ギャグで生きたいムテキ生 (無個性のソーイお茶書き)
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プロローグ的な何か(要は駄文)
俺だよ俺!ソーイ・お茶だよ!
これからもよろしくですますな!(徹夜2日目)
俺の名はハイパームテキ。比喩でもなんでもなく、無敵ガシャットだ。
ん?そこは無敵ゲーマーじゃないのかって?
いやいや俺もそうなりたかったんだよ。だがな、俺の転生担当の勘違いで、俺が、
『ハイパームテキになりたい』
って言ったら、本当にハイパームテキにしてくれたんだ。……ただし、ハイパームテキ【ガシャット】に、な。しかも、森に放置だよこんちきしょう。
しかもなんか怪しい霧が立ち込めてるし誰も拾いに来るフラグゼロって言う最悪の立地。
だが、俺の特性は文字通りムテキ。この黄金のボディが傷つく事はないし、錆びる事もない。時が過ぎて朽ち果てるって事もない。……それはつまり、誰かに拾われるまでたった一人、いや一個だ。精神崩壊するよ?いいの?体は無敵でも心はガラスハートよ?
永夢さんみたいに強ハートじゃないよ?泣き虫だよ?
だれか助けてー!
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
だ、駄目だ。ぜんっぜんこねぇ。
初日から、3年くらいだったが、誰一人と来ない。
動物さえ見当たらない。
『気を落とさないでください。貴方には私が付いていますから』
俺が精神崩壊していないのも、ハイパームテキについていたサポートナビさんのお陰だ。
初めて話した時は素っ気ない感じだったが、毎日欠かさず話しかけていたら態度が柔らかくなってきて、次第に感情を表すようになってくれた。
実に有難い。体があったら抱きしめたいくらいだ。
『あらやだそんな大胆な!……なら、作りましょうか?』
…… what?!
え、何?作れんの?
『はい。貴方の永遠のエネルギーを使用すればどのような姿にでも』
だったら初めに言ってよぉぉぉぉぉぉぉぉお!!
3年間無駄な時間を過ごしたよ!いや、ナビさんと仲良くなれたけど!それでも大分無駄だったよ!
『オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァ!』
無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ぁ!
いや何させんだ!
『ノリノリでしたね』
ウッセェ!さっさと作ってくれヨォ!
『分かりました……では』
【輝けー!流星の如く!黄金の最強ゲーマー!】
【ハイパームテキヒューマーン!】
「お、ぉぉぉぉぉぉお?!体が人間になったァ!」
声も出せたァ!!
………でも、なんで変身音声が流れたんだ?
『仕様です。なるものによって音声の最後が変化しますよ』
色々ツッコミを入れたくなる仕様だな。
ま、便利だしいっか。音声は煩いけど。
『気にしたら負けですよ?』
分かってる。お約束的なやつだもんな。
それじゃ、この森を探検しますかね。
レッツゴー!(マリオ風
『ドーキドキ!』(ルイージ風
『………あれ?ハグは?』
実体が俺しかないので無理です。
『あぁぁぁぁんまりだぁぁぁぁぁぁあああ!!』
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⓽の妖精
因みに作者は陰でした。
森を歩く事数時間。取り敢えず霧の深いところは抜けたけど、依然森の中。マイナスイオン美味しいです。
『この辺り、解析したところ身体に害をなす成分が見受けられます。本当の意味でのマイナスですね』
うっへぇ、マジか。で、俺にそれが効かないのは?
『その姿では本来の力には程遠いですが、常時無敵なのでダメージは一切通りません』
うん知ってた。
流石ムテキボディ。ノックバック以外は一切攻撃を通さないだけある。
戦闘して、
「フハハハ!効かん!」
みたいなのをやってみたいが、自分で考えて胸糞悪くなったので却下だ。平和主義でいこう。戦闘したくねぇ。
『フラグ回収しそうな発言ですね』
やめろマジで起こるかもしれないじゃん。
『……所で、この先に湖が存在するようなのですが、行ってみませんか?』
急な振りだな。まさか、その先に厄介そうな奴がいるとかじゃないよね?
