INFINITE・WOZ (スカーレット@エボルト憑依中)
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page1 謎の少年の名前は……おっと。ここから先は未来のお話でしたね。

「転生したらエボルトに乗っ取られて勝手に色々されてた件」の息抜きに書いていこうと思っている作品です。
その作品と同じくギャグ要素強め+俺TUEEEEしていきたいだけの作品で、亀更新です。


『タイムマジーン!』

 

テンションの高い音声が人気のない大通りに響く。

銀と黒、そして蛍光色の緑で構成された巨大な「モノ」は空から地面に着陸し、「ロボ」と直球的に書かれた部分が開く。

間髪入れずに小気味良い音を立てながら、「モノ」からある人物が現れる。

 

「……」

 

現れたのはサイクロプ……失礼、蛍光色の緑を主軸とした特徴的なサングラス的な物を付けた人物。

白いコートと帽子を見に纏い、そして妙に大きいパッドに似た物を手に持っている。

 

「…ここが、20××年か。」

 

どこか優しげでねっとりとした喋り方をするその人物は一言だけ呟き、手に持っているパッドに似た物を開く。

 

「……これでよし。」

 

少しの間もう片方の手に持ったペンを走らせ、何かを書き終えるとそれを閉じる。

その人物は背後から飛び去って行った「モノ」を尻目に歩き出した。

 

─────────────────────

 

その日の朝。

ある建物内で、一人の少年は嘆いていた。

 

(…これは、想像以上にキツい…!)

 

十数人以上の少女から視線を集めている少年は顔を青くする。

まるで動物園のパンダになったかのような、そんな気分。

誰か助けてくれと願ったその時、勢いよくその部屋の戸は開かれた。

その部屋___教室に入ってきたその人物はコートによく似た制服、そして帽子を被った少年。

待ってましたと言わんばかりに満面の笑み。

 

「お呼びかな、我が救世主?」

 

何事も無かったかのように少年に話し掛ける少年。

だが当の本人はこれまでになく困惑していた。

 

(…誰だ、コイツ…?救世主……?)

 

そう、目の前の少年を知らないのである。

しかしそれだけではなく、困惑の理由の半分以上が少年の目には映っていた。

 

(…サイク〇プス…?)

 

そう、よく分からないサングラスを掛けているのである。

Amaz〇nでおもしろグッズと検索すれば出てきそうな見た目のサングラスを掛けたその少年は、そのことに気付かずに話を続ける。

 

「どうしたんだい、我が救世主?

まさか朝食が足りていなかったのかい?

やはり焼いたパンだけでは栄養等が足りない、我が救世主はもう少し早起きをしてしっかりとした朝食を取るべきだ。

そもそも朝食とは1日のバランスを───」

 

当然のように始まるマシンガントーク。

少年の朝食を知っている事やサングラスを付けたまま、それに誰かも名乗らない辺りは省きたく思える。

なんだこいつ。

 

そろそろその場にいる人物全員が少年に突っ込もうとしていたその時、少年の頭は勢いよく叩かれた。

 

「つまり朝食を取ることはとても重よンフゥッ」

 

少年の首がゴキッと音を立てて曲がる。

二〜三秒程の静寂に飲まれた教室を救ったのは、他の誰でもなく首が曲がらせた人物だった。

 

羽織主(うおず)。座れ。」

 

凛々しい声を放ったのは黒のスーツを見に纏い鉄で構成された出席簿を手に持つ女性。

 

教室に現れたその女性は、THE・教師と言える見た目だった。

 

「やれやれ…では我が救世主、また後で。」

 

首を自分で元の位置に戻し、空いていた前の方の席に座る少年。

その光景はなんともシュールだった。

少年が席に座ると、教卓の前に一人の緑色の髪をした女性が立っていた。

 

「皆さん入学おめでとう。私は副担任の山田真耶です。」

 

空中に投影されるタイプのディスプレイが映し出され、漢字と読み方がローマ字表記で表示される。

 

〖………〗

 

しかし全員無反応。

……というより、先程の妙にキャラが濃い少年に全員が視線を集中させていた。

当の本人は全く気にせず布のクリーナーでサングラスのようなものの手入れ。

なんだこいつ。(二度目)

 

「…あ…え、えーと…きょ、今日から皆さんは、このIS学園の生徒です。この学園は全寮制。学校でも、放課後でも一緒です。仲良く助け合って、楽しい三年間にしましょうね!」

 

負けじと話を続ける山田真耶副担任。

しかし誰も視線を向けようともせず、視線を集めている本人はペン回しに没頭。

なんなんだこいつ。

 

「…ぁ、ぅ…で、では、自己紹介をお願いします!えっと…出席番号順で!」

 

ナイスプレイ山田真耶副担任。

こうして始められた自己紹介だが、未だに視線を集めている本人の心境は如何なものか。

 

(…やはり出だしはン我が救世主の方が良かったかな…?)

