彼は『本物』を探し続ける。 (yunami)
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プロローグ

その男は、常に罵られ、蔑まれ、お世辞にもいい中学校生活を送れているとは、言えなかった。

誇れる物は何もなく、全てが偽物であり続けた。

最初は些細なものだった。途中で、何度も修復はしていただろう。

だが、確実に壊れて行った。

文化祭での事。そして、修学旅行での事。

何ヶ月もかかって、やっと少し、打ち解けてきたと思っていた。

この場所が、心地良いと思っていた。

だがそれは、彼自身によって、壊れたのだった。

 

だが、彼にも誇れる物が出来た。

 

 

たった数人だった。

 

 

彼曰く、両手で数え切れるまである。

 

 

それでも、これまでの彼からすれば、とても大きな物だった。

 

 

そうー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『本物』を

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やっと、終わった……」

 

そう。長かったクリスマスイベントを終え、今は家に向かい、帰っている途中である。

相手の学校は酷いもんだったなあ…

変な、覚えたてホヤホヤっぽい横文字ばっかり並べて。

全く進まなかった。

 

「でも、やっと見つける事が出来た、のか?」

 

俺が探して続けてきた、偽物の関係じゃない、本物と呼べる関係を。

今日は、流石に疲れた。嬉しい事に、明日は休みだ。

こうゆう時、神を信じちゃう。

さて、家に帰っt………え?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ポター

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ポター

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「は?」

 

な、何だ、これ?どうなってんだ?

俺の、鳩尾辺りから、銀に輝くナニかが突出し、ルビーの様に輝く水滴が垂れていた。

早く家に帰りたかった為、人通りの少ない場所にいる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これで、ーーーーーーーーーー‼︎」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ザシュ‼︎

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バタンー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、倒れた彼の元に、一人の女性が現れる。

そこから、彼の人生は一転する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こんな所で、貴方を死なせる訳には、いかないわね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここ、は?」

 

目が覚めたら、知らない天井…てか、天井ないじゃん。

え、なに?俺死んだの?あ、死んでましたね。はあ…

 

俺が目を覚ましたら、辺り一面、1人の女性を除いて何も無かった。

 

ん?

 

「誰!?」

「あら、目が覚めたのね」

「あの、質問に答えて頂けないでしょうか…」

「ところで」

「無視ですか…」

「貴方、どうしてこうなったか、分かるかしら?」

「此処が何処なのか、どうやって来たのかは、分かりませんが、どうなったかは覚えています」

「…そう」

 

そう、俺は刺され、切られたのだ。

顔は見ちゃいないが、目星はついている。

その為に、一刻も早く、向こうに行きたいのだが…

 

「これ、戻れ無いんですよね」

「そうね。今は戻れ無いわね」

「今は、なんですね」

 

あら、私とした事が。なんて、態とらしく言う美女。

でも、何処となく感じた事がある雰囲気だ…

あ!!

婚期を逃したおばs

 

「うふふ、死にたいのかしら?」

「い、いえ!!滅相もございません(?)」

 

こ、心読まれたんだけど。

 

「じゃ、そろそろね」

「え?」

「頑張ってね」

「え、ちょま………は?」

 

俺は、気がつけば空中にいた。

 

「ああぁぁぁぁぁああんのやろろおおおおぉぉぉぉぉおおおおおおおおお!!!!!!!!!」

 

 

 



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彼は幻想郷入りする。
第1話


 

目が覚めた。

このシリーズが始まって何回目であろうか。

さて、メタい話しをして、現実逃避している訳でありますが、その理由は……

 

「誰なんだ?お前」

「いやいや、こっちの台詞だぜ」

 

大きい黒い、帽子を被った金髪美少女がいた。

てか、ほんとに誰?目が覚めたら美少女…何て名前のラブコメ?