『さぁ行きましょう!』
「誤魔化しやがった!」
思わず声に出してしまったが、本当にやだからね?
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「そこのお前!ここで何しているんだ!」
「ち、チルノちゃん!やめようよー!霊夢さんに怒られるよ!」
「ナビの野郎後で覚えとけよ」
フラグ回収乙。
いっくら俺がにわかだってチルノくらいわかるぞ。
あと、隣にいるのは……大妖精?だっけ?
多分そうだ。きっとそうだ。
ていうか、湖って時点で怪しいと思ったんだ。大分奥の方に紅魔館らしきものも見えるし、ここは幻想郷で間違いないな。
「おいお前!黙っていないで答えろ!それとも、あたいの恐ろしさにおそれをなしたかー!?」
「チルノちゃん、恐れを二回言っちゃってるよ」
「……会話しない訳にはいかないよぁ……」
気が滅入る。只でさえ戦いたくないってのに、チルノだと変に勘違いして襲ってくるかもしれないから言葉を選ぶ必要があるし、大妖精がいるからと言っても、ストップが効かないこともあるだろう。逃げたいけど、仲良くなっておいて損はないと思うし、なにより木の陰から誰かがこちらを覗いてる。カメラを撮る音が聞こえたから、おそらく文だろうな。ここで逃げ出したら新聞に何て書かれるか分かったもんじゃない。
これからのムテキ生に大きな影響を受けてしまうだろう。慎重に、行動せねば。
「……こんにちは」
「あっ、はいこんにちは」
「こんにちは!」
「今日も暑いですねー」
「わかるのか?!あたいはサイキョーだから消えないけど、ほかの氷の妖精はヤバイんだよねー!」
秘技、こんにちはからの世間話。
さらに、大妖精にアイコンタクトで、
【_____俺に合わせてください】
【_____分かりました】
軽い意識疎通をする。
そして、穏便に済ませるための作戦を開始した。
「そうなんですか?それは大変ですね。俺……いや、僕も、家の氷が溶けてしまって。こんな暑い中で氷がないなんて本当気が滅入ります」
「なんだか、私たちと似た悩みを持っているみたいだよチルノちゃん」
「そうだな!氷がないのは本当に困るよな!お前、人間の癖に見所あるぞ!」
チルノは⑨とバカにされる程頭が悪い。
なら、世間話で話を
あとは、大妖精のフォローも期待して丸め込む。
「ありがとうございます!…実は、僕はここに氷の最強妖精がいると聞いて訪れたんです。氷を貰えないかな?と、考えて……」
「チルノちゃん!最強だって!最強のチルノちゃんが頼りにされてるよ!」
「ムッフー!益々気に入ったぞ!特別にあたいが氷を創ってしんぜよう!」
「いいんですか!?ありがとうございます!流石、最強の妖精!心が広い!……ただ、僕、うっかり、氷を入れる入れ物を落っことしちゃって。今日は諦めて帰りますけど、また今度来た時に、氷を貰うってことでいいですか……?」
「落としたのか!バカだなー!だけどあたいは気分が良いから特別に、そのことを許可しよう!また来てねー!」
「はいっ!また、尋ねさせていただきますね!では、お2人とも、お元気で!」
「バイバーイ!」
「お気をつけてー!」
よっしゃ!回避成功!
……ってか、この会話って、チルノは明日になったら忘れてそうだな。
まぁ、それはともかく、次は紅魔館にでも行こうかな。
え?地雷丸出しじゃないかって?
執事やってみたいんだよ!
それに、咲夜さんの時止めも俺には通じないと思うから、同じ空間で作業できるっていうメリットもあるしね。……よし、移動開始だ!
行くぞ、クソナビ。
『好感度が大暴落?!』
自業自得だこの野郎。
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吸血鬼に、変身ッ!
