カルデアの風来坊 (トライデント)
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断章
追憶〜ルサールカ大爆発〜


本編更新しないで、この前のイベントで浮かんじまったものの供養ですね。
一応、時系列は本編後です。その為先の展開の一部ネタバレがありますが、ご了承くださいな。


「クレナイ・ガイ……ですか」

 

 

特異点を修復し、その後のこともどうにかしている人理保障機関、カルデア。

ある経緯でカルデアに召喚されたサーヴァント、コヤンスカヤは、かつてカルデアにいた銀河の風来坊の名を口にする。

 

 

「えっ、ガイさんがどうかした?」

 

「ああ、立香さん。いえ、特別どうしたということをないのですが…」

 

 

このカルデアにマスターは2人いるため、ほぼ全員立香、立花と名前で呼ぶことが多い。

その例に漏れず、コヤンスカヤも男性の方のマスターを、その名で呼ぶ。

 

 

「彼のことは、私も知っています。別の宇宙から来たのでしょう。現状、私の御同輩ということになりますか」

 

「まぁ…そうなのかな?コヤンスカヤは、ガイさん達とは逆パターンになると思うけど」

 

「彼の名前を呼んだのは、そこそこ理由がありまして。私の誕生経緯は、ご存知でしょう」

 

「あっ、うん。ツングースカの……」

 

 

その先を言おうとして、彼は言葉が詰まる。

 

 

「別に怒っているというワケではありませんので、そこまで気にしなくて結構です。そもそも、クレナイ・ガイ本人でもないでしょうに」

 

「そう…なんだけど、さ」

 

「……マスター達と彼が、かけがえのない関係を築いたというのは、私も知ってます。それに、貴方達のことも、理解はしてるつもりですが」

 

「あ、あはは……どうなることかと思ったけど…助けられたり、助かったことのが多いから、今は別に気にしてないんだけどさ。オレも立花も、半分は自分の意思だったし」

 

「…そうですか」

 

「……じゃあ、コヤンスカヤがいいなら、話を続けるけど。コヤンスカヤが言いたいことって、ガイさんが言ってた、ルサールカのこと?」

 

「ええ。そうです」

 

 

ルサールカ。

クレナイ・ガイのいる宇宙の地球、その北欧の森林地帯のことである。

 

 

「立香さんも理解しているでしょうが、そのルサールカ大爆発とは、こちらでいうツングースカ大爆発のことでしょう」

 

「…………」

 

「こちらの大爆発の原因は、隕石によるものでした。しかし、あちらの大爆発の原因は、彼によると」

 

「……そう、みたいだ。オレと立花も、その夢を見たことがあるよ。でも、あれは……」

 

「怪獣…ましてや魔王獣を相手にしたのですから、ある程度は仕方ないでしょう。しかし、半分以上は彼の暴走、でしたか」

 

「…………」

 

「……先も言いましたが、私は怒ってるワケでもなければ、貴方に言っても仕方のないことというのは、理解しています」

 

「……もしコヤンスカヤは、ガイさんに会ったら、どうするの?」

 

「そうですねぇ……どうしましょう?」

 

「オレに聞かれても…」

 

「別に悪いようにはしませんよ。太公望みたく、別に半分八つ裂きにしたいとか、そのようには思いませんし」

 

「まだ怒ってるか…」

 

「だってあの人失礼でしょうに。まぁ、強いて言うなら…」

 

「言うなら…?」

 

「……一度こちらに来たのなら、あちらでもってぐらいでしょうか」

 

「えーと、それってどういう?」

 

「まぁ、必ずしも全く同じということはないでしょうがね。さて、立香さん。そろそろ立花さんたちがお茶の時間でしょう。どうせ医務室に溜め込んでることでしょうから、強奪にいきましょう」

 

「あ、あはは…あー、毎度かわいそう」

 

「止めない貴方も同罪です。さぁ、行きましょう?我がマスター?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここに来るのも何年ぶりか、分からないな」

 

 

北欧の森林地帯に、その男の姿はあった。

黒のコートに、黒の帽子。正に風来坊と呼ばれるような、その男の姿が。

 

 

「………変わらないな。ここは」

 

 

マガゼットン、ゼッパンドンと戦った時に爆発を起こしてからも、森は再生を繰り返し、元の姿に戻っていた。

 

 

「マガゼットンはともかく、ゼッパンドンはけっこう最近だと思うんだけどな。自然ってのは、分からないな」

 

 

ここに来たのも、近くの星に用があったからで、あまり長居はするつもりはない。

 

 

「……久しぶりに、SSPに顔出すか」

 

 

かつての戦いで関わりを持った調査チームの元へ行こうと、その場を後にする。

 

 

「ん?」

 

 

後にしようとしたとこに、帽子が飛んでくる。

それは小さな、白い帽子。

 

 

「子供用か…」

 

「あっ、あの……」

 

 

それを追うように、小さな女の子が現れる。

 

 

「ん、これ嬢ちゃんのか?」

 

「う、うん……」

 

「そうか。次から気を付けな」

 

 

彼女の頭に、優しく帽子を置く。

 

 

「ヤースカヤ。見つかったか?」

 

「あっ、お父さん…あの、ありがとうございます」

 

「気にするな。じゃあな、あばよ」

 

 

その子が走り去っていくのを、彼は見届ける。

 

 

「……しかし、あの嬢ちゃんの父親。やけに女のように見えたけどな。声も女のようだったが。それに、あの嬢ちゃんも……」

 

 

別の宇宙で関わった、狐の巫女のことを思い出す。

 

 

「……他人の空似か。言っちゃなんだが、あんな大人しくはなかったからな。さて…そろそろ行くか」

 

 

ルサールカを後にし、日本へと向かった。

 

 

「次は、立香のとこにでも顔出すか。さて…また何か起こってなきゃいいが。その時はその時か」




コヤンスカヤ本人が言った通り、完全に同一人物というワケでもなく、平行同位体というワケでもないです。


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炎上汚染都市ノ章 サーヴァントと風来坊
MISSION Order


導入部分のみで。もしかしたら登場人物とかの設定をまとめるかもです


遠い遠い銀河の彼方。宇宙のどこかに浮かぶ惑星O-50(オーフィフティ)

その秘境のどこかにそびえ立つ《戦士の頂》に、1人の男が訪れた

 

 

「また新しいミッションか」

 

 

その男は懐から1つの道具を取り出す。その道具の一部分が点滅していて、そこから光が漏れ出す

 

 

『新たなミッションを告げる』

 

 

その光は空に円を描き、宙に浮かぶ。その光の円から声が聞こえる

 

 

「またどこかに危機が迫ってるのか...」

 

『あぁ、キミには別の宇宙の地球に行ってもらう。その地球...いや、その地球に過ごす人類にかつてない危機が迫っている』

 

「地球自体ではなく、人類に?気になる言い回しだな」

 

『こういう言い回しになるのも当然だ。ある者たちの陰謀によって、その地球の人類が絶滅しようとしているのだから』

 

「人類が絶滅...!?それは大変だな...ある者たちということは、首謀者は分かっているのか?」

 

『...そうだ。私にそれを伝えた者は、その危機を既に防いだ後だからだ』

 

「なに...?もう危機は防がれたのか?ならどうして俺を行かせようとさせるんだ?」

 

『たしかにその者は仲間と共に人類の滅亡を防いだ。だが、それまでの犠牲はあまりにも大きかったのだ。何人もの大切な人を失った悲しみは、誰にも癒すことは出来なかった』

 

「......」

 

『そこでその者は願った。せめて別の世界の自分は、誰も失うことなく、みんなが笑顔でいられるように、と』

 

「その願いが、こっちに届いたってことか...だが俺が向かったところで何か変わるとはあまり思えないが...」

 

『...その地球に、魔王獣の存在が確認された』

 

「なっ、魔王獣だと!?その地球には魔王獣がいるのか!?」

 

『願った者の宇宙の地球と、その別の宇宙の地球とは異なる部分がある。これはどの世界にも言えることだが、その地球は僅かなズレが多く重なり、私たちの宇宙の地球と似たようなところが出てきている』

 

「過去に怪獣が現れて...それに続いて魔王獣も現れてたのか...じゃあ、その地球にも?」

 

『そうだ、過去にウルトラ戦士が訪れ魔王獣を封印した。その封印を破り、使役しようとしてるのが...』

 

「人類を滅ぼそうとする黒幕達というわけか...」

 

『そうだ。行けるか?』

 

「行けるもなにも、アンタが俺を呼んだなら行くしかないだろ。それに魔王獣が関わってるというなら尚更だ。アイツ等には因縁があるからな」

 

『...そうか。なら頼んだぞ』

 

「だがその地球までどうやって行くんだ?ゼロさんでもないと宇宙を超えることは簡単には...」

 

『その心配はいらない』

 

「なに?っと、なんだ!?」

 

 

男の足元が光り出し、身体を包み込もうとする

 

 

『向こうからお呼びがかかるようにしてある。キミが向かうのは彼らが初めて脅威と戦った場所だ。そこには彼らもいる。それと、必要な物は後から送っておく』

 

「必要な物!?リングもカードも俺の手元にあるぞ!?』

 

『もう時間がない。向こうについてしばらくしたら分かる。行ってらっしゃい』

 

「くっ、あぁ!行ってくる!」

 

 

光が身体を全て包み込むと、粒子となってその場から消える

 

 

『...頼んだぞ。彼らを護り、支えてやるんだ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「...チッ、またアイツどこか行きやがったのか。しかもまた面倒なことになって...ホント、正義の味方ってめんどくせぇな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

—————————

 

 

『どうなってるんだ...!?そこにいる人...人?からは魔力が一切検出されない!英霊、サーヴァントじゃないぞ!!』

 

「じゃあ、この人は一体...!?」

 

「格好的に普通の人っぽいけど...」

 

 

あぁ...お呼びがかかるというのはそういうことか。しかし英霊、サーヴァントって言ったか?割り込んだ形になったのか...

 

 

「すまないな、俺はアンタらの言うサーヴァントってやつじゃない。けど、アンタらの力にはなれるはずだ。アンタらが置かれた状況は、少しは把握している」

 

「置かれた状況って...まさか、人類史の存亡について...!?なんで突然出てきたあなたが知ってるのよ!」

 

「俺も派遣された身でな。俺をここへ送ったやつから、ちょっと聞いたのさ」

 

 

ここにいるのは俺含めないで...4人か。あと声だけ聞こえるのが1人。初めて戦ったって言ってたから、ここから仲間が増え、そして誰かが消えていったのか...

 

 

「あの...あなたは一体...?」

 

 

見たところずいぶん若いじゃないか。仲間がいたとはいえ、こんな子達が人類の滅亡を防ぐために戦ったのか...

 

 

「あぁ、たしかにこんな状況だと名前も知らないと怖いか」

 

 

支えてやろう。その仲間と共に、彼らを最後まで

 

 

「俺の名はクレナイ・ガイ。遠い銀河からやってきた風来坊だ。これからよろしくな」

 




クレナイ・ガイ ★0
クラス:不明

銀河の彼方からやってきた風来坊
銀河の彼方、ということから宇宙人ということになるが...?


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太平風土記

状況説明回となります。それと会話が多目です。と言うより僕が書くと大体会話が多くなります。SSしか書いてなかったからだろうか

あとスマブラが楽しすぎます。なんなんだお前は、楽しさで殺す気か貴様。許さんぞ任天堂ありがとう


『クレナイ・ガイ...聞いたことのない名前だぞぅ...いやそれより銀河から来た風来坊ってなんだ!?そもそもキミ何者!?なんで英霊召喚をしたはずが普通の人...?が出てきたんだ!?』

 

「ドクター、大変気持ちは分かりますが落ち着いてください。そのマシンガントークではミスターガイも混乱してしまいます」

 

「でもドクター、普通の人って言ったけどそれは違うよ」

 

『えっ、なんで?たしかに英霊召喚しようとしたら出てきたって普通の人じゃないとは思うけど、なんでそう断言できるの?』

 

「だってどう見てもストーンブラックなモゴモゴ」

 

「すみません!妹がまた変なこと言い出してホントすみません!!」

 

「また漫才してるんじゃないわよ!非常事態なんだから!!」

 

「ははっ、賑やかだな。元気なのはいいことだ」

 

「その非常事態の原因が何を言ってるのよ!!」

 

 

分かってはいたことだが、突然俺が現れたら混乱するのも当たり前か。しかもサーヴァントってのを呼ぼうとしたら代わりに俺が出てきたのなら、尚更か

 

 

「ともかく、俺はアンタらの敵じゃないってことは分かってくれ。信用は行動で掴み取る。それと出来ればアンタらのことを教えてくれ。アンタらの置かれている状況は分かっているが、アンタらのことはほぼ何も知らないからな」

 

「なんでよ!怪しさ満点の貴方なんかに教えられるわけないでしょ!いやよ!いーやーよー!!」

 

「所長。落ち着いてください。幼児退行してます」

 

「でも、たしかに素性の知らない人だと説明するのもちょっと怖いってのは分かるかもな...」

 

 

...たしかに、それもそうか。名前ぐらいしか知らないやつを信用しろと言うのも無理な話だ。だが困ったな...素直に全てを説明するわけにもいかないし、どうしたものか...

 

 

『じゃあミスターガイ。貴方がここに来た目的を教えてくれるかい?貴方はここに呼ばれたとき、とくに混乱もしてなかった。ということは、なにか目的があって来たんだと思うんだけど』

 

「......なるほど。人から情報を聞きたかったらこっちも情報を提供しろってことか。たしかに、それは道理だな。じゃあ、ここじゃないどこかにいる...ドクターって呼ばれてたな?声だけ聞こえる人。この世界にも、太平風土記はあるか?」

 

「っ!?太平風土記ですって!?」

 

『驚いたな...貴方の口からその名が出てくるなんて。たしかに、太平風土記は存在する。でも、何故貴方がそれを知ってるんだい?一般人じゃそれの存在すら知ることの出来ない物なんだけど』

 

「俺のいた世界にも、太平風土記があってな。こっちの太平風土記はどんな物なんだ?」

 

「さっきドクターの言った通り、一般人じゃ存在すら知ることの出来ない、古から伝わる書物よ。それには太古の昔に起こった災いについて記されているの。けど、その存在は魔術協会に秘匿されてるわ。何せ太古の昔のことが記された物だから、そこらの遺物とは歴史的価値は比べ物にならないのよ。だから一般人じゃ存在すら知ることの出来ないものなのだけど...ちなみにそちらの太平風土記はどうなのよ?」

 

「...大方似たようなものだな。けど、そちらさん程の扱いはされてないぞ?たしかに原本は大切に保管されてはいるが、断片はネット上にアップされてて、オカルトとかそういうのが好きな人にはその存在は知れているな」

 

「『た、太平風土記が、ネット上にアップされてるですって(だって)ええええええ!?』」

 

「しょ、所長にドクター!落ち着いてください!落ち着いて落ち着いてください!」

 

「はいはい、マシュも落ち着こうねー。大事なことだからって3回も呼ばなくていいんだよー」

 

 

...たしかにあっちでも、誰が上げたんだろうな。断片とは言え歴史書なはずだろうに

 

 

「太平風土記か...俺たちも名前しか聞いたことないけど、それが...えっと...み、ミスター...」

 

「...普通にガイでいいぞ?」

 

「じゃ、じゃあ...ガイさんがここへ来た目的と何か関係してるんですか?」

 

「あぁ、そうなんだが...ドクター、驚いて固まってるところすまないが、ここの太平風土記は見ることが出来ないのか?」

 

『......はっ!?ゴ、ゴメンね!あまりのワールドギャップに固まっちゃってた!太平風土記だね。流石にネット上にはアップされてないけど、こちらにそのデータならあるよ。所々汚れてしまったり、破けてしまったり、破損してるけどね。そちらに映し出そう」

 

「おっと、突然目の前に浮かび上がってきたな。ふむ...なるほど、どうやら記されてることも似たようなことか」

 

「読めるの...?これって数十年かけて解読されたものなんだけど...」

 

「あっ、所長、もうそんなに驚いてないね」

 

「まぁ...こっちじゃスゴイ貴重なものが、他の世界じゃネット上にアップされてるって聞かされたらね...」

 

「はい...それを読めると言われても、そこまで驚かないかと...」

 

「ここに、『灼熱の焔で大地を燃やす、偽りの日輪』と書いてあるだろ?その下は禍という文字しか読めないが。これと似たようなことがこっちの太平風土記にも記されてたんだ。そして、その偽りの日輪が、実際に俺たちの地球に現れた」

 

『た、太平風土記に記された存在が実際に現れたのかい!?』

 

「そうだ。他にも記された存在が現れ、地球を滅ぼそうと災いを振り撒いた。その正体は...魔王獣」

 

「魔王獣...只者じゃなさそうだけど...」

 

「実際に只者じゃなかったからな。正に地球を滅ぼす為に存在するようなものだ。普通の怪獣とは比べ物に...怪獣って言っても分からないか?」

 

「いやサラッと言ったけど、怪獣も存在すら知ることの出来ない物なんだけど...太平風土記程じゃないから知ってる人は知ってるけど...大昔に人間を襲った巨大な怪物とされてるわ。まぁ、それらを倒した"光の巨人"と一緒で、それが存在したという証拠は無い胡散臭いものだけど」

 

「...そうか。まぁともかく、その魔王獣が、この世界でも存在するということを知ったんだ。それに対抗する為に、俺はここに来た。ということなんだが...いいか?」

 

「はぁ...分かったわよ。太平風土記のショックはまだ抜けないし、貴方はまだ怪しいままだけど、少なくとも人類の滅亡を防ぐという利害は一致してるし、いいわ。私たちのことを教えましょう」

 

「所長、いいんですか?貴女はかなり疑り深いと思ってたんですが...」

 

「まだ完全に信用した訳じゃないわよ。でもこのまま疑いっぱなしじゃ状況は変わらないし、あと、太平風土記のショックでちょっと疲れたし...疑うってのも疲れるのよ?経験者が言うのだから間違いないわ。マシュも覚えておきなさい」

 

「は、はい...ありがとうございます...?」

 

「ともかくわたしから紹介するわね。わたしはオルガマリー・アニムスフィア。人類の滅亡を防ぐための組織の所長をしています」

 

「私はその組織の職員をしています、マシュ・キリエライトと申します。...続きがあるんですけど、話していいのかまだ決められないので、とりあえずはこれで。よろしくお願いします」

 

「俺もそこの職員...で、いいのかな?藤丸立香です。で、こっちは...」

 

「はーい!私もそこの職員...でいいんだよね。藤丸立花です!同じ苗字ってことだから、この人は私のお兄ちゃんです!」

 

「...そういうことです。似てないってよく言われるけど...」

 

「いや、似てると思うが...」

 

『じゃあ、最後は僕かな?組織の医療班のトップを務めているロマニ・アーキマンだ。主にサポートに徹しているよ。...こんな所かな?」

 

「あぁ、大体わかった。ありがとう。それじゃあ、この後はどうすればいいんだ?というか、今まで触れてなかったがこの辺り燃えてるな...普通の場所じゃないぞ?」

 

「わたしたちもここへ飛ばされたのよ...詳しい経緯は省くけど。ここから脱出するのがわたしたちのとりあえずの目的です。だけどそれを邪魔するのがいて...」

 

「ほぅ...それって、アイツらのことか?」

 

「えっ...?」

 

『ああっ!?ゴメンみんな!周りに敵性反応が!!ワールドギャップのショックがまだ抜けてなかった!!」

 

「しっかりしてよドクター!!」

 

「ドクター、帰ったら覚えておいてください」

 

『ゴメンって!これは...スケルトンか!スケルトンがいっぱいだ!!対処をお願いするよ!』

 

「やれやれ...来て早々大変だな。俺も戦う。ちょうど盾を持ってるし、マシュは3人の護衛を頼む。近くに奴らが来たらその対処もな」

 

「は、はい!って、貴方も戦うんですか!?」

 

「そりゃあ戦うさ。あれぐらいだったら多分、どうにかなるだろう」

 

 

さて、初めての戦いは変身無しだな...頑張るか




はい、というわけで次回戦闘回となります。どうしよう

そして元の世界(原作FGO)との差異として
・カルデアのマスターは2人
これについて詳細は次回以降で

・そのマスターは兄妹
名前はぐだ男が藤丸立香(ふじまるりつか)ぐた子が藤丸立花(ふじまるりっか)です。ちなみにCVは立香はアニメ番組と同様。立花は阿澄佳奈さんをイメージしてます(と言うより何故かちっちゃい先輩の声が頭から離れないのです。なんでさ。誰かどうにかして)

太平風土記(たいへいふどき)の存在
これはウルトラシリーズを知ってる人しかあまりピンと来ないと思いますが、まぁ大体は所長とガイさんの言う通りです。というか大体こいつのせいで地球がピンチになってる感。本当は逆なんでしょうが

・魔王獣(怪獣)と光の巨人の存在
これも次回以降に詳しく触れる予定です

あと、この後タグ追加しますが、我が家のガイさん、生身でもかなり戦えます。これについては次回明らかにしますので、どうかお楽しみに


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骸骨退治の贈り物

戦闘回第一弾。けっこう手抜きになっちゃってるような

それと言い忘れてましたけど、だいたい週一更新を目指してます。たまーに二回更新できるかなって感じです


「ミスターガイ!本当に大丈夫なんですか!?」

 

「だから、ガイでいいってば。まぁ、あれぐらいだったら大丈夫だ。俺の心配より、マシュは後ろの藤丸兄妹とオルガマリーを守ることに専念してくれ。そろそろ来るぞ」

 

「わ、分かりました...」

 

 

光弾だけでさばける量じゃなさそうだな...なら、あれしかないか

 

 

「ジャックさん!」

 

 

俺は一枚のカードを腰元のホルダーから取り出し、リングに読み込ませる

 

 

『ウルトラマンジャック』

 

「貴方の武器、お借りします!!」

 

『ウルトラウェポンロード!ウルトラブレスレット』

 

 

俺の左手首にジャックさんの使う武器、ウルトラブレスレットが装着される

 

 

「貴方サラッとなにしてるのよ!?そのリングどこから出したの!?それとそのカードは何!?カードを使って何を召喚したの!?」

 

「所長落ち着いて!またてんやわんやになってますよ!」

 

「なら立香は落ち着けるっていうの!?」

 

「いや...まぁ...死ぬかと思ったら生きてたし、目が覚めたら燃えてる街にいたし、そうしたら動く骸骨に襲われるし、だと思ったらほぼ致命傷を負ってたどっちかって言うと先輩な筈の後輩がスゴい服装して盾を振り回して俺を護ってくれたしで...一般人の俺からしたら最初からクライマックスですよ」

 

「私は後輩ですよ!先輩!」

 

「所長、知ってる?パニックが続くとね、一周回って表面上は落ち着くんだよ。落ち着いてるわけじゃないけど、比較的落ち着いてるんだよ」

 

「...そ、そうよね...貴方たち一般人枠だったものね...」

 

「元気なのはいいことだが、もう来たぞ!3人は下がってマシュは護衛!さっき言った通り俺が仕留め損ねたのがいたらそれの迎撃もな!」

 

「は、はい!分かりました!」

 

 

左腕のブレスレットに手をかざし、出てきた光を握る。そのまま前にかざすと、光は1つの槍になる。ウルトラランス、出てきた槍の名前だ

 

 

「槍になった...ということはランサー...?」

 

「いえ、所長。ガイさんからは魔力を感じないとドクターも言ってました。ですから彼はサーヴァントではありません。あのブレスレットにどんな機能があるのかまでは推測も出来ませんが...」

 

「ともかく、今はガイさんに任せるしかないよな...」

 

 

敵の数は...そこまで多くないか。マシュの武器は盾、加えて今の俺はブレスレット...この場は俺が抑えるか

 

 

「骸骨を相手にするのは初めてだが、力を貸してくれてるジャックさんと、後ろの立香達のためにも負けられない。行くぞ!」

 

 

同じく槍を持った骸骨へと突撃する。骸骨だからか知らないが、最低限の知性があるのかも怪しいな。動きが単調過ぎる

 

 

「その槍捌きじゃ、俺にすら勝てないぞ」

 

 

槍持ちの骸骨を相手の槍ごと一刺しにして片付ける。防御力も大したことないか...これぐらいなら...ッ!

 

 

「おっと!」

 

 

「ガイさん!周りにスケルトンアーチャーが!」

 

 

いつの間にか弓持ちの骸骨に囲まれて、危うく蜂の巣だったな。戦場で考え事はよくないってことか

 

 

「この数だったら、ウルトラランスじゃちょっと厳しいか...だったら!」

 

 

ウルトラランスを上にかざし、一瞬の光が包む。ウルトラランスの柄が短くなり、新しい武器となる

 

 

「柄が短くなった...あれは何かしら?」

 

「短剣...のように見えるけど...」

 

「短剣で複数の弓持ちをどうやって...ってマシュ!次は右から!」

 

「はい!やああああ!」

 

 

あっちにも何体か骸骨が行ってるな...早く片付けるか

 

 

「ウルトラスパーク!いけぇえええ!!」

 

 

右手に持つ短剣、ウルトラスパークを投擲する。周りにいた弓持ちの骸骨を真っ二つに切り裂きながら俺の手元に帰ってくる

 

 

「切れ味も抜群、さすがはジャックさんのウルトラブレスレットだ。俺でもこれほど使えるなんて」

 

 

まだ少し残ってるが...これぐらいなら一体ずつ対処していった方が早いな。またランスに戻すか

 

 

「マシュ!もうひと頑張りだ!一気に押し切るぞ!」

 

「はい!こちらももう少しで終わらせます!!」

 

 

普通の女の子だと思ってたが、なかなかやれるじゃないか。どうやら訳ありらしいが...それはこちらも一緒か

 

 

「盾で殴るあのスタイルが気にならないでもないが、それは後回しだな。行くぞ骸骨!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これで...倒れて...!!」

 

 

マシュが最後の骸骨を倒して、骸骨との戦いは終わった...って、骸骨じゃなくてスケルトンだったか

 

 

「お疲れ様、マシュ。なかなかやれるじゃないか」

 

「ガイさん...いえ、わたしなんてまだまだです。戦いは怖いですし...それにこれがまだ初陣みたいなものですから」

 

「初陣にしてはよかったと思うが...それも訳ありか。もしよかったら、後で話してくれないか?」

 

「...はい、分かりました。後で話します」

 

「にしてもガイ!あれはなんだったのよ!?あのリングといいカードといいランスといい短剣といい全部よ全部!何がどうなってるのよーー!!」

 

「所長、落ち着いてください!またてんやわんやになってます!これじゃあ再放送です!」

 

「そうよ!てんやわんやよ!どうせこうなるもの!そうなるのよー!!」

 

「...一番元気なのってオルガマリーじゃないか?」

 

「空元気っていいそうだけどねー」

 

 

...オルガマリーと言えば、初めて会った時から気になってたんだが...なんだ?この違和感は...この感じ、どこかで...

 

 

「...玉響姫?」

 

「玉響...?勾玉がどうしたのよ?」

 

「あぁ、いや。なんでもない、独り言だ」

 

「なによ...変なの」

 

 

そうだ。玉響姫だ。玉響姫と会った時と同じような感じなんだ。しかし...何故玉響姫なんだ?別にオルガマリーは昔の人って訳でもないはずだが...

 

 

「考え事もいいけど、そろそろ移動するわよ。このままここに留まってもいいことなんて1つも...」

 

『ゴメン!移動するなら早く!そこから早く逃げるんだ!』

 

「なによ、またスケルトン?ならそこまで慌てる必要なんて...」

 

『いや!これはスケルトンなんてものじゃない!この反応は...!』

 

 

たしかにあっちの方から何かが来るな...しかも、3つ...?

