東方の力を持った転生者 (ドンだ~)
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転生

転生したらスライムだった件の中で自分がやってみたいことを書きました。不定期更新、原作未読、超駄文です。それでも良いよって方はどうぞ。




それは、俺が高校から家へ帰る途中の出来事だった。

 

「キャアアアアア!!!!」

 

そんな声が聞こえてくる。痛い…。頭から痛みがする。

 

「なんだなんだ!!?」

 

「鉄筋が上から降ってきてあの人に!!」

 

あの人……俺のことか…。だから……こんなに痛いのか…。嫌だな…。

 

《確認しました。痛覚無効獲得……成功しました。》

 

……はぁ……?痛覚無効…?なんだこれ…。まさか…転生!?だとしたら……凄いな…ってなわけないだろ…。でももしそうだとしたら…魔王にでもなりたいな…。真魔なる存在!的な…。まあ、そんな覚醒状態みたいなことが起こるわけ…

 

《確認しました。魔王種への進化を開始します………成功しました。続けて、魔王への進化(ハーベストフェスティバル)を行います…………失敗しました。転生後、進化条件(タネのハツガ)を満たし次第進化を開始します。》

 

起こった!?そして転生後……ということは転生か!!やったぜ!!……で、転生っていうのは何かしらの特典があるんだろ?じゃあそれは一つ、東方プロジェクトの力、能力、種族!全てがほしい!!

 

《確認しました。究極能力(アルティメットスキル)東方之皇(イリュージョンエンペラー)』を獲得……成功しました。》

 

成功したな……。もう思い残すことはないや。I'll be back…。

 

そして今、新たな魔王が生まれた。その出来事に魔王を始めとする強者たちはその存在を、生命体を確認しようと新たな魔王が生まれた場所へと向かっていったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「う……ん……?ここは……」

 

俺は目を覚ます。そういえば転生したんだっけ…?そんなことを思いながら自分を確認するが……

 

「何これ。全裸なんですけど…。」

 

全裸はダメだ全裸は。こんな高校生が全裸でいたらダメだ。見た感じ洞窟らしいがそれにしてもこれはダメだ。誰か来る前に何とか──

 

「私が来たのだーー!!!」

 

「…………………」

 

誰か来た。ピンクのツインテールの子だ。小っさい。何だ?つーかこれ見られたらマズイ!!よりよって女子だし!

 

「………な、なんで全裸なのだ?早く服を着るのだ!」

 

お前も割とやばい格好だろ…って言いたかったが見事にブーメランがブッ刺さるのでやめておこう。それよりお前誰だ!!それに一体どうしろと…。

 

「……服がない。」

 

「は?」

 

「服がないんだよ服が。だから……あんまこっちみんな。」

 

ここ誰かに見られたら明らかに俺が変態みたいだ。そこは何としてでもさけたい。

 

「わ、分かったのだ。とりあえず適当に服を持ってくるから待ってるのだ!」

 

「待て。お前名前は?」

 

「ム?私か?私はミリム・ナーヴァ!気軽にミリムと呼んでくれ!それじゃあな!!」

 

少女……ミリム・ナーヴァは元気よく飛び出ていった。

 

「さて……。どうしたものか…。」

 

東方の能力……なんて言っても正直どうやって使うのか分からない。使えるならちゃっちゃと使うんだがな…。

そして30分。幾ら試行錯誤しても何も出来ない。誰か解説でもしてくれれば良いが…無理だ。誰もいないのにどうしろと…。

 

《解。現在進行中で究極能力(アルティメットスキル)東方之皇(イリュージョンエンペラー)』を解析中です。》

 

キャアアアア!!!シャアベッタアアアアアア!!なんで!?

 

《解。究極能力(アルティメットスキル)東方之皇(イリュージョンエンペラー)』の派生スキルより、ユニークスキル『大賢者(エイチアルモノ)』の効果です。》

 

え、ええ…。東方にそんな能力あったっけ…?

 

《解。ナズーリンの《探し物を探し当てる程度の能力》より『当てる』の部分に特化した結果、ユニークスキル『大賢者』を獲得しました。これまでに獲得したスキルの約5%が解析完了しました。全て解析するのに約二週間はかかると思われます。解析したスキルを見ますか?Yes/No》

 

ノ、ノーでお願いします。

まあでも良かった。しゃべり相手が見つかったからな。全裸なのはアレだが…。

 

「おーい!!持ってきたのだー!!」

 

ミリムは叫びながらこちらへ向かってくる。

 

「はいこれ!中々良いセンスした服を見つけたのでな!!それを贈呈するぞ♪」

 

「なにこれ…。」

 

ミリムが渡してきたのはザ・スーツだった。なんで?とはいえ、何も着ないよりかは良い。とりあえずそれに身を包む。ちなみに全裸をミリムに見られてたわけだが…まあ、ミリム本人が気にしていないそうなのでスルーする方針でいった。

 

「おおー!!似合っているのだ!!それじゃあ行くぞ!」

 

「行くってどこに?」

 

「決まっておるだろう?お主は魔王種。つまりは魔王になる資格を与えられた者だからな!魔王になるか否かを確かめさせてもらうために魔王会談(ワルプルギス)行くぞ!!」

 

「何ソレ…。」

 

「とりあえずついてくれば良いのだ!」

 

というわけで、何故か俺はその魔王会談(ワルプルギス)とやらにわけの分からぬまま連れて行かれたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「というわけで!今から魔王会談(ワルプルギス)を始める!!」

 

ミリムが大声で叫ぶ。少々うるさい。ちなみに此処には俺を含めた11人の人外がいる。この世界では当たり前だろうが…俺は当たり前じゃない。

 

「で、そこにいる貴方は何という名前なのですか?」

 

魔王の1人、クレイマンが発言する。

なあ大賢者。俺って前世の名前名乗るの?なんか外国人っぽい感じの名前ばっかりなんだけど…

 

《解。どちらでも構いません。ですが魔物は基本名前を持ちません。ですので名乗らなくても結構です。》

 

なるほど……って俺魔物?

 

《解。魔物の中でも人魔族という種族の魔物です。》

 

俺も人外だった…。

 

「そろそろ名乗ったらどうだ?新生よ。」

 

魔王の1人、ギィ・クリムゾンは荒々しい声を放ちながら話しかけてくる。

 

「……恐れ入りますが、俺に名前などありません…。」

 

もちろんウソだ。名前ならある。

 

「ふぅ~ん…。変わった子ね…。いきなり出現したと思ったら魔王種の人魔族でしかも名前がないなんて。」

 

魔王の1人、フレイが俺を珍しそうに見る。

 

「そんなことはどうでもいいだろう。それよりこいつが魔王になる器があるのかってとこだ。実際、どれほど強いのか確かめないとな。」

 

魔王の1人、カリオンが発言する。

 

「なら私がやるのだー!!良いおもちゃがあるのに遊ばないのはもったいないのだー!!」

 

「お主のう…、ミリムが戦ったら絶対ミリムが勝つに決まっておろうが。」

 

魔王の1人、ルミナス・バレンタインが呆れた様子で発言する。

そんなにも強いのか…ミリムは。

 

《解。全スキルの解析、獲得が終わればミリムと対等には戦えると思われます。》

 

「………はっ!?」

 

思わず声が出てしまい、それに皆が注目する。

 

「い、いや…何でもありません…。」

 

「とりあえず、カリオンくらいならどうだ?ミリムは規格外過ぎてダメだしな。」

 

ラミリスが提案する。だが…

 

「嫌なのだー!!絶対に戦うのだー!!」

 

ミリムは反発して言うことを聞かない。

 

「………分かりました。ミリムと戦います。しかし……誰か名付けをしてもらえませんか?それと二週間待ってくれると有り難い。」

 

「おおー!!名付けか!!魔王たる者、名前がないとな!!」

 

ということは名前をもらえるということで決定なのだが…。

 

「う~ん……そうだ!レッドってのはどうだ!?」

 

「ギィの赤とかぶっているではないか。」

 

「う~ん…。目が紅色だし俺とかぶってていいと思ったんだけどな…。」

 

今更だが俺って目が紅色なのか…。髪の毛はどうなんだろ。

 

《解。黒です。》

 

黒か…。なら良かった。

 

「でも紅色っていうのは足したいんだよな…。」

 

「じゃあスカーレットってどうです?スカーレットって真紅の意味もありますし。」

 

俺が発言する。

 

「おお!良いな!」

 

「よし!じゃあ今からお前の名前はスカーレットなのだ!!」

 

ミリムにその名を言われた瞬間、とてつもない力が俺の力に入ってくる。

 

《解。個体名:スカーレットの身体に今までの約5倍の力が流れ込みました。》

 

ほげぇ…。凄いな…。

 

「じゃ、改めてよろしくな!スカーレット!」

 

俺は魔王ミリムによって名付けをされた。そして二週間後、俺は魔王ミリムと対決することになる。




ちょこちょこ更新していきます。

追記:アルティメットスキルの表示を究極能力(アルティメットスキル)に変更しました。


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VS魔王ミリム

とある方から様々なアドバイスを頂きました。ありがとうございます。

追記:アルティメットスキルの表示を究極能力(アルティメットスキル)に変更しました。


そして二週間後。とてつもなく面倒くさいことを今から行うのだ。そう、最古の魔王の一人、“魔王”ミリムと戦う事になっている。正直勝てるかどうかも分からない。

ちなみにその二週間は魔王ミリムが統治している『失われた竜の都』という国に住んでいた。

そして二週間は経っているので大賢者による究極能力(アルティメットスキル)東方之皇(イリュージョンエンペラー)』の解析も終わっている。とはいえ解析するだけなので取得はしていない。なので一気に取得しようとしたら…『あまりの魔素量に身体が耐えられず爆散する可能性大。それでも実行しますか?Yes/No』とか言われた。なので実質、取得して使うのは今日が初めてなのだ。

 

「わーっはっはっは!!この時を楽しみにしていたぞ!」

 

ミリムは高々と声を上げる。

 

「そこまで楽しみなんですね。」

 

クレイマンがニコニコしながらミリムに話しかける。

正直、コイツはあまり好きじゃない。直感だがその笑顔には裏があると思う。というか大体紳士ぶってる奴は裏があるって決まってるんだよ!

 

「それより早く始めよーよ。ふわぁ……。眠くて仕方がない。」

 

明らかに魔王ではないような発言をするのは眠りの森の王とも呼ばれる“魔王”ディーノだ。こんな奴だが実力は確かである。

 

「そうだな…。俺も色々と用事がある。出来るだけ早く終わらせろ。」

 

俺に強く言い放つのは“魔王”レオン・クロムウェル。彼もまた美顔を持つ魔王の一人である。クレイマンといいレオンといいギィといい…なんでこう美顔をもつ魔王ばっかりなんだよ…。

 

「わ、わかりました…。」

 

ちょっと控えめに返事をする。魔王になれば強く言っても良いのだろうが今強めに言うと怖いからな…。

あっ、大賢者さん、勇義の『怪力乱神を持つ程度の能力』って取得できる?

 

《解。可能です。スキルを取得しますか?Yes/No》

 

もちろんYesだ!!

 

《告。ユニークスキル『怪力乱神(チカラアルモノ)』を獲得……成功しました。》

 

よしっ!じゃあとりあえずそれを発動させてくれ。

 

《了。》

 

大賢者が答えた瞬間、馬鹿みたいな力が沸いてきた。

 

「おおーっ!!これこそ魔王に相応しい覇気なのだ!」

 

どうやらミリムや他の魔王も覇気として俺の力が伝わったようだ。

 

「確かにこの前見たときよりも強くなっておるなぁ。」

 

「そうね。私は抜かれそうで心配ね。」

 

さて、そろそろ仕掛けにいくとしましょうか!!

 

「ハアアアアアア……!!」

 

俺は力を溜めながらいつも通りに走る。だが身体が強化されているためかとても速い。いつものスピードと違うため俺の反応速度がついていかない。

 

《解。エクストラスキル『魔力感知』を獲得、使用することで反応速度の改善が行えます。エクストラスキル『魔力感知』の獲得、使用を行いますか?Yes/No》

 

もちろんYesだ!

 

《告。エクストラスキル『魔力感知』を獲得……成功しました。続けて『魔力感知』を使用します。》

 

使用すると一気に視界がクリアになった。速すぎてブレブレだったのがピントがピッタリあったようだった。

見やすくなって本当に良かったよ。

 

「くらえ!!」ボオオオ!!

 

俺はミリムの顔を思いっ切り殴ろうとしたのだがひょいと避けられてしまう。そして力が強すぎるが為に高い風圧が生じてしまう。

こんなの不便すぎる。もう少しコントロールをしなければ。

 

「まだまだだな!私がお手本を見せてやろう!竜星拡散爆(ドラゴ・バスター)!」

 

「がはっ……」

 

ミリムは俺の後ろに回り込み竜星拡散爆(ドラゴ・バスター)なる技を俺の背中に向けて容赦なく放つ。とりあえず追撃を避けるために距離をとったのだが…おかしい。モロにくらった俺なのだが何故か痛みを伴わなかった。何故だ…?

 

《解。(マスター)は『痛覚無効』を獲得しています。》

 

えっ?そうなの?だとしたら俺無敵じゃん。ダメージ負わないし。

 

《否。》

 

えっ?どゆこと?わけがわからないよ。

 

《解。痛覚が作動しないだけでダメージは伴います。即ち無敵ではありません。》

 

そうか…。あっ、そういえば『老いることも死ぬこともない程度の能力』ってなかったっけ?それ取得したいんだけど…。

 

《了。ユニークスキル『不老不死(カワラヌモノ)』を獲得……成功しました。》

 

よしっ!これなら死ぬこともないからな。ミリムなんて怖くない。

だけどどうしよう…。俺にはミリムと格闘出来るほどの技術なんて持ち合わせていない。どうすれば…

 

「ん?どうしたのだ?具合が悪いのか?」

 

思案している俺にしびれを切らしたのか話し掛けてくるミリム。

 

「いや、何でもない。どうやったら倒せるかなーって。」

 

「なるほど!考えてたのか!ふっふっふっ…。考えると良い!どうせ私は倒されないのだからな!ふーっはっはっは!!」

 

高々と声を上げて笑うミリム。

ムカつく。だが確かにこのままでは勝てないだろう…。勝つために何かしらのスキルを取得したいのだが…一日に五つしかスキルを獲得できないらしい。大賢者によると特別な場合を除いて、一日に五つ以上のユニークスキルを獲得すれば先程も説明したが急激な魔素量の増加に身体が耐えられないのだそうだ。よって残り俺が獲得できるスキルは二つ。幸い、ミリムから考える時間を与えられたのだ。今考えよう…。それにしてもあの技に対抗できるのはなんだ?教えてくれ。大賢者。

 

《解。ユニークスキル『暴食者(グラトニー)』を獲得、使用すれば竜星拡散爆(ドラゴ・バスター)を捕食、解析を行い、使用することが出来ます。》

 

はっ?えっ?グラトニー?何ソレ…?どっからきたの?

 

《解。宮古芳香の能力『何でも食べる程度の能力』からだと思われます。》

 

な、なるほど…。とりあえずその暴食者(グラトニー)を取得する。竜星拡散爆(ドラゴ・バスター)がきたら大賢者がタイミングをみて使用してくれ。

 

《了。ユニークスキル『暴食者(グラトニー)』を獲得……成功しました。》

 

オッケー。ありがと。それじゃあ……戦闘開始だ!

再び力を上げ、ミリムに立ち向かう。

 

「おっ?やる気になったのか?ふっふーん!次はどのような攻撃をしてくるのだろうなー?」

 

「今の俺はさっきの俺とはちょっと違うからな!」

 

そう言いつつ俺は先程と同じ様な行動をとる。

 

「それはさっきみたのだ!竜星拡散爆(ドラゴ・バスター)!!」

 

のってくれた!ミリムが竜星拡散爆(ドラゴ・バスター)を使用したと同時に大賢者が暴食者(グラトニー)を発動させる。

 

「えっ…!!あの竜星拡散爆(ドラゴ・バスター)が消失した!?」

 

ラミリス…。そんなに驚かなくてもいい気がするんだけど……ってそんなことはどうでもいいな。大賢者、解析は成功したか?

 

《解。成功しました。これにより竜星拡散爆(ドラゴ・バスター)の使用が可能になりました。》

 

よしっ!今まで攻撃手段が肉弾戦しかなかったが何かしらの核兵器みたいなやつが使えるのは嬉しい!……ん?核兵器?そういえば………お空って核融合が出来たような…。それって取得出来るか?

 

《出来ます。》

 

ならば俺が戦ってるから獲得、制御を行ってくれ。

だって核なんてまともに放ったら危ないからな。

 

《了。ユニークスキル『原子核操作(カクヲアヤツルモノ)』を獲得……成功しました。》

 

出来たな!ならば攻撃を……

 

「どこを見ておるのだ!」ドゴォ!

 

「がはっ……」

 

思いっ切り腹を蹴られた。痛くはない。大丈夫だ!今核を放てば大ダメージ間違いなしだ!

 

「引っかかったな!『灼熱太陽核放射(サンクリアインフェルノ)』!!」

 

「───ッ!!!?」

 

辺りは激しい光と音に包まれる。一応、ミリムと戦う前にバリア的なものを張っていたので周囲に影響はないと思うがそれでも高威力であることは端から見てもわかる。

感覚からしてこれを連続で放つのは無理だ。核融合にはとてつもない力が要る。元いた世界にある核融合を使用した水素爆弾でも起爆するのに原子爆弾ほどの力が要る。これを一人でやってのけるのだ。一日に一回、とても弱くした状態で二回出来るかどうかだ。制御は(大賢者によって)行ったが一日に一回の出力だった。これがミリムに効かなければ俺は完敗だ。もうスキルが獲得できない。ユニークスキル『怪力乱神(チカラアルモノ)』もおそらく扱えきれないし扱えたところで勝てないだろう。合理的に見てな。他はミリムから取得した竜星拡散爆(ドラゴ・バスター)くらいだ。勝ち目はない。

………そろそろ音は止み、光もそこまで激しくなくなっていった。そしてそこに映ったのは───…




戦闘シーンは苦手なんです…。下手なのは許して下さい。


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魔王“スカーレット”

スリープモードってスライム以外でもなるんでしょうか…?なると信じますが…そこはどうなんだろ…。

2019/07/0915:38
1部修正を施しました。


「い、今のはさすがに危なかった…。魔力弾を放たなかったら負けていたかもな!」

 

「あはは…。まだ気絶しねえのかよ…。」

 

俺の現時点での最高の技…いや、ミリムの竜星拡散爆(ドラゴ・バスター)を含まなければ現時点での最高技、灼熱太陽核放射(サンクリアインフェルノ)を放ったんだぞ…。威力は抑えてあるがそれでも核融合だ…。本気を出せば太陽に匹敵する力…。それを受けても気絶すらしないのかよ…。まあ、相手はボロボロにはなってるから良いけどさ…。

 

「ん~…でも今の技はちょっと焦ったな!魔力弾を撃たなかったら気絶は確定だったのだ!」

 

「そうかよ…。生憎俺はもうアレを撃てないからな…。俺の負けだよ畜生…。」

 

《告。体内の魔素残量が一定値を割り込んだため、低位活動状態(スリープモード)へと移行します。》

 

なんだよそれ…。わけ分からねえよ…。

 

《解。低位活動状態(スリープモード)とは、体内にある魔素を一定値を割り込む状態で消費することで陥る状態のことです。この状態になると約95%のスキルは使用不可能です。なお、ユニークスキル大賢者(エイチアルモノ)は一部分だけ使用可能です。また、完全回復は一週間後と予想されます。》

 

つまり魔素を使い過ぎて動けないのね…。うん。仕方ないよ…。

そんなことを思いながら俺は力尽きてゆく。目を閉じ、ドサッ…と地面に倒れる。動くことは出来るがもう何もしたくないくらいの気怠さが俺が動くことを許してくれない。

 

「ど、どうしたのだ!?」

 

俺を心配するミリムの声が聞こえる…。五感は作動しているようだ。これから察するに人間的な能力は使えるがスキルや魔法などといった魔素がないと出来ないものは使用不可能ということか。それに加えて先程の灼熱太陽核放射(サンクリアインフェルノ)の物凄い衝撃が伝わってくる。『痛覚無効』により、痛みはないが気怠さなどがダメージとして受けているのだろう。それほど原子核を融合させるのは大変なのだ。お空もしていたように何かしらの装備でもあれば軽減できるのだろうが…いつか試すか。

 

「アイツの身に何かが起こったようだが…どうしたんだ…?」

 

「さぁ…?妾も知らぬ。」

 

「……………大丈夫だ…。問題ない…。だけど立てないんだ…。誰か支えてくれないか?」

 

みっともない…。顔から火が出る勢いだ。

 

「むぅ~…。仕方ないのだ。ん~~ッ!!!」

 

「ありがと…。でも引きずられてるよ俺…。」

 

ミリムにおんぶされたのだが…アレだ。身長差だ。少なくとも170㎝はある俺だがミリムはそれよりも小さいと確実に言える。なので引きずられる。痛くはないけどダメージが~…。

 

「手間のかかるやつだな。これから“()()”になるってなのにな。」

 

ギィはミリムから俺を奪い、俺を荒々しく引っ張る。

………今何と!?“魔王”って言ったよな!?“魔王”って!?

 

「もう俺はお前が魔王になってもいいと思うんだけど。少なくともダグリュールはいいよね?」

 

「そうだな。カリオンやフレイなどでもここまでミリムを傷付けられまい。ワシとしても魔王になるに相応しいと思う。」

 

魔王ダグリュール。巨人である。だがとても冷静だそうだ。……まあ、怒れば手がつけられないそうだが。

 

「おいミリム!こいつどこにやれば良い?」

 

「ん?ああ、ちょっと廊下を歩いてすぐのところに空き部屋があるのだ!そこに寝かして置いたら良いのだ!」

 

「分かった。」

 

ああ、言い忘れてたけど、魔王会談(ワルプルギス)が行われているのは失われた竜の都のミリムがいる居城である。何故かというと魔王会談(ワルプルギス)の提案者がミリムだからだそうだ。これは意外と珍しい……というわけでもない。ここ最近はクレイマンが魔王会談(ワルプルギス)の提案を良く行っていたそうだが、クレイマンが魔王になる前はミリムが良く提案していたそうだ。もっとも、俺は知らないが。

 

「さて、ついたついた。で、お前はいつになったら動けんだ?俺も戦いたくて仕方がないからな。」

 

………はい?どゆこと…?ギィさんも戦いたいの…?負けるよ?絶対負けるじゃん俺…。

 

「長くて一日くらいかな…。まあ、魔素が完全回復するのは一週間後だけど。」

 

「何だよ…。ったく…。まあいいや。お前が動けるようになったらさっきのとこに来い。俺たちでちょっと決め事してるからよ。」

 

そういってギィは出て行った…。

はぁ…。次はギィと対決か…。ここに来て二週間の間にミリムに色々聞いたのだが、1番最古の魔王はギィらしい。2番目がミリム、3番目がラミリスだとさ…。そんなギィに勝てるわけないじゃん…。しかも魔素不足で新しいスキルゲットできないし…。あっ、でも待てよ……?スキル一気にゲットできないのは俺に大量の魔素が流れ込むからだよな?じゃあこれを応用して魔素を回復させれば良いんじゃね!?それって出来る!?

 

《否。》

 

えっ?どゆこと?

 

《解。スキルは魔素の上限と魔素量を増やします。1:1の割合で増やすので変わりません。》

 

じゃあそれだったら無限にスキルを獲得できるじゃん…。

 

《否。》

 

えーっと……ダメだ。話が難しくなってきた。全く分からない。もっと分かりやすく!

 

《解。風船を思い浮かべて下さい。そこに空気を入れます。すると風船は膨らみます。》

 

確かに…。空気が入ってきたんだからな。風船は膨らむに決まっている。

 

《そしてそのまま入れると風船は膨らまなくなり、やがて爆発してしまいます。》

 

そりゃそうだ。で?それがどうしたのか?

 

《風船を魔素の上限、空気を魔素と思って下さい。風船(魔素の上限)の中に空気(魔素)が入れば風船(魔素の上限)が大きくなります。しかし、一定のところで風船(魔素の上限)の肥大化は止まります。ですが空気(魔素)が入ってくるので風船(魔素の上限)が限界を迎え爆発(身体の爆散)をしてしまうのです。そしてスキル5個までは1:1の割合で膨らみますがスキル6個だと風船(魔素の上限)を越し、その結果爆発してしまいます。》

 

なるほど…。分からん。まあでもとりあえず今は何も出来ないことが分かった。

ふわぁ……。なんか考えてたら眠くなってきた…。疲れを癒やすのには寝るのが1番だな…。それじゃあ俺は寝るよ。おやすみ…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして一日が過ぎた。どうやら俺は寝過ぎたみたいである。さすがに終わっているだろ…。と思いながら先程の会場へと赴く。

 

「失礼しまーす…。………って何で皆いるの!?」

 

実は終わっていなかったのだ。

 

「言っただろ?俺ら魔王の名称を考えてんだよ。お前も俺らに認められたからな。晴れて魔王となるわけだ。だけど魔王の数が変わるからな…。今までは“十大魔王”だったが、お前が入って11人になった。それでどうしようかと。」

 

「ついでにお前の二つ名も考えてやったぞ!その名も新星(ニュービー)だ!」

 

………ダセェ…。二つ名はさすがにダサい…。つーかもうちょっと良いの考えろよ…。俺でさえもう色々と案が出ているんだからさ…。

 

「なあ、ちょっと二つ名とか名称とか色々と良いやつが浮かんだんで発表しても良いか?」

 

「もうそれでも良くね!?」

 

「出来るだけ早くしてほしい。俺はやらなければならないことが幾千とあるからな。」

 

「そう焦るなって…。まず二つ名だが…『紅の皇帝(エンペラー・オブ・スカーレット)』なんてどうだ?」

 

センスはないがそれでも新星(ニュービー)よりかはいいと思う。というかこれは俺は結構気に入ってるんだよな…。

 

「良いんじゃない?私は良いわよ。」

 

「ありがとフレイ。それで名称だが……

『十一天魔王』なんてのはどうだ?」

 

元ネタは分かる人には分かるであろう、某和太鼓系音ゲーの中の収録曲であり、信長の名称でもあった『第六天魔王』をパク──インスパイアしたものだ。我ながらいいと思う。

 

「なるほど!これはアタシの勘が言っているわ!威厳が保たれる良い名称だと!」

 

「ふむ…。確かにな。特に『天魔王』なんて言う響きには少しそそられるな…。」

 

ラミリス、ダグリュールは賛成派だそうだ。少なくとも仲間がいて嬉しい…。

 

「それじゃあ、俺らは今から『十一天魔王』としてこの世の魔王に君臨する!意義はないか!?」

 

最古の魔王であるギィが取り締まる。

 

「ないな!それじゃあ解散!」

 

そして今日、新たなる魔王が誕生した。

紅の皇帝(エンペラー・オブ・スカーレット)”の二つ名を持つ魔王スカーレットという人類史上最強の魔王が……。




スキル説明をします。とはいっても現在出現、獲得しているスキルをざっと説明するだけですが。
何か気になるものがあればコメント欄でどうぞ。(ネタバレを避けたい人は質問を避けることをお勧めします。)

究極能力(アルティメットスキル)東方之皇(イリュージョンエンペラー)
『東方project』に登場する全ての能力、力、種族を司る。また、能力をスキルとして使用可能である。

・ユニークスキル“大賢者(エイチアルモノ)
原作の大賢者と同じですはい。
ナズーリンの《探し物を探し当てる程度の能力》から獲得。

・ユニークスキル“怪力乱神(チカラアルモノ)
超怪力になれる。
威力は手加減しなければギィ以上だと推定される。
また、殴るだけで高い風圧を繰り出したり地面を踏むだけでクレーターが出来たりするがこれは制御が出来ていない状態である。
勇義の《怪力乱神を持つ程度の能力》から獲得。

・ユニークスキル“不老不死(カワラヌモノ)
その名の通り不老不死……というわけではなく、精神体(スピリチュアルボディ)を依り代に復活が出来るということであるため、精神生命体(スピリチュアルボディ)が消滅しない限りは死なないというだけ。
だが、これを取得するということはある意味“竜種”に近づくということを指す。そして“竜種”は一種のユニークモンスターであるためこのスキルはユニークスキルとなる。
妹紅の《老いることも死ぬこともない程度の能力》から獲得。

・ユニークスキル“暴食者(グラトニー)
原作の暴食者(グラトニー)と同じですはい。
芳香の《何でも食べる程度の能力》から獲得。

・ユニークスキル“原子核操作(カクヲアヤツルモノ)
原子核と原子核を融合させたり分離させたり出来る。また、それにより擬似的な太陽を作ることも可能。ただし、太陽には劣る。
お空の《核融合を操る程度の能力》から獲得。

・エクストラスキル“魔力感知”
原作の魔力感知と同じですはい。

・耐性“痛覚無効”
原作の痛覚無効と同じですはい。

以上です。これからも新スキルが出てくればざっと紹介します。


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ギィ・クリムゾン

色々と転スラについて調べてたんですけど、ギィ・クリムゾンのクリムゾンってあるじゃないですか。あれってクリムゾン(深紅)から来てたんですね…。
「ギィと被るからスカーレット!」だなんて言ってて本当に恥ずかしい限りでございます。名前はこのままいきますけどね。
ちなみにスカーレットは「罪が深い紅色」……つまりは深紅(または真紅)ですね。思いっきり被ってました。恥ずかしい…。


これは魔王会談(ワルプルギス)が終わった直後だった。

 

「おい、スカーレット!ついてこい!俺の城に案内してやっからよ。」

 

はい何故かギィからお誘い受けましたー!もちろん俺の回答は…

 

「無理だ。まず俺空飛べないからな。」

 

当然、面倒だし、あまり戦いは好きではないからという理由もある。魔王になったのもミリムが無理矢理向かわせて……って感じだったしな。

というかそれ以前にあの戦いから魔力が回復していない。当然、魔力がなければ魔法はおろか、空を飛ぶことも出来ない。そんな状態でどうやってこいと言うんだよ…。

………と、その時までは考えていたさ。あの大賢者が何か言わなければな。

 

《ユニークスキル『浮遊者(トブモノ)』を獲得できます。獲得しますか?Yes/No》

 

…………何それ?せっかく行けない理由をそれにしようと思ってたのに…。

 

《解。ユニークスキル『浮遊者(トブモノ)』は一定の間、この世のあらゆるものから浮遊することで攻撃や魔法を一時的に避けることが出来ます。しかし、この世の理や自分より格上の攻撃は避けられません。

また、魔力がなくても浮遊する能力を持ちます。》

 

お、おう…。とりあえずYesかな…。だってそれゲット出来たらギィ戦でも余裕が生まれそうだからな。……そもそも余裕があるのかどうかすら分かんないけど。

 

《──確認しました。個体名:スカーレットはユニークスキル『浮遊者(トブモノ)』を獲得……成功しました。》

 

「ん…?今のは……世界の声か?しかも浮遊者(トブモノ)とは…。まあいい。これで空が飛べないとかいう言い訳は効かなくなったな!」

 

あっ…。

 

「チッ、見抜いてたのかよ…。」

 

「当たり前だろ?それよりその浮遊者(トブモノ)とかいうのを使って早く飛べ!時間が惜しい。今すぐにでも戦いたいんだからな。」

 

「だから魔素が回復してないのに無理だって。」

 

と、ツッコミを入れながら空を飛ぶ。結局飛べてるじゃねーかとかいうツッコミは無しな。

つーかギィは良くも悪くも傲慢だな…。ま、魔王らしいから良いのだけど。

それにしても大賢者め…。何故このタイミングでこんなスキルを…いや、獲得したのは俺だったっけ?いや、もう大賢者のせいにしとこう。そうだ、大賢者が悪いのだ!

 

《………》

 

おい!今呆れたろ!呆れんなこら!

などと思いながらギィが居城にしている白氷宮があるという北の大地へと向かっていったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───あれから一週間が過ぎた。

ギィの手下?仲間?……どっちでも良いが悪魔であるミザリーとレインやこの世に四体しか存在しない竜種の一体、ヴェルザードなど、様々な大物を手下に置いているギィには驚いた。それにヴェルザードにも驚いた。

ヴェルザードは竜種の一体。何もギィに従わなくても良いだろ…と思っていた。……そのせいかめっちゃ睨まれたけど。

いやだって思っただけだよ!?何!?心読めるの!?怖っ!?とか思ったよまったく…。

 

で、俺の方はというとスキルはいくつか取得した。全部説明するのはさすがに酷なので、スキル名だけ紹介しようと思う。

 

ユニークスキル『魔導師(マホウヲツカウモノ)

ユニークスキル『破壊者(コワスモノ)

ユニークスキル『操気者(キヲアヤツルモノ)

ユニークスキル『探索者(サガスモノ)

ユニークスキル『時間操者(トキヲアヤツルモノ)

ユニークスキル『変化者(バケサセルモノ)

ユニークスキル『操密者(ミツドヲアヤツルモノ)

 

この七つである。何故七つなのか。それは知らん。何となく使えそうなのを取得してたらこれになった。『探索者(サガスモノ)』だけは俺が落としたスプーンを探すためだけに取得したスキルだけどな。だけど意外と使えるんだなこれが。

まあそんなことは置いておいてと、今から最古参であり、魔王の中で最も最強である魔王“ギィ・クリムゾン”と戦う。正直、負けフラグが立っているのでもうヤケクソで挑むのだが。

 

「それじゃあ……始め!」

 

レインの合図と共に飛び出すギィ。俺は慌てて『怪力乱神(チカラアルモノ)』と『操気者(キヲアヤツルモノ)』を使用する。

操気者(キヲアヤツルモノ)』の能力は俺の周りにある魔素を自身の身体強化として使ったり、相手の魔素を奪ったり出来る。もちろん、格上の場合には多小しか奪えないが、格下だと場合によっては全て奪える。

……と、そんな無駄なこと考える時間はないな。

 

「ハァァァァァ!!」

 

向かってくるギィに対してあれやこれやと蹴ったり殴ったりを繰り返す俺。すぐに避けたり反撃したりしてくるギィ。両者、ちょこちょこダメージを入れるも致命傷となるダメージは入れられない。

 

「オラオラァ!どうしたぁ!?こんなもんかよ!?」

 

ギィが煽ってくる。

ギィは肉弾戦が得意だろう。すぐ分かる。それに魔法などでちょこちょこダメージを与えても無駄だろう。与えるなら前回の『灼熱太陽核放射(サンクリアインフェルノ)』ほどのやつを与えなければ致命傷にはならない。ならば、自身をもっと強化しよう。もちろん魔法で。

 

「ハァァァァァ!!」

 

とはいえ相変わらず俺はギィを殴り、ギィに殴り返されというのが続いている。少しでも手を止めればフルボッコにされるのがオチだ。どうすれば………いや、今こそこれが使えるじゃないか!