 

もうやだこいつ。

 

──────────────────

 

「……では、羽織主(うおず)さん!」

 

山田真耶副担任が珍しい名前を発したその時、少年は立ち上がる。

 

「はい。」

 

やけに良い声で立ち上がったその少年は、淡々と自己紹介をする。

 

「私は羽織主 白(うおず はく)。知り合いからはウォズと呼ばれているので、皆さんもお好きなように呼んでくれると嬉しいかな。

趣味は特に無いが、好きな物は我が救世主こと織斑一夏の助力。

これからよろしく。」




羽織主 白という三秒で思い付いたような名前の主人公をこれからよろしくお願いします。


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page2 我が救世主の自己紹介は……おっと。ここから先は未来のお話でしたね。

はたしてあらすじが必要なのかどうか…。


少しの沈黙。

真っ先に破ったのは山田真耶副担任であった。

 

「……はい、ありがとうございます。」

 

普通ならこのクラスの女子、ほぼ全員がキャーキャーと声を飛ばすだろう。

しかし、この男はキャラが濃すぎてなんというか、もう……どう対応していけば良いのか分からなくなっている。

ただこの教室内にいる生徒全員がこう思ったであろう。

 

意外と自己紹介まともだな、と。

その考えが強すぎたのか誰も助力の事について考えてないのである。

 

「…では…織斑一夏君!」

 

実際先程のやり取りを見ていた山田真耶副担任ですらそう思っていた。

だがとりあえず自己紹介を続けてもらおうと思ったのか、次の名前を呼んだ。

 

「あっ、はい!」

 

織斑一夏はその場に立ち、クラス中を見渡す。

途中にサングラスの手入れが終わったのかサングラスを鞄に入れつつサムズアップをしてくる男がいたがとりあえずスルーした。

そして大きく息を吸い、生徒ほぼ全員がどんな挨拶をしてくるのかと期待するが……

 

「……織斑一夏です!よろしくお願いします!……以上です!!」

 

この少年にはこの挨拶が限界だった。小学生か。

漫才をしているかのような綺麗なフォームで少年二人以外の生徒全員がずっこける。

その光景を微笑みながら見ていたサングラスマンは口を開いた。

 

「おや。私としてはとても我が救世主らしい自己紹介で素晴らしいと思ったが…」

 

パチパチと手を鳴らしながら織斑一夏の自己紹介改め、事故紹介を評価している姿を見た当の本人はこう考えた。

 

(…こいつ、結構良い奴なんじゃないか…?)

 

ウッソだろお前。

チョロすぎかよ。

 

羽織主のような変人に会ったのは今までで初めてだが、一周回って良い奴と思える。

腕を組みつつそう考えていた織斑一夏の頭を出席簿がスパーキング。

子気味よい音を響かせ先程の羽織主と同じように首が曲がった。

実は仲良いだろお前ら。

 

「ングゥッ」

 

「挨拶もまともに出来んのか、お前は。」

 

織斑一夏の頭を叩いたのは先程羽織主の頭を叩いたスーツの女性。

それこそ一年一組の担任の織斑千冬。

織斑一夏の実の姉であった。

 

「ってぇ…げっ、千冬姉!!」

 

頭をさすりつつプライベートでの呼び方をしてしまった織斑一夏に今度はげんこつがタイムバースト。

明らかに脳細胞が193万個程死んだ音がした。

いやそれは死にすぎか。

 

「ンゴゥッ」

 

「学校では織斑先生だ、馬鹿者。

……すまなかったな、山田君。少しの間任せてしまって。」

 

「いえ。」

 

(……なんで千冬姉がここに…?)

 

織斑一夏は疑問に思う。

全然家に帰って来ない上、何をしているのかも告げなかった実の姉が何故このIS学園で担任をしているのかと。

そんな疑問は姉の声でかき消された。

 

「諸君!私が担任の織斑千冬だ!君達新人を1年で使い物にするのが仕事だ。」

 

織斑千冬が自己紹介を終えると、突如織斑一夏の手に物が投げられた。

 

よく見てみるとそれは耳栓で、投げられた方向を見ると「早く付けるといい」と言わんばかりのジェスチャーを羽織主がしていた。

 

(付けろって事か…?ええい、ままよ!)

 

織斑一夏が耳栓を付けた瞬間、耳栓越しでも分かる程に大きい声が教室中に響いた。

キャーキャーというような黄色い声は女子が出しているようで、個人個人の声は上手く聞き取れないがとりあえずうるさいのは良くわかる。

ちょっと待って教室揺れてない?