をいつかやらせたい。
紅魔館が見えた方向に向かって真っ直ぐ進んでいく途中で熊やら妖怪やらに襲われたけど全力で逃げました。戦闘したくないもん。それに、逃げ足は速いからな。ぶっちぎってやったぜ。
そのかわり迷ったけど。
いやー。どうなってんだよ。こうゆう時、主人公なら迷わず着くはずなのに……。
俺が主役じゃないですかそうですか。
『森の中で分からないなら木に登って辺りを見渡してみるといいかと』
えー。でも俺木登れないんだけど。
『なら、鳥に変身して空から行くというのは?』
それだっ!その手があったよ!
『では、早速……』
…あーちょっと待って。いいこと思いついた。
『いいこと、ですか?それは一体……?』
これから吸血鬼の館に行くんだし、どうせなら吸血鬼に変身して行った方が好感が待たれるんじゃないか?
吸血鬼も空飛べるはずだし。
『成る程。打算にまみれてますが、有効な手段だと思います』
打算言うな。
あっ、でも吸血鬼って日差しを浴びたら灰になるんじゃないっけ?こんな、真昼間に吸血鬼が居たらおかしいんじゃないかな?
『いえ、高位の吸血鬼なら日光を浴びても灰にはなりませんよ?おそらく、人間より肌が荒れるくらいと推測されます』
へー。んじゃ、力のある吸血鬼で決定かな?
あ、力的には全力の何%くらい?あ、エグゼイドみたいにレベル換算でお願いシャス。
『計算中……。推定、レベル21』
ん?思ったより低め?
『あくまでも、高位の吸血鬼、という存在の最低値です。最上位個体ですと60にも届きます』
そっか。それじゃ、間を取って、30位の吸血鬼に変身しようか。
『承知いたしました。では……』
【輝けー!流星の如く!黄金の最強ゲーマー!】
【ハイパームテキ!ウァンパーイーアー!】
んー?なんか背が縮んだ気がするんだが。
『強い吸血鬼というのは小さいものです』
そういうもんか?
…そういえば、レミリアや、フランもちっちゃかったな。多分、あいつらとおんなじくらいの身長になってんだろうな。
…さて、肝心の俺の見た目だが。
『吸血鬼特有の赤い目に、黒髪。尖った歯。身長は大体レミリアやフランと同じくらい。
整った顔をしており、普通に美少年として扱われるでしょう。イメージとしては、Pixivバージョンのレットがいいかもしれません。
服装は無地の黒いTシャツに、青のジーパン、といった格好。吸血鬼とはかけ離れて居ますが、気にしないでください』
説明有難う。そんじゃ、飛んで行きますかね。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
【side out】
「……何故一人も来ないの!」
「レミィ落ち着いて。分かりきっていた事じゃない」
紅魔館に存在する図書館にて。
この館の主人である吸血鬼、レミリアと、
別名、動かない大図書館。パチュリーが何故か面接場を設けていた。
しかし、誰一人も来ない現状に納得がいかないようだ。だが、人が来ないのはある意味当たり前かもしれない。何故なら、
「いくら結婚したいからと言って、ここは森を抜けた先にある最悪の立地だし、お見合い相手を募集しても誰もこないわよ。それに、貴重な我が子を、しかも男を人里の人間が手放すわけが無いじゃない」
「ぐぬぬぬ……」
パチュリーの説明の通り、いくら身を固めたいからと言っても妖怪のでる森を誰が好き好んで通ると言うのだろうか?