 

「お前、名前何て言うんだ?」

「…比企谷八幡」

「ふーん、うん。八幡か」

「お前こそ名乗れよ…」

「ああ、忘れてたぜ。私の名前は魔理沙、霧雨魔理沙だぜ!!よろしくな、八幡」

「お、おう」

 

なんなんだ、こいつ…

流石にいきなり名前呼びは、俺にはきついんですが…

まあいい。それよりも、だ。

 

「ここ、何処なんだ?」

「あ?八幡って、外来人なのか?」

「んー、まあ、そんなところだ」

「なら、霊夢の所にいくんだぜ!!」

「は?霊夢って誰だよ」

「兎に角行くんだぜ!!ほら、後ろに乗るんだぜ!」

「いや、言ってる意味がわk「早く!!」はあ、わかったよ」

 

そして、箒に跨った。

そして、霊夢とか言う奴の場所へ向かった。

 

 

いや、着いたは良いんだよ?いいんだけどさ…

 

「せめて、飛ぶ前に言ってくれよ…死ぬかと思ったわ!!」

「ん?でも、楽しそうだったんだぜ!!」

 

くそ、いい笑顔だ!!

悔しいが、否定できねえ…楽しかったし。

 

「んで?霊夢ってのは?何処にいるんだ、魔理沙」

「えっと、今日も神社に居る筈なんだぜ」

 

因みに、名前呼びは強制でした。

言わなかったら、突き落とすって…冗談だったよね?

 

「れーいむー!!遊びに来たぜー!!」

「あら、魔理沙じゃない。遅かったわね。あと…妖怪?」

「おい初対面で妖怪は無いだろう。これでもヒトだ」

「そうだぜ霊夢。私も最初は疑ったが、ちゃんと人間だったぜ」

「さらっと衝撃の事実を言うんじゃない」

「それで?どうして此処に?」

「ああ、そうだったぜ。八幡って、外来人らしいんだぜ」

「それで、此処の事を教えて欲しい、と?」

「まあ、そんなもんだ」

「お茶を淹れるわ。ゆっくり話しましょ」

 

それから、俺は此処の事を聞いた。

信じられない事が多かったが、本当のようだ。

 

「まあ、こんなところでしょう」

「ありがとな。まだ、大分信じられない事が多いがな」

「最初は、そんなもんだぜ!!」

「今日は、2人共泊まっていきなさい。その方がいいでしょ?」

「済まん、助かる」

「じゃ、晩御飯を作るわ」

「ちょい待て。それぐらい俺がやる」

「そう?助かるわ」

 

それから、俺達は晩御飯を食べ、風呂に入り、寝た。

が、簡単に寝られる筈もなく、俺は縁側で、月を眺めていた。

今日は満月だった。

 

不安じゃない、と言えば嘘になるだろう。

寂しくもある。

新しい環境に、心配する事もある。

だが、それ以上にワクワクしている。

俺らしくもない。

 

 

 

 

 

 

 

ゾクッ

 

 

 

 

 

 

 

 

!?

な、なんだ、今の!!

悪寒って、レベルじゃなかった。

これは確か…

 

『へえ、妖怪ってのもいるのか』

『ま、妖怪って言っても、悪いのもいる、ってところね』

『見分け方って、ないのか?』

『そうね、強いて言うなら…』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『嫌な悪寒がするわ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

て事は、こいつが妖怪、か。

だが、今は、2人共寝ている。

どうしたもんかな…

 

ん?妖怪が出したのは、刀か?

おいおい、容赦ねえな。こちとら、武術もからっきしで、武器もないってのに…

だが、ここで逃げる訳にもいかないんだよなあ。

 

そんな事を考えていると、妖怪に動きがあった。

そして、俺は再び、切り裂かれた。

 

 

俺、不幸過ぎね?

 

 

 

意識を失う前、最後に見たのは、妖怪を蹂躙する、2人組だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「知らない天井…って訳じゃないな」

 

身体を起こして見ると、包帯で、ぐるぐる巻きだった。

しっかり手当がされているからだろうか。余り痛みも無い。

 

「…は?」

 

いやいや、これはないでしょうに。

意味がわからん。何か、体が重いと思ったら、

 

「すぅ…すぅ…」

 

あれれ?おっかしいなあ?

どうして巫女服美少女が、俺の上で寝てるんだあ?

てか、ムッチャ可愛いんだが。

やばい、俺の理性全開でいこう。某フィールドなんて、比にならない程に全開で!!

 

「ん、うん…」

 

あ、起きたっぽい。

 

「はち……ま、ん?」

「お、おはよう?」

 

あ、あれ?反応間違えた?

