俺がソロでA級になったのは間違っていない (はるかゆう)
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プロローグ

初めまして、はるかゆうと申します。
ゆっくり投稿になるのでよろしくお願い致します。


10月20日

 

人気の無い街に、1人の青年が立っている。

 

八幡「ふー…。とりあえず終わったか。」

 

小町『お兄ちゃん、お疲れー。』

 

ボーダー隊員である2人は、近界民(ネイバー)と呼ばれる侵略者からこの三門市を守るための防衛任務についている。

 

小町『お兄ちゃん、どお?』

八幡「ん?ああ、もうほとんど調子は取り戻せたぞ。」

小町『やっとかー。長かったね、お兄ちゃん』

 

実は、ひと月前まで半年間近い間、八幡達は防衛任務に就くことができなかった。

今年の4月、八幡が総武高校の入学式に向かったところ、事故にあってしまったのだ。

 

八幡「まあ今シーズンのランク戦は始まっちまったし、もうちょい早くなんとかしたかったな。」

小町『それはしょうがないでしょ。それに今シーズンも忍田さんに融通きかせてもらったんだから、ゆっくり次のランク戦までに調整してけばいいじゃん。』

八幡『まあそうだけど。』

 

八幡は事故で足を骨折してしまっていた。そのためランク戦には出られ無くなってしまった八幡に、本部長である忍田が、

『怪我が治るまでは降格にはしないでおこう。最下位か、特別枠のようなものになってしまうが、これ以上の優遇は批判があるかもしれないから無理だがな。』

という、忍田の配慮によってなんとか降格されずに済んでいた。

 

小町『また太刀川さんあたりから個人ランク戦に誘われるんじゃない?』

八幡「いやもう予約埋まりまくりだから…。三バカにカゲさん、二宮さん、風間さん、那須達にもちろん太刀川さんも…挙げ句の果てには忍田さんにも頼まれてるから…』

小町『うわー…お兄ちゃんモテモテだね。』

八幡「全く嬉しくないんだけど小町ちゃん』

小町『まあ半年も待たせてるからね。いくらお兄ちゃんでもブランク明けじゃさすがに満足できなかったんじゃない?』

八幡「確かにな。」

 

八幡の骨折は9月の時点で完治していた。しかし、4ヶ月以上のブランクは八幡の実力をかなり下げてしまっていた。

 

八幡「じゃあそろそろ交代の時間だから戻るわ。」

小町『はーい。おつかれー。』

 

八幡はボーダーに戻り始めた。

 

 

比企谷隊 ステータス

A級9位

隊長比企谷八幡

オペレーター比企谷小町

比企谷八幡 オールラウンダー

トリオン 13

攻撃 14

防御援護 8

機動 8

技術 16

射程 11

指揮 3

特殊戦術 10

トータル 83

 

サイドエフェクト『瞬間知覚』

戦闘時などに八幡の五感(主に視覚と聴覚)で得た情報から、自分がどうしたらいいかが瞬間的に分かる。

相手の行動なども予測でき、自分が認識していなくても情報を取得していればサイドエフェクトが働く。

八幡自身の経験や、相手の癖や今までの行動パターンから予測しているので、初見の相手や戦術にはサイドエフェクトが働かなかったり、予測がはずれることが多くなる。

 

比企谷小町 オペレーター

トリオン 6

機器操作 10

情報分析 10

並列処理 8

戦術 6

指揮 4

トータル 44

 

 

 

 

 




最低1000文字結構きついですね。

ちなみにヒロイン未定です。


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1話

どうもはるかゆうです。
いきなりかなり時間が飛んでます。
それではどうぞ!