 

「ぐっ……」

 

「今だ!時間停止(タイムストップ)!」

 

「な───」

 

ギィが何か言いかけた途端、時が止まる。

これはユニークスキル『時間操者(トキヲアヤツルモノ)』の効果である。時間を止めてしまえばさすがにギィでも動けまい。

ちなみにこの効果がないのは時間に関するユニークスキル以上のスキルを持っているか強制解除系のスキルを持っている者、それから究極能力(アルティメットスキル)を持つ者のみだ。だがさすがにギィでもそんなスキルを持っているはずがないだろう。

それにしてもタイムストップって言うのはダセえな…。別のに変えよ。

そんなことを思いながらユニークスキル『魔導師(マホウヲツカウモノ)』で自身の身体能力を更に強化し、更にユニークスキル『変化者(バケサセルモノ)』により俺の種族を変化させる。

 

《告。ユニークスキル『変化者(バケサセルモノ)』により、種族が人魔族(デモノイド)から竜魔人(ドラゴノイド)へと変化しました。なお、この効果が切れるのは約一日後です。》

 

さて、魔王ミリムと同じ種族となり、時間を操れる今、アイツをボコボコに──

 

「へぇ…。こりゃすげえな。これみたらアイツもビックリするかもな。」

 

「………えっ!?」

 

おかしい。おかしいのだ。周りの景色は動かない。つまり、まだ時間停止(タイムストップ)は解除していない。なのにギィは動ける。まさか……究極能力(アルティメットスキル)持ちか!?

 

「さてと、面白いもん見られたし始めようぜ。」

 

「ちょ待てよ。」

 

俺は木〇拓哉のように反論する。

 

「お前ってさ、究極能力(アルティメットスキル)持ちか?でなければ俺のスキルの影響を受けるはずなんだが…。」

 

「ん?そうだが?」

 

はい終わったー。通りで強いと思ったんだよ…。ま、でも強化は出来た。魔法は大賢者(エイチアルモノ)によって詠唱破棄出来るからな。おそらく魔法で身体強化したことは気づかれていない。

とはいえ種族変化には気づいているだろうな。見た目は変わらないがそれでも俺から発せられる魔素の質は竜魔人(ドラゴノイド)そのものだからな。

……で、どうしましょうかね…。ギィは究極能力(アルティメットスキル)持ちで時間停止も無効。まあ、時間停止は一日に一回しか出来ないからもう意味ないけどな。

そして残された手札は魔法や格闘による勝利、それか自身の魔素切れによる敗北。このどちらかだ。見たところ実力は五分五分…。これから気を引き締めて戦っていかないとな。

 

「それじゃあ再開するぞ!スカーレット!」

 

「そうだな。」

 

そして、また先程のような激しい戦いが始まったのである。




戦闘描写下手すぎてごめんなさい。そしてスキル説明です。どうぞ。

・ユニークスキル“浮遊者(トブモノ)
一定の間、この世のあらゆるものから浮遊することで攻撃や魔法を一時的に避けることが出来る。しかし、この世の理や自分より格上の攻撃は避けられない。
また、魔力がなくても浮遊する能力を持つ。
博霊霊夢の《空を飛ぶ程度の能力》から獲得。

・ユニークスキル“魔導師(マホウヲツカウモノ)
ありとあらゆる魔法を使用可能。また大型の魔法や一人では使用できない魔法も使用可能となる。
だが、それに伴う魔素の消費、身体の疲労などが生じる。
霧雨魔理沙らの《魔法を使う程度の能力》から獲得。

・ユニークスキル“破壊者(コワスモノ)
ありとあらゆる物を分子レベルで破壊できる。ただし、世の中の理や格上の者、物理的なもの以外は破壊できない。
使用方法は物質の目(物質の中心である核)を自分の右手によせ、それを握りつぶすことで破壊可能。
フランの《ありとあらゆる物を破壊する程度の能力》から獲得。

・ユニークスキル“操気者(キヲアヤツルモノ)
自身を中心とする半径10m内の魔素を自由に操れる。ただし、格上の者や高濃度の魔素は操りきれない。
美鈴の《気を操る程度の能力》から獲得。

・ユニークスキル“探索者(サガスモノ)
自分の探したいものを探してくれる便利スキル。物質を探すだけでなく、推理や行き先なども探してくれる。
ナズーリンの《探し物を探し当てる程度の能力》から獲得。

・ユニークスキル“時間操者(トキヲアヤツルモノ)
時間を操れる。ただし、過去や未来には行けず、操れるのは時間停止(一日に一度だけしか使用できない)と物質の時間経過による状態変化のみ。
また、時間に関するユニークスキル以上のスキルを持っているか強制解除系のスキルを持っている者、それから究極能力(アルティメットスキル)を持つ者のみ効果がない。
咲夜の《時を操る程度の能力》から獲得。

・ユニークスキル“変化者(バケサセルモノ)
様々な人や物質を変化させられる。ただし、変化させることができるのは実際に見たものだけ。効果は24時間継続する。
また、種族だけに限るが、多種族に変化する場合は上手く変化させることが出来ずに人間とその種族のハーフの種族に変化してしまう。
マミゾウの《化けさせる程度の能力》から獲得。

・ユニークスキル“操密者(ミツドヲアヤツルモノ)
物質の密度を操ることが出来る。これはエクストラスキル“分子操作”にも似ているのだが、それプラス『自身の密度を変えられる』、『自身の密度を用いて自身を巨大化させたり分身させたり出来る』などの能力が加わっている。
萃香の《密と疎を操る程度の能力》から獲得。

以上です。何か気になることがあれば感想などにお書き下さい。
それでは。


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戦略

やっぱり戦闘描写は苦手です。でも転スラは書きたい。


「ぐっ………つ、強え…」

 

「どうしたどうした?まだまだ戦えるだろう?」

 

俺とギィが戦い初めてから三日が経った。早いものでもう三日だ。

ミリムとは早く決着がついたというのに今回は結着がつかなかった。その理由はいくつかある。

俺のユニークスキル『不老不死(カワラヌモノ)』によって俺が死亡してもまた復活するのでギィが戦うことをやめるということを許してくれない。死亡したところで精神体(スピリチュアルボディ)が破壊されない限りは完全には死なないからな。その能力を良いようにして遊んでいるのだろう。

 

そして、もう一つ。魔素量から言えばギィは俺の何倍もの力を持っているという。それだけなら早く決着がつきそうな感じもするが、俺のユニークスキル『破壊者(コワスモノ)』のお陰でギィを何度も何度も破壊している。……まあ、ギィは格上の為に完全破壊は出来ないのだがな。というか致命傷にすらならない。だけれどこうでないとダメージを与えられない。

ユニークスキル『変化者(バケサセルモノ)』の効果も切れた。つい二日前までは俺が優勢だったのに…。

 

「はぁ…。手応えがなくなったな…。スキルは上等だと思ったんだが……やはり魔王種。()()()()()にならないと俺には勝てないのか…。」

 

……ん?真なる魔王?……なんだそりゃ…。

 

《解。真なる魔王とは、人間の魂約10000を取り込み、生け贄にすることで覚醒する魔王のことです。現在、確認されているのはギィ、ミリム、ルミナス、ディーノの四人です。》

 

そうですか…。ん?人間の魂……?ってことは人を殺すのか…?いくらなんでもそれは避けたいな…。

ってそうじゃない!話が脱線してしまったがそうじゃなくて今はギィを倒す方法をだな…

 

「さてと、じゃ、決着でもつけるか。楽しかったぜ。魔王“スカーレット”よ。」

 

そう言い放ちながら大きな魔力弾を生成するギィ。

………三日間も戦ってきたんだ…。負けるわけにはいかない…。そのようなプライドが湧き上がってくる。とはいえ、俺には解決法が思いつかない。この魔力弾の解決法ならあるがこの先だ。この先の戦いで勝てる方法がないのだ。俺の代わりに戦ってくれる奴がいれば良いんだけどな…。

 

《解。ユニークスキル『大賢者』へ主導権を一任をすることで自動戦闘状態(オートバトルモード)へ移行することが可能です。ユニークスキル『大賢者』へ主導権の一任を行いますか?Yes/No》

 

……マジかよ…。もう何でもありだな…。でも、勝てる希望があるなら──

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………終わったな。精神体(スピリチュアルボディ)を破壊していないからまだ死んでないだろうが……」

 

ギィが安堵したその時だった。

 

「了。『大賢者』へ主導権の一任を確認。自動戦闘状態(オートバトルモード)へ移行します。」

 

「…………は?」

 

ギィは疑問を抱く。つい先程まで己のスキルを操れなかった若造だと思っていた者がブツブツと呟きながら自身の力を更に強化しているということに。

 

「ふ~ん…。お前が使ったのがどんなスキルかは知らねえが…また遊べそうだな。よし!戦いを始めるぞ!スカーレット!」

 

「了。」

 

そういった瞬間、大賢者はギィの右腕を吹っ飛ばす。

 

「ぐっ…。人が変わっちまったみてえだなッ!」

 

ギィも負けじと魔力弾を撃つが大賢者には効かない。いや、すべて()()()()()()()。一体どうやって…。

 

「解。ユニークスキル『探索者(サガスモノ)』により逃げ道を探索、回避しています。」

 

なるほど…。つーかこの状態でも応えてくれるのか…。便利だな。

 

「何をブツブツと言っているんだよッ!集中しやがれ!!」

 

攻撃が当たらなくてイライラしているギィは自暴自棄になり、殴る蹴るを繰り返している。

だがさすが大賢者といったところだろうか。悉く返り討ちにしている。返り討ち……とはいっても俺がしたような生温い攻撃ではなく、『原子核操作(カクヲアヤツルモノ)』を緻密に制御し、魔素の消費を最大限小さくしたものをギィに撃ち込んでいる。

一日に一回しか使えない……なんて言ったがどうやら大賢者に全て任せた時のスキル使用ならば何回かの使用は可能だったのだろう。

それにあの時はまだ魔素が少なかったからな。少なくともスキル獲得によって魔素量が増えたということもあるだろう。とはいえそこまでぶっ放して大丈夫なのか…?

 

「解。ユニークスキル『魔導師(マホウヲツカウモノ)』により、体内の魔素がミリム戦時よりも約二倍に上がっています。また、全て『原子核操作(カクヲアヤツルモノ)』で爆発させているのではなく、魔法を使い爆発を起こしているので核融合による魔素の消費は心配ありません。」

 

なら良かった…。それにしても大賢者、器用なことをするな…。

 

「ガハッ…。クッソ…。強えな…。さすがはミリムが魔王に推薦しただけあるぜ…。まあ、調印には俺も参加したんだけどよ…ここまでの逸材だとは思っていなかったよ…。こんなんじゃ、スキル使わないと失礼だな。」

 

マジかよ…。あれでも本気じゃなかったってのかよ…。

 

「ふぅ~。今度の聖魔大戦は俺が勝つかもな。さてと、せいぜいボコボコにされないように頑張るんだな。」

 

そう言いつつ、ギィは俺に水素爆弾であろうものを俺にぶっ放す。

ええと…大賢者さん!?何これ!?聞いてないんですけど!?

 

「解。究極能力(アルティメットスキル)傲慢之王(ルシファー)』の効果だと思われます。

その効果は一度みたスキルを完全再現することが可能のようです。」

 

うわーお…。まさかこんな強そうな究極能力(アルティメットスキル)を持っていたとは…。

てか完全再現って何だよ!せっかく苦労して獲得したのに…!(苦労してない)

 

「相手の究極能力(アルティメットスキル)の使用を確認。直ちに計画を変更します。」

 

「ブツブツ言ってねーでかかってこいよオラァ!」

 

再びギィは爆発を俺に向ける。

 

竜星拡散爆(ドラゴ・バスター)。」

 

大賢者はその爆発を避けることもなく竜星拡散爆(ドラゴ・バスター)を放つ。あの技は本来ミリムの技で拡散する魔力弾?のようなものを放つ。拡散するので撃ち合いには向かないのだが…これで撃ち合いをするのか?

 

「否。」

 

大賢者はどうやら撃ち合いをする気はないらしい。

そして爆発をまともに……と、思ったがどうやら暴食者(グラトニー)で部分部分の爆発を喰らい尽くしている。そして爆発を無効化した上であの竜星拡散爆(ドラゴ・バスター)を不意打ちで食らわす。

 

「チッ、無効化されちまっt───ガハァッ…!」

 

どうやら、反応出来なかったようだ。更に追い打ちと言わんばかりに魔力弾を放つ。

さすがだな…。大賢者だけは相手にまわしたくないな…。

 

竜星拡散爆(ドラゴ・バスター)。」

 

「くっ、またかよ…。」

 

再び喰らうギィ。だが、今度はあまり効いていないようだ。

 

「ゲホッ…ゲホッ…。ちょっと待て…。お前が強いのは分かった。だがこのままだとジリ貧だろ?お前も。スキルを使ったとはいえまだ本気じゃない。俺は強いやつと戦いたいんだ。だからもっと強くなれ。そしたら再び戦ってやるよ。それまでは引き分けだ。」

 

………変わってくれ。大賢者。

 

「了。」

 

「俺もそれで良い。……正直、まだ自分の力を扱いきれてなかったからさ…。だけど、次は絶対勝つ!」

 

………俺は今のままだとギィに負ける。今回だって大賢者に頼らなければ負けていた。だから次はもっと強くなって、大賢者に頼らず俺だけの力でアイツを倒す。

 

「それじゃ、俺は帰るよ。」

 

「…………お前どこに帰るんだよ。家ないだろ。」

 

「あ…。」

 

何だよ!かっこよく去らせても良いじゃないか!

まあでも家がないのは確かだし…

 

「ゴメン、またお邪魔するわ。」

 

こうして俺たちの戦いは“引き分け”という結果で終わってしまったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なるほど…。引き分けですか。」

 

「これは私たちの地位も危なくなりそうね。」

 

「せっかく苦労して魔王になったってのによぉ!」

 

ここで愚痴をこぼしているのは魔王になったばかりのスカーレットに不満をもつ魔王の三柱、クレイマン、カリオン、フレイである。

 

「彼は下手すれば覚醒魔王に匹敵する力を持つ。これは早急に()()()()()()()()()()()()()()()。」

 

「ええ、そうね。まだ彼は気づいてないかもしれないけど魔王はそれぞれを潰し合う。いくら覚醒魔王に匹敵するといってもまだ魔王種。私たち三人で潰せば…」

 

「いや、やっぱり殺すのは反対だ。アイツのスキルは不老不死もありそうだしな…。せめて配下としてこき使ってやろう。」

 

「何を勝手なことを。カリオン。」

 

クレイマン、フレイは彼を殺す事に賛成、カリオンは殺す事に反対なようだ。

 

「……まあ、良いでしょう。彼……魔王スカーレットを魔王の座から退位させると言う点では皆同じ…。どうです?ここはひとまず同盟を組みませんか?殺すか生かすかは別として…。」

 

「………何を企んでいるの?」

 

フレイは疑問を投げかける。

 

「何も…。ただ、私たち三人にとって邪魔な者を排除したいと思っているだけですよ。」

 

クレイマンは不気味な笑みを浮かべながらそう答える。

 

「確かにそうだ。てめえの企みがどうであれスカーレットを排除したい思うことに変わりはない。一旦、同盟を組もうじゃないか。」

 

「………そうね。それでは同盟を組むわ。」

 

「決定ですね。」

 

こうしてカリオン、フレイ、クレイマンの三柱による魔王スカーレットを魔王から退位させるための同盟が締結されたのだった。




タグに原作崩壊を追加しました。何故って?だって原作にこんな同盟とかあった?あったっけ?まあいいや。
とりあえず原作崩壊になる理由があるのでとりあえず付け加えました。


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とある少女

今日は3/11ですね。8年前の今日、東日本大震災が起きました。東日本大震災で亡くなられた方へご冥福をお祈りします…。


「助けて……お母さん…。」

 

周りには焼夷弾が降り注ぎ、爆発している。お陰で日本の首都、東京は一面火の海だ。

そんな中、少女は想う。助けが欲しい…と。

少女は想う。お母さんと一緒に生きたかった…と。

少女は憎む。この炎が全てを奪った…と。

そんな時、少女をとてつもない光と熱が包みこむ。

ああ…ここで死ぬんだ…。少女は4歳ながらに悟った。

そんな中、希望とも絶望とも言える一つの声が聞こえた。

 

『生きたいか? 生を望むならば、我が声に応えよ!』

 

生きたいか死にたいか…。そんな物分からない。4歳にそんなもの分かるはずがない。でも、想ってしまったのだ。()()()()…と。

その時だった。

 

《確認しました。召喚者の求めに応えます………成功しました。》

 

そして少女は想う。()()()()()()()()()()()()()…と。

 

《確認しました。エクストラスキル『炎熱操作』を獲得………成功しました。》

 

そして少女は召喚された。

その少女の名は…井沢 静江(シズエ・イザワ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ~…。暇だ…。もうギィとの戦いも飽きてきたな…。」

 

ここに来て一年が過ぎた。えっ?時間が経つのが早すぎ?気にするな!

それより俺も魔王の端くれだ。多小なり威厳が出来る……などと思っていたのだが、破壊活動や殺人はおろか、氷白宮から出ていないので認知度は低い。いや、俺が外に出ても知られていないだろう。なので未だに世間では『十大魔王』だと思われている。まあ、別に魔王になりたくてなったわけじゃないのでどうでもいいのだが…。

 

《──確認しました。ユニークスキル『怠惰者(ナマケルモノ)』を獲得……成功しました。》

 

あらら。なんかゲットしちゃったよ…。まあ、別に魔王らしいことしていないからゲットしちゃったのかもしれんが…まあ使えるもんは使わないとな。

というか何故俺がこんなにだらだらしているのか…。それは前世からの性格みたいなものであり、俺はだらだらするのが好きなのだ。面倒くさがりとも言うが。なので極力自分から動く……なんて事滅多にしない。それこそ、動くとなれば面白そうな事があるときか危険だと思ったときだ。

 

コンコン

 

「ん?誰だ?」

 

だらだらしながら寂しい独り言を考えていたとき、誰かが来た。

 

「俺だ。レオンだ。」

 

「どうぞー。開いてるから入ってきて。」

 

ガチャリとドアを開け、入ってくるレオン。

 

「はぁ…。お前は自堕落すぎる。ディーノに匹敵するほどだらだらしているだろお前。」

 

「別にだらだらしてても良いじゃん。ほら、俺って不老不死だし…時間はいっぱいあるからだらだらしてても損はしないんだよ。」

 

「ふん。別にお前のことなんかどうでもいい。それよりだ。お前の力をかしてほしいのだが…、どうだ?俺と共に来る気はないか?」

 

はいきましたー。N〇Kとか宗教とかと同じレベルの勧誘。……まあ、暇だし行くんだけどさ。それにしても何故俺なんだ?そこが疑問だな…。

 

「別にいいが…なんで俺なんだ…?別の奴でもいいだろ。」

 

「他の魔王に勘づかれるのか嫌なだけだ。それに、お前ならどうしようと文句は言わないだろ。」

 

「へいへい。そうですよー。文句はいいませんよー。で?どこに行けば良いの?」

 

「俺の城だ。魔王の指輪(デモン・リング)を使えば一瞬だろ。」

 

魔王の指輪(デモン・リング)とは、魔王になった者に配られる指輪で、魔王間での通話や転移が可能になるらしい。当然、俺も持っている。これで今回の件を軽く話した。とはいっても用事があると言うこととどこにいるかしか聞かれなかったわけだが。

 

「なあ、一つ言って良いか?これ使えば俺を強制的に呼び出せたんじゃねえの?」

 

「……………。」

 

あ、これ完全に忘れてたな。

 

「ま、まあいい。そんなことはどうでもいいだろう。さっさと行くぞ。」

 

「はいはい。」

 

そうして俺は魔王レオンが住む城へと転移(ワープ)したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

黄金郷エル・ドラド。そこは魔王レオンが支配している土地である。その土地の中にレオンの城があり、俺はそこの部屋へ転移(ワープ)した。

 

「で、こんなところで何するつもりだ?」

 

「とある人を召喚したくてな。それの確率操作をやってもらおうと思う。お前なら出来るだろ?出来ないなんて言わせんからな。」

 

「もし出来なかったらどうするんだよ。」

 

「魔力供給をして貰う。召喚には魔素を沢山消費するからな。」

 

なるほど…。用はこき使いたかったわけね。ま、暇だから良いけど。

それより大賢者さん。そんなスキルある?

 

《解。あります。そのスキルを獲得しますか?Yes/No》

 

もちろんYESだ。

 

《確認しました。個体名:スカーレットはエクストラスキル『幸運付与』を獲得………成功しました。続けて、エクストラスキル『厄操作』を獲得………成功しました。続けて、エクストラスキル『悪運付与』を獲得………成功しました。》

 

えーっと…これは世界の声でいいのかな?どっちでもいいんだけど。

それより大賢者、この3つって統合出来る?どれも運勢に関係するスキルだからさ。

 

《解。出来ます。ユニークスキル『変化者(バケサセルモノ)』により、統合、進化が可能です。統合、進化させますか?Yes/No》

 

YESで。

 

《告。『幸運付与』と『厄操作』と『悪運付与』を統合、進化させます。………成功しました。『幸運付与』、『厄操作』、『悪運付与』は統合により消失。新たにユニークスキル『確率者(アテルモノ)』を獲得しました。》

 

確率者(アテルモノ)』ねぇ…。どんな効果なの?

 

《解。『確率者(アテルモノ)』は低確率のものを約90%の確率まで引き上げることが出来ます。また、99%以下の確率のものであれば、それを1%にまで引き下げる事が可能となります。また、他者にその確率を付与することも可能です。》

 

ふぅ~ん…。100%には出来ないのな。あくまでユニークスキル。そこはダメってもんか。ま、90%もあれば召喚するのには大丈夫だろ。

 

「出来たか?」

 

「出来たっちゃあ出来たけど……100%成功するかって言われると無理だ。90%が限界だな。」

 

「ふん。仕方ない。90%もあれば彼女を召喚することは出来る。今度こそ…」

 

彼女………女か?だとしたら誰を……?

 

「それでは今から召喚の儀式を行うからな。」

 

レオンはそういうと何か魔法を使う。魔方陣の規模からして召喚魔法は魔素を沢山消費するらしい。

そして数分後、魔方陣が完成する。すると、魔方陣から眩い光が発せられた。

 

「眩しっ!」

 

「それぐらい我慢しろ!」

 

光が止むとそこには一人の少女が座っていた。

火傷の跡が無数にあり、ボロボロの見た目をしていた。黒髪黒目の日本人だと思う。直感的にそう感じた。

 

「………どうだ?」

 

「………クソッ!!まただ!!また失敗した!!」

 

レオンは苛立ち、そこにあった机を足で思いっきり蹴る。

 

「お願い……助けて……!」

 

その少女は助けを求める。だが、レオンは何も応えない。

 

「………待て、ゴミかと思ったが、コレは炎への適正がありそうだ。」

 

レオンはそういうと何かの術式を組み立てる。先程よりも規模は小さいが、それでも並大抵の者では扱えない代物だということがひしひしと伝わってくる。

そして、その術式が完成する。すると誰かが喚び出された。

 

「お前に肉体を授けよう。使いこなせ!炎の巨人(イフリート)!」

 

その男……いや、上位精霊、炎の巨人(イフリート)は少女へと憑依する。

 

《確認しました。個体名:シズエ・イザワはユニークスキル『変質者』を獲得………成功しました。》

 

どうやらイフリートに憑依された関係からユニークスキルを手に入れたそうだ。

 

「へえ…。字面的に……ねぇ…。」

 

ひょっとしてこの子は……いやいや、そんなはずはないか。

それよりだ。精霊を憑依させるというその行為は少女を人間として見ていないという決定的証拠だ。レオンにとっては捨て駒でしかない。だから俺はとある発言をする。

 

「なあレオン。この子は俺が預かっても良いか?」

 

「ふん。どうせ失敗作だ。好きにしろ。」

 

「サンキュ。」

 

そして俺はその少女へ歩み寄る。

 

「ねえ君。君って何て言うの?」

 

「………………」

 

怯えて声が出ないのだろう。俺はそんな少女の頭を優しく撫でる。

 

「大丈夫だ。俺はスカーレット。ただの人間さ。君は?」

 

「…………井沢 静江……。」

 

「そうか。よろしく、シズ♪」

 

「………。」コクリ

 

その少女……いや、静江は小さく頷き、俺と一緒にここを出て行ったのだった。




・ユニークスキル“怠惰者(ナマケルモノ)
原作と同じです。

・エクストラスキル“幸運付与”
自分を含めた全ての生物に幸運を与える事が出来る。ただし、多小の幸運しか与えられないためあまり意味がない。
てゐの《人間を幸運にする程度の能力》から獲得。

・エクストラスキル“厄操作”
他者の厄を取り除いてその厄を溜めたり、溜めた厄を使って他者に厄を与えたり出来る。尚、自分には使用不可。
雛の《厄をため込む程度の能力》から獲得。

・エクストラスキル“悪運付与”
エクストラスキル“幸運付与”と逆の事が出来る。
雛の《厄をため込む程度の能力》から獲得。

・ユニークスキル“確率者(アテルモノ)
エクストラスキル“幸運付与”とエクストラスキル“厄操作”とエクストラスキル“悪運付与”が統合したことにより生まれたスキル。
様々な確率を操作することが出来る。尚、必ずしも100%にすることは不可能で、魔素量により成功率を最大99%まで、最低1%まで変えることが出来る。
確率は他者へ付与することが出来るが、その場合は自身に付与するよりももっと多くの魔素が必要。
尚、スカーレットは魔素不足により90%までが最大。(現在)

何か気になることがあれば感想で。


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魔王の旅

3/12に本来なら『幻想郷でほのぼの暮らしていくお話』という別シリーズに投稿するものを間違えて投稿してしまいました。
僕の確認不足のために、間違えて投稿されていたものが一時間近く公開された事、読者の皆さまを少なからずぬか喜びさせてしまったことをこの場借りて、深くお詫び致します。大変申し訳ございませんでした。
活動報告の方でも再びお詫び申し上げます。


「さて、と。何しようか?」

 

俺はシズに問いかける。

何をしよう……なんて言ってみたがよくよく考えるとここにきたばかりなのに何がしたいとか考えられるハズがない……と思った。

 

「とりあえずそのぼろぼろのお洋服を変えようか。」

 

「………」コクッ

 

………やはり警戒心が強いようだ。どうにかして仲良くなりたいもんだな…。ま、一緒にいればいずれは仲良くなれるだろ。

それより、今は服買わなきゃな。

 

「ちょっと掴まってろよ。危ないからな。」ビュン!

 

俺はシズを抱きしめ、空を飛ぶ。何で…って、ここら辺には街がないからな。洋服どころか食糧も調達できない。幸い、俺は魔王として認識されていないようだし、楽に入ることが出来るだろう。もっとも、バレなければの話だが。

 

「わぁ……」

 

「どうだ?綺麗だろ?」

 

しばらく空を飛んでいるとシズが感動しているような声が聞こえたのですかさず言葉返す。

コミュニケーションを取る上で、言葉のキャッチボールっていうのは大切だからな。

 

「うん…!私がいたところとは違う………。」

 

……何か悲しいことがあったのか?……まあ、召喚されたから悲しいに決まっているだろうが…、あえて聞かないでおこう。

 

「お、見えてきたな。じゃ、あそこに到着するから掴まっててくれ。」

 

そして俺はシズにダメージを与えないように地面に降りたつ。

 

「よし、もう大丈夫だ。」

 

俺は街から少し離れたところに着陸した。

何故って?俺の魔素に反応して騎士団とかが出てきたらしい怖いからな。一応魔素を抑えてから入ることにした。

 

「すみませんが……身分証明書をお持ちでしょうか?」

 

街の入口であろうところへ入ると兵隊らしき奴に身分証明書は持ってないかと聞かれた。

 

「………持ってないです…。」

 

いや、厳密には持っているのだ。魔王としてならな。だが魔王としての身分証明書なんて見せたら街なんか入れない。

 

「そうですか。では、身分証明書を発行しましょうか?貴方方は旅人のようですので、危なくない者と判断できれば冒険者互助組合(ギルド)で冒険者に登録可能ですが…」

 

「ん?何故危なくない者と判断する必要がある?」

 

ちょっと気になったので聞いてみた。この世界に“人権”というものがあるのか、それと別に冒険者になるだけなら要らないだろ…と思ったからである。

 

「え~っと、いつもは身分証明書を発行するときにそんな判断はしないのですが、先程強力な魔素を感知したので。」

 

あ、それ俺じゃん。絶対俺じゃん。

 

「あなたからはあまり魔素を感じられないのですが……そこのお嬢さんからは少し…」

 

イフリートを宿しているからだろう。魔素は普通より多いに決まっている。

 

「分かった。で、判断ってどんなものするの?」

 

「ええ。こちらの魔素測定機がありますので、そちらにお手を触れていただければ。なお、魔素を隠していても感知出来ますのでちゃんとした測定が可能です。

段階は10段階で、5以下の者ならば大丈夫です。10は魔王級、0はほぼ害のないスライムと同じくらいですかね。」

 

ふむ。じゃあ俺は10くらいになるのか。………って、隠してても無駄なのか!?じゃあ入れないじゃん!!

 

「それではこちらへ。」

 

俺は測定機に手を触れる。

 

「………5ですか。大丈夫です。そちらのお嬢さんは………2ですか。まあ大丈夫でしょう。」

 

ふっふっふっ…。どうやら欺くことが出来たみたいだな…。ん?どうやって欺いたのかって?ちょっと視点を変えたのだよ。自分の魔素量を変えられないなら測定機の値を変えればいい。俺のユニークスキル『変化者(バケサセルモノ)』は物体にも適用する。そしてこのスキルで測定機の値を変えられれば大丈夫なのだよ。

もちろんシズのも変えた。シズは8くらいだったからな。4歳児がそんな魔素を持っていたら明らかにおかしい。なので2にさせてもらった。

 

「じゃ、早く冒険者互助組合(ギルド)とやらに連れて行ってくれ。」

 

「分かりました。こちらです。」

 

そして俺たちはこの街にある冒険者互助組合(ギルド)へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「着きました。ここです。あちらに受付があるのでそこで申請して下さい。試験も何もないので大丈夫ですよ。」

 

そういうと案内してくれた人は門まで戻っていく。

パパッと申請を終わらせ、無事冒険者となることが出来た。………魔王が冒険者になって良いのか…?ま、いっか。

 

グゥゥゥゥ……

 

腹の虫がなった。誰だろう…。

 

「…………///」クイッ

 

その正体はシズだった。恥ずかしそうに袖を引っ張り、食べ物を食べたいと催促してくる。

でもな…。実は俺、お金持ってないんだよ。どうやってお金を手に入れたらいいと思う?大賢者さん。

 

《解。ユニークスキル『財宝者(オカネモチ)』を獲得、使用すればお金が増えると思います。》

 

……何そのスキル。どういう効果があるの…?

 

《解。ユニークスキル『財宝者(オカネモチ)』は何かを売るとその買い取り価格の約2倍の値のお金を入手することが可能です。また、報酬も2倍になります。

また、お金を持っていれば持っているほど体内の魔素量が上昇します。その比率は金貨1枚につき1%です。》

 

うっわー…。強化比率すっくね。

……って、そんな事より何か売らないといけないのか…。何か売るといっても俺が着てる服くらいかだし…。ま、ミリムと会ったときに何故かスーツ一式をくれたからな。上のスーツを売っても大丈夫だろ。

 

「ちょっとだけ待ってくれ。とびっきり美味しいもん食わせてやるからな!」

 

「うん!」

 

……ってな訳で、質屋に来たわけなんだけど……何故かビックリされてる。何故かというと…

 

「凄い!!これの等級が希少級(レア)だなんて!!」

 

そう。俺が今まで着ていたスーツ。あれは色々な効果が施されているようで、とても珍しい物だそうだ。

………今までの戦いでよくぼろぼろにならなかったなーとは思っていたけど…まさかそんなに凄い物だったとは…。ミリム、さすがだぜ!