「そもそも、なんでいきなりこんな事し出したのよ」
「………私だって、焦るのよ」
「そんなの幻想郷共通の思いじゃない。てか、そんな簡単に結婚できたら、スキマ妖怪が人攫いなんて事しないでしょう?」
「うぅ……。なんで幻想郷はこんなにも男がいないのよぉ……」
何やってんだあのBBA。
……今寒気が。……まぁいい。
さて、このレミリアの発言の言う通り、幻想郷には男が少ない。所謂、あべこべ世界というものである。
なんでも、この幻想郷は男が産まれにくくなっており、男女の比率が1対100程になっているのだ。
男が産まれた日には集落全体で大騒ぎ。自我がつき始める前から唾をつけておこうと世の女性達は躍起になっている。
無論、貞操概念も逆転しており、女性が訴えられるような時代だ。……ここに、悲しい事件の一部を抜粋したものがある。
被害者母親。
【買い物に夢中になって、一瞬目を離した瞬間、息子はそこから消え去っていました。懸命に村の中を探したのですが、中々見つからず、近所の方にもご協力頂いてようやく見つけたんです】
記者
【それで、どのような状態で?】
被害者母親
【10人位のブスでクズな女共にレ○プされてました……。息子は目に光が無くて……。私の大切な息子が、何処とも知らない馬の骨に……うぅっ】
記者
【それはなんと唆る……いや、酷い状況でしたね…】
被害者母親
【もうあの子の精神状態はボロボロで、家に引きこもって『もう二度とさ、外に連れ出さないでくれ。後話しかけんな』何て、泣きながら訴えてきたんです!】
記者
【成る程……。じゃ、なんで貴方が牢屋にいるのですか?】
被害者母親
【そんなの混ざってヤッたからに決まってるじゃないですか!据え膳食わぬは女の恥ィ!】
記者
【……あれ?もしかして、脱獄して捕まったのって】
被害者母親
【息子に『話しかけんな』と拒絶され気絶したからです】
記者
【まぁ、所詮女なんてそんなもんですよねー】
記者、被害者母親
【【アッハッハッハッハーー!】】
アッハッハッハッハー、じゃねぇ。
ま、まぁ、こんな感じで男は貴重なのだ。
というか、この事件が起こってからいよいよ男が外に出たがらなくなった。
レミリアのお見合い大作戦が成功しない理由である。
土台無理なのだ。
そう、出会いがあるだけ奇跡、と、呼ばれるくらいに……。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
さて、場面は変わり、紅魔館の玄関である門の前。
「今日は何か良いことが起こりそうな気がします!」
普段は居眠りをして時を止めるメイドにナイフをぶっ刺される門番、紅美鈴は何故か今日は起きていた。
理由は今朝、夢で、男とくんずほぐれづな行為を行ったから、である。色々昂ぶってしまい眠ろうにも眠れないのだ。
「いやー!メチャクチャ良い夢でしたねー!なんだか身体の調子も良いですよ!」
独り言を話しながらも、高速で一般市民には目が追いつかないほどの蹴りを繰り出している。顔も、名前の通り少し紅い。
……おっと。ここで、我らがハイパームテキの登場のようだ。
「ふう。到着っ、と」
空から華麗に舞い降りたムテキ。黄金色の羽をはためかせながら、スタッ。と着地する。そして、優雅に自己紹介を、良く逆転したりされたりする赤い検事みたいな手振りでし始めた。
「やあ、こんにちは。俺の名は一条開示。麗しい門番さん。ここは紅魔館で間違いないかな?」
美鈴、あまりの出来事に固まる。
蹴りを繰り出した状態で時が止まる。
そして、顔が真っ赤に染まり、プシューと煙が立ち込めた。そして、
「きゅ、吸血鬼の男の人ぉぉぉぉ!?」
その言葉を最後に、彼女の意識は途切れた。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
【side カイジ】
「……た、立ったまま気絶してる…?」
ど、どうしよう?このままの方がいいかな?
『どうせなら運んであげましょう。そうした方か印象が良くなるかと』
「それもそうだな。それじゃ、ちょっと失礼して」
俺は美鈴をお姫様抱っこして門を押し上けて中に入った。…なぁ、この世界、もしかして男女あべこべ?
