ガールズ&パンツァー 時空を超えた機械と協力者 (水岸薫)
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キャラクターやチームの設定ETC
キャラクター紹介 『organization&アブ引き部』編


 キャラクターの設定を乗せるの忘れましたので。オリキャラを載せます(能力とかは無視してください)。
※organizationとアブ引き部の設定は私が考えたオリジナルのキャラクターなので、ご注意を。


チームと名前(詳細付)

 

1.スターチーム↓

 エンブレムは星形。

 

石川勇樹

 性別:男子

 性格:気まぐ

 年齢:16歳(珍等師学園高等部1年奈須組)

 髪色&髪型:黒色のおかっぱ

 身長:158㎝

 特技:メカ作り

 誕生日:2月6日

 一人称/二人称:オレ/〇〇さん、または〇〇

 好きな物(人):クワガタ、理解してくれる人、飛鳥、百合子・ビューティー、全教科、ドラ焼き

 苦手な物(人):裏切る人、悪の人、痴女、慌てること、ガム

 特徴:瓶底眼鏡と2本のアホ毛、そして車椅子に座っている。

 詳細

  ミラクルの中でIQが高い青年、メカ作りが得意で、いろんなロボットや発明品などを作っている。

  実はある研究所で作られた人造人間(みたいな者)で目的は不明。

  電子回路に異常のが原因なのか、脚はうまく動かなくなった。また、女性恐怖症になったのは本人もわからない。元児童養護施設の子。

  実は、意外とかわいく誰でもモテるが。彼はそれに気づいていない。ちなみに、休みだけでも1日のうち15時間はアルバイトをしている。

 能力:??? 

  正体不明の能力で、多くの種族や能力者の記録がすべてあると言えば正しいだろうか。

  能力を使った本人の体は大丈夫だが、長時間使用すると痙攣を起こしてしまう(能力としては珍しいと研究員は驚いている)。

 真能力:技術

  彼が手に入れた力で、見ただけでいろんなものに変えたり作ってくれる能力。

  たとえガラクタ品でも高級ビル並みに作ってくれる。

 石川:ペリカン 旧(白色のシャツと黒い線が付いたズボン、頭に黄色の帽子を被っている)。

         新(白と水色のセーラー服(ズボンは黄色)で、帽子は黄色。背中には虫眼鏡のマークが入っている)。

 

暗山伊江

 性別:女子

 性格:意地っ張り

 年齢:16歳(珍等師学園高等部1年富士組)

 髪色&髪型:黄色のショートヘアー

 身長:160㎝

 特技:ボクシングやプロレス系などの格闘をする事

 誕生日:12月31日

 一人称/二人称:俺、またはあたし/あんたか〇〇さん、または〇〇

 好きな物(人):お姉さま系の人、小動物、ぬいぐるみ、英語、ボクシング、太田陽、焼肉

 苦手な物(人):妹、イカ、ホラー系、数学、辛いもの

 特徴:グローブをいつも持ち歩いている、左腕にハートのあざがある。

 詳細

  昔から暴れるのが大好きで最強の不良でも倒してしまう恐ろしい子(だが、太田が怒ったことがきっかけで、暴れることはしなくなった)。

  いつも持っているグローブは、生命があればゴム上となり生命以外だと鉄になる特殊なグローブ。

  太田とは小学生の頃から仲良しであり幼馴染である。

  コウモリのDNAが入っている。

 能力:音

  その名の通り、音を生み出す能力。

  音は人によって様々だが、彼女の場合は超音波を生み出せる。

 真能力:幻覚

  彼女が手に入れた力で、彼女の目を見た者は幻覚を見ることになる。

  たとえ見ないように目をつぶったとしても、カメラなどと言ったレンズがそれを見たとたん、幻覚を見るようになっている。

 暗山:コウモリ (黒色の帽子と灰色のコートの下にピンク色のセーターと黒色のキュレット、背中にはコウモリの羽模様に耳には大きなイヤホン、スパイクつきのシューズが履いている)。

 

中弐小森

 性別:女子

 性格:なまいき

 年齢:16歳(珍等師学園高等部1年鷹組)

 髪色&髪型:緑色の外ハネボブ

 身長:141cm

 特技:ゲーム&毒舌

 誕生日:10月16日

 一人称/二人称:ボク/あんた、またはお前

 好きな物(人):ゲーム、アニメ、怠ける事、カロリーが高いもの

 苦手な物(人):全教科、外に出ること、早口言葉、命令、お寿司

 特徴:目の下に隈(くま)と服装がだらしない。

 詳細

  昔から引きこもりで外に出るのがとても苦手(石川が作ったマジックハンドで無理やり出される時もある)。

  文化祭や体育祭などの学園内でのイベント以外、外には一切出ない。

  特殊な症状なので、1度外に出ると10時間後で倒れる(気絶しますが)。

  ハリモグラのDNAが入っている。

 能力:地面

  その名の通り、地面を操ることが出来る能力。

  地面にヒビや泥人形を作ることは可能だが、彼女の場合は巨大な火山にゴーレムを作ることが出来る。

 真能力:明暗

  彼女が手に入れた力で、光と闇を操ることができる。

  光は太陽以外に懐中電灯や電気スタンドなどと言った光と、暗いは影や負のオーラなどと言った暗いものを操ることができる。

 中弐:ハリモグラ (茶色のギザギザ模様をしたツーピース、両手に大きな手袋をしている)。

 

美樹幹子

 性別:女子

 性格:冷静

 年齢:19歳(珍等師学園高等部2年扇子組)

 髪色と髪型:青色のショートヘアー

 身長:171㎝

 特技:パン作り

 誕生日:3月27日

 一人称/二人称:僕/〇〇君

 好きな物(人):新聞、アクセサリー作り、音楽、いとこ、メロンパン

 苦手な物(人):テレビ、狭いところ、数学、カレー

 特徴;太い眉毛と赤色の伊達めがね

 詳細

  石川の親戚で、今では勇樹のロボットや道具作りの助手をしている(親戚の都合で、居候する事になった)。

  おっちょこちょい所もあるが、料理や掃除などと言った作業は得意で、石川が作ったロボットや発明品を修理する事ができる。

  イルカのDNAが入っている。

 能力:風

  その名の通り、風を起こす事が出来る能力。

  風力は人によって様々だが、彼女の場合は台風並みの風力を起こすことが出来る。

 真能力:性転

  彼女が手に入れた力で、触れた人は性転をしてくれる変わった能力。

  たとえ相手が動物やロボットであろうとしても、性転ができる。なお、この能力は本人でも性転ができる。

 美樹:海豚(イルカ) (水色のワンピースに白色のタイツ、手にボールの型の巾着(きんちゃく)を持っていて頭に青色のゴーグルをしている)。

 

百合子・ビューティー

 性別:女子

 性格:内気

 年齢:22歳(珍等師学園高等部3年煙草組)

 髪色と髪型:水色の三つ編

 身長:289cm

 趣味:なぞなぞを解くこと

 誕生日:2月19日

 一人称/二人称:私/○○君か○○さん

 好きな物(人):正義感が強い人、魚釣り、体育、石川勇樹、ポテトサラダ

 苦手な人(物):いじめをする人、プレッシャー、ゲーム、歴史、悪人、タラコ

 特徴:頭にピンクのリボンをしていて、白色のストールをしている。

 詳細

  奇跡の中で一番内気と同時に、彼等の中で背が高い&最年長。

  虐めにあっていたため誰と話したほうがいいか分からない。

  しかし最近有名になっている、『奇跡』と言う正義の組織の行動にあこがれている。

  それと同時に、石川の恋人となった。

  ミツバチのDNAが入っている。

 能力:火炎

  その名の通り、炎を生み出して攻撃が出来る能力。

  火炎の温度は様々だけど、彼女の場合は最高温度6000度以上も出すことが可能で、その炎を操ることが出来る。

 真能力:時間

  彼女が手に入れた力で、時間を操ることができる超特殊能力。

  相手に触れると時間移動ができる力で、自分も時間移動が可能。なお移動できる時間は今から約1年。

 百合子:ミツバチ (黄色のマフラーと黄色と黒色のコートの下に黒色のセーターと黄色のキュレット、2本のアンテナが付いたカチューシャをしている)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2.ハートチーム↓

 エンブレムは、ハート型。

 

佐々木桜

 性別:女子

 性格:真面目

 年齢:19歳(珍等師学園高等部2年煙草組)

 髪色&髪型:紫色のロングヘアー

 身長:180㎝

 特技:武道&空手(しかも4段)

 誕生日:9月1日

 一人称/二人称:私/あなたか〇〇か○○さん

 好きな物(人):くま、ライトノベル、幼い子、全教科、昆虫、パスタ

 苦手な物(人):お化け、高いところ、料理、卵

 特徴:桜色のカチューシャとさくらんぼ模様の腕章をしている。

 詳細

  有名なアイドル『SAKURA』であり、ミラクルの中で唯一普通な人(プライベートを守るために石川が開発したメカ・転送扉テレポードアを使っている)。

  最近は基地のメカ製作所へ来て、勇樹の手伝いをしている(彼女いわく「彼が怪我をしたら誰がここを管理するのかが不安」と言っている(?))。

  カメレオンのDNAが入っている。

 能力:隠

  その名の通り、周りの景色に化けることが出来る能力。

  隠れる力は人によって様々だが、彼女の場合はどんな所でも変色が出来る。

 真能力:植物

  彼女が手に入れた力で、植物に触れただけでなんでも操ることができる能力。

  その植物は彼女の言うことしか効かず、乱暴にすると植物は怒りだす。

 佐々木:カメレオン (緑色の七部丈カットソーに黄緑色のポンチョに灰色の短パン、黒色のマフラーをしている)。

 

極堂連華

 性別:女子

 性格:冷徹

 年齢:22歳(珍等師学園高等部3年座頭組)

 髪色&髪型:銀色のポニーテール

 身長:171cm

 特技:映画鑑賞

 誕生日:11月28日

 一人称/二人称:わたし/〇〇

 好きな物(人):甘い食べ物・戦車・恋・ゲーム・国語

 苦手な物(人):苦い食べ物・飛行機・コスプレ・野球・英語

 特徴:右目に眼帯をしていて、学ランを着ている。

 詳細

  なんとも恐ろしくサメのように目が鋭い女性、実は勇樹と同じちょっとした人工生命体で体術は高く力は太田と同じ。

  ある事件後、「こいつの嫁にする!」と言うと同時に勇樹たちの部『何でも探偵部』の部員に入った。双子であり霊華の姉。

  カブトムシのDNAが入っている。

 能力:影

  その名の通り、影を呪って操ることが出来る特殊能力。

  この能力は普通の人では中々操りにくい能力で、成功するのに最低1ヶ月も掛かる。

 真能力:硬化

  体から目には見えない膜を出して守ることが出来る不思議な能力、これは昆虫に宿る能力。

  奈々の能力一種で、硬度はサバイバルナイフが曲がるほど硬く、マシンガンを10分打っても異常がない。

 極堂:ヘラクロスオオカブト(兜風の帽子に、黄土色のTシャツと黒色に白い線が付いた短パンに、手足にしているのは特殊な機能が搭載した焦げ茶色のクツと手袋。背中にはある程度の高さになると特殊な羽が出るようにしている)。

 

極堂霊華

 性別:女子

 性格:能天気

 年齢:22歳(珍等師学園高等部3年座頭組)

 髪色&髪型:茶色のショートヘアー

 身長:180cm

 特技:運動

 誕生日:2月9日

 一人称/二人称:うち/〇〇先輩か〇〇さん

 好きな物(人):潜水艦・ライオン・ケーキ・体育

 苦手な物(人):飛行機・爬虫類・キムチ・国語と英語

 特徴:制服の上に学ランを着ていて、語尾に「~っす」と付けている。

 詳細

  石川たちの先輩だが口調が後輩で、力自慢の生徒。実は連華の双子で同じ人造人間だが、頭はバカで考えただけで煙が出て目を回してしまう。姉と同じく『何でも探偵部』の部員に入った。

  メカは石川と同じく巨大メカを作るのは得意だが、なぜかメカの整備や部品などのイマイチがたくさんあるので、太田達は(いろんな意味で)頭を抱えている。

  クワガタのDNAが入っている。

 能力:治療

  その名の通り、怪我したところを治すことが出来る特殊能力。

  この能力は普通の人の場合だと切り傷程度であれば治療可能の能力だが、彼女の場合は(最大だと)全身やけどを治療することが出来る。

 真能力:氷

  強力な冷気や分厚い氷などを放ったり作り上げることができる能力。

  氷は10万年たっても解けない強力な氷で、勇樹の道具でなければ解けない能力。また、この氷は声明を閉じ込めるだけで正式には『冷凍保存』と言う方が正しい。

 極道:ノコギリクワガタ(兜風の帽子に、茶色のTシャツに黒色と白い線が付いた短パンに、手足にしているのは特殊な機能が搭載した焦げ茶色のクツと手袋。背中にはある程度の高さになると特殊な羽が出るようにしている)。

 

羽衣天女

 性別:女子

 性格:冷静

 年齢:(永遠の)25歳(珍等師学園高等部2年扇子組)

 髪色と髪型:灰色のサイドテール

 身長:180㎝

 特技:服にしまわれているナイフや銃を素早くとる。

 誕生日:7月7日

 一人称/二人称:私/〇〇さんか○○さま

 好きな物(人):付き人兼護衛、武術、紅茶、全科目、石川勇樹

 苦手な物(人):恋、誰かに目撃されているところ

 特徴:白色のカチューシャと頭に星の形をしたヘアピンをしている。

  特徴:白色のカチューシャと頭に星の形をしたヘアピンをしている。

 詳細

  七星奈々の付き人&教育係と同時に護衛をしているメイド(主人の要望には応える理想的なメイドさん)。

  彼女が生まれてから教育兼護衛をしており、奈々曰『頼りになるメイドさんです』とほほ笑んだ。

  ちなみに、彼女の袖・スカート・ブーツには複数の銃やナイフがたくさん備えているので、いざと言うとき武器が出せるようになっている。

  彼女の護衛をしていたため珍等師学園ゴールデン学校に通っていたが、ある事件がきっかけで珍等師高等部へ転校すると同時に『何でも探偵部』に入部した。

  ちなみに、勇樹に恋をしているのは、勇樹と奈々以外知られていない。

  ツバメのDNAが入っている。

 能力:加速

  その名の通り、素早く動くことが出来る能力。

  速さは人によって様々だが,彼女の場合は万里の長城を1時間でおよそ50往復ほど素早く移動ができる。

 真能力:羽

  体からわずかだが羽が出てきて、空を飛ぶことが出来る能力。

  加速の能力と一緒に使えば時速100キロ以上のも速度を出すことが出来る。

 天女:ツバメ (灰色と黒色のメイド服風をしたワンピースの上に赤色のハンカチを右ポケットにしまってい黄色のブーツを履いていて背中には卵型のリュックを背負っている)。

 

閃光穂多留

 性別:女子

 性格:ボクっ娘

 年齢:23歳(ロンドンエンジェル女学園2年B組⇒珍等師学園高等部3年富士組)

 髪色と髪型:白色のショートボブヘア

 身長:170cm

 特技:探偵

 誕生日:10月10日

 一人称/二人称:ボク/○○君(浸しい人には呼び捨て)

 好きな物(人):善を連想する色、後輩と先輩、真水、ハンバーガー、明るい所

 苦手な物(人);悪を連想する色、先生と親、ビール、ワッフル、暗い所

 特徴:黒色のキャスケットと右目に黄色のレンズをしている。

 詳細

  イギリスから転校してきた生徒で、日本人。

  昔から水泳と推理が得意で、地理部のロンドンとは中学のころからチャットで知り合った。

  また、勇樹と同じく未来のロボットで、本人とはライバル関係。

  ゲンジボタルのDNAが入っている。

 能力:光輝

  光を放つ能力だが、彼女の場合は皮膚から光を出している。

  普通、光を出すのは手のひらから光の玉を出すが、彼女の場合は皮膚に発行する細胞が含んでいる。

 真能力:瞬間時間

  時間をスキップすることが出来る能力。

  自分しか時間移動できないが最新の能力だが、攻撃をよけるとしたら非常に便利な能力。

 穂多留:ゲンジボタル(黒色のライダースジャケットと濃い灰色のセーターと白色の長ズボンをしていて、赤色のマフラーをしている)。 

 

閃光珠姫

 性別:女子

 性格:大人しい

 年齢:20歳(ロンドンエンジェル女学園1年C組⇒珍等師学園高等部2年奈須美組)

 髪色と髪型:薄灰色のショートヘアー

 身長:165cm

 特技:アニメ

 誕生日:10月01日

 一人称/二人称:私/呼び捨て(浸しい人には君かちゃん付け)

 好きな物(人):アニメ、発明、ハッキング、スイーツ系の料理、アヒージョ(海鮮系)、パン

 苦手な物(人);寝ること、激辛料理、ナンパ、チャーハン、牛乳

 特徴:クリーム色のつば付きの帽子をしていて、大きなトランクを持っている

 詳細

  穂多留の妹で、彼女同様イギリスから転校してきた生徒、日本人。

  姉とは違って妹は普通だが、低血圧のため家で横になりがち、その時にはパソコンを使って授業を受けている。

  子供のころに見たアニメ『ツインスターズ・プリキュア』がきっかけでアニオタになった(中弐と意気がある)。

  運動は苦手で極度の方向音痴、姉同様、未来から来たロボット。

  ホトトギスのDNAが入っている。

 能力:回復

  自分の能力・体力を完全に治るまで回復することが出来る能力、霊華とは違って他の人を回復することはできない。

  また、この能力は無限回復能力と言われており、他の能力とは違って武器にすることはできない。

 真能力:情報

  相手の情報や自分の情報を操ったり変えることが出来る能力、この能力はハッカーかパソコンが上手な人で中れば発動しない能力。

  情報は紙ではなくパソコンに限られるが、ほんのわずか(1分)あれば情報を変えることが出来る。

 珠姫:ホトトギス(濃い灰色のライダースジャケットの下に白色のワンピースをしていて、頭にゴーグルをしている)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3.スペードチーム↓

 エンブレムは、スペード型。

 

太田陽

 性別:男子

 性格:のんき

 年齢:16歳(珍等師学園高等部1年富士組)

 髪色&髪型:灰色の短髪

 身長:165㎝

 特技:絵を描くこと

 誕生日:9月1日

 一人称/二人称:ボク/〇〇さんか〇〇君、または〇〇ちゃん

 好きな物(人):絵などのモデルとなる人、剣道、暗山伊江、美術、おにぎり

 苦手な物(人)/虫系の半生物、柔道、少女、体育、豚肉

 特徴:頭にアホ毛が出ていて大きいリュックサックを担いでいる

 詳細

  小さい頃から絵を描くのがとても好きで、キャンバスが入っている全自動リュックサックを毎日担いでいる。

  普段はのんきで優しい性格だが、あるきっかけでスイッチが入ってしまうと怒る(しかも怖いらしい)。

  暗山とは小学生の頃から仲良しであり幼馴染である。

  象のDNAが入っている。

 能力:力

  その名の通り、力が強くなる能力。

  力は人によって様々だが、彼の場合は分厚い板を壊すことも出来る。

 真能力:水

  彼が手に入れた力で、水を出したり操ることができる。

  なお、彼が作り出す水は非常に硬度が高く。鉄を切ることができる。

 太田:象(灰色の袖が長いパーカーと白色の長ズボン、背中から1本のチューブが出ている)。

 

祝福音

 性別:女子

 性格:おばか

 年齢:15歳(珍等師学園高等部1年座頭組)

 髪色&髪型:緑のツインテール

 身長:152cm

 特技:お菓子つくり

 誕生日:3月23日

 一人称/二人称:ふくね/〇〇さんか〇〇ちゃんか〇〇君

 好きな物(人):南極、アニメ、数学、お菓子

 苦手な物(人):北極、ドラマ、理科、味がないお米

 特徴:ハートのヘアピンとくまさんのぬいぐるみ

 詳細

  見た目は小学生に見えるが、れっきとした高校生でよく間違われる。

  バカな性格をしているが、実は元は暗くて引きこもりの性格。とある事故で両親を亡くしまい心に深い傷を負った結果、引きこもってしまった。

  そこで勇樹が作った道具『髪型を変えるだけで性格が変わるゴム』を使った結果、元の明るい性格に戻った。

  クマのDNAが入っている。

 能力:幸福

  その名の通り、相手や自分を幸せにしてくれる能力。

  幸せになった者は一定の時間、30分ぐらいしか持たないが。彼女の場合は3時間~90時間の間幸せになることが出来る。

 真能力:複製

  その名の通り、自分そっくりを作り出すことが出来る能力。

  本人となる代わりの何かがあれば複製可能だが、効果は約20時間しか持たないのが弱点、その代わりストレスが普段の10分の1も軽くなれる。

 祝:クマ (クマの顔が描かれた茶色のパーカーに薄茶色の長袖、両手には焦げ茶色の手袋に背中にはクマのリュックをしている)。

 

シャーロック・アレン

 性別:女子

 性格:正直者

 年齢:22歳(珍等師学園高等部3年鷹組)

 髪色&髪型:赤色の三つ編みショートヘアー

 身長:175cm

 特技:剣道

 誕生日:2月8日

 一人称/二人称:私/あなたか〇〇か本名

 好きな物(人):日本、漫画、英語、ねずみ、納豆

 苦手な物(人):南極、小説、国語、わさび

 特徴:右目に眼帯とフェンシングを持ち歩いている。

 詳細

  Ⅰリスから来た留学生で、日本が大好きな女子。

  一見背の高い外国人に見えるが、実は彼女は元剣士で、日本でも知られているある騎士の1人といわれている。

  剣術の腕前は上手だが、なぜか料理だけはダメダメ。となりの男子生徒が料理の犠牲者となった。

  クモのDNAが入っている。

 能力:電気

  その名の通り、体から電気を放つことが出来る能力。

  体の中で電気を蓄電して、その電気を攻撃したり防御に知ることが出来る。電力は人によって様々だが、彼女の場合は1年分の電気を貯めることが出来る。

 真能力:瞬間移動

  彼女が手に入れた力で、頭でその場所に行く事を考えると一瞬で瞬間移動ができる能力。

  重さや距離は制限があるが、うまくいけば長い距離でも短時間で何度も繰り返しながら移動が可能。

 シャーロック:クモ (8つのレンズが付いたゴーグルに、茶色と黄色の縞模様のミニスカートと黄色の半そでの上に黒色のパーカー、背中には4本のアームが隠れている)。

 

奈々七星

 性別:女子

 性格:冷静

 年齢:19歳(珍等師学園ゴールデン学校3年S組→珍等師学園高等部2年扇子組)

 髪色と髪型:金色の縦巻きロールヘアー

 身長:155㎝

 特技:テニス

 誕生日:7月7日

 一人称/二人称:私(わたくし)/〇〇さん

 好きな物(人):テニス、優しい人、悩みを聞くこと、全教科、家族、駄菓子

 苦手な物(人):野球、金の使い方が汚い人、寒いところ、わさび

 特徴:扇子を持ち歩いていて、頭には金色のティアラをつけている。

 詳細

  七星ホテルの社長の一人娘で、庶民の行動が大好き。

  漢字検定にワープロ検定や語学などと言った資格を約12種類も採っている。

  高校2年までは珍等師学園ゴールデン学校に通っていたが、ある事件がきっかけで珍等師高等部へ転校すると同時に『何でも探偵部』に入部した。

  クジャクのDNAが入っている。

 能力:保護

  その名の通り、固い盾を作り出す能力。

  固さは人によって様々だが,彼女の場合は隕石を跳ね返すほど固い(使用しだいでは、傘や扉などの代わりとなる)。

 能力:機械

  機械を操る能力で、勇樹やピュー太に勇樹のメカニックを操ることが出来る。

  メカニックであればなんでも操ることが出来るが、勇樹を操るのはやっとであり、今までやって来た中で高難易度だという。

 七星:クジャク(黄緑色のワンピースの上に水色の雫模様が描かれているベスト、腰に金色のリボンサッシュをつけている)。

 

文・モスキート

 性別:女子

 性格:臆病

 年齢:18歳(珍等師学園高等部2年鷹組)

 髪色と髪型:紫色のロングヘア

 身長:165cm

 特技:料理

 特技:11月18日

 一人称/二人称:私もしくは自分の名/○○

 好きな物(人):キスをする事、トマト、暗い話をすること、ゲーム、ホラー映画を見る、石川勇樹と中弐小森

 苦手な物(人);びんたをされること、ハーブ系、運動をすること、ラブコメディを見る、美樹幹子

 特徴:服の下に注射器とアンプル液を持ち歩いていて、複眼機能が付いたゴーグルと十字架をしたペンダントをしていて、目の下はクマができている。

 詳細

  どこにでもいるマッドサイエンティストの生徒で、とある事件がきっかけで『何でも探偵部』に入部。

  極度の血恐怖症なので勇樹と小森以外の人にはにらみつける(ように見えるが実は怯えている)、また頭にしているゴーグルは複眼機能が搭載した特殊なゴーグルで文が自作で作ったという。

  蚊のDNAが入っている。

 能力:恐怖

  その名の通り、相手を恐怖に落し入れることが出来る能力。

  相手のトラウマを無理やり出して本人が実際に見ることが出来る能力だが、これは精神的体力の消耗が激しく、プロの方でも高難度。

  彼女の場合、精神的体力の消耗が穏やかで、能力の範囲は5人までが限界。

 真能力:毒

  毒を操ることが出来る能力、植物系の能力者は苦手な能力の一種。

  毒系の能力者の多くは、毒を飲んでも異常がないと言うので人体エネルギーの5分の1は毒で動いている。

 モスキート:蚊(白色の白衣の下に灰色のワイシャツと黒色のファスナー付きのズボンをしていて、背中から四角い羽が出ていて頭には額帯鏡に左右の耳に聴診器が装着されている)。

 

薩摩京子

 性別:女子

 性格:正義感が強い

 年齢:23歳(珍等師学園高等部3年扇子組)

 髪色と髪型:黒色のショートヘアーだが前髪の一部が白髪

 身長:175cm

 特技:武闘などの格闘

 特技:3月9日

 一人称/二人称:わたくしもしくは自分の名/○○さんか○○君orちゃん

 好きな物(人):警察、体育と国語と数学、運動、柔道、刑事ドラマを見ること、風紀委員、サンドウィッチ。

 苦手な物(人);虐待、理かと英語、読書、文芸系、ラブコメディを見ること、生徒会、カロリーが高い物。

 特徴:服の下にモデルガンと手錠を持ち歩いている、背中には正義の桜模様が描かれている。

 詳細

  正義感が強い風紀委員で、父親が珍等師学園の警察署の所長で母親が剣道・柔道の師範。風紀委員の一員で最上桃の指令でスパイとしてやって来た。

  そしてある事件がきっかけで『なんでも探偵部』に入部している、風紀委員の仕事もしている。恋愛には苦手で桜や百合子などに恋愛方法を聞いて学んでいる。

  パンダのDNAが入っている。

 能力:格闘

  その名の通り、相手の攻撃を跳ね返したり倍返しで攻撃することが出来る特殊な能力。

  どこにでもある普通の能力だが、この能力は太田の『力』と同じ自分の力を数倍にする他、業を覚えることが出来る。

  この能力は誰でもあるが、彼女の場合は格闘系の能力で、各党の技しか発動しない。

 真能力:変色

  周りにある色を操ることが出来る不思議な能力、まだ誰も見たこともない能力の一種。

  またこれは共感覚の一種として、赤色を見せると熱く感じたり青色を見せると涼しく感じることもできる能力もある。

 京子:パンダ(白色と黒色の水玉模様をしたパーカーに黒色の短パンをしていて、両手には黒色の手袋、頭にはパンダの顔が描かれていて雪山や森の中に隠れることが出来る)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

4.薔薇野乙女学園

薔薇の華やかさ部↓

 薔薇野乙女学園の3名が結成した部活、主に薔薇の手入れをしたりお茶会を開いている。エンブレムはティーポット。

 勇樹と知り合ったのは、薔薇野乙女学園で起きた事件『ブラックローズ事件』で知り合った。

 彼女たちの共通点は、剣・格闘・銃の扱いが師範並みに上手。

 

茨野剣

 性別:女子

 性格:天然

 年齢:17歳(薔薇野乙女学園2年星組)

 髪色と髪型:茜色の縦巻きロール

 身長:180cm

 特技:薔薇の手入れ

 誕生日:12月15日

 一人称/二人称わたくし/○○さん(年下にはあなた様か呼び捨て)、勇樹の場合は「勇樹君」と呼んでいる。

 好きな物(人):ローズティー、石川勇樹、石川祐希の友達、暖かいところ、アワビ、七夕、薔薇の手入れ、剣術

 苦手な物(人):納豆、男、寒いところ、コーラ、スキー、料理

 特徴:両手に白色の手袋と、頭にバラ色のティアラをしている。

 詳細

  薔薇野乙女学園の生徒、名前が男のように聞こえるが性別は女子。その為、他の女からモテたり男と勘違いされてしまう。

  勇樹とは小学校のこと一度会ったが、当の本人は覚えていない。実家は長崎県佐世保市内にあり、本物のお嬢様。

  ある事件で、伝説の薔薇の剣『ローズ・ソード』の使い手となり、勇樹の研究所で居候することになった。

  薔薇のDNAが入っている。

 能力:薔薇

  植物系の能力の一種で、中でも薔薇は操るのが難しいといわれている困難能力。

  薔薇の茨で攻撃したり守ることができるが、使い方を間違えるとケガをしてしまう。

 剣:薔薇(真紅色の燕尾服に黄色の手袋をしていて、背中にはバラが描かれていて袖と裾にはバラの棘が付いている)。

 

箱井理江

 性別:女子

 性格:真面目

 年齢:17歳(薔薇野乙女学園2年星組)

 髪色と髪型:青色のポニーテール

 身長:175cm

 特技:武術

 誕生日:4月5日

 一人称/二人称:オレ/○○(剣と勇樹の場合は○○様で、勇樹の友達関係の場合は呼び捨て)。

 好きな物(人):ビスケット、茨野剣、ぬいぐるみ、石川勇樹、運動、全教科

 苦手な物(人):激辛料理全般、パソコン、不審者、読書

 特徴:右腕に四角い形をしたリングをしていて、左目に眼帯をしている。

 詳細

  茨野剣の幼馴染兼護衛をしている、ガサツな性格だが成績優秀オール5。

  幼いころ山で鍛えているためトラックを軽々と持ち上げることができるが、体を動かさないことが苦手で本とか読んでも頭から煙が出るほどわからない。

  なお、勇樹とはライバル関係で、休日や暇なときには専用のメカで鍛えている。

  トラのDNAが入っている。

 能力:怪力

  力系の能力で何でも持ち上げることができる、太田と同じところがあるが違いとしては持ち上げたときに目が赤色に代わるところ。

  また、この能力は1000分の1名にしか出ない能力で、薔薇野乙女学園は非常に珍しいといわれている。

 理江:トラ(トラの模様が入った袴の上に群青色をした羽織を着ている)。

 

カナリヤ=都鳩

 性別:女子

 性格:怠け者

 年齢:17歳(薔薇野乙女学園2年星組)

 髪色と髪型:緑色のショートボブヘアー

 身長:168cm

 特技:ゲーム

 誕生日:7月12日

 一人称/二人称:あーし/○○氏(剣と勇樹の場合は○○様)。

 好きな物(人):家事・洗濯など、ゲーム、数学、茨野剣、カメラ、昼寝

 苦手な物(人);探検、運動、国語、不純人物、面倒くさい事

 特徴:藍色のカチューシャと黄色の眼鏡をしている。

 詳細

  茨野剣のメイド兼護衛をしている、メイドのくせに面倒くさいことはやらない、その代わり掃除や洗濯料理は上手、茨野とは深い縁がある。

  ゲームの腕は中弐と同じだが、睡眠時間を入れているため目にクマはできていない。

  また、私服は短パンとTシャツといった姿で茨野の護衛を時々しているため、敵が油断してしまう。銃の扱いは達人並み。

  カナリヤのDNAが入っている。

 能力:毒識

  毒を鑑定することが出来る能力で、毒を判別する能力者は初めてだという。

  毒が混入した食べ物や毒が含まれている生物などを見ると、色があべこべ(例えば、赤色が青色で黄色が緑色)に見える。

 都鳩:カナリヤ(黄緑色のドレスの上に白色のエプロンをしていて、オレンジ色の手袋をしており、頭に2つの赤球が付いたヘッドレスをしている)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

5.四季七十二期高校学園

季節部チーム↓

 四季七十二期高校学校の4名が結成した部活、季節の行事や場所に移動するのが目標。

 勇樹と知り合ったのは、四季七十二期で起きた事件『黒薔薇の襲撃事件』で知り合った。

 彼女たちの共通点は、苗字に季節の名前が付いている。

 

初春五月

 性別:女

 性格:天然

 年齢:17歳(四季七十二期高校学園2年春組)

 髪色&髪型:ピンク色のハーフアップ

 身長:168㎝

 特技:折り紙と山菜料理

 誕生日:4月30日

 一人称/二人称:私/○○さん(君かちゃんと呼ぶことがある)

 好きな物(人):桜、チューリップ、ひな祭り、桜餅

 苦手な物(人):枯れ木、梅、土筆、卒業式、ひな祭り

 特徴:頭にチューリップ型の髪留めをしている

 詳細

  転校してきた生徒で季節部の部員、ちょっと訳がある生徒。

  勇樹とは小学生まで幼馴染で、勇樹のことは覚えているが彼は五月のことを覚えていない。

  両親は共働きで、父は大工で母は花屋の店員。

  モンシロチョウのDNAが入っている。

 能力:至福

  みんな平等に幸せを分けてくれる能力で、福音と同じ能力だが範囲が違う。

  また、この能力は春になると効果は4倍で夏は2倍、秋は1/2で冬は1/4と効果の違いが出てくる。

 五月:モンシロチョウ(クリーム色のワンピースと黄色のタイツをしていて、背中には白色のリュックをしている)。

 

夏空輝清

 性別:女

 性格:男勝り

 年齢:17歳(四季七十二期高校学園2年夏組)

 髪色&髪型:黄色のポニーテール

 身長:175㎝

 特技:自由泳ぎ

 誕生日:7月30日

 一人称/二人称:ボク/○○さんか呼び捨て

 好きな物(人):カタツムリ、ひまわり、水泳、夏祭り、七夕、キャンプ

 苦手な物(人):両生類、浴衣やスカート、ヤシの木、オバケ、梅雨、雷、花火

 特徴:両手首にひまわりのリストバンドをしている

 詳細

  水泳部のエース兼季節部の部員、クールで女子からラブレターをもらえている。

  小学生のこと男子と遊んでいたため、普段あまりはかないスカートや浴衣は苦手、家では短パンをはいている。

  両親は共働きで、父と母が学園内にある水泳の管理人。

  サメのDNAが入っている。

 能力:鋭利牙

  なんでも切れることが出来る恐ろしい能力、剣道や薙刀、水泳などと言った運動部に宿る能力。

  この能力は恐ろしい能力と言われていて、大根でも千切りにするほど鋭い(料理番組ではありません)。

 輝清:サメ(水色のTシャツに黒色のショートパンツをはいていて、頭にはゴーグルをしている)。

 

秋山紅葉

 性別:女

 性格:のんき

 年齢:17歳(四季七十二期高校学園2年秋組)

 髪色&髪型:茶色の姫様カット

 身長:170㎝

 特技:俳句

 誕生日:10月30日

 一人称/二人称:うち/○○ちゃんかさんか君

 好きな物(人):お月見、相手を驚かす、虫の音、俳句、読書、紅葉

 苦手な物(人):おみこし、相手を驚かせた、ヒガンバナ、魔女、運動会

 特徴:首に紅葉のスカーフをしている

 詳細

  京都から転校してきたちょっとしたお嬢様で季節部の部員。

  幼いことから京都に住んでいたため京言葉で話している。着物をしている理由は気に入っているから。

  父親は事故で亡くなって今は母親と暮らしている。母が学園内にある俳句の先生。

  とんぼのDNAが入っている。

 能力:跳躍

  一蹴りで高く飛ぶことが出来る能力、運動している子にしか宿らないが、彼女の場合は珍しい。

  この能力はノミと同じ跳躍が宿っていて、最大で600m以上も飛ぶことが出来る。

 紅葉:とんぼ(オレンジ色のプルオーバーに赤色のタイツをはいていて、丸い形をした眼鏡をしている)。

 

冬山吹雪

 性別:女

 性格:冷徹

 年齢:17歳(四季七十二期高校学園2年冬組)

 髪色&髪型:青色のロングヘア

 身長:180㎝

 特技:氷彫刻

 誕生日:1月30日

 一人称/二人称:わたくし/○○さんか呼び捨て

 好きな物(人):クリスマス、元旦、炬燵、タコ上げ、ウグイス、松竹梅

 苦手な物(人):餅つき、獅子舞、バレンタイン、雪だるま、サンタクロース、熱い所、辛い料理

 特徴:雪の結晶をしたネックレスをしている

 詳細

  生徒会会長兼季節部の部員、表情が無表情なのでみんなから『氷の女王』と呼ばれている。

  冷酷な雰囲気をしているが本当は恥ずかしがり屋で友達が欲しい性格。紅葉とは小学校のころから幼馴染。

  両親は共働きで、父と母が国際警察をしている。

  タンチョウのDNAが入っている。

 能力:凍結

  なんでも凍らせることが出来る貴重な能力能力、真面目な人に宿ると言われている。

  この能力は-200℃まで冷やすことが可能で、触れた瞬間氷漬けになるのにはご注意を。

 吹雪:タンチョウ(青色のTシャツと黒色のスカートの上に白色のダッフルコートを着ていて、足は黄色の靴を履いている)。

 

レイア・エリオット

 性別:女

 性格:冷静

 年齢:23歳(四季七十二期高校学園修道女兼季節部の顧問)

 髪色&髪型:ピンク色の三つ編みロングヘアー

 身長:190㎝

 特技:祈り

 誕生日:8月24日

 一人称/二人称:わたくし/○○さん

 好きな物(人):日本料理、祈り、バレンタイン、魔法、カラオケ

 苦手な物(人):唐辛子類、昼寝、ハロウィン、科学、謎解き

 特徴:十字架のネックレスをしていて、瞳の色が黄色

 詳細

  アメリカから来たシスターで学園内にある教会長兼季節部の顧問、あまりのやさしさにみんなが認めてしまうほど美しい。

  残酷な世界から平和で笑顔があふれる世界にするために、季節の花が豊富である四季七十二期高校学園にした。

  なお、彼女の首から掛けているネックレスは親からもらったと言われている。驚くことに能力がない。

  鳩のDNAが入っている。

 吹雪:鳩(藍色のシスター服の下に灰色のTシャツを着ており、靴はスパイク付きのシューズを履いている)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

6.私立御伽花高校

SNS部

 私立御伽花高校から参戦してきた変わった部、この部の部長である輝夜曰く『SNSは『ソーシャル・ネットワーキング・サービス』じゃなく、『その時に・何があったか・シェアする』の緑した部活』と言っている。

 彼らの共通は、名前におとぎ話に関する名前が入っている。

 

一寸法師

 性別:男

 性格:意地っ張り

 年齢:17歳(私立御伽花高校2年2組)

 髪色&髪型:黒色のショートポニーテール

 身長:150㎝

 特技:剣術

 誕生日:1月1日

 一人称/二人称:ボク/さん付け

 好きな物(人):乳製品、テントウムシ、裁縫、家庭科、仲良しの人。

 苦手な物(人):唐辛子、カブトムシ、鬼、背が高い&無視される人、体育と数学。

 特徴:子犬のようにかわいい目つきと背中に大型のハンマーを手にしている。

 詳細

  SNS部の一員であり、アブ引き部のメンバー。

  背中のハンマーと腰にしている剣が武器。見かけによらず大人だが背が小さいのが悩み。

  相手から無視されるのが一番嫌いで、ブチ切れたらハンマーで相手が誤るまで懲らしめる。

 能力:大小

  大きさを変えることが出来る能力で、触れた者はサイズ関係なく変化が起きる。

  自分の大きさを変えることも可能で、持っている物や中身の大きさも関係なく変化させることもできる驚きの一面がある。

法師:アゲハコノハ(赤色の短パンに黄色とオレンジ色のパーカをしていて、頭に茶色の触角をしたカチューシャをしている、薄茶色のシューズをしている)。

 

桃山吉備人(性転時:桃山吉備子)

 性別:男

 性格:熱血

 年齢:18歳(私立御伽花高校3年1組)

 髪色&髪型:黒色のロングポニーテール

 身長:183㎝

 特技:動物と話す

 誕生日:8月3日

 一人称/二人称:オレ/呼び捨て

 好きな物(人):桃、男女問わず大好き、体育、動物、水泳

 苦手な物(人):林檎、不明、家庭科、数学、恐竜、走り幅跳び

 特徴:頭に桃色の鉢巻きをしていて刀を持ち歩いている

 詳細

  SNS部の一員であり、アブ引き部のメンバー。

  腰にしている刀『桃元刀』は知り合いの鍛冶屋に頼んで制作した特製の刀が武器。

  幼いころから動物が好きで、実家では犬・猿・キジを飼っているが、映画『恐竜王国』を見た影響でなのか、恐竜が大の苦手。

 能力:性転

  自分の性別を変ええることが出来る能力、幹子とは違って他の人を性転することはできない。

  またこの能力は性別を変えること以外に声質を変えることもできるので、声紋型の金庫をだますことが出来る。

 吉備人:桃(桃色にスペードをさかさまにTシャツの上に赤色のGジャンとクリーム色のジーパンをしている。緑色のシューズをしている)。

 

赤井福女

 性別:女

 性格:嫉妬心

 年齢:16歳(私立御伽花高校1年3組)

 髪色&髪型:赤色のショートボブヘアー

 身長:152㎝

 特技:おかし作り

 誕生日:8月15日

 一人称/二人称:あたし/呼び捨て

 好きな物(人):林檎と豚肉、料理、家庭科と体育、赤色

 苦手な物(人):桃と牛肉、掃除、国語と理科、黒色

 特徴:赤色の頭巾をしていて腰にランタンをしている。

 詳細

  SNS部の一員であり、アブ引き部の部員。

  一見普通の少女に見えるが、実は幼いころオオカミに育てられた正真正銘の野生少女。

  普通の狼とは違って炎は大丈夫、幼ころ親に殺されかけたことがあったので極度の人間不信、信じるの者はSNS部のメンバーだけで、武器はリンゴ型爆弾と火炎銃(ショットガンタイプ)。

 能力:嘘

  嘘を言うと相手は信じてしまう能力、特徴として能力が発生すると目の光が失う。

  また、本当のことを言う時は何かの前触れが発生する(本人もわからない)。

 福女:林檎(赤色のスタジャンの下に黄色のタンクトップと薄緑色のキュロットをしている。茶色のシューズをしている)。

 

シンデレラ・S・ディアーチェ

 性別:女

 性格:大人しい

 年齢:18歳(御伽花高校3年3組)

 髪色&髪型:金色の縦巻きロングヘアー

 身長:185㎝

 特技:家事・掃除

 誕生日:2月1日

 一人称/二人称:わたくし/さん付け

 好きな物(人):アメとかぼちゃ、ネズミ、家事・掃除、白色、家庭科と理科

 苦手な物(人):綿あめとナス、猫、怠ける事、黒色、国語と英語

 特徴:ガラス色に光る靴と金色のティアラをしている。

 詳細

  ドイツからやって来たお嬢様で、SNS部の一員でありアブ引き部の部員。

  幼いころ家事や掃除が得意で部活の清掃員兼料理者をしている(福女曰く『アイツ、アタシ、信ジル、女神』と不思議なことを言っている。

  いつもニコニコしているが怒ると怖い、ガラス製の靴とバネ付きの手袋にる武術が武器。

 能力:飴

  地面や液体などと言った形がある物であれば飴のように伸びたり形を帰ることが出来る能力。

  また、自分自身を飴の様に固くしたり攻撃を無効にすることもできる。

 シンデレラ:カボチャ(カボチャの模様をしたゴシックロリーと黒色のマントをしていて、緑色の手袋をしている。)。

 

設楽鈴女

 性別:女

 性格:ネガティブ

 年齢:17歳(御伽花高校2年3組)

 髪色&髪型:焦げ茶色のサイドテール

 身長:190㎝

 特技:昼寝

 誕生日:4月10日

 一人称/二人称:わたくし/さん付け

 好きな物(人):おかゆと水、読書、映画鑑賞、数学と理科

 苦手な物(人):スイカと珈琲、早口言葉、お笑い芸人、国語と英語

 特徴:口にマスクをしていて右目に鳥のマークが描かれている眼帯をしている。

 詳細

  SNS部の一員であり、不思議な所が多い少女。アブ引き部の部員。

  SNS部の中で一番不思議な所が多く、普段は読書を読んでいる。

  腰にしているカバンから裁縫道具を出し、それを武器にして相手の服を変えたり分解したりしている。

 能力:本当

  自分の言ったことが本当になる不思議な能力、言葉以外に文字でも本当のことになる。

  意外なことにこの能力は大人と子供にはすぐに信じやすいが、6歳までの子供と子供の様に純粋な心を持っている者はかかりにくい。

 鈴女:雀(茶色のストールの下に白色のセーターとと薄茶色のプリーツスカートをしていている。クリームのシューズをしている)。

 

月村輝夜

 性別:女

 性格:男勝り

 年齢:18歳

 髪色&髪型:紫色のロング姫様カット

 身長:177㎝

 特技:なぞなぞ

 誕生日:9月9日

 一人称/二人称:オレ/呼び捨て(佐可奈とシンデレラの場合はさん付け)

 好きな物(人):夜更かし、鍋とたけのこ、俳句、カラオケ、紫と黒

 苦手な物(人):早寝、バーベキューとキノコ、短歌、オリンピック、ピンクと黄色

 特徴:三日月の髪止めをしていて、黒色のブーツをしている。

 詳細

  SNS部の一員であり部長で、アブ引き部の部員。

  メンバーの中で唯一男勝りで変わったところがある女子、その代わりかわいい物が大好き。

  日本で有名な月村家のお嬢様で、学校で何か面白いのかないか3年間考えていたら、吉備人たちが建立していたところその部に入った。入った理由は『オレは普通に暮らすより、このような面白い部に入ってみるのが好きだ』。

  武器は黒色の傘に仕込まれている刀。

 能力:月化

  月の光によってほかの姿に変わる能力、変身系の能力の一種。

  月の光を2時間当てれば5時間ほど能力は実行できるが、変身が終わると眠ってしまうのでご注意を。

 輝夜:クマタカ(焦げ茶色のパーカーの下に白色のTシャツと茶色のスカートをしていて頭にゴーグルをしている。茶色のスパイク付きシューズをしている)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

7.漆黒野館学園

ユーツーブグループ『闇の世界に救いの命』↓

 学園内にある変わった学校で、有名だが場所が森の中なので探すのに10分ほどかかる。エンブレムはシャレコウベ。

 中でも闇の世界に救いの命は、学校のちょっとした有名チームで、誰もやったことがない企画をする集団(特に長期間が多い)。

 

エリマ=織戸鐘

 性別:女子

 性格:多重人格

 年齢:16歳(漆黒之館学園1年水組)

 髪色と髪型:灰色のショートヘアー

 身長:155cm

 特技:天文学

 誕生日:3月15日

 一人称/二人称:我/○○(仲がいい人の場合は、ちゃんor君付け)

 好きな物(人):天文学、香辛料、ウサギ、天文学、夜更かし、動画編集

 苦手な物(人);読書、甘いお菓子類、カメ、早起き、クマ、盗撮

 特徴:首に緑色のチョーカーを付けていて、腕に星の腕章をしている。

 詳細

  北海道から転校してきた生徒で、天文学が好きで将来は天文学者になること。

  夜遅くまで起きているため、暗い所でホラーやオバケなどと言った現象は大丈夫。

  エリマキトカゲのDNAが入っている。

 能力:未来予知

  未来を予測することが出来る能力で、時間系の能力者として珍しい。

  見れる時間は今から約8~12時間ほどしか見れない、必ずしもその余地は100%当たるからず。

 エリマ:エリマキトカゲ(薄茶色のワンピースにスパイク付きのシューズと電気が通る手袋をしている)。

 

神田瑠美

 性別:女子

 性格:権滅的

 年齢:16歳(漆黒野館学園1年火組)

 髪色と髪型:黒髪の姫様カット

 身長:160cm

 特技:カラオケ

 誕生日:4月26日

 一人称/二人称:ワシ/○○

 好きな物(人):お新香、ごはん、カラオケ、天文、お昼寝、カンガルーのぬいぐるみ、撮影

 苦手な物(人);梅干し、お寿司、運動、怪奇現象、絵画、ハリモグラ、音探し

 特徴:頭に大きなカバンを持ち歩き、足にテーピングをしている。

 詳細

  ある家庭から生まれたカラオケ大好き少女。ただ物凄く歌音痴なのでカラオケ採点結果が-100点を取ったことがある。

  エリマは幼馴染であり、彼女の言っている言葉は大体理解できる。

  カンガルーのDNAが入っている。

 能力:跳躍

  地面をけるだけの能力だが、その距離はなんと70~80メートルほど飛ぶという驚異的な能力。

  アスリートの人でさえ約9メートルが限界。彼女は交通事故で発生したのが原因で、力を加減しにくい技なので、テーピング型の能力加減装置で今は停止している。

 瑠美:カンガルー(茶色のオーバーオールの下にオレンジ色のパーカーを着ている。焦げ茶色のスニーカーを履いている)。

 

源葵

 性別:女子

 性格:真面目

 年齢:17歳(漆黒野館学園2年金組)

 髪色と髪型:水色のショートヘアー

 身長:177cm

 特技:発明

 誕生日:4月7日

 一人称/二人称:わたし/○○さん

 好きな物(人):歴史、茶道、流行、お茶会、懐石料理、口が堅い人、現地調査

 苦手な物(人);地理、柔道、洗濯、一人、イタリア料理、センチメンタル、動画編集

 特徴:頭に『源』と書かれた鉢巻きをしている。

 詳細

  源元蔵の孫であり、戦国時代から続いている武将で葵は28代目の武将。

  外の世界のことをあまり知らなかったため流行に過敏、また懐石料理を作るのが得意。ただイタリア料理は超がつくほど下手。

  カマキリのDNAが入っている。

 能力:鎌切り

  腕が刃のようになって、切ることが出来る能力。空気で切るのとは違って、刀の様に動かすだけで切れる。

  これは無所属系の能力の一種で、この能力が生まれる原因として、ご先祖様が武将、刃物を扱いなれている人に宿ると言われている。

 葵:カマキリ(緑色のワンピースにミントの葉型をしたバッチをしており、頭に黄緑色をしたゴーグルをしている)。

 

早乙女芭蕉

 性別:女子

 性格:短期

 年齢:17歳(漆黒野館学園2年樹組)

 髪色と髪型:緑色のツインテール

 身長:170cm

 特技:書道と武道

 誕生日:5月16日

 一人称/二人称:わし/○○さん(怒りの時は呼び捨てか貴様)

 好きな物(人):松尾芭蕉、カエル、少年・少女、オムライス、静かなところ、書道、俳句、武道、歴史と国語と地理

 苦手な物(人);水戸黄門、トカゲ、ボロネーゼ、うるさい所、スマホ、マラソン、剣道、数学と英語と理科

 特徴:桜の眼帯を左目にして、カエルのカバンをしている。

 詳細

  勇樹が唯一の宿敵である者であり、大型の変化筆が武器。

  実は中学のころ、ある行事で出し物で芭蕉が習字を出したが、勇樹が作った道具『全自動24色カラフルペンエキス入りスーパーペンシルマシン』で敗北した。

  それ以降、恨みを晴らすために漆黒野館学園の人気ユーツーバ―『闇の世界に救いの命』に入った。

  カエルのDNAが入っている。

 能力:凝固

  相手の細胞の動きと石の様に固めてくれる能力、これは噛まれる・念力の力ではなく、体液、つまりだ液にその能力は宿っている。

  これは非常にレアな能力であり、発動していないのに能力が出ているのは異例だという。、

 芭蕉:カエル(黄緑色のレインコートの下に緑色のTシャツと蓮の模様をしたスカートを着ていて、水かきが付いている靴と手袋をしている)

 

井上ネロ

 性別:女子

 性格:無表情

 年齢:18歳(漆黒野館学園3年地組)

 髪色と髪型:茶色のロングヘア

 身長:160cm

 特技:かくれんぼ

 誕生日:10月10日

 一人称/二人称:私/○○君かちゃn

 好きな物(人):メカニック、昼寝、静かなところ、あんパンと牛乳、暗い所、闇の世界に救いの命、音響機器と動画編集

 苦手な物(人);人、運動、高い所、揚げ物類、明るい所、紅の薔薇隊、現地調査

 特徴:輝が宿っていない目と枕を持ち歩いている。

 詳細

  とにかく不思議な先輩であり、何を考えているか分からない。

  昼寝が好きで、暗い所と静かな所であればすぐに眠れる。起きるのは1日に6~9回ほど。

  ナマケモノのDNAが入っている。

 能力:昼寝

  ただ寝るだけの能力だが、彼女の鼻から出る鼻提灯に触れた人はすぐに眠ってしまう。

  一度寝た人は9時間寝てしまい、途中で妨害しても起きることはない。

 ネロ:ナマケモノ(薄灰色をしたつなぎを着ている、顔に黒色のマスクをしている)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

8.忍ヶ丘女学館

護衛『忍刃の掟』↓

 三重県にある忍専門の学校で、忍者以外に大学に行けることもできる高校。

 女子学校であり、女子が約1250人ほどいる。

 また、勇樹の命を狙われていると知った学園長は、勇樹の護衛として彼女たちが選ばれた。

 

黒井雅緋

 性別:女子

 性格:真面目

 年齢:20歳(忍ヶ丘女学館3年苦無組)

 髪色と髪型:漆黒のショートヘアー

 身長:185cm

 特技:刀を使った刀術

 特技:3月8日

 一人称/二人称:私/貴様、仲が良い人であったら呼び捨て、だったら○○先生

 好きな物(人):女(特におしゃれをしている人)、スカート、かつ丼、修行、睡眠。

 苦手な物(人);愛好会(トラウマになるほど苦手)、唐辛子、スマホ、出前。

 特徴:左目に傷が出来ている。右目が紫色。

 詳細

  三重県の忍ヶ丘女学館の生徒で学校の理事長、風と秘伝の刀『死双神刀』の使い手。

  本来は両目は青色だがある事故の影響で怪我をしてしまい、右目だけ紫色になっている。

  初めは勇樹のことを敵視していたが、彼女の刀が盗まれたときに勇樹があるメカで取り返したことで、勇樹を敵視から好視となった。

  鴉のDNAが入っている。

 能力:灼熱

  肌が焼けるほどの恐ろしい能力で、百合子の約20倍もある。

  この能力の大きな特徴は、体のどこかに赤色に染まると言われていて、そこが染まると炎の力を手にすると言われている。

 雅緋:鴉(黒色をしたセーラー服に白色の線が入ったスカートをしていて、左目には紅色をした眼帯をしている)。

 

日ノ本焔

 性別:女子

 性格:意地っ張り

 年齢:19歳(忍ヶ丘女学館2年朱里組)

 髪色と髪型:茜色のポニーテール

 身長:170cm

 特技:鎖鎌を使った芸・大食い

 特技:2月10日

 一人称/二人称:わし/○○さん

 好きな物(人):勇樹の手料理、昼寝、蛇を飼うこと、熱い所。

 苦手な物(人);もずく、マラソン、ネズミを飼うこと、寒い所。

 特徴:口にマスクをしている。

 詳細

  2年朱里組の生徒で炎と鎖鎌の使い手、普段は真面目だが誰もいなくなると昼寝をする。

  初めて勇樹と会った時には彼のことを変な奴かと思ったが、料理をふるまった時に非常においしかった。

  2人になった時に「たこ焼きを作ってくれないか?」を呟くのであった(まあ作ってやるけどね)。

  デンキナマズのDNAが入っている。

 能力:雷光

  強力な雷を宿っている能力で、アレンの50倍も差がある。

  この能力は条件はないが危険な能力第20として挙げられている。

 焔:デンキナマズ(濃いグレーをしたパーカーの上にあばらの様に服についている金属に白色の長スカートをしている。パーカーの被るところにはコンセントのプラグが付いている)。

 

幕下夜桜

 性別:女子

 性格:天然

 年齢:19歳(忍ヶ丘女学館1年真備氏組)

 髪色と髪型:藍色のロングヘア

 身長:165cm

 特技:ゲームとお茶摘み

 特技:3月15日

 一人称/二人称:わっち/お主、仲がいい人は呼び捨てか○○さんで呼んでいる。

 好きな物(人):瓦せんべい、映画鑑賞、読書、子供の相手、運動をすること

 苦手な物(人);ぬれせんべい、ドラマ、手こずる人、赤ちゃんの世話、昼寝

 特徴:頭に白色の鉢巻き&古めかしい言葉(「~なのじゃ」や「~のぅ」などを言う)

 詳細

  1年真備氏組の生徒で水と大槌の使い魔。

  家は代々伝わる酒屋で、親が忙しい時には子供の相手をしていたので扱いは慣れているが、赤ちゃんの扱いはまだ慣れていない。

  勇樹のことをはじめはへんてこな奴だと思われていたが、家事(洗濯や料理に掃除など)を見た時に凄腕だと驚き、光栄するのであった。

  ダチョウのDNAが入っている。

 能力:高速

  目には見えない行動をすることが出来る能力。

  これは羽衣と同じ能力だが、違いは羽衣は移動するときの速さで夜桜は行動の速さ。

 夜桜:ダチョウ(クリーム色をしたマフラーに黒色の長袖をして、白色と黒色の羽が付いたミニスカートをしている)。

 

狂衣楓

 性別:女子

 性格:神経質

 年齢:20歳(忍ヶ丘女学館3年朱里組)

 髪色と髪型:緑色のサイドテール

 身長:175cm

 特技:漫画を描く

 特技:9月6日

 一人称/二人称:あたし、もしくはうち/あんた、もしくは呼び捨て

 好きな物(人):サラダ、漫画(特に百合)、モデルを探すこと、ネット、取材

 苦手な物(人);ステーキ、小説、漫画を描くのに邪魔になる人、運動、時間

 特徴:漫画に使う道具が入っているカバンを肩から掛けている。

 詳細

  3年朱里組の生徒で電気とカバンにしまっている毒付きの刃物(手裏剣・太刀・苦無など)の使い手。

  忍びに入学したが漫画家を目指すという異例な生徒に先生は驚く、長期連休(GW・夏休み・冬休みなど)であったら修行よりコミケに行く。

  カモノハシのDNAが入っている。

 能力:同化

  相手の動きや能力を再現することが出来る能力、細かい能力を発動することも可能。

  異例の能力であり、世界でたった10人しかいない。

 楓:カモノハシ(黒色の帽子に黄色のサンバイザーを付けていて藍色のスクミの上に茶色のTシャツと、薄茶色のミニスカートをしていて。靴は水かきが付いた特注品)。

 

毒野周理

 性別:女子

 性格:不明

 年齢:20歳(忍ヶ丘女学館2年苦無組)

 髪色と髪型:クリーム色のポニーテール

 身長:171cm

 特技:不明

 特技:9月8日

 一人称/二人称:わたくし/○○さんか、○○様

 好きな物(人):卵料理、占い、相手が驚くとき、クラシック音楽、買い物

 苦手な物(人);激辛料理、発明、相手に驚かされるとき、アニソン、ゲーム

 特徴:桜の花が付いた手袋をしている。

 詳細

  2年苦無組の生徒で毒と薙刀と槍の使い手。

  この生徒の中でよくいじってくるもので、悪戯好き。

  勇樹のことは不振で何かをやらかすかと思ったが、逆に手先が器用でバイト(バイトのことはのちに知った)をしていることに感心し、今は逆に心配されるのであった。

  クサカゲロウのDNAが入っている。

 能力:狂気

  相手の目を狂わせる能力、一種の錯角系の能力。

  この能力は相手を惑わせてしまう能力で、一度見たら2時間ほど能力の効果が発動する。

 周理:クサカゲロウ(クリーム色をした長袖に緑色のキュロット、白色の靴をしている)。

 

九条斑鳩

 性別:女子

 性格:(表)天然、(裏)悪魔

 年齢:20歳(忍ヶ丘女学館3年苦無組)

 髪色と髪型:黒髪の腰まで届くロングヘアー

 身長:175cm

 特技:不明

 誕生日:6月7日

 一人称/二人称:(表)私、(裏)オレ/呼び捨てかさん付け

 好きな物(人):そうめん、揚げ物、戦車、発明、カメ、オレンジ

 苦手な物(人);そば、激辛料理、戦闘機、権力、うさぎ、黄色

 特徴:メガネ(赤色のふち)をしていて、腰にはガンベルトをしている。

 詳細

  3年苦無組の生徒で水と銃(ショットとリボルバーとマシンガンの3種類)の使い手。

  生徒の中で怪力でクレーン車を持ち上げるほど、頭をたたくと本性と(表と裏が)入れ替わる危険人物。

  初めは雅緋だけしか止められなかったが、勇樹が来てから抑えれるようになった。

  カバのDNAが入っている。

 能力:爆発

  物を投げて当てるだけで爆発する能力、危険率が高い。

  この能力は無生物にしか発生しない能力で、生物を投げても無反応。

 斑鳩:カバ(ピンクの水着の上に茜色のパーカーを着ている、両肩には白い牙が付いている)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

9.聖ゾディアック天文学校

コスモ部↓

 学園内にある天文専門の学校、超が付くほど有名学校。エンブレムは星座の描かれた方位磁石が付いている

 あと、メカの操縦には慣れており。特にUFOの操縦は上手。ちなみにコスモ部とは、天文部のことであり現在6名。

 彼女たちの共通は、服のある部分に星座があるところ。

 

獅子尾麗

 性別:女子

 性格:冷静

 年齢:18歳(聖ゾディアック天文学校3年天組)

 髪色と髪型:クリーム色の姫様ロングヘアー

 身長:189cm

 特技:経理

 誕生日:8月3日

 一人称/二人称:わたくし/さん付け

 好きな物(人):春、暗算、数学と理科、笑わせること、ライオン

 苦手な物(人):秋、料理、家庭科、いたずら、トラ

 特徴:しし座のマントをしていて王冠を頭にしている

 詳細

  聖ゾディアック天文学校の生徒兼生徒会、アブ引き部の部員で太田と同じお金持ち。

  両親は海外で仕事をしていて普段は1人だが、5人の生徒基仲間が彼女の家に居候するようになった(両親は「友達が出来たら花部屋は使ってもいいよ」と許可を取っている)。

  また、学園の後ろにある山の上には天文台があり、そこから星を観測している。

  ライオンのDNAが入っている。

 能力:麗王

  王のように輝きどんな威勢でもくじけない能力、勢いだけかと思いきや武器を手にすると力が宿る最強の能力。

  この能力を発動すると、筋力に体力が通常の30倍以上のもすごい力が宿る。

 麗:ライオン(白色のワンピースに金色に輝くハイヒールと手袋をしている。右手首にはクリーム色のリストバンドをしている)。

 

雨空測里

 性別:女子

 性格:真面目

 年齢:18歳(聖ゾディアック天文学校3年垣組)

 髪色と髪型:銀色の縦巻きロングヘアー

 身長:180cm

 特技:恋バナ

 誕生日:10月15日

 一人称/二人称:わたくし/さんか呼び捨て(麗の場合は様と呼んでいる)

 好きな物(人):獅子尾麗、仲間、牛乳、イカ、国語、水泳、虫

 苦手な物(人):それ以外の人、ココア、タコ、理科、徒競走、暗い所

 特徴:白色の瞳に白鳥座の腕章をしている

 詳細

  麗の幼馴染であり、聖ゾディアック天文学校の生徒兼アブ引き部の部員。

  幼い事いじめにあった時に麗が救ったため彼女のことが好きになった、また当時貧乳であったため毎日牛乳を飲んでいる。

  意外なことにイカ料理であれば色は関係なく、特にイカ飯は大好物。

  白鳥のDNAが入っている。

 能力:銀嶺

  地面に手付けると鋭い円錐が出てくる危ない能力、いじめにあった者に発動する力。

  ストレスが大きければ多いほど円錐の数は多くなり鋭くなるので、常に精神安定剤を飲むことを進める。

 測里:白鳥(白色のライダースジャケットの下に灰色のTシャツと黄色のミニスカートとタイツをしている)。

 

山中緋辻

 性別:女子

 性格:のん気

 年齢:17歳(聖ゾディアック天文学校2年銀組)

 髪色と髪型:黒色のおぱっぱ

 身長:170cm

 特技:推理

 誕生日:12月25日

 一人称/二人称:僕/君かちゃん付けかさん付けで呼んでいる

 好きな物(人):推理、ゆで卵、おにぎり、英語と理科、アイドル、妖精

 苦手な物(人):推測、卵焼き、サンドウィッチ、数学、俳優、虫

 特徴:山羊座のリストバンドを左腕にして、虫眼鏡をしている。

 詳細

  麗の後輩であり、聖ゾディアック天文学校の生徒兼アブ引き部の部員。

  推理をするのが大好きで探偵部の部室に侵入して事件ファイルを調べている。10回に3回には桜に見つかってしまうが。

  あと、シャーロック・ホームズの著者であるコナンドイルのファン。

  山羊のDNAが入っている。

 能力:嗅覚

  においを嗅いだだけでどんなニオイかわかる能力、鼻が鋭い人に宿る能力。

  犬は人の100万倍も鋭いが、彼女の場合は2000万倍もにおいに敏感。

 緋辻:山羊(茶色のセーターと白色の長ズボン、頭に羊の角のカチューシャをしている)。

 

矢島当子

 性別:女子

 性格:頑固

 年齢:16歳(聖ゾディアック天文学校1年銀組)

 髪色と髪型:灰色のツインテール

 身長:170cm

 特技:射的

 誕生日:3月10日

 一人称/二人称:あたし/呼び捨てかさん付けで呼んでいる

 好きな物(人):射的、チョコレート、ごはん、遊び、小説、車

 苦手な物(人):輪投げ、マカロン、餅、全教科、漫画、電車

 特徴:射手座の手袋をしていて、パソコンを持ち歩いている。

 詳細

  麗の後輩であり山中の同級生、聖ゾディアック天文学校の生徒兼アブ引き部の部員。

  授業は受けているが非常に成績が低く、先輩の雨空から補修を受けている。

  パソコンには遊びやブログ以外に、勇樹たちの情報が乗っているメモ帳などが保存されている。

  サラブレッドのDNAが入っている。

 能力:射的

  物を投げるだけで一発で当てることが出来る能力で、弓矢が得意な子にはよく発生する。

  当てれる範囲は200~350メートル以内で、的は大きくても小さくても必ず当たる。

 当子:サラブレッド(茶色のGジャンの下に薄茶色のジャンパースカートをしていて、頭に馬耳のカチューシャをしている)。 

 

魚心沙可奈

 性別:女子

 性格:わがまま

 年齢:17歳(聖ゾディアック天文学校2年垣組)

 髪色と髪型:お団子ツイン

 身長:155cm

 特技:ゲーム

 誕生日:2月10日

 一人称/二人称:さかな/君かちゃん付けか呼び捨て(麗たちの場合は○○姉と呼んでいる)

 好きな物(人):ゲーム、チョコレート、ポテチ、理科と技術、発明、潜水艦と船

 苦手な物(人):キャンプ、マシュマロ、ポテトサラダ、英語、ズボラ、飛行機

 特徴:魚座の帽子をしていて、青色のリュックサックをしている。

 詳細

  霊の後輩であり当子たちの先輩、聖ゾディアック天文学校の生徒兼アブ引き部の部員。

  わがままなので怠けているが、こう見えて理科と技術の成績が高く専用のメカを発明していることがある。

  また、水泳が得意で50m泳ぎで18秒を出したという。

  ウバザメのDNAが入っている。

 能力:水網

  目には見えない網を作り出す能力、網は出ているが光の屈折と水の性質によって透明になっている。

  網は水で出来ているため形は変わりやすいが、切れない・丈夫・安心の3拍子が揃っている。

 沙可奈:ウバザメ(白色のライダースジャケットの下に水泳競技水着を着ていて頭にゴーグルをしている)。 

 

紅井早素裏

 性別:女子

 性格:不思議

 年齢:17歳(聖ゾディアック天文学校2年天組)

 髪色と髪型:赤色のロングポニーテール

 身長:177cm

 特技:お色気

 誕生日:11月11日

 一人称/二人称:わたくし/さんか呼び捨て(麗の場合は様と呼んでいる)

 好きな物(人):お色気、セクハラ、アイスクリーム、うどん、毒、国語と英語と理科

 苦手な物(人):こちょこちょ、いたずら、ジンジャークッキー、そば、解毒、数学と体育と地理

 特徴:蠍座のマフラーをしていて、カードケースを腰にしている。

 詳細

  麗の後輩であり沙可奈の幼馴染、聖ゾディアック天文学校の生徒兼アブ引き部の部員。

  人を誘惑する口調と自慢のお色気で相手を落として誘うことが出来る、意外なことに福音は苦手らしい。

  毒は飲んでも侵されても関されても異常がないと、いう驚く体質を持っている。

  赤サソリのDNAが入っている。

 能力:猛毒

  毒を操ることが出来る能力で、主に髪の毛についていると言われている。

  自分が毒に置かされても海水となり、感染しても丈夫な体質になっている。

 早素里:赤サソリ(橙色のミニスカートと赤色の七分丈カットソーの上に赤い色のパーカーをしている、黒色の玉を付けたイヤリングをしている)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

I.珍等師学園高等部

II.サイコロチーム↓

 一から六までそろっている者で、別名1年生組。エンブレムはダイス。

 メカの知識はないが意外なことに服のセンスは勇樹より上で、アブ引き部専用の服は彼らが作っている。

 共通は母親が洋服店をしている。

 

岩田一史

 性別:男

 性格:真面目

 年齢:15歳(珍等師学園高等部1年富士組)

 髪色と髪型:黒色のショートヘアー

 身長:160cm

 特技:掃除

 誕生日:7月5日

 一人称/二人称:オレ/○○ちゃんか○○君

 好きな物(人):ウサギ、たい焼き、ひまわり、夏、100m走

 苦手な物(人);カメ、たこ焼き、ツララ、冬、砲丸投げ

 特徴:利き手(右手)に黒色の手袋をしている。

 詳細

  サイコロチームのリーダー兼アブ引き部の部員。

  母親がある洋服店の店長なので、服を作るのが得意。

  メンバーの中で唯一真面目で勇樹の友達。また、掃除が特技なのはアレルギーがあるためで、ホコリがあるとくしゃみをしてしまうため掃除をしている。

  ウサギのDNAが入っている。

 能力:聞き取り

  半径20km以上にいるライオンの叫び声でも聞こえる能力で、能力が発動すると髪色の一部が白色になる。

 一史:ウサギ(白色のパーカーと黒色の短パンを着ていて、クリーム色の手袋と金色の靴をしている)。 

 

福島二葉

 性別:女子

 性格:お茶目

 年齢:15歳(珍等師学園高等部1年富士組)

 髪色と髪型:緑色のツインテール

 身長:164cm

 特技:写真

 誕生日:1月2日

 一人称/二人称:私/○○さん(君付けやちゃん付けもある)

 好きな物(人):カエル、チョコレート、かわいい物、ナマズ、洋服作り

 苦手な物(人);ドジョウ、唐辛子、気持ち悪い物、ナマコ、設計

 特徴:髪留めが水色の雫が入ったゴムで、水筒を持ち歩いている。

 詳細

  一史の幼馴染で、アブ引き部の部員。サイコロチームの一名。

  甘いお菓子が好きで幼いころからチョコレートが結構好き、特にチョコフォンデュが好物。

  母親が洋服店の裁縫をしているため、洋服づくりが得意。

  ニホンアマガエルのDNAが入っている。

 能力:完全変態

  相手の姿を完全に変形することが出来る能力、変身系の能力としては珍しい。

  完全変態系としては珍しい能力で、普通ならば一部(例えば顔だけか腕だけ)しか変わらない。

 二葉:ニホンアマガエル(黄緑色のセーラーに黒色の水玉がスカートに描かれている、足には水かきが付いたシューズを履いている)。 

 

福岡三太郎

 性別:男子

 性格:内気

 年齢:15歳(珍等師学園高等部1年富士組)

 髪色と髪型:ピンク色のショートヘアー

 身長:150cm

 特技:スポーツ

 誕生日:8月5日

 一人称/二人称:ボク/○○さん(呼び捨てやちゃん・君付けがある)

 好きな物(人):スポーツ、宮本武蔵、プロテイン、昼寝、体育

 苦手な物(人);読書、トーマス・エジソン、トマト&にんにく、数学

 特徴:目が煮えなくなるほど長い髪と腕にテーピングをしている。

 詳細

  サイコロチームの一名で、アブ引き部の部員。内気な所があるが、いざとなると頑張る一面がある。

  幼いころ運動が好きで、スポーツが得意なのでダンスも得意。そのため運動しない者たちのコーチを任している。

  母親が洋服店をしているため、服には気を付けている。

  ホオジロのDNAが入っている。

 能力:温暖

  辺りを温めてくれる古い能力だが、体力を保ってくれる便利な能力。

  温めてくれると草花が生えてきて植物に防衛能力が発動する素晴らしい特性がある。

 三太郎:ホオジロ(薄茶色のパーカーを着て下は黄色のズボンをはいている。靴はスパイク付きのシューズを履いている)。 

 

長野四音

 性別:女子

 性格:照れや

 年齢:15歳(珍等師学園高等部1年富士組)

 髪色と髪型:茶色のお団子ヘアー

 身長:155cm

 特技:音楽

 誕生日:8月11日

 一人称/二人称:あたし/○○ちゃんか○○君

 好きな物(人):ベートーヴェン、オタマジャクシ、ローラースケート、音楽

 苦手な物(人);バッハ、オオサンショウウオ、タップダンス、国語

 特徴:音符が描かれている本を持ち歩いていて、片目レンズをしていて、顔にそばかすがある。

 詳細

  アブ引き部の部員でサイコロチームの一名で、音楽が上手。

  母親は洋服店を営んでいるが、昔は歌手をしていたため絶対音感や楽器の使い方などが上手になった。

  また、喧嘩に強いのか。重いメカの部品を軽々と持ち上げることもできる

  インコのDNAが入っている。

 能力:声真似

  声を真似ることが出来る能力で、女の声以外に男の声も真似ることが出来る。

  また、この能力はインコ・オウム・サルなどと言った人に近い何かであれば真似ることが出来る能力。

 四音:インコ(黄色のブレザーにクリーム色のシャツと緑色のスカートをしていて、頭にゴーグルをしている)。 

 

新潟五郎

 性別:男子

 性格:頑張り屋さん

 年齢:15歳(珍等師学園高等部1年富士組)

 髪色と髪型:黒色のショートヘアーだが後ろ神の一部が白色になっている。

 身長:161cm

 特技:昼寝

 誕生日:4月2日

 一人称/二人称:僕/○○さん(同級生だったらちゃんか君付け)

 好きな物(人):家事・育児、マネージャー、理科、にんにくと林檎

 苦手な物(人);怠けること、生徒会の会長、音楽、唐辛子

 特徴:黄緑色をしたウエストポーチをしていて、首にチョーカーをしている。

 詳細

  アブ引き部の部員でサイコロチームの一名、相手の手伝いをするのが好きで、普段から頑張っているが時々何かで失敗してしまうので、自分でも反省している。

  オバケや妖怪には怖がらず、(レース系の)ゲームがうまい。

  ダックスフントのDNAが入っている。

 能力:仕分け

  仕分けは種類が多くあり、彼の場合はニオイを嗅ぎ分けることが出来る能力。

  これは犬の中ではごくわずかにしか発生しない能力で、その確率は1/2000と言うレアレベル。

 五郎:ダックスフント(茶色のオーバーオールと薄茶色の七部状カットソーをしている、頭に麦わら帽子をしている)

 

岐阜六巳

 性別:女子

 性格:怠け癖がある

 年齢:16歳(珍等師学園高等部1年富士組)

 髪色と髪型:青色をしたサイドテール

 身長:158cm

 特技:サッカー

 誕生日:9月6日

 一人称/二人称:わたし/○○

 好きな物(人):温泉まんじゅう、ジェットコースター、数学

 苦手な物(人);辛い料理、コーヒーカップ、国語

 特徴:目の下に隈が出来ていて、空をずっと見ている。

 詳細

  成績は良くダイスチームの中で天才だが、何を考えているか分からないほど不思議な少女。

  温泉まんじゅうと言った意外な食べ物が大好きだが、逆に辛いのが苦手でキムチ鍋やコチュジャンは大がつくほどいや。

  ついでに、気づいたことがあったら、特定の人物以外話さない。

  センザンコウのDNAが入っている。

 能力:怠け

  相手に触れただけで怠けてしまう能力、怠けてしまうと4~8時間ほど動かない。

  全く役に立たないと入れないが、疲労がたまっている人に使うと便利。

 六巳:センザンコウ(うろこ模様をしたワンピースにスパイク付きの靴をしている)。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

III.サッカー部↓

 その名の通り、サッカーをしている部活。エンブレムは白灰黒色の縞模様をしたヤタガラス。

 今は4人しかいないため他の部活名に変える予定(多分)。

 共通はサッカーのチームワークが息ぴったし。

 

庭田圭太

 性別:男子

 性格:真面目

 年齢:22歳(珍等師学園高等部3年奈須美組)

 髪色と髪型:焦げ茶色のショートヘアー

 身長:150cm

 特技:サッカー

 誕生日:3月15日

 一人称/二人称:私/呼び捨て

 好きな物(人):サッカー、おにぎり、体育、群馬、部員

 苦手な物(人);バスケット、サンドウィッチ、数学、大阪と東京、写真

 特徴:背が小さい、青色の腕章をしている。

 詳細

  背は小さいのが特徴、見た目は小さいがこれでもチーム内では先輩。サッカー部の部長兼、アブ引き部メンバー。

  あまりの小ささに小学生と間違われる人がいる、そのためなのか頭をなでるのは大嫌いだという。その代わり、サッカーの知識はプロ並みで。相手の技を見ただけですぐに何かわかる。

  また一部の生徒からは、「小さいのに熱血心があるサッカー部員」と噂が流れている。

  リスのDNAが入っている。

 能力:穴埋

  自分の大切な記憶を変えて埋めることが出来る能力、記憶の能力者にしては珍しい能力。

  これは記憶変換能力だが、相手に言わせる・見せる能力は変えることが出来るが自分の記憶は保存できる。

 圭太:リス(茶色の短パンにリスのしっぽが付いていて、クリーム色のTシャツを着ている、足には素早さを上げることが出来る特製シューズを履いている)。

 

白井天

 性別:男子

 性格:天然

 年齢:16歳(珍等師学園高等部1年扇子組)

 髪色と髪型:黒色の短髪

 身長:170cm

 特技:ボールを蹴る

 誕生日:8月10日

 一人称/二人称:オレ/○○さん(圭太の場合は、部長と言う)。

 好きな物(人):黒井玉子、卵料理、冬、国語

 苦手な物(人);あまりない

 特徴:足に黒色の黒色のレギンスをしている

 詳細

  サッカー部の部員で、黒井と灰原の同級生。サッカーが好きでサッカー部に入った。

  脚力が他の人とは違い、大木を通過するほどの力を手にしている。

  コオロギのDNAが入っている。

 能力:涼音

  心を和むほどの音を声で再現する能力で、その音を聞いた人は幸せになる。

  普通、涼音は足か頭のアホ毛か背中から生えている羽で鳴らすが、口からなるのは初めてだという。

 天:コオロギ(焦げ茶色のジャンパースカートの上に茶色の半そでを着ている、足にはサンダルをしている)。

 

黒井玉子

 性別:女子

 性格:おてんば

 年齢:17歳(珍等師学園高等部1年鷹組)

 髪色と髪型:白色の三つ編みツインテール

 身長:177cm

 特技:ボールを受け止める

 誕生日:2月11日

 一人称/二人称:あきち/○○(圭太の場合は部長で、天の場合は君付け)

 好きな物(人):白井天、イカのスミ入りスパゲッティ、夏、数学

 苦手な物(人);あまりない

 特徴:両手にテーピングをしている。

 詳細

  サッカー部の部員で、白井と灰原の同級生。腕相撲部に入ろうとしたが、白井の勧めでサッカー部に入った。

  腕力他の人と違い、鉄のフライパンを曲げるほど力を手にしている。

  ハリセンボンのDNAが入っている。

 能力:棘

  怒ると頭の毛がトゲのように鋭くなる能力、毒は含まれていない。

  これは水泳が得意な人にしか宿らないが、サッカーに宿るのは異常だという。

 玉子:ハリセンボン(スクール水着の上にクリーム色のスカートと水色のセーラーを着ている、上下の服に黒色の水玉が描かれている)。

 

灰原穂希

 性別:女子

 性格:真面目

 年齢:18歳(珍等師学園高等部1年扇子組)

 髪色と髪型:灰色のサイドテール

 身長:178cm

 特技:管理

 誕生日:8月11日

 一人称/二人称:わたし/○○さん(圭太の場合は部長)

 好きな物(人):掃除、メイド、簡易的な物、風船

 苦手な物(人);ごみ、怠ける人、複雑な料理、爆発

 特徴:青色の眼鏡と茶封筒を持ち歩いている。

 詳細

  サッカー部の部員兼マネージャーをしていて、部員の中でまじめな性格で冷静な判断をする。

  サッカーをしたことがないので、運動は無理。100mそうでも30秒台を出し、跳び箱は3段まで、ボーリングはガーダーを連続で出すほど運動が苦手。

  イソギンチャクのDNAが入っている。

 能力:伸縮

  物の長さを伸ばしたり縮ませることが出来る能力、主に棒状であれば数百m以上も伸びる。

  これは伸ばすだけという能力だが、物を持ち運ぶとしたら少し便利かもしれない。

 穂希:イソギンチャク(スカートが緑色とTシャツが紫色の服を着ていて、足にはピンク色のサンダルをしている)。

 

 

 

 

 

 

 

IV.生徒会↓

 珍等師学園高等部の生徒会、共通は名前にお茶の名前が入っている。エンブレムはマグカップ。

 そのためみんなからは『T・トリオ』と呼んでいる。メカの知識は意外にもあり、驚くことに車の免許を持っている。

 共通は名前に飲み物が入っている。

 

甘井ココア

 性別:女子

 性格:能天気

 年齢:23歳(珍等師学園高等部3年扇子組)

 髪色と髪型:焦げ茶色をしたおかっぱ

 身長:155cm

 特技:みんなにやさしくすること

 誕生日:5月5日

 一人称/二人称:あたし/○○ちゃん

 好きな物(人):ココア、早起き、生徒会の仕事、紅をいじること、チョコクッキー

 苦手な物(人);牛乳、早寝、エアコンに当たること、いじられること、アーモンド

 特徴:背が低い、気が抜けた口調。

 詳細

  珍等師学園高等部の先輩で生徒会会長、背が小さいのはちょっとした病気でこのようになった。

  見た目が小学生のようになっているため、みんなから頭をなでているが、本人はまったく気にしていない(どこぞのサッカー部とは違いがある)。

  いじってやるのが好きで(特に紅)、何かネタがあればいじっている。また、いざとなるとすごい実力を出す一面がある。

  カカオのDNAが入っている。

 能力:素

  何かの素を作ることが出来る能力で、植物系の能力としては珍しい。

  原理はどのようになっているかは不明だが、髪の毛から自分の素が出来ると結果が分かった。

 ココア:カカオ(茶色のスウィートロリータをして、足にはクリーム色のハイヒールをしている)。

 

紅・烏龍

 性別:女子

 性格:真面目

 年齢:22歳(珍等師学園高等部3年煙草組)

 髪色と髪型:薄茶色のお団子

 身長:185cm

 特技:扇子で攻撃

 誕生日:2月14日

 一人称/二人称:ワタシ/○○(ココアは会長でジャスミンはちゃん付けで呼んでいる)

 好きな物(人):烏龍茶、運動、厳しい事、夜、ココア会長

 苦手な物(人);緑茶、本を読むこと、怠けること、朝

 特徴:口調が片言で扇子を持ち歩いている。

 詳細

  中国から来た留学生で生徒会の副会長、厳しい性格をしている。

  鬼のように怖いが、実は超がつくほど泣き虫。またジャスミンのことを『デリーちゃん』と呼ぶ。また、実家は中華料理屋。

  龍のDNAが入っている。

 能力:体感

  わずかな風や音などで人がいるかどうか探知することが出来る能力。

  これは中国にいる子だけでも1割未満も満たさないほど、レアな能力。

 紅:ドラゴン(オレンジ色のチャイナドレスに橙色の靴を履いている、右腕にはドラゴンの模様をしたリストバンドをしている)。

 

ジャスミン・デリー

 性別:女子

 性格:優しい

 年齢:22歳(珍等師学園高等部3年座頭組)

 髪色と髪型:白色のツインロングヘアー

 身長:173cm

 特技:落ち着き

 誕生日:1月10日

 一人称/二人称:私/○○ちゃん(ココアには会長と呼んでいる)

 好きな物(人):ジャスミン、カレー、バラエティ案組を見る、国語

 苦手な物(人);緑茶、納豆と梅干、恋愛系のドラマ、歴史

 特徴:肌色が小麦粉色、右目が黄色で左目が藍色のオッドアイ。

 詳細

  インドから来た留学生で生徒会の会計、優しい一面があるが一度怒らせると鬼教官でも怯えるほど怖い。

  インドのハーフだが牛肉を食べても大丈夫な所からきているか、カレーを頼むときはとんかつ付きで頼んでくる。

  また、日本語が流調なのは親から日本語を教わったと言われている。

  ヒメアメンボのDNAが入っている。

 能力:水上

  手足からわずかな脂が出てきて、これは燃やしても変化がないが水に浮かぶという能力。

  水に浮かぶがそれには限度があり、最大で約120キロまで。それ以上だと沈む。

 ヒメアメンボ:黄緑色と緑色と水色のサリーを着て、サンダルを履いている。また腕には赤色の腕輪をしている)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

V.地理部↓

 地理が好きだけの部活だが、団体で世界へと行く事が好き。エンブレムは地球(日本が中心型)。

 共通は世界にしかないお土産を買うこと。

 また、彼らの服装は、国独自の服を着ている。

 

アイヌ

 性別:男子

 性格:冷酷

 年齢:17歳(珍等師学園高等部1年富士組)

 髪色と髪型:金色のショートヘアー

 身長:170cm

 特技:魚をさばく

 誕生日:5月16日

 一人称/二人称:私/お前、もしくは貴様(ただしアブ引き部の部員にはちゃんか君付けで呼んでいる)

 好きな物(人):懐石料理、寒中水泳、石包丁、英語

 苦手な物(人);インスタント食品、我慢大会、包丁、国語

 特徴:赤色のアットゥシを着ている

 詳細

  地理部の部長兼アブ引き部の部員である、冷酷そうな性格に見えるが、本心は照れ屋。

  新たに出来上がった部活で、2年生だけなので部長=赤色となっている。ちなみに本名は玉野彩南

  ホッキョクグマのDNAが入っている。

 能力:吹雪

  -20度と言った冷気と雪を放つ能力、池の表面を凍らせることもできる。

  また、2分ほど触れたらそこから凍らすこともできるので、専用の手袋でなければ凍ることはできない。

 

ロンドン

 性別:女子

 性格:冷静

 年齢:17歳(珍等師学園高等部1年鷹組)

 髪色と髪型:茶色のおかっぱ

 身長:170cm

 特技:推理

 誕生日:4月15日

 一人称/二人称:わたくし/○○君(もしくは呼び捨て)

 好きな物(人):コナン・ドイル、ミステリー、フィッシュ&チップス、英語、心霊写真

 苦手な物(人);あまりない

 特徴:ホームズの服装をしていて、胸に虫眼鏡を入れている。

 詳細

  地理部の部員でありアブ引き部の部員、部員の中で推理と心霊写真が好き。

  普段から鍛えているため500円玉を折り曲げることが出来る。ちなみに本名は米原霧子。

  コアリクイのDNAが入っている。

 能力:舌長

  下が長く味だけで何か調べることが出来る。これはアリクイのDNAがある人にしかない能力。

  下の長さは7.2㎝だが彼女の場合は1.5mほどある。 

 

ベトナム

 性別:男子

 性格:のんき

 年齢:16歳(珍等師学園高等部1年座頭組)

 髪色と髪型:黒髪のロングヘアー

 身長:169cm

 特技:ヨガ

 誕生日:4月7日

 一人称/二人称:私/○○さん

 好きな物(人):裁縫、料理、釣り、格闘、国語

 苦手な物(人);あまりない

 特徴:青色をしたアオザイと黄緑色のノン・ラをしている。

 詳細

  地理部の部員でありアブ引き部の部員、部員の中で料理が上手。

  格闘は幼いころから親から教わり釣りは趣味、どこかの高校で『まーちゃん』と言う幼馴染がいる。ちなみに本名は永井牧。

  金魚のDNAが入っている。

 能力:流水

  水流の動きを操ることが出来る能力、魚を操ることや天候を操ることも可能。

  範囲はいまだ不明だが、北海道を囲うほどの範囲だと言われている。

 

マドリード

 性別:女子

 性格:きっぱり

 年齢:17歳(珍等師学園高等部1年富士組)

 髪色と髪型:茜色のボブヘア―

 身長:158cm

 特技:裁縫

 誕生日:2月10日

 一人称/二人称:うち/○○はん(もしくは○○さんか呼び捨て)

 好きな物(人):焼肉、絵画、剣術、牛、地理

 苦手な物(人);あまりない

 特徴:マタドールをしていて模造刀と赤マントを手にしている。

 詳細

  地理部の部員でありアブ引き部の部員、スペインと日本人のハーフ。

  剣術が得意で、空中に浮いている野菜を10連続で切れることが出来る。ちなみに本名は牛田十都子。

  闘牛のDNAが入っている。

 能力:変色

  色を変えることが出来る能力で、赤色から茜色に黄色から緑色などと言った色に変えることが出来る。

  色の変色方法は、手に触れて変えたい色を変えるがけで変色が出来る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

VI.PC部↓

 パソコンをしている一見地味な部活だが、家には最新のパソコンを30台ほど所持している。エンブレムはブラウン管型のパソコン。

 共通は持ち歩き可能のノートパソコンを3つほど持っている。

 ちなみに、鍋を作るのが上手で。石川曰く『ほっぺが落ちるほどおいしい』と絶賛している。

 

アイコン

 性別:女子

 性格:根暗

 年齢:16歳(珍等師学園高等部1年奈須美組)

 髪色と髪型:金色のワンレスボブ

 身長:170cm

 特技:ゲーム

 誕生日:10月10日

 一人称/二人称:私/○○殿

 好きな物(人):ゲーム、PC、IT系、紅茶入りクッキー、理科

 苦手な物(人);運動、ガラケー、アーモンド入りのチョコレート、数学

 特徴:緑色のふちをした眼鏡と猫背。

 詳細

  コンピュータ部の部長でありアブ引き部の部員、彼女の腕前はセキュリティーハッカー並み。

  普段は猫背だが実は背をまっすぐにしただけで巨乳ではないかと噂がされている。ちなみに本名は中井纏女。

  超がつくほど運動が苦手だったが、二葉のおかげで100キロほどあるメカの部品を持ち上げるほどの力を付けた。

  アサリのDNAが入っている。

 能力:鏡

  物を復元してコピーすることが出来る能力、触れただけで能力発揮するが自分自身を鏡にすることが出来る。

  効果は約1~2時間ほどしか持たないが、攻撃を反射することもできたりする。

 アイコン:アサリ(茶色とクリーム色のシマシマ模様をしたワンピース、足には水色のサンダルと右足だけピンク色のストッキングをしている)。

 

チャット

 性別:男子

 性格:天然

 年齢:16歳(珍等師学園高等部1年富士組)

 髪色と髪型:濃い緑色のお団子ポニーテール

 身長:170cm

 特技:ネトゲ(コロコロびっくりキャッスル大作戦)

 誕生日:7月10日

 一人称/二人称:オレ/○○さん

 好きな物(人):ネトゲ、早寝、エレベーター、理科、するめ

 苦手な物(人);チャット(LINEsやツブヤイッタ―など)、早起き、エスカレーター、数学、あたりめ

 特徴:顔にそばかすがありアホ毛が出ている。

 詳細

  コンピュータ部の部員でありアブ引き部の部員、10歳からネトゲをしている。

  理かは得意で、実験道具を専用のショルダーバッグに入れている。ただし数学は低く、『1+1=?』の問題でも『3』と答えた。本名は近花周太。

  アイコン同様、超がつくほど運動が苦手だったが、二葉のおかげで衝撃に耐えれる力を手にした。

  オオコノハズクのDNAが入っている。

 能力:闇探知

  暗闇でも見える能力で、これはフクロウかコウモリのDNAが入っている人にしかない。

  目にサングラスかアイマスクをすれば光があっても大丈夫で、半径750mいないであれば見える。

 チャット:オオコノハズク(茶色のポンチョの下に薄茶色のセーターと橙色の長ズボンをしていて、頭に黒色のレンズをしたゴーグルをしている)。 

 

ハッカー

 性別:女子

 性格:頑張り屋

 年齢:17歳(珍等師学園高等部1年座頭組)

 髪色と髪型:黒色のセンター分け

 身長:170cm

 特技:ハッカー

 誕生日:9月6日

 一人称/二人称:あたし/○○さん(もしくは呼び捨て)

 好きな物(人):ガラケー、盗聴、サンドウィッチ、太陽、車

 苦手な物(人);スマホ、盗撮、カレーライス、月、電車

 特徴:頭に『必勝!』と書かれた鉢巻きをしている。

 詳細

  コンピュータ部の部員でありアブ引き部の部員、ハッカーが得意。

  ハッカーの腕前はアメリカの犯罪者も顔負けレベルで、FBIに就職願を出している。本名は本田美恋。

  アイコン&チャット同様、超がつくほど運動が苦手だったが、二葉のおかげで鉄板を曲げるほどの力を手にした。

  ニホントカゲのDNAが入っている。

 能力:切断

  自分の腕、足などと言った体の部品を切り離すことが出来る能力、決して亡くなるのではなく、脳か心臓さ残っていれば再生可能。

  トカゲの様に切り口は消えて即止血になる、また記憶は変化ないので安心できる能力。

 ハッカー:ニホントカゲ(クリーム色のショートパンツと黒色の半そでの上に茶色のベストをしている、ショートパンツにはしっぽが出ている)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

VII.乗り物部↓

 乗り物を乗ったり修理したり、改造したりする部活動。エンブレムはドライバーとねじをクロスし、その下にタイヤ。

 メカを操るのは意外に上手で、特にタイヤが付いているのは超がつくほど上手(勇樹が絶賛するほど喜んでいる)。

 共通は自分のオリジナル乗り物を持っていること。

 

前田

 性別:女子

 性格:前向き

 年齢:19歳(珍等師学園高等部2年鷹組)

 髪色と髪型:焦げ茶色のショートヘアー

 身長:175cm

 特技:乗り物改造

 誕生日:9月11日

 一人称/二人称:あたし/呼び捨て(もしくはさん付け)

 好きな物(人):車、寒い所、ミートドリア、フェラーリ、数学

 苦手な物(人);熱い所、お好み焼き、キャンピングカー、国語

 特徴:頭に茶色の三角巾をしている。

 詳細

  乗り物部の部長でありアブ引き部の部員、本名は前田美鈴。

  母が昔レースカーの仕事をしていたため、車が好きになり、15歳から車を改造した。

  オリジナルの乗り物はスクーターのハンドルを変えて車に使うハンドルにした。

  チーターのDNAが入っている。

 能力:走行

  足の速さを増すことが出来る能力、これは羽衣の加速と似ているが、違いは速さを変えることが出来るかできないこと。

 前田:チーター(黄色に黒色の点々が付いたパーカーと短パンをしていて、短パンにはしっぽが付いている)。

 

後山

 性別:男子

 性格:真面目

 年齢:19歳(珍等師学園高等部2年奈須美組)

 髪色と髪型:黒髪の短髪

 身長:185cm

 特技:乗り物改造

 誕生日:2月6日

 一人称/二人称:僕/○○さん

 好きな物(人):船、水泳、映画『タイタニック』、アクアパッツァ、地理

 苦手な物(人);マラソン、アニメ類、焼肉、数学

 特徴:船の資料を持ち歩いていて、頭に麦わら帽子をしている。

 詳細

  乗り物部の部員でありアブ引き部の部員、本名は後田丈太郎。

  父が海上自衛隊の仕事で船を見た時に、船が好きになり、16歳から船を改造した。

  小型船にクレーン車のクレーンを付けている。

  トビウオのDNAが入っている。

 能力:翼

  両手に羽が生えて空を飛ぶことが出来る能力、ただしトビウオの能力の人はモフモフはない。

  羽は鉄の様に丈夫だが遠くの場所まで飛べないのが弱点。

 後田:トビウオ(紺色をした長ズボンに白色と青色のセーラーを着ていて、足は雫模様をしたサンダルを履いている)。

 

右海

 性別:女子

 性格:のんき

 年齢:19歳(珍等師学園高等部2年煙草組)

 髪色と髪型:黄色のロングヘアー

 身長:168cm

 特技:乗り物改造

 誕生日:3月12日

 一人称/二人称:わし/○○さん(または○○殿か呼び捨て)

 好きな物(人):鳥、飛行機、雲、風車、童話『鶴の恩返し』、わたあめ

 苦手な物(人);入道雲、扇風機、童話『舌切り雀』、水あめ

 特徴:頭に風車の髪止めをしている。

 詳細

  乗り物部の部員でありアブ引き部の部員、本名は右海輝姫。

  両親と一緒に旅行の時に、空港で見た飛行機が好きになり、14歳のころから飛行機類を改造した。

  オリジナル乗り物は小型のプロペラ系の飛行機のエンジンを搭載した。

  カモメのDNAが入っている。

 能力:突風

  両手を前に出すと強い風を放つことが出来る能力、その力はなんと風速2㎞。

  この能力は美樹幹子と同じ風力で、使い方次第では電気を作ることが可能。

 右海:カモメ(白色のつなぎに黄色のウエストポーチをしていて、頭に黄色の帽子をしている)。

 

左川

 性別:男子

 性格:頑張り屋

 年齢:19歳(珍等師学園高等部2年扇子組)

 髪色と髪型:茶色の短髪

 身長:180cm

 特技:乗り物改造

 誕生日:7月2日

 一人称/二人称:オレ/○○さん

 好きな物(人):潜水艦、深海魚、広島風お好み焼き、歴史

 苦手な物(人);飛行船、カタツムリ、上海風海鮮焼きそば、地理

 特徴:肌色が白く、頭にゴーグルをしている。

 詳細

  乗り物部の部員でありアブ引き部の部員、本名は左川隼人。

  あるアニメで潜水艦が出てくるシーンで、潜水艦が好きになり、17歳のころから潜水艦を改造した。

  オリジナル乗り物は潜水艦に人口酸素装置を取り付けたこと。

  マダコのDNAが入っている。

 能力:軟体

  体が柔らかくなる能力で、例え1ミリ未満の隙間でも透き通ることが出来る。

  構造はどうなっているか不明だが、筋肉が柔らかくなっているのではないかと言われている。

 左川:マダコ(赤色の長ズボンにオレンジ色のTシャツの上に茜色のライダースジャケットを着ていて、腰に小型酸素ボンベ入りのウエストポーチをしている)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

VIII.風紀委員↓

 風紀を乱すものを許さないため作り上げた組織、共通は略すと果物の名前になること。エンブレムはカゴに果物が入っている。

 また、驚くことにご当地のヒーローオタクで、いろんな情報を専用のノートに記録している。

 共通は、名前を縮めると桃・ミカン・スイカの3つが乗っている。

 

最上桃

 性別:女子

 性格:真面目

 年齢:22歳(珍等師学園高等部3年扇子組)

 髪色と髪型:桃色のお団子ヘアー

 身長:180cm

 特技:マラソン

 誕生日:3月3日

 一人称/二人称:あたし/○○さん(もしくは呼び捨て)

 好きな物(人):桃、本名で呼ぶ人、ちらし寿司、真面目な人、体育

 苦手な物(人);林檎、あだ名で呼ぶ人、卵かけご飯、風紀を守らない人

 特徴:『風紀委員』と書かれた桃色の腕章をしている。

 詳細

  珍等師学園高等部にある風紀委員の委員長であり、風紀を乱すものには許さない先輩。

  本名は『最上桃』だが略すと『モモ』なのでみんなからあだ名でいわれている。

  アブラセミのDNAが入っている。

 能力:超音波

  口から超音波を放つ能力で、威力は伊江が負けるほど強い。

  また、専用のメガホンを使えば防音のガラスを割ることが出来る。

 桃:アブラゼミ(茶色の海軍少佐を着ていて、『風紀委員』と書かれた腕章をしている)。 

 

満嶋華男

 性別:男子

 性格:のんき

 年齢:20歳(珍等師学園高等部2年奈須美組)

 髪色と髪型:オレンジ色のおかっぱ

 身長:170cm

 特技:説教

 誕生日:3月10日

 一人称/二人称:僕/○○さん(もしくは呼び捨て)

 好きな物(人):優しい人、ぬいぐるみ、ゲーム、かつ丼

 苦手な物(人);怖い人、両生類、漫画、ミックスグリル

 特徴:男子なのにスカートをしていて、黄緑色の眼鏡をしている。

 詳細

  風紀委員の1人でありアブ引き部の部員、先輩なのに怒ることが出来ない。

  本名は満鳴華男だが略すと『ミカン』なのでみんなからあだ名で呼んでいる。たま女子と間違えてしまうが男子だと言ったら驚くみんな。

  ギンヤンマのDNAが入っている。

 能力:浄水

  汚れた水に触れるときれいな水になれる能力、また氷に含まれている空気を抜きことも可能。

  この能力は蛍にしかない能力だが、トンボにこの能力があるのは珍しい。

 華男:ギンヤンマ(銀色のポンチョの下にクリーム色のパーカーと緑色のショートパンツをはいている)。 

 

木山市江

 性別:女子

 性格:臆病

 年齢:22歳(珍等師学園高等部3年扇子組)

 髪色と髪型:濃い緑色のショートヘア―

 身長:160cm

 特技:捕獲

 誕生日:5月6日

 一人称/二人称:わたくし/○○さん(もしくは呼び捨て)

 好きな物(人):インスタント料理、女性、読書、国語

 苦手な物(人);機械類、男性、家電製品、理科

 特徴:常に涙目でテッシュ箱を持ち歩いている。

 詳細

  風紀委員の一員でアブ引き部の部員、先輩なのに男子が苦手。

  本名は木山市江だが略すと『柿』なのでみんなからあだ名で呼んでいる。極度の機械音痴で、車の操縦や家電製品類と言った扱いが苦手。

  ダンゴムシのDNAが入っている。

 能力:豆化

  危険を感じたら豆の様に丸くなる能力、非常に丈夫でミサイルを当てても無傷。

  元に戻すとしたら、本人の意思で開くか編む場所をくすぐるとよい。

 要:ダンゴムシ(紫色のパーカーに灰色のカーゴパンツをはいていて、頭には大きなヘルメットをしている)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