 

平塚「なぁ比企谷、現国の課題で出した作文のお題を覚えているか?」

 

八幡は今、職員室に居る。現国の担当である平塚静に呼び出されていた。

 

八幡「まあ…覚えてますけど」

 

平塚「じゃあこれは何だ?」

 

平塚の前には1枚の紙があった。

 

八幡「作文用紙ですかね?」

 

平塚「その中身のことを言っているんだ。」

 

現国の課題は、『高校生活を振り返って』であった。

そして八幡の書いた内容は、

 

『特に何かあった訳ではなく、無難な高校生活でした。』

 

だけであった。

 

平塚「はぁー…全く…君は性格は捻くれているし、目も死んだ魚のように腐っているな」

 

八幡「そんなDHAが豊富そうに見えますかね」

 

平塚「小僧、屁理屈を言っているんじゃない。真面目に聞いているのか?」

 

八幡「確かに、先生からしたら俺は小僧ですけど「黙れ『ビュッ!!』」・・・」

平塚「ほぉ…今のを無反応とは…腐ってもボーダー隊員ということか。」

 

八幡「まあ当たらないのは分かってたんで。」

 

八幡の発言に腹を立てた平塚は、八幡の顔すれすれのパンチを出した。

 

八幡「もういいですかね?駄目なら書き直しますが?」

 

平塚「いや、書き直しはいい」

八幡「そうですか、それでは「ちょっと待て」・・・何ですか?」

 

平塚「君には罰として奉仕活動を命じる。

君の心無い発言が私を傷つけたからな。」

 

八幡「…はあ? いやボーダーやってるんで無理ですよ。」

 

平塚「毎日ある訳ではないだろう。それに君には友達はいるのか?」

 

八幡「ボーダーにならいますが。」

 

平塚「比企谷、嘘を吐くな。お前みたいな目の奴に友達がいる訳がない。」

 

八幡はかなり呆れ果て何か言う気力もなくなった。

 

平塚「とりあえず、比企谷、付いてきたまえ。」

 

八幡(めんどい…さっさと終わらせるか…)

 

八幡は平塚の後を追った。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

平塚「比企谷、ここだ。」

 

場所は変わり、今は特別棟に来ていた。

 

ガララッ

平塚「雪ノ下、入るぞ」

 

???「平塚先生、入るときはノックをしてくださいと、何度言えばわかるのですか?」

 

八幡(こいつは…たしか…雪ノ下雪乃…だったか?)

 

平塚「すまない。……だが、ノックをしても君が返事をしたためしがないじゃないか」

 

雪乃「それは返事をする前に平塚先生が勝手に入ってくるからじゃないですか。……それで、そちらのぬぼーっとした人は誰なんですか?」

 

平塚「今日から、ここの新入部員だ。ほれ、自己紹介をしろ」

 

八幡「…2年F組、比企谷八幡です。ってか俺は部活には入りませんよ。忙しいんですから。」

 

平塚「これから君には、舐めたを作文書いた罰としてここでの部活動を命じる。異論反論抗議口答えは一切受け付けない。」

 

八幡「いくら教師といっても生徒を強制的に部活動にいれる権限は持ち合わせていないはずです。例えその教師が生徒指導であっとしても。」

 

平塚「いいのか?そんなことを言って。三年で卒業できなくなるぞ?」

 

八幡「構いませんよ。こちらも然るべき対応を取らせていただきますから。教育委員会に訴えるとか」

 

平塚はうぐ、と押し黙る。さすがにここまでいうとは思ってなかったようだ。

 

平塚「これは命令だ!拒否権はない!全く…。まぁ雪ノ下、こいつはこの腐った目、腐った神経のせいで孤独で憐れむべき生活を送っている。私からの依頼はこの性格の矯正だ。受けてくれるな?」

 

雪乃「お断りします。そこの人の下心に満ちた下卑たる目を見ていると身の危険を感じます」

 

平塚「安心したまえ。確かにいろいろ終わってる目をしているがこの男のリスクリターンと損得勘定と自己保身にの計算についてはなかなかのものだ。刑事罰に問われるようなことは決してしない。この男の小悪党ぶりは信用してくれていい」

 

雪乃「小悪党。なるほど…」

 

八幡(いや、普通にしねーよ)

 

雪乃「まぁ、先生から依頼となれば無下にはできませんね。承ります」

 