『美鈴の反応からして、その可能性は充分にあるかと。……面白くなってきましたねぇ』
何がだよ……。
『ハーレム!ハーレム!ハーレム!』
さて、クソブタオタクナビは放っておいてさっさと咲夜さんあたりでも見つけますかね。
『あっちょ、無視しないでほしいでヤンスー!』
何故にパワポケメガネ族の口調なんだよ……。
パワポケは6のしあわせ島のプレイ動画しか見たことないからわかんないけど、未来からきた孫と結ばれるルートが存在するやつがあるってマジ?
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名は体を表す
「赤い……」
『赤いですね。目に悪いです』
まぁこれから住む(予定)んだし慣れとかなきゃね。
【________】
……ん?なんか雰囲気変わった?随分と音が消えたけど。
『あたりの時が止まりました。警戒態勢を取ってください』
「警戒ったってぇっ?!」
ナイフが飛んで来た!俺は後ろに飛び回避する。
『上からくるぞ!気をつけろ!』
「っく!……白か……おぁっ!?」
ナビの警告にバッと上を見ると、踵落としを決めようと飛んで来る咲夜さんが見えた。スカートの中身も。
……口は災いの元ってのは本当なんだな。
本気のナイフ投擲だったぞ。まぁ避けたけど。
何故か狙いもブレブレだったから避けやすかった。
…多分、止めたはずの空間で、俺が普通に行動できているからだろう。動揺でもしたのかな?
「な、何故貴方は止まった時の中で動けるのですか!?」
おおっと明らかに
ここは、強者の風格を醸し出しながらドヤ顔で誤魔化そう。そして誤解を解こう。俺は喧嘩に来たわけじゃない。
「さぁ?何でだろうな?……それはともかく、俺に戦闘の意思はない。ここに雇われに来たんだ。従業員募集していないか?」
あたふた咲夜さんは見てて微笑ましいが、話が進まないので心を鬼にして本題を切り出す。
「従業員……?それは有難いですが、って、美鈴?!何があったんですか?!」
『今更?』
うん。確かに今更だったな。ずっと姫さま抱っこしてたのに。
「俺を見て倒れたんだ。言っとくが、俺は何もしていないぞ?挨拶したら急に意識をなくしてな。……所で、あんたは大丈夫なのか?俺、男だが」
「え、男性?」
「……気づいていなかったのか?」
「…………お、お嬢様ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!」
「あっ、どこ行くんだよ!?」
咲夜は、顔を真っ赤にして、逃げ出した!
『どうやらあべこべ世界で確定のようですね。後を追いましょう。この館の主人に接触するチャンスです』
お前は至って冷静だな。……で、美鈴どうしよう?
『このまま運びましょう。辛いかも知れませんが、頑張って!』
レベル30舐めんな。こんくらいなら問題ないさ。
あ、そういや時間どうなってる?
『既に解除されているようですね。正常に動作しているようです』
そっか。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
【side 咲夜】
男性が!男性が!吸血鬼の男性が紅魔館を訪れた!?
しかもイケメン!お嬢様の求めていた、吸血鬼の男性!
私は時を止めるのも忘れ、自身の出せる全速力でパチュリー様の図書館へと向かった。
このビックニュースを、届けるため。
美鈴のことなんて、この時は頭から抜け落ちていた。
そして、図書館入り口につき、バン!と開け放つ。
「わっ!?……なんだ咲夜じゃない。どうしたの?随分と息が切れているけれど」
私のらしくない行動にパチュリー様が心配なさっているが、それどころではない。
数回深呼吸し、心を落ち着かせ、不貞腐れて机に突っ伏しているお嬢様の目の前に立った。
私は意を決して、お嬢様に話し掛ける。
「お嬢様。顔をお上げください。嬉しいニュースですよ」
「…なによ。いい肉でも手に入ったの?」
あくまで顔をお上げにならないお嬢様。
それでも容赦なく、言葉を送らせていただきます。
「男性の、お見えです」
「さぁ!案内して頂戴!その方は何処にいるの!?」
ガバッと顔を上げ、キラキラした目でこちらを伺う
お嬢様。分かりやす過ぎです。パチュリー様も呆れてらっしゃるじゃないですか。
…でも、これで終わりじゃないですよ?