IX.海賊部↓

 本拠地は高等部内のプールの端っこにある古い物置小屋、そこを改造して部活動をしている。

 また、船の操縦は慣れていて。ヨット・モーターボート・帆船などと言った乗り物を操縦することが出来る。

 彼らの共通は、魚介類の料理が苦手。

 

帆立

 性別:女子

 性格:真面目

 年齢:23歳(珍等師学園高等部3年鷹組)

 髪色と髪型:焦げ茶色のポニーテール

 身長:170cm

 特技:アルコールを一気飲み(当然酔わない)

 誕生日:2月9日

 一人称/二人称:あたし/呼び捨て(恩がある人の場合はさん付で呼ぶ)

 好きな物(人):海賊船、燻製料理、地理、クラシック

 苦手な物(人);ヨット、海鮮料理、歴史、J-POP

 特徴:肌色が白色で左目に眼帯をしている。

 詳細

  海賊部の部長兼アブ引き部の部員、昔っから海賊が大好き。本名は穂山館古

  本拠地は高等部内のプールの端っこにある古い物置小屋、そこを改造して海賊部にしている。

  帆立のDNAが入っている。

 能力:千里眼

  両目、もしくは片目に能力が宿っており。遠くの形式などを見ることが出来る。

  可能であれば月から見ることが出来る。

 帆立:ホタテ(クリーム色のセーラー服に赤茶色のマントをしている)

 

 性別:女子

 性格:図太い

 年齢:23歳(珍等師学園高等部3年鷹組)

 髪色と髪型:水色のショートヘアー

 身長:189cm

 特技:怪力

 誕生日:6月15日

 一人称/二人称:私/呼び捨て(帆立の場合は船長で恩がある人にはさん付け)

 好きな物(人):アルコール、バーベル、鬼ごっこ、酢豚、体育

 苦手な物(人);炭酸ジュース、ローラースケート、かくれんぼ、海鮮料理、国語

 特徴:服に縫った跡があり、酸素ボンベを担いでいる。

 詳細

  海賊部の部員兼アブ引き部の部員、中学1年生のころからバーベルや鉄アレイ、エキスパンダーなどで鍛えた結果、部の中で力強い部員。

  また、子供には意外に人気でなつかれている。本名は真田黒江。

  マグロのDNAが入っている。

 能力:波出

  大きな波を出すことが出来る能力、水を操る能力としては見たこともない。

  波の大きさは最大で100m以上も出すこともできて、地震が発生した時に波を最小限に抑えることが出来る。

 鮪:マグロ(白色のスカートと青色のセーラーに腰にフェンシングをしている)。 

 

海月

 性別:男子

 性格:無表情

 年齢:20歳(珍等師学園高等部1年煙草組)

 髪色と髪型:白色のロングヘアー

 身長:175cm

 特技:燻製料理

 誕生日:9月10日

 一人称/二人称:僕/○○(あんた、恩がある人にはさん付けで帆立の場合は船長)。

 好きな物(人):アンパンと牛乳、家庭科、恩がある人、武術

 苦手な物(人);カレーパンと海鮮料理、数学、侵入者、剣術

 特徴:エプロンをしていて、ポケットにはスタンガンを入れている。

 詳細

  海賊部の部員兼アブ引き部の部員、調理ができる男子。

  燻製料理が得意で専用の機械で作っている、また海鮮料理の注文があった場合は近くのスーパーで買ってきて作ることになっている。本名海谷月人。

  クラゲのDNAが入っている。

 能力:電撃

  手に触れると電気が流れる能力で、その電力は200ボルト。

  アレンほどではないが携帯の充電をすぐに充電するほどの電力を出す。

 海月:クラゲ(水色の短パンと紺色のセーラーを着ていて両手にはゴム手袋をしている)。 

 

アンコウ

 性別:女子

 性格:根暗

 年齢:22歳(珍等師学園高等部3年煙草組)

 髪色と髪型:黒色のロングヘアー

 身長:160cm

 特技:(目隠しして)的当て

 誕生日:9月7日

 一人称/二人称:わし/○○殿(帆立の場合は船長で恩がある人はさん付け)

 好きな物(人):夜更かし、提灯、カレーライス、美術

 苦手な物(人);早起き、懐中電灯、海鮮料理、体育

 特徴:サングラスと提灯が付けることが出来る帽子をしている。

 詳細

  海賊部の部員兼アブ引き部の部員、本名は安藤康子。

  明るい所が苦手で、普段はサングラスをしていて。暗い所を移動するときには提灯の灯りを付けて移動する。

  鮟鱇のDNAが入っている。

 能力:明暗

  光と影などと言ったのをあべこべにする能力、これは非常に珍しい能力。

  触れた物は明かりの機能と暗闇の機能があべこべになるだけだが、性格があべこべになるのもいるのでご注意を。

 アンコウ:鮟鱇(ピンク色のセーラー服に充電器が付いたベルトをしていて、足にはローラーが付いている)。

 

海星

 性別:女子

 性格:のんき

 年齢:19歳(珍等師学園高等部2年座頭組)

 髪色と髪型:オレンジ色のワンレンボブ

 身長:150cm

 特技:船作り

 誕生日:2月10日

 一人称/二人称:わたくし/○○様(恩がある人にはさん付けで帆立の場合は船長)

 好きな物(人):シチュー、夜空、プラネタニウム、船作り、船操縦、数学

 苦手な物(人);カレー、朝日、天気予報、船酔い、国語

 特徴:星が付いたキャスケットをしている。

 詳細

  海賊部の部員兼アブ引き部の部員、本名は星野海未。

  海賊部の中で船を作っていて、移動するときは彼女が操縦している。

  ヒトデのDNAが入っている。

 能力:張付

  壁に張り付くことが出来る能力で、驚くことに体全体が吸盤のようになっている。

  吸盤系の能力としては珍しい能力で、その吸着力はトラック4台ほど引っ張っても以上ない。

 海星:ヒトデ(オレンジ色のセーターに黄色の手袋とゴーグルをしている)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

X.会談部↓

 高等部にある部で。話をしたりお菓子を食べあったりする、超がつくほど普通過ぎる部活動。エンブレムは45度に切られた黄色い丸から音符とケーキ類が出ている。

 メカの知識はあまりないが、意外なことに薔薇野乙女学園から気に入られるほど紅茶とお菓子が美味しい。

 彼女たち共通は、彼女たちのある部分のクセが強い所。

 

湯栗歩美

 性別:女子

 性格:のんき

 年齢:23歳(珍等師学園高等部3年富士組)

 髪色と髪型:ピンク色の三つ編みツインテール

 身長:175cm

 特技:お話

 誕生日:8月11日

 一人称/二人称:わたし/○○さん

 好きな物(人):お話、せんべい、お茶漬け、国語と英語、スマホ

 苦手な物(人):運動、クッキー、サンドウィッチ、数学と理科、ガラケー

 特徴:頭にハートのヘアピンをしていてキャリーケースを持っている

 詳細

  会談部の部長兼アブ引き部の部員、のんきなのが特徴。

  田舎から育ったためせんべいやお茶漬けなどと言った古いのが好物だが、クッキーやサンドウィッチなどと言った洋風系の食べ物は苦手。

  キチョウのDNAが入っている。

 能力:念写

  紙などと言った描ける者であれば考えていることを描き出すことが出来る能力。

  これは自分でなくても相手の考えていることでも描き出しが可能。

 歩美:キチョウ(黄色のワンピースに黒色のサンダル、頭に2本のアホ毛が付いたカチューシャをしている)

 

環円佳

 性別:女子

 性格:真面目

 年齢:19歳(珍等師学園高等部2年扇子組)

 髪色と髪型:白色と黒色のお団子ヘアー

 身長:168cm

 特技:日向ぼっこ

 誕生日:10月8日

 一人称/二人称:ワシ/呼び捨て

 好きな物(人):ワイン、トマト、英語と歴史、寝る、ホラー、ハイテク技術

 苦手な物(人):コーラ、ニンニク、国語と地理、動く、恋愛,古代技術

 特徴:右目が青色で左目が赤色のオッドアイで、首に十字架のネックレスをしている。

 詳細

  会談部の部員兼アブ引き部の部員、自称最強の吸血鬼と言われている。

  背が高く古い口調を使っているため、みんなからは「おばあちゃん」と言われているが、本人はそんなに気にしていない(慣れているし)。

  チスイコウモリのDNAが入っている。

 能力:吸血

  相手の血を吸い取ることが出来る能力、吸血鬼系の能力。

  ただ血を吸い取るだけではなく、知識か体力か睡眠を含む5種類を吸い取る能力で、決して命を吸うのではありません。

 円佳:チスイコウモリ(黒色と灰色のスウィート・ロリータで背中に蝙蝠の羽が付いていて、黒色のブーツをしている)。 

 

五十鈴富撫姫

 性別:女子

 性格:天然

 年齢:22歳(珍等師学園高等部3年奈須美組)

 髪色と髪型:橙色のおかっぱロングヘアー

 身長:170cm

 特技:大食い

 誕生日:9月1日

 一人称/二人称:私/さん付けで呼んでいる

 好きな物(人):かつ丼、ホットドック、家庭科と体育、スマートフォン、射撃、絵画鑑賞

 苦手な物(人):天丼、ポップコーン、英語と地理、音楽機材、操縦、ドラマ

 特徴:右腕に埋め模様をした腕章と、風呂敷を持ち歩いている

 詳細

  会談部の部員兼アブ引き部の部員、料理に掃除に洗濯が自慢で力強い

  自分が作った料理が好きで、時にオードブルの盛り合わせが好き。特に揚げ物の料理が好き。

  ロップイヤーのDNAが入っている。

 能力:聴覚

  広い範囲で音や声などを聴くことが出来る能力、耳が大きな動物のDNAの人が持っている能力。

  聴ける範囲は半径750~3750m内で、音量は調節不可能だが声の主は誰かは分かる。

 富撫姫:ロップイヤー(茶色のワンピースにニンジンの模様が入った腕章と肉球風の靴と手袋をしている)。

 

寺門祀梨

 性別:女子

 性格:男勝り

 年齢:17歳(珍等師学園高等部1年座頭組)

 髪色と髪型:黒髪のロング姫様カット

 身長:155cm

 特技:お祭り手伝い

 誕生日:8月16日

 一人称/二人称:あたい/呼び捨てかさん付けで呼んでいる

 好きな物(人):お祭り、体育と家庭科、夏、スイカ、たこ焼き、子供の相手、ズボン

 苦手な物(人):騒ぎ事、英語と国語、冬、アイスクリーム、お好み焼き、赤ちゃんの相手、スカート

 特徴:頭に鉢巻きをしていてサンダルを履いている。

 詳細

  会談部の部員兼アブ引き部の部員、お祭りが大好きで神社の手伝いをしている。

  祭りの店にやったことがあり、料理や建築に経理などと言った科目が得意。

  また、幼い子供相手ができて、医療に育児が出来て。両親が忙しい時に子供相手になったことがある。

  スズムシのDNAが入っている。

 能力:音波

  体をこすれば音波を発生することが出来る能力で、相手を眠らせたり混乱させることが出来ることが可能。

  こする場所は腕どうしか足の脛同士などと言ったところでこすれば、音波が発生する。

 祭梨:スズムシ(黒色のはっぴの下に紫色のタンクトップに青色のショートパンツをはいている)。

 

布瀬忍

 性別:女子

 性格:頑張り屋

 年齢:16歳(珍等師学園高等部1年煙草組)

 髪色と髪型:茶色のショートボブヘア―

 身長:162cm

 特技:レース

 誕生日:2月1日

 一人称/二人称:私(バイク時:オレ)/さんかくんか付で呼んでいる(バイク時:貴様か呼び捨てかてめぇ、湯栗の場合は姉御と呼んでいる)

 好きな物(人):バイク、ワッフル、唐揚げ、体育と音楽、マラソン

 苦手な物(人):自動車、パフェ、焼肉、家庭科と数学、水泳

 特徴:黄色のサングラスを頭にしていて、右目が赤色で左目が緑色のオッドアイ

 詳細

  会談部の部員兼アブ引き部の部員、なお元暴走族の総長。

  ある事故によって性格が変わり、おとなしくしようと会談部に入ったが、湯栗曰く『昔の姿でも私とみんなは大丈夫よ?』と言ってくれたことがある。

  どういう理屈なのか、バイクに触れるだけで性格が変わるが、暴れることはない。

  ショウジョウコウカンチョウのDNAが入っている。

 能力:用紙

  紙を操る能力、操ると言っても形や姿を変えることで。いろんなものを作ることが出来る。

  紙の大きさは20㎠~500㎡まで大きさを変えることが出来る、色も変えることもできる。

 忍:ショウジョウコウカンチョウ(紅に輝くクラシック・ロリータ―に腰には鳥の羽が付いたベルトをしている。ドレスの上にオレンジ色のマントをしている)。

 

葛城支姫

 性別:女子

 性格:ギャル

 年齢:19歳(珍等師学園高等部2年富士組)

 髪色と髪型:金髪のロングツインテール

 身長:175cm

 特技:メールの早打ち

 誕生日:8月6日

 一人称/二人称:あーし/呼び捨てかさん付けで呼んでいる

 好きな物(人):歴史と家庭科、遊ぶこと、カレータイスとたい焼き、流行

 苦手な物(人):数学と地理、怠けること、唐揚げと今川焼、鈍感な人

 特徴:頭に大きなリボンをしていて褐色肌。

 詳細

  会談部の部員兼アブ引き部の部員、会談部に顔を見せないため、幽霊部員モドキとなっている。

  見た目は完全にギャルだが、実は彼女は超がつくほどの歴女で。自作の歴史本を作るために図書室にこもって作っている。

  また、ファッションには目がなく。服を作るのが得意なダイスチームのことを『洋服が上手な蚕さん』と呼んでいる

  また、意外なことに力持ちで。メカの部品(10キロ)を3箱軽々と持ち上げたり、レンガを40個ほど持ち歩く光景を目にした生徒が複数いる。

  カワセミのDNAが入っている。

 能力:視覚移動

  ものを見つめるだけで、その場に瞬間移動する不思議な能力。

  この能力は意外なことに瞬間移動型の能力で、何人捕まっても何キロ重いものを持っても移動していると物を見ていても、瞬間移動することが出来る。

 祭梨:カワセミ(青色のブレザーの下にオレンジ色のシャツと黄色のミニスカをしている、茜色のタイツをしていて黒色のブーツをしている)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

XI.軽音部↓

 高等部にある部で。3階の音楽室の隣にある部屋で音楽を研究したり音楽活動をしている。

 メカの知識はあまりないので、時々勇樹に操縦を教えられている。

 共通としては、楽器が変わっていること。

 

音無響子

 性別:女子

 性格:真面目

 年齢:19歳(珍等師学園高等部2年扇子組)

 髪色と髪型:オレンジ色のショートヘア

 身長:170cm

 特技:お菓子を食べること

 誕生日:4月1日

 一人称/二人称:わたし/○○ちゃん

 好きな物(人):ギター、昼寝、簡単な話、仲良くできる人、お菓子、スマホ

 苦手な物(人):ドラム、早起き、難しい話、炭酸飲料、苦いお菓子、ゲーム

 特徴:赤色の大きなリボンを頭にしていて、ギターのケースにH・Oと書かれている。

 詳細

  軽音部の部員で『エンジェルスカイ』のリードギターの役割兼、アブ引き部メンバー。

  幼いころからいつものんきで、何を考えているか分からない。常に元気で1日10時間ほど昼寝をするほど超マイペース。

  その代わり、耳は非常に細かい音まで聞こえるほど絶対音感で、音階を当てることが出来る。また耳意外に目も非常によく、500m離れている将棋でも見えるほどすごい視覚(話によると、視力は片目だけでも5.0もある)。

  シロイルカのDNAが入っている。

 能力:水輪

  水をフラフープの様に輪っかを作り出す特殊な能力、その輪っかは大きさ強度を変える不思議な力が宿っている。

  また、この能力は筒状の建物を作ることはできるが。半径50~100㎝までの大きさでしかできない。

 歩美:シロイルカ(白色のTシャツとクリーム色の短パンをしていて、ピンク色のシューズをしている)。

 

小渡鶴江

 性別:女子

 性格:おっちょこちょい

 年齢:19歳(珍等師学園高等部2年煙草組)

 髪色と髪型:白色のロングヘアー

 身長:174cm

 特技:ドラム打ち

 誕生日:2月6日

 一人称/二人称:あたし/呼び捨て

 好きな物(人):ドラム、大まかなこと、ゲーム、クリームシチュー、悪戯

 苦手な物(人):ベースとキーボード、細かい事、勉強、カレー、英語

 特徴:栗色のパーカーを着ていて、ドラムを積んだ特製のリュックをしている。

 詳細

  軽音部の部員で『エンジェルスカイ』のドラムスの役割兼、アブ引き部メンバー。

  子供のころから成績があまり良くなく英語の成績は低空飛行、その代わり国語と社会の歴史は穂上に成績が良く、この2つは得意。

  そして彼女の作るシチューはおいしく、福音と太田が喜ぶほどおいしい。

  ワタリアホウドリのDNAが入っている。

 能力:氷傷

  かみつくか引っ掻くだけで傷口が凍る不思議な氷系の能力、その冷気は20度まで下がる。

  細胞を調べてみると、細胞を凍らせる細胞があることに気づき、それは本人には影響しない免疫細胞と噛まれたら影響が出る細胞がある。

 鶴江:ワタリアホウドリ(白色のダッフルコートの下に濃い灰色のTシャツと青色のGパンをしている、黒色のスパイクをしている)。

 

海野小亀

 性別:女子

 性格:臆病

 年齢:20歳(珍等師学園高等部2年奈須美組)

 髪色と髪型:緑色の姫様カット

 身長:175cm

 特技:お仕置き

 誕生日:8月1日

 一人称/二人称:ぼく/呼び捨て

 好きな物(人):ギター、お仕置き、計画を立てること、スマートフォン、ゲーム操縦

 苦手な物(人):破廉恥なことをやらされること、オバケ、流行、おだてられる事、赤ちゃん

 特徴:鳥居のマークが入ったカバンをしていて、腰にベースケースを持ち歩いている。

 詳細

  軽音部の部員で『エンジェルスカイ』のベースギターの役割兼、アブ引き部メンバー。

  学園内にある大型ショッピングモール『クラウド』の娘さん、お嬢様だが「自慢じゃない」と言う。また口調が男勝りなのは幼馴染である鶴江が変なことを吹き込んだのが原因。

  ウミガメのDNAが入っている。

 能力:鉄服

  来ている服がまるで鎧のように固くなる能力、その強度はなんと象が20頭以上もの重さに耐えれる。

  なおこの能力は広範囲で、20~40人まで能力を恐竜することが出来るが5m離れると効果が切れる。

 小亀:ウミガメ(薄紫色の競泳水着の上に群青色のミニスカートと水色のパーカーをしている、頭に白色の水泳帽とゴーグルをしていて黄緑色のサンダルをしている)。

 

大森育代

 性別:女子

 性格:のんびり

 年齢:20歳(珍等師学園高等部2年座頭組)

 髪色と髪型:茶髪のロング姫様カット

 身長:170cm

 特技:お料理

 誕生日:9月1日

 一人称/二人称:私/○○ちゃんかさんで呼んでいる

 好きな物(人):お菓子を作ること、スロット、天体望遠鏡、料理をみんなで食べること

 苦手な物(人):辛い料理を食べること、占い、格闘技、インスタント食品を食べること

 特徴:緑色のツタが右腕についていて、キーボードが入った長いカバンをしている。

 詳細

  軽音部の部員で『エンジェルスカイ』のキーボードの役割兼、アブ引き部メンバー。

  お菓子を作るのが得意で、特にケーキはカップからウェディングまでと言ったいろんなケーキの大きさを作っている。

  また、キーボードをしている理由としては、母親が元ピアニストで会ったためそれを受け継ごうとキーボードを取り扱っている吹奏楽より軽音部に入った。

  ハエトリソウとウツボカズラスズムシのDNAが入っている。

 能力:消化液

  強いストレスを与えた時に、髪の毛と右腕のツタから鉄を溶かす恐ろしい液体が出る。

  ただ危険な消化液ではなくストレスを与えなければ普通のレモン水になるちょっとしょぼい一面がある。また泣いたら涙が真水がでるすごい一面がある。

 祭梨:ハエトリソウ&ウツボカズラ(緑色のワンピースに上部分に黄色の輪っかがあり、黄色のタイツをしていて、頭にピンク色のつばが広い麦わら帽子をしていて黄緑色のハイヒールをしている)。

 

湯栗小土師梨

 性別:女子

 性格:真面目

 年齢:17歳(珍等師学園高等部1年煙草組)

 髪色と髪型:黒色のショートボブヘア―

 身長:168cm

 特技:勉強

 誕生日:6月4日

 一人称/二人称:私/さんか先輩で付で呼んでいる(歩美の場合は、姉様)

 好きな物(人):勉強、自転車、射撃、メカの掃除・清掃、少し古いゲーム

 苦手な物(人):昼寝、バイク、輪投げ、お料理(特に揚げ物)、最新ゲーム

 特徴:頭にぶどうのヘアピンをしていて、紫色のマフラーをしている。

 詳細

  軽音部の部員で『エンジェルスカイ』のリズムギターの役割兼、アブ引き部メンバー。

  軽音部の中で真面目だが少しネジが外れているところがあり、3次元のゲームが苦手でいつも少し古いゲーム(2次元)をやっている。

  また、彼女は歩美の妹で。一部の生徒からは『速度姉妹』と言われている。

  ぶどうのDNAが入っている。

 能力:屈折

  水と光を操る少し珍しい能力、操ると言っても光を曲げて相手をだます程度。

  ただし、これは屈折なので光の角度を変えれば反射することが可能で、光線以外は無効だが使い方次第で役に立つ。

 小土師梨:ぶどう(紫色に水玉模様をしたジャンパースカートと緑色のパーカーをしていている。茶色のブーツをしている)。



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他校の生徒編(黒百合編)

我狼院怜雄

 学年:3年生

 出身地:北海道釧路市

 身長:163㎝

 血液型:A型

 特徴:銀髪のロングヘアと右目に眼帯をしている。

 詳細:元黒百合学園基、白薔薇学園の生徒会長兼戦車道体調をしている。

    男勝りで曲がったことが嫌い、一度決めたらそれを成し遂げるまで道をそらさない。

    意外なことに流行と料理は超が付くほど鈍感で、洋服は学生服とパンツァージャケットだけ使用し料理は常にご飯・味噌汁・鮭だけ。

    今回、大洗の助けに行くために協力しに来た。

 

岐路稲津摩代

 学年:2年生

 出身地:北海道襟裳岬

 身長:160㎝

 血液型:O型

 特徴:赤髪のツインテールでアホ毛が1本ある。

 詳細:戦車道の履修の一員、AMX-30の車長。

    小春田が退学してからは今は副隊長として活躍、怜雄のことを「お姉さま」と呼んでいる。

    しかし方向音痴なので、買い物をするのに1時間以上はかかる。あと大家族。

    ローズヒップとは幼馴染で、ちょっとしたスピードライバル。ただ言葉遣いは津摩代が上手。

 

三船穂希

 学年:2年生

 出身地:大阪府堺市

 身長:148㎝

 血液型:B型

 特徴:水色のショートポニーテールで関西弁を話す。

 詳細:戦車道の履修の一員、シャールC2の車長兼砲手。

    大阪か事情により北海道へと転校し、我狼院の学校に入学している。料理はたこ焼きとお好み焼きが得意。

    最近はぬいぐるみ集めが趣味で、休みの日は全国にあるご当地ぬいぐるみを集めている。

    ちなみに、彼女はチーズとトマトが大の苦手。

 

榎原弥生

 学年:1年生

 出身地:北海道帯広市

 身長:153㎝

 血液型:A型

 特徴:黒色のショートヘアーに白色のカチューシャをしている。

 詳細:戦車道の履修の一員、FCM36の砲手兼通信手。

    おしゃべりで一度喋ると30分は続くほどあきれる、そのため聞き上手の薫子以外反すのは苦手。

    上林とは同級生で、驚くことに彼女を大人しくさせるのが上手。そのため我狼院から『暴走停止係』の役割が与えられた。

    

上林亮子

 学年:1年生

 出身地:北海道函館市

 身長:145cm

 血液型:AB型

 特徴;黒色のロングヘアーで頭にどくろのペアピンをしている。

 詳細:戦車道の履修の一員、我狼院が乗っているAMX-13の砲手。

    見た目は可愛らしい見た目に反して怜雄に忠誠を誓っている。なお戦闘時には性格が凶暴化するため、我狼院の暴力装置と呼ばれている。

    また、一度切れると相手が気絶するまで暴走するため、弥生以外抑える人はいない。

    ちなみに、極度の甘いお菓子が好きで、特にホットケーキとキャラメルポップコーンが大好物。

 

辰巳重美

 学年:3年生

 出身地:北海道利尻島

 身長:165cm

 血液型:A型

 特徴;緑色のおかっぱで腰に刀をしている。

 詳細:戦車道の履修の一員、我狼院が乗っているAMX-13の装填手。

    怜雄の警護役を務めることから『鬼の我狼院親衛隊隊長』と呼ばれるほど彼女に心酔している。その名に恥じず彼女の周りに敵を寄せ付けない。

    親は警視総監、生徒会長である我狼院を守るために体を鍛えている。ちなみに本人の夢は自衛隊。

    腰にしている刀はプラスチック製だが、相手を気絶するほどの威力がある。

 

石原秀乃

 学年:1年生

 出身地:北海道江素市

 身長:150cm

 血液型:B型

 特徴:茶色のポニーテールで頭に赤色の鉢巻きをしている。

 詳細:戦車道の履修の一員、我狼院が乗っているAMX-13の通信手。

    我狼院曰く、彼女は『我狼院の情報アンテナ』と呼ばれるほど情報収集に優れている人物。その情報の正確さから、黒森峰を破ったと言われている。

    寮の部屋内部は、スパイグッズが大量に置いており、戦う学園の情報収集があればすぐに行動するようになっている。

    ただし、彼女の頭が(怒りの意味で)切れるとご機嫌斜めになり。相手の話を聞かず無視する。たとえ我狼院であっても幼馴染であっても無視する。

 

畑中薫子

 学年:2年生

 出身地:北海道旭川市

 身長:159㎝

 血液型:O型

 特徴:焦げ茶色のお団子ツイン

 詳細:戦車道の履修の一員、我狼院が乗っているAMX-13の操縦手。

    元ゲーマーで、乗り物系のゲームが得意なため戦車の操縦は慣れている。また武術の資格を持っており、辰巳とは師範関係(辰巳曰「頑張っているのは嬉しいが、できれば私のことを師匠と呼ばなくてもいい」)。

    なお、砲手であるノンナとはライバル関係があり。一部からは「逃げの薫子と追いのノンナ」と噂があるが、それが事実かは不明。

    我狼院のことが好きで、部屋には戦車道の資料以外に我狼院の写真が飾られている。我狼院公認。

 

七輪灯

 学年:2年生

 出身地:北海道網走市

 身長:167㎝

 血液型:B型

 特徴:黒色のロングヘアーで頭に大きなリボンをしている。

 詳細:戦車道の履修の一員、極度の人見知り。オチキスH35の車長。

    昔はちょっとした元子役でテレビに出ていた、それを知っているのは華とカルパッチョとアリサしかいない。

    言葉使いや行動が正しいか分からず、勘違い相手を傷つけないようにしていたら『自信喪失型の人見知り』となってしまい、今は同級生である須々美のフォローで何とか保っている。

    須々美とは心が開ける唯一の友達で、同じオチキスH35に乗っている。

 

猪原須々美

 学年:2年生

 出身地:北海道札幌市

 身長:170㎝

 血液型:O型

 特徴:黒色のショートヘアーで腰にリボンをしている。

 詳細:戦車道の履修の一員、のんきな性格。オチキスH35の通信手。

    カウンセリングの資格を持っており、戦車道で悩みがある人がいれば相談に乗っている。そのため我狼院から『相談兼カウンセリング委員』の委員を作り上げた。

    今回、人見知りである灯の補助を行い、出来る限り安全に暮らせるように我狼院からの指示が出た。そのため彼女と同じ寮で暮らすことになった。

    意外なことに映画が趣味で、灯と一緒にいるときは彼女が安心して見れる映画を探している(灯曰く「須々美ちゃんが見たい映画があったら私も見たい」)。



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他校の生徒編(敵編)

小春田日和

 学年:3年生

 出身地:北海道江素市

 身長:156cm

 血液型:O型

 特徴:クリーム色の縦巻きロールヘアーでハートのヘアピンをしている。

 詳細:戦車道の履修の一員、元黒百合の服生徒会長をしていた。

    どこかの大企業をしているお嬢様で、黒百合から追放されて以来残党と共に旅立っている。

    実は第62回戦車道で西住を倒せば行けると思い、特殊装置で赤星を落とし西住を巻き込ませて優勝するが、転校したため簡単に成功とは行けなかった。

    その後、大洗との戦いでみほを狙うが、優季と我狼院の強力により黒百合は負けてしまい強制退学となった。

 

白山沙耶音

 学年:3年生

 出身地:北海道苫小牧市

 身長:152cm

 血液型:A型

 特徴:黒色のショートヘアーでつり目。

 詳細:元黒百合の生徒であり履修の一員、小春田派の幹部の一人で、村瀬と共に黒百合学園の情報を流していた。

    村瀬とはライバル関係で、射撃仲間。大きい音と暴れる人が嫌い。

 

塩崎豊美

 学年:2年生

 出身地:北海道札幌市

 身長:155cm

 血液型:O型

 特徴:黒色のポニーテールでアホ毛がある。

 詳細:元黒百合の生徒であり戦車道の履修の一員、小春田派の一人で破壊担当。

    黒百合学園スパイ班のリーダー格でありながら裏からの破壊工作を行なっていた。

 

奈村実代子

 学年:1年生

 出身地:石川県金沢市

 身長・150cm

 血液型:B型

 特徴:金髪のツインテールで頭に大きなリボンをしている。

 詳細:元黒百合の生徒であり戦車道の履修の一員、石川では有名な財閥。

    小春田派の金庫番的存在で金融の知識がある事から株や投資で資金集めをしている。その為、小春田の活動力を支えていると言っても過言ではない。

 

岡本信子

 学年:2年生

 出身地:北海道阿寒湖周辺

 身長;158cm

 血液型:O型

 詳細:元黒百合の生徒であり戦車道の履修の一員、小春田の親衛隊隊長を率いており、小春田派の秘書かつボディーガード的な存在である。

    日ごろから鍛えており、装填手メンバーを敵だと認識している。バー『どん底』にいるムラカミは強敵。

 

池元有希乃

 学年:2年生

 出身地:北海道函館市

 身長:153cm

 血液型:AB型

 詳細:元黒百合の生徒であり戦車道の履修の一員、1年生の頃、小春田と初めて友達なった生徒。

 小春田と行動を共にすることにより高い地位を確保してきた事もあり、小春田に心酔している。彼女の目標達成後も付き従うつもりのようだ。

 

村瀬利香

 学年:1年生

 出身地:北海道千歳市

 身長:151cm

 血液型:A型

 詳細:元黒百合の生徒であり戦車道の履修の一員、黒百合に侵入して情報を漏らしている。

    小春田と行動を共にしており、小春田と仲違いしたフリをして黒百合の情報を流し続けている。また、池元と同じく小春田に心酔している。



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キャラクター紹介『新ブン・ボーグ編』

ブン・ボーグ(新ブン・ボーグ)

摸野(もの)沙市音(さしね)

 性別:女子

 性格:男勝りで荒っぽい

 年齢:23歳(??→珍等師学園高等部3年扇子組)

 髪色と髪型:白と黒色のツインテール

 身長:180cm

 特技:剣道

 誕生日:5月12日

 一人称/二人称:オレ様/呼び捨て

 好きな物(人):おにぎり、剣道、かっこいい物

 苦手な物(人);サンドウィッチ、可愛い物、武道

 特徴:目つきが鋭く、両手にどくろの手袋をしている

 詳細

  ブン・ボーグのリーダー、メモリが付いた長剣が武器。

  意地っ張りで荒っぽい性格であるが、可愛いものとお化けは苦手。円と一緒じゃないといけない程ビビり。

  彼女は元々、先祖代々続いているある有名な剣豪家だが、ある理由でご先祖様の事故が原因で一家は破壊。家系と家族を取り戻すためにブン・ボーグを結成して、歴史の偉人の人生を狂わせ始める。

  浄化した今は新ブン・ボーグのリーダーとして、円たちと共に行動をしている。

 

(まどか)筆子(ふでこ)

 性別:女子

 性格:冷静

 年齢:122(??→珍等師学園高等部3年煙草組)

 髪色と髪型:虹色のサイドテール

 身長:175cm

 特技:メカ作り

 誕生日:2月1日

 一人称/二人称:わたくし/○○さん(摸野沙市音の場合は沙市音様、ブチギレるとガキどもと言う)

 好きな物(人):カップ麺、メカ、とにかく勝利、蛇

 苦手な物(人);豪華な料理、敗北、オバケ

 特徴:お嬢様のようにきれいなドレスを着ていて、瞳に星が書かれている。

 詳細

  ブン・ボーグのメカ作り担当で、七色の矢と弓が武器。

  一見淑やかで明るい性格だが、ブチ切れると暴言&下ネタを言うほど怒る。唯一押さえつけれるのは、ブン・ボーグのメンバーだけ。

  彼女は元々、とある豪邸のお嬢様。両親と姉の4人で暮らしていたが、両親が病死、姉が事故により一家は崩壊し、一気に貧乏になってしまった。

  元の生活に取り戻すためブン・ボーグを結成して、専用の巨大メカのコックピット兼タイムマシンを作り出した。

  現在は、新ブン・ボーグの一員として、沙市音たちと共に行動をしている。

 

イレイザー=白井(しらい)

 性別:女子

 性格:意地っ張り

 年齢:22歳(??→珍等師学園高等部3年富士組)

 髪色と髪型:白色のおさげ

 身長:160cm

 特技:力自慢

 誕生日:4月6日

 一人称/二人称:あたし/○○

 好きな物(人):兄妹、鉄アレイ、アニメ、ゲーム、お肉

 苦手な物(人);墓参り、ドラマ、サラダ

 特徴:黒色のマフラーをしていて、白色のリストバンドをしている。

 詳細

  ブン・ボーグの力担当で、足にしている白色の鉄球と背中にしている大型のハンマーが武器。

  少し天然なところがあり、嘘を聞いただけで信じてしまう一面がある。

  彼女は元々兄妹がいたが、ある殺人鬼に襲われてしまい。自分は助かったが兄妹は失ってしまい、そのため彼女は生きる希望を失った。

  兄弟を取り戻すためブン・ボーグを結成して、兄妹を守れるように毎日鍛えている。

  現在は新ブン・ボーグの一員として、沙市音たちと共に行動をしている。

 

双味(ふたみ)鶴来(つるぎ)

 性別:女子

 性格:人見知り

 年齢:21歳(??→珍等師学園高等部3年鷹組)

 髪色と髪型:銀色のポニーテール

 身長:175cm

 特技:料理

 誕生日:2月2日

 一人称/二人称:ボク/○○さん(ちゃんや君付けもある)

 好きな物(人):料理、双味刀菜、唐揚げ、英数国

 苦手な物(人);掃除、自分自身、酢豚、体育

 特徴:体から包帯が出ていて、隠れ巨乳。

 詳細

  ブン・ボーグの剣術で、丸い形をした大型のはさみが武器。

  非常に憶病で、本人は『だめでガサツでみっともないですぅうう!!』と言っている。だが(本人が気づかないほど)巨乳でスタイルが良いためメンバーから『うらやましい体系』とジト目で見ている。

  彼女は元々、明るく姉思いの性格だが。ある事件により姉を失ってから『自分が悪い』と壊れたテープレコーダのように呟きながら自分を傷つけるかのように、大切にしている刀で切り傷をたくさん作った。

  それを知った沙市音たちは(さすがに悪の組織としては、非常に危険なことをしているので)、急いで止めて落ち着けるようにした。また姉が憑依したハサミを手にすると性格が豹変する。

  大切な姉を取り戻すためブン・ボーグを結成して、愛刀の武器『刃鋏』で戦っている。

  現在は、新ブン・ボーグの一員として、沙市音たちと共に行動をしている。

 

神条(かみじょう)吹雪(ふぶき)

 性別:女子

 性格:ネガティブ

 年齢:(仮)340歳(珍等師学園高等部3年奈須美組)

 髪色と髪型:黒髪のポニーテール

 身長:160cm

 特技:折り紙

 誕生日:5月5日

 一人称/二人称:わし/呼び捨て(新・ブン・ボーグであったらさん付け、彼女たちの姉であったら殿)

 好きな物(人):折り紙、おにぎり、子供のお遊び、国語、昼寝

 苦手な物(人);ゲーム、サンドウィッチ、頭なでなで、社会、運動

 特徴:右目が白色で左目が黒色のオッドアイで、巫女装束を来ている。

 詳細

  新・ブン・ボーグに入ってきた新メンバー、見た目は幼いがメンバーの中で最年長。

  見た目は子供と間違えてしまうため、『小学生』と言われたり、子供扱いとされてしまう。だが、日常なのかそれに慣れているため怒らないが、頭をなでなでするのは嫌。また、彼女の口調は『~じゃ』や『~のぅ』と言った古い口調で言う。

  彼女の実家は、島根県松江市内にある白色の神社でそこの20人兄弟の末っ子、家系は善忍の名家の出身でかなりの実力者。普段は巫女として働いている。

 

電子(でんし)卓也(たくや)

 性別:男子

 性格:冷静

 年齢:20歳(珍等師学園高等部2年煙草組)

 髪色と髪型:焦げ灰色の短髪

 身長:170cm

 特技:格闘

 誕生日:5月19日

 一人称/二人称:私/○○さん

 好きな物(人):暗算、スマホ、ピザ、数学、ラスベガス、子守り

 苦手な物(人);推理、ガラケー、牛丼、国語、京都、長時間のお話

 特徴:緑色の眼鏡をしていて、アホ毛が出ている。

 詳細

  新ブン・ボーグのに入ってきた新メンバー、(当時は新ブン・ボーグの)唯一の男子。

  彼の実家は貧乏だが、就職のためそろばん検定や簿記検定で1級を6種類も採っている凄腕の資格者。そのため、新ブン・ボーグ専用のメカの資金や光熱費などの管理は、彼がしている。

  元々は、他人に頼らず一人で生きていく目標を立てていたが、沙市音たちと出会ったことがきっかけで。仲間と言うのが生まれてきた。

 

バンド・ナワジマ

 性別:女

 性格:高飛車

 年齢:20歳(珍等師学園高等部2年鷹組)

 髪色&髪型:オレンジ色のショートヘアー

 身長:199㎝

 特技:新体操

 誕生日:8月11日

 一人称/二人称:私/さん付け

 好きな物(人):ガム、縄で縛られる・縛り付ける、ゴム、柔軟性の物体

 苦手な物(人):グミ、針金で縛られる・縛り付ける、用紙、硬化性の物体

 特徴:色とりどりの輪ゴムをヘアゴムにしていて、腰に工具類が入ったバックを持ち歩いている。

 詳細↓

  新ブン・ボーグの新メンバー、明るく人見知りの『ひ』すら忘れているほど人懐っこい。

  ある工具用品会社の社長のお嬢様、特に縄とゴムは超が付くほど大好き。幼いころだが円とは、お茶会で初めて出会い友達となるほど友好関係がある。

  また、彼女は超が付くほどショタコンで、(幼い子や可愛い動物類、特に)勇樹を見るだけで興奮する&よだれを垂らしてながら近づいていく(彼女が気づかないほど無自覚)。

  因みに彼女は元新体操選手とロードローラー選手の視覚を持っており、出前の宅配のバイトをしている。

 

丸尭(まるたか)梃子(ていこ)

 性別:女

 性格:短気

 年齢:17歳(珍等師学園高等部1年扇子組)

 髪色&髪型:黄色のおかっぱ

 身長:150㎝

 特技:殴り合い

 誕生日:2月1日

 一人称/二人称:オレ様/呼び捨て

 好きな物(人):ボクシング、穴、リズム、暴れること、辛い物全般

 苦手な物(人):空手、絵、静穏、落ち着くこと、甘い物全般

 特徴:右目に眼帯をしていて、どくろの腕章をしている。

 詳細↓

  新ブン・ボーグに入ってきた新メンバー、関西の大阪府から珍等師学園に転校生してきた生徒。

  非常に短気な性格で、カップ麺を作っている途中でも食べるほどせっかち。白井とはちょっとしたライバル関係がある。

  彼女のイライラが一定の限度を超えると、頭から煙を発しながら(敵であっても味方であっても)なんでも攻撃する。

  小学生のころからボクシングをしており、その影響なのかリズム感は敏感で、相手の動きや癖に声などを、聞いたり見ただけですぐに覚える変わった一面がある。

 

春日井(かすがい)小潟(こがた)

 性別:女

 性格:無表情

 年齢:16歳(珍等師学園高等部1年富士組)

 髪色&髪型:灰色のツインテール

 身長:145㎝

 特技:なし

 誕生日:8月7日

 一人称/二人称:私/呼び捨て

 好きな物(人):なし

 苦手な物(人):なし

 特徴:光がない瞳、枕とスケッチブックと筆記用具類が入ったボストンバックを持ち歩いている。

 詳細↓

  新ブン・ボーグに入ってきた新メンバー、非常に根暗で目の下に熊があるほど寝不足なのか、授業中であっても枕を出して睡眠をする。

  元々、人との付き合いが苦手で、顔無しで配信するサイトやマスクがないとちゃんと話すことが出来ない。同じ人見知りである鶴来とは、恥ずかしいという共通があるため、仲が良い。

  また、(鶴来同様)スタイルがよいため。有名企業やモデルのスカウトをされることもしばしば。それでも彼女は苦手意識があるため、ことあるスカウトは全て断っている。

  意外なことに子供向けのアニメが好きで、専用のハードディスク内はアニメが大量に録画されている。

 

布忍(ぬのせ)月詠(つくよ)

 性別:女

 性格:明るい

 年齢:19歳(珍等師学園高等部2年煙草組)

 髪色&髪型:白色のお姫様カット

 身長:175㎝

 特技:射的

 誕生日:3月2日

 一人称/二人称:あたい/呼び捨て、もしくはちゃん付け

 好きな物(人):射的、うどん、体育、遊び、頭が柔らかい人

 苦手な物(人):瞑想、冷やし中華、体育を除く強化、勉強、頭が堅い人

 特徴:カーボーイ風の服をしていて、アホ毛が1本ある。

 詳細↓

  新ブン・ボーグに入ってきた新メンバー、英語混じりの変わった口調で話すのが特徴。

  明るく人見知りしないため誰とでも話していけるが、メンバーからは「明るすぎ」とツッコミを入れられる。また、射的の才能があり、(ゴム弾タイプ)のピストルで的を中てるほど天才。

  彼女の作る料理はおいしいがサイズがアメリカンで、メンバーからは『おいしいが量が多くて食べ切れない』と言われている。食べた分体を動かしているため太らない。

  ちなみに武器は、幅が広い特殊な粘着液入りのテープが付いたゴム弾入りのピストル。

 

木野(きの)色刃(いろは)

 性別:女

 性格:不明

 年齢:不明、推定年齢5歳(珍等師学園高等部1年奈須組)

 髪色&髪型:漆黒色のショートポニーテール

 身長:140㎝

 特技:不明

 誕生日:不明

 一人称/二人称:私/さん付け

 好きな物(人):不明

 苦手な物(人):不明

 特徴:右目が機械のレンズ風になっていて、黒と赤の2色の縦じま模様のパーカーをしている。

 詳細↓

  新ブン・ボーグに入った新メンバーで、円が幼いころ作った試作品の人形基アンドロイド。

  起動した理由は不明で、勇樹が調べても『古くて分からない』と言うほど内部は古くなっていた。見た目は幼く身長は神条とほぼ同じだが、知力は300以上もある程非常に天才。

  彼女を修理している(円の友人である)勇樹のことを「お兄様」と呼ぶが、当の本人は苦手。ちなみに、和葉の場合は「お姉さま」と呼んでいる。

  また、円のことは『自分を作ってくれた人』と認識しており、彼女のことを『マスター』と呼んでいる。

 

板野(いたの)黒羽(くろは)・板野白葉(しろは)

 性別:(黒羽)女、(白葉)男

 性格:(黒羽)明るくていたずらっ子、(白葉)根暗て照れ屋

 年齢:19歳(珍等師学園高等部2年鷹組)

 髪色&髪型:(黒羽)黒髪のおかっぱ、(白葉)白髪のロングヘア

 身長:180㎝

 特技:絵描き

 誕生日:1月5日

 一人称/二人称:(黒羽)わたし、わたくし/さん付け。(白葉)ボク/さん付け。

 好きな物(人):(黒羽)麻婆豆腐、オセロ、イタズラ、数学。(白葉)ガーリックシュリンプ、ドミノ、昼寝、国語。

 苦手な物(人):(黒羽)モンブラン、将棋、どっきり、理科。(白葉)たこ焼き、ブラックジャック、

 特徴:(黒羽)白色の着物を着ており、鏡が付いたネックレスをしている。

 詳細↓

  新ブン・ボーグに入ってきた新メンバー、性格征伐だけ違う一卵性双生児。明るい性格をしているのが黒羽で根倉で大人しいのが白葉。

  名前以外にも見た目も逆で、おかっぱが黒羽でロングヘアが白葉だが実は性別は黒羽が女で白葉が男。一部の生徒からは『ギャップに違いがありすぎて間違える』と答えている。

  また服装は違いが分かりにくくするためにスカート穿かずズボンを穿いており、色がわかれている桂を持ち歩いている。

  因みに違いが判る方法は、驚くことにお酒を飲ませれば分かる。白葉は飲めばすぐに酔うが黒羽は何倍でも飲めるほど酒豪。

 

布神則都(のりと)

 性別:男

 性格:人見知り

 年齢:16歳(珍等師学園高等部1年扇子組)

 髪色&髪型:水色の短髪

 身長:164㎝

 特技:ゲーム

 誕生日:6月17日

 一人称/二人称:ボク/呼び捨て、もしくはさん付け

 好きな物(人):ゲーム、そうめん、体育を除く教科、姉

 苦手な物(人):運動、ラーメン、体育、姉以外の人

 特徴:黒色のパーカーをしていて、アホ毛が2本ある。

 詳細↓

  新ブン・ボーグに入ってきた新メンバーで、カバンの中に大量のゲーム機が入っている。

  姉と違って根倉で人見知り、幼いころ誘拐されかけたことがあったため家族以外話すのが苦手。メンバーからは「可愛そうすぎる」と思っており、同じ人見知りである鶴来と小潟からは「彼の気持ちが分かる気がする」と呟いている。

  カバンの中にあるゲーム機は、一種のハッキングが可能の道具で、起動すると画面内はゲームの世界になっている。小森曰く『ボクと同じゲーマーで桁違いの機材を持っている』と恐れている。

  また子供の頃姉にいじられていたのか、服装はスカートを必ず着用しているため。一部の生徒からは『本物の男の娘が来た』言われるほど人気者。

 

久利登米(くりとめ)仁美(ひとみ)久利登米仁美

 性別:女

 性格:大人しくて優しい

 年齢:34歳(珍等師学園高等部1年富士組教師剣新ブン・ボーグ)

 髪色&髪型:黒色のサイドテール

 身長:167㎝

 特技:武術

 誕生日:9月19日

 一人称/二人称:私/さん付け

 好きな物(人):ソフトドリンク、バイク、枝豆、大人しい性格の人

 苦手な物(人):お酒、車、ソーセージ、暴れる性格の人

 特徴:黒色の眼鏡をしており、髪留めのゴムが目玉クリップになっている。

 詳細↓

  新ブン・ボーグの顧問の先生、1年富士組に新たに入った新人教師。

  大人しい性格で回りにやさしく、一部の生徒からは人気がある。武術をしていたことがあるのか、男子や不審者が触れるとすぐに投げる癖がある。

  実は昔、学園内暴走族の一種である『楊貴姫』の元メンバーで、真莉愛とは同期。酒に酔う特徴と性格が逆になり。想像を超えるほど酔っ払う。

 

 

 

武器↓

 



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アブ引き部専用メカ設定

マンモスタンクメカ3

 スターチーム専用のメカでマンモスの巨大な姿と戦車の攻撃を合体して作り上げたメカ、マンモスの色に近づけてるために茶色をふんだんに使用し、前・後足の裏にはキャタピラがついているので、2通りでの陸移動が出来る。

 頭についているライトは一種のサーチ機能が搭載した特殊なライトで、半径1キロメートル以内であれば探すことが出来。両耳は一種の電波・音波を受信することが出来る特殊な受信機になっている。

 武器は前と同じく、マンモスの鼻からミサイルと火炎放射を放つ特殊な大砲、牙の中はマシンガンがあり弾はゴムで放つことが出来る(牙は一種のブーメランにもなれる最新装置付き)。頭についているライトは光線を放ち体からは強力な電気を放って守ることが出来る。

 また、メカの出入り口はおしりからで、専用の入り口が付いている。

 

ドクター・バッキンバキン

 スペードチーム専用のメカでお医者さん型の特殊メカ、その名の通り医者の器具がたくさん搭載しているメカで車輪は3輪で移動するようになっている。

 医療器具がたくさん搭載していることを考えて、メカの性能を改造&パワーアップすることが出来る特殊なアップデートコンピューターが搭載している。

 コックピットは変わっていないが、医者の器具や電気機装置などがたくさんつけられている。

 武器は頭のドリルと砲台が出てきてそこから注射ミサイルと医療液入り特殊砲弾と粘着包帯ミサイルを放ち、左右からメスカッターと強力電気パッドアームが出てきて攻撃が可能。

 

ケーキタンクメカ

 ハート専用のメカでホイップケーキをイメージとして作り上げたケーキ型の戦車メカ、『甘いものは別腹』と言う言葉から思いついたため甘い料理代表のケーキがモデルとなっている。

 これは戦車の性能があるためとキャタピラと砲台が付いており、ケーキの飾りとしてコックピットの真上には苺と大きなカギ状のキャンディーが付いている。

 武器は左右の蓋が開いてビスケット型の花火地雷とソフトクリームドリル攻撃に、砲台からはアメ球型の粘着・ピリピリ・すっぱい液入り特殊液体爆弾とねばねばケーキミサイル、ヒエヒエ液入り砲弾を放つ。

 また、飛行時になるとケーキからチョコ型の羽が出てブースターが起動して空を飛び、水中時になるとソフトクリームからスクリューが出てきて潜水が可能。

 

ブンボーガー

 ダイスチーム専用のメカでモデルは文房具、新たなメカを考えていたところ。文房具が頭に浮かんだためそこからメカを作り上げた。

 コックピットが消しゴムでメカのメイン部分が鉛筆、武器発射装置が万年筆(蓋つき)でタイヤがセロハンテープ、ライトが卓上スタンドで武器発射装置2がインク容器。

 また、この文房具類は一史たちが普段使用している文具類がモデルとなっている。

 武器は万年筆型の武器発射装置から放つハサミカッターにインク爆弾、そしてボールペンミサイルが放たれて。後ろのインク容器型の武器発射装置2からはノート型の目隠しに糊型のべっとり大砲が放たれる。

 

ロケット・バッター

 ヤタガラス専用のメカでモデルはトノサマバッタ、以前使っていた『バッタンタンク』を大改良してパワーアップさせた新型の昆虫メカで、モデルとなっていたリョウセイバッタ型から、同種であるトノサマバッタ型へと変更されている。

 改良した結果、メカの足を太くして大きいタイヤを付けて、足の数を4本から6本(そのうち2本の足はブースターに変形する装置を)付けて、背中には特殊な羽を取り付けた。

 メカの武器は、メカの足による強力な蹴りとメカ全体による体当たり、頭から出て来る強力目くらましビームに口から砲台が出てきて強力粘着ミサイルと卵ミサイル、にがり入り液体ミサイルとスパイス入り激辛砲弾を放つ。口からサッカーボールを出して後ろ足で蹴る以外に。胴体からモグラ型の地上ミサイルと粘着液を放つ装置とバッタアームが武器。

 また、このメカは大きいと思われるが、実は幅はわずか6メートルしかなく、コックピットがやっと入るほどの大きさ。

 

ワイルドモグリーノメカ

 アース専用のメカでモデルはモグラ、足はブースター付きの特殊キャラピラで手には穴掘りシャベルアームが付いており、背中には内部にたまった熱を放つ特殊な通気性が良い金属を使用している。

 武器は、メカの背中から放つ特殊地中ミサイルと顔についているドリル攻撃に、左右のアームが変形してトンカチやドリルと言った特殊武器で攻撃し。小型モグラ型のミサイル大砲を放つ。また、ドリルが変形して大砲になり、そこから宝石砲弾と泥団子砲弾、爆竹砲弾が放たれるようになっている。

 このメカはモグラがモデルになっているため、明るい所と暑い所にに弱いのが欠点。そこで負けないように、メカのコックピットであるキャノピーには特殊サングラスが付けられており、メカの胴体には特殊日焼け反射クリーム入りペンキを塗っておいたため、ある程度は地上に出ても移動が出来るようになっている。

 また、メカのエネルギーは背中から気温差型特殊エネルギー吸収装置が用意しており、熱さの差を利用してエネルギー保管を補完する特殊な金属保管樽とエネルギー倍増装置と言った特殊な機械が搭載している。充電しながら移動が出来る。

 

カモノハシカー・DX

 生徒会専用のメカで前に使っていた『Z・カモノハシカー』をさらに改造して作り上げた強力珍獣メカ、見た目は変わっていないが胴体には『DX』と書かれている。

 メカのエンジンは地球にやさしい特殊なガスを放つ装置を搭載した特殊エンジンを利用しているため、メカから放つ排気ガスは少なくしており、エネルギーリサイクル装置という地球にやさしい機会が搭載している。

 武器は、メカのしっぽによるテール攻撃とお尻から放たれる卵型爆竹攻撃と口から砲台が出てきて水入り爆弾とと卵型粘着ミサイルと、強力唐辛子入り魚ミサイルを放ち、背中から放つスベールオイルミサイルなどが搭載している。

 また、速度を上げるように後ろには4つのブースターが付いているので、時速は100㎞以上も出せる。胴体の中にロケットブースターが搭載しているので空を飛ぶことが出来る。

 

クジラ・パイレーツ

 海賊専用のメカで深海にすむマッコウクジラの姿がモデル、潜水が可能にするために改造した動物型の戦車メカ。

 海賊と何を合体しようかと悩んでいたところ、クジラの潜っている姿を見て、思いついて急いで作り上げたメカを改造と同時にパワーアップした。

 頭についている海賊帽は一種の飾りに見えるが、実は一種のハッチが付いている(ただし1人ずつ出入りするように設計している)。

 武器はメカ全体による頭突き攻撃と左右から出てくるアームに、クジラしっぽによる攻撃。さらに口からコバンザメミサイルとねばねば・カチカチ・ドロドロなどが搭載したミサイル入りの大砲と冷凍光線に渦潮攻撃を放つ。

 

車海老メカ

 会談部専用のメカ。新たなメカを考えていたとき、車海老の名前と乗り物部の部品を思い出して作り出したメカ。クルマエビがモデル。

 コックピットは背中で胴体の下には大型のタイヤが付いている。胴体についている3対の足先は小型のタイヤが付いているので細かいバランスや移動をすることができる。

 また、後ろに移動しやすいように専用の尾びれもついている。最高速度は110キロメートル。

 武器はメカ全体による体当たり攻撃と海老から放つオキアミ爆弾と海老天ミサイルとカユミ発生エキス入り液体砲弾を放つ。また、大きな手で攻撃を塞ぐことが出来る(ただし予算のため大きな衝撃を耐えるのは難しい)。

 

グレードキングダム・タンク

 PC部専用のメカで前に使っていた『キング・タンク』を改良してパワーアップした特殊鎧メカ、性能とパーツを改良して、メカの見た目と中身をパワーアップした。

 見た目は前と同じくカッコ悪いが、中は最新の装置と強力な武器がたくさん搭載していて、どんな攻撃にも耐えれるようになっている。左右についている盾はメカを守ってくれるようになっている。

 武器は、体全体を使った体当たりに、メカの左右からマジックハンドが出てきて攻撃するようになっている。また西洋風の大砲とボウガン型の砲台が出てきて、唐辛子入り特殊弾や矢型の煙幕爆弾と、粘着液入り砲弾とスベールオイル入りカプセルミサイルを放つようになっている。

 また内部には、空を飛ぶように、内部には折り畳みの特殊な翼が付いており。飛行時には自動で開くようになっている。水中時になると、特殊なヒレが出てきて泳ぎやすいように設計している。

 

タートル・エジソン

 軽音部専用のメカで発明王トーマス・エジソンがモデルとなった陸亀型のメカ。エジソンなので、発明品がたくさん装備している。

 陸亀がモデルとなっているため見た目はかっこ悪いが、内部のコンピューターであるメカの性能とパワーを上げるため特殊エンジンと自家発電装置を搭載し、大量の発明品が入っている。

 武器は、メカの口から砲台が出てきて、食パン型のアツアツバターオイル入りミサイルと熱湯砲弾と、しびれ爆弾にホッカホカ弾丸、そしてトリモチ型粘着爆弾に閃光・爆竹などが入った特殊砲弾を放ち、背中から電球型の目くらまし光線とカメラ型の立体映像ビームに、蓄音機型スピーカーによる超音波光線と大音量音波攻撃、そしてメカ全体を使った体当たり。

 さらに、メカの足の中にタイヤが取り付けており陸上での移動が素早く移動できる。また、タイヤを内部にしまうことで水の中を泳いだり空を飛ぶことが出来る。

 

ワシベロスメカ

 闇の世界に救いの命専用のメカでケロベロスの顔三つとわしの性能を合体させた特殊飛行メカ、キャタピラで地上を移動して左右の翼で空を飛び、コックピットは顔ではなく胴体となっている。

 武器は、3つの口が開くと火炎オイル入り特殊爆弾と強力冷凍爆弾に電気ショック型特殊爆弾による特殊攻撃とかみつき攻撃に、メカについている翼による風おこしと胴体から強力粘着砲弾とアツアツチョコレート入り風船爆弾と煙砲弾を放つ。また背中からアンテナが出てきて強力電波攻撃に左右から大砲が出てきて玉ねぎ型の強力催涙ミサイルと唐辛子型の強力激辛ミサイルを放ち、体全体を使った体当たり。

 このメカは、ケロベロスのように顔が3つあるためどこに向けても攻撃が可能で、顔についている目には特殊映像通信装置があるため、コックピット内にある画面で確認することが出来る。

 また、このメカはハゲワシがモデルになっているので。メカのエネルギーは生ごみと燃えるゴミで動くようになっているリサイクル装置付き。

 

狸タンクメカ

 SNS先頭のメカで狸型の戦車メカ、狸がモデルとなっているので、お酒入りの特殊エネルギー補給装置と傘型お守りパラソルが搭載した縁起が良いメカ。

 モデルとなったのが狸なので武器は少ないと思うが、実はそれの可能性を考えて、戦いの常備品である盾と杵を装備している。また、メカの足には特殊なキャタピラが付いているため、変身機能が搭載した特殊な葉を使えば陸上で進んだり変身機能でいろんな物体に変身することもできる。

 武器は、メカの胴体から特殊な砲台が出てきて、お酒入りの液体ミサイルと特殊なペンキ入りの爆弾に揚げ物型のアツアツ弾や冷却液体が搭載した特殊爆弾と、尻尾によるテール攻撃とメカの口から放つ葉っぱ型の爆弾、メカ全体を使った体当たりと杵による物理攻撃が武器。

 またこのメカのエンジンは、特殊なパーツと技術を使用したエンジンを搭載しているので、最高速度は150キロ以上も出せる。

 

サボ・ポリス

 風紀委員専用のメカでサボテンがモデルとなった最新の車型のメカ。、風紀委員の威厳とサボテンの恐ろしさを合体させた作り上げた最新のメカ。

 サボテンは細長い方ではなく丸い形をしているため見た目はかっこ悪いが、性能だけは負けないほど高性能で。頭についているパトライトは半径6キロ以内でも光を放つことが出来る。

 武器は、メカの口から出るトゲトゲミサイルと胴体から出る拳銃型砲台によるしびれ弾と催涙砲弾を放ち、頭のパトライトによる強力目つぶし光線と左右についているサイレンによる音でひるませ攻撃に、左右から手錠大砲と警棒で攻撃し、体全体を使った体当たり攻撃が武器。

 なお、このメカは水がエネルギーなため。燃料を入れるところに20ガロンほど入れれば、メカは30時間ほど起動するようになっている。

 

ラビット・レーサー

 メカニック専用のメカでウサギの素早さとスーパーカーの性能を利用して作り上げた大型のレースメカ、その名の通り、ウサギがモデルとなっており手は大型タイヤで足は特殊な金属を使用したキャタピラで移動することになっている。

 メカのコックピットの頭には音以外に電波を受けることが出来る特殊なアンテナになっており、背中には90度角度調節することが出来る特殊ブースター備えている。胴体には武器がたくさん詰め込んでおり、相手に攻撃しても跳ね返るように特殊記憶合成金属を使用している。

 見た目はダサく見えるが、モデルがウサギなので性能は非常に高くスピードは速く進める。ブースターで空を飛んだりスクリューに変形して泳げるようになっている。

 武器は、メカの口から砲台が出てきて人参型のコショウミサイルと泥団子爆弾入りミサイルに特殊しびれエキス入り砲弾を放ち。バックライトが出てきて特殊ライト光線を放ち、左右の手が特殊穴掘り機に変形して穴掘り攻撃と胴体からプロペラに代わり強力風おこしとタイヤ爆弾攻撃に、メカのおしりから排気ガス光線とスベールオイル砲弾と尻尾によるテール攻撃に、メカ全体を使った体当たり。

 

スペース・チクリーン2

 天文部基ゾディアックが前に使っていた『スペース・チクリーン』を改良して作り上げた改造メカ、外観の見た目はあまり変わっていないが、メカの中身である性能は変わっている。

 車輪が4輪(前が2輪で後が2輪あるの)で地上を移動することが可能で、メカの後ろには特殊エンジンが搭載した最新のロケットブースター兼特殊スクリューとマフラーが搭載しているので、空を飛んだり水中で移動することが出来る。

 武器は、口から砲台が出てきてサザエ型のミサイルと特殊墨入り液体ミサイルと流れ星カッターを放つ。左右の車輪によるパンチ攻撃と、サザエのトゲの一部が外れて中から小型のマジックハンドや注射ミサイルにサメミサイルなどを放つ。また、メカ全体を使った強力体当たり。

 また、前輪2輪の車輪は一種のブーストの役割にもなっているので。後ろのロケットブースターが故障したときでも、不安定ながらも空を飛ぶことが出来る。

 

ジョーロ・タンク

 季節部専用のメカで園芸道具である如雨露がモデルとなった大型の特殊戦車メカ、園芸道具がたくさん搭載している。

 このメカのエネルギーは、水と空気と光を利用した最新のエコロジー装置(勇樹が独自に開発した特殊エネルギー変換装置)によって作り出されていて。どんな状況に至っても、いつでもメカを動かすようにしている。

 武器は、如雨露の注ぎ砲台から放つ強力放水鉄砲と水玉・泥団子型の砲弾と、左右からスコップ型のドリルが出てきて穴を掘ったり、コックピットの後にある植木鉢型から花ミサイルと花型目くらまし砲弾を放ち、そしてメカ全体を使った体当たりが武器となっている。

 また、メカの耐久を上げるために、予算は少しオーバーになったが小さな隕石やちょっとしたミサイルがメカに当たっても、簡単に変形しない金属と特殊なエキスが搭載したペンキを使用している。

 

ブラック・クロー

 忍刃の掟専用のメカで鴉型の忍者メカ、鴉のように暗い所でも行動することが出来る特殊なパーツが組み込まれている。

 武器は、メカの胴体から砲台が出てきて手裏剣・苦無型の強力閃光ミサイル攻撃に、左右の翼が特殊な刀に変わる装置と背中から烏型の黒ペンキミサイルを放つ。また、胴体から最高品質で作り上げた特殊な刀を放つ。コックピットの口から砲台が出てきて、コショウ・カチンコチン・ヒリヒリ・ドロドロと言った特殊な液体が入った万力鎖型の砲弾を放つ。

 忍者がモデルとなっているので、性能も忍者になっている。メカの顔の上から頭巾をかぶせて姿を分かりにくくしたり。胴体についている羽根の音や地上での移動時に出る音をかき消すため『音消し装置』を取り付けた。

 また、このメカは鳥がモデルとなっているのでスピードを上げるため、尻尾には(サイレント機能が搭載した)特殊小型ロケットエンジンを搭載しているため、通常の数倍のも速度で飛ぶことが出来る。

 

Z・ティーポットタンク

 薔薇の華やかさ部専用のメカでティーポットの姿とバギーの素早さを合体して作り上げたメカ、キャタピラで移動するようになっているが、実はこのキャタピラに仕組みがある…。

 武器は、注ぎ口から蒸気光線と液体になったお茶入りミサイルとおちゃっ葉入り砲弾とスコーン型爆竹爆弾とシフォン型ビックリ爆弾を放つ。メカ全体による体当たりと左右から砲弾が出てきてロープが放たれてそれに絡まると電撃を放つ、そして蓋から薔薇型のチクチクミサイルを放つ。

 そして、このメカは乗り物部に頼んで作った特殊エンジンとメカバランス装置を使っているため、小回りや急カーブが出来るようになっている。

 また、このメカは他のメカとは違って特殊な金属を使って炒め軽くなっている。小型のブースターを使うだけで簡単に空を飛ぶことが出来る、ブースターが壊れて海上に不時着しても水に浮くことが出来る。



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他校の生徒編(オリジナルネーム編)

黒森峰

根倉望音

 黒森峰の三号戦車車長、根倉で厄介なことを言う生徒。まほやエリカから気を付けている。

 丸メガネは彼女が気に入っている眼鏡。

 

大井根津子

 黒森峰が所有している超重戦車『マウス』の車長、言葉使いが男勝り。

 今回は大洗の解体倉庫をしている彼女たちがいる倉庫を壊すために、わざと衝突して扉を壊した。

 ここで気づいたが、『根津子』にしたときどこかで聞いた名前だと思い考えていたら、某人気漫画のヒロインだと気づきました。

 

 

サンダース大学付属高校

星野景子

 ケイの本名、本名を考えていたらアメリカの国旗が星条旗を思い出したため、星を名字にしようかと思い書きました。

 

月村アリサ

 アリサの本名、こちらも上記と同じ。星といったら月ですから。

 

日野ナオミ

 ナオミの本名、クールだが星のように輝いておらず、冷静なことをイメージしていたら太陽が浮かんできましたので。

 

 

アンツィオ高校

赤井比奈

 カルパッチョの本名、名前を考えていたところ。イタリアの国旗を見て緑・白・赤なので真ん中が白=アンチョビ(本名:安齋千代美)だとしたら、赤色をカルパッチョの名前にしようとしました。ひなちゃんなので、下の名前を比奈にして上の名前を赤井にしました。

 

緑野森子

 ペパロニの本名、名前を考えていたら赤井比奈同様、イタリアの華を連想していたら緑色を思い出したので、緑から結果。緑野森子という名前を考えてしまいました。

 

 

大洗女子学園

猫田美海

 猫田の名前を考えていたところ、ちょうど耳が頭の中によぎったため、そこから何かないかと考えていたら美海と書いて『みみ』という名前に決定しました。

 

銀嶺澪

 お銀の本名、お銀なので銀から考えたところ、銀嶺が頭に浮かびまして、澪は男性であるが女性の名前にぴったしだと思いまして、この名前にしました。

 

酒井振子

 ラムなので名字をお酒に関する酒井にして、名前は動くがふらついていたので振り子→振子にしました。

 

村上力子

 ラム同様、名字を村上にして、ガタイが良い体格をしていたので名前を力のある子、力子にしました。

 

ミシガン・ピッチャー

 フリントを調べてみましたら、船の名前であったので。名前をミシガン州のミシガン、名字をR・A・ピッチャー夫人のピッチャーにしました。

 

船野刀菜

 これは流石に難しかったです。カトラスを調べたところ、海賊が使う武器が出てきたので、名前を刀から刀菜にして名字を船野にしました。

 

星野一笑

 ホシノの本名。ナカジマ同様、レーサーを調べた結果、星野一義と言うのがありましたので、そこから来ました。

 

土屋圭子

 ツチヤの本名。ナカジマ同様、レーサーを調べた結果、土屋圭一という名前がありましたので、そこから来ました。

 

鈴木利子

 スズキの本名で、ナカジマの本名が中島悟子なので調べたら中島悟と言うレーサーから来たと分かったので、レーサーを調べた結果、鈴木利男と言うのがありましたので、そこから来ました。



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キャラクター紹介 『大洗生徒&チーム』編

※大洗のオリジナルキャラクターが戦車道に入ったときの設定です。追加するかもしれませんので、お楽しみに。

※5月7日に追加


お祭り発見部(金魚さんチーム)

 

祝井祭里

 性別:女

 性格:男勝り

 年齢:17歳(大洗女子学園2年A組普通科)

 髪色&髪型:黒色のロングポニーテール

 身長:166㎝

 特技:大食い

 誕生日:5月5日

 一人称/二人称:オレ/○○(呼び捨て)

 好きな物(人):日本食、力仕事、熱い所、おおざっぱな話、推測

 苦手な物(人):アメリカン、軽作業、寒い所、細かい話、勘

 特徴:頭に赤い鉢巻きをしていて、法被を着ている。

 詳細

  お祭り発見部の部長で、頭で考えるより体が動いてしまうタイプ。

  男勝りな性格なので、スカートが苦手。法被を着ているのは、自分で作った特製の法被。

  歴女チームの左衛門里は仲が良く、特に真田幸村の話になると2人は熱くなる。

 

日向乙女

 性別:女

 性格:のんき

 年齢:18歳(大洗女子学園3年B組普通科)

 髪色&髪型:薄茶色のショートヘアー

 身長:170㎝

 特技:お茶

 誕生日:3月3日

 一人称/二人称:私/○○ちゃん

 好きな物(人):和菓子、抹茶ラテ、子供たち、モモ

 苦手な物(人):洋菓子、コーヒー、大人たち、梅

 特徴:茜色の腕章をしていて、右目が赤色で左目が桃色のオッドアイ

 詳細

  お祭り発見部の部員で、のんきで甘い和菓子が好物。

  料理が上手で時に鍋はプロ並み。会長も気に入るほどのアンコウ鍋もうまいらしい。

  また、会長とはちょっとした鍋友達で、冬になると家によっている。

 

天野川七日

 性別:女

 性格:やんちゃ

 年齢:17歳(大洗女子学園2年A組普通科)

 髪色&髪型:水色のロングヘア

 身長:160㎝

 特技:天体観測

 誕生日:7月7日

 一人称/二人称:わたくし/○○さん

 好きな物(人):明るい所、文系、川、洋菓子

 苦手な物(人):暗い所、体育系、海、和菓子

 特徴:右腕に包帯をしていて星のサングラスをしている。

 詳細

  お祭り発見部の部員で、天体観測が大好き少女。

  右腕の包帯は、けがをしていて今でも包帯している。

  また運動は1日2分しかやっておらず、装填するのに2分かかる。

 

丸井夜空

 性別:女

 性格:意地っ張り

 年齢:16歳(大洗女子学園1年C組普通科)

 髪色&髪型:オレンジ色のショート巻き髪

 身長:171㎝

 特技:運動

 誕生日:9月9日

 一人称/二人称:あたし/○○(呼び捨て)

 好きな物(人):お団子、体育系、数学と理科

 苦手な物(人):羊羹、文系、国語と英語

 特徴:左目に眼帯と赤色の手袋をしている

 詳細

  お祭り発見部の部員で、身長が高くお姉さん系。

  眼帯をしている理由は、デキモノが出来ており。あまりいじらないようにしている。

  また、丸物が大好きで。コレクションとして丸物が多く飾っている。

 

霜月奈羅江

 性別:女

 性格:元気

 年齢:16歳(大洗女子学園1年B組普通科)

 髪色&髪型:黄色のロングヘア

 身長:155㎝

 特技:不明

 誕生日:11月3日

 一人称/二人称:私/○○さん

 好きな物(人):鍋、祝い事、お笑い、正直

 苦手な物(人):お弁当、葬式、ドラマ、嘘

 特徴:メイドのカチューシャをしていて、ブーツを履いている

 詳細

  お祭り発見部の部員で、祭り発見部のメイド兼家事掃除係(自分で名乗っている)。

  カバンの中には掃除道具や料理道具などがたくさん入っている。

  暇なときはお祭り発見部の動画を製作している。最近ある動画サイトを開いている。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

登山部(ムササビさんチーム)

 

山野原茜

 性別:女

 性格:大人しい

 年齢:16歳(大洗女子学園1年A組普通科)

 髪色&髪型:赤色のツインテール

 身長:166㎝

 特技:料理

 誕生日:8月7日

 一人称/二人称:私/○○(呼び捨て)

 好きな物(人):山登り、料理、テント組み立て

 苦手な物(人):たき火、ホラー

 特徴:右目に眼帯をしていて、四角いリュックをしょっている。

 詳細

  登山部の1人で、山野原の姉。

  料理を作るのが得意で、特に燻製は絶品。

  五十鈴華は知っているだけでも嬉しいという一面がある。

 

山野原葵

 性別:女

 性格:大人しい

 年齢:16歳(大洗女子学園1年A組普通科)

 髪色&髪型:青色のポニーテール

 身長:166㎝

 特技:テント組み立て

 誕生日:8月7日

 一人称/二人称:私/○○(呼び捨て)

 好きな物(人):山登り、料理、テント組み立て

 苦手な物(人):たき火、ホラー

 特徴:←目に眼帯をしていて、丸いリュックをしょっている。

 詳細

  登山部の1人で、山野原の妹。

  テントを組み立てるのが得意で、時間は短くても1分。

  五十鈴華は知っているだけでも嬉しいという一面がある



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第1章『西住を救い、大洗を戦車道へと行け』
第1話『迷い込んだ先は、戦車の世界…!?』


キンッ、キンッ、キンッ!! ギュィイイイイッ カンカンカンッ

 

 日本のある山の深くにある道具つの中から、何かが組み立てる音が響く。

 そこには何かを作っているのか、一人の少年が巨大な乗り物を作っている。

 その証拠に、彼の周りには大型のクレーンに変わった機械、コードなどが出ている。

 

「どうですか勇樹君。あと少しで完成するっていうのですが」

 

 背の高い少女は、勇樹と名乗った少年に向けて言うと彼は「大丈夫だよ」とこう答える。

 

「あと少しって言っても、あとはこのパーツを付けたら……出来たッ!!」

 

 ガチャッと何かを閉じる音がすると同時に、彼は「出来上がったぞ!」と答える。

 

 

 

「最新の移動汽車メカ『スチーム・ファイヤー号』の完成だ!!」

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 そして次の日、太田たちとアブ引き部の部員に新ブン・ボーグを誘って最新メカ『スチーム・ファイヤー号』の車両に集合した。

 

「これが例の乗り物か、さすが勇樹だな」

「まぁまぁ、みんなと話がしやすきなりますねぇ」

 

 麦わら帽子をしている少年とキャリーケースを持ち歩いている少女は、メカを見ながら答える。

 それを聞いた彼は「まあ、モデルを探すのにちょっと時間が掛かったところがあったけどね」と苦笑いで答える。

 

「それじゃあどこに行きますか? 時空を超えるかどうかわかりませんが遠くに飛ぶことできますよ」

 

 背の高い少女はそう言うと、眼帯をした少女は「嫁と百合子が行きたいところであればどこにでもいいぞ」と答える。

 すると、左目を眼帯した少女が「それじゃあ試しにだが都会に行こうぜ!」と元気に答える。

 それを聞いたみんなは「それだ!」と彼女の言葉に同意する。

 

 アブ引き部の部員と太田たちは車両に乗り百合子と勇樹は汽車に乗って操縦席まで行くと、勇樹が座りスイッチがあるところには百合子が座った。

 

「そんじゃー、出動するぞー!」

 

 勇樹は連絡管に向けて言うと『はーい!!』とみんなの声がした、それを聞いた彼はレバーをガチャッと動かす。

 すると、煙突から黒い煙が出てきて汽車が動く、すると車両はそれに付いて行くかのように前に進み始める。

 車窓から動いているのを見た百合子は「おおっ、この汽車動いてますよ勇樹君!!」と興奮している。

 

「そりゃ汽車ですから進めますよ」

 

 勇樹は百合子に向けて言うと、前方の扉が自動で開き、そこにスチーム・ファイヤーは進んでいく。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「やったー!! ついにみんなで乗れる汽車で移動性向だーーー!!」

 

 勇樹の完成を見た百合子たちは「わーい!」と大喜び。すると、連絡管が自動で開くと「それじゃあそこから先は嫁たちに任せるか」と言う。それ、自動で開くのですか?

 それを聞いた勇樹は「かしこまり!」と言いながら前を向く。すると。

 

「あれ、周りが……」

 

 突然メカの周りが暗くなり車両からざわざわと声が聞こえてきた、地面から地上に出る予定だがなぜあたりが暗くなったかは彼にも分からない。だが、このまま進めば出口に出ると思い、そのまま前に進んでいく。

 しかしその暗闇は周りを包むほど大きいのか、出口を見つけるのは非常に時間が掛かる。

 すると暗闇が晴れてあたりは辺りが野原へと出た。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「な、なんだ!?」

「洞窟を通って出たらそこは野原、でも私たちには異常が………えええっ~~~!!!?」

 

 勇樹と百合子は突然の変化に目を回しながら混乱している。

 すると連絡管が自動で開くと『勇樹ちゃん、ここは一旦戻ってみたらどうだい?』と声がした。

 

「そ、それもそうだな。よし、百合子さん」

「は、はい! 向きを変えてみます!」

 

 勇樹は百合子に向けて言うと、彼女はハンドルを取り出して向きを変えようとする。すると。

 

 

「勇樹君、少しいいかい?」

 

 

 突然の声に勇樹を辺りを見渡すと、右の車窓から水色のショートヘアをした少女・美樹幹子がそこから入ってきた。

 

「美樹姉、なんだ?」

 

 それを見た勇樹はジト目で言うと、彼女は「あそこの家だけど、すこし聞いてみたらどうだい?」とある家に向けて言う。

 その家は、一軒家だが何らかの威圧感を感じる。その家を見た勇樹は一瞬やめようかと考えたが、あたりを見渡しても辺りは平地。

 仕方ないと思ったのか「わかった、それじゃあ行ってくるからみんなはそこで待ってろ」と言いながら汽車から降りる。

 そして彼はそのまま家へと歩いていく。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「ここの家、結構大きいな」

 

 さすが豪邸だなと勇樹が言うほど大きな屋敷、入り口にある表札を見てみるとそこには『西住戦車道家元』と書いている。

 

「にしずみ……って呼んだ方がいいか? まぁそれはいいとして、お邪魔しま~す」

 

 勇樹はそう言いながら敷地内に入っていく、万が一のことを考えて、ポケットから野球ボールを出して近くの草むらの中に隠した。

 怪しい人物だと思った時、『野球のボールをここらに落しました』と言えば、少しは許してくれるだろうと計算した。

 

「えっと、誰かいませんか~……て、行ってもいないかな?」

 

 勇樹は入り口からではなく庭から行く事にした、入り口だと誰かに出くわしてしまうからだ。

 庭からでも危険じゃないか? という人もいるだろうが、そこから入っていけば相手の行動が大体わかる。

 

「そっと、そっと……慎重に」

 

 勇樹は慎重に歩いていきできるだけ音を立てないようにしている、すると。

 

 

 

「そう……ありがとう、ええ……それじゃあ」

 

 

 

 奥から人の声がした、それにその声は高いため女性だとわかっただが彼女は何かを心配しているのか電話が終わると「はぁ」とため息をした。

 なんだろうと、彼はその人の姿を見ようとそっと覗こうとした。すると。

 

 

 

「あんた、一体何しているの?」

 

 

 

 後ろから女性の声がしたため、勇樹は「ぎゃにゃっ!!」と裏声を出して姿を現すと同時に顔から地面に体当たり。

 声と音に電話をしていた女性は驚き、一瞬びくっとする。

 

「いででで、いいきなり変なことをするなよ……」

「いや、どちらかと言うとあんたが不審だけど?」

 

 勇樹は女性……銀色のショートロングの女性はジト目で彼を見る。

 それよりも前に、彼は『不審』と言う言葉に反応したのか、ムムッとほっぺを膨らますとこう言ってきた。

 

 

「不審じゃないぞ! オレは奇跡というちょっとした組織で探偵の一員だ!」

 

 

 すると、電話をしていた女性はハッと驚いた反応をすると「ちょっと待って!」と言い出す。

 それを聞いた勇樹と銀色のショートロングの女性は「え?」と目を丸くして反応をする。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「探してほしい人が、いるのですか……?」

 

 勇樹は、西住戦車道家元の師範・西住しほから話を聞くことになった。

 ちなみに、しほ以外にいるのは彼女の娘であるまほと先ほどの女性・逸見エリカと焦げ茶色のショートヘアーの女性・赤星小梅がいる。

 

「ええ、探してほしいのはこの子。まほの妹のみほ」

 

 しほはそう言いながら写真を渡す、そこには明るい茶色のショートヘアーの女性が笑顔で写っている。

 勇樹は「はぁ、美穂さんですか」と言いながら写真を渡すと、「ちなみにですが、いなくなった理由は…?」と言うと、しほはこう答える。

 

「実は昨年の全国大会で、小梅が事故で車輌ごと川に落ちたの、それを見たみほに彼女たちを救出するけど、それが原因で優勝を逃したの、そして今から数日前にみほが黒森峰から姿を消したの」

 

 それを聞いた勇樹は「そ、そうですか」と言いながらメモをする。

 しほは「あと、これが」とある物を渡される、それはA5サイズほどの長方形型の茶封筒。彼は「拝見、よろしいですか?」と言うとしほは首をコクッと動かす。

 勇樹は彼女から了承を得ると、封筒を開いて中に入っているのを確認する。そこに入っていたのは。

 

 

 

『探さないでください、私は西住流に泥を塗りましたからもう戻りません

                              西住みほ』

 

 

 

「これって……書置き!?」

 

 それを見た勇樹は驚くと、まほは「ああ、そうなんだ」と冷静に答える。

 

「どうやらみほは、この事故が原因で優勝を逃して、お母様の顔に泥を塗る事態になったと思ったようだ。しかし私は間違っていない、みほは彼女たちを助けるために……!」

「まほの言う通りよ、あの子は私のプライドより先に命を優先にした。それはどんなに苦労しても手に入れられないもの。優勝はまた一からやればいいのに……!!」

 

 まほとしほの言葉に勇樹は「た、確かにそうですね」と答える。

 するとエリカは「それに、あれは事故ではなく誰かが仕掛けた罠だと思うわ」と言う、それを聞いた彼は「え、罠?!」と驚くとしほは「ええ」と答える。

 

「当時は雨で地盤が緩かったのは私もわかっていたけど、III号戦車J型があそこで事故を起こすのはおかしいと思って調べてみたら。削った跡が残っていてそこに水で溶けやすい物質が含まれていたの」

「ちょっと待ってください、そういう事になると……まさかそれって!! 殺人未遂!?」

「ええ、でもみほが救ってくれたおかげで彼女たちは助かったの」

「みほさん、私のために……」

 

 小梅はそう言うと勇樹は「それは大変だ!」と立ち上がる。

 

「とにかく、今はみほさんを探すが優先です。昨年の事件も重要ですがまずは仮証言者1として、みほさんを探しましょう! 何か手掛かりは……?」

 

 勇樹はしほたちに言うと、彼女たちは「手掛かりは……」と頭を抱える、いくら彼女のことを知っているとはいえ、家出した途端時に行ったかは分からない。

 するとまほは「もしかしたら……茨城だ!」と言うと勇樹は「い、茨城!?」と反応する。

 

「ああ、そこには戦車道をしていない学園感があったはずだ」

「まほ! その学園艦がある場所とパンフレットはあるかしら」

 

 しほはまほに向けて言うと彼女は「はい、今持ってきます!」と急いでパンフレットを探しに行く。

 

「場所は茨城だとわかりましたので安心しました。あとはこちらに任せて下さい」

 

 勇樹はそう言って離れようとすると、小梅が「あ、あのっ!」と勇樹に向けてこう言った。

 

 

「わ、私も……私も一緒に連れてってください!」

 

 

 それを聞いた勇樹は「ええっ!?」と驚きの反応する。

 

「ちょ、ちょっと待ってください! 何を言っているのですか!? いくら何でも」

「いえ、小梅を連れて行った方が良いわ」

 

 しほの言葉に勇樹は「ちょっ、え、うぇええ!?」と驚く。

 

「みほは小梅と仲間を助けた人、彼女はその恩を返すために行動をしている。だからあなた……いえ、勇樹は小梅と一緒に茨城に行きなさい」

 

 しほの言葉に勇樹は反論しようとするが、体から出るオーラに怯えてしまい「あ、わかりました……」と答える。すると。

 

「あった! どうやら大洗にあるようだ1」

 

 それを聞いた勇樹は「わかりました、それではしほさん、みほを探しに行きます。小梅さんお」と彼は小梅に手を伸ばす。

 それを見た彼女は「わかりました」と手をつかむと、庭から出て例のメカがあるところへと走っていく。

 小梅と勇樹の姿を見たしほは『みほを頼みますよ』と心から祈るのであった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「場所変更、緊急指令! 茨城へと行き西住みほを探しに行く!」

 

 勇樹は汽車に乗って百合子に言うと、彼女は「わかりました!」と言うが「その前に」と勇樹に向けてこう言ってきた。

 

「さっき車両に乗ってきた人ってだれですか? ここの人なのは分かりますが……」

 

 百合子はそう言うが、勇樹は「しばらくしたら後で話します」と言い、汽車を起動して茨城へと発進していくのであった。



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第2話『大洗女子学園と試練』

「大洗? それって、茨城にある街か?」

 

 小梅の言葉に伊江は答えると、彼女は「は、はいそうです」と答える。

 彼女はいま、乗客用の車両側の2両目にある奇跡メンバーBに座っており、そこには太田と伊江と佐々木と福音に極道双子が座っている。

 小梅にとっては初めて会う人であり、彼の仲間だと言えどもまほ以上の威圧のオーラを放っている者もいる。

 

「大洗か、少し調べてみたけどそこには『県立大洗女子学園』と言うのがあってね、そこには学園艦という大きな船があるって乗っているよ」

 幹子はスマホを見ながら言うと、太田が「そうなの?!」と驚く。小梅は「私たちも同じですよ?」と言うと伊江は「ガチかよ」とジト目で驚く。

 

「はい、私たち黒森峰女学校以外に聖グロリアーナにサンダース大学付属高校もそうですよ」

 

 それを聞いた福音は「すごい船だね!」と言うとロンドンは「そうだね、結構すごいね」と答える。すると。

 

 

 

 ガガゴゴゴッ!!!

 

 

 

「「「「「うわああっ!?」」」」」

 

 突然の大きな揺れと共に衝撃が車両に伝わった。太田たちは何かと思い連絡管で勇樹に「いったい何があった!?」と言うと、彼はこう答える。

 

 

『戦車だ! なぜかわからないが、戦車がオレたちのメカ・メインメカ『スチーム・ファイヤー』に向けて放っている!!』

 

 

 それを聞いた太田たちは「えええっ!!!?」と驚いた、そして外を見てみると、下に大きな戦車が2、3台が勇樹のメカに向けて放っている。

 

『勇樹君! 硬度が少しづつ降下していっているよ!?』

『なにっ!? 先ほどの攻撃で落ち始めたのか、みんな衝撃に……!』

 

 百合子の言葉に勇樹は驚き、みんなに何かを言おうとするが、連絡管が壊れてしまったのか途中から『ザー』と雑音がする。

 それと同時にみんなはある場所へと不時着した。

 しかし幸い、車両には衝撃防止機能が搭載していて、けが人はいなかった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

『墜落したって、大丈夫なの!?』

「は、はい。みんなは大丈夫でけがはありませんでした」

 

 勇樹は、しほに連絡をしている。百合子たちはけがはなく安心しているが。問題はメカである汽車『スチーム・ファイヤー』に連絡管に車輪などが壊れてしまい走行不可能になった。

 

「落ちた場所は茨城県の大洗周辺ですが、そんなに遠くありませんので安心してください」

『そう、それだったらよかったわ。みほに何かあったら連絡を」

「はい分かりました。あと、先ほど話していたあの戦車道の事件の資料は」

『事件……ああ、あれね』

 

 勇樹が言った『事件』に彼女は気づいたのか、『わかったわ。私が何とかあの事件の資料を黒森峰の生徒たちが調べてみるわ』と答える。

 

「ありがとうございます。では」

 

 勇樹はそう言うと電話を切って、自分たちが乗ってきたメカの修正をし始める。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「で、修理できたのは車輪だけ~?」

 

 怠けているかのように言ったのは、珍等師学園高等部の生徒会長である甘井ココア。彼女はそう言うと勇樹は「せ、正式には車輪を修理するのが精一杯です」と怯えながら答える。

 

「車輪は、ひびが入っているのが多かったので長くは移動できませんが大洗にまでは何とか間に合いますよ」

「なんだト!? お前はどうして…!」

「はい待った―、これは仕方ねーよ。突然の攻撃で乗り物は破損されたけど車輪は修理できただけでも安心したよ」

 

 ココアはお団子ヘアの少女・紅烏龍を落ち着かせるかのように言う。そしてココアは「そんじゃー、急いで大洗に向けて言いますか」と勇樹に指示する。

 

 ココアの指示に勇樹たちはスチーム・ファイヤーに乗り込んで、大洗に移動するのであった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「ここが大洗の学園艦か」

 

 勇樹たちは、みほがいると思われる学園艦へと着く。「それにしても大きい船だな」と目を丸くして驚く。

 資料を見てる幹子は「この学園の上に学校があるよ、入り口はどこかに……」と言いながらあたりを見渡している。

 すると、百合子が「勇樹君」と言いながら電話を差し出す。勇樹は何かと思い電話を手にしてその相手の話を聞く。

 

「はい勇樹です……しほさん。どうしましたか……はい、はい…はい………はい…………ええっ、そうですか!? ………あ、そうですか、ええ……ありがとうございます、では」

 

 彼は携帯を閉じると「ありがとうございました」と携帯を百合子に渡す。

 

「しほさんからですが、小梅さんの転入届が出来ました。私たちの分も用意してくれたので安心です」

 

 それを聞いた太田たちは「そうですか」と答えると、勇樹は「そして、もう一つですが」と真剣な表情でとんでもないことを言い出す。

 

 

「川底に不審な機械が沈んでいた、技術が非常に高く黒森峰とプラウダ高校のもじゃないとわかった」

 

 

 それをきいたみんなは「ええっ!?」と驚き、それを聞いたアレンは「敵でも味方でもないとしたら、いったい誰が?」と質問する。

 

「それが分かればいいけど、いったい誰かは分からないんだ」

 

 勇樹はそう言うと伊江が「そうだな、とにかく今はみほがここにいるか確認するか」と言いながら学園艦へと入っていく。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 キンキンキンッ! カンカンカンッ!

 みんなが寝ている間、勇樹はメカの修理をしている。音が激しいため寝ているみんなは専用のヘッドフォンで音をできるだけ抑えている。

 勇樹は大型のメカを作っているが故障個所が多く、ここで買えるか修理できるか分からない状態に悪戦苦闘しているのか、代わりの部品を探している。

 

「う~ん、ここで修理しても難しいな。だとしたら他のメカにするしかねえな」

 

 勇樹はスチーム・ファイヤー号を見ながらそう言うと、そばにあったパンフレットを手にする。

 そのパンフレットには『戦車道選択専攻ガイダンス』と書かれている。

 

「戦車の種類は限りがたくさんあるな。メカをどうやって……」

 

 勇樹は悩みながら資料を見ていると、目覚まし時計がジリリリリリッ!! となり始めた。どうやら朝の様だ。

 

「っと、時計が鳴り始めたってことはもう朝か。急いでみんなの分を用意しないとな」

 

 時計を見た彼はそう言うと、スチーム・ファイヤー号から出てみんなの朝食の用意をし始めた。

 

 

 ※ちなみにこの日の朝食は、和(白米・味噌汁・焼鮭・小松菜のお浸し・納豆)であった。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 朝、勇樹たちはこの学園艦にある学校、大洗学校に向けて歩いている。

 しほ曰く『ここの会長には話しておいたから大丈夫だと思うわ』と言っているため、不審者扱いとはならない。ただ。

 

 

「こ、ここの女子苦手っっっっっっっっっっっっっ!!!!」

 

 

 勇樹が青ざめるほど女子が多いため、彼は今百合子の背中に隠れながら歩いている。

 太田たちもさすがに呆れるが、彼の苦手なことを考えると大体は理解できる。

 

「相変わらずだが、お前はどうしてここまで女性が苦手なんだ? 初めて会うしほさんたちはスラスラと言えるのに?」

「そうだね、勇樹君はどうして初対面の人に苦手があるの?」

 

 ジト目で勇樹を見ながら伊江は言うと、サイコロチームの隊長である岩田一史が質問する。

 すると勇樹は「あ、あれはその……実は」と言いながら顔を出す、すると。

 

 

「ちょっとあなたたち、何をしているの!?」

 

 

 声がしたためみんなは何かと見てみると、おかっぱの小さな少女が勇樹たちをにらみつけている。どうやら不良ではないかと太田たちは悟った。

 

「いや、実は勇樹君がここの女子が苦手でどうしてか聞いてみましたが」

「そう、それだったらいいけど怪しいことはしないこと! そしてら……あら?」

 

 おかっぱの少女は何かに気づいたのか「その勇樹君はどこにいる?」と言ったためみんなは百合子を見るが、彼がいないことに気づく。それ以外に、小梅の姿がないことに気づく。

 辺りを見渡して数秒後……まさかと思い学校を見て数秒後。

 

「あいつまさか!!」

 

 みんなは急いで学校へと行き勇樹と小梅を探し始める。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「女子苦手、女子苦手、女子苦手、女子苦手、女子苦手、女子苦手………」

「ゆ、勇樹さん。落ち着いてください!」

 

 逃げまくる勇樹に小梅は追いかけているが、あまりの速さに彼女は数センチから数メートルほどの距離を保ちながら追いかけている。

 当の本人はもう気づいていないが、カバンからメカの設計図がばらばら落ちている。すると。

 

 

 ドッ!!

 

 

「むぎゅうっ!」

「ひゃっ!」

 

 突然誰かにぶつかり彼は後ろに倒れる、その人も後ろに倒れる。

 そして小梅はやっと追いつけたのか「み、見つけました……」と言いながら彼のところまでやって来た。

 

「まったく、勇樹さんはいきなり走っていくので大変で…した……」

「いてて、小梅さんすみませんでした。そちらの肩も、申し訳ありま…せん……でし……た…」

 

 勇樹と小梅は少女を見た途端、2人は目を丸くした。

 その少女はまほ同じお顔立ちと髪型だが、まほの場合は凛々しさを感じているのに対して今いる少女は大人しさを感じ、また髪色は濃い茶色ではなく薄い茶色だ。それを見た2人は「もしかして」と思い質問してみる。

 

 

「あなた(あんた)はもしかして西住みほ(か)ですか?」

 

 

 それを聞いた彼女は「は、はいそうです」と答える。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

『みほが見つかったって、それ本当!?』

「ええ、安心してください。今監視兼護衛をしている私の友達が異常がないか見ています」

 

 放課後、勇樹と百合子はしほに連絡をし「みほは見つかりました」と電話している。

 

「それよりもしほさん、去年の戦車道に出ていた学園の資料は?」

『資料? ああ、それなら心配はないわ。今ちょうどそちらに送ったから、何か可笑しなところがあったら電話を。私はもう少し調べてみるわ』

「はい、では」

 

 勇樹はそう言うと同時に電話を切る。百合子は「大丈夫ですか勇樹君?」と心配するかのように言うと彼は「大丈夫ですよ」と答える。

 

「資料は私たちの方に送ったからそこから少し調べてみましょう、私一人だと無理だと思いますので。あとみほさんがセンサy同をすることを考えて戦車を探しましょう」

「わかりました! では、皆さんにそれを」

「お願いします、百合子さん」

 

 勇樹はそう言うと彼女は「もちのろんですよ~!」と言いながらみんながいるところへと走っていく。

 勇樹も「さて行くか」と歩き始める。すると。

 

「お、いたいた。やあやあ、石川ちゃん。探してたよ~~」

 

 突然声がしたため何かとあたりを見渡すと、小さいがツインテールをしている少女と、おっとりさんの人と片眼鏡をしている人の3人組に出会った。

 勇樹はいったい誰だと思いながらも「えっと、あなたたちは?」と質問する。

 

「あ、あたし? そうだねーあたしはここの学園の生徒会長の角谷杏だよ。そして」

「小山柚子です、よろしくね」

「河島桃だ」

「もう、桃ちゃんったら」

 

 角谷杏と小山柚子、そして河島桃はそう言うと勇樹は「は、はぁ」と答える。

 

「それで、なんですかオレに……もしかしてしほさんから?」

「おおっ、そういうことはもしかして? 知っているのか?」

「知っていますけど、どうしてオレに? 百合子さんたちも呼びましょうか?」

 

 勇樹はそう言うと、電話を出すが桃が「その必要はない」と答える。

 

「話と言ってもすぐに終わる。それにお前たちには重要な指令がある」

「え、重要な指令?」

 

 勇樹は目を丸くして驚くと、杏は「そうだよ」と答える。

 

 

「それはね、超がつくほど重要な話だよ?」

 

 



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第3話『学園艦で戦車探し』

「戦車道の協力?」

 

 杏の言葉に勇樹は答えると彼女は「そうだよ」と答える。

 

「西住ちゃんは唯一戦車道をしていてね、他とは違って何かのオーラが出ているんだ。そして西住ちゃんの家元から聞いたけどね、どうやら彼女は落ち込んでいるのが大きいからねぇ」

 

 杏の言葉に勇樹は「うんうん」と首を上下に動かす。

 

「そして明日から戦車を探すんだけど、念のために石川ちゃんたちも手伝ってほしいんだ」

「……無理だと言ったら」

 

 勇樹は頭の中で「消える」というのではないかと思いながら、否定した場合を想定し質問してみることに。すると。

 

「だめだよそれじゃあ、このままだ――」

 

 小山が何か言いかけようとしたが、杏が「小山―、ストップ」と言われたため彼女は黙った。

 

「とにかくだよ、明日までに手伝うこと。できればレーダーみたいなのを用意してね」

「レーダー……それでしたら条件があります」

 

 『レーダー』と言う言葉に勇樹は表情を変えて質問すると河嶋が「なんだ、答えれる半であれば構わないぞ」と言うと勇樹はこんな質問をする。

 

「ガラクタ品はどこにありますか?」

 

 それを聞いた3人は「……え?」と目を丸くして答える、ただ杏だけは「おおっ、これは面白そうだねー」と言いながら干し芋を食べる。

 

 そして小梅は「私は西住さんのところへと行き、安心かどうか確認すると同時に一緒に住みます」と言いみほがいる部屋へと歩いていく。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「で、レーダーを製作しているのですか?」

 

 夜、勇樹はガラクタ品を持って帰って車両の中にある研究室で何かを作っている。

 それを見た太田は質問すると「そうだよ」と勇樹は答える。

 

「レーダーと言われても結構設計や時間にエネルギーなどがあるから時間はかかるけど、こんな時にあろうかと専用の工具箱で何とか作れると思うよ」

 

 勇樹はそう言うと、工具箱からドリルを出してギュィイイイイッ!! とガラクタ品を何かに作り始める。

 それを見た太田は「生徒会の人、結構ヤラカスね」と苦笑いで答える。

 すると勇樹は「あ、そうだ。太田、受け取れ」とカバンから設計紙を出すとそれを太田に渡した。

 

「っと、勇樹君これは?」

「万が一のことを考えて用意した設計紙だ、戦車を見つけ次第連絡をしてくれ」

 

 勇樹の答える太田は理解すると「ああ、それがあったんだ」と言うと「わかったよ」と答えて部屋へと帰っていく。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 次の日、勇樹たちは杏からの連絡で戦車道に参加するみんながいるところへと集まる。

 お気づきかもしれないが勇樹が今しているリュックにはアンテナが付いた棒が複数出ている。

 

「杏会長! お待たせしましたぁ~~!!」

 

 勇樹は急いでみんながいるところへと走っていくと、杏が「お、来た来た」と反応する。

 

「そんじゃーみんな紹介するよ、今日から転校してきた。石川ちゃん……およ?」

「なっ、そんなことは………っ?!」

「う、ウソですよね……?」

 

 杏は驚きはしないが意外だなと反応をして、河島は顔を青ざめながら後ろに下がり小山は口に手を押さえて驚いている。

 杏たちだけではない、歴女だと思われるメンバーにバレー部の服装をしているメンバー、そして1年生であろうか背が低い少女たちも驚いている。

 それを見た勇樹は「ん、何かありましたか」と河嶋に質問すると、彼女はこう答える。

 

 

「お、おい石川っ。な、なんで私たちとおにゃじ者がいるんだ!?」

 

 

 それを聞いた勇樹たちは「え?」とあたりを見渡して数分後、理解したのか「なるほど」とこう答える。

 

 

「簡単ですよ、ちょっとした偶然です」

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「それじゃああなたは岩田一史君なの?」

「はい、岩田一史。こう見えてあなたたちと同じ1年生です。よろしくお願いします澤梓!」

「こ、こちらこそよろしくお願いします、岩田一史君」

「同じく私は一史君と幼馴染の福島二葉~。よろしくね優季ちゃん」

「よろしくね~、二葉ちゃん」

「えっと、ボ、ボクも一史君と二葉ちゃんと同じ友達の福岡三太郎だよ……よろしくねあやちゃん」

「うん、よろしくね三太郎君!」

「あたしが長野四音だよ、よろしくねあゆみちゃん」

「こっちもよろしくね四音!」

「僕は新潟五郎。よろしくな佳利奈さん」

「アイッ、こっちもよろしく。ゴロー!」

「あたしは~岐阜六巳~、よろしく~紗希~」

「………」

 

 

「私がサッカー部の部長の部長である庭田圭太です、よろしくお願いします典子さん!」

「はい! 私もバレー部をやっているので、同じ部同士頑張りましょう圭太さん!」

「同じく、オレはサッカー部の部員の白井天だ、よろしくな。近藤さん!」

「こちらもよろしくお願いします、天さん!」

「あきちも同じくサッカー部の部員である黒井玉子だ。よろしくな河西」

「こちらこそ、よろしくな玉子さん!」

「わたしが灰原穂希、よろしくねあけびさん」

「はい、よろしくお願いします穂希さん!」

 

 

「私はアイヌだ、よろしくなカエサル」

「こちらこそよろしく、私は彼女たちのリーダーのカエサルだ」

「わたくしはロンドンですわ、よろしくねエルヴィンさん」

「そうだな、よろしくなロンドン」

「僕はベトナムだよ~、よろしくね左衛門佐」

「ああ、こちらこそよろしくなベトナム」

「マドリードどす、よろしゅうお願いしますおりょうはん」

「うむ、こちらこそよろしく、マドリード」

 

 

「あたしが甘井ココア、よろしくね~」

「こっちこそ、アタシは角谷杏だよ」

「紅・烏龍ヨ、桃よろしくネ」

「ふむ、私と同じところがあるがよろしくな烏龍、私は河島桃だ」

「ジャスミン・デリーですぅ、よろしくね柚子さぁん」

「はい、私は小山柚子です。デリーさんよろしくお願いします」

 

 

 各自自己紹介をしている光景を見た勇樹たちは「ナニコレ」とジト目で見ている。

 すると太田は「あの角谷会長? 少しいいですか?」と言うと彼女は「ん、何?」と振り向く。

 

「昨日勇樹君に頼んで作った道具の件ですが、一体何か?」

「お、そうだったね。じゃあみんなしゅーごー」

 

 会長の言葉にみんなは整列すると、彼女は言い出す。

 

「じゃあ今からだけど石川ちゃんが作った道具で探すけど、それじゃあ石川ちゃん」

「わかりました! では」

 

 勇樹はそう言うと、カバンからある道具を取り出した。

 それはショルダーバックにアンテナが付いた棒と一緒に出ていて、その棒にはバックからコードが出ている。

 よく見ると、スイッチが3つ付いている。

 

「この私が発明した道具『特定物体探知機』で戦車を探すことが出来ます。まだできたばかりで旨く行けるかどうかわかりません」

「でも、範囲はこの学園艦内であればわかるだろ?」

「そうですね、会長の言う通り。この学園艦内であれば範囲は限られますし見つかる可能性はあります」

「そうか! それだったら勇樹の道具を使おう! では各自、勇樹の道具を使え。以上だ!」

 

 河嶋はそう言うと、みんなは道具を手にして探し始める。

 みほは「大丈夫かな?」と心配する。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「えっと、それじゃあ道具によれば山にあるの?」

 

 そう言ったのは、薄茶色のセミロングをした女子、武部沙織は勇樹に向けて言うと彼は「そうですね、このレーダーですと山の中にあることが分かります」と答える。

 彼は今、百合子と幹子。みほと武部と(武部沙織の)同級生である五十鈴華と一緒に山に向けて歩いている。すると幹子は何かに気づいたのか「およ?」と後ろを振り向くと、茶色のショートボブのくせ毛が少女がついて来ていることに気づく。

 

「そうだ勇樹君とみほ君、後方に何かあるよ?」

「「え、後ろ?」」

 

 2人は何かと思い後ろに振り向くと、例の少女と目が合う。少女は合われて近くの電柱に隠れる。

 それを見た勇樹は「なるへそ、そう言う意味か」と理解したのか、彼はみほにあることを言うと彼女も「そうですね」とにっこりと笑う。

 

「あの、よかったら一緒に探さない?」

 

 それを聞いた少女は「いいんですか!?」と目を光らせる。すると百合子は「あれ、あの子って確か」と何か思い出したのか、こう言いだす。

 

「確かあの子、普通2科2年C組の秋山優花里さん?」

 

 少女基秋山は目を丸くして「どうして知っているのですか?!」と、目を丸くして驚く。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 一方の梓たちと一史たちは………

 

 彼らは今、この学園艦にある大きな図書室にいる。どうやら本で戦車を探すようだ。

 

「戦車のせの字もないよ……」

「こ、ここの本も。な、にゃいね」

「うちの学校が戦車道をやめた時期からさっぱり!」

「そうだね、でもどこかに戦車があるはず……」

 

 あやと三太郎、佳利奈と五郎は本を見ながら言うと、優季が「なんで突然戦車道をやめちゃったのかな~?」と疑問に思う。

 それを聞いた二葉は「わからない~と言いたいけど、何か原因があったりして」と言いながら本を探している。

 それを聞いていたあゆみは何か思い出したのか「やっぱ人気無くなったんでしょう?」と言い出す。

 

「昔っぽいから」

「そっか~」

 

 優木の反応に二葉と四音は『それはないと思うよ』と心でそう思うのであった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 ビビビビビビビビビビ!

