対魔忍・ストラトス (こーひーまめ)
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対魔忍・ストラトス

 この小説はいわゆる対魔忍パロとなっておりまして、ISの五人娘を対魔忍にして、とってもひどい目に合わせる内容です。ご注意ください。

 ISの設定と対魔忍シリーズの設定を、都合良い所だけブレンドして都合が悪いところはスッパリと切って細かいことは考えていない、とても都合のいい内容に仕上がっております。
 
 もう一度書きますが、可愛いあの子たちが対魔忍な目に合います。
 ド直球に閲覧注意な内容となっておりますので、対魔忍という動詞が分からない方や、純粋にキャラや世界観が大好きな方は、絶対に閲覧しないでください。


 IS学園には、裏に隠されたもう一つの顔がある……。

 それは、人と魔の相互不干渉という掟を破られて等しく、麻のように乱れる世を正さんと闇を駆ける忍達――対魔忍の養成学校としての姿だ!

 ここに今、世界各国からIS学園に集められた、五人の見た目麗しい少女たちが居る。

 

 腰に差した二本の刀を操る近接戦のプロにして、無駄のないオーソドックスな全身スーツを身に纏った対魔忍――ホウキ。

 狙撃ライフルと遠隔操作のビットを操り、ハイレグタイプのスーツにガーターでニーソックスを固定したタイプを装備した対魔忍――セシリア。

 空気を圧縮して撃ち出す独自の拳法を修め、チャイナドレスを改造したようなピッチリスーツで機動性を確保したツインテールの対魔忍――リンイン。

 数多の装備を状況によって使い分け、それらを使いこなすためスーツの各所に補助アーマーを装着した重武装の対魔忍――シャルロット。

 眼帯の奥に秘められた慣性停止の忍術とワイヤーで拘束し腕のブレードでトドメを刺す、ハイレグレオタード一丁という一際軽装なスーツで暗殺を得意とする対魔忍――ラウラ。

 

 年若い外見とは裏腹に、皆が皆、魔を退けるためのスペシャリストとして鍛錬を積み重ねた精鋭であり、既に一線を張る他対魔忍達と遜色ない実力を誇っている。

 普段は学生として生活し、一たび特命を受ければ、彼女達は対魔忍として任務に赴く。

 今回の任務は、魑魅魍魎が渦巻き、倫理を無視した技術を研究する魔族の違法ラボへの偵察、潜入、そして破壊。

 崖の上から魔窟を静かに見下ろす、五人の対魔忍達を待ち受けるのは、果たして生か、死か、はたまた……。

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

《対魔忍ホウキ 編》

 

「ふん、他愛ないな」

 

 着地の衝撃で持ち前の巨乳を弾ませながら、ホウキは手にした二本の刀を鞘に戻した。

 漆のように艶やかに束ねられた黒髪の後ろには、物言わぬ亡骸となった魔族の尖兵、オークたちが血だまりに沈んでいる。

 

「情報通り、やはり魔族の息が掛かった機関だったか」

 

 用心棒として雇われていたのだろう、オーク達の存在に確信を持つホウキ。

 危機感や嘆かわしさよりも、敵を屠る高揚感に笑みすら浮かべ、真紅の対魔忍スーツで引き締められたヒップラインを揺らし、更なる気配へと相対する。

 

「ほう、次は貴様か?」

 

 彼女の前に立ちふさがったのは、冴えない外見をした白衣姿の男だった。

 流石にホウキといえど、非戦闘員を手にかけるような外道ではない。

 しかし、男の手にはレーザーサイトが付けられた拳銃が握られており、確かな反抗の意思が感じられる。

 

「一応、警告しておいてやる。貴様では無理だ」

 

 余裕の笑みを浮かべながら、ホウキは威嚇の意味も込めて刀に手を掛ける。

 例え拳銃を持っていた所で、対魔忍相手には余りにも頼りなく、数歩踏み込めば刃が届くこの間合いでは、ホウキも男が引き金を引くより先に、その指を斬り落とせるだけの技量を持っていた。

 

(意地か、蛮勇か……この男、背後のオーク共が見えてないのか?)

 

 この研究員より遥かに屈強であるオーク達に完勝した相手の、いったいどこに勝算を見出して来ているのか分からない。

 僅かに募る警戒心が足枷になっているとは知らぬまま、男はレーザーポインタを起動して、照準をホウキの額へと向けた。

 

「そうか。警告はしたぞ」

 

 この距離でそんな玩具を使うぐらいなら、出鱈目に撃った方がまだ脅威だと、素人丸出しな行為にフッと鼻を鳴らし鯉口を切る。

 

(まぁいい、コイツ以外にも話が通じる奴は居るだろう)

 

 既に決着がついている戦いであろうと、ホウキは油断しない。

 刃のように視線を尖らせ、己の武器を振るうための戦闘態勢を取った!

 

「さぁ……」

 

 両手を組み上げて脇を開き、足は大きくガニ股に。

 

「どこからでもかかって来るがいいっ!!!」

 

 そして、その状態のまま腰をくねくねと媚びるように動かし、自前のおっぱいをぶるんぶるんと下品に振り回し始めた!

 

「どうした、今更おじけづいたか?」

 

 拳銃とホウキの様子を互いに観察するよう動かない男への、淫らな挑発はさらにエスカレートして行く!

 

「残念だが魔族と関与した違法研究を行っていた以上、人間が相手でも容赦はしない。ザーメンの一滴すら残さず絞り殺してやる!」

 

 洗脳に成功した。

 そう男が低く呟いたように、正気とは思えない言動を繰り返すホウキは、一瞬の内にマインドコントロールを受けてしまっていた!

 さきほど男が向けた拳銃のレーザーポインタ……あれは、ただの照準補佐装置ではない。

 光線によって人格を好きに書き換える、恐ろしい洗脳アイテムだったのだ!

 試しに男は、お前の武器はなんだとホウキに尋ねる。

 

「は、見て分からないのか? この十×歳の癖に栄養が頭ではなく全部そこに行った、男のおチンチンをドスケベにたぶらかす事しか能がない、対魔デカパイに決まっているだろうが!」

 

 迷いなくそう断言したホウキの巨乳を――男は無造作に鷲掴みにした!

 

「ンひいいぃぃいいいいぃぃぃ♡」

 

 たったそれだけで食いしばりアヘ顔を晒し、スーツ越し乳首をフル勃起させる対魔忍!

 洗脳と同時に、快感神経や脳内麻薬の発生量も狂わされた今のホウキは、感度が3000倍に等しいほど引き上げられてしまっている!

 

「ふーっ! ふーっ! き、きしゃまぁ……! わ、私がデカパイを玩具みたいに握りつぶされるのが大好きな、ド変態マゾメスだと見抜いた程度で、いい気に、なるなよぉ……♡」

 

 鼻息荒く、スーツの股を愛液でずぶ濡れにしながらも睨み返してくる対魔忍の無様な姿より、自らの完璧な研究結果に酔いしれながら、男は最後の質問を投げかけた。

 

「わ、私の任務、だとぉ?」

 

 政府から秘密裏に指令を受け、時には非合法な手段すら用いながら活動するエージェントにとって、任務内容は自らの命よりも重い。

 それを胆に銘じているホウキは、男の思い通りに動きはしない。

 

「そんなもの、決まっているだろうが! お前達、闇と結託した外道チンポに口マンコもケツマンコも、処女マンコも使って全霊でご奉仕することだ! この穴という穴がガバガバになって、使い潰されるまでな!」

 

 やはり、既存の人格を徹底的に上書きされ、更に復元も不可能なため、特定情報を引き出す際には、この装備は不向きと、男は溜息一つで改善点を手帳に書き込んでいき、

 

「分かったなら、さっさとチンポを出すがいい! 私の必殺パイズリひょっとこフェラで、不能になるまでおっヒギイイィィィイイィイ!!? ぢっ、ぢぐび噛まれるのむ゛り゛い゛いいぃいいぃぃぃ!?!?」

 

 先程から煩い、この馬鹿メスを黙らせることにした。

 

「オ゛っ、ヲ゛ッ、おおぉぉほおおおぉぉ!!? 私の自慢チクビ食いちぎられるぅぅぅううぅぅ!?!? 男のザーメン搾り取るのに特化じだのに、一本もチンポ抜けないままアヘまげるうぅぅぅううぅぅ!?!?」

 

 ちょっとスーツ越しに乳首を噛んで引っ張っただけで、潮だけでなく、力んで全力放射される失禁アクメまでキメながら、ガニ股をヘコヘコ動かしてイキ狂うホウキ。

 データを取った以上、もうこんなド淫乱なメス豚に興味はない。

 適当に気絶させ、頭以外はいくらでも使い道があるだろうと、極めて事務的に対魔忍ホウキは処理されていった……。

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

《対魔忍セシリア 編》

 

「クソッ、侵入者だ!」

「何やってんだぶっ殺せ! 相手は独りだろうが!?」

「文句あるならテメェが行きやがれ! ありゃ対魔忍の中でも特別頭おか」

 

 正門ゲートの守護を任されていた、一匹のオークの頭が熱線で撃ち抜かれ、弾け飛ぶ。

 ブルーのハイレグスーツを身に包んだ美しき射手は、未だ熱が籠るレーザーライフルを小脇に抱え、なびくブロンドヘアーを後ろ手でかき上げた。

 

「あらあら、みっともありませんこと。おしゃべりな殿方は、社交界では見向きもされませんわよ?」

 

 気品に満ちた仕草で、戦場でありながらも遮蔽物もなしに堂々と佇んでいる、忍と呼ぶにはあまりに煌びやかな井出達は、対魔忍セシリアに他ならない。

 彼女の常軌を逸した戦いは、オーク達の間でも一種の噂になるほどであった。

 

「誰かあのメス止めろ! 真ん中で棒立ちして、鉄砲撃ってるだけだろうが!?」

「それが出来たら苦労してねがっ!?」

「な、こ、コイツは……え、遠隔ビットか!?」

 

 説明ご苦労と、多少は頭が切れるオークは敵を追いかけ追尾するビットに心臓を撃ち抜かれ、同じように胸に風穴が空いた仲間と同じ、骸と化す。

 

「ふふふ、わたくしの忍術から逃れる術は、ありませんことよ?」

 

 これこそが対魔忍セシリアの真骨頂。

 六つのビットを変幻自在に操り敵を狩り尽くす、無慈悲無情な忍術だ!

 隠密活動よりも、こうした正面制圧でも力を発揮することや、なによりプライドが高い本人の気質から、こういった一番目立つポジションで陽動を行うのが、彼女が受け持つ役割だ。

 

「まったく、わたくしと一曲踊れる紳士は、ここにもいらっしゃらないみたいですわね?」

 

 ただし、高貴な産まれ育ちも含まれた、圧倒的な実力に裏打ちされた自信から、よく油断や慢心を任務に持ち込むことが、彼女の教官であるチフユの悩みの種であった。

 しかし、それでも今までは確かに任務を達成して帰還して来れたため、根本的な部分でチフユは彼女を矯正してやることが出来ずにいた。

 その結末が、こうしてセシリアに牙を突き立てた、最後の瞬間まで……。

 

「あらっ?」

 

 遠く、離れたコンテナから上半身を出し、ランチャーを構えたオークがセシリアの視界に入る。

 昨今、こういった近代兵器を使いこなすオークは珍しくないため、余裕の表情を浮かべながらため息をついた。

 

「このわたくしに、そのような玩具は通用しませんことよ?」

 

 その気になれば、すぐさまビットを向かわせ、あのオークをハチの巣に出来るセシリアだが、あえて迎撃を選択する。

 魔族が科学すら悪用し、罪を重ね続けるのなら、人間の力という奴を徹底的に見せつけてやらねばならない。

 これこそが、彼女の信じるスタンスであり、まさに力の象徴である自分自身は陣頭に立って下々に見せなければならない。

 悪は必ず潰えるのだ、と。

 

「そこですわ!」

 

 ランチャーから発射された弾頭に向け、一斉にビットからレーザーが照射された。

 悪の力を真正面から打ち砕き、完全勝利する。

 とある事情で没落寸前であるとはいえ、セシリアはそれが貴族の家系に産まれた者の使命であると信じて疑わず、

 

「――えっ?」

 

 当たり前のように悪からマークされ、対策され、対魔忍セシリア専用に開発されていたランチャーの弾丸で、致命傷を負わされた。

 下腹部に直撃を受け、悲鳴を上げる間もなく背後のコンテナに全身を打ち付けるセシリア。

 レーザーで確かに迎撃したのに、撃ち落せなかった理由は至極簡単。

 弾丸には、レーザー光線を反射する特殊鏡面加工がなされていたのだ。

 もし、セシリアが回避や先手を打つことを選んでいたら、こんな単純な対策で打ち倒されることは無かっただろう。

 しかし、彼女は真っ直ぐすぎたのだ。

 敵が、彼女の性格まで読み切って、攻撃をレーザーで撃ち落とすことが前提の対策を施せるほど、明け透けて……。

 

「う……い、いったい、なに、が……?」

 

 まだ自分の身に起こったことが理解できず、とにかく身体を起こそうとセシリアは四つん這いになる。

 もはや何をしても手遅れであることなど気付かないままの、必死さで。

 

「ほひぃ!?」

 

 唐突に下腹部に走った鋭痛に腰が砕け、尻だけを突き出すような姿勢になってしまうセシリア。

 

「な、一体……なに、が!?」

 

 痛みが走った場所に手を当てると、そこから覚えがない金属の感触が伝わってくる。

 どこか、ベルトのようなパーツであり腸骨をカバーするよう、ガッチリ装着されているのかピクリとも動かない。

 

「こ、これは、まさか先程の弾がひゅ!?」

 

 ヴゥゥンと静かに唸るような音を上げ、先程の弾丸――子宮ベルト弾は、己の仕事を開始した。

 

「ひ……ん゛お゛お゛お゛お゛おおおおぉぉおぉぉぉぉぉぉぉぉおぉ!!?」

 

 余裕と気品に満ちていた表情を一瞬でアヘらせ、絶頂!

 ハイレグレオタード越しのマンコから、一斉に愛液が噴き出す!

 

「じ、じぎゅうぅぅぅうぅ!? わ、わだぐじのじぎゅうがぁぁぁぁぁ!!?」

 

 異変はセシリアの子宮――さらに正確に言えば卵巣に起きていた!

 最初の痛みは、子宮ベルトから伸びた針が卵巣に到達したモノ。

 そして今回のアヘイキ絶頂は、その針を伝ってナノマシンが、セシリアの卵巣を改造し始めた証であった!

 この改造を受けた女は、排卵するたびに脳神経にダメージが残るほどの激しすぎる絶頂を迎えることになる。

 平均的にほぼ月一。一生分の合計数は一説によれば四八〇回。

 ほぼこのようなペースで脳髄が弾け飛ぶような絶頂に襲われる未来が確約し、これだけで人間としては終わったも同然であったが、このベルト弾はセシリアを再起不能にするために造られた特注品なのだ。

 僅かでも、逆転や復帰の可能性を残しはしない。

 

「ホヒイイイィイィィイィィィィィィィィィィ!??!?」

 

 針がピストン運動を始め、更なる改造を加えていく!

 今度は、セシリアの膣がペニスの侵入を感知した瞬間、即排卵を行うよう体機能を弄る!

 当然、この排卵にも絶頂は伴う。つまり、彼女はただ普通にセックスをするだけで、文字通りの意味で壊れていくのだ。

 

「ホッ、ひっ、ゆるじっ、これいじょ、わ、わだぐじの子宮、いじるの、よして……!」

 

 ガクガクと痙攣しながらも気絶できなかったセシリアは、自分の身体が二度と後戻りできなくされていく絶望を、無力に味合わされていく。

 無論、機械に命乞いなど通じる訳もなく、最後の改造が始まり、今度は針が高速回転を始める!

 

「ンホオオオォォォォオオォォォォォォオオォォ!!?」

 

 品も格式もあったものではない、鼻水を噴き出しながらメス雄叫びをあげるセシリアに施されたのは、受精改造であった!