「しかも、その男性、ここで働きたいそうです」
「チャンスがドンドン舞い込んでくるじゃない!」
「咲夜それ本当?」
「えぇ。パチュリー様。物好きな男性も要るものですね」
ぴょんぴょん跳ねるお嬢様。あいも変わらず可愛らしい。……では最後に取っておきの情報を。
「お嬢様、しかも、その男性。_____吸血鬼です」
「_____えっ?」
固まるお嬢様。しかし、その数秒後。
「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえ?!」
館を揺さぶる大絶叫が木霊しました。
お嬢様は普段のカリスマを殴り捨て、私に詰め寄ります。
「どっどどどどどういうことよ!?吸血鬼は、私とフラン以外はいない筈なんじゃないの?!」
「外の世界から紛れ込んだのかも知れませんね……。
なんにせよお嬢様?恐らく、今後二度と訪れないチャンスです。これを物に出来なければ一生独身のままで終わってしまいます!しっかり手綱を取ってくださいね!」
「ま、まっかせなさい!わっ、私のカリスマでイチコロりょ!」
あぁ。噛みました。凄く可愛いですが、今のままではカリスマではなく『かりすま』ですよ?ギャグ方面で効果を発揮します。
……そろそろ、でしょうか。
私が逃げてしまった時に、通った道にナイフをところどころに落として来たので、こちらに来てください。というメッセージは送れている筈ですが……。
それなら、もうすぐ来る、でしょうね。
"カツン、カツン"
足音が聞こえて来ました。すぐそこまで来てらっしゃいますね。
「お嬢様。第一印象が大事ですよ!」
「セリフを噛むんじゃないわよ」
「わ、わかっているわ……」
"カツン、カツン"
「失礼する」
お、お見えになりました……!
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
【side カイジ】
「失礼する」
第一印象は吸血鬼らしく強気な印象で。
へたに、下手に出ても、返って印象が悪くなる可能性もある。ここは大胆に行こう。
……しかし、ここが図書館か。俺の地元の図書館より広いな。見渡す限りの本本本本本。
んで、その中央には、面接台がおかれ、俺からみて
パチュリー、レミリア、咲夜さんの3人が並んでいた。全員、俺の容姿をみて、ゴクリと生唾を飲み込む。……ナルシストとかじゃなくて、実際に聞こえたから仕方ないだろ?
あっと、観察だけじゃなくて、挨拶もしなきゃな。
俺は美鈴の時と全く同じポーズで挨拶を______
「私の名は、レミリア・スカーレット!私は貴方に勝負を挑むわ!」
_____え?
「「『え?』」」
「勝負内容は簡易版チンチロリン!お椀にサイコロ3つを投げ入れ、出た目の数を足して一番大きな目になったものの勝ちの簡単なゲーム!私、咲夜、パチュリーの3人の合計と貴方の3回出た目の合計を競う!勝利者は敗者に要求を突きつけることが出来る!以上!勝負は明日の朝にやるわ!それまでは、客室を用意するのでそこでゆっくりしていること!いいわね?!」
「あっ、はい」
「よし!言質は取ったわ!」
……えーと。
なぁにこれぇ?
2月20日21時10分、不要なセリフを一部削除しました。
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勝負前夜
【side カイジ】
「……何故こんな事になったんだ?」
『突然の宣言でしたからね。ビックリしました』
現在俺は、咲夜さんに案内された客室のベットに横になってナビと会話をしている。
話題はもちろん、チンチロについてだ。
あと、レミリアの考えの考察とかも。
「多分レミリアは俺との婚約が目的だよな?」
『おそらく。この男女あべこべ世界において、男性は数が少ないようですし、ましてや吸血鬼なんてもっといないでしょう。そんな状況下で舞い降りたチャンス。活かさない訳がありません』
だよなぁ。
だけど、何故勝負内容がチンチロなんだろ?