 

「静かに!」

 

その中ではっきりと聞こえたのは織斑千冬の声のみ。

そのタイミングで耳栓を取る織斑一夏。何故姉の声だけしっかりと聞き取れたのか。流石シスコン。

 

「諸君には、これからISの基礎知識を半年で覚えてもらう。その後実習だが、基本動作は半月で身体に染み込ませろ。いいか?良いなら返事をしろ。良くなくても返事をしろ。」

 

滅茶苦茶である。

支離滅裂な思考・発言。

 

「はいっ!」

 

だが女子達は納得し返事。

羽織主の声は聞こえない。

 

「……で、羽織主。」

 

織斑千冬が羽織主を呼ぶが、反応は無い。

 

当の本人は小さいストップウォッチの様な物を磨いていた。

何してんだお前。

 

「……羽織主、何をしている。」

 

「……ん、ああ。すみません、返事が遅れてしまいましたね。」

 

織斑千冬が前に立つと、羽織主の耳から耳栓がスポンと抜けた。

どうやら羽織主も付けていたらしい。

 

「……まあいいだろう、次は無いぞ。」

 

こめかみを抑えながら、教卓に戻っていく。

呆れたのレベルが高かったらしい。

ちなみに高校でこういう事言われると完全に見捨てられるぞ!

困っても助けてくれなくなるから気を付けよう!

 

「あはは……さて、皆さんも知っている通り、ISの正式名称はインフィニット・ストラトス。

日本で開発されたマルチフォームスーツです。

十年前に開発された当初は宇宙空間での活動を想定されていたのですが、現在は停滞中です。

アラスカ条約によって軍事利用も禁止されているので、今はもっぱら競技種目、スポーツとして活用されていますね。

そしてこのIS学園は世界唯一のIS操縦者育成を目的とした教育機関です。

世界中から大勢の生徒が集まって、操縦者になる為勉強をしています。

様々な国の若者達が、自分達の技能を向上させようと、日々努力をしているんです。

 

…では、今日から三年間しっかり勉強しましょうね!」

 

やけに長い説明が終わると、女子全員がはいと返事をする。

羽織主はニコニコとストップウォッチのようなものを磨きつつ軽く返事をし、織斑一夏は顔を青くして返事無し。

恐らくプレッシャーを感じているのだろう。

 

───────────────────────────────────────────

 

「ねぇ、あれが世界でISを使える唯一の男の人、織斑一夏君だよね…!?」

 

「世界的な大ニュースだったよね!」

 

「でもあの男の子誰?」

 

「ニュースでも特に何も無かったけど…」

 

HRが終わり休み時間、同学年や上の学年の女子生徒達が窓に張り付き織斑一夏と羽織主を観察していた。

 

「…はぁ……」

 

「動物園の人気者になったようで気が楽じゃない、そうだろう?」

 

織斑一夏が溜め息を一つ吐くと、空いていた前の席に座り話し掛ける羽織主。

 

「…まぁ、そんな所だけど…それで、お前なんなんだ?俺の事を救世主、って呼んでるけど…」

 

最初からずっと気になっていた事を織斑一夏は質問する。

身に覚えも無いのに救世主呼ばわりなんて恥ずかしいったらありゃしないのだろう。

 

「…話せば長くなる。それに今話した所であまり良い方向には向かないだろう、時が来たらお話しよう。

だが、訳あって君を救世主と呼んで慕っているという事だけ覚えていてほしいな。」

 

微笑みかけ、簡単な説明をする。

長くなるという事はかなり深い訳があるらしい。

 

「ふーん…良く分からないけど、よろしくな、ウォズ。」

 

「ああ、よろしく頼むよ、我が救世主よ。」

 

互いに手を差し伸べ、握手をする。

それを見ていた女子軍大興奮。

 

「何あれ…!あの男の子と織斑くん、そういう…!?」

 

「良い…!!クリスチャン、あの子の名前は!?」

 

「ウォズと呼ばれていました、つまりウォズ×一夏です!!」

 

「馬鹿野郎!一夏×ウォズでしょ!」

 

「もうやだこの人達…」

 

その一連を聞いていた一夏は全力で聞かない振りを、羽織主はニコニコと女子達に手を振っていた。

 

「あっ好き…」

 

「好青年、イケメン…!!あの笑顔の威力ファイナルベント!」

 

「もう一生ウォズくん推しでいいや…」

 

「ほんともうやだこの人達……」

 

とりあえず女子達はチョロいらしい。




設定作らなきゃ……(使命感)

活動報告で募集を始めたオリジナルライダー&オリジナルフューチャーリング募集企画、既に何個かアイデアをいただいております。
本当にありがとうございます…!!
本編に必ず登場させていきますので、何卒よろしくお願いします…!!
もし思いつけば活動報告にてよろしくお願いします!

