B「きゃっ!ちょ、ちょっと待って、走れる、走れるから!降ろして!恥ずかしいッ!!///」(赤面)

 

少女A「せめて、向きッ!向き変えてッ!!///お尻を前に向けないでッ!!///」(赤面)

 

少年C「テメェーッ!!こんな非常時になんて幸せイベント体験してんだッ!!ゴラーッ!!オレにもやらせろーッ!!!」

 

少女B「アンタも何言ってんのよッ!!///こっちの身にもなりなさいよッ!!バカーーーッ!!!///」(赤面)

 

少年D「今はそんなこと言ってる場合じゃないだろうッ!!とにかく、逃げるんだッ!!!」

 

百騎兵「ムキュ?」

 

 

 

 

 

 

全力で謎の怪物から逃げる一同・・・なんとか撒いたが・・・またしてもこの場に不釣り合いな場所を見つける・・・

 

少年E「…フゥ。なんとか撒いたな…。あ〜疲れた…。」

 

少女B「いいから!早く降ろしてッ!!!///」ジタバタ(赤面)

 

少女A「あうぅ…///」←両手で顔を覆っている(赤面)

 

少年E「あ?…ったく、うるせぇな…。ほら、よっと…。」スッ←二人を降ろす。

 

少女B「…アンタねぇ!もっと丁寧に担ぎなさいよッ!!!///」(赤面)

 

少女A「あうぅぅぅ…///」←両手で顔を覆ってしゃがんでいる(赤面)

 

少年E「…はぁ〜(ため息)。ったく、助けてやったってのに…注文の多い奴だ…。」

 

少女B「なんですってッ!!?」

 

少年D「まあまあ、落ち着いて…。今は喧嘩をしてる場合ではないだろう?」

 

少年C「そいつの言う通りだせ?それに、また変なところに来ちまったからな…。」スッ←指差す。

 

少年E,少女A,B「…うん?」(指差した先を見る)

 

少年Cが指した先には、またその場に不釣り合いな西洋の村があった。

 

少年E「…ありゃあ、…村、か?」

 

???『今度は村か………。いったい、どうなっている?』

 

少年D「なんか、お祭りをやってるみたいだね…。」

 

少女A「お祭り…ッ!?楽しそうッ!行ってみましょうよッ!」

 

少年E「おいおい…今はそんな場合じゃねぇだろ…。…ん?なんか聞こえねぇか?」

 

少女B「…え?何言って…?本当だ…なんか聞こえる…。」

 

少年D「…ん?村の連中の声じゃねぇか?村の方から聞こえるし…?」

 

一同は村の方に耳を傾ける・・・すると・・・

 

<巫女様バンザーーーーーイ!!!

 

<わ~い!お祭りっ♪お祭りっ♪たのしいな~!♪

 

<みんな…お祭りの本番は明日なのよ…。

 

<ダ~メだッ!オラ腹ペコなんだッ!!(ガツガツッ!!)

 

<そうだ!今晩は徹夜で盛り上がるぞ!

 

<いいぞぉ!!どんどん盛り上がってしまえ~!!!

 

<しかし、めでたいねぇ~この村から巫女様が選ばれるなんてよ!

 

<ボクもそう思いまs<こりゃ!お前さんたち!(ハァッ!☆)明日の祭りは、神に祈りを捧げる大事な行事なんじゃぞ!もう少し大人しくせんかいッ!

 

<お・ま・え・ら・なッ!!!少しは大人しくしろッ!!!

 

<そんなこといったってぇ~!オラもう我慢できねぇ!!!

 

<申し上げますッ!準備が整いましタァッ!!

 

<よしッ!オイ!コラ!お前たち!余興はお終いだッ!!さあ!楽しいビンゴ大会の!はじまり~!はじまり~!

 

<いいぞぉ!おまえら、その調子だ…DON☆DON☆盛り上がってしまえぇ~!!!さて、私はこの隙に巫女様と絡みあ〜う(^p^)準備だぁ!!

 

<タコもよろしいですかいwうわへへw

 

<ワシも!ワシも!

 

<オレにもやらせてくれっ!

 

<はい…一生懸命に…!

 

<いいぞぉ!みんなで絡み合おうではありませんか。俺たちの手で巫女様と絡み合うのですッ!!!

 

<オーーーーーーーーッ!!!

 

<クズ共がぁ…全員、血祭りにあげてやる…ッ!

 

<シュワットッ!!!

 

<やべっ!

 

<ふぉおっ!

 

<に、逃げるんだぁ…ッ!

 

<どこへいくんだぁ?

 

<ふぉおっ!!!(ヒュウウウウウウゥゥゥ………ドオォォォンッ!!!)

 

<もう終わりかぁ?

 

<このままでは…殺される…ひ、避難する準備だぁ!(シュタッ!ウィィィン…!)

 

<どこへいくんだぁ?

 

<お、お前と一緒にぃ…巫女様と絡み合う準備だぁ!

 

<一人用のPODでかぁ?(ガシッ!)ぬううううううう…!うううううう…!うおおおおおおおおおおッ!!!(メキッ!メキッメキッ!)

 

<どおおおぉぉぉ…ッ!良い子のみんなよ~く見ておけ地獄いってもこんな最低な計画はしてはいかんぞぉ…。(メキッ!メキッ!)

 

<あああ!ぬあああああああ!うおおおおおぉぉぉらッ!!!(ヒュンッ!!!)

 

<う~ふっふふ!ふぁ~はっはっはっはっ!あ~はっはっはっはっ!ふぁ~はぁはぁはぁはぁ!はぁ~はぁっはぁっあ~う(^p^)(ヒュウウウウウウゥゥゥ…ドオンッ!!!デデーン!!!)

 

<この俺が、そんな誘いに乗ると思ってたのか!

 

<へっへっへっへっへw今のうちに逃げろッ!悪く思うなよっwへっへっへっへっへw

 

<…と思っていたのかッ!!(ビュウッ!!)

 

<いぃ~ッ!?コラァ!少しは手加減しろぉ!

 

<手加減って、なんだぁ?ハァッ!(シュウッ!)

 

<うああああああぁぁぁッ!!!(カキーンッ!ヒュウウウウウウゥゥゥ…ドオンッ!!!)

 

<とっておきだぁ…(キュィィィィィィン…ポーヒー)

 

<ぎゃああああああぁぁぁぁぁぁッ!!!(ドオォォォォォォンッ!!!デデーン!!!)

 

<終わっt(オーーーーーーイッ!!!)ん?

 

<あと一人誰か忘れちゃいませんかっt<うるさいッ!(ポーヒー)アアアアアアァァァァァァッ!!!(ヒュウウウウウウゥゥゥ…)

 

<ウワアアアアアアァァァッ!!!ぎゃああああああぁぁぁッ!!!うwwwわwwwへwwwへwwwッ!!!(ドオォォォンッ!!!デデーン!!!)

 

<今度こそ、終わったな…所詮クズはクズなのだぁ…ハッハッハッハッハッハッ!!!

 

 

 

 

 

一同「………。」

 

少年D「なんていうか…その…。」

 

少年C「…すげぇ殺伐とした祭りだな…。」

 

少女B「そんな訳ないでしょッ!明らかに、爆発音とか断末魔とか聞こえたでしょッ!!!」

 

少女A「やっぱり、お祭りいいや…。」

 

少年E「でも、な~んか聞いたことのある声だったような…?」

 

???『…祭りだ、巫女だの浮かれて目障りだから制圧してやろうかと思ったが…その必要もなかったか…キヒヒ…イイものを見させてもらったぞ…w』

 

少年E「…アンタは楽しそうだな…ったく………ん?」

 

怪物「グオオオオオオォォォッ!!!」ドスンッ!!!

 

一同「ッ!?」

 

???『あん?またあいつか………鬱陶しい!…あん?…あいつ………。』

 

すると突然、黒い穴?のようなものが現れた・・・

 

少女B「…何、あれ?」

 

少年C「…穴?、か?」

 

???『なんだ?空間に“ひずみ”だと!?』

 

少年D「…“ひずみ”?何のこと?」

 

???『これ以上、ここに干渉するのはマズイな………出られなくなってしまうぞ。』

 

少年C「オイオイッ!それは勘弁してくれッ!」

 

???『おい、百騎兵ども!逃げるぞ!時間がない、急げ!』

 

少女A「言われなくても…ッ!」ダッ!

 

少女B「わかってるわよーーーッ!!!」ダッ!

 

???『ワタシが誘導する!出口に向かうんだ!!』

 

少年C「しっかり頼むぜッ!!」ダッ!

 

 

 

 

 

 

一同は謎の声に従い三度走る・・・しかし、そこは見覚えのある場所だった・・・

 

少年E「ハァ、ハァ…。…アン?ここさっきのガキと婆さんがいた家じゃねぇかッ!!」

 

少女B「ちょっとッ!戻って来ちゃったのッ!?」

 

少年C「オイッ!アンタッ!しっかり頼むぜって言ったろうがッ!!」

 

???『うるさいっ!似ているだけでさっきの場所とは別だッ!!』

 

少女A「ねぇ!みんな!それよりも見てさっきの女の子よッ!泣いてるみたいなのッ!」←指差す

 

少女B、少年C「え?」(指差した先を見る)

 

少年E「…アン?」(同じく見る)

 

少年D「どうやら、お婆さんがいないみたいなんだ!」

 

少女Aが指差した場所には、先ほどの少女が泣き叫んでいた・・・どうやら、老婆がいないことに泣いているようだ・・・

 

黄色い長髪の少女「うわぁーん、ババア!ババアぁぁ!!」

 

少女A「かわいそう…きっと寂しいのね…。」

 

少女B「そうよね、慰めにいきましょッ!」

 

少年E「え~!?めんどくせぇ~なぁ…。」

 

少女B「ム…ッ!アンタねぇ!よくそんなこと言えるわねッ!!あの子がかわいそうとか思わなのッ!?ホラっ!いいから手伝いなさいッ!!」

 

少年E「…へいへい。ど~せ買いもんとかに行ってるだけだろうか…。すぐに帰ってくるだろ………ん?」

 

一同が少女を慰めに行こうとすると、何もない場所から先ほどの老婆が現れた・・・

 

黄色い長髪の少女「あっ!ババア!」

 

少女A「あっ!よかった!さっきのお婆さん帰ってきたのね!」

 

少年E「ほらな、オレの言った通りじゃねぇか…。すぐに帰ってくるってよぉ…。」

 

少女B「…さっきのことは、そういうことじゃないんだけど…。まぁ、いいわ。あの子も喜んでいるようだし…。」

 

少年C「…う~ん。それにしてもさっきの婆さん。何もねぇとこから、出てきたような…?」

 

少年D「まぁ、良いじゃないか…。さぁ!ボクたちも先をいs(チラッ←少女と老婆を見る)………ッ!!?」

 

少年C「…ん?どうした?(チラッ←同じく見る)………はぁっ!?」

 

少女B「…うん?アンタたちどうしたのよ?(チラッ←同じく見る)………え?」

 

少年E「アン?どした?テメェら?急に静かになりやg(チラッ←同じく見る)………ッ!?」

 

少女A「…ッ!?………ッ!!?」←少女と老婆を見ている。

 

百騎兵「ムキュ?」←皆につられて見る

 

一同は、その光景に驚愕した・・・なぜなら・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

黄色い長髪の少女「く、ぐるじいっ!ババア!!はなじで………!!」

 

老婆「ヒッヒッヒ………。フヒヒヒヒ………。」

 

黄色い長髪の少女「ぐる………ババア………ぐる、ひぃ………。」

 

老婆「イーヒッヒッヒッヒッ!ヒィーーーーーーッ!!!!!」

 

先ほどの老婆が手をかざし、黄色い長髪の少女が宙に浮かび見えない謎の力で首を締め上げられていたからである・・・

 

少女B「…え?ちょ、ちょっと?ど、どうなってんのよ…これ?」

 

???『何だ、あのババア………。アタマのネジでも外れたか?』

 

少年E「んなこと言ってる場合じゃねぇだろッ!!!!!!あのままじゃ、死んじまうぞッ!!!!!!」ダッ!

 

少女A「…ッ!!!私も行くッ!!!」ダッ!

 

少女B「ちょっとッ!!!私も行くわッ!!!」ダッ!

 

少年C「おい!俺たちも行くぞッ!!!」ダッ!

 

少年D「当然ッ!!!」ダッ!

 

百騎兵「ワキャッ!!!」ダッ!

 

一同は、少女を救い出すべく駆け出す・・・しかし・・・!

 

 

 

 

 

バチィィィィィィッッッ!!!

 

一同「きゃあああぁぁぁッ!!!(うおあああぁぁぁッ!!!)(ヒデゥウウウゥゥゥッ!!!)」

 

見えない壁に阻まれてしまった・・・

 

少女B「ちょっと、何よコレッ!?壁ぇ!?」

 

少女A「このままじゃ…ッ!あの子が…ッ!!」

 

少年E「クソがアアアアアアァァァァァァッッッ!!!!!!」ガンッ!!!←見えない壁を殴る

 

少年Eは怒りに任せ、見えない壁を殴りつけるが・・・

 

バチィィィィィィッッッ!!!

 

少年E「グッ…!ウグゥ…ッ!!」グッ!←右手を抑えている

 

またも見えない壁に弾き返され、逆に右手を痛めてしまった・・・

 

少女B「ア、アンタ…。」

 

少年C「おい!大丈夫かッ!!」

 

少年E「チクショォ…ッ!かてぇ…ッ!!」

 

少年D「いったい、どうすれば…。このままj(グオオオオオオォォォッ!!!)…ッ!?ま、まさか…ッ!?」

 

怪物「グオオオオオオォォォッ!!!」ドスンッ!!!

 

少年D「こんな時に…ッ!!」

 

???『おいっ!オマエラッ!!』

 

一同「…ッ!!」

 

???『そんな幻を相手にしてないで、とっとと逃げろッ!!!』

 

少女B「はぁっ!?何言ってるのよッ!!これのどこが幻………(チラッ←少女と老婆を見る)………って、え?」

 

一同「…?(チラッ←同じく見る)………え?」

 

一同は、再び少女と老婆を見ると・・・そこには、苦しんでいる少女も、不気味に狂ったように笑っている老婆の姿も、そしてその二人の家らしきものも何もかもが無くなっていた・・・

 

少年C「…どうなってんだ…。女の子は?婆さんは?」

 

少女A「…もしかして、本当に…幻?」

 

少年E「…幻だとしても…胸糞ワリィぜ…。(チラッ←後ろを見る)…ッ!!あぶねぇッ!!」ガシッ!←近くにいた少女Bと少年Cを掴む

 

怪物「グオオオオオオォォォッ!!!」←巨大な前足を振りかぶる

 

少年D「あぶないッ!!」ガシッ!←少女Aと小さな生き物?を掴む

 

少年E,Dは近くにいた者(?)たちを抱え、またしても謎の怪物の一撃を間一髪躱した・・・

 

少年E「チッ…。アイツ…いつの間に…。」

 

少年D「いや…さっきから、ずっといたんだけど…?」

 

少年E「…え?………気づかなかった。」

 

少女B「私も…女の子の方しか見てなかったから…。」

 

少女A,少年C「私も(俺も)…。」

 

百騎兵「ムキュ?」

 

少年D「えぇ~…?」

 

怪物「グオオオオオオォォォッ!!!(泣)」←心なしか悔しそう

 

???『いいからッ!!急げッ!!オマエらッ!!!』

 

一同「オウッ!(はいっ!)」ダッ!

 

 

 

 

 

謎の声に怒鳴られ、一同はまた走る(どんだけ走ってんだ)・・・すると目の前に・・・

 

小さな魔物「………。」ウジャウジャ

 

少年C「またアイツらかッ!」

 

百騎兵「フキュ…ッ!」グッ!←剣を構える

 

小さな生き物?は再び戦おうと剣を握る・・・しかし・・・

 

 

 

 

 

少年E「待てや…チンチクリン…。コイツらは俺にやらせな…!」ゴゴゴゴゴ…!!!(殺気全開)

 

一同「え…!?…ッ!?」

 

少年Eの一言に一同は驚愕するが、その怒りと殺意に満ち溢れた瞳を目の当たりにし言葉を失った・・・

 

少年E「さっきのこともあってな…。今、俺はむしゃくしゃしてんだよ…ッ!!」ダッ!←魔物の集団に飛び込もうとする

 

???『いや、ここはワタシに任せろ………。』

 

少年E「…アン?」

 

ゴロゴロゴロ………ドォォォォォォンッ!!!

 

一同「…ッ!?」

 

謎の声がそう言うと、突如雷が魔物の集団に降り注いだ・・・

 

少女A「…え?今…。」

 

少女B「…なんだかわからないけど、助けてくれたみたいね…急ぎましょう…ッ!!」

 

少年E「………チッ!」ダッ!

 

 

 

 

 

一同は謎の声の助けもあって、魔物の集団を突破し再び走り出した・・・しかし、その先には・・・

 

 

 

 

 

怪物「グオオオオオオォォォッ!!!」ドスンッ!!!

 

一同「…ッ!?」

 

先ほどの怪物が・・・待ち伏せていた・・・

 

???『しつこい野郎だ………。意地でも逃がさないつもりか。しかも、この狭い空間じゃ戦闘は不可避だぞ………。…ちっ。ワタシが直接戦えれば造作のないものを。』

 

少女B「…仕方ないわね。ここは一旦引いて…(バチィィィィィィッ!!!)きゃあッ!!!」

 

少女A「…ッ!!大丈夫ッ!!?」

 

少女Bが後ろに下がろうとした途端、またしても見えない壁に阻まれてしまった・・・

 

少年E「…また見えねぇ壁か………。」

 

少年D「…逃げ道は無いってことだね…。」

 

少年C「クソッ!!万事休す、か…ッ!!」

 

???『あん?あれは………!』

 

一同「…?」

 

一同は謎の怪物を見る・・・すると、その後ろには先ほどより小さいが黒い穴?のようなものが渦巻いていた・・・

 

???『キヒヒ………いいだろう。なら相手をしてやろうじゃないか。予定変更だ!やるぞ、百騎兵たち!!』

 

一同「…え!?」

 

???『もう逃げるのはやめだ!この戦闘は不可避だと知れ!!ワタシに楯突くヤツは、すべて敵だ!あの襲撃者と、オマエラが戦うんだ!全身全霊をかけてな!』

 

少女B「ちょっと!待ちなさいよ!あんなのとどう戦えばいいってのよッ!!!」

 

少年D「ボクたちじゃ、負けるのは目に見えてる…ッ!!」

 

少年C「そうだッ!!そうだッ!!死んじまうぜッ!!!」

 

少女A「あなたは私たちを助けてくれるんじゃないのッ!?」

 

一同は謎の声からの無謀な様命令に反論する・・・

 

 

 

 

 

二人(?)を除いて・・・

 

 

 

 

 

少年E「うるせぇ…!ヤル気がねぇ奴ァはすっこんでろ…ッ!!(ボキボキッ…!←指を鳴らしている)」ゴゴゴゴゴ…!!!(殺気全開)

 

百騎兵「フキュゥ……ッ!!」←剣を構える

 

少女A,B,少年C,D「…えッ!?」

 

???『キヒヒ………!オマエラと違ってあの二人(?)はヤル気満々だぞ………!』

 

少女B「ちょ、ちょっと!アンタたちッ!!まさか、本当に戦う気なのッ!?こんな化け物とッ!!?」

 

少年E「たりめぇだ…。さっきはお預け食らって余計にイラだってたんだ…ッ!!コイツでストレス発散させてもらうぜ…ッ!!!」ゴゴゴゴゴ…!!!(殺気全開)

 

少年C「バカな真似はよせッ!!死んじまったら終わりなんだぞッ!!!」

 

少年E「…だったら、このまま大人しくアイツに殺されてもいいってのか?」

 

少女A,B,少年C,D「…ッ!!」

 

少年E「…オレァは真っ平御免だ…ッ!!どうせ逃げれねぇんだ。だったら、最後まで抗ってやろうじゃねぇか」グッ!←剣を構える

 

少女A,B,少年C,D「………。」

 

少年E「…フンっ!腰抜け共はそこで大人しくガタガタ震えてな…ッ!!」スタスタッ←怪物の方に向かおうとする

 

少女B「…待ちなさいよ…ッ!!」

 

少年E「…アン?」

 

少女B「…誰が、腰抜けですって…ッ!!私は“戦わない”なんて一言も言ってないわよッ!!!やってやろうじゃないッ!!!」グッ!←剣を構える

 

少年C「そうだぜッ!!!ここで逃げちゃあ、男が廃るってもんだッ!!!」グッ!←剣を構える

 

少年D「ボクも…腰抜けって言われて黙っているほど、大人しくないよ…ッ!!!」グッ!←剣を構える

 

少女A「…私も…こ、怖いけど………頑張る………ッ!!!」グッ!←剣を構える

 

少女A,B,少年C,Dはボロノ刀剣を握る・・・その瞳には多少恐怖はあれど、まっすぐ、覚悟を決めていた・・・

 

少年E「………ケッ!勝手にしな…ッ!!」

 

???『キヒヒ!やっと全員ヤル気になったようだな!せっかくだ、オマエラのチカラを見せてもらおうか!」

 

 

 

 

 

~VS襲撃者~

 

怪物(改め襲撃者)「グオオオオオオォォォッ!!!」

 

少年E「いくぞッ!!」ダッ!

 

百騎兵「ワキャッ!」ダッ!

 

少年Eと百騎兵は襲撃者に突っ込んで行き・・・怪物の胴体を切り付けた・・・

 

ザシュッ!ブシャッ!←黒い血?が噴き出す

 

襲撃者「グオオオオオオォォォッ!!!」←苦しんでいる

 

少年E「(意外と効くものだな…ちょっと意外だ…だが…)まだまだァッ!!!」ダッ!

 

ザシュッ!ザシュッ!ザシュッ!ザシュッ!ザシュッ!ザシュッ!

 

少年Eは襲撃者の身体に連撃を与えていく・・・

 

襲撃者「グオオォォッ!!オオオォォォッ!!!」←苦しんでいる

 

少年C「おぉっ!すげぇッ!!(キラキラッ!←感動で目を輝かせている)」

 

少年D「なんという…ッ!!連撃なんだ…ッ!!(キラキラッ!←同じく輝かせている)」

 

少女B「感動してないで、いくわよッ!!」ダッ!

 

少女Bと少年C,Dも襲撃者に突っ込むとその巨大な手?足?を串刺した・・・

 

ザクッ!!ブシュゥゥゥ…ッ!!!←黒い血?が勢いよく噴き出す

 

襲撃者「ギャオオオォォォッ!!グオオオオオオォォォッ!!!」←苦しんでいる

 

少女B,少年C,D「よしッ!!!」

 

少女A「わ、私だって…ッ!!やーーーーーーッ!!!」ダッ!

 

少女Aも襲撃者に突っ込んで行き、その頭に剣を振り下ろす・・・しかし・・・

 

 

 

 

 

ガキィンッ!!!

 

少女A「きゃあッ!!!」ドサッ!

 

少女Aの一撃は呆気なく弾き返され、その上、その反動で尻餅をついてしまった・・・

 

少女B「…ッ!!大丈夫ッ!!?」ダッ!←少女Aに駆け寄る

 

少女A「う、うん…。大丈夫…ありがとう…っ!」

 

襲撃者「グオオオオオオォォォッ!!!」ボウッ!ボウッ!ボウッ!←禍々しい玉のようなものを飛ばしてくる

 

少年E「フッ!フッ!そんなとれぇ玉なんかに当たるかよッ!!!」←躱してる

 

百騎兵「ホイッ!ホイッ!」←躱している

 

少年C「ふん!ほっ!はっ!」←躱してる

 

少年D「よっとッ!はっ!」←躱してる

 

少女B「あぶなっ!」←躱してる

 

少女A「きゃあッ!」←なんとか躱してる

 

襲撃者からの攻撃を難なく躱していく一同(一人除いて)・・・

 

襲撃者「グオオオオオオォォォッ!!!」ボウッ!ボウッ!ボウッ!←禍々しい玉のようなものを飛ばしてくる

 

少年E「ったく、学習しねぇ奴だ…。何発こy (ブンッ!バキィッ!!)っがぁ!!」ヒュゥゥゥ…←吹っ飛ばされる

 

少年Eが襲撃者からの攻撃を躱した、次の瞬間・・・襲撃者の巨大な右前足が少年Eを薙ぎ払った・・・

 

ダァンッ!メキィッ!

 

少年E「がはっ!」ズサァァァ!←地面と擦れる

 

受け身が取れず地面に背中を強打し、骨がきしみ、身体全体に痛みが走る・・・

 

少年E「う、うぐぅぅ…ッ!!(な、なんつう馬鹿力だ…ッ!!)」グッ!←左腕を抑えている

 

少年C「ッ!!おいッ!!アンタ!大丈b(ブンッ!バチンッ!!)ぐあッ!」

 

少年D「今助けn(ブンッ!バチンッ!)ぐおッ!」

 

襲撃者「グオオオオオオォォォッ!!!」ブンッ!!!←尻尾を振り回す

 

少年C,D「うわあああああぁぁぁぁぁッ!!!」ヒュゥゥゥ…←吹っ飛ばされる

 

少年C,Dが少年Eを助けようとしたが、襲撃者の尻尾に薙ぎ払われてしまう・・・

 

少年C,D「ぐはっ!」ダァンッ!←地面に背中を強打

 

少女A「みんなッ!!!」

 

百騎兵「ワァッ!!」ダッ!

 

少女B「あ、アンタ…ッ!!!」

 

百騎兵は襲撃者に突っ込んで行くと、身体を滑らせ懐に・・・

 

百騎兵「ゥヤッ!」シュッ!←剣を振る

 

ザシュッ!

 

襲撃者「グオオオオオオォォォッ!!!」←苦しんでいる

 

ダァンッ!!!←高く飛ぶ

 

百騎兵の攻撃が効いたのか、襲撃者は空高く舞い上がった・・・

 

少女B「飛んだッ!?」

 

少女A「ッ!?気を付けてッ!!」

 

百騎兵「フキュゥ…ッ!!」グッ!←身構える

 

百騎兵は、襲撃者の攻撃に身構える・・・しかし、いつまで経っても攻撃が来ない・・・

 

少女B「…?来ないわね…?」

 

少女A「…逃げちゃったとか…?」

 

少女B「…いやいや、それは無いでしょ…」

 

少年E「…グッ!………ッ!!!オメェら!避けろォ!!!」

 

少女A,B,???「…?」

 

ヒュウウウウウウゥゥゥ…

 

少女A,B「…え?」

 

ドシンッ!!!

 

少年Eが必死に叫ぶも時すでに遅し、襲撃者は空高くから勢いよく舞い降りてきた・・・

 

 

 

 

 

少女A,B「きゃあああぁぁぁッ!!!」

 

少女A,Bにめがけて・・・

 

少女B「あ、ぐ…ッ!!退きな、さい、よ…」ミシミシッ…!!←踏みつぶされている

 

少女A「…あ"、がぁ…ッ!!!」ミシミシ…ッ!!←踏みつぶされている

 

襲撃者はその巨大な前足で少女A,Bを踏みつけていた・・・次第に、踏みつける力が増していく・・・

 

ミシ…ミシ…メキィッ!

 

少女B「うぐッ!!」

 

少女A「あ"あ"あ"ぁ"ぁ"ぁ"ッ!!!」

 

骨のきしむ音と少女Aの悲鳴がこだまする・・・

 

少年D「う、ぐぅ…ッ!く、くそぉ………ッ!!」

 

少年C「たのむ………ッ!!身体………動いてくれぇ………ッ!!」

 

少年C,Dは少女A,Bを助けようとするが、先ほどの襲撃者の一撃で身体が動かない・・・

 

少年E「クゥゥ………ッ!!!ウオオオォォォッ!!!」ダッ!

 

百騎兵「ワァッ!!」ダッ!

 

少年Eは激痛走る身体を動かし、襲撃者に突っ込む・・・それに百騎兵も加勢する・・・

 

 

 

 

しかし・・・

 

 

 

 

 

襲撃者「グオオオオオオォォォッ!!!」ブンッ!!←尻尾を振る

 

少年E「ッ!!(ズキッ!)…ッ!グハッ!!」バチンッ!!←薙ぎ払われる

 

百騎兵「ハワッ!?」バチンッ!!←薙ぎ払われる

 

運悪く先ほどのダメージで回避が間に合わず少年Eは襲撃者の攻撃を受けてしまう・・・百騎兵も少年Eに気を取られ巻き込まれてしまう・・・

 

そしてそのまま・・・

 

襲撃者「グオオオオオオォォォッ!!!」ギュウウウゥゥゥ…ッ!!!←尻尾で締め上げる

 

少年E「グ、アガ…ッ!!」ミシミシ…ッ!!←締め上げられている

 

百騎兵「クキュゥゥゥ…ッ!!」ミシミシ…ッ!!←締め上げられている

 

襲撃者は少年Eと百騎兵を締め上げる・・・その力は踏みつぶしている二人同様増していく・・・

 

ミシ…ッ!!ミシ…ッ!!グキィ…ッ!!!

 

骨がきしむ鈍い音が響き渡る・・・

 

少女A,B「あ”あ”あ”ぁ”ぁ”ぁ”ッ!!!」ミシミシ…ッ!!!

 

少年E「グガアアアァァァッ!!!」ミシミシ…ッ!!!

 

百騎兵「ヒデゥウウウゥゥゥッ!!!」ミシミシ…ッ!!

 

少年C,D「やめろォォォォォォーーーーーーッ!!!」

 

少年少女と百騎兵の悲痛と苦痛の叫びがこだまする・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???『やれやれ…やはり無謀だったか………。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴオオオオオオォォォォォォッ!!!

 

襲撃者「グ、グオオオオオオォォォッ!!!」ビュウウウゥゥゥッ!!!←吹っ飛ばされる

 

突如巨大な竜巻が巻き起こり、襲撃者を吹き飛ばした・・・!!!

 

少年C,D「ッ!?」

 

少女B「ゲホッ!ゴホッ!ハァ…ハァ…た、助かった…。」

 

少女A「ゴホッ!ゴホッ!ハァ…ハァ…な、何が起きたの?」

 

少年E「ガハッ!ゲホッ!ゲホッ!…どうやら、また助けられたようだな…。」

 

百騎兵「キュゥ~。」←目を回している

 

 

 

 

 

 

ヒュウウウウウウゥゥゥ………ドオォォォンッ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

襲撃者「グオオオオオオォォォッ!!!」←地面に墜落

 

???『まぁ、今のオマエラには荷が重いのはわかっていたことだが………。やむを得ん…。』

 

少年C「…だったら、初めから戦わせるなよ………。」

 

???『うるさい!いいから、あそこ(黒い穴)に向かって全速力で走れ!!そこまでたどり着けば、あとはワタシが何とかしてやる。』

 

少年E「何とかって…無茶言うなッ!(ズキィッ!)グ…ッ!!」

 

少年C「おい!無理すんな…いいからいくぞッ!そこのチンチクリンもッ!!」ガシッ!←少年Eと百騎兵を掴む

 

少年E「…すまねぇな…。」←肩を借りている

 

百騎兵「ワキャッ!」←脇に抱えられている

 

少年C「へへw良いってことよッ!」

 

少年D「君たちも、しっかりッ!!」ガシッ!←少女A,Bを掴む

 

少女B「助かるわ…。」←肩を借りている

 

少女A「ありがとう!」←同じく肩を借りている

 

少年D「どういたしまして!」(ニコッ!)

 

少年C「…ん?(チラッ←少年Dの方を見る)…………あ”ッ!?しまったッ!!」

 

少年E「…ん?どうした?」

 

少年C「幸せイベント(少女A,Bを担ぐこと)逃したッ!!!(ガーン!!!)」

 

少年E「んなこと言ってる場合かッ!!」ガンッ!←少年Cに頭突きをくらわす

 

少年C「痛ってぇ!!おい!何もぶたなくてもいいだろ!!」

 

少年E「うっせぇッ!!いいから、急げッ!!」

 

一同は足を引きずりながらも、なんとか黒い穴?の前まで来た・・・

 

しかし・・・!

 

 

 

 

 

 

襲撃者「グオオオオオオォォォッ!!!」ドスンッ!!!

 

 

 

 

 

 

襲撃者が起き上がり、一同を追いかける・・・!

 

少年C「(チラッ←後ろを見る)…ッ!!や、やべぇ!!もう起きやがったッ!!」

 

少年D「でも…ここから、どうすれば…?」

 

???『キヒヒ!!恐れるな!飛べ!』

 

少女B「飛べって…まさか…ッ!?」

 

襲撃者「グオオオオオオォォォッ!!!」ダッ!

 

襲撃者が一同に襲い掛かる・・・!

 

一同「ッ!!!」

 

???『キヒヒ!吹き飛べッ!!!』

 

ゴオオオオオオォォォッ!!!

 

またしても突如巨大な竜巻が襲撃者に襲い掛かる・・・!

 

襲撃者「グオオオオオオォォォッ!!!」ゴオオオォォォッ!!!←竜巻に煽られる

 

少女A「また…!」

 

少女B「見て!黒い穴が…ッ!!」

 

少女Bがそう言うと同時に黒い穴?が大きく広がり巨大な穴となった・・・

 

少年E「…これは…?」

 

???『だりゃぁぁぁっぁぁッ!!!』

 

ズガアアアアアアァァァァァァンッ!!!!!!!

 

さらにその穴から巨大な翠色の腕が飛び出し、襲撃者を殴り飛ばした・・・!

 

一同「な…ッ!!?」

 

???『こいっ!百騎兵どもッ!!!』

 

百騎兵「…ッ!ワキャッ!」ダッ!

 

少年E「…ッ!いくぞ!飛び込めぇ!!!」ダッ!

 

少年C「おうッ!!」ダッ!

 

少年D「いくよッ!!」ダッ!

 

少女A「う、うん!いこうッ!!!」ダッ!

 

少女B「ちょ、ああ!もう!いってやろうじゃないッ!!!」ダッ!

 

一同は勢いよく黒い穴?に飛び込んだ・・・!!!

 

一同「きゃああああああぁぁぁぁぁぁッ!!!(うわああああああぁぁぁぁぁぁッ!!!)(ムキュウウウウウウゥゥゥゥゥゥッ!!!)」

 

すると、辺りは光に包まれ謎の声が響き渡る・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???『ワタシの名はメタリカ!オマエラの主にして、契約せし者、そして運命を紡ぐ者だ!』

 

メタリカ『これからは、こう呼べ!偉大なる沼の魔女………メタリカ様とな!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

メタリカ『キヒヒ………さぁ、ワタシと面白いことを始めようじゃないか!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これが『伝説の魔神』百騎兵と『異世界』から来た者たちと『沼の魔女』メタリカとの出会いでした・・・

 

これから先、彼らのいく末に・・・いったい、なにが待ち受けているのでしょうか・・・

 

今、物語の幕は開かれました・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~序章 幕開け 深淵の闇の中での出会い~ ~完~




いかがでしたでしょうか。
初投稿ということで張り切りすぎちゃいましたので、次回からはちょうどいい所で分けたいと思います。また、オリキャラの名前なども次回発表します。

それでは、また次回お会いしましょう。


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第一幕 魔女と森の魔女
~第1話 召喚とガムとあだ名~


謝罪:初投稿から約二週間。遅くなり、本当に申し訳ございませんでした。これからは、投稿ペースを上げられるように努力致します。

第1話です。どうぞ!


~???~

 

???「…き…ろ!」ドンッ!ドンッ!←何かを蹴っている

 

暗闇の中から声が聞こえてくる・・・

 

???「おい!…き…ろ!」ペチッ!ペチッ!←何かを叩いている

 

少女A「…う~ん。あと5分………」(寝言)

 

???「(ブチッ!)おい!起きろッ!!」ドンッ!!!←何かをおもいっきり蹴る

 

ゴロゴロゴロ………

 

ズガアアアアアアァァァァァァンッ!!!

 

声の主がそう言うと突如雷が寝ている一同に降り注ぐ!

 

一同「ぎゃああああああぁぁぁッ!!!」

 

ぷすぷすぷす・・・(焦げている)

 

少女A「いたた…なに?今の………?」

 

少年E「ったく、次から次へと………。ん?何処だここ?」

 

少年Eはあたりを見渡すと、薄暗い部屋の巨大な魔法陣の上にいた・・・

 

百騎兵「ムキュ?」

 

???「お目覚めですか?百騎兵様方………。」

 

一同「ッ!?(バッ!)」

 

一同は声のする方を見ると、そこには機械のような大男?と、その隣には大きな魔女の帽子かぶった金髪長髪の女がいた・・・

 

大男?「お喜びください。あなた方は、この薄暗くちっぽけな沼にお越しになった113年ぶりのお客!!………まあ、要するに初めてのお客様ということです。はい。」

 

少年C「…え?え?何だいったい………?」

 

少年D「沼?お客?あ~ダメだ頭が痛い………。」

 

少女B「ていうかアンタら誰?」

 

大男?「これはご挨拶が遅れました。ワタクシは、アルレッキーノ。沼の魔女リカ様の執事にしてお目付け役の誠実かつ忠実なシモベでございます。」

 

少女A「は、はぁ~…。」

 

金髪長髪の女「この………ポンコツがッ!!」ドンッ!←アルレッキーノを殴る

 

メタリカ「ワタシは、リカではない!メ・タ・リ・カだ!!まったく、何度言わせれば気が済むんだ!………と、いつもなら解体して沼の肥やしにでもしてやるとこだが………。」

 

一同「(ひでぇ………。)」

 

メタリカ「今日のワタシは、すこぶる機嫌がいい!だから、不問してやるぞ。さっきお前が、ドサクサに紛れて“沼”を“ちっぽけ”だと小バカにしたこともな。」

 

一同「(殴ってたよな(よね)…。)」

 

アルレッキーノ「おや、聞こえておりましたか。それはお耳のお手入れが行き届いており何よりでございます。」

 

少女B「(なんか、皮肉っぽいわね…。ていうかアンタはそれで良いの…?)」

 

メタリカ「ふん………。しかし、それにしてもこれが伝説の大帝………魔神“百騎兵”だと?」まじまじ←百騎兵たちを見る

 

少年E「…(また、それか…)」

 

メタリカ「その風貌、怪鳥の如き。身の丈、山の如し。禍々しい13の眼に、大地を切り裂く4本の豪腕!騎乗の兵士が如く、さっそうと天翔ける大翼は、大気を震わせ、そのうなり声は、大地を揺るがす。口と股間から火を噴き、その数、百体から成る魔神軍団………と聞いたが………。なんだ、このチンチクリン共は!………大言壮語にもほどがあるぞ!!」

 

一同「こっちのセリフだァァァァァァッ!!!」

 

メタリカ「あん?」

 

少年E「んだよ!そのヘンテコな文献みてぇなのは当てはまらな過ぎだろッ!!!だいたい俺たちのどこが怪鳥だッ!!!」

 

少女B「そうよ!そうよ!山の如しって私たちそんなにデカくないわよッ!!!」

 

少女A「ていうか、13の眼とか4本の豪腕も無いしッ!!!」

 

少年D「第一ボクらは見ての通り6人?だッ!!!百体な訳ないだろッ!!!アンタこそ大言壮語だぞッ!!!」

 

少年D「つーか、もしそれが本当なら俺の股間どうなってんだぁッ!!!口ならともかく、股間って!!!あれか?俺の炎の息子♂でもいかがかな?ってことかァァァァァァッ!!!」

 

百騎兵「ムキュ?」←わかってない

 

メタリカ「うるさぁぁぁぁぁぁいッ!!!」

 

ズガアアアアアアァァァァァァンッ!!!

 

メタリカは一同に向けて再び雷を落とした・・・

 

一同「ぎゃああああああぁぁぁッ!!!」

 

メタリカ「………ったく、やかましい連中だ………。」

 

アルレッキーノ「しかし、リカ様。大魔女ウルカの書かれた“魔女ドクトリン”にあります記述なれば………。」

 

メタリカ「メタリカだ!まあな………。くだんの書に書かれていること。間違いはあるまい………。」

 

アルレッキーノ「しかし、これで長きにわたる大帝召喚の儀もついに完成でございますね。」

 

少年E「…んにゃろう…ッ!よくもやり………ッ!!」

 

少年Eを始め、起き上がる一同で会ったが…突如“ある感覚”に襲われる・・・!