 

「これは軽く金貨5枚……いや、10枚はくだらないな…。分かりました!こちら、金貨10枚でどうでしょう!」

 

金貨10枚…。先程は5枚といっていたことから本来なら5枚の値段で売るのだろうが、スキルにより10枚か。ウマウマだな。

 

「分かった。じゃあそれで。」

 

「ありがとうございましたー!」

 

はい。というわけで金貨10枚、日本円にして100万円くらいだそう。(大賢者調べ)

ちなみに金貨1枚で10万円、銀貨1枚で千円、銅貨は1枚百円らしい。

 

「さて、じゃあ飯食いに行くか!何食べたい?」

 

「何でもいい。とりあえずお腹いっぱい食べたいな…。」

 

「そっか。じゃあとりあえずそこら辺のお店に入ろうか。」

 

そして俺たちは近くにあった飲食店へ入る。席はいくらか空いていたのですぐに席に座れた。

 

「じゃ、何にすr─」

 

「うわ~!!」ジュルリ…

 

メニュー表を見るやいなやヨダレを垂らしながら目をキラキラさせるシズ。

元いた世界ではあまり物を食べられなかったのだろう。

 

「よし、何でも頼め。お金はあるからな。気にしなくても良いぞ。」

 

「え~っと…じゃあこれと…これと……」

 

なんか…いっぱい頼んでないか…?まあ、見た目からしてあまり食べてなさそうな子だったからまあ別に良いんだけど…。

 

「「頂きます。」」

 

俺らは飯を食った。……なんか久しぶりだな…。今までギィのとこの飯以外は食ったことなかったからな…。たまにはこういうのも良いよな。

 

「美味しい…。」

 

「そうか。」

 

満面の笑みを浮かべながら食べる彼女は本当に幸せそうだった。たった四年という短い人生の中でこれほど、絶望と幸せの落差が激しい子はいないだろうな。

 

「「ご馳走様でした。」」

 

「じゃあ次は服だな。服を買いに行こう。」

 

シズの服は今のままだとぼろぼろで耐久性が皆無だからな。せめて服くらいは買えてやりたい。

というわけで服屋……いや、正確に言うと武具屋謙服屋らしい。まあ、冒険者っぽく見えるように武器とか買っておこうかな。シズにはまだ早いだろうから服だけしか買わないんだけどな。

 

「いらっしゃいませー。」

 

「シズはどんなのが欲しい?」

 

「……これ。」

 

シズが選んだのはいかにも勇者っぽいような服装だった。

 

「これか。よし。じゃあ買ってあげよう。他に気になったのは…?」

 

ブンブンと首を振るシズ。

 

「そうか。じゃあ俺もちょっと服とか買いたいからちょっと付き合ってくれないか?」

 

「うん。」

 

そして軽くイメチェンする。とはいっても、俺にはセンスの欠片もないのであまりかっこよくはない。

そして服だけでなく刀も買う。ここは街で一番大きい武具屋らしく、特上級(スペシャル)の剣が1本だけあった。値段は金貨7枚。余裕で買えた。……残りのお金が金貨2枚と銀貨30枚だけなのだが、そんなことは気にしない。

とまあ、こんな感じで買い物を終え、宿屋に泊まった俺たちは宿屋のベッドでぐっすりと眠ってしまったのだった。




まだユウキがランク制度を取り入れてないので試験なしということにさせて頂いています。

それとシズが選んだ服はシズの冒険者時代の服(つまりはシズのいつもの服)です。

スキル説明
・ユニークスキル“財宝者(オカネモチ)
何かを売るとその買い取り価格の約2倍の値のお金を入手することが可能。また、報酬も2倍になる。
また、お金を持っていれば持っているほど体内の魔素量が上昇。その比率は金貨1枚につき1%。
星の《財宝が集まる程度の能力》から獲得。


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悲劇

時間が過ぎるのが早いかもしれませんがご了承下さい。

※追記 後書きのスキル説明の欄に少し付け加えを施しました。


シズと会ってから10年の月日が過ぎた。まだ、俺が魔王ということは世間には知られていない。いや、知られているのだろうが、上層部しか知られていないのだ。しかも俺は大した被害を出していないので狩られる心配もない。

なので、俺たちは色々な街や国を旅してきた。

………その所々の質屋に出禁にされたがな。何故かって?物を売ってはお金を貰い、その質屋で何かを買っては別の質屋でお金を売り……を繰り返していたからだ。そんなことしたら出禁になるに決まっている。

そして、あんなに可愛くてちっちゃかったシズももう14歳。ちょっと天然な所もあるけど、着実に大人の女性へと近づいている。警戒心も解け、俺にベタベタ………というほどでもないが、結構仲が良かった。

 

「次はどこの国に行こうか?」

 

俺がシズに尋ねる。

 

「う~ん…。どこでもいいよ。」

 

「そっか。じゃあここに行こう。」

 

手に持っている地図を指さす。そこは結構栄えている国らしい。人口は約10万。大した特徴はないが、それでも栄えているということは結構デカい国なんだろう。そこに行ってみたいからな。

 

「よし、じゃあ捕まってろよ。」

 

いつものように空を飛ぶ。

言い忘れていたが、シズの中にあるイフリートは俺が抑えている。『魔導師(マホウヲツカウモノ)』の中には精霊魔法というとても便利な魔法がある。精霊を呼び出したり、使役したり出来るのだ。これにより、イフリートを制御、監視している。まあ、全部大賢者に任せているのだが。

 

「さて、ついたついた。」

 

いつものように抱っこしているシズを少しためらいながら離す。

………ちょっと体つきが良くなって、離したくなかったとか決してそんなことはない。別に俺の好きなタイプだからとかいって離したくなかったとかじゃない。

 

「ん?どうしたの?」

 

「いや、何でもない。行こ。」

 

シズに心配された。解せぬ。

そして俺たちはいつものように身分証明書を見せ、国の中に入っていく。……が、そこには騎士団がズラリと並んでいた。

 

「ん?何だあれ…?」

 

よく見るとそれぞれが聖騎士と呼ばれる強者だ。こんな街中で何を…

 

「おい、そこの者。」

 

如何にも俺TEEEEな見た目の人が出て来た。いや、女だから私TEEEEかな?

しかもなんか光る剣を持っているし、俺一応魔王だからアレに触れたら大ダメージは間違いない。

 

「お前だ。紅い目をした黒髪の男。」

 

「俺に何か用ですか?俺はちょっと買い物しに…」

 

「惚けるな。君だろう?魔王“スカーレット”っていうのは…。」

 

何でバレているんだよ…。

 

「えっ?魔王?………はっ?」

 

「勇者様!やっつけちゃって下さい!」

 

民衆がざわめく。シズも落ち着いていないらしい。

 

「シズ、お前は逃げるんだ。」ボソ…

 

俺はバレないようにシズに耳打ちする。

 

「何で?私だって戦え…」

 

「良いから。良いから逃げてくれ。お願いだ。分かったか?」

 

俺はシズを説得するように言う。

 

「わ、分かった…。」

 

そうしてシズはこの国の出口まで走って行った。 

シズは恐らくこの戦いには勝てない。シズが俺の仲間として殺されたら俺がどうなるか…。恐らくここ一帯を平にするだろうな。………それだけで済まないだろうが

 

「彼女を逃がしたのか?」

 

「悪いのか?………おっと、剣を向けないでくれ。」

 

悪いのか?と言ったら剣を向けられた。どうやら相当警戒されているらしい。

酷いな…。俺まだ何もしてないんだけどさ。

 

「私はクロノア。お前を倒す要請がきた。お前を倒すぞ。十大魔王……いや、今は十一天魔王の一柱、スカーレット!」

 

いきなり俺に斬りかかってくるクロノア。

 

「中々やるね…。もう少しで腕1本は持ってかれそうだったよ。」ガキィン…!

 

だが、俺は10年前に購入した剣で攻撃を防ぐ。

俺も魔王の端くれだ。この10年、何もしなかったわけじゃない。ちゃんと修行を積んでいたのだ。それにスキルもゲットしている。そのスキルは…

 

《告。ユニークスキル『剣豪者(ツワモノ)』を発動します。》

 

ユニークスキル『剣豪者(ツワモノ)』。俺が剣を持ったときにだけ発動するスキルで、剣に関する技術(アーツ)を使用可能にし、さらに強化させるスキルだ。このスキルのお陰で買った剣が無駄にならなくて済んだ。

 

「私の一太刀を受け止めるか…。新参魔王にしてはよくやるな。」

 

「そうか?そうなら嬉しいねえ。」

 

「とはいえ、私のユニークスキルには敵わないが…。」

 

クロノアがそういうと俺の剣が真っ二つに割れてしまった。なんなんだ…?あのスキルは…。

 

《解。ユニークスキル『絶対切断』だと思われます。》

 

絶対切断って…。なるほど。通りで俺の魔素を使って強化した剣で斬れるってわけね。

 

「あ~あ。折角買ったのにさ…。ま、別にいいんだけどね。」

 

なくなったものをいつまでも引きずっていても仕方がない。

 

「じゃ、今度はこっちからいこうか!!『暗黒之狼犬(ダークネスハウンド)』!」

 

そういって俺は闇の力を発動させる。

これはユニークスキル『暗黒者(ヤミノモノ)』によるスキルだ。闇を具現化したり影に隠れたり出来る。いくら『絶対切断』でもこれを斬れるわけがないし、斬られたところでまた生成できる。なので大丈夫だと思うんだが…。

 

「うっ…斬れない…?」

 

正確には斬ったそばから再生しているのだがな。

 

「終わりだ。勇者さん。『闇夜之月(ダークサイドオブムーン)』!」

 

「くっ…ならば封印するまで!『無限牢獄』!」

 

「なっ…!?」

 

さすが…といったところか…。『暗黒之狼犬(ダークネスハウンド)』ごと攻撃を封印しちまうとはな…。勇者なだけはある。

と、思っていたところに一人の兵が発言する。

 

「捕まえましたぜ!勇者様!」

 

「………ッ!?」

 

まさかだった。シズが捕まえられていた。

 

「おい。勇者様はそんな酷いことをするのか…?俺は何もしてねえだろ。俺が倒されるのはいいが、その子だけは放せ。」

 

「………彼女を放してやりなさい。私の目的は魔王スカーレットだけ。彼女を殺す義務はないハズ。」

 

クロノアも説得に加わってくれるようだ。

 

「知ってますか?俺たちは俺たちの脅威になり得る者全てを殺すのさ。それに人間も魔物も変わらねえよ。勇者様には教えられなかっただろうが…このガキも殺せと命令がきてるんだよ。正確には脅威になり得る者を殺せだとよ。」

 

「………脅威になり得る…か。そりゃあ俺はなり得るよ。だから殺されても文句言わねえ。だけどこの子が何をしたって言うんだよ。」

 

さすがに頭にくる。元人間だからちょっとは情けをかけているんだがな…。さすがにイライラする。

 

「もちろん脅威になるから言ってんだよ。俺には分かるぜ?コイツには炎の巨人(イフリート)が憑依してるってな!」

 

さすがに勇者も驚くだろう。たった14歳の少女にイフリートが宿っている事に。……なんて思ったりしたが、案外驚かなかったらしい。……まるでそれを()()()()()()()()()()

そしてあの兵士は恐らくシズを殺すつもりだ。

 

「さすがに頭にきた。オマエをコロス」

 

「ひっ…!」

 

「やめろ!!」

 

今の俺の言葉を聞いてビビったようだ。

大賢者。魂を司るスキルはあるか?

 

《解。あります。ユニークスキル『魂奪者(ウバウモノ)』を獲得………成功しました。》

 

「たすけ…………」

 

勇者に助けを求めた兵は呆気なく魂を取られる

コイツには慈悲をかける必要もなかったな。

 

「やめろスカーレット!!」

 

勇者が『絶対切断』を用いた剣で俺を幾度も斬るが、その度に俺は再生し、また斬られる。

ああ。痛覚がなくて良かったよ…。

 

「おい貴様!!コイツを殺すぞ!!」

 

「何だ…。オマエも死にたいのか…?」

 

「うるせえ!!」

 

「うっ………」

 

シズを抱えていた兵はその兵が持っていた剣でシズの頬に傷をつける。

その時、俺のナニカがブチ切れた。

 

《──確認しました。ユニークスキル『憤怒者(イカルモノ)』を獲得………成功しました。》

 

「これ以上手をだすな。」

 

俺はそいつの汚らわしい魂を抜き出す。

 

「やめろ!!コイツらは悪くないんだ!私が保証する!だから!」

 

「ウルサイ。ダマッテイロ」

 

もう一度言うがコイツらにかける慈悲なんて微塵もない。シズを傷つけられただけとはいえ一度は俺からシズを奪った。それだけでも魔王の逆鱗に触れたのだ。これぐらいは覚悟しているだろうなぁ…?

 

《──確認しました。ユニークスキル『心無者(ムジヒナルモノ)』を獲得………成功しました。》

 

一度でも俺からシズを奪った罪は重い。俺の誇りを…プライドを傷付けた。傲慢かもしれないが、それでもいい。アイツらから…大切なもん全て奪ってやる!!

 

《──確認しました。ユニークスキル『傲慢者(プライド)』を獲得………成功しました。続けてユニークスキル『強奪者(ウバウモノ)』を獲得………成功しました。》

 

そして俺は怒りに全てを委ね、意識を失った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………俺は怒りに全てを委ねた。………その結果、国一つを滅ぼした。辺りは魂のない人間の死体がバラバラの状態で散らばっており、ここら一帯は誰かの分からない血で染まっていた。

城や建物も全てなくなっていた。全て破壊したのだ。俺とシズ、勇者クロノアを残して…。

 

「………私はお前を殺さなくちゃならない。それは分かるな?」

 

動けない俺に対してクロノアは発言する。

 

「………ああ。分かるさ。だけど、君の攻撃では死なない。だが、動けないから俺は恐らく捕まる。別の国のやつらにな…。そこで提案だ。君が信用出来ることは分かった。だから…シズを預けてもいいか…?」

 

「………ああ。分かった。勇者の名において誓おう。この子を守ってみせる…と。」

 

「………ありがとう。」

 

俺は一言、クロノアにお礼を言うと彼女たちは去ってしまった。

そして消えゆく意識の中で一つ、強い想いを抱いた。

『最後にシズを抱きしめたかった…』

と。そして俺はゆっくりと目を閉じたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《──確認しました。ユニークスキル『色欲者(ラスト)』を獲得………成功しました。続けてユニークスキル『純潔者(キヨキモノ)』を獲得………成功しました。

続けて、進化条件(タネのハツガ)に必要な人間の魂(ヨウブン)を確認します………認識しました。

規定条件が満たされました。これより、魔王への進化(ハーベストフェスティバル)を開始します。》




スキル説明

・ユニークスキル“剣豪者(ツワモノ)
剣を持ったときにだけ発動するスキル。剣の腕を上げたり、剣の硬度を上げる事が出来る。
妖夢の《剣術を扱う程度の能力》から獲得。

・ユニークスキル“暗黒者(ヤミノモノ)
闇の力を使用可能。夜になると強くなり、昼になると弱くなる。また、影移動や影分身など、影に関するスキルも使用可能。
ルーミアの《闇を操る程度の能力》から獲得。

・ユニークスキル“魂奪者(ウバウモノ)
相手から魂を奪うことの出来るスキル。また、奪った魂は自由にすることが可能だが、今回は覚醒魔王化するための養分として使用されている。
幽々子の《死霊を操る程度の能力》から獲得。

・ユニークスキル“憤怒者(イカルモノ)
ミリムの究極能力(アルティメットスキル)憤怒之王(サタナエル)”の下位互換バージョン。

・ユニークスキル“心無者(ムジヒナルモノ)
原作と同じです。

・ユニークスキル“傲慢者(プライド)
原作と同じです。

・ユニークスキル“強奪者(ウバウモノ)
原作と同じですが、『ウバウモノ』というルビは原作にはなく、完全オリジナル。そうしたのにはちょっとした理由があり、“魂奪者(ウバウモノ)”と同系統のスキルのため。やろうと思えば統合可能。
また、“簒奪者(ウバウモノ)”とも同系統のスキルのため、このスキルを獲得した際には統合可能。

・ユニークスキル“色欲者(ラスト)
原作と同じです。

・ユニークスキル“純潔者(キヨキモノ)
レオンの究極能力(アルティメットスキル)純潔之王(メタトロン)”の下位互換バージョン。

ルビがウバウモノで同じなのはわざとですね。同系統のスキルなので。
次回の次の回くらいに全スキルをまとめます。


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進化

前回のスキル説明の欄の部分に修正を加えました。すみません。

追記:魔王への進化(ハーベストフェスティバル)の際に生贄にするスキルを一つ増やしました。また、固有スキルを一つ増やしました。


《告。魔王への進化(ハーベストフェスティバル)が開始されました。

身体組成が再構成され、新たな種族へ進化します。

確認しました。ユニークスキル『浮遊者(トブモノ)』、『不老不死(カワラヌモノ)』、『操密者(ミツドヲアヤツルモノ)』、『不明者(ワカラヌモノ)』、『透過者(スリヌケルモノ)』、『変化者(バケサセルモノ)』、『並列存在(ナラブモノ)』、エクストラスキル『飛頭』、『狼化』、『完全記憶』を生贄にして、ユニークモンスター『無像者』への転生を行います………成功しました。

全ての身体能力が大幅に上昇しました。

固有スキルは『不老不死、変幻自在、並列存在、存在隠匿、透過、飛行、完全記憶』です。

 

続けて、耐性の再獲得及び、新たな獲得を実行します………物理攻撃無効、自然影響無効、状態異常無効、精神攻撃耐性、聖魔攻撃耐性

再構築され、以上の耐性を獲得しました。

尚、常用スキルとして、

『魔力感知』『熱源感知』『音波探知』『超嗅覚』『魔王覇気』

が備わりました。以上で、進化を完了します。》

 

魔王スカーレットは進化する。

自称魔王ではない、『覚醒魔王』と呼ばれる世界から認められし魔王へ。

 

《告。残りの人間の魂(ヨウブン)を使って、究極能力(アルティメットスキル)幻想之皇(イリュージョンエンペラー)』を進化させます。………成功しました。究極能力(アルティメットスキル)幻想之皇(イリュージョンエンペラー)』は究極能力(アルティメットスキル)神之幻想(ファンタジーオブゴッド)』へと進化しました。それに伴い、『神之幻想(ファンタジーオブゴッド)』内のスキルを進化させます。………成功しました。》

 

スキルは進化する。()()()()()()()()()()()スキルへと……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ううん………ここは…」

 

目の前にはコンクリート壁が見える。

俺は捕まったのだろう。目の前のコンクリート壁と後ろにある鉄格子がそれを物語っている。さらには、自分を捕らえるための鎖が身体の至る所に纏わり付いている。

牢屋…か。その気になれば抜け出せるのかな…?どうなの?大賢者さん。

 

《……………》

 

大賢者さんの反応がない。スキルが発動しないのか…?

 

《……………》

 

わざと黙っている…と言うわけではなさそうだ。何故なんだろう…。

とはいえ、なくなっちゃったもんは仕方ない。丁寧に弔って…

 

《告。ユニークスキル『大賢者』は究極能力(アルティメットスキル)智慧之皇(ウィズダムエンペラー)』へと進化しました。その為、消失されており、使用不可能です 。》

 

何それ…。更に進化したの…?なんで?

 

《解。魔王への進化(ハーベストフェスティバル)が行われた際、余った人間の魂(ヨウブン)をスキルに進化にまわしたかと…。》

 

なるほど~…。用は強くなったわけね。なら良かった…。

……で、気になるのがシズだ。勇者がいるとはいえシズが元気に過ごしているか、心配で心配で仕方がない。こういうところが親バカなんだろうな…と思う。

でも今のところは動く気がない。進化したばっかりで身体が動かなかったり、身体が鎖によって動かせなかったりとか、色々理由はあるけど、物理的な問題ではない。

精神的問題だ。シズがいなくなった今、生きがいというものがなくなった。存在が確認できても、シズがいなければ意味がない。まあ、シズが生きていて、幸せでいること。これが最優先だったから勇者に授けたのだがな。それでもいないとさびしいな…。

そんなことを思いながら過ごしていたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ…。まさかあやつが覚醒魔王になるとはのう…。」

 

「まあ、アイツならやると思っていたけどな。」

 

「さすがは私が見込んだ男なのだー!」

 

「いや、たまたま見つけてきただけでしょ。」

 

時は少し遡り、魔王スカーレットが覚醒魔王へと進化した時、ギィを筆頭とする覚醒魔王たちは、ルミナスの居城で話し合いをしていた。

というのも、気ままに旅していた魔王スカーレットがこの国……神聖法皇国ルベリオスの隣国に出現し、その国を焼け野原にしたというのだ。そしてスカーレットは覚醒魔王へ進化している。それを理由に魔王ルミナスはすぐに覚醒魔王達を呼び出したのだ。

そして今、その様子を水晶を媒体として確認している。

 

「ま、別に良いんだけどさ。俺たちが気にすることはないし。」

 

「そういうわけにもいかんじゃろうが。」

 

「そうだぞ。国一つ滅ぼすのはどの魔王でも出来るだろうが、その滅ぼし方がおかしかったからな。まるでワタシの『憤怒之王(サタナエル)』みたいだったしな。」

 

何か気がかりになっているのか、ルミナスとミリムはディーノの意見に反発する。

 

「ま、少なくとも究極能力(アルティメットスキル)が誕生していてもおかしくないと考えるべきだろう。そこに虚無崩壊などのスキルが加わったとな。」

 

世界の調停者として、そのような事が起こるのはあまりよろしくない。ミリムの時だって七日かけて鎮めたのだ。その時はギィが勝ったが、覚醒魔王ではなくてもミリム程の力……それほどまではいかなくとも、他の魔王とは格の違いというものが明らかになっている。それが覚醒魔王になればどうなるか…。全盛期のウェルダならば抑えられるだろうが、ギィとルドラの2人がかりで倒さなければならない時がくるかもしれない。

ギィがそんなことを考えている時、目の前からキラキラとした白い粉のようなものが皆の前に降ってくる。そしてその粉はだんだん人型になっていく。

 

「誰だッ!!」

 

ギィはそう叫ぶもののその正体はすぐに分かった。その正体は──

 

「解。魔王スカーレットの代わりに、魔王スカーレットの操作権を使用し、行使している────です。」

 

聴き取れない。あのギィでさえ聴き取れないのだ。

 

「いや、ちょっと待って。おかしくね?だってここにコイツいるぞ?」

 

ディーノは水晶を指さす。確かにスカーレットは倒れたまま、ルベリオスの兵士に引きずられている。

 

「はっ、無様だな…。」

 

ディーノは嘲笑する。魔王、しかも覚醒魔王であるスカーレットが力尽きて、こざかしい人間共に捕まるというなんとも不名誉な事をしているからだ。

そんな時、スカーレット(ウィズダム)は一筋の光線を出し、ディーノの右腕を撃ち抜く。

 

「うっ……」

 

「告。(マスター)を侮辱することはやめて下さい。これは忠告です。」

 

(マスター)を侮辱…。それだけで(マスター)の許可なく攻撃など出来るのだろうか…。もし、それが出来るのだとしたら、これは…いや、コイツは()()()()()()()だということになる。そんなスキル聞いたことがない。

ギィはそんな考えを巡らす。

 

「解。その問いには答えられません。」

 

ギィの心情を読み取ったかのように答えるスカーレット(ウィズダム)

 

「まあいい。一つだけお前に質問だ。お前は…いや、お前の主は()()()()()()()()()()()()()()()?」

 

調停者にとって、一番大切なのはこのことだ。ウェルダが作ったこの世の中をなくすならギィはその者の敵となり、そうでないならば、ギィはその者の味方となる。

そしてその者の答えは……

 

「解。現在、(マスター)にそのような思考はみられません。」

 

「ふっ、なら良い。ところで、何故ここに来た。」

 

「解。状況の捜査です。」

 

ウィズダムは、ギィやミリムたちが集まっていることを不審に思った。その為、調査にやって来たのだ。並列存在を使って。

 

「告。(マスター)が呼んでいます。それでは。」

 

ウィズダムは(マスター)の問いに答えるために、その実像は消えてなくなってしまった。

 

「ふっ。自律型のスキルか…。存在しないと思ってたが…本当に存在するとはな。」

 

「あやつは何をしでかすか。本当に予想がつかぬ。」

 

ギィとルミナスは語る。

 

「ワタシは最初から分かっていたけどな!ワーッハッハッハ!!」

 

ミリムは高々と声を上げて笑う。

 

「はぁ…。まさかね…。」

 

ディーノは少し口篭もりながらも驚いている。

 

「アイツが覚醒魔王になったんだ。奇想天外な事が起きても仕方ないだろ。」

 

「そうだな!」

 

ギィの考えにミリムは頷く。

 

「さて、あやつの進化も終わったことじゃし、一杯どうじゃ?誰かワインを持ってこい!」

 

そしてまだまだ覚醒魔王による話し合いは続くのであった。




智慧之王(ラファエル)』ではなくて『智慧之皇(ウィズダムエンペラー)』なのはリムルのスキルと区別するためです。
『本来生まれるはずのないスキル』と本編中にも書いているとおり、『智慧之皇(ウィズダムエンペラー)』は本来生まれるはずのないスキルです。ですが、究極能力(アルティメットスキル)神之幻想(ファンタジーオブゴッド)』によって誕生してしまい、それによって誕生した究極能力(アルティメットスキル)なので、それと区別するためという理由がございます。
他のスキルもそうです。
分かりにくくてすみません。何か気になるところがございましたら質問をどうぞ。

尚、スカーレット(ウィズダム)とありますが、このウィズダムは究極能力(アルティメットスキル)智慧之皇(ウィズダムエンペラー)』の事です。

それと、スキル説明は次回にまわします。なので次回は全スキルの能力についてになると思います。

《告。作者がツイッターを始めました。
IDはこちらです。@donda_scarlet》


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ステータス

魔王への進化(ハーベストフェスティバル)の際に生贄にするスキルを一つ増やしました。また、固有スキルを一つ増やしました。

今回はステータス確認になります。それと物凄く長いです。しかも見にくいです。それでも良いという方はどうぞ。


目が覚めたらスキルが『大賢者』から『智慧之皇(ウィズダムエンペラー)』というなんかわけのわからないスキルになっている。多分他のスキルも変わっているだろう。時間は沢山あるし、そもそも捕まっているのでスキル確認しか出来ないんだよなぁ…。というわけでウィズダムエンペラーさん?う~ん……長いな…。ウィズダムさんかウィズさんって名前をつけてあげようかな…。ま、どっちでもいいや。とりあえずスキルとかステータスの確認をしたいんだけど、よろしく。

 

《解。個体名:スカーレット。種族は『無象者』です。》

 

はいストップー。何その種族。聞いたことないんだけど…

 

《解。『無象者』はどの種族からでも進化できる唯一無二のユニークモンスターです。現在では個体名:スカーレットのただ一人しか確認できません。尚、固有スキルは『不老不死、変幻自在、並列存在、存在隠匿、透過、飛行、完全記憶』です。また、魔王への進化に伴い、常用スキルとして『魔力感知』『熱源感知』『音波探知』『超嗅覚』『魔王覇気』を獲得、さらに各種耐性を獲得しています。》

 

……何それ…。もう訳が分からないよ。とりあえずドバーッと一気に説明してくれない?究極能力(アルティメットスキル)とかも含めて。

 

《解。まずは固有スキルからです。

 

『不老不死』………この世からの消滅ができない。また、魂がなくなってもどこかで復活することが出来る。老いることのない身体を獲得。

 

『変幻自在』………様々なものに変化可能。種族を変えることも可能。

 

『並列存在』………自身を複製可能。

 

『存在隠匿』………自身の存在を隠すことが出来る。世界の声でも認識不可。

 

『透過』………物質を透過することが可能。

 

『飛行』………魔素がなくても飛行が可能。

 

『完全記憶』………魂が消滅した場合、記憶を保ったまま復活可能。また、自身が認識したもの全てを記憶することが可能。

 

以上が『無象者』の固有スキルです。》

 

………なんかチートっぽいけど…まあいいや。次。

 

《解。現在保有しているスキルは究極能力(アルティメットスキル)神之幻想(ファンタジーオブゴッド)』のみです。》

 

……えっ?じゃあ他のスキルはどうなってるの?

 

《解。『神之幻想(ファンタジーオブゴッド)』内の能力によって使用可能となります。尚、『神之幻想(ファンタジーオブゴッド)』のスキルの効果は

 

『東方之力』………東方projectの能力に近いスキルを解析、獲得可能。尚、獲得したスキルはこのスキルにまとめられる。

 

の一つだけです。》

 

なるほど…。つまり、『神之幻想(ファンタジーオブゴッド)』から派生しているって感じなのね。

 

《是。》

 

じゃ、その中のスキル説明をよろしく。

 

《解。まず、究極能力(アルティメットスキル)幻想之皇(イリュージョンエンペラー)』で解析したスキルは魔王への進化に伴い、獲得、進化、消失、統合しました。それではスキルの解説を始めます。

 

究極能力(アルティメットスキル)魔法之皇(マジックエンペラー)

究極能力(アルティメットスキル)魔法之皇(マジックエンペラー)』の主な内容は

 

『魔法創造』………新たな魔法を創造可能。ただし、消費魔素が物凄く大きくなる。

 

『全魔法使用可能』………全部の魔法を使用可能。

 

『詠唱破棄』………無詠唱での魔法使用が可能。

 

『魔素消費阻止』………魔法発動による魔素消費をなくす。

 

の四つです。

 

究極能力(アルティメットスキル)暗黒之皇(ダークネスエンペラー)

究極能力(アルティメットスキル)暗黒之皇(ダークネスエンペラー)』の主な内容は

 

『影操作』………影を操ることが出来る。他人の者でも可能。また、影を具現化することも可能。

 

『闇具現化』………自身の心の闇を具現化可能。自身の心の闇が大きいほど力が大きくなる。

 

『暗黒強化』………夜、または暗い場所にいるときは力と魔素が2倍になる。

 

の三つです。

 

究極能力(アルティメットスキル)白氷之皇(アイスエンペラー)

究極能力(アルティメットスキル)白氷之皇(アイスエンペラー)』の主な内容は

 

『氷水操作』………氷と水を操る。

 

『白氷竜召喚』………白氷竜(ヴェルザード)を召喚できる。

 

の二つです。

 

究極能力(アルティメットスキル)物質操作(マターマニピュレイト)

主な内容は

 

『分子操作』………分子を操作して、水や熱を発することが出来る。

 

『原子操作』………分子を持たない物質を操作可能。

 

『原子核操作』………原子核の融合などが可能。

 

『電子操作』………電子を操って電気を操ることが可能。

 

『魔素操作』………半径10mの魔素を操ることが出来る。

 

『魔力妨害』………半径10mの魔素を乱す。尚、自分には効かない。

 

『魔力強奪』………格下の者の魔力を奪うことができる。同じ実力、または格上の者の魔力は奪えない。

 

の七つです。

 

究極能力(アルティメットスキル)時空之皇(タイムエンペラー)

究極能力(アルティメットスキル)時空之皇(タイムエンペラー)』の主な内容は

 

『時間停止』………時を止められる。ただし、格上の者、究極能力(アルティメットスキル)を持つ者、または時間に関するユニークスキルを持つ者には効かない。

 

『物質加速』………物質の時の経過を加速させる。

 

『物質減速』………物質の時の経過を減速させる。

 

『時戻り』………物質の時を戻すことが出来る。時間指定可能。

 

『時空間支配』………様々な時空間を支配できる。これにより、過去、未来にも行けるようになった。

 

『記憶再現』………自身の記憶にあるものを再現出来る。『完全記憶』とリンクさせることで自身が見てきた物全てを再現可能。

 

『多次元結界』………多次元から生成された結界を生成可能。

 

の七つです。

 

究極能力(アルティメットスキル)運命之皇(フェイトエンペラー)

究極能力(アルティメットスキル)運命之皇(フェイトエンペラー)』の主な内容は

 

・『未来視』………未来を見ることが出来る。ただし、断片的に見える。

 

・『未来改変』………未来を変えることが出来る。だが、それによって生じるバタフライ効果がどのようになるのかは予測不可能。

 

の二つです。

 

究極能力(アルティメットスキル)大罪之皇(ギルティエンペラー)

究極能力(アルティメットスキル)大罪之皇(ギルティエンペラー)』の主な内容は

 

『憤怒之罪』………『憤怒之王(サタナエル)』と同じスキルが使用可能。

 

『嫉妬之罪』………『嫉妬之王(レヴァアタン)』と同じスキルが使用可能。

 

『強欲之罪』………『強欲之王(マモン)』と同じスキルが使用可能。

 

『怠惰之罪』………『怠惰之王(ベルフェゴール)』と同じスキルが使用可能。

 

『色欲之罪』………『色欲之王(アスモデウス)』と同じスキルが使用可能。

 

『暴食之罪』………『暴食之王(ベルゼビュート)』と同じスキルが使用可能。

 

『傲慢之罪』………『傲慢之王(ルシファー)』と同じスキルが使用可能。

 

の七つです。

 

究極能力(アルティメットスキル)気候之皇(クライメットエンペラー)

究極能力(アルティメットスキル)気候之皇(クライメットエンペラー)』の主な能力は

 

『気温操作』………気温を変更させる。

 

『湿度操作』………湿度を変更させる。

 

『気圧操作』………気圧を変更させる。

 

『天候操作』………天候を変更させる。

 

『植物操作』………自然に咲く花や植物などを操ることが出来る。

 

『告春』………春が来たことを感じ取り、それを伝えることが出来る。

 

の六つです。

 

究極能力(アルティメットスキル)支配之皇(コントロールエンペラー)

究極能力(アルティメットスキル)支配之皇(コントロールエンペラー)』の主な内容は

 

『思考支配』………相手の思考回路を操ることが可能。

 

『完全魔王支配』………覚醒魔王ですら支配することが可能。

 

『能力行使』………操られている者のスキルを使用することが出来る。また、解析することで操られている者のスキルを手に入れることが出来る。

 

『能力支配』………相手が使用している技を支配できる。ただし、解析が終わったものでないと操れない。

 

の四つです。

 

究極能力(アルティメットスキル)音楽之皇(ミュージックエンペラー)

究極能力(アルティメットスキル)音楽之皇(ミュージックエンペラー)』の主な内容は

 

『音波探知』………人間には捉えられない音波を探知できる。また、わずかな音も探知できる。

 

『精神音波攻撃』………音波を用いて、『鬱』、『躁』、『幻想』の三つの精神力をそぐことが出来る。精神生命体にも通用する。

 

『完璧演奏』………完璧な演奏をすることが出来る。

 

『絶対音感』………どの音がどの高さなのかが分かる。

 

『リズム』………相手を強制的にノリノリにさせる。

 

『ダンサー』………後ろで踊ることで味方の力を上げる。

 

『発音』………楽器などがなくても音楽を奏でることができる。

 

『消音』………半径25m内の音を消す。

 

の八つです。

 

究極能力(アルティメットスキル)聖剣之皇(ソードエンペラー)

究極能力(アルティメットスキル)聖剣之皇(ソードエンペラー)』の主な内容は

 

『剣術行使』………ありとあらゆる剣の技術(アーツ)を使用可能。ただし、それに伴う魔素を消費する。

 

『剣強化』………自身が持っている剣を魔素を消費して強化する。

 

『聖剣行使』………“勇者”にしか扱えない聖剣を扱うことが出来る。

 

『絶対切断』………物理的な物から概念まであらゆるものを切断できる。

 

の四つです。

 

究極能力(アルティメットスキル)死界之皇(デスエンペラー)

究極能力(アルティメットスキル)死界之皇(デスエンペラー)』の主な内容は

 

『殺人強化』………殺人を行うことで自身を強化させることが出来る。

 

『魂奪』………相手の魂を許可なしに奪うことが出来る。ただし、格下の者しか出来ない。

 

『強制的死』………相手を強制的に殺すことが出来る。ただし、格上には聞かない。また、『生』の究極能力(アルティメットスキル)を持つ者にも効かない。

 

の三つです。

 

究極能力(アルティメットスキル)境界之皇(バウンダリーエンペラー)

究極能力(アルティメットスキル)境界之皇(バウンダリーエンペラー)』の主な内容は

 

『融合』………物質やスキルの融合を行える。

 

『分離』………物質やスキルの分離を行える。

 

『境界操作』………物事についている境界を操ることが出来る。

 

『決断』………あやふやな状態の物をはっきりさせることが出来る。

 

の四つです。

 

究極能力(アルティメットスキル)生物之皇(バイオエンペラー)

究極能力(アルティメットスキル)生物之皇(バイオエンペラー)』の主な内容は

 

『動物操作』………知恵のない動物たちを操ることが出来る。

 

『植物操作』………植物を操ることが出来る。

 

の二つです。

 

究極能力(アルティメットスキル)歴史改変(チェンジザヒストリー)

究極能力(アルティメットスキル)歴史改変(チェンジザヒストリー)』の主な内容は

 

『過去移動』………過去へ遡り、干渉することが可能。

 

『歴史隠匿』………事実や過去にあったことを隠すことが出来る。

 

『歴史創造』………別の世界の歴史を作ることが出来る神に匹敵する力を扱える。ただし、自身の魔素上限を消費する。

 

『万物創造』………概念的なものやスキル、物質まで何でも創造出来る。

 

の四つです。

 

・ユニークスキル『確率者(アテルモノ)

ユニークスキル『確率者(アテルモノ)』の主な内容は

 

『確率操作』………確率を上昇、減少させることが可能。また、覚醒魔王に進化したことで、0%から100%までの確率操作が可能となった。ただし、それに見合う魔素を消費する。