 

 

「なっ...あれって、まさか...!?」

 

『そこにいるのはサーヴァントだ!クラスはそれぞれアサシン、ライダー、ランサー!戦うなみんな!君たちにサーヴァント戦は...!』

 

「逃げろっていうの!?そんなの無茶よ!いくらあっちの方が数が多いからって、今から逃げ切れるわけないじゃない!」

 

「所長の言う通りだよ!逃げても背中からやられるのがオチでしょ!なら真正面からぶつかった方がまだマシってもんだよ!!」

 

「ドクター、俺は立花に賛成ですよ。サーヴァント3人...3人でいいんだっけ。ともかく、相手のが数が多くても、もうぶつかるしかない!!ガイさん!悪いけど、力を貸してくれ!!」

 

 

...どんな絶望にも屈しない。それが地球人の強さ...だな

 

 

「最初からそのつもりだが...あれがサーヴァントってやつか。たしかに、さっきまで戦ってたスケルトンとは全然違う。それに加えて俺たちが2人なのに対して、あちらは3人。ちょっとキツいな...」

 

「ハ。未熟モ未熟。戦ウナド死二筋ヨ。未熟者ノ末路トハ、ドウアレ無様ヨナ。決メルゾ、ライダー、ランサー」

 

「......」

 

「ソレデヨイ。藻掻クガヨイ。無様ナホド面白イ!」

 

「...未熟だろうと、無様だろうと、戦うしかありません。死中に活を見いだすしか...!」

 

「ハ。死ンダゾ。娘」

 

「くっ...!」

 

「甘イ!」

 

「マシュ!備えて!」

 

 

接近するアサシンのサーヴァントに光弾を撃ったが、弾かれるか...堪えてくれ、マシュ...!

 

 

「どんなものかと思えば、なかなかに(つわもの)が集まってるじゃねえか。なら放っておけねえな」

 

 

後ろから火球が...アサシンを吹っ飛ばしたな。誰だ...?

 

 

「ヌゥ...何者ダ...!?」

 

「何者って、見れば分かんだろご同輩。なんだ、泥に塗れたら目ん玉まで腐ったか?」

 




はい、次回も戦闘回です。というかこの先ほとんど戦闘回となりそうです。頑張れ

所々オリジナル設定が紛れているので、それの解説をば


ウルトラウェポンロード
前回の後書きでガイさんが生身でもかなり戦えると言った原因の1つ
ガイさんの持つリングに秘められた1つの能力。カードに宿されたウルトラマンの力の一部、その武器を使うことが出来る
今回はウルトラマンジャックの武器、ウルトラブレスレットを使用するために発動した


シャドウサーヴァントとの戦い
原作ではメドゥーサ→ハサン&弁慶の順番でしたが、今回は3人まとめて一気に戦うことにしました。理由としてはまぁ、ガイさんがいることで原作と違い初期人数が2人なので、最後のあの人の介入をスマートにさせるため、といった感じです。それに3vs3ですし、ちょうどいいでしょう


という訳で、次回シャドウサーヴァント戦です。最後のあの人の正体も明らかになります。一体ナニ・フーリンなんでしょうネ!


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銀河の風来坊vs影のサーヴァント

第一次シャドウサーヴァント戦でございます。色々と模索したシーンでもございます

あと先に言っておきますが、地の文は大体ガイさんの心情を表してるとこになるので、シーンが変わるとめっきり無くなります。まあ元からそんなにないからそこまで変わらないんですけどネ


「貴様、キャスター!何故漂流者ノ肩ヲ持ツ...!?」

 

「あん?テメエらよりマシだからに決まってんだろ。それに、見所がありそうな奴らが集まってるんでね」

 

「貴方は...」

 

「そら、構えなそこの嬢ちゃん。腕前じゃヤツに負けてねえ。気を張れば番狂わせもあるかもだ。それとそこのアンタ。お前さん、サーヴァントじゃないみたいだが、結構やれそうじゃねえか。頼りにさせてもらってもいいか?」

 

「...こちらこそ。サーヴァントを相手にするなら、同じくサーヴァントがいた方がいい。キャスターってことは...魔術師か?」

 

「そんなとこかね。オレはキャスターのサーヴァントだ。故あってヤツラとは敵対中でね。敵の敵は味方ってワケじゃないが、今は信頼してもらっていい」

 

「所長、どうします...?」

 

「...ガイの言った通り、サーヴァントと戦うのなら、こちらにもサーヴァントがいた方がいい。完全に信用できるわけじゃないけど、今はそんなことも言ってられないわ」

 

「坊主...と、そっちの嬢ちゃんがマスターか?珍しいな、2人1組のマスターなんて」

 

「えっ、分かるの?」

 

「そりゃまあ、サーヴァントだしな。ともかく、さっきのアンタらの勇敢さに免じて、仮契約だがアンタらのサーヴァントになってやるよ!」

 

「フン、キャスターモ増エヨウガ、一人ハ未熟者、モウ一人ハサーヴァントデスラナイ。我ラニ敵ウト思ウカ!行クゾ!ランサー、ライダー!」

 

「漂流者諸共、死ネイキャスター!聖杯ヲ我ガ手ニ!」

 

「......」

 

 

相手はサーヴァント...素性の知らない相手だが、少なくともさっきのスケルトンとは比べ物にならないだろうな...

 

 

「俺がアサシンを引き受ける!残りはマシュとキャスターで頼む!」

 

「ああ、となると...オレがライダーかね。ホントはランサーと戦いたいところだが...知らない仲でもないし、その誼みだ。せめてオレが楽にしてやるよ、ライダー」

 

「あの...ライダーと何か...?」

 

「まあ、かと言っても全然深い仲ってワケでもないんだがな。てか、それはどうでもいい。いまは目の前に集中しな。オレがライダーと戦う。というワケで、嬢ちゃんはランサーと戦ってもらうんだが...いけるか?」

 

「マシュ!君は1人じゃない!俺もいる!」

 

「私もいるよ!だから頑張って!マシュ!」

 

「カルデアの職員としても、負けは許しません。上司命令と思いなさい!」

 

「は、はい!頑張ります!」

 

「いいマスターを持ったじゃねえか。ちょいと羨ましい気もするが...まっ、今はオレのマスターでもあるワケだ。オレも頑張るとしますかね!」

 

 

 

 

「ビクトリーさん!」

 

『ウルトラマンビクトリー』

 

 

瞬時に色々な状況に対応できるようにするなら...これしかない!

 

 

「貴方の力...お借りします!」

 

『ウルトラウェポンロード!ウルトランス!グドン!ウィップ」

 

 

ビクトリーさんの能力、ウルトランス。劣化してはいるが、怪獣の身体の部位を右腕に宿し、その力を振るうことが出来る

 

 

「右腕ガ茨ノムチニ...!?ナントモ面妖...シカシ、所詮ハタダノ人間。見掛ケ倒シニ過ギン!」

 

「見掛け倒しかどうか、相手してみなきゃ分からないぜ!」

 

 

アサシンが投げてくる短刀を、グドンのムチを振るい、叩き落とす。まだ投げてくる短刀を叩き落としながら、アサシンの所まで接近する

 

 

「ヌウ...見掛ケニヨラズナカナカノ速度...シカシ、ムチデハ満足ナ接近戦ナド出来マイ!」

 

「そんなことはないと思うんだが、それなら別のでやってやるよ!」

 

 

アサシンの所へ着く直前、右腕のグドンウィップが光に包まれる

 

 

『ウルトランス!サドラ!シザース』

 

 

今度はサドラの巨大なハサミを宿し、アサシンの持つ短刀とかち合う

 

 

「マタ変ワッタダト...!?」

 

「お望み通りの別の獲物だ。一発、喰らいな!」

 

 

力を込めハサミを振るい、アサシンのバランスを崩し、再び力を込めてハサミを振るう。アサシンに斬撃を喰らわせる

 

 

「ヌオオオオオ...!?」

 

「いいのが決まったな。このまま押し切る!」

 

 

 

 

 

 

「へえ、どういう原理かは知らねえが、なかなかやるじゃねえか。英霊じゃないし魔術師ってワケでもなさそうだし、何者なのか気になって仕方ねえが...おっと!」

 

「......」

 

「ったく、さっきから黙り込んでやがって。気配を消して斬りかかったつもりかよ?お前さんはアサシンじゃなくてライダーだろうが」

 

「......」

 

「無言で刃物振り回してくる女とか怖えっての。なんだ、そんなに泥に汚染されたのか?アサシンは少しは理性残ってたが、ランサーはそうでもねえ感じだった。ライダーのアンタは黙り込んで、一言も喋らねえ。元から無口だったとかか?」

 

「......」

 

「あのな、こうしてる間にもずっと斬りかかって来てやがるけど、そうやってオレに詠唱の隙を与えないつもりか?生憎よ...そら!」

 

「......ッ!?」

 

「ルーンには詠唱なんていらねえんだよ。刻むだけでいい。そんな闇雲に突っ込んで来るだけじゃ、勝てるワケねえだろ。オレはわりと手強いぜ?」

 

 

 

 

 

「はあ...はあ...くっ!」

 

「ヌルイヌルイ!セッソウノ槍ヲ防グダケカ!ハハハハハ!!」

 

「マシュ!防ぐだけじゃダメだ!カウンターを狙うんだ!」

 

「盾でどうやって狙うのよ!?」

 

「こう...押し切る感じとか?ともかく実践あるのみ!いっけえ!!」

 

「は、はい!こうですか!?」

 

「そう!そうやって、かち合うと同時に押すんだ!」

 

「ヌゥ...ダガ、痛クモ何トモナイ!ハハハハハ!!」

 

「バランスを崩すだけで精一杯か...でも、あっちは油断してる!今がチャンスだ!ガイさん!キャスターも!」

 

「ん?...なるほど。キャスター、合わせられるか?」

 

「あ?どういう...そういうことか。いいぜ、これで決めようじゃねえか!」

 

 

 

 

 

『ウルトランス!EXレッドキング!ナックル』

 

 

EXレッドキングの巨大な腕を宿し、思い切り殴る

 

 

「これで決める!おおらあ!!」

 

「ヌオオオオオ...!?」

 

「アンサズ!吹っ飛べ!!」

 

「......ッ!」

 

 

俺と同じように、キャスターも火炎弾でライダーを吹っ飛ばす

 

 

「マシュ!思いっ切り突っ込むんだ!」

 

「はい!!」

 

「フン、正面カラ向カッテ来ルナド愚カナ...ヌウ!?」

 

「知らなかったでしょ、わたしがガンド撃てるってこと!今よマシュ!」

 

「いっけえマシュ!!突撃!!」

 

「やあああああああ!!」

 

「ヌウウウウウ!!」

 

 

オルガマリーの援護もあり、マシュもランサーを吹っ飛ばす。これで敵の3人は一箇所に固まった

 

 

 

「今だガイさん!キャスター!」

 

「ああ!いくぞキャスター!」

 

「ああ、燃え尽きな!」

 

 

EXレッドキングの腕に力を込め、その腕に宿るマグマの力で熱を纏い、地面に叩きつける!

 

 

「フレイムロードオオオオ!!」

 

「そおら焼き尽くすぜ!!」

 

 

地面を炎が走り、敵の3人のところで火柱が上がる。キャスターの連続火炎弾も着弾し、一気に燃え上がる

 

 

「オオオオオオオオオ!!!オノレ!!!聖杯ヲ前ニシタ所デエエエエエエ!!!!!」

 

 

アサシンの断末魔の叫びが聞こえ、しばらく燃え上がり続けた後に炎が止む。そこに3人の姿は無かった

 

 

「お疲れさん、いい具合の焼き加減だろ?」

 

「いややり過ぎな気もするんだけど...キャスターの火炎弾いらなかったんじゃない...?」

 

「何言ってんだ。どう考えてもコイツのがやり過ぎだろ。オレは別に宝具使ってないし」

 

「宝具?宝具ってなんだ?」

 

「後で説明するわよ...まったく。ともかくありがとう、キャスター。貴方が援護に入ってくれたおかげでどうにかなったわ」

 

「オレはそこまでのことはしちゃいねえさ。正体は分からねえがコイツがけっこうやってくれたし、嬢ちゃんだってランサーを引き受けてくれたたしよ」

 

「い、いいえ...それはマスター達の指示のおかげで...」

 

「指示があっても上手く動けるかはソイツ次第なんだが...まあマスターの坊主に嬢ちゃんもよくやってくれた。いい作戦といいアドバイスだったぜ」

 

「そんな...あれって作戦って言えるほどじゃないし...」

 

「私だってそこまでアドバイス出来てたワケじゃないし...」

 

「勝てたんだからいいだろうに、卑屈になるなよ。あとアンタもだな、あの援護でトドメのキッカケが出来た。ありがとな」

 

「...っ!べ、別に...カルデアの所長として、部下を助けることに礼を言われることなんて何も...」

 

「って、アンタも卑屈になりやがって...さっきはそうでも無かったはずなのに、なんだよ?褒められ慣れてねえのか?」

 

「う、うるさいわね!貴方には関係ないでしょ!?」

 

「なんでオレが怒られなきゃいけねえんだよ...まあ、いいか。ところで、ずっと坊主とか嬢ちゃんとか言うのもあれだな。名前ぐらい聞いとこうか」

 

「なんだ、名前聞くなら自分からってのが礼儀じゃないのか?」

 

「あー...まあ、普通の聖杯戦争じゃなくなったし、別に言ってもいいか。オレはキャスターのサーヴァント、クー・フーリン。ったく、冬木の聖杯戦争でキャスターとかやってられねえってのによ」

 

『ク、クー・フーリンだって!?あのケルトの!?光の御子!?』

 

「って、なんだい。いきなり現れやがって、声だけの軟弱者」

 

『な、軟弱者...初対面でいきなり呼ばれるか...ひどいなあ...』

 

「クー・フーリン...凄いビッグネームじゃないの。わたしはオルガマリー・アニムスフィアです。後で説明しますが、カルデアの所長を務めています。で、そこの2人は藤丸立香と藤丸立花です。カルデア唯一...唯一でいいわよね、のマスターです。あと声だけの軟弱者はドクターです」

 

「ちょっと所長!なんで私達の自己紹介奪っちゃうんですか!」

 

『僕なんて名前すら呼ばれてないんだけど!?』

 

「また職員でいいんだよなと自信無さげに言われそうだったから、わたしが責任を持って紹介したまでです。自覚を持ちなさい。あとロマンはいいでしょ、ロマンだし」

 

『わあい!立香くんと立花ちゃんの紹介はいい話っぽかったのに僕のは酷いぞ!とんだ理不尽だ!」

 

「おう、よろしくな。まあ、多分マスターの2人は坊主と嬢ちゃんでいくと思うけどな。ほら、立香と立花ってちょっと紛らわしいし」

 

「こっちも理不尽だ!?」

 

「えっと...わたしはマシュ・キリエライトと申します。カルデアの職員であり...ガイさんにもあとでちゃんと説明しますが、デミ・サーヴァントです」

 

「デミ・サーヴァント...?」

 

「ほお...かなりワケありじゃねえか。まっ、オレは深くは聞かねえさ。よろしくな、盾の嬢ちゃん。多分お前さんはマシュって呼ぶと思うぜ、紛らわしくないし」

 

「ねえ!私たちもちゃんと名前で呼んでよ!」

 

「あー、戦闘中以外なら考えとくわ。んじゃ、最後はアンタだな」

 

「ああ、クー・フーリンか...俺もあっちで名前は聞いたことがある。俺の名はクレナイ・ガイ。銀河の風来坊だ。よろしくな」

 

「お?おお、握手か。よろしく。って、銀河の風来坊ってなんだよ。あとさっき使ってたあれはなんだ」

 

「そうよ!さっきのブレスレットといい今のムチとかハサミとかムッキムキの腕といい!ちゃんと説明しなさいよー!!」

 

「だから所長!またてんやわんやですってば!」

 

『もう諦めるんだ、立香くん。そのてんやわんやはいつものとこだからね!』

 

「ああもう、あれは俺の先輩たちの力で...」

 

 

まったく、にぎやかなのはいいが、そろそろこの燃え続けてる街をどうにかしたいところだな。脱出か、原因をどうにかできればいいんだが...




シャドウサーヴァントの割に理性残ってたなアイツら。そこまで残ってなかった気がするんですけど、まあいいや


さて、またガイさんが先輩の能力を使ったので、その解説をば

ウルトランス
ウルトラマンビクトリーの能力。スパークドールズという人形化した怪獣の身体の部位を武器として振るうことが出来る
ガイさんの使うことの出来るのはグドン、サドラ、今回は未使用のキングジョーとEXレッドキングの4体。これらを瞬時に使い分ける事が出来る。中でもEXレッドキングは切り札的な扱いとなっている

あの姿でもレッドキングナックル使ってたので、使えてもそこまでおかしくないんじゃないかということで


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特訓-ULTIMATE INFERNO-

後半、頭悪い回警報が発令されました。至急今までにあったかも分からないシリアスさんは非難を命じます。支給、子宮、死球

だって、ウルトラマンさんが絡んで、特訓なんて、こうなるしか、ないじゃないですか

ちなみにサブタイですが、ULTIMATE INFERNO(ウルティメイト インフェルノ)と読みます


「てワケで、お互いのことを話し合ったが...なるほどなあ、人類が滅ぶかもしれないと。そりゃあ大変じゃねえか。んでアンタは宇宙を旅して怪獣をどうにかしてたと。なるほどなるほど、宇宙を旅して怪獣をなあ...いやどういうこったよアンタ。怪獣ってあれだろ、あの怪獣。どうやってどうにかしてたんだよ」

 

「そうよ!貴方の言う先輩とかその辺は色々聞いたけど!貴方がどうやって怪獣をどうにかしてたのか教えてもらってないわよ!」

 

「所長!いい加減俺も言いませんからね!てんやわんやになってるって!」

 

「ダメだよリツにい!もう言っちゃってるよ!」

 

「それはまあ、色々とな。俺とは違う宇宙では、人間も怪獣をどうにかしてた時があってさ、そんな感じだ。それは置いといて、聖杯戦争にサーヴァント、マシュについても色々聞いた。7組のマスターとサーヴァントの聖杯を賭けた戦い...か。聖杯ってあれか?あのアーサー王の伝説のやつか?」

 

『それはちょっと違うと思うよ。冬木で行われてる聖杯戦争の聖杯はアインツベルン家が提供したらしいから...って、アインツベルン家ってなんだって言われそうだけど、その説明は省くね。色々と話が広がっちゃうから』

 

「それなら今はいいか...あとサーヴァントか、英霊を使い魔にするっていうのは...どうなんだ?俺からしてみたら、先輩達を使い魔にするようなものなんだが」

 

『そこはそうなんだけどね...本来、英霊は使い魔にするなんて手に余る存在だ。だから本当は、聖杯戦争ってかなりバチ当たりなものな気がするんだけど...』

 

「まあ、オレはそこまで気にしちゃいねえけどよ。別にぞんざいな扱いはされて...されて...た、な...オレ...」

 

『まあ、ボクが言えることじゃないからこれ以上は置いとくけど、マシュがデミ・サーヴァントっていうのも聞いたね。これはかなり予想外の出来事なんだけど...宝具はまだ使えないんだっけ?』

 

「はい...試運転には十分な経験を積んだのに...まだ宝具が使えないんです。使い方の分からない、欠陥サーヴァントのようなのです...」

 

『マシュは責任感強いからなあ...でも仕方ないと思うよ?だって宝具だし。英霊の奥の手をすぐに使えるようにはならないんじゃないかなあ...』

 

「あ?そんなのすぐに使えるに決まってんじゃねえか。宝具と英霊は同じもんなんだから」

 

「えっ、そうなの?すぐに使えるの?」

 

「そのすぐに使えるものを、未だに使えないわたしは欠陥サーヴァントで決まりなのでは...」

 

「ああもう、そうやってすぐ卑屈になって。とにかく、サーヴァントとして戦えるなら、宝具は使えるんだよ。なのに使えないってコトぁ、単に魔力が詰まってるだけだ。なんつーのかね、やる気?いや弾け具合?とにかく、大声あげる練習してないだけだぞ?」

 

「そうなんですか!?そーうーなーんーでーすーかー!?」

 

「ファーーー!?」

 

「おわっ!ってなんだコイツ、獣?」

 

「ちょっと!いきなり大声出さないでよ!鼓膜が破れかけたわよ!本気で!」

 

「あ...申し訳ありません、所長。フォウさんも...でも大声をあげればいいってクー・フーリンさんが...」

 

「って、ガイさんは知らなかったけ。そりゃそうか、今まで出てなかったし。この子はフォウさん。なんだろう、カルデアのマスコット?」

 

「いやマスコットかどうかは...まあ、俺たちが目を覚ました時、いつの間にか一緒にいたんだよ」

 

「いや大声あげる練習ってのはモノの例えだったんだが...まあやる気あるのはいいけどよ。なあ坊主に嬢ちゃん、マシュがこう言ってんだ。少し寄り道してもいいよな?」

 

「ちゃんと名前で呼ばないと許しません!」

 

「寄り道って、どんな?」

 

「あー...立香に立花、少し寄り道するぞ。なに、ただの特訓だ」

 

「......」

 

特訓...だと...?

 

「な、なによガイ。なに怖い顔してるのよ」

 

「あー、マシュの心配してるのか?それだったらいらねえぜ?今のオレはキャスターだ。治療なら任せておけ」

 

「いや、そこじゃないんだが...まあいい。どんな特訓なんだ?」

 

「まあ見てな。まずは厄寄せのルーンを...ちょいちょいと。よし刻めた」

 

「え?なにしてるのアナタ。なんでわたしのコートにルーンを刻んでるの!?」

 

「アンタなら狙われてもさっきのでどうにか出来るだろ。そら、来たぜ」

 

 

ほお...スケルトンがいっぱい。そういうことか

 

 

「意味が分からないんですけどー!?」

 

「こうやってじゃんじゃん敵さんが寄ってくるからよ、じゃんじゃん倒してけってことだ」

 

「しょ、所長は私の後ろに!先輩達もこちらへ!戦闘準備を!」

 

「アンタは手を出すなよ。これはマシュの特訓だからな」

 

「...なあ、どんな感じの特訓なんだ?」

 

「あ?どんなって...まあ今はあちらさん忙しいから聞こえないだろうし、言ってもいいか。つまるところ、宝具ってのは英霊の本能なのさ。なまじ理性があると出にくいんだよ」

 

「なるほど、まず精も根も使い果たさせるってことか」

 

「そうだ。冴えてるだろ?」

 

「まあ、結構スパルタではあるが...まだ甘いな」

 

「あ?」

 

 

特訓なら...やっぱりあの人だろ?

 

 

「まあ、まずはマシュが宝具を使えるようになってからか」

 

「...嫌な予感しかしねえ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おう、そろそろ仕上げだ!主もろとも燃え尽きな!」

 

 

あれからスケルトンを倒し続けたあと、今度は本格的なサーヴァント戦ということで、クー・フーリンがマシュの相手をしている。後ろには立香と立花、マスターの2人がいる。運命共同体ってことで、クー・フーリンはマスターも狙っていたな。それもかなり続いてきた。仕上げってことは、宝具を使うつもりか

 

 

「焼き尽くせ、木々の巨人。灼き尽くす炎の檻(ウィッカーマン)!オラ、善悪問わず土に還りな!」

 

 

細木の枝で作られた巨人が現れ、炎を纏いマシュへと襲う。このままでは、マシュどころかマスターの2人も危ないな

 

 

「ねえガイ!流石に宝具は危ないわよ!?」

 

「だからって、ここで助けたら今までのことが意味なくなるだろ。今俺たちの出来ることは、マシュを信じることだけだ」

 

「マシュを...信じる...」

 

「別に信じちゃいないワケじゃないだろうが、大丈夫だ。マシュならきっと、いや、絶対に、2人を守ってみせる」

 

 

その盾は、そのためにあるんだろうからな

 

 

「あ、ああああああああー!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ...わたし、宝具を、展開できた...んですか...?」

 

「ほう、なんとか一命だけは取り留めると思ったんだが、まさかマスターともども無傷とはね。褒めてやれよ、立香に立花。アンタらのサーヴァントになったマシュは、間違いなく一線級の英霊だぜ」

 

「先輩...わたし、今...!」

 

「うん、おめでとう。マシュ」

 

「それとありがとう!マシュのおかげで、私たち無傷だよ!!」

 

「っ......!」

 

 

どうにか、宝具をモノに出来たみたいだな。マシュ

 

 

「マシュは守る側の人間。なら守らなきゃいけない状況にすればいいってことか」

 

「そういうこった。鳥に泳ぎ方教えても仕方がねえだろ?鳥には高く飛ぶ方法を教えねえとな」

 

「マシュは守るべきもの、そして守るための力を得たワケだ...じゃあ、マスターの2人には立ち向かう覚悟を身に付けてもらわないとな」

 

「あ?マスターの2人?そいつはどういう...おい、もしかして」

 

「...ねえ立花。俺さ、嫌な予感するんだけど」

 

「奇遇だねリツにい。わたしも嫌な予感しかしないよ」

 

「特訓といえばあの人しかいないワケでさ。マシュの特訓は終わったんだ。なら次はマスターの2人にも特訓を受けてもらわないとな」

 

『ウルトラセブン』

 

「ねえ、なんでだろう。今この状況下で、一番聞きたくない名前を聞いた気がするんだけど」

 

「うん。なんなら全力で逃げたい気分だよね、でもなんでだろう、わかる?」

 

「うん。逃げても意味が無い気しかしないよな」

 

「貴方の特訓、お借りします!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ガイさあああああん!!止めて!もう止めてえええええ!!」

 

「逃げるな!立香!逃げるんじゃない!立ち向かえって言っただろ!お前たちが立ち向かってこない限り、これはいつまで経っても終わらないぞ!!」

 

「だからって本当にずっと追いかけてくることないでしょってうわああああああん!!またこっちに来たあああああああ!!」

 

「これにブーメランとか岩とかも追加されないだけ有り難いと思え!俺はこれ以上厳しい特訓を10年間ぶっ通しで受けたんだぞ!!!」

 

「それ八つ当たりになってないよね!?わたし達に言われてもどうにも出来ないよおおおおおおおお!!!!!」

 

 

 

 

『あれは...なんとも...』

 

「......地獄ね」

 

「フォーウ...」

 

「あの、クー・フーリンさん...そろそろ止めた方がいいんじゃ...」

 

「いや、特訓ってのは最後まで続けなきゃ意味がねえ。それにジープに立ち向かって飛び越えることが目的だって言ってたから、そんな難しいことじゃねえ気がするぜ」

 

「いやそれってかなり絶望的なことでは...!?」

 

「しかし10年ぶっ通しであれ以上の特訓ねえ...アイツにも結構な鬼教官がいたんだな。影の国の修業以上かもしれねえ」

 

 

 

「だから逃げるなああああああああ!!!」

 

『もうやめてええええええええ!!!!!』




※この後、2人は見事に飛び越えることに成功しました

マシュも特訓受けたなら、そりゃマスターの2人も特訓受けなきゃでしょう。あとどうでもいいですが、これで
セブン→レオ→ゼロ→(ギンガ)ビクトリー→エックス
セブン&ゼロ→ガイさん→藤丸兄妹
という特訓家系図がまた更新されました