あとエボルトの小説始めてはエボルドライバー持ってなくて欲しがった結果買ってという経験があるのにも関わらずビヨンドライバー買ってないというこの感じがもう。

ジクウドライバーも買ってないやん!どうしてくれんのこれ!?


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page3 参考書の行方は……おっと。ここから先はまだ未来のお話でしたね。

お久しぶりですごめんなさい投稿頑張ります本当に申し訳ございません。


「すまない、ちょっといいか?」

 

織斑一夏が全力で目逸らし、羽織主がニコニコと手を振っている途中に凛々しい女子の声が二人の気を移らせる。

 

「…箒…」

 

織斑一夏が思わず声を漏らす。

おそらく、目の前の女子の名前だろう。

 

「おや、私とした事が。

折角の幼馴染同士の再会で話したい事もあるだろう、私の事は気にせずに話してくるといい。」

 

羽織主は立ち上がり、自分の席へと戻っていく。

するとストップウォッチ型の何かを取り出すと、持ち手を中から取り出し耳に当てた。

 

『Calling!』

 

やけに渋い音声を出したそれはどうやら変わったタイプの携帯らしい。

内部構造はどうなっているのか。

 

「ああもしもし。

こちらは無事だが、そっちはどうかな?

……そうか、良かった。」

 

話のトーンからして知り合いらしい。

 

「……行くぞ。」

 

「あっ、ちょっと待てよ箒!」

 

一言だけ残し、少女は廊下に向けて歩いていく。

そんな少女を織斑一夏はすぐに追い始めた。

 

 

「……ああ、じゃあ、また。

定期的に連絡するよ。」

 

通話を終えたのか羽織主は持ち手を折り畳み、ポケットの中にストップウォッチ型の携帯を入れる。

 

「……ふぅ、中々楽じゃないな…理想の従者になるのは。」

 

誰にも聞こえない声量で、羽織主はボソリと呟く。

そして逆側のポケットから取り出したストップウォッチ型の『モノ』を見つめた。

銀と黒の色で構成されたそれの前面には、ある者の顔が印刷されていた。

 

───────────────────────────────────────────

 

「……では、ここまでで質問のある人。」

 

所謂一時間目が始まり、約十、二十分程経った時に副担任である山田真耶が進行の確認をする。

 

ほぼ全員に質問は無いようで、手を挙げない。

 

しかし、この男。

 

(…このアクティブなんちゃらとかどういう意味だ……!?まさかこれ全部覚えないといけないのか…!?)

 

世界で初めてISを動かした男は完全に理解していなかった。

せめて用語の名前は覚えよう、教科書見てるんだから。

 

「織斑君、何かありますか?」

 

「うぁっ!?…えっと…」

 

絶好のタイミングで山田真耶が織斑一夏に話し掛ける。

さあ勇気を出して、さあ。

 

さあ。

 

さあ!!

 

(うるせぇよ!!…ってあれ、なんで今…?)

 

あっやべ、ごめんなさい。

……コホン、大きなリアクションを取った織斑一夏に対して山田真耶が言葉を続ける。

 

「質問があったら聞いてくださいね、何せ私は先生ですから!」

 

目の前の満面の笑みに申し訳なさを感じるようだが、覚悟を決め手を小さく挙げる。

 

「…先生…」

 

「はいっ、織斑君!」

 

「ほとんど全部分かりません…!!」

 

今にも泣きそうな声でそう答える織斑一夏。

 

「ぇっ、全部ですか!?…い、今の段階で分からないって方はどれくらいいますか!?」

 

山田真耶が不安そうに声を出すが、誰も手を挙げる者はいない。

問題のもう一人の男は真剣にノートに視線を向けていた。

 

(えっ、ウォズも分かるのか!?)

