ナザリックの六道鬼 (沖田玉藻)
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1話

俺の憩いの場。「ユグドラシル」。12年もの長い時間。俺はずっとプレイし続けた。

 

そして俺は今。サービス終了前の最後の時をアインズ・ウール・ゴウンのマイルームで俺の創り出した3人のNPCと過ごしている。

膝の上には真っ白の子猫、名前は白音。いつも部屋にいる癒し。

更にもう1匹の真っ黒な猫、名前は黒歌。

普段は第6階層の森の中にいるが部屋に呼んで白音同様に膝の上には乗せている。そして最後に我らがギルドの戦闘メイドプレアデスの次女

「ルプスレギナ・ベータ」を隣に座らせている。

 

今思い出すと・・・100年くらい昔の小説が家にあった事がこの3人を作る事に繋がったんだよな。

 

黒歌と白音は唯一無二の姉妹で半妖半魔の猫又、そしてルプスレギナ・ベータは狼人である。

 

そして俺は、忍びの最上位である六道の姿は人に酷似しているが眼が違う。紫色の眼球に波紋模様がある。忍びと吸血鬼を極めて更に専用のイベントをクリアした者のみがなれる種族。

この2つを極めて六道をイベントで手に入れると種族クラスが六道だけになる。後は種族のレベルを上げるために、課金!、課金!、課金!課金あるのみ。

 

さすがにリアルで会社を複数経営しているとはいえ(半分以上は各種おもちゃやゲームの会社)全力を出しすぎた。毎年・・・何百万と課金してやっと六道を極めた。六道も昔のやっていたというアニメで出てきた能力だから何としてでも欲しかった。と思っているとコンソールにメッセージが届いた。開いてみると

 

モモンガ

最後は玉座の間で終わりませんか?

先に行きますのでよければ。

 

と来た。

 

「行くか。」

 

そう思って俺は3人に指示を出して最下層の玉座の間に向かう。

 

本来であれば指輪の「リングオブアインズ・ウール・ゴウン」を使って転移すればいいのだが最後くらいはこのナザリック地下大墳墓を歩きたい。そう思って歩いて向かう。

 

玉座の間の大きな扉を開いて中を進む。全体的に豪華な装飾。皆で凝って作ったな。茶釜さんとはこれがきっかけでリアルで仲良くなったんだよな。まさか声優と歌手のデュエットをやるとは思わなかったよ。ペロは変態。よく茶釜に愚弟って呼ばれてたな。と考えながら歩いていると玉座に着く。

 

「悪いなモモンガ。ずっと部屋にいて。」

 

「いいですよサスケさん。やっぱり自分で作ったNPCは特別ですからね。」

 

「ならモモンガも会いに行けばいいだろ?」

 

「パンドラズアクターは黒歴史なので。」

 

と話していると終了まで後は1分

 

「モモンガ。楽しかったな。」

 

「サスケさん。・・・そうですね。」

 

「またどこかで会おうか。その時はまた一緒にギルドを組もう。」

 

「そうですね。またアインズ・ウール・ゴウンを作りましょう。」

 

と言っている間に

3・2・1

とリミットが迫る。そして2人で握手を交わす。強制ログアウトと思うも……ログアウトしていない。

白音が足をスリスリしている。黒歌も白音と反対の足をスリスリしている。可愛いな・・・おかしいぞ?

 

「モモンガ」

 

「はい。さっきGMコールを試そうとしたんですけどコンソールが無くて。」

 

「そうか。GMコールがないどころかコンソールも無いか。」

 

「申し訳ありませんモモンガ様、サスケ様。私はGMコールなるものを存じていません。」

 

と横から声をかけられ驚いて顔を向ける。

 

「アルベドなのか?」

 

と俺が聞くと当たり前の様にアルベドは返事を返す。

 

「はい。」

 

と答えている。それを見てなのかモモンガが『伝言(メッセージ)』で話しかけてきた。

 

『サスケさん。これって!』

 

『おそらく悪い方だな。』

 

と簡単に会話。そして俺は指示を出す。セバスはメイド・執事達のリーダー。実力も階層守護者並だ。

 

「セバス。」

 

「なんでございましょうサスケ様。」

 

「1度ナザリック地下大墳墓を出て外を確認。アルベドは各階層守護者達を1時間後に第6階層に集まる様に伝えろ。俺はここでギルドマスターのモモンガと少し話がある。セバスはプレアデスに黒歌と白音を引き連れて外を半径1キロを基準に確認して回れ。そしてセバスに情報を集約して纏めて後で俺たちの前で説明しろ。それでいいなモモンガ。」

 

と俺はモモンガに確認を取るとフリーズしていたモモンガが復活して

 

「はい。それでお願いします。」

 

とギルドマスターの確認が取れたから

 

「それではセバス、アルベド。頼むぞ。」

 

俺はそう指示を出してマイルームにもどる。そして俺はマイルームの奥にある意味1番課金してこだわった部屋がある。俺の・・・俺だけの武器の部屋。スキルで『王の財宝』というチートを手に入れてから様々な武器を集める為に旅をした。ユグドラシルというゲームの中を。

1人でいくつかのギルドを殲滅してギルド武器を奪ったり、ワールドアイテムを奪ったり他の武器を根こそぎ奪ったりした。『王の財宝』に容量という概念が無かったから半端な数じゃないぞ。それにこの輪廻眼の能力を使って設定を変えたNPC達も入っている。ここは恐らく現実になっている。顔を見る為にたまに入っていたがこいつらの仕事が出来そうだ。そう思って俺は扉を開けて中に入る。するとそこには武器の掃除や整理をしているNPC達がいる。

 

「1度作業を止めてくれ!」

 

俺は中に入ってすぐに大声でそう叫んだ。すると俺がこの『王の財宝』の中でのリーダーにしているNPCのジャンヌ・ダルクがやって来るとともにその後ろに連なるように大勢のNPC達が並びサスケの前で跪坐きジャンヌ・ダルクがサスケに声をかける。

 

「サスケ様。なんの御用でしょうか。」

 

と言って聞いてくる。それに俺はこう伝える。

 

「これよりお前達をナザリック地下大墳墓・・・アインズ・ウール・ゴウンのメンバーとする。今までこの空間の管理ご苦労だった!」

 

と言うとジャンヌ・ダルクは立ち上がりサスケに反論した。

 

「御苦労などと私達はサスケ様にあのような地獄から救って頂き感謝しかありません。私達がサスケ様の手足となり働くのは当然の事で御座います。」

 

と言われた。それに対して俺はいくつかの違和感を感じる。

 



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2話

違和感を感じた後、俺は全員に問いかける。

 

「俺はここにいる全員の創造主のギルドを殲滅してお前達をここに攫ったのだ。なのになぜ感謝をする。」

 

と聞くと奥から手が上がる。

 

「発言をお許し下さい。」

 

と言われたので「発言許す。」と答えると1人の女性NPCが立ち上がり

 

「私の名は近衛と申します。確かに私達の創造主のギルドはサスケ様に殲滅されました。作って頂いた事に創造主達に皆、感謝はしております。しかし我々は皆が強い主を欲しておりました。上につくものが強く威厳のあるお方が良いと思うのは生きている者であれば当たり前の事で御座います。そして私達はサスケ様の力をしかとこの目で見させて頂きました。なので私達は出来ればアインズ・ウール・ゴウンでは無くサスケ様に仕えさせて頂きたいと思っております。」

 

とはっきりと言われた。それを確認するために俺は周りを見渡して問いかける。

 

「他の者達も同じ意見か。違う者は声を上げろ。」

 

と聞くも誰一人として声をあげなかった。はっきりと言おう。この六道という種族は2つの種族を極めなくては取れない種族だ。他の種族には出来ない事が出来るという事は想像がつく。しかもこの六道すら極めたんだ。この力は本物なんだろうと俺は思う。がそれと同時にこの世界で自分達の力がどのレベルの位置にいるかは不明だが慎重に使わないといけない。それは確かだろう。そう考えてから俺はジャンヌ・ダルクに声をかける。

 

「ジャンヌ・ダルク。悪いが俺の装束を持ってきてくれ。」

 

と伝えるとジャンヌ・ダルクはサスケにお辞儀をする。

 

「畏まりました。」

 

と言い奥へ行き他の者達に声を掛け3箇所に分散する。少し待つと思っていると1人の執事が声を掛けてくる。

 

「サスケ様。こちらの空間はサスケ様が存じている通り広く装束は各種装備の最奥に保管しております。良ければこちらにお座りになって下さい。」

 

と言うので俺は執事が持ってきた椅子に座るために移動する。

 

「そうか。ならありがたく座らせてもらおう。それと俺が入れた呪印を持つ者は着替えた後に俺に付いてくるようにしてくれ。ほかの者達はプレアデスの俺が作ったルプスレギナに任せる。」

 

と俺は言うと執事は腰を折りながら右腕を胸の前に折り頭を下げた。

 

「畏まりました。ではそうさせて頂きます。」

 

と言った。その後に俺はルプスレギナに伝言を飛ばす。

 

『ルプスレギナか。』

 

と俺が伝言を飛ばすとルプスレギナは返事を返す。

 

『サスケ様!はい。ルプスレギナです。』

 

と返してくる。

 

『ルプスレギナは俺の部屋の奥の者達の事を知ってるな。』

 

『はい!』

 

『ここにいる者達で呪印を持っていない者たちを各階層の守護者達が第6階層に集まっている間の守護者代理として配置する。配置はルプスレギナに任せるから頼まれてくれ。』

 

と俺は伝える。するとルプスレギナは

 

『畏まりましたサスケ様。おまかせください。それでは今から向かわせて頂きます。』

 

と言うので俺は思っている事をルプスレギナに伝えた。

 

『ルプスレギナ。俺にとっては子も同然だ。普段からとは言わないが仕事以外の場ではこの様に敬語は要らない。元気でお転婆な姿を見せてくれ。』

 

と伝えると伝言だからということもあってルプスレギナは

 

『わかったっす!気を休める場所が欲しいってことっすね!』

 

と言い俺は

 

『そうだ。頼むぞルプ。』

 

とだけ伝えて伝言をきる。

 

伝言をきったらちょうど装束を取りに行った者達が戻って来た。

この装束はかなり拘った見た目をしていて100年前のNARUTOというマンガのサスケが戦争時に着ていた服装だ。しっかりと紐を締めて俺は呪印を入れた者を連れて第6階層へと向かう。

 



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3話

第6階層に着いてから俺は呪印を入れた6人に競技場の周辺の警備を任せてから、競技場内に入るとアウラが来賓席から飛び降りて来た。

 

「サスケ様!お早いですね!どうかされましたか?」

 

と聞いてくる。

 

「その事なんだが、少し忍術と魔法の実験をしたい。的か何かを出してくれないか?」

 

と言うとアウラが来賓席から降りられないマーレを見る。なるほど。マーレの魔法で的を作ろうとしているのか。そう思った俺は瞬身の術でもマーレの下へと飛び

 

「大丈夫かマーレ?」

 

と聞くと顔を赤くしたマーレがサスケの腕の中で慌て出す。

 

「サ・サ・サ・サスケ様。」

 

と言いあわあわしていた。とりあえずいわゆるお姫様抱っこでマーレを抱いてアウラの元へと戻りマーレを降ろす。

 

「マーレ。飛び降りるのが苦手なら無理をしなくてもいい。」

 

と言ってマーレの頭を優しく撫でてからアウラの方を向き

 

「アウラもマーレのお姉ちゃんにこの周辺の森の魔獣達の世話をしてくれてありがとな」

 

と言ってアウラの頭も撫でる。そして俺は2人の頭を撫でながら言葉を続ける。

 

「俺はお前達2人を作る時に茶釜さんと必要な物を取りに行ったんだ。だから俺にとってはお前達2人もルプスレギナや黒歌、白音と負けないくらい大切な我が子だと思っている。お前達2人の親である事を俺は誇りに思う。」

 

と言って2人を抱きしめると2人はあわあわしていた。少しして離れると顔を赤くしながらも満足した顔になっていた。そして俺はマーレに向きなおる。

 

「マーレ。頼みがあるんだが。」

 

と言うとマーレは踵をただすとサスケに向きならる。

 

「頼みなんて、命令して下されば。」

 

と言っているためサスケは少し苦笑しながら話を続ける。

 

「違うんだ。これは俺からの頼みだ。俺の下級の忍術と魔法の実験をしたい。だから少し的になる物を出して欲しいんだ。」

 

と言うとマーレは嬉しそうにして返事を返す。

 

「わかりました!」

 

と言って魔法で地面から的の代わりのものを作り出す。それを確認してから印を結び攻撃を繰り出す。

 

「火遁豪火球の術」

 

そうして俺は口からある程度チャクラを抑えた術を発動した。・・・したはずだった・・・が的に当たった筈なのに的のあった周辺は黒く焼け焦げていた。それを見てアウラが驚いた表情をしながら感想を伝える。

 

「凄いですサスケ様!あれだけ威力を抑えて尚この威力。」

 

と言ってマーレも驚いた表情でアウラに続く。

 

「本当に凄いです!サスケ様!」

 

と言っていたので俺は素直を感謝をしてもう一度的の代わりのものを出してもらい下級の雷属性の魔法を発動する。

 

「ライトニング」

 

・・・これも威力を落としている筈なのに的を貫通して競技場の壁にも穴を開けてしまった。

 

「抑えたはずなんだがまだ威力が強いのか。でも魔法も忍術も違和感無く・・・想定より少ない量で高い質の物を使える様だ。」

 

と言って2人の頭を撫でながらサスケは感謝を2人に伝える、

 

「ありがとアウラ、マーレ。違和感無く使える事が確認出来た。感謝するよ。」

 

そう言って俺は王の財宝を開き、大きめのソファーとテーブルに無限に湧いてくるジュースのピッチャーにコップを取り出した。そしてマーレとアウラを横に座らせる。

 

「2人には世話になったからな。簡単な物で悪いが礼をさせてくれ。」

 

と言うとアウラが慌てながらサスケに声をかける。

 

「そんな!私は何もしていないですし。」

 

と言ってマーレはアウラよりも慌てながら返す。

 

「ぼ・・・僕も大したことをやっていないので。」

 

と言っている。それに対して俺はアウラとマーレの慌てように内心微笑みながら口を開く。

 

「何。俺がしたいからしているんだ。気にするな。」

 

と言って3人分のコップに飲み物を注ぎ2人に渡す。2人は

 

「「ありがとうございます!」」

 

と言ってジュースを飲むと2人で顔を見合わせて微笑みながら

 

「「美味しいー」」

 

と満足そうな顔をしていた。俺にとってはその顔を見れただけでも満足だった。いや・・・強いて言うなら茶釜さん。あんたにはこの2人のこの笑顔を見せてやりたかったよ。俺はそう思っていた。



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4話

競技場にモモンガが来てすぐに各階層の守護者達が集まった。セバスからは外の地形の事を聞きルプスレギナに伝言で周りに危害を加えないように調査を半径10キロほど預けたメンバーとするように指示を出した。その後、俺とモモンガの評価を聞くことになった。モモンガの評価も大概だが俺もやばい。まとめると…

 

シャルティア

「私と同じ種族である吸血鬼を極めて更に忍びも遥か高みへと極め六道仙人となった存在。モモンガ様とは違い生の美しさを極めた存在でありんす。」

 

何!生の美しさを極めたって?何!?

 

コキュートス

「最強の忍びで吸血鬼を極めた究極の御方。私のような未熟者も見捨てぬ慈悲に溢れた御方。」

 

まだ言いたいことはわかる。でもむず痒い!

 

アウラ&マーレ

「力強さと優しさを備えた御方。慈愛に溢れた素晴らしい御方です。」

「とても優しくて強い御方だと思います。」

 

確かに我が子のように優してくしてるつもりだよ!

 

デミウルゴス

「モモンガ様を表の支配者とするならサスケ様は裏の支配者。私共のようなものではまだまだお二人の足元にも及ばない事が悔しいと思えます。」

 

裏の支配者ってなに!それに多分デミウルゴスの方が頭はいいぞ!

 

セバス

「全ての行動に意味を持つ御方だと私は思っております。」

 

・・・評価が高すぎる。

 

アルベド

「いつかサスケ様の全力の攻撃を受け止められる様に精進したいと思います。」

 

・・・どういう意味ですか?

 

 

取り敢えずよく意味はわからないけど忠誠に感じてはカンスト所のレベルでは無いんだな。それはよくわかった。隣ではモモンガもフリーズしてるし俺が纏めようか。そう思って俺から皆に向けて声を掛ける。

 

「お前達の忠義はよくわかった。では私からも今から一言、言わせてもらおう……今、ナザリックは先程のセバスの発言からもわかるように未知の力によって転移をしてしまった。暫くはお前達の負担も大きく辛いものになるだろう。だからこそお前達からの意見をはっきりと言ってもらいたい。特にアルベドとデミウルゴス。」

 

と2人に声を掛けると2人は揃って「「ハッ!」」と返事をする。

 

「2人には守護者の中でも大事な指揮系統を主に担当してもらう事になる。より一層の働きを期待している。それとセバス。」

 

と言うとセバスは跪いたままサスケの方に顔を上げる。

 

「なんでございましょうサスケ様。」

 

と聞いてくる。

 

「周りは草原だと言っていたがこの建物はどうなっている。」

 

と聞くとセバスは自分が見て来たものを伝える。

 

「元々地下にあった部分は全て剥き出しになっており周りからは非常に目立つ形になっております。」

 

と言うので俺はマーレに向き直り声をかける。

 

「マーレ。マーレの力で隠すことは可能か?」

 

と聞くとマーレは少し考え返事を返す。

 

「はい。えっと幻術で隠すことは厳しいですが許可を頂けるのであれば土を掛けて植物を生やすことで多少は隠せるかと」

 

と言っているのが少し嬉しくなっているとアルベドが感情的になってそんなことはあり得ないとばかりに反論する。

 

「このナザリックを土で汚すのですか!」

 

とマーレに威圧的に言うので俺はそれに静止をかける。

 

「アルベド。良い。マーレの意見は最もだ。」

 

と言うとアルベドは即座に反応する。

 

「申し訳ありませんサスケ様。」

 

と答える。その後セバスの話を思い出しセバスに確認を取る。

 

「セバスよ。このナザリック周辺は平地になっているのだな?」

 

と聞くとセバスは跪いたままうやうやしく答える。

 

「はい。その通りでございます。」

 

と答えが帰ってくるので俺はもう一度セバスに問いかける。

 

「マーレにはかなりの負担を掛けることになるが広い範囲で土を盛り上げ俺の樹海降誕をした場合は不自然では無くなるか?」

 

と聞くもセバスは迷いながら言葉を続ける。

 

「サスケ様の樹海降誕を1度しか見た事が無いので断言出来ませんが以前と同じ様な形ですと木々が生えすぎて自然体系が大きく変わり、また周囲のものとの違和感がすると思われます。」

 

と言うのでマーレに聞く。

 

「マーレは周辺の草原と同じ様に違和感無く作れるか?」

 

と聞くとマーレはすぐに返事を返す。

 

「はい。草原だったら僕でも問題無く作る事は可能です。」

 

とはっきりと答えてくれた。

 