なんか、俯いてプルプルし始めたんですが?

 

「え、えっと…」

 

俺が言い訳を言おうとした時だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ポス

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「え?」

「バカっ!!もう1週間よ!!死んじゃったと思ったじゃない!!どうしてあんな無茶したのよ!!」

「お、おお」

「ほんとに…心配……したっ、んだから…」

 

少し遅れたが、理解した。

どうやら俺は、1週間、目を覚まさなかったらしい。

そして、霊夢はその間、ずっと、付きっ切りで看病してくれたらしい。

そして、今、彼女は泣いていた。俺が、泣かせた。

 

「ごめん、霊夢」ギュ

「っ!!ほんとよ…ばか……」ギュ

 

俺は、彼女を、守りたいと思った。

俺は、明らかに、そんな事を言える立場じゃない。

だから、

 

「なあ、霊夢」

「なに?」

 

泣き止んだ彼女に向かい、言う。

 

「俺は、強くなりたい」

「…そう」

 

霊夢に鍛えて貰おう。

そして、いつか守れるように…

 

俺達は、再び抱き合っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おーい!!八幡おきた…か?」

 

タイミングは、最悪だった。

 

 

 



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第2話

「それで、これは何なんだ?」

「それで、八幡の能力が分かるのよ」

「へえ」

 

あれから、あの新しい黒歴史から、数日が経った。

怪我の回復も良好、と言う事で、そろそろ準備を始めようと言う話になった。

俺的にも早くしたい事だったので、嬉しい。

 

「こうか?」

「そう。そのまま待ってね」

「うーんと、え!?」

「ど、どうしたんだぜ!?霊夢…うわ!?」

 

ちょ、何々?怖いんですけど。

結果が出たっぽいんだけど、俺にも見せてくんない?

 

「……は?」

「八幡、あんた一体何者なの?」

「いやいや、ごく普通の一般人の筈なんだがなあ」

「でも、これはおかしいぜ!?」

「俺が聞きたいよ。能力って1つじゃ無いのか?」

 

そう、俺にはどうやら、能力が4つあるらしい。

だが…

 

「でも、その内2つは分からないわね」

「こんな事って、あるんか?」

「私が知る限り無いんだぜ」

「うーん」

「取り敢えず、この分かっている2つね」

「これか…」

 

俺の分かっている2つの能力。

『全てを略奪する事が出来る程度の能力』

『全てを投影する事が出来る程度の能力』

なんか、どっちもどっかで見た事がある気が…

 

「略奪と、投影…ねえ」

「八幡、何か心当たりでも?」

「無くは無いんだけどなあ」

「なら、弾幕ごっこするんだぜ!!」

「…まあ、確かにその方が早そうだな」

「八幡、大丈夫なの?」

「死にはしねえよ」

「はあ、わかったわ」

「んじゃ、早速」

「私が相手になるぜ!!」

 

そして、準備が終わり…

 

「何時でもいいぜ!!」

「やってみるか…」

「?」

「投影…『斬月』

「なんだ?ざんげつって…!?」

「うおっ、出来た」

 

投影って、何かで聞いたと思ったら…

でも、本当らしいな。

てか、何でこれ作れんだよ…

 

「そ、それは、何なんだぜ?」

「これか?これは『斬月』まあ、刀と思ってくれていい」

「わ、わかったぜ!!それじゃあ「ちょっと待て」はい?」

「もしかしたら…」

「ら?」

「まだ、上に…行ける筈だ」

「ま、まだあるのか!?」

「いいか?」

「いいぜ!!元々、能力を確認するためだったし」

「なら早速…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『卍解・天鎖斬月』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴウッ!!