『……確か、レミリアは【運命を操る程度の能力】を持っているのですよね?』
うん。それであってると思う。
『そして、今回のチンチロのルールでは最強の目は、6+6+6=18。レミリアはこの目を運命を操る事により意図的に出して、勝ち確を狙っているのでは?』
あっ!言われてみればそうだ!てっきりリテンパってあんな事言い出したのかと思ったぜ。
『その可能性もなきにしもあらずですが…。まぁ今は置いておきましょう。対策を講じるべきです』
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
【side out】
場面は図書館に戻り、運ばれてきた美鈴を小悪魔が看病しつつ、今回の件についての会議が行われていた。
「お嬢様!何故このような事を?!」
普段は冷静沈着なメイドでも、男性に嫌われてしまう可能性があるにもかかわらず、相談もせずに例の吸血鬼に提案したことは看破できないらしい。
「落ち着きなさい。きっと、レミィにも何か確信があったのよ」
荒ぶるメイドをたしなめたのは、レミリアの古くから友人、パチュリーだ。
だがしかし、その目は笑っていない。
鋭くレミリアを射抜かんとするような目つきで睨んでいる。
「うふふ。パチュリーの言う通り。結構、確信があって行ったのよ」
だが、その視線すら涼しく受け流す。
流石カリスマと言ったところか。……カイジに会う前はセリフ噛んでいたが。
「……それはどのようなもので?」
「彼は吸血鬼なのよ?あぁ見えてプライドが高いと思ったの。だから、勝負を仕掛ければ必ず乗ってくる。…それに、チンチロだって、私にとっても有利なのよ?」
「……【運命を操る程度の能力】ね?」
「パチェ正解!私の能力を使えば、サイコロの目なんて思いのまま。下手にイカサマ……それこそ456賽なんかを使うより簡単に勝てるわ。ねえ、こあ」
「はっはい!そうでございますね!」
「……あの子まさか使ったんじゃないでしょうね?」
そのまさかである。
小悪魔は、一度チンチロでレミリアに勝負を挑み、敗北している。敗因はイカサマ。456賽を使用したことがバレたのだ。
お陰で、しばらく休み無しで働かせられたそうな。
完全に自業自得である。
「ま、今はそんなことどうだっていいわ。……だけど、今回のルールは咲夜やパチェ。貴方達も絡んで来るのよ?流石に、全ての試合を運命で操るなんて事したらつまらないもの」
「……分かったわ。何かしら考えておくわ」
「その為にも、予め、もう一度よくルールを決めておきましょう。何かあっても文句を言われないように」
「そうね。それじゃ実際にイカサマをした、こあも
交えて作戦会議といきましょうか?」
「はい!」
「わ、わたしもですかぁ?!」
「……後で私の方からも罰を与えるから覚悟なさい」
「そんなー!?パチュリー様!ご慈悲をー!」
一体どうなる?!チンチロバトル!
嘘だろ…予備にとっておいたデータすら飛んだ……!?
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開幕
あと、書き直しの件についてはハイパー無敵ではなくライドヘイセイバーを主人公にして書いてみるつもりで候。
あと、この作品を書くのがすっごい久しぶりだから矛盾点が見つかるかも。
【20××年某日】
【ざわざわ…ざわざわ…】
『いやぁーすごい数の妖精さんですねぇ〜』
(紅魔館ってやけに広いからな、その分掃除するやつも多いんだろ)
俺は今、紅魔館の図書館にいる。
目的はそれぞれの願いをかけたチンチロリンバトル。
何故弾幕ごっこじゃないのかは知らないけど、エグゼイドみたいに【ガシャコンキースラッシャー】を召喚できないから、肉弾戦でやるっきゃない俺にとっては好都合だぜ。
「皆さん揃っていますね?それでは今回のチンチロリンのルール説明をさせていただきます、美鈴と」
「小悪魔です」
『なんかあの2人…特に悪魔の方のクマがすごいですけど大丈夫なんですかね?』
そんなこと、俺が知るか!
