Fate/GrandOrder スマホウォーズ (アレア)
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『聖杯戦争を始めようではないか』

ほかの小説ほっぽいて書いちゃいました!

FGOがベースなのはサーヴァントの多さとレイシフトくらいしか要素無いかもですけどよかったら見てください!

清姫は可愛い(可愛い)

あ、タイトルの読み方はフェイト/グランドオーダー ホーリーグレイルウォーフォーターミナルです!長い!!


FGO、Fate Grand Order(フェイトグランドオーダー)

日本のみならず世界でも人気のソーシャルゲームだ、原作はエロゲーらしいけど。

このゲームはコマンドを選びサーヴァントと呼ばれる使い魔を使い敵を倒していくノベルタイプのゲームだ。

慣れるまで敵が強く感じるけどサポート、他のプレイヤーのサーヴァントに任せつつ慣れればこっちのもんだ。

元々の設定では7人のマスターと呼ばれてる魔術師とその魔術師が召喚した7人の使い魔、通称サーヴァントを、聖杯と呼ばれる願望器を巡り、戦わせてるものだ。

けどFGOは7基どころかほぼ全てのサーヴァントを仲間に出来る。

しかも原作や外伝以外にもFGOから登場したサーヴァントもめちゃくちゃ存在するから200以上のキャラ数になっている。

ソシャゲならではである。

ゲームの簡単な説明も終わったしそろそろ今の状況を語ろう。

僕はある有名なカフェでココアを飲みながらFGOをしていた。

カフェなのにコーヒーじゃねぇのかって言われるかもだが僕はコーヒーが苦手な甘党だ。

そのカフェでいつものように種火周回をしているとFGOのアプリが落ちた。

 

「容量ほんと重いなこのアプリ……」

 

種火周回を再開する為にもう一度FGOのアプリを起動する。

タイトル画面からロードしお知らせのポップがいつものように開く。

そこで僕はあることに気付いた。

 

「ここの色変わってた事あったか……?」

 

本来藍色の背景に白文字だったお知らせが赤い文字で表示されていた。

僕は思わずその赤い文字をタッチする。

しばらくロードが続き、1分経つか経たないかくらいでスマホに自動的に別のアプリがインストールされ、何も触っていないのにアプリがFGOからインストールされた方に切り替わった。

インストールされたアプリはFGOにそっくりな画面でFGOイベント時のサーヴァントが喋っているかのような字幕を言峰綺礼が何故かボイス付きで喋っていた。

 

『私は言峰綺礼、知っているマスターも居れば初めましてのマスターもいるかね?まぁ私の事を知っていようがいまいが今は関係無い、私がこうして話しているのは選ばれたカルデアのマスターのみ、そう、喜べ選ばれしマスター諸君、君たちに聖杯戦争をする機会が訪れた、さぁ……本物の聖杯戦争を始めようではないか』

 

締めくくられた言葉、『本物の聖杯戦争』

これの意味する事を僕らはすぐに気付かされた。

言峰綺礼のボイス読み上げを終わると同時に「ますたぁ!」と聞き覚えのある声が聞こえた。

聞き覚えはあるが実際に会った事は無い、何故ならその声の主はスマホの中にいたのだから……。

 

「ますたぁ、(ワタクシ)です、いつも一緒にレイシフトしてる清姫です!」

「えっと……えっ……いや清姫は清姫だけど……えっ」

「はい!ますたぁの清姫です!」

 

確かにFGOで絆レベル15にしてお気に入りにずっと登録してるほど好きな清姫だ、けどなんで喋ってるんだ?しかも会話出来てる……?

 

「ほんとに清姫?どうやって喋ってんの?中の人と話してる感じ?」

「中の人……?ますたぁは何を仰っているのですか?私は私ですわ!」

 

何がどうなってるんだか……

 

「で、清姫、君が本物なのは分かった……事にしておこう、どう喋ってるかわからんけど……それで、これから何をするんだ?」

 

僕がスマホの中にいる清姫に尋ねる。

 

「ますたぁは聖杯戦争の参加者に選ばれたマスターですわ、これから私と共に他のサーヴァントと戦うのですよ」

「ごめん、やっぱ理解が追いつかない、えっ何、いくら金掛けてんのこれ……」

「あっますたぁ、そろそ……」

「ん?清姫?どうした?」

 

清姫の口は動いている、だが声が聞こえない。

清姫の声だけじゃない、車の音や人の声、さっき目の前を通り過ぎたばかりのパトカーのサイレンすら聞こえない。

 

「どうなって……」

 

呟いた瞬間目の前が真っ暗になった。

と思ったら青い光が渦を巻き目の前に現れる。

僕はそれに吸い込まれるように先が見えない暗闇へと飛ばされていった。

この時は理解出来なかったが、この光景を僕は何度も見ていた。

 

▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽

 

アレから何分経ったんだろうか、もしかしたら1秒も過ぎてないかもしれないし100年経ってるかもしれない、そんな感覚に何故か、なった。

 

「……ぁ」

 

声のような音で目が覚めた。

 

「……たぁ……ま……た……ますたぁ!」

 

なんだ清姫の声か。

 

「って清姫!?夢じゃなかったのか……!」

「はい!ますたぁ!貴方様の清姫です!」

 

なんだかゲームの清姫より元気な気がするが、確か13歳だよな、このくらい無邪気なもんなのかな、本来は。

元気過ぎる気もするけど……

 

「清姫、無事か?……ってスマホの中にいるから関係ないか……スマホ壊れて……ないな、よし」

「あの……ますたぁ、その事なのですが」

「ん?あ、そういや清姫さっきなんか言いかけて」

「はいっ!そろそろレイシフトが開始されるので、ますたぁをお守りする為にここから出していただきたかったのです!」

 

僕が喋ってる上から清姫が喋り出す。

というかレイシフト?ここから出る?

 

「ここからって、スマホから出てくるって事か……?」

「えぇ、そうでないと私はますたぁの為に戦えませんので」

「そういうシステムか、すげぇな……ってレイシフト!?」

 

僕はバカだから人の話は聞いてても理解するのに数秒かかる、今回もそれが原因でレイシフトというリアルで聞くと凄いパワーワードに反応が遅れたのだ。

 

「レイシフトって……えっ、えっ、レイシフト??」

 

思わずオタクみたいな喋り方になった、オタクやけど。

だが言われてみればあの空間はレイシフトの時の背景画像に似ていた。

既視感の正体が判明し少しスッキリした。

 

「じゃあここってどこだ?いつの時代なんだ!?」

「ますたぁ、落ち着いてくださいまし、場所は変わっていますが時代はほとんど変わっていません」

「えっ2019年……?仮面○イダージ○ウやってる?」

「かめんなんとかは分かりませんが、2018年ですわね……ちなみにここは大阪城の中です!」

 

3秒くらい思考が止まった。

去年にレイシフトしてる……のか、

レイシフトですら意味がわからないのになんで大阪城の中にいるの?清姫は和歌山の寺だから全く関係ないよね??

 

「というか外暗くない?さっき昼間だったよね?そんな時間経ったの?夏みたいに暑いし……」

「レイシフトして特異点に来てるからですわ、7月ですし……それよりますたぁ、私を召喚してくださいまし!」

「えっ半年前なの……てか召喚?もう清姫は僕のカルデアにいるだろ?オルレアン攻略後の報酬で」

「そうではありませんわ、ここから出てますたぁのお傍へ行きたいのです」

「えっあっさっき言ってたヤツ?ごめんそっちか、忘れて……分かった……そんなのどうやんの?」

「私が入っている端末を手前に差し出して私の名前を呼ぶと出来ます、クラス名でも可能ですわ」

 

スマホから出なきゃ戦えないって言ってたもんな、やってみるか。

 

「サーヴァント召喚、来い!清姫!」

 

スマホが青白く光る。

そして目の前の空間にガチャでサーヴァントを召喚した時のような三本の青白い線が現れた。

そしてすぐにその線は消え、人影が姿を現す。

 

「ますたぁ!」

 

さっきよりも大きく清姫の声が聞こえる。

シルエットしか見えなかった清姫の姿を見ようとした時、何故か僕の体は倒れかけていた。

体は倒れ、謎の重さと柔らかさが僕を襲った。

何が起きたか全く理解出来ない。

ただ目の前の柔らかい物が触り心地が良いのだけは分かった。

 

「ま、ますたぁ……」

 

清姫の声で我に帰る。

だが清姫はいない。

目の前にあるのは緑色の布?