 

の一つです。

 

究極能力(アルティメットスキル)波動之皇(ウェーブエンペラー)

究極能力(アルティメットスキル)波動之皇(ウェーブエンペラー)』の主な内容は

 

『音波操作』………音波を操作して、相手を狂わせる。

 

『脳波操作』………相手の脳波を操作して、相手を狂わせる。

 

『電磁波操作』………電磁波を発生させる。

 

の三つです。

 

究極能力(アルティメットスキル)薬病之皇(シックエンペラー)

究極能力(アルティメットスキル)薬病之皇(シックエンペラー)』の主な内容は

 

『創造薬』………自分が想像したとおりの薬が出てくる。

 

『毒付与』………相手に毒を付与する。

 

『病気付与』………病原菌を相手に付与し、必ず病気にさせる。

 

の三つです。

 

・ユニークスキル『永遠須臾(ナガキジカントミジカキジカン)

ユニークスキル『永遠須臾(ナガキジカントミジカキジカン)』の主な内容は

 

『永遠付与』………物質を永遠に保つ効果を付与する。人間にも付与可能。

 

『須臾付与』………物質を一瞬で老化させる効果を付与する。人間にも付与可能。

 

の二つです。

 

究極能力(アルティメットスキル)暴風之皇(テンペストエンペラー)

究極能力(アルティメットスキル)暴風之皇(テンペストエンペラー)』の主な内容は

 

『暴風操作』………暴風を生み出し、それらを操る。

 

『暴風竜召喚』………暴風竜(ヴェルドラ)を召喚できる。ただし、封印ごとついてくるというオマケつき。 

 

の二つです。

 

・エクストラスキル『瞬間移動』

瞬間移動することが可能。ちゃんとした座標を指定すればそこに移動可能。『完全記憶』とリンクさせることで座標を知らなくても、そこに移動することが出来る。

 

・エクストラスキル『千里眼』

半径10kmの範囲のものがその場にいても見える。

 

究極能力(アルティメットスキル)大地之皇(ランドエンペラー)

究極能力(アルティメットスキル)大地之皇(ランドエンペラー)』の主な内容は

 

『地形操作』………地面を操作する。

 

『地震』………自身を震源とする地震を発生させる。

 

『山脈生成』………山を生成できる。また、この能力を応用して、土地を生成できる。

 

の三つです。

 

究極能力(アルティメットスキル)灼熱之皇(ファイアエンペラー)

究極能力(アルティメットスキル)灼熱之皇(ファイアエンペラー)』の主な内容は

 

『灼熱操作』………灼熱を操ることが出来る。

 

『熱変動無効』………熱によるダメージを受けない。

 

『灼熱竜召喚』………『灼熱竜(ヴェルグリンド)』を召喚出来る。

 

の三つです。

 

究極能力(アルティメットスキル)心情之皇(フィーリングエンペラー)

究極能力(アルティメットスキル)心情之皇(フィーリングエンペラー)』の主な内容は

 

『読心』………相手の心を読める。尚、無意識なもの(動物や寝ている状態の人間など)は心を読むことが出来ない。

 

『無意識操作』………相手の無意識を操る。これにより、自身を認識させにくくすることも可能。

 

『感情操作』………相手の感情を操作できる。ただし、喜怒哀楽の四つだけしか操作出来ない。

 

『支配回避』………相手による支配を回避できる。

 

『思念伝達』………自身の思念を伝達できる。また、『読心』とリンクさせることで喋らなくても会話できる。

 

の五つです。

 

究極能力(アルティメットスキル)智慧之皇(ウィズダムエンペラー)

究極能力(アルティメットスキル)智慧之皇(ウィズダムエンペラー)』の主な内容は

 

『思考加速』………通常の百万倍に知覚速度を上昇させる。

 

『解析鑑定』………対象の解析及び鑑定を行う。

 

『並列演算』………解析したい事象を、思考と切り離して演算を行う。

 

『詠唱破棄』………魔法などを行使する際、呪文の詠唱を必要としない。

 

『森羅万象』………この世界の隠蔽されていない事象の全てを網羅する。ただし、触れた情報に対して自分が知り得る事情にのみである。一度認識しないとだめだが、理解出来ると解析可能。

 

『統合分離』………スキルの統合、分離が可能。

 

『能力改変』………スキルを最適化させる。

 

『未来攻撃予測』………相手の攻撃を予測し、攻撃を避けることが出来る。

 

『探索』………物質の探索、物事の推理、行き先表示をしてくれる。

 

の九つです。

 

・ユニークスキル『財宝者(オカネモチ)

ユニークスキル『財宝者(オカネモチ)』の主な内容は

 

『金銭強化』………お金が増えるほど強化される。倍率は金貨1枚につき1%。

 

『財宝倍増』………売却したときにもらえるお金や報酬が2倍になる。

 

の二つです。

 

・ユニークスキル『万聴者(キコエルモノ)

ユニークスキル『万聴者(キコエルモノ)』の主な内容は

 

『万聴』………何人が話そうともその内容を記憶できる。

 

『未来攻撃予測』………相手の攻撃を予測し、攻撃を避けることが出来る。

 

『近未来予知』………24時間内の未来を予知できる。

 

の三つです。

 

究極能力(アルティメットスキル)天邪鬼之皇(リヴァーサルエンペラー)

究極能力(アルティメットスキル)天邪鬼之皇(リヴァーサルエンペラー)』の主な内容は

 

『方向逆転』………方向を逆転させる。(右に行こうとすると左に行くなど。)

 

『攻撃逆転』………攻撃を逆転できる。

 

『能力逆転』………スキルが反対になる。ただし、反対にならないものもある。

 

の三つです。

 

・ユニークスキル『神霊憑依(カミオロシ)

ユニークスキル『神霊憑依(カミオロシ)』の主な内容は

 

『神召喚』………神を召喚出来る。ただし、精神生命体である。

 

『神霊憑依』………召喚した神を憑依させることが出来る。だが、身体の自由は神のものとなる。

 

の二つです。

 

究極能力(アルティメットスキル)超能力之皇(サイコエンペラー)

究極能力(アルティメットスキル)超能力之皇(サイコエンペラー)』の主な内容は

 

『念話』………念話が出来る。

 

『念写』………念じることでカメラを使わずに写真を撮れる。

 

『念動力』………手を使わずに、念じるだけでものを動かす。

 

『思念感知』………物質に残った思念を感じる事が出来る。

 

の四つです。

 

・エクストラスキル『異次元弾丸』

異次元から弾丸(ロケランや核ミサイルまで)を発射できる。

 

究極能力(アルティメットスキル)夢之皇(ドリームエンペラー)

究極能力(アルティメットスキル)夢之皇(ドリームエンペラー)』の主な内容は

 

『夢喰』………他人の夢を喰い、それを魔素にする。夢の規模と魔素の増加は比例する。

 

『夢之世界』………別世界を作ることが出来る。

 

『万物創造』………概念的なものやスキル、物質まで何でも創造出来る。

 

の三つです。

 

・ユニークスキル『不幸者(マケルモノ)

ユニークスキル『不幸者(マケルモノ)』の主な内容は

 

『散財』………相手を散財させる事ができる。

 

『不幸』………相手を不幸にさせる。ただし、これを使うと自分も不幸になる。

 

の二つです。

 

続けて、耐性の説明に入ります。》

 

ま、まだあるのかよ…。

 

《『万物耐性』………ありとあらゆる耐性がつく。

 

『痛覚無効』………痛みを感じなくなる。

 

『物理攻撃無効』………物理的攻撃が効かなくなる。ただし、究極能力(アルティメットスキル)によるものは別。

 

『自然影響無効』………自然の影響を受けない。ただし、究極能力(アルティメットスキル)によるものは別。

 

『状態異常無効』………状態異常にかからない。ただし、究極能力(アルティメットスキル)によるものは別。

 

『精神攻撃無効』………精神攻撃を受けない。ただし、究極能力(アルティメットスキル)によるものは別。

 

の六つです。》

 

わ、分かった…。も、もう良いから…。

 

《了。》

 

それに、誰か来たみたいだしな。

 

「おい、そこのうつけ者。外に出ろ。」

 

その人……いや、魔王ルミナスは俺の入っている牢屋の鍵を開ける。

 

「ああ。分かってるさ。」

 

そして俺は言われるがままに脱獄をしたのだった。




最終的なステータス

名前:スカーレット
種族:無像者
庇護:紅の皇帝(スカーレット)の庇護
称号:東方の力を持った転生者
   紅の皇帝(エンペラーオブスカーレット)
魔法:全て
技能:固有スキル『不老不死、変幻自在、並列存在、存在隠匿、透過、飛行、完全記憶』
   究極能力(アルティメットスキル)神之幻想(ファンタジーオブゴッド)
  (究極能力(アルティメットスキル)魔法之皇(マジックエンペラー)』)
  (究極能力(アルティメットスキル)暗黒之皇(ダークネスエンペラー)』)
  (究極能力(アルティメットスキル)白氷之皇(アイスエンペラー)』)
  (究極能力(アルティメットスキル)物質操作(マターマニピュレイト)』)
  (究極能力(アルティメットスキル)時空之皇(タイムエンペラー)』)
  (究極能力(アルティメットスキル)運命之皇(フェイトエンペラー)』)
  (究極能力(アルティメットスキル)大罪之皇(ギルティエンペラー)』)
  (究極能力(アルティメットスキル)気候之皇(クライメットエンペラー)』)
  (究極能力(アルティメットスキル)支配之皇(コントロールエンペラー)』)
  (究極能力(アルティメットスキル)音楽之皇(ミュージックエンペラー)』)
  (究極能力(アルティメットスキル)聖剣之皇(ソードエンペラー)』)
  (究極能力(アルティメットスキル)死界之皇(デスエンペラー)』)
  (究極能力(アルティメットスキル)境界之皇(バウンダリーエンペラー)』)
  (究極能力(アルティメットスキル)生物之皇(バイオエンペラー)』)
  (究極能力(アルティメットスキル)歴史改変(チェンジザヒストリー)』)
  (究極能力(アルティメットスキル)波動之皇(ウェーブエンペラー)』)
  (究極能力(アルティメットスキル)薬病之皇(シックエンペラー)』)
  (究極能力(アルティメットスキル)暴風之皇(テンペストエンペラー)』)
  (究極能力(アルティメットスキル)大地之皇(ランドエンペラー)』)
  (究極能力(アルティメットスキル)灼熱之皇(ファイアエンペラー)』)
  (究極能力(アルティメットスキル)心情之皇(フィーリングエンペラー)』)
  (究極能力(アルティメットスキル)智慧之皇(ウィズダムエンペラー)』)
  (究極能力(アルティメットスキル)天邪鬼之皇(リヴァーサルエンペラー)』)
  (究極能力(アルティメットスキル)超能力之皇(サイコエンペラー)』)
  (究極能力(アルティメットスキル)夢之皇(ドリームエンペラー)』)
  (ユニークスキル『確率者(アテルモノ)』)
  (ユニークスキル『永遠須臾(ナガキジカントミジカキジカン)』)
  (ユニークスキル『財宝者(オカネモチ)』)
  (ユニークスキル『万聴者(キコエルモノ)』)
  (ユニークスキル『神霊憑依(カミオロシ)』)
  (ユニークスキル『不幸者(マケルモノ)』)
  (エクストラスキル『瞬間移動』)
  (エクストラスキル『千里眼』)
  (エクストラスキル『異次元弾丸』)
   常用スキル………『魔力感知』『熱源感知』『音波探知』『超嗅覚』『魔王覇気』
耐性:万物耐性、物理攻撃無効、自然影響無効、状態異常無効、精神攻撃無効

()がついているスキルは究極能力(アルティメットスキル)神之幻想(ファンタジーオブゴッド)』内のスキルです。
設定がガバガバなのは許して下さい…。なにか気になることがあれば感想にどうぞ。

《告。作者がツイッターを始めました。IDはこちらです。@donda_scarlet》


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新しい住処

アンケート結果はこちらです!

ウィズダムさん (7)
ウィズさん   (97)

ウィズさん多過ぎィ!!ということでウィズさんに決定しました。やったね。

少し前回のステータスを変更致しました。
 加護:なし
→庇護:紅の皇帝(スカーレット)の庇護


さて…。ルミナスのお陰で脱獄が簡単にできてしまった…。とは言え脱獄して良かったのか…?つーかまず何でルミナスがここに入れるんだよ。ここは神聖法皇国ルベリオスだろ…?という趣旨の質問をしたら…

 

「何を言うとる?ここは妾の国じゃぞ?……正式に言えば妾の部下の国じゃが……まあ、妾の国でいい。その妾がここに入れぬわけないだろう?」

 

という風に返された。なるほどな…。だが、魔王が脱獄すれば少なくとも何かしらの組織が追ってくるだろ。

 

《解。現在、追っ手は確認されていません。魔王ルミナスの部下の法皇ルイによって何かしらの対策が取られていると推測します。》

 

ビックリした…。問いかけてもないんだが…こういうのにも答えてくれるのか。大賢者……じゃなかった。ウィズダムエンペラー…?………長いな…。ウィズダム……ウィズ……ウィズ………そうだ!ウィズさんでいこう!今からお前はウィズだ!

 

《!!!!!!!!》

 

気まぐれにそう言ったとき、『智慧之皇(ウィズダムエンペラー)』から激しく、狂ったような強い意志を感じた。

 

《告。究極能力(アルティメットスキル)智慧之皇(ウィズダムエンペラー)』より、神智核(マナス):ウィズが誕生しました。

この宣告は、神智核(マナス):ウィズにより秘匿されました。》

 

「ん?今何か……気のせいかのう…?世界の声が聞こえた気がするのじゃが…」

 

………本来なら誰の耳にも届くはずの世界の声がルミナスには聞こえていない…。ということは、ウィズが何かしたのだろう…。『ウィズにより秘匿……』とか言ってたし。で、当の本人はと言うと、

 

《ワタシ、私は、ウィズ。神智核(マナス)であり、能力を統合する者。魔王スカーレットの魂にて、主の補助サポートを行う者です。御主人様(マスター)、改めて宜しくお願いします!!》

 

何この子!!めっちゃ進化してるんですけどッ!!しかもなんか喋り方が流暢だし!!

 

《はい!主人(マスター)の名付けによって意思が宿り、個体名:ウィズとして主人(マスター)の魂に存在出来るようになりました!》

 

そ、そうですか…。

 

「……?何をぼーっとしとるのじゃ?何か忘れ物か?」

 

自分のスキルと話しすぎていたのか、目がうつろになっていたようだ。

 

「何もない。ちょっと覚醒したときのスキルについて確認してたんだ。」

 

もちろん嘘である。

 

《そういえば、主人(マスター)が眠っておられるときに覚醒魔王たちが何か話していたようですよ?それも主人(マスター)について…》

 

そうなのか?………とりあえずルミナスに聞いてみるか。

 

「なあルミナス。お前、俺が進化しているとき、覚醒魔王たちを呼んで何か話してたろ?何話してたんだ?」

 

「えっ?え、え~っと………」

 

「………隠すなよ…?」

 

「わ、分かっておるわ!え~っとな、実を言うと、妾たちが殺されるかもしれぬ……と、思って話し合いをしてたところだったのじゃ。」

 

「はぁ?殺される…?一体誰に…」

 

「お主にじゃ。ま、そんなことは杞憂な事だったんじゃがな。お主は覚醒魔王になる前からミリムと対等に戦えておった。ミリムもまた、覚醒魔王の一人…。ソイツと同等じゃぞ?覚醒魔王になったらどうなるか…。想像もつかぬ。じゃから、もしもの為に皆で話していたってわけじゃ。」

 

なるほどな…。つまり、俺が脅威になるかも…と、思ったルミナスたちが何か話していたところをウィズに見つかったってわけね。

で、ちょっとウィズさん?何でそのこと知ってたの?

 

主人(マスター)が眠っておられるときに主人(マスター)の『並列存在』を使って少し調査させてもらいました!………大した情報は得られませんでしたが…。》

 

なんだそれ…。まあいいか。何とも抜け目がないようで抜け目がある奴だよお前は…。

 

「さて…、お主はこれからどうするんじゃ?いつまでも妾の城におるというわけにもいかんじゃろ。」

 

あ~…、そういえば考えてなかったな…。牢屋生活でも良かったんだよな…。だってすることないし…。

 

《いえ、それは私が許しません!》

 

ちょっとウィズさん!?キャラ変わってない!?

ゴホンッ…。それはさておき、これからどうするか…だな…。ここ数年は旅してたし、永住できる場所なんてなかったからな。

 

「そうだな…。カナート大山脈辺りに家を作って、そこで暮らそうかな…。そこだったら、誰の領地でもないだろ?」

 

「そうだが……あ、だめじゃ。ドワーフの国がある。まあ、麓のところじゃから、頂上に住めば良いんじゃなかろうか?というかなんで妾が協力せねばならんのだ。」

 

「いやだってお前が先に言い出したんだろ?」

 

俺は別に牢屋生活でも良かっ(ry

 

「妾はここにおられては困ると言うだけじゃ。」

 

「なら、俺を助けなくても良かったろ?」

 

「魔王の威厳という物がなくなるじゃろうが!」

 

そりゃそうだな…。確かに、魔王は威厳あってこそだ。舐められたままだと魔王の意味がなくなるからな。

 

「話を戻すけど……とりあえず俺はカナート大山脈の頂上辺りに家を建てるよ。そうすれば俺を狩ろう思ってる奴らも来ないだろうし、ドワーフ王国の邪魔にもならんだろ?」

 

魔王が王国の心配をするのもどうかと思うんだけど…気にしない気にしない。

 

「そうじゃな。ま、お主がそう思っとるならそうすれば良いじゃろ。」

 

さて、ルミナスからのお許しも出たところで、早速家を建てようと思うんだけど…どうすれば良いの?前世学生だったから建築技術とか分からないよ?

 

《そこは私にお任せ下さい!》

 

え?出来るの?

 

《はい!主人(マスター)の『並列存在』に私の意思を移して、主人(マスター)の支配権を許可すれば私が主人(マスター)の思考を読み取りつつ『念話』や『思念伝達』などでどのようにしたいかを送ってもらえれば1日で出来ると思われます!》

 

さすがウィズさん!頼りになるわ~。あっ、でも材料とかはどうなるの?

 

《そこは『万物創造』によって家ごと生成しますからご安心下さい!》

 

あ、そんなスキルあったのね…。というかもうそれチートでしょ!!チートの域じゃんそれ!!………もういいや。諦めよう。

 

「ま、そういうことで、1日だけ泊めさせてもらっても良いか?」

 

「どういうわけか分からん。ちゃんと説明してくれ。」

 

「明日カナート大山脈に引っ越すからね。その準備。」

 

「いや待て。家はどうなるんじゃ家は。」

 

「そこら辺は心配しなくて良いから。つーか、自動的にやってくれるから。」

 

本当にウィズさん様々なんだよな~。

 

「(自動的に…。やはり自律型のスキルがあるんじゃなかろうか…。家などは個人の思考が表れやすいからな…。自動的に出来るもんではないのだが…。)まあ良かろう。1日だけじゃぞ?本当は泊めとうないが…。」

 

「ありがと。……って今さらっと悪口言った?」

 

泊めたくないとか言われたんだけど…。

 

「泊めとうないといったんじゃ。こんなか弱い女性……お主が襲うに決まっとるじゃろ。」

 

自分でか弱いとか言うのか…。

 

「確かに、美しいがか弱いは違うんじゃねえの?だって魔王だし。」

 

「一言余計じゃ一言。」

 

「ごめんごめん。」

 

「やっぱり嫌じゃ…。部屋はそこじゃからさっさと行け…。」

 

「わ、分かったよ…。」

 

俺は言われたとおりの部屋に入る。

怒らせちゃったな…。

 

主人(マスター)が無神経なのが悪いのです!乙女心が分かってないです!》

 

ええ…。ウィズさんからも言われた…。つか、ウィズさんって男なの?女なの?

 

《そうですね…。性別はありませんが…強いて言うなら女ですかね?》

 

なるほど。………俺は男なのに心の中に男と女がいるってこれどうなのよ。なんかやだな…。

さて、切り替えて、ウィズさん、早速家を建てたいんだけど。

 

《はい!今から主人(マスター)の『並列存在』にて分身を生成します!》

 

すると、白い粉のようなものがあり俺から出て来て、だんだん人の形を作っていき、目の前に俺が現れた。

 

《告。神智体(マナス):ウィズが並列存在である個体名:スカーレットに移りました。》

 

これは…世界の声か…。声質は似ているんだけど、ウィズとは全く違う口調なんだよな。……まあ、名付けする前は分かんなかったけど。

 

主人(マスター)!それでは行ってきます!現地についたら、どのような家が良いか、『思考伝達』で教えて下さい!」

 

「分かった。」

 

そういうとウィズはエクストラスキル『瞬間移動』を使ってカナート大山脈の頂上へと移動した。

その後、俺は適当に指示し、ウィズによる俺の家の創造が始まったのだった。




『夢之世界』とかを使って夢世界で暮らせば良いじゃん………とか思った。でも、魔王は存在することに価値がありますからね。一応魔王ですし。なので、人が誰もいないであろうカナート大山脈に家を建てることに決めましたとさ。


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(閑話)半世紀の出来事

別に書かなくてもいいんですけどこんなことしか話のネタが思いつかなかったので、閑話とさせてもらいました。ごめんなさい。

それとネタ多めです。


あれから半世紀が経った…。えっ?家はどうなったのかって?もちろん完成させました。とはいえ大した家でもなく、普通にログハウスっぽいような家でだらだらと暮らしているだけだから特に紹介するところも(ry

生活とかは大して困らなかった。とはいえさすがに暇なのでドワーフ王国に(姿を変えて)行ったり、イングラシアや東の帝国など、様々な国に行って回った。

だが、さすがに身分証がないのは不便なので身分証を作ろうとしたら試験とかを受けさせられました。前回はなかったんだけどな…。てなわけでその時の話をしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「え~っと…ここであってる?」

 

《はい!ここであってます!》

 

現在、俺はブルムンド王国という小国に来ている。目的は主に二つ。一つは身分証の発行だ。そしてもう一つは、“爆炎の支配者”と謳われている英雄シズエ・イザワに会うためだ。

少し前にこの街に来たときにその噂を聞いたのだ。今はどこにいるか知らないが、冒険者互助組合(ギルド)に入っていればそのうち会えるだろうと思ったのでとりあえず入ることにした。

 

「冒険者登録ですね。分かりました。ではこちらに名前と希望される部門をご記入下さい。」

 

「……ん?何だ?その…部門っていうのは…?」

 

俺が冒険者互助組合(ギルド)に入ったときはそんなのなかったはずだが…。

 

「はい。そちらはですね、現在の自由組合総帥(グランドマスター)であるユウキ・カグラザカが定めたランク方式の採用を決めるために行うものです。」

 

ランク方式…ねぇ…。どれくらいあるのかは知らんがとりあえず面倒くさくないところまで取っておくか。

 

「分かった。」

 

で、後は名前なんだよな…。スカーレットって記入したら魔王だって事バレるし…。あ、そうだ、ここは俺の前世の名前を書くか。

 

「分かりました。サトリ様ですね。部門は…討伐部門…ですか。大丈夫ですか?初心者ならば採取や探索の方が…」

 

「そっちの方がやり甲斐があって良いだろ?それに、俺はそこまで雑魚じゃないからな。」

 

ドラゴンとか悪魔とかでも余裕で倒せる(かもしれない)んだぞ?それに、下級モンスター程度で傷付くとは思えない。時間短縮にもなるしこっちの方がメリットだらけだ。

 

「わ、分かりました…。それではこちらにどうぞ…。」

 

受付の女性についていき、ついたのは少し先の隣棟だ。

 

「俺はジーギス。お前の試験監督をすることになった。」

 

目の前にはまだまだ若いおじさん………いや、お兄さんと言った方が良いのか?………がいた。だが、片方の足がなくなっており、義足をはめている。おそらく、冒険者だったが魔物に襲われて、足を失ったのだろう。可哀想に…。

 

「ゴホン。それでは今からEランクの試験を開始する。見事魔物に打ち勝ってみせよ。」

 

ふ~ん…。最初はEランクからね~…。ところでウィズさん、これって何ランクまであるの?

 

《これはS+までありますね!そして国家の兵として招集をされるのがAランクからです!》

 

さすがウィズさん。俺が聞こうとしてたことを先に言ってくれるなんてな。じゃ、適当にBランクまで取っておくか。えっ?何故って?ランクが高くないと威厳がなくなるだろ?

 

「いでよ、狩猟犬(ハウンドドッグ)!」

 

「おお…。こりゃまた凄い…が、俺の敵ではないな。」シュパーン

 

俺は向かってくる狩猟犬(ハウンドドッグ)をサイコロ状にする。使ったのはそこら辺で買った剣だ。で、そんなことをされてジーギスの顔がどうなったのかというと…

 

「……………ッ!!」

 

目を見開き、口を大きく開けていた。

 

「雑魚だな。もっと良いのいないのか?それか飛び級とか…。う~ん…そうだな…。例えば………Bランクとか…?」

 

俺はジーギスを挑発する。もちろん、手っ取り早く試験を受けるためなのだが。

 

「………ふん。良いだろう。ただし、逃げるなら今のうちだ。コイツをみて勝てないと思ったら降参するがいい。こいっ…!!下位悪魔(レッサーデーモン)!!!」

 

おお…!悪魔か…!でもな…。悪魔なら、ギィを相手にしたことあるからぶっちゃけ怖くないんだよな…。

あっ、そうだ、面白いこと思いついた!!

 

「お前が召喚するなら俺も召喚してやるよ!こいっ…!!上位悪魔(グレーターデーモン)!!」

 

「……………へっ…?」

 

ジーギスが気の抜けたような声で返事をする。もうなんかジーギスさん疲れてるんだけど…。ま、いっか。

 

「な、何だあれ…!!」

 

上位悪魔(グレーターデーモン)!?マジかよ…!!?」

 

「あんなの召喚するとかアイツ、ただもんじゃないぞ!!」

 

ガヤがうるさい。まあ、別に面白そうだから良いのだが。

 

「やれ、上位悪魔(グレーターデーモン)。」

 

「キシャア……」

 

俺が召喚した上位悪魔(グレーターデーモン)下位悪魔(レッサーデーモン)をボコボコにする。……まあ、上位と下位じゃあ強さの違いがありすぎるからな…。そんなことを考えていると、下位悪魔(レッサーデーモン)上位悪魔(グレーターデーモン)によって倒されていた。

 

「よくやったな。戻っていいぞ。」

 

俺がそういうと上位悪魔(グレーターデーモン)は地面に潜り、消えていった。

 

「………わ、分かった。貴様をBランクの冒険者として認めてやる。だが…どうだ?お前ならAランクはいけると思うが…。」

 

「やめとくよ。」

 

だって面倒くさいんだもん。

 

「ふん。まあ良い。好きにしろ。」

 

そういってたジーギスはどこかへ去って行った。

何なの?何がしたかったの…?

そんなこんなで俺は身分証を手に入れることが出来たのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇクレイマン。いつになったら見つかるの?」

 

スカーレットが暇を持て余している時、クレイマン、カリオン、フレイの三人はスカーレットについて話していた。

 

「分かりません…。まだ部下に調べてもらっているところなのですよ…。」

 

「おい、そういって何年経った!?半世紀だぞ!?俺らが調査出来ねぇことを良いことに何か企んでいるんじゃねえだろうな!?」

 

カリオンはクレイマンを怒鳴り散らす。

 

「そんなわけないでしょう。私だってちゃんと調べているんです。ただ、カナート大山脈のどこへ行っても家らしき物が()()()()()のですよ。」

 

「でも確かにルミナスがそう言ってたんじゃないの?」

 

フレイは疑問を抱く。

 

「ええ。確かに言っていました。カナート大山脈の頂上にいる…と。私も魔王の指輪(デモン・リング)を使って調べたのですが……通信が途切れてしまいまして…。」

 

「それは私もそうなったわ。」

 

「俺もだ。」

 

皆口を合わせて『通信が途切れた』と話す。

 

「はぁ…。全く…。アイツが魔王種だったときが懐かしいぜ…。そん時はまだ倒せる余裕があったのによ…。」

 

「ええ…。そうですね…。まさか勇者までもアイツを倒すことが出来なかったとは…。」

 

勇者…。それは勇者クロノアのことである。

 

「そういえば貴方だったわよねぇ。あの小国の国王を操って、勇者にスカーレットを殺すように仕向けたのは…。」

 

「ええ。そうです。ですが、まさかアレがきっかけで覚醒魔王になってしまうとは…。」

 

「これからどうするんだ?連絡も取れねえ、居場所も分からねえ…。どうも出来ないじゃねえか。」

 

カリオンが怒鳴る。

 

「分かりませんよ…。とりあえずは引き続き調査をします。なので今日のところは解散……ということで…。」

 

「チッ、今日も進展なしか。」

 

「仕方ないわね。行きましょう。」

 

クレイマンが解散を促すと、カリオンとフレイはワープして去って行った。

 

「…………聞いていましたね?ラプラス?」

 

「そりゃそうやで?ワイが聞かんわけないやろ。」

 

「ええ、知ってます。ところで、怪しいことは何かありましたか?」

 

「せやな………、あ、そうや、確か自由組合(ギルド)におもろいやつが入ったっちゅうやつならあるで。何でも上位悪魔(グレーターデーモン)を召喚したらしいで?ワイもみたんやが……アイツスカーレットに似とったわ。」

 

「なるほど…。では、そちらの調査をお願いしますね。」

 

「分かった。ほなさいなら」

 

ラプラスと呼ばれた魔人はひゅんと消え、どこかへ行ってしまった。

 

「もしソイツがスカーレットだとしたら…ふふふ。やっと居場所が分かりそうですよ。」

 

クレイマンは誰もいない部屋で、一人笑みを浮かべていた。




ちなみに変装したときの見た目は黒髪のちょっとパーマがかかったような感じです。目も黒いので、カラフルな髪や目を持つ子がいるこの世界では基本目立ちません。
えっ?それだけだと魔王だってバレるだろ…だって?スキル『存在隠匿』とか『無意識操作』などを使えばバレにくくすることは可能なので基本バレません。というか半世紀の間はバレてません。(最後はバレてるけど気にしないでね。)

後、魔王の指輪(デモン・リング)の通信が途切れるというのはウィズが家に(勝手に)張った結界の効果です。


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観察

やっと原作スタートです。

ですが、しばらくはリムルは出てきません。いや、出てくることには出てくるのですが、何というか、転スラの漫画にある『ヴェルドラ日記』みたいになりますね。まあ、見ていただければわかるとおもいますので、先に本編をどうぞ。

それと今回短めです。何故かというと、次話で色々と展開が大きくなっていくので、その調整のためです。ごめんなさい。


それは、とある日の出来事だった。何の前触れもなく起きた。そう、この世に四種しか存在しない竜種の一匹、“暴風竜”ヴェルドラが消失したのだ。

俺にとっては物凄くどうでもいいのだが、それは色々な国に影響を及ぼした。特に、ジュラの大森林に住む魔物たちにとって大きな影響を与えていた。

もっとも、俺たち魔王には“不可侵条約”なるものが存在する。つまり、そう易々とは行けないのだ。………まあ、()()()()()だがな。

エクストラスキル『千里眼』を用いれば、ジュラの大森林を見るなど容易いことだ。

ま、そんなわけでジュラの大森林をたまたま見ていたのだが……なんと面白い奴がいるじゃないか!スライムだが…A-くらいのランクはありそうだな…。

 

《はい!どうやらあの個体はリムル=テンペストというらしいですよ?ユニークスキルとして『捕食者』と『大賢者』を持っていますね…。》

 

なるほど…。俺と同じ異世界人として見るのが正しそうだな。まずスライムがユニークスキルを持つなんて聞いたことがないからな。え?お前半世紀しか生きてないだろだって?んなこたぁ良いんだよ。

それよりあのリムルとかいうのだが…何だあれ?なんかゴブリンと対峙してるんだが…。というかなんか案内されてね?えっ?えっ?なんで?聞こえないから全く意図がわからないんだが…。

 

《分かりません…。まあそれは仕方ないかと…。》

 

はぁ…。そういう便利なやつがあれば───あっ!ならスキル作っちゃえばいいんじゃね!?『万物創造』とかあるんだから作ることは出来るだろ!?ついでに『千里眼』の改良とか…

 

《それなら聴くことは可能ですよ!それでは早速スキルを作りますね!》

 

《──確認しました。個体名:スカーレットはエクストラスキル『千里耳』を獲得………成功しました。》

 

ふむ…。これでよしっと。

 

《オマケなんですけど、ユニークスキル『万聴者(キコエルモノ)』に統合しておきました!あと、『千里眼』、『千里耳』の効果範囲を半径10kmから半径1000kmへ強化させておきました!これで東の帝国まで見たり聞いたりすることが出来るようになりました!》

 

さすがウィズさん。頼りになりすぎて逆に怖い…。

 

《それは酷いですよ!》

 

すまんすまん…。でも本当に頼りになるんだよな…。

さて、『千里眼』と『万聴者(キコエルモノ)』による同時使用によってリムルたちの会話が聞こえるようになった。

はぁ…。全く、条約などなければ今すぐ行けたというのに…。ん?変装すれば良いだろ…だって?変装しても入れないもんは入れないのだよ。なんか結界みたいなのが張ってあるからな。まあ、それならば条約を破棄すればという意見が出るのだろうが、そんな面倒な事はしたくない。というか何もそこまでしなくても見聞き出来るのだから良いだろ……というのが俺の意見だ。

 

《……………》

 

呆れられましたありがとうございます。

さて、そんなことは良いのだ。そんなことよりリムルは………何をしてるのだ…?家を壊して……なるほど。柵を作っているのか。となると…何かと戦うみたいだな…。先ほどまでウィズと話してたから何と戦うのか全く分からん。しばらく、観察を続けてみるか…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ということで夜になりました。

観察は全てウィズさんに任せて、俺は紅茶ターイムという名の独りお茶会を満喫していた。だが…

 

《何かがゴブリンの村へと向かって行ってますね…。アレは…牙狼族ですね。》

 

ウィズさんからメッセが入った。

牙狼族…?何それ。つか、ただの狼じゃないの…?

 

《いえ、コイツも一応魔物の仲間です!とはいえ、Cランク……群れでもBランクほどの魔物です。リムルはA-ランクと思われるので勝つと思われますが…。》

 

なるほど。ま、所詮は狼だからな。

つーか、試験の時に戦った狩猟犬(ハウンドドッグ)もそうなんだが、犬とかでも魔物になるのか…。ま、弱いみたいなんだけどさ。

で、リムルたちは………優勢だな。さすがといったところだ。いとも簡単に倒せている。すると、ボスらしき牙狼がリムルへと飛び込んでくる。計算通りとはいかなかったのだろうか。……とはいえ、リムルはそれすらも計算の内だったらしく、リムルの粘糸によって捕まってしまった。そこを、リムルがかっこよくスキル『水刃』を用いてスパッと首を切る。

何だあれ!?カッコイイことしやがって!!