 

心底驚きつつも織斑一夏は羽織主に視線を向ける。

さて、ここで当の本人のノートを見てみよう。

 

『ン我が救世主の理想チャート』

 

(ここがこのルートで、このタイミングでこの能力を使うことが出来れば…)

 

授業中に何してんだお前。

 

「織斑、入学前の参考書は読んだか?」

 

あの馬鹿従者は放っておくとして、織斑千冬が織斑一夏に話しかける。

 

(…参考書?…おかしい、この本にはそんなもの書いていなかったが…)

 

とりあえずお前黙っとけ。

 

「えっ?うーん……あっ、分厚いやつですか?」

 

「そうだ。必読と書いてあっただろう?」

 

「あー……間違えて捨てました…」

 

刹那、織斑一夏の頭に出席簿がスパーキング。

あんぱんよりタチが悪い。

 

「っでぇ!?」

 

「再発行してやるから一週間で覚えろ。いいな?」

 

「えっ、で、でも、あの量を一週間でって…」

 

「良いな?」

 

「ハイ」

 

やはり権力には弱かった。

残念無念。

 

(織斑一夏、参考書を約二日で内容を全て覚える…と。)

 

羽織主は手に握られた少し大きめのタブレットのように機械的なノートに何かを書いて……っておいちょっと待てまだ出さないでそれ!重要なやつ!重要なやつだから!

 

(これでよし。)

 

良くねぇよこの馬鹿!もういい!もう知らない!!

お前なんかマナポップン石田にみかん投げられて果汁で足折れてしまえ!

 

(誰?)

 

うるさいバーカバーカ!お前の母ちゃんタイムマジーン!

 

(いや、本当に誰なんだい?)

 

あっごめん

……ゴホン、では今回はここまで。

次回もお楽しみに。

 

(終わらせようとしないでくれないか?

今回は全然話が進んでいないよ?)

 

うっせバーカ!終わり!閉廷!以上!!

次回はドキドキワクワク初変身!サヨナラ!

 

(ちょっ




はいおしまい。
次回は予告通り初変身…の、予定です。
何の小説であろうとできる限り投稿早くできるように頑張ります本当に申し訳ございません。


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page4 その未来の創造者の名は……おっと。ここから先は未来のお話でしたね。

色々あったものの、時間は進み現在は二時間目を終えての休み時間。

羽織主と織斑一夏はというと……

 

「ンンン我が救世主ゥ…」

 

「その謎のタメはなんなんだ…?」

 

羽織主がブレずに変なキャラを突き通していて、織斑一夏はそれに対して困惑していた。

 

しかし、そんな時間も長くは続かなかった。

というか続くな。

 

「ちょっとよろしくて?」

 

突然声を掛けてきたのは金髪少女。

明らかにお嬢様といった感じの雰囲気。

 

「んあ?」

 

「ンワァ?」

 

突然の声に対して織斑一夏、羽織主の順で腑抜けた声が出る。

なんだお前その声。

 

「まあ!なんですのそのお返事!わたくしに話し掛けられるだけでも光栄ですのに、その態度とその腑抜けた声!

これだから男性は…」

 

まだ織斑一夏はマシな方だと思うからとりあえず羽織主にツッコミをだな……

 

「あー…悪いな、俺君が誰だか知らないし…」

 

「なっ!?知らない!?入学首席にしてイギリスの代表候補生であるこのセシリア・オルコットを!?」

 

机を勢いよく叩き自身の名を高らかに告げるセシリア・オルコット。

絶対痛いでしょほらちょっと涙目だもん無理しないで。

 

「あ、一つ質問良いか?」

 

織斑一夏はセシリア・オルコットに向けて手を上げる。

というかなんだ羽織主その顔。

初変身もしてないのにトリニティになる時みたいな顔芸してんじゃないよ真面目に聞け。

 

「んぇ、あ、えぇ。庶民の質問に答えて差し上げるのもエリートの役目ですもの、なんなりと。」

 

ほらセシリア・オルコットも気になって腑抜けた声出しちゃったじゃんちょっと顔赤いし涙目だぞ謝れよはいなーかした、なーかした、せーんせいにーいってやろー。

 

(ちょっとうるさい)

 

はいすみません。

 

「…代表候補生って、何だ…?」

 

やけに神妙な顔で織斑一夏はそう言うと、聞き耳を立てていた女子全員がズッコケた。

もちろんそれはセシリア・オルコットも例外ではない。

羽織主は……うん。

代表候補生のことを全て知り尽くすってノートに書こうとするのやめようね馬鹿かー?

 

「えぇ…?」

 

当然いきなり入って何も知らない織斑一夏は至極当然の質問を投げ掛けたつもりであった。この状況に困惑せずにはいられない。

 

「良いかい我が救世主よ。

代表候補生とは平たく言えば言葉の通り、各国の代表となる候補の事だ。

つまりそれぞれ国の人間の中でもISを上手く動かせるエリートな人間の事を指すね。」

 

そのままの説明すぎるが織斑一夏は納得したようで軽く頷く。

その言葉を聞いたセシリア・オルコットは飛び出す。

 

「そう!エリートなのですわ!