布?を避けようと胸の上で布を抑えていた手を伸ばす。

布にしては重い、いやこれは……着物か、それに緑色の髪……角……。

 

「き、清姫だ……!本物……!」

「はい、私は清姫です!」

 

そういえば今指で触ってる感触は着物だったのか。

着物の上なら胸触ってもセーフだよな?え?アウト?豚箱?

 

「え、えと清姫……なんかゴメン」

「大丈夫ですよ、ますたぁ」

「と、とりあえず降りてくれるかな?」

 

清姫は僕の上に乗っていた。

僕が倒れてる事から察するに召喚と同時に飛びついてきたんだと思う。

召喚の時、手を前に出してたから飛び付いてきた清姫に当たっただけで故意では無いからな!?

 

「ますたぁ……」

「なんだ?」

「私……場所はどこでもいいですわよ?」

「キミハナニヲイッテイルンダイ?」

「ですから……っ!」

 

清姫が喋りながら僕に再び?襲いかかろうとしたがすぐさま辺りを確認し、飛び起きる。

清姫が避けた事で立てるようになった僕は立ち上がり周りを見渡す。

多分僕ら以外周り人いないと思いますよ?清姫さん。

まぁそういう問題じゃないんですがね!

 

「っますたぁ!伏せて!」

「えっ」

 

さっきから「えっ」しか言ってないがほんとに何もわからないんだ。

とりあえずしゃがんでおいた。

 

「どなたですか……私とますたぁの愛を邪魔するイケないお方は……?」

 

清姫さんブチ切れてるじゃないですか。

というか後ろの柱も切れてる気がするんですけど。

……あれ、これもしかして僕の首飛んでた?

 

「外しましたか……」

「まっ!沖田の事だから是非もないよネっ!」

「ノッブは黙ってください!というか援護射撃してください!」

「えぇ〜……めんどい」

「ノッブ!」

 

えっ僕今、沖田総司に首切られかけたの??

というかノッブまで一緒って何この胸熱展開!!

 

「いけね、ついテンション上がってしまった……」

「ますたぁ下がってくださいまし!」

 

清姫が僕の前に出る。

 

「バーサーカーのマスターさん、すみませんが……私のマスターの為に死んでいただけますか?」

「おぉ、沖田お前意外と怖いとこあるんじゃな!」

 

場の空気を壊すノッブ……ノッブらしいなぁ。

 

「だからそんなん関係ねぇ!清姫!逃げるぞ!」

 

自分の心の声にツッコミを入れつつ、清姫の手を引っ張り沖田さんとノッブとは反対側に向けて走りだす。

 

「はぁ……めんどうじゃが仕事するかの」

 

後ろでノッブが呟くと同時に微かに頬が熱くなった。

頬から血が流れる。

織田信長の火縄銃が頬を掠めたのだ。

 

「これ……マジで死ぬくね?」

 

20歳で死ぬとか絶対嫌だ。

なんとしても逃げ切ってやる。

 

「どうするか……あっ清姫、宝具って撃てるのか?」

「はい、ますたぁの魔力を少しいただけますか?」

「魔力?そんなもん持って無いよ!どうすればいいの!?」

「私に力を渡すよう考えていただくだけで結構ですわ……」

「ね、念じればいいんだな!」

 

清姫の宝具でなんとかなるかもしれない、そんな浅い考えしかこの状況では思いつかないのだ。

なんたって本家FGOではうちのカルデアの切り札だからネッ!

絆礼装延焼やけどコンビは強いヨッ!

 

「ますたぁ……受け取りましたわ、貴方の愛……!」

 

目がハートになってる清姫が僕の手を離し立ち止まる。

 

「愛はあげてな」

『転身火生三昧!』

 

ツッコミを入れる前に宝具を発動してしまった。

後、タイミングを逃したので心の中で「やっちゃえバーサーカー!」と言っておいた。

清姫が持っている扇子を掲げ扇ぐと同時に青い炎が渦を巻きながら現れた。

やがてその炎は龍のような見た目になり沖田さんとノッブの元へ向かって行った。

モーションが古い方だな。

 

「綺麗だな……」

 

青色と火属性が好きな僕に取っては宝具も清姫の物が1番好きなのだ。

 

「おろ?ここ本能寺じゃったか?」

「ノッブ!ふざけてないでさっさと出ますよ!」

 

2人の声が炎の向こうから聞こえた。

 

「ますたぁ、私達も外へ」

「あ、うん、暑いしね」

 

大阪城が清姫の宝具で燃やされる日が来るとは思わなかった。

まぁ日本刀で切り殺されかけたり火縄銃で撃ち殺されそうになる日が来るとももちろん思わなかったが。

というか二人とも頭狙い過ぎだろ。

そんな事を考えながら階段を下る。

元の世界へ無事に帰れたらゆっくり大阪城の中入ってみるか、入れるのかな、大阪に住んでるのに知らねぇや。

1つ下の階に降りた。

 

「おっここの窓から外が見えるぞ、清姫」

「えぇ、ますたぁ、もうすぐです」

「貴方達は外へは出られませんよ」

「なっ」

「ますたぁ!」

 

何が起こったか分からなかった。

僕の真横に何か、水色の物が見えた。

水色、袴、沖田総司か。

その後は。

 

「いってぇ!」

 

物凄い音と共に壁に背中を打った。

そしてそのまま壁が崩壊する。

……明るい、外か。

 

「落ちてる気がするんだが……」

 

気の所為ではなかったようでまたも衝撃が僕の体を襲った。

ここは……地面……えっ城から落ちたのか僕。

石段含めたら2階くらいあるんですが……。

 

「いたた……清姫、無事か?」

 

返事はない。

どうやら僕だけ城の外に蹴り飛ばされたようだ。

貴方達は外に出れないって言ってたのに追い出されたのはスルーしておこう、うん。

 

「清姫は、どこだ?」

 

城の方へ目を向ける。

だが清姫の姿も沖田さんの姿も無い。

だが1人、僕の隣に気配を感じた。

 

「動くな、動けば撃つぞ?」

「動けるもんなら動いてますよ……いてて」

 

二階建ての建物から落ちたようなもんだ、身体は動くはずはない。

というか火縄銃を頭に突きつけられてるのにどうして僕は冷静なんだ?

正直嫌いになりそうなレベルでいつの間にか横にいたノッブが怖いが。

 

「ネタキャラにされてるしそのイメージ強いけど、あの織田信長だもんな……」

「おぬし、次喋っても撃つぞ?」

「黙ります」

 

あれ?てかなんで撃たないんだ?何かを待ってる?

 

「ノッブ」

「なんじゃ?」

「なんか待ってたりします?」

「喋ると撃つとワシは言ったんじゃが?」

「申し訳ありませんでした」

 

2分ほど経った。

銃を突きつけられてる側からしたらもう何十分と経った気分だが。

 

「はぁ?こやつは殺すな?……良かったな、バーサーカーのマスター」

 

何?許されたの?

というか殺すなってマスターの命令か?