 これにより、セシリアの卵子は受精と同時に爆発的な成長を始め、速攻で臨月寸前のボテ腹にまで膨らむ。

 研究所でもまだまだ実験段階の改造であるため、これを受けた女性がどんな子をひり出すのかは、実際の母体で試すしかないだろう……。

 

「ほ、ホ、あ、たず……ゆる、じ……」

 

 図らずもケツを突き出し、土下座するような姿で三つ受けた改造の疲弊に倒れるセシリア。

 下品な改造を施されまくった身体では、煌びやかに先陣へと立ち、人々に示すべき貴き模範として戦うことなど、二度と出来ない。

 だとすれば、彼女には対魔忍よりもっと相応しい二つ名があるだろう。

 

「ほギャアアァアアアァァァァァアアアァァァァァァ!!!!!」

 

 子宮ベルトが改造完了の仕上げとして、一生消えることのない焼き印を子宮に押し付けた!

 バッテリーが切れ、役目を終えた子宮ベルトはあっさりと外れて床に転がる。

 露わになった烙印には、こう書かれていた。

『孕み袋』と。

 

「ほーっ……ほーっ……ほ、ひっ……♡」

 

 こうして、焼き印の激痛で失禁と脱糞をしてしまい、汚物塗れの股間を突き出して曝け出す対魔忍――いや、孕み袋セシリアは、誰からも蔑まれるような第二の生を歩み始める事となった……。

 

 

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《対魔忍リンイン 編》

 

 

「せいやーっ!」

「ぐごほぉ!?」

 

 掌底を腹部に受け、重武装した特殊部隊がくの字に折れ曲がり、吹っ飛ぶ。

 

「ハイハイハイ!」

「がががっ!?」

 

 ナイフを持った男が人中、顎、金的と、急所を全て蹴られ、戦闘不能になる。

 

「せー……りゃ!」

「うわああぁあ!!?」

 

 銃を構えた大人が、拳を突き出されただけで、壁に叩きつけられる。

 実に非現実的な光景だ。

 軍で優秀な成績を叩きだした屈強な傭兵たちが、素手で。

 さらに言えばたった一人の少女に圧倒される光景など、今時映画でも流行らないだろう。

 

「はん! なっさけないわねぇ、全然歯ごたえ無いじゃない」

 

 しかし、これは紛れもないノンフィクション。

 チャイナドレス風にアレンジされた、マゼンタの対魔忍スーツに身を包んだ少女――対魔忍リンインの手にかかれば、この程度は造作もないことであった。

 

「チクショウ! ど、どうなってやがる……化け物かよ!?」

 

 残り一人となった、この倉庫エリアを守衛していた隊員が、震えた手で自動小銃のトリガーに指をかける。

 彼だけがリンインの攻撃を逃れたのは、「口が利ける奴は一人だけ残ってればいいから」という、実にシンプルな理由であった。

 

「そこ、責任転嫁しないでよね。ふっつーに対魔忍ナメてかかった、アンタらのミスでしょ。こんなの」

「た、対魔忍? お、お前みたいなちんちくりんがっ!?」

 

 リンインは裏拳を放ち、忍術によって鈍器のごとく圧縮された風圧で、NGワードに触れた男の鼻の骨を砕く。

 

「次それ言ったら、マジ風圧で捻り潰すわよ?」

「が、あぁぁぁぁ!」

 

 リンインは拳法を習得したクロスレンジの達人であり、更に圧縮した空気を拳から放つ忍法を操る。

 武器の力を完璧に発揮できるとは言い難い施設内の戦闘で、彼女を止められる存在はそうは居ないだろう。

 

「質問は二つ。アンタらの親玉の居場所と、サーバールームの場所よ。さっさと吐きなさい」

 

 作戦はこうだった。

 まずセシリアが外部から敵を扇動し、間に内部へと侵入したホウキとリンインとで、それぞれ外内の防衛をズタズタにする。

 そしてターゲットである、この施設の親玉と、研究成果が全て納められたサーバーを、それぞれのスペシャリストであるシャルロットとラウラが排除――だというのに。

予め決まっていた作戦は、明確な遅れをとっていた。

 

(ったく、ホウキは何やってんのよ……!)

 

 同じ目的で動いているはずの同僚から、通信は未だに無い。

 リンインは今まで、猛獣やオートマトンなどと言った意思疎通が不可能な敵ばかりと交戦しており、ようやく遭遇できたこの部隊こそが初の情報源であったのだ。

 

「しっ、知らない!」

「ふーん……いい根性してるじゃない?」

 

 元より短気なリンインは、これ以上の遅れは看破できないと、骨の二、三本は折ることを決め、拳に風を圧縮させていく。

 正拳突きと同時に放たれた風圧は、男の右腕を粉砕する――

 

「なっ……!?」

 

 前に、割り込まれた第三者に阻まれる事となる。

 

「な、なによ、コイツ……?」

 

 対魔忍の動体視力ですら捉える間もなく現れたのは、頭までスタイリッシュな銀色のボディアーマーで包んだ、2mは有りそうな謎の巨漢であった。

 凄まじい速度で乱入を果たし、片手でリンインの術を受け止めて見せたというのに、肩で息をしている様子すらない、人間なのか機械なのか分からない出で立ち。

 しかも、白銀の戦士はリンインなど眼中にないと背中すら向け、味方である男へとカメラアイをサインのように点滅させる。

 

「あ、あぁ! すまない、ここは任せ――後ろ!?」

「余裕かましてんじゃ、ないわよ!」

 

 あの程度なら怪我人を優先し、先に対処する必要はないと、完全にバカにされ黙っていられるリンインではない。

 拳に風を込め、その後頭部に叩きつけてやると飛び掛かる!

 

「え――あぎッ!?」

 

 ここでリンインは熱くならず、冷静に悟っておくべきだったのだろう。

 フルアーマーの銀色と、自分との間に横たわる、圧倒的な実力差という溝を……。

 戦力差を見誤った代償は、跳躍し、がら空きになったそのマン肉を、すくい上げるような鉄拳のカウンターで叩き潰されるという形で支払わられる!

 

「ぎッ、い゛い゛い゛い゛ぃぃぃぃ……!!?」

 

 床に堕とされ、えぐり潰された急所を両手で抑え転がりながら、リンインは悶絶!

 食いしばった歯からは涎と泡が止めどなく溢れ、幼く活発な顔立ちを、一瞬にして激痛を知らせる朱色に染めていく!

 そんなリンインの無様な姿など、羽虫を叩いた程度に見向きもせず、無機質な双眸は周囲を見渡していた。

 薄暗い倉庫エリアに転がった、もう二度と動くことのない、無数の屍たち……。

 

「こ、の、ぉぉぉ……!」

 

 彼らを屠ったのが、股間へと手を当てたまま、内股で膝を震わせながらも何とか立ち上がったこの女だと認識した瞬間、

 

「女の子の大切なとこ狙うとか、もう絶対に許さないわよ……ぶっ倒してやるんだか――」

 

 白銀は、リンインを明確に敵だと認識した。

 

「ら?」

 

 まさに神速。

 やはりまた、空間跳躍と見紛うような速度で消えた戦士は、リンインの背後を完璧に取っていた。

 

「はぐっ!?」

 

 そこからリンインのか細い首へと腕を回し、もう片方の腕でガッチリと固定して喉を締め上げるサブミッション――

 

「ぐぎいいぃぃぃいいぃぃ!!?」

 

 チョーク・スリーパーを決める!

 

(や、ヤバ……これ、完璧に入って、ヤバ……!!?)

 

 小学生ほどの体格しかないリンインの身体は、一切の無駄なく引き締まった機甲戦士に軽々と持ち上げられ、腕と重力で頸動脈にダブル絞束がキマった、極めて危険な状態だ!

 一部の格闘技では禁止されるほど危険なこの技を、わざわざ咎めるレフェリーなど、殺し合いの場に存在するわけがない。

 鋼鉄の両腕は躊躇いもなく、小さな対魔忍の喉を圧迫する!

 

「げッ!!? ギッ!?! イ゛ギいぃ~~~……!!!」

 

 なんとかこの窮地を脱しようと、肘討ちや蹴りを必死に打ち込みまくるリンイン。

 だが、このような体勢での攻撃など、何発受けようが鋼鉄のボディにはへこみ一つすらつかない。

 次第に反撃する余裕すら奪われていき、上を向いていく眼球からは涙が搾られ、続けられる的確な急所攻撃に、先程以上の唾液や泡が口元から溢れ出してくる。

 

(しっ、死ぬっ、これ、こんなの、死っ、殺され、絞め殺されるぅぅうぅぅぅ!!?)

 

 顔色が熟れきったザクロのように赤黒さを増していくにつれ、もはや手は絞める腕に添えられる程度に弱々しく、足も出鱈目に気張った結果、ガニ股が開いて淫口からは透明な汁が漏れ始めている。

 リンインが絞死寸前の状態である証拠だ。

 彼女に反撃する余地が残されていない以上、再び第三者の介入が無ければ、このうら若き対魔忍の命運は決まったも同然であろう……。

 

「あ゛っ、ご、ぎ……ぃ!?」

 

 結論から言おう。

 第三者の介入は――確かにあった。

 

「へっ、いい気味だぜ、クソガキがッ……!」

 

 ただしリンインの命運は覆らず、ここで潰えることが、確定した。

 

「こんだけ派手に仲間をヤってくれてよ。ガキの遠足じゃねぇんだ……まさか、タダで帰れるとは思ってねぇよな……?」

「び……い、ぃぃぃ……!?」

 

 仲間の復讐に血走った目で、特殊部隊の生き残りが、窒息寸前のリンインへとにじり寄る。

 手にしていたのは、バチバチと光を走らせるスタンガン。

 何をするつもりなのかなど、意識が朦朧としてきたリンインでもハッキリと分かり、キメられた首が拒絶を示すよう、僅かに左右へと振り乱される。

 

「命乞いするぐらいならよ……最初からこんな場所に来るんじゃねぇてのッ!」

「ぃ……!!!」

 

 男のスタンガンが、リンインのガニ股マンコに押し当てられた!

 

「ぴいぎいいぃいいぃいいぃぃヒギビギピぎイィイイィィィィィイぃ!!!!!」

 

 バチバチと音を立て、何十万ボルトもの電流がリンインの女性器から流れ込んだ!

 スタンガンが非殺傷武器と呼ばれるのは、あくまで正しい要領で使用された場合のみ。

 想定されていない性器への直撃は、余力など残っていないはずの対魔忍の身体をビクンビクンと出鱈目に跳ね回らせ、スーツを焼くと同時に陰毛も焦がした煙が上がり、噴き出した失禁は地面へとぶちまけられていく!

 

「ぴ………ぴぎっ………」

 

 スタンガンを当てた時間は一分にも満たなかったが、リンインは完全に意識を失い、舌をだらしなく垂らした落ちアヘ顔を晒していた。

 チョーク・スリーパーも必要なくなり、白銀の男は床へと放り投げる。

 

「……ゲ……エっ……ぇっ……」

「……ッ……クソがッ!」

 

 腰のホルスターから取り出した拳銃の9mm弾数発を、このヒキガエルのような声を上げ、股をおっ広げて無様に痙攣するクソガキに叩き込めば、仲間の仇を討てる。

 復讐の引金を引かせろと、ドス黒い意志が渦巻く男の腕を――白く輝く、冷たい手が諫めた。

 

「……あぁ、ああ! 分かった、分かってる! 侵入者は全員生け捕りって命令だろ!? 放しやがれ!」

 

 強引に手を振り解いた男が、銃を地面に叩きつけたのを眺めながらも、鋼はどこまでも無言であり――しかし、どこか寄り添うよう、男の傍からは離れようとしなかった。

 

「……回収班には連絡しておく。その前に、ここを片付けるぞ」

 

 冷静さを取り戻した男は、ただ一人残った自分に出来ることを模索する。

 アラートは未だ鳴り止まないが、鋼鉄の戦士も、それに付き従うようだった。

 殉死した仲間を弔うため、男はリンインへと背を向ける。

 

「じゃあな、せいぜい地獄以上のクソ溜めで後悔してろ……!」

 

 最後に唾だけ吐き捨て――そこから先、男がリンインの姿を再び見ることは生涯無かった。

 

 

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《対魔忍シャルロット 編》

 

 

 対魔忍達の最重要ターゲットである、悪魔の研究成果が全て納められた、研究所のサーバールーム。

 多数のモニターが照明替わりの、薄暗い天井のダクトが外れ、そこから一人の女が降りてきた。

 

「ふぅ――やっと見つけた」

 

 彼女は対魔忍シャルロット。

 特殊な術こそ持たないが、あらゆる装備や端末を手足のように使いこなし、ある意味では一番忍びらしい潜入工作のプロだ。

 戦闘もある程度こなすオールラウンダーと言っても過言ではない彼女が、今回受け持った役割は後詰め。

 ホウキ、セシリア、リンインが暴れ、がら空きになった本丸へと踏み込むのが仕事であり、こうして目的のサーバールームへとたどり着けはしたが、慎重なシャルロットの心中は穏やかではない。

 

(確かに敵の反応は殆ど無いけど……ターゲットの位置報告も、ラウラ以外からの定時連絡も来ない……)

 

 不安げに口元へと手を当てながらも、豊満なボディラインを露わにする黒のラバー地にイエローのラインが入った、特注のバイザー付きサイバースーツをアクティブにする。

 

(みんなが何らかの罠に陥った可能性は高い……けど……)

 

 仮定が現実だとすれば、シャルロットは尚更早急にこのサーバーを占拠しなくてはならなかった。

 破壊するだけならば一瞬で終わるが、ここのデータは全てコピーして持ち帰り、これを支持している連中を裁くための足掛かりにしなくてはらない。

 この研究所すべてのデータが統括されている場所である以上、何が起こっているのかを確かめるのにも、ここを暴く以上の最短ルートはない筈だとハッキングを開始する。

 

「バイザー起動、ボードオプション展開」

 

 装備していた補助アーマーが変形し、シャルロットを囲むようにキーボードのような端末が左右から展開され、バイザーがVRヘッドセットのように降り下がる。

 

「くっ……ぅ」

 

 後頭部から伸びた数本のコードが伸び、自動でサーチしたサーバーへと続く端子へと接続され、シャルロットの意識が現実から引き剥がされる。

 内臓を引っこ抜くような不快感が一瞬だけ。

 次に目を開いたシャルロットは、この電子世界で誰よりも自由な生物となっていた。

 

「よし、アクセス成功」

 

 人間の意識を生体CPUへと疑似的に変換するこの技術、通称『フルダイブ・クラッキング』は、某大国でも未だ実験段階の超テクノロジーだ。

 どうしても現実世界で無防備になってしまうというリスクにさえ眼を瞑れば、あとに広がっているのは思考一つで全てが思うがまま動く電脳世界。

 手動では決して到達することが出来ない光速の世界で、機器へとハッキングを行うことが可能になる。

 

「パスワード、クラック……ファイアウォール――スルー……ファイル発見、暗号解読開始……逃がさない、ネットワーク切断キャンセル……こちらからのコードを最優先で実行……このデータは先に送信……」

 

 ブツブツとうわ言を呟いているようにしか見えないが、彼女と別エリアのデバイスで接続していたのだろうクライアントとの間では、0と1が交錯する激しい攻防戦が繰り広げられていた。

 ただ、どれほどの天才であろうとも肉体という枷がかけられている以上、電脳に生きる今のシャルロットには決して追いつけない。

 軍配は、一分にも満たぬ内に決定的な方向に傾いていた。

 

「データコピー……完了!」

 

 バイザーに埋め込まれた大容量マイクロチップに、研究所のデータ全てがコピーされる。

 あまりに迅速かつ鮮やか過ぎるクラッキングは、このハイテクノロジーに依存した社会において、下手な忍術よりも遥かに脅威。

 対魔忍シャルロット。彼女もまた、複雑化していく魔の暗躍を赤裸々に暴き出す、紛れもないエージェントであるのだ。

 

「あとは、サーバーを物理的に破壊してやれば、ボクの任務は…………ん?」

 

 ログアウトも済ませ、残りの工程は補助アーマーに収められた銃でサーバーを物理的に破壊するだけ。

 特別な技術など何も必要ないこのステップで、シャルロットの動きが初めて止まる。

 

「あ、あれ? なんで、戻らないんだ……?」

 

 役目を終えたはずのバイザーが、通常モードに戻らない。

 アクセスしないのなら展開したバイザーはただのデカくて重いだけの目隠しであり、こんな状態では銃を撃つどころか、マトモに歩くことすらできない。

 

「ど、どうなって……マシントラブル?」

 

 本来ならば自動で戻るはずの機材が、まさかこのタイミングで故障してしまったのかと、困惑するシャルロット。

 彼女が装備しているバイザーは、物理的な妨害を考慮して力業では簡単には外せない仕組みとなっており、一人では刺さったままのコード一つ外すことが出来ない。

 

(ど、どうしよう……!? 今からラウラに救援を、いや、もう通信を切ってるかも……!)