「そうか。ならそれで進めてくれ。それとアルベドとデミウルゴスは2人の責任でナザリック全ての者達の情報の伝達を向上してくれ。未知の地において情報を確実に全員で理解する事は重要だと理解していると思うが頼むぞ。」

 

と言うとアルベドが顔を上げる。

 

「畏まりました」

 

と答えデミウルゴスもアルベドに続く。

 

「ハッ!」

 

とはっきりと答えてくれた。そしてこのタイミングでモモンガは静かな状態から復活し一言。

 

「ではもう1つ2人の責任でやってもらいたい。ナザリックの警戒度を最大まで引き上げるのだ。先程もサスケが言ったように未知の地だ。何があるかは分からないからな。」

 

と言って返事を聞いてからモモンガは(グレーターテレポーテーション)で消えていった。そして俺は残りシャルティアとデミウルゴスに一言。

 

「第一階層はナザリックの玄関口だ。より一層の警備が必要だ。頼む。」

 

そう言って俺は自分の部屋へと飛雷神の術で飛ぶのだった。



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5話

sideデミウルゴス

「凄い威圧だったねお姉ちゃん。」

 

「うん。凄かった。」

 

「アレが支配者として目覚めた御方達の姿。」

 

「ええ。私達もより一層の忠義を見せないといけないわね。」

 

「そうだね。でもそれだけでは無いと私は思うがね。」

 

「どういう事?デミウルゴス。」

 

「アルベドがマーレに一言言った際にサスケ様はマーレの意見を聞いて笑顔を見せていた。恐らくはサスケ様はマーレが自分の意志で正しい判断が出来た事を嬉しく思ったんだろうね。」

 

「僕の意見が正しかったんだ。」

 

「私はそう思うね。サスケ様が求めるのは恐らくは盲目的に命令に従う事ではなく考えてサスケ様とモモンガ様の意見を読み取り行動に移す事が出来るようにする事だと思うね。」

 

「そうですね。・・・それよりシャルティアはいつまで座っているの?」

 

「貴方達も感じたでありんしょう。あの御二方の威圧感を。その為に少し下着が濡れてきてしまったでありんす。」

 

とシャルティアが言うとアルベドがそれに噛みつき少し2人の喧嘩に

でもそれよりも気になるのは最後のサスケ様の当たり前すぎる一言。

 

「第一階層はナザリックの玄関口。」

 

という言葉だ。それは誰であろうと理解しているしシャルティアも嫌という程わかっているはずだ。あのようなわかりきっている言葉を敢えて言うことに意味は普通に考えれば無いと思うが・・・サスケ様の思考はやはり私ではまだ届かない様だ。そう思い私はアルベドとシャルティアの喧嘩が終わったのを確認して情報伝達の件と警戒度を最大まで引き上げる件の準備に取り掛かることにするか。

 

sideサスケ

俺は部屋に戻りルプスレギナに黒歌、白音を呼び出しある指示を出している。

 

「ルプー。さっきはスムーズな対応、ありがとな。」

 

と言ってルプスレギナが俺の事をなんて呼ぶか少し期待している。すると帰って来た言葉は予想していた中で最も嬉しいものだった。

 

「サスケ兄さんの指名は確実にこなすっすよ!」

 

と言っていて。サスケ兄さんか。好きだな。次に黒歌に指示を出す。

 

「黒歌はマーレに協力してこのナザリックの隠蔽作業をして欲しい。」

 

と伝えて今度は黒歌がなんで呼ぶか楽しみにしていると

 

「任せてほしいにゃん。サスケ兄。」

 

サスケ兄。これも好きだな。最後に白音に指示を出す。

 

「白音はアウラと協力して魔獣達の世話をしてくれ。」

 

と伝えて白音の俺の期待値が高い呼ばれ方を期待している。

 

「わかりましたサスケお兄さま。」

 

白音からサスケお兄さま。頭の中で白音のサスケお兄さまが何回もループしている。わかっていたけどこの3人は天然男誑しだ!特に白音。誰一人として寿命設定がしていないナザリックのNPC達。俺達・・・俺とモモンガも寿命という概念は存在しない。だからこそ将来白音がどこまで誑しになるのか心配だ。

 

取り敢えずセバスからきた情報と五感を持って体感した事、忍術と魔法の使用で分かった事を頭の中で整理して纏めて見る。

 

分かった事は4つ。

1

精神が種族に引っはめられている。

(俺はカルマ値が善の俺はあまり影響を受けていないがモモンガは極悪のカルマ値を持っている。)

2

ユグドラシルと違う異世界である事

恐らくは・・・間違いなく続編では無いこと。

3

この世界では死という概念が確実に存在する事。

4

そして最後はこの世界に過去・現在・未来においてユグドラシルのプレーヤーは存在していたと思われる事。

 

モモンガがどう考えているのかを知る必要があるな。そして俺は俺の考えも確実にモモンガに伝える必要がある。そう思って俺はモモンガに伝言を繋げた。



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6話

『モモンガ。今大丈夫?』

 

『サスケさん、大丈夫ですけど、どうしました?』

 

『外で2人で話したい。1番上で待つ。』

 

俺はそう思ってモモンガに伝えて第一階層に転移した。

 

第一階層に転移して外に出る階段を登るとそこにはデミウルゴスがいた。

 

「サスケ様。どうなさいましたか?」

 

とデミウルゴスは膝まづいて聞いてきた。

 

「楽にしてくれデミウルゴス。」

 

と伝えるとデミウルゴスは立ち上がって楽な姿勢になる。

 

「ありがとうございます。それでどうなさいましたか?」

 

「モモンガと少し話をしたくてな。それとデミウルゴスと少し話したくてモモンガより早めに来た。」

 

「私と話ですか。なんでございましょう。」

 

「お前はなぜ俺が『第一階層はナザリック玄関口だ。』と敢えて伝えたかを少し考えたかと思ったからな。」

 

と伝えるとデミウルゴスはハッ!とした顔をなり

 

「はい。こちらが玄関口であると言うのは私もシャルティアも存じております。警戒度を最大まで引き上げると言うのであればこちらを厳重に警戒するのは当然でしたので何故かというのを考えておりました。」

 

やっぱりなと俺は思って理由を伝える。

 

「そうか。俺が言いたかったのは第一階層の警戒は2次元では無く3次元でという意味だ。」

 

と言うとデミウルゴスは考えて気がついたようだ。

 

「確かに上空への警戒は弱かった気がします。ここが未知の地である以上どのような種族がいるかわからないというのを忘れておりました。」

 

と言う。

 

「そうだ。それと俺はもう1つお前に言いたい。」

 

と言うとデミウルゴスはしっかりと俺の目を見ていかにも一言一句逃さずに聞きます。という形になっている。

 

「デミウルゴスが頭が良いというのは俺もモモンガもわかっている。だからこそ今後は「善と悪」による相反する考え方と3次元の考え方を身に付けるといい。俺とモモンガも完璧では無い。だからこそ階層守護者の頭脳を担うデミウルゴスに意見を求める事が増えるだろう。だからこそ相反する2つの考え方をデミウルゴスに身につけて欲しい。俺も参考程度にその思考を身に付けると手伝いをしよう。」

 

と伝えるとデミウルゴスは少し考える素振りを見せる。

 

「2つの相反する考え方をと仰いましたが善の考え方とはなんでございましょう。」

 

と聞いてきた。これは嬉しいな。1つ例えを出そうか。

 

「デミウルゴス。例えばだ。俺が世界征服をしたいと言ったらどのような作戦を考える。」

 

と言うとデミウルゴスは少し考えてから考えを纏めてサスケにつたえる。

 

「申し訳ありませんが世界征服と言いますと私には力による征服しか思い付きません。」

 

と言うので俺は例えを出す。

 

「今のデミウルゴスの考えは悪の部分だ。力を示す事は大事だ。だがそれ故に世界を支える精神的な支柱という物も大切だという事だ。」

 

と言うとデミウルゴスは納得した顔になり

 

「善。その意味がわかった気がします。サスケ様の貴重な意見をありがとうございます。」

 

と言ってくれた。そして俺は笑顔になり次の指示を出す。

 

「理解してくれて良かった。それじゃあそろそろモモンガを呼んできてくれないか?」

 

「畏まりました。お待ち下さい。」

 

と言ってデミウルゴスは階段を降りて行った。



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7話

デミウルゴスが少ししてモモンガを連れて来た。

 

「モモンガ。この夜空。今まででは絶対に見ることの出来なかった絶景だな。」

 

俺はそうモモンガに伝える。空は一面美しい星空。少し視線を落とすと森も見える。こんなのは昔、テレビで見た過去の景色でしか見れなかった。

 

「そうですねサスケさん。ブルー・プラネットさんにも見せたかったですよ。」

 

と言うとモモンガはフライの魔法で飛ぼうとする。俺も求道玉を2つ出して1つをデミウルゴスが乗れるようにしてデミウルゴスに渡す。

 

「サスケ様。心遣い感謝致します。」

 

「構わない。上空での護衛を頼むよ。今望むのは主と部下の会話では無く対等な会話だ。」

 

と伝えるとデミウルゴスはお辞儀をしながら返事を返す。

 

「畏まりました。」

 

と言ったので俺はこのまま2つの求道玉をコントロールしてモモンガの横に飛ぶ。

 

「サスケさん。なんて言ったらいいのかわからないですけどここから見る景色は宝箱みたいですね。」

 

「でも独り占めは欲張りだと思わないか?」

 

「それは思いますね。でもウルベルトさんならこの景色を見たらこう言いますよ。」

 

「「世界征服」」

 

「だな。」

 

とモモンガと話しているとデミウルゴスが話に入ってきた。

 

「でしたら我々守護者達が至高の御方である御二方にこの宝箱をプレゼントしたいと思います。」

 

とデミウルゴスは言い出した。世界征服。多分この言葉に反応したな。モモンガとしては何気無い一言。でもデミウルゴスにしてみれば至高の御方であるモモンガとサスケの言葉。

 

「そうだな。まだどんな世界で実力者が居るのかすらわからないのだぞ。デミウルゴス。さっき言った事を覚えているな。」

 

と聞くとデミウルゴスは当然ですとばかりに

 

「もちろんでございます。」

 

と答える。

 

「ならば良い。」

 

と俺は答えてから下を確認する。下ではマーレが魔法とスキルを併用してナザリック周辺の地形を変えながらも草原にする作業を行っている。

 

「デミウルゴス。マーレへの陣中見舞いに行くが褒美は何がいいと思う。」

 

と聞くと

 

「御二方が一声かけるだけでも十分だと思いますが」

 

とデミウルゴスから返ってくる。それを聞いて俺はデミウルゴスと共に降りて行きモモンガも少し遅れて降りてくる。マーレの横まで歩くと

 

「サスケ様!モモンガ様!どうされたんですか?」

 

と元気にやって来た。それに対して俺はモモンガよりも先に答える。

 

「マーレにはナザリックの隠蔽を任せているからな。褒美をやろうと思ってな。」

 

そう言って俺はマーレの頭を撫でる。そして俺は褒美の内容を伝える。

 

「マーレへの褒美は俺の刻印でどうだ。自由にという訳にはいかないが自然界にある魔力を体内にある程度収めることができる。」

 

と言うと

 

「そんなに良いものを頂いてもいいんですか!」

 

と目をキラキラさせている。

 

「勿論だ。右の肩甲骨の所を直に触る柄いいか?」

 

と聞くとマーレはモジモジしながら

 

「はい!お願いします!」

 

と答えたので上着の下から手を入れて右肩甲骨に手を当ててからチャクラを流して刻印を刻む。するとマーレは

 

「魔力が少しずつ回復しているのがわかります!ありがとうございますサスケ様!」

 

と言って頭を下げた。モモンガはリングオブアインズ・ウール・ゴウンを渡すようだ。ってそれは守護者全員に渡すから褒美と言えるかは疑問が残るけどな。まぁマーレもよろこ・・・左手の薬指・・・婚約?・・・違う。ねまぁいいか。喜んでくれたみたいだしな。



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8話

あれから数日。

 

俺は影分身やジャンヌ達を使ってナザリック周辺を20キロに渡って捜索している。最近気付いたことは割と近い場所に村が幾つかある事と戦闘力は兎も角として生活水準はあまり高くないという事。同行している黒歌とルプスレギナに白音達は鼻が利く為周囲に人の匂いを探させているが一つ一つの村の規模は小さく非常に弱い。でもひとつだけ分かることがある。それはどの村も1人だけ助かろうとはせずにこの虐殺からお互いに守りあいながら死んでいったということだ。この姿を見るとさすがにある感情が芽生える。

 

「苛立ちを覚えるな。人では無くなったと思っていたがこの虐殺には意味が無い。」

 

と俺が言うと黒歌がサスケの気持ちに気づく。

 

「サスケ様の気持ちはわかりますにゃん。」

 

と黒歌が答える。そして白音は励ますような言葉を投げかける。

 

「サスケ様。まだ近くに無事な村があるかもしれませんよ?」

 

と言うのでここは1番鼻が利くルプスレギナに頼むとするか。

 

「ルプー。ここからまだ生きている人間の匂いは感じるか?」

 

と聞くとルプーは匂いを嗅ぎ始めるも少し申し訳なさそうに答える。

 

「申し訳ありませんサスケ様。死体の匂いが強すぎて他の匂いが掻き消されています。」

 

「そうか。」

 

俺はそう言ってから3人に自分に触るように指示を出しモモンガのもとへ行く。

 

飛んだ先にはセバスとモモンガがいた。

 

「何か見つかったか?」

 

と聞くとセバスが申し訳なさそうに言葉を紡ぐ。

 

「申し訳ありませんサスケ様。現状としてはまだ何も見つかっておりません。」

 

と返ってきた。それもそうだ。まだ景色が遠すぎると俺は思っているとモモンガの使う鏡の中に一つの村が出て来た。

 

「モモンガ。この村を拡大できるか?」

 

と聞くとモモンガは少し悩んでから答える。

 

「やってみます。」

 

とモモンガが答えて拡大を始めた。それを見てセバスが疑問に思ったのか質問をする。

 

「この村はどうされるのでしょうか?」

 

と聞いてきたので俺とモモンガは同時に答える。

 

「見捨てる。」

 

「救う。」

 

モモンガが見捨てると言ったのには驚きはあるがどうな危険があるかわからない中で無闇に救いに行くのは危険だとわかる。でも俺の中でたっち・みーの言葉で出て来てそれを口ずさんでいた。

 

「困っている人を助けるのは当たり前。」

 

と言うとセバスは驚いた顔をして声を出す。

 

「それはたっち・みー様の御言葉。」

 

と反応を示す。

 

「そうだ。そしてモモンガは少なくともその言葉の持ち主に救われた筈だ。」

 

と言って俺は1番姿が人間に近い黒歌を呼びに行き一応最大級の装備を身に付けてさっきの村の近くの森の中へ飛んだ。

 

森に着くとそこには2人の姉妹と思われる少女達と恐らくは他の村を攻めて回ったであろう何処かの国の兵士2人。妹が転けて逃げられないと思ったのか姉の方は妹を守る態勢になる。それを確認すると俺は咄嗟に言葉を発していた。

 

「立ち上がるな!」

 

と言うと少女2人は立ち上がるのを我慢したので俺は千鳥千本を2本だけ飛ばして兵士2人を殺した。なのに現実世界では感じるはずのものが無いことに疑問に感じた。

 

「何も感じないな。」

 

と俺が呟くと隣の黒歌が頭の上に?を浮かべたように話しかけてくる。

 

「どうしましたにゃん?」

 

と聞いてくる。頭の中を少し整理してから黒歌に答える。

 

「なんでもない。心配してくれてありがとな。」

 

と答えてから伏せていた2人の少女の元へと行き膝を着く。姉と思われる少女の背中には斬られたような跡がある。でも傷事態は浅いものだ。それでも血が流れていて俺の吸血鬼の本能が出てきそうになるが抑えて2人に声をかける。

 

「大丈夫か2人とも?」

 

と聞くと妹と思われる少女は泣きながら助けを乞うように叫ぶ。

 

「お姉ちゃんを助けて!」

 

と言う。黒歌が回復の仙術が得意なので少女に向けて答える。

 

「わかった。」

 

と答えてから黒歌の方を向き指示を出す。

 

「黒歌。怪我している所に回復を掛けてやってくれ。」

 

と伝えると空気を読んで黒歌は何も聞かずにサスケに頭を下げる。

 

「畏まりましたサスケ様。」

 

と答えてから俺と同じ様に膝を着いてしゃがんでから背中を斬られた少女の背中に触れて回復を掛けている。それを俺は確認してから「影分身」をする。何も言わずともやる事は理解しているようで走って村の方へ向かった。



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9話

10000URとお気に入り100超えしました。

応援してくださっている人に感謝を。

正直これほど伸びるとは思ってなかったので少し戸惑っていますがこれからも頑張っていきます!!

これからも応援よろしくお願います!!