 

《一応主人(マスター)も出来ますけど…》

 

また呆れられましたありがとうございます。

さてさて…。面白い物が見られたので少し寝ますか…。ウィズさん、引き続き観察をよろしく。

 

《分かりました!》

 

『千里眼』を行使しすぎたのか少し目が疲れてしまった。やはり目を休ませるのには就寝が一番だ。ということで今は夜だし、寝るのにもちょうど良いのでゆっくりと眠ることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───翌日

眠っていた俺はふわぁ…とあくびをし、モーニングコーヒーやらなんやらしてからリムルを再び観察することにした。だが、『千里眼』を起動していきなり俺は驚いた。それは何故かというと、つい昨日まで戦っていた牙狼族が仲間になっているではありませんか!!

 

《どうやら『弱肉強食』という魔物の本能が働いて、リムルの元についたようです!》

 

なるほど…。魔物の本能か…。俺はそんな物全く分からんのだがな。

さて、それより……皆並んで何をしているんだ…?

 

《名付けでしょうか…。本来、名付けとは名前を与える事で、家族よりも強い繋がりを持てますが、自身の魔素を削って味方に分け与えるという大変危険でもあります。それを1度に沢山やるというのは…》

 

ただのバカか、名付けの意味が分かっていない者かのどちらかか。村長との会話から恐らく後者の方なのだろうが、それにしてもゴブリンと牙狼に名前をつけるって…。俺はだらだらしてるだけでも魔素増えるんだけどA-程度の奴だとすぐに魔素減るだろ…。

 

──そして数分後

 

案の定、あのスライムは低位活動状態(スリープモード)に入りましたとさ。やっぱり魔素を消費すること知らなかったんだな…。

さて、することもないのでだらだらしますかね…。ん?だらだらしすぎだろって?気にするな。それに、こうしてた方が魔素も上がるんだよ。

 

そんなこんなで時は過ぎ、だらけっ放しの生活を送って2週間。ようやく彼らに進展があった。どうやらドワーフ王国に行くようである。ドワーフ王国に行くのなら俺もリムルに会うことが出来る……ということでドワーフ王国に来ました。ここには武器防具が沢山売っているからな。現在、俺が最も重宝している刀や防具もここ、ドワーフ王国のカイジンという奴が作ったものだ。

そして俺は今からカイジンに会いに行こうと思う。えっ?何故かって?実はもうすぐリムルがそこに来るという予知を視たのだ。つまり、そこに行けばちょうどリムル達と鉢合わせするだろう?

というわけでカイジンのいる武具屋に行ったのだが…。

 

「なんだサトリか。悪いんだが今忙しいんだ。急ぎでないなら日を改めてくれ。」

 

とか言われた。解せぬ。というわけで、帰ろうとしたのだが…

 

「兄貴、いるかい?」

 

と後ろから声が聞こえてきた。カイジンの弟、カイドウである。その後ろにはリムルとゴブリンが一匹いた。

その後、リムルとカイジン達が喋り続けて、俺は空気と化していた。解せぬ(二回目)。

まあ、別にリムル達に会うためだけに来たのだから別に良いのだがな。

さて、俺はボケーッと見てたのだが、何とリムルが魔鋼の長剣(ロングソード)を簡単にコピーしてしまった。さすが大賢者といったところだろうか。

で、その後、リムル達は夜の店というけしからん場所へ行くという。けしからん!!けしからんぞ!!と思いながら俺はリムル達についていくことにしたのだった。




3/30の日間ランキング8位に(一時的に)ランクインすることが出来ました!!皆様ありがとうございます!!


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再会

漫画とWeb版で物語の展開ってだいぶ変わってくるじゃないですか。なので、漫画とWeb版で良さそうな感じの展開をやります。今回も、これからも。

追記:とある一文を消去させてもらいました。


夜の店にやって来た。店には沢山のエルフがいる。リムルはエルフとエロフという言葉遊びをしていたり、魔素感知を全開にして、エロい部分を見ようとしている、ただのエロいおっさんと化している。外面だけを見ると可愛いスライムなのだが、内面は、エルフに興奮しているただのおっさん…いや、おにいさんだった。

 

「ねぇねぇスライムさん、これやってみない?」

 

とあるエルフにリムルが話しかけられる。

もう、この時点で『どんな妙技を…』とかいってるからな。変態じゃねえの?……とか思っていたが、占いをすると分かるとすぐに落ち込んでた。

そんな事は置いといて、リムルの運命の人を占うことになった。………で、一つ聞きたいんだけど、スライムに性別とかあるの?

 

《ありませんよ。》

 

だよな…。じゃあリムルの運命の人って誰だろ…。ま、俺には関係ないから良いk──

 

「おい、その人もしかして…、爆炎の支配者、シズエ・イザワじゃねえか?」

 

「ブフーッ!!!」

 

俺はあまりに驚きすぎて飲んでいたカクテルを吹き出してしまった。

シズエ・イザワ……。やっぱりそうだ。シズだ…!そうなればイチかバチかだ。この占いの結果を信じて、リムルを見張るしかない。占いなどは信じない俺だが…、魔法やスキルという不思議な力がある世界だ。占いだって当たるはず…!というか、シズに会えるのなら……、占いだって何だって信じてやる!

…………そう意気込んだところで今日は帰るとしよう。ん?何故って…?俺がここ……いや、この街に来たのはリムルに会いたい…それだけだったからな。まあ、思った以上の収穫があったのは想定外だったんだけどな。それに、これ以上ここにいると面倒ごとにあいそうだからだ。俺の『未来予知』が教えてくれた。

というわけで俺は金貨1枚を払い、店を出て行った。その時に、少し豪勢な服を纏ったヒョロッとしているドワーフが入って来たのだが、そんなことは俺にとってはどうでも良かった…。まあ、この人物によってリムル達が不運な目に遭うことはまた別の話だ。

………で、あれから数日。何故か、リムルがカイジンを村へ連れて帰ったり、またゴブリンにクソみたいに名付けしてたり、開拓したり…、そんな感じなのが続いていた。

運命の人…とはいっても中々見つからないのだろう。そりゃそうだ。もしかすると何年もかけなければならないかもしれないからな。

ま、カイジンが、『どこかの国で子供を育成している』と、リムルに言っていたので、それらしいところ全て見て回った。主に、イングラシアや東の帝国などだ。まあ、見つからなかったのだがな。だが、目撃情報は手に入ったのだ。それは、『この間までイングラシアで子供を育てていたが、最近、どこかに出かけてしまっていて、どこにいるかが分からない。』という情報だ。だが、生きている……。それだけで嬉しかったのだ。クロノア…。よくやってくれたよ…。

って、そんな感傷に入り浸っている場合ではない。頑張ってシズを見つけなければ…。だが、何事も観察と言うものが必要だ。今、自分に出来ること…。それはリムルの観察しかないのだからな。頑張ってリムルの観察を続けるとしよう。

で、リムルは何をしていたのかと言うと、巨大妖蟻(ジャイアントアント)に襲われていた4人のPTをリムルのエクストラスキル『黒稲妻』で助けたようだ。

別に、そこまでしなくてもスキル『水刃』とかで良かったんじゃないか…?とか思ったが、どうやら試運転のつもりでやったらしい。それでも、仮面をつけた女性が危なかったけどな。

そして、リムルは『黒稲妻』によって飛んでいった仮面を拾い、お姉さんに渡す。

…………って、まさか、この顔は…!!

 

『助かったよ。ありがとう。』

 

この声…。やっぱりだ。あの時と変わらない…。ようやく会えた…。俺が覚醒魔王になったときに精霊魔法が切れちまったからな。制御出来ていたのか心配だったが…、どうやらクロノアからもらったであろうあの抗魔の仮面のお陰で抑えられたらしい。

でだ、シズの居場所が分かったんだ。そうと決まれば急いで条約を改正せねば。確か魔王が二人いれば良いんだよな。だが、誰を訪ねようか…。いや、この際誰でも良い。適当に魔王の指輪(デモン・リング)を使ってワープすれば………。

そう思って俺は適当にワープする。そしてワープした場所は………

 

───傀儡国ジスターヴ

 

「うわっと…。ここか…。えーっと…確かクレイマンのいるところだっけ…?」

 

俺は、ふと周りを見る。すると、魔王であるクレイマン、フレイ、カリオンが驚いた表情でこちらを見ている。

 

(ま、まさか暗殺会議中に乗り込んでくるとは…。まさか、作戦がバレていた…!?)

 

顔にはあまり出していないが、内心は物凄い焦っているクレイマン。だが、彼は慎重な役者だ。俺にバレないようになんとかしようとしている。が、一応言っとく。無駄だ。この作戦……いや、まず同盟が結ばれた事すらウィズさんにバレている。それに、たとえ魂が消滅しても俺は消えないのだぞ?そんな俺を奴らが殺せるはずがないだろう。

おっと、話がズレてしまった。そんなことはどうでもいいな。それよりあの条約を改正せねば。

 

「何を皆で話してたかは知らねえが、皆にお願いがある。」

 

「何よ。」

 

フレイは俺を不思議な顔でみている。

 

「あのさ、ジュラの大森林の不可侵条約、あれ撤廃してくれないかな?」

 

「「「………は?」」」

 

3人とも呆れたような声を出す。何故なら、自分たちじゃなくてもそんなこと簡単に出来るからだ。わざわざ何故ここに来たのか。3人はそんな事を思っていた。

 

「だってアレだろ?不可侵条約って元々ヴェルドラの封印が解けないように締結されたもの…。なら、その条約の意味がないだろう。」

 

これも全てウィズさん情報だ。

 

「なるほど。そういうことなら条約撤廃に反対する奴もいないだろう。俺は賛成だ。」

 

「私も賛成。元々、私の領土に面しているから色々と面倒だったのよね。」

 

カリオン、フレイの2人はノリが良く、賛成してくれた。

 

「……まあいいでしょう。私も賛成です。(少なくとも、これでスカーレットに恩を売れた…。これを活かさない手はないでしょう。)」

 

クレイマンは多小渋ったが、条約撤廃に賛成してくれた。

 

「それでは今すぐ他の魔王たちへ通達しましょう。」

 

クレイマンがそういうと誓約書がポンッと出て来た。そして俺らはそれにサインをする。

 

「ありがとな。じゃ。」

 

そういって、俺は魔王の指輪(デモン・リング)を使って俺の家へワープした。

 

「………はぁ…。まさか会議中に乗り込んでくるとは…。」

 

「これは想定外だな…。」

 

その場に残ったフレイ、カリオン、クレイマンは突然乗り込んできたスカーレットについて話す。

 

「まあでも、奴の動向がうかがえたのです。それに、私だって考えがないわけがない…。少し案があるのですよ。」

 

またもやクレイマンはにやりと笑う。

 

「そうかよ。ま、半世紀かけてやっと掴めた動向だ。慎重なお前ならどうにか出来るだろ?」

 

クレイマンに信頼を寄せるカリオン。

 

「ええ。私もそう思うわね。」

 

フレイも信頼しているようだ。

 

「ええ。ありがとうございます。それでは、今日はここら辺で終わりにでもしておきましょうか。」

 

こうして、少し想定外な出来事もあったが、3人による話し合いは終わったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わり、ジュラの大森林。『瞬間移動』を使って初めてジュラの大森林のリムルたちが建設している村に入ることが出来た。だが、辺りは焼け野原。後ほど、ウィズさんから聞いたのだが、シズの中のイフリートが暴走したらしい。それをリムルがイフリートを捕食したことでシズを抑えたのだと。

で、リムル達のいるテントの近くに来たわけだが、さすがに沢山のお仲間がいた。少なくとも、圧倒的な魔素を放つ俺にゴブリン共が気付かないハズがない。早速だが、皆に気付かれた。隠す気など毛頭ないのだが。

 

「あ、あんたは…!!十一天魔王の一柱、紅の皇帝(エンペラー・オブ・スカーレット)のスカーレットか!?」

 

俺を見たカイジンが俺に向かって話す。

 

「そうだ。だが安心しろ。君たちに被害を与えるつもりはない。そこの中にいるシズという女性にようがあるだけだ。」

 

「ダメだ!我が主に触れさせるわけにはいかん!!」

 

デカい狼…いや、ランガは俺に向かって大きな爪で引っかこうとしてくる。だが、俺には効かない。生憎だが、俺には『物理攻撃無効』という耐性があるからな。そんなものは効かん。そして俺はリグルドやランガの攻撃を搔い潜り、シズとリムルがいるテントへと入った。

 

「「───ッ!!?」」

 

俺の魔素量に2人とも気がついたようだ。

 

「始めまして。いや、シズは久しぶり…かな。」

 

「貴方は…!!」

 

相変わらず変わらない…。いや、イフリートがいなくなったことにより、少し老化していたが…大丈夫だ。

 

「誰だ!?お前は………!!」

 

さすがに怪しいと思ったのか、リムルは俺に対して問いかけてくる。

 

「良いだろう。応えてやるさ。俺は十一天魔王の一柱、魔王“スカーレット”だ…!」

 

そして俺はニヤリと笑みを浮かべた…。




シズとウィズって語感が似てるからアレなんだよね…。(なんだよw)


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運命

今回結構な駄文です。頑張って書いたんですが、僕の力だとどうしてもこれが限界になってしまって…。


自己紹介を済ましたところで早速、シズに近寄る。

 

「ダメだ!シズさんには──」

 

「良いの…。」

 

シズに近づけさせまいと攻撃を仕掛けようとしたリムルだが、シズに止められる。

 

「あのね…スライムさん…。貴方にはいってなかったけど…この人は私を助けてくれた人なの…。」

 

弱々しくシズは話す。もう寿命が尽きつつあるのだろう。

 

「もうこれ以上話さない方が良い。ちょっと待ってろ。」

 

そうして俺は2つのスキルを使用する。

 

「………えっ…?」

 

老いかけていたシズの身体は若返り、憔悴していた身体もそれに伴い、みるみると元気になっていく。

俺が使用したスキル…。1つは究極能力(アルティメットスキル)時空之皇(タイムエンペラー)』による『時戻り』。これによって18くらいまでの身体と精神に若返らせる。

そして2つ目は『永遠付与』。これにより、彼女は永遠に歳を取らなくなる。これを付与したのは単なる私情だが、別に解除したければ解除出来るので良いだろう。

 

「………あんたはいったい何者だよ…。」

 

リムルが俺に尋ねる。

 

「何って、ただの魔王さ。守るべきものを守れなかった魔王…。」

 

俺はシズを手放してしまったからな…。もう二度と手放さない。俺はそう心に誓う。

 

「さて、まだまだやるべきことはある。」

 

身体が若返った……ということはそれに伴い魔素も増幅したということだ。………ここまで言えば察しの良い皆様なら分かるだろう。そう、シズの体内の魔素が溢れてこのままでは死んでしまうということだ。

ん?『永遠付与』があるから死なないんじゃないの…?だって?それは違うな。あくまで年齢や身体を永遠にしているだけで、病死や事故死など、寿命死以外での死因では死んでしまうのだ。当然それは魔素の暴走による死亡も例外ではないのだ。

話がズレてしまったな。まあ、要するにこのままだと死ぬのでどうしようかというところだ。で、ウィズさん、良い考えある?

 

《はい!体内に上位精霊を宿らせれば良いです!上位精霊は魔素の扱いに長けていますから!何でも良いんですけど、私のオススメは光か炎の上位精霊ですね!シズは炎の扱いに長けていると思われるので!》

 

なるほど。じゃあそうするか…。とはいえ、シズは確か炎嫌いだったハズ…。とりあえず聞いてみるか。

 

「あのさ、シズ。今から俺は上位精霊をお前に授けようと思う。属性は光と火だ。……だが、火だとシズは嫌だろ?だからどうする?」

 

「……正直なことを言うと、精霊を宿らせること自体嫌なんだ…。イフリートみたいなのがいそうで…。」

 

ふ~ん…。なあ、精霊って全員乱暴な奴なのか?

 

《違いますよ!属性によって性格が違いますから!ですが、主人(マスター)がやろうとしている事は分かりますから言いますけど、今回の子は無口な子にしますね!それだと恐らくイフリートのように支配権を奪おうとしないかと!》

 

属性によって違うのか…。ふ~ん。ま、でもウィズさんが静かな奴にしてくれるらしいから良いんだけど。

ちなみに俺がやろうとしているのは『精霊創造』だ。まあ、自我のあるものを生み出すこと自体にとても魔素と魔力を使うのだが、シズのためだ。惜しみなく使ってやろう。

 

「なに。大丈夫さ。今回は静かな子だからね。それに、炎が嫌なら光だけでも良いんだけど…。」

 

東京大空襲…。シズは戦時中の時代からやって来たそうだ。そりゃ炎とかが嫌いになるはずだ。俺は20XX年から来たから当時の様子は見てないが…。ん?なんで俺が20XX年から来たのにシズが来る前からこっちにいたのかって?そんなこと知らん。逆にこっちが聞きたい。

…ってまた話が脱線した。すまんすまん。

 

「…やっぱり炎は嫌だ…。」

 

「…そうか。じゃ、光の上位精霊を宿すよ。炎は使えないけどね。」

 

そういって俺は光の上位精霊を創造する。

 

《出来ました!光の疑似上位精霊『光』を作成、シズと統合します!》

 

とはいえ簡単に統合出来ないのが光の精霊。正直、勇者の素質がないと統合出来ないらしいのだが…。

 

《成功しました!》

 

良かった。上手くいったな。

 

「すまなかったな。シズ。」

 

「ううん。大丈夫だけど…。」

 

とりあえずこれでひとまずは大丈夫だろう。

 

「………あの…終わりましたかね…?」

 

首を長ーーくして待っていたリムルが俺に話しかけてくる。

ドワーフ王国では俺空気だったからな…。それの仕返しだよ……って言うわけでもないが、うん…。なんか…ごめん。ごめんねリムル。

 

「すまんすまん。終わったよ。ありがとな。リムル。」

 

「………へっ?」

 

俺は素直に礼を言う。

リムルのお陰でシズに再会することが出来たのだからな。ふむ…でもそうなれば何かお礼でもあげるべきだよな…。どうしよ。

 

《人間に擬態できるようにする…何てのはいかがでしょう?リムルも転生前は人間だったようですし!》

 

そうだな。さすがはウィズさんだ。よく分かってらっしゃる。

というわけでリムルに人間の擬態をさせちゃおう大作戦なんだけど…どうしよ…。まず、俺を捕食させちゃおうと思ったんだが、スキルを解析させられるのはマズイ。だが、他にデータなんて…

 

「…………ん?」

 

シズがいたー…。でもな…、シズを捕食させるのはちょっとな…。あ、そうだ、動かない疑似的人間を作れば良いのか!それじゃあシズをベースに、頼む、ウィズさん!

 

《分かりました!疑似的人間、『シズ』を作成………成功しました!》

 

じゃあ出しt───って、シズ本人がいるのにそれはマズいな…。ちょっとシズに出てもらうか…。

 

「ごめんシズ。ちょっとだけ出てもらえないか?」

 

「ん…?良いけど…。」

 

悪いがシズには外に出てもらった。だって自分の目の前で自分のクローン人間が創られるところなんて誰も見たくないだろう?少なくとも、俺は見たくないからな。

 

「……なあ、何するんだ…?シズさんまで外に出して…。」

 

「アレだ。プレゼントだ。君のお陰でシズとまた会えたんだからな。そのお礼さ。」

 

そういって俺はシズのクローンを生み出す。も、もちろんちゃんと服は着せてあるからな!!そこを勘違いするなよ!

 

「うわっ…!えっ!?シズさん!?」

 

俺がシズのクローンを生み出したことに、ビックリしている。というかなんか全体的にウネウネしている。見た目がスライムだからか割と可愛い。

 

「ほら、それ捕食しろ。一応それクローン人間だから。そしたら人間にでも擬態出来るだろ…?」

 

「な、何で俺のスキル知ってるんだよ…。」

 

そう言いながらしぶしぶとシズのクローンを捕食するリムル。やはり、クローンとはいえシズを捕食するのは嫌だったのだろうか。

 

(《告。エクストラスキル『炎熱操作』とユニークスキル『変質者』を獲得………成功しました。また、これにより『人間』に擬態出来るようになりました。》)

 

「へぇ…。何だか悪いな。スキルまでもらっちゃって…。」

 

「えっ…?……あ、ああ…気にするな…。それも俺からのプレゼントだから…。」

 

スキル…?そんな物付与した覚えは………

 

《シズをベースに創ったので主人(マスター)が無意識的にユニークスキル『変質者』とエクストラスキル『炎熱操作』も一緒に創造したかと…。》

 

うそん…。マジかよ…。まあいいや。シズに会えたんだからな。というかこれから()()()()()んだからな。そう考えたらこれぐらい誤差だよ。誤差。

 

「さてと、じゃ、家持ってくるからさ、どこ置いたらいいか教えてくれる…?」

 

「はっ?えっ?家!?」

 

「あれ?言ってなかったっけ?俺ここに住むから。」

 

「ええええええええ!!!!!!!」

 

俺のここに住む発言により、リムルの声がテントいっぱい……いや、テントの外にまで響き渡ったのだった。




原作崩壊致しました(笑)まあ、スカーレットがここに来た時点で分かっていたかと思いますがね。

それとシズに光の精霊を宿した理由は二つあります。一つは『シズを若返らせた際に、魔素もすべて戻ってしまった為、もしかしたら魔素が溢れて死ぬかもしれない。』という理由です。
それと、スカーレットはこれに気付いていないのですが、もう一つは『自分(魔王)と対になる存在(勇者)を作るため』です。
ギィにはルドラ、レオンは……レオン(勇者でもあり魔王でもある。)のように魔王と対となる存在が必要なので。

そしてスカーレットは1つ目の理由だけしかないと思っています。なので何の精霊でも良いのです。ですが、ウィズさんに光の精霊を勧められたので光の精霊にしただけです。

ちなみにウィズさんは2つ目のことも知っています。

長々と説明すみません。分からないところがあれば質問下さい。

それとシズさんのステータスです。参考までにどうぞ。なお、これは僕が考えたものですので、原作とは違う部分もあるかもしれません。ですが、そこはご了承ください。

名前:シズエ・イザワ
種族:人間
加護:紅の皇帝(スカーレット)の加護
   光の精霊の加護
称号:爆炎の支配者
魔法:なし
技能:ユニークスキル『変質者』
   エクストラスキル『炎熱操作』
耐性:炎熱攻撃無効


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オーガ襲来

これからはぽんぽんと話が進んでいくかなと思いますね。多分。


あれから数日。俺は街の建設を手伝ったり、シズといちゃ………一緒に過ごしたりしていた。

リムルはというと、常時人間体となって暮らしている。よほど嬉しかったのだろう。ちなみに、シズのクローンをリムルに食わせたと素直にシズに伝えたら若干引いてた。でも目や髪の色とか身長とか違うし…ね?と言ってなんとか説得したのだ。あれは大変だった…。俺の株gゲフンゲフン、リムルの株が下がるところだったからな。

そして、シズさんは自由組合(ギルド)に戻らないのか?とリムルが聞くと……

 

「多分、自由組合(ギルド)だと死んだことになってるからここで暮らした方がいいと思うんだ。それに、ここで暮らした方が楽しそうだしね。」

 

とかなんとか。そんな理由でシズもここに住むことになったのだ。とはいえあまり家の建設が進んでいない。何故なら、上下水管道の設置を優先しているからだ。なので、シズの家が完成するまでは俺の家に住んでもらうことにした。

えっ?お前の『万物創造』があれば家くらい簡単に作れるだろ…だって?分かってないなぁ…。俺はシズと一緒にゲフンゲフン、これはリムルが『自分の街だから自分たちで作る』と言う理由で、家や水管道を作らせてもらえないのだ。まあ、手伝うくらいなら良し!ということで多小は手伝っているがな。

ま、そんなこんなで楽しく暮らしている。シズも、イフリートの脅威に怯えながら暮らさなくても良いと喜んでいたしな。

あ、そうそう。イフリートで思い出したが、あの抗魔の仮面はやはりクロノアからもらったものらしい。とはいえ、シズは『もう自分には必要ないから…』と言う理由でリムルにその仮面をプレゼントしたのだ。多分有効活用して欲しいとでも思っていたのだろう。で、その仮面をリムルがつけたらまあビックリ。漏れていた妖気が完全に消失したのだ。ウィズさんも

 

《この状態だと『人間』と認識されると思います!》

 

だとか。リムルにとっては良い贈り物になったと思う。

 

そんな感じで暮らしていたある日。ランガから思念伝達が届いた。千里眼で見てみると………うわーお、ランガさんが鬼と戦ってるじゃないですか。こりゃ助けにいかないとな。そう思った俺はランガのいるところに瞬間移動する。ちょうどリムルも来たようだ。

 

「状況を説明してくれリグル。警備隊に何があった?」

 

リムルがリグルと呼ばれるゴブリンに問う。

 

「面目ありません…。強力な妖気(オーラ)を感じ、警戒していたのですが…。まさかオーガに出くわすとは思わず…。」

 

オーガ。目の前にいる鬼だ。見た目的には日本刀や日本の鎧などを身につけている。返り血がついていたり、道具自体がボロかったりと、道具から色んな事があったと読み取れる。

 

「主よ!申し訳ありません…。我がいながらこのような…。」

 

当たり前だ。ランガはせいぜいBランクと言ったところ…。それだが、奴らオーガはA-くらいはあるからな。ん?俺?俺はもちろん特S級、天災級(カタストロフ)に決まっておるだろ。ま、そんな俺がいるんだ。それに、今のリムルはAランク上位。オーガが勝つ確率なんてないだろう。

 

「お兄様、あの者…。魔王スカーレットでは…?それにあの仮面…。」

 

やはり気がつかれたようだ。ま、だからなんだという話だがな。

 

「正体を現せ!邪悪な魔人め!」

 

「お、おいおい!!ちょっと待て!俺が何だって!?」

 

案の定リムルは困惑しているようだ。まあ、そりゃ身に覚えのない事で攻められたら誰だって困惑するよな…。

 

「魔物を使役するなど普通の人間にできる芸当ではあるまい。それに後ろには魔王スカーレットがいるではないか。見た目を偽り、妖気(オーラ)を抑えているようだが甘いな。オーガの巫女姫の目は誤魔化せん。同胞の無念、その億分の一でも貴様らの首で贖ってもらおう。」

 

赤髪のオーガが話す。内容は敵討ちらしい。

………なるほど。軽く心を読んでみたのだが、どうやらオークとかいう豚にオーガの里を襲われたようだ。で、その真犯人を俺らだと誤解しているよう。

 

「お前ら、少し勘違いしてないか?俺は確かに魔王だが、オークに助け船など出してないぞ?ましてや、つい最近まで俺はここ、ジュラの大森林に入ることすらも出来なかったんだ。手下などいない俺がどうやってオークに助け船を出せると言うんだ?」

 

「黙れ!!手下なら後ろにいるではないか!!」

 

「いやこいつは──」

 

「黙れ!!!」

 

赤髪のオーガは俺の言葉に対して過剰に反発する。

どうやら相手は考えることをやめたようだ。

 

「………なあ、どうする?」

 

俺がリムルに問いかける。ぶっちゃけ、俺の敵でもないし、雑魚なんだから片付けるのは簡単だ。だが、無駄な殺生はしたくないのでな。というか面倒くさ(ry

 

「俺がやるよ。ランガ、魔法使うのはどいつだ?」

 

「はっ、巫女姫と呼ばれた桃髪の女です!」

 

「分かった。スカーレットはソイツを相手してくれないか?残りは俺が片付けるよ。ランガは少し休んでいてくれ。」

 

何故面倒なことを…。まあ、別に魔法程度なら面倒の範疇に入らないから別に構わないが…。

 

「…真勇か蛮勇か…。その度胸に敬意を払い、挑発に乗ってやろう。後悔するなよ。」

 

そういってオーガたちはリムルに襲いかかる。

さて、大事なシーンだがおっとりと見ているわけにもいかないからな。とりあえず巫女姫との接触を謀ろう。

 

「なあ巫女姫とやら。俺たちは本当にお前らオーガの里なんか襲ってないんだが?」

 

あの赤髪とは違い、こちらは話を聞いてくれそうなのでなんとか説得してみる。

 

「ですが、魔物を率いてましたし…」

 

「確かにそうだ。アイツは魔物を率いてるよ。でもお前らのところに来た魔人とはその有様が違うんじゃないか?」

 

恐らく、オークを率いてた魔人はどちらかというと洗脳に近い感じで率いてたんだと思う。魔人ってのはそういう支配のやり方しか知らないからな。

 

「…確かに…、皆あの者を慕っているように見えました。貴方ではなく、あの魔人に…。ですが、魔王の貴方の言葉など…!」

 

「あっそ。じゃあ良いよ。このままお兄さんがやられる様子を見てるんだな。」

 

このままいけば間違いなくあのオーガたちは負ける。それほどリムルが強いのだ。ま、殺しはしないと思うが…、脅威となると思ったら殺すかもな。

 

(確かに…オークたちとあの魔人が率いている魔物との有り様は違う…。あの者に慕っていなければ私の魔法に抵抗(レジスト)なんてしないはず…。だけど…)

 

さてさて、良い感じに迷ってるな。後はリムルがオーガたちを圧倒し、そんな中で巫女姫がオーガたちを止める…。これが俺が(99%ウィズさんが)考えた案だ!

 

《…………》

 

はいまた呆れられましたありがとうございます。……って、そんなことよりリムルがオーガたちをどうしているかだ。で、リムルの方を見たんだけど…何アレ!?なんか黒い炎出てるんだけど!?

 

《ま、主人(マスター)も使えるはずですが…》

 

はいまた呆れられ(ry

 

「あれは…!あの炎は…周囲の魔素を利用した妖術ではありませぬ!あの炎を形作っているのは純粋にあの者の力のみ…。炎の大きさがそのままあの者の力…!!」

 

うへぇ…。いつのまにこんなスキル手に入れてたんだリムルは…。

 

「若、姫を連れてお逃げ下さい。ここはワシが…」

 

「黙れ爺。無惨に散った同胞の無念を背負ったこの俺が…、ようやく見つけた仇を前に逃げろだと?」

 

う~む…。なんともご立腹の様子。まあ、その感情、分からんわけでもないが…矛先向ける相手が間違ってるんだよな…。俺らじゃなくてオークを率いてた魔人に剥けるべき何だが…。ま、作戦通りだから良いんだけどな。

 

「……お待ち下さいお兄様!この方は敵ではないかもしれません!!あのホブゴブリンや狼はこの者を信頼しているようでした!それはオーク共を率いていた魔人の有り様とはあまりに違うように思うのです!」

 

ナイス姫!……まあ、俺がそうなるように仕向けたんだけどな。

その後、無事に誤解は解け、オーガたちと共に街へ戻ったのだった。

 

そして夜。今日はリムルが飯が食えるようになった記念…ということでお祭り騒ぎだ。

 

「なんか…あの姿でいられると少し恥ずかしいな…///」

 

俺の隣で飯を食っていたシズが発言する。

 

「なんか…ごめん。うん。本当にごめん。」

 

何故あの時シズのクローンを作ろうと思ったのか…。本当に何を思っていたのだろうあの時の俺は…。

 

「いや、別に良いんだけど…、ちょっと…ね?」

 

本当に申し訳ないな…。ま、でもなんやかんや言ってシズも許してくれてるし、皆楽しんでいるから何でもいいや。

そんな事を思いながら俺は焼き鳥を食すのだった。

 

 

リムルside

 

「………で、あの魔王は何者なんだ?リムル殿。」

 

若が俺に問いかける。

 

「アレだよ。居候だよ。俺はアイツの配下でも何でもない。ぶっちゃけ、赤の他人だ。だが、アイツがそのオークに関わっていないことは確かだ。というかここ最近ずっとここで暮らしてるからな…。」

 

正直、最初はいつ殺されるのかドキドキして仕方なかったんだけどな…。アイツ見てると亡くなった兄貴思い出すな…。ま、そんな事アイツには関係ないだろうけど。

 

「でだ、提案なんだけど、お前ら全員俺の仲間になる気はないか?ま、俺が支払うのは衣食住の保証のみだけどな。それに武装したオークが攻めてきたんだろ?そりゃ異常事態だ。この街だって決して安全だとは言えないだろうしな。魔王がいるとはいえ多分協力してくれなさそうだし…、そんなわけで戦力は多い方がこちらとしても都合がいい。」

 

まあ、俺たちの問題だからスカーレットに迷惑をかけたくないってだけだけどな。最悪の場合はスカーレットを頼るが、それは本当に手も足も出なかったときだけだ。

 

「…………少し考えさせてくれ。」

 

「おう、じっくり考えてくれ」

 

アイツらが戦力として加わるのか…。少し楽しみだな…。



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オークロード

あれから数日がたった。その間、リムルがオーガに名付けしてオーガが鬼人に進化したり、偉そうなリザードマンが来たり、樹妖精(ドライアド)が俺の元に訪ねて来たりした。

リムルではなく俺に訪ねてきたのだ。その理由はオークロードを討伐するために強者を訪ねて来たそうだ。魔王である俺にとっちゃ雑魚であることには変わりない。受けてやろうとも思ったのだが、シオンが

 

「これは私たちジュラの大森林に住む魔物の問題です。魔王などに頼ってばかりでは私たちは成長できませんので。」

 

などと言って、リムルがそのオークロード討伐の依頼を受けることになった。とはいえ、さすがに本拠地に攻められたら街が壊れるとの事なので街の防衛は俺の役割となった。

そんな事もあり、今はゴブタ率いるゴブリンライダーの育成中である。俺とハクロウ、そしてシズが剣技を教えている。………シズには出来るだけ休んで欲しかったが、

 

「もう大丈夫だよ。それに私も何か役に立ちたいから。」

 

って言って仕方なく連れて来たのだ。とはいえシズも結構な腕前を持つ立派な冒険者だ。そこまで保護しなくても良かったな。というか俺が過保護過ぎたな。次からは気をつけよう。

それと俺はゴブリンだけでなく嵐牙狼(テンペストウルフ)や鬼人たちも育てている。というかどちらかというとこちらの方がメインになっているがな。

見所があるのは鬼人の4人、ランガ、ゴブタくらいだ。まあ、それぞれが優れているので仕方ないがな。

そして現在、そろそろリムルたちが出発するというので最後に鬼人たちと手合わせをしている。

 

「ハァァァァ!!!!!」ズドォォォォォン!!

 

シオンが大剣を振り回し、俺に攻撃を当てようとするが、俺はそれをひょいと避ける。

 

「操糸妖縛陣!」ギュオオオオオ!!!

 

「ん?」

 

黒炎獄(ヘルフレア)!!!」ボォン!!