ガイさんがセブンさんのカードを使ってジープを召喚してたような気もしますが、実際出来るかどうか分からないのでこれもオリジナル設定です。いや絶対出来ないと思うので


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目指せ、大聖杯

Fateは知ってる友人に聞かれたので、前回のあの特訓についてちょいと説明を
ウルトラマンレオ劇中にて、先の戦いによる負傷で戦えなくなったウルトラセブンことモロボシ・ダンが、まだ未熟だったウルトラマンレオことおおとりゲンを侵略者を迎え撃つために課した特訓メニューそのままをガイさんは藤丸兄妹に課したのである
地球を守る為に侵略者と渡り合える者がレオことゲンしかいなくなってしまったことから鬼教官と化したセブンことダン。そういう背景があったことからスパルタになるのは仕方のないこととはいえ、それにしてもその特訓は地獄過ぎた
ちなみにその特訓シーンは、全てスタントマン無しでやってるのである。「あの時はいよいよ死ぬかと思った」と誰かは語った

というわけでタイトル通り今回は大聖杯を目指す回です。冬木の話も残り2、3話ぐらいでしょうか


「さて、立香達の特訓も終わって一休みしたことだし、さっき言った通り大聖杯の所へ行こうと思うんだが。いいか?」

 

「うん。俺は大丈夫だよ。所長がドライフルーツとか分けてくれたし」

 

「はい、所長がドライフルーツを持っていたとは...」

 

「美味しかったね!所長の手作りなんですか?」

 

「ええ、果物が支給された時に作るのよ。本当は天日干しの方がいいのでしょうけど...カルデアにはオーブンがあるから、それで作ってるわ」

 

「オルガマリーの手作りだったのか。優しい味がした、美味かったぞ」

 

「だ、だからそんなことで褒められても別に...」

 

「所長って女子力高いのかなあ。特注って言ってた礼装も気になるかも」

 

「はっ、そうよ!貴方達のせいで着替える時間なかったんだから!」

 

「ちょっと立花!余計なこと思い出させるなよ!」

 

「ほう、特注の。ずいぶん気合い入ってたじゃないか」

 

「まだ一度も袖を通せてないのに...ホント、許さないわよ」

 

「まだ着れてないのか?なら尚更、ここを脱出しないとな。クー・フーリン、本当にセイバーを倒せばその聖杯戦争ってのは終わるのか?」

 

「ああ、さっきも言った通り、オレ以外は全員セイバーに倒されたからな。だからオレがセイバーを倒せば終結するってことだ」

 

『あのサーヴァント達は既に倒された後に、なんらかの要因で復活した...泥に呑まれたって言ってたけど、それが原因かい?』

 

「そうだな。現にオレは、アサシン達が呑まれたのを見たからよ。まあそれよりも、ライダーとアサシンとランサーは倒したから、残ってるのはアーチャーとバーサーカーなんだが...」

 

「道中にいるのか?」

 

「ああ、アーチャーはいるだろうぜ。道中かセイバーと一緒にいるかは分からんが。ただバーサーカーはどうだろうな...奴さん、森に陣取ってやがるから大丈夫だとは思うが」

 

「泥に呑まれたサーヴァントは、一度倒せれたサーヴァントだから放っておいても大丈夫と?」

 

「まあそうでしょうね。あれはサーヴァントというより亡霊の類に近かったから、言うならシャドウサーヴァント...ってところかしら」

 

『シャドウサーヴァントか...なるほど。たしかに影と言えるかもしれないね。というかほとんど影だったけど。宝具とかは使えなさそうだったし...まあ、それでもサーヴァントには変わらないから、注意は必要だろうけど』

 

「そうだなあ...たしかにああなると宝具は使えねえみたいだな。でなきゃあれだ、さっきアサシン達が使わないワケないからな。んじゃ、話も付いたし向かうとしますかね。道中はさっきみたいなスケルトンとかが襲ってくると思うが、もう大丈夫だろ?」

 

「はい!さっきのサーヴァント戦と比べたら、スケルトンなんてお茶の子さいさいです!」

 

「後輩が頼もしくなってきて、俺は嬉しいなあ...マシュのが先輩なはずなのに」

 

「ホントホント、盾を振り回してさあ。凄い後輩だよねえ...先輩なはずなんだけど」

 

「ですから!わたしは先輩達の後輩ですってば!」

 

「...オルガマリー、前から気になってたんだが、あの先輩後輩のやり取りはなんなんだ?」

 

「色々と複雑なのよ。今は置いといていいでしょ、さっさと大聖杯へ向かうわよ。早くここから脱出したいことだし」

 

「......」

 

 

いや、それよりも気になることがあったか。玉響姫とオルガマリーが似ていること...玉響姫が過去の人物って以外に言えることは...女性、姫様...それ以外だとなんだ...?

 

 

「...どうしたのよ。なにか不安でも?」

 

「いや...そういうワケじゃないんだが...」

 

「なによ、しっかりしなさいよね」

 

 

...待てよ。過去の人物、これって言い換えると...

 

 

「......まさかな」

 

 

そんな残酷なことなんて、あってたまるか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『さて、案の定道中はスケルトンと竜牙兵...まあスケルトンの上位互換みたいなのが襲ってきたけどどうにかなったみたいだね。よかったよかった』

 

「よかったよかった〜じゃないよ!なんで私たちが目視してから『周りにスケルトンが!』って通信入れるの!?分かってるよ!だって目視してるもん!」

 

「『スケルトンより強い敵もいる!』って言われた時はサーヴァントかと思って、ホント死を覚悟したぐらいだったからなあ...」

 

「ロマン、帰ったら覚えておきなさい」

 

「はい、戸棚に隠してあるものが無くなっても知りませんよ」

 

『やめてくれないかなあ!?糖分は必需品なんだからね!!』

 

 

あれから大聖杯へ向けて足を進めたが、やはりと言うべきか、道中はスケルトンと、それよりも強い竜牙兵というガイコツが襲ってきた

まあ、それもシャドウサーヴァントとの戦いと特訓を乗り越えた藤丸兄妹とマシュの敵ではなく、俺やクー・フーリンの助けもほとんど必要無かったな。精々突っ込んでくる敵にキングジョーランチャーと火炎弾で牽制したぐらいか

 

 

「なあ、クー・フーリン。セイバーのサーヴァントの正体って分からないのか?キャスターの正体がクー・フーリンだったように、セイバーだって英霊の誰かなんだろ?」

 

「そうね。随分早いけど、これからセイバーとの決戦が待ってるし、情報は少しでも多い方がいいわ。なにかセイバーについて知ってることってないの?」

 

「知ってることねえ...そりゃあ知ってるさ。あれは一度食らえば、否応でも誰もがその正体に突き当たる。他のサーヴァントが倒されたのも、ヤツの宝具があまりにも強力だったからだ」

 

「強力な宝具...それはどういうことで?」

 

「王を選定する岩の剣のふた振り目。おまえさんたちの時代においてもっとも有名な聖剣。その名は」

 

約束された勝利の剣(エクスカリバー)。騎士の王と誉れの高い、アーサー王の持つ剣だ」

 

「ッ!?後ろだ!」

 

「あれは...アーチャーのサーヴァント!でも他のシャドウサーヴァントと違って、影に包まれていない...」

 

「キャスター、やはりここへ来たな」

 

「へっ、お前さんだってやっぱここにいたじゃねえか。しかもなんだそりゃ、イメチェンのつもりか?この騎士王様の信奉者が」

 

「...ふん。信奉者になった覚えはないがね。つまらん来客を追い返すぐらいの仕事はするさ」

 

「ようは門番じゃねえか。何からセイバーを護ってるかは知らねえが、ここいらで決着をつけようじゃねえか。永遠に終わらないゲームなんざ退屈だろう?どっちに転ぶにしろ、駒を前に進めねえとな?」

 

「その口ぶりでは、事のあらましは理解済みか。大局を知りながらも自らの欲望に熱中する...魔術師になってもその性根は変わらんと見える。文字通り、この剣で叩き直してやろう」

 

「はっ、弓兵が何言いやがる。っておい、なにぼんやりしてんだマシュ。アーチャー相手にお前さんの盾がなきゃ...いやいい、あんたらは先に行きな」

 

「えっ、何故ですか?わたしの盾がなきゃ、まともに詠唱が出来ないんじゃ...」

 

「いや、キャスターの言う通りだ。早く大聖杯へ向かえ」

 

「ガイさんも...なんでだよ?ここは全員でいったほうがいいんじゃないか?」

 

「いいから急げ!俺たちもすぐに合流する。早く!!」

 

「...あとで説明してもらうわよ。行きましょう、どうやらわたし達は邪魔みたい」

 

「...絶対に来てくださいよ。まだ俺は貴方に聞きたいことがあるんだ」

 

「私もだよ、だから...無事でいてよ」

 

「...すみません。ご武運を」

 

 

...行ったか

 

 

「よう、ガイ。なんでお前さんも残ったんだよ?」

 

「なんだよキャスター、お前も嫌な予感がしたんだろ?だからマシュの援護を断った。違うか?」

 

「...へっ、バレたなら仕方ねえや。ちょっと付き合ってもらうぜ、おいアーチャー!場所変え...やっぱりか!」

 

「むっ...これは、なるほど。何故ここへ来たかは知らないが、これは好都合。さあ、キャスターに異邦人。これで2vs2...いや、2vs1vs1か?ともかく、奴が来たとあっては一筋縄じゃいかなくなったぞ」

 

 

洞窟内を、奥から咆哮が響き渡る。それと同時にその咆哮がこちらへと近付いてくるのを感じる

 

 

「◼️◼️◼️◼️◼️ーッ!!」

 

 

最後のシャドウサーヴァント、バーサーカー

 

 

「気を付けろよ、ガイ。たしかにシャドウサーヴァントは宝具や能力に制限がかかるが、あのバーサーカーはそれを抜きにしても強い。存在自体が別格なのさ」

 

「バーサーカーの真名はヘラクレス。ギリシャの大英雄を相手に、楽に勝てるとは思わないことだ」

 

 

これが、この冬木での俺とキャスターの最終決戦になるだろう




あっ、あけましておめでとうございます。もう年明けて2週間経ちましたけど

見てわかったと思うんですけど、シャドウアーチャー戦にシャドウバーサーカーも加わりました
この冬木は前半ゲーム版がベースでしたが、シャドウアーチャーの風貌とかマシュはアーチャーと戦わないことなどアニメ版がベースのとこもあります。まあ、バーサーカー乱入はオリジナルというか何度か見たことあるようなシチュエーションでしょうが

さて、ガイさんがオルガマリーと会った時から抱いていた違和感。何故オルガマリーに違和感を覚えていたのかというと、ガイさんが何度か口にしていた玉響姫という人物と過去に出会っていたからです。その玉響姫というのは、今回ガイさんが言った通り過去の人物です。過去の人物、これは言い換えると...?
ちょっと先ですが、オルガマリーがどうなるのかも、見届けてください


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影との決着

どうも、インフルエンザで寝込んでました系筆者でございます
今年のインフルはタチが悪いと聞いてましたが、ある意味そうでしたね。普通インフルってもっと熱が出ると思うんですけど、そうでもなかったんですよね。まあ早めに病院行けたからあまり苦しむことも無かったってこともあるかもしれませんが。日曜もやってる病院はいい文明







あとはそうですね。インフル完治後のイベント周回で遅くなりました。僕は悪くない


洞窟でシャドウアーチャーと遭遇し、シャドウバーサーカーの気配を確認した俺とクー・フーリンは、クー・フーリンの誘導により洞窟を脱出、開けた場所へと移動していた

 

 

「...クー・フーリン、先に渡しておきたいものがある。少しでも武器はあった方がいいだろ?」

 

「あ?そりゃその方がいいけどよ、あんまあっても邪魔になるだけじゃねえか?」

 

「いや、場所は取らない。お守りみたいなものだ...よし、受け取れ」

 

「こいつは...なるほど、お前さんが使ってたのを何度か見たやつか。オレは使えねえと思ってたが...装備できるなら使えるか。使い方はあんな感じでいいのか?」

 

「ああ、受け継がれてきた力だ。きっと、いや...必ず役に立つ」

 

「そりゃありがてえ。ピンチになったら使わせてもらう...ガイ!」

 

「来たか...」

 

 

気づけば廃れた寺に到着していて、向こうからも気配を感じる。開けた場所ではあるが、アーチャー...弓兵が1人とバーサーカーが1人。とくにバーサーカーは要注意と聞いたが...どうなる

 

 

「なるべく俺がバーサーカーの相手をしたいところだが、アーチャーがそうさせてくれるかどうか...チッ!」

 

 

キャスターの足元に矢が突き刺さり、振り向けば後ろにはシャドウアーチャーの姿が見える。両手に片手剣を持ち、こちらに突っ込んでくる

 

 

「そんな寂しいことを言わないでもらおうか、決着をつけようと言ったのはそちらだろう」

 

「キャスター!」

 

「分かってら!ったくお前はいつも弓兵のくせして突っ込んできやがる!悪いガイ!バーサーカーの相手頼んだ!」

 

「ああ、そっちも気をつけろ!」

 

 

キャスターとシャドウアーチャーが杖と剣でかち合いながら場を離れる。こっちもそろそろ...ッ!

 

 

「くっ...!」

 

 

咄嗟にその場から飛び離れる。後ろから衝撃が岩を削りながら近づいていた。あのままそこにいたら、流石に危なかったな...

 

 

「■■■■■...」

 

 

衝撃が来た方へと目を向けると、巨大な影...影に包まれた巨体が地面に斧を叩きつけていた。また来る...!

 

 

「衝撃を飛ばしてくるなんて...どんな馬鹿力だよ...!ビクトリーさん!」

 

『ウルトラウェポンロード!ウルトランス!キングジョー・ランチャー』

 

「間合いを取っても!」

 

 

キングジョーのランチャーを右腕に宿し、徹甲弾を連発する

 

 

「■■■■■■ーッ!!」

 

 

が、それらを全て回避しながらこちらへと突っ込んでくる。迎え撃つしかないか...!

 

 

『ウルトランス!EXレッドキング・ナックル』

 

「おおおおおおおおお!!」

 

「■■■■■■ーッ!!!」

 

 

互いの拳、武器がぶつかり衝撃が走る。完全でないとはいえ、炎を込めたのに渡り合えるか...!!

 

 

「■■■■■ーッ!!!」

 

「ぐっ!?」

 

 

しかも押し負けてしまい、俺は吹っ飛ばされる。受け身は取れたが、今のでEXレッドキング・ナックルが消滅してしまった

 

 

「想像以上...いや、シャドウサーヴァントで良かったと思うべきか...恐ろしいな、ギリシャの大英雄...!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やっぱり、ガイのやつ手こずってるか...助けにいきてえところだが...アンサズ!!」

 

「ふっ!」

 

 

オレが撃った火球は、両手に持つ夫婦剣で叩き落される。ったくよ...!

 

 

「テメエ弓兵だろうが!弓兵が前へ出て来るんじゃねえって何回言やわかんだ!」

 

「キャスター相手に距離を取って何になる。貴様こそ、キャスターになったところで戦闘スタイルは変わらないと思っていたが...何を律儀にキャスターしているんだ。杖を槍代わりにして接近戦を仕掛けないのか」

 

「律儀にキャスターするってなんだよ。キャスターだとランサーの時と違って筋力が低いんだよ。タイマンなんざそうそう張れねえよ!」

 

「それは残念だ。火球を出すしか能がないか。これでは張り合いがない」

 

 

なんて言ってはいるが、奴も警戒は解いてねーか。まあいくらキャスターとはいえ、オレがここまで距離を詰めないようにするとなると、警戒するのは当たり前か

 

 

「...そんなことより、もう1人は一体何者だ」

 

「あ?もう1人ってなんだ」

 

「大聖杯へと向かった4人は予想は付いていた。貴様も来ることもだ。だがもう1人...ガイと言ったか。英霊でもなければ、魔術師でもない。なのにスケルトンや竜牙兵を倒し、ましてやバーサーカーを相手にできるとなれば...只者ではないということは明白だ」

 

「あー...オレもよく分かんねえよ。ただの風来坊じゃねえの?」

 

「...貴様に聞いた私が馬鹿だったということか。まあいい、貴様を葬ればあとはバーサーカーと私でどうとでもなる。あまり時間はかけんよ」

 

「嘘は言ってねえのによ...そら!」

 

「はあ!ルーンを刻む隙もなければ、この程度が限界か。そろそろ攻め時か」

 

 

...そろそろ、ね。そいつはオレも同じだぜ、アーチャー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「■■■■■■■ーッ!!!」

 

「くっ!」

 

 

シャドウバーサーカーの圧倒的な気迫とパワーを前にしても、思考を止めない。シャドウバーサーカーのパワーを相手に、どうすればいい。パワーならこちらもパワーか?だがEXレッドキング・ナックルでああなった以上、そうするのは悪手か?ならばあれしか...

 

 

「■■■■ーッ!!」

 

「ぐっ...!!」

 

 

勝ち筋は見えた。だがそれを行動に移さなければ意味がない。シャドウバーサーカーに少しでも隙を見せれば、一撃で再起不能だろう。何か、なんでもいい。一瞬でも隙が出来れば...!!

 

 

「アンサズ!!」

 

「■■■■...?」

 

 

火球...まさか!?

 

 

「チッ、吹っ飛ばすつもりだったんだがな」

 

「援護に回るとは、ずいぶん余裕だな。貰ったぞ!」

 

 

クー・フーリンとシャドウアーチャーの声が聞こえるが...このチャンス、逃してなるものか!!

 

 

「今しかない!メビウスさん!!」

 

『ウルトラマンメビウス!ウルトラウェポンロード!メビウスブレス』

 

 

メビウスさんのカードをリングに読み込ませ、左腕を構える。そこに現れるのは、メビウスさんの持つ神秘の万能アイテム、メビウスブレス

 

 

「とっておきだ!メビュームブレード!」

 

 

ブレスから出す光の剣、メビュームブレードでシャドウバーサーカーを斬り付ける

 

 

「■■■■ーッ!!」

 

「これなら小回りも利く、大振りな攻撃なら!」

 

 

シャドウバーサーカーの攻撃を避け続けながら、メビュームブレードで斬撃を与えていく

 

 

「ライトニングカウンター!!!」

 

 

メビュームブレードを引っ込め、ブレスから発生されたエネルギーを左拳に纏い、正拳突きのように突き出して繰り出すプラズマ電撃、ライトニングカウンターを至近距離で叩き込む

 

 

「■■■■■■■■■■ーッ!!!!」

 

 

今の一撃でかなりのダメージを与えることが出来た。キャスターの方は...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「援護に回るとは、ずいぶん余裕だな。貰ったぞ!」

 

 

バーサーカーに不意の一撃を浴びせることで、ガイに逆転の好機を与えることに成功したが、この瞬間、見逃さないわな

 

 

「がっ!!」

 

 

夫婦剣を振るわれ、咄嗟に防御するが右手に持つ杖を吹っ飛ばされちまった

 

 

「これで終わりだ。キャスター!!」

 

 

一気に勝負を決めようと、夫婦剣を投擲、アーチャーは飛び上がる。アレをやるつもりか...!

 

 

「こいつ、追尾式かよ!おわっ!?」

 

 

ギリギリで避けることに精一杯で、2投目でバランスを崩してしまう

 

 

偽・螺旋剣(カラドボルグII)!」

 

 

そこを逃さんと、アーチャーが最大の一撃を浴びせようとする

 

 

「けど甘えよ!!」

 

 

左腕に着けてあるブレスレットに右手をかざし、盾を出現させる

 

 

「うおおおおおおおおおおおおお!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「...ほう。それはなんだと思ったが、盾になるのか。たしかに御守りとしては上出来だろう。防ぎきることは出来なかったようだがね」

 

「...チッ」

 

 

盾を構え、身を守ることに成功したが、アーチャーの言う通り完全に防ぎきることは出来ずにダメージを負った。本来は金属装備出来ないことが原因か...?あの時装備出来たことも奇跡みたいなもんだが...

 

 

「このような形で決着というのは、些か残念ではあるが...私情は捨て置く。終わりだ!!」

 

 

再び夫婦剣を構え、こっちへ突っ込んでくる。それで刺してトドメって寸法か。そいつはずいぶん...

 

 

「ずいぶん、お前らしくねえじゃねえか」

 

 

 

 

 

 

 

 

「...こんな始末では、あの英雄王のことを言えないか。慢心でもしたか...」

 

「ああ、決着を急いで突撃なんざ、お前らしくなかったぜ。やっぱ泥に呑まれるとその辺も変わるか?」

 

「...ふん、盾が槍に変わることを予想しろというのも無理な話だと思うがね。だが...そうだな。警戒していたつもりが、それを解いてしまったのは否定しない。トドメの一撃を振るう前に、反撃で致命傷とは...ふっ、情けないにも程がある。セイバー...すまない...ここまでだ」

 

 

心臓を刺され、力を失いオレにもたれかかってたアーチャーが消滅した。突っ込んできたところで盾を槍に変え、その勢いのまま自分から刺さりに来る...ホント、情けねえ最期じゃねえか。冷静だったはずのアイツがなあ...

 

 

「こんな決着ってのは、残念で仕方ねえよ。アーチャー」

 

 

...泥だけが原因だといいんだが

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ライトニングスラッシャー!!!」

 

 

ブレスから引き出したエネルギーを両手の手刀に込め、シャドウバーサーカーへ突っ込む

 

 

「■■■■■■■ーッ!!!」

 

 

最初に喰らわせてきた衝撃波を避け、振るって来る斧をさばき続け...これで!

 

 

「ぜああああああ!!」

 

「■■■■■■■■■ーッ!!?」

 

 

ライトニングスラッシャー。手刀に込めたエネルギーで切り裂くことで、シャドウバーサーカーの動きを止める

 

 

「これで決める!」

 

 

切り抜け、一定の距離を取ってから振り向く。左腕のブレスをスパークさせ、エネルギーを解放させる。解放したエネルギーを収束し、腕を十字に組む

 

 

「メビュームシュートオオオオオオ!!!!」

 

 

メビウスさんの必殺光線、メビュームシュートをシャドウバーサーカーへ放つ

 

 

「■■■...■■■■...■■......」

 

 

高熱の光線はシャドウバーサーカーを包み、蒸発させる

 

 

 

 

 

 

 

 

「はあ......はあ......ぐっ...!」

 

「っと、大丈夫かよ。ずいぶん派手にやったじゃねえか」

 

「...クー・フーリン。そっちも終わったのか」

 

「ああ、お前さんがくれたコイツのおかげか、かなり変わった戦い方だったがな。返すぜ。にしてもさっきのはなんだ?宝具級じゃねえか」

 

「...本来この条件のメビウスブレスで使えるのは牽制技だけだが、それを無理矢理色んな技を使えるようにしたのがこれでな...さっきのは奥の手中の奥の手...といったところか。反動は大きいがな...」

 

「なるほどなあ...んで、そのせいで疲れ果ててるってことか。ホントに大丈夫か?」

 

「少し休めば動ける...だから先に行っててくれ。宝具を使えるようになったマシュなら負けることはないだろうが...かといって勝てはしないだろ?」

 

「そりゃあそうだがよ...いいのか?」

 

「立香たちにはすぐ追いつくと伝えてくれればそれでいい。早く向かってくれ、もしかしたらもう戦ってるかもしれない」

 

「...分かったよ。オレに任せな」

 

「......クー・フーリン」

 

「なんだ、ガイ」

 

「...また会おう」

 

「...応ッ」

 

 

...少しお別れだな、クー・フーリン




色々と暴走した感がすごいですが、それは元からなので笑って見逃してください。ダメ?



メビウスブレス
ウルトラマンメビウスの持つ万能アイテム。変身アイテムでもあり、攻撃アイテムでもある
人間態でもメビウスブレスの技を使えるが、それは本来は牽制技であるメビュームスラッシュだけ。そのリミッターを解除したようなものなので、他のウェポンロードよりも消耗スピードが早い
中でも最大の必殺技、メビュームシュートを使うとしばらくマトモに動けなくなるまで消耗する
正に奥の手であり、短期決戦用最終兵器と言っても過言ではない


キャスターなのに金属装備してる
(ウルトラの奇跡ってことで流してください)地球上で作られたものではないため、キャスターの装備規制に該当しなかった。しかしそれでも、規制が足を引っ張り力を十全に引き出すことは出来なかった




そして私事ですが、人理修復、完遂しました。色々と思うこともあるというか、どっかの友人のせいでネタバレされてたとかは置いといて、自分の目で見るのとじゃやっぱ違うんだなと改めて感じました。勢いで手を出していいものじゃないよなあとも改めて感じましたが、それはご愛嬌。自分のペースで、この人理修復を立香達やガイさんは駆け抜けますので、暖かい目で見守ってください
次はここまで遅くならないようにしようと思いながら、次回で炎上汚染都市ノ章、完結です。どうかお楽しみに


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決着、帰還。そして...

前話のあとがきの通り、この話で炎上汚染都市ノ章は完結です
二話に分けてもいいかなとは思ったんですが、いいや、詰めちゃえとなった次第です。わりと長くなるかもしれませんが、ゆっくり読んでください


ガイさんとクー・フーリンがシャドウアーチャーと...咆哮が聞こえたのは、多分シャドウバーサーカーなんだろう。引き受けてくれたからオレ達はここにいる

 

 

「これが大聖杯...」

 

「これほどの魔術炉心...極東の島国にこんなものがあったなんて...」

 

「そのアインツベルン家って、それほどの勢力なんだね...」

 

『アインツベルン家については戻ってから時間があったら教えるから、今は目の前のことに集中してほしい。サーヴァント反応がある。クー・フーリンの言う通りなら、セイバーのサーヴァント...アーサー王がそこにいる』

 

「アーサー王...でしたら宝具は間違いなくエクスカリバーです。私に防げるのでしょうか...」

 

「大丈夫だよ。クー・フーリンの宝具を防げたんだから、きっと大丈夫」

 

 

 

立花がマシュを励ますけど、マシュの顔色が優れない。アーサー王のエクスカリバーとなると、一般人の俺でも知ってる程の有名なもの。サーヴァントは有名なほど強力になるっていうし、そうなるのも無理もないことなんだけど...

 

 

 

「...クー・フーリンとガイさんが送り出してくれたんだ。負けるわけにはいかないよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほう、面白いサーヴァントがいるな」

 

「なんて威圧感...あれが本当にアーサー王なの...?」

 

『間違いないよ。変質してるようだけど、彼女はブリテンの王、聖剣の担い手アーサー王だ。伝説上とは性別が違うのは、きっと何か事情があってキャメロットでは男装してたからだろう』

 

「はい...男性だと思ってましたが、あの声は女性のものです」

 

「でも甘く見ない方がいいわ。見た目は華奢でも、恐らく魔力放出で強化してくるから。一撃一撃が重いだろうし、何よりエクスカリバー。あれの存在は厄介よ」

 

「何を語っても見られている。故に案山子に徹していたが...面白い。その宝具は面白い。構えろ、名も知らぬ娘。その守りが真実かどうか、この剣で確かめてやろう!」

 

「来るぞマシュ!さっきまでの敵とは格が違う!気を付けて!」

 

「はい...!」

 

 

マシュが盾を構えると同時に、セイバーが斬りかかる。さっきクー・フーリンと戦ったのはあくまで特訓、本気でかかってきてはいただろうけど、今は実戦...シャドウサーヴァントとは違う初めてのサーヴァント戦。しかもその相手がアーサー王になるなんて...

 

 

「リツにい!危ない!!」

 

「えっ...!?」

 

 

セイバーの斬撃で地面が砕け、その岩がこっちに...