 

 

 

 

 

 

ぐきゅるるるるるるぅぅぅ………

 

 

 

 

 

 

一同「腹減った(お腹すいた)(ムキュゥ)………。」

 

“空腹”である・・・

 

メタリカ「キヒヒ………。まだ終わってないぞ、アルレッキーノ。最後にこいつらの存在を現世に確定させてやらねばな。」

 

アルレッキーノ「なるほど、承知いたしました。エサ………もとい、お食事の準備でございますね。では、ワタクシ、腕を振るってとっておきの馳走を用意させていただきましょう。」

 

少女A「馳走…?ごはんッ!!」

 

少女B「ていうか、今、“エサ”って………まぁいいや………。」←あまりの空腹でツッコミ放棄

 

メタリカ「それには及ばん。おい。この間お前が拾ってきたガムはあるか?」

 

アルレッキーノ「………?ガムなら、こちらにございますです。はい。」スッ←ガムを渡す

 

メタリカ「ん…(ひょいっ…パクッ←ガムを受け取り口に放り込んだ)。もぐもぐ(クチャクチャ)………こんなマズイものでも役に立つことはあるものだ………。おい。まだあるか?」

 

アルレッキーノ「え、えぇ………。こちらに。はい。」スッ←ガムを渡す

 

そう言うとメタリカはまたしてもアルレッキーノからガムを受け取り再び口に放り込み、これを計6回繰り返した・・・すると・・・

 

メタリカ「もぐもぐ(クチャクチャ)………。………ぺっ!ぺっ!ぺっ!ぺっ!ぺっ!ぺっ!ほら、喰え!」

 

一同「………え?」

 

メタリカは噛みかけのガムを一同の目の前に吐き出し、それを食えと言ったのだ・・・!!?

 

アルレッキーノ「………確かに百騎兵様方は、至高なる料理の味も香りも到底理解できそうにないボンクラ具合でございますが………。それは、いささかやりすぎというもの。噛みかけのガムとはあまりにあまり。よほどのマニアか犬畜生でもなければ………。」

 

アルレッキーノの言うことももっともである・・・普通ならここでブチギレてもおかしくないのだが・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それはあくまで“普通なら”の場合・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少女A「わ~い!ごはんだぁ!(パクッ!)もぐもぐ………。」

 

百騎兵「フキュウッ!(パクッ!)モグモグ………。」

 

少年E「(パクッ!)…モグモグ………。」

 

少女B「ありがとう!(パクッ!)…もぐもぐ………。」

 

少年D「助かったよ…(パクッ!)…もぐもぐ………。」

 

少年C「ありがとうございますッ!!!ありがとうございますッ!!!(パクッ!)もぐもぐ………。」

 

一同はあまりの空腹で無意識にガムを口に放り込んだ・・・感謝の言葉も込めて(というか一人明らかにおかしいが)・・・空腹とは恐ろしいものだ・・・

 

アルレッキーノ「………召し上がられましたね。」

 

メタリカ「………うむ。見事なバカだな。」

 

ゴクリ・・・

 

一同「…ッ!!!」ゴォンッ!!!

 

一同がガムを飲み込むと突如身体全体に力のようなものが流れ込んできた・・・

 

少女A「な、何?今の?」

 

メタリカ「キヒヒ………!これでオマエたちは現世の住人となったぞ。」

 

少年E「…ふ~ん。よくわからんg………ん?」

 

少年C「どした?」

 

少年E「…いや、さっき俺たち………。」

 

少女B「さっき?」

 

一同「…………………………………あっ。」

 

メタリカ「キヒヒ………!さっきのガムはうまかったか?wバカどもw」

 

一同「あああああああああああああああああああああああああああああああッ!!!!!!///(絶叫&赤面)」

 

少女A,少年D「ウエッホッ!!!ゴホッ!ゴホッ!」

 

少年E「てんめぇ!!!なんつうもん食わせてんだ!!!ゴラァァァッ!!!!!!」

 

少女B「そうよ!!!飲んじゃったじゃないッ!!!ゴホッ!ウエッホッ!!」

 

百騎兵「フシュゥゥゥルルル………。」

 

メタリカ「キヒヒ………。そこのチンチクリンはしゃべることはできないようだが、えらく威勢が良くなったなオマエラ。」

 

少女A「えっ!?い、いや~///」

 

少年D「褒めてねぇよッ!!」

 

少年E「テメェ…!!!覚悟は出来てんだろうな…!!!」ゴゴゴゴゴ…!!!(殺気全開)

 

メタリカ「どうした?怒っているのか?」

 

一同「当たり前だ(でしょ)ッ!!!」

 

メタリカ「やれやれ…。さっきはあんなにうまそうに食っていたくせに…。しかも、ワタシにお礼まで言って…。」

 

少女B「あ、あれはッ!あれよ!あれ!空腹で気が動転して………。」

 

メタリカ「そこのオマエ(少年C)なんか、気持ち悪いぐらいに貪っていたな………。」

 

少女A,B「うわぁ………。(ドン引き)」

 

少年E「流石に、引くわぁ………。(ドン引き)」

 

少年D「………。(ドン引き)」サッ←少年Cから少し離れる

 

少年C「ちょ、おいッ!!オマエラはこっち(少年Cサイド)の味方だろぉ!!?」

 

百騎兵「………。」テクテク…←少年Cから離れる

 

少年C「お前もかぁ!!?」

 

メタリカ「………。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

メタリカ「オマエラ…!!!」ギロッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一同「ッ!!?」ゾクッ!

 

メタリカ「ワタシとやる気か?」ゴゴゴゴゴ…!!!

 

少女B「(な、何ッ!?この…感覚…!?)」

 

少年D「(今まで感じたことのない…得体の知れない…“何か”に睨まれているような…。)」

 

少年C「(見た目はなかなかのナイスバディなパツキンのちゃんねぇなのに…なんだ、この悪寒は…!!?)」

 

少女A「(こ、こわい………。)」

 

少年E「(こいつ………ただ者じゃねぇな………。面白れぇ………!!!)」ゴゴゴゴゴ…!!!(殺気全開)

 

百騎兵「フシュゥゥゥルルル…!!!」

 

メタリカから発せられる得体のしれない気配に、一同は畏怖するが、少年Eと百騎兵は畏怖するどころか逆に闘志を燃やしていた・・・

 

メタリカ「言わなかったか?ワタシに楯突くヤツは、すべて敵だって。」ゴゴゴゴゴ…!!!

 

少女B「(マ、マズイ…ッ!!)」

 

少年D「(やられる…ッ!!)」

 

少年E,百騎兵「…ッ!!」グッ!←構える

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

メタリカ「………なんてな♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一同「………へ?( ゚д゚)ポカーン」

 

メタリカ「まぁ、今回はそこのチンチクリンも自分の意志をもったばかりだし、オマエラも訳の分からん状況だからな。特別に大目にみてやる。」

 

少女A,B,少年C,D「フゥ………。」

 

百騎兵「ムキュ?」

 

少年E「………フン。」

 

メタリカ「ふん…。」パチンッ!

 

ポォウッ!

 

メタリカが指を鳴らすと、かぶっていた大きな魔女の帽子が消えた・・・

 

アルレッキーノ「さて、あと残すは契約の儀のみ………ということでございますね?」

 

少年D「…まぁ、いろいろとわからないけどボクらは“魔神”ってことになっているみたいだからね。」

 

メタリカ「いいや、契約はもう済んでいる。」

 

少年D「…え!?」

 

少女B「いつの間に…?」

 

メタリカ「オマエラをあちらの世界から出す前にオマエラの“大事なもの”を頂いたのさ。」

 

少女A「えぇッ!?」

 

アルレッキーノ「なんと、左様でございましたか。なんたる早業!このアルレッキーノ、感服いたしました。」ペコリ←お辞儀している

 

百騎兵「ムキュ?」

 

少年E「テメェ…何とりやがった?」

 

少年C「まさか…!(ガサゴソ…!←股を確かめる)………大丈夫だ、ある…。」

 

メタリカ「そんなもん…とってる訳ないだろう…。(呆れ)」

 

少女A,B「うわぁ………(ドン引き)」

 

少年C「いやいや、コレは男としての“証”。大事なもんだろうッ!なぁッ!!」

 

少年D「なぁ!と言われても…うん、まぁ………。」

 

少年E「大事っちゃあ、大事だな………うん。」

 

少年C「そうだろう!そうだろう!」

 

百騎兵「…ムキュ?」

 

メタリカ「フゥ………。オマエラまるでわかってないな。まあ、あまり気にしないことだ。どうせ、たいしたもんじゃないからな。キヒヒ!」

 

少女A「そう言われると、逆に気になるのよねぇ…。」

 

一同「うんうん…。」

 

メタリカ「では、あとは………。」スッ←手をかざす

 

一同「………?」

 

メタリカが一同に手をかざすと、一同の身体に電流のような痛みが走る・・・!

 

一同「…グッ!?」ビリビリ…ッ!!

 

メタリカ「最後の仕上げだ。」

 

少年E「…ってぇッ!!何しやがる!!」

 

少年D「今度は、何を………ん?(チラッ←百騎兵の方を見る)」

 

少年Dが百騎兵の方を見るとそこには、頭についている燭台から青白く輝く炎が出ていた・・・

 

少女B「え!?ちょ、ちょっと、アンタ大丈夫!?」

 

百騎兵「…ムキュ?」

 

少年C「大丈夫…そうだな…。」

 

メタリカ「重要なことを言うぞ。よく聞けオマエラ。」

 

一同「…ん?」

 

メタリカ「それは契約のトーチ。燃えているのは魔力の炎。オマエラの存在が現世に固定されたといっても、ワタシの魔力なしでは、すぐに動けなくなる。炎は消えれば、オマエラはあちらの世界にも帰れず、こちらの世界にも干渉できず永遠に狭間の世界を漂う存在となろう。」

 

少年D「なるほど、要するにこの炎を消さないようにすればいいという訳だな。」

 

メタリカ「そうだ。そいつの頭上に炎が灯されている限りは、オマエラは自由に動くことができる。あとは、その炎が消えるまでにやることをやればいい。」

 

少女B「消えるときは、消えるのね…。」

 

少年C「やることを、やる………。ハッ!まさか…!」

 

メタリカ「言っておくが、オマエの考えているようなことではないからな………。」

 

少年C「チェ………。」

 

少女A,B,少年D,E,百騎兵「………。(ジト目)」

 

少年C「そんな目で見ないでくれ………ツライから………。」

 

メタリカ「ホオン!………え~つまり、さすれば、契約は終了し、オマエラは元の場所に戻ることができよう。」

 

少年E「フン………。で、俺たちは何をすればいい?」

 

メタリカ「まぁ、待て。その前に、オマエラにはひとつ試験を受けてもらおうか。」

 

少年D「試験?」

 

メタリカ「オマエラが本当に“百騎兵”なのかどうか、照明してもらわないことにはな………。」

 

少年E「…こっちもお前らのことを信用したわけじゃないがな………。」

 

メタリカ「ふん…まぁ、もっともだな…。だが、オマエラに拒否権は無いはずだぞ………キヒヒ…!」

 

少年E「…フン。」

 

少女B,少年D「………。」

 

少女A,少年C「………?」

 

百騎兵「…ムキュ?」

 

メタリカ「いいから、ついてこい。百騎兵ども………。」

 

少女A「………。」

 

 

 

 

 

 

 

 

少女A「………ねぇ。ちょっと。」

 

出口に向かおうとするメタリカに少女Aが呼びかける・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

メタリカ「アン?」

 

少女A「…その“百騎兵”って呼ぶのやめない?」

 

少女A以外「ッ!?」

 

メタリカ「何だと?」ギロッ!

 

少女B「ちょ、バカァ!(ガバッ!←少女Aの口を塞ぐ)余計なこと言わないの!(ボソボソ)」

 

少年C「あいつがヤベー奴だってことはさっきわかったろ!(ボソボソ)」

 

少女A「むぐむぐ…でもぉ…私たち全員“百騎兵”じゃあ、ややこしいでしょ?」

 

少女B「…確かにそうねぇ。」バッ←手を放す

 

少年D「…あだ名をつけるというのはどうかな?」

 

少女A「お、それ良いねぇ!」

 

メタリカ「ふむ………。なら、ワタシがつけてやろう!」

 

少女A「え!?いいの?ありがとう!」

 

メタリカ「正直、ワタシもややこしいと思っていたところだ。せっかくだ、オマエラの記憶を読みそれに合った名をつけてやろう。」

 

少年E「…自覚はあったんだな。」

 

少年C「…ていうか、記憶を読むか。もう何でもありだな………。」

 

メタリカ「むむむ………!!!」

 

メタリカが念じると、その金色の長い髪が波打つ・・・!

 

メタリカ「ふむ………。なるほど………出来たぞ!」

 

少女A「おぉ!早く!早く!(ワクワク)」

 

メタリカ「ふふ♪いいだろう。オマエから順に名付けてやろう。」ビシッ!←少女Aを指差す

 

少女A「(ワクワク)」

 

メタリカ「オマエラの名は………。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

メタリカ「『血桜(ブラッディ・ブロッサム)』ッ!!!」

 

少女A「………。」

 

メタリカ「『殺戮の息吹(ジェノサイド・ブレス)』ッ!!!」ビシッ!←少女Bを指差す

 

少女B「………。」

 

メタリカ「『死者の海(アンデット・オーシャン)』ッ!!!」ビシッ!←少年Cを指差す

 

少年C「………。」

 

メタリカ「『悪霊の石(ゴースト・ストーン)ッ!!!』」ビシッ!←少年Dを指差す

 

少年D「………。」

 

メタリカ「『怒りの破壊者(アングリー・デストロイヤー)』ッ!!!」ビシッ!←少年Eを指差す

 

少年E「………。」

 

百騎兵「(ワクワク)」←期待してる

 

メタリカ「…ま、こんなところだろ。どうだ!良い名だろう?」

 

百騎兵「(ガーンッ!!!)」

 

一同「却下ッ!!!」

 

メタリカ「はぁっ!?」

 

少女A「…なんか、可愛くな~い。」

 

少女B「ダサい…。」

 

少年C「…痛々しい。」

 

少年D「…恥ずかしい。」

 

少年E「中二乙。」

 

アルレッキーノ「リカ様。今のは流石に無いかと思います。」

 

百騎兵「…ムキュ?」←わかってない

 

メタリカ「(カァ!///)う、うるさぁぁぁぁぁぁいッ!!!///(赤面)」バッ!←手をかざす

 

メタリカは恥ずかしさのあまり一同(アルレッキーノを含め)に雷を落とした・・・!!!

 

ゴロゴロ………!!!

 

ズガアアアアアアァァァァァァンッ!!!

 

一同「ぎゃああああああぁぁぁッ!!!」

 

メタリカ「ふんっ!さっさとこいッ!!!///(赤面)」ズンッ!ズンッ!←出口に行く

 

メタリカは不貞腐れながら、出で行った・・・

 

少女A「いたた………!容赦ないわね………。」

 

少年E「本当のこと、言っただけなのによぉ………。」

 

アルレッキーノ「申し訳ございません。リカ様は、恥ずかしがるとすぐに暴りょ…あ、いえ、少し過激になるのでございます。はい。」

 

少女B「何よ…それ…。」

 

少年C「………それより、どうするよ?」

 

少年D「…何が?」

 

少年C「あだ名だよ、あだ名。」

 

少女A「…じゃあ、私たちで決める?」

 

少女B「そうね、さっきよりはマシでしょ。」

 

百騎兵「ワキャッ!」

 

少女A「じゃあ!私から!私は………ハナ!」

 

ハナ(少女A):

見た目:身長は145cmぐらい。薄いピンクのショートツインテール。

服装:ピンク色の軽鎧。

性格:明るく、優しい。

一人称:「私」。

 

少女B「じゃあ、次は私ね。私は………サキ。」

 

サキ(少女B):

見た目:身長は160cmぐらい。薄い水色のショートストレートヘア。

服装:水色の軽鎧

性格:クール。責任感がある。ときどき、ツンデレ。

一人称:「私」。

 

少年C「次は、俺だな!俺は…カイ!よろしくな!」

 

カイ(少年C):

見た目:身長は165cmぐらい。濃い青の短髪。

服装:青色の軽鎧。

性格:明るく、男気がある。ときどき、変態化する。

一人称:「俺」。

 

少年D「次は、僕だね。僕は………イシグモ。よろしく!」

 

イシグモ(少年D):

見た目:身長は155cmぐらい。薄灰色の短髪。

服装:灰色の軽鎧。

性格:優しく、大人しい。頭脳派。

一人称:「僕」。

 

少年E「………コウだ。」

 

コウ(少年E):

見た目:身長は170cmぐらい。黒髪のハーフヘアー。

服装:黒色の軽鎧。

性格:荒々しい。戦闘慣れしている。

一人称:「俺」。

 

ハナ「よしッ!これで、決まったわね!これからよろしく!」

 

サキ「よろしく!」

 

カイ「よろしくな!」

 

イシグモ「よろしく!」

 

コウ「………よろしく。」

 

百騎兵「ワキャッ!」ピョン!ピョン!←跳ねてる

 

アルレッキーノ「それでは、皆様。リカ様がお待ちですのでどうぞこちらへ………。」スタスタ←出口に向かう

 

サキ「さ、いくわよ。」スタスタ

 

ハナ「はーい!」スタスタ

 

カイ「お前が仕切るのかよ…。」スタスタ

 

サキ「何よ…文句ある?」

 

カイ「いや、別に?」

 

イシグモ「まあまあ…。」

 

コウ「いいから、いくぞ。」スタスタ(早足)

 

サキ「なによ………って足はやッ!」

 

ハナ「ちょっと!待ってよ~!」スタスタ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アルレッキーノの案内されて出口に向かう一同・・・果たして、沼の魔女メタリカの言う“テスト”とは?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハナ「あ、そういえば。あの可愛い子(百騎兵)の名前、どうする?」

 

百騎兵「ムキュ!(パァァァッ!!!)」

 

カイ「そうだなぁ。何がいいかな?」

 

サキ「本人に聞けばいいでしょ。」

 

ハナ「そうね。ねぇ、どんなあだ名がいい?」

 

百騎兵「ワキャッ!ムキュッ!ムキュムキュ!フッキュゥゥゥウッ!!!」←手でジェスチャーしながら。

 

ハナ「ゴメン…全然、わかんない…。」

 

コウ「そのまんま、“百騎兵”でいいだろう。一番シックリくるし………。」

 

ハナ「ん~…それもそうね!これからよろしく!百騎兵!」

 

百騎兵「(ガーンッ!!!)」

 

イシグモ「…まぁ、きっといつか、良いあだ名をつけてもらえるよ…。」

 

百騎兵「フキュゥ…(ズゥゥゥン…)」←落ち込んでいる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この始末☆

 

はてさて、この先どうなりますことやら・・・




改めて、小説を書く難しさを実感しました。次回はなるべく早く投稿できるよう頑張ります。

それでは、また次回!


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~第2話 沼の魔女の野望と試験~

前回のあらすじ・・・

『沼の魔女』メタリカに召喚された一同・・・

ガムを食べさせられたり、雷に打たれたり、変なあだ名をつけられたりと散々な目に遭う・・・

しかし、彼らに拒否権などあるはずもなく不満を抱きつつもメタリカの“テスト”を受けることとなる・・・

あだ名を自分たちで名付け、メタリカのいる“外”へ向かう、ハナ、サキ、カイ、イシグモ、コウ、そして百騎兵・・・

果たして、一同に待ち受けるメタリカのテストとは?



~ニブルヘンネの魔女邸~

 

メタリカ「見よ、百騎兵ども!この素晴らしき我が沼を!」

 

辺りを見渡すと、辺り一面翠色の沼?が広がっていた・・・

 

ハナ「おぉ~!すごい!」

 

サキ「何これ?」

 

メタリカ「かぐわしき、朝沼の香り………!100年物のねばねばチーズに生えた宝石カビの如き深緑………!そして、ジメジメと湿りきったこの空気………!どうだ!最高だと思わないか?この匂いを嗅ぐだけでも、体の芯までチカラが漲るというものだ!」

 

カイ「例えがわからないが………まぁ、すげぇな。」

 

イシグモ「最高か、どうかはわからないけど………。」

 

メタリカ「だからこそ、世界を沼で沈めたい!それこそがワタシの崇高なる望み!!慈しむが故に世界を沼で満たしたい!それがワタシの偉大なる使命ッ!!世界が沼で満ち満ちたときオマエラは契約を履行したものとして開放されることだろう!」

 

コウ「…要は、“世界を沼で満たすこと”がお前の“野望”であり、俺たちの“やるべきこと”って訳、か………。」

 

メタリカ「“野望”ではない、偉大なる“使命”だ。だが、まぁ。端的で言えばオマエの言う通りオマエラの任務は、“世界を沼で満たすこと”。そういうわけだ。」

 

アルレッキーノ「お分かりいただけましたでしょうか。百騎兵様方。この沼は、あらゆる生き物を死に至らしめる猛毒の沼………いえ、大変素晴らしい沼でございます。はい。」

 

ハナ「気のせいかな?今、毒沼って言ったよね?毒沼って言ったよね?」

 

サキ「きっと気のせいよ………。もし、本当に毒沼なら私たちも無事じゃないわ。(現実逃避)」

 

カイ「だよな~いや~アルレッキーノさんも冗談きついんだから~はっはっは………。(現実逃避)」

 

コウ「…気のせいじゃねぇぞ。お前ら………現実を見ろ。」

 

イシグモ「やれやれ…。」

 

百騎兵「…ムキュ?」

 

メタリカ「………あん?おかしいな………この沼、なんか少し干上がってないか?」

 

コウ「アン?初めから、こんなんじゃねぇのか?」

 

メタリカ「う~む。前は、もう少しあったような………?」

 

アルレッキーノ「いいえ。それは、気のせいでございましょう。長きに渡る召喚の儀にて、お疲れなのでございますよ、きっと。」

 

メタリカ「………そうか?ならいいが………。」

 

ポォウッ!

 

メタリカは瞬間移動で百騎兵たちの前に箒の乗った状態で現れた・・・

 

コウ「…今更、もう驚かないぞ。」

 

メタリカ「なんだ、もう慣れたのか………。つまらんが、まぁいい。さて、百騎兵どもよ。沼の素晴らしさを理解したところで、さっそく試験の話をしようか。」

 

コウ「…いまいち、理解してねぇが。まぁいい、何をすればいいんだ?」

 

百騎兵「…ムキュ?」

 

メタリカ「キヒヒ………。なあに。ほんの、お遊戯みたいなものさ。」

 

イシグモ「…お遊戯?」

 

メタリカ「オマエラはこれから森に出向き、いまわしい“ピラー”をブチ壊すんだ。」

 

コウ「…“ピラー”?」

 

アルレッキーノ「補足いたしましょう。“ピラー”とは、この世界に点在する“柱”でございます。誰が名付けたかは存じませぬが正式には、ピラー・オブ・テンペランス。“節制の柱”にございます。それを破壊されるのが試験でございます。」

 

メタリカ「………ということだ。簡単だろう?オマエラが伝説の百騎兵ならな。まずは、これができないと話にならんぞ。できなければ、オマエラは粗大ゴミ同然だ。」

 

アルレッキーノ「出来なければ、お払い箱ということでございます。はい。」

 

イシグモ「…二回も言わなくていいよ。」

 

コウ「…で、その“ピラー”ってやつの場所は?」

 

メタリカ「まぁ、目立つから見ればすぐにわかるさ。」

 

コウ「…目立つからって、んなてきとうな………。(呆れ)」

 

メタリカ「それじゃあ、あとの説明は任せたぞ。アルレッキーノ。」

 

アルレッキーノ「かしこまりました、リカ様。」

 

メタリカ「“メタリカ”だ。」

 

アルレッキーノ「では、百騎兵様方。こちらに。」

 

メタリカ「と、その前に………。そこの三人は何をしてるのだ?」

 

コウ,イシグモ「…ん?」

 

メタリカが視線を向ける先には・・・口を手で覆っている、ハナ、サキ、カイの三人だった・・・

 

三人「………。」

 

アルレッキーノ「なんでも、沼の瘴気を吸わないように手で塞いでいるそうです。はい。」

 

メタリカ「…オマエラな~。(呆れ)」

 

コウ「…はぁ、お前ら大丈夫だぞ。」

 

三人「………!」

 

イシグモ「どうやら、僕たちにはこの沼の毒は効かないみたいだからね………。僕たちがその証拠さ。」

 

百騎兵「ワキャッ!」

 

ハナ「…ほんと?」

 

メタリカ「当たり前だ。ワタシがワタシの沼に耐えられないものを呼び出すものか!」

 

カイ「…ほんとに、大丈夫みたいだな………。」

 

サキ「フゥ~。慌てて損した…。」

 

コウ「…ったく、さっきの聞いてたろ。いくぞ。」

 

アルレッキーノ「では、こちらに…。」スタスタ

 

一同はアルレッキーノについていった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

メタリカ「(キヒヒ………この試験をパスして期待に応えてみせろよ、百騎兵ども♪)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アルレッキーノ「では、ワタクシから説明をば。」

 

コウ「オウ。」

 

アルレッキーノ「リカ様はこの沼でお生まれになった沼の魔女様ゆえに、沼が三度の飯より大好きなのでございます。」

 

カイ「…沼フェch…サキ「やめい。(バシッ!)」ってぇ!」

 

アルレッキーノ「そして、面倒くさいので………いえ、愛ゆえに沼がないところになど足を踏み入れたくもないのです。はい。」

 

一同「………(呆れ)。」

 

アルレッキーノ「よって沼のない場所の地理はあまりお詳しくないのでワタクシが独自に調査した地図をお使いくださいませ。近辺のみの地図ですがピラーの位置も記してございます。きっと皆様のお役に立つことでしょう。」スッ←地図を渡す

 

ハナ「ありがとう!」←地図を受け取る

 

アルレッキーノ「あと、それと………。こちら、槍鎌と鈍槌のみでございますが武器一式でございます。」

 

コウ「ほう…。気前がいいな。」

 

アルレッキーノ「皆様が、試験をクリアしてくれないと困りますので………。」

 

サキ「アルレッキーノ………。」

 

カイ「へへwありがとよ。」

 

アルレッキーノ「もし…クリアできなければリカ様はワタクシも含め、この辺り一帯のマナニアに八つ当たり………いえ、悲しさのあまりお心を傷つけてしまいますです。はい。」

 

一同「………(呆れ)。」

 

イシグモ「ま、まぁとにかく…どれ使う?」

 

コウ「勝手にしろ、俺はこの剣一本で十分だ。」

 

サキ「もう、感じ悪いわね。」

 

カイ「まぁ、本人がいいって言ってんだからいいだろ?あ、俺は槍鎌を使うぜ。」

 

ハナ「まぁ、そうね。じゃあ、私は………私も剣でいいかなぁ。」

 

イシグモ「僕は………槍鎌かな。」

 

百騎兵「ワキャッ。」

 

ハナ「あら、キミは全部使うの?」

 

百騎兵「ワキャッ!」

 

サキ「いやいや、アンタのそのちっこい体のどこにしまうのよ。」

 

百騎兵「ムゥ…。」スッ←武器に触れる

 

百騎兵が武器に触れるとその武器は百騎兵に吸い寄せられるように消えていった。

 

一同「ッ!?!?!?」

 

ハナ・カイ「えぇぇぇぇぇぇッ!?」

 

サキ「アンタ!?どこしまったのよ!?(まじまじ)」←百騎兵を調べている

 

イシグモ「この小さな体のどこに………。(まじまじ)」←百騎兵を調べている

 

コウ「ふ~ん………。(ホジホジ)」←興味なし&鼻ほじっている

 

百騎兵「ムキュ?」

 

 

 

 

数分後・・・

 

 

 

 

イシグモ「結局、分からなかった………。」

 

コウ「いいから、早く行くぞ。」

 

サキ「ちょっと!私、まだ決まってないわよ!」

 

アルレッキーノ「申し訳ございませんが、サキ様。もう、コレしかございません。」スッ←鈍槌を渡す

 

サキ「なんでぇ!?」

 

コウ「さっき、オマエラがソイツ(百騎兵)を調べてるときになんか頭に釘みたいなもんが刺さったちっせえガキがそれ以外みんな持って行っちまったぞ。」

 

サキ「何よソレぇぇぇ!!?なんで止めないのよ!!?」

 

コウ「別に、俺には関係ねぇし。」

 

サキ「アンタねぇ…!!!」ゴゴゴゴゴ…!!!

 

ハナ「ごめん…この子(百騎兵)のことに夢中で………。」

 

サキ「あ…良いのよ。アンタは悪くないわよ。」

 

コウ「………?」

 

イシグモ「アルレッキーノさん。本当にアレしかないのですか?」

 

アルレッキーノ「はい。他の武器はすべて“ミール”様が持って行ってしまいました。おそらく、もうすでに住処に帰っていると思われます。はい。」

 

カイ「どこだ?住処って?」

 

アルレッキーノ「この魔女邸の裏の焼却炉に住んでおりますが、おそらく、まだお会いすることはできないでしょう。ですので申し訳ございませんが、サキ様。こちらをお使いくださいませ。」スッ←鈍槌を渡す

 

サキ「何よ!それぇ!?」

 

カイ「まぁ、良いじゃねぇか。せっかくだし、使ってみろよ。」

 

イシグモ「案外、良い感じに馴染むんじゃないかな?」

 

サキ「むぅ…。そう言われてもな~。」

 

コウ「………大丈夫だ。お前なら、使いこなせる。」

 

サキ「アンタの言葉は、今一番信用できないわ。」

 

コウ「………フン。」

 

ハナ「まぁまぁ。仲良くしましょ♪ね、サキちゃん♪コウくん♪」

 

サキ「ハナちゃん…。わかったわよ。」

 

コウ「………フン。」

 

サキ「…剣もいいけど、まぁ…せっかくだし、使ってやるわ!」スッ←鈍槌を受け取る

 

ハナ「よしッ!全員決まったわね!それじゃあ、ピラー探しにしゅっぱーーーつッ!!!私たちの手でピラーを探し出すのですッ!!!」

 

一同「オォーーーーーーーッ!!!」

 

サキ「………やって思ったけど。何これ?」

 

ハナ「………さぁ?」

 

コウ「おい。やった張本人。」

 

ハナ「いや、なんとなく“やらねきゃッ!”と思って………。」

 

カイ「………なんだろう。なんとなくわかるのは気のせいか?」

 

イシグモ「………しかも、なんだろう。初めてなのに…なんか、何度も聞いたことがあるような………?」

 

百騎兵「ムキュ?」

 

アルレッキーノ「それでは、皆様。森にある“ピラー”ことピラー・オブ・テンペランスの破壊。お気を付けて行ってらっしゃいませ。」ペコリ(お辞儀)

 

一同は、アルレッキーノに見送られピラー・オブ・テンペランスがあるという“森”を目指す・・・

 

 

 

 

 

沼の魔女メタリカの試験を受けることとなった百騎兵たち・・・

 

その内容は、“森にあるピラー・オブ・テンペランスを破壊する”こと・・・

 

果たして、一同はこの試験をクリアすることができるであろうか・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハナ「………ところで、この地図…どうやって見るの?」

 

サキ「え~、しょうがないわねぇ。ちょっと、見せて。」

 

ハナ「はい。」スッ←地図を渡す

 

サキ「…え~と、う~んと。あれ?(まじまじ)」←地図を見ている

 

イシグモ「…ちょっと、見せてもらっていい?」

 

サキ「…うん。コレ………。」スッ←地図を広げ見せる

 

イシグモ「…どれどれ?(まじまじ)」←地図を見ている

 

カイ「…俺にも見せてくれ。」←地図を見ている

 

コウ「………やれやれ、どした?………ん?」←地図を見ている

 

百騎兵「ムキュ?」←地図を見ている(コウの肩に乗って)

 

一同「………。」←地図を見ている

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一同「どうやって読むんだ?この地図?」

 

この始末☆

 

はてさて、この先どうなりますことやら・・・




今年もあと少し。せめて、この章の最初のボスのところまで書きたいと思います。


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~第3話 ピラー発見!?~

~前回のあらすじ~

『沼の魔女』メタリカに召喚された、ハナ、サキ、カイ、イシグモ、コウ、そして百騎兵。

メタリカの野望もとい、使命は『世界を沼で満たすこと』・・・

それが一同に課せられた契約でもあった・・・

契約執行前にメタリカから試験を言い渡され、彼女の執事であるアルレッキーノから地図と武器一式を渡され意気揚々と森へ向かう・・・

が、地図が読めなかった・・・

この調子で大丈夫だろうか・・・


~ウーズの森 ウーズの間道~

 

サキ「はぁ~…まさか、出だしからこうもグダるとは………。」スタスタ

 

コウ「それは、言わねぇお約束だぜ………。」スタスタ

 

前回、地図の読み方が分からず結果として一度魔女邸に引き返しアルレッキーノから地図の読み方を教わる羽目となった一同・・・意気揚々と出発した矢先にこのグダグダ感・・・テンションが下がるのも当然である・・・

 

ハナ「ふぅ…。結構、歩いたわね。ちょっと、休憩しない?」

 

カイ「そうだな。」

 

イシグモ「う~ん…いいのかな?一応、試験だし…。」

 

サキ「まぁ、良いんじゃないの?少しくらい?」

 

コウ「…そうだな。特に“いつまで”とか決められてないしな…。」

 

ハナ「よしッ!決まりッ!きゅ~け~いッ!!」ゴロンッ!←近くの原っぱに寝転がる

 

百騎兵「フキュゥ…。」ストン…←近くの原っぱに座り込む

 

サキ・イシグモ「ふぅ………。」ストン…←近くの原っぱに座り込む

 

カイ「…よっこいしょ、と。」ゴロンッ!←近くの原っぱに寝転がる

 

コウ「…ふぅ。」トン…←近くの木に寄り掛かる

 

訳も分からず、異世界に召喚された一同に訪れた束の間の休息・・・これから起こるであろう“戦い”に向けて英気を養う・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はずだったのだが………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

メタリカ『おい、ずいぶんと余裕だな。』

 

一同「ッ!?」

 

突如、メタリカの声が頭に響く・・・!

 

メタリカ『オマエラ、そのチンチクリンの頭のトーチが燃え尽きると活動不能になること、忘れてないか?』

 

サキ「メ、メタリカ!?」

 

ハナ「どこ?どこにいるの!?」

 

一同は辺りを見渡すが、メタリカの姿はない。

 

メタリカ『キヒヒ、探しても無駄だ。なにせトーチを通じてオマエラの頭に直接話しかけているのだからな。』

 

ハナ「ほへぇ~。すご~い!」

 

メタリカ『キヒヒ、オマエラの行動は、ワタシの千里眼ですべて筒抜けだ。』

 

コウ「…チッ。ちゃんと対策されてたのか…。」

 

イシグモ「まぁ、薄々そんな感じはしていたけどね…。」

 

メタリカ『あん………?おい、オマエラの周りにある、その草………。』

 

カイ「ん?草………?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

メタリカ『………魔獣だぞ?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一同「………え?」

 

ガサガサ・・・!バッ!!!←何かが飛び出てくる!

 

魔獣(クサ・カブリ)「シャーーーッ!!!」

 

メタリカ『キヒヒ、そんなザコに食われるなよ?』

 

ハナ「きゃあああぁぁぁッ!!!」

 

魔獣は近くにいたハナに襲い掛かった!

 

サキ「ハナちゃん!!!」バッ!←ハナの近くに行く

 

コウ「…ッ!」シュッ!←素早くハナと魔獣の間に割り込む

 

ザシュッ!←魔獣を切り付ける

 

魔獣(クサ・カブリ)「ギャアァァァッ!!!」

 

コウ「…フン。呆気ねぇな…。」

 

ハナ「あ、ありがとう…。」

 

コウ「…気にすんな。」

 

カイ「ろくに休めねぇな………。」

 

イシグモ「だね。…仕方ない、先を急ごう。」

 

サキ「ハナちゃん…。立てる?」

 

ハナ「…う、うん。大丈夫…。」

 

サキ「…ごめんね。(ボソッ)」

 

ハナ「…ううん。いいよ、大丈夫。(ボソボソ…)」

 

コウ「………?」←ハナとサキを見る

 

カイ「よしッ!いくぞッ!!」

 

サキ「アンタが仕切るなッ!!この変態ッ!!」

 

カイ「ゑゑゑッ!!?なんでゑゑゑッ!!?」

 

突如現れた魔獣(クサ・カブリ)によって一同は改めてこの世界の恐ろしさを理解したのだった・・・

 

一同は気を引き締めて森を突き進む・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハナ「はぁ~…。さっきはひどい目に合った。」

 

イシグモ「そうだね。気を付けていこう。」

 

コウ「…!おいでなすったぜ。」

 

クサ・カブリ「………。」ウジャウジャ

 

サキ「さっきの奴ッ…!」

 

一同の目の前には先ほどの魔獣が3体立ちふさがった。

 

イシグモ「まだ、こっちには気づいてないみたいだ。」

 

カイ「どうする?コッソリ行くか?」

 

イシグモ「…そうだね。バレないなら、無理して戦う必要もない…。それでいこう。」

 

サキ「ハナちゃん…。私から離れないで…。(ボソボソ…)」

 

ハナ「う、うん…(ボソボソ…)」

 

カイ「ん?お前ら、何してんだ?」

 

ハナ「え!?ううん、何でもない!」

 

サキ「そ、そうよ。何でもないわ!」

 

カイ「ん?何、動揺してんだ?まぁ、百合百合なのは結構だけど………。」

 

サキ「なッ!///(赤面)」

 

ハナ「ユリ?ユリの花?なんでお花のことを今言うの?」←わかってない

 

カイ「ん?あぁ、百合っていうのはな…。」

 

サキ「やめろーーーーーーッ!!!」ブンッ!!!←鈍槌でぶん殴る

 

カイ「door!!!」←ぶっ飛ばされる

 

イシグモ「あ、その方向は…。」

 

ヒュウウウウウウゥゥゥ………

 

ドカアアアアアアァァァァァァンッ!!!

 

カイ「…いてて。オイ!何もそれ(鈍槌)で殴らなくもいいだろ!!」

 

サキ「ふんッ!そのまま、頭蓋骨砕けたらよかったのに………(ボソッ)」

 

カイ「聞こえてるぞッ!!!」

 

イシグモ「まあまあ、二人とも。ってそれより、カイくん!急いで逃げて!!」

 

カイ「ん?何言って………「グルルルル………」あ?なん…(チラッ←後ろを見る)………え?」

 

クサ・カブリ×10「グルルルル………。」

 

カイの後ろには先ほどの魔獣が蠢いていた・・・

 

カイ「なんで増えてんだあああぁぁぁッ!!?」

 

イシグモ「いいから、逃げるんだ!!」

 

クサ・カブリ「シャーーーーーーッ!!!」

 

魔獣がカイに襲い掛かる・・・!

 

カイ「う、うわあああああぁぁぁぁぁ!!!」

 

ハナ「カイくん!」

 

サキ「ッ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コウ「………フン。」シュッ!←魔獣の群れに突っ込む

 

百騎兵「………フキュ。」シュッ!←魔獣の群れに突っ込む

 

ザシュッ!ザシュッ!←魔獣を切り付ける

 

クサ・カブリ×4「ギャアァァァ!!!」

 

クサ・カブリ×6「………ッ!!?」

 

カイ「コウ………!百騎兵………!」

 

コウ「ボサッとしてねぇで立て。邪魔だ。」

 

百騎兵「フキュ………!」

 

カイ「………ッ!!」

 

コウ「…いくぜ!(ギロッ)」ダッ!

 

百騎兵「ワキャッ!」ダッ!