「ありがとうございます。・・・サスケ様?」

 

と回復を終えた姉の方が立ち上がってから頭を下げた。

 

「気にするな。俺は忍びをしていてね旅をしているんだよ。」

 

と少女に伝えるとモモンガから伝言が届く。

 

『サスケさん?大丈夫ですか?』

 

『大丈夫だ。』

 

『アンデットのオーバーロードがそっちに言っても大丈夫だと思いますか?』

 

と聞いてきた。今、俺と黒歌は人化の指輪をしている為この2人には人にしか見えない筈だ。試しに指輪を外してみよう。そう思って俺は黒歌に伝言で伝えてお互い指輪を外す。すると俺は・・・殆ど変化は無いが吸血鬼特有の牙が生えてくる。黒歌も猫耳と尻尾が生えてくるだけの変化しかない。でもそれを見る2人の少女は少し固まっていた。目の前で手を上下に振っても反応しない。まぁ俺と黒歌は姿形に大きな変化は無いからな。と思って伝言で黒歌に指輪をはめるように伝えてお互い指輪を嵌め直す。

 

取り敢えず人化した黒歌に頼んだ2人に猫騙しをやってもらうと目が覚めたかのように反応し出した。

 

「えっと・・・私はエンリ・エモットでこちらが妹のネム・エモットです。先程は助けてくれてありがとうございます。」

 

と頭を下げてきた。

 

「何。俺はたまたま近くを通っただけだよ。」

 

と伝えるとエンリは感謝してますオーラが全身から出ていた。

 

「それでもです。ありがとうございます。・・・それと1つお願いしてもいいですか?助けて貰ってさらに村にいる両親も助けて欲しいなんて」

 

と言われた。

 

「良いですがまだ生きているのか?」

 

と聞くとエンリは下を向いて困惑した顔になる。

 

「わかりません。」

 

歯を食いしばりながらそう答えた。恐らく手遅れなのは理解していて俺と黒歌に僅かな望みを掛けたのだな。と思っていると俺の後ろにゲートが開かれて・・・嫉妬マスクを被ったモモンガとフル装備のアルベドが来た。目の前にいるエンリとネムは怯えだしている。

 

「エンリ。ネム。この2人は俺の仲間なんだ。怖がらないでやってくれ。」

 

と言うとエンリはまたも困惑した顔で答える。

 

「サスケ様がそう言うなら。」

 

と言ってネムも不思議そうな顔でサスケに聞く。

 

「サスケお兄ちゃんは怖いマスクしないの?」

 

と聞いてくる。

 

「俺はあのマスクはカッコ悪いと思うからつけてないんだよ。でもあのオッさんはカッコいいと思ってるからつけてるんだよ」

 

サスケの答えを聞いてネムは残念そうな顔をして純粋無垢でありモモンガにとって残酷な事を口走る。

 

「え〜あのマスクカッコ悪いよ〜」

 

そのことにサスケは激しく同意してネムを抱きかかえるとネムは嬉しそうにサスケの首に腕を回すと2人で笑い合う。

 

それが聞こえたのかモモンガの背景はショックのアレが出ているように見えた。少しすると影分身から情報が飛んできた。敵の兵を拘束に成功したみたいだ。取り敢えず2人の防御に白音を呼ぶか。と思って白音に伝言を繋げる

 

『白音。』

 

『はいサスケ様。』

 

『今からこっちに呼ぶから2人の少女を護ってくれるか?』

 

『わかりました。』

 

『ではゲートを開く。』

 

そう伝えて伝言を切りげ

 

「ゲート」

 

そう言って俺はゲートを白音の元へ開く。・・・猫状態で白音は出て来た。この方が警戒されないしまぁいいか。そう思って俺は黒歌を連れて村の方へ向かうのだった。



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10話

村に着くと3人の鎧を着た兵士が俺の影分身に拘束されている。俺が村の入口と思われる場所から村に入ると影分身の1人が俺に近付いてる。

 

「この村の村長に頼んでここに置いている。2人の親は亡くなっていた。」

 

と影分身から報告を受ける。

 

「ありがとな。それともう1つ。2人の元に白音を置いてきた。案内を頼む。」

 

とサスケが言うと影分身は思った事を口にした。

 

「ここまでの道程をあの二人は知っている筈だから2人に案内を頼んで」

 

と言い出した。正論だ。なんか負けた気分。でも取り敢えずはここの兵士3人だな。俺は目を万華鏡写輪眼にして2人に月詠をかける。抵抗無くあっさりとかかる。そして1人ずつ頭に手を当てて記憶を読み取る。

 

「スレイン法国がここにちょっかいを出す理由はガゼフ・ストロノーフを殺す為に村を潰して回るか。」

 

と思っていると嫉妬マスクを被ったモモンガがやって来たとほぼ同時に白音とエンリにネムの3人も到着。ここでモモンガはサスケに声を掛ける。

 

「サスケさん。ありがとうございます」

 

「何がだモモンガ?」

 

「決心がつきました。俺はアインズ・ウール・ゴウンを名乗ります。もしかしたらこの世界に他のメンバーも来ているかもしれませら。」

 

と言い出した。

 

「ギルド長はモモンガだ。好きに名乗ればいい。ただし支配者にはなるなよ。なりきるなら問題無いがな。」

 

と俺はアインズ(モモンガ)と小声で話した後、エンリとネムには伝える事にした。

 

「エンリ。少しいいか。」

 

と声を掛けるとエンリは「はい。」と返事をして白音の方を向き

 

「ネムをお願いします。」

 

と伝えてからエンリ達家族が過ごしていた家に向かった。

 

家に入りまずは椅子に座る。王の財宝から2つのコップと紅茶を取り出し椅子に座る。

 

「白音はちゃんと2人のことを守ってくれたか?」

 

と聞くとエンリは困惑しながら返す。

 

「はい。たしか結界なんとかっていう魔法で私達を守ってくれて不安を無くすために話し相手になってくれました。」

 

と答えた。

 

「そうか。それじゃあまずは心の準備をして欲しい。」

 

と真面目に伝えるとエンリは覚悟を決めた顔になる。

 

「今の家の状況と俺の前に来た分身の報告を合わせると2人の両親は亡くなっていた。」

 

と伝えるとエンリは下を向き黙っている。

 

「でも遺体は見つかったからちゃんと葬儀は行える。比較的綺麗な状態で亡くなったようだ。間に合わなくて悪かった。」

 

と俺はエンリに伝えるとエンリは涙に濡れた顔を上げて返す。

 

「サ・・サス・サスケさんは・・・悪く・・・ないです。」

 

と答えた。この顔は・・・手助けをしたくなるな。そう思って俺はエンリに提案をする。

 

「エンリよ。もし良ければだが」

 

と言いかけた所でアインズから伝言が入る。

 

『サスケさん。悪いですが1度出て来てくれないですか。』

 

『何があった?』

 

『遠くからこのカルネ村に近づいてくる騎兵があります。』

 

『わかった。』

 

と伝言をきり俺は立ち上がる。

 

「エンリよ。悪いが話は後だ。また時間を作ってくれ。」

 

と伝えた後に俺はエンリに刻印付きの特殊クナイを渡す。

 

「もしこの先、エンリが本当に俺の助けが必要になったらこれを使って俺に助けを求めろ。エンリの願いが本物なら俺はエンリ達を助けに来よう。ただし命の危険があった時のみだ。」

 

そう伝えて俺は玄関を出てアインズの元へ向かう。



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11話

「サスケさん。あの子はどうですか?」

 

と聞かれて俺は渋い顔をしながら返す。

 

「しばらく白音とルプスレギナを付ける。」

 

とだけ伝えて白音とルプスレギナに同時に伝言を繋げる。

 

『白音、ルプスレギナ』

 

『はい。こちらルプスレギナです。どうしましたか?』

 

『こちら白音です。』

 

『白音とルプスレギナはしばらくエンリ、ネム姉妹の所に通い続けて欲しい。無理の無い程度で構わないからな。』

 

と伝えるとルプスレギナは疑問を口にする。

 

『かしこまりました。でも理由を聞いてもいいですか?』

 

と返ってくる。

 

『この村は俺達のギルドに最も近い村だ。これは俺の独断でまだ決定じゃ無いが友好的な関係を築いておきたい。』

 

と伝えるとルプスレギナが納得したように返事をする。

 

『わかりました。万が一戦闘になった際はどうしますか?』

 

『最優先の護衛はその2人だが基本はこの村の全てを守れ。』

 

と伝えるとルプスレギナと白音は2人揃って『畏まりました。』と返事が返ってくる。

 

伝言を終えると騎馬隊の隊長らしき男が目の前にやって来て。

 

「私はリ・エスティーゼ王国、王国戦士長ガゼフ・ストロノーフ。国王の命により村を襲撃してきた騎士達を倒している。」

 

と言うが馬の上から言うか!

 

「自己紹介ありがとう。でも自己紹介の前にまずは馬を降りたらどうだ?」

 

と伝えるとガゼフは物分りがよくて「済まない。」と言って馬を降りて

 

「先程は済まなかった。そして貴方方は?」

 

「そうだな。俺はサスケ。隣の女は黒歌だ。俺は忍びを黒歌は術士を極める為の旅をしているものでね。」

 

と言うと嫉妬マスク・・・アインズも

 

「私はアインズ・ウール・ゴウン。マジックキャスターで旅人だよ。」

 

と言った。そして俺がガゼフに経緯を話す。

 

「つい先程この村が襲われているのを見てね。俺と黒歌は助けに来たんだ。アインズさんも襲われているのを魔法で見て来たそうだけど既に俺と黒歌で終わらせていてね。」

 

と伝えるとガゼフは

 

「この村を救って頂き感謝の言葉もない。村を助けるのは本来王国戦士長たる私達の役目なのですが。」

 

「間に合わなかったから変わりにやっただけだ。」

 

と伝えるとガゼフの戦士隊の1人が周囲の状況を説明しに来た。その結果、均等にスレイン法国のマジックキャスター達が囲んでいる事がわかった。近づいている事はだいぶ前には気付いていたが場所を移し敵であろう人間に近い建物に入る。そこで少し情報をガゼフから得る。そんな時ガゼフからサスケに提案を持ちかける。

 

「サスケ殿。私に雇われないか。報酬は望まれる額を約束する。」

 

とガゼフは提案して来た。

 

「悪いが断らせてもらおう。ガゼフ。さっき自分でなんと言ったか思い出して欲しい。」

 

と伝えるとガゼフは目を見開いて頭を下げる。

 

「そうだった。ありがとうサスケ殿。自分の役目を忘れる所でした。」

 

「気にするな。ただ代わりにと言ってはなんだがこの村は俺が全力で守ろう。」

 

と伝えるとガゼフは自信に満ちた顔でこう告げる。

 

「ならば私達はあの中に全力で飛び込むとしよう。」

 

と言っていた。

 

「いい戦士の目だ。」

 

とつい言葉が出てしまうがガゼフには聞こえていなかったようで

 

「ならばこれを持って行ってくれ。」

 

と俺はエンリ渡したものと同じ刻印付きのクナイをガゼフに手渡す。

ただエンリに渡したものと違うのは回数が1回限定という事。

 

「サスケ殿からの頂きものだ。ありがたく頂戴しよう。」

 

そう言ってガゼフは刻印付きのクナイを後ろのポーチにしまいサスケとアインズに向き直る。

 

「サスケ殿。ゴウン殿。村の事を頼む。」

 

そう言って騎馬隊を纏めてマジックキャスターの集団に突っ込んで行く。

 



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12話

ガゼフを見送ってから俺たち4人はカルネ村に戻った。

 

「村の者達よ聞いて欲しい。」

 

と叫ぶと村の人達は全員こっちを向いた。

 

「先程ガゼフ・ストロノーフ王国戦士長があのマジックキャスターの中に飛び込んで行った。だから全員で纏まって1つの建物の中にいて欲しい。」

 

そう伝えると村長が村人を纏めて1箇所に集まり倉庫らしき建物に入って行く。

 

「アインズ。この村を頼むぞ。アルベドも気を付けろ。そして黒歌。俺達はガゼフの戦いを見る。戦力の確認とガゼフが死にそうになったら恩を売る。」

 

と伝えるとアインズがサスケの提案に賛同する。

 

「こういう時はサスケさんの言うことは正しい。ガゼフがこの倉庫に飛んできたらそっちに加勢してもいいですか。」

 

と聞いてくる。

 

「必要は無いだろうがな。アルベドも一緒に来い。」

 

と言うとアインズより早くアルベドが返事をする。

 

「はい!サスケ様!お任せ下さい。私の愛してやまないアインズ様は必ず。」

 

と言って返した。まぁいいか。と思い俺は黒歌に頼み透明をかけてもらいその後黒歌は俺の裾に捕まったのを確認して瞬身の術でガゼフ達の近くにいて戦闘を観察する。

 

 

しばらく戦闘を見ているも。

 

「非常に気分が悪いな。あのマジックキャスターの男は。」

 

と言うとそれを黒歌が聞いていたようで

 

「なら、私の魔法で倒しますかにゃん?」

 

と聞いてくる。それに対して俺は小さく首を振り。

 

「まだだ。」

 

と黒歌に伝えると少し上目遣いでサスケを見上げながら

 

「わかりましたにゃん。」

 

と答える。

 

 

 

その後しばらく戦闘を見ているとガゼフの部下達の殆どが倒れて行くがそれでも皆がガゼフに続けと戦い続けた。そして最後の一人となったガゼフは敵に楽に死ねと言うふうに言われるもあの村には俺より強い人がいると返して指揮官の男に立ち向かう。がガゼフは相手が召喚している俺達からすると低位の天使に囲まれて追い込まれる。

 

「行くぞ黒歌。」

 

「はいにゃ。」

 

そう言って俺と黒歌はガゼフの所に飛び込んで俺の術の神威で俺と黒歌、ガゼフへの攻撃がすり抜けるようにする。倒れそうになっているガゼフを抱えて少し離れてから俺はガゼフを労う。

 

「よくやったガゼフ。王国戦士長の覚悟と部下達の心意気を見せてもらった。あとは任せろ。」

 

そう言って俺はガゼフをアインズの所へ飛ばした。そんな時、敵の指揮官の男が突然現れたサスケと黒歌に向けて叫ぶ。

 

「貴様!何者だ!」

 

と背後から言ってきた。俺は眼を輪廻眼に変えて戦闘が始まる前からある監視魔術に輪廻眼の幻術を乗せて監視者を幻術にかける。そして指揮官の男の質問に答える。

 

「何者だ!・・・か。簡単に言おう。貴様らの言葉にイラついて来た忍びだ。そしてお前はあの村の人達を皆殺しにすると言ったな。俺が手間を掛けて救った人達を殺すとは良い度胸をしている。笑い話にもならないぞ。」

 

と言うと敵の指揮官の男は少しも詫びれた様子なく小馬鹿にしたように答える。、

 

「スレイン法国、陽光聖典に所属する我らが貴様ら2人ごときを殺せないとでも思っているのか!」

 

と言ってから恐らく部下であろう奴らに俺達に攻撃が集中する様に指示を出す。その瞬間に俺は神羅転生で全てを弾き消そうとすると黒歌が目の前に出てきて魔術を駆使して一撃で全てを消した。

 

「サスケ様。大丈夫ですかにゃ?」

 

「問題ないことは黒歌が一番理解しているのではないか?何故でてきた?」

 

「サスケ様と戦うのであれば最低限度の攻撃力がありますにゃ。今のは余りにも脆弱過ぎますにゃ。」

 

と黒歌が言い始めた。

 

「黒歌。未だ未知が多いこの世界において全てが自分を上回る事を想定して動け。でも黒歌の気持ちはありがたいぞ。」

 

そう言って俺は黒歌の頭を撫で始めるとゲートでアインズとアルベドがやって来た。

 

「遅くなったなサスケ。ガゼフ達の部隊の回復を終えてから来たから遅くなった。」

 

「申し訳ありませんサスケ様。何分数が多かったので。」

 

「気にするな。それにしても相手は弱過ぎる。輪廻眼で得た情報だとあいつらはユグドラシルの魔法を第三までしか使えないようだ。それにあそこの指揮官。名前は確かニグンだったか?まぁあいつは魔封じの水晶を持っている。何が入っているかはわからないがな。」

 

俺がそう伝えてる間に陽光聖典の面々はまた下位天使を召喚した。

そしてその召喚した天使達で槍を投げる攻撃をしてくるも俺が使う砂の絶対防御で攻撃を全て無効化する。

 

「そんなものか。陽光聖典とやらも。」

 

と挑発をかけると水晶の中身を使おうとする。仕方が無く上に仕掛けをする。

 

「アインズ、アルベド、黒歌。少し離れてろ。一応アインズはスキルを全開にして2人を守れ。俺の術の巻き添えを食らうぞ。」

 

と伝える。

 

ニグンによって召喚された天使はセラフでは無くただの上位天使。

 

「正直期待外れだ。その立派な水晶に入っているのがその程度とはな。」

 

そう言って俺は上を指指す。そこには俺の作り出した隕石が1つ。落ちてきていた。



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13話

sideニグン

あのサスケと呼ばれる者の指が上を指したため上を見る。そこには絶望的な巨大な隕石が落ちてきている。私が指示を出して最上位天使にあの隕石を受け止めさせるとサスケは笑いだしてこう言った。

 

「あの程度の隕石なら止められるか。ならもう1つ落とそう。」

 

この言葉は私達を絶望させるには十分すぎた。

 

sideサスケ

「あの程度の隕石なら止められるか。ならもう1つ落とそう。」

 

そう言うとニグンは恐怖に顔を沈めた。でもそんなの関係無しに俺はもう1つ落とした。その時…

 

「サスケ殿!いや!様!どうか私達を、いや私だけでも助けて下さい!」

 

と訳の分からないことを言い出してまたこの後も何だかんだ言っていたが俺は告げてやった。

 

「たしかお前はガゼフに抵抗しなければ苦痛なき死を与えてやる・・・と言っていたな。だから俺も言おう。抵抗するな。とな。」

 

そう言うとニグンは絶望したような目になる。上では既に最上位天使(笑)は消滅していて後は自分達しかいない。そう思って絶望しているんだな。と思いつつも隕石の落下を止めない。

 

隕石が落ちてその衝撃波を忍術で消してからカルネ村に戻り村人達にサスケは伝える。

 

「もう大丈夫だ。」

 

と伝えるもネムが不安そうな目でサスケを見上げて

 

「サスケお兄さんは行っちゃうの?」

 

と泣きそうになりながら言われてしまう。

 

「わかった。なら、やる事を終えたら戻って来るからネムは我慢出来るか?」

 

としゃがんで視線をネムに合わせて聞くとパァッと笑顔になり

 

「うん!ネムはお兄さんのこと待ってる。」

 

と言っている。立ち上がってエンリに

 

「白音をここに残す。少ししたら俺と黒歌も戻って来る。それにあと一人ここに呼んだから頼るといい。行くぞ黒歌。片付けだ。」

 

俺はそう言って黒歌を連れて村を出る。村を出てすぐの物陰で俺は黒歌と一緒に俺の避雷針の術で幻術をかけた監視魔法を使うものの元へ飛んだ。

 

少し肌寒く光はロウソクの灯す火のみ。2人の人間がいる。

 

「この女が監視魔法の使い手か。男は死ね。」

 

そう言って俺は千鳥で胸を突き刺す。ついでに記憶を抜き取るか。と記憶を抜き取った瞬間。廊下の奥から1人で突進を仕掛けてくる者がいた。手には・・・ユグドラシルにあった神器級の槍を持っている。面倒だが黒歌にはこの死体を調べさせる必要があるなと思ってから黒歌に伝える。

 

「黒歌。お前の符術と魔術を駆使してこの国全体の力を確認して先に1度ナザリックに戻りアインズに報告と階層守護者達、プレアデス達と共有。ルプスレギナにはカルネ村に来くるように伝えろ。」

 

槍は俺を刺すように心臓目掛けて飛び込んで来る。それを俺は親指と人差し指の2本で受け止める。突っ込んで来た者の顔を見るとさっきの記憶の中に存在した確かこの国の1番の強者

 

「スレイン法国漆黒聖典番外席次の絶死絶命だな。」

 

「それが。」

 

「何故突然攻撃する。」

 

「さっきはそこに立っている土の巫女の力が増えて違和感を感じだ。でも間違いに気づいたの。貴方が現れてから私は初めて敗北を知れるかもと思った。だから敗北を知りたいから強い人を求めてるの。そして私より強い人の子種が欲しいの。私と私より強い人の子供ならどれだけ強くなるか気になるから。」

 

と言い出した。少し頭はおかしいが利用価値がありそうだ。子作りはともかくこの力をカルネ村の防衛に使えればいい。

 

「まぁいいか。お前と戦ってやる。戦いになるかは怪しいがな。・・・で俺が勝ったらお前は何を差し出す?」

 

サスケがそう言うと絶死絶命は口元をにやけさせていた。



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14話

「私の全てを貴方にあげる。」

 

と言い出した。都合がいいな。

 

「なら戦える広い場所に連れて行け。絶死絶命、お前を試してやる。」

 

と言うと絶死絶命は後ろを向きながらサスケに向けて

 

「わかった。着いてきて。」

 

と言って歩き出した。

 

 

しばらく歩くと闘技場のような広い場所に辿り着く。

 

「ここでやるのか?」

 

「そう。」

 

「判定はどうする。」

 

「貴方に任せる。」

 