 

 己に降り掛かる不測の事態に弱いところがあるシャルロットが、次の判断を躊躇っている内に――バイザーが、不意に電源を取り戻す。

 

「え、再起動、した?」

 

 不調になった機械が自己判断で再起動し、一度状態をリセットするのは、よくある事だ。

 だったら、あとはシステムが復旧するのを待てば、全て問題なく010001011101――

 

(………え?)

 

――シャルロットは、ごくごく平凡な女子高生だ。

 父が単身赴任して出ていること以外は、母と、中学生の妹との三人暮らし。

 特別勉強やスポーツに熱心なわけでもなく、かといって極端な非行に走る訳でもない、

 この日もシャルロットは放課後、友人たちとファーストフード店で他愛もない会話に花を咲かせてから、少々遅くに帰路へとついた。

 

(な、なに、これ? 違う、全然違う。ボクの家族構成と違うし、学校も、友達も、道も、ボクのじゃない……これは誰か、の……?)

 

 遅くなった言い訳を考えながら、今日は昨日断った、妹のゲームの相手でもしてやるかと扉を開いたシャルロットを母が出迎える。

 

(し、しまった!? こ、これ、まさか、理論だけは完成していながらも、倫理面に解決できないほどの問題があったから凍結されたっていう、あの……ッッッ!?!?)

 

 母は、二児を産んだ熟れた中古マンコから大股を開いて見せつけるよう、大量のザーメンを垂らし、精液ボテ腹とアヘ気絶顔を晒して、玄関に倒れていた。

 

(あ……! あぁ……!?)

 

 更にその奥から見える台所では、人間とトカゲが融合したような見たこともない怪物に、妹がテーブルに組み伏せられ、泣き叫びながらレイプされている。

 

(や、やめろッ! その子をはな)

 

 眼前で起こっている光景が理解できないまま、妹の処女マンコへの腹ボコ膣内射精を傍観していたシャルロットは、そのまま続けて、怪物にレイプされた。

 

「い、ぎいいぃいいぃぃぃいいぃいいぃい!?!?!?」

 

 押し倒して股を開かせ、前戯もクソもない強引な挿入からの処女喪失、乱暴なピストン、トドメの大量射精。

 

「やめ、いだ、お゛っお゛っお゛ッんほおおぉぉぉおぉぉぉぉぉおぉあづいぃぃぃいいぃい!!?」

 

 シャルロットたち一家は、怪物レイプに全員耐えきったことを評価され、戸籍上は押し入り強盗に殺害されたことにし、研究所へと拉致。

 

「い゛、ぎゃ、あひいいぃいいぃいいぃ♡♡♡ じぬっ、イギじぬっ、おマンコ、おまんご爆発じゅりゅうううぅううぅうぅぅ♡♡♡」

 

 リザードマンの母体として利用できないかと、懐妊薬を注射し、交配所へと三人とも閉じ込める。

 結果は失敗。母、妹と共に、一匹も出産することなく、シャルロットは一家仲良くリザードマンのペニスにより絶頂ショック死。

 原因は、快楽によるスムーズな出産を目的とした懐妊薬の配合率が甘かったことであった。

 新たな課題点を炙り出してくれた一家のザーメン塗れの遺体は、最終処理施設へと移送が決定した。

【フィールドバックーーJK16RZ END】

 

「あ……がっ……はーッ!!? ふーッ!!? フーっ!!!」

 

――こうして、とある平凡な一家を襲った悲劇を追体験させられたシャルロットは、ようやく終わった地獄から解放され、膝から崩れ落ちた。

 

「ふ……フィールドバック……ウォール…………だっ、てぇ……!?」

 

 フィールドバック・ウォール。

 シャルロットに襲い掛かったのは、簡単に言えば物凄いVR体験だ。

 フルダイブ・クラッキングが脳からの指示一つでプログラムを動かせるのなら、プログラム一つで脳信号に歯止めをかけられるのではないかという着想から、この技術は生まれた。

 既存のプロテクトでは到底対処できないフルダイブ・クラックへの、明確なアンチカウンターとして期待されたフィールドバック・ウォールであったが――結果は完成と同時にプロジェクト凍結と、全面使用禁止、データ完全削除の即決。

 理由は、今のシャルロットを見れば一目瞭然だろう。

 

「おッ……! へーっ……! ふ、お゛っ……おふぅぅぅ……♡」

 

 ぴっちりスーツ越しにビンビンに勃起した巨乳乳首を逸らしながら放心し、触れられた訳でもないのに本気汁をドバドバと垂れ流しながら、未だ止まらない絶頂に舌を突き出しながら悶える対魔忍……。

 完成したフィールドバック・ウォールは、電脳世界で起きた出来事を、実際にリアルで体験したことだと脳に錯覚させる信号をリアルタイムで送り込み、強制的にショッキングな疑似体験をさせることでフルダイブしたハッカーの脳へと致命傷を与える、非人道的で危険な殺人システムだったのだ。

 つまり、である。

 シャルロットは、処女レイプから危険な媚薬を投与され、リザードマンにイキ殺されるまで凌辱された少女と同等の凶楽を、バイザーから直接脳に送信されてしまっていたのだ!

 

「なん……で、こんなの……とっくに……国際的に、禁止、にぃぃ……♡」

 

 とはいえ、所詮はデータである以上、やはり実際にイキ殺された少女とは様々な条件が異なるが、まだマトモな理性を残して耐えきったのは流石対魔忍と言うほかに無い。

 ただ、それが幸運であったかどうかは、また別の0001010001010――

 

「ひッ!!?」

 

 シャルロットは、米連のとある名家に仕える、メイド兼ボディーガードであった。

 

「う、うそ、ま、また始まっ……これ外さないと、まさかずっと……!?」

 

 幼少のみぎりに孤児となったシャルロットは、施設で主人に拾われ、同じ境遇であった大勢の少女たちと共に暮らしていた。

 実業家で、大勢の孤児メイドをまるで我が子のように扱ってくれる主人に尽くし、守り抜く事こそが、シャルロット達の全てだ。

 様々な武器を使う仲間達の中でも、特にナイフの扱いに優れていたシャルロットは、たとえどんな相手が屋敷へと踏み込んできても追い返せる自信を持っていた。

 

「いや、待って、見せないで! こんな、こんなの、これから……!!?」

 

 しかし、その技術は何の役にも立たなかった。

 その日、屋敷を襲ってきたのは触手の群れだったのだ。人間相手を想定した技術など、通用するはずもない。

 

「待って、みんな! そんな装備じゃダメッ!!!」

 

 皆を指揮する刀使いの先輩メイドガードが、不意に股間へと何十本もの触手を突っ込まれる。

 同期の思慮深い槍使いの子が毒針を刺され、元から大きかったおっぱいを何十倍にも膨れ上がらせながら乳射して発狂する。

 愛らしい外見をした後輩手斧使いちゃんの、命乞いする口へと潜り込んだ触手がザーメンを大量に吐き出し、一瞬でボテ腹窒息させる。

 

「あ……あぁ……どうして、なんで……みんな……!」

 

 一人、また一人と、家族同然だった仲間たちが惨殺されていく。

 それでも主人だけは必ず守り通して見せると、多くの犠牲を払いながら、シャルロットは彼を連れ、なんとか裏口の車庫まで到達した。

 生き残りは自分だけになっていた。

 鍵を取り出し、車を運転して屋敷を脱出するための準備を進めるシャルロット。

 そこへ主人が、褒美を先に渡したいと後ろから言い寄ってきて、

 

「え……あぎッッッ!!?」

 

 瞬間、シャルロットの太腿が、血しぶきを上げながら爆ぜる。

 

「あ゛……あ゛、あ゛、どう、じ、でぇぇ……!!?」

 

 彼女を襲ったのは触手ではなく、主人の手に握られていたハンドガンの鉛弾であった。

 主だと信じていた男は、狂ったように嗤いながら説明する。

 事業失敗、多額の借金、とある研究機関との取引。

 そしてシャルロット達は、こういった事が起こってしまった時に、その命を売って換金するために引き取ったことを暴露しながら――男は一人だけ、車を発進させ、山奥へと消えていく。

 

「あ――あああぁぁぁぁ!!! 待て、までひっ!?」

 

 シャルロットの世界にあった全てに裏切られた憎悪に狂う間もなく、追いついてきた触手が這いつくばる彼女へと殺到する。

 

「いや、やめて、こんな、こんな一生あんまりだよ神様、誰か、たっ助けんお゛お゛お゛お゛お゛お゛ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!?!?」

 

 後頭部に毒針を突き刺され、バチバチと脳が泡となって弾け飛ぶような破壊的な快楽を味わいながら――シャルロットは使い捨てのザーメン袋となって、動かなくなった後に捨てられた。

【フィールドバックーーMG21WM END】

 

「お゛っ……お゛お゛お゛っ……あ……おごっ……♡」

 

 再生が終わり、意識が現実世界への帰還を果たすと同時に、死のフィールドバックから解放されたシャルロットは仰向けに倒れた。

 

「ほーっ♡ ほーっ♡ ほーっ♡」

 

 頭に極度の負荷がかかったせいで鼻血が両筋に垂れ、痙攣と共に乳首がスーツ越しにフル勃起した胸を弾ませながら、床に黄色い水たまりを作っていく。

 

「ご、んな、のぉ……わたじ、むり、もう、むりぃぃ……じぬ、まだ、ごんどこぞ、じぬぅぅぅ……」

 

 事実上の降伏宣言。

 疑似体験とはいえ、二度もイキ殺され満身創痍のシャルロットに、もう反撃の手段など残されていない。

 

「も゛う、ごんなごどじませんんん……でーだも返す、返すからぁぁ……お願いじまじゅ、これ外して、たしゅ、けてぇぇぇ……」

 

 口ではそう命乞いするが、果たして対魔忍を信用できるだろうか? 泥棒猫がもう二度と悪さをしないよう、躾けるにはどうするのが正解だろうか?

 とっても簡単だ。そもそも、そんなことを実行できる頭を破壊してし1000101110101――

 

「ぁ、ひ、ひいいいいぃぃぃいいいぃぃいいいぃぃぃぃぃ!!!!!」

 

 シャルロットは高級娼婦だった。

 シャルロットは裏女性格闘技場のチャンピオンだった。

 シャルロットは研究員だった。

 

「無理無理無理ぃいいぃぃぃ!!? 3つ、3つ同時再生なんて絶対に、絶対に」

 

 新薬を試した客に人外巨大チンポを挿入れられた。

 人型合成魔獣とのテスト相手に選ばれボコボコにされてからレイプされた。

 この研究所を世間に公表すると妙な正義感を振るったため、最終処理施設へと直行された。

 

「ムりぎゃアアアアアアアァアアアァァァァアァアアアアァァ!!?!? お゛―! オ゛~! を゛ー! ヲ゛っビョオオオォオオォォォォォォオォォォォォォ!☆?♡♪」

 

【――001010……………対象の沈黙を確認】

【――以上を新たなフィールドバックデータ『TN17VR』として編集、保存、完了】

【――事後処理はリアルへと一任する】

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

《対魔忍ラウラ 編》

 

 

「見つけたぞ」

 

 荷物を既定のケースへと運ぶ際中、眼鏡をかけた男は億劫さを隠そうともしない気だるげな仕草で、背中からの声に振り向いた。

 

「貴様がここの局長で……間違いないな?」

 

 局長――男はその響きが大嫌いであった。

 一生研究に打ち込んで居たいだけなのに、手応えのある成果を出していたり、上が事故や暗殺で消えたり、邪魔をする連中はたまに自分の手で物理的にも世間的にも葬っている内に、男はそう呼ばれるようになってしまっていた。

 なにかと便利な立場なのは事実であるため、甘んじて受けてはいるが厄介ごとは非常に多い。

 スポンサーのご機嫌取りや、慢性的な人手不足。

 そして何よりも局長となってからは、

 

「まぁ、質問に答えずとも構わん。どのみち、尋問することは確定しているのだからな」

 

 特にこういった暗殺者相手に時間を取られるのが、彼の悩みの種であった。

 無造作に男は腰から拳銃を引き抜くと、そのまま発砲。

 研究職とは思えないほどの正確無比な射撃が、子供のように幼い風貌をした対魔忍の額へと一直線に飛来し、

 

「効かんな、そんな玩具」

 

 機械的な眼帯が外れると同時に覗いた、黄金の瞳が瞬いた瞬間――鉛弾だけが時が止まったかのように空中に静止し、そのまま地面へと転がる。

 

「私に銃は通用せん。残念だったな」

 

 これこそが暗殺者――対魔忍ラウラが誇る恐るべき忍術、『慣性停止』の力であった。

 彼女は己の、普段は眼帯の奥に眠らせている能力を開放することで、自分の周囲に存在する物質の慣性を消してしまうことができる。

 今回のように弾丸に使えば、ベクトルを失った弾は何百発撃たれようと決して届くことが無く、たとえ巨木のような図体の男に突進されようとも、指先一つで受け止めることが出来てしまう。

 最低限のガントレットとブーツに太腿のナイフホルダー、そしてグレーの食い込んだハイレグ対魔忍スーツだけという際立った軽装は、この忍術の圧倒的防御力に最適化された結果。

 この小学生と見紛うほど胸や尻が小さくも、恐ろしき死神を最後まで追い払うことができなかった犠牲者は、あまりに多い。

 

「抵抗が無駄だと分かったら、付いてきてもらおうか。わざわざ痛い目には合いたくあるまい」

 

 ガントレットから、プラズマブレードを展開し脅迫する。

 表面上はこのように冷静冷酷を装っておきながらも――内心、ラウラは任務失敗の屈辱に打ち震えていた。

 最後に残っていたシャルロットからの通信すら途絶え、部隊は壊滅したとみて間違いない。

 局長の暗殺が役割であり、セキュリティにも見つからない場所で待機していた彼女が取れる正解は、そのまま尻尾を巻いて撤退することだ。

 その正解を、ラウラは選べなかった。持ち前のプライドの高さからだ。

 

(このような無様な失態、教官に報告できるか!)

 

 仲間は全滅し一人おめおめと帰ってきた癖に、何の成果も得られませんでした。

 このような私は無能ですと叫び散らすような結果、誰よりも敬愛する、対魔教官チフユに釈明できるわけがない。

 

(コイツだけは確実に連行する……それで、何かしらにはなる!)