 

クサ・カブリ×6「………ッ!!(ゾクッ…!)」

 

ザシュッ!ザシュッ!ザシュッ!←魔獣を切り付ける

 

クサ・カブリ×6「ギャアァァァッ!!!」

 

コウ「…フン。大したことねぇな…。」

 

百騎兵「ワキャッ!」

 

カイ「………すげぇ…!」

 

ハナ・サキ・イシグモ「………ッ!!」

 

コウ「オイ。お前ら、ボサッとしてねぇでさっさと行くぞ…。」スタスタ←先に進む

 

百騎兵「ワキャッ!」テクテク←先に進む

 

ハナ・サキ・カイ・イシグモ「………。」

 

見たこともない未知の魔獣に臆さず戦うコウと百騎兵・・・二人のその戦いぶりに他の者たちは驚愕し、期待の念を抱きつつもそれと同時に己の弱さを悔いていた・・・

 

一同は再び森の奥へ突き進む・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ウォン・・・ウォン・・・

 

コウ「…ん?」

 

ハナ「…?どうしたの?」

 

メタリカ『おい!何か音が聞こえないか?』

 

サキ「音?」

 

ウォン・・・ウォン・・・

 

一同が耳を澄ますと、確かに奇妙な音が響いてきた。

 

ハナ「…ホントだ!」

 

カイ「なんだ?この音は?」

 

メタリカ『これはもしや………。この感じ………。ピラーが近くにあるぞ!』

 

カイ「マジで!?」

 

メタリカ『音のする方向に向かうんだ………。ピラーがあるかもしれん。調べてみろ。』

 

ハナ「おぉ~!やっと、見つかるのね!」

 

イシグモ「喜ぶのはまだ早いよ。まだ、どんなのかわからないんだ。」

 

サキ「とりあえず、耳を澄ませて………。」

 

一同は再び耳を澄ます・・・

 

 

 

 

 

 

 

ウォン・・・ウォン・・・

 

 

 

 

 

 

 

ハナ「………ッ!アッチからするよ!」ビシッ!←音のする方向を指差す

 

コウ「…よし。いくぞ!」ダッ!←音のする方向に走る

 

ハナ「あ!ちょ、ちょっと待ってよぉ!!」タッタッタ←コウを追う

 

サキ「あ!コラ!二人とも!」タッタッタ←二人を追う

 

百騎兵「ヤァッ!」タッタッタ←同じく追う

 

カイ「オイ!」タッタッタ←同じく追う

 

イシグモ「まったく、落ち着きがないなぁ…。」タッタッタ←同じく追う

 

ピラーの音らしきものがする方向に突き進む一同・・・近づいているのか、次第に音は大きくなる・・・

 

そして・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

百騎兵「ワキャッ!」ビシッ!←指差す

 

百騎兵が指差した先には、明らかにその場に似つかわしくない奇妙な柱のようなものがそびえたっていた・・・

 

コウ「おぉ…!これが…。」

 

ハナ「…ピラー・オブ…!」

 

サキ「テンペランス…!」

 

カイ「確かに、目立つな。」

 

イシグモ「コレを壊せば、試験クリアか………!」

 

メタリカ『いや、ソレはピラー・オブ・テンペランスじゃないぞ。』

 

 

 

 

 

 

 

 

一同「………え?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一同「ゑゑゑぇぇぇッ!!?」

 

メタリカ『ソイツは、ピラー・オブ・“フール”。小型だがソレも立派なピラーの一種だ。まぁ、小型のピラーだと思えばいい。』

 

ハナ「なによ、それぇ…。(ガックシ…)」

 

メタリカ『落ち込むな。一応、このピラーも破壊できるかどうかも試験の内容だからな?』

 

サキ「それ絶対今言ったでしょ!」

 

メタリカ『いいから、ソイツを壊してみろ!果たして、オマエラにソイツを壊すことが出来るかな?お手並み拝見といこじゃないか。好きにやってみな。キヒヒ!』

 

サキ「ったく、人使い荒いわね………。」

 

イシグモ「まぁまぁ、一応試験だって言ってるし………。」

 

サキ「理由になってないわよ!」

 

ハナ「まぁまぁ、サキちゃん落ち着いて………。」

 

サキ「むぅ…。」

 

コウ「………さて、どうやって壊すか。」

 

イシグモ「………見たことがない物質でできているみたいだね。まぁ、異世界だから当然か………。」

 

カイ「にしても、コレ…アレに似てるな?」

 

ハナ「アレって?」

 

カイ「ん?あぁ…チンkサキ「やめんかあああぁぁぁーーーーーーッ!!!(ブンッ!!!←鈍槌でぶん殴る)」DOOOOOOOOORッ!!!」

 

イシグモ「あ、その方向は………!」

 

ヒュウウウウウウゥゥゥ…←吹っ飛ぶ

 

ガァァァァァァンッ!!!←ピラーにぶち当たる

 

ピラー・オブ・フール(ピクッ!)

 

コウ「…!」

 

カイ「ぃぃぃぃぃぃいいいいいい痛ってえええええええぇぇぇぇぇぇッ!!!!!!」ゴロン!ゴロン!←頭を押さえて転げまわっている

 

ハナ「あわわ…!(焦り)だ、大丈夫!?サキちゃん!やり過ぎよ!!」

 

サキ「変なことを言うソイツが悪い………!」

 

イシグモ「カイくん…大丈夫?」

 

カイ「頭がぁ!頭がぁぁぁ!!」ゴロン!ゴロン!←頭を押さえて転げまわっている

 

コウ「オメェらはソイツを診てろ…。俺はコイツ(ピラー)をぶっ壊す………!」ボキボキッ…!←指を鳴らす

 

サキ「ちょっと!少しは心配しなさいよ!」

 

イシグモ「やったのキミでしょ…。」

 

サキ「う、うるさいわよ!///(赤面)」

 

ハナ「まぁまぁ…で、壊すったってどうやるの?」

 

コウ「ん?そりゃあ…普通に………。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コウ「ぶん殴るッ!!!」ブンッ!!!←ピラーをぶん殴る

 

一同「ファッ!?」

 

ガァンッ!!!

 

ピラー・オブ・フール(ピクッ!)

 

コウ「………やはりな。」

 

ハナ「ちょっと!大丈夫!?」

 

コウ「心配ねぇよ。そんなことより、思った通りだ。」

 

イシグモ「何がだい?」

 

コウ「コイツの壊し方さ。単純に殴ればいいらしい。」

 

サキ「なんでわかるのよ?」

 

コウ「さっき、ソイツ(カイ)がピラーにぶつかったときにてっぺんがわずかだが動いたからな。もしやと思ってな。」

 

イシグモ「なるほど。けど、素手って………(汗)。」

 

コウ「この方が手っ取り早いだろ。」

 

イシグモ「だからってねぇ…(呆れ)。」

 

百騎兵「………。」テクテク←ピラーに近づく

 

ハナ「…?百騎兵?」

 

百騎兵「ヤッ!(剣を振る)ウリャッ!(鈍槌で殴る)ドリュゥーッ!!(槍鎌を振り回す)」

 

ガァンッ!!!ガァンッ!!!ガガァンッ!!

 

ピラー・オブ・フール(パァァァァァァッ!!!)

 

百騎兵のコンボでピラーは破壊され、その中から翠色の液体が噴き出してきた。

 

一同「おぉッ!!」

 

メタリカ『こ、壊れた!おい、アルレッキーノ!本当にピラーが壊れたぞ!』

 

コウ「やるじゃねぇか。チンチクリン。」

 

百騎兵「ワキャッ!(エッヘン)」

 

ハナ「綺麗………!」

 

サキ「そうね。これは“壊れた”というより………。」

 

イシグモ「“咲いた”というべきだね。」

 

メタリカ『キヒヒ!なるほど、“咲いた”か。たしかに、そう表現するのに相応しい!!アハハハハハハ!!ほら見ろ、沼だ!小さいが沼も出来ているぞ!!』

 

アルレッキーノ『しかし、これはピラー・オブ・テンペランスではございません。小物のフールでございます。』

 

メタリカ『なにを言うか!今まであらゆる方法を試してもこのフールすら壊す………いや、咲かせることは出来なかったんだ。まずは、この成果を上々といわずしてなんというのだ!』

 

コウ「なるほどな、だから『伝説の魔神』である百騎兵の力に頼った訳、か………。」

 

メタリカ『まぁな♪それに、この程度の沼があれば遠隔魔法でオマエラを拠点に連れ戻すことやトーチの魔力補給も可能だ。』

 

イシグモ「ふむ、それならより効率的に探索できるって訳だね。」

 

サキ「こっちにも得があるってことか。」

 

メタリカ『その通り、この世界を沼で満たすのに一歩前進ということだ。この調子でピラー・オブ・テンペランスも咲かせな♪』

 

サキ「ったく、人使いが荒いわね。」

 

コウ「ところでよ…トーチの魔力補給って言ったが、どれぐらい減っているのかもわかるのか?」

 

メタリカ『あぁ、わかる。言っただろう?“オマエラはワタシの魔力無しでは動けなくなる”と。つまり、ワタシとオマエラは魔力で繋がっているという訳だ。』

 

コウ「ほう………。」

 

メタリカ『しかし、魔力が繋がっているとはいえオマエラのすべてを見ることは出来ない………。あくまでわかるのは、魔力の消耗や変化ぐらいだ。』

 

イシグモ「だから、千里眼で見ていると。」

 

メタリカ『そうだ。だが、トーチの魔力は無限じゃない必ず尽きる。だから、定期的に補給しなければならない。しかも、見ていて思ったがダメージを負うと余計に減るらしい。』

 

サキ「マジで………。ちなみにどれくらいあるの?その…トーチの魔力ってやつ。」

 

メタリカ『う~んと…。だいたい最大で100、今は91.89といったところだ。』

 

イシグモ「小数点までいくのか………。けっこう細かいな。」

 

メタリカ『ちなみに、トーチの魔力が尽きると次はオマエラの生命力を魔力に変換してトーチの炎を維持するからな。』

 

一同「ファッ!?」

 

サキ「ちょ、聞いてないわよ!」

 

メタリカ『今言ったからな♪キヒヒ!』

 

コウ「この野郎………!」

 

ハナ「みんなが何話しているかわかんない………。(オロオロ)」←話についていけてない

 

百騎兵「ムキュ?」←わかってない

 

イシグモ「まぁ、とにかく百騎兵のトーチはなるべく消さないようにしないといけないってことだよ。」

 

ハナ「へ~なるほど。ありがとう!」

 

メタリカ『それと、もう一つ…。』

 

一同「…?」

 

メタリカ『当然、百騎兵以外のオマエラにもトーチと同じ魔力が宿っているからしっかり補給しろよ。キヒヒ…。』

 

イシグモ「なるほど、僕たちも補給しないといけないわけね。」

 

コウ「じゃあ、とっとと補給してピラー・オブ・なんたらを探しに行くぞ。」

 

サキ「ピラー・オブ・テンペランスよ。しっかり覚えなさい。」

 

コウ「んなもんどうでもいいだろ。」

 

サキ「何ですって!人の親切心を!」

 

ハナ「まぁまぁ、サキちゃん。」

 

コウ「それより、コレ(ピラー)どうやって使うんだ?」

 

メタリカ『触れるだけでいい、そうすれば魔力を補充してやる。他にも、咲かせたピラー同士のワープもできるからうまく活用しな♪』

 

百騎兵「フゥ………。」

 

ハナ「あ、ほんとになんか満たされる感じが………。」

 

百騎兵とハナがピラーに触れるとピラーから魔力が放たれ、百騎兵とハナに注がれる・・・

 

サキ「あ!ちょっと、ハナちゃん!」

 

イシグモ「…大丈夫そうだね。」

 

メタリカ『キヒヒ!それにしてもよくやったぞオマエラ!オマエラが伝説の魔神というのもあながち、間違いじゃないのかもしれんな。』

 

ハナ「えへへ///いや~それほどでも~///」

 

メタリカ『しかし、まだ試験は始まったばかりだ。さぁ、キリキリ働け百騎兵ども!ピラー・オブ・テンペランスを見つけ出して、咲かせるんだ!消滅したくなければな。キヒヒ!!』

 

サキ「イヤなことを付け加えないでよ!」

 

イシグモ「とりあえず、全員魔力を補給したら出発しよう。」

 

コウ「さっきから、そう言ってるだろうが行くぞ。」スタスタ←森の奥へ進む

 

ハナ「あぁ!ちょっと!待ってよ~!」タッタッタ←コウを追う

 

サキ「ていうか、アンタちゃんと補給したんでしょうねぇ!?」タッタッタ←同じく追う

 

コウ「さっきした!」

 

イシグモ「あぁ!ちょっと!待ってくれ!」←魔力補給中

 

魔獣クサ・カブリとの戦闘を乗り越え、ピラーを発見した百騎兵たち・・・

 

しかし、それはピラー・オブ・フールという小型のピラーであった・・・

 

小型のピラーを破壊・・・もとい、咲かせただけでも大喜びな魔女メタリカ・・・

 

この調子で本命のピラー・オブ・テンペランスも咲かせろと言うが・・・

 

果たして、そう簡単にいくのであろうか・・・?

 

百騎兵たちは森のさらなる奥へ突き進む・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハナ「ところで、誰か忘れているような?」スタスタ

 

サキ「さぁ、気のせいじゃない?」スタスタ

 

コウ「………。(チラッ←ハナとサキを見る)」スタスタ

 

百騎兵「ムキュ?」←コウを見る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~ピラー付近~

 

イシグモ「ふう………それほど動いてない気がするけどな。燃費悪いのかな…僕。っと、もたもたしてないで行くか。(チラッ←倒れている“何か”を見る)………あ。」

 

カイ「………。」←ヤムチャ状態

 

イシグモ「ヤムチャしやがって………じゃない!カイくーーーーーーーーーーーんッ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

この始末☆はてさて、この先どうなりますことやら・・・




ブロリー映画、見に行ってきました!!!

実によかった・・・!!!(パラガス風)

皆様も見に行ってみてくだサイヤ♪


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~第4話 VSデラキャタピオと新たな“力”~

前回から3ヵ月以上も遅れてしまい。誠に申し訳ございませんでした。

お詫びといってはなんですが、いつもより長くなっておりますのでお暇なときにご覧ください。

また、今回はやっと出したかった“オリジナル設定”を追加しましたのでお楽しみいただけたらな幸いです。

それでは、どうぞ!!



~ウーズの森~

 

カイ「あぁ~………まだズキズキするぜ………。」サスサス←頭を抱える

 

イシグモ「大丈夫かい?カイくん?」

 

カイ「大丈夫じゃない………。」

 

前回、ハナにセクハラ発言をしサキにぶっ飛ばされピラーに大激突したカイ・・・

 

自分で蒔いた種とはいえ、少々気の毒である・・・

 

カイ「何も、鈍槌で殴らないでもいいだろ………。」

 

サキ「フンッ!変態なアンタにはこれくらいがちょうどいいわ。」

 

カイ「んだとぉ!」

 

イシグモ「まぁまぁ、落ち着いて!」

 

ハナ「サキちゃんも………。」

 

サキ・カイ「フンッ!」

 

コウ「………。(くだらねぇ………)」スタスタ←森の奥へ進む

 

百騎兵「ムキュ?」

 

カイとサキの険悪な雰囲気に他のメンバーは不安になる・・・コウと百騎兵以外は・・・

 

サキ・カイ「………。」ゴゴゴゴゴ…!!!(険悪な雰囲気)

 

ハナ「………。(やばいよぉ…この空気…苦手なのよぉ…)」

 

イシグモ「………。(あ~やだやだ…このギスギスした空気…いつなってもなれないなぁ)」

 

コウ「………。(とっととクリアして寝るかぁ…)」

 

百騎兵「ムキュ?」

 

一同は険悪な雰囲気のまま、森の奥へ奥へと突き進む・・・すると・・・

 

コウ「…!待て。」

 

ハナ「…?どうしたの?」

 

コウ「…何かいる。」

 

イシグモ「え?」

 

一同の目の前に巨大な影が現れた・・・

 

謎の影「………。」(キョロキョロ←あたりを見渡している)

 

ハナ「…どうする?」

 

イシグモ「どうするもこうするも…そっと、静かに避けて進もう…。」(そろり…そろり…)

 

ハナ「…よ、よし!そっと…そっと…。」(そろり…そろり…)

 

ハナとイシグモは謎の影を静かに避けて通ろうとした・・・が・・・

 

コウ「おい!そこのお前!何してんだ?」スタスタ←謎の影に近づく

 

百騎兵「ヤァッ!」タッタッタ←同じく近づく

 

ハナ・イシグモ「あぁーーーーーーーーッ!!!」

 

コウと百騎兵は堂々と謎の影に向かっていった・・・

 

謎の影「…?おや?」

 

コウ「あ、アンタは…。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コウ「誰だっけ?」

 

ハナ・イシグモ「(ズコーッ!)」←盛大に転ぶ

 

百騎兵「ムキュ?」

 

アルレッキーノ「アルレッキーノでございます。コウ様。」

 

コウ「あぁ~そういえば、そんな名前だったな…。」

 

イシグモ「しっかり、覚えときなよ…。」

 

ハナ「けど、どうしてこんなところにいるの?アルレッキーノさん。」

 

アルレッキーノ「この辺りは、ワタクシのフィールドワークのテリトリー。ワタクシにとっては庭も同然にございます。」

 

メタリカ『キサマ、主人に内緒でコソコソとフィールドワークとは………。呆れるほどに仕事熱心だな。』

 

アルレッキーノ「お褒めにあずかり光栄でございます。」

 

イシグモ「たぶん、褒められてないよ。アルレッキーノさん。」

 

アルレッキーノ「ささっ、皆様。ピラー・オブ・テンペランスはこの先にございます。」

 

ハナ「あら、そうなの?ありがとう!」タッタッタ←先に進む

 

イシグモ「あぁ!ちょっと!待って!」タッタッタ←後を追う

 

コウ「ふ~ん。この先に、か…。」スタスタ←先に進む

 

アルレッキーノ「お気を付けていってらっしゃいませ。」

 

メタリカ『おい、アルレッキーノ。オマエは行かないつもりか?』

 

百騎兵「ムキュ?」

 

ハナ・イシグモ・コウ「…?」

 

アルレッキーノ「ワタクシ、今日は朝から奥歯がジンジン、ジンジンと痛むのです。このような日は、良くないことが起こりますゆえワタクシの安全のためにも大事をとったほうがよろしいかと。はい。」

 

ハナ・イシグモ・コウ・百騎兵「………(呆れ)。」

 

メタリカ『ノコノコと森に出かけている奴がどの口で言っている。呆れた召使いがいたものだな。』

 

アルレッキーノ「いえ、ワタクシの予感は当たりますゆえ。皆様もくれぐれもお気をつけて………。」スタスタ←帰っていく

 

ハナ「ちょっと!不安になるからやめてよぉ~!」

 

メタリカ『ふん………。オマエラ、これは試験とはいえ実戦だ何があるかわからんからな………油断するなよ。だから………。』

 

ハナ・イシグモ・コウ・百騎兵「………?」

 

メタリカ『そこで、睨みあっている二人をどうにかしてさっさと行け。』

 

ハナ・イシグモ・コウ・百騎兵「あ………(呆れ)。」

 

サキ・カイ「ぐぐぐ………!!!」バチバチッ!!!←目から火花を散らしている

 

ハナ「あぁ!もう!サキちゃん!カイくん!やめなさい!」

 

サキ「ハナちゃん!でも………!」

 

ハナ「私は気にしてないよ。ていうか、なんで怒っているのかわからないわ?」

 

サキ「………ならいいけど。」

 

イシグモ「カイくんも、いつまでも過ぎたことを気にしてたら男らしくないと思うよ?」

 

カイ「………それも、そうだな。」

 

百騎兵「ムキュ?」

 

ハナ「さぁ!そういうことで、行こう!」

 

サキ・カイ「お、おー…。」

 

イシグモ「あはは…。(けっこう無理やりいったな…けど、ちょうどいいか)。」

 

ハナ「て、あれ?コウくんは?」キョロキョロ←あたりを見渡す

 

コウ「おーーーい!!お前ら!早く来い!」

 

コウは先に森の奥へ突き進んでいた・・・・

 

ハナ「ちょっと!待ってて!ていうか、先に行かないでよぉ!」

 

コウ「モタモタしているお前らが悪い………。」スタスタ←森の奥へ進む

 

ハナ「ちょっと!」タッタッタ←後を追う

 

サキ・カイ・イシグモ・百騎兵「………(呆れ)。」

 

イシグモ「………(リーダーシップあるのか、ないのかはっきりしないなぁ)。」

 

何とか、サキとカイの険悪の雰囲気を少し解くことができ一同は森の奥へ突き進む(一名、先に進んだが)・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一同が森を進んでいくと、開けた場所に出た・・・というより、何かの巣のような場所であった・・・

 

そして、その場所には・・・

 

獣人(デラキャタピオ)「フン♪フンフン♪」

 

巨大な芋虫と人間を合わせたような何かがいた・・・

 

コウ「今度はでっけぇ芋虫か………。」

 

メタリカ『あん?あいつは獣人か?………怪しいな。』

 

コウ「…獣人?」

 

ハナ「ハァ…ハァ…。やっと、追いついた…。て、きゃああああああッ!!!」

 

デラキャタピオ「ん?誰だい?」

 

カイ「でけぇ…!」

 

デラキャタピオ「おやおや、キミたちは………また変わったヤツがきたね。しかも、大勢で。キミたちは魔法生物(マナニア)………かい?」

 

サキ「また、それ?何よ!マナニアって!」

 

デラキャタピオ「おや?自覚無しかい?確かに、人型の魔法生物(マナニア)ってのは珍しいけど………。まぁいいや、それより………。」

 

百騎兵「ムキュ?」

 

デラキャタピオ「フヒッ。こんなところで何をしているんだい?………と聞くのは、ヤボな話だね。どうせ、ピラー・オブ・テンペランスの魔力の魅かれてきたんだろ?わかるよ。そういうこと、よくあるんだ。」

 

イシグモ「え!知ってるの?」

 

デラキャタピオ「知ってるも何も。アタイはその在り処を知っているんだ。」

 

ハナ「え~!ホント!?ホント!?」

 

イシグモ「僕たち、それを探しているんだ!」

 

サキ「お願い!教えてくれないかしら?」

 

カイ「頼むぜ!」

 

デラキャタピオ「フヒヒ、いいだろう。せっかくだし、少しだけ見せてあげる。こちらにきなよ。」

 

ハナ「やったー!」

 

一同はデラキャタピオの後をついていくと・・・辺りには繭のようなものと謎の獣ようなものと人間の骨が無造作に転がっている場所で歩みが止まる・・・

 

デラキャタピオ「ほら。ここだよ。」

 

その場所には、繭と骨しかないが確かに魔力が漂っているのを一同は感じた・・・

 

ハナ「何もないわよ。」

 

コウ「確かに、他とは違う“何か”は感じるがな………。」

 

カイ「騙したな。」

 

デラキャタピオ「やっと能天気なキミたちにも飲み込めたようだな………。じゃなくて、そりゃそうさ。ピラーには意思があり、守護者以外には見られないように隠れているのさ。」

 

メタリカ『あん?守護者………?………初耳だな。』

 

デラキャタピオ「フヒヒ、不思議だろう?でも、これはピラーが自身を守るためにやっていることなんだ。」

 

ハナ「へぇ~。確かに、不思議ねぇ。」

 

サキ「ハナちゃん。感心している場合じゃないわよ。」

 

ハナ「え、そうなの?」

 

サキ「………(汗)。」

 

デラキャタピオ「オホン!ピラーは、自身の守護者を選定して、その見返りに強力な魔力を与える。そして、その姿は守護者以外には見えなくなるってわけさ。」

 

カイ「なるほど。つまり………。」

 

メタリカ『その獣人………芋虫が守護者ということか。ピラーに意思なんてあるとは思えんが、どうやったらピラーが姿を現すかはだいたい想像ついたがな………キヒヒ。』

 

コウ「ま、そういうことだろ。」

 

イシグモ「え?どういうことだい?」

 

デラキャタピオ「ってわけなんで、残念ながらピラーを見ることも、その圧倒的な恩恵を受けることも守護者以外には無理なんだよ………フヒッ。」

 

ハナ「そんなぁ。ここまで来てぇ~………(ガックシ)。」

 

カイ「チェ。無駄骨かぁ………。」スッ←戻ろうとする

 

カイは来た道を戻ろうとし、足元にある繭を踏みそうになる・・・

 

デラキャタピオ「おっと、足元には気をつけてくれよ。ウチの子の繭を踏まないようにね。」

 

カイ「おっと!すまねぇ………ッ!?」

 

カイの足元には先ほどの繭と一緒に人間の骨が散らばっていた・・・

 

ハナ「…?カイくん、どうし………(チラッ)………ッ!!」

 

サキ「ハナちゃん?(チラッ)…ッ!ハナちゃん!見ちゃダメ!!!」バッ!←ハナの眼を手で隠す

 

デラキャタピオ「フヒヒ。どうだい?立派なもんだろう!おっとこうしちゃいられない。繭の世話の時間だ………フヒッ。」

 

ハナ「ほ、骨………ひ、ひと…ひとのほね………ッ!!(ガクガク)」

 

サキ「ハナちゃん。しっかり!」

 

メタリカ『ふん。何が立派だ。これだけ人を喰っていれば無駄に大きくもなろうというものだ。』

 

ハナ「や、やっぱり…!ひとを………!!うッ!!」←口を押さえる

 

サキ「ハナちゃん!」

 

カイ「おい!大丈夫か!?」

 

ハナ「う、うぷ…!」タッタッタ

 

ハナは口元を抑えながら一直線に来た道を戻りだした・・・そして、出口付近で・・・

 

 

 

 

 

ハナ「オエエエェェェ………!!!」

 

嘔吐した・・・

 

サキ「ハナちゃん!!!」タッタッタ←ハナに駆け寄る

 

サキは嘔吐し続けているハナの傍に駆け寄り、優しく背中をさすった・・・

 

サキ「ハナちゃん!しっかり!(サスサス)」

 

ハナ「うぷ…!オ、オエエエェェェ………!!!」

 

その光景に男性陣は・・・

 

カイ「…無理もねぇ。」

 

イシグモ「…仕方ないさ。こんな光景は普通ありえないからね…。」

 

コウ「………ふん。」

 

百騎兵「…ムキュ?」

 

メタリカ『やれやれ、どうやら試験内容を少し変更する必要がありそうだ。オマエラ、わかっているな?』

 

カイ「…?何がだ?カワイ子ちゃんが苦しんでいるのを見るのは嫌というのはわかるが…。」

 

メタリカ『そうではない!ピラーのことだ。ピラーは守護者がいなくなればその姿を白日の下に晒さざるを得まい。つまり・・・!わかるな・・・?』

 

イシグモ「…!まさか!」

 

カイ「…やれやれ。いけるのか?」

 

コウ「………フン!おい!水色髪の女!」

 

サキ「…!え?私?」

 

コウ「そうだ!お前はそこでその小娘を診てろ!わかったな!」

 

サキ「…?え、えぇ…。」

 

コウ「フゥ………。さてと…。」

 

カイ・イシグモ・百騎兵「…」

 

メタリカの言葉を理解した3人と百騎兵は一斉に構える・・・

 

デラキャタピオ「な、なんだい?まさかアタイとやろうってのかい?」

 

コウ「…フン、まぁな。」

 

デラキャタピオ「………フ、フヒッ!フヒッ!フヒッヒッ!ちょっと甘い顔してたら、調子に乗っちまったようだね。フヒッヒッヒッヒッヒッ!!」

 

デラキャタピオは高らかに嘲笑った・・・

 

メタリカ『キヒヒ………さぁ、百騎兵どもよ!この善人気取りの×&%$(ピー)芋虫野郎を土に返してやりな!!!』

 

サキ「ちょっと!女の子がそんな放送禁止用語使っちゃダメでしょう!!!」

 

メタリカ『アン?これくらい普通だろ?』

 

サキ「普通じゃないわよ!だいtハナ「オロロロロロ…!!!」あ~!ハナちゃんッ!!?」

 

メタリカにツッコミをいれたり、ハナの看病だったりと大忙しなサキであった(他人事)・・・

 

男性陣「…;」

 

百騎兵「ムキュ?」

 

男性陣たちも少し哀れんだ(百騎兵はわかってない)・・・

 

デラキャタピオ「…フヒッ!隙あり!!」(ゴロゴロ…!!!)

 

一同「…!!!」

 

~VSデラキャタピオ~

 

一同がサキに哀れんでいる隙をつき、デラキャタピオは丸まり突進してきた・・・!

 

コウ「チッ!避けろッ!!!(ダッ!)」

 

百騎兵「…!(ダッ!)」

 

カイ「おっと!(ダッ!)」

 

コウの掛け声に反応した百騎兵とカイは紙一重に避けられた・・・が・・・

 

ガァァァン!!!

 

イシグモ「ぐあぁーッ!!」

 

イシグモは反応が遅れ、モロに食らってしまった・・・

 

カイ「イシグモーーー!!!」

 

デラキャタピオ「フヒッヒッ!まず一人ぃ…!」

 

デラキャタピオは再び突進しようと身体を丸める・・・!

 

コウ「フン…!(ダッ!)」

 

コウはデラキャタピオに一直線に走り、スピードをのせた一撃を叩き込んだ!

 

しかし・・・!

 

ガキィィィンッ!!!

 

コウ「…ッ!?」

 

弾き返されてしまった・・・!

 

デラキャタピオ「フヒッ!フヒッ!なんだい?今のは?」

 

しかも、デラキャタピオにはまったくきいていないようだ・・・

 

コウ「………確かに、そこらのザコとは違うようだな。」

 

コウは弾き返されたのも関わらず冷静に呟いた・・・

 

コウ「…面白れぇ…!(ニヤッ!)」

 

狂気な笑みと共に・・・

 

コウ「フゥゥ…!オラァッ!!(ブンッ!)」

 

コウは再び剣を振るう!しかし・・・!

 

デラキャタピオ「おっと!」

 

ガキィィィンッ!!!

 

デラキャタピオも再びからを丸め、コウの一撃を防ぐ・・・!

 

デラキャタピオ「フヒッヒッヒッヒッヒッ!!!何度やっても、無駄無駄ァ!!!ピラーの恩恵を受けているアタイの体にそんな攻撃が通じるわけないだろぉ~?フヒッヒッヒッヒッヒッ!!!」

 

丸まりながら再び高らかに嘲笑うデラキャタピオ・・・

 

コウ「…フン。オラァッ!!(ブンッ!)」

 

コウは三度剣を振るう!

 

デラキャタピオ「だから、無駄だと言ってんだよぉッ!!!」

 

ガキィィィンッ!!!

 

デラキャタピオのいう通り、コウの一撃はまたしても弾かれてしまった・・・それでも、コウは剣を振るう・・・

 

ガキィィィンッ!!!

 

デラキャタピオ「だ、か、ら!むdコウ「オラァッ!(ガキィィィンッ!!!)」ん?」

 

コウ「オラオラオラオラオラオラァァァッ!!!(ブンッ!ブンッ!ブンッ!・・・)」

 

ガキンッ!ガキンッ!ガキンッ!・・・

 

コウはデラキャタピオの体に連撃を叩き込んでいた・・・!そして・・・

 

ザシュッ!ビキッ!

 

デラキャタピオ「ウグッ!」

 

コウの連撃でデラキャタピオの背中に小さな亀裂が付いた・・・!

 

コウ「フン!(効いた…!“塵も積もれば…なんとやら”ってな。)」

 

デラキャタピオ「くぅ…!やってくれたねぇ!(ダッ!)」

 

攻撃が効いたことが屈辱だったのか、デラキャタピオは怒りをあらわにしコウに襲い掛かった!

 

コウ「フン!かかってきなァッ!!!(ダッ!)」

 

コウも迎え撃つ・・・!

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、カイside・・・

 

カイ「イシグモ!大丈夫か!」

 

イシグモ「う~ん…。イタタ…!カ、カイくんか…。」

 

カイ「大丈夫か?」

 

イシグモ「なんとかね…。それよりも奴は?」

 

カイ「ん、あいつはコウが迎え撃ってる…。俺もそろそろ参戦するぜ。」

 

イシグモ「じゃあ、僕m…ッ!?」

 

イシグモは立ち上がろうとしたが、膝をついてしまった・・・

 

カイ「どうした!?」

 

イシグモ「か、身体が…!“重い”…ッ!!?」

 

カイ「重いィッ!!?どういうことだ!!?」

 

イシグモ「多分、“トーチの魔力”が関係してるんだと思う…。“ダメージを負うと余計にトーチの魔力が減る”…。あの魔女が言ってたことが事実なら、僕の受けたダメージ分トーチの魔力が減ったということだね。」

 

カイ「…???よくわかんねぇがじっとしてろよ!すぐに片づけてやる!!(ダッ!)」←前回、ヤムチャしてたのでメタリカの説明を聞いていなかった。

 

カイはデラキャタピオと激戦を繰り広げているコウのもとへ突っ走った・・・!

 

イシグモ「やれやれ…変に男らしいなぁ…。ま、お言葉どうりじっとしておくか………あれ?」

 

イシグモはある違和感に気が付いた・・・

 

イシグモ「…あの“チンチクリン”君は?」

 

チンチクリン・・・百騎兵を探すイシグモだったが、どこにもその姿が見えなかった・・・

 

 

 

 

 

 

 

そして、コウsideでは・・・

 

デラキャタピオ「うぉらッ!!!(ドスンッ!!!)」

 

デラキャタピオはコウを踏み潰そうとする。

 

コウ「ハッ!とれぇなッ!!(シュッ!)」

 

しかし、コウは素早く躱す。そこへ・・・

 

カイ「うおおおぉぉぉ!!!くらえぇぇぇ!!!(ブンッ!)」

 

カイが槍鎌をデラキャタピオに向けて振り下ろした!しかし・・・!

 

ガキィィィンッ!!!

 

デラキャタピオの強靭な皮膚に弾き返されてしまった・・・

 

カイ「チ、かてぇ…ッ!!」

 

デラキャタピオ「貴様ァ…!!!」

 

先ほどのコウの攻撃と攻撃を躱されたからか、デラキャタピオはさらに怒っていた・・・

 

コウ「余所見厳禁だぜッ!!!(ブンッ!)」

 

ザシュッ!ブシュッ!

 

デラキャタピオ「グゥ…ッ!!」

 

デラキャタピオがカイに気を取らている隙をついてコウはデラキャタピオの胴体を切りつけた・・・!

 

コウ「へぇ~、背中はかてぇが腹はやわっこいのか。そりゃあそうか。」

 

デラキャタピオ「グゥ…!キ、キサマら~…ッ!!!」

 

デラキャタピオはピラーの恩恵を受けている自分が傷をつけられているのが余程屈辱だったのか、怒りを高まらせていた・・・その怒りに我を失っているからか、デラキャタピオは自身の“違和感”に気が付かなかった・・・

 

百騎兵「フキュゥ…!(ひょこッ!)」

 

いつの間にか、百騎兵がデラキャタピオの頭の上まで登っていたのだ・・・!

 

コウ「…!チンチクリン!」

 

カイ「あいつ…いつの間に…!」

 

デラキャタピオ「…ん?なんだい?このチビ助は!?降りろッ!!(ブンッ!ブンッ!)」

 

デラキャタピオは百騎兵を振り落とそうとしているが、百騎兵は振り落とされまいとしがみついて移動している・・・

 

そして、デラキャタピオの顔に張り付いた・・・!

 

デラキャタピオ「グオッ!この…!は、離れろ…!」

 

百騎兵「ウゥ…!ヤッ!!!(シュッ!)」

 

ザシュッ!

 

百騎兵は剣を突き刺した・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

デラキャタピオの左目に・・・

 

一同「…ッ!!?」

 

デラキャタピオ「ギィヤアアアァァァッ!!!!!!?目がァ…!!!目がァァァ…ッ!!!!!!?」

 

カイ「あ、あいつ…!目をえぐりやがった…ッ!!?」

 

コウ「フュー!(口笛)やるなぁ…!チンチクリン…!」

 

百騎兵「フキュゥ…ッ!」

 

デラキャタピオ「オ、オオ、オノレェェェェェェ…ッ!!!!!!(ゴロゴロ…!!!)」

 

怒りが頂点に達したデラキャタピオは身体を丸め再び突進してきた!

 

ゴロゴロ…!!!

 

コウ「おっと!同じ技を何度もくらうかよ!!!(ひょい!)」

 

カイ「うっと!不意打ちじゃなきゃ、簡単に避けれるぜ!(ひょい!)」

 

百騎兵「ホイ!(ひょい!)」

 

一同は、デラキャタピオの怒りに任せた突進を難なく躱す・・・

 

しかし、デラキャタピオの直進する先には・・・!

 

コウ「…!(まずい!)おい!水色髪の女!!!そっち行ったぞ!逃げろぉ!!!」

 

そう、不幸にもハナの看病をしているサキの方に向かっていた・・・!

 

サキ「え!?」

 

ハナ「うぅ…。」

 

ハナはまだ大丈夫じゃなさそうだ・・・

 

コウ「…チッ!(クソッ!間に合わん…!)」

 

カイ「急いで逃げろぉ!!!」

 

コウとカイも追いかけるが、スピードが違い過ぎて追いつかない・・・!

 

サキ「ハナちゃん…!(ここで避けたら…ハナちゃんが…!!!)」

 

ゴロゴロ…!!!

 

迫りくデラキャタピオ・・・!自分が避ければハナが危険・・・しかし、このままでは二人とも危険だ・・・

 

サキ「…!!!(なにか、なにか使えるもの…!………ッ!!!)」

 

サキはアルレッキーノがくれた鈍槌を構え、そして・・・!

 

サキ「ふぅ…!」

 

ゴロゴロ…!!!

 

サキ「うおおおらああああああぁぁぁぁぁぁッ!!!!!!(ブォンッ!!!!!!)」

 

ズガァァァァァァンッ!!!!!!

 

渾身の一撃を背中に叩き込んだ!!!デラキャタピオの“背中”にサキの鈍槌がめり込む・・・!!!

 

デラキャタピオ「(メキィ…ッ!!!)ウゴォ…!アガ…ッ!!!(メキメキ…ッ!!!)」

 

デラキャタピオから鈍い音がしてくる・・・

 

サキ「くぅ…ッ!!!どぉぉぉりぃぃぃやあああぁぁぁーーーーーーッ!!!!!!(ブォンッ!!!!!!)」

 

サキはさらに力を籠め、雄叫びと共にデラキャタピオを吹っ飛ばした!!!そして、次の瞬間・・・!!!

 

メキィ…ッ!!!ビキッ!!!バァァァンッ!!!!!!

 

なにかが弾けるような音と共にデラキャタピオの“背中”の外郭が崩れ去った・・・!!!

 

デラキャタピオ「グオオオァァァッ!!!せ、背中がァァァッ!!!!!!(ブシュゥゥゥゥゥゥッ!!!)」

 

デラキャタピオの叫びと共に背中から大量の体液(血)が吹き荒れる・・・!

 

カイ「おぉ…!すげぇな、あいつのかてぇ体を砕きやがった…!」

 

コウ「…フン。(偶然とはいえ、俺がさっき付けた亀裂にピンポイントでドでかいのを叩き込むとは…やるじゃねぇか…!)」

 

デラキャタピオ「ゆ、許さん…!」

 

デラキャタピオは憎しみがこもった声を放ち立ち上がった・・・!

 

デラキャタピオ「絶対に許さんぞッ!!!ムシケラどもッ!!!ジワジワとなぶり殺しにしてくれるぅぅぅッ!!!!!!」

 

怒りと憎しみで完全に我を失っているデラキャタピオはボロボロになりながらも一同を皆殺しにしようと襲い掛かる・・・!!!

 

コウ「やれやれ…ムシケラにムシケラと呼ばれる筋合いはねぇな…。一気にケリを付けてやる…!なぁ…!」

 

コウは不気味な笑みを浮かべ、デラキャタピオの“頭上”を見ながら言った・・・!