「なら、気絶したら負けだな。」

 

そう言って俺は少し距離を開ける。

 

「お前は俺を殺しに来てもいいぞ。」

 

と言うも内心は「何を言ってるんだ!負ける気はしないけど殺しにくる相手と戦うのは初めてだぞ!でもこの感覚は種族に引っ張られているのかワクワクする。」と思っている。

 

俺は腰に帯刀している刀を抜刀する。絶死絶命はさっきよりも強そうな十字形の槍を取り出す。神器級の槍をもう1本。さっきよりも能力は高いけど関係無いな。

 

「絶死絶命。お前のペースで始めろ。」

 

「わかった。」

 

と言った瞬間に先程ガゼフの使っていた武技?を複数使って強化してから俺に突進してくる。10m程あった距離は強化された絶死絶命にとってはないも同然。それは俺にも言える事だが突っ込んでくる。とりあえず『神威』を使うと絶死絶命は俺をすり抜ける。当たったと思っているのか絶死絶命は驚いていた。

 

「当たったはず。でも感触がない。何をしたの。」

 

と聞いてきた。

 

「まだ俺の所有物じゃないんだ。教える訳が無いだろ。」

 

と伝えると絶死絶命はシュンとする。(見た目同様中身はまだ子供だな。)と思っていると更に複数の武技を重ねがけするとさっきよりも更に早く鋭い突きをして来る。それを俺は刀の先端を槍の先端に当てて絶死絶命の攻撃を止める。絶死絶命は驚いた顔をしているがお構い無しに俺から接近する。絶死絶命は慌てたように離れようとする。

 

「させると思うか?」

 

と言って近づくと槍を俺目掛けて突き刺そうとする。しかし…

 

「そんな腰の入っていない突きは俺に届かない。」

 

と言って柄の部分を掴み絶死絶命が手を離すように引き抜く。絶死絶命は慌てて槍を取り戻そうとするも足が動かない為拳で攻撃しようとする。でも俺はそれを交わして少ししゃがみこんで視線を絶死絶命に合わせる。そして2本の指を絶死絶命の額に軽く小突くと絶死絶命は気絶して倒れそうになったので倒れる前に俺は所謂お姫様抱っこで絶死絶命をだき抱える。

 

少しして目を覚ました絶死絶命はサスケに問いかける。

 

「私は負けたの?」

 

「そうだ。お前の負けだ。そして今この時より絶死絶命は俺の所有物だ。」

 

と伝えると何を思ったのか

 

「私より強い人。私と子作りしよう!」

 

と言い出した。アホなのか此奴は?と思っていると顔に出ていたのか絶死絶命は不貞腐れた顔になり

 

「今、私の事を馬鹿にした。」

 

と言い出してまるで子供のように暴れ出した。

 

「馬鹿にはしていない。」

 

俺はそう言って絶死絶命を降ろす。俺は忍術で絶死絶命のコピーを作りこの施設の壊れた場所と関わった人間の記憶から俺の存在を消す。

土の巫女はスレイン法国の情報を横流しにする為に条件付きで俺の忠実な下僕になるようにしておく。その準備を終えて黒歌がナザリックに戻ったのを確認してから絶死絶命に俺は

 

「着いてこい」

 

と言ってからゲートを開いてカルネ村に行く。

 

飛んだのはカルネ村の目の前の森の中。そこで絶死絶命は

 

「私、初めて外に出た。」

 

と言い出した。

 

「そうか。でも今からはお前はこの村の一員だ。勝手は許されない。きちんとこの村の仕事を果たせ。簡単に役割を言うなら畑仕事と防衛だ。」

 

と言ってカルネ村の中に2人で入って行くのだった。

 



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15話

「絶死絶命。いや。これからのお前の名を決めよう。」

 

と言って見たけど何がいいか。と全身を見る。

 

「何か?」

 

「いや。・・・そうだな。絶死絶命のお前の名はカレンだ。そしてお前はこれよりカルネ村のカレン。そしてお前の所有者はこの俺、サスケだ。」

 

と言ったはいいけどこの子の所有者ってようはなんだよ。保護者?・・・上司か?まぁそこら辺はのちのち考えるとしよう。

 

「私の名前はカレン。・・・わかったわ。私はカレン。」

 

「そうだ。そしてお前のこの村での仕事は」

 

「畑仕事とこの村全体の護衛。サスケの部下達と一緒に守ること。」

 

なんだ、ちゃんと理解しているじゃないか。

 

「そうだ。これから俺の部下達にお前を紹介する。」

 

そう言って俺は村の奥に入って行く。すると奥から俺に気付いて走ってくる人影があった。

 

「サスケお兄さんだ!」

 

と走ってやって来たのはネムだった。

 

「サスケお兄さん!やる事は終わったの?」

 

とネムはサスケの足に抱き着きながら言うので俺はしゃがんでネムの頭を撫でながら

 

「おう。終わったぞ。」

 

と言うとネムは俺の後ろにいる番外席・・・カレンを見ると不思議そうにサスケに問いかける。

 

「この綺麗なお姉さんは?」

 

「そうだな。紹介しよう。カレンだよ。俺がずっとこの村に居られればいいんだけどずっと居られる訳じゃないからね。この村の仕事の手伝いと少し前みたいにまた悪い奴らが来た時に皆を守ってくれるお姉さんだよ。」

 

と説明する。するとネムは俺の後ろに言って

 

「カレンお姉さん。これからお願いします。」

 

と行儀よく頭を下げて挨拶をした。

 

いい子だな。いつか子供が出来たらこんな子に育ってもらいたいな。

元気が良くて行儀いい子に・・・って俺は何を考えているんだ。と思って頭の中を整理する。そしてネムに

 

「ネム。白音とルプスレギナを呼んできてくれるか?」

 

と言うとネムは元気よく返事をする。

 

「お姉さん達を呼んでくればいいんだね!」

 

と言って走って2人を呼びに行った。その時、俺の後ろにゲートが開かれ黒歌が現れる。

 

「サスケ様お待たせしたにゃん。」

 

と言ってやって来た。そして

 

「サスケ様。この人間は?」

 

と聞いてくる。

 

「そうだな。紹介は白音とルプスレギナが来たら村人達も含めて纏めてやるから黒歌は村人達をどこか1箇所に集めといてくれ。それとさっき、ネムに白音とルプスレギナをここに連れて来るように言ったのだが同じ場所に集まるようにしてくれ。」

 

と伝えると黒歌は「わかったにゃん。」と答えて村の中に入って行った。

 

少しして村人達を村の中心の広い場所に集めて話を始める。すると村長が

 

「サスケ様。隣にいる方はどなたでしょうか?」

 

と聞いてきた。

 

「その説明の為にここに集まってもらった。こいつはカレン。一応これからこの村に住ませて欲しい。その代わりと言ってはなんだが、村の防衛と畑仕事に使ってくれ。それとエンリ。」

 

と言うとエンリは返事をして前に来る。

 

「これをやろう。今後村の役に経つはずだ。」

 

と言って俺はゴブリン将軍の笛をエンリに渡す。そして

 

「試しに1つ、吹いてみるといい。」

 

そう言ってエンリに1つ吹かせる。するとその笛の音と共に15体のゴブリンが召喚される。そしてゴブリン達がエンリに問いかける。

 

「私達をお呼びになったのは貴方ですな?」

 

とエンリに聞いている。それにエンリは戸惑いながら答える。

 

「えっと・・・はい。サスケ様にもらった笛を吹いたら・・・すいません。私の名前はエンリです。」

 

と答えている。

 

「エンリさんですね。そしてこちらにいるのがサスケ様?」

 

と俺を見て聞いてきた。

 

「何。サスケで構わない。確かにお前達を召喚する為の笛を渡したのは俺だ。」

 

と伝えるとゴブリン達はサスケにまた問いかける。

 

「ではエンリさんとサスケさんの命令に従って動けばよろしいですか?」

 

と聞いてくる。

 

「いや。俺はあんまりこの村に居られないかも知れないからな。エンリの命令に従ってくれ。俺の家をこの村に建ててもいいか村長?」

 

と聞くと村長は驚いたように返す。

 

「どうぞ。村を救って頂いたのです。ご自由に家をお建て下さい!」

 

と答えてくれた。

 

「ありがとう。では・・・そうだな。防衛用の壁も簡易だが建てておこう。」

 

と言うと村長は「とんでもない!!」と言うような顔をしてサスケに返す。

 

「流石にそこまでやって頂くわけには!」

 

と言い出した。

 

「なに。手を掛けて守った村だ。俺が居なくなってもここにいるカレンを置いて行くが防衛をどうにかしないと普段からここで生活するカレンが守り切れないからな。」

 

と言って俺は村の真ん中に近い場所に行き

 

「木遁大四柱家の術!」

 

と言って印を組手を地面に当てる。するとそこから4本の木が出てきて1件の家を作り出す。そして

 

「カレン。ここが普段お前の過ごす家だ。そして俺のこの村に来た際の拠点になる。それと村長とエンリにはこの村での俺との通信手段になってもらいたい。だから2人はこの部屋に何か俺に連絡をしたい事があった時は部屋の中にある水晶に手を当てて話し掛けてくれ。そうすれば俺と会話が出来る。」

 

そう言って俺は村外れの更に外側へ行き

 

「木遁木城壁」

 

を発動させ村全体を囲う木の城壁を作る。そしてこの城壁の使用方法を説明して俺は黒歌達を連れてナザリックは1度帰還したのだ。



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16話

ナザリックに飛んですぐに俺はデミウルゴスに俺の自室に来るように伝える様に伝えるようにと黒歌に頼んで10分後。部屋のドアにノック音か3回響く。

 

「サスケ様。デミウルゴスでございます。」

 

「入れ。」

 

と言うとデミウルゴスは部屋に入り俺の前に膝まづいた。

 

「第七階層階層守護者デミウルゴス。御身の前に。」

 

と忠義を持ってやって来た。

 

「よい。デミウルゴスよ。今はお前と対等な立場として話したい。この椅子に座ってくれ。」

 

と伝えて俺の座っている椅子とセットになっているテーブルの同じ椅子にデミウルゴスも座る。

 

「それでサスケ様。対等な立場としての話とはなんでございましょう。」

 

「アルベドの事でな。」

 

と言うとデミウルゴスは不思議そうに

 

「アルベドですか。」

 

と返してきた。

 

sideデミウルゴス

 

黒歌からサスケ様が部屋に来る様に連絡が入ったとあり私はサスケ様の部屋に向かい忠義尽くしてからサスケ様の前へ行くとサスケ様は対等な立場として話をしたいと仰いました。いったいなんのようなのでしょう。

 

「それでサスケ様。対等な立場としての話とはいったいなんのようなのでしょう。」

 

と聞くとサスケ様は

 

「アルベドの事でな。」

 

と答えて下さいました。

 

「アルベドですか。」

 

アルベドが何か粗相をしたのでしょうか?

 

「ああ。アルベドの忠義は俺も理解しているしデミウルゴス達階層守護者も同様だと思っている。だがアルベドの忠義の形が少し異様でな。少し探って貰いたい。俺は少なくともアインズに依存し過ぎていると思っていてな。今の時点での階層守護者1の頭脳を持つデミウルゴスに意見を聞いてみたくてな。」

 

と仰いました。アルベドの忠義は確かに私達と同様にありますがサスケ様の仰っている異様というのもわかる気がします。

 

「まだハッキリとしていないのですがよろしいでしょうかサスケ様。」

 

と1度確認を取るとサスケ様は頷きながら返してくる。

 

「ああ。俺もハッキリとしていないからな。思い当たる所があるなら言って欲しい。」

 

と仰るので答えました。

 

「私が考えます所、アルベドは至高の御方のサスケ様とアインズ様以外の方達に少し殺気を持っているように感じます。」

 

と伝えるとサスケ様は

 

「それは何故だ。」

 

と聞いて下さいました。

 

「アルベドは玉座の間に常におり1番御方と共に居たと私は思います。よって様々な会話等を聞き私達以上に見棄てられたと思っていると愚考します。」

 

「そうか。デミウルゴス。お前に俺達の事を話しておく。これを広めるかはデミウルゴスが判断しろ。」

 

これから語られるのはサスケ様の知る他の見捨てて消えてしまった至高の御方の話。どのような事があるのでしょうか。

 

「畏まりました。」

 

心の準備を終えて聞く体制に入るとサスケ様から驚きの言葉が発せられました。

 

「まず俺達は元々ユグドラシルという世界とリアルという世界の2つに体を持っていた。」

 

至高の御方達は2つの世界を行き来していたと言うのです。それはとんでもない力が働いているのがわかります。

 

「リアルという世界とユグドラシルは私達が元々いた世界の事ですか?」

 

「そうだ。そして今でこそ関係は断ち切られているが元々の思考はリアルに引っ張られるものだった。」

 

リアルという世界に思考が引っ張られる。という事は元は至高の御方達は別の種族なのでしょうか。

 

「という事は今とユグドラシルの時とでは思考の形が変化していると言う事でしょうか?」

 

「そういう事だ。そして俺達のユグドラシルに来るために必要な力が弱まると簡単に言うと興味だな。ユグドラシルにいることに対する価値や興味を失ってしまう現象が起こっていたんだ。」

 

今の話を聞いて私は心のどこかでその世界の壁という物を恨みそうになりました。

 

「そこは何故影響を受けた方と受けなかったお二人と分かれたのでしょうか?」

 

「そこまではわからない。たがハッキリと言うと我々はお前達の事を我が子のように愛している。それだけは変わらない事実だ。それは今も昔も変わらない。」

 

サスケ様は私にここまで色々と話して頂いた上に私達の事を愛して下さると仰るのです。

 

「それはありがたき幸せでございます。」

 

「だが今までこれは俺達がお前達に教えなかった故にアルベドが他の39人を恨んでいるというのが事実であれば俺はアルベドを1度試す必要がある。アインズを使ってな。」

 

しかしアインズ様を使いどのようにアルベドを試すのでしょうか。

 

「それは承知しております。」

 

「その時にデミウルゴス。お前には協力して欲しい。」

 

「協力でございますか?」

 

私に協力出来ることがあるとサスケ様は仰います。それはいったいどのような事なのか非常に気になりますね。

 

「そうだ。アルベドに悟られないように本心を探ってもらいたい。」

 

確かにアルベドの本心は読みにくいところがこのナザリックの支配者という立場だとあるのでしょう。

 

「本心を探る。でございますか?」

 

「そうだ。頼めるか。」

 

仲間を疑うというのは少し心苦しいですが先程のサスケ様の話を聞くと探るしか無いというのはわかりますね。

 

「畏まりました。私にお任せ下さい。本心がわかり次第報告と言う形でよろしいでしょうか?」

 

「そうだな。頼むぞ。」

 

「畏まりました。それと私から1つ質問をよろしいでしょうか?」

 

と私からどうしても気になっている事を聞きたいとサスケ様に質問をさせて頂きました。

 

「いいぞ。なんだ。」

 

「なぜ先日救った程度の村をサスケ様の庇護下に置くのでしょうか?サスケ様個人では無く命令さえされれば私達もそう出で庇護下の村としてお守り致しますが。」

 

そう。ここだけは理解する事が出来ませんでした。なぜサスケ様個人でカルネ村という村を庇護下に置くのか。

 

「この世界の人の知恵と仲間意識その他諸々を見る為に必要だった。だが俺はあくまでナザリックの戦闘全般に関しては俺がトップになりアインズが2番目に着くが普段はアインズがトップとしてナザリックに君臨している。だから俺の決定をナザリックに押し付ける訳にはいかないのと人間と友好関係を作る事で後の俺の計画が進みやすくなるからだ。」

 

と仰いました。計画とはなんでしょう。以前仰っていた世界征服と善と悪に関係があるのでしょうか?

 

「以前と言うと世界征服と善と悪に関係のある事ですか?」

 

「そうだ。デミウルゴス。この世の善とはなんだ。」

 

「この世の善。」

 

それはいったいなんなのでしょう。おそらくは

 

「おそらくは平和でしょうか?」

 

と確認の意味も込めて聞くとサスケ様は

 

「その通りだ。平和こそが善だ。俺はあの村を中心に俺達の作る平和を大陸全土に広めたいと思ってる。」

 

とサスケ様が仰ると私の頭の中では案を考えるとある点で繋がる。

 

「なるほどそういう事ですか。という事になりますとあの村は私の思っていた以上に必要な村となりますね。」

 

「デミウルゴスがどの程度の位置に置いていたかは分からないが俺としては今は守り抜きたい村の一つだ。俺達は出来るだけ大きくその村を変化させずその村でも変化を見守る。その役目を主に俺の作り上げた3人に任せている。だが3人とて常にあの村にいられる訳では無い。よって俺はあのカルネ村を防衛した後にスレイン法国という国へ黒歌と飛んで1人の強気戦士確か漆黒聖典の番外席次二つ名は絶死絶命で今は新しい名であるカレンと名付けた。この者は今は非公式ではあるが一応俺の直属の部下である事を認識しておいてくれ。」

 

なるほど。スレイン法国という国から1人この世界の規模で強い戦士を連れて来てカルネ村の防衛に。

 

「サスケ様はその者の代わりにその絶死絶命のコピーを置いて来たという所でしょうか?」

 

「その通りだ。そしてスレイン法国陽光聖典との戦いの際に監視魔法の使い手が我々を監視していた為俺の輪廻眼で条件付きで俺の忠実な下僕になるようにしてある。確か土の巫女だったか。まぁこの条件をデミウルゴスに伝えておこう。」

 

「はっ!」

 

「俺とデミウルゴス。2人の内どちらかの伝言の魔法だ。それと潜入した際に1人記憶を抜いておいた。その情報を書面に纏めたからデミウルゴスが上手く使うといい。」

 

そうサスケ様は仰って私にその書面を下さいました。

 

「必ずやこの情報と土の巫女の活用をしてみせましょう。」

 

「それともう1つ。」

 

「はい。」

 

「王国のラナーという王女は使えそうだ。頭が良すぎるという問題点はあるがデミウルゴスならば問題は無いと俺は思っている。だがあくまでもスレイン法国の情報だ。信憑性は怪しいがな。」

 

「畏まりました。では後に探ってから利用するかを検討したいと思います。」

 

「そうしてくれ。ではアルベドの件は頼んだぞ。」

 

「畏まりました。」

 

こうして私とサスケ様の話し合いが終わり私はサスケ様の御部屋を出て私の守護する階層に向かいながら考えました。アルベドのサスケ様に異常に見えるアインズ様に対する依存。サスケ様の仰っていた二つの世界の話と関係があるのか。二つの世界の事を他の守護者達に伝えて良いものか。判断を任せて頂いた以上いずれは伝えた方が良いと思いますが・・・暫くは伏せた方がいいでしょう。やはりまずはアルベドの件を探るとしましょう。



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17話

昨日のデミウルゴスとの会話から一夜が過ぎて俺はアインズと共にアインズの部屋に居る。

 

「アインズ。話があるんだが。」

 

「なんですかサスケさん?」

 

「この世界で冒険者をやろうと思ってな。」

 

と俺が言うとアインズは少しフリーズして

 

「サスケさん!この世界に冒険者なんて仕事があるんですか!」

 