 

 命は惜しくなくとも、教官からの失望だけは耐えられない。

 シャルロットが最後に最優先で回してくれた情報から、局長の顔だけは判明していたとはいえ、あまりに無謀な強行拉致。

 つまりこの襲撃は、いわば残された最後の対魔忍、ラウラの暴走であった。

 

「そうだ、拳銃は捨てろ」

 

 のっそりとした動作でこちらに投げ寄越された拳銃を後ろ足で蹴り飛ばし、ラウラは続いて命令する。

 

「そこの貴様!」

 

 そして、もう一人。

 ラウラは、先程から局長の前で、背を向けたまま佇んでいた長髪の女へと叫びかけた。

 

「貴様も手を揚げて、こちらを向いてもらおうか」

 

 黒く長い髪をたなびかせたまま、一歩も動かない謎の女。

 不要であるため始末するつもりでは居たが、一秒、また一秒と過ぎるたびに、得体の知れなさが加速度的に上がっていくこの女に、ラウラは最大限の警戒を払う。

 

(なんだ、この女……何を企んでいる……?)

 

 局長と共に歩いていた以上は、施設の関係者であることは間違いないというのに、こちらへと向きすらしない立ち姿は、まるでこちらの存在に気付いていない風にすら取れてしまう。

 そんなラウラの懸念は、実際正解であった。

 

「誰が口を開いて良いといった?」

 

 無駄な睨み合いに過ぎていく時間に、いい加減耐え切れなくなった局長が、この荷物がそんなに気になるのなら種明かしをさせろと提案をラウラに持ち掛ける。

 

「荷物だと?」

 

 これは、スポンサーに提供する物品であり、君に危害を加えるような物ではないと説明する男に、ビキリと青筋がラウラの白い米神に浮かび上がる。

 

「物品? こいつはどうみても人間だろうが。下らん妄言を続けるのなら、腕の一つぐらいは代償として……」

 

 頭も察しも悪いメスガキに眩暈すら覚えそうになる男は、後始末の手間を覚悟して名前を呼ぶ。

『オナホ忍一号』という、精神封束の解除コードとなっている、彼女の名前を……。

 

「――……ぁ……ここ、は」

「なっ!!?」

 

 唐突に魂が入ったかのように動き始め、辺りを見渡すように振り向いたその姿に、ラウラのオッドアイが驚愕に見開かれた。

 

「ホウキ!? な、なぜお前がこの男と!?」

 

 対魔忍ホウキ。

 裸に剥かれ、普段はポニーテールに纏められていた長髪が解かれているが、共に任務へと赴いた戦友の顔を見間違えるわけがない。

 

「ラウラ……? お前こそ、なぜここに……それにこの男とは――ッ!!?」

 

 別行動であったため居るはずのないラウラの存在に惑い、そして「この男」と呼ばれた誰かが隣に居ることに気が付いたホウキは――

 

「き、貴様はッ!!?」

 

 すぐさま距離を取って、ラウラの隣へと舞い戻った。

 

「すまない、ラウラ! どうやら油断していたようだ……!」

「ふ、ふん、帰ったらその慢心、みっちり教官にシゴいて貰え。いいな!」

 

 もはや生きてはいまいと思っていた仲間の壮健に、任務中であるというのに頬が緩み、軽口が出てしまうラウラ。

 二人で帰還し、局長も確保。いや、もしかすれば他の仲間も健在であるかもしれない。

 抑えなければならないと分かっていても、心の底から希望的観測がふつふつと湧き出していくのを抑えられない。

 しかし、全てはまず、この男を捕縛してからだ。

 

「私が先にいく、続けラウラ!」

「了解した!」

 

 例え全裸であろうとも、共に厳しい訓練をこなしてきたホウキならば、あんな非武装の男一人抑え込むことなど訳がない。

 背後でそう信じるラウラへと応えるよう、ホウキは構えを取る。

 

「先ほどは不覚を取ったが、もう加減はせん……!」

 

 その場で寝転び、足をV字に大きく開いて、適度に処理された茂みが生え揃った発情処女トロマンを両指で大きく横に広げる、

 

「さぁ、いつでもこの準備万端便器マンコに、貴様の勃起チンポをぶち込んでくるがいいッ!!!」

 

 ガチハメ待ちな肉便器の構えを、男へと見せつけた!

 

「……………は?」

 

 堂々たる宣言の後、数秒の静寂を経て……呆然とラウラは口を開く。

 

「どうだ、これなら噛まれるだけでイキ死に寸前な敏感デカパイより先に、ザーメンコキ捨て用の処女以外取柄のない駄マンコが前に来る。今度こそ、私の未通キツキツ膣道の締め付けで、貴様のキンタマ袋を空にしてやるから覚悟しろ!」

「ホ……ウ、キ? い、一体、お前は、一体なにを言っている……?」

 

 卑猥なポーズで威勢よく、気が触れたとしか言いようがない台詞を吠えたてる仲間を、震える瞳孔で見下ろすラウラの視線に気づいたホウキは、責め立てるように続ける。

 

「ラウラ!? お前も早く、チン媚びポーズで戦闘態勢を取るんだ、敵は目の前だぞ!」

「ち、ちん、媚び……!?」

「なっ、どうした!? 全身全霊を尽くして悪党のチンポに媚びて媚びて媚びまくって、膣内出しされようが妊娠しようがイキ殺されようが、相手を不能にするまでザーメンを搾り取りまくるのが、私たち対魔忍の戦い方だろうが! 忘れたのか!?」

 

 もはや返す言葉もなくなったラウラと同様に、やいのやいの下品に騒ぎまくるホウキに局長も無言で頭を抱えたくなってしまう。

 小型洗脳レーザーを使った後、絶頂死する寸前まで相手をし、やっとの思いで精神封束室にまで連れて行き、あとはお仲間の所まで然るべき時まで一纏めに――といった矢先で、このチビメスに絡まれてしまった。

 それなりに被害は被ったし、対魔忍にバレていると判明した以上はこの研究所も引き払う予定であったため、一人ぐらいなら逃がしても構わないと思っていたが、まさか自分から変態どもの慰み物になりに来るとは完全に想定外。

 コイツ等にガッツリと人手を減らされたため、この程度の雑用すら局長である自分がやらねばならず、更に一号の精神封束もやり直しで、当然この新しいメスガキも処置を施さねばならないため――

 

「いや待て。どうやらこの男、私の完全降伏おマンコおっぴろげポーズに恐れを成したようだぞラウラ。ズボンすら下げんとは、よほどの短小童貞と見た。まあ無理もない、対おチンポのスペシャリストな対魔忍を満足させられるような男などオホォ!!?」

 

 手始めの鬱憤晴らしと、局長はホウキの無防備な下乳を、ゴム毬のように思いっきり蹴り上げた!

 

「お゛ぶっ!? ほっ、ごっ、ほっ!? ん゛ほおおおぉぉぉおぉ~~~~!!?」

 

 蹴り飛ばされた右乳が箒の顔面に当たり、汚い咆哮を上げながらアヘ顔を晒して、臨戦態勢だったマンコから潮を噴き出すホウキ!

 彼女の洗脳は、思考だけでなく伝達感度にまで影響している。

 持ち前の巨乳をこのようなサッカーボール扱いされようが、感度が3000倍になった今のホウキには破壊的なまでの快楽となってしまうのだ。

 

「ひ、ひぎょうも゛の゛ぉおおぉぉぉ……! な、なじぇおマンゴではなぐ、私の弱点のドMクソザコデカパイばかり狙うぅぅ……!?」

 

 なぜと言われても局長は、あくまで処女のままホウキたちを生け捕りにするのが目的であり、そもそも戦いにおいて弱点を狙うことの何がいけないのかと一瞬大真面目に考えてしまうが、すぐに我に返る。

 このような煩いだけの駄肉の妄言になど取り合わず、さっさと気絶させればいいのだと、足を大きく上げながら、

 

「ほぎいいぃぃぃいいぃ!!? あ、あしいぃぃいいいぃぃ!!?」

 

 ビンビンに勃起した左乳首めがけ、革靴の底で力強く踏みつけた!

 ずぷりと靴底がたわわに実った肉布団に沈み込み、ぐりぐりと踏みにじる度に、絶命寸前の虫のようにガクガクと痙攣しまくるホウキの肉体!

 これこそが自分の戦いであると信じ切っている彼女は、ここまでされても卑猥なポーズを崩さないまま、されるがまま。

 正気を維持していたならば憤死したであろう扱いを、アヘりながら甘んじて受け入れる。

 

「んおおぉぉぉ~~~!!! で、デカパイゴミのように潰されるぅぅぅ!? お゛っ、おチンポ抜き抜きするためだけに下品に成長した、私の最強武器がぁああぁぁああ!!?」

 

 完璧に壊れ切って喘ぎまくる肉便器を無表情に見下ろしながら、耳すら指で塞いでさっさと気絶してくれないだろうかと、足にかける圧を微調整していく。

 この洗脳技術を完成させるために、何十人もの被験体を使い潰したため、デッドラインは身体が覚えている。

 生かさず殺さずイキまくらせて――数十秒。

 

「ほっ……ぎ、へっ、へぇぇ~~…………♡♡♡」

 

 ホウキはガクリと舌をだらしなく横たわらせながら力尽き、動かなくなると同時に、透明な本気汁を出しまくっていた女性器から尿がアーチを描いた。

 予測時間ジャスト。靴跡がクッキリ残った肉便器の乳から靴を退けながら、ようやく局長は寸分狂わぬ己の成果に軽い笑みを浮かべた。

 

「なにを、した……」

 

 と、今まで逃げもせず、助けもせず、目の前の現実を受け入れられずに呆けていただけの対魔忍が、ここでようやく当惑から覚醒したのか、

 

「貴様、ホウキに何をしたぁぁぁぁぁッ!!!」

 

 激怒の形相を浮かべ、ガントレットから展開したプラズマブレードを構え、局長へと肉薄!

 もはや完全に任務の事など思考から消えており、乳だけでなく、仲間の全てを踏みにじるように狂わせた男への殺意のみで行動が構築されていく!

 だが、ここでラウラは気付いておくべきだっただろう。

 なぜこの男は危険な暗殺者を、今の今まで放置していたのか?

 その理由と真意へと……。

 

「ひゅぎっ!!?」

 

 あと一歩踏み込めば、奴の喉笛を掻っ切れるという眼前で、犬のリード線が限界を迎えたかのようにラウラの動きが止まる。

 いや、ように、ではない。

ラウラは実際に、線で繋がれていたのだ。

 

「い゛……いっ……い……!?」

 

 光でありながら物理的干渉が可能な魔族「ウィル・オ・ウィスプ」を研究して作られた、拘束レーザー光線。

 ソレにスーツ越しに浮いていた貧乳両乳首とクリトリスを、ガッチリと掴まれるという、非常に屈辱的で、恥辱的な形で……。

 

「ぎっ……い゛っ……いぃぃ~~……!?!?」

 

 壁と床がどんでん返しのように裏返り、現れた三カ所のレンズから照射されたこの光線は、疾駆するラウラの急所を全て光速でキャッチ。

 犬を飼ったことがある人間ならば、容易に想像がつくだろう。

 飛び出したところを、首輪に繋がれたリード線で強引に引き戻される、あの光景を。

 

「ぃぃ~~~……い゛い゛い゛ぃぃ~~~……」

 

 乳首とクリトリスという一際敏感な場所が、勢いのまま引き千切れなかったのは幸か不幸か。

 どちらにせよ、いまラウラが歯を食いしばり、涙をポロポロ零しながら顔を真っ赤にして耐えている痛みは、間違いなく彼女が人生で経験したどの痛みよりも、鮮烈で凶悪なモノであった。

 無論、そんな無様な隙を逃してやる理由は、局長にない。

 

「いぎっ!!?」

 

 懐から取り出した注射器をラウラの首筋へと注入し、すかさずまた距離を取る。

 

「き、さ……まぁ! なにを私に打ったぁ!?」

 

 この拘束レーザーは僅かではあるが伸縮性を帯びている上、手足は普通にフリーであるため、まだまだ危険である猛犬は放置するに限る。

 局長は先に、また目が覚めたらうるさい小便臭い荷物を、再び精神封束室へと持っていくことを優先した。

 

「く、ククク……貴様、その判断は迂闊だな」

 

 どうせ傷は消すため、荷物の足を掴んでそのまま引きずる局長の背中を、ゾッとするような声色が撫でる。

 

「首を洗っていることだ……私は貴様が目を離した隙に、このふざけた拘束を必ず解いてみせる。そして、その時こそが対魔忍の誇りを汚した、貴様の最後と知れ……この外道がッ!」

 

 愛らしい子供のような顔立ちを、地獄の悪鬼がごとく歪ませながら、対魔忍ラウラは唸る。

 たとえ首だけになろうが、必ず喉を噛みちぎってやると言わんばかりの気迫を、局長が受けたのが――――丁度、三十分ほど前の出来事だ。

 

「……え、俺、今からそんなおっかない奴の所へ連れて行かれるんっすか?」

 

 一連の説明を、臆せず前を歩く局長から受けた傭兵は、股間が縮みあがっていくのを感じずには居られなかった。

 

「いや、確かにみんなの片付けも終わらせたんで、手は空いてたっすけど……」

 

 ならば構わないだろうと、局長はペットボトルの水を歩き飲みしながら、一瞥だけして再び正面を向く。

 折れた鼻にガーゼが当てられた彼は、倉庫を警備している最中に対魔忍に襲われた、雇われの傭兵部隊。その最後の生き残りだ。

 金さえ貰えればどのような事でもやる軍人崩れのような集団であり、この研究所にも多額の報酬で雇われていた。

 役目は無論この場所へ侵入してくる外敵の排除――ではなく、有り体に言ってしまえば噛ませ役だ。

 オーク達同様、侵入してくる対魔忍達を油断させるためあっさりやられてもらい、本命である自分の研究成果達への警戒心を緩めるために死んでもらう捨て駒。

 無論、そのことは生き残りが彼一人だけになった今でも伝える気は無く、壊滅したことも全て局長の計算内ではある――のだが。

 たった一つの事でだけ、男は局長の計算から完全に逸脱してみせていた。

 

「ていうか銀色、お前はもうついてこなくていいから……帰れよ……」

 

 MAX―BE。

 それが『銀色』と男が雑に呼んでいるアンドロイドの正式名称だ。

 

「いや、別に局長が作った最高傑作の戦闘アンドロイドだからって、懐かれても何も嬉しくないんすけど……」

 

 本来ならば、『最強』のみ追求した戦闘用アンドロイドであるMAX―BEに、『懐く』などという無駄な機能は一切積んでいない。

 ただ「普段からあの部隊に追従し、壊滅寸前になれば最優先で加勢せよ」とだけ、プログラミングしただけだと言うのに、MAX―BEは部隊最後の生き残りである男から離れようとしないのだ。

 戦闘経験を蓄積し自己進化を促すため、高度なCPUを搭載させてはいるが、このような挙動を引き起こしている原理はまるで不明。

 原因があるとすれば、それは間違いなくこの男であり、局長の中で彼は『使い捨ての雑兵』から、『非常に興味深い存在』へと急速に頭角を現しつつあった。

 

「はぁ……いいっすか局長。俺、ひと段落ついたら絶対にこんなとこ辞めさせてもらいますからね。もうこんなヤバい業界こりごりっす……故郷に帰りてー……」

 

 既にそのヤバい業界のトップから、完璧に目を付けられていることを、本人だけが知らないまま――ラウラを放置したあの通路へと、二人と一機は到着した。

 

「うげ、またガキかよ……」

 

 似たり寄ったりな体格をした子供に、たった数時間前ひどい目に合わされたばかりの傭兵の顔が、渋みを増していく。

 こういう反応をして付いて来なさそうだったため、あえて外見的特徴は黙っていたのだが、所詮は些事。

 ここに戻ってくるまでの、たった三十分間。

 乳首とクリトリスを括られて、どこへも行くことが出来なかったラウラは、

 

「は~っ……ハ~っ……ハぁ~っ……!!!」

 

 呼吸を明らかに異常に荒げ、その場で蹲るような姿勢を取ったまま喉を抑え、涎を垂らし悶え苦しんでいた。

 

「……なに打ち込んだら三十分でこうなるんすか。ヤク?」

 

 ドラッグ、などと低俗で単純な薬品ではないと、局長は訂正しながら、手にしていた飲料水が入ったペットボトルをラウラへと投げ寄越す。

 

「ッ!!?」

 