 

 

 

 

 

 

 

 

コウ「チンチクリン…!!!」

 

デラキャタピオ「…ッ!!!」

 

百騎兵「ワキャッ!!!(シュッ!)」

 

ザシュッ!

 

なんと百騎兵は再びデラキャタピオの頭上まで登っていたのだ・・・!そして、コウの合図に合わせてデラキャタピオの右目に剣を突き刺した・・・!!!

 

デラキャタピオ「ギィヤアアアァァァッ!!!マダジデモォ!目ヲォォォォォォッ!!!!!!」

 

デラキャタピオは怒りと憎しみ、そして百騎兵たちからのダメージでもはやまともに言葉を発せられなくなっていた・・・!

 

コウ「これでトドメだァッ!!!(ダッ!)」

 

コウはデラキャタピオに突っ込み胴体に向けて剣を振った!!!コウの剣がデラキャタピオの胴体に食い込む・・・!!!

 

ザシュッ!ズチュズチュ…ッ!!!

 

コウ「おおおぉぉぉ…ッ!!!ブチ切れろォォォォォォッ!!!!!!(ブンッ!!!)」

 

ズバアアアァァァーーーーーーッ!!!!!!

 

コウは剣にさらに力を籠めデラキャタピオの胴体を切り裂いた・・・!!!そう、文字通りデラキャタピオの“上半身”と“下半身”を真っ二つに切り裂いたのだ・・・!!!

 

デラキャタピオ「ギャアアアアアアアァァァァァァッ!!!!!!目、目ガァァッ!!体ガァァァアアアアアアッ!!!!!!」

 

デラキャタピオは断末魔の叫びと共に大量の体液(血)が雨の如く吹き荒れる・・・!!!

 

コウ「…フゥ。ま、そこら辺のザコよりも楽しめたぜ。だがな、ムシケラはムシケラらしく地面を這いずってな…!!!(ニヤッ!)」

 

コウは狂気に満ちた顔で笑った・・・

 

カイ「…ッ!!!む、惨いな…!!!」

 

カイは苦虫を嚙み潰したような顔でコウと百騎兵を見ていた・・・

 

それはイシグモも同様だった・・・

 

イシグモ「…ッ!!!これは素直に喜べないな…。」

 

倒したはいいものの、あまりも残酷な結末に喜べないカイとイシグモであった・・・そこへ・・・

 

メタリカ『キヒヒ。いい趣味だな、百騎兵ども。なかなか派手な終わり方だったじゃないか。』

 

サキ「どこがよ…アンタら、惨すぎるというか、容赦がないわね。」

 

コウ「…フン。久々にテンションが上がっちまってな。つーか、あの小娘の看病はどうした?」

 

サキ「ハナちゃんなら少し落ち着いたみたい。もう、大丈夫だと思うわ。」

 

コウ「…やれやれ、世話がかかるな。しかし、さっきのオマエの一撃、強烈でなかなか筋が良かったな。アレであのムシケラの外郭がぶっ壊れたから背中まで剣が届いたんだからな。」

 

サキ「ア、アレはハナちゃんを守るために仕方なく………。」

 

コウ「…ハァ、な~にが“仕方なく”だ。オマエもじゅうぶn…カイ「ま、まぁいいじゃねぇか」アン?(チラッ)」

 

コウが振り向くとカイとイシグモが歩いてきた・・・

 

カイ「全員無事でクリアできたんだ!ラストはアレだったが、まぁ勝ちは勝ちだ!!!」

 

イシグモ「そうそう、結果はどうあれ僕たちは勝ったんだ。それでいいじゃないか。」

 

コウ「…フン。」

 

サキ「それも、そうね。」

 

ハナ「お~い…みんな~…。」

 

一同が振り向くとヨロヨロと弱々しい足取りでハナが歩いてきた・・・

 

サキ「ハナちゃん!大丈夫?」タッタッタ←ハナに駆け寄る

 

ハナ「う、うん。サキちゃんのおかげでもう大丈夫よ。ごめんね、みんなに迷惑かけて…。」

 

サキ「ううん、いいのよ。あんたは悪くないんだから。」

 

イシグモ「あんな光景、普通じゃありえないからね。無理もないよ。」

 

カイ「気にすんじゃねぇよ!もし、まだ気分がわりぃなら俺が人肌で温めtサキ「やめろ!変態!!!(ブンッ!)」アベシッ!!!(バシィンッ!!!)」←殴られた

 

サキ「アンタまだ懲りてないようねッ!!!」

 

カイ「今のは場を和ませようとしたちょっとしたギャグじゃねぇかッ!!!」

 

サキ「紛らわしいわッ!!!」

 

コウ「…ハァ、やれやれだぜ。」

 

ハナ「アハハ!!!仲いいわね~!」

 

カイ・サキ「どこがだ(よ)ッ!!!」

 

イシグモ「(息ぴったり)(ニヤニヤ)」

 

カイ「イシグモ!テメ!何笑ってんだ!!!」

 

イシグモ「イヤ、ナンデモ。(顔を背ける)」

 

メタリカ『オマエラ、盛り上がってる場合か?』

 

ハナ「あ、メタリカちゃん」

 

一同「メタリカちゃん!?」

 

メタリカ『おい!ワタシのことはメタリカ“様”と呼べと言ったはずだ!!!』

 

ハナ「え~?でも、“ちゃん”の方が可愛いじゃん。」

 

メタリカ『いらん!可愛さなど!』

 

コウ「…ハァ、で、メタリカ。いったい何の用だ?」

 

メタリカ「だから、“様”と…ハァ、もういい…。オマエラ、ピラーが姿を現すぞ………。」

 

ボォォォ………!!!

 

一同「ん?(チラッ)」

 

一同が異様な雰囲気のする方に振り返ると、そこには先ほどのピラー・オブ・フールの2倍近い大きさの柱がそこにはあった・・・

 

カイ「デケェ…!」

 

サキ「これが…!」

 

ハナ「ピラー・オブ・テンペランス…!」

 

コウ「…さっきの守護者のムシケラを失ったから、姿を現した。というわけか。」

 

メタリカ『さぁ、百騎兵ども!コイツを“咲かせる”ことができるか?できなければ、試験は不合格。オマエラは、ここで跡形もなく消滅だ。生き延びたければ、成功させろよ………。」

 

サキ「だから、嫌なことをサラッと言わないでよ…。」

 

メタリカ『キヒヒ…。事実を伝えたまでだ。さぁ、このドデカイ〇$△#(ピー)をひん剥いてやるんだ!!!』

 

サキ「だから!女の子がそんなはしたない言葉を使っちゃダメだって言ってるでしょ!!!」

 

カイ「やっぱりアンタもそう思うか!どう見ても、ちn…サキ「お前も黙れぇッ!!!(バシィン!!!)」doorッ!!!」

 

メタリカ『アンこれくらい普通だろ?いちいち、うるさい女だ。』

 

サキ「なんですって!!!」

 

ハナ「まぁまぁ、サキちゃん。」

 

コウ「…今は、こっちだ。」

 

コウと百騎兵はいつの間にか、ピラーの前に立っていた・・・

 

イシグモ「あ、いつの間に…;」

 

コウ「…ふむ。連撃は効きそうにないな…。なら…ドデカイ一撃を叩き込む!!!」

 

百騎兵「フキュゥ…!」

 

コウと百騎兵は拳に力を溜め・・・!そして・・・!

 

コウ「オラァッ!!!(ブンッ!)」

 

百騎兵「ダァッ!!!(ブンッ!)」

 

ビキッ!ボコッ!ボコッ!ドバアアアァァァッ!!!

 

二人の一撃で一瞬空間にヒビが入り、ピラーが震え、そしててっぺんの蕾から翠色の沼があふれ出し満開の翠の花を咲かせた・・・!

 

一同「おぉ…!」

 

メタリカ『さ、咲いた!?ア、アハハハハハハ!!咲いた!咲いたぞ!!!』

 

ピラーが咲き、子供のようにはしゃぎだすメタリカ・・・

 

メタリカ『やはり思ったとおりだ!!ピラーは、沼のエネルギーを溜め込んでいたんだ!!ワタシの勘は正しかったというわけだ!』

 

コウ「オマエ、勘で俺たちをここへ来させたのか…。」

 

メタリカ『まぁ、いいではないか!それにしても、凄まじい魔力の解放じゃないか!!そして見事な沼の広がり………!!!キヒヒ、素晴らしい!沼のチカラで満ち溢れているぞ!これならば………!』

 

ポォウッ!!!

 

一同「…!」

 

突然、一同の目の前にメタリカが現れた・・・

 

サキ「メタリカ!」

 

メタリカ「キヒヒ!転移魔法も可能だ!ついに外界に出ることができたぞ!!いや、沼の魔女の住む世界が広がったというべきか!!」

 

カイ「上機嫌だな、メタリカ。」

 

ハナ「きっと、新しい場所にきてウキウキして喜んでいるのよ。」

 

コウ「それなら、転移使わないで自力で出ればいいだろ…。」

 

沼が広がったことを喜ぶ沼の魔女メタリカ・・・その名にある者が反応する・・・

 

デラキャタピオ「フヒッ!ぬ、沼の魔女だって………!?あの毒沼に住んでいるって噂の恐ろしい小娘!!」

 

一同「…ッ!?」

 

メタリカ「あん………?」

 

なんと、両目と下半身を失ったデラキャタピオが再び動き出したのだ・・・!

 

コウ「チ、胴体を切り裂いてもまだ動くとは無駄にタフだな………。(ジャキッ!)」

 

コウは再び剣を構える・・・

 

デラキャタピオ「…ッ!き、今日のところは、これくらいで勘弁してやるよ………!だけど、お前達のことは、絶対に、絶対に………許さないからね!必ず復讐してやる!!それまで、その短い首を洗って待ってるんだね!フヒッヒッヒッヒッヒッ!!!」

 

怒りと憎しみがこもった声でデラキャタピオはそう発し、この場から離れようとした・・・が・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

メタリカ「キヒヒ、三下の捨て台詞か?下っ端らしい、なかなかよくできた台詞だが、お前は勘違いをしているぞ。」

 

メタリカはデラキャタピオに向けて手をかざした・・・

 

コウ「…フン。おい、小娘。目ぇつぶってな。」

 

ハナ「え?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

メタリカ「お前の出番は、ここで終わりだ!燃えて死ね!!」

 

ボォウッ!!!ゴおオオオオオォォォォォォッ!!!!!!

 

メタリカは魔法でデラキャタピオを燃やした・・・!その魔力でできた炎はデラキャタピオの巣の周りの木々達にも燃え移った・・・!!!

 

デラキャタピオ「ギ、ギャニァァァァァアアアア!!!!!」

 

デラキャタピオは断末魔の叫びと共に炎に包まれた・・・

 

メタリカ「キヒヒ。沼の魔女メタリカ様に逆らうとこういうことになるのだ。覚えておけ、地獄に落ちてもな。それにしてもよくやったぞ、オマエラ…(チラッ←一同の方を向く)」

 

カイ「あちゃーーーーーーッ!!!アチッ!アチチチチッ!!!(ボウボウッ!!!)」←燃えている

 

イシグモ「あー!カイくん!じっとしてて!!」

 

ハナ「サキちゃん…いい加減、手どかしてくれない?」

 

サキ「まだよ、ハナちゃん。もう少し我慢して。」

 

コウ「…ハァ。騒がしい連中だ…。」

 

百騎兵「ムキュ?」

 

メタリカが一同の方を振り向くと先ほどの炎の巻き添えをくらったカイをイシグモが消火しているのと、これ以上残酷な光景をハナに見せまいと目を手にかぶせるサキといつも変わらず興味なさげに突っ立っているコウと百騎兵がいた・・・

 

メタリカ「…ハァ、少しは落ち着け。オマエラ…。」

 

サキ「落ち着けって…アンタがやったんでしょうが!」

 

メタリカ「ふん。しっかりトドメをさせなかったオマエラが悪い。」

 

コウ「あんだと…!」

 

メタリカ「まぁ、ワタシもアレで生きてるとは思わなかったからな。まぁ、いいだろう…。それよりも…。」

 

メタリカは改まった顔で一同の方を向いた・・・

 

メタリカ「オマエラ、これで試験は合格だ。」

 

ハナ「おぉ!やった~!」←まだサキに目を覆われている。

 

イシグモ「ふぅ…なんとかなったようだね。」

 

カイ「あぁ~、ひどい目にあった…。」

 

コウ「フン…。ようやく認めた、というわけか…。」

 

メタリカ「そうだ、認めてやる。オマエラは伝説の魔神、百騎兵だとな。」

 

“百騎兵”たちは試験に合格した!!契約を果たすのに一歩近づいた・・・気がする・・・

 

メタリカ「だが、本番はこれからだ。ワタシと共に歩む道が甘い蜂蜜がかかったようなメルヘン街道だとは思うなよ。」

 

ハナ「え!?何、その美味しそうな街道?」←まだサキに目を覆われている。

 

サキ「反応しないの!」

 

メタリカ「ワタシが突き進まんとする道は、血のシロップで彩られた冷酷かつ凄惨な死のロードなのだ!!」

 

コウ「…やれやれ、いやな道だな。」

 

???「それは、先日お読まれになった“仁義なき魔女たち”の一節でございますね。」

 

一同「…ッ!」

 

一同は声のする方へ振り向くと森奥からアルレッキーノが歩いてきたのである・・・

 

メタリカ「う、うるさいな!お前は歯の調子が悪かったんじゃないのか!今更、何しに来た!?」

 

コウ「…確かに、今更過ぎるな。もしかして、オマエ…(ゴソゴソ…)………?(チラッ)」

 

コウは音がした方を見ると一同もそれにつられて見てみるとそこには・・・

 

デラキャタピオ「ハァ………ハァ………。(ズルズル…。)」

 

下半身のない体を引きずりながら、この場を離れようとするデラキャタピオがいた・・・

 

メタリカ「………アイツ、まだ動くのか。驚異のしぶとさだな。」

 

コウ「ここまでくると、もはや見事だな…。」

 

メタリカ「ふん。目障りだ。すり潰してやる!」

 

ハナ・サキ・カイ・イシグモ「…!」

 

コウ「…フン。」

 

百騎兵「…?」

 

メタリカはデラキャタピオにトドメをさそうとした次の瞬間・・・

 

???「おやめなさい!!」

 

気品に満ちた声が木霊してきた・・・

 

???「なんということを………!これは、あなたの仕業ですか………!」

 

コウ「誰だッ!!」

 

シャァンッ!!!

 

メタリカの瞬間移動とはまた違う音のする方を見てみると、ローブを纏い奇妙なマスクで顔を覆った者がそこに立っていた・・・!

 

一同「…ッ!!?」

 

メタリカ「………!!!!」

 

???「なんと、醜い………。」

 

謎のローブの人物はあたりを見渡しながらそう言った・・・

 

デラキャタピオ「ぎ、ぎざまも仲間かぁぁぁ!!」

 

デラキャタピオは謎のローブの人物に襲い掛かった・・・!

 

???「お静かに………。安らかにお眠りなさい………。」

 

しかし、謎のローブの人物は優しい口調でデラキャタピオをなだめ、そして手をかざした・・・次の瞬間・・・

 

デラキャタピオ「………。」

 

ポォウッ!!!

 

ドォォォンッ!!!

 

デラキャタピオは謎の渦に包まれ倒れた。そして、そのまま動かなくなった・・・

 

一同「…ッ!!?」

 

カイ「アイツを一撃で…ッ!!?」

 

サキ「な、何者なの…ッ!!?」

 

驚きを隠せない一同・・・

 

???「リカ………まさかあなたが沼をでてくるなんて………。しかも、ピラーを破壊するとは………。」

 

メタリカ「キヒヒ、出やがったな、諸悪の根源………醜き森の魔女マーリカ!どうだ?ワタシはついに外界に出ることに成功したぞ!」

 

マーリカ「お久しぶりです、リカ。しばらくおとなしくしていたかと思えばよもやピラーを破壊するなんて………。」

 

メタリカ「リカではない!ワタシの名はメタリカだ!この$%&#(ピー)女!!」

 

サキ「あぁ、またそんな…。」

 

イシグモ「あっちは丁寧に礼儀正しく話してるのに…えらい違いだな…。」

 

メタリカ「そこ!やかましいぞ!ともかく、キヒヒ………だが、今日はすこぶる気分がいい。許してやろうじゃないか。オマエをくびり殺してもいだ頭を〇$△#%(ピー)してクソ溜めに落とすまであと一歩なのだからな!!」

 

カイ「よくそんなおっそろしいことをサラサラと言えるよな…。」

 

メタリカ「キヒヒ。お前がどんな顔で死んでいくのか、見るのが楽しみだ。」

 

コウ「…ハァ、いい性根をお持ちで…。」

 

メタリカの発言に呆れかえる一同。そしてマーリカ・・・

 

マーリカ「なんてクチ汚い………。そして、なんとネジ曲がった性格………。」

 

一同「(まったくだ…。)」

 

心の中で一同はそう思った・・・

 

メタリカ「ああん?カマトトぶりやがって。お前にクチ汚さを批判される日が来るとは夢にも思わなかったぞ。」

 

マーリカ「………。………外界へ出ようなどという考えはお捨てなさい、リカ。それに、ピラーはあなたが思っているようなものではありません。」

 

コウ「………。(落ち着いて話してはいるが、少し動揺しているな。)」

 

コウは冷静にマーリカを観察しているようだ・・・

 

コウ「…ッ!(ズギッ!)(しかし、さっきから妙に頭がいてぇ………。)」

 

マーリカ「諦めて沼へ戻るのです。外界へ出ようなどと………私がいる限りその願いが叶うことは決してないのですから。」

 

メタリカ「ふん。果たしてそうかな?沼さえ近くにあれば、ワタシがお前なんぞに遅れをとる道理はないんだ。」

 

マーリカ「………いいでしょう。力ずくというのは、あまり好きではありませんがやむを得ません。」

 

マーリカが手をかざすその背後から巨大な大樹が現れた・・・!

 

一同「…ッ!!?」

 

イシグモ「おいおい…!」

 

サキ「ウソ、でしょ…。」

 

ハナ「え!?何々?(バッ!←サキの手をどける)…ッ!!?」

 

サキの手をどかし、目の前の光景を見たハナは気絶しそうになる・・・

 

サキ「…ッ!ハナちゃん!」←ハナを支える

 

ハナ「うぅ…大丈夫よ、サキちゃん。」

 

長老樹「偉大ナル森ノ魔女ニシテ賢キモノ“マーリカ”ヨ。古キ盟約ニ基ヅキ、ソナタノ願イ聞キ入レヨウ………。」

 

カイ「キィヤアアアァァァ、シャベッターーーーーーッ!!!」

 

コウ「…フン。」

 

マーリカ「樹齢1000年、森の賢者たる聖なる大樹………長老樹です。今よりここは、長老樹が認めぬ限り何人たりとも先に進むことはできません。これ以上、騒ぎを起こすのはやめて大人しく沼に戻りなさい、リカ。」

 

長老樹「ソナタタチガ、汚レシ者ダナ………。我ラガ森ニ立チ入ラセハセヌゾ。」

 

メタリカ「………。」

 

メタリカは真剣な表情のまま黙りこくってしまった・・・

 

サキ「…メタリカ。」

 

アルレッキーノ「リカ様、危険でございます。ここは引くのが利口というもの。長老樹といえば、森の賢者にして森の支配者。森の中で戦って勝てる相手では………。」

 

アルレッキーノは弱々しくメタリカを説得する・・・

 

しかし・・・森の賢者、森の支配者と聞き、闘志を燃やすものがいた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コウ「…面白れぇ…!(ジャキッ!)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コウは長老樹に向けて剣先を突き立てた・・・!

 

一同「…ッ!!?」

 

ハナ「コウくん…!」

 

コウ「勝手にキタねぇものとか決めつけてんじゃねぇよ…!森の賢者だか、森の携帯電話だか知らねぇがさっきの芋虫よりかは強ぇんだろうな…?」

 

マーリカ「…なんと…!」

 

長老樹「愚カナ………。」

 

長老樹は木の触手を伸ばし、コウに襲い掛かった・・・!

 

コウ「フン!そんな攻撃…(ズキッ!)うぐっ!…ッ!!」

 

バシィィィンッ!!!

 

コウは長老樹の攻撃を躱そうとしたが謎の頭痛で避けられず、吹っ飛ばされてしまった・・・

 

ズガァァァンッ!!!

 

コウ「ガハッ!」

 

そのまま、ピラーに直撃してしまい倒れてしまった・・・

 

ハナ「コウくん!!」

 

カイ「おいおい…マズいぞ…!」

 

メタリカ「………?」

 

一同はコウがやられたことに驚愕する・・・メタリカもコウがやれたことに疑問を抱いているようだ・・・

 

マーリカ「…長老樹に挑むその姿勢には驚きでしたが、相手の力量も図れない愚か者だっただけのようですね。」

 

マーリカはコウを見ながら、冷たい言葉を発した・・・

 

マーリカ「さ、これでわかったでしょう?大人しく、沼に帰りなさい。リカ。」

 

メタリカ「………。」

 

アルレッキーノ「リカ様、やはりここは引きましょう………。百騎兵様たちの中でも飛び向けて戦闘能力が高かったコウ様がやれてしまったのです。一旦、引いて対策を練るのが一番かと………。」

 

メタリカ「キヒヒ………燃えろッ!!!!!」

 

アルレッキーノの説得を聞かず、メタリカは長老樹に向けて手をかざした・・・!

 

長老樹「………!?」

 

ボオオオォォォウッ!!!

 

長老樹が激しく燃え上がる・・・!

 

一同「…ッ!!?」

 

マーリカ「………リカっ!?」

 

メタリカの力に驚愕する一同とマーリカ・・・!そして・・・

 

コウ「ぐ…ッ!!」

 

倒れながらもコウもその光景を見ていた・・・

 

長老樹「グワァァァァアアアアア!!!!!コ、小娘ガァァァアアアアア!!」

 

長老樹は炎に包まれ苦しみながらもメタリカに向けて燃える木の触手を振るった!!!しかし・・・!

 

メタリカ「フン!(バッ!←手をかざす)」

 

ボオオオォォォウッ!!!

 

メタリカは迫りくる触手を再び魔法の炎で更に燃やし消し炭にした・・・

 

メタリカ「フン。この程度か?」

 

長老樹「オ、オノレェ…ッ!!!」

 

長老樹を圧倒するメタリカ、その光景に誰もが言葉を失い、驚愕した・・・しかし、ただ一人、それ以外の・・・

 

そう、“怒り”をたぎらせている者がいた・・・!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コウ「…ッ!!(ふざけんな…!)」ゴゴゴゴゴ・・・!!!

 

コウは炎に包まれていく長老樹とマーリカ、そしてメタリカを睨んだ・・・

 

コウ「(もし、このままアイツがあのトウヘンボクを倒しちまったら…俺は、この戦いから“逃げた”ことになる…ッ!!変な頭痛のせいであっけなくやられ、他の誰かにその獲物をとられることは俺にとってこの上ない屈辱だ…ッ!!そんなこと…!絶対にさせてたまるかぁぁぁ………ッ!!!)」

 

コウは体を起こそうとするが、デラキャタピオとの戦いのダメージと長老樹の一撃でコウの中のとトーチの魔力は減少していた・・・

 

コウ「ぐぐ…ッ!!!(立てぇ…!!立ち上がれぇ…!!)」

 

コウが心とは裏腹にまったく体は動かない・・・

 

コウ「グオォ…ッ!!!(俺に…!俺に…!もう一度…!)」

 

長老樹「グオオオォォォッ!!!小娘ガアアアァァァッ!!!!!!!」

 

長老樹はメタリカに向けて大量の燃える木の触手を振るった・・・!!!

 

メタリカ「フン。何度来ても、同じことだ…!」

 

メタリカは再び手をかざす・・・!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コウ「(“戦い”を………ッ!!!)」

 

次の瞬間、コウの目の前が真っ白になった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、ある光景が広がってくる・・・いや、流れ込んでくるような感覚に近かった・・・

 

どこか分からない、荒廃とした地・・・

 

老朽化というより、単純に“壊された”ような廃ビルの数々・・・

 

空からは何か“青く巨大な星”が迫っていた・・・

 

そして、廃墟と化した塔の先端に“その者”はいた・・・

 

その者の姿は、一言で言えば“人”だった・・・しかし、明らかに普通の人とは違う姿をしていた・・・

 

トゲトゲとした黄緑色の髪に、常識ではありえない筋肉隆々な身体をし、目は白目、腕や脚には金色の装飾と金色のネックレスを首から下げていた・・・

 

コウ「…誰だ?コイツは…?どこか懐かしい、ような…?」

 

コウはこの人物?を知っているようだった・・・しかし、“思い出せない”と思った次の瞬間・・・!!!

 

様々な光景が走馬灯のようにコウの中に流れ込んできた・・・!!!

 

「ハハハハハハハッ!!!お前たちが戦う意思を見せなければ俺はこの星を破壊し尽くすだけだァッ!!!」

 

「絶対に勝たなきゃなんねぇッ!!!」

 

「ニャメロンッ!!!勝てるわけがないッ!!!アイツは伝説の超サイヤ人なんだどッ!!!」

 

「よく見ろ…地獄に行ってもこんなに面白い殺戮ショーは見られんぞ。ふぁ~はははッ!!!」

 

「何を寝言を言っている!!!不貞腐れている暇があったら戦えッ!!!」

 

「なんてひどいことをするんだッ!!!」

 

「やめた方がいいよ。俺たちとっても強いんだぞ。」

 

「俺たち、サボってるわけじゃねぇぞ!!!」

 

「シャモは悪くねぇ…!ワシのせいだ…!」

 

「申し上げます!」

 

「うわへへw」

 

「ベジータ王!バンザーーーーイッ!!!」

 

「はい…地球に移住しましても一生懸命に…。」

 

「ブロコリとやらワシに勝てるかの?」

 

「お、悟空!食わねぇんなら貰ったげようか?」

 

「ところでお父さんのご趣味は?」

 

「読書とスポーツが趣味だッ!!!」

 

「まぁ~、お上手ですわ。」「独特な歌い方だな。」

 

「悟空、頼んだぞ。」「ウホッホッホ…。」

 

「何が新惑星ベジータの王よ。馬鹿じゃないの?」「だー!」

 

「パラガスの息子を直ちにこの世から抹殺せよ!!!」

 

「おーーーいッ!!!あと一人誰か忘れちゃいませんかってn」

 

次々と流れてくる者たちは「(ハァッ!)」どれもこれもコウにとっては知っている者たちだった・・・

 

コウ「…ッ!!そうだ…!“思い出した”…ッ!!!俺はこの人達を知っている…!!!そして、“あの人”に憧れたんだ…!!!」

 

コウは流れ込んでくる記憶の渦の中で“その者”と目が合った・・・!

 

コウ「千年に一人現れる、純粋に破壊と殺戮を好み、激しい怒りと悲しみによって目覚めた伝説の戦士………!!!その圧倒的な力と類いまれなる才能を持つあまり同族からも恐れられ悲しき運命を辿るも、巡り廻って再び必ず現れる“もう一人の伝説の超サイヤ人”………!!!」

 

コウは“その者”と目を合わせながら尊敬の念をもって高らかに言い放った・・・!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コウ「ブロリー!!!!!!」

 

ブロリー「うおおおおおおぉぉぉぉぉぉーーーーーーッ!!!!!!」

 

ブロリーが高らかに叫ぶ!!!すると、またしてもコウの目の前が真っ白になった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、目を開け見ると先ほど同じく倒れたまま、メタリカに長老樹の燃える木の触手が迫っている光景が広がっていた・・・

 

コウ「…ッ!!(さっきのは一体?夢…?)」

 

コウは先ほど見たものが夢だと思った・・・しかし、すぐに“夢”ではなかったことを実感する・・・!

 

コウ「…ッ!!?(な、なんだ!?この体の底から湧き上がってくる力は…!?いや、“湧き上がる”っていうより“高まる………溢れる”ような感覚………ッ!!!)」

 

ダァンッ!!!

 

コウは体の奥底から湧き上がる・・・いや、溢れてくる“何か”を糧に再び立ち上がった・・・!

 

コウ「うおおおおおおぉぉぉぉぉぉーーーーーーッ!!!!!!(ダッ!!!)」

 

コウは雄叫びと共にメタリカと長老樹の木の触手との間に割り込んだ・・・!!!

 

メタリカ「な!?オマエ…!」

 

長老樹「キサマ………!!!」

 

コウ「さっきの礼だッ!!!(シュッ!)」

 

ザザザザザザ・・・!!!

 

コウは目にも止まらない連撃で長老樹の燃える木の触手をすべて粉々に切り裂いた・・・!!!

 

一同「おぉ!」

 

マーリ「なんと…!」

 

メタリカ「…!!キヒヒ!!!やるなァ!オマエ!」

 

コウ「フン!」

 

コウの攻撃に驚愕する一同・・・!

 

長老樹「オ、オノレェ…!小僧ガァァァアアアアアアッ!!!!!!」

 

長老樹はコウに向けて先ほどよりも大量の燃える木の触手を繰り出した!!!

 

コウ「(ニヤッ!)(バッ!←右手を広げる)」

 

大量の燃える木の触手が迫っているというのにコウは笑っていた・・・そして、広げた右手のひらに“緑色の弾”が形成されていた・・・

 

カイ「…ッ!おいッ!あれってまさか…!!!」

 

イシグモ「いや、間違いないよ…!!!でも…なんで!?」

 

カイとイシグモはコウの緑色の弾に驚愕した・・・!そして、コウはその“技”の名を放った・・・!!!

 

コウ「『スローイングブラスター』ッ!!!!!!」

 

ポヒーーーッ!!!

 

長老樹「ナ…ッ!!!」

 

デデーンッ!!!

 

長老樹は跡形もなく消し飛んだ・・・

 

コウ「『その程度のパワーでこの俺を倒せると思っていたのか』ッ!!!!!!」

 

一同「あー…。(ポカーン)」

 

アルレッキーノ「………消し飛んでしまわれましたね。1000年の歴史も諸行無常、栄枯盛衰。呆気ないものでございます。」

 

メタリカ「キヒヒ、オマエ!なかなかやるな!気に入ったぞッ!!」

 

コウ「そらどうも…。ん?チッ、あの“ヘンテコマスク女”逃げやがったな…!」

 

コウの言う通りマーリカの姿はきれいさっぱりと消えていた・・・

 

メタリカ「まぁいい。それよりも、誰か今のクソ女の臭いを覚えたか?」

 

サキ「臭いって…そんなの覚える暇なんてなかったわよ…。」

 

カイ「さっき香ってきた清々しくていい匂いがあのマスクのおねぇさんのものなら覚えてるぜ?(キリッ!)」

 

サキ「ここまでくると逆に清々しいわね。(諦め)」

 

百騎兵「ワキャッ!」

 

ハナ「キミも覚えたの?」

 

サキ「へ~やるじゃない。」

 

カイ「おい、俺とえらい違うじゃないか。」

 

メタリカ「とにかく、あの女こそ諸悪の根源にして悪の魔王。憎き宿敵“森の魔女マーリカ”だ。あいつの珍妙な仮面と上辺の言動だまされるなよ。中身はゲスでドス黒いとんでもない悪党なんだ。なあ、アルレッキーノ?」

 

アルレッキーノ「はい、森の魔女様は大変すばらしいお方………いえ、とんでもない大悪党でございます。」

 

コウ「全然一致してねぇが………。」

 

メタリカ「あん?お前は、どっちの味方だ?」

 

アルレッキーノ「ワタクシはリカ様の執事でございますゆえ。はい。」

 

メタリカ「メタリカだ!ふん。まあいい。おい!オマエラ!」

 

一同はメタリカの方を向く・・・

 

メタリカ「試験に無事合格したオマエ達に新たな使命ができたぞ。」

 

コウ「ほう………早速か。」

 

メタリカ「キヒヒ、喜べ!良い知らせだ。」

 

ハナ「良い知らせ?どんなの?」

 

メタリカ「もしこの使命を達成できたのなら、世界を沼で満たすのを待たずしてオマエラを解放すると約束しよう!」

 

一同「…ッ!!」

 

カイ「ほ、本当か!?」

 

メタリカ「あぁ、魔女はウソをつかない者だからな。」

 

サキ「なら、尚更。やる気が出てくるわね…!」

 

イシグモ「それで?その使命って?」

 

メタリカ「うむ。沼の魔女メタリカの名においてここに命じる!!」

 

一同「…(ゴクリ…!)」

 

メタリカ「森の魔女マーリカのミシルシをもて!!」

 

一同「…?」

 

ハナ「はーい!質問でーす!“ミシルシ”って何ですか?」

 

メタリカ「うむ。いい質問だ。まーなんだ………。つまり、オマエラの世界でいうところの………。」

 

メタリカは頭を掻きながら言い放った・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

メタリカ「“首”ってことだ。つまり、首を切って持って来い………!」

 

メタリカの顔が一瞬恐ろしく見えた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ようやく、試験に合格した百騎兵たち・・・

 

新たな力を手に入れたコウの活躍で、突如襲来してきた“森の魔女マーリカ”と“長老樹”を撃退・・・

 

しかし、それも束の間、新たな使命を課せられる・・・

 

“森の魔女マーリカのミシルシをもて”とまり、森の魔女マーリカの首を取って来いという・・・

 

果たして、百騎兵たちはこの使命を達成できるのでしょうか・・・?




やっと、出したい設定を出すことができました。

3ヵ月以上も遅れてしまい、本当に申し訳ございませんでした。。

最近、段々と忙しくなってきましたのでもしかしたらまた遅くなるかと思いますので気長にお待ちくださったら幸いです。

それでは、また次回ッ!!!



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~第5話 “生きる”と“覚悟”~

やっと余裕ができて投稿できました。

2020年も不定期ですが頑張っていきます!

それでは、どうz…ッ!!!(ポヒー)←エネルギー弾

デデーン!!!

DOORッ!!?な、なんでいきなりエネルギー弾が…ッ!!

コウ「チッ。くたばんなかったか。クソ作者。」

ちょッ!?コウ!!いきなり何すんだッ!?作者に向かってッ!!

コウ「作者だからだろうが、遅れた分のケジメぐらいつけろ…ッ!!!(殺気全開)」

ゑゑゑゑゑゑゑぇぇぇぇぇぇッ!!?

コウ「という訳だ。くたばれッ!!イレイザーキャノンッ!!!(ブンッ!!!)」

お助けくださいッ!!明日まで明日までお待ちくださいッ!!!やめっ…ッ!!?

デデーン!!!

うわあああああぁぁぁッ!!?

コウ「やれやれ。それじゃあ…。」

本編、どうぞ…ッ!(ボロボロ)←ヤムチャ状態

コウ「まだくたばってなかったか…ッ!(ゴキゴキ…ッ!!)」(殺気全開)

ちょッ!?待って!!お助けくださいッ!!どぉおおぉお…ッ!!自分のオリキャラに殺されるとはこれも作者の定めか…ッ!!

百騎兵「ムキュ?」



~前回のあらすじ~

 

前回、ピラーの守護者“デラキャタピオ”を倒し、見事ピラー・オブ・テンペランスを咲かせた百騎兵一同・・・

 

しかし、それも束の間、一同の前にメタリカの宿敵“森の魔女マーリカ”が現れ“長老樹”をけしかける・・・!

 

だが、コウの“新たな力”によって“長老樹”を撃破し、マーリカを撤退させた・・・

 

メタリカは一同に森の魔女マーリカの“ミシルシ(首)”をもてと使命を与えた・・・

 

この使命を果たせば、元の世界に返してくれるという・・・

 

果たして、百騎兵たちはこの試練を乗り越え、元の世界に帰ることが出来るのか・・・!?

 

 

 

~ニブルヘンネの魔女邸・リビング~

 

アルレッキーノ「ピラーは、大量の魔力を溜め込んでいるのだ。芋虫如きが分不相応なチカラを持つくらいにな。だから、森の奥のピラーがあるところにあのクソ女………マーリカもいるに違いない。邪魔な森を焼き払い、ピラーを咲かせ、沼を広げ、マーリカを捜し出せ!そして、あのクソ〇$△#(ピー)女の息の根を止めて、100年の戦いに終止符を打つのだ!何が森の魔女だ!この世界に魔女はワタシだけで十分だ!!キーヒッヒッヒ!!」

 

一同「………。」

 

アルレッキーノ「………以上、リカ様からの伝言になります。ちなみに今はお昼寝中ですので、あしからず。」

 

一同「紛らわしいわ!!!」

 

カイ「開幕早々、急にメタリカのマネしながらしゃべりだすから一瞬アルレッキーノがぶっ壊れたのかと思ったわ!!」

 

アルレッキーノ「それは、それは。失礼いたしました。ですが、この通りワタクシは正常にございます。」

 

サキ「まったく………。…しかし、メタリカもなかなかに惨いことをやらせるわねぇ…。」

 

イシグモ「あぁ、まさか。“森の魔女マーリカのミシルシ”、もとい“首”を持って来い、か。」

 

コウ「…そうとう、恨んでいるようだな。その“マーリカ”とやらを………。」

 

ハナ「………。」

 

百騎兵「ムキュ?」←ハナを見て首をかしげている

 

ハナは、あまりに残酷な使命を聞きただ黙ってうつむいていた・・・

 

サキ「ハナちゃん………。」

 

イシグモ「…無理もないさ。見たところ、ハナちゃんは“こういうの”には耐性ないみたいだからね。」

 

コウ「…フン。(スタスタ)」←玄関へ歩いていく

 

カイ「どこ行くんだ?」

 

コウ「決まってんだろ。あの“森の魔女マーリカの首”を取ってくるんだよ。」

 

一同「ッ!!」

 

ハナ「…ッ!!」

 

サキ「アンタ…ッ!!dハナ「どうして…ッ?」ハ、ハナちゃん?」

 

ハナ「どうして、そんなことが言えるのッ!!?(涙目)」

 

コウ「………。」

 

ハナ「おかしいよ………ッ!メタリカちゃんも、コウくんも…ッ!!なんで、そんな平然と、ひどいことが言えるの…ッ!?」

 

コウ「…ひどいこと?」

 

ハナ「そうよッ!!首をもって来いって…要は、“殺せ”ってことじゃないッ!!人を、殺すなんて…ッ!!そんなの…!そんなの…ッ!!」

 

サキ「ハナちゃん………。」

 

 

 

 

 

 

ハナ「やっていいわけ、ないじゃないッ!!!(号泣)」

 

ハナは、怒りと悲しみの眼差しでコウを見つめながら怒声を浴びせる・・・

 

コウ「…だったら、オマエはこのまま何もしないで大人しくしているつもりか?…大人しくあの魔女のいう“契約のトーチ”とやらが消えるのを待っているのか?」

 

ハナ「…ッ!えぇ、そうだよ…ッ!!」

 

コウ「………。」

 

ハナ「誰かを殺すぐらいなら………私は…ッ!私は…ッ!!」

 

サキ「ハ、ハナちゃん…!」

 

ハナ「死んだ方がいいッ!!!(号泣)」

 

ハナは怒声と泣声が混じり込んだ叫びを響かせる・・・

 

イシグモ「………。」

 

カイ「………。」

 

サキ「ハナちゃん………。」

 

百騎兵「………ムキュ?」

 

コウ「………ハァ。(スタスタ)」←ハナに歩み寄る

 

静まり返ったその場でコウはため息をすると息を荒くするハナに歩み寄る・・・

 

ハナ「ハァ…ハァ…!………?」

 

コウ「………一つ、いいことを教えてやる。」

 

ハナ「…え?」

 

コウ「この世にはな、人や何かを殺すことよりも、死ぬよりも、もっと恐ろしいことがあるんだよ。(ギロッ!)」

 

ハナ「…ひッ!(ゾクッ!)」

 

コウは、ハナの顔に近づき睨みつける・・・!