 

 勇樹たちは今、山の中にいるがレーダーから警報音がすると同時にランプがチカチカと点灯している

 

「これって勇樹君、まさか」

「ああ、そうだな。どうやら近くにあるはず!」

 

 百合子は勇樹の道具に向けて言うと彼は答える。それを見た武部は「なにそれ?!」と目を丸くして驚く。

 すると突然、華の動きが停まったため。それを見た幹子は「おや?」と気付いた。

 

「華君、どうしたんだい立ち止まって」

「いえ、草木の臭い以外に鉄と油の臭いが……こちらの方からします」

「ええっ!? ええっ華さんわかるのですか?!」

 

 百合子の言葉に「ええ」と彼女は答える。

 

「華道をやっているから少々匂いには敏感です――わたくしだけかもしれませんが」

「そうですね、それは」

 

 百合子はツッコミを入れるのであった。

 

 

 数分後

 

 

 華の言う通り、彼女が導いた先はなんと38(t)戦車B/C型、それを見た優花里は「おおおっ!」と言いながら目を光らせている。

 

「こんなところに戦車が……古いですね」

 

 戦車を見た百合子は目を丸くして言うと、優花里が「そうでもありません!」と意外な反応を見せる。

 

「これは38(t)戦車B/C型でして、第二次世界大戦前にチェコのCKD社が開発・制作した軽戦車です! さらのtとは重さではなくチェコ製であることを示しているのです!」

 

 それを聞いた百合子は「え、重さじゃないの?!」と驚く。すると。

 

 

 プルルルルルッ

 

 

「ん、電話?」

 

 勇樹は電話を取り出すと、そこには「磯部典子」と表示されている。

 

「典子さんからだ、一体なんだろう?」

 

 彼はそう思いながら電話に出て数分後、戦車は見つかった。

 さらに典子からだけではない、梓と左衛門佐から電話が鳴り戦車は見つかった。

 典子率いるバレー部は崖にある穴の中、梓率いる1年組はウサギ小屋の中、そして左衛門佐率いる歴女チームは湖の中で発見した。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 早速その戦車を生徒会がいるところまで移動して、清掃することにした。

 なぜ清掃をするか、それは長い間使われていないため錆びていたり汚れているところがあるからだ。

 

 

~~数分後~~

 

 

 戦車が見事にきれいなり新品みたいに輝いている。だが、本日は夕方なので練習は出来ず、河島の判断で「訓練は明日する!」と言われたので本日は帰ることになった。

 その日、みんなは解散していったが、一史たちと圭太たち、そしてココアたちは中を深めるため各自梓たちの寮へ泊ることになった。

 もちろん、その話は勇樹たちに話した。初めは驚いていたがよりよく仲良くするために寮に住むことを許可するのであった(本来はココアから許可が無ければいけないが、仮会長として勇樹がやることになっている)。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「戦車をくれる?」

 

 夜中、勇樹はしほからの電話にでると、彼女から戦車をくれる話になっている。

 

「でもいいですか、戦車をかr……じゃなくて、どの戦車になるのか分かりませんが」

『大丈夫よ、その戦車はみほが助けたプラウダの隊長『カチューシャ』からあげることになったの』

「カチューシャ……? そうですか、わかりました」

 

 話を聞いた勇樹は同意するとしほは『それじゃあ戦車は明日か明後日あたりにそちらに届くと思うわ』と言い電話を切った。

 「明日か明後日」と言う言葉に勇樹は「どういう意味?」と頭を傾けて言うのであった。

 



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第4話『初めの練習試合相手は……お嬢様学校!?』

約1年ぶりですね、
小説の内容を考えていたら少し時間がかかりすぎました。楽しみにしていた方、大変申し訳ありませんでした。


「ええっ、勇樹さんも参加するのですか!?」

 突然勇樹から行ったことに柚子は驚くと彼は「うん、そうだよ」と答える。

「それは構わないが、戦車が必要になるぞ、ここにあるのはこれですべてだし。今から探すとしても」

 河島はそう言いながら資料を手にしぺらぺらと捲っているが、彼は「それは必要ないよ」と答える。

「乗る人たちはこちらで決めたからいいとして、その乗る戦車は誰も知らないよ」

 勇樹の言葉にみんなは頭にハテナマークを浮かばせている。すると彼はカバンから電話を出して「それじゃあお願いね」と言う、すると。

 

 ギャギャギャギャ……!!

 

 峠から勇樹が用意したと思われる、戦車がやって来る。

「あれ、この戦車どこかで?」

「ゆかりん、聞いたことある?」

 優花里の言葉に沙織は質問すると、彼女は「はい、でもどこで?」と呟いた。すると。

 

 ガガガガガガッ!!

 

 現れたのは2台の戦車、1つは薄茶色をした戦車でもう一台は濃い緑色をした戦車。それを見た優花里は「もしかして!」とこう言い始める。

 

 

「T-34/85とパンターG型!? どうして戦車がここに!!」

 

「それは後で話しますから今は訓練をしましょう!」

 

 

 優花里がそう言うと勇樹が口止めをしてしまう。それを見た河嶋は「そうだな、今は訓練が先だ」と答える。

「でも乗る人たちはどうする? 勇樹君だけじゃだめだと思うけど」

「そこは心配ありません小山さん、こんな時にあろうかとこっちには助っ人を呼んでおきました」

 小山が心配していると、勇樹が答える。それを聞いた梓は「助っ人?」と首を傾けて言うと、向こうからある人物がやって来る。それは。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「では、勇樹さんを含むFチームは、勇樹さんに伊江さん、幹子さんと百合子さんと小森さんが加わることになりました」

 柚子は勇樹たちを見ながら言うと、杏が「なかなか面白そうなものがいるじゃん」とココアに言うと彼女は「そうだろ、けっこーいい生徒がたくさんいるよ」と答える。

 

「それじゃあみんな、この戦車の動かし方は分かるか?」

「もちろんです!!」

「任せろっ!」

「大体は大じょーぶだぞー」

「こっちもだよ勇樹君」

 勇樹の言葉に伊江たちは答えると、勇樹は「はい、まあそうなります」と答える。

「よし、それじゃあ今から訓練をするぞ! 初めてやるから勇樹たちはそこで待機だ!」

 河島はそう言うと勇樹は「早速かよ、てかオレたちは抜きかよ」と苦笑いで答える。

 そして杏は「それじゃー赤星ちゃんはあたしたちと一緒にどう?」と言うと彼女は「わかりました、では行きましょう!」と答える。

 

 数分後、勝者はみほ率いるチームAであった。

※この時勇樹は「せっかくだから見てみたかった」と半泣きで呟いていた。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「それじゃあ勇樹君、戦車道の助っ人としていくんだね」

 放課後、勇樹たちは戦車の改造をしに太田たちがいる倉庫へと行く。太田は勇樹の話に目を光らせていると彼は「ま、まあそうだな」と苦笑いで答える。

「あの勇樹君。少しいいかな?」

「ん、どうしましたか百合子さん?」

 すると、戦車からヒョコっと顔を出して勇樹に何か言う百合子に彼は反応すると、彼女は「これですが」とある資料を渡す。

 その資料は「当時の天候・戦車・人物の調査結果」と書かれた資料。

 勇樹は「しほさんからか」と受け取ると、ペラペラとめくる。すると。

「ん、これは?」

 あるページを見て彼は何かに気づいたのか、カバンからパソコンを出して何かを調べる。そのページにあったのは。

 

『黒森峰とプラウダが戦う準決勝で、聖グロとプラウダ、黒百合と黒森峰と戦ったが。不審なことに黒百合と言う学園は初めて聞く』

 

『黒百合』と言う言葉にどこか聞いたことがあったのか、パソコンで調べているとある情報を見つける。

「……まさかこれって!!!」

 彼がそれを見た瞬間青ざめるほどの情報、それは。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

『黒百合の闇?』

「はい、正式には黒百合女学院の闇の薔薇製造です」

 夜中、勇樹は電話でしほに情報を送信すると、彼女は「聞いたことはないわね」と答える。

『それで、その闇の百合製造には何か手掛かりは?』

「手掛かりは少なく、どのようにしているかわかりません。闇の薔薇製造となる情報はないので難しいです」

『そうなの』

 勇樹の言葉にしほは声のトーンが低くなる。しかし勇樹は「ただ」とある事を言う。

 

「闇の薔薇の情報ならわかると思います」

『闇の薔薇の情報?』

「はい、闇の薔薇は非常に珍しく希少価値が高い一種の火薬です」

 勇樹はタンタンに話をするとしほは『火薬? 薔薇なのに火薬が』と不審に言う。

「学園はともかく、闇の薔薇は茎と薔薇の花が火薬の原料となっていて、その威力は非常に高く危険性が高い火薬です」

 勇樹は闇の薔薇の詳細を話していると、しほは『非常に危険……その威力は?」と言う。

 そして勇樹は「その威力は……」と言おうとしたとき、後ろから『ガッ!』と何かぶつかる音がした。

 それを聞いた勇樹は「すみません、本日の話はここまでにしてもいいですか後ろから音が」と言うと彼女は『そうね、みほのことよろしくね』と言って電話を切る。

 電話が切れたことを確認した勇樹は、急いで扉を開けて周りを見渡すが、誰もいない。それを見た彼は「誰かが聞いていたんだな」と呟いた。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 次の日の放課後、勇樹たちは修理&改造を終えた戦車を例の戦車があるところへと移動していく。

 だが、彼らはみんなが乗る戦車を見て唖然する。その理由は単純。

 

 バレー部が乗る八九式中戦車甲型は、『バレー部復活!』と白色のペンキで書かれている。

 歴女が乗るⅢ型突撃法F型は、戦国時代と古代ローマに幕末とドイツ軍などと言ったいろんなカラーが混ざったカラーで塗られて4つの幟が付いている。

 1年生が乗るM3中戦車リーは、ピンク色と言ったとっても明るい色が付けられている。

 最後に生徒会が乗る38(t)戦車B/C型は、金色に反射ガラスを付けた物凄く派手な戦車だ。

 

「なぁ、勇樹。これはとってもバカじゃないか?」

「オレもですよ勇樹さん」

「私としても、少し呆れるな」

「んー、これはやっちゃいけないねー」

 戦車を見た圭太、一史、アイヌ、ココアは呆れていると勇樹は「そうだね」と答える。

 そしていつも通り戦車道の練習をする。この時勇樹も一緒に訓練している。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「戦車の動かし方は、どうやらレバーで動かすのか。機械に似ているがアクセルとブレーキは踏むのか」

 小森はそう言いながらレバーを動かして、戦車がどのように動くのか試しにしている。

「メカはよく動かすが、このカチューシャからもらった戦車を動かすのは初めてだ」

「っと、そうだな。だがまずはこの戦車をならせておかないと」

 伊江はそう言いながら砲弾を持ってきている。ちなみにこの砲弾は非常に重いので1つを持つのがやっとだが、伊江の場合は左右に3つづつ持って移動している。

「あれ? そう言えば、勇樹はどこに行ったんだ?」

「それなら、勇樹君は西住隊長さんと一緒に生徒会に行きましたよ」

「生徒会? なんでだ?」

 

 百合子の言葉を聞いた伊江は理由を聞くと、彼女はこう答える。

 

 

「なんだか、聖グロとの練習試合の話し合いですよ?」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「でだ、このようにすれば勝てる!」

 

 生徒会室に集まった各生徒と生徒会の彼女たち、河島のある作戦を聞いていた勇樹はジト目でため息をする。それもその筈、作戦の内容はこうなっている。

 

 

1、みほたち基Aチームがダージリンたちをひきつける。

2、生徒会たちは一方通行であり段差が高く左右に坂があるところから登って岩陰に隠れる。

3、みほたちがやってきたら即うち一網打尽とすること。

 

 

 河島本人は「これなら勝てる」と言うが、みほと勇樹は真剣に地図を見ている

 

「ん。石川ちゃん、西住ちゃん。どうかした?」

 

 杏が二人の様子に気づいたのか、そう言うと西住は「あ、いえ」と答える。だが。

 

「いいから言ってみー、何かわかるかもしれないしー」

 

 杏がそう言うと彼女は「わ、わかりました」とおどおどしながらも、言い始める。

 

「聖グロリアーナは、当然こちらがおとりを使ってくることは、想定すると思います。裏をかかれて逆に包囲されるかと可能性があるので」

 

 それを聞いた勇樹は「なるほど、言われてみたらそうだな」と答える。それ以外にも、みんなは「確かにそうだ」と思いながら答える。だが。

 

 

「黙れぇっ!! 隊長である私に口答えするな!! それだったら、西住。お前が隊長をしろ!!」

 

 それを聞いたみほは「ええっ!?」」と驚く。

 杏は「まぁまぁ」と場をなだめるかのようにこんなことを言い出した。

 

「まぁ、西住ちゃんが隊長はいいね」

「はい?」

「西住ちゃんがうちのチームの指揮とって」

「そうだな、確かに戦車道を唯一している人ですから納得します」

 

 それを聞いた勇樹は理解した理解する。そして角谷は「頑張ってねぇ、かったら素晴らしい商品があるからねぇ」と言う。

 小山は「え、ありますか。それ」と驚きながら答える、どうやら初めて聞いたようだ。

 

「干し芋3日分~!」

 

 それを聞いた勇樹は「お、お茶菓子ですか」と苦笑いで答える。

 

「あの、もし負けたら…?」

 

 磯部が試合で負けたら何をすればいいか言うと会長は「そうだねぇ」と数秒考えたのち。こんなことを言い出した。

 

「大納涼祭りで『アンコウ踊り』をしてもらおっかなー」

 

 それを聞いたみほと勇樹は「何それ?」と頭を傾げるが、その場にいたみんなは「うっ」と顔を青ざめた。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 その日の夜、勇樹は急いで戦車を清掃&聖グロの情報を知るために本を購入した。

 

「何々、聖グロは神奈川県にある学園艦で。お嬢様学校として有名なところ……」

 

 それを見て数秒後、彼は「大洗より広いのか?」とつぶやくのであった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 そして当日、勇樹たちはT-34/85に乗って陸地へと移動していく。

 

「っと、さて。そろそろ例の場所に」

 

 勇樹はそう言いながらカバンから地図を取り出す。そこには大洗の情報などがたくさん描かれている。

 今回戦車対決をする場所は、市街地である大洗の街中。対戦している途中、仮に建物を壊したとしても、戦車道連盟が保証してくれるようになっている。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 みほたちが現在いるところは、対戦集合場である草むらがある野原。そこには生徒会にバレー部、1年生に歴女、そしてみほたちの戦車もあった。

 勇樹たちはは1年生の隣にへと移動して。百合子たちに「じゃあ降りてくよ」と言いながら戦車から降りて彼女たちの列に並ぶ。

 

 すると、地平線から緑色の戦車が1両と薄黄土色の4両の戦車がやってきた。

 そう、この戦車対決をする相手が、お嬢様学校で有名な『聖グロリアーナ女学院』であった。

 

 

 

「本日は急な申し込みにも関わらず、試合を受けていただき、感謝する」

「かまいません事よ…それにしても」

 ダージリンは彼女たちの戦車を見て数秒後、「個性的な洗車ですわね」と答える。それを聞いた勇樹は「ああ、なるほど。これは少し笑われているな」と言いながら苦笑いする。

 桃もそれが理解したのか「なっ!」と反抗するだが。

 

「ですが、わたくしたちはどんな相手にも全力を尽くしますの。サンダースやプラウダみたいに下品な戦い方は致しませんわ。騎士道精神でお互い頑張りましょう」

 

 それを聞いた桃は「もちろんだ!!」と気合十分に答える。だが勇樹は「本当に大丈夫か?」とジト目でダージリンと桃を見る。

 相手がもしプロで合ったら、桃はどうするだろうかと。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「それでは、聖グロリアーナ女学院対大洗女子学園の試合を始める。一同、礼」

 

 審判であろう人がそう言うと、みんなは礼をする。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 大洗の生徒は初めてに試合だろうか、エンジン音と風音以外何も音や声がしない。

 勇樹は「これは今までの戦いよりすごいことになりそうだ」とつぶやきながら眼鏡の上からゴーグルをする。

 彼がしている眼鏡は、そう簡単に直すのが難しく。専用のゴーグルでできるだけ守るようにしている。

 

『用意はいいか、隊長』

 

 すると突然ヘッドフォンから声がしたため勇樹は「む?」と声を聴く。

 

『あ、はい』

『すべては貴様にかかっている。しっかり頼むぞ』

 

 それを聞いた百合子は「責任、重大ですね」と答えると、伊江たちは「確かに」とつぶやく。

 そして……。

 

 

『試合開始!』

 

 スピーカーから声がすると、勇樹は「小森、前進!!」と言うと同時に彼女は「りょーかいっ!」と戦車を前に進み始める。

 

 そして、この試合は、戦車道で非常に最悪……いや、正式には間抜けと言ったほうがいいだろうか? そのような試合の内容が知られる瞬間であった。

 

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第5話『ミスの原因とエンブレム』☆

※この話の最後にアンケートがあります。


 現在勇樹たちは、聖グロとの対戦途中。彼らはT-34/85に乗って移動中。

 百合子は「そう言えば」と勇樹にあることを言い出す。

 

「勇樹君、四次元バックってありますか?」

 

 百合子はそう言うと彼は「え、スペア型ならありますけど」と赤色のショルダーバックを見せる。

 彼が持っているショルダーバッグは、『四次元カバン』の一種で、普段使っているのはトランク型。そして彼がしているのではスペアで、トランク型のショルダー型の中は4次元という超空間につながっている。

 そこには彼が開発したものや未来で購入したものがたくさん詰まっている。だが。

 

「戦車道には必要ありません。もし使ったら違反ですよ」

 

 それを聞いた百合子は「そ、そうですよねー」と目をそらすのであった。

 さすがの彼も、この試合に非常に有効になれる道具はそう持っていない。だが。

 

「っと、勇樹。みほさんと河島さんから別行動の許可をもらった。早速だが探すか」

「そうだな。百合子さん、みほさんたちの情報を聞いて何かあったら教えてくれ。小森、早速だが」

「おうよ」

 

 小森はそう言いながら例の場所へと移動する。その場所は河島たちがいる例の崖から数百メートル離れた森の中、そこに勇樹はショルダーバッグからストロボとパソコンにパッドとコピー機を出す。

 

「さっそくだが、今朝からしほさんから情報があって。戦車道から持ってくる予定が故障によって時間が無くなった」

「それで、ここにコピー機を出すか? でしたらストロボは?」

 

 百合子はそう言うと美樹が「それは後でだよ」と答える。

「さーて、情報がつながればいいが」

 勇樹はそう言いながらパソコンにコピー機をつなげる。そしてしほからの情報を受け入れ始める。

 そして数秒後、コピー機が起動して数枚の用紙が出てきた。そこには『情報』と書かれている。

 

「っしゃっ! 出てきた!」

 

 勇樹がそう言った瞬間、百合子が「大変っ!」と慌てて出てきた。

 

「勇樹君。みほさんたちが聖グロのみんなに追われている!!」

 

 それを聞いた勇樹は「なんだと!?」と反応する。そして「道具を」と急いでカバンに入れて、ストロボを手にして戦車に乗り込む。

 

 

「小森! 急いで前進してみほたちのところへ!! 伊江は装填をして美樹姉がいつでも打てるように!!」

 

「おう!」

「しゃあっ! 任せろ」

「準備をしておかないとな!」

 

 勇樹がそう言うと、3名はそう言いながら戦車をみほたちのところへと移動していく。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 みほたちは現在、ダージリン率いる聖グロに追われている……しかしこれはあくまで想定内、彼女たちはおとりをしている。

 現在勇樹たちは、そこから遠くにいるためよく見えない。しかし彼がカバンから潜望鏡型双眼鏡の道具『ノビール双眼鏡』を出して観察し始める。

 

「ありゃあー、さすが聖グロだな」

「攻撃方法が個性的だ、しかしみほの方も」

「戦車の知識とよけ方が上手、だね」

 

 勇樹、小森、美樹はそう言うと、伊江が「そう言えば」とある事を言い出す。

 

「本日の天気って晴れだよな」

 

 それを聞いた百合子は「そうですね、それがどうしましたか?」と答える。

 

「いや、これだけだと金物というより光物はばれるんじゃないかと」

 

 彼女の言葉を聞いた小森は、突然青ざめると同時に「お、おい」ととんでもない誤算といこんなことを言い始めた。

 

 

 

「勇樹、急いでみほたちがいるところを教えろ、そしてさっさと彼女に知らせろ!!」

 

 

 突然、子守が言い出したことに勇樹は「え、な。なんで!?」と驚くが、彼女は「いいから!!」と叫ぶ。

 

「わ、わかった」

 

 勇樹は戸惑いながら「小森、それじゃあこの先をまっすぐ行けば間に合うよ」と言うと彼女は「おう!!」と一気にアクセルを踏むと、T-34/85は急加速していく。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 一方、河島たちは例の作戦である場所へと集まっている……だが。

 

 1年生たちはトランプで革命をしている、バレー部はバレーの練習をしていてのんきな行動をしている。

 一方、生徒会と歴女は真剣にまだ来ないかどうか、道をじっと見ている。

 

 そして。

 

 

 

 

 ガガガガガッ!!!

 

 

 

 

 勇樹たちが乗っているT-34/85がやってきて、ハッチから勇樹……ではなく小森が出てきた。

 

「お前ら、急いで逃げるんだ!! それかすぐに隠れろ!!!」

 

 

 それを聞いた河島は「はぁ?」と頭を傾げる。

 彼女の行動を見た小森は「ああ全く!!」とイライラしている。それを見た勇樹は「小森が久しぶりにイライラしている」と青ざめている。だが彼も理由は不明。だが、その瞬間。

 

 

 ガガガガッ……!!

 

 

「ん、この音は」

 

 機械音が後ろからしてきたため、勇樹は何かと振り向くと、なんとみほの戦車がやってきた。

 そして素通りをして数秒後、勇樹は「あ」とある事に気づいた。だが、それは時すでに遅し。

 

 

『撃て撃てぇえええっ!!』

 

 

 通信機から河島の声がすると、突然砲弾から勇樹とみほに向けて放ち始める。

 それは1両だけでなく4両一斉に。

 

「うわわわっ!!」

 

 勇樹は慌てて戦車に入って、小森に「いったん逃げるぞ!」と言うと彼女は「けっ、仕方ない」とイラつきながらも戦車を移動して攻撃を免れ始める。

 そして河合たちがいるところへと急いでいくと、そのまま1年生たちの隣へと移動する。

 

「発射準備完了!」

「わかった」

 

 幹子が言ったため伊江が答える。そして、聖グロの戦車がやってくると河島は再び『撃てえええっ!』と再び放つ。だが。

 

 ギィィイイッ!! ガガガガガッ!!

 

 戦車は止まったりして砲弾からよけて再度移動し始める。それを見た勇樹は「なるほど、そうか」と理解する。

 聖グロからも、みほたちに向けて砲弾を放つ、そうしていると1年生の戦車から「うわーん!!」「ちょっと!」と梓たちが戦車から出て逃げている。その瞬間、M3リーは初戦で爆発すると同時に、敗北するのであった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「みほさんから連絡が!! このまま街に行きます!!」

「わかった、小森。この賠償を街中でやるぞ!!」

「おう、わかったぞ」

 

 ジト目で答える彼女はそう言いながら操縦を動かして、森や岩場があるところから街中へと移動する。

 勇樹は「団体行動は少し危険だ、みほからの作戦で街中に紛れる」と言ったため、急いで廃墟のビルの中に隠れ始める。 

 

「にしてもだなぁ、嫌な予感が……」

 

 勇樹の言葉に伊江は「なんだ、その嫌な予感って?」と言うと勇樹は「いや、それがわからない」と冷静に答える。

 

「歴女とバレー部が撃破しました、初心者がついにやっつけたよ勇樹君!!」

 

 百合子の言葉に勇樹は「さすがだ!! 頑張れば行けるものだな!!」と元気よく答える。だが数分後。

 

「あ、でも歴女とバレー部はやられましたよ」

 

 それを聞いた瞬間、みんなは「なんじゃそりゃ!」とずっこける。

 

「ここにいても仕方ないな、てか2両が近くに来ている」

 

 伊江がそう言うと小森は「勇樹、そろそろ行こうか?」と言うと彼は「そうだな、それじゃあ行くか!」と指示を出す。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 戦車が前進すると、ビルの壁は壊れて。そのまま戦車にぶつかるそして。

 

「いまだ、放てっ!!」

 

 勇樹がそう言うと、幹子が「っと!」と引き金を引いてマチルダⅡ 歩兵戦車に当たり、そのまま白旗が上がる。

 

「やった!!」

「喜ぶのは早いですよ伊江ちゃん。次の砲弾を」

「おっと、そうだったな。次の砲弾を」

 

 伊江はそう言いながら砲弾を用意すると、マルチダがやってきて砲弾を放つ。だが。

 

「っと、させるか」

 

 小森がレバーを動かして前に進み砲弾からよける。そして砲台の向きをマルチダに向けて再び放つと、初めに撃破した戦車同様、白旗が上がる。

 

「2両目撃破です!!」

「うっし、これならいけるな」

 

 百合子と小森はそう言って勝利するのでは?! と確信した、だが突然。

 

 

 

 ドガアアッ!!

 

 

 

 爆発音と同時に衝撃音が間近で発生したためみんなは「はえ?」とあたりを見渡すと、後ろ髪をラウンドに四をした丸メガネの少女がいた。

 

「勝ちました」

 

 彼女はそう言いながら微笑んだため、勇樹は「ま、負けた」とうなだれることになった。そして白旗が上がるのであった。

 そして、数十分後。この勝負は大洗が負けという結果が上がった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「あの、会長。そのアンコウ踊りっていったい何ですか?」

 

 勇樹は、昨日言っていた例の罰ゲームを言うと。彼女は「ん、あれだよあれー」とある物を見せた。それは。

 

 

 

 ピンク色のタイツを着て頭にはチョウチンアンコウの帽子をしたみほたち。

 それをみた勇樹は「こ、きょれがあんこうおどり!?」と顔を赤くして驚く。

 

 

 

「そうそうあたしはどうでもいいけど、なんでみんなは嫌がるのか不思議なんだよねー」

 

 それを聞いた勇樹は「いや、これはさすがにみんな嫌がるよ」と心の中でつぶやいた。

 結果、勇気はそのまま気絶したため、彼はアンコウ踊りに参加は不可能だったが。みほたちと生徒会はアンコウ踊りをすることになった。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

「うう~、頭が痛いよ~」

 

 次の日、小森が朝から頭痛であったのか歩くのが歩き方がおかしかったため伊江が「だ、大丈夫か?」と支えながら歩いている。

 一方勇樹は、昨日の試合で敗北した結果を調べた結果。どうやら反省点がたくさんあった。

 

反省点1、河島の作戦が大胆でばれやすかった。

反省点2、戦車がばれやすかったり目立ちやすかった。

反省点3、河島の射撃が下手。

反省点4、1年生たちがヘタレ。

反省点5、相手がプロ並み。

反省点6、訓練が必要。

反省点7、わかりやすいチーム名お願いします。

 

「結構すごい量だな、これはさすがに初心者とはいえ少し悲しいな」

 勇樹はそう言いながら「これをみほさんと小梅さんに」と言いながら2つの書類を作る。

 そしてそれらの書類を戦車道をしているみんなに渡した。ついでにある人にも渡す。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 数日後、勇樹たちは再び戦車道の訓練をしにやってきた、だが。

 

「あれ、変わっている?」

 

 この前の派手な洗車ではなく。いつも通りの黒く目立ちにくい色に変色した戦車に代わっていて。

 代わりに戦車には動物が描かれていた。

 

「これっていったい?」

「あ、勇樹さん」

 

 後ろから声がしたため勇樹は振り向くと、小梅が『戦車道をうまくやれる方法』と書かれたノートを手にしてやってきた。

 

「小梅さん、これって」

「皆さんが反省点があったところを考え直したところ。戦車の色を元の色に戻して、チーム名を動物にしました」

「はぁ、そうっすか」

 

 それを聞いた伊江は目を丸くして言うと、美樹が「それだったら」とある事を言い出す。それは。

 

 

「僕たちだったら、何チームになるんだい?」

 

 

 それを聞いた小梅は「それなんですが、実は」と5枚の紙を渡された。

 

「みほさんたちが話した結果、この5枚が決まりましたが、勇樹さんはどうしますか?」

 

 渡された紙をみんなは見ていると、そこには5体の動物が描かれていた。

 

 

1体目は、白色をしたイカで、空を飛んでいるように見える。←提案者:歴女

 

2体目は、パンダだが白黒ではなくなぜか紅白の色をしている。←提案者:バレー部

 

3体目は、狸だが、よく見るとなぜかカバさんチームと同じ格好をしている。←提案者:生徒会

 

4体目は、ペンギンで胸元には赤色の蝶ネクタイをしている。←提案者:1年生

 

5体目は、カンガルーで、なぜかボクシング姿をしている(なぜボクシング?)。←提案者:みほたち

 

 

「これらのうちどれがいいか勇樹さんに決めてほしいといわれて」

 

 それを見た勇樹は「そうだなぁ……」と悩み始める。そして「これだ」とある動物に決める。それは。

 



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第6話『新メンバーとエンブレム』

今回は、原作には載っていないオリジナルキャラクターが出てきます。その人たちはいったい誰か、お楽しみに


 

「カンガルーですか」

 

 百合子の言う通り、彼が選んだのはボクサースタイルのカンガルーであった。

 小梅は「わかりました、早速みほさんに知らせます」と言いながらみほの処へと行くのであった。

 

「ボクサーですか、なんだか強いイメージがします」

「そうだな、しかもカンガルーだからそう思うな」

 

 百合子と伊江はそう言っていると。「おーい、みんなー」と福音がやってきた。

 

「ん、福音君。どうしたんだい?」

「あ、幹子ちゃん。実は戦車道に入りたいという人がいたんだ」

「そうか、戦車道に入りたい人がいる……いるの!?

 

 福音の言葉を聞いた小森は驚くと、彼女は「いるよ」と答える。

 彼女の声が大きかったのか、みほたちにも彼女の声が聞こえて集まってきた。

 

「福音さん、その話本当ですか?」

「本当だよ、ちょうど『戦車道に入りたい』と言う人がいたよ」

「その方たちはいったい誰でありますか!?」

「えっと、名前は忘れたけど。部活名は覚えているよ」

「部活名ですか?」

「うん、確か……あ、『お祭り発見部』だよ!」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 福音が言ったお祭り発見部を探しに、杏に聞いたところ。会長は「あー日向(ひなた)ちゃんか」と知っているかのように答えた。

 

「日向ちゃんって、まさか会長さん」

「そーだよー。まぁ冬にしかあっていないから久しぶりだなぁ」

 

 それを聞いた伊江は「へぇ、そいつは久しぶりだな」と答える。

 会長は「日向ちゃんたちは確かここにいるよ」と言いながら住所が書かれた紙を渡した。

 

「えっとここは……シェアハウスか」

「ですがこの艦内にあるシェアハウスですね、私が行ってみましょうか」

「いや、西住さんだけじゃ少し不安だ。ここはオレたちも一緒に」

「そうですね、ですが勇樹君。私はちょっと用事が」

「オレもだ、少し調べたいものがあるし」

「僕は大丈夫だよ、小森君は?」

「操縦を覚えるため無理だ」

「そっか、小梅さんは?」

「皆さんに戦車の操縦などを教えることがありますので」

 

 勇樹は百合子、伊江、小森、小梅がいけないことを確認すると「そっか、ごめんな」と答える。

 

「あ、そう言えば。左衛門佐ちゃんと知り合いがいたから彼女も誘ったらどう?」

「左衛門佐さんですか? それはいいですけど」

「なんで彼女なんでしょうか?」

 

 会長の言葉に、2人は疑問を抱くのであった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 次の日、勇樹と幹子はみほと左衛門佐と一緒にお祭り発見部があるシェアハウスへと向かっていく。

 

「えっと確か場所は……あ、あった」

 

 そう言って見つけた場所は、新築の様に見える一軒家で。ネームプレートが5人分もあった。

 

「シェアハウスなのに名前が5人ってすごいね」

「そうだな」

「しかし、3本の矢みたいに1人ではなく5人で支えているように思うでござる」

「そうですね、では」

 

 みほはそう言いながらインターホンを押す、すると「はーい」と4人の声が聞こえると扉が開いた。

 

「お、左衛門佐。久しぶりだな」

祭里(まつり)も久しぶりでござる」

 

 祭里と呼ばれた法被を着た女性は左衛門佐と仲良くしていたのに3人はポケーっと見ていると、祭里は「入ってもいいよ」と言ったためみほたちは「お邪魔します」とシェアハウスの中に入る。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「戦車道に入るのは本当だ、杏会長もやる気だからな」

 

 みほたちはリビングでお茶を飲みながら戦車道に入る理由を聞いてみると、祭里は「会長が本気でやることは何か面白いことがある」と言う事。

 

「はぁ、そうですか」

「しっかしあの会長が何か隠しているってことか。そうは見えないぞ?」

「そうだね」

 

 祭りの言葉に3人はうなずくと、祭里は「まぁそうだな」と言う。

 

「あいつはイタズラ心と真面目心が混ざったやつだからな、まあオレよりも日向の方が結構詳しいが」

 

 彼女はそう言いながら上を向く。どうやら彼女は何か事情があるようだ。

 

「それじゃあ祭里さんたちも戦車道に入るってことでいいですね」

「ああ、詳しい話はオレが話しておく」

 

 祭里はそう言うと、幹子が「わかった」と答えるのであった。

 

 

 

 そして、新たなメンバーであるお祭り発見部が入道するのであった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「ところで、お祭り発見部のエンブレムはどうするんだい?」

 

 帰り道、幹子はふとエンブレムのことを言うと。みほは「そうですね」と考えて数秒後、「これはどうでしょうか」とある動物を言う。

 

 

「金魚さんチームはどうでしょうか、祭と言って連想するのは金魚すくいがありますし」

「おお、さすが西住隊長」

「悪くないな」

「僕もだよ勇樹君」

 

 3人の意見に、みほは「それじゃあ、祭里さんたちは金魚さんチームにしましょう」とお祭り発見部のエンブレムが決まったのであった。

 

 

 ちなみに、戦車はパンターG型に決定した。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「なになに、この情報は……」

 

 次の日、勇樹はしほから送られてきた黒百合学園の資料を見ていた。

 

「どうやら女子が多い学園は分かったが、いったい誰がリーダーでこの装置を作ったのは誰だ?」

 

 勇樹は頭を抱えていると、扉が開いて「勇樹君」と声がしたため振り向くと。百合子がいたため彼は「百合子さん」と答える。

 

「どうですか、例の装置と学園の情報は?」

「まだまだ、非常に難しいから調べるのに時間がかかりそうだ」

 

 勇樹はそう言うと彼女は「そうですか」と苦笑いで答える。

 

「そう言えば、西住さんたちは?」

「はい、アンコウチームの皆さんと小梅さんと生徒会長と一緒に、抽選会に行きましたよ」

「あそうか、抽選会か」

 

 勇樹はそう言いながらカレンダーを見る。

 日付はまだ5、6月ごろ。もう夏に入る手前だ。

 

「もうすぐ戦車道が始まるか」

「そうですね……しかし、その黒百合学園が」

 

 百合子はそう言いながら資料を手にすると勇樹は「そうだな」と心配そうに答える。

 

 

 

 なぜなら、その黒由利学園とは。一体相手はどんな奴かまだ未確定だからだ。



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第7話『偽名と偵察行為』

 

 数日後、勇樹たちは戦車道をしていると。みほが誰かを探しているかのように心配そうな表情をしていた。

 

「ここのところ、西住さんなんだか暗いですね」

「暗いは余計だ、しかしなんだか浮かない表情をしているのは事実だな」

 

 それを見た百合子と小森は言うと、勇樹が「ちょっと聞いてみる」と言い、彼女に駆け寄って聞いてみた。

 

 

 数秒後……。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「秋山さんがいない?」

 

 百合子は驚くかのように言うと、勇樹が「そうなんだ」と答える。

 

「そう言えば、優花里だけでなく。幹子もいないな」

「そうだな」

 

 伊江の言葉に、アンコウチームの冷泉麻子は適度に答えると。小森が「一体何をしてんだか」と言いながら空を見上げる。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「えっと確か……あ、あった」

 

 放課後、勇樹たちは会長に秋山優花里の実家の住所を聞き、みほたちと一緒に歩いていると。『秋山理髪店』を見つけた。

 

「あれ、秋山さん家床屋さんだったんだ」

「いや、床屋というより理髪店じゃねえか?」

 

 沙織の言葉に伊江が言うと冷泉は「気にするところはそこか?」と突っ込む。

 そう言いながらも、みんなは理髪店へと入る。

 

「ん?」

「あ、いらっしゃいませ」

 

 ここの店の方だろうか、男性と女性がいた。

 

「あ、すみません優花里さんはいますか?」

「突然入ってすみません」

 

 みほと小梅が言うと、男性は「あんたたちは?」と質問してきた。すると沙織が「友達です」と答える。

 

 

「友達……とと、友達!?

 

 

 「友達」という言葉に男性は驚くと、小森は「ん、どうしたんだ」とジト目で見る。

 

「お父さん落ち着いて」

「だ、だって。優花里の友達だぞ!?」

 

 それを見た勇樹は「あ、なるほど」と何かに気づいたのか、頭のアホ毛がまっすぐに伸びた。

 

「いつも優花里がお世話になっております」

「お、お世話になっています!」

 

 突然の行動にみほは「あ、あの」と戸惑っている。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「へぇ、ここが優花里の部屋かぁ」

 

 伊江は感心するかのように優花里の部屋を見渡している。

 よっぽど戦車が好きだろうか。プラモデルに砲弾のレプリカ、サイン色紙にラジオなどが置かれていた。

 みほたちもそれを見ていると、扉がカチャッと開き。優花里の母、秋山好子が人数分の菓子を持ってきた。

 

「どうぞ、食べて頂戴」

 

 彼女の言葉に小森は「んじゃ、遠慮なく」と手を伸ばすと百合子が「少し落ち着いてください」とジト目で小森を見る。

 すると優花里の父、秋山淳五郎が「あのー、よかったら待っている間に散髪しましょうか」と言ってきた。

 それを聞いた伊江は「そう言えば」と自分の髪をいじる。ここのところツインテールにしているが、夏が近づいてきたのか最近暑くなってきたのか、頭が少し蒸し暑くなったような気がしている。

 

「それだったら、オレ―」

 

 散髪しようというが、好子が「お父さんはいいから」と言われると、淳五郎はしょんぼりと退室する。伊江は「あう、せっかくの散髪が」とうなだれるのであった。

 

「すみません、優花里のお友達がうちに来たのが初めてなもんで」

 

 それを聞いたみほたちは「ああ、なるほど」と納得する。

 

「何しろ、ずっと戦車戦車で。気の合うお友達がなかなかできなかった見たいで。戦車道のお友達が出来て、ずいぶん喜んでいたんですよ」

 

 みほは安心したかのように微笑むと、勇樹は「へぇ、なるほど」と納得する。

 

「じゃあ、ごゆっくり」

 

 好子はそう言いなgら部屋から出ると、みんなは頭を下げて「ありがとうございます」とあらわすかのように動く。

 

「いいご両親ですね」

「そうだな、俺はお袋しかいないからわからねえなぁ」

 

 華と伊江がそう言うと、麻子は棚に置かれている優花里のご両親と本人が写真立てを見つける。

 わずかだが、彼女は少し悲しい表情をした。

 

 

 

 すると。

 

 

 

 

 

 ドシッ!!

 

 

 

 

「「「ん?」」」

 

 突然、扉の前に現れた鳥居の姿をしたドア型の道具『鳥居ドア』が出てきた。

 それに気づいたみんなは、鳥居ドアを見て「なんだろう?」と頭を傾げていると、扉が開いてある人物が現れた。それは。

 

 

「「よっと」」

 

 その人物は、コンビニの制服を着た秋山優花里と美樹幹子であった。

 その姿を見た沙織は「ゆかりん!?」と驚き、勇樹も「美樹姉っ!?」と驚く。

 

「あれ、あれ、みなさんどうしたんですか?」

「小梅君に勇樹君たちまで、どうしてここに?」

 

 優花里と幹子はそう言っていると、勇樹が「ドア、しまったらどう?」と言うと、幹子は「おっと、失礼」と吸い込み口が付いた銃でドアに向けて引き金を引くと。ドアは銃に吸い込まれる。

 

「それでですが。秋山さんと美樹さん、連絡がないので心配して」

 

 華がそう言うと優花里が「すみません」と謝る。

 

「電源を切ってました」

 

 それを聞いた伊江は「どういう意味?」と傾げると。沙織が「つか、なんで玄関から入ってこないのよ」と言うと優花里が再び説明し始める。

 

「こんな格好だと父が心配すると思って」

「ちょっと遠い所からこのドアで移動したってわけ」

 

 それを聞いた勇樹は「それはいいけど、なんで道具を?」と言うと優花里が「でも、ちょうどよかったです」とある物を西住に渡した。

 

「ぜひ、見ていただきたいものがあるんです!」

 

 それは黒色のUSB、どうやらこのUSBには何か隠しているようだ。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

『実録! 突撃!!サンダース大付属高校』

 

 渡されたUSBをテレビにつなげてみると、そこにはノンフィクションドラマのように堂々と文字が書かれていた。

 

「こんな映像があるんですね」

「どこで手に入れたの?」

「気になる」

 

 華、沙織、小森はそう言うと。優花里は「ふふん」と自信気に反応する。それを見た小梅は「もしかして」とある手段を思い浮かべる。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 映像に映っていたのは、サンダース大付属高校の学園艦なのか。非常に長い艦隊が映し出されている。

 かと思えば、今度は校門。サンダース大のエンブレムも写っていた。

 

『わたくしは今、サンダース大学付属高校へ来ています』

 

 優花里の声がすると同時になぜか画面が上下に揺れながら前に動いている。これはどうやらカメラで撮っているようだ。

 そして視点が上に向くと、幹子と優花里の姿が。

 

『では、潜入します。美樹殿』

『OK、優花里君!』

 

 それを見たみほは、「これ、どうしたの?」と優花里に質問する。彼女は「帰る途中、自分で軽く編集してきました」と照れながら答える。

 

「テロップもまだ仮なんですけど」

「急いでいたからね」

 

 幹子はそう言うと沙織が「いや、そうじゃなくて」と軽く突っ込む。

 

 そして次に映し出されたのは厠(今でいうとお手洗い)の個室で、そこには2人がやっと入るのが限度なのか、優花里と美樹が写っている。

 

『では、無事潜入できましたので。サンダースの制服に着替えたいと思いま……あっ』

 

 すると、秋山はカメラがあることに気づき。急いでカメラの電源を一時落とした。その時美樹は上半身を脱いでいる途中だが。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

『これで、どこから見てもサンダース校の生徒です』

『そうだね、しかしスカートはちょっと』

 

 美樹はそう言いながらスカートを抑えている、よく見ると顔が少し赤い。スカートは吐きなれていないのか?

 

『ハーイッ』

 

 優花里がサンダースの生徒にあいさつすると、彼女たちは『ハーイ』と答えるのであった。

 

『みんなフレンドリーです』

『心が広いんだね、それにばれていないね』

 

 それを見た沙織は「つか、最初にコンビニの制服を着ていたのはなんで?」と質問すると、優花里は「それはですね」と解説する。

 

「コンビニの定期便に乗り込んで学園艦にもぐりこんだんです」

「そっちのほうが、スパイだとしてもばれないからね」

 

 それを聞いた沙織は「なるほど」と納得する。

 

『すごいです、シャーマンフライがずらり。あれはM4A1型…あっちはM4V印、ああっ! わずか75両しか作らなかったA6があります!!』

『す、すごいね』

 

 優花里の興奮に、幹子は若干引いているのがよくわかる。

 すると、サンダースの生徒は2人がいることに気づいたのか、声がしたほうに向いた。

 

『ああっ、一回戦がんばって下さーい!!』

『まったく、まぁ、がんばるんだよ!』

 

 優花里と美樹の応援に、彼女たちはグッジョブするのであった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 次に映し出されたのは、多目的ホールなのか。非常に広い所に多くの生徒がいた。

 その中に優花里と美樹は、そこ隠れるかのように座っている。

 

『全体ブリーフィングが始まるようです』

 

 するとサンダースの生徒であろうか、茶髪のツインテールと金色のロングヘアーに灰色に近いショートヘアーをした少女が映っている。

 

『では一回戦出場車両を発表する』

 

 ツインテールの少女はそう言うと同時に、後ろの画面に戦車が映し出される。

 

『ファイアフライ1両、シャーマンA1・76m搭載1両、75m搭載8両』

 

 それを見た優花里は『容赦ないようです』と小さく答える。

 

『じゃあ次はフラッグ者を決めるよ!」

 

 リーダであろうか、金色のロングヘアーの少女はそう言うと、『オーケイ?』と言うと生徒らは『イエ―!』と元気よく答える。

 

『づいぶんとノリが良いですね、こんなところまでアメリカ式です』

 

 優花里はそう言うと『オオー!』と声がした。

 

『どうやら、フラッグ車が決まったようだ』

 

 美樹はそう言うと、『何か質問は?』と言ったため優花里が『はい』と質問をする。

 

『正体編成はどうしますか?』

 

 すると彼女は『オゥ―、いい質問ね』とすぐに答える。

 

『今回は完全な2個小隊は組めないから、3両で1小隊、1個中隊にするわ』

『フラッグ車のディフェンスは?』

 

 美樹はそう言うと彼女は『ナッシング』と答える。

 

『敵には3突がいると思うんですけど』

 

 優花里の質問に彼女は『大丈夫、1両でも全滅させるわ』と自信満々に答える。

 これはいい情報だと2人は思っていた……だが。

 

『見慣れない顔ね』

 

 突然灰色に近いショートヘアーの少女に2人は『ふぇっ!?』と目を丸くするかのように驚く。

 そしてサンダースの生徒も、2人を凝視するかのように見つめる。

 

『所属と階級は?』

 

 ツインテールの少女の質問に、2人は戸惑っている。だが。

 

『第6機甲師団のオッドボール3等軍曹であります!!』

『同じく、モリリアーティ1等兵です!!』

 

 優花里と美樹の意外な名前に会場は数秒止まるが、ロングヘアーの少女はどこかにツボったのか失笑している。

 代わりにショートヘアーの少女は『偽物だ!!』というと2人は『うわわっ!』と逃げる。

 

『美樹殿、何かありますか!?』

『ま、任せて!! こんな時にあろうかと……あった!』

 

 美樹は銃を前に向けて放つと、黄色の輪っかに緑と赤色のスイッチが付いた道具が出てきた。

 

『早くこっちに!!』

 

 美樹はそれを壁につけて緑のスイッチを押すと、壁に黒色の空間が出来て2人はその中に入る。

 

『有力な情報を手に入れました! これでレポートを終わります!』

 

 そう言うと同時に、画面は真っ黒になるとスタッフロールが写るのであった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「なんという無茶を」

「無理やりだな」

 

 麻子と小森はそう言うと優花里は「頑張りました」と答える。

 すると百合子は「でもいいのかな、こんなことをして?」と心配そうに言う。

 

「試合前の偵察行為は承認されています」

「今でいうとホワイトゾーンだよ」

 

 優花里と美樹の言葉に納得すると、優花里は「西住殿」とUSBを渡した。

 

「オフラインレベルの仮編集ですが、参考になさってください」

 

 するとみほは「ありがとう」とほめる。

 

「秋山さんのおかげでフラッグ車もわかったし、がんばって戦術立ててみる」

「無事でよかったよゆかりん」

「今はケガがない事だけ、安心しました」

「そうだな」

「ドキドキしました」

 

 みほ、沙織、小梅、麻子、華はそう言うと優花里は「心配していただいて恐縮です」と照れる。

 

「わざわざ家まで来てもらって」

「そうだね」

 

 優花里と美樹はそう言うと、華は「いいえ」と顔を左右に揺らす。

 

「おかげで秋山さんの部屋も見れましたし」

「そう言えばそうだね」

 

 華と百合子は言うと、優花里は意外なカミングアウトをする。

 

「あの、部屋に来てくれたのは皆さんが初めてです。私、ずっと戦車が友達だったので」

「ほんとだ、アルバムの中ほとんど戦車ばっかし」

「あ、本当ですね」

 

 優花里のアルバムであろう本を沙織は開くと、そこには戦車に乗ったボーイッシュの子供が写っていた。

 

「なんでパンチパーマ?」

 

 沙織の質問に優花里は「くせ毛が嫌だったし、父がしているのを見て格好いいと思って」と答える。

 

「中学からはパーマ禁止だったんで元に戻したんですけど」

「いや、友達出来なかったの、戦車じゃなくて。この髪型のせいじゃ?」

 

 沙織の言葉に、優花里は「え?」と反応すると。百合子は「鈍感ですね」とほほ笑む。

 

「どうにせよ、1回戦を突破せねば」

「それ、ボクもさんせーい」

「頑張りましょう」

「賛成だ、五十鈴!」

 

 麻子、小森、華、伊江がそう言うと沙織が「1番頑張んなきゃいけないのは麻子でしょ」と突っ込む。

 麻子は「なんで?」と言うと沙織が「明日から、朝練始まるよ」と答えて数秒後、彼女は「え?」と反応するのであった。

 それを見た小森は「忘れてたな」と小さくつぶやくのであった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 そして、戦車道当日。太田たちは観客として専用の席にいる。

 

「いよいよ勇樹君と伊江たちが出るんだね!!」

「これは早速の大チャンスッス!!」

「大洗の歴史に僕たちの隊長が写るんですね」

「これはいいものじゃん」

 

 太田たちは張り切っているのか、真剣な目つきで専用の大型画面をじっと見つめる。

 

「それにしても、先輩が調べたあの資料で。何かわかったことあるっすか?」

 

 霊華は、勇樹が調べていた例の資料の話を言うと、太田は「そうだね」と言える範囲で答えた。

 

 

「黒百合学園は、どうやら北海道にある学園は分かったが。そのどこの場所にあるかは詳細不明なんだ」

「そうっすか」

 

 それを聞いた霊華は少し落ち込むかのように言うと、連華が「だが、わかったのはこれだけじゃない」とお茶を飲む。

 

「何すか連華!? そのわかったのはこれじゃないっというのは!?」

「……ふむ、それは。相手が私たちと同じ未来から来たものではないかということだ」

 

 そう言った瞬間、霊華は「ええっ!!」と驚く。だが。

 

 

「それって、どういう意味すか?」

 

 

 あまりのバカさに、みんなはずっこけるのであった。



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第8話『サンダース隊長と危機一髪』☆

 

『第74回 戦車道全国高校生大会 『第1回戦』』

 

 当日、大洗の生徒らは戦車に異常がないか点検をしている。だが。

 

「圧倒的な差だな」

 

 勇樹がそう言うのも当たり前、サンダース付属校の観客席はチアリーダを含む多くの生徒らがいるが。大洗の観客席を見てみると秋山夫妻とアブ引き部のメンバーを含む生徒らが少ししかいなかった。

 正直、彼は勝てるか心配だ。

 

「整備終わったか―?」

 

 河島が突然みんなに向けて言ったため、みんなは「はーい」「準備完了だ」「私たちもです」と答える。

 

「さて、時間は……まだあるな」

「じゃあ、試合開始まで待機」

 

 河島がそう言った瞬間、優季が「あ」と何か思い出した。

 

「砲弾忘れてた」

 

 彼女の言葉にあやは「それ一番大切じゃん」と突っ込む。

 

「ごめーん」

「はははっ」

 

 梓たち基、ウサギさんチームがそうしていると、「のんきな者ね」と声がしたため彼女たちは声がしたほうに向く。

 すると、そこにいたのは。

 

「あ、この真の情報に乗っていた人たちだ」

 

 百合子の言う通り、ツインテールとショートヘアーの少女がやってきていた。

 

「それでよくのこのこと全国大会に出てこれたわね」

 

 すると秋山は「ハッ!」とばれるのではないかと思い、麻子の後ろに隠れる。美樹もばれるのではと思い、急いで木の上に隠れる。

 それを見た勇樹は「サルか」とツッコミのであった。

 

「貴様ら、何しに来た!」

 

 桃は2人に向けてにらみつけると、ショートヘアーの少女が「試合前の交流を兼ねて、食事でもどうかと思いまして」と答える。

 百合子は「これも、サンダースの特徴ですか?」と伊江に向けて言うと、彼女は「たぶん、そうだな」と答える。

 

「おお、いいねぇ」

 

 角谷会長は何かあるのかとにやけながら答えるのであった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「わぁっ! すごい量!」

「キッチンカーだらけだな」

「キッチンカーだけでじゃないな」

「救護車にシャワー車、ヘアサロン者まで」

 

 優花里の言葉にみんなは茫然としていると、百合子が「勇樹君の方がすごそうな気が」と言うと勇樹は「もちろんだ!」とショルダーバックから何か出そうとするが、伊江が「今からやめい」と頭をたたくのであった。

 

「ヘイ、アンジー」

 

 すると、金髪の女性が杏に向けて言ってきた。

 それを聞いた柚子は「角谷杏だからアンジー?」と推測するが、桃は「馴れ馴れしい」とジト目で彼女を見る。

 

「やぁやぁケイ、お招きどうも」

 

 杏はケイと言うサンダースの隊長に言うと、彼女は「何でも好きなモノ食べてって、OK?」と言ってくる。

 

「OKOK、オーケイだけに」

「あっはっはっ!! ナイスジョーク!!」

 

 杏のどこが面白いのか、みんなは分からないが。百合子は「わかるような気がする」とつぶやくのであった。

 するとケイは、ある人物を見つけたのか「ヘーイ」と駆け寄っていく。その人物とは。

 

「オッドボール3等軍曹、モリアーティ一等兵!」

 

 どこか聞いたことがあるかのように、2人は何かとあたりを見渡すと。ケイがいたため2人は「ゲッ」と反応する。

 

「しまった、見つかっちゃった!」

「これはやばいね」

 

 それを見ていたアンコウチームとカンガルーチーム(基スターチーム)は冷や汗をかきながらも心配そうに見ている。

 

「この間、大丈夫だった?」

「え、はい」

「僕もですけど……?」

「またいつでも遊びに来てね、うちはいつだってオープンだからね。じゃっ!」

 

 それを見た華は「よかった」と安心する。

 

「隊長はどうやらいい人だな沙織」

「え、うん。そうだね伊江さん」

「フレンドリーだな」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 そして、戦車道開始時刻。

 勇樹たちは戦車に乗って操縦&いつでも攻撃できるように体制にしている。

 

「さて、相手はアメリカの戦車が多くあるから、気を付けるか」

「はい」

 

 勇樹の言葉に百合子は答えると、通信機から声する。

 

「隊長車は生徒会と小梅を含むカメさんチーム、彼女たちを守るように移動しながら相手チームに攻撃しよう」

『はい、説明した通り。相手のフラッグ車を先頭にしたほうが勝ちです』

「サンダースはオレたちよりも結構すごい数だが、そこを突けば勝てるんだな」

『はい、落ち着いて戦いましょう』

「相手を分散させながらも、敵を少しづつ戦うか」

 

 伊江がそう言うとみほが「はい、そうです」と答える、その瞬間。

 上空からポンッと空砲がしたのを聞いたみんな。

 

「パンツァーフォー!」

 

 みほの言葉にみんなは戦車を前進させる。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「さて、今回の道具……『イネムリン』を使ってみるか」

 

 勇樹はそう言いながら出したのは、紫の錠剤が入った瓶で。それを伊江は「そんじゃあ」と1錠出して飲み込む。

 

「この道具は数分後の先しか見えないが、一種の未来予知で。それに近い何かのより近い夢を見るようになっているんだ」

「ご解説ありがと」

 

 伊江はそう言った瞬間、ぐっすりと寝始めた。

 

「相変わらず早いな」

「ですがこれが伊江ちゃんの特技かもしれませんね」

 

 小森はあきれて言うが、百合子は意外な一面を見てほめるのであった。

 

 

 数分後、伊江は「うおっ!」と突然起き上がったのに、美樹は「うわっ!」と驚く。聞こえにくいが耳を傾けると、伊江は「いや、それはないだろ」と言っている。

 

「伊江、どんな夢を見たんだ?」

「夢、そうだな」

 

 勇樹の質問に伊江は悩むかの様に考え込むと、彼女は「確か」と言い始める。

 

 

「空中のクジラがオレらを見張っていたんだ」

 

 

 それを聞いた勇樹は「どういう意味だ?」と言った瞬間、百合子が「勇樹君、ウサギさんチームから連絡が」と言ったため、勇樹は「ほいほい」と通信する。

 

「こちらカンガルーチーム、ウサギさんチームどうぞ」

『はいこちらウサギさんチーム、西住隊長の指示でサンダースが来ると思われる場所へ来ましたですが…」

「ですが?」

 

 ぎこちない言葉に勇樹は「どうしたんだ?」と言うと、澤は『実は』と言い始める。

 

『おかしなことに、私たちの行動を読んでいるのか分かりませんが。戦車があまり来ないのです』

「どういうことだ?」

 

 それを聞いた勇樹はどういう意味か分からず、考え始めた。

 

「どういう意味だ勇樹」

「読んでいるってことはまさか……」

「百合子さん、試しにですが金魚さんチームに」

 

 勇樹はそう言うと百合子は「わかりました」と通信機を起動する。

 

「こちらカンガルーチームの百合子、金魚さんチーム。大丈夫ですか?」

『っと、ごめんごめん。こちら金魚チームの丸井夜空。今カバさんチームと一緒に移動しているが。今のところ変化ないよ』

 

 それを聞いた百合子は「よかった」と安心する。すると。

 

 

 

『ドガアッ!!』

 

 

 

「「「「「っ!!」」」」」

 

 突然、何かが爆発する音がしたため。みんなは何とあたりを見渡していると、森の奥から『全然当たらないよー!』と声がした。この声は。

 

「ケイだ!」

「もしかして、これもケイさんの?」

「いや、いくら隊長とはいえそこまでは計算できないな」

 

 伊江、百合子、小森はそう言っていると。勇樹は「とにかく今は西住さんたちの所に行こう。小森!!」と小森に向けて言うと彼女は「了解」とレバーを動かしてみほたちの処へと進んでいく。

 

「(待てよ、そう言えば小森が言っていた空中のクジラ、もしかしてこの戦車道大会に何か関係しているんじゃ?)」

 

 勇樹はそう思って移動していると、アンコウチームとアヒルさんチームと合流する。

 

「みほ!! 今はウサギさんチームを!!」

「分かりました!」

「伊江、砲弾を用意しろ。美樹はいつでも放つんだ」

 

 勇樹の指示に、2人は「了解!」と伊江が砲弾をセットすると、美樹がサンダースに戦車に向けて放つ。

 だが、サンダースはそれをよけると同時に再び砲弾を放つ。

 

「だめだ! 相手がプロ並み!!」

「ったく、これは難しそうだ!」

「勇樹君、道具を!!」

 

 百合子の言葉に勇樹は「何かないか何かないか」と急いで道具を探していると、彼は「あった!!」と白色のボールを出した。

 

「みほ! あんこう、ウサギ、アヒルを集めたら急いでこっちに来てくれ!!」

「わかりました! アヒルさんチーム、ウサギさんチーム。お願いします!」

 

 みほはそう言うと戦車に入ってハッチを閉める。

 

「伊江、砲弾を装填すると同時にこれを」

「おっし、わかった!」

 

 勇樹はボールを彼女に渡すと、勇樹は「今度はこれだ!」と看板を出した。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 ハッチを開けて外に出ると、その看板を「そらっ!!」と後ろに投げる。すると看板はバラバラに投げたのにすべて同じ向きに直すと同時に地面に着陸すると突然大きく伸びていく。

 

「さて、あの『身代わり看板・森林タイプ』。役立ってくれるかな?」

 

 勇樹はそう言いながら入ると、百合子が「勇樹君!」と声を出したため彼は「な、なんですか?!」と言うと彼女は「大変です!」と言い始める。

 

「サンダースの皆さん、こっちに向かってきてますよ!!」

 

 それを聞いた勇樹は「なんだって!?」と驚く。

 

「どうしますか!?」

 

 百合子はそう言うと、勇樹は「そうだ、小森」と言い始めた。

 

「もう少し言ったらみほさんたちと合流する。そしたらいったん別の林に」

「了解!」

 

 小森は勇樹が言おうとした言葉がわかったのか、レバーを動かすと。T-34/85はアンコウチームと合流し急いで通信機で話して別の林へと避難する。だが。

 

「っ!! 勇樹、前を!!」

「え、前?」

 

 伊江の言葉に勇樹は何かと思い見てみると、林の出口にシャーマンフライが2両先回りしていた!!

 

「伊江、後ろにあの球を!!」

「おっし、装填開始だ!」

 

 伊江はそう言いながら装填すると同時に球を後ろに投げた、すると球から白い煙が出てくると、あたり一面を霧に変化した。

 

「おっし、このまま全力で行くか」

「大胆だな小森…まあ、今はそれが安全だな!」

 

 勇樹はそう言った瞬間、T-34/85は急加速で発進すると。勇樹は「再びだ」とカバンから例の球を出すと、それを伊江に渡す。

 そしてシャーマンフライとT-34/85にM3リー、八九式にⅣ号型戦車はそれらの間を縫うかのようによけていく。そして伊江が再び球を投げると霧が発生する。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「ふぅ、にげききれたぁ」

 

 逃げ切れたことに安心したのか、みんなは安心する。

 

「しかし、なんでサンダースがここまで知っているんだ?」

「そう言えばそうですね」

 

 伊江と百合子の言葉にみんなは考えていると、勇樹が「もしかして」とハッチを開いて上を向いた。

 すると、そこにはある物が浮かんでいた。それは……。




道具解説↓
イネムリン
 一種の未来予知型の道具で、飲んでから眠ると夢で見たものが現実になる。
 ただし、数分後の先しか見ることしかできないと同時に、それに近い何かのより近い夢を見る。

身代わり看板看板・森林タイプ
 身代わりになれる看板型で、それを見た人は本物と勘違いする。これは森林タイプなので動かない。


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第9話『攻略方法と反撃』

「なるほど、伊江が言っていた空飛ぶクジラはあれか」

 

 勇樹はそう言いながら見上げながらそう言う、理由は簡単。

 上空には通信傍受機という、無線を傍受する装置があるからだ。

 

「あ、勇樹さん」

「お、みほさん」

 

 移動している途中、あんこうチームであるみほたちに出会った彼ら。どうやら例の装置のことはみほも気づいたようだ。

 

「なるほど、あれを使用するのはグレーゾーンか」

「ですけど、これじゃあこっちの話していることは」

「筒抜けだな」

 

 伊江、百合子、麻子はそう言っていると。みほと勇樹は「あ」と何か思いついた。

 

「みほさん、いい方法がありましたか?」

「はい、あれを使用しましょう」

 

 勇樹とみほはそう言っていると、彼は「確かどこかに」とある物を出した。それは……。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

『全車、098の道路を南進。ジャンクションまで移動して。敵はジャンクションを北上してくるはずなので、通り過ぎたところを左右から狙って!』

 

 通信授記からみほの声が聞こえると『了解です』『こっちも了解!』と味方が反応する。

 アリサはそれを聞くと「バカめ」とほほ笑む。

 

「目標はジャンクション、左右に伏せてるわ。おとりを北上させて、本体はその左右から包囲!」

 

 アリサは通信機でケイに伝えると、彼女は『オーケオーケ』と答える。だが『でも、なんでそんなことまでわかっちゃうわけ?』とアリサに質問する。

 さすがのケイも、アリサの通信に違和感を持ったのか、彼女に質問する。すると彼女は冷静にこう答える。

 

「女の感です」

 

 それを聞いたケイは『アハハハハッ! そりゃ頼もしい!』と笑いながら答える。

 

 だが、この時アリサは罠にはまっていることを知らずに相手に指示を伝えていた。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 一方みほと勇樹は、途中で合流したウサギさんチームと金魚チームと出会い、一面がよく見える場所へと移動していた。

 キューポラからみほは出て双眼鏡で確認すると、「よし」と彼女は通信機で話し始めた。

 

「囲まれた! 戦車後退!」

 

 それを聞いたアヒルさんチームは、すべての戦車……ではなく、勇樹から借りた『ねん土化道具セット』の斧とのこぎりを使って倒木を切り、それを『頑丈ロープ』で縛り上げて。89式中戦車に付けて、そのまま発進する。

 すると、戦車によって引きずられた丸太は煙を上げながら移動していっている。

 

 

 まるで、そこに私たちはいますよとあらわすかのように。

 

 

 シャーマンA175mはそれを見かけると、その煙が発生しているところへと移動している。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

『見つかった、みんなバラバラになって退避。38(t)は、C0124R地点に隠れてください』

 

 それを聞いた彼女は、38(t)がフラッグ車と気付くと「38t、敵のフラッグ車ね。もらった」と再度にやける。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「お、来た来た」

 

 何かを確認した伊江は、急いで草むらから出てT-34/85に乗り込むと、百合子に「カバ・アンコウ・ウサギに連絡だ」と言うと、彼女は「了解」とあるものを出して通信していく。

 

「美樹、準備はいいか?」

「もちろんだ、久々にかましてやるぞー!」

 

 美樹はそう言うと、伊江は「そんじゃあ」と砲弾を装填する。そしてシャーマンA175m2両はそこに隠れていると思いやってきた。

 

 だが、どこにいるか分からずあたりを回して数秒後。百合子が「今です!!」と掛け声をする。そして。

 

 

「くらええっ!!!」

 

 

 カチッ

 

 

 

 ドガアアアッ!!

 

 

 

 美樹が引き金を引いた瞬間。砲台から勢いよく砲弾が放たれて、2両のうち1両がキャタピラにエンジン部分などに当たるとそのまま爆発し、白旗が出現した。

 それを見たもう1両は、急いで逃げていく。だがウサギさんチームはそれを逃さないかのように放つが、初心者なのでそう簡単には当たらなかった。

 

「しゃああっ!!」

「当たったー!!」

「さすが美樹姉だ」

「そうですね、美樹さんはすごいです」

 

 勇樹と伊江、子守と百合子はそう言うと。美樹は「そうでもないよ」と照れる。

 

「でも、一番は勇樹君です。こんな時に作っておいた『伝書バト・テレビ』が大活躍です」

 

 百合子はそう言いながら通信機を見る、そこには鳩の形をしたテレビで、胴体がテレビ画面になっている。

 その画面には『河島桃』『宇津木優季』『おりょうさん』『近藤妙子』などと言った大洗の生徒が乗っている。

 

「安全な人物であれば、このテレビは一種の通信電波を放つことが出来る。しかも電波は普通の電波ではなく2進数型だから解読するのは難しいです」

 

 百合子はそう言うと、勇樹は「それじゃあ行こうか!」と答えると、みんなは「おおー!!」と答える。

 

 この時、史上最高であり秘策である戦車道が始まったのであった。




道具解説↓
『ねん土道具セット』
 斧・のこぎり・スコップ・つるはしなどが揃っていて、これを使うと年度のように柔らかく掘ったり切ったり削ることが出来る。

『頑丈ロープ』
 一見麻ひも風に見えるが、一本一本、非常に頑丈なワイヤーをしているためハサミを使っても簡単には切れない。

『伝書バト・テレビ』
 鳩型をしたテレビ型の道具で。安全な人物であれば、このテレビは一種の通信電波を放つことが出来る。しかも電波は普通の電波ではなく2進数型だから解読するのは困難。


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第10話『さらなる逆転と緊急事態』

「しかし、ここで問題があるな」

「ああ、そうだな」

 

 みほたちと移動している最中、伊江と小森がつぶやいたことに勇樹は「何がだ?」と言うと、伊江は答える。

 

「相手はあのサンダースだ、どこから見ているかオレにも分からない」

「振動で相手がいる場所は分かるが、さすがにみんながいると難しい」

 

 伊江と小森の言葉に勇樹は「なるほど」と納得する。

 

「ま、今は別の相手。つまり子分をやせるとしよう」

 

 勇樹はそう言うと百合子は「了解」と答え、『伝書バト・テレビ』で沙織たちに通信する。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 一方、無線傍受機を使用しているアリサはというと…。

 

「いい気になるなよ」

 

 彼女はそう言いながらダイヤルを動かして、相手の話を傍受しようとしている。すると。

 

『全車、128高地に集合してください。ファイアフライがいる限り、こちらに勝ち目はありません。危険ではありますが、128高地に陣となって上からファイアフライを一気に叩きます』

 

 それを聞いたアリサは「ふふふふ……アーッハハハハハ八!!」と高笑いした。突然の事態に、砲手と装填手は驚いてアリサに見る。

 

「捨て身の作戦に出たわね! でも丘に上がったらいい標的になるだけよ」

 

 その情報を聞いたアリサはにやけながら、通信機でチームの隊長であるケイに知らせる。

 

 

 

 

 それが、2度目の罠だと知らずに。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

『128高地に向かってください』

「どういうこと?」

 

 アリサの知らせを聞いたケイは、どうなっているのか質問すると。

 

『敵の全車両が集まる模様です』

「アリサ、それ本当? どうしてわかっちゃうわけ?」

 

 ケイはアリサの答えに半分不信、半分面白みで質問してみる、すると。

 

『私の情報は確実です』

 

 それを聞いた彼女は「オッケーイ、」と通信を切ると、すべての戦車に向けてこう言った。

 

 

「全車、ゴーアヘッド!!」

 

 

 その言葉に、戦車は速度を上げて進んでいく。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 草木が生えている野原に、八九式とM3リーに38(t)、Ⅲ突とⅣ号とT-34/85とパンターG型が団体で移動している。

 

「おそらくフラッグ車は、ここかここ。それか、このあたりのはず」

 

 みほはそう言いながら、勇樹から渡された『チーズパッド』で山脈に向けて話している。優花里は現在、双眼鏡であたりを見渡して確認すると中に入り込む。

 

「まだ目視できません」

「…あと一両あれば、おとりに出せるんだけど」

 

 みほはそう言いながらキューポラの隙間から外を見る。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 一方のケイは、アリサからの情報をもとに128高地に移動し、双眼鏡であたりを見渡しているが……。

 

 

「……………」

 

 

 自分たちの戦車以外何も来ていなかった。そして。

 

 

 

「なにもないよー!!!」

 

 

 そう叫ぶのであった。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 その情報を聞いたアリサは「そんなはずありません!」と慌てて通信していた。

 

「っ……まさかはめられた? じゃあ大洗の車両はどこに?」

 

 アリサはそう言いながらあたりを見渡して戦車はどこにいるか探している。すると。

 

 

 ゴォオオオオオッ

 

 

 どこからか機械音が響いたため、何かと感じた。その時。

 

 

 

 ガギガッ!! シューッ……

 

 

 

 ベニヤ板で作った偽物の竹藪を突き破ってきた89式とパンターG型、キューポラから典子と祭里が出てアリサと目が合った。

 

「「「あ……」」」

 

 3人は息が合うとそのまま立ち尽くしている、まるで。自分たちが木になったかのように。

 そして数秒後……。

 

 

 トントン

 

 

 先に動いたのは典子で、中にいる人に知らせるように叩いたその時。

 

 

「右に転換、急げ―!!!」

 

 それと同時に、戦車は右に転換すると、加速を挙げて逃げ始めた。

 祭里もそれに気づいたのか、ハッと我に帰ると「ッ!! おい、こっちも右に方向を変えて逃げろ!!」と急いで知らせると、戦車は移動しながら逃げていく。

 

「重輪してやりなさい!!」

 

 アリサは急いで言うが、相手の方が速かったのか。そのまま去っていく。

 

『連絡しますか?』

「するまでもないわ、撃てッ。撃てぇええええっ!!!」

 

 アリサはそう言うと、シャーマンの砲台から砲弾が放たれる。

 だが見事に外されて、そのまま逃走していく。

 

「っ!! 敵フラッグ車。0765地点にて発見しました!! でも、こちらも見つかりました」

「同じくこちらだ! 非常に大変な事態になってきた!!」

 

 典子と祭里は自分たちの仲間に連絡をする。それを聞いたみほは驚きの反応をする。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 2人の連絡を聞いたみほは、『チーズパッド』を使って2人に指示をしていく。

 

「0765地点ですね。逃げ回って敵を引き付けてください、0615地点へ全車両前進!!」

 

 それを言うと、みほは「武部さん、メールをお願いします!」と指示し、沙織は「わかった」とメールで大洗の戦車全車両に連絡する。

 常にメールを使用しているのか、高速で牡丹を打っている。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「勇樹君、連絡です!!」

 

 百合子からの言葉に勇樹は「わかった! 言ってください!!」と言うと、彼女はメールを読み始めた。

 

 

「0615地点へ全車両前進!!」

 

 

 それを聞いた勇樹は「小森!!」と言うと彼女は「りょーかい」と速度を上げて0615へと前進していく。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 一方、八九式とパンターG型はというと。蛇行をしながらもシャーマンから攻撃を逃しながら逃げている。

 

「っと」

 

 典子は、発煙筒を出すと。キューポラからから身を乗り出してバレーのアタックを利用して相手に向けて投げる。

 すると、その衝撃で発煙筒が起動して、煙が吐き出した。

 

 その影響でなのか、相手の場所と自分たちの位置が見えなくなり、砲弾を放っても見えるのは一瞬だけ相手の戦車の姿が見えるだけ。

 

「何をやっている、相手は八九式だぞ!!」

「ですが、視界が!」

 

 砲手はそう言うのも当たり前、先ほど典子が投げた発煙筒の中身が出て、その欠片がシャーマンフライの視界を遮るかのように散らばっているからだ。

 だが、アリサは「いいから撃て!!」とイラついている。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 ドガアアアッ!!

 

 

 

 シャーマンフライは再び砲弾を放つが、八九式とパンターG型から外れているため被害はない。

 

「キャプテン、激しいスパイクの連続です!」

 

 あけびはそう言いながら発煙筒を典子に渡す、すると彼女は。

 

 

「相手のスパイクを絶対受けないで、逆リベロよ!!」

 

 

 それを聞いた彼女は「はぁ、意味わかりません」と真面目に答える。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「…早くしなさい」

 

 一方、アリサは。砲弾の争点に時間がかかっているのか、足をトントンとイライラしている。

 装填をしている子に向けて言うと、彼女は言い訳をし始める。

 

「すみません、砲弾が遠くて」

 

 それを聞いたアリサは「機銃で打ちなさい」というと、砲手が「機銃で打つなんてかっこ悪いじゃないですか!」と突っ込む。だがアリサは。

 

「戦いかっこ良い・悪いあるか!! 手段を選ぶな!!」

 

 自分たちのチームに切れるのであった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「確かこのあたりに……」

 

 伊江はそう言いながら、通常の数倍も遠い所を見ることが出来る双眼鏡型の道具『拡大双眼鏡』で敵のフラッグ車を探している。

 すると、遠い所から『ダダダダダダダダダダダダッ!』と銃声がしたため、そこに向くと、八九式とパンターG型がシャーマンから逃げているのを見つけた。

 

「いたぞっ!!」

 

 伊江はそう言いながら戦車に入り込むと、T-34/85は移動し始めた。

 

『八九式とパンターG型来ました、突撃します! ただし、カメさんはウサギさんとカバさんで守ってください』

「了解だ!! 小森、フラッグ車に!!」

「おう、それぐらいわかってる」

 

 小森はそう言いながらレバーを動かすと、みほたちと一緒にフラッグ車に向けて発信していく。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「車長、煙幕晴れます!」

 

 それを聞いたアリサは、隙間から除くと。どんどん煙幕が晴れていき。最後にはあるものを見た。

 

 

 

 それは八九式とパンターG型が逃げているのではなく、38(t)とⅢ突にM3リーが迫ってきている。

 

 

「なっ!?」

 

 

 

 それを見たアリサは驚いていると、左から音がしたため「まさか!」と思い急いでみると、Ⅳ号とT-34/85は迫ってきている。

 

「ストップ、ストップ!!」

 

 アリサが慌てて言うと、シャーマンは急停止する。その数秒後、Ⅳ号から放たれた砲弾が目の前を通り過ぎていく。

 

「後退後退!!」

 

 アリサの指示にシャーマンは後退して逃げていく。

 

「大洗女子、残り全車両、こちらに向かっています!!」

『ちょっとちょっと、話が違うじゃない。なんで?』

「はい、おそらく。無線傍受を逆手に取られたのかと……」

 

 アリサは、先ほどまでのことを正直に言うと。通信から無音が数秒したのち、ケイから反応がした。

 

 

 

 

『バカモーーーン!!!』

 

 

 

 今までのフレンドリーな口調とは違って、彼女はアリサに怒っている。アリサは「申し訳ありません」と謝る。

 なぜケイが起こっているのか、その理由は簡単。

 

『戦いはフェアプレイでいつも言っているでしょ!』

 

 アリサが使った無線傍受のこと、相手がたとえ敵であろうが友であろうが。平等に戦うのが彼女は好き。だが、汚い手や姑息な方法で使用することは彼女は非常に嫌っている。

 

『いいからとっとと逃げなさい! ハリアップ!?』

「い、イエス・マム!」

 

 ケイの指示にアリサは急いで大洗から逃げていく。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 ケイは通信機から話すと、アリサが使った手段より。大洗の行動を思い出した。

 一度は自分たちの汚い手につかまれたが、それをどうやって諸刃の剣のようにしたのか。それを彼女は考えていた。そして。

 

「うーん、無線傍受しておいて全車両で反撃っていうのはアンフェアね……こっちも同じ数で行こっか」

 

 ケイは相手と同じ車両で行くことを考えると、通信機を使って後ろの車両に伝える。

 

「敵は7両、5両だけ私についてきて。ナオミ、出番よ!」

 

 ケイはそう言うと、シャーマンフライの中で1番砲台が長い戦車、ファイアフライに向けて言う。この時、シャーマンフライの砲手である灰色のショートヘアーをした少女、ナオミは。サンダースの中で一番の砲手であった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「勇樹君、この後は!?」

「相手はどう行動するか分からない、キューポラからでて暴言をする可能性があるから……これを使うか!」

 

 百合子の質問に勇樹はカバンからポラロイド型のカメラを出した。

 解説するが、このポラロイド型のカメラは『言葉カメラ』と言う道具で、これを相手が口パク・声が聞きにくい状態で使用するとそれがコンピューターでその口の動きを推測し、それを文字化にしていくのである。

 

「お、そう言っていると出てきたぞ」

 

 伊江の言葉に勇樹は「では早速」とカメラをアリサに標準して撮影し始める。すると。

 

 

『ビイイイイイッ!! ビイイイイイッ!! ビイイイイイッ!!』

 

 

「おわっ!! な、なんだ!?」

 

 突然のアラーム音に、伊江は驚くと。勇樹は「もしかして」と急いでカバンから虫かごを出した。

 

「ゆ、勇樹君。その虫かごってまさか」

「はい、どうやら『虫の知らせ』ですね」

 

 美樹の言葉に勇樹は答える。その虫かごを見てみると、虫の体が赤く変色していた。

 

「赤ってことは、確か『危険、攻撃、緊急』などあらわしていますね」

「ああ、おそらく。そしてこの状況で表しているのは……!!」

 

 百合子と小森がそう言った瞬間。

 

 

 

 

 ドガアアアアアアアアアッ!!!

 

 

 

 

 突然、何かが放たれる音がし。伊江は「まさかあれか?!」と急いでキューポラから出て拡大双眼鏡を使って後ろを見る。そこで目にしたのは、シャーマンフライとファイアフライがこちらに迫ってきていた。

 

「大変だ! 勇樹、敵がこっちに向かっている!!」

「な、なんだと!?」

 

 伊江の言葉に勇樹は驚くと、小森は「それは厄介だなっ!」と言いながらレバーを動かして加速する。すると。

 

「あれ、でも2両少ないですよ」

 

 百合子の言葉を聞いた美樹は「それはおかしいね」と答える。だが。

 

「今はそれどころじゃない!! そうしていると、相手にどんどん攻撃を食らうことになるぞ!」

 

 伊江は慌てて言うと2人は「そ、そうでした」と慌てて答える。だが、勇樹は冷静になっている。

 

「大丈夫だ、ファイアフライは攻撃範囲は広いが、範囲は最低でも3000m、ここからファイアフライまでの距離は約5000mだ。それまで何か方法を」

 

 勇樹はそう言うと、小森は「そうだな」と答える。すると。

 

「勇樹君、イネムリンはどうですか? それでしたら」

 

 百合子はそう言うが、勇樹は「それは難しいです」と答える。その理由は。

 

「これは予知夢が出来る道具と同時に精神安定機能が投与されているから、今から飲んでもそんなにすぐには効果が発揮しないんだ」

「そ、そんなのあり!?」

 

 勇樹の言葉に百合子は驚くかのように反応する。すると伊江は「それじゃあ」とある事を言い出す。

 

 

「推測とは言えないが、何か物を使って相手の動きを予測することはできないか? 道具でもいいが」

 

 

 それを聞いた勇樹は「そうだな、確かどこかに」とカバンから道具を出すが、「どこにしまったっけ?」とどんどん道具を出していく。

 

「あれでもないこれでもない、でもこれかな。あ、これじゃないこれもじゃないな」

 

 どんどん道具を出していくと、戦車の中がきつくなってきたため。美樹が「ちょっと、多くない!?」と言うが勇樹は「どこかにしまったんだけど」と言いながら出していく。すると。

 

 

 

 

ドガアアアアアッ!! ドシィンッ!!

 

 

 

 何かが爆発すると同時にぶつかる音がしたため、勇樹は「この音は!」と動きを止め、キューポラからでて周りを見ると、八九式がファイアフライの攻撃にあたり、その衝撃で岩に向かって移動し、ぶつかって停止している。そして戦車から白旗がキュポッと出る。

 

「百合子さん、通信を!!」

「は、はい!」

 

 勇樹は百合子に指示を出すと、彼女は急いで通信機を起動する。

 

 

『アヒルチーム、けが人は!?』

『大丈夫です!』

『すみません、戦闘不能です!』

「よかった」

 

 

 それを聞いた百合子、いや百合子たちは安心する。だが。

 

「あの砲手をしているやつ、厄介な奴かもしれないな」

 

 伊江はそう言うと、美樹は「そうだな」と標準をファイアフライに向けて放ちながら答える。だが、相手は砲弾をよける。

 

「こいつよけることしかできないのか?」

 

 伊江はそう言うと小森は「いや、時間稼ぎだ」と答える。

 

「こいつはどうやら、ボクたちがフラッグ車に攻撃している間に相手は僕たちのフラッグ車に攻撃することだな」

「確かに、一理ありますね」

 

 小森の言葉に百合子は答えている。すると、再び。

 

 

 

 

ドガアアアアアッ!! ガッ!!

 

 

 

 何かが爆発すると同時に落ちる音がしたため、勇樹は再び、キューポラから出て後ろを見ると、M3リーがファイアフライの攻撃にあたり、穴に落ちている。そして戦車から白旗がキュポッと出る。

 

「百合子さん、再度!!」

「は、はい!」

 

 勇樹は百合子に指示を出すと、彼女は急いで通信機を起動する。

 

 

『すみません、やられました!』

「こ、これは大変です……」

 

 百合子は青ざめながら勇樹に言うと、彼は「何かないか」と頭を抱えている。その証拠に、頭のアホ毛が渦巻いている。すると。

 

 

「あれ? これは」

 

 

 美樹が何か矢印が付いたメーターを出したため、彼は「あ、これは」と道具の説明をする。

 

 

「それは『確立機』と言う道具で、わずかだが成功する確率・失敗する確率などと言った情報を知ることが出来る古い道具だ。まあり使用したことはないけど」

 

 勇樹はそう言うと、美樹は「確率ね……」と確立機を見て数秒、何か思いついたのか「そうだ」と確立機の矢印をある方向に向けて、ボソボソと機械に言う。すると。

 

 

 カチカチカチチチッ……ピピッ!!

 

 

 確立機の矢印が動き初め、最後は90%に止まった。

 それを見た美樹は「よし」と何かを確認すると、道具を勇樹に返す。

 

「勇樹君、サンキュ」

「え、うん?」

 

 突然のことに勇樹は戸惑いながら道具をしまうと、彼女は「ちょっと失礼」と彼の所に行く。

 

「勇樹君、森の中へと行ってくれないかい?」

「え、なんで?」

「ふふ、実は」

 

 美樹の話を勇樹は聞くと、彼は「なるほど」と納得する。そして。

 

 

「小森、T-34/85の行動道筋を右によって。伊江、装填用意!」

「ん、わかった」

「はぁ? まあ装填はするが、なんで道筋変更なんだ?」

 

 勇樹の指示に小森は道筋を変更し、伊江は装填するが。伊江は勇樹の言葉に疑問を持っている。

 そしてT-34/85は右へ曲がりながらそのまま走行すると、Ⅳ号も一緒に丘に向かって移動している。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「これでよい」

 

 美樹はそう言っているが、砲台はなぜか180度反対方向、つまり操縦席側ではなくサンダースの戦車がいるところへと向いていた。

 

「美樹、どうするんだ!?」

「まあ見といて勇樹君……絶対ミスは許されないから」

 

 美樹の真剣な言葉に、勇樹は「え、ええ?」と戸惑っている。もちろん、彼は美樹から「方向転換して相手にフラッグ車に向けて放つ」だけしか聞いていない。

 そして伊江は「装填、どれくらいだ?」と言うと彼女は「そのまま」と答える。勇樹は「どういう意味だ?」とキューポラから出て確認すると。

 

 ファイアフライがⅣ号に向けて放つが、Ⅳ号はそれに感知したのか急停止し攻撃をよける。そしてそのまま移動していく。

 

「ん、待てよ」

 

 すると勇樹は美樹の言葉に何か理解してきたのか、砲台の先を見ると、ファイアフライに向けている。

 そう、美樹ははじめっからなのか道具で何かやったのか。目的があった。その目的は……。

 

 

 

「まさか、あいつ。シャーマンフライを倒すのか!?」

 

 

 彼がそう言ったその時。

 

 

「………発射!!」

 

 

 

 カチッ……      ボガアアアッ!!!!

 

 

 T-34/85の砲台から砲弾が放たれると、そのままファイアフライのエンジン部、つまり心臓部に向けて放った。

 そして砲弾がそこに当たると、エンジンは爆発して白旗が上がる。

 だが、その数秒前にはⅣ号に向けて放ったため遅かった。誰もが終わりかと思った……しかし。

 

 

 ギイインッ!!   ドガアアアアアッ!!!

 

 

 シャーマンフライ、敵フラッグのエンジンにⅣ号が放った砲弾があたり戦車は行動不能と同時に白旗が上がった。その光景に、みんなは唖然としていた。そして…。

 

 

 

 

『大洗女子学園の勝利!!』

 

 

 

 

「よっしゃー!!!」

「勝てましたー^!!」

「うっしっ!」

「ふう」

 

 勝てたことに勇樹たちは喜んでいると、美樹は「少しずるしたかな?」とにやけるのであった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「一同、礼!!」

 

 蝶野教官からそう言うと大洗とサンダースは『ありがとうございました!』と礼をする。すると観客からは歓声が響いた。

 

「うおっ! これぐらいすごい事なんだ!」

「ファイアフライを倒したことですからね」

 

 伊江は驚くが百合子は冷静に答えると、優花里が「シャーマン相手に勝てるなんて」と感動した。すると。

 

 

「あなたキャプテン?」

 

 

 ケイが突然、みほに向けて言ったため彼女は「あ、はい」と答えて数秒後、突然。

 

 

「エキサイティング!」

 

 

 突然みほを抱き着いた! それにみほは「うわっ!」と驚く。

 

「こんな試合が出来るとは思わなかったわ!」

 

 ケイはそう言うが、みほはケイの行動に固まっている。

 すると美樹が「そろそろやめてくれないか。星空景子さん」と言うと、彼女は「ワッツ!?」と驚く。

 

「どうして私の名前を、まだ言っていないのに」

「実はちょっとそちらに侵入したときに名前を憶えてね。それであのショートヘアーが日野ナオミでツインテールが月村アリサだね」

 

 美樹の言葉に彼女は「オゥ―! さすがね、大当たりよ!」と答える。

 

「あの、少しいいでしょうか?」

 

 みほはケイに質問すると彼女は「なに?」と反応する、みほが質問する内容は簡単、なぜなら。

 

「6両しか来なかったのは?」

 

 みほの質問にケイは「そうね」と答える。

 

「あなたたちと同じ車両数だけ使ったの」

「どうして?」

 

 みほはケイの言葉に呆然としていると彼女はこう答えた。

 

「ザッツ戦車道! これは戦争じゃない、道を外れたら戦車が泣くでしょ?」

「あ、そう言えばそうですね」

 

 ケイが言った言葉に、華は納得した。

 

「盗み聞きなんて詰まんないことして悪かったね」

「いえ、全車両来られてたら負けてました」

 

 みほはそう言うと、華と麻子、沙織と優花里は頭をコクリとうなずいた。

 そしてケイは「でも勝ったのはあなたたち」と手を差し出した。それを見たみほは「あ、ありがとうございます!」と握手する。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「君が、私の戦車を当てた者か?」

「ん?」

 

 美樹に声をかけたことに彼女は気づき、振り向くとショートヘアーの少女。ナオミがいた。

 

「そうだけど、どうしたんだい?」

「ふ、いや。大洗の華と言う奴と同じものがいるのは初めてでな」

 

 ナオミはそう言うと、ポケットからガムを出してきた。

 

「ライバルの証として、これをあげるよ」

「お……それはありがたいね」

 

 美樹は「受け取るよ」とガム受け取ると、彼女は「今度は必ず充てる」と言いながら去っていく。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「さて、この後いろいろと調べないと」

 

 勇樹はそう言いながらカバンから道具を出そうとしたその時、突然電話が鳴り始めた。

 

「なんだ、こんなときに電話をしてくるのは……ん、逸見エリカ?」

 

 それを見た彼は「なんだろう?」と不信に思いながら、電話に出る。

 

「はい、石川です……え、どうした……ええっ!? 大丈夫か!?」

 

 突然勇樹が声を出したため、百合子たちは何かと驚く。

 

「わ、わかった。今からそっちに行く。それじゃあ」

 

 勇樹はそう言いながら電話を切ると、太田に「ちょっと熊本に行ってくる」と言った。

 当然彼は「え、ええっ!?」と戸惑っている。

 

「どうしたんだ勇樹、いったい慌てて!!」

「緊急だ、しほが何者かに襲われたんだ」

 

 伊江の質問に勇樹は答えると、百合子が「それ本当ですか!?」と驚くと彼は「本当だ」と答える。

 

「だったら大変だ。今使えるのはあるか?」

「えっと、確か飛行機だったら」

 

 伊江は太田に言うが、彼は何かないかと急いで探している。すると。

 

 

「これで行こう!」

 

 

 勇樹はカバンから大型のヘリコプターを出すと、そのまま地面に置く。

 

 

「ゆ、勇樹君。それって!?」

「『人力飛行機・ヘリコプターバージョン』だ、時間はないから急いで乗っていこう!」

 

 勇樹はそう言いながらヘリに乗り込むと、伊江・小森・百合子・美樹・京子も急いで乗り込んだ。

 すると、ヘリのプロペラが突然回り始めるとそのまま熊本へと移動していく。

 

 

「一体しほさんに何が……」

 

 

 太田はそう言いながら、熊本へと発進していくヘリを見送ることしかできない。




道具解説↓
『チーズパッド』
 四角い形をした画面型の道具で、地図のように使える。
 2D型以外に3D型と言った立体モードになれる。

『虫の知らせ』
 虫かごにいる昆虫型のロボットが知らせてくれる道具で、一種の警報器。
 色によって知らせる内容がわかる。

『確立機』
 わずかだが成功する確率・失敗する確率などと言った情報を知ることが出来る。
 ただし古い道具なので、まあり使用してない。

『人力飛行機・ヘリコプターバージョン』
 人力を利用して作ったエコロジー型の道具で、漕げばこぐほど速度は上がるようになる。定員10名まで。

キャラクター説明↓
星野景子…ケイの本名、本名を考えていたらアメリカの国旗が星条旗を思い出したため、星を名字にしようかと思い書きました。

月村アリサ…アリサの本名、こちらも上記と同じ。星といったら月ですから。

日野ナオミ…ナオミの本名、クールだが星のように輝いておらず、冷静なことをイメージしていたら太陽が浮かんできましたので。


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第11話『護衛と新たな戦車』☆

※今回のアンケートは、事情により1日から5日程度で閉める可能性高いです。


 熊本のある病院に付いた勇樹たち、急いでナースに彼女がいるところを案内する。

 

「症状は?」

「幸い軽傷でしたので以外問題ありませんが、何者かに襲われたことは分かりましたので念のため」

「そうですか」

 

 ナースからの話を聞いて京子は「ですが、なぜしほさんが…」とつぶやくと伊江が「情報かもな」と答える。

 

「きっと黒百合の情報を勇樹に送っていることが誰かにばれて、それを阻止しようと彼女にけがを負わせたんだ」

「そうか、相手を倒すとしたらその先ではなく手前を狙えってことか」

 

 伊江の言葉に美樹は答えると、ナースが「こちらです」と案内し終える。

 勇樹は急いで扉を開けると、しほは「あら、勇樹」といつもの性格。しかし服装は病衣で点滴を打っている。

 

「しほさん、大丈夫ですか!?」

「ええ、それは安心して」

「そうか、でも誰かに狙われたのは事実か」

「そうですね」

 

 勇樹、しほ、伊江、百合子はそう言うと小森が「もしかして」とある事を思い出す。それは。

 

「学園艦の生徒じゃないか?」

 

 小森の言葉を聞いたみんなは「え」と反応する。

 

「どういう意味かしら、小森さん。その学園艦の生徒が私を狙うっていうのは」

「簡単に言えば今回狙ったのは西住しほ。だが、今回は別の目的でだれかを狙っていることだ」

「ふむ、小森さんのことに一理ありますね」

 

 小森はしほの質問に答えていると、京子は何か気づいたのかそう言うと百合子は「どういう意味ですか?」と言う。

 

「はい、きっと黒百合学園の生徒がどこかの生徒に化けて、その生徒が私たちとしほさんを狙っているということになります」

「狙っている……勇樹さん、確か」

 

 京子の言葉にしほは何かに気づいたのか、勇樹に向けて言うと彼は「あ」と何かを思い出した。

 それは、勇樹たちに戦車が送られて数日後。しほと電話していたときに物陰から音がしたため中断したこと。この時誰かに聞かれていた可能性がある。

 

「そうか、その時に誰かに」

「そうですね」

 

 しほはそう言うと、百合子が「あの、戦車道の情報は」と言うと、しほを除くみんなは「あ」と思い出す。

 

「しまった、それを忘れていた! しかしここを離れたら、再び狙われてしまうかも」

「そうですね、ですが交代制でやっても時間は」

 

 伊江と京子はそう言っているがしほは「私は大丈夫です」と言うが、また襲うのではと2人は悩んでいる、すると。

 

「それだったら、この『家来ロボット』でっと」

 

 勇樹はそう言いながら、卵型の武士ロボット軍『家来ロボット』をと出した。

 

「家来ロボット、西住しほに不審な人が来たら守るように」

『ウム』

 

 家来ロボットは勇樹の言葉に理解したのか、しほの隣に座った。

 

「これだったら、相手に襲われてもすぐに対応してくれます」

「そう、それだったら安心するわ」

「そうですね、それじゃあ急ぎましょう!」

 

 百合子はそう言うと、みんなは病室から出ていく。家来ロボットは『しほ様のためであれば、何があっても守ります』と言わんばかりに、扉と窓の監視をし始めた。

 それを見た彼女は「大丈夫かしら」とつぶやくのであった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 大洗の学園艦について、大洗の学園には『祝! 戦車道大会1回戦突破!!』と書かれた看板がかけられている。

 

「続いてはアンツィオか」

「アンツィオは確か、ノリと勢いだけが特徴のあの?」

「そうっすね、でも一回戦は通過できたようっすよ?」

 

 連華、福音、霊華は戦車道の対戦相手を調べていると、伊江が「どうやって突破したんだ?」とつぶやいた。

 

「たしか、相手はCVとM41があったね」

「最近ですと、なんだか新しい戦車を購入したとか…?」

「え、どうしてなんすか?」

「一部によると、アンツィオは貧乏だと聞いています」

 

 桜、奈々、霊華、天女はそう言うと桃が「そうだ」と答える。

 

「2回戦ならともかく、3回戦になると戦車の数が増えるから少し厳しい状態になる」

「そこでなんだけど、新しい戦車を探しに行くことになったの」

「なるほど、それでうちらも」

 

 霊華はそう言うと、福音が「どこにあるの?」と言うと桃が「それをお前たちが調べる係だ!」と突っ込む。

 

「レーダーは充電中、残っているのはこれらか」

 

 連華はそう言いながら、風呂敷に入っている道具を見る。そこに入っているのは役に立つのか分からない物ばかりはいっている。

 すると小山は「これは?」と銀色のワイヤーを取り出す。

 

「ああ、それか。それは『探し物ワイヤー』と言う道具でな、探したいものを頭に浮かべながらこするとその方向にワイヤーは動く。こすればこするほど性能は上がるんだ」

 

 連華の話を聞いたを小山は「へぇ」と答えると、福音が「あれ?」と戦車の本を見る。

 

「福音さん、どうしたんですか?」

「奈々ちゃん、実はね戦車で思い出したけど。ふくね、どこかで見たような……?」

 

 それを聞いた桃は「それは本当か!?」と福音に言うと、彼女は「うーん」と悩むのであった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「えっと、確か訓練用の……あった。これだ!」

 

 勇樹はカバンから大型のじょうろ型の機会を取り出して、近くに置いた。

 

「『お天気再現機』で実際の場所を再現しながら訓練しましょう」

「そうですね、天気が晴れとは限らず。雨や吹雪にからっ風の可能性があります。起動できますか」

「もちろん、可能です!」

 

 勇樹はそう言いながら機械を起動すると、じょうろの先から雲が出てきてあたり一面を曇り空にした。

 

「まずは曇りからしましょう。そしたら雨に吹雪と言う風に」

「わかりました、みなさん、乗りましょう!」

 

 みほはそう言うと、みんなは戦車に乗り込んで訓練をし始める。

 勇樹も一緒に乗り込むとみほたちと一緒に訓練をしていく。

 

 

 戦車道訓練は、天候による操縦をやっているだけでない。例えば。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「こ、これを持ち上げるのですか~!?」

「そうだ、まあこれはレプリカだが結構重いぞ」

 

 砲弾を出来るだけ早く装填・持ち上げることができるか専用の道具で訓練したり。

 

 

 

 

「ファイアッ!!」

 

 

 ドガアアアッ!! バガァアアッ!! ドガアアアンッ!!

 

 

「……ずれているが、前よりは問題ないね」

 

 敵戦車をどれくらい狙えるか砲手の訓練をしたり。

 

 

 

 

 

「右右右っ! よーし良いぞ!」

 

 

 ドガアアッ!!