 

 

「ああもう!ボーッとしてるんじゃないわよ!」

 

 

所長が地面に石を投げ、目の前に魔術で作られた盾が展開。オレを守ってくれた

 

 

「しょ、所長...」

 

「マシュを心配する気持ちも分かるけど、いま貴方が出てってもマシュの負担になるだけよ。いまは耐えなさい」

 

「......でも、相手はあのアーサー王で...」

 

「マシュは貴方達のサーヴァントなのよ!そして貴方達はマシュのマスター!マスターが自分のサーヴァントを信じられないって言うの!?」

 

「ち、違う!信じてないワケじゃない!でも...それでも...」

 

 

彼女1人だけを戦わせるなんて...

 

 

「はああああああああ!!」

 

「ぐっ!あああああああ!!!」

 

「っ!?マシュ!!」

 

 

セイバーの斬撃がマシュを吹っ飛ばし、マシュは地面を転がっていた

 

 

「あ...くっ...」

 

「マシュ!立って!その盾は私たちだけを守るものじゃないよ!」

 

「立花...先輩...」

 

「目の前のセイバーの攻撃を防ぐことに集中してくれ!自分の身を守らなきゃ、誰かを守ることなんて出来ない!」

 

「立香...先輩...」

 

「貴女は今や数少ないカルデアの職員でもあります。それをこんなとこで失うわけにはいきません!そのためにもここを凌ぐのよ!マシュ!!」

 

「所長...」

 

 

俺たちの言葉で、マシュはもう一度立ち上がる。少しフラつきながらも、その足は崩れない

 

 

「ボロボロになりながらも立ち上がるか。主を守らんとするその意思...ならば!」

 

 

セイバーを纏っていた魔力のほとんどが剣に集束される。あれってまさか...!?

 

 

「宝具を放つつもりか...!?」

 

「マシュ!必殺技が来る!耐えて!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これを防げるか!『卑王鉄槌』、極光は反転する。光を呑め...!」

 

 

セイバーが宝具を解放しようと...私も、さっき解放した宝具を...!

 

 

「宝具...展開します...!」

 

 

 

約束された勝利の剣(エクスカリバー・モルガン)!」

 

擬似展開/人理の礎(ロード・カルデアス)!」

 

 

セイバーの聖剣から放たれた闇が、私が展開した盾へ襲いかかる

 

 

「ううううううう!!!」

 

 

分かってはいましたが、エクスカリバーの威力はスケルトンやシャドウサーヴァントの攻撃とは比べ物にならなくて、盾を持つ手がずっと震えていて、ダメなのに、頑張らなきゃ私は、なんのために...

 

 

「ここへ来て迷いが出るか...残念だ。そのまま焼かれるがいい!」

 

 

出力を上げたのか、盾に掛かる負荷がさらに重くなって、今にも呑み込まれそうで...

 

 

「ここまで...なんでしょうか...」

 

 

私だけじゃ...戦いきることなんて...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「...えっ?」

 

 

ここまでかと思ったとき、両肩と両手を何かに支えられてて、その前にも何かが頭の中に響いて...

 

 

「1人だけで戦うなんて、そりゃあ怖いよね。オレだったらここまで出来ないよ」

 

「しかもいきなりサーヴァントになって、相手がアーサー王なんだから。スゴイよ、マシュ」

 

 

私を支えてくれたのは、先輩達の手でした。ということは、いま先輩達は私の後ろにいて...!?

 

 

「だ、ダメです先輩!ここにいては、先輩達も...!」

 

「嫌だよ。私達はここをどかない。1人でダメなら2人、3人。大丈夫、どうにかなるよ!」

 

「だってオレ達、マシュの先輩なんだろ?後輩がピンチのときに、先輩が駆け付けないで、誰が駆け付けるってのさ」

 

 

...さっきは気づかなかったけど、先輩達がわたしの手を握ってくれてるような感じで、あの時...いえ、それ以上に、あたたかいです

 

 

「だから、マシュ...」

「うん。だから...」

 

 

わたしの周りに、あたたかいものが溢れてきて、わたしを包んでくれてます。すごく...あたたかい

 

 

『諦めるな!』

 

「うううううううう!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今のは...そうか。だが今ので力を出しすぎたようだな」

 

「あっ...」

 

「マシュ!」

 

 

セイバーの宝具を耐えきったけど、マシュは宝具の解放に慣れてなかったからかほとんど力をつかいきってしまい、フラついている

 

 

「大丈夫です...勝負はまだ...」

 

「ここまでだ。エクスカリバー...!」

 

 

またセイバーが宝具を放とうと...くそっ

 

 

「我が魔術は炎の檻、茨の如き緑の巨人。因果応報、人事の厄を清める杜」

 

 

この声...来てくれたんだ...

 

 

「よくここまで持ち堪えたな」

 

 

キャスター...クー・フーリンが駆け付けてくれた

 

 

「倒壊するは...ウィッカー・マン!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「結局、どう運命が変わろうと私一人では同じ末路を迎えるという事か」

 

「どう意味だそりゃあ。テメエ、何を知ってやがる」

 

「いずれ貴方も知る、アイルランドの光の御子よ。グランドオーダー...聖杯を巡る戦いは、まだ始まったばかりだということを」

 

 

そう言いながら、セイバーの身体はどんどん消滅していく

 

 

「おい待て!そりゃどういう...くっ」

 

「キャスター!?あなたまで...」

 

「そういうことだ。あとは任せたぜ、立香と立花、マシュにオルガマリーよ。ガイならすぐやってくるだろうぜ」

 

「...ありがとう、クー・フーリン」

 

「おうよ。もし次があるなら、そん時はランサーとして喚んでくれ」

 

 

そう言って、クー・フーリンも消えていった。すると上の方から何かが...

 

 

「セイバー、キャスター。共に消滅を確認。私たちの勝利...なのでしょうか」

 

『うん!よくやってくれたみんな!ってあれ、マリー所長?』

 

「...何故あのサーヴァントがその呼称を...」

 

「所長ー?どうしたの、ぶつぶつ何か言って」

 

「てんやわんやしてない所長って、なんか珍しいですね」

 

「えっ...?あっ、いえ。なんでもありません。それと立香、いつも私が慌てふためいてるような言い方はやめなさい!」

 

『あー、ともかくみんな。いま出現した物体の回収をお願いするよ。放置していいものじゃなさそうだし』

 

「そ、そうね...冬木の街が特異点になった原因はあれにありそうだし。水晶体...かしら」

 

「はい。支給回収...な!?」

 

 

影から何かが現れてきた。その姿は人間のようで...えっ!?

 

 

「まさか君たちがここまでやるとはね。計画の想定外にして、私の寛容さの許容外だ。48,49人目のマスター適正者。しかも訳ありな子供だからと善意で見逃してあげた私の失態だよ」

 

「レフ教授!?」

 

「爆発に巻き込まれたはずじゃ...!?」

 

『レフだって...!?レフ教授がそこにいるのかい!?』

 

「おや、その声はロマニ君かな。君も生き残ってしまったか。まったく...」

 

 

今まで笑みを浮かべていたレフ教授は、カッと目を見開き、さっきまでとは正反対の顔を浮かべた

 

 

「どいつもこいつも統率のとれないクズばかりで吐き気が止まらないな!人間というのはどうして定められた運命からズレたがるんだ?」

 

「レ、レフ...?生きてたのは嬉しいけど...その言葉って...」

 

「予想外のことばかりで頭にくる。オルガ、二番目の予想外は君だ。死んだはずの君がここにいるなんて」

 

「えっ...?い、いやね、レフ。私は生きてるじゃない、なんの冗談よ、さっきから...」

 

「たしかに、君はいまここに存在している。だがね、オルガ。君の肉体はとっくに死んでいるんだ。あの爆発でね。残留思念になった君が、この土地に転移させられたということさ」

 

「う、嘘よ...そんな...そんなことが...」

 

「だってそうだろう?君にはレイシフト適正はなかった。なのにここにいる。おかしいと思わなかったのかい?何故自分がレイシフトに成功しているのか。答えは単純さ、君は死んだことでレイシフト適正を手に入れたのさ」

 

「...待って。ということは、所長は...」

 

「子供の割に察しがいいな。そう、オルガはカルデアには戻れない。意識だけの存在が保てるのはこの特異点だけだからね。消滅しに行けるわけがなかろう?」

 

「き、消えるの...?私...い、いやよ...」

 

「だろうね。君は生涯をカルデアに捧げてきた。ならせめて、今カルデアがどうなってるか教えてあげようじゃないか」

 

 

そう言ったレフ教授は、手に持った水晶体を光らせる...嘘だろ

 

 

「カルデアの...管制室...!?」

 

「そう。オルガのために時空をつなげてあげたのさ。聖杯を使えばこんなこともできる。そして見たまえ、カルデアスを。人類の生存を示す青色など存在しない。あるのは燃え盛る赤色だけだ!」

 

「ふ、ふざけないで!あんなのただの虚像よ!人類は滅んだりしないし、私も死んでなんかない!消えて無くなりなんかしない!」

 

「まったく...最後まで耳障りな小娘だったな、君は」

 

 

レフがそういうと同時に、所長の体が宙に...!?

 

 

「なっ...体が、何かに引っ張られて...!?」

 

「最後の私からの慈悲だ。どうせ死ぬなら、最期は君の宝物に触れたまえ」

 

「ふ、触れるって...カルデアスに...!?高密度の情報体で、次元が異なる領域なのよ!?」

 

「そう、ブラックホールと何も変わらない。いや、太陽かな?どちらでもいいか。なんにせよ、人間が触れれば分子レベルで分解される地獄の具現だ。遠慮なく、生きたまま無限の死を味わいたまえ」

 

「い、いやあああああああ!!!!」

 

 

所長の体がどんどん引っ張られて...くそっ!

 

 

「所長!!」

 

「ダメ!りつにぃ...ダメ...!」

 

「ダメです、いけません先輩...!貴方も近づくと、同じ目に...」

 

「そんな...所長!!!!!!」

 

「いや、いや、いや!助けて!誰か助けてよ!わたし、こんなとこで死にたくない!誰もわたしを評価してくれなかった!みんなわたしを嫌ってた!だからわたし...嬉しかったのに!あの時ガンドで助けたことを褒められたこと!ドライフルーツ分けてあげただけなのにそれを感謝されたこと!そんなことでも褒めてくれたから、もっと頑張ろうって思ったところなのよ!だってあの時まで...生まれてからずっと、ただの一度も、誰にも認めてもらえなかったから!!いやあああああああ!!!」

 

「もう...間に合わない...!」

 

 

所長の体がカルデアスに触れて、そのまま飲み込まれる...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

かと思われた

 

 

「...えっ?」

 

 

青と赤の光が、頭上を横切ったと思えば、その光は人の姿となって、オルガマリー所長を抱き抱えた

 

 

「あれ...あれも宙に浮かんでないか...!?」

 

「なっ...バカな!何故だ!何故貴様がこんなところに!いや、何故この世界にいる!?」

 

「レフが慌てふためいてるけど...ここからじゃよく見えないよ...」

 

「くっ...まあいい、これを知ることが出来ただけよかったと思うことにしよう。覚えておけ!カルデア残党たちよ!私はレフ・ライノール!貴様たち人類を監視するために遣わされた2015年担当者!そしてお前たち人類は既に滅んでいると!カルデアスで保たれてはいるだろうが、カルデアの外はこの冬木と同じ末路を迎えている!カルデア内の時間が2016年を過ぎれば、そこもこの宇宙から消滅する!せめて無駄な抵抗を続けるがいい!もはやこの結末は誰にも変えられない!人類史による人類の否定をな!!」

 

 

そう叫んだレフは、姿を消した

 

 

「あっ...」

 

「所長!!って、あれ...?」

 

 

所長を抱き抱えていた誰かが所長を地上に下ろしてくれたけど、気づけばその姿は見えなかった

 

 

「所長、さっきのは...?」

 

「...分からないわ。顔はよく見えなかったし、胸の辺りしか見えなかったけど...肩になにかプロテクターを付けてるような感じで、胸にはリングが目立って、赤と青が目立つ色をしていたとしか...」

 

「そうですか...サーヴァントでは無いと思いますし、なによりあの慌てよう...気になりますが...!?」

 

 

突然地面が揺れたけど...これって...

 

 

『大変だ!その特異点はもう限界だ!崩壊が始まりつつある!』

 

「待って、ガイさんは...!?」

 

「そうだ、ガイさんがいない!」

 

「おーい!!大丈夫かみんな!!!」

 

「この声...ガイさん!?ガイさん!!オレたちはここだ!!」

 

「悪い、遅くなった。オルガマリーと立香の叫び声が洞窟に響いて、急いでこっちに向かってたらこの揺れが始まってな...無事そうでなによりだ」

 

「...あのね、ガイ。わたし...どうやら死んでるみたいなのよ」

 

「...なんだって?」

 

「わたし以外はレイシフトしてカルデアに戻れば安全だけど、わたし、どうやら戻ると同時に消滅しちゃうらしくて。せっかくあの人が助けてくれたけど...まあ、カルデアスに飲み込まれるよりはマシかしらね。ロマニ、レイシフトの準備は出来てるでしょうね?」

 

『...うん。出来てはいるけど、3人しか...』

 

「って、そうだ!ガイさんってカルデアから来たわけじゃないから、ガイさんも!?」

 

「...いや、オレは大丈夫だ。カルデアに戻ってな。崩壊に巻き込まれちゃ、おしまいなんだろ?」

 

「...そうよ。貴方達は生きてるもの。早く行きなさい。所長命令です」

 

『...さようなら。オルガ』

 

「待って!ガイさん!所長!」

 

 

全てを言い切る前に、オレの目の前は真っ暗になった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「...貴方、本当に大丈夫なの?このままじゃ崩壊に巻き込まれるわよ」

 

「...そんなことより、オルガマリー。アンタ、本当にこれでいいのか?」

 

「...だって、もう死んでるんじゃ...どうしようも出来ないじゃない。さっきはあんなこと言ったけど、カルデアに帰れないんじゃ...」

 

「.........」

 

「...嘘よ。本当はもっと生きたいわよ。あの子達にしかレイシフト適正がないなら、あの子達が今後戦っていくことになるのよ。そんなことになって、わたしが脱落して...いやよ!せめて戦えないなら...サポートの1つぐらい...!」

 

「...分かった。賭けになるが、ちょっと眠っててくれ」

 

「えっ..,?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「...さ...」

 

 

誰かの声が聞こえる...

 

 

「ガ......ん!」

 

 

...そうか、この声が聞こえるってことは...うまくいったのか

 

 

「ガイさん!」

 

「...よう、銀河の風来坊...改め、今はカルデアの風来坊ってか?ともかく、よろしくな」

 

 

これがうまくいったなら、きっとうまくいくだろう




炎上汚染都市 冬木
〜サーヴァントと風来坊〜
定礎復元

〜ここでオーブの祈り(1番)が流れる〜


さて、オルガマリーどうなったの?とか、どうやってガイさんカルデアに来れたの?とかは次回、お話しましょう
ともかく炎上汚染都市ノ章、閉幕です。まだ冬木です。なっが。どんだけ時間かけてんだって話ですが、まあ、はい。ゆっくりやってきますので、またご期待ください


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幕間の物語 ようこそカルデアへ
ようこそ、おかえりなさい。カルデアへ


ここから数話は幕間の物語みたいな感じになるのかな?
今回は状況説明、召喚、そしてもう一つとあります。オリジナル設定マシマシですのでどうぞよろしく


冬木から脱出した俺が目を覚ましたときに立っていたのはどこかの施設内で、目の前にいるのは藤丸兄妹とマシュ、そして1人の男だった

 

 

「ガイさん!無事だったんだね」

 

「ああ、ここはカルデアでいいのか?ともかく3人が無事でよかった。で、アンタが声が聞こえてたドクターか?」

 

「…うん。僕はロマニ・アーキマン。ロマンって呼んでくれると嬉しいな。クレナイ・ガイだね?特異点Fではみんなを助けてくれてありがとう。カルデア所長代理としてお礼を言うよ」

 

「…所長代理?」

 

「ああ、僕よりも上の役職の人がもういないんだ。あのレフ教授の裏切りで管制室が爆発。何人もの犠牲者と負傷者がでてしまって…って、レフ教授って言っても分からないかな。それにオルガマリー所長も…」

 

「…そうだ、ガイさん。所長はどうなったの?」

 

「私たちは先にカルデアに送られたけど、ガイさんと所長は冬木に残ってたよね?あの後って…」

 

「…そうだな。それについて説明しないとな。その前に1つ聞くが、今の状況ってどうなってるんだ?あの時みたいに、英霊を召喚しようとしてたのか?」

 

「はい。これから人理焼却に立ち向かうために、英霊のみなさんに力をお借りしようと召喚しようとしたら…」

 

「その前に光が広がって、そうしたら目の前にガイさんがいたんだよ…」

 

「…そうか。やっぱり、上手くいったみたいだな」

 

「それってどういう意味かな?」

 

「…ロマン。クー・フーリンの説明通りなら、あの時あそこにあったのって聖杯だろう?ここにあるか?」

 

「聖杯?たしかにあるけど…まさか、オルガを生き返らせようと?残念だけど、聖杯でも死人を生き返らせることは…」

 

「やってみなきゃ分からないこともある。ここじゃなんだ。その管制室に移動しよう」

 

 

 

…ここに来れたんだ。死んじゃいないさ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ガイさん、聖杯は用意したけど、どうする気なの…?」

 

「ああ、悪いが俺から少し離れてくれ。初めてのことだからな、どうなるか分からない」

 

 

 

俺はリングと一枚のカードを取り出し、4人にカードを見せる

 

 

 

「そのカードって…ガイさんの先輩たちのカードじゃ?」

 

「………!?待ってくれ、ガイくん。そのカードは…」

 

「そうだ。オルガマリーにも言ったが、これは賭けだ。上手くいってくれよ!!」

 

 

 

リングにカードを読み込ませ、カードが光の粒子となり宙に浮かび、少ししてから具現化する

 

 

 

「うそ…」

 

「こんな…ことが…」

 

「いつまでもこのままというわけにはいかないだろう。どうなんだ?ロマン。これでもダメか?」

 

「…いや、これならいける。貴方がどうやってここへ来れたのも納得がいった。なら、いけるはずだよ。藤丸くん!聖杯へ願うんだ!どんな言い方でもいい!」

 

「は、はい!聖杯よ、お願いします!オルガマリー所長に肉体を!!」

 

 

 

立香が持っていた聖杯から光が溢れ、聖杯は光の球体となり、宙に浮かんでいたオルガマリーと融合し、辺りが光に包まれる

 

 

 

「ん…ここは…私どうなって…」

 

 

 

光が止んですぐ、オルガマリーが目を覚ました。上手くいったみたいだな…

 

 

 

「おはよう、オルガマリー。気分はどうだ?」

 

「えっ、あっ、お、おはよう…?いや…それより私…」

 

「おかえり、オルガ。こうしてまた会えて、すごく嬉しいよ」

 

「えっ、ロマン…?ってことはここ…」

 

「はい!ここはカルデアです!帰ってこれたんですよ、所長!」

 

「カルデア…?本当に…?でも、私って…」

 

「ガイさんのおかげです!ガイさんが、特異点から所長を連れて帰ってきてくれたおかげです!」

 

「このリングは、力をカードに変換する能力を持っているんだが…その応用で、精神だけになったオルガマリーの存在を留めておくことが出来たんだ。初めてのことだったから、上手くいくかの保証もなかったがな…」

 

「じゃあ、ガイさんがカルデアに来れたのって…」

 

「そうだ、オルガマリーのカードを方位磁石代わりにしてな。俺だけじゃない。お前のカルデアへ帰りたいという強い気持ちが、俺をここへ導いてくれたのさ」

 

「じゃ、じゃあ…私…大丈夫なの…?き、消えたりしない…?これからも生きていけるの…?」

 

「ああ、もう大丈夫だ。消えたりしない。これからも、ずっと生きていける」

 

「………っ!」

 

「おっと…」

 

「ありがとう…!本当に…ありがとう…!」

 

 

 

オルガマリーが俺に抱き付き、そう言って涙を流していた

…怖かったろうな。信頼していた人からの裏切り、そしてその人に殺されていて、そのまま消えて無くなってしまうかもしれないなんて

そんな残酷なことなんて、あってたまるか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「見苦しい姿を見せてしまったわね…ともかく、この礼は後でちゃんとするとして、話はロマニから聞きました。早い事英霊を召喚しなさい」

 

 

 

それから少ししてオルガマリーは立ち直り、マイク越しにマスター2人に指示を飛ばす。今俺がいるのは召喚ルームの外で、ガラス張りの窓から中の様子が見える

 

 

 

「いまこのカルデアで人理焼却に真っ向から立ち向かえる存在は、立香くんと立花ちゃんとマシュの3人だけなんだ。もちろん、僕たちもサポートはするけど…それだけじゃあまりにも心許ない。だからここはカルデアの技術の出番さ」

 

「俺も話は聞いたが…普通はマスター1人につき英霊は1人だけなのが、ここの召喚システムってやつだと何人も呼べるというわけか」

 

「ええ、立香と立花の2人は1人1人だと無いに等しいのだけど、2人が同じ場所にいると魔術回路の質が爆発的に跳ね上がることが分かったのよ」

 

「だから2人で1人のマスターってことになってたのか」

 

「まあ、それが無くてもカルデアからのバックアップで英霊を現界させることは可能だけど、無いよりある方がよっぽどいいからね。何が起こるか分からないし…」

 

「いまカルデアにいる英霊ってマシュだけか…たしかに、もう何人か欲しいな」

 

「ああいや。1人いることにはいるんだけど…まあ、その内会うか。ともかく召喚が始まる。誰が来るかは分からないけどね」

 

「立香に立花、さっき言った通りそこに聖晶石をはめ込んで。それだけあれば少なくとも3騎は呼べるはずよ」

 

「はい!これをこうして…あれ、どうすればいいのこれ」

 

「おい立花。これ機械じゃないんだからちゃんとやれよ。そんなとこで母さんに似るなよな。全く…貸してみろって」

 

「むっ!お母さんと比べられるのは心外だよ!私お母さん程機械音痴じゃないよ!」

 

「はいはいオレが悪かったオレが悪かった。こうして…よし、出来ましたよ!」

 

「ならそこから少し離れなさい。そろそろ召喚が始まるわよ」

 

 

 

立香と立花がその場から離れる。少しすると地面に魔法陣が展開され、そこから出る光が回転を始める

 

 

 

「普通の英霊召喚には触媒となるものが必要なのだけど、これは縁召喚を基にしていて、誰が来るかまでは分からないのよね。それはさっきロマニも言ってたことだけど」

 

「…まあ、少しは察しがつくけどな」

 

 

 

そう言ってまたルーム内を見ると、三本の光が広がり、すぐに収束する。そして光に包まれる

 

 

 

「サーヴァント、アーチャー。召喚に応じ参上した」

 

 

 

そこにいたのは赤い外套に身を包んだ白髪の男。恐らく冬木で遭遇したシャドウアーチャーの本来の姿…というべき存在だろう

 

 

 

「物好きな人ですね。生贄がお望みなら、どうぞ自由に扱ってください」

 

 

 

続いてバイザーで両目を隠した紫色の長い髪が特徴の女性。影に包まれてたからよく分からないが、こっちはシャドウライダーか…?

 

 

 

「問おう。貴方達が私のマスターか」

 

 

 

そして最後に現れるのは青と白の甲冑を着た騎士。俺は会ってないから確証はないが、恐らくセイバー…アーサー王だろう。伝説と違って女性だが、何か事情があったのだろう

 

 

 

「凄い…本当に来てくれたんだ…」

 

「ありがとう。英霊のみんな。召喚の際に知識とかが入ってると思うけど、これからこちらの事情を説明したいと思う。ひとまずそこから出よう」

 

「…そうですね。こちらも色々と聞きたいことがありますが、それはその後でいいでしょう」

 

「…こっちを見ているようだが、私がどうかしたかな」

 

「……その様子だと、2人も少しは記憶があるようですね。なんともまあ…数奇な運命で」

 

 

 

3人とも面識があるのか、何やら微妙な顔をしているようだが…それよりもロマンの指示に従ったのか、3人とも召喚ルームから出た。俺も向かうと…ん?

 

 

 

「どうした、ここから出ないのか?」

 

「あっ、ガイさん…あの3人が召喚に応えてくれたのは凄く嬉しいんだけど…」

 

「うん…あの人、来てくれなかったんだよね…」

 

「召喚システム上、仕方ないというのは分かるんですが…」

 

 

 

……そういえば、さっきポケットを見たときにたしか…

 

 

 

「ああ、やっぱりあったな。ほら、これを使いな」

 

「えっ?これって聖晶石…なんでガイさんがこれを?」

 

「俺が冬木に現れたときに英霊を召喚しようとしたんだろ?多分だが、その分が帰ってきたんじゃないかね。ともかく、これで1人は呼べるんじゃないか?」

 

「先輩!」

 

「うん、早く呼ぼうよ!これなら…」

 

「…ああ!ありがとう、ガイさん!」

 

「礼はいい。オルガマリー達には俺が伝えとくから、早く呼びな」

 

 

 

…一度繋がった縁は、そう簡単に無くなったりはしない。俺はそのことを、あの時に痛感した

 

 

 

「おっと。今回は、キャスターでの現界ときたか」

 

 

 

『…また会おう』

『…応ッ』

 

 

 

「ああ、アンタらか。前に会ったな?」

 

 

 

それは、ここでも同じだろう




オリジナル設定というかで、オルガマリーさん生存です
ガイさんの言った通り、リングでオルガマリーの精神をカード化し留めておくという荒業。もちろんオリジナル設定です
立香が聖杯に願うところ、あれ「受肉せよ〜」とかでいいと思うんですけど、一般人の立香でああいう言い回し出来るか?とか思ったので、ちょっとぐだぐだなあれとなりましたが、個人的に少し気に入ってます

そして、何故ここのカルデアじゃ立香と立花の2人1組のマスターなのか少しだけ明らかにしましたが、もう少しだけ理由ありますがそれも後で

呼ばれた英霊についても、次の話で触れます。とくに1人は重要なポジションとなりますので、そこもお楽しみに。オリジナル設定マシマシとなりますが


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家族の話をするとしよう

彼らの物語が祝福に満ちるかは、これから次第


その前に、何やらロマンがガイさんに用があるようで?


「あっ、ガイくん。ちょっといいかな?」

 

「ん、ロマンか。何だ?」

 

「詳しいことは後で説明するけど、今から召喚ルームに来れるかな?」

 

「…?まあ、説明してくれるなら別にいいが」

 

 

 

俺が召喚ルームに行って、何をしようって言うんだ?

