やめないか (フーリーアー)
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「召喚」

ほんのちょっぴりライダーネタを入れています。

作者の知識的にこの人とあとがきで言及する『あるキャラ』が戦わせられる限界です。

それでも良ければどうぞ。


2019/1/26 臓現のセリフを変更、宝具2に記述を追加


 薄暗い夜の蔵でした。男が二人いました。

 一人は老人でした。しわだらけの顔に、杖を持ち、もう一人の男から少し離れた後ろに立っていました。

 もう一人は若い男でした。その空間の中央に描かれた魔法陣のようなものの中央に立っていました。しかし彼はひどく衰弱していました。その髪は白く染まり、左目の虹彩は黄色く変色、左腕と左足は硬直して動かないようでした。さらに顔の左半分も硬直していました。

 

 察しのいい(注・原作欄に書いてあった書籍を読んだ・アニメを見た)皆さんはお分かりでしょう。これは1994年(推定)、日本は冬木市、聖杯戦争における『始まりの御三家』に数えられる「間桐家」の支配者たる老人『間桐 臓現』と第四次聖杯戦争における当家からのマスター『間桐 雁屋』その二人による『英霊』(サーヴァント)召喚シーンです。雁屋はこの家で地獄のような魔術の調練を受けた愛する人の娘間桐(旧姓遠坂)桜を元の家に帰すために臓現の地獄のような蟲責めを一年間耐えてこの場にいるのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 しかし悲しいかな、彼はこの聖杯戦争に『勝てない』運命がほぼ決まっています。それもそのはずです。

 ネタバレになってしまいますが彼が召喚するサーヴァントは『ランスロット卿』(サー・ランスロット)、触媒は不明ですが、雁屋は臓現の口車に乗せられて彼をバーサーカーで召喚してしまいます。バーサーカーというクラスは理性を代償に自信のステータスを大幅に上げる『狂化』が長所ですが、それは魔力が十分にある場合のお話。雁屋は短期間で魔術師になるために無茶をして、魔力も他より少ない状況、どうしてまともに戦えるのでしょうか。もうおもちゃです。完全に臓現のおもちゃにされてます。

 

 ダメ押しに他陣営のサーヴァントは半分格上(=王。うち一騎は元上司)、残りのうち一陣営とは相性最悪です。こんなんでどうやって勝てと言うんですか。ライド○○イヤー単独でム〇キとクロ○○倒せと言うようなもんですよ。

 

 臓現は恐らく『雁屋は死なないがギリギリまで苦しむ。しかし他陣営には絶対に勝てそうにない。かつサーヴァント側から自分に余計なことができない』という条件のもとこのサーヴァントをバーサーカーで召喚させる手はずを整えてきたのでしょう。

 

 嗚呼、雁屋おじさんは召喚の呪文を唱え切ろうとしています。このままではさっき語ったことの焼き増しです。

 

 しかしそれはこのまま事が進んだらの話。ここからでも状況は巻き返せるのです。

 

 具体的には二通り。

 

 一つは『狂化』をEXランクにしてしまうと言うもの。こうすることで完全な理性があるかは別として意思疎通ができるバーサーカー(例・アメリカのとある婦長、頼光ママ)が召喚できます。しかしそれは雁屋おじさんの魔力的に無理です。

 

 もう一つが臓現が教えた『バーサーカーを確定で召喚する裏技』を使わないというもの。しかしこれは臓現に怪しまれてしまう上に成功率も100パーセントではありません。ではどうすればいいのか。それは!

 

 「来たれ、天秤の守り手ょ―「やめないか」え?」

 

 それはギリギリでした。最後の「よ」を言い切るか言い切らないかでした。

 

 「あなたにどんな事情があるのかは知りませんが、そんな体では勝てる戦いにも勝てません。休める部屋に行って安静にしていてください」

 

 「んなっ、あんた…」

 

 でも、そこに「彼」は来ました。階段を下りてきました。やたら響く声でその召喚を止めさせました。

 手に触れたものを自分の宝具にする力なんてありません。自分の正体を隠す霧もありません。だから臓現には予想外の事態でしたが、「彼」は自分の脅威足りえないと判断しました。

 でも、彼は強いです。

 