 

サキ「ハナちゃんッ!!コウ!やめなさいッ!!(ダッ!)」

 

イシグモ「ストップ!(ガシッ!)」

 

ハナのもとへ行こうとする先をイシグモが止める・・・

 

サキ「イシグモッ!?離しなさいよッ!ハナちゃんがッ!!」

 

イシグモ「大丈夫…見てなよ。」

 

サキ「え…ッ!?何を…?」

 

イシグモは、サキをなだめながらコウとハナを見る・・・サキは、釈然としないがとりあえず見てみる・・・

 

ハナ「殺すことよりも、死ぬよりも、恐ろしいこと…?」

 

コウ「あぁ、それは、“生きたまま屍と同然の存在”となることだ。」

 

ハナ「どういうこと?」

 

コウ「言うなれば、“生きながら死んでる奴”のことさ。」

 

ハナ「…?」

 

コウ「ハァ~(ポリポリ)。例えば、目の前にそうだな~。小娘、オマエの好きな食い物は?」←頭を掻きながら、手で会釈する

 

ハナ「えッ!?え~と、ケーキでしょ、クッキーでしょ、チョコレートでしょ、パフェでしょ、アイスクリームでしょ、あと、お団子に、お饅頭に………ets。」←指で数えながら思い出している

 

イシグモ・サキ「(甘い物ばっか………。)」

 

コウ「あ~あぁッ!もういい!とりあえず、それが目の前にあるとしよう。オマエなら、どう思う?そして、どうする?」

 

ハナ「美味しそうだと思って、食べるッ!!」

 

コウ「だよな。それが、生きている奴の普通のことだ。」

 

サキ「(いやいや、普通いきなり食べないわよッ!!)」

 

コウ「しかしなぁ、“生きながら死んでいる奴”は、それを何も思わない、むしろ“何も感じない”といった方が近い。」

 

ハナ「え~ッ!?」

 

コウ「生きてはいるが、“美味しい”や“楽しい”、“苦しい”や“悲しい”など、心………“魂”が死んでいる奴のことを、オレは、“生きながら死んでる奴”、“生きたまま屍と同然の存在”と呼んでいる。」

 

ハナ「今の私が、それだというの…?」

 

コウ「そうだ。」

 

ハナ「…ッ!!」

 

コウ「…あのときのことを覚えているか?初めて、共に戦ったあの“大トカゲ”のことを…。」

 

ハナ「…あ。」

 

ハナの脳裏に“大トカゲ”と戦う前に言ったコウの言葉がよぎる・・・!

 

カイ『バカな真似はよせッ!!死んじまったら終わりなんだぞッ!!!』

 

コウ『…だったら、このまま大人しくアイツに殺されてもいいってのか?』

 

ハナ・サキ・カイ・イシグモ『…ッ!!』

 

コウ『…オレァは真っ平御免だ…ッ!!どうせ逃げられねぇんだ。だったら、最後まで抗ってやろうじゃねぇか(グッ!)』←剣を構える

 

ハナ「…抗う。」

 

コウ「そうだ、抗うんだ。生きるために、死に物狂いで抗うんだ。命や心、魂を燃やして、な。それを失くしたら、例え生きていても、死んでいても、ツマラネェもんだ。むしろ、死んだほうがまだマシと思えてくる。」

 

ハナ「………。」

 

コウ「“生きる”ってことは、常に何かの命の上に立っている。ときには、“殺さなければならない”ときがあるんだよ。そうしなきゃ、自分の中の何かが失っていく………。それが嫌なら、“殺す覚悟”を決めるしかねぇだろ。」

 

ハナ「………“殺す…覚悟”。」

 

コウ「オマエが人を殺したくないなら、それでも構わねぇ。だがな、何せずにただただじっとして………本当に、それでいいと思ってんのか?本当に、テメェの心が………“魂”がそれを望んでいるのか?」

 

ハナ「…私は………。」

 

コウ「…今は、無理にとは言えねぇ。しっかり、自分と向き合って………(スタスタ…グイッ)…ん?」

 

再び、玄関を出ようと歩みだしたコウをハナが袖を掴む・・・

 

ハナ「…わかった。」

 

コウ「何がだ?」

 

ハナ「…私も、行く…ッ!!」

 

サキ「ッ!?」

 

イシグモ「…フフ。」

 

コウ「ほう…?“殺す覚悟”ができたのか?」

 

ハナ「…ううん。出来てないよ。私は、コウ君のように強くないし、コウ君の言う“殺す覚悟”なんてまだよくわかんないし………。」

 

コウ「…じゃあ、とっとtハナ「…でもッ!」…?」

 

ハナ「“戦う覚悟”は、決めたッ!!」

 

コウ「………?」

 

ハナ「こんな臆病な私だけど、このまま何もしないで心を…魂を失っていくはもっと嫌だってことはわかるッ!だから、私は抗ってやるッ!!自分の心と魂がそうしたいって言っているからッ!!だから、私もいっしょに行くッ!!!」

 

コウ「…オレは、森の魔女を殺す気だぞ?そんな奴と一緒に行ってオマエはどうするんだ?」

 

ハナ「そんなの、コウくんを止めるためだよ!森の魔女を殺そうとするコウくんを止めるために私はコウくんと一緒に行くのッ!!」

 

コウ「…ッ!」

 

サキ「えッ!?ハ、ハナちゃん何言って…?」

 

イシグモ「ハハハ…;なかなか、無茶苦茶だねぇ;」

 

コウ「…オマエに、オレが止められる、と?そんなこと、出来ると思っているのか?」

 

ハナ「思ってるッ!!(フンス!)だって、最後まで抗うことを教えてくれたのは。コウくんでしょッ?(ニカッ!)」←胸を張って自信満々に笑顔

 

コウ「…ククク。フッフッフ…!」

 

ハナ「ッ?」

 

サキ・イシグモ「…?」

 

コウ「ハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッ!!!」

 

ハナ・サキ・イシグモ「ッ!?」

 

ハナ「な、何がおかしいのよッ!!」

 

コウ「フフフ…!何、面白くってなァ…!」

 

ハナ「え…?」

 

コウ「このオレに、そんだけのタンカ切った奴はオマエが初めてだからなぁ、つい面白くってな。…いいだろう。全力で、このオレを止めてみろ…!小娘…ッ!!」

 

ハナ「小娘じゃない!“ハナ”よッ!!そっちこそ、覚悟しなさいよッ!!ジーッとしててもドーものならないッ!!ってね♪」

 

コウ「ハッハッハッ!!その意気だァッ!!!」

 

サキ「…なんだか。上手く纏まったみたいね。こうなるってわかってたの?」

 

イシグモ「まぁね。僕は、人一倍観察力に自信があるからね。コウくんは、なんだかんだ言ってあぁいう子を放っておけないタイプと思ったからさ。」

 

サキ「へぇ~。私には、ただの戦闘狂にしか見えないけどねぇ~。」

 

イシグモ「ただ、意外だったのは、ハナちゃんがあんなにも燃え上がるタイプとは思わなかったなぁ。」

 

サキ「ハナちゃんは、純粋で一見脆そうだけど。心の強さは、私が知る限り………誰にも負けないわ。」

 

イシグモ「…随分と知ってそうな口調だね?」

 

サキ「…余計な詮索は、身の為よ…!!(ギロッ!)」

 

イシグモ「アハハ…;冗談、冗談だって…!;」

 

サキ「…なら、いいわ。」

 

イシグモ「…(やれやれ、これは一筋縄ではいかないなぁ…;)。」

 

アルレッキーノ「皆様。(ズイッ)」←コウとハナの間から現れる

 

ハナ「キャアアアアアアァァァァァァッ!!?」

 

コウ「ビックリさせんなッ!!」

 

アルレッキーノ「申し訳ございません。しかし、そろそろ出発した方がよろしいかと。はい。」

 

サキ「どういうこと?」

 

アルレッキーノ「あまりモタモタしておりますと、リカ様がしびれを切らして襲いかかっ…いえ、大変、お怒りになるかと。はい。」

 

イシグモ「…そろそろ、行った方がいいみたいだね。」

 

サキ「…そうね。」

 

ハナ「それじゃあ、行こうッ!!みんなッ!!」

 

サキ・イシグモ・コウ「えぇ!(あぁ!)(おう!)」

 

ハナ「………あれ?」

 

コウ「どうした?」

 

ハナ「なんか、人数足りないような?」

 

サキ「そういや?あの変態と百騎兵は?(キョロキョロ)」←変態(カイ)と百騎兵を探してる

 

イシグモ「…そう言えば、どこに?」

 

アルレッキーノ「カイ様と百騎兵様なら、リカ様の自室へ向かわれましたが?」

 

一同「えッ!?」

 

サキ「どういうこと?」

 

アルレッキーノ「何やら、コウ様とハナ様が揉めている前あたりからコソコソとリカ様の自室へ鼻息を荒くしながら向かわれておりました。そのあとを、百騎兵様がトコトコと着いていっておりました。」

 

サキ「いや、そのときの様子の説明じゃなくて…;なんで、止めなかったのよ…?;」

 

アルレッキーノ「特に、問題はないかと判断いたしました。」

 

サキ「いや、問題大ありぃぃいッ!!?絶対、何かやらかすでしょッ!?あの変態ッ!!!」

 

コウ「いいんじゃねぇか?あのチンチクリン(百騎兵のこと)がどうにかしてくれんだろ。」

 

サキ「いや、あの子。何考えてるか分かんないし………。」

 

ハナ「大丈夫だよ!サキちゃん、百騎兵ちゃんなら!」

 

イシグモ「コウくんとハナちゃんのチンチクリンくんへのその絶大な信頼は何なんだい…;」

 

コウ・ハナ「“勘”だ(よ)ッ!!!」

 

サキ・イシグモ「勘かよッ!!?」

 

ギャーギャー!!ワーワー!!

 

 

 

一方・・・

 

少し、時間は巻き戻り・・・

 

 

 

~ニブルヘンネの魔女邸・ベットルーム(の前)~

 

カイ「腐☆腐。この小説を読んでいる読者の皆さま。お楽しみ(意味深)タイムでございます。というのも、コウやイシグモが先に幸せイベント(ハナとサキを抱えたこと)を堪能して、俺が堪能してないどころか、ひどい目に合わされてばかりと来たもんだ。(自業自得)しかし、運は俺を見放してはいなかった!そう、今、この部屋にはメタリカが眠っている。ククク…!ここまで、お預けくらってた分、やってやろうではありませんか…!腐☆腐!」←悪い顔

 

百騎兵「ムキュ?(ちょこん)」

 

カイのすぐ真後ろに百騎兵は立っていた・・・

 

カイ「ファッ!!?ひゃ、百騎兵じゃないかッ!?ど、ど、どうしたんだ?(クソッ!予想してたが、やはり邪魔が入ったか…!!)」

 

百騎兵「………。(ジー)」←カイを見つめてる

 

カイ「な、なんだ?俺の顔に何かついてんのか?」

 

百騎兵「………。(ジー)」←カイを見つめてる

 

カイ「………。(誰の差し金だ?コウとハナは、何やら揉めてたから。サキか、それともイシグモか?よし!表情から読み取って…駄目だ。何考えてるか、全く分かんねぇ………!)」

 

百騎兵「ムキュ?」←首をかしげている

 

カイ「(それとも、コイツ………。単純に、俺についてきただけか?…よし、試しに…!)百騎兵、もしかしてメタリカに何か用なのか?それとも、俺か?」

 

百騎兵「ヤッ!(フルフル)」←首を横に振ってる

 

カイ「そうか。じゃあ、俺の後を何となくついてきたのか?」

 

百騎兵「ワキャッ!(コクン)」←うなづいている

 

カイ「物好きだな、お前も。(よっしゃ!つまり、コイツは俺がお楽しみ(意味深)タイムしようとしているのを分かってない!なら、適当に理由をつけてここから立ち去らせれば…!!)」

 

百騎兵「ムキュ?」←首をかしげている

 

カイ「あぁ!すまんすまん!俺は、ちょっとメタリカに用事があってなぁ~。なんでもないつまんねぇ用事さ。俺一人で大丈夫さ。ささ、みんなの元へお戻りくだサイヤ!(ススス…)」←百騎兵の向きを変えて後ろから押している

 

百騎兵「…?…?」←わかってない

 

百騎兵は、何も分からないままカイに後ろを押されて離されてしまった・・・

 

カイ「ふぃ~。よーし、腐☆腐!これでもはや俺の邪魔をするものは誰一人おらんという訳だァ!読者の皆さま、お待たせ致しました。これより、お楽しみ(意味深)タイムという訳だァ!よ~く見ておけ!う~ふっふっ!ふぁ~はっはっ!ふぁ~っはっはっはっ!!はっはっはっはっはっは~は~はっはっはっはあ~う(^p^)ッ!!!」

 

百騎兵「ムキュ?(ヒョコッ)」←端の方で見ている

 

ガチャッ!

 

~ニブルヘンネの魔女邸・ベットルーム~

 

カイ「(そろ~り、そろり)」

 

カイは、メタリカを起こさないようにゆっくりとベットへ近づく・・・そして・・・

 

カイ「ついに来た…!俺の“お楽しみタイム(意味深)”が…!(小声)」←起きないように小声で話している

 

メタリカ「ぐぉーーーがぁーーーむにゃむにゃ………。」

 

カイ「しかし、いびき凄いな…;だが、ノープロブレム…!今にd(ギャーギャーワーワー!!!)何だよ!うるせぇなぁ…!!まだ、揉めてんのか?(小声)」

 

下のリビングから騒々しい声が響き渡ってくる・・・

 

『いや、問題大ありぃぃいッ!!?絶対、何かやらかすでしょッ!?あの変態ッ!!!』

 

『いいんじゃねぇか?あのチンチクリンがどうにかしてくれんだろ。』

 

カイ「腐☆ッ!この声は、サキとコウの声。コウは、百騎兵を信頼しているみたいだが、見当違いだったぜwしかし、サキの奴………“変態”とは、心外な、俺は純粋に“男のロマン”の為にやってるってのに。(小声)」

 

ギャーギャーワーワー!!!

 

カイ「しかし………何で揉めてんだ?ちょっと、気になるな(小声)」

 

そう言いながら、カイは耳を澄ませる・・・すると下の階から・・・

 

『だから!こしあんが一番だろうが!』

 

『いいえ!断然、つぶあんよ!』

 

『私は、ずんだがいいかな~。あと、きな粉!(モグモグ)』

 

『僕は、みたらしかな。』

 

『では、ワタクシは“イソベヤキ”というものを。』

 

カイ「いや、ホントに何の話ぃぃぃいいいッ!!?どうなったら、さっきの俺への話がそうなるんだよッ!!?つーか、アイツら何?餅か団子食ってんの?ちゃっかり、アルレッキーノも食ってるしッ!!?(大声)」

 

メタリカ「んむ?うう~ん?」

 

カイ「シュワットッ!?(思わず大声を出してツッコんでシュワッたッ!?マズい!メタリカが起きそうだ!だが、ここで引いたら男が廃る…!!ええい!ままよ!!)(ダッ!)」

 

カイは、メタリカが眠るベットへ駆ける・・・!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カイ「え?俺がこれから、何をするかだって?腐☆腐!それは、“コレ”という訳だァ!(バッ)」

 

カイは、懐から何かを取り出す・・・!

 

 

 

 

 

 

カイ「(インスタントカメラ(アルレッキーノから貰った)でございます)。」

 

 

 

 

 

 

カイ「(腐☆腐!読者の皆さま、この俺が寝込みを襲う変態野郎と思っていたのかな?(思ってるbyサキ)←黙ってろ、サキ!俺は、そんなみっともない行為は決してしない!するなら、正々堂々と真っ向からヤる!(意味深)それが、俺の“ロマン魂”!(“変態魂”の間違いでしょbyサキ)←だから、黙ってろ!)」

 

メタリカ「むにゃむにゃ…。」

 

カイ「(まぁ、とにかく。これで、メタリカのあんな所やこーんな所まで訳なく撮れるという訳だァ!ふぁ~っはっはっはっ!!(やっぱり、変態じゃない…byサキ)←黙れッ!!)」

 

そうこうしている内に、カイはメタリカの寝顔を撮ろうとカメラを構える・・・!

 

メタリカ「すー…すー…むにゃむにゃ…。」

 

カイ「(今だッ!!)」

 

 

 

 

 

パシャッ!

 

 

 

 

 

カイ「(撮ったッ!撮ったどおおおぉぉぉーーーーーーッ!!!)」

 

ウィィィン・・・!

 

カメラから、一枚の画面が真っ黒の写真が出てくる・・・!

 

カイ「(このインスタントカメラは、撮ったときにすぐに現像され写真になる…!あとは…!)(スッ)」←写真を取る

 

カイは、出てきた写真をペラペラと振る・・・

 

カイ「(こうやって、写真を乾かせば真っ黒な写真がたちまちくっきりと写るようになるという訳だァ!)(ペラペラ)」←写真を振ってる

 

スー・・・

 

画面が真っ黒だった写真は、うっすらと明るみになっていく・・・!

 

カイ「お!出てきた!さ~て、うまく撮れいるかなぁ~!(小声)(まじまじ)」←写真を見る

 

カイは現像された写真を興味深々に見つめる・・・

 

 

 

 

 

カイ「…ん?」

 

 

 

 

 

写真には、メタリカの寝顔は写ってなかった・・・

 

 

 

 

 

代わりに、紙に書かれた文章が写っていた・・・

 

カイ「なんだ?え~と…?(小声)」

 

『この写真を見て、後ろを振り返ったとき』

 

カイ「(クルッ)」←振り振り返る

 

 

 

 

『オマエは』

 

 

 

 

カイ「…あ(青ざめる)」

 

 

 

ゴゴゴゴゴゴゴ・・・!!!

 

 

 

 

コウ「………。(モグモグ)」←団子(こしあん)を食べている

 

サキ「………。(モグモグ)」←団子(つぶあん)を食べている

 

 

 

 

 

『血祭りにあげられている』

 

 

 

 

 

カイ「あ、あぁ…!(ダラダラ)」←冷や汗を流している

 

サキ「(ゴクン)最後に言いたいことはある?(殺気)」

 

カイ「…お。」

 

コウ「(ゴクン)お?」

 

 

 

 

 

 

 

カイ「俺は、“お団子”より“おっぱい”の方が好きだァッ!!!(意味不明)」

 

サキ・コウ『くたばれええええええぇぇぇぇぇぇッ!!!!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

デデーン!!!

 

『ぎゃあああぁあぁぁあぁぁぁぁぁぁぁああああああああああッ!!!!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

~ニブルヘンネの魔女邸・リビング~

 

ハナ「お団子美味しいね♪百騎兵ちゃん♪」

 

百騎兵「ワキャッ!」

 

アルレッキーノ「ハナ様、イシグモ様、百騎兵様、お茶が入りました。(スッ)」←お茶を差し出す

 

ハナ「ありがとう!」

 

百騎兵「ワキャッ!!」

 

イシグモ「ありがとう。やれやれ、急がないとって言われたばかりなのに…;(ズズズ…)」←お茶を飲んでいる

 

 

 

 

 

 

その後、騒動で起きたメタリカに怒られ雷を喰らい、ようやく一同は出発したそうな・・・

 

 

 

 

 

 

 

この始末☆

 

はてさてこの先、どうなりますことやら・・・




なんとか、一命をとりとめた作者です。(ボロボロ)

改めて2020年、不定期ながらも頑張っていきます。

皆様、体調管理にはくれぐれもお気を付けください。

それでは、また次k…!!!

コウ「ここに居やがったかッ!!カイの次はテメェだッ!!!」

シュワットッ!?ひ、避難だァッ!!

コウ「逃がすかァッ!!待ちやがれぇぇぇえええッ!!!」

待てと言われて、待つバカはいませんよ♪バーカ!バーカ!ふぁ~はっはっはw

コウ「(ブチッ!)ウオオオオオオォォォォォォッ!!!」(猛スピード)

ん?ちょっ!?ゑゑゑぇぇぇッ!!?

ヒュウウウゥゥゥ・・・ドガアアアァァァンッ!!!(岩盤送り)

ギャアアアァァァッ!!!

ハナ「次回もよろしくお願いします♪」

百騎兵「ワキャッ!」


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~第6話 賭け~ 魔女と6騎の百騎兵

2021年、明けましておめでとうございます!

コウ「もうすぐ、2月だろうがぁぁぁあああッ!!!(オラオララッシュッ!!!)」

ぎぇえええあああああぁぁぁぁぁ・・・!!?

ハナ「え~と、本編始まります!(キラッ☆)」

イシグモ「もう色々遅いと思うよ?」


~前回のあらすじ~

 

メタリカに森の魔女マーリカの“ミシルシ(首)”を持って来いという使命に気を重くする一同・・・

 

コウは、森の魔女マーリカを倒そうと向かおうとするが、ハナに止められる・・・

 

人を殺すことに反対し、間違っていると泣き叫ぶハナ・・・

 

しかし、コウは“生きる”こととは何なのか、その上で“殺す覚悟”を持つことをハナに教える・・・

 

ハナは、“殺す覚悟”は持たなかったが、“戦う覚悟”を決め、立ち上がる・・・!

 

お団子を食べたり、カイが“男のロマン”イベントを発動したりしてメタリカの雷を食らったが・・・

 

一同は、森の魔女マーリカの待つ、森の奥へと進む・・・

 

 

 

 

~ウーズの森~

 

ハナ「あ~♪、お団子美味しかった♪!」

 

イシグモ「まさか、キッチンにもち米と蒸し器、その他餡に使う材料がそろっているとは…;アルレッキーノさん曰く、あれらも“ミール”さんが持ってきたものらしい…;」

 

サキ「それでハナちゃんがお団子食べたいって言いだして…;」

 

コウ「団子パーリーとしゃれこんじまったって訳だ。」

 

百騎兵「ワキャッ!」

 

カイ「すまん。俺も俺だが、お前らも何やってんだよ…。」←前回、メタリカの寝顔を撮ろうとしてサキとコウにデデられた(デデーン!されたの略)

 

ハナ「アハハ…;」

 

コウ「“腹は減っては血祭れない”っていうだろ?」

 

イシグモ「“戦はできない”だよ。」

 

カイ「ハァ…。カメラはぶっ壊されるし、デデられるし、おまけにメタリカの雷喰らうしで散々だぜ。」

 

サキ「自業自得よ。」

 

カイ「クソォ…!ていうか、なんで気づいたんだ?」

 

サキ「百騎兵が教えてくれたのよ。」

 

百騎兵「ワキャッ!」

 

カイ「はぁ?しゃべれねぇのにか?」

 

コウ「しゃべれねぇが、意思疎通はできる。テメェのいやらしい動きを身体全体で表現してくれたぜ。」

 

~回想~

 

百騎兵「ワキャッ!ムゥ…!ワオッ!!(わしわし…!)」←いやらしい手つきでジェスチャーしている

 

サキ「(モグモグ)…いくわよ。」←お団子(つぶあん)を食べている

 

コウ「(モグモグ)…オウ。」←お団子(こしあん)を食べている

 

~回想終了~

 

カイ「いやらしいとはなんだ!いやらしいとは!」

 

サキ「いやらしいでしょ、変態!」

 

カイ「オレは、変態じゃねぇ!男のロマンを通す紳士だァ!」

 

サキ「そんな紳士いるかァ!!」

 

ギャーギャーワーワー!!!

 

騒がしくも意気揚々と森を突き進む一同・・・

 

すると目の前に・・・

 

 

 

魔物たち『(ゾロゾロ)』

 

魔物の大群が迫っていた・・・

 

草のような魔物“クサ・カプリ”、カボチャのような魔物“マジョプキン”がそれぞれ十数体見える・・・

 

コウ「…やれやれ。(ジャキッ!)」←剣を構える

 

百騎兵「フキュゥ…!(ジャキッ!)」←剣を構える

 

コウと百騎兵は、魔物の群れに臨戦態勢をとる・・・!

 

コウ「行くかァ…!(ダッ!)」←魔物の群れに突っ込む

 

百騎兵「ワァッ!(ダッ!)」←魔物の群れに突っ込む

 

クサ・カプリ『ギィーーーッ!!』

 

マジョプキン『ギィアーーーッ!!』

 

コウ「フンッ!(ブンッ!)」

 

ザシュッシュッシュッ!!

 

クサ・カプリ×3「「「ミギャアアアーーーーーーッ!!」」」

 

コウは、クサ・カプリをいっぺんに切り裂く・・・!

 

コウ「フゥーーー…!」

 

百騎兵「ヤッ!ワァ!ドリューッ!!(ブンッ!ゴンッ!ブンブンブンッ!!)」

 

ザシュッ!ガゴンッ!ザシュッシュッシュッ!!

 

マジョプキン×3「「「ギャアアアァァァーーーーーーッ!!」」」

 

百騎兵は、剣、鈍槌、槍鎌を巧み使い魔物たちを薙ぎ払う・・・!

 

百騎兵「フキュゥ…!」

 

サキ「相変わらず、凄まじいわね。」

 

サキがコウと百騎兵の戦いを眺めていると・・・

 

 

 

ガザガザ・・・!バザッ!

 

クサ・カブリ『ミギャアアアァァァーーーーーーッ!!』

 

マジョプキン『ギャオオオオォォォォォォーーーーーーッ!!』

 

サキ、ハナ、カイ、イシグモのそばの草むらから魔物たちが飛び出してきた・・・!?

 

ハナ「キャアアアァァァッ!!」

 

サキ「ハナちゃん!私の後ろにッ!(バッ)」←ハナの目の前に立つ

 

カイ「陽動って訳か?」

 

イシグモ「…どうやら、あちらさんも本気って訳だね。」

 

コウ「…ッ!(バッ)」←後ろを振り向く

 

コウは、魔物の群れに4人が囲まれていることに気づく・・・!

 

コウ「チッ。(グ…ッ!)」←武器を構える

 

コウは、4人を囲んでいる魔物たちに向かおうとする・・・!

 

 

 

 

しかし・・・

 

 

 

 

 

サキ「大丈夫よ!コウ!」

 

コウ「…あ?」

 

サキは、こちらへ向かおうとするコウを呼び止める・・・

 

サキ「私たちなら…大丈夫!(グッ!)」←鈍槌を構える

 

カイ「そうだぜ!いつまでも、お前に良いとこ持ってかれてたまるかよ!」

 

イシグモ「今まで君や百騎兵君に甘えてた分、ここから巻き返さないとね。僕も、男だからさ。」

 

コウ「………。」

 

ハナ「私も…!(ザッ!)」←サキの前へ出る

 

サキ「ハナちゃん…!」

 

コウ「!!」

 

ハナ「コウくん、言ったでしょ?私は、コウくんを止めるためにここにいる。だから…!(バッ!)」←剣を取り出す

 

 

 

 

 

ハナ「こんな奴らにビビってられないわッ!!(ドンッ!!)」

 

ハナは、剣を勇ましく前に突き出し高々と叫ぶ・・・!

 

コウ「…フッ(ニヤッ)。じゃあ、とっとと片づけな(クルッ…スタスタ)。」

 

百騎兵「ムキュ?(クルッ)」←コウの方を見る

 

コウは、百騎兵の元へ戻っていった・・・ハナ達には見えなかったが、百騎兵からはコウがどこか嬉しそうな顔をしているように見えた・・・

 

ハナ「望むところよ!」

 

ハナも弱々しい顔つきがまだあるが、覚悟を決めた目をし、剣を構える・・・!

 

サキ「ハナちゃん…!」

 

イシグモ「フフッ。コウ君の言葉がよっぽど効いたみたいだね。」

 

カイ「俺が“お楽しみタイム(失敗)”をしている間に本当に何があったんだ?」

 

サキ「おしゃべりはここまでよ…!来るわッ!!」

 

クサ・カプリ『シャァーーーーーーッ!!(バッ!)』

 

マジョプキン『ミギャァーーーーーーッ!!(バッ!)』

 

ハナ達を囲っていた魔物たちが一斉に襲い掛かる・・・!

 

 

 

サキside

 

サキ「スゥ…!(あのときは、無我夢中で振るったけど…!)」

 

ブン!ブン!ブォンッ!!

 

クサ・カプリ「グギャァッ!!」

 

マジョプキン「ミギェエッ!!」

 

サキは、鈍槌を魔獣たちを叩きつける・・・!

 

サキ「フゥ…!(今ならわかる。コレの使い方が…!)(ギュ…ッ!)」←鈍槌を構える

 

サキ「ハァッ!!(ブォンッ!!)」

 

ドゴォンッ!!

 

魔獣たち『ギャアアアァァァーーーーーーッ!!!』

 

サキは鈍槌を力強く握り魔獣たちに力の限り叩き込み魔獣たちを吹っ飛ばした・・・!

 

サキ「フゥ…!案外しっくりくるわね、コレ♪」

 

 

 

イシグモside

 

イシグモ「…コウ君にはあぁ言ったけど、僕は戦闘タイプじゃあないんだよなぁ…。(グ…ッ!)」←鎌槍を構える

 

イシグモは少々愚痴りながらも、鎌槍を構える・・・!そのとき・・・!

 

クサ・カプリ×2「「シャァーーーーーーッ!!」」

 

イシグモ「ッ!」

 

イシグモを挟むかのように両側からクサ・カプリ達が襲いかかってくる・・・!さらに・・・!

 

マジョプキン×2「「ミギャァーーーーーーッ!!」」

 

イシグモ「なッ!?」

 

頭上からもマジョプキン達が同時に襲いかかってきた・・・!

 

イシグモ「(ヤバい4体同時にだと…ッ!…ん?いや、待てよ。)(ジッ…ジッ…)」

 

イシグモは焦るも咄嗟に4体の魔獣を観察する・・・!

 

イシグモ「(コイツらの動きは単調、ただ真っ直ぐに飛び掛かってくる…だったら…ッ!!)(バッ!)」←しゃがみこむ

 

イシグモは瞬時に魔獣たちの動きを理解し、その場にしゃがみこんだ・・・!すると・・・!

 

ガブッ!ガジッ!ガジッ!

 

クサ・カプリ×2「「シャァ…ア…ッ!?」」

 

マジョプキン×2「「ミ…ギェ…ッ!?」」

 

クサ・カプリ×2はお互いを食らい合い、そこにマジョプキン×2も加わりお互いを食らい合うという形なっていた・・・!?

 

イシグモ「予測通り…!そして…ッ!!(スッ!…グッ!)」←立ち上がり、構える!

 

イシグモは、食らい合う魔獣たち向かって鎌槍を構える・・・!そして・・・!

 

イシグモ「ハァッ!!(ブンッ!)」←鎌槍を振る

 

鎌槍を食らい合う魔獣たちに放つ!しかし、剣先ではなく剣の側面「腹」の部分で魔獣たちを吹っ飛ばす・・・!

 

魔獣たち『グェ…ッ!!ギィエエエェエェェッ!!(ミシミシ…ッ!!)」

 

カキーンッ!!

 

まるで野球バットで打たれたボールの如くもはや塊となって吹っ飛ぶ魔獣たち、さらに吹っ飛ぶ先には包囲していた魔獣の大群が・・・!

 

クサ・カプリ『ギャァ!?ギャァ!ギャァ!(あたふた)』

 

マジョプキン『ミギャッ!?ミギャギャギャッ!!(あたふた)』

 

魔獣たちは慌てて避けようとするが時すでに遅し・・・

 

ドォンッ!!

 

魔獣たち『ギャアアアァァァッ!!!』

 

魔獣の塊は魔獣たちに直撃し、吹っ飛ばした・・・!しかし、それだけでは終わらない・・・!

 

ダン!ダ・ダダン!ダン!ダン!ダン!・・・!

 

魔獣たち『ミギャアアアァァァッ!!!ギャアアアァァァッ!!!』

 

吹っ飛ばされた魔獣たちは木々や地面、魔獣同士とピンボールの如くぶつかり合い跳ね返り続けていた・・・!?

 

イシグモ「フゥ。(やっぱ、僕にはこういう頭脳戦が一番しっくりくるかな。)」

 

 

 

カイside

 

カイ「オラッ!!(ブォン!)」

 

ザシュシュシュシュッ!!

 

魔獣たち『ギャアアアァァァッ!!!』

 

カイは鎌槍を振り回し、魔獣たちを薙ぎ払っていく・・・!

 

カイ「ようやく俺にもスポットライトが当たり始めたか…!今までホント散々な目に合ってきたからな…!(自業自得)」

 

魔獣たち『グルルルル…ッ!!』

 

カイ「コウにもあぁ言ったし、ここで名誉挽回して“変態”というレッテルを剥がしてやるぜッ!!」

 

魔獣たち『シャアァァァーーーーーーッ!!!』

 

カイ「さぁ!魔獣たちよ、死の恐怖を味わいながら俺に八つ裂きにされるがいい…ッ!!腐☆腐!」

 

魔物たち『シャアァーーーーーーッ!!!』

 

カイ「ハァッ!!(ブンッ!!ブンッ!!ブンッ!!)」

 

ズバッ!ズババッ!!ズババババッ!!!

 

魔物たち『ギャアアアァァァッ!!!』

 

カイは襲いかかる魔物の群れを次々と鎌槍で薙ぎ払う・・・!

 

カイ「へへw!案外楽勝じゃねぇかッ!このちょうs(ドゴォッ!)DOORッ!?」←何かがぶつかる

 

突如、カイの後頭部を何かがぶつかり盛大に倒れてしまう・・・

 

カイ「いつつ…ッ!な、なんだァッ!?(スクッ)」←起き上がる

 

カイが起き上がると目の前には・・・

 

魔獣たち『ギャアアアァァァッ!アアアァァァッ!!アアアァァァッ!!!(ドゴンッ!ドゴンッ!!ドゴンッ!!!)』

 

先程のイシグモが吹っ飛ばした魔物たちがまだ弾き跳んでいた・・・!?さらに、最悪なことに跳ね返り先は皆・・・

 

ヒュウウウゥゥゥ・・・!!!

 

カイ「ゑゑゑゑゑゑぇぇぇぇぇぇッ!!?」←イシグモの戦いを見ていない

 

魔獣たち『ギャアアアァァァッ!!!』

 

ドガアアアァァァアァァアアアァァァンッ!!!

 

カイ「DOOOOOORッ!!?(メキ…ッ!メキメキ…ッ!!)」

 

魔獣たちはカイの全身(腹、背中、脇腹、腕、脚、顔面など)にぶつかり、カイをボコボコにした・・・!?

 

魔獣たち『チーン…。(死屍累々)』

 

カイ「な、なんで…?(ボロボロ)(ガクッ)」

 

 

 

ハナside

 

ハナ「よ、よ~し!(ガクガク…ッ!!)」

 

先程の覚悟はどこへやらガタガタと震えながら、剣を構えるハナ・・・

 

ハナ「ハァ…ハァ…。(うぅ…!怖い…ッ!!…でも!)(チラッ)」←コウと百騎兵の方を見る

 

コウ「ウラアアアアアアァァァァァァッ!!!!!!(ザンッ!!!)」←剣を振るう

 

百騎兵「ヤアアアアアアァァァァァァッ!!!!!!(ザンッ!!!)」←剣を振るう

 

ドガドガッ!ズギャンッ!!ザシュシュシュッ!!ドガアアアァァァンッ!!!

 

魔物たち『ギェアァアアァァアアアァァアアアァアアアアアアッ!!!!!!』

 

ハナの目には、魔物の大群に恐れず立ち向かい薙ぎ払うコウと百騎兵の姿が映っていた・・・

 

ハナ「(…私は、あんなに強いコウ君を止めるためにここにいる。そのために“覚悟”を決めたんだ!“戦う覚悟”を…ッ!!)(スッ)」←剣を下す

 

ハナは剣を下すと、目を閉じ深呼吸をする・・・

 

ハナ「スゥー…ハァー…。スゥー…ハァー…。」

 

魔獣たち『グルルルル…ッ!!』

 

魔獣たちは今にでも襲いかかろうとしていた・・・!

 

ハナ「…ッ!!!(ジャキッ!)(ダッ!)」←剣を構える

 

目をカッと見開き、勢いよく魔物たちに突っ込むハナ・・・!

 

魔物たち『シャアァァァーーーーーーッ!!!ミギャアアアァァァーーーーーーッ!!!(ガバッ!)』

 

ハナ「ハァッ!(ブンッ!)」←剣を振るう

 

クサ・カプリ「ギェアァッ!?」

 

ハナ「フッ!(シュッ!)」←剣を振るう

 

マジョプキン「ギェッ!?」

 

ハナ「フゥ…!(力が湧いてくる…。今なら…!いける…!!)(グッ…!)」←剣を握る

 

剣を強く握るハナの瞳は、弱々しかったときと打って変わって決意と覚悟に満ちたものとなっていた・・・

 

魔獣たち『グルルルル…ッ!!』

 

他の魔獣たちがやられたことでさらに敵意をむき出してハナを威嚇する魔獣たち・・・しかし、ハナは全く動じずジッと魔獣たちを見つめ・・・

 

ハナ「…参るッ!!!(ジャキッ!!!)(ダァンッ!)」←剣を構える

 

剣を構え、決意と覚悟を胸に魔獣たちに突っ込んでいった・・・!

 

 

 

コウ&百騎兵side

 

百騎兵「ヤッ!ドリャ!!ドリュウゥーッ!!!(ブンッ!ゴツンッ!ブンブンブンッ!!!)」←武器を振るう

 

コウ「オラッ!ウラァアッ!!オォラァァアアアッ!!!(ブンッ!ブォンッ!!ブオォンッ!!!)」←剣を振るう

 

ザシュッ!ドガァンッ!!ズガガガガガガッ!!ザシュシュッ!!ドガアアアァァァンッ!!!