雪乃「そうか、じゃあ頼んだぞ雪ノ下!」

 

そうして平塚は教室から出ていった。

 




読んでいただきありがとうございます。
この話もボーダー全く関係ありませんが、次回も多分無いです。

その次は出ると思うんで勘弁してください。


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2話

どうもはるかゆうです。
この話はかなり他の作者の影響を受けてる部分があります。
最初の流れだけ勘弁してください泣


 

雪乃「いつまでも突っ立ってないで、座ったら?」

 

八幡「…ああ。」

 

八幡は教室の後方にある椅子を1つ取っていった。

 

八幡「そういえば、ここどんな部活なんだ?」

 

雪乃「平塚先生から聞いてないの?」

 

八幡「ああ、ただ付いて来いって言われただけだからな。」

 

雪乃「…そう。ならゲームをしましょう。ここがなんの部活か当ててみなさい?」

 

八幡「はぁ…。」

 

教室内を見渡す。変わったものはない。あるのは机と椅子だけ。加えて部員は彼女一人。

 

八幡「奉仕部、とか?」

 

雪乃「…あなた知っていたんじゃない。そんな分かりやすい嘘を「は?本当に奉仕部なのか?」

雪乃「え?…あなた知っていて嘘を付いたのではないの?」

 

八幡「いや、教えられてないって…ただ平塚先生に奉仕活動とか言われたからたまたま言っただけだ。」

 

八幡はまさかそんな部活はないだろうと思い答えたが、まさかの的中に驚愕していた。

 

雪乃「…そう。その通り、ここは奉仕部よ。

持たざるものに自立を促す部活。

ホームレスには炊き出しを、途上国にはODAを、モテない男子には女子との会話を。

ようこそ奉仕部へ。歓迎するわ。」

 

八幡(今なんか明らかに余計なもの入ってなかったか?)

 

雪乃「あなたは今日から私が人格の矯正を行うのだから、感謝なさい。」

 

八幡「そりゃどーも。だが俺には解決しようとしてる問題なんてないし、そもそも女子とだって昨日も話してるからお前に頼む必要は一切ない。」

 

雪乃「…比企谷くん。目だけではなく頭の中まで腐ってるのね…。

流石に哀れだわ。そんな妄想をするなんて…」

 

八幡(なんだこいつは…)

「まさか雪ノ下雪乃がこんなやつだったとは…驚いた。」

 

雪乃「あら?私を知っていたのね。とても気持ち悪いわ。」

 

八幡「いや俺が噂に聞いた雪ノ下雪乃はお前じゃないようだ。いや正確には足りないのか。容姿端麗、文武両道、だが傲岸不遜に、無礼千万が抜けてるな。」

 

雪乃「なんですって!…あなたは問題だらけよ。自覚がないあたり、さらに悪いわね。そこも直すべき問題よ。」

 

八幡「俺からすればお前の方が問題あるけどな。人の問題を勝手に決めつけて勝手に解決しようとする時点で人間として致命的だ。」

 

雪乃「あら、私で致命的ならこの世の多くの人間が致命的だわ。人類に今すぐ謝罪しなさい」

 

八幡「断る。少なくともお前より優れている人間なんて山ほどいる。

少し容姿が良くて勉強できるくらいで調子に乗るな。お前程度の美人な人なんか沢山いるぞ。」

 

ボーダーには雪乃に引けを取らない美人が多く在籍している。同じく総武高校にいる綾辻などがいい例だ。

 

雪乃「あらそう。だけど例えいたとしても、その人達があなたと関わることなんて一生ないでしょうけれどね。」

 

八幡(…漱石枕流(そうせきちんりゅう)も追加だな。)

「平塚先生、俺も暇じゃないので帰ってもいいですか?」

 

八幡はその場にいない人物の名前を呼ぶ。

 

ガララ

平塚「・・・気づいていたのか比企谷。雪ノ下、かなり難航しているようだな。」

 

雪乃「彼が問題を自覚していないからです。」

 

八幡「俺は今の自分に満足している。それに問題があったとしてもわざわざお前なんかに頼まねーよ。」

 

