人形とエッチなことするだけのお話 (しるたろう)
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FAL

「これは、チョコレート?」

 

 手渡された小さな箱を眺めながら副官FALは目の前の指揮官に問いかける。

 

「ありがたくいただくわ。でも、そうね。せっかくだから一緒にどうかしら?」

 

 そう言うと、指揮官の座る椅子に膝立ちであがり、お互いに向き合う体勢となる。FALは箱からチョコレートをひとつ取り出すと口にくわえたまま、にやりと微笑む。その意味を理解しようとするには遅く、気が付いた時には目を閉じたFALが指揮官の口元にチョコレートを運ぶようにしてキスをしていた。指揮官の口の中で溶け始めたチョコレートを奪うように舌と舌を絡め合う。お互いの唾液と交じり合ったチョコレートは想像以上に甘ったるく、一気に"そういう気分"になってしまう。

 

「キスだけでこんなに硬くしちゃって。そんなにチョコレートが美味しかったのかしら?」

 

 小悪魔のように微笑みながら細い指先で指揮官の股間を撫で回す。

 

「直接触ってほしいの? いいわ。してあげる」

 

 椅子から降りて、ファスナーを下ろすと十分に硬くなった陰茎が外に出たそうに自己主張していた。熱を持ち、硬度が最大になった陰茎をFALの指先が優しく愛撫する。ひんやりとした指を裏筋から亀頭へと撫でるように滑らせながら指揮官の弱点をピンポイントに刺激していく。指先で掻くだけのような愛撫でありながら、その効果は絶大で指揮官の尿道口からは透明な粘液が滲み出し始めていた。

 指揮官は焦らされるような快感を感じながらも、今以上の快感を求めてFALの唇を指でなぞった。口でしてほしい、という合図を読み取ったFALは、唇に触れる指揮官の指を舌で舐めながら上目遣いで問いかける。

 

「ふふっ、お口でしてほしいのかしら?」

 

 仕方ないわね、と唇を湿らせると、椅子から降りてしゃがみこみ、目の前にそそり立つ陰茎にキスをしながら指揮官の反応を楽しむ。尚も焦らされている指揮官は、早く咥えてくれ、と訴えかけるようにFALの頭を優しく撫でる。指揮官の我慢の限界を読み取り、びくびくと脈打っている陰茎をゆっくりと咥内に招き入れた。FALの咥内は生温かく、指揮官の雄雄しい陰茎をねっとりと包み込む。陰茎に与えられた強い刺激に指揮官は思わず肛門に力を入れてしまう。その小さな仕草にFALは気分を良くすると同時に舌全体で陰茎を舐め回し、全体に唾液をまぶし、唇をすぼめて上下運動を始める。FALのフェラチオは手を使わない。口だけで陰茎を咥え込み、たっぷりの唾液で音をたてながら扱く。その姿はなんとも官能的である。

 

「出そうなの? このまま出しても構わないけど、私の中に出す分もちゃんと残しておいてよ?」

 

 上目遣いで指揮官を睨むと、上下運動のスピードを上げた。じゅぼじゅぼ、と淫靡な音が室内に響き渡る。FALの頭を撫でていた指揮官の手は無意識に頭を押さえ付けており、無理矢理にフェラチオをさせられているようにも見える格好となっていた。半強制的に咥内を犯していた陰茎が僅かに膨らんだと同時に射精が始まった。震える陰茎から濃厚な精液が放出され、FALの咥内を真っ白に汚す。指揮官は、射精後の余韻に浸りたい気持ちを抑えてデスクにあるティッシュペーパーを数枚取り出してFALに差し出したが、首を左右に振ると苦しそうな表情で咥内の精液を飲み下した。

 

「……相変わらず酷い味ね。でも、あなたのだからね。全部飲んであげる」

 

 明らかに無理をしているように見えるが、その言葉に偽りはない。その健気な姿に込み上げる何かを感じた指揮官はFALの頭を優しく撫でた。指揮官の大きな手で頭を撫でられる行為はFALのお気に入りで、寡黙な指揮官なりの愛情表現だった。頭を撫でられているFALは椅子に上がって指揮官に抱きつき、まるで猫のように身体を擦り付ける。そんな仕草を愛おしく思った指揮官はFALの顎に手を添えて自らの方を向かせた。

 

「キスしたいの? でもお口、濯いでないわよ? 私だから気にしない? ふふっ、あなたのそういうところ好きよ?」

 

 FALの唇を割って、お互いの舌と舌が絡み合う。精液特有のぬめりと臭いを味わいながら、こんなものを女性に飲ませる自分は最低な男だ、と指揮官は若干の自己嫌悪に陥る。

 