 

俺はソウエイの粘硬糸の繭に包まれ、それをベニマルがヘルフレアで燃やす。

中々良い線行ってるなぁ…。ま、『熱変動無効』があるから効かないんだけどな。

 

「トドメだ!!黒雷嵐(デスストーム)!!」ドゴォォォォン!!!

 

そして『黒炎獄(ヘルフレア)』が消えると同時にランガが『黒雷嵐(デスストーム)』を俺に撃ち込む。まあ、『万物耐性』に『電子操作』があるから雷なんて効かないんだけどね。

 

「はぁ…はぁ…。これで傷一つついてくれれば…」

 

「嘘だろ…。これで無傷…。バケもんじゃねえか…。」

 

「そうでなきゃ魔王になんてなれないからな。」

 

しかも俺覚醒魔王だし、スキルとの相性も悪かったしな。でも今のだったらオークロードなんてリムルが出なくても倒せるんじゃないか…?伝説のユニークモンスターなんて言うけど多分倒せるだろ。

 

「おい!そろそろ行くぞ!」

 

リムルが皆に呼びかける。どこに行くか…。そう、湿地帯だ。リザードマンとの同盟を結ぶためにわざわざ遠くまで行くのだとか。

 

「じゃ、行ってくる。留守番頼んだ。」

 

「はいはい。」

 

ちゃっかりしてるなぁ…。そう思いながら俺はシズと一緒にリムルを送り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リムルを送り出して3日、オークがこちらに攻めてくる様子は見られない。リムル達がいるとはいえ心配なので千里眼………ではなく水晶を媒体としてリムル達を観察していた。ちなみに何故水晶を使ったのかというと、シズが

 

「私もリムルさんたちの様子が気になるんだけど…」

 

と言ってきたので千里眼ではなく水晶を使ったのだ。まあ、こっちの方が目が疲れなくて良いんだけどな。

で、そんなことがあったので見てるんだが……どうやら同盟が締結されたようだな。そしてしばらくして、リムル達がオーク軍に攻撃を仕掛けたようだが…リムルが出る幕はないかもな。ベニマルやランガ達がオークをゴミのようにあしらっている。今のベニマル達にとってオークなど敵ではないだろう。

 

「強いね…。貴方も大概だけど…リムルさんたちも強いし…もう私じゃ敵わないかも。」

 

「いや、まだスキルを極めたらいけるんじゃない?」

 

もしかしたら勇者になれるかもしれないからな。………だとしたら俺いつか討伐されるんじゃ…。いやいや。そんなわけないよな。

ま、そんな談笑はここまでにしてリムル達を見守らなければ。

………ってなんだあれ…?なんか仮面を被った魔人が………ああ。アイツがベニマルたちの言っていた『仮面を被った魔人』…ね。オークロードに何か喚き散らしているあたりアイツがオークロードを誕生させでもしたのだろう。で、例のそいつは魔王が…とか進化が…とか言っている。要はあのオークロードを魔王にさせてこき使わせるつもりだったんだろう。だが、オークロードが魔王になったところで、この俺の敵ではないがな。

 

「魔王…。レオンに関係あるのかな…。」ボソッ

 

シズがボソッと呟く。魔王レオン。シズを召喚したあげく雑魚だと罵りやがったからな。シズも相当根に持ってるだろう。だが今回のこれは恐らくレオンは関係していないだろう。アイツは誰かを召喚するのに必死だったからな。ジュラの大森林に目を向ける事すらないだろう。

 

「関係ないと思うぞ?俺の知ってる限りアイツはここまで目を向けないからな。」

 

「そうなの?なら良いんだけど…」

 

だがシズはどこか心配している様子。さすがに仇だから仕方ないのだろうが…。

 

『《確認しました。個体名ゲルドが魔王種への進化を開始します。………成功しました。個体名ゲルドは豚頭魔王(オークディザスター)へと進化完了しました。》』

 

水晶からそんな声が聞こえてくる。魔王…?そんな馬鹿な…などと思っていたが確かに魔王だ。とはいえ覚醒魔王ではなくただの魔王種なのだがな。だがこれはマズイ。このままではベニマルたち鬼人はおろかリムルですら勝てない可能性がある。基本魔王種というのはSランクだ。そんな奴に特A級ほど……大きく見積もってもS-のリムルが勝てるだろうか。………いや、アレを使えば勝てるな。かつて俺がギィと戦ったときに使った裏技…。リムルには『大賢者』があるのだ。それならば…

 

「大丈夫かな…?今魔王って聞こえたんだけど…。」

 

「大丈夫だ。絶対に勝てるだろう。それに、勝てなかったとしても俺が行くしな。」

 

さて、リムルはどうでるのか…。

 

『出番だぞ。相棒。』

 

『了。『大賢者』へ主導権の一任を確認。自動戦闘状態(オートバトルモード)へ移行します。』

 

ふっ、やっぱりな。さすがはリムルだ。『大賢者』の使い方をよく分かっている。

普通ならああやって使うことなどほぼないのだが、スキルを上手く使えない内は『大賢者』を使うことによって戦力の急激な上昇に繋がるのだ。それにより、リムルは一時的にSランクには上がっただろう。特S級には敵わないだろうが…少なくとも豚頭魔王(オークディザスター)を倒す程度の力は備わっているだろうな。

そしてリムルは俺の見立て通り、豚頭魔王(オークディザスター)を圧倒している。…そして、リムルは最終的にアイツを『捕食者』で捕食してしまった。中々やるよアイツも。……てなわけで無事豚頭魔王(オークディザスター)は討伐されたのだった。

 

そして後日。事態の収束に向けた話し合いを行ったそうだ。とはいっても俺には関係ないので俺を除く主要メンバーたちが話し合い行われた。で、それで何が決定したのかというとリムルがジュラの森大同盟の盟主になった…ということだ。そしてオークども15万の食糧や何やらが足りていなく、しかもオークロードによる魔素強化も失われつつあるため、その強化分をリムルが喰い、それを名付けによって与えるという意味不明な事をリムルはやっていた。そう、15万のオークの名付けである。正直、『頭おかしんじゃねえの?』とか思ったが背に腹はかえられぬ…と言うことだそうだ。まあ、俺には関係ない……などと思っていると、

 

「名付けを手伝ってくれないか?」

 

というわけのわからない要望が来た。いやまあ、俺もリムルと似たようなスキル持ってるけど…少なくとも7万の名づけをやるんだろ…?そんなのお断りだ…と言いたかったのだが、

 

「お願い…」

 

とシズに言われたのでまあ仕方なくやってあげたよ。まあ、分身を一体作って、同時進行でやったがな。ん?何故一体だけなのかって?二体以上作ると分身体がスキルを使えなくなるのだよ。攻撃力や体力、魔素などは減らないがスキルだけが使えなくなるという使えるような使えないような、なんとも微妙な分身体が出来てしまう。それ故、作業が二分の一にしか減らなかった。それでも約3万だ。頭がおかしくなりそうだったよ。おかしくなりすぎて名前の中に『ちくわ』とか『カメムシ』とかが入るくらいだったからな。まあ、さすがに名前を適当にしりとりでつけていったらそうなったわけだが…それは仕方ないと言えるだろう。

そしてあれから数ヵ月前。名付けをしたことによりオークはハイオークへと進化した。名付けをした甲斐があったというものだ。そしてこれにより街は一気に建設ラッシュに入った。ようやくリムルが夢に描いていた魔物の街が出来たのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ…全く、折角の計画だったのに、どっかの馬鹿(ゲルミュッド)が出張って返り討ちなんざ、世話のねぇこった。」

 

魔王のカリオンはそう話す。元々、オークロードを魔王にすると言う計画は魔人、ゲルミュッドによるものなのだ。

 

「まあいいでしょう。ひとまずは計画は頓挫したわけですが、少々軌道修正すればまだチャンスはあります。」

 

クレイマンがそういうといくつか水晶のような物が出てくる。それにはジュラの大森林の戦いの記録が映っていた。

 

「もしもオークロードが生き残っていたとすれば魔王へと進化しているだろうし、そうでなかったとしても彼らの中には魔王に騒動する力をつけている者がいるかもしれない。…なるほどね。」

 

どうやらフレイはクレイマンの作戦に勘付いた様子である。

 

「確かに、見た限りじゃ、オークロードよりこいつらの方が美味い。」

 

カリオンもクレイマンの策略には勘付いている様子である。そのクレイマンの策略とは、彼らを使って魔王スカーレットを倒そうとする企みである。だが、カリオンもフレイも気付いている。この者ではスカーレットを倒すことなど出来ない…と。我々でさえ倒せる気がしないのにどうやって倒すのか…。正直この二人はクレイマンなど当てにしていない。だが、藁にすがる思いで協力しているのだ。

 

「…?クレイマンが何を企んでいるかは知らんが、とりあえず今から生き残った者へ挨拶に行くとするか!」

 

そこで何も知らぬ魔王、ミリムが発言する。彼女の意思には“スカーレットを倒す”などという思惑など微塵もない。そもそもオークロードを魔王にさせるというのが面白そうだからクレイマンに協力しているだけであり、これがスカーレットを倒すための策略だということには全く気付いていない。

 

「そうですね…。無難なのは人をやって調査をすることかと思いますが…」

 

「おいおい、まさか協力しようってのか?」

 

「そうね…。どうせなら競争した方が潔いのではなくて?」

 

「いいなそれ!恨みっこなしで早い者勝ちなのだ!」

 

クレイマンの主張に、3人の魔王は反論する。

 

「互いに手出しは厳禁。約束なのだぞ?」

 

「はぁ…。そうなるだろうとは思いましたよ。では、今後は各々の自己責任ということで。」

 

クレイマンも諦めてその作戦に同情する。

 

「じゃ、私はもう行くのだ!またな!!」

 

「俺ももう行くぜ。」

 

「私も失礼するわね。」

 

そういいミリムたちはクレイマンの元から去って行く。

 

「…………はぁ…。他の魔王は私など当てにしていない様子…。だが、あの方の作戦を進めるためにはどうしても奴が邪魔だ…。何か良い方法はないか…。」

 

クレイマンは思案する。魔王スカーレットを暗殺するために…。




お知らせ。更新ペースに関するものです。と言うのもですね、僕は現在学生であり、春休み中なのです。ですがそれが4/8に終わってしまうのですよ。つまり学校が始まってしまう…と言うわけです。それに伴いまして恐らく更新ペースが下がるかと思われます。4日に1話のペースになるかと思います。ですが僕としても出来る限り、更新ペース向上に努めますので何卒よろしくお願い致します。よろしければ評価、感想の方をよろしくお願い致します。そうすれば僕のモチベーションアップに繋がりますのでどうかよろしくお願い致します。


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ドワーフ王

頑張って書きました。まだまだ駄文ですが応援してくださると嬉しいです。


豚頭魔王(オークディザスター)がリムルに捕食されてはや数ヶ月。俺はのんびりと暮らしていた。シズを含めるたくさんの仲間たちに囲まれ、退屈することなく過ごしていた。

 

「平和だね…。あの時が嘘みたい…。」

 

あの時…。シズが言うのは恐らく東京大空襲の時のことだろう。だがあの時とは違う。俺もいるし、シズにだって力がある。誰にだって負ける気がしないのだ。それが例え、ミリムだろうとギィだろうとな。ミリムが来ても怖くねーよ!と言う心の余裕まである。

 

「平和…か。魔物の国なのに平和だなんて、少しおかしいけどな。」

 

「それ魔王の貴方が言うこと…?」

 

「それもそうだな。」

 

今日もいつものように軽く談笑する。縁側で御茶を啜り、お煎餅を食べながら。少し古くさいとは思うが、これもまた趣があって良いのだ。

 

「はぁ…。でも本当に平和になって良かったよ…。それにまた貴方とこうして暮らす事が出来るなんてね…。」

 

「俺もだよ。もうシズとは会えないかと思ってさ。」

 

これはもう運命…とでしか言いようがないだろう。まあ、運命を操れる俺が何を言う…とツッコミを入れられるだろうがそこは無視して頂きたい。

 

「……ところでさ、言いたいことがあるんだけど…」

 

胡座をかいていた俺は正座で座る。

 

「改まってどうしたの…?」

 

「シズ、俺と──」

 

『緊急事態です。スカーレット様』

 

「………へ?」

 

俺がシズに言おうとした瞬間、ソウエイから思念伝達が届く。それにビックリして俺は『へ?』という間抜けな声を出してしまった。

 

『ど、どうしたんだ…?』

 

慌てて声色を戻す。

 

『ドワーフ王と名のる者が現れました。護衛も一緒に。しかも彼らは武装していましてその数はおよそ500です。念のために来てもらえませんか?』

 

何だ…そんなことか…。そんなことでいちいち騒がなくても良いだろ…。おそらくベニマルたちだけでも対処出来るだろうし。……まあ、心配な気持ちが分からんでもないしな…。

 

『分かった。今すぐ行く。』

 

そういってソウエイとの会話を終わる。

 

「シズ、悪いが今の話はまた今度するよ。」

 

「う、うん…。」

 

そういい俺はソウエイたちの元へと瞬間移動した。するとそこではドワーフ王とリムルが戦っていた。リムルは何かにひるんで動けない様子だが…一体何に…?

 

《ドワーフ王のエクストラスキル『英雄覇気』によるものです!》

 

なるほど…。でも、俺ここに来ちゃったから…

 

主人(マスター)の常用スキル『魔王覇気』によって『英雄覇気』が上書きされますね…。》

 

だよな。というか俺の『魔王覇気』に耐えられるのになんでドワーフ王の『英雄覇気』には耐えられないんだよリムル。普通俺の『魔王覇気』に耐えられないはずなんだけどな…。なんでだろ…。

 

《私が自動的に『魔王覇気』のオンオフを操ってますから。》

 

マジかよ。ウィズさん様々だな。

 

「ふ、ここまでか……──ッ!?」

 

「貴様はまさか魔王スカーレット……!?」

 

ドワーフ王とその配下の輩が俺を見て驚く。そりゃそうだ。なんたって天災級の魔物がここにいるのだから。

 

「な、何だ…?この威圧…!さっきのよりも強い…!!」

 

悪いリムル。ドワーフ王を脅すにはこれしかなかった。

 

「ま、まさかこんなところに魔王がいるとは…!」

 

「ちょ、待てよ。確かにアイツは魔王だが、何もする気はないぞ?」

 

リムルが何とか俺に危険がないことを証明してくれているが、このままではドワーフ王国から攻められそうな気がする。そうなればここが危ない。せっかく街が出来てきたところなんだ。壊させるわけにはいかない。というわけで、すまんがウィズさん、『魔王覇気』切ってくれない?このままだと説得出来なさそうだし。

 

《分かりました!》

 

「あれ…?威圧が解けた…。」

 

「おいリムルよ。一時休戦だ。まずはコイツを…」

 

やばいな…。ドワーフ王が俺を倒そうとしている。明らかに敵対しているようだ。はぁ…。どうするべきか…。

 

「落ち着けドワーフ王。別に俺は君たちドワーフに危害を加えるつもりはない。この街にいるのもここが良い街だと思ったからで、このスライムとは何の繋がりもない。少し居候させてもらっているだけだ。何ならその『独裁者(ウエニタツモノ)』で心を読んでもらっても構わない。」

 

もちろん深層心理を見せてやっても良いのだが、スキルの事などがバレるとやばいので表層心理だけ見せる。

 

「………確かに大丈夫そうだが…、貴様の深層心理が見られないのが気になる。何故だ?」

 

「そりゃ究極能力(アルティメットスキル)を持っているからな。」

 

俺がそう言い放つと辺りはざわざわとざわめき始める。心に関する究極能力(アルティメットスキル)を持っている俺には心に関するユニークスキルは効かないのだ。だが仕方がない。ユニーク程度では究極(アルティメット)には敵わないのだからな。

 

「……なるほどな。では最後に一つ。貴様がドワーフ王国に危害を加えないと言うことを約束しろ。」

 

「分かった。どんなことがあってもお前たちドワーフ王国には危害を加えないと約束しよう。」

 

危害を加えるなどはなから思っていないのだが…、まあいいだろう。何事もなく終わったしな。

 

「ところでリムルよ。先ほどの続きをしようではないか。」

 

「ゲッ、まだ続いてたのかよ…。」

 

リムルはいやいやドワーフ王との再戦を始める。剣技だけで言えばドワーフ王が勝っているが…果たしてどうなるのか。そう思っていると今度はドワーフ王から動き始めた。リムルの魔力感知を搔い潜り、頭をはねようとする。だがそれをリムルは危機一髪のところで避ける。しかし、ドワーフ王も甘くはない。さらに上に攻撃を仕掛ける。

普通ならば今のは見えぬであろう。おそらくリムルでさえ見えていなかった。ハクロウは見えていただろうが、その他の皆は見えることすらままならなかっただろう。ま、俺にはスロー再生に見えたがな。いやだってギィの攻撃とかと比べたらあんなのウサギとカメ、天と地、月とスッポン程の差があるからな。

だが、その攻撃をリムルは受け止めた。何故だ…?と思い心を読んでみると、ハクロウの剣に似ていただと。これは本当に単なる偶然だな……と思っていたらどうやらドワーフ王の師匠がハクロウだったようで。まさに偶然だったとも言える。

で、そんなこんなでドワーフ王はリムルを気に入り、一緒に酒を飲むことになったのだ。……俺も巻き添えにされて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……して、リムルよ。俺と盟約を結ぶつもりはあるか?」

 

そんなドワーフ王の発言にリムルはポカンとしている。

ドワーフ王が何故そんなことを言うのか…。それはこの街を認め、この国と盟約を結ぶことで技術や協力を得られる…とのことらしい。確かにドワーフ王としては戦力が欲しいと言うところなのだろう。技術よりも戦力。これを手に入れる事でうんと国力が上がるというものだ。戦力に関してはリムルに得などないし、技術の面でもカイジンやドワーフ三兄弟がいるため大した技術は得られないだろう。ただし、リムルは後ろ盾となる国の確保と魔物が人間たちに受け入れられる事を喜ばしく思ったらしく、ドワーフ王との盟約を承ったのだ。

 

そして翌朝。リムルが正式に災禍級(ディザスター)に任命された。リムルは

 

「その区分ざっくりしすぎじゃないか?」

 

といっていた。すると付き添いの奴がこう答えた。

 

「正確にはもう一段階、上にあるんですがね…。『天災級(カタストロフ)』と呼ばれる階級です。文字通りの天災です。怒らせたのなら世界の崩壊を覚悟すべきでしょう。」

 

「でも天災級(カタストロフ)の奴って実際にいるのか?」

 

「いますとも。そこに一人…。」

 

付き添いの奴にそう言われて指を指された。するとリムルに

 

「お前かよッ!!」

 

とツッコミを入れられた。解せぬ。

 

「後は…そうですね、暴風竜ヴェルドラなんかも該当します。」

 

リムルがアイツもかよッ!!と心の中でまたツッコミを入れている。いや…うん…なんか申し訳ないな…。そんな談笑をしつつ、リムルとドワーフ王の正式な盟約が行われた。リムルはこの街だけでなくジュラの大森林を含める国の国王となった。その国の名は『ジュラ・テンペスト連邦国』。蜥蜴人族(リザードマン)樹人族(トレント)など、支配地域を持つ種族も加わることとなるので、連邦国なのである。そしてこの国の首都は今までリムルが作っていた街となり、中央都市『リムル』の名がついたのである。魔都『リムル』とも言うがな。

中央都市ともなれば色んなところから人が集まってくる。もちろんヒャッハーな輩もな。だが、とりあえずそいつらも受け入れる。それがリムルの方針である。……何度も言うが、ようやくリムルが描いた魔物の街が完成したのである。



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ミリム襲来

投稿が大幅に遅れてしまいました。申し訳ございません。


武装国家ドワルゴンとジュラ・テンペスト連邦国との盟約が結ばれて数日。いつも通り平和な日々が続いていた。だが、俺は知っている。もうすぐここに魔王ミリムがやって来ると言うことを。それにまだリムルは気付いていない。それは何故か。何故なら魔王ミリムがここまで来られるのにかかる時間は後、約10分はある。それ故、リムルの魔力感知では反応しない。もちろん俺は『探索』の応用による『索敵』と、究極能力(アルティメットスキル)心情之皇(フィーリングエンペラー)』による『読心』をリンクさせることによって敵意を持った者がこちらに来ているのか否かが分かるのだ。そして『千里眼』によりどのような相手を見ることで相手の容姿が分かる。それが今回はたまたまミリムだった…というわけである。ちなみにこの前のドワーフ王にも気付いていたのだが、リムルたちでも対処できるだろうと思い、スルーしていた。……まあ、ソウエイに呼ばれたから仕方がなかったが…。

それで、そんなミリムが何をしに来たのか。『読心』を使うと挨拶しに来たということが分かった。とはいえあのミリムが来るのだ。何をしでかすのか分からない。適当に魔力弾を投げられると一気にこの街が崩壊してしまう。それは何としてでも避けたいので、俺はミリムに近寄ることにした。もちろんバレないように『存在隠匿』を使いながらな。

そして着いていくこと10分。ミリムがジュラの大森林に着陸した。そこにはスライム状態のリムルもいる。

 

「始めまして。私は魔王ミリム・ナーヴァだぞ!お前がこの街で1番強そうだったから挨拶にきてやったのだ!」

 

いや…何で1番強そうだったから=リムルなんだよ。普通俺だろ…?と思っていたんだけど、『存在隠匿』の応用で妖気(オーラ)を常に隠していた事を忘れていた。というかこうでもしないと居場所がバレかねないからな。バレてもいいが、兵士に襲われるのは面倒だからな。仕方ない仕方ない。

 

「始めまして…。リムルと申します。なぜ、私が1番強いと思ったのですか?」

 

リムルはいつもの口調ではなく、へりくだった口調で話す。確かにミリムは魔王だが…精神年齢子供だぞ?

 

「ふふん!それで妖気(オーラ)を隠したつもりか?この『竜眼(ミリムアイ)』にかかれば相手の隠している魔素量(エネルギー)など丸見えなのだ!」

 

俺いたんだけどな…。まあ、隠していたし仕方がなかったんだけど。

というかそろそろ正体晒しても良いよね?晒したくなっちゃった。というわけで早速俺は『存在隠匿』を解く。もちろん妖気(オーラ)は隠したままだが。

 

「おお、ミリムじゃないか!」

 

そして今来た風に装う。別にそうする必要はなかったのだが、そちらの方がカッコイイ気がしたのでそうした。

 

「ん?おお!!スカーレットではないか!!久し振りだな!半世紀ぶりか?」

 

「そうだな…。」

 

もうそんなにもなるのか…。そういえば前あったのが家引っ越したときくらいだったからそんくらいか…。

 

「それにしてもスカーレットがここに居たなんてな!私の竜眼(ミリムアイ)にも反応しないし…どうやって隠してたんだ…?」

 

「固有スキルの『存在隠匿』で隠してた。」

 

というかこの『存在隠匿』というのは『世界の言葉』ですらも気付くことが出来ないのだ。その為、ユニークスキル程度では気付くことなんて出来ない。出来るはずがないのだ。よってミリムが俺に気付かなかったことは決してミリムのスキルの性能が悪いわけではない。

 

「そ、それで…どんな御用で…」

 

リムルが恐る恐る話しかける。そこまでビビらんでも良いのだが…まあミリムも魔王だしな。一応。

 

「最初に言ったではないか。挨拶だぞ?」

 

あっけらかんと言うミリムにリムルは『それだけかよ!!』と心でツッコミを入れる。

いや、気持ちは分かる。俺も1回ツッコミ入れたしな…。だが、ミリムはこういう奴だからな…。許してやって欲しい…。

そう思っているところになんとシオンがミリムに攻撃を仕掛ける。

 

「ランガ!リムル様を連れて逃げなさい!」

 

「心得た!」

 

するとランガがリムルの影から飛び出してくる。おそらくミリムの覇気に当てられでもしたのだろう。実際、シオンらは俺の『魔王覇気』の時も動けていたしな。

 

「なんだ…?私と遊びたいのか…?」

 

シオンが放ったその攻撃はミリムによって受け止められる。ミリムもシオンも殺る気スイッチオンだ。はぁ…。全く、いくら鬼人とて、魔王に勝てるわけなかろう?それに相手は普通の魔王ならぬ真なる魔王だ。鬼人の攻撃では傷一つつかんだろうな。

俺がそう思っていた通り、ソウエイやベニマルが粘硬糸や黒炎獄(ヘルフレア)を放つがミリムはびくともしていない。

 

「わはははは!!すごいのだ!これ程の攻撃、他の魔王ならあるいは倒すことも出来たかも知れぬ。だが、私には通用しないのだ!!」

 

そう言いながらミリムは衝撃波を放つ。それによりミリム中心に大きなクレーターが出来てしまった。

 

「…なんとすさまじい…。」

 

いやすさまじいっちゃあすさまじいが、これはやり過ぎだろ。

 

「おいミリム。少しやり過ぎだ。」

 

そういって俺はミリムに近づき、軽くデコピンをする。気持ちが伝わらなかったらダメだからな…。気持ち強めに…

 

バチィィィィン!!!!!

 

バチィィィィン!!!!!という音が響き渡る。

 

「………あっ…」

 

やっべぇ…。やり過ぎちまった…。久し振りにミリムにデコピンやるもんだから手加減するの忘れた…。

 

「い、痛いのだぁ~!!お前は手加減を知らんのか!このバカ!!アホ!!間抜け!!」

 

「い、いや…すまん…」

 

ミリムはわんわんと泣き叫ぶ。……俺が手加減するのを忘れていなければ…そう後悔した。

ちなみに、俺はミリムの力をとうに越している。おそらくだが、ギィも越してはいるだろう。詳しいことはステータスを見れば分かるのだが、この結果には俺のスキルの強化がえげつない程に影響している。逆に言えば俺のスキルが使えない状態だと、カリオン程度の力しか出せない。まあ、それでも凄いことには変わりないのだがな。

さて…そんなことは良いとして、どうやってミリムをあやそうか…。

 

「その…許してくれミリム…!!」

 

「いやなのだ!!それにいつの間にか私より強くなりおって!!もう許さないのだ!!」

 

というかそれは…仕方ないんだよ…。ミリムの『憤怒之王(サタナエル)』と同等のスキルを持ち、尚かつ他の強化系スキルも持っているんだから…。

 

「わ、悪かったよ…。お詫びにさ、俺の友達が美味しいもん食わせてやるって言ってるからさ。」チラチラ

 

「……俺ぇ!?」

 

(悪ぃ!1回だけ!)

 

リムルの方をチラチラ見ながら思念伝達で頼む。

 

(はぁ…。仕方ねえな…。1回だけだぞ?)

 

とリムルが返事を返してくれた。この時ばかりは『リムル様!』と拝みたくなった。

そして現在。リムルとミリムはランガに乗って街へと戻っている。

 

「なあなあ、お前は魔王になろうとしたりしないのか?」

 

ミリムが道中でリムルに質問する。確かに俺はリムルが魔王になる!と言っても反対はしないだろうな。だがリムルは

 

「しねーよ。」

 

と素っ気なく返す。確かに何のために魔王になるのか…。俺はたまたま魔王種で、ミリムやギィなどに気に入られたから魔王になっただけである。とはいえ、魔王になってみたかったのもあながち間違いではないので魔王になったのだがな。

そしてその後もミリムがあれやこれやと魔王に勧誘するが、

 

「退屈なんじゃないか?それ。」

 

と一蹴されてしまった。

 

「お前!?魔王になるより面白いことしてるんだろ!?ズルいぞ!!ズルいズルい!!もう怒った!私も仲間に入れるのだ!!」

 

という風にミリムが駄々をこね、それをリムルが仕方なく受け入れる…という形になった。そしてその後もしばらく歩き、街へとついた。だが、街についてからというもの、うろちょろしまくったり、暴れたりしていたのでミリムに何か言って殺されないようにミリムをテンペストの皆に紹介することになった。

 

「ええと、今日から新しい仲間が滞在することになった。客人という扱いなのでくれぐれも失礼のないように。」

 

そしてミリムにマイクならぬ魔イクが渡される。……字面的にやばいと思ったのは俺だけだろうか。

 

「ミリム・ナーヴァだ!今日からここに住むことになった。よろしくな!」

 

「「はぁ…!?」」

 

俺とリムル、2人の声が重なって響く。さすがにここにミリムが居るのはやばい。というのも、ここに魔王…それも割と強い奴がここに2人もいるとなると各国や他の魔王が動き出してしまう。まあ、俺の事はあまりバレていないから良いとしても、ここは魔物の街。ドワーフ以外の奴らにバレたらここが危うくなる。

 

「友達…か。」

 

おい!認めるな!!………はぁ…。まあいいか。いざとなれば『存在隠匿』で俺ごと皆を隠せば良いしな。

 

「えっと、そ、そうだな…。友達と言うより…親友(マブダチ)だな!!」

 

……と、なんかリムルとミリムは親友(マブダチ)になっているわなぜかミリムがここに住みついているわやらでとても大変だった。

だが、今のところはここ、テンペストは平和である。……そう、今のところは…。



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企み

今日も魔物の国は平和である。魔物という危険極まりない存在がいるとは思えないほど平和である。……魔王ミリムがいることを除けばな。

 

「───というわけで、魔王ミリムの滞在が決まった。1人で出歩かれるのも不安なんで、常に誰か側で見てやって欲しい。特にスカーレットとかスカーレットとかスカーレットとか。」

 

いや俺だけじゃねーか。とツッコもうと思ったが、正直ミリムはリムルですら敵わない相手なのだから仕方ない。

 

「ちょっと良いかい旦那。魔王ミリムの動向も気になるが、俺ぁ他の魔王にも気をつけた方がいいと思うぜ?」

 

そうカイジンが指摘を入れる。その理由は至ってシンプル。『テンペストと魔王ミリム、そして魔王スカーレットが同盟を結んだ』という風に勘違いされたら、魔王間の均衡が崩れるため、最悪ここが勢力争いに巻き込まれるかもしれない…というものである。いやそんなことさせないのだがな。

 

「じゃ、敵対する魔王が現れたらその時考えよう。」

 

投げやりだな。しかし今はそれしか打つ手がないのだ。それに少なくとも魔王一人程度なら俺だけでも何とか出来る……と思うのでそんな心配は要らないだろう。

 

「ところでリムル様、当のミリム様はどちらに…?」

 

「ん?ああ。風呂だよ。シオンとシュナに連れてってもらったんだが──」

 

リムルがそういうと廊下の方からドタバタと音が聞こえる。そして少しするとミリムがばんっ!とドアを開けて入ってきた。タオルを巻いたままで。

 

「リムル!!ここの風呂は凄いな!泳げるのだ!!」

 

「「「…!?」」」

 

ここにいる者全員が驚く。なにせタオルを巻いたまま入ってきたのだ。ここにいるのは皆男。反応するのは仕方がない。ん?俺?俺はもちろん意中の相手がいるからな。目など向けるはずは………ない………………………と思う…………………。

 

「じゃあなリムル!明日は一緒に入るのだ!」

 

「し、失礼しました…。」

 

シュナとミリムがそういうとまたドタバタと戻っていった。そして辺りは静まりかえる。

 

「あー…ではミリム様のお相手は親友(マブダチ)のリムル様に一任するということで。」

 

「「「異議なし!」」」

 

ベニマルがまとめ、それに皆が賛同する。もちろん俺だって賛成だ。面倒くさいからな。それにミリムはリムルに懐いているので、リムルに適任だと思う。

………ってなわけでリムルがミリムの世話を任された。

 

そして翌日。俺がゆっくりしているところに事件は起きた。魔王カリオンからの使者がやって来たのだ。そしてソイツをミリムが殴ったという。ん?何故他人事のような言い方なのかって?俺はその事件を見ていないのだ。リムルから

 

『魔王カリオンって奴の使者が来たんだが…一応来てもらえるか?』

 

と、連絡が入ったから来ただけなのだ。ちなみにその事件があったとき俺は思いっきり爆睡していたのだが、リムルからの通信で起こされた。解せぬ。

 

「…で、君達は何をしに来たんだ?」

 

カリオンの使者とか言う奴にリムルが事情を聞こうとするが

 

「スライム風情に答える気はない。」

 

と反発する。少しイラッときたので俺が口出しをする。ん?口出しすればカリオンに攻められるかもしれない…だって?攻められたところであまり怖くないからな。リーダーでも鬼人程度の力しかない。それならば大丈夫だろう。

 

「お前はカリオンに言われてきたのか?だとしたらどういう用件できたのか…。教えてもらわないとなぁ?」

 

「なっ、貴様は…魔王スカーレット!?……この国にいたとは…!?」

 

俺は『魔王覇気』を使用してフォビオとかいう使者のリーダーをビビらせる。……それにしても…この国にいた?どういうことだ?

