INFINITE・DESTROY (花蕾)
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1話

ジオウにディケイドが出演することを祝福して


何もない真っ白な空間。

 

皆さんならお分かりいただけるだろうが、みんな大好き転生の間である。

 

そこに新たな少年が…

 

『お前を転生させてやる』

 

何もないはずの空間に威厳ある声が響く。

 

その声を聞くと、少年は途端に嬉しそうにする。

 

「うっしゃ、これで俺の時代が来る!あんたが神さまってことでいいんだろ」

 

『まあな。そこらへんはどうでもいい話だ。どうせ、お前と会うのもこの一回限りだろうしな。いいか、よく聞け。お前が転生するのはインフィニット・ストラトスという世界。特典は5つまで。さっさと決めろ』

 

「うし。それなら。1つ目の特典は俺のIS適正値をA、2つ目は主人公の織斑家に生まれること、3つ目は白式を俺の専用機に、4つ目はその世界を一夫多妻制に、5つ目は織斑一夏が存在しない世界にしてくれ」

 

『…4つ目までは大丈夫だが、5つ目は無理だ。織斑一夏はその世界が存在するという証明。誕生しないとその世界自体がなくなる』

 

「じゃあ、織斑一夏がIS学園に入学しないようにさせてくれ」

 

『織斑一夏として入学させるな、ということだな』

 

「ああ!!」

 

『それなら、良いだろう。じゃ、さっさといけ』

 

少年がその空間から消えていく。

 

『…ギリギリで保険がかけれたか。織斑としてじゃなければいいんだろ。それならいくらでもやりようがある。力も必要だろうしな。残っているものは、破壊の力か。ま、あの世界にはあいつがいるし、大丈夫だろ』

 

そういい、威厳ある声を出していた人物、いや神物はマゼンタの戦士が映ったカードを見ながら呟いた。

 

◇◇◇

 

〜ドイツ〜

 

あの少年が転生し、いくらか時が経った。

 

織斑一夏と織斑秋十は姉である織斑千冬の大会の観戦に来ていた。

 

その最中で2人は誘拐されてしまうのだが、それぞれ別のグループが実行犯であった。

 

「…俺をどうするつもりだ…」

 

「そう睨みつけるな。織斑一夏。まあ、家族が酷い目にあえばお前の姉も、傷つけることができると思ってなぁ」

 

「お前らはなんで、千冬姉を直に狙わないんだ?なんで、こんな誘拐みたいなまどろっこしいことを…」

 

一夏が言うと、リーダー格の男は気味の悪い声で笑いながら

 

「それじゃあ、面白くないだろう。周りが傷ついてだんだんと崩壊していく様を見るのが面白いっていうのに」

 

狂っているとしか言いようがない。

 

周りをみれば、その男の仲間もひいていた。

 

一夏は恐怖し震えていると、ガッシャーンという音を立ててながらドアが文字通り吹っ飛んだ。

 

「ここか」

 

ドアがあったスペースから1人の男が入ってくる。

 

「誰だ、お前は!」

 

「お前が誘拐犯っていう訳か。俺は門矢零。通りすがりの仮面ライダーだ!覚えておけ!」

 

零は黒の塗装が目立つ『ダークディケイドドライバー』を腰に巻き、カードを入れる。

 

《KAMEN RIDE》

 

少しくぐもった音声がなり

 

「変身!」

 

《DECADE》

 

掛け声と共にドライバーを操作する。

 

零の周りにいくつかの影が現れ、重なり黒き破壊者『ダークディケイド』に姿を変える。

 

「オーバーキルの気もするが」

 

「なんなんだ、お前は!」

 

「だから言ったろ。通りすがりの仮面ライダーだって」

 

零は一瞬で誘拐犯達に近づき、腹を殴り気絶させた。

 

「ま、生身でやるよりこっちのほうが早いからな。さてと大丈夫か」

 

零は変身を解き、一夏のほうを向くと目を見開いた。

 

「お前、それをどこで…」

 

一夏の手には零の持つバックルと色違いのマゼンタ色のバックルがあった。

 

「え、ええーーっ!なんだ、これ!?俺は知らないぞ!」

 

「はあ。しょうがない」

 

零はやれやれと首を振りながら一夏に問いかける。

 

「お前には世界を破壊させるほどの力がある。道は大きく分けて2つ。1つはここで俺に殺される。もう1つはその力を使いこなせるように特訓する、だ」

 

一夏は覚悟を決めた目をして

 

「この力を使いこなしてみせる」

 

決意を発した。

 

その言葉に零は

 

「いい目だ。お前からは運命に打ち勝つ力が見える」

 

感嘆の声を漏らした。

 

2人の破壊者は旅に出る。

 

その力で一体、何をする!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけ

 

「お前、家族は?」

 

「知らね。姉は良い人なんだけど、兄がな」

 

「じゃ、俺の弟になるか?」

 

「まじで。なるなる。あのクソ兄貴と縁切れるし、なる」

 

「じゃ、今から門矢一夏な」

 

こんなことがあったそうな




一応、もうすでに昭和ライダー系、平成ライダー系、アマゾンズのサブライダーは零、主人公ライダーは一夏がカメンライドできます


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2話

短いです。
試験が終わってから書こうと思ったら小論文とか来たんで。
話がめちゃくちゃなのも許して


「さて、お前が決心したということで次のステップに進もうか」

 

「次?」

 

零の言葉に首を傾げる一夏。

 

「この世界じゃ、力の意味が分からないだろ」

 

「力の、意味?」

 

「自分の力をどう使うか。どう使ったら最善かを瞬時にわかるようにしなければならない」

 

「…成る程」

 

ISの登場によって女尊男卑になり、代を重ねるにつれ酷くなっている。

 

この世界でISという兵器、力を持つという本当の意味を分かっている人はどれくらいいるだろうか。

 

「しかし、この世界で無理なら、まさか異世界に行くとでも言うのか?」

 

「そのまさかだ」

 

2人の目の前に銀のオーロラのカーテンが現れ通過していく。

 

すると、景色が変わり、それと同時に2人の服装も変わっていた。

 

ポケットに厚みを感じたのか、零はポケットに手を入れ、入っていたものを取り出した。

 

「これは…学生証?」

 

「学生証か。帝丹高校そして、住所は米花町?」

 

それを聞き、零は納得がいったかのように目を開く。

 

「そうか、ここは名探偵コナンの世界か。それなら、俺たちがやらなきゃならないことはだいたい分かった」

 

「やらなきゃならないこと?」

 

「すぐ察することになるさ。さて、学生証に書かれている住所に行くぞ」

 

零と一夏はその場から去り、目的地へ向かった。

 

(しかし、解せんな。俺があの世界ですべきことは一夏の力を使いこなせるようにサポートすることだ。おそらく、これは間違っていないだろう。しかし、なぜ最初に仮面ライダーとしての力があまりいらないこの世界に来ることになる?)

 

零は心の中で思案する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なかなか広いな」

 

着いた場所は少し古風なデザインの一軒家だった。

 

「さて、俺は明日から高校に通うが、お前はどうする?」

 

「ん〜俺も通うよ。なんか、俺も学生証あったし」

 

「まさかとは思うが高校のか?」

 

「そうだけど」

 

「今日は勉強会だな」

 

「え」

 

一夏は心底嫌そうな顔をする。

 

「なんでさ」

 

「お前、高校の勉強できんのか?」

 

一夏は本来の年齢で言えば中学生。

 

高校生の勉強なんてしたことがないだろう。

 

「違和感がないレベルまでは上げてやる」

 

「そ、そんな〜」

 

◇◇◇

 

結局、一夏に勉強を教えることで眠ることができなかった零。

 

寝ぼけた目をこすりながら、同じクラスになるメンバーに対して自己紹介を行う。

 

「門矢零です。趣味は写真撮影。よろしくお願いします」

 

「はい。拍手」

 

教師の言葉の後に拍手が続く。

 

「門矢は…あそこだな」

 

教師が指を指すのはだれも座っていない席。

 

そこに素直に座ると、隣から声がする。

 

「やあ」

 

「ん?」

 

「ボクは世良真純。よろしくな」

 

「ああ。よろしく頼む」

 

零は知らなかった。

 

このたまたま隣になった世良真純と付き合いをもったせいで事件に巻き込まれることを。

 




はい。
せっかくのディケイドなので、異世界編をやろうかなと。一応、この小説のIS世界はほんとに女利権がひどい世界観です。よくハーメルンでみますね。だったら、そこにいたら一夏くん、成長するかなと考えた結果の異世界編です。
というわけで最初の異世界はコナンの世界です。
一応、こんなダメ作者が書く作品とコラボしてもいいよという方は活動報のほうに御一報ください。
次話は2500字は超えます。


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3話

2500字を超えると言ったな。あれは嘘だ。
本当にすいません。



零と一夏はポアロというカフェに来ていた。

 

特に何か学校であったわけでもないので速やかに帰ろうとすると、世良と彼女の友達に誘われてポアロに行くことになった。

 

そこで小学生グループに会い、その子供達は世良達の知り合いだったため、話していた。

 

そんな時だった。

 

「ぎゃああああっ!」

 

悲鳴が上がったほうを見ると、男性が泡を吹いて倒れていた。

 

そこからの対応は迅速だった。

 

ポアロの店員のガングロのイケメンの方が現場保存のため、倒れた男の周りから人を避けた。

 

他の客が警察に電話をしていると、小学生グループの1人である江戸川コナンが倒れた男に近寄り、何かをペロッと舐めた。

 

「…これは、青酸カリ!」

 

それを聞いた零の頬は引き攣っていた。

 

◇◇◇

 

そこからの展開は怒涛の勢いだった。

 

探偵の毛利小五郎が眠りながら推理をし、事件を究明。

 

これで終わったかと思えば

 

「ここで終わってたまるかぁ!」

 

犯人の男は叫び出す。

 

犬のような機械が犯人の男の手にくる。

 

それは変形し、USBメモリが現れる。

 

男はそれをそのまま刺した。

 

『zoo!』

 

男の体は怪人『ズードーパント』に変化した。

 

「ちいっ!ボーっとすんな!」

 

驚いて突っ立ていた世良を押し、零は代わりにズードーパントの攻撃を受ける。

 

衝撃で転がるが、その間に腰にバックルを巻く。

 

「変身!」

 

《KAMENRIDE DECADE!》

 

零はダークディケイドに変身する。

 

「なんだ。お前は」

 

「ただの通りすがりだ」

 

ダークディケイドはズードーパントに向かって走り出す。

 

その時

 

『zero!』

 

新たなドーパント『ゼロドーパント』が現れた。

 

一夏もバックルを巻き

 

「変身!」

 

《KAMENRIDE DECADE!》

 

仮面ライダーディケイドに変身する。

 

「お前の相手は俺がする」

 

一夏はゼロドーパントを零のところに向かわせまいとする。

 

「ドーパント相手ならこいつだな」

 

《KAMENRIDE SKULL!》

 

零は骸骨の記憶を使い変身するライダー『仮面ライダースカル』にカメンライドした。

 

スカルマグナムを連射し、ズードーパントの動きを止める。

 

「さあ。お前の罪を数えろ!」

 

「今さら数えきれるか!」

 

「これ、初犯じゃないのかよ…」

 

一夏というと

 

「はっ」

 

ゼロドーパントに連続で拳をいれる。

 

しかし、攻撃をいくらしたところでダメージが通らない。

 

「何かしたか」

 

「ちいっ」

 

(確か、あのドーパントのメモリはゼロ。零の兄貴が言うにはドーパントの能力はその単語に関することのみ。ということは)

 

「これでいこう」

 

一夏はライドブッカーから一枚のカードを取り出す。

 

《KAMENRIDE WIZARD!》

 

《ヒー・ヒー・ヒーヒーヒー!》

 

一夏は絶望を希望に変える魔法使い『仮面ライダーウィザード』にカメンライドした。

 

「ふっ」

 

軽やかな動きでゼロドーパントに攻撃していく。

 

しかし、ダメージは一向にはいらない。

 

「鬱陶しい!」

 

ゼロドーパントが一夏の腕を掴んだ瞬間、

 

「待ってたぜ」

 

《ATTACKRIDE DRILL!》

 

一夏の拳が急回転しだす。

 

「何っ!」

 

ゼロドーパントについに攻撃が入る。

 

それに焦ったのか

 

「おいっ!」

 

ゼロドーパントがズードーパントに声をかける。

 

ズードーパントは零にボロボロにされていた。

 

「逃げるぞ」

 

「っ!ああ」

 

ズードーパントは背中に翼を生やし、ゼロドーパントを抱えて逃げていった。

 

「待ちやがれ!っ!」

 

零は追おうとするが、変身前に受けた傷で足をついてしまった。

 

「兄貴、大丈夫か?」

 

「そこまできつくないからな」

 

2人は変身を解除する。

 

「逃げるか」

 

「無理だと思うけど」

 

後ろの警察や探偵の鋭い視線から目をそらしながらそう呟いた。

 

そんな中、

 

「君達が都市伝説の仮面ライダー、なのか」

 

「はあああっ!」

 

零はその言葉に驚きの声を上げる。

 

「ごほん。俺たちはこの町に来たばっかだぞ。そんな都市伝説は知らん」

 

零は声を上げたのが恥ずかしかったのか、咳き込んでから都市伝説の疑惑を否定する。

 

「ねーねー、お兄さん」

 

「なんだい、コナン君。なんか、気持ち悪いぞ」

 

「あの怪物は何?」

 

「ん、仮面ライダーは噂になってて、あっちは誰も知らないのかい」

 

「うん」

 

「あれはドーパント。ガイアメモリを使うことで人を異形にする」

 

「ガイアメモリ?」

 

またまたわからないといった表情で零を見るコナン。

 

「おい。一夏、この前教えたろ」

 

零はめんどくさがり、一夏に丸投げした。

 

「ガイアメモリってのは地球の記憶を内包したメモリ。そのまま使うと、毒素やらがあるから一種の麻薬といっても過言ではない。まあ、ロストドライバーとかを使うと毒素を極限までに減らして使うことができるよ」

 

「へぇ〜そうなんだ」

 

◇◇◇

 

「あそこに仮面ライダーがいるなんてな」

 

「どうする?」

 

ゼロドーパントとズードーパントは焦っていた。

 

眉唾物だと思っていた仮面ライダー。

 

仮に出てきたとしても自分達には敵わないものだと考えていた。

 

結果は惨敗。

 

「…手を貸しましょうか」

 

「誰だ!」

 

突如、フードを被った男が現れる。

 

「あの仮面ライダーを倒したいものですよ。力がいるでしょう」

 

「…まあな」

 

「だったらこれを使いなさい」

 

フードの男はゼロドーパントにあるものを渡す。

 

「それはガイアメモリ強化アダプター。ガイアメモリの力を3倍にできます」

 

「さ、3倍!!」

 

「使うか使わないかはあなた次第です」

 

フードの男は蜃気楼のごとく消えていく。

 

「ど、どうする」

 

「使うしかないだろ」

 

『zero!アップグレード!』

 




戦闘シーンもうまくかけてない…
コナンの事件の部分はカットさせていただきました。トリックが思いつかないので。

一応、活動報告でコラボ募集しています。
いいよという方はご一報ください


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4話

すいません。無理やりですが、どうぞ。
二時間クオリティです(キリッ


「というわけでこの町の仮面ライダーを探すぞ」

 

「え、どうやって」

 

零の突然の提案に一夏は疑問を発す。

 

「これを使うんだよ。こ、れ、を」

 

零が指指すのはパーソナルコンピューター。

 

その画面には掲示板サイトが写っている。

 

「は?」

 

「この町の仮面ライダーのことは大体調べた。怪人が現れたところに仮面ライダーも現れる。なら、怪人が現れる場所にくるだろ」

 

「でも、この前は来なかったぞ」

 

この前というのは、ポアロで起こった一件のことだ。

 

「ああ。おそらく、あの中に変身者がいたんだろ」

 

「なんで変身しなかったんだ?」

 

「仮面ライダーが誰か分かってしまえば、周りの人まで被害がいくからな。明かさないのは懸命な判断だ」

 

「ほー。お、兄貴。早速」

 

「…この情報は近所だな。いくぞ」

 

零と一夏が現場に到着すると、ドーパントと襲われていたであろう人、そして

 

「なんで、世良が、さらに、確か、あの子は灰原哀ちゃんだっけ。どうしてここに?」

 

そう世良と灰原がいた。

 

世良は腰に、二つちょうどガイアメモリがさせるドライバー『ダブルドライバー』をセットする。

 

さらに灰原の腰にもダブルドライバーが現れる。

 

「まさか」

 

「力、貸してもらうよ。哀ちゃん」

 

「ええ」

 

灰原は懐からガイアメモリを取り出し起動する。

 

『cyclone!』

 

ダブルドライバーの片方にサイクロンメモリが転移してくる。

 

今度は世良がメモリを起動する。

 

『accel!』

 

そして、世良もメモリをセットする。

 

「「変身」」

 

『サイクロンアクセル!』

 

世良と灰原は仮面ライダーWサイクロンアクセルに変身した。

 

もっとも、灰原は気を失ったように倒れたが。

 

「「さあ、罪すら振り切る!」」

 

2人の声が重なって聞こえる。

 

「兄貴、混ざる?」

 

「大丈夫だろ」

 

零と一夏は傍観することにした。

 

「遅い、遅い」

 

Wはドーパントに連続でパンチやキックを繰り出す。

 

「こいつ、そんなに強くないわね」

 

「そうだね。だったら、ちゃっちゃと決めちゃおうか」

 

1つの体から2人分の声。

 

何も知らなかったら誰もが気がおかしくなったのかと心配するだろう。

 

「何、ふざけたことを抜かしてやがる。俺はまだ負けてないぞぉ!」

 

ドーパントは怒声を上げながら立ち上がる。

 

「だから、すぐ終わるんだって」

 

Wはどこからか剣『エンジンブレード』を取り出し、ベルトからサイクロンメモリを抜き、剣にセットする。

 

『cyclone!maximumdrive!』

 

「うおっ。安定の高火力」

 

W自身も風を纏ったエンジンブレードに振り回されながらもドーパントを切り裂く。

 

メモリブレイクは完了し、ドーパントは普通の男の姿になった。

 

Wが変身を解除しようとすると、

 

「よう。こんにちはと言ったほうがいいか」

 

零が声をかける。

 

「き、君はい、一体?」

 

世良は焦ったように取り繕うが、

 

「お前らの変身するところはもう見てるから取り繕わなくていい」

 

「全部、見てた?」

 

「ああ」

 

「だったら、手伝いなさいよ」

 

灰原からの厳しいツッコミ。

 

「いや、大丈夫そうだったからな。下手に手を出して邪魔をしたくない」

 

「それもそうね」

 

ようやく、Wは変身を解き、灰原は立ち上がる。

 

「近くの喫茶店で話しましょうか」

 

◇◇◇

 

喫茶店でコーヒーを飲みながら灰原がいざ詳しい話をしようとすると

 

「長くなりそうだから結構だ」

 

「ええー」

 

「なんだ、聞いてほしいのか?」

 

「そういうわけじゃないけど…」

 

「ならいいだろ」

 

零がバッサリと切り捨てる。

 

そんな中、ふと一夏が口を開く。

 

「なんで、2人は仮面ライダーになったんだ?」

 

「さあね。でも、言えることは正義の為かな」

 

「ええ、そうね。最初はやる気はなかったのよ。でもね、嬉しかったのよ。こんな私でも人の為に何かできるってことが」

 

「こんな?」

 

一夏は灰原の言葉に疑問の声をあげる。

 

「忘れてちょうだい」

 

灰原のキッとした目が一夏を脅かす。

 

「わ、悪かった」

 

「まあ、悪気はなかったんだ。許してやってくれ」

 

「…しょうがないわね」

 

4人はそのまま談笑する。

 

そんな時に

 

「み〜つけた」

 

「ほう、お前が言った通りだったな」

 

怪しい2人の男性が声をかけてくる。

 

「あん?お前らは」

 

「門矢君、そいつ、この前のドーパント!」

 

世良が大声で伝える。

 

「へぇ。なんで、俺がここにいると?」

 

「匂いを辿ったんだよ。お前に負けた後ぐらいから急に色んなことができるようになったんだよ。これ、なんていったけ」

 

「ハイ、ドープ」

 

「そう、それ」

 

『zoo!』

 

「はあ」

 

『zero!アップグレード!』

 

男2人はドーパントに姿を変える。

 

その体からは前回より圧倒的な力を感じる。

 

「ちいっ。変身!」

 

《KAMENRIDE DECADE!》

 

零は変身し、ドーパントを喫茶店から外に出す。

 

「哀ちゃん、いくよ」

 

「でも、あの人は信用できるの?」

 

「信用できるさ」

 

「理由は?」

 

「ボクの勘さ」

 

「はあ。ま、同意見ね。彼がなんであろうと信用はできそうね」

 

「だろ」

 

「出し惜しみはなしでいくわよ」

 

「ということは」

 

「最初からエクストリームよ」

 

『cyclone!』

 

『accel!』

 

「「変身」」

 

『xtreme!』

 

世良と灰原の意識と体が融合し、究極のW『サイクロンアクセルエクストリーム』となった。

 

「仮面ライダーって称号には色々と込められてるんだな。俺だって、やってやる。この力を正義にしてみせる。変身!」

 

《KAMENRIDE DECADE!》

 

一夏も変身する。

 

「仮面ライダーが3にん?」

 

「壮観だろ」

 

「ほざけ。お前らなんか目じゃねぇ」

 

ズードーパントが前回よりも力強く突進してくる。

 

《FORMRIDE OOO SAGOHZO!》

 

《サ・ゴーゾ…サ・ゴーゾォッ!》

 

一夏は誰かの手を掴むために戦う『仮面ライダーオーズ』の形態の1つ、サゴーゾコンボになる。

 

「ふっ」

 

一夏は胸を叩き衝撃波を発生させるが、ズードーパントは止まることはなくそのまま一夏に突っ込んだ。

 

「…捕まえたぞ」

 

「は、離せ!」

 

「お前が強くなってるのは分かる。だったら搦め手を使わせてもらう。俺はまだ弱いからな」

 

一夏は衝撃波でズードーパントの突進のスピードを緩和していたのだ。

 

そのまま、ズードーパントを殴って吹っ飛ばした。

 

《KAMENRIDE BUILD!》

 

《鋼のムーンサルト!ラビットタンク!イェーイ!》

 

《FORMRIDE BUILD OCTOPUS LIGHT!》

 

《稲妻テクニシャン!オクトパスライト!イェーイ!》

 

未来をそして新たなる世界すらビルドした創造のライダー『仮面ライダービルド』のオクトパスライトフォームに姿を変え、オクトパスハーフボディでズードーパントを捕まえる。

 

「ふっ」

 

そして、そのまま投げた。

 

「ぐふっ。て、テメェ何しやがる」

 

「投げただけだ」

 

「ふざけるな!」

 

また突進してきたので、ライトハーフボディの力でズードーパントの動きを止める。

 

「ま、眩しい」

 

動きが止まったところで一夏は

 

《KAMENRIDE DECADE!》

 

元の姿に戻った。

 

一夏がズードーパントと戦っている間

 

「おいおい。俺1人に2人か」

 

「3人の間違いだ」

 

零はライドブッカーで斬りかかるも、途端に力が抜ける。

 

「ちっ、面倒な」

 

『プリズムビッカー』

 

Wは冷静に剣と盾が合体しているプリズムビッカーを取り出した。

 

「そこの貴方、そのドーパントはアップグレードして触れたところ以外にも目視してもエネルギーを0にできるようになってるわ」

 

「なら、どうすれば」

 

「あいつの目を止めて。そしたら、ボク達が決める!」

 

「なるほど」

 

「何を企んでいるか、知らんが俺には無意味だぁ!」

 

「そいつはどうかな?」

 

《KAMENRAIDE MEIJI!》

 

宝石の原石を思わせる顔をして様々な魔法を使う『仮面ライダーメイジ』にカメンライドした。

 

《ATTACKRIDE LIGHT!》

 

魔方陣から光が発せられゼロドーパントは目を瞑る。

 

「ま、眩しい」

 

「今だ!」

 

『prism!maximumdrive!』

 

「「プリズムブレイク」」

 

Wはプリズムビッカーからプリズムソードを抜き、勢いよく切り裂く。

 

「ば、馬鹿な」

 

「プリズムのマキシマムドライブには他のメモリの能力を無効化できる」

 

「な、何!?」

 

「まあ、お前の対処法としては色々とあったんだがな」

 

零はクロックアップや高速化と書かれているカードを見ながら呟いた。

 

「それにそこ危ないぞ」

 

「何を言って、ぐわぁっ!」

 

ゼロドーパントに一夏が吹っ飛ばしたズードーパントが当たる。

 

「最後は全員でいくか」

 

「そうだね」

 

「最後くらいわね」

 

《FINALATTACKRIDE DE DE DE DECADE!》

 

『 xtreme!maximumdrive!』

 

《FINALATTACKRIDE DE DE DE DECADE!》

 

「はっ」

 

3人が同時にライダーキックをゼロドーパントとズードーパントに食らわせる。

 

「こ、こんなはずでは」

 

「お、俺の力が通用しないっていうのか!」

 

2体のドーパントは人間の姿に戻り、近くにはガイアメモリが壊れた状態で落ちていた。

 

◇◇◇

 

「もう行くのかい?」

 

「まあな。一夏も仮面ライダーってのを少しはわかっただろうしな」

 

ドーパントとの戦闘を終え、夕暮れ時になっていた。

 

「はあ。せっかく仲良くなれたのになぁ」

 

「そんなに落ち込まなくていいじゃない。いつかは会えるとでも思っておきなさい。死んだ訳じゃないんだから」

 

「それもそうだね」

 

「じゃあな。また会えるといいな。コナン君やらクラスの連中にはうまく言っておいてくれよ」

 

「それじゃあ。さよなら」

 

零と一夏は別れの挨拶をして次の世界へと旅立った。

 

ちなみに零のライドブッカーの中には新たなカードが入っていたとさ。




コナンじゃなくても良かった感が…
まあ、ただ単に私が世良さんと灰原さんが好きだからやっただけなので(それでもひどい)
次回もよろしくお願いします。

コラボ募集を行っています。
してもいいよという寛大な方は活動報告まで


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5話

今回からは仮面ライダー様さんの『世界の破壊者、及び世界の門番に選ばれた男』とのコラボ回です。

仮面ライダー様さん、本当にありがとうございます。


『よお、俺とはこんにちはになるな。1話に出ていた転生を担当した神だ。今回からは俺がプロローグをさせてもらうぜ。』

 

ここで幾何学模様が描かれた本を開いた。

 

『この本によれば、転生者である織斑秋十により、正史とは異なる未来になり破壊者ディケイドの力を得た織斑一夏、いや、門矢一夏。彼は黒き破壊者の力をもつ門矢零と共に世界と世界を股にかける。今回の世界は悪魔と堕天使に赤き龍と白き龍が交錯する世界。そこに一夏以外のディケイドが現れる。そこで門矢零は…』

 

そこでようやく本を閉じる。

 

『おっと、皆さんにはまだ先の話、でしたね』

 

◇◇◇

 

「おいおい、やっぱ俺は天才だな」

 

地に伏した悪魔を見て、この世界の主人公『兵藤一誠』は胸を張る。

 

もっとも、この悪魔は討伐ランクSと低いわけではない。

 

「流石ね。イッセー」

 

プロモーションも使わず、ポーンの一誠がはぐれ悪魔を倒したことを褒める主人『リアス・グレモリー』。

 

「そりゃそうですよ。この赤龍帝の籠手があればどんな敵だって倒してみせますよ」

 

そう自慢していると、突如彼らの目の前にオーロラが現れる。

 

そのオーロラからは破壊者『ディケイド』が現れた。

 

「…兵藤一誠。いや、こう言ったほうがいいか、『田中界磁』」

 

どうやら、声を聞くと、ディケイドの変身者は一夏ではない。

 

「なんで、その名前を。テメェ、何モンだ!!」

 

「ただの世界の破壊者だ」

 

《KAMENRIDE RYUKI!》

 

ディケイドに透明な影が重なり、赤き龍と契約し鏡の世界で戦う『仮面ライダー龍騎』にカメンライドした。

 

「仮面ライダー龍騎ねぇ。また懐かしいものを」

 

「龍には龍だ。お似合いだろ」

 

そこで一誠は赤龍帝の籠手でディケイド龍騎に殴りかかる。

 

「ちょっと、イッセー!」

 

「任せてください、部長!こいつも俺が倒します!」

 

「あらあら」

 

リアスは止めようとするが、一誠は自分1人でという姿勢を崩さない。

 

リアスのクイーンである『姫島朱乃』は困ったふうに声を出す。

 

しかし、一誠が繰り出した拳はディケイド龍騎に掴まれた。

 

「な、何!?」

 

「その程度で、俺に攻撃が入るとでも。ふんっ!」

 

一誠を逆に殴り、吹っ飛ばす。

 

それにリアスは危機を感じたのか

 

「祐斗、小猫!」

 

「はい。部長」

 

今度は騎士である『木場祐斗』、戦車である『塔城小猫』が連携して攻撃を仕掛ける。

 

ディケイド龍騎は焦らず、新たなカードをバックルに挿入する。

 

《ATTACKRIDE SWORDVENT!》

 

柳葉刀の形をしたドラグセイバーを召喚し、祐斗の剣を受け止める。

 

「塔城さん!」

 

「任せてください」

 

小猫の鋭い拳がディケイド龍騎のボディに迫る。

 

「甘い!!」

 

祐斗をドラグセイバーで押し返し、そのまま小猫を攻撃する。

 

見事にドラグセイバーは命中し、小猫にダメージを負わせる。

 

小猫はそのまま気絶してしまった。

 

「小猫!」

 

「テメェ、よくも小猫ちゃんを!」

 

「っ!雷よ」

 

ディケイド龍騎に雷が落とされようとした時、

 

