東方Elona録 (ネェリ)
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目覚めた場所は?

あなたは目を覚ます。

どうやら少し気を失っていたようだ。

「……?」

目を覚ましたあなたは迎えたのは、自然の豊かな香りと心地よい風だ。

辺りを見回してみるが、神話生物やドラゴンの姿はなくとても静かだ。

 

ここは、どこだろう?

”私”の知るノースティリスにこんな場所があっただろうか?

取り敢えず、立ち止まっているわけにもいかないし辺りを散策してみるか。

 

 

 

 

*****

 

 

数分後、あなたが辺りを散策していると目の前の空間が裂けた。

比喩ではなく、言葉通りの意味だ。

 

これは、…ムーンゲート?

あれ、ムーンゲートに大量の目なんて付いていたかな?

ん、誰か出てくるみたい。一応、すぐに殺れる用に構えておかないと…

 

「こんにちは」

 

「こんにちは」

 

ふむ、勝てない相手ではない…か?

私と同レベルの相手とは久しぶりだなぁ…。

 

「あなたは一体どこから来たのかしら?」

 

「ノースティリス」

まぁ、嘘をつく必要もないだろう。

 

「…まあいいわ。あなたは何をしに来たのかしら?」

 

いや、気がついたら居たんですが。

 

「分からん。気がついたらここに居た」

 

「…そう。私は八雲紫よ。あなたは?」

 

「ユキ」

 

「ユキ、私はこの世界が大好きよ。私が創った世界を壊されたくはないの。

だから、問題を起こさないでもらえるかしら?」

 

ふむ、問題か。どこまでが問題に含まれるだろうか?

核か?終末か?まあ、どちらも此処では使うつもりはないのだけれど。

 

「分かった。代わりと言ってはなんだが、この世界について説明してくれないかな?

私はこの世界のことについて何も知らなくてね」

 

「分かったわ」

 

 

 

 

*****

 

 

なるほど、この世界は幻想郷というのか。

やはりノースティリスではなかったかぁ。

それと、どうやら私クラスの生物はほとんど存在しないらしい。

よく滅びなかったものだね…。

にしても、スペルカードルールか。面白い事を考えるものだ。

☆<<スペルカード>>

まさか、神器クラスの物を貰えるとは。しかも固定ではないということは、他にもたくさんあるのだろうか?

 

「なるほど、大体わかった。それじゃあ、私はこの世界を回って見るよ。

前の世界とは違って、ここはとても綺麗だからね」

 

「気に入って貰えたみたいで何よりだわ。

それでは、あなたの旅路に幸運があらんことを」

 

「ふふっ、”幸運”ね。

私にはエヘちゃんが付いてるからね。幸運には自信があるよ」

 

うみみゃあ!

 

 

紫side

 

あ、危なかったわ。まさか、あそこまで力を持った”人”が居るなんて。

話してるだけで圧迫感がすごかったわ。

ま、まぁ問題を起こさないって約束してくれたし大丈夫よね?

それにしても、やけにスペルカードを見て喜んでいたけれどそんなに嬉しかったのかしら?

マヨヒガに戻れば山ほどあるのに…

取り敢えず、天魔と地底の覚り妖怪に説明だけしておきましょ。

特に天魔には急いで伝えないと、妖怪の山が悲惨なことになりますわ。

はぁ…、今日は忙しくなりそうですわ。

 

 

 

 

 

 

 

 




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ネフィア <<妖怪の山>>

紫様の口調ってこんなだっけ…?
キャラ崩壊してたら申し訳ないです。


取り敢えずわかったことだが、どうやらこの世界でも魔法と技能は使えるようだ。

試しに”英雄”の魔法を使ってみたがいつもどおり発動した。

それならば帰れるのではと思い”帰還”の魔法を使ってみたが、どこにも飛ぶことができなかった。

どうやら帰ることはできないようだ。まあ、戻ったところですくつ巡りぐらいしか

やることもないし別にいいか。

この世界なら未知のアーティファクトも手に入りそうだからね。

…そうだ、”願い”はできるのだろうか?

……なんと、願いは使えるのか。それじゃあエヘちゃん呼んでみようかな。

いでよ!エヘカトル……ちゃん(ボソッ)

 

うみみゃあ!女神さまを呼ぼうとするのは誰かな?誰かな?

 

どうやらこの世界には呼べないみたいだ。嘘でしょ、私の楽しみの一つが…。

代わりになぜかサーモンが降ってきた。

どうやらエヘちゃんからのプレゼントのようだ。

大切にクーラーボックスに永久保存しておこう。

さてと、色々分かったしこの世界を見てまわろうかな。暇つぶしぐらいにはなるといいなぁ。

 

 

 

 

*****

 

 

「止まれ!ここは天狗の治める妖怪の山よ!!今すぐ立ち去りない!!」

 

ふむ、この世界を見て回りたいからこの山にも登りたいんだけどなぁ。

 

「ごめんね。私も色々とこの世界を見て回りたいから、登りたいんだよね。

だから登らせてもらうよ?あと、相手との戦力差も分からないのに喧嘩売らないほうがいいよ?

殺されるから」

 

目隠しして座っていても勝てる。

それが目の前の白犬の評価だ。

……もしかして、この世界ではこの程度が普通なのだろうか?

 

「人間風情が我ら白狼天狗を舐めるな!」

 

おっと、どうやら白犬の機嫌を損ねてしまったらしい。

私は忠告しただけなのに斬りかかって来ちゃったよ。

けど…、うん。当たらないと思うよ?

 

「なっ…、私の攻撃が躱されるなんて」

 

いや、かなり遅かったよ?まだパルミアのガードの方が速いよ?

 

「貴様、一体何者だ!!」

 

「私?通りすがりの”妹”だけど?あとさ、そろそろめんどくさくなってきたからさ

いい加減攻撃やめてくれないかな?じゃないと、この山滅ぼすよ?」

 

少しばかり威圧してみたけど、攻撃やめてくれないかなぁー。

当たらない攻撃をちまちまと何回もやられるってムカつくよね?

さて、どうやって滅ぼそうかな。核と終末は紫ちゃんに止められちゃったから他の方法で……、

ああ、あの魔法があるじゃん。

 

「…ッ!?総員かかれ!!」

 

どうやら、白犬は他にも複数いたらしい。まあ、気づいていたけどね。

よし、滅ぼすか。山ひとつぐらいなら紫ちゃんも許してくれるよね。

 

”メテオ”

 

elona民なら誰しも知っているだろう”自分を含めた”全域攻撃魔法。

そう、メテオは自分すらも巻き込むというネタ魔法なのだ。

しかし、ネタ魔法だからこそ極めようとする頭のおかしい廃人も居るのだ。

 

 

いやー、前にお遊びでパルミアでメテオ祭りやった時のおかげか、レベルが異常に高いんだよね。

さて、どうなることやら。

 

……あれおかしいな?いつもどおり隕石は降ってきたのに全部ムーンゲートに吸われたぞ???

あれは、紫ちゃんのムーンゲートだったような。

 

「ユキ?これはどういうことかしら?」

 

後ろから呼ばれたので振り返ると、そこには妙に疲れたような紫ちゃんと鴉?が一匹居た。

 

「て、天魔様!?」

 

ふむ、どうやらこの鴉?は天魔という名前のようだ。

 

「いやね、警告したんだけどね?目の前の白犬ちゃんが攻撃をやめてくれないから、山を滅ぼそうと思って」

 

「なんで山を滅ぼそうという発想になるのよ!」

 

「いや、だって白犬ちゃんがいっぱい居たからコレにしたんだよ?

それに、紫ちゃんに世界を壊さないで欲しいって言われたからなるべく被害の少ない広範囲魔法を選んだんだし。

終末や核爆弾なんて使ったら世界が壊れちゃうから……」

 

「え……、アレ以上に酷いものがあるのかしら?」

 

「うん。むしろアレはネタ枠の面白魔法だよ?」

 

「ごほん…、すまなかった。この山の代表者として謝罪する。

ウチの者が迷惑をかけて申し訳ない。どうか許してもらえないだろうか?」

 

紫ちゃんに魔法の説明をしてたら、天魔ちゃんに謝罪されてしまった。

しょうがないなぁ、私の心はすくつよりも広いからね。許してあげようじゃないか。

 

「天魔様が頭を下げるほどの相手だなんて……」

 

お、どうやらやっと白犬ちゃんも私の実力がわかったようだね。

にしても、天魔ちゃんは”負ける気はしない”ねぇ。

やっぱりこれぐらいが普通なのかな?

 

「いいよいいよ、別に私も戦いたい訳じゃないしね。

私が山に自由に出入りできるようにしてくれたらそれでいいよ」

 

「承知した。すぐに全ての天狗に伝えよう」

 

「紫ちゃんもごめんね?さっき見てたけど、私の”メテオ”を無効化したのって紫ちゃんでしょ?」

 

「え、ええ。そうですわ」

 

「次からはメテオも使わないようにするよ」

 

「そうしていただけると、とても助かるわ」

 

さて、魔法がひとつ使えなくなってしまった。まあ、ネタ魔法だからいいけど。

ほかの魔法、何冊あったかなぁ…。ストックはあるけど本も用意しておきたいんだよなぁ。

 

「取り敢えず。今日は落ち着けなさそうだから寝るね。おやすみ」

 

「はい?」

 

寝よう!疲労も溜まったし、なんか今通っても色々とめんどくさそうだし。

幸せのベッド持ち歩いててよかったぁ。重さ0ってよくよく考えるとすごいよね。

羽の巻物ってどういう原理なんだろ。

 

「……取り敢えず、話し合いましょ。白狼天狗と鴉天狗を全員集めてもらえるかしら」

 

「あ、ああ。山頂に全員集めるとしよう。にしても、コイツは一体何ものなのだ?

恐ろしい程の力を持っているし、どこからかベッドを取り出して寝てるし色々とおかしいじゃろ」

 

「…先に山頂に向かってますわ」

 

紫はそう告げると、とても疲れたような顔つきをしながらスキマへと戻っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




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メテオいいよね!


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ネフィア <<妖怪の山>> 紫side

紫視点です。

キャラ崩壊が目立ちますが、お許しください。


~妖怪の山~

 

「……と言うわけで、彼女が来たら通してあげてほしいの。

下手に白狼天狗たちを向けると、殺されてしまうかもしれないから」

 

「そんなにやばい奴なのか?お主が警戒するほどとなると相当だぞ」

 

「えぇ、私とあなたと鬼子母神を合わせても勝てないほどですわ」

 

「それほどなのか!?……わかった、白狼天狗たちには下がるよう命じておく」

 

「そうしていただけると助かるわ」

 

ま、間に合ってよかった。

いくら約束したとはいえ、いきなり襲い掛かられたらあの子でも反撃するでしょうし。

それに白狼天狗が耐えられるとは思いませんわ。

 

「天魔様!侵入者です!」

 

侵入者?こんな忙しい時に、全く誰ですの。

 

「何? 誰だ?博麗の巫女か?それとも人里の人間か?」

 

「い、いえ…、それが金髪の子供なのですが、白狼天狗たちの攻撃を軽々と躱すほどの実力者でして…」

 

……前言撤回。どうやら間に合わなかったみたいね…。

なんで真っ先に妖怪の山に来るのよ!おかしいでしょ!他にも見るようなところいっぱいあるでしょ!

 

「て、天魔。急いで白狼天狗たちを下げさせて!彼女がさっき言ってた子よ」

 

「わ、分かった。すぐに下げさせよう」

 

「頼むわね」

 

も、もう少しだけ何もしないで。

すぐに攻撃をやめさせるから、何もしないでよユキ…

 

「天魔様!大変です、空が!」

 

今度は何よ!天魔が今すぐ白狼天狗たちを下げさせるから、おとなしくしてなさいよ!

 

「空?な、なんじゃアレは!」

 

アレ?アレって一体何よ。今日は普通に天気のいい日でしょ。

 

……何、アレ?なんか隕石が大量に降ってきてるんだけど…。

いやおかしいでしょ!なんで、博麗大結界があるのに空から隕石が降ってくるのよ!

結界に異変は感じないし、もう何なのよ!

 

「あぁもう!なんで今日はこんなに厄日なのよ!」

 

取り合えず、スキマに入れて相殺させよう。…うん。

 

 

 

 

*****

 

 

「つ、疲れた…」

 

「た、助かった…。感謝するぞ八雲殿」

 

もうやだ、冬眠したい…。

 

「取り合えず、白狼天狗たちを下げる前に彼女に謝りに行くわよ。

じゃないと、どれほどの被害が出るかわからないわ…」

 

「あ、あぁ…」

 

 

 

 

*****

 

 

「ユキ?これはどういうことかしら?」

 

…相変わらず、こんな女の子がアレほどの力を持ってるとは思えないわね。

一体どんな世界から来たのかしら。たしかノースティリス?だったかしら。

そんな地名聞いたこともないのだけれど…。

嘘を言ってる感じでもなかったわね。

 

「て、天魔様!?」

 

「いやね、警告したんだけどね?目の前の白犬ちゃんが攻撃をやめてくれないから、山を滅ぼそうと思って」

 

「なんで山を滅ぼそうという発想になるのよ!」

 

いや、いやいやいや、どういう思考回路をしたら山を滅ぼすなんて発想になるのよ…。

約束と違うじゃん!壊さないって約束してくれたじゃん!

 

「いや、だって白犬ちゃんがいっぱい居たからコレにしたんだよ?

それに、紫ちゃんに世界を壊さないで欲しいって言われたからなるべく被害の少ない広範囲魔法を選んだんだし。

終末や核爆弾なんて使ったら世界が壊れちゃうから……」

 

「え……、アレ以上に酷いものがあるのかしら?」

 

「うん。むしろアレはネタ枠の面白魔法だよ?」

 

いや、アレよりもひどいものってどんなものよ…。

というか今、核爆弾って言った?き、聞き間違いじゃないわよね?

……なんでそんなもの持ってるのよ!おかしいでしょ!個人で持てる物じゃないでしょ!

 

「ごほん…、すまなかった。この山の代表者として謝罪する。

ウチの者が迷惑をかけて申し訳ない。どうか許してもらえないだろうか?」

 

……お願いだから許してあげて?これ以上面倒を起こさないで。お願いだから…。

 

「天魔様が頭を下げるほどの相手だなんて……」

 

気づくのが遅いわよ!なんで実力差が分からないのよ!

私ですら生き残れる自信がないのに、あなたたちが勝てるわけないでしょ!

というか、実力差が分からないなら喧嘩を売るのやめなさいよ!

哨戒天狗の仕事だってのはわかるけど、一目で分かるでしょ!

絶対に勝てないって!何でもっと早く天魔に伝えなかったのよ!

 

「いいよいいよ、別に私も戦いたい訳じゃないしね。

私が山に自由に出入りできるようにしてくれたらそれでいいよ」

 

な、なんとか許してもらえたみたいね。助かったわ。

……あとで藍に胃薬を用意させましょ。

 

「承知した。すぐに全ての天狗に伝えよう」

 

「紫ちゃんもごめんね?さっき見てたけど、私の”メテオ”を無効化したのって紫ちゃんでしょ?」

 

よ、よく私だってわかったわね。流石というかなんというか…。

 

「え、ええ。そうですわ…」

 

「次からはメテオも使わないようにするよ」

 

「そうしていただけると、とても助かるわ」

 

やった!これでもう、あの隕石は降ってこないのね!

……なんで私こんなことで喜んでるんだろ。

 

「取り敢えず。今日は落ち着けなさそうだから寝るね。おやすみ」

 

「はい?」

 

な、なんかベッドを取り出して寝始めちゃったんだけど…。

というか、今どこから出したのよ。

もうヤダ…、何この規格外…。

 

「……取り敢えず、話し合いましょ。白狼天狗と鴉天狗を全員集めてもらえるかしら」

 

「あ、ああ。山頂に全員集めるとしよう。にしても、コイツは一体何ものなのだ?

恐ろしい程の力を持っているし、どこからかベッドを取り出して寝てるし色々とおかしいじゃろ」

 

「…先に山頂に向かってますわ」

 

寝よう。さっさと要件を済ませて私も寝よう。

はぁ…、今日は厄日ですわ……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




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紫様のキャラ崩壊が激しいかもしれませんが、ご容赦ください。


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博麗神社 【乞食もたまには許してあげよう!】

「ん…、もう朝か」

 

昨日はいろいろあったなぁ。紫ちゃんが困っちゃいそうだし、今日は他のところに行こ。

にしても、此処は相変わらずエーテルの匂いがしないし、いい世界だなぁ。

取り合えず、翼装備して空から見てみようかな。

 

…なんだろう、あれ。なんか”神々の休戦地”と同じ雰囲気の場所があるんだけど。

もしかして神様でもいるのかな?

……!? も、もしかしたら祭壇があるかも!エへちゃんにお魚上げないと。

 

 

 

 

*****

 

 

さて、着いたはいいけど予想以上にボロボロだなぁ。

あのダルフィでさえ、もうちょいまともだったよ?

 

「誰?参拝客?お賽銭ならあっちよ」

 

はて、この少女は誰だろうか?(見た目 135cmのロリ←)

ここの管理者か何かかな?

 

「お賽銭…って何?」

 

お賽銭って何?納税見たいなもの?納税ならちゃんとしないとね!(カルマ -100)

 

「あんたお賽銭を知らないの?取り合えず、あそこの箱にお金を入れるのよ」

 

どうやら入れなければいけないようだ。この世界のガードがどれだけ強いかわからないし入れておこう。

えーっと、手持ちの請求書は……。

 

25000gp

 

……そういえば、ノースティリスについたばかりの頃に拾ったものだけで、後から来た請求書は全部放置してるの忘れてた。

 

ま、まあいいよね。請求書なんてなかったことにしよう、うん。

んじゃあ、25000gp入れておくかな。

 

「あ、あんた今一体いくら入れたの!?」

 

「え、えーっと25000ですけど」

 

バレた?もしかしてバレた?い、いやだなぁ、それが正規の金額ですよぉ。

 

「25000!? そ、そんなに入れてくれたの!? ありがとう!これで生活していけるわ!」

 

あー、もしかしてこれ納税箱じゃなくて乞食と同列だったのかな?

…まあいいや。たったこれだけの金で喜んでくれたのなら。

それに……、”勝てない相手ではない”ねぇ。

また紫ちゃんと同レベルに強い子かぁ。

この子ぐらいの強さの子がいっぱいいたらいいのに。

 

「上がっていってよ。お賽銭してくれたしお茶ぐらい出すわよ」

 

「ん、お邪魔します」

 

にしても、”神々の休戦地”と同じ感じがしたんだけど、気のせいだったかな?

 

「ところで、あなたは?私は博麗霊夢。気軽に霊夢でいいわ。お賽銭ありがとうね」

 

「私はユキ。昨日この世界に来たばかりだから、色々巡ってる最中だよ。

ところで、此処って神様とかいない?前にいた世界の神様がいたところと、同じ雰囲気がしたから来たんだけど」

 

「神様……、あぁいるわよ。いるけど、ごめん部外者は入れらないのよ」

 

「そっかぁ」

 

まじかぁ。エへちゃんにお魚上げられないじゃん。願いで祭壇出すのもなぁ。

というか今何してるんだろ。取り合えず★<<謎の貝>>で聞いてみよ。

 

うみみゃあ!今日のお魚はまだかみゃ?

 

…おおぅ、元気だなぁ。

 

元気だみゃあ!ところで、今日のお魚はまだかみゃ?

 

……???

 

え、待って待って、エへちゃん私の声聞こえてるの?

呼んでないのに?支配してないのに?

 

聞こえるみゃあ! みゃあ? 

 

おぉ!聞こえるのか!願いで呼ぶことはできないけど、エへちゃんと会話出来るならいいや!

滂沱の涙を流しながら跪き、あなたはエへちゃんへと信仰をささげた。

 

「なんであんた無言で泣いてんの?」

 

エへちゃん、後で祭壇願ってお魚あげるからね。

 

権利書とかは持ち歩いているけど、さすがに祭壇は持ち歩いてないからね。

 

「なんでもない。そろそろ他のところ見て回るね。

これからよろしく」

 

「こちらこそ、貴重な参拝客だもの。いつでも歓迎するわ」

 

乞食はあまり好きじゃないんだけどなぁ。けどまぁ、紫ちゃんと同レベルぐらいには強いみたいだし、エへちゃんとお話しできたしまたお金を恵んであげよう。

私の心は”すくつ”よりも広いからね!