 「ご老人、あなたもこんな薄暗いところにいてはいけない。日光に当たらなければいくらカルシウムをとっても骨が作られず、脆くなっていってしまう」

 

 「余計なお世話じゃ」

 

 彼は白い詰襟の学生服を着た身長の高い男した。精悍な顔つきの彼は日本刀を持っていました。ちなみにこの作品のタグにある『ある作品』の中に、帯刀している人物は一人だけです。一人いれば十分です。今、彼の前を一羽の白いハトが通りました。ただ、ここは地下の蟲蔵の中のはずです。どうやって入ってきたオイ。

 

 「え、まさか…」

 

 「ほぅ。まさかこのような者が英霊の座に登録されていようとは…」

 

 ぱっと見ただの侵入者ですが、雁屋は≪マスターとしての力で≫、臓現は《熟練の魔術師としての力で》、彼が只者でないことを見抜いていました。そして臓現が口を開きます。

 

 「かっかっか。よりによってこんな無名の若造を召喚してしまうとは。雁屋、おぬしも災難じゃのう」

 

 「バーサーカーで召喚できただけまだマシ、か…」

 

 そう。彼はサーヴァントだったのです。しかし、二人は召喚のインパクトが強すぎたが故にいくつかのことを見落としています。

 一つは目の前の男はどう見ても東洋の人間だが、聖杯戦争における英霊召喚に東洋の英霊は召喚されないということ。

 二つ目は、

 

 「私は静という者です。この度、バーサーカーのクラスを得てこの聖杯戦争に呼ばれました。間桐雁屋さん、あなたがマスターですね?」

 

 《教えてもいないマスターの名前を把握し、断定形で確認してきたこと》

 《魔法陣から出てこなかったこと》

 《年上かもしれない相手に容赦なく栄養講座を始めたこと》

 

 こんなことを平然とやってのけるサーヴァントが並み以下なわけがないということです。

 

 

 

 

 

 これは悲劇ではない。

 

 とある『正義の味方を自称する者』がいろいろやらして最後にハッピーエンドを迎えようとする物語である。

 

 繰り返す、これは悲劇ではない。

 

 




【名前】 静
【性別】 男
【身長/体重】 不明だがいい体格
【ステータス】 筋力C 耐久C 敏捷C 魔力E 幸運A 宝具E()
【クラススキル】狂化??
本来は理性と言語能力と引き換えにステータスを上昇させるもの。
しかし、このバーサーカーはこの効果を放棄することでマスターの魔力消費を減らすものに変化させている。その代償として、宝具を発動させる時まで本来の人格が封印される。
      「中略」

【宝具2】「抑止召喚」
 バーサーカーは歴史的にも特異的なサーヴァントであり、それが宝具や固有スキルにも反映されている。故に世界に与える影響が群を抜いて大きく、故に制御が必要である。
 バーサーカーの奇行が一定の基準を超えたとき、Aランクの単独行動を持つ『バーサーカーに敵意を持つ』サーヴァントを必要に応じて召喚する。
 バーサーカー召喚時に常時行動が可能なサーヴァントをこの宝具で呼び出す。
 両方の場合において魔力は聖杯が負担する。


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前回あんな宝具を先に出した理由

この作品は静のステータス完成を目標にしています。

(前回言ったのは)この二人やなかったんや…







 今回公開可能な情報

・宝具1

・固有スキル「ギャグ補正」

・同じく「偽真名」
(全てEX)


 雁屋おじさんが静を召喚したその時。

 

 同じ世界の『四か所』で――

 

 「さて、霊基盤を確認しよう。今日は時臣君が英霊召喚を行うが全部で何騎になっただろう…ん?クラスの無い英霊がこことドイツに一騎ずつだと?まあいい。無視しよう」

 

 同じ世界の『四か所』で『五騎』の英霊が召喚され、その数分後にもう一騎増えました。

 

 「ここに…あの男が…………………………………静倒す」

 

 一騎確定です。

 

 A S A R B      N(2)

―――――――――――――――――――

 

 「あなたが私のマスターですね?」

 

 そう白い青年―静に尋ねられた雁屋おじさんは、

 

 「ああ、そうだ。俺がお前のマスターだ」と答えました。そんなおじさんに静は、

 

 「では、落ち着けるところで話をしましょう」と雁屋おじさんを担いで蟲蔵から出ていきました。では、ここから雁屋おじさんの自室までです。

 