本来ならわたくしのような選ばれた人間とはクラスを同じくすることだけでも幸運ですのよ?」

 

「そうか、それはラッキーだな。」

 

「こういう所で運は使いたくないものだね…」

 

誇らしげな表情で話すセシリア・オルコットに対し織斑一夏、羽織主の順で言葉を漏らす。

その言葉を聞いたセシリア・オルコットは顔をムッとして二人を見る。

 

「…バカにしていますの?

…はぁ…男でISを操縦できると聞いていたので期待していましたが、とんだ期待外れでしたわね…」

 

「いや、俺に何か期待されても困るし…」

 

「……」

 

言葉を漏らす織斑一夏の横で、羽織主は黙ってセシリア・オルコットを見る。

 

「…何か?」

 

「……いや、なんでもない。

ただ自分だけが入試の際に教官を倒したと勘違いしているのが可哀想だなと思っただけさ。」

 

「なっ…!

わ、わたくしだけと聞きましたが…!?」

 

「女子での結果を聞かされただけだろう。

私も我が救世主も教官を倒している。

たかが教官を倒したくらいでそこまで威張る事では無いと私は思うよ?」

 

「あ、貴方…!」

 

羽織主とセシリア・オルコットによる口論。

羽織主の一方的な煽りがセシリア・オルコットにダメージを与える中、織斑一夏は「なんか喧嘩始まった…」くらいの考えで見ている。

止めて差し上げろ。

 

と、良いタイミングでチャイムが鳴りメンチを切っていた二人の視線が時計に移る。

 

「くっ…!話はまた後に!逃げない事ね!」

 

見事な捨て台詞を吐き、席に戻っていくセシリア・オルコット。

三下三下。

 

「すまない、見苦しいものを見せてしまったね。」

 

頭を軽く下げながら羽織主が織斑一夏に謝罪の言葉を述べる。

果たしてその見苦しいものとは何の事なんでしょうか。

 

「ん、良いって良いって。それより先生来るし、早く席に着いた方が良いぞ。」

 

織斑一夏はすぐさまフォローを入れる。

それを聞いた羽織主は嬉しそうに笑った。

 

「そう言ってくれると嬉しいよ。では、また後で。」

 

手を軽く振り席に着いた羽織主。

その光景を見ていた腐女子達は「尊い」と大いに盛り上がったという。

 

 

───────────────────────────────────────────

 

 

「突然だが、授業の前に再来週行われるクラス対抗戦に出るクラス代表を決める。

自薦他薦は問わん、誰か言ってみろ。」

 

教壇の前に立った織斑千冬はクラスの全員にそう告げる。

その言葉に対しクラスの女子はどんどん声を挙げる。

 

「はい!織斑くんを推薦します!」

 

「んんぅ…ワイトもそう思います。」

 

誰だよワイト。

 

「お、俺ぇ!?」

 

何故か推薦されている事に驚き困惑する織斑一夏。

 

「我が救世主こそが代表に相応しいとワイト……私は思うよ。」

 

お前かよワイト。

よくあんな声出せたな。

 

「では候補者は織斑……他にはいるか?」

 

その言葉に先程羽織主に落ちた女子が声を挙げる。

 

「じゃあ、私は羽織主くんを推薦します!」

 

「さんせーい!」

 

まさか自分が推薦されるとはミリ単位でも想像していなかった羽織主は珍しく驚いた表情をして、困ったように笑う。

 

「…おや、私かい?

私としては是非とも我が救世主になって欲しい所なんだが…織斑先生、辞退というのは…」

 

「無い。」

 

即答である。

 

「……」

 

おいノート出そうとすんなやめろおま「納得がいきませんわ!」

 

「男がクラス代表なんて世間の恥ですわ!こんな極東の猿のような人物を珍しいからとクラス代表にしようなど…!大体、文化としても後進的な国で暮らさなくてはいけないこと自体、堪え難い苦痛で…!」

 

「ほう?」

 

織斑一夏が反論しようと席を立ちかけるが、それより早く羽織主が口を開く。

 

「…君は今、誰に対してその言葉を投げたんだい?

私に対してなら構わないが…」

 

羽織主はゆっくりと振り向き、セシリア・オルコットに目を向ける。

その表情は笑顔である。

 

「無論、そこの織斑一夏と貴方ですわ。」

 

「……ふぅ、分かった。

私はもうこれ以上何も言わないが、一つ提案を。

埒が明かない事だし、決闘でもどうかな?

君からしたら一番楽で分かりやすいだろう?」

 

「ええ、構いませんわよ?