 目の前に転がってきた水を、誰が投げ寄越したのか確認すらしないまま、ラウラは一気にその中身を飲み干した。

 敵が投げ寄越した物など、どのような毒物が入っていてもおかしくはないのだが、今の彼女には関係ない。

 

「はぁ、第一症状は強烈な口渇感っすか」

 

 注射を打ち込まれ、局長がホウキを引きずって去ってから、たった数分後の事であった。

 唐突に砂漠に何時間も放置された後のような、耐えがたいほどの喉の渇きが、彼女を襲ったのは。

 よって、今のラウラにとって、ペットボトルに並々と入っていた水は天からの施しに等しいほど渇望していた代物であった――はず、だというのに。

 

「ぁ……ぁぁっ……!?」

 

 当たり前のように癒えるはずだった渇きが、無くならない。

 舌を突き出しながら何度も空になったペットボトルを逆さに振って、最後の一滴すら飲み干したというのに、まるで喉を通った途端に消えてしまったかのように飢えが収まらない。

 それもまぁ当然の結果だと、懐から取り出した手帳へと被験体の様子を書き込む局長に、やっとラウラも気付いたようであり、既にやつれ気味な双眸で睨み上げる。

 

「き……さ……ま……わたしに、なに、を……した……いまの……水は……なんだ……!?」

 

 ただの市販飲料水だとラウラを見ようともせずペンを走らせる局長の言が、真実であることを傭兵は知っていた。

 先程まで歩きながら局長自身がチビチビ飲んでいた水であるため、変なモノが混入されている訳が無い。

 意味の分からない生体実験に付き合わされ、これから再起不能になるまで壊されるのであろうこの子供に、彼は心の底から同情し、

 

「……は!? パンツ脱げ!?」

 

 いつの間にかその実験に自分も巻き込まれていた事実に、大きく目を見開いた。

 

「いや、ペニスを出せってわざわざ言い換えなくても分かりますって!? 俺が言いたいのは、なんでこんな通路で公衆猥褻しなきゃならんのだってことですよ!?」

 

 ここは公衆ではなく私の研究施設で、誰の羞恥心も害しないならば猥褻は成立しないと局長からはマジレスで返されるが、それをハイそうですかと納得できるほど、彼は常識の外で生きていない。

 

「だったら局長がご自分でヤればいいじゃないっすか!? アンタにも付いてるでしょ股間にご立派なのが!?」

 

 私が相手をすれば記録をつける手が塞がるだろう、常識的に考えてみたまえ。と、一番非常識な奴にコケにされ、若干グダグダになってきた空気を入れ替えるように動いたのは、先程から不動だった銀の機甲兵士、MAX―BEだった。

 

「いや、自分で脱げるからなズボンぐらい!?」

 

 対魔忍すら技量で完封してのけるMAX―BEに搭載された高度な電子頭脳は、彼はズボンを脱ぐことが何らかの理由で出来ないのだと判断したのだが、全力で飛び下がられ、己の判断は間違っていたと学習する。

 

「あーもー! 分かりました、脱ぐ、脱ぎますよ、何が悲しくて自分からか機械に脱がしてもらうかの二択なんだよ!? クソがっ!」

 

 唐突なパワハラを受け完全にヤケクソになりながら、傭兵はベルトを外してズボンとパンツをずりおろし、己の局部を露出させる。

 

「ッ!!! きさ……まらぁ……!?」

 

 先程までの話の半分も聞いていなかったが、流石に男が下半身を出したとなれば、何をするつもりなのか察しはつく。

 

「ふ、ん……そんな、些末な……モノで……この私をどうにか出来るというなら……やってみるがいい……!」

 

 おそらく処女だろうガキに息子を些末と言われ、割と普通にショックを受ける男だが、これも金のためなら仕方ないと割り切って犯しにかかろうとし、

 

「はぁ!? シコれですと!? ここで!?」

 

 それすらも必要ないと否定され、割と本気で涙ぐみかけてしまった。

 

「いやいやいや! こんな乳も尻も貧相なガキをオカズにして、野郎とロボに見られながらシコれって、あんた俺を何だと――だから手伝わなくて良いんだよ、お前は!?」

 

 今度は彼が、様々な要因が絡み合いマスターベーションが出来ないのだと判断し、アシストに入ろうとしたのだがやはり違うと言われ、再び失敗から学習を開始する銀色の機械兵。

 心なしか、絶対不動であるその肩が、どこか気落ちしているように下がって見えてしまったが――全て雑念だと、男は心を無にして手淫を開始する。

 

「な、に……を……!?」

 

 完全に勃起してもまぁ、なんというか、そんなに大きいとは思えないイチモツを無心で擦る男の様子を、ラウラも苦悶と同時に困惑の色も浮かべながらしばらく眺めてしまい、

 

「ぅっ!!?」

 

 不意打ちでビュっと先端から飛び出してきた、白濁液を顔面で受けてしまう。

 

「……ッ……! なん、なのだ……これ、は……?」

 

 知識としては、直属の部下から色々と吹き込まれているため耳年増であるラウラだが、実物に関しては一切拝見したことがない。

 単純に飛翔物を前にして、反射的に止めてしまった呼吸を再開した――その瞬間、

 

「ハひぃぃ!!!?」

 

 対魔忍ラウラの崩壊が、始まった。

 

「はっ……はっ、はっ、はっ、ハッ、はっ……」

 

 力が抜け続け、止まってしまいそうだった心臓が、突如としてニトログリセリンでも流し込まれたかのように爆発的に動き出し、飢えてひび割れかけていた心へと、一色の衝動となって何もかもを染め上げていく。

 

「はふ、スピ、はふ、すーっ! すーっ! んふーっ! んふーっ!」

 

 呼吸の仕方すら忘れてしまったかのような、興奮しきった豚のような鼻息で、顔から立ち上る生臭いスメルを、全て余さず吸い込もうと躍起になるラウラ。

 

「ほ、ほっ、ほっ、ほっ、ほっ!」

 

 ぬめりと指で絡めとって、眼前に持ってくる。

 白く粘ついて、どう見ても食料には見えないそれを、口に入れてしまいたくてたまらない。

 そしてここには、止める人間も、居ない。

 

「はーむっ…………むじゅぴゅううぅぅぅぅぅぅ♡♡♡」

 

 その瞬間に駆け抜けた、もはや何事にも代えられないほどの、幸福感。

 自分はこれを食べるためだけに産まれてきたのだと、心の底から確信できる優越感。

 今まで口にして来た物は、全て残飯か何かであったのかとふと疑問が過るが、それすらも一瞬で白濁ゼリーに呑み込まれていく。

 

「じゅぷ♡ じゅぷ♡ じゅるるるぅぅぅ……んぱっ♡ ハッ、ハッ、ハッ、あーん……んひふうぅぅぅぅぅぅ♡♡♡」

 

 指に付いた僅かな残りも綺麗に舐め取り、無くなればまた、顔をペタペタと触って指に集め、再び口へと運ぶ。

 地獄の番犬を思わせた苛烈さは完璧に消え去り、どれほど好意的に見ても、ここに居るのは餌を欲する空腹の豚か、甘露を舐める猿のそれであった。

 

「んじゅ♡ ぐじゅっ♡ っぱぁ……はっ、はっ、は…………?」

 

 ペタ、ペタと、次を口にしようと動かしていた手が、ピタリと止まる。

 もう、顔のどこにもアレが付いていないことを悟ったためだ。

 

「ぁ……あぁ……アぁァ……!!!」

 

 一転して、心酔するようだったラウラの表情が、途方もない絶望と喪失感に打ち震える。

 

「どこ、どこだ、アレ、どこ、私の、白くて、ネバネバで、臭くて、アレ、すっごい、アレは……どこに、行ってしまったんだ……どこに!?」

 

 四つん這いにアレを探そうとして、乳首とクリトリスを引っ張られたままだというのに、その痛みすらもう頭に入っていないのか、限界まで伸びきっていても構う素振りすら見せない。

 邪魔になるならば、引き千切ってでも。

 女性として大切な身体の部位が一つや二つ無くなろうが、気にも留めないだろう。

 そう思わされる鬼気迫る形相が、今のラウラにはあった。

 

「い、いや……これ、マジ、なんなんすか……?」

 

 自分の出した僅かな精子を顔面に受けたかと思ったら、一心不乱にそれを喰いだして、無くなったら今度は重度の麻薬中毒者のように錯乱し始めた少女。

 傭兵の男はドン引きしているのを隠そうともせず、局長に尋ねる。

 

「……精子を飲まないと、即発狂するように改造するナノマシン……すか?」

 

 そう、局長がラウラに打ち込んだのは女を、精子を摂取しなくては生きられない、ザーメン主食のジャンキーへと作り変える恐怖の改造ナノマシンであったのだ!

 これを注射された女は、常時強烈な口渇感に襲われ、ザーメンミルク以外では癒されなくなり、他の食料や飲料では満足感だけでなく栄養源にすらならないよう内臓まで作り変えられる。

 代わりに、ザーメンだけで人間が生存に必要な栄養素を全て賄えるようになり、まさに男のチンポを搾り取る以外には何もできず、する必要もない、淫売娼婦以下の存在へと叩き落とされてしまうのだ!

 

「………………」

 

 やはりこんな狂気の世界、一分一秒たりとも居られない。

 今すぐにでもズボンを上げて、そのまま即こんな狂気の坩堝から逃げ出そうと男が決意するよりも――局長が取った次の行動の方が、圧倒的に早かった。

 

「いひっ!!?」

 

 ラウラを拘束していた、レーザー光線を解除する。

 そして、スーツ越しでも分かるほど、乳首とクリトリスが無様に伸びきった彼女へと、静かに、こう囁いたのだ。

 

――その男のペニスには、今の液体がいくらでも詰まっているぞ。

 

 救いと破滅、両方の意味を持つ、天魔の囁きを……。

 

「ひ、ひひっ……ぺに、す? ……ぺにす、ペニス、ドロドロペニスぅぅ!!!」

「う、うぉぉぉぉ!!?」

 

 口角を狂ったように吊り上げ、奇声を上げながら、ラウラは傭兵へと飛び掛かる!

 押し倒し、絶対的有利なマウントを取って、当然狙うのは――

 

「おーむっ♡」

 

 丸出しの勃起チンポ以外にありえない!

 先端部は僅かに先程と同じ味がし、局長の言葉に嘘が無いと分かったラウラは、もはや口先だけのホウキとは違う。

 

「じゅぷ♡ じゅっぷ♡ えっぷ♡ じゅぞずずずぅ……♡」

 

 ザーメンを摂取するためなら対魔忍も、女も、人間であることすら捨てる真正のフェラ豚!

 無我夢中で押し倒した敵のペニスをしゃぶり尽くす姿からは、あれほど拘っていたプライドなど微塵も感じさせない。

 

「んちゅ、れっ、れっ、れろぉぉぉ♡」

 

 唇で亀頭を磨く、舌先で口をつつく、裏筋をソフトクリームのように舐め上げる。

 いつの間にかラウラは、生娘では到底できないようなフェラテクを披露しており、傭兵の腰を喜悦で浮かせる。

 脳へと行きわたるナノマシンへとついでに仕込んでおいた、極上フェラの技術だ。

 他にも、言語中枢の書き換えもそろそろ終わるはずだと、局長は腕時計を確認する。

 

「分かる、分かるぞ、貴様あの程度ではないな? もっともっと、そのオス袋にくっさいねばねばザーメンため込んでいるな♡ よこせぇ、全部私の口マンコに寄越せぇ♡」

 

 瞳にハートマークすら浮かんでいそうな、蕩け切ったメス顔で甘い淫語を吐き出し、再び大きく口を開けて、喉奥まで一気にペニスを飲み込む。

 

「んを゛っ、んじゅっ、ヂゅヂュぞぷずゅるるるるるるるぅ♡」

 

 そのまま、全力で吸い上げるようにゆっくりと引き抜くバキュームフェラ。

 ラウラの幼くも凛々しさを讃えて厳しく結ばれていた口が、ひょっとこのように無様で下品に引き延ばされていく。

 二回、三回と、何度も繰り返しロリ口マンコで呵責なくしごき続けられ――ラウラと違って至って普通な男の限界は、あっさりと訪れる。

 

「んぶぴぃいいぃぃぃいいぃいぃ~~~~~~~♡♡♡ おぷっ、こぽっ、んぽおおおぉぉおおおぉぉ♡♡♡」

 

 先程の無心オナニーとは何もかもが桁違いな、本気射精がラウラの喉を潤す!

 量、濃さ、温度。どれもこれもが脳髄から先程とは比べ物にならないほどの快楽物質を搾り取り、オッドアイの眼球を裏返させながら全身にくまなく染み渡っていき、鼻にも入った分が鼻水となってまで溢れ出す!

 ひょっとこフェラでスペルマを一気飲みながら、アヘ顔を晒してザーメンを鼻から垂れ流す……。

 対魔忍ラウラが完全に『終わった』何よりもの証拠であり、満足気に局長はデータを取り終えた手帳を閉じた。

 

「んじゅ♡ んじゅ♡ ザーメン、おチンポスペルマ、精子ミルク、赤ちゃん種、もっともっともっとぉぉぉぉぉ♡」

 

 傭兵の男が、ギブアップやタンマを訴えているが、言葉に反して彼のペニスは再び始まったラウラのフェラに剛直をすぐさま取り戻しており、ここは一つ局長らしく部下に褒美を与えるのも悪くないかと、放置する。

 こちらが時間的な無駄を嫌うことをよく理解しており、データを取り終えたならさっさとこのフェラ猿を精神封束室へとぶち込むべきだという心遣いなのだろうが、局長もそこまで余裕がない人間ではない。

 彼がそうそう味わえないであろう本気フェラを心行くまで堪能するまで、先に今回捕まえた実験体たちのパーソナルデータを纏めておくことにした。

 対魔忍ホウキ。

 対魔忍セシリア。

 対魔忍リンイン。

 対魔忍シャルロット。

 そして、対魔忍ラウラ。

 今回の獲物は皆、外見、肉体、状態共に、どれも最高級の逸材と言っても過言ではなく、どのように使っても局長を満足させる結果を出してくれるだろう。

 潰した命と業で真っ紅に染まった脳細胞をフル回転させ、優先順位を決め――

 

「う……ぁ……もう、空、なの、か……?」

 

 気を失うまで射精し、完全にしなびた男根を掌で転がすラウラへと、局長は交渉を持ち掛けることにする。

 

「そ、そう、だ! 貴様も男、おチンポ! 出せ、出して私に寄越せぇぇぇ!」

 

 もはや当初の目的など完全に忘却しているのに、またまた飛び掛かってきたジャンキーの腹に、すかさず銀の拳がめり込む。

 

「おぐほぉ!!?」

 

 MAX―BE。

 対魔忍リンインを完封した機兵の動きに、今の彼女が対処できるわけがない。

 

「おっ、ごぷっ、おげえええぇぇぇぇ…………」

 

 内臓に直撃を受け、地面に這いつくばりながら飲み込んだ男汁を全て吐瀉し、胃液と精液が混ざった激臭を辺りにまき散らすラウラ。

 

「げほっ、えほっ……ぁ……わた、し、は……?」

 

 どうやら殴られた痛みと、吐いた拍子で、多少は理性が戻ったらしい。

 これは好都合と、さっそく局長は要件を伝えた。

 

「な……任務の全容に……IS学園に残った、装備と戦力を、教えろ、だと……?」

 

 別に答えられる頭が残っているのなら誰に聞いてもいいのだが、施した処置から考えれば一番陥落しやすいのは、この女だと見込んでいたからだ。

 

「ふざ、けるなよ……誰が、貴様らなどに……情報を渡すか……早く殺せッ!」

 

 どうやら、彼女は何かを勘違いしているらしいと局長は肩をすくめる。

 こちらは情報を寄越せと言っているのではなく、正当な対価を支払って買いに来たのだというのに。

 

「買う……だ、と……?」

 