てかいつになったら銃、頭からよけてくれるの?もう殺す必要ないからよけていいよね?

 

「清姫無事かな……」

「沖田はセイバー、お主のサーヴァントは遠距離型バーサーカー、懐に入れば沖田の勝利は間違いなしじゃ、諦めるんじゃなっ!」

「確かにな……でも清姫なら……なんかいける気がする!清姫!沖田総司なんてやっちまえ!」

 

最優のクラスと呼ばれるほどのセイバーである沖田さんに清姫は勝てるか分からない。

でも僕は清姫を信じる、必ず帰ってくると。

 

「清姫!」

「うるさいぞお主、マスターの命令と関係なくほんとに撃つぞ」

 

ノッブに怯えつつも、燃え盛る大阪城を見ながら叫ぶ。

その声に答えるかのように大阪城の1部が爆発した。

瓦礫が降ってくるがなんとか当たらずに済んだ。

 

「ますたぁ!」

「清姫!」

 

瓦礫と共に大阪城の上の方から清姫が降って来る。

あれ、履いてな

 

「ギャフ」

 

降ってきた清姫が僕の顔に墜落した。

女の子とはいえ成長した人間だ、顔面に落ちればそれなりにダメージは来る。

 

「は、鼻血……」

「ますたぁ、申し訳ありません……」

 

あとを追うように沖田さんも飛び降りる。

ちなみに沖田さんはノッブの横に華麗に着地した。

 

「まさかノッブとか沖田さんだけじゃなく清姫にも踏み殺されそうになるとは思わなかった……」

「沖田!なんでバーサーカーを倒してないんじゃ!?」

「うるさいノッブ!私も必死にやっ……コフッ」

「あーなるほど、そういう事じゃったか……」

 

ノッブと沖田さんがまた夫婦漫才のような会話を再開した。

沖田さんはまた血を吐いてたから清姫を倒しきれなかったのか……なんか沖田さんには悪いが助かった。

 

「あ、てか清姫、無事か?」

「えぇ、ますたぁ、ますたぁの方こそ無事ですか……?」

「良かった……僕は大丈夫だ、色々やばいけど大丈夫……」

 

清姫は顔や腕に切り傷があった。

セイバーとやり合ったんだ、仕方ないのかもしれない、聖杯戦争なら。

怪我してないのに胸が痛む……よくこんなの耐えてたな、士郎達は。

 

「さて、使えない沖田は置いておいて次はわしの番じゃな」

「ノッブサボってたじゃないですか……私もまだ戦えますし」

「好きにするんじゃな」

 

ノッブが僕の頭に付けていた火縄銃を避けて少し離れる。

結果的にまた2対1になった。

 

「バーサーカーとそのマスター、覚悟じゃ!」

「僕は殺さないんじゃ……まぁいい、清姫!なんとか凌いでくれ!」

「えぇますたぁ、私はますたぁの愛があれば戦えますわ!」

「っあーもうなんでもいい!愛でもなんでもくれてやる!早くノッブと沖田さんなんとかして!?」

「わかってますわ、ますたぁ、でもサーヴァント2体を1人で止めるのは……きゃっ」

 

ノッブの火縄銃が清姫を掠める。

 

「大丈夫か!?清姫!僕に出来ることは……あ、令呪、確かスマホに令呪のマークがあったはず!」

 

今まで存在すら忘れていたスマホをポケットから取り出す。

あれだけ吹き飛ばされてよくポケットから出てこなかったなとちょっと思ったりした。

そして起動しているアプリから令呪の項目を選ぶ。

なんとも分かりやすいなこれ。

 

「こんな時にチュートリアル出すな」

「ますたぁ?」

「清姫……令呪をもって」

『そこまでだ!』

「誰じゃ!?」

「おやおや?2対1とは卑怯じゃないかな?」

「ジーク君にマーリン!……後マスター?っぽい人の横にいるのは茶々か?」

「ご名答、清姫のマスター君」

「マーリン喋り過ぎだ、俺にもちょっとは喋らせろ」

「はいはい、マスター少しだけだよ、敵の前なんだからね」

 

あのマスター、ガリガリで弱そうなのにサーヴァントを3体も……

敵なら確実に終わりだこれ。

 

「久しぶりだな、覚えてなければ覚えてないでいいけど加勢に来たぜ、偶然通りかかっただけだが……」

「えっ……ユースケさん……?」

「覚えてたか、それは話が早い、茶々はノッブ、マーリンとジークは沖田総司だ」

「了解だよマスター、少しは頑張るとしようか」

「分かった」

「伯母上覚悟するのじゃ!」

「茶々じゃと!?」

 

あ、ノッブがコハエース顔になった。

気がする。

 

「ツナグ、こっちであの二人を抑えるから早く逃げな」

「ありがと!清姫、行くよ」

「はいっ!ますたぁ!」

 

僕らは全速力で逃げた。

正直さっきのダメージが残ってるから全速力と言っても足を引ずるレベルだが。

エミヤみたいにお姫様抱っこしてもらった方が早い気もするがいくらサーヴァントといえ13歳くらいの女の子にお姫様抱っこされる20歳は見た目が悪い。

という事で全身筋肉痛みたいな状態の僕はゼェゼェ言いながら走った。

背中の痛みを感じながら爆走した。

ていうか僕の名前ツナグじゃねぇ……。

 

▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽

 

辺りを見回しながら走っていたがここは間違いなく現代の日本だ。

ここら辺は久々に来るが何も変わってない。

 

「公園を抜けたか……」

 

大阪城公園を抜け街に出た。

 

「人通りがある方がいいかもしれないな……清姫、ノッブ達はついて来てるか?」

「いいえ、反応はありませんわ、ますたぁ」

「ユースケさんが上手くやってくれてるか……」

 

ユースケさんは僕の知り合いだ。

まぁ実際には最近趣味のプラモ仲間の集まりって事でネットで知り合った人達と集まった時に初めて会ったんだが。

にしてもなんでレイシフトした直後にサーヴァントを2体持ってるマスターと3体持ってるマスターがいるんだ?

チートかなんかか?

 

「清姫、サーヴァントを増やす事って可能なのか?」

「えぇ、それなら……」

「清姫?おい、清姫!」

 

清姫がしゃがみこむ。

 

「大丈夫ですわ、ますたぁ……少し魔力が足りなくなっただけですから」

「ま、魔力?あ、そうか宝具も使ってるもんな、てか供給する方法あるのか?」

「あるにはありますわ…例えばますたぁと接吻……とか」

「……へ?」

「ですから、キス、ですわ」

 

うーん。

これは。

していいものなのか?

 

「一応聞いていいか?清姫」

「はい、なんでしょう」

「……他に方法無い?」

「ありますけれど……接吻が1番魔力供給量が多いですわよ?」

 

なかなか引いてくれないなこの子……

 

「一応言っておくが絆レベル15とはいえ僕と清姫は実質今日会ったばっかなんだよ?それでいきなりは……その……心の準備というものが……」

「……はぁ、わかりましたわ、では私をその端末内に戻してくださいまし」

「端末に戻す……?」

「えぇ、サーヴァントの名前と共に戻るように念じていただければそれだけで結構ですわ」

 

ポケ○モンみたいだな。

とりあえずやってみるか。

 

「清姫、戻れ!」

 

つい声に出てしまった。

僕の声と共に清姫が霊体化と同じように光となって消えていく。

スマホに入れると霊体化とほぼ同じ状態になるって事かな。

 

『ますたぁ』

「おぉ、もう戻ったのか」

 

スマホに清姫が戻り、画面に表示されていた。

 

「戦闘中以外は基本スマホの中で待機って感じか?」

「そうですわね、端末の中で魔力供給も出来ますしサーヴァントの気配も薄く出来ますわ」

 