最も、結果は既に見えていますけど。」

 

「我が救世主はそれでいいかな?」

 

「えっ?あ、あぁ……」

 

目の前で目から電撃を放つように睨み合う二人に追い付けず、よく考えないままに返事をしてしまう織斑一夏。

完全に振り回されている。

 

「決まりだな。それでは勝負は一週間後の月曜、第三アリーナで行う。織斑、オルコット、羽織主はそれぞれ用意をしておくように。」

 

 

───────────────────────────────────────────

 

 

「あー疲れた…」

 

「初日から色々あってお疲れだろう、寮でゆっくり休むといい。」

 

カバンを持って寮まで歩く織斑一夏と羽織主。

先程織斑一夏が織斑千冬から受け取った参考書によって頭を悩ませていると、山田真耶より寮で暮らすようになる等の連絡を受け寮へと歩いている。

 

「とはいえ、俺は相部屋だからな…相手によってはゆっくり休めないかもな。」

 

「それこそ、あのセシリア・オルコットと相部屋だったらね。」

 

「はは…怖い事言うのやめろよ。

ウォズは一人部屋だろ?羨ましい…」

 

「まあ、人数的に仕方がなかった事だ。それに現時点では余っている部屋という事もあって少しだけ設備が不足しているそうだしね。」

 

「へぇ……」

 

談笑を続ける二人の後ろには大量の女子。

織斑一夏は最早突っ込まないと言わんばかりに目を逸らし、羽織主は目が合えば女子に手を振る。

対応の差。

 

「羽織主くんが手振ってくれてる…!これがファンサービス…!?」

 

「織斑くんと楽しそうに話しながら私達にも目を向けてくれるとか何あのイケメン…!」

 

「嫌いじゃないわ…!」

 

背後からボソボソと声が聞こえてくるが羽織主は気にしない。

織斑一夏は遠い目をする。

メンタルの差もあるようだ。

 

「と、着いたね。

私は奥の方の部屋だからここで失礼するよ、ではまた明日。」

 

「おう、また明日。」

 

織斑一夏と別れた後部屋の前に着くと、羽織主はドアに手を掛け口を開く。

 

「見ているのは気付いていますよ、更識楯無さん。」

 

「…あら、いつから気付いてたの?」

 

「あんなに視線を向けられていると嫌でも気付きますよ。

学園最強の人物が私に何の用です?」

 

「……貴方はニュースに出た訳じゃなく、入試の日に突然一人でやってきた。

政府に連れられた訳でもなく、いきなり一人で。

 

…それに貴方の経歴、見た感じはしっかりと作られてるようだけど……詳細を調べたら、おかしい点が多々あるの。

単刀直入に聞くけど……貴方、何者なの?」

 

「……それを貴方が知るのはまだ早い。

いつかその時が来ればお話しましょう、今回は引いてくれませんか?」

 

「それを信じるとでも?」

 

「ええ、嫌でも信じてもらいます。」

 

「……どうやって?」

 

「さあ、どうするんでしょうね?」

 

「もしかして、私を馬鹿にしてるのかしら?」

 

「まさか。

私が学園最強に喧嘩を売るなんて、余程の事が無い限り有り得ないですよ。」

 

「……」

 

「……」

 

「…まあいいわ、今回は見逃してあげる。

でも次に私が変に思ったら…分かるわね?」

 

その言葉を残し、更識楯無は去っていく。

去る際に羽織主を一睨みして。

 

「ええ、心得ておきますよ。」

 

そう呟きながら、羽織主は機械的なノートを取り出す。

それを開き、機械的なペンで文字を書く。

 

「〖更識楯無、羽織主 白への不信感を無くす。〗……と。」

 

機械的なノートが緑色に淡く発光すると、それを閉じて部屋に入っていった。

 

 

 

……ようやくちゃんとした使い方したな。

 

 

───────────────────────────────────────────

 

 

 「織斑。お前には専用機が用意されるそうだ。」

 

次の日、織斑千冬が放った一言によってクラスの女子が騒ぐ。

 

「専用機…!?この時期に!?」

 

「いいなぁ…私も早く専用機欲しいなぁ…」

 

「…そんなにすごいことなのか…?」

 

「説明しよう。ご存知の通り、ISには専用のコアが必要ではあるもののコアは篠ノ之博士にしか作れない上、現在世界には467個しかコアがない。

世界ではそれを分けて使っているので、その中の貴重な一つが我が救世主に与えられるという事だ。」

 

織斑一夏は声を漏らすと、移動してきた羽織主が解説を入れる。

 

「へぇ…そうなのか…だいたいわかった。」

 

↑分かってない

 

その中、女子の一人が織斑千冬に向けて手を挙げ口を開く。

 

「篠ノ之さんって、もしかして篠ノ之博士の関係者なんですか?」

 

「ああ、そうだ。篠ノ之はあいつの妹だ。」

 

質問に対して織斑千冬はあっさりと答える。

教師が個人情報を晒していいのか。

 

織斑千冬の返答によりクラスの女子が再度騒ぎ出すが、篠ノ之箒は声を荒らげる。

 

「あの人は関係ない!…私はあの人じゃない。教えられるようなことは何もない。」

 

静まる教室の中、織斑千冬が口を開く。

 

「…さて、授業を始める。山田先生、号令を。」

 

「は、はいっ!」

 

 

(……あれ、そう言えば…ウォズって、専用機あるのか…?)