 

 

……あれ、願いの魔法のストックあったっけ?

ま、まぁ杖が確か余ってた ……気がする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




★<<謎の貝>>

神の電波をキャッチする→神と会話を可能とする

オリジナル効果として改変させていただきました。

評価・コメントお待ちしております。



1話当たりの文章が短い!などの意見があれば、コメント教えてください。
なるべく長くなるよう努力させていただきます。


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マヨヒガ <<妹"猫"の館>>

今回は2話に分けさせていただきます。

キリがよかったんです、お許しください。


そろそろ紫ちゃんにもらったスペルカードを作ってみようかな。

一応、アイデアはあるんだよね。あと弾幕?だったかな。

あれは意外と簡単に出せたね。魔法…に似てるけど微妙に違うのかな?

MPを消費するけど、生きた武器ちゃん装備したりしても威力は変わらなかったんだよねぇ。

 

<<弾幕>>

 

消費MP50 ストック??? LV1/成功100 効果1d6 美しい黄金色の玉

 

<<スペルカード:聖夜 核降るノイエルの雪祭り >>

 

消費MP856 ストック1 LV1/成功100 効果 炎属性の雪玉

 

うん、色々と言いたい。まず、成功率高すぎでしょ。100%って…。

スペルカードは……うん、イメージすると勝手に浮かび上がるって言われたから、

ノイエルの聖夜祭Let's核パーティーを思い出したけど、まさかこんな頭のおかしい物になるとは。

炎属性の雪玉ってどういうこと!?

 

ちょっと試してみよ。

 

 

 

 

*****

 

 

……取り合えず、紫ちゃんに報告するかな。

呼んだらムーンゲートから出てきてくれるかな?

 

「おーい、紫ちゃーん!」

 

流石に無理があったかな?

 

「…ど、どうしたの?ユキ」

 

わぁお、普通に出てきてくれたよ。

 

「えっとね、スペルカードと弾幕?完成したからその報告するために呼んだんだよ。

にしても、呼んだらどこにいても出てきてくれるんだね」

 

「ま、まぁ毎回出てくるわけではないけどね。

良かったら私の家に来ない?歓迎するわよ」

 

「お、紫ちゃんのお家かぁ。いいね!行くよ」

 

おぉ、誰かの家に行くのは久しぶりだなぁ。

最後に行ったのは確か……、みんなで呪い酒パーティーやった時か。

そうだ、お酒といえば…

 

「ねぇ紫ちゃん、この世界の人たちってお酒飲む?」

 

「えぇ。みんな理由をつけて宴会を開きたがるぐらいにはお酒好きが多いわ」

 

「じゃあこれ、差し入れ?というよりかはこの前の埋め合わせ。

ごめんね?メテオの処理面倒だったでしょ?」

 

パルミアで撃つと王様が喜んで殺しに来るもん。まあ、返り討ちにして食料になってもらってるけど(あなたは何でも食べられる)

 

99服のウィスキー

 

流石に呪い酒は…ね? 死人が出たら嫌だし、お酒は祝福してないし…。

祝福水はあまり予備がないからねぇ

 

「ウィスキーってお酒なんだけど知ってるかな?とってもおいしいお酒だよ!

はいこれ」

 

「こ、こんなに貰ってもいいのかしら?」

 

「うん!他にもお酒はあるからね、遠慮しないでよ」

 

呪い酒とか呪い酒とか……ね

 

 

 

 

*****

 

 

「ここが紫ちゃんのお家?」

 

「そうよ。ようこそマヨヒガへ、歓迎するわ」

 

わぁお、この世界の建物は豪華だなぁ。

これ、ランクいくつぐらいだろ…。

私の家具詰め合わせ城よりも綺麗なんだけど…。

 

「お帰りなさいませ紫様。ところで、そちらの子供は?」

 

こ、子供……

確かに伸長低いけどさぁ…。

モンスターのミルクでもがぶ飲みしようかな……。

 

「お客さんよ。ユキ、彼女は私の式神の八雲藍よ」

 

「式神?ペットみたいなもの?」

 

「ぺッ……、えーっと、家族よ家族」

 

家族?ペットで合ってるじゃん。

 

「そうなんだ、よろしくね藍ちゃん」

 

「う、うむ。よろしくな」

 

自己紹介も済んだし、さっそくスペルカードの試し撃ちを……

……なんか、家の陰から尻尾が見えるんだけど?

 

「ね、ねぇ紫ちゃん。この家猫でも飼ってるの?」

 

「猫?……あぁ、橙のことね」

 

「橙?」

 

「藍の式神よ。橙、いらっしゃい」

 

「は、はい!橙です、よろしくです!」

 

驚いた、猫がいるのかと思ったらまさかの”妹猫”とは…

……よし。

 

「妹猫! よーしよしよしよし、お魚食べる?フライから活け造りまでいっぱいあるよ!」

 

「にゃ、にゃあ!?ゆ、紫しゃま、藍しゃま助け……」

 

「な、なんか橙にすごい懐いてますね」

 

「そ、そうね。というか妹猫ってなに? ……取り合えず、少し待ちましょ」

 

いやー、相変わらず妹猫は可愛いなぁ。

毎回、愛でるために鬼ごっこするのは最高だなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




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マヨヒガ 【初の弾幕ごっこ】

藍のキャラが難しい…。

口調とかキャラがおかしいかもしれませんがご容赦ください。



「お、落ち着いた?」

 

「うん!いやぁ、この世界にも妹猫がいるとは思ってなかったよ」

 

「妹猫? ……多分違うと思うわよ?」

 

違うのかぁ。まぁ、可愛ければ何でもいいよね!

 

「まぁいいや。紫ちゃん、せっかくだから弾幕ごっこ?だっけ、付き合ってくれない?

作っては見たもののまだ相手に使ったことがないからさ」

 

紫ちゃんを呼ぶ前に少し試したけど、アレは凄いね。

シェルターで試しといてよかったよ。

折角報告に来たんだから驚いてくれるといいなぁ。

 

「いいけど、実際に使うのはもう少し後になると思うわよ?」

 

「ん、どうして?」

 

「弾幕ごっこって概念がまだ広まってないもの。

妖怪と人間に差が生まれないように作ったルールだけど、一部の人間と妖怪にしか伝えてないから。

まぁ、もうじき吸血鬼たちが異変を起こすからその時に弾幕ごっこが広まると思うけども」

 

「まぁまぁ、折角作ったんだから試させてよ」

 

「…わかったわ。残機、スペルカードともに3回でいいかしら」

 

「うん。…あ、待って装備とか魔法って何を使ってもいいの?」

 

「んー、攻撃じゃなければいいんじゃない?そうしないと魔法使いが圧倒的に不利になっちゃうし。

あ、でも死人が出ないようにするルールなんだから、殺しは駄目よ」

 

「わかった」

 

よし、アレを使うか…。

 

★シーナのパンティー

 

「……なに、それ」

 

「シーナのパンティーだけど?」

 

「だけど?じゃないわよ!なんでパ…パンツを取り出すのよ」

 

「これすごい武器なんだよ?当たった相手に幻惑を見せて、時間を止めることもできるっていう……」

 

「橙、お前は見ちゃいけない」

 

「ふぇ?藍しゃま、前が見えないです!」

 

さりげなく橙の目隠してるし…

そこまで酷いかな?昔すごいお世話になった武器なんだけど。

 

「……はぁ。ツッコんだ私が馬鹿でしたわ」

 

「あと、これも」

 

翼を装備しないと飛べないからね。

わ、私はエーテル病に侵されていない健全な体なのです!

というか、エーテルの風がないなら私の”ヴィンデールクローク”ゴミじゃん!

 

「あなた飛べたんですの!?」

 

「うん……って紫ちゃんも飛んでるじゃん!なに、この世界の人は羽がなくても飛べるの?」

 

「え、えぇ……」

 

「いいなぁ、カオスシェイプの友達が羨ましがるだろうなぁ」

 

あの人、「13盾こそ至高!うみみゃあ?可愛いもんだぜ」とか言ってたからなぁ。

 

 

「それじゃあ、行くよ!」

 

先手必勝!速度が全てなのだ!

 

「行け!パンツ!」

 

「ちょっ、危な!?」

 

ムーンゲートで躱されてしまった。

それずるくない?というか私の固定アーティファクトぉぉぉ!?

待って待って!それ帰ってくるよね!弾幕ごっこ終わったら帰ってくるよね!?

 

「ちょっぉぉぉ!?それ、帰ってくるよね!?ちゃんと返してくれるよね!?」

 

「そ、そんなにあのパンツが大事なの!?」

 

「当たり前だよ!世界に一つしかない貴重品なんだよ!?あのパンツのために数か月かかったんだよ!?」

 

貴族が落としてくれないんだもん!どれだけ演奏会を滅ぼしたと思ってるの!?

 

「え、えぇ……(ドン引き)ちゃ、ちゃんと終わったら返しますわ。

というか、そんなに大事なら投げないでよ!」

 

そんなこと言われても、あっちの世界だったら盗まれない限り、投げても帰ってくるのに。

 

「次はこっちの番よ。スペルカード!”幻巣 飛光虫ネスト”」

 

おっと、紫ちゃんのスペルカードか。

というか、その座り方かっこいいね。ムーンゲートって座れるものなんだ…。

 

「数は多いけど、速度はそこまで早くないみたいだね」

 

速度 300ぐらいかな?

私からしたら止まって見えるね。

……んー、これ食べたら美味しいかな?今日まだハーブ食べてないんだよね。

 

「んっ、はぐっ、あむっ…、あ、意外と美味しい!」

 

「んなっ!?弾幕を食べたですって!?そんな馬鹿な…」

 

「紫ちゃん、これ美味しいね!」

 

「……(あれって被弾扱いなのかしら)」

 

ハーブだらけのマズマズ食事から解放された気分だよ。

 

「それじゃあ、次は私の番! スペルカード! ”聖夜 核降るノイエルの雪祭り(クリスマスパーティー)”!」

 

発動と同時に生み出された雪玉は、とてつもない熱を持ちながら紫の方へではなく地面へと向かっていった。

着弾、とてつもない熱を持っていた雪玉はその姿を小さく、そして大量に分裂しながら散り、辺り一面を原型がなくなるほど吹き飛ばした。

……はずだった。

 

「ちょと待って、威力!威力がおかしいわ!?」

 

爆発はした。しかし、爆発のほとんどをムーンゲートに吸われてしまった。

それずるくない?

 

「ストップ!一旦ストップですわ!」

 

「ん、どうかしたの?」

 

「どうかしたのじゃないわよ!私じゃなかったら死んでたわよ!?」

 

「え、あの程度で…?」

 

「あの程度って……」

 

「いや、確かに派手に爆発したけど、威力自体はほとんどないはずだよ?

あれ、範囲を広げて被弾させるのが目的だから、威力自体はほんの少しのはずだよ?」

 

そうなのだ。

核降るノイエルの雪祭り(クリスマスパーティー)”は見た目が派手なのと範囲が広いことが特徴の、

目くらましの様なものなのだ。

 

「ほら、かなりの熱量を持ってたけど、そこまで暑くはなかったでしょ?」

 

「た、確かに、言われてみればそうですわね…」

 

いやだなぁ、私が地形破壊なんてするわけないじゃない!(毎年12月にノイエルが地図から消えるけど)

 

「取り合えず、スペルカード試せたからいいや。

付き合ってくれてありがとね」

 

「よ、喜んでもらえたようで何よりだわ」

 

「お礼に食事をご馳走するよ!流石に紫ちゃんの弾幕だけだと足りないからね。

藍ちゃんと橙ちゃんの分も用意するからちょっと待っててね」

 

さてと、久しぶりに料理するかな。バーベキューセット使うのも懐かしいなぁ。

ついでにエヘちゃんのも作らないと、祭壇も出してあげるから待っててね。

 

 

 

 

*****

 

 

「お、美味しい。なにこれ、すごい美味しいわ!」

 

「あ、あぁ、これは美味いな。(どうやったらバーベキューセットで魚の活け造りが作れるのだろうか…)」

 

「このお魚、とっても美味しいですぅ!」

 

「喜んでもらえてよかったよ。まだたくさんあるからどんどん食べてね。

この果物パフェとメロンパンが私のおすすめよ」

 

「考えては駄目よ紫。……なんでバーベキューセットで果物パフェが作れるのよ!」

 

「あちゃぁ、考えちゃったかぁ。紫ちゃん、気にしたら負けだよ。

美味しければそれでいいんだよ」

 

「このメロンパン美味しいです!」

 

「あ、飲み物はこのラムネを飲むといいよ。

疲れがすぐに取れる凄い飲み物なんだよ!」

 

やっぱり、ハーブなんかじゃなくてちゃんとした?料理を食べると美味しいね!

みんなで食べるともっとおいしいなぁ。今度は白狼天狗ちゃんたちと食べるかな。

数だけはいっぱい居たからね。

 

 

 

ちなみに★シーナのパンティーは無事に返してもらえました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




いかがでしたでしょうか?

elonaを知らない方への軽い説明。

ノイエルとは

elonaにある街の一つ。毎年12月になるとクリスマスパーティーが開かれ、
たくさんの冒険者がラグナロクと核を持って滅ぼしに向かいます???

固定アーティファクトとは

とてもレアなアイテム。同じ固定アーティファクトは、同時に一つしか所持することができない。★これがついているのは固定アーティファクトです。
☆こっちは激レアアイテム?って感覚で大丈夫です。神器とかね

ムーンゲートとは

ワープ装置。



以上、くっそ雑な説明でした!

評価・感想お待ちしております。


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ネフィア <<紅魔館>>

投稿遅れてしまって申し訳ないです。
FGOとかBFとか76のせいで忙しかったのです。
お許しください。


「あっ、そうだ。ねぇ紫ちゃん、どこかに魔法書を売ってたりする所ないかな?」

 

軽傷治癒とか沢山使いそうだからね。ストックして置かないと…。

 

「販売はしてないけれど、言えば貸し出してくれそうなところなら知ってるわよ。

紅魔館ってところだけど、そこに魔法使いが住んでるから行ってみなさい。同じ魔法使いとして貸してくれるかもしれないわよ」

 

「…紫ちゃん送ってくれない?」

 

「いいわよ。入口まで連れて行ってあげる」

 

「ありがと!」

 

やった、移動の手間が省けたぁ。

 

 

 

 

*****

 

 

「着いたわ、ここよ」

 

「うわぁ…赤い」

 

「中に入れたらパチュリーに用があると伝えなさい」

 

「わかった。ありがとね紫ちゃん」

 

ん?”入れたら”?

 

「それじゃぁ、またね」

 

 

 

 

*****

 

 

さて、取り合えず中に入りたいのだがこの寝ているガードみたいな人物は何だろうか?

 

「すみませーん!中に入りたいんですけど!」

 

「うわぁ!? え、えーっとどちら様ですか?」

 

「あ、私ユキです。よろしくね」

 

「こ、これはご丁寧に、私は美鈴と申します。ところで、どのようなご用件で?」

 

「えっとパチュリー?って人を訪ねれば魔法書を借りられるって、紫ちゃんに聞いたんだけど?」

 

「紫ちゃん!?」

 

「え?うん]

 

「そ、そうですか。……けどすみません。私も一応門番として仕事をしないといけませんので」

 

「倒さないと入れない感じかな?」

 

「えぇそうです。ところで、弾幕ごっこって知ってますか?」

 

あぁ、紫ちゃんが言ってた一部の妖怪ってのはここの人たちだったんだ。

にしても、なんで私が弾幕ごっこのこと知ってると思ったのかな?

さっき紫ちゃんの知り合いって言ったからかな?

 

「知ってるけど、いいのそれで?」

 

「……と、言いますと?」

 

いや、見た感じ肉弾戦の方が強そうなんだけどなぁ。

動きに無駄がほとんどないし…。

 

「こっちの方が好きなんじゃないの?」

 

さて……と

防弾服と重層篭手を装備しますかね。

これで気づいてもらえるかな?

 

「…へぇ、あなたも武術の心得が?」

 

「そんなんじゃないよ。私のは趣味かな。それでどうするの?」

 

「ではお言葉に甘えてこちらで」

 

「おっけー。それじゃあルールだけど、美鈴ちゃんが諦めるか気絶したら負け。

私は…そうだね、しっかりと一撃入れられたら私の負けでいいよ」

 

「……ずいぶんと優しいですね。甘く見てると痛い目見ますよ」

 

「ふふっ、そのセリフは一撃入れてから言ってほしいかな?」

 

「それじゃあ、行きます!」

 

っと、速いなぁ。白狼天狗より全然速いや。

速度200ぐらいかな?

 

「いいね美鈴ちゃん。阿修羅より強いと思うよ」

 

「その阿修羅さんという方がどなたか知りませんけど、そう簡単に止められると素直に喜べないです…ね!」

 

「おっと、重層篭手越しなのに痺れるなんて久しぶりだよ」

 

これは……、久しぶりに楽しめそうかな。

 

 

~2時間後~

 

 

さ、流石に飽きてきたかも…。

門の周りは美鈴の拳でぐちゃぐちゃだし、地面も踏み込みのせいで凹んでるし…

 

「そ、そろそろ諦めない?紅魔館が悲惨なことになってるけどいいの?」

 

「え……あっ」

 

「き、気づいてなかったんだ。集中しすぎでしょ…。それで、どうするの?まだやる?」

 

これで諦めてくれなかったら気絶させよ…うん。

 

「……いえ、このままやっても勝てませんので諦めます」

 

「ん、お疲れ。はいこれ、ラムネだよ。飲むと疲れが取れるからね」

 

「これはこれは、ありがとございます。 んくっ…、ん、ごくっ、ごくっ…。冷たくて美味しいですね!」

 

「気に入って貰えて良かった……よ」

 

おっと、視界が白黒に……。ん? 時止弾を撃ち込まれた様子もないのにおかしい…。

 

「美鈴、何を遊んでいるのかしら?」

 

「げっ…咲夜さん。ち、違うんです。別に遊んでいたわけでは」

 

「知ってるわ、見ていたもの。それで?あなたは館をボロボロにしておきながら何を呑気に飲んでいるのかしら?」

 

「す、すみません!すぐに直しますので!」

 

そう言うと美鈴ちゃんは走り去ってしまった。

にしても、さっき時間を止めたのはこのメイドさんかな?

 

「まったく…。ご挨拶が遅れてすみません。私はこの館のメイドである咲夜と申します」

 

「私はユキだよ。よろしくね」

 

「よろしくお願いします。早速ですが、ユキさん。お嬢様がぜひお会いしたいとのことで、着いてきていただけますか?」

 

「分かった、着いてくよ。ところで咲夜ちゃん、さっき時間止めたりした?」

 

「!? ……どうしてそう思われたのですか?」

 

「私のペットに時間を止められる子がいてね、その子が時間を止めた時と似てたからかな」

 

そういえば、私のペットたちは今何をしているんだろ?

自宅警備でもしてるのかな?

 

「…えぇ、そうですね。私は自由に時間を止める事ができますわ」

 

じ、自由かぁ。いいなぁ。

 

「そっかあ。…あ、ごめんね話し込んじゃって。そのお嬢様?のところに案内してもらえるかな?」

 

「いえ、私も能力をどうやって見破ったのか気になりましたので。それでは案内させていただきますね」

 

 

にしても、見てたなら2時間も立つ前に止めてほしかったなぁ……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




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ネフィア <<紅魔館>> ver2

「ここがお嬢様のお部屋です。その、カリスマ性の高い方ですので、

あまり笑わないようにお願いします」

 

ど、どんな子なのかな?