と大声で聞いてきた。

 

「あるある!ここは四つの国に囲まれた場所だから俺の王の財宝にいた奴らを4人3チームにわけて王国以外の帝国、法国、竜王国へ、俺は黒歌と王国へ行こうと思ってる。」

 

と言うとアインズは悩みだす。

 

「何故ですか。今はまだまだ未知が多いからこそこのナザリックを強化させるべきじゃないんですか?」

 

と聞いてくる。確かにそれも大切なのは分かっている。

 

「アインズ。簡単に言うとアインズが表のリーダーで俺が裏のリーダーだからだよ。」

 

と言うとアインズは理解していない顔をしている。

 

「アインズの言った情報はここの守りだけを強化していたらいつ集まる?それにもし他のメンバーがいるなら俺かアインズのどちらがが外に出る必要がある。それでアインズは俺より弱い。」

 

と俺はハッキリと言うとアインズは理解はしていても納得はしていないという顔をした。

 

「俺の・・・俺達の任務は外の世界の調査と仲間の探索でアインズの任務はナザリックを俺のいない間守り抜く事。俺は1人でいくつもギルドを潰して回ったからワールドアイテムを個人でこのアインズ・ウール・ゴウンより持っている。武器の数もわかっているだろ?」

 

「それはわかりますが。」

 

「少なくとも今、ナザリックにいるプレイヤーは俺たち2人なんだ。どちらかがやらないといけない。」

 

と俺はアインズに言うとアインズは冗談じゃないとばかりに言い放つ。

 

「なら、2人で行くべきです。」

 

正直言うも予想外の反応だ。アインズがここまで強く意見を言うとは思わなかった。

 

「それは何故だ。」

 

と俺は冷静に返すとアインズは自分の意見を話す。

 

「確かに今は2人とNPC達しかいません。だからこそ2人で行くべきですだって・・・」

 

なんとなく言いたいことはわかった。

 

「出るなら俺とアインズの2人組のチームが最適と言いたいんだな。」

 

「その通りです。それが1番名声を得やすい。サスケさんの言う冒険者として出る理由の中には名声を得て情報を沢山得るというのもあります。なら、「別々にやる方が効率的だ。2人でペアを組む程ではない。2人でペアの冒険者になったとしたら例え加減していても威力が異常だ。」でも!」

 

と中々アインズは折れない。

 

「はぁ〜。わかったよ。ただし戦力を考えると2人は別々だ。そこは譲れない。そして黒歌はお前が連れていけ。」

 

と言うとアインズは「え?」とした顔になり疑問をぶつける。

 

「でも黒歌はサスケさんの作った」

 

「だからこそだ。黒歌はお前が連れていけ。ただしお前の監視をする為に黒歌には俺から1つ指示を出して置く。」

 

「あの。監視って酷くないですか?」

 

「監視無しでお前はやり過ぎないか?黒歌は俺と一緒に戦力を見極めてある。威力の出し過ぎにはならない筈だ。これ以上は俺も譲れない。」

 

と言うとアインズは仕方ないと自分に言い聞かせサスケに向き直る。

 

「わかりました。」

 

と答えてもう一言。

 

「自分が黒歌と組むとしてサスケさんは誰と組むんですか?」

 

と聞いてくる。

 

「ナーベラルガンマ。」

 

と答えるとアインズは「何故だ?」と思いサスケに問いかける。

 

「ナーベラルはカルマ値が最悪では?」

 

「だからこそだ。本当は黒歌と一緒に言って兄妹でって考えていたが黒歌が駄目ならナーベラルだ。」

 

「でもなんで?」

 

「現地人をチームに入れない為だ。ナーベラルはこれから少し話をして調・・・ごほん。教育をするつもりだ。」

 

「今調教と言いかけましたよね?」

 

「気の所為だ。」

 

「いや絶対に言いかけましたよね?」

 

「わかったよ。言った。これでいいだろ。とりあえずナーベラルを連れて行く。」

 

「とりあえず理由はなんでですか?」

 

「ナーベラルの設定は親を人に殺されてから色々とされていてそこを助けたのが俺。って事にすれば人間嫌いは誤魔化せる。」

 

「なるほど。わかりました。では黒歌は自分とでいいんですね。」

 

「問題無いけど・・・出発は1週間後だ。」

 

「わかりました。」

 

こうして冒険者云々の話し合いは幕を閉じたのだった。



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18話

俺は黒歌を呼んで自分の部屋へと呼んだ。

 

「黒歌。来週からアインズと、ともに冒険者になってもらう。ただお前はアインズが暴走しないための監視も含めてだ。」

 

「わかりましたにゃ。」

 

「それとアインズは前線に出て戦うみたいだからな。最悪は俺がアインズの師匠ということにしといてくれ。後で黒歌からアインズに説明してくれ。」

 

「はいにゃ。」

 

「それと最後に黒歌に1つ忍術をかける。信用している人にしかかけないものだ。これからの仕事の前報酬と思ってくれ。」

 

と言うと黒歌は満面の笑みになり・・・服を脱ごうとする。それを止めて黒歌に問いかける。

 

「黒歌。」

 

「はい。」

 

「何故脱ごうとした?」

 

「サスケ様とヤるのかにゃ〜と思ったにゃ。」

 

「違う。」

 

そう言って俺は右親指の指先を左人差し指の爪で切り血を出す。そして黒歌の口元へ運び

 

「この血を飲め。簡単に言うと俺達はこれから血縁上の親子になる。そして人化の指輪をした時の姿が少し俺に似る。まぁ全く変化は無いと思うが。」

 

と言うと黒歌は少し残念そうな顔をして小声でつぶやき始めた。

 

「舐めたらサスケ様の娘、舐めたらサスケ様の娘、舐めたらサスケ様の娘、舐めたらサスケ様の娘、舐めたらサスケ様の娘、舐めたらサスケ様の娘、舐めたらサスケ様の娘、舐めたらサスケ様の娘、舐めたらサスケ様の娘」

 

と連呼して俺の親指を「パクッ!」と効果音が着きそうなくらい勢いよく指の血を吸い始めた。すると少し顔が赤くなり目がとろ〜んとしてきた。

 

「あれぇ~シャシュケシャマァ」

 

と明らかに酔っている。

 

「どうしたんだ黒歌。」

 

と聞くと黒歌はフラフラし出した。

 

「アリェ~目がグルグル」

 

と言い出して膝に頭を載せて床に膝を付いて寝始めた。

 

「俺の種族の血は他種族が吸うと酔うのか?・・・少し調べる必要があるな。」

 

と思いながらも黒歌を起こすのは可哀想なので起こせずメイドを1人呼んでナーベラルが部屋に来るようなしてもらう。

 

10分後部屋の扉の前でコンコンとノックの後に声が聞こえた。

 

「ナーベラルガンマ。サスケ様の命令によりこちらへ参りました。」

 

「入ってくれ。」

 

と言うとナーベラルは部屋の外で返事をする。

 

「畏まりました。」

 

と言って扉を開けて部屋に入って来た。そして黒歌が俺の膝を枕に寝ているのを見て羨ましそうに妬ましそうに黒歌を見る。

 

「ナーベラルよ。俺とお前は五日後にナザリックを出て王国へ向かい冒険者としての活動を始める。その際のお前の役割等の説明をしようと思ってな。」

 

と伝えると俺の方に顔を向けて声を上げる。

 

「サスケ様が下等生物如きの国へ行かれるなど成りません!その役目はぜひ私達プレアデスにやらせていただきます!」

 

と言ってきた。

 

「ナーベラルが俺達の事を気にしてくれるのは嬉しいし素直に受け取ろう。だがなこの任は俺とアインズが中心にならないといけないんだよ。」

 

と答えるとわかっていないような顔をしている。

 

「簡単に言うとナーベラルは人間をどう思う。」

 

と聞くと

 

「下等生物に対してどう思うと聞かれましても・・・私は人間と・・・オーレオールオメガ以外に話した事が無いので。あの子は大切なの妹なので可愛いと思いますが他の人間はゴミ以下の存在と認識しております。」

 

「そこだ!人間は確かに不要な争いをして非効率的な歴史を歩む必要がある無駄の多い生き物だ。だからこそ俺とアインズがこの任務の中心に立つ必要がある。・・・ナーベラルはカルネ村に行ったことはあるか?」

 

「まだありません。」

 

「そうか。・・・俺は人間が好きなんだよ。確かに俺達みたいな人外に比べると何もかもが脆弱で取るに足らない。でも弱いからこそ恐ろしくもある。」

 

「弱いからこそ恐ろしいですか。」

 

「そうだ。あいつらは弱いからこそ、手を組み対抗する。知恵を搾る。力を求める。確かに手を組んでも底は知れているし知恵を搾ってもある程度予測は着く。力を求めても限界は直ぐにくる。でもな・・・俺達に届きうる天才は存在する。だからこそ人間は怖い。」

 

と伝えるとナーベラルは何となくではあるが理解したようだ。

 

「理解してくれたなら準備を進めておいてくれ。一応人間基準の装備といつでも完全武装になれる準備をな。」

 

と伝えるとナーベラルは頭を下げて

 

「畏まりました。」

 

そう言って部屋を出て行った。



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19話

ナザリックをナーベラルと出る時にいくつかの決め事をナーベラルに話した。

 

「ナーベラルよ。まずはこれから外に出る上で幾つか決め事を伝えておく。」

 

「畏まりました。」

 

「まずは俺とお前の偽名だ。俺はリク、ナーベラルガンマはナーベだ。」

 

「畏まりました。リク様。」

 

「様では無い。一応関係だがナーベは過去に家族を目の前で皆殺しにされてそこを運良く通りがかった俺がお前を助けた。それ以降ナーベは俺以外の人間が嫌いになった。いいか。」

 

「はい。リク様。」

 

「様を付けるな。今後・・・冒険者としている間はさんを付けろ。」

 

と言うとナーベから

 

「畏まりました。リクさ~ん。」

 

といかにも間抜けな返答に転けそうになるが何とか踏みとどまる。

 

「まぁいい。歩いて王国へ向かうからその間に慣れるようにしけ。」

 

「はい。」

 

「それとナザリックのナーベラルガンマとして戦う時の言葉は『ナザリックが威を示せ。』だ。場合によってはナーベラルガンマとフルネームで呼ぶ。聞き逃すなよ。」

 

と言うとナーベは自分の中で確認をしてから

 

「はい。」

 

と答える。

 

「そしてナーベとしての間のルールだが1つ目は第3以内の魔法のみ使用。2つ目は無為な争いの種を産まない。そして黒歌をアインズに付ける。黒歌は俺の妹のムイと言う名で活動しアインズは俺の弟子のモモンだ。ナーベはモモンの妹弟子で黒歌・・・ムイはナーベの姉弟子だ。いいか?」

 

と確認するとまた自分の中で確認作業に入り

 

「畏まりました。リクさ~ん。」

 

「そこは慣れような。」

 

そう言って俺はナーベに

 

「では向かうぞ。」

 

と言うと後ろからセバスとソリュシャンがやって来てた。

 

「サスケ様。ナーベラル。今からお出になるのでしょうか?」

 

とセバスが聞いてきた。

 

「そうだ。お前達は王都での調査だったな。スクロール等は問題無いな。」

 

と確認するとソリュシャンがカバンを取り出して

 

「こちらに御座います。」

 

と言って中身を見やすいようにしてきた。確認して

 

「問題無いな。まずはセバス。お前はたっち・みーさんの息子である事に誇りを持て。利益に繋がるのが一番だが人助けをしてお前自体の良い評判を広げておけ。」

 

「畏まりました。」

 

「ソリュシャンは王都にいる間は普段は上司のセバスを執事として持つ令嬢だ。令嬢らしく美しくそして知のある立派なセバスの主人になりきれ。」

 

「畏まりました。」

 

「それといずれは俺も王都へ向かう。その際は」

 

「王都の裏の情報を書面に纏めておきます。それと表はどのぐらい見ておきましょう?」

 

「貴族ならではの情報を重視して集めてくれ。」

 

「畏まりましたそのように致します。」

 

「それとセバスとソリュシャンは別々に俺とアインズに伝言を使うように。例え同じ事でも2人の考え方を聞きたい。よって2人の得た情報は常に共有しておけ。」

 

「「畏まりましたサスケ様。」」

 

「では行ってくる。」

 

そう言って俺はナーベと王国へ向けて歩き出した。少ない現地の金と情報を持って人間形態の状態で。



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20話

ナザリックを出て数日。面倒臭い人を見つけた。一昨日からスレイン法国の土の巫女の調子がおかしいと思っていたらビキニアーマーの女が土の巫女が額に付けていたアイテムを持ってるじゃないか。しかもばったり遭遇。片目が隠れていて写輪眼にしているからわかる。この女はガゼフより強い。

 

「そこの痴女。こんな所で何をやっている。」

 

「いやーん見つかっちゃった。・・・誰だテメェは。纏ってる雰囲気が半端ねえぞ。それにその腰に下げている確か刀だったか。そいつもやばい感じがぷんぷんするぞ。」

 

へぇー。こいつは中々だな。と思っていると土の巫女の記憶とあの時殺した男の記憶の中にこの女の名前と能力があった。

 

「クレマンティーヌだったか。」

 

「なんでてめえが知ってやがる。」

 

の言葉に対してナーベが不快感をあらわにしながらクレマンティーヌに問いただす。

 

「このガガンボが。リクさんに失礼だぞ。」

 

と言うとクレマンティーヌは

 

「そんなの知るかよ!」

 

と言ってスティレットを片手に突っ込んで来た。その速度は確かにガゼフに比べたら速いだろう。恐らくは人間では最速。カレンの方が速いがあいつはハーフエルフだからノーカンだ。まぁ俺から見たら

 

「遅いな。」

 

俺はそう言ってスティレットの先端を2本の指で掴む。とそこから電気が流れる。

 

「なんだ。この程度か。」

 

と言うとクレマンティーヌは口元をニヤリとして

 

「1本で終わらねえよ!」

 

そう言って腰からもう一本引き抜き俺の目玉を狙って刺そうとする。

 

「全く。危ねぇな。俺じゃなきゃ死んでるぞ。」

 

そう言って俺はクレマンティーヌに月詠をかける。今後の目的に自分の立場、この世界の情報を聞いているとなんとこいつは使えそうではないか。そう思うと俺は

 

「ナーベ。こいつを持ってろ。使えそうだから眷属にする。」

 

と言ってナーベに渡す。露出部分が多すぎてこいつは掴みづらいから肩に担ぐ形だが。手渡したら直ぐに人化の指輪を外して吸血鬼体になる。視線は少し低くなるが問題ない。取り敢えずナーベからクレマンティーヌを受け取り森の中へナーベと担いでるクレマンティーヌの3人で行き木に背を預け首筋を俺の牙で噛み血を注入する。やっぱり俺の血を口から吸うのと俺が首筋から注入するのとでは効果がだいぶ違うようだ。まぁいい。これで眷属化は成功。後は月詠を解く。

 

目を覚ましたクレマンティーヌは最初は反抗的な態度を取ろうとしたが直ぐに俺に忠実になり今まで通りに過ごさせて毎日伝言で情報を俺に流す様にする。

 

それにしても・・・あいつが吸血鬼・・・下位吸血鬼になって変わったことと言えば・・・胸が・・・ゲフンゲフン。

 

とりあえずこの思考は辞めよう。人化の指輪を嵌めて

 

「ナーベ。行くぞ。あの女は思わぬ収穫だった。」

 

と言いながら歩き出すとナーベが

 

「リクさん、質問してもよろしいですか。」

 

と聞いてきた。中々呼び方が様になってきたなぁ。

 

「いいぞ。どうした?」

 

「何故あの女をリクさんの眷属に・・・サスケ様の眷属にしたのですか?」

 

と聞いてきた。

 

「それは冒険者リクにでは無くナザリックのサスケへの質問だな。簡単に言うと情報網の拡大と構築。武技の習得に役に立つ者は種族なんて何でもいいんだ。気にするな。裏切る際は俺が存在ごと消滅させる。でいいか?」

 

と返すとナーベは理解したようで

 

「ありがとうございますサスケ様。勉強させて頂きました。」

 

と返してきた。

 

「なに。お前達は今まで盲目的に俺達の命令に従うだけだったんだ。これだけでも成長だ。」

 

「ありがとうございます。」

 

と答えてくれたので一言。

 

「ナーベ。もしナーベが見て使えるかもと少しでも思う奴がいたら種族は気にしないで俺に言ってみろ。全て試す。」

 

「畏まりました。」

 

こうして俺はナーベと王国へ向かうのだった。



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21話

数日後…エ・ランテルに着いた俺とナーベは検問を問題無く通り抜ける際に冒険者になる為に必要な場所を確認して向かっている。するとアインズから伝言が入り

 

『サスケさん。いま大丈夫ですか?』

 

『問題無いぞ。』

 

『今どこに居ますか?俺は昨日着いて登録を済ませましたけど?』

 

『すまん。俺は今着いて登録をしに向かってる所だ。』

 

『そうですか。なら、出来るだけ早めにお願いしたいんですけど。』

 

『どうしてだ?』

 

『さっき名指しの指名を受けて依頼を受ける事になったんですけど師匠がいると説明して黒歌がその師匠の妹で師匠には妹弟子が着いていると簡単に説明する事になっちゃって会いたいと言われたんです。出来れば偶然を装いたいので登録を終えて依頼を見ている所に話し合いを終えた俺達が遭遇・・・みたいな形に出来れば自然かなと』

 

『了解。少し急ぐ。』

 

そう言って俺は伝言を切ってナーベに声を掛ける。

 

「ナーベ。少し急いで登録を済ませるぞ。」

 

「畏まりました。」

 

ここからはかなり速く俺とナーベは移動して登録を終えて依頼を見始めているのだった。

 

依頼を見て暫く経つとアインズ・・・モモンとムイが人を連れて降りて来た。

 

「モモン。速かったな。」

 

「師匠。」

 

とモモンは俺を待てから後ろを向き他の人達に俺の説明を始めた。

 

「皆さん。この方が私の剣の師匠でムイの兄です。隣にいるのがナーベ。少し訳ありだから口が悪いかもしれないが勘弁して欲しい。」

 

そう言ってナーベを、見ると

 

「ナーベです。・・・初め・・・まして」

 

としっかりと・・・とりあえずまともに返答したから良しとしよう。

 

「初めまして。モモンから聞いたかと思うが俺がモモンの師匠でムイの兄のリクだ。」

 

と言うと恐らくは依頼人である少年が

 

「えっと初めまして。僕がモモンさんに依頼させて頂いたンフィーレア・バレアレです。よろしくお願いします。」

 

と言って後ろの4人組の一人が少し前に出てくる。

 

「私達も初めまして。漆黒の剣と言うチームで冒険者をさせていただいてますリーダーのペテル・モークと言います。こちらがメンバーの4人でレンジャーのルクルットにドルイドのダイン、マジックキャスターのニニャです。」

 

と答えた。

 

「こちらこそよろしく。ンフィーレア君に漆黒の剣の皆さん。それとンフィーレア君が弟子のモモンに、依頼をしたんだね?」

 

「はい。」

 