 

「おい、それはどういうことだ?お前は俺を探してたのか?」

 

「……仕方ない。教えてやろう。カリオン様の命令でお前を探していた。だが途中で命令が変わってな。オークロードか生き残った方どちらかをスカウトしろと命令された。まあ、魔王スカーレットがいるのは想定外だったがな。」

 

ということはカリオンは新しい部下を増やしたかったのか…?それにオークロードをスカウトしろなんてそんなこと出来るはずが……ああ。出来る奴がいたな。魔人ゲルミュッド。確かオークロードはアイツの手下だったからソイツをカリオン側に取り込めばいけたのだろう。

 

「とはいえ貴様がまさか配下を取っていたとは…」

 

「違う。コイツらは俺の配下じゃない。このスライムの配下だ。なんなら樹妖精(ドライアド)を呼んでジュラの大森林の支配者がこのスライムだと言うことを証明させようか…?」

 

コイツらは俺をジュラの大森林の支配者だと思ったらしい。そう思うのは仕方がないが、生憎、今のところ配下なんて必要ないしな。

 

「では、魔王カリオンに伝えてくれ。日を改めて連絡をくれれば交渉に応じる…と。」

 

リムルが改めて仕切る。おそらくだが、コイツでは話にならないとリムルは考えたのだろう。自分たちに降りかかる被害をも考えられぬ奴に交渉など出来ぬ…と。

 

「…きっと後悔させてやる…!」ギリッ…

 

そういうとフォビオはドスドスと出ていった。

 

「よしスカーレット、ミリム、魔王カリオンについて話が……」

 

「知らん。」

 

「は、はぁ…?」

 

リムルに呆れられてしまった。だが、知らないもんは知らないのだから仕方ない。だってカリオンなんか会ったのジュラの大森林不可侵条約撤廃の時だよ?そっからはずっと会っていないのだから話せないに決まっているだろ。

 

「じゃ、じゃあミリム、教えてくれ。」

 

「それはリムルにも教えられないぞ!お互い邪魔しないという約束なのだ!」

 

……ナニヤッテンノ?思いっきり自白してんじゃねえか。しかもそこに目をつけたリムルが事情聴取を行ってるしな…。

そして、最終的にミリムは武器(おもちゃ)に釣られ、情報を惜しむことなく提供した。それはミリム含めた魔王4人の企みであり、その内容は傀儡の魔王を誕生させるという計画だった。

 

「なあ、これって俺たちが計画を邪魔したって事になるよな…。ってことは…」

 

「他の魔王もここへ干渉してくるでしょうね。」

 

もしそんなことが起こったら非常に面倒くさい事になる。別に起こってもいいのだが、シズが殺されれば俺はどうなるのか…。自分でも想像がつかん。もしかしたら怒りのあまりテンペストを破壊するかもしれない。そんなことは俺としてでも避けたいところだ。だが…今のところは心配などしなくても良いだろう。やって来たときに考えれば良い。まだまだ時間はあるのだから…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───数日後。このテンペストに客人がやって来た。一つはブルムンド王国からやってきた冒険者達。そして、もう一つはファルムス王国の調査団だ。

 

「ギルドの英雄を弔ってくれたことを感謝する。」

 

とやってきた自由組合支部長(ギルドマスター)が感謝の意を申す。…そういえばギルドではシズは死んだことになってるんだっけ…。

 

「あー…そのことなんだけど…実は生きてるんだよね…シズさん」

 

リムルがなんとも申し訳なさそうに話す。それにはフューズもビックリしていた。さらに魔王スカーレットと魔王ミリムがここに在籍していること、死にかけていたシズを俺が治してあげたこと、ドワルゴンと盟約を結んだこと、ベスターとカイジンがこの街にいることなどを知ると、フューズは口を開けたまま固まっていた。膨大な情報量とまさか魔王が二人もいるということに驚きすぎたらしい。

 

「で、そっちの兄ちゃん達は何しにきたんだ?」

 

と、リムルが明らかに柄の悪い青年に話す。彼らは先ほども言ったが、ファルムス王国の調査団だそう。団長の名をヨウム、小柄の眼鏡をかけた小僧はロンメルというらしい。そしてコイツらはオークロードを調査するため、急いで掻き集められた集団らしい。

 

「そもそもだな、危険極まりない調査にこんな若造使うか?もっと熟練の魔法使いの一人や二人抱えてんだろうが。結果だけ分かればいいって魂胆が丸見えなんだよ。」

 

と怒るヨウム。そしてそれらを見てリムルは一つの作戦を思いついたらしい。

 

「ちょっといいかフューズさんとやら。オークロードが倒されたという情報は既に伝わっているのか?」

 

とリムルが尋ねる。するとフューズは

 

「いや、知らせたのはブルムンドの国王と一部の大臣のみ。一般に発表はされていません。確かな情報を得る前に発表しては混乱を招きますので。」

 

と答えた。ここまで聞くとさすがの俺でもリムルが企んでいることが分かった。それはヨウムをオークロードを倒した英雄に仕立て上げようという作戦だ。そこで、リムルたちテンペストがヨウムに力を貸した国と知れ渡らせる事が出来れば、テンペストが危険ではないことが証明できる。予想通り、リムルはその趣旨の内容の作戦を皆に話す。すると

 

「その計画、ブルムンド王国も協力できるかもしれません。知り合いの大臣に掛け合えば周辺諸国へ噂を流すことくらいは出来るでしょう。」

 

とフューズが答えた。ブルムンド…さらに、この作戦を話せばドワルゴンからも協力がもらえるかもしれない。これはいい話だろう。だがヨウムが

 

「はぁ!?なんでアンタまでその気になってんだ!!コイツらは魔物だぞ!?」

 

といきり立って反駁する。そりゃあそうだ。見ず知らずの魔物に手を貸せと言われて『はい貸します』とすぐに言えるはずがないだろう。だが、フューズやらリムルやらにヨウムは説得され、最終的にヨウム自身の判断でヨウムが英雄になることが決まったのだ。とはいえすぐに英雄になれるはずもない。その為、俺がヨウムの指南役を頼まれた。俺の訓練はハクロウと同じほど怖いと、ゴブリンライダーの中では有名らしい。その為、ヨウムは必死こいて俺にすがりついてきた。

 

そんなことがあって数週間。ヨウムたちは英雄と呼ぶに相応しい一団に仕上がった。カイジンとクロベエが作った武器防具をもち、オークロードを倒せるほどの腕を鍛えて彼らは旅立っていったのだった。



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カリュブディス

やっと更新出来ました。今回は少し長めです。


「なんと!あの『天空の支配者』が復活ですと!?」

 

リグルドが驚く。なぜなら、『天空の支配者』の二つ名を持つ暴風大妖渦(カリュブディス)が復活したのだ。何故こんなことになったのか…。それは1時間前に遡る。突如、一人の樹妖精(ドライアド)が現れた。その人の話では、昔勇者によって封印されたはずの暴風大妖渦(カリュブディス)が復活し、こちらに向かってきている…とのこと。現在は樹妖精(ドライアド)であるトレイニーが足止めを行っているが、抑えきれずに負けてしまうかもしれない。そして暴風大妖渦(カリュブディス)災禍級(ディザスター)に匹敵するほどの魔物。リムルたちが敵うのだろうか。否、敵わないだろう。奴はエクストラスキル『魔力妨害』と『超速再生』を保有しており、さらには異界より召喚した魔物、『空泳巨大鮫(メガロドン)』を従えている。更に面倒なことにソイツらも『魔力妨害』持ちだ。つまり魔素を媒体とする術は効かなくなるのだ。

さてさて…これはどうなることやら…。

 

「ふっふっふっ…。何か忘れているのではないか?私が誰だか覚えてないとは言わせぬのだ!」

 

「ミリム!!」

 

声を弾ませる二人。ミリムは暴風大妖渦(カリュブディス)を倒して魔王のすごさをリムルにアピールしたい、リムルは楽にこの難関を突破したい…。そう、二人の利害は一致しているのだ。つまり今回はリムル達の出番じゃない……と思ったのだが…。

 

「そのような訳には参りませんミリム様。私たちの街の問題ですので。」

 

と、シオンがミリムの助けを断ってしまった。さらにはシュナも加勢している。……そういえば俺が何か協力したいと言ったときも『私たちの街の問題ですので。』とか言って断られたっけ…。でもオークロードの時とかドワーフ王の来訪とか、そんな時は来いって言ってなかったっけ…?もう何がなんだかわからねえな。

 

「ドンマイミリム…。俺もこんな感じでハブられたんだよ…。」

 

分かる。ハブられる気持ちはおおいに分かる。だけど耐えなきゃならんのだよ…。

 

「ちぇ…。私も戦いたかったのだ…。あんな雑魚共私なワンパンで片付くのに…。」

 

そう言いながら端っこの方で体操座りをしながらうずくまっている。

 

「なぁ…。そこまで戦いたいのなら俺とやるか?どうせ暇なんだし。」

 

いつもはしっかりとした運動が出来ない。何故ならば俺が本気を出すと街が崩壊する可能性があるのだ。だがここならば多小力を出しても問題ないであろう。

 

「おおー!!いいなそれ!!」

 

とミリムも殺る気になったようだ。まあ、戦闘は訓練でやっているが少し加減を間違えれば死にそうだったし、これはちょうど良い。

 

「じゃあ早速…ッ!!」バシュ

 

俺は地面を蹴り、ガッと急加速する。そして俺は手を引き、握り拳を作りその手に強化魔法を付与する。そこまでで約0.1秒。

普通ならここまで出来ないが、ウィズさん及び『智慧之皇(ウィズダムエンペラー)』による『思考加速』の応用と、『支配之皇(コントロールエンペラー)』をウィズさんにしてもらうことで新たなスキル『神経伝達加速』を手に入れた。これはどちらかというと『支配之皇(コントロールエンペラー)』の応用に入るのでちゃんとしたスキルというわけではないがな。

 

「うぐぅ…!!」

 

そのスピードにミリムは反応しきれずに俺のパンチを食らう。更に追い打ちと言わんばかりに俺は攻撃を仕掛ける。

 

「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァァァ!!」

 

俺は某アニメのようにラッシュを入れる。『神経伝達加速』によるスピードアップと『強化魔法』による強化。更には『虚無崩壊』を付与した拳でミリムを殴り続ける。とは言え、ミリムも『憤怒之王(サタナエル)』による『虚無崩壊』を持っているのであまり効果はない。『虚無崩壊』で『虚無崩壊』を壊しているという状態なのでそれぞれがそれぞれの攻撃を打ち消しているというのだ。

だが、俺もこんな程度では終わらない。

 

「喰らえ!『灼熱太陽核放射(サンクリアインフェルノ)』!!」

 

更に俺は攻撃を続ける。

これは以前ミリムに放った技だ。以前の俺だと、核融合が制御出来なかったり、魔素が足りなかったりする関係で、1日に1発…しかも行動不能になるという弱点があったが、今は違う。『大罪之皇(ギルティエンペラー)』による魔素の貯蓄により何度も放てるようになった。更に、暴風大妖渦(カリュブディス)らの『魔力妨害』によって今のところは暴発せずに操ることが出来ている。その分、威力は低めだが、ミリムには通用しただろう…。

 

「うぐぐ…。やっぱり強くなってるな…。さすがは私が認めた魔王だぞ!」

 

「当たり前だろ?」

 

と俺は返す。そもそもミリムよりも強い究極能力(アルティメットスキル)を持っているし、ウィズさんの助けもあるので強くならないハズがないのだ。

 

「だが、この技を受けては立ってられるまい…。喰らうが良いぞ!!必殺!『竜星爆炎覇(ドラゴ・ノヴァ)』!!」

 

ミリムは掌から莫大な魔素を放つ爆発を行った。爆風で辺りは吹き飛ぶ。更に核と見られる大きないくつかの火のかたまり…いや、隕石がこちらへと堕ちてきている。更には放射能と見られるガンマ線などもウィズさんによって確認された。

これはやばい!!俺には『万物耐性』があるから良いが、リムル達に『放射能耐性』などという耐性があるわけがない!!クソッ…。仕方ない…。

 

「おいミリム!!危ないだろ!!」グワッ

 

俺はミリムに叱りながら、『暴食之罪』を発動させ、放射能と隕石を捕食する。

 

《ミリムの広範囲核魔法、『竜星爆炎覇(ドラゴ・ノヴァ)』の解析と取得が完了しました!続けて『放射能清浄薬』を生成しました!これを辺りにまくと霧状になり、放射能清浄を行ってくれます!》

 

ウィズさんがそういうと俺の手元にぽんと出てくる。なので俺はそれを周囲にまく。リムル達から500mは離れているが、もしかしたらあそこまで届いているかもしれないからな。

 

「むぅ…。これも防げるのか…。」

 

ミリムがほっぺたを膨らませていじけている。

 

「その気になればな。というか今は放射能とか危なかったぞ?近くにリムル達がいたらリムル達が死んでたかもしれないからな。」

 

『暴食之罪』は何でも喰らうからな。正直あまり使いたくなかったのだが…仕方ない。放射能とかでリムル達が死んだら元も子もない。

 

「いや、いるんだけど…」

 

気がつくと後ろにはリムルが呆れた顔でいた。肩にはこの前来たフォビオとか言う奴がいる。

 

《もしかしてあれ…!暴風大妖渦(カリュブディス)の核じゃないですか!?》

 

ウィズさんがそういうのでフォビオの方を見ると胸元にこの前来たときにはなかったものがある。おそらくアレが暴風大妖渦(カリュブディス)の核だろう。

 

「おおー!!リムルではないか!暴風大妖渦(カリュブディス)はどうしたのだ?」

 

「それが…お前らの戦いの爆風で味方もろとも吹っ飛んで元になってる依り代が出て来たよ。しかもゴブリン達も吹っ飛んだ。今ベニマルたちにゴブリンやオークたちを探してもらってる。空泳巨大鮫(メガロドン)も木っ端微塵になって吹っ飛んでったし、俺が守らなければゴブリン達も死んでただろうし…どうしてくれるんだ?」

 

俺とミリムはリムルに責め立てられる。まあ…仕方がない。俺たちが悪かったよ…。

 

「ま、代わりに暴風大妖渦(カリュブディス)の依り代が上手く残ったし、被害もゴブリン以外はないから大丈夫だったが…次はないからな。」

 

「「はい…。」」

 

俺とミリムは素直に謝る。だが、最終的には暴風大妖渦(カリュブディス)を倒せた。終わりよければ全て良しってやつだよ。

 

「まあいい。それよりもまだ俺のすることは残っているからな。」

 

リムルの言っているやることとはなにか。それは依り代となっているフォビオの身体から暴風大妖渦(カリュブディス)を引き剥がし、それをリムルの『暴食者(グラトニー)』で喰い尽くす。それだけである。とはいえ、ユニークスキルを複数使うことは本来は極めて難しい事である。俺やリムルは『大賢者』や『智慧之皇(ウィズダムエンペラー)』がいるお陰で楽に出来ているが、実は難しい。

 

「ふぅ…。成功したよ…。」

 

だが、リムルはそれを成功させた。無事に暴風大妖渦(カリュブディス)を倒すことが出来たのだ。

その後、フォビオは意識を取り戻した。そしてフォビオがなぜ暴風大妖渦(カリュブディス)の居場所を知っていたのか。これをトレイニーが尋ねると、

 

「仮面の道化から教えられた…。」

 

という。さらにガビルやゲルドなどもその道化を知っていると言った。その道化の名は『中庸道化連』。

………聞いたことないぞそんなもの…。

 

「中庸道化連などという連中は知らんのだ。全く…ゲルミュッドのやつめ…。」

 

やはりミリムも知らないようだ。

 

「あ、もしかしたらクレイマンのやつが企んでたのかもしれぬ。」

 

クレイマンか…。確かに奴の考えそうな事だな。ミリムと一緒にオークロードの計画を企てていたフレイもカリオンもそんなことしなさそうだしな。

 

「そうかもな。少なくとも、カリオンとフレイがここに居ることからして2人は違うだろうし。」

 

「なんだ。気付いてるのかよ。」

 

「カリオン様…!!」

 

そう言いながらカリオンとフレイの2人が出てくる。ミリムと俺以外は2人に気付いていなかったようでビックリしていた。

 

「…まずは暴風大妖渦(カリュブディス)を倒してくれたこと、礼を言うわ。ありがとう。」

 

「俺はリムル=テンペスト。この森の魔物達で作ったテンペストの盟主だ。ところで…礼を言うって、それは一体どういうことだ?」

 

リムルがフレイに尋ねる。話が長かったので要約するが、暴風大妖渦(カリュブディス)が復活するということでフレイたち有翼族(ハービィ)たちは慌てていたらしい。そんなときに暴風大妖渦(カリュブディス)がフォビオを依り代にして復活したという。暴風大妖渦(カリュブディス)の二つ名は『天空の支配者』。『天空女王(スカイクイーン)』としては置いておけない話だったのだろう。

 

「なるほど…。でもその感謝は俺じゃなくてミリムたちに…」

 

「細けぇことは良いんだよ。それにしてもたかだか一匹のスライムが街を興すとはなぁ…。」

 

興味津々にリムルを見る2人。そして2人は目を合わせ、何かを確信する。おそらく、リムルがオークロードを喰ったということを確信したのだろう。

 

「ふ~ん…。貴方、オークロードを喰ったわね?」

 

フレイがリムルに尋ねる。

 

「ああ。その通りだ。で?それが何か悪いのか?」

 

堂々と言い返す。さすがはジュラの大森林の盟主と言ったところだろうか。

 

「ぶっ…、ふははは!!お前面白いな!それにしても悪かったな。俺の部下が暴走なんてしちまってな…。今回は俺の監督不行届ってことで許してやって欲しい。その代わりに、この件借り一つにしておく。何かあったら俺様を頼ってくれて良い。」

 

「もちろん、私にも頼ってくれて良いわ。なんたって暴風大妖渦(カリュブディス)を倒してくれたんですもの。」

 

意外だな…。カリオンはともかくフレイが貸しを作るなんてな…。

 

「………それなら俺たちとの不可侵協定を結んでくれるとありがたいのだが…。」

 

「そんなことでいいのか。良かろう。獅子王(ビーストマスター)カリオンの名にかけて、獣王国(ユーラザニア)は牙を剥かんと誓ってやろう。」

 

「もちろん、私たち天翼国(フルブロジア)も協力するわ。天空女王(スカイクイーン)フレイの名にかけてね。」

 

2人はリムルとの不可侵協定を結んだ。リムルにはたったこれだけの事と思うだろうが実は重要なことである。俺にとってはな。何故なら、フレイ、カリオンがここと協定を結ぶということは在籍している俺とも手を組むこと前提で協定を結ぶ…と言っているのと同じであるのだ。今まで俺を暗殺しようと企てていた奴らが協定を結ぶ…。これだけでどれほどの重要性があるのか分かっただろう。つまり、形勢が逆転したのだ。

今まではクレイマン側にいたカリオン、フレイが、クレイマンを見捨てたも同然も行為をする。念のため二人の心を読んだが、俺を暗殺するなど頭の片隅にもなかった。これはもう勝ったも同然だろう。

 

「後日、また使者を送らせてもらう。なに、今度は礼を守らせるさ。また会おう、リムル。」

 

「それじゃあね。」

 

そういうと2人はワープして帰って行った。

こうして、暴風大妖渦(カリュブディス)との戦闘は終わり、一連の出来事が一段落終わったのだった。




多小の原作崩壊。


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進展

オリジナル展開があります。


あれから数日後。獣王国ユーラザニアと天翼国フルブロジアから使節団が来た。もちろん、リムル達テンペストもそれぞれに使節団を派遣した。

まあ、そこら辺のやり取りは非常に面倒くさいドロドロとしたものではなく、戦いで魔王カリオンと魔王フレイと友誼を結ぶに相応しいかを決め、その後は酒を酌み交わすと言うシンプルかつ魔物らしいものだった。その時に、たまたまヨウムが来て闘ったのだが、剣の腕は衰えていないようだ。

 

そしてさらに時間の経つこと数日。リムルが武装国家ドワルゴンと正式に国交を結ぶため、ドワルゴンに赴くこととなった。俺も暇だしついていこうかと思ったのだが、その時に面倒くさい奴が朝早くから俺の家に来た。それは…

 

「ここが魔王スカーレットの家だと聞いたんだけど…」

 

フレイである。フレイよ、何故来たのだ。そう言いたくなるほど来た理由が不明だった。

 

ガチャ

 

「そうだよ。なにか問題でもあるか?」

 

『千里耳』によりフレイの独り言は聞こえていた。なので俺はその問いに答えるように出ていく。

 

「いえ、貴方にしては随分と質素な家に住んでるなと思って。」

 

「良いんだよ。元々俺はこういうのが好きだからな。お前らの王宮みたいな華々しいやつはあまり好きじゃないんだ。」

 

「あらそう。ま、とりあえずお邪魔するわ。」

 

そういってフレイは俺の家に上がる。家を小馬鹿にされたのが少し気に入らないが、そんなことでいちいち闘うほど脳筋ではないので許すことにした。

 

「それで、何のようで来たんだよフレイ。」

 

俺は椅子に腰を下ろしながらいう。

 

「一つは貴方たちの街の見学。もう一つは…後で言うわ。」

 

「あっそ。それじゃあこの街は見て回ったのか?」

 

「ええ。ある程度ね。見た感じはとても良い国だわ。まだまだ発展途上だけど、それでもそれなりの技術がある。いずれはイングラシアを凌駕するほどの大国になるでしょうね。貴方やミリムが気に入るのが分かるわ。」

 

フレイはそういってこの街を絶賛する。

確かにこの街は居心地が良い。イングラシアやブルムンド、ドワルゴンなどの方が技術的には進んでいるものの、住み心地、安心感などで言えば圧倒的にここが1番良いのだ。

 

「そうだな。確かにこの街は居心地が良い。割と初期の頃からこの街は見てたんだが、リムルはよくやったよ。何もないゴブリンの村からここまでの街…いや、国にまで育て上げたんだからな。」

 

正直、リムルには頭が上がらない。

知識から見てリムルは転生者なのだろう。俺も転生者だが、ここまでの国を作ることは出来なかった。やったことといったら気楽に過ごしていただけ…。そんな面で見ると、たった2年で国を興したリムルはすごいのだ。

 

「ふわぁ…。おはよ…スカーレットさん…。」

 

あくびをしながら寝間着姿でシズが出てくる。今は12:06。もう起きてても良い時間なのだが、シズは出来るときにやると言うスタイルの人だ。食えるときに食い、寝られるときには寝る。なので、シズはいつも早寝遅起きなのだ。

 

「……ってアレ…?お客さん…?……って、魔王フレイじゃないですか…?すみません…。こんな格好で…」

 

「大丈夫よ。ただ私が押しかけて来ただけだもの。」

 

「そうですか…。あっ、自己紹介忘れてました。私はシズエ・イザワと申します。」

 

シズが丁寧に自己紹介を行う。

 

「なるほど。貴方がかの有名な爆炎の支配者ね。……いえ、今は勇者の卵と言った方が正しいのかしら?」

 

弱くても魔王。フレイは、勇者の素質を持っていて、なおかつ光の精霊をその身に宿しているシズのことを見抜いた。

 

「そうだよ。それで話を少し戻すが…、ここに来たもう一つの理由はなんだよ。」

 

「ああ、それね。それはね…」

 

そういってフレイは徐に立ち上がり、俺の隣の椅子に座る。

 

「貴方に興味があって来たの。」ペロリ

 

フレイはペロリと舌舐めずりをする。その行為に少しだけ緊張する。

だが、俺には性別がない。いや、あるにはあるのだが、『無象者』という種族には性別が存在しないのだ。今は変身能力で男となり、今の姿になっているわけだが、本来の『無像者』というのは霧のような姿をしている。そのため、どちらの性別にもなれるし、どちらの性別にもなれないのである。

だが、心は別だ。俺の前世は男。当然女性には弱いし、そういう魅力にも惹かれる。性欲もある。つまり、俺の心は男なのだ。それ故、先ほどのような誘い方をされると物凄く弱いのだ。

 

「な、何だよ…。」

 

「言ったでしょう?貴方に興味があるって。」

 

更には俺の腕を引っ張り、それを自分の方へ持っていく。

前世の俺ならば間違いなく襲っていたか堕ちていただろう。だが、そんな誘い受けるはずが…

 

「そ、それは駄目です…!///」バッ

 

誘いを断ろうとした瞬間、シズは俺のもう片方の腕を取り、引き寄せる。シズは少し頬を赤らめていた。

 

「ふ~ん。まさか貴方を好く人間がいたなんてねぇ。」

 

「好くとかそんなんじゃないですよ!///ただ…私の恩人だからというか何というか…。でも、貴女にそう言うことをされるとなんだかイライラしてきてそれで…。何というか…直接言うのは恥ずかしいけれど…///」

 

シズはそう言う。

好きじゃないと言われて少し傷付いたが、それでもシズは俺腕を更に引き寄せ、俺の腕を抱きしめる。

 

「ま、そういうことだから悪いがフレイの誘いは断る。」

 

「………あらそう。それは残念ね。まあ、私が勝手に興味を持ったことだから、こうなることは分かっていたしね。それに…貴方にはもう素敵な人がいるもの。私なんかは似合わないわ。」

 

そう言い、はぁ…とため息をつきながら、再び席につくフレイ。

 

「素敵な人…ねぇ…。あっ、そうだ。一つ、シズに相談がある。いや、相談と言うより申し出だがな。」

 

あの事を思い出した俺はポケットの中をゴソゴソと探り、出て来た箱を抱き着いているシズに渡す。

 

「…シズ、俺と…結婚してほしい。さっき好かれてないって言われたときはとてもショックだった。だけど、俺はお前のことが忘れられない。俺を好いてくれなくても、これを受け取って欲しい。」

 

そう、これはプロポーズだ。俺なりの、不器用なプロポーズ。正直、この世界には付き合ってから結婚…というものがあるのかどうか分からない。だが、俺はシズのことが好きである。だから俺は俺なりに彼女に想いを伝えることにした。突然だがな。

 

「…………喜んで…/////」

 

「………えっ?」

 

「えっ?」

 

俺はまさか返事がもらえると思わずに『えっ?』という声が出てしまった。更に、それに動揺したシズが驚きの声を出す。

 

「えっ?って…どういうこと…?もしかして…嫌だった…?」

 

「違う。そうじゃなくて…さっき好いてないって言ってなかったっけ…って思って…。」

 

「それは言葉の文ってやつかな…。私も貴女のことが好きだった…。いえ、正確には分からないけれど、貴方のいない日々はどこかつまらなかったの。心の中にぽっかりと穴が空いたような…。何かが足りなかった。でも貴方と再会して、こうやって過ごしてきてやっと分かったの。『足りなかったものは貴方(スカーレット)だ』って。」

 

「そうだったのかよ…。」

 

安堵した俺は椅子に座る。

俺もシズと同じだった。初めはそんな気はなかった。でも、だんだんシズの事が気になりだして…。それが恋心だと知ったのは割と最近である。だから俺は1度想いを伝えようとした。失敗に終わってしまったが…今回は成功したので良かった。

 

「なんだ…。貴方たち両想いだったのね…。」

 

紅茶を啜りながらそう言うフレイ。

 

「そうだな。」

 

思い返してみれば初めて会ってから約70年。長かった。でも短かった。シズがいたからな。

 

「それで…これ、はめてみても良いかな…?」

 

シズは箱の中にあったものを取り出す。箱の中にあったもの。それは言うまでもなく結婚指輪だ。

これは魔鋼を使った指輪で、色は明るい紫色。身近な鉱石で言うとアメジストの様な明るい紫色である。もちろん俺の指輪もある。

そして、これは俺の手作りなのだ。大部分は能力に頼ったがな。手作りというのは真心と愛情が込められているという一つの証でもある。俺はそうおもっている。

 

「ああ。是非はめてみてくれ。」

 

俺はシズに指輪をはめるよう催促する。そしてシズが指輪をはめたのだが、その時、俺の指輪とシズの指輪が光り出す。その光は空中で交わり、再び指輪の中へ入っていった。

 

「これは…?」

 

「さぁ…。俺にも分からない。」

 

俺が手作りで作った指輪だが、そんな能力は付与していない。した覚えもないのだ。

 

「おそらくだけど、これは何かを誓った時に出る光ね。ほら、私たちが国交を結んだときに出る光のようなもの。アレと同じよ。全世界には公表されないけれど。」

 

「つまり婚約者に嘘はつけないってわけか。」

 

俺はもちろん魔人だし、シズも一時期とはいえ魔人だった。ユニークスキル『変質者』を使って、光の精霊と融合すれば一時的だが光の魔人となることも出来る。

そして魔物というのは基本的に嘘をつきにくい体質にある。更に誓いを誓えば嘘をついた時点で存在が消される。つまり、浮気をすればそれは死に値するのだ。ま、そんな心配しなくとも浮気なんかしないがな。

 

「…何はともあれ、プロポーズが成功して良かったよ。ありがとな。シズ。」

 

「うん!」

 

彼女にプロポーズして良かった…。そう思えるほど彼女の笑顔は眩しく、幼く、柔和な笑顔であった。

そしてそれに反応するかのように指輪がキラリと光った。まるで、俺たちの結婚を祝福してくれるように…。



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結婚

今回も多小のオリジナル展開があります。

タグに『東方要素は能力だけ』を追加しました。もしかしたら更に東方要素がなくなるかもしれないのでご了承下さい。(今更)


翌日。俺がシズにプロポーズをしたということを知ったリムルは、ドワルゴンから帰ってくるなり、チャペルを建てたり、ごちそうを用意したり、花束を作るために花を集めたりなどして、俺たちをお祝いするための準備をしていた。式は一週間後に行われる。それまでに建てなければと皆大忙しなのだ。俺も手伝おうとしたのだが、

 

「そういうのは気持ちだけでいいんだよ気持ちだけで。それにこれはお前達の為にやるもんだからな。そんなの気にするな!」

 

といってリムルが手伝わせてくれないのだ。なにも俺だけのために…と思ったのだが、結婚制度を定着させるためにも、この建物も必要らしい。

でも木だけでどうにか出来るのか…?そう思ったところに、思わぬ協力者が出て来た。ユーラザニア、フルブロジア、ドワルゴン、ブルムンドの四国だ。技術こそ、どれもイングラシアには負けるが、少なくともテンペストよりは優れた技術を有している。特に、ドワルゴンは進んで協力してくれた。ドワーフ王ことガゼル王が、『弟弟子のためならば』と、技術提供を惜しまずに行ってくれた。

その結果、ユーラザニアからは綺麗な花々と果物が、フルブロジアからは翼から作られた飾り物が、ドワルゴンからは窓ガラスや人材が、ブルムンドからはと石材やレンガなどが次々と送り込まれていった。まあ、ブルムンドとは正式に国交を結んでないので、多小の冒険者からしか借りられなかったがな。

では何故そこまで協力してくれるのか…。国交の結びつきを強くする…といった目的もあるだろうが、ただ単に祝ってくれてるというのもあるだろう。何はともあれ、たった二人のために四国総出で祝ってくれるのだ。これ程嬉しいことはない。

 

「楽しみだね。結婚式。」

 

「そうだな。」

 

シズの問いに軽く答える。

シズも俺も楽しみだ。いや、こんなに盛大に祝ってくれるのだ。楽しくないはずがない!

俺は心の中でそう確信し、来たる結婚式を待ち望むのだった。

 

───そして一週間後。見事に立派なチャペルが建てられていた。そしてこれは、魔物と人が協力して作った記念すべきものだ。俺たちにとっても、リムルにとってもかけがえのないものとなるだろう。

そして現在、俺は式を行うために、正装に着替えていた。本当なら魔法で着替えられるのだが、シュナに

 

「こういうのはしっかりやる方が良いのです。」

 

と言われたので魔法で着替えずに、自分で着替える。

ちなみに俺の正装というのは、スーツ姿そのものである。この世界にやって来たとき、ミリムにもらったのがスーツだったので、以後これを正装としている。もっとも、売り払ってしまったものだから、正式に言えばこれはミリムにもらったスーツではないのだがな。しかもスーツの色は白いし。

まあ、そんなこんなで俺は準備を終わらせる。そして神父役であるリグルドと祭壇前でシズたちが入ってくるのを待つ。

そして数分後、シズと付き人役であるリムルが入ってくる。

 

「おめでとう!」

 

そんな声と拍手の音で式場は包まれる。

シズは綺麗なウエディングドレスに身を包み、更に美しくなっていた。

そんなシズを迎え入れ、式は始まった。賛歌斉唱と指輪交換が行われる。ゴブリナたちによる綺麗な歌声は皆の心を掴み、誰もが幸せになった。

そして指輪交換。まずはシズが俺に指輪をはめる。薬指にしっかりとはめ、その後俺の顔を見たシズはにっこりと微笑んだ。次は俺がシズに指輪をはめる番だ。俺はシズの綺麗な手を取り、色白い綺麗な薬指に指輪をはめる。

 

「おほん。それでは、宣誓といきましょうかな!」

 

場の空気を読まないリグルド。だが、そうでもしないと事が進まなかったのだろう。仕方ない。

 

「ああ。そうだな。」

 

「それでは…。汝スカーレットは、この女シズエ・イザワを妻とし、良き時も悪き時も、富める時も貧しき時も、病める時も健やかなる時も、共に歩み、他の者に依らず、死が二人を分かつまで、愛を誓い、妻を想い、妻のみに添うことを、神聖なる婚姻の契約のもとに、誓いますか?」

 

「誓います。」

 

「汝シズエ・イザワは、この男スカーレットを夫とし、良き時も悪き時も、富める時も貧しき時も、病める時も健やかなる時も、共に歩み、他の者に依らず、死が二人を分かつまで、愛を誓い、夫を想い、夫のみに添うことを、神聖なる婚姻の契約のもとに、誓いますか?」

 

「誓います。」

 

ここに神様がいるのかどうかは分からない。それでも俺は誓う。シズに、自分に、神に。

 

「それでは…誓いのキスを…」

 

俺はシズのベールを上げる。そしてシズの頬にそっと手を置き、キスをする。シズは少し顔を赤らめていたが、それでもキスをしてくれた。

実を言うと、俺とシズがキスをするのは初めてのことなのだ。それどころか、二人ともこれがファーストキスである。それ故、緊張しまくったが、無事にキスをすることが出来た。

 

「さ、それじゃあ堅い儀式はそこまでにして、後は宴会にしようぜ?」

 

俺たちがキスをし終わったところで、リムルが楽しむように促す。スピーチやらなんやらがまだだが、この魔物たちにそんなことを求めても分からないだろう。なのでそれはあえてスルーすることにした。

 

「結婚おめでとう。それにしてもお前と爆炎の支配者が結婚するなんてな!」

 

「爆炎の支配者じゃなくシズエ・イザワだ。そこんとこ間違えんなよカリオン。」

 

「悪い悪い。」

 

俺のところに寄ってきて、多小ばかしの冷やかしをしてくるカリオン。

 

「いや~、それにしても魔王が結婚なんて珍しいな!」

 

「そうね。私が知る限りではそんな魔王なんて知りませんし。」

 

そこにミリムとフレイも入ってくる。

 

「そうなのか?知らなかった…。でも別に良いだろ?魔王が結婚しちゃダメってルールはないハズだし。」

 

だが、考えてみれば何故魔王に必要のない結婚をするのか…と言われると答えづらい。しかし、愛する人がいて、その人との証…と言うのも何だが、その為に結婚するのもアリだと思う。子孫を残さなくともな。

 

「確かにそうだな。別に結婚を禁じるものは何もないからな。」

 

「そうだな!私としても良いと思うぞ!じゃ、それを記念して乾杯をするのだ!」

 

「そうね。」

 

そして俺たち4人はグラスを片手に乾杯をする。

 

……その後も式は続いた。ブーケトスをしたときに、1番結婚に縁のなさそうなベニマルがキャッチしたのが意外だったが、所詮は迷信。次はベニマルが結婚…なんてあるハズがないだろう。……多分な。

そして皆が騒ぎ、実に充実した式を送ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………で、結婚旅行に行きたい…と。」

 

「そうなんだよ。」

 

「どこなんだよ。」

 

そしてあれから一週間。俺はシズと結婚旅行に行くことにした。その場所はと言うと…

 

「イングラシア。人間の国だ。シズが行きたいって行ってたからな。」

 

俺がそう言うと、シズはこくこくと頷く。

 

「それじゃあさ、俺に言わなくたって勝手に行けば良いじゃないか。シズさんもスカーレットも別にここにとらわれる必要はないんだからさ。」

 

と、リムルが答弁する。

確かに、ただ新婚旅行に行くだけなら、リムルに許可を取らなくても行ける。それだけなら俺もこんなところには来ていない。じゃあ何故来たのか。それは…

 

「少しだけ私の代わりをして欲しいの。」

 

「………はっ?えっ?どういうこと?」

 

リムルは戸惑う。当然だ。わけがわからないのだから。シズの代わりとはどういうことなのか。

 