……折角だから、ちょっと遊んでみよ。

 

「咲夜ちゃん、ちょっと待ってて」

 

「はい?」

 

”インコグニート”

 

変装魔法。

いや~、廃人になる前は町に入るためによく使ったなぁ。

今じゃガード全員、サンドバッグ吊りだからなぁ。

 

「さてっと……、お、これは紫ちゃんだ。

えーっと、…ごほん。お待たせしましたわ。これで大丈夫ですのよ」

 

お、咲夜ちゃん驚いてる驚いてる。

 

「魔法……ですか?」

 

「おぉ、よく分かったね。せっかくだから驚かせてみようと思って」

 

「なるほど。それはそれは、とても面白そうですね」

 

うん?咲夜ちゃん、君結構お嬢様を揶揄うの好きでしょ。

 

「お嬢様、お客様をお連れしました」

 

「入りなさい」

 

「失礼します」

 

「失礼しますわ」

 

へぇ、この女の子がお嬢様ねぇ。

霊夢ちゃんや紫ちゃんと同じ強さかぁ。

 

「ようこそ私の館へ。あなたがユキね、さっきの戦闘は見てい……

って、なんでスキマ妖怪がここにいるのよ!」

 

ふふふっ、気づいてないみたいだね。可愛いなぁー。

ていうか、なんで私の名前知ってるの?

 

「あら、私がここに訪れたらダメかしら?」

 

「ちょ、咲夜!なんでスキマ妖怪を連れてくるのよ!私は美鈴と戦ってた子を連れてきなさいって、言ったはずよ!?」

 

「お嬢様、美鈴と戦っていたのはこの方ですよ?」

 

「そんなわけないじゃない!金髪の私ぐらいの大きさの女の子が戦ってるの、あなたも見てたでしょ!?」

 

いやー、新鮮な反応でうれしいよ。

 

「さっき美鈴と戦っていたのは私でして……よ。

おっと、時間切れみたい。……ってなわけでどうもユキです、よろしくね!」

 

いい所で時間切れちゃったなぁ。

 

「……フ、フフフッ。私を揶揄うなんていい度胸じゃない」

 

「可愛かったよ?」

 

「そういうことを聞いてるんじゃないわよ! …はぁ、疲れたわ。咲夜、お茶を入れて頂戴。

というか、あなたもグルだったのね」

 

「お嬢様、可愛かったですよ?」

 

「うるさいわよ!早くお茶入れてきなさいよ!」

 

「かしこまりました」

 

 

 

 

*****

 

 

「それで、ユキは何しに来たのかしら?」

 

「パチュリーって人に会えば魔法書を借りれられるって、紫ちゃんに教えてもらったから来たの」

 

「紫……ちゃん? ユキ、今度会ったら隙間BBAと言ってあげなさい。

…というか、美鈴と渡り合えるぐらいの武術を持ちながら魔法を使いたいとは」

 

「まぁ、私の本業は魔法使いだからね。さっきのはあくまで趣味の一つだよ」

 

そういえば、防弾服と重層篭手から変えてなかったなぁ。

法王衣と細工篭手に戻しとかないと…。ついでに杖も装備しておくかな。

 

「ほら、魔法使いっぽいでしょ?」

 

「そうか魔法使いか……。なぁユキ、パチェに会った後でいいから私の頼みを聞いてもらえないか?

もちろん、それ相応の報酬は払うつもりだ」

 

おっとクエストですかぁ。久しぶりに受けるなぁ。

というかパチェって誰?

 

「わかった。それじゃあ後でこの部屋に戻ってくるね。早速パチュリーちゃんのところに案内してもらえないかな?」

 

「わかったわ。咲夜、ユキをパチェのところに連れて行ってあげて」

 

 

……え、私はパチュリーちゃんに会いたいんだけど。パチェって誰?

 

 




いかがでしたでしょうか?

サンドバッグ

弱らせた敵、またはNPCを吊るしておくもの。
吊るされた敵は行動出来ず、絶対に死なない。


ガード
衛兵。犯罪者が街に入ると殺しに来る。


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ネフィア <<紅魔館>> ver3

「おぉ、すごい本の数だね!」

 

「パチュリー様、お客様がお会いしたいとのことでお連れしました」

 

「私に会いたいなんて、どちら様かしら」

 

お、この子がパチュリーちゃんかな?

いかにも魔法使いって感じだね。

 

「あなたがパチュリーちゃんかな?私はユキ。あなたに会えば魔法書を借りられるって、紫ちゃんに聞いたんだけど」

 

「私がパチュリーで合ってるわ。パチュリー・ノーレッジよ」

 

ノーレッジ……”知識”かぁ。これは期待できそうかな?

レミリアちゃんと同じ強さだし、この館は強い人しかいないのかな?

 

「よろしくねパチュリーちゃん」

 

「よろしく。それで魔法書だけど、貸すのは構わないけど代わりに何か頂けるかしら?

まさか対価なしに借りられるとは思ってないわよね。魔法使いと対価は深い関係にあることぐらい、あなたでも分かるでしょう?」

 

いや、全くわかんない。

ただ、対価が必要なのはよくわかるよ。クエスト達成したのに呪い装備でテレポートして、報酬を支払わない奴に会うとつい殺しちゃうもん。

にしても対価……対価かぁ。

 

「ある程度の物は出せると思うけど、何か欲しいものある?」

 

「知識と魔法関連の道具が欲しいわね。まず、あなたが使える中で最も価値のある魔法を見せてもらえるかしら?」

 

価値のある魔法?収穫……いや、願いかな。

 

「分かった。願いの魔法でいいかな?」

 

「願いの魔法?」

 

あれ、結構有名だと思ったんだけど。便利だし。

…も、もしかして、ありきたりすぎて価値がなかった!?

 

「うん、願いの魔法。あらゆる願いを一度だけ叶えられる魔法だけど、

……もしかしてこれじゃダメだった?他となると四次元ポケットか収穫ぐらいになっちゃうけど」

 

「……いえ、それで構わないわ。それじゃぁ使って見せて」

 

「使うのは構わないけど、何か欲しいものある?せっかくだからそれを願うけど」

 

「いえ、特にはないわ」

 

「そっか。それじゃぁ」

 

願いの魔法

 

あらゆる願いを1度だけ叶える魔法。

 

 

…せっかくだから、もうちょいレミリアちゃんを揶揄ってみるかな。

 

「願い レミリアのパンツ!」

 

おぉ、これがレミリアちゃんのパンツかぁ。予想通り子供パンツだったなぁ。

……これ、少し温かいんだけど、もしかして履いてた奴?

予備のパンツが手に入ると思ったんだけどなぁ。

 

「という感じで、願い事を叶えることができる魔法だよ」

 

「願いの魔法については分かったけど、……どうしてレミィの下着にしたの?」

 

「え、なんとなくだけど」

 

「そう」

 

「知識はこれでいいかな?」

 

「構わないわ。まさかそんな魔法が存在するなんてね」

 

あ、あぁなんだ知らなかっただけか。びっくりした、願い程度の魔法じゃダメなのかと思った。

 

「それじゃあ、次は魔法関連の道具……ケホッ、ゴホッ…ゴホッ…を見せてもらえるかしら?」

 

「だ、大丈夫?」

 

「平気よ、いつもの喘息だから」

 

「いつものって、魔法で治せないの?」

 

「試したけど、無理ね。怪我は治せても病気はキツイわ」

 

「パチュリー様、喘息のお薬をお持ちしました」

 

うわぁお、咲夜ちゃん。時間を止めて来たのかな?

というか、私の近くで時間が止まってると私でも認識できる感じなのかな。

 

「ありがとう。ところでレミィは今何をしてるのかしら?」

 

「お嬢様は今お着替えをしています。何でも、下着がいきなりなくなったのだとか」

 

「さっきの魔法は本当に発動していたのね」

 

疑ってたのかい。

 

「魔法ですか?」

 

「あー、気にしなくていいよ咲夜ちゃん。……そうだ!魔法関連の道具だけど、ポーションでもいい?」

 

「構わないわ。特殊なポーションならね」

 

「”聖なる癒し手ジュアのポーション”って物なんだけど、飲めばあらゆる病気と怪我を治せるの。

もしかしたら、喘息も治せると思うから飲んでみて」

 

「ありがたく頂くわ。……これは、凄いわね。さっきまであった息苦しさが、嘘みたいになくなったわ…」

 

「お、ちゃんと治ったみたいだね。それは良かった」

 

「…ユキ、助かったわ。お礼になるか分からないけど、魔法について聞きたいことがあったら聞いてちょうだい。

できる限り手伝うわ。魔法書も好きに読んでいいわよ」

 

「やった! あ、そうだ。咲夜ちゃん、レミリアちゃんを呼んで貰える?パチュリーちゃんとの用事が終わったから、ここまで来てほしいって

伝えてほしいんだけど」

 

「少々お待ちくださいませ」

 

っと、また白黒に…。咲夜ちゃん時間止めるの好きだねぇ。

 

さて…と、下着を取られたレミリアちゃんの反応が楽しみだよ。

 

 




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ネフィア <<紅魔館>> ver4

「私を呼び出すなんていい度胸じゃない」

 

「レミリアちゃぁん、そんな態度取っていいのかなぁ?」

 

「どういう意味よ」

 

「これなぁんだ?」

 

レミリアちゃんのパンツ、まだ温かいなぁ。

 

「んなっ…!?な、なんであなたが私の下着を持っているのよ!」

 

「私が魔法で取ったからだよ?」

 

「か、返しなさいよ!」

 

「レミリアちゃん、お嬢様なのにこんなお子ちゃまパンツ履いてたんだぁー」

 

「うるさいわね!いいから返しなさいよ!」

 

「レミリアちゃん……、これちょっと湿って」

 

「あー、もう! 咲夜!」

 

「かしこまりました」

 

おっといつの間にか取られてしまったようだ。

認知は出来ても反応できないから時間停止は辛いなぁ。

……まったく、お子ちゃまなんだから。

 

 

 

 

*****

 

 

「それで?パチュリーちゃんに会う前に頼みがあるって言ってたけど、どうかしたの?」

 

「な、なんか納得できないけどまぁいいわ。頼みというのはフランのことよ」

 

「フラン?」

 

「フランドール・スカーレット。私の妹よ。あの子は生まれた時から狂気に苛まれているの。」

 

神話生物にでも遭遇しちゃったのかな?

 

「パチュリーが狂気を取り除こうとしたけど、出来なかった。

だから、パチュリー以外の魔法使いであるあなたにお願いしたの。

取り除けたら何でもするわ。だから、お願い。あの子を救ってあげて」

 

ん、今何でもするって……。

まぁ、いいや。狂気かぁ…。

 

「うーん、出来るだけやってみるよ」

 

「あの子は”ありとあらゆるものを破壊する程度の能力”を持っているわ。

……気を付けて」

 

即死みたいなものかな?

 

 

 

 

*****

 

 

「ここがフランちゃんのお部屋かぁ」

 

「そうよ。この中にフランはいるわ。…無理だけはしないで」

 

コンコンッ

 

「だれ?お姉さま?」

 

「お邪魔しまーす」

 

「あなたは誰?」

 

「私はユキだよ、よろしくね。早速で悪いけど、ちょっと我慢してね?

もしかしたら痛いかもしれないから」

 

「え?」

 

”グラビティ”

 

術者を除く視界内の全員に浮遊無効化の状態異常

 

飛ばれると面倒だからね。

 

「ちょっと動けなくなってもらうよ」

 

「なにこれ…、うご…けない」

 

”浄化の杖”

 

鈍足や死の宣告などの呪い(hex)を解く魔法が込められた杖

 

…呪いならこれで行けると思うんだよなぁ。

イス系見た時と同じ狂気なら、別の方法を取るけど…。

 

「……どう?狂気?だったかな解けた感じする?」

 

「うそ…、体が軽い…、あ、あの声が聞こえない…」

 

んー、大丈夫だと思うんだけどなぁ…。

一応保険もかけておくかな。

 

"聖なる癒し手ジュアのポーション”も飲ましてみよう。

 

「フランちゃん、これ飲んでみてくれる?というか、飲ませるね」

 

「ふぇっ?んくっ…、んくっ、ごくっ」

 

ユニコーンの角でもよかったけど、友好的かどうか分かんないからね。

 

……よし、これでもう大丈夫でしょう。

確認してみよ。

 

願い フランの狂気度減少

 

フランドール・スカーレットの狂気度は0です。

 

うん、大丈夫っぽいね。

 

というか、最初からこうすればよかった。

なんで私余計なことしてたんだろ……。

 

「レミリアちゃん、何とかなったよ?

狂気度確認したけど0だし、浄化もしたから狂気に陥ることはないと思うよ」

 

「本当に?本当にフランの狂気は解除できたの?」

 

「うん、私が保証するよ」

 

というか、これで治らなかったら困る…。

 

「お姉さま…、私、声が…、いつも聞こえてる声が聞こえなくなった…の」

 

「フランッ! …ごめんなさい、あなたをこんなにも長く幽閉して…」

 

「お姉さま……」

 

「けど、それも今日まで。…これからは一緒にお外で遊べるの、これからは一緒に暮らしていけるの」

 

「あ、あぁ…、お姉さま…。お姉さまっ!」

 

「よしよし、…今まで本当にごめんね」

 

あぁー、これが百合ですか。

素晴らしいなぁ、美しいなぁ。

……後で、媚薬でも二人にあげようかな?

 

 

 

 

*****

 

 

「ユキ、ありがとう…。本当にありがとう」

 

「いいってことよ。ただ、対価はちゃんと貰うよ?

何でもするってレミリアちゃん言ったからね」

 

「…えぇ、私にできることなら何でもするわ」

 

「それじゃあ、ここに住まわせてもらっていいかな?

私、この世界に来たばかりで住むところがないんだよね」

 

「そんなことでいいの?」

 

「いや、そんなことって…」

 

け、結構重要なことじゃない?乞食が住まわせてほしいなんて言ってきたら、私だったら殺してるところだよ?

 

「もちろん構わないわ。その方が、フランや咲夜も喜ぶと思うしね」

 

「なら決定だね。これからよろしく」

 

「こちらこそ、本当にありがとうね」

 

「いいって、私も対価を貰ってるからね」

 

……思ったのだが、ここで一度死んでおけば向こうの世界に戻れたのではないだろうか?

まぁいいや。その気になったら首を吊ればいつでも死ねるし、気楽に暮らしますかね。

 

 

 

 

 




いかがでしたでしょうか?
フランの狂気状態が好きな方には申し訳ない。

聖なる癒し手ジュアのポーション

elona内最強回復ポーション
どこぞのエリクシルみたいな感じです。

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ホーム <<紅魔館>> 【日常編】

今回から、ぼのぼの???日常編スタートです。



「ユキ、今日からこの部屋を使ってちょうだい」

 

おぉ、結構広い部屋だねえ。

 

「綺麗な部屋だね。気に入ったよ」

 

「気に入ってもらえてよかったわ。それじゃあ、夕食時にあなたのことをみんなに紹介するわ。

それまで自由に時間を潰していて頂戴。時間になったら咲夜が呼びに来るから」

 

「私も手伝おうか?」

 

「あなた料理できるの?」

 

料理?当り前じゃないか!私のプロ級の料理を見せてあげようか?

 

「もちろん!いろいろ作れるよ」

 

「まぁ、今日は咲夜に任せなさい。あなたの歓迎会でもあるのだから」

 

お、嬉しいこと言ってくれるねぇ。ちゃんとした歓迎会とか初めてだなぁ。

どこかの緑ゴキブリは私の歓迎に、人肉投げつけてきたからなぁ。

核で殺したけど。

 

「そっか、それじゃあ私はフランちゃんと遊んでくるね。狂気の確認もしたいし」

 

「分かったわ。それじゃあ、また夕食時にね」

 

「うん」

 

さてと、図書館行くかぁ。

 

 

 

 

*****

 

 

「パチュリーちゃん、フランちゃんどこ?」

 

「フランなら地下の自室にいるわ。狂気が解けたとはいえ、混乱しているんでしょうね」

 

「どうして?」

 

解けたならいいんじゃないの?

 

「400年以上も狂気のせいで地下に幽閉されてきたのに、いきなり狂気が解けたから外に出ていいよ。なんて言われても困るでしょうね」

 

…わぁお。400年も幽閉してたのか。そりゃ混乱するわ。

 

「よし、私が連れてきてあげようじゃないか」

 

 

 

 

*****

 

 

コンコンッ

「? お姉さま?」

 

「私だよー。さっきはごめんね?いきなり魔法撃ったり、液体飲ませたりして」

 

「ううん。私の為にやってくれたんでしょ?ありがとうねお姉さん」

 

「そっか、ところでどうしてまだ地下にいるの?一緒に外で遊ぼうよ」

 

「…分からないの。狂気がなくなったのは私でも何となくわかるのだけど、

今まで外で遊んだことないからどうやって遊べばいいのか…」

 

なんと、遊び方を知らないとは。

それじゃあ、私が遊びというものを教えてあげようじゃないか。

 

「それじゃ、一緒に遊ぼ?私となら退屈しないことを約束するよ」

 

「お姉さんが?…えっと、」

 

「ユキだよ。フランちゃん」

 

「ユキお姉ちゃんが一緒に遊んでくれるの?」

 

……ゴフッ。わ、私がお姉ちゃんと呼ばれるとは。今まで散々、お兄ちゃんお姉ちゃんは言ってきたけど、まさか私が言われるとは…。破壊力がやばいです、はい。

 

「もちろん、お姉ちゃんに任せなさい!」

 

さて、レミリアちゃん。私とフランちゃんの遊び道具になってもらうよ。

 

 

 

 

*****

 

 

「さて、フランちゃん。私がさっき説明した通りにやってね」

 

「うん。……けど、本当にいいのかな?」

 

「大丈夫!私が保証するから」

 

「ユキお姉ちゃんがそういうなら、やってみるね」

 

「よし、ターゲットはこのドアの向こうにいるから、私が合図したら作戦通りにお願いね」

 

「分かったわ」

 

作戦はこうだ。

まず、二人でレミリアちゃんの部屋に行く。

私の合図で”加速のポーション”を飲む。

あとは、ひたすら”雪”を投げつける。

以上! 最高の遊びだね。ストレス発散にもなるし、誰もケガをしない。

これほど素晴らしい遊びがあるだろうか?

 

「はい、フランちゃん。これが”加速のポーション”ね。それでこっちが”雪”ね。

取り合えず、ポーションは3個、雪は部屋の隅に大量に置いておくから。

なくなったら補給してね」

 

「でもいいのかな?お姉さまに怒られないかな?」

 

「大丈夫!笑って許してくれるから。

んじゃ、行くよ」

 

「あっ、待って」

 

コンコンッ

 

「入りなさい」

 

「お邪魔するね」

 

「お姉さま…」

 

「あら、ユキにフランじゃない。一体どうしたの?」

 

「今からレミリアちゃん”で”遊ぼうと思って来たんだよ」

 

「そうだったの。……ん、今おかしくなかった?私と遊ぶじゃなくて、私で遊ぶ?」

 

「おかしくないよ?その通りだからね。

フランちゃん!やるよ」

 

「え、…う、うん」

 

「ちょっとユキ!フランに何を吹き込んで……」 べちゃ

 

「フランちゃん、ここに置いておくからね」

 

「うん♪」

 

なんやかんや言いながら、ノリノリじゃないかフランちゃん。

 

「ちょっと!やめなさ……」 べちゃ

 

「あはははは。お姉さまが雪まみれ」

 

「フラン!あなたもやめ……」 べちゃ

 

「レミリアちゃーん、楽しい?フランちゃんは楽しいよね?」

 

「うん!ユキお姉ちゃん、すごい楽しいよ!」

 

「それは良かった」

 

「何もよくないわよ!」 べちゃ

 

フフフッ、レミリアちゃん。加速のポーションを飲んだフランちゃんと、私の速度に追いつけないでしょ?

楽しいなぁ。加速のポーションもいっぱいあるし置いておくかな。

 

 

 

~30分後~

 

部屋が雪まみれになってしまった。おっかしいなぁ、室内なのになんでだろ?

あと、10分前ぐらいからレミリアちゃんの反応がなくなったんだけど、…怖いなぁ。

 

「おっと、雪がなくなっちゃたか。フランちゃん、雪のストックがなくなったから終了ね」

 

「はぁい。ユキお姉ちゃん、すごく楽しかった!私、こんなに遊んだの初めて」

 

「それは良かった。それじゃあ、風邪をひかないうちにお風呂にでも入りにいこっか」

 

「うん!」

 

いやぁ、楽しかったなぁ。ノイエルの雪まつりの気分を味わえたよ。

 

「……どこに行こうというのかしら」

 

げっ、レミリアちゃん復活はや!?

て、テレポートで逃げよう、うん。

 

「フランちゃん!テレポートア「咲夜!」……ザー」

 

不味い不味い。時間停止はずるいって!