 

 

「っと、桂里奈いいじゃん! 前よりうまいぞ!!」

「え、それはうれしいなー!」

 

 敵戦車の攻撃を出来るだけよけることが出来るかの回避訓練もしている。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「お疲れさまでしたー!」

 

 戦車道の訓練が終わり、勇樹は道具をしまおうとしたとき。

 

「おい勇樹」

「ん、祭里さん。どうしたんですか?」

 

 突然祭里が勇樹に向かってきたため彼は何かと質問すると、彼女は。

 

「なんか、お前の友達の福音と言うガキンチョが何か悩んでいるんだ。秋山とか聞きたいがあいつはちょっと忙しくて」

「ああ、なるほど」

 

 それを聞いた彼は理解すると「ちょっと行ってくる」と福音の所へと行く。

 

「あいつが悩んでいることは、大体は自分のことかどこかで見かけたことに使う行動だな」

 

 彼はそう言いながら彼女がいそうな所へと走ってく。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「うーん、どこかで見たような」

 

 福音は現在、『サークル』でスイートを購入して悩みながら食べている。

 すると後ろから勇樹がやってきて「おーい福音」と小走りでやってくる。

 

「あ、お兄ちゃん」

「福音、祭里から聞いたが。なんだか戦車でどこかで聞いたが本当か?」

「え、うん。どこかで見たような気がするけど、どこか分からないんだ」

 

 それを聞いた勇樹は「なるほど」と理解する。と「それじゃあ」とある事を言い出す。

 

 

「最後に見たのはいつ何だ?」

 

 

 それを聞いた福音は「そうだねー」と考え込んで数秒後、「あ、3日前」と答える。すると勇樹は「なるほど、3日前か」とメモをする。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 次の日、勇樹と小森はバレー部とみほと麻子と一緒に来ているが。

 

「あの、その子はいったい?」

 

 典子が言うのも当たり前、勇樹の隣にいるのは緑色のぼさぼさヘアーで右頬に傷が出来ている少女と一緒に来ていた。

 

「この子はちょっとした事情で居候している子でね、九条麻子って言うんだ」

「あ、麻子さんと同じですね」

「む、そうだな」

 

 麻子はそう言うと、九条は「マコ? マコ!」と彼女を抱き着く。

 

「うわっ!! な、なんだ!?」

「えへへ、マコマコ! マコ、同じ、マコ、一緒!」

 

 突然抱き着いたことに麻子は驚いていると、みほが「あわわ!」と急いで九条を話そうとした。

 すると勇樹は「っと、ちょっと待て」と彼は九条の首をつかむ。すると。

 

「きゅう」

 

 突然大人しくなるとのまるで石のように固まり動かなくなった。

 そして冷泉から苦情を引きはがした。

 

「び、びっくりした。なんだ?!」

「ごめん、九条は自分の名前が同じだから興奮していると思ったんだ」

「ちなみにこれは、九条が大人しくする方法だ」

 

 勇樹と小森の言葉に彼女たちは「なるほど」と納得した。

 

「でも、わざわざここに来てどうするんだ?」

 

 小森が言うのも当たりまえ、彼女たちがいるのは廃墟化になった建物で、みほは「ここ、昔使っていた部室錬で」と言うと勇樹は「ああー」と納得する。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 一方伊江は、優花里と歴女と一緒にいる。なぜなら。

 

「……ハッ!!」

 

 

 カランコロン

 

 

 歴女方式のやり方で探している、今棒が倒れた方向は東です。

 

 

「東に吉が出たぜよ」

「いや、それでいいのか?」

「これでわかるのですか!?」

 

 その行動に伊江はツッコミを入れ、優花里はカエサルに質問するのであった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 そして、百合子は沙織と1年生たちと一緒に学園艦の船内部にいる。

 

「なにここ、なに~?」

「すごい船の中っぽい」

「いや船だもん」

「思えばなんで船なんでしょう」

 

 梓の質問に沙織は「たしか」と答える。

 

「大きく世界に羽ばたく人材を育てるためと、生徒の自主・独立心を養うために学園艦が作られたらしいよ」

 

 それを聞いた百合子は「とんでもないものを作りましたね」と苦笑いする。

 すると、船舶科目の生徒が「お疲れ様です」と言ってきたため、沙織は「あの、戦車はどこにあるかわかりませんか?」と質問する、すると。

 

「戦車かどうかわかりませんけど、何かそれっぽいものどこかで見たことあるよね、どこだっけ?」

「もっと奥の方だったかな?」

 

 それを聞いた沙織とあやは「おおっ!!」と反応する。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 一方、福音と美樹はお祭り発見部と一緒に戦車を探している。

 

「それで、おチビちゃん。その戦車って3日前どこで見つけたんだい?」

 

 お祭り発見部の仲間である丸井夜空は福音に向けて言うと、彼女は「えっとね」と教える。

 

「確かこの学校のどこかで見かけたんだけど、そのどこか忘れたんだ」

「そうか、この学校のどこかか」

 

 丸井はそう言うと、突然美樹に「競争する?」と言うと彼女は「そうだね、やってみるか」と答える。理由は簡単。

 

 

 

「「かけっこしながら戦車探し―!!!」」

 

 

 

 それと同時に走っていき戦車を探し始めた、それを見たお祭り部は「始まったか」とジト目で見るが、福音だけは「何しているのだろう?」とつぶやくのであった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「これで最後の部室です」

 

 勇樹たちは最後の部室を探していくが、手掛かりになりそうなものは何も残っていない。

 

「手掛かりになりそうなものはないですね」

 

 忍がそう言ったその時、九条が「マコ、外、外!」と冷泉に言ったため、彼女は「なんだ?」と窓を開ける。

 

「どこの部だ、こんなところに洗濯物を干したのは?」

 

 それを聞いたみほは冷戦が言った洗濯物を見ると、彼女は「あれ」と気付いた、それもそのはず。今干している物干し竿は、戦車の砲台だ。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 秋山たちは、歴女たちと共に行動した結果。ガラクタが放り込まれている池の中にB1bisが埋まっていた。

 

「見つかりました! ルノーB1bisです!」

「てか、どうしてここにあんだ?」

 

 それを見た秋山は喜び、伊江は茫然とジト目で見て言うと、カエサルは「さすがはモントゴメリ」と言うが。優花里は「あのーそれはちょっと?」と苦い表情をする。

 するとエルヴィンが「グレーリアンはどうだ?」と言うと「おおっ!」と反応する。

 

 ちなみに、モントゴメリは伊江が「それいいな」と気に入ったのであった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 そして、戦車と新たな砲台を持ってきたみんなは集合しているが、まだ沙織と百合子そして1年生のみんながまだ来ていない。

 

「戻ってきませんね、沙織さん百合子さん、そして1年生の皆さん」

 

 華は校庭にいない沙織たちを彼女は心配していると、勇樹が「ちょっとまって」とカバンから電話を出す。

 

「っと、メールだ……あー」

 

 メールを見た瞬間、彼はジト目で見た。同じく冷泉もメールを見ると表情は変わらないが何か納得した。それもそのはず、何故なら。

 

 

「「遭難、したそうだ」」

 

 

 それを聞いた瞬間、6人は「ええっ!?と驚くのであった。

 

「どこにですか?!」

「上じゃないとしたら……船の中か?」

「ん、そうだ。しかも出口がわからないようだ」

 

 伊江の推理に冷泉は答えると、桃が「何か表示があるはずだ」と頭を抱えながら言い始める。

 

「それを探して伝えろと言え」

「あ、はい」

「ん」

 

 桃の指示に二人はメールをして送信した。そして杏は「はい」と西住に渡す。

 

「これ、船の地図ね捜索隊行ってきて」

「いや、船に設計図あるのかよてか、捜索って」

 

 杏の言葉に伊江は突っ込むが、桃は「普通あるだろ」と答える。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「『人口太陽ライト』!」

 

 勇樹はカバンから打ち上げ花火型の道具を出し引き金を引くと、打ち上げ部分から黄色の球が放たれて、彼の頭上にへと止まる。

 そして太陽のように輝き始める。

 

「本物の太陽とはいかないが、実際に再現することが出来る最新の道具なんだ」

「それは便利ですね、ですが」

 

 秋山が見つめた先は、暗く長い通路が続いているだけで、先にあるか分からない状態だ。

 

「なんか、お化け屋敷みたいですね」

「まさか、そんな状態じゃないと思うが」

 

 伊江は秋山の言葉を冗談して笑うが。

 

 

 ガランッ!!

 

 

 

「「「うわああっ!!」」」

 

 伊江と優花里、そしてみほは驚いて思わず抱き着くが、小梅と華は冷静に「大丈夫です」と言いながら歩いていく。

 

「お化けだと思うから、恐怖が増すんだ。ですよね、小梅さん」

「はい、怖くないと思えばいいのです」

「さすが五十鈴殿です、肝が据わってます」

「そうだ…あれ、冷泉は?」

 

 冷泉の口数が少ないことに勇樹は気づき、彼女を見渡していると、なぜかジト目ではなく目を開けていた。

 

「麻子さん、大丈夫?」

「お、お化けは早起き以上に無理」

「れーせーに苦手はあったんだ。早起き以外に」

 

 小森は冷静の苦手に以外なのか、感心している。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「えっと、ここはいったいどこでしょう?」

 

 百合子たちは現在、行き止まりだと思われる場所で待機しており。沙織と1年生たちは体育すわりしているが。なぜか紗季だけは明後日の方向に向きながら立っていた。

 

「おなか、すいたね」

「うん」

 

 いつも元気な桂里奈も、悲しいのかいつも以上に深い。

 

「こんばんは、ここで過ごすのかな?」

 

 梓の言葉がきっかけで、優季たちは突然泣き始める。ただし、紗季だけは茫然としているが。

 

「あわわわっ。ど、どうしましょう沙織さん!」

「え、えっと。大丈夫だよ。あ、そうだ!」

 

 沙織は何か思い出したのか、スカートのポケットからチョコレートを出した。

 

「私チョコ持ってるから、みんなで食べよ」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「ここまでくるとさすがに難しいな……」

「こうなったら、この『サガシモノステッキ』でやるしかない!」

 

 勇樹はそう言いながらカバンからステッキを取り出した。

 

「これを使ってやればわかるはずだが……」

 

 そう言いながらステッキを立てて手を離すと、ステッキは右に数回転したのち西に倒れる。

 

「西ですか…?」

「西に向かえばいいとエルヴィン殿は言っています」

「エルヴィンがそう言ってたんか?」

「だれだそれは?」

「え、誰って誰?」

 

 勇樹は冷泉が言っていた『誰』という言葉を言うと、優花里は「ああ」と説明する。

 

「魂の名前を付けていただいたのです」

「ちなみにオレはモントゴメリ、優花里はグレーリアンだ」

 

 それを聞いた勇樹は「ソウルネームか」と突っ込むのであった。

 

 

 

 そして数分後、無事遭難した沙織たちとだった勇樹たちであった。

 

「あ、勇樹さん」

「ん……あ、あった」

 

 そしてみほと勇樹は、再び最強の戦車を見つけたのであった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「『マイクロ灯』!!」

 

 勇樹はカバンから丸型の懐中電灯を出して戦車にあてると、戦車は手のひらサイズに縮んでいき。最終的には飴玉サイズまで小さくなった。

 

「よし、これをカバンに入れていくか」

 

 勇樹はカバンに戦車と懐中電灯を入れて、地上へと行き。(会長より)戦車を修理してくれる自動車部へと持っていき、元の大きさに戻すのであった。

 

「じゃあ、これを修理してほしいの?」

「はい、もちろん私も手伝いますので」

「んー、それはいいねー」

 

 そう言うのは自動車部の仲間であるナカジマ(本名は中島悟子)はそう答える。

 

「それじゃあ今から修理しますか。あ、もちろんルノーの方もやりますよ」

「ありがとう、少し楽になりそうだよ」

 

 ナカジマに代わって答えたのは、褐色肌が特徴の少女、スズキ(本名は鈴木利子)が答えると、彼は「そんなことありません」と苦笑いするのであった。

 

 

 

「あれ? なんだか忘れているような気がするが……気のせいか」

 

 

 

 

 

 美樹と丸井のことを忘れる勇樹であった。

 

 

 




道具の解説↓
『家来ロボット』
 卵型のロボットで、本物の武士のように相手を守ったり指示を聞いたりしてくれる。失敗したら切腹(つまり故障)したり、毒がないか毒味をするようにしてくれる機能も搭載している。

『探し物ワイヤー』
 探したいものを頭に浮かべながらこするとその方向にワイヤーは動く。こすればこするほど性能は上がる。

『お天気再現機』
 転機を再現してくれる大型のじょうろ型のメカで、範囲は2キロ以内。
 曇り以外に雨や吹雪などと言った異常現象も再現してくれる。

『人口太陽ライト』
 打ち上げ花火型の道具で、引き金を引くと、打ち上げ部分から太陽型の電球マシンがが放たれて、太陽のように輝く。

『サガシモノステッキ』
 探したいモノを探すことが出来る道具で、当たる確率は77%。

『マイクロ灯』
 丸形をした懐中電灯型の道具で、この光線に当たったモノは少しづつ小さくなる。

キャラクター説明↓
鈴木利子…スズキの本名で、ナカジマの本名が中島悟子なので調べたら中島悟と言うレーサーから来たと分かったので、レーサーを調べた結果、鈴木利男と言うのがありましたので、そこから来ました。


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第12話『アンツィオ潜入とお嬢様』

 生徒会に集まった勇樹たちとみほたち、その理由は簡単。戦車道大会の話だ。

 

「かーしまー。次のステージどこ?」

 

 杏は干し芋を抱えながら言うと、河島は「は」と答える。

 

「アンツィオとの対戦は、山岳と荒れ地ステージに決まりました」

「山岳と荒地か」

「厄介ね」

 

 河島の言葉に伊江と桜は答えると沙織が「はーい質問」と手を挙げる。

 

「アンツィオってどんな学校」

「あー、言われてみればわからないっすね」

 

 沙織の質問に霊華は同意すると、杏が「あー確か、創始者がイタリア人だったはず」と簡潔に答える。

 それを聞いた伊江は「イタリア…なんだかあべこべだな」と何かに気づいたのか、ジト目で想像した。その話は後程話そう。

 

「イタリアの文化を日本に伝えようとしたイタリア風の学校だ、だから戦車道もイタリアの戦車が中心。先ほどの1回戦で使用した車両はCV33とセモヴェンテ41」

 

 河島はそう言いながら2両の戦車の設計図を見せると、華が「CV33て、わたくし大好きです」と意外な一面を見せる。

 

「へぇ、華さんってCV33が好きなんですね」

「はい百合子さん、小さくてかわいくてお花を活ける花器にぴったりです」

「あ、そっちですか」

「いくら何でも花器にしてはおっきすぎない、ひまわりでも活けるの?」

「同感っす沙織先輩さん」

「私もです」

 

 百合子と華の言葉に、沙織のツッコミに霊華と小梅は同意する。

 

「新型戦車が入ったと聞いたが」

「どんなの?」

「ちょっとわからないです」

 

 河島の情報に杏は質問するが、みほもさすがにイタリアの戦車のことはよくわからないのか難しそうに答える。

 小山も「1回戦には出なかったもんね」と大人しく答える。

 

「だからこその秘密兵器かぁ…まいっか」

「あら、意外ですね」

 

 杏の行動に勇樹は目を丸くしていると、彼女は「そのうちわかるし」と答える。

 その言葉にみほたちは「え?」「なんでわかるの?」と頭にハテナマークを浮かばせた。その瞬間。

 

 

 

ガチャッ!!

 

 

「秋山優花里、ただいま戻りました!!」

「わたくしもです」

「ただいま帰りました」

 

 そう言って生徒会に入ってきたのは、コンビニの制服を着た秋山優花里と七星奈々、そして羽衣天女の3人であった。

 

 

「おかえりー」

「おお、待っていたぞ」

「お疲れ様」

 

 杏と河島、小山はそう言うと沙織が「その恰好」と3人の制服を凝視する。

 何かに気づいたのか、勇樹とみほは「もしかして」と3人に向けてこう言う。

 

 

「「優花里さん、奈々さん、天女さん。ひょっとしてまた?」」

 

 

 そう言うと、優花里は「はい!」とポケットからマイクロSDカードを出した。

 

 

 ちなみに、天女のリュックからイタリアの料理がはみ出していることに気づいていた。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 映像に映っていたのは、アンツィオ高校の学園艦なのか。やや長い艦隊が映し出されている。

 そして画面には『秋山優花里のアンツィオ校 潜入大作戦』と赤く大きな文字が映し出される。

 

 次に映し出されたのは、アンツィオ校の街中であろうか。イタリア風の町と学生らが映っている。

 

『はい、今回はアンツィオ校に来ています』

『アンツィオ校、おいしい料理がたくさんあると聞きました』

『これは絶対食べますか』

 

 優花里に交じって、よだれを流す奈々と冷静に答える天女が写っている

 

『ワンパターンですみませんが、今回もコンビニ船を使ってうまく潜入することが出来ました』

 

 そう言って優花里たちがお手洗いでアンツィオ校の制服に着替えようとしたとき、伊江と百合子が太田と勇樹の目をふさいで「「見るなー!!」」と慌ててふさいだ。

 しかしふさいだ力が強かったのか、二人は「「いでででで!!」」と苦しみだしたのであった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

『それにしても平日なのに、屋台がたくさん出ていますが。学園祭か何かでしょうか?』

『そうですね……聞いてみましょう』

 

 優花里の質問に奈々は近くにいたアンツィオの学生に聞いてみることにした。

 

『あのー、わたくしたち。本日転校してきたばかりですが、今日は何かのイベントでしょうか?』

 

 すると、アンツィオの生徒は数秒茫然していると『いつもの日だよ』と答える。

 

『ずいぶんと出店多いですね』

『うちはいつもこんなもんだって、いろいろな部とか委員会とか片っ端から見せだしてね。うちの学校、貧乏だから少しでも予算の足しにしないとな』

 

 

 ドンガラガッシャーンガラガッシャーン!

 

 

 それを聞いたみんなはその場でずっこける……だが。

 

 

『まぁ、それは素晴らしいです!! 苦しい経営状況でも、あなたたちは創意工夫をして長く続けるようにしているのですね。わたくし、感動しました!!』

 

 

 

 ドンガラガッシャーンガラガッシャーン!!

 

 

 奈々のずれにみんなは再びずっこけるのであった。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

『優花里様、あちらの屋台の屋根ですが』

『え? ああっ、戦車を飾っているお店があります!!』

 

 天女の言葉に優花里は振り向くと、そこにはパスタを作っている三つ編みショートツインテールの少女がナポリタンを作っていた。

 

『アンツィオ名物、『鉄板ナポリタン』だよー。おいしいパスタだよー』

 

 彼女は出来上がったパスタを客に配っていると、優花里たちは近づくのに気づき『あ、その子の彼女たち』と話しかけた。

 

『ちょっと食べてきなー』

 

 彼女はそう言いながら鉄板ナポリタンを作り始めた。

 

 

 

『まずオリーブオイルはケチケチしなーい、具は肉から火を通す、今朝採れた卵をトロトロになるくらい。ソースはアンツィオ校秘伝・トマトベースト、パスタの茹で上がりとタイミングを合わせて…』

 

 

 手際よくオリーブオイルをフライパンにいれ、ひき肉であろうお肉を炒め、卵を入れてスクランブル状にし秘伝ソースを混ぜ、出来立てのナポリタンの上に乗っける。

 

『ハイ、300万リラ』

『まぁ、安い!! 早速これを』

 

 彼女の言葉に奈々は財布から300万円を出すと、それを見た彼女は『いいっ!?』と驚く。

 

『いやいや、お客さん。これジョークっすよ!!』

『まぁ、ジョークですか…ショボン』

 

 彼女の言葉に奈々はがっくりしながらも、小銭入れから300円出して鉄板ナポリタンを受け取る。

 

 その光景を見た小梅は「奈々さんって、ジョークでも真に受けるのですか?」と勇樹に質問すると、彼は「まことに受けるぞ、あのようなジョークでもまことに受ける素直な性格だ」と答える。

 それを聞いた小梅は「イタズラで嘘をつくのはやめますか」と奈々を見て言うのであった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

『では早速』

『わたくしも』

『失礼します』

 

 優花里たちはフォークで器用にパスタをすくい、試食をしてみる。

 

『おいしいです!』

『これで300円は安いですね』

『有名店になりそうです』

 

 3人はパスタを食べて驚いていると、それを作った彼女は『だろー!』と自慢する。

 すると優花里は『ところで戦車と言えば、新型が入ったって聞いたんですけど』と言うと、彼女は突然優花里をにらみつける。

 

『なにぃ、どこで聞いた?』

『あ、すみません』

 

 聞いてはいけないことなのか、優花里は謝るが。彼女は『おめえ、通だねぇ!』と逆に褒められる。

 

『ここだけの話っつーか、ちょー秘密なんだけど。重戦車を手に入れたんだ!』

 

 彼女は自慢げに言いながらフライパンを彼女に向けて言いだしていく、口が滑りやすいタイプだと、みんなはそう思ったのであった。

 

『聞いて驚け! えっと、イタリアのなんだっけ?』

『イタリアの重戦車と言えばP40ですか?』

『まぁ、かわいらしい名前ですね!』

『そうそう、それそれ! P40をそりゃあ気が遠くなるくらい昔から貯金しまくって。あたし等の代でようやく買えたんだ!』

 

 彼女の言葉に天女は『すごいですね』とつぶやく。

 

『アンチョビ姐さん! あ、うちの隊長なんだけど。もう喜んじゃって、毎日コロッセオの周りを走り回っているよ! 燃料もあまりねえのに』

『よほどうれしかったですね』

 

 彼女の言葉に天女は再び言うと、優花里は『同意します』と答える。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

『おいしいものがたくさんありましたね』

『はい、これは天国ですね』

 

 奈々と天女はアンツィオの屋台を食べまくったのか。口にソースが付いていた。

 それを見かねた天女は『奈々様、ソースが』と胸ポケットから赤色のハンカチを出して、彼女の口を吹いた。奈々は『それくらい、わたくしがやります』と照れるのであった。

 途中優花里が『なんだかいい人そうですね』と言うと二人は『そうですね』と息を合わせて答える。

 すると、CV33が3人の前を通っていく。

 

『あ、カルロベローチェです! 箱のりしてますよ!』

『まぁ、戦車なのにかわいいですね』

『まるで、小さなカバさんチームですね』

 

 CV33を3人は言うと、奈々が『コロッセオって、あれですか?』と古くなったホールに彼女は指をさした。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 3人はコロッセオの中に入っていくと、中央に緑色をした戦車。P40が映っている。

 その周りにはアンツィオの生徒がいて、P40の上には薄黄緑色のツイン縦巻きロールをした少女が映っている。

 その少女は『これが我々の秘密兵器だ!』と堂々と言う。もしかしたらこの少女がアンチョビかもしれない。

 

『おおっ! P40の本物、初めて見ました!!』

『なんだか……イメージと違っていました』

『同じ戦車かと思ったが明るかったですね』

 

 優花里はめおうぃからせているが、奈々と天女はジト目で言ったため。沙織は「いやそこは感激してよ」と突っ込んだ。

 

『まぁ、これさえあれば大洗など軽く一ひねりだ!』

 

 アンチョビはそう言うと、どこからか『ドゥーチェ!』と声がした。すると彼女はピースで体制を変えるとカメラの音がした。

 

『現場は大変盛り上がりです』

『それにしても、今の行動は写真撮影でしょうか?』

『それでしたら室内でやっていますよ』

『あら、それもそうですね』

 

 優花里は実況をしているが。奈々の質問に天女は答えると、彼女は納得するのであった。

 

『ドゥーチェ! ドゥーチェ! ドゥーチェ! ドゥーチェ! ドゥーチェ! ドゥーチェ! ドゥーチェ! ドゥーチェ!』

 

 周りのノリに3人も一緒にしていると、優花里が『以上、秋山優花里がお送り致しました!』と答えると。動きが停止してスタッフロールが流れるのであった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「通りで朝から奈々と天女さんが……本気で買うなよ、ジョークでも」

「まぁ、そうですか……お土産用に買いたかったのに」

「お土産はありがたいけど、今のはジョークだから。本気で無駄使いしないで」

 

 勇樹は奈々に向けて言っていると、天女も「そうですね、気を付けましょう」と言うと彼女は「そうですね……失礼しました」と反省するのであった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 それを見て杏は干し芋を食べていると、華は「ちょっと強そうですね」とつぶやくと、河島が「ちょっとじゃないだろ!」と突っ込んだ。

 

「私、P40初めて見ました」

「オレもだ、さすがにイタリアの戦車はそこまで詳しくないしな」

 

 みほと勇樹はそう言うと、杏が「こりゃ、もー少しがっつり考えないといけないねー」とのんきに答える。

 すると美樹は「それだったら、生徒名簿でそれに詳しい生徒。優花里君以外を調べたらどうだい?」と言うと、みんなは「それだ」と一斉に答える。

 




いよいよアンツィオ戦の話に入りました。さて、ここで問題が発生。
アンツィオの副隊長であるカルパッチョとペパロニの本名。

カルパッチョはカエサルの同級生でありあだ名が『ひなちゃん』と言いますのでそこから考えることは可能ですが。ペパロニの場合はどうすればいいか難しいです(汗)。


まぁ、それは次回からお楽しみにしてください。ではまた。

※今回の道具解説はありません。


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第13話『情報と新たな仲間』

 生徒名簿で調べた結果、エルヴィンという生徒が何か知っていると思いみほと小梅、勇樹と京子は一緒に彼女がいるところへと移動していく。

 

「えっと、確かこの先にあるはずだが」

「どこでしょうか?」

 

 勇樹は住所が書かれている紙を見てみほはあたりを見回しながら歩いていると、突然。

 

 

 ガランドゴンッ!!

 

 

「うっ!?」

「な、なんだこの音?」

「え、ええっ?」

 

 突然の鉄の音に、彼らは驚き。小梅、勇樹、みほはあたりを見渡していると京子が「こちらでは?」とある場所に向けて走っていく。

 3人は急いで京子の後を追うとその音は徐々に大きく響いていき。最終的には木造建築2階建てに付いた。

 

「ここでしょうか?」

「えっと住所は間違っていないな」

「ここもソウルネームなんだ」

 

 小梅の言葉に勇樹は住所を確認していると、ネームプレートがソウルネームだということに彼女は気づく。そして。

 

 

 

「なんでここにメカカエルがあるんだ?」

 

 

 勇樹はある物を見て言ったため、3人はその先を見てみると。大型のカエルがなぜか置いていた。

 

 

「「うわっ!!」」

「まさかだと思いますが、これってまさか」

「地理部の専用メカだ。最近いないと思ったらここにいたんだ」

 

 みほと小梅は驚いているが、京子と勇樹は冷静に見て話ている。そして彼は「メカの使用は構わないけど、もう少し目立たないようにしてくれ」と苦笑いで答えるのであった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「ごめんくださーい」

「誰かいますかー?」

 

 みほと小梅は入り口前で言うと、引き戸を開けると。歴女のおりょうとエルヴィンと左衛門佐と、地理部のロンドンとベトナムとマドリードが出てきた。

 

「「「いらっしゃーい」」」

「あ、西住隊長に小梅さん。勇樹隊長と京子様」

「どうしたんですかみなさんここにきて」

「うちらに用があったん?」

 

 歴女は出迎え、ロンドンたちは勇樹たちが来ていることに気づきマドリードが質問すると勇樹は「ちょっとな」と言いながらみほたちと一緒にシェアハウスに入る。

 

「ところで、カエサルさんは?」

「カエサルは、アイヌが作った装填装置で訓練しているそうだ」

「訓練ですか」

「あいつ、意外なところで器用発動しているな」

 

 カエサルが訓練していることに、みほと勇樹は感心するのであった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「お茶入ったよー」

 

 カエサルは人数分のコップや湯飲みを持ってくると小梅は「ありがとうございます」と礼をする。

 それと同時にエルヴィンが「P40の資料はあまりないけど」と言いながら本を持ってきた。だがその本が。

 

「こんなにたくさん」

「英語じゃないぜよ」

「イタリア語でしょうか? いえ、これってまさか」

「フランスの文字が混じっているかもしれませんが。どうやって」

 

 みほたちがそう言っていると、勇樹は「こんなあろうかと」とカバンからあるものを取り出した。

 

「『ほんやく団子』、これを食べるか」

 

 勇樹はそう言うと3色串付き団子を食べる、それを見たカエサルは「何を食べたんだ?」と言うが、彼は「まあ見てて」と言いながら本を一冊手にすると、紙とペンを出して書き出した。

 

「え、日本語?」

「団子を食べただけで訳すとは」

「信じられない一面ぜよ」

 

 それを見たみほ、カエサル、おりょうは驚いていると。ロンドンが「当り前ですわ」と言い始める。

 

「勇樹さんはこう見えて道具を使った達人、一種のソムリエみたいなものですわ」

「せやな、うちらにはまだ得意じゃないんよ」

「そう言えば、あのカエルメカもあいつが途中まで作ってたな」

 

 ロンドン、マドリード、アイヌはそう言うと。勇樹は「できた」と日本語訳した紙をカエサルに渡す。それを見た彼女は。

 

 

「おおっ! 確かにこの本の内容と同じだ、一体その団子は?」

「この団子? これは『ほんやく団子』と言って、味は普通の団子と同じだけど、その人に適した言葉に訳してくれる最新の道具なんだ」

 

 それを聞いたみほたちは「へぇー」と驚く。

 

「さすがだな、しかし本当は私の知り合いがアンツィオ高校にいるから聞いてみるほうが速いけどな」

 

 カエサルの言葉を聞いたみんなは「えっ!?」と驚く、左衛門佐は「そんなのいたのか?」と言うと、おりょうは「初耳ぜよ」と言う。

 みほは「どんなお友達ですか?」と言うとカエサルは「小学校の同級生だよ」と言い始める。

 

「ずっと戦車道をやっている子だ」

「そんな情報源があるなら、最初から聞けばいいのに」

「そうですわ」

 

 カエサルの言葉にエルヴィンとロンドンは不満げに言うと、彼女は「いや」と答える。

 

「敵が友達だからこそ、正々堂々と情報を集めたいな、私は」

「そうだな、俺も同じだ」

 

 カエサルとアイヌの言葉におりょうは「なるほど」と納得する。

 

「友情は友情、試合は試合ぜよ」

「複雑やな」

 

 おりょうの言葉にマドリードは言うと、みほは「ライバルですか、うらやましいです」とほほ笑むのであった。

 

「これは、歴史で例えるとなんだ?」

「坂本龍馬と武市半平太!」

「いや、これはロンメルとモントゴメリだな」

「いやいや、武田信玄と上杉謙信だ!」

「あ、ミハエル・ヴィットマンとジョー・エイキンス」

 

 おりょう、エルヴィン、左衛門佐はそう言っていると。みほの意外な歴史人物に彼女たちは「それだぁっ!!」と一斉に同意する。

 

 途中、おりょうが「って、誰ぜよ?」と不思議に思うのであった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 次の日、みほたちは戦車道の訓練を使用と集まっている。すると。

 

「はい、みんなー。訓練を一旦停止してー」

 

 杏が突然訓練を停止することを言い出したため。みんなは何かと訓練を中断し、杏の方へと向く。

 

「実はねー、この度新たな戦車の修理が終わって、この度新たな戦車道の仲間が入ることになったよー。それじゃー、入ってきてー」

 

 杏がそう言うと、ある人物が入ってきた。その人物は

 

「今日から参加することになりました、園みどり子と風紀委員です。よろしくお願いします」

 

「え、みどり子さん?」

 

「同じのが多くいるが、おま…じゃなくて、みどり子さんの姉妹か?」

 

「それは初めていわれたわ、確かに髪型は似ているけど、長いのが後藤モヨ子で短いのが金春希美よ」

 

 みどり子はそう言うと、伊江は「ガチか!?」とモヨ子と希美をじっと見る。確かにおかっぱの長さが微妙に違う。 

 

「略してそど子だ、いろいろ教えてやってねー」

 

「会長、名前を略さないでください」

 

「それ同意します」

 

 そう言うのは、桃色のお団子ヘアーをした同じ風紀委員である最上桃であった。

 それを見た勇樹は「あれ、いつの間に」と気付く。

 

「ところでみどり子さん、桃さんとはいつから?」

 

「桃さん? この最上さんのこと?」

 

「はい、そうです」

 

 みどり子は最上のことを言うと、彼女は「そうね」と言い始めた。

 

 

「この前のサンダースの時に、出会ったの。聞いたらあなたたちと同じ風紀委員があって結構友好的だって」

 

「不満とかは?」

 

「不満はあまりないわね、どちらかと言えば私と気が合いそうだからね」

 

 それを聞いた勇樹は「なるほど」と感心する。風紀委員がいると何かしら友好的になるだろうと思った。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「何チームにしようか隊長」

 

 杏は西住に向けて言うと、彼女は「えっと」と悩んだ末、ある生物を言い出す。それは。

 

「B1って、カモっぽくないですか?」

 

「じゃカモに決定ー」

 

 杏の言葉にみどり子は「カモですか!?」とツッコミを入れると、百合子は「なんだかかわいらしい風紀委員チームですね」とにっこりと答えた。

 

「戦車の操縦は冷泉さん、指導してあげてね」

 

「私が冷泉さんに!?」

 

 小山の言葉に彼女は驚くと、冷泉は「分かった」と答える。すると。

 

「成績がいいからっていい気にならないよね」

 

「じゃあ自分で教本を見て練習するんだな」

 

「何無責任なこと言ってんの! ちゃんとわかりやすく、懇切に丁寧に教えなさいよ」

 

「はいはい」

 

「ハイは一回でいいのよ!」

 

「はーい」

 

 冷泉とみどり子の行動に伊江は「なんであの二人仲が悪いんだ?」とモヨ子に言うと、彼女は「実は」と答える。

 

 

「冷泉さんは実は成績優秀で一度見たらすぐに覚える天才なの、あれ以外は」

 

「あれって?」

 

「遅刻常習者、理由は低血圧で朝起きるのが遅くてね。先月でだけで300日ほど遅刻したの」

 

「うげ、まじか」

 

 モヨ子の言葉を聞いた伊江は、後ろに引いて驚くのであった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「それじゃあ、訓練するか。と、その前に」

 

 勇樹は突然バレー部とみほたちに「ちょっといいかな」と話し始める。

 

「今度の対決だが、少し内容を変えてもいい?」

 

「はい、どうして?」

 

「今度の相手はアンツィオだが、相手の意外な行動についてこれない可能性がある。そこでたまには味方同士で少し戦ってみたらどうかと」

 

「なるほど、それもいい案ですね!」

 

「私も賛成です」

 

 典子とみほはそう言うと、彼は「じゃあ会長たちに伝えてきます」と伝えて数分後。

 

 

 

 あんこうチームのⅣ号は、P40に比較的近いためで。カルロベローチェはアヒルさんチームとなった。

 

 

 

「オレたちは風紀委員の手伝いをするって言ったが、いいのか?」

 

 伊江はそう言いながら勇樹を見ると、彼は「そうだよ」と答える。

 

「西住さんたちは今練習をしているから操縦は麻子さんじゃなく小森がやっている。伊江と美樹姉、そして百合子さんは風紀委員に教え中やイケナイ所を教えて。オレは」

 

 勇樹はそう言いながら向こうを見ると、自動車部が何かを修理していた。それを見た伊江は「なるほど」と納得する。

 

「教えないといけ菜部分があるから時間は掛かる。だけど幸い、戦車は1台追加されたし、みどり子さんたちは覚えるのが速いと思う。それに次の大会までには時間があるよ」

 

「そっか、わかった。じゃあオレたちはゴモ代とパゾ美に教えてやるから、修理お願いな」

 

 伊江はそう言うと勇樹は「了解!」と言いながら自動車部の所へと行くのであった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 そして夕方、戦車道の訓練は終わっていて。百合子は「勇樹くーん」と急いで自動車部の所へと行く。

 

「勇樹君、沙織さんが夜ご飯は寮でイタリア料理ですよ。しかも手料理で!」

 

「お、それはいいな。百合子さんとラブラブになれる!」

 

 勇樹はそう言うと「先に失礼しまーす」と言うとスズキとナカジマは「わかったよー」と答え。急いでつなぎから私服へと着替えて、沙織の家へと行く。

 

「伊江ちゃんと美樹さんに小森ちゃんは先に行って料理をしていますって」

 

「そうか、しかしイタリア料理ってどれくらいあるだろうな」

 

 勇樹は百合子と一緒に、沙織の寮へと行くのであった。

 

 

 

 

 そして寮に着いた時には、イタリア料理がテーブルに並んでいた。

 

「おっ、これ全部沙織さんが?」

 

「ううん、みぽりんに華、ゆかりんに麻子にいえりんとこもりんと美樹さんと一緒に作ったの!」

 

 沙織の話を聞いた勇樹は「すごいな!」と感心する、百合子も「見事なチームプレイですね」と答える。

 

「それにしても、おいしそうですね!」

「ええ、おなかがすいてきました」

「僕もだよ、これは非常においしそうだね」

「カルパッチョなんて初めて作りました!」

「それは言える! てか、パエリアもだ」

「私もカプレーゼなんて知らなかった!」

「え、そうなのか?」

「ん……おなかすいた」

「それは同感だ」

「じゃ、食べちゃおうか!」

 

 

 沙織はそう言うと、みんなは「いただきます!」とお食事をするのであった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




道具解説↓
ほんやく団子
 桃色・白色・緑色の3色が揃った団子型で、これを食べると外国語が日本語、日本語が外国語に聞こえたり見えることが出来る。
 ただし、腐りやすいのでご注意を。


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第14話『アンツィオと先取り』☆

 当日、勇樹たちはみほたちと一緒に会場へと行き戦車の点検をしていた。

 

「異常はなし、これでいいか」

「そうですね、小梅さんは?」

「私のチームも異常ありません」

 

 勇樹、みほ、小梅はそう言うと、杏が「西住ちゃーん」と言ってきた。彼女は「はい、今行きます」と言いながら杏のところへと行く。

 

「……西住さん、このところどうですか?」

「前より安定しています、正式には明るくなっています」

 

 その瞬間を狙ってなのか、勇樹は小梅に彼女の行動を聞いている。

 それを聞いた彼は安心いたのか「そっか、ありがと」と答える。すると。

 

 

 

 

 

ガーー―ァッ……

 

 

 

 

「「ん?」」

 

 車の音がしたため何かとみてみると、1台の車にアンチョビと黄色のロングヘアーをした少女がやってきた。アンチョビは「たのもー!!」と大洗に向けて言う。

 

「おー、チョビ子」

「チョビ子?」

 

 杏の言葉に伊江は反応すると、アンチョビは車から降りながら「チョビ子と呼ぶな、アンチョビだ!」と訂正される。が。

 

「で、何しに来たんだ安斎?」

 

 河島が彼女の名字を言うとアンチョビは「アンチョビ!」と再度訂正される。

 

「試合前のあいさつに決まっているだろ」

「あー、なるほど」

 

 

「私はアンツィオの、統師アンチョビ。そっちの隊長は!」

 

 

 アンチョビはそう言うと河島が「おい、西住」と彼女を呼ぶ、西住は「はい」と言いながらやってくる。

 それを見たアンチョビは「ほー、アンタがあの西住流か」と彼女を見ながら言った。

 

「西住みほです」

 

「ふっ、相手が西住流だろうが島田流だろうが、私たちは負けない」

 

 彼女はそう言うが、言葉に訂正箇所があったのか「じゃなかった、勝つ!」と再度言うのであった。

 

「今日は正々堂々の勝負だ」

「はい、こちらこそよろしくお願いします」

 

 アンチョビはそう言いながら手を出すと、彼女は握手するのであった。

 

 

「アンチョビはどんな方法で仕掛けてくるのかな?」

「さあ、でも気を付けたほうがいいのは言えるな」

 

 

 それを見ながら、百合子と美樹は小さく言うのであった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「ひなちゃん?」

 

「たかちゃん! 久しぶり!」

 

 カエサル……基本名、鈴木貴子はカルパッチョ……基本名赤井比奈(あかいひな)と再会したことに喜んでいるのか、2人は駆け寄って行った。

 

「ひなちゃん、久しぶり!」

「たかちゃん、本当に戦車道始めたんだねビックリ! ね、どの戦車に乗っているの?」

「秘密―っ」

「ええー、まぁそうだよね。私たち、敵どうしたもんね」

 

 それを見た伊江は「たかちゃんって誰だ?」と左衛門佐たちに質問据える。

 

「私もわからんぜよ」

「カエサルのことだろ」

「いつもとキャラが違う」

 

 おりょう、左衛門佐、エルヴィンはそう言うと伊江は「ああ、だからか」と何か納得した。

 

 

「でも、今日は敵でも私たちの友情は不滅だからね」

「うん、今日は正々堂々と戦おうね。」

「試合の前に合えてよかった、もう行くね。バイバイ」

 

 カルパッチョはそう言うとカエサルは「バイバイ」と笑顔で手を振る、そして歴女を見ると彼女らはニヤニヤとカエサルを見る。

 

「たーかちゃん」

「カエサルの知られざる一面」

「ひゅーひゅー」

「あついなーもう!」

 

 おりょう、エルヴィン、左衛門佐、伊江はそう言うと彼女は顔を赤くして「な、なんだ。何がおかしいっ!」と照れるのであった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 そして、戦車道開始時刻。

 西住達基大洗の戦車は、右からアヒル、カモ、カバ、カメ、あんこう、カンガルー、金魚、ウサギに並んでいてエンジンは起動している。

 

「今度はイタリアか、どんな戦略で攻めてくるんだ?」

「そうですね」

 

 勇樹の言葉に百合子は答えると、伊江が「だが」と言い始める。

 

「相手はイタリアだがカルロベローチェとセモヴェンテ、そしてP40だけだ」

「そうだな、だが伊江。カルロベローチェは快速戦車だからそう簡単にはいけないぞ」

「うっ、それもそうだな」

 小森の指摘に伊江が苦虫を?み潰したように答えると、上空からポンッと空砲がした。

 

「パンツァーフォー!」

 

 みほの言葉にみんなは戦車を前進させる。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「さて、今回は勇樹君。何か道具ありますか?」

 

 百合子は勇樹に向けて言うと、彼はなぜか「それが」と目をそらしていた、

 それを見た伊江は「どうしたんだ?」と言うと、彼は「実は」とカバンを出して言い出した。

 

「ココアさんあからだけど『せっかく戦車道をしているから、少し道具の使用制限をかけてやるよ』と道具をがっぽり持ってかれた」

 

 それを聞いたみんなは「あー」と納得した。「自分たちだけ楽をしているのは理不尽」とココアは言っているようだ。

 

「だけど、『すべてだと少しかわいそうだから、あたしたちが厳選して10個ほど入れておくよ』と道具が入っているはずだけど……あ、あった」

 

 勇樹はそう言いながらカバンから出したのは、赤色の虫眼鏡にピンク色の液が入ったスプレー、チーズパッドとねん土化道具セットと虫の知らせ、磁石が付いたマジックハンドとペンを出した。

 

「えっと、3つは分かるが、このメガネはサーモグラフィ眼鏡、このスプレーはチャッチャカリンか、このマジックハンドはマジック・マグネット・ハンドとこのペンは導機か」

 

 勇樹はそう言っていると、伊江が「それでもすごい道具だな」とつぶやいた。すると。

 

『先行するアヒルさん、状況を教えてください』

『十字路まであと一キロほどです』

『十分注意しながら、街道の様子を教えてください。開けた場所に出ないよう注意してください』

『了解しました!』

 

 通信機から声がしたため、百合子は「早速ですね」と言うと、彼女は通信機で話始めた。

 

「こちら百合子、私たちも同じく十字路の一部に出てきます」

『わかりました、ではカンガルーさんもアヒルさんと一緒にお願いします』

「了解です!」

 

 百合子はそう言うと小森に「小森ちゃん、スピードを」と言うと彼女は「わかった」と言いながら加速していく。そして。

 

「っと、ここでいいだろう」

 

 目的の場所に付いたのか、子守はブレーキを踏むとT-34/85は停止した。美樹は勇樹に「ほい」と双眼鏡を渡しすと彼はそれを受け取り、キューポラから身を乗り出して偵察をし始める。

 

「さて、あの速度だと少し時間がかかりそうだが?」

 

 勇樹はそう言いながら双眼鏡を除くが、そこに目にしたのは。

 

「げっ!! なんでセモヴェンテとカルロベローチェが!?」

 

 なぜかセモヴェンテとカルロベローチェが一番乗りで止まっていた。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「百合子さん、通信。典子さんに通信!」

「そ、それがこちらもですよ!」

『セモヴェンテ2両、カルロベローチェ3両。もうすでに十字路配置!』

『十字路の北柄だね』

 

 通信機から声がしたため、勇樹は「もう知られているのか」とつぶやいた。

 

『それなら南から突撃だ』

『でも、全集警戒の可能性があります』

『アンツィオだぞ、ありえん! ここは速攻だ!』

 

 それを聞いた勇樹は「お言葉ですが」と通信する。

 

「相手はアンツィオとはいえ、強豪であるマジノ女学院を倒した相手です。きっと河島さんが考えている作戦をすぐに実行するかもしれませんよ」

 

 勇樹の言葉に彼女は『そ、それもそうだな』と理解するかのように答えた。

 

『よし、西住。今は偵察をしながら十字路へと向かおう。他のチームに何かあったら勇樹か私たちに教えてくれ』

『分かりました、十字路へ向かいましょう。ただし、進出ルートは今のまま行きます』

『勇樹さん、なかなかやるわね』

 

 みどり子の言葉に勇樹は「そ、そんなことありませんよ」と照れるのであった。

 

『ウサギさん、金魚さん。十分気を付けてください』

『がんばります!』

『了解でーす』

 

 通信機から声がすると、勇樹は「それじゃあ」とキューポラから身を引さめる。

 

「勇樹、何か役に立ちそうな道具あるのか?」

「それがあったはずなんだが、少し偵察をっと」

 

 伊江の言葉に勇樹はそう言って外に出て戦車の確認をし始めた。

 

 

「えっと、今のところ変化なしか……あ」

 

 すると、彼らの十メートル離れたところにアヒルチームがいた、あけびは彼がいたことに気づいたのか、手を振ると彼は手を振って返事をした。

 

「アヒルさん、そちらはどうですか?」

「はい、こちらは変化なしです。そちらもですか?」

「そちらもって、まあそうだけど?」

 

 勇樹はジト目で見ながらも相手の戦車を再度偵察する。

 

「うーん、動きがないな」

「エンジンも切ってますね」

「そう言えばそうだな」

 

 典子は観察しあけびはそれを言うと、勇樹は同感するかのように答える。すると。

 

「勇樹君、ウサギさんチームから連絡です。『街道南側、敵発見。すみません、見られてしまった可能性があります』と言ってきました」

 

 百合子の知らせに勇樹は「ん、妙だな」と言い始める。

 

「何が妙ですか、勇樹さん?」

「相手がウサギさんチームが見られたことだ、いくら相手が停車しているとはいえ、敵が来たら気づくはずだ。仮に寝ていたとしても相手は音か振動で気づくはずだよ」

「「なるほど」」

 

 勇樹の言葉に2人は理解する、すると百合子が「追伸でーす」と言ってきた。

 

 

「カルロベローチェ4両、セモヴェンテ2両が陣取っていますよ」

 

 

 それを聞いた瞬間、勇樹は「やっぱりそうか」と立ち上がると、そのままT-34/85に乗り込む。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「勇樹どうしたんだ戦車に戻ってきて?」

 

 伊江が突然言うと彼は「あれを出すんだ」と言ってきた。それを聞いた4人は「あれ?」と一斉に言うと。カバンからあるものを出した。それは……。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




道具解説↓
『メガネはサーモグラフィ眼鏡』
 虫眼鏡型の道具で、これを除くと人や生物がいるところには赤色に変色し、それ以外は青色に変色する。

『チャッチャカリン』
 スプレー型の道具で、このスプレーを吹きかけると行動が素早くなる。

『マジック・マグネット・ハンド』
 マジックハンドのつかみが磁石になっていて、最大10キロまで持ち上げることが出来る。

『導機』
 相手を導かせることが出来るペン型の道具で、一種の誘導装置が付いている。
 誘導したい相手に向けてスイッチを押せば起動するようになっている。


キャラクター説明↓
赤井比奈…カルパッチョの本名、名前を考えていたところ。イタリアの国旗を見て緑・白・赤なので真ん中が白=アンチョビ(本名:安齋千代美)だとしたら、赤色をカルパッチョの名前にしようとしました。ひなちゃんなので、下の名前を比奈にして上の名前を赤井にしました。


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第15話『交戦と対戦』

「『サーモグラフィ眼鏡』!!」

 

 勇樹はカバンから赤色のメガネを出すと、百合子は「その道具って確か」と思い出す。

 

「そ、これは動いているや生きている者は赤色に変色し、それ以外は青色に変色するんだ」

 

 勇樹はそう言うと、キューポラから出て例の場所に戻ると。瓶底眼鏡を外してサーモグラフィ眼鏡に変える。

 

「っと、これで……やっぱり!」

 

 勇樹は何かを確認し終えると、急いでT-34/85に入り。小森に指示を出した。

 

「小森 、退路を確保しつつ前に進んでくれ反撃されたらすぐに退却。そして美樹姉は主砲、百合子さんは近くに機関銃があるからそれを使ってセモヴェンテとカルロベローチェに向けて売って

「お、えお?」

「それはいいが」

「どうして?」

 

 小森、美樹、百合子は勇樹に向けて疑問を言うと、彼は「ま、見てればわかるよ」と答える。

 

「ま、そろそろ行くとすっか」

 

 小森はそう言いながらレバーを動かすと、T-34/85は前に進んでいき。カルロベローチェとセモヴェンテが見えるところまで行くと。機関銃と砲撃を数量に向けて放った。すると。

 

 

 バギバギバギッ!! ベキッ!!  ドガアアッ!!

 

 

 なんとセモヴェンテとカルロベローチェが簡単に壊れた! いや、簡単に壊れたのではなく。

 

 

「これって看板か!?」

「張りぼてですね!」

「「偽物か!?」」

 

 小森、百合子、そして伊江と美樹はそう言うと勇樹が「なかなかやるな」と答える。

 

 

 

「どうやら十字路に先ほどの看板を用意してオレたちが戸惑っているところを狙って、アンツィオのみんなは四角で移動し。一気に狙う作戦を狙っていたな」

 

 それを聞いた小森は「うむ、敵ながらなかなかいい作戦だ」となぜかほめる。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「うははははっ! 今頃あいつら十字路でビビッて立往生してやがんの。戦いは火力じゃないおつむの使い方だ」

 

 ペパロニは作戦がうまくいっているのではと思っている、すると通信機から『ペパロニ姐さん!』と他の隊員から声がした。

 

「なんだ?」

 

 ペパロニは通信にいに出ると、他の隊員がとんでもないことを言い出した。それは。

 

『大変です、八九式とティーガーG型がこちらに来ています!』

 

 隊員の言う通り、カルロベローチェの後ろからは八九式とティーガーG型がすでに来ていた。

 

「なんでばれてんだ!? ま、いいか。ビビってんじゃねえ! アンツィオの機動力に付いてこられるっかつーの!」

 

 ペパロニはそう言うが、実は彼女の頭はひじょーにバカで、先ほどの作戦も実は計算違いだ。

 

「シカトしとけ!」

 

 と、このように本人はバカであった。

 

 それを追っていた八九式とティーガーG型は…。

 

「敵5両発見しました!」

『こちらも同じく発見! この様子でストF24地点に発進しています !!』

 

 磯部典子と天野川が味方に送っていたのであった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 一方ウサギさんチームは加茂さんチーム基風紀委員たちと合流し、急いでセモヴェンテを探しに行っていた。すると。

 

「あ、2時に敵兵!」

 

 勇樹から渡された道具『顕微双眼鏡』を使っていると、先に2両のセモヴェンテが映っていた。

 

「またセモヴェンテ、さっきと一緒だ! 騙されるものか!」

 

 あやは先ほどの張りぼてと同じ方法ではないかと思い、攻撃しようとする。だが梓は「ちょっと!?」と急いで止める。が。

 

「おりゃっ!!」

 

 アヤハ機関銃を起動するスイッチを押して砲撃を放った。だが。

 

 

 

 カコーン!!!

 

 

 

 今度は金属音が響いて、セモヴェンテが移動し始めた。どうやらこれは本物のようだ。

 

「うえっ、本物だ!!」

「もうっ!」

 

 あやの行動に梓はあきれるのであった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

『すみませんA23地点、セモヴェンテ2両発見。今度は本物です! 勝手に攻撃しまいました、すみません交戦始まっています!』

 

 梓からの知らせにみほは「大丈夫、おかげで敵の作戦がわかりました」と冷静に伝える。

 

「セモヴェンテとは付かず離れずで交戦ください。西に行動を始めたら、それは合流を意味します。全力で阻止してください。

『自信ないけど、頑張ります!!』

 

 梓はそう言うと、今度は「あんこう、カバさん、カメさんチームは途中でカンガルーチームと合流しこのまま直進します。包囲される前にフラッグ車を片付けましょう」と伝える。

 

「当然、こちらのフラッグ車も標的となりますが。逆に囮としてうまく敵側を引き寄せてください。それではみなさん、検討と幸運を祈ります!」

 

 この時、みほの行動は。ある作戦の有利が出てくる瞬間となる。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 八九式とティーガーG型は、現在カルロベローチェを追っていながら攻撃している。

 しかしカルロベローチェは快速軽戦車の一種で、武器は少ない代わりにスピードだけは桁違い。砲撃してもカルロベローチェは当たらない。

 

「くっそー、しゃらくせえ。反撃だ!!」

 

 ペパロニは操縦手である隊員。基、アマレットは「わかった」と答える。

 すると、5両のカルロベローチェのうち1両が八九式とティーガーG型の後ろへと移動していった。

 

「バックアタック!!」

「はい!」

 

 典子がそう言うとあけびが後方についている機関銃に切り替わると後方のカルロベローチェに向けて放った。

 だが素早い動きでよけているためそう簡単には当たらない。

 すると、反対側から2両のカルロベローチェが出てくると、サンドウィッチのように前後に挟まれる。

 

「なんだなんだ?!」

「な、なにをするんだ!?」

 

 それを見た典子と祝井は驚いていると、前方のカルロベローチェが180度回転し後ろ向きで後退しながら進んでいる。そして。

 

『Spara!』

 

 ペパロニが合図をすると、全てのカルロベローチェから銃弾が放たれる。

 その銃弾は戦車に当たるが無傷に近い、正式には木津が増えるだけで白旗判定にはならない。これがカルロベローチェの弱点の一つ。

 

「「痛い痛い痛い痛いっ!!」」

 

 だが、バレー部のみんなは銃弾が当たっているのに痛いのか、痛がっている。当たっているのは戦車なのに。

 

「痛いのは戦車です。とりあえず反撃しましょう!」

 

 しかし、バレー部の通信手である近藤妙子は、冷静に答えると。砲台が発射される。

 カルロベローチェは反転するとそのまま前に逃げていく。だが、砲台が1両のカルロベローチェに向けて砲弾が放たれるとそのまま当たり。『ガダンッ!!』と激しい音がした。

 そしてそのまま2両目のカルロベローチェに放つと先ほど同様、『ガタンッ!』と激しい音がしてそのまま倒れる。

 

「よっしゃあー!」

「バレー部の時代、来てるぞー!! 次だ次、Gクイック!」

「そーれ!!」

 

 バレー部の部員と典子たちはそう言っていると、再度砲弾が放たれてカルロベローチェに当たる。

 

「っと、こちらも負けねーぞ!!」

「それじゃー、放ちまーす」

 

 丸井がそう言うと、ティーガーG型から砲弾が放たれて、カルロベローチェに当たるのであった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 一方、ウサギさんチームとカモさんチームは。セモヴェンテから逃げていた。

 

『ちょっと梓さん、逃げているだけじゃない! 反撃はしないの!?』

「2両相手じゃ無理ですよ」

 

 みどり子の言葉に梓は冷静に答える。さすがの風紀委員もこれは慌てるようだ。

 

「先回りすればいいのに」

「逃げるので精一杯!」

 

 桂里奈はそう言いながらレバーを動かしていると、優季が「あ、そうだ。考え方次第だよ」と何か思いついたようだ。

 

「向こうは1両につき1つの砲、こっちは1両につき2つの砲。園先輩と一緒だと4つの砲台だからこっちが強いじゃーん」

「なるほど!」

 

 優季の言葉にあゆみは納得すると、「なるほどじゃない!!」と桂里奈と通信機から園の声が響いた。

 こんな時に園の地獄耳なのは、逆にすごい。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 一方、カルロベローチェとセモヴェンテ。フラッグ車のP40は森の中に潜んでいた。

 そのセモヴェンテには赤井比奈基カルパッチョが乗っていて、P40にはアンチョビが乗っていた。しかし、彼女はジト目で若干苛ついている。理由は簡単。

 

「おい、マカロニ作戦はどうなっている」

 

 彼女は通信機を使ってペパロニに話しかける、すると彼女は『すみませーんそれどころじゃないんで後にしてもらいますか?』と答えた。

 彼女にしては珍しい反応なのか、アンチョビは頭上にハテナマークを浮かばせる。

 

「なんで?」

『八九式とティーガーG型と交戦中です。どうしてばれちゃったのかなぁ?』

 

 それを聞いたアンチョビは「まさか」と思い。再度通信し始める。

 

「十字路にちゃんと張りぼて置いたよな?!」

『ちゃんと置きましたよ、全部!』

 

 『全部』と言うワードに彼女は「はぁ!?」と反応する。

 

「11枚全部だと、数多いから全部ばれるだろうが!!」

『あ、そっか! さすが姐さん。賢いっすねー』

「おまえがアホなだけだ!!」

 

 アンチョビはそう叱るが事実である。

 本来、9枚を十字路に設置する予定だったが。ペパロニのミスですべておいてしまい11枚すべておいてしまった。

 結果、初めは大洗のみんなには騙せたが、確認したときにはすべてばれてしまった。

 

「おい、出動だ。敵はそこまで来ている!」

「はい」

 

 アンチョビはカルパッチョに指示すると、彼女はセモヴェンテに入り込んで移動し始める。

 

「2枚は予備だってあれほど言ったのに、なんで忘れるんだ?」

 

 アンチョビはそうつぶやくが、実質なぜか本人に聞いてもわからないだろうと推測した。

 カルロベローチェに続き、P40とセモヴェンテが後を追い大洗のフラッグ車を探しに行く。すると。

 

 

 

 

 

「あ」

 

 

 

 

「ん」

 

 

 

 

 

 大洗の隊長、西住みほと。アンツィオの隊長、アンチョビが目の前ですれ違いそのまま進んでいく……が。

 

「全車停止! 敵フラッグと隊長者発見!」

 

 アンチョビの指示に2両は停止して方向を変えていく。同じくみほも指示を出してⅢ突が向きを変えようとした。すると。

 

 

「あのパーソナルマーク…たかちゃん!?」

 

 

 すると、Ⅲ突のパーソナルマークであるカバの絵に。カルパッチョは気づいた。

 理由は意外なことに、カエサルこと鈴木貴子は、カルパッチョとSNSをしているが、実はカエサルが使用しているプロフィールの画像がカバが振り向く一面で。彼女はそれを見ただけでだれが乗っているのか分かった。

 

「75m長砲身は、私に任せてください!」

「任せた!」

 

 カルパッチョの言葉にアンチョビは答えると。セモヴェンテに乗り込んでそのままⅢ突と戦い始める。

 アンチョビはフラッグ車の後を追い始めた。

 



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第16話『戦いと食事』☆

 Ⅳ号とT-34/85 は、フラッグ車である38(t)を守りながら坂を下りながらアンツィオに向けて放っている。だが相手も考えていることは同じ、大洗に向けて放っている。

 しかし場所が坂と同時に荒地なのか、標準が合わせにくく上下に揺れるため正確に当てることが難しい。

 

「うわっ!! これ危険じゃないですか勇樹君?!」

「そんなことないと言いたいが正直言うと酔いそうだ!」

「それは正しいな、こっちも少し……上がってきた」

「っ!! 伊江ちゃん待ってそれだけはいけないよ!!」

 

 突然の事態に勇樹たちは戸惑いながらも、フラッグ車を守りながら放っていく。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 Ⅲ突はカルパッチョが乗っているセモヴェンテと戦いを挑んでいる。

 方針が回らないため、1直線にしか放たないのが弱点でスキを突くとしたら回り込んで側面を放つしかない。

 

 ドガアアアッ!!!

 

「っ! 向こうは側面がサラサラなはず。正面から狙って!」

 

 カルパッチョは砲弾を装填して操縦手に話しかける。だが。

 

 

「どこでもいいから当てろ! Ⅲ突の手法ならどこでも行ける!」

 

 カエサルはそう言いながら砲弾を装填すると、セモヴェンテに向けて放った。

 だが、少し上を向いたため的を外してしまう。

 

 ガガガッ!! ギギィイイッ!! キンッ!!

 

 砲台が上下に動くことしかできない、そして戦車を必死に動かしているが。その砲台の長さにより重なってしまいうまく標的に向けて放つことが出来ない。

 

 ドガアアアッ!!

 

 砲弾が放たれるが、またそれてしまい。再度装填する。

 

 ギャギャッ!!

 

 すると、セモヴェンテはⅢ突の前進を利用し華麗によけると。Ⅲ突はそのまま前に移動する。

 しかし、Ⅲ突は急ブレーキをして向きをセモヴェンテに向けて発信し、そのまま砲弾を放つ。この状況を例えるならば、馬に乗った将軍が1対1で戦い状況に似ている。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 一方、八九式とティーガーG型は攻撃をよけながらカルロベローチェに向けて攻撃する。

 

 ドガアアッ!!

 

 カルロベローチェは、砲弾にあてて後ろに転ぶ。

 しかし、別のところからカルロベローチェが出てきて、機関銃を放つ。

 

 1度外して戻ってくるならともかく、当たったのに何で戻ってくるのか考えると正直怖い。

 そして、この光景が何度も続くと正直つらい。その証拠に。

 

「なんかどんどん出てくるんですけど!?」

「泣き言を言うな!!」

 

 半泣き状態のあけびに典子は装填していく。

 そして砲弾は放たれてカルロベローチェに当たる。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 P40は、T-34/85とⅣ号に攻撃するが砲弾はかすみ。Ⅳ号から砲弾を放つ。

 広場であろう場所に出ると、すれ違いながらP40は砲弾を放つがその前にT-34/85が砲弾を放つ。しかしどちらの砲弾も当たらずかすんでいく。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「形勢逆転した~い」

「今はそれどころじゃない!!」

 

 ウサギさんチームは、現在セモヴェンテから逃げているので精いっぱいで。宇津木の言葉に桂里奈は突っ込んだ。

 そしてセモヴェンテから砲弾が放たれると地面に当たる。

 

「私も打ちたい!」

 

 途中、あゆみはそう言うが、砲弾が当たったことでみんなは聞いていなかった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 一方、かばさんチームは。カルパッチョが乗るセモヴェンテと戦っていた。

 

 ドゴオアアアッ!! ギィンッ!!

 

 セモヴェンテから放たれた砲弾は、カバのエンブレムが掛かれた右側面をかすめる。

 戦車はそのまま進むと、右に方向を変えて再度攻撃する。Ⅲ突は砲弾を放つが、当たらずそのまま直進していく。

 すると、カエサルは。「この車……」と何かに気づいたようだ。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「はぁううっ!」

 

 一方バレー部とお祭り発見部は、カルロベローチェの攻撃を受けながら逃げている。

 快速戦車なので前に出ると後退で進みながら機関銃を放つ。

 すると、お祭り発見部が乗るティーガーG型が砲弾を放つとカルロベローチェに当たる。

 八九式もカルロベローチェ当てるが、横からカルロベローチェが出てくる。

 

「ああっ!! また来た!」

「西住隊長、霧がありません!」

『どうなってんだ?!』

 

 カルロベローチェの大群にバレー部とお祭り発見部はそう言うと通信機から西住が『大丈夫』と言い出した。その理由は。

 

 

『カルロベローチェは不死身な若ではありません。白旗判定の出てない車両を立て直してくるのです』

 

 

 そう、いくら軽戦車であり快速戦車のカルロベローチェでも一種の戦車であり、簡単にやられやすい。

 しかし、逆に軽いからであるからこそ、転んでも必死に建て直せば何度も再起動可能。カルロベローチェの特徴の一つ。

 

「はえー」

「車体の軽さで衝撃を緩和しているんですね」

「回転レシーブ」

「要するに根性だ!」

 

 あけび、妙子、忍、典子はそう言うと通信機から『いや、どういう意味だ』と祝井が突っ込みを入れる。

 

『ウィークポイントを落ち着いて狙ってください。アヒルさんチームと金魚さんチームならきっとうまくいけます!』

 

 みほがそう言うと典子が「よっしゃー佐々木」と指示を出す。

 

「もう一度最初っからだ!」

「はいっ!」

 

 あけびはそう言うと、典子は「バレー部、ファイト―!!」と叫ぶと、3人は「おー!」と答える。

 

「砲を支えれば戦車は揺れても標準は安定する!」

「はいっ!」

「気合い入れてイケー!!」

 

 典子の指示にあけびは答え、ハンドルを動かし標準をカルロベローチェに向ける。ただし今度はカルロベローチェの真後ろ。今で言うとちょうど後方。エンジンがあると思われる場所に標準する。

 

「ウィークポイントはエンジン冷却部!」

「打て―!!」

 

 そして典子が指示を出したその時、突然2両のカルロベローチェが左右に割れたため何かと典子がキューポラからでてみると、前からM3リーとルノーが目の前にやってきた!!

 

「おおっ!?」

 

 典子は驚いていると、八九式は右によけて衝突を免れた。だがなぜか片輪を上にあげながら進みプロ並みにすごい一面を出す。

 ティーガーG型も、ルノーに当たりかけるが華麗によけて衝突を免れる。そして。

 

「打てええっ!!」

 

「はいっ!!」

 

 そして、あけびが引き金を引くと砲弾はカルロベローチェのエンジン冷却部に当たる。すると先ほどとは違って黒い煙を出してそのまま転んでいく。

 そしてカルロベローチェの動きが停止すると側面から白旗を出した。

 

「次、フロートライト!!」

「はいっ!」

 

 典子は砲弾を装填すると、あけびはカルロベローチェに放つ。

 するとカルロベローチェは一瞬浮かぶと白旗を出した。

 

「バックライト!」

「はいっ! ここもウィークポイント!」

 

 あけびは標準を定めて放つと、カルロベローチェにあたりそのまま前進していき。頭上から白旗を出す。

 そして再び、砲弾を放つとカルロベローチェは転び白旗を出した。

 

「調子に乗りやがって!」

 

 その光景にペパロニは怒りをあらわにした。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

『カルロベローチェ4両、走行不能』

 

 審査員の言葉にアンチョビは「なんだって!?」と驚く。

 

「おい、包囲戦は中止!」

 

 アンチョビは指示を出すが、どこからか砲弾が放つ音がするとカルロベローチェに当たり白旗を出した。

 

「とか言っているうちにCVがやられた!! 丸裸だ!」

 

 彼女がそう言うのは正しい。、現在、38(t)とⅣ号、そしてT-34/85がP40に向けてやってきている。

 

「一同、フラッグのところへ集まれ!! 戦力の立て直しに諮るぞ、分度器作戦を発動する」

 

 アンチョビはマイクに向けて指示を出す。するとペパロニは『了解!』と答える。

 

「分度器作戦手なんでしたっけ?」

 

 アマレットはペパロニに分度器作戦のことを言うと、彼女は「あー知らん」と答える。

 そしてカルロベローチェは向きを変えてP40の砲へと発進していく。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 それを見た丸井は。

 

「あれ~?」

 

 頭を傾げるのであった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 一方、M3リーとルノーはセモヴェンテから逃げているが。

 セモヴェンテはアンチョビの指示を聞いて作戦を変更し。M3リーとルノーの攻撃からP40の方へと変えていく。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

『P40が単独になりました、援軍が来る前に決着をつけます!』

「あいよー、でどうやるの?」

 

 みほの言葉に杏は答えると、勇樹が『それでしたらいい方法があります』と言い出す。その内容は。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 現在、ペパロニとアマレットが乗っているカルロベローチェは、現在アンチョビが乗るP40に向けて高速で発進している。

 

「待っててください。統師(ドゥーチェ)!」

 

 ペパロニは急いでアンチョビのところへと行き、出来る限り守ろうとする。快速戦車に乗っているため数分で着く可能。

 しかし後ろから八九式とティーガーG型がカルロベローチェを追いかけていく。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 一方のウサギさんチームとカモさんチームは、セモヴェンテがP40に向けて発進しているのを確認し、急いで後を追っている。

 

「向こうが合流する前にがんばってやっつけるよ」

「やっと打てる!」

 

 梓の指示にあゆみは打てることを確信する。

 

「こっちも風紀の名に懸けて攻撃するわよ、パゾ美、ゴモ代!」

「うん」

「わかったよそど子」

 

 同じくみどり子も同じ風紀委員の後藤モヨ子と金春希美の向けて言うのであった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「ん、追ってこないぞ。どこかで隠れたのか? そうはいくか!」

 

 アンチョビはみほたちが乗る戦車がいないことに気づき、あたりを見渡しながら進んでいる。

 すると、森の中に38(t)があることに彼女は見つけた。

 

「あ、いた!!」

 

 アンチョビはそう言った途端、38(t)は逃げるかのように移動していく。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「統師の位置まであと1.2キロ!」

 

 セモヴェンテの社長はそう言いながら急いで行っていると、M3リーとルノーの放たれた砲弾が地面に当たっている。狙いはセモヴェンテのようだ。

 しかし、動きながら放っているためそう簡単には当たらない。

 

「あーもう!」

「なんで当たらないのって腕だよね」

 

 あやとあゆみはそう言っていると梓が「やっぱり停車して打とう」と言い出した。

 

「急がば回れだよ」

「はい、停車!」

 

 桂里奈は戦車を止めて発射準備をし始める。

 

「ゴモ代、こっちも停車よ!」

「わかったよ」

 

 みどり子も、戦車を停車して狙いをセモヴェンテに向ける。

 

「せっかく2つの砲があるからこれで誤差を調整するの」

「どうやるの?」

 

 優季はそう言っていると、梓は「あや、打って」と指示を出す。あやは「オッケー」と砲弾を放つ、しかし外す。

 

「やっぱり外れた!」

「えっと、右に1m。上に50㎝修正して」

「うん」

 

 梓に指示にあゆみは狙いを修正すると、梓が「打てっ!」と声を出す。

 そして砲弾を放つと、今度はセモヴェンテに当たり白旗を出した。

 

「あたったー!」

「すごーい!」

 

 桂里奈と宇津木は喜んでいるが、梓は「あや、あゆみ。次を狙って」と2人に指示を出す。だが。

 

「おー!」

「あ、逃げられた!」

「追うよ、落ち着いて冷静に」

 

 逃げられても冷静に対処している梓に通信機から『あなた、西住隊長見たいね』と声がする。どうやらこの声の主はみどり子のようだ。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 一方、セモヴェンテとⅢ突は、交戦を続けており。何度も放っては向きを変えている。

 

「次で決着をつけてやる! 正面で打ち合った直後に!」

 

「後ろに回り込む、装填の速さで決まる」

 

 カエサル、カルパッチョは何かで通じ合っているのか。2人はそう言うのであった。

 

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 一方、38(t)基カメさんチームは。P40から逃げている。

 

「待ち伏せらしきⅣ号とt-34/85は見当たりません」

「囮かと思ったら、考えすぎか。いいか見せつけてやれ、アンツィオは弱くない」

 

 アンチョビはそう言うが、間違えに気づいたのか「じゃなかった、強いということを!」と訂正される。

 

「目指せ、悲願のベスト4じゃなかった、優勝だー!!」

 

 そして砲弾を放つが見事外す。38(t)も放つが外してしまう。

 

「はーずれー」

 

 それを見た杏は干し芋を食べるのであった。柚子は「たまには当ててよ桃ちゃん」と言うが、彼女は「今は挑発行動中だからこれでいいんだ!」とイラつくように答える。

 

「西住ちゃん。そっちはどう?」

『もうすぐ到着します、誘導、お願いします』

「はいはーい」

 

 みほに、何かを確認しあうかのように答える杏であった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 そして、セモヴェンテとⅢ突が正面に体当たりした瞬間。

 

 

 ドゴアアアッ!!

 

 

 両車、砲弾を放った。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「よーし、追い詰めたぞー!!」

 

 38(t)は崖に追い詰めたことを確認したアンチョビは確信し、砲弾を放つ。

 だが相手はそれをかわして右に移動した。

 

「は、くそ! 装填急げ!!」

 

 彼女は急いで装填するように言った途端、上に何かがあることに気づき見上げると。そこにはⅣ号が!!

 

「え、えーっと」

 

 それを見たアンチョビは顔を青ざめると、セモヴェンテがやってくる。

 

「統師遅れてすみません! あいた!!」

 

 しかし崖から落ちて戦車は転んでしまった。

 それを見たアンチョビは「こら、無茶するな! ケガしたらどうする!」と叱るすると。

 

 ドガアッ!

 

 どこからか砲弾がセモヴェンテに当たり白旗が出てきた、その正体はルノーとM3リーであった。そして…。

 

 

「アンチョビ姐さん!!」

 

 

 ペパロニとアマレットが乗るカルロベローチェとそれを追う八九式とティーガーG型がやってきた。

 

「姐さーん!!」

 

 ペパロニは後ろから来ているとも知らず、そのまま走っていく。そしてついに。

 

 

 

 ドガアアアッ!! ガァアアンッ!!

 

 八九式が放たれた砲弾がカルロベローチェに当たると。そのまま転がっていき影にぶつかった。

 P40は4号に放つが外してしまう。するとアンチョビはある事に気づく。それは。

 

 

「あれ、t-34/85はどこに!?」

 

 

 Ⅳ号と一緒にいたt-34/85がいないことに気づき、あたりを見渡した。すると。

 

 

 ガアアアッ!! ドガアアアッ!

 

 

 突然後ろから戦車が現れると、砲台がエンジン部に狙いが定まるとそのまま砲弾を放つ。そして結果は。

 

 

 

 

『フラッグ車、P40走行不能。大洗女子学園の勝利!!』

 

 

 奇跡に大洗の戦車が1台も戦闘不能……いや、1台だけ戦闘不能になったが。アンツィオの戦車をすべて戦闘不能にすることに成功する。

 

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 そして夕方、みんなは戦車から出て帰ろうとする。すると。

 

「いやー」

 

 どこからか聞いた声がしたため、みんなは何かと振り向くと。アンチョビがやってきた。

 

「今年こそは勝てると思ったのになー、でもいい勝負だった」

 

 アンチョビはそう言いながらみほに握手する、するとみほは「はい、勉強させていただきました」と答える。

 そしてアンチョビはハグするかのようにすると「決勝まで行けよ、我々も全力で応援するからな」と言う。

 

「だよな!」

 

 アンチョビが後ろに向けて言うと、そこにはアンツィオの生徒が「おー!」と何かを用意していて、それをしながら答えている。

 

「あの、アンチョビさん。彼女たちはいったい何を?」

 

 勇樹はアンツィオの生徒たちが何かをしていることに気づき。アンチョビに質問する。

 すると彼女は「ああ、これか?」と答える。

 

「諸君、試合だけが戦車道じゃないぞ。勝負を終えたら、試合にかかわった選手スタッフをねぎらう。これがアンツィオの流儀だ!」

 

 すると、生徒らはどんどんと机を設置し料理を作り始めた。

 

「すっげー、勇樹の道具よりもすごいかも」

「ああ、俺の道具は何でも作れるが。この味だけはさすがに再現不可能かも」

 

 伊江はアンツィオの行動を見て呟くと、勇樹はそれに同意するかのように答える。

 

「我が校は、食事のためならどんな労も惜しまない!」

 

 アンチョビはそう言うが、小さな声で「この子たちのやる気がもう少し試合に生かせるといいんだけど」と言うが、「まあ、それはおいおいやるとして」と明るくなる。そして。

 

「せーの!」

 

 

 

 

「「「「「「「「「「「いただきまーす!!」」」」」」」」」」

 

 

 

 

 アンツィオと大洗のみんなは食事をするのであった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「そう言えばアンチョビさん、森子さんは?」

 

 勇樹はアンチョビに向けて言うと、彼女は「ああ、森子ならあそこに……」と言うが、何かに気づいたのか勇樹に「ちょっと待て」と言い出す。理由は簡単。

 

「なんでペパロニの本名を知っているんだ?」

 

 それを聞いた勇樹は「え、なんとなく」と答えると。パスタを食べる。

 だが、アンチョビは「お、おい!」と言うが。百合子が「よっと」と勇樹を担いでその場から去っていく。

 

「チョビ子さん、失礼しまーす!」

「おい、彼を話せって。あとチョビ子じゃなーい!」

 

 百合子の言葉に、アンチョビは答えるのであった。

 

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「たかちゃんも、装填手だったんだ」

 

 一方、カルパッチョとカエサルは、静かなところで何か話をしている。どうやら先ほどの試合の話をしているようだ。

 

「ああ」

「最後はやっぱり、装填スピードの勝負だったね」

 

 カルパッチョはそう言っている何かに気づいたのか、ある方向を見て数秒後、「ふふっ」とほほ笑む。

 それを見たカエサルは「なんだよ」と言うと彼女はこういう。

 

「お友達が心配しているみたい」

「え?」

 

 カルパッチョの視線に、カエサルは見てみると。左衛門佐たちが「おわっ!!」と出てきた。聞こうとしたがバランスを崩してしまい逆にばれてしまったようだ。

 

「「あ、あははは」」

「っと、生徒会長がリーダーに招集をかけているような気がするんだが。取り込んでいるなら私が行くぞ」

 

 左衛門佐とおりょうは苦笑いで反応するが、エルヴィンが招集のことを言うとカエサルは「今行くよ」と答える。

 

「来年もやろ、たかちゃん」

 

 カルパッチョはそう言いながら握手をする。カエサルは握手をして「たかちゃんじゃないよ」という。カルパッチョは「え」と反応する。

 

「私はカエサルだ」

 

 たかちゃん基カエサルはそう言うと、エルヴィンたちのほうへ歩いていく。それを見たカルパッチョも「ふふっ」とほほ笑む。

 

「そうね、じゃあ。私はカルパッチョで」

 

 ひなちゃん基カルパッチョはそう言うと、食事会は進んでいくのであった。

 

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 そして準決勝で、ある事実を話すことにみんなは知らなかった。




キャラクター紹介↓
緑野森子…ペパロニの本名、名前を考えていたら赤井比奈同様、イタリアの華を連想していたら緑色を思い出したので、緑から結果。緑野森子という名前を考えてしまいました。


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第17話『プラウダと驚愕の事実』☆

長い間待たせてすみませんでした、こちらも事情により投稿が遅れてしまいました。


「えっと、これとこれはいるとして。これはいらない」

 

 勇樹は現在、道具の修理と同時に必要な物と必要ないものを区別している。

 続いてはプラウダという戦車道のランク4の1つで、強力な戦車を用意しているとうわさがある。

 さらに、今度戦うところは陸上だが場所が北と言った寒い所で戦うことになっている。そこで、勇樹はそれを想定して道具を温かいものを集めている。

 

「これは……あ、壊れかけている。修理行きっと」

 

 だが、最近使用している物とあまり使用していない物があり、修理しないといけないようだ。

 

「それにしても、意外だな」」

 

 区別をしている途中、彼はある事を思い出す。それは西住達が乗っているⅣ号の戦車の改造が終わった時、プラウダに勝つのは難しいのではと思った時だ。

 ここで少し棄権になるかと彼は思ったが、会長は「それはだめ」と真剣に答えたこと。彼女にしては意外な答え。

 だが、勇樹も理解できると思う。今調査している事件の相手が黒森峰のライバルであるプラウダ、資料をもらって試合に出ないのは不公平だと思っている。

 

「ま、今は区別するか」

 

 勇樹はそう言いながら、道具の区別をするのであった。

 

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「で、勇樹ちゃん。持っていく道具決めたの?」

「会長、それは大丈夫です」

 

 次の日、ココアは勇樹に向けて言うと彼は道具が入ったカバンを出して会長らに見せる。

 

「一応温かくする道具を中心とした物が多くあります、最大で10個ほどあります」

「ふぅん、まぁこれでいいじゃない? 問題はないし」

 

 ココアはそう言いながら道具を確認すると、それらをカバンに入れる。

 

「そんじゃあ、次の試合頑張ってねー」

 

 ココアはそう言いながら去っていくのであった。

 

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 そして当日……。

 

「ぶるるっ、いくら何でも寒いな」

「ええ、ですが勇樹さんの道具のおかげで温かいですね」

 

 伊江と小梅はそう言いながら話している。

 実は、勇樹はみんなに道具を使用している。その道具は、温度をあべこべにする『アベコベクリーム(体温用)』と言う道具で、クリームを肌に塗るだけで、暑いが寒い(逆に寒いが暑い)と体温が感じる。

 ただし、クリーうなのでその道具には制限があるので、沙織は「寒い!!」と体を縮ませて反応する。

 

「Ⅲ突のキャタピラは、ウィンターゲッテにしたし。ラジエーターに不凍液を入れたよね」

「はい」

 

 みほと優花里は、Ⅲ突の戦車を確認し終えると。2人はある人物を見つける。その人物は、カモさんチームであった。

 

 

 

「あの、再度いきなり試合で大変だと思いますけど、落ち着いて頑張りましょう」

「そうね、また試合になったけど。よろしくね西住さん」

「はい」

 

 

 みどり子は西住にそう言うと、百合子が「あ、誰か来ますよ」と反応する。

 

「あれって……子供と大人?」

「いえ、プラウダ高校の隊長と副隊長です」

「地吹雪のカチューシャとブリザードのノンナです」

 

 優花里の解説に彼女は「へぇー、あの子がカチューシャちゃんですか」と感心する。

 カチューシャは、みほたちの戦車を見て数秒後、「ふふっ」と鼻で笑う。

 

「このカチューシャを笑わすために、こんな戦車を用意したのね!」

 

 カチューシャは笑うかのように言うと、杏がやってきて「やぁやぁカチューシャ。よろしく」と手を伸ばす。

 

「生徒会長の角谷だ」

 

 すると、カチューシャは頬を膨らませると「ノンナ!」と彼女に言う、するとノンナは「はい」とある事をした。

 それを見た杏は「え?」と目を丸くしながら顔を上にあげる。それもそのはず、何故ならカチューシャは今肩車状態になっているのだ。

 

「あなたたちはね、すべたがカチューシャより下なの! 戦車の技術も身長もね!」

 

 それを見た杏はジト目で見ていると、桃は「肩車しているじゃないか」とつぶやく。するとそれを聞いたカチューシャは「聞こえたわよ」と桃に向けて言う。一応聞こえるんだ。

 

「よくもカチューシャを侮辱したわね、しゅくせーしてやる! 行くわよノンナ!」

 

 カチューシャの指示にノンナは無口で帰っていくのであった。すると、彼女はみほを見つける。

 

「あら、西住流の……去年はありがとう、あなたのおかげで私たち、優勝できたわ。今年もよろしくね」

 

 カチューシャはみほにそう言いながら「じゃあね、ピロシキー」と言いながら去っていく。

 

 それを見た勇樹は「おい」とカチューシャとノンナにツッコミを入れる。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

「伊江、どうだ?」

「っと、問題ないぜ」

「こちらも大丈夫です、小森ちゃんは?」

「こっちはカイロをたくさん買った、あったかいから問題はない。幹子は?」

「ふふ、寒い所にも行っているから慣れているよ」

「そっか、わかった」

 

 勇樹は伊江たちに確認すると、勇樹はアヒルさんチームを見る。今回の試合のフラッグ車がカメさんチームからアヒルさんチームに変更したからだ。

 

「みほさん、フラッグ車であるアヒルさんチームを守りながら出良いですよね?」

「はい! しかし、相手は最強高校であるプラウダですので、相手の動きを見ましょう」

 

 みほの言葉を聞いた勇樹は「わかった」と答えると、そのまま戦車に入り込む。

 

 そして、戦闘開始の合図が放たれると、彼女たちは戦車を進ませていく。

 

 

 この試合で、角谷会長たちが隠していた事実が発覚することになる合図が。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「うっ、熱い―なぁ

「ですが、熱いってことは効果が発揮していることだ」

 

 伊江はそう言いながらも小森が操縦をしながら言ってきた。それを聞いた勇樹は「いや、十分聞きすぎ」と答える。

 現在、フラッグ車の八九式は、M3リーと38(t)が左右からはさみ前からはⅢ突とⅣ号がF2型とT-34/85が守りながら進んでいる。

 

「あ、勇樹君。こんな時にあろうかと思いまして、ココアが入った水筒を持ってきました、みんなの分もありますよ?」

「お、寒いときに非常にいいね。ありがとう」

 

 百合子はカップにココアを注ぐと、それを勇樹に渡す。彼はそれを受け取るとちびちびと飲んでいく。

 

「それで、百合子さん。双眼実体顕微鏡は?」

「はい、今潜望鏡モードにしていますけど。怪しい戦車は今のところありませんね」

 

 百合子の言葉に彼は「そうですか」と答える。今のところ異常はないようだ。

 すると小森が「つかまれ」と言うと急ブレーキをしてきた。勇樹は「ぶっ!?」とココアを飲んでいる際にブレーキをしたのか、中身が少しこぼしてしまう。

 

「な、なにすんだ小森!?」

「前を見ろ」

「ま、前?」

 

 勇樹は前を見ると、雪が積もって段差が出来上がっていた。

 

「うわ、これはすごいことになっていますね」

「それじゃあ、砲弾で」

「ちょっと待って、こんな時にあれを持ってきて正解だ」

 

 勇樹はそう言いながら出したのは、正方形の形をしたごてをカバンから出した。

 

「『液体ごて』、これを使って雪を解かそう」

「え、雪って液体じゃないのか?」

「雪は元々液体から来てね、それを冷やしたのが結晶で、集まった物質が雪となったんだ」

 

 伊江の言葉に彼は答えながらもキューポラから出て、『液体ごて』を雪の壁に当てる。すると。

 

 

 しゅー……

 

 

 ごて先と同じ四角い形に雪は解けていき、へこみが出来ていく。

 

「勇樹これを使って前に進んでいこう。全部で15個あるから安心して」

 

 勇樹はそう言いながら『液体ごて』をチームのみんなに渡す。

 そして、へこみがどんどんできていき。戦車は前に進んでいくのであった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 M3リーも、みほたちの後を追いながら進んでいると、山郷が木にリスがいることに気づく。

 

「リスだよ!」

「可愛い!」

 

 あやはそう言うと、梓と普段無表情の紗季がほほ笑む。

 

「雪、ロシア、戦争と聞くと」

「スターリングラードを連想するな」

「縁起でもないぜよ」

 

 歴女のみんなは、エルヴィン、左衛門佐、おりょうが歴史系の話を言いながらも行動するのであった。

 

 みほは現在、左右を見ながら進んでいると何かに気づいたのか、双眼鏡を出して前を見る。

 その先にあったのは、プラウダ高校の戦車であるT-34/85が3両見つけた。

 

『11時に敵戦車、各車警戒!』

 

 みほは通信機でみんなに言うと、M3リーとⅢ突は幅を広げて間に戦車を入りやすくした。

 

「3両だけ……囮じゃないね」

 

 みほはそう言っていると、T-34/85は大洗の戦車に向けて砲弾を放った。

 

「気づかれた、小砲進になった活かすのは今かも」

 

 彼女はそう言いながら戦車に入り込む。

 

「砲撃用意してください! カバさんチーム、射撃!」

 

 華に向けて言うと、彼女は射撃用意をする。

 そしてカバさんチームが乗っているⅢ突は、T-34/85に向けて放つと一部に当たり、白旗が出る。

 同じく、あんこうチームも攻撃をすると、T-34/85に当たり白旗が上がった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「うーん、これは変だね」

「え、なんでだ?」

 

 様子がおかしいことに気づいたのか、美樹がそう言うと伊江が疑問を浮かべた。

 

「だって相手は結構の数だよ。それなのに2、3両だけ出るって」

「あー……確かに変だな」

 

 2人がそうっていたその時。

 

 

 

 

 

 ドガアアッ!!

 

 

 

 

 突然外から激しい音がし、みんなは「うわっ!?」と驚く。

 すると通信機から『全車両前進、追撃します!』とみほの声がした。

 

「こ、小森! 急いでいくぞ!!」

「了解!!」

 

 勇樹の指示に小森は急いでレバーを動かし、みほたちの後を追い始めた。

 

「あれ、何で逃げてんでしょうか?」

「簡単だ百合子さん、1両で全車両挑むのは無理があるから逃げてんだよ」

「あ、それもそうですね」

 

 伊江の言葉に百合子は照れながら答える、すると。

 

『フラッグ車発見しました!』

 

 それを聞いた百合子は「え、本当!?」と驚愕する。あっさり見つけるのは意外だと彼女は驚いた。なんせ相手は強豪校なのに、なぜそれをしているからだ。

 

 

「ん、待てよ。フラッグ車が丸見え、それに他の戦車が……っ!!」

 

 勇樹はそれを聞いた推理した途端、突然青ざめると全車両にある言葉を言う。

 

 

 

 

「全車両後退だ!! 今すぐ後退だー!!」

 

 

 

 勇樹がそう言っていると、Ⅲ突とM3リーはフラッグ車に向けて攻撃するが、雪に当たって不発する。

 

「って、外すんかい!」

「あ、Ⅲ突の攻撃が戦車に当たりました!!」

 

 百合子がそう言うと伊江が「まじか」と答える。だが、他の戦車はフラッグ車を守りながら逃げていく。

 すると、あんこうチームを除く戦車はフラッグ車を追うように発進していく。それを見たみほは

 

「ちょっと待ってください!」

「西住、これってまさか!」

 

 そう言ってきたのは、カンガルーチーム基奇跡の石川勇樹と、金魚さんチーム基お祭り発見部の祝井祭里であった。

 西住も感じていたのか「はい、これは罠の可能性があります!」と答える。

 

「分かった! 祭里さん、急いで行きましょう!」

「わかった! みほさん、付いて来て下さい!」

「は、はい!」

 

 先頭車から、カンガルーが発進すると、金魚、あんこうが後を追うかのように進んでいく。

 そして彼らの先にあったのは、廃墟となった村が見えてきた。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「勇樹君、これってどういうことですか?!」

 

 百合子は勇樹に向けて言うと、彼は「あくまで予測だ」と言い始めた。

 

「相手がフラッグ車を狙っているのは推測できる。だが、敵は味方と同じくフラッグ車を狙っている。しかもガードをしながら移動している」

「うーん、そうだが。それが?」

「もしそれを崩す方法があったら、フラッグ車に攻撃が可能。周りの風景と同化すれば」

「って、カメレオンじゃないから。安心するんじゃないかい?」

 

 

「いや、ここならいけるかもしれない」

 

 

 小森は心配そうに言うと、勇樹は「そうだ」と答える。

 それを聞いた百合子は「まさか」とキューポラから顔を出してあたりを見渡す。よく見ると、戦車があまりいない。いや。

 

 

 

 

 

 プラウダの作戦に引っかかり、袋のネズミとなった。

 

 

 

 

「しまった!!」

 

 百合子はそう言うが後の祭り、戦車がどんどん出てきて攻撃をしてきた!!

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 ドガアアッ!  ドガアアッ!!

 

 

「うわあっ!!」

「小森! 建物に避難、そこに避難だ!!」

 

 勇樹はこの村で一番大きい建物に向けて言うと、彼女は「わかった!」とレバーを動かして戦車を移動する。

 

「勇樹! 何か道具は!?」

「煙幕ボールは足りないし、液体ごてで使用しても間に合わない。何か作戦を考えないと」

 

 勇樹はそう言いながら道具を片っ端から探している。

 そうしていると、みほたちの戦車がどんどん入ってきて、あんこうチームが入ってくると勇樹が「あった!」とあるものを出すと、急いで窓と扉に置いていく。

 

「勇樹、何をするんだ!?」

「祭里さんも手伝ってください!! 時間がありません、皆さんも!!」

 

 勇樹はそう言うと、みんなも急いで勇樹のところへと行き、道具をもらう。

 

「窓と扉においてください、そしたら取っ手を上にあげたらその場から離れて!!」

 

 勇樹の指示にみんなは窓と扉に置くと、取っ手を真上に動かすと。中から灰色のバックが出てきた。

 

「うわっ!! なんだこれ?!」

 

 これを見たみんなは驚いていると、勇樹が「今度はこれを!」とリモコンを出してスイッチを押す。

 すると、外部から金属音がすると同時にかぎがかかる音が響いた。

 

「お、おい! これは何だ!?」

「『手持ちシェルターセット』です、万が一のことも考えて用意しましたが、ここで役に立つとは」

 

 勇樹はそう答えていると、爆音が突然静止した。

 

「と、止まった?」

 

 梓はそう言うと伊江が「油断はしないほうがいいかもと答える。すると。

 

 

 コンコンッ

 

 

 外から音がしたため伊江が「なんだ?」と言うと、勇樹が「待って」とスイッチを押した、すると壁の1部が透明化してW人のプラウダ高校の生徒が表示される。

 そのうち、1人の生徒が白い旗を持っている。

 

『カチューシャ隊長の伝令を持ってまいりました』

 

 それを聞いた伊江は「で、伝令?」と頭を傾けると、百合子が「今で言うと伝言だね」と簡潔に解説する。

 

『降伏しなさい、全員土下座すれば許してあげる。だそうです』

 

「っ!」

「なんだと?!」

 

 それを聞いたみほは驚愕すると、桃は食い掛るように反応する。

 

『隊長は心が広いので3時間は待ってやるとおっしゃっています。では』

 

 プラウダ高校の生徒はそう言うとここから去っていく。それを確認した勇樹はリモコンを押すと、画面が不透明化となった。

 

「誰が土下座なんか!」

「全員自分より身長を低くしたかったんだな」

「あ。それで土下座をですか」

「抵抗戦だ!」

「戦い抜きましょう!」

 

 それを見た典子、桃、小梅、エルヴィン、梓はそう言うとみほが「でも」と言い始めた。

 

「もう、こんなに囲まれていれば……一斉に攻撃されたら、けが人が出るかも」

「ねえ、勇樹君、医療道具は…」

「あるにはあるが、人数分かどうかは不明だ」

 

 百合子の言葉に勇樹は答えると、彼女は「そうですか」と悲しい反応をする。

 

「みほさんの指示に従います」

「私も! 土下座くらいしたっていいよ!」

「私もです!」

「準決勝まで来ただけでも上出来だな。無理はするな」

 

 華、沙織、優花里、麻子はみほの指示に従うかのように言う。だが。

 

 

 

 

「だめだ!!」

 

 

 

 

 突然桃が反対するかのように発したため勇樹は「おわっ!!」と驚く。

 

「絶対に負けるわけにはいかん、徹底抗戦だ!」

 

 桃は、負けないことを決めているのか、そう言うが、今の状態は負傷戦車が多いため行動は難しい。

 

「でも…」

「勝つんだ、絶対に勝つんだ!! 勝たないとダメなんだ!!」

「どうしてそんなに、初めて出場して、ここまで来ただけでもすごいと思います」

「そうだな、みほさんの言う通りだ。戦車道は戦争じゃない」

「あ、勝ち負けより大切なものがあるんですね」

 

 みほたちはそう言うが、桃「勝つ以外の何が大事なんだ!!」と言い始めた。

 

「私、この学校へ来てみんなと出会って、初めて戦車道の楽しみを知りました。この学校も、戦車道も大好きになりました! だからその気持ちを大事にしたまま、大会を終わりたいです!」

「何を言っている……」

 

 みほはそう言うが、桃は悲しそうな表情でみほに向けていると、この後とんでもないことを言い放った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「負けたら我が校はなくなるんだぞ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「え……学校が、なくなる?」

 

 みほがそう言うと、杏が「河島の言う通りだ」と言い始める。

 

「この全国大会で優勝しなければ、我が校は廃坑になる」




道具説明↓

『アベコベクリーム(体温用)』
 クリーム状の道具で、これを肌に塗るだけで、暑いが寒い(逆に寒いが暑い)と体温が感じる。

『液体ごて』
 後手型の道具で、これを使えば形を変える液体が含んでいれば溶かしたり増したりすることが出来る道具。

『手持ちシェルターセット』
 箱型の道具で、これを窓と扉などと言った部分にセットして取っ手を上にあげると、灰色のバックが出てきて囲んで切れて、専用のリモコンでシェルター化にしてくれる。リモコン尾を押す場所によっては、一部を透明化にしてくれる。


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第18話『絶体絶命と逆転』

 

「……やっぱりこうなるんだね」

 

 太田はパソコンの画面を見て言うと、桜が「どういうこと?」と疑問が浮かぶ。

 

「なぜ大洗の学園艦を狙うの。それにどうして学園艦を?」

「文部科学省の学園統廃合の方針だと思う、生徒数の減少と同時に活動実績がないから決定したんだろう」

「かつどー実績?」

「何かやったことっす、茶道や剣道などっすよ」

 

 福音の疑問に霊華が答えると、彼女は「おー、なるほど」と納得する。

 

「これは、勝たないと廃校決定になるってことか」

「ええ、勇樹さんたちとみほさんたちが運命を決めるね」

 

 アレンと奈々はそう言うと、画面を見つめる。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「なるほど、それででしたか」

 

 勇樹たちは、河島と杏の話を聞いて理解する。

 彼女たちが行っていることをまとめると、『廃校になる前に、ある程度戦車があったからそれを売って、廃校を逃れた。今あるのは売れ残り』と言う事。

 

「残っている道具で何とか出来るかな?」

「そうだねぇ」

 

 勇樹はそう言いながらカバンに入っている道具を見て言うと、祭里は答える。

 

「しかし、みほさん。試合は終わっていないんだな」

「はい、まだ負けたわけではありませんね」

「西住殿、石川殿…」

 

 勇樹とみほの言葉に優花里は反応する。

 

「頑張っていきたいです、だって来年もこの学園で戦車道をしますから」

「それは同意だ」

 

 みほの言葉に勇樹は答える。すると。

 

「私も、西住殿と同じ気持ちです!」

「そうだよ、とことんやろうよ! 諦めたら終わりじゃん!」

「まだ戦えます!」

「うん」

「勇樹さん」

「わかった、会長。降伏はしません。最後まで戦いぬきます」

「ただし、みんながケガしないよう。冷静に判断しながら」

 

 勇樹とみほはそう言うと、杏は「わかった」と答える。

 

「そうときたら。修理用の道具は確かここに……あった」

 

 勇樹はカバンから工具箱を出すと、それらをみんなに配る。

 

「みなさん、この『修理箱』を使って戦車を修理してください。誰でも修理が出来ますので安心してください」

「はい、あと。Ⅲ突はひまわり、M3は副砲。それぞれエンジンのかかりが悪くなっている車両はエンジンルームを温めてください。

「時間はありませんが落ち着いて」

 

 みほはそう言うと、みんなは「「ハイ!!」」と答えて修理に取り掛かる。

 

 残っている時間を使って。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「『焚火ツボ』」

 

 勇樹はカバンから円盤型をした道具を出すと、ツボの中に薪を入れる。

 

「木の枝や薪を入れてスイッチを押すだけで、自動で火が着火して温めてくれるレトロ型の道具ですが。電気が通っていないところで使用すると便利な道具です」

「さすが勇樹さん」

 

 勇樹はそう言いながらスイッチを押すと、中の薪に火がついて焚火が自動で始動した。それを見た梓は感動するかのように答える。

 

「念のため、非常食用の『圧縮フードセット』を用意しましたので」

「ありがとう!」

「わーい、食べ物―!!」

 

 カバンからどんぶりサイズをした器をウサギさんチームは受け取り、勇樹は他のところへと移動して行く。

 

「問題は残っている道具だね」

 

 幹子はそう言いながらカバンに残っている道具を見て言う。

 今は言っている道具は、ペンにコピー機型の機械に蓄音機に矢印型のシール、液体ごてに焚火ツボに圧縮フードセットにシェルターセット、双眼実体顕微鏡とアベコベクリーム。

 どう使うか彼女もわからない、ましてやどうゆう風に使うかは不明だ。

 

「問題は、この包囲網をどうやって突破するかだ…」

「敵の性格な配置がわかればいいけど……」

 

 桃と柚子は、ここをどうゆう風に突破するか生徒会と小梅が話し合っている。

 

「彼の道具も、使い方によっては役に立つとはいえ。相手が騙せるかどうかだな…」

「そうだね」

「偵察を出しましょう

 

 みほがそう言うと、桃と小梅は「そうだね」と同意する。

 そして偵察に行ったのは、秋山優花里とエルヴィン、冷泉麻子と園みどり子の2組であった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 2人に偵察に行かせてから数分後、突然雪から吹雪に代わり威力は増していってる。

 

「戦車が冷えないように素手で触らないでください」

「体を寄せ合って温めて」

 

 みほと幹子はそう言うと、みんなは出来る限り温めるようにした。

 ちなみに、偵察に行ってきた2組は帰ってきた。

 

「このようになっているのか」

「確認した結果ですから、そうですね」

「何とかいけるか勇樹?」

「可能性がある限りは難しいが、少し考えないと」

 

 勇樹はそう言いながら、道具を見て考えている。

 そう言っていると、彼は「ん」とあるものを見つけた。それは…。

 

「これは、確か『偽物ベニヤ板製造機』か」

「ん、なんだその『偽物ベニヤ板製造機』って?」

 

 伊江が勇樹の言葉に反応し質問すると、彼は「これか?」と答える。

 

「偽物、つまり建物や人物などを作る道具だがベニヤ板で作って相手をだますようにしているんだ」

「へぇ、じゃあこのレンズが付いたのは?}

「『風景ペン』、描くだけで風景が描けるシンプルすぎる道具だ」

「ん、じゃあこれは?」

「『あっちこっち矢印―ル』、地面に置くだけで歩く人はその矢印の方向にしか進めないんだ」

 

 勇樹は伊江の言葉に答えていると、小梅が「あ」と何かに気づいた。

 

「ねえ、勇樹君。液体ごてって確か液体であればいけますよね?」

「え、はいそうですが…どうして?」

「これに減らす以外に増やすといった機能は?」

「それはありますと、今で言うと飴のように……あ、そうか」

 

 小梅の言葉に彼は何か気づいたのか、急いでみほに作戦を教える。

 

「どうでしょうか?」

「難しそうですが、やってみましょう」

「そうときたら、早速だ!!」

 

 勇樹はそう言う、何かを組み立てていく。

 

「お、おい何をしているんだ?」

 

 桃は勇樹の行動に無得て言うと、彼は「まぁまぁ見ててください」と答える。すると。

 

 

「アアアン アン アアン アン

 アアアン アアアン アン アン アン」

 

「みぽりん!?」

「どうしたんですか?!」

 

 みほの行動に沙織と優花里は反応する、いや2人だけではない。大洗のみんなが反応した。

 

「みんなも歌ってください! 私が踊りますから!」

「逆効果だぞおい!!」

 

 みほの行動に桃は突っ込むが、百合子が「はいはい、邪魔しないで―」と会長のところへと行かせる。

 

「あの恥ずかしがり屋のみほさんが」

「盛り上げようと……」

 

 華と優花里は彼女の行動に驚いていると、麻子が「微妙に間違っているけどな」と冷静に答える。

 すると優花里が「私も踊ります!」とみほの所へと行く。

 

「やりましょう!」

「皆行くよ!」

 

 優花里だけではなく、華に沙織や麻子。そして全員がみほと同じことをしだした。

 

「えっと、確かここに……あった!!」

 

 しかし勇樹は、シェルターセットの壁の一部に触れて何かを探している。すると何か変化に気づいたのか「あ、あった」とノックをする。

 すると、壁が動いて外につながった。

 

「さて、急いでやれば何とかいけるな」

 

 勇樹はそう言うと、外の雪を持ってきて何かを作っている。

 

 

 

 そう、あるものを……。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 数分後……勇樹は「できた」とそれを完成させると、伊江が「おい勇樹」と呼んできた。

 勇樹は急いでシェルターセットに入ると扉を閉めた。

 

「どうした伊江? プラウダ校から『もうすぐタイムリミットです』と同時に降伏の件を言ったが、みほが答えたため何とかいけた。セットは戻せるか?」

「戻せるよ、もともと折り畳みセットだからね」

 

 勇樹はそう言いながらスイッチを押すと、すると外から金属音がすると同時にバッグが箱の中にしまわれる。

 

「勇樹さん、出来ましたか?」

「はい、ギリギリでしたが相手にはわかりにくくしましたので」

 

 みほの言葉に勇樹は答えると、彼女は「そうですか」とほっとする。

 

「それはともかく、残っているのはこれらですから。うまくいくかどうか心配です」

「そうだねー、でもそれも何とかしないとねー」

 

 勇樹の不安さに杏はそう言うと、日向は「そうだねー」と答える。

 

「勇樹ちゃん、がんばっていこうよー」

「日向さん、会長……わかりました、西住さん。行きましょう」

「はい!」

 

 みほはそう言うと、彼女あっちは戦車に乗り込んだ。

 

「それではこれから、勇樹さんの作戦と敵砲井網を一気に駆け抜ける『ところてんとアサリ作戦』を開始します……パンツァー・フォー!」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 みほが掛け声をした瞬間、みんなは突然後ろに移動して天井に向けて放った!!