《FORMRIDE WIZARD LAND!》

 

《ドッ ドッ ドッ ドドドンドン ドッ ドッ ドン》

 

ウィザードランドスタイルとなり落雷のダメージを軽減する。

 

「別の姿に!?」

 

「うおおおおおー」

 

一誠は祐斗と小猫が戦っている間に自身の神器である赤龍帝の籠手の固有能力“倍加”を行なっていた。

 

そのまま、突進する一誠。

 

「舐めてるのか、お前」

 

ディケイドはそれを避け、元の姿に戻る。

 

「これで終わりだ」

 

ライドブッカーから取り出したのは、ディケイドの紋章が描かれている黄色のカード。

 

《FINALATTACKRIDE DE DE DE DECADE!》

 

ライドブッカーからディメンションブラストを放つ。

 

一誠は直撃し数度地面に叩きつけられ気を失った。

 

ディメンションブラストの余波で祐斗と朱乃は立ち上がれなくなっていた。

 

それを見たリアスは

 

「撤退よ」

 

魔法を使い、眷属を連れて逃げていった。

 

その際、リアスはディケイドに向け滅びの魔術を放つが、ディケイドはそれを煩わしそうに弾いた。

 

「ちっ。逃したか」

 

変身が解け、その姿が露わになる。

 

彼の名前は『希月 悠真』。

 

世界の破壊者であり、3つの世界の門番を任されている男だ。

 

 

そして、彼らの戦いを見ていたものがいた。

 

そう、門矢零と門矢一夏だ。

 

「兄貴、ありゃ」

 

「ああ。強いな。今のお前では絶対に勝てん」

 

「そして、俺と同じ…」

 

「ディケイドだな」

 

2人が喋っていると

 

「そこにいるのは誰だ?」

 

悠真が声をかける。

 

零と一夏は物陰から出てくる。

 

2人が出てくると

 

「ここはインフィニット・ストラトスの世界ではないんだが…転生者か?」

 

「違うぞ」

 

「それは俺が確かめることだ」

 

《KAMENRIDE DECADE!》

 

「血気盛んだな。変身」

 

《KAMENRIDE DECADE!》

 

ディケイドとダークディケイドが向かい合う。

 

「一夏。手を出すなよ。死ぬぞ」

 

「あ、うん」

 

「さて、遊ぼうか」

 

「こっちのセリフだ」

 

ダークディケイドとディケイドの戦いが始まる。

 

ちなみに、一夏は…

 

「はい?嘘でしょ」

 

戦いの場から離れようとするとはぐれ悪魔が

 

「変身!」

 

《KAMENRIDE DECADE!》

 

一夏も変身してはぐれ悪魔と戦うことになった。




次回もお楽しみに〜



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6話

前回に引き続きコラボ回です。

映画、まだ見れてません。


『この本によれば、転生者である織斑秋十により、正史とは異なる未来になり破壊者ディケイドの力を得た門矢一夏。彼は黒き破壊者の力をもつ門矢零と共に世界と世界を股にかける。相対する門矢零と希月悠真。2人の破壊者の戦いの末、彼らは…おっと、皆さんには、まだ先の世界、でしたね』

 

◇◇◇

 

金属的な音を夜の街に響かせながら、2人の破壊者は戦う。

 

「はあ。この姿じゃ、埒があかない」

 

《KAMENRIDE PSYGA!》

 

零は天空の帝王『仮面ライダーサイガ』にカメンライドし、

 

《ATTACKRIDE FLYINGATTACKER!》

 

フライングアタッカーを出現させ飛び上がる。

 

「なら、こちらもだ」

 

《KAMENRIDE BLADE!》

 

《FORMRIDE BLADE JACK!》

 

アンデットと戦い最後は自身までアンデットになった悲劇のライダー『仮面ライダーブレイド』のジャックフォームにカメンライドした。

 

背中に翼を広げ、零に接近する。

 

「Let's game begin!」

 

「お前の遊戯に付き合うつもりはない」

 

零はフライングアタッカーから発砲、悠真は避けつつライドブッカーを銃にして撃った。

 

零も当然のように避ける。

 

それが何度か続くと、

 

「ちっ。空中戦でも差がないか」

 

《KAMENRIDE SORCERER!》

 

零は黄金の魔法使い『仮面ライダーソーサラー』になり、さらにバックルにカードを入れる。

 

《ATTACKRIDE EXPLOSION!》

 

突如出現した火球は悠真の意表を突きヒットした。

 

「さて、これでジ・エンドだ」

 

《FINALATTACKRIDE SO SO SO SORCERER!》

 

零の足元に魔方陣が現れ、そのエネルギーを足に纏わせる。

 

「これで終わりなわけないだろ」

 

《FINALATTACKRIDE DE DE DE DECADE!》

 

悠真もカードを挿入し、零と同時にライダーキックを放つ。

 

2人のキックはほぼ同火力で、どちらにも大ダメージが入る。

 

零はダークディケイドの姿に戻ってしまった。

 

「まずいな」

 

「さて、次はこいつだ」

 

悠真はライドブッカーから何枚かカードを出し、その中から1枚を選ぶ。

 

《KAMENRIDE GHOST!》

 

《レッツゴー!覚悟!ゴ ゴ ゴ ゴースト!》

 

《ガンガンセイバー!》

 

英雄の力を使い人々の想いを未来に繋いだ『仮面ライダーゴースト』にカメンライドし、零に斬りかかる。

 

零はライドブッカーで応戦するが、ゴーストのユラユラとした動きに対応しきれない。

 

悠真がついにガンガンセイバーで零を斬った。

 

続いて2撃目を入れようとすると、零が悠真の腕に蹴りを入れガンガンセイバーを落としてしまう。

 

零はその隙に攻撃を加えようとするが、悠真が手でそれを抑える。

 

その時に、悠真はゴーストにカメンライドしていたのが原因で零の記憶を読み取った。

 

「成る程な。こちらの不手際か」

 

「ん?」

 

「何、お前達が転生者ではないことが分かっただけだ」

 

「成る程、大体わかった」

 

零と悠真は変身を解除する。

 

「それじゃあな」

 

悠真がオーロラカーテンを発生させその場を去ろうとすると、零が呼び止める。

 

「おいおい、いきなり攻撃してきて帰るなんて話が良すぎやしないか」

 

「はあ、しょうがない。この世界、ハイスクールD×Dの世界の主人公である兵藤一誠は転生者だ。俺はそいつを殺すためにこの世界に来ている。これでいいだろ」

 

零はその話を聞き、しばらく考えると

 

「おい、取り引きをしようぜ」

 

「ほう」

 

「そちらに出すのは俺がこの世界の兵藤一誠以外の転生者の情報、こちらが要求するのはこの世界限定でお前と俺と一夏でチームを組む。どうだ」

 

「面白い。いいだろう」

 

悠真は承諾し、零と悠真の同盟関係ができた。

 

◇◇◇

 

2人の同盟が結ばれ、零は一夏の元に

 

「よあ、一夏」

 

「あ、終わったのか」

 

「まあな」

 

そこで零は神妙な顔をして

 

「一夏、お前は人を殺せるか」

 

そう、零はこの世界で希月悠真と出会いやるべきことを完全に理解していた。

 

一夏は破壊者であるディケイドの力を持っているとはいえ、元々はただの中学生。

 

普通に考えて人を殺せるはずがない。

 

しかし、

 

「ああ。…………出来るよ」

 

「っ!」

 

一夏の言葉に零は驚きを隠せない。

 

「これを手にしてから、よくわからない夢を見るんだ」

 

「夢?」

 

一夏はマゼンタのバックルを弄りながら語る。

 

「その中の一つでさ、こいつが出てくる物語でね」

 

一夏が手にするのは緑色のライダーのカード。

 

「なるほどな」

 

「喰われる前に…喰う!」

 

「ふっ。じゃあ行くぞ」

 

零がオーロラカーテンを発生させる。

 

「え、それ、自分で出せるの!」

 

「特訓すればな。便利だぞ、これ。時間旅行までできるしな」

 

そう言いながら、2人はオーロラカーテンに入っていた。

 

それを抜けると、学園のような場所に来ていた。

 

「遅かったな。もう、始まっているぞ」

 

「律儀に待ってたんだな、お前」

 

「で、兵藤一誠以外の転生者は?」

 

「匙元士郎に、ヴァーリ・ルシファーの2人だ。ちょうどだな」

 

「兄貴、え、どういう?」

 

一夏はハテナマークを浮かべる。

 

「こいつと同盟関係結んだ。それだけだ」

 

「オーケー、わかった」

 

「そろそろ行くぞ」

 

3人はバックルを巻き、カードを手にし、挿入する。

 

「変身」

 

「アマゾン!」

 

零はいつも通りの掛け声を出しながら、一夏はいつもと違うがより力がこもった声をだし、悠真は無言でバックルを操作する。

 

《KAMENRIDE HIBIKI!》

 

《KAMENRIDE GEIZ!》

 

《KAMENRIDE AMAZONOMEGA!》

 

《ライダータイム!仮面ライダーゲイツ!》

 

《エボリュ・エ・エボリューション!!》

 

悠真は音撃を使い魑魅魍魎と戦う鬼『仮面ライダー響鬼』に、零は2068年から来たライドウォッチを使って戦う未来のライダー『仮面ライダーゲイツ』に、一夏は養殖のアマゾンでありながら人間とアマゾン両方を守ろうとした『仮面ライダーアマゾンオメガ』になった。

 

「狩りの時間だ」




次話でおそらくこのコラボも終わると思います。


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7話

年越しギリで投稿


『この本によれば、門矢零と門矢一夏は希月悠真と協力し、悪魔達と戦うことなる。そして、門矢一夏はついに手を汚す。おっと、皆さんにはまだ先の話、でしたね』

 

◇◇◇

 

「お前が当代の赤龍帝か」

 

「お前は…」

 

駒王学園の校庭にて、リアス・グレモリーやソーナ・シトリー、ならびに転生者達が堕天使の幹部コカビエルと戦った。

 

流石、転生者というべきか、コカビエルを圧倒した。

 

「また、会おう」

 

「待ちやがれ!!」

 

どうやら、説明している合間に話が終わったようだ。

 

そこに

 

「待ってもらおうか」

 

《ジカンザックス!》

 

《YOU!ME!》

 

矢が放たれ、ヴァーリ・ルシファーにあたり体勢を崩す。

 

「っ!誰だ!」

 

「フン。お前がヴァーリ・ルシファーか」

 

「そうだが…何のつもりだ。俺が白龍皇と知っての攻撃か!!」

 

「そんなことどうでもいい。テメェを破壊するだけだ」

 

零はヴァーリをにらめつけながらそう言う。

 

リアス達は

 

「あれは…この前の」

 

「いや、でもベルトが違う」

 

と小声で話していると

 

「それは俺のことだな」

 

《ATTACKRIDE ONGEKIBOU REKKA!》

 

火球が次々と飛んでくる。

 

「きゃっ」

 

「なっ!」

 

「今度こそ、破壊する。田中界磁」

 

悠真が撥の形をした武器『音撃棒烈火』を手遊びしてるかのように操作しながら現れる。

 

駒王学園側でありながら話でしか聞いてないソーナ・シトリー達は

 

「え、あれがリアス達が言ってた人達なの?」

 

「一体、何が目的なの?」

 

「…匙元士郎ってのは誰だ」

 

そこに一夏が歩きながら問う。

 

「匙、一体何したの!?」

 

「知りませんよ!会長!」

 

「そう、君か」

 

一夏は匙元士郎と呼ばれた男に飛びかかった。

 

《divide!》

 

ヴァーリは自身の神器『白龍皇の籠手』を発動するが、

 

「効くわけないだろ」

 

零には何の効果もない。

 

「な、何故だ!」

 

「俺が破壊者だからだ」

 

《FORMRIDE GEIZ GHOST!》

 

《ライダータイム!仮面ライダーゲイツ!アーマータイム!カイガン!ゴースト!》

 

零は鎧を纏い、仮面ライダーゲイツゴーストアーマーとなった。

 

手で三角を作ると肩の眼球ようなものからパーカーアイコンが複数体飛び出しヴァーリに攻撃する。

 

「なんだ、こいつら」

 

「これで終わりだ」

 

《FINALATTACKRIDE GE GE GE GEIZ!》

 

零の後ろに紋章が現れ、零の右足にエネルギーを挿入する。

 

そのまま、ヴァーリに必殺のライダーキックを喰らわせる。

 

爆発がおき、煙が立ち込める。

 

「まだ、破壊しきれていないか」

 

《禁手化》

 

爆煙の中から現れたのは白い鎧を纏ったヴァーリ。

 

「だったら、こいつだ」

 

《KAMENRIDE RYUGA!》

 

零は黒き龍と契約したミラーワールドのライダー『仮面ライダーリュウガ』にカメンライドした。

 

《ATTACKRIDE ADVENT!》

 

契約モンスターのドラグブラッカーを呼び出した。

 

「ドラゴンだと」

 

「お前にはちょうどいいはずだぞ」

 

 

 

「うおおおおおお!」

 

一誠が悠真に殴りかかるが、悠真はそれを避け、腹に音撃棒を叩きこむ。

 

「ぐはっ!」

 

悠真の周りにはリアス・グレモリーや姫島朱乃が無残な姿で横たわっていた。

 

「よくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもぉ!」

 

一誠は絶叫しながら突っ込む。

 

その怨嗟に反応したのか、赤龍皇の籠手が禁手化した。

 

「そうか」

 

《FINALATTACKRIDE HI HI HI HIBIKI!》

 

一誠の腹に太鼓が現れ、それを悠真は勢いよく音撃棒で叩きつける。

 

「フンっ!フン!フンっ!フン!フン!フンっ!フン!フンっ!フン!フン!フンっ!フンっ!フンっ!ハァ、フンっ!フンっ!」

 

音は鎧を揺らし一誠の体に直に響く。

 

「まだだ!」

 

「ほう。立ち上がるか」

 

《KAMENRIDE EVOL!》

 

《コブラ!コブラ!エボルコブラ!フッハッハッハッハ!》

 

「あいつの力を使わせてもらおう」

 

星の破壊者『仮面ライダーエボル』にカメンライドした。

 

超スピードで一誠に連続で攻撃した。

 

「ぐはっ」

 

「こいつもいっとくか」

 

《ATTACKRIDE FORKGATORINGER!》

 

《10!20!30!40!50!60!70!80!90!100!フルバレット!》

 

ホークガトリンガーが火を吹き、一誠を吹き飛ばした。

 

 

「ラインよ」

 

一夏は匙の神器『黒い龍脈』によるラインで拘束されるが

 

「フン!」

 

一夏が力を込めるとちぎれてしまう。

 

「な、何!?」

 

「…脆いな」

 

「匙!」

 

ソーナ達が悲鳴をあげるのが遅く、匙の右腕は切断されていた。

 

「…ぎゃあああ!」

 

「うるさいな」

 

一夏は匙を思いきり殴り飛ばした。

 

「まだだ」

 

一夏は連続でパンチやキックを繰り出す。

 

そうでもしないと吐いてしまいそうだからだ。

 

「も、もうやめて。殺してくれ」

 

「そうか」

 

 

 

3人の破壊者がバックルにカードを入れるのは同時だった。

 

《FINALATTACKRIDE RYU RYU RYU RYUGA!》

 

《FINALATTACKRIDE E E E EVOL!》

 

《FINALATTACKRIDE A A A AMAZONOMNGA!》

 

黒龍『ドラグブラッカー』の黒炎に合わせて零はヴァーリにキックする。

 

足に星座盤が現れ、それが収縮されそのまま悠真は足を一誠に叩きこむ。

 

一夏はジャンプし、両足で匙を蹴った。

 

今度はしっかり決まったようで3人の転生者は絶命した。

 

一夏は思っていた感覚と違い、戸惑うが、すぐに吐き気がする。

 

「一夏。吐くなら吐いていいぞ」

 

「う、うん」

 

一夏は変身を解除し、木陰で何度か吐いた。

 

「スッキリしたか」

 

「あ、ああ」

 

「顔色悪いな。しばらく寝てろ」

 

零は一夏を背負う。

 

一夏は零の背中で眠りに入った。

 

 

 

 

「はあ。もう行くのか」

 

「まあな」

 

「お前とはまた会いそうだからな。これ、持っとけ」

 

零が悠真に渡したのダークディケイドのカード。

 

「ありがたく受け取っておこう」

 

悠真は歩きながら手を軽く振りながらオーロラカーテンの中に入っていった。

 

「またな。希月悠真」

 

零達もオーロラカーテンに入っていった。

 




今回で仮面ライダー様さんとのコラボは終了です。

仮面ライダー様さん、ありがとうございました。


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8話

今回からはSOURさんの『仮面ライダークライム~旅をする男~』とコラボです。
しかしながら、最後にしか仮面ライダークライムは出てません。
今回のメインはオリキャラ登場です。


『この本によれば、転生者である織斑秋十により、正史とは異なる未来になり破壊者ディケイドの力を得た織斑一夏、いや、門矢一夏。彼は黒き破壊者の力をもつ門矢零と共に世界と世界を股にかける。今回の世界はどうやら前回より危ないようで。門矢零はその世界で昔の知り合いに出会う。さらに、規格外の人物にも出会う。おっと、皆さんにはまだ先の話、でしたね』

 

◇◇◇

 

「世界名画コレクション?」

 

「そう。これ、言ってみたいんだよね。俺の世界にある絵もあるんだけどさ、一気には見れないからさ」

 

「じゃ、行くか」

 

「うん、兄貴」

 

新たな世界に来て2日が経った。

 

その間、特に何もなく、零達は自身がこの世界でやらなければならないことがわかっていなかった。

 

「見たことある作品もあるな」

 

「おお、スゲー。これ、全部億超える絵画ばっかだよ、兄貴」

 

零達が絵画を見ていくと奥のほうに人だかりがあまりない部屋が。

 

「なんで、あの部屋には人がいないんだ」

 

「たしか、あの部屋には最後の戦いっていう絵があるはずなんだけど。たしか、億超えて、さらに兆超えて、京にまで値段が上がった作品だったな」

 

「高すぎるでしょ」

 

零達は足を進める。

 

「これが」

 

「ああ。最後の戦い」

 

「背中に龍。カッコいいじゃん」

 

「小学生か、お前は。しかし、こいつが構えているドライバー。似たようなのを見たことがあるような気が…」

 

「それにしても、威圧感あるね。絵画の世界にいるわけでもないのに肌がピリピリする」

 

「それほどのものだから、価値が高いんだろうよ」

 

2人がその部屋から出ようとすると

 

「痛っ」

 

「す、すいませんッス」

 

零が人にぶつかってしまう。

 

顔を上げると

 

「げ」

 

「久しぶりッスねぇ、零くん。不動さんもいるッスから話聞かせてもらうッスよ」

 

「えっと、二人はお知り合いで」

 

「ご近所さんだった人」

 

「幼馴染ッスね」

 

零は幼馴染に引き摺られ、一夏はそれを追いかけていった。

 

◇◇◇

 

「どこで何していたッスか!」

 

「騒ぐな、うるさい。俺は旅していただけだ。そういうお前らこそ、なんでこの世界にいる?」

 

「たまたまだよ。たまたま」

 

零が二人の女性と話していると

 

「で、そっちが」

 

「一夏だ。門矢一夏だ。俺の弟」

 

「マジか。似てないぞ」

 

「そりゃ、義理だからな」

 

「ほぉ〜。お前が拾うとか珍しいな」

 

「一夏、このッスって言いまくっていて、とある部分が貧しいやつが風間伸奈。こっちの豪快で身長が高いのが不動明菜。二人とも俺の知り合いだ」

 

「はあ。門矢一夏です。よろしくお願いします」

 

「おっ、礼儀正しいじゃねぇか。不動明菜だ、よろしく」

 

「どっかの誰かさんとは大違いッスね。風間伸奈ッス。こちらこそ、よろしくッス」

 

伸奈と零は視線で牽制し合う。

 

明菜はバクバクと皿にのっている料理を食べていく。

 

一夏はアワアワしながらその様子を見るしかなかった。

 

一方、零達が座っている席の死角では…

 

コナンの世界でガイアメモリ強化アダプターをゼロドーパントに手渡した謎の人物がいた。

 

「門矢零。あなたを必ず殺します。この世界で。変身」

 

《ライダータイム!仮面ライダーアクジ!》

 

《ジカンギレール!カタナ!》

 

複眼にはRIDERと書かれている仮面ライダーアクジに変身した。

 

アクジが手をかざすと、オーロラカーテンが現れる。

 

そこからリュウガ、ダークカブト、武神鎧武、ゲンムが出てくる。

 

「さて、始めましょうか」

 

四人のダークライダーは零達がいる席に向かって走り出す。

 

「なっ、こいつらは」

 

「ダークライダー共か!」

 

「とりあえず、切り抜けるぞ」

 

零はダークカブトを、一夏はゲンムを、伸奈はリュウガを、明菜は武神鎧武をというふうに分担する。

 

「ダークカブトか。クロックアップさえ気をつければいいか。変身」

 

《KAMENRIDE DECADE!》

 

「お、おう。奇抜なデザインで。ぶっちゃけ、あの状況、どうすれば良かったのか分からなかったからありがたかったぜ。変身」

 

《KAMENRIDE DECADE!》

 

「まだ、あいつには聞きたいことがあるッスからさっさと終わらせるッス」

 

《ハリケーンニンジャ!》

 

「変身ッス」

 

《マキマキ!竜巻!ハリケーンニンジャ!》

 

伸奈は忍者のゲームがモチーフのライダー『仮面ライダー風魔』に変身した。

 

「食後にはちょうどいいな。変身」

 

《グラトニーフォーム!》

 

正史には登場しない未知のライダー『仮面ライダー冥王』がここに君臨した。

 

正史で一番近いライダーは電王といったところだろう。

 

しかし、仮面ライダー冥王は電王以上のフォーム数を持ち、何より不吉な感じだった。

 

「さてと、門矢零。あなたがダークカブトを倒した隙をついて殺しましょう。それが一番確実ですから」

 

アクジは妖しく笑う。

 

それは誰にも聞かれていないはずだった。

 

「感動の再会を邪魔してやることがそんなみみっちいことかよ」

 

「っ!誰だ!」

 

「俺か。俺は」

 

《KAMENRIDE CLIMB!》

 

「仮面ライダークライム。ただの旅人だ」

 




次回から本格的に朧くんを零達に絡ませます。


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9話

『この本によれば、転生者である織斑秋十により、正史とは異なる未来になり破壊者ディケイドの力を得た織斑一夏、いや、門矢一夏。彼は黒き破壊者の力をもつ門矢零と共に世界と世界を股にかける。現れたダークライダーと戦う門矢零一行。倒したと思ったら…おっと、皆さんにはまだ先の話、でしたね』

 

◇◇◇

 

「…仮面ライダークライム?知らないですねぇ」

 

「俺もお前を知らないな」

 

「邪魔しないでもらいたいですねぇ。部外者には」

 

「いいだろ。減るもんじゃないし」

 

《CREATERIDE!ATTACKRIDE BREAST!》

 

灰色の銃から弾が変則的な動きをしながらアクジに迫る。

 

「なめるな!」

 

アクジは手に持っているジカンギレールで自身に向かってくる弾を切り刻む。

 

《G電王!》

 

アクジは腕のホルダーから新たなライドウォッチを取り出し起動し、ベルトにセットする。

 

そのまま、ベルトを360°回転させる。

 

《ライダータイム!仮面ライダーアクジ!アーマータイム!〜♪G電王!》

 

《ジカンギレール!ムチ!》

 

アクジはG電王アーマーを纏い、ジカンギレールをカタナモードからムチモードに変形させた。

 

ジカンギレールを生き物のように動かしクライムを威嚇する。

 

「それがどうかしたか」

 

クライムがまたもや発砲すると、アクジから円状のバリアが発せられ防がれた。

 

「G電王のパーフェクトウェポンによるバリアか」

 

「君の攻撃は私には届かない」

 

一方で零達は…

 

「ちいっ、クロックアップか!」

 

ダークカブトがベルトの側面のボタンを押しクロックアップを発動させていた。

 

「だったら、こいつだ」

 

《KAMENRIDE TAIGA!》

 

虎と契約し英雄になろうと足掻いたライダー『仮面ライダータイガ』にカメンライドし、

 

《ATTACKRIDE FREEZEBENT!》

 

冷気を発生させダークカブトの足を凍らせる。

 

「さて、これで終了だ」

 

《FINALATTACKRIDE TA TA TA TAIGA!》

 

タイガの契約モンスターであるデストワイルダーがダークカブトを零の方向に無理やり引きずり、零がいつのまにか装備していたデストクローを突き立て持ち上げた。

 

ダークカブトは爆発し、零は姿をダークディケイドに戻した。

 

 

《ギュ・イーン》

 

ゲンムはバグヴァイザーをチェンソーモードにし一夏に斬りかかる。

 

一夏はそれをすれすれでよけ、バックルにカードを挿入する。

 

「あんたにはこれを使ったほうがいいような気がする」

 

《KAMENRIDE OOO!》

 

《タ・ト・バ!タトバ!タ・ト・バッ!》

 

仮面ライダーオーズにカメンライドし腕のトラクローを展開しゲンムに攻撃する。

 

「こいつ、まるで操り人形みたいだ。なら、駆け引きはいらないな。一気に決めよう」

 

《FINALATTACKRIDE O O O OOO!》

 

足はバッタのような形になり背中からはタカの羽が生える。

 

一気に飛び上がりゲンムに向かってキックする。

 

「セイヤーッ!」

 

ゲンムは炎に包まれ見えなくなった。

 

 

「忍者系だから扱えそうな気がしたッスけど、やっぱりいつものにすれば良かったッスねぇ」

 

伸奈はそう呟きながら

 

《ギリギリチャンバラ!》

 

プロトギリギリチャンバラガシャットを起動する。

 

《ガシャット!》

 

《ガッチャーン!レベルアップ!ハリケーンニンジャ!アガッチャ!ギリ ギリ ギリ ギリ!チャンバラ!》

 

《ガチャコンスパロー!》

 

伸奈はガチャコンスパローを取り出し、リュウガに向け矢を放つ。

 

《STRIKEBENT!》

 

リュウガは籠手にカードを読み込ませ、ドラグクローを召喚。

 

矢を素早く迎撃する。

 

「予想通りの動きをしてくれて助かったッス」

 

《ガシャット!》

 

《キメワザ!》

 

《ドラゴナイトクリティカルフィニッシュ!》

 

ガチャコンスパローにプロトドラゴナイトハンターZガシャットをセットし龍の咆哮の如く、黒いエネルギー砲が発射される。

 

リュウガの攻撃すらも飲み込み、エネルギー砲はリュウガに直撃した。

 

 

「なんだ、もう少し歯ごたえはないのか」

 

明菜は足元に転がる武神鎧武を見てがっかりしたような声を出す。

 

「その程度ならさっさと消えろ」

 

《FULLCHARGE!》

 

明菜はベルトをパスをかざしエネルギーを腕に貯める。

 

武神鎧武を立ち上がらさせ、拳を叩きつけた。

 

 

四人のダークライダーは倒されたかと思われた。

 

「おい、お前ら。そのライダー共は生きてるぞ!!」

 

クライムが叫ぶ。

 

「余計なことを言うな!」

 

《フィニッシュタイム!G電王!》

 

《パーフェクト!タイムクラッシュ!》

 

ジカンギレールがクライムに何度も叩きつけられる。

 

クライムはさほどダメージを負ってないようだが、動けない。

 

爆炎からは機械的な音声が次々と聞こえてくる。

 

《CHANGE!HYPERBEETLE!》

 

《ゴッドマキシマムマイティX!シンハイパームテキ!》

 

《マキシムガシャット!ドッキーング!パッカーン!》

 

《最高神!輝け!天帝の如く!白銀の最凶クリエーター!ハイパームテキゲンム!》

 

《SURVIVE!》

 

《極アームズ!大 大 大 大 大 将軍!》

 

ダークカブトハイパーフォームに、ゲンムムテキゲーマー、リュウガサバイブ、武神鎧武極アームズとなり零達の前に現れた。

 

「こいつはまずいな」

 

「おい、逃げるぞ!」

 

零が焦ったような声を出した後、クライムが

 

《CREATERIDE!SUMMONRIDE G3-X!RAIA!JORKER!ZEROSPECTOR!》

 

四人のライダーを呼び出す。

 

呼び出されたライダーは足止めを開始し、零達は逃げ出した。

 

 

 

「で、お前は?」

 

「仮面ライダークライム。神崎朧だ。よろしく頼むぜ、ダークディケイド」

 

これが破壊者と常識外の創造者の正式な初邂逅である。




G電王とかみんな覚えてる?
私は懐かしいと思いながらライドウォッチにして登場させました


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10話

ツイッターで昨日、夜には出せるなとか言って、一日後にだす馬鹿です。
すいませんでした。


『この本によれば、転生者である織斑秋十により、正史とは異なる未来になり破壊者ディケイドの力を得た織斑一夏、いや、門矢一夏。彼は黒き破壊者の力をもつ門矢零と共に世界と世界を股にかける。門矢零と神崎朧は仮面ライダーアクジと戦うことになる。そして、ダークディケイド、ディケイド、クライムはコンプリートフォームに…。おっと、皆さんにはまだ先の話、でしたね』

 

◇◇◇

「お前が神崎朧、仮面ライダークライムか。聞いたことはある。非常識なやつと」

 

「俺が非常識だとかはどうでもいいんだ。お前さんに率直に聞く。仮面ライダーアクジって知ってるか?」

 

「仮面ライダーアクジって?」

 

「知らないっスねぇ。明菜さんは」

 

「私も知らんな」

 

朧の問いに一夏、伸奈、明菜はハテナマークを浮かべる。

 

「どこでその名前を聞いた?」

 

そんな中、零が朧に質問を投げかける。

 