 

魔獣たち『ギェアアァアアァアアアアアアアアッ!!!!!!』

 

百騎兵とコウは持ち前の戦闘能力で魔獣たちを圧倒し、ほとんどの魔獣を撃破した・・・

 

コウ「フゥ…。歯応えねぇなァ…。(ゴキッゴキッ…!)」←首を鳴らす

 

百騎兵「フキュゥ…。」

 

コウ「………。(チラッ)」←ハナたちの方を見る

 

サキ「ハアァッ!!(ブォン!!)」←鈍槌を振るう

 

イシグモ「よっとッ!(サッ!)」←避ける

 

カイ「(チーン)」←ヤムチャ状態

 

ハナ「ハァァァアアアッ!!!(ザンッ!!!)」←剣を振るう

 

コウの眼には、覚悟を決め勇敢に戦うハナたちの姿が映っていた(一名除いて)・・・

 

コウ「…。(少しはいい面になったな。そう来なくては、な)(ニヤッ)」

 

百騎兵「ムキュ?」

 

コウが少し微笑んだことに首をかしげる百騎兵であった・・・

 

コウと百騎兵が大半の魔獣たちを薙ぎ払い、ハナたちも自分たち周辺の魔獣たちを撃退し終えた・・・

 

魔獣たち『グルルルル…ッ!!?(スタタタ・・・!)』

 

残りの魔獣たちもその力に恐れをなしたのか我先にと逃げ去っていった・・・

 

コウ「フゥ…さて、先を急ぐか。(スタスタ)」

 

百騎兵「ワキャッ!(スタスタ)」

 

コウと百騎兵は、涼しげな顔で先へと進んでいった・・・が・・・

 

ハナ「フゥ…フゥ…!す、少し待ってよぉ~!(ヘトヘト)」

 

サキ「あの二人…よくバテないわねぇ…。(ヘトヘト)」

 

イシグモ「やっぱ、ハァ、戦いなrうッ!ハァハァ…!てるからかなぁ…ゴホッゴホッ!!(過呼吸)」

 

サキ「アンタはホントに大丈夫なの?」

 

イシグモ「だ、大丈夫…。もう少し休めば…どうにか…。」

 

ハナ「無理しないでね。カイ君は…。」

 

カイ「(ヤムチャ状態)」

 

ハナ「ヤムチャしやがって…。ってカイくーーーーーーんッ!!?」

 

イシグモ「なんかデジャヴ。」

 

サキ「言ってる場合かッ!!ちょっとアンタッ!しっかりなさいッ!!(ユサユサ!)」←カイを揺する

 

ハナたちは、慣れない戦闘やダメージ(カイのヤムチャ状態)により少し遅れて進んでいった・・・

 

~ウーズの森・街道~

 

コウ「………。(スタッ)」←足を止める

 

百騎兵「ムキュ?」←首をかしげる

 

しばらくして、百騎兵と共に進むコウであったが・・・ふと足を止める・・・

 

コウ「…アイツらはまだ来ない、か。(チラッ)」←来た道を見る

 

コウは、ハナたちがまだ来ていないのを確認するとおもむろに・・・

 

コウ「オイ、メタリカ。聞いてんだろ?」

 

メタリカ『…アン?何だ?』

 

コウからの呼び出しにやけに不機嫌そうに答えるメタリカ・・・

 

コウ「やけに不機嫌そうだな。(ニヤッ)」

 

メタリカ『うるさい!オマエラが騒いだせいでロクに昼寝もできなかったのだぞ!嫌味を言うだけなら黙ってとっとと行けッ!!』

 

コウ「いや、どうしても聞きたいことがあってな。」

 

メタリカ『アン?』

 

コウ「オマエ、何故あの魔女にこだわるんだ?」

 

メタリカ『………オマエには関係ないことだ。』

 

コウ「関係なくはねぇだろ。一応は、オマエが指定した相手だからな。事情うんぬんは別にいいが、何故そこまであの魔女を恨んでいるかぐらいは教えてくれねぇか?」

 

メタリカ『………フン。そんなに聞きたいのか?』

 

コウ「あぁ、一応オマエのしもべだからな。」

 

メタリカ『…ワタシは、今まで沼から出たことがなかった。あの女、マーリカによって、な。』

 

コウ「………。」

 

百騎兵「ムキュ?」←首をかしげる

 

コウは黙ってメタリカの話に耳を傾ける・・・百騎兵は話しているか分からない様子・・・

 

メタリカ『…あの女は、ワタシが何かしようものならすぐにやってきて邪魔をしてきた…!それこそ、沼から出ようものなら徹底的にな…ッ!!』

 

コウ「オマエの魔法ならイチコロだったんじゃねぇか?正直言って、オマエの魔法はケタ違いだってあの時のデクノボウ(長老樹)で分かったぞ?」

 

メタリカ『…悔しいが、あの女の防御魔法は並みのものじゃない元からある才能をさらに磨き上げ、ワタシの魔法すらも防ぐほぼ最強の防御魔法となったのだ。それに、当時はピラーを破壊できず近くに沼がないときに限って…ぶつぶつ。』

 

コウ「オイ、愚痴みたいになってるぞ。」

 

メタリカ『おっと、キヒヒ!すまんすまん!…しかし!オマエたち、百騎兵を召喚しピラーを破壊し、沼を広げたことでワタシに光明が見えてきたのだッ!!今度こそ、あのクソ〇✕%%(ピー)女をブチ殺せるときがなァッ!!キーヒッヒッヒッ!!!』

 

コウ「ほう…?まぁ、大体わかった。じゃあ、最後にこれだけ答えてくれ…。」

 

メタリカ『アン?』

 

 

 

 

 

 

 

コウ「オマエは、それを成し遂げるために命をかけられるか?」

 

メタリカ『………。』

 

 

 

 

 

 

 

百騎兵「ムキュ?(チラッ)」←来た道を振り向く

 

ハナ「おーーーい!コウくーーーん!百騎兵ちゃーーーん!(フリフリ)」←手を振る

 

サキ「アンタたち、ホラ!もう少しだから頑張んなさい!男でしょッ!!(スタスタ…!)」←イシグモの肩を支えながら早歩き

 

イシグモ「イタタ!もう少し、ゆっくりと…;」←サキに肩を支えられ、カイを肩で支えている

 

カイ「こっちとらまた事故ってケガ人だぞッ!?せめて、まだ元気なお前が真ん中で支えてくれやッ!!」←イシグモに肩で支えられている

 

百騎兵が来た道を振り向くとようやくハナたちが合流してきた・・・ハナは元気そうに手を振ってこちらを呼んでいおり、サキ、イシグモ、カイは、順に肩を担ぎ支えながら歩いてきていた・・・

 

コウ「…やっと、来たか。」

 

サキ「…“やっと、来たか”。じゃないわよ!また、勝手にヅカヅカと行って!!」

 

コウ「…あの程度で疲れるオマエラが悪い。」

 

サキ「何ですってぇ…!」

 

イシグモ「まぁまぁ…!」

 

ハナ「なんだかんだ言って待っててくれて、ありがとう!」

 

コウ「…フン。」

 

百騎兵「ワキャッ!」

 

カイ「…なんだか、知らず知らずのうちにコウとハナが良い雰囲気に見えるのは私だけでしょうか?読者の皆さん?」

 

イシグモ「カイ君、誰に向かって言っているんだい?」

 

カイ「さぁな。気にすんな。」

 

イシグモ「えー…。」

 

ガザガザ・・・!ガザガザ・・・!バッ!!!

 

一同『ッ!!(グッ!)』

 

草むらから何かが飛び出し、一同は一斉にそちらを向き身構える・・・!

 

???(黒く小さな魔女人形?)「………。」

 

そこには、まるで小さな魔女の人形のような魔獣が3匹、こちらをジッと見ていた・・・

 

サキ「何アレ?」

 

ハナ「ちょっと可愛いかも♪」

 

メタリカ『そいつは、魔力そのものから生み出されたアニマを持たぬ魂なき軍隊………“魔女兵”だ。』

 

ハナ「あ、メタリカちゃん!起きてたの?」

 

メタリカ『誰かさん達のおかげでな…!!』

 

イシグモ「あはは…;あー、それで、あの魔女兵とは一体何なんだい?」

 

メタリカ『フン、まあいい。そいつらは、知性も意志も感情もなく、ただひたすらに、“使役する魔女の命令”に従うだけの無能なドロ人形だよ。命令無しには人も魔獣も襲わない………ある意味、無害な奴らだが、どこにでも潜んでいるから気をつけな。』

 

イシグモ「なるほど。つまり、魔女の従順な兵士って訳だね。てことは、これもあの“マーリカ”という魔女の仕業かな?」

 

メタリカ「いや、コイツらは恐らくどの魔女にも使役されていない野良の魔女兵だな。………まぁ、オマエラにとっちゃ親戚のようなものかもな………。」

 

ハナ「へぇ~、じゃあ大丈夫ってことね♪(スタスタ)」

 

そう言いながら、ハナは無防備に魔女兵に近づく・・・

 

サキ「え!?ちょっとハナちゃんッ!?危ないわよ!?」

 

ハナ「どの魔女さんにも属していないなら誰も襲わないんでしょ?だったら、大丈夫だよ♪(スッ)」

 

ハナはサキの忠告を無視し魔女兵を撫でようとする・・・

 

魔女兵「………。(ニヤッ)(シュッ!)」

 

コウ「…!(ガシッ!グイッ!)」

 

ハナ「はにゃ?ぐぇッ!?(グイッ!)」

 

魔女兵がハナに襲うかかろうしたが、コウが咄嗟にハナの首筋を引っ張りギリギリで躱した・・・

 

サキ「ハナちゃんッ!大丈夫!?」

 

ハナ「げほっ!げほっ!もう、急に何するの~?」

 

コウ「ったく、世話が焼ける…。(さっきまでの顔つきは何だったんだ…。)」

 

イシグモ「ていうか、野良の魔女兵は何も襲わないんじゃなかったけッ!?どうなってるの!?」

 

メタリカ『キヒヒw一つ言い忘れてたが、野良の魔女兵は、人も魔獣も襲わないが、強い魔力を発する魔女や、オマエラのような魔法生物には強い敵意をもって反応するんだ。』

 

一同『はぁ!?』

 

メタリカ『…まぁ、よくわからない連中だが、邪魔するやつは、全て敵だと思え!さぁ、百騎兵共!遠慮なくブチのめしちまいな!』

 

そう言うとメタリカの声は聞こえなくなっていった・・・

 

コウ「んな大事なことは先に言えッ!!」

 

魔女兵『(バッ!!!)』

 

ハナ「ッ!!き、来たァッ!?」

 

コウ「フンッ!まとめて消し飛ばしてやる…!(キュイイイィィィン…ッ!!!)」

 

コウの右手に“緑色の弾”が形成されていく・・・!

 

コウ「イレイザーキャノンッ!!!」

 

ポヒーーーーーーーッ!!!

 

魔女兵『ッ!!?』

 

デデーン!!!

 

コウのイレイザーキャノンで魔女兵たちは跡形もなく消し飛んでいった・・・

 

コウ「フゥ…。ざっとこんなもんか…。」

 

一同「おぉ…!」

 

イシグモ「ねぇ、コウ君…。」

 

コウ「あ?なんだ?」

 

イシグモ「今のことなんだけど、それってあれだよね?あの伝説の…!」

 

コウ「そうだ。“伝説の超サイヤ人ブロリー”の技だ。」

 

カイ「やっぱりか!あのとき、長老樹を消し飛ばしたときに、もしやと思ったんだ!」

 

イシグモ「けど、どうしてコウ君がブロリーを技をつかえるんだい?」

 

コウ「分からん。」

 

カイ・イシグモ「はぁ!?」

 

コウ「あんとき、突然目の前が真っ白になって、頭の中に記憶?みたいなもんが駆け巡ったらいつも間にかできるようになってた。」

 

イシグモ「えぇ~?」

 

カイ「ケチケチしねぇで教えてくれよ~。俺もエネルギー弾撃ちてぇんだよ~。(グイグイ!)」

 

コウ「分からんもんは分からんッ!撃ちたきゃ自力で撃てるようになれッ!!(スタスタ)」

 

コウはカイを振り払い先へと進んでいった・・・

 

カイ「ゑゑゑッ!!?」

 

イシグモ「なんて無茶苦茶な…。」

 

サキ「全く…!ほら!私たちも行くわよ!(グイッ!スタスタ)」

 

イシグモ「イタタ!もう少し丁寧に…!(スタスタ)」

 

カイ「そうだ!こっちとらケガにn」

 

サキ「ハイハイ。行くわよ!(グイグイッ!スタスタ)」

 

サキはイシグモとカイを引っ張りながらコウを追いかける・・・

 

ハナ「………。」

 

先に進む皆の背中を見ながらハナはどこか暗い顔をしていた・・・

 

ハナ「(やっぱり、強いなぁ…コウ君…。あのブロリーの力を使いこなしちゃうなんて…。)」

 

百騎兵「ムキュ?」

 

ハナ「(覚悟決めたばっかりだけど、やっぱり、私なんかじゃ…。)」

 

百騎兵「ワキャッ!」

 

ハナ「ふぇッ!?(ビクッ!)」

 

百騎兵「ワキャッ!(クイクイ!)」

 

ハナ「わっ!とっとと…!?(グイグイ!)」

 

百騎兵は小さな手でハナの手を引っ張り、皆の後を追う・・・

 

ハナ「(もしかして、励ましてくれたの…かな?)」

 

百騎兵「ヤァッ!!(タッタッタ)」

 

ハナ「(…そうだよね。諦めるには早すぎるよね!)」

 

ハナ「ありがとう!百騎兵ちゃん!」

 

百騎兵「ムキュ?」

 

ハナ「(絶対に、コウ君を止めてみせる…!)」

 

百騎兵に感謝しつつ、ハナは再び闘志を燃やす・・・!

 

 

 

 

~???~

 

木々に囲まれ、日の光が入り込むどこか神聖な雰囲気を漂わせる場所に森の魔女マーリカともう一人跪いている者がいた・・・

 

マーリカ「…という訳ですので、あなたにはこれを使って沼の魔女のマナニア達を無力化して欲しいのです。(スッ)」

 

マーリカは、そう言いながら男に巻き物を手渡す・・・

 

男「ハハァ…!仰せのままに…森の魔女マーリカ様…!」

 

 

 

 

~森の奥へ続く道~

 

ウォン・・・ウォン・・・!

 

一同が森の突き進んでいくと、再び“ピラーの音”が聞こえてくる・・・

 

コウ「この音は…近くにピラーがあるな…。」

 

イシグモ「よかった…やっと回復できるよ。」

 

サキ「それじゃあ、さっさと見つけましょうか。」

 

コウ「そうだな…さっさと行くか…。(タッタッタ!)」

 

百騎兵「ワキャッ!(タッタッタ!)」

 

ハナ「あ!待ってよ!コウ君!百騎兵ちゃん!(タッタッタ!)」

 

コウを先導に、百騎兵、ハナが後を追っていく・・・!

 

カイ「よし!俺たちも行くぜ!(イシグモに肩を貸している)」

 

サキ「アンタ、いい加減動けるんじゃない?(イシグモに肩を貸している)」

 

イシグモ「いや、ごめん無理…。せめて、ピラーのところまで…。(ゼェ…!ゼェ…!)」

 

サキ「もう…なッさけないわね…!ホラ!行くわよ!(グイッ!)」

 

~マネア村前~

 

ウォン・・・ウォン・・・ウォン・・・!

 

コウ「ここか。ん?」

 

コウがピラーの近くに行くとその近くには・・・

 

コウ「あそこは…村か?」

 

ピラーのすぐ後ろに村の入り口らしき場所があったのだ・・・!

 

コウ「こんなとこに村構えるたぁな…。」

 

ハナ「フゥ…。追いついた…!」

 

百騎兵「フキュゥ…。」

 

ハナと百騎兵をはじめ、サキ、カイ、イシグモも合流する・・・

 

コウ「さて、解放させるか…!(ゴキゴキ…!)」←指を鳴らす

 

コウ「ウラァッ!!!(ブンッ!!!)」

 

バゴォンッ!!!ドドド・・・!プシャア・・・!!!

 

コウがピラーに一撃入れるとピラーに見事に沼をまき散らして咲いた・・・!

 

コウ「さぁ、とっとと回復してあの村に向かうぞ。(ピタッ)」

 

そう言いながら、コウはピラーに触り自身のトーチの魔力を回復させる・・・

 

サキ「ほら、着いたわよ。」

 

カイ「やれやれ、やっとだぜ…。(ピタッ)」

 

イシグモ「フゥ…。助かった…!(ピタッ)」

 

カイとイシグモもピラーに触れてようやくダメージを負った分のトーチの魔力を回復した・・・

 

イシグモ「よし!やっと、回復できた…!」

 

サキ「さて、私たちも。(ピタッ)」

 

ハナ「オッケー♪(ピタッ)」

 

百騎兵「フキュゥ…。(ピタッ)」

 

サキ、ハナ、百騎兵もピラーに触れてトーチの魔力を回復する・・・

 

コウ「メタリカ、この村のことを聞きたいんだが?」

 

メタリカ『あん?いつの間にこんなところに集落ができたんだ?こんな鬱屈した森に居座るとはまったくモノ好きな連中だ………。」

 

コウ「オメェも知らなかったのか。」

 

メタリカ『あぁ、しかもここからは魔女の臭いがするぞ………。ワタシが大嫌いなあいつのな。』

 

イシグモ「ということはここは…。」

 

メタリカ『キヒヒ………。あのクソ女が統治する村ということか。」

 

サキ「なるほどね。あそこなら、何か情報とか聞きだせるんじゃない?」

 

メタリカ『そうだな。メチャクチャに蹂躙してやりたいところだが、あいつの手がかりが得られるかもしれん………。さぁて、どうしたものか………。」

 

イシグモ「どうしたもこうしたもないだだろ。行って聞きだすが一番効率が良い。」

 

カイ「よっしゃ!早速聞き出してみるか!」

 

こうして一同は、森の魔女マーリカが統治する村、“マネア村”へ歩みを進める・・・

 

~マネア村~

 

イシグモ「さて、ここは一旦ばらけないかい?固まって動くより、ばらけて聞き込みをして森の魔女マーリカについての情報を集めるんだ。」

 

コウ「ほう、これも効率か?」

 

イシグモ「あぁ、モタモタしてたらあっちがいつまでも有利だからね。ただでさえ、先ほど先手を打たれたんだし…。」

 

サキ「なるほどね。見た感じ、お店もあるみたいね。」

 

ハナ「けど、お買い物しようにもお金がないよ?」

 

メタリカ『キヒヒ!安心しろ、そう言うと思ってオマエラには予めこの世界の通貨が入った“魔法の袋”を持たせておいた。」

 

コウ「なに?(ゴソゴソ…!)」

 

コウが身体を調べると丁度手に収まる大きさの麻袋を腰に付けていることに気が付いた・・・

 

コウ「コイツか…。(ジャラジャラ…。)」

 

そう言いながら、コウは麻袋の中から数枚のコインを取り出す・・・

 

メタリカ『ソイツがこの世界の通貨“Shell”だ。ソイツがあれば店で買い物ができるぞ。」

 

ハナ「おぉ!やったぁ!!」

 

イシグモ「僕たちが今持っているShellってどれくらいあるんだい?」

 

メタリカ『全員大体、100Shellずつだ。まぁ、これくらいだったら薬草を買うぐらいで終わるな。』

 

ハナ「えぇ~?そんなぁ~!」

 

メタリカ『贅沢を言うな!』

 

カイ「まぁ、とりあえず情報収集だな!(スタスタ!)」←心なしか足取りが軽い

 

サキ「アンタ、まさかだと思うけどナンパとかしないわよね?」

 

カイ「ゑッ!?そ、そのようなことがあろうはずがございません!(汗)」

 

サキ「アンタねぇ…!(ゴゴゴ…!)」←怒気

 

カイ「ひ、避難だぁ!(ビュンッ!!!)」

 

サキ「コラァッ!!待ちなさーいッ!!!(ダッダッダッ!!!)」

 

目にも止まらない速さで逃げたカイをサキは追いかけていった・・・

 

イシグモ「と、とりあえず、情報集めといこうか?(困惑)」

 

ハナ「お、おぉ~!(困惑)」

 

コウ「やれやれ…。」

 

百騎兵「ワキャッ!」

 

百騎兵たちも情報収集と買い物を開始した・・・!

 

 

 

 

 

~イシグモside~

 

イシグモ「ここが店かな?」

 

イシグモはマネア村の雑貨屋を訪れていた・・・

 

雑貨屋「いらっしゃい!お客さん、はじめてみる顔だね?どこから来たの?」

 

イシグモ「え~と…、ちょっと遠くの方から…;(流石に、毒沼から来ましたなんて言えないからなぁ…;)」

 

雑貨屋「そうかい、まぁよかったらなんか買ってくれよ!」

 

そう言いながら、雑貨屋は商品の整理をし始めた・・・

 

イシグモ「ふむ。(ざっと見た感じ、食品とか生活に必要なものくらいだな…。…ん?)」

 

イシグモが商品を見ていると、商品の中にひときわ目立つ、木の箱があった・・・

 

イシグモ「すみません。これは?(スッ)」←木の箱を指差す

 

雑貨屋「ん?あぁ。それはいわゆる救急箱だ。」

 

イシグモ「救急箱?」

 

雑貨屋「あぁ、魔女様の薬には及ばないが、ちょっとした応急手当ぐらいにはなる薬や道具が一式入ったものさ。つっても、皆、応急手当なんて知恵ないし、魔女様の知恵や薬をあてにするからあんまり売れてないんだよなぁ…;」

 

イシグモ「ふむ。(…救急箱、か。)」

 

イシグモ「…すみません。この救急箱、何Shellですか?」

 

雑貨屋「えッ!?買ってくれるのかッ!?」

 

イシグモ「えぇ、もしかしたら何から役に立つと思いますので。」

 

雑貨屋「そうかい。う~む、本当は500Shellなんだが、あってもしょうがないものだし…うん!100Shellでいいぜ!」

 

イシグモ「え、いいですか?」

 

雑貨屋「あぁ、持ってけ持ってけ!どうせ、この村にあってもしょうがないものだからな!」

 

イシグモ「ありがとうございます!では、これで!」←100Shellを支払う

 

雑貨屋「まいどあり!」

 

イシグモ「あと、一つ聞きたいことがあるのですが…。」

 

雑貨屋「おう、何だい?」

 

イシグモ「この村は、魔女に統治されているのですか?」

 

雑貨屋「まぁな、この村は魔女様と契約して守ってもらっているんだ。と言っても、この辺りは比較的魔物も少ないんだけどな。」

 

イシグモ「なるほど。」

 

雑貨屋「この村以外にも、魔女様と契約して守ってもらっている村は結構あるんだぜ?」

 

イシグモ「そうなんですか?」

 

雑貨屋「これ結構常識だぜ?兄ちゃん、そうとう田舎から来たんだな?」

 

イシグモ「あはは…;いえいえ。色々とありがとうございました。それでは。(ガチャ)」←店の扉を開ける

 

雑貨屋「まいど!また来てくれよな!」

 

イシグモは、雑貨屋の店員に軽く会釈しながら店を後にした・・・

 

イシグモ「ふむ、この世界では魔女と人々は結構密接な関係にあるのか。」

 

 

 

 

コウside

 

コウ「…ふむ。(キョロキョロ)」←辺りを見回している

 

コウは、村中を適当に歩き回りながら何かないか探していた・・・

 

コウ「ん?」

 

薄暗い村人「(ブツブツ)(フラッフラッ)」

 

コウの目線の先には、足元をふらつかせて森の奥へ進んで行く村人の姿があった・・・

 

コウ「なんだ?アイツ?(スッ)」←後を追う

 

平凡な村人「やめとけやめとけ。後を追うのは。(ガシッ)」

 

コウ「あん?」

 

後を追おうとしたコウであったが、別の村人に止められてしまう・・・

 

平凡な村人「あの先は、黄昏の盗賊団のアジトだぜ?」

 

コウ「黄昏の盗賊団?」

 

平凡な村人「あぁ、村外れの森にアジトを作って村人を博打に誘ってはボロ儲けしているケチな連中さ。」

 

コウ「ふ~ん。盗賊なのに博打、か。」

 

平凡な村人「まぁ、この村は魔女様に守られているから下手に手出しできないから合法的に博打で金を巻き上げてるんだろうな。それに、こんな辺鄙な村だからか、博打なんて刺激的なことに興味を持つ奴らが絶えねぇ。さっきのは、その一人さ。」

 

コウ「なるほどな。博打で金スッて、取り戻そうとまた博打に行っているわけか。」

 

平凡な村人「そういうこった。」

 

コウ「こんな事態なっているってのに、この村の村長とかは何してんだ?」

 

平凡な村人「長老のことか?まぁ、そこが一番の原因つうか…;」

 

コウ「ん?」

 

平凡な村人「(キョロキョロ)…ここだけの話よぉ、長老はいい年こいて博打にハマっちまったんだよぉ~。(小声)」←周りを気にしながらコソコソ声

 

コウ「は?」

 

平凡な村人「情けない話、長老は博打したさに盗賊団のことをほったらかしにしているし、自分しかマーリカ様に会いに行けないからってマーリカ様には盗賊団のことを秘密にしているしよぉ…。(小声)」

 

コウ「とんだ、クズだな。」

 

平凡な村人「言ってくれるねw…まぁ、そのとおりなんだけどなw(小声)」

 

コウ「つーか、なんでオレにそんなことを教えるんだ?」

 

平凡な村人「アンタ、旅人だろう?旅人を盗賊団の博打に行かせる程、この村を腐らせるわけにはいかない。」

 

コウ「オマエが村長やった方がいいじゃねぇか?」

 

平凡な村人「ハハハ!よく言われるよ。」

 

コウ「そういや、“長老しかマーリカ様には会えない”っていうのはどういうことなんだ?」

 

平凡な村人「あぁ、マーリカ様に合うにはこの村の先にある“魔法の扉”を抜けないといけないんだ。その為には、長老が持っている“鍵”が必要なんだ。」

 

コウ「ほう…。」

 

平凡な村人「ずるいよなぁ…。結構な美人さんだって噂だし…。」

 

コウ「そのマーリカについて何か知ってないか?」

 

平凡な村人「魔女様を呼び捨てって、失礼だな、君…。う~ん、そうだなぁ…?」

 

平凡な村人はしばらく考え込むと・・・

 

平凡な村人「あッ!そう言えば、長老がマーリカ様の秘密を知ってるって噂があったような。」

 

コウ「秘密?」

 

平凡な村人「詳しくは知らなんだけど、長老はマーリカ様に会ってはよく話をする関係らしくて、その時にマーリカ様に関する色々なことを聞くことができてそれの自分以外には絶対に喋らないって噂があるんだ。まぁ、これと言った確信はなんだけどね。」

 

コウ「ふむ…。」

 

平凡な村人「おっと、いけねぇ!用事あったんだ、アンタ忠告はしたからな!」

 

コウ「あぁ、最後に聞きたい。」

 

平凡な村人「ん?何だい?」

 

コウ「この村で長老をよく知っている奴は誰だ?」

 

平凡な村人「そりゃあ、長老が雇ってる家政婦さんぐらいかな?」

 

コウ「そうか…。分かった。」

 

平凡な村人「それじゃあな!あと、さっきの話は長老や皆には内緒に頼むぜ!村追い出されたくないからよ~!(ダッダッダ!)」

 

そう言いながら、平凡な村人は走りさって行った・・・

 

コウ「…フン。長老、か。」

 

 

 

 

ハナ・百騎兵side

 

ハナ「100Shellじゃあ、何も買えないしとりあえずとっとこ。」

 

百騎兵「ワキャッ!」

 

ハナと百騎兵は、100Shellでは買い物にならないと判断し、村中を探索しながらマーリカについての情報を集めようとしていた・・・

 

ハナ「けど、マーリカさんについての情報って誰に聞いたらいいのかなぁ?知っている?百騎兵ちゃん?」

 

百騎兵「ムキュ?」←首を傾げている

 

ハナ「アハハ…知ってるわけないよねぇ~…;」

 

誰に聞けばいいのか分からず、途方に暮れていた・・・

 

ハナ「ん?アレは…。」

 

老婆「ふぅ~…。ハァ~…。」

 

途方に暮れていたハナの目の前に、大きな袋を担いだ老婆がヨボヨボと歩いていた・・・

 

ハナ「おばあちゃん!よかったら持つよ!」

 

老婆「おやおや。すまないねぇ。」

 

ハナは老婆が持っていた大きな袋を代わりに持ち、老婆の家の前まで運んで行った・・・

 

ハナ「よいっしょっと!(ドサッ)」←袋を下す

 

老婆「すまないねぇ、ありがとうよぉ。」

 

ハナ「ううん!良いの良いの!」

 

老婆「ところで、そこのおチビちゃんはマナニアかい?」

 

ハナ「うん!そうらしいよ!」

 

老婆「おぉ!ということは、あなたたちはマーリカ様の使いのものなんだね!ありがたや!ありがたや!」

 

そう言いながら、老婆は何度も手をこすり合わせて頭を下げ始めた・・・

 

ハナ「あぁ!いや、私たちは…!」

 

老婆「こんな老いぼれのために使いを寄こしてくれるとは、やはりマーリカ様は慈悲に満ちたお方じゃ…!」

 

ハナ「え?おばあちゃん、マーリカさんについて知ってるの?」

 

老婆「この村に住んでいる者なら誰でも知っとるとも、森の魔女マーリカ様は、慈悲に溢れた優しく美しく素晴らしいお方、と。」

 

ハナ「へ~。(なんか、メタリカちゃんの言ってることと違うような…。)」

 

ハナ「おばあちゃん、他に知ってることとかない?」

 

老婆「う~む、と言われてもの~。わしのひいばあ様がまだ子供だった頃マーリカ様の友達だったらしくてのぉ、マーリカ様の思い出話をするときはすごく優しい顔になっておったの~。」

 

ハナ「おぉ!そのひいおばあちゃんは今ドコにいるの?」

 

老婆「ひいばあ様かい?そりゃ、とっくに亡くなっておるわい。」

 

ハナ「あぁ…ごめんなさい!(ペコリ)」←頭を下げる

 

老婆「いえいえ、気にしないさんな。」

 

ハナ「それじゃあ、そろそろ行かなくちゃ!いこう!百騎兵ちゃん!」

 

百騎兵「ワキャッ!」←ずっとハナのそばで座っていた

 

老婆「色々とありがとうね。気をつけるんだよ~!」

 

ハナ「うん!ありがとう、おばあちゃん!元気でね~!(フリフリ!)」←手を振る

 

ハナは、元気に手を振りながら老婆の家をあとにした・・・

 

ハナ「マーリカさんって案外良い人何かな?」

 

百騎兵「ムキュ?」

 

 

 

 

カイside

 

カイ「へぇ…へぇ…。なんとか逃げ切った…!ん?」

 

サキからなんとか逃げ延びたカイ、早速目の前には村人らしき若い女性が・・・!

 

カイ「腐☆腐!すみません。そこ麗しいお姉さん。(キリッ!)」

 

若い女性「あら?何ですか?」

 

カイ「少々お聞きしたいことがありまして、良かったらあちらの木陰でお話ついでに、俺とお茶で(ゴンッ!)モンブラッ!?」

 

若い女性をナンパしようとしたカイであったが突如頭を殴られ気絶してしまった・・・

 

サキ「………。(ゴゴゴゴゴゴゴ…!)」←怒気全開

 

若い女性「え?え…?」←混乱

 

サキ「ったく、このバカは…!すみません、うちのバカが…!(ペコリ)」←頭を下げる

 

若い女性「あ、いえいえ。それよりそちらの方は」

 

サキ「いえ、気にしないでください。バカの戯言ですので。」

 

若い女性「は、はぁ…。」

 

サキ「それでは失礼いたします。(ズルズル…)」

 

サキは、気絶したカイを引きずりながらその場を後にいた・・・

 

若い女性「何だったのかしら?今の人たち?」

 

 

 

 

こうして、各々情報収集と買い物を済ませ合流した・・・(約一名、気絶中)

 

イシグモ「さて、皆情報は集まったかい?」

 

コウ「その前に…。」

 

カイ「(チーン)」←気絶中

 

コウ「約一名、この有様なんだが…。」

 

サキ「仕方ないでしょ、案の定だったんだから…。」

 

コウ「なら、しゃーねぇ。さっと始めるぞ。」

 

イシグモ「(切り替え早ッ!?)そ、それじゃあ、まずは僕から…。」

 

~イシグモ説明中~

 

イシグモ「…て訳で、どうやらこの世界では魔女っていうのはかなり馴染み深い存在みたい。」

 

コウ「なるほどな。」

 

イシグモ「それと、念のために救急箱を買っておいたよ。(スッ)」←救急箱

 

ハナ「おー!イシグモ君、使えるの!?(キラキラ…!)」←尊敬の眼差し

 

イシグモ「ま、まぁね…///」

 

ハナ「すごーい!」

 

イシグモ「い、いやーアハハハ…///…ハッ!?(ゾクッ!)」

 

サキ「………。(ゴゴゴゴゴゴゴ)」

 

イシグモの目の前には、尊敬の眼差しを向けるハナとその後ろで恨めしそうにこちらを睨んでいる般若(サキ)がいた・・・

 

イシグモ「ととと、とにかく他の皆は何か分かったことはあるかな~;(ダラダラ…;)」

 

ハナ「?どうしたの?」

 

サキ「そうね。私は見ての通りよ。(スッ)」←カイを指差す

 

カイ「(チーン)」←ヤムチャ状態

 

イシグモ「な、なるほど。君はどうだい?コウ君?」

 

コウ「オレは、この村の長老と村外れで行われている賭博についてだな…。」

 

~コウ説明中~

 

コウ「てな具合に、いい感じに腐敗していってるわけだ。」

 

イシグモ「どこら辺が良い感じなのかは置いといて、盗賊団のことを長老がね。」

 

コウ「あぁ、だから大人しく鍵を渡してはくれねぇだろうな。渡したら、それこそ村の恥、ついでに盗賊団のこともバレて居場所がなくなるからな。」

 

サキ「どちらにしても長老の家に向かうしかないわね。」

 

ハナ「はいはーい!その前に、私も!」

 

イシグモ「お、ハナちゃんも何かわかったのかな?」

 

ハナ「うん!マーリカちゃんについてね!」

 

一同「おぉ!」

 

ハナ「村のおばあちゃんから聞いたんだけど、マーリカちゃんって案外良い人みたい!」

 

イシグモ「えぇ…;」

 

コウ「敵が統治する村だぞ。統治している魔女を悪く言う奴なんざいる訳ないだろ。」

 

ハナ「いや、おばあちゃんは本心から良い人そうに話してたよ!」

 

コウ「そう言う風に騙されてんだよ。大抵の人間は、善人や権力者の言うことを鵜呑みにする。だがな、そう言う奴ほど腹ん中はドス黒いもんなんだよ。」

 

ハナ「そ、そうなのかなぁ…?」

 

コウ「世界が変わろうと、所詮…騙し騙される理は変わらない。結局、最後に信じられるのは、自分だけだ。(コツコツ…)」

 

そう言って、コウは長老の家へ向かおうとする・・・

 

ハナ「コウくん…。」

 

イシグモ「…僕たちも向かおう。」

 

カイ「う~ん?何だ?何があった?」

 

サキ「アンタは呑気ね~。寝てる場合?」

 

カイ「オメェが、気絶させたんだろうがッ!!!」

 

サキ「何よ!アンタがまた性懲りもなくナンパなんかするからじゃないッ!!!」

 

カイ「んだと!」

 

サキ「何よ!」

 

カイ・サキ「グギギギ…ッ!!!(バチバチッ!!!)」

 

イシグモ「あぁ…!?;また…!ちょっと、コウくん!二人を止めるのをt(クルッ)ってもういないしッ!!?」

 

イシグモ「二人ともちょっと落ち着いて…!」

 

ワーワーギャーギャー!!!

 

イシグモが二人をなだめている中、ハナはコウの向かった先を見ながら思いふけっていた・・・

 

ハナ「(…コウくん、君は一体何を見てきたの?いや、それよりコウ君に早く追いつかなきゃ…!)」

 

百騎兵「ムキュ?」

 

イシグモ「ちょっと二人とも思いふけってないで止めtギャアアアァァァッ!!!」

 

~数分後~

 

~マネア村・長老の家前~

 

イシグモ「はぁ…はぁ…!な、なんとか止めることができた…!(ボロボロ)」

 

コウ「何があった?」

 

イシグモ「そう思うなら、置いていかないでよ…;」

 

コウ「ま、そんなことどうでもいいさ。ちょうどこのおばさんと長老のことについて話してたんだ。」

 

家政婦「ちょっとちょっと!“おばさん”なんて失礼ね!私はまだそんな年じゃないわよ!」←どう見てもおばさん

 

イシグモ「す、すみません!」

 

ハナ「ところで、何話してたの?おばちゃん?」

 

家政婦「おばちゃんじゃないって言ってんでしょ!?ハァ~…いやね、長老が博打にハマったのは知ってる?」

 

イシグモ「はい。ハマった挙句、盗賊団のことをマーリカさんに秘密にしているとか。」

 

家政婦「そうそう!そうなんだよ!ちょっと、聞いとくれよ!」

 

イシグモ「は、はぁ…!(押され気味)」

 

家政婦「長老ともあろうお方がいい年こいて賭博にハマるなんてまったく情けない話よ。」

 

コウ「だな。」

 

家政婦「しかも、この間マーリカ様に会うために必要な“魔法の扉を開く鍵”を賭けに使う始末…:」

 

サキ「うわぁ…。」

 

コウ「そんなクズ野郎に何故村の連中は従ってんだ?」

 

家政婦「あ~、それね。よく言われんのよ。何せ、この村の収入は全部長老の勝ち金で養われてんのよ。それがなくなったら、私達全員貧しい暮らしを強いられることになるわ。」

 

イシグモ「だから、全員長老のいうことには逆らえないか。」

 

家政婦「実質、その辺の貴族よりタチが悪いわよ。しかも、余ったお金は全部自分のものにできるってもんで、今日も懲りずにまた盗賊団の博打に行っててね~…。」

 

イシグモ「お察しします…;」

 

家政婦「って、あら、いけない!これは喋っちゃダメなんだったわ!アンタ達も今言ったことは忘れとくれよ!家政婦の仕事クビになっちゃうわ。」

 

イシグモ「わかりました。その代わり、僕たちのお願いを聞いてくれますか?」

 

家政婦「あら、何だい?」

 

イシグモ「僕らも森の魔女マーリカ様に用があって、その魔法の扉を開ける鍵を少し間でいいので貸してくれませんか?」

 

家政婦「えぇ!?そんなこと言われてもねぇ…う~ん?家政婦を私にはそんな権利ないし、そもそも、鍵は長老が肌身離さず持ってるのよね…;」

 

ハナ「なら、私たちが長老にお願いして貸してもらう!」

 

家政婦「えぇ…;そ、それも難しいと思うよ…?」

 

ハナ「大丈夫大丈夫!それじゃあ、行ってきま~す♪(タッタッタ!)」

 

そう言って、ハナはその場から走り去っていった・・・

 

家政婦「あの子、大丈夫かい?なんていうか、危なっかしいていうか…。」

 

サキ「私たちも行くわよ。」

 

イシグモ「そうだね。それでは失礼します。(ペコリ)」

 

家政婦「気をつけるんだよ。」

 

家政婦に別れを告げて、一同はハナの後を追う・・・

 

とも思いきや・・・

 

ハナ「盗賊団のアジトってどこ?」

 

サキ・イシグモ・カイ「(ズコーッ!!!)」

 

コウ「ハァ…。」

 

百騎兵「フキュゥ…。」

 

気を取り直して、長老がいると思われる“黄昏の盗賊団”のアジトへと向かう・・・

 

 

 

~黄昏の盗賊のアジト・賭場~

 

村外れにある“黄昏の盗賊団”のアジト兼賭場・・・

 

森のひらけた場所に、盗賊団の寝床らしき大きなテントとそこを中心に様々なギャンブルの小さなテントが数点ある・・・

 

ほのぼのとした緑に囲まれた村から少し離れただけだが、酒やタバコの臭いが漂い、周りの人の雰囲気も険しく、この場所だけ別の空間のように感じる・・・

 

見渡せば、賭けに大勝ちし喜ぶ者もおれば、逆に賭けに負け隅で現実から目を背けている者までおり、中にはこの場所は遊び場といわんばかりに走り回る子供までいた・・・

 

イシグモ「ここが“黄昏の盗賊団”のアジト…。見事に村人が賭けにハマっているね。」

 

カイ「俺は、気絶してほとんど聞けなかったが要はここから長老を探せばいいんだろ?」

 

イシグモ「そうだね。長老を捜し出して魔法の扉を開ける鍵を貸してもらわないと。とりあえずまずは…。(キョロキョロ)」

 

イシグモ「あそこで聞き込みをしてみよう。(ビシッ)」

 

イシグモが指差した先には、イスとテーブルとカウンターだけの簡易的なバーがあった・・・

 

バーに着くなり、バーのマスターは・・・

 

マスター「ご注文は?」

 

イシグモ「すみません、少し聞きたいことがありまして。こちらに長老が来ていると聞いてきたのですが、何か知りませんか?」

 

マスター「おたくら、村の連中じゃないね?旅人が、長老に何の用だい?」

 

イシグモ「いえ、大した用じゃないんですが…;」

 

マスター「どちらにしろ、客じゃないなら教える気にはならないね。ここはバーだ、何か注文してくれないと。」

 

イシグモ「うーむ…。」

 

カイ「しゃーねー、酒でも頼むか。」

 

コウ「だな。」

 

イシグモ「いや、僕未成年…。」

 

サキ・ハナ「私も…。」

 

カイ「俺だって未成年だよ!」

 

サキ「じゃあなんで、酒なんて言い出すのよ!」

 

カイ「しゃーねーだろ?バーなんだから。」

 

コウ「酒以外もあるか?」

 

マスター「あぁ、一応紅茶ならあるよ。」

 

コウ「じゃあ、それ6人前。」

 

カイ「あるんかい!?」

 

マスター「6人?」

 

コウ「コイツの分もな。(ヒョイッ)」←百騎兵を掴み上げる

 

百騎兵「ワキャッ!」

 

マスター「あぁ、マナニアの分もかい?まぁ、いいが…。少々お待ちを…。(カチャカチャ)」

 

そう言って、マスターは紅茶を作り始める・・・その間、一同はバーに来ている客から長老についての情報を得ようと聞き込みを始める・・・

 

しかし、バーにいる客たちは一様に首を横に振るばかり・・・

 

マスター「お待たせしました。紅茶6人前、砂糖はお好みでどうぞ…。」

 

イシグモ「ありがとうございます。」

 

コウ「茶に砂糖なんて入れるのか?」

 

イシグモ「紅茶は渋いからね、砂糖を入れて和らげるんだよ。僕は一個かな」

 

コウ「オレは入れない方がいいな。」

 

サキ「私も。」

 

カイ「俺は、二個入れるな。」

 

イシグモ「甘すぎない?ソレ?ハナちゃんは…ん!?それ、何個目!?」

 

ハナ「え?5個目だけど?」

 

イシグモ「入れ過ぎ!?入れ過ぎィ!?もうそれ紅茶じゃないよ!?」

 

ハナ「甘くておいしいよ?」

 

イシグモ「そう言うことじゃなくて!?それもうただの茶色い砂糖水!!」

 

サキ「ハナちゃん、もう少し砂糖を減らした方がいいと私も思うわ…;」

 

ハナ「えぇ~?そうかなぁ~?(ズズズッ)」←普通に飲む

 

コウ「それで、長老についてなんか知ってんのか?」

 

イシグモ「コウ君もいきなり話を戻さないで!?」

 

マスター「あぁ、そうだね…。といっても、ここの常連客ってことしか知らないよ?」

 

コウ「ほう?金払わせておいて、それだけか?(ギロッ)」

 

マスター「まぁまぁ;そんな睨むなよ;あとは、凄腕のギャンブラーなことぐらいかな?」

 

コウ「ギャンブラー?」

 

マスター「あぁ、どうも若い頃才能があったのか色々ギャンブルに手を出してたようでね。ここでも、連戦連勝で勝ち越しているのさ。」

 

コウ「ふ~ん。他には?」

 

マスター「いや、すまないね。これ以上は知らないよ。」

 

コウ「そうか。結局、収穫なし、か。」

 

イシグモ「みたいだね。他を当たろうk「知ってるよ?」ん?」

 

一同が、声が聞こえた方を見るとそこには・・・!