 

 

 

 

 

 

 

 

「って、召喚ルームなんだからそりゃあ召喚しかないか」

 

「そう!ここからはこのダ・ヴィンチちゃんが説明するとしよう!」

 

「誰だアンタ」

 

「あー…さっきちょっと言ったと思うけど、彼がガイくんが来る前からカルデアにいる英霊、レオナルド・ダ・ヴィンチだよ」

 

「…そうか。よろしく、レオナルド。知ってると思うが、俺はクレナイ・ガイ。銀河の風来坊改め、今じゃカルデアの風来坊をしている」

 

「ふんふん。君が噂のガイくんだねえ。話は色々と聞いたよ。特異点じゃみんなを助けてくれたそうじゃないか。頼もしい味方がいるというのはこちらも心強い。是非とも彼らを支えてくれると嬉しいな。それとダ・ヴィンチちゃんと呼んでくれると嬉しいな!」

 

「…じゃあ、ダ・ヴィンチちゃん。よろしく」

 

「って、よく会話続けられるね!?なんかこうさ!ないの!?なんで女なの?とか!レオナルド・ダ・ヴィンチって男だったよね?とか!」

 

「こういう相手は慣れてるからな。経験ってやつかもしれない」

 

「ガイくんの周りどうなってるの!?」

 

「いやダ・ヴィンチちゃんはかなりマシな方だな」

 

「いやガイくんの周りどうなってるの!?」

 

「聞きたいか?」

 

「聞きたくないなあ!」

 

「好奇心は猫を殺す。あまり深入りし過ぎると身を滅ぼすぜ?まあともかく、ガイくんにも召喚をしてもらおうってワケさ!」

 

「あれって聖晶石ってのが無いと出来ないんじゃないのか?だったら藤丸兄妹に回してやってくれ。俺じゃなくていいだろ」

 

「いや、これは聖晶石を必要としない召喚でね。カルデアの召喚システムを維持してると、どうしても余剰なエネルギーが出てくるんだ。それを使って召喚をすることが可能ってことさ!まあ、殆ど出てくるのは概念礼装や種火で、英霊は呼べてもアーサー王ほど強力な英霊は呼べないけどね」

 

「まあ、エネルギーが溜まればタダで召喚が出来るって覚えてくれればそれでいい。あと概念礼装っていうのは、物質や事象などから概念を摘出して、英霊に能力として身につけることが出来るものなんだ。それと種火ってのは、英霊のエネルギーとなるものって感じでいいかな」

 

「…要するに、俺がそれをすれば他のみんなの支えになるってことか。ならそうだな、やらせてもらおう」

 

「オッケー!ならもう準備は出来てるから、ガイくんはその台に両手を置いてくれたまえ。そうすると始まるからね」

 

 

 

聖晶石をはめ込んだ台に、聖晶石をはめ込む窪みの横に手形が出来てるな。ここに置けばいいのか

 

 

 

「…アイツらを支えるためにも、力を貸してくれ」

 

 

 

手を置くと、この前みたいにルーム内が光に包まれる

 

 

 

「アサシンのサーヴァント、佐々木小次郎。ここに参上つかまつった」

 

 

 

光が止むと、目の前にいたのは侍だった。いま本人が名乗ったが、佐々木小次郎っていうと…

 

 

 

「宮本武蔵と決闘したあの佐々木小次郎か?」

 

「…さあ。正確には違うと思うが…そこはあまり気にしないでおいてくれるか。拙者が何者だろうと、主人に仕え剣を振るうただの農民として、戦力になろうよ」

 

「ワケありって感じか…まあともかく、召喚に応えてくれてありがとう。これからよろしくな」

 

「承った」

 

「…ねえレオナルド。佐々木小次郎って名前、聞いたことある?」

 

「いやあ…そもそも私に聞くの間違いじゃない?ていうかサムライでいいんだよね?いま農民って言ってなかった?」

 

「えっ、いやいや聞き間違いでしょ。あんなサムライの格好した農民なんていないでしょ」

 

「うーん…アーチャーのエミヤくんといい、色々とワケありな英霊が多いなあ」

 

「…ごめん。もうスルー出来ないから言うね。ガイくん、この召喚って10回連続で出来るんだ。何が呼ばれるかは完全ランダムだけどさ」

 

「……………そうだな」

 

「むっ…主人、今気づいたのだがこの部屋…何やら妙なものが見えるのだが」

 

「……………気のせいじゃないか?」

 

「いやいやいや!いくらなんでもおかしいよ!10回中1回は英霊を呼べて!他の全部は概念礼装で!しかもそれが全部同じものだよ!?しかも麻婆豆腐!実物が出て来るだなんておかしいよ!?」

 

「うーん…概念礼装だからね、普通は概念を摘出されたカードみたいなものが出るはずなんだけど…あっ、でもその麻婆豆腐から概念を摘出することは可能みたいだ。こっちでやっておこう」

 

「いやでもどうするのこれ?食べるの?そもそも食べていいの?凄く赤いけど?」

 

「………………とりあえず、食堂へ持って行こう。ここでは食べられないだろ」

 

「主人…その顔、覚悟を決めたようだ。拙者も出来ればお供したいところだが…」

 

「いや無理しないでよ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なあアーチャー。なんかここで見るとは思わなかったもんが目の前に広がってるんだが」

 

「気のせいだろう。あの外道しか食べなさそうなものがここにあるとは思えん」

 

 

 

私たちが食堂へやって来た時のこと、目の前に広がっていたのは麻婆豆腐。しかもあれはあの麻婆豆腐。人の食べるものじゃないものが何故こんなところにあるというのだ…

 

 

 

「いやでもガイのやつ食い続けてるぞ」

 

「なんだと!?」

 

 

 

馬鹿な!あの麻婆豆腐を食べ続けるだと!?

 

 

 

「アツいやつ!頼みます!うおおおおおおおお!!!」

 

 

 

燃えてる。ガイの背後が、すごく燃えている。これは…まさか…

 

 

 

「……なあ、アーチャー。オレさ、あれ食えるやつって、よっぽど心が冷え切ってるヤツだけだと思ってたんだがよ」

 

「……ああ。その逆、燃え盛るハートの持ち主も、あれを食すことが可能ということか…流石だ」

 

「此度の主人…なかなかの強者と見た。これは拙者も負けてられんな」

 

「………アサシン、何故ここに?」

 

「あれじゃねえか?ガイに呼ばれたんだろ」

 

「あっ。エミヤにクー・フーリン。ここにいた…貴方は?」

 

「佐々木小次郎。アサシンのサーヴァントよ。事情は先程浪漫殿から聞いた。そなた達が立香殿に立花殿、マシュ殿か。此度の召喚も色々と複雑だが、そなた達の力にもなろうよ」

 

「また仲間が増えたんだね!よろしくお願いします!サムライだよリツにい!サムライ!!」

 

「アサシンですか…これでバーサーカーとランサー以外のクラスが揃ってますね。これは次の戦いは動きやすくなるのではないでしょうか」

 

「そうだね…アルトリア達と一緒に前線に出ることになるかな?あっ、後で顔合わせとかしないとだよね。ていうか立花!サムライサムライ連呼するなよ!」

 

「だってサムライだよ!?あのサムライ!目の前にいるんだよ!?」

 

「気持ちは凄く分かるけど流石にうるさいっての!!」

 

「……むぅ。拙者が農民と言えない空気。どうしたものか」

 

 

 

……このにぎやかさ、懐かしさまで感じるな。さて…ではそろそろ

 

 

 

「そろそろランチタイムだな。私が厨房に立とう」

 

「おっ、アーチャーの飯か。いいじゃねえか。肉がいいな、肉」

 

「えっ、エミヤって料理作れるんだ?」

 

「それなりにな。あまり自慢できるものではないがね」

 

「ならオレも手伝うよ。家じゃたまに作ってたからさ」

 

「むっ…そうか。ならマスター、お願いしよう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………馬鹿な」

 

 

 

この味付け…そして作業工程。これは……

 

 

 

「……マスター。先程たまに家で料理をすると言っていたが…誰に教わったんだ?」

 

「えっ?ああ…そもそもオレん家、ご飯は基本父さんが作るんだよね。オレも父さんから教えてもらったんだけどさ」

 

「父親が…」

 

「そうそう。お父さんってレスキュー隊の仕事しててさ、普段は家にいるんだけど、スクランブル出動?みたいなので行かないといけないときはリツにいがやってくれるんだ。ていうかリツにいって、髪色お母さん似なのに、性格とかはお父さん似だよね。私って髪色お父さん似だけど」

 

「まあそれでもオレが用事ある時は母さんがやってくれるけどね。立花も出来るは出来るけど、あまりやることはないんだよね」

 

「だってお父さんとリツにいがいるから出る幕無いんだよ!この女子殺し!」

 

「女子殺しってなんだよ!だいたい立花は姉ちゃんと遊んでばかりだろ!」

 

「それはリツにいも一緒でしょ!だって勝てるわけないじゃんあの人に!」

 

「いや…まあ、それはそうだけど…」

 

「………兄妹は2人だけと聞いたのだが、その姉さんというのは?」

 

「ああ、いや姉さんって言ってももうそんな歳じゃ…いやなんでもないなんでもない。あの人見た目若いもんな。父さんがお爺さんの家に住んでた時に近くに住んでて仲良くなった?って感じだったかな。ともかく突然家に来てはご飯食べさせろーって言うからさ…まあその分良くしてもらったけど」

 

「………………」

 

「あの人もスゴイけど、叔母さん達も濃いよね。見た目私たちより下だったり、叔父さんを完全に尻に敷いてたり」

 

「いやあれは叔父さんの言い方がなあ…悪い人じゃないんだけど、色々と誤解されやすいから…まあ、叔母さんもそれを分かってるんだけどさ。あとあの人はあれだから、特別天然記念物だから。お婆さんと一緒だから。なんであんな見た目若いのか永遠の謎だから」

 

「お母さんの方のお婆ちゃんも若いからね…なんなんだろ。私もああなるのかな?じゃあリツにいはお爺ちゃんみたいに?」

 

「えー…普段目が死ぬか優雅になるの?いや普通がいいな…」

 

「でも私たちが行くとジジ馬鹿発揮するじゃん」

 

「そりゃオレもああなると思うけどさ?」

 

 

 

……そうか。この2人は…

 

 

 

「…………マスター。両親の名前、教えてもらってもいいか?」

 

「えっ?藤丸——に、藤丸——だけど…どうしたの?」

 

「——————」

 

 

 

ああ…やはりそうか。この2人の両親は…しかも親戚一同まで…

 

 

 

「……幸せに暮らしていたんだな」

 

「うん。でも、今は…」

 

「そう…人類焼却で……」

 

「…………」

 

 

 

……これは、私たちが最後まで支えなくてはいけないな。この2人が、その幸せな時間を取り戻すまで…

 

 

 

「……奴も、オレにはならないだろうからな」

 

「急にどうしたの?」

 

「いや、なんでもないさ」

 

 

 

此度の戦い、護るべきものに取り戻すべきものが沢山ある。脱落するワケにはいかない。そのためにも…他の英霊との協力が必要だ。今のメンバーなら大丈夫だろうが…いや。英霊以外にもいたな。頼もしい仲間が。彼がいるなら…

 

 

 

「……立香に立花、か。護ってみせるさ。必ず」




小次郎の口調が安定しない件について

前回最後に言った、重要なポジションとなるサーヴァントはエミヤでした。彼が聞いた両親の名前。ご想像にお任せしましょう
2人の親戚一同や、名字のあれとか、色々ありますが、それもご想像に(以下同文



















「へぇ、ここか」

次回、変態警報


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ヤツが来た

(不穏なBGM)が各所に流れるようなサブタイ

そういえばとっくに令和になりましたね。いやはや、こんな早くに平成が終わるなんて思いませんでしたよ、本当
さらにウルトラマンの新作も発表されましたね。6年連続で新作が観れるなんて、ファンの喜びの舞で弁財天五弦琵琶出来そう。さらに3人のウルトラマンが1人の主人公に、と今までにない展開でホントワクワク
それはともかく、その内他の兄弟の息子も出てきそう。てかウルトラマンはそろそろ本名教えてくれてもいいんですよ?


いや令和ちゃんあちいよ。あっちい


……あれ、ここはどこだろう。僕ってたしか…

 

 

 

「遺跡…かな?って、なんでこんなところにいるんだろう。早くカルデアに帰らないと」

 

 

 

にしてもこの遺跡、どこか見覚えがあるなあ…いつ見たんだろう。少なくとも最近じゃないし…

 

 

 

「……あっ。そうか、この遺跡って…」

 

 

 

なにかを思い出しそうになったとき、僕の視界は光に包まれた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……懐かしい夢を見たなあ」

 

 

 

自分の部屋で仮眠から目を覚ました僕は、朧げな記憶を頼りにさっきまで見てた夢を思い出す。あの夢って、たしかあの時に見たんじゃなかったかな…なんで今更になって…

 

 

 

「おやぁ、お目覚めですかぁ?」

 

 

 

聞こえるはずのない誰かの声が聞こえた僕は、年甲斐も無く叫び声をあげるのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんだあれ」

 

 

 

俺がカルデアに来て3日目。環境の変化に慣れてきたところで、とんでもない爆弾が潜んでいた

 

 

 

「ふむ…主人殿は只者ではないということは分かるが、剣の腕前は劣るか…いや、だが面白い体験が出来た」

 

「俺は斬り合いをしていたはずだよな?なんで何もないところから衝撃が飛んでくるんだ?なんで小次郎は分身っぽいことをしてくるんだ?」

 

「ガイ、深く考えちゃいけねえ。アイツはSAMURAIだからな。多分純粋な剣の腕じゃセイバーを上回るぜ」

 

「ええ。悔しいですが、彼に勝つのは難しいでしょう…いえ、そう簡単には負けませんが」

 

「だが彼は侍ではなく農民のはずだが…それに彼が斬ったという燕、本当に燕か?幻想種でなく?」

 

「もちろん、燕だとも。無論、ここまでしなくとも燕は斬れるがな」

 

「なら何故そこまで登り詰めたんですか…貴方のせいで私は侍を誤解するところでしたよ」

 

 

 

カルデアにあるシュミレータールームで、英霊のみんなが模擬戦をしてたので混ぜてもらったのだが…なんだあれ。次元屈折?燕を斬るために?変態か?

 

 

 

「あっ、ガイくんもここにいたんだね…どうしたの?なんかキミから太平風土記について聞いた時みたいな顔してるけど」

 

「侍と戦ってたと思ったら、宇宙剣豪と戦ってたみたいなことがあってな…流石は英霊。思い知った」

 

「私も面白い体験が出来た。また手合わせ願いたいものだ」

 

「手が分かるなら対応のしようはあるが…どうだろうな。次はもっとマシになるといいな。っと、ロマンは俺に用か?」

 

「ああ、そうだそうだ。カルデアに新しい職員が増えたからさ。ガイくんに紹介しようと思って」

 

「…?なんで俺に紹介……っ!?」

 

「ん?どうした、ガイ。急に緊張した顔して」

 

「………アルトリア、メドゥーサ。肩には気を付けろ」

 

「肩…?何故急にそのような…!?」

 

「どうしました、セイバー。そんな顔をして…」

 

「おやおや、そんな綺麗な顔を歪めてはいけませんよ。お嬢様?」

 

「ひっ!?」

 

「うおっと!?なんだコイツ突然現れてはライダーの肩にアゴ乗せて!ってなんだこの状況!?」

 

「私ですか?私はこういう…」

 

「それはいいから、早く離れないと痛い目に合うぞ」

 

「……はっ、テメーに言われるまでもねえ。ここには英霊がいるっていうからどんなもんかと思えば…たしかに、只者じゃねえことは分かる」

 

「じゃあなんであれやったんだ」

 

「アイデンティティって知ってるか?」

 

「あー…どうやらガイくんの知り合いってのは本当だったようだし、よかったかな?よくない?まあそうだよねゴメンねメドゥーサだからそれおろしてくれないかなあ!?」

 

「…………はっ、何でもありません。何でもありませんよ。この程度で慌てる程私はそんなに」

 

「そんな慌てなくてもいいじゃないですか。お嬢さん?」

 

「だからそれ止めろと何回言えばってアルトリア!メドゥーサを抑えてくれ!!」

 

「待ってくださいライダー!ここで宝具を解放すればカルデアが危ないです!!」

 

 

 

 

 

 

 

「お見苦しいところを見せてしまいました…」

 

「いや、どう考えてもコイツが悪いからな。迷惑かけてすまなかった。代わりに謝る」

 

「んで、第一印象ひでえがコイツは何者だ?なんかガイと正反対って感じがするが」

 

「この人はジャグラス・ジャグラー。さっきも言ったけど、カルデアの新しい職員だよ」

 

「また就職したんだ。褒めてくれよな?それと流石は英霊様。そこを読み取れるとはな。そう、俺とガイは正反対の存在だ。なんせ光と闇だからなぁ?」

 

「いや読み取るってか、ただ胡散臭そうって思っただけなんだが」

 

「まあコイツは胡散臭いし面倒臭い変態だが、純粋悪って程ではない。だからっていいやつでもないんだが」

 

「はっ、テメーになんて言われようがどうってことはねえ。それよりガイ、お前にお届けモノだ」

 

「なんだ、カルデアの職員かと思えば配達員か。何を届けて…これは!こうしていられない!!」

 

「っておいガイ!突然どこへ!って、聞こえちゃいねえか…」

 

「ふむ…ジャグラー、ガイとはどのような関係なんだ?」

 

「あ?そんな大したもんでもねえ。ただの腐れ縁だ」

 

「なら何故ここへ来たんだ?ここへ来るのは簡単ではないはずだが」

 

「はっ、そんなの決まってるだろ。アイツを倒すのはこの俺だ。どこかの誰かのせいで勝手にくたばってもらっちゃ困るんだよ」

 

「……なるほど。なら、そこまで心配はいらないか」

 

「ねえみんなー!さっきガイさんがすごい速さでダ・ヴィンチちゃんのとこへ…あなた誰?私は藤丸立花!」

 

「英霊じゃなさそうだけど…じゃあさっきロマンが言ってた新しい職員さんかな?オレは藤丸立香。立花の兄です。で、こっちはオレ達の後輩のマシュ・キリエライト」

 

「せ、先輩!自己紹介ぐらい私にもできますよ!しかし、新しい職員さんというより、そんなに刀を持ってることから戦闘員って感じですが…」

 

「……ずいぶん賑やかになったな。ジャグラス・ジャグラー。ガイとは腐れ縁だ。仲良くしてくれよな?」

 

「じゃあジャグジャグだね!!」

 

「…………………は?」

 

「えっ、仲良くしてってことはアダ名で呼んでってことじゃないの?」

 

「いやそういう意味じゃなくて…おい、そこの英霊共」

 

「い、いやなんでもないぞ、ジャグ…ジャグラー。な、なんでもないんだ。そうだろう?キャスター」

 

「そ、そうだぜアーチャー。そんな、突然の立花の天然炸裂に笑ってるだとか、そ、それに対するお前の顔に笑ってるわけじゃハハハハハハハ!!わりぃ我慢できねえこんなの!ワハハハハハハ!!」

 

「ナイスです、マスター。ずっとそれで呼んであげてください。彼も喜びます」

 

「喜ぶか!普通にジャグラーでいい!」

 

「ええー?ほんとにござるかぁ?」

 

「…よし、そこの侍。話を聞く限りそこシュミレータールームらしいな。斬り合いだ」

 

「あー…ジャグラー、そいつはな」

 

「ほほう…それはいい。主人殿の知り合いとなれば…これは楽しみだ」

 

「……まあいいや。一回やり合えば分かるだろ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あああああああっ!なんなんだあれは!」

 

「いい感じに発狂してやがるな。でも見た感じいい勝負だったんじゃねえか?それなりに対応してたと思うが」

 

「我流と聞いたが…じゃぐらあ殿もなかなかの強者だった。剣から衝撃波を飛ばしたりと多芸でありながら、それに慢心することなく堅実に仕掛けてくる。私の燕返しもそこまで効かなかったからな…」

 

「ただの侍かと思ったら、何もないとこから衝撃を飛ばしてくるわ、分身っぽいことしてくるわ!なんなんだお前は!本当にただの侍か!?宇宙剣豪じゃないのか!?」

 

「ふむ…これは私が農民と言っても信じないな?」

 

「馬鹿を言うな!こんな農民がいてたまるか!」

 

「これについては心の底から同意します」

 

「おーいみんな。ちょっとお知らせがあって…どうしたの?」

 

「あー…ちょっとNOUMINの恐ろしさをね」

 

「ふーん?まあ、彼に対して色々ツッコミたいってのは私もそうだからとくに何も言わないけど、それよりお知らせだよみんな。こっちに来てくれたまえ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カポ-ン...

 

「やはり風呂はいいものでござるなあ…」

 

「いやぁ、まさかデカい風呂がこんな気持ち良いもんだとは思わなかったぜ。ガイのおかげだな、ありがとよ!」

 

 

 

男女別に分かれた大きな風呂、あの銭湯をカルデアに再現することが可能になったため早速作り上げてしまった

 

 

「ジャグラーが設計図を届けてくれたのと、作るのに協力してくれたダ・ヴィンチちゃんのおかげだ」

 

「リツにいー!石けんちょうだーい!」

 

「はいよー、ちゃんと取れよ。ほら」

 

「うわぁ!っとっと!危ないなあ!ちゃんと投げてよ!」

 

「壁越しなんだからそんな狙えるか!」

 

「これが日本の銭湯かあ…資料では知ってたけど、実際に体験するのとじゃ全然違うねこれは!命の洗濯してるよー」

 

「しかしレオナルドがいてくれて助かったな。普通番台にはお爺さんやお婆さんがいるものだが、このカルデアにお年寄りはいない。だがレオナルドという適役がいてくれたため、どうにかこの銭湯を運営することが出来る。なんらかの役に立つものだな」

 

「他の職員も後の時間に入れるように出来るから、モチベーションも上がるんじゃないかなあ。ガイくんは本当にありがとう!」

 

「風呂を沸かすのは俺の仕事だが、代わりに一番風呂は貰うぞ。これだけは譲れん」

 

 

 

すまんが、あれは地球で一番の贅沢だからな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふー、サッパリしたぜ!カルデアにいる内は入り放題ってのはいいな」

 

「朝風呂も出来るようにするから、トレーニング終わりとかに使うといい」

 

「あー、いいね朝風呂!旅行とか思い出す…アルトリア?どうしたの?」

 

 

 

風呂場から出て着替え場を出ると待合所になっていて、そこには女性メンバーがいたんだが、何やらアルトリアの顔色が優れないな…のぼせたか?

 

 

 

「いえ、なんでもありません。本当に、なんでもありません」

 

「あっ、ガイさん!ラムネもらってるよー」

 

「アイスももらってます!これ美味しいです!」

 

「ああ、ラムネかアイス一回の利用につき1人1本までだからな。その日の気分で選ぶといい」

 

「うんうん。突然なにを依頼されたと思ったら、こういうのだったら大歓迎だ。みんなのモチベーションも上がるしね。しかしラムネってのはいいね、凍らせばアイスキャンディというものにもなる。食堂に置けないの?」

 

「どうだ?エミヤ」

 

「何故私に聞く…まあ、食後のデザートは私が作るから、置くならラムネになるだろうな」

 

「うわあこのラムネいいなあ!シュワシュワしてスッキリしてほんのりの甘さが!僕好きだよこれ!明日はアイスキャンディ貰おうかな!」

 

「お楽しみのところ悪いけどロマニ、さっきのことだけど…」

 

「あっ、オルガ。ゴメンねみんな、ちょっと席を外すよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さっきのことというと、立香くんと立花ちゃんの検査結果のことかい?」

 

「ええ、そうなんだけど…」

 

「思い出したことがあるから、2人を検査してくれって言われたけど…とくになにも異常は無かったよ。そういえば、その思い出したことってなにかな?」

 

「……冬木でセイバーと相対した時のこと、マシュがセイバーの宝具を防ぎきった時、そちらでどのように観測してたの?」

 

「ん、その時は…たしかマシュの魔力が爆発的に増えて、宝具の盾が強固なものとなって防ぎきった…そのように観測したけど、それがどうしたの?」

 

「……立香と立花の2人はとくに何も無かったの?」

 

「うん。その2人からはとくに何も…ああ、そういえばマシュはあたたかいものに包まれてた、って言ってたっけ。うーん…でもとくに何も無かったんだけど…でもその口ぶりだと違うのかな?」

 

「………光よ」

 

「えっ?」

 

「光が…2人の中から溢れて、マシュを包み込んだのよ」

 

「光…か。ひかり…ヒカリ…それがマシュの魔力の源になったのは間違い無いんだろうけど…うーん…事前検査の時もとくに2人に何か変わったものがあるってことは無かったけどなあ…」

 

「……これからも調査は必要ってことでいいかしら。あと、お風呂に入る前に聞いたことだけど」

 

「ああ、それは僕も聞いたよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そろそろ次の特異点が見つかりそうなんだ」




「これが最初のオーダー…第1グランドオーダー、開始!」
「いってらっしゃい。ガイ、マスター達を頼んだよ?」
「安心しな、悪さはしねえよ」



「待ってくれ、15世紀のフランスに、ワイバーンなんているはずがない!」
「なんでこんなことに…」
「あの竜の魔女だよ!アイツのせいで俺たちは…!」
「ともかくどうにかしないと!この人たちが…!」



我が同胞(サーヴァント)たち、我の指示に従いなさい。この地に破壊と殺戮を!」
「おお…帰ってきたのですね…私の光が…!」
「この世界の裁定者(ルーラー)として審判を下します。災禍の象徴たる、邪竜を以って!」



「愛を知らぬ哀しき竜よ…」
「血よ、血よ、血よ!」
「我は闇にあって闇にあらず」
「愛しき君へ私は歌う…」
「ああ…あああああ!!」
「Arrrthurrrrrr!!」
「やっと会えた…今度こそキミを…」
「その美しさに泥を塗ること…お許しください」



「ええ、決着を付けましょう」
「I am the bone of my sword」
「とっておきをくれてやる」
「生贄になったのは、そちらでしたか」
「秘剣・燕返し!」



「ヴィヴ・ラ・フランス!」
「聴くがいい。魔の響きを!」
「邪竜、滅ぶべし!」
「汝は竜、罪ありき!」
「どうかご笑覧あれ」
「ボエ〜!!」



「主の御業をここに」



「宝具、展開します!」
「頼んだよ…みんな!」
「こんなこと…止めなくちゃ!」



『見せてやるぜ。俺たちの絆!』
『ウルトラマン。ウルトラマンティガ。フュージョンアップ!』
「光の力、お借りします!」



ウルトラマンオーブ外伝〜Grand Order〜
邪竜百年戦争ノ章〜闇を照らす光〜


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邪竜百年戦争ノ章 闇を照らす光
ファーストオーダー


扁桃腺炎で入院系筆者です。地獄だった。具体的には切った時麻酔効いてないだろ
やっとこさオルレアンです。このペースだと完結までどんだけかかるんだこりゃ
それと、1万UA突破してました。みなさまありがとうございます。これからもふわっと読んでってください

あと大事なことを説明し忘れてましたが、ガイさんはNOUMINを召喚しましたが、令呪とかは持ってないです
というのもカルデアのエネルギーによる召喚(所謂フレンドポイント召喚)は、誰でも召喚自体は出来るものとしているので、通常の召喚とは異なり、正規のマスターとはなれないものとしています
ただ召喚したことには変わりないので、指示や命令はちゃんと聞きますし、藤丸兄妹の令呪による命令、魔力供給を受ける事は可能です
変な設定になりましたが、ご確認をお願いします


…?なんでオレ…こんな暗いところにいるんだ?