「つい、さっき戦ったやつさ。そんな質問をするお前は知ってるんだな」

 

「…勿論だ、神崎朧。仮面ライダージオウ、仮面ライダーウォズは知っているな」

 

「ああ。仮面ライダージオウ、未来では最低最悪の魔王オーマジオウになったもの。一方、仮面ライダーウォズは仮面ライダーゲイツが仮面ライダージオウを倒した未来からやってきた仮面ライダーだな」

 

「そのとおりだ」

 

正解を褒めるように零は拍手する。

 

「その話が何と関係する?」

 

「仮面ライダーアクジはそのどちらでもない未来の仮面ライダーだ」

 

「…タイムジャッカーが作り出した世界か?」

 

「いや違う。ジオウもゲイツもウォズもアナザーライダーもタイムジャッカーも全て倒された世界の仮面ライダーだ。もっともネガライダーだけどな」

 

「ほう、興味深いな。詳しく聞かせろ」

 

「いいだろう」

 

零はニヤリと笑い話し始めた。

 

「仮面ライダーの歴史が途切れ、新たな仮面ライダーはもう誕生するはずがなかった。しかし、2068年、とある女がジオウ達が使っていたジクウドライバーを発見してしまう。そして、ブランクウォッチも。ここから仮面ライダーの歴史が再スタートした。さて、ここで問題だ。ジクウドライバーの数はいくつだ?」

 

「ジオウとゲイツの二本っスね」

 

「伸奈、正解。そう二本だ。一本はアクジに、じゃあもう一本は?」

 

「アクジは男が変身していたはず。ならば、発見した女がもってるのか」

 

「その通り。発見した女は仮面ライダークロスという仮面ライダーになった。このライダーもライドウォッチを使って変身する」

 

「ちょっと待て。この世界は仮面ライダークロスと仮面ライダーアクジの世界なのか?」

 

朧が零に聞く。

 

「違う」

 

「じゃあ、なぜ仮面ライダーアクジは世界線を越えられる?タイムマジーンでは不可能のはずだ。そして、仮面ライダークロスはどこにいる?」

 

「アクジが世界を越えている方法は俺と同じくオーロラカーテン。朧、お前、アクジがネックレスをしているのをみたか」

 

「ちょっと待て。思い出す」

 

朧はアクジの変身前の姿を思い出す。

黒いコートにフードで顔は鼻から上が見えない。そして、首にはなにか線が…

 

「ある可能性はある」

 

「だろうな。アクジがつけているであろうネックレスに仮面ライダークロスは封印されている」

 

一夏や伸奈は息を飲んだ。

 

「話の流れ的にはそうだな。で、お前はなぜ狙われている?」

 

「これだろうな」

 

零が取り出したのは普通のライドウォッチより大きめのライドウォッチ。

 

「ダークディケイドライドウォッチだ」

 

「名前が長いな」

 

「そこに触れるな。あとは俺がクロスの封印を解くことができるからな」

 

「は?」

 

その声を発したのは誰だっただろうか。一夏だろうか、伸奈だろうか、明菜だろうか、はたまた朧だったのだろうか。

 

「封印を破壊すればいいんだろ」

 

「いや、なんでしてないのさ…」

 

「する暇がなかったんだよ。クロスからわざわざダークディケイドライドウォッチを預かって次にきた世界が一夏の世界だからな」

 

「なんか、すみません…」

 

一夏は縮こまりながら謝る。

 

「方針としてはクロスを助け出すでいいか?」

 

明菜が問いかける。

 

「そうだな。クロスにアクジを引き取ってもらうのが一番早い」

 

「そうっスね。クロスさんにもあってみたいですし」

 

「じゃ、決まりだな」

 

話がまとまったところで後ろから大きな音と瓦礫が飛んでくる。

 

「見ーつけた」

 

そこにいたのはアクジとダークライダーたち。

 

「探す手間が省けたな」

 

「さっさと終わらせるぞ」

 

零たちはそれぞれ変身アイテムを身につける。

 

《KAMENRIDE…》

 

《KAMENRIDE…》

 

《KAMENRIDE…》

 

《ハリケーンニンジャ!》

 

《ガシャット!》

 

「「「「「変身!」」」」」

 

《DECADE!》

 

《DECADE!》

 

《CLIMB!》

 

《ガッチャーン!レベルアップ!マキマキ!竜巻!ハリケーンニンジャ!》

 

《グラトニーフォーム!》

 

零はアクジにむかって走りだす。

 

アクジを守るようにダークライダーたちが動くが

 

「させるか!」

 

朧が発砲し、ダークライダーの動きを止める。

さらにダークライダーたちに一夏、伸奈、明菜が攻撃を加える。

 

「ふん」

 

「ちいっ!」

 

零はライドブッカーで斬りかかり、アクジはそれをジカンギレールで受け止める。

 

「お前じゃ、俺を倒せないんだよ!」

 

《エボル!》

 

《ライダータイム!仮面ライダーアクジ!アーマータイム!エボリューション!エボル!》

 

仮面ライダーアクジにエボルアーマーが装着される。

 

そのまま、零の腹を殴る。

 

「すぐに終わる」

 

《フィニッシュタイム!エボル!》

 

《エボルティック!タイムクラッシュ!》

 

「危ねぇ!」

 

アクジの必殺技が零に当たる瞬間、朧が零を押し代わりに攻撃を受けた。

必殺技をもろに受けた朧は変身が解け服がぼろぼろになっている。

 

「朧!」

 

「大丈夫っスか!」

 

零たちが心配の声を上げる中、アクジは

 

「アハハハハハハハ。他人なんかかばう必要ないのに。そんなことしたってどうしようもないのに。偽善か、何かですかぁ〜」

 

その時、朧が立ち上がる。

 

「確かに偽善かもしれないな。他人を庇ったって自身の利益にはならないかもしれない。だけどな、人は支え合って生きている。『人』という文字がそういう意味で作られたようにな!」

 

「なっ」

 

「それに俺がやったことも無駄じゃないみたいだぜ」

 

《SHADOWMOON!ODIN!DARKKIBA!BARON!GOLUDODRIVE!SPECTOR!GENMU!KIRUBASU!OMAZI-O!》

 

朧とアクジの視線の先にはタッチパネル式のアイテム『ケータッチ』のライダーセレクトを押すダークディケイドの姿が。

 

「ま、まずい!」

 

「もう、遅い」

 

《FINALKAMENRIDE DECADE!》

 

ダークディケイドの姿が音声と共に変化し、『仮面ライダーダークディケイド コンプリートフォーム』へとなった。

 

「無駄じゃなかっただろ?」

 

「ふざけるなぁ!なんなんだ、お前は!」

 

「そうだな、俺は、いや、俺たちは」

 

朧はアクジの攻撃でボロボロになった服を脱ぐ。その背中には龍の紋様があった。そして、朧は零のほうをちらっとみてからアクジを見据える。

 

「通りすがりの仮面ライダーだ、覚えておけ!変身!」

 

《KAMENRIDE CLIMB COMPLETEFORM!》

 

朧もコンプリートフォームになった。

 

「く、くそ!」

 

アクジはダークディケイドとクライムに攻撃。二人をそれを避け、アクジにダブルキックをかます。

アクジがキックで怯み、そこにクライムが銃撃で追撃。

 

「なっ、くっ。ダークライダーども!」

 

「こねぇよ」

 

アクジはダークライダーをよぼんだがダークディケイドの言った通りこない。

 

「な、なぜだ!」

 

「きちんと戦場ぐらいみろ」

 

アクジがダークライダーたちの方向を見ると、ダークライダーは一夏たちに足止めを食らっていた。

 

 

 

「これだ!」

 

《KAMENRIDE WIZARD!》

 

《ヒー・ヒー・ヒーヒーヒー!》

 

ウィザードにカメンライドし、新たなカードをバックルに入れる。

 

《ATTACKRIDE BIND!》

 

魔法陣が複数現れ、そこから鎖が射出されダークライダーを縛る。

 

「よっと」

 

バインドで縛っている隙に伸奈がダークカブトからハイパーゼクターをとる。そして、武神鎧武の極ロックシードを取ろうとするが、

 

「ふん」

 

鎖が破かれ、武神鎧武は自由の身になり、近づいてきた伸奈を攻撃する。

 

「うおッス」

 

伸奈は吹っ飛ばされるがそこまでのダメージはないようだ。

 

《影松!ドンカチ!バナナスピア!クルミボンバー!パインアイアン!イチゴクナイ!マンゴーパニッシャー!ドリノコ!キウイ撃輪!》

 

武神鎧武は多数のアームズウェポンを飛ばす。一夏は避けようとするが被弾してしまう。

 

「さすがは最強フォームなだけあるな…」

 

明菜は一人でリュウガとゲンムの相手をしていたがやはり辛いようだ。

 

「明菜さん、大丈夫ですか」

 

「あー、なんとか。一夏のほうこそ大丈夫か」

 

「こっちもギリギリですね」

 

「よし、一夏。これ使え」

 

「は?」

 

明菜は一夏にケータッチを手渡す。

 

「え、これあったんなら先に渡してくれたら」

 

「いやー、すまんすまん。忘れてたんだよ」

 

「じゃあ、使わせてもらいますよ」

 

《KUGA!AGITO!RYUKI!FAIZE!BRAID!HIBIKI!KABUTO!DEN-O!KIBA!W!OOO!FOUZE!WIZARD!GAIM!DRIVE!GHOST!EX-AID!BULID!ZI-O!》

 

《FINALKAMENRIDE DECADE!》

 

一夏はコンプリートフォームとなった。それを見て焦りを感じたのかダークライダーたちは必殺技を発動する。

 

《FINALBENT!》

 

《KAMENRIDE RYUKI SURVIVE!》

 

《FINALATTACKRIDE RYU RYU RYU RYUKI!》

 

一夏は龍騎サバイブを呼び出した。

リュウガはバイクになった契約モンスターに乗り込む。バイクから黒炎が放たれるが、一夏はそれを難なく切る。リュウガがバイクでディケイドを引こうとする。

 

「ふん」

 

一夏は龍騎と共にリュウガに向かってバーニングセイバーを放つ。リュウガはバイクを高スピードで走っていたせいで避けられなかった。

 

《ONE・TWO・THREE RIDERKICK!》

 

次はダークカブトがゼクターホーンを引く。飛び上がり一夏に向かってライダーキックを放とうとする。

 

《KABUTO KAMENRIDE HYPER!》

 

一夏のとなりに今度はカブトハイパーフォームが現れる。

 

《FINALATTACKRIDE KA KA KA KABUTO !》

 

二つのマキシマムハイパーサイクロンが空中にいるダークカブトに直撃し爆発する。

 

《極スカッシュ!》

 

《GAIM KAMENRIDE KIWAMI!》

 

《FINALATTACKRIDE GA GA GA GAIM!》

 

一夏は現れた鎧武極アームズと共に無頼キックを放つ。武神鎧武も無頼キックを放つが二人の仮面ライダーの力には勝てなかった。

 

《ハイパークリティカルスパーキング!》

 

《KAMENRIDE EX-AID MUTEKI!》

 

《FINALATTACKRIDE E E E EX-AID!》

 

ゲンムと一夏と召喚されたエグゼイドムテキゲーマーがハイパークリティカルスパーキングを放つ。目にも止まらない速さで激突した。勝者は一夏とエグゼイドだった。

 

 

 

「つ、使えないですね。あの雑魚どもはー!!」

 

「使えないじゃなくてこちらが強すぎただけだ」

 

「なっ」

 

アクジはマスクで分からないが相当イラついてる顔してるだろう。

 

「これで終わりだ」

 

《FINALATTACKRIDE DE DE DE DECADE!》

 

《FINALATTACKRIDE C C C CLIMB!》

 

13人の見たこともないライダー、ロイガ、ウロボロス、ディアック、レイガ、ディメント、ロドク、ライフ、オリジン、トランス、ソウル、ムゲン、アザト、ループが現れ次々にアクジを攻撃する。13人の攻撃が終わったと同時に零と朧は引き金を引く。

ライドブッカーとクライムドライバーからビーム砲が放たれアクジを包み込んだ。

 

「これにて一件落着てか」

 

「…何か忘れてるような気がするが」

 

二人の必殺技による煙の中から立ち上がるものがうっすらと見える。

 

「くっ。中々危なかったです」

 

「なっ、生きていたのか!」

 

立ち上がっていたのはアクジだった。二人の必殺技は相当強烈のはずだが…

 

「生きている…少し違いますね」

 

「なるほどな」

 

朧が納得したように言う。

 

「お前は人間ではなく、アクジライドウォッチそのものだな」

 

「ほう、よくわかったな。元々の変身者は死んだが、強くなりたい、オンリーワンでいたいという強い欲望が俺を作り出した」

 

「なら、アクジライドウォッチを壊せばいいんだな」

 

「ふん…ここは分が悪い。引かせてもらおう。ダークディケイド!貴様のウォッチと命は私が必ず頂く!」

 

そう叫びながらアクジはオーロラカーテンの中に消えていった。

 

◇◇◇

 

「世話になったな、朧」

 

「こちらこそだ、門矢零。ここでお別れだがプレゼントだ」

 

朧から手渡されたのはクライムのライダーカード。

 

「いいのか。もらって」

 

「ああ。ついでにこれも」

 

クライムドライバーからなにやら真っ黒な銃が射出される。

 

「ディエンドライバーのプロト版だ。少しは弄ってお前用にはしてある」

 

「何から何まで。ありがとな」

 

「ああ。また会う日まで」

 

朧がオーロラカーテンに消えていく。

 

「…またな」

 

オーロラカーテンの中の朧がこちらに手を振ったように感じた。

 

「んじゃ、あたしらも行くわ」

 

「ああ。また今度、ゆっくりな。伸奈、明菜」

 

「じゃあッス」

 

明菜と伸奈はどこからか現れた電車に乗って去っていた。

 

「俺たちも行くか」

 

「そうだな、兄貴」

 

二人もオーロラカーテンに入っていく。

 

◇◇◇

 

余談だが、美術館にあった絵『最後の戦い』はこの戦いの最中の朧が描かれている。

なぜ、戦いの前に存在しているかは誰も知らない。

噂では時を旅する美術館があるらしい。




これにてコラボ終了です。
SOURさん、ありがとうございました。

次回からはコラボ相手もいないので、ISの世界に戻ろうかと思います。

今回出したオリキャラは本編後にだす番外編にだす予定です。


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11話

コラボです。前回、する相手がいないといいながらします。

今回はhimaginさんの『仮面ライダージオウ 現れるはもう一人の2068年のライダー···』とのコラボです


『この本によれば、転生者である織斑秋十により、正史とは異なる未来になり破壊者ディケイドの力を得た織斑一夏、いや、門矢一夏。彼は黒き破壊者の力をもつ門矢零と共に世界を股にかける。門矢零は《戦姫絶唱シンフォギア 通りすがりの仮面ライダーの力と戦姫たち》(桐野 ユウさん作)の世界での戦いの後、門矢一夏がいる世界を目指す。門矢零はまたもや、仮面ライダー冥王、不動明菜と出会う。そこにアナザーライダーが…そしてまだ見ぬ2068年のライダーも現れる…おっと、皆さんにはまだ先の話、でしたね』

 

◇◇◇

 

「また会ったな」

 

「明菜か」

 

零が声がした方向を向けば明菜がいた。今回は伸奈はいないらしい。

 

「バイトもなくて暇だからな散歩がてらきたんだよ」

 

「はあ。散歩感覚で異世界に来るんじゃない」

 

「お前も似たようなもんだろ。それよりなんでお前がいるんだ?」

 

「たまたまだ」

 

零が明菜と雑談をしていると、

 

『おい…お前の魂よこせ!!』

 

剣を持った骸骨が突撃してきた。零と明菜は突進をよけ、ベルトを巻く。

 

「「変身!」」

 

《KAMENRIDE DECADE!》

 

《グラトニーフォーム!》

 

零と明菜は変身し、骸骨にダブルキックをかます。

 

「こいつだ」

 

《KAMENRIDE SKULL!》

 

仮面ライダースカルにカメンライドしスカルマグナムを連射。

 

『なっ!だが、それがどうした!』

 

骸骨のような怪人が自分の骨で銃を作って撃ち返してくる。

 

《エンヴィーフォーム!》

 

明菜はベルトにパスを翳し、仮面ライダー電王のロッドフォームの灰色バージョンのエンヴィーフォームになる。

明菜はデンガッシャーをロッドモードにし、銃弾を落とす。

そのまま連続で攻撃する 。

 

『ガハッ!このままじゃ、まずい。こい!』

 

幽霊列車が現れ零と明菜に突撃してくる。

 

「なっ!」

 

幽霊列車がクリティカルヒットし零と明菜は変身が強制解除される。怪人がいた方を見ればすでにいなくなっていた。

 

「ちっ。逃したか」

 

「おい、明菜。確かにあいつの身体にMEIOって書いてあったな」

 

「ん?そうだったか?」

 

「はあ。それぐらいちゃんと見ろ。あれはさしずめアナザー冥王か」

 

零が敵の正体が分かったところで後ろから声を掛けられる。

 

「正解♪あれは仮面ライダー冥王のアナザーライダー、アナザー冥王だよ」

 

「お前は、仮面ライダーオリス、いや、オリス・フューチャーか」

 

「へぇ、僕のこと知ってるんだ」

 

「俺は“世界の破壊者”だ。それぐらい知ってる」

 

 

◇◇◇

 

 

『ここまできたら大丈夫だろ』

 

「ほらね♪」

 

「本当だ」

 

「なるほど。そのノートを使ったのか」

 

「まあね」

 

『なぜ、ここにいる!』

 

「僕が誘導したからさ。いくよ」

 

「はあ、ちょっと待て」

 

零は朧からもらった黒いディエンドライバーにカードを差し込む。

 

《KAMENRIDE ORIS!》

 

ディエンドライバーからはレイがもう一人現れた。

 

「え、僕ー!」

 

「さっさとやるぞ!」

 

「え、この状態無視するの!え、僕が二人いるんだよ!あー、もう分かったよ!」

 

零はダークディケイドドライバーを、明菜は冥王ベルトを、レイはビヨンドライバーを、もう一人のレイはジクウドライバーを装着する。

 

《KAMENRIDE》

 

《ORIS・FUTURE!ACTION!》

 

《オリス!》

 

「「「「変身」」」」

 

《DECADE!》

 

《グラトニーフォーム!》

 

《投影! FUTURE TIME!アタラシイ!ジダイ!ミライ!KAMEN RIDER ORIS・FUTURE!》

 

《ライダータイム!仮面ライダーオリス!》

 

零はダークディケイドに、明菜は冥王に、レイはオリス・フューチャーに、もう一人のレイはオリスに変身した。

 

アナザー冥王は骸骨兵をと呼び出し突撃させる。

零たちは骸骨兵を連続で倒していく。

 

『グッ!オノレ!』

 

「休んでる暇はないぞ」

 

「オリャ!」

 

アナザー冥王に零と明菜は斬撃を加える。

零はライドブッカーをガンモードにし連射する。

 

『これくらい、避けれ!なっ!』

 

アナザー冥王はその銃弾を避けようとするが足を躓いて当たってしまう。それは偶然ではなく必然だった。

 

【アナザー冥王、全ての攻撃が当たる】

 

こう、レイがノートに書いたからだ。

 

「お次は♪」

 

《CHEF!ACTION!》

 

《投影!FUTURE TIME!デリシャス!ゴージャス!アンビシャス!FUTURE RING CHEF!CHEF!》

 

《ゲート!》

 

《WORLD GATE KEEPER!ゲート!》

 

オリス・フューチャーのレイはフューチャーリングシェフになり、オリスのほうはゲートアーマーを纏う。危険に感じたアナザー冥王が黒い瘴気を放つが、レイに分解されてしまう。

アナザー冥王が困惑している隙に二人レイは連続で攻撃する。

オリスはゲートガイアソードOを取り出しアナザー冥王を一線。

 

《オリス・ブレイズ!》

 

《ライダータァァイム!!》

 

《KAMEN RIDER!(ライダー!)》

《ORIS!(オリス!)》

 

《ORIS・BLAZE!》

 

オリスはオリスブレイズになり、能力の空間操作でアナザー冥王を吹き飛ばす。

 

「これでトドメだ」

 

《BEYOND・THE・TIME!》

 

《STRIKING FULL COURSE!》

 

《SPECIAL!FINISH TIME!》

 

《ORIGIN!TIME RUSH!》

 

《FINALATTACKRIDE DE DE DE DECADE!》

 

《FULLCHAGE!》

 

「滅殺!オリャー!!」

 

クワトロライダーキックが決まりアナザー冥王は倒された。

それと同時に零に呼び出されたオリスは消えた。

 

◇◇◇

 

「ふふ、まさか君たちに会えると思わなかったよ。それに自分と一緒に戦うなんて経験ないからね♪」

 

「俺も会うとは思ってなかったさ。ついでにこれもやるぞ。いざという時使えるさ」

 

零はダークディケイドの劇情態ライドウォッチをレイに渡す。

 

「明菜も」

 

「ん?ああ」

 

明菜も冥王ライドウォッチをレイに手渡す。

 

「あ、ありがとう。って激情態ライドウォッチ!?」

 

「俺にはその力はいらないからな。じゃあな。また、会おう」

 

零は手をプラプラさせながらオーロラカーテンに入っていった。

 

「お、じゃあな。今度、料理作ってやるよ」

 

「楽しみにしてるよ」

 

明菜もどこからきた電車『冥王ライナー』に乗り去った。

 

「僕も戻ろうか」

 

レイも別の時代に移動した。

 




今回のコラボはこれで終了です。
himaginさんありがとうございました。

それとうちの門矢零くんがあらすじで話した通り、桐野 ユウさんの作品『戦姫絶唱シンフォギア 通りすがりの仮面ライダーの力と戦姫たち』のコラボ企画に出ております。そちらもご覧ください


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12話

今回は短め。2000文字も行かなかった…
IS学園編突入!


『この本によれば、転生者である織斑秋十により、正史とは異なる未来になり破壊者ディケイドの力を得た織斑一夏、いや、門矢一夏。彼は黒き破壊者の力をもつ門矢零と共に世界と世界を股にかけていた。ついに二人の破壊者は門矢一夏の生まれの世界、ISの世界に戻る。そして、門矢一夏はIS学園に入ることになる…。おっと、皆さんにはまだ先の話、でしたね』

 

◇◇◇

 

「…戻ってきたか」

 

一夏は地面を踏みしめながら呟く。いつもは隣にいる零はいない。この世界にいく途中で別の世界にいくことになり、別行動になったのだ。

 

「そして…」

 

一夏の着ている服はIS学園の制服。自分の世界でも役割が与えられるらしい。

 

「とりあえず、IS学園に向かうか」

 

一夏はIS学園に向かった。一方、その頃…

 

「俺が教師か」

 

零はスーツを着てIS学園の近くにいた。スーツの中にはIS学園に入るための書類やらが入っていた。

 

「そして、これが一夏に渡さなきゃならないやつか」

 

手に持っていたのは懐中時計型の待機状態であるIS。

 

◇◇◇

 

「門矢一夏です。趣味は料理を作ることです。よろしくお願いします」

 

一夏がそう自己紹介をすると

 

『『『『『『キャーーー!!!!!!!』』』』』』

 

「イケメン!イケメンよ!!」

 

「しかも家庭系よ!!家庭系!」

 

「彼女いる、ねえ、彼女いる!!!」

 

一夏も流石に予想外だったのかたじろぐ。元兄である秋十の挨拶は聞かなくていいやと思い音楽プレイヤーをして寝ていたため事前に知ることができなかった。

 

これで一夏は耳が痺れたため、この後の千冬の軍隊じみた言葉は聞こえなかった。

 

千冬の軍隊じみた言葉の後、一人の男が教室に入ってきて挨拶する。

 

「もう一人の副担任の門矢零だ。男子生徒が入るということで教師にも一人、男が入ることになった。よろしく頼む」

 

これには一夏は驚くしかなかった。零がまさか教師になってIS学園にいるとは思いもしなかった。

 

◇◇◇

 

「あれは、一夏なのか…」

 

千冬は職員室で一人悩んでいた。彼女の弟はドイツで死んだはず。でも、門矢一夏は自分の弟と同じ顔で同じ名前。悩むのは当たり前だろう。

 

「はあ。織斑先生」

 

「たしか、君は門矢零先生だったな。ん、門矢?」

 

「あんたが考えてる通り、門矢一夏の家族だ、義理のな」

 

「なら、聞かせてくれ。門矢一夏は織斑一夏、私の弟なのか」

 

千冬は絞り出すように言う。零はそれに対して、

 

「ドイツで織斑一夏は死んだ。そして、門矢一夏は生まれた。同一人物でも、名前を変え家族とも会わないとなると過去を捨てたと同意義だろう」

 

「そうか…」

 

千冬は零の言葉で門矢一夏が自分の弟だったことが確信した。しかし、同時に分かってしまった。もう、一夏と家族になるのは難しい、と。

 

「ま、あんたのことは良い姉だったと言ってたぞ。家族は無理でも良い関係は築けるだろ」

 

「そうか、それならいいな」

 

千冬は微笑みながら言った。

 

零はあらかじめ二本買っていた缶コーヒーを一つ手渡した。

 

◇◇◇

 

「授業の前に再来週に行われるクラス対抗戦に出る代表者を決める」

 

千冬が教壇に立ち、そう言う。

 

「クラス代表者はそのままの意味だ。まあ、対抗戦だけでなく、いろいろな役目があるがな。イメージとしてはクラス長だ。」

 

千冬は丁寧に説明する。

 

「自薦他薦は問わん。誰か言ってみろ」

 

その言葉に

 

「はいっ。織斑くんを推薦します」

「私もそれが良いと思います」

 

クラスの女子は一夏の名をあげる。

 

「では候補者は織斑秋十…他にいないか」

 

「じゃあ、門矢くん!」

「私も門矢くんのほうがいいと思う!」

 

「げ」

 

一夏は自分の名前が呼ばれたため嫌な顔をしている。

 

「待ってください!納得がいきませんわ!」

 

そこで国家代表候補である金髪の女の子、セシリアが甲高い声を発する。

 

「いいですか⁉︎クラス代表は実力トップがなるべき、そしてそれはわたくしですわ!大体、文化としても後進的な国で暮らさなくてはいけないこと自体、堪え難い苦痛でーー」

 

「イギリスだって大してお国自慢ないだろ。世界一まずい料理で何年覇者だよ」

 

秋十が反論しヒートアップする言い争い。

 

「あなたねえ!わたくしの祖国を侮辱してますの⁉︎」

 

「いや、先にしたのはそっちだろ!」

 

「なっ、決闘ですわ!」

 

机を叩き、秋十に決闘を申し込むセシリア。

 

それに対して秋十は

 

「おう。いいぜ。四の五を言うよりわかりやすい」

 

その自信がどこからくるのか、堂々と決闘の申し込みを受け入れる。一夏の記憶の中では秋十がしていたのは剣道ぐらいのはずだ。

 

「さて、話はまとまったな。それでは勝負は一週間後の日曜日。放課後、第三アリーナで行う。織斑とオルコットと門矢はそれぞれ用意をしておくように。それでは授業を始める」

 

千冬は面倒になったのか、そう締めくくり授業を始めた。

 




だいぶ巻いた。まあ、詳しく書いても私の別作品の『INFINITE・STARK』と同じになるので…
次回はクラス代表決定戦。


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13話

戦闘描写が糞雑魚ナメクジです


『この本によれば、転生者である織斑秋十により、正史とは異なる未来になり破壊者ディケイドの力を得た門矢一夏。彼は黒き破壊者の力をもつ門矢零と共に世界と世界を股にかけていた。ついに二人の破壊者は門矢一夏の生まれの世界、ISの世界に戻る。門矢一夏はクラス代表を決めるため、セシリア・オルコット、元兄の織斑秋十と戦うことになる…。おっと、皆さんにはまだ先の話、でしたね』

 

◇◇◇

 

「おい、一夏」

 

「何、兄貴?」

 

ここは第3アリーナ。クラス代表を決めるために一夏は来ていた。そこに零が現れ声をかける。

 

「お前の専用機を用意しようと思ってな」

 

「…?ISなんてどこにもないぞ?」

 

「すぐにわかるさ」

 

零が取り出したのはディケイドのライダーカード。そこに時計のようなアイテムを近づける。するとライダーカードが時計を吸い込む。

 

「はあ!?」

 

摩訶不思議な状況に一夏は口を開く。

『MASKEDRIDER DECADE』と書かれていた文字が『 INFINITESTRATOS DECADE』に変わる。

そして、そのカードを一夏に投げ渡す。

 

「そのカードを使って変身すればISとしての機能を使える。その代わり、他のライダーにカメンライドはできないし、ディケイドの力をISという枠に押し込んだから力が落ちている」

 

「…わかった」

 

対戦は全当たり戦。秋十の専用機が届いてないため、一回戦は一夏VSセシリア、二回戦は一回戦の勝者VS秋十、そして、その数日後に一回戦の敗者VS秋十となる。

 

『試合開始五分前です。門矢くんとセシリアさんはISを纏って入ってきてください』

 

「ぶちかましてこい」

 

「もちろんだ」

 

《ISRIDE》

 

「変身」

 

《DECADE!》

 

一夏はディケイドをそのままISにしたかのようなものを纏いアリーナに入る。

 

「ちゃんと逃げずに来たようですわね」

 

「むしろ、逃げる奴はおらんだろ」

 

「なっ…」

 

『試合開始』

 

試合開始の合図があり、両者は武器を構える。

 

「終わりですわ」

 

セシリアが一夏を狙撃する。だが、その銃弾は一夏に届かない。

 

「ふん」

 

一夏は手に持っていたライドブッカー(IS版)でその銃弾を撃ち落としたからだ。

 

「ライフルだろうと銃口、それに目の動きさえ分かれば弾道予測はできる。そして、普通はもしもを想定して第二、第三の動きにはいっておこないとまずいぞ」

 