「今度は私のことを気持ちよくしてちょうだい」

 

 FALの戦闘用の服装は露出部分が多く、脱がせることは簡単である。抱きしめながらブラジャーを外すと、ずっしりとした乳房が露になる。もともと戦術人形は精巧に作られているが、その中でもFALは女体としての完成度が非常に高いとされている。その理由がスレンダーでありながら豊満な乳房、つまりスレンダー巨乳である。

 

「ほらほら、あなたの好きなおっぱいよ」

 

 にやにやと笑みを浮かべながら、自分の乳房を両手で寄せて指揮官の目の前で揺らす。薄い桜色で少し大きめの乳輪と外気に触れて主張を始めている乳首が目の前で踊るように揺れる。目の前で行われる挑発行為に我慢ができず、指揮官はFALの乳房に顔を押し付けた。顔面で感じる乳房はとても柔らかく、そのまま吸い付きたくなる衝動に駆られる。

 

「そのままいつもみたいに。ん、そう。舐めて、吸って、感じさせて」

 

 頬を紅く染めておねだりをするFALに、指揮官は小さく頷くと目の前の乳房に吸い付いた。舌先で刺激されて硬くなった乳首を転がしながら、もう片方の手で逆の乳房を揉みしだく。性感帯のひとつである乳首を刺激されたFALは指揮官の頭を抱きしめて耐えるように小さく喘ぐ。FALはあまり声を出す方ではない。恥ずかしいという気持ちもあるが、それ以上に指揮官に痴態を晒したくないからである。そんなプライドの高い彼女のことを知った上で、指揮官は執拗な乳首攻めを繰り返す。普段の落ち着いた様子からは想像もできないような乱れた声が聴きたいと思っているから。

 

「そんなに吸っても、っ、母乳なんて、出ないわよ?」

 

 無意味な行為であると知っていながら繰り返す指揮官に、なんとも言えない気持ちを感じつつ、自らの下腹部がじんじんと熱くなる感覚を覚える。初めてではないこの感覚をFALは知っている。子宮が疼いている感覚だ。体が指揮官を求めている証。ショーツに湿り気を感じる。指揮官を受け入れる体勢が整いつつあることを感じると同時に、指揮官の亀頭がぐりぐりとショーツ越しに秘所に押し付けられている。そう、これは合図。

 

「んっ、あなたの硬いのが、当たってるのだけど。挿れたいの?」

 

 更に強まる下腹部の疼きを感じながら、精一杯平静を装って確認をする。

 

「いいわ。挿れて。あなたので私の中を好きなだけ犯して。あなたを感じさせて」

 

 ショーツをずらして狙いを定める。秘所の入口は十分に濡れており、亀頭が触れると水っぽい音が鳴った。そのまま、ぬるり、と陰茎を飲み込んでいく。挿入と同時にFALがため息のような甘い声を発し、指揮官はより一層陰茎を硬くさせた。最奥まで挿入されたところで頬を真っ赤に染めたFALが呼吸を整えようと荒く息を吐き出している。普段であれば落ち着くまで待つところだが、今日に限って悪戯心が働いてしまう。

 

「やだっ、ちょっと、待って、まだ、落ち着いてないからっ、ねえっ! 指揮官ってばっ!」

 

 抗議の声を無視して腰を突き上げる。体格の差がある為、指揮官が突き上げる度にFALの体は跳ね上がり、その度に豊かな乳房が上下に揺れる。

 

「だめだめっ、そんな強くしたら、だめだって! おっぱいも、吸っちゃやだっ!」

 

 FALは、嫌がりながらも頭を強く抱きかかえており、半強制的に乳房を押し付けるこの体勢において、吸うなと言う方が無理な注文だとばかりに指揮官は乳首に吸い付く。膣内を乱暴に犯され、乳首を執拗に舐め回されて、既に声を抑えようとすることを忘れて感じるまま喘いでいる。いやいや、と涙目になりながらも、蕩けた表情で喘ぐ姿は、普段の冷静で落ち着いた立ち振る舞いからは想像もできない姿であり、いつもの彼女を知る他の人形が見たら一体どう思うだろうか。

 腰を突き上げる度にFALの形の良い尻が下腹部とぶつかって音が鳴り響く。陰茎と愛液が絡み付いて、じゅぶじゅぶ、と水っぽい音が鳴る。室内に漂う男女の匂いがお互いの興奮を高めていき、指揮官も次第に近付いてくる終わりを感じていた。

 

「もう、出そうなのねっ、いいわ、あなたの子種、私が受け止めてあげるからっ! 全部私の中にちょうだいっ!」

 