取り合えず、フランちゃんはテレポートでこの館のどこかに飛ばせたけど、

やらかしたなぁ、逃げ場がなくなっちゃた。

 

「さ、咲夜ちゃぁん。手を放してくれないかな?」

 

「ダメです。一体誰が、この部屋を片付けると思っているのですか?」

 

「片付ける!全部片づけるからさ」

 

「そうですね、全部片づけて下さるのなら私は手を放しましょう。

お嬢様が見逃してくれるかどうかは分かりませんが」

 

「ゑ?」

 

「ユキ…、いい度胸じゃない。フランにまで余計な事を吹き込んで……」

 

あ、これマジギレしてる。うそぉん。

 

 

その後、2時間以上説教されました。……解せぬ。

 

 

 

 

 

 

 




いかがでしたでしょうか?

雪を他人にぶつけるのはやめましょう!

評価・感想お待ちしております。


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ホーム <<紅魔館>> 【異変準備】

「みんなに紹介するわ。彼女、ユキが私たち紅魔館のメンバーに加わることになったわ」

 

「これからよろしくー。まぁ、みんな私に会ってると思うけどね」

 

「私は初対面ですよ?」

 

「ん? あれ、君は?」

 

「私は小悪魔です。普段はパチュリー様のお世話をしていますね」

 

「あぁ、こあのことは気にしなくていいわよ。雑用みたいなものだから」

 

「ちょっ、パチュリー様!それはないですよ!」

 

パチュリーちゃんのペットかな?

 

「それで、レミィのことだからユキの紹介のためだけに、私たちを集めたわけじゃないでしょ」

 

「もちろんそれだけじゃないわ。そろそろスキマ妖怪との約束の日になるから、みんなには異変の準備をしてほしいの」

 

「異変?」

 

「それについては私が説明しますわ」

 

おっと、紫ちゃんかぁ。目の前にムーンゲートが湧くのはびっくりするなぁ。

 

「紫ちゃん、久しぶりだね」

 

「えぇ、お久しぶりですわね。それで異変ですけども……あれ、私以前あなたに言いませんでしたっけ?」

 

「え?いや、確かに吸血鬼がもうすぐ異変を起こすみたいなこと言ってたけど…」

 

「その異変ですわ」

 

「??? あれ、異変を起こすのは吸血鬼じゃないの?」

 

「それであってますわ。だからこうして、お子ちゃま吸血鬼のところに来たのですわ」

 

「おい、お子ちゃまは余計だ」

 

「……もしかして、レミリアちゃんって吸血鬼だったの?」

 

「今まで気づいてなかったの!?」

 

「ちなみに私も吸血鬼だよー」

 

な、なるほど。レミリアちゃんとフランちゃんは吸血鬼だったのか。

血を吸うフィートとは珍しい…。

 

「ユキのためにもう一度説明しますと、弾幕ごっこを幻想郷に広めるために異変を起こしてもらうのよ。

…異変の内容は決まったかしら?」

 

「あぁ。血のように紅い霧を広げて、忌々しい太陽を覆い隠す予定だ」

 

「……分かりました。タイミングは任せますわ」

 

「ねぇ、紫ちゃん。それ私も参加していいんだよね?」

 

「え、……あなたも参加するんですの?」

 

ちょっぉ!?私は参加しちゃダメなの!?

 

「ダメ?」

 

「……くれぐれも死者を出さないようにお願いしますわ」

 

「だ、出さないよ!」

 

なんで死人が出る前提なのさ。

 

「それでは、準備の方お願いしますわ」

 

「全く、私のことをなんだと思ってるのさ」

 

「パチェ、早速やるわよ。みんな配置について頂戴。

ユキとフランは……そうね、遊撃に回ってもらっていいかしら?」

 

「オッケー、一緒に頑張ろうねフランちゃん」

 

「うん! ユキお姉ちゃんと一緒に頑張る」

 

「ところで、レミリアちゃん。この館ってどれぐらい頑丈かな?」

 

「どれぐらいって、パチェが結界を張ってるから簡単には壊れないはずよ?」

 

「えぇ、普通の魔法やスペルぐらいじゃ壊れないように出来てるわよ」

 

「そっか、ちょっと試しに魔法撃ってみていい?」

 

「いいわよ。ただ、窓ガラスは割らないようにね」

 

「分かった。んじゃいくよ、みんな離れててね」

 

よし、あれだけ離れてたら大丈夫かな?

試しておかないと、万が一弾幕ごっこ中に館が壊れて生き埋めになんてしちゃったら、殺人になっちゃうしね。

向こうの世界だったら気にしなかったけど…。

 

”魔力の嵐”

 

術者を中心とした魔法属性の範囲攻撃

 

パチュリーちゃんの結界があるなら本気でやっても大丈夫かな。

 

☆祝福された古なる杖 『黄昏の終焉』 (1d23)(20) [15,0]

 

それはミスリルで作られている

それは酸では傷つかない

それは炎では燃えない

それは生きている[Lv:100 EXP:0%]

それは武器として扱うことができる (1d23 貫通 0%)

それは片手でも扱いやすい

それは攻撃修正に20を加え、ダメージを0増加させる

それはDVを15上昇させ、PVを0上昇させる

それはより高度な詠唱を可能にさせる [*]

それは使用者の生き血を吸う[*****+]

それは魔法の威力を高める [*****+]

 

さて、どうなるかな……。

 

 

 

 

 

 

……やりすぎた。まさか紅魔館の2階から上が無くなるとは

 

 




いかがでしたでしょうか?

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ホーム <<紅魔館>> 【異変開始】

「少し予定は遅れたけれど、これで無事に異変として成立したわね」

 

「……」

 

あの後、崩壊した紅魔館を立て直すのに二日掛かってしまった。

しょうがないじゃん!もう少し頑丈だと思ったんだもん!

にしても、この世界でもハウスボードは使えるんだね。

使えなかったら今頃、館建築をしてたよ…。

 

「ユキ、お願いだから館に被害が出るような魔法は使わないで頂戴」

 

「すみませんでした」

 

「分かればいいのよ。…そろそろ解決組が来ると思うからフランと行動しておいて」

 

「了解」

 

解決組って、一体誰が来るんだろ?

 

 

 

 

*****

 

 

「お、早速美鈴ちゃんがやられたかぁ。やっぱり、美鈴ちゃんは接近戦の方が得意みたいだね」

 

「どうするのユキお姉ちゃん?美鈴のところに行く?」

 

「んー、そうだね。フランちゃんは図書館に行ってもらえるかな?パチュリーは喘息が治ったばかりだし、心配だからさ」

 

「分かったわ。けど、ユキお姉ちゃんはどうするの?」

 

「私はそうだね、咲夜ちゃんの手伝いにでも行ってくるよ。この家で人間なのは咲夜ちゃんだけっぽいからね」

 

「ユキお姉ちゃんも人間でしょ?」

 

「私は人間じゃないよ。詳しく説明するにはメシェーラとかエーテルとか、いろいろ説明する必要があるから省くけど、私は人間じゃないのです!」

 

「そ、そうなんだ」

 

「うん。…それじゃあ、今から別行動ね。フランちゃん、気を付けてね」

 

「ユキお姉ちゃんもね。……ねぇユキお姉ちゃん。頑張ったら何かご褒美が欲しいなぁ」

 

ご、ご褒美かぁ。気持ちいいこと……いや、やめておこう。

 

「そうだね。それじゃあ、ご褒美を用意しておくよ。だから頑張ってね?」

 

「うん! ユキお姉ちゃんも頑張ってね!」

 

「もちろん、頑張るよ」

 

さて、そろそろ私も働きますかね。

 

 

 

 

*****

 

 

おっと、あれは霊夢ちゃんじゃないか?

 

「あれ、霊夢ちゃんじゃん。やっほー」

 

「…ユキ?どうしてあなたがここにいるのかしら。あなたも異変解決に?」

 

なるほど、解決組ってのは霊夢ちゃんのことだったか。

ていうか、咲夜ちゃんがやられてるじゃん。嘘でしょ、どうやって時間停止に勝ったの!?

 

「いやぁ、残念ながら違うかな。どちらかというと、異変を起こす側だからね」

 

「そう。それじゃあ、あなたも退治させてもらうわ」

 

ちょ、躊躇いなしかい。まぁ、その方が慣れてるからいいけどさ。

 

「スペルカード・残機は三つずつでいいかな?」

 

「構わないわ」

 

「それじゃあ、早速。 先手必勝! スペルカード! ”演奏 不穏なパーティー会場(ジェノサイドパーティー)”!」

 

ユキの生み出した9つの弾幕は、それぞれ霊夢へとは向かっていかず近くの”壁”に向かってぶつかっていった。

壁にぶつかった弾幕は、その数を倍にし反射して廊下中を埋め尽くす。

 

うわぁお、思ってたよりも綺麗だねぇ。

 

「っち、あんたも面倒なモノを作るわね。……スペルカード! ”夢符 封魔陣”!」

 

霊夢の生み出した弾幕は、壁に残留しながらユキの生み出した弾幕を相殺し、その数を徐々に減らしていった。

 

うっそ、性質に気付くの速すぎでしょ。というか、弾幕が残ってるってずるい!

 

「だったら、これ! スペルカード! ”聖夜 核降るノイエルの雪祭り(クリスマスパーティー)”!」

 

大量の弾幕で埋め尽くしてやる! 弾幕は大量の方が強いのさ。

 

「これぐらいな……」

 

「おっと、飛ばせないよ」

 

魔法 グラビティ

 

ちゃぁんと、地面を歩きましょうねぇ。ついでに視界も奪うかな。

 

魔法 闇の霧

 

視界範囲内の任意の座標近辺(5x5)に闇の霧を発生させる。

 

飛べないし見えないという地獄を味わうがいい!

 

「…お、今当たったね?いぇーい被弾1回目」

 

「1回でブレイク出来たなら十分よ」

 

「強がっちゃってぇ。まぁ、私はあくまで前座だからこれで終わりにしようか。 スペルカード! ”迷宮 終わりの迫る弾幕道(レシマス探索)”!」

 

「何よ、さっきよりも随分と楽じゃない」

 

「本当にそうかな?」

 

一見するとただの弾幕の嵐であるが、このスペルは時間が経つほど不利になっていくのだ。

 

しばらく様子見かな?にしても、”魔法の自動発動”なんてことまで出来るとは、スペルカードは便利だなぁ。

 

「何を言って、……そういうことね。考えるじゃない」

 

魔法 壁生成

 

視界範囲内の任意の座標に壁を作り出す。

 

「ほらほら、速く私を倒さないとどんどん逃げ道がなくなっていくよ!」

 

そう、ただの弾幕の嵐であるこのスペルの怖いところは、徐々に壁が生えてくるというところだ。

逃げ道を失った獲物は最終的に弾幕の餌食になるのだ。

 

「だったら、 スペルカード! ”霊符 夢想封印”!」

 

おっと、さすがに反撃してきたかな。

このまま倒しちゃったらレミリアちゃんが退屈しちゃうだろうし、素直に当たっておくかな。

 

「これでお互いスペルブレイクよ」

 

「そうだね、3枚使用で私の負けだね」

 

「……なんであんた避けなかったのよ」

 

「私はあくまで前座だからね。ラスボスの役目を奪ってはいけないのだよ。

それじゃあ、またね霊夢ちゃん。ラスボスのレミリアちゃんはこの先にいるよー」

 

魔法 テレポート

 

同階層のランダムな座標へテレポート

進入不可能な地形には飛ばない。

 

 

 

 

今の、かっこよくない?捨て台詞言ってからのテレポートって悪役みたいでかっこいいでしょ?

それにしても、霊夢ちゃん強かったなぁ。こりゃぁ、レミリアちゃんの負けかな。

 

 

 




いかがでしたでしょうか?
作者のボキャブラリーの無さと発想力の無さをお許しください。
スペルカード名を考えるのって難しいんだよ!?


評価・感想お待ちしております。


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ホーム <<紅魔館>> 【異変解決】

遅れてしまって申し訳ないです。
不定期だけれど、更新は続けていきたいと思っています。




さて、今頃霊夢ちゃんはレミリアちゃんのところかな?

パチュリーちゃんとフランちゃんがどうなってるか気になるし、図書館に行ってみるかな。

 

 

 

 

*****

 

 

「”禁忌 レーヴァテイン”!」

 

お、やってるやってる。パチュリーちゃんは…、あちゃあ負けちゃったか。

にしてもあれ熱くないのかな?なんかすごい燃えてるけど……。

解決組は……何あの子、いかにも魔法使いです。って感じの見た目だけど…。

法王衣とは違うみたいだね。

 

「パチュリーちゃん大丈夫?」

 

「…なんとかね、あなたに喘息を治してもらっておいてよかったわ。いつもみたいに魔法の詠唱中に喘息が起きたらと思うと、ほんと助かったわ」

 

「それはよかった」

 

心配するまでもなかったかね。

あれ、何か忘れているような気が……

 

「どうやら終わったみたいね。ところで、ユキは何をしてたの?フランとは別々で行動してたみたいだけど」

 

「私?私は霊夢ちゃんと戦って…」

 

あれ、そもそもなんで霊夢ちゃんと戦ったんだ……っけ

あ……、

 

「やっば、咲夜ちゃんのこと忘れてた! ごめんパチュリーちゃん、ちょっと咲夜ちゃんの様子見てくる」

 

「そう、行ってらっしゃい」

 

やばいやばい、完全に放置してた…。

大丈夫かな?

 

 

 

 

*****

 

 

「咲夜ちゃん大丈夫?」

 

「えぇ、大丈夫ですけれど、まさかそのまま放置されるとは思いませんでした」

 

「ご、ごめんね? お詫びと言っては何だけどこれあげるね」

 

”聖なる癒し手ジュアのポーション”

 

「ありがとうございます。 んっ、これは…すごいですね。さっきまでの怪我が嘘みたい…」

 

「無事でよかったよ。それじゃ、私はちょっとレミリアちゃんの様子を見てくるね」

 

「お待ちください。私も同行いたしますわ」

 

「ん、じゃあ一緒に行こうか」

 

さて、レミリアちゃんは霊夢ちゃんに勝てたかな?

 

 

 

 

*****

 

 

「”霊符 夢想封印”」

 

お、ちょうど終わったところかな。

やっぱ負けちゃったかぁ。

 

「お疲れ、霊夢ちゃん。異変解決おめでとう!」

 

「戦ってた相手に言われると、なんか釈然としないわね。それにそこのメイドも、もう治ったの?」

 

まぁまぁ、いいじゃん。私はスペルカードの実験がてら手助けしただけだし。

 

「ユキ様が下さった薬のおかげでね」

 

「ところで、図書館にいた魔女っ娘は霊夢ちゃんの知り合い?」

 

「魔女っ娘…、あぁ魔理沙のことね。そうよ」

 

「あの子パチュリーちゃんに勝つなんて結構すごいね」

 

「そうかしら?ただの火力馬鹿よ、たまたま相性が良かっただけでしょ」

 

き、厳しい。霊夢ちゃん、その魔理沙ちゃんって子に厳しくないかい?

 

「おいおい霊夢、そりゃないぜ。それに弾幕はパワーだぜ!」

 

っと、噂をすればってやつだね。

 

「はぁ、ユキ紹介するわ。こいつが話してた魔理沙よ」

 

「よろしくね魔理沙ちゃん。私のことはユキって呼んでね」

 

「おう、よろしくな。ところで、そこのメイドは誰なんだぜ?」

 

「私?十六夜咲夜よ」

 

「ところで、魔理沙ちゃんって魔法使い?」

 

「おう、そうだぜ。もしかしてユキもか?」

 

「うん、私も魔法使いだよ」

 

いつもの装備にしておくかな。(法王衣+杖)

 

「ユキ様、その杖は…」

 

「大丈夫、使わないから、見せただけだからさ。

…取り合えず、このままだとレミリアちゃん溶けちゃいそうだから持ってくね」

 

「溶けちゃう?」

 

「ん、ほら。あれって焼けてない?」

 

なんか焦げ臭いと思ったら、レミリアちゃんの羽から煙が出てるんだもんなぁ。

だから霧を出したのかな?

 

「ほんとだ、なんか煙出てる」

 

「お嬢様! 大丈夫ですか!?」

 

「”テレポートアザー”」

 

「!? い、今何したんだ?」

 

「ん?空間転移だよ、魔理沙ちゃんも魔法使いなら使えるでしょ?」

 

「い、いや… 使えないぜ」

 

あれ?魔法としては初歩の初歩何だけどなぁ。

もしかして、初歩すぎてこの世界にはない感じかな?

 

「まぁいいや。それじゃ、またね。霊夢ちゃん、魔理沙ちゃん」

 

「あ、ユキ、それに咲夜も、レミリアに宴会開くよう伝えておいて頂戴」

 

「ん、了解」

 

さて…と、宴会かぁ。楽しくなりそうだなぁ。

 




いかがでしたでしょうか?
今後も不定期で更新していきますので、期待していただけると嬉しいです。


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ホーム <<紅魔館>> 【異変解決ver2.0】

今回にて紅霧異変は終了です。



「それじゃあ、異変解決を祝して乾杯!」

 

「乾杯!!」

 

おぉ、これが宴会かぁ。ジェノパとは違う感じだけどいい雰囲気だねぇ。

 

「あやや~ どうも!文文。新聞の射命丸 文です。早速ですが、取材してもいいですかね?」

 

「私?いいよ~、何が聞きたいのかな?」

 

新聞…、掲示板みたいなものかな。

 

「ではでは、まずはお名前から」

 

「ユキだよ、よろしくね」

 

「ユキさん…と。ところで、その服装から外来人だと思いますがどうして今回の異変に参加を?」

 

「んー、スペルカードの実験かな」

 

「実験…ですか」

 

「うん。ところで、私も質問してもいいかな?」

 

「どうぞどうぞ!」

 

「文ちゃんって黒天使?」

 

さっきからずっと疑問に思ってたんだよね。その綺麗な黒い羽根。

もし黒天使なら、この世界に風の女神がいることになるんだけど…。

 

「黒天使…というのはわかりませんが、私は鴉天狗ですよ」

 

なんだ、鴉天狗か。それなら、妖怪の山にいた種族か。

それにしては…… なかなか強いみたいだけどねぇ。

 

「なんだ、鴉天狗かぁ。それじゃあ、天魔とか言ったのと同じ種族?」

 

「あやや、天魔様をご存知でしたか。ということは、ユキさんが噂になってた女の子ですか」

 

「噂?」

 

私、この世界に来てから何かしたかなぁ。まだ、核も終末もしてないんだけどなぁ。

もしかしてカルマのせい?(-100)

 

「いえ、数日前に妖怪の山に戻ったら、物凄く強い金髪の少女に部下が軽くあしらわれたと、友人の白狼天狗から聞きまして」

 

あー、あれね。

 

「そんなこともあったねぇ。でも、喧嘩を売ってきたのはあっちだよ?」

 

「いえ、別に責めているわけではなくてですね。ただ、友人が部下が迷惑かけたから謝罪したいと言ってまして」

 

「気にしなくてもいいのに。ただ、相手の強さは測れたほうがいいとは思ったけどね」

 

私だって、勝てない相手には正面から挑まないもの。まぁ、痺れさせて吐かせまくって殺したことはいっぱいあるけど……

 

「んじゃ、私はもうすこしみんなと話してくるから、また聞きたいことがあったら聞きに来てね」

 

「分かりました!またお伺いさせていただきますね」

 

「じゃあねー」

 

 

 

 

*****

 

 

「あ、ユキお姉ちゃん!」

 

ん、そういえば、フランちゃんは400年以上地上に出てなかったんだっけ?

楽しめてるかな?

 

「フランちゃん。どう、楽しめてる?」

 

「うん、楽しいよ! 今まで私とお話ししてくれる人なんていなかったから。

それとね!お友達もできたんだよ!」

 

「おぉ、それはよかった」

 

「うん。……それでね、ユキお姉ちゃん」

 

「うん?」

 

「私、今回の異変頑張ったよ?魔理沙には負けたけど、それでも一生懸命頑張ったよ?」

 

「えらいえらい」

 

よしよし、よく頑張った。

…あれ、なんでそんなむすっとしてるの?

 

「…ユキお姉ちゃん。頑張ったらご褒美くれるって言った」

 

あ、あぁ!そんなこと言ったような気がする。

うん、確かに言ってたわ。

 

「…もしかして忘れてたの?」

 

そ、そんな泣きそうな顔しないでよ、ね?