《ATTACKRIDE BREAST!》

 

分身したライドブッカーの銃口から攻撃が放たれる。一夏がした弾道予測に驚いていたセシリアは動きが遅れていた。

 

「なっ。…行きなさい!ブルーティアーズ!」

 

一夏の攻撃を受けながらセシリアら4機のビット兵器を展開する。

 

「さあ、踊りなさい!私とブルーティアーズが奏でる舞踏曲で!」

 

「そうか、俺はロックのほうが好きだ」

 

一夏は適当な返答をしているが内心冷や汗をかいていた。

 

(このビット兵器とあのライフル…同時に攻撃されたら面倒だな…さらにビット兵器の数はこれだけか?いや、操作できる数がこれだけという可能性もあるが数機隠しているかもしれない。いや、まだ出していない武器がある…)

 

セシリアにそんな芸当はできないのだが、一夏は最悪を考えて動いていた。

 

「チッ」

 

ブルーティアーズからの攻撃を避けつつ、逆に狙い撃とうとする。だが、空中で動きながらの射撃は慣れてないため外してしまう。

 

「だったら」

 

《ATTACKRIDE SLASH!》

 

ライダーブッカーを剣モードにし、ブルーティアーズの攻撃をさばきながら進み、ついにブルーティアーズを切り裂く。

 

「めちゃくちゃですわ!?」

 

「めちゃくちゃで結構。王道を目指しているわけじゃない」

 

「でも、残念でしたわね!ティアーズは全部で6機ありましてよ!」

 

「それも予測していた」

 

一夏は新たに現れたブルーティアーズの片方にライドブッカーを投げて突き刺す。

 

「新しい力使ってみるか」

 

一夏が手に取ったのはISの際にしか使えないカード。

 

《ATTACKRIDE IGNITIONBOOST!》

 

一夏は急加速しライドブッカーが刺さっているブルーティアーズに近づく。ライドブッカーを引き抜き、そのままもう一機も切り裂く。

 

「へぇ、便利だな」

 

「なっ!インターセプター!」

 

セシリアは近接武器を構えて突撃してくる。

 

「甘い!」

 

一夏はセシリアの手からインターセプターを叩き落とし胴体に回し蹴りをかます。

 

「これで終わりだ」

 

《FINALATTACKRIDE DE DE DE DECADE!》

 

「タァァァァァァァァ!」

 

「キャァァァァァ!」

 

一夏のディメンションキックを命中し、ブルーティアーズのSEは0になる。ISが強制解除されセシリアは地面に落ちていく。

 

「なんで…?」

 

地面に叩きつけられそうになったセシリアを一夏は助ける。セシリアはそれに対して疑問を発する。

 

「なんで、か。人を助けるのに理由がいるか?お前がどういう環境で育ったかしらんが、これは普通のことだと思うぞ?」

 

セシリアは目を見開く。しかしながらそれも無理はない。セシリアの両親が亡くなった際、周りの人は手を差し伸べず、遺産を幼いセシリアから搾り取ろうとした。本心ではそれが人の全てではないとわかっていながらも、どこかで他人に対して壁を作っていたのだ。

 

「そうですか…不思議な方ですわ(ボソッ)」

 

「なんか言ったか?」

 

「いいえ、特に何も」

 

セシリアは微笑んで一夏のほうを見ていた。

 

◇◇◇

 

「一夏、テメェはここにいちゃいけねぇ存在なんだよ!」

 

「お前は一体何を言ってる?」

 

秋十の突然の暴言に一夏は首を傾げる。いや、昔から暴言は言っていたが、そのどれもが出来損ないやカスといった言葉だった。まあ、あの当時は秋十よりも秀でているものは料理ぐらいだったし、あの多感な時期だ。そういうこともあるだろう。まあ、限度は超えていたが。

 

「ああ、そうだ。そのISも貰ってやるよ。お前には勿体ない」

 

「勿体ない?笑わせないでくれよ。お前のほうが勿体ない。ああ、ちょうどいい。ここでお前をたたきつぶす」

 

《ISRIDE DECADE!》

 

一夏はISを纏う。しかし、セシリアの時と少し違う。額のポインターが紫に代わり、緑の複眼の部分が鬼のように歪んでいた。

 

「さあ、始めようか」

 

『試合開始!』

 

「ああ、まずいな」

 

見ていた零は呟く。

 

「何がですか?」

 

「門矢のやつ、激情態になりやがった」

 

「激情態?なんだそれは?」

 

「それは後で資料でまとめて渡す。問題は一夏の認識が“倒す”から“完膚なきまで叩きのめす”に変わってることだ。最悪、織斑が殺されるぞ」

 

「何!?」

 

「だが、試合を止めるにしても結果が出てからだ。今、止めて別の日にやっても同じことになるだろうからな」

 

「わかりました。しかし、やりすぎと感じたら止めるぞ」

 

零は近くにいた麻耶と千冬の質問に答える。

 

 

「死ねぇ!!」

 

秋十が雪片弐型を振りかざしてくる。一夏はその刀を開いてる片手で掴む。そして、一気にライドブッカーで至近距離で連射をする。

 

「ガハッ…」

 

「地獄を見せてやるよ…」

 

《ATTACKRIDE CLOCKUP!》

 

目に追えないスピードで秋十を攻撃する。

 

「カハッ…」

 

「まだだ」

 

《ATTACKRIDE GIGANT!》

 

「フンッ!」

 

一夏はギガントという四連ランチャーを呼び出し秋十に四弾全て撃ち込む。

SEがなくなり試合終了の合図がなる、が

 

「門矢くん、試合は終わりました!止まってください!」

 

一夏は攻撃をしようとする。麻耶は説得するよう声をだすが、届いていない。

 

「どうすれば…」

 

「代われ」

 

零が麻耶からマイクを奪い取る。

 

「止まれ、一夏。お前は獣じゃないはずだ。ここで殺したらお前は織斑秋十(糞野郎)以下になるぞ」

 

「ッ!…」

 

一夏は無言でアリーナから出て行く。

それを見て、千冬と麻耶はほっと息をする。

この後、最初ということと急所が全て外れていたこともあり一夏の処分は反省文100枚だけとなった。

 

後日行われた秋十とセシリアの試合はセシリアの圧勝だった。

 

◇◇◇

 

「い…一夏?」

 

とある場所で謎の少女は呆然と画面に映された少年を見る。

 

「生きていたのか…よかったぁぁぁ」

 

ついに泣き出してしまう。

 

「一夏がいるなら私も行かねば。…使いたくないが姉さんに頼むか…」

 

そう言って彼女は南極へ向けて歩き出した(・・・・・・・・・・・)




アンチものの試しでオリ兄アンチにしてるけど…アンチうまく書けない…すみません


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14話

展開は適当

キャラ改変あり

今回はやけで書いてるから許して


『この本によれば、転生者である織斑秋十により、正史とは異なる未来になり破壊者ディケイドの力を得た門矢一夏。彼は黒き破壊者の力をもつ門矢零と共に世界と世界を股にかけていた。ついに二人の破壊者は門矢一夏の生まれの世界、ISの世界に戻る。門矢一夏の幼馴染、凰鈴音がIS学園に転校してくる。そして、クラス代表戦、元兄の織斑秋十は凰鈴音と戦うことになる…。おっと、皆さんにはまだ先の話、でしたね』

 

◇◇◇

 

「この時期に転校生ですか?」

 

「ええ、まあ」

 

零と真耶は職員室でコーヒーを啜りながら一枚の書類を見る。

 

「でも、まあこんな時期に」

 

「なんか、トラブルがあったみたいですよ。でもこの子すごいですね。中国の代表候補生ですよ!」

 

「この学校には大量にいますけどね」

 

「ハハ、そうですね」

 

キーンコーンカーン!

 

鐘がなり真耶は授業の授業を始める。

 

「では、私はこれで」

 

「ええ。では放課後にでも」

 

零はそのまま職員室に、真耶は授業のため教室に向かったのだった。

 

◇◇◇

 

「よー、兄貴…」

 

放課後になり零の目の前に現れたのはくたびれた一夏だった。

 

「どうした?」

 

「いや、さあ、転校生来たじゃん」

 

今朝話していた話題そのものだ。彼女が一夏の関係者なわけ

 

「幼馴染なんだ」

 

バリバリ関係者でした。

 

「でさ、そこはいいんだよ。問題はねぇ」

 

一夏は言いにくそうに口籠る。

 

「どうした?」

 

「クソ野郎が喧嘩売った」

 

「は?」

 

一夏が詳しく話すとこうらしい。

 

①一夏の幼馴染、凰鈴音は2組のはずなのに1組を訪問。理由は一夏に会いに来た

 

②心配したと泣かれる

 

ここまでは普通だ。だが、

 

③織斑秋十が鈴音に絡む

 

…意味が分からない

 

理由はそんなクズ野郎と喋らないほうがいい、だそうだ。

 

鈴が聞き返すと、曰く一夏はズルをして自分に勝った、曰く俺に譲ったのもそのズルがバレないためらしい。

 

馬鹿らしすぎる。あの試合は元国家代表の真耶に、世界最強の織斑千冬がいたのだ。反則したらすぐバレる。

 

④鈴音、激怒。言い争いに発展

 

⑤クラスマッチで決闘だ

 

…頭が痛いです。秋十の実力的には一回戦で負ける。自身の機体の特性を考えず、がむしゃらに刀を振りまくるだけのは流石にアホだ。さらにあの一夏やセシリアと戦った後、自主訓練など一度もしていない。

 

よく、喧嘩を売ったものだ。

 

凰鈴音、彼女は一言で言うなら天才だ。

 

何しろ、IS適正A、ISに乗り始めてから国家代表候補生になるまで約4日。国家代表になるのも秒読みと言われている。

 

「馬鹿だろ、そいつ…」

 

◇◇◇

 

クラス代表戦当日

 

『それでは両者、試合を開始してください』

 

開始の合図がなり鈴音は秋十に一気に接近する。持っている青龍刀で切り裂く。秋十は対応できず、SEが大きく削れる。

 

隣の千冬先生を見れば、手を当てて唸り声を上げている。

 

「あの馬鹿…」

 

「ま、まーまー千冬さん。落ち着いて落ち着いて」

 

真耶がサポートに入ったので零は試合のほうに集中する。

 

秋十は衝撃砲で動きが制限され衝撃砲が届かないよう接近しても、中華武術が飛んでくる。これは詰みだろう。

 

誰もがそう思った時、

 

ズドオオオオンッ!!!

 

と大きな音が響き渡り、シールドを突破した謎のISが現れた。

 

「チッ。織斑先生、教師部隊は」

 

「無理だ!扉と連絡系統がロックされている」

 

最悪の状況である。謎のISの実力が未知数である以上、下手に動けない。

 

鈴音と謎のISと交戦し、ギリギリSEが残っていた秋十は見せ場だと喜んで戦場に飛び出していった。

 

「邪魔よ!!」

 

鈴音の青龍刀と謎のISのビーム砲で秋十は吹き飛ばされた。

 

「グワァァァァァ!!!お、俺はオリ主なのに、なんで…」

 

秋十は意識を失い、地面に倒れこんだ。

 

「こいつ、おかしいわね。生気を感じない。まさか!!」

 

鈴音は侵入してきたISが無人機だと気付き始めた。理由が生気がないとかいう基地外じみた理由だが。

人が乗ってないなら好き勝手していいと普段の鬱憤を晴らすべく鈴音は無人機ISにラッシュを加える。

 

戦いの状況を見る限り、鈴音が勝ちそうだ。思っていた程の強さではなく安心だ。

 

と、零が思ったがその時だった。

 

『violence!』

 

機械的な音声、いやガイアウェスパーが鳴り響きどこからか飛んできたガイアメモリがISに突き刺さり入っていく。

 

謎のISの姿が変化し、右手は鉄球のように全身はゴーレムのようになった。

 

変わったのは姿だけでなく攻撃力、素早さ、防御力、全てが上がっていた。

 

さっきまで通ってた鈴音の攻撃もあまりダメージがないように見える。

 

「こりゃ、まずいぞ、織斑先生、他の専用機持ちは」

 

「オルコットは多対一では不利だ。門矢のほうは…いや、行けるか」

 

千冬がもたらした案はこうだ。一夏を戦闘に参加させ鈴音と共に攻撃させる。薄い部分が見つかれば上空からセシリアに狙撃させる。

 

その案に決まり、一夏とセシリアは準備を始める。

 

「さてと、やりますか。変身」

 

《ISRIDE DECADE!》

 

一夏はISを展開、バイオレンスISドーパーント(以下VIS)と戦っている鈴音の元に向かった。

 

《ATTACKRIDE BREST!》

 

「っ!一夏ぁ!?」

 

「鈴、ついてこい」

 

一夏はそのまま、VISに近接戦を仕掛ける。その動きは鈴音から見ても相当の腕前、いやひたしたら鈴音を超えるかもしれない。

 

鈴音は一夏の動きに即座に合わせ、龍砲の狙いを即座に定め一夏を援護する。

 

パーフェクトな連携。VISは翻弄され、攻撃も防御もできない。

 

しばらくすると

 

「頭の天辺!セシリア!」

 

「はいですわ!」

 

一夏が弱点を見つけ、セシリアが狙い撃った。VISは撃ち抜かれ動きを停止させる。

 

これで騒動の幕が降りた。ちなみに秋十はこの戦いで左腕を骨折。全治はISによる回復力のバックアップも含めて二週間らしい。

 

◇◇◇

 

「ガイアメモリを投げたのはテメェだな」

 

零は目の前の蝙蝠のような姿をした、この世界にいるはずのないもの『ナイトローグ』を睨みつける。

 

「その通りです」

 

ノイズがかった声であっさりと肯定する。

 

「なんのつもりだ?」

 

「それにつきましては、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

生徒会室で」

 

「はあ?」

 

◇◇◇

 

ナイトローグ、布仏虚は紅茶を差し出す。零はそれをぐびぐび飲みながらこう言う。

 

「まさか、生徒会がファウストになっているとはな」

 

「…ファウスト?」

 

目の前の生徒会長、更識楯無が首を傾げている。

 

信じられないかもしれないが、生徒会のメンツ、全員が仮面ライダーやそれに準じたものなのだ。

 

会長『更識楯無』ブラッドスターク、仮面ライダーエボル

 

副会長『布仏虚』ナイトローグ、仮面ライダーマッドローグ

 

書記『布仏本音』仮面ライダーキルバス

 

庶務『更識簪』仮面ライダーローグ

 

 

こうして見るとどう考えてもビルドの世界のファウストである。楯無の身体の中にエボルトがいないことは確認済みである。

 

「で、なんでガイアメモリを使ったんだ?」

 

「その前に説明させてもらうわ。わたし達がこの力を手に入れた理由」

 

あ、カットで。

 

「なるほどな。くそ神から俺がちゃんとしてるか見るために」

 

「ええ、そうね」

 

沈黙が続いて後、

 

「あなたに聞きたいことがあるわ」

 

「なんなりと、お嬢様」

 

楯無に戯けたように零は返す。

 

「織斑秋十をあなた達、ディケイドは破壊するつもりですか?」

 

「…さあな。一夏次第…いや、織斑秋十の行動次第だな。このままだと破壊一直線だけどな」

 

「織斑秋十が破壊された場合、この世界に修正力が働き、一夏くんがディケイドの力を手にしなかった世界線に戻るはずです。あなた方の旅の記憶が彼から消えるのですよ」

 

「一夏自身の選択だ。俺は口出ししない」

 

「まあ、わたし達はそれを逃れられるんですけどね」

 

「は?」

 

零は思わず、紅茶をこぼしてしまう。

 

「私達が受けた依頼はあなたを試す以外にあなたのサポートをすること」

 

「いらん」

 

即答である。

 

「そうは言ってもねぇ。決まったことですし。秋十くんを破壊しなくても私達はついていきますし」

 

「この世界での役割があるだろ。お前たちには」

 

「私達がこの世界から出て行けば世界は代役を用意します。何千、何万、何億とあるうちの並行世界から同じ私を引っ張ってきます。そういう契約なんですよ」

 

「ほう」

 

零は頬杖をついてじっと楯無を見る。前情報ではふざけたやつだったが、今の感じではくそまじめだ。今の状況を千冬が見たら気持ち悪いと言うだろう。

 

「なんで、またそんな依頼を?」

 

「疲れたのよ。更識にいる老害の相手、国からの無茶な命令、転生者の対処。もう疲れたのよ」

 

楯無からドヨーンとした空気が漂う。

 

「だからついていくわね」

 

「…はあ、勝手にしろ」

 

よく分からなかった零はそう答えるしかなかった。




生徒会メンバー大好き。よし、仮面ライダーにしよう→頭可笑しい

ハザードレベル
楯無 5.8
虚 5.0
本音 4.3
簪 4.5


次回は箒転入編+コラボ回(コラボしながら本編も進めます)


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15話

今回から、リューオさんの『ストラトス・キャンサー』とコラボです。

コラボしながら本編というかオリジナル部分を進めます。
では、どうぞ


 

『この本によれば、転生者である織斑秋十により、正史とは異なる未来になり破壊者ディケイドの力を得た織斑一夏、いや、門矢一夏。彼は黒き破壊者の力をもつ門矢零と共に世界と世界を股にかける。IS学園に現れた化け物。この世界にいるはずのない影の者たち。おっと、皆さんにはまだ先の話、でしたね』

 

◇◇◇

 

「篠ノ之箒。歳は…16歳か」

 

「はい」

 

応接室で零が相手にしているのは新たな編入生、篠ノ之箒。零は編入生のスパンが早いことに驚き呆れる。しかし、彼はまだ知らない。近い将来、二人の少女が転校してくることを。

 

「一組か…問題行動だけは起こすなよ」

 

零にしてみれば、問題行動さえ起こしてくれなかったバンバン万歳だ。ただでさえ、問題を起こす秋十、漫才師真っ青のリアクションをとる女子生徒たち、大分丸くなったが言葉に未だに棘があるイギリス代表候補生がいる。たまに担任の千冬と副担任の摩耶で酒飲みの場を使ってストレスを発散してる。

 

「あの…」

 

「どうかしたか?」

 

「一夏を助けたのは貴方ですよね。私、織斑一夏、いや、門矢一夏君の幼馴染でして」

 

またかと思いつつ、零は答える。

 

「門矢一夏なら確かに俺の義弟だな。お前の認識で間違いない」

 

「ありがとうございますっ!」

 

「うおっ」

 

零の言葉に箒が頭を下げる。その勢いの速さに零は少し引いてしまう。

 

「私、一夏がいなくなって世界中を探し歩いていて…この前、ようやく一夏がIS学園にいることを見つけて、あ、これどうぞ。カナダのメイプルシロップです」

 

急にメイプルシロップを渡されたものの、悪いものではないことは確かなので零は有難く頂く。

 

「一夏の今までのこと…」

 

「それはお前が話すなりなんなりとしろ。俺の管轄外だ。ここが一夏の部屋だから」

 

零は部屋番号を走り書きした紙を渡しそこから去る。

箒はその行為にも感謝しながら紙を握りしめた。

 

◇◇◇

 

「ようやく、ついたか。この世界ごと消し去ってやるよ、門矢零」

 

薄暗い路地の中で一人笑う男。彼はみなさんがお忘れであろう、アクジである。忘れてるなら過去話を見てほしい。

 

彼の手に握られていたのは一つのガシャット。それは歪な形をしており、禍々しさを感じさせる。

 

《イレギュラーソルジャークロニクル》

 

音声が鳴り響き、世界を組み替えていく。世界のタイムリミットが始まってしまった。

 

◇◇◇

 

IS学園は篠ノ之箒という新たなメンツを加え日常を謳歌していた。そんな中、

 

「なんだ、こいつら!?」

 

校庭を埋め尽くすほどいる骸骨兵やゾンビ、見たこともないが凶悪なことが見た目から伺える獣たち。

 

それに怯える生徒たちで校舎内は大騒ぎ。そこで千冬が一喝入れる。

 

「騒ぐな、貴様ら。こういう時こそ、団体行動を心がけろ。いいか、不用意に外に出るな!速攻で作戦を立てあのクリーチャーどもと戦う部隊を選出する。この部隊の大半は私を含めた教師陣だ、安心しろ、貴様らが戦うことはない!」

 

千冬の言葉に落ち着きを取り戻す生徒たち。

 

「おい、織斑先生。何もしなかったら作戦を立てる暇もねぇ。やつら、おそらく数十秒後には校舎に侵入する」

 

「なら、どうすれば」

 

「俺が足止めする」

 

「何?」

 

「安心しろ。俺は世界の破壊者だ」

 

零は窓から飛び降りながら腰にダークディケイドドライバーを装着し、カードを装填。

 

「変身!」

《KAMENRIDE DECADE!》

 

「さて、ここからは通さんぞ」

 

零はライドブッカーの刀身を撫でながら不遜に言い、敵陣に乗り込んでいった。

 

◇◇◇

 

同時刻

 

「あれ、なんでここに?というかここは…ああ、わかった。異世界か?いや、並行世界と言ったほうが正しいか?」

 

少年は自身にないはずの情報から即座に状況を把握しどうすべきかを考える。

 

「呼び出されたのは俺だけか?それじゃ、不味いぞ。いや、ガイアかアラヤに異常があるのか…俺だけだと厳しいぞ…」

 

少年はそう呟きながら立ち上がり、ISを起動する。

 

「さて、目指すはIS学園…ってあれ?」

 

飛びあがろうとした時、周りから威圧感を感じ、後ろに仰け反る。すると、さっきまでいた場所に切り傷が入る。

 

「おいおい、シャドウサーヴァントかよ…」

 

シャドウサーバント、それは聖杯戦争と呼ばれる代物でサーヴァントとして呼ばれる英霊のなり損ない。だが、侮るなかれ。その身体能力はサーヴァントに近しいものを持っている。

 

「ちっ、ここで片付けていくか」

 

少年、『月浦桜』、自身の専用機を別形態にし、ロケットパンチを放った。

 

◇◇◇

 

この時は誰も予想してなかった。

 

世界の破壊者も、世界からカウンターとして召喚されたものも知らなかった。

 

この事件、いや、ゲームには、思いもよらない敵がいて、既に結末が決まっていることを。



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16話

『この本によれば、転生者である織斑秋十により、正史とは異なる未来になり破壊者ディケイドの力を得た織斑一夏、いや、門矢一夏。彼は黒き破壊者の力をもつ門矢零と共に世界と世界を股にかける。門矢零は異世界のIS乗り、月浦桜と出会う。さらにはアナザーライダーの影が…おっと、皆さんにはまだ先の話、でしたね』

 

◇◇◇

零は正面からくる骸骨兵に向かって発砲、さらに横からきたゾンビに回し蹴りを食らわす。

一方、教師部隊は側面から攻撃し、敵の数を減らす。

 

「数が多いな。だったら」

 

零はプロトディエンドライバーにカードを数枚装填する。

 

《KAMENRIDE RIOTROOPER!》

 

《KAMENRIDE KUROKAGETROOPER!》

 

「いってこい、俺の兵隊」

 

プロトディエンドライバーから召喚されたのは量産型ライダー達。一体一体ではあまり力はないが、複数体での部隊による攻撃が魅力だ。

ライオトルーパーと黒影トルーパーは陣形を組み、一体ずつ確実に仕留めていく。

 

「さて、と、俺もやるか」

 

《KAMENRIDE DARKGHOST!》

 

《カイガン!ダークライダー!ヤミノチカラ!ワルイヤツラ!》

 

全人類をゴースト化しようとした悪霊、『仮面ライダーダークゴースト』にカメンライドし、ガンガンセイバーを構え、突貫した。

 

◇◇◇

 

「やっと、終わった…」

 

シャドウサーバントとの戦いを終えた桜。五体ぐらいなら問題なかったが、流石に10体を超えるシャドウサーバントを一人でさばくには中々の体力がいった。

 

「じゃ、出発〜」

 

IS学園に向かって加速する。この速度なら五分でつくだろう。

 

◇◇◇

 

「チッ。一気に決めるか」

 

《FINALATTACKRIDE DA DA DA DARKGHOST!》

 

零は上空に浮かび上がり、後ろに現れた紋章から足にエネルギーが集まる。それを一気に放つようにキックを行い、敵を蹴散らしていく。

 

「まだいるか。なら」

 

《KAMENRIDE KAIXA!》

 

呪われたライダー『仮面ライダーカイザ』にカメンライドし、さらにカードをバックルに装填する。

 

《ATTACKRIDE SIDEBASHER!》

 

カイザの専用マシンであるサイドバッシャーを呼び出し、それに乗り込み零はバトルモードへと移行させる。

 

「爆ぜろ」

 

バトルモードとなったサイドバッシャーからミサイルが放たれ、敵を一網打尽にする。

 

「これで終わりか?」

 

敵がいなくなったことを確認し、零がふと上空を見上げると見慣れないISが飛んでいる。

千冬も知らないようで怪訝そうな顔で上空のISを見ている。

そのISは急降下し、零の前で止まる。

 

「君が門矢零?」

 

「そうだが…お前は?」

 

「俺の名前は月浦桜。今回、抑止力から派遣されたものだ」

 

「抑止だと!」

 

零には抑止力という言葉に聞き覚えがあった。ただ、この世界に召喚される覚えがない。否、一つだけあった。

 

門矢零、『世界の破壊者』の存在だ。それくらいしか思いつかない。

 

「あんたを倒しにきたんじゃないよ」

 

しかし、それを否定され、零はますます混乱する。

 

「原因は君たちも受けただろう。この世界でありえないものが来ている」

 

「なんだ?」

 

「願いを叶える盃、聖杯」

 

「ほう。確かに聖杯が来たことは大層なことだが、抑止力が呼び出すほどか?」

 

零にはそれが疑問だった。世界の破壊者が、未熟な一夏を含めて二名もいる。いや、だからこそなのかもしれない。

 

「まあ、あんたら力もあるんだけど、今回の理由は聖杯を持ち込んだネラスとかいうやつが一番の原因だ」

 

「何者だ、そいつ?」

 

「スーパータイムジャッカー。狙いは世界の掌握。どうやら平成ライダーの歴史がないこの世界で、泥に汚れた聖杯で一気に目的を達成する狙いだ」

 

「ハア!?」

 

聖杯とは願いを叶える聖遺物だ。ただ、泥に汚れているとなると少し話が変わってくる。例えば、お金持ちになりたいという願いをすると通常の聖杯はお金を渡すなり事業を成功させたりするのだが、汚れていると願いを唱えた人より上の金持ちを全員殺害して金持ちにする。願いは叶えはするのだが、叶え方が問題というわけだ。

 

「チッ、大体分かった。それを他のやつに説明しろ」

 

桜が後ろを振り向くと、鬼の形相をした千冬がいた。

 

「あ…」

 

桜が見なかったことにして零のほうに振り向こうとして、そこで意識が途絶えた。

 

「織斑先生、やりすぎだ」

 

「ん、あ、すまん」

 

◇◇◇

 

桜が目を覚ましたのはIS学園の保険室。

 

「目を覚ましたか」

 

「織斑先生か…」

 

千冬を見て桜は身体を震え上がった。どうやら、先程の攻撃で恐怖が体内にできたらしい。

 

「すまんな。いきなり気絶させて。話は門矢先生から聞いている。何かしなければならないことはないか?」

 

「あー、特にないですね。だって、相手の狙いは俺と零さんとこの世界の一夏なので」

 

「む、何故だ?」

 

「聖杯を起動するには、生贄が必要なんです。大多数の一般人を生贄にするのも一つの手でですが、俺と零さんと一夏を生贄にすれば、起動させれます。最悪、零さんか俺だけでも起動できます。ただ、後の憂いをなくすためにここにくると思いますよ。ほら」

 

桜がそういった瞬間、IS学園が揺れた。千冬が何事かと外を見ると、校舎と同じくらいの大きさの異形がいた。

 

「なんだ、あれは!?」

 

この異形の名は、『アナザーアーク』。

 

仮面ライダーアークと呼ばれる巨躯の身体を持つライダーのアナザーライダーである。

 

「じゃ、俺いくんで」

 

桜は専用機を起動し、千冬を置き去りにして外に出て行った。

 

「え、ええー」

 

一方、同時刻

 

零と一夏も振動の原因を倒すべく、外にでようと階段を降りていた。

そこに突然、横から人が飛び出してくる。

 

「はは、お久ぶりですねぇ、門矢零」

 

「アクジか。お前の相手をしてる暇はない」

 

零がアクジを押しのけて行こうとする。

 

「ふふ、そう言ってるのも今のうちだけです。ネラスから頂いたこの力で」

 

《ジオウ!》

 

アナザーライドウォッチを起動し、自身の胸に押し当て、『アナザージオウ』へと姿を変える。

 

「チッ、だが、相手は俺たちじゃない」

 

零はプロトディエンドライバーにとあるカードをいれる。

 

《KAMENRIDE CROSS!》

 

現れたのはアクジの宿敵でも封印されていたはずのライダー『仮面ライダークロス』。

 

「こいつのことは頼むぞ」

 

クロスは頷き、ブレイブライドウォッチの力を使い、アクジと共にゲームエリアに移動した。

 

「さあ、行くぞ、一夏」

 

零も一夏も階段を降り始めた。

 

◇◇◇

 

「これがあれば俺も…」

 

「ええ。仮面ライダー達を倒すことができますよ、織斑秋十くん」

 

「フハハ、いつも俺を馬鹿にしやがって…」

 

《ウォズ!》

 




ごめん、アナザーウォッチを他者の作者さんのようにおぞましい感じにしたかったけどできんかった。だれかこのフォントがいいですよとか教えて

追記
親切な方にフォント、教えていただきました。これでアナザー感がでたと思います


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17話

『この本によれば、転生者である織斑秋十により、正史とは異なる未来になり破壊者ディケイドの力を得た織斑一夏、いや、門矢一夏。彼は黒き破壊者の力をもつ門矢零と共に世界と世界を股にかける。門矢零は異世界のIS乗り、月浦桜と出会う。さらにスーパータイムジャッカーも現れる。おっと、皆さんにはまだ先の話、でしたね』