「もしよければ同行させてもらえないだろうか。移動の際に腕が落ちていないか見たいのとさっき着いたばかりだから漆黒の剣の皆とも話をしたいんだ。」

 

と言うとモモンがンフィーレアに話しかける。

 

「ンフィーレアさん。実力は安心して欲しい。ナーベは第三位階まで使えて師匠はその魔法と剣を私に教えてくれた。私達3人で掛かっても勝てない位強い方だ。」

 

と説得する。

 

「わかりました。リクさん。お願いします。それと少なくて申し訳ないのですが依頼料を払わせて貰います。依頼はカルネ村周辺の森での薬草の搾取です。」

 

といい返事が聞こえたので

 

「任せてくれ。護衛は問題無く行おう。」

 

「はい。お願いします。それでは明日の早朝に出発でもいいですか?」

 

「構わない。俺も少しモモンに妹と話をしたいと思っていたからな。」

 

と言うとンフィーレアは頷きながら

 

「ではお願いします。」

 

そう言って離れていき俺はモモンの案内でモモンの借りている部屋へと向かうのだった。



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22話

俺にモモン、ナーベにムイは4人でモモンとムイが借りている部屋へ行き、話を始める。

 

「黒歌。アインズは範囲内に力を抑えて出来ているか?」

 

「はいにゃ。身体能力が少し範囲を超えてますが技術が無いから上手い具合に見えますにゃ。」

 

と黒歌が答えたのを見てモモンが不満そうな顔で

 

「黒歌よ。私は元は生粋のマジックキャスターなのだ。剣が使えないのをレベルで誤魔化していると言ってくれないか。」

 

とモモンの言葉に対して俺は

 

「黒歌よ。よく本当の事をわかり易く詳しく言ってくれた。モモン・・・アインズの圧力が少しでも・・・ほんの少しでも些細なレベルでもあれば一言言えよ。その時は俺が絞める。」

 

と伝えると黒歌は目をキラキラさせて

 

「わかりました。リクお兄ちゃん」

 

とキラキラした笑顔で設定通り兄妹だと言うことを守ってくれた。それを俺の後ろから見ているナーベは

 

「リクお兄ちゃん・・・リクお兄ちゃん、リクお兄ちゃん、リクお兄ちゃん、リクお兄ちゃん、リクお兄ちゃん、リクお兄ちゃん、リクお兄ちゃん、リクお兄ちゃん、リクお兄ちゃん、リクお兄ちゃん、リクお兄ちゃん、リクお兄ちゃん、リクお兄ちゃん、リクお兄ちゃん、リクお兄ちゃん、リクお兄ちゃん、リクお兄ちゃん、リクお兄ちゃん、リクお兄ちゃん、リクお兄ちゃん、リクお兄ちゃん、リクお兄ちゃん、リクお兄ちゃん、リクお兄ちゃん……………………」

 

と言って顔を赤くしてクネクネしていた。それを見てアインズは

 

「サスケさん。ナーベが壊れかけているのでどうにかしてくださいね。」

 

「わかってる。」

 

と言ってナーベの顔を見る。

 

「ナーベ。」

 

「はい。リクお兄さん。」

 

・・・ナーベのお兄さん呼びはなんか嬉しいような違和感な様な

 

「・・・取り敢えず2人部屋を取るぞ。」

 

「は・・・い。」

 

そう言って俺に着いてきてカウンターで相部屋を一部屋借りて翌日の話をナーベと始める。

 

朝になりモモンと集まってバレアレ商会の前に行くと漆黒の剣のメンバーとンフィーレアもいて俺から伝える

 

「ンフィーレア君に漆黒の剣の皆。少し遅れたようだね済まない。」

 

と言うとンフィーレアが「大丈夫ですよ」といったように

 

「問題ありません。リクさん達は時間通りで遅刻をしていませんし。」

 

と答えてくれたので

 

「それじゃあ行きますか。」

 

そう言って俺達はンフィーレアが乗る荷馬車と馬を囲むようにして歩き出した。

 

2日程歩くとルクルットが何かを感じたようだ。まぁ気付いていたけど放置でいいかと思っている俺達とは違う考えのようだ。

 

「ゴブリンとオーガみたいだ。」

 

と言う。

 

「ならばまずは俺の力を見てもらおう。モモン達は何体か後ろにやるからその対処だ。」

 

と言うと

 

「わかりました師匠。」

 

と返してきた。

 

「漆黒の剣の皆もよければ護衛などせずに見てあるといい。ムイ。荷馬車に馬、漆黒の剣の皆を結界で守ってあげな。」

 

「分かったよ、リクお兄ちゃん!!」

 

そう言って黒歌は結界を張り始める。

 

sideモモン

サスケさんが腰に携えている刀を抜きかなりゆっくりめに走り出した。そんな時、漆黒の剣のリーダーのペテルが

 

「モモンさん。リクさんはモモンさんとは違う武器を使うのですか?」

 

と聞いてきた。

 

「そうですね。師匠はメインはあの刀ですが基本的になんでも使えます。凄い時は手足に1本ずつ刀を持ちながらもマジックキャスターのように魔術を繰り出す事もあります。」

 

と説明してしてる間にリクは3匹のオーガを後ろにやり

 

「ナーベは一体!モモンは2体。」

 

と言っている。

 

「やれやれ私は2体ですか。」

 

そう言って2本の剣で1体ずつ一撃で両断。ナーベは第三位階のライトニングで一体を倒した。

 

sideペテル

ンフィーレアさんがあの3人の戦いを見て

 

「ペテルさん。リクさんがあの数を1人で相手にするのが凄いというのははっきりわかるんですがオーガを一撃で倒したモモンさんとナーベさんはどの位凄いことなんですか?」

 

と聞いてきました。

 

「ンフィーレアさん。リクさんの今の戦闘は凄いの一言で片付けられるものではありません。オーガとゴブリンを何体も・・・しかもお1人でと言うのはまさに英雄の域に達していないと出来ないと思います。オーガを一撃で両断したモモンさんも冒険者としては最高位のアダマンタイトでないと不可能だと思います。魔法に関してはニニャに聞かないとわかりません」

 

と伝えたらニニャが

 

「今のは第三位階のライトニングです。第三位階はそう簡単に辿り着けるものでは無いのに簡単に使用するナーベさんもとても凄いです!」

 

と答えてくれました。それにたいしてンフィーレアさんは

 

「そんなに凄い方なんですか!」

 

と聞いてきました。

 

「はい。私達の見た中であそこまで凄い方は初めてです。」

 

と答えるので精一杯でした。モモンさん達の装備に嫉妬していたのが少し恥ずかしくなりますね。あれだけの実力を持っているのであれば当然なのかも知れません。私達にはそう思う他ありませんでした。



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23話

夜になり俺は夕食の前の時間にペテル達から質問を受けていた。

 

「リクさん。貴方はどのような鍛錬であそこまでの力を手に入れたのですか?」

 

とペテルが聞きてきた。

 

「そうだな。・・・俺のいた所は貧富の差が恐ろしくハッキリした場所でな。俺みたいな貧乏人が親の代わりに稼ごうとなると刀と魔法を鍛えるしか無かった。だから1ヶ月の間、両親に頼んで森の中で自給自足しながら野生の魔物達と戦いながら暮らしていたんだ。」

 

とでっち上げた話を伝えるとペテルはふと疑問に思ったのか聞いてきた。

 

「森の中で1ヶ月ですか。・・・魔法はどのように?」

 

「魔法は才能があったようでな。魔物との戦いの中で理解した。名前は後から知ったが。」

 

と言うとペテルは感心したように

 

「そうなのですか。やはり強くなるには自分を追い込む必要があるのですね。」

 

「それは間違い無い。・・・でもな森を出た時には俺のいた場所は滅んでいたよ。なんでも別の国の者達に住んでいた場所を潰されたみたいだ。」

 

と言うとペテルは申し訳なさそうにして

 

「すいません。嫌な事を思い出させてしまいました。」

 

と言ってきた。

 

「なに。今となっては昔の話。そこに住んでいた人達の分まで生きてやると思っている。それに妹だけは助けられたんだ。両親の死体の下にあった地下室の入口から逃げたようで地下室にいたよ。」

 

そう言って俺はムイの頭を撫でる。

 

「リクさんとムイさんにそのような過去があるとは思いもしませんでした。・・・実はニニャも似たようなものでして」

 

とペテルが言うとニニャが

 

「ペテル。リクさん達に比べたら僕はまだましです。僕達の村に旅の商人の男が来て幼い時に連れ去られて行ったので今、僕は生きているかもしれない姉さんを探しているのですから。」

 

とニニャが言っていた。そしてニニャが

 

「リクさん。僕を弟子にして頂けないでしょうか?」

 

と聞いてきた。

 

「何故・・・と聞くのは野暮だが敢えて聞こう。何故俺なんだ。」

 

と聞くとニニャは俺の目を見てハッキリと答えた。

 

「僕は姉さんを助けたいから力が欲しいんです。まだ生きているのかもどこに居るのかも分からない姉さんを。だから・・・」

 

と言ったところで俺は止めた。

 

「もう理解はした。そうだな。この護衛の仕事を終えたらまた詳しく話を聞こう。」

 

と言うとニニャは

 

「お願いします!」

 

と言った。

 

「まだ弟子になると決まった訳では無いがな。」

 

と言ってから俺はひとつ聴いた。

 

「ペテル達は何故漆黒の剣と名乗っているんだ?」

 

と聞いたら理由を話してくれた。それを聞いていると・・・あいつらを思い出すな。と思い、アインズ・ウール・ゴウンの前身であるナインズ・オウン・ゴールに入った時の事を思い出しているとモモンが少し話していた。そしてその後にニニャが

 

「いつかその時の仲間と同じ位の仲間と出会えますよ。」

 

と言った。それを聞いたモモンが

 

「もう会えませんよ…!」

 

と言ってからムイとナーベを連れて離れて言った。そして俺は

 

「済まないな。確かに俺もあの当時の仲間と同等の仲間には会えないと思う。でもニニャの気遣いはありがたい。」

 

そう言って俺もモモンの元へ歩いて行った。



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24話

モモンの横に座り俺は一言。

 

「言い過ぎだ。」

 

と言うとモモンは反省したように

 

「すいません。それは理解しています。でも・・・」

 

と答えた。

 

「そうだな。黒歌とナーベラルにはアインズ・ウール・ゴウンの前身のギルドの事とか話そうか。」

 

と言って俺は2人に聞かせた。前身のギルドの時アインズ・ウール・ゴウンを作った時俺達メンバーが揃った時NPCを作った時2人に聞かせ終えた時、2人は少し涙を浮かべていた。そしてナーベが

 

「申し訳ありません。なんと言えばいいのか私には分かりません。」

 

と言って黒歌も

 

「私もわからないにゃ。でも・・・今もこれからも2人だけじゃないですにゃ。」

 

と言ってくれた。ナーベと黒歌は2人なりにこの事実を受け止めて励まそうとしてくれたようだ。

 

「ありがとな。」

 

そう言って俺は瞑想を始めるのだった。

 

翌朝。ニニャがモモンに謝りそれを受け入れてから歩き出した。

しばらくすると俺の作りだした軽い城壁に囲まれた村が見えて来た。

それを見てンフィーレアが

 

「あれ?おかしいな。少し前はあんな感じじゃなかったのに。」

 

と言っている。そりゃそうだ。俺が忍術で囲いを作ったんだ。と思っているとゴブリンも出てきた。まぁエンリの言うことはしっかりと聞いているみたいだ。なんの問題も無い。

 

少しすると出入り口からエンリが出て来た。ンフィーレアとエンリは仲がいいようだな。と思っているとネムが来て

 

「サスケお兄ちゃん?」

 

と聞いてきた。何故バレた!と思っていると奥からカレンがこっちを見ている。気付いているようだ。もう少し隠蔽に力を入れるか。そう思うも今は時既に遅しだな。

 

翌朝。ンフィーレアの護衛を込で森へ行く時間が近づいて来たから挨拶をする。

 

「リクさんはサスケさんなんですか?」

 

と聞いてきた。

 

「ンフィーレア。とりあえず人目のつかない場所へ行こう。」

 

と言って村の裏の出入口を出て森の中に入る。

 

「なんでかな?」

 

と聞くと

 

「昨日ネムちゃんがリクさんのことをサスケお兄ちゃんと言っていました。そのあとエンリにサスケの事を聞きました。」

 

「そうか。それでどうした?」

 

「エンリをこの村を助けてくれてありがとうございました!」

 

と言ってきた。

 

「なに。たまたまだ。俺の故郷の話を話したな。」

 

「はい。」

 

「たまたま見つけたあの姉妹が俺の・・・幼馴染にそっくりで放っておけなかった。それだけだ。」

 

「それでもありがとうございました!」

 

と言っている。

 

「わかった。君の感謝は受け入れる。だからくれぐれも」

 

「はい。偽名を使っているのにも理由があるんですよね!外には絶対に漏らしません。」

 

「そうか。それならいい。」

 

と言って少し安心すると

 

「それと後少しで森の中に入ります。そこは森の賢王の縄張りなので」

 

と言ってきたので

 

「わかっている。護衛は任せておけ。」

 

と言うとそうでは無いようで

 

「その・・・お願いというのはその森の賢王を追い払うだけにして貰えませんか?」

 

と言って来た。

 

「まぁいいだろう。ある程度は加減をしておく。」

 

「お願いします!」

 

そう言って村の出入口へ歩いて行った。



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25話

森の中に入り俺とナーベ、モモンにムイは別々になり森の賢王を探し始めた。向こう側にはアウラでこっち側には

 

「マーレ。そろそろいいぞ。」

 

と言うと木の影からひょこっと人影が現れる。

 

「はい。サスケ様。」

 

と言ってマーレが駆け足で俺に寄ってきた。それに気付いていなかったナーベが驚きマーレに問いかける。

 

「マーレ様!いったいいつから」

 

と聞いてマーレが戸惑いながら答える。

 

「えっとサスケ様とアインズ様は気づいていたかもしれないてますが森に入った時には視界に捉えてましたよ?」

 

とマーレが伝えるとナーベはさらに驚いた顔をしていた。そして俺が

 

「森の賢王の目星は着いたか?」

 

と聞くと

 

「はい。ここからだとモモン様の方にいます。なので僕達は少しここにいましょう。」

 

と言うも

 

「森の賢王に俺も主だと伝えたい。森の賢王の気配がどれかわからないから案内を頼めるか?」

 

と言うとマーレは笑顔になって

 

「わかりました!・・・えっと・・・こっちです。」

 

と言って案内してくれた。少しするとモモンとムイが見えてきて立ち尽くしていた。モモンとムイが見ている方を見るとサスケとナーベも一緒になって固まった。そしてサスケが声を出す。

 

「で・・・デカいジャンガリアンハムスターだ…と…」

 

と驚きを隠せなかった。それを見てモモンが

 

「はい。私もびっくりしました。まさか巨大なジャンガリアンハムスターとは。」

 

と答えた。

 

「何者でござるか?」

 

とジャンガリアンハムスターがが言うとモモンが

 

「私の師匠のリクさんと妹弟子のナーベです。」

 

と、今の状態の説明をした。

 

「まぁいいか。戻ろうか。」

 

そう言って俺達が森を出るとちょうどンフィーレア達と同時だった。その後エ・ランテルまでの帰り道でニニャの話と覚悟を聞きカルネ村に鍛えてから入れるのもいいかもしれないな。と考えていると街に着いていた。バレアレ商会の前についてから俺とモモン達が冒険者組合に向かうと言ってジャンガリアンハムスターの登録をしに行く。

ジャンガリアンハムスターの主はフルプレートの中身がおっさん。

笑えるね。

 

4人と1匹で組合に向かいモモンとナーベが魔獣登録を済ませて出てくる。

 

名前は・・・ハムスケ

 

センスが感じられないがまぁいいかと思っているとンフィーレアの婆さんが来て一緒にバレアレ商会に向かう。

 

バレアレ商会の前に着くと死が漂っている。

 

「婆さんはここで待ってろ。モモンは婆さんを」

 

と言うとモモン気付いたみたいで

 

「わかりました。」

 

と言って下がる。ムイの目を見て頷くのを確認してから2人で中に入る。奥の扉の中から3人の死体の気配と1人の瀕死だな。

 

「ムイ。瀕死なら大丈夫だな?」

 

と聞くと

 

「兄さん。任せて下さい。」

 

と答えた。扉を開けると

 

ペテル

ルクルット

ダイン

 

の3人はゾンビに

ニニャは致命傷は負っているがまだ間に合う。

 

「ムイはニニャを回復させてくれ。3人は悪いが斬る。」

 

と言って俺は一閃!3人のゾンビは真っ2つに上半身と下半身が別れる。後ろを見るとニニャに生気が少しずつ戻って来た。目を開けると

まだ錯乱しているようなので精神安定の魔法を掛ける。少し落ち着いてから

 

「大丈夫かニニャ?」

 

と言うと反応はあるので少し安心した。



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26話

あれからニニャの話を聞いた。なるほと・・・クレマンティーヌか。確かにスティレットを使っていたな。

 

「ありがとうニニャ。あとは俺達に任せろ。」

 

と言うとモモンが婆さんと話を終えてここに来た。

 

「すまないがニニャは婆さんと一緒にいてくれないか?」

 

と伝えると

 

「わかりました。」

 

と言って部屋を出ていった。ドアを閉めて防音の魔法を掛けるように黒歌に指示を出してスクロールを使ってナーベに場所探しと映像化をする。

 

墓か。

 

確認を終えてドアを開けると婆さんとニニャがいて

 

「大丈夫なのかい?」

 

と聞いてきた。それに俺は

 

「なんの問題も無い。数千体のアンデッドにその奥にいる召喚者。その召喚者と共に孫はいる。」

 

と言うと

 

「す・・・数千体!」

 

と驚いて

 

「それを突破することがあんた達に出来るのかい!」

 

と聞いてきた。ニニャも少し不安そうな顔をする。

 

「問題は何も無い。俺には刀と魔法がある。それにモモンにムイ、ナーベも俺が育てた。ここらじゃあ1番の使い手である事は間違い無い。」

 

とだけ伝えて依頼の内容確認をして墓の方へ4人で走る。走っている途中ルプから伝言が入る。

 

『サスケ様。お伝えしたい事があります。』

 

『済まないが後にしてくれ。』

 

『畏まりました。』

 

こうして伝言が1度終わり墓へ向かう。

 

 

墓の前の城門に着くと門兵が数人いた。そいつらに俺が

 

「門を開けろ。」

 

と言うと

 

「カッパーのアンタらにどうしようと言うんだ!早く組合に向かって腕利きの冒険者を連れて来い!」

 

と言い出した。が門兵の後ろには大きく固まった名を忘れたがアンデッドがこちらを見ていた。それを見せて俺は飛び上がりアンデッドの真上に飛ぶ。そして刀を真下に投げてアンデッドを殺した。そしてそれを見たモモンにムイ、ナーベも飛んで門を越える。・・・ハムスケは。着いてくるな。

 

side門兵

あの4人組と1匹が門を超えて直ぐに外から音が無くなった。門を登るとアンデッドは殲滅されていな。

 

「俺達は英雄の始まりを見ていたのかもしれない。マントの英雄と漆黒の英雄の始まりを。」

 