 

「わ、忘れてるわけないじゃん。何でも言ってごらん、大抵のことはしてあげるから」

 

「ん、今何でもするって」

 

ちょっ、そのネタはダメ!フランちゃんのような女の子が言っていい言葉じゃありません!

 

「えっとね、フラン、ぬいぐるみが欲しいの」

 

え、何それは…(可愛い)

 

「ぬいぐるみ?」

 

「うん。私ね、今までたくさんぬいぐるみをもらったけど、能力のせいで全部壊しちゃったの。

だから、ぬいぐるみが欲しいな」

 

「了解。ちょっと待っててね」

 

そうと決まれば、私が無駄に鍛えた裁縫スキルを見せてあげようじゃないか!

 

~材料~

布切れ

 

「ほいっと、お待たせ。じゃじゃーん、等身大フランちゃんとレミリアちゃんぐるみ!」

 

我ながら素晴らしい出来だな、うん!

 

「わぁあ!すごい、すごい!ユキお姉ちゃんありがと!」

 

「どういたしまして。他にも欲しいぬいぐるみがあったら作ってあげるから言ってね」

 

「うん!ありがとね、ユキお姉ちゃん」

 

 

喜んでもらえたようでよかったよ。

裁縫スキルが地雷スキルって言った奴、ちょっと出てこい。

 




いかがでしたでしょうか?
次回からは春雪異変に入っていこうと思います。

〜説明〜
吐かせまくって殺す。
elonaの世界では、吐き続けると9999のダメージを受けます。


さ、裁縫スキルは地雷スキルじゃないんだからね!


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春雪異変 <<☆祝福された”こたつ”>> 

今回から春雪異変開始です
まぁ、本格的に動き出すのは次からですけどね。



あれから数か月。

この世界の魔法はすごいね。ストックの概念が存在しないし、一度読んだら永久的に使えるんだもん。

ただ、レベルの概念がないから威力を上げれないのが辛いなぁ。まぁ、生きた武器ちゃんがあるからいいんだけど…。

というか、私のペットたちは今何してるんだろ。元気にやってるかな?

 

「こあちゃん、なんか暇つぶしに面白そうな本持ってきてー」

 

「面白そうな本…ですか?」

 

「うん。何でもいいからさ、面白そうだと思う本持ってきてくれない?」

 

「はぁ、わかりました」

 

「ありがと。…咲夜ちゃーん!」

 

「如何されましたか?ユキ様」

 

う、うーん。前から思ってたけど、様付けで呼ばれるのはなんかむず痒いなぁ。

 

「紅茶のおかわりもらえる?それと、前から言おうと思ってたんだけど、様付けで呼ばなくていいよ?」

 

「そうですか?では今後はユキと呼ばせていただきます。紅茶ですね、少々お待ちください」

 

「にしても、春になったにも関わらず寒いねぇ。パチュリーちゃんは寒くないの?」

 

「えぇ、体の周りに結界を張っているから寒さは感じないわね」

 

「へぇー、そんな使い方もあるんだ」

 

相変わらず便利だねぇ、この世界の魔法は。それとも発想の転換なのかな?

 

「お待たせしました。それと、お嬢様がお呼びですので、後でお部屋に向かうようお願いします」

 

「ん、レミリアちゃんが?飲み終わったら向かうって伝えておいてもらえるかな」

 

「畏まりました」

 

お、白黒…。いい加減慣れたけど、いつでも時間を止められるのはいいなぁ。

 

 

 

 

*****

 

 

「レミリアちゃーん、どしたの?」

 

遊んでほしいのかな?

 

「ユキ、咲夜と一緒に異変解決に向かいなさい」

 

「異変?」

 

ん?異変なんて起きてたっけ?

 

「そうよ。今回の異変のせいで寒くてたまらないのよ!」

 

「あー、これ異変だったんだ」

 

「異変に決まってるでしょ!もう5月よ!」

 

「んー、取り合えず調べてみるよ」

 

さて、どこから調べようか?

 

「さてさて咲夜ちゃん、まず何から調べようか?」

 

「そうね、まずは博麗神社に向かうことにしましょ。既に博麗の巫女も動いてると思いますしね」

 

「了解、それじゃあ行こうか」

 

まだ固いなぁ。私に敬語なんて使わなくていいのに。

 

 

 

 

*****

 

 

「おーい、霊夢ちゃーん!……それ、なに?」

 

「これ?こたつよ。あんたも入る?温かいわよ」

 

「おー、入る。うわ、すごい温かい」

 

あ、だめだこれ。もう外出たくないなぁ。レミリアちゃんに言ってこたつ用意してもらおうかな。

 

「おーい霊夢!異変だぜ、異変!」

 

お、魔理沙ちゃん。相変わらず元気だねぇ。

 

「お、咲夜にユキもいたのか。二人も異変解決に来たのか?」

 

「そうだよー。ただ、私はこたつに負けちゃったから、咲夜ちゃんあとよろしく」

 

「…えっ、ユキあなた何を言って」

 

「だって、外寒いじゃん」

 

「……はぁ、しかたない。魔理沙行きましょ」

 

「お、おぉ。…ユキはいいのか?」

 

「大丈夫よ、霊夢と一緒に来るでしょ」

 

「それもそうか。んじゃあな、霊夢。今回の異変の手柄はいただくぜ」

 

「頑張ってねぇ」

 

さて、私ももう少ししたら動きますかね。

 

 

 

 

*****

 

 

「んー、こたつに入りながら食べるシャーベットはおいしいなぁ。

あ、霊夢ちゃんも食べる?」

 

「いただくわ。……美味しいわね、これ。ユキが作ったの?」

 

「そうだよー。私がバーベキューセットで作ったの。まだまだあるから遠慮なく言ってね」

 

「なんでバーベキューセットでこれが作れるのよ……」

 

霊夢ちゃん、それは気にしたら負けだよ。

紫ちゃんも疑問に思ってたけど、美味しいから問題ないでしょ!




いかがでしたでしょうか?

評価・感想お待ちしております。


平均1500文字ぐらいを目安に書いてますが、もっと長くしてほしいなどの意見がありましたら、ぜひ感想で教えてください。(感想乞食)


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春雪異変 <<固定AF…だと…>>

リリーホワイトの口調が違うかもしれませんが、ご容赦ください。

補足 固定アーティファクトは盗むことができません。



「さてと、私はそろそろ行くね。霊夢ちゃんも後から来るんだよ?」

 

「はいはい。後で行くわよ」

 

「んじゃあね」

 

それじゃあ、そろそろちゃんと働きますかね。

 

 

 

 

*****

 

 

「……」

 

やらかしたぁ。私、ここら辺の地形知らないじゃん。

”魔法の地図”も何故か発動しなかったし、どうしたもんかなぁ。

 

「春ですよー!春…なんですよー…」

 

あれは…妖精?なんか悲しそうだけど、どうしたのかな?

 

「おーい、どうしたの?なんか悲しそうだけど」

 

「あ、あなたは?」

 

「私?ユキだよ、よろしくね。あなたは?」

 

「リリーホワイト…」

 

「リリーちゃんね。何があったの?」

 

「もう5月なのに…、春が訪れないんですよ…」

 

「それね、私もその原因を探ってるんだけど、何か手掛かりとかないかな?」

 

「手掛かり…、春度、春度が無くなってるの」

 

「春度?」

 

アイテムか何か?

 

「そう、春度。これなんだけどね、普通あるはずの春度が無くなってるの…」

 

「どれどれ…」

 

この桜の結晶みたいなのが春度?

なら、春度が多いものを探れば犯人見つかるんじゃ…。

 

「リリーちゃん、その春度ちょっと借りてもいい」

 

「何するの…?」

 

「…ちょっとね。 ”物質感知”」

 

”物質感知”

 

今いる階層の扉、階段、採取スポット、罠があるマスを知る

遠い位置ほど探索成功率は低下

罠の発見は別途探索が必要

 

これで見つけられなかったら諦めよ…。咲夜ちゃんに任せればいいよね。

 

「結果は…… 冥界?」

 

「冥界…?」

 

「うん、冥界ってところに春度がいっぱいあるらしい。取り合えず、これありがとね」

 

「うん…」

 

「それじゃあ、ちょっと待っててね。すぐに解決してきてあげるから」

 

「頑張ってください…」

 

さて、ささっと解決しますかね。

 

 

 

 

*****

 

 

ここが冥界かぁ。というか、階段長すぎでしょ…。まぁ、飛んでいくからいいけどさぁ…。

 

「止まれ!侵入者め、ここから先は通さん!」

 

…あれ、デジャブ。妖怪の山でも似たようなこと言われたなぁ。

というか、刀かぁ。珍しいね、私のコレクションのために盗ませてもらうよ。

速度5桁の私に盗めないものなど、あんまりない!

 

 

 

 

嘘でしょ、これ……。

 

 

 

 

★<<桜観剣>> (4d8+8) (2) (-3,2)

 

太古に妖怪が鍛えた名刀だ

それはスティールで作られている

それは炎では燃えない

それは貴重な品だ

それは武器として扱うことができる (4d8 貫通 10%)

それは攻撃修正に2を加え、ダメージを8増加させる

それはDVを-3上昇させ、PVを2上昇させる

それは不死者に対して強力な威力を発揮する[***]

それは完全貫通攻撃の機会を増やす[*****+]

 

 

★<<白桜剣>> (5d7) (4)

 

魂魄家に伝わる家宝だ

それはスティールで作られている

それは炎では燃えない

それは貴重な品だ

それは武器として扱うことができる (5d7 貫通 20%)

それは攻撃修正に4を加え、ダメージを0増加させる

それは幽霊に対して強力な威力を発揮する[*****+]

それは透明な存在を見ることを可能にする

 

 

ま、まじかぁ! 固定AF(アーティファクト)! 

盗めないのが悔しいけど、この世界にも存在するのか!

これは……、何としてでも手に入れないと…。

というか、固定AF(アーティファクト)を持っているってことは、相当なやり手かな…。

 

「…剣士として相手してもらおうかな」

 

久しぶりに私も刀を使おうかな。

 

★<<飛竜刀>> (6d6+2) (3)

 

竜に絶大な効果を持つ長剣だ

それはオブシディアンで作られている

それは貴重な品だ

それは武器として扱うことができる (6d6 貫通 20%)

それは攻撃修正に3を加え、ダメージを2増加させる

それは電撃属性の追加ダメージを与える [*****]

それは混沌への耐性を授ける [**]

それは火炎への耐性を授ける [+]

それは耐久を15上げる

それは竜族に対して強力な威力を発揮する [++++]

 

 

さすがに斬鉄剣はね…。万が一、武器破壊なんてことになったら死ねるからね。

元の世界だったら気にしなかったけど、まだこの世界についてよくわかってないから、念には念を入れておかないと…。

 

「その構え…。一流の剣士と見た!」

 

そりゃあ、”戦術”と”両手持ち”の技能カンストしてるからね。

伊達に長年生きてないのよ。

 

”戦術”

 

近接攻撃(武器・格闘)と投擲攻撃のダメージ倍率が増大する

 

”両手持ち”

 

近接武器を1本だけ持ち、盾を持たないとき、近接攻撃武器の命中率とダメージ倍率を増加

 

 

これで負けたら、私泣くよ?

 

「魂魄妖夢、いざ参る!」

 

「妹、ユキ。叩きのめすよ」

 

速度200 悪く無いけど私からしたら止まって見えるよ。

……そう思ってた時期が私にもありました。

 

 

まさか速度を変えてくるとはね…。

 

「”人符 現世斬”!」

 

足運びをずらして、認識している速度を変える剣術。

 

「…今の、どうやったの?」

 

見切りが発動してなかったら、私切られてたかも…。

 

”見切り”

 

低い命中力の攻撃を、実際の命中判定より前に「華麗に避けた」で無効にすることができるようになる。

 

「教えるか! ”剣伎 桜花閃々”!」

 

剣閃。剣の閃き。一瞬の輝きを持って描いた軌跡は桜色へと変わり、花弁の弾幕を空に咲かせる。

 

 

……本気でやろう。あくまで剣士としてだけれども。

 

”技能 スウォーム”

 

隣接対象”全て”に近接攻撃

 

無数の斬撃が、隣接している花弁を一枚も残さず斬り捨てた。

 

「そんな馬鹿な……」

 

「悪いね、これで終わりだよ」

 

ごめんね、どれだけ技術を持っていても速度差には勝てないんだよ。

全ては速度で決まるからね。

 

「すみ…ません…。幽々子…様……」

 

「妖夢ちゃんは頑張ったと思うよ。……そのAF(アーティファクト)は盗らないであげるよ。私が持っていても、趣味の一環になっちゃうからね」

 

「……」

 

 

 

 

また今度、速度の上げ方を教えてあげるよ。……君はいい剣士になると思うよ。

いや、私が鍛えるのも面白いかな…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




いかがでしたでしょうか?
戦闘描写下手で申し訳ない。
素人なりに頑張ったつもりなので、目をつぶってもらえたら嬉しいです。

変更 物質感知の効果を微妙変えて、なんでも感知出来るようにしました。桜の結晶が調べられたのはそのおかげです。

あと、武器の詳細邪魔だよ!って方は感想で教えていただけると幸いです。


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春雪異変<<廃人vs西行妖>>

今回から多少?シリアスを挟んでいこうと思います。



「あら、お客さん?」

 

「違うよ、異変を解決しに来たんだぁ」

 

あの桜…。なるほど、死の宣告かぁ。まためんどくさいことを…。

 

”死の宣告”

 

終了時に9999ダメージの攻撃を伴う呪い(hex)をかける

 

まぁ、私にとって9999のダメージなんて今更怖くもないんだけど…。

魔理沙ちゃん達が来る前に何とかしないとまずいかな。

 

「そう。…ところで妖夢はどうしたの?あの子には門番をするよう言っておいたのだけれど…」

 

「殺したよ」

 

「……は?」

 

「だから、殺したよ?そのうち這い上がってくるんじゃない?」

 

「何を……言って……」

 

「…?」

 

いや、1回殺しただけなんだけど…。え、もしかしてこの世界だと這い上がってこれないの?

街の子供たちだって、三日もすれば這い上がってるのに…。

 

「…もしかして、この世界って死んだら生き返れないの?」

 

「当たり前…じゃない…。何で…、何で殺したのよ!」

 

「いや、ごめんね?…まさか這い上がってこれないとは思ってなかったよ」

 

しょうがない、復活の魔法を使うか…。

 

”復活”

死亡したペット、街の住人を1人復活させる

 

「……さない」

 

「ん?」

 

「許さない…!よくも妖夢を!」

 

何かキレてるんだけど?死ぬことなんてもう慣れちゃったから何とも思わないんだよなぁ。

 

「……死ね ”華霊 バタフライディルージョン”!」

 

空を舞うアゲハ蝶。死者の使い、深く根付いた死の具現化。自機狙いの蝶弾が、まるで本物の蝶のように空を舞う。

 

「悪いけど、速攻で終わらせてもらうよ。魔理沙ちゃんたちに死の宣告が使われたら、洒落にならないからね」

 

☆祝福された古なる杖 『黄昏の終焉』 (1d23)(20) [15,0]

 

「”グラビティ” ”ナイトメア” ”幻影の光線”」

 

”ナイトメア”

神経・幻惑耐性を一時的に低下させる呪い(hex)

 

”幻影の光線”

幻惑属性の貫通ボルト

 

 

「何…これ…、う、動けない…! あっ……」

 

悪いけど、少し”混乱”しててもらうよ。

 

”混乱”

ひどい頭痛に襲われ、まともに移動することすらできなくなる。

 

「私の目的はあの桜だからね。アレはダメだ。這い上がれないならなおさらね」

 

「くっ…待て…!」

 

「待たないよ」

 

なるほど、西行妖ね…。

 

”奇跡が起きなければ殺されるだろう”

 

私の3倍も強いとはね…。まだこんなものが在ったんだ…。

それでも、私には勝てないけどね。

 

「見せてあげるよ!廃人の生き様、戦い方を!」

 

”聖なる盾”

一時的に術者のPVを増加し、恐怖を無効化する祝福

 

”元素保護”

術者の火炎・冷気・電撃に対する耐性を強化する祝福

 

”加速”

術者の速度を一時的に増加させる祝福

 

”英雄”

一時的に術者の筋力と器用を強化し、恐怖と混乱を無効化する祝福

 

”ホーリーヴェイル”

呪い(hex)に対する抵抗力を上げる祝福

 

”契約”

一定確率で致死ダメージを相当量のHP回復に置き換える祝福

 

☆永遠なる大剣 『愛情の星屑』(4d18+30)

 

それはエーテルで作られている

それは装備している間、エーテル病の進行を早める

それは酸では傷つかない

それは炎では燃えない

それは生きている[Lv:100 EXP:0%]

それは武器として扱うことができる (4d18 貫通0%)

それは攻撃修正に0を加え、ダメージを30増加させる

それは速度を5上げる

それは耐久を4下げる

それは使用者の生き血を吸う[*****+]

それは地獄属性の追加ダメージを与える[*****+]

それは完全貫通攻撃の機会を増やす [*****+]

それは魔法の威力を高める [*****+]

 

エーテル 

レム・イドの後期に発見された、木々より抽出される新エネルギー。有害な細菌メシェーラを抑制する効果を持ち、私たちメシェーラ菌と共生関係にある種族に死をもたらす毒素。

 

エーテル病

具体的には、凶暴化、飲料水への異常な依存、身体部位の増殖や膨大化、脳機能の縮小など、

甚大な被害の多い症状が現れ病状が悪化すれば確実な死が待っている、治療法の確立されていない不治の病。

 

 

私がまだ廃人になる前…。盗賊に襲われ、収めるための税金も奪われ、死に続けるせいで資金も底をつき、税金滞納のせいで犯罪者扱いされまともに街に入れなくなったら頃。

潜っていたネフィアで偶々見つけた生きた武器。数えきれないほどの時間、私の血を吸い続け、時に私を殺し、時に私をエーテル病にし、相手の血すらも吸い続けた魔剣。

 

……これが負けるとは思えないけどね。

 

「っと、ほかの装備品も近接特化に変えておかないとね。……それじゃあ、行くよ」

 

速度5桁

 

初心者が2桁。熟練の冒険者ですら3桁が限界だろう。しかしその上…。幾多の時間をささげた廃人は4桁に到達する。

素で4桁。その速度は時間すらも置き去りにする。魔法、エンチャントetc. 様々な効果を付けて5桁に到達した物を認識することは、たとえ神であろうと不可能だろう。

 

「指輪の効果でスタミナは吸収できるんだ…。後は根競べだ!」

 

 

 

 

*****

 

 

どれだけの時間がたっただろうか。それは1秒?10秒?それとも1分だろうか。周りからの認識ではその程度だが、彼女にとってはその数千倍。いや、数万倍の体感時間だろう。

体のいたるところから血を流しつつもそれを気にせず、ただひたすらに枝を切る。……やがて彼女の血で地上が染まった頃。西行妖はその体から枝を全て失っていた。

 

「はぁ…、はぁっ……。これで終わり…だよ…」

 

 

 

 

彼女は自分の血の海の中で意識を手放した。




いかがでしたでしょうか?
妖夢好きの方、申し訳ない。次回でちゃんと蘇生するので許して…。

速度の基準がわからない方へ 参考までに…

幻想郷最速である、射命丸文の速度が約500です。



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春雪異変<<異変解決>>

「んっ、ここは…?」

 

「ユキ、大丈夫ですか?」

 

「あれ、咲夜ちゃん?異変はどうなったの?」

 

「無事、終わりましたよ。魔理沙と霊夢は先に帰りました」

 

「そっか。私どれくらい寝てた?」

 

「二日ですね。今すきま妖怪の式が食事を用意してますよ」

 

「藍ちゃんか。後でお礼を言っておかないと」

 

「そうですね。お嬢様からも早く帰ってくるようにと」

 

「了解」

 

「やっと起きたみたいね」

 

「紫ちゃん?」

 

「気分はいかが?」

 

「問題ないよ。ところであの桜はどうなったの?」

 

「あなたのおかげで異変は解決。西行妖は妖力をほとんど失ったわ」

 

「それはよかった」

 

何にせよ、魔理沙ちゃんたちが無事でよかったよ。

そういえば……

 

「ねぇ、あの蝶々みたいな人はどうなったの?」

 

「……幽々子ね。びっくりしたわよ、突然凄まじい魔力が発生したから何かと思って見に来たら、血の海で倒れてるあなたを幽々子が殺そうとしてたんですもの」

 

「うわぁお、リジェネレーション発動装備で助かった」

 

”リジェネレーション”

術者の自然治癒力を強化する祝福

 

「……幽々子はあんなことする子じゃないわ。一体何があったの?」

 

「んー、私が妖夢ちゃんを殺したからかな」

 

「「………」」

 

「妖夢ちゃんの遺体は?」

 

「幽々子が預かってるわ。多分今も……」

 

「そっか、それじゃあ早いところ復活させないとね」

 

「何を言って……」

 

「その幽々子ちゃんって人のところに連れて行ってもらえる?」

 

「どうなっても知らないわよ……」

 

「大丈夫、幽々子ちゃんじゃ私には何もできないから」

 

「はぁ……」

 

私は廃人だからね。

 

 

 

 

*****

 

 

「幽々子、大丈夫?」

 

「紫……、妖夢が……妖夢…が…」

 

「そのことで話があるわ。ユキ、入っていいわよ」

 

「ん、入るよー」

 

「……何しに来たのよ」

 

「妖夢ちゃんを復活させようと思ってね」

 

「……わけないじゃない」

 

「ん、なんて?」

 

「できるわけないじゃない!妖夢は…死んでるのよ……!」

 

「そりゃぁ殺したからね。まぁ、見ててよ ”復活”」

 

神々しい光が妖夢の体を包み込む。まるでそれは神の慈愛であるかのように、温かくどこか懐かしさを感じるものであった。

 

 

 

 

*****

 

 

「……あれ、私は何をして…」

 

「うそ……」

 

「……まさか、死者を生き返らせることができるなんて」

 

「さすがはユキです」

 

うん、咲夜ちゃん慣れるの早いね。あと、私じゃなくてもできると思うよ?