 

「うわあ!!」

「きゃあ!!」

「ふう、何とか出来…あれ?」

 

完全な漫画知識を使ってみたら、

辺り一面更地になっていた。

 

 

「………は?」

 

 

 

 

 

 

 

「ゴメンナサイ」

 

さて、俺は今全力で土下座しています。

そりゃ、能力を試すって言っても、森を吹き飛ばしたら…なあ。

 

「八幡、加減ってもんがあるんじゃない?」

「いや、でも…」

「なに?言い訳をでもあるの?」

「いや、でも…」

「いいなさいよ」

「…怒んなよ?」

「ええ」

「…まだ、全力って言うか、まだ上があるって言うか」

「「は?」」

 

霊夢と魔理沙が声を揃えて言う。

やっぱり、こいつら仲良しだよなあ…

 

 



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第3話

 

どうやら、俺が思っていた能力そのものらしい。

あれから3日が経ち、俺は能力について、分かった事がある。

 

投影は、自分の頭で強くイメージすると、『再現』の形で形成されるらしい。

投影出来るのは、剣のみ。これでも十分だろう。

そして、形成された剣は、保存されるらしい。

軽いイメージだけで、出せるようになった。制限は無い。

『斬月』の他に、『ダークリパルサー』とか『斬鉄剣』とかもいけた。

これだけで、既にチートなんですが…

それに加え、やはり、俺にも固有結界があるらしい。

俺の場合、底の見えない、『闇の深淵』らしい。ああ、イタ過ぎる…

 

そして、『略奪』について。

これもまあ、知ってる人は分かると思うが、基本は同じだった。

だが、相手には、能力が残る。

つまり、『略奪』よりも『加算』の方が近いだろう。

対象の能力、筋力や動体視力を含む、身体能力を、10倍にして自分に加算する。

これは、対象が強ければ強い程、効果がある。

だが、この事は、誰にも言っていない。

言ったら、面倒くさそう…

 

と、いうわけで、現実に戻る。

現在、俺は投影の能力を使い、魔理沙と戦っている。

この2人からは既に、略奪をしているので、負ける事は無い。

 

「おりゃー!!」

「ほい」

「うわーー!!」

 

さて、今のを説明しよう。

 

俺が『卍解』をする

 

魔理沙が、何故かスピードを上げて突進。

本人曰く、変身直後が弱点だと思った。らしい。

 

そして、俺は躱す。

 

魔理沙は勢いを殺せず、木に激突。

 

 

 

 

「ああ、お茶がうめえ」

「八幡、ジジくさいわよ」

 

一通り戦闘を終え、休憩中だ。

最近、お茶に目覚めた。

そして、霊夢と2人でお茶を飲んでいる。

どうもなあ…

 

「…なによ?」

「いや、落ち着くなあ、って」

「?ふぅーん」

 

そして一口…ふぅ

 

「「平和だなぁ」」

 

なんて、こんな日常を過ごし、1週間後、

 

「紅魔館?」

「そ。パチュリーに、そろそろ本を返さなくてはね」

「おう、いってら」

「あんたも行くのよ?」

「え?なんでよ面倒くさい」

「挨拶よ、挨拶」

「はいはい、わかりましたよっと」

 

俺は、移動の為に、斬月を卍解する。

すると、

 

「あんた、なんでいちいちその格好になるの?」

「あ、これか?訓練だよ、訓練」

「訓練?」

「そう。力をコントロールする為のな」

「コントロール?力を抑えてるとでも?」

「そうだぞ?じゃないと、毎回吹っ飛ばす事になるからな」

「ああ、成る程…ま、行きましょうか」

「おう」

 

霊夢は飛び、俺は瞬歩を使いながら移動する。

これが便利のなんの。

行きたい場所に、瞬間的に移動出来るからなあ。

一度、どこまで行けるか試したら、結界の端から端まで、1秒かからなかった。

結界に沿って、一周しようと思ったら、勢い余って、4周程した。

まだ、制御が難しいんだよなあ…

 

なんて考えてたら、紅魔館?に着いた。

門番寝てて、大丈夫か?と、思ったが、どうやら杞憂だったらしい。

霊夢が門飛び越えて行ったし…

 

霊夢は、この館の主にようがあるらしく、暫く別行動だ。

少し廊下を歩いていると、物凄い狂気を感じた。

今はそこに向かっている。

 

「ここか」

 

ドアを開け、中に入る。

入ってから気付いたが、ノックぐらいすべきだった。

不法侵入じゃん…

 

「…ダレ?」

 

そこには、幼女がいた。

どうやら、こいつらしい。

 

「よう、勝手に入って済まないな」

「ダレナノ?」

「俺は比企谷八幡だ」

「ワタシ…フラン…ネエ?」

 

そう言い、狂気じみた顔で笑い、再びいう。

 

「ワタシトアソビマショウ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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第4話

 

「禁忌『レーヴァテイン』」

 

ありゃ、なんだ?