 

 

 ドゴォオオッ!! ドゴォオオッ!!

 

 

 すると、天井に穴が開いてそこから積もってきた雪が落ちてきた、雪はドンドン積もっていき、窓扉が見えないほどの高さまで行った。

 

「何をしているのかしら? まあいいわ、ノンナ!」

「はい、カチューシャ」

 

 カチューシャは不思議そうに思いながらも、ノンナに砲撃の指示を出す。

 ノンナが放つと、他の車両も一斉にはなっていく。

 

 

 ドガアアッ! ドガドガアアッ!!

 

 

 砲弾は雪に当たるとそのまま爆発音が響いた。彼女は「行ったわね」と思っているが、ノンナは何か違和感を抱いた。

 

「妙ですね」

「え、何がよ? 雪を通ってそのまま向こうに」

「逆です、いくら何でも当たりすぎ。そして爆発するまでの時間が長いです」

 

 ノンナの言う通り、いくら雪が積もっているとはいえ、放たれた砲弾の熱により雪は解けていき、向こうへ通過して何かに当たらなければ音はしない。

 しかし、発射して雪に当たった時と爆発する音から計算すると、約15秒の差が出来ている。いくら薄い雪とはいえ黒い煙がない。そうするとあれしか浮かばない。それは。

 

 

「まさか、抜け殻じゃない!?」

「可能性はあると思いますが、指示を」

「わかっているわよ! 総員、後ろから行きなさい!!」

 

 

 カチューシャはそう言うと、IS-2重戦車2両は左右から進行しつつ後ろへと移動していった。するとそこには。

 

『か、カチューシャ隊長! 建物の後ろ、戦車通れるほどの穴開いでら(建物の後ろ、戦車が通れるほどの穴が開いています)!』

「な、なんですって!?」

 

 ノンナの言う通り、隊員の一人が戦車が通れるほどの建物を見つけた。

 解説しよう、降っている雪を利用して屋根の上に乗せていき。見えないように勇樹は屋根の陰に隠れながら集めていく。そして階段をごてを利用して上げていくようにしていた。

 

「騙されましたね」

「分かっているわよ!! それじゃあどこに!?」

 

 カチューシャはそう言いながらあたりを見渡していると、IS-2の1両がゴンッ!! と音がすると白旗が上がった。

 彼女は「まさか!」と急いで当たった方向を見ると、ティーガーG型が放っていたようだ。

 

「全体、あの戦車に放てー!!」

 

 カチューシャはそう指示すると、戦車は方向をティーガーG型に放とうとする。が。

 

 

 

 

ガガガガガガッ!!

 

 

 

 突然ティーガーG型がバックしていったため、彼女は「追うのよ!」と急いで指示し、戦車を動かして砲弾を放つ。

 だが、ティーガーG型は左右に動きながらよけているため、当たりにくい。

 

 

「何よ、あんな動きして?」

 

 

 カチューシャはそれを見て疑問を抱いていると、向こうからドゴッ!! と音がした。

 彼女は「何?」と急いで見てみると、何と数量の戦車が雪に落ちている!

 

「な、なによこれ!?」

 

 彼女は慌てているが、実はこれは勇樹の作戦。これを少し説明しよう。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「勇樹、次はどこに行けばいいんだ!」

「この先をまっすぐ!! 上はどうですか?!」

「アヒルさんは、カモさんとあんこうに金魚さんが守りながら進んでいます!」

「わかった!! ついて来てください!!」

 

 雪の下、カンガルーチームが先頭で後方のカメさん、ウサギさん、カバさんを連れて移動している。

 そのまま前に進んでいき、ある場所へと着くと、左衛門佐とおりょうが通ってきたところを雪で埋めて。小山と河島がある板を雪の天井にセットする。

 

「準備できたか、小山、河島?」

「できました!」

「こっちもだ!」

「勇樹ちゃん、出来たよー」

「わかりました、では進んでください! カメさんが後方で落ちてきた所を打ってください!!」

 

 勇樹がそう言うと、ウサギさんとかばさんがの後ろにカメさんが移動し。数行後、T-34/85が地下に落ちて来て。そこをカメさんが放って白旗判定を出す。

 

「勇樹さん、ベニヤ板は足りますか!?」

「この様子だといけるが、戦車の大きさを計算したら足りない…そろそろ地上に出よう!!」

 

 勇樹はそう言うと、百合子が「よいしょ」とひもを動かす。

 すると、T-34/85の先についている液体ごてが上を向いて坂道を作り出していく。

 それに続いてウサギさん、カバさん、カメさんも上昇していく。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 地上に出て、勇樹たちはアヒルさんチームのほうへと移動して守っていくことにしていった。

 アヒルさんチームを狙う相手がいたため、ウサギさんとカメさんチームが、攻撃して倒していく。

 

 

 ドガアアッ!  ドガアアッ!!

 

「うっし! もう少し先だ!」

 

 杏はそう言いながら砲弾を放つ、なぜ装填の彼女が砲手をしているのか? 実は装填の速度は遅いが砲手、つまり射的の腕前は河島より彼女のほうが上で。非常に優れている。

 

「河島! 装填!!」

「はいっ!!」

 

 河島は杏の指示に装填し、彼女は放っていく。だが、攻撃をしているのは彼女だけではない。

 

「杏!! 助けに来たぞ!!」

「お、祝井ちゃん!」

 

 ティーガーG型基金魚さんチームの祭里がやってきて攻撃の助っ人をしてきた。

 

「うてえええっ!!」

「はいはーい」

 

 ドンッ!! ドガアアッ!! バシュッ

 

 祝井の指示に砲手である丸井が引き金を引いて、敵であるプラウダに攻撃する。

 

「西住ちゃん、勇樹ちゃん。後は任せてねー!」

「先に行っとくんだ!」

 

 杏と祝井の指示に、2人は離れて例の場所へと移動していく。

 

「それじゃあ、やっておくか」

「一斉攻撃開始!!」

 

 2人はプラウダの戦車に攻撃しながらよけていくことに集中することとなった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「はぇー、さすが会長たちだな」

「祭里さんもすごいです」

 

 その光景を見た伊江と百合子はそう言うと、小森が「さっさと行くぞ」と速度を上げていく。

 西住は「あ、勇樹さん。ありました!」とある物を勇樹に見せる、それを見た彼は「いいね」とにやけるように答えた。その瞬間。

 

 

 

 

 

 ドガアアアアアアッ!!

 

 

 

 

 

「っ!!?」

 

 突然、後ろから非常に多くな爆発音がしたため。みんなは何かと思っていると、勇樹は「まさか」と通信機から声がする。

 

『いやー、ごめーん。あたしと祭里ちゃんで4両しかやっつけられなかったしやられちゃったよー。後はよろしくね』

『すまん! あとは頼んだ!!』

 

 杏と祭里の言葉を聞いた勇樹は「やっぱり」と頭を抱える。しかし4両やっつけたのは非常に強い、なかなかでない記録だ。

 

「西住さん、それじゃあ」

『わかりました}!!』

 

 そう言うと、カンガルーチームは進路を変えて建物へ行くと。ごてを出して何かを作り始めた。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「麻子さん、2時が手薄です。一気に振り切ってこの天地を抜け出すことは可能ですか?」

「了解。多少きつめに行くぞ」

 

 みほは麻子に指示すると彼女は「気をつけろ」と言う風に答え、操縦機を動かす。

 

「あんこう2時、転回します! フィント入って何度高いです、がんばってついて来てください!」

 

 沙織は他のチームに連絡を入れると「了解!」と答える。

 そして各船社は左右に動かしながら前に進んでいき、まるで蛇のようにクネクネとしている。

 

「でも、間に合うかな……」

 

 みほはそう言いながらある建物を見ていると、勇樹は何かを組み立てるかのようにどんどん作っている。

 そう、まるで乗り物をもう一つ作っているかのように……。

 

「なんなの、ちまちま軽戦車みたいに逃げ回って……機銃平行弾! 主砲もったいないから使っちゃダメ!!

 

 それを見ていたカチューシャは後ろにいるチームに指示すると、一気に機銃が放たれる。だが、機銃を使うと光が放っている。

 

「見えたぞ」

「カモさーん! 追いかけてきているのは何両?!」

 

 沙織はカモさんチームに連絡すると、彼女は『えっと』と返信してきた。

 

 

『全部で6台です!』

「フラッグ車は今すか?」

『見当たりません!』

 

 

 みどり子がそう言っていると、みほが「カモさん、アンコウが坂を乗り越えた直後に敵をやり過ごしてください。主力がいないうちに敵のフラッグ車をたたきます」と通話してきた。

 

「ウサギさんカモさんはアヒルさんを守りつつ逃げてください、この暗さに紛れて、出来るだけ打ち返してください」

『『はいっ!!』』

 

 みほの言葉に各チームは答える。そしてカンガルーチームがやってきた。

 

「勇樹さん、どうですか!」

「何とかいけました! 時間はかかりましたが間に合わせました!」

 

 勇樹はそれを伝えると彼女は「わかりました!」と答えた、すると。

 

 

 

 ドガアアッ!!!

 

 

 

「「っ!!?」」

 

 後方から音がしたため何かと急いでみると、T-34/85がフラッグ車である89式を狙ってはなっていた!

 

「勇樹さん!」

「これは時間の問題、伊江、行けるか?」

 

 勇樹は伊江に向けて言うと、彼女は「行けるぜ!」とあるものを出した。それは双眼鏡だが無数の鏡が付いた変わった道具。

 

「この勇樹特性『方向望遠鏡』で調べてみるからな!」

「それじゃあ、偵察は可能か?」

「おう、ゆかりんに代わっていってくるぞ!」

 

 伊江はそう言いながら外に出て、一番高い所である場所へと走っていく。

 

「っと、さて美樹姉の出番だな」

「ん、そうだね。装填は行けるしテレパシーモドキは行けるよ」

 

 美樹はそう言うと帽子を外し、装填をしていく。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「っと、このスイッチで押せば」

 

 伊江は一番高い所へと行き例の道具を起動すると、鏡が真上へと移動して望遠鏡が起動する。

 

「よし! えっと確か……」

 

 望遠鏡をのぞいて、鏡を下ろしあたりを見渡しながらフラッグ車を探している。すると。

 

 

「お、あれか?」

 

 

 伊江はある建物に身を潜めている戦車を見つけた。それはフラッグ車だ。

 

「発見! さて伝えるとするか」

 

 伊江はそう言うと目をつむってある人物に伝える。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

『ウサギさんチーム専用不能です!』

「うわっ! 大変ですよ!?」

「暗いから操縦は難しい…幹子は?」

「争点と砲手は大丈夫、こう見えてこれ一度やって見たかったんんだ。で勇樹君、彼女たちにあれ渡した?」

「まあな、使い方を教えたから大丈夫だと思う」

 

 百合子の言葉にみんなは冷静に言うと、勇樹は「美樹姉、伊江からは?」と言うと彼女は「ん」と反応する。

 

「来たよ、計画通りに」

「よっしゃ!! あとは運任せだ!」

 

 勇樹はそう言うと、小森に「みほたちに合わせて」と言うと彼女は「わかった」と答える。

 

 

 

 

「って、KV-2が!!」

 

 と、思いきやKV-2がやってきたことに百合子は驚き、小森が「よけるぞ!!」と操縦機を動かして攻撃をよける。

 

 

 バガァァアアアアッ!!

 

 

 砲弾が放たれると、あんこうとカンガルーはそれをよけて前進していく。

 するとみほが「停止!」と言うと2両は停止して攻撃準備に取り掛かる。

 

『KV-2は次の装填まで時間があるから、落ち着いて』

「わかった」

 

 みほの指示に幹子は一を補正して標準を合わせる。

 

「最も、人間で言うと弁慶の泣き所に向けて……」

 

 幹子がそう言うと、みほが『打て!!』といったため。2両は一斉に放ち、KV-2に当たると、白旗が当たった。そしてそのまま前に進んでいく。が。

 

『カモチーム撃破されました!! アヒルさんチームの皆さん、健闘を祈る!!』

「まじですか!?」

 

 みどり子の知らせに百合子は徐々に青ざめていく。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「伊江君からだけど、『例の物をばらまいておいた』といったけど、本当に役に立つ?」

「役に立つさ、あれは地面であれば何でも行けるからな」

 

 勇樹はそう言うとみほが『カバさんチームの準備が出来ました!』と通信が入ってくる。

 

「わかった! 伊江に通信、例の道具はもう出ているか? って」

「了解…………うんうん…………出ているって」

「そっか、あとは時間だな」

 

 勇樹はそう言うと、外を見て心配そうに見る。

 

 

 私たちが勝つか相手が勝つか見守るように。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「あれ、Ⅳ号とT-34/85しか付いてこないぞ?」

「どこかで離ればなれになったんじゃね?」

 

 フラッグ車であるプラウダの生徒はそう言いながら進んでいると、操縦手が「ん?」とある違和感を思い出す。

 

 

 

 同じところをぐるぐる回っているかのように。

 

「これって……罠か!!」

 

 罠に気づいた操縦手は「向きを変える!!」と急いで動かすと、フラッグ車は左に回ってⅣ号とT-34/85から逃げる。

 そしてそのまま進んで行き、建物に身を隠し出てきた所を狙って放とうとしている。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「いいぞ、そのままだ」

 

 だが、伊江はそれを見逃さないように望遠鏡を見ながら観察している。

 

「(ばれないようにしたが、まだ発動しているとは。運要素が必要な道具だな)」

 

 伊江はそう言っていると、目的のあれが見えてきた。

 

「っ!!」

 

 それを見た彼女は急いで幹子にテレパシーモドキで伝える。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「これで、終わり…」

 

 ノンナはそう言いながら引き金を引くと、砲弾は放たれてそのまま八九式に当たった。

 彼女は「勝った」と確信した。だが。

 

 

 

 

 

 

 

 

『フラッグ車、T-34/85走行不能。大洗女子学園の勝利!!』

 

 

 

 

「っ!!?」

 

 いつの間にか自分たちのフラッグ車がやられたことに彼女は反応するが、実はこの時1つの誤解と作戦があった。

 1つの作戦は、フラッグ車が逃げ回っているうちに、勇樹の発明品である『液体ごて』を使ってⅢ突を雪で隠して、通ってきたところを狙って攻撃をした。

 そして、1つの誤解は。確かにフラッグ車に砲弾は当たったが。正式には八九式の1部に、砲弾が当たった。

 偶然か神の奇跡なのか分からないが。そのおかげで、大洗の勝利が決まった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「やったー!!!」

 

 それに勇樹たちは喜んで、目を光らせていて百合子も「かったー!!」と喜んでいる。

 みほたちも自分たちが勝ったことに喜んでいる。すると。

 

「せっかく、包囲の一部を薄くしてそこに引き付けてブッ叩くつもりだったのに」

 

 肩車をしてきたカチューシャがやってきた。なぜかノンナに肩車している。

 

「まさか包囲網の正面を突破できるとは思わなかったわ」

 

 カチューシャがそう言うとみほは「私もです」と同意するように答える。彼女だけではなく、勇樹も「それは言えるな」と答える。それを聞いたカチューシャは「え」と驚く。

 

「あそこで一気に攻撃されてたら、負けてたかも」

「それはどうかしら? もしかしたら…」

 

 彼女の動作に勇樹は「ん?」と反応するが、「とにかく!」と少しとがったことを言い出す。

 

「あなたたちなかなかのものよ」

「「はぁ…」」

 

 彼女の言葉にみほと勇樹はキョトンとした反応をする。

 

「言っとくけど悔しくなんてないから! ノンナ」

「はい」

 

 ノンナはカチューシャの指示を受けると、肩車から降ろして、みほと勇樹の近くまで来た。すると。

 

「ん」

 

 カチューシャが手を伸ばしてきたのを勇樹は「え?」と反応するが、みほは握手をする。

 

「っと、そういう意味か」

 

 勇樹も意味が分かったのか、カチューシャに握手する。

 

「決勝戦、見に行くわ。カチューシャをがっかりさせないでよ」

 

「はい!」

「もちろんだカチューシャ」

 

 彼女の言葉に、みほと勇樹は答える。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 試合終了後、勇樹たちは道具を回収し。戦車で移動しようとしたとき。

 

「勇樹、少しいいですか」

「ん?」

 

 ノンナが勇樹に向けて言ったため、彼は「ちょっと待って」と百合子たちに言うと、彼はノンナのところに行った。

 

「なんですかノンナさん?」

「例の事件を調べていましたら、こんなのがありまして」

 

 そう言って出したのは、『プラウダの技術力を結集した資料』と書かれた紙を渡してきた。

 

「本来は試合前に渡す予定でしたが、カチューシャが忙しかったため、出せませんでした」

「いえ、それは大丈夫です。こちらも忙しかったもので―――」

 

 勇樹はそう言いながら資料をめくって数秒後、何かを見た瞬間、顔が青ざめて、未知の生物を見た瞬間のように驚いている。

 

「こ、この資料に乗っているのは事実ですか…!?」

「? はぁ、そうですが。出来る範囲で調べた結果はこれだけですが」

 

 ノンナは勇樹の質問に答えると、彼は「こ、これは…!!」と青ざめていく。そして。

 

 

『大変です勇樹君!!』

 

 

 百合子が慌てて勇樹に駆け付けたため。彼は「な、なんですか!?」と驚くと。彼女はあることを言い出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「黒森峰のまほさんとエリカさんを含み戦車道覆修者の皆さんが、大けがをしました!!!」

 

 

 

 

 

 それを聞いた彼は、資料を落とした。

 

 

 

 この時、最悪のカウントダウンが始まっていた。




道具説明↓

『焚火ツボ』
 円盤型の道具で、これに薪を入れてからスイッチを押せば自動で火が着火して温めてくれるレトロ型の道具だが。電気が通っていないところで使用すると便利な道具。

『圧縮フードセット』
 どんぶりやフルーツなどと言った食べ物を圧縮にした高カロリー系の道具で、3本セットとなっている。

『修理箱』
 機械であれば、何でも修理できる工具が揃っている。誰でも修理が出来るようにしているので、初心者でも行ける。

『偽物ベニヤ板製造機』
 ベニヤ板を作り出す道具で、建物や人物などを作る道具だがベニヤ板で作って相手を騙すことが出来る。

『風景ペン』
 ペン型の道具で、これを使うと風景が描けるシンプルすぎる道具。

『あっちこっち矢印―ル』
 矢印型の道具で、地面に置くだけで歩いた人はその矢印の方向にしか進まない。


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第19話『病院と新メンバー…前編』☆

 熊本にある病院、その近くにヘリコプターが降下して来ている。そのヘリコプターには大洗のトレードマークが描かれている。

 

「あとはお願い! 百合子さん!」

「は、はい!」

 

 勇樹はそう言い、急いで百合子と一緒に病院内へと入って看護師に「西住まほはどこに?」と聞き、そこまで案内させる。

 

「まほ! 大丈夫か?!」

 

 勇樹はそこに入っていくと、彼女は「あ、ああ」と答える。

 

「百合子さんから聞きましたが、大けがは…」

「大丈夫だ、私はそんなにけがはしていない…ただ」

 

 まほは隣のベットを見て言うが、何か言葉が詰まっているかのように言っている。勇樹と百合子も、目線を追ってみる。

 そこにいたのは、人工呼吸器をして頭に包帯をしているエリカがいた。彼女は白雪姫のように眠っていた。

 

「エリカが守ってくれたから、私は無事だが……どうして」

 

 エリカの傷を見て勇樹は「これは」と驚いている。

 

「医者からは…どうでしたか」

「幸い、爆発は大きかったが彼女が持っていたリュックで守れたから命に別状はない。ただいつ意識が戻るか」

 

 まほの言葉に百合子は「そうですか」と答える。すると勇樹は「そう言えば」とまほにある質問をする。

 

「この時戦っていた相手は、もしかして黒百合では」

「む、そうだが。それがどうした」

 

 まほはそう言うが、勇樹は「やはり」と何かを考え込む。そして「百合子さん行きましょう」と立ち上がって言うと、彼女は「え、ええっ??」と戸惑う。

 

「まほさんはエリカさんが起きたらしほさんたちに連絡を、またその時の爆発した写真を」

「わ、わかった」

 

 まほはそう言うと勇樹と百合子は部屋から出ていく。

 そしてヘリコプターに乗り込んで大洗へと戻っていく。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 そして次の日、勇樹たち基カンガルーチームは何事もなかったかのように学校へ登校し戦車道に参加している。

 

「次はいよいよ決勝戦だ、相手は『黒百合学園』」

「昨年の試合で優勝した強敵けど、前項の期待がかかっているから頑張ってよー?」

 

 杏子はそう言うと、河島が「本日は全員、戦車の整備にあたれ」と言うと、みんなは「はい!」と答える。

 そして「勇樹、道具の整理もちゃんとしておくんだ」と言うと、彼は「わかりました」と答えた。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「さて、10種類の道具をどうするか……相手は初めて見る相手だし」

 

 勇樹はそう言いながら、道具を整理している。使える制限10品まで。

 相手は強力な方法でやっつける。それ以外はないだろうと勇樹は考えながら真剣に道具を選んでいる。

 

「まぁ定番だが『ねん土道具セットと頑丈ロープは持っていくとして。今度は……」

 

 スコップ、つるはしにのこぎりが揃った道具とロープをカバンに入れると、今度は地図・パッドとある道具を7つカバンに入れる。

 

「っと、これでいいだろ。あとは」

 

 勇樹はある資料を目にする。その資料は、プラウダのノンナからもらった例の資料。

 そこには「以上、これらを調べた結果。見たこともない方法で開発し改良した装置だということがわかりました」と書かれている。だが彼はそこを見て驚いたのではない。それは。

 

「『近未来で作られているかもしれません』……か」

 

 近未来、非科学的だとは思うが勇樹が開発し持ち運んでいる道具の数十種類、いや数百種類にはまだ科学では理解されにくい装置がたくさんある。

 そうしてくると、ある説が浮かんでくる。その説は。

 

「未来人……可能性はあり得るな」

 

 勇樹はそう言いながら、カバンからテレビを出して何かを調べようとした。すると、彼の電話が鳴ったことに気づきそれに出る。

 

「はい、小山さん。どうしました? ……え、本当ですか!?」

 

 それを聞いて驚くかのようにする勇樹は「わかりました、今行きます!!」と言い、道具を置いてある場所へと走っていく。その場所は。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「すごーい!」

「強そう!!」

 

 桂里奈とあやが何かを見て言うと三太郎よ四音も「確かに!」と目を光らせて答える。

 

「これ、レア戦車なんですよね!」

「レア戦車? まぁ確かにレアと言えばレアなんだが…?」

 

 優花里の言葉に、伊江は頭を傾けながらそれを見ている。sの戦車は。

 

「ポルシェティーガー、確か戦車の一種だな」

「そうです勇樹殿! マニアにはたまらない逸品です!!」

 

 優花里はそう言っていると、太田が「あれ、確か弱点があったような」と何かを思い出したかのように言い出した。

 それを聞いた勇樹は「なんだ、その弱点て」と言うと太田は答える。

 

「確か、そのポルシェティーガーは。地面にめり込んだり」

 

 ガガガガガッ……!!

 

 そう言うと、ポルシェティーガーは進んでいるのになぜか地面に沈んでいく。

 

「他には普通の戦車と違って、加熱して炎上したり壊れやすい所だよ」

 

 シュウウウウウッ………ボンッ!!

 

 エンジンがあると思うところから黒煙が噴出し、そして爆発音とともに炎が噴き出した。

 それに気づいた自動車部の中島が出てエンジンがあるところを見ると「あちゃー、またやっちゃったー」とのんきに言う。

 

「おーいホシノ―! 消火器消火器!」

 

 それを見た杏は「戦車と呼びたくない戦車だね」と苦笑いをする。が優花里は「で、でも!」と解説をし始める。

 

「足回りは弱いですが、88ミリ砲の威力は抜群ですから!!」

「だったらすごいなそれは」

 

 優花里の言葉に伊江は反応するが、小山は「もう他に戦車はないでしょうか……」と悲しそうに答える。

 

「探しているが、さすがになぁ……」

 

 勇樹はそう言いながら、考えていると。福音が「あ、思い出した!」とその場で叫ぶ。

 それを聞いた河島は「い、いきなり驚かすな!」と慌てるが、彼女は「思い出したよ!」と言うと、杏は「それは、どこで見たんだい。福音ちゃん?」と反応する。

 

「戦車……確かホタテたちもどこかで聞いたことがあるような」

「え、ホタテたちにか?」

 

 連華の言葉に、勇樹は反応すると彼女は「そうだ」と答える。

 

「仲良くできるほどだから、今上に上がっている気がするな」

「何! 上がってくるのか!?」

 

 連華の言葉に、河島は反応する。それを見た勇樹は「どうなってんだ?」と疑問を浮かべる。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「それじゃあその間、戦車でも探すか。福音ちゃんがみたsんしゃというのもきになるしね」

「確かにそうですね、福音。案内できる?」

「もっちろん! それじゃあ行こう!!」

 

 福音はそう言うと、杏と勇樹、アンコウチームのみんなを連れていく。杏は「じゃあ後はよろしくー」と言うのであった。

 

 

 そして付いた場所は、なぜか大型のテントが置いてあった。

 

「なんだろうこれ?」

「大きなテント、だね」

「確かこれは、ポッドテントですね」

「一つのテントだが使い方を変えれば部屋を増やせるあれか?」

「お、詳しいですね! 伊江殿!」

「まぁな」

 

 優花里の言葉に伊江は自信気になる、そして福音が「こっちにあるよ!」と言うと、みんなは福音が言ったほうへと行くと。戦車があった。

 

「これって、九四式系装甲車TKです!!」

「え。な、なにそれ!?」

「日本軍が開発した日中戦争で実践に投入した戦車ですよ! アンツィオ高校で言うとカルロベローチェであります!」

「あー、なるほど」

 

 優花里と沙織がそう言っていると、「「あのー」」と2人の声がしたため振り向くと、少女がいた。

 その少女は1人は赤髪でツインテールをしている少女で、右目に眼帯をしていて四角いリュックとしょっている。

 もう1人は、青髪のポニーテールの少女は左目に眼帯をしていて丸いリュックを背負っている。

 

「えって、君たちは?」

 

 幹子は2人の少女に向けて言うと、2人は「「私たち?」」とダブるかのように答える。

 

「私は山野原茜です。こっちは妹の」

「山野原葵です」

 

 それを聞いた華は思い出したかのように「もしかして」と、ある事を言い出す。

 

「あなたたち2人は、確か登山部の?」

「あ、五十鈴先輩!」

「覚えててくれてうれしいです!」

 

 華の言葉に茜と葵は目を光らせていると、沙織は「え、なんで華覚えているの?」と彼女に質問する。

 華は「実は噂で聞いてたので。もしかしてと思いまして」と簡潔に答えると、伊江は「あー、なるほど」と何か理解した。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「「戦車道、ですか?」」

「そ、戦車道」

 

 杏は山野原の2人に向けて、戦車道に入るかどうか質問している。

 

「どうだい、入る気はあるかい?」

「「入ってみる、いや。入ります!」」

 

 2人の気迫に彼女は「っと、そうかいそうかい」とにししっと言う。

 

「それだったら、西住。こいつらのチーム名はどうするんだ?」

「そうですね……山登りが得意ですから、『ムササビさんチーム』はどうですか?」

 

 みほの提案に、2人は「「それいいね!」」と答える。

 

「じゃあ、明日から実践だけどよろしくねー」

 

 杏はそう言うと2人は「「こちらこそー!!」」と息を合わせて答えるのであった。



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第20話『病院と新メンバー…後編』

 次の日、杏はみほと勇樹たちに「新しい戦車の部品手に入った」と連絡し、急いできた。そこで目にしたのは。

 

「とりあえず支援金で、ヘッツァーの改造キット買ったから。これを38(t)に取り付けよう」

 

 そう言ってヘッツァーの部品を目にした。これを見た伊江は「かばと同じ構造だな」と答える。

 そう、ヘッツァーは小回りが利く分砲台が回転しないのが特徴。カバさんチームと同じ砲台が回らないⅢ突と同じ仕組みだ。

 

「結構無理やりいうね」

「あとはⅣ号にシュルツェンを取り付けましょうか?」

 

 柚子は心配そうに言うが、河島はそれを無視してみほたちが乗っている戦車の改造を言うと、杏は「いいね!」と賛成する。

 

「西住さん、これでよかったね」

「はい」

 

 勇樹はみほに向けて言うと、彼女は微笑みで答える。すると。

 

 

 

「あの…西住、さん」

 

 

 

 人見知りのように、少し途切れた言葉で彼女は聞こえ、振り向くと、薄茶色のロングヘアーをした少女がいた。

 それを見たみほは「あ、猫田さん」と答える。

 

「猫田? あー、確か猫田美海か。どうしたんだ?」

 

 勇樹はそう言うと、彼女は「僕も今から戦車道、とれないかな?」と質問する。それを聞いたみほは「え?」と目を丸くする。

 

「ぜひ協力したいんだけど、操縦はね、慣れてるから」

 

「本当か! それは嬉しい!!」

「うん! あ」

 

 猫田の言葉に、勇樹とみほは喜ぶが、問題が発生した。それは。

 

「でも、どこを探しても戦車がなくて」

「あ、そう言えば…ごめんだけど猫田―」

「あの戦車は試合には出ないの?」

 

 勇樹が言いかけたところで、猫田は思い出したかのように言うと。2人は「あの戦車?」と疑問を浮かべる。

 そして、来たところは。意外なことに森や山や船の中ではなく、駐車場であった。

 その中に1両の戦車がたたずんでいた。

 

「こんなところに3式中戦車が」

「一史君たちまで探しても「見つからない」と言っていたが、この車がたくさんあるとさすがに見つからないな」

 

 勇樹がそう言うと、一史たちと梓たちは『『『確かに』』』と同意する。

 車がたくさんあると、次に来るのは車だと理解するからだ。

 

「あれ、これ使えるんですか?」

「ずっと置きっぱなしになっていたから使えないかと思いました」

「確かにそうだな、この中にあったらわかりにくいよな」

 

 桂里奈とあやが言うと、も同意するかのように答える。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 そして、倉庫前には自動車部と乗り物部のみんなが戦車を洗うと同時に修理をしていた。

 

「ポルシェティーガーは、自動車部の皆さんにやってもらうとして」

「そうだな、にしてもいつの間に前田さんたちが」

 

 みほと勇樹がそう言うと、ホシノが「コーナリングは任せて」と言い出した。

 

「ドリフトドリフトー!」

「そうそう、一気に曲がってみたい!!

「戦車じゃ無理でしょ」

「してみたいんだけどなぁ」

「そうだねー、何かあればいいけど」

「ミューが低い場所でモーメントを利用すれば出来なくもないけど、雨が降ればなおいいねぇ」

「あ、わかるそれ!」

「アクセルバックはどうかな!」

「それはいいな、それでどう?」

「ラリーのローカルテクニックだねぇ」

 

 前田達と中島たちの話に、勇樹とみほは「はははは…」と苦笑いする。

 

「あ、そうだ。猫田達は?」

 

 勇樹はそう言って猫田を見ると、彼女は今ホースで戦車を洗っていた。

 猫田は彼の言葉に反応すると「えっと」と戸惑いながらも、言い始める。

 

「もう仲間を呼んでいるから」

「仲間?」

「だれだ?」

 

 猫田の言葉に、2人は誰かと考え込む。すると。

 

 

 

「「わぁああっかっこいい!!」」

 

 ショートヘアーでピンクのカチューシャと桃の眼帯をした少女と、そばかすをしたおさげの少女が戦車を見て感動していた。

 それを見た猫田は「みんなオンラインの戦車ゲームしている仲間です」と答える。

 

「「??」」

 

 すると、2人は猫田を見ると「僕ねこにゃーです」と答えた。

 

「あ、あなたが! ももがーです!」

「私、ぴよたんです」

 

 2人もそう答えると、猫田は「おおっ!」と何かに気づいたかのように反応する。

 

「ももがーさんにぴよたんさん! リアルでは初めまして」

「本物の戦車を動かせるなんてまじやばーい!!」

 

 それを見た2人は「はははは」と再度苦笑いする。

 勇樹は途中「確か、あの2人は」と考えていた。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「そう言えば、河島さん。その人たちってどこに?」

 

 数十分後、勇樹は河島が言っていた人物を言うと、彼女は「その人…ああ」と思い出したかのように言い始めた。

 

「後輩っと言ったほうが良いだろうか? あいつらは「恩がある」と感謝しているが…大丈夫か?」

 

 河島はそう言いながら生徒会室へ入ると、黒い服を着た褐色肌の少女が「桃さん!」と声がした。

 彼女だけではない、赤紙のくせ毛の少女に銀色のロングヘアーをした少女、ガタイの言いボサボサヘアーの少女に、金髪のバーテンダーの少女がいた。

 

「お前たち、どうしてここに!?」

「えっと、あの…この人は?」

 

 勇樹がそう言うと、褐色肌をした少女は「む?」と反応する。

 

「初めてだな、自己紹介するよ。アタシは竜巻のお銀。そして」

「爆弾低気圧のラムー」

「サルガッソーのムラカミだ」

「大波のフリント」

「生しらす丼のカトラス」

 

 それを聞いた勇樹は「あ、もしかして」と何か思い出したのかように言い出す。

 

「銀嶺澪さん、酒井振子、村上力子、ミシガン・ピッチャー、船野刀菜?!」

 

 それを言うと、お銀は「お、詳しいね」と答える。

 

「でもね、あたしたちは本名で言うよりミドルネーム。今で言うと確かあだ名で言ったほうが良いんだよ」

「あー、そう言えば…」

 

 お銀の言葉に勇樹は思い出す、何日か前に杏がアンチョビに「チョビ子」、河島が「安斎」といったところ、彼女は「アンチョビ!」と訂正される。

 

「あなたたちも、戦車道に?」

「ええ、桃さんの頼みなら。行くわよ!」

 

 お銀がそう言うと、河島が「それじゃあ」と彼女たちを戦車道に入ることにした。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 そして、勇樹はホタテたちが持ってきたマークⅣ号戦車雄型を修理して、ヘッツァーを乗り物部のみんながら改造して、あんこうチームの戦車をさらに改造し、登山部の戦車を改造をして。明日の試合に行けるように準備した。

 それを見た杏は「これならいけそうじゃん」と真剣に答える。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 次の日……勇樹は例の資料を調べていた。

 

「この資料には『危険物質が混ざっている』と乗っていたが…まさかこれだとは」

 

 勇樹は資料を見てため息をした、資料に乗っていた危険物質は、それは今で言うと。

 

 

『塩化水素が多量に含まれている』

 

 

「塩化水素……未来で言うと、確かそれよりも強い『テツトカシ』か、特定の鉱山である『コウザンクダキ』という液体があったな」

 

 勇樹はそう言いながら、本を調べていたところ。扉から『勇樹君』と声がした。その声の正体は。

 

『ツチヤだよ、少し話があるけどいいかな?』

「ツチヤさん……? いったい何が?」

 

 勇樹はそう思いながら、扉を開けると。ツチヤが「これ、会長から」と紙を渡す。

 

「これは…例の事件が掛かれてる資料?」

「うん、だけど。もう一つは…」

「こっちだよ」

 

 ツチヤに続いてホシノが学園の資料を渡す。

 

「っと、これは……黒百合の資料! どうしてこれが」

「私の知り合いが、この学園に通っていて。頼んだところこれを持ってきたんだ」

 

 ツチヤの言葉に、彼は「はぁ、なるほど」と戸惑いんがら受け取る。

 

「それじゃあ、勇樹君。頼んだよ」

「頑張ってねー」

 

 ホシノ基、星野一笑とツチヤ基土屋圭子はそう言って、その場から離れる。

 それを見た彼は「はぁ…?」と戸惑うのであった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 当日…になる前日。勇樹たちはカツ料理を作っていた。なぜカツか? 理由は単純。

 

「おいしそう!」

「カツは勝、つまり勝利を意味するから縁起がいいんだな」

「それにしても、意外ですね」

 

 連華の解説をしていると。奈々が困ったかのように言うが当たり前だ、なぜなら彼女たちのところにあんこうチームと赤星小梅のみんなが来ていたからだ。

 

「勇樹さんが呼んでくるのは嬉しいですが、なぜいきなり?」

「そうっすね、あ。とんかつ定食持ってきたっすよー」

 

 霊華はそう言いながらとんかつ定食を持ってきてみんなに配っていく。

 

「ねえ伊江、そう言えば他のみんなは?」

「ん? みんな他のチームのところに一晩泊っていくって。会長も行っていたから」

「珍しいね、あの会長も止まるなんて」

 

 太田は家の答えを聞いて、驚いていると。綺羅が「確かに」と同意する。

 

「あ、会長さんは戦車カツを食べていますって! バレー部の皆さんはカツサンドで歴女はカツ丼、自動車部はカツカレーです!」

「ネトゲはカツサンド、登山部はカツ煮、風紀委員はカツバーガーでお祭り発見部はカツそば、船舶科は一口カツ、一年生はカツパンだ」

「結構カツが多いな…さて、こっちもそろったところだし」

 

 勇樹はそう言って、自分のカツを用意した。そして。

 

 

 

「それじゃあ、明日の戦車道で大洗優勝祈願をこめて…乾杯!!」

 

 

 

 

「「「「「乾杯!!」」」」」

 

 

 みんなと一緒にカツをいただくのであった。




キャラクター説明↓
猫田美海…猫田の名前を考えていたところ、ちょうど耳が頭の中によぎったため、そこから何かないかと考えていたら美海と書いて『みみ』という名前に決定しました。

銀嶺澪…お銀の本名、お銀なので銀から考えたところ、銀嶺が頭に浮かびまして、澪は男性であるが女性の名前にぴったしだと思いまして、この名前にしました。

酒井振子…ラムなので名字をお酒に関する酒井にして、名前は動くがふらついていたので振り子→振子にしました。

村上力子…ラム同様、名字を村上にして、ガタイが良い体格をしていたので名前を力のある子、力子にしました。

ミシガン・ピッチャー…フリントを調べてみましたら、船の名前であったので。名前をミシガン州のミシガン、名字をR・A・ピッチャー夫人のピッチャーにしました。

船野刀菜…これは流石に難しかったです。カトラスを調べたところ、海賊が使う武器が出てきたので、名前を刀から刀菜にして名字を船野にしました。

星野一笑…ホシノの本名。ナカジマ同様、レーサーを調べた結果、星野一義と言うのがありましたので、そこから来ました。

土屋圭子…ツチヤの本名。ナカジマ同様、レーサーを調べた結果、土屋圭一という名前がありましたので、そこから来ました。


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第21話『最終試合開始・敵とご対面と同時に先制攻撃』

※こちらの事情により、投稿期間が延びてしまい申し訳ありませんでした。
※オリジナル学園の黒百合の生徒が出来上がりました。そして…。

大変申し訳ありませんでした。


 朝日が街に光を指す頃、大洗の学園艦は港近くに止めており戦車は移動している。

 ただし、戦車を移動しているのほ戦車自体ではなく。会場まで移動する専用の車両に乗せて移動していた。

 

 

 

 

 

 

 この日、大洗と黒百合の決勝戦が始まる…。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 富士山が見渡すほど広い平野、木々が周りを囲むかのようにしており自然豊かな場所…戦車道の決勝戦として使われている。

 それを見ていた秋山は目を光らせていた。

 

「ここで試合が出来るなんて!」

「そんなすごい事なんですか?」

 

 華は何がすごいのか分からず、優花里に向けて言うと彼女は「戦車道の聖地です!」と答える。

 

「勇樹君、戦車道の聖地ってことは」

「ああ、あまり一般に使われておらず。戦車道の決勝として使われている…つまり貴重な舞台だな」

 

 百合子と勇樹はそう言うと、小森が「そうだな…ふあああ」と眠たそうに欠伸をする。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 会場近くの屋台には、多くの人たちがやってきており。

 食べ物や飲み物意外に、戦車のラジコンやプラモデル。記念写真が出来る場所がたくさんあった。

 

「すごい…決勝戦ってこんなにも人気なんだ」

 

 それを見ていた太田は目を丸くしていると、桜は「そうね」と答える。

 

「決勝戦は、エリートや訓練されたものしか行けない…プラウダに黒森峰、聖グロなども行っていたって、会長が言っていた。でも」

「黒百合は謎の学園で詳細は不明、大洗は初心者が多くおり決勝に出れるのは初めて…っすね」

 

 フランクフルトにポップコーンを手にしている霊華が答える、それを見た蓮華は「いつの間に」とあきれる。

 

「それに、ンぐ…今回は先輩が道具を持っていかなかったんすからレアっすよ!」

「そう、道具を…持っていかなかった?!」

 

 霊華の言葉に桜は驚くと彼女は「うす」と答える。

 

「ココア会長も目を丸くしていたんすけど、先輩曰く『決勝戦位、道具を使わず実力でいく』と言って、道具が入ったカバンを置いていったっす」

 

 霊華はそう言いながら、道具が入ったカバンをアレンに渡す。

 アレンはカバンを開いて中を見ると、今回使いはずの道具に食べ物が入っていた。

最終チェック

「本当だ…なぜ彼は?」

「考えることはありますね」

 

 驚くアレンに天女は冷静に言い始める。それを聞いた奈々は「なんですか、天女さん?」と言うと、彼女はこう答える。

 

 

 

 

 

 

「あの黒百合学園は、私たちの敵でもある学園組織・闇型、黒薔薇女学院の可能性があります」

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 ところ変わってここは戦車の最終チェックや故障個所が無いか管理する倉庫、あんこうチームは戦車の状況を見て安心かどうか確認していた。

 

「よ、みほ。そっちは大丈夫か?」

「勇樹さん」

 

 そんな中、カンガルーチームの勇樹がやってきて、大丈夫かどうか言いに来た。

 

「はい、優花里さんに沙織さん、華さんに麻子さんからは問題ないと言っていましたので」

「そうか、こっちも点検したから大丈夫だったぞ」

「わかりました」

 

 勇樹の言葉にみほは答えると、後から誰かがやってきた気配を感じ、振り向くと。

 

 

「ごきげんよう」

 

「あ、こんにちは」

「こんにちは…ダージリンさん、どうしてここに?」

 

 勇樹の言葉に、ダージリンは「それはペコから」とオレンジ・ペコに言うと彼女は「はい」と答える。

 

「まさかあなた方が決勝戦に進むとは思いませんでしたわ」

「あ、私もです」

 

 ペコの言葉にみほが答えると、ダージリンは「ふふっ」と口に手を添えてほほ笑む。

 

「そうね、あなたがたはここまで難試合、予想を覆す戦いをしてきた。今度は何を見せてくれるか、楽しみにしているわ」

 

 ダージリンの言葉に勇樹は「そう簡単に行くだろうか」と苦笑いし、みほは「がんばります」とぼうぜんと答える。すると今度は。

 

「みほー!」

「ん、この声は…」

 

 どこか聞いたことある言葉に、2人は声がしたほうに向くと。ジープに乗ってきたサンダースのメンバーであるアリサ、ナオミ、ケイが乗っている。

 ジープは近くに泊まるとケイが下りてきた。

 

「またエキサイティングでクレイジーな戦い、期待しているからね! ファイト!」

 

 ケイはそう言いながらグッドサインをすると、みほは「ありがとうございます」と答える。そして。

 

「勇樹も、彼女のパートナとしてお願いね!」

 

「ぱ、パートナって…」

 

 勇樹はジト目で言うと彼女はジープに乗ってその場から去っていった。その時、彼女は「グッドラック!」と言い放った。

 それを見た勇樹は「嵐のように去っていったが、みほ」と言うと、彼女は「はい、期待に応えませんと」と答えた。すると。

 

「ミホーシャ、ユキーシャ」

「あ」

 

 幼い子供の声がしたためみほは振り向くと、ノンナに肩車しているカチューシャがいた。

 

「このカチューシャ様が見に来てあげたわよ、黒百合なんか、バグラチオン並みにボッコボコにしちゃってね!」

 

「あ、はい…」

 

 みほがカチューシャの言葉に答えていると、その場から去っていく。

 

「じゃあね、ピロシキ~」

「ダスヴィダーニャ」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 それを見たダージリンは「あなたは不思議な人ね」と答える。

 

「戦った相手、みんな仲良くなれるなんて」

 

 ダージリンの言葉にみほは「あ、えっとそれは」と戸惑いながらも、彼女の質問に答える。

 

「みなさんが素敵な人たちだから」

「確かに、あんな強くて気合がある人らは、なかなかいないからな」

 

 2人の言葉にダージリンは目を細めると「あなたにイギリスの諺を送るわ」と言う。その諺とは…。

 

 

 

「四本の足を持つ馬でさえつまずく…強さも勝利も永遠じゃないわ」

 

 

 

 諺を聞いたみほは「あ…はい!」と元気よく答える。

 勇樹も「なるほど…いい諺だな」と冷静に答える。

 

 四本の足を持つ馬でさえつまずく、その言葉の意味は、失敗は誰にでもするものだ。

 失敗・挫折の意味を持つ一方、応援・励ましの意味を持つ。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 そして、勇樹たちは試合前にあいさつをするため例の場所へと集まる。

 

 

『両チーム、隊長副隊長。前へ!』

 

 

 その言葉を聞いた河島と西住は前に出ると、黒百合からは銀髪のロングヘアをした片目の女性と、クリーム色の縦巻きロールヘアーをした少女が前に出る。

 そして、各隊長・副隊長が前まで移動して停止し挨拶をするが…。

 

「初めましてと言ったほうが良いだろうか…私は黒由利女学園の生徒会長兼戦車道の隊長をしている我狼院(がろういん)怜雄(れお)だ。そして」

「怜雄様と同じく生徒会副会長兼戦車道の副隊長をしている小春田(こはるだ)日和(ひより)ですわ」

 

「は、初めまして。大洗女子学園の隊長をしている西住みほです」

「同じく大洗の副隊長をしている河嶋桃だ」

 

 まず初めに、黒百合の隊長副隊長の我狼院と小春田が挨拶をし。次に西住と河島が挨拶をする。

 お互い初心者であるから、挨拶は重要だ。

 

「あなたたちにはあたくしたちが倒して見せますわ、たとえどんな手を使っても…」

「っ…こいつ!」

 

 小春田の挑発に河嶋は睨むが、怜雄が「落ち着け日和、相手を怒らせるな」と彼女の頭を抑え込む。

 

「すまない、彼女は少しイライラしていてな。決勝になって勝てるかどうか心配だ」

「あ、いえ」

 

 我狼院の謝罪に西住は戸惑っていると、河嶋は「私は許さないからな」とにらんでいる。

 河嶋を見て彼女は「そうだな、私たちが先に行ったことだ」と答えると同時に、奥にいる勇樹を見つめる。

 

「彼はどうしてここに来たか分からないが、後で話そう…ゆっくりと」

 

 我狼院はそう言って彼をにらみつけると、蝶野教官が2組の間に入ってきた。

 

「本日の審判長、蝶野亜美です」

 

 蝶野がそう言うと、各隊長副隊長は彼女にあいさつすると、彼女も挨拶をする。

 

「両校、挨拶!」

 

 蝶野の言葉に隊長副隊長は前を向く、そして西住が「よろしくお願いします」と言うと、他の生徒も『お願いします』と答える。

 

「では、試合開始地点に移動。お互いの健闘を祈るわ」

 

 蝶野はそう言って去ると、河嶋も自分のチームに移動していく。我狼院も同じく自分たちのチームに移動していく。

 だが、小春田は西住を見つめていた。

 

「西住さん…少しいいかしら?」

「え、はい」

 

 小春田の言葉に西住は反応すると、彼女はこう言った。

 

 

 

 

「まず言っておきますけど、あたくしたちに勝てることは…不可能、100%不可能ですわ」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「勇樹君、どうしたんですか?」

「…あの銀髪。黒薔薇にいた生徒に似ていた」

 

 戦車に乗ってスタート地点に移動していると、勇樹の考えていた氷上に百合子は言うと。彼は考え込む。

 

「だけど、あのクリーム色は厄介だ」

「ああ、あいつが言ったことは絶対にやり遂げる…どんな手を使ってもだ」

 

 小春田のことを言うと、みんなに緊張が走る。彼女はどんな手段を使ってでも相手を陥れる。

 

 

 

 

 

 

 たとえ、人が亡くなろうとしても……。

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 会場の席に着いた太田たちは、専用の大型モニターでどうなるか心配そうに見ていた。

 

「相手はあの学園…どうやって勝つんだ?」

「わからないっす…ですが、先輩たちは必ず」

「ああ…勝ってやるんだ」

 

 アレン、霊華、蓮華はそう言ってみていると。太田の電話が鳴り始めた。

 

「あ、ごめん」

 

 太田はそう言って席を外して電話に出る。

 

「「はい太田です…はい、はい…まほさん、どうしたんですか?!」

 

 太田の言葉にみんなは反応すると、彼は「それで、どうだった!?」と慌てて言うと。

 

 

 

 

「うん、うん……うんうん……そうですか! ありがとうございます!!」

 

 

 太田はそう言って喜んでいるとみんなは「何がわかった!?」と一斉に言うと、彼はこう答えた。

 

 

「エリカさんの意識が戻ったよ!! まほさんからの連絡で、意識は戻りました!!」

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「相手は初めて戦う相手です、おそらく、火力が強い戦車が多くあるので一気に攻めてきます。その前に有利な場所へと行き長期戦になるようにしましょう」

「それにだ、相手はどんな手段を使うか分からない。油断禁物だ」

 

 西住と勇樹の言葉に、みんなは「はい!」と答える。そして。

 

「相手との開始地点とは離れていますので、すぐには遭遇することはないと思います。試合開始と同時に速やかに207に移動してください」

「隊長副隊長ではないが、各チーム。乗り込め!」

 

 勇樹はそう言うとみんなは再び「はい!」と答える。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「道具はこれで全部か」

 

 勇樹はそう言ってカバン…ではなく服の中から出してきたのは、ロープだけ。

 このロープはサンダースとの戦いで使用した『頑丈ロープ』。

 

「どうやって使うかはオレが決めて見せるか…」

 

 勇樹はそう言って中に入ろうとした。その時。

 

 

 

 ブーッ、ブーッ

 

「ん、メール? 太田からだ」

 

 

 ポケットから携帯のバイブがしたため出てみると、『太田陽』と書かれたメールが送られてきた。

 

「なになに……ん、んん!?」

 

 内容を見て彼は目を丸くすると、百合子が「どうしてんですか? 勇樹君?」と彼の様子を見に来た。

 

「い、いや別に。何もないよ」

 

 彼は冷静を保たせると素早く携帯をしまう。それを見た伊江は「そうか?」と頭を傾げる。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「これより決勝戦だ、各自気を引き締めろ」

 

 一方、我狼院たち基黒百合学園は。フランスの戦車である『オチキス H35』『FCM 36』『AMX-13』『AMX-30』に乗っている。我狼院基体調が乗っているのは『AMX-30』という、フランスで開発された主力戦車に乗っていた。

 

「彼らは初心者とはいえサンダースとプラウダを倒した。それに隊長は西住流の次女、西住みほがいる」

「決して油断できないことっすね」

「ああ、そうだ」

 

 『オチキス H35』から黒色のショートヘアーをした少女が出てくると、我狼院はそれに答える。

 

「だが、初心者が多いからすぐに倒せる。時間を出来る限り短く素早くするんだ。わかったか!」

『はっ!!』

 

 我狼院の言葉と威勢に、生徒は緊張が走る。そして彼女は「すぐに始める、さっさと乗るんだ」と言いながら戦車に乗り込む。

 その様子を見ていた小春田は、カバンからあるものを出して見つめる、そのあるものは…。

 

 

 

「西住みほ…あなたをだ押して見せますから…!!」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 ピュウウウウウゥゥゥゥゥポンッ!!

 

 青い空になる響く花火音、光は出ていないが白い煙だけ出ていた。

 試合開始の合図、それを見た西住は「パンツァー・フォー!!」と各船社に向けて、通信機で言い放つ。

 

 

ガガガガガガガガ!!!!

 

 それを聞いたチームは一斉にエンジンを起動して前進する。

 

 

『始まったな、西住。相手は黒百合、油断は禁物だ』

 

「はい、そうですね」

 

 通信機によって勇樹が真剣に言うと彼女はそれに答える。相手はどんな人であろうと緊張を保つこと、終わったとしてもどうしかけてくるかは不明だ。

 彼女がそう感じていると「西住殿」と優花里が出てきた。西住は「少し外します」と通信機で伝えると、彼女は優花里の方へと向く。

 

「よかったですね、仲間を助けた西住殿の行動は、間違っていなかったんですよ!」

「あ」

 

 秋山の言葉に西住は気づいた。去年の決勝戦、仲間の戦車が川に落ちて彼女は試合を放棄し救出活動をした。

 試合には負けたが仲間を助けた。自分の行ったことは無駄ではないことに、今気づいた。

 

「今でも、本当に正しかったかどうかは分からないけど…でも、あの時私は、助けたかったの。チームメイトを。だから、それでいいだよね」

 

 表情が明るくなり、行き詰っていたなんかが除かれたかのように彼女はそう感じた。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

『こちらアンコウチーム、207地点まであと2キロ。今のところ黒百合の姿は、見えません』

「わかりました、こちらカンガルーチーム。アンコウチーム同様以上はありません」

『わかりました。ですが皆さん、油断せず気を引き締めていきましょう! 更新終わります』

 

 百合子は武部との通信をして終わらせると、彼女は「終わりました」と勇樹に言う。

 

「ありがとう百合子さん」

「いえ、これくらい簡単です…それよりも」

 

 百合子は無表情で勇樹に向けて言うと、彼は「ああ、わかっているさ」とカバンからタブレットを出して彼女に渡す。

 受け取った百合子は、電源を付けて何かを探していると。『極秘』と書かれたメモ帳を見つける。

 

「結果はどうでしたか?」

「山の形状から自然災害が起きる確率は3割ほど、機械の力を使えば2倍から3倍に」

「誰かの手によって起こしたことですか…あ、あった」

 

 百合子は何かを見つけたのか、それを見ると「やっぱり」と真剣に見た。その時。

 

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 ドガアアアアアアアッ!!!

 

『『『うわっ!?』』』

 

『なに?!』

『もう来た!」』

『嘘―!?』

 

 突然の着弾に各チーム驚き混乱している。勇樹たちに至っては、目を丸くして「なにがあった?!」と一斉に言っている。

 勇樹は急いでキュポラ―から上半身を出し、望遠鏡を出して見てみると。

 

「森の中に隠れて…流石黒百合!」

 

 それを見た勇樹は真剣な表情になり、潜望鏡をしまうと。西住に連絡する。

 

「西住! 黒百合がもう来ている!! 目的は」

『私たちのフラッグ車ですね、わかりました!』

 

 西住も気づいていたのか、そう答えると。黒百合は大洗に向けて放っていく。

 

「勇樹君、森の中にいるってことは。ショートカットですか?!」

「それもあるが、見えにくくするだけだ。前に小梅が言っていたな」

 

 勇樹は小梅に渡された例の資料を思い出す。その理由は。

 

「金箔のように明るいのだと目立ち日に当たるとさらに目立つ…だが節減の場合は白色にしておけば雪と見間違える…黒や緑色のだと森や暗い夜に化ける…!!」

 

 そう、木に隠すなら森の中。人に隠れるなら人の中。適応した場所に行けば相手に化けることが出来るという事。

 黒百合はそれを想定して行動しているようだ。すると。

 

『各車両、出来るだけジグザグに動いて前方の森に入ってください!!』

 

 西住の言葉を聞いた小森は「了解!!」とレバーを動かして戦車の速度を増していく。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「全車両一斉攻撃!」

 

 その頃、黒百合では小春田が各戦車に指示を出して砲撃を放っている。

 ジグザグに動きながら進んでいるため、1発もあたりはしない…だが。

 

「前方、2時方向に敵フラッグ車発見。どうしますか」

「標準を合わせますわ、砲撃用意!!」

 

 1名の生徒に小春田は指示を出すと、他の生徒は『はっ!』と一斉に答えて砲撃準備をする。

 

「標準よし、フラッグ車に合わせました」

「完璧ですわ…西住みほ、ここで終わりますわ」

 

 彼女はそう言いながらにやけると、1名の生徒が「装填完了です」と答える。その瞬間。

 

「撃てえええっ!! ですわ!!」

 

 小春田の指示に砲手の生徒が引き金を引くと、手法から砲弾が放たれてフラッグ車に当たる…が。

 

 

 ガンッ!! ボガアアアアッ!!

 

 

 

「……は?!」

 

 なぜかフラッグ車の前にアリクイチームの戦車が出てきて、自ら相手を守って自分の身を犠牲にして砲弾を守ってくれた。

 戦車の砲弾に当たった三式中戦車は、数回転したのちに停止し、白旗を出して敗北となった。

 

『大洗女子学園、三式中戦車。走行不能』

 

 初心者で初めて出場したのに情けない一面を出した、その代わり、フラッグ車から守ったという英雄の一面を作り出した。アリクイさんチームであった。

 それを見た小春田は。

 

「な…そ、そんなの…そんなのありですのおおおおおお!?」

 

 雷が落ちるほどのショックを受けたのであった。



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第22話『最終試合開始・混乱と絆と逆襲』

「あ、アリクイさんチームがやられた?!」

 

 アリクイさんチームがやられたことを聞いた百合子が驚くと、伊江たちは「え?!」と驚く。

 

「ま、まさかだと思うが…初心者だからレバーの操縦に慣れておらず、相手にすぐにやられたのか?」

「いえ、そうですが当てられた理由は違いますよ?」

 

 苦い表情をしていった伊江に百合子は一部訂正していく、それを聞いた幹子は「どういう意味だい?」と言うと、彼女はこう答える。

 

「操縦に慣れていないのは事実でしたが、当てられた理由はフラッグ車を狙っていた相手に当てられたようです」

「なるほど、相手が当てようとしたが突然で守られたってことか…やるじゃん」

 

 彼女の言葉に小森は褒めるように言うと、勇樹は「そうだな」と答える。だが。

 

「いったい誰がフラッグ車…西住に当てようとしていたんだ…?」

 

 フラッグ車を当てようとしていたのは一体誰か、それがわかれば妨害がまいの行動をして出来る限り対決をしながら遠ざけることが出来る。

 情報が少ないため今は無理だが、出来るだけ早く相手を確認しなければ…。と彼がそう思っていた、その時。

 

 

 ドガアアアアアアアッ!!

 

「またか!」

 

 再び音がしたため振り向くと、複数の戦車がフラッグ車に向けて放ちながら進んできていた。

 

「百合子さん」

「わかりました!」

 

 勇樹の指示に百合子は答えると、通信機を起動して誰かの話を聞き始める。その人物とは。

 

『全車両、もくもく作戦です!』

『もくもく用意!』

 

 あんこうチームの武部沙織、彼女からの指示を聞いた百合子は「えっと、確か」と資料を見て数秒後、通信機を手にして各戦車に伝える。

 

「了解! もくもく用意!!」

 

『もくもく用意!』

『もくもく用意』

『もくもく用意!』

『もくもく準備完了!』

『レオポンチームも完了しました!』

『私たちも、もくもくの用意できたよ!』

『こちらもでーす』

 

 各チーム、もくもくの準備が終わると伊江は「それにしても、もくもくってなんだ?」と疑問を浮かび上がらせた。その瞬間。

 

 

 

 バシュッ!!

 

 

 

 突然あんこうチームから白い煙が出てきて後ろの方に放っていった。それを見た百合子は。

 

 

「もくもくはじめ!!」

 

 スイッチを出して一気に押すと、エンジンから白い煙が放って後ろに向けて流れていく。

 勇樹たちだけではない、各戦車から煙を放って相手の妨害をし始めた。無論、これは違反ではなく戦車道に許可されている範囲内での手段。

 

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「煙幕!? 悪あがきにもほどがありますわ! 全車両、打ち方用意!」

 

 小春田が放つ準備を言おうとしたその時。

 

『待て、打ち方をやめろ』

「って、怜雄様?! なぜやめるんですの?!」

 

 怜雄の言葉に小春田は言うと、彼女は『考えろ』と答える。

 

『もしこれが相手の作戦だとしたら、私たちの行動は終わってしまう。無駄球を打たせてる可能性がある』

「あ」

 

 そう、怜雄の作戦が正しければ。敵を惑わすかのように煙や水の中に隠れて。武器となる砲弾を放っていき空になる1、2発前に攻撃をしていく。

 そうすれば強敵でも砲弾の数に限りがあれば勝てる…そう推測している。

 

「くっそ…逃がしませんわ!」

 

 小春田はそう言いながら、戦車に装備している銃で煙に向けて放っていく。銃であれば威力は低い代わりに砲弾の使用回数を抑えることが出来る。すると

 

『敵、11時方向に確認!』

「11時方向? 向きが違いますわね、怜雄様」

 

 他の生徒が、大洗がいる方向を見つけ通信で伝えると。小春田は怜雄に通信する。

 なぜ向きを変えて逃げていくのか。それでこそ不思議であった。だが。

 

「あそこは坂道がある。無論、戦車の中で小回りが利かないポルシェティーガーがある。煙が晴れ次第攻撃をする」

 

 彼女の言う通り、ポルシェティーガーは戦車の中で砲弾の威力と防御力は高いが、逆に言えばスピードはあまり出ずエンジンがオーバーヒートしやすいという弱点がある。

 

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「煙幕を張るなんて…何か作戦があるのでしょうか?」

 

 その頃、専用の席で大洗との戦いを見ていた聖グロのダージリンとペコは、煙幕の映像を見てペコがなぜそれをするか疑問に思っていた。

 すると、ダージリンが英語で「ALL is fair in love and war」と答える。

 

「恋と戦いはあらゆることが正当化されるのよ」

 

 諺を言うと同時にダージリンは紅茶を飲もうとした、その時。ペコが「あ、煙幕晴れてきました!」と言うと、彼女はそれに反応して紅茶を置いて画面を見つめる。

 

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 小春田は「まだ1合目あたりだから、打てますわよね」と思いながら外を見ていると、煙幕が晴れてその先の光景が見えてきた。その先にあったのは。

 

「っ! もうあんな所に…どうして?!」

 

 驚くことに 1合目ではなく6合目あたりまで移動していた。

 どうして重いポルシェティーガーを移動することが出来たのか…それよりも、どうやって坂道を上っているのかよく見ていると…。

 

「あれは…ワイヤー?!」

 

 マークⅣ戦車とM3中戦車『リー』、3号突撃砲F型がワイヤーを使ってポルシェティーガーを支えながら前に進んでいた。

 これを使用していたおかげで坂道を上り出来る限り素早く移動することが出来た…が。

 

「さすがに重いぜよ」

「レオポン、少しはダイエットを!」

 

 おりょうとフリントはレオポン号にツッコミを入れていると、カトラスが「重いことは装備品が多い、準備が良すぎる証拠」と冷静に答える。

 

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「そっか、みんなで引っ張っていたのね。ポルシェティーガーを!」

 

 その様子を見ていたカチューシャは、感心するかのように言っていた。

 肩車をしていることに気づいた彼女は、「う、うん」と席をしながら大人しくする。

 

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『パラリラ作戦です!』

『『『パラリラ作戦、了解!!』』』 

 

 その頃、百合子の通信機からみほの作戦と同時に、アヒルさんチームの妙子とカモさんチームのそど子、モモンガチームの葵が答えた途端、戦車は左右に動きながら煙を放っていく。

 

「なるほど、暴走族のようにパラリラと移動しながら煙幕を巻いて、視界を出来る限り塞ぐか…みほ君らしい作戦だね」

 

 それを見た幹子は理解したかのように言うと、伊江が「風紀委員のそど子たちが困るだろうな」と苦笑いする。

 それを聞いたみんなは頭の中で装填・通信・リーダーであるそど子と、操縦手であるゴモ代が『何よその作戦! 私たち、不良になったじゃない!!』『終わったら手がはれてそう』と困ったイメージをして、勇樹たちは「確かに」と苦笑いする。

 

「逆にアヒルさんチームは、訓練されているから。きっと行けそうですね」

 

 百合子はアヒルさんチームは(今は廃部となった)バレー部の訓練をしているため基礎体力は大丈夫だと想像している。

 それを聞いたみんなは頭の中で操縦手の忍、通信手の妙子が『お尻が痛い、手がつるっ!』『頑張って、ワンハンドレシーブの練習だと思って!』と言いながら操縦しているのを見て、伊江は「確かに」と言って納得するが。勇樹と小森だけは「ありえる」とジト目で答える。

 

「だが、逆にあの2人組はけっこすげーぞ。双子とはいえいいチームワークだしな」

「そうだな、霊華と連華を見ると同じ気持ちだ」

 

 小森と勇樹の言葉に、みんなは「確かに」と一斉に同意する。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「全く、こんなに煙を作り出すのって…何か作戦があるんですの?!」

 

 その光景を見た小春田は、双眼鏡でけむりをみながらイラついている。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 その頃、あんこうチームの戦車内では、みほが例の地図を出して何かを見つめている。

 そして時折「あと少し」とつぶやくように言っている。

 戦車から放つ煙幕は徐々に広がっていき、ついには覆いかぶさるようにしていった…その時!

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

『撃て!!』

 

 ドガアアッ!! ドガアアアッ!! ドガアアアアッ!

 

 我狼院の指示に各戦車から砲台が放たれて山に向かっていった。が、煙幕の手前で着弾して戦車に当たることはできなかった。

 すると、彼女は上る前にある違和感を気づく。その違和感とは。

 

 

 

「戦車が1台少ない…どこに?」

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「やられる前に有利な場所に逃げ込まないと…」

 

 その光景を見ていたペコは、真剣に大洗の行動を見ている。それを見ていたダージリンは紅茶を飲むと同時にこう答える。

 

「あなたもいつの間にか、彼女たちの味方ね」

「は?!」

 

 ダージリンの言葉にペコは驚いていると、彼女は微笑むのであった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 その頃、ヘッツァー基カメさんチームは。煙幕を利用して彼女たちから離れて、小梅の指示により木々の中に隠れていた。

 

「にしし」

 

 会長は相変わらず変わった表情で標準スコープを除いている、その先にあったのは移動している黒百合であった。

 

「先ほどの仕返しです! 会長さん!!」

「あいよー小梅ちゃん、おりゃっ!!」

 

 小梅の言葉に会長は引き金を引くと、砲弾が放たれてオチキスH35に当たる。ただし、戦車本体ではなくキャタピラーのベルトに当たり壊れた。

 それを見た河島は砲弾を装填すると、今度はFCM36に向けて放った。

 オチキス同様、キャタピラにあったって走行不能となった。

 

「会長、2両走行不能になりました!」

「すごいです会長!!」

「河嶋当たったぞー!!」

 

 柚子と小梅が褒めていると、会長はあまりの嬉しさに河嶋にピースをしながら言うと、彼女は「わかっています!」と言いながら砲弾を用意する。

 装填し終えて放とうと会長は標準を除くと、異変に気付いたのか、森に向けて戦車が移動していく。それを見た彼女は。

 

「2両が限界かぁ…撃破したいなぁ」

 

 会長はそう言いながらヘッツァーは森の中へと逃走していった。

 その光景を見た我狼院は「深追いはするな、油断の可能性がある」と指示をしてヘッツァーを追うのをやめる。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 大洗は現在、山の頂上へと移動して戦車が隠れるところへと移動していた。

 その光景を見ていた太田たちは、緊張が入っていた。一体、西住は何を考えているのだろうか。

 

「西住のお姉ちゃん…どうしてここに移動したのかな?」

「それがわかればいいけど…だよね、太田君」

 

 福音が心配そうに見ていたのを穂多留は同意し、それを太田に向けると彼も「ボクもだよ…」と冷静に答える。すると。

 

 

 ブーッ、ブーッ、ブーッ

 

「ん、メール?」

 

 突然彼の携帯からメールが来たため開いてみると、そこに表示されていたのは。

 

「まほさんからだ…これは?」

 

 まほからのメールに彼は開いてみたが、文字は書いていなかった。

 

「あれ、文字が書いていない?」

「ご送信っすか?」

 

 太田の言葉に霊華が言うと、彼は「ううん、文字じゃないけど写真が」と無数のアドレスの中から1つ選んで、中身を見ることに。そこに乗っていたのは。

 

 

 

「えっと…生徒?」

 

 

 黒森峰の生徒一覧の一部であった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 山の頂上にいる大洗に対して、黒百合は山のふもとにたたずんでいる。

 両者、一度でも動くことが出来ない状況になっており。いつ発射してもおかしくはない。

 誰もがそう思った…その時。

 

「ふむ、山に逃げ込むとは珍しいな…勝つかどうかは不明だ。各社、大洗を囲め」

 

 我狼院は感心するかのように言いながら仲間に指示を出すと、AMX-13とFCM36、オチキスH35は前に進み始める。

 それを見たみほは、双眼鏡を外して通信機を起動し、各チームに向けて指示を出す。

 

「砲撃始め!」

 

『砲撃始め!』

『砲撃始め!』

 

 各チームがそう言うと、彼女は戦車の中に入った。その時。

 

 

 ドガアアアアアアアッ! ドガアアアアアアアッ!! ドガアアアアアアアッ!!!

 

 

 M3リー、Ⅲ突、マークⅣから砲弾が放つと、他の戦車から砲弾を放ち始めた。

 砲弾は見事地面に当たるが、戦車に当たらず。それどころが我狼院が乗っている戦車『AMX-30』は前に進み始める。

 

 ドガドガッ!! ドガアアッ!!

 

 おかしなことに、中腹付近にある地面にも砲弾は当たり。土煙を増していってる。

 なぜそれをしているのか、それを見ている観客らは頭を傾けていた。すると。

 

 ドガアアアアアアアッ!!

 

 どの戦車から駆らないが、砲弾がFCM36にあたり起動不可能となった。

 

「やった!!」

「この調子で行くぞ!」

 

 FCM36に当てたのは、サメさんチームのムラカミ。彼女は頭はあれだが力だけは彼女だけ一番、砲弾を軽々と持ち上げて装填しすぐに発射することが出来る。

 そうしている間に、通信機から『次、放つわよ!』とそど子の声がすると同時に砲撃が始まる。

 

「1時のエースだ!」

「わかった…エースってどれだ!?」

 

 歴女の方から声がすると同時に、Ⅲ突は方向が変わると。カエサルが「砲台に支えがある戦車だ!」と言うとⅢ突は砲弾を放つ。

 他の戦車も砲弾を放っていき、戦車に威嚇攻撃している。

 あんこうチームも、敵戦車に砲台を変えていき。攻撃しようとしている。

 

「フラッグ車、こちらに向いています! 方向転換してください!!」

 

 自分たちに攻撃してきていることに気づいた黒百合は急いで指示を出すが、Ⅳ号H型から砲弾が放たれて。FCM36は戦闘不能になった。

 

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「やるじゃん西住!!」

「さすが師範の次女さんです!」

 

 その光景を見ていた伊江と百合子は感心していると、小森が「装填しろ、伊江」と言われて彼女は「おっと」と急いで装填する。

 勇樹たちも彼女たちに負けず、砲弾をさらに発射し、敵の動きを少しずつ鈍くしている。

 

「それにしても、西住の奴。前より結構変わっていってるな」

「ああ、みほくんだけではなく。学園艦を守ろうとしている生徒のみんなも、絆が出てきたと思うよ」

 

 装填している伊江に幹子は答えていると、勇樹は「確かに」と言いながらメモしている。

 

「だが、相手はあの我狼院…次は何をするんだ」

 

 勇樹はそう答えながらメモをしていると、何かを感じたのか隙間から外を除いた。そこで見た光景は。

 

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「作戦実行…守りの楯、前に行け!」

 

 我狼院は目つきを鋭くして通信機でそう言うと、AMX-30の後ろから戦車が出てきたが。その戦車は30と違って砲台が長くAMX-13と違って支えがない。

 これを見た沙織は「あれって!」と急いで戦車ノートを開いて調べた。その戦車は。

 

「『ARL-44』! 黒百合はこの戦車も持っていたの?!」

 

 ARL-44という言葉にみんなは「なんだって?!」と驚いていると、ARL-44はAMX-30を守りながら前に移動し始める。

 

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 その光景を見たダージリンとペコは、画面を見て困ったかのような表情をする。

 

「重戦車を楯にして、攻撃を塞いでいくのね…」

 

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 ARL-44はそのまま前に進んでいき、大洗の戦車は攻撃していくが。重戦車がそれを跳ね返していき歯が立たない状況になっている。

 

「固い…」

 

 砲手の華も、重戦車がやってくることは想定していなかったのだろうか。砲弾を放っても跳ね返してしまうため無効となっている。

 そうしている間に、他の戦車は後を続いていくかのように山を登っていき、砲弾を一気に放っていく。

 

 ドドドドオオオォォォォォォォッ!!

 

 放たれた砲弾は山の頂上に当たり、火山が発生したかのように煙が待っていく。

 

「ふふふ、どうよ。これがあたくしたちの力、ですわ!」

 

 小春田は、自慢するかのように言いながら操縦手に向けて「速度を」と言うと、操縦手は「うっす」と言いながら速度を増す。

 だが、彼女たちはあきらめていなかった。向かい来る黒百合に向けて砲弾を放っていくが、再び黒百合の砲弾に戦車は大きく揺れる。

 

「っ!! せっかくここまで来たのに!」

「このままだと、撃ち負けます!」

「さすが黒百合…」

 

 アヒルさんチームの典子、あけびは、相手が強いことをあらためて思いながら攻撃していき。妙子は『けが人、こちらはいません!』とあんこうチームに知らせる。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 ドガアアアアアアアッ! ドガアアアアアアアッ!!

 

 黒百合の攻撃により地面は跳ねていき、Ⅲ突はその土にかぶって塗装仕掛け途中の戦車となり果てている。

 

「マルタの大包囲戦のようだな」

「あれは囲まれたマルタ騎士団が、オスマン帝国を撃退したぞ!」

「だが、我々にそれは出来るか…」

 

 エルヴィンもさすがにピンチと思ったのか、顔を青ざめており。

 カエサルはエルヴィンの言葉に答えながら砲弾を用意する。

 

 

 それを見ていたヘッツァーとどこかに隠れていたティーガーG型がやってきた。

 

「すげえ砲撃戦だな…」

「真綿でじわじわ首を締めているようだな…」

 

 それを見た日向と河嶋は冷静に言うと、会長は「こっちも要塞にすると見越していたかもねぇ…ま、当然か」とのんきに答える。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「18対11、これだけ潰せれば…ここから撤退します」

 

 西住は優花里たちに向けて言うと、彼女は「でも、退路は塞がれちゃってます」と答えた。すると。

 

 

 

『西住さん! 例えのあれやりますか?』

 

 

 

 通信機から小梅の声がしたため西住は「はい、オチョクリ作戦、始めてください!」と答えた。

 西住からの通信を受けた小梅は、会長に「だそうです」と言うと、彼女は「準備良い?」と言うと、小山と河嶋は「はい!」と答えると同時に、「オチョクリ開始!」と戦車を移動していく。

 同じく祝井も「こっちも行くぞ!」と言うと、日向たちは「おう!」と答え、ヘッツァーの後を追う。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 黒百合の戦車である『AMX-30』に乗っている赤紙のツインテールの少女『岐路稲(きろいな)津摩代(つまよ)』は、キュポラ―から出て目的地がずれていないか指示を出している。

 

「やっと間に合った…方向音痴にも少しは慣れないと」

 

 彼女は方向音痴なのか手には方位磁石と地図を手にしている、出会えたことに安心した…が。

 

 

 

ガラガラガラガラッ…

 

 

「ん、この音は…」

 

 後ろから音がしたため何かと振り向くと、ヘッツァーとティーガーG型が後ろから現れた!

 

「あああっ! あの戦車、さっきの!」

 

 岐路稲はそれに気づくと「7時の方向に敵発見、ヘッツァーとティーガーG型ですよ!」と通信機を使用する…が。

 

 

 ドガアアアアアアアッ!! バギィンッ!!

 

 

 ティーガーG型から放たれた砲弾は、戦車本体ではなくキャタピラーの帯に当てて分解させた。修理して時間をかけるかのように細かいことを考えてだ。

 

「ぎゃあああっ!! これ、直したばかりなのに。修理時間かかるのよおおおおっ!!!」

 

 青ざめてキャタピラーを見て叫ぶ岐路稲を見てヘッツァーとティーガーG型はその場から去って山へと移動していく。

 それを見た岐路稲は「こんおおおおお!! 戦車1台の修理費用は、あんたらに買ってから数百倍で送ってやるうううううっ!!」と叫ぶが、すぐに去っていくため空しい状態になった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「突撃ぃいいいっ!!」

「祭のように叫べ、暴れろ!!」

 

 会長と祝井は、他の戦車をおちょくるように指示すると、ヘッツァーとティーガーG型は徐々に加速して黒百合に向かっている。

 

「こんな強敵の戦車に突撃するのは…少し無理があるよう」

「しょ、正直。私も生きた心地がしない…」

 

 弱音を吐くかのように、柚子と奈羅江は怯えて言うと河嶋と七日は「相変わらず無謀な作戦だな」と冷静に答える。

 会長は「あえて突っ込んだ方が安全だってよー」とのんきに言うと、祝井も「そうだなぁ」と同意するかのように答える。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 AMX-13に乗っていた生徒は、横から音がしたため「なんだ?」と向くと、ヘッツァーが間を割り込むかのように移動していた!

 

「何!? 11号車、15車!! 脇にヘッツァーがいるぞ!!」

 

 生徒の指示に11号車と15号車は動くが、ヘッツァーはすぐに動き始める。

 

「このっ!! このままだと味方に当たってしまうから打てない…!!」

 

 砲撃で敵を当てる手段もあるが、このままだと砲弾によけられて味方に当たる可能性が発生する。

 

「こちら17号車、こちらから放つ!!」

 

 17号車基FCM36は手法で相手を怯ませようと動くが、ティーガーG型がそのすきを狙って攻撃を受けてしまい戦闘不能となった。

 

「申し訳ありませええん!」

「こうなったらこっちが!」

「おい待て! 今Ⅲ突がこっちに来ている!!」

 

 混乱した今、Ⅲ突が黒百合に向けて移動してきている。Ⅲ突だけではない、Ⅳ号H型やM3リーに九四式系装甲車TKなども動き始め、ある場所に止まると砲弾を放った!

 

「あわわわわ!!」

「な、なにしているんだ?!」

「こっちに来ないでえええっ!!」

「ぶつかるぶつかる!!」

 

 砲弾に戦車、味方との攻撃により黒百合は混乱し、彼女たちはその場から逃げるかのように戦車は移動していく。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「面白ーい!! 次から次へとよくこんな作戦考えるわね!!」

 

 それを見たカチューシャは、感動するかのように喜びはしゃいでいるとバランスを崩して落ちそうになるが、すぐにノンナの頭につかまって体制を整える。

 ノンナは「これで17対11ですね」と冷静に答える。

 

 サンダースのアリサは「あんなに混乱した黒百合を見たのは初めてです」と、データー専門の彼女は驚く。

 それを見たケイは「黒百合は隊列を組んで正確に攻撃する訓練は積んでいると聞いたけど。あのような突発的な行動には対処できない!」と答える。

 

「マニュアルが崩れて、パニックになっているってことですね」

「そう」

 

 アリサの言葉にケイは「わかりやすい例え」と答えるのであった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 その光景を見た勇樹は「束のようになっていた黒百合が、一瞬で崩れた」と驚いていた。すると。

 

『右方向に突っ込みます!!』

 

「勇樹君、西住さんから!」

「わかった! 小森、右に突だ!!」

 

 百合子の言葉に勇樹は小森に指示すると、彼女は「わかった」とレバーを動かしてあんこうチームの後を追い始める。

 他の戦車も、あんこうチームと同じ方向に向いて移動していく。

 

 すると、AMX-13とオチキスH35は方向を変えて山の頂上に向けると、戦車が一気に来たため砲弾を放つが。

 

 ガンッ!! ギィンッ!!

 

 レオポンチームのポルシェティーガーがそれを跳ね返したためフラッグ車は守られて、そのまま黒百合の間を通るかのように進んでいった。

 最後にカモさんチームが煙幕を出して混乱させるかのようにその場から逃げていった。

 

「イヤッホーイ!!」

「やりました!!」

「やれやれぜよ」

 

 その行動にツチャ、優花里は喜び。おりょうは緊張がほどけたのかため息をしながら答える。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

『逃げられましたぁ!!』

 

「なんですって!? このポン倉野郎が!! ですわ!!!」

 

 生徒の報告に頭が切れたのか、小春田はそう言いながら通信機に向けて「一体何していましたの?!」と叫ぶ。

 彼女たちの行動を見ていた我狼院は「体勢を立て直したらすぐに行け、今度は冷静を保たせろ。こちらもすぐに向かう」と冷静に伝える。

 

「それと、小春田は後を追ってくれ。私は少し」

「わかりましたわ。行動開始!!」

 

 我狼院の指示に小春田はすぐに行動に移し、オチキスH35はすぐに大洗の後を追い始める。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 解錠の画面には、咲くほどのやり取りと同時に大洗がどこかへと向かっていった。それを見ていたサンダースは

 

「どこへ向かう気なの? 逃げるとは思えないわ」

「面白くなってきたわねぇー」

 

 真剣に見ているアリサとは裏腹に、慶はポップコーンを食べていた。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 大洗が逃走している間、ポルシェティーガーは砲台を後ろに向けて他のチームが先に行っている間攻撃をしてこないか確認していた…その時。

 

 ジジジッ…ジジジジジッ ボンッ!!

 

 突然エンジンから煙が出てくると速度が低下してきている、これはポルシェティーガーの弱点に一種。

 重戦車に対して速度は遅くオーバーヒートしやすい。それを見た自動車部は。

 

「レオポンがぐずりだしたぞ!」

「ちょっとなだめてくる」

 

 ホシノの言葉にナカジマは外に出ていく。

 

 西住はたちはレオポンの後ろにいるが、中島の行動にみんなは「え?!」「ふえ?!」と驚く。その光景とは。

 

 

 

「はいはい、大丈夫でちゅよー」

 

 

 戦車が走行しながら工具箱からスパナなどを出して、壊れているエンジンを修理していくナワジマ。

 それを見た西住は「壊れたところを走りながら直している」と目を丸くしている。

 通信機からは『驚いた…これが自動車部か』と勇樹が驚いている。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 無事、ポルシェティーガーの修理を終えてナカジマは再び戦車に入りそうこうしていると、ストーカーのようにホチキスH35が追いかけてきている。

 

「逃がしませんわ…目標、1時フラッグ車!!」

 

 小春田は通信機に向けて言うと、砲手がフラッグ車に向けて行くが。フラッグ車や他の戦車が左右に揺れているためすぐには定められない。

 それと同時に突然右から衝突されて砲台の向きが変わりそのまま走行している。

 

「ちょっと、なんで向きが…どうしてですの!?」

 

 小春田は驚いているとホチキスH35はそのまま段差にぶつかり走行不能状態になった。

 

「何があったんですの!?」

「左競輪の一部が外れて走行不能でずよー!!」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「さすが大洗の皆さん」

 

 それを見ていた太田は感動するかのように言うと、霊華も「そうっすね」と目を光らせて答える。

 

「和すかな隙を作り、その間を通るのは。すごいっす!」

「ああ、私も驚いた」

 

 霊華に動揺するかのように蓮華は答えると、福音も「うんうん!」と首を上下に動かす。

 

「じゅーせんしゃって、重くて強い代わりに。確かあのようにミスが起きるんだね!」

「起きるって、いつもじゃないけどあのようになるのはまれにあるよ」

 

 福音の言葉に太田は頭をなでると、桜が「それよりも」と彼に向けて言いだす。

 

「例の情報、どう意味だったの?」

「それなんだけど、後からまほさんからメールが来まして…あ、今度は文字でしたよ」

 

 太田はそう言いながらメールを開くと、今度は文字が浮かんでいた…が、その文字はこう書かれていた。

 

『すはやがよだこぱのひでのた、りいがしせあきいているうか

 ↑ホールの重さ』

 

「…暗号?」

 

 謎の文章に彼女の眼は点になって驚くのであった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 黒百合に巻くことが出来た西住達は、華からの報告によりみんなは一安心する。

 

「よかったぁ、これで一安心です」 

「ああ、そうだな」

 

 百合子と伊江は安心しているが、小森が「お、おい…」と顔を青ざめている。

 

「どうした小森、少し酔ったのか?」

「いや、酔いはすぐに治るが…問題が発生した」

「問題? それはなんだい?」

 

 勇樹は心配して言うが、彼女は別のことを言ったため幹子が答えると。小森は「あれだ」とある方向に指を指した。その先にあったのは。

 

 

「この川、戦車通れるか?」

 

 

 それを聞いたみんなは「あ、確かに」と青ざめるが、勇樹は「それは大丈夫だ」と答える。

 

「西住から聞いたんだが、上流にはレオポン、下流にはモモンガで移動するって」

「あ、なるほど。軽い戦車を流さないようにか」

 

 勇樹の言葉に伊江は納得すると小森は「それはいい案だ」と安心する。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「それじゃあ行くか」

 

 勇樹の言葉に小森は「わかった」と反応すると、各戦車はエンジンを入れて川を渡り始めた。

 革にわたっている間、黒百合はまだ追ってきておらず、何事も問題はなかった…と思っていたが。

 

 バシュッ!

 

「あれ?」

 

 突然ウサギさんチームのM3リーが川の間で停止した。原因は不明だが、この様子だとエンジンに異常が出ているようだ。

 

「勇樹君、ウサギさんチームが」

「なに?!」

 

 百合子の言葉に勇樹はキュポラ―から出ると、ウサギさんチームがその場で停止していた。

 

「エンストか、だったらロープが必要だがどうやって……」

 

 勇樹はどうやってロープをあんこうに渡して、それをどの方法でモモンガのところまで行くか考えていた。

 仲間を見捨てることは彼にとって絶対に許されないこと、ウサギさんチームは全員が1年生なので、川に流されたことを考えると、溺れてしまう可能性が高い。仮に戦車道連盟が助けに来たとしても、川が流されての救出は困難の可能性が高い。

 百合子からの通信によると「梓ちゃんが『私たちは大丈夫です、隊長たちは早く言ってください』と通信が」と教えてくれた。梓のことは信じないというわけではない。彼女はまともであるが1年生、まだ未熟の一面がある。

 それに、この状況で西住が行動するのは危険。なぜなら。

 

「この状況は…昨年と同じじゃないか…!!」

 

 昨年、黒森峰が敗退した状況に酷使しているからだ。もし西住が何らかの状況でミスをしでかして負けたら、大洗の学園艦は廃艦決定となる。

 何か、彼女たちを救う方法はないか。彼は頭をフル回転して考えた…その時。

 

「待てよ、この状況が似ているってことは…」

 

 勇樹は何かに気づいたのか、戦車の中に入ってカバンから資料を出して読み始めた。

 それを見た幹子は「ど、どうしたんだい?」と彼に言うと、勇樹は「確かここに」と資料を見ているのに夢中。そして。

 

 

「あった…これだ!」

 

 

 勇樹は何か見つけたのか、メモに何か書くと。そのまま伊江に「発煙筒をM3リーの前に向けて投げれるか?」と言うと、彼女は。

 

「な、投げれるが…どうしてだ?」

「いいから、早く投げて」

 

 勇樹の指示に彼女は「わ、わかった」と戦車から出て発煙筒だし、火をつける。すると白い煙が出てきて彼女の手が見えなくなる。

 その瞬間、発煙筒を一気に投げて、M3リーの前に落ちた…その時。

 

 

 

 ボワッ!!

 

 

 

「なんだ!? 一瞬だが、光った…?!」

 

 わずかだが白い光が発生し、途中炭酸のように無数の泡が出てきた。

 

「勇樹あれは一体?」

「あれは、オレの予想が正しければだが…『テツトカシ』と言う一種の塩化水素が含まれた爆弾だ」

 

 勇樹の言葉に、みんなは「ば、爆弾っ!?」と後ろに引くほど驚く。

 

「あ、爆弾と言ってもあの量だと少量で。かんしゃくのように爆発するレベルなんだ」

「な、なんだ…安心した」

「でもどうして? 塩化水素は爆発しないのに?」

 

 小森が安心するが、百合子はどうして爆発するか分からなかった。それを聞いた勇樹は「それはだね」と解説する。

 

「塩化水素は確かに爆発はしないが、金属に浸すと水瀬が発生するんだ。そこに空気と号すると」

「あ、わずかな火で爆発…そうかあの中に金属を入れて火を付ければ」

 

 伊江はその原理に気づき納得すると勇樹は「そうだ」と答える。

 

「おそらく、何日か前にここで決勝することを何かで知って。仕掛けたんだろう…」

「姑息な相手だな」

 

 勇樹の推理に伊江が憤っていると、百合子が「勇樹君! 西住さんが救出作戦を指導しています。指示を!」と通信機からの応答に答えながら言うと、勇樹は「おいおい、指示薬かよ」と苦笑いする。そして。

 

「小森、エンジン始動! その間に美樹姉と伊江は西住を守れ! ウサギさんを助けたらすぐに!」

「おう!」

「「了解!!」」

 

 小森はエンジンを入れてすぐに行動が出来るようにし、幹子は砲台を反対方向に向けて、伊江は黒百合がすぐ来る前にすぐに放てるように砲弾を詰め込む。そして。

 

 

 

「隊長を守れ!」

 

 

 

 ドガアアアアアアアッ!!

 

 幹子はそう言いながら引き金を引くと、砲弾は放たれて黒百合に向けて行った。そして。

 

「準備が出来た。小森!」

「わかった!」

 

 西住が準備できたことを通信機から伝わり、小森に指示すると彼女はアクセルを踏んで前に進んでいく。

 あんこうチームと同じ速度で、ウサギを助けていく。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「ふん、あんなことして、何がいいんですのよ」

 

 その光景を見た小春田は、頬を膨らませながら不満げな顔で言っていると。我狼院は「まあいいじゃないか」と答える。

 

「私たちは今それを狙っている場合じゃない…後ろを見ろ」

「え、後?」

 

 我狼院の言葉に小春田は振り向くと、ヘッツァーとティーガーG型が姿を現した。

 

 

「よーし…」

 

 会長は再び相手に攻撃しようとして砲台を合わせたが…今度はオチキスH35がこちらに向けて砲弾を放った。

 それを見た彼女は「ありゃ」と声をしたその時、目の前で砲弾が着弾し大きな土煙と共に石などが空を舞った。

 

「こりゃ3度目は無理かー!!」

「た、退避だー!」

 

 2台の戦車はそのまま逃げていくと、オチキスH35はそのまま黒百合の軍の中に入っていく。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 無事川を渡り切ったあんこうチームたちは、そのまま奥の方へと移動していき、黒百合からの攻撃をかわした。

 

「ふぅ、危機一髪だな」

「そうですね…ふぅ」

 

 勇樹と百合子はそう言ってあんしんすると、小森が「問題発生。これは状況によってどうか不明だ」と小森の言葉に勇樹は「ん、どういう意味だ」と反応する。

 

「小森、その言葉の意味って」

「橋だ、岩でできた橋があったが戦車が通れるか不明だ」

 

 小森の言葉に勇樹は「あ、なるほど」と理解する。

 橋でも渡れる戦車であっても、重さに制限があり。なによりも石でできた橋はわたることが出来るか心配だ。

 

『お待たせ―』

『ちょっとミスしたが、大丈夫だぞ』

 

 通信機からカメさんチームの会長と金魚さんチームの祝井が聞こえると、西住が「それじゃあ行きましょう」と言ったため、みんなは慎重に橋を渡し始めた。

 それを見た黒百合の生徒は、小春田に連絡するが。

 

「はぁ、橋ですの? そんなもん知らせる必要はありませんわ」

 

 このようにあきれる彼女であった…が。

 ポルシェティーガーに乗っているレオポンチームが橋を渡っていた、その時。

 

「ここが腕の見せ所、自動車部の力だ!」

 

 ツチヤが両レバーを一気に前に動かすとエンジンから大量の熱が出て聞いてキャタピラーはスピードを増し、一気に前に進んでいく!

 その衝撃で、橋は壊れて渡れない状況が出来た。それを見た西住は目を丸くして無言で見ていた。一方、小春田が。

 

 

「橋が壊れましたの?! くっ、それで石橋を…」

 

 小春田は彼女たちが考えていることがわかったのか納得すると、生徒に『わかりましたわ、こちらは迂回しますから先に行ってください!』と指示を出す。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 大洗のみんなはそのまま前に進んでいき、森の中から市街地へと移動していった。

 廃都市となった場所に西住は「何とか持ちこたえた」と安心する。

 

「これで市街地で戦える…あ」

 

 そう言っていると黒百合の戦車であるFCM36が現れて、彼女たちに見つかると建物の中に逃げていく。

 

「あれはFCM36! 建物の中に隠れていく!」

「軽戦車なら突破できます、追いかけましょう!」

 

 西住の指示にみんなは急いでいくが、勇樹は「おかしい」と考え込む。

 

「え、何が出すか勇樹君? あの戦車はアンツィオのように偽物ではなく本物ですよ」

「逆だ、あの戦車はなぜ逃げるんだ? 普通にげるなら外に出てどこかへと隠れるのに…」

「あー、確かに」

 

 勇樹の言葉に彼女は納得する。彼の言う通り、逃げるなら外に出て何かしらの方法でどこかへと隠れるのが普通、だが今の戦車は建物の中に入っていった。

 まるで「私はここにいるから、捕まえてみて」と鬼ごっこをしているかのように…いや、何か手段があるかのように行動をしている。

 そうこうしていると幹子が「放て!」と引き金を引いて砲弾を放った、その音に彼は「っ!」と目を覚ましたかのように反応する。そしてあたりを見渡す。

 

「伊江、ここは一体」

「マンション街だ、それがどうしたんだ?」

 

 伊江の言葉に彼は「幅がいくら何でも広い」と感じた。重戦車にしては広すぎる。横になって移動したら5台は十分。なのにどうしてFCM36はここに…。

 

 

「逃げる、追う、そして…まさか!!」

 

 勇樹は何かに気づいたのか百合子に「百合子さん、みなさんに逃げるように!」と言うと彼女は「え、ははい!」と通信機を起動する…が。

 

 

 ガガッ!!

 

 

「うわっ!!」

「きゃっ!」

 

 突然戦車が停止したためみんなは驚き、勇樹は「いてて」頭を抑える。停止した拍子で、頭に何かぶつかったようだ。

 

「小森、どうしたんだ?! いきなり停止はするな! 急いで通信を―」

 

 勇樹は小森に叱ろうとするが、彼女は「いや、通信は不要だ」と簡潔に答える。

 その言葉に彼は「なんでだ?」と言うと、彼女は手を震わせながら外に指をさして、こういった。

 

 

「そ、そそそ、外に。でででで、でっかい戦車が…現れたんだ!!」

 

 

 彼女の言葉にみんなは外を見てみると、大きな戦車がいた。その戦車は。

 

「ちょ、超重戦車…シャールC2?!」

 

 多砲塔戦車でもあり超重戦車でもあるフランスの特大戦車、別名『FCM2C』と言われている重戦車が現れた!!!



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第23話『最終試合開始・強敵と作戦と謎対謎の戦い』

「あ、あれって…確か」

「フランスに実在している多砲塔戦車…それに」

「ひっじょーに重いと言われている超重戦車っす!!」

 

 画面を見ていた福音、アレン、霊華は驚いていると、奈々は「さすが黒百合」と真剣に答える。

 想定外の事態に彼らだけでなく、プラウダ、聖グロも驚いていた。

 超重戦車はその名の通り、非常に重く簡単に倒すことが出来ない。多砲塔と言う複数の砲台があるため死角はなく、一度狙われたら生きることはできない。

 その超重戦車に勇樹たちは出くわした。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 ガガガガガガガガ…

 

 シャールC2は、主砲である砲台を動かしていると。勇樹がハッと我に返ると通信機で「退却だ! 西住!!」と連絡をする。

 それを受け取った西住は『退却してください!!』と指示を出すと各戦車は退却する…が。時すでに遅し、シャールC2の主砲が停止したその時。

 

 

 

 ドガアアアアアアアッ!!!

 

 

 

 砲台から勢いよく砲弾が放たれて、そのままルノーB1bisの真横を通過しヘッツァーに掠り、マンションに当たるが。あまりの勢いと風圧にヘッツァーは弾んだ。

 

「や~ら~れ~た~!!」

「掠っただけですよ!」

「やられていません!」

 

 会長の言葉に小梅と柚子は突っ込むと、河島が「近くの建物に着弾しただけです!」と答える。

 

「それにしても、すっごいパワーだね」

 

 会長はシャールC2の威力に感心したのか、そう答える。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 一方、ルノーB1bisに搭乗している風紀委員チームのそど子は、いきなりほ攻撃に顔は強張っていた。

 

「……でっかいからって、いい気にならないでよ! こうしてやる!」

 

 『大きいから強い』とシャールC2の攻撃に憤ったのか、そど子は砲撃を放つがシャールC2にとっては痛くもかゆくもないレベル。そして。

 

 

 

 ドガアアアアアアアッ!! ガゴッ、ガラガラッ! シュポンッ!!

 

 

 

 シャールC2の攻撃にルノーB1bisは受け、反転してキャタピラが壊れると同時に白旗を出して降参した。

 そして、シャールC2はFCM36と共に大洗に向けて発進していく。すると、今度は砲台を登山部の九四式装甲車TKに向けると、砲弾を放って登山部を降参させた。

 

「くっ! 退避しながら放て!!」「

 

 勇樹の指示に伊江と幹子は「了解!」と急いで装填して砲弾を放っていく。

 彼らだけではない、あんこうチームとかばさんチーム、金魚チームも攻撃していくが相手は超重戦車、簡単にやられることはできない。

 レオポンチーム基ポルシェティーガーも、砲弾を放つが。ポルシェティーガーの砲弾も跳ね返した。シャールC2はポルシェティーガーに攻撃するが、わずかにずれてしまい地面に着弾する。

 

『カモさんチーム、ケガはありませんか?!』

『そど子無事です!』

『ゴモ代元気です!』

『パゾ美大丈夫でーす』

 

 沙織は通信機で風紀委員は大丈夫か通信したところ、彼女たちは全員無事だと分かり百合子は「よかったと安心する。

 なお、百合子は「登山部のみなさんは?!」と通信したところ、彼女たちは「無事でーす!」と元気よく答えた。

 するとⅢ突が後ろに移動すると、シャールに向けて砲撃を構えた。

 

「おのれカモさんチームの仇!!」

 

 左衛門佐は仇をとることを狙っているのか、引き金を引くと砲弾は放たれてシャールC2に当たるが、今度はシャールC2が反撃してⅢ突のキャタピラを半壊すると同時に90度横に立ち上がったため戦闘不能となった。

 

『3両撃破すると…残り8両…』

 

 危機を感じてきたのか、西住はそう言って手にしている地図を握りしめる。

 

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「我らの」

「歴史に」

「今」

「幕が下りた…」

 

 やられた歴女チームは、「ここまでか」と言う風に観念し。

 

「何よ! あんな大きな図体してどこがいいのよ!!」

「どこがシャールかな…でも、残念です」

「無念です」

 

 風紀委員チームも白旗を上げていると、そど子が通信機で「冷泉さん、後は頼んだわよ! 約束は守るから」と通信する。彼女は「おー」と反応する。

 

「五十鈴先ぱーい!」

「私たちの仇を問ってくださーい!!」

 

 登山部チームは五十鈴に通信すると、彼女は「わかりました、仇をとります」と冷静に答える。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「怜雄様、大洗の戦車2両撃破しましたわ」

「そうか…あと5両」

 

 小春田の報告に怜雄は答えると、彼女は「こちらは16両、フラッグ社債倒せば構いませんわ」と自信気に答える。

 だが、怜雄はまだ険しい顔立ちで市街地を見ていた。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「さすがシャール…弱点はないな」

「正念場、どうやって戦うかは私も不明です」

 

 アレンと天女は心配そうに画面を見ていると、太田も「そうだね…これは流石に」と弱音を吐こうとした…その時。

 

 

「大丈夫です、彼女たちは必ず倒せます」

 

 

 奈々が冷静に答えながら紅茶を飲む、それを聞いたみんなは「え、彼女たちって…まさか」と奈々に向くと、彼女は「ええ」と答える。

 

 

 

 

「西住みほさん、あの子は冷静な判断で勝てますから」

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 ガンガンゴンッ!!

 

 シャールC2が前に進んでいくと、他の戦車がシャールに向けて攻撃するが歯が立たない。

 そして、シャールはマークⅣ、ヘッツァー、八九式中戦車甲後期型が暮れながら放っている倉庫に向けて放つと、倉庫は壊れて丸見えになった。

 

「勇樹君、何か手段は!?」

「それが難しいんだ! あの超重戦車をどう倒すか考えているんだ!!」

 

 カンガルーチーム基、T34/85中戦車に乗っている勇樹たちは。あの戦車を倒す方法はないかと考えているが、威力が高く超重戦車なので思った以上に困難していた。

 一方通路の建物に入った隙を狙い、みんなは砲撃を放っていくが

 

『何しているんだ叩きつぶせ! 図体がでかいだけのウスノロだぞ』

『方針を狙ってください。そこが弱点です!』

 

 通信機から河嶋と西住の声がしたため、彼は「何か弱点があるはずだ」と真剣に考えている。

 ちなみに、シャールC2の後ろにいたFCM36からは。

 

「やーい、アンタらの実力で倒せるかーだよ!」

 

 1人の生徒が大洗のことを馬鹿にしながら追ってきていた…それをあおるかのように「なははははははっ!!」と叫ぶ…が。

 

 

 

「…放て、美樹」

「あいよ」

 

 

 

 ドォオオンッ!!

 

 ガンッ!! シュポッ!

 

 

 煽りの影響で頭に青筋を浮かばせた幹子と伊江が、FCM36に向けて放つと砲弾はそのままFCM36の当たると、白旗を当てて降参した。

 

 

 ドガアアアアアアアドガアアアアアアアッ!! ドガドガドガアアアアッ!!