 射精許可を受け、両手で尻を掴んで思いっきり密着させる。ぐっ、と陰茎を最奥に突き立てた瞬間にFALが一際甲高い声をあげて絶頂を迎えた。ほぼ同時に勢いよく射精が始まり、尿道から放出された精液がFALの子宮に送り込まれる。射精中も膣内は生き物のように蠢いており、まるで最後の一滴まで残さないという意思のあらわれかのようであった。

 

「ねえ、指揮官……? 私の中、よかったかしら……?」

 

 蕩けた表情で囁くように感想を求めるFALに指揮官は優しく口付けをして、耳元でそっと愛の言葉を囁いた。

 

「……あ、当たり前でしょ。あなたはこの私と誓約したんだから。後悔なんて絶対させない。戦闘もセックスも完璧にこなしてみせるわ。だからその、私もあなたのこと、愛してるから、ずっと一緒にいてね……」

 

 あまり耳にすることのない寡黙な指揮官からの愛の囁きに、気恥ずかしさを感じながらも、いつものようにしっかりと応える。自信家でありながら決して慢心することない彼女は、下腹部に残る温もりとあふれんばかりの幸福感を感じながら目の前にいる人間の男に対して一生寄り添うことを誓うのであった。

 



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グリズリー

「着衣パイズリ?」

 

 副官グリズリーは、目の前で微笑む指揮官を怪訝そうに見つめる。

 事の始まりは少し前。ここ数日間、寝る間も惜しんで執務を続けている指揮官に何かをしてあげたい、と考えたグリズリーが息抜きを提案したことから始まった。とはいえ、具体的なことは一切考えておらず、内容に関しては指揮官の希望を訊く形となった。

 

「なんとなく意味は分かるけど、そういうのはちょっと。って、もう! そんな悲しそうな顔してないでよ! 分かったから! してあげるから!」

 

 悪戯を咎められた子供のような表情を見せる指揮官に負けて、グリズリーは半ば自棄になりながら承諾する。普段は有能な指揮官なのだが、こういうスケベなところは間違いなく欠点だと感じる。それでも受け入れてしまうのは、惚れた弱み、というものだろうか。そんなことを考えながら内心自嘲気味に笑う。

 

「こんなこと今回だけだよ? それで、その、着衣パイズリだっけ。あたしはどうすればいいの?」

 

 グリズリーに膝立ちになるように指示を出し、腕で左右の乳房を固定させると、豊かな乳房が前面に押し出される。この時点でかなりそそるポーズになるのは、グリズリーの美しいプロポーションとセクシーな服装によるものであろう。指揮官はデスクの引き出しから小さなボトルを取り出すと、ボトル内の液体を手の平に出し、既に臨戦態勢の陰茎に塗りつける。顔を赤らめながら、その姿を横目で眺めるグリズリーは、これからされるであろう行為に期待と不安を抱く。指揮官と誓約してから何度か体を重ねることはあったが、パイズリと呼ばれる行為は初めてであり、ましてや着衣パイズリなど聞いたこともなかった。

 

「えっ、ここに挿れるの?」

 

 動揺する声をよそに、グリズリーの胸元にある隙間に狙いを定め、ゆっくりと陰茎を挿入を開始する。先端が柔らかな乳房の隙間に触れると、そのまま吸い込まれるようにして乳内へと消えていく。グリズリーの柔肉は、指揮官の陰茎を柔らかく包み込み、膣内とはまた違った快感を生み出していく。ローションが馴染んできたことを確認すると、指揮官はグリズリーの肩を掴んで強めに腰を前後させる。指揮官の下腹部が叩きつけられる度に乳房がひしゃげ、リズムよく体を揺らされる感覚に指揮官とのセックスを思い出し、体の火照りを感じ始める。

 

「これっ、指揮官にっ、あたしの、おっぱい、乱暴に犯されてるみたいでっ、変な気分になってきたかもっ」

 

 頬を紅潮させたグリズリーが目を潤ませながら訴えかける。息を荒くさせながら一心不乱に腰を打ち付ける指揮官を見ていると、自分の乳房で感じてくれている幸福感と、まるで物のように犯されているという背徳感で体が熱くなる。徐々に乳房に腰を打ち付ける速度が上がり、肩を掴む力が強くなる。その様子から、もうすぐ射精が近いことを感じ取る。

 

「ねえっ、しきかんっ、そんなつらそうな顔してっ、もう出したいの? いいよっ、あたしのおっぱいに好きなだけ中出ししていいよっ?」

 