なるほど、気配を隠せば敵の目の前で奇襲とかも出来るかもな。

 

「もしかしてアサシンは気配消すの得意だったりする?」

「えぇ、気配遮断のスキルを持っているアサシンは特に」

 

これアサシン持ちのマスターとすれ違ったらほぼ確実に死ぬじゃん。

 

「というかこんな街中で立ち止まって独り言、言ってるのもなかなかヤバいやつだしどっか隠れられる場所探すか、まだこの"ゲーム"の進め方とかわかんないし」

 

清姫をスマホに戻す事に成功した僕は隠れ場所を探す事にした。

戦うための清姫なんだろうけど今の僕には清姫に的確な指示を出せる余裕はない。

歩きながらも周りの警戒はしておく、何人のマスターが選ばれているか分からないからだ。

 

「サーヴァント全員分だったらヤバイよな……200人近くだろ……」

 

自分で言っておいてゾクッとした。

 

1度家に帰ろうとも思ったが歩いて行くには遠いしそもそも元の世界と完全に同じかは分からないわけだから家が存在してるかすら分からないのだ。

 

「僕の家、駐車場とかだったらヤダなぁ……」

 

しばらく清姫とも喋りつつ歩いていると堺筋本町駅に着いた。

だいぶ体の痛みはマシになってきている。

元の世界に居た時より回復が早いのは気のせいか?

なんて考えつつ、歩きながらアプリ内で出来ることを調べてみたが令呪の他に地図、このアプリ内でのみフレンドになったマスターとの通話機能と思われるもの、メッセージ機能などが搭載されていた。

現状アプリを閉じる事すら出来なくなってるから地図は助かる。

20年大阪に住んでるくせに地理の弱さから普段移動に使う道以外全くと言っていいほど知らないからだ。

 

「さて、色々分からないことだらけだがどこに行くべきかねぇ……」

『ますたぁ、サーヴァントの反応ですわ』

「な、なんだってぇー!?」

 

調子に乗ってる場合じゃないか、また戦いになるかもしれないしな。

 

「清姫、魔力は?」

『まだ少し足りませんが……戦えますわ』

「そうか」

 

ん、でもまずは仲間にならないか交渉してみるか、仲間がいた方が何かと楽だし僕はゲームとかでも仲間と一緒に戦うゲームの方が好きだし。

ヤンキーとかじゃなければいいなぁ……。

 

「清姫、出てこい」

「はい!貴方の清姫、参上です!」

「相変わらずテンションが高いな……いつもか……」

「ますたぁ、来ましたわ」

「……女の人か、コミュ症発動しませんようにっ!」

 

目の前のビルから女の人とサーヴァントが現れ、こちらへ向けて歩いてくる。

 

「エリザベートバートリーか……」

「ますたぁ下がって」

「いや、交渉してみる、清姫はもしもの為に動けるようにしておいてくれ」

「ますたぁ?危険ですわ……」

「大丈夫だ、なんとかする」

 

こちらも女マスターとエリちゃんへ向けて歩く。

 

「やぁお姉さん、いい天気ですね」

「あんた誰」

 

▼僕は心に深い傷を負った!

 

END……




さぁ、始まりました、始まっちゃいました!

本物の聖杯戦争!!

心に深い傷を負った主人公はどうなってしまうのか!?
主人公の本当の名前はなんなのか!?
エリザベートバートリーのマスターはどんな人物なのか?!
答えは2話で分かります……!多分……

以上ジャガ村アナでした〜


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『新たなマスター』

FGOほーりー以下略(早い)第2話です!

今回はバトル無しの日常パートです、特異点行ってる時点で日常じゃない!ってツッコミは無しでお願いしますw


 

ある晴れた日の昼間。

私はバイトをしていた。

いつものお店、いつもの店長。

そしていつもの休憩時間。

いつもと変わらない毎日。

退屈だけど不満はない、そんな毎日。

休憩時間になった私は携帯を取り出しアプリを起動する。

 

「ふぅ……ようやくFGO出来る……」

 

配信されているストーリーに追いつく為に進めなきゃ、と思ってアプリ起動したけどお知らせに見覚えのない赤文字を見つけタップした。

少しのロードの後、アプリが勝手にインストールされてそのまま切り替わった。

 

「ちょっ何これ……バグ?」

 

開かれたアプリはFGOにそっくりだけどボイス付きで文章が読まれた時点で別物だと私は実感した。

 

「あれアプリ閉じれないじゃん……嫌いな言峰出てきてるから消したいのに……」

 

文章が言峰綺礼のボイスで読み終わったと同時に画面が切り替わりサーヴァントが現れた。

私が歌が好きなのと見た目が可愛いという理由だけでお気に入りに選んでいたエリザベート・バートリー。

他に選んでいる理由は特に無かったりするけど。

彼女が出てきたと思ったら私を子ジカと呼び、レイシフトがどーたらとかよく分からない事を言い始めた。

 

「何言ってんのこの子……」

「あんたの為に言ってんのよ子ジカ!」

 

レイシフトってゲームの話でしょ、というかまだバイトあるから飛ばされたり寝かされたりすると困るんですけど。

流石にお店で何時間も爆睡はダメでしょ。

 

「まぁ体は残らないから大丈夫じゃない?」

「それいろんな意味でダメな気がする……」

「それより子ジカ、あたしをここから出してくれない?」

「出すってどうやんの?」

 

この後のバイトは半分諦めて返事する。

やばい格好(主に胸周辺と角と尻尾)した女の子が私といるの見られるのも嫌だけどここは更衣室だし今は誰も居ないからいいかな。

 

「この端末を掲げてあたしを目立たせればいいわ」

「意味わからん」

「とりあえずやりなさいよっ!」

「はいはい」

 

エリザベートに言われた通りスマホを掲げると画面から光が指し目の前に光る輪が3本現れた。

サーヴァントを召喚する時のエフェクトに似てる。気がする。

 

「ふぅ……やっと広いとこに出れたわ……ありがと!子ジカ!」

「この更衣室そこまで広くもないけど、どういたしまして」

「それじゃ簡単にこの後のスケジュールを説明するわ、よく聞いていてね?」

 

スケジュールって……アイドルかよ。

 

「それで……これからレイシフトして……」

 

エリザベートが五分くらいひたすら喋ってたけどそんな複雑な長い話、ちゃんと聞いても全然理解出来ない、レイシフトとか、まぁエリザベートが真横にいる時点でもうなんでもアリな気がしてきてはいるけど。

 

「子ジカ、そろそろレイシフトの時間よ」

「えっもう?」

「スケジュールは詰まってるんだから急ぐわよ!」

 

エリザベートの声が反響しつつ遠くなっていく。

そのすぐ後に周りが暗闇に包まれて青白い渦に吸い込まれるような感覚になった。

レイシフトってこんな感じなんだ。

あれ、コフィンとか要らないの……?

 

▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽

 

夢のような何かを見た。

私が私の体から離れてた。

幽体離脱ってやつ?

 

「子ジカ〜起きなさ〜い!子ジカ〜」

 

歌のような普通に喋ってるような、よく分からない喋り方のエリザベートの声が聞こえた。

 

「レイシフト終わった?私生きてる?身体ある?」

「生きてるわよ、子ジカもあたしも、ちゃーんと二人共身体もあるわ」

「はー怖かった、マスターって毎回こんなんなりながらイベント行きまくってんの……やば」

 

さっき見たビジョンはなんだったんだろ。

まぁ無事だしいいか。

周りの状況を見渡す。

いや、どこよここ。

屋上?