 

 だが、それでもシャールC2の攻撃は止まずそのまま走行し。大洗のチームは砲弾を放つがシャールC2から放たれた砲弾は地面に着弾して爆発した。

 その瞬間、大洗のチームはその場から離れて別の方向へと移動する。

 

『勇樹さん、これを倒さないと』

「ああ、必ず負ける確率が高い」

 

 西住と勇樹はそう言って答える。あれを倒さない限り黒百合に負けると。だが問題はどうやって倒すか、カメのように大きい超重戦車をどんな手段で倒すか。

 

「問題は倒し方なんだよな、発煙筒はすべて使い切ってしまったし焚き木を利用して煙を作るには時間がかかるしな…」

 

 勇樹は真剣に考えていると、マークⅣがちょうどT34/85の隣を通って行った。それを見た彼は、横から見た戦車を思い出して何かが頭の中で組み立てていく。そして。

 

 

「……そうだ、西住! オレに言い作戦がある。お銀と会長、典子。いいか?!」

 

 勇樹の言葉に通信機から『はい(なんだ(なんでしょうか))!?』と一斉に声がすると同時に、彼はこう答えた。

 

 

 

 

「無理やり戦車妨害作戦を始動しよう!!」

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 大洗が逃走して数分後…シャールC2に乗っていた生徒、水色のショートポニーテルをした少女『三船(みふね)穂希(ほまれ)』はあたりを見渡して大洗がどこにいるか探していた。

 

「おかしい、どこに行ったんや?」

 

 あたりに大洗がいないことに違和感を感じたのか、あたりを見渡していた…すると。

 

 

 

 ガガガガガガガ…

 

 

 

「お、いたでいたで!」

 

 

 廃墟となった建物から建物へと移動していくM3リーを見つけ、中に入ると操縦手に指示を出してM3リーを追いかける。

 

「おウサギさーん、あんさんらを食うのはわいらやでー?」

 

 三船はそう言いながらM3リーを追いかけながら発射用意をした…その時。

 

 

 

 

 ドガアアアアアアアアッ!!!

 

 

 

 

「おわっ!? な、何や?!」

 

 

 突然下から衝撃音と共に持ち上げられる感覚がしたため、彼女は何かと思い急いで外に出てみると、前に何かが挟まってシャールC2を上にあげて無理やり倒そうとしていた!!

 

「小癪な! こっちには狂人のキャタピラがあるで!!」

 

 彼女はそう言いながら操縦手に「前に進んで何かを切り刻め!」と指示をすると、シャールC2は速度を上げて、下にある何かを砕こうとした。が。

 

「あ、後があったんや…忘れとった」

 

 前に無理に行かなくても後ろに行って攻撃することを思い出し、操縦手に「変更! 後ろに退避だ!」と指示を出してシャールC2を動かそうとした…その時。

 

 

 ガゴッ!! ガガガガガガガガ!!!

 

 

「にょえっ!? な、なんや?!」

 

 再び衝撃音がしたため何かと思い振り向くと、ヘッツァーとティーガーG型、八九式が後ろに移動して後退させないように妨害をしていた!

 

 

「己えええええ!! こうなったら向きを変えて攻撃するしかあらへんな!!」

 

 

 彼女は頭に青筋を浮かばせながらシャールに乗り込むと、砲手に180度変えて攻撃開始や!」と指示を出した。砲台は後ろに移動して砲撃しようとした…が。

 

 

 

ガアアアアアアアアアアアアッ!

 

 

「な、なんなん?!」

 

 

 突然前からあんこうチームが乗っているⅣ号H型がやってきて砲台を右のキャタピラに向けると、そのまま砲弾を放った!

 

 

 ドガアアアア!! バギッ!!

 

「なっ! キャタピラーを!! って、まだ修理住めば隅から急いで後ろに」

 

 

 キャタピラーを壊されたことに驚くが砲台があることに余裕があり、攻撃を使用とするが。

 

「…ん、そう言えば戦車が少ないような」

 

 今映っている戦車は、約7台、残りの2台はどこにあるんだ? と彼女が考えていたその時!

 

 

 

 

ガアアアアアアアアアアアアッ!!!

 

「生徒会長!! 放てえええええ!!」

『よっしゃー! 発射するぞー!!』 

 

 T34/35の上にヘッツァーを乗せて死角となっていた丘へ移動し、砲撃を使用としていた。

 だが、高さが出来ているため狙いを定まることはできない…そのままだと。

 

「美樹姉、ブレーキ!!!」

「わかった! しっかりつかまっておけよ!!」

 

 勇樹の指示に幹子はブレーキを起動し、一気にブレーキをかけた瞬間、上に乗っていたヘッツァーは完成の法則で前に飛び、円を描くかのように回っていった。その瞬間を狙っていたあkのように。

 

 

 

「そっれえええ!!」

 

 

 

 

 ドガアアアッ!! バギイイイッ!!  シュポンッ!

 

 

 

 砲台がエンジンを狙って放ち、その衝撃でシャールは戦闘不能となった。

 ヘッツァーはそのまま飛んでいき、マンションの中にぶつかって入った。幸い地面にぶつからず高い階層なので大きな事故は起きなかったが、壁にぶつかった影響で砲台は折れて専用不能になった。

 

「会長!!」

『だいじょーぶだいじょーぶ、アタシたちは平気だよー。戦車を除いて』

 

 大きな事故は起きたものの無事だと通信で伝えたため、みんなは「よかった」と安心する。特に。

 

『桃さん、お怪我は?!』

『桃さん桃さん!!』

 

 サメさんチームが河嶋を心配しており、河島本人は「わ、私は大丈夫だ!」と答える。本当かどうかは不明だ。

 

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 双眼鏡を使ってシャールC2がやられたのを確認した小春田は「な!?」と驚いている。

 

「れ、怜雄様…しゃ、シャールがやられました!!」

「わかった…市街地に急ぐぞ」

 

 怜雄の言葉に小春田は「わかりましたわ!」と答えて戦車の速度を上げていく。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「黒百合はあと三分ほどで着くな…感が正しければ」

 

 伊江はそう言いながら、潜望鏡型の双眼鏡で黒百合の行動を見て言うと、西住は「わかりました」と答える。

 

「次の行動に移ってください!」

 

 西住がそう言うと、各戦車はシャールから離れて移動していく…が。マークⅣだけは動かなかった。

 

「あれ、サメさんチーム?」

 

 それを見た勇樹は後ろを向くと白旗が出てきて戦闘不能の合図が出てきた。

 

「ど、どうしたんですか?!」

『すまないね、相手の重さに限界がきてやられたよ』

 

 通信機からお銀が言うと、勇樹は「あ」と思い出したかのように反応する。自分が作った原因だと。だが。

 

 

『わずかだけどこのマークⅣがお前たちを救ってくれたのは嬉しいよ、波に飲み込まれる前に自分を犠牲にした船乗りを思い出すよ…だからこれだけは言うよ。あたしたちが犠牲にした分、たっぷりやっちまいな!!』

 

 

「お銀さん…わかりました。勇樹さん!」

「あ、ああ…分かった!」

 

 お銀の言葉に西住と勇樹は答え、戦車に乗り込んで市街地へと走行する。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「私たちの戦車は残り6両、相手の戦車は14両」

「どうやって倒していくかだ…だがフラッグ車はどちらも1両」

 

 西住と勇樹はそう言いながらみんなに指示を出していき、あきらめないことと最後まで戦うことを伝えている。

 

「向こうの狙いは、フラッグ車である私たちあんこうチームです! みなさんは相手の戦力を出来る限り分際してください!」

 

 西住は通信行きに向けて言うと、彼女たちは決心をする。

 

「みんな! 敵を挑発するよ!!」

『はい!!』

 

 バレー部基アヒルさんチーム。 

 

『アンコウは敵フラッグと1対1の機会を狙っています。レオポンチームの協力が不可欠です!』

 

「心得た」

「燃えるね!!」

 

 自動車部チーム基レオポンチーム。

 

『前方はもちろんですが、後続のオチキスやFCM36の総攻撃に十分気を付けてください!』

 

「隊長! 後続の方は任せてもらっていいですか!?」

 

『お願いします!』

 

『よっしゃー!!』

「やったるぞー!!」

 

 1年生チーム基ウサギさんチーム。

 

『AMX-13は、Ⅲ突のように回転していませんので回りながら攻撃してください!』

 

「あいよ、大洗に名に懸けて!」

『名に懸けて戦う!!』

 

 お祭り大好きチーム基金魚さんチーム。

 

『勇樹さん、あとは』

「わかっている…オレは小春田か怜雄を探す…急いでな!!」

 

 勇樹たち基カンガルーチーム。

 

「麻子さん、袋小路に気を付けて相手を拡散してください!」

「オッケー」

「沙織さん、互い一の把握。情報を密にしてください!」

「了解!」

「華さん優花里さん、HS0017地点までは、極力発砲を避けてください!」

「「はい!!」」

 

 あんこうチーム…彼女たちが大洗を救うカギとなっている。

 

 

「これより最後の作戦、『ふらふら作戦』を開始いたします!!」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 黒百合が移動していた時、目の前に大洗の戦車が横通って行く。

 

「敵発見しました」

「わかった、各自大洗を攻撃しろ。分散許可をとる!」

 

 怜雄の言葉に各戦車は分散し行動していく。

 

 アヒル、ウサギ、金魚、カンガルー、レオポン、そしてあんこうに分かれて。

 

 ドガアアアッ!! ドガアアアッ!!

 

 相手が砲弾を放つと一番後ろのアヒルさんチームから砲弾が放たれて攻撃をしていく。

 いたちごっこしていくかのように砲弾を放っていく。だが。列から外れて物陰にうまく隠れたウサギさんチームと金魚さんチームは出てきて黒百合の後を追っていく。

 あんこう、カンガルー、レオポン、あひるが右に入ると黒百合は後を追っていき、住宅街へと入っていった。

 移動しながら左右に揺れていき、出来る限り標準させないようにしていくのも作戦のうち、それを見た小春田は「邪魔ですわ、お退きなさい!!」と3両の戦車に向けて叫ぶのであった。

 

 あんこう、カンガルーが右に行くとレオポンとあひるはそのまま前に進行していく。

 先頭にいた戦車はレオポンたちを追うが残りはあんこうたちを追っていく。

 

 

「こちらあんこう、448ジャンクション左折します」

『同じくカンガルーもです!』

 

 沙織と百合子は各チームに通信していくと沙織は続けて連絡する。

 

「レオポン、373左折。あひるさん373右折してください」

 

「373の先、あと三つ直進」

「はい!」

 

 アヒルさんチームは妙子の連絡に忍は答えながら操縦していく。その頃…。

 

「最後尾発見、あや、準備オッケー?」

「もちろん!」

 

「こっちはその前にだ…天の川行けるか?」

「簡単だよ!」

 

 

 ウサギさんチームは前に出てきて敵を挑発し、金魚さんチームは前にいた敵を挑発してオチョクリを開始する。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「す、すごい…みんなを混乱している」

 

 それを見ていた太田たちは画面上のマップではまるで徘徊している警備員に気づかれないように後ろについている泥棒のようになっているのを見ている。

 見方を変えれば、道をわざと間違えさせているようにしていた。

 

「これだけやると相手は戸惑うわね…」

「そうだな」

 

 桜とアレンはつぶやくかのように言うと、天女が「そう言えば」と先ほどのメールを思い出す。

 

「あの文章ですが、考えてみたら文字を並び替えるのでは?」

「うん、それなんだけど少し時間がかかって…あとはあの生徒の一覧、少し気になる人物がいて」

 

 太田の言葉に天女は「気になる人物ですか?」と言うと彼は「うん」と答える。

 

「この、『羽曳大里(はびだり)夜子(よるこ)』と言う人なんだけど」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 旋回したウサギさんチームは、FCM36に攻撃するが無傷、焦げ跡が付いただけしか残っていない。

 

「固すぎる!」

「かいぞうしているのかな…ゼロ距離から出も無理だとしたらどうすれば…」

 

 あやと梓は「どうすればいいのか」悩んでいた、その時。

 

 

 トントン

 

「え?」

 

 何かに肩をトントンとしたため、何かと向くと沙希がいた。無口でしゃべらない彼女だが。

 

 

「…接合部分…脆い」

「接合…あ!」

 

 

 しゃべった沙希にあやはみると、朱里した後である接合の部分がはがれていた!

 

「すごい沙希ちゃん天才!!」

「よーし! せーので行くよ!!」

 

 あゆみがそう言うと2つの砲台は接合部分に向けていつでも打てるようにした。そして。

 

 

『『『『せーのーで!!』』』

 

 

 ドドンッ!! バゴオオッ!! シュポンッ!

 

 

 ウサギさんチームの砲弾は接合部に当たった瞬間爆発し、そのまま白旗が出てきて降参となった。

 そして、金魚さんチームも。

 

 

 

ガアアアアアアアアアアアアッ!!

 

 

「撃てえええっ!!」

 

 

 

 ドガアアアッ!! バギッ!! ゴオオンッ!!

 

 

 日向が放った砲弾は支えとなっている部品をへし折り、戦闘不能となった。

 また、アヒルさんチームも。

 

 

 ガアアアアアア…ドガアアアッ! ドガドガアアアッ!!

 

 黒百合から撃ってくる砲弾をよけていき、相手の挑発を乗っけている。

 

「挑発に乗るな、これは罠だ!」

 

 罠だと感じた生徒は、霊性を保つように指示をするのだが。

 

 ドンッ! バンッ!!

 

 八九式が当たると同時に走行に砲弾を放って威嚇攻撃をする、その結果。

 

「このっ!! 軽戦車のくせに!! 体当たりだ!!」

 

 結局挑発に乗り体当たりをするが、八九式は離れてしまったため味方同士の攻撃となった。

 八九式はそのまま段差がある坂道を上り上へと行くと、敵に向けて砲弾を放って行く。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 ウサギさんチームは、残ったAMX-13を後ろから追っていき砲弾を放つ。が固い装甲のため跳ね返り、そのまま前に逃走していく。

 

「逃がすな! おえー!」

「おえー!!」

 

 AMX-13はそのまま右へと行き姿を消した、M3リーはそのまま進んでいくが、梓は何かに気づいたのか桂里奈に「停止!」と指示を出すと彼女は「えいっ!!」と急ブレーキをした。その時。

 

 

 ドガアアアッ!!

 

 

 真横から砲台を構えて砲弾を放ったAMX-13、待ち伏せをしていたようだ。

 そしてM3リーの前に移動すると、M3リーは後ろに肯定して逃走を始める。

 

「ちょっと、75mmライフル砲怖いんだけど!!」

 

 追ってきている主砲にあやは怯えているが、梓は後ろを見ながら桂里奈に「桂里奈ちゃん、そのまま後ろに真っすぐ進んでいって」と指示をする。

 それでもなお、AMX-13は追ってきている。

 

「ど、どうするのこれ?!」

「あ、そうだ、くっつければいいじゃない! 砲弾撃てないし!!」

「あったいい桂里奈奈ちゃん!」

 

 桂里奈の提案に優木は褒める。見事戦車は敵戦車に引っ付けたが、相手が離れたため再び引っ付く。離れては引っ付く、それを何度も繰り返していた。

 

「1年なめんな!!」

「なめんなー!!」

 

 あゆみとあやが挑発を作るかのように時々叫んでいた…その時。

 

「桂里奈ちゃん、左によけて!!」

「あ、あいいいっ!!」

 

 梓の指示にM3リーは急いで左によけた、するとAMX-13はそのまま前に進んでいき。今は使用していない川の中へ落ちていった。

 そして白旗が上がって戦闘不能となって梓たちは大喜び、だが相手の砲弾が放たれた際。よけたときに大きな衝撃が発生し、M3リーはそのまま倒れると同時に白旗を出した。

 

「すみません、ウサギチームやられました…」

『こっちも同じだ、全く。破損個所が多いぜ』

 

 両チーム戦闘不能を西住に伝えると彼女は「わかりました」と答える。そして。

 

「まもなくHS0017に着きます! レオポンさん今どこですか?!」

『こちらレオポン、HS入りました』

「0017に移動してください! カンガルーさんも一緒に!」

 

 西住はカンガルーチームもHSに来るように言うが。彼はこう答えた。

 

 

『いや、オレたちは少しやらないといけない相手が出来た…』

 

「やらないといけない相手って…誰なの?」

 

 彼の言葉に沙織は質問すると、彼はこう答えた。

 

 

 

 

 

『我狼院怜雄…本人だよ』

 

 

 目の前にはフラッグ車に乗っている我狼院がたたずんでいた。

 なぜ、彼女はここにいるのか。それは西住は勇樹は不明だが、何か策がある可能性が高い。



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第24話『最終試合開始・強敵との戦いと、外れた犯人』

 西住達は黒百合の戦車と共にHSに入ると、レオポンは入ってきた入り口の前にふさがる。

 なぜそれをするかと言うと。それはこれをするため。

 

 

 ドガアアアッ!!

 

 

 敵を入れないように塞いでいるからだ。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「我狼院、どういうことだ」

「簡単だ、私の相手は貴様だ石川…フラッグ者同士だと私は飽きるからな」

「っ!」

 

 我狼院の言葉に勇樹は理解した。こいつはただただ戦うのは好きだが強い者同士だとつまらない、弱い者と戦うのが面白い。

 

「弱肉強食…」

 

 それを聞いていた伊江は彼女をにらむと、百合子は「ちょちょっと待ってください!」とある事に気づいたのか、勇樹に向けてこう言った。

 

 

「私たちが戦うのが我狼院だとしたら…西住さんが戦う相手は!?」

 

 

 それを聞いた勇樹たちは「確かに!!」と反応すると、彼女は「ああ」と答える。

 

「彼女の相手は…小春田だ。なぜか戦いたいと言っていたからな」

 

 それを聞いた勇樹たちは「なんだって?!」と驚く。それは、深海にすむ水タコとあんこうが1対1で戦い、結果がどうなるか怖さを知るほどだ。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「ふふふ…西住さぁん、これであたくしと戦うことが出来ますわね」

「……そうだね小春田さん」

 

 その頃、西住と小春田は、HSの中に入りお互い見つめあい、タイマンをする体制となった。

 

「ふふふ、そうですわね(それにしても、援軍は一体どこに? ついて来ていたのに)」

 

 不気味な笑みを浮かばせる一方、追い詰めるために多くの援軍を用意したがまだ来ていないことに疑問を抱いていた小春田だが、その頃援軍らは。

 

 

 

 

 ドガアアアッ!!! バガアアァァァァァ!!

 

「ここから行かせないよー?」

 

 ドガアアアッ!!! バガアアアン!!

 

 レオポンが入り口をふさいで相手を入れないようにしていた。それにイラついていた車長が「何しているんだ!!」と怒鳴る。

 

「あの大型相撲戦車を相手にしてどうするんだ! 早くしなければ、お前たちの訓練時間を5倍に増す!!」

『『『は、はい!!』』』

 

 他の隊員にせかすように脅すと、彼女たちは急いで装填して放つようにしていた。かわいそう。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 その頃、勇樹と我狼院は。風音がする廃墟のショッピングモール内にいた。お互い、ケガをしないように車内に入り。にらみ合っている。

 

「……」

「……」

 

 互い向かい合いながら、無言でにらみ合い。恐怖と真剣が辺りを響かせている…、それが数分続いたとき、壊れかけていた壁の瓦礫が壊れて地面にぶつかる。

 

 ゴトッ…。

 

「行動」

「開始!!」

 

 我狼院と勇樹は、一斉に言うと操縦手はエンジンを入れて円を描くかのように移動していく。

 ただ単に円を描いているわけではない、あるものを狙ってわざと移動している。それのあるものとは。

 

「砲手! エンジンに向けて攻撃を―」

「美樹姉、ガラスを狙え!!」

 

 我狼院より先に勇樹はガラス向けて放つように指示をした。それを聞いた幹子は「わかった!」とガラスに向けて放った。

 

 

 

 ドガアアアッ! ガッシャアアアアッ!!

 

 

 砲弾に当たったガラスは、多くの破片が辺りに散らばり光が曲がっていった。そして。

 

「装填し終えしだい、ガラスを壊すんだ!!」

 

「おう!!」

「わかった!!」

 

 勇樹の指示に、伊江は装填し幹子はガラスに放っていく。我狼院は「何をしているんだ」と頭を傾けるが。

 

「相手の動きが止まり次第攻撃開始! 今は放つのをやめろ!!」

 

 今は放つのをやめて、勇樹の動きが止まると同時に攻撃をするように指示する。砲弾の無駄と同時に燃料の使用を抑えるように。

 

「何が目的かわからんが…、面白いな石川…!!」

 

 その行動に彼女は喜ぶ、恐怖があふれてくるように体を震わせて。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 ドガアアアッ!!! ドガアアアッ!!

 

「このこのっ!! 放てですわ!!」

 

 逃げ回るあんこうチームの戦車に小春田は砲弾を放つ、彼女は先に砲弾を放っていく。

 だが、その数発はⅣ号H型の装甲をはがす程度しかできなかった。

 

「くっ! 砲弾威力を上げ次第、すぐに放て!!」

「なっ! それをすれば相手にけがを負わせてしまいます!」

「うるさい!! 相手にけがを負わせるかどうかは後にして、急いで用意をしろ! ですわ!!」

 

 彼女の気迫に砲手は「は、はい!!」と慌てて準備をする。砲手は黒色の砲弾を装填すると、標的を西住に向ける。そして。

 

「放てっ!!」

 

 主砲に砲撃の指示を出した。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 ドガアアアッ!!

 

 その頃、勇樹はすべてのガラスを割り終え、移動を一時停止て方向を変える。そのすきを狙って我狼院は「撃て!」と指示を出す。

 放たれた砲弾はそのままT34/85に進んでいくが、それに気づいた勇樹は「後退、よけろ!」と小森に指示を出して後ろに移動し、砲弾からよけた。

 

「ふふ、さすがだな…だが砲弾と燃料はほんの僅かしか残っていないだろ。少しはあたまにいれておけ」

 

 我狼院の言う通り、勇樹たちの燃料はほんの僅か。砲弾は5発しか残っていない。

 攻撃しようにせよ、このまま戦うと勝ち目はない。我狼院は勝ちと確信した…が。

 

 

 

「…負けだ、オレたちの…余計な動きをしなければな」

 

 手を挙げた勇樹が冷静に我狼院は「余計な動き?」と質問すると、彼は「ああ」と答える。

 

「対決の場だが、どうしてここにしたか知っているか?」

「どうしてって…確か」

 

 勇樹の言葉に彼女は思い出すかのように頭を抱える。確か…。

 

『対決の場は、廃墟となったショッピングモール』

『ふむ…確かあの建物は、戦車道の決勝前は欠陥建築が建てたと聞いたが』

『窓ガラス以外はな、ま。どうせ崩してやる可能性があるから、どうだ?』

『……ふふ、まぁ私もどこで戦うかはそちらに任せる…』

『分かった、それじゃあ行こう』

 

「…まさか、巻き添えを考えて?!」

「そう、わざとオレは巻き添えを作った…」

 

 勇樹は冷静に笑いながら言い、続けて「大洗を襲うと同時に西住と黒森峰を襲うとは、なかなかだな」と答えるが。彼女は「襲う?」と疑問を浮かぶ。

 

「おい待て、襲うとは一体?」

「ん? 師範であるしほと黒森峰の隊長であるまほ、そして大洗のみほだ。黒森峰はプラウダとの戦いで川底に」

「待て、私は師範にあったこともないし黒森峰を知っていてもどこにあるかわからん」

「…え、それじゃあ。犯人はお前じゃあ?」

 

 勇樹が戸惑っていると百合子が「勇樹君!」と電話で連絡してきた。

 

「百合子さんどうした、電話を出して」

「陽君からメールが、今送ります!!」

 

 それを聞いた勇樹は電話を出して書くんんすると、メールには例の写真と文字が出てきた。

 

「これって…まさか!!」

 

 それを見た勇樹は驚いていると、我狼院は「なんだ、なにが?」と戸惑っていると、彼は彼女に向けて質問する。

 

 

 

「我狼院、昨年の戦車道に参加したことあるか?」

「さ、参加はしたが…その時私は確か参加していない」

「その時、誰が参加していた!! 塩化水素は!?」

「参加していた人物、塩化水素はたしか…はっ!!」

 

 

 勇樹の言葉に彼女は築くと彼は「お前も知らないのか」と冷静に言う。

 

「お前が犯人だと思っていたが、どうやら違っていたな」

「私はあいつから進めていた…確かあいつの特技は変装。まさか!」

 

 勇樹と我狼院の話に彼女たちは「え。ええ?」と戸惑っている。そして。

 

 

 

『予定変更、急いで西住のところに行く(ぞ)んだ。早くしろ!!』

 

 

 2人の指示に彼女たちは「は、はい!!」と慌てて起動し、西住達の方へと進んでいく。

 そして勇樹は伊江に「風紀委員のそど子に連絡!」と言うと、彼女は「わかった!」と答えて、連絡する。

 我狼院は「あいつのキャタピラを狙え! 大洗の隊長にもだ!」と指示を出して予備の装填準備をする。

 

 真犯人を止めに。



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第25話(最終話)『最終試合開始と終了、そして犯人発見』

これにて、ガルパンストーリー(アニメ版)第1章を終わらせていただ来ます!

話を書くのに時間がかかってしまい、申し訳ありませんでした。ストーリーがおかしい所があったわ、大変失礼いたしました。



次回は映画版(第2章)&番外編を書く予定です。
   もしかしたら、キャラクターが増える可能性がありますので、ご領主下さい。


「……」

「っく!!」

 

 両者、砲撃により壊れて装甲がはがれた戦車に乗り、互いをにらんでいる。

 残りの本数が限りがある、どちらの球が尽きるか。両者気にしていた。そして。

 

『前進!!』

 

 

 ガガガガガガガガ!!!!

 

 

 隊長の言葉に操縦手はエンジン全開で進んでいった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

「ああああ…」

「あ、あと一両」

「西住ちゃん、勇樹ちゃん…」

 

 続々とやられる戦車を見ていた、そど子、祝井、会長は画然としており、会長は西住と石川が最後の希望だと信じていた。

 いつどこでやられてもおかしくない、エンジンがやられたらそこでおしまい。みんながそう思っていた…その時。

 

 

「あ、あれって!!」

 

 

 桂里奈が画面に何か映ったことに気づき、指をさすとみんなは「え」と一斉に画面を向けると。

 

 

 

「勇樹さん!? それにあの戦車って」

「く、黒百合の戦車?! しかもフラッグだあああ!!」

 

 

 葵と猫田の言葉にみんなは「えええええ?!」と驚く。これを見ていた聖グロは目を見開き、サンダースは持っていたドリンクを落とし、プラウダは茫然としていた。

 アンツィオは…どこにいるか分からないが、太田たちも目を丸くして固まっていた。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「どけどけええええっ!!」

「さっさとどくんだあああっ!!」

 

 黒百合の生徒らは、急いで倒したレオポンのわずかな隙間から入っていこうと無理やり動かすが、あまりの狭さや戦車の大きさにより入ることはできない。

 レオポンチームは「ゆっくりでいいよー」「でも車体は傷つけないで―」とのんきに言っていた。すると。

 

 

 

ガアアアアアアアアアアアアッ!!!!

 

 

 

「ん、あー! 黒百合のフラッグ車!!」

「隊長…ってなんで相手の戦車まで…」

 

 

 それを見たナワジマが驚き、他の隊長は勇樹の戦車を見てジト目で反応する。

 

「ナカジマぁああっ!! 急いでそこからどけえええっ!」

「各戦車銭湯中止だ!! 彼の言うことを聞けええっ!!」

 

 

 各隊長の言葉にみんなは「ええええ?!」と驚く。せっかくの作戦が水の泡だ。

 

「そんな! 西住さんの作戦なのに!!」

「た、隊長。どうしてそんなことを?!」

 

『いいから従ええええええっ!! 緊急事態だあああっ!!』

 

 

 通信機から出る叫び声に、2人は「はmはいいいっ!!」と青ざめて急いで動かす、が。

 

 

 ガガガガ…ガゴッ!!

「あ、あれ。動けない?」

 

 ガキッ、ガキッ、ガキッ

 

「ん? ハッチが開くはずなのに?」

 

 

 ポルシェティーガーのハッチが開かず、黒百合の戦車は突然動けなくなった。各車長は通信機で知らせる。

 

「こちらレオポン、なんだかポルシェが開かないんだけど」

「隊長! 戦車が突然動きません!」

 

「な…勇樹まさか」

「奴の仲間の仕業…相違してくることを考えてか」

 

 我狼院の言葉に勇樹は納得すると、伊江が「どうするんだ!?」と勇樹に向けて言う。彼は「どうすれば」とあたりを見渡して西住達に行く手段を考えていた…その時。

 

「車長!! あれはどうですか?!」

 

 我狼院の仲間である、金色のお団子ツインの少女の『白馬黄金』が近くにあった板を見て言うと、勇樹と我狼院は「それだ!!」と一斉に言う。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「あれ、何しているんだ?」

 

 観客は画面に映っている勇樹と我狼院を見て違和感を感じたのか不審なことを言うと、みんなもそれを見て不信感を感じた。

 

「なにしているんだろう?」

「板を運んでいるな」

「板をどうするんだ?」

 

 観客は徐々に挫わず気を増していき、太田たちも「何をしているんだろう」と思ってみていると、天女の電話からメールが届く。

 

 

「メール…勇樹さんから出すね』

 

 

 天女の言葉にみんなは「え、勇樹から?!」と反応すると彼女は「はい」と答える。そしてメールを開くと。

 

 

『黒百合は正式な学園艦、オレが間違っていた!! 敵はもうすでに黒百合にいる』

 

 

 それを見た太田は「え、どういう意味?」と目を丸くする。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

ガガガガガガガガ!!

 

 

 両者戦車を動かしていき、円を描くかのようにしていくが。小春田は「停止して、後に来たら砲撃を!!」と指示を出すと、戦車は停止して主砲だけはⅣ号H型を追うかのように動いていく。

 Ⅳ号H型はそのまま回るかのように動いていく…と思いきや、突然戦車をドリフトするかのように動きを変えていき、無理やり移動している。そして。

 

「撃て!!」

 

 ドガアアアッ! ガンッ!!

 

「くっ!!」

 

 西住の指示に放った砲弾は、AMX-30に被弾するが。幸い掠ったためすぐには敗北しなかった。

 だが、小春田は「あったまに来ましたわ!!」と額に青筋を浮かべ、西住をにらみつける。そして、Ⅳ号H型に異常が。

 

 

 

 ギギギギギギギギギ…バギッ!! ガラガラガラガラッ!!

 

 

 無理なドリフトにキャタピラは外れて歯車などが壊れて装甲不能状態に、そしてそのまま真後ろへと行き両者の砲台はお互い前と後ろに停止したその時。

 

 

『チェックメイト』

 

 

 小春田はそう言って砲手にサインを送ると同時に引き金を引いた。

 

 

 ドガアアアア!!!!

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

「あ、あああああ……」

「ま、間に合わなかったか…」

 

 立ち上がる黒煙に勇樹とが我狼院は驚いてみていると、煙は晴れて姿があらわに。

 

 小春田が乗っているAMX-30は傷一つなく代わりに装甲の一部が壊れていた、そして西住が乗っているⅣ号H型は右側の装甲が外れて壊れはしなかった。

 小春田は「止めを」と指示を出そうとした…その時。

 

 

『黒百合フラッグ車、走行不能』

 

 

『…そ、走行不能?!』

 

 

 それを聞いたみんなは急いであたりを見渡すと、我狼院のAMX-30のキャタピラが壊れて装甲が不可能になっていた。

 これを見た彼女は「いつの間にと驚いている。その結果。

 

 

 

『大洗学園の勝利!!』

 

 

 

 

『『『『うわあああああ!!』』』』

『やったー!!』

 

 

「よ、よかったぁ…」

「何があったか分からねえが、あの隊長が何かに気づいて行動したのか」

 

 太田も安心したのか、息を吐くと同時に後ろに倒れる。

 

 

 そしてこの日、大洗の勝ちと認められた。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 試合終了後、回収車によってⅣ号H型はまだ動けるT34・58と一緒に生徒らが待っている場所へと移動してきた。

 

「あ、先輩!!」

「やりましたね!

「すごいです!」

「おかえりなさい!!」

「よかったです!!」

「ビットマン級だ!」

「さすがの大逆転だな!」

「やるじゃないの!」

「ワールドカップクラスです!」

「いい走りだね!」

「やっふぅー!」

 

 試合によって負けたてしまった大洗の生徒が集まってみんなは、あんこうチームに大歓迎していた。

 沙織は「あれ、どうしたのみぽりん」と言うと、彼女は「えっと、力が入らなくて」と苦笑いする。それを見た彼女たちは西住を抱えて戦車から降ろした。

 西住達は照れたり喜んでいたが、勇樹は「いや」と答える。それを聞いたみんなは「え?」と反応すると彼はこう答えた。

 

「戦車道は勝てたが、また俺たちは買ってない…事件の真相を」

『『『『『『事件の、真相?』』』』』

 

 彼の言葉に勇樹は「ああ」と答えると、太田たちがやってきて真剣な目つきをすると同時にこう言った。

 

 

 

 

「西住をこの世から消そうとした人物が…だろ、我狼院さん」

 

 勇樹はそう言って 振り向くと。小春田を連れてきた我狼院が出てきて「ああ」と答える。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「ちょっと、なんであたくしを連れてきたんですの?!」

 

 突然連れてこられたことに不満を抱えたのか、小春田は勇樹に詰めて言うと。勇樹は「落ち着け」と押さえつける。

 

「お前のことは知っているんだよ…犯罪者基黒薔薇の生徒さん」

「っ!!!」

 

 その頃場を聞いた小春田は顔を強張らせる、西住達は「え、ええ。えええ?」と戸惑っている。一体何があったかのか。

 

「西住達には内緒にしていたが、実はお前が安心しているかどうか師範に頼んでいてな。あの子はどうしているかどうか」

「お、お母さんから?!」

 

 勇樹の言葉に西住は驚いていると、伊江が「まぁ、初めはオレたちだけど」と苦笑いしている。

 

「事件の発端はちょうど1年前の戦車道、話はあらかた聞いていたからわかっていたが謎があったからね。当時のライバルであったプラウダと真保さんたちに協力をして」

「原因などを調べたんです」

 

 蓮華と百合子の言葉に秋山が「そう言えば」と戦車を思い出す。彼らが用意したとはいえ、見たことある車体だからだ。

 

「そしたら、師範さんが襲われたり黒森峰に爆発事件が起きたんだ。あまりの異常だったのでオレたちは急いでいったけどな」

 

 伊江の言葉に華は「まぁ、事件が?!」と驚き、西住は「え、もしかして!」と主出すかのように反応をする。

 

「幸い師範と黒森峰の車長は軽傷で済んだが、エリカは意識不明でな。太田からの連絡で目を覚ましたと連絡が」

 

 太田の言葉を聞いたみんなは「よかった」と安心する。

 

「そして、プラウダから送られてきた資料には『塩化水素』と写真」

 

 天女はそう言って写真を出すと、沙織は「なに、この機械は」と言うと彼女は答える。

 

「この機械だが、当時の決勝戦の川底に沈んでいてな、この装置は技術が非常に高く。黒森峰とプラウダ高校が作ったんじゃないんだ」

「それに、しほさんが襲われる数日前、おかしなことに勇樹君との話を盗聴していた人がいたのです」

 

 小森と百合子が言っていると、みんなは「え、盗聴?!」と驚く。

 

「そして…黒森峰が襲われた時、こっそりとまほに『写真を』とお願いしたら結構来てな。事件現場に生徒名簿を」

「太田に送るように下から気づかなかったが、文字も送られて聞いたんだ…これを」

 

 勇樹位と伊江はそう言いなあらメールを見せると、『羽曳大里夜子』と爆発したと思われる場所と文字を見せると、麻子は「なんだこれは、特に文字がわからん」と目を細める。

 

「もー!! いったい誰がみぽりんを襲った犯人なの!?」

「いったい誰が先輩を!」

「私もです勇樹殿!!」

「これは気になるねぇ」

 

 沙織たちは勇樹に詰めて言うと、伊江が「お、落ち着け」と彼女たちを抑える付ける。

 

「この事件の犯人…みほを転校して黒森峰を襲ったのは…

 

 

 

 

 

 

 

 

 小春田日和、アンタだよ

 

 

 勇樹の言葉を聞いたみんなは「え、ええええ?!」と驚く。我狼院は「やはりお前か」と彼女をにらみつける。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「ちょ、ちょっと! どうしてあたくしが襲うのよ!! そして、その月子さんはあたくしと同じとは思いませんわ!!」

 

 戸惑う小春田に勇樹は「いや、見た目ではそうとは限らない」と冷静に答える。

 

「太田がまほからメールが送られたんだけど。文字は『すはやがよだこぱのひでのた、りいがしせあきいているうか ↑ホールの重さ』」

「これが一体どういうことだ?」

 

 麻子はジト目でメールを見て言うと伊江が「簡単だ」と答える。

 

 

 

 

 

「アナグラム、バラバラの文字でも入れ替えれば何が書いているか分かる。この場合は『小春田日和が怪しい、スパイの可能性が出てきた』だ」

「そして、アナグラムということを考えてみると、「羽曳大里月子」を日本語にして入れ替えると、「こはるだびより」と読めます」

 

 太田と小森はそう言うと沙織が紙を出して書き始めると「あ、本当だ! 確かに読める」と驚く。

 西住は「それじゃあ、私を狙う理由は」と勇樹に向けて言うと、彼は「これはオレの推測だが」と解説する。

 

 

 

「西住流を破滅して新たな流儀を作ろうとしているんだ…黒百合を利用して」

 

 

 それを聞いた西住は「…!!」と小春田をにらみつける。

 

「坂道の爆発に至っては軽量だが地面をわずかに爆発する程度の威力が出てきて、電磁波は爆発音で起動して少しずつ増すようになっているんだ」

「だけど、ここで事態が発生。プラウダも巻き添えになったこと。そしてみほさんがにげるかのように転校したことです」

「西住は責任感があるからな…姉と母に負担をかけないようにしたんだろうな」

 

 伊江と百合子、小森の言葉に秋山は「西住殿」と心配するように見る。そして彼は小春田を追い詰めるかのようにこういった。

 

「あと、黒森峰の爆発だが。エリカは意識を取り戻したぞ。爆発の火薬の量が少なかったから軽傷で済んだ」

 

 勇樹はそう言いながら携帯電話を出すと「まほ、起動して」と言うと百合子の電話が鳴り始めた。

 

「あ、おっとと」

 

 百合子は携帯を出して電話に出ると、ビデオ電話に変更するとまほが映りだす。

 

 

「まほ、そっちの情報を」

『分かった、私たち黒森峰は。訓練している最中、整備士と残った生徒らと協力して新たに入った生徒を調べたらお前が出てきたんだ』

 

 まほはそう言いながら小島に向けて『小島』と言うと彼女は『はい!』とあるものを見せる。

 

『生徒手帳だがおかしなことに、この生徒手帳の写真には液体ではがした跡があった』

『調べてみましたらこの液体は薬品ではなくこめ油を使用したのです』

 

「え、こめ油? どうして?」

 

 沙織の言葉に伊江は「生地の型を取りやすくする以外に、シールなどをはがしやすくする効果がある」と言うと、麻子は「それでか」と納得する。

 

「そして、あの音だが。生徒なのはわかったがこの時間帯に聖とはいたか不思議でな…園みどり子さん」

「だから私はそど子…あ、間違っていない」

 

 訂正しようとしていたが、正式な名前に彼女は気づき咳払いをする。

 

「その翠子さん、例の話は」

「し、調べてみたけど。どうやら私が知っている生徒ではないわ。私こう見えて生徒をすべて覚えているから自信はあるのよ」

 

 戸惑うそど子に霊華は「さすが園さんっす!」と答える。

 

「ここまで証拠が出てきても、とぼける気か? まだ探せば出てくるぞ…お前の事件の動機も」

 

 

 勇樹がそう言って彼女を見ていると、彼女は「ふっ」と息を吐くと同時にこう言った。

 

 

 

「嫌だったんだよ…あたくしは西住流が」

 

 

 

「どうして西住流が嫌だったんだ?」

 

 伊江の言葉に日和は「正確にはみほだよ」と彼女をにらみつけると、みほは「わ、私?!」と驚く。

 

「そうですわよ。あんたは次女なのにどうして別のに行かないの!? あんたが別のに行けばあたくしは戦車道に行って副隊長に行っていたのに…行っていたのに!!!」

 

 叫ぶ彼女に伊江は「完全な逆恨みと自己中心的な動機だな」とあきれる。

 

「そこで黒森峰が敗北する何かをすればみほはあたくしにに譲り受けるのではないかと思って、過去に向かって例の装置を用意したけど、まさか転校するのは予想外…」

 

 それを聞いた秋山は「そのためにあんな事件を!?」と憤ると、彼女は「あんな事故じゃない!!」と叫ぶ。

 

「あんなのは事件として処理してほしかったのに、あんたらが来たからあたくしは急いで黒百合に…そして名前も変えて化けて妨害するようにしたんだけど…水に泡立ったんだね」

 

 日和の言葉に我狼院は「小春田」と言うと、彼女の顔を殴る。

 

「っ!! れ、怜雄様…?!」

「貴様はどうして卑怯なことをして勝とうとしている? 私は卑怯なことと悪いことが一番嫌いだ」

「で、ですが…あたくしは戦車を支持するのが夢で、過去に戻ってきたんですが」

 

 戸惑う一人の言葉に彼女は「馬鹿者!!」と叫ぶ、それを聞いたみんなは緊張が走る。

 

 

「卑怯なことをして相手を勝つ行為は、犯罪を作るのと同じだ! 私は、実力で戦っていくのが正しい正義だ…黒森峰を見習ってだ」

 

 我狼院の言葉にみんなは驚いていると、勇樹は「あ、それで」と先ほどの対戦を思い出す。

 あれは、相手に勝たせるためにわざとやっていたのではないかと。

 

「貴様はこの日持って退学処分を受けてやる、もちろん戦車道の夢もあきらめろ」

「そ、そんな…!!」

 

 我狼院の言葉に彼女は「う、うううっ!」と涙を流す。

 そして我狼院は「すまない」と西住に謝る。

 

 

「私の管理不足が原因でこんなことに」

「い、いえ! そこまで誤らなくても」

 

 謝る我狼院に西住は驚いていると、彼女は「いや」と否定する。

 

「次からはこのようなことが起こらないように管理を厳重化する、それは約束するだから」

「まーまー我狼院ちゃん」

 

 謝る我狼院に会長が出てきてなだめる。

 

「謝るのはいいけどねー、少しは柔らかくしたら? 西住ちゃんだって考えてみると真面目なのもいれば照れ屋なのもいるし」

「…真面目な物いれば照れ屋…確かに」

 

 我狼院は何か理解すると、会長に「わかった」と訂正すると同時に小春田を連れて立ち去っていく。

 

 そして西住は「なんだか、凄い事だったね」と目を丸くする。そのすきを狙って勇樹たちは立ち去ろうとする。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「あの! この話をどうして皆さんに話しておかなかったんですか!?」

 

 が、小梅が勇樹に向けて言ったためみんなは「え、言っていなかった!?」と反応すると、彼は滝のように汗を拭きだした。

 

「ゆ、勇樹君…まさか」

「えっと…伝えると気まずい雰囲気を出すから…ごめんね」

 

 勇樹はそう言ってベロを出して謝るが、みんなは「許すかアアアアッ!!」と彼をぼこぼこにした。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「全く、私たちに少しは話せばいいのに」

「そうです! 西住先輩の力になりたかったのです!」

「そしたらバレー部は…いや、友情が芽生えてくるはずです!」

「協力し合うのも、一つの手段だ」

「風紀は違反していないけど、伝えていないのはいけないことよ!!」

「ど、同感…」

「全く、アタシもあきれるよ」

「アタイもだ」

「「そーだそーだー」」

 

 各車長に勇樹は「ご、ごめんなさい」と頭を下げて謝ることになった。これを見ていた太田たちは「自業自得」とあきれる。すると。

 

 

 

「そうね、それは私も同感するわ」

 

 

 どこかで聞いたことがある声がしたためみんなはあたりを見渡すと、夕日の方から松葉杖で体を支え、銀髪をしたショートロングの女性が出てきた。

 

「エリカさん! どうして?!」

「内緒で来たのよ、けがが治ったのは事実だけどまたあいつにやられる可能性があるから…」

 

 エリカはそう言うと同時に西住をにらむと「それよりも!」と彼女を怒鳴る。

 

 

「責任をとって転校するって、アンタはどうして臆病なのよ!! 少しは私や小梅、隊長に頼りなさいよ!!」

「え、でも…そしたらお母さんたちに迷惑が」

「師範は迷惑掛かると思うけど少しは話しなさい! 戸惑ってばっかりだとアンタは病気になる、それだけは嫌よ」

 

 エリカの言葉に西住は「エリカさん」と彼女を見ると「だから!」とエリカは西住に向けてこう言った。

 

 

「今度は私たちを倒しなさい! 私は隊長になっても絶対待っているから、絶対に!!」

「……はい、私も負けません!」

 

 2人はそう言って手を合わせると伊江は「感動するな」と言葉を漏らす。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

『おいエリカ、少しは体を休めと言ったのに』

 

「げっ隊長…!!」

 

 すると画面からまほの声がしたためエリカはびっくりすると、伊江が「あ、勇樹の電話切るの忘れた」と手にしていた画面を彼女に見せる。

 

『体はまだ痛むところがあるのに、どうして無理するんだ…帰ったら処罰を考えてやるから』

「ひっ!!」

 

 まほの頃場にエリカは顔を青ざめていると伊江は「おっかねー」と冷や汗をかく。

 

 

『そしてだが…みほ』

「お姉ちゃん…」

 

 そしてまほは妹であるみほに向けると、彼女もまほに向ける。

 

 

『お前が家出したことは私とお母様は怒っている…だが、無事だという報告を受けたら安心した』

「う、うん。でも迷惑は脚気たくなかったんだ」

『わかっている。話はお母様に伝えとくから安心しろ…そして小梅』

「はい」

『みほと一緒にいてくれてありがとう、何かあったら電話を』

「わかっています」

 

 まほと小梅の言葉に太田は「すごい信頼関係だね」と苦笑いする。

 

 

 

 

 そしてここでも信頼関係が。

 

 そど子はを出して生徒のデータを起動すると、出席一覧の『遅刻』と『欠席』をマークすると削除して『0』にした。

 

「あんたの遅刻データ、消したわよ冷泉さん」

「おおおお…!!」

 

 彼女の行動に麻子は驚きと感動を受け、そして「ありがとうそど子!!」と抱き着く、彼女は「ちょっと離れてよ!!」と困った顔をするが、少し照れているように見えた。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 大洗の生徒らは、会場である場所へと移動すると『戦車道全国高校生大会』の優勝旗を受け止めて、大きく掲げた。

 

『優勝。大洗女子学園!』

 

 アナウンサーの言葉に観客らは拍手の嵐と歓迎の言葉で大きく広がっていった。

 それだけではない、聖グロ、サンダース、プラウダも拍手と歓迎の言葉を送っていた。

 

 

 

「ふ…おめでとう、みほ」

 

 観戦を見て立ち去ろうとしていたしほも、次女を歓迎するかのように拍手をした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、そう言えばオレたちはどうやって元の世界に戻ればいいんだ?!」

 

 

 

『『『『『『『………あ!!』』』』』』

 

 

 

 

 元の世界に戻る手段を忘れていた勇樹たちとアブ引き部のメンバーは、冷や汗をかいて顔を青ざめた。

 

 

 

 

 

 

第1章 終



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おまけ『エンカイ・ウォー…?』

 夜、大洗のみんなはアブ引き部と一緒に宴会場へと集まり。学園艦を救ったと同時に勝利を祝っていた。

 

「であるからにして。我が学園は」

 

 そんな中、生徒会広報の河嶋の長い話にみんなはあきれていた。

 河島の感謝のことは分かるが、あまりにも長い言葉にみんなは苛立っている。そんな中、勇樹は携帯電話を見つめていた。

 

「あれ、勇樹君電話を見てどうしましたか?」

 

 それを見た百合子は勇樹に向けて言うと、彼は「実は」と小声で言う。

 

「この前我狼院さんから電話番号を好感したんだ、そしたら―」

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 大洗に移動中…、勇樹たちは客席位に座っていた。長い戦いにみんなは疲れており寝ている人が多くいた。

 そんななか、彼の胸ポケットから電話のバイブが響き、彼はそれを手にすると『我狼院』と表示していた。それを見た彼は電話に出ると。

 

『私だ』

「ああ、わかっている。どうしたんだ?」

『小春田を退学し、今彼女の部屋を清掃していたが…君が言っていた例の花はあったがおかしなことに』

 

 我狼院が黒幕である小春田を退学し、部屋の清掃をしていたが。勇樹が去る前に『闇の薔薇があるかどうか調べてほしい』と頼み、清掃と同時に探してもらった。

 

『花はあったが妙なことに防水性に優れた特殊カプセルと防水性が高いテープはあったんだ』

「カプセルとテープ?」

『ああ、それと花と茎がないんだ』

 

 我狼院の言葉に勇樹は「そうか」と答える。退学することを考えてなのか、急いだためなのか薔薇の花と茎はないことは想定している。

 だが、どこに隠したのかいまだ不明。彼もそれをどこに隠していたか悩んでいた。

 

「隠すとしたら、ベッドの下か天井裏、もしくは」

『水の中か、私もそう思って生徒に確認したが、なかった』

 

 我狼院の言葉に彼は「そうですか」とうなだれる。すると彼女は『そう言えば』とある事を思い出したのか、ある事を言いだす。

 

『気のせいだと思うが、大洗の学園艦の設計図があったんだ。後は変わった汽車の設計図も』

「学園艦と汽車…学園艦ならともかくなんで汽車の設計図が?」

 

 それを聞いた彼女は「わからん、今わかったところはこれだけだ」と答える。そして『偵察班からの情報が入り次第、通話する。では』と電話を切った。

 

「わかったっと言いたいところだけど、なんで船と汽車…?」

 

 彼は船と汽車の設計図に違和感を抱いていた。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「我狼院との話で分かったのかこれだけ、違和感がたくさんあるんだ」

「確かにそうですね…小春田さんは一体何を」

 

 勇樹の言葉を聞いた百合子は、考えているとみほが「あ、あの」っと声をかけてきた。

 

「あ、みほさん」

「どうしたんですか?」

 

 勇樹と百合子はみほに向けて言うと、彼女は「えっと。かくし芸ですが」と言いだした。

 それを見た2人は「かくし芸…?」と目を丸くする。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 河嶋が言っていたかくし芸とは、その名の通り各チームのかくし芸を行うという事、ただしかくし芸を行うにはルールがある。

 

「アヒルチームはバレー禁止、アリクイチームはネトゲ禁止、カバチームは歴史禁止、レオポンチームは自動車ネタを禁止、あんこうチームはアンコウ踊り、サメチームはお酒と歌、登山部は登山」

 

 無理な条件にみんなは反論するが、沙織だけは「アンコウ踊りを…取られてもゼンゼン平気だね」と安心した。あの時のトラウマが出てくるのか?

 

「ちなみに、スターチームは…ウサギチームと同様特になしだ」

 

 河嶋がそう言っているにもかかわらず勇樹と百合子は話をしており、かくし芸は始まっていた。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「えっと、終わったのは…カモさんチームは三味線とギターを使った古いネタ、レオポンチームはマジックでアリクイさんチームはカエルの歌、ウサギさんチームは組体操でアヒルさんチームはモノマネ、カバさんチームは演劇です」

「結構な種類だな…カバさんとカモさんならともかく、レオポンとウサギさんが見たかった」

 

 勇樹はそう言って舞台をジーっと見ていると、膜に光が当たると同時に小梅が「続いては」と言いだした。

 

「帆を張れ、大陸目指して宝を奪え! 我ら海賊の力を恐れ入れ! サメさんチーム!!」

 

 それと同時に幕が自動で上がると、サメさんチームは道具がたくさん用意していた。おかしなことに、彼女たちが来ているのは浴衣ではなく海をイメージとした水色のつなぎを着ている。

 彼女たちのリーダーでであるお銀が前に立つと、ムラカミたちに向けてこう言った。

 

「お前たち! 今回はあれを完成さてやるから、手を抜くじゃないよ!!」

 

 彼女の言葉にムラカミたちは「はい親分!!」と答えると、道具を手にして何かを作り出した。

 カトラスは空き缶を持ち出し接着剤で缶を固定していき、フリントはテープを分解すると紐のようなものを出してテープで束ねて鋏で切り、ムラカミ大量のボール紙をカッターで線をなぞるかのように切りラムはカトラスとフリントが出来たそれを組み立てていく。

 ちなみにお銀は裏からスポットライトらしき装置を持ってきているが、コードが絡んでいるため持ってくるのに精いっぱい。

 

「一体何を作るんだろう?」

「大きさからして何かの銅像?」

「銅像にしては大きいねぇ」

 

 それを見ていたみんなは、ざわつきながらもサメさんチームが作っている何かを興味津々に見ていた。そして数分後…。

 

「完成したっ! あたしたちが協力して作ったのは…これだ!!」

 

 完成した作品をある場所に固定し、ムラカミたちがその場から離れてお銀が電源を付けて光を放った。そして浮かんだのは。

 

 

「わあああっ! 西住隊長だ!」

 

 

 光は作品に当たり影が出来上がるが、その影が大きさ・形・光の加減により影が出来上がり。その影が西住隊長の姿になっていた。

 

 

「シャドーアートか、凄いな」

「船舶の皆さん、これは得意のでしょうか?」

「いや、これは偶然だと思うが」

 

 驚く勇樹に百合子は疑問を抱いていると、伊江が彼女にツッコミを入れる。そして柚子が「素晴らしい作品でした。ありがとうございます」と幕が自動で閉まる。

 それを見た小森は「河嶋かと思っていた」とつぶやいた。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「山があったらすぐに上る、地面であってもすぐに行動する! モモンガチーム!!」

 

 小山が言うと同時に幕が自動で上がると、タキシード姿をした茜と葵が立っていた。

 

「あれって、なんだ?」

「私もです…勇樹君、何ですかあれは」

「オレも初めて見る…何だろう?」

 

 伊江たちはそれを見てざわついていると、葵が右手を前に突き出したと思いきや、左手を突き出してあたりを探っていく。

 茜はトランクケースを出してそれを置き、葵の隣に着くや否や自分と同じ目線でノックをする。

 

「ノック、壁…そうかパントマイムか」

『『『あー』』』

 

 麻子の言葉を聞いたみんなは「なるほど」と納得し、再び登山部を見る。

 双子であろう行きぴったしなところがあり乱れぬ動き、カバンを持てない光景や壁があるかのように手を動かす。

 何かを引っ張るかのように手で紐を引っ張る動作など、パントマイムをよく見ている証拠であろうか。双子ならではの行為にみんなは大喝采。

 最後の芸であろうか、茜と葵は一気に何かを引っ張った途端。色とりどりの糸や紙吹雪が出てきてあたりを輝かせた。

 

『『『おおー!!!』』』

 

 その光景にみんなは喜び、幕は自動で閉まる。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「祭りだ、気合根性だ! 炎があったらアタイらは黙ってられない! お祭り部の皆さんです!」

 

 小山はそう言うと同時に幕は自動で開くと、祝井たちの前には大量のホットドッグとオレンジジュースが用意されていた。これで連想するかくし芸とは。

 

「あれは、早食いだな」

「まぁ、凄い量のホットドッグですね」

「カロリーが」

 

 麻子がそう言うと、華はホットドッグの寮に驚き。沙織は食べたことを考えると顔が青ざめる。そして。

 

「これからアタイらは、この大量のホットドッグを1分以内に食べる!! 行くぞー!!」

 祝井の言葉に日向たちは「おおー!」と答える、そして天野川は「それじゃあタイマーを」とタイマーを用意する。そして…。

 

「タイマー…オンッ!」

 

 カチッ! カチコチカチコチカチコチ…。

 

 天野川がスイッチを押すと針は動き始め、5秒に差し掛かろうとしたところ。

 

『『『おりゃあああああっ!!!』』』

 

 目にも見えない速さで、ホットドッグを手にするとそれを口に入れてそれを繰り返すように食べている。途中、霜月と丸井はよく食べながら急いで食っており、天野川はオレンジジュースを飲みながら食べている。

 

 

 

 そして、残り10秒に差し掛かろうとした。その時。

 

 

「最後の一個おおっ!!」

 

 

 祝井が最後のホットドッグを口にしてオレンジジュースを飲んだ瞬間、天野川は急いでタイマーを押した。タイマーは『56.533秒』と記録を残しながらも、ホットドッグをすべて食べ切った。

 それを見たみんなは『『おおーっ!!』』と驚きながらも拍手喝采、花火のように鳴り響いた。

 

「ちょっと待った! この資金はどこから?!」

「あたいたちから…苦しい」

 

 河嶋の質問に祝井は答え、そのまま倒れたため幕は自動で閉まったのであった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「さて、そろそろ用意するか」

 

 勇樹の言葉に伊江は「え、用意?」と反応する、彼女だけでなく、カンガルーチーム全員は反応する。

 

「あの勇樹君、何を?」

「ん、まあかくし芸のレベルを…ね」

 

 勇樹の言葉に幹子は「あ、なるほど」と納得する。

 

「それじゃあ、伊江とオレと百合子さんは少しあそこに。幹子と小森は例の道具を」

 

 勇樹の言葉に伊江と百合子は「は、はぁ…?」と目を丸くしながらも彼の後を追い、幹子は「それじゃあ小森君」と彼女の腕をつかんで勇樹とは反対方向へと走っていく。

 小森は「お、おい何するんだ!?」と慌てふためくのであった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 勇樹たちが用意している間、あんこうチームとカメさんチームのかくし芸は終わっていた。そして。

 

「最後は、我が校を救ってくれた第二のヒーロー?! 自称『未来から来た戦士』、カンガルーチーム!」

 

 小梅と小山がそう言うと幕は自動で開いて彼らの姿があらわになる。

 勇樹はコントロール装置らしき機械を2種類用意しており、百合子は複数の道具を手にしている。小森と幹子は何も変化はない普段着で立っていた。

 

「さて、今回オレたちが見せるのはこの摩訶不思議な科学の技を見せましょう!」

 

 勇樹はそう言うと、百合子は「それじゃあ」と青空の立て看板を出して幹子と伊江の後ろに用意する。それを見たみんなは。

 

「えー、なんだかフツーだよー」

「そーだそーだ!」

「もっと変わったのを見せて―!!」

 

 1年生たちが騒ぎ出したため他の生徒からも「確かに」「なんだかあっけない」とジト目で見られている。が、彼はそれを無視して行動している。

 幹子と小森はマントらしき赤色と青色の布を用意して、飛ぶ動きをした。

 それを見た河嶋は「もっと驚くのを用意しろ!」と怒る…が。

 

「ヒーローだったら空を飛ぶ? 幹子」

「いやいや、まずは横になってみたらどうだろうか?」

 

 2人がそう言うと突然彼女たちは前に倒れてまるで飛んでいるかのように浮いている。

 

 

『『『……え』』』

 

 

 それを見た彼女たちは、目を丸くして幹子と小森を凝視している。

 

「そそそ、空を飛んでいる?!」

「いえ、何か仕掛けがあるような気が…」

「さっきは縦になっているのに横になるのは仕掛けがあるのは確か、なんだそれは?」

 

 沙織は青ざめて後ろに引いていると、華と麻子は疑問を浮かべながら様子を見ている。ちなみに、例の2人は。

 

「ゆ、優花里さん。あれは一体?!」

「わ、私も始めてみます!! 美樹殿と中弐殿がどうして?!」

 

 ご存じの通り、怯えていた。秋山がおびえるのは異例である。

 

「それじゃあ、本格的に飛んでみるかっと」

 

 勇樹はそう言って機械をいじると、今度は2人は本当に空を飛んでいった。

 

『『『おおーっ!!』』』

 

 それを見たみんなは驚きながらも、目を光らせ、感動している者がいた。が。

 

 

「ゆゆゆゆ、柚子ちゃあああんっ!! こ、小森と幹子が。空をとと、飛んでいるううっ!!」

「モモちゃん落ち着いて!」

 

 

 突然の出来事に河嶋は涙目で柚子に駆け寄り抱きしめたため、柚子は落ち着かせるようにした。そして。

 

「ははははは…ここまでにするか」

 

 勇樹はそう言ってスイッチを押した途端、小森と幹子の姿は消えて、代わりにロケットが浮かんでいた。

 

「え、あれって」

「ロケット? どうして?」

 

 それをみたみんなはざわついていると、勇樹は「ごめんごめん、説明するよ」と言うと、カメラを手にした伊江と幹子、小森がやってきた。

 

「あ、小森さん」

「伊江と百合子さんまで。どうして?」

 

 突然の登場に華と麻子は反応すると、伊江が「説明しよう」と言いだした。

 

「今回勇樹が用意した道具は、この『クロマキー合成マシンセット』と言う一種の合成装置を利用した最新の道具だ」

「僕たちは伊江君と一緒にカメラで背景と一緒に映し、伊江君が映ったカメラはロケット型カメラで合成されるようになっているんだ」

 

 伊江と幹子の解説にツチヤは「あ、それで伊江さんは映っていないんだ」と納得する。

 

「さらに、この装置はただ合成するだけでなく。ロケットに搭載している立体映像に自動で映し出されるようになっているんだ」

「半径5m以内であれば、立体映像として映し出すことが可能ですよ」

 

 小森と百合子の言葉に、みんなは「へー」と感心していると。小山が「すごいですね」と改めて感心する。

 これにて、各チームによるかくし芸は終わったのであった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「これにて、結果発表を行う! すぐに済み話だから待つことは出来んぞ」

 

 河嶋の言葉にみんなは「はーい」と答えた。そして小梅が「では第三位から」と言うとスポットライトが動き出し、誰に当てようかと決めている。そして。

 

 

「第三位は、組体操をしたウサギさんチームです」

 

 

 銅色に輝く光に当てられたウサギさんチームは「わーい!」「やったー!」と喜んでいる。そして、小山が「第二位は」と言うとスポットライトは再び動き出した。そして。

 

 

「第二位は、演劇をしたあんこうチームです」

 

 

 銀色に輝く光に当てられたあんこうチームは「うわーい!」と大喜び、そして伊江が出てきて「それでは、第一位を発表するぜ!」と言うとスポットライトは再び動き出した。そして。

 

 

 

「第一位は……、バレエを披露したカメさんチーム! って、カメさんチーム!?」

 

 

 伊江の言葉にみんなは「ええー!?」と驚きが響き、金色に輝く光は生徒会に当てられた。小梅は「あ、私は司会者なので」と後ろに引いた。

 

「ち、ちなみに…会長。一位の商品は?」

 

 伊江はジト目で杏に向けて言うと、彼女は「一位の商品は…」と自慢げに言い始めた。

 

 

「10万円相当の…最高級干し芋1年分!!」

 

 

 ドンガラガッシャンガラガッシャアアアンッ!!

 

 

 それを聞いたみんなはその場でずっこけるのであった。

 

 

「こ、これでいいのか…?」

 

 それを見た勇樹は突っ込むのであった。



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第2章『劇場版編、大洗学園艦を救え』
第26話『異常事態発生、大洗と発明に危機アリ』


 某日、この日は大洗と他校による合戦が行っていた…が、勇樹はそれを抜けてある場所へと来ていた。

 大洗から数キロ離れている鉾田市に来ていた、その場所に来ていた理由は。

 

「やあ、待たせてすまない」

「いえ、こちらこそ」

 

 黒百合学園の戦車道の隊長、我狼院怜雄がカフェスペースで待っていた。勇樹は我狼院の近くの椅子に座ると注文をする。そして。

 

「話は例の小春田だ…そして、突然の呼び出してすまない」

「いや、傘下の話はみほと河嶋さんに話しておいたから大丈夫、百合子たちも少し用事があったからな…。それで、話は」

 

 勇樹は我狼院に向けて言うと、彼女は「ああ」と答える。

 

「おかしなことに、旅行券を購入した経歴があるんだ。彼女は旅行が趣味でもないのに」

「確かに、どこかに行くなら少しわかるが…船だったら専用の券が」

 

 勇樹と我狼院は推理をしていると、彼女の電話からバイブ音がしたため出ることに、すると。

 

「む、亮子か。どうした? ああ…ん、それで? ふむ……確かに怪しいな」

 

 怜雄の言葉に勇樹は「どうしたんだ」と言うと彼女は「ああ、実は」と携帯のスピーカーを起動して彼に聞こえるようにする。

 

「話してくれ」

『はい姐さん、実は小春田のPCの使用履歴を調べましたが。旅行サイトの『じゃらりん』で1週間ほどの旅行券を購入しているのです。学園情報管理課に調べたところ、どうやら官公庁の辻という方が…あ、一応官公庁には許可をとりました』

 

 亮子の言葉に勇樹は「すごい情報だな」と驚いていると、彼は「ん、辻…そいつって確か」と考え込むと彼女は「ああ」と答える。

 

「怜雄、確かそいつって」

「大洗の学園艦を廃校しようとした張本人だ」

 

 それを聞いた怜雄は真剣に答える…が。

 

「しかしなぜこいつのユーザーで旅行券を購入したんだ? ハッキングするならば何かを盗むのが普通だが」

「盗むって…まぁ確かに言われてみたら…なぜだ?」

 

 2人は真剣に見ていると、彼の電話が鳴り響いたため。勇樹は「ごめん電話」と抜け出して電話に出る。

 

「もしもし…あ、伊江か……終わったんか。わかった今行く」

 

 彼はそう言って電話を切ると、我狼院は「試合は終わったのか」と言うと彼は「ああ」と答える。

 

「また何かあったら情報を、こっちも急いで探すから」

「わかった、未来から来た人かどうかは信じがたいが。あの試合に出ていたお前たちを見て私は信用するよ」

 

 我狼院はそう言うと勇樹は「それじゃあ」とタクシーを呼び大洗へと帰宅する。

 

 

 その時、大洗ではとんでもない事態になっていたこととは知らずに。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「あれ、なんでトラックが…?」

 

 大洗について勇樹は外を見ると、大量のトラックが止まっていた。何かを持っていくかのように。

 

「なんだろう…百合子さんに電話を」

 

 それを見た勇樹は何かと思い、百合子ん電話をすると。彼女からの電話が出てきた。

 

「あ、百合子さん…百合子さん、これはいったい」

『そ、それが大変なんですよ!!』

 

 百合子が突然発した声に彼は驚き話を聞いてみることに、そして彼女は慌ててこう言った。

 

『お、大洗の学園艦を廃艦が…き、決まったのです!!』

 

 それを聞いた彼は、「え…」と冷静に驚くと携帯を落とした。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「あわわわわわ!! ゆ、勇樹君!! こ、これには事情がありまして!!」

「あ、ああ…ただ落ち着いてほしいのは百合子さんだけど」

 

 慌てる百合子に勇樹は落ち着くように言うと、彼女は「あ、ごめんなさい!」と冷静を取り戻すように深呼吸をする。

 

「それで、どうして廃艦が」

「文部科学省の辻さんが、強行に大洗を廃艦したんです。理由を聞いても話してくれないので、もしかしたら」

「この前の約束は口約束…、それは正式な約束じゃない可能性がある」

 

 小森は冷静に言うと、みんなは「それでか」と理解する。杏は約束した証拠としてボイスレコーダーを使ったが、それがもし捏造したとなれば正式な証拠とは限らない。

 

「で、もし反発する人たちがいたら」

「再就職不可、そう言っていた」

 

 勇樹は小森の言葉を聞いて彼は「そこまでやるか」と考え込みながら、『辻』をにらむ…すると。

 

 

「ん、何か焦げ臭いにおいがする…?」

 

 

 突然何かを焦がしているかのように異臭が臭ったため、何かとあたりを探している。

 百合子たちやみほたちも臭いに気づいたのか、周りを見てみると。学園艦の甲板部分から黒煙が出ていた。

 

「何すか…あれは?」

「学園艦の破壊…にしては妙に早いな」

「なんでしょうか?」

 

 黒い煙を見ていた霊華、河嶋、小梅はそれを見ていると。天女が「まさか」と何かに気づいたのか双眼鏡型の望遠鏡をリュックから出して黒い煙を見て数秒後、彼女は顔を青ざめて汗が滝のように噴き出した。

 

「ゆ、勇樹さん…急いでいったほうが良いです。緊急です」

「え、なんでですか…あの黒い煙は…まさか!」

 

 天女の言葉に勇樹は理解すると急いで黒い煙が放っている方へと走っていく。百合子たちは「え、何があった?!」と驚いている。

 

「あの勇樹さん、何があったんですか?!」

「急いで消火だ!! 時間がないぞ!!」

 

 みほの言葉に勇樹は叫ぶかのように答えると、太田は「もしかして!」と何かに気づいたのか急いで彼の後を追う。

 それを見ていた梓は「え、何があったんですか?!」と太田に向けて言うと、彼はこう答えた。

 

 

「あれは火事でも学園艦破壊時の黒煙じゃない!! 僕たちが乗ってきたメカが爆発したときに発生した煙だよ!!」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 ゴォォォォオオオオオッ!!

 

 爆発により炎はスチーム・ファイアー号を覆い、黒煙が上へと上がっている。

 勇樹たちは消火器や放水機にバケツリレーでメカの消火を行っている。

 

「急いでください! 火の粉が辺りに映る前に早く消さないと!!」

「とにかく急ぐぞ!!」

「バケツ追加!! あああ、消火器も!!」

 

 生徒たちが慌てる中、伊江は「ん?!」とスチーム・ファイアー号の近くに何かを見つけ、消火器を「太田、これお願い!」と渡すと彼は「え、ええ!?」と驚きながらも消火器を受け取って消火をしていく。

 

「これは…タイマー?」

 

 デジタル時計のタイマーの部品がなぜか落ちていた。伊江はそれをハンカチで拾い隠すかのように包むと、急いで消火活動の手伝いをした…。

 

 

 

 

 

 そして数十分後…、日はすべて消すことはできたが、メカは黒く焦げて原型が分からない程窓や鉄は曲がって溶けてしまい、曲がって車輪は修復不可能。そし勇樹が見ていたのは。

 

 

「ど、道具が…壊れている…」

 

 

 彼が作った道具類がすべて壊されており、修復が出来ない状態になっていた。

 

「あ、あああ…道具が…」

「た、大変なことになったっす…!!」

 

 青ざめる奈々と霊華に、大野は「え、どういう意味ですか?」と2人に向けて言うと、穂多留が「ボクが説明するよみんな」と言い始めた。

 

 

 

「実は…あの汽車型のメカが僕たちが乗ってきた専用の乗り物で…壊れたら2度と元の世界に戻れない可能性が出てきたんだよ」

 

 

 それを聞いたみんなは「ああ、それでか」と納得する…が、沙希が。

 

 

「道具、消えたら。もう終わり…?」

 

 

 沙希の言葉を聞いた穂多瑠は「う、うん…そうなんだ」と目をそらして答える。

 それを聞いたみんなは「え、えええええ?!」と驚くのであった。

 

 だが、桂里奈とあゆみ、優木は「ど、どうしよう」と何かを悩ませるかのようにカバンを見つめていた。



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第27話『救世主と移動』

※この話は、こちらの事情により短めになってしまいました。次作は少し遅れてしまう可能性がありますので、ごめんなさい…。


 大洗が廃艦になり、各生徒らが引っ越しや移動の準備をしている最中。勇樹たちは壊れている道具はないか懸命に探していた。

 

「うわっ! この冷蔵庫壊れて使えない…あ、この炊飯器は大丈夫だった」

「食べ物は無事ですね…あ、これは焦げていますが、大丈夫でしょうか?」

「洋服別にしてよかったです」

 

 爆発により無事な物やダメな物はたくさん出たが、けが人だけでなかっただけでも安心した。そして勇樹は。

 

「爆発された可能性がある?」

「ああ、デジタル時計があったからきっとそうだ」

 

 伊江と一緒に例の爆発の話をしていた、伊江が手にしていたハンカチから例のデジタルタイマーを取り出す。

 

「どうだ?」

「…焦げ具合から計算すると最近だな…爆発の炎の具合と消した時間を逆算して爆発したのは午後5時当たり…あくまで推測だが」

 

 勇樹は冷静に答えると伊江は「午後5時あたりか」と考え込む。

 午後5時あたりは、みんなが温泉に浸かっていた。その時間帯に出ていたのは角谷杏しかいない、だが彼女には役員と話をしていたアリバイがある。

 2人は考えていると、後から「あの」と声がしたため何かと振り向くと。桂里奈とあゆみ、優木が立っていた。

 

「お前たち…どうしたんだ?」

「何か、相談事でもあるのか?」

 

 勇樹と伊江はそう言って3人に向けて言うと、桂里奈が「えっと…それが」と戸惑っていた。

 あの元気な桂里奈が戸惑うのは初めて、勇樹はそう感じた。その時。

 

「桂里奈、そろそろあのことを話したらどう…?」

「で、でもそれを言ったら」

「私も同じ…でも」

 

 3人がゴモゴモと何かを相談しながら戸惑っていたため伊江は「全く」とあきれる。

 

「おめえら、新人だったらちゃんと見習えよ。西住だっておどおどしていたが、今は立派になっているかな」

 

 彼女の言葉にあゆみは「そうだよ、ここは正直に」と言うと2人も「わ、わかった」と答える。そして。

 

「勇樹さん、実はこれを」

 

 桂里奈はそう言って差し出したのは、黒色のテリーヌ・バッグで虫眼鏡のマークがついている。

 

「え、これは…?」

 

 それを見た勇樹は目を丸くしていると優木が「実は…」と話し始めた。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 数日前の昼、勇樹が戦車の清掃をしている間、桂里奈たちは勇樹の車両に乗っていた。

 

「ねえ、勝手には言ったら怒られるよ」

「大丈夫! そっと入ってそっと出るだけでいいから」

「そうそう~、中を見るだけだから~」

 

 興味本位で入る優木たちを止めようとする梓だが、あゆみたちは扉を開けて中に入っていく。沙希は入り口前で止まっていた。

 

「これが勇樹さんの部屋の中なんだ」

「少し汚~い、でもすごい発明品だね~」

「面白そう!!」

 

 部屋兼研究室である車室に入り、あたりを見渡す。まだ何かを作りかけている機械類や戦車道に使用した道具類が置いてあった。

 

「これが勇樹さんの部屋…始めてみるけどすごい発明品」

「そうだね…」

 

 始めてはいる部屋に梓とあやは感心するかのように見ていると、あゆみと桂里奈と優木は、テリーヌ・バッグに道具を入れている。

 

「あ、あゆみ!? 何をしているの!」

「え、少しは掃除しようかなと」

「汚いからね~」

「まずはここらにあった物をカバンに入れていく!」

 

 梓はあゆみたちの行動に驚き、質問をするとあゆみたちは部屋の掃除を使用と道具をカバンに入れている。

 

「だ、だめだよ! 勝手にしたら勇樹さんは!」

「怒られるよ!!」

 

 梓の言葉に同情するかのようにあやも言うと、3人は「えー」とほほを膨らませて講義をする…前に。

 

 

 トントン

 

 

「あ、沙希。どうしたの?」

 

 梓の肩に沙希がトントンッと叩いたため、彼女は反応すると沙希はこう答えた。

 

 

「勇樹、戻ってくる」

 

 

 それを聞いた梓たちは、急いでその場から出て車両から離れる。それと同時に勇樹が「あー、やっと清掃が終わったー」と言いながら部屋に入っていった。

 この時、あゆみの肩には例の道具とある書類が入ったカバンを持っていた。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「それでか、資料はしまって道具はごみ箱に捨てたかと思ったよ」

 

 勇樹の言葉に伊江は「少しは掃除とかしろ」とツッコミを入れる。それと同時に彼は「あ、もしかして!」と急いでテリーヌ・バッグを開いて何かを探し始めた。

 

「お、おい勇樹?!」

「どうしたんですか?!」

 

 伊江とあゆみは驚いていると、勇樹は「確かここにあったはずだが…」と何か大切な物を探している。そして。

 

 

 

「あった!! あったぞおおっ!!」

 

 

 

 勇樹はそう言って出したのは、例の黒百合の資料とプラウダからの資料。彼は「これが安全だけでも良かったぁああっ!」と目を光らして資料を抱き着く。

 

「あゆみ、優木、桂里奈!! お前たちのおかげで例の資料は無事だ! ありがとおおっ!!」

 

 勇樹はそう言いながら3人に抱き着くと、伊江とあゆみたちは「うえっ!?」と目を丸くして驚く。

 

「お、おおおおい勇樹! こいつら女というか女子生徒だぞ!?」

「それとこれは別だ!! 今回は本当にありがとう!!」

 

 勇樹はそう言っていると、伊江は「全くだな」と苦笑いで答える。

 

 

 それを見て百合子は「な、なんで1年生のみんなが?!」と医師のように体は固まって口を魚のようにパクパクする。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「使える道具はこの10個か…」

 

 資料と一緒に使える道具はないかと出したが、『モノモドリ・モノススミ』はないことにショックを受けている。代わりに。

『ねん土道具セット』『頑丈ロープ』『伝書バト・テレビ』『チーズパッド』『虫の知らせ』、戦車道に少しだけ使っていた5つの道具と、赤色と青色の香水の形をしたスプレーと市松模様をしたカメラ、鋭い爪が付いたマジックハンドと鳥かごの中2数羽のハトと大型のパソコンが付いた道具、そして立方体型の特殊なケースが付いたコンピューターが入っていた。

 

「全て役には立たないが、きっと何かに役立つ可能性がある…」

 

 勇樹はそう言いながら道具を見て言うと、みほが「勇樹さーん」と駆けつけてきた。

 

「ん、西住さん。どうしたんですか?」

「はい、戦車をいったんサンダースに預ける作業をしていまして。それでみんなで急いで」

「なるほど、サンダースに預ける。それはいいアイデアじゃん」

 

 勇樹はそう言うと、みほは「そうですね」と言いながら微笑む。

 

「それじゃあオレも急いで…ってまさかオレたちが最後なのか?」

「そうですけど…」

「……急いでいくから待ってくれよ!」

 

 勇樹はそう言いながら、急いで部屋から出て戦車があるほうへと走っていく。その場所にはサンダースが用意舌であるC-5Mが2機着陸しており、戦車を詰め込んでいた。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「遅い!! いったいどこで何をしていたんだ?!」

 

 河嶋に怒られた勇樹は「し、私用のため」と答えると、小梅は「まぁまぁ河嶋先輩」となだめる。

 そして小森が「さっさと運ぶから、勇樹指示をしろ」と言うと。彼は「わ、わかった」と慌てて小森に指示を出す。

 

「それじゃあ移動先がわかるまで、こっちが預かっておくから!」

「オッケー、それじゃあお願いねー」

 

 サンダースの隊長であるケイと杏子はそう言いながら握手をすると、幹子は「さすが友好関係が強い同志」とつぶやく。

 それと同時に勇樹は「太田、みんな。至急だがみんな来てくれ」と言われたため幹子たちは急いで勇樹の方へと集まる。

 

 

「爆発だが、小春田の可能性が出てきた」

「やはり…か」

 

 勇樹の言葉に太田たちは反応すると、伊江は「それじゃあ急いでアブ引き部のメカを」と言うと百合子は「え、アブ引き部のを?」と反応する。

 

「アブ引き部のメカは、そう言えばどこに…地理部のはカエサルさんたちのところにあると聞きましたが…」

「残りはこのテリーヌ・バッグに一応入れておいたんだ、万が一のことを考えてしまっておいたんだが。安心した」

 

 百合子の言葉に勇樹は答えると、桜は「用意周到、ね」と答える。が。

 

「ただ、このカバンにしまっても相手はどこから見ているか分からない」

 

 それを聞いたみんなはざわついていると、桃が「どうしてそれを言うの」と真剣に言うと、彼はこう答える。

 

「何者かが大洗に入ってこの爆弾をセットしてすぐに去った。生徒の可能性は低いから従業員の可能性があるが…」

「その誰がかは分からないことカ」

 

 烏龍の言葉に勇樹は「そうだ」と答える。そして。

 

「カバンに何か工夫をしないと相手はオレたちを狙う…どうすればいいかと思っていたんだが」

「だが?」

 

 勇樹の言葉に奈々は反応すると、伊江は「そうか」と思い出した。それは。

 

「あの道具を利用してここから離れるか! 生頼の生徒に紛れて!」

「そう、幸い壊れていない道具は10個あったからそれを使っていこう…それでだが」

 

 勇樹はジェスチャーで『耳を近づけて』とあらわすとみんなは彼に近づいて話を聞く。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 次の日…勇樹たちは学園艦から降りると同時に『大洗女子学園戦車道覆修者』に乗り込んでみんなと一緒にどこかへと移動する。

 

「どこに行くのかな…勇樹君」

「わからない、だがせめて電子機器が使える場所であればオレは行ける」

 

 百合子の言葉に勇樹は資料を見なが答えると、伊江は「少しは外せ」と苦笑いでツッコミを入れる。

 

 

 

 

 この時、官公庁にはある事件が起きていたとは知らずに…。



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第28話『官公庁で事件発生! そして、ボコミュージアム…?』

 学園艦からまだ使用が可能の廃校に移動した勇樹たちは、河嶋の指示に従い部屋へと移動した。

 

「それで、データーはまだ大丈夫だったの?」

「幸いデーターはスマホやオレが持っていたノートパソコンに保存していたため被害はありませんでしたっと」

 

 桜の言葉に勇樹は答えながらパソコンを起動してファイルを探していると『黒百合・データー』を見つけた。

 

「調べた範囲は『小春田による爆発事件』、『役員による大洗学園艦の強制退去』の2つ。それ以外は手掛かりはないか…」

 

 パソコンを打つ勇樹に太田は「そうだね、他に何か手掛かりは…」呟いていると、外から飛行機の音が響いてきた。

 

「ん、飛行機? ここに降りてくるとしたら…」

 

 勇樹の言葉にみんなは「確か…」と考え込んで数秒後、幹子が「あ」とある人物が浮かび上がった。その人物とは。

 

 

 

 

「サンダースの飛行機じゃない?! ほら『移動先がわかるまで』とかって一体てじゃん!」

「そうか、ケイか! それだったら!」

 

 勇樹たちは急いで外に出るとサンダースの飛行機であるC-5M がやってきて道路へと下降していく。それと同時に後方のハッチが自動で開いた、すると。

 

 ガガガガガガガガ…ガゴッ!! バサッ!!

 

 大洗の戦車が落ちてきて、地面にぶつかる数十メートル前になるとパラシュートが開き、傷一つ着くことなく着陸した。

 

『ちゃんと届けたわよ! この貸しは大きいからね』

「大きいって…河嶋さん小山さん」

「ああ、今回は本当にありがとうと言ったほうが良いな」

「そうだね桃ちゃん」

 

 ケイの言葉に小山は苦笑いしながらも、2人に向けて言うと桃と柚子は冷静に言うが、柚子が言った『桃ちゃん』に彼女は「桃ちゃんと言うな!」と反応する。

 

 今日中に戦車が帰ってきたことに、みんなは安心した。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 次の日、風紀委員であるみどり子による出席をとる…が『風紀委員』と言う役割がない彼女たちはやる気のない言葉で出席をとり解散となった。

 それを見た伊江と最上は「風紀委員、大丈夫」と心配する。

 

 その日勇樹は杏と一緒に、霞ヶ関の官公庁前に来ていた。

 

 

「会長、ここが官公庁ですか…東京にあるのかと思いました」

「勇樹ちゃんがそう言うのは初めてだね…ま、そっちの世界とは少し変わっていると思うけどね」

 

 驚く勇樹に杏は冷静に答えると「それじゃあ、役人に話しするか」と言うと、彼は「そうですね」と答えて、中に入ろうとした…すると。

 

 

 

「おや、君たちは確か大洗の…」

 

 

 後ろから声がしたため振り向くと、顔が(若干)潤っている役人、学園艦関係の文武科学省側の窓口を務めている辻簾太がやってきていた。

 それを見た2人は「ん?」と目を丸くしていた。

 

「えっと…そちらこそどうして。それよりも…その紙袋は?」

「え、ああこれは長野県のお土産『軽井沢たると』でして、疲れをいやしに行くついでにこれを買いに『待て待て待て待て』っ?』

 

 突然の事態に2人は混乱し、辻の発言を止めるように動かす。

 

「ま、待って…長野に行っていたってことは」

「あたしたちの学園艦が廃校になっていたのは知らなかったようだね」

「大洗の学園艦が廃校…廃校?!」

 

 杏の言葉に辻は驚くと、勇樹は「これはただ事じゃねえな」と冷静に言う。

 

 

「役人さん…その時に質問ですが、廃校になるときあなたはどこに」

「ど、どこにって…確か諏訪大社に行っていたはずだ」

 

 勇樹の質問に辻は答えていると、彼は「ここからだとバスで行けるが、会長の話は確か」とメモを使って時間と距離を書き出す。

 

「やはり役人の言う通り長野にいた可能性が高い、だとしたら…会長と話していた人は一体…?」

 

 勇樹がそう言っていると、辻は「それよりも」と彼は杏と話をする。

 

「学園艦が廃校になったということは、本当か? 許可状がないといけないのに」

「誰かがやったとしか言えない? 例えば…直筆のサインとか」

 

 杏の言葉に辻は「直筆…そう言えば」と何か心当たりがあったのか2人に言い始めた。

 

「直筆と言えばだが、大洗の廃校が断念し江から3日後…ちょうど週末辺りにだが、不審な人がいたな。サインをしてくれって」

「その時、人物は」

「3人組だったな、顔はよく覚えていないが声枯らして女性…だな」

 

 辻の言葉に勇樹は「もしかしたら」とある人物が浮かんできた。それは。

 

 

 

 

 

「小春田の仲間…可能性はあるな」

 

 

 

 彼の言葉に辻と杏子は「え」と目を丸くする。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 勇樹と杏が霞ヶ関に言って言える間、あんこうチームは太田と福音、桜と一緒に戦車に移動していた。その理由は。

 

「まさか戦車でコンビニに行くなんて」

「とっておいた戦車の免許証が、ここで役に立ったな」

 

 麻子はそう言いながら戦車の操縦をしていると、福音は「すごーい!」と目を光らせている。

 

「麻子ちゃんって成績ゆーしゅーなんだ! ふくねは成績がいまいちなんだ…むぅ」

「それだったら今度教えようか、少しぐらいならわかると思うが」

 

 麻子の言葉に福音は「え、いいの!? ありがとう!」と目を光らせて麻子に抱き着くが、太田が「運転中に駄目だよ」と彼女の服を掴んで離す。

 

「そう言えばみほさん、みなさんは確か転校手続きをとらないと…」

「あ、そう言えばそうだったね。お母さんに相談しないと」

 

 百合子の言葉に沙織は反応すると、華も「そうですね」と答える。

 

「わたくしは水戸市、沙織さんと麻子さんは大洗。優花里さんは土浦市でしたね…みほさんは」

「あ、私。熊本に戻らないと」

 

 華の言葉にみほは戸惑っていると、桜は「それよりも」とある事を言いだす。それは…。

 

 

 

 

 

「いまボコミュージアムの看板が見えたけど、気のせいかしら?」

 

 

 

 

 桜の言葉に、みほは「え、麻子さん後ろに!」と指示を出すと、戦車は停止すると同時に後ろに動き。看板を見かける。その看板には。

 

 

『ボコミュージアム 500m先右折』

 

「ボコミュージアム…?」

「500m先右折って、近いわね」

「結構古いね…作ってから数十年ほどかな?」

 

 華、桜、太田の言う通り。看板はボロボロで今にも崩れそうな雰囲気を出している。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 ボコミュージアムは一体何か気になったので、コンビニからいったん外してそこに行ってみると。確かに建設物はあった…が。

 

「ふっる!!」

「清掃まともにやっていないね」

「修復していないから、脆くなっている」

 

 太田、沙織、麻子の言う通り、脆くなっていつ崩れてもおかしくない状ようになっている。

 誰もが入れなそうな雰囲気に引いていたが、福音とみほだけは別であった。

 

「これがボコなの? かわいいっ!!」

「でしょでしょ! 福音さんもわかってくれてうれしいです!」

 

 福音とみほのボコの輪に、みんなは「わかるのかな?」とジト目で見ている。優花里は「さすが福音殿です」と驚きの反応をしている。

 

「入り口は…あ。あった」

 

 太田は入り口を探していると、看板を発見した。せっかくなのでみんなと一緒にボコミュージアムは何かと思い、入っていくことにした。

 そして、入り口でみかっけたのは。

 

『おう、よく来やがったなお前たち!』

「大きいボコ…」

「いきなりしゃべったことに驚かない?!」

 

 1m程ある大きなボコにみんなはジト目で見ていたが、沙織だけはツッコミを入れる。

 みほと福音は「わぁあ、なまぼこだぁ」と目を光らせてみていた。それを見た太田は「どこが可愛いのかな」と心の中から考え込む。

 

「パンフレットは…あ、あったわ」

 

 桜はパンフレットはどこにあるか探していると、ボコの後ろにあったことに気づき、1枚手にしてマップを見る。

 

「古いけど一応発電はあるから完全に廃墟ではないよ」

「そうだな…落ち着くところがあるといいが」

 

 太田と麻子はボコミュージアムを見て言うと、沙織は「そこなの」と2人をジト目で見る。

 

「この先にアトラクションがあるわ、入場料は必要だけど安心するほどだから、大丈夫よ」

 

 桜の言葉に太田は「そうなんだ」と言うと、みんなはみほと福音を連れていくことにした。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「イッツ・ア・ボコワールド、ボコ―デッドマンションにスペースボコテン…」

「な、何がよかったのかしら…」

 

 3つのアトラクションに太田と桜は、まるでこの世の終わりではないかと思うほど瞳には光が入っておらず、会場のベンチに座っていた。

 彼らは一度、ボコが何かして毛てくるのではないかと思っていたが。ボコがあっちこっち飛び回っていく光景にガッカリし。あきれる光景が何度もあったためもう疲れていた。

 そして今は、『ボコショー』と言う会場にあるベンチに座っている。

 

「このこのっ!」

「やっちまえー!!」

 

 ボコを他の動物たちがぼこぼことやっつけている光景に、みんなは「やられっぱなしだ」とジト目て見て呟いていた。だが。

 

「「頑張れ、ボコ―!!」」

 

 応援をしていた、みほは長年ボコのファンだが福音は(勉強以外の)話を聞いたらすぐに覚えるタイプなのですぐに行動する。

 誰もが「この2人以外ボコファンはいるのか」と思われていた…その時。

 

「「「頑張れー! ボコ―!!」」」

 

「……ん、3人?!」

 

 みほと福音と一緒に小学生ぐらいの子供がボコを応援していた。これを見ていた太田たちは、驚きの反応をする。そして、ボコは。

 

「や~ら~れ~た~…」

 

 他の動物たちにぼこぼこにされるのであった。

 それを見た沙織は「これ、ボコボコにされるからボコって言うのかな?」とつぶやく。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 会場から売店に移動し、太田たちは水を購入する。

 

「うぐっうぐっ…ぷはぁ! 生き返りますー!!」

「飲むものがあると幸せね」

 

 太田と桜はそう言うと、沙織は「そうなの?」と驚くかのように言う。しかし。

 

「それにしても…売店にしては品が少ないですね…」

 

 華の言う通り、人が清掃していないため品物は少なく。ほこりをかぶっていたり箱が変色しているものがあった。

 そんななか、福音とみほはボココーナーで何かを探していた。それを見たいた太田は「何探している?」と言うと2人はこう答えた。

 

「ボコの服! これ限定でほしかったんだー!」

「あ、それでなんだ…みほさんは」

「えっと、マスコットのなんだけど…あった!」

 

 福音はボコをイメージをした服が売られていたため、それを購入しようとしていた。それを見た太田は苦笑いしみほは何を買うか聞いてみた。

 みほはボコの小さなぬいぐるみを探しており、それを見つけた。かごには『残り1つ、激レアボコ』と書かれていた。

 

「よかった、あと1つで」

 

 みほは安心してボコを購入しようとしたその時、横から他の人が手が伸びてきた。

 

「「あ」」

 

 2人は誰かと思って見てみると、その子は会場で出会った例の小学生。彼女もこれを購入しようとしていたようだ。

 

「…これ、大好きなの? よかったらあげるよ」

 

 みほは激レアボコを小学生にあげると、その子は「え、でも」と言うが彼女は「大丈夫だよ」とほほ笑む。

 そして、小学生は「あ、ありが…とう」と小さな声で言うと、その場から去っていき。レジに向かっていった。

 

「あの子、さっきの会場で」

「うん、ボコが好きなんだね」

 

 沙織と太田はさっきの会場で出会ったことを思い出すと、麻子が「そう言えばいたな」と答える。

 桜は「あの子、どうしてここに」とつぶやいて考えていると、華が「あら?」と何かに気づいたのかあたりを見渡している。

 

「華、どうしたの?」

「はい。福音さんがいないことに気づいて」

 

 沙織は華に向けて言うと、彼女は「福音がいない」と言葉にみんなはあたりを見渡すと、福音はいなかった。

 

「あれ、これって」

 

 すると、太田の手には例の服とお財布が入っていた。財布の上には。

 

 

『先に行っといて。あの子、気になっているから

                    福音より』

 

 

 

 それを見た太田は「全くもう」と困ったかのように言うが、彼の表情はそれとは逆に微笑んでいた。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「わ、私と同じ人が…いたんだ」

 

 外に出て少女、愛里寿(ありす)は自分以外にボコが好きな人がいた人にうれしく微笑んでいる…だが、彼女は思春期なのか人見知りなのか、あまり他人に話すことはできない。障害でもないのに。

 正直、自分の母以外話したい人がいれば。私もうまく話せるのに…と彼女がそう思った、その時。

 

 

「やっほー! 少しいいかな?」

「え…」

 

 

 後ろから声がしたため愛里寿は振り向くと、福音が立っていた。彼女は「え」と驚こうとしていると福音は「あ、これどうぞ」と紙袋を彼女に渡す。紙袋には何かが入っていた。

 

「お話、してもいいかな?」

「え…えっと…うん」

 

 福音の言葉に愛里寿は戸惑いながらも、話をすることにした。

 

 

 

 数十分後…

 

 

 

「そうなんだ…それであなたたちは」

「うん、信じるかどうかはふくねは分からないけど。私は愛里寿ちゃんのことは信じるよ!」

 

 愛里寿と福音は友達になったのか、仲良く話していた。すると。

 

 

『おーい、福音ちゃーん!』

 

 

 

 Ⅳ号H型から太田の声がしたため福音は「あ、もう行くんだ」と反応する。そして。

 

「それじゃあ愛里寿ちゃん、また会おうね!」

「あ…はい」

 

 福音はそう言ってⅣ号H型に向かって乗り込み、移動していく。

 

 

 

 

 その少女「愛里寿」は、ある場所で再開することは知らずに。



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第29話『事件詳細整理と挑戦状』

 官公庁、『文部科学省学園艦教育係』内。そこには角谷杏、辻簾太、石川勇樹が何かを確認しあうように電話やメモを使って調べていた。

 中にいた職員らも、彼らの行動に呆然と立っている刹那、辻が「少しは手伝え!」と指示を出して職員らも手伝うことになった。そして数十分後…。

 

「そうですか、ありがとうございました」

 

 辻が電話で何かを確認し、受話器を置くと勇樹は「やはり騙されていたな」と確認するかのように言いだす。

 

「大洗の学園艦を廃墟させるには許可証が必要、本来なら廃校になる予定だが辻が廃校取り消しとなったため」

「計画変更か…それで旅行に行く前にサインで文章の癖をコピーして」

「私の代わりに…廃校にしたわけか」

 

 3人はそう言っていると、職員の1人が「もしかして…偽造ですか?!」と言うと勇樹は「はい、可能性は高いです」と答える。

 

「だけど、どうして大洗を狙ったんだ? そこがわからないが」

「私もだ、学園艦なら他があるのにそこを狙うのが…」

 

 勇樹と辻がそう言っていると、杏が「それよりも」と真剣に言いだした。

 

「小春田は大洗の学園艦を狙っているのは事実だね…」

 

 彼女の言う通り、小春田は大洗の学園艦を狙っている。しかしなぜ大洗の学園艦を狙っているのかは不明。

 彼らはそれを考えていると、辻が「とにかく」と言いだした。

 

「この件は流石に見逃すことはできない、いや大変な事件になりかけている。事情は私が」

「そうだね、こっちは西住のお母さんに話してみる。ね、勇樹ちゃん」

 

 杏の言葉に勇樹は「は、はい」と答える。西住との唯一の通信者でもあり経過報告者でもあるからだ。

 

「そうですね、 今から行くと…本日は難しそうですね。明日から『何言ってんだい』…え」

「あたしを含んでじゃなくて、勇樹ちゃんだけ言って来ればいいよ」

 

 杏の言葉に勇樹は「そうですね…」と冷静に答える。そして。

 

「先に行っています。会長は皆さんに、役人さんはこの事件を出来る限り外に漏らさないように」

 

「りょうかーい」

「あ、ああ」

 

 勇樹の言葉に2人は答え、急いで部屋から出る。そして数秒後、役員は「あれ」とある事に気づく。

 

 

「なんで私は彼の指示を聞かないと…?」

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 熊本県熊本市、みほは転校手続きのため熊本に帰宅している。茨城から熊本までフェリー船『さんふらわあ』に乗り、港から西住流前までバスと徒歩で移動して扉の前まで来ていた。

 黒森峰の優勝を逃す行為、いくら母や姉が許されたとしても、先代には裏切り行為だと思われる。それは自分にとって本当によかったのか…そう考えていた、その時。

 

 パラパラパラパラパラパラ…

 

「え…?」

 

 プロペラの音が突然したため、何かと見上げると。ヘリコプターが西住家に向けてやってきていた。

 ヘリはそのまま敷地内に入ると降下する音と同時に停止する音がし、そのまま動く音はしない。

 みほは急いで門から中に入り、庭まで行くと『島田流』と書かれたヘリが近くに停止していた。

 

「島田流…どうして?!」

 

 みほはそう言いながら慌てて室内を見ると、勇樹としほ、まほ率いる黒森峰の生徒が資料を見ていた。

 

「お母さん! お姉ちゃんに勇樹さん!」

「みほ…これには事情が」

 

 勇樹はみほに話をしようとするとまほが「私が話す」と言いだす。

 

「みほ、お前たちの学園艦を廃校にした人がわかった…だが」

「相手は元黒百合の生徒…小春田日和なのよ」

 

 まほとエリカの言葉にみほは「え、日和さんってあの…!!」と驚く。驚くのも仕方がない、何故なら彼女は昨年の決勝を妨害し、西住流と黒森峰を襲った犯人だからだ。

 

「でも、どうして私の学園艦を…同機はこの前話ていたんじゃ」

 

 みほの言う通り、日和がこの事件を起こした動機は『戦車道が嫌い』『みほがいなければ自分は副隊長に慣れていた』。

 誰もがその言葉に頭の中に刻み、嫌でも覚えている…だが勇樹が「それなんだが」と言いだした。

 

「実は怜雄からの話によると、『汽車と船の設計図が部屋にあった』と『防水性に優れた特殊カプセルと防水性が高いテープがあった』と言っていました」

「カプセルとテープ…船なら大洗だというのはこの資料に乗っているけど、どうして…」

 

 勇樹の言葉に生徒の一人が「それなんだけど」と言いだした。その生徒は、ヤークトパンター車長でありあだ名が「直下」の『小島エミ』であった。

 

「もしかして、その少年…じゃなくて、勇樹が乗っていたあの汽車では? 水中に優れたということは非常に丈夫だと」

「それなんだが…爆発で壊れてしまった」

 

 勇樹の暗い言葉にエミは「あ」と冷や汗をかく。すると三号戦車車長である『根倉望音』が「それだったら」と言い出した。

 

「先ほどのカプセルでスクリューを付けて遠くに行くとしたら…どこかの地方へと」

「それだったら輸送車の中に入れることが多いよ、回線物に巻き込ませることでばれ難くすることが出来るしな」

 

 勇樹がそう言うと、望音は「あ、そうか」と反省する。そしてしほが「とにかく」と言いだす。

 

「今は学園艦をどうやって取り戻すかです、犯人は分かりました。ですが本当の動機が」

「これにあるってことですね…それが厄介なんだ」

 

 勇樹がそう言うと、しほは「そうですね」と答える。そして勇樹は「ところで」と言いだす。

 

 

「私の隣にいるこの女性は誰ですか」

 

 

 勇樹の言葉にみんなは一斉に向くと、クリーム色のロングヘアをした女性が正座していた。

 

「島田千代…あなたも来ていたとは」

「あら、それは少しひどいじゃない? しほさん」

「いいえ、別そこまで行っていませんよ」

 

 西住流の師範である西住しほと、島田流の師範である島田千代の間に火花が散るのをみんなは漢字、後に引き下がる。

 するとみほが「あの」と言いだす。それを聞いたみんなは一斉にみほを見ると、彼女は紙を出してしほに渡す。それもそのはず、何故なら。

 

 

「転校の…手続きをお願いします」

 

 

 

 それを見たみんなは「あ」と気付き、しほはそれを受け取るとサインと印鑑を押して彼女に渡す。

 

 

「はい…それとみほ」

「え、お母さん?」

 

 しほの言葉にみほは反応すると、彼女はみほに抱き着いた。そして。

 

「無理なことはしないで…心が折れそうになったら、私に相談して」

「お母さん…」

 

 しほはそう言うと、みほから離れて勇樹に「勇樹さん」と言いただした。

 

「彼女の護衛、小梅さんとお願いします」

「わかりました、小梅さんに伝えときます」

 

 勇樹はそう言うとみほを連れてヘリに行き、千代が「では、ごきげんよう」と言いながらヘリに乗って去っていく。

 

 

「正直には言えない人ですね…」

 

 

 しほはそう言いながらヘリを見ると、ヘリはそのまま北東北方面にに向けて発進していった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 そして夕方、勇樹とみほは急いで廃校に入っていくと、百合子が「あ、勇樹君。みほさん! こっち」と彼女が手を招いたため急いでいくと。会長が何か重要なことを言っていた。それは。

 

「みんな、小春田から挑戦状が届いた。ご丁寧に手紙でだ」

 

 会長はそう言うとみんなはざわつき始める。そしてポケットから1通の手紙を出す。

 手紙には『挑戦状』と書かれていた。

 

「内容はこう書いている。『3日後、北海道の廃墟で使用されていない遊園地を含む敷地内で対戦を行う。のちの情報は後から送る』と」

「北海道って…確か黒百合の?!」

 

 沙織の言葉に華は「そう言えばそうでしたね」と答える。

 

「でもどうして対戦場所を黒百合に…それ以外に情報は?」

「残念だけど手紙には『のちの情報は後から送る』と書いているだけだよ。詳しくは分からない」

 

 小梅の言葉に会長は答えると、伊江は「そう言えば」と思い出したことを言いだす。

 

「小春田以外に、仲間はいるんじゃないか。いくら小春田がやったとはいえ一人だと限度がある…」

 

 

 伊江の言葉を聞いたみんなは「確かに」と同時に答える。すると勇樹は「それもそうだな」と思うと同時に、話を遮るかのようにこう言った。

 

「怜雄から情報が手に入った、しかも今回は大きいぞ。黒百合から消えた生徒の情報」

「それってまさか!!」

「ああ…小春田と共に行動をしているメンバーがわかるはずだ」

 

 勇樹の言葉に秋山は「それは大きい手掛かりです!」と答える。



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第30話『作戦会議と通信と学園十色…いえ、他学園百様です!!』

 決戦の場である北海道にさんふらわぁで移動して、専用のトラックで移動して十数時間後…。苫小牧市に到着した。

 大洗の戦車道のみんなはそこに着くと、かまぼこ型宿舎へと案内される。

 

「ここが宿舎…なんだかどこかで」

「かまぼこみたいだね…」

「日本語ではかまぼこ兵舎とも言いますよ。これがあるのは驚きました!」

 

 勇樹と沙織は宿舎を見たまんま言うと、優花里は興奮しながら解説する。

 それを言っている間に、伊江が「おーい、早く来い」と言われたため3人は急いで入っていき、あんこうチームを先頭に全チームが揃い、作戦会議を始める。

 

「では会議をします、勇樹さん」

「わかった、役員から対戦相手の情報と挑戦状の詳細が届いた。これだ」

 

 みほは勇樹に向けて言うと、彼は資料と手紙を広げてみんなに見せる。

 

「黒薔薇…これは私たちのところではない学園だな…」

「これって勇樹さんの?」

「ああ、黒薔薇女学園と言う闇の学園でな、最も過酷な学園ブラック入りとして有名だ」

 

 河嶋と小梅は彼に向けて言うと、勇樹は黒薔薇のことを解説すると、みどり子が「ブラック入りするほど、危険ね」とつぶやく。

 

「それで勇樹ちゃん、相手をどうやって倒すの?」

「あいつらはセコイ事と汚いことをするのが得意だからな…今のところは…」

 

 杏の質問に彼は答えると、みんなはうなだれるかのように黙る…すると。

 

「だけど、相手は黒薔薇だろ…聞いた話によるとどうやらどうやら相手は見えないところでやるだろ…だったら」

「こっちは見えるようにすればいいってことか」

 

 お銀と祝井の言葉に勇樹は「確かに…」とつぶやくと、みほも「そうですね」と答える。そして。

 

「今は勇樹さんとこの資料の情報で作戦を各自考えましょう」

「同感だ、オレもどうにかしないと…」

 

 2人がそう言っていると、伊江が「突然だが」と言いだした。

 

 

「オレたちもできる限り手伝いをする。みほ、勇樹」

 

 

 伊江の言葉に2人は見つめると、「そうだね」と答える。

 

 

「伊江、お前たちに少し手伝いたいことがある…それとだけど」

「みなさんもできる限り無理のない練習と対策をしてください」

 

 

 2人の言葉にみんなは「わかりました!」と答える…すると百合子が。

 

 

「あの、奈々ちゃんと天女さんがいませんが」

「あ、あの2人なら―」

 

 彼女の言葉に杏が答えようとしたところ、扉が開くと同時に奈々と天女が入ってきた。

 

 

「遅れてすみませんでした」

「事情により集合する時間がずれてしまいまして」

 

 

 奈々と天女がそう言うと、みほは「あ、気にしないでください」と答える。

 

「奈々と天女も、伊江と手伝って欲しい。明日の件で」

「はい、わかりました」

「ええ、もちろんです」

 

 勇樹の言葉に2人は答えると、杏は「それじゃあ、本日は解散。みんな個別訓練等しよう」と同時に、みんなは個人練習と対策をし始める。

 

 バレー部は戦車のミニチュアを使い相手の戦車をどうするか対策をし、歴女は戦車のゲームで相手の行動を出来る限り叩き込み。オンライン戦車ゲームは基礎体力を鍛え、風紀委員は服を畳んで明日の準備などをしている。

 1年生は戦車の映画を見てそこから知識を学び、自動車部はポルシェティーガーを修理と同時に何かを改造し、船舶科は燻製を作り明日に備えて食料を作っていた。

 登山部は山や平原などを調べて移動しやすさなどを解析し、お祭り部は戦車の資料を見て相手はどんな戦車を用意しているか勉強をしていた。

 

 そして、あんこうチームと生徒会は…、戦車を修理しつつ無理のない行動をしていた。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 大洗のみんなが訓練している頃、隣のかまぼこ宿舎には大量のガラクタ品と球体上のタイヤが付いた機械が揃っていた。

 

「壊れていないのはこれぐらいだよ。でもどうやって」

「時間はないから今回は夜漬けになる可能性が非常に高い。前田さんたちにも手を貸してもらうが、これは厄介だ」

 

 太田の言葉に勇樹は答えると同時に、彼がしているカバンから設計図を出す。それを見た太田は。

 

「え゛、これをまさか一晩で!?」

「ああ…だがオレたちでだ」

 

 勇樹はそう言うと、前田達に「準備はいいですか!?」と言うと彼女たちは「もちろんだよー!」と答える。そして。

 

 

「それじゃあ…メカ改造開始だ!!」

 

 

 勇樹はそう言うと同時に、カバンから工具を大量に出してメカを修理し始めた。

 それを見た太田は「全くもう」と苦笑いする。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 彼らがそうしている中、海洋沖では1隻の学園艦が北海道に向けて移動していた。その学園艦は。

 

「ペコ、情報を」

「はい、今送信しています」

 

 聖グロの戦車道リーダーであるダージリンと装填手のオレンジペコ、彼女はオレンジペコにモールス信号で他の戦車道に伝えている。

 

「秋の日のヴィオロンのため息」

 

 

 

 ところ同じく、上空ではサンダースのC-5M が飛んでおり、アリサがペコからの情報を解析していた。

 

「ひたぶるも身に染みて」

 

 それ以外にも、 海面ではプラウダのオバークラフトが北海道に向けて発進している。中にはノンナがペコからの情報を解析しつつカチューシャに伝えている。カチューシャはボルシチをおいしく食べていた。

 

「北の地にて飲み交わすべき」

 

 上空では黒森峰の飛行船が潰瘍を超えて移動している。エリカは舵を握って操縦をしており、まほはペコからの情報を読み上げていた。

 

「熱い紅茶ですね」

 

 上陸では、知波単のマークが付いたK-2型の蒸気機関車が走っていた。ペコからの情報が書かれる電文を彼女は読んでいた。

 

「紅茶…飲んだことないんだよなぁ」

 

 西は一度は飲んでみたいかのように呟いた。

 

 ソシテ、野原の中では継続高校であるミカ、ミッコ、アキが暖を取っていて、ペコからの情報が書かれている電文をアキが呼んでいた。

 

「刹那主義には賛同できないね」

 

 電文を読み上げたアキに、ミカは文句を言うかのように言うと同時に、カンテレを鳴らした。

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 それと同時に、海中ではある学園艦が北に向けて移動していた。その潜水艦には六角形の形をしていて、真ん中に切れるが入っており。右は青色とBで左は赤色とCが描かれている、

 

「それが、例の情報なの砂辺」

「はい、なおこれは嘘の情報による可能性がありますが、ここに毎回来られる彼女によると事実です」

 

 砂辺の言葉にクリーム色の縦巻きロングヘアーの少女は「そう」と答えると同時に、モンブランを食べる。

 

「それじゃあ、急いでいきましょう。これ以上めんどいことは多くしないでほしいわ」

「わかりました」

 

 少女の言葉に砂辺は部屋から立ち去っていく。それと同時に少女は目線を空に向けると同時にこう言った。

 

 

「奈々、あなたは一体何者かしら?」

 

 

 潜水艦が移動すると同時に、地上では複数のトラックが移動していた。そのトラックには青い円の中に赤色の楯が書かれており、中央には黒色の太い線にロシア語が書かれていた。

 そのトラックに1台には、青色の制服に胸が目立つ生徒がいた。

 

「エル隊長、聖グロリアーナからの電文は子のようになっておりましたが、信じてもいいでしょうか?」

「事実かどうかわからないけど、あの大洗がピンチになっているのよ。誰が助けなければいけないのよ」

 

 エルという少女がそう言うと、生徒は「確かにそうですね…わかりました」と答える。

 

 

「さて、今年優勝した大洗さん。この現状、手伝ってやるわよ」

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 当日、みほの目の前には対戦相手である小春田と1人の少女がいた。その少女は。

 

「(あの人は、資料に乗っていた生徒…でも黒薔薇の生徒ではなく早乙女流の生徒…名前は早乙女一行)」

 

 みほは困惑しながらも、昨日見た資料を思い出しながら進んでいく。しかし今回の試合は困惑を超えるほど厄介なことが起きていた。それは。

 

 

 

「結局、勇樹さんたち来なかったね…」

 

 

 沙織の言う通り、今回参加するはずの石川勇樹率いるカンガルーチームが来なかったからだ。

 河嶋は怒るどころか逆に心配している、彼がおらず美保だけで行けるかどうか…正直そこが心配しているからだ。

 

「(山地におびき寄せて攻撃する方法もある…でも相手は私たちよりも多い戦車。分割していくのもあるけどどうやって…)」

 

 みほは対策を考えながら前に進み、小春田と一行の前に止まる。

 それを確認した蝶野教官は彼らに声をかける。

 

「それでは大洗女子学園対黒薔薇女学園の試合を始めます。礼」

 

 蝶野教官の言葉に、みほは決心したのか、キッと顔を上げ声を出す。

 

「よろ―」

 

 「よろしくお願いします」と声を出そうとした…その時。

 

 

 

 

 

 

『待ったあああああっ!!』

 

 

 

 突然、まほの声があたりに響いたため、何かとあたりを見渡すと。ティーガーⅠ、Ⅱ。パンター2両がやってきた。

 

「あれは…お姉ちゃん?」

 

 みほは突然現れた戦車に驚いていると、戦車は停止しまほとエリカらが下りてきた。その二人が来ている服は黒森峰の制服ではなく、大洗女子学園の制服を着ていた。

 

「大洗女子学園、西住まほ」

「同じく逸見エリカ」

「以下18名、試合に参加する」

 

 2人はそう言うと同時に、ある紙を見せた。その紙には『交換留学のため、短期転校』『日本戦車道連盟 特別許可証』と書かれていた。

 

「短期転校の手続きは済ませてきた」

「日本戦車道連盟の許可も取り付けているわ」

 

 2名はそう言うと、みほは驚きながらも笑顔に変わる。

 

「お姉ちゃん、エリカさん…ありがとう」

 

 

 黒森峰が参戦したことに小春田は驚き反論する。

 

「戦車を持ってくるのは反則ですわ!! 卑怯ですわ!!」

 

 小春田がそう言っていると一行は「いいじゃないか」と言いだす。

 

「オレらだけ有利なのは不利だからな…少しは平等にするのも悪くないな」

「って、えええええ…」

 

 一行はそう言いながら微笑み、それを見た小春田はあきれるのであった。

 だが、来たのは黒森峰だけではない。

 

 

 

 ガガガガガガガガ……

 

 

「この音は!!」

 

 特徴のあるエンジン音に、優花里は反応しある方向に向くと、M4シャーマンとM4A1、そしてシャーマン・フライが現れた。

 この所有している戦車がもちろん、サンダース大学付属高校が所有している戦車だ。

 

『私たちも転校してきたわよ!』

『今からチームメイトだから』

『覚悟していなさい黒薔薇女学園!!』

 

 ケイ、ナオミ、アリサの声がスピーカーから聞こえると、典子は「サンダースが来た」と大喜び。

 

「黒森峰とサンダースの皆さんが参加して下さるなんて!」

「鬼に金棒ね!」

「または虎に翼だ…む」

 

 優花里は目を光らせて、沙織の言葉に麻子が付け加えて言うと。今度は反対方向から音がしたためみんなは音がしたほうに向く。

 そこに現れたのは、T-34/85が2両とKV-2、ISーⅡが現れた。これはプラウダ校が所有している戦車だ。

 

「もう、一番乗り逃したじゃない!」

「それは分かります、ですがカチューシャが寝坊するからです」

 

 カチューシャが起こる中、ノンナが言った言葉に彼女は「うぐっ!」と図星を指される。

 

「まぁ、来たくて来たわけじゃないからね」

「でも一番乗りして、かっこいい所を彼女たちに見せたかったんですよね?」

 

 照れるカチューシャにノンナが追い打ちをかけるかのように言うと、カチューシャは顔を真っ赤にして「ノンナうるさい!」と答える。

 そしてプラウダと並ぶかのようにやってきたのは、チャーチルを中心にやってきたクレセイダーとマルチダⅡ。これはもちろん聖グロが所有している戦車だ。

 クレセイダーに関してだが、スピードを上げたり下げたりして進んでいるため、落ち着きがない状態になっている。

 

「やっぱり、試合にはいつものタンクジャケットで挑みますか」

「じゃあなんで大洗の制服揃えたんですか?」

 

 ペコの質問にダージリンは「簡単よ」と答える。

 

「皆着てみたかったんだって」

 

 それを聞いたペコは「そ、そうですか」と返答する。

 

「プラウダと聖グロリアーナのも!」

 

 みほは驚くかのように言うと、今度は小さな音が鳴り響いてくる音がしたため、あたりを見渡すと、CV-33が高速でやってきた。これはアンツィオ高校の所有する戦車だ。

 

『大洗諸君! 祝詞勢いとパスタの国からドゥーチェ参戦だ! 恐れ入れ!!』

『いやー、今度は間に合ってよかったっすねー』

 

 CV-33に搭載しているスピーカーから、アンチョビとペパロニの声が響いた。

 

『カバさんチームの貴ちゃーん、助けに来たわよー』

 

 すると今度はカルパッチョの声がしたため、貴ちゃん基カエサルは「ひなちゃん!」と反応する。

 だが、それを見ていたエルヴィンたちはにやにやとカエサルを見ていたため、彼女はそれに気づき目線をそらす。

 

「か、カエサルだ!」

 

 カエサルがそう言うと、今度はBT-42がゆっくりとやってきた。

 

 

「こんにちは、継続高校から転校してきました」

 

 マイクを使ってアキはそう言っているとミカはカンテレをしていた。彼女たちも大洗の制服を着ていた。

 

「なんだかんだ言って、、助けてあげるんだね」

「違うよ、、風と一緒に流れてきたのさ」

 

 ミカはそう言うと、今度は大量のエンジン音が響いたため、一斉に向くと。知波単の戦車が22両現れた。

 

 

『お待たせしました!! 昨日の敵は今日の盟友、勇敢なる鉄獅子二十二両。推参であります!!』

 

 知波単の隊長である西絹代がそう言っていると、聖グロからダージリンの声がした。

 

『増援は私たち全部で二十二両だって言ったわよ、あなたのところは六両』

「すみません、心得違いましたー!!」

 

 ダージリンの言葉に、絹代は答えると。後方車両に向けてこう言った。

 

「十六両は待機してくれ!!」

 

 

「これで勝てるかも…」

「私たちに勝利の風が」

 

 それを見ていた河嶋と小屋は喜びの笑顔で見ていると、小春田は「ふふふふ…」と不気味な声を漏らす。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「わたくしたちだって…それぐらいの想定は分かりますわよ!!」

 

 小春田はそう言うと同時にポケットからリモコンを出してスイッチを押した。すると。

 

 

 ドガアアアアアッ!!