雪乃「あなたのそれは逃げでしょう?」

 

八幡「変わるのも現状からの逃げだ。どうして過去や今の自分を肯定してやれないんだよ。」

 

 

 

雪乃「・・・それじゃあ悩みは解決しないし、

 

誰も救われないじゃない!」

 

 

 

雪乃は少し大きな声で叫ぶように言った。

 

 

八幡「救われない?じゃあお前は誰かを救ったことがあるのか?」

雪乃「っ!…少なくともあなたよりは救えるわ。」

 

八幡「逃げることを知らないのはただの馬鹿だ。逃げることが最善のこともあるし、ましてや逃げ続けることができたのなら挑む必要もない。それに・・・挑み続けられると思ってる方がよっぽど頭が悪い。お前は今目の前にネイバーがやってきても逃げないって言うのか?」

 

雪乃「っ…それは…」

 

平塚「比企谷!そこまでにしたまえ。確かに君 「平塚先生」 っ…悪い。しかしそれとは問題が違うだろう。」

 

八幡がボーダーだと知っている平塚は、あやうく言いかけるところで、八幡が呼びかけたことで言わずに済んだ。

 

ボーダー隊員である事は、何かと注目されやすい。静かに暮らしたい八幡としては、ボーダー隊員であることが知られたくないので、それを知っている教員には個人情報として隠すように言ってある。

 

八幡「まあどうでもいいです。どちらにせよ俺には、こいつの問題を解決しようなんて思わないですから。」

 

雪乃は八幡を睨み続けている。

 

平塚「彼女は彼女なりに人を救おうとしてるんだ。それを踏みにじるようなことを言うな」

 

八幡「そうですか。ならこいつは今までの俺を踏みにじるような発言をしましたね。これでおあいこです。

それに俺は変わる気は無いですしここに入部する気もないです」

 

八幡はドアの方向歩き、教室を出た。

後ろから平塚の八幡を呼ぶ声が聞こえたが聞こえないふりをし、そのまま昇降口から外に出て自転車が置いてある駐輪所へ向かった。

 

 




読んでいただきありがとうございます。
次回はワートリ要素が入ってくるのでまた読んでください。


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3話

どうもはるかゆうです。

書き始める前にちゃんと調べてなかったせいでちょっとまずいことになりました。
ワートリの1話目が何月の話か分からなかったので、書きやすいタイミングで入れようと思ったのですが、あれ1月の話なんですね汗
(確かに1話目に受験時期って書いてあったわ)
二学期あたりに入れようと思ったんですが、時系列を合わせるとかなりあとの話なんで書けない気がしてきました。
なので場合によっては時系列が矛盾する可能性があります。
それでは本編どうぞ。





 

出水「お?ハッチじゃねーか!今日来てたのか!」

 

出水公平。A級1位の太刀川隊でポジションは射手(シューター)

 

八幡「出水か。いや今来たとこだし、本当は来るつもりなかったんだけどな…。」

 

八幡は今日本部に行く予定は無かったが、今日の放課後に起きた事でかなりストレスが溜まっていた。

 

出水「へー、ハッチにしては珍しい気がするな。特に何もないのに来るなんて。」

 

八幡「ん…そうだな。入りたての頃はともかく、最近は用がない日は来ないしな。」

 

出水「じゃあ暇してんだろ?あいつらもすぐ来るから、個人ランク戦しようぜ?」

 

八幡「いいぞ。俺もちょっと暴れたいとこだったしな。」

 

出水「げっ!お前が暴れたらどうなるんだよ…」

 

米屋「あれハッチいんじゃん?」

 

緑川「ホントだ!ハッチ先輩どうしたの?」

 

米屋陽介。三輪隊の攻撃手(アタッカー)で槍の形をした孤月を使っている。

緑川駿。草壁隊の攻撃手でスコーピオンと素早い機動力を武器にしている。

 

出水「お!来たな。ハッチが居たからランク戦誘ったらやるってよ!」

 