あれが彼奴のスペルカードって訳か。

にしても、禁忌て……かっこええやん…

 

「っと、あぶねえ」

「キャハハハハハハハハハハハ!!!!!」

「おいおい、大丈夫かよ」

「アナタモコワシテアゲル!!」

「流石に避けるだけじゃ…来い!!『斬月』」

「ソレガアナタノブキナノネ!!モットアソビマシショ!!」

「んー、きっついな…」

 

これで、スペルカード無しの威力かよ…

だが、

 

(なにか、違和感が…)

 

「フフフ、モット、モット!!」

(………………、………………!!」

 

「っ!?今、何か…」

「モット、モット!!モットモットモット!!」

(………、……………………て…」

 

「やっぱり…何かある!!」

「キャハハハハハハハ!!」

(……て、………けて…)

 

「なんて、言ってんだ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(助けて!!)

 

 

 

 

 

 

「っ!?そういう事か!!」

「ナニヲボソボソイッテルノ?モットアソボウヨ!!」

「出来るだけ早く終わらせる、だから…」

「キャハハハハハハハハハハハ!!」

「すまん…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『卍解・天鎖斬月』

 

 

「っ!?」

「うおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおああああああああ!!!!」

「キャァァァァァァァァァァアア!!」

「はぁ、はぁ」

「…」

 

これで、良し。

峰打で、気絶してくれたようだ。

あとで、怒られっかな?ま、いっか。

兎に角今は、こいつの中にある『狂気』を取り除かねえと。

俺の『略奪』なら…

だが、試した事も無く、初っ端からこの大きさだとな…

考えてる時間は無い…か。

 

「うし、やって見るか」

「っ!?こりゃでかいな…だが!!」

「助けてやるからな…うっ」

「うがああぁぁぁぁぁぁぁあああ!!」

 

ーーーーー

ーーー

 

少し時間は遡り…

 

「じゃ、俺はそこら辺ウロウロしてるわ」

「了解。変な事するんじゃ無いわよ?」

「へいへい、わかってら」

「ったく」

 

八幡が来てから、大分経ったわね。

でも、きっといつかは、向こうへ帰るのよね…

寂しくな…らない!!寂しくならないわ!!うんっ…

……なにやってんだろ、私。

 

「はあ」

「来て早々溜息とは。相変わらずの様ですね」

「きゃあ!!って、咲夜じゃない…」

「あら、霊夢。いらっしゃい」

「レミリアまで…」

「ところで、どうして紅魔館まで?」

「ああ、咲夜これ」

「本ですか。返しておきます」

「頼んだわ」

 

<ドンッ!!

 

「!?」

「咲夜」

「はい、お嬢様」

 

今の方向は…確かフランの部屋!!

マズイわね…八幡の可能性が高いわ。

まさか……殺されたりは、しないわよね?

 

「兎に角、行くしかない!!」

 

 

 

 

「咲夜!!レミリア!!」

「霊夢」

「レミリア、どうなったの?」

「今、それを確認するところよ」

「じゃ、早くいk「うがああぁぁぁぁぁぁぁあああ!!」!?」

「今の声って」

「お嬢様、外来人のものです」

「八幡!!」

 

まさか、本当に…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

其処には、床に横たわる少女とー

 

「フラン!!」

 

ただ呆然と、天を仰ぎ、立ち尽くす彼が居たー

 

「八幡!!」

 

少女は駆け寄り、妹を抱くー

 

「フラン、フラン!!」

 

少女も駆け寄ったー

 

「八幡!!………八幡?」

 

だが、彼は其れを、認めなかったー

 

「……霊夢」

 

そして、彼は言うー

 

「すまん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バタン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…八幡?…………ねえ、八幡?」

「咲夜!!早く霊夢を!!

「はい!!霊夢!!しっかりしてください!!このままでは貴女が!!」

「ねえ、起きてよ八幡…何時もみたいに、屁理屈を言ってよ…」

「霊夢!!意識を保って!!貴女の精神がやられるわ!!」

「っ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いやあああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああ!!!!!!!!」

 

 

 

 



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