 

「エリザベート、ここどこ?」

「オオサカ」

「えっ私東京に居たんだけど?というか暗くない?」

「どこにレイシフトするかはアタシ達サーヴァントでも分からないのよ……時間も現実とは違うし」

「じゃあ大阪のどこ?」

「大阪城の近くの雑居ビルってやつの屋上かしら」

「なるほど、そこらへんね……ってなんで屋上……」

「っ子ジカ、近くにサーヴァントの反応があるわ、気を付けて」

「えっレイシフトして早速バトルなの?帰りたいんだけど……」

「降りるわよ、子ジカ」

 

エリザベートが屋上から降りる階段の扉を開ける。

 

「はいはい、降りるから」

 

屋上の時点でなんとなく察してたけど五階建てとはいえ全部階段なのはしんどかったわ。

家じゃなさそうだけど机とか5階に持って上がるの大変そう……とか思いつつ正面玄関を出る。

出てすぐに右を向いたエリザベートが目の前の人影に指を指す。

 

「いたわ」

 

目の前にいたのは高校生くらい?の青年だった。

制服着てないけど、見た目年齢……。

とか考えていると相手の方から話しかけてきた。

 

「やぁおねえさん」

「誰あんた」

「あっ……えっと……」

 

階段を駆け下りた疲れでふと、思った事をすっと言っちゃったけどめっちゃ落ち込んでるじゃんこの子……。

 

「えっと、僕は……」

 

さっきの余裕そうな顔はどこへやら、わたわたしつつ自己紹介しようとする青年。

さてはコミュ症だな?

とか思ってみたりしてたけど。

 

「私はランサー、エリザベート・バートリー!貴方達の目的は知らないけど、アタシのマスターの前に立ったからには容赦しないわ!!」

 

唐突にエリザベートが名乗りを上げる。

実はずっと青年の隣にいた清姫ちゃん、の周りに炎いっぱい浮いてる……怖い……。

 

「うーん……こっちに戦う意思は無いんですけど……戦う気満々です?あ、清姫、君は炎出さないでね」

 

青年がギリギリ聞こえる程度の小声でつぶやく。

私はとりあえず元の世界?に帰りたいです。

 

「戦うも何も今レイシフト?って奴やったばっかだしエリザベートの説明イマイチ理解してないから戦う気は無いよ、エリザベートも武器下ろして下がってて」

「分かったわ、いいの?子ジカ」

「うん」

 

エリザベートを下がらせ青年の話を聞く。

エリザベートが下がった事で清姫ちゃんの炎も少なくなった。

無くならない……のね。

 

「そうですか、それじゃ一緒に来ます?」

「はい?」

「僕と、僕らと一緒に戦わないですか?って事です、えっと、つまり……」

 

僕ら?この子以外にもマスターが居るの?それとも清姫ちゃん以外にもサーヴァントが?

 

「……まぁ正直、仲間といえるかまだ分かんない人ですけどね」

「ん〜、このまま何もせずに倒されるよりはいいかなぁ……いいよ私が役に立つか分からないけど仲間になってあげる」

「ありがとうございます、あ、僕はカケル、Xと書いてカケルです、後こっちはサーヴァントの」

「清姫ちゃんでしょ、可愛いから知ってる」

「うちの子ジカ……マスターは可愛い物に目がないのよ、あたしもこの可愛さで選ばれたんだから」

「はいはい、エリザベートは歌うとうるさいから黙ってて」

「ちょっとぉ!」

 

X(カケル)……あだ名かな?苗字も言ってないし本名どんなんだろ……。

あ、私、自己紹介してないや。

 

「こっちの自己紹介がまだね、私はユリカ」

「ユリカさん、ですね、よろしくお願いします!」

「アンタ達、これから2人で戦うならフレンド登録しておけば?」

 

フレンド?

 

「あぁ、フレンドになれば通話して連絡も取れるんですよね」

「えっごめん、それは聞いてない」

「まだ言ってないもの、これから詳しく教えるわ」

 

私達はすぐ近くにあったカフェに入ってX(カケル)君とこれからの事を話す事にした。

エリザベートと清姫は魔力温存の為に携帯の中に戻ってもらってる。

てかX君に進められて頼んだけどココア甘っ。

 

「で、X君はこれからどうするの?」

「僕はこれからさっき助けてくれた知り合いと会おうかと思ってます、ピンチだったんでまだフレンドになれてないので連絡取れないんですけどね……あはは」

 

手を後頭部に置きながらX君が笑う。

 

「そっか、じゃあ私も特に目的も無いし、ついていこっと、エリザベート、もし戦いになったらX君、助けてあげてね」

「分かったわ、子ジカの頼みなら子イヌ1人くらい守るわ」

「来たばっかだけど時間的にそろそろカフェも閉店ですし行きますか」

「そうね、ココア美味しかったわ、勧めてくれてありがと」

 

エリザベートの話はあんまり入ってこなかったけどこの世界のお店はスマホに入ってる令呪を掲げればこの空間にいるマスター以外にはお金を払ったという記憶に書き換えられて全部タダらしいから食べ過ぎないようにしなきゃ。

てか紋章?を見せて人を操る……みたいな行為してるしギアスみたいね。

我に従え!なんちって。

 

「で、その人がいる場所の心当たりはあるの?」

 

目的地が無いのもなんだから聞いてみる。

 

「ん〜……分からないですね、大阪城で会って、そのまま別れたんですけど」

「そっか、けどま、サーヴァント3人もいて君を逃がせるって事はそれなりに強いだろうし気長に探しても大丈夫じゃない?」

「えっ……まぁそうですね、マスターは弱そうな見た目してるけどグランドキャスターとバーサーカーがいますしなんとかなりそう……かな」

 

ぐらんどきゃすたーの方はだいたい察しがつくけどバーサーカーって誰なの、なんでクラス名で言ったのこの子。

まぁそんな事は置いといて、正直言うと休憩時間のお弁当食べてないからお腹空いてたりして。

 

「大丈夫そうならご飯行かない?カツ丼食べたい!」

「えっ夜中にカツ丼ですか?」

 

あれ、引かれたかな。

 

「でも実際の時間だと昼でしょ?多分」

「ま、まぁそうですね、カツ丼屋さん探しましょうか」

 

というかこの時間に開いてるお店あるのかな、とか思いつつ、ご飯と宿を求め、私達は商店街の奥地へと向かった……。

 

▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽

 

しばらく歩いた。

やっぱり閉まってるお店が多いな。

 

「なかなか無いですね、カツ丼あるとこ」

「うん……もうなんでも良くなってきたかも……」

 

とりあえずお腹空きすぎて何か入れたい。

 

「あっ」

「えっ何、敵??」

「あぁ、いえ、この近くにカツ丼あるチェーン店があるの思い出して……チェーン店なら空いてるかと」

 

ビックリさせないでよ。

 

「それじゃそこに行きましょ、場所分かる?」

「カツ丼屋だね、分かるとも!……すみません」

「エルキ……じゃなくてえっと…忘れた!もういいや、とりあえずお腹空いたから行こ、腹が減っては戦は出来ぬって言うしね」

「そうですね、行きましょう」

 

そこからは特に話す事もなく、FGOの話でもしようって事になった。

私はまだ1部クリアしたところだけどX君は1.5部を含めた2部1章までクリアしてるらしい、ツヨイ。

 

「そういえば美遊当たった?」

「あ〜実はガチャやってないんですよ、欲しいんですけど……そういうサーヴァントに限って出ないんでガチャ禁続行中です」

「ガチャ禁する人と初めて知り合ったかも……私も貯まったら回す派だし」

「あ、僕も貯まった時欲しいサーヴァントいたら回します、すり抜けばっかで本命来ないですけど……」

 

これから殺し合いするとは思えないくらい2人でのんびり話した。

そしてようやく丼屋のチェーン店に着いた。

 

「やっと着いた……お腹ぺこぺこ……」

「そうですね、僕もお腹空きました」

「ちゃっちゃと入ってご飯食べて寝床探さなきゃね……」

 