八幡「今日はちょっと気分転換に来ただけだ。」

 

米屋「へー。いいぜ、早くやろう!」

 

緑川「よっしゃー!燃えてきた!」

 

出水「じゃあいつも通り、3対1でいいよな?」

 

八幡「ああ、いいぞ。」

 

4人はそのまま各々ブースに入って行った。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

『ランク戦5本勝負 開始』

 

八幡「よーし、どうすっかなー。」

 

周りは建物に囲まれている。住宅やビルも並ぶ隠れやすいエリアだ。

 

八幡は今、大通りに立っていて隠れる様子もない。

 

八幡は右手に孤月を展開した。

すると右側後方から槍が襲いかかってきた。

 

ガン!

八幡「お前が最初か。」

米屋「3対1で逃げてらんねーからな!」

 

初撃の突きを払うように防いだ八幡に、米屋は薙ぎ払うように攻撃した。八幡はそれを防御せず後方に退がることで避けた。

 

ガキンッ!

緑川「!」

八幡「バレバレだっ。」

 

八幡が回避した瞬間、後方から緑川がスコーピオンで襲撃を行ったが、八幡の左肘から伸びたスコーピオンで防がれてしまった。

 

緑川「クッソ〜!良いタイミングだと思ったんだけどな〜!」

米屋「メインが孤月だったかー。逆ならかすり傷ぐらいいってたか?」

 

米屋と緑川は直ぐに八幡から離れた。その瞬間無数の弾幕が八幡目掛けて襲いかかってきた。八幡は2人から距離を取り、かつ弾の出所の方向に向かって走り出しながらシールドを展開した。無数の弾は出水によるバイパーであり、八幡は放物線を描く様に襲ってきたバイパーをギリギリで避け、それでも当たる弾はシールドによって弾いていく。

 

米屋「ここでそっち狙うのかよ!」

緑川「ハッチ先輩マジ?」

 

2人は八幡の行動に驚愕した。射手である出水を狙うのは間違っていない。ただこの状況に置いては、出水に向かう八幡の後方に米屋と緑川の2人がいるという、八幡を三角形に挟む形になってしまう。この状況は普通に考えれば最悪な状態だ。

 

出水「いいぜ…来いよ!」

出水は両手にバイパーを大量に展開した。

出水「食らえ!」

八幡は斜めに避けながら、避けきれない弾はシールドで防ぐ。弾を撃ち続ける出水にさらに近づく八幡。しかし、あと数メートルというところで、その後方から緑川がグラスホッパーを利用して襲いかかってきた。

 

緑川(いけるっ!)

八幡「来たな?」

緑川「!?」

 

八幡は一瞬緑川の方を見て、サイドエフェクトを発動した。八幡のサイドエフェクトは『瞬間知覚』。五感から得た情報を基に、一瞬で選択肢が頭に浮かぶ。まんまと誘い出された緑川の攻撃モーションから、攻撃を予測した。

 

八幡はスコーピオンを枝刃で首と左脇腹に展開。

八幡「もーらいっ。」

緑川「ーーっ!」

その瞬間、身体を独楽の様に回して孤月で緑川の首を刎ねた。

 

『緑川 緊急脱出(ベイルアウト)

 

上空に向けて光が飛んだ。

 

出水「はあ〜!?嘘だろ?」

米屋「さすがハッチだなっ!」

八幡「次行くぞ。」

 

米屋が旋空を放つ。八幡が回避するが出水との距離が離れる。その間に出水は体制を整えた。場所は交差点に変わり、かなりひらけた場所になった。

 

出水「いや〜、キツいな〜。」

米屋「出水のバイパー避けながら緑川倒すとか、相変わらずバケモンだな。」

八幡「たまたまだ。2回目はさすがにムリ。」

米屋「信用ならねぇってのっ!」

 

米屋は再度旋空を放つ。八幡は後方に避けながら、左手にキューブを展開した。

 

