個性『サイヤ人』 (心灯羽)
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プロローグ:暴走

ブロリーが映画化したので書きたいと思っていた作品をようやく書けました!楽しんでいただけたら光栄です!


 

 

 

 

 

「全く…なんという成長スピードだよ…!!」

 

「───ァァァァアアア!!!」

 

ある男の攻撃を避ける金髪の男。その髪はまるで象徴のように、はっきりとV字に分かれている。その男の名はオールマイト。そしてここは、人々が生まれつきなんらかの特殊能力『個性』を持っている世界。個性を使った犯罪者『ヴィラン』と、ヴィランから人々を守る『ヒーロー』が日夜戦っている。そして彼、『ヒーロー』オールマイトは今、目の前にいる中学生ほどに見える子供と戦闘を行っている。目の前の子供は気を失い、個性が暴走している。

 

「あの子供…まさかオールマイトのスピードに慣れてきているのか…!?」

 

「早くッ!!イレイザーヘッドはまだか!?」

 

「あの子供…なんて個性だよ…!!」

 

『オールマイト』絶大な人気を誇るNo.1ヒーローであり、存在そのものがヴィラン発生を抑止する"平和の象徴"。それほどまでに他者を圧倒し、他の追随を許さないほどの強さを持ったオールマイト。そんな彼が子供相手に手こずっているという。目の前の子供の姿はまるで、オールマイトのように筋骨隆々の姿で、そして髪の毛は黄緑色に染まり白目を剥いている。そして尾骶骨辺りからは尻尾が出ている。そしてその二人の戦いをオールマイト以外のヒーローは黙って傍観するしかなかった。

 

「──ゥゥァァァアアアアア!!!!」

 

 

「これは…!本気を出さないと私の方がやばいみたい…だな…!!」

 

 

「…ァァアッ!!」

 

 

「ぐっ!!」

 

オールマイトは目の前の子供を『傷付けず如何にして抑えるか』という考えを張り巡らせていたが、そのせいかオールマイトは押され気味になってしまう。オールマイトはこのままではまずいと思い、本気を出す事を決める。だが、その瞬間に暴走している子供は胸元にエネルギーの塊を作り、オールマイトへと接近してぶつける。オールマイトは腕を交差させて防御するがダメージが入ったようだ。

 

 

「オールマイトッ!!大丈夫ですかっ!?」

 

 

「私なら大丈夫!それよりも住民の避難を!」

 

 

大勢のヒーローの元まで吹き飛ばされたオールマイト。彼を心配する声が聞こえるが、その言葉に彼は「大丈夫」という言葉を返し住民の避難を案じ、再び目の前の相手へと戻っていく。その光景を見た他のヒーロー達は様々な声を上げていた。

 

 

「俺達には何も出来ないのかよ…!」

 

 

「あの子供を抑え込むのはオールマイトにしか無理だろう…俺達は早く住民の避難を急がせないと…!」

 

ヒーロー達はまだ避難していない住民達を守り、安全な場所まで送り届けていく。

 

 

 

 

 

「落ち着くんだ少年!!正気を取り戻すんだ!!」

 

「ァアッ!!」

 

暴走している彼の右手にエネルギーの塊が作り出される。そしてそれをオールマイトへと放つ。辺りが一瞬、黄緑色の世界に染まったと思いきや、オールマイトを中心に爆発が起きる。

 

(威力が…上がってる…!?)

 

 

「ァァァァァアアア───!!!」

 

 

「あれは…まずいッ!!」

 

 

 

彼は口を大きく開く、するとそこにはまたエネルギーの塊が作り出される。オールマイトは彼の今から放たれようとする攻撃を防がなくてはまずいと、今まで培ってきた経験がそう言っていたのだ。

 

 

「──ァァアッ!!」

 

 

「くっ…!ここまで…強くなってきているとは…!」

 

 

彼の口から放ってきたエネルギーの塊を真正面から受け止めるオールマイト。だが、そのあまりの強さに驚きを隠せない。目の前の子供の成長具合にだ。オールマイトはなんとか彼の攻撃を上空へ押し返すことに成功した。しかし、オールマイトが上を見た時だった。先程攻撃を放っていたはずの彼が上空へと浮かんでいたのだ。彼は両手を空へと掲げ、今まで以上に大きいエネルギーの塊を作りだした。その光景を見ていたヒーローは不安に駆られた。

 

 

「浮かんで…!?…一体どんな個性だよ…!そしてその技…明らかにやばそうだね…。」

 

 

「──ァァァァァァァアアアアアッッ!!!!」

 

オールマイトは浮かんでいる彼の姿を見て気持ちを締め直す。そして彼へと身体へ向け、迎撃の体制を作る。しかし、彼はいきなり力なく地面へと落ちてくる。先程まで作っていた大きな球状のものは消えたようだ。

 

 

「──」

 

 

「…なんとか間に合いましたね。」

 

 

「イレイザーヘッド!」

 

 

「大丈夫でしたか、オールマイト。…それとこの子供は一体…。」

 

 

「…分からない。ただ一つ言えるのはこの子の個性、そして何より成長が早すぎる…。末恐ろしい子だよ…。」

 

こうしてオールマイトと今は気を失っている少年『孫悟空』の戦いは幕を閉じたのだ。

 

 




すみません!小説を書くのが初めてなもので…笑
これから書いていき、少しずつ表現力などを高めていけたらと思っているので応援よろしくお願い致します!


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