 

 

 

「暗いのもそうだし、何もないところだな…ここはどこなんだ?」

 

 

 

暗くて何もない場所ってなると…夜明け前の山頂ってこんな感じじゃなかったか?ずいぶん前に登ったきりだから、はっきりとは覚えてないけど…うん?誰かの声が…

 

 

 

「何故お前なんだ…何故…!!」

 

 

 

あれは…ジャグラーさん?それと目の前には…あれ、なんでだろう。目の前が急…に…真っ暗………に…………

 

 

 

 

 

 

 

「……なんの夢だったんだ…?」

 

 

 

この頃変な夢ばかり見る。部屋にいるだけの女の子の夢を見たと思えば、今日は夢にジャグラーさんが出てきて…

 

 

 

「……ジャグラーさんの目の前にいたの、なんだったんだ…?それを認識しようとしたら、真っ暗になって……」

 

 

 

立花も女の子の夢を見たと言ってたから、もしかしたらこの夢も見たのかもしれないけど…

 

 

 

「先輩。起きていらっしゃいますか?」

 

「リツにいー、早く起きないと遅れるよー」

 

 

 

っと、今はそれどころじゃないか

 

 

 

「おはよう。立花とマシュ。さすがに起きてるよ」

 

「おはよ、リツにい」

 

「おはようございます。よかったです。先輩方はすぐにレムレムしてしまいますから。ですよね、フォウさん」

 

「フォウフォーウ」

 

「あれは慣れないことに身体が追いつかなかったからなんだけどなー…」

 

「ともかく、管制室に行こうか。今日はいよいよ…」

 

「はい。いよいよ人理修復への第一歩…第一特異点へのレイシフトです」

 

 

 

 

 

 

 

 

「よう、おはようさん。身体は大丈夫か?」

 

「ガイさん、おはよう。ぐっすり寝むれたから大丈夫だよ」

 

「リツにいに同じく!昨日は10時に寝たからね」

 

「はい、私も問題ありません」

 

「それは何よりだ。私たち英霊と違い、人間であるキミ達に睡眠は大切なことだからな。まあ私たちもコンディションを整える意味でも、睡眠は取ったがね」

 

「オルガマリーやロマンとか職員は徹夜だったらしいが、まあ仕方ねえな。ただちゃんと交代でやってたらしいから、完徹とまではいってねえみたいだな」

 

「当たり前だろ。大事な時にぶっ倒れでもしたら目も当てられねえ。約1名完徹しそうな医者がいたから、強制的に寝させてやったがな」

 

「……ロマン?」

 

「いやーなんでもないよ?もう少しだけやろうと思ってたら後ろに悪魔がいたとか思ってないよ?本当だよ?」

 

「変に気が入るよりはいいですが、そろそろ真面目な話をしたいのだけど」

 

「ほらほらそこの野郎どもと2人の女子と一匹。集まれ集まれ」

 

 

 

カルデアのマスターと英霊と職員。そして風来坊と変態が集まり、レイシフトの準備を進める

 

 

 

「………………」

 

「どうした、ジャグラー」

 

「……いや、なんでもねえ。それよりあれだ、ガイ。初めてのレイシフトってやつだな?」

 

「原理はよく分からないが、人間の身体を疑似霊子ってやつに変換して、特定の時間の場所に送るシステムみたいだな。ゼロさんのイージスとシャイニングの能力を足したような感じか?」

 

「似たようなもんかもな。それを実現するとは…ここの技術力は凄いな。ああ、それに伴って存在証明ってやつをしないといけないみたいだぜ?なんでも霊子ってやつになってる間、存在は不確かなものになるみたいだからな。お前のは俺がやってやるよ」

 

「…………ああ、頼んだ」

 

「はっ、安心しな。悪さはしねえよ」

 

「よし。説明は前にしたからいいけど、今回のレイシフトは最初から共に行けるサーヴァントはマシュを含めて3人なんだけど…昨日言ってた通りでいいのかな?」

 

「ああ、オレとアーチャーが先にいくぜ。霊脈を見つければセイバー達も呼べるんだよな?」

 

「そうみたいだが…何故貴様なんだ」

 

「あ?そんなの、オレがマシュ除いて初めて契約した英霊だからに決まってんだろ。覚えちゃいねえが、冬木で護ったらしいしな?そういうお前はどうなんだよ」

 

「……深い理由は無いよ。ただ、クー・フーリンとはいえ今回はキャスターだ。なら遠距離と近距離、どちらも対応しやすい私が行くのが最適解だろう」

 

「へいへい、今はそういうことにしといてやるよ」

 

「おい、それはどういうことだ」

 

「はいはい、メンバーを決めたならとっととコフィンに入る入る」

 

「待て、まだ話は–––––」

 

 

 

ダ・ヴィンチちゃんに背中を押され、エミヤとクー・フーリンがコフィンに入れられる

 

 

 

「立香、立花。二人とも大丈夫そうね。これから長い戦いになるけど…私たちがここから精一杯サポートするから」

 

「へえ。前のオルガだったら『本当に大丈夫なんでしょうね!?』とか言いそうだったのになあ」

 

「……私を何と思ってるのかよく分かったわ。戸棚に気を付けなさい」

 

「止めてよぉ!!」

 

「今から戦いに行く部下が落ち着いてるのに、所長である私が慌ててたらいけないでしょう。心配はあるけど、今は送り出すことしか出来ません」

 

「うーん、でも所長にはてんやわんやしてもらわないと落ち着かないというか」

 

「どういう意味よぉ!?」

 

「って、所長の服、もしかしてそれ…」

 

「えっ、あっ、ああ。そうよ、これが冬木で言った特注の礼装。まさか袖を通せるとは思わなかったけど…」

 

「似合ってるじゃないか。気合いを入れるのはいいことだ」

 

「あ、ありがとう…貴方のおかげよ。あと冬木で私を助けてくれたあの人…なんだったのかしら」

 

「うーん…特別魔力を感じたとかそんな反応は無かったし…こちらでも調査を進めるかな」

 

「まああれだ、多分そいつならそのうちまた会えるだろうぜ。それより、ダ・ヴィンチが準備出来たって言ってた。兄妹やマシュも早く入れ」

 

「はいはーい。ジャグラーの言う通り準備出来たから早く入れ入れー。あとガイ、マスターくん達を頼んだぜ?」

 

「うん。所長、ロマンとダ・ヴィンチちゃんにジャグラーさん。行ってきます」

 

「行ってきます!みなさんもサポート、お願いしますね!」

 

「私も行ってまいります。お留守番お願いしますね、フォウさん」

 

「フォーウ?」

 

 

 

3人もコフィンに入った。最後は俺か…

 

 

 

「ガイ。ちょっといいですか?」

 

「ん、なんだ。アルトリア。それにメドゥーサに小次郎」

 

「先程マスター達やマシュには言いましたが…特異点で召喚サークルが確立されるまで、私達はカルデアに待機となるわけです。それまでの間、マスターをお願いします」

 

「ああ、そんなことなら、言われずとも…」

 

「……貴方と共に戦えること、誇りに思います」

 

「………どういう意味だ?」

 

「実はな、主人殿。主人殿がかるであへ来てから召還された英霊は、主人殿のことを知っているのだ。知識を与えられてな」

 

「それは…どこまでだ?」

 

「貴方の名前です。それ以外は与えられていません。カルデアへ来る際、マスター達がどんな状況に置かれてるか、そこに貴方がいるということ。これらを私たちに与えられています」

 

「……俺はそこまで大それたようなもんじゃない。ただの風来坊だ」

 

「それでも、貴方がマスター達を支えようとしてくれてるのに変わりはありません。私たちが特異点へ召還されるまで、どうかご武運を」

 

 

 

……俺の名前、か。過去に現れたなら、そりゃ英霊なら知ってるか。だが、さっきも言ったが、俺は…

 

 

 

 

「これが最初のオーダー…第一グランドオーダー、開始!!」

 

 

 

ただの風来坊だからな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうなってんだ一体…ここはどこだ?アイツも一緒に飛ばされたから、ここに来てるはず…はやく合流しないと…」

 

 

 

15世紀のフランスの風景とは合わない風貌をした男が一人、オルレアンの地を歩いていた。その男の正体を知る者は、口を揃えてこう言うだろう

『何故お前がここにいる』と




流石に投稿ペースが不安定すぎてまあ…月に2、3話はあげたいんですけど、どうにもこう、という言い訳をば

みなさんもいよいよ始まるウルトラマンタイガ、みんなで観ましょう


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オルレアンの地

なあ、ボイスドラマさ、いい加減にしろよ
タイトルさ、未来の思い出って。なに?タイガが"日々の"不満を吐く場所で"未来の思い出"の話って
つまり日々の未来の思い出ってことでしょ?ヒビノミライの思い出でしょ?しかもトライガーショットだって。なんだよ、それ
泣かせに来るのも大概にしろよ、ホント。1話の感想を2行あたりで収めようと思ったのに、ボイスドラマの感想こんなに書いちゃってるよ
これFGOとウルトラマンオーブのクロスSSだよ?このままだとFGOの感想ぐだぐだ楽しい、とか、青空レス◯ランにしか聞こえねえ、とかの感想しか出せないよ
まだ1.5部の剣豪とセプテム残してるし2部もロシア突破しただけだぞ。頑張れよ、自分

ああ、こんな長くなってしまってからなんですけど。セイバーさんとライダーさん、近くに置いとくと口調の区別が付きにくい問題が発生してましたが、心眼で見極めてください


「告げる」

 

 

 

カルデアが藤丸達を送る数刻前。ある城内に、1人の女性がいる

 

 

 

「汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。聖杯の寄るべに従い、この意この理に従うならば応えよ。誓いを此処に。我は常世全ての悪を敷く者」

 

 

 

目の前には光を発する魔法陣が広がり、何かをしようとしているのは明白である

 

 

 

「されど汝はその眼を混沌に曇らせて侍るべし。汝、狂乱の檻に囚われし者。我はその鎖を手操る者」

 

 

 

詠唱の途中、その言葉を発した途端、目の前の魔法陣が発する光が白から赤へと変わる

 

 

 

「汝三天の言霊を纏う七天、抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ!」

 

 

 

魔法陣から3つの光の輪が広がり、収束。辺りは光に包まれる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「–––––さい。せん––––」

 

 

 

風を感じる…心地の良い風を。このままこの風を浴びながら、昼寝でもしたくなるような…

 

 

 

「起きてください!立香先輩!」

 

「起きてよ!リツにい!」

 

 

 

マシュと立花の声が聞こえる…でも悪いけど、この心地よさには勝て…

 

 

 

「セブンさん」

 

「はい起きた!起きたから!起きたからそれだけはやめて!」

 

「ん、そうか。寝てるなら乗せて移動しようと思ったが、それならいいか」

 

「えっ、そ、そうだったんだ…俺はてっきり、ジープに紐を括り付けてオレを引きずり回すのかと…」

 

「フォウ…フォフォウフォウ…」

 

「ありゃ、フォウさんもいたのか。マシュのコフィンに紛れたな?というかこれフォウさんも同意してるな?」

 

「俺をなんだと思ってるんだ?」

 

「おっ、やっと起きたか立香。お前さん以外は見たから知ってるけどよ、空見てみろ」

 

「ん…?なにあれ、空に輪っか?」

 

 

 

空…というより、あの感じだと宇宙?よく分からないけど、なにやら輪っかの一部みたいなのが見える

 

 

 

「カルデアの解析はまだだが、おそらくなんらかの魔術式だろう。もちろん、この時代にこんな現象が起きたという記録はない」

 

「人理焼却に何か関係があるってこと…?」

 

「まあ十中八九…ってか確実にそうだろうな。ともかく、あれについてはカルデアに任せるしかない。俺たちは俺たちで、やることをやるだけだ。色々と多いからな」

 

「はい。周囲の探索、この時代の人との接触。それと龍脈の確保に召喚サークルの設置…山積みです」

 

「ひとつひとつこなしていこう。まずは街を目指そうよ。探索とかこの時代を知るにはちょうどいいでしょ?」

 

「立花の言う通りだな…よし、移動しよう。荒事にならなければいいけど…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ヤッホー、手が空いたから様子を観に…なんで武装集団に囲まれてるんだ!?』

 

「すみませんドクター!私がフランス語で挨拶しなかったせいです!」

 

「いやこれそういう問題じゃなかったと思うぞ!?」

 

「…たしかにこの格好で、休止中とはいえ戦時中じゃ怪しまれても仕方ないか。だがこうなっては仕方ない。ドクター!峰打ちで行くが構わんな?」

 

『あ、ああ!うん!その世界は隔離された状態だから、何が起きてもタイムパラドックスも彼らとの戦闘で問題も起こらないと思うけど、なるべくそうしてくれ!所長も同意してる!』

 

「現地人を傷付けるのはまずいもんね!それでいこう!悪いけどマシュとクー・フーリンは待機ね!炎と盾で峰打ちって無理でしょ!」

 

「まあ、ルーンで火力の調整も出来るっちゃ出来るが、しづらいのも事実だしな。分かったぜ」

 

「い、いえ!いけるはずです!問題ありません!」

 

「ホントかなあ!?」

 

「じゃあ俺とエミヤでほとんど抑える。マシュ、この先こういうことが必要になるかもしれないからな。マシュも頼んだ。エミヤ!」

 

「了解だ。投影、開始(トレース・オン)

 

 

 

エミヤが自身の魔術、投影魔術により両手に剣を装備。戦闘に入る

 

 

 

「あれ、ガイさんは武器使わないの?」

 

「ああ、先輩たちの力は人間には使えない。それに彼らも、悪意から襲ってきたわけじゃないからな。お前たちを守るためとはいえ、悪意のない存在を傷付けるための力じゃない」

 

「………そうか。その力、大切にしてるんだな」

 

「当然だ。心を失った力は、ただの暴力でしかない。先輩たちは、強い力を使うための、正しい心をもってなきゃならないんだ。俺もそれに倣ってるだけだ。行ってくる!」

 

「……ガイさんの言い方だと、マシュやエミヤは違うって言ってるように聞こえるけど…」

 

「いや、んなこたねーさ。だったらマシュとアーチャーに援護を頼んだりしないだろうよ。アイツが譲り受けた力は、それほど強大だってことだろうさ」

 

「……うん。そうだよね。でも、そんな力を持ってるガイさんって、何者なんだろう」

 

「そうなんだよね。詳しく聞いても、ただの銀河の風来坊としか言わないし…クー・フーリン達は何か知ってるの?」

 

「ああ、知ってるぜ。アイツの名前はな」

 

「ん…?ガイさんの名前?それはオレ達も知ってるけど…」

 

「アイツとこの旅を続けてりゃ、いずれ分かるだろうよ」

 

「フォウフォーウ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

峰打ちした兵士が撤退し、後を追うとそこは…

 

 

 

「こいつはひでえな…これじゃ砦なんて呼べないぞ」

 

「外壁はそこそこ無事だけど、中がボロボロだ…しかも負傷者がいっぱい…」

 

「おかしいな…この時代はシャルル7世が休戦条約を結んだはずだ。いまのフランスで戦争は起こっていない。こんなことになるようなことは…」

 

「ひっ…!?お前らはさっきの…!」

 

「すまなかったな。さっきはああしたが、俺たちは敵じゃない。危害を加えるつもりはないから、その武器を降ろしてくれ」

 

「お、襲って来ないのか…?」

 

『…峰打ちとはいえ、さっき戦ったばかりの相手をずいぶん簡単に信用するわね。理性を取り戻したか、それとも…』

 

『戦う気力もないほど萎えきっているか…かな?多分後者だろうね。なにがあったのか聞いてみてくれるかな』

 

「シャルル7世は休戦条約を結ばなかったのですか?」

 

「なんだ、知らないのか?王は死んだよ。魔女の炎に焼かれた」

 

「シャルル7世が死んだ…?しかも、魔女の炎…?」

 

「ああ…ここにいるやつらほぼ全員が、あの姿を見れば分かる。聖女ジャンヌ・ダルクが蘇ったんだよ。悪魔と取引して、"竜の魔女"となって!」

 

「ジャンヌ・ダルクが魔女…どういう意味だ?」

 

「それは…クソッ!やっぱりだ!迎え撃て!奴らが来るぞ!!」

 

『魔力反応を確認した!この反応は…なんだって!?』

 

 

 

空を見ると、その大きな翼で空を飛び、こちらに向かってくる存在がいくつも見えた。あれってまさか…!?

 

 

 

「ドラゴン!?この時代のフランスに、ドラゴンなんていたの!?」

 

『そんなわけないでしょ!しかもあれはドラゴンの亜種、ワイバーンよ!もちろんワイバーンも15世紀のフランスに出現したなんて記録はないわよ!』

 

『竜の魔女…なるほど。その蘇った聖女さまとやらの仕業ってことか?それと、地上では冬木で確認されたスケルトンの反応もある。お前らがどうにかしないと、ここはどうなるかね…』

 

「ジャグラー、変に不安を煽るようなこと言うな。今回は先輩方の力を使わせて…ん?」

 

「兵たちよ、水を被りなさい!彼らの炎を一瞬ですが防げます!」

 

「えっ…!?」

 

「そこの御方!どうか、武器を取って戦ってください!私と共に続いてください!!」

 

 

 

ワイバーンの出現で混乱に包まれた砦の兵士たちに指示を飛ばす女性が現れた。あの人は…

 

 

 

『ほう。反応が弱いが、そいつもサーヴァントだ。正体は不明だが、好都合だ。兵士たちはあいつに任せて、お前たちはお前たちで迎え撃て』

 

『ジャグラーの言う通りよ。この状況下で、あのサーヴァントの正体を確かめる余裕はないわ。今はワイバーン達をどうにかしなさい!』

 

「立香、立花。マシュとアーチャー、キャスターに指示を出せ。俺は先輩方の力で迎え撃つ」

 

「分かった!アーチャーとキャスターは中距離で迎撃を!」

 

「アーチャーはある程度片付いたらマシュと一緒に地上を制圧!ガイさんは臨機応変にやってくれるだろうから、それにも合わせて!」

 

「はい!」

 

「任せとけ。はっ、お前さんと共闘とはね」

 

「たまにはこういうこともあるだろう。ルーン魔術の真髄とやら、見せてもらおうか」

 

 

 

冬木の時と違って、エミヤもいてくれてるんだ。負けるものか!




前書き見れば分かると思うんですけど、これ書き始めたの二ヶ月ぐらい前です。ええ、タイガだって折り返しですし、FGOも二回の水着イベントが終わってニューヨークなうです。しかも今回オリジナル要素ほぼ無いです。というか入れようがあんまないから、ちょくちょくカットしてるんですけどね…
まあ、オリジナル要素はもうちょっと進んでからとなりますので、もうしばしのお付き合いを
それと今更ですが、サーヴァントの呼び方についてです
カルデアにいるときや、敵や正体不明のサーヴァントがいないときなど、基本真名でガイさんや立香たちは呼んでいます。それ以外のとき、敵のサーヴァントとの戦いとなるとクラス名で呼ぶようにしています
ところでFateあんま知らない自分の疑問なんですが、アルトリアとかクー・フーリンが真名バレるとマズいってのは分かるんですが、エミヤの場合ってどうなんでしょう?魔術の秘匿がどうたらこうたらとかに引っ張られて〜って感じなんでしょうか?


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灼熱の豪腕

投稿ペースとか物語の進むペースとか考えたらこれいつまで経っても終わらんよなぁってことで、次からはかなりアクセルかけると思います。違和感が出るかと思いますが、ご了承願います
今のとこのバレンタインはバーソロミューにほぼ持ってかれてます。なんなんアイツ



「キングジョーランチャー!」

 

 

 

ウルトラマンビクトリーのウルトランスによりキングジョーランチャーを装備、ワイバーンに立ち向かうガイ

 

 

 

「キャスター!貴様がルーンで援護するなら、私は白兵で行くが構わないな!」

 

「はいよ!この霊基なら仕方ねえ。その代わり、うっかり燃やされても知らねえからな!」

 

「減らず口を…!」

 

「口喧嘩が絶えないなぁ…でもさっきも上手くやってたし、互いになんだかんだ信頼してるのかな?」

 

「信頼…というよりなんだろ、腐れ縁って言ってたからその辺りでかな?なんて言えばいいんだろ…マシュ!」

 

「はい!やああああ!!」

 

 

 

近付いてきたスケルトンに盾で突撃するマシュ。その奥では、干将・莫耶を投影したエミヤがスケルトン達を相手に白兵戦を展開、クー・フーリンも後方から火炎弾を飛ばし援護に回る

 

 

 

「数が多いな…しかし、この程度なら問題は…はあっ!」

 

「アンサズ!ああ、先にコイツらを片付けて、ガイと合流してこい。マシュもいるからよ、マスター達は問題ねぇさ」

 

「…………だが、彼らが危なくなったら…」

 

「そりゃすぐに戻ってこい。なに、そうならねえようにはするさ。キャスターとはいえオレもいるんだからよ。アンサズ!そら、行ってこいアーチャー!」

 

「…頼んだぞ、キャスター!」

 

 

 

 

 

 

「弾はいくらでもあるが…流石に数が多いな!」

 

 

 

キングジョーランチャーにより、ワイバーンをいくつか墜とせているが、1人の銃でそこそこ耐久力のある相手を何匹も相手にするのは、とても効率がいいとは言えない。かと言って、無闇に突っ込むのは違うだろう

 

 

 

「……メビウスブレスは流石に使えないぞ」

 

 

 

切り札を使うかとも思ったが、ここで使っては後に響く。どうするかと悩んでいると…

 

 

 

全投影(ソードバレル)連続層写(フルオープン)!」

 

 

 

空中に現れる大量の剣。それらがワイバーンの群れに向かって打ち出され、ダメージを与えていく

 

 

 

「数が多いとこんな芸当ぐらいか…」

 

「いいところへ来てくれたな。アーチャー!」

 

「貴方とてこういう戦いに慣れてるとは言えまい。こういうのは私たちの領域だ。言葉通り、助太刀しよう」

 

「助かる。じゃあすまないが、今のと同じようなことをして取り巻きを減らしてくれないか?あの本丸は、俺が一気に叩く」

 

「了解した。ならば…」

 

「いや、これの援護に必要なのはアーチャーじゃなくて…キャスター!」

 

「燃えろ!よし、ここらはもう少しか…おう!どうしたガイ!」

 

「俺に炎をくれ!」

 

「……あん?」

 

「……炎を、キミに?」

 

 

 

 

 

 

「準備はいいんだろうな!」

 

「出来ている!熱いやつ、頼むぞ!」

 

「どうなっても知らねぇからな!アンサズ!!」

 

「マスター!今のスケルトンでこちらは最後で…キャスターさん!?」

 

「キャスター何してるの!?」

 

 

 

マシュと立花の声に振り向くと、クー・フーリンがガイさんに向けて火球を…なんで!?

 

 

 

「ガイが炎を寄越せって言うからくれてやったんだよ!何するかは……あー、なるほどな」

 

「……ねぇ、リツにぃ。たしかにあの腕ってデカかったけど、あんなだったっけ?」

 

「…………あんなに燃え滾ってなかったよな?」

 

『ふむふむ。あの腕自体にマグマの力が込められてるってのは知ってたが、なるほど。これは合理的だ。外部からの火力を自らの火力で跳ね上げさせる。するとこうなるだろうね』

 

「おおおおおお!!!」

 

 

 

すっごく燃え滾る豪腕で、ガイさんは親玉であろうワイバーンを打ち上げる。少し打ち上がると、そのワイバーンは爆発、四散した

 

 

 

「文字通り、本丸を叩いた訳か。マスター、あちらのサーヴァント達も戦闘は終わったようだ。今ガイが倒したので、こちらも終わり。とりあえずは乗り切ったな」

 

「お疲れさん。ガイ、大丈夫か?」

 

「あぁ。あの方法だとそこまで疲れないからな。問題ない」

 

「しかし、すごい火力だな。あの腕の本来の力って感じか?」

 

「元々、レッドキングは力自慢ではあった。それが改造、EX化することにより、その両腕にマグマの力を宿すこととなった。中でもあれは、片方の腕でもう片方の腕の熱を暴走させ、その高熱を一気に叩き込むという大技でな。あれをマトモにくらえば、誰だろうとひとたまりもないだろう」

 

「ふむ…貴方をしてそう言わせるほどとはな。まあ、あんなに入念に準備して接近しなきゃいけないのだ。使える相手は限られるだろうな。ただあの威力は凄まじい。色々な使い方が出来そうだ」

 

「よし、あのサーヴァントと合流しよう。ただ、さっきの兵士の反応からして…」

 

 

 

 

 

 

「なるほど。やはり、アンタはジャンヌ・ダルクだったのか」

 

「はい…私はルーラーのサーヴァント、真名はジャンヌ・ダルク。ですが…今の私は、サーヴァントとしては不完全なのです」

 

『たしかに、さっきジャグラーが言った通りずいぶんとステータスが低い。さっき彼女自身も言っていたことだが、ルーラーとしての権能や、聖杯戦争についての知識の大部分が与えられていない。前者もそうだけど、後者はサーヴァントとしては、かなり考えられないことだと思うんだけど…』

 

「……ともかく、日が沈んだいま迂闊に動くわけには行かないだろう。野宿となるが…立香達は大丈夫か?」

 

「大丈夫だよ。キャンプなら、よく父さん達に連れられてやったことあるからさ。素人ではない…と思うな」

 

「………そうか。ならマスターとマシュ。キミたちはしっかり休みたまえ。サーヴァントに睡眠は必要無い。見張りなら、私たちが務めよう」

 

「んじゃ、アーチャー。1時間ごとに交代としようや。コンディション整えるのも大事だろ?」

 

「そうしてくれるか。助かる。マスター、日が昇ると同時に行動を……眠ったか」

 

「話によると、彼らは魔術師でもない、普通の少年少女だったと聞きます。サーヴァントでもなく、普通の人間。疲れは相当なものでしょう…」

 

「休めるときに休むのは、こういう時だと特に必要なことだ。そういう意味では、心配はいらないだろう。それに、エミヤとクー・フーリンも付いてくれている。明日は、早いとこ龍脈も探したいところだな」

 

「……ところで、ガイさん…と言いましたか。貴方は一体…」

 

「ん?俺はただの風来坊だ。今じゃカルデアの風来坊、と名乗ってるがな」

 

「コイツはサーヴァントじゃない。だが普通の人間でもない。そんなところさ。要はまあ、助っ人ってところだな」

 

「そう…なんですか。不思議です。私は、貴方のことを知っているような気がします。生きてる時代が違うのだから、そんなはずはないのに」

 

「………そうか。気のせいだと思うがな。じゃあ悪いが、俺も少し休む。2時間後に起こしてくれ。見張りを変わる」

 

 

 

 

 

「……お二人は、彼のことを知ってるのですか?」

 

「ああ、知ってるさ。アイツの名前はな」

 

「恐らくだが、誰もが知ってる名前でもあり、知らない名前でもあろう。私も、全て知っている訳ではないのだがね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これが反応していることから、アイツもここにいるのは明らかだ。それより、ここは一体なんなんだ…どうにも嫌な予感がする」

 

 

 

このフランスの地にもう1人、この時代には合わない服装をした男がいる。彼もまた、ここにはいないはずの人物だった




爆熱アッパーカット
EXレッドキングの(恐らく)最大の必殺技。超必殺技
ガイさんが説明した通り、グーをパーで包み片腕の熱を暴走させる。この時、その腕は物凄く膨れ上がる
EXレッドキングの場合、腕を回転させながら接近することにより、風により火力も膨れ上がる。ガイさんはスピードを優先したため、普通に殴りに行ったが。その火力は凄まじい
そして近付いた敵にアッパーカット。最大の一撃を叩き込み打ち上げる。打ち上がった敵は、爆発四散する
EXレッドキングの初登場はゲーム作品であるため、怪獣相手やウルトラマン相手にも叩き込むことができる。その爆発っぷりは圧巻の一言
ちなみに、怪獣や侵略宇宙人相手だけじゃなく、ウルトラマン相手にやっても爆発四散する。そう、ウルトラマンが、爆発するのである。怖い。トラウマになった


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黒き聖女

執筆投稿まで自粛しなくてもね?みなさん元気ですか?
今回は戦闘シーンは控えめです


翌朝、オルレアンの情報を得る為にラ・シャリテへと向かおうとしていたが…

 

 

 

『ん…目的地の方にサーヴァント反応?いや、移動してる…速い!シグナルロスト!』

 

「…オルガマリー、レイシフト前に聞いたとおり、マスターを分断しても問題ないのは本当か?」

 

『えぇ、カルデアからのバックアップがあるから問題は無いけど…どうしたのよ?』

 

『戦士の勘ってやつか?それなら馬鹿にできねぇ。たしかエミヤ、お前千里眼持ちじゃなかったか?』

 

「たしかに私は千里眼スキル持ちだが、私のランクでは未来を見通すまでのレベルには届かん。ただ、嫌な予感がするのは確かだ。キャスター、戦士としての勘なら、貴様の方が感じるのではないか?」

 

「ああ。今のオレはキャスターだが、ケルトの戦士であることには変わりねぇ。感の悪い戦士なんざ、使いもんにならねぇからな」

 

「じゃあどうする…?この先の方が危険ってこと?」

 

「……クー・フーリン。いいかな?」

 

「応よ。ジャンヌがいるんだ。ルーラーがいりゃ、守りは堅いさね。立花とマシュ、それとアーチャー。早くセイバー達を呼んでこいよ」

 

『……そうね。こっちでも、立香と立花で分かれて観測させるわ。ロマン、準備しておいて』

 

「えっ、えぇ?いや、別行動するのは効率的ってのは分かるけど…いいの?」

 

「当たり前だろ。こっちの方が仲間が多いとはいえ、妹をわざわざ危険って分かってる方に行かせられるか。マシュとエミヤ、頼んだよ」

 

「……はい。最速で龍脈を確保し、最速で合流します」

 

「………もちろんだ。全身全霊で、彼女を護ろう」

 

「……分かった。私たちが着くまで、無事でいてよ。行こう、マシュ!エミヤ!」

 

「了解だ。頼んだぞ、キャスター、ジャンヌ。そして、ガイ」

 

「任されました。そちらも気を付けて」

 

「ああ。そっちも立花の護衛、頼んだぞ」

 

 

 

 

 

 

 

 

「………なんてことだ」

 

 

 

情報収集のために訪れたラ・シャリテの町。そこに広がっていたのは、地獄だった

 

 

 

「立香。あまり周りを見ない方がいい。見たくねぇものを見ちまうかもしれないからな」

 

「う、うん…」

 

「これをやったのは、恐らくもう1人の私…なのでしょう。何故…このようなことが…」

 

『ッ!気を付けてくれみんな!さっきのサーヴァント反応がそっちにやってくる!君たちの存在を察知したようだ!』

 

「数は!何騎のサーヴァントがいるんだ!?」

 

『数は…チッ、不味いな。5騎だ。接近スピードからして、逃げることも叶わないか。当然立花達との合流も間に合わないぞ』

 

『立花ちゃん達は龍脈の確保は済んだようだから、今からアルトリア達をそちらに送ることは出来る。ただ立香くんの方が危ないな…隙を狙って逃げるしかないか』

 

『サーヴァント接近!来るわよ!立香!ガイ!』

 

 

 

俺たちの方に、五匹のワイバーンが向かってくる。その上に人影が見える。それがサーヴァントなんだろう……ッ!