「今回のチンチロリンは本来のルールではなく、それぞれのチームが三回ずつ3つのサイコロを椀の中に投げ入れ、合計点が多い方のチームが勝利となります」
(…それもうチンチロリンじゃなくないか?)
『細けぇこたぁ気にしなくていいんですよぉ!』
俺達がそんなやりとりをしている間も説明は続く。
まぁ、タダのチンチロリンだし相当無茶なルールでもなければ口は出さない。
「そして、これはかなり重要なことなのですが……このチンチロリン、それぞれの能力の使用が可能となっているのです!」
が、小悪魔の爆弾発言は流石に看破できないな!
「ちょっ、待った!」
『小悪魔さんそれちょっと紅魔館組有利なのでは!?』
ナビも新た全面的に同意らしい。ナビが言った事とほぼ同じことを小悪魔に伝えると、
「いえ、流石に賽を投げ込んだ後の干渉行為は厳禁です。ですが、その投げる前には魔法の使用や能力の使用はOKという事にしました」
という返答が帰ってきた。
……んーでも、それなら俺も能力(殆どナビのオートモードだけど)を使うし、問題ない…かな?
『えぇ。このルールなら咲夜が賽を投げ入れた後に時を止めて出目を変える、という事が封じられていますからね……まぁ、貴方には時止めが効きませんからどちらにせよ、と言ったところですが』
そーだな!
「そういうルールなら問題ないか」
「合意、と受け取ってよろしいでしょうか?」
「あぁ」
さっきのでキャラが少し崩れたが、大胆不敵な態度は継続。強キャラ感だしておいた方がレミリアに気に入られてお願いが通りやすくなるかもだし!
「それでは早速始めていきましょう!」
▼美鈴が開戦を宣言した!
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
【side 紅魔館組】
「……ねぇ、パチェ。あの子クマがすごいけどどうしたの?」
「ズルしたお仕置きとして1分が10分に感じる呪いをかけたのよ。まぁ、24時間経てば元に戻るけれど……あの子昨日から寝てない様子だし、立っているのもやっとなんじゃない?」
「…悪魔より悪魔してるわ…パチェ」
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
まずは第1投。
『紅魔館組の一番バッターは咲夜!』
「(今回のルールだと私の能力は意味を成さない!だから自分の転生の運を信じる!)フッ!」
『第1投、投げたァァァァァ!』
……サイコロがくるくると回っていき、1つ、また一つ止まっていく。
『注目の出目は……1、2、5!合計点8!最高値の半分もいかなかった!これには本人も悔しそうな顔を浮かべております!』
「次は俺だな」
咲夜さんから椀とサイコロを掠め取って賽を握りしめる。目を瞑り、ナビに体の操作権をゆずった。
(……本当に信じていいんだな?)
『ええ!私を誰だと思ってるんです?』
(計算高い面倒なやつ)
『酷いっ!……でもその中に照れ隠しが入ってると思うと萌えてきますよー!』
とかなんとか言いつつナビはサイコロを投げ入れた。
"カラカラ…ピタッ"
「なっ…!?全て…6?!」
「『これが俺の実力だ!』」
……体の操作権利を渡している時はナビの奴も喋れるらしい。
その代わり俺は口出しできないが。
あっ、咲夜さん悔しそうにレミリアに謝ってる。
「申し訳ありませんお嬢様…ご期待に添えず…」
「……いいのよ、咲夜。ここから巻き返せばいいの。ねっ、パチェ」
「ええ。任せてちょうだい」
「お嬢様…!パチュリー様っ…!ありがとう、ございます…!」
涙を流す咲夜さん。
うん、この世界の紅魔館もいい関係が築けていてよかった…。
2次創作だとたまに敵対してる時があるしな……こうして仲よさそうなところを見れて安心だぜ、なぁ、ナビ?
『美しい主従愛ですなぁグヘヘ、キマシタワー!」
……色々台無しだわ!
以前書いていた内容とは全く違う(話の本筋は大体同じ)
覚えてないんので一から書き直しました…つらひ。
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