チェーン店のドアが開くと共にチャイムが鳴る。

特異点にしては再現度高いなぁ。

 

「カツ丼ください!」

 

お腹ぺこぺこ過ぎて入って早々注文しちゃった。

 

「あ、僕もカツ丼、うどんとサラダセットで」

「その見た目でよく食べるのね……」

「あ〜よく言われます……」

 

X君の体はカツ丼1杯でおなかいっぱいになりそうな見た目だけどほんとに食べ切れるのかな。

なんて考えながらX君と話してるとすぐにカツ丼が出てきた。

さすがチェーン店、早い。

 

「いただきます」

「いただきまーす」

 

お腹が空き過ぎてX君より先にお箸をカツ丼に潜り込ませた。

トロトロの卵にお箸が当たり、そのまま突き抜ける。

上に乗ったカツと共に卵から顔を見せたご飯を持ち上げ口に運ぶと、カツを包んでいる卵が舌に触れ、出汁の香りと甘さが口の中に広がった。

 

「ん〜」

 

私はその美味しさに思わず唸った。

そしてそのままカツを噛み締める。

カツの中に詰まっていた脂が甘い出汁と合わさって更に美味しい……。

チェーン店舐めてたわ。

 

「美味し……」

「めちゃくちゃ美味しそうに食べますね……」

「思ったより美味しくてね」

「チェーン店でも最近は侮れないですからね……」

 

お腹すいてたのもあってお箸が進み、10分くらいでほとんど食べてしまった。

 

「最後の一口……」

「よく食べるなぁって言ったら怒られるかな……」

 

Xくんが小声で呟く。

 

「君の方が食べてるでしょ」

「あ、聞こえてました?まぁ確かにそうですね、これからは食べなきゃやってけなさそうなんで!」

 

▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽

 

夜ご飯(昼ご飯?)を食べた私たちはチェーン店をあとにしてまた歩いた。

 

「さてと、そんなに眠たくは無いけど泊まるとこ探さなきゃね、この世界を探索しようにも夜だと不便だし」

「そう、ですね、ホテルか何か探しましょうか」

 

こうしてホテル探しの旅が始まるのであった……完。

いや、おわらせないでね。

龍竜かよ、と自分で突っ込んでおく。

さて、ホテルか……大阪久々だからなぁ……。

 

「X君は近くのホテルは心当たりないの?」

「普段行かないので無いですね、県外ならまだしも」

「まぁそうなるよね……んー」

「あ、そういえばこの近くに1つあったはずです!」

「ほんと?どこどこ」

 

X君の記憶を頼りに道を進む。

しばらく歩くと、有名なホテルが見えてきた。

 

「あーここか、入ってみよっか」

「はい」

 

青く光る看板を見つけた私達はそのビジネスホテルに入った。

けど満室だったので出てきたのであった……完。

いやだからまだ序盤だって。

 

「なんで日曜日にビジネスホテルがいっぱいなの?何事?」

「さ、さぁ……」

「どーしよ、野宿?」

「僕はいいとしてもユリカさんがダメでしょ、せめてシャワー浴びれるとこじゃないと」

「デスヨネー……確かにシャワーは浴びときたいかも……この世界で運命の出会いとかあるかもしれないしね!」

 

適当な事言ってみる。

 

「ん、シャワー……ネカフェとかどうです?」

「ネカフェ?泊まれるの?」

「僕県外に遊びに行った時とかよく泊まってます、深夜だとちょっとだけ安いですしシャワーもあるんで」

「なるほど、盲点だった……ネカフェならホテルより見つけやすいかもね」

 

作戦変更、ネカフェを探そう……の巻。

とりあえず巻、付けとけばいいやと思っただけです、はい。

 

「ネカフェならすぐ裏にあったはずです」

「ここなんでもあるのね」

「都会ですからね、東京には負けますけど」

「ネカフェか、ネットで他のマスターがなんか投稿してたりしないかな」

「それはありえますね、まぁ有力な情報があるかは分かりませんけど」

 

前略、ネカフェに着きました。

 

「今日、日曜日なのでちょっとお客様がいっぱいでお部屋がひとつしか空いてないですね」

 

前略、お部屋が足りません。

 

「どうします?」

「……」

「ほか探しましょうか」

「いや、ここでいいや、同じ部屋の方が何かと楽でしょ、空いてる部屋フルフラットなら二人共座れるだろうし」

「ゆ、ユリカさんがそれでいいなら僕は大丈夫です」

「それではご案内します」

 

ま、最悪エリザベートも清姫ちゃんもいるしX君いい子そうだから大丈夫でしょ。

店員さんに着いていき49番の部屋に入る。

ふむ、4あわせが9る部屋ですかぁ。

 

「さて、それじゃまずは……」

「あ、僕ジュース取ってきますね、何飲みます?」

「あー……んー……烏龍茶でいいや」

「了解です」

 

インターネットを起動し検索する。

検索……なんて検索すれば出るの?

とりあえず聖杯戦争って打ってみよ。

 

「あ、出た、あれ?Fateの情報が1つもない……」

「ごめんなさい、開けてもらっていいですか」

「あ、うん、ありがと」

「何か情報ありそうです?」

「んーあるにはあるけど無いにはない」

「どゆことですか……」

「いや、聖杯戦争で検索したら出てきたんだけど、この聖杯戦争の事と昔の話だけでFateの事は何も情報が出てこないのよ、あんな全世界で知られてるゲームの情報消せるわけないしほんとに別の世界って事なのかな」

「何も無い……となるとそうなりますね」

 

Fateが存在しない世界で聖杯戦争してるって事は、この世界に住んでる人がもし普通の人だった場合、ほんとに序盤の衛宮士郎みたいな立ち位置になるって事よね……。

 

「じゃあ聖杯戦争に巻き込まれたのは僕達マスターだけじゃなく僕達とは別の世界のここの住人もって事ですね……」

「エリザベート、ちなみに一般人からの魔力供給って出来るの?」

「えっそれって」

「えぇ、ルールには載ってないけど事実上可能よ、アタシはマスターが令呪でも使わない限りやる気は無いけど」

「私もそのつもりはない、けどマスターによってはやりかねないって事……」

「アニメとかでも見てられないのにそんな事……させられない」

「そうね、そんな事してるマスターが居たらとっちめてやりましょ!」

「はい!」

 

ご飯いっぱい食べた後に頭使ったからちょっと眠くなってきた……。

 

「ごめん、私ちょっと仮眠取るね」

「了解です、おやすみなさい……あ、僕は何もしないので安心してください」

「あ、うん、信じてる」

 

その会話の後は覚えてない。

多分寝落ちたんだと思う。

明日からは戦いになるかもしれないし気合い入れなきゃ!