 

◇◇◇

 

アナザーアークの腕が桜に襲いかかる。桜は最小単位の動きで避け、ロケットパンチを噴射。見事に命中し、アナザーアークは仰け反る。その隙に桜は『キングプロテアモード』へと移行する。

アナザーアークと同じくらいに巨大化した桜はアナザーアークの拳に自身の拳をぶつける。

 

「ぐっ!」

 

力は互角。どちらも後ずさりする。桜のほうが復帰が早く、アナザーアークが復帰する前に攻撃を加えようとするが、

 

「何!?」

 

空中に金色の門が開き、そこから様々な武器、剣や槍、ハルバードなどが桜へと向かう。明らかにアナザーアークの能力ではない。桜は『メルトリリスモード』へと移行し、素早く武器群を避ける。

 

「まさか、こいつの依り代、ギルガメッシュか!?」

 

そう、この能力の名は『王の財宝』。この能力を持つものは、ギルガメッシュのみ。それ以外はありえない。

 

「大正解」

 

パチパチと拍手をしながら現れる男。どこか、民族チックの服装をしており、手には刺青が入っている。

 

「誰だ、お前は?」

 

「俺の名前はネラス。お前さんのターゲットさ」

 

ごくんと桜は唾を飲み込む。自身が呼ばれた原因で絶対倒さなくてはならない相手が自分の目の前に現れたからだ。

 

「そいつの契約者はお前の予想通り、ギルガメッシュだ。苦労したんだぜ、洗脳するの」

 

桜にとって言われた内容は驚くしかなかった。サーバントを洗脳するなど、令呪を使うか、神代の魔術師ぐらいしかいない。それをこの男は成し遂げた、と言ったのだ。

 

「それに良いのか、そこにいて」

 

「何を言って…」

 

桜が疑問を感じるとIS学園の内部から、バコンと爆発音のようなものが聞こえてくる。

 

「お前、一体」

 

「ただ、アナザーライダーとシャドーサーバントを放っただけさ。何人死ぬか分からんが」

 

「っ!テメェ!」

 

桜はネラスに向かって蹴りかかろうとするが、後ろのアナザーアークが桜に拳骨を振り下ろした。桜は校庭に叩きつけられ、地面にめり込んでしまう。

 

「カハッ…」

 

「お前の相手はそいつだ。さて、何人が死ぬかな?」

 

「じゃあ、お前の相手は俺だな」

 

余裕の笑みを浮かべるネラスの頭に銃が突きつけられる。

 

「門矢零…!!」

 

「名前が知られてて光栄だ」

 

ネラスは零を睨め付ける。零は光栄と言いながらネラスを蹴る。

 

「まさか…来るとは…だが、校内はガン無視ですか…」

 

「んなわけないだろう。しっかり対処してある」

 

 

 

《ウォズ!》

 

「うわ、そのデザインはないと思うぜ。変身」

 

《KAMENRIDE DECADE!》

 

 

「シャドーサーバント…英雄の偽物か…ならば相手に不足無し。篠ノ之流剣術師範代、篠ノ之箒、参る!!」

 

 

「あんたの定めは私が決める!行くわよ!ホーワチャ!」

 

 

「これでもお姉さん、何回かそういうの倒してるの」

 

《コブラ!ライダーシステム!エボリューション!》

 

 

「会長は大丈夫なんでしょうか。やり過ぎないといいですけど」

 

《コウモリ!発動機!エボルマッチ!》

 

 

「やっちゃお〜う〜」

 

《キルバススパイダー!》

 

 

「お姉ちゃんがやってるんだ。私だって…」

 

《デンジャー!クロコダイル!》

 

 

 

 

「糞!予定が散々だ。だが、ここでお前を倒しちまえばいい」

 

《イレギュラーソルジャークロニクル!》

 

「変身」

 

ネラスは懐から取り出した歪なガシャットを取り出し起動。そのガシャットはネラスの身体に吸い込まれてゆく。

 

《滅びを伝えろ!アナザー!今こそ終末を始めたり!》

 

ネラスの身体は歪な化け物となった。顔はカラスのようになり、肩からは大きな赤い目のようなものが飛び出し、腕は肥大化し、手には鋭い爪が、足は恐竜のように、腰からはムカデのような尻尾が生え、背中には機械の翼が現れた。

まさにイレギュラーソルジャーというべき存在だろう。

 

「変身」

 

《KAMENRIDE DECADE!》

 

零もダークディケイドに変身。素早くライドブッカーでネラスに攻撃する。

 

「おい、月浦桜。そいつは任せた!」

 

「任された!」

 

桜はアナザーアークの顎に向かって思い切りキックを行った。

死角からの攻撃。アナザーアークは反応できず、ダメージをもろに食う。

 

「このまま、一気に!」

 

王の財宝を使わせる隙を与えないまま連撃を加える。

 

「メルト、リップ、いくよ」

 

桜が自身の愛機に司るAIに向かってそう言うと、AIからは分かったわ、という了承が帰ってくる。

 

「『その愛楽は流星のように』!!」

 

桜はメルトリリスとパッションリップの合体宝具を発動。桜ファイブを搭載したISだからこそ、一人でできる。

合体宝具であり、ランクがEXということもあり、アナザーアークはその宝具で大ダメージを受け、倒された。

 

体内からアナザーアークライドウォッチが排出され、ギルガメッシュが中から現れる。しかし、ギルガメッシュも消える間近となっていた。

 

「…よくやった!雑種!褒美にこいつをくれてやる!」

 

ギルガメッシュは宝物庫から、様々な絵が描かれたカード『クラスカード』を桜に手渡す。

 

「それが貴様の手助けとなろう。ふはははははは、ふはははははは!!」

 

ギルガメッシュは笑いながら消えっていった。

 

その頃、零はネラスに苦戦していた。

 

「糞が!」

 

《KAMENRIDE ZANGETU!》

 

《FORMRIDE ZANGETU KATIDOKI!》

 

《カチドキアームズ!いざ、出陣!エイエイオー!》

 

零は、白き正義の侍『仮面ライダー斬月』にカメンライドし、さらにカチドキアームズにフォームチェンジ。

 

《FINALATTACKRIDE ZA ZA ZA ZANGETU!》

 

「『焼却式:ネラス』!」

 

専用武器である火縄甜瓜DJ銃にエネルギーを貯め、一気に放出。

対するネラスはガシャットの内臓データにある魔神柱のデータを使い対抗する。

 

「ぐわぁぁぁぁ!」

 

結果はネラスの火力勝ち。零は吹っ飛び、カメンライドが溶けてしまう。

 

「だったら、こいつだ!」

 

《KAMENRIDE RYUGA!》

 

《ATTACKRIDE ADVENT!》

 

ドラグブラッカーを召喚。召喚されたドラグブラッカーは命を果たすべくネラスに襲いかかる。ネラスは奇声をあげ、ドラグブラッカーを麻痺らせ、さらにゾンビを呼び出す。

 

「ここは世紀末か!」

 

《ATTACKRIDE STRIKEVENT!》

 

ドラグクローを装着し、周りのゾンビわ焼き払う。

 

ネラスは鉤爪を使い、ドラグブラッカーに襲いかかる。ドラグブラッカーはそれをヒョイと避け、ネラスに黒炎を噴射。ネラスは口から毒の塊を吐き出し相殺する。ネラスがまたもや鉤爪にエネルギーをこめドラグブラッカーに攻撃をしようとする。ドラグブラッカーはさっきと同じように避けようとするが、ネラスのムカデの尻尾で捕まれ攻撃を成すすべなく受けてしまう。

 

「これでは手詰まりだ…」

 

零には決定打はないがネラスの決定打を撃たせないように立ち回れる。一方、ネラスは決定打はあるものの、それを当てる隙が零には存在しない。

 

「おい、これ使え!」

 

桜が先ほどもらったカードを零に投げ渡す。

 

「させるか!」

 

「サンキューな」

 

《KAMENRIDE WOZ!》

 

《FORMRIDE WOZ KIKAI!》

 

正しき歴史の預言者『仮面ライダーウォズ』にカメンライドし、キカイアーマーを装着。ロボットアームを伸ばし、カードを先に手にする。

 

「使わせてもらうぞ!」

 

《EIREIRIDE ALTORIA!》

 

《FINALATTACKRIDE A A A ALTORIA!》

 

「エクスカリバーぁぁぁぁぁぁ!」

 

「焼却式:ネラスゥゥゥゥ!」

 

《EIREIRIDE CUCHULAIN!》

 

《FINALATTACKRIDE CU CU CU CUCHULAIN!》

 

「ゲイボルグ!」

 

「ガァァァァァァァ!」

 

真紅の槍と鋭い鉤爪がぶつかり合う。どちらも拮抗しており、勝敗がつかない。

 

「なら、こいつだ!」

 

《EIREIRIDE GILUGAMESSYU!》

 

《FINALATTACKRIDE GI GI GI GILUGAMESSYU!》

 

「エヌマエリシュ!」

 

声も出せず、ネラスはその身にダメージを受ける。逃げようとするが、

 

「『さぁ……喜びなさい。声は静かに、私の影は世界を覆う。――ドロドロにしてあげる。『 C.C.C. (カースド・キューピッド・クレンザー)』! ふふっ、逃げられると思いました?』」

 

桜が宝具を発動し、ネラスにトドメをさした。

 

ネラスの打倒により目標が達成できたはずなのだが、桜は未だ消える様子がない。

そのことを不審がっていると、

 

「まだ終わってないからな」

 

零はそう言い、盃を睨みつけた。

 

「そうか、聖杯がまだ…」

 

「こいつを殺せばいいんだろ」

 

「ん?そうだが…まさか!」

 

変身を解いていた零の目は蒼く澄んでおり、この目を桜は知っている。

 

「これは使うつもりがなかったんだがな。

 

 

 

 

『直死』

 

 

 

神様だって殺せるんだよ、こっちは」

 

一閃、聖杯が腐って落ちていく。

 

「まさか、直死の魔眼を持ってるなんて…」

 

「まあな。ただ、現在の俺ではこいつを一回使えば、数年間は使えないんだがな」

 

桜が呆然としてるなか、聖杯も壊されたということで退出が始まった。

 

「あー、もう終わりか。会えてよかったぜ。門矢零。いい刺激になった」

 

「そいつは光栄だ。こいつはくれてやる」

 

零が投げ渡したのは一枚のライダーのクラスカード。

 

「お前なら使いこなせるはずだ」

 

「ちょ、おーい、いきなり渡されたって分からないだろ。おーい!」

 

桜の退出がおわり、あたりが静かになる。

 

「さて、俺も戻るか」

 

零も日常に戻るため、再び歩き始めた。

 

◇◇◇

 

「ネラスでは役者不足でしたか…」

 

一人の男がなにものないところでクラッカーを食べながらそう呟く。

 

「アナザーウォズは逃げたそうですが、あれもそんなに持たないでしょう」

 

 

 

「やはり、やつらを投入するべきですね。私の計画のためにも…」




これでコラボ終了です。
リューオさんありがとうございました。

さて、次回からは金銀コンビ転校編です、お楽しみに


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18話

『この本によれば、転生者である織斑秋十により、正史とは異なる未来になり破壊者ディケイドの力を得た織斑一夏、いや、門矢一夏。彼は黒き破壊者の力をもつ門矢零と共に世界と世界を股にかける。門矢一夏の所属する1-Aにまたもや転校生が。おっと、皆さんにはまだ先の話、でしたね』

 

◇◇◇

 

「あーなんだ、今日は転校生を紹介する。毎回なんでこのクラスかは各自で勝手に考えとけ」

 

零のめんどくさそうな言葉にクラス中が唖然とする。

 

「失礼します」

「…………」

 

教室の扉が開き、全員が黙る。

それもそのはず、片方が男だからだ。

 

「シャルル・デュノアです。フランスから来ました。みなさんよろしくお願いします」

 

シャルルは笑顔で自己紹介をし、一礼する。これが、王子様系というのだろうか。一夏はこの笑みを胡散臭いと思いながら見ていた。

 

「お、男…?」

 

どこからかそんな声が聞こえる。

 

「はい。こちらに同じ境遇の方がいると聞いて転入しました」

 

シャルルの仕草はまるで王子様のように芝居掛かっていて、それが一夏の不信感を募らせる。しかしながら、クラスの女子たちはそれに興奮し、席を立ち上がる始末だ。

 

一向に冷めない興奮に千冬が喝を入れ黙らせ、銀色の髪をした少女の挨拶の番になったが、

 

「………」

 

黙りこくるばかり。仕方なく千冬が口を開く。

 

「…挨拶をしろ、ラウラ」

 

「はい、教官」

 

「ここではそう呼ぶな。もはや、私は教官ではない。私のことは織斑先生と呼べ」

 

「了解しました」

 

ラウラは手を身体の横につけ、足と踵を軍人のように伸ばす。

 

「ラウラ・ボーデヴィッヒだ」

 

それ以降は言葉が続かず、ラウラは口を開かなかった。

 

「あの、以上ですか?」

 

「以上だ」

 

真耶が優しく聞くものの、取り付く暇がない。

零も一夏も興味をなくしたのか、視線を本に向けている。そんな中、

 

バシンーーーー

 

音が鳴り響いた。ラウラが秋十に平手打ちをしたのだ。まともな訓練を受けておらず、学園に来てからも特になにもしてない秋十は、ラウラの平手打ちで吹っ飛ばされ、一夏の方向に。一夏はそれを冷静にはたき落した。

 

「ぶへっ」

 

「私は認めない。貴様があの人の弟であるなど、認めるものか」

 

「その前に人がいる方向に飛ばすんじゃねぇ」

 

一夏の訴えは無視された。

 

◇◇◇

 

男子更衣室。ISを纏うためのスーツを着るための場所だ。いつも女子がここにいくまでに足止めをしてくるので、この部屋にいるのは1分も満たない。しかし、今回は一夏が秋十をガードベンドに使ったので、女子はそちらに行っている。

さて、この部屋にいるのは一夏とシャルルだけ。一夏としては薄っぺらい笑みを浮かべていたシャルルと一緒に居たくないものの、着替えをいつものように早着替えをしてさっさと出るという気でもない。

そんな中、

 

「シャルル・デュノアはいるか?」

 

更衣室の扉を開けたのは零。

 

「いますけど…」

 

シャルルがおずおずと出てくる。まだ、着替えを始めておらず、制服のままだ。

 

「ちょっと話がある。一夏、先に出てろ。デュノアが遅れたら俺が呼び止めたことを言え」

 

「わかった」

 

一夏とて、この場に残る理由はゆっくりするぐらいなので外にでる。

そこで、零はシャルルに向き直る。

 

「お前、なんで男装してるんだ?」

 

「ッ!?だ、男装って…僕は男、ですよ」

 

「嘘をつくな。歩き方、重心、癖は女のものだ」

 

「…たまたまですよ。癖なんて人それぞれですし」

 

「大方、篠ノ之は気づいてるぞ。授業に出たら、凰も気づくだろうな。…今のうちに話しておけ」

 

「………」

 

零の言葉に無言のまま、応じるシャルル。痺れを切らした零は一枚の資料をシャルルの前にだす。

 

「IS学園は生徒の身代調査をきちんとする。ただ、お前の身代調査だけ不自然のように抜けてる部分があったり、関係がおかしいところがある。これが通るはずはない。

インターネットって便利だよな。知りたい情報がすぐでてくる。なあ、教えてくれよ、本当のお前を。お前自身の口で。そうじゃないと全部失うぞ」

 

「ッ!全部、お見通しなんですね…」

 

そこからシャルルは真実を話し出した。

自分が女であり、本名がシャルロット・デュノアであること。自らの出生、学園に来た理由etc…

 

「はあ、まあ、出来るだけのことはやってやる。今日は体調が悪いということで休んでおけ」

 

「わかりました…」

 

シャルロットを保健室で休ませ、零はこれからの算段を考えながら、デュノア社の電話番号をスマホに打ち込んだ。

 

その頃、一夏は真耶に叩きのめされていた。

 

「強すぎ…」

 

「これでも、元国家代表ですからね。最近は織斑先生と門矢先生と訓練してますからねぇ」

 

遠い目をした真耶に一夏は単純にすげぇと思った。

 

◇◇◇

 

デュノア社との交渉は五時間以上に渡った。デュノア社の社長、アルベール・デュノアはシャルロットを守るため、IS学園に専用機の情報収集という建前で送り込んだらしい。そのまま、本国にいたら自身の後妻が放った暗殺者に殺されるところだった。男として入れたのは、そちらのほうがすぐに入学できるからだ。

さらにデュノア社自身も業績が落ちており、シャルロットの学費は確保している。その後、どうなるか分からないと。零としては思っていたより大ごとで頭を抱えた。

考えた末、デュノア社を倒産させ、アルベールは雲隠れし、その間だけシャルロットを門矢の一時的な養女にする。ほとぼりが冷めた後に、シャルロットをアルベールの娘の戸籍に戻すということにした。

 

いくら、世界の破壊者とはいえ、役割としての立場はしっかりとしている。IS学園の教師となれば、これほどしっかりしている立場はない。

 

◇◇◇

 

「ありがとね、先生」

 

「礼はいらん」

 

シャルロット・デュノア、否、門矢シャルロットになった彼女は零に向日葵のような笑みを浮かべる。

 

「ふふ、これからよろしくね、お父さん♪」

 

「…勘弁してくれ」

 

シャルロットの獲物を狙い定める目に零は額に手を当てた。

 

「あら♪面白そうなことになってるじゃない♪」

 

二人の頭を飛ぶ、小さな蝙蝠。零はうげ、という顔でそれを見る。

 

「…久しぶりだな、キバーラ」

 

「久しぶりね♪面白そうだから来ちゃったわ♪よろしく、お嬢さん♪」

 

「う、うん。よろしく…」

 

いきなり人の言葉を話す蝙蝠にシャルロットはたどたどしく返事をする。

 

「もう、終わっただろ、さっさと帰れ」

 

「い〜や〜よ。この子面白そうだし、この子についていくわ♪」

 

「勝手にしろ」

 

さらにめんどくさいな、と思いながら零は目を背けた。




…作者が好きなヒロインはシャルロットと楯無さんと本音です。

さて、ディケイドといえばキバーラ。登場させてみました。


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19話

『この本によれば、転生者である織斑秋十により、正史とは異なる未来になり破壊者ディケイドの力を得た織斑一夏、いや、門矢一夏。彼は黒き破壊者の力をもつ門矢零と共に世界と世界を股にかける。転校生、ラウラ・ボーデヴィッヒが篠ノ之箒に凰鈴音に戦いを挑む。そして、新たなイベント。おっと、皆さんにはまだ先の話、でしたね』

 

◇◇◇

一夏は先日の授業にて、真耶にぼろ負けしたため、自主練に力を費やしていた。訓練の相手は箒。当初は遠距離が無理だろうと考えていたが、(この世界の)篠ノ之箒は普通ではなかった。そもそも彼女は生身で南極にいくような少女であり、旅の途中でマフィアとビニール傘一本で陣取り勝利してしまうほど強い。斬撃を飛ばすなんてお手の物だ。これを見たとき、軽く一夏たちは引いていた。

現在、一夏は箒に戦場での立ち回りを、セシリアは鈴音に近接戦闘について手解きを受けていた。

 

「一夏、そちらに回り込んだら詰むぞ」

 

「そんな変態起動するやつ、お前ぐらいだからな!?」

 

「セシリア、逃げるんじゃない、避けるのよ!!」

 

「む、無理ですわーー!?」

 

少々おかしな部分もあるが。箒と鈴音が漫画の技を真似すると実際にできたり、それの実験台に一夏とセシリアがなったりと大変だった。

 

「なんで武器なしで斬撃が飛んでくんだよ!?」

 

「これが無刀流というやつだ」

 

「さも当然のように言うんじゃねぇ!」

 

「か○はめ波とか打てるんじゃないかしら」

 

「やめてくださいまし!」

 

….ただのいじめにしか見えないが気のせいだろう。

その時、

 

「中国にイギリスの国家代表候補か。それにタバネ・シノノの妹。私と戦え」

 

自己紹介で秋十を平手打ちにしたラウラが現れた。注意がそちらに向き、一夏とセシリアは少し安堵した。

 

「なんで戦わなきゃいけないのよ。こっちにはそんな理由ないんだけど」

 

「そうだな、今、取り込んでるんだ。後にしろ」

 

「そんなの関係ない。それにそんな無能に時間をかける必要はーーー」

 

「は?」

 

箒と鈴音から濃密な殺気が放たれくくる。向けられてない一夏とセシリアですら重圧を感じるほどだ。

 

「それを決めるのは私だ。お前じゃない。口を出すな。そして、貴様ごときが無能かどうかを決めるな。この学校にきた時から思っていたが、プロ意識がないんじゃないか」

 

「なんだと!?」

 

「それ、アタシも思ってたわ。集団訓練というのができないのかしら。表面的にだけでも、周りに合わせなさいよ」

 

「そんな必要は…」

 

「軍ってのは連携が大事じゃないのか。一人だけで武功あげるところとは思わないが」

 

「ぐ」

 

「というか、厄介払いでここにきたんじゃないかしら」

 

 

「うわ…」

 

箒と鈴の容赦ない口撃に軽く引いている二人。しばらくすると、

 

「ぐすっ…」

 

「あ、泣いた」

 

「泣かせた」

 

「うぇぇん、厄介払いじゃないもん。お荷物じゃないもん」

 

「ああ、すまなかった、すまなかった。お前はお荷物じゃないし、厄介者じゃない。だから、泣き止め」

 

「そ、そうよ。ほら飴ちゃん、あげるから」

 

「ぐすっ…ありがとう…」

 

 

 

「今の気持ちは」

 

「すごく申し訳ない…」

 

この後、アルベールと交渉を終えた零がラウラを回収していった。ラウラは涙目で箒と鈴音を睨んでいた。

 

◇◇◇

 

この学園には学年別トーナメントというのがある。先日、クラス別トーナメントしたじゃんというツッコミはよくない。

今年は、なんとペア制だ。そのため、一夏と秋十のところに沢山の女子生徒が来た。転生者である秋十はシャルロットと組もうと考えていたが、この世界は原作とは違い、既にシャルロットの問題は解決している。

それに様々な書類の手続きのせいで現在はペアを組めない。もしかしたら、学年別トーナメントには間に合わないかもしれない。

 

結果としては一夏は、正式なじゃんけんの結果、箒と組むことになった。

秋十は決めきらず、学年別トーナメント当日にもつれ込んだ。

 

一夏と箒はトーナメントのために準備をしていた。ここまで化け物になってるからみんなお忘れかもしれないが、箒は専用機持ちではない。それに一夏の機体は自動的に最善の状況になるので整備する意味がない。そのため、二人は時間を持て余していた。

箒は戦いのため瞑想を、一夏は自身の戦い方の最終確認をしていた。戦いの際、能力を使う際、一夏は他の人と違い、カードをバックルに入れるという動きが必要だ。ISには瞬時加速などがあり、一瞬の隙というのが非常に危険だ。

 

「そろそろ、発表されるな」

 

「ああ、そうだな」

 

一夏と箒が対戦表が映るパネルを見ると、

 

「なるほど」

 

「ほう…」

 

一夏と箒はパネルに映った名前にそれぞれ違う感想を抱いた。

 

(秋十と…ボーデヴィッヒか…ボーデヴィッヒにだけ注意しといたほうがいいな)

 

(秋十はやりやすいのだが、ボーデヴィッヒか…先日、泣かせてしまったからな、やりにくい。さすがにあの泣き顔を見せられたら…もう一回、見たいな)

 

箒の危険な思考が露見する前に戦いと時間を進めよう。

 

◇◇◇

 

「ひっ」

 

ラウラは箒を顔を見ただけで、軽く悲鳴をあげる。あの出来事を知らないのは秋十だけで、秋十はラウラが可愛らしい悲鳴をあげたことに困惑し、一夏はだろうなという感想を、箒は申し訳なさ八割興奮二割というよくわからない顔をしていた。

 

試合開始。

 

一夏と箒は秋十を無視してラウラに襲いかかる。秋十よりもラウラが危険度が高いのは小学生でもわかることだ。

 

「俺を、無視するな!」

 

「黙ってろ!」

 

一夏は飛びかかってきた秋十を蹴り飛ばす。そこで一夏は何を思いついたのか、

 

「いや、俺がお前の相手をしてやるよ。こいつの試し切りついでに」

 

《ライドヘイセイバー!!》

 

一夏の手に現れたのは様々な紋章が剣身についており、柄の部分に時計の針のようなものがついた剣。

 

「はい?」

 

この声をあげたのは零だった。なにしろ、ライドヘイセイバーはディケイド自身が使う剣ではない。平成最後のライダー、ジオウのディケイドアーマーの武器だ。確かにディケイドライドウォッチにはディケイドの力が濃縮されているが、ディケイドがジオウの武器をカードの介入なしで召喚できるはずがない。

 

しかし、一夏は実現させた。これはIS『ディケイド』のワンオフアビリティ『破壊者』によるものだ。このワンオフアビリティはディケイドに関するライドブッカー以外の武器ならSEを消費することで召喚できる。ちなみにライドヘイセイバー以外にディケイドバズーカが召喚可能だ。

 

《ヘイ!キバ!キバデュアルタイムブレーク!》

 

蝙蝠型のエネルギーが秋十の方向に飛ぶ。秋十は何か分からず、否、これが攻撃だとしても自身にはダメージがないと慢心して、一夏に突撃する。

 

「死ねぇぇぇぇ!」

 

「馬鹿が」

 

蝙蝠が秋十に集まり爆発する。さらに一夏はライドヘイセイバーの柄の針を回す。

 

《ヘイ!カブト!カブトデュアルタイムブレーク!》

 

今度は一夏が高速で移動し、秋十を斬りつける。

 

「ぐはっ…この卑怯者…」

 

「どこがだ」

 

一夏はバックルにカードを入れ、ライドヘイセイバーの針を勢いよく回す。

 

《FINALATTACKRIDE DE DE DE DECADE!》

 

《ヘイ!仮面ライダーズ!ヘイ!セイ!ヘイ!セイ!ヘイ!セイ!ヘイ!セイ!ヘヘヘイ!セイ!ヘイ!セイ!ヘイ!セイ!ヘイ!セイ!ヘイ!セイ!》

 

《DE DE DE DE DECADE!》

 

《平成ライダーズ!アルティメットタイムブレーク!》

 

ヘイセイと書かれた文字と平成ライダーのクレストマークが描かれたカード型のエネルギーを纏った斬撃が秋十に迫る。秋十は零落白夜でガードしようとするが、無意味。SEを大きく減らされ、さらに零落白夜を切り忘れるという失態をした秋十はSEエンプティで敗北した。

 

「さてと、あっちは」

 

一夏が箒とラウラの方向を向けば、箒が一方的に蹂躙していた。

 

(なぜ、私は勝てない?負けてしまうのか?また、置いていかれてしまうのか?それは嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だぁぁぁぁぁ!)