 

 

───────────────────────────────────────────

 

 

そして、日は飛び月曜。

 

織斑一夏、羽織主、篠ノ之箒がアリーナのピットの中で待機していた。

 

〘羽織主、聞こえるか?〙

 

「ん、ああ、聞こえますよ。」

 

〘織斑の専用機が届くまで少し時間がかかるそうだ、先に出れるか?〙

 

「分かりました、ではすぐに。

……という事らしい、我が救世主は待機を。」

 

「ああ。頑張れよ、ウォズ。」

 

「…嬉しい言葉だ、ありがとう。

我が救世主の期待に応える為に必ず勝利を掴んでみせよう。」

 

そう言って羽織主は出口に向けて歩いていく。

 

「……?羽織主、ISはどうした?」

 

篠ノ之箒が質問を投げかけるが、羽織主はそのまま歩きながら答える。

 

「私のものは特別でね。折角だから派手に行こうと。」

 

 

───────────────────────────────────────────

 

 

「…ようやくお出ましですか、生身で現れるなんて、もう降参ですの?」

 

「まさか。

これからお披露目と行くつもりだよ。」

 

そう言って羽織主は手を軽く前に伸ばして動かすと、緑色の謎のディスプレイのようなものが現れバックルのようなものが出現する。

 

羽織主はそれを手に取り、腰に当てるとバックルからベルトが飛び出て腰に巻き付く。

 

『ビヨンドライバー!』

 

「…ベルト?」

 

セシリア・オルコットの呟きを無視し、羽織主はストップウォッチのような物、ミライドウォッチと呼ばれるそれを伸ばした左手で持ち天面のボタンを押す。

 

 

『ウォズ!』

 

 

羽織主は左手のウォズミライドウォッチを両手を交差させながらドライバーにセットする。

 

 

『アクション!』

 

 

腕を開きながらウォズミライドウォッチのボタンを再度押しそのカバーを開く。

 

未来的な音楽がアリーナ中に響き渡る中、ゆっくりと上へと上げられる腕の動作はどこか神々しく、その羽織主の背後に巨大なスマートウォッチの画面のようなエフェクトが出現し、画面に様々な数字が表示される。

 

それと同時に羽織主の周りにはいくつもの線で繋がった光が浮かび上がり、羽織主を照らす。

 

 

「変身」

 

 

羽織主が右手を上げる。

その際、ビヨンドライバーのハンドルを前に向けることでミライドウォッチのデータがビヨンドライバーへと────

 

 

『投影!フューチャータイム!』

 

 

─────投影される。

 

 

背後のスマートウォッチ型の画面が巨大な「ライダー」の文字を表示し、その文字が画面から飛び出した瞬間。

 

 

『スゴイ!』

 

 

羽織主の周りに浮かぶ光は収束し、光の円になって羽織主を囲む。

 

 

『ジダイ!』

 

 

その光は次第に羽織主の姿を変えていく。

 

 

『ミライ!』

 

 

光の中の羽織主が銀色のスーツを纏うと、収束した光がアーマーへと変化する。

 

 

『仮面ライダーウォズ!ウォズ!!』

 

 

そのアーマーが同時に羽織主へと装着されると、飛び出した「ライダー」の文字が顔のスマートウォッチ型の部分へと収まっていく。

 

 

「…何ですの、あれは…!」

 

アリーナ中の人間が驚愕で染まる中、ただ1人。

それをまた別の感情で見ていた。

 

 

「…すげぇ…すげぇよ、ウォズ…!」

 

その少年───織斑一夏は、希望を見るような目で。

男のロマンを見つめる、少年の目で。

自身を救世主と呼ぶ少年に、心を躍らせていた。

 

 

『我が名は仮面ライダーウォズ。

未来の創造者である!』

 

 

仮面ライダーは、高らかに名乗りを上げた。




一ヶ月に一度しか投稿できない屑。
資料の為に買ったミライドライバー×3が何故かカートンの箱で届いて置き場所に困ってます。
というかなんで3つ買ったんだ。

ビヨンドライバー、シノビ、クイズ、キカイを買ったのにギンガミライドウォッチはまだ買ってないという。
ゼロワン始まったのに……。


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