 すぐさまMAX―BEにタブレットを持ってこさせ、受け取ったソレを軽く操作、映った画面をラウラへと提示する。

 

「あ……あぁ……あぁぁアぁぁぁ……!!!」

 

 画像を見たラウラの喉奥から漏れ出していく――理性を真っ白に塗りつぶしていく絶望と、打ち震えてしまうほどの歓喜が入り混じった、複雑怪奇な震え声。

 

「こんなに、全部、ざー……めん……!?」

 

 様々な用途で何かと役立つため、大量に保管していた精液のタンク。

 しかも、オークから始まる魔族たちの物や、睾丸を改造して本来ならば有り得ないほどの濃厚さを確保した品質改良スペルマまで、他では絶対に味わえないような一品ばかり。

 これらを全て、彼女に譲渡することが、局長が用意した対価であった。

 

「あっ………ハ、ハ………」

 

 生唾を呑み込む音が、局長の耳にまで届く。

 相当な葛藤が渦巻いているだろうが、あとはもう、何もする必要は無い。

 餓えの地獄と、満たされる至福を同時に教え、そしてまた再び地獄へと落とせば、人間らしい誇りや気丈さなど簡単に砕け散る。

 あと何分で、心が折れるか。局長は一人、予測を打ち立てほくそ笑む。

 結果として――交渉が成立するのは、彼が立てた予測よりも、ずっと早かった。

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

《対魔忍だった女たち 編》

 

 

 あれから数日が経った研究所の通路を、ヨレた白衣ではなく、キチっとしたスーツに身を包んだ局長が闊歩していた。

 本来ならばこんな窮屈で仕方がない服、彼の趣味ではないのだが、今日は特別な日だ。

 どれほど億劫で退屈で時間の無駄であっても、無益ではない。

 目的の扉の前で小銃を構え、仕事を全うしている警備隊長に軽く挨拶する。

 

「……うぃ~っす」

 

 まだ鼻のガーゼが取れない彼の斬新な挨拶に、少しだけ局長の気分が浮つく。

 

「なに局長の癖に遅刻してんすかアンタ。お客様方はもう中で、お楽しみ中っすよ」

 

 局長は今日の来賓相手に他の人員を回した覚えがないので、どうやら到着していたVIPへの対応は彼がやったようであった。

 なぜか目を覚ました瞬間、荷物を纏めてここから出て行こうとした彼であったが、それは困ると局長は、傭兵部隊全体に支払っていた給与の全額を彼一人に支払う事と、警備隊長という新たなポストを用意すると約束し、なんとかここに引き留めたのだ。

 戦力としてはまるでダメだが、意外と接客の才能があるのかもしれない。

 こんな施設ではむしろ漫談の方が貴重な能力であり、思わぬ掘り出し物への好感度が上がり続ける局長とは裏腹に、人生を絶賛後悔しているどん底のテンションで警備隊長はぼやく。

 

「はぁぁ……金と地位、欲しかったけどさ……そりゃ欲しかったけどさぁ……」

 

 となると、あとは女かと、君も特別に中に入って良いぞと局長は薦めるが、彼は――

 

「よく人をテクノブレイク寸前まで放置して言えるっすねそれ。俺は、故郷にちゃんとした彼女が居るんすよ。帰ったら渡すプロポーズの指輪も、もう買ってあって。ていうか、そもそもっすよ……」

 

 心底、目の前と中の狂人共を胸糞悪いと蔑みながら、

 

「どう見たってもう、『あんなの』女の子じゃないでしょう」

 

 VIPルームへと続く扉を開いた。

 

――んっほおおおおおぉぉぉぉおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!

 

 瞬間、中に充満していた、むせ返りそうになるほどの性臭と、ぶっ壊された女達の嬌声が響き渡り、まるで汚物の容器を蓋で塞ぐよう、局長が入ったのを確認してから急いで警備隊長は扉を閉めた……。

 

「おお、これは局長殿」

 

 そこで丁度、飲み物を取りに離れていた小太りの中年と鉢合わせる。

 簡素な仮面を付けている以外は全裸であり、ムワッとした加齢臭や、いきり立った大きなイチモツが品性の欠片もなく剥き出しになった井出達。

 控えめに言っても変態にしか見えないが、こんなのでも彼は研究施設にとっては重要な男だ。

 

「今回はまさか対魔忍を五人も捕えてくれるとは、いやはや全く。君は本当に出した金の量を裏切ってくれないね」

 

 この中年は、表向きは多数の企業を経営する傍らで、有名な慈善活動団体のトップも兼任し、一般人でも名前ぐらいは知っている者が多い実業家だ。

 しかし裏では、己の歪み切った性欲を満たすためだけに魔族と結託し、団体の活動費の殆どを自らの股間のために使い捨てている正真正銘のド悪党。

 そして、この研究施設に金だけでなく機材や人材の提供も惜しまない、お得意様という奴である。

 

「いやはや、コレ一つとっても、本当に素晴らしい。ぜひ私の企業の、顧問研究員となってほしいぐらいだ」

 

 男が飲み干すグラスに入っているのも、局長が開発した強烈な精力ドリンクだ。

 市販の物より遥かに強力で、一種のドーピング剤も兼ね合わせているため、どれだけセックスを行おうが萎えることも疲れることもなくなる上に、薬物反応も後遺症も残らない。

 ……材料のほぼ全てが、法に引っかかる事だけがネックではあるが。

 

「ふぅ~……挨拶回りだろう? 私も表では苦労している。しかし皆、一度は君に感謝したい者達ばかりだと思うよ。では失礼」

 

 そう言い残し、中年はもう堪え切れないと、小走りで席へと戻っていく。

 誰かからの感謝など本気でどうでも良いし、あの中年も含めてここに来た連中は全て金づるでしかないのだが、今日はいつも以上に局長としてご機嫌取りをせねばならない。

 下がり続ける気力を、なんとか顔や姿勢に出さないよう努め、局長は彼の後をゆっくり追う。

 高級娼館のように怪しいパープルライトで照らされたVIPルームは、不気味で無機質な研究施設の中で唯一高価で豪華な調度品が揃っており、文字通り金づる達を出迎えるための一室だ。

 本日用意した席は五カ所あり、大きな中華テーブルほどの台と、それを囲むようにソファーを用意する事で作られている。

 全部回る時間をザッと計算してゲンナリしつつも、足は止めず――さっそく、局長は最初の席へと到着した。

 

「ふん、やはり来たか」

 

 局長の接近に真っ先に気付いたのは、来賓たちではなく、髪を降ろした対魔忍ホウキ――いや、

 

「これで三度目……やはり貴様とは、チンポとマンコで決着を付けるしか無いようだな」

 

 台の上でまた、寝転がりながら足をV字開脚する『オナホ忍一号』であった。

 

「しかし良かったのか? 私にこれほど強力な装備まで貸し与えて?」

 

 そうイキがる一号は、対魔忍スーツでも全裸でもない、この日のために用意した衣装を身に纏っている。

 

「私のおっぱいとオマンコ丸出しな、ハムでも縛るように肉に食い込むドスケベヒモ水着に、終身おチンポ奴隷ですと宣誓するようなハート宝石付きの乳首ピアス。更にうさ耳カチューシャに、カフスと蝶ネクタイ付きの襟、網タイツまで付けてバニーガール風だと?」

 

 ぜひ次はこれで頼むと、札束をいくつも積まれてリクエストされたバニーガール衣装を、専門家の魔族に五人分発注したら送られてきた一式は、なんの機能性も合理性も感じられず一ミリも魅力が分からないのだが、

 

「ふっ、流石に敵に塩を送り過ぎたな。こんな今日で使い潰される発情セックスウサギにピッタリなドスケベ衣装、いくら貴様でもレイプせずにはいられまい?」

 

 本人とVIP達は大喜びであるため、きっと問題無いのだろうと彼は納得しておくことにしていた。

 

「さぁ、ズボンを降ろしてチンポおっ立てながら上がって来るがいい! 今日という今日こそ雌雄を――ん、なんだ貴様は?」

 

 お前の相手はそっちだと、局長は一号を無視して背を向け、彼女を囲む一人一人に挨拶を済ませていく。

 対して、一号の太腿を鷲掴みにしたのは、先程の中年であった。

 

「どこまでも馬鹿にしてくれる……! ここに居るザコ共も倒せないようでは、貴様の外道ザーメンで妊娠する資格はないとでも言うつもりか!?」

 

 他にも回らないといけない場所が複数あるため、ハナから局長は相手にするつもりがないのだが、一号は勝手に納得したようでキッと目尻を研ぎながら正面に向き直る。

 

「チッ……で、貴様が最初という訳か」

 

 薬の効果でギンギンに怒張したデカマラを、パックリと指で開いて準備万端と涎を垂らす処女マンコへと狙い澄まし待機する中年オヤジ。

 

「どうした、今更私のおあずけ処女マンコに怖気づいたか?」

 

 当然、そんな訳はない。

 中年はただ単に、見計らっていたのだ。一号の下品で狂った言動を耳で愉しみながら、

 

「まぁ、当然か。私の処女は貴様などにくれてやるようなモノではない。初めての相手はアイツだと心に決め……て……?」

 

 彼女の処女膜を突き破る、最高のタイミングを。

 

「へお。っ?」

 

 かつて一号が対魔忍ホウキだった頃、愛する男に捧げると誓っていた純潔が、彼女をシコるための穴程度にしか見ていない中年の汚棒に、ブチブチブチィと突き破られ、

 

「おっ……ほっ……へっ……?」

 

 本当にごくわずか残っていた、彼女を彼女たらしめていたモノが、ただの出血するビラビラとなった瞬間、

 

「をっ――ヲっへええええぇええぇぇぇぇえぇえぇぇええ!?!?!」

 

 オナホ忍一号は処女であったという商品的価値すら損失。使用済みオナホ忍一号へと陥落した。

 挿入れられただけで、マジ逝き寸前のクソザコアヘ顔を晒す一号。

 

「んおほおおぉぉぉ!!? ちゅよ、ちゅよすぎるぅぅぅううぅぅ!? お゛っ、おチンポ強すぎっひぃいいぃぃいいぃぃぃぃぃ!!!」

 

 東京キングダムに居を構えるカオスアリーナの見世物として『バトルファック』という、相手を先に絶頂させた方が勝ちなる特殊ルールが流行していると、VIPの一人が顎に手を当てる。

 ですが、この有様では最早バトルではなく処刑ですなと指摘が来ると、いや全くその通りですなと、一同の下劣な笑い声が響いた。

 

「な、なじぇだぁああぁ!? わっ、わだじはっ、おチンポヌキヌキするために鍛錬を重ねた対魔にじょおおほおおおっ!? やめっ、ごれっ、むり゛っ、イグッ、イグッ、一突きでイグっ!?」

 

 VIPの脂肪と一号のケツ肉が子気味良くぶつかり合う度に、子宮に叩きつけられていく引導。

 

「ぐひぃ!? ひぃーっ!? にゃ、舐めるなよぉぉぉ……! ご、ごのまま無惨にイギごろざれるぐらいならぁぁ……!」

 

 勝敗など、客観的にも感度3000倍にされている内部的にも明らかなのだが、一号は最後の抵抗を試みた。

 一号はスラっと伸びた御脚を男の腰に巻き付け、そのまま身体を持ち上げ、ピアス付きの巨乳を押し付ける。

 さらに腕を首に回して強烈に固定、トドメに唇まで押し付ける最強必殺技――

 

「ど、どうだぁ! こ、こりぇが、わだじの必殺技『だいしゅきホールド』りゃああぁぁぁ!!!」

 

 だと洗脳されている、だいしゅきホールドからのベロチューで、対敵を絶頂へと誘おうとファーストキスすらあっさりと捧げ捨てた!

 

「んじゅ、れろれろれぉ♡ んぷじゅるるる♡」

 

 確かに、繋がったままで一号ほどのドスケベボディにここまで奉仕されれば、並大抵の男なら一瞬で射精させられただろう。

 しかし、そもそもの問題として、今更一人から精液を搾り取った程度で、纏わりつく結末には何の影響を及ぼさない事実を、彼女はもう気付けない……。

 

「ふ、ふふっ♡ わ、分かる、ぞ? 射精そうなんだな? こ、こんなわっ、私のオナホマンコ内でむくむく大きくなって、情けない声を上げてびゅーびゅー膣内射精しそうなんだろう?」

 

 一号は勝ち誇るような笑みを浮かべる。

 勝者も敗者も居ない、ただ食うか食われるかの壇上で。

 人の食事風景をじっくり眺める趣味はない。ただ、最後に――

 

「ま、どこへ行く!? 逃げるな! 私をレイプし、て?」

 

 そのまま前のめりに押し倒され、いわゆる種付けプレスの体勢に持ち込まれ、

 

「ひ、ひぎいいぃいいぃぃぃいいぃぃぃぃ!!? ぜっ、全体重ファックぅううぅぅぅ!!? 無理無理む゛りいぃぃぃぃ、がでない、メスじゃおチンポに勝でないいぃぃ! じ、子宮潰れる、チンゴに潰されるっ、ひっ、お゛っ、ンっオヲォォオオオオオォォォォォ♡♡♡」

 

 一生自分がチンポに勝てない負け犬だと、膣内射精で思い知らされている一号を一瞥だけして――局長は、次の席へと向かった。

 

「ど、どなたですの、貴方は?」

 

 また別の、白髭を蓄えた全裸紳士の傍に侍らせられているのは、対魔忍セシリアだった『オナホ忍二号』だ。

 

「局長!? ま、まさか私たちを捕えた、この施設の――さ、触らないでくださいまし、このケダモノ!」

 

 仮想敵としては中々優秀だったが、倒し終えた標的には微塵も興味がない局長にスルーされ、代わりに説明した紳士の、胸に伸ばされた手を払う二号。

 

「おおお、覚えてらっしゃい! そのお顔、二度と忘れませんわ! 必ず、必ずわたくしたち対魔忍をこのような目に合わせた代償、支払わせてやりますとも!」

 

 一号とは違い、精神には特別な処置が施されていない二号がキャンキャン吠える。

 二号の顔すらもう覚える気が無い局長に代わって、大爆笑を飛ばしたのは、やはり紳士と彼女を囲む男共であった。

 

「なっ、なにが可笑しいんですの貴方達っ!?」

 

 笑いたくなる気持ちも分からなくはないと、局長は二号の姿を見やる。

 一号と同じ、男のペニスに媚びるしか役に立たなさそうなバニー衣装だけでなく、二号には自己紹介めいた名札が下腹部に烙印されているのだから。

 

「た、対魔忍ではなく、孕み袋、ですってぇ……こっ、ここ、このわたくしが!!?」

 

 顔を真っ赤にし、憤怒にワナワナと震え上がる孕み袋。

 もし万が一、客の誰かに手を出せば即他のオナホたちは処分すると言い聞かせているため、攻撃はしてこないが、捕らえた連中の内では、反抗の意思が間違いなく一番燃え盛っているのが二号だろう。

 

「はんっ! これだからあの方以外の男は! 下衆で下劣で、品性の欠片もないクズばかり!」

 

 彼女の周囲に集まっているのは、そういったプライドの塊のような女が好きな連中であった。

 

「そもそも貴方がた、なぜこのような場所に居ますの!? 名のある貴族の方まで……ここは、魔族と結託した犯罪組織の本拠地ですわよ!?」

 

 表の社交界で、彼女は既に多数のVIPから目を付けられていたらしく、今回の『対魔忍セシリア用改造弾頭』の開発には、彼らからの資金および情報提供が大きく役立っている。

 言ってしまえば、群がっているのは全て彼女のファンとも呼べ、捕らえたと一報を入れた際には多額の援助金の桁に、いきなり0が一つ増えたことが局長には記憶に新しい。

 

「ひっ……! お、おやめなさい! 今すぐわたくしを降ろして、そ、それを仕舞いなさい、汚らわしいッ!!!」

 