 

『力を望むか?』

 

(勿論だ、私に何人も寄せ付けない力をよこせ)

 

《Valkyrie Trace System boost》

 

この機械音と共にラウラの意識は途絶えた。




原作ヒロイン一人につき一話というハイペース投稿していたのですが、ラウラだけ二話に分かれそうです。

次回もお楽しみに


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20話

『この本によれば、転生者である織斑秋十により、正史とは異なる未来になり破壊者ディケイドの力を得た織斑一夏、いや、門矢一夏。彼は黒き破壊者の力をもつ門矢零と共に世界と世界を股にかける。学年別トーナメント一回戦。門矢一夏、篠ノ之箒ペアはラウラ・ボーデヴィッヒ、織斑秋十ペアと当たる。そして、試合中、ラウラ・ボーデヴィッヒに異変が。おっと、皆さんにはまだ先の話、でしたね』

 

◇◇◇

 

「ああああッ!!」

 

劈くような悲鳴と共に、ラウラの専用機、シュヴァルツェア・レーゲンから激しい電撃が放たれ箒に向かうものの、箒は打鉄についてる武器、葵で電撃を切り裂く。

 

「何が…」

 

箒も一夏もラウラのほうに目を向ければ驚きの光景が待っていた。

装甲はどろどろとなり、ラウラを包み込んでいく。そして、その泥は鼓動を繰り返し、形を成していく。

その姿はラウラそのものであり、最小限のアーマーが腕と脚、さらに頭部はフルフェイスのアーマーが覆っていた。

 

「何!?」

 

刀を構えたかと思うと、箒の懐に飛び込み、居合を放つ。箒はすんでのところでガードし、後ろへと回避する。

一夏はこの攻撃の仕方を知っていた。

 

一度だけ見たことがある。これはあの世界最強の織斑千冬の技だ。

 

「最悪…」

 

一夏はそう呟き、ライドヘイセイバーを構える。無論、ラウラが心配なのは確かだが、気をぬくとこちらがやられてしまう。

 

「箒!」

 

「大丈夫だ…ところで手はあるか…」

 

「あったらよかったんだけどな。あいにく、そう簡単に思いつかないものものでな。おっと」

 

ライドヘイセイバーとラウラの刀がぶつかる。一夏は強い衝撃を感じながらライドヘイセイバーの針を回す。

 

《ヘイ!W!Wデュアルタイムブレーク!》

 

ライドヘイセイバーが風を纏い、ラウラを吹き飛ばす。

 

 

「門矢先生、お願いできるか」

 

「俺のはISじゃないけどな。まあいい。かわいい生徒のためだ。やってやろう。変身」

 

《KAMENRIDE DECADE!》

 

ダークディケイドとなった零はすぐさま、ステージへと踊り込む。

 

「兄貴!」

 

「門矢先生!」

 

「おい、一夏。やれるな」

 

「ああ」

 

「わかった」

 

ラウラはこの中で一番、弱そうな一夏に狙いを定めるが、

 

「そうはさせん!」

 

「お前の相手は俺たちだ」

 

箒と零が立ち塞がる。零はカードをバックルにいれ、箒は刀を腰に置き、居合の構えをする。

 

《KAMENRIDE SIROIMAHOUTUKAI!》

 

「はあっ!」

 

零は娘のため、サバトを行ったライダー『白い魔法使い』にカメンライド。箒とラウラの居合が同時に放たれる。箒がラウラの居合を読み取り、怪我をさせないよう、同じ力で放ったことにより両者、後ずさりするだけで傷はない。

 

《ATTACKRIDE BIND!》

 

複数の魔法陣が現れ、鎖が放たれラウラを縛る。ラウラは一瞬でその鎖を破るが、その一瞬で、全ての行動は終わっていた。

 

一夏の手には秋十の雪片弐型があった。当の持ち主である秋十は気絶しており、無断で借りていることになるが、まあいいだろう。

 

「一夏、何をする気だ!秋十の武器を持ったところで意味がないぞ!」

 

「違う、箒。零落白夜ならいけるかもしれない」

 

「お前には使えないだろう。だってそれは白式のワンオフアビリティだろう!」

 

「賭けるのさ」

 

「何?」

 

「これが俺の答えだ」

 

一夏がブランク体だったカードを雪片弐型に翳す。

 

「やっぱり無理じゃないか!!」

 

「いや、わからんぞ」

 

箒は零の言葉に目を丸くする。零を問い詰めようとするが、当の零はラウラ相手に陣取っており、あまり余裕がない。

 

「きた、きた、きたー!」

 

ブランク体だったカードにようやく色がついた。

 

「これで勝てる!行くぞ、箒」

 

「あ、ああ」

 

《ATTACKRIDE REIRAKUBYAKUYA!》

 

「ほ、本当にできてるし」

 

「勝負は一発。箒、護衛は任せる」

 

「任された」

 

一夏はそのまま、突撃。箒がラウラの攻撃から一夏を守る。

 

「これで、終わりだぁぁぁぁぁぁ!」

 

一閃、一夏はラウラのISを一刀両断する。そして、中からラウラが現れ地面へと落ちていく。それを零がキャッチ。

 

◇◇◇

 

ラウラが保健室に運び込まれて丸3日が過ぎた。この3日間の世話は零と真耶が変わりがわりで行った。

 

「う、ううん」

 

「ん、起きたか」

 

「え、ボーデヴィッヒさん。起きたんですか!?」

 

「私は一体何を?」

 

ラウラが目を覚まして、最初に疑問を感じたのはなぜ、ここにいるのか、自分は試合中じゃなかったのか、だった。

 

「機密扱いのはずだが、もう後処理は済んでいるからいいだろ。ラウラ・ボーデヴィッヒ、お前のISにはVTシステム、いわゆるValkyrie Trace Systemが内蔵されていた」

 

「なっ…あれは」

 

「IS条約で禁止されるほど危険な代物だ。それが積まれていた。それの発動条件は操縦者、つまりお前の精神状態、機体の蓄積ダメージ、そして、強さへの渇望」

 

「強さへの渇望…」

 

ラウラはなぜ自分がそうらなったのか、理解した。自分が望んだからだ、織斑千冬になることを。

 

「お前は何者だ」

 

「私は…」

 

ラウラはそれの答えを持ち合わせていなかった。口ごもっていると、零はニヤリと笑い、

 

「確かに今のお前は名無しの権兵衛かも知れんし、ジョン・ドゥかもしれん。だが、それが分かっているのなら、なれるだろうよ、本当の自分ってやつに」

 

その言葉を最後に零はじゃあなと手をヒラヒラさせながら保健室を出て行った。

 

(ラウラ・ボーデヴィッヒになる、か)

 

ここから、ラウラ・ボーデヴィッヒのストーリーは始まる。

 

◇◇◇

 

「門矢シャルロットです。皆さん、よろしくお願いします」

 

スカートを履いたシャルロットを見てクラス中がポカンとする。零だからこそ、さっさとわかったことであり普通の生徒はぜんぜん知らなかった。

 

そして、ラウラがズンズンと零の方向に近づいてくる。

 

「なんだ?」

 

「門矢先生、先生は私にラウラ・ボーデヴィッヒになれ、と言った」

 

「そうだな」

 

「だが、どうすればいいかわからない」

 

「あー」

 

「だから、冒険にいく」

 

「は?」

 

「だから、付いてきてもらう」

 

「は?ってちょっと待てぇぇぇ!」

 

ラウラがISを纏い、零を巻き込んで壁をぶち抜けて外に出て行った、冒険するために。

 

「え、ええぇぇぇ」

 

シャルロットのこと以上の衝撃があり、教室は静まりかえった。

 

ちなみにラウラと零は一週間後、ラウラが2000の技を持つ女という肩書きを得て帰ってきた。

二人は帰ってきて、早々に千冬から拳骨をくらい、転げ回ったそうな。

 

 




あとは臨海学校編をして、その後、大コラボだぁ!

大コラボについては私の活動報告まで。


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21話

『この本によれば、転生者である織斑秋十により、正史とは異なる未来になり破壊者ディケイドの力を得た織斑一夏、いや、門矢一夏。彼は黒き破壊者の力をもつ門矢零と共に世界と世界を股にかける。学年別トーナメントが終わり、次のイベントは臨海学校。海といえば、水着。門矢シャルロットに買い物に誘われた門矢零。そこで、彼は新たな出会いをする。おっと、皆さんにはまだ先の話、でしたね』

 

◇◇◇

 

「お義父さん♪」

 

「なんだ、ルンルン顔できて?」

 

「今度、臨海学校あるでしょ」

 

「そうだな」

 

確かに後、数日すれば、臨海学校に出かけることになる。

 

「僕、水着も持ってないんだ♪」

 

「そうか、金はこれくらいがいいか?」

 

「ああ、そうそう、これくらいがちょうどいいんだよね〜って、そうじゃない!!!」

 

シャルロットは零が受け取ったいくらかの紙幣を机に叩きつけながらそう言う。

 

「じゃあなんだ?」

 

「一緒に水着買いに行こうってことだよ!!」

 

「そうか」

 

「駄目?」

 

シャルロットが上目遣いをしながら零に語りかける。男なら口を半開きにし、だらしない顔になってること間違いなしだろう。

 

「構わない。が、この仕事が終わったらな」

 

零は手に持った資料に目を通し始める。その資料こそ、今回の臨海学校の資料である。学生用ではなく、教員用のぎゅうぎゅうに時間や注意事項が書かれている。

その資料を見ている零の横顔をシャルロットはニマニマと見ている。この少女、これでも頭の中はテンパっているのである。

 

(ちゃ、ちゃんと誘えたけど、ど、どんな水着にし、しよう。やっぱり、大人っぽいのがいいのかな。うううう、こんな経験ないからどうすればいいの〜)

 

そうこうしているうちに零が資料を読み終わり、出かけの準備をする。学校でずっときていたスーツを脱ぎ、IS学園で教師になる前まではずっときていたコートに腕を通す。最近、スーツもいいな、と思い始めてるのは秘密だ。

 

「おい、シャルロット、いくぞ」

 

「あ、うん」

 

一人、うんうんと考えていたシャルロットは零の言葉に我に帰り、零の後を追いかけた。

 

◇◇◇

 

ショッピングモール『レゾナンス』。

 

ここら辺では一番、大きいショッピングモールだ。服屋はもちろんのこと、フードコートに玩具店も充実しており、家族連れも多い。

 

今回は水着を買いに来たということで、最初は水着店にいく。

 

「で、シャルロットはどんな水着を選ぶんだ?」

 

シャルロットは様々な種類がある水着を前に考えはじめる。その目は真剣そのもの。

 

「こっちは、うーん、露出しすぎ?でもこれくらい攻めたほうがいいのかな?やっぱり、安定なのはビキニだよねーーーー」

 

こんなこと、迷うこと数十分。シャルロットは黄色のビキニを選んで買った。

 

水着も選び終わったところで昼ごはんの時間となっていた。

 

「昼飯はどうする?」

 

「うーん、お義父さんはどうするの?」

 

「ここのフードコートにいこうかと考えてるんだが、嫌か?」

 

「全然、むしろいこう!」

 

ここのフードコートはお店が多種多様で、ジャンクフードから高級フレンチまで取り扱っている。

 

「お義父さんは何を、ってもう買ってきてる!!?」

 

零はすでに、店を見て、一番並んでないところで一番高いものを頼んでいた。

 

「シャルロットはどうするんだ?」

 

「うーん、迷うなぁ。じゃあ、このフレンチトーストで」

 

シャルロットがフレンチトーストを受け取り、零はよくわからないものを受け取っていた。

 

「何それ?」

 

「究極の煮ごこりらしい。最高級の食材で作ったらしい」

 

「味は?」

 

「とくにないな。ただのゼラチンだ」

 

なぜか、零は地獄の閻魔大王の補佐官が食べそうなものをチョイスしていた。

 

「ええ〜」

 

「ふむ、腹にたまるな」

 

「早っ」

 

シャルロットが半分も食べ終わらないうちに零は食べ終わった。これでは物足らないらしく、零は新たに注文しにいく。

 

「今度は何注文したの?」

 

「次の高価だった特盛赤飯と同じく特盛のぜんざいだな」

 

◇◇◇

 

零がシャルロットの買い物に付き合っている際、柱から見てるものがいた。

 

「あれはやっぱりデートか?」

 

「だろうな」

 

「む、私も誘ってくれたら良かったのに」

 

「ラウラ、それはないと思うぞ」

 

「なんでだ?」

 

ただの出歯亀だった。

 

その一方で、

 

「その立ち位置は俺のはずだったんだよ!あのモブ野郎、許せねぇ!」

 

《ウォズ!》

 

 

逆恨みのものもいた。

 

まあ、当然、この大型ショッピングモールでアナザーライダーという化け物が出た瞬間、騒ぎになったのは当然だった。

 

レゾナンス内に悲鳴と人々の足の音が一斉に聞こえる。零たちが視線を向ければ、アナザーウォズがそこにいた。

 

『お前と一夏さえ、いなければぁぁぁぁぁぁ!』

 

「俺と一夏がいなければ?何を言って、って、チッ」

 

零は懐からダークディケイドライバーを取り出し腰に巻く。

 

《KAMENRIDE DECADE!》

 

ダークディケイドになった零の拳とアナザーウォズの拳がぶつかる。

 

「ふん!」

 

『ガァァァ!だが、今回は』

 

アナザーウォズは無様に吹っ飛びながらも新たなアナザーライドウォッチを取り出した。

 

《キカイ!》

 

木の化け物の姿となり、零のボディに重い拳を入れる。

 

「ぐはっ!」

 

『おれが、おれが最強なんだよ!』

 

「知るか、んなもん」

 

《KAMENRIDE THEBEE!》

 

蜂のライダーであり統率者の資格を持つもの『仮面ライダーザビー』にカメンライドし、アナザーウォズ フューチャリングアナザーキカイへと殴りかかる。

明らかに先ほどより動きにキレがないため、零の拳を連続で受ける。

 

「これで終わりだ」

 

零が金色のカードを取り出した瞬間、

 

 

 

 

時が止まった。

 

 

 

 

『な、なんだ、これは』

 

アナザーウォズにも予想外のことで戸惑うものの、世界はやはり自分の味方だ、と思ったアナザーウォズは零に攻撃を仕掛けようとするが、

 

「そういうことをしてほしいんじゃないの」

 

銃弾が飛んできて、アナザーキカイの腕を弾く。

 

「あなたを逃がしてあげようとしてるんだから、有り難く思ってさっさと去りなさい」

 

『だ、だが今ならこいつを…』

 

「去れ、と言ってるのが分からないかな?」

 

歩いてきたのは、白いコートを着て、手に持ったシアンブルーの銃をクルクルと回す女性。

 

『ぐ…』

 

「それにそんな“だまし討ち”紛いなことしたって“主人公”じゃないんじゃないですか〜」

 

『それもそうか…』

 

《シノビ!》

 

アナザーウォズはフューチャリングアナザーシノビに姿を変え、忍法で姿を消した。

女が腕を虚空に叩きつけるように動かすと、止まっていた時間が動き出した。

 

「くっ…その力はタイムジャッカーの…」

 

「はい♪貰い物ですが。使い勝手がいいんですよ、これ」

 

「なんで、邪魔をした!まさか、あれはお前が確立したアナザーライダーか!」

 

「そんなわけないじゃん」

 

女は心外そうに言う。

 

「ワタシが興味があるのは、お宝のみ。あんな紛いもので、特別凄いものじゃないもの、使うわけじゃない」

 

女は小馬鹿にしたように零を見る。

 

「何が目的だ…?」

 

「お宝に決まっているだろう」

 

その女も大きくジャンプし、二階まで上がる。

 

「じゃあね、世界の破壊者。また、会おう」

 

女は走りだし、零は追いかけることはできなかった。

 

「なんだ、あいつ…」

 

零はシャルロットと、シャルロットに見つかった一夏達と合流した。

 

一夏達はシャルロットにこってり怒られており、げっそりとしていた。

 

「あ、お義父さん♪」

 

「帰るぞ」

 

零は何があったかはあえて聞かないことにした。

 

そして、数日後、零達は臨海学校を迎えた。

 




今回でた、謎の女の外見のイメージはFATEの岸波白野(女)です。知らない人は検索してください。


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22話

『この本によれば、転生者である織斑秋十により、正史とは異なる未来になり破壊者ディケイドの力を得た織斑一夏、いや、門矢一夏。彼は黒き破壊者の力をもつ門矢零と共に世界を股にかける。ついに始まった臨海学校。門矢零が海で最初にやる行動に驚かされる織斑千冬。そして、現れる天災。おっと、皆さんにはまだ先の話、でしたね』

 

◇◇◇

 

臨海学校初日。すでに旅館には挨拶しており、初日である今日は、海で遊ぶことになった。

 

「で、門矢先生は何をしてるんだ?」

 

「見て分からんのか?海の家だぞ」

 

「それは見てればわかる。言いたいことはなんでここに建ててるのか、ということだ」

 

「む?ダメだったか?一応、学園長からは許可は貰っているが」

 

「それならいいが…焼きそばを一つくれ」

 

「まいど」

 

手際よく焼きそばを作る零。その手捌きを見てほうと息を漏らす千冬。香ばしい匂いが鼻から入っていき、食欲を刺激する。

 

「ほう、美味しそうだな」

 

「冷めないうちに召し上がれ」

 

千冬は勢いよく麺をすする。麺はちょうどよくソースに絡んでおり、味はしつこすぎない。何杯でも食べれそうだ。

 

「うまいな」

 

「だろう」

 

うざいくらい自信満々の顔をする零。だが、実際美味しいので文句は言えない。

匂いにつられたのか、大勢の生徒がこちらをよだれを垂らしてみている。

 

「………」

 

「………」

 

「ふっ、かかってこい。麺の貯蔵は充分だ。なんならかき氷もあるぞ」

 

零の言葉を皮切りに生徒が殺到。最初は順調に捌いていたが、徐々に列が長くなり、零一人では捌けるかどうか分からなかった。

 

「手伝おっか?」

 

「いいのか?」

 

「勿論♪」

 

「俺も手伝うよ、兄貴」

 

一夏とシャルロットが手伝い始め、最終的には専用機持ち全員と箒が手伝うという豪華な海の家、となった。

 

◇◇◇

 

「やーやー、君がいっくんとあっくんと箒ちゃんとちーちゃんに近づくお邪魔虫?」

 

「焼きそば大盛り目玉焼き乗せか、わかった」

 

「そんなこと言ってないよね!!」

 

零は特に相手の声の内容は聞かず、言葉の長さからなんとなく自己解釈した。全く違うのだが。

 

「はい、お待ち」

 

「いや、そんなもん頼んでないんだけど…」

 

「次が待ってるんだ、商品貰ったやつはさっさと列から離れろ」

 

「なんで!タバネさんがそんな有象無象のこと考えないといけないの!」

 

「そういうのいいからどけ。おい、お客様のお帰りだ!」

 

「ん?どうかしました、かぁ!?」

 

海の家の建物内から外の言い合いが気になったのか、箒が出てくる。

 

「ね、姉さん!?」

 

「やっほー、箒ちゃん。元気?」

 

「元気、じゃないですよ!」

 

「おい、篠ノ之。知り合いならどけろ、邪魔だ」

 

「あ、はい」

 

零の言葉通り、箒は自身の実姉でありISの創造主、篠ノ之束を列から引っぺがす。

 

「箒ちゃん、あいつの対応、マジ最悪。頭どうかしてるよね〜」

 

「頭どうかしてるのは姉さんのほうですよ…」

 

「あ、この焼きそば美味しい」

 

話が通じない、といつも通りの感想を姉に抱きつつ、忙しさのあまり、なぜここにいる姉がいるのかというのを聞き忘れた箒であった。

 

◇◇◇

 

臨海学校2日目。昨日に麺は切らしたため、今日は海の家を開店しないことにした。まあ、麺が余っていようと、昨日とは違い授業がメインとなっている今日、開店する余裕はないのだが。

 

今日の最初のお題目はISの装備試験。専用機持ちは専用パーツのテストとのこと。

 

「ああ、篠ノ之、お前はちょっとこっちに来い」

 

「?どうしました?」

 

打鉄の装備を片手で運んでいた箒は千冬に呼ばれたため、そちらに向かう。

 

「お前には今日から専用ーーー」

 

「ちーちゃ〜〜ん!!!」

 

砂埃と共に人影が猛スピードでやってくる。

 

「…束」

 

千冬は眉間にしわを寄せながらその人物の名を口にする。

 

「やあやあ、ちーちゃん、会いたかったよ!さあ、ハグハグしよう!愛を確かめ合ーーぶへっ」

 

飛びかかってきた束の顔面を千冬は片手で掴む。束の頭からは頭蓋骨が軋む音が次第に大きくなってーーー

 

「ち、ちーちゃん。そろそろギブかな〜って束さん、思ったり」

 

「ふん!」

 

「アギャア!?」

 

ようやく、千冬が束を手から離す。束はよっと着地して箒のほうを、キメ顔をしながら向く。まあ、千冬の手の跡があって、キメ顔は台無しなのだが。

 

「やあ!」

 

「どうも」

 

「えへへ、久しぶり、でもないか」

 

「ですね、昨日も会いましたし。で、何の用ですか?」

 

「もう箒ちゃん、好物は先に食べるタイプ?ケチケチしてるな〜」

 

「誤魔化さないでいただきたい。貴方がわざわざここまでくるようなことをしている理由が聞きたいのです」

 

「はあ〜たくもう。じゃ、大空をごらんあれ」

 

激しい衝撃音と共に何かが砂浜に落下してきた。

 

「おわっ!?」

 

「なんだ?」

 

銀色のそれは正面の壁がパタリと倒れて中身が露わになる。

 

「じゃじゃーん!これぞ、箒ちゃん専用機こと、『紅椿』!全スペックが現行ISを上回る束さんお手製のISだよ!」

 

真紅の装甲をしたその機体は、動作アームによって外に出る。

 

「さあ!箒ちゃん、今からフィッティングとパーソナライズを始めようか!」

 

これに対する箒の返答はーーー

 

「ふざけないでいただきたい」

 

「え?なんて?束さん聞こえなかったな〜」

 

「ふざけるな、と言っているのです。何が専用機ですか。私は欲しいなんて一言も言ってません」

 

「で、でもあったら便利だし」

 

「打鉄で十分、いや、ISなしでも私は戦えます。姉さんなら知ってるでしょう、私の強さ」

 

「ぐぬっ」

 

その言葉に束はカエルのような声をだす。事実、箒は千冬には及ばないものの、それに準ずる実力の持ち主だ。今更、専用機を渡されたところで把握できてない武器が増えてむしろ扱いにくくなるだけだ。

 

「お引き取りください、姉さん。ここにいても時間の無駄です」

 

ここからは姉妹の押し問答が始まる。終わりの見えない言い合いに零はあくびをしながら見ていた。

 

そんな時だった。

 

「たっ、た、大変です!お、おお、織斑先生っ!」

 

麻耶は慌てた様子で走ってき、千冬に持っていた小型端末を手渡す。

 

「全員、注目!」

 

千冬は手をバンバン鳴らし、生徒たちの注目を集める。

 

「現時刻よりIS学園教員は特殊任務行動へ移行する。今日のテスト稼働は中止。各班、ISを片付けて旅館に戻れ。連絡があるまで各自室内待機すること、以上!」

 

その台詞で生徒は騒ぎはじめるが、

 

「とっと戻れ!以後許可なく室外に出たものは我々で身柄を拘束する!いいな!」

 

「「「「「はっ、はい!」」」」」

 

「専用機持ちは全員集合しろ!織斑、オルコット、門矢、デュノア、ボーデヴィッヒ、凰!」

 

「はい!」

 

専用機持ちが威勢のいい返事をあげる。

 

零は閉じていた目を開け、何か嵐の予感を感じたのだった。




初の戦闘なし回。いかがだったでしょうか。臨海学校編もスピーディーに終わりそうですが、お付き合いください


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23話

『この本によれば、転生者である織斑秋十により、正史とは異なる未来になり破壊者ディケイドの力を得た織斑一夏、いや、門矢一夏。彼は黒き破壊者の力をもつ門矢零と共に世界を股にかける。緊急事態になったIS学園。その原因は軍事用ISの暴走であった。それを止めるため、専用機持ち達は動くのであった』

 

◇◇◇

 

千冬が専用機持ちに作戦説明をしている間、零と真耶は部屋から誰も出さないよう、旅館内を警備していた。

 

「軍事用ISが暴走ですか?」

 

「ええ、そうみたいですね。あいにく、教師の私たちは自身のISを持ってきてませんし、国が持ってますからねぇ。門矢くんたちに任せるのが得策でしょう」

 

二人が雑談しているとき、一人の男が零たちの前に現れた。しかしながら、それはおかしなことだった。何しろ、この旅館とその近辺はIS学園が貸し切っており、ここにいる男は零と一夏と秋十を除いて誰もいないはずだからだ。

 

それを瞬時に理解した二人は警戒度を一気に上げる。

それを見ながら呑気な顔をしながら、現れた男はまるで十数年来の親友に語りかけるかのように言葉を発した。

 

「ここにアナザーウォズはいるかい?」

 

「…なんだと」

 

真耶は何を言ってるかさっぱりだが、零には聞き逃せない言葉だった。

 

「その反応だと、アナザーウォズのことは知ってるけど誰かは分かっていない感じか…がっかりだよ、門矢零」

 

男はオーロラカーテンを呼び出し、とある人物を呼び出す。

 

現れたのはボロボロの服を着た男と女。男のほうは緑色のボサボサした髪をしており、女のほうは赤と白で長髪であった。

 

「なんだ?」

 

「ハア〜どうせ、俺なんか…」

 

「いこう、兄貴」

 

「ああ、そうだな、相棒」

 

H()E()N()S()H()I()N()

 

二人のベルトから機械的な音声が流れて、メタリックグリーンのヘキサゴンプレートが包む。ベルトから波紋状に広がり、頭から爪先までを覆った。男のほうは緑のバッタを模しており、女のほうは茶のバッタを模していた。

 

《CHANGE KICK HOPPER》

 

《CHANGE PUNCH HOPPER》

 

呼び出された二人のライダーは零たちに飛びかかった。

零は転がりながらそれを避け、ドライバーを腰に当てる。

 

「変身!」

 

《KAMENRIDE DECADE!》

 

ダークディケイドになった零は二体のライダー『仮面ライダーキックホッパー』、『仮面ライダーパンチホッパー』に向けてライドブッカーの引き金を引いた。

 

二人は浅いステップでそれを避ける。

キックホッパーとパンチホッパーは零に向かって、隙を見せない連携でパンチやキックを放っていく。零もそれを涼しげに捌いているが、攻めあぐねていた。

 

「チッ…クロックアップ!」

 

「クロックアップ!」

 

C()L()O()C()K()()U()P()()

 

キックホッパーとパンチホッパーは、展開が進まない戦いにイライラしてクロックアップを発動。零の目にも止まらない超スピード、否、別の流れが早い時間軸で攻撃しはじめた。流石に零もこれには反応しきれない。対抗策としてもこちらもクロックアップを発動させたいところだが、クロックアップをするためには、サソードやザビーにカメンライドしクロックアップのカードをドライバーに装填するという、二つのプロセスを踏まなくちゃならない。そんな隙はないため、零はなすすべなく攻撃を受けていた。

 

その時、

 

《KAMENRIDE GATACK!》

 

「いってらっしゃい」

 

零の前に青いクワガタのライダーが召喚され、キックホッパー達と同様にクロックアップを発動させる。

 

「やあやあ、数日ぶりだね、世界の破壊者」

 

「お前はあの時の」

 

颯爽と歩いてきたのは仮面ライダーディエンド。声から察するに、レゾナンスでの彼女だろう。

 

「なんのつもりだ」

 

「そんなこと言ってる暇はないんじゃない。ほら、そろそろ」

 

ディエンドが指を指した方向ではガタックがなんとか、キックホッパーとパンチホッパーを抑えているが、それもそろそろ限界を迎えるだろう。

 

「後で色々聞かせてもらうからな」

 

《KAMENRIDE DARKKABUTO!》

 

《ATTACKRIDE CLOCK・UP!》

 

暗黒の太陽『仮面ライダーダークカブト』にカメンライドし、同じ時間軸に身を置く。

 

「フン!」

 

零とキックホッパー、両者の蹴りがそれぞれの足に炸裂。どちらも体力が削られていく。

 

「ハア〜ライダージャンプ!」

 

「ライダージャンプ!」

 

R()I()D()E()R()()J()U()M()P()()

 

必殺技の体制に入ったホッパー達を見て、零とガタックも必殺技の体制に入る。

 

《FINALATTACKRIDE 》

 

《ONE・TWO・THREE》

 

「ライダーキックッ!」

 

「ライダーパンチッ!」

 

《DA DA DA DARKKABUTO!》

 

()R()I()D()E()R()()K()I()C()K()()

 

《 RIDER・PUNCH !》

 

四人の必殺技が同時に炸裂。結果は零はカメンライドが解け、ガタックは消滅、ホッパー組はダメージをだいぶ受け着地の際少しふらついていた。

 

そして、ホッパー組の後ろにまたオーロラカーテンが現れた。

 

「ああ、また新しい地獄か」

 

「いこう、兄貴」

 

「そうだな、相棒」

 

ホッパー達はオーロラカーテンの中に消えていった。

 

零はそれを確認した後、ディエンドとホッパー達を呼び出したものの方に向くが、誰もいなかった。

 

「チッ逃したか」

 

零は不機嫌そうに声を漏らす。その時、電話が鳴り、零はそれを取る。

 

「ーーーなんだと!」

 

零の耳に飛び込んできたのは、最悪の事態だった。

 

零の戦闘中に、軍事用IS『銀の福音』を止めに行った専用機持ちだったが、そこで秋十が背後から奇襲。そこまでする輩とは考えてなかったので反応できず、零落白夜で大きくダメージを食らう。さらに秋十はアナザーウォズに姿を変え一夏達に襲いかかった。

 

一方、旅館内ではもう一体の異形が現れ、姿の特徴を聞く限りアナザークイズだろう。

 

零はスマホを握りしめ、先に近場にたあるアナザークイズを倒すため、歩を進めたのだった。



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24話

『門矢一夏は門矢零と旅をし、ついにインフィニット・ストラトスの世界に帰ってきた。軍事用ISと戦う門矢一夏たち、専用機持ち。一方、キックホッパーとパンチホッパーとの戦いを終え、アナザークイズとの戦いに身を委ねる。さて、どうなるか』

 

◇◇◇

 

「箒、行けるか?」

 

「ああ、本来、この機体を使うのはいやなのだが、致し方あるまい」

 

箒は先ほど拒否したIS『紅椿』を纏っていた。理由は作戦の移動に最適だったからだ。他のISより速度が速く、迎撃するために追いつくには必要だったからだ。

 

「ちゃっちゃとやっちゃいなさい!」

 

「バックには私たちが付いていますわ」

 

「そうだ!」

 

今回の作戦の要は箒と一夏。本来なら一夏の立ち位置に秋十がいる予定だったのだが、秋十では心配である、と千冬が直々に言ったのである。秋十は反発したものの千冬は相手にしなかった。そのためか、秋十は後ろでブツブツ言いながら一夏を睨んでいた。

 

「はあ、さっさとやりますか」

 

一夏たちの視界に軍事用IS『銀の福音』が写り込んでくる。この作戦は一撃必殺。一夏はそのため、ディケイドのライダーズセレクトが描かれた金のカードを取り出す。

 

「加速するぞ、一夏」

 

「ああ、いこう、箒」

 

一夏は金のカードをバックルに装填、箒は居合の構えを取る。

 

《FINALATTACKRIDE DE DE DE DECADE!》

 

同時に銀の福音に対してブレードから斬撃を放つ。しかし、福音は最高速度のまま、反転し後退した。そのため、完全には当たらずダメージは少々与えることしかできなかった。

 

「敵機確認。迎撃モードへ移行。『銀の鐘』、稼働開始」

 

銀の福音は完全に箒と一夏を狙いに定め、頭部の巨大な翼を広げ、そこから砲口が現れる。光の弾丸が放出される。

 

「ふざけんな、クソゲーかよ」

 

「これくらいなんともない」

 

一夏は必死に避け、箒は受け流している。一夏は箒を見て、えっそんなことできんの!?と驚愕した。

 

光の弾丸の隙間を縫うよう、攻撃をするが、銀の福音は回避優先で動いてるため掠りもしない。

 

それが続いてるなか、一夏は海に浮かぶ一つの船を見つける。

 

「鈴、セシリア、ラウラ!」

 

一夏はオープンチャンネルを開き、待機中の三人に連絡を飛ばす。

 