 

「おはよう、妖夢ちゃん。いやぁ、殺しちゃってごめんね?生き返らせたから許してよ」

 

「……生き返らせた?私は一体…」

 

「妖夢!」

 

「うわぁ…!? ゆ、幽々子様?」

 

「心配したのよ!あなたが、こ、殺されたから……」

 

「は、はぁ…。確かに、私はユキさんに斬られましたね。ただ、その後の記憶が…」

 

「死んでたからね、その間の記憶はないものだよ。私も数えきれないほど経験してきたからね」

 

今まで何回這い上がったんだろ……。

 

「それじゃあ、レミリアちゃんが呼んでるし私は帰るね。復活は無事に成功したと思うけど、指が一本足りないとか何かあったらまた言ってね。

行こう、咲夜ちゃん」

 

「えぇ、それでは私もここで失礼します」

 

さて、レミリアちゃんは心配してくれてるかな?

 

 

 

 

*****

 

 

「妖夢?……寝ちゃったわね」

 

「……幽々子、ユキを責めないであげて。あの子はまだこの世界に来たばかりなの。それに、殺してはいけないって説明しなかった私の落ち度でもあるわ」

 

「……もういいわ。妖夢も無事に帰ってきたし、私も殺そうとしたもの…。それよりも……、紫、あの子はいったい何者なの?」

 

「私にも分からないわ。ただ一つ言えることは、私たちが束になっても相手にならないほどの実力の持ち主ということだけよ」

 

「…じゃあ、あの子が幻想郷の敵に回ったら」

 

「その時は、幻想郷全戦力をぶつけてでも止めるわ」

 

「……ふふっ、それは頼もしいわね」

 

「あなたもゆっくり休みなさい。宴会はその後でいいわ」

 

「宴会は開く前提なのね…」

 

「当たり前よ、異変は解決されたんだからね」

 

「……はぁい」

 

 

はぁ、閻魔になんて説明しようかしら。外来人が蘇生させました、じゃ通じないわよね……。

説教長いから嫌いなのよね……。

 

「ユキ、食事の用意ができ……。紫様、ユキはどちらに?」

 

あ、藍にユキの食事を用意させてるのを忘れてたわ。

 

「帰ったわ。咲夜と一緒にね」

 

「………」

 

 

ごめんなさいね、藍。私も忘れてたわ。

 

 




いかがでしたでしょうか?
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日常 <<スペルカード万能説>>

「ただいまぁ」

 

「ユキお姉ちゃん!お帰り!」

 

「うん、ただいまぁ」

 

「遅かったじゃない…… なんかいい匂いするわね」

 

「いい匂い?」

 

血の匂いかな?さっきいっぱい吸われたしね。

 

「…なんかユキお姉ちゃん、植物みたいな匂いがする」

 

「植物???」

 

あ……、もしかしてエーテルかな?

 

「それって、これからも匂いする?」

 

☆永遠なる大剣 『愛情の星屑』(4d18+30)

 

「うん!これ!なんか落ち着くようなすごい、いい匂いがする」

 

「………なるほどね」

 

私みたいにメシェーラ菌に汚染されてないから、エーテルが心地よく感じるのか。

私からしたらエーテルとか、ただの害悪なんだけど……。

 

「…それ、あなたの血を吸ってるみたいだけど大丈夫なの?」

 

「うん、もう慣れた」

 

「慣れたって……」

 

おー、よしよし、私の血は美味しいかい?お前も相変わらず私の血が好きだねぇ。

……うん、前から思ってたんだけど、君知性あるよね?私の思考に反応して蒼く光ってるし。

嬉しいのはわかったから、そんなにピカピカしないで。目が痛くなる…。

 

「ぺろっ……、うえっ、ユキお姉ちゃんの血、物凄くまずい……」

 

「まぁ、エーテルがそんなに好きなら当然だよね」

 

私の体をめぐってるのは、エーテルの対になるメシェーラだからねぇ。

 

「ほら、口直しにこれでも食べな」

 

「これは?」

 

「アピの実パイ」

 

腐らない、簡単に作れる、そこら辺に落ちてることで昔からお世話になったね。

この世界にもアピの実はあるのかな?

 

「んっ、甘酸っぱくて美味しい!」

 

「それは良かった。それじゃあ私は部屋に戻ってるね」

 

「食事の時間になったら咲夜に呼びに行かせるから」

 

「あ、たぶん図書館にいると思うから、そっちに呼びに来て」

 

「了解したわ」

 

ちょっと面白いことに気づいちゃったからね。

 

 

 

 

*****

 

 

「それで、話したいことって?」

 

「これなんだけどね」

 

「スペルカード?」

 

「うん、スペルカード」

 

「それがどうかしたの?」

 

「これにさ、魔法を登録しておけることは知ってるでしょ?」

 

「そうね、私のスペルもほとんど魔法だしね」

 

「思ったんだけど、複数の魔法の同時発動って出来るのかな?」

 

もしできるなら、補助魔法を一気にかけられて便利なんだけどなぁ。

 

「……結論から言うとできるわ」

 

「ほんと!?」

 

「えぇ。ただ、普通に魔法を使うときの倍以上魔力を持っていかれるわよ」

 

「どうして?」

 

「さぁ、私にも分からないわ。あのすきま妖怪なら何か知っているんじゃないかしら?」

 

「そっか」

 

まぁ、魔力はいっぱいあるからいいよ。

 

「取り合えず、できるってことがわかって良かったよ。ありがとね」

 

「どういたしまして」

 

早速作ってみるかな。

 

 

 

 

*****

 

 

……これは、もうスペルカードじゃないな!

うん、普通にすくつでも使えるものになっちゃったよ。

なんだこれ…、さすがは神器クラスというべきかな。紫ちゃん、よくこんなものいっぱい持ってたなぁ。普通に万能じゃん…。

 

「…それで?スペルカードはできたの?」

 

「うん!ただ、遊びでは使えないようなものも出来ちゃったけどね」

 

「そう、良かったわね」

 

「ありがとね、パチュリーちゃんのおかげだよ!」

 

「私は何もしていないのだけれど」

 

「そんなことないよ!パチュリーちゃんがアドバイスくれなければ、”もう一つ”のほうは絶対に作れなかったよ」

 

「結局作ったのね」

 

「もちろん!何かあった時用にね。はい、これ。いらないかもしれないけどお礼」

 

「巻物?これは…」

 

「あ、読まない方がいいよ!」

 

「どういうこと?」

 

「それ、読むと魔力が回復する巻物なんだ。いざという時に使ってね」

 

「魔力が回復するって……。そうね、ユキだものね」

 

「うん?どういう意味かな?」

 

「何でもないわ。ありがとう、大切にするわ」

 

「うん、そうしてもらえると嬉しいよ」

 

魔力の巻物

読むと魔力が回復する

 

「パチュリー様、ユキ、お食事のご用意ができました」

 

「私も?」

 

「はい、一応ご用意しましたが如何なさいますか?」

 

「そうね、これからは私も頂くわ」

 

「!? ……珍しいですね、どうかしたのですか?」

 

「ちょっとね。あ、次からでいいから私の食事は果実類にしてもらえるかしら?」

 

「果実類…ですか?」

 

「そう、果実類」

 

「畏まりました」

 

パチュリーちゃんに教えといてよかったよ。何も食べないでも生きていけるからって食べないのはもったいないからね。

果実は食べれば食べるほど、”魔力”が上昇するからねぇ。

…私?当然、主能力はカンストしてますとも。だから好きなもの食べるよ。ハーブ漬け地獄なんか二度とやるもんか…。

ポンコツ信者じゃあるまいし。

 

「そうだ、今度から私も手伝うよ!こう見えても、料理の腕には自信あるんだ!紫ちゃんたちも満足してたしね」

 

「すきま妖怪が…? では、次からはユキにも手伝ってもらうことにするわ」

 

「了解!」

 

バーベキューセットの力を思い知らせてあげようじゃないか!




いかがでしたでしょうか?
評価・感想お待ちしております。

全国のマニ信者の方申し訳ない


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宴会 【弟子ができましたver1.0】

「乾杯!」

 

「にしても、あんたのおかげで楽できて良かったわ」

 

「そう?まぁ、今回はいろいろ危なかったからねぇ」

 

「…ただ、宴会がここで開かれるのには納得いかないけど」

 

「いいじゃん、桜綺麗なんだし」

 

「片づけるのが面倒なのよ……」

 

それは確かに面倒くさいなぁ。前回の宴会の片づけしてくれた咲夜ちゃんには感謝しておかないとね。

 

「それはそうと、あんたのお酒、…ウィスキー?だったからしら、美味しいわねこれ」

 

「気に入ってもらえてよかったよ。まだまだあるから欲しかったら言ってね」

 

呪い酒用にストックしてあったからね。まぁ、もう呪い酒とか必要ないんだけど……。

 

「あんたの食べてるそれ、何?」

 

「フライドポテト。食べる?いい感じの塩味がお酒に合うよ?」

 

「もらうわ。……これ美味しいわね」

 

「でしょ!ただ、これはあんまり予備がないからいっぱいはあげられないけどね」

 

こんなことならアクリ・テオラでもっと買っておくべきだったかな。

……霊夢ちゃん、ただの乞食かと思ったけど宴会でお金使ってたのか。

次からも賽銭?してあげるかな……。

 

「ユキー!ちょっと来てー!」

 

紫ちゃん?どうかしたのかな。

 

「ごめんね、ちょっと呼ばれたから行ってくる」

 

「行ってらっしゃい」

 

 

 

 

*****

 

 

「紫ちゃん、どうかしたの?」

 

「ちょっとね。ほら、幽々子、ユキと話したいことがあったんでしょ」

 

「えぇ……。ごめんなさいね、あなたのこと殺そうとして」

 

あぁ、なんだそんなことか。

 

「いいよいいよ。死に慣れてるしね。こっちこそ、妖夢ちゃんのこと殺してごめんね?次からは殺さないように気を付けるよ」

 

「別にいいわ。ちゃんと生き返らせてくれたから。でも、そうね。次からは殺さないで欲しいわね」

 

「善処するよ」

 

うっかり殺しちゃった場合は許してね?ちゃんと生き返らせるからさ。ペット用に復活のストックはいっぱいあるんだ。

 

「ところで、さっきから静かだけど、どうかしたの?妖夢ちゃん」

 

もしかして怖がらせちゃった?んー、死ぬことに慣れてない人の相手は初めてだからなぁ。

 

「………ユキさん、私を弟子にしていただけないでしょうか?」

 

「弟子?」

 

「…妖夢?」

 

「あなたの剣の腕に見惚れました。どうか、私を鍛えていただけないでしょうか」

 

「……私としても、妖夢ちゃんのことは鍛えたいなぁとは思ってたけど、幽々子ちゃんはいいの?」

 

「幽々子様……」

 

「いいわよ? 妖忌が居なくなってからあなたの師と呼べる人はいなかったものね。…この機会に腕を磨いてきなさい」

 

「ありがとうございます!」

 

「あ、ただ、私の食事は作って欲しいわね」

 

「…幽々子様らしいですね」

 

「だって、私料理できないもの。それに、妖夢の料理は美味しいからね」

 

「分かりました」

 

話は終わったかな?

 

「さて、具体的な特訓方法だけど。今から言う選択肢の中から一つ選んでね。

 

”死ぬまで私に斬られ続ける”

”3食ハーブのみ生活”

”閉鎖空間の中でドラゴン退治”

 

どれがいい?」

 

「……え、剣の腕を磨いていただけるのでは」

 

「うん、そうだよ?ただ、それだけだと弱いままだから、ほかの能力も鍛えようと思ってね」

 

「というかユキ、あなた閉鎖空間なんて作れたんですの?」

 

「うん。紫ちゃんのムーンゲートとは違うけど、作れるよ」

 

「ムーンゲート?……あ、あぁ、すきまのことね」

 

なるほど、ムーンゲートはすきまって名前なのね。…あ、だからみんなスキマ妖怪って言ってたのか。

 

「……一つずつ説明してもらってもいいですか?」

 

「一つ目のは、サンドバッグっていう一時的に不死身になれるアイテムを使って、ひたすら私に斬られ続けるの。耐久力とか上がるよ?」

 

「すみません、さすがにそれは……。えっと二つ目は」

 

「二つ目はそのまんま、食事の時間にハーブしか食べちゃダメ。健康上全く問題ないし、筋力とか色々な能力を上げることができるよ。

……ただ、ハーブ自体が物凄く不味いけどね」

 

「そんなに不味いのですか?」

 

「食べてみる?はい、キュラリア」

 

キュラリア

食べるだけで全ての主能力に特大の経験値が入るハーブ

 

「頂きます。……おえっ、…っんぷ」

 

「吐いてもいいよ?」

 

「……っん、何ですか…これ…。物凄く苦いです……」

 

「だよねー。大丈夫、私も数年間食べ続けてきたけど、そのうち何も感じなくなるから。ほら、口直しにこれでも食べな」

 

リンゴのクレープ

 

「頂きます。…んっ、あむっ、お…、美味しい…。ぐすっ……、物凄く、美味しいです」

 

「泣くほど?! …まぁ、ハーブの後じゃしょうがないか。幽々子ちゃんと紫ちゃんも食べる?」

 

「い、いえ…、遠慮しておくわ」

 

「…頂いてもいいかしら」

 

「どうぞ?」

 

「あむっ……、…っん゛、おえっ……」

 

 

あ、逃げた。すきまで逃げた。吐きに行ったのかな?

 




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修行 【弟子ができましたver2.0】

「それでえっと、三つ目のは……」

 

「これもそのまんま、ひたすらドラゴンを倒すだけだよ。……その前に、ちょっと確認したいことがあるんだけど」

 

「確認したいこと、ですか?」

 

「うん、ちょっと痛いかもしれないけど我慢してね? ”支配”」

 

支配

対象を支配して仲間にする

 

「さてっと、ステータスは……。あー…、戦術と二刀流は高いけど、回避低いなぁ」

 

「ステータス?」

 

「ん、気にしないで」

 

結構いいじゃん、これならすぐに強くなれるかなぁ。

 

「ちょっと失礼」

 

体力見せてね?

 

「ふぇ? え……、ちょっ、何を!?」

 

「はいはい、暴れんなよ…暴れんなよ…」

 

聴診器

ペットの体力を表示することができる

 

「ま、周りに人が!み、みんな見てます!」

 

「気にしない気にしない」

 

そんなに恥ずかしいかな?人前で”気持ちいいこと”してる人なんてたくさんいたのに。

 

 

 

 

***

 

 

「う…うぅ…。辱められたぁ……」

 

「おぉ、意外と体力はあるんだね」

 

やるかぁ、終末狩り。そうと決まれば色々と”準備”しないと…。

 

「結局、三つ目のドラゴン退治でいいの?」

 

「……他二つと比べたら、戦うだけですので。いえ、二つ目のも良かったのですが、強くなってる実感がわかなくて…。だったら、戦って強くなった方が分かりやすいと思いまして」

 

「それじゃあ明日、準備できたら紅魔館に来てね」

 

「あの、その前に一ついいですか?」

 

「どしたの?」

 

「ドラゴンって何ですか?」

 

……おっと、もしかしてこの世界にはドラゴンが居ないのかな?

 

「幽々子ちゃんもドラゴン知らない?」

 

「知らないわね。ドラ…ゴン…、何だか可愛いわね」

 

「……」

 

かわ…いい…??? お、おぅ。

 

「まぁ、気にしなくて大丈夫だよ!ちょっと強い妖怪だと思ってもらえれば」

 

「なるほど…。明日からよろしくお願いします、師匠!」

 

師匠!いい響きだねぇ。

 

「うん!それじゃあ、また明日!」

 

さて、明日までに”準備”間に合うかな。

 

 

 

 

*****

 

 

「さて、それじゃあやっていこうか」

 

「お願いします」

 

「まずは、ここにある装備全部身に着けてもらっていいかな?」

 

ブレス耐性上げないとすぐ死んじゃうからねぇ。

 

「あ、楼観剣じゃなくてこっち装備してもらっていい?白桜剣はそのままでいいからさ」

 

「分かりました!…っと、結構重いですね」

 

 

☆ 赤く染まった短剣 <<深淵の星屑>>

それは全てを終結させる

 

 

ラグナロクだと二刀流した時に命中率下がっちゃうからね。

 

「まぁ、そのうち慣れるよ。着いてきて」

 

シェルターがこっちの世界でも使えてよかったぁ。

 

「ここ…ですか?見渡す限り何もないようですが…」

 

「大丈夫、今からいっぱい出てくるから。私が今からモンスター……、えっと妖怪を召喚するから、その剣で倒してもらえるかな?」

 

「分かりました!」

 

……あ、忘れないうちに

 

「”永遠 終わることのない終末体験”」

 

 

 

 

*****

 

 

耐久スペルというものをご存じだろうか?

決められた制限時間が過ぎるまで、弾幕を避け続ける必要のあるスペルカードだ。

制限時間は使用者の霊力・魔力・妖力・神力によって変わる。

そんな耐久スペルとスペルカードの特性を利用して作られたスペルカード。

 

永遠 終わることのない終末体験

 

魔法の自動発動機能があるスペルカードに”復活”の魔法を登録し、魔力を限界まで注いで制限時間を伸ばし続けたスペル。

自動発動に加え、複数の魔法の同時発動ができるスペルカードに、同一の魔法を登録し続けたらどうなるのか……。

 

 

答えは、発動条件を満たしたときに自動で同じ魔法を発動するのだ。

 

 

これを用いてユキは、対象が死亡した瞬間に”復活”の魔法が掛かる用設定し、その制限時間を、魔力を持って最大限伸ばした。

 

 

結果……

 

 

制限時間 720時間 

登録魔法種類 1種類 ”復活”

登録魔法数 254,350 

 

 

蘇生させることにのみ特化したスペルカードが出来上がったのであった。

 

 

 

 




如何でしたでしょうか?