 

 

 

「……っ!」

 

「ねぇ。誰か、誰か私の頭に水をかけてちょうだい。まずいの。やばいの。本気でおかしくなりそうなの。だってそれぐらいしないと、あんまりに滑稽で笑い死にそう!」

 

「黒い…ジャンヌ……」

 

「ねぇジル!あの哀れな小娘はなによ!羽虫?ネズミ?ミミズ?どうあれ同じことよね!貴方もそう思うわよね!ジル…って、そっか。ジルは連れてきていなかったわ」

 

「本当に…貴女はもう1人の私なのですか!?何故このような事が出来たのですか!?」

 

「質問しか出来ないのね…やっぱり哀れ。そうよ、私は蘇った救国の聖女、ジャンヌ・ダルク。で、何故こんな事を、ですって?同じジャンヌ・ダルクなら理解していると思ってましたが…理由?決まってるでしょう、フランスを滅ぼすためです」

 

「フランスを滅ぼす…!?」

 

「バカなことを…!」

 

「バカなこと?愚かなのは私たちでしょう、ジャンヌ・ダルク。何故、こんな国を救おうと思ったのです?何故、こんな愚者たちを救おうと思ったのです?裏切り、唾を吐いた人間たちだと知りながら!」

 

「それは…」

 

「私はもう騙されない。裏切りを許さない。主の声も聞こえない。主の声が聞こえないということは、主はこの国に愛想を尽かしたということです。だから、私が滅ぼします。この憎しみは、そうでもしない限り収まらない。これが、死を迎えて成長したジャンヌ・ダルクの救済方法です」

 

「そんなこと……っ!」

 

「これ以上の会話は無意味です。まぁ、元から貴女との会話に意味があったとは思えませんが。バーサーク・ランサー、バーサーク・アサシン。そこの聖処女さまたちを始末なさい。喜びなさい、彼らは強敵です」

 

「やられてたまるか…!キャスター!」

 

「任せとけ!」

 

 

 

襲い来る2騎のサーヴァント。その内のランサーを、キャスターが抑える

 

 

 

「…控えよ。余の獲物は貴様ではない」

 

「そんなつれないことを言うなよ。せっかくいい槍持ってんだ。ひとつケンカとしゃれこもうぜ?」

 

「あら。なら聖女の血は私が…」

 

『ウルトラマンゼロ!ゼロスラッガー!』

 

 

 

ウルトラマンゼロのカードをリード。宇宙ブーメラン、ゼロスラッガーを装備したガイが、アサシンに切り掛かる

 

 

 

「へぇ…貴方、何者かしら?」

 

「ジャンヌ!今はアイツのことは気にするな!敵は待ってくれないぞ!」

 

「…ッ!分かりました!」

 

「絶叫せよ」

 

「チッ、ランサーだったらまだやりやすいっていうのによ!」

 

「キャスター!援護します!」

 

「ふっ…こちらを相手にしてくれるとは好都合、その魂、馳走にあずかろう」

 

「そうはいかないわ。私の宝具で、血を絞り出さなければ意味がありませんもの。聖女は私が…」

 

「よそ見すんな!」

 

 

 

ランサーとキャスターが槍と杖で競り合っているところ、ジャンヌが助太刀に。それを逃さんとするアサシンにガイがゼロスラッガーで切り込む

 

 

 

「無粋ね、貴方。私は私より美しいものを許さない。けれど、その血は私をどれほど美しくしてくれるのか…そこにしか興味はないのよ」

 

「血…女性…美しさ……ジャグラー」

 

『ああ、聞き覚えはあるぞ。たしか…血の伯爵夫人』

 

『エリザベート・バートリー…!いや、あの姿だとカーミラか!』

 

「………本当に無粋ね、貴方達。まあ、私は真名で呼ばれる方が好みではあるのだけど」

 

「甘い!」

 

「アンサズ!」

 

「くっ…」

 

「あら…あんな小娘と魔術師相手に押されてるなんて。"悪魔"(ドラクル)と謳われた吸血鬼(バケモノ)らしくありませんわね?」

 

『こっちは串刺し公…ヴラド三世ね。ルーマニア最大の英雄が相手だなんて…』

 

「……人前で真名を明かすなど、実に不愉快だな」

 

「…失策でした。貴方達は他の者より残忍ですが、その分遊びが過ぎる。彼らの始末は、遊びのない残り三騎に任せるとしましょう」

 

「待て。私もカーミラもろくに戦ってはいない。聖女の血は我らのものだ。血の輝き、血の尊さを微塵も知らぬただの処刑人どもに譲るなど」

 

「黙れ。恥を知れ、ヴラド三世。私は始末を命じました。貴様達は彼女の血を吸うことを目的にするあまり、無意識に加減をしている。そんな我儘は私、嫌いなんです。反省して、今回は引っ込んでなさい」

 

「立香。今は引っ込めても、またけしかけてくるかもしれない。常に相手の方が数は有利だ。この状況は…よくない」

 

「でも、逃げることも…」

 

「…….立香さんたちは逃げてください。私が食い止めます」

 

「ジャンヌ!?」

 

「ルーラーである私なら、そう簡単にやられはしません。少しでも、逃げる時間を稼ぐことなら…!」

 

「………いや、その心配はいらねぇさ」

 

「えっ…?」

 

 

 

空が光る。その1つの光が、こちらに降ってくる

 

 

 

「間に合ったようですね」

 

 

 

白馬が着地し、2人の女性と1人の男性が降りる

 

 

 

「待たせたな。立香殿、ガイ殿」

 

「ライダーが呼ばれていて、助かりました」

 

「セイバー!アサシン!ライダー!」

 

「……増援ですか。ならば…」

 

「おっと、助太刀に来たのは私たちだけではないぞ?」

 

「えっ…?それってどういう……ッ!?」

 

「–––何?」

 

 

 

ガラスの薔薇が、黒いジャンヌの横を通り過ぎる

 

 

 

「優雅ではありません。この街の有様、その戦い方、思想も主義もよろしくないわ。貴方はそんなに美しいのに、血と憎悪でその身を縛ろうとしている。善であれ悪であれ、人間ってもっと軽やかにあるべきじゃないかしら?」

 

「……あれもサーヴァントですか」

 

 

 

そこには、つい先ほど別れた者たちの姿や、見覚えのない者の姿もあった

 

 

 

「ええ、そう。嬉しいわ、これが正義の味方として名乗りをあげる、というものなのね!」

 

「……まあ、この状況はたしかにそうではあるかもしれないが。ともかく、この状況なら、召喚されてすぐの3人に無理をさせる必要も、これ以上真名のヒントを出すようなことをする訳にはいかないか」

 

『うん。かなり急ピッチで送ったから、3人の魔力は万全じゃないんだ。しかも部分解放とはいえ、ライダーは宝具を使ったからね…戦闘は避けてくれ』

 

「なら僕の出番さ。聴くがいい、魔の響きを!"死神のための葬送曲"(レクイエム・フォー・デス)!」

 

 

 

黒服に身を包んだ男が、手に持つ指揮棒を黒いジャンヌたちの方へ向けると、楽器を持った悪魔たちが演奏を奏でる

 

 

 

「くっ…これは…!」

 

「今です立香先輩!」

 

「リツにぃ!逃げるよ!」

 

「ああ!」

 

 

 

宝具の効果により黒いジャンヌの軍勢の動きを止めている間に、撤退する

 

 

 

「………くっ!バーサーク・ライダー。追いなさい!貴方の"馬なら追いつけるはず」

 

「……ええ。追いついてみせるわ!」

 

 

 

だが、その魔の手は、まだ伸びている

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……さっきの光はいったい…」

 

「あの…ありがとうございました!」

 

「大したことないって。ただ、また出てくるとも限らないか…少しの間、ここにいてもいいか?」

 

「ええ!もちろんですとも!ただ、貴方のお名前は……」

 

「ああ…オレの名前は、ヒカル。あと、ショウって名前、聞いたことないか?」

 

 




ニュージェネどうなるんだろうなってのと、ゼット楽しみすぎるってのがね
次は、もう少し戦闘すると思いますよ。あと感想くださいな


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愛知らぬ哀しき竜

なんか今までよりトップクラスで長くなりましたけど僕は元気です
ところで、聖杯に願いたいことが出来ました。戦闘描写、うまくなりてぇ
あと、気づけばこの"カルデアの風来坊"をお気に入りにしてくれた人が100人を超えてました。ありがとうございます
不定期中の不定期ではありますが、これからも彼らの人理修復を見届けてあげてください


黒いジャンヌの軍勢から逃れ、森の落ち着ける場所を確保できた立香達

 

 

 

「援護、感謝する。で、アンタ達は…」

 

「はじめまして。私はマリー・アントワネット。貴女がジャンヌ・ダルクよね。お会い出来て嬉しいわ!マリーって呼んでね」

 

「マリー・アントワネット…ああ、ここはフランスだからな。場所の縁で呼ばれたってことか。で、そっちは…」

 

「宝具解放で察したと思うけど、僕はアマデウス。ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトさ」

 

「音楽の教科書で見た!」

 

「ははっ!全く同じ反応をされたよ!立花から聞いたけど、やっぱり兄妹だねぇ。君たちは」

 

「私たちを霊脈に案内してくれたのもこの2人なんだよ。おかげでリツにぃの助けにアルトリア達を向かわせることが出来たし…ホント、無事でよかった」

 

「はい…メデューサさんも呼ばれてなかったら、どうなってたことか…」

 

『ともかく、彼女達は味方で問題無いわ。情報共有も済ませなさい。キャスターも真名を名乗って構いません』

 

「ああ、セイバー達は既に済ませたのな。じゃあ、オレも名乗るか。キャスターのサーヴァント、クー・フーリンだ。よろしくな」

 

「おっと、同じキャスターとは言っても、君の場合は戦力として期待出来るね。なんと言ったって、クー・フーリンと言ったらあのケルトの戦士でクランの猛犬なんだから……クランの猛犬?槍じゃないのかい?」

 

「縁とか色々あったんだよ。ったく、ランサーで呼んでくれって言った気するんだがなぁ…今回は仕方ねぇけどよ」

 

「それと、貴方は?サーヴァントじゃないみたいだけど…」

 

「俺の名は、クレナイ・ガイ。カルデアの風来坊だ。よろしくな、マリー。アマデウス」

 

「えぇ!ガイね!不思議よ。貴方のこと、全く知らないのに、貴方と一緒にいれることが、すごく嬉しいの」

 

「僕もそうさ。クレナイ・ガイなんて、聞いたこともない名前なのに。生前の知り合いでもなければ、聖杯戦争の関係者とかでもないはずだろう?なんでだろうね」

 

「……さぁな」

 

 

 

 

 

 

 

 

『複数の生体反応!サーヴァントも確認!これは…さっきの五騎の内の一騎だ!』

 

 

 

それからしばらく経ち、辺りが暗くなった頃。カルデアが敵性反応を察知した

 

 

 

「やっぱり追手が来るよね…クラスとかは分からないのかい?」

 

『交戦したヴラド三世やカーミラなら分かるが、他の三騎は情報が足りていない。それにバーサークと呼ばれてたことから、恐らく狂化というやつが施されているんだろう。区別が付きづらいな』

 

「––––見つけたわよ」

 

 

 

そこにいたのは、白い装束に身を包んだ女性と、冬木や先の砦でも襲ってきたスケルトン。さらに緑の肌色をした生物がいた

 

 

 

「サーヴァントとスケルトンに…獣人か。この時代に獣人がいたなんて記録は無いはずだ」

 

「スケルトンと同じで、よくないものが具現化した…ということかな」

 

 

 

白い装束の女性–––バーサーク・ライダーが、軍勢の前に出る

 

 

 

「アンタ、何者だ」

 

「何者……そうね。何者だったかしら。聖女らしくあろうとしたのに、あんな壊れた聖女なんかに従わなきゃいけないだなんて…」

 

「壊れた聖女……黒いジャンヌのことか」

 

「ええ、彼女のせいで理性が消しとんで凶暴化してるのよ。衝動を抑えるのに必死なんだから」

 

「なら何故出てきた。そのまま襲えばいいものを」

 

「……追えとは言われたけど、追撃しろとは言われなかったわ。でも、ギリギリ残った理性が囁いてるのよ。貴方達を試せ、と」

 

「………どういうつもりだ」

 

「……貴方達に立ちはだかるのは"竜の魔女"。究極の竜種に騎乗する、災厄の結晶。それに、まだなにか隠している。私ごときを乗り越えなければ、彼女を打ち倒せるはずはない」

 

「狂気に抗ってるなら、どうにか味方にすることは……」

 

「いいえ、期待はありがたいけどそれは無理よ。気を張ってないと背中を刺しかねない味方なんて、使い物にならないでしょう?私を倒しなさい。躊躇なく、この胸に刃を突き刺しなさい」

 

「…………」

 

「我が真名はマルタ。さあ出番よ。大鉄鋼竜タラスク!」

 

 

 

バーサーク・ライダー–––マルタの後ろに、巨大な竜が召喚される。その名はタラスク。リヴァイアサンの子であり、かつて悪事を働いていたところ、マルタに説法を喰らった悪竜である

 

 

 

『マルタだって!?聖女マルタがサーヴァントになったということは…ドラゴンライダーだ!』

 

『敵性反応はサーヴァント・マルタ!大鉄鋼竜タラスク!それとスケルトンと獣人の軍勢!かなりの激戦となるけど、こちらにも戦力はある!乗り切ってくれ!』

 

「我が屍を乗り越えられるか…見極めます!」

 

「マスター!どうか指示を!」

 

「やるしかないのか…!立花はジャンヌと追加ライダー達の指示をしてくれ!」

 

「了解!キャスターはここで支援と防衛に徹して!ジャンヌはマルタを!」

 

「もちろん。それ以外を指示されてたら困ったけど、それなら大丈夫さ。彼らに僕の音楽が理解できるとは思えないけど、鎮魂の曲でも聴いていけ!」

 

「マシュはジャンヌと一緒にマルタを抑えて!キャスターとセイバーとライダーはタラスクを!アサシンとアーチャーはスケルトン達を掃討してくれ!」

 

「ライダーもお願い!とにかく数を減らそう!」

 

「了解です」

「はい」

「任せとけ」

「お任せを」

「いいでしょう」

「承知」

「よし」

「よろしくてよ」

 

 

各サーヴァントに指示が入り、それに従い戦闘が始まる

 

 

 

『ウルトラマンメビウス!メビウスブレス』

「乗り切るぞ!」

 

 

 

ウルトラマンメビウスのメビウスブレスを装備。メビュームブレードを展開し、スケルトン達の方へと突っ込む

 

 

 

「敵の数も多いが、こうも味方がいるのは頼もしいな」

 

「貴方に頼りにされては、無様なところは見せられないのでね。アサシン!一気に片付けるぞ!」

 

「ふっ、こういうのも悪くない。斬り合いもいいが、合戦というのは経験が少ないのでな。我流でどこまでいけるか、試すとしよう」

 

「いきますわよ!えーい!」

 

 

 

3人の剣を装備した男がスケルトンと獣人を斬り伏せ、王妃はガラスの馬に乗り、蹴散らして行く

 

 

 

「こうして肩を並べて戦う時がくるとはなぁ」

 

「感慨深くなるのは分かりますが、今はそんな場合じゃないでしょう。何度か竜と戦ったことはありますが、このようなのは初めてです」

 

「ギリシャですとそうでもない…ことはありませんか。まあ、どうにかなるでしょう。どうせ貴方、槍がなくても接近戦でいくのでしょう?」

 

「さすがにアレ相手に杖じゃやりづれぇ。今回はアンタらの援護をするかね」

 

「それは心強い。頼りにさせてもらいます」

 

「方針は決まったようなので、いきますか」

 

 

 

キャスターのルーン魔術による援護を受け、接近戦をしかけるセイバーとライダー。先のガイ達と同じく、生まれた時代も、過ごした場所も違う3人ではあるが、その連携が乱れることはない

 

 

 

「………どうしても貴方がキャスターというのに慣れません。その内慣れるとは思いますし、クラスが違うのだから当たり前ではあるのですが、あの"ランサー"が槍を使わずに杖で援護射撃などと」

 

「同感ですね。無理していませんか?槍が無くて禁断症状が出たりしませんか?別に杖でも強化をかければ大丈夫なんじゃないですか?」

 

「うるせーよ!!ライダーはお前バカにしてんのか!!キャスターなんだから援護主体なのは決まってんだろ!!」

 

 

 

––––乱れることは、ない

 

 

 

「喧嘩していながらもタラスクを相手するなんて…なんなのよあの3人は。腐れ縁でもあるのかしら」

 

「……聖女マルタ。貴女ですら抗えないなんて…」

 

「私はサーヴァントで彼女がマスターなんだから、仕方の無いことよ。それに凶化のオマケ付き。本当、最悪の気分よ」

 

「…………ですが、残った少ない理性を振り絞って、私たちの不意を付かないでくれたこと。感謝します」

 

「戦う前にお礼だなんて、貴女変わってるわね。その純真さ、とても大事なとこではあるけれど、相手にとっては馬鹿にしてると思われても仕方ないわよ?まぁ、私はそうは思わないけど」

 

「…………」

 

「本当にキツいし、そろそろマズいから…いくわよ」

 

「マシュ!」

 

「はい!いきましょう、ジャンヌさん!」

 

 

 

マシュとジャンヌが、マルタと激突する。狂気に囚われながらも、立ちはだかる壁となり、乗り越えさせようとしてくれている、彼女に応えるために

 

 

 

『激戦ではある。が、こんなの序の口ですらないかもしれないな。マルタが戦う前に色々と言っていたが、気になることがある』

 

『究極の竜種のことかい?』

 

『それもあるが、まだなにか隠している、とか言っていただろう。それについて聞くためにも、まずはこの戦い、負けは許されないぞ』

 

『そもそもこのグランドオーダーに、失敗は許されません。今私たちが出来ることは、他にも敵性反応が現れないかの警戒と、彼らの勝利を祈ること。それだけよ』

 

『………そうだね。オルガ』

 

 

 

 

 

「アーチャー!アサシン!」

 

「心得た。見せ所よな!」

 

"投影開始"(トレース・オン)。はあっ!」

 

「おおおおおおおお!!」

 

 

 

しばらくの合戦後、残った最後の一体を、アサシンが剣技で斬り払い、アーチャーが"偽・縲旋剣"(カラドボルグII)を投影し撃ち抜き、ガイがメビュームブレードで一閃。スケルトン達の軍勢を沈める

 

 

 

「取った!」

 

「アンサズ!決めるなら今だぞ!」

 

 

 

セイバーの斬撃と、キャスターのルーン魔術の応酬により、タラスクの動きを止め、好機を作り出すことができた

 

 

 

「ライダー!宝具を!」

 

「…ッ!させないわよ!」

 

「くっ…!立香さん!立花さん!彼女は宝具を…!」

 

 

 

ライダーに宝具の開放を指示しかけたが、相棒であるタラスクの危機を察知したマルタが駆け付け、最大の一撃を叩き込もうとする

 

 

 

「マシュ!宝具の準備!ジャンヌとキャスターは妨害を!」

 

「はい!真名、偽装登録–––行けます!」

 

「こちらを!」

 

「さて、どのバッハが……ゴメン、無理!」

 

「ごめんなさい!彼を責めないであげて!」

 

「いや!キャスターのは確率が低いって分かってたから!でもジャンヌのは…!」

 

「くっ…!愛を知らない哀しき竜…ここに。星のように!」

"愛知らぬ哀しき竜"(タラスク)!!」

 

「宝具、展開します!」

"疑似展開/人理の礎"(ロード・カルデアス)!!」

 

 

 

ジャンヌのスキルによる妨害を受けながらも、飛び上がり杖でタラスクを叩き込み、突撃させるマルタに対し、マシュは宝具を展開。その盾は、冬木で黒き騎士王の聖剣を防いだもの。簡単には破れないが、その攻防は拮抗している

 

 

 

「今だライダー!」

 

「ご命令とあらば」

 

 

 

だが、孤軍奮闘であるマルタに対し、こちらはマシュだけではない。ライダーも、宝具を展開しようとしていた

 

 

 

「優しく蹴散らしてあげましょう」

"騎英の手綱"(ベルレフォーン)!!」

 

 

 

羽の付いた白馬–––ペガサスを召喚、騎乗し、一筋の光となりタラスクへと突撃する。別方向からの攻撃により、拮抗は崩れ、タラスクは撃破される

 

 

 

「タラスク…ッ!」

 

「そこです!」

 

 

 

宝具開放による魔力の枯渇、相棒が倒されたことへの動揺。そこをジャンヌは見逃さず、その手に持つ旗の柄を、マルタに突き刺す

 

 

 

「………ふふっ、たしかにこの胸に突き刺しなさいとは言ったけど、本当に突き刺すだなんてね…」

 

「聖女マルタ……」

 

「いいのよ。これで。あの子たち、マスターとしてはまだまだなようだけど、これだけの味方が支えているのなら…ええ。太刀打ち出来るでしょう。リヨンと呼ばれた町、そこへ行きなさい。究極の竜種…ドラゴンを打ち倒すのは、ドラゴンスレイヤー。昔から相場が決まってるのよ」

 

『待て。これだけは聞かせろ。お前らの黒幕は、一体なにを隠している?』

 

「……………私だけでしょうけど、姿を見なくとも、感じることは出来た。災いよ。究極の竜種とは別の、災いそのものよ。ああ、そうね。あれに勝てるかは……でも、大丈夫。祈りなさい。最後まで諦めなければ、祈りは必ず……」

 

『災い………災いだと?おい、それは……』

 

「……ここまでね。ごめんなさい、タラスク。次はもう少し、マシな召喚をされたいわね……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……気配が止んだか。今まで感じたことのないものを感じたが……まだいたか」

 

『ウルトライブGO!!EXレッドキング!』

 

「怪獣とは違う、竜がこの世界を脅かしている……いや、竜だけじゃないか。なんなんだ……ここは」




絶望と希望、それぞれを示唆していくスタイル
まあ、希望についてはもう答えが出てますがね



ところで予約投稿失敗してやがんの。やーいやーい


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予兆

お久しぶりですー。こっちも投稿しないとね


「リヨンの町…。たしかに、そう言ったんだな?」

 

「はい。そこにドラゴンスレイヤーがいると…」

 

 

 

マルタの試練を乗り越えたカルデアの一行

次の目的地は、マルタが遺した情報によりリヨンという町へと決まった

 

 

 

「ドラゴンスレイヤー…最強の竜種…。たしか、マリーみたいなはぐれサーヴァントっていうのは、大体はなんらかへのカウンターとして呼ばれるんだったな?」

 

『ええ。その認識で大丈夫よ。マリー・アントワネット、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト。両名とも、フランスにおいてその名を遺した、立香達に分かりやすく言えば、歴史上の偉人ということ。これぐらいは分かるでしょう?』

 

「えーと、要するにだけど…。たとえばここが日本だとして、街がピンチに陥ったときに呼ばれる英霊は、織田信長とか坂本龍馬だったり…ってこと?」

 

「カルデアの召喚式は縁召喚を基にしてるって言ってたから…。2人の場合は、場所の縁によって呼ばれたってことでいいですか?」

 

『………。貴方たちもやれば出来るじゃない』

 

「なるほど。ならアマデウスもだが、マリーが来るのは当然か」

 

「フランスのピンチとなれば、私は駆け付けるわ。アマデウス、あなたもでしょう?」

 

「僕?僕の場合は完全に無意識なんだけど。と言うより、マリアは自分から来たのかい?まったくマリアらしい。たしかに英霊召喚ってのは、縁が重要だけどこれほどとは」

 

『はぐれサーヴァントということもあって、知名度補正は入らない…のかな?2人ともまだ産まれてない時代だからというのがあるかもしれないけど。ただ仲間が増えるのは心強いことだ』

 

『ライダー・マルタによると、リヨンにいるサーヴァントは切り札になるそうだ。合流するなら早い方がいい。移動することをオススメするよ』

 

「ダヴィンチの言う通りか。マスター、構わないな?」

 

「うん。マルタが言うには、最強の竜が相手みたいだからね。なら、そのドラゴンスレイヤーは、引き込みたいところだね」

 

「グー相手にはパーってことだね。じゃあ、さっそく出発だね!」

 

「…………グー相手に、パー?」

 

「あー…立花は感覚で言うからさ。致命的な勘違いでもない限り、放っておいてよ」

 

 

 

「…………ジャグラー。頼めるか」

 

『チッ。お前がここに来たもう一つの理由だろ。だがな、実際にその場にいるワケじゃない。明確なことはお前にしか分からないぞ』

 

「分かってる。それと、頼むことは他にもある」

 

『それも分かってる。だから俺がわざわざ観てやってるんだろうが』

 