「どうしたのよ」

 

「海上に船がある。多分、密入船だろうけど、保護してくれ」

 

「はあ!?あんな弾幕の中、どうやって!?」

 

「信頼してる」

 

「なっ、くっ、ずるいわねぇ」

 

一夏はオープンチャンネルを切り、戦いに集中する。鈴たちは船の保護へ向かう。

一夏はライドヘイセイバーを呼び出す。

 

《ヘイ!キバ!キバデュアルタイムブレーク!》

 

光の蝙蝠が弾幕の隙間を縫って銀の福音のもとへ。銀の福音は至近距離の爆撃でそれを破壊する。しかし、それは囮に過ぎない。

 

《ヘイ!電王!電王デュアルタイムブレーク!》

 

ライドヘイセイバーに赤いエネルギーが溜まっていく。箒もそれに気づき、合わせるように型の構えをとる。

 

「俺の必殺技、パート2!」

 

「はあっ!!」

 

命中、銀の福音は翼を失った。それと同時に船の移動も終わった。

 

いいことづくめで終わりそうだったが、現実は甘くない。

 

海面が光の玉で消し飛ばされた。

 

球状に蒸発した海は凹んだままでその中心には、青い稲妻を纏った銀の福音がいた。

 

「セカンド・シフトかよ…」

 

一夏が苦々しく呟く。

不幸はこれだけじゃない。

 

「ここでお前らを消してもバレないよな。作戦の失敗ということでさぁ!」

 

《ウォズ!》

 

 

《ギンガ!》

 

秋十は二つのアナザーライドウォッチを起動。胸に押し当て、自身をアナザーウォズ アナザーギンガファイナリーに姿を変えた。

 

「くるぞ!一夏!」

 

銀の福音とアナザーウォズが飛び込んできたのは奇しくも同時だった。

 

◇◇◇

 

一方、その頃、零はというと、

 

「チッ、だったら」

 

《ATTACKRIDE BREAST!》

 

ライドブッカーの銃身が分身し、何発ものの弾がアナザークイズに放たれる。

 

「ガァァァッ!」

 

《ATTACKRIDE SLASH!》

 

今度は刀身が分身しアナザークイズに襲いかかる。

 

「グッ!」

 

「しぶといやつだ」

 

「フザケルナ!オマエミタイナブサイクナカッコウシタヤツニコノワタシガマケルワケナイダロウガ!!」

 

「何を言って」

 

「コノタバネサンガツクルノガイチバンスゴクテキレイナンダ!!」

 

「なんだ、お前、篠ノ之束か。だったら、こいつだ」

 

《KAMENRIDE WOZ!》

 

《FORMRIDE WOZ QUIZ!》

 

《ファッション!パッション!クエスチョン!!フューチャーリングクイズ!クイズ!》

 

零は仮面ライダーウォズ フューチャーリングクイズにカメンライドする。

 

「問題だ、篠ノ之束。お前の作ったISは認められてる。○か×か」

 

「グッ!○ダ!」

 

「正解!ただし、兵器としてな」

 

「フザケタコトヲ…」

 

「さらに問題。篠ノ之束、お前自身は認められる。○か×か」

 

「コノタバネサンガミトメレナイワケナイダロ!」

 

「正解は×」

 

ひどく侮蔑を含んだ声で零は正解を伝える。

 

「当たり前だろう。人の心が分からないやつは天才でも天災でもない。ただの化け物に過ぎない」

 

「フザケルナァァァァ!」

 

《FINALATTACKRIDE WO WO WO WOZ!》

 

アナザークイズを大量の?マークで拘束する。

 

「これでジ・エンド」

 

一気に爆破する。

篠ノ之束からアナザークイズライドウォッチが排出された。

零はそれを尻目に新たなカードを入れる。

 

《ATTACKRIDE TIMEMAJINENE!》

 

タイムマジーンを呼び出し、零は乗り込み、一夏たちの戦場に向かった。




次回で本編は終了予定です。そのあと、大コラボ企画開始という感じですね。


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25話

『門矢一夏は門矢零と旅をし、ついにインフィニット・ストラトスの世界に帰ってきた。アナザーウォズへと変化した織斑秋十と戦う門矢一夏たち。そこに大急ぎで向かう門矢零。これがこの物語の本編のラストページ。お楽しみください』

 

◇◇◇

 

「くっ…」

 

一夏は苦しい状況に立たされていた。

アナザーウォズ フューチャーリングアナザーギンガに変身した秋十による隕石、銀の福音によるレーザー、これを避けなければならない。幸いなのは、秋十と銀の福音が連携していないことだ。もし、連携ができていたら、専用機持ちは全員海の藻屑となっていただろう。

 

「死ねぇぇぇ!」

 

「簡単に死んでたまるかぁ!!」

 

秋十の突進に一夏はライドヘイセイバーで応戦。

突進を受け止めるものの桁違いの力に吹き飛ばされる。さらにごっそりとSEがもっていかれている。

 

「これは、まさか零落白夜か!?確かにあのクソは白式を取り込んでアナザーライダーになったが、零落白夜を発動できると馬鹿げてるだろ!?」

 

一夏の言う通りだ。しかし、今のアナザーウォズにはそれができてしまう。さらに、アナザーウォズは、白式と違い、SEの消費など気にせず、零落白夜を発動できる。アナザーウォズに触ったりアナザーウォズの隕石に当たると、水が溢れるようにSEがなくなっていく。

そのため、アナザーウォズを攻撃するには実弾での遠距離攻撃、またはIS以外による攻撃が必要だ。

一夏はそこまで考え、自分のバックルを見る。

 

(だが、そんな隙がねぇ)

 

バックルにカードを入れ、ISモードからライダーのほうに切り替えれば、いけるかもしれない。しかし、隙がない。さらに、ISモードから切り替える時にはまず、ディケイドのカードを入れなくちゃならない。そして、さらに空を飛べるライダーにならなくては海に真っ逆さまだ。

 

「余所見かぁ?余裕だなぁ!」

 

「チィッ!」

 

一夏はライドヘイセイバーを強引にふり秋十を斬りつける。秋十は後ろに避けるが、少し掠る。一夏は秋十が後ろに下がったのを見て、距離を取る。戦いづらいというのが一夏の感想だ。何しろ、秋十は先述したように好きに零落白夜を使え、さらに瞬時加速も際限無く使用する。零落白夜のせいで、ライドヘイセイバーによる技を使えないである。ライドヘイセイバーの技は全てエネルギーによる攻撃だ。零落白夜で全て分解されてしまう。そして、銀の福音が邪魔だ。

 

「みんな、福音のほうは任せていいか!!」

 

「無論だ!」

 

「一夏!?どうするつもりなの!!」

 

「こうするの、さ!!」

 

《ATTACKRIDE IGNITIONBOOST!》

 

「ちょっ、一夏!?」

 

「…しょうがない。こっちは私たちでやるぞ」

 

箒たちは銀の福音を見据え、それぞれの武器を構えた。

 

◇◇◇

 

「よぉ、こんなところに連れてきて」

 

「ここなら邪魔が入らないだろ。変身」

 

《KAMENRIDE DECADE!》

 

一夏と秋十がいるのはとある無人島。一夏には考えがあった。秋十は自分に執着している。自分との戦いを放棄したりしないだろう。それならなるべく自分の土俵に持っていくしかない。

 

「さっさとやろうか」

 

「ハハハッハー!やられるのはお前だがなぁ!」

 

周りに隕石が落ち砂煙を起こす。それが決戦の合図となった。

 

《ATTACKRIDE BREST!》

 

「そんな豆鉄砲、聞くわけないだろう!」

 

《ATTACKRIDE SLASH!》

 

「だから効かねぇっつてんだろいが!!」

 

一夏の攻撃を物ともせず、秋十は一夏に突進する。

 

「なるほどな。生半可の攻撃じゃ、通りそうもないな」

 

「そうだろ、そうだろ!」

 

「なら生半可じゃなければいい」

 

「は?」

 

一夏が持つのは金のカード。

 

《FINALATTACKRIDE DE DE DE DECADE!》

 

「はあっ!」

 

「ガァァァッ!確かにダメージはあるが、俺を倒すには至らない。仮面ライダーなんていう子供向けのヒーローが俺になんか勝てるわけないだろ!!」

 

「どの世界線の話をしているか分からないけど、一つ言っておく。俺はヒーローなんかじゃない。俺は仮面ライダーディケイド。ただの未熟な破壊者だ!」

 

「だから、どうした!結局、仮面ライダーだ!ただのお子様向けのヒーローに過ぎない!」

 

「仮面ライダーってのはな、何かのために自分の信念を押し通すものたちのことだ!それは正義かもしれないし、悪かもしれない。幼稚なものかもしれない。だけど、一生懸命、自分を貫いてきたやつらを笑うことなんて誰も許されないんだ!」

 

言い切った瞬間、一夏のライドブッカーから一枚のカードが現れる。

 

「使えってか?もちろん、使わせてもらう」

 

《ATTACKRIDE HESEI!》

 

バックルの音声と共に起こったのは、総勢19人、一夏も含めて20人の全平成ライダーが秋十の前に立ちはだかった。

 

「お前を破壊する!」

 

「何人いようと俺は倒せねぇぞ!」

 

一夏と秋十が走り出し、それと同時に平成ライダー達も走り出す。

 

「タアッ!」

 

「グッ…舐めんな!」

 

《STRIKEBENT!》

 

《GUN-FORM!》

 

《ATTACKRIDE BREST!》

 

《ヒート!トリガー!》

 

《ガトリング オン!》

 

一気に攻撃が放たれ秋十は吹き飛ばされる。さらにその先には、

 

「超変身!」

 

《SLASH!》

 

《ガルルセイバー!》

 

《ジオウⅡ!》

 

剣を構えたクウガ、アギト、ブレイド、キバ、ジオウがいた。

 

「何!」

 

次々に斬られてゆき、次に秋十が目にしたのは、

 

《フレイムドラゴン!ボー!ボー!ボーボーボー!》

《スペシャル!サイコー!》

 

《カチドキアームズ!いざ出陣!エイエイオー!》

 

《タイプフォーミュラー!》

 

《鋼鉄のブルーウォーリア!タンク&タンク!ヤベーイ!ツエーイ!》

《フルフルマッチデース!》

 

先程が弾丸の嵐なら今度は砲弾の嵐。一発一発が重い。

 

さらに空中には

 

《タジャドル〜!》

 

オーズがおり、火球が飛んでくる。そして、

 

《START・UP!》

 

《CLOCK・UP!》

 

目に見えない速度での連撃。

 

空中に放り出され落下。地面に叩きつけられそうになるが、

 

《カイガン!闘魂ブースト!》

 

《マイティブラザーズ!ダブルエーックス!!》

 

響鬼とゴーストによる火炎、さらに二人のエグゼイドによるコンボ技。

 

「な、何故だ!俺は全てを超さた力を得たはず!」

 

「結局紛い物ってことだ!さっさと終わらせる!」

 

20人の仮面ライダーが空中に飛び上がり、足にエネルギーを貯め、蹴りを放つ。

 

「ふざけるなぁぁぁ!」

 

秋十が拳を突き上げ抵抗を試みる。だが、総勢20名のライダーキックには意味を成さなかった。

 

「これで、ジ・エンドだ」

 

爆炎をあげ、秋十は倒れこみ、体からアナザーライドウォッチを輩出した。

一夏は秋十の身体を抱え歩き出した。

 

「殺してやりたいが、兄貴との思い出がなくなるのは嫌なんでな」

 

◇◇◇

 

「くっ、攻撃が届かん」

 

「どうする!」

 

攻撃が当たらないと嘆いている専用機持ち達。だが、そこに

 

「危ないぞ」

 

蛍光緑を放つ謎のロボが通り過ぎ、銀の福音に体当たりした。

 

「ハァ!?」

 

「あんまり効いてないみたいだな」

 

コクピットらしきところから現れたのは零。ダメージがあまりないことを確認すると即座に次の行動に移行する。

 

「こういうのは、脳筋らしいやり方が一番楽なんだ。さっさと終わらせる」

 

《SHADOWMOON!ODIN!DARKKIBA!BARON!GOLUDODRIVE!SPECTOR!GENMU!KIRUBASU!OMAZI-O!》

 

《FINALKAMENRIDE DECADE!》

 

「さっさとやる!」

 

零は防御度外視で銀の福音に突っ込んでいく。

 

「いや、それできるの門矢先生だけやから…」

 

そんな嘆きが聞こえる中、彼女たちの手には

 

「これは時計?」

 

「でも顔みたいのが」

 

「何か分からんが、せっかくだから使ってみるか」

 

《ガイム!アーマータイム!ソイヤッ!ガ・イ・ム〜!》

 

《ウィザード!アーマータイム!プリーズ!ウィザード!》

 

《フォーゼ!アーマータイム!3・2・1 フォーゼ〜!》

 

《キバ!アーマータイム!ガブリ!キ・バー!》

 

《クウガ!アーマータイム!〜♪クウガ〜!》

 

箒はガイムアーマーを、セシリアはウィザードアーマーを、鈴はフォーゼアーマーを、シャルロットはキバアーマーを、ラウラはクウガアーマーを纏った。

 

「これならいける!」

 

「そうね!」

 

「さっさといきますわよ」

 

「言われなくても」

 

箒たちも戦いに復帰。先程までと動きが違い、福音の攻撃を物ともしない。

 

「はあっ!」

 

ついに劔が届いた。

福音は、ありえない、と混乱する。

しかし、そんなことを考えている暇はない。箒のあと、次々に彼女たちの攻撃が当たる。当然、零の攻撃も。

 

「いくぞ、篠ノ之、凰、オルコット、門矢、ボーデヴィッヒ!」

 

『はい!』

 

《FINALATTACKRIDE DE DE DE DECADE!》

 

全員の魂のこもった攻撃が福音に迫る。

 

「これで終わりだぁー!!」

 

福音は避けようとするものの、全員の攻撃がヒットし機能を停止した。

銀の福音から搭乗者であろう女性が出てき、海へと落ちて行く。

 

「よっと」

 

同じく海に落ちていっている零がその女性を抱える。

 

「世話が焼けるわね、先生」

 

そのまま、海に落ちてゆくと思われた二人だったが、鈴がマジックハンドを伸ばし掴みとった。

 

「すまないな」

 

「絞まらない、終わり方ね」

 

◇◇◇

 

今回の事件は終わりを告げた。

 

織斑秋十の今回の件は流石に千冬でも庇うことができず、捕まった。今頃、どこかの実験場で実験台になっているだろう。

 

「しかし、アルベールのやつ、写真館を開くなんてな」

 

零とシャルロット、ラウラがいるのはデュノア写真館という看板がある建物。

 

「ハハッ、お父さん、写真が趣味の一つだしね」

 

「門矢先生、一緒に写真撮ろうではないか」

 

「なんでだ?」

 

当たり障りない会話をしながらその写真館に入っていく。

 

「やあ、いらっしゃいって、先生にシャルロットじゃないか。それにお嬢さんも」

 

「おう、きたぞ。繁盛してないみたいだな」

 

「まあ、繁盛狙いでやってないからね。ああ、ケーキをだそう」

 

そういってアルベールは店の奥にいく。

 

「いらないって聞こえてないか」

 

零はクスクスと笑う。

 

物語は終わらない。

 

物語が破壊されそうになっても破壊者が新たな物語を創造する。

 

「準備できたよ、ほら、みんな」

 

「お、俺はチョコレートケーキをもらおうか」

 

「じゃあ、私はモンブラン」

 

「ショートケーキ!」

 

「そうか、そうか。じゃあ、私はって、私の分は!?」

 

アルベールの分のケーキがなくなっており、見渡せばラウラの皿に二つのケーキが。

 

ラウラはさっと皿を見えないように隠す。アルベールがそれを見るために動く。

 

そこには何気ない日常があった。

零があまり体験したことないものだった。

 

もう少し、破壊者はこれを楽しんでいたい、そう願ったのだった




これで本編はおしまい。次回は大コラボ回。
10月までには始めます。理由としてはコラボする小説、全部読み直すからというのと、下手なことして映画のネタバレしたくないということです。
コラボはまだまだ応募中です。(応募締め切りはコラボ開始したら)コラボしたいけど、まだという人も是非、私の活動報告へ!
次回もお楽しみに


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大コラボ編1話

さて、今回始まる大コラボ編。応募から一カ月が過ぎ、ようやく始動です。


IS学園は夏休みと入り、様々な生徒が帰省ラッシュとなり、現在は学園内には教師を含めて約50名しかいない。

セシリア・オルコットも凰鈴音も自国に帰っている。シャルロットは実父も日本にいるため、フランスへは帰省しなかった。ラウラは日本の遺跡巡りをするらしく、5日程前から姿が見えない。

 

「平和だな」

 

「そうだな」

 

学園の食堂でまったりとしているのは零と一夏。

食堂では夏から文化祭までの期間で特別にかき氷が販売される。そのかき氷をそれぞれ口にしなかまら言葉を交わす。

 

「色々あったな〜」

 

「まあな」

 

思い出すは二人で様々な世界を巡った時のこと。色々な仮面ライダーに会い、自身と同じディケイドにあったりもしたことが思い出される。

 

しばらく雑談をした後、二人とも食べ終わり、食器を返却し外へ出る。

 

「暑っ」

 

「今日の最高気温は」

 

「38度だったな」

 

「まじかよ…」

 

照りつける太陽。昔に比べると随分と熱くなったものだ。そんな中、二人の前にとある人物たちがやってくる。しかしながら、面識がなく、そして、何より男である。

このIS学園にいる男性の数は極めて少ない。零と一夏、そして少人数の整備士などである。合わせても10人程度しかいない。

 

「誰だ?」

 

零は不信感を露わにする。自身が見たことがない人間、男、そして、IS学園のセキュリティを突破したものたち。さらに零が注目したのは腰に巻かれたジクウドライバー。

 

「ようやく見つけたぜ、異物!」

 

「はあ、ここまで迷うとは。さっさとやってください」

 

「おうよ、イラカ、片方はテメェに任せる!」

 

「どっちも担当してくださいよ…」

 

《ロッキャス!》

 

片方の男性がライドウォッチを起動し、ジクウドライバーに装填する。

 

「変身!」

 

昭和ライダーのようにポーズをとりジクウドライバーを回転。風を纏うかのように鎧が形成されていく。

 

《ライダータイム!仮面ライダーロッキャス!》

 

真紅に輝くライダーの文字。深緑が特徴的なアーマーだ。

零と一夏もドライバーを構える。そして、カードを取り出し

 

「「変身!」」

 

《KAMENRIDE DECADE!》

 

ダークディケイドとディケイドに変身。それを見て、この中で唯一変身してない男、イラカはメンドくさそうな表情をしながら、自身の足から黒い液体を出す。

 

「俺の代わりに頑張って」

 

黒い液体は身体を形成する。白い歯車と青い歯車が特徴的な

 

「エンジンブロスとリモコンブロスか!」

 

「大正解」

 

ロッキャスとブロスたちは零たちに向かって走り出す。零たちも負けじとライドブッカーをブレードモードにして応戦する。

 

エンジンブロスが一夏の攻撃をスチームブレードで受け流し、そのからぶったところをリモコンブロスがネビュラスチームガンで射撃しダメージを与える。

 

零の攻撃は

 

「何!?」

 

「なんだ?爪楊枝でも使ってんのか?」

 

ロッキャスには全く傷がついていない。ロッキャスは零を殴る。すると、零の身体は数メートル先に吹き飛ばされる。

 

「だったらこいつで、どうだ!」

 

《KAMENRIDE ORIS!》

 

《ライダータイム!仮面ライダーオリス!》

 

姿を変え、仮面ライダーオリスの専用武器であるジカンクラッシャーをハンマーモードにして構える。

 

「姿を変えても俺には勝てん!」

 

ロッキャスの拳と零のハンマーが激突する。両者と共に後ろへと飛ばされる。

 

(やっぱり、なんちゅう力だ…手が痺れてきてんぞ)

 

零は戦慄する。しかし、ここでぼーっとしている暇はない。

 

「終わったぞ」

 

「そうか!だったら、俺も」

 

零が声がした方向を見れば倒れた一夏が。イラカの手には、あるアナザーウォッチが。それに気を取られているせいでロッキャスの拳に気づけなかった。

 

「ライダーパンチ!」

 

「な!ぐはっ!」

 

零が気づいた時には深緑のエネルギーを纏った拳が目の前に。必殺の拳をくらい、零は吹き飛ばされる。変身も解除され、このまま殺される可能性すらあった。だが、

 

「まとめて、異物は潰してやるから今回は生かしといてやるよ」

 

「待て!まとめて、とは一体!」

 

「お前以外にも標的はいるのさ。この世界だけじゃない。色んな世界にさ」

 

「まさか、おまえら…同時にいくつの世界を襲っていやがる!!」

 

零は予想外の事態に声を荒げる。その言葉にイラカがさらりと答える。

 

「さあ、数え切れないや。ま、とりあえず、ディケイドの力は回収させてもらうよ」

 

そして、突風が吹き、二人の身体を隠す。零は突風による砂ほこりに目を瞑ってしまう。目を開けたころにはロッキャスとイラカの姿はなくなっていた。

それと同時に零の意識もなくなる。

零が最後に見たのは自身に駆け寄る二人の男性の姿だった。

 

◇◇◇

 

「ここは、一体?」

 

「お、起きたか」

 

零が目を覚ますと見知らぬ男性が。

 

「おまえもあいつらの仲間か?」

 

「あいつら?何言ってんだ?俺は門矢颯馬。こっちは俺のダチの望月敦也。俺たちはたまたまこの世界に来ていたんだ」

 

「たまたま、この世界にきていた?まさか!」

 

「思っている通りだぜ。先輩」

 

颯馬が一枚のカードを取り出す。それは零が使っている、ダークディケイドのカードと同じ。無論、零が気絶している間に盗んだということも考えられれるが、零の直感がそれを否定する。あのカードから漏れ出している力は自身の力ではない、と。

 

「それにしたってあいつら、なんなんだ、一体?」

 

「さあな。ただ、分かっていることは俺のことを異物と呼んだこと。俺以外にも異物と呼ばれている人物はいること。標的は俺以外にいてこの世界とは違う世界にいるってことだな」

 

「異物ねぇ」

 

零が分かっていることを羅列し、颯馬がそれに何か引っかかりを覚える。

 

「何か気になることでもあるのか?」

 

「いや、異物ってさ、文字通り異なった物だろ。だったら本来の時間軸にはいない存在の話じゃないのか、あいつらの話を信じる限り」

 

零は目を細め、

 

「その可能性が高いか?なら、そこを重点的に回れば…いや、いくつ世界があると思っていやがる」

 

「あー、だったらあんたが行ったことある世界から行ったらどうだ?」

 

「…それはいい考えだな。ならお前に一夏とあいつらを任せる」

 

「は?」

 

颯馬が阿呆けた顔を晒す。零が向いている方向を見れば、沢山の怪人が。

 

「時空の歪みが原因だろう。俺は別の世界に行く。ここは任せたぞ」

 

「ちょ、ちょ、待て。え、これ俺一人ですんの?あー、もう仕方がない!やってやろうじゃないの!」

 

颯馬は零と同じダークディケイドライバーを構える。

 

「変身!」

 

《KAMENRIDE DARKDECADE!》

 

颯馬はライドブッカーを構えて、敵に向かって斬りかかった。

 

◇◇◇

 

「待て!」

 

「はあ〜いい加減諦めてよ」

 

「いや、それは無理。君が盗んだ、ジクウドライバーの予備を返してもらうまでは」

 

「はあ〜ジクウドライバーの開発者様は器が小さいなぁ」

 

「盗んだものがでかいからねぇ、流石に堪忍袋が切れるよ。悪用されたら困るし」

 

ここはとある時空の穴。一つのロボみたいなのと、バイクが激しい火花を散らしている。ロボのほうには零が一度共闘した白羽レイが搭乗している。バイクのほうはイラカが乗っていた。

 

「さてと、楽しい旅はここまで!」

 

「え?」

 

前には時空のトンネルの出口が。

 

時空のトンネルの出口からイラカのバイクがまず出てきて、次にレイのタイムマジーンが出てくる。イラカはバイクを停車し降りる。レイも同様にタイムマジーンから降りる。

 

「ここは…」

 

「門矢零、いや正確には門矢一夏の世界さ」

 

「それはおかしい。タイムマジーンは時は超えれるけど、世界間は超えられないはずだ」

 

「そこは大人の事情ってことさ、っていうのは冗談で。時空が歪んでいるからさ。世界と世界の境界がだいぶ曖昧になっているのさ」

 

まあ、俺のせいだけど。

 

イラカは心の中で付け加える。

イラカは値踏みするようにレイを見る。

 

「なんだい、じろじろ見て」

 

「いや、別に。ま、ここでこいつの実演してみるのも一興か」

 

《ダークディケイドォ!》

 

「それは!?だったら」

 

《オリス!ダークディケイド激情態!》

 

「変身!」

 

イラカがアナザーダークディケイドになると同時にレイもオリスに変身する。

 

《ライダータイム!仮面ライダーオリス!アーマータイム!KAMENRIDE!ダークディケイド!》

 

オリスはダークディケイド激情態アーマーを纏い、顔の複眼はDARKDECADEに変化する。

 

「ダークディケイドにはダークディケイドってね」

 

「はあ、怠ぃ。けどやりますか」

 

ここで、紛い物の破壊者と破壊の力を受け取った技術者の戦いが始まった。

 

その頃、零は、というと…

 

「はあ、久しぶりだな」

 

この世界には三度目の来訪であるとあるディケイドの世界に来ていた。零はこの世界で何回か戦っており、その時には見たことがない仮面ライダーなどにも出会った。

 

「お前は門矢零か?」

 

「あら?お前さんも呼ばれたの?」

 

零に近寄ってくるのは二人の男性、青空奏汰と海崎真護。この二人の世界は同じではないはず。根本的なところは同じのはずだが…

 

「呼ばれた?一体何の話だ?」

 

「え?違うのか?いきなり目の前にオーロラカーテンが現れて飲み込まれたらここに来てたんだけど」

 

「いや、俺は自分の意思できた。実はな…」

 

カクカクシカジカ。零は自身が襲撃を受けたこと、その際に引っかかっていることなどをこと細やかに話す。その話が終わると、

 

「異物か…」

 

「何の話だかわからないな」

 

話を聞いた二人にも意味が分からなかった。いきなり、異物と言われたもちんぷんかんぷんだ。

 

「とりあえず、お前の世界に行けばいいんじゃないか?」

 

「ん?どういうことだ?」

 

「まとめて倒す、って言ったんだろ。だったら、ひとかたまりでいたら敵もそこにまとまって来るだろ」

 

「…なるほどな」

 

一理あると感じる零。

 

「だったら、俺の世界か。わかった、送ろう」

 

「いや、俺が送ろう」

 

会話に突如参戦してきた声。声がしたほうを向けば、またもや零が見たことある人物、神崎龍だった。

 

「お前は他の世界に行け」

 

「何か知っているのか?」

 

「ああ、大体な。俺の予想が正しければ、大分まずい。初動が遅れすぎている」

 

「何を言って…」

 

「もうすでに数名の戦士がお前の世界に運び込まれた。門矢颯馬もその一人だ。やつも予想はついているだろうが、まだ甘い。まあ、証拠自体も少ないがな」

 

「だったら、聞かせてくれよ。その敵の目的を」

 

「そう言いたいところだが、お前らをさっさと送らないとまずい。零の世界ではもう既に一人の仮面ライダーがピンチだし、お前の義弟も危ないぞ」

 

「何!?」

 

「だから、詳しい話は後だ!いけ!」

 

龍はオーロラカーテンを操り、奏汰と真護を包み込んだ。

 

「そして、お前はこっちだ」

 

新たにオーロラカーテンを作り出し、零を別の世界に送った。

 

「ふぅ、これでいいかな、魔王殿?」

 

龍は三人を送り込んだ後、そう言う。いつのまにか龍の後ろには、黒を基調とした王族のような衣装を身に纏った男がいた。

 

「愚問だな、貴様もわかっているのだろう、まだ足りない、と」

 

「厳しいな。まあ、いい。後、数名は秘密裏に送ってやる。それ以上はバレる」

 

「それで構わん。残りは門矢零が連れてくるだろう。それにこの世界に対する侵攻は既に始まってるぞ。歌姫が数名いなくなっている。反応を辿れば別世界だ。まったく、異物でもないものたちを送るなど、最初の目的を忘れてるな、やつらは」

 

「あんたはどっちの味方なんだ?」

 

龍が問う。真意は何だ、と。

 

「今のところはどちらでもない。これは貴様らが乗り越えなくてはならない問題。ワタシが直に手を出すようなものではない。だが、ここまでしたのだ、餞別ぐらい置いていこう」

 

魔王と呼ばれた男は、その手にエネルギーを集中させ、一つのウォッチを形成する。

 

「これは…」

 

「このウォッチを門矢零に渡せ。そして、こう言え、本気を出せ、とな。後は…ああ、そうだ、イラカに気をつけろ。やつは危険だ」

 

魔王は不遜な言葉を残して歩いていった。龍はそんな後ろ姿を眺めながら、

 

「仕事が増えたか。これぐらいは構わんがな。後は導くだけだ」

 

龍もどこかへと去っていく。その顔は真剣な表情だった。

 

◇◇◇◇

 

奏汰と真護が送られたのはどこかの野原。そこでは、アナザーダークディケイドとレイが戦っていた。

レイは激情態アーマーからオリスブレイズに変化しており、能力を使って攻撃しようとするが、不発に終わりさらにキックを食らってしまう。

 

「ぐ…」

 

「大丈夫か!」

 

レイの元に走り寄る二人。

 

「君たちは?」

 

「通りすがりの仮面ライダーだ」

 

「あ、俺も」

 

《ドラグーン!》

 