八幡「アステロイド」

64分割にされたキューブは、真っ直ぐ米屋と出水に向かっていく。2人はシールドを展開した。しかし、八幡の放ったキューブは直前で大きく曲がりながら2人を襲った。

 

八幡「チッ…無理か。」

出水「さすがに分かるっての。」

 

八幡が本当に放っていたのはバイパーであったが、2人はそれを見抜き全方位にシールドを張っていた。

 

米屋「オラッ!」

米屋は距離を詰め、連続で鋭い突きを放つが、八幡は両手で持った孤月で防ぐ。八幡が反撃をするが、米屋は大きく後退し、出水のアステロイドが八幡に放たれる。

八幡「チッ!めんどくせー…」

 

八幡は大きく引き下がりながら左手にバイパーを展開し、出水の右手側に向かって曲線を描いて放たれた。

出水「そんなんじゃ当たんねーぞ!」

 

出水は左方向に避けていくあいだに、八幡は米屋に向かっていく。八幡は左手にスコーピオンを装備し米屋に攻撃する。米屋は八幡の猛攻に防戦一方で、頰や脇腹にかすり傷を負った。

 

米屋「クッ!」

 

出水「! 米屋っ!左側に回りこめ!」

 

八幡「させねーよ!」

 

八幡は左回転しながら孤月とスコーピオンで米屋を攻撃。米屋はガードしたが、左方向に弾かれた。

 

米屋「あ〜! やられた…」

出水「オイオイ…」

 

八幡は三角形のように対峙している状況をどうにかするために、まずバイパーで出水の位置を動かした。八幡の左側にいた出水正面に近い方向に持っていき、米屋に近づくことで米屋の後方に出水がいるようにしたのだ。

 

八幡「これで出水の牽制もしづらいだろ。」

米屋「ほんとハッチはいやらしいな。」

八幡「おい!…もう終わらせるからな。」

 

八幡は常に米屋に近づき、出水との間に挟むことで、援護をしづらい状況に置き続けた。そうなると米屋と八幡の実力勝負になり、米屋の左腕が切られたことで、八幡は勝利を確信した。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

八幡「あー最後取られたかー」

 

出水「いや〜マジで1本目はビビったわ笑」

 

緑川「バイパー避けながら完璧に防がれて、ベイルアウトさせられるとは思わなかったよ。」

 

米屋「でもあの風間戦考えたら、あれぐらい普通にやりかねないわな笑」

 

八幡「だからほとんど初見殺しみたいなもんだぞ。さすがに3人にあえて囲まれる状況を作るなんて有り得ないしな。それこそあの時も油断してたから行けただけだ。ってか最後のはマジで対処出来んかったわ。」

 

5本勝負の結果は、4-1で八幡の勝利で終わった。最後の1本は、八幡に米屋と緑川を当たらせ、出水が2人ごと八幡をメテオラで吹っ飛ばすという荒業で、1本取られてしまった。

 

米屋「いや〜…あれはな。」

 

八幡「ん?」

 

出水「あれは実は、結構前から考え自体はあったんだよ。」

 

八幡「は?そうなのか?」

 

緑川「うん。だけどあれは仲間2人犠牲にするってことで実際に使おうとはしなかったんだよね。」

 

出水「そもそもハッチ相手とは言え、3対1だしな。しかもA級が自爆覚悟で2-1で持ってくってさすがにちょっとねーかなと思って。」

 

八幡「なるほどな。確かにランク戦じゃほとんど使えねーしな。

じゃあ俺そろそろ行くわ。」

 

出水「ん。そうか。」

緑川「じゃあねハッチ先輩!」

米屋「ハッチまたな!」

 

八幡「おう。」

 

八幡は自分の隊室に向かって歩き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




読んでいただきありがとうございます。

前書きに続き構成についてですが、
A級ランク戦ですが、開催シーズンが分からないのでご都合主義ということで書きやすいタイミングで書かせてください。
ただワートリの設定の矛盾点などはコメントで教えていただけると嬉しいです。

ついでにバレンタインは1個だけでした。(バイト先のパートのおばちゃんから)


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