俺はそう思った。

 

sideサスケ

 

ハムスケと黒歌は生命反応がハッキリしているために狙われやすい。

その為に黒歌はフライを使って空を飛びハムスケを持ち上げている。

そして俺とモモンにナーベはアンデッドの殲滅をしているが数が多い。そう思っているとモモン・・・アインズが3体のアンデッド種のモンスターを召喚して数をどんどん減らしている。全てを倒して進むと教会の建物に着いた。そこで1人のジジイを囲んだ数人のマジックキャスターがいる。

 

「カジット様。」

 

と声が聞こえた。バカか。

 

「やぁカジット。こんな儀式を行うには詰まらない夜では無いか?」

 

と俺が言うとカジットが

 

「それを決めるのは私よ。」

 

と答えてきた。

 

「3人は・・・ナーベはここで相手をしろ。俺は後ろの女を相手にする。ムイとモモンは手を出すな。」

 

と言うと

 

「あら〜バレちゃってたの。私はクレマンティーヌ。よろしくね。それよりもなんでここがバレたのかしら?」

 

と言ってきた。いくら俺の記憶を封印しているとはいえここまでになるか。

 

「お前のマントの中に答えがある。」

 

と言うと

 

「いやー変態。」

 

と言うも面倒臭いから無視。

 

「クレマンティーヌ。俺達は向こうの方でヤるぞ。着いてこい。」

 

と言うと何か言っているが無視して着いてくるのを確認。

 

少し離れた場所に着くとクレマンティーヌが

 

「おい。アンタにあってからずっと頭がモヤモヤしてんのはなんだ。てめぇからはヤバい気がメチャメチャするんだ。」

 

と言ってきた。

 

「なに。知りたければかかって来い。手加減はしてやる。」

 

と言って腰の刀を抜く。そして刀を地面に、刺して右手を前に出して人差し指を動かす。するとクレマンティーヌも腰からスティレットを抜き

 

「舐めんのもいい加減にしろよ!」

 

と言って突進して来た。刀でクレマンティーヌのスティレットを止めて受け流す。不思議そうな顔をして

 

「てめぇ!今何をした。」

 

と言って来る。

 

「わからないのか?受け流しただけだろ。」

 

と言うとクレマンティーヌが少し笑ってまるでクラウチングスタートの様な体制になる。

 

「人外・・・英雄の領域に足を踏み込んだ私に勝てると思うなよ!」

 

と言って武技を重ねがけ。カレンも使っていたが武技は面白いな。と思っているとクレマンティーヌが人間にしては異常な速さで突進してスティレットを誘うとしてくる。それを今度は前の時と同じ様に2本の指で止める。そして月詠を掛けて記憶の封印を解く。するとクレマンティーヌは頭を抑えて転げ回り出した。色々な情報が流れ込んで来たらしい。少しすると俺の前に跪く。

 

「サスケ様。先程の無礼。申し訳ありません。」

 

と言って来た。

 

「気にするな。記憶に封印を掛けていたのは俺だ。」

 

と言うとクレマンティーヌは

 

「ありがとうございます。」

 

と答える。それに対して俺はまずは情報の提示とやる事を示す。すると面白い情報を聞けた。コイツはあのあと、多くの情報屋を殺す寸前まで持って行き、チャームを、けて情報を聞いて殺していたようだ。

その数多くの情報を何となくの義務感から集めていた様だ。その行動が封印を弱めていて俺との再開の時に解けそうになった様だ。そしてその後のこいつのやることは片腕を俺が刀で切り落として再生。この片腕を媒介にコピーを作成。後はナザリックの第六階層の闘技場で武技の指導に当たらせる。報告をアウラとマーレに入れてゲートで繋いで送る。これで良し。後は

 

「ナーベラルガンマ!ナザリックが威を示せ!」

 

と大声で叫ぶ。もう問題ない。・・・スケリトルドラゴンが2体も出てくるのは想定外だが大丈夫だな。と思いながらコピーの死体の足を引き摺ってモモン達の元へ歩く。



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27話

コピーを引き摺ってモモン達の元へ来るとナーベが第7位階魔法でスケリトルドラゴン2匹ごとあのジジイを殺していた。

降りてきたナーベに労いの言葉を掛ける。

 

「ご苦労ナーベ。」

 

「ありがとうございます。」

 

ナーベはサスケに会釈する。サスケは今さっき、感じたことを口にした。

 

「今の魔法を見て分かったことを伝える。」

 

「はい。」

 

「この世界では魔法を使うと周りも影響を受けるようだ。そこに注意して今度から使うといいかもしれないな。もしかしたら威力が想定以下になったり想定以上になったりするかもな。」

 

と言うとモモンは理解してナーベとムイは頭の上に?を浮かべたような顔をした。

 

「簡単に言うと周りへの影響を考えて使うといいかもしれないな。」

 

そう言って俺達は門の方へ歩いて向かった。門へと歩きながら俺はルプに伝言を飛ばす。

 

『ルプ。さっき伝言で伝えたかった事はなんだ?』

 

と聞くとまさかの返答が返ってきた。

 

『はい。シャルティア様が反旗を翻しました。』

 

はっ?

 

となり間抜けな顔を晒してしまった。その顔を見たナーベが疑問に思ったのか尋ねてきた。

 

「サスケ様。どうされましたか。」

 

と聞いてきた。アインズを見ると骨組みが・・・になっていた。

 

「アインズ。とりあえずあの婆さんとンフィーレアをカルネ村に大至急連れて行ってナザリックに行くぞ。」

 

と言ってからの行動は恐ろしく早かっただろう。なんせ2時間後にはナザリックに戻り事情を聞いていた。

 

「ニグレド。シャルティアの様子は?」

 

とアルベドの姉であるニグレドに聞くと

 

「はい。サスケ様。シャルティアは今現在同じ場所から動いておりません。魔力の反応は無しです。」

 

「そうか。」

 

と答えるとアインズはアルベドを連れてグレーターテレポーテーションでシャルティアの元へ飛び超位魔法である『ウィッシュアポンアスター』を使うも効果は無し。

 

「ナーベラルガンマよ。アインズにワールドアイテムを取りに行かせろ。それとこれを渡せ。」

 

と言ってナーベラルに渡したのは転移無効化の札。それを渡して俺はニグレドの案内でシャルティアの元へ飛ぶ。

 

sideアインズ

ワールドアイテムを取りに行って宝物殿を出るとナーベラルがいてサスケさんに渡すように言われた物を受け取る。俺も急いで飛ぼうとするも飛べない。

 

「ナーベラル!これはどういう事だ。」

 

「サスケ様から渡せとの事でしたので内容までは。」

 

と答えた。

 

「まずい!シャルティアは元々ペロロンチーノさんがナザリック最強の対サスケさんに作ったのだ!」

 

と言うと黒歌とルプスレギナ、白音がやってきて

 

「申し訳ありませんにゃん。アインズ様をここから先に行かせる訳には行きませんにゃん。」

 

と黒歌が

 

「そうです!サスケ様より弱いアインズ様では手も足も出ません。相性も最悪です。」

 

と白音が

 

「申し訳ないっす。玉座の間でアインズを待たせるようにとのサスケ様の絶対の命令っす。王の財宝の中にいるサスケ様の連れて来た人達もその指示の元動いています。」

 

とルプスレギナが

 

「わかっているのか!シャルティアは対サスケさんに作られたのだ!」

 

と言うと奥からアルベドの妹でナザリックNPC最強と言われるルベドが出て来て

 

「行かせない。」

 

と言って前に立った。

 

「サスケ様の命令です。半殺しにしてでも止めるようにと。」

 

と言った。

 

そこへデミウルゴスが出て来て

 

「サスケ様は大丈夫です。アインズ様はここでお待ち下さい。」

 

と言って来た。

 

「先程サスケ様から秘密兵器を見せて頂きました。闘技場にて映像を写しナザリックに所属する者全てで見ていろとの事です。」

 

とデミウルゴスも言ってきた。

 

「デミウルゴスなら止めるのではないか?」

 

と言うも

 

「至高の御方の中で最強のサスケ様の覚悟を前に私では反論など出来ようはずがありません。アウラとマーレはサスケ様にお願いをさせて頂き連れて行って頂きましたが。」

 

と言って来た。

 

「サスケさんの強化状態2と完全武装を見たのだな。」

 

と聞くとデミウルゴスが

 

「はい。見せて頂きました。シャルティアの場合は力の底が私でも見えました。しかし!サスケ様の底は一切見えませんでした。あの御方ならば問題ありません。それと申し訳ありませんがアインズ様では底がギリギリ見えてしまいます。」

 

とデミウルゴスに言われては納得するしか無い。ここまでされたらサスケさんを信じるしか無い。



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28話

「アウラ、マーレ。2人はここで見ていろ。」

 

「わかりましたサスケ様。」

 

「が・・・頑張って下さい。」

 

俺は2人の頭を撫でて俺はシャルティアの前に飛んだ。シャルティアの前に立つも反応は無いか。

 

「シャルティアよ。悪いが準備をさせてもらうぞ。」

 

そう言って俺は強化状態1になり装備も完全武装になる。腰に挿してある刀もクナイとして使う物も今までのものとはレベルが違う。刀は天叢雲剣。クナイは二式炎雷と共に作った天照と月詠。魔法で積乱雲を起こして千鳥を積乱雲に当てる。

 

「悪いな。この雷鳴を喰らえ。麒麟!」

 

そう言って俺は巨大な落雷をシャルティアに直撃させる。

すると

 

「あははははは!痛い!痛いでありんすサスケ様!」

 

と言ってきた。

 

「そうか。それはよかった。それで今のお前の主は誰だシャルティア。」

 

「それはサスケ様・・・誰でありんすか?とりあえずこのように攻撃を受けたでありんすから反撃しないといけません!」

 

シャルティアは一息で突っ込んで来た。俺の近くまで来た所で地面が大爆発。

 

「悪いなそこには起爆札を仕込んだ。」

 

「なるほど。流石サスケ様、簡単には近づけないでありんせんか!」

 

右腕を上に上げて光の槍を作り出した。清浄投擲槍。俺にとっては天敵な技だが知っていればなんてことは無い。

 

「サスケ様には悪いでありんすがこれを使わせて頂きます!」

 

と言って恐らくMPを使って必中にして威力も向上したのだろう。

投げてくるが俺はそれを

 

「地爆天星!」

 

を使って清浄投擲槍を中心に強力な重力を発生させて動きを無理矢理力尽くで止める。それを見たシャルティアが

 

「なっ!なんですか!それは!」

 

「地爆天星」

 

今度はシャルティアのスポイトランスを重力の中心に使用とするもシャルティアがエインヘリアルを身代わりに使った

 

「上手く避けたな。」

 

「本当になんでありんすか!今の技は!」

 

「簡単な事だ。それがそこにあるものを強力な重力の中心にするだけの事だ。」

 

「簡単じゃありんせん!」

 

魔法を乱射してきた。全てを躱すが

 

「全部当たった所がクレーターになってやがる。」

 

当たりそうになった技を刀で切って相殺

 

「でもまだ俺には届かない。」

 

足下の地面が盛り上がり俺の足の膝の高さまで覆い動き止めている。

 

「掛かってくれたでありんす。」

 

そしてシャルティアがまたMPを付与した

 

「清浄投擲槍」

 

を投げてくる。神羅転生で弾き飛ばす。そして

 

「万象転引」

 

を使って引き寄せようとするとシャルティアがスポイトランスを地面に刺して引力に抗う。そこで術を解いて

 

「火遁豪華滅却」

 

を使い高火力な炎を広範囲にシャルティアが逃げずに不浄衝撃盾を使うように仕向ける。

 

「不浄衝撃盾」

 

予定通りに使用した。そこで俺はシャルティアの後ろへ飛び

 

「火遁豪華滅失」

 

を使う。するともう一度

 

「不浄衝撃盾」

 

これでスキルの使用回数を使い切った。後は蘇生を使わせる!

と思っているとシャルティアがスポイトランスを突き出して突進して来る。それを俺は求道玉を1つ出して盾のように使いもう1つ取り出して棒状のものに変える。そして横凪にするも間一髪それを躱す。

 

「よく交わしたな。」

 

「求道玉は何がなんでも交わさないと危ないでありんすえ。それは以前サスケ様。貴方様が言ったでありんす。」

 

よく覚えていたな。

 

「確かに言ったな。なら、これならどうだ!」

 

俺はそう言って最終形態になった。



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29話

sideシャルティア

サスケ様の姿が代わりんした。あの姿は初めて見たでありんす。鬼を想像させる角が生えていてさっきよりも強大な力を感じるでありんすね。MPを見るとまさに天まで届いているのではないかと思わせるだけの力がありんす。まさにお仕えするに値する御方。でも今は敵でありんす。と思っていると腰にサスケ様は刀を戻した。

 

「どう言うつもりでありんすか?」

 

「なに。シャルティアがなかなか戦いを面白くしてくれたからな。別の武器を出そうかなと思ったんだ。」

 

そう言うとサスケ様の右手の横に金色の小さな穴が出てきてそこからシンクに輝く棒のようなものが出てきた。サスケ様がそこから抜き取るとそれが細長い槍であった。あんな細い槍なら簡単に折れるんじゃないかそう思いながらサスケ様に聞いた

 

「そんな細い槍で私を倒せると思っているでありんすか?」

 

「なに。コイツは神器級アイテムのゲイ・ボルグだ。問題は全くない。」

 

と言うとサスケ様が突然低い体勢になる。槍の刃が私とは反対方向に向いていて何をするのかと思っているとサスケ様は恐ろしく速いスピードで突っ込んで来た。スポイトランスで何とかギリギリで躱すも・・・あの真紅の槍・・・ゲイ・ボルグはヤバい。あの槍の存在がヤバすぎる。

それだけはハッキリとした。

 

「サスケ様。その槍はタチが悪いでありんす。見た目と違いすぎる攻撃力はなんでありんすか?!」

 

「コイツは神器級アイテムのゲイ・ボルグだ。投擲槍で基本は一撃必殺の槍だな。そして真正面から受け止めない限りは心臓に必中!だから!」

 

と言った途端にサスケ様は大きくジャンプをして槍に力を込め始めた。真紅と言うには禍々しいその槍は威力がさっきの近接での一撃と桁違いなのがわかる。私の本能がやばいと警報を上げている!。今、私に残された選択肢は1つ。あのゲイ・ボルグと言う槍がサスケ様の言う通り必中なのであれば真正面から防御魔法で止めないといけない!

そう思って私はMPの残りの大半を使って分厚い・・・もしかしたら意味は無いかもしれないでありんすがスキルの蘇生が残っている事を考えると・・・本来はここで使うべきではないのかもしれないでありんすが使う事を覚悟で全力の魔力障壁を作るしかなかった。不浄衝撃盾はさっき使い切った。清浄投擲槍も使い切った。そんな状態であの槍と正面からぶつかるのは自殺行為だ!それもわかっていんす。でも勝つ為にはこれしか無い!

 

そう思ったタイミングでサスケ様が

 

「ゲイ・ボルグ」

 

そう言ってゲイ・ボルグを私目掛けて投げてきた。禍々しい真紅の槍。その槍は私目掛けて一直線に飛んできんした。やるしかない!そう思って私は全力の魔力障壁を展開しんした。



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30話

シャルティアがかなり分厚い魔力障壁を展開したな。でもこのゲイ・ボルグに更に俺のMPを付けたんだ!更にチャクラで作った雷もいくら分厚いとはいえ魔力障壁で止められるわけが無い!そう思いながら俺は全力でゲイ・ボルグをシャルティアに向けて投げた。一直線にシャルティアの心臓部目掛けて飛んでいくゲイ・ボルグ。シャルティアの魔力障壁に衝突すると激しい衝撃がここまで飛んできた。

 

 

かなり長い間この衝撃を受けている気がする。

少しずつではあるがシャルティアの魔力障壁に罅が入りだしている。

 

 

魔力障壁を抜けてシャルティアに刺さると雷がシャルティアの身体を切り裂き真っ二つに・・・だがシャルティアの持つ蘇生スキルで1度蘇生される。

 

「サスケ様!痛いでありんす!これは本当に痛いでありんす!」

 

そりゃそうだろう。真祖の吸血鬼であるシャルティアとはいえゲイ・ボルグが貫通したんだ。それに加えてオレの雷遁で身体も真っ二つ。痛くないわけが無い。

 

「そうか。で・・・洗脳は解けたか?」

 

と聞くも反応を見る限り解けていないようだ。本当の事を言えばこんな事はしたくは無かったが仕方が無い。俺は求道玉を全て出して本気の戦闘態勢に入る。王の財宝から再び天叢雲剣を取り出して右手に持ち左手には小刀の・・・今はクナイとして使うが天照と月詠を指の間に挟んで持つ。ここからが本当のナザリック最強の戦いになる。俺は牽制として印を結ばずに火遁豪火球を放つもこの程度ではシャルティアにダメージは与えられないでもそれでいい。その火の玉がシャルティアを覆っている間に俺は再び接近して右手に持つ天叢雲剣でシャルティアを斬ろうとする。シャルティアは火遁豪火球の火の玉から飛び出てスポイトランスで俺の天叢雲剣を抑える。その隙に天照と月詠を投げようとするとシャルティアは後ろに飛び距離をとる。

 

好都合だ。

 

俺は神威の空間に入れていた巨大な手裏剣を神威からそのままシャルティアに向けて飛ばした。もちろん雷遁に瞳術の天照を付けてある。

シャルティアはさっきの雷遁によって真っ二つにされた事を気にしてなのかその手裏剣を大きく躱す。まぁ問題無い。その天照を掛けてある手裏剣についているチャクラ糸を使い俺とシャルティアの周囲200メートルを天照の黒炎で囲む。

 

「サスケ様。この小さな黒炎で囲む程度では私は足止めする事は出来んせんでありんす。」

 

「知っているさ。でも1つ言っておこう。この黒炎は触れた者を燃え尽きるまで燃やし続ける。少しでも触れると灰になる道以外無くなるぞ。」

 

と言うとシャルティアは理解して舌打ちをする。そのシャルティアの舌打ちを見た俺は印を結び広範囲に影響を与える

 

「流砂・爆流」

 

を使いまさに砂の津波と言ってもいい規模の術を使う。飛んでいようとも関係無い。この術を見て慌てたシャルティアは残り少ないMPで再び魔力障壁を張るもこの砂の爆流にとっては関係無い。魔力障壁を破ってからはシャルティアを抑え込むのみ。…と思っていた。なんとシャルティアはあの身体からは・・・いや、ステータス的には可能なのだがシャルティアを押さえ込んでいた砂を払い除けた。ならば!俺のすることは1つ!シャルティアを中心に砂のピラミッドを作ろうとする。これは少し時間がかかる為にシャルティアも抜け出そうと足掻く。最初に足を捕まえたのがよかった。とりあえず部分的ではあるが

 

「砂縛柩!」

 

を使い俺はシャルティアの足の骨を圧迫して粉微塵に砕く。

 

「がァー!」

 