 よって、これから大きくM字に股を広げて背中から持ち上げられ、壇上へと連れてこられた彼女の最後を見ておくのも一興かと視線を向ける。

 大きく広げられた二号の処女ヴァギナを隠すように、そそり立つ勃起ペニス。

 

「た、短絡的で、浅ましい考えですこと。しゅ、淑女を捕まえれば、りょ、凌辱、だなんて……」

 

 これから自らに襲い掛かるのであろう最悪に、恐怖を隠せず強張る口角。

 

「で、ですが、覚えておきなさい外道ども。ど、どれだけわたくしの身と心を汚そうとも、貴方達には必ずや天誅を下してやりますわ」

 

 それでもなお、めげずに飛び出す強がりに、周囲は失笑を零した。

 

「わたくし対魔忍セシリアが、必ずや悪は滅びるのだと証めピッ」

 

 それが、これから二号の身体と心は汚れるのではなく、ぶっ壊される事を、まだ次がある事を、心の底から信じ切っていたお目出度さをせせら笑っているのだと、オナホ忍が気付くことは、二度とない。

 

「ぴっ、ぴっぴっぴ……ほ……げ?」

 

 処女膜を突き破られ、チンポに串刺しにされた二号の膣内では、既に排卵が始まっている。

 

「ほ、ぷへっ、はひっ……」

 

 彼女が受けた改造は、膣が肉竿を受け入れた瞬間に排卵し、同時に脳細胞をズタズタに引き裂くほどの快楽が奔る代物だ。

 あれほど喚いていた長台詞の数々は、膣内を拡張されていく度に吐き出される、気絶イキ声に変貌。

 負荷限界を超えた脳から垂れ始めたのだろう鼻血がポタポタと床に滴り、一号ほどではないが立派に実った肉の果実をバルンバルンと揺らしながら、白目を剥いてマグロレイプされる二号の姿に、これが見たかったと喝采すら巻き起こる。

 堪え切れないと、さっそく一発目がセシリアの子宮にぶちまけられ――変異は直ぐに始まった。

 

「ひーっ……へひ、ヘギッ!!?」

 

 受精を確認した卵子が、異常極まりない速度で細胞分裂を始めたのだ。

 

「え゛っ、ぎっ、あ゛っ、ア゛っ、がっ……!!?」

 

 見る見るうちに、ホースを突っ込んだ水風船のように二号の腹部が膨張を始める。

 二号が改造によって、子を孕んだ妊婦となった証だ。

 あれほど殺意を漲らせていた彼女がもう自分を認識することはないだろうが、逆に自分はこうなった彼女に用事があると、局長は客の一人にビデオカメラを起動したスマートフォンを手渡した。

 

「ひーっ!!! ひーっ!!! はひーっ!!!」

 

 ここで二号は使い潰されるが、彼女に施した改造の成果は、データとなってまた次に生かされていくだろう。

 時間がないため出産時と赤子の状態を確かめられないのが心残りではあるが、彼女からは様々なモノをもう充分過ぎるほど貰い過ぎた。

 

「ホべヒィィィィイイイィィィィイイィィ!!!!!」

 

 二発目の射精を受け、二号の母乳が噴き出し、更なる膨張と破水を同時に始めた様子に、後ろ髪を引かれてしまう事象だと思いながらも――次へ。

 

「ふーっ! ふーっ! ふぅぅぅぅっ……!」

 

 この一席では、別段用意したわけでもないのに、変わった催しが開かれていた。

 

「ふーっ……! うっさい、うっさいうっさい! 黙りなさいよ、アンタ達!?」

 

 対魔忍リンインこと、オナホ忍三号。

 今回、唯一後遺症が残らない外傷のみで捕らえることができた彼女を、まさかこの様に使うとは局長をしても予想外であった。

 

「しょ、処女ぐらい、自分のタイミングで破らせなさいよぉぉ!!!」

 

 台の上で一人、手を後頭部で結んで脇を開きながら、同様に足も少し浮かせた蹲踞のような卑猥なポーズで三号が叫ぶ。その股下には、ローションがたっぷりと塗られた極太のディルドが突き立てられていた。

 どうやら、ここに集まった好き者達は、自分の手で処女を散らせるのではなく、道具によって三号自らの腰で破瓜させようとしているらしい。

 

「なんでよ……どうしてこんな事になっちゃったのよ……!? アタシの処女は、こんな、こんな道具にじゃなくて……!」

 

 ポロポロと絶望と後悔の涙を零しながらも、ポーズは変えないオナホ忍。

 無理もない事だろう。先程から別の席で雑務に当たらせているが、MAX―BEもこの席には出席している。

 彼女があの機兵を心の底から恐れているのは、葛藤が渦巻くたびに目線がそちらへ動くので一目瞭然。当然万が一の可能性を考慮して、局長はこの懇意会を即座にMAX―BEの性能デモンストレーションへと移し替えられるよう、準備も済ませていた。

 次は徹底的にやれ。下している命令は、それだけである。

 

「う、ぅぅぅ……ひぃぃ……!」

 

 先程からディルドの亀頭と、膣口をキス程度に触れ合わせてはいるのだが、どうにも最後の踏ん切りが付かないようだ。

 このじれったさが堪らないらしく、喜悦に満ちた汚い野次が飛び交うが、やはり時間の無駄を嫌うのがこの局長だ。

 趣向自体は悪くないと思うが、詰めが甘い。

 引き払う予定の研究所に、いつまでも居座られても困るため、溜息をついてアナログの手帳から一枚のメモ書きを千切り、客の一人に手渡す。

 始めは懸念な表情を浮かべていたVIPであったが、メモの中身が何であるか目を通し――感服したといった渾身の握手と共に、更なる出資を、局長に確約した。

 メモを受け取った男が、さっそく声高々に内容を読み上げていく。

 

「…………は?」

 

 朗読されていくメモに記してあるのは、とある人間のパーソナルデータ。

 

「なんで、あんた達が、台湾のアイツのこと、知っ……て……」

 

 それは、三号の従妹にあたる少女の、名前から生年月日に血液型、スリーサイズ、現住所。

 そして……この少女が今日過ごしているであろう、丸一日中のスケジュールであった。

 

「や、やめろ! やめて、やめてくだ……ください! お願い、アイツに、アイツにだけは手を出さないでッ!!!」

 

 何かの役に立つかもと、とりあえず調べ上げておいたオナホ忍達の身辺情報がこんな所で役立つとは、人生なにがあるか分からない物だと局長は一人で頷く。

 当然それは、顔も居場所も一日の行動も、全てが丸裸にされている彼女の従妹の人生にも、同様に。

 

「っ!!? お、お願い……! 謝る、対魔忍なんてやって、悪人ぶっ飛ばして調子乗ってたの謝るから……! なんでも、するからぁ……! 処女だって自分でぶち破るから……! あの子にだけは手を出さないで……お願い、します……!」

 

 男達が、小柄な身長にしては胸があると従妹に下劣な関心を寄せた途端、ほぼ全裸のようなバニー水着で、三号は土下座し、震えながら懇願する。

 局長としては、ごくごく何処にでも居るような素材であるため興味は薄く、VIP達も口にしているほどの関心は無いのだろう。

 ただ、完璧に折れた心の隙間に、嬉々として下衆な欲望を詰め込むチャンスは逃さない。

 これから言う台詞を、さっきまでのポーズで、笑顔を浮かべながら復唱しなければ――怖いおじさん達のお友達が台湾にお出掛けすると、朗らかに告げながら……。

 

「……い、いえ~い♪ お、おじさまたち、ご、ご注目~☆」

 

 ふざけている。狂っている。なぜこんな悪徳が許される。

 どれほどの不条理に発狂しかけても、三号は彼らの言う通りに、脇晒しのエロ蹲踞で笑顔を作らなければならなかった。

 

「い、今からぁ、正義のクソザコイキりメスガキ、オナホ忍リンインのぉ、こっ、公開処女ぶち破りショーがはっじまっりま~す♪」

 

 口にしていることは一号と同レベルだが、正気の目尻に大量の涙を貯めながら、明らかに無理をしている作り笑いを浮かべ、三号は腰をディルドの上でヘコヘコ振り始める。

 

「わ、私たちはぁ、ち、チン、ポ咥えることしか能がない、ドスケベ忍の癖に、イキって皆様にご迷惑をおかけして来た挙句、あっさりと返り討ちにあった、ヤリ捨てられて当然のマヌケ穴ですぅ! お詫びとしてぇ、処女膜自分でぶち破ってからレイプされて、人生終了アクメ捧げないと、いけないから、このたび、深く反省、して、おります……」

 

 口を動かすたびに表情が死に、台詞も復唱せず、声のボリュームも萎んでいく三号と同時に、客席も冷え切っていき――一際大きな舌打ちと共に、携帯電話が取り出され、

 

「ひっ!? ごめんなさいごめんなさいごめんなさい! やります、ちゃんとやります! ご迷惑をおかけした罪滅ぼしとして、ディルドぶっ刺しダブルピースやりますからぁ!?」

 

 親に叱られた子供のように怯えきった三号は、まさに脱兎のようにディルドをまた膣口に押し当てる。

 

「そ、そもそも、何よコレ……どう見たって、サイズ間違ってんでしょ……!?」

 

 極太ディルドはその名に違わない凶悪さであり、長さは平凡な男性器ほどだが、太さはラグビーボールほどもある上、無数のイボイボまでセットだ。

 いくらローションがあっても、自力なら三分の一でも入ればいい方だろう。

 

「は……はんっ! い、いいわよ……そんなに見たいなら、見せてやろうじゃないの……!」

 

 だが、もはや彼女に退路は無い。このまま押し進めるしかないのだ。

 生粋の反骨精神と、大切な従妹を護りたい想い、そしてヤケクソ捨て鉢が混ざった勢いのまま――

 

「ふんっ! ぎ、っ、いいぃぃぃいぃ……!」

 

 凶悪ディルドを、三号は小さな膣へと押し込み始めた。

 

「ぃぃい!? いっぎ、ぎぎぎぎぎ……!」

 

 最初からして既に大きすぎるため、まだ処女膜に届いていないというのに、三号の下腹部がポッコリと亀頭の形に膨れ上がる。

 

「いー! いひーっ! ひー……う、ごおおぉぉおぉぉぉぉぉおおぉ!!!」

 

 完全に少女があげていい声ではない、ケダモノめいた咆哮まであげ、渾身の力を込めてミチミチミチと音まで立てながら奥へ、奥へとディルドが蜜壺の奥へと入って行く。

 

「お゛、お゛、お゛っ! お゛、お゛お゛お゛ぉぉぉぉぉぉぉ!!! ん゛ぎい゛い゛い゛ぃいいぃいいぃいいいぃぃぃぃぃ!!!!!」

 

 ゆっくりだが、確実に三号の胴体へと挿入っていく玩具ペニス。

 悶絶して裏返った眼球と、異常に流れ始めた血流にフル勃起するピアス付き乳首とクリトリス。

 自刃めいた玩具遊びは――数分間の後、ようやくピンクのディルドから赤い純潔が垂れ始めた所で終わる。

 

「か……ひゅー…………ひゅー…………ひゅー…………」

 

 呼吸する気力すら残っていない虫の息で、三号は自ら異物をぶち込んだ腹部を眺めた。

 あれだけ悪戦苦闘したというのに、ディルドはようやく半分が入ったところであり、遠のきかけていく意識がどこか他人事のようにドン引きする。

 

「ぁ……ふ……」

 

 処女喪失で、ようやく終わったと思っていた狂宴だったが、まだ最後の仕上げが残っていた。

 ダブルピース。これをしなければ、終わったとは認めないと一同から文句が飛ぶ。

 

「……は……ぃ……」

 

 腕や指先が、産まれたての小鹿のように震えるが、確かにピースサインの形を作っていく。

 

「ぴー……すぎょッ」

 

 その時であった。

床に備え付けられたディルドが、自動で三号の膣を突き上げたのは。

 

「お゛、おぎっ、げっエ゛ッ……!!?」

 

 ニヤつく客が手にしていたスイッチによって稼働した、残り全てを機械の手によって強引にぶち込まれ、完全に子宮口まで拡張されてしまった三号の瞳孔が縮みあがりながらも、なぜを問う。

 話が違う。裏切った。踏みにじった。

 そういった憎悪がありありと伝わってくるが、お門違いであると局長は小首をかしげた。

 そもそも変態どもの慰み物、オナホ忍と化した時点で、人らしい良心など欠片も向けられず、裏切りを躊躇されるような扱いをされる訳が無いというのに。

 

「ぎ、い、っ……ぶぐェ…………」

 

 口からブクブクと泡を吹きながら、糸が切れた人形のように、三号の身体が崩れ落ちる。

 串刺し刑のように、腹部の杭を支柱にして背中から倒れるように気絶。

 裂けかねないほど開かれて丸見えになった尿道からは、黄色いアーチがチロチロと床を濡らした。

 無論、このような茶番は余興に過ぎない連中は、すぐさま三号をこの後はどう犯すかを語り合い始め――ふと、その内の一人が先程のメモ帳を片手に、携帯電話を耳元に当て始める。

 どうやら個人的な興味が湧き始めたらしい。三号にわざわざトドメを刺したのも彼で、あのままでは本当にダブルピースまで達成されそうであったからだろう。

 妙な所で筋を通す人だという感想以外は、三号がああなるのは、どうせ遅いか早いかの違いであったため別段抱かない。

 しかし、そういえばあのメモ帳に書いてあった少女の名前は何だったかと、もう忘れかけている情報について一瞬考え――即座に完全忘却。

 次の四号が、想定外過ぎる光景を築き上げていたからだ。

 

「えへへぇ~、パ~パぁ~♡」

 

 パンパンとパパと呼ばれた中年の膝で腰を上下し、甘ったるく、媚びに媚び切ったスイートボイスを垂れ流すのは対魔忍シャルロットこと、オナホ忍四号。

 フィールドバック・ウォールを更に違法改造したシステムにより、精神を完全に破壊したあとは、こういった抜け殻みたいな無抵抗女が好きな連中にと用意していたため、

 

「うんっ♡ パパのおチンチン、わたしのおマンコにピッタリだよぉ♡ しょじょだからぁ、やさしくしてくれたのぉ? うれしい~っ♡」

 

 まさか、頭も弄っていないのに、ここまでのビッチっぷりを発揮し、男を骨抜きにして篭絡するとは思ってもみなかったのだ。

 

「ひぃぅん♡ パパぁ、おっぱいくすぐったいよぉ♡ チュッチュッすって、ペロペロなめて、あかちゃんみたぁい♡」

 

 壊れている筈なのに、既にこの席の男共全員を『優しいパパ』にしてしまっている手腕は、天性の才能があったとしか説明がつかない。

 ウケは最高によく、更なる太いパイプが構築されていくのは全く問題ないのだが、

 

「ほんとぉ♡ わたし、パパのおうちに行ってもいいのぉ♡」

 

 この四号を、どれだけ金を積んでも構わないから『欲しい』と交渉を持ち掛けられるのは、問題だらけであった。

 こうなってしまっても、対魔忍は対魔忍。

 外部へと持ち帰られてしまっては他の仲間から優先的に救助され、窮地に陥るであろうパパが口を割ってしまえば、他スポンサーの情報だけでなく、そこから引っ越し予定の新研究施設まで嗅ぎつけられる危険性まである。

 四号も使い潰してもらう予定であったため、足跡が残らないような保険や処理も全く行ってないし、やっている時間もない。

 地味ではあるが、ここに来て初めて、結構な窮地に局長は追い詰められていた。

 

「うんっ♡ わたし、パパたちのおよめさんになるっ♡ いつだってパコパコしていいしぃ、ハメハメしてくれたぶん、あかちゃんだってい~っぱいうむよぉ♡」

 

 喋れば喋るほど四号の買値は各所から跳ね上がっていき、もはや軽いオークション状態だ。

 ここで断れば、大ブーイングとなってしまうのは火を見るより明らか。

 今回の懇意会で頂く予定の資金援助によって、新居への引っ越しを行うという局長の計画も水泡に帰す可能性まで浮上し始める。

 今すぐにでも対策を打ち立てねばならず――とある一手を、局長は思いつく。

 