情報屋が東方の世界にいないので、ペットのステータスは個人で見れるように変更しました。

スペルカードの設定において独自解釈が多数含まれております。
ご容赦ください。


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終末 【弟子ができましたver3.0】

今回から本格的修行会です。
無数の妖夢が無残に死亡します。妖夢ファンの方は閲覧注意。



「それにしても弱いですね。これがドラゴンですか?」

 

「いや、これは違うよ。大丈夫、もうすぐドラゴンが出てくるから」

 

「そうですか」

 

「体に異変とかない?今、耐久スペル使ったんだけど」

 

「耐久スペル!? いつのまに……。いえ、特に異変はないですよ?」

 

「それは良かった」

 

おっと、噂をすれば……。エーテルの匂いがしてきたなぁ。

 

 

炎上、突如現れた火柱が地面を焼き、天井を焦がし辺り一面にエーテルの風を吹かせる。

数秒後、収まった火柱から無数のドラゴンや巨人が現れ、シェルター内を埋め尽くした。

 

 

「え……、なっ、何ですかこれ!?」

 

「ドラゴン。それじゃあ、後は頑張ってね」

 

「頑張って…って、そんな理不尽な!?」

 

あ、ブレスで溶けた。妖夢ちゃん、死ぬのは何とかしてあげられるけど、痛みはあるからそんなすぐ死んじゃったら大変だと思うよ?

 

「1回目だね。耐性防具付けても即死かぁ。まぁ、1か月は復活の魔法が持続するからしばらく放置しておけばいいかな」

 

「何のんきに言ってるんですか!師匠助け……」

 

「2回目。ドラゴンに食べられちゃったね。死体がなくても復活はするから安心してよ。んじゃ、しばらくしたら見に来るから頑張って」

 

「無理です!無理、無理!こんなの無理ですよ!というか、体中痛いです!?」

 

「じゃあね~」

 

大丈夫!そのうち痛みなんて慣れるから。

 

 

 

 

~3時間後~

 

 

お、死亡数500超えたねぇ。一旦休憩入れてあげるかな?

 

「おーい、妖夢ちゃん、生きてる?」

 

「ぅ……、ぁ…」

 

「大丈夫そうだね。一旦休憩だよー。……カオスドラゴン邪魔!」

 

グゴァッ!

 

さて、一掃しますか。

 

 

 

*****

 

 

お、正気に戻ったね。まぁ、目からハイライト先輩が消えてるけど……。ほっとけばそのうち戻るよね!

 

「はーい、お昼ご飯だよ。食事休憩ぐらいは美味しいもの食べさせてあげるよ!」

 

「ひっ…… やだっ、もう……、やだぁ…、」

 

「どれどれ、ステータスはっと……」

 

戦術 25.00

二刀流 25.00

回避 40.00

中装備 60.00

 

「妖夢ちゃん、一体も倒さなかったでしょ?」

 

「無理ですよっ!師匠に分かりますか!生き返ったら痛みで動けなくなって、気づいたら食べられて……、また生き返ったらブレスで焼かれて、生き返ったら巨人に踏みつぶされて、生き返ったらブレスで溶かされて……」

 

「はいはい、頑張った頑張った。取り合えず、食事しちゃいな。美味しいよ?」

 

「…いただきます。……ぐすっ、美味しい。美味しいです…ぅ」

 

「おー、泣くほど美味しいかい?それは良かった。ゆっくり食べてていいよ」

 

「はいっ…、うぅ…美味しい……」

 

さて、終末の用意してくるかな♪

 

 

 

 

*****

 

 

「…ごちそうさまでした」

 

「お、食べ終わったね。それじゃあ、もう1回行ってこようか」

 

「ひぅ……。いやっ……、やだぁ…… 無理ですよぉ……」

 

「無理?私はできたよ。それじゃあ行ってこようか!」

 

「放してぇ……!」

 

「ほら、引き摺って行ってあげるから頑張ってねー」

 

 

~シェルター~

 

「ひぃ……ど、ドラゴンがこっち見てますよぉ!」

 

「そりゃ、見てるでしょ。んじゃあ、行ってみようか!」

 

 

何を投げる? 

あなたは魂魄妖夢を投げた。グリーンドラゴンに見事命中した。グリーンドラゴンは嫌な顔をした。魂魄妖夢は絶望な顔をした。

 

「またしばらくしたら迎えに来るからね~」

 

「やだぁ……!待ってください…! 師匠っ……!……助けてくださ……!」

 

「501回目。あ、安心してよ。あと25万3849回以上死ねるからね♪生き返れないなんてことはないから大丈夫だよ♪じゃあね~」

 

 

 

それにしても、本当なら3時間で4桁以上死んでるはずなのに、まさか500回とはね……。

天才なのかな?筋がいいよ、うん。鍛えがいがあるなぁ♪

 

 

 

 

 

 




如何でしたでしょうか?

スキルの二刀流などの最大値は2000です。
何が言いたいかというと……、先は長いね♪


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終末 【弟子ができましたver4.0】

「うわぁ……。あなたも趣味が悪いわね」

 

「そう言わないでよ。私のいた世界じゃこんなの普通だったよ?」

 

「……どんな魔境よ、あなたの世界は」

 

「それにしても、パチュリーちゃんの水晶玉?は便利だね。まさか遠隔透視ができるとはね」

 

「どこにでも出来る訳じゃないわよ。距離制限もあるし、魔法で遮られているようなところには干渉できないわ」

 

「それでもだよ。おかげで妖夢ちゃんがどうしてるか分かるから助かるよ」

 

「悪趣味ね。…また死んだわ」

 

「912回目だね」

 

「助けてあげないのかしら」

 

「助けないよ?」

 

あたりまえじゃん。むしろ、食事休憩がある分だけマシだと思うなぁ。

本当なら食事もハーブのみにしたいんだけど、それで精神が崩壊したら幽々子ちゃんに怒られちゃうからね。

 

「もうすでに崩壊してると思うわよ。目からハイライト消えてるし…、泣きながら戦ってるの見てると可愛そうに思えてくるんだけど……」

 

「今、さりげなく心読んだよね。まだ大丈夫だよ、本当に崩壊したらたぶん動かなくなるから」

 

「……そう。咲夜」

 

「お呼びでしょうか」

 

「紅茶のおかわり頂戴」

 

「あ、私も」

 

「畏まりました」

 

「さっき崩壊したらって言ったけど、パチュリーちゃんこの水晶玉見てて、何か気づくことない?」

 

「気づくことって、さっきから半人半霊が死んでることしか……」

 

「うん、死んでるね。じゃあ死ぬまでにかかってる時間は?」

 

「時間って……。なるほど……、確かにまだ精神崩壊してないみたいね」

 

「でしょ。……そろそろ回避においては3桁超えるかな」

 

「?何か言ったかしら」

 

「ん、気にしなくて大丈夫だよ」

 

「ところで、ユキはいつまでこの魔道具を見てるのかしら」

 

「ずっとだよ。妖夢ちゃんが頑張ってるのに、それを見ないわけにはいかないからね」

 

「……意外ね。優しいところあるじゃない」

 

「別に優しいわけじゃないよ。……ただ、弟子が成長していくのを見るのが好きなだけだよ」

 

「そう……」

 

「お待たせしました。紅茶のおかわりをお持ちいたしました」

 

「ありがと」

 

「あ、咲夜ちゃん。夜、お肉料理を多めに用意してもらえるかな」

 

「お肉料理ですか?肉の種類は」

 

「何でもいいよ。肉であれば問題ないよ」

 

「畏まりました」

 

「どうして肉なのかしら。…もしかして私に果実類を勧めたみたいに理由があるの?」

 

「あるよ? 肉料理は筋力や耐久が上がるんだ。剣士にお勧めなんだよね」

 

「にわかには信じがたいわね。……でも、実際微量だけれど、魔力上がってるのよね。果実類を食べ始めてから…」

 

「食べ続けることに意味があるからね。何だったら、一気に上げる食べ物もあるけど食べる?紫ちゃんにあげたら吐き出しちゃったけど」

 

「遠慮しておくわ。一気に魔力量が増えても、逆にコントロールに困るわ」

 

「了解。っと、そろそろ迎えに行ってくるよ。正気に戻るのに時間かかると思うからね」

 

「やっぱり精神崩壊してるじゃない」

 

「あはは♪」

 

 

 

 

*****

 

 

「……あれ、ここは…」

 

「あ、起きた。気分はどう?」

 

「ひぃっ……、し、師匠…」

 

「もうすぐ咲夜ちゃんの料理ができるからそれまで休憩ね」

 

「は…、はっ、…い……」

 

「さて、ステータスは……」

 

回避 130.60

中装備 92.20

 

回避と中装備がいい感じに育ってきたね。戦術と二刀流は死ななくなってからかな。

まぁ、本人的には剣の腕も上がってると思い込んでるだろうけどね……♪

 

「お待たせしました。お食事のご用意ができました」

 

「ん、了解」

 

「今行くわ」

 

「は…、はぃ…」

 

 

 

 

*****

 

 

「咲夜、今日の食事も美味しいわね」

 

「咲夜ー、今日も美味しいよ!」

 

「ありがとうございます、お嬢様、妹様」

 

「うん、美味しいわね」

 

「美味しいね、後でこの料理のレシピ教えてほしいなぁ」

 

「ぐすっ……、ぅ…、あむっ……、ぐすっ……」

 

「妖夢ちゃん、美味しくないの?」

 

「ひっ……い、いえ…、とても美味しいです…… ぐすっ……」

 

「「「…………」」」

 

「あ、ありがとうございます。ユキ、レシピについては後で教えますね」

 

「お、ありがとう♪」

 

レシピが増えるのはうれしいねぇ。料理スキルがあっても作れるメニューには限りがあったから助かるなぁ。

 

(ユキお姉ちゃん…)

 

(どしたの?フランちゃん)

 

(えっと…、このお姉さんどうしたの?さっきから泣いてばかりだけど…)

 

(……きっと咲夜ちゃんの料理が美味しくて感動してたんだよ)

 

(そっか!咲夜の料理は美味しいもんね!)

 

(…わぁ、純粋)

 

 

 

 

*****

 

 

「師匠…、も、もう許してくださぃ…。無理です、これ以上は……無理ですよぉ…」

 

「んー?……そうだね。じゃあ条件を付けようか」

 

「じょ、条件……ですか…?」

 

「終末のドラゴン一体でも倒せたら、1日休みをあげるよ」

 

「え……」

 

「逆に、1体倒すまで休憩はないから気を付けてね♪」

 

「ま、待ってください……!無理…、そんなの…無理ですよぉ……」

 

「大丈夫だって。妖夢ちゃんなら出来るから。それじゃあ、行ってみよう♪」

 

何を投げる? 

あなたは魂魄妖夢を投げた。グリーンドラゴンに見事命中した。グリーンドラゴンは嫌な顔をした。魂魄妖夢は絶望な顔をした。

 

「それじゃあ、頑張ってねー」

 

「やだ……ぁ。もう…、やだぁ……」

 

 

 

あはは♪いいじゃん、盛り上がってきたねぇ♪

 

 

 

 




如何でしたでしょうか?
一応弁解しておきますが、私は妖夢ちゃんのことが嫌いなわけではありません。むしろ好きな方です。というか、東方キャラは基本的に好きですよ?


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終末終了 【弟子ができましたver.final】

「そろそろかな。パチュリーちゃんはどう思う?」

 

「今、何回目だったかしら」

 

「8427回目だね」

 

「…始めてから何日経ったのよ」

 

「今日で丁度一週間だよ」

 

「悪魔ね…。それまで休憩を一度も挟まないなんて」

 

「まぁ、死に続けてるから餓死する心配もないしね。むしろ、妖夢ちゃんの代わりに幽々子ちゃんに料理を作る方が大変だったよ」

 

「…妖夢の状況を説明したの?」

 

「してないよ?修行に集中したいから代わりを頼まれたって伝えたから」

 

「……はぁ」

 

ため息つくと幸運が下がるよ?パチュリーちゃん。

 

 

~1時間後~

 

 

「…あっ、倒した!倒したよ、パチュリーちゃん」

 

「何であなたが一番喜んでるのよ」

 

「弟子の成長を喜ばない師匠は居ないと思うよ?」

 

「弟子の方はあなたのことを師匠じゃなくて鬼とでも思ってるんじゃない?」

 

「いやだなぁ。私ほど優しい師匠もいないと思うよ?」

 

「…早く迎えに行ってあげなさい。あなたの弟子、泣きながらぼーっとしてるんだけど…」

 

「ん、行ってくるねー」

 

約束通り1日休みをあげるかぁ……。

 

 

 

 

*****

 

 

「お疲れ妖夢ちゃん。約束通り、明日は休みにしようね」

 

「……ぁ」

 

「どうかした?」

 

「………」

 

「???」

 

「……ぁ 、ぁっ」

 

「……落ち着いて。ちゃんと約束は守るからさ」

 

「し……しょう…、ししょう……、師匠……っ」

 

「よしよし…。頑張った頑張った。……正直言って途中で諦めると思ってたよ。けど、よく頑張ったね……」

 

「師匠っ…!うぅ……師匠…っ!」

 

「今はゆっくり休みなさい…」

 

ほんと、予想以上だよ。まさか死亡回数が5桁いかないなんてね…。

……ペットにしたくなるじゃないか。

 

 

 

 

*****

 

 

「……師匠」

 

「ん?どうかした?」

 

あれ、妖夢ちゃんまだ居たんだ。せっかくの休みだから遊びに行けばいいのに…。

 

「休みって……何をすればいいのでしょうか…」

 

「……Σ(・□・;)」

 

…そう来たか。確かに今まで休みなんて与えてなかったけどさぁ…。

 

「えっ、…えーっと、あ、ご飯まだだったよね!今から作るからちょっと待っててね!」

 

「………」

 

「おーい、ユキー!」

 

ん?

 

「あれ、魔理沙ちゃん。どうかしたの?」

 

「前から言おうと思ってたんだけどさ、ユキって魔法使いなんだろ?」

 

「まぁ、そうだね」

 

「だったらさ、魔法書とかって持ってないか?」

 

「持ってるよ?」

 

「頼む、貸してくれ!」

 

「どうして?パチュリーちゃんに借りれば…」

 

「それがよぉ、いつも通り借りに行ったらさ、ユキの方が珍しい魔法書を持ってるって言ってさぁ」

 

「なるほど…」

 

う、売りやがった!?パチュリーちゃん、私を身代わりにするとは…。

……いや、これ使えるかも。

 

「ねぇ、妖夢ちゃん。さっき何をすればいいかわからないって言ってたよね?」

 

「え、えぇ、言いましたけど…」

 

「じゃあさ、魔理沙ちゃんと弾幕ごっこしてもらってもいいかな?

魔理沙ちゃん、妖夢ちゃんに弾幕ごっこで勝てたら私の魔法書、タダであげるよ」

 

「マジか!?いいのか?」

 

「いいよ?勝てたらね。妖夢ちゃん、やってもらってもいいかな?」

 

「…わかりました。どうせ暇でしたし、いいですよ」

 

「へへっ、悪いな、付き合ってもらって。それじゃあ、スペルカード、残機ともに三つでいいか?」

 

「それでいいです「待った」…よ」

 

「おいおい、ユキ。今更待ったはなしだぜ?」

 

「違う違う。魔理沙ちゃんはそれでいいよ。ただ、妖夢ちゃん」

 

「……何だろう、嫌な予感が」

 

「妖夢ちゃんは残機、スペルカードともに一つね」

 

「…な、何でですか!?」

 

「…ユキ。それは私を馬鹿にしているのか?スペルカード1ってどうやっても勝ち目ないじゃないか」

 

「さぁ?やってみないとわからないと思うよ?」

 

「……あぁ、そうかよ。後で後悔するなよ!」

 

「頑張ってねー」

 

「し、師匠!」

 

「行くぜっ!スペルカード!”魔符 スターダストレヴァリエ”!」

 

降り注ぐ星々。生まれた多数の弾幕は、星となって堕ちていく。

 

「……おそい」

 

「何?」

 

「なにこれ……。止まってる?」

 

そりゃあ、終末産ドラゴンたちのブレスと比べたら止まって見えるでしょうよ…。

あの後、ステータス確認したら、回避の数値が800超えてたしなぁ。回避だけならカンストまですぐに行けそうだなぁ。

 

「…っ、馬鹿にしやがって! だったら! スペルカード!”恋符 マスタースパーク”!」

 

束ねられた魔力の本流。本来は肉眼でとらえることができない光の顕在化。顕在化された光が一途に襲い掛かる。

 

「……っ、ブレスはもう見飽きたんですよ!!」

 

うわぁ、切実。一週間以上、ドラゴンたちのブレス見続けたらこうなるのか…。

 

「んなっ…!? ありえない…、私のマスパを避けるなんて」

 

「貰った!」

 

「はい、そこまで」

 

……妖夢ちゃん。ちゃんと強くなってて私はうれしいよ。

 

「魔理沙ちゃんの負けだよ」

 

「待てよ!私はまだ一回しか斬られてな……い」

 

「いや、”3回”斬られてるよ。ほら、ちゃんと3回分の跡が残ってるじゃん」

 

「嘘だろ…」

 

「さてさて、妖夢ちゃん。久しぶりの弾幕ごっこの感想はいかが?」

 

「……なってた」

 

「うん?」

 

「本当に強くなってた…。あはっ、あはははっ、私の一週間は無駄じゃなかったんだ! ……ぐすっ」

 

「お、おぅ」

 

怖!?急に笑い出さないでよ!

 

「…って訳で、ごめんね魔理沙ちゃん。妖夢ちゃんに勝てたら魔法書は譲ってあげるよ」

 

「はぁ、しょうがないか。おい、半人半霊!」

 

「…魂魄妖夢です」

 

「んじゃ妖夢。次は私が勝つからな!覚悟しとけよ!」

 

おぉ、妖夢ちゃんに勝つとはすごいことを宣言するねぇ。

 

「…さて、妖夢ちゃん。妖夢ちゃんはこれからどうしたい?」

 

「どうしたいとは?」

 

「今の弾幕ごっこで分かったと思うけど、妖夢ちゃん、十分強くなったんだよね。だからさ、これで修行を終わりにするか、それともまだ続けるか、選んでいいよ」

 

「修行……」

 

「私は強制はしないからね。……それに、強さってのはあればあるほどいいって訳じゃないんだよ」

 

「それってどういう…」

 

「何でもないよ、何でも……。ただ、強くなりすぎてもいいことがないとだけ言っておくよ。それでどうする?」

 

「……確かに、弾幕が止まって見えるぐらいですし、自惚れじゃないですけど、確かに十分強くなってると思います」

 

「そうだね」

 

「でも、魔理沙さんが私に勝つらしいですからね。もっと強くならないといつか負けちゃうかもしれませんね」

 

「……」

 

「……修行自体は今日で辞めにします」

 

「…そっか」

 

「幽々子様に一週間以上あっていないですからね。

……でも、その、たまにでいいですので、あの部屋を貸していただけないでしょうか? 私も、もっと強くなりたいですから…」

 

「妖夢ちゃん…」

 

「今までお世話になりました……、師匠」

 

うん、これぐらいでいいと思うよ。むしろ辞めて正解だよ。そもそも、諦める前提だったし、”途中で辞める予定”だったからね。

……私みたいな”犠牲者”は二人もいらないからね。

 

「またいつでも貸してあげるよ。妖夢ちゃん」

 

「…ありがとうございます。この装備もお返ししますね」

 

「うん、今までよく頑張ったね、妖夢ちゃん。…これ卒業祝いにプレゼント」

 

「これは…?」

 

「ツインエッジ。身に着けておくと二刀流の腕が上がるネックレスだよ」

 

★ツインエッジ

それは二刀流の技能を上げる [***]

 

 

「ありがとうございます。これ、大事にしますね」

 

「またいつでもおいで。じゃあね、妖夢ちゃん」

 

「はい!師匠、お世話になりました!」

 

 

 

 

これで良かったんだよ。強くなりすぎてもいいことないからね。

私の同類が欲しいなんて思っちゃダメなんだよ……。

誰も話しかけてこなくなるし、みんな怯えた目で見てくるし、店主たちには嫌な顔されるし……。

弱いと生きてすらいけないのに、強くなりすぎても孤独になるんだからさ……。

 

……ほんと、世界って残酷だよね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




如何でしたでしょうか?
この小説はあくまでギャグが中心ですので! ご心配なく!