 グリズリーが甘ったるい声で許可を出すと、陰茎から弾けるように精液が発射され、乳内を真っ白に汚す。射精が止まり、乳房を左右から固定していた腕を離すと、柔肉に包まれていた勃起状態の陰茎がグリズリーの顔の前に飛び出した。ローションと精液に塗れた陰茎から漂う強い"雄"の匂いは、グリズリーの体に備わる"雌"の部分を熱くさせる。蕩けた表情で誘われるように精液に塗れた陰茎を咥え込むと、亀頭を舌で舐め回しながら尿道に残っている精液を、ちゅうちゅう、と吸い出す。

 

「はぁ、しきかんの精液、すっごい濃い味。でも、こんなんじゃ全然足りないよ。もっとちょうだい?」

 

 グリズリーは、舌なめずりをすると目の前の指揮官を押し倒し、素早く腕を床に押さえつけて拘束する。突然のことに混乱する指揮官をよそに、グリズリーが噛み付くように唇を奪う。無理矢理に口を開かせ、唇を噛み、舌を吸い、歯茎をなぞり、まるで猛獣が獲物を捕食するように咥内を蹂躙する。唾液と唾液が絡みつき、ぴちゃぴちゃ、と淫靡な音色が室内に響き渡る。獲物の咥内を十分に味わうと、今度は人間の弱点である首筋に喰らい付く。首筋を舐め回すと、唇を押し付けて吸い始める。指揮官が異変に気付いた時には既に遅く、首筋には内出血の痕が残っている。いわゆるキスマークだが、今のグリズリーにとっては獲物に対するマーキングの意味合いが強い。

 

「乱暴なことしてごめんね。でも我慢できないの。しきかんのこと、食べないとおさまりそうにないの」

 

 我慢の限界とばかりに、グリズリーはショートパンツとショーツを脱ぎ捨てる。先程の濃厚なキスで既に臨戦態勢となっていた指揮官の陰茎を掴むと、自らの濡れそぼった秘所に強引に押し付ける。捕食モードに入ったグリズリーは止まらない。体重をかけ、一気に腰を下ろすと陰茎は根元まで飲み込まれて見えなくなる。挿入と同時にグリズリーは悲鳴のような声をあげ、ぱくぱく、と酸素を求めるように口を開閉しながら痙攣している。

 

「硬いの当たってるよっ、奥にずんずん、って当たってる、きもちいぃよぉ、しきかん、すき、すきっ、もっと、もっと」

 

 頬を紅潮させながら、うわ言のように指揮官への愛を呟く。その言葉とは裏腹に、半ば強引に腰を振り続ける姿は快感だけを貪る獣そのものであった。対する指揮官も一方的に貪られるのでは面白くないとばかりに、ゆさゆさと揺れるグリズリーの乳房をがっしりと掴み、黒いブラジャーの隙間から手を滑らせる。硬くなった乳首を指で探し当て、指先で強めに摘むと、びくん、と体を跳ねさせて甲高い声をあげた。その動作に反応するように膣内が収縮する。捕食モードに入ったグリズリーの膣内は、とにかく精液を搾り取ることに特化した状態となっており、溢れんばかりの愛液と収縮する膣壁による連携攻撃で指揮官は限界を感じつつあった。

 

「出るの? いいよっ、一緒にいこっ? 指揮官の精液であたしをいかせてっ」

 

 陰部を擦り付けながら膣内での射精を求めるグリズリーを抱き寄せる。唇を合わせ、舌が絡み合うと同時に精液が放出され、二回目の射精とは思えないほどの量がグリズリーの子宮内に注がれる。

 

「いっぱい出たね……ごちそうさま……」

 

 満足したように満面の笑みで囁くと、そのまま眠りに落ちていった。

 

 

 - - -

 

 

「あの、指揮官、ごめんね。途中から抑えが利かなくて、暴走しちゃってさ。あたし、どうかしてたよね。挿れたまま寝ちゃうし。あはは、なんかかっこ悪いなあ」

 

 目を覚ましたグリズリーは、開口一番指揮官に謝罪した。グリズリー曰く、行為中の出来事は全て覚えているが、頭よりも体が先に動いてしまった結果がこの有様とのこと。自身でも驚いており、性的興奮が高まりすぎると捕食者モードに入ってしまうことが分かった。どうやら、グリズリーという名前は伊達ではないようだ。

 

「次からは気をつけるよ。あんなのみっともないしね。え? あたしになら、なにされてもいい? ……そういうの禁止! 恥ずかしいから! ほら、シャワー浴びに行くよ!」

 

 強引に指揮官の手を引くグリズリー。

 堅く繋ぎあったお互いの手で光る指輪が、二人の未来を明るく照らすように輝いていた。

 



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