「え……すきな、ひとぉ?」

 

 それは、年頃の少女ならば、ごくごく当たり前の話題――恋バナを振る事であった。

 

「うん、いるよぉ♡」

 

 そうかそうかと局長も嬉しくなり、更に内容を掘り下げていく。

 

「どんなひと? うんとねぇ、カッコよくてぇ、やさしくてぇ、ちょっとドンカンなんだけどぉ、そこがまたよくてぇ……えへへぇ♡」

 

 幼児退行しても、その男の事はよほど好いていたのか鮮明に覚えており、頬を染めて恥じらいを見せる恋する乙女――

 

「わたしのだ~いすきないぢげぇ!!?」

 

 の皮を被った、人のチンポに跨っておきながら他の男の話をする、真正ビッチに懲罰が下された。

 

「げ、ぎ、い!!?」

 

 四号のバニータイが巻かれたか細い首を、パパの両手が締め上げる。

 

「や゛っ、や゛め゛っ、ばば、ぐるじ……!!?」

 

 甘い夢から叩き起こされ、激情のままに四号の首を絞め上げるパパと呼ばれた男。

どこまで記憶が残っているか不確定だったが、これで一安心と、局長は安堵の溜息を零す。

 処女の商品的価値が高いのは、女に対して妙な妄念を抱いている連中が、富裕層にも少なくないからだ。

 年頃の少女なら、好きな男の一人や二人居ても何も可笑しくないというのに、ここに揃ったパパたちは、その程度の事が異常なまでに許せないらしい。

 だからこそ、処女を、反応が薄いオナホ同然の女を、自分にだけ媚を売る都合のいい女を好み、一度裏切った存在にはどこまでも残虐になれる。

 

「ぎぇッ、かはっ!?」

 

愛娘として引き取るとまで言い切っていた少女を、パパは乱雑に壇上へと投げ捨てた。

 

「けほっ、けほっ! や、やめて……パパ、いたいの、やめて……やめてぇ……」

 

 暴力を振るわれた途端、今までの甘え媚びるような態度から一転、芋虫のように蹲ってガタガタと震えだす四号。

 壮絶な死に様を何度も何度も追体験させられた精神は、完全に暴力への耐性を失っており、なにも考えられない恐慌状態へと一瞬で陥ってしまう。

 

「ゆるしてゆるしてゆるして、おねがいパパ、たすけて……もうこわいのいや、いたいのいや、いやいやいやぁ……!」

 

 失禁してまで許しを請う四号だが、今更このバキバキに捻じれ狂った精神構造をしているパパたちが、娘のお願いなど聞くはずがない。

 

「ひっ、いやああぁぁぁぁああぁアゴォ!?」

 

 まるで食料を喰い散らかすイナゴのように、何人ものパパ達が四号へと殺到。

 輪姦の手始めにと、膨張した股間のお仕置き棒を、髪を引っ掴んで口へと捻じりこむ。

 

「エゴッ! ゲボッ! ホゴッ!」

 

 イラマチオを強要しながら、また別のデカマラが淫乱マンコにぶち込まれる。

 

「ぼぇごおぉ!!?」

 

 四号は女性器と口マンコをバックの姿勢で乱暴に犯されながら、発狂。

 恐怖に怯えきったその姿に、魔と対峙していたころの精悍さは微塵も残っていない。

 

「エゲッ、いげごっ、い゛や゛っ、ごんなっ、だっ、だずげぼぉ!」

 

 チンポが空いているパパ達は、出鱈目に弾みまくるピアス巨乳を手に取って、まるで骨付き肉にでも齧り付くように大口を開けた。

 

「びっ、びぎゃあああぁぁああぁぁぁああぁああぁぁ!!!」

 

 両乳に歯を呵責なく突き立てられ、四号が激痛に絶叫する。

 喉奥から叫びのビブラートと、痛みに反応して縮こまった膣肉に刺激されたパパたちの肉棒が、同時に白濁液を吐き出した。

 

「ぼぎょ、ぇぼおおぉぉおおぉぉぉぉぉ…………!」

 

 ドプドプドプと流し込まれ、膣内にも口内にも収まりきらなかったザーメンが、四号の鼻穴や膣穴から無様にこぼれだす。

 観察はこの程度で良いだろう。すぐさま次が口と股へと群がり始めた今のパパ達なら、愛娘を『最後まで』愛してくれるはずだと、背を向ける。

 色々と波乱が待ち受けていた挨拶回りも、次でようやく終わると、歩を進める。

 局長がもっとも感謝している対魔忍ラウラもとい――オナホ忍五号の下へと。

 

「んぐっ、んぐっ、んぐっ」

 

 五号の席はまた、三号とは別の見世物が開かれていた。

 年端もいかないように見える少女が、周囲のオヤジ共に一気飲みを強要され、それに応えている。

 挑戦しているのが子供であるという所以外は、宴の席でごく当たり前のように行われる宴会芸をどこか連想させる――が。

 ジョッキに並々と注がれ、五号が一心不乱に喉へと流し込んでいるのは麦酒などではなく、

 

「げぇぇ……ぷ……」

 

 大量の特濃ザーメンだった。

 これで28杯目のジョッキザーメンだとオヤジ達は拍手すら送るが、五号は無表情で目もくれずに侍らせた銀色に命令を送る。

 

「次だ……うぷ……早く、もってこい……」

 

 感謝の印として一時的に貸し与えているMAX―BEが、すかさず少し離れた場所に設置されたザーメンサーバーから、新しい精液をジョッキに注ぎ、席へと持ち帰る。

 

「あむっ、むっ、むっ……!」

 

 それを手渡されると同時に、すぐさま真新しい白く粘ついた白濁液を飲み干し始める五号。

 彼女はどうなっているのかとオヤジの一人に興奮気味に質問され、施した改造をつらつらと答えつつも、局長は薄っすらとした疑問を覚え始めていた。

 

「うっぷぇ……つ、つぎ……だ……はやく、早くしろこのポンコツがッ!」

 

 確かに五号には、ザーメンを常に摂取しなければ発狂するほどの口喝感と焦燥感が襲い、更に摂取にあたって絶頂にも似た快楽が奔るよう改造は施した。

 だが今回は堕とすのが目的でないため、精液を充分過ぎるほど摂取出来ていれば、飢えも快楽もそこまで強烈には襲い掛からないよう再調整を施してある。

 なのに五号は、懇意会が始まってからザーメンを飲み続けることを止めないそうなのだ。自らの意思で、誰からの指図も受けていないというのに。

 

「んぎゅ! んぎゅ! んぎゅ!」

 

 飢えを満たすため。快楽を貪るため。

 どちらでも正鵠を得られないような、鬼気迫る飲みっぷり。

 腹はもはやザーメンだけでパンパンに膨らんでおり、逆流しそうになれば直ぐに蹲って、無理やり胃へと落とし込んでいる有様だ。

 

「げぷっ……ぅ……ふーっ……ふぅぅぅっ……!」

 

 どう見ても自らで自らを拷問しているようにしか見えず、小首をかしげる局長だったが、VIPが呟いたある一言で、やっとこのような行為に及んでいる理由に納得できた。

 なるほど、これは確かに自棄酒に似ているな、と。

 飲んで、飲んで、飲んだくれる。飲むことで忘れようとする。犯してしまった過ちを薄めようとする。

 飲み過ぎが毒だと理解しながらも、あわよくば、その毒で死ねれば良いとすら思っている……そんな自棄酒に。

 

「次……だ……はや、く……してくれ……はやく……」

 

 自棄を起こす理由など、考えずとも分かる。

 たった今、彼女が飲んでいる唯一の所有物を買うために、売ってしまったモノの重さに耐えきれなくなったのだ。

 大量のザーメンと引き換えた、本拠地の所在、暗号通信のコード、残存する戦力の情報、誇りや信念といった目に見えない物も含めた、全ての重量に。

 

「わた、しは……こんな……こんな物のために……こんな物のためにぃぃぃぃ……!!!」

 

 再調整の結果、今の五号にとって精液は、文字通り全てと引き換えにするほどの比重を失っていたが、仕方がない事だ。

 調整前の状態では少し精子が不足するだけで暴走してしまうため、懇意会の商品にすると決めた時点で、正気を維持できるよう再調整は確定していたのだから。

 

「早くしろぉ! 早く持って来い! 私のだ、全部全部全部私の物だろうがっ!」

 

 彼女の寄越してくれた情報のおかげで、こんな懇意会をのんびり開いて資金調達をしてからでも、後続の対魔忍が来る前に転居できる判断が付いたというのに、このような痛々しい姿は局長をしても忍びない。

 これが終わったら少し時間を割いてでも、『詫び』を入れてやらねばならないと意識を改めさせられる。

 

「はやっ、ぷっ……う、ぷっ、ゲええぇぇぇぇぇえぇっ……!!!」

 

 叫び過ぎた弊害か、腹の中で限界まで溜まっていた精液が逆流し、堪え切れず床にぶちまけられた。

 

「あ゛ーっ……あ゛ーっ……ぁぁ……」

 

 胃で渦巻いていたモノ全て吐いたことで、一種の清涼感すら感じながら、無意識に五号は呆然自失で周囲を見渡した。

 育ちは全く違うが気性はよく合っていた対魔忍が、卑猥な絶叫を上げて男に犯されている。

 思考は理解できないが実力は確かだった対魔忍が、見せしめのようにM字に開いて持ち上げられ、パンパンに膨らんだ腹から何かをひり出そうとしている。

 粗暴なところはありながらも面倒見は良かった対魔忍が、寝転がされながらパックリ開いたまま戻らない女性器の中身を観察されている。

 そして最も甲斐甲斐しく自分の世話を焼いてくれていた対魔忍は、凄惨な悲鳴を上げて無数の男に喰い散らかされるように凌辱されている。

 

「あ゛、ア゛、ア゛ひいいぃいいいぃぃぃいいぃぃぃぃぃぃ!!!!!」

 

 そうして、五号はまたザーメンが注がれたジョッキへと、己の重罪から逃げ出すよう手を伸ばすのであった。

 しかし、観客もそろそろ同じ芸にも飽きてきたと、周囲に声をかけてから、四つん這いでジョッキへと向かう五号を持ち上げ、処女へと己の剛直を突き入れる。

 

「あごぉ!!?」

 

 そのまま台へと身を投げ出させ、尻を突き出すような姿勢にして、五号の破瓜マンを突きまくるVIPの一人。

 そこへ、次々と残りのオナホたちが円を描くように集められていく。

 

「あっ、うっ、あっ、お、おまえ、たちぃ……!?」

 

 次に会うときは、任務を達成し、帰還する時。

 そう誓い合って任務に挑んだ仲間達と、五号は、久方ぶりに顔を合わせる。

 

「負げまじだぁぁぁぁぁ!!! 完全敗北でしゅぅぅぅ!!! マンコ穴の分際で、おヂンポ様に勝てると勘違いじでだアホメスぅ、おっじゃる通り膣内出しアクメ処刑ざれで生ゴミ放棄ざれるのがお似合いれずぅお、へっ、んほぉぉおおぉぉぉぉ♡♡♡」

「ひ、ほひっ、うま、うまれっ、わたくじのあがちゃん、ごつんごつんっ、ちんぽと、ちんぽとキっ、キっ、キしゅ、まらうまれひぇぇぇぇぇぇぇ♡♡♡」

「ラ、ウラ……そんな顔、すんじゃないわよ……これは、私たち……皆のしっぱひっ!? そ、そっちの穴はお尻で……ちがイギャアアアァァァァ!!?」

「ひっぐ、ひっぐ、たすけてぇ……だれかたすけてぇぇぇぇぇ……もういやだよぉぉ……!」

「は、ははっ……ははは……ハハハハハはヒぃン♡」

 

 もう二度と戻れないと確信させる、無様で、ぐちゃぐちゃで、壊れ切ったアヘ顔を。

五号の中の、決定的な何かが音もなく崩れ落ちる。

 バックで犯されまくり、もはや公衆便所といった有様で嬌声と悲鳴を上げながら、代わる代わる精液を注がれ続ける五匹のオナホ忍達。

 ひと際大きく下品なメス咆哮が響くと共に、マラが空いている男達からの射精が性処理用バニーたちにぶっかけられる。

 白い汚濁の中に沈んでいく彼女達が、対魔忍どころか、人として世に戻ることは二度となかった……。

 パタン、とオナホ忍たち最後の経過を津々浦々と綴った手帳が閉じる。

 挨拶回りもこれでようやく終わったため、さっさと局長も血と精液と性臭で固められた肥溜めのような部屋を後にした。

 身体にこびり付いた臭いを落すため、スーツはクリーニングに出してくれと警備隊長に上着を脱ぎ渡しながら、連中が帰った後の予定を伝える。

 五号のみ楽になるよう再々調整でザーメン狂いに戻したのち、全員『最終処理施設』へと移送。

 それだけを伝え、局長は早足でシャワーを浴びに私室へと戻る。

 最終処理施設行き――この悪夢のような研究施設で、その言葉が意味するのは「もう用はないから、遺体すら残さず綺麗さっぱり消えてもらう」と同意義だ。

 自分にそんな資格は無いと思いながらも、警備隊長は心の中で、未だ扉の奥で凌辱されている若き対魔忍達にご愁傷様と合掌せずには居られなかった。

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

《エピローグ とある対魔忍の報告書から抜粋》

 

 

(前略)我々本部が受けた任務達成からの報告が、全て敵から送られ続けていた虚報だったと気付いたのは、愚かしくも任務開始の報を受けてから一週間もの時が過ぎてからであった。

 帰還の折りにトラブル発生、エアポートで一晩、急なテロで一晩、観光で一晩。

 あの手この手で引き延ばされていくこれらの帰還時刻の遅れが、全て敵の策略だったと判明すると同時に、我々は即座に救助チームを結成。

 対魔忍マヤをリーダーとして、研究施設への再攻撃と先遣隊救助の任へ当たらせた。

 だが、我々はあまりにも間抜けであり、鈍重過ぎた。

 研究施設は既にもぬけの殻、大掛かりな装置には全て綿密な爆破処理が施されており、敵の痕跡一つ掴むことが出来なかったのだ。

 たった一つ、最終処理施設と札が掛けられた大きな地下フロア以外は。

 その一室への突入を担当した対魔忍マヤは、未だに精神的ショックから立ち直れていない状態が続いている。

 無理もないだろう。彼女の教え子でもあった先遣隊、五名の対魔忍が、柱のようにそびえ立つ巨大な肉の塊に全裸で乱雑に埋め込まれ、一体化させられていたと言うのだから。

 作業は困難を極めたが、肉塊は解体、処分。中から五人を引きずり出すことになんとか成功。

 他にも無数の人間が飲み込まれ、恐らく消化されたのだろう痕跡が肉塊には残っており、最終処理施設の名に違わず、ここは犠牲者達を隠密に処分するための一室だったのだろう。

 あと一歩でも遅れていれば、彼女達を生還させることは不可能であった。

 しかし―――――――――

 

(へっ、へひ、あたまぁ、ウネウネとぐちゅぐちゅ~~☆♡♪)

(どこ……わたくしの、あか……ちゃん……六人目の……どこ……?)

(て、あし、ひっ、ヒ、ヒヒっ、アタシの手足が、てあしがっ……☆)

(もう……むり……これいじょう、つめこまないで……たびぇない、でぇ……)

(…………………)

「ッ……!!!」

 

 彼女達の名誉のため、その後の明記は避け、これだけは記しておく。

 対魔忍ホウキ。

 対魔忍セシリア。

 対魔忍リンイン。

 対魔忍シャルロット。

 対魔忍ラウラ。

 以上の五名を、IS学園名簿から名誉除名。

 彼女達が今後、対魔忍として戦線へと向かうことは、二度とないだろう。

 

~~対魔教官チフユの報告書より、一部抜粋~~

 



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