 

 

「な、なに!?」

「爆発!?」

 

 

 驚くみほたちや一行たちは、あたりを見渡すと、黒薔薇の生徒の後ろにある丘から爆発音がすると同時に、数種類のも何かが現れてきた。

 それは、鹿型のメカに海亀型のメカ、豚型や時計型に宝石箱型のメカが現れた。それらのメカの足にはキャタピラが付いている。

 

「増援してくるならば、こちらも増援を用意しておきましたわ!」

「…いいのか、それをして?」

「いいですわよ? 相手が増援するなら少しぐらいなら増援しますわ」

 

 小春田の言葉に、一行は「そ、そうか」と戸惑いながら納得する。

 それを見た河嶋は「ああ、今度こそ終わった」と体が白色に変色し、小山は「も、桃ちゃん!」と慌てて支える。

 これで、すべてが決まる。そう思ったみほ……だが。

 

 

 

 

 

「ちょっと待ったーーーー!!!」

 

 

 

 

 開始を遮るかのように、突然男性の大音が辺りに響いた。

 後ろから聞こえた声に、みほは思わず振り向くと。そこには戦車……いや、戦車と何かがやってきた。

 その何かとは、大型のマンモス型をしたロボットと、射器型の姿をしたメカとケーキの姿をしたメカがやってきた。

 

 

 それを見たみんなは、いったい何者か分からず騒然している。

 するとマンモスの頭が開くと、そこから見覚えのある人物が出てきた。それは。

 

 

「ゆ、勇樹君!?」

 

 

 大洗の制服を着た青年、石川勇樹がマンモスの頭から出てきた。

 

「勇樹君がどうしてここに~?」

「もしかして、助けに来てくれた!?」

 

 桂里奈がそう言うと、みんなは「なるほど」と納得する。

 

「でも、あれなんだろう?」

「マンモスかなぁ? でもあの車って」

「注射器と、ケーキ?」

 

 とうぜん、勇樹たちが乗ってきたメカみんなは疑問を抱いている。

 そして、マンモスが停止すると注射器型のメカとケーキ型のメカそれに合わせるように停止する。マンモスから勇樹と百合子が降りる。

 

「大洗女子学園、石川勇樹」

「同じく、佐々木桜」

「同じく、太田陽」

「以下約20名、試合に参戦する」

「もちろん、このメカは官公庁からの許可が出ている」

 

 勇樹と百合子はそう言っていると、彼女の懐から1枚の紙を出した。

 その紙には『試合のために用意した許可書』と書かれている。

 

「で、でもどうして?」

 

 みほは理由を言うと、伊江が出てきて「理由は簡単だ」と解説する。

 

「相手がみほたちにかなわないほどの強力な物が用意しているからな、それに勇樹は「お前を許さない」と怒っているからな」

「なっ!?」

 

 それを聞いた小春田は驚いている。そして伊江が「今度は戦車だけじゃなく、オレらも戦うぞ!」と応戦する。

 

「え、オレらって。もしかして?」

「そうだ、もうすぐ来るぞ」

 

 勇樹はそう言いながら右に向くと、みんなはそのほうに向く。そしてやってきたのは。

 

 

 大型の文具型の車メカにカモノハシ型の車メカとトノサマバッタ型の変わったメカ、そしてモグラ型の戦車メカがやってきた

 

『やっほー、久しぶりだねぇ』

『大洗は僕たちが救って見せます』

『助け合いましょう!!』

『見ておけよ、黒薔薇の奴ら!』

 

 甘井ココアに岩田一史、庭田圭太とアイヌがメカから声がする。

 

「お、ココアちゃんじゃん!」

「一史君、みんなも!」

「圭太さん!!」

「アイヌ、私たちを助けに!!」

 

 それを見た杏たちは反応するが、勇樹は「彼らだけじゃありません」と別の方に向く。

 

 

 そこからやってきたのは、サボテン型の3輪車に西洋の仮面型の戦車。ウサギ型のレース車メカに海賊坊をしたクジラ型の戦車。

 後ろには青師団の戦車であるⅡ号戦車F型とCV33、ベルデハ2がやってきた。

 

『風紀と正義を見せつけに来たわ。みどり子!!』

『た、タスケニキタゾー!!』

『相手にぎゃふんとしに来たよー!』

『相手が大波や渦潮であろうが、あたしは見捨てないで来たよ!』

『大洗がやられたら、私たちは誰と戦えばいいんだ。助けに来たからね!』

 

 桃にアイコン、前田にホタテの声がメカと、Ⅱ号戦車F型から声がした。

 

「桃さん! あなたっ!!」

「あ、ありがとう…!」

「ありがとう!! そして、ぎゃふんとしてやろ!」

「ははっ、こいつは驚いたよ!」

 

 それを見たみどり子たちは反応すると、みほが「まさかこんなに」というが、百合子は「まだですよ」と答える。

 

 

 今度は、キャタピラが付いたティーポットと如雨露型の戦車メカに大型のタイヤが付いた海老がやってくる。

 その後ろにはBC自由学園の戦車であるルノーFT、ソミュアS35とARL44が2両ずつやってきた。

 

『ふふふ、ダージリンちゃん。助太刀しに来ましたぁ~」

『ケイさーん! 私たちもでーす!!」

『ちょっと、いきなり……こほん、皆さんごきげんよう。そして祝井さん、わたくしたちも来ましたわ』

『私も大洗と戦うためにやって来ましたのよ』

 

 それを見た勇樹は「ティーポットは薔薇野乙女学園で、植木鉢は四季七十二期高校学園、海老は私たちの先輩の階段部の皆さんです」と解説する。

 

 更に、野原をかけてきたのは。3輪のタイヤが付いたサザエで、後ろにはブースターが2つ付いている。

 それと同時に3両のCV33と2両のM41型セモヴェンテ、P40型重戦車が現れた。

 

『お待たせしました! 遅れてきましたが、わたくしたち『聖ゾディアック天文学園』、アンツィオと共に参戦しに来ました』

『全く、麗様。正直に話したらいいのに…登山部の皆さん、助太刀に来ましたわ』

『ドゥーチェの助っ人として、増援しに来たっすー!!』

 

 2人の女性の声にみんなは戸惑っているが、勇樹は「先ほど言ったとおりです」と手短に話す。

 なお、アンチョビは先ほどやってきた戦車を見て、彼女は「な、どうして?!」目を丸くして驚く。

 

 今度は足がタイヤになっている狸型の巨大な機械とT-26がやってきた。

 

『こんにちは、ボクはSNSの一寸です。継続の皆さん、よろしくお願いいたします……これでいいかな?』

『いいと思うぞ、オレは正義を表すあいつに感心するほどだからな』

『そうかな…あ、ちなみに隣の戦車祈っているのは。同じ継続高校の砲手、ヨウコさんです』

 

 一寸と名乗った少年と男性の声にみんなは戸惑っていると、伊江が「SNS基私立御伽花高校のみんなだ」と解説する。

 

 

『ぬははははっ!! 我がエリマ様がお主らを助けに来たぞ、知波単のみんな。ありがたく思え!!』

『勇樹のためであれば、私らは命をかけて助けるぞ!』

『みんなー、私たちが助けに来たよー!!』

 

 そして上空からは、3つの頭をしたわ詩型のメカとカメ型のメカにカラス型のメカが空から着陸しに来ている。

 それを勇樹は『漆黒野館学園と忍ヶ丘女学館と軽音部のみんなだ』と解説する。

 

「すごい数……でも、数が」

 

 みほはそう言いながら相手のメカと戦車を見る。彼女の言う通り、いくら勇樹たちのメカが多くても、車両としては少ない。

 だが勇樹は「大丈夫」とある方向に目を向ける。

 すると、丘からA41センチュリオンとM26パーシングなど4両とルノーFT-17、ソミュアS35とARL-44がやってきた。

 

「これって……大学選抜の!?」

「そ、福音がな「あの子に頼んだら協力するって答えたよ!」と言ったからな。ちなみに残りの3両はその親に頼んだ」

 

 勇樹はそう言っていると、センチュリオンのハッチが開くとある人物が現れた。それは。

 

 

「あ、あの子は…」

「ボコミュージアムで会った方ですね」

 

 

 沙織と華がそう言っていると、伊江が「島田愛里寿だ」と答える。

 

「愛里寿さん、どうして?」

「あなたは私の敵、でもいまは違う。あなたが優勝したことは彼から聞いている」

 

 愛里寿はそう言いながら勇樹を見る。

 

「もし大洗がなくなったら、どこと戦うかは私にはわからない」

「そうか……ありがとう」

 

 みほはそう言いながら微笑むと、彼女は顔を赤くする。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「そして…彼女たちも」

 

 勇樹はそう言って丘を見ると、黒百合の所有している戦車である、オチキスH35が2両、AMX-30とAMX-13が1両ずつやってきた。

 

「あれは黒百合の! でもどうして」

「助けに来てくれたのかな?」

「ありえるかも~」

 

 それを見た梓は驚いていると、あゆみはなぜ来たのか考え優季は彼女の言葉が当たるかのように答える。

 そして戦車は勇樹の隣に止まると、隊長の我狼院怜雄が出て、戦車に立ち上がる。

 

「あら、黒百合の怜雄がどうしてここに…助太刀にしてはカッコ悪いですわねぇ」

 

 怜雄の姿を見て小春田はあざ笑うかのように答える。それを見た怜雄は「確かにそうだな」と答える。だが。

 

「しかしそれは昔の私だ、ケガらしい姿をしてみんなのことをよく知らない…だが今の私は…今のは私は違う!!」

 

 グッ…シュルルルッ! バッ!!

 

 怜雄はそう言いながらパンツァージャケットを握るとそれを一気に脱いだ。そして今彼女が来ている服は…。

 

 

 白色のナポレオン・カラーと緑色のチノ・パンツをしており、右肩から手首までは銀色に輝く甲冑をしており右胸には白色の薔薇を付けている。

 

 

 それを見たみんなは「え、ナニコレ…」「パンツカージャケットが、変わっている」「でもどうして」とざわついていると、怜雄は「本日付けて」と言いだした。

 

 

「本日付けて私たち学園は、黒百合学園から白薔薇学園へと変える! 闇のように包む黒い百合を、閃光に輝く白い薔薇へと。私たちは進みだす!」

 

 

 怜雄がそう言うと、戦車のに施されている黒百合のマークははがれて、白色の薔薇へと変わると。他の生徒も怜雄と同じ姿へと変えていく。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「てことだ、オレらはお前らより負けないほど最強のメカと最強の仲間を用意した!」

 

 勇樹はそう言うと、小春田は勇樹に向けて「このっ!!」と睨むが、一行は「いいじゃないか」と言い始めた。

 

「そうだな、確かこれは私たちが銅弾で行動したことだな。にこのままだと大洗は負けてしまうし…よし、それを受け入れよう!」

 

 彼はそう言うと大洗連合のみんなは「よっしゃー!!」と歓喜する。だが、喜ぶのはまだ早い。

 

 

 

 この時、試合は始まったからだ。



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第31話『師範の話し合いと作戦会議』

 観客席にて…大洗に住んでいたみんなや他校の生徒。その中に紛れるかのように西住しほと島田千代が座っていた。

 

「意外ですね、あなたが彼女たちに協力するとは」

「ふふ、それはあなたもでしょ?」

 

 雷がぶつかり合うかのように両りゃはにらみ合うが、今はそれどころではない。この戦いは協力しなければ大洗は本当に廃艦になる。

 

「ふっ…しかし、今は協力し合いましょう。呉越同舟」

「敵同士が危機に陥ると助け合う…そうですね」

 

 2人はそう言いながらある方向へと一斉に向ける。その先にいたのは…。

 

 

 

 紫色の着物を着ていて茜色の帯をしている女性がいた、その帯は後ろに盗んで居らす前に結んでいた。遊女のように。

 彼女は五月女流の師範である早乙女千早、一行の親でありその実力は西住流と島田流を超えるほど。挑む者は一度もいない。

 視線に気づいた千早は煙管を一服して、彼女たちに向ける。

 

「おや、ぬしたちは確か西住流と島田流の」

「ええ、初めまして…千早さん」

「ふふ、初めまして」

 

 2人は冷静を保ちながら挨拶をすると、彼女は「灰初めまして」と微笑み返した。そして。

 

「お二人さんが、わっち『五月女流』の戦う相手でありんすか?」

 

 千早がそう言うと、2人は「はい」と答える。

 

「初めて戦う相手ですが、負けは認めません」

「そうね、島田流の名に懸けて。堂々と戦いましょう」

「ふふ、そうでありんすね。西住流と島田流。わっちと戦ってどちらが勝つか気になりんすしねぇ」

 

 しほと千代は千早に向けて言うと、彼女は嘲笑うかのように答えた。それを見た観客らは「天と地と海が終わる」と覚えていた。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 開始の礼をした後、大洗連合側はルールとして10分間の作戦会議を要求し、それを蝶野教官は許可が出た。

 森の中に用意した迷彩柄のテント。その中には各学園の隊長と勇樹がいた。

 

「では、チーム編成はこれでいいですね」

 

 みほは編成チームが書かれた黒板をみんなに見せると、みんなは「わかった」と答えた。

 

一、Ⅳ号戦車、チャーチル、CV33×2、ティーガーⅡ、Mk,Ⅳ戦車、ソミュアS35×2、Ⅱ型戦車F型、T-26、三色中戦車、T-34/85、シャーマン・ファイアフライ、KV-2、ロケット・バッター、カモノハシカー・DX、グレードキングダム・タンク。

二、ティーガーⅠ、九七式中戦車×2、九五式軽戦車、ARL44×2、AMX-13、BT-42突撃砲、三式中戦車、マルチダⅡ歩兵戦車、M4シャーマン75mm砲搭載型、M4A1シャーマン76㎜砲搭載型、タートル・エジソン、ワシべロスメカ、ラビットレーサー、スペース・チクリーン2

三、P40型重戦車、CV33×2、クルセイダー、ヘッツァー、M3リー、パンター×2、ティーガーⅡ型、九四式系装甲車TK、ルノーFT-17×2、ジョーロタンク、ブラック・クロー、Z・ティーポットタンク、クジラ・パイレーツ、車海老メカ。

四、CV35、ベルデハ2、Ⅲ号突撃砲f型、B1bis、ポルシェティーガー、IS-2、A41センチュリオン、M26パーシング×3、ワイルドモグリーノ、ブンボーガー、ケーキタンクメカ

五、T-34/85、AMX-13、M41セモヴェンテ×2、九七式中戦車、AMX-30、オチキスH35×2、ドクター・バッキンバキン

 

「思った以上に分けるのに苦労したな…だが」

「有利になる可能性はあるわね」

 

 勇樹と桜はそう言うと、ダージリンは「ところで」と言い始めた。

 

「隊長はみほさんに決まりましたが…副隊長は?」

 

 それを聞いたみんなは「あ」と目を丸くして思い出す、副隊長は誰にすればいいかと。今から肝要としたところカチューシャが「それなら簡単よ!」と言いだした。

 

「まさか、カチューシャが副隊長…それは理解できいますが」

「いいえ、私より優秀なのが1名いるじゃない! ユキーシャ!!」

 

 まほが言っているとカチューシャは勇樹に無Jけて指を指した。それに気づいた彼は「あ、オレ?!」と驚く。

 

「そうよ! あんたはミホーシャを狙う敵を推理したじゃない! それだったら、この私よりユキーシャがお似合いじゃない!!」

「いえいえいえいえ!! それは偶然ですよ! 探偵をしているとはいえ、そこまで的確には!!」

「あら、それだったらニルギルから聞いた話だと。道具を使っているとはいえ、あなたたちの力は素晴らしいと言っていたわ」

「そうだね、ハナと同じ砲手の幹子はまるでフェンシングのように冷静さがあるからね」

「それは私も同じだ! 油断した後ろからの攻撃は、我がアンツィオの隙を作ったからな!!」

 

 勇樹が拒否する言葉を覆すかのように、ダージリンとナオミ、アンチョビは答えると。勇樹はますます顔を真っ赤にして「違う違う」とつぶやき始める。

 

「あの、石川先輩顔赤くなっていますけど」

「元に戻るかな…?」

 

 それ御W見て心配していた妙子とゴモ代は心配していると、伊江が出てきて「治るぞ」とカバンから氷を出して彼の背中の裾から入れると、勇樹は「にゃっ!?」と驚く。

 

「い、伊江!! 何をしたって冷たっ!?」

「まーまー、それはさておき…みほさん、各部下の下知はどうするんだ?」

 

 伊江の言葉にみほは「それでしたら」と言いだした。

 

「私たちはひまわりチーム、ケイさんがたんぽぽチーム、アンチョビさんがあさがおチーム、ありすさんが撫子チーム、そして我狼院さんが推薦チームでよろしいでしょうか?」

「たんぽぽね、結構いいチームじゃない!」

「ほぅ、私たちが朝顔。太陽に上る意味でいいじゃないか!」

「ありがとうみほさん」

「ふむ、水仙は油断してはいけない植物…分かったみほ」

 

 みほの言葉に各リーダーは納得する、そして。

 

「問題は作戦名…ま、まさかだとは思うけど」

 

 勇樹はそう言いながらダージリンたちの話を聞いてみた。

 

「更新しながら放つ、相手は黒薔薇とはいえ動きながら砲撃は出来ないかと」

「楔を打ち込む方法はどうかしら? 浸透方式がありますし」

「火力があればいいよ! 相手はメカを用意しているとはいえ砲弾で壊れるかもね!」

「2重包囲よ! 戦車とメカの愛称をよく考えれば十分よ!!」

 

 だが、ダージリン以外にエリカとケイとカチューシャの言葉に勇樹は「おいおいおい待て」と彼女たちを押さえつける。

 

 

「黒薔薇はそんな単純な方法で騙せることはできない、特に相手の命をだ」

 

 

 それを聞いたみんなは「あ」と青ざめて意気消沈する、するとミカが「それじゃあ」と言いだす。

 

「勇樹が作ったあのメカ…それ以外に道具はあるかい?」

 

 ミカの言葉に勇樹は「あ、それでしたら」とカバンに手を入れると10個の道具を出した。

 

 

 ドサドサドサッ!!

 

 

「うわっ! これって!?」

「爆発した道具が10個だけ無事な道具です、使えるのはこれらですが…」

 

 それを見たエリカは驚き勇樹は解説すると、杏は「おお、これが道具なんだね」と改めてみる。

 

「これらは、使い方次第で役に立つ。これらは残った大型の粗大ごみで何とか作り『え、ちょっと待って』ん、どうしましたか。アズミさん」

 

 勇樹が話をしていると、元BC自由学園の生徒であり今は大学選抜のアズミが彼に質問してきた。

 

「今大型の粗大ごみって言ったよね…それじゃあ、あのメカも?」

 

 アズミはそう言いながら、外にあるメカに向けて言うと彼は「はい、1晩で」と答えた。

 

「そう一晩で…一晩!?」

『『『『一晩で!?』』』』

 

『『『『『直して作ったの?!???』』』』

 

 

 みんなが一斉に驚いたため、勇樹は「え、何か可笑しなこと言った?」と目を丸くしている。

 するとエリカが「当り前よ!」と言いだした。

 

「た、立った一晩であんなのを作るって…アンタ化け物よ!!」

「ば、化け物って…まぁ半分は当たってるけどそこまでは…じゃなくて」

「道具をこれだけでやるなんて、非常に器用だな」

 

 道具を手にして褒めるまほにアンチョビは「料理もうまいのか」と疑問を浮かびながら道具を手にする。

 

「と、とにかく今はこれらを使っていきましょう。汚い手ではあると思うが、身を守る程度であれば問題はないと思います」

 

 勇樹は慌てて訂正すると、みほは「そうです!」と同意するかのように言いだした。

 

「相手はどんな手段でも勝つ手段は分かりませんが、勇樹さんの言う通り命を狙う可能性があります。今はこの道具をどうにかしないといけません」

 

 みほがそう言っていると、みんなは「確かに」と言いながら道具を見ていると、太田は何か思い出したのか「あ、作戦」と言うとみほは「あ、それも忘れていました」と答える。

 

「そう言えば作戦名はどうしましょう…」

「それでしたら、難しいことを想像している黒薔薇のことを考えて『飛んで火にいる夏の虫』はどうかしら?」

「ノンノン、少し相手がわかるかもしれないわ。ここは『嘘から出た真実作戦』よ!」

「おーっと! それは相手が困惑して咲きこされるかもしれない、ここは我がアンツィオが考えた作戦『マカロニもゆでれば丸太になる作戦』だ!」

「むしろ危険よ! 水攻めのことを想定していると思うわ! ここは天候を利用して攻撃する『雪も積もれば雪崩が起きない作戦』よ!」

「落ち着けみんな、ここは黒薔薇の時間を考えて『先を越されぬ道は、外れるところあり』はどうだろうか?」

「いっそここは、相手よりも先に貫いていきましょう! 作戦の名は『一騎当千、貫くものは何度もこれぬ』でどうでしょうか!!」」

「作戦か…私は少し風に頼んでみたらどうかな?」

「まぁまぁここは落ち着いて、ここはケーキのことを考えて『火薬がなければ故障を使って作戦』はどうかしら?」

「それって高級な例えじゃない? こっちは見た目を騙すかのように『いわぬ嘘はそれは真実作戦』で行くわ!」

「あ、あのみなさん。それ以上言うと勇樹さんが」

 

 ダージリンたちが作戦名と理由を言っているのをみほは慌てて押さえつけようとするが、勇樹は頭から蒸気とバネが出てきて混乱をしていた。

 

「あれがそれでこれがどれで…あわわわわ」

「ゆ、勇樹さん」

 

 倒れそうになっている勇樹を愛里寿は急いで支えると、彼は「みょっ!?」と慌ててあたりを見渡す。

 

「な、何か不穏の気配が…気のせいか」

「不穏…何が?」

 

 あたりを見渡す勇気に愛里寿は頭を傾けていると、みほは「あ」とある作戦を思い出した。

 

 

 

「あの。この作戦名はどうでしょうか…『こっつん作戦・音の気配は寒気がする』」

 

 

 

 それを聞いた勇樹は「みほらしくないようなあるような?」と目を丸くしているが、まほは「いいじゃないか」と答える。

 

「それはきっと、相手が攻撃する際に発する音を聞く…わずかな音の差でか」

「あ、はい。私たちとおね…まほさんたちの力と、勇樹さんが用意してくれたこの道具を使えばきっと何とかなりますから」

 

 みほはそう言いながら道具を見ると、勇樹は「でも、いいのか?」とみほに向けて言いだした。

 

「相手は戦車も使うから、そこは西住さんたちが戦い。オレたちはメカで戦うけど…」

「ううん、今は戦車道都市戦うんじゃなく、戦車と共に勇樹さんと戦う…黒薔薇のみんなに」

 

 みほの言葉に続けてまほが「そうだな」と続けるように言いだす。

 

「みほが考えた作戦だ、お前は小梅と一緒にみほを守ってくれた」

「そして、初心者のみんなを鍛えてくれたのよ」

「たまにはボディを少しスリープしたらどう?」

「私もだ、いくら体力があるとはいえ働き続けるのは毒だぞ!」

「そうよ! 私たちはこう見えてちゃんと睡眠をとっているから! 無理は禁物よ!」

「そうだね…ここは自然とみんなの力に任せよう」

「私もよ、甘いものを食べて少し頭を柔らかくしてね」

「お礼と思って、少しは感謝したらいいわよ」

「うん…私も、同じ」

「そうだな…勇樹、ここはみほの言葉を」

 

 まほたちの言葉に勇樹は「あ…わかりました」と答えうと、勇樹は「それじゃあ」とみほに向けると、彼女と一緒にこう言った。

 

 

「『こっつん作戦・音の気配は寒気がする』、開始します! パンツァー・フォー!!」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 その頃、丘にはT14が3両とM26重戦車が5両、足がタイヤになっている鹿メカと豚メカが2機と象型のメカが1機たたずんでいた。

 その象型のメカには、黒幕である小春田がハッチから開いて森を見ていた。その森には大洗連合のみんながいたから。

 

「なにを話しているのかしら…小汚い真似をして」

 

 小春田はそう言いながらにらみつけると、T14から「おい」と一行が声を出した。それを聞いた小春田は「はい、なんでしょうか」と答える。

 

「お前の言っていた作戦だが、勝てる自信はあるか?」

「もっちろんでございますわ! あたくしはこう見えて天才ですかわね。ほほほほほほっ!!」

 

 小春田はそう言いながら高飛車で答えうと、彼は「そうか、なら任せる」と言いながら戦車に乗り込む。

 それを見た彼女は「あー、これ突かれますわ」とジト目で見ながら操縦席を見る。

 そこには虹色に輝く液体が入ったカプセルと黒色に輝く恐ろしい液体が大量にあったからだ。

 

「装填手さん、準備はよろしいですか?」

「はい! 装填はいつでも可能です!」

「砲手さん?」

「いつでも放つことはできますよ!」

「通信手?」

「盗聴は一応できます…うひひ」

「操縦手?」

「これくらい楽勝だっ!!」

 

 小春田は4名に向けて言うと、彼女たちは答えて画面や窓に向けて答える。

 それを聞いた彼女は「わかりましたわ」と言いながら椅子に座ると同時に、こう言った。

 

 

 

「弱肉強食、弱い者は消え去る…見せてあげますわ!!」

 

 

 小春田がそう言うと同時に、廃校をかけた試合は花火とともに始まった。



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第32話『ピンチと行動と危険な巨大メカ!?』

「どうだ伊江、相手の動きは?」

 

 勇樹は伊江に向けて言うと、彼女は双眼鏡を使って黒薔薇の動きを見るが。

 

「だめだ、巨大メカを小さくしたか地面にもぐった可能性がある。それに戦車は元から低いしM3リー道に大きいのはないからな」

「そうか…ごめんな」

 

 勇樹は伊江の謝ると彼女は「いいよ別に」と言いながらT-34/85に乗り込む。

 勇樹たちは、アブ引き部専用のメカを使用しない代わりにT-34/85に乗り込んで戦うことになった。

 現在勇樹たちは、大洗の戦車であるⅣ号を右から黒森峰、聖グロ、サンダース、アンツィオ、プラウダ、継続、知波単、青師団、BC自由学園、アブ引き部、大学選抜と言う風に並んでいる。

 なお、全員で行くと危険が高まるため、各チームの戦車は数台敵の動きを知らせるように別行動をしている。ちなみに勇樹の後ろには、ティーガーとルノーF1、クレセイダーとともにこうどうしている

 

 

「さすがみほちゃんこの作戦は思いつきませんね」

「西住はこれを思いつくのが得意からな…にしても大丈夫かな?」

 

 百合子の言葉に小森は答えていると、勇樹は「そうだな」と答える。

 

「相手は黒薔薇、一応道具は大量に用意したからみんなに渡せることはできたが…何か不穏が…」

 

 真剣な表情に幹子は「そうだね」と同意するように答える。すると百合子が「あ、通信です」と言いながら勇樹に言うと同時に道具に1つである『伝書バト・テレビ』を起動する。

 

『こちら大隊長車、相手の動きはまだ確認できていません。慎重に行動してください!』

「おー、改造して正解だな」

 

 伊江の言う通り、例の道具には通信機から出も受送信が出来るように改良しており、文字が打てなくてもマイクで使用できるようにしている。

 すると今度は『アンチョビ』と名前が浮かび上がる。どうやら報告があるようだ。

 

『適集団発見! 2列1行型でゆっくり進んできている! メカは後ろに2台いる、姿は…ピラニアだ!』

「なるほど…分けて正解だ」

 

 勇樹はそう言いながら百合子とともにメモをしていく、すると今度は『西住まほ』と名前が表示される。

 

『了解した。大隊長、ひまわりは高知ふもとに達した。今先遣隊を送っている』

 

 まほの報告に勇樹たちはメモをしていると、伊江が「先遣隊…ってなんだ?」と頭を傾ける。それを聞いていた麻子が『解説する』と言いだした。

 

『先遣隊とは、その名の通り先に派遣する部隊だ。相手の動きを知るためにワザと用意したと思う』

「なるほど…」

 

 麻子の言葉に伊江は納得すると今度は『角谷杏』と『カチューシャ』が表示されている。

 

『頂上に敵はいないみたいだよ~』 

『だったらすぐに取るべきよ』

『大隊長と勇樹の判断に請う』

 

 まほの言葉に勇樹は「あ、忘れていた」と慌てて咽頭マイクを起動する。それと同時に『西住みほ』と名前が画面に表示する

 

『罠かもしれませんから、十分に警戒してください。退路を描く飛しつつ、散会しながら前進、敵に遭遇した場合は無理ないようにお願いします』

「そして、各自あらかじめ用意した道具『虫の知らせ』を起動してください。いつどこで何が起きるか分かりません。お願いします」

 

 勇樹とみほがそう言うと、伊江は「これだなっと」と言いながら虫かごにスイッチを入れると中にいる虫が起動し飛び始めた。

 

「これで準備は完了…それにしても小森操縦うまいな」

「ま、これくらいは余裕だ」

 

 小森はそう言いながら操縦機を動かすと、T-34/85は木をよけてながら進んでいく。すると。

 

『有利だが、包囲分断される危険性がある。他のチームとの連帯が取れなくなるかもしれない』

『M26なんてノボルの遅いし、ここは行くしかないわよ!』

 

 まほとカチューシャがそう言っていると、今度は『ノンナ』と名前が表示される。

 

『とれば戦術的に優位に立てますね』

 

 ノンナはカチューシャの作戦に同意するとまほが『確かに優位だが』と言い始める。

 

『これはわざと山頂を開けているかもしれない』

 

 まほがそう言っているとカチューシャは「大丈夫よ!」と自慢げに言いだす。

 

『あなた、なんだかんだ言って妹のこと信じてないのね!』

「おいどう意味だこら、当ててやろうか?」

 

 カチューシャの言葉に切れた伊江は、そばにあった砲弾を持っていくのを幹子と百合子は急いで押さえつける。すると、

 

『ノンナなんて、どれだけ私を信じているのか! 私が雪を黒いと言えば、ノンナも黒いって言うくらいよ!』

『理屈が雑っすよ…』

「あ、霊華ちゃん」

 

 カチューシャの言葉を突っ込むかのように『極道霊華』と名前が表示すると同意にツッコミを入れる。それを見た百合子は反応する。

 

『信じるのと祟拝するのは違う』

『うっ、うう』

「納得したなっ」

 

 まほの言葉にカチューシャは苦虫をつぶしたかのような声を出すと、伊江は砲弾を置いて椅子に座った。

 

『確かに、試合が長引くと経験の多い相手が有利だ。序盤で戦果を挙げておきたい…行くか』

「行動開始したな」

 

 小森がそう言うと、幹子が「そのようだね」と立方体型の特殊ケースを開いてそこから移しているパソコンの画面を見ていた。

 このケースは、ただのパソコンではなくキーボードの『SPY』を入力するとキーボードから小型の衛星カメラが出てきてスパイ行動として活躍できる一種の探査道具。

 

「美樹姉、それで変化は?」

「ないね…百合子君は?」

「カチューシャが『さあ行くわよ、203高地よ!』と表示されています。それ以外は問題ありません」

 

 百合子の言葉に伊江は「今のところはないか」と言うと勇樹も「そうだな」と答える。

 すると、今度は『西絹代』と『エルヴィン』『カエサル』の名前が表示される。それを見た伊江は「お、あの人か」と反応する。

 

『おっ203高地ですか!』

『プラウダはどんな戦いか知っているのか!?』

『負ける気か?』

 

 それを見た伊江は「大丈夫か…プラウダ」と逆に心配された。するとどんどん名前が表示されると同時に指示と命令が表示されていく。

 

『水仙はひまわりの左翼をそのまま進んでください!』

『OK』

『わたしたちは?』

『朝顔チームは、ひまわりの右翼の高知脇を前進、援護をお願いします』

『成功は大胆不敵の子供、最初から勝負に出るのね』

「確かに、そうだな」

 

 勇樹はそれを答えるかのように言った…その時。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

『ビーッ! ビーッ!! ビーッ!!!』

 

「にょわっ!! な、なんだ!?」

 

 突然鳴り響く警報音に伊江は驚いていると、百合子が「虫の知らせが反応しています!!」と言い虫かごを見せると、赤色に変色して騒いでいた。

 

「これは…ルノー、ティーガー、クレセイダーに乗っている人に連絡、どこかで黒薔薇がいると!」

「は、はい! 通信機で!」

 

 勇樹の指示に百合子は慌てて後ろにいる仲間に通信をしていた…その瞬間。

 

 

 カタカタカタカタ…

 

 

「お、おおお?」

 

 突然、道具のカバンが揺れてきたため幹子は何かを思って外を見ていた…その時。

 

『左方に地面盛り上がっていますわー!!』

「なにっ!?」

 

 ローズヒップの声に小森は急いで操縦機を動かして急ブレーキを入れる。

 

 ギギギギギギイィィイイイイィィィィィィィッ!!! ガゴガゴガゴゴゴッ!!!

 

 突然のブレーキに、後にいた戦車はぶつかり合い何とか停止した。

 小森は「お、教えてくれて。ありがとう」とローズヒップにお礼を言った。その瞬間。

 

 

 ドドドドドドドドドド……ドガアアアア!!!

 

 

「あ、あれは!?」

 

 地面が盛り上がると同時に何かが出てきて砂や土が辺りをりらばっていく。

 その姿は巨大なドリルが付いた蒸気機関車型のメカが出てきて、ドリルがしまうと同時に砲台が出てきて砲台を彼らに向ける。

 

「…っ! 小森、バックを!! 百合子さんは指示を!!」

「わ、わかった!!」

「はいいっ!!」

 

 勇樹は我に返ると2人に向けて指示を出すと、百合子は後方の戦車に通信をし、小森は操縦かんを動かして後退していく。

 小森が動かしていると、クレセイダー、ルノー、ティーガーは急いで後ろに逃げる。

 

「みほ! こちらカンガルーチーム、今黒薔薇だと思われる汽車メカと出会ってしまった! 急いで後退していく!!」

『わかりました! 急いで後退してください!』

 

 みほの言葉に彼は「わかった!」と答えると、今度は伝書バト・テレビから『脱落者』と表示される。

 

「百合子! 今度は!?」

「だ、脱落者です! どうやら黒薔薇でやられた人が!!」

 

 百合子の言葉を聞いた勇樹は「なんだって?!」と驚くと、『CV33、九七式とパンター。脱落』と表示される。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「ほぅ、これはすごいな」

 

 その頃、T-14に乗っている一行は。小春田から渡された『勝敗カウンターモニター』を見ており。そこには先ほどの戦車がやられる映像が映し出されている。

 

「小春田もなかなかだな、面白い展開だ…井上由美、加速しろ。加藤理恵、装填準備を」

「了解っス!」

「もちろんだ」

 

 小柄で黒色のショートヘアーをした少女『井上由美』は戦車の速度を上げ、右目が赤色で左目が黒色のオッドアイで白色のポニーテールをした女性『加藤理恵』は、砲弾を想定した。

 

 

「さて…こいつらはどう行動するのか楽しみだ…」

 

 

 一行はそう言った途端、天気は晴れなのに闇を現すかのように曇ってきた。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「む、曇り…?」

 

 Ⅳ号を操縦していた麻子は、突然の天気に気づき上を向く。まだ晴れていたのになぜだ。

 

「沙織、確か風吹いていたか?」

「え、確か吹いていたけどそんなに強くは…」

「どうしたんですか麻子さん」

 

 麻子の質問に沙織は答えていると、華は何があったのか言うと彼女は「妙なんだ」と答える。

 

「妙って…どこが?」

「空が突然曇ったことだ、風はそんなに強くないからおかしいと思った」

「確かに…ですがどうして」

「考えるのは一つ、石川さんが言っていた『黒薔薇』だ」

 

 麻子の言葉に華と沙織は「え?」と疑問を浮かべているが、彼が言った言葉を思い出していくことに…すると。

 

 

 

『あいつらはセコイ事と汚いことをするのが得意だからな…今のところは…』

 

 

 

「……あー!! もしかして!!」

「ああ、もう実行されたようだな」

 

 そう、麻子が言いたかったのは相手の行動。実はもう黒薔薇の作戦は実行していた。

 

 

『ピピピピッ!!』

 

 

「うわっ、何?!」

 

 すると今度は沙織が持っていた『伝書バト・テレビ』から着信があったため急いでみると、『脱落者』と同時にメカが映し出される。

 

『タートル・エジソン、車海老メカ。壊れた個所が大量なため行動不能』

 

「み、みぽりん。これって!」

「黒薔薇が私たちを崩しに来たようですね…っ!!」

 

 沙織の言葉にみほは画面を見ていると。どこから砲台の音がしたため急いで麻子に「停止してください!」と指示を出すと、麻子はレバーを動かして戦車を停止させる。すると。

 

 

 シュッ!! ドガアアアア!!

 

 左から砲弾が流れて地面に着弾する。Ⅳ号と砲弾の距離はわずか数センチほどずれていたため、当たらずに済んだ。

 

「危ない! もう少しずれていたら…」

「やられていたな」

 

 麻子はそう言うと、みほは各チームに「右に敵がいます!」と指示を出すと。磯部から通信が入ってきた。

 

『左から茂木が来ています! カバ型のメカで、口から砲弾を放っています!』

『敵戦力増大中です!』

 

 磯部とカルパッチョの報告を聞いていると、ダージリンが『みほさん、指示を!』と声がした。みほは「大隊長車より」と通信し始める。

 

「水仙、たんぽぽ各車へ! 前後に移動を行って相手の車線に入らないようにしてください! 高知の上に向日葵が到着するまで耐えましょう! 西さん! 無理な突撃は極力避けるようお願いします!」

『え、あー…かしこまりました』」

 

 みほの言葉に西は戸惑いながらも、了承する彼女であった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 そうしている間、まほたちは頂上へと着いた。

 

「こちらひまわり! 高地頂上に達した!」

『203奪取よ!』

『『ウラァー!!』』

 

 カチューシャとプラウダ一同にまほはあきれるのであった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「放てえええっ!!」

「それっ!」

 

 ドガアアアア!! ゴオオォォンッ!

 

 勇樹の指示に幹子は砲弾を放つが、汽車型のメカに当たるが走行は無傷。クレセイダーやルノーも放つが無傷。

 

「どんだけ固いんだ!?」

「わからねぇ! だがお金をかけているのは事実だな!!」

 

 勇樹は驚くかのように言い伊江は文句を言いながら砲弾を装填していく。

 すると、伝書バト・テレビから『砲弾開始されました』と文字が出てきた。

 

「勇樹君、攻撃開始したようです!」

「相手もついにやってきたか…こっちはもうやっているけどな!!」

 

 ドガアアアア!! ガアアアンッ!!

 

 勇樹は苛立ちながらも砲弾を放っていくが、汽車型のメカは無傷。すると。

 

 

 

 ボガアアアアアアッ!! ドガアアッ!!

 

 

 汽車型のメカから放たれた砲弾は勇樹たちを避けて近くの大木に当たると大爆発し、砲弾の摩擦により炎が発生した。

 

「あぶなっ! もう少しずれていたらこっちもやられていた!!」

「そ、そうですね…」

『あぶねーところでしたわ!』

『まぁ、ポッポコーンみたいね』

『いやそこ羽で弱くはないが?!」

 

 勇樹は顔を青ざめていると、通信機からローズヒップとマリー、祝井の声がした。

 それを見た百合子は「あれ」とある事に気づく。砲弾を放った砲台の周り。特に装甲が少し赤いことに。

 

「おかしいですよ勇樹君、あれ汽車ですよね」

「え、まぁそうだけど」

「だったら普通蒸気を作るボイラーや水があるじゃないですか、それなのにそれがなく装甲が赤いって…もしかして」

 

 百合子の言葉を聞いた勇樹は「あれ…もしかして」と考え込んだ時、通信機から丸井の声がしてきた。

 

『なっとくー、そこに向けて攻撃したらいいのー?』

「丸井さん! そうですよ!!」

『え、どういう意味ですの?』

『細かいことJは後、じゃあ2組左右から攻撃開始ね』

「マリーやるじゃん!」

 

 小森はそう言いながらレバーを動かすと、T-34/85とティーガーは右にルノーとクレセイダーは左に移動し、汽車型のメカへと向かっていく。

 そして汽車型のメカは争点が終わると一気に放っていくが。

 

 ドガアアアアッ!! バゴオオオオオッ!!

 

 左右に割れていたため攻撃は当たらずそのまま地面に着弾する。そして。

 

「目標、汽車型メカ…放てええっ!1」

「そっれぇっ!!

 

 カチッ! ドガアアッ! ドガアアッ! ドガアアッ! ドガアアッ!! バガアアッ!!

 

 勇樹の指示に幹子は引き金を引くと、各戦車は一気に砲弾しメカの装甲を貫いた。そして煙突から黒い煙が出てメカの速度が低下していき、止まった途端煙突から『パフっ!』と音がした。そして。

 

 バシュッ!

 

「っしゃあああっ! 成功だ!」

『『ヤッター!!』』

 

 無事4組の力で汽車型のメカをやっつけることに成功した。だが。

 

「ゆ、勇樹君!! カチューシャさんたちに異変が!」

「って、異変!?」

「はい! 今情報を!!」

 

 百合子の言葉に彼は驚き、彼女はパッドを動かして情報を彼に「どうぞ!」と渡す。そこに映し出されたのは。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 その頃カチューシャたちは…。

 

『左翼的集団、朝顔を突破して我々の後方へ進行中』

「朝顔を援護するわよ! 蹴り落としてやるんだからっ、用意はできた?!」

 

 カチューシャは黒森峰の小嶋が乗っている戦車に向けて言うと、彼女は『準備完了です、射点に着きました!』と答える。

 

「中隊長、良いわね!?」

『攻撃を許可する』

 

 まほの許可を得たカチューシャは「わかったわ」と答える。そして。

 

 

「撃てぇっ!!」

 

 

 各戦車に指示を出した…その時!!

 

 

 

 

 

 

 

 ドガアアアァァァァァァァァァァァァァァ!!!!

 

 

 

 

 

 

「うええええっ!?」

 

 突然大爆発と共に砂煙が発生し、彼女は驚く。

 

『だんっちゃーく!!』

「何なのよぉー!!」

『どうした?!』

 

 驚くエルヴィンに対して、カチューシャは怒っていると。まほから連絡が出る。そして杏が答える。

 

『あーこちらひまわり、上から飛んで北っぽいぞぉー。すっごい大きい奴らから小梅ちゃんが勇樹ちゃんの道具で解析している』

『出ました! これです!!』

 

 小梅の声に杏は『どれどれ?』と見た途端、彼女は『あー、これか…』とあぜんするかのように声がすると同時にこう言った。

 

 

 

 

『巨大な海亀みたいなメカの甲羅に12以上のも砲台が付いている…厄介なことに、ドクロみたいなのが付いているよー。今映像送る』

 

 

 杏はそう言って、各チームに例の映像をパッドに送ると、衛星から映し出された画像が出てきた。

 ここから数キロ先…池はなく渇水となったところに巨大な海亀型のメカがいて、背中にはウェディングケーキのように砲台が4つずつついている。巨大なメカが用意していた。



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第33話『倒せ! 黒薔薇の最強メカを!!』

「あれは…!」

「海亀…背中に砲台がたくさんついている?!」

 

 それを見ていたしほたちは驚き、会場にいた人らもざわついていた。

 すると海亀型のメカは砲台を動かすと、どこかへと一気に放った。その影響で森の一部や岩が爆風と衝撃波で壊れ、砕けていった。

 

「黒薔薇のメカにしては妙ね…あの砲台の大きさであってもそんなに威力は…」

「そうね、でも圧縮した火薬でもそこまではないわ。自走臼砲カールでも…」

 

 2人はあの威力はどうして出るのか考えていると、しほの電話が鳴ったため彼女は出ると『石川勇樹』と表示されていた。

 

「勇樹、何かわかったのかしら…はい私です…ええ、今確認しました…なんですって!? あれが闇の薔薇の力!?」

 

 彼女の言葉に千代は「え、何が?」と目を丸くしているが、しほは話を続ける。

 

「それで、この威力を抑えることは……今は不明…なら急いで倒しなさい、今ならまだ間に合うと思うから。それじゃあ」

 

 しほはそう言いながら電話を切ると、千早は「逆転のようね」とあざ笑う。それを聞いた千代としほは彼女をにらむ。

 

「あなた…あの力がどれくらい危険か知っている?」

「下手したら、命を落としてしまうのよ。使い方を間違えれば」

「あら、いかほどわっちの息子でさえ。あのような事態は慣れてありんす」

 

 2人の言葉に彼女は鼻で笑いキセルを持ち上げるが、慌てっぷりを隠していないのか上下に揺れていた。

 それを見た2人は「(あ、この人も同じなのか)」と察した。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「こ、このメカって確か!

「『ジャイアント・タートル・キャノンメカ』! 黒薔薇が作ったメカだ!!」

 

 映像を見た勇樹は驚いていると、クレセイダーから『え、本当ですの?!』と驚く声がした。

 

「あの威力って確か闇の薔薇を利用している…半径は」

「150メートルから1キロ以内…射程距離が広いから簡単逃げ切ることが出来ない…急いでいくぞ! 小森!!」

 

 幹子と勇樹の考えに、彼は急いで小森に指示を出すと彼女は「わかった!」と操縦かんを動かして『ジャイアント・タートル・キャノンメカ』に向けて発進していく。そうしていると百合子から「戦車行動不能が続出!」と連絡が入った。

 

「やられたのは!?」

「えっと、あ! 『IS-2』が1両と『KV=2』です!」

「IS…KV…っておいそれって確かプラウダの!?」

「は、はい…あ、『セモヴェンテ』が1両やられました!!」

 

 続出する脱落戦車に勇樹は「またか?!」と驚く。

 

 そうしている間、太田たちを含む水仙チームとCV3と八九式、ヘッツァーとBT42は『ジャイアント・タートル・キャノンメカ』に向かっていた。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「これが『ジャイアント・タートル・キャノンメカ』…」

 

 太田たちは、双眼鏡で敵に見えないところから黒薔薇のメカを発見する。巨大なカメの姿にアンチョビは「なんだあれは…?!」と驚く。

 

「いやぁー、これは驚くのを用意したねぇ。であれは?」

「勇樹が用意したメカの資料を見ろ。そこに乗っているはずだ」

「そうか…て、なぜ上から目線だ?!」

 

 文の言葉に河嶋は怒るが、杏が「かーしま、落ち着けよー」と言いながら、黒色の本を出して調べてみる。この資料は、勇樹があらかじめ用意した一種のメカの使用、黒薔薇のメカがすべてではないが書かれていた。

 

「へぇー、このメカってもともと海中用に用意したんすか」

「高さは約150メートルで方形や約1メートルって…この砲弾は?!」

「特注ですよ、結構お金を掛けていますよ」

 

 資料を見ていたペパロニ、柚子は驚いてると。霊華は冷静に答えながら双眼鏡を覗いている。

 そして河嶋は「弱点はあるか?!」と言うと彼女は「そうですね…」と考え込んで数秒後…。

 

「唯一の弱点はあの海亀の性能ですね…」

「え、海亀のどこが弱点ですか?」

「あのメカは元々海中…つまり水中専用のメカです。足のヒレがあのようですといくら攻撃は強くても移動が遅いですからね」

 

 磯部の言葉に彼女は答えていると、ペパロニは「難しいっすねー」と言いながら鋭い爪が付いたマジックハンドを出した。

 

「それにしてもこの道具、なんで人の手のような形をしているっすかねー…?」

 

 ペパロニはそう言いながらマジックハンドを木に刺していると、河嶋が「こら、話を聞け!」としかられる、彼女は「うわ、やっべ!」と急いで引き抜こうとした…その時。

 

 

 スポッ!

 

 

「ん?」

「え?」

「お?」

 

 突然線が抜けた音がしたため何かと見まわしていると、CV33に乗っていたジェラートが「ぺ、ペパロニ姐さん! 上を!」と言ったため何かと思い見てみると。

 

 爪が付いたマジックハンドが木を軽々と持ち上げていた。

 

「…えええ!?」

 

 それを見たみんなは驚いていると、福音が出てきて「あー!」と道具を指さして言った。

 

「それって『スーパーマジックハンド』だよ!」

「ん、何そのスーパーマジックハンドって?」

「初めて聞きます」

 

 福音の言葉に、杏と小梅は反応すると。京子が「解説します」と答える。

 

「その道具は一種のマジックハンドで、指が刃物のようになっているのは重い物体を軽々と持ち上げることが出来る『鉄骨金属』と言う特殊な金属で使用しているのです」

「あ、だからペパロニさんが木を軽々と」

 

 京子の言葉に妙子は理解すると磯部は「あ」と何か思いついた。

 

「あの、思いついたんですけど…これってロープ斬ることできますか?」

「え、切れますけど…?」

 

 彼女の言葉に京子は答えていると、後からヤタガラスチームのメカ『ロケット・バッタ―』とカップチームのメカ『DX・カモノハシカー』がやってきた。

 そして停止すると同時に頭のハッチが開き、圭太とココアがやってくる。

 

「遅れてすみません! なんとかばれないように来ましたが」

「地底カメラで少し調べていたら、もっと厄介なのがいたよー」

「厄介なのが…いた?」

 

 圭太とココアの言葉にあけびは何かと頭を傾けると、ココアが「今送るよー」とスイッチを押すと、みんなの電話にメールが届いた、。

 そしてそのメールを開いて写真を見ると、大型の戦車に2つのドリルが付いており、砲台は3つ付いている。

 

「これって京子さん、確か」

「調べてみます…ありました、これは警察機動隊及び日本国防軍が用意した特殊戦車…ですがどうして?」

 

 太田と京子の言葉にペパロニは「え、どういう意味っすか?」と頭を傾げる。それを見たココアは「簡単に言うよー」と答える。

 

「もともと地底に潜む敵を倒すために用意したメカ、それが何者かに盗まれた。もしくは設計図を盗んで作り上げた可能性があるってことだよー」

「…あ、それでなんすね!」

 

 ココアの言葉にペパロニは納得すると、磯部が「あの」と続きを言いだした。

 

「これを利用すれば…どうでしょうか?」

 

 そう言って磯部は『ねん土道具セット』と『頑丈ロープ』そして『スーパーマジックハンド』を出すと、杏は「お、どんな作戦があるの?」とみんなと話し合いをした。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 『ジャイアント・タートル・キャノンメカ』から約300メートル離れた森の中、そこにはSNS部のメカである『狸タンクメカ』と継続高校の『BT-42』が潜んでいた。

 

「まさかお前と一緒になるとはな…」

『こっちも驚いたよ…それじゃあ』

 

 車長である月夜輝夜の言葉にミカは何かを準備すると、突然カンテレ音がしてきた。それを合図に。

 

「鈴女、エンジンを」

「わかった」

 

 彼女の言葉にマスクをした少女『設楽鈴女』はエンジンを入れると、『狸タンクメカ』についているお酒に手が伸びて、中に入っている何かを飲むと同時にエンジン音が響く。

 

「発進!」

 

 彼女がレバーを倒した途端、両脚のタイヤは煙を出しながら発進していく。それと同時にBT-42はマフラーから白煙を放ちながら発進していく。

 

 

 バキバキバキッ!! ドガアアアァァァァァ!!

 

 

 1体のメカと1両のメカが森から出てきて枯渇した池を超えて『ジャイアント・タートル・キャノンメカ』まで飛んでいった。

 

 ドガンッ!!

 

「うわっ!?」

「なんだ?!」

 

 突然の事態に黒薔薇たちは驚き外を見ると、『狸タンクメカ』とBT-42が着陸して白い煙を放ちながら移動している。そして。

 

「くらえ!」

 

 ドガアアアッ! バガッ!

 

 吉備人は引き金を引くと、胴体のおなかから砲台が出てきて砲弾を放ち。黒薔薇のメカである鹿型のメカを破壊した。

 

「おのれっ! 追え、地底戦車軍! 我々も追う!」

『あいよー』

 

 逃げていく2体に車長が通信機で41型大型戦車に乗っているチームに攻撃するように言い、急いで乗り込むと後を追い始めた。

 

『これは人生にとって必要な戦いなの?』

『おそらくね』

「はっ、オレ様もそう思うぜ」

 

 アキの質問にミカは答えると、輝夜は笑いながらツッコミを入れつつ。鈴女に「右によけよ」と指示をしてメカを右によける。

 そうしている間に、上ではロケット・バッターの後ろに並ぶかのように八九式の上にCV33が乗っていた。

 

「よーし、これで準備は完了! 典子さん!」

『わかりました! 会長!』

『今しか行けない、いけいけー!!』

 

 圭太は典子と杏の言葉に「了解!」と言い、操縦手である天は「わかりました!」とシフトレバーを動かすと、左右の真ん中についている関節の足先から球体上のタイヤが出てきて速度を増していく。だが。

 

「しまったぁ! これは罠か!!」

「くっ!! 『ジャイアント・タートル・キャノンメカ』、砲台を変えろ! 今すぐにだ!!」

 

 車長が驚いていると、通信社がメカに向けて通信していると、向こうからは『任せろよ! 粉々にひねりつぶしてやる!!』と同時に上段の3つの砲弾が動き狙いを定める。

 

「り、リーダー!! こっちを狙って今すぅぅぅう!!!」

「まだだ、まだタイミングが」

 

 慌てる穂希に、圭太は真剣に紐を掴んでいる。そして。

 

 

 ドガアアアァァァァァァア!!

 

 

 砲台から3つの爆弾が出てきてロケット・バッターに当たろうとした…その時。

 

「今だ、上げろっ!!」

「ふっ!!」

 

 彼の合図に天と一気に紐を引くと、メカは上がると同時に爆弾から逃れ。爆弾は端に着弾すると大爆発した。

 

 

 ドガアアアァァァァァァア!!

 

 

 橋が爆発すと同時に、BT-42と狸タンクメカは橋の下をくぐろうとするが。ミッコと鈴女は「フフッ」とにやけると速度を上げて逃げていく。

 

「何が狙いなんだ?」

 

 それを見た車長は頭を傾げるが、メカと戦車が通ると同時に上から瓦礫が落ちてきて戦車に当たる。そう、先ほどの『ジャイアント・タートル・キャノンメカ』から放った爆弾は橋に当たり爆発が起きると地面は瓦礫に代わり下に落ちていく。

 その結果瓦礫は彼女が乗っている戦車『九八式戦車』の砲台に当たろうとした、急いでよけようにするも早く渡ろうとした無理に瓦礫に入ったため抜けれず。その結果瓦礫は砲台を曲げられてしまい。行動不能となった。

 

「残り一両!」

「そうだな…地面!」

『ミッコ、下!』

 

 輝夜とミカは急いで指示を出すが、地面が盛り上がると同時にドリル型のミサイルが出てきた。そして。

 

 ドガアアアッ!! ガラガラッ! ガンゴンバギィィィイイッ!! ドガアアッ!!

 

 ギュィィィィッ…ドガアアッ!! バガアアッ!!

 

 BT-42はドリルに当たらなかったものの、かすった衝撃で左右のキャタピラは外れて何回か横転し、穴に落ちる。

 狸タンクメカは、ドリルに貫いてしまい、速度は低下せずBT-42と同じ穴に落ちる。

 そして地面が盛り上がり、そこから41型の戦車が出てきてハッチが開くと、金髪の女性が出てきて1両と1機が落ちた穴を見る。

 

「ふっ…これで終わりだな」

 

 キャタピラがなければ動くことは出来ないBT-42と、おなかを貫かれて動けなくなった狸タンクメカ。どちらも壊れてばこちらの勝ちと思った…が。

 

「あの…少しいいですか?」

「ん、なんだ?」

 

 砲手であろう金髪の少女が車長に向けて言うと、彼女はこう言いだした。

 

 

「あのBT-42は確か、キャタピラではなく駆動転輪と設置転輪をチェーンでつないでいるだけで…あのタヌキは確かことわざで『狸寝入り』がありますが…」

「…あ」

 

 彼女の言葉に車長が青ざめていた…その頃。

 

「エイッ…ハァッ!」

 

 BT-42内部ではミッコがハンドルを切り替えて、エンジンをかける。

 

「そらよっと!!」

 

 狸タンクメカは胴体の装甲がはがれて手足は外れ頭にしている笠は外れた、代わりに4輪のタイヤが出てくるとエンジンが起動して、両者同時発射する。

 

 

 ガァァアアアアッ!! シュッ!!

 

 

「にょわっ!! あれありなのか、てかあの茶釜は何だ?!」

 

 突然現れたBT-42と変わった姿をした茶釜に車長は驚いていると、スピーカーが出てきてミッコと鈴女の声がした。

 

 

『天下のクリスティ式、なめんなよ!!』

『これは変形がメカ『狸の茶釜メカ』なのでーす!!』

 

 

 それを聞いた彼女は「知るか!」と言いながら戦車に乗り込む。

 そして、ジャイアント・タートル・キャノンメカによって橋には煙が出ていたが、突然八九式とCV33を担いだ戦車が現れた。

 

「なっ! あのバッタは?!」

 

 それを見た車長は驚いているが、実はあのロケット・バッターのついていた紐基ロープは、八九式等を前に出て自分たちが攻撃を与えてやるために『頑丈ロープ』を利用したもので、引けば胴体が上がると同時に戦車の先頭につけておいたロープの力により前に進む。そして一気に攻撃を受けて身代わりをするようになっていた。

 だが、砲弾の位置がずれていたためあたりはせず、逆に橋に当たった。そして。

 

「いっけぇえええええっ!!」

 

 川西が八九式の速度を上げると、車体は浮き始めるように後ろにそり始めた。今にもCV33が落ちそうなほど。

 

「必殺!」

 

 そして磯部の言葉を合わせるかのようにブレーキを踏むと、八九式はブレーキにより前に飛び出す、これは慣性の法則の1つである。

 その衝撃で、CV33は前に飛び出して弧を描くかのように飛んでいった。

 

「殺人、レシーブ!!」

 

 その他移民を図って、ペパロニは「今だ、あの目を狙えええええっ!!」と機銃を目に向けて放つ。

 機銃が目に当たると目にひびがい入り白色に変色する、これは目というよりキャノピーであり外の様子ㇽを見るために用意したものであろう。それが割れない程度にひびが入ると。外の様子が見れない。

 この作戦は行けた…かと思いきや。

 

 ゴンッ…ドシン!

 

 橋と陸の手前でCV33は逆さになって落ちた、旗が出ないのが幸いだ。

 そして、下では41型の戦車に追われながらも逃げていくBT-42と狸の茶釜メカ、砲弾を放つが茶釜による堅い装甲で跳ね返されてしまい防御をしていた。

 

「ならば…あの酒瓶を狙え!!」

 

 車窓の指示に砲台の1つは酒瓶に結ばれている紐を放つと、酒瓶は離れてその衝撃で割れてしまい液体が出てきた。

 それを見た彼女は「ラッキー! 酒が飲める!」とハッチを開いて吸引機と一緒に飲もうとした…が。

 

 バシャアアッ!!

 

「……ぎゃああああっ! め、目がしみるぅうううっ!!」

 

 液体が顔に当たった途端、突然激しい痛みと苦しみに襲われて急いで中に入る…だが。

 

『ぎゃああっ! ナニコレイタイイタイ!!』

『傷に染みるよぉおおおおっ!』

『なんてもん吸い込んでんだああああ!?』

 

 吸引機により吸い込まれた液体は、中にいる搭乗員らも苦しめていた。それもそのはず、この液体は酒でなく。

 

「まさか、玉ねぎの汁ですか」

「玉ねぎは栄養があるし液体ならさらに栄養があるって聞きましたわ」

「いや、それはねえよ」

 

 一寸は液体の中を聞いて驚いていると、通信手兼副射のシンデレラが答えるが。輝夜はそれはないと突っ込む。

 そして、ミカが「よーい!」と言うと砲弾は41型の戦車に当たるが掠っただけで大きな変化はない。

 そして今度は反対周りにしていくと、41式から『方向を変えろぉおおっ!』と声がすると同時に進む方向を変える。

 

 その頃、橋の方ではCV33が逆さになっているのを確認できたのか。ジャイアント・タートル・キャノンメカは前に進んでいくが、両手足に力が入りずらいため前に進みにくい状態になっている。

 

「せっかく踏み台になったのに―」

 

 妙子がチャンスが出来たのにとがっかりしていると通信機から『作戦失敗だぁ、撤退しろぉおお!!」と慌てふためく河嶋の声が聞こえる。だが。

 

『いや、それいいアイデア…ペパロニー、履帯を高速で回転させろ!!』

 

 それを遮るかのようにココアがペパロニに指示をするが、彼女は「するか!」とご機嫌斜め。

 

「大体バレー部のみんなでこのような姿になったっす! まが履帯は回るが…それ以外認めるわけには」

『杏ちゃんから伝言『干し芋パスタをチョビ子と作ってやるからさー、お願い』だよー』

「よーし、回転させるっす!!」

 

 ココアの伝言(杏からなのは事実)を受けたペパロニは、履帯を高速で回転していく。するとDX・カモノハシカーがやってきて。

 

「よーし…とっべぇえええええええっ!!」

 

 ジャスミンが一気に速度を増して行き、八九式はロケット・バッターによって道を開かせると徐々に加速していき。そしてCV33に乗っかると。

 

 

 

 ドオオオオオオオッ!!

 

 

 

 履帯とタイヤによる速度でDX・カモノハシカーは空を飛び、ジャイアント・タートル・キャノンメカのところまで行く。そして。

 

「会長、弱点はあの甲羅にある緑色の楯ネ! そこを!!」

「うりゃあっ!!」

 

 ドガアアッ! バガアアア!!

 

 烏龍のお願いにココアは引き金を引くと、他の甲羅とは違って鮮やかに光る緑色の甲羅に当たると、装甲は割れて中にある機会に当たると爆発を起こして機能停止し。白旗を上げた。

 DX・カモノハシカーはそのままメカの頭に当たると、首へと進んでいき、無事着陸した。

 

 そして、下では狸の茶釜メカを追いかけていた41式が走っており、砲弾を放っていた。

 

「ま、前が…このっ!!!」

 

 ドガアアッ! バギィッ!!

 

 放たれた砲弾は茶釜メカの装甲を貫き、貫いた穴から黒煙が出てきて停止すると白旗を出して行動不能となった。

 

「当たったぁ…あれ、でも何か忘れているような?」

 

 当たったことに安心する砲手だが、何か忘れていることを思い出した…その時。

 

 

 ドガアアアアアッ!

 

 

「キャッ!!」

 

 突然何かにぶつかる音がしたため急いで外を見ると、BT-42が走行に攻撃していた。

 砲手は「させない!」と急いで装填手に「砲弾を!」と言うと急いで装填手は砲弾を装填すると、「見えないけど」と引き金を引いた。その瞬間。

 

 ガラガラアアアッ!!

 

 左の車輪を壊して走行不能にしたが、バランスをうまくとらせるようになっていたため行動負のとはなっていない。

 そして逆に自分たちに向けてきたため、彼女は「あ」と青ざめていく。そして。

 

「トゥルタ」

「ふんっ!!」

 

 ドガアアッ! ガラガラガラガラ…シュポッ! シュポッ!

 

 ミカの命令にアキは砲弾を放つと、装甲に当たり41式は行動不能となった。そしてBT-42は衝撃で地面に着くと反対の車輪は外れ、動くことが出来なくなり行動不能となった。

 だが、バレー部の作戦と継続とSNSの力によっり。黒薔薇のメカであるジャイアント・タートル・キャノンメカを倒すことに成功した。

 

「皆さんの健闘を祈ります!」

『ジジ―…あとは頼んだぞー!』

 

 ミカと無線機から聞こえる輝夜はそう言うと、彼女が手にしている楽器カンテレを鳴らす。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「あいつらのメカを倒した…驚いたな」

 

 報告を聞いた一行は、目を丸くして驚いていると。井上は「すごいっすね」と感心する。

 

「あの勇樹さんという謎のボクたちに、黒薔薇がやられるのは意外っすよ」

「おい言いすぎだ! いくら何でもいいことと悪いことが!」

「加藤黙れ、これは井上の言うことが正しい。これは少し舐めていた…ようだな」

 

 驚く井上に加藤は叱るが、一行はそれを落ち着かせて冷静に見ると、この先にある建物を見つける。そして。

 

 

「……移動するぞ、これは面白くなるな」

 

 

 一行はそう言って通信機を手にすると、何かを話す。そしてそれを通信手に渡すと中に入ってハッチを締めた。

 




オリジナルメカ紹介↓
このメカは『東城会直系西住会会長クロッキー』さんが送ってくれたオリジナルメカになります、ありがとうございます!

41式特大型戦車
諸元
搭乗員数はお任せします。
最高速度:65km/h
主装備:90mm砲
元々は悪質な戦車道流派による犯罪が横行した世界において警察機動隊及び日本国国防軍が配備している特殊戦車。
地底戦車黎明期に開発された装備であるものの、地下からの突入や暴動鎮圧、重戦車で作られたバリケードの突破に使用されてきた。
このメカは収納式の砲塔が搭載されており、車体前面のドリルが特徴である。
なお、今回は黒薔薇が何らかの方法でメカをどうにかして盗み、黒薔薇用に作り出した。


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第34話『遊園地で騙されて、再度巨大メカ襲来?!』

 ジャイアント・タートル・キャノンメカと五月女流の攻撃により見方は減ったが、何とか相手の戦車と巨大メカを倒すことに成功した彼女たち。

 

「アブ引き部のメカは3体ほどやられた…百合子さん、大洗連合の皆さんは?」

「はい、継続高校にプラウダ、黒森峰などを含んで約8両がやられました」

「厄介な事態だな…西住、この後どうすれば?」

 

 勇樹は西住に連絡すると、彼女は『はい』と答える。

 

『このような事態になったのは私の責任です、互角に持ち込めると思ったんですけど』

『そんなことは…ない』

 

 間を割り込むかのように愛里寿が入ると、『愛里寿ちゃん』と福音が

 

『少しやりすぎるところもある、でも私は伝えたいこと分かる』

『そうだな…私も同じだ』

『ですがこれでは流石に西住さんのやり方ではありませんわね』

 

 愛里寿の言葉に同意するかのように、蓮華と剣が言っていると伊江が「なるほど」と答える。そして。

 

「ここからの作戦は、大隊長?」

「…はい、局地戦に持ち込んでここの特徴を生かしてチームワークで戦いましょう」

「それでこそ、西住みほのやり方ね」

 

 みほの言葉にマリーは答えながらケーキを食べていると、桜が「食べながら言わない」と注意される。

 そして勇樹は「ここから近い建物はどこだ? そこで個性の特徴を生かそう」と言うとまほは「そうだな」と答える。

 するとみほからの通信が入ると百合子が「通信です」と言うと、彼は「わかった」と答える。

 

『勇樹さんあの建物はどうでしょうか、あの中だと遭遇戦がやりやすくなります』

「そうだな…他のみんなは?」

『わたくしは賛成ですわ』

『背水の陣になると思うわ。どうすれば』

『そう言う戦いは、得意だようちらは…な』

『アンツィオも得意だ』

『そうそう、面白いじゃん』

 

 各リーダーの、ダージリンとカチューシャ、杏とアンチョビ、そしてココアは答えると、ペパロニは『そうっすか?』と疑問で答える。そして。

 

『では、パンツァー・フォー』

 

 みほは答えると勇樹は「居場所じゃん…決戦向きだ」と双眼鏡を手にしてみる。

 その先に見たのは…廃墟となった遊園地。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「この遊園地は…山田舞、説明と詳細を」

「ハイ、これは交通の便と営業の悪さが原因でこのように廃園となった遊園地っす。詳しい話は不明なんすけど、どうやら小鬼言っているみたいっすね」

「予想通りか…ふっ」

 

 緑色のアホ毛が立った短髪の少女、『山田舞』が答えると、彼は不敵な笑みをだしながr通信機を手にする。

 

「こちら一行、彼らはどうやらその場所へと言った、お前らは?」

『あたくしたちも行っておりますわ! 霊の準備もしておりますし』

「準備…なんだそれはと言いたいところだが、行っているならまあいいだろう。すぐに行動できるように準備はしておけ」

『了解ですわー!』

 

 小春田の言葉に彼は疑問を浮かべながら通信機を切ると、加藤に渡す。そして。

 

 

「各仲間に向けて言う、廃遊園地に向けて全速前進だ」

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

『残っている道具で何とかいけるかもしれません、使い方はみんな自由でお願いします。見方を変えるだけで役に立つかもしれません』

 

 勇樹からの連絡にみんなは『了解!』と答えている中、継続高校のヨウコは「わかった」と答えると風呂敷を広げて道具を見る。

 道具の詳細は連絡や戦車道の映像で学べたが、初めて見るのも多い。

 

「使い方を変えれば行けるけど…どうやってやれば…」

 

 道具を見て真剣に考えている中、ダージリンはペコから紅茶を注がれていた。

 

「面白い戦いになりそうね」

「お言葉ですが、データの上では厳しい戦いになりそうです」

 

 アッサムはそう言いながら、パソコンとスーツケース型のパソコンを見ながら真剣に答えると、ペコは「覚悟の上じゃないですか」と答える。そしてダージリンは通信機を手にするとこう言った。

 

「運命は浮気者、不利な方が負けるとは限らないわ」

「ね、隊長?」

『はい、私たちは私たちにできる戦いをしましょう』

 

 みほがそう言っている中、アッサムは「それにしても、この道具意外と役に立つわね」とつぶやきながらスーツケース型の道具を見て感心する。すると。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

『南正門入り口は完了』

『西裏門、こちらも配置済みであります』

『東通用門、こちらも固めたわ』

『中央広場、あと3分で終わるよー』

 

 通信機からまほ、西、ダージリン、ナカジマの声を聴いた勇樹は「わかった」と答える。みほもそれを聞いて『わかりました。ミッコさんペパロニさん、そちらはどうですか』と言うと。

 

『こちらルミ、向こうから黒薔薇が集まっている。バレバレだからわかりやすい』

『同じくペパロニ、今スウィートガールの福音とアマレットと後退しているっす』

 

 それを聞いたみほは『わかりました』と答えると、伊江が「しかしやるな福音」と感心するかのように言う、それもそのはず。

 

 

 

「CV33に乗って、豆戦車の重さを利用してジェットコースターの線路に乗ったとはなぁ…」

「ええ、それにムササビさんチームと一緒に行動しているとは驚きましたよ」

 

 百合子の言う通り、彼女が手にしているパッドでは地図が映っており、この機能は通話以外にGPSを利用した探索機能が搭載しており、みんながどこにいるか分かるようになっている。

 そして今、福音とペパロニとムササビさんチームはジェットコースターの線路に乗って移動している。すると。

 

『こちらふくねー! 今敵はね、南正門とまとまって進撃ちゅーなんだよ!』

「ありがとう福音、登山部は?」

『葵だよ、今勇樹の道具をどう使うか悩んでいるけど。怪しい動きはないよ』

 

 葵の言葉を聞いて彼は「わかった。この情報をみほに連絡してくれ。くれぐれも無理のないように…みほ」と連絡をする。

 

「―てことだ」

『わかりました、第一陣は南正門に移動してください。北裏門、東通用門の皆さんも警戒を怠らないようにしてください。サンダースの皆さんとサメさんチーム、海賊部待機をしてください』

 

 みほがそう言っていると、ポルシェティーガーとT-34/85、P40とブンボーガーとZ・ティーポットカー、八九式とM3リーは移動し。勇樹は「さすがみほ、今度は行けるな」と自信気に答える…すると。

 

『こちら冷泉麻子、気になる報告をする。さっき雨が降っていたがこれも黒薔薇の仕業か? 以上』

「麻子…何を知られせているんだ」

 

 麻子の言葉を聞いて伊江はあきれていると、小森は「む」と何かを考える。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「すごい土煙…ねえ葵、どうして加速しているの?」

「えっと、もしかして威嚇? わざと私たちが強い! という風にしているとか?」

「ハッタリかましてんすね…すごいっす」

 

 茜と葵、ペパロニは土煙を見て驚いたり感心したりしていると、福音は「あれ」とある事に気づく。

 そしてカバンから携帯電話を出すと何かをし食べたため、ペパロニは「どうしたんすか?」と言うと彼女は「気になるのがある」と真剣に答える。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「そろそろ来る…みんな、落ち着いて」

「これ訓練じゃないよ、集中して」

「「「わかった」」」

 

 みほから「もうすぐきます」という報告にウサギさんチーの澤梓とダイスチームの岩田一史は言うと、双葉たちとあやたちは真剣に答える。そして。

 

 

 

 

 ドゴオッ!! ドゴオッ!!

 

 

 南正門に発生した土煙の中から砲弾が放たれた。それを合図にまほは「撃て!」と指示を出すと、各チームは砲弾を放ち始めた。だが。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「……なあ勇樹、質問してもいいか?」

「ん、どうした?」

 

 小森が突然勇樹に質問できたため彼は話を聞いてみた。

 

「おかしいじゃないか? あの煙」

「ん、煙って…普通土煙があるのはおかしい思わないが」

「逆だ、麻子から聞いたあの天気…すぐに発生するのはおかしいぞ」

 

 小森の言葉に彼は「麻子から…そう言えば」と思い出してみた…それは。

 

 

 

 

『こちら冷泉麻子、気になる報告をする。さっき雨が降っていたがこれも黒薔薇の仕業か? 以上』

 

 

 

「雨…煙…あ!」

 

 勇樹は何かに気づいたのか急いで通信機を出そうとしたところ、携帯から『祝福音』と表示されている。

 

「っ! こんな時に…もしもし!?」

 

 

『勇樹お兄ちゃん! あれは罠だよ! 雨を含んだ土はすぐにあのようにはならないよ!!』

 

 

 福音の声に彼は「おわっ!?」と驚き、携帯を落とし曽根るが小森が「よっと」と受け取る。そして。

 

「やはりな…何かを隠して行動すると同時に黒薔薇の仕業か」

『うん! あれって確か『煙発生装置』だよ! それにあの天気はきっと『お天気コントロール』を使って!』

「ああ、本来は地滑りをおこさせるために使用したが…それがあだとなったか」

 

 小森と福音の言葉に幹子は「すごい推理」と驚く。そして。

 

「隊長、こちら小森。これはきっと陽動作戦だ」

『へーほー第6計「声東撃西」だよ!』

「よ、ようどう? なんだそれ?」

 

 彼女の言葉を聞いた伊江は目を丸くしていると、幹子が「中国の作戦だよ、簡単に言うと」と説明し始める。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

『西裏門の西さん、敵が回り込もうとしています。今サンダースとBC自由学園、闇の世界にのみなさんが応援に向かいますので戦闘準備お願いします』

 

 通信機からみほの通信をを聞いた西は「かしこまりました」と返答し、仲間に伝える。それを聞いた細見たちは。

 

「よーし、敵が見えたら全力で突っ込んでやる!」

「先ほどの面目を果たす時が来た!」

「知波単名物総攻撃!!」

「恐れながら申し上げます!」

 

 すると、服だが細見たちの話を割り込む語りで話し始めた。細見たちもなにかと福田の話を聞いてみた。

 

「いたずらに突撃して全滅しては、それこそ知波単の面目にかかわるかと」

「なんだと!?」

「福田、伝統をないがしろにする気か!?」

「ひぃっ! も、申し訳ございません!」

 

 細見たちに怒られて福田は謝るが、西は何かに気づいたのか「まぁ待て」は彼女たちを落ち着かせる。そして。

 

「福田、何か策があるんだな」

「は、はい! 実は、これを赤色と青色の香水でございます!」

 

 福田はそう言って例の香水を見せる。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 その頃、東通門ではクレセイダーにチャーチル、マルチダの聖グロとⅡ型戦車F型とCV35の青師団。そしてワイルドモグリーノメカとドクター・バッキンバキンが隠れていた。

 

「もうすぐ来る」

 

 アレンはメカについている画面を見て言った…その時。

 

 

 

 ドガアアアッ!!!

 

 

 

 シャッターが突然爆発した! 砲弾を放っただろう。そしてクレセイダーは「チャーフィー、いざ尋常に勝負!」と高速で動いてく…が。

 

 

 

 ギラリッ!!

 

 

 

 煙から輝く赤い光にダージリンと太田は気づいた。ダージリンはローズヒップに向けて『戻りなさい、ローズヒップ!』と言い、太田は「アマレット、みんなに連絡!」と言うと彼女は「う、うっす」と言いながら通信機の電源を入れる。

 ローズヒップは急いで戻っていくと、煙から砲弾が放たれて近くの建物に当たると爆発した。

 2人が言うのも当たり前、何故なら…。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「ヤスデ型の巨大メカが現れた?!」

 

 福音の通信を聞いた伊江は驚くと、百合子は「え、ヤスデ!?」と目を丸くする。彼女もアマレットからの連絡で驚いていたからだ。

 

「わかった…なぁ勇樹。そのメカってなんだ?」

「ヤスデ…確か資料には『ヤスデタンク』が乗っているが…あいつらがそんなのを作るわけない…だとしたら」

 

 勇樹は伊江からの質問に資料を見ながら探していると、小森が「これか」と一枚のメカを渡す。それに書かれていたのは。

 

 

 

「『デビル・セヌピード』…まずいぞあのメカは危険だ!!」

 

 

 勇樹はそう言ってみほに「みほ、緊急だ!」と連絡を入れる。そしてその時にメカが書かれた写真を落とす。

 

 

 

 

 そこに描かれていたのは。額にどくろのマークが描かれていて口に砲台が付いており、装甲が黒色に輝き左右にキャタピラが付いた巨大なムカデ型のメカが描かれていたからだ。



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第35話『油断大敵、敵の罠と観覧車…?』

「ムカデ型メカ『デビル・セヌピード』、その大きさは最低40メートル最大150メートル!?」

「まぁ、虫が苦手な人は自国のようなものですね」

「お化けじゃないのは安心したが、結構大きいな…T-28よりもすごいのか?」

 

 勇樹から渡された使用を見て沙織と華は驚き、麻子は彼に質問すると、本人は『すごいですよ』と答える。

 

『装甲に使用されている鉄は黒曜石並みに堅く、ダイヤモンドの成分と同じ砲弾でなければ壊れず、口についている砲台は約100㎜でその威力はスカイツリーを簡単に破壊します。2本の履帯が左右についていまして、1本が壊れたら外してもう1本が稼働するようになっているのです」

「戦車には搭載していません…弱点とかは?」

『今のところ、不明ですね…溶岩のように非常に熱い液体をかける以外は』

「ここ北海道だよ火山とかはないし!」

 

 勇樹の言葉に沙織は突っ込むと、みほが「沙織さん、落ち着いてください」となだめる。すると勇樹は『そう言えば』とある事を思い出した。

 

『あのメカですが、実は砲手と装填手はメカの顔、つまり砲台にいまして胴体のどこかに操縦手と通信手と車長がいます。胴体のどこにいるからは不明ですが、その下にはメインエンジンがたくさんついていまして。そこを壊せば何とか弱まります』

「真下…詳しい所はどこのですか?」

『ごめんなさい、設計図にはそれらしき操縦席は乗っていないのでわかりません。ですが相手の攻撃を防ぐとしたら一番分厚い装甲にいると』

「分厚い所か…砲手が一斉に攻撃すれば何とかわかるな」

 

 勇樹の言葉に麻子は冷静に答えると、みほは「勇樹さん、情報ありがとうございます」と答えると、通信を起動してみんなに伝える。

 

「皆さん、勇樹さんからの話ですが。相手の弱点は装甲が分厚い所にいると思われます。その真下にはエンジンがありまして、そこを壊せば行動不能になります」

『わかりました!』

「サンダースの皆さんは、急いで向かってください」

『もう向かっているわ』

 

 みほの言葉にケイは答えると、今度は桜が『それとだけど』と答える。

 

『あのヨウコはどこに行ったの? 見かけないけど』

『私は大丈夫…分厚い所はどこか聞いた。試しに探してみる』

 

 ヨウコの言葉を聞いて華は「一体、どうやって探すのでしょうか?」と頭を傾げるのであった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 ドガアアアッ、ドガアアアアアッ!!

 ダダダダダダダダッ!!

 

 キンッカンカンッ!!

 

 その頃、聖グロと青師団ともワイルドモグリーノとドクター・バッキンバキンは、デビル・セヌピードに向けて攻撃を放っていくが。黒曜石を使用した硬度が高い装甲のため、砲弾は跳ね返ってしまう。

 そうしていると、杏たちが応援にやってきた。

 

「お待たせ―」

「うわデカい!!」

「そして怖い~!!」

「大きいね、どうやって動いているのかな?」

 

 杏の声に典子、優季、ナカジマは驚いていると、メカの目は彼女たちが乗っている戦車をにらみつけると速度を上げていく。

 攻撃していくがどんどん進んできたため、ダージリンは『2ブロック後退』と指示を出すとみんなは後に後退していく。

 そうしていると、デビル・セヌピードが出てくると同時に、背中から全戦車と黒薔薇のメカであるピラニアと豚型と宝石箱型のメカが出てきた。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「西隊長! 味方の機器ですよ、直ちに総攻撃に向かうべきでは?」

「そう言うな玉田、これも作戦だ」

 

 玉田は応援に行く事だというが、西は福田の考えた作戦を信じているのか、安心させるように答える。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 そして、南正門にいる黒森峰とプラウダは。黒薔薇が入ってこないように防衛している。

 

「4両しかいないわね…マホーシャ、私たちをひきつけておくだけみたいだけど。どうする?」

「わかった、行こう。エリカ頼む」

『はい!』

 

 カチューシャの言葉にまほは答えて、彼女はエリカに頼んだところ。彼女は嬉しそうに答える。そして。

 

 ガガガガガアアアアッ!!!

 

 まほが乗っているパンターG型は前に出ていくと、時計型のメカがそれを定めて攻撃する。だが僅かに掠れて攻撃は失敗した。その瞬間。

 

 ドガアアアアアッ!! ガンッ!! シュポッ!

 パンターG型から放たれた砲撃は時計メカの胴体に当たるとばねがとびだし、それと同時に白旗が出てきて行動不能となった。

 それと同時に隣にいた時計メカに放つと、胴体についていた歯車は壊れて白旗を出した。

 そしてそれを楯にするかのように後ろに隠れると、反対側にいたM26に攻撃していき1両は行動不能になる。

 それと同時にカチューシャはもう1両のM26に攻撃して行動不能となった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 その頃…西門では、黒薔薇のメカであるヤドカリ型のメカと轆轤型のメカが入ってきてあたりを見渡す。

 

「敵影なし…よし、行くか」

 

 操縦手はそれを確認し終えるとメカを動かしていく、対岸側にもいないことを後ろに伝えながら橋の上を進んでいくと、装填手が「あれ?」とある事に気づく。

 

「どうしたんだ?」

「はい、あの湖に浮かんでいるアヒルなんですが―」

 

 装填手は砲手に何か伝えようとしたその時、轆轤型のメカの胴体に何かが当たったため車長はあたりを見渡すと、空中回路の旧砲塔チハが攻撃をしていた。

 

「敵発見、攻撃用意」

「はっ! 攻撃用意!」

 

 車長の言葉に砲手はレバーを動かすと砲台は空中回路に向けて動き、装填手が砲弾を入れ放とうとした。その時。

 

 

 パァァアアアアッ! ドガアアアッ!!!

 

「な!?」

 

 突然アヒルの頭が割れると同時に砲弾が放たれた音がし、履帯のパーツが壊れて装甲不能になった。

 

「嘘、あのアヒル偽物?!」

「後退に次ぐ、急いであの戦車に攻撃して!」

 

 通信手は急いで後ろに通信していくが、今度はボートから放たれる音がし最後尾の魔法瓶型のメカに着弾する。

 しかし魔法瓶型のメカは、装甲が熱いため簡単に壊れなかった。その時。

 

「よし、今だ!!」

「うおー!!!」

 

 西の合図に各戦車は陸に上がり、ヤドカリ型のメカに向けて放った。

 それと同時に、砲弾を放つとメカに亀裂が広がっていき。頭から煙が出てくると同時に白旗が上がる。

 

「玉田よくやった!」

「さすが勇樹殿の道具であります!」

 

 福田はそう言って青色の香水を見て喜ぶ。実はこの香水は一見香水に見えるが、正式には香水風のスプレー。

 この道具は『バルーン・スプレーの素』と言う変わった道具で、風船に向けて模様をイメージしながら放つと、自動で模様が出来上がる特殊な道具。効果は約30分。

 福田は風船を出して膨らませ、それにスプレーでアヒルの頭を作り、かぶらせてやったのであった。

 

「よし、もういっちょ! おりゃー!!」

「それくらいにしておけ! 戻れ!」

 

 玉田はもう一台攻撃しようとしたが、西がそれをやめるように言うと、魔法瓶型のメカの胴体から砲台が出てきて玉田の戦車に向けていた。

 玉田は「って、あれ…?!」と目を丸くしていると、操縦手が急いで後ろに下がるように動かしたその時、砲台から強力な砲弾と爆発がして、玉田の戦車は後ろに急速で下がると同時に水中に入っていく。

 西は「後退的前進!」と急いでみんなに指示を出して逃げていると、黄色ボートに砲弾が当たり、ボートはどこかへと飛んでいった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「相手の狙いはどうやら火力を利用して拡散していく事だな…」

『はい、各子撃破することですね』

『バラバラに軟化させないわよ』

 

 勇樹は通信機からみほとケイの言葉を聞いて、彼は「それにしても…」とハッチから頭を出してあたりを見渡す。

 

「この遊園地…どこかで見たことあるような…?」

 

 廃遊園地を見て彼はつぶやいていると、伊江が「報告だ」と言いだした。

 

 

 

「今西たちはサファリパークにいて例の作戦を実行…だが失敗、撃つ前に風船が破れてしまった」

「おいおい、その風船結構高かったんだぞ…しかも費用したゴムを集めるだけでも精いっぱいなのに」

 

 伊江の言葉を聞いて彼目から涙を流していると、百合子が「あと、少しピンチです」と言いだすと彼は「え」と泣くのをやめて百合子の話を聞く。それは。

 

「ウサギさんとダイスチーム、逃げる方向を間違えてしまい難を逃れましたが…他追われています」

「まじか…じゃなくてそれはピンチじゃないか?! 急いでいくぞ!」

 

 勇樹はそう言うと小森は「エンジン始動」とエンジンを入れると戦車は起動し、ダージリンたちのところへと向かっていく。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「あわわわっ! は、離れているよ! 急いで修正を!」

「無理無理無理! 虫みたいなのよどうやって倒せばいいの?!」

「六巳ちゃん落ち着いて!?」

 

 一史は急いで戻すように言うが、操縦手の六巳は恐怖とパニックにより混乱してしまい。双葉が落ち着かせるようにしている。

 すると三太郎が「ねえ、少しいいかな?」と言うと、一史は「なに」と言うと彼はこう答える。

 

「黒薔薇なんだけど、ボクたちと梓ちゃんたちを残して何かを一ヵ所に集めるようにしているんだけど…気のせい?」

「一ヵ所…確かにおかしい」

 

 三太郎の言葉に一史は地図を出してみ見てみると…今度は四音に「四音、確かこの先って…」と言うと、彼女も「ああ」と答える。

 そう、バラバラのようにしている物でも、ある場所に集まれば危険…ネズミ袋でも水がある場所でもない…その場所は。

 

「YO地点だ…しかもコンサートがある!」

「上がっても攻撃されて、無理にしようとしたら…あれが」

 

 五郎はそう言いながら外を見ていると、五月女の各戦車と黒薔薇のメカ、そして巨大メカである『デビル・セヌピード』が出ないように固定している。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 囲まれた大洗連合、目と鼻の先に巨大メカと4両のT14、そしてその後ろにはデビル・セヌピードが囲まれていた。

 T14の合図に各戦車はゆっくりと進んでいく。痛みをすこしずつ味合わせていくかのように。

 

「行け! くさびを打ち込め!」

「砲撃開始だ!」

 

 すると、後から西たちと雅緋たちのメカ、ブラック・クローがやってきてメカに向けて突進していくが、デビル・セヌピードが胴体を分離して攻撃をかわし、彼女たちもコンサートの中へと吸い込まれる。

 

「って、これはアリジゴクなんか?!」

「やられたよー!」

 

 巻き込まれたことを感じた日ノ本焔と楓はそう言うが、後の祭り。デビル・セヌピードは胴体を合体して元に戻る。

 まほたちも急いできたが、宝石箱型のメカから放つ砲弾に近づけない状態になっている。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「残っている道具はこれだけ…どうしよう」

 

 梓たちは丘から大洗のみんながピンチになっている光景に焦っている中、彼女は勇樹からもらった道具を見て確認している。

 このピンチを救う方法はないかと。

 

「ねえ梓、この槍で戦車を持ち上げて言ったらどうかな?」

「それじゃあ無理だよ、持ち上げるのは限度があるって聞いたから」

「じゃあロープでまとめよう! そしたら一本でも行けるし!」

「桂里奈、このロープは10mある、一両だけでも抑えるのが精いっぱいだよ」

「それだったら衛星で…あ、無理か~」

「もう、真剣に考えて!!」

 

 あやたちが真剣に考えたりふざけたりしている中。沙希が梓の肩をたたく、梓は何かと沙希に向くと、彼女はチョウチョに向けて指をさす。

 

「沙希、チョウチョは後にして! 今試合中だから」

『沙希…あんた天才じゃん』

 

 梓の言葉に続くようにヨウコが突然通信機からしたため、あゆみは「ヨウコさん?」と反応する。そして沙希は青色の香水型のスプレーを手にして、こう言った。

 

 

 

「観覧車」

 

 

 

 梓たちは何かと思っていると、梓は「そうか! 観覧車と言えば!」と思いつく、それに続くかのようにあやたちも「そうか!」と続くかのように思いつく。だが。

 

「あ、でも錆びているのか分からないから、少しは…あ」

 

 梓はあたりを見渡していると、一史たちが乗っている『ブンボーガー』がやってきた。それを見た彼女はあやに「あや、一史たちにも」と言うと彼女は「わかった!」と答える。

 一体何を考えているのやら…。



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第36話『大逆転と大ピンチ、そして!?』

「これは本当に危険な状態…なのね」

 

 窮地の状態にダージリンは冷や汗をかく、聖グロの戦車道をやって以来。大洗との戦い以外子のようになるのは初めてだ。

 強豪校であれ、相手は黒薔薇女学院。勇樹曰「どんな手段を使ってでも必ずし勝利する」という言葉に彼女は覚えていた。

 

「このままですと、私たちが」

 

 それを見てさすがのペコも真剣に答えると、通信機から『そんもようだね~』と杏の声がした。

 

『残っている道具はこの状態で助かる可能性は不明だし、これは流石にピンチだね~』

『何か手段があればいいが…』

『そうっすね、何か爆発が起きれば』

『それだけはやめて欲しいにゃ~!!』

『私たちもよ!』

 

 通信機から聞こえるみんなの声にアッサムはイライラしていた…その時。

 

 

 

 ドガアアアアアッ…

 

 

「あら?」

「爆発…ですか?」

「それにしては小さいね…どこから?」

 

 突然の爆発にみんなは何かと反応し、あたりを見渡していた。すると。

 

 

 

 ガギッ! ガガガガガガガガガガガガ……。

 

 

 今度は何かがぶつかる音がして、転がるかのように動く音がした。

 

「何かしら…爆発にしては妙な音が…

『だ、ダージリン様! 前を前を見てくださいまし―!!!』

 

 ローズヒップが慌てる声がしたため、ダージリンは何かと思い隙間から外を見た…すると。

 

 

 

 

 

 ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ!!!!!