 

END




という事で特にストーリーが進まない2話でした〜←ww

最後に特異点関連のネタ出たけどね
特異点とか世界観の設定はちょこちょこ出していけたらいいなとは思ってたり

地の文で心の声を喋らせてるので目線を別のキャラに変えてみましたw次回はX君に戻ります

3話は正直何も考えてない!5話の方が進んでる!(なんで?)ので更新は遅めかと……

あ、今回は忘れてた……じゃなくて風邪引いて休んでるのでジャガ村アナは出てきません←




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『女の子と買い物とか実質デートでは?』


前回は主人公を変えるスタイルをやってみましたが今回は戻ってX(カケル)君です!
この小説ではちょこちょこ主人公が変わります、というか主要キャラみんな主人公のつもりなのです☆

今回はとりあえずカケルの服が不遇です、ダジャレじゃなくマジで



▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽

 

レイシフト初日、今日は7月8日、ネカフェのパソコンで確認したから確かだ。

朝の6時か、早く目が覚めてしまった。

ユリカさんは相変わらず横で仮眠中だ。

 

「今なら二の腕くらい触ってみてもバレ……」

 

いやいや、何考えてる、バレるバレないの話じゃない、ダメだ。

 

「の、喉乾いたしジュース取ってこよう……」

 

とか言い訳言いつつ、この気まずい状況を抜け出すために部屋の外に出た。

自業自得だけど。

 

「あれ、前の部屋空いてる……誰か出たのか」

 

時間に縛られないネカフェあるあるだ。

一応1人で部屋を移るかも考えたがいきなり居なくなるとユリカさんに迷惑かもしれないと思いながら、そのままジュースサーバーまで歩いた。

さて、今後どうしようか、とりあえずユリカさんと僕で2人……いや、あと1人くらいは仲間が欲しいな。

メロンソーダのボタンを押しながら考える。

 

「あ、入れ過ぎた」

 

ボタンを長押しし過ぎて溢れそうになったメロンソーダのグラスを持ちながら部屋へ向かう。

マジでこぼしそう、飲むか。

 

「すっぺ」

 

炭酸って酸っぱくないのになんですっぱいって言ってしまうんだろ……僕だけ……?

まだこぼしそうで怖いからもう一口……。

 

「うわった!」

 

突然背中に違和感を覚え、変な声が出た。

一瞬理解出来なかったけど何かがぶつかったみたいだ。

 

「メロンソーダが服にかかっちまった……」

「すまない……」

 

声がして後ろに振り向く。

にしてもジークフリートにしては小柄だなぁ……。

てかパーカーのフードを被ってるしネッグウォーマー、それに長ズボン……暑くないのか……僕、上着を脱いだ上、元々着てた長袖1枚を腕まくって着てるくらいだぞ。

 

「すまない……」

「あっちょ待っ」

 

どこかへ走っていってしまった……。

というか室内は走っちゃダメだぞ。

またぶつからないといいけど。

 

「流石にネカフェで服は売ってないよな」

 

メロンソーダがかかった服を見ながら呟く。

 

「暑いけど上着羽織って買いに行くしか無いか……ユリカさんにメモだけ書いとこ」

 

49番の部屋のパソコン前にメモを置いて僕はネカフェを出た。

流石に同じネカフェにマスターが居たとしてもこんなとこで戦闘を仕掛けたりはしないだろうしユリカさん1人残しても大丈夫だろう。

 

「さて、と」

 

ネカフェを出たのはいい、けど僕は服に興味が無いから買いに行くことが滅多に無い。

つまりお店の場所がわからないのだ。

 

「どーすっかな……街の人に聞く……のはコミュ症にはキツイ……」

 

外は太陽さんさん、僕は季節外れの上着を着ている。

この状況は誰かに話しかけるより恥ずかしい。

まぁ独創的な緑色の服よりは暑さ我慢した方がマシか。

 

「ん、そういえば清姫は魔力回復したかな」

『えぇ、ばっちり元気満タンですわ』

「そ、そうか」

 

清姫の口から元気満タンとか聞く日が来るとは思わなかった。

ん?そもそも元気満タンってなんだ?元気ってチャージ式だっけ?とかどうでもいい事を考えてみる。

 

「あ、てか、地図も開けたよなこれ」

『これですわね』

 

清姫が端末内から操作して地図を出してくれた。

中からでも操作出来るとか便利かよ。

アニメとかでたまに見るけどこういうの『ハイテク』って感じで好きだ。

未来ずら〜。

 

「ここからだと……近くに2店舗くらいあるな……よし、右の店に行こっか、清姫」

『れっつごーですわ』

「レッツゴー!」

 

清姫の反応に慣れてきてる自分がいる。

僕は地図を見ながら赤い背景に白文字の看板の有名な服屋さんへ向けて歩いた。

 

『ますたぁ、そこを右ですわ』

「ありがと」

 

清姫ボイスのカーナビみたいでこれはこれでいいな……車じゃないけど。

 

『もうすぐ着きます』

「意外と近かったな」

『安珍様!』

 

清姫が叫ぶと共に端末から僕の目の前に飛び出してきた。

「というか僕は安珍じゃなくてXだ」とツッコミを入れる暇は無さそうだ。

 

「どした清姫、敵か?」

「えぇ、前方に魔力反応ですわ……」

 

まだ7時になっていないから人通りもまばらだな。

もしこのまま戦闘になっても前にいるなら奇襲される事はないだろう。

そう思っていた。

 

「デュフフ」

 

ふと、背後に違和感を感じ、咄嗟に前に出た。

 

「ますたぁ、服が」

「うぇ?!冷たっ!」

 

鉤爪のような物が引っ掛かり僕の服が裂ける。

服買いに来たとことはいえ買ってない時に服破れるのはダメでしょ?!

 

「この笑い声……黒髭か?」

「デュフ、正解でござる」

「惜しかったなぁティーチ、あと少しで仕留められたのに」

 

振り返ると目の前に居たのは長い髭にどこかで見たような女の子が描かれたアニメシャツを着た英霊、エドワードティーチ、とそのマスターらしき人物。

というかなんでアニメシャツ着てんだよ、現世謳歌しすぎだろ。

 

「ますたぁ、下がってくださいまし」

「あぁ……」

 

女の子の後ろに隠れるのは気が引けるが清姫の後ろに回り様子を見る。

あ、待って、空気が入る隙間なくて汗だくだった背中が少し涼しい……ありがとう黒髭。

 

「ティーチ、バレちまったから仕方ない、サーヴァントの方を先にやれ!」

 

黒髭のマスターが指示を出す。

マスターの方はぽっちゃり系でチェックの服を腰に巻きメガネを光らせている、所謂オタクファッションてやつだ、多分。

 

「デュフフ、了解でござるよ、竜の娘とか個人的に興味はあるけどマスターの命令だからな、ちゃんと仕事してくるぜ……」

「清姫、来るぞ!」

 

この時僕のスキル、直感B(そんな物はない)が発動し、黒髭が本気モードになったのを感じ取った。

にしても普段の黒髭、見た目と違ってマスターよりもオタクしてんな……。

 

「デュフフ、海賊らしくお宝を頂くぜぇ!」

 

どこかの宇宙海賊が言ってそうなセリフを吐きながら黒髭が清姫に肉薄する。

 

「清姫!かわしてかえんほうしゃだ!」

 

言ってる事が完全に某ポケットのモンスターのセリフだな。

 

「分かりましたわ!ますたぁ……!」

 

あ、ほんとに口から火噴けるんでしたね。

 

「あちちっ」

「何普通に食らってんだ黒髭!」

「この距離でどう避けろっつーんだ……ってお気にのシャツぅ!」

 

清姫の口から吐かれた炎が黒髭のアニメシャツを燃やす。

僕もアニメシャツは買わんがオタクだから分かるが高かったろうに。

 

「いいぞ清姫、その調子だ」

「はい、ますたぁ♡」

 

多分今の僕絶対すごいゲス顔。

多分絶対に。

 

「マスター……すまねぇ、俺はもう戦えない……」

「は?何言ってんだ敵は目の前なんだぞ?」

「お気にのシャツを燃やされて戦えるのか!てめぇは!?」

「……あーうん無理だな、撤退するか」

「デュフ、さすが同志、そうと決まればさらばでござる、龍の娘とそのマスター」

「えっ」

 

いや、何、えっなんだったの今の。

 

「つまりどう言うことだってばよ……」

「戦術的撤退ってやつだ……」

 

メガネをキランと光らせながら黒髭のマスターが答える。

 

「ま、そゆことだから、じゃな!」

「デュフフ、また会うことがあれば本気で殺すからよろ、さてマスター、薄い本でも買いに行くでござるよ」

 