とシャルティアは痛がっているが今ここで情を与えて殺さずに長引かせるのはシャルティアにとって1番辛いことだ。

もしこの術で殺しきれなかったらという事を考えて俺は上空にとびきりデカい隕石を用意する。がその間にシャルティアが残りのMPを全て使って俺の砂を弾き飛ばした。

 

「流石ナザリック階層守護者最強だな。」

 

俺は納得した。戦闘に関してはナザリックの誇る階層守護者で一番だと。ナザリックのでNPC達にとって至高の御方と呼ばれるメンバー最強と言われる俺でもなかなか苦労させる!と思っているとシャルティアはMPを使い尽くしフラフラとしていた。

 

「シャルティア。勝負あったな。」

 

「そ・・・そうでありんすね。サスケ・・・様。私の負けでありんす。足を砕かれて・・・何とか砂に覆われている部分を使わないと立てないでありんす。」

 

そう言って負けを認める。俺はそれを見てシャルティアの元へ歩く。

そして抱き締める。シャルティアの手に辛うじて残っていたスポイトランスを蹴飛ばしで無防備にしてからだが。

 

「シャルティア。すまんな。俺の出した命令のせいでお前には嫌な思いをさせた。お前達にとっての至高の御方である俺とアインズを敵に回すという事をさせてしまった。」

 

頭を撫でていると

 

「そんな事はないでありんす。命令をこなせずに失敗した自分がいけないでありんす。」

 

とシャルティアが話している間に俺はシャルティアの命令を出してから俺と戦うまでの記憶を読み取る。その記憶の中に映ったのはカレンの記憶の中にあった漆黒聖典とクレマンティーヌの記憶にいたカイレという婆さんだ。そしてその婆さんが来ているチャイナドレス。あれは・・・傾城傾国・・・洗脳のワールドアイテムだ。それを見て俺はシャルティアは俺の出した命令以上の事をしたと心の底から思った。

 

「シャルティア。よくやった。お前はワールドアイテムを1つその所有者まで見たんだ。俺の命令以上だ。だからと言ってはなんだがあの隕石はお前一人ではなく俺も一緒に受けよう。」

 

と言うとシャルティアは慌てたように

 

「そんな!そんな事はしないで欲しいでありんす!私が失敗してたまたま得た情報がよかった。それだけの理由であんなに危ない隕石を私と一緒に受けないで欲しいでありんす!お願いします。サスケ様には・・・私の最後を見て欲しいでありんす。」

 

と言って涙を流せないはずの俺とシャルティアは吸血鬼なのにシャルティアの頬には一筋の水滴が流れている。その涙を見て俺は指で涙を掬いより一層シャルティアを強く抱き締めた。そうしている間にも隕石は迫ってきている。シャルティアはそれを見たのか俺を引き剥がそうとする。でもシャルティアの今、残された力では俺を剥がすことは出来ずに諦めて隕石がぶつかる瞬間にシャルティアは俺に向かって

 

「サスケ様は甘いでありんす。バカでありんす。でも私が・・・私達が敬愛するサスケ様がこんな御方だからこそ本当はずっと貴方に仕えたかったでありんす。」

 

俺はシャルティアのその言葉を受けて心の底から嬉しかった。だからこそ1つ真実を伝える必要がある。

 

「シャルティア。お前はナザリックの・・・俺の宝だ。後でお前を蘇生させる。」

 

「ナザリック万歳!サスケ様万歳!」

 

と言って隕石と共に消えて亡くなった。俺もその隕石で大きなダメージを受けて暫く立てそうにない。そうして俺は気絶したのだった。



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31話

sideアウラ

サスケ様。私とマーレにとっては父親のような御方。茶釜様と協力して私達双子を作って下さった御方。今、空にはすごく大きな隕石が迫っている。恐らくは人間達にも見えていると思う。私はサスケ様は今すぐにでもシャルティアから離れて安全な所に行ってくれると思っていた。でもシャルティアを抱いたまま動こうとしない。むしろシャルティアがサスケ様を剥がそうとしている。サスケ様は自分には恐ろしく厳しい御方であるがナザリックに産まれた私達には本当にお優しい御方。だからこそ。そんなに優しいサスケ様だからこそ私達の最後を一人ぼっちに出来なかったんだと思う。

 

 

隕石が衝突してからの衝突は凄まじいの一言だった。1度だけ見たことがあるアインズ様の最大火力の魔法

 

「ダウンフォールン」

 

あの魔法とは規模も威力も比べ物にならなかった。だって100レベルの私とマーレがこの距離で吹き飛ばされるほどですからあの中心にいたサスケ様とシャルティアはとんでもない威力なんだと思います。

 

しばらくして衝突した隕石は砕けること無く消滅した。でも衝突した所には恐ろしいほど大きなクレーターが出来ている。

 

私はそのクレーターの中心に目を向ける。そこには凄いダメージを受けたサスケ様が1人立っていた。私はマーレを連れて急いでサスケ様の元へ走った。

 

私とマーレがサスケ様の元に着くとサスケ様が倒れ始めていた。私とマーレはサスケ様の下まで全力で走り完全に倒れる前にサスケ様を2人で支えた。急いでマーレにサスケ様を回復してもらった。マーレは今は気絶しているだけでMPの使い過ぎが原因みたいだ。MPだけは時間でしか解決しない。私は急いでフェンリルのフェンを召喚してサスケ様をマーレと2人でゆっくりとフェンのふかふかの背中に乗せてナザリックから誰かが来るのを待つ事にした。すると近くにいたニグレドが出てきた。あの衝撃をこの距離で受けてニグレドはHPが満タンだったにも関わらず気を失っていた様だ。ここに向かう途中でナザリックに伝言を入れたと言っていたしもう少しすればナザリックから誰かが来ると言っていた。

 

 

 

sideサスケ

目を覚ますとそこは俺のナザリックでの部屋だった。身体を起こすとシャルティアにルプスレギナに黒歌、白音の4人が俺のベッドに頭を乗せて寝ていた。とりあえず俺はアインズに伝言を飛ばす。

 

『今、大丈夫か?』

 

『この!馬鹿!』

 

と珍しく大声で怒りだした。

 

『分かっている。流石に無茶をした。』

 

『本当ですよ。サスケさん。あの戦闘をニグレド経由で見ました。戦闘が終わってすぐに貴方の作り出した3人が話も聞かずに飛んで行きましたよ!どれだけ心配をかけるんですか!それとシャルティアを蘇生させてからシャルティアにも見せました。シャルティアがどれだけ責任を感じているのかわかりますか!』

 

とここからがが長かった。

 

だがこれから俺のすることは・・・あれ?俺とシャルティアの戦闘痕はどうなったんだ?と思ってからアインズとの伝言が終わってからニグレドに伝言を飛ばす。するとニグレドは本当に俺の心配をしてくれたようでなかなか聞くことは出来なかった。って言うか最後まで聴けなかった。



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32話

俺が身体を起こすとシャルティアが目を覚ます。

 

「やっと目を覚ましんした!サスケ様。大変申し訳ありんせんした。」

 

土下座に近い状態になった。

 

「気にするな。あの戦いは俺から始めた事だ。」

 

と俺はシャルティアを見て言うもシャルティアは顔を上げずに土下座のまま。

 

「何卒私にバツを・・・」

 

「そうか。でもシャルティアは俺の命令以上の事をしたんだ。気にすることは」

 

「それでも!私は洗脳にかかり更にはサスケ様に負けたとはいえあの攻撃は命を奪う為の攻撃でありんす。私が許せません!」

 

真剣な顔で俺の顔を見ながら。なら、その答えを聞こうか。

 

「わかった。でも直ぐにと言われても思い浮かばない。だから今日は後で2人でバーに飲みに行こう。」

 

 

「えっ?」

 

と驚いた顔をしてフリーズした。

 

「どうした?一緒に飲めないのか?」

 

「は!・・・はい!ぜひ!お願いします!」

 

も立ち上がり全力で腰を曲げて

 

「お願いします!」

 

と俺に向かって言って

 

「それではサスケ様!部屋で準備をしてまいんす。」

 

シャルティアは部屋を走って出て行った。その足音で・・・というかこの少し前に起きていた3人は

 

「私達にも何か欲しいっす!」

 

「そうにゃ!ずっと看病していたにゃ!」

 

「シャルティア様よりも早く来て看病を3人でしていました。」

 

とルプスレギナ・黒歌・白音乗せて順で言ってきた。

 

「なら、何か欲しいものはあるか?俺に出来る範囲でならあげるぞ。」

 

と言うと黒歌がいきなり!

 

「サスケ様の子種!」

 

「それは却下だ。」

 

と言うとルプスレギナが

 

「サスケ様。子種は私達の・・・にサスケ様の・・・をぶっ込んで思いっきり打ち付ければ出てくるっす!」

 

「それくらいは知ってる。・・・・・・とりあえずそれは却下だ。」

 

 

「「ちぇー」」

 

と二人揃って言った。しかも顔が少し不貞腐れている。俺ってこの2人にこんな設定を入れたか?と思っていると白音が

 

「私はサスケ様の背中を流したいです。」

 

と言うと黒歌とルプスレギナが

 

「「それっす!/にゃん!」」

 

と反応しやがった。まさかここに食いついて来るとはとりあえずは

 

「なら、白音の背中は俺が流そう。」

 

「破廉恥にゃん!そんな事言って白音のあんな所やこんな所を・・・フニャッ!!」

 

白音が黒歌の鳩尾に拳を一撃。ルプスレギナは突然目の前から黒歌が消えたのに気付き呆然としている。そして黒歌が

 

「し・・・白音・・・ひどい・・・にゃ」

 

黒歌はその場に倒れた。その倒れた黒歌を見た白音が汚物を見るような目で

 

「このド変態が!破廉恥は姉様です。」

 

と言うと白音は俺の元までやって来てキラキラとした笑顔で俺の手を頭に乗せてニコニコしていた。あの拳・・・姉に向けるものじゃねえと思いながらも頭を撫で続けていた。



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33話

白音との約束の為に風呂へ行くと白音がタオルを巻かずに風呂へ入ってきた。俺も巻いていないが。

 

「サスケ様。背中を失礼します。」

 

「なに、看病をしてくれた礼だ。遠慮はしなくていい。」

 

「はい!」

 

と言って身体を清めるタオルに泡をたてて俺の身体を洗い出した。

 

「サスケ様、気持ちいいですか?」

 

「ああ。良い感じだ。」

 

「良かったです。」

 

と言って身体を洗い続けた。

 

身体を洗い終えて今度は俺が白音の身体を洗う。

 

「ニャ~♡」

 

と終始気持ち良さそうな声を上げている。人化した状態の白音を洗い終えて今度は猫化させて洗う。

 

「ふにゃ~♡」

 

とまた気持ちよさそうな声を出す。

 

しばらくして洗い終えると俺と白音は湯船に入る。

 

白音は俺に背を持たれて安心しきった表情をしている。

 

「白音。身体を洗っている間の声が幸せそうだったな。」

 

と聞くと白音は顔を真っ赤にしてサスケに身体を預けたまま小さくなる。

 

「気持ちよかったです。」

 

「そうか。ならばちゃんと褒美になったか?」

 

「最高に幸せでした。」

 

それは良かった。と思っていると白音が

 

「サスケ様は何故私たち3人を作ったのですか?」

 

本当の理由は100年程前の小説が残っていてそれを読んでいる時に出てきたキャラクターが黒歌と白音だった。ルプスレギナ・ベータは狼の女王を吸血鬼が眷属にした物語を読んだからという理由だがそれを話す訳にはいかないからな。

 

「そうだな。俺は吸血鬼なんだ。どうしても力のある眷属が必要になる。でもな同じ種族では俺は詰まらない。どうせなら俺の好きな猫と狼の種族を作ろうと思ったんだ。猫がメインの黒歌と白音はリアルという世界の日本という国の妖怪、猫又の最上位種と同じ能力をルプスレギナは名前を直訳すると狼の女王だ。この2つはそれ相応の強さに否応無しでもなる。作る前は力があればいいと俺は思っていたが作っている途中で変わった。お前達は俺の大切な娘達だ。だから今、持たせている力は自衛がメインのものだ。俺の為に働くのも嬉しいがお前達にはそれ以上に自分を大切にして欲しいと言う願いもある。」

 

サスケの話を聞いて白音は感動したように目を潤ませ見つめていた。その時突然風呂場のドアがガラガラと開いた。そこにいたのはタオルを1枚巻いただけの姿の黒歌とルプスレギナがいた。

 

「ニャハハ!!サスケ様、白音一緒に入るにゃ!!」

 

「そうッス!!入るッス!!」

 

2人はそう言いながら自分の身体に巻いてあるタオルを取り去りながらサスケへとルパンダイブで飛び込む。するとサスケの前に白音が現れ黒歌とルプスレギナの腕を掴み、思いっきり床へと叩きつける。

 

「「フギャ!!」」

 

2人はめり込んだ床から顔を上げて白音に抗議をする。

 

「イタタ…いきなり何するにゃ!白音!!」

 

「イテテ…そうっすそうっす何するんすか!!」

 

白音は2人の抗議を無視して冷たい視線で2人を見下ろしながら指の関節を鳴らしていた。

 

「…………黒歌姉様、ルプ姉様一体何をしに来たのでしょうか?内容によってはタダじゃすみませんよ?」

 

白音は満面の笑みで2人に問いかけると2人は全く懲りた様子なくとんでもないことを言い放つ。

 

「「何をしに来たかって?そんなのサスケ様のこだ…グヘェェェ!」

 

白音は2人の鳩尾に仙術を纏わせた拳を叩き込み背後の壁へと吹っ飛ば派とサスケの方を向いた。

 

「…サスケ様、黒歌姉様とルプ姉様は多分どころか絶対反省してないので1回お灸を据えた方がいいと思います」

 

「そうだな…2人は氷の牢獄にでも入れておくか」

 

サスケは黒歌とルプスレギナを氷で造った牢獄に枷をはめて放り込んみ白音と共に着替えて脱衣所を出て行った。

 

 

数時間後…他のプレアデスによって出させて貰えたがしばらくの間サスケや白音、他のプレアデスから酷い態度をされ続ける黒歌とルプスレギナの姿がナザリック内で見かけられたのは言うまでもない



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34話

ナレーション

 

 

ここはナザリック地下大墳墓のとある一角にある至高の41人とNPC達の憩いの場…その名はbarナザリック

 

今宵もNPCや至高の御方々の悩みや弱音、等々をbarのマスターは何も聞いてない様に振る舞うが相談に乗っていた。

 

さて今夜もそろそろ開店のお時間となりました。さて…今夜はどんなお客様がいらっしゃるのでしょうか…それでは開店です。

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

カランカラン〜

 

「やぁマスター今夜は世話になるぞ」

 

「こんばんはでありんす。マスター」

 

「これはサスケ様、シャルティア様。ようこそbarナザリックへ」

 

「ありがとう。最高の酒を期待しているよ。」

 

「ご期待に添えるように努力致します。」

 

sideマスター

本日はサスケ様とシャルティア様が私のbarへと来て下さいました。

お二人はどうやら以前のサスケ様とシャルティア様の戦闘のあとの話をする為にお越しくださったようです。

 

「本日の最初の1杯はどうされますかサスケ様、シャルティア様。」

 

「そうだな。まずは心を落ち着けたい。マスターのオススメで頼むよ。」

 

「畏まりました。シャルティア様はどうされますか?」

 

「サスケ様と同じものでお願いするでありんす。」

 

「畏まりました。少々お待ち下さい。」

 

そう答えて私はお二人の1杯の用意を始めました。

 

シャカシャカシャカ…シャカシャカシャカ

 

アルコールはあまり強く無くそれでいて香りを楽しめる1杯を私は作りお二人の前に出すとお二人は乾杯をして飲み始めました。

 

「流石はbarナザリックのマスターだ。最高に美味い。」

 

「ありがとうございます。サスケ様。」

 

サスケ様からお褒めの言葉を頂きシャルティア様はサスケ様の様子を見ながらチビチビと呑んでおられました。するとそれを見たサスケ様は

 

「シャルティア。あまりあの事は気にしなくてもいい。あの戦いは俺が望んでした事だ。」

 

サスケ様がシャルティア様に向けて仰りました。するとシャルティア様がサスケ様に

 

「あの時・・・私は洗脳されていたとはいえ私にとっては許せない行為をしたでありんす。その事でサスケ様が許して下さいますが私が私を許せないでありんす。」

 

シャルティア様が下を向いたまま答えております。その気持ちはわかります。私には戦う力はほぼ皆無ですがもし力があって洗脳とはいえサスケ様やアインズ様との戦闘になったのならば自分を許せないと思います。

 

考えながらお二人のお話を聞いているとサスケ様とシャルティア様が呑み終えておりました。

ここは私から1つ提案をしましょう。

 

「サスケ様。シャルティア様。こんな時はアルコールが強いお酒はいかがでしょうか?」

 

「そうだな。それを俺とシャルティアに頼むよ。」

 

それを聞いて私はスピリタスとウイスキーを混ぜた『ウーロン茶』をお二人の目の前に出しました。するとサスケ様がそれを一気に飲み干します。そしてそれを見たシャルティア様も一気に飲み干し…

 

サスケ様が顔を真っ赤にしてシャルティア様を撫で回しています。

 

そしてシャルティア様が泣きながら

 

「サスケサマー!サスケサマー!」

 

言いながら抱き着いていました。

 

「わたじ・・・わたじは・・・グズん、あいずべぎあるじであるサスケサマをころぞうどじでじまいまじだー・・・だがら・・・だがら・・・なにがわたじにばづをぐだざいー」

 

シャルティア様が必死に訴えています。それに対してサスケ様がシャルティア様を撫で回しながら

 

「気にする必要は無いんだよ。ヒック・・・子供の失態を、ヒック許すのも、ヒック・・・親の仕事、ヒック・・・でもバツが欲しいなら、ヒック・・・何かをあげるぞー!ヒック!」

 

お二人の酔ったお姿を見れるのは珍しいのですが流石に私はお客様用にと開発したアルコールを抜く為の回復薬をお二人のグラスに注ぎお二人の前に再び出すと直ぐにお二人は一気に飲み干し酔いが回復して恥ずかしそうにしながらサスケ様が

 

「悪いなマスター。恥ずかしい所を見せた。」

 

「いえ。これがお酒という物です。私も強すぎる物を出してしまいました。心の中にしまわせて頂きます。」

 

「そうか。感謝する。まぁシャルティア。直ぐにバツを用意する事は出来ないからな。決まり次第俺から伝言を直接入れよう。」

 

「はっ!はい!でありんす。」

 

「いい返事だ」

 

サスケ様が仰るとシャルティア様の頭を撫でてからバーを出て行きました。それを見ていたシャルティア様が

 

「マスター。」

 

「なんで御座いましょう。」

 

「やっぱり私はあの方に・・・あの方の下で永遠に生き・・・死にたいと思うでありんすえ。」

 

と言いながらバーの扉を開けながら少し振り向き

 

「マスター。今日はありがとうでありんす。」

 

そう言って出て行きました。




これにて「ナザリックの六道鬼」の一章?一期?は終わりとなります

二期?二章?の更新は6月からとなります

楽しみにしてくれてる読者の皆さんには申し訳ないのですが一旦ストック補充の為に更新を休ませて頂きます


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