奏汰はネオディケイドライバーを、真護はロストドライバーを腰に巻きドラグーンメモリを起動。

 

「「変身」」

 

《KAMENRIDE DECADE!》

 

《ドラグーン!》

 

マゼンタの装甲と赤色の装甲の戦士が現れた。片方はディケイド、もう片方は龍の力を使いこなす仮面ライダードラグーン。

 

「さあて、第二ラウンドだ」

 

「面倒だなぁ」

 

アナザーダークディケイドは面倒だ、と言いながら戦闘態勢に入る。レイ、奏汰、真護も各々の武器を取り出す。

 

少量の風が吹いた後、両者は動き出した。




今回登場したキャラクター
・門矢颯馬、望月敦也
作品名:ダークディケイドとドラスのヒーローアカデミア
作者:独眼竜王
URL:https://syosetu.org/novel/194981/

・白羽レイ
作品名:【仮面ライダーオリス】ー二人目のLEGEND2068ー
仮面ライダーオリス SECOND 2068〜RE:EPISODE
作者名:himagine
URL:https://syosetu.org/novel/179663/
https://syosetu.org/novel/196018/

・青空奏汰
作品名:戦姫絶唱シンフォギア 通りすがりの仮面ライダーの力と戦姫たち
作者名:桐野 ユウ
URL:https://syosetu.org/novel/178026/

・海崎真護
作品名:戦姫絶唱シンフォギアドラグーン
作者名:ルオン
URL:https://syosetu.org/novel/181458/

・神崎龍
作品名:仮面ライダークライム〜世界を旅する男〜
作者名:SOUR
URL:https://syosetu.org/novel/126922/




魔王さんとやらが出演しましたが、あれは友情出演です。次話以降の登場は未定です。


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大コラボ編2話

ーーーアメリカーーー

 

『ヒュー、怖いねぇ』

 

「待ちやがれ!!この蛇野郎!!」

 

『俺の名前はブラッドスターク。イカした名前だろう』

 

「知るか!!!」

 

赤の鎧を身に纏った少女、雪音クリスは両手の銃からミサイルを飛ばす。対峙している、少女と同じ赤だが、些か血の色に近い色をした宇宙服のようで顔と胸の蛇のバイザーが特徴的なブラッドスタークはそれをスライディングするかのように避ける。

 

「ハアッ!!」

 

今度は青い鎧を纏った少女、風鳴翼が劔を振り落として来る。スタークはそれを、バルブがついたナイフ、スチームブレードで受け止める。

 

『ミサイルでの弾幕ごっこの次は、力くらべかぁ?』

 

「ぐっ、なんとでも言え!!」

 

力もスタークのほうに軍配が上がりそうで、翼は押し返されている。

 

『…まあ、良い。ガングニールやシャルシャガナ、ファウストローブなどのデータは既に取り終わってるからな。後はお前らの天羽々斬とイチイバルだけは成分を取っただけでまだデータが不足してるからなぁ!』

 

翼を弾き飛ばす。翼は体制を崩すがすぐに立て直す。

 

ーーー千ノ落涙ーーー

 

空間に大量の剣が現れ、スタークに向けて落下。先ほどのようにスライディングで逃げようとするが、流石に範囲が違いすぎる。

しかし、それを無防備に食らうようなスタークではない。スチームブレードを逆手に構え落ちてくる剣を巧みに壊したり受け流したりする。

 

『これで終わりかぁ!?』

 

「んなわけないだろ!!」

 

大量の劔の後に現れたのは先ほどまでのミサイルではなく、ギア全体を固定し自ら固定砲台としたクリス。その姿にスタークは冷や汗を流す。

 

「食らいやがれ!!」

 

ーーーMEGA DETH QUARTETーーー

 

ガトリングと小型ミサイル、大型ミサイルが火を吹く。着弾したかはわからないが、盛大に砂煙が舞う。

 

「やったか?」

 

「いや、まだだ」

 

『あー危なかった。俺のこのベルトが直っていなかったなぁ』

 

《コブラ!》

 

《コブラ!》

 

《エボルコブラ!》

 

《フッハッハッハッハ!!》

 

けたたましい音声と共に姿を変え姿を現したのはスターク、否、『仮面ライダーエボル』だった。

 

 

 

 

エボルとシンフォギア装者の戦いを眺める影が二つ。片方はエボルと同じようだが白く威圧感がスタークより上、もう一人は赤と青の歯車で彩られた鎧を纏った者だった。

 

「先輩、同じエボルですね」

 

「んあ、そうだな。そして、俺より原典寄りだなぁ」

 

「どっちが勝つと思います?」

 

「どう考えてもエボルのほうだろ、魁星。あの装者達じゃ部が悪い」

 

「へぇ、俺はどっこいどっこいだと思うんですが」

 

魁星と呼ばれた人物は興味深そうに戦いを眺めながら言う。

 

「当たり前だろぉ。あれはあくまで俺より原典寄りだっていうだけで、異質なものなんだからなぁ。奥の手があるのはわかりきってる。それにあいつからはバグスターウィルスが感じられる。面白くなりそうだ」

 

これからの戦いに胸躍らせる人物、石動仁は高笑いをしながら、戦いを止めにきたアメリカのIS部隊を視界に捉える。

 

「あー、今いいところなんだよ、邪魔すんなよ」

 

《Ready go!ブラックホールフィニッシュ!》

 

ブラックホールが現れIS部隊を吸い込んでゆく。それから逃れる術を持ってるものはおらず、IS部隊は目標を目視する前に消滅した。

 

《ciao〜♪》

 

◇◇◇

 

どこかの無人島

 

「さて、探し物は、と」

 

とある人物が何かを探すように下を見ながら歩く。しかし、

 

「見つからないねぇ。()()は門矢零たちが回収したわけはないしねぇ」

 

「探し物はこれかい?」

 

そこに現れたの一人の女性だった。

手にもっているのは何かの破片のようなもの。

 

「それですね。返してもらえます?」

 

「嫌に決まってるでしょう。このウォッチを返すなんて、()()()()()()()もの」

 

「はあ、仕方ないですね。強引にでも」

 

《ダークキバ!》

 

男が取り出したのは、アナザーライドウォッチとは違い、正式なライドウォッチ。しかし、正式な継承者以外が起動してもジクウドライバーがなければほぼ意味がない。だが、力を使う方法が他にある。それはライドウォッチをアナザーライドウォッチのように体内に埋め込むことだ。力に飲み込まれるリスクは高いが、誰でもそのライダーの力を得ることができる。

 

「へぇ、面白い。ダークキバは持ってなかったんだよね。ちょうどいい。もらおう」

 

《ジクウドライバー!》

 

《ピリオド!》

 

ジクウドライバーを腰に巻き、ピリオドライドウォッチを起動。

 

「変身!」

 

《ライダータイム!仮面ライダーピリオド!》

 

「ふん!」

 

ダークキバはピリオドに向かって走り出す。ピリオドはそれを冷静に手にもったトランススチームガンで狙い撃つ。しかし、威力が足りずダークキバにダメージは一切入っていない。

 

「なら」

 

《ジカンサーベル!》

 

本来の専用武器を取り出す。ダークキバもザンバットソードを呼び出す。

ダークキバがザンバットソードを上段から斬りかかる。ピリオドはそれを受け止めダークキバのがら空きのボディに蹴りを入れる。

 

《ボウガン!》

 

ジカンサーベルをボウガンモードにし連射。ダークキバの鎧からは火花が飛び仰け反る。

 

「遠距離が苦手なのかな?じゃあ、これで」

 

《スナイプ!》

 

《ライダータイム!仮面ライダーピリオド!アーマータイム!レベルアップ!スナイプ!》

 

遠距離戦が苦手と感じたピリオドはスナイプアーマーを装着する。右腕のガシャコンマグナムマグナムでダークキバを撃つ。今度はザンバットソードを盾にしながら近づいてくる。

充分に近づきダークキバは再度斬りかかる。ピリオドは左腕で受け止め、ガシャコンマグナムマグナムをハンドガンモードでゼロ距離射撃をしようと試みるが、その瞬間、ダークキバがザンバットソードを手放しピリオドに拳を入れる。

 

「くっ」

 

《ウェイクアップ・Ⅱ!》

 

ダークキバは腰のホイッスルを取り出しキバットII世に噛ませる。

足に赤黒いエネルギーが集まり

 

「ふんっ!」

 

「ちょっと不味いかも…」

 

ピリオドに向かって必殺の蹴りを放った。ピリオドも対抗しようとするが、間に合わず直撃してしまう。かなりのパワーで、アーマーが解ける。

 

「はあ〜これは本気で行かないとね。いくよ、エボルト」

 

『はいよ』

 

《エボル!》

 

ピリオドは自身の中にいる存在、エボルトに声をかけ切り札を使う。

 

《アーマータイム!エボリューション!エボル!》

 

「さて、遊ぼうか」

 

シュイーンと音がするとピリオドがその場から消える。ダークキバはあたりをキョロキョロと見渡す。

 

「後ろだよ♪はあっ!」

 

後ろに回り込んでいたピリオドが回し蹴りをダークキバにかます。

さらにピリオドはベルトについているライドウォッチのボタンを押しベルトを一回転させる。

 

《フィニッシュタイム!エボル!》

 

《エボルテックタイムインパクト!》

 

惑星のエネルギーが集まった左足がダークキバに炸裂。吹き飛ばされ最後は爆破が起こる。

 

「お、おっと。ふぅ、いただき♪」

 

上空から飛んできたダークキバライドウォッチをキャッチし、ご満悦。

 

「ハアハア。ダークキバライドウォッチは奪われたか。だが!」

 

変身が解けた男はライドウォッチを奪われたことを些細なことと割り切る。なぜなら、目標は既に達成したからだ。手にあるのは破片。男が力を込めると時間が巻き戻るように破片がくっつき出し元の形へと戻っていく。

 

「アナザーウォズのライドウォッチ…これでようやく一つ…」

 

「あっ、やっちゃった…」

 

『慢心しすぎだ、このバカ』

 

「じゃあ、私はこれにて」

 

男は黒い布のようかものに包まれてどこかに風のように去っていた。

ピリオドの変身者、高倉エミはあちゃーとした顔を男が去った方向を見る。

 

「どうしよっか?」

 

『とりあえず追うぞ』

 

エミとエボルトはタイムマジーンを起動させ男が飛んで行った方向へ向かった。

 

◇◇◇

 

場所は戻ってアメリカ。

エボルと装者の戦いは続いていた。

しかし、それはエボルの蹂躙と言えるものだった。

 

『おいおい、こんなもんなのか?イグナイトとかも期待はずれ程度だったし。あ、そういえば、おまえら、他のところと違って仮面ライダーモード?とか言うのがあるんだって?使ってみたら、どうだい?勝てるかもしれないぜぇ』

 

エボルは嘲笑うかのように話す。それに対し翼とクリスは

 

「お望みとあらば、使ってやるよ!」

 

「いくぞ!雪音!」

 

シンフォギアの上から新たにアーマーが纏わり、翼は鎧武モードに、クリスはフォーゼモードになる。

 

「ここからは私のステージだ!」

 

「宇宙来たぁぁぁ!」

 

《ガトリング・オン!》

 

クリスの足にガトリングが装着され弾が放たれる。エボルはそれを華麗にかわす。

翼が火縄大橙DJ銃を構え、エボルに向かって発射。エボルはスチームブレードでその弾丸を切る。

クリスは腕にマジックハンドを取り付けエボルを持ち上げようとするが、

 

『舐めるなぁ!!』

 

「なっ!?」

 

エボルが力を込め、逆にクリスを持ち上げ地面に叩きつける。

翼がアームズウェポンを次々と呼び出しエボルに飛ばす。

 

『甘い!』

 

《天羽々斬!ライダーシステム!クリエーション!天羽々斬フィニッシュ!ciao〜♪》

 

エボルは天羽々斬フルボトルを使い、先ほど翼が使った技、千ノ落涙を発動させアームズウェポンを撃ち落とす。

 

『そんなもんかぁ?仮面ライダーの力っていうのは?ならお手本を見せてやるよ!』

 

《太陽のアギト!》

 

《フレイムセイバー!》

 

ガシャットを起動し、剣を取り出す。剣を構えたエボルは目にも留まらぬスピードで翼に接近し、切りつける。防御が間に合わなかった翼は斬撃を受ける。

 

『さらに!』

 

《ストームハルバード!》

 

今度は槍を取り出し、風を纏わせクリスを切り裂いた。

 

「は、速い!」

 

「くそったれ…」

 

二人は倒れこむ。それを見たエボルはつまらなさそうに見る。

 

『正直期待ハズレだったな。さて、フィナーレだ』

 

エボルが必殺技を繰り出そうとドライバーのレバーに手をかけた瞬間

 

「今だ!」

 

《イチゴスカッシュ!》

 

「食らいやがれ!」

 

《ランチャー・オン!》

 

《リミットブレイク!》

 

翼とクリスが立ち上がり、同時に必殺技を使用。エボルの上から攻撃が降り注ぐ。そこまでの威力ではないが、攻撃の数が多く、周りが見えなくなるほど視界が閉ざされる。

 

『こんなものでぇ止められると思うか!』

 

《Ready go!》

 

《エボルテックフィニッシュ!》

 

《ciao〜♪》

 

構わず必殺技を発動。腕にエネルギーを纏わせ落ちてくる攻撃を一気に払う。エネルギーとエネルギーがぶつかり合い爆発を起こし煙が視界を閉ざす。視界が戻ったときには翼もクリスもいなかった。

 

『ハハハ。やるじゃないか。逃げるために必殺技を使用。周りのビルに攻撃が当たらないように範囲を設定。やってくれたなぁ。次はたっぷりとお返ししてやるよ』

 

仮面ライダーエボル、石動惣一はそう言って苛立ちをあらわにし、地団駄を踏んだ。

 

◇◇◇

 

ガタンゴトンと音を鳴らしながら走る電車『リヒェヴェルトライナー』。その車窓から眺める一人の男性。

 

「ここが時空の歪みの発生地か。だが、あまり変化してるようには見えないが…」

 

男、鏡ソウゴはそう言いながら電車から降りた。確かにあまり景色に異常はない。しかしながら、

 

「いや、変化してるか」

 

目に入ってきたのは、大量の怪人と戦っている門矢颯馬が変身した仮面ライダーダークディケイド。鏡ソウゴはジクウドライバーを取り出しミラージオウライドウォッチを起動し変身する。

 

《ジオウ!》

 

《ライダータイム!仮面ライダージオウ!》

 

鏡文字でライダーと書かれた複眼が特徴的な仮面ライダーミラージオウに変身し、ジカンギレードを取り出し怪人のほうへ向かった。

 

「ハアッ!」

 

ケンモードで怪人を斬りつける。後ろから来ていた鏡ソウゴに気づいていなかった怪人は倒される。それでようやく鏡ソウゴに気づいた怪人たちは半分を颯馬に向かわせ、もう半分で鏡ソウゴを向かいうつ。

ソウゴはライドウォッチを取り出しジカンギレードに装填。

 

《バロン!ギリギリスラッシュ!》

 

地面にジカンギレードを突き刺すと、バナナを模したエネルギーが怪人の足元から次々と湧き串刺しにしていく。

 

「数が多いな。ならこいつで」

 

《ネクロム!》

 

《アーマータイム!テンガン!ネクロム!》

 

ネクロムアーマーを装着。パーカーゴーストがアーマーから飛び出し怪人達へ向かう。ソウゴもガンガンハンドで敵の数を減らしにかかった。

 

 

集まった戦士の数は12。しかし、まだ足りない。時と世界の崩壊はまだ始まったばかり。

 

「アナザーウォズライドウォッチ、それが一つ目の鍵。二つ目の鍵はまだライダーの手にある」

 

《ギニロ!》

 

「俺自身が取りに行こう。このクォーツァーのボスであるこの俺が」

 

《ライダータイム!仮面ライダーギニロ!》




今回登場したキャラクター
・雪音クリス、風鳴翼
作品名:戦姫絶唱シンフォギア 通りすがりの仮面ライダーの力と戦姫たち
作者名:桐野 ユウ
作品URL:https://syosetu.org/novel/178026/

・石動仁
作品名:戦姫絶唱エボリューション!Re.Make!
ライダー大戦!【読者参加型】
戦姫絶唱エボリューション・最終章!〜旅の終わり〜
義兄妹の物語
作者:アクシア(ロギア)
URL:https://syosetu.org/novel/185927/
https://syosetu.org/novel/184617/
https://syosetu.org/novel/196327/
https://syosetu.org/novel/184513/

・最上魁星
作品:IS“インフィニット シノビ”
作者:最上魁星
URL:https://syosetu.org/novel/180262/

・高倉エミ、エボルト
作品:Parallel Worid of Zi-Oー仮面ライダーピリオドー
作者:楓/雪那
URL:https://syosetu.org/novel/195359/

・石動惣一
作品:INFINITE・STARK
作者:花蕾
URL:https://syosetu.org/novel/158041/

・鏡ソウゴ
作品:仮面ライダーミラージオウ 鏡の王の異世界旅行
作者:シヨン SXIYON
URL:https://syosetu.org/novel/182459/



こちらの大コラボ限定ライダー、ロッキャス、ギニロ、???の由来がわかる人メッセージにどうぞ


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大コラボ編3話

…人知れず投稿していくスタイル。


ごめん、しばらく特撮系二次から離れてたんや、許してくれ


「う、うううぅ」

 

「あ、起きたか。大丈夫か、気分悪いところとかないか?」

 

「大丈夫です。あなたは?」

 

「俺は望月敦也。よろしくな」

 

そう言って一夏に手を出す敦也。

 

「門矢一夏です。こちらこそ」

 

一夏も手を出し握手する。そこから、二人は他愛ない会話に花を咲かす。二人の周囲は、颯馬と鏡ソウゴが怪人たちを抑えているおかげで穏やかである。

 

「なんでここに?」

 

「あー、俺は友達ときたんだよ。俺はとある世界のヒーローの卵なんだよ。ヒーローやるために学校通っててな」

 

「ヒーローやるため?人助けとかだったらそういうことしなくていいけど」

 

「言ってなかったか。俺の世界だと、ヒーローが職業化されてるんだ。活動するためには免許がいるんだよ」

 

「ああ、バイクの免許とかの前にある講習みたいな感じか」

 

「似たようで違う!!」

 

敦也は頭を抱えて叫ぶ。しかし、どう説明したらいいか分からず、また、頭を抱える。

 

熾烈な戦いを行われている、ダークディケイドに近しいものたちは雑談を楽しんでいた。

 

◇◇◇

 

「ふん!」

 

アナザーダークディケイドの手から黒い禍々しいオーラが周りを滅していく。戦っていたレイや奏汰には防ぐ術がなく

 

「ぐはっ」

 

「強すぎる…」

 

変身解除された三人。身体のあちこちには傷ができており、すぐに動くことはできないだろう。

 

「貰うぞ、貴様たちが持っているライダーの力を!」

 

レイ、真護、奏汰から金色の粒子から出て行き、アナザーダークディケイドへと収束する。

 

「まさか、ライドウォッチから力が!?でも、オリスとオリス・フューチャーは無事…!?」

 

「こっちも取られてやがる」

 

「まさか、ディケイド以外のカード全てがブランクになってる!だが、なぜディケイドの力そのものを取らない?」

 

「不純物をわざわざ頂く必要はない。それにお前らはこの世界がどんな世界か、わかっていないしな」

 

「…?織斑、いや、門矢一夏の世界じゃ…」

 

「ちげぇよ。あいつはディケイドの力を手にした時点でこの世界の物語から外れている。もう少し頭を使うんだな」

 

アナザーダークディケイドの姿からイラカは素の状態に戻る。攻撃をあまり受けてないはずだが、

 

「ちぃっ、なれないことはするもんじゃない…フィーニスのように上手くはいかんか…」

 

「フィーニス?」

 

「気にするな、こちらの話だ。じゃあな、またすぐに会うことになると思うがな」

 

「行きやがった…」

 

「しかし、この世界が門矢一夏の世界じゃない?一体、どういうことだ…」

 

謎は深まるばかり…

 

◇◇◇

 

「よう、結構派手にやってるみたいじゃねぇか」

 

「……」

 

面倒くさい人物にあったという顔をするイラカ。目の前の人物、石動仁は

 

「お前さんから招待状を貰ったときはまさか、と思ったよ!」

 

「…あのもうすでになくなった誰からも観測できないあの世界で繋がりを作っておいて良かったですよ、全く。あなたが来ているということは、あなたの後輩も…??」

 

「魁星のことか?あいつなら、俺のもう一人の後輩を呼びにいってる」

 

「はあ、出来ればチートキャラは増やしてほしくはないのですが…」

 

「今更、参加者が増えたっていいだろ?()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

おかしそうに笑う仁。それにつられてイラカも笑いだす。

 

二人の不気味な笑い声が空に響いた。

 

◇◇◇

 

零が新たに渡った世界。そこは、零に見覚えのある世界であった。

 

「ここは、ISの世界?」

 

しかし、龍が言った言葉から想定すると、ここは自分が知っている世界とは違うはず。そんなこんなで悩んでいるとき、零の目の前にぼろぼろの新聞紙が落ちてくる。

いつもなら気にせず通り過ぎるのだが、どこか気になり手に取った。

 

読んでみると、この世界の一夏のこと、そして、二人目の男性IS適合者のことが書かれていた。

 

「…今、俺を笑ったか?」

 

零が振り向くと、自身が知っている一夏と同じ顔だが、どこか影のある顔が目に入る。こういう手前にどう返答しても結果は変わらない。

 

「…変身」

 

《HENSHIN》

 

《CHANGE KICK-HOPPER》

 

キックホッパーへと変身したこの世界の織斑一夏(以下地獄一夏)。その姿に零はため息を吐きつつ、

 

(俺と出会ってなきゃ、義弟になったあいつもああなっていたのかね?まあ、それはIFの話だ)

 

「勝手に話を終わらせるな、変身」

 

《KAMENRIDEーーーDECADE!》

 

零は地獄一夏が変身したキックホッパーを横目に、あったかもしれない未来に思いを馳せながらダークディケイドに変身した。

 

「さっさと終わらせる…俺にはあまり時間がないのでな!」

 

「やっぱり…俺を笑ったな!」

 

◇◇◇

 

どこかの世界の森

 

「うむ、迷ったぞ」

 

何を根拠に、自信満々に胸を張れるのだろうか。箒は一人で森の中にいた。

 

「しかし、ここは一体どこなのだ?」

 

箒はIS学園に入る前、一夏を探して色々な場所を巡った。しかし、そんな彼女でも分からぬ場所。

 

「とりあえず、何か信号を出して誰かに救助してもらうか」

 

箒が取り出したのは、木刀。場所を知らせる際、煙を炊いて知らせるという方法があるのだが、

 

「ふん!!」

 

箒は木刀で真上に斬撃を飛ばし、さらにもう一回斬撃を飛ばす。二つの斬撃が重なり、

 

ドガァァァァァァァン!!

 

大爆発を起こす。理論は分からない。

 

「よし、これでいいだろう。あとは誰かが来るのを待つだけ!」

 

煙ではなく、大爆発で知らせる。それが、箒クオリティ(この世界だけです)。

箒はそこにずっしりと腰を置き、座禅を組みはじめる。箒曰く、暇つぶしには座禅が最適らしいが、普通の女子高生の発想ではない。

 

しばらくすると、

 

「確か、ここら辺で爆発が起こったような気が…?」

 

爆発によって様子を見に訪れた一人の男子。どこの学校か分からないが、制服を身につけており年齢はある程度想像しやすい。

 

「ここがどこか教えてくれないか?」

 

「うおっ、びっくりした!?え、ここがどこかって?ここはアルザーノ帝国魔術学院の…」

 

「魔術学院?そんなのがあるのか!?」

 

「…え、知らないの?ここら辺だと大分有名だと思うんだけど」

 

「そ、そうなのか。あ、そうだ、私の名前は篠ノ之箒。君は?」

 

「俺の名前はアラン・エミヤだが…お前、もしかして…」

 

アランは何かに気がついたように箒の姿をじっとみる。

 

「ど、どうかしたか!?な、何か付いているのか!」

 

「いや、そうじゃないんだけど…不法侵入者?」

 

「ん?どういうことだ?ここは誰かの私有地なのか?」

 

「あ、知らないで入ったっぽいね。まあ、先生に伝えるの面倒だし、外まで案内するよ」

 

「おお、それは有り難い」

 

先生に伝えた場合、どういう状況だったのかを事細かく聞かれたりと面倒である。そのため、アランは箒をそっと誰にも見つからないように案内し、面倒ごとから逃げようという魂胆である。見つかったときのほうが面倒くさくなるとか言ってはいけない。

そんなときだった。箒の荷物の一つである鎧武ライドウォッチが光り輝き、

 

「な、なんじゃこりゃああ!!?」

 

「私にも分からん!!」

 

クラックが開き、二人をブラックホールの引力が如く、吸い込んでしまった。

 

「なんで、お前にも分からないんだよ!!」

 

「しょうがないだろ!知らないんだから!」

 

「逆ギレ!?」

 

…吸い込んでしまった!!

 

◇◇◇

 

一方、とある遺跡?ダンジョン?

 

「ほう、すごいな!ここには、モンスターがいるのか!」

 

「モンスター知らないとかどこの田舎から来たんですか、あなたは!って、うわぁぁぁ!?」

 

ラウラは、さらなる冒険を求め新たな遺跡に来ていた。そこでモンスターに出会い、現在逃げている。ラウラの隣にいるのは、ベル・クラネル。ラウラの逃げた先に彼がいたのだ。

鬼ごっこなどで追いかけられているとき、わざと他の逃げている人の方に行って巻き込むということをしたことがある人も多いだろう。

つまり、そういうことだ。

 

「どういうことだぁぁぁぁ!!」

 

『どうしたんだ、主人。いきなり、叫んで?』

 

「あ、ちょっと黙っていてください、ヘイセイバーさん」

 

『あんまりだぁぁぁぁ!』

 

「うるさい」

 

ベルは、背中の【超針回転剣 DX ライドヘイセイバー】略してへイセイバーさんに文句を言いつつ、足を止めない。彼は、冒険者。名前から想像できるように、ダンジョンでモンスターを倒したり依頼を消化したりで稼いでいる。

なら、モンスターを倒せよ、と思うかもしれないが、ベルはまだまだレベルが低い。追いかけて来ているモンスターは、本来この階層で出てくるものではない。もっともっと下の階層で出るはずのモンスターである。

 

「………」

 

そんな中、ヘイセイバーを見るラウラ。

 

「ど、どうしたんですか?」

 

『あら、俺にもついにモテ期が…ってこれは違ぇわ。目、怖いし』

 

ガン見である。ベルの横を並走しながらのガン見である。怖いに決まっている。

 

「借りるぞ」

 

「あ、ちょっと!?」

 

『いや、ベルじゃないと、俺は使えないぞ!!』

 

《電王!デュアルタイムブレーク!》

 

『嘘だろぉ!!?』

 

使い方は、一夏がいつも使っているものと同じだっため知っていた。まあ、厳密に同じとは言えないが、機能がほぼ一緒だから同じである。

 

線路状のエネルギーがラウラとベルの足元に現れ、二人を一気に加速させる。

 

『まさか、デュアルタイムブレークを逃走のブーストに使うとは』

 

ラウラの放った技は、電車斬りと呼ばれるものに近しいのだが、今回は攻撃に使わず、ヘイセイバーさんの言う通り、逃げ足のブーストに使用したのだ。

 

さらに、ラウラはクウガライドウォッチを取り出しヘイセイバーさんに装填。

 

《クウガ!》

 

ヘイセイバーの針を回して、エネルギーを貯め、一気にモンスターの足元に放つ。

 

《ビルド!エグゼイド!ゴースト!ドライブ!鎧武!ウィザード!フォーゼ!オーズ!W!ディケイド!キバ!電王!カブト!響鬼!ブレイド!ファイズ!龍騎!アギト!クウガ!》

 

《スクランブルタイムブレーク!》

 

『結局、平成ライダー特有の全部乗せじゃねぇか!!』

 

この一撃でモンスターは怯み、ベルたちとモンスターの距離は広がる。

 

「よし、出口が見えてきた!」

 

光明が見えてきた。モンスターがダンジョンから出てくることはありえるが、街にはベルより高位の冒険者は沢山いる。

 

そして、出口から出てみると、

 

「ここは、どこだ?」

 

ベルに馴染みのある風景がそこに待っていなかった。あるのは、ただ無機質なコンクリートジャングルのみ。

 

「はーはー、疲れた。ようやく、出てこれた」

 

「あ、あなたはここがどこか、知ってるんですか?」

 

「知ってるもなにもここは、()()だろ。あの遺跡にいたということはここから君も入ったのだろう」

 

『(…東京だとぉ!?)』

 

ヘイセイバーさんにとって、ラウラの発言は聞き流せるものではなかった。ヘイセイバーさんが転生する前は、現代日本で生活しており、まさか自身がここに戻ってくる日が来るとは夢にも思っていなかった。

 

「…トウキョウ?そんな地名聞いたことが…」

 

『おい、主人、俺に心あたりがある』

 

「なんですか?」

 

『ここは異世界だ!』

 

「嘘乙」

 

『ちょっと待てぇい!てか、どこで覚えた、その言葉!!』

 

ベルが、ここが異世界であると納得するまで数時間かかったという。

 




今回登場したキャラ
・織斑一夏
作品名:地獄一夏
作者:志賀風蓮
作品URL:https://syosetu.org/novel/195705/

・アラン・■・エミヤ
作品名:ロクでなし魔術講師と投影者;Remake
作者名:よこちょ
URL:https://syosetu.org/novel/187852/

・ベル・クラネル、ヘイセイバー
作品名:僕がダンジョンで拾った【ヘイセイバー】とかいう超絶騒がしい武器を扱っているのは間違っているよいな気がする。
作者名:近所の浦田
URL:https://syosetu.org/novel/188805/


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