「あのね、ちょっと昔の話をするんだけど…私ここに来る前は教師をしてたの。で、生徒達がイングラシアにいて、また会いたくなったの。…でもあの子たち…」

 

そこまで言ったところで、口を止めてしまう。

何が言いたいか。俺には分かる。あの子…シズの生徒達は皆、後1、2年で死んでしまうのだ。というのも、魔素が暴発して死んでしまうらしい。そのことを口に出すのは辛く、彼女にとってとても重かった。

 

「……言いたくないなら言わなくて良い。でも…シズさんの代わりってどういうことだ?」

 

「…あのね、あの子達の世話をして欲しいの。私の生徒達の世話を…。」

 

彼女はリムルに生徒達を託すつもりだ。この意思はシズが話してくれた。『私には生徒達の面倒を見る責任が持てない…。でもリムルさんならやってくれるかも』と。

だが、ぶっちゃけ、俺の精霊を操る力でなんとかできるんだよな…。まあ、ラミリスには叱られるが…。

では何故そのことを言わないのか。理由は一つ。シズのような例があったからだ。暴走しなくとも、俺がいないと精霊を操れない…なんて状態、暴走しているのと同じだ。まあ、シズの場合は相反する意思をイフリートが持っていたからなんだがな。とはいえシズのような例がないとも限らない。光の精霊は自ら人を選ぶので、大丈夫なのだが、そうじゃない場合が心配である。

 

「…なるほど。それを兼ねた新婚旅行ってわけね。良いよ。行ってあげる。俺も人間の国には興味あったしね。」

 

「ありがとう!」

 

シズはにっこりと微笑む。

 

「良いのですか!?リムル様がいらっしゃらなければ…」

 

「大丈夫だって。それに、魔物がいたら悪目立ちするだろ?シズさん達もいるから大丈夫だって。」

 

リムルはシュナそういって言い聞かせる。『ですが…』とリグルドは言っていたが、リムルがなんとか説得させた。

そして翌日。新婚旅行と称して、シズとリムルと俺の3人はイングラシア……との国境にあるブルムンドに向かうことにしたのだった。



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ブルムンド

投稿遅くなりました。熱を出していたので執筆があまり出来なくて投稿が遅れてしまいました。申し訳ございません。ちなみに風邪は治りました。


ブルムンド王国。そこはジュラの大森林に接する小さな小国である。建物は、どこもかしこも石造りで出来ていて、街を警邏している人員もいる。何故ならば、魔物が、生息するジュラの大森林に接しているからだ。

とはいえ、この国の人は皆優しく、良い国だと言える。実際、俺がこの前来たときもそうだったからな。

 

「よし、一応ブルムンドについたことだし、ひとまずここで休もう。」

 

俺はそう言い、宿屋の中に入る。1人銀貨十枚で夕食、朝食付きの宿だ。高くね…?とも思ったが、まあまあ良い部屋だったので別に良いだろう。

 

「あっ、そういえばリムルさん。イングラシアって、この国と違って大国だから入国審査がここよりも厳しいの。それでもし良かったら自由組合(ギルド)に行って、冒険者登録してみない?そうすれば入国出来るし、どうせ私も自由組合(ギルド)には用事があるからどっちにしろいくんだけど…。」

 

と、シズが提案する。

確かに、ここにはシズの連れ…ってことでリムルも入れたけど、さすがにイングラシアはそうはいかないからな。

 

「分かった。とりあえず今日は休んで、明日行くことにするよ。……って、スカーr──」モゴモゴ…

 

「おい、ここでその名は出すな。今はサトリだ。」

 

俺はスカーレットと言いかけたリムルの口を押さえる。

『熱源感知』で誰もいないことは分かってるが、ここは廊下で結構響くからな。念のためだ。

 

「ぷはっ…。分かったよ。サトリ…で言いのか?」

 

「ああ、それで良い。」

 

「それで、サトリは冒険者登録してるのか?」

 

「してるよ。Bランクの冒険者としてな。」

 

ま、そっちの方が都合良かったし、Bにしただけなんだがな。Aになると国から召集かかるらしいし、Sはそもそも勇者にしかなれないらしいからな。ま、どちらもなる気はないから俺にとっては関係ない話だけど。

 

「ふ~ん…。ま、とりあえず一旦寝て、明日また自由組合(ギルド)に行こうぜ。それじゃ。」

 

リムルはそういって、個室に入る。

 

「さて、じゃあ俺らも少し休もうか。」

 

「うん。」

 

そして俺たちは同じ個室に入る。

……そして一夜が過ぎ、翌日。

 

「ふわぁ……。」

 

俺はぐいーっと手を伸ばし、背伸びをする。すると腰からズキズキと痛みがした。

アレやっちゃったからなのかな…。もしかして…。腰がクッソ痛え…。やっぱり寝ちがえたら痛いな…。

 

「んんぅ……?」

 

「あ、起こしちゃった?」

 

俺が背伸びをしているとシズが起きてしまった。

 

「ううん…。」

 

「なら良かった。少しゆっくりしたら朝食が出るらしいし、それ食いにいこう。」

 

そして俺たちは朝食を食い、宿を出た。その後、俺たちは自由組合(ギルド)へと向かった。

シズがいるので周りがクソうるさかった。いやだってシズは英雄だからね。有名なのは仕方ないが…そんなファンみたいに押しかけなくも…。

 

「……討伐部門…。ねえ君、本当に良いの?採取や探索部門にしておいた方が良いんじゃないかしら。」

 

受付をしているリムルはそういって受付に止められる。

見た目がガキだから、止めたくなるのは分かるが…

 

「実地試験なんだろ?そっちの方が早くて済むしな。」

 

「確かに、討伐試験の実地試験なら隣の棟で出来る。1番お手軽で1番危険な試験だ。」

 

ん?なんだこのおっさん…どこかで見たような…

 

「試験官のジーギスだ。受けるつもりならついてこい。」

 

あーっ!思い出した!試験官のジーギスだ!確か俺が上位悪魔(グレーターデーモン)を召喚したときにビビってた奴だ!でも目の前で上位悪魔(グレーターデーモン)を召喚するのはさすがにやり過ぎたかも…。…ま、いっか。

………ってなわけでなんやかんやあって、リムルは試験を受けることになった。

 

「それでは、Eランクの試験を開始する。魔物に見事打ち勝って見せよ。……いでよ!狩猟犬(ハウンドドッグ)!」

 

リムルの目の前に魔方陣が現れ、狩猟犬(ハウンドドッグ)が出現する。だが、リムルはいとも簡単に首をはねた。

そりゃそうだろ…。少なくともリムルのランクはS-くらいはあるから、正直相手にならなかっただろう。

その後、邪気妖精(ダークゴブリン)を『知り合い(ゴブタ)が煽ってきたときの顔に似てたから』と言う理由で頭をはねられ速攻クリアする。

おそらく、『解せぬ』みたいなことを考えてただろうな。ゴブリンもジーギスも。

 

「……飛び級だ。爆炎の支配者、シズエ・イザワと、かつて上位悪魔(グレーターデーモン)を召喚したサトリの連れだ。どうせお前もバケモノなんだろ?どうだ?一気にBランクの試験を受けてみないか?」

 

と、ジーギスが提案する。

すると、リムルとシズが『そんなことしたの!?』とこちらを見てくる。

だって下位悪魔(レッサーデーモン)を必死こいて召喚してたし、面白そうだったから…。うん、仕方ないね。

 

「いいねぇ…。受けるよ。その試験。」

 

「よく言った。だがまあ、逃げるチャンスはやろう。こいつの姿を見て勝てないと思ったら降参するが良い!!来いっ!!下位悪魔(レッサーデーモン)!!」

 

悪魔を見たリムルは茫然としていた。だが、たかがBランク。所詮は雑魚だろ。とはいえ、やつには物理攻撃が効かない。リムルは魔法のレパートリー少なそうだし、どうするんだろ。

 

「…試験をうけよう。何故なら俺は勝てるからな。」

 

「よくぞ言った。行けっ!下位悪魔(レッサーデーモン)!!」

 

そういうと、下位悪魔(レッサーデーモン)はリムルに向かって飛びこんでくる。それを避け、胴体を斬ったり、魔法を放ったりしているが、ほぼほぼ効き目がなかった。

だが、次の瞬間、驚いた光景が広がった。リムルが剣で下位悪魔(レッサーデーモン)を切り裂いたのだ。

……ん?俺の見間違いかな…?確か悪魔は物理攻撃無効のハズなんだけどなぁ…。

 

主人(マスター)、それはリムルが作ったエクストラスキル『魔法闘気』によるものです!それで剣を包みこむことで魔法の効果を持った剣ができあがります!》

 

ふぅ~ん。なるほど。次ギィと闘うときはそれ使ってみるか…。

 

主人(マスター)も魔法で身体強化してるじゃないですか…。》

 

えっ?アレって『魔法闘気』になるの?

 

《そうですよ。リムルは『破壊』『強化』『切断』の三つを付与していますが、いつも主人(マスター)が行っている主な魔法付与は『虚無崩壊』『破壊』『強化』の三つです。効果は違いますが、付与している事には変わりないので『魔法闘気』と同一になります!》

 

ふ~ん。なるほど、そうなのね。分かった。

そしてなんやかんやあり、リムルはBランクの冒険者として認定された。その後、誰かが呼んできたフューズがゴゴゴゴゴ…とジョ○ョに出てきそうな雰囲気を醸し出しながら登場してきた。なんめちゃ怖かったんだけど…。いや割とマジで。

 

「…我々は貴方方が邪悪ではないことを知っています。ですが、他の者たちはそうではないのです。もしリムル殿正体、そしてそこにいらっしゃるサトリもといスカーレット殿の正体が魔物の主と1人の魔王だと知れたらどうなることやら…。」

 

あら、俺の正体ばれちゃってる。なんで?

 

「あっ、言うの忘れてたんだけど…、フューズさんには貴方がスカーレットだってこと…話しちゃった…」

 

「いや、別に良いんだけどね。」

 

どうせフューズたちには俺がテンペストにいることは知られてるんだし、別に良いんだけどさ。

 

「それと、リムル殿の到着を知り、ブルムンド王が極秘会談を希望されています。失礼ですが、この会談にはスカーレット殿とシズ殿は入らないで頂きたいのですが…。」

 

「分かった。じゃあその間はシズと新婚旅行を楽しむとするよ。」

 

小国ながらも良い国だしね。くつろげはするんじゃないかな?

 

「なるほど。スカーレット殿とシズ殿は結婚されましたしね。なるほど。分かりました。それではリムル殿、会談は三日後に場を設けるように掛け合います。スカーレット殿、シズ殿はごゆっくり。」

 

フューズはそういう。

ひとまずここでゆっくり出来るらしいし、シズとデートならぬ新婚旅行も出来るしな。これは楽しみだぜ!

……ってなわけで翌日。

 

「どこ行こっか?」

 

「どこでもいいよ♪」

 

いや~、なんか街を闊歩するってなんだか昔を思い出すな~。シズと旅してたときのこと。あの時のシズはまだ小っちゃかったのにな~。

 

「じゃ、スイーツ食いに行こっか。」

 

女子の好きなモノの定番と言えばやっぱりスイーツだろ。ま、俺が甘党だから行きたいってのもあるんだけどな。

 

「良いね。私ここら辺の美味しい店知ってるからそこに行こう?」

 

「分かった。」

 

そういって俺たちはスイーツ店に出かけた。その後も服を買ったりして、三日間の旅行を満喫したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁぁぁぁ!?あのスライム、今ブルムンドにおるんかい!?」

 

魔人であるラプラスがそう叫ぶ。

 

「そうだよ。例にもよってあのサトリとか言う人も一緒だ。」

 

サトリとかいう奴…。おそらく僕の作戦の邪魔をしてくるだろう。あのスライムもそうだ。絶対邪魔してくる。

 

「なんや…。なんか怖いコンビやな。」

 

「そうだね。でも君なら調べることくらい出来るだろ?」

 

「悪いが、ワイは西方聖教会に用があるんや。あいつらヴェルドラがおらんくなってから調子乗ってるからな。この機に潜入してみようと思っとるんや。」

 

潜入…か。確かにヴェルドラがいなくなって、活動はしやすくなっただろうし、ラプラスなら潜入なんて朝飯前だろう。

 

「良いねぇ。君なら宗教団体の正体を暴くのなんて朝飯前だろ?」

 

「買い被りすぎやって。せいぜい夕飯前や。ほな。」

 

そう言うとラプラスは外へと出て行った。

 

「西方聖教会にスライム、サトリとかいう冒険者に魔王スカーレットか…。僕の邪魔にならないと良いんだけどね。いや、それ以前にスライムは狩られちゃうかな?だとしたらがっかりだなぁ…。ま、それはそれで面白いから良いんだけど。」

 

その少年は1人、部屋の中で不気味な笑みを浮かべていた…。



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イングラシア

平成最後の投稿!


リムルがブルムンドで会談を終えた翌日。俺たちはイングラシアについた。イングラシアはブルムンドよりも発展しており、ガラスがあったり、ロードオブザリングみたいな城が点在していたりする。

いや正直ここでデートしたかったんだけど!?と、言いたかったけどブルムンドでのデートも面白かったし、次来たときにデートすれば良いからな。そんな事は気にしないのだ。

で、リムルはと言うと…

 

「うおおおお!!すげえぇぇ!!」

 

と、年甲斐もなく叫んでいた。あんた中身おっさんだろおい。なんでガキみたいに騒いでんだよおい!

 

「子供みたいに騒ぐわね。」

 

シズはリムルの行動にクスッと微笑む。

 

「あっ、そういえば言ってなかったけど、2人とも西方聖教会には気をつけてね。」

 

「ん?西方聖教会?なんだそれ?」

 

リムルが聞き返す。

俺もそんなのは聞いたことないな…。いや、聞いたことはあるけどほぼ無関係だったから情報は全くもって知らないな。というかほぼ山で暮らしてたし。

 

「西方聖教会はね、唯一神ルミナスを崇めるルミナス教の組織なんだけど、その組織は魔物の殲滅を教義としてるから、2人の正体が知られたら、私の元教え子のヒナタ・サカグチを団長とする聖騎士団の討伐対象になると思うの。だから…。」

 

いや待て。おい、今なんか知ってる奴の名前出て来たんだけど?ルミナスって、魔物の殲滅を教義としてるっていうのに、その信仰対象が魔王って…。ハチャメチャだな。ま、ルミナスはあんまり表に出たがらない奴だし、多分魔王って事知らずに信仰してるんじゃないの?ま、俺には関係ないから良いんだけどさ。

 

「なるほど…。気をつけるようにするよ。」

 

「ま、俺はそんな奴らになんか倒される分けないけどな。」

 

そんな変な奴らが俺に勝てるわけないだろう?魔王ですら勝てないのに。

 

「それはそれとして、馬車の旅だったし疲れたろ?今日は一旦休むとして、明日本部に行こう。」

 

そういってリムルは宿の中に入る。

 

「そうだな。」

 

そういって俺たちは宿に入り、ここで一泊したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──翌日、俺たちはブルムンドでもらった自由組合(ギルド)本部への紹介状を手に、本部へやって来た。

リムルはまたもや自動ドアにめちゃ驚いていたようだ。いや、確かに俺も初めてここきたときはビックリしたけども…。ま、仕方ないな。

 

「ようこそ、本日はどのようなご用向きですか?」

 

自由組合総帥(グランドマスター)に会いたい。これ紹介状。」

 

そういってリムルは紹介状を渡す。そして数分後、秘書が出て来て俺らも一緒に案内された。

なぜ一緒なのかは分からん。百歩譲ってシズもなら分かる。何故俺もなんだ…。はっ!まさか魔王だって事がバレてる…?だとしたらやばいな…。早急になんとかせねば。

 

自由組合総帥(グランドマスター)はすぐに参ります。こちらの部屋でお待ち下さい。」

 

秘書はそういうと部屋を出ていった。

なんかさ、部屋が…うん。おかしくね?なんでドラ○もんの人形とか、漫画とかがあるわけ?おかしくない?

そんな事を思っていると、自由組合総帥(グランドマスター)が入ってきた。するとリムルはそれに合わせてスライム姿になる。

 

「お待たせしました。僕が自由組合総帥(グランドマスター)こと神楽坂 優樹(ユウキ・カグラザカ)です──ってええ!?先生!?それにスライムも!?」

 

若い少年が入ってきたと思ったらシズのことを『先生』と呼び、驚いていた。

 

「シズ先生…。フューズから生きているとは聞いていましたが…。」

 

「ええ。本当なら死ぬところだったんだけどね…。」

 

「本当だったら…?」

 

「全てを話すわね。」

 

そういってシズはリムルとシズが出会った経緯、そして俺がシズを助けたこと、そしてその後何をしていたかについて話した。もちろん、俺が魔王であることや、俺が精霊を持ってたなどのバレちゃマズいことを伏せてな。だってバレたら元も子もないじゃん。ユウキが西方聖教会と繋がってることを仮定したとして、俺の正体が魔王であることがバレればとんでもないことになる。リムルならまだ可愛いもんだよ。害悪じゃないことを示せば良いんだから。俺の場合は昔一国を滅ぼしてるからな。完全悪いイメージがついてるわけよ。

そんなことを思っていると、シズが説明を終えた。

 

「な、なるほど…。話には聞いていましたが、やはり凄い方だったんですね。」

 

「聞いていた…?それはどういう…」

 

「2年くらい前に自由組合(ギルド)に冒険者登録をされたでしょう?その時に貴方が上位悪魔(グレーターデーモン)を召喚したという噂があるんですよ。どうやら、本当のことらしいですがね。それで興味があってサトリさんもお呼びしたのですが…まさかシズ先生の命の恩人であり、旦那様とは…!」

 

なるほど。それで俺は呼ばれたのか。

 

「あっ、言うの遅れましたが、ご結婚おめでとうございます。式とかは…」

 

「もう挙げたよ。リムルの国でね。」

 

「リムルさんの国…。そういえば、魔物の国についても話す予定でしたね。」

 

本線から思いっきり外れてたしな。

 

「自己紹介を忘れてたよ。始めまして。俺はテンペストの盟主をしているリムル=テンペストだ。気軽にリムルと呼んでくれ。」

 

そういってリムルはスライムボディから手?のような突起物をだす。

なんかユウキさん戸惑ってんだけど…。

 

「いやそれにしても驚きましたよ。魔物の国を興したのが…」

 

「スライムだったなんて思わなかっただろ?でも俺も驚いたよ。その年で総帥なんだろ?15、16くらい?」

 

確かにめちゃ若いな。

 

「いえ、実際には20代後半です。僕は異世界からの転移者なのですが、この世界に来たとき、スキルを獲得出来なかったんです。その代わりなのか身体能力は異常に発達しまして…。肉体の成長もそこで止まってしまったんです。」

 

ふ~ん…。そんなこともあるのか…。

 

《そうなんですかね…?転移するときは何かしらのスキルを手に入れるハズなのですが…》

 

もしかして…諸事情か何かで隠してるかもな。ま、そこまで深く探らないが。

 

「そういえばリムルさん、一体どうやってここに入ったんです?この建物の入り口には結界があるので魔物は入れないハズなんですが…。」

 

「ああ。自動ドアの前のあのセンサーか。一つはシズさんにもらったこの仮面だよ。これは抗魔の力が備わっててな。で、もう一つはただ単に俺が魔素を小さくしてたってだけ。」

 

「そうなんですか。国を興したといい、魔素といい、やっぱり貴方は普通じゃない…。」

 

うん。それは俺も思うよ。だって転生者なんだもん。仕方ないね。

 

「あっ、そうだ、言い忘れてた。」

 

「ん?」

 

「俺は『悪いスライムじゃないよ!』」

 

「「「ブッ!!!」」」

 

ここに居る3人が紅茶を一斉に噴き出した。

 

「いやなんでサトリまで噴き出してんだよ。」

 

「だってさ…。俺元ネタ知ってるし…、本物のスライムがそのネタ言うとか…ぷふっ…」

 

やべっ、なんか笑いが止まんねぇ。やばいな。布団が吹っ飛んだくらい寒いのに…。

 

「そうですよ…。貴方がそれを言うのは…ぷふふっ、卑怯です…」

 

ユウキもやっぱり笑ってたようだ。身体を小刻みにぷるぷると震わせている。

 

「ご、ごほん。それで…そのネタを知っていると言うことはお二人とも…」

 

「「日本人だな」」

 

「「えっ?」」

 

俺の声を聞いた途端、リムルとシズが『えっ?』という疑問の声を上げる。

 

「お前日本人なの?えっ?マジで?」

 

「マジで。アニメとか漫画とか見てたし。」

 

「は、はぁ…。ということは皆さん日本人で…」

 

そうなるな…。つか、皆異世界人で皆日本人ってどういうことだよおい!

 

「あっ、そういえはまだこちらに来た理由を伺ってませんでしたね。」

 

「それはイングラシアにいるシズさんの生徒のことだ。詳しくは俺も知らないからシズさんから聞いてくれ。」

 

そしてシズは子供たちのことを話す。

 

「やはりそうだったんですね…。薄々気付いてはいました。ではまたシズ先生が自由学園の先生として…」

 

「いや、先生はリムルさんに任せようと思うの。その間、私たちはどうにかして解決できる方法を探ってみる。」

 

………やっぱり言わないと…なのか?いや、確証を持ってからで良いか。ま、その為にもラミリスのところにいく必要があるな。ま、単独で行って精霊を宿らせても大丈夫なのかを確かめてから、皆で行くことにしよう。『命大事に』だからな。

 

「なるほど。では、リムルさんを担任、シズ先生、サトリさんを副担任としてみます。……………健闘を祈りますよ。三人とも…。」

 

そういうと、ユウキは外へと出ていった。

 

「はぁ…。まさか俺が担任だなんてな…。」

 

「ま、まあ良いじゃない。リムルさんなら出来るよ。」

 

「そうか?ま、その通りだな。頼まれたことだし…やれるだけやってみるよ。」

 

リムルはため息をつく。

そして始まるのだ。俺たちの教師生活が…!



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先生

投稿遅れて申し訳ございません。この間に色々ありまして、スランプになったり試験勉強だったりって言うことをしてました…。それにもかかわらず、UA59000、お気に入り710人と減るどころか増えてくれて嬉しいです!
夏休みに入りましたのでまたちょこちょこ投稿させてもらいます。駄文ですがよろしくお願いい致します。


翌日、ユウキが理事を務めている自由学園で特別クラスの先生をすることになった俺たちは、教室に向かっていた。

 

「俺担任だし、先にいってくるよ。」

 

といって、俺らよりも早く出たリムルなんだけど…大丈夫かな…。

 

ドゴォォォォォン!!!!!

 

「な、なんだ今の音!?」

 

突然Sクラスの方から何かが叩きつけられたような音がする。Sクラスは俺たちが担任をすることになっているクラスである。リムルが死ぬことは無いだろうが、子供たちに何かあってはいけない。そう思いシズと2人で走ってSクラスに向かった。

 

「どうした!?」

 

バンと扉を開けるとそこには剣を持った子供1人に群がる4人の子供たち、それと攻撃を避けたであろうリムルの姿が目に映った。

 

「あっ…!また誰かが……ッ!!」

 

その子供達は突然来た俺たちに驚く。いや、俺にではない。俺の後ろにいるシズに驚いているのだろう。

 

「「「シ…シズ先生…!!!」」」

 

子供たちはあんぐりと大きな口を開けている。中には再開した喜びで泣いているものもいるようだ。

 

「みんな…ただいま…!」

 

シズはにっこりと微笑み、彼らに語りかけるようにただいまを告げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、それじゃあ感動の再会も終わったことだしお互いに自己紹介をしようか。」

 

リムルは先生らしく教卓の上に立つ。

俺は一応先生ではあるがどちらかと言うと副担任、或いは主任という立場であるため、基本的には教卓の上に立つことはない。

 

「それじゃあまずは先生から。えー…先生の名前はリムル=テンペストだ。それでこっちの黒髪の奴がサトリだ。」

 

「よろしくな。」

 

俺は一言だけ言って終わりにする。元々コミュ障だったというのもあり、無理やり喋ろうとするとキツイのだ。自然と話せるようになるだろうし大丈夫だと思う…。いや、そうだと信じたい。

 

「それじゃあ次は皆の番だ。皆の顔と名前も覚えたいので呼ばれたら返事をするように。」

 

そしてリムルがそれぞれに名前を言い、皆がそれに応えるように返事をする。

 

「ケンヤ・ミサキ。…ケンヤ・ミサキくん?呼ばれたら返事しなさい。」

 

「お…横暴だ…」

 

こ、これはさすがにいかんだろ…。

リムルは先程ケンヤに攻撃をされたからであろうか、ランガをケンヤに噛みつかせている。

はぁ…大人気ないなぁリムルも…。

 

「ん?先生の奥の手がどうかしたのかね?」

 

「こんなの横暴だ!!ちょっと強い犬を従えてるからって卑怯だぞ!!」

 

ケンヤもさすがに頭に来たみたいだ。まあ、事の発端はケンヤにあるが…これはさすがにやりすぎだろう。

 

「着任初日の先生に斬りつけるのは横暴とは言わないのか?」

 

「そ、それは…シズ先生なら簡単にかわせるし…」

 

確かにシズなら簡単にかわせるだろう。

 

「…なるほど、一理ある。よし、予定変更。今からテストをする。運動場に移動するぞ」

 

リムルがそう言うと5人はえー…と言って嫌がった。

そりゃ誰でもテストは嫌なもんだ。テストが好きなやつなんてほんのひと握りだろ。

 

そんなわけで運動場にやってきた。

 

「テストって…一体何をするんですか?」

 

他の子よりも一際体格のいいゲイル・ギブスンがリムルに問う。

何をするか…なんて言われてもテストする予定すらなかったんだから全くわからない。一体どんなことをするのか。…まあ、運動場っていうことからある程度の予想はつくがな。

 

「模擬戦だよ。信頼を得るのが難しそうだしな。俺やサトリがシズさんに劣らないとこ見せないと。」

 

「……えっ?俺もやんの?」

 

何故か俺もやることになっていた。まあ、リムルの言うことはもっともだし、仕方がないんだけどな。

 

「…あなた方がシズ先生に並ぶとでも?ずいぶん大口をたたくんですね。」

 

「ちょっ、ゲイル!」

 

「いいからいいから。」

 

シズがゲイルが言った言葉を咎めようとするが、俺はそれを止める。

言わせておけばいいさ。どうせ俺には勝てまい。

 

「おいリムル!一泡吹かせてやれよ!」

 

どうせリムルでも勝てるのだ。俺がわざわざ出る必要はない。

 

「えぇ…。お前も一応信頼得られてないんだぞ?お前もやれよ。」

 

「…何をしているんですか…。そんなによそ見してて…大怪我しても恨まないでくださいよ!!!」ボォッ!!

 

ゲイルはリムルに向かって高威力の魔力弾を放つ。

 

「魔力弾か…。かなりの高威力だ。…ま、当たればの話だけどな。」パァン!

 

だが、リムルはその魔力弾を捕食する。

 

「なんですかそれ!!汚い!!」

 

「よく覚えておきなさい。大人は汚いのだよ。」

 

「いや、そんな知識詰め込まなくても良いだろ。」

 

俺はリムルに対してツッコミをする。

というか純粋な子供たちにそんなこと覚えさせるなよ…。

 

「がルルルルル…グルアアアア!!!!」

 

そんなことを思っていると黒髪の男の子、リョウタ・セキグチがリムルの方に突っ込んでくる。

だが、リムルは難なくその攻撃をかわし、リョウタの狂人化を解く。

 

「狂人化か…。狼化で代用できるかな…。」

 

似たようなもんだからできるだろ。

 

《そんなことしなくても『暴食之罪』により自身の権能を暴走させることで『狂人化』をはるかに凌ぐ力が手に入りますよ!》

 

なるほど。まあ、どっちにしろ使うことはないからな。頭の片隅にでも入れておくとしよう。

 

「これでも…くらえぇ!!!」ボボボボボ

 

次はケンヤが炎による攻撃を仕掛けてくる。こちらには飛んでこず、リムルにだけ攻撃が集中する。

 

「シズさんに憧れるのは分かるけど、扱いないなら炎にこだわるのはやめておけ。効率が悪い。」

 

リムルはそう言ってケンヤにデコピンをする。…その後ろでシズが照れていたが…俺以外誰も見ていないようだ。

 

流れる水流よ我が敵を捕らえよ(ウォータージエイル)!!」

 

すると今度はリムルの周りに水の檻ができる。どうやらこれはクロエが仕掛けたものらしい。

水の檻は結構な魔力がないと出来ないからな…。魔素が有り余っているからこそできる芸当だろう。

 

「水の檻ねぇ…。見事なもんだよ。」

 

だが、リムルは『魔力操作』にて水の檻を破壊する。

 

「あ、あれ?なんで…?」

 

「すごい魔法だった。今後ともしっかり勉強するように。」

 

リムルは戸惑っているクロエにそう励ます。

確かに凄かったよ…。一流ならアレぐらい出来てもおかしくないがまだ子供。子供があれだけできるのはすごい。

 

「こうなったら私のお人形で…」

 

アリスは人形を取り出す。だが、その人形の耳は黒く焦げていた。

 

「あっ!こ…焦げてる!!なんで…!!もーっ!!あんたがパカスカ火ばっかり使うからぁ!!!」

 

「お、俺のせいかよ!?」

 

「二人ともそれどころじゃないだろ!!」

 

アリスはケンヤを責め、それをゲイルが咎める。

なんか…子供らしいな…。

 

「ほら、直ったぞ。」

 

リムルは焦げた人形を直してアリスに手渡す。

 

「で、アリスはその人形でどうやって戦うんだ?」

 

「むぅ…。」

 

そしてとうとう俺たち(というかリムル)に追い詰められた5人。まぁ…仕方ないな。ほぼSランクの魔物に勝てるわけないよな。

さて、ここで1つ。俺は今まで一切攻撃をされていない。なぜなら俺が存在していることを意識させなかったからだ。これを解除したらどうなると思う?

 

「そういえば…サトリ先生とはまだ戦ってないような…」

 

答えは普通にバレる。

 

「え〜…でも今から戦うのかよ…。」

 

ケンヤは愚痴を言う。まあ、俺は考えがあったから気配を隠してたんだけどな。

 

「それなら俺とリムルで戦うってのはどうだ?」

 

「…はっ!?」

 

実を言うとあまり戦ったことがないからさ…。戦ってみたかったって言うのが本音なんだけどね。

 

「でもここでやるのは…」

 

渋るな…ならば…。

 

「負けたらシオンの手料理の刑な」

 

「はぁ!?おまっ、俺が絶対勝てないからってそれはないだろ!?」

 

ごめんリムル…。でもそうせざるを得なかったんだよ。

 

「はぁ…。分かった。俺は本気で行く。どうせお前には勝てないだろうけどな。」

 

そう言うとリムルは戦闘の構えをする。

 

「…いくぞっ!」

 

そう言うとリムルは俺に飛びかかり、パンチしてくる。もちろん俺は透過させ、リムルのパンチを避ける。

 

「透過とかありかよ…!」

 

「それならやめてあげようか?」

 

俺はあえて挑発させる。それと同時に透過を解除しリムルを投げる。

 

「ガハッ…。さ、さすがに透過はなしにしよう…。」

 

確かにそれもそうだな。透過は究極能力(アルティメットスキル)持ってないと攻撃できないからな。

 

「分かった。」

 

「それじゃあ改めて…『黒雷』!!」

 

リムルは俺に黒雷を放つ。

はぁ…。リムルも馬鹿だなぁ。こんな技効かないってのに…

 

「…ん?なんだこれ…糸?」

 

いつの間にやら俺には糸が絡みついていた。

 

「へぇ…やるじゃん。」

 

俺はあえて攻撃に乗ってみる。なに、リムルの攻撃を観察するだけさ。それに大したダメージは喰らわん。食らったとしても即座に回復するから意味などない。

 

「『大賢者』への主導権の一任を確認。自動戦闘状態(オートバトルモード)へ移行します。」

 

リムルの目は紅くなり、リムルから出るオーラの質が変化する。

『大賢者』を使ったか。…確かに本気でやるとは言ったが…そこまでやるとは。

 

「良いぜ!かかってこい!」シュッ!

 

俺は糸を無理矢理引きちぎる。

 

「『聖剣召喚(エクスカリバー)』!」

 

そして俺は金色に光るエクスカリバーを召喚し、意のままに操る。

 

「大賢者…。なかなか強いな…!」

 

リムルの持つ剣と俺のエクスカリバーは何度も何度も交わる。攻防戦が幾度となく続く。剣には互いに黒炎を燻らせ、互いの再生を妨害する。

 

「くっ…このままじゃキリが…うぐっ!」ズキッ

 

きりがない。そう思った時、頭痛がする。その一瞬の隙を突かれ、俺はバランスを崩し後ずさる。

普通の何かじゃない!直感的にわかる…。これは…今まで体験してきた…!

 

《告。個体名:スカーレットはユニークスキル『貯蓄者(タメルモノ)』、究極能力(アルティメットスキル)重力之皇(グラビティエンペラー)』、ユニークスキル『治療者(イヤスモノ)』を獲得しました。この宣告は、神智核(マナス):ウィズにより秘匿されました。》

 

な、なんだと…?新しいスキル…?これは一体…

 

《おそらく向こうの世界で新作の東方Projectが発表されたと推測します!それにより新能力が加わったかと…》

 

マジか…ってことは新作出来たのか…。プレイしたかった…。

ってそんなこと言っている場合じゃないな。

 

「さぁ、続きをやろうぜ。リムル!」

 

リムルには悪いがこの能力の実験台になってもらうぞ。

そして俺たちは再び戦闘へと入るのだった。




ユニークスキル『貯蓄者(タメルモノ)
戦闘中に受けた攻撃を溜め込むことが出来る。ただし、溜め込んでいる間は継続的に自身にダメージが入っている。また、溜め込みすぎて許容範囲をオーバーしてしまうと魔素が爆発して自身が大きなダメージを受けてしまう。溜め込んだ攻撃は吐き出すことが出来る。

戎瓔花の《上手に石を積む程度の能力》より発現。

究極能力(アルティメットスキル)重力之皇(グラビティエンペラー)
物体にかかる重力を変える。あくまで重力なので質量は変わらない。また、重力の変更量と魔素の消費量は比例する。
これは究極能力(アルティメットスキル)物質操作(マターマニピュレイト)』に統合された。

牛崎潤美の《身近な物の重さを変える程度の能力》より発現。

ユニークスキル『治療者(イヤスモノ)
他人を回復させることが出来る。ただし自分や死人には使えない。回復量と魔素の消費量は比例する。

庭渡久侘歌の《喉の病気を癒す程度の能力》より発現。

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個人的に能力強くしすぎたかな…なんて思っていますが、石を積む、喉を癒すなどは能力にならない気が…なんて思ったのでこのような形にさせて頂いております。ごめんなさい。


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