 

 

 

中年の男「ふっふっふ。(シャシャシャッ!ズラァァァァッ!!)」

 

トン・・・

 

ズラァァァアアア!!!・・・ピタッ!・・・

 

中年の男がトランプのカードを切り、円状に並べると端の方を指でこつき、並べたカードが全てトランプタワーのように立たせた・・・!?

 

ハナ・カイ「おぉ!!!」

 

イシグモ「二人とも感心してる場合?」

 

コウ「さっき、“知ってる”って言ったのはオマエか?」

 

中年の男「えぇ、私です。知ってますよ、マネア村の長老が今どこにいるのか。」

 

ハナ「ホント!?教えて!!」

 

サキ「ハナちゃん、年上の相手なんだから…;すみません、教えてくれませんか?」

 

中年の男「教えても構いませんが、“ただ”では教えられませんね。」

 

カイ「しゃーねー、俺の持ち金から、そうだな50Shellで教えてくれないか?」

 

中年の男「いえ、お金は結構です。ただ、私と賭けをしてくれませんか?」

 

カイ「賭け?」

 

中年の男「えぇ、私との賭けに勝ったら長老の場所を教えましょう。」

 

イシグモ「いえ、僕たちは賭けをするためにここに来たわけではなく、ただ長老を探してるだけなんです。」

 

カイ「そうだぜ。50じゃ、足りないって言うのか?それじゃあ、80!80Shellでどうだ!!」

 

中年の男「いえいえ、お金なんて間に合ってます。私はただ賭け、ギャンブルがしたいだけなんです。どうです?」

 

コウ「埒が明かねぇな。無視して探しに行った方がいいじゃねぇか?」

 

イシグモ「いや、実際手がかりがない以上この人から情報を聞いた方が早い。ここは、全員の持ち金を出し合って僕が交渉してみるよ。」

 

カイ「いや、その必要はないぜ?イシグモ!」

 

イシグモ「え?」

 

カイ「要は、コイツの要望通り賭けをやればいいんだろ?その方が手っ取り早い!」

 

中年の男「では、受けてくれるのですか?」

 

カイ「あぁ!受けてやるぜ!」

 

イシグモ「待って!カイくん!」

 

カイ「いや、待たねぇ!男が一度勝負を受けたらもう引き換えせないぜ!!!」

 

中年の男「GOOD!なかなか男らしい。好きですよあなたのような熱い男は。」

 

カイ「それで、何で勝負するんだ?トランプか?サイコロか?」

 

中年の男「いえ、そうですね。粗方のギャンブルは飽きましたので…。(キョロキョロ)」←辺りを見渡す

 

中年の男「お!そうだ、あの猫!(ビシッ)」←指差す

 

中年の男が指差した先には、樽の上に猫が寝ころんでいた・・・

 

中年の男「今からあの猫の近くにこの魚の燻製を二つ投げ込みます。(スッ)」←魚の燻製を取り出す

 

中年の男「“左”か“右”か。先にどちらの魚の燻製を取るのかで勝負しましょう。シンプルですが、なかなかスリルがあると思いませんか?」

 

カイ「よくわからんが、アンタそれいいならそれでいいぜ?」

 

中年の男「では…!(スッ!)」←魚の燻製を投げる

 

投げられた干し肉は宙を舞い、ちょうど猫の、目の前あたりに落ちた・・・

 

中年の男「それでは、どちらにしますか?お先にどうぞ。」

 

カイ「良いのか?それじゃあ、“右”に賭けるぜ!」

 

中年の男「右ですか。では、私は“左!”に賭けるとしましょう!」

 

カイ「よし!」

 

イシグモ「カイ君、大丈夫なのかい?」

 

カイ「大丈夫だって気にするな!あ、そう言えば、もう俺が負けた場合何を払えばいいんだ?俺の全財産100Shellか?」

 

中年の男「いえいえ、先ほども申しましたがお金は間に合ってます。そうですねぇ…。」

 

すると中年の男は、不気味に微笑み・・・

 

中年の男「“魂”、なんてのはどうでしょうか?ふっふっふ…!(ニヤニヤ)」

 

カイ「はぁ?タマシイ?(コイツ、変な言い回ししてかっこつけてんのか?キザな野郎だ…。)」

 

中年の男「それで、どうします?」

 

カイ「あ~ハイハイ!良いぜソレで。」

 

中年の男「フッ。」

 

猫「(ピクッ!スタスタ…。)」

 

中年の男「おや?猫が魚の燻製に気付きましたね。」

 

猫「(スタスタ…。)」

 

猫は真っ直ぐ“右”の魚の燻製の方へ向かっていく・・・!

 

カイ「へへ!あの猫、右へ向かってるぜ!(俺が猫なら、当然デカい方を選ぶ!右の方がデカく見える!)」

 

猫「(スタスタ…クルッ!ダッ!ダッ!)」

 

カイ「あ!?」

 

一同「ッ!」

 

中年の男「フッフッ。」

 

猫は、“右”の魚の燻製の直前で向きを変え、“左”の魚の燻製を先に取った・・・!

 

中年の男「見ましたね。“左”→“右”と魚の燻製を奪っていきましたね!私の“勝ち”だ!」

 

サキ「ちょっとどうすんのよ。負けちゃったじゃない。」

 

イシグモ「これじゃあ、長老の場所を聞きだすのが厄介になってたよ。」

 

カイ「んなこと言ってもよ~;」

 

中年の男「さて、約束でしたよね?払っていただきましょうか?」

 

カイ「え?何のことだ?払うって何を?」

 

中年の男「“魂”ですよ。」

 

カイ「え?」

 

中年の男「あなた先ほど賭けましたよ?確かに、“魂”を!」

 

 

 

 

中年の男「私は、森の魔女マーリカ様の命よりお前たちの魂を頂くために参上した!」

 

一同「ッ!?」

 

中年の男「賭けというのは、人から“魂”を出やすくする。そこを奪い封印するのがマーリカ様より賜りし、この“古の賭博師の誓約書”の力ッ!!!(バッ!)」

 

そう言って、中年の男は懐からよく分からない言語が綴られた紙を取り出した・・・!次の瞬間!

 

カイ「なッ!?(ドクンッ!)」

 

ドォオオオ・・・!!!

 

カイ身体から、カイ自身が煙のように引き出され、紙から伸びる無数の黒い手に鷲掴みされる・・・!

 

ハナ「キャアアアァァァッ!!?」

 

イシグモ「な、なんだこれは!?」

 

コウ「ッ!テメェッ!!!」

 

中年の男「おっと!私を殺すなよ!もう遅い!私が死ねば、この誓約書の効果が途中で切れ手に持っているカイとかいう小僧の魂も死ぬ!!」

 

カイ「…。(フラッ)」

 

イシグモ「か、カイ君ッ!?(ガシッ!)」

 

倒れるカイをイシグモはさせるが・・・!

 

サキ「ちょ、ちょっと!大丈夫なの!?」

 

イシグモ「…ッ!?脈が、“ない”…!死んでる…!」

 

サキ「そんな…!」

 

ハナ「カイくーーーんッ!!!」

 

カイの魂「…!…!」

 

グニグニ・・・!グニャグニャ・・・!ビヨ~~~~ンッ!!!バンッ!!!

 

カイの魂は、まるで餅をこねるようにもみくちゃに引き延ばされ、最終的に・・・

 

チリン・・・

 

一枚のチップになってしまった・・・

 

中年の男「これが、“カイの魂”だ…!」

 

中年の男「これで、マーリカ様にあだなす愚か者を一人始末できた。間抜けな奴だったがな…!」

 

ハナ「(キッ!)」

 

中年の男「遅れたが、自己紹介しよう。私が、お前たちが探していた…“マネア村の長老”だ!」

 

コウ「テメェだったのか…!てっきり、ヨボヨボのジジィかと思ったぜ…!!」

 

イシグモ「メタリカ…!カイは本当に?」

 

メタリカ『…あぁ、完全に魂が抜け落ちてる。死んでいると思っていい。』

 

イシグモ「クソッ!」

 

猫「(スタスタ…。ヒョイッ!)」

 

イシグモが憤りを感じていると先程の猫がどこからか現れ、なんと長老の膝の上に乗っかった・・・!?

 

一同「ッ!!?」

 

長老「あぁ、そうそう。これは“私の猫”さ。」

 

サキ「キサマァッ!!!(ガシッ!)」

 

サキは怒りのままに長老の胸ぐらを掴む・・・!

 

サキ「何が“賭け”よッ!“イカサマ”のくせにッ!!」

 

長老「“イカサマ”?いいかな?“イカサマ”を見抜けなかったのは、見抜けなかった奴の敗北なんだよ。」

 

サキ「くぅ…!!(ギロッ!)」

 

長老「私は、賭け事が大好きだ。それ故に、賭けとは人間関係と同じ“騙し合い”の関係と考えている。泣いた奴の敗北なんだよ!」

 

サキ「ぐぅう…ッ!!(ギロッ!!)(グッ!)」

 

サキは長老をつまみながら拳を握る・・・!

 

長老「その拳で私を殺すのですか?いいでしょう、おやんなさい!この“魂”も死んでいいのならね!(スッ)」←カイのチップを見せる

 

カイのチップを出され、サキは拳と引っ込める・・・

 

サキ「いい!?アンタはこのまま無事で帰れることはできないわよッ!!!」

 

長老「ふむ。今から約3年と11ヵ月前の午前0時、あなたはどこで何をしていたか覚えてますか?」

 

サキ「はぁ!?何言ってんのよ?」

 

長老「私は覚えている。(バッ!)」

 

長老はサキの腕を振りほどくと、自前と思われるカバンから一冊の本を取り出した・・・!

 

長老「ここから離れた“ドーエンの森林”にある“ドーエンの村”の酒場で、その村一の怪力と知られた男があなたと同じセリフを言ってましたよ。」

 

パラパラ・・・

 

長老「その男が、“コイツ”です。(スッ)」←指差す

 

長老は本を数ページめくり、あるページを指差す・・・!そこには・・・!

 

一同「ッ!!?」

 

カイと同じく魂を抜かれチップにされた男が本に収まっていた・・・!しかも、そのページには他にも無数の魂をチップにされた人々が収まっていた・・・!!?

 

長老「この下の男が彼の父親で、さらにその下が母親で、隣が女房です。私は、マーリカ様からの命と“私個人”のギャンブルで多くの人の魂を勝ち取ってきました。カイの魂を取り戻すには、続けるしかないんですよ。私との“賭け”をね。」

 

長老「と言っても、“個人”の方が圧倒的に多いんですがね…!ふっふっふ…!」

 

イシグモ「(…!)」

 

サキ「(なんて奴なの…!この男…!)」

 

ハナ「(あ、悪魔たん…!)」

 

コウ「一人、一人オレ達を…!」

 

百騎兵「フキュウ…!」

 

一同に戦慄が走る・・・!!!

 

 

 

長老「さて、どうするんです?ビビッて帰ってもいいんですよ?そのカイを置いてね…!フッフッフ…!」

 

メタリカ『おい、オマエラ。』

 

サキ「ッ!メタリカッ!?」

 

メタリカ『言っておくが、変態とはいえワタシの僕がこんなクソジジィにとらえたままおめおめと逃げ帰るなんて真似はワタシが許さんからな!』

 

サキ「言われなくても逃げるなんて考えてないわ。全員ね…!」

 

コウ・百騎兵「…。(ゴゴゴゴゴゴゴ…!)」←殺気全開

 

ハナ「…!(キッ!)」←少し震えているが闘志全開

 

イシグモ「…。(スッ)」←カイ(身体)を椅子に座らせ長老を睨む

 

メタリカ『キヒヒ…!安心したぞ、少しは良い顔をするようになったじゃないか。なら、やることは一つだ百騎兵ども…!』

 

長老「ま、一杯やってからじっくり考えてください。フッフッフ…!」

 

メタリカ『あのクソジジィのくだらんギャンブルに勝ち…!」

 

長老「チョコレートでも、どうです?(スッ)」←チョコレートを出す

 

メタリカ『あの変態を取り戻すのだ!!!』

 

ガチャンッ!!!

 

長老「…ッ?」

 

イシグモ「了解…!(ギロッ!)」

 

メタリカの掛け声と共に、イシグモはテーブルの上のトランプカードや食器などを薙ぎ払った・・・!!!

 

ドンッ!トクトク・・・!

 

イシグモ「…。」

 

長老「…ん?」

 

イシグモは、グラスを置きそこへ酒をグラスギリギリまで注ぐ・・・!

 

サキ「イシグモ、アンタ何する気?」

 

イシグモ「“表面張力”っていうのを知ってるかな?“ネカマ村のチョウチョウ”?」

 

長老「“マネア村の長老”、私の名は、“マネア村の長老”です。知ってますとも、その酒の表面が溢れるようで溢れない力のことだろう?何をしようというのかね?」

 

イシグモ「サキちゃん、すまないが小銭は持っているかい?」

 

サキ「えぇ、あるわよ。(ジャラ…。)」

 

イシグモ「ルールは簡単、このグラスの中にコインを交代で入れていく。酒が溢れた方が負けだ。」

 

ハナ「イシグモくん…!」

 

コウ「オマエ…!」

 

サキ「まさか…!」

 

イシグモ「賭けよう!僕の“魂”をッ!!!」

 

長老「GOOD…!」

 

ハナ「イシグモくん!?正気なの!?」

 

サキ「コイツはイカサマ師なのよ!?」

 

イシグモ「イカサマはさせない!この賭けは僕が今決めたんだ。コウ君!」

 

コウ「なんだ?」

 

イシグモ「君には、イカサマを見張ってて欲しい…!」

 

コウ「ッ!」

 

イシグモ「君は確かに危ない奴だと僕は思う。人を殺すのにためらいがない君を。しかし、同時に君のそのスバ抜けた戦闘能力を信じてる。君なら、イカサマを見破ぶれると確信にも似た自信がある。」

 

コウ「後悔しないのか?もしかしたら、イカサマをしてもオレが見逃すのかもしれねぇぜ?」

 

イシグモ「君は“嘘は嫌い”なタイプじゃないかな?僕、人を観察するのには自信があるんだ!」

 

コウ「…フン。わかったよ、引き受けたぜ。」

 

イシグモ「ありがとう。それと、百騎兵君。」

 

百騎兵「ワキャッ!」

 

イシグモ「君にはすまないが、君のお金で酒代を払っておいてくれないか…;救急箱で全部使っちゃって…;」

 

マスター「という訳だから、ザッと100Shell払ってね。」

 

百騎兵「ムキューーーーーーッ!!?(ガーンッ!!!)」

 

百騎兵が少々理不尽な目にあったが、気を取り直して・・・

 

長老「OK!いいでしょう、この“賭け”受けましょう!だが、その前に…。」

 

長老「そのコインとグラスを調べても構いませんかね?」

 

イシグモ「当然の権利だね。あなたにもイカサマを調べる権利がある。」

 

長老「ふむ…。」

 

長老はグラスを手に取り、入念に眺め、続けてコインを手に取り調べる・・・

 

イシグモ「一つ、あなたが負けたらカイ君の魂を必ず返してくれる保証は?」

 

長老「私は博打打ち…ギャンブラーだ。誇りがある。負けたものは、必ず払います。それに、この“誓約書”にはある弱点がありまして。」

 

イシグモ「弱点?」

 

長老「この誓約書は、確かに“賭けに負けたものの魂を奪い、封印する”ものなのですが、私が賭けに負けた場合、この誓約書の効果は“その時点で全て失い、封印された魂達は元の主へ戻る”ようになっているんです。」

 

イシグモ「それ聞いて安心したよ。」

 

長老「安心?何か勘違いをされているようですね?」

 

イシグモ「?」

 

長老「私がこの“誓約書”を受け取ったのは、今からザッと10年以上前のことなんですよ。つまり、今もこうしてこの誓約書があるということは…!」

 

イシグモ「くだらない脅しで、精神に揺さぶりをかけるつもりかな。“ヘタレ村のカンチョー”。」

 

長老「“マネア村の長老”だ。どういうことかな?」

 

イシグモ「例え10年間無敗だろうが、“絶対に負けない”ことにはならないよ。(ドンッ!!!)」

 

長老「フン。なかなか賢いお方だ。手強いね。だが…。」

 

長老「私は負けんがね…!(ドンッ!!!)」

 

イシグモ「いいだろう。さぁ、コインを入れたまえ。あなたからだ…!」

 

サキ「ちょっと!イシグモ!良いの!?」

 

イシグモ「任せてよ。(このグラスとコインは、実は僕が得意とする“賭け”だ。この表面張力ってのは結構強い。僕の見立てだと、コインはあと8枚か、9枚くらい入る…!精神が動揺して指が震えなければね…!)」

 

長老「コインは一回に何枚も入れても構いませんね?」

 

イシグモ「一回で入れるならね。」

 

長老「では…!(スッ)」

 

そう言った長老の手には、なんと“5枚”もコインが握られていた・・・!?

 

ハナ「ご、5枚も!?」

 

イシグモ「おい!水面に波が立つぞッ!!」

 

長老「しーッ!!静かに…!!(ススス…!)」

 

長老はゆっくりゆっくりとコインをグラスへ近付けていく・・・!

 

長老「テーブルに手を触れないでくれ…!(ススス…!!)」

 

イシグモ「…!(スッ)」←手をどける

 

コウ「…!」

 

ハナ・サキ「ッ!!」

 

イシグモ「…ッ!!!」

 

長老「ッ!!!(スッ!)」

 

マスター「まいど。」

 

百騎兵「フキュゥ…!(トボトボ)」←財布スッカラカン

 

 

 

チャポン!

 

 

 

長老は、見事グラスをこぼさずに5枚全てを入れた・・・!

 

長老「ハァ…!フゥ―…!フッフッフ…あなたの番だ…!」

 

イシグモ「…凄い人だ。まさか5枚同時に入れるとは、僕は一枚にしておこう。危ない危ない…。(スッ)」←コインを持つ

 

コウ「ッ!!」

 

次の瞬間、コウは見たイシグモの握るコインの裏を・・・!

 

コウ「(このイシグモとかいう小僧…。指とコインの間に脱脂綿を…!液体が滴り落ちている。絞り出して酒の増やしてやがるのか…!)」

 

長老「…。」

 

コウ「(“オレにイカサマを見張ってくれ”だと?この策士が…!やってくれるぜ…!)(ギリッ)」←周りに聞こえない程度に歯ぎしり

 

 

 

ポチャン!

 

 

 

イシグモ「…フゥ。」

 

長老「…ぬうぅ…!」

 

イシグモ「(ニャーハッハッハッ!!!もうこれ以上入らないよ!一枚で酒がこぼれる!僕の勝ちだ…!くっふっふ…!!“バレなきゃイカサマじゃない”って言ったのはコイツよ!ざまぁみやがれッ!!!)」←表情は真顔

 

表情こそは冷静そのものの真顔だが、内心は勝利の喜びで少しはしゃぎまくりなイシグモであった・・・

 

イシグモ「フゥ~、心臓に悪いねコレ…。こぼれるかと思っちゃったよ!!さぁ、あなたの番ですよ、“マヌケ村の鼻ちょうちん”(スッ…ガシッ!)」

 

イシグモが長老を指差そうとしたとき長老がイシグモの腕を掴む・・・!

 

長老「“マネア村の長老”だ!二度と間違えるじゃあないッ!!私の名は、“マネア村の長老”というだッ!!!“マヌケ村の鼻ちょうちん”でも、“ヘタレ村のカンチョー”でもないッ!!!」

 

イシグモ「すみませんね。」

 

コウ「(フン。さらに、わざと名前を間違えて怒りを誘っているぜ。この小僧…!根っからのギャンブラーだな…!!)」

 

イシグモ「“賭け”を続けようか…!さぁ、あなたがコインを入れる番ですよ?“マネア村の長老”?」

 

長老「…ッ!!(ポリポリ…!)」←チョコレートを食べている

 

長老は、先ほど一同に出したチョコレートをかじる・・・!

 

長老「…!(スッ)陰になるからこの位置からやりにくい…!」

 

長老は席を立ちテーブルの右側へ行く・・・森の奥とは言え、このひらけた場所には日光が良く入り込んでいるため長老の言ったとおり先ほどまでグラスは長老の影に入っていた・・・

 

長老「テーブルの右側から入れさせてもらうぞ。」

 

イシグモ「どこからでもお好きにどうぞ?(もっとも、僕のイカサマですでにギリギリの限界点だがねッ!どうやっても入れることはできないよッ!!液面に触るだけで溢れちまうよッ!!!くっふっふっふっ!!!)」

 

長老「(スッ)」

 

サキ「…ッ!」

 

ハナ「ッ!!」

 

コウ「…!」

 

百騎兵「ムキュ?」←わかってない

 

長老「…“もう酒の表面張力は限界、無理だ”と考えているんだろう?」

 

イシグモ「ッ!?」

 

 

 

 

長老「…違うんだな、それが…!(スッ)」

 

 

 

 

 

 

チャポン・・・!

 

 

 

 

 

 

 

イシグモ「ッ!!?」

 

コウ・サキ・ハナ「ッ!!?」

 

長老「(ニヤッ)」

 

なんと、長老の入れたコインがグラスをこぼさす入ってしまった・・・!!!

 

イシグモ「バ、馬鹿なぁッ!!?そんなッ!?まさか…ッ!?溢れないはずは…ッ!!?」

 

長老「何が,”溢れないはずは”なんだね?見てのとおりだ、入れたぞ?(スタスタ…。)」

 

そう言いながら、長老は元の席に悠々と戻る・・・

 

イシグモ「…ッ!!?(バッ!)」←コウを見る

 

イシグモは目の前の出来事に混乱しコウにイカサマを確認しようと見るが・・・!

 

コウ「イカサマをするような妙な動きはしてない…!今コイツは、正々堂々とコインを入れた…!間違いなく、な…ッ!!」

 

イシグモ「(か、確実だったのに…!僕は“あと一枚で確実にこぼれる”ように…!完璧に…!仕組んだのに…ッ!!何故だ…!?一枚たりともはいる訳がないッ!!何故なんだッ!!?)」

 

イシグモの脳裏は、なぜ“溢れるはずのグラス”が溢れないのか、なぜ“イカサマ”が敗れたのか、どうやって奴は“溢れるはずのグラスにコインを入れられた”のかとグルグルと様々な思考がめちゃくちゃに飛び交い、イシグモの精神をかき乱し始めていた・・・!!!

 

長老「Go ahead!Mr.Ishigumo!早くしたまえ…!酒が蒸発するまで待つつもりかね?」

 

イシグモ「グッ…!ハァ…!ハァ…!」

 

しかし、そんなことはお構いなしと言わんばかりに長老はイシグモを催促する・・・!

 

イシグモ「ハァ…!ハァ…!(ガクガク…!)」

 

精神がかき乱れ始めたイシグモの身体はガタガタと震え始めていた・・・!

 

イシグモ「ハァ…ッ!ハァ…ッ!!(スッ!)(ガタガタ…!)」

 

震えた身体では、入れるコインも乱れる・・・!息をと整えようとするも、自分自身がこぼれるようにイカサマしたグラスが目の前にあるせいで余計に乱れる・・・!

 

イシグモ「ハァ…ッ!!ハァ…ッ!!!(し、信じられない…ッ!)」

 

目の前の現実を受け止められないイシグモ・・・さらに精神が乱れる・・・!

 

イシグモ「ハァ…l!ハァ…ッ!!ハァ…ッ!!!ウッ!?(ドクン!)」

 

ハナ「あッ!?い、イシグモくんッ!!?」

 

ドォオオオ・・・!!!

 

突如、イシグモの身体からカイと同じく魂が煙のように引き出され、“古の賭博師の誓約書”から無数の黒い手が彼の魂を鷲掴みにする・・・!!!

 

長老「イシグモは、“賭けに負けた”のだ!“自身の心の中で負けを認めた”のだッ!!!だから、“魂”が外に出たッ!!!ギャンブルはこの“マネア村の長老”の勝ちだッ!!!」

 

チリチリ・・・チリチリ・・・

 

長老が勝ち誇ると同時に、それを祝うかのようにそして敗者のイシグモを嘆くようにグラスの酒は零れ落ちた・・・

 

イシグモの魂「カイ君…!すまない…!皆…!不甲斐なくて…ごめん…!!!」

 

ハナ・サキ「「イシグモ(くん)!?」」

 

コウ「小僧ッ!!」

 

グニグニ・・・!グニャグニャ・・・!ビヨ~~~~ンッ!!!バンッ!!!

 

こうして、イシグモの魂もチップにされてしまった・・・!

 

チリン・・・!

 

長老「二個目…!さて、ギャンブルを続けよう…!君たちがこの二人を諦めて尻尾を巻いて私とのギャンブルから逃げ出さない限りね…!フッフッフ…!」

 

コウ「チッ!」

 

サキ「キサマァァァアアアッ!!!(ダッダッダッ!!ガバッ!!!)」

 

長老「グッ!!(ダンッ!)」

 

サキは怒りのままに長老を胸ぐらを掴み、そのまま押し倒す・・・!!!

 

長老「分からないお嬢ちゃんだな!私を殺せば今度は二人の魂が死んでしまうんだよ~?」

 

サキ「クソォッ!!キサマァッ!!!(バッ!!!)」←拳を振り上げる

 

ハナ「サキちゃん、やめてッ!!!(ガバッ!ガシッ!)」←サキの腕を抑える

 

コウ「やめろッ!!水色の小娘ッ!!!」

 

マスター「おいッ!面倒ごとなら店から出っててもらいますぜッ!!」

 

コウ「やかましいッ!!!引っ込んでろッ!!!(ギロッ!!!)」

 

マスター「はいぃぃぃいいいッ!!?」

 

コウ「くッ!(さっきの小僧のイカサマ、完璧だったはず…!一体、何故…?)(ジーッ)」

 

コウもイシグモのイカサマが何故うまくいかなかったのが納得できずにいた・・・恨めしそうに先ほどまで使っていたグラスを調べていると・・・!

 

コウ「ッ!!これは…!(スッ、バチャ!)」

 

コウはグラスの中の酒とコインを全部出し、底の方に何かがこべりついているのを発見する・・・!

 

コウ「まさか…!(バッ!)」

 

コウは今度はイシグモが薙ぎ払った食器やトランプ、そして・・・

 

長老「フッフッフ…!気付くのが遅かったな、コウ君とやら…!」

 

サキ「ッ!コウ!そのグラスに何かあるの!?」

 

コウ「…これがあと一枚、コインが入った理由だ…!チョコレートのほんのわずかな破片がグラスの底についていた…!ゲームに入る前、グラスやコインを調べると言ってその時にくっつけてやがった…!!」

 

長老「承知していたはずだな?“バレなければ、イカサマとは言わない”のだよ!」

 

そう言いながら、長老はサキをどかす・・・

 

サキ「ど、どういうこと?なんで、チョコの破片がコインの入った理由なのよ?」

 

コウ「今は溶けているが、さっきまでは“固体”でグラスにくっついていた…!グラスは気付かないくらい僅かだが傾けさせるために付けたんだ。このチョコレートが溶ければ液面も平らになって力が均一になる。限界だった表面張力も、コイン一枚くらいは入るようになるって訳だ…!」

 

サキ「な、何ですって!?」

 

ハナ「よ、よくわかんないけど…!チョコレートがそんな都合よく溶けてくれるの!?」

 

コウ「(コトッ)…太陽の光だ…!」←グラスを置く

 

ハナ・サキ「え…!?」

 

コウ「気付かなかった…!テーブルを右から入れると言って、直射日光を入れてチョコレートを溶かたんだ…!」

 

長老「フッフッフ…!フッフッフ…!(パッ!パッ!パッ!)」←埃を掃う

 

 

 

コウ「いいだろう…!“マネア村の長老”…!そのトランプカードを取りな!“ポーカー”でカタをつけてやるッ!!!」

 

長老「ん?」

 

サキ「なッ!?」

 

ハナ「こ、コウ君…!?」

 

長老「面白い!“ポーカー”は私が最も得意とするギャンブルの一つだッ!!!」

 

サキ「ポーカーって大丈夫なの!?」

 

ハナ「この人は、頭がいいイシグモ君を出し抜いたんだよ!危険だよッ!!!」

 

コウ「あぁ、わかってる。初めての体験だ。暴力以外でぶちのめさねぇといけない相手ってのは…!!」

 

長老「フッフッフ…!」

 

コウ「だが、このままやられっぱなしって訳にもいかねぇ…ッ!!!(ゴゴゴゴゴゴゴ…ッ!!!」)」←殺気全開!!!

 

~数分後~

 

テーブル周辺を片付け、長老とコウが向かい合って座る・・・!

 

コウ「…勝負の前に、少し試しておきたいことがある。」

 

長老「…ん?」

 

コウ「そのカードをシャッフルしてみな。」

 

長老「…ふむ。いいだろう。(スッ)」

 

スッスッ!シャッシャッシャッ!パララララララ・・・!!!トンッ!

 

コウ「…。(ジー…。)」

 

長老は見事な手さばきでカードを切った・・・

 

長老「シャッフルしたが?何をしようというのかね?」

 

ハナ・サキ「?」

 

百騎兵「ムキュ?」

 

コウ「上から何番目でもいい、自分の好きなところのカードをめくってみな。見るのは、自分だけだ。」

 

長老「…?(スッ)」

 

長老は適当な場所のカードを取りその絵柄を見る・・・

 

長老「見たが?」

 

コウ「当ててやろう。スペード♠のA(エース)。」

 

長老「ッ!」

 

長老が見た絵柄は、コウが言ったとおり・・・!

 

スペード♠のA(エース)・・・!

 

コウ「今手に持っているカードを上から全部言うぞ。」

 

コウ「ハート♥の6、ダイヤ♦のキング、ハート♥のA(エース)、クローバー♧の9、スペード♠のクイーン、スペード♠のジャック、色付きのジョーカー、ダイヤ♦の7、クローバー♧の6、ダイヤ♦のA(エース)。」

 

長老「ッ!?」

 

長老は、自身が手に持っているカードをすべて見せる・・・!すると・・・!

 

サキ「なッ!?」

 

ハナ「“全部”、当たってるッ!!?」

 

サキ「カードの混ぜたのは、長老なのに…ッ!?」

 

ハナ「こ、コウ君!?どうやったのッ!?」

 

コウ「…カードは一番上から下まで全部言える。本気になったオレの眼には、シャッフルする瞬間のカードの並びを全部覚えるとこができたんでな…!」

 

サキ「なんて無茶苦茶な…!」

 

ハナ「…!(やっぱ、凄い…!)」

 

長老「なかなか面白い…!だが、そんなのは、カードを切るときに見えないように気をつければいいだけだ。」

 

コウ「わからねぇのか?これからオマエがイカサマするのが容易じゃなくなったってことさ…!それをことわっておきたくてな…!」

 

長老「…GOOD…!」

 

コウ「…さぁ、はじめようぜ…!」

 

長老「…。(スッ)」

 

長老が取り出したのは、新品のトランプカード・・・!

 

長老「私が使っていたカードじゃあイカサマを疑われる。だから、この“セキュリティシール”が貼られた新品のカードを使おう。いいね?」

 

コウ「あぁ、構わねぇ。封はオレが切る。」

 

長老「どうぞ?」

 

ハナ「サキちゃん、セキュリティシールって何?」

 

サキ「新品のトランプについているシールのことよアレが破けてないってことは誰もあのカードには触ってないってことなの。だから、イカサマは仕込まれていないと思うわ。」

 

ハナ「へぇ~。」

 

コウ「(ビリッ!)」←封を切る

 

長老「…。(パラパラ…!)」

 

長老はおもむろに近くの小さなテーブルに置いていた本に手をかけパラパラとページをめくる・・・

 

コウ「(ズラァァァッ!)ジョーカーは一枚、カードに異常はない。ごく普通のカードだ。」←カードを並べる

 

長老「(ピタッ)(ページ数は、652ページ…663?いや、670ページ!)(チラッ)」

 

長老は本をあるページで止め、ページ数を予想する・・・!そして、ページ数を見ると・・・!

 

670・・・!見事、当てていた・・・!!!

 

長老「(フフフ…!今日も絶好調だ!!“触れているだけ”で、上から何ページ目か分かる!コウとやらの視力は確かに凄いかもしれないが、この“マネア村の長老”は目でなく“指”で覚えることができる…!!)」

 

コウ「(スッスッ)」←カードを集める

 

長老「(シャッフルしても、何番目にどのカードが行くかわかるのだ…!!)」

 

コウ「…。」

 

ハナ・サキ「…!!」

 

百騎兵「…。」

 

長老「OK!Open The Game!!!」

 

まず、長老とコウがどちらが先にディーラーをやるのか引いたカードの役の大きさで決める・・・!

 

長老は・・・

 

長老「ハート♥の10。」

 

コウは・・・

 

コウ「スペード♠の6。」

 

長老「先行は私だね。フッフッフ…!(コウにバレない様にシャッフルしないとな…!)」

 

シャッシャッシャッ!!!

 

長老は見事な腕でカードをシャッフルしていく・・・!

 

コウ「…。」

 

長老「(トン!)カットをどうぞ。」←カードをコウの前に置く

 

コウ「(スッ)」

 

長老「(ジー…!)」

 

コウ「(トン!)」

 

コウはたった一回カードを半分適当に取り、上に乗せただけであった・・・

 

コウ「…。(スッ)」←カードを差し出す

 

長老「…。(ニヤッ)(スッ)」←カードを受け取る

 

長老「…では、ディールしよう。」

 

いよいよ、カードが配られる・・・!

 

長老「コウ君へ(スッ)私(スッ)」

 

コウ「…。」

 

長老「コウ君へ(スッ)私(スッ)」

 

コウ「……。」

 

長老「コウ君hコウ「フンッ!!!(ボキィッ!!)」」

 

ハナ・サキ「えぇ!!?」

 

突如、カードを配っていた長老の指をコウが思いっきりへし折った・・・!?

 

長老「があぐぅ…ッ!!?」

 

コウ「…。(ゴゴゴゴゴゴゴ…ッ!!!)」

 

ハナ「こ、コウ君!?何やってるの!?」

 

サキ「アンタ、いきなり長老の指をへし折るなんて!?」

 

コウ「言ったはずだぞ。これからの“イカサマ”は見逃さねぇと…!」

 

ハナ「え!?イカサマ!?どこで!?普通に配ってたように見えたけど…!?」

 

サキ「怪しい動きなんてしてなかったわよ?」

 

コウ「いいや、奴が手に持っているカードをよく見てみな。(スッ)」←指差す

 

サキ「?…ッ!!これは…ッ!!この“二番目”からはみ出ているカードは…!!」

 

長老が持っていたカードは、上から二枚目のカードがはみ出していた・・・!

 

コウ「今オレに配ろうとしていたカードだ。“上から順番に配る”ようで、実は“上から二番目の”カード”を配ろうとしてやがった。つまり…!(スッ)」

 

そう言いながら、コウは一番上のカードを取り出し、長老の手持ちのカードをめくる・・・

 

コウ「一番上カードは自分のところに来る…!一番上のカードで、“10のスリーカード”ができてんじゃねぇかッ!!!」

 

サキ「な、何ですって!?」

 

コウ「このイカサマ、知ってるぜ。“セカンドディール”…!」

 

ハナ「せかんどでぃーる?」

 

コウ「“カードは一番上から配られる”っていう心理的な盲点を突き、実は“二番目のカード”を配るっていう高等テクニックのイカサマだ。熟練者の滑らかな指の動きで配られるとまず普通の人間の眼でこれを見破ることは不可能だ。」

 

コウ「しかも、このジジィの狙ったかのような。カードの役…どうやらテメェもどこにどのカードがあるのかわかるみてぇだな…ッ!!」

 

長老「くッ…!!ひ、酷い奴だ…!!ゆ、指をへし折るなんて…ッ!!!」

 

シュッ!トンッ!!

 

長老の目の前でカードがテーブルに突き刺さる・・・!

 

長老「ヒ…ッ!?」

 

コウ「いいや、慈悲深いさ。指を“切断”しなかっただけな…ッ!!(ゴゴゴゴゴゴゴ…ッ!!!)」←殺気全開

 

長老「くうぅ…ッ!!!」

 

コウ「ハァ、やれやれ。もうテメェにカードを切らせる訳にはいかねぇな。ディーラーは無関係な奴にやらせるか…。(チラッ)」

 

コウの視線の先には、テントの近くで遊んでいる村の少年がいた・・・

 

コウ「あそこで遊んでいるガキにやらせるか。いいな?」

 

長老「GOOD…!」

 

コウ「水色の小娘、連れてきてくれ。」

 

サキ「私、サキっていうだけど。まぁ、しょうがないわね…。(スタスタ…。)」

 

ハナ「あ!私も行く!」

 

サキとハナは少年を連れてこようと席を外そうとする・・・

 

長老「流石だ。」

 

コウ「あ?」

 

ハナ・サキ「?」

 

長老「イカサマとは“心理的盲点”を突くこと。“目がいい”だけでは、イカサマとはわからない…!わしのセカンドディールを見破るとは、見くびっていたようだ…!!(スルスル…!)」

 

そう言いながら、長老はへし折られた指にハンカチを巻き応急手当する・・・

 

長老「この“指”は、その“罰”として受け入れよう…!!全身全霊を注いでお前との勝負(ゲーム)に挑むとするよ、コウ…ッ!!!」

 

長老「今から約8年と6ヶ月前の午後11時以来の大勝負だ…!あの時は、アマタイヤ王国に住むのとある貴族から奴と奴の一族が所有する財産と魂を奪い取った…。奴は、金持ちで傲慢な貴族だったが、本当に強い男だった…!!!(スッ)」←カイとイシグモのチップ

 

そう言いながら、長老はカイとイシグモのチップを天高く放り投げ、さらに“古の賭博師の誓約書”を掲げる・・・!!!

 

長老「私は、“の魔女マーリカ様の為”に戦いに来たんじゃあないッ!!“生まれついてのギャンブラー”だから戦いに来たんだ…ッ!!!」

 

長老が叫んだ瞬間、誓約書から無数の黒い手が飛び出しカイとイシグモのチップを囲む・・・!!!

