ソードアートオンライン〜最強となるやつはこうする〜 (鉄道唱歌)
しおりを挟む

1#チュートリアル

2022年11月6日 12:59

 

まもなく本サービスを開始するそのゲームに海堂悠真は心躍らせていた。

その名は「ソードアートオンライン」。世界初のVRMMOだ。

世界初ということもあって世間の注目度が高く、本サービス開始である今日なんかはアーガス社が用意した特設の会場で中継しているところもあるほどだ。ネットニュースでは電器店に並んだガチゲーマー達の列を映していた。

だが、俺は家でまったりしながら本サービス開始まで待つことができる。まあ、βテストに当選したから出来たことなんだがな。βテストを受けたやつは自動的にSAOが送られてくるんだ。

 

βテストは8月から2ヶ月行われた。

そこで俺は魅せられてしまったんだ、あの世界に。NPCの自然さ、草木の匂い…数え上げればキリがない。

だから本サービスで、βテストでは期限に阻まれて見ることの出来なかった新しい層を見たい。茅場の頭脳を張り巡らしたクエストを解いてみたい。なによりもあの世界の強いモンスター達と戦いたい。

…最後のはバトルジャンキーぽくて自分でもちょっと引いてる。

 

まあ、そんなことをダラダラと考えながら、

あと3秒、

2秒、

1秒。

「リンクスタート」

俺、海堂悠真はゲーム名「ユマ」としてSAOの中へ旅立った。

 

#

まずは自分の脳とナーウギアのリンクチェック。ここが合わないと五感が正常に機能しなくなり大変な目にあう。

そして、アバター設定だ。あまり身長や体重を変えすぎると現実世界の自分の感覚と違って動きづらい可能性があるため、過度な変更は禁物だ。ここはβテストで使っていたアバターを選んでおく。

 

これで終わりとなる。ふと目を開くとβテストの頃見慣れていた石畳が目に入った。

ついに、ついに帰ってきたんだという感慨とともに、まだ見ぬ場所を見に行くために急ごうとする想いが早まる。

 

ただ、急ぐのは得策では無い。

まずは体がしっかり動くかどうか。アバターと自分の感覚を擦り合せるためにも歩いたり、走ったりする。

次に、メニューの確認。出し方、フォルダの位置などを確かめていく。あまり変更は無いようだ。

ここまでに5分程度かかっていた。

 

ここからは外に出てモンスターの強さを確認。とりあえずの目標としては新しい剣を手に入れるクエストを受けに行くこととする。

はじまりの街の門から外へ出る。草原がやはり綺麗だと思いながら歩く。

草原には自分から攻撃してこない「フレンジーボア」がいた。こいつはプレイヤーが攻撃をしない限り攻撃することは無い人畜無害な良い奴なのだ。

とりあえずカンを取り戻すためにも軽く攻撃。ついで、受け止め、倒す。そこまでβテストと変わったことは無いようだ。

 

それが分かると俺は草原にまだ数匹いる奴らに向かって攻撃を仕掛けていった。



目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。