 「あれ?わしのこと無視?」

 

―――――――――――――――――――

 

 「あの時はあのような言葉づかいであなたを止めてしまい申し訳ありません、マスター。逸るのは良くないとわかっていますが、お聞きします。あなたが聖杯にかける願いとは何ですか?」

 

 間桐邸の廊下で静がいきなり切り出しました。いつも冷静、有言実行な静にしては珍しいですね。対して背負われている雁屋おじさんは、

 

 「俺は聖杯にかける願いは何もない。あの子を―桜ちゃんを葵さんのもとに帰す。その条件として臓現に聖杯を渡す。その過程で遠坂時臣を殺す。そのためにお前を呼んだ」こんなトゲトゲしい答えを返しました。まあ自分の呼びだした聖杯戦争を共に戦う相棒(サーヴァント)があまりにも奇妙だからそうなるかもしれませんね。

 

 「奇妙で悪かったな作者」オイ静、あまりそういうこと言うんじゃない。

 

 「失礼しました、マスター。今のは私の『不可能を可能にするスキル』です。階段から現れたのも、あなたが魔力供給において苦しんでいないのもそれです。それは置いておいて、マスター、その願い、具体的には『臓現に聖杯』から『臣を殺す。』までですが、お勧めできません」さすが静。読点(注・文の終わりにつける『。』のこと)も含めて始めと終わりをきっちり五字ずつ取って引用しました。優等生は伊達ではありませんね。

 

 さらに続けます。

 

 「貴方が聖杯を渡そうとする臓現という男、あの時あなたの後ろにいたご老人のことでしょうが、すさまじい邪念を感じました。間違いなく危険人物です。あなたが臓現に聖杯を渡せば、あの男はあなたを用済みとして殺し、あなたが助けようとしているその桜ちゃんに危害を加えるでしょう」おぉ、あの短い時間でそこまで見抜くとは。

 

 静はさらに続けます。

 

 「時臣、葵さん、桜ちゃんという人物については実際にあったことがないので何とも言えませんが、おそらく何かやむにやまれぬ裏の事情があったのでしょう。まずはそれを聞いてからでも遅くはありません」さらによさげな提案です。主の考えなしなヤケを止めさせるとは、なんと素晴らしいんでしょう。

 

 「すまなかった、バーサーカー。そうだな、あいつは気に入らないが、緊急事態になるとなにかやらかす奴なんだ。もしかしたら緊急事態に当たるだけの何かがあったかもしれない。確かにあいつには話を聞いたほうがいいかもしれない」雁屋おじさんも素直になりましたね。

 

 ただ静は、

 

 「この姿の時は静と呼んでいただいたほうがありがたいです。そして私も雁屋様と呼ばせていただきたいのですがよろしいでしょうか?私がサーヴァントであると他に知られるか否かで私の宝具の効果に大きく影響します。外出が必要となった際も刀だけ霊体化させれば怪しまれません。そのせいで他にはない制限を設けられてしまっているのですが…」悔しそうに、しかし要求はしっかりと出します。

 

 というか召喚直後にすべき対話がほとんど終わりました。そして静は英霊としては無名なので…

 

 「お、オイ静どこへ行くんだ?」

 

体を反転させてもと来た道を戻り始めました。

この雁屋おじさんの言葉は紛れもない了承の証でした。今から臓g…変換がめんどくさいのでここから蟲爺で行きます…蟲爺に宝具を開帳しに行きます。

 

 その数時間後、

雁屋おじさんと蟲爺は自分たちが呼び出したサーヴァントの強さとそれを召喚したこの空間に眠る縁の根強さを思い知りました。

 

―――――――――――――――――――

 

 さて、ここで私『     』による解説だ。詰め詰めになるがお付き合いいただきたい。

皆さんお気づきだと思うが、このバーサーカーはマスターの魔力負担を減らす長所の代わりに奇行を重ねることによって敵を増やす短所があるサーヴァントだ。ここまでの中で彼は『静としてしか奇行を行っていない』、『サーヴァント二騎を召喚する必要がある分の奇行を行った』ことになっている。つまり、「静」に敵意を持つ二騎のクラスを持たないサーヴァントが前回公開された宝具で召喚されることになる。だがちょっと待ってほしい。彼ほどの好青年がそれほどの敵を何人も作るだろうか?一人いれば十分じゃないか?