評価・感想お待ちしております

次回予告

師匠のおかげで強くなれた妖夢ちゃん。調子に乗った妖夢ちゃんは、幻想郷中を震撼させるほどの異変を”師匠と一緒に”起こしちゃいました。

どうなる幻想郷? 胃は大丈夫?紫ちゃん…

注 次回からしばらく閑話です。


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閑話 <<★第1巻目の妖夢の紅炎異変日記>>

今回からしばらく閑話となります。

キャラ崩壊が目立つかもしれません、ご注意ください


あれから数日、妖夢ちゃんは楽しくやれてるだろうか…

それにしても、最近暇だなぁー、何か面白そうなこと起きないかなぁ。

 

「師匠!遊びに来ましたよ!」

 

「おー、妖夢ちゃん」

 

「師匠、顔が死んでますけど何かあったんですか…?」

 

「むしろ何も無いから死んでるの…。何か面白そうなこと無いかなぁ」

 

「……でしたら師匠、異変でも起こしてみませんか?」

 

「えっ、やだ。めんどくさい」

 

「師匠、異変起こしたらいい事あるかもしれませんよ?」

 

「いいこと?」

 

気持ちいいことでもしてくれるの?

 

「以前私に言ってたじゃないですか」

 

「うん?」

 

私なにか言ったっけ…?

 

「あーてぃふぁくと、でしたっけ?貴重な物が世界には転がってるって言ってたじゃないですか」

 

「あー、言ってたねそんなこと」

 

「考えてみてください、異変解決のプロである博麗の巫女や、その補佐的立場の魔理沙さんが、ただの人間なのにどうしてあそこまで強いのか…」

 

「もしかして……」

 

「そうです!きっとそのあーてぃふぁくとの力ですよ!」

 

「な、なんだってー!?」

 

盲点だった。確かに、霊夢ちゃんとかただの人間なのに紫ちゃんと同レベルだったし……。もしかしたら本当にアーティファクトを持ってるんじゃ…。

 

「オーケー、異変起こそう!もしかしたら固定アーティファクトの可能性もあるしね!」

 

「…チョロいですね、師匠」

 

そうと決まれば準備しないとね!

 

 

 

 

*****

 

 

チョロい、チョロすぎですよ師匠。まさかこうも簡単に動いてくれるとは…、これは私の時代が来ましたね!

 

「ところで、異変って具体的に何すればいいの?」

 

「……」

 

し、しまった!考えてなかった!ど、どうしよう…。異変…。

 

「あ、あのドラゴンでも放ってみたらどうでしょう!手っ取り早く済みますよ!」

 

「いやいやいや、幻想郷壊れるから!?何言ってんの妖夢ちゃん!?」

 

あれ、おかしいですね。師匠なら幻想郷のことなんて気にしないと思っていたのですが…。

 

「えっと、一先ず拠点となる場所でも確保したらどうですか?」

 

活動拠点がないと不便ですからね。

 

「あ、それは気にしなくていいよ。今から拠点建てるから」

 

「はい?」

 

聞き間違いかな、今建てるって聞こえたんですけど……。

いくら師匠でも流石に1日で建築は…、出来ても掘っ建て小屋ぐらいですかね…。

 

「ちょっと離れててね。小城の権利書!」

 

なんということでしょう。あの何も無かった森の中に、突如として立派な城が建てられたではありませんか。

……これ、どうしよう。ま、まぁ、その時になってから考えればいいですよね!

建てたのは師匠だもの!私知らなーい。

 

「さ、準備しよ?妖夢ちゃん」

 

「そ、そうですね!準備しませんと!」

 

 

 

 

*****

 

 

「ところでさ、どうして妖夢ちゃんは異変を起こそうとしたの?私はアーティファクトが手に入るかもしれないから、異変起こす予定だけど…」

 

「わ、私は自分の腕を確かめるためですね!魔理沙さんだけだと、どれぐらい強くなったのか分からなかったので」

 

言えるわけないじゃないですか!博麗の巫女にも勝てそうだったからなんて……。

 

「なるほどねぇ。さて、異変の内容だけど、景品を用意してここに攻めてきてもらう感じでいいかな?」

 

「私としては戦えるのならばそれでいいですが、師匠はそれでいいんですか?」

 

「うん。だって、解決に来るってことはアーティファクトをもって来るってことでしょ?

だったら、カモが現れるまで待ち伏せした方がいいに決まってるじゃん!」

 

「うわぁ…」

 

もう師匠の存在そのものが異変なのではないでしょうか…。

 

「さてと、私はちょっと文ちゃんを連れてくるから、少し待っててね」

 

「文ちゃん、というと文屋ですか。一体どうして?」

 

「だって、広めないと解決組が来ないじゃん。んじゃ、行ってくるね」

 

「は、はぁ…。行ってらっしゃい」

 

 

~5分後~

 

 

「ただいまー」

 

「速っ!?お、お帰りなさい」

 

え…、速すぎませんかね?今さっき出て行ったばかりだと思ったんですが。

 

「あややや、これはいったいどういう集まりで?というかこの城なんですか!?」

 

「文ちゃん。今から私と妖夢ちゃんで異変起こすからさ、新聞?だっけ、それに載せてくれないかな?」

 

「はぁ、構いませんが……え、異変?」

 

「そう異変。…異変だよね?」

 

「一応、異変になるんじゃないですか?ただ、誰も困らないから来るかどうか分かりませんが…」

 

「そっか…、じゃあ嫌でも来るようにするかな」

 

「え?」

 

「メテオ」

 

空中に突然発生した、赤く煌めく岩石の塊。膨大な熱量を持ったソレは、加速しながら降り注ぐ………とでも、言うと思ったかい?

 

「な、何やってるんですか!?」

 

「落ち着いて、ほら。ちゃんと止めたからさ」

 

ユキが放った弾丸が、空に浮かんでいる岩石を止めたのだ。まるで時間が留まっているかのように…。

 

「さて、文ちゃん。新聞にこう書いてよ。今から三日間以内に、私と妖夢ちゃんを倒せたら報酬として願い事を一つ叶えてあげるって。

……ただし、誰一人として倒せなかったらメテオを落として、幻想郷を破壊するってさ♪」

 

「ちょっ、聞いてないんですけど!?」

 

「そりゃあそうでしょ。言ってないもん」

 

何言ってるんですかああああ!?私、そこまでするつもりなかったんですけどぉ!?

 

「あやややや、こ、これは……」

 

「書いてくれるよね♪ まぁ、書かなくてもいいよ?その時は幻想郷が崩壊するけどね♪」

 

「し、失礼します!」

 

さ、さすが自称幻想郷最速。速いなぁ……って、呑気にしてる場合じゃなかった!

 

「どうするんですか師匠!? すぐにみんな来ちゃいますよ!?」

 

「そうだね。取り合えず、ラムネでも飲んでゆっくりしてよっか」

 

「なんでそんなに落ち着いてるんですかぁ!?」

 

 

師匠ぉぉぉぉぉぉ!

 

 

 

 




如何でしたでしょうか?

評価・感想お待ちしております


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閑話 <<★第2巻目の妖夢の紅炎異変日記>>

「妖夢ちゃん、一番最初に誰が来ると思う?」

 

「…やはり博麗の巫女では?幻想郷の危機ですし…」

 

「私の予想だと、紫ちゃんかなぁ。前にメテオ使わないって約束しちゃったからね」

 

「え……」

 

約束したのに使ってるじゃないですかー!

 

「多分もうすぐ…」

 

「久しぶりね、ユキ」

 

「ほら来た」

 

「げっ……」

 

ほ、本当に来ちゃいましたよ!? どうするんですか!これじゃあ異変が…。

 

「…ユキ、あなた前に言ったよね?コレは使わないって」

 

「うん、だから止めてるじゃん」

 

「そういう問題じゃないわよ!こ、これどうなってるの!?落とさないよね?ねぇ?お願いだから落とさないでよ!?」

 

「うわぁ…」

 

妖怪の賢者が…、幻想郷の創設者が懇願してるよ……。後で幽々子様に伝えてみよう……「あら、妖夢。楽しそうなことしてるじゃない」と…」

 

「ゆ、ゆゆゆ、幽々子様!?」

 

な、なんでこんな所に…。

 

「妖夢が面白そうなことしてるって新聞に書いてあったからね〜。まさか紫のこんな姿が見れるとは思ってなかったけど…」

 

「あ、あはは…」

 

「あ、幽々子ちゃんも異変に参加する?前回は私が相手したから、今回は普通に幻想郷の人たちと戦ってみる?」

 

「あらいいの?それじゃあ、参加させてもらおうかしら」

 

「ちょっと幽々子!あなたこっち側でしょ!?ユキを説得するの手伝いなさいよ」

 

「紫、諦めも肝心だと思うの」

 

「というか、本当に落とすつもりはないから大丈夫だよ?私はアーティファクトが欲しいだけだからね。ということで紫ちゃん、アーティファクト頂戴?」

 

「アーティファクトって何よ……」

 

「んー……珍しいもの、かな。スペルカードだって私からしたらアーティファクトなんだよ?」

 

「珍しいものって言われても…」

 

「アーティファクトくれなかったら、このメテオ落としちゃおうかなぁ~。スペルカードのおかげで、連続して発動できるようになったからいっぱい落とせるね♪」

 

「……」

 

師匠……、あなたは悪魔ですか?

 

「やめて!というか、連続して発動できるってどういうこと!?スペルカードにそんな機能つけた覚えがないんだけど!?」

 

「そうなの?とりあえず、スペルカードでもいいからさ、アーティファクト欲しいなぁ~。魔法登録しすぎて残り数枚しかなくて困ってたんだよね」

 

「……まぁ、スペルカードだったらいつでも作れるしいいわよ」

 

「お、ありがと。これで紫ちゃんと戦う必要がなくなったね♪」

 

「あ、あげてなかったら…?」

 

「もちろん、紫ちゃんと戦ってたよ(殺してでも奪い取ってたよ)

 

「た、助かった……」

 

あなた、幻想郷の創設者ですよね…?師匠に怯えすぎじゃないですかね?

 

「っと、来たかな」

 

「うん?」

 

あ、博麗の巫女と魔理沙さん…。って、あれ!?幽々子様が居ない!?

 

「ちょっとユキ!願い事が叶うってほんとなんでしょうね!?」

 

「うん、本当だよ。ただ、数に限りがあるから一人一回までだけどね」

 

願いが叶うって…、師匠は神様か何かですか?

 

「こ、これで私もお金持ちに……」

 

って、博麗の巫女……、幻想郷の危機だから来たわけじゃないんですか……。

 

「あれ?てっきり幻想郷の危機だから来たと思ったんだけど?」

 

私もそう思いましたよ。

 

「知ったこっちゃないわ。それよりもお願いよ!」

 

「ちょっと霊夢!あなた借りにも博麗の巫女なんだから、幻想郷の為に戦いなさいよ!」

 

「あら紫いたの。いいじゃない別に、私が何のために戦っても。それに、どうせなら幻想郷の為なんかじゃなくて、自分の為に戦うわよ!」

 

「ちょっ、なんかって何よ!?」

 

……え、あなた本当に博麗の巫女ですか?少しは幻想郷の心配をしましょうよ…。

 

「妖夢ちゃん、どっち殺る?」

 

師匠、やるの字が違くありません?

 

「おい妖夢!お前の相手は私だぜ!今日こそは勝つからな!」

 

「え、私はどちらかと言うと博麗の巫女が良かったんですが」

 

「なんだと!」

 

「んじゃ、両方同時に相手したら?私は戦い終わったあとでも盗めるからね。…それに幽々子ちゃんも居るからね」」

 

「賞品として貰うんじゃなくて、盗む予定だったんですね…。というか、幽々子様なら、さっきどこかに行っちゃいましたよ?」

 

「大丈夫だよ、ちゃんと居るからね。霊夢ちゃんと魔理沙ちゃん、最初は妖夢ちゃんの相手をしてもらうよ。ラスボスは最後に出るものだからね♪」

 

「…いいわ。とっとと潰して、願いを叶えてもらうわよ!」

 

「1人で倒したかったが、仕方ないか。いくぜ妖夢!今日こそは勝ってみせる!」

 

「…はぁ。やりますか…」

 

「あ、妖夢ちゃん。これあげるよ」

 

「?なんです…これ?」

 

「モンスターボール。危なくなったらどこかに投げてみ。すごいことが起こるから」

 

「あ、ありがとうございます」

 

師匠の”すごいこと”は洒落にならないと思うんですけど……

 

 

 

 

 

 

 




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閑話 <<★第3巻目の妖夢の紅炎異変日記>>

注意 オリジナルのスペルカードが含まれます。


「残機、スペルともに三つでいいかしら」

 

「私はそれでいいぜ!前回も”私は”そうだったからな!」

 

「えぇ、構いませんよ」

 

「…行くぜ。先手必勝! この前の借りを返すぜ! ”彗星 ブレイジングスター”!」

 

自慢のスペルカード、”マスタースパーク”を糧に自速を大幅に上昇させ、対象へと突撃する技。

周囲に星型の弾幕をばら撒き、顕在化された光の力で上昇させた速度は、瞬間速度において4桁へと突入する。

 

「確かに速いけど……、一方向からの攻撃なんて簡単に避けられるんですよ!」

 

シェルターという閉鎖空間内で、あらゆる方向から同時に放たれる複数のブレスを避け続けた妖夢にとって、ただ速いだけの一方向からの攻撃を避けることなど、造作もないことだった。

 

「あら、そう…。だったら、一方向でなければいいのよね。”霊符 夢想封印”!」

 

煌めく七色の光弾。妖怪が毛嫌いするという特性を持つソレは、自らの敵を追尾し続け炸裂する。

 

「追尾!? ……なら、まとめて叩き斬る! ”断命剣 冥想斬”」

 

注ぎ込まれた妖力が齎す(もたらす)巨大な光の刃。妖力に包まれた楼観剣があらゆる物を斬り伏せる。

 

「……驚いた。まさか私のスペルを防ぐとは」

 

「…フッ。この楼観剣に、斬れぬものなど、あんまり無い!」

 

「少しはあるのかよ!」

 

「ふぅん…。そこそこ強いみたいね」

 

「師匠に教えてもらったんだ…。この世は速度だと。速度さえあれば、誰が相手だろうと負けることは絶対にないってね! ”瞬閃 三光刃”!」

 

瞬きする暇さえ存在しない刃の閃き。一度の斬撃にて三度閃く刃は、視覚で認識することは神でさえ不可能だ。

……妖夢が必死で造り上げたスペルカード。自分が死ぬまでに相手を斬る…。生き残るために速度だけを求め続けた剣捌きは、一度の斬撃で三度斬りつけることを可能にした。

 

「んなっ……!? そのスペルは…!?」

 

「そう…。前に貴方に使ったスペルですよ。これで貴方は終わりです…」

 

「くそっ…、またこれかよ…」

 

「何言ってんの?まだ1回被弾しただけでしょうが。何諦めてるのよ」

 

「違う…。私は3回被弾したんだ…」

 

「何を言って、……そういうことね。やってくれるじゃない」

 

魔理沙の体には、3回分の斬撃痕が残っていた。

 

「……悪いけど、本気でやらせてもらうわ」

 

「無駄ですよ。あなた程度の速度では、私の攻撃は避けられない。……あはは、やれる、やれるんだ私は!」

 

「馬鹿ね、速度だけが全てじゃないわよ」

 

「はっ、速度が全てなんですよ!速度さえあれば、一方的に攻撃することも可能なんですよ!」

 

「”夢想天生”」

 

主に空を飛ぶ程度の能力。飛ぶということは、同時に浮かぶということでもある。浮かぶ……、浮く。この世の理から外れ、浮き続ける。自由に…、縛り付けるものなど何もない。全ては彼女の思う儘。

 

「…嘘。弾幕が、すり抜けた……?」

 

「私の勝ちよ。あらゆる事象から浮いている私に、弾幕は通用しないわ」

 

「ず……、ずるい!何ですかそれ!?反則ですよ!」

 

「…1回で3回分被弾させるあんたの方が反則だわ。……それじゃあ、死のうか」

 

この後、持ち前の回避力をフルに使って挑むも、無敵に敵うはずもなく……。

 

「ひ、卑怯だあぁぁぁぁ!!」

 

「勝てばいいのよ、勝てば」

 

 

あっさりと倒されてしまうのであった……。

 

 

 

 




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閑話 <<★第4巻目の妖夢の紅炎異変日記>>

「あー、負けちゃったかぁ」

 

「ぅ…。すみません、師匠」

 

勝てると思ったんですけどね…。はぁ、まだ博麗の巫女には勝てないかぁ…。

 

「ん、私はすでに目的達成してるからいいんだけどね。ところで、どうしてモンスターボールを使わなかったの?」

 

…あ、忘れてた。

 

「すみません、忘れてました。…結局これ何だったんですか?」

 

「どこかに投げてみ?」

 

「……えいっ。…うん?特に何も…」

 

「妖夢~、見てたわよ?成長したじゃない」

 

「ゆ、幽々子様!? 今までどちらに…」

 

「あなたの持ってたモンスターボールの中よ」

 

「えぇ……」

 

ど、どうやって入ったんですか!?……師匠の道具は相変わらずめちゃくちゃですね…。

 

「ところで師匠、目的達成したとは…?」

 

「うん?あぁ、妖夢ちゃんの戦闘中に盗ませてもらったからね。ここじゃ聞かれるかもしれないし、詳しくは後で話すよ……」

 

「い、いつの間に…」

 

全く気づけなかった……。

 

「さて、次はユキの番よ!準備はいいかしら?」

 

「うん?別に戦わなくても…」

 

「ユキ、ちょっといいかしら」

 

「紫ちゃん?どうしたの?」

 

(霊夢の願いを叶えるを阻止してもらえないかしら)

 

(それまたどうして?)

 

(…ないと思うけど、それで博麗の巫女を辞めるとか言われたらたまったもんじゃないからよ……)

 

(あー。…たしかに、お金に困らなくなったら何もしなくなる可能性はあるかもね。……実際そういう知り合いがいるし)

 

(本気出していいから、霊夢の願いだけは阻止してちょうだい)

 

(…いいの?私に勝てなかったらメテオ落とすかもしれないよ?)

 

(その時は私が全力で相手させてもらうわ)

 

(おぉ、怖い怖い。紫ちゃんとは本気で戦いたくないねぇ。……まぁ、私の目的は達成してるからいいけどさ)

 

(それじゃあ、お願いね)

 

(あいあい)

 

「ちょっと、何話してるのよ?」

 

「ん、何でもないよ。それじゃあやるけど……、ごめんね?紫ちゃんに頼まれちゃったから本気で相手させてもらうよ?」

 

「別に構わないわ。そもそも私も本気でやるつもりだったから」

 

「それは良かった。それじゃあ、残機とスペルカード枚数だけど私が決めてもいいかな?」

 

「いいわよ。前回は私が決めたからね」

 

「ん、それじゃあ残機は一つ。スペルカードは”無限”で」

 

「分かったわ、じゃあそれ…………はぁ?」

 

「じゃあ、始めるよ?」

 

「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!何よ無限って…」

 

「はい、捕まえた」

 

さすがに速度4桁は視認出来ないよねぇ。……もし視認できたら常時バフ積む可能性が出て来ちゃうから出来ないでほしいんだけど…。

 

「……っ、だったら! 夢想天……「悪いけど私の勝ちだよ」生…」

 

いくら無敵でも発動前に”吊るされたら”どうしようもないよね?

 

サンドバッグ

縄を解くまで、動くことも死ぬこともできない万能アイテム。

 

ノイエルで回収しまくったからね♪在庫はいっぱいあるのよ。

 

「ちょっと!何よこれ!解きなさいよ!」

 

「ほう、白かぁ。レミリアちゃんとは違って意外と大人っぽいじゃん」

 

「ひ、人の下着を見るんじゃないわよ!」

 

「というか、スペルカードは無限なんだから自分で解いてみたら?私はまだ、”攻撃”してないから勝負は続いてるよ~?」

 

「……ないのよ」

 

「うん~?どうしたの~?」

 

「使えないのよ!さっきから解こうとしてるけど、指先一つ動かないじゃない!」

 

「そりゃあ、そういう物だもの。今の霊夢ちゃんにできることは何もないよ♪」

 

 

というか自分で解けたら困るんだけどね?もしそんなことができたら、私のバブル工場が崩壊してるよ???

 

 

 

 




如何でしたでしょうか?

本来はサンドバッグを使う場合、死ぬ寸前まで弱らせる必要がありますが、私は東方キャラが痛めつけられてるのを見たくないので、そのままでも使えるようにしました。

さんざん痛めつけただろって?なぁにを言ってるんだか。

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