「………その時は頼むぞ」

 

『へっ』

 

 

 

 

 

 

 

リヨンの町に着くと、そこは…

 

 

 

「街の住民を、怪物に……か」

 

「……ガイにやらせるわけにはいかない。マスター、我々だけで、彼らを解放するぞ」

 

「…何故か、カルデアとも連絡が付かないけど、そうするしかないよね…」

 

「………うん。せめて、安らかな眠りを」

 

 

 

リヨンの町は、リビングデッドの巣窟となってしまっていた。

こうなってしまっては、元に戻すことは出来やしない。倒して、眠らせるしか……

 

 

 

「安らぎ、安らぎを望むか…」

 

「……これをやったのは、貴様か」

 

「私ではない。だが、この町は私の絶対的支配下にある。竜の魔女により、この町は地獄へと。彼らの魂に安らぎは無く、我らサーヴァントに確実性も、ない」

 

「……黒いジャンヌ、か。貴方もサーヴァント…」

 

「然様。人は私を、オペラ座の怪人(ファントム・オブ・ジ・オペラ)と呼ぶ。さあ、君たちは、どうする?安らぎはなく、死者が蘇る地獄となった、この町で」

 

「悪いけど、ぶっ飛ばすよ」

 

「ドラゴンスレイヤー…竜殺しを見つけないといけないんだ。邪魔するなら、突破させてもらう」

 

「竜殺し…竜殺しか……」

 

 

 

何か思うとこがあるのか、竜殺しに反応するファントム

ただ、さっきも言った通り、ここで時間を取るわけにはいかない

人数差とか関係ない。総攻撃だ

 

 

 

 

 

 

「報われない…あまりに報われないが…務めは果たしたぞ」

 

「…もう、喋るのも辛いでしょう」

 

「これは言葉ではない。これは歌だ。聖女ジャンヌ・ダルクよ。おまえの先を嘆き、憂うための」

 

「………心配してる、ということ?」

 

「おまえの邪悪は、おまえ以上に成長した。竜殺しは諦めろ…と、言いたいところであった。そう言うつもりでもあった」

 

「何が言いたい」

 

「果ての果てまで逃げ、運が良ければ、逃げ延びられる可能性はある。邪悪な竜だけであれば、それを薦めた」

 

「……究極の竜種だけではないと、そう言いたいのか」

 

「然様。あの獣は、災いをもたらすもの。邪悪な竜とは別の、災いそのものである。2つが揃ってしまっては、果ての果てまで辿り着くのは当然のこと。ならばせめて、邪悪な竜の明確な対処策である、竜殺しを見つける方が、救いがあるというもの」

 

「………その災いの名は、魔王獣か」

 

「………………然様」

 

 

 

それを言い残し、ファントムは退去していった

 

 

 

「やはり、魔王獣か…」

 

「ガイさん。その魔王獣って、冬木で言ってた?」

 

「ああ。地球を滅ぼそうとする災いそのもの。普通の怪獣とは、違うものだ」

 

「怪獣なら、ブリテンにも現れました。幸いと言いたくはありませんが、我ら円卓の騎士で対処が出来た範囲のものでしたが…」

 

「こっちにも出やがったぜ。ただこっちも、セイバーの時と似た感じだったがよ。となると、ギリシャにも出た感じか?」

 

「ええ、まぁ。ただ直接見たことはありませんから、知識でしか知りませんよ」

 

「日の本はなぁ…それはそれは、多くの怪獣が出たものだ。何か因果を感じるぐらいの、な」

 

「フランスでも出たようだよ。僕たちの時代では現れなかったけどね」

 

「……それらをどうにかしてたのって、たしか光の巨人だっけ?所長が言ってたと思うけど」

 

「ええ。そのように残っているはずです」

 

「じゃあ、ここにもいるのかな?光の巨人」

 

「……………ええ。いるはずです」

 

「それより、竜殺しを探さないとだ。二手に分かれるぞ」

 

 

 

 

 

 

 

 

「あっちは…たしかリヨンって言ってたな。そっちの方に、何かが向かっている感覚が……どうするかな。ショウとも合流したいけど、そっちも気になるな…」




謎の男H、移動開始


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怪しき獣

他の小説更新してた間に、当たり前なんですけど本編でめちゃくちゃ情報出て来ましたね。
まあ、これは二次創作なんで、当然と言えば当然なんですけど、別モノとして見てくださいね。


そして改めて言っておきますが、ガイさんたちの時系列はジード映画つなぐぜ!願いの後です。
なのでガイさんたちは、ジード以降のウルトラマンとはまだ会ってないです。
"ガイさんたち"はね。


リヨンの町にいる竜殺しを探す為、二手に分かれたカルデア一行。

マスターの2人を中心とし、カルデア所属のサーヴァントをそれぞればらけさせ、現地のサーヴァントは立花の方と共に行くこととなった。

 

 

「俺は…別行動でいいか。なにかあったら声をあげてくれ。耳には自信があるし、そこまで広くない町だ。すぐに駆けつける」

 

「もし本当になにかあったら音もするだろうからね。じゃあ、お願いね。みんな」

 

「よし、じゃあマシュにエミヤとクー・フーリン、メデューサ。行こっか」

 

「はい。立花先輩も、お気を付けて」

 

 

三手に分かれて行動する立香たち。

ガイのみ単独行動だったが、何かあればジャグラーが報告することになっているため、不安はなかった。

 

 

「本当に、荒廃した町って感じだね……」

 

『ファントムの手で、住民がああなってしまったけれど、1人の手だけであそこまでやったとまでは考えられないわね。ワイバーンや、他の手段によって破壊された町に、手を加えたと考えた方がよさそうだけれど……』

 

「………たしかに。無辜の民にとって、ワイバーンは危険な存在ではあります。ですが、町の建物に着けられたこの傷は……」

 

「………ふむ。たしかに、些か大きすぎるように思えるな。それに、瓦礫も多い。どうだろうか、立花殿。我らはわいばーんを見ておらぬ故、正確な判断が出来んのだ」

 

「……うーん?たしかに、砦で見たワイバーンがやったにしては、なんだか傷が大きいような……。あと、小次郎が気にしてる通り、瓦礫も……」

 

 

アルトリア 、小次郎、そしてはぐれサーヴァントと共に歩く立花。

オルガマリーの推測を聞き、破壊された町を見ているが、アルトリアと小次郎が気にした通り、黒いジャンヌが使役していたワイバーンの爪に比べて、傷跡は大きいようだった。

さらに、ずいぶんと瓦礫が細かく砕かれていた。

砦での戦いで、ワイバーンが砦を破壊していたのを見た立花だったが、その時よりも派手に破壊されていると、そう感じた。

 

 

「ワイバーンじゃないのなら、一体何が……」

 

「……ッ!キャスター!!」

 

「おっと!?」

 

 

思案を続けているアマデウスに、炎が襲いかかって来ていた。

そこへジャンヌが割って入り、なんとか防ぎ切った。

 

 

「ふう……。ありがとう。助かったよ、ジャンヌ」

 

「最弱クラスのキャスターを先に片付けようと思ったのだけれど、失敗ですか。やはり、貴方を屠るなら炎ではなく、死神でないとダメということですか?」

 

「おっと。黒い方はそういうジョークも言うのかい?たしかに、宝具を使ったのだから、真名もバレてるんだろうけどさ」

 

「黒いジャンヌ……!!」

 

「いちいち、そう言うのも疲れません?真のジャンヌは私ではありますが、そちらに合わせるのなら、ジャンヌ・オルタとでも呼ぶがいい」

 

『ジャンヌ・オルタ……。特異点Fで現れた、黒い騎士王と同じようなことかな?けれど、聖杯の泥とかが関係しているとは思えないのだけれど』

 

「殺戮の地に変えるならば、この身は血で染まるべきと、そう思ってのことです。その辺りのことは、私も知りませんし、知りたくもありません」

 

「ファントム・ジ・オペラに指示したのは貴女ですね?このようなことを、どうして……」

 

「同じことしか聞けないのかしら?何度も言っていることを、繰り返したくはありません」

 

「………じゃあ、この傷跡はなに?ワイバーンが付けたにしては、大き過ぎるでしょ。他に、何を隠しているの?」

 

 

立花がそう聞くと、ジャンヌ・オルタは笑みを浮かべる。

まるで、その言葉を待っていたかのように、楽しげに語り出す。

 

 

「そう。もちろん気付くでしょうね。気付いて当たり前のことに気付く。それが人間です」

 

「………何が言いたいのです」

 

「ワイバーンが付けた傷ではない。ならば、いったいどんな存在が、この町を破壊したのか?いいでしょう。答えを教えて差し上げます」

 

 

そうジャンヌ・オルタが言った瞬間、彼方の方から大きな音が聞こえる。

否、音は音でも、それは声だった。

大きな叫び声を上げながら、こちらに向かっているモノがいるというのを、立花たちは感じた。

 

 

「えっ、な、なに!?何が来るの!?」

 

『………!?オルガ!リヨンの町、立花ちゃんのいる方に向かう、巨大な生体反応を確認!!ワイバーンでも、その上位種であろう、ドラゴンでもない!!』

 

『なんですって!?』

 

「怖惑いなさい。私が使役する……。いえ、使役し切れてはいませんが。恐怖の竜、空を切り裂くモノ……」

 

 

やがて、それが現れる。

シルエットで言えば、ワイバーンと似ていた。

しかし、その大きさは、ワイバーンの比ではなく、巨大なものだった。

その身体は紅く、巨大な翼を拡げ、降り立つ。

 

 

「"怪獣"メルバに!!」

 

 

雄叫びを上げるそれに、ジャンヌ・オルタはメルバと言った。

 

 

「メル……バ………?」

 

『メルバだと?』

 

『ジャグラー!知ってるのかい!?』

 

『チッ……。厄介なヤツが現れたな。俺とガイがいた宇宙……にもいたような気がするが。主に別の宇宙に現れやがった、超古代怪獣だ。空を切り裂く怪獣とか言われていたらしいぞ』

 

『怪獣……。疑っていたワケではないのだけれど、まさか実在していたなんて……。いや、そんなことより!立花!!早くそこから逃げなさい!!怪獣なんて、丸腰の人間の手でどうにか出来る相手ではないわ!!』

 

「あ、あんな……大きい………のが…………」

 

「くっ……!ライダー!彼女を!!」

 

「ええ……!任せてちょうだい!!」

 

 

メルバのあまりの大きさに、顔を青くしている立花を見て、アルトリアが指示を出す。

この場にいる唯一のライダーであるマリーがガラスの馬を呼び出し、立花を乗せる。

 

 

「キャスターも乗ってください!あと1人ぐらいは……!!」

 

「そうさせてもらえるならとても嬉しいけれど、君たちはどうするんだい!?まさか、怪獣と戦うとでも!?」

 

「……たしかに。私の故郷に現れた怪獣よりも、遥かに強大なモノだというのは、分かります。ですが、全員で引いては……!」

 

『それはいけないな!キミたちの霊基では、怪獣を相手に出来るとは到底思えない!!いくら全盛期の頃で召喚されるとはいえ、生前の姿ではないのだし、そもそも怪獣を相手にする前提では無かった!!立ち向かったところで、一蹴されるだけだと私は思うけどね!!』

 

「けれど……!!」

 

「いいですね。その顔。無力な者たちより、力を持つ者が追い詰められた時にする顔は、実に芸術的です。先ほど言った通り、完全に使役しているワケではありませんので、私はお暇させてもらいましょう。完全に使役しているモノが、他にいるので」

 

「待ちなさい…!何故貴女が、怪獣なんて……!!」

 

「怪獣とは言え、それ以前に竜であれば、ある程度はいけます。最も、本当にある程度止まりなので、巻き込まれてもおかしくはありませんからね。さようなら、ニセモノの私」

 

 

そう言って、ジャンヌ・オルタはワイバーンに乗り、飛び去って行く。

そこに残されたのは、立香たちカルデア陣営と、その仲間であるはぐれサーヴァント。

そして、今なお暴れ続ける、メルバであった。

 

 

「………逃げたところで、あのスピードならすぐに追い付かれます。しかも、その追い付かれること自体が、致命的です。この霊基とはいえ、宝具を解放すれば……!」

 

『突貫はしないでくれ!立香くんたちやガイくんも、そちらへ向かってるはずだ!!って、ジャグラー!?ガイくんそっち向かってるよね!?何も聞こえないんだけど!!』

 

『隣でうるせえなロマニ。向かわせてるに決まってるだろ。そもそも、大きな音どころか、怪獣が現れやがったんだ。俺が言わなくても、その前に気付くはずだろ』

 

「……しかし。それに間に合うとは思えんな。つばめは切ったことはあるが、怪獣相手に、どこまで行けるか……」

 

『………いや、大丈夫だ。お前たちが覚悟を決めなくてもな』

 

『ジャグラー…?いったい、どういう……』

 

「………?」

 

「セイバー…?どうしたのですか?」

 

「これは………」

 

 

アルトリアが、メルバの奥の方へと目をやる。

それに合わせて、そこにいた全員も目を向ける。

 

 

「あれは……?」

 

「………おや。何か、生えてきたように見えるね」

 

「どうやら、人型のように見えるのだけれど…」

 

 

アマデウスの言う通り、紫色の光が地面から伸びていた。

その光は、マリーの言う通り、人型の形だということが認識出来る。

その光から音が鳴ると同時に、紫色の光の衝撃波が放たれ、その眩い光が薄れて行く。

 

 

「…………やはり。来てくれたのですね」

 

「…………ああ。怪獣を倒す、専門家とでも言うべきものが」

 

 

それは、左腕を肩の上まで曲げ、右腕を掲げて現れた巨人。

赤、銀、紫、そして黒の色をその身に宿し、両肩から胸の上にかけて、プロテクターを付けたその身体は、やがて動き出す。

 

 

『………あの、胸のリング……。まさか……』

 

 

その映像が映されているカルデアで、オルガマリーは感じる。

特異点Fで自分を助けた謎の人物を見た時、真っ先に目に付いた胸のリングが、フランスの特異点に現れている謎の巨人と酷似していると。

 

 

『やっと現れたか。まあ、こっちには被害が出てないんだ。良しとするか』

 

『ジャ、ジャグラー…?あの巨人のことも、知っているのかい……?』

 

『お前たちも、知ってるはずだろ。怪獣と同じく記された、光の巨人ってのを』

 

『光の巨人……!?じゃあ、アレが……!?』

 

『……まあ。俺から言わせてもらえば、アレはウルトラマンだ』

 

「ウルトラ……マン………」

 

『おっと。戻って来たか立花。まっ、今度からはその名前で呼んでやりな。なかでも、あれはウルトラマンオーブだ』

 

『ウルトラマン…オーブ………』

 

『輝く銀河の星……。光の戦士ってヤツさ』

 

 

フランスの特異点に、ウルトラマンオーブが現れる。

その光を、立花はじっと見つめていた。

 

 

【俺の名はオーブ。闇を照らして、悪を討つ!!】

 

 

立花たちには聞こえない、名乗りを上げたオーブが、メルバへと戦いを挑む。

特異点で、ウルトラマンと怪獣の戦いが、始まろうとしていた。




ところでメルバがいるということは……(未来に向けて


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光の力

先に言いますけど、怪獣相手に満足に立ち舞えるのはウルトラ戦士だけです。英霊側も宝具を解放すれば太刀打ち出来たり、相性もがっちり合えば倒すことも出来ます。竜殺しの逸話があれば、竜の怪獣ならば倒せたりとかそんな感じです。攻撃を当てれればですけど。
英霊も生前はどうにかしていたというのは、今までのお話でも言及してましたしね。英雄ってすごい。


 第一特異点であるフランスの地に、光の巨人が現れた。

 紅き身体を持つ怪獣メルバと相対するのは、ウルトラマンオーブ。

 

 

俺の名はオーブ。闇を照らして、悪を討つ!

 

 

 彼は名乗りを挙げるが、これが聞こえるのは、目の前にいるメルバだけである。

 

 

「あれが、ウルトラマン…なの…?」

「ええ。怪獣が出現した時に、彼方から現れる光の巨人です」

「光の、巨人……」

『ジャグラー。キミが言ったのは、間違い無いのかい?』

『ウソ言うワケないだろ。俺たちがいた宇宙にも、ウルトラマンは現れたからな。中でもアレはウルトラマンオーブ。もっと言えば、スペシウムゼペリオン』

『スペシウム、ゼペリオン…?』

『ゼペリオンはともかく、スペシウム*1はあれかい?原子番号133。火星で確認されている物質と同じ名前だけど』

『アイツは2人のウルトラマンの力をその身に宿している。それぞれが得意としている光線技から、名前を取ってるんだろうよ』

『何故火星で確認されてる物質が、あの巨人から…?』

『詳しいことは知らねえ。知りたければ、勝手に調べろ』

『……止めないのかい?』

『俺にそんな権利なんざ無い。調べられたくなかったら、姿を現したりはしないだろうよ。あと、とっくに立香たちは移動を始めている。こちらの観測は、ガイのと一緒に俺がやっとくぞ』

『……ロマニ!分かってるわね?』

『うん。こっちはウルトラマンオーブの観測を始める。レオナルドは六花ちゃんたちの周りを』

『分かってるさ。お互い、しっかりとね?』

 

 

 カルデア側は状況を把握し、現れたオーブの観測を始める。

 そして、その場にいる六花は、アルトリアから聞いた光の巨人という言葉に、引っ掛かりを覚えていた。

 

 

「光の巨人って…どこかで……」

「その言葉自体は、現世でも伝えられていたのではないか?怪獣と共に、存在を疑われていたようだが」

「たしかに、特異点Fでもガイさんや所長たちが話してたのは聞いたけど…」

「ひとまず、もう少し距離を取らないかい?ウルトラマンと怪獣、お互いあの大きさだ。周りの被害は大きくなると思うよ」

「そうね。彼の戦いの邪魔になりたくないし。アマデウスの言う通りにしませんこと?」

「では、私が前に立ちます。何かがあれば、盾となれますので」

 

 

 その一方で、オーブとメルバの戦いはすでに始まっている。睨み合っていたところから、互いに動き出し、激突する。

 先に攻撃を当てたのはオーブだった。

 

 

オラァ!!

キェアアアアアア!!

 

 

 地面を蹴り飛び上がり、メルバとすれ違うと同時に、首元へとチョップを当てる。地面に足を付け、体勢を立て直したオーブは、振り向くと同時に背中の翼へ目掛けて後ろ回し蹴りを繰り出し、直撃。

 一連の攻撃を浴びたメルバは、少しばかし怯んでいた。

 

 

「あの身体の大きさで、あんな攻撃を…」

「光の巨人たちが、怪獣退治の専門家と言われている理由の1つですね。我々の歴史に記されている巨人となると、身体の大きさや攻撃の重さが特徴ですが、その反面身体の動きが遅いという弱点が存在してると言われています」

『……なるほど。観測しているこちらでも、ウルトラマンオーブの動きは分かるわね。あの動きは、異質だわ』

『怪獣の動きよりも速く、攻撃を繰り出している。あれはまるで、人間の動きだね!巨人の動きとは思えないな』

『しかも、彼だけじゃないのだろう?ウルトラ戦士は』

『今は関係の無いことだろ。ただ、俺も全てのウルトラ戦士を把握しているワケではないとは言っとくが』

 

 

 この初撃を見たカルデア側は、ウルトラ戦士という存在の異質さを確認した。現場にいる立花は、圧倒されていると言ってもよかった。

 

 

キェアアアアアア!!

フッ!

 

「あの怪獣、目からビームを出せるのかい?」

「でもあの方、簡単に避けたわね」

『メルバ自体は、過去にも存在が確認されていた怪獣だ。特殊変異体でもない限り、対策は出来ているだろうよ』

 

 

 攻撃を浴びたメルバは、両目からメルバニックレイ*2を放つが、オーブは側転で回避。

 回避運動を終えたあと、スペリオンスラッシュ*3を放ちながら接近するが、メルバはそれを両手にある爪で弾き落とし、迎え撃つ。

 最初の接敵と違い、拳と爪がぶつかり合い、力比べが始まる。

 

 

「これが、ウルトラマンと怪獣の戦い…」

『立花。立香たちが合流するぞ』

「立花!大丈夫か!?」

「リツにい…。あれ、ウルトラマンって……」

「そう、だってね。あれが、ウルトラマン……」

「立花も、セイバーたちも無事だったか。あの怪獣なら、彼に任せれば大丈夫だろう」

 

 

 そこへ、立香やエミヤたちが合流する。

 兄妹が揃って見上げるのは、今なお力比べを続けるウルトラマンオーブ。その瞳は、どこか遠くのものを見ているようなものだった。

 

 

オオオオ…!!

 

「身体の赤いところが、光った…?」

「それと同時に、彼の方が競り勝っているな。おそらく、瞬間的に力を増そうとすると、ああなるのだろう」

 

キェアアアアアア!!

 

「あっ!あの怪獣の翼が開いた!」

「飛び立とうとしてんのか…?」

 

 

 クー・フーリンの予想は正しく、これ以上この力比べを続けるのは不利と判断したメルバは、背中の翼を広げ、空へと飛び立つ。

 ジャグラーから聞いた通り、空を切り裂く怪獣と呼ばれるメルバは、その自慢のスピードでオーブを撹乱しようとした。

 

 

『なっ…!?あの巨体でなんてスピードだ!メルバのスピード、マッハ6を観測!』

『マッハ6!?』

 

デェアッ!!

 

『ウルトラマンオーブも、飛行を開始!その速度、マッハ6.5…!?』

『マッハ6.5!?」

「……あっ。久しぶりの所長の慌てた声だ」

「ありがとうございます、所長。おかげで立花が少し落ち着きました」

『その感謝を私はどう受け止めればいいのよ!?』

「飛び立つ直前、身体の紫の部分が光りました。スピードを高めようとすると…ということでしょうね」

 

 

 先に飛び立ったメルバに追いついたオーブは、メルバの背中に乗る形になり、動きを封じるべく攻撃を始めるが…。

 

 

『……流石になにやってるか分からないわね』

「まあ、追いついて何かしてるってことが分かればいいんじゃないのかい?多分だけど、あの怪獣を撃ち落とそうとしてるんだと思うけどね」

「あら。アマデウスが言った通りね。あちらの方へ落ちて行くわ」

「念のため宝具解放の準備をしておきます。あの距離なら大丈夫だとは思いますが、瓦礫が飛んで来ないとも限りません」

『その辺は大丈夫だろうよ。ヤツのことだ。ちょくちょくお前たちの場所を確認してるはずだからな』

「そうだな。一瞬の間だが、彼と目が合った。そこからあの奥へと落ちて行ったのは、私も確認した」

「弓兵が言うんじゃ、間違い無いだろうな」

 

 

 エミヤの言う通り、立花たちがいる場所へは、メルバが墜落した時の地鳴りしか届かず、瓦礫が襲うことは無かった。

 

 

 

スペリオン光線!!

 

 

 上空でメルバから放し、エネルギーチャージシークエンスを終えていたオーブが、着地と同時に十字に腕を組み、スペリオン光線*4を発射する。

 

 

キェアアアアアア……

 

 

 起き上がろうとしていたメルバに直撃し、後ろへ倒れ込んだ直後、爆発する。

 

 

「あの大きな怪獣を、あっという間に……」

『一応補足しとくが、さっきも言った通りメルバは何度か確認されていたのと、はっきり言って特殊な能力を持っているワケでもない怪獣だ。毎度こうとは限らないぞ』

『とは言え、人間が相手にするには強大な存在なのは間違いない。既存の兵器が通用しないというのは、想像に難くないね』

『……そうね。彼は味方というのは、貴方が保証してくれるのかしら?』

『……チッ。俺に言わせるつもりか。まあ、少なくとも敵になることは無いだろうよ』

「彼がここにいるという事は、これから怪獣の出現が続くということの証明にもなる。あまり彼ばかりに任せたくはないのだが…」

 

シュワッチ!!

 

 

 カルデア側やエミヤが分析している間に、オーブが空へと向かって飛び立つ。小さくなっていくその姿は、やがて消えていった。

 

 

「どこへ向かうんだろう…」

「さてな。怪獣が現れたら、そのうち現れるんだろうさ」

「ガイさんが言うなら、そうなのかな…って、ガイさん!?」

「い、いつの間にいたんですか!?」

「ついさっきだ。怪獣が現れたって言うのに、遅れてすまなかったな」

 

 

 オーブを見送った立香たちの横に、先ほどまでいなかったはずのガイが声をかけてきた。

 

 

『ジャグラー!近くにいたのならさっきの立香たちみたいに声をかけなさいよ!』

『お前がオーブが味方なのかとか聞くのが悪い』

『なんでそれが確認を怠ったことに繋がるのよ!?』

「ガイさんも見た?あの、ウルトラマンオーブ」

「まあ、あれだけ派手に戦ってたらな。アイツがいれば、大抵の怪獣ならどうにかなるだろうさ」

「ガイさんって、元々いた宇宙であんな怪獣たちをどうにかしてたんだよね?どうやってやったの?」

「そりゃ、あのウルトラマンと協力してだな。たしかに主に戦うのはウルトラ戦士だが、人間にも出来る事はある」

「………そう、なんだ」

「それより、目的の竜殺しがいるだろうってとこを見つけたぞ。案内するから、来てくれ」

『そ、そうね…!元々の目的は、竜殺しを見つけるためだったわね』

『怪獣の後だけど、他の敵性が無いかの確認はこちらがやるよ。レオナルドは、さっきのウルトラマンオーブの解析を進めて欲しい』

『オッケーオッケー。職員何人かも含めて、やっちゃうよ』

 

 

 元々の目的を果たすため、ガイたちは行動を再開させる。

 その後、目的の竜殺しであるセイバーの英霊、ジークフリートとの邂逅を経て、行動を共にする事になった。

 

 

「この場に囚われていたが、表で何があったかまでは分かる。怪獣は相手次第だが、竜が相手なら、任せて欲しい」

 

 

 そう言ったジークフリートの加入により、場の雰囲気が明るくなる。ジークフリートの竜殺しの逸話は、疑いようのないものだからだ。

 

 

「……ジャグラー。俺の言いたいこと、分かるか?」

『チッ…。アイツの存在だろメルバだけなら、まだ分からねぇが…』

「ここにも、太平風土記はある。それに記されているはずだ」

『今は無理だ。お前が戻って来てからじゃないと、調べられないだろ』

「ああ。思い過ごしならいいんだが…」

 

 

 一方、影で行われているガイとジャグラーのやり取り。

 彼らの懸念は、果たして…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれ…。たしか、ウルトラマンオーブだったよな?ここにいるのか」

グルルル…

「おっと…!悪いけど、オレがここにいる以上は、この町には手を出させないぜぇ?」

*1
ウルトラワールドの火星で確認されている物質。ウルトラマンの必殺技、スペシウム光線にはこの物質が多く含まれている。本作ではこの世界でも存在しているものとする

*2
メルバの両目から放たれる破壊光線。咄嗟に繰り出される取り回しの良さとは裏腹に、戦闘機を撃ち落とせるぐらいには火力もある

*3
手裏剣型の光弾で、所謂牽制用の技。威力は低いが、エネルギーの溜め無しに連射が可能

*4
スペシウムゼペリオンの主力光線。右腕を上に、左腕を横のL字にしてエネルギーをチャージし、十字を組むという動作を経てから発射される




ゼペリオンの由来はマジで知らんです。ティガの発祥がネオフロンティアかどうかも怪しいのでマジで知らんです。
でもそんな素性がそんな分かってないティガよりも、もっと素性分かってない無愛想な宇宙人がいるもんだから彼ら面白いですよ。


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