 

 そう、もし『敵意を持つ英霊が座からいなくなれば』、彼に深い縁を持つものが召喚されるのだ。

こんな風に―――

 

―――――――――――――――――――

 

 

 

 『あの日』から時間は進みます。そこはドイツ、年季を感じさせる壮大な城―「アインツベルン城」―の広大な庭。一組の男女がそこから外に出ていきます。

 

 女のほうは『アイリスフィール・フォン・アインツベルン』。この家の血を継ぐ人間である証の銀髪を伸ばした、とても美しい女性でした。しかし彼女は此度の聖杯戦争で負けた英霊の魂をその身に封じ、命を犠牲に聖杯を降臨させることを運命づけられた人造人間、ホムンクルスでした。

 男のほうは、『衛宮 切嗣』。黒髪の男でした。以上用紙についての説明終わり。しかしその正体は、魔術師が嫌う科学関係の武装を使って人道に反しすぎた魔術師を暗殺する『魔術師殺し』でした。過去には正義の味方を目指していたとか。

 そして二人の左の手の薬指には、夫婦の証たる指輪がはめられています。

 二人は、これから一度分かれて聖杯戦争のために冬木市に行くのです。切嗣はセイバーのマスターとして、アイリスフィールは聖杯の器としてかつ、切嗣が立てた作戦を実行するために『偽・セイバーのマスター』として。

 

 そんな二人を屋内から見ている人がいました。長い銀髪を持つ少女でした。『イリヤスフィール・フォン・アインツベルン』、今年で八歳の子です。

 そんな彼女を見つめる気配がありました。背筋を伸ばした銀髪の老婆でした。どこかで見たことがある気がします。何処ででしょうね。しかし、近くのイリヤスフィール(以後イリヤ)に比べてその姿はぼんやりしていました。老婆がイリヤに問います。

 

 「止めないのですか?」

 

 その問いはまだ幼い少女のことを思ってのことでしょうか。イリヤは答えました。

 

 「今は私がそばにいることをを、パパは望んでいないから」

 

 「もう二度と会えないとしても?」

 

 「そうだとしても、止めたら私がパパを信じていないみたいじゃない。だから、これから強くなって、もしパパが私を迎えに来れなかったとしても私のほうからパパに会いにいけるようにするの」

 

 どうやら、老婆が心配しなくともイリヤは大丈夫だったようです。しかしその答えを聞いた瞬間、二人が身にまとう雰囲気が変わりました。

 

 「では、切嗣さんを探しに行けるだけの強さを身に着けるために今日も訓練をしましょうか。体重はもう十分でしょうからそろそろ銃の扱いを学びましょう」

 

 間違いなくあの人です。案の定サーヴァントになってました。彼女が出てくるなんていったいどこの誰の仕業でしょうね。

 

 「はい――『師匠』」

 

 今、イリヤの未来が明るくなった気がしました。

 

 

 

 




【宝具1】?????? ランクEX 対人宝具 レンジ1

 バーサーカーの固有結界。
厳密にはバーサーカーの所持する、本来の人格、刀、衣装、とそれを収納する物体。
スポーツバッグに入れて持ち運ぶ時と地中に埋まっているときがある。基準は謎。また、これらはバーサーカーのギャグ補正を100パーセント活用することができる。
その他は謎。認識阻害の効果があるらしい。

【固有スキル】ギャグ補正 ランクEX
 ありとあらゆる事象が「不可能なまま」可能になるスキル。ただし、自らの体内で莫大な神秘を生成してそれをぶつけるだけというあまりにも雑なメカニズムのため、自分以外に反映させることはほぼ不可能。
     
【固有スキル】 偽真名   ランクEX
 解釈や周囲の評価、『こことは別の世界(惑星)での逸話』によってきわめて大量の真名を持つ場合に発現。自分のマスター以外のマスターに英霊の座に登録された真名以外の『過去に自分のことを指した』名前を示す。
 EXランクともなると相手には文字化けが起こっているように見えるレベル。

 今回出てきたクラスなしのサーヴァント、いったい何山・何々・何太郎と誰のおばあちゃんなんだ…


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