ほんとに何しにきたんだこいつら。

というか自分から仕掛けて来たのにアニメシャツ着てるのは控えめに言って馬鹿なのでは?着替えてから来い。

 

「ほんとにどっか行った……これ僕、服破られた意味あった?」

「お疲れ様です、ますたぁ」

「お、おう、さんきゅ、さて、と服買うか……」

 

▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽

 

清姫と共に服屋に入った。

あんまり来ない店だけどやっぱり系列店が多いだけあってデカイな。

 

「さてと、なんかいい服ないかな、ってもオシャレとか分からんから適当でいいか」

「ますたぁはどんな服がお好みなのですか?」

 

僕が好きな服……わからん。

 

「正直分からんな、清姫がこれだ!と思うの選んでみてくれないか?」

 

今更だけどマスターじゃない一般人もこの世界には存在しているが清姫の角についてはどう思ってるんだろうか、面白い形のカチューシャだなって思ってくれてたらいいな、うん。

 

「私の好みでよろしいのですか?」

「うん」

「分かりましたわ!ますたぁの為に一肌も二肌も脱ぎますわ!」

「うん、頼む、そして着物を脱ごうとするその手を止めろ、その言葉そういう意味では無いから」

 

着物の帯を外そうとする清姫を止めながら服が並べられている棚に視線を戻す。

 

「ますたぁに似合いそうな服……ですか」

「別になければ適当でいいよ」

「こんなのどうでしょうか?」

 

清姫が差し出してきた服は胸の辺りにこれでもかとデカく蛇が描かれたシャツだった。

うーん、蛇で選んだなこいつ。

 

「却下、恥ずかしい」

「まぁ……ますたぁならお似合いだと思うのですが……」

「似合わないと思うな」

「ここの蛇の目の部分のビーズが」

「チェンジで」

「……ちぇ……分かりましたわ」

 

ようやく聞き入れてくれた清姫がまた棚の方に向かう。

舌打ちのような音が聞こえたのは気の所為にしておく。

 

「自分でも適当に見てみるか」

 

この世界ではマスターは基本タダでなんでも買えるらしいし予備も買っておいていいかもしれんな。

 

「ちょっとドクロが派手だがこの黒地にピンクの文字が書いてるの可愛いな、これ買おう」

「ますたぁ」

「いいのあったか?」

「はい!」

 

次に戻ってきた清姫が持ってきた服は龍が描かれていた。

やっぱり自分に関連した動物?の服ばっか持ってくるなこの子。

 

「ま、まぁ龍ならいいかな、ありがと」

「はい!喜んでいただけて清姫ちゃん大勝利!です!」

「某沖田総司に怒られるぞ」

 

ランサーの時公式で言ってるのを完全に忘れて思わずつっこむ。

 

「よし、何着か自分の分買えたし帰るか」

「魔力の反応はありませんわ、無事に服を破られず帰れますね!」

「お、おう、フラグを立てるんじゃあない」

 

もう破られるのは勘弁。

 

「あ、ユリカさんって着替え持ってるのかな、一応無難に無地の服でも買ってくか」

 

適当に近くにあった無地のグレーのシャツをついでに買う。

センスは無い自信があるから無地で許してください。

 

「ところでサーヴァントって着替え出来ないの?戦闘時にパッと着替えれるアレ」

「可能ですわ、元々私の部屋にバスターシャツなら入ってますし」

「運営のセンス……」

 

清姫の宝具がバスターだからバスターなのかな。

清姫はドレス似合うから着て欲しいけど普段ドレス着てる人ってなんだよって感じだしな。

 

「私の部屋、ってスマホの中に部屋があるのか」

「そうです、私専用なのでマスターは入れませんわ、ふふっ触りたくなれば私がそちらへ行けばいい話なので問題は無いですが」

 

ベタベタ触るんでしょ!エロ同人みたいに!

って言ってみたかったから心の中で言ったけど多分ベタベタでは無いな、清姫は。

 

「って何の話だよ、清姫の服も着替えられるならそれも探そうか」

「わーい」

「たまに子どもっぽくなるよな、子供だったか、そうだった」

 

清姫に似合いそうな(センス無いなりに)選んだワンピースを自分の服とユリカさんの服と一緒にレジに持っていく。

多分ここでこんだけ買ったら1万は飛ぶだろうなぁ……恐ろしや。

オタグッズやプラモには金を使えるのに服とかには使えないオタクあるある。

 

「さて、今度こそ帰るぞ清姫」

「はい、ますたぁ」

 

▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽

 

前略、ネカフェに戻ってきました。

時間は8時前になっていた。

 

「あ、おかえり、カケル君」

「ただいまです、起きてたんですねユリカさん」

「うん、結構前にね」

「あっそういえば結構部屋空いてましたけど僕別の部屋行った方がいいですか?」

「え?あー……別にいいよこのままで、もうすぐ出る予定だし」

「どこか行くところあるんですか?」

「んーや、特に、エリザベート達と相談して決めるかな」

「それじゃ、朝ごはんでも頼んで食べながら考えますか」

「そうね、お腹空いたし」

「言っちゃ悪いですけどその体型でよく食べますね……」

「んーなんかすぐお腹空くんだ」

 

しれっとカツ丼を頼みながらユリカさんが答える。

ほんとよく食うな、てか昨日もカツ丼食ってなかったっけ?。

 

「朝から重くないんですか?」

「んー大丈夫!夜食べたから朝食べても問題無いのよ、多分」

 

知らんけど、と言いたそうな顔をしないでください。

 

「さてと、今後どうするか考えますか」

「そうね、エリザベート、どうする?」

『どうすると言われても、あたしは戦う為に呼ばれてるわけだし他のサーヴァントと戦うって選択肢しか浮かばないんだけど』

「そうよね、聖杯戦争しに来てる訳だし、無理矢理とはいえ」

 

話はすぐに纏まった。

 

「あ、そうそう、さっき服買いに行った時黒髭と戦ったんですよ、すぐ撤退しましたけど」

「え、その情報言うの遅くない?」

「すみません、ほかの話してたら楽しくて忘れちゃってて……」

「まぁいいわ、清姫ちゃんは無事なの?」

『はい、わたくしはこのとおり』

 

スマホの中にいる清姫が着物をヒラヒラさせながらニッコリと笑う。

いちいち動きが可愛いからなぁこいつ。

 

「そ、ならいいや」

「黒髭とマーリンのマスター、どちらかともう一度接触して仲間になってくれないか聞けたらいいんですがねぇ」

 

届いたカツ丼とランチセットを受け取りつつ話を続ける。

 

「まだ可能性はあるのはマーリンのマスター、ユースケさん、彼は一応僕の知り合いですからね、会う事さえ叶えば可能性は高いかと」

「黒髭のマスターは初対面の人だったの?」

「そうですね、見覚えも無ければ名前も分かりません、唯一分かるのは戦う気あるのか分からないって事が分かりました」

「それ分かってるの?分かってないの?」

 

ランチセットの食パンをかじる。

やっぱり朝だと誰でもタダのやつだと味気ないな、どうせ令呪でタダだしもっと贅沢すればよかったと後悔した。

 

「ただユースケさんも大阪城にいるとは限らないですからね……」

「そうねぇ、信長と総司にやられてる可能性も無いとは言えないし……ま、とりあえず行ってみましょ、居なければほかの場所探せばいいし!」

「そうですね」

 

朝ごはんを済ませた僕らはネカフェを出て大阪城へ向かった。

 

END

 




どしてここで終わる!?ユースケは?黒髭は!とお思いの貴方、私もそう思います、ジャガ村アナです。
次回!ユースケを探せ!で続きを見られるよ、多分!作者の気分で違うマスターの話をするかもしれないけどな……というか私の出番まだぁ??
あっ、風邪は士ろu……マスターのおかげで治ったぜぃ。


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