 

コウ「ッ!!」

 

サキ「な、何をする気ッ!?」

 

ハナ「カイくんとイシグモくんの魂を…!」

 

ズバッ!

 

黒い手の一つがカイのチップを切り裂くと、カイのチップは二枚に分裂した・・・!?そして・・・!

 

ズババババババ・・・!!!

 

黒い手は次から次へとカイとイシグモのチップを切り裂き、分裂させていく・・・!

 

チリン・・・チリン・・・!

 

最終的にカイとイシグモのチップは、6枚ずつになってしまった・・・!

 

コウ・サキ・ハナ「ッ!!」

 

長老「魂をそれぞれ6枚のチップに分けた。ポーカーとは、自分のカードが相手に負けるかもしれないと判断したら、ゲームを降りていい“賭け”だ。だが、一回ごとに参加料を払うからチップが2枚だと勝負にならないのだ。」

 

長老「“チップを6枚取り戻して”はじめて、“魂を一つ取り戻す”ことにする…。いいね?」

 

コウ「…あぁ。」

 

長老「さて、コウ。“賭けをする”なら、君の方にもチップを渡したいろ思うのだが…まだ、“例の言葉”を聞いてなかったな…!」

 

ハナ・サキ「…ッ!!」

 

百騎兵「…フキュゥ…ッ!!」

 

コウ「…いいだろう…。」

 

 

 

コウ「オレの“魂”を賭けるぜ…ッ!!!」

 

長老「GOOD!」

 

ハナ「コウくん…!」

 

サキ「コウ…!」

 

長老はカバンから6枚の“黒いチップ”を取り出し、コウの前へ置く・・・!

 

長老「その暗闇ように真っ黒なチップがお前の魂の象徴だ…!」

 

コウ「フン。」

 

長老「それを6枚、私が取った時…。お前の“魂”は無くなる…!!!」

 

ハナ・サキ「…!!」

 

百騎兵「ムキュゥ…ッ!!」

 

一同に再び、戦慄が走る・・・!

 

コウ「(ここからが、“本番”だ…ッ!!!)(ゴゴゴゴゴゴゴ…ッ!!!)」

 

 

 

~数分後~

 

サキとハナが連れてきた少年にディーラーをやらせ、長老とコウのポーカー対決が切って落とされた・・・!

 

少年「(スッ…スッ…。)」

 

少年はやや緊張気味にカードを配る・・・

 

長老「…フッフッフ…。」

 

コウ「………。」

 

カードを配り終え、互いにチップを出す・・・!

 

長老「まずは、参加料としてカイを1枚払う。フッフッフ…。(チリン!)」

 

コウ「…。(チリン!)」

 

長老「勝負!」

 

ハナ「…ねぇ、サキちゃん。私、ポーカーってよくわからないんだけど…?(ヒソヒソ…。)」

 

サキ「…確か、配られた5枚のカードを1度だけ交換して相手よりいい役を揃えるゲームよ。(ヒソヒソ…。)」

 

ハナ「…役って?(ヒソヒソ…。)」

 

サキ「…私もよく知らないけど、確か同じ数字や絵柄を揃えると役になるはずよ。例えば、スペード♠の2とハート♥の2だと同じ数字でワンペア、これが5枚のうち2個ワンペアあるとツーペアになるわ。他にも、さっきの3つ揃えるとスリーカード、スリーカードとワンペアでフルハウスになるわ!(ヒソヒソ…。)」

 

ハナ「おぉ!サキ凄い!」

 

サキ「いやー…///」

 

メタリカ『オマエラ、ちゃんと見てろ。』

 

ハナ・サキ「はい…。」

 

長老「(お嬢ちゃんたちが何やらポーカーについて話してたようだが、このポーカー、確かに普通のトランプゲームの一つだが、ここに“賭け”の魅力が加わると一変して複雑な心理戦となるゲームでもある…!!)」

 

長老「さて、私は…2枚チェンジしよう。(チリン)」

 

チェンジの際にも、チップを払い長老には新たに2枚のカードが配られる・・・

 

長老「コウ。その黒いチップは、たった6枚でお前の“魂”だ。よーく思案して勝負に来てくれてよ?」

 

少年「え?」

 

サキ「坊や、アンタは何も分からないでいいのよ。何も心配することはない、カードを普通に切って普通に配ってくれるだけでいいのよ?」

 

ハナ「ごめんね?変なことに巻き込んじゃって、後でジュース買ってあげるから。ね?」

 

少年「う、うん…!」

 

コウ「3枚、チェンジ。(チリン)」

 

コウもチップを払い、3枚チェンジする・・・

 

コウ「………。(スッ)」

 

長老「怖い怖い…!その表情…!何かいい手がそろったんじゃないのか?ここは、様子見でカイを1枚払おうか。(チリン)」←チップを払う

 

コウ「コール。(チリン)」←チップを払う

 

サキ「(降りなかったら、ワンゲーム最低3枚必要なのね…!)」

 

長老「よし…!勝負だ、コウ…!(スッ)」

 

コウ「…!(スッ)」

 

お互いにカードを構え、自身の役を見せる・・・!結果は・・・!!

 

 

 

コウ「9と10のツーペア!」

 

長老「…悪いね。」

 

ハナ・サキ「ッ!」

 

長老「ツーペア、ジャックとクイーン!」

 

サキ「なッ!?」

 

勝者は、長老・・・!

 

長老「危ない危ない…!もう少しで負けるとこだったよ…!フッフッフ…!」

 

コウ「………。」

 

長老「では…!(スッ!)」←手を振り上げる

 

ドンッ!!ススス・・・!

 

まるで魂を刈り取るかのように、チップを腕全体でかき集める長老・・・!

 

サキ・ハナ「…!(チラッ!)」←コウのチップを見る

 

サキ「(残り、3枚…!)」

 

ハナ「こ、コウ君…!!」

 

コウ「…。(スッ)」←チップを取る

 

コウ「NextGameだ。配ってくれ。(チリン)」←チップ払う

 

長老「NextGameではなく、ひょっとすると“LastGame”になるかもな…!(チリン)」

 

少年「………。(スッスッ)」

 

両者共に再び開始のチップを払い、少年はカードを配る・・・

 

長老「…。」

 

長老の手札は・・・なんと・・・!

 

スペード♠の5、ハート♥のキング、ダイヤ♦のキング、クローバー♧のキング、スペード♠の3・・・!キングが3枚も入っていた・・・!?

 

長老「1枚、チェンジだ。(チリン)…ん?(チラッ)」

 

チェンジのためにチップを払った長老であったが、ふとコウの方を見る・・・

 

コウ「………。」

 

コウは配られたカードを手に取らずそのまま腕組みをしていた・・・

 

少年「?」

 

ハナ・サキ「?」

 

百騎兵「ムキュ?」

 

コウの行動に一同は、首をかしげる・・・

 

長老「どうした?コウ?早くそのカードを見て、“チェンジ”するか、“降りる”か。決断してほしいがな。」

 

ハナ「コウくん?」

 

コウ「…カードは…。」

 

 

 

 

 

 

コウ「“このまま”でいい…。」

 

 

 

 

 

 

 

ハナ・サキ「えッ!?」

 

百騎兵「ムキュ?」

 

少年「え…!?」

 

長老「ん!?」

 

コウの発言に一同は驚愕する・・・!

 

長老「えっと…その…。今なんて言ったのかな?聞き間違いかなぁ?“このままでいい”なんて聞こえたが?」

 

コウ「言葉通りだ。“このままでいい”、この5枚のカードで勝負する。」

 

長老「わかっているッ!!(ダンッ!)私が聞いているのは、お前は“カードを見ていないだろう”ということだッ!!!」

 

長老は苛立ちテーブルを強く叩きコウへ問いただす・・・!

 

コウ「…このままでいい。」

 

ハナ・サキ「…ッ!!」

 

長老「ふざけるなよ!答えろッ!!お前はそのカードをめくってもいないのに何故勝負できるッ!!?」

 

コウ「ところで、小娘と水色の小娘、話がある…。」

 

ハナ「話?」

 

サキ「アンタが私たちに話なんて…この場合なんとなく察せるけど。なんで、カードを見ないのよ?」

 

長老「答えろと言ってるんだッ!!コウッ!!!(ダンッ!!)」←テーブルを叩く

 

コウ「残り3枚に加えて…。(スッ)」←チップを差し出す

 

コウ「小娘と水色の小娘の“魂”を全部賭けるッ!!!(ズイッ!!)」

 

コウは新たに12枚の黒いチップを用意し、長老に差し出す・・・!?

 

長老「なッ!?なにぃぃぃいいいッ!!?(ガタッ!!!)」

 

驚きのあまり席を立つ長老・・・!

 

長老「く、くうぅ…ッ!!(スッ)」←席に戻る

 

サキ「マネア村の長老、アンタはクールな男ね。イシグモを出し抜くほどの計算高い行動をとる。腕っぷしはないけど、芯に強い男ね。私は、あんまり賭け事向きな性格はしてないわ。結構、熱くなるタイプなのよ…!!勝負すれば私は負けるわ。悔しいけどね。正直、危なかったしいコイツの言うことを聞くのは癪に障るけど。今は、コイツの力に賭けるしか方法がないのなら、私は迷わずコイツに賭けるわ!私の“魂”だろうとね…ッ!!!」

 

ハナ「私もサキちゃんと同じで賭けとかが得意じゃないし、あんまり知らない。この5枚のカードにどんな意味があるのかもわからない。何より、私は“信じる"ことしか知らない。コウくんは言った“最終的に信じられるのは自分だけだ”、と。けど、それまで、“何を信じる”のかも、自分だけにしか決められない…!!だから、私はコウくんを信じる…!!私が超えたい人だから…ッ!私も“魂”を賭けないで彼を超えるとは思わない…ッ!!!」

 

長老「フッ、こいつはまぁ…。」」

 

コウ「フッ。変わった連中だろ?(だが…。)」

 

コウ「(悪くねぇ…!覚悟だ…!)」

 

サキ・ハナ「(スッ)」

 

サキとハナはコウの後ろにイスを持ってきて腰かける・・・

 

長老「3人ともあまりの緊張感で頭がおかしくなったようだな…?小僧ッ!!」

 

少年「あッ!(ビクッ!)」

 

長老「“1枚チェンジ”と言っただろう!早く寄こせ!」

 

少年「は、はいッ!!(スッ)(ビクビク…!)」

 

少年は怯えながら、長老にカードを1枚渡す・・・!

 

配られたカードは・・・!

 

長老「…。(スッ)(ニヤッ)」←カードをめくる

 

 

 

スペード♠のキング・・・!

 

長老の持ち札は、“スペード♠のキング”、“ハート♥のキング”、“ダイヤ♦のキング”、“クローバー♧のキング”、スペード♠の5の“フォアカード”・・・!?

 

長老「(チラッ)(よし、“よくやった”…!!!)」

 

少年「………。(ニヤッ)」

 

長老が少年に目をやると少年もそれを感じ取ったのか周囲にバレない様にほくそ笑んだ・・・!

 

少年「(長老、あなたの言いつけ通りです…!この旅人のお兄さんには、何も揃っていない“ブタ(ノーペアのこと)”のカードを配りました…!僕の手は絶対です!あなたの勝ちです、間違いありません…!!)(ニヤッ)」

 

長老「(コウは、無関係のこの少年を自分から選んだつもりだろうが、実のこのバーのみならず、“視界に映る全員がこのマネア村の長老の仲間”だ…ッ!!)」

 

長老「(マスターも、客達も…!誰に配らせても間違いない…!!指示通り、コウのカードは“ブタ”だ…!“カードを見もしない”という普通では考えつかない大胆な行動に一瞬、焦った…ッ!!…がッ!)」

 

長老「(“ブラフ”だ…!この私にハッタリをかまそうとは、ふざけやがってッ!!“降りる”とでも思ったか!?このマヌケがッ!!!)」

 

長老は、コウの行動に一瞬焦ったが自身のイカサマを確認し逆にコウに対する怒りを駆り立てていた・・・

 

長老「フッ、いいだろう。3枚に加えて、カイとイシグモの12枚でコール!(スッ)」←チップを差し出す

 

長老「そして、さらに…ッ!!!(バッ!)」

 

コウ・サキ・ハナ「…ッ!!」

 

次の瞬間、長老は驚愕な行動に出る・・・!

 

長老「私の所持金全てをこの6枚のチップにしてレイズするッ!!!(ズイッ!!!)」

 

コウ・サキ・ハナ「なッ!?」

 

長老「全部だ!計21枚ッ!!!」

 

なんと、長老はさらに白いチップを取り出しカイとイシグモのチップと共にレイズしてきた・・・!!?

 

サキ「ちょ、ちょっと、待ちなさいッ!!今更、アンタの金なんかをチップにしても“魂”を賭けたゲームに釣り合う訳がないでしょッ!!!」

 

長老「おっと!何を勘違いしているのかな?コレも立派な“魂”ですよ?」

 

サキ「ふざけるなッ!!どういうことよッ!!」

 

長老「フッフッフ…。家政婦か村人から聞かなかったのですか?この“金が一体、何なのか”を…ッ!!」

 

サキ「何言って…ハッ!!(ピキーン!)」

 

ハナ「あッ!!(ピキーン!)」

 

家政婦『何せ、この村の収入は全部長老の“勝ち金”で養われてんのよ。それがなくなったら、私達全員貧しい暮らしを強いられることになるわ。』

 

サキ「アンタ、まさか…!!」

 

長老「そう、この“金”はすべて私の“勝ち金”…つまり、村の存続に関わる“大切な金”…つまり、この村の“魂”なのです。」

 

サキ「イカれてるわ、アンタ…!自分の村の金でしょ!?」

 

長老「自分の村の金を、村の長である私がどう使おうと勝手でしょ?」

 

ハナ「最低…!」

 

長老「何とでも言ってください。むしろ、そんな大切な金をたったの6枚のチップにしただけ良心的と思いなさい。本来なら、高レートでも100枚以上は行く金額ですよ?それとも、もっと賭けましょうか?」

 

サキ「な、何ですって!?」

 

長老「この6枚のチップに、この…!」

 

 

 

長老「“森の魔女マーリカ様へ続く、魔法の扉を開ける鍵”を賭けましょう!(スッ)」

 

長老は、一同の目の前に森の魔女マーリカへ続く魔法の扉を開ける鍵を見せる・・・!

 

長老「村の魂である私の“勝ち金”と、あなた方が欲している“鍵”!これをこの6枚のチップに賭けましょう!これで文句はありませんね?」

 

サキ「くッ…!!だとしてもよ!もう、コウには賭けるチップがないのよッ!!」

 

長老「“無い”だって?あるじゃあないか…!」

 

サキ「何のことよ…!」

 

長老「フッフッフ…。なーに、ちょっとした証明のために一筆書いてもらうだけさ。それで、“古の賭博師の誓約書”の効果は問題なく発動できる。(スッ)」

 

そう言って、長老は紙とペンを取り出す・・・

 

サキ「だから、何のことを言っているのよッ!!!」

 

長老「フッフッフ…!そこにいる、“マナニアの魂”があるじゃあないか…ッ!!!」

 

サキ「なッ!?」

 

ハナ「百騎兵ちゃんの“魂”を…!?」

 

長老「そこの“百騎兵”とかいうマナニアはどうやら言葉を発せないようだからね。この紙に署名してくれれば、誓約書の効果は発動できる。どうかな?そこの“百騎兵の魂”を賭けるなら、チップをやってもいいがね…?フッフッフ…!(マーリカ様から聞いたが、このコウと百騎兵とかいうマナニアは、短い間ながらも一緒に行動し、戦いの際にも見事な連携が取れている。他の4人の比べて圧倒的に一番信頼を寄せている存在なのは確実、そこを突けば…!)」

 

コウ「………!」

 

長老「(さぁ、ビビるぞぉ…!どんどん自信を失っていくぞぉ…!その冷静な態度が崩れていくのがわかる…!この“マネア村の長老”にハッタリなどかましおって、そのポーカーフェイスをゲドゲドの恐怖面にして敗北させないと気が済まん…!!!)(ニヤニヤ…!)」

 

長老は、コウが恐怖におびえ、冷静さを失い自身の前で敗北する光景を想像し思わず笑みがこぼれる・・・!

 

 

 

 

しかし・・・!

 

コウ「…。(チラッ)」

 

百騎兵「…。(コクン)」

 

コウ「…いいだろう。(スッ)」

 

 

 

 

ダンッ!!

 

コウ「百騎兵の“魂”も賭けようッ!!!」

 

長老「んぐ…ッ!!?」

 

コウは一片の迷いなく、百騎兵の魂を賭け、チップを突き出す・・・!

 

ハナ「こ、コウくんッ!!?」

 

サキ「アンタ、百騎兵の魂なのよッ!!?」

 

コウ「メタリカ、そっちからコッチの世界の言語で『私が賭けに負けた場合、百騎兵の魂を差し上げます』って書くことは可能か?」

 

メタリカ『それくらいだったら、カンタンだ。』

 

そう言って、メタリカはコウを通じてコウの手を動かし、紙に署名していく・・・!

 

サキ「ちょっと、メタリカまでッ!?」

 

ハナ「百騎兵ちゃんもいいのッ!!?」

 

百騎兵「ワキャッ!!(コクン)」

 

コウの行動に、サキとハナも混乱する・・・

 

メタリカ『終わったぞ。』

 

コウ「サンキューな。」

 

サキ「コウ…!アンタ…!」

 

コウ「勝手すぎるか…?(スッ…バチンッ!)」

 

長老「なッ!?」

 

コウ「フゥー…。」

 

コウはどこから持ってきたのか、タバコを咥え、指を高速にスナップして火をつけた・・・!その光景に、長老は驚愕する・・・!

 

長老「オイッ!コウッ!!今、何をしたんだッ!?」

 

コウ「“何をした”って、何のことだ?」

 

長老「い、今タバコを…!!く、くぅ…!!」

 

コウ「どうかしたのか?気分でも悪ぃのか?」

 

長老「(こ、コイツ…!この“自信”…!!コイツ、まさか…!私が気づかぬ瞬間、素早く動いて“カードのすり替え”を…!?先程、指をへし折られたとき、折られる瞬間まで“全く気付かなかった”…!!それなら、あるいは…!いや、待て…!!)」

 

長老は、コウがすり替えをしたかどうか脳裏で整理しようとする・・・しかし、コウの人間離れした身体能力を身をもって体験した長老はなかなかその答えを出せす逆に余計に困惑していく・・・!

 

コウと長老、2人の空間に緊張が走る・・・!

 

少年「ハァ…ッ!ハァ…ッ!!(チラッ)」←長老を見る

 

長老「(ッ!?ば、馬鹿野郎ッ!このガキッ!私に心配そうな眼差しを送るんじゃあない…ッ!!)(スッ!)」←顔を背ける

 

コウ「………。」

 

長老「(もし、私の仲間だとバレたらブチ殺すぞッ!!このトンチキがッ!!!ったく…!!)」

 

長老「ハァ…ッ!ハァ…ッ!(落ち着け、私のカードは、“キングのフォアカード”…!コレより強い手は、“エースAのフォアカード”と、“ストレートフラッシュ”、そして“ジョーカー”を入れた“ファイブカード”しかない…!!)」

 

長老は、何とか冷静さを保ちつつ、思案する・・・

 

長老「(札を見もしないコウが、“すり替え”よってこれらの手を揃えるとしたら、“5枚全部をすり替えなければならない”…!いくら、コウが人間離れした素早さを持っていようが、1枚ならともかく“5枚全部”をこのわしに全く気づかれずにすり替えらえるだろうか…!!ズバリ!“できる訳がない…!!!)」

 

長老の中で答えが出た・・・!

 

長老「(“5枚全部”をこの百戦錬磨の“マネア村の長老”が眼に触れられるずにできる訳がない…ッ!!!)」

 

長老「(よーし!コウ!勝負に出でやろうじゃないか…!“タバコに火をつける”など、無駄なハッタリをしおって…!!)…んッ!?」

 

コウ「…。(ズズズ…。)」

 

長老の眼には、いつの間にかタバコを離し、紅茶を飲んでいるコウの姿が映っていた・・・!

 

長老「キィィイッ!!?こ、ここ、コイツ、紅茶をいつの間に…!?」

 

コウ「…フゥー。(スッ)」←再び、タバコを咥える

 

長老「き、貴様ッ!舐めやがってッ!!いいだろうッ!!勝負だッ!!私のカードは…ッ!!!コウ「待ちな。」ウッ…!?」

 

長老が手札を見せようとした瞬間、コウは長老を止める・・・そして、次の瞬間・・・!

 

 

 

コウ「オレの“レイズの権利”がまだ済んでないぜ?」

 

長老「え…!?」

 

少年「な…ッ!!?」

 

ハナ・サキ「なッ!!?」

 

百騎兵「…ムキュ?」

 

長老「レ、レレレレレレ“レイズ”だとッ!!?もう賭けるものがな…ッ!!!」

 

コウ「………!(スッ!)」←チップを振り上げる

 

 

 

 

 

ドンッ!!!

 

コウは、チップを力強く差し出し、宣言する・・・!!!

 

コウ「賭けるのは、オレ達の主…“沼の魔女メタリカの魂”だ…ッ!!!」

 

長老「なぁぁぁにぃぃぃいいいッ!!?」

 

サキ「メタリカのって!?コウ、自分が今なんて言ったのかわかってんのッ!!?」

 

ハナ「メタリカちゃんの魂をそんな勝手に…!!?」

 

コウ「………。(スッ)」←立ち上がる

 

 

 

バンッ!!!

 

コウはテーブルを思いっきり叩き、長老を睨む・・・!

 

コウ「ここへ来る前、メタリカにある質問をした………。」

 

 

 

 

~回想・マネア村直前~

 

コウ「オマエは、それを成し遂げるために命を賭けられるか?」

 

メタリカ『………。』

 

 

 

メタリカ『ハンッ!馬鹿馬鹿しい、誰があのクソ女と共に心中などするかッ!!!』

 

コウ「そうか。」

 

メタリカ『だが…。』

 

コウ「ん?」

 

 

 

 

メタリカ『そうしなければあの女を殺せないというのであれば…賭けてやろう…!!!』

 

 

 

 

コウ「ほう?何故だ?」

 

メタリカ『私にとって死などどうでもいいことだからだ。私は何としてでも使命を果たす…!そのために利用できるものは全て利用する…!!自分の命だろうが何だろうがな…!!!私は、全てを沼で満たし、全てを手に入れる…!!!まず、そのためには、あのクソ〇✕%%(ピー)女から“自由”を手にすることからだッ!!!キッヒッヒッ!!!』

 

コウ「フン。そうかい。」

 

メタリカ『だからこそ、オマエラ百騎兵を召喚したのだ!キリキリ働き、自由を勝ち取ってこいッ!!!』

 

コウ「へいへい、わかったよ。」

 

メタリカ『と言っても、私は死なんがなッ!!!キッヒッヒッ!!!』

 

コウ「ハァ…。やれやれ…。」

 

~回想。終了~

 

コウ「アイツは、ふざけているようで自由を手にするために、自身の使命とやらを果たすために、自分の命だろうが賭ける覚悟を持っていた…!!!」

 

ハナ・サキ「…ッ!!」

 

コウ「オレ達は、そんなアイツの命令で“森の魔女マーリカのミシルシ”を持ってこなきゃならねぇ。だから、その道を切り開くためにこの博打で自分の“魂”を賭けようが、オレに文句は言えねぇ…ッ!!!」

 

メタリカ『………。』

 

サキ「め、メタリカ…!」

 

メタリカ『キッヒッヒッ!オマエ、私の魂を賭けるなら当然勝てるんだろうな…!いいだろう!面白い!賭けてやる!私の魂ッ!!!』

 

ハナ「えぇ!?いいの~ッ!!?」

 

コウ「さぁ、長老…!オマエにも、“メタリカの魂”に見合ったものを賭けてもらうぞ…!!」

 

長老「く…ッ!!?ハァ…ッ!ハァ…ッ!!」

 

 

 

 

コウ「テメェには、“森の魔女マーリカの秘密”の全てを話してもらう…ッ!!!」

 

長老「うおおおわあああぁぁぁ~~~…ッ!!?(ドサッ!!!)」

 

コウの『マーリカの秘密を全て話してもらう』という発言に、長老は怯えたようにイスから転げ落ちた・・・!!?

 

長老「ハァ…ッ!!ハァ…ッ!!!」

 

少年「…ッ!!」

 

ハナ・サキ「…ッ!!!」

 

百騎兵「ムキュ?」

 

長老の反応に、ハナとサキ、そして少年も唖然となる・・・!(百騎兵はよくわかってない)

 

サキ「ハァ…ッ!ハァ…ッ!!(こ、この“態度”…ッ!!こいつ、マーリカについて何か秘密を知ってるわね…ッ!?けど、そんなことしたら…ッ!!)」

 

メタリカ『キヒヒ…!ただでさえ、盗賊団のことを野放しにしておいて、村の収入が博打の勝ち金なのをいいことに、村を放っておいて好き勝手博打をやったうえに、ここで村の守護する魔女様のことまで売って負けたら…!!キッヒッヒッ!もう誰もコイツのことを“長老”なんて呼べないなッ!!!』

 

サキ「ハァ…ッ!ハァ…ッ!(そう、そうなればもう長老に居場所は…“無い”…ッ!!!)」

 

ハナ「ハァ…ッ!!ハァ…ッ!!(コウくん…ここまで自信があるなら、“絶対に勝てる”ってことでいいんだよね?そう思っていいんだよねッ!?その“カード”は強いんだよねッ!!?コウくんッ!!!)(チラッ)」←コウを見つめる

 

長老「あぁ…!あぁ~…ッ!!(ハァ…ッ!ハァ…ッ!)(ワナワナ…!)」

 

少年「ハァ…ッ!!ハァ…ッ!!!」

 

長老の震える姿を見た少年は、さらに息が上がる・・・!

 

コウ「(プッ!)」

 

ダンッ!!ギシィッ!!!

 

コウは、吸っていたタバコを吐き出し、足で思いっきりタバコを踏みにじり火を消し、叫ぶ・・・!!!

 

 

 

コウ「さぁッ!“賭ける”のか!?“賭けない”のか!?はっきり言葉に出して言いやがれッ!!長老ッ!!!(ドンッ!!!)」

 

長老「う、うぅ、うわあああぁぁぁあああ~~~~~~…ッ!!!」

 

コウの叫びに、長老はさらに震える・・・!

 

長老「う、うぅううう…ッ!!!(クシャッ!!!)(ヨロヨロ…。)」

 

長老は手に持っているカードを握りつぶし、ヨロヨロと立ち上がろうとする・・・!その表情は、汗だか涎だか、わからないほど吹き出し、息は絶え絶え、眼の焦点もおぼつかない・・・中年風の長老だったが、この瞬間からだんだん老けていってように見える・・・

 

長老「う、うぐぐぐ…ッ!!オォ…!ぐっふう…ッ!!ハァ…ッ!ハァ…ッ!!(ヨロヨロ…!)」

 

それでも、なんとか気力のみで立ち上がろうとする長老・・・

 

長老「ハァ…ッ!!ハァ…ッ!!!(へ、へっへっへ…!言ってやるぅ~…!!)」

 

少年「ハァ…ッ!!ハァ…ッ!!!ハァ…ッ!!!」

 

サキ「ハァ…ッ!!ハァ…ッ!!!ハァ…ッ!!!」

 

ハナ「ハァ…ッ!!ハァ…ッ!!!ハァ…ッ!!!」

 

百騎兵「………。」

 

コウ「………。」

 

長老が立ち上がる度に、コウと百騎兵以外のもの息がさらに乱れまくる・・・!!!

 

長老「言ってやるぞオオオォォォ~~~~~~ッ!!!(ドンッ!!!)」

 

長老は気力を振り絞り、勢いそのままにテーブルを叩きつける・・・!!!

 

長老「(ヒィ~…ッ!!言ってやるッ!!!わしは最強のギャンブラーじゃあああぁぁぁ~~~~~~ッ!!!)」

 

コウ「………。」

 

長老「(受けてやるッ!!!“コール”してやるぅぅぅううう~~~~~~ッ!!!!!!)」

 

コウ「………。」

 

長老「(コール…!コール…!コール…!コール…!コール…!コール…!コール…!コール…!コール…!…!“コール”というぞォォォオオオ~~~~~~ッ!!!)」

 

長老はここの中で“コール”と連発し声に出そうそする・・・

 

 

 

が・・・!

 

長老「コォ…!……!……!」

 

コウ「………。」

 

長老「…!………!…………!」

 

なぜか、長老は“コール”と言えない・・・さらに・・・!

 

少年・ハナ・サキ「ッ!!?」

 

百騎兵「…ムキュ?」

 

コウ「………。」

 

一同から見た長老は、だんだんやつれていき、そして、だんだん髪が白くなっていく・・・!

 

長老「………!……!…………!(だ、ダメだ…!恐ろしい…!声が出せない…ッ!!ビビちまって、声が、でない…ッ!!!)」

 

あまりの緊張、そして恐怖で身が震え、声が出せない・・・そして・・・!

 

長老「…ッ!………ッ!!………ッ!!!(い、息が…!!息がぁあ…ッ!!!)」

 

少年「ッ!!?」

 

ハナ・サキ「あッ!!?」

 

百騎兵「…ワキャッ!」

 

コウ「………フッ。」

 

 

 

 

長老「………コォ…!」

 

そこには、文字通り“真っ白”になった長老がいた・・・

 

サキ「こ、コイツ…!白目をむいている…ッ!?」

 

少年「ひいいぃぃッ!!?立ったまま気を失っているぅぅぅうううッ!!?」

 

コウ「あまりの緊張で気を失ったようだな。」

 

長老「………。(フラッ…ドササッ!!)」

 

気絶した長老はそのままテーブルに持たれながら倒れた・・・テーブルに置いてあった、チップ、カードが散乱し、そして・・・“古の賭博師の誓約書”も宙を舞い・・・次の瞬間・・・!

 

パチパチ・・・!パチパチ・・・!ゴオオオォォォォ・・・!!!ギィエエエアアアァァァ・・・!!!

 

突如、“誓約書”が燃え上がった・・・!炎と共に誓約書からおぞましい叫び声が響き渡る・・・!!!

 

コウ「“古の賭博師の誓約書”とやらも、コイツが負けてその効力を失くしたようだな。」

 

ハナ「あッ!てことは…!!(バッ!)」

 

ハナがカイとイシグモの方を見ると・・・!

 

モクモク・・・!モクモク・・・!スゥーーー・・・!

 

サキ「あの変態とイシグモの魂が戻ってくるわッ!!」

 

カイとイシグモのチップから魂が煙のように立ち込め、それぞれ元の身体へ戻っていった・・・!!!

 

カイ・イシグモ「う、う~ん…?」

 

ハナ「カイくん!イシグモくん!良かったッ!!」

 

コウ「心の中で、コイツは“賭け”を降りた。負けを認めたから、誓約書も無くなり、コイツラの魂も戻ってきた訳だな。」

 

サキ「…ッ!!フォ、フォアカード…ッ!?長老の手は、“キングのフォアカード”だわ…ッ!!?」

 

サキは、倒れた長老が握っていたカードを見て驚愕する・・・!

 

サキ「コ、コウ…!アンタの手は、アンタの自身のこの“手札”は一体何なの…ッ!?(スッ!)」

 

そう言いながら、サキはテーブルに引っかかっていたコウの手札を拾い見る・・・!そこには・・・!

 

サキ「ハァッ!!?」

 

少年「あぁッ!!?や、“やっぱり”…ッ!!?(ドサッ!)」←座り込む

 

サキ「あ、あぁ…ッ!!(ヨロッ…)」

 

サキは、コウを手札を見て思わずよろめく・・・

 

 

 

 

少年「配られていたのは、“ブタ”だぁぁぁあああッ!!?」

 

コウ「いくらオレが、素早く動こうがこの長老の眼を盗んでイカサマは不可能だ。ビビらせて脅す作戦だったんだが、まさか“ブタ”だったとはな…。やれやれ、知ってたらゾッとするな…。」

 

サキ「ゾッとしたって…!!?こ、コウッ!!アンタ、ブタのカードにあれだけ賭けたのッ!!?」

 

カイ「う~ん?何があったんだ?」

 

イシグモ「記憶がハッキリしない…!」

 

ハナ「アハハ…;」

 

メタリカ『キッヒッヒ…!なかなかぶっ飛んだ奴だ…!!アーッハッハッハッ!!キーッヒッヒッヒッ!!!』

 

カイとイシグモは魂をい取られていた為、状況が理解できず困惑し、ハナとサキはコウの行動に呆れかえり、メタリカはコウのぶっ飛んだ行動を腹を抱えて爆笑する・・・!

 

そして、もう一人、“笑うもの”がいた・・・!

 

 

 

長老「ヒヒ…!フヒッヒッヒッヒッヒッ!うえっへへっへっへっへっへッ!!ぶひゃひゃひゃひゃひゃ…ッ!!!」

 

その主は、壊れたように笑う長老であった・・・そして・・・!

 

ガタガタ・・・!ガタガタ・・・!ボワワワアアアァァァ~~~~~~・・・!!!

 

長老が持っていた魂のチップが入ったコレクションブックから、無数の魂が解放されていく・・・!!!

 

ハナ「わあぁ…!」

 

コウ「奴のコレクションも、全員あるべき場所に戻ったようだな。」

 

長老「そ~れッ!みんなぁ、また遊ぼうよぉ~!バックギャモンも楽しいし、サイコロもスリルあるよぉ~!僕が一番だろうけどさぁ~ッ!!!」

 

長老は緊張の糸がプッツリと切れ、幼児退行していた・・・

 

サキ「…この様子じゃあ、もうマーリカの秘密について聞きだせないわね。」

 

コウ「あぁ、収穫ゼロってわけでもない…。(ゴソゴソ…。)」←何かを漁る

 

サキ「どういうこと?」

 

コウ「…コイツが手に入っただろ?(スッ)」

 

そう言いながら、コウは一同に“魔法の扉を開ける鍵”を

 

ハナ「あ!」

 

サキ「ソレって!?」

 

コウ「コイツはオレとのゲームの際に確かに言った…!」

 

長老『“森の魔女マーリカ様へ続く、魔法の扉を開ける鍵”を賭けましょう!』

 

コウ「だから、これは勝ったオレのものだ。ついでに…。(スッ)」←鍵を持つ

 

コウ「この“金”も、オレのものだ…!(スッ)」←麻袋を持つ

 

コウが手に持っていたのは、長老の持ち金が入った麻袋だった・・・!

 

ハナ「ちょっと!コウくん!そのお金は…!!」

 

コウ「あぁ、元々この村の存続に関わる金だろ?」

 

 

 

コウ「だからどうした?」

 

 

 

サキ「なッ!?」

 

コウ「これはもうオレのものだ。何使うが、オレの勝手だ…!(クルッ)」

 

コウはそう言いながら、長老の勝ち金が入った大きな麻袋を手に店を後にしようとする・・・

 

ハナ「こ、コウくん…!」

 

コウ「そうだ、マスター。これはタバコと紅茶の駄賃、ついでにそこのガキにジュースでも出しな。つりは取っときな…!(ガシッ、バッ!)」

 

チャリン・・・チャリン・・・!

 

コウは大きな麻袋の中からShellを無造作に取り出し、マスターへばら撒く・・・!

 

マスター「お、オォ!!毎度、ありがとうございます…!へへへ!今後とも、ごひいきに…!へっへっへ…!!」

 

コウ「じゃあな。」

 

コウは黄昏の盗賊団のアジトを去っていった・・・!

 

ハナ「あッ!ちょっと、コウくーーーんッ!!?待ってよぉーーーッ!!!(ダッダッダッ!!!)」

 

サキ「アンタ達も早く起きなさい!追うわよッ!!」

 

イシグモ「よくわからないけど、わかったッ!」

 

カイ「なんか今回も散々な目に合ってる気がする…!」

 

百騎兵「…ムキュ?」

 

他のものも、コウ後を追い黄昏の盗賊団のアジトを後にする・・・

 

 

 

~マネア村・長老の家前~

 

コウ「………。」

 

コウは、マネア村の長老の家の前に佇んでいた・・・

 

サキ「コウ!やっと、追いついたわよ!!」

 

ハナ「そのお金を返してッ!!」

 

コウ「“返す”だと?何度も言ってる通り、これはもう“オレ”のものなんだ。何に使うのかも、オレが決める。」

 

ハナ「そのお金は、この村にとって大事なお金なのよ!それを自分勝手に使うなんてあの長老と同じことをしようとしてるのよ!?」

 

コウ「だろうな。だがな、オレはあのクソジジィとは違う。この金は、あるべきところ、あるべき場所にやってきた。だから、オレはそれを実行するだけだ。」

 

ハナ「どういうこと?」

 

ガチャ・・・!

 

家政婦「なんだい?家の前で騒々しい、ってあら?あなた達…?」

 

長老の家から家政婦が何事かと扉を開けて出てくる・・・

 

コウ「ほらよ。(スッ)」

 

ジャリ・・・!

 

そう言って、コウは大きな麻袋を家政婦の前に置く・・・

 

家政婦「ん?なんだい?この袋…?(ゴソッ)…ッ!!?」

 

家政婦が大きな麻袋を開けるとそこには大量のShellが入っていた・・・!

 

家政婦「こ、これは…!アンタ、これって…!?」

 

コウ「賭けに勝ったんだが、多すぎて持ち運べなくてな。邪魔なだけだから、好きに使っとけ。(タッタッタ)」

 

そう言い残し、コウはマーリカへ続く魔法の扉の方へ向かう・・・

 

ハナ「コウくん…!」

 

コウ「言っただろ?これはもうオレの金、“オレが何に使うか、オレが決める”ってな。(スタスタ…。)」

 

コウは振り返らず、そのまま歩き去っていった・・・

 

 

 

ハナ「………。」

 

サキ「アイツ、結構しっかりしてんのね。」

 

ハナ「…フフ。(クスッ)」

 

サキ「ハナちゃん?」

 

ハナ「…なんだか、安心しちゃった。やっぱ、コウくんは悪い人じゃない。ただ…。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コウ「………フッ。(ニヤッ)(スタスタ…。)」

 

ハナ「素直じゃないんだ…!(ニカッ!)」

 

 

 

 

 

 

魂を刈り取るギャンブラー・“マネア村の長老”を倒した百騎兵たち一同・・・

 

“森の魔女マーリカ”へ続く魔法の扉を開ける鍵を手に入れ突き進む・・・!

 

果たして、この先に一体試練が待ち受けているのか・・・!

 

森の魔女マーリカのミシルシは手に入るのか・・・!!!

 

 

 

 

 

 

カイ「結局、今回もロクな目に合わなかったぜ。」←魔物の激突を喰らう、サキにブッ叩かれる、魂を抜かれる

 

イシグモ「僕も、今回はひどい目にあってばかりだよ。」←カイとサキの喧嘩に巻き込まれてボコられる、魂を抜かれる

 

百騎兵「ワキャッ!(プンプン!)」←イシグモの酒代に有り金全部すられる

 

 

 

この始末☆

 

はてさて、この先どうなりますことやら・・・

 




あイタタ・・・!ホント、容赦ないなぁ・・・

コウ「クソ!まだ生きていたのか…!」

何度でも、蘇るさ・・・!

カイ「しぶといというか、逆に逞しいな。」

いや~・・・///

カイ「褒めてねぇよ。」

イシグモ「こんな感じ2021年も不定期に投稿していきますので、気長に待っててくれると幸いです。」

ハナ「良かったら、また見てくださいッ!!!」

百騎兵「ワキャッ!!!」

サキ「ほら、イシグモやハナちゃん、百騎兵もあぁやってちゃんとしてるわよ。作者のアンタもちゃんとできるだけ早く投稿できるようになりなさいッ!!」

・・・



・・・だが、断る!(キリッ!)

一同「くたばれぇぇぇええええええッ!!!」

デデーン☆・・・!!!

ギャアアアァァァ・・・!!!



改めまして、今年もよろしくお願い致します!!!


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