 

 

 

「あ」

「いっ!?」

「嘘!?」

 

 

 

『『『『『『『か、観覧車あああああっ!?』』』』』』』

 

 

 観覧車がタイヤのように転がってきたのをみんなは驚いている。だが、黒薔薇のメカからスピーカーが出てくると『八ッ、んな言葉に引っかかるか!』と鼻で笑う。が。

 

 

『あ、あの!! 後を見てください後を!!』

『あん、何だ…ってマジかああああっ!?』

 

 他のチームの言葉に後ろを見た途端、青ざめて驚くと『急いで撤退だ!』と戦車とメカを動かすが。

 

 

 ガガガガガガガ…ベギィィィィィィッ!!!!

 

「あ」

「折れましたね」

「真っ二つに」

 

 観覧車がデビル・セヌピードの胴体を通ると、重さに耐えきれなかったのか観覧車の鉄が包丁の原理になったのか分からないが、胴体と胴体の隙間に入ると簡単に切れた。

 それを見た生徒は『ぎゃあああっ!!! お金と時間をかけて作ったのにぃいいいっ!!』と悲しい声が響いた。すると。

 

「はっ! 今のうちに!」

「はい、皆さん。今のうちに!」

 

 ダージリンの言葉にアッサムは通信機で民案に伝える。途中『ツァーリタンクか!?』『パンジャンドラム!?』という声がしたが、気にしない。そして。

 

『そこね!』

 

 風紀委員基フルーツチームのメカである『サボ・ポリス』のアームが観覧車を掴み、向きを変えるとそのまま進んでいく。するとナオミが『あ』とある事に気づく。それは。

 

 

『上に変わった乗り物が乗っている…ダイスチームじゃないか?』

『『『『なんですって!?』』』』

 

 

 ナオミの言葉にみんなは一斉に観覧車を見ると、観覧車の真上にブンボーガーが乗っていて、左右から大型の歯車が出てそれを観覧車の軸につけている。これはつまり。

 

 

『まさか、これを支えて進んでいるの!?』

『バカな! それが可能だというのは!』

 

 

 アリサの言葉に河嶋は驚くが、祝井が『いや、可能かもしんねえな』と返答がした。

 そして観覧車はそのままデビル・セヌピードの胴体を再度真っ二つ…いや三つにしていくと、杏が『今だー、後に続け―!!』と言いながら戦車はスピードで胴体を通りコンサートから出ると、そのまま逃げていった。

 それを見た生徒は『おんにょれぇえええええっ!!』と悔しがり、他の生徒はデビル・セヌピードのところへと行き何かをし始める。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

『相手がほぼ園内に親友したので、プランFで戦います。勇樹さん』

「ほい来た! さすが一史たち! 梓たちとヨウコもいい腕しているな!」

 

 みほからの連絡を受けた勇樹は小森に「急いでいけるか?」と言うと、彼女は「可能だ」とスピードを上げる。

 そして後ろから『センチュリオン』と『M26』が3両やってきた。

 

「あの戦車…まさか!」

「ふぅ…遅れてごめん、場所が広すぎた」

「あ、いやそれはいいけど…それよりも」

「わかっているわよ…何か方法は?」

 

 アズミはそう言うと勇樹は「100ではありませんが、この作戦を」と紙を出して言いだした。

 そうしていると小森が「む?」と何かを見つけたのかジト目で見つめていると、向こうからモグラ型のメカがやってきた。

 

「やばい…勇樹! もう伝えたか?」

「じゃあお願いします…伝え終わった…ってなんだあれ!?」

 

 勇樹は驚いていると彼女は「よけるからな!」と操縦機を動かすと、愛里寿が乗っているセンチュリオンと一緒によける。

 

「あれ、勇樹君なんで愛里寿さんが?!」

「詳しい話はあと! 今は急いでみほのところに!」

「わかった!」

 

 勇樹の指示に小森はアクセルを踏むと、速度はさらに上がっていきモグラ型のメカの横を通って行く。モグラ型のメカは後を追うとするが、胴体に砲弾が当たったため何かと動いた…。

 

「「「隊長たちの邪魔はさせない!!」」」

 

 

 ドガアアアァァァァァ!!

 

 

 アズミ、ルミ、メグミのバミューダトリオがメカに攻撃して自ら囮となり、戦うことになった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「ほぅ、これがあいつらがいるところか」

 

 一行は、例のパッドを見て言うと。井上は「すごい状況っすね」とお言いながらココアを飲む。その匂いに彼は「うっ」と顔を青ざめる。

 

「おい、なんでここでココアを飲むんだ」

「え、いやーノドが乾いたもんで」

「それは後だ! オレは甘いのが苦手『コーヒーも用意しているっすよ』…それならいただこう」

 

 一行は井上に叱ろうとするが、コーヒーがあったことを聞くと飲むことにした。

 コーヒーを飲んだ彼は「いつも苦いな」と言いながらパッドを見る。すると。

 

「む、なんだこれは?」

 

 彼は何かに気づいたのかパッドをよく見ると、井上に「おい」と質問する。

 

 

「黒薔薇のメカ、どんどん強くなっている…妙じゃないか?」

「え、相手が強いなら仕方ないっすよ」

「逆だ、このような衝撃とあるのに痛みがない、普通多少痛むだろ?」

「カーボンだからじゃない? ほら、特殊カーボンを使用しているから普通は…あ」

「やっとおかしなところに気づいたか…」

 

 彼の言葉を聞いた加藤は理解すると「そう言えば変だ」とつぶやく、そして。

 

「急いでいくんだ…相手が妨害してもだ!」

「あ、はいっす!」

 

 彼の指示に井上はアクセルを踏み、速度を増していく。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 現在カチューシャ、アリクイさん、レオポン、メカニック、PC部は現在西武が舞台となったところへといた。

 後ろからは宝石箱型のメカが彼女たちを追っている。

 

「騎兵隊が襲ってくるにょ!」

「「はわわわわわわわ…」

 

 アリクイさんチームはそれになり切っているのか、そう言いながら操縦している。

 それを聞いたアイコンたちは「なり切っているなぁ」とつぶやいた。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 クレセイダー、カモさんチーム、フルーツは逃げている間カモさんチームの装甲に敵の砲弾が当たった。

 

「やったわねぇ!?」

「今はチームプレイだよそど子」

 

 当てられたことに憤るそど子をゴモ代は操縦しながら落ち着かせるようにしている。そして後ろから豚型のメカがやってきた。

 

「マスターアール、オン!」

「ファイヤー!!」

 

 すると、どこからかカエサルとエルヴィンの声が聞こえたそして壁から砲弾が放たれた。

 

 

 ドガアアアァァァァァァア!! シュポッ!

 

 

 メカの胴体に砲弾が当たると頭から旗が出てきて行動不能に、実はこの技はアンツィオの秘伝技である『マカロニ作戦』で、これは勇樹が用意した道具である青色の香水型スプレー『バケ―ルスプレー』と言う道具。

 この道具は何もない風景などに吹き付けると景色が映し出される特殊なスプレーで、効果は約1時間。

 

「よし、次行ってみよう!」

 

 カエサルはそう言うが、看板を付けたまま行くⅢ突の姿はカッコ悪い。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「百合子さん、どうですか?」

「はい、今アリクイさんたちが宝石メカと戦っておりまして。ナカジマさんが攻撃して1両破壊。前田さんも同じく」

「追伸だ、カチューシャが1両でアリクイが1体。アリクイすごいな」

 

 アリクイの成長に伊江は驚いていると、勇樹も「短期炭で鍛えたな」と驚いている。

 すると愛里寿が「勇樹さん」とある方向に指をさす。その先にあったのは、壁に突っ込んで抜けないブンボーガーと砲台だけ出ているT-26。

 

「一史、連絡内っと思ったらここで…待てよ、あの砲台は確か」

「うん、ヨウコだね」

 

 愛里寿が答えていると、後から爆発音が響いた。それを聞いた2人は急いで振り向くと、どくろの煙が上空に出ていた。

 

「アズミ…みんな行けたんだ」

「すげえな…連絡は?」

「はい、先ほどのモグラ型のメカは行動不能になりました」

 

 百合子の言葉に勇樹は「ほっ」と安心した…その時。

 

 

『ビィイイイッ!! ビィイイイッ!!』

 

 

『『『っ!!』』』

「この音…勇樹!」

「わかっている…何の知らせなんだ?!」

 

 勇樹は虫の知らせを見てあたりを見渡していると、伊江が「報告―」と連絡が入る。

 

「現在アヒルさんとヤタガラス、どんどんと敵を2体やっつけた。アンコウは1両、倒した」

「……はっ! 福音たちが危ない!!」

 

 勇樹の言葉に百合子は「あ!」と思い出す、そうこの道具は知らせてくれる道具、自分たちではなく仲間に危機があるとしたら?

 彼が言った言葉は、まことに的中する…。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 ドガアアアァァァァァァア!!

 

「にょえええっ!?」

「やられましたわぁ…」

 

 地理部基アースは、後からやってきたヤドカリ型のメカにエンジンを破壊し行動不能。

 

 バガアアア!!

 

「なぜだ!?」

「完璧だったのに!!」

 

 マカロニ作戦で攻撃する予定のカバさんチームだが、M26によって戦闘不能。

 

 

 ガガガガガガガ…バシャアアッ!!

 

「うおおっ!? な、なぜここに水が?!」

「押田っ! くそ、身動きが…」

「あらあら、負けたのかしら?」

 

 BC自由学園は右からやってきたこいのぼり型のメカにより3体同時破壊と同時に水に沈めた。

 

 

 

 ガラガラガラッ!!

 

「ひゃっ!!」

「ナニコレ…岩!?」

「そ、外に出れない!!」

 

 青師団は洞窟内に入られると同時に上から大量の岩で身動き・砲台は破壊され戦闘不能。

 そして。

 

 

「西裏門よりT14が侵入してきたよー」

「これはやばいねー」

「うんうん」

「そうっすねー」

 

 福音たちは通信機と双眼鏡を使ってみんなに知らせており、先ほどのあんこうチームも彼女たちが伝えると、みほから『了解しました』と返答がした…すると。

 

 

 ガタガタガタガタ…。

 

『『ん?』』

 

 突然何かが昇ってくる音がしたため何かとレールの先を見ると、巨大なワニ…の口が付いた亀の甲羅型のメカが現れた!!

 

「うわあっ! ばれたよー!!」

『退避退避!!』

「急いで逃げるっす!!」

 

 4名は急いで豆戦車に乗り込み、前進していくと。メカも後を追うように進んでいく。

 すると茜が「あ」とある事に気づいた。それは。

 

 

「ねえ、この先ってジェットコースターだから下じゃない?」

『『あ』』

 

 

 彼女の言葉を聞いてみんなは気づくが、もう後の祭り。なぜなら…。

 

 

 

ゴオオオオオオオオオオッ!!

 

 

 もう斜面に沿って移動しているからだ。ちなみにワニ型の亀の甲羅メカは、幅を広げて胴体のおなかを直接線路に当てると、そのまま急降下していき彼女たちの後を追い始める。

 

 

「なんだか知らないけど全開で逃げて―!!」

「向き変えよー!」

「おー!!」

「うわずるいっす!」

 

 TKは向きを変えて機銃で放つが、メカにとってそれは無害なので効果はない。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「ああっ! P40とセモヴェンテもやられました! ってひゃああ! 華のささやき部も全滅!」

「黒薔薇…一体何が?! 愛里寿!」

「っ! 分かった、気を付ける!」

 

 勇樹の言葉にアリスは気を引き締めていると、百合子から「再度報告!」と連絡が入る。

 

「知波単とアヒルさん、ヤタガラスが全滅! この先ですと…」

「あいつの狙いは何だ?! そうだ、ダージリンたちは?」

 

 勇樹の言葉に伊江は「それならこれで」と衛星を見せることにした。すると。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「データによりますと、ウィークポイントはここです」

「優雅な勝ち方には程遠いですね」

 

 彼女たちが言う先には巨大メカである『デビル・セヌピード』が修理し終えており、そのまま進んでいた。

 実はこのメカは壊れているのは事実だが、あくまで壊れたのは胴体の一部。コックピットが壊れていなければすぐに修理が可能。戦車と違って電子機器がたくさんついている。

 ペコが不満そうな言葉を言っていると、ダージリンが「今回はみほさんたちを助けに来たのよ。私たちの勝利じゃない」と答える。そして。

 

『17ポンド砲さん、準備はどう?』

「準備は彼女と一緒にできている、行くぞ」

 

 17ポンド基シャーマンフライの砲手であるナオミはそう答えた途端、彼女は「どうぞ」と答えた。その時。

 

 ドガアアアァァァァァァア! ドガアアアァァァァァァア!! ガラガラガラッ!!

 

 

 左右からの砲撃で橋の一部は壊れて胴体は露に、その中に1つだけ網目が付いたボディがあらわに、そうこの網目はエンジンの熱を排出するために用意した一種の弱点、そして。

 

 

 ズドオオオッ!! ドガアアアァァァァァァア!!! シュポッ!

 

 

 エンジン部を壊した結果、メカは起動停止し。行動不能となった。

 

「成功ね、アッサムのデータ主義もたまにはいいものね」

「ですがデータによりますとこの後の生還率が…」

 

 アッサムの言葉にダージリンは「いいのよ」答える。そして。

 

「みほさん、がんばって。戦いは最後の5分にあるのよ」

 

 その瞬間、左右からヤドカリ型のメカが出てきて砲台を放った結果。チャーチルを行動不能とした。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「追ってる追っている!!」

「機関銃放っているのどうして効かないのおおお?!」

「体格の違いがありすぎっすよ!!」

 

 ペパロニのツッコミにみんなは「ええー!?」と反応をしていると、メカは徐々に近づいていき、口が開くとそこから砲台が出てきてTKに向けて放った!!

 

 

 ドガアアアァァァァァァア!! ガラガラガラッ!!

 

「うげっ! まじで放った!?」

「あわわわわわわ…む、ムササビさんチーム、大丈夫!?」

 

 福音は慌ててムササビさんチームに連絡をすると、通信機から『大丈夫でーす』と声が聞こえた。

 

『驚いたけど何とかいけたー』

『寝袋サイコー、登山部サイコー!』

 

「ほっ…よかった」

「そうっすね…って前!!」

「え?」

 

 ペパロニ言葉に福音は前を見ると、先ほどのワニ型の亀の甲羅メカが口を開けて砲台を放つ用意をしていた!!

 

「挟まれたっす!!」

「あわわわわわわわ!!!」

 

 2人が慌てていた、その時。前の方に何かが放たれると胴体は貫かれ、白旗を出した。

 

「「…あり?」」

 

 2人は何かと目を丸くしていると、左にはウサギさんチームのM3リーが攻撃していた!

 

「やったぁ!!」

「次行くよ!」

 

 澤はみんなにそう言ってもう一体のメカに向けて放つと、メカは先ほどのように胴体を貫いて行動不能。

 

「さすが軽戦車キラー」

 

 優季はそう言って喜んだ…その時!

 

 

 ズドンッ! ドガアアアァ!!!

 

 

 後ろから何かが当たると同時にM3リーは真横に倒れて敗北、倒した相手はT14がM3リーに攻撃したからだ。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「面舵一杯!!」

「「あいよ、面舵一杯!!」」

 

 サメさんチームは、マークⅣの特徴を生かし動きを出来る限りホッケ型の戦車に攻撃されないように、マリンクジラメカと一緒に攻撃していく。

 サンダースは3体のヤドカリメカと戦う状態になった、相手は攻撃をしていくが。

 

 ドガアアアァァァァァァア…ギャリリリリリリリリッ!!

 

「よけた?!」

 

 砲弾を放つと同時に3体は車輪を使ってよけたためアリサは驚き、気づいたときには反対側にいた。

 

「おーのれー!!」

 

 アリサは「急いで装填して、そしたら放つのよ!」と言うが、そうている間に背中の殻から砲台が出てきてM4シャーマンに向けて放ち、行動不当とした。

 残りの3体はドリフトをしながら砲台を用意する、ナオミは放とうにせよ動きながらの攻撃はあまり慣れていない。そうしているうちに1体のメカから砲弾が放たれて、シャーマン・ファイアフライは行動不能。

 そして3体のうち2体は時計回り・反時計回りでドリフトすると、M4A1に向けて進んでいき。そして。

 

「ウップス」

 

 ドガガガガアアアァァァァァッ!!!!

 

 彼女がそう言った瞬間3つの砲台は一気にケイが乗っているM4A1に放ち、行動不能となった。

 それと同時に、マークⅣとマリン・クジラはホッケ型のメカを倒すことにできたが、それと同時にエンジン・装甲・砲台等に負担が大きいため行動不能となった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「サンダース、船舶科のサメさんチームと海賊部、やられました!」

「またか…あ、敵やられたな…ってアンツィオと風紀委員にフルーツ、生徒会もやられた!」

「レオポンもだよ! 同じく白薔薇だが我狼院を除く全員とローズヒップ、黒森峰も!!」

 

 脱落する戦車にみんなが青ざめていく中、愛里寿が「後ろ!」と言ってきたため振り向くと、巨大な球体が空から降ってきた!

 

「しまった、小森! 右に」

「間に合わない! 気づくに忘れた!!」

 

 小森の言葉に勇樹は「なんだと!?」と驚いたその時、愛里寿がキュポラ―の中に入るとセンチュリオンはそのままt-34/85に当たる。そして。

 

 

 ドバァッ!! ピキピキピキピキッ!!

 

 

「ああっ! 愛里寿!?」

「アリスちゃん聞こえますか!? 聞こえたら返事してください!」

 

 玉が当たった途端それははじけて黒色の液体があふれ、戦車を包んで行動を不能にした。

 百合子は急いで通信機でやると、向こうから『わ…たし…は、大ジョ…ウ、夫…』と雑音が混じりながらも、彼女の声がした。

 

『そ…れ、ヨリ…も。急い…で、みほ、サン…のところ…ワ、たしノ事…は、いい…カラ』

「…分かった、必ず助けるから!」

 

 勇樹は小森に「あいつらとの戦いを付けに行く、発進だ!」と言うと、T-34・85は発信し、みほの処へと進んでいく。

 そしてその場所には我狼院とみほ、一行とヤドカリメカ3体が集まっていくが。

 

 

 この時、小春田はある場所にいた。



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第37話『戦え! 最後の決戦…だが緊急事態発生!?』

「…来た」

 

 我狼院がそう言うと、あんこうチームが乗っているⅣ号H型とカンガルー地無が乗っているT-34/85。

 大洗連合に残っている戦車はこれだけ。そして相手はヤドカリメカ3体と戦車1両。

 

「勇樹、みほ。相手はきっと」

『わかっている…あのメカ3体をどうすればいいのかはオレは大体わかる。みほは』

『はい、あのT14は私と我狼院さんがひきつけます』

 

 勇樹とみほの言葉に彼女は「ふっ」と答えると、懐から『白い稲妻』を出して食べる。そして。

 

「白薔薇の名に懸けて、我々は進む。友をすくい、我が心に誓い…行くぞ!」

『『はいっ! 怜雄様!!』』

 

 彼女の言葉に装填手の辰巳重美、砲手の上林亮子、通信手の石原秀乃、操縦手の畑中薫子。彼女たちはそう言うと、エンジンは起動する。

 

 

 ガラガラガラガラガラッ!!

 

 

 左右から3体のヤドカリ型のメカが出ると勇樹が「こっちにこい!」と木を結び付けた頑丈ロープに投げると、2体のヤドカリは後を追うかのように発進していく。

 そして1体のヤドカリメカは、あんこうチームを襲うが、麻子の操縦により華麗にかわされ、そのまま逃げていく。そして。

 

「T14、こっちに向かっている!」

「薫子! 後ろに行け!」

「はい!」

 

 怜雄の指示に薫子は操縦をしていくと、T14は突進しぶつかるのと同時に発砲しようとしていた。

 

「五月女らしくないやり方だな…こっちも行くぞ!」

「はいっ、怜雄様!」

「おうおう! 行ってやるぜェ!!」

 

 2人はそう言うと重美は砲弾を装填し亮子はいつでも狙えるようにスコープをにらみつけると、2両の砲台から砲弾が放たれる。

 

 ドガアアアァァァァァァア!! ガギガギッ!!

 

 だが、砲弾は別方向に放たれてアトラクションを破壊する。

 

「装填次第、衝撃を緩和する準備を!」

「「「はいっ!!」」」

「辰巳、行けるか?」

「わかっています怜雄様。たとえ命が燃え尽きても!」

「亮子! あれを食っておけ!」

「ふっ! わかったって怜雄!!」

「薫子、細かい動きを!」

「はーい! わかりましたー!!

「秀乃、出来る限りみんなに伝えろ」

「はい!」

 

 我狼院は4人に向けて言うと、彼女は眼を鋭くすると、こう言った。

 

 

 

「我々の本気、見せてあげる…行くぞ! 白薔薇学園!!」

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「麻子さん、あの富士山の展望台の下行けますか?」

「わかった。沙織」

「あ、百合子さん! あんこうチームは展望台の下に行きますけど。そちらは?」

 

 沙織は麻子の指示に急いで百合子に連絡すると彼女から『わかりました!』と返答してくる。そして。

 

『ここ追伸! ブンボーガーとT26、ワシベロスとM26が3両同時に行動不能! こちらはヤドカリメカ2体、建物にぶつかり戦闘不能!』

 

「わかりました! みぽりん!」

「はい、残りは私たち3両。何とか勝てる…」

 

 みほはそう言うと、百合子から『それと』と何かの連絡をし、みんなは話を聞くことに、そして…。

 

『もらったぁ!!』

 

 Ⅳ号H型再び洞窟に入ると、後からついてきたヤドカリメカがⅣ号のエンジン部分に砲台が動き、放とうとした…その時。

 

 

 ギィィイイイイッ!!! ガゴッ!!

 

 

「止まった!? どうして」

 

 突然戦車が止まりヤドカリメカは衝突した、なぜ止まったのか…彼女が考え込んだ、その時。

 

 ゴゴゴゴゴゴゴ…

 

「ん、何だ?」

 

 後ろから何か音がしたため画面を見ると、T-34/85が出口の上に停止しており、砲台はメカのエンジン部に。

 

「しまった! すす―」

 

 急いで『進め』と言おうとしたが、砲弾は放たれてエンジン部当たると火を噴き、行動不能になった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「これであと一両…」

 

 勇樹は真剣に残りの車両を見て計算し、あたりを見渡している。残りの砲弾の数と相手の行動をよく見なければわからない…。

 そんな中、彼はある疑問を浮かばせる。それは。

 

「あの液体…シャボン玉の一種だが弾力はゴム弾だけど、固まるのが…」

 

 あのシャボン玉、なぜか割れやすかったのに違和感を抱いていた。

 

 ―――どうして自分たちを狙っていたのか。

 ―――いったいどこから放たれたのか。

 ―――高い所はないのにどうして…。

 

 彼はそう思いながら考えていると、伊江が「勇樹、前!」と声がし、彼は我に返って前を見ると。T14が体当たりしかけてきた!

 

「しまった! 小森、よけろ!」

 

 勇樹は小森に指示を出すと彼女は「やっている!」と急いで操縦機を動かしてよけるが。

 

 

 ドガアアアァァァァァァア!! ギィィンッ!!

 

 

 砲弾は放たれて 戦車に当たるが。掠っただけで行動不能とはならなかった。

 

「くっ! あいつ我狼院と戦っていたんじゃ?!」

 

 勇樹はそう言ってあたりを見渡すと、我狼院からの攻撃をよけながら他の戦車に攻撃している。

 それを見た彼は「あいつ、他のところに目あるのか?!」と驚いている。すると。

 

「北にあんこうが砲撃しました! あ、外れましたぁ!!」

「くっ! 伊江、砲弾は?!」

「残り5つ、十分ではないが工夫次第で行けるな」

「美樹姉、目は?」

「っ…目薬下から大丈夫だよ」

「百合子さんは」

「はい! 最大限であたりを見渡しながら報告します!!」

「小森! 落ち着いて操縦を、麻子の指示を聞いて」

「操縦するんだな!」

 

 勇樹の言葉に彼女たちは答えると、彼は「わかった」と言いながら資料を見ていると、ある事に気づく。それは。

 

 

「……Ⅳ号…待てよ、砲弾を…」

 

 

 Ⅳ号を見て彼は何かを思い出し、考え込む。そして。

 

「みほ、我狼院。これは無理なことだがいいか」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「わかりました。みなさん、行けますか?」

 

 みほは秋山たちに向けて言うと彼女たちは「はい!」「わかりました」と答えるが、沙織は「大丈夫?」と心配する。

 

「麻子さんもよろしく」

「おうよ」

「うん…我狼院」

 

 みほは我狼院に連絡すると彼女も『なかなかやるな』と褒める。

 

『諸刃の剣と言えるが、見方を変えれば片刃の太刀。勇樹にしてはやるな』

「はい、では。『逆転作戦』開始です!」

 

 みほはそう言うと、後からT-34/85とAMX-13が集合し、作戦を開始する。

 

 ドガアア!! ドガア、ドガァ!!! バギィッ!!

 

 五月女から砲弾が放たれると、T-34/85とAMX-13が放ち攻撃を塞ぐが、砲弾はすべて外れⅣ号の装甲を掠り一部がはがれる。

 

「っ! 伊江、装填!」

「わかったが、少ないから慎重に!」

 

 伊江は急いで装填すると、砲弾は放たれ。戦車の装甲をはがした。

 我狼院も砲弾を放つがそれはよけられ、砲弾はそのまま建物に当たり爆発した。

 

『勇樹! いったいこれはどうなっているんだ?!』

『相手の行動が読むのが得意…まさか』

「一種の予知能力…予知夢、夜寝ている間に記憶したのか?!」

 

 予知夢だと気づいた彼は、今までの行動がすべて行くのに納得がいく。

 予知夢はすべて当たるとは言えないが、それが何を現しているのが別のものだとしたら、可能性はあり得る。

 

「だったら…攻撃をしてきたら出来る限り砲弾を!」

『はい!』

『分かった!』

 

 勇樹の指示に2人は答えると、速度を増していき。そして五月女の砲台は建物に向けて砲弾を放った。

 その影響で中部は爆破しみほがいる方に倒れていく。

 

「「みほ!!」」

 

 2人は急いでみほを助けに行くが、建物はもう彼女を踏み潰そうとした…その時。

 

 

 ベチャアッ!! ピキピキピキピキッ!!

 

 先ほどの球体が建造物に当たると膜は割れて中の液体が飛び散り、地面と接触している部分は固まっていき支えるようになっていった。

 わずかな時間、奇跡であろうかと思った瞬間、みほは「前進!」と言うと、Ⅳ号は進んでいった。

 

「なんだあれは…」

 

 それを見た我狼院は驚いていると、通信機から『準備できました!』とみほの声がしたため、彼女は「わかった!」と答える。そして。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 3両は富士山の展望台へと行くと、AMX-13、Ⅳ号、T-34/85と言う風に並ぶと3人は首を縦に振る。そして。

 

「戦車前進!」

「進め!」

 

 一行と我狼院がそう言うと戦車は前進し正面所突を仕掛けていく。そして。

 

「撃てぇ!」

 

 一行がそう言うと砲弾は放たれて、AMX-13に直撃し左にそれると同時に行動不能となった。

 

「うっし! やったっす!!」

 

 井上は喜んでいるが、一行は「しまった!」とある事実に気づくそれは…。

 Ⅳ号の裏にT-34/85が並ぶ…それは何もない行動ともいえたが。見方を変えればわかる。彼らがやる行動、それは。

 

 

 ドガアアアアアッ!!!!

 

 

 戦車が戦車を砲弾し加速を増す。前の戦車は囮をして装填の時間を稼ぐ、そして装填している間に2番目の戦車が放つようになっている。しかも放ったのは砲弾ではなく。

 

「空砲?!」

 

 空っぽの砲弾、威力はないが戦車を動かす程度ならいける。それに気づいた彼は「急いで装填を、そして放て!」と指示を出す。

 

「そ、装填っと! 準備できた!」

「撃て!!」

 

 井上に指示すると、彼女は「はいっす!」と砲弾を急いで放つ…が。

 

 ドガアアッ! ガギャアアアアッ!!

 

 砲弾はⅣ号の右足である履帯と転輪が破壊されただけで、装甲は出来ないが先ほどの速度で加速は落ちず。そのままぶつかり。そして。

 

「撃て!」

「っ!!」

 

 ドガアアアアアッ!!! ガゴオオッ!!

 

 ぶつかると同時に華は引き金を引き、T14はそのまま後ろに後退しⅣ号と共に停止する。そして。

 

 

 シュポッ! シュポッ!!

 

 

 両者白旗を出して試合はなんとか終わらせた…誰もがそう思っていた。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「足りない…」

 

 しほは巨大画面に映っている『secret』を見て言うと、千代も「そうね」と答える。

 ここまで来て、メカや戦車は出てきたがなぜか1機足りない…いったいどういう意味なのか。

 

「え、一体何が…?」

 

 千早も浦里言葉を忘れて普通の言葉で言うと、しほが「…」と黙っていた。

 

「あ、あのしほ…これは」

「千早さん、静かに」

 

 千代が千早の口を押えると、わずかだが彼女が飲んでいた紅茶に波が出ていた…。それは定期的にではなく何かが近づくにつれ大きく揺れていた…。

 改めて画面を見ると、富士山の方から何か巨大な乗り物が現れてきた…それは。

 

「「「ぞ、ゾウ!?」」」

 

 灰色に染まった巨大な象型のメカが現れた。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「でっか!!」

「反則じゃないのかこんな時に秘密兵器って?!」

 

 それを見た勇樹たちも青ざめて言うと、象メカは徐々に移動していく。そして頭からスピーカーが出てくると聞き覚えのある声が。

 

 

『オーほっほっほ!! ごきげんよう皆様』

 

 

「あ、ずるいお嬢様」

「来たねー奴か」

「納得しますね」

 

 小春田の声に3人はジト目で見ていると、小春田は『黙らっしゃい!!』と切れる。

 

『この新型メカ『ジャンボメカ』であんたたちをぎったんぎたんにしますわ!!』

 

 小春田はそう言って進んでいるが、ここで事態が。それは。

 

 

 ドンッ! ガガガガガガガ…

 

 

『およ!? およよよよよよよよよよよよ』

 

 富士山にぶつかり突然躓いていき、彼らをよけて進んでいき。建物にぶつかり、そして。

 

 

 

 ドガアアアアアアッ!!

 

 

『ぎょえええ!?』

 

 地面に倒れると中にいた小春田たちは外に帆降りだされて湖に落ちる。

 

「あー、大丈夫か?」

 

 それを見た勇樹は流石に心配したのか、彼女たちに向かおうとした…すると。

 

 

 

 ビリ…ビリリリッ…

 

 

 

「ん?」

 

 突然空に雲が発生し、周りを包むかのように広がっていく。それは遊園地だけではない、雲は徐々に広がっていき会場を包み込んでいくかのように広がっていった。

 

「な、何が…」

「これは」

 

 それを見たみほたちは怯えていると、伊江が「おい! あ、あれを見ろ!!」と指を指した。それを見たみんなは急いで見ると。

 先ほどのジャンボメカから青色に輝く電気が出てくると、『ゾ・ゾゾゾ…ゾウ』と不気味な声を出していく。そして。

 

 

 ビガァアアアアッ!!

 

 

『ツヨォオオオオッ…イッゾウ!!』

 

 

 ドッシン!!

 

 突然象メカは立ち上がると同時に体からまばゆい赤い光を放つと。異変が起き始める。それは。

 

 

 

ガガガガガガッ!

 

 

「ん、んん!?」

 

 突然廃遊園地のアトラクションが浮き始めると、ジャンボメカに行くと合体していき、メカはそれに合わせるかのように大きくなっていく。

 それは遊園地のアトラクションだけではなく、建物のガラスや壁のコンクリート、乗り物なども吸い込まれていき合体していく。

 

「あ…あああ」

 

 それを見た小春田は後ろに引いていくが巨大化は収まるどころか徐々に悪化していき、気づいたときには時計塔を超えるほど変化していく。

 さらに背中の部品がはがれると、観覧車や海賊船にジェットコースターの線路や巨大な成長のお城が出ていき。体は派手な色と模様に変色していく。そして。

 

 ドガアアアァァァァァァ!!

 

 その姿は巨大な歩く遊園地へと姿は変わり、顔はピエロのようになり足には巨大なキャタピラが4つ付いている。そのメカは。

 

 

『コワスゾオオオッ!!!』

 

 

 巨大象型アトラクションメカ『コワスゾウ』へと変貌した。



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第38話『暴走!『コワスゾウ』と修理』

「こ、これは一体…?!」

 

 突然の巨大化と変身に小春田は驚いていると、コワスゾウは『コワァアアス』と小春田たちの方に向く、そして。

 

『コワス!』

 

 ドガアアッ!

 

 コワスゾウの鼻から放たれた球体の爆弾に彼女たちは「うわあああっ!!」と急いで逃げる。

 爆弾は着弾すると同時に爆発し、中から虹色の液体が辺りにまき散らし、氷のように変色し固まっていった。

 

『コワス! コワス! コワス!!』

 

 ドガアアッ! ドガドガアアッ!

 

「ぎゃああああっ!!」

 

 連射する爆弾に小春田たちは急いで逃げて、近くの建物に隠れて爆発から逃れる。

 爆発は地面や手建物に当たると、溶けて水のようになったり溶岩のように燃え尽きる液体になり化石のように固まっていった。

 コワスゾウは何かを見終えると、突然動き出した。会場のみんなはその光景にざわついていると、コワスゾウは廃遊園地から出て何かを探す。そして。

 

『コワスゾウ!!』

 

 突然叫ぶと同時に、背中から巨大なプロペラと翼、ブースターが出てくると火を噴きプロペラが回り始め空を飛び始めた。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「勇樹君、あれって」

「初めて見るが…黒薔薇が作ったメカが偶然コンピューターが暴走し、あのように変化した…ということになる」

 

 みほの言葉に勇樹は冷静に答えていると、一行が「それよりも」と戦車から出てきた。

 

「一行、大丈夫か?」

「大丈夫だ…それよりも気になったことがある。あいつらは怪我が多いのに対して平気な顔をしている奴がいた」

「む…それは普通じゃないか? 特殊カーボンで使用しているから痛みは」

 

 一行の言葉に麻子は答えていると、伊江が「いや、おかしい」と答える。その理由は。

 

「このヤドカリメカに乗っていた奴だが、頭に大きなたんこぶが出来ている。叩いても間でも普通は痛がるのに、なんで痛まないんだ」

 

 ヤドカリメカに乗って中にいるメンバーの1名を出して言うと、我狼院は「なんだと?」と駆け寄ってたんこぶをたたく。

 

「本当だ、ふつう痛むところなのになぜ」

「考えられるのは2つある…1つは痛みがない人たち…もう1つは」

 

 一行が言おうとしていたところ、勇樹は「なるほど、そう言う意味か」と理解する。それは。

 

 

 

黒薔薇が使用している痛み払い薬『痛み下げ』を飲んだか

 

 

 勇樹の言葉に沙織たちは「え、痛み下げ?」と目を丸くすると、伊江は「なるほどな」と納得する。

 

「厄介だな…それを飲んだってことは痛みが一生味わえなくなるな」

「あ、あの! その痛み下げは何ですかいったい何ですか?!」

 

 みほの言葉に勇樹は「あ、ごめん。説明する」と紙を出して解説する。

 

「痛みは痛覚の一種なのは大体は習っていると思うけど、これが感じるのは例えるなら料金の支払いシステムだ」

「料金の支払いシステム…ですか?」

「それと彼女の容態、いったいどう関係が?」

「支払いシステムは3つあって、先払いと後払い、そして即時払いがある。これを痛覚の手段でやると、主に多いのは即時払いだ」

「ふむ、それは分かったが…それをどうやって?」

「薬を飲むことで痛みが現れる場所があらかじめ送る、つまり痛みを感じる。そして数分から数時間後になってからケガをしたら痛みは感じなくなるんだ」

「理屈が変だ」

 

 勇樹の話に華と沙織、怜雄が効くとそれにこたえ。麻子がツッコミを入れる。

 

「だとしたら、飲んだ時の薬がどこかに…あ、あった」

 

 伊江はそういながらメカに乗り込んで何かを探して数分後、ミントタブレットのようなのを発見した。

 

「えーと、1粒に付き効果は約1ヶ月程…っておい空っぽだからすべて飲んだのか?!」

 

 伊江は驚くかのように言うと、優花里と秀乃は「いいっ!?」と驚く。

 

「そ、それって何粒ほど入っていますか!?」

「どれくらいあるんでありますか? もしかしたら100近くでありますか?!」

「えっと…量は……60粒?!」

 

 それを聞いたみんなは青ざめていると、大洗連合のみんながやってきた。

 なお、愛里寿は戦車と塊のわずかな少しずつ出ていった結果、戦車から脱出することに成功した。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「勇樹君これは!?」

「太田! これには少し事情が」

 

 やってきた太田たちに、勇樹は簡単に話していくと。ココアが「なるほど」と冷静に言いだした。

 

「それで勇樹ちゃん、あのメカはどこに?」

「はい、飛行形態になったので空を飛ぶ…方向は確か南寄りです」

「詳しいね…甘井ちゃんは知っていたのかい?」

「知っているよ、あの子はひっじょーに頭いいからね」

 

 甘井と角谷はそう言っていると、ロンドンは「南…?」と何かに気づく。

 

「ご質問ですが角谷生徒会長、茨城県大洗は確か南にありましたわよね」

「ん、そーだよー?」

「…なるほどね、それじゃあ大洗の学園艦もそこに」

「…はっ!」

 

 ミカの言葉に伊江は気づいた。勇樹も「それでか」と納得する。

 

 

「あのメカ、狙いは学園艦か」

 

 

 学園艦を狙いにコワスゾウは向かっていった…だが、ここで問題が。

 

「それでしたらおかしくありませんか?」

「ん、妙子。それどういう意味?」

「はい、もし学園艦を狙うとしたら。私たち以外にプラウダにアンツィオ、サンダースがありますのに、どうして…」

 

 忍の解説に、伊江は「そう言えば…」と思い出す。

 わざわざ遠い所に行くのは不明だ、せめて近い所に行けばいいのでは…みんながそう思っていた…その時。

 

 

 ブー…ブー…

 

「あ、電話だ…辻さんか」

 

 勇樹は携帯電話を出して中を見ると、例の文科省の人が乗っていたため彼は出る。

 それを聞いた河嶋は「なに!?」と反応すると、烏龍が「落ち着けカワシマ!」と彼女を抑えつける。

 

「はい勇樹です…はい…え、結果が。それでどうでしたか……え、そこに?! それで急いで…ええっ!?」

 

 勇樹の言葉にみんなは驚いたりオオッと反応する人がいたが、勇樹は「わかりました、急いでお願いします」と言うと電話を切る。そして。

 

 

「勇樹さん…今のはどういうことですか?」

 

 

 小森が間近で聞いてきたため、彼は「うおっ!」と驚く。そして…。

 

 

「じ、実は、さっき学園艦の設計図が小春田の部屋にあったんだけど…あれの意味が分かったんだ」

「あれの意味…勇樹、それは?」

「隠したんだ…闇の薔薇をあの学園艦の…船底に」

「まさか…見えないところに隠したのか?!」

「そうか、大洗を廃校にする理由はそれを回収するためか」

「本来は私たちが負けて廃校になり、回収するはずがそれを回収損ねた…それで無理やり」

「役人に化けてやったか」

 

 勇樹たちの推理に物陰に隠れていた黒薔薇の生徒は「これはやばい」と言って急いで逃げようとするが…。

 

 

 

 

 

見つけた

 

 

 

 

 沙希が突然アトラクションの一部に向けて言ったため、伊江が「ん、何が」とアトラクションに向けた途端、その後ろから「なんでばれ…あ」と顔を出した生徒がいた。

 

「……沙希、お前すげーな」

「うん…勇樹さんこれは」

 

 伊江と梓は勇樹に向けて言うと彼は「そうだね」とジト目で生徒を見て数秒後…。

 

 

 

 

「確保だあああっ! 重要参考人で確保だああああっ!!」

 

 

 

 勇樹の言葉に風紀委員とフルーツは「わかりました!」と答える。またサンダースと黒森峰も確保のため捕まえに行く。

 それを見た生徒は「やばっ!」と急いで逃げていくが、風紀委員のみんなが捕まえに走っていく。

 

 

「って、なんで私たちが勇樹さんの指示に!?」

「勇樹さんはみほさんを救ったのよ! それくらいお礼はしないと!!」

 

 疑問を抱いていたそど子に最上は解説すると彼女は「…それもそうね」と納得するのであった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「それで…どうして大洗に仕掛けたんだ?」

 

 風紀委員たちによってつかまった生徒、池本有希乃をまほは質問すると彼女は「ふんだ」と向き顔をそむける。

 

「お前たちに教えることはない、絶対話すものか」

「そう言うな、少しは話してくれないか」

「ベーだ、そんなこと言いませんよーだ」

 

 アンチョビの言葉にも話を言わないため、小梅が「勇樹さん」と言いだしてきた。

 

「彼女はどうして、かたくなに話を…」

「黒薔薇の教訓だ、話によると『話をするのは学戦の人だけにしろ』とか言っていたな」

「きびしーもんだべな」

 

 勇樹の話を聞いていたニーナはそう言うと、伊江は「そんじゃあ」とペパロニに何か話すと彼女は「了解!」と言う伊江と2人は何かを持ってきた。それは。

 

「簡易キッチンセット…ってこの中にあったから、オレが持っていた食べ物で」

「アンツィオ特性『鉄板ナポリタン』の完成だ! これをっと」

 

 簡易キッチンを用意し高速でペパロニがナポリタンを作り、それを彼女の前に置く。するとそれを見た有希乃はお腹を鳴らすと同時によだれを垂らす…が。

 

 

「はっ! そんな罠にはまるか!!」

「ありゃ、思った以上にお腹すいていないのか?」

「しぶとい所があるからな…他にあるとしたら…」

 

 アンチョビの言葉に伊江は解説しながらあたりを見渡していると、山が突然動き出した。地震でもないのになぜ動いたのか。

 

「なんで動いた…?」

 

 伊江は太田と百合子、サンダースと聖グロに話をしてそっと近づくと。山は少し動いた。

 

「動いた!? なんで…」

「考えるとしたら…」

「中に人がいる」

「監視をするためにあらかじめ…だな」

 

 驚くアリサに太田、百合子、ナオミは冷静に言いながら近づいていくと、山は徐々に逃げていくかのように離れていく。

 何度やっても山は動いていく、近づけば離れる。近づけば離れていく。それを繰り返しているとダージリンはローズヒップに何かを話して彼女は「わかりましたわ!」と答える。そして。

 

「どっりゃあああですわ!!」

 

 ローブヒップはそのまま走っていきジャンプすると同時に蹴りを入れると、山は外れて中があらわに。

 

 

「…あ」

「ありゃ?」

「ありゃりゃですわ…?」

 

 

 山の中…正確には張りぼての中に入っていたのは、大量の道具が山になっていたリヤカーを持ちだした黒薔薇の生徒が数名いた。

 

「……逃げろ!!」

「「はいよ!!」」

 

 金髪の少女の指示に2人は急いで逃げようとした…が。

 

 

グイッ……
ドッシィィイインッ!!

 

「「「グエッ?!」」」

 

 突然後ろに何か強い力が働き、彼女たちは後ろの道具の山に突っ込んだ。

 

 ドンガラガッシャアアンッ!!!

 

 道具の山に突っ込んだ影響で、あたりに散らばり、その中からラッパ型の道具が勇樹の頭に当たると彼は「む」とそれを手にする。

 

「これは…『おっぱラッパ』じゃないか?! だけどどうして?」

「あ、そう言えばこのメガネはさっきの…あ、これは!」

「道具の山がたくさん…はっ! もしかして!!」

 

 優花里たちは何かに気づいたのか、生徒3名のパンツァージャケットに手を入れて何かを探していく。そして「ありました!」と優花里が出したのは生徒手帳。

 

「黒薔薇女学院2年B組白山沙耶音、黒薔薇女学院2年A組村瀬利香、黒薔薇女学院3年A組雷神忌夢…」

「黒薔薇のスパイ基偵察隊ね」

「偵察隊~?」

「相手の行動を見て推測・秘密などを知らせる部隊だ。簡単に言うとスパイ活動をすることだな」

「スパイ活動…うわ、ゆかりんと同じじゃない」

 

 優季は『偵察隊』は何かと思い伊江が解説し、それを聞いた沙織は後ろに引くと。我狼院は「なるほど」と納得する。

 

「それじゃあ…待てよあのメカはどこから資金源が…」

 

 伊江はメカのことを考えていると、奈々が「それとよりも」と話を遮るかのように言いだした。

 

 

「あのメカは大洗に行っていることがわかりましたが、もしかして学園艦を破壊しに行ったのでは…」

 

 それをきいたみんなは「あ」と目を丸くして数秒後、勇樹は生徒の1名『忌夢』に質問する。

 

「おい、なんで学園艦を狙っているんだ?」

「さぁ…私は知らないな。言えたとしてもすぐには間に合わないし」

「そうか…なら行くか」

 

 勇樹の言葉に麻子は「どこに行くんだ」と言うと彼はこう答える。

 

 

 

 

いくって、大洗にだろ? メカと戦車を修理して

 

 

 

 それを聞いたみんなは「え、今から?!」と目を丸くすると、百合子は「あらら」と苦笑いする。

 

「行動不能と言っても、壊れたところを治せば大体は大丈夫だ、道具はあるし修理が終わり次第急いでいこう」

「なるほど…って言えるか!! 鉄ならともかく電子機器はどうするんだ!」

「河嶋先輩、落ち着いてください! 実はあの大きな戦車の建物にゲームセンターがありまして、そこを利用すれば!」

「典子やるじゃん! 勇樹さん!」

「十分だ! よし、それじゃあ…急いでいくぞ!」

 

 勇樹はそう言うと、太田たちは「おー!!」と声を出すとスーパーマジックハンドを出して、戦車を掴んでどこかへと運んでいく。

 ちなみに、黒薔薇の彼女たちはそのままにして放置していくのであった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「これぐらいあれば、なんっとか修理は出来る!」

「あ、それだったら私たちも手伝おうか? 戦車なら何とかいけるし」

「お、それはいいですね。それじゃあ大洗はお願いします。残りは」

「私たちメカニック部と勇樹君でやります!」

 

 前田がそう言うと、勇樹は「それじゃあ」と工具箱を出すと大量の工具類を手にすると同時にヘルメットをする。そして。

 

 

「ショータイムだ!!」

 

 

 勇樹がそう言うと、自動車部とメカニック部は『『『『おおーーー!!』』』』と答えると同時に、工具を手にしてメカを修理し始めた。

 その速度は目には見えない速さで、1分足らずで戦車を修理していった。

 

 

「すごい…わずかな時間で」

「当り前っす…このお茶を飲んだら早いっすよ」

 

 みほは驚いている中、霊華はあるおちゃっぱを見てあきれるかのように答える。その目線にあったのは『チャッチャカ緑茶』と急須だからだ。

 

「ここのお茶を飲むと、頭の効率。つまり体の動きなどが上がることが出来るんすが、効果は約5分程度…間に合うっすかね」

 

 霊華はそう言って勇樹たちを見るが、徐々に完成していき塗装・装甲・履帯なども新しくなっている。

 

「うわあああっ! すごいっす統師、わずかな時間で!」

「履帯も車軸も! 治っているじゃん!!」

「あ、本当に直ってるべ! 」

 

 それを見たペパロニ、ミッコ、ニーナは目を光らせていると。歩夢は「あら、普通のような」と頭を傾けている。

 そして、4分後…。メカと戦車の修理を終えた勇樹たちは椅子に座って息を吐くのであった。

 

「な、何とか間に合った…」

「疲れはないけど別の疲れがねぇ…」

「でも、改造も少し親し行けるんじゃない?」

「確かに!」

 

 4人の言葉にまほは「おい」とツッコミを入れる。そして本題。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 建物の一部、廃墟となっている部分で唯一電気が通っている場所で『緊急会議』を始めた。

 

「さて、問題はあの象型のロボットがどこにいるかだ…場所は分かったが現在地が…」

「それなら私が! こんな時にあろうかと衛星で情報を…ありました!」

 

 百合子はまほの言葉に答えると、急いで例のケースを開いてキーコードを入力すると現在地が映し出される。

 それを見たアッサムとアリサは「それずるい!」と言うが、アリサだけは別だ。

 

「目的地まで後3時間…現在地は福島県…って思った以上に速い?!」

「これじゃあ目的地に着くじゃないかぁ!!」

「だったらサンダースの…って制限があったわね」

「ロケットみたいなのがあればいいけどねぇ、それは無理だね」

 

 百合子、河嶋、ケイ、ツチヤたちが言っていると、勇樹は頭を悩ませて考え込む。だが。

 

「だったら空間転送機みたいなのを! ヒーローみたいにすごいから!!」

「根性で行きましょう! そしたら間に合うはず!!」

「織田信長の中国オウム返しとは行けないしな」

「マッハで行けば間に合うと思いますわ!」

「クレーンを利用してパチンコで行くわ!」

「パラグライダーにモーターを付けて飛ぶ。それが良いと思うわ」

 

 みんなが一斉に言うため勇樹の頭には蒸気が出てきて…そして。

 

 

 

「だあああああぁぁぁもううっるせええ!! 少しは静かにしろ、そんなに一度に行ったら雀の大群が来たかのようなそうおんになるだろうがあああっ!!」

 

 

 

「あらら、切れちゃった」

 

 切れ勇樹にみんなは引いていると、ココアが苦笑いする。すると。

 

「ん、雀…鳥か、それだ!!」

 

 勇樹は何か思いついたのか、大きな紙を出して何かを書き始める。それを見たケイは「どしたの?」と目を丸くしていると、伊江が「オレが話す」と言いだす。

 

「あいつは何か思いつくとすぐに設計図を作り出すんだ、記録を残すかのように…ほら、このように」

 

 伊江はそう言って彼を見ると、勇樹は無数の鉛筆で紙に何かを書くと物差しで線を描き消しゴムで何かを消し、それを繰り返して数十回。

 

 

 

「できたああっ! これなら何とか間に合う!」

 

 

 勇樹はそう言って設計図を書き終え、みんなは「なになに」と彼が書いた設計図を見ると。

 

「…ふふ、これはすごいですわね」

「わお! いいアイデアじゃない!!」

「おおっ! これは思いつかなかった!」

「へぇ、アンタ意外なところを見るじゃない」

「見方を変える…まさにそうだな」

「これは十分だね」

「うん…私もわかるかも…」

「これは優秀と言えるわね」

「私も同じであります!」

「そうね、ここにある物で十分ね」

「勇樹さん、今から作ってもまだ間に合いますか?」

 

 各隊長が言うと勇樹は「楽勝だ」と工具を手にすると同時に答える。

 

 

「最新の付属装置を…作ってやるからな!!」

 

 

 それと同時に彼は何かを作り出した。

 



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第39話『侵入成功! なのか…?』

 上空50㎞、場所は福島県いわき市上空に巨大メカ『コワスゾウ』が飛んでいた。

 コワスゾウは現在大洗に向かって何かを行動しようとしている。それは何かはいまだ不明。

 

 そんな中、『コワスゾウ』の後ろから何かが飛んできて背中へと移動していた。それは。

 

 

 

キィィィイイイイイッ!!

 

 

 勇樹たちのメカと大洗連合の戦車に大きな『翼』を付けて飛んでいた。

 その戦車の後ろや真上にはロケットブースターらしい機械を付けた戦車が、空がやってきていた。、

 実は…。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「「「「戦車に翼を付けたぁ!?」」」」

 

 勇樹が作り上げた新装置『ウィングパーツ』り利用して空を飛び、コワスゾウの中に入るということ、それを聞いたみんなは驚いていた。

 

「え、オレ何か変なこと言った?」

「いや、それは別にいいが…問題はだ」

「飛行場よ! 滑走路みたいなのはどこにあるのよ!!」

「それよりも速度が必要ね…自動車部の方たちが作ったとしても限度はあるし」

「豆戦車ならともかく重戦車は難しいぞ、持ち上げるだけでも費用が掛かるから」

 

 まほ、カチューシャ、ダージリン、アンチョビの言葉に勇樹は「それなら大丈夫」と言うと同時に設計図を渡す。

 

「こんな時にあろうかと調べてみたら、観覧車があった場所。つまりそこは傾斜になっていてな、そこからスピードを出せば何とかいけるんだ」

「ワォ! そこまで計算しているのね!」

「これだったら、空を飛ぶことが出来る」

「まぁ、おやりになるね」

 

 設計図の解説を見たケイ、愛里寿、マリーは答えると、一行も「オレもだ」と答える。

 

「問題は愛里寿の戦車だが…今、踏むとアッサム、アリサが調べているが原因は」

 

 勇樹が悩むように言っていると、我狼院が「それだが」と入ってきた。

 

「あの液体はどうやら『凝固エキス』が含まれていたのが分かったんだ、すぐに溶けるが尭この成分が」

「そうか…そう言えばあの凝固は一体…ん?」

 

 勇樹は甘いのにおいに気づくと、麻子と丸井、杏とマリーとエリカは反応し、我狼院の服をかぐ。

 

「お、おいどうしたんだ!?」

「甘い匂い…どこで甘い食べ物を?」

「これは…はちみつだねぇ…どうして?」

「うーん…これはもしや」

 

 杏は勇樹に向けて何か話すと、彼は「あ」と思い出すとカバンから夜間とガスコンロを出し水を夜間に入れて火をつける。そして…。

 

 

 カタカタカタカタ…

 

「できた、これを」

 

 勇樹はヤカンを手にして急いで出て数分後…、彼は「やっぱり!」と急いで戻ると愛里寿に向けてこう言った。

 

「戻った…正式には溶けた」

 

 勇樹の言葉にみんなは「え?!」と驚く。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 そして、例の羽根とブースターを付けて傾斜へと移動すると、みんなは戦車に乗り込む。

 飛行が可能のメカは翼を出して、飛行が可能のメンバーが指導できるようにしていく。そして。

 

「システムオールグリーン、目的地はコワスゾウ」

「軽度緯度誤差±1度、これなら大丈夫だ!」

「T-34/85はメカに詰め込んでおきましたので大丈夫です」

「すぐに発射可能…でもいいですか勇樹くん?」

 

 カンガルーチーム基スターチームはアブ引き部専用のメカ『マンモスタンクⅢ』に乗り込んで、伊江と小森と幹子は装置を動かしていると。百合子が勇樹に向けて言うと彼は「ん」と反応する。

 

「戦車につけたのはいいですが、戦車道ではないような…」

「あー、確かにそうだな…それなんだが」

 

 勇樹はそう言いながらカバンから1つの手紙を出して彼女に渡す。

 それを百合子は受け取ると「これは」と目を丸くする。

 

「これはしほさんからの手紙だが。1分だけだがこれが書かれていた」

 

 勇樹の解説に百合子は目を丸くしながら手紙を開ける、それは…。

 

 

あなたはあなたの行動を、そしてお願いします

 

 

「……え、これだけ」

「一文だけだが…、見方を変えればこう読める。『あなたらしい道を見つけなさい、そして後は頼みます』と」

「あ…それで私たちのメカに…ある程度は納得できます」

 

 勇樹の言葉に彼女は納得すると伊江が「みんな準備できたぞ!」と言うと、百合子は「あ、わかりました!」と答えて電源を入れる。

 

「豆戦車はプロペラ機、軽戦車・中戦車はプロペラを2から4つ。重戦車はロケットブースターを」

「頑丈にしたからそう簡単には壊れないよ」

「勇樹、カウントダウンを」

 

 百合子と幹子、伊江は彼に向けて言うと勇樹は「わかった…」と言いながらスイッチを押す。そして各戦車に搭載した画面に文字が浮かび上がる。

 

『発射用意完了、これよりカウントダウンを行います…10』

 

 サンダースは体にベルトと頭にヘルメットをする。

 

『9』

 

 アンツィオは手袋を両手にはめるとインカムを用意して電源を入れる。

 

『8』

 

 BC自由学園はケーキをしまい蓋をすると、酸素マスクをする。

 

『7』

 

 青師団は服の上から防護服を着て、椅子に座る。

 

『6』

 

 継続高は予備のチェーンとカンテレを専用のケースに入れてカギをした。

 

『5』

 

 聖グロは紅茶をしまうと同時に、砲弾を固定していく。

 

『4』

 

 黒森峰は各皆に異常がないか最終確認をし終えた。

 

『3』

 

 知波単は危険な物は持っていないか西から確認していた。

 

『2』

 

 大学選抜は愛里寿に危険が及ばないように最大限の防衛をする話をしていた。

 

『1』

 

 大洗と白薔薇は深呼吸をして混乱が起きないようにしていた…そして。

 

 

 

『0』

 

 

 

 ビィィィッ!! ビィィィッ!!

 

 

 警報機が鳴ると同時にブースターとプロペラが起動し強力な風が発生する。

 

 

「大洗連合、コワスゾウに向けて発進!!」

「っ!!」

 

 

 勇樹の言葉に小森はレバーを動かすと、戦車は前に進み風力などにより翼は曲がるが何重にもしているため簡単に折れない。

 そして戦車は空を飛びコワスゾウに向けて発進していった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 そうして大洗連合は、コワスゾウまで追いつくと。ワシベロスとブラック・バード、ロケット・バッタ―を除くメカと戦車は背中のアトラクションに着陸する。残りの3体は。

 

「圭太、エリマ、雅緋は上空から大洗に着きそうになったら教えてくれ。オレたちはこれ以上無理だ」

 

 大洗に着きそうになったら連絡するように伝えたため、彼らは「わかりました!」と答えた。

 そうして勇樹たちは無事、メカの背中にあるアトラクションに着陸するが。

 

 

 

ナニコレ

 

 

 

 沙織がジト目で言うのもわかる、何故ならここは…。

 

 

 

 遊園地のアトラクションがたくさんありにぎやかな場所になっていた。

 

「これは一体…」

「うわあ、きれーい!」

「は、派手すぎだ…」

「驚きましたわ」

 

 それ御見てまほ、桂里奈、アンチョビ、ダージリンは驚いていると。太田がメカから出てきて「みんな」と彼は大量のウエストポーチを取り出した。

 

「このメカは今暴走状態になっている、どのような手段を使うか正直分からない。そのためみんなには道具が3つ入ったウエストポーチを渡すよ」

 

 太田はそう言いながらみんなに渡していく、それを見た伊江は「いいのか」と優木に向けて言うと、彼は「彼女たちに危険があったら手遅れだから、私用してもいいよ」とあっさりと答える。すると。

 

 

 ガガガガガガッ…

 

 

「ん?」

 

 彼女たちの目の前に豆戦車、ユニバーサル・キャリアが出来る。

 

「おおっ! あれはイギリス製の戦車、ユニバーサル・キャリアではありませんか!」

「え、同じ豆戦車なの?」

「はい! 1920年代に開発された豆戦車で、名前の由来はカーデンロイド・キャリアに影響されておりまして。最初に、ブレンガンキャリアとして『追い優花里』―へほ?」

 

 沙織の疑問に優花里は解説していたが、通信機から伊江の声がしたため彼女は「なんですか?」と返答すると、彼女はこう答えた。

 

 

「あの戦車にどくろマークがついているぞ」

 

 

 

「…え」

 

 伊江の言葉に彼女は戦車を見ると、赤色のドクロマークがついていた。そして。

 

 

 パカッパカッ! ギュィィイイッ!!

 

 

「え、ええ?!」

 

 突然頭のハッチが開くとハンマー・ドリル・トゲ付き鉄球が出てきて戦闘態勢に変える。そして。

 

 

 

「…ひとまず待機だ!」

「あ、わかった!」

 

 まほの言葉に勇樹は我に返ると、みんなに指示を出して退却させる…が。

 

 

「っ! 勇樹、各隊長に停止を つかまるぞ!」

「わかった…て、つかまる?!」

 

 小森の不思議な言葉に彼は驚いていた…その時。

 

 

 ギュィィイインッ! ガッシィィィンッ!!

 

 

「およ?」

 

 

 

ガガガガガガッ!!

 

 

 突然上から何かにつかまれる音と振動がすると、一気に浮き上がり、180度回転させる感覚が感じる。

 

「待てよ…子の感覚ってまさか!」

 

 勇樹は気づいたのか、急いで外を出てみると。チャーチル、M4、ティーガーG型、Ⅳ号などを含む戦車11両は、近くつかまって上にあげて180ど回した。そして。

 

 ガビッ!!

 

「え、離したああああっ!?」

 

 ハンドが離れると同時に戦車は落ちていき、どくろのマークが特徴の城に吸い込まれていった。

 

「勇樹さん!」

「これは一体!」

「急いで助けないと!」

「でも、その前に」

 

 それを見た一史、梓と妙子は驚いていたが。桜はそれとは城の真下に目をしていた。その理由は。

 

 

 

 

 ガラガラガラガラ…!!

 

 

 

 

 城の前には、それを妨げようと武器を装備しているユニバーサル・キャリアが100両近く近づていた。

 

「これは大変だねぇ…勇樹ちゃんたちを通させないつもりかい?」

「それは不明です…しかし」

「可能性はあり得る…」

 

 それを見た杏は言うと、太田と愛里寿は真剣に答える。そして太田はこう言った。

 

 

 

 

「妨げるものは攻撃し、つっきぱしるよ!!」

 

 

 それを合図にみんなは急加速で突っ込んでいった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「いてててて…ここは一体?」

 

 その頃勇樹たちは、例のクレーンにより城に落とされて。何度もバウンドにより地下深く入り込んでしまった。

 勇樹は目を回しながらあたりを見渡すと、電子コードがたくさん巡らせているところにいた。

 

「これはもしかして…みほ、みんな!」

 

 勇樹は外に出てみほたちを探していると、目を回して倒れているみほたちを見つけた。

 

「みほ!」

 

 勇樹は急いで彼女のところによって数分後…彼女たちは目を覚ました。

 

「ここは一体…?」

「どうやら例のメカ『コワスゾウ』の中だと思います」

「なに!? これがあの巨大な象のメカの中か?!」

 

 みほの質問に勇樹は答えていると、アンチョビは驚くかのように反応する。

 

「それじゃあここであのメカは動いているのか!?」

「え、はぁそうと言えますが…」

 

 アンチョビはさらに質問すると彼は戸惑うかのように答えると、まほ「それだったら好都合だ」と答える。

 

「上に残っている人はかわいそうだが、今はメカの指令部分。メインコンピューターを破壊するチャンスが出来た」

「近道が出来たってことね」

 

 ダージリンは冷静に答えうと、伊江は「まじか」と答える」

 

「もしメインコンピューターがあるとしたら…どこにあると思う。勇樹?」

「え、はぁ…そうですね、この機械の大きさからすると…頭だと思います」

「頭ね…アッサム、方向とかはわかる?」

「はぁ、それが方角がわかる物があればいいのですが。この状態ですと流石に」

 

 まほと勇樹の話にダージリンは頭、つまりメインコンピューターがある方向は分かるか聞いてみるが、アッサムは不明と答えた。

 アッサムの言う通り、ここは巨大メカの中つまり構造は彼女も初めて。どこに行けばいいか分からない。すると。

 

「こういう時にこそこれを」

 

 勇樹はそう言いながらカバンからステッキを出してきた。

 

「これは、ステッキでありますね」

「あら、でもこのステッキはもしかして」

「はい、これは『サガシモノステッキ』と言う何かを探すときに使う特殊なステッキです」

 

 勇樹の道具に西とマリーは反応し、彼の解説に伊江は「やれやれ」と苦笑いする。

 

「それでは、そのステッキが向いたほうが頭に」

「はい、急がないと時間がありません。では」

 

 みほの言葉に勇樹は急いでステッキを地面に立てて手を放すと、ステッキは数回転したのち、東北方面に倒れる。

 

「あっちが頭脳がある場所…行きましょう!!」

「はい、麻子さん」

「わかった」

 

 勇樹は急いでメカに乗り込むとステッキが倒れたほうへと進んでいく、彼の後を追うかのように発進していく。



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第40話『大ピンチ! どうなる大洗?!』

 ガガガガガガッ!!

 

「退避退避! 全員退避いいいっ!!」

 

 ヘッツァー基カメさんチームの河嶋は、メカからの攻撃におびえながらみんなに指示を出している。

 それを聞いた柚子は「逃げるの!?」と驚くと彼女は「逃げるも何も、相手はメカだ! 勝てっこないぞ!」と怯えている。

 

「かーしま、少し落ち着けって」

「そうですよ河嶋先輩、相手は戦車とは言えあのメカらしき機械は付属品みたいなものです。勇樹さん言っていましたよ」

「それでも怖いものは怖い! どうやってくるかわからん!!」

 

 杏と小梅は落ち着くように言うが、河嶋はすっかり怯えていた。

 

「しゃーない…小梅ちゃん、装填できる?」

「はい、よいしょ」

 

 小梅は杏の指示にしたがい、装填すると彼女は「よっこいしょ」と標準をメカのドリルの関節に定める。そして。

 

「ほいさっ!」

 

 ドガアアッ!

 

 引き金を引くと同時に、砲弾は放たれて。関節に当たると、粉々に壊れてドリルは道中に落ちた。

 

「おおー! 結構弱いもんだねぇ」

「そうですね、これなら勝てます! あ、桃ちゃん見た?」

「桃ちゃんと言うな! あと、怖くて見れるか!!」

 

 柚子は大丈夫といううが、桃はまだ怯えていた。正直こいつ大丈夫か?

 

 

 カメさんチームだけではない、他のみんなもできる限り攻撃をしたりかわしてたり逃げている者もいた。

 

 

「カナリア、放出!」

「はいな!」

 

 プシューッ!!

 

 カナリアはスイッチを押して注ぎ口から蒸気を出すと、メカはその蒸気に当たると左右に揺れると建物にぶつかる。

 

 

「ペパロニちゃん、今だよ!」

「おっしゃあっ! いっけぇええっ!!」

 

 ガガガガガガッ! ドガアアアアアア!!

 

 福音率いるペパロニたちは、CV33の高さを生かし。戦車の車体下に移動するとそのまま持ち上げて走行しないようにし、そして。

 

「今だよ、陽君!」

『分かった、放て!!』

 

 ドガアアアアアア! ガアアンッ!!

 

 

 福音の言葉に太田は叫ぶと、ドクター・バッキンバキンから放った砲撃によるユニバーサル・キャリアは戦闘不能となった。

 

 

「飛んでいきますわよおおっ!!」

「飛ぶぞおおおおっ!!」

 

 クレセイダーとポルシェティーガーがジェットコースターの一部から出てくると、ユニバーサル・キャリアを踏み潰して走行不能にした。

 

 

「安藤さん、そっちに言ったわ!」

「わかった、取り押さえろおおっ!!」

 

 ガアアンッ!!

 

 ルノーの車長のそど子とソミュアの車長の安藤は、左右から押さえつけて動きを封じると同時に、前からARL44がやってくると。

 

「今だ、撃てええ!!」

 

 ボガアアアッ!!

 

 押田の指示に砲撃を放つと、ユニバーサル・キャリアは爆発し行動不能。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「おおっ! どんどん減っているっす!」

「負けたわけないもんだよな」

 

 それを見たいた霊華は目を光らせて、ルクリリは安心したかのように答える。彼女たちは今各戦車とメカから出て外の様子を見ていた。

 しかし桜は『気を付けて』と通信機から話す。

 

『相手はメカよ、戦車ばかり用意するわけないわ』

「はっ、それは知っているさ、だってここはあのでっかいゾウの背中だ。いくらなんでもここまでは」

「そうっすそうっす、ひっじょーに危険なことがなければ別っす…」

 

 ルクリリと同意していた霊華だが、上を向いた瞬間彼女の表情は青ざめていた。

 

「ん、どうした霊華?」

「る、ルクリリさん…う、上を見るっす…」

「上を?」

 

 青ざめる霊華にルクリリは上を向くと…そこに目にしたのは。

 

 

『…』

 

 

「「あ、ああああ…」」

 

 

 先ほどの戦いに出ていた巨大ムカデ型のメカ、デビル・セヌピードが出ていたからだ…。

 

 

『『な、なんでいるんだアアアアッ!?』』

 

 

 驚いた2人は中に入ると騒ぎ始めて数秒後、メカと戦車は高速で前に進んで逃げていく。その後から追うようにデビル・セヌピードはやってきた。

 

『ぎゃああああっ! お、追ってきたっす!!』

『デカい虫は苦手だ! に、逃げろおおっ!』

 

 驚く2人はそう言うとメカと戦車は加速して逃げていく。だが、出てきたメカはデビル・セヌピードだけではない。

 

 

「あ、あれは?!」

「オケラ!?」

 

 梓と祝井が目にしたのは、頭に巨大なドリルをしたオケラ型のメカ。その目は赤く光っていた。

 

 

「バックをバック! 急いで退却よ!!」

「逃げるべ逃げるべえええっ!!」

「うわああっ! 逃げるが勝ちだよ!!」

 

 同じく、アリサとニーナと五月は巨大なイカ型のメカに追われていて、触手の先はドリルが付いていた。

 

「これは一体…どうなっているんですか?!」

 

 太田は驚くかのように画面を見て叫ぶ、ユニバーサル・キャリアが減ってきたと思ったら、今度はアトラクションなどのメカが出てきたからだ。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 その頃勇樹たちは…、内部にいて現在は歯車などがたくさんある場所へといた。

 

 

 ガガガガガガガガガガガガガガ……

 

「うっへぇ…ここでいいのか?」

「位置はともかく、近道はここだってステッキが」

「そうですね…初めて来るところなので少し心配しますが」

「出来る限り、あまり使用しないようにするか」

 

 伊江の言葉に勇樹は答え、百合子と小森が言うと彼は「おいおい」と苦笑いする。すると。

 

 プルルルル…プルルルル…

 

「あ、私です」

 

 みほから電話が来たため出てみると、『澤梓』と表示されていた。

 

「梓さん…はい、私です…どうしましたか!?」

 

 みほの焦りにみんなは反応するとみほは「うん、うんうん」と答える。

 

「それで、出てきたのは…ムカデにオケラ、イカやカッパに屋台…わかりました」

「勇樹、これはもしや」

「黒薔薇のメカ…しかしどれも破壊されている物ばかりだな」

 

 まほの言葉に勇樹は答えると、アンチョビは「なんだと、もう壊されたものなのか?!」と驚く。

 

「はい、中には自爆や事故に故障などで破壊されたものがありますが。約8割はオレたちが倒したものです」

「それにしては変ね、機械は意志を持つことはないのに」

「動くというのは初めて知るわ」

 

 勇樹の言葉にダージリンとケイは言うと、マリーは「もしかして」といいながらモンブランを食べるとこう言った。

 

 

「雷で機械に心が宿ったりして」

 

 

 それを聞いたみんなは無言になるが、勇樹は「それは言える」と答える。

 

「え、私ジョークで言ったんだけど?」

「いや、ジョークでも冗談でもあり得る。あの時転んだメカは、何らかの現象で機械は自動操縦化し、自分で動くようになったんだ」

「あ、そう言えば」

 

 勇樹はそう言っていると、みほはあの時の事故を思い出す。

 転んだ拍子でメカから電気が流れ、メカは暴走した可能性した。その時メカの部品に心が宿り、起動したのではないのか?

 だが、その時勇樹はある疑問が浮かんだ、それは。

 

「問題は、どこで心はあるかだ…それが外れればメカは停止するが」

「そうだな…それがわかればいいが」

 

 我狼院も同じことを考えていたのか、心はどこで作られているか気になっていた。

 みほたちも「そう言えば」とそれを同意するかのように考え込んでいた…その時。

 

 

 カコン…コロンッ

 

 

「この音は…?」

 

 突然金属の音がしたため愛里寿はあたりを見渡していると、なぜか歯車が落ちていた。

 歯車は落ちるのは当たり前だが、愛里寿は「動いているのにどうして歯車が落ちている?」と頭を抱えた…その時。

 

 

 ガラガラガラガラ…

 

 

「え」

 

 突然奥から大量の歯車がやってきたため愛里寿は「勇樹、歯車が!」と言うと彼は愛里寿の方を向いて数秒後。

 

「うわっ! これも仕掛けなのか?!」

「わっ! 麻子さん!」

「わかった!」

 

 麻子は急いでエンジンを入れると、勇樹は「歯車につぶれないように逃げるぞ!」と言うと各戦車はマンモスタンクⅢの後を追うかのように逃げていく。

 

「勇樹君! 砲撃は?!」

「あ、忘れていた…逃げてばっかりだからごめん」

「もう! あ、みなさん? 砲撃をお願いします!」

 

 勇樹の言葉に百合子はあきれながらも、通信機で皆に伝えると。砲台は歯車に向けて砲撃用意をしていた。

 

「あ、伊江装填を!」

「わかった!」

「美樹姉は砲手用意を!」

「わかったよ、勇樹君」

 

 勇樹の指示に2人は攻撃用意していると、マンモスの鼻は歯車の方へと延びて目的地を決める。そして。

 

「みほ、今だ撃てええっ!!」

『わかりました!!』

 

 ドガアアッ! ドガドガドガドガアアアアッ!!

 

 勇樹の合図にみんなは一斉に砲弾を放つと、砲弾は歯車に当たるとバラバラに砕けで下へと落ちていった。

 

『お、落ちていったわ…』

『そう言えばここはメカの中とはいえ、下は見えなかったね』

『わ、忘れていました…』

「オレも…だけど今は急いで」

 

 落ちた歯車を見たカチューシャ、ミカ、西は驚くかのように言うと。勇樹は気を取り戻すかのように言うとみんなは勇樹の後を追うかのように進んでいった。

 

 

 

 

 

 その時、後から歯車が浮かび上がり、合体していったことに気づかずに…。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「退避だ!! これは急いで退避しろおおっ!!」

「わかっているよ桃ちゃん!」

「桃ちゃん言うな!!」

 

 河嶋は前からやってくる巨大なバンガロー型の巨大戦車メカに追われているのを驚き、柚子に指令を出している。

 逃げている途中、カップチームのココアたちと合流した。

 

『おや、そっちは結構大変な目に遭っているけどどうしたのー?』

「見てわからんか!? 私たちはこのメカに追われているんだー!!」

『む、ありゃーこれは大変だねぇ…ジャスミン、例のは?』

 

 ココアが何か言っていると向こうから『はぁい、準備できましたぁ』とジャスミンの声がする。そして。

 

『そんじゃあ、今度はこっちが攻撃する! 発射!!』

 

 ガガガ… ドガアアッ!

 

 カモノハシの口が開くと砲台が出てきて、卵が放たれると。卵はメカに当たり中から粘着性が高い液体が辺りに散らばり動きを止めた。

 

「こ、これは一体…!」

『卵型粘着爆弾、念のためたくさん用意したよー』

「これはすごいねぇ…てことは?」

 

 杏が何かに築いたのか通信機に向けて言うとココアは『もっちろん』とこう答えた。

 

『大量に用意しているよー、みんなの分もあるある!』



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第41話『これは緊急事態! 間に合うか?!』

※謝罪
 今回の作品は文字数基話の長さが短いためすぐに終わってしまう内容になってしまいました。大変申し訳ございませんでした。


 ドガドガア!! ドガアアアッ!!

 

「撃て撃て、撃ちまくれえええっ!!」

『いやぁ、さすがだねぇ』

 

 河嶋は通信機で他のみんなに打つように言うと、各戦車・メカから砲弾を連射しメカの動きを鈍くさせている。

 それを聞いていたココアは苦笑いすると、小梅は「あはは」と苦笑いで答える。

 実は、今はなっている砲弾はただの実弾ではなく、実弾の中には粘着爆弾が入っており、砲弾の先端に強い衝撃をあたえると中身が出てきて相手の動きを鈍くさせることが出来る。

 粘着爆弾の影響で、メカは少しずつ鈍くなってきている。

 

『にしても、そろそろこのメカも停止するじゃないかな?』

「そうですね、ここまでくれば…あ、変化が現れました」

 

 小梅の言葉に柚子は「え、どれ」と外を見ると、粘着は少しずつ動きが惟くなっていき、氷のように固まっていっている。

 

 ギギギギギギギギギ……

 

 その影響でなのか、メカの目は点滅していき部品は外れていってる。

 

『さすが勇樹さんが作った道具!』

『時間はまだ間に合う、急いで放つぞ!』

『どんどん放ちますわああっ!』

『動くところがあれば狙う…そこだ!』

『…慎重に』

「あらら…」

 

 梓、カエサル、ローズヒップ、ナオミ、ヨウコが通信機からしたため、彼女は苦笑いで答えていた…その時。

 

ビィィィッ! ビィィィッ!!

 

「お、私出るよ。この通信機…圭太ちゃんたちからだ」

 

 通信機から電話が来たため、杏は画面を見て圭太たち基ヤタガラスチームだと理解すると受話器を出て話をすることに。

 

「はいはい圭太ちゃん、どうしたの……え、そうなんだ…分かった」

 

 突然真剣な口調で言ってきたため河島たちは何かと思っていると、彼女は受話器を電話に置くと。通信機で各チームに連絡を入れる。

 

 

 

 

「みんな聞いて…緊急事態、もうすぐ大洗に着く

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 その頃、勇樹たちは。ホースがたくさんついているところへとやってきていた。

 

「うわぁ…これって何ですか?」

「ホースを大きさからして液体を送るようになっているが…何を送っているんだ?」

 

 驚く百合子に勇樹は考え込むと、カチューシャは「ジュースとかじゃないでしょうね」と冗談を言うと勇樹は「それはない」と即答する。

 

「送るとしたら燃料かしら?」

「いや、燃料だとしたら油臭いにおいがする。この様子だと」

「先ほど放った液体だね」

 

 ケイ、まほ、みほが推理をしていると、勇樹は「確かに、あり得る」とつぶやく。すると。

 

 

 

 ガゴッ!! ゴゴゴゴゴゴゴ…

 

 

 

『『『ん?』』』

 

 

 1つのホースが虹色の液体を吸い込むと、砲台のような機械に装填していく。そして。

 

 

 

 ドガアアアァァァァァァッ!!

 

 

 

 放つ音と同時に中身が放たれた、それを見たみんなは「うわっ!」と驚く。

 

「あれを放った…しかし一体どこに?」

 

 放つ光景を見た真帆は考え込むと、通信機から『連絡です』と柚子の声がした。

 

「小山先輩からだ…はい、小山先輩」

『緊急事態です! この機械はもうすぐ大洗に着きます! 繰り返します!』

 

 小山の連絡を聞いた伊江は「なんだと?!」と驚く、勇樹は「驚かすな」と顔を青ざめて言うと、みほは「もうすぐ大洗に!?」と驚いた反応をする。

 

「勇樹、もしかしてあの時はなったのは」

「お、大洗に標準を定めて放つ。放ったようだ」

 

 まほの言葉に勇樹は答えると、カバンから『特定物体探知機』を取り出すと、電源を入れて何かを探し始める。

 

「勇樹さん、あなたは一体何を?」

「操縦席です、彼女たちは目から出てきたためもしかしたらそこにメインコンピューターが…あ、あった」

 

 電源を入れてアンテナを3周していくと、真上の方に向いて反応している。

 

「ここにコックピットが…てことはここは下あごか?」

「それだったら手間は省けた! 急いでいこう!」

「そうだな…勇樹、準備は?」

「ここでしたら…あ、あの会談はどうだ? 戦車がやっと通れるほどの幅ですし」

 

 場所が上だと分かった瞬間、アンチョビと我狼院は勇樹に向けて言うと彼はスロープがある螺旋階段を発見し、そこから登ることにした。

 

「西住さん、急いでいきましょう」

「はい、では―」

 

 行きましょうと言おうとしたその時、後から何かが転がる音がしたためみんなは何かと振り向いた…その先に見たのは。

 

 

 ゴロゴロゴロゴロゴロゴロ…!!

 

 

「な、何だ!?」

 

 我狼院が驚くのも当たり前、後からやってきたのは虹色の模様をした球体が突然現れた!!

 

「砲撃! 美樹姉!」

「あ、わかった!」

 

 勇樹の指示に美樹は急いで放つと、球体は当たると同時に空中に舞ったそれと同時に変化が起きた。

 

 ガガガガガガガ…ガゴガゴガゴガゴガゴガゴガゴ!!

 

 空中に舞うと同時に、赤・紫・藍・青・緑・黄・橙と球はならぶと、胴体からかぎ爪状の手足が出て靴と橙の球体から2本のアンテナと赤色に輝くキャノピーが出てきた。そして、それはこう叫んだ。

 

 

ガラガラアアアアアッ!!

 

 

「い、イモムシ?!」

「まぁ、こんなのがあったのは初めて」

「意外ですわね」

「意外じゃないだろ!! これはなんだ?!」

「『虹色芋虫メカ』だ! 黒薔薇が作った虹色の力を利用して動く昆虫メカ! あのメカから放つ糸は危険だ!」

 

 驚くカチューシャに対してマリーとダージリンは感心していると、アンチョビがツッコミメカを見ていると勇樹が開設する。それを聞いたケイは「ワッツ?!」と驚く。

 

「そ、それじゃああのメカはもしかして!?」

「暴走しているってことか! あの雷によって」

「100%そうですよ! 西住! 急いでいくぞ!!」

 

 エルとまほはそう言っている間に勇樹はみほに向けて言うと、彼女は「わかりました!」と急いで麻子に指示を出す。

 

「全速前進! 虹色芋虫メカから話して逃げるんだ!!」

「おっしゃあっ!!」

「通信は?!」

「念のためお願い! 万が一上が終わって急いできたら危険だ!!」

「わかりました!」

 

 勇樹の指示に小森はレバーを動かし速度を上げ、百合子は味方に入れるように勇樹から言われて通信を起動して知らせる。

 マンモスタンクⅢが動くと他の戦車は彼の後を売用に進んでいく。虹色芋虫メカも後を追うが、小さい幅があったため通ることはできない。

 

「間に合った…だが油断はできない」

『そうだな、その先は』

「まだわかりません。しかし時間がありませんので急ぎます」

 

 勇樹は通信機から話すまほに向けてそう言うと、ミカが『勇樹、前』と言われて彼は「え」と前を向く。

 

 

 その先には巨大な丸ノコカッターが出てきて、彼らを刻もうとしていた。



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第42話『見方を開けて危険?!』

「も、もうすぐ大洗に着く?! それ本当なの?!」

 

 通信機から杏の情報を聞いた桜は驚くと、杏が『ああ』と答える。

 

『圭太ちゃんたちも疑うほどなんだけど、どうやら非常に大きいため早く着くようだよって』

「そう言えば、さっき映像で見たけど…思った以上に大きくなっていたわね」

「ロケットブースターもついていましたし、それで早く着くのも要因です」

「ふむ、考えてみればそうだな」

 

 杏の言葉に桜は先ほど変化した光景を思い出すと、天女は速度が速くなった要因を言いだすと蓮華は冷静に推理する。

 

「このままだと、後何十分後かには大洗に」

『えええっ!? それだったらまじヤバイ~!!』

『どうすればいいのよ!!』

『対策不明…緊急事態』

『どうすればいいのよー!?』

 

 桜の言葉に優季、そど子、ヨウコ、アリサはそう言っていると。桜は「こんな時には」と何かを考え込む、すると。

 

「あのうちこの案思いついたんすけど…いいっすか?」

「霊華…その案って何?」

 

 霊華が何か思いついたのか桜に向けて言うと、みんなはそれを聞くかのように耳を傾ける。

 

 

 

 

「液体を伸ばして巨大なロープにするとか…できっこないっすよね?」

 

 

 

 

 それを聞いたみんなは『はぁああ?』とあきれる…そもそも。

 

『大体ね、そんなことして動きを止めることはできないでしょ!』

『液体は難しいよ」

『液体は塊じゃないからそう簡単には固まらないよ!』

『むしろ逆に相手の動きを知ることになる…あほじゃない?!』

『少しは頭を使って欲しいであります!』

 

 アリサ、ナカジマ、エリカ、葵、福田の説教に霊華は「そ、そうっすよね」と苦笑いで答える…だが。

 

「可能よ、不可能ではないわ!」

 

 桜はそう言いながらカバンからスイッチが付いた『ごて』とスイッチが付いた鏡台を出すと、霊華に「すぐに用意して」と渡す。

 

「え、何を用意するんすか?!」

「わからないの? 増やすのよ、そのごてを」

 

 桜の言葉に、みんなは「え?!」と驚くのであった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 その頃勇樹たちは、丸ノコカッターに切り刻まれようとした…その時。

 

「伊江! 牙を!!」

「そうこなくっちゃあっ!」

 

 伊江はそう言いながらレバーを動かすと、マンモスタンクⅢの牙が動くと丸ノコカッターを突き刺して一部を壊すと同時に道が出来た。

 

「む、無理やりだったが…結構丈夫だな」

「あ、うん。オレも驚いたよ…」

「勇樹君…みなさん、こちらに!」

 

 伊江と勇樹が茫然していたが、百合子はみほたちに連絡するとみんなは勇樹の後を追うかのように進んでいっていた。

 

『危ない所だったな…勇樹、大丈夫か?』

「え、ああ。大丈夫です。みんなは」

『私もです』

『わたくしもよ』

『こっちも大丈夫!』

『私もだ。カチューシャは』

『カチューシャも無事よ!』

『私も無傷でございます!』

『確認…それは必要な事かな?』

『必要な事…あ、私も大丈夫です』

『私もよ』

『私も大丈夫です!』

 

 アンチョビの言葉に勇樹は我に返ると、ケガが無いか確認し無事だと分かると「よかった」と落ち着く。すると。

 

「もうすぐ着くと思います…今はここか…」

 

 勇樹は外についている案内板を見ると『現在巨大メカ部品保存倉庫』と書かれているんを確認すると、そのまま進んでいく…が。

 

『待て勇樹、今のは』

「…私も気づいています…いや、今になって気付きました」

 

 まほの言葉に勇樹は顔を青ざめながら言っていると、伊江は「何がだ?」と話しかけようとした…その時。

 

 

 

 ガガガガガガガ…

 

 

 

 後ろから何か物音がしたためみんなはそっと振り向くと、『倉庫』の扉から何かが揺れていくのよみんなは確認する。その揺れの正体は…。

 

 

 ドガアアアァァァァァァ!!

 

ガアアアアアアアッ!!

 

 

 

「ぎゃあああっ!!」

『まさかここまで来たのか?!』

『巨大メカ倉庫だからそうだよね?!』

『それは予想外だ!』

『急いで逃げるぞ!』

『わかりました! 勇樹さん!』

「わ、わかった! 小森!」

「怖いから急ぐぞ!!」

 

 倉庫から出てきて虹色芋虫メカにアンチョビ、カチューシャ、我狼院、まほは驚きながらもみほに指示を出し、彼女も勇樹に伝えると彼は急いで指示を出して小森はスピードを上げていく。

 各戦車はスピードを上げていくと、虹色芋虫メカは目を光らせると手足を動かし勇樹たちの後を追い始めた。

 

「追ってきている、急いで!!」

「精いっぱいだ!」

『これ以上あげるとエンジンが~!!』

『そこですか?!』

『限界を超えると故障して、オーバー費とするかも』

『そこなのか!?』

 

 勇樹と小森の言葉に、ミッコが言うがそれをオレンジペコはツッコミ、ヴィリディアナの言葉にもアッサムはツッコミを入れる。

 すると伊江が「前を!」と言うとメカの前には巨大な扉がたたずんでいた。

 

「勇樹! もしかしてここが!」

「コックピットだ! 急いで突撃だ!!」

 

 勇樹はそう言うとメカは扉に当たると扉は開き、後からⅣ号を含む各戦車は中に入ると。伊江と幹子が出てきて扉を勢いよく閉める。

 

「今のうちにロープを!」

「はい!」

 

 伊江の言葉に百合子は急いでカバンからロープを出すと、扉の取っ手と左右の機械や取っ手などに絡みつけて勢いよく結ぶと、奥から衝撃音とメカの鳴き声がした。

 

「お、収まったか…」

「いや、また衝突してくる可能性がある」

「それまでの間に…勇樹さん!」

「待ってくれよ、確かどこかに…あった!」

 

 我狼院とまほは冷静に見て言っていると、みほは勇樹に向けて言うと彼は操縦機があるとkを探していた。

 そして操縦機があるところを見つけるが、肝心のレバーは2本も折れていて画面は『DANGER』と点滅していた。

 

「これは…修理することは難しい。壊すか破壊するしか」

「破壊!? どうやって壊せば!?」

「それを調べてみる、操縦は無理だけど調べることは可能」

 

 アキのツッコミに勇樹は冷静に答え、カバンからノートパソコンを出すと何かを調べる。

 

「これをこうすれば…あ、あった!」

 

 メカのデーターを見つけたのか、キーボードを押すと『暴走した場合の対処』と表示されている。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 そして、大洗の学園艦が保存している倉庫内では。黒薔薇の生徒が数十名が船底付近を探査していた。

 

「ここにあったらすぐにわかると思うが…」

「そっちはどうだ?」

「わかりません…設計図には載っているのに」

 

 その内の4名は愚痴を言いながらも何かを探していた、すると下から『ありました!』と聖との声がしたため、全生徒は急いでいくと。探査機には『ありました』と表示されている。

 

「よっし! ここにあったんだ!」

「戦車道が始まったから ばれる前に隠して正解!」

「急いでこれを密輸すれば…」

「大金持ち!!」

 

 4名はそう言っていると、1名の生徒が「何しているんだ?」とジト目で見ながら丸ノコを出して切り始める。

 すると、1名の生徒が「大変だ!」と慌てて入ってきた。

 

「どうした? 慌てて入ってきたが?」

「大洗の船舶科と聖グロ、サンダースなどの生徒がここにやって来ています!!」

「そうか…ってやってきている?!」

 

 生徒に言葉に彼女は驚くと、後から『こっちにいたべぇ!』とプラウダの声がしたため、彼女は「急いで閉めろ!」と各生徒は急いで閉めるとカギを何重もして機械や鉄屑類を大量に置いて防衛をしていく(?)。

 

「その間に急いで解体開始だ! いいか?!」

『『『『『『はい!!』』』』』』

 

 彼女の言葉に生徒は答えると同時にバーナー類を出して学園艦を解体し始める。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 桜は霊華に『ごて』を鏡で増やしていき、出来たごては各車長に渡していく。

 

「あの、桜さん。このごては?」

「始めてみますけど」

「一体何に?」

「使うんだ?」

 

 ごてを手にした梓、カルパッチョ、押田、安藤はそれを見ながら言うと、桜は「簡単よ」と言うと彼女は微笑みながらこう答える。

 

 

 

「このメカを固めてやるのよ、そのごてでね」

 

 

 

 



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第43話『発見、コワスゾウの弱点と黒薔薇を追え!』

 勇樹は現在、パソコンを使って『暴走した場合の対処』のデータを開いて、安全な方法はないか調べている。

 

「このデータは…ってなんで『食品保存方法』が!?」

「このデータは違いますわね」

「見方を変えたらどうかな? 例えばウィルスを開いてみるとか」

「それやったらまずは中がパーになるよ!!」

 

 アンチョビ、ダージリン、ミカはそう言っていると勇樹はツッコミを入れる。それを見たまほは「何しているんだ」とジト目で見ている。

 

「それをしている暇はないだろ…何か対処は」

「えっと、確かどこかに…あった!」

 

 我狼院の言葉に勇樹は慌てながら探していると、『暴走状態 コワスゾウの壊し方』が発見した。

 

「コワスゾウの壊し方…これなら」

「何か乗っているのか?」

「それでしたらわかると思います」

 

 勇樹の言葉にまほとみほは言うと、彼は「今調べてみます」とキーボードをカタカタッと叩く。すると。

 

 

 ドガアアアッ! ドガドガアアッ!!

 

 

「っ! まだいたか!!」

「間に合うの勇樹?!」

「もうすぐ出ますが…あった、これだ!!」

 

 外から何か物音がした、その物音は虫型メカ『虹色芋虫メカ』が扉を突き破ろうとしていた。

 それを聞いたまほとケイは、彼に向けて言うと勇樹は焦りながら探していた。そして『一番の弱点』を見つけ、それを開こうとした…その時。

 

 

 ドガアアアアアア!! バギバギ!!

 

 

ガラガラアアアアアッ!!

 

 

「なっ! 扉が!!」

 

 扉が壊れると同時に虹色芋虫メカが入ってきて勇樹をにらみつける。

 それを見たまほは「まさか!」と彼を見ると、パソコンには例の情報が。もしかしたらそれを消しに来たのではと確信する。

 

「みほ、この虫は勇樹を狙っている! 私たちが妨害するから彼を守ってくれ!」

「う、うん!」

 

 まほの言葉にみほは急いで彼の所へと夜と、勇樹はそれに気づいて道具をしまい彼女のとこに行くが。虹色芋虫メカはお口を大きく開けて一気に食べようとした…が。

 

 

 

「撃てえええ!!」

 

 

 ドガアアアアアア!! バギイイッ!!

 

 

 

『ガラガラアアアアアッ!?』

 

 まほが戦車に乗ると砲台をメカに合わせて砲弾を放ち、彼がにげる時間を稼いでいる。

 

「今のうちに急げ!」

「ありがとうまほ!!」

 

 勇樹は彼女に礼を言うと、みほと一緒にⅣ号に乗り込む。

 

「沙織、急いで百合子さんに!」

「わかった! 百合子さん聞こえますか?!」

『聞こえています! 勇樹君は!?』

「オレは大丈夫だ! それよりも情報を!」

 

 勇樹は沙織に通信機を起動し、百合子と話をしていると、Ⅳ号は扉から出ていくとマンモスタンクⅢとチャーチル、M4はⅣ号を囲むかのように移動すると。その後ろからはティーガーG型とP40、BT-42とⅡ号戦車、ルノーFTとM4シャーマンと旧砲塔チハは、後から追ってきている虹色芋虫メカに向けて攻撃している。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 砲撃している間、大洗の学園艦が保存している倉庫前では多くの生徒が扉を開けようとしていた。

 

「壊して、急いで時間が!」

「黒薔薇めー! 扉を頑丈にしているだ!」

「こっちは空いていないか…そっちは?!」

「開いていないっす!」

 

 多くの生徒は扉を開けていくが、内側から鍵をしているため簡単には空かなかった。すると。

 

 

 ガガガガガガガ!

 

 

どけどけー! これで開けてやるー!!

 

 倉庫前に現れたのは、黒森峰が所有してい重戦車『マウス』がやってきて。車長である『大井(おおい)根津子(ねずこ)』はそのまま突っ込んでいき、扉と壁を壊した。

 

「入れえええっ!!」

 

「「「おおおおおおっ!!!」」」

 

 マウスから出てきた根津子の合図に、他校の生徒らは一気に入っていくが、黒薔薇の生徒は外に出てM13/14に乗り込んでいる。

 

「急げ! あいつらに見つかる前に!!」

「わかっている!!」

 

 生徒はそう言いながら大きな袋を戦車に入れている、すると後ろから「あ、こちらにいました!」とニルギルが発見した。

 それを見た生徒は「やっば!!」と急いで袋を入れると、戦車に乗り込んで。その場から逃走。

 

「こちらニルギル! ただいまM13/14が逃走、黒薔薇の可能性があります!」

『了解! サンダースとプラウダがそちらに向かっています!』

「私も急いで乗っていきますので!」

『了解!』

 

 ニルギルはそう言うと急いで自分の戦車に乗り込んでいくために、走っていくのであった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 その頃、コワスゾウでは4両の戦車が出てきて海中へと落下…いや飛行低下している。

 水面まで行くと、梓たちが出てきてごてを水面に当ててから一気に引くと、海水は水あめのように伸びてきた。

 

「うわっ! 本当にこの道具はこのようになるんだ」

『それよりも、これを例の場所に』

「あ、わかりました。桂里奈、行ける?」

「は、初めてやるけど。行ってみるぞー!!」

 

 桂里奈はそう言いながら操縦かんを動かすと、M3リーは空を飛んでいきセモヴェンテと合流し何かをし始める。

 すると、それに合わせるかのように水は伸びていき、M3リーとセモヴェンテと合体すると水玉が出来る。

 

『作戦成功ね、それじゃあ行きましょうか。『絡まり作戦』開始!』

「はい!」

『『はい!!』』

 

 桜の言葉に、梓たちは答えうとそのまま上昇し、水柱はメカの手足背中を交差するように飛んでいく。

 

コワァアアス?

 

 コワスゾウもその様子に気づいていたが、それは手足背中だけでなく、プロペラやアトラクションに絡ませるように移動している。

 アトラクションは観覧車だけではなく、海賊船や回転ゴンドラにジェットコースターの線路にまで飛んでいった…その時。

 

「よーし! 今のうちに固め開始っす!」

『『『おおー!!』』』

 

 霊華の言葉にみんなは答えうと、スプレーを出してアトラクションについている水柱に向けて放つ。

 すると水は水色から灰色に変色し、金属同士がこすれる音がしてきた。

 

 ギギギギギギギギギッ…!!

 

 動きは徐々に鈍くなっていき、少しずつだが煙と電気が漏れてきている。

 

 

「おっし! 成功っすね蓮華さん!」

「ふむ、そうだな…流石霊華」

「いやいや、偶然っすよ」

 

 霊華たちはそう言っていると、M3リーとセモヴェンテとクルセイダーとルノーが着陸すると、ハッチから車長たちが下りてきた。

 

「梓、なかなかやるじゃん!」

「あ、いえ。初めてですので…桂里奈も」

「いや、それがすごい。初めてなのに成功するのは初めてだし」

 

 梓と桂里奈の運転能力に、霊華と文褒めると。彼女は顔を真っ赤にして照れる。

 

「やったよたかちゃん!」

「すごいよひなちゃん!」

「なぁ…あいつらいつもこうなのか?」

「いや、初めて見る…このような光景は」

 

 アイヌはカエサルとカルパッチョの光景にエルヴィンに質問すると、彼女は半分呆れながら答える。

 

「やっとできましたわー! これでダージリン様に」

「褒められるか」

「少し落ち着け」

 

 興奮するローズヒップに、ルクリリとアレンは頭をたたいてツッコミをする。

 

「安藤…」

「押田…」

「今回はなかなかだ、褒めてやる」

「ふん、こっちもだ」

 

 押田と安藤は、いつの間にか友好関係(?)が生まれて、手を組んでいた。すると。

 

 

 

 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ………

 

 

 

 城の方から何かが揺れてやってくる音がしてきて、振動と共に徐々に大きくなってきている。

 

 

「な、なんですか?」

「初めて聞く…振動も」

「でもこの音って結構近くに来ているねぇ」

 

 太田、ナオミ、杏はそう言っているとお城は崩れ、Ⅳ号を含むすべての隊長戦車とマンモスタンクⅢが出てきて、着陸する。

 

「うわっ、何があった!?」

 

 それを見たアリサは驚くと、Ⅳ号からみほと勇樹が出てきた。

 

「勇樹君、一体何が?!」

「今説明している暇はない!! 急がないと!」

 

 太田は彼に向けて言うと、勇樹は何か焦っていた。彼の言葉にみんなは「は?」と目を丸くして頭を傾けていた…その時。

 

 

 ゴゴゴゴゴゴゴ… ドガアアッ!

 

 

『ガラガラアアアアアッ!!』

 

 

 城は崩れて中から虹色芋虫メカが出てきた。

 



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第44話(最終回)『倒せコワスゾウ! 勝利となるか?!』

「どわああっ!! な、なんすかこのメカ!?」

 

 突然現れた虹色芋虫メカに、ペパロニは驚いていると勇樹は「虹色芋虫メカだ! 説明は後で言う!」と答えながらⅣ号からマンモスタンクⅢに乗り込む。

 それを見た桜たちは「急いで戦車に!」と言うと、みんなは慌てて戦車に乗り込む。そして。

 

「みんあ、撤退だあああっ!!」

 

 勇樹はそう言うと同時にみんなは撤退をすると、虹色芋虫メカは後を追うかのように走ってきた。

 

『勇樹、あれはなんだなんだなんだああああ!?』

「虹色芋虫メカ! 虹色の力を利用してい動いて、口から放つ砲弾は一種の鉄を溶かす強力な液体が入った爆弾を放つ! あれに当たったら鉄はおろか植物は枯れていき、生物は骨になる!!」

『それって危険じゃねーですの?!』

『オラたち、消えるのか!?』

『何か策はないの?!』

 

 勇樹の言葉にローズヒップとニーナとエリカは一斉に言うが、勇樹は「一度に言わないで」と慌てながら倒し方を見ていた。

 すると、虹色芋虫メカの口が開くと砲台が出てきて、砲台の先は標的をB1bisを定めた。

 

『そど子、止まれ!』

『そど子って言わないで!! ゴモ代!』

『う、うん!』

 

 麻子の言葉にみどり子は突っ込みながらもモヨ子は急いでブレーキをして、B1bisを急停止した。すると。

 

 

 ドガアアッ!

 

 

 砲台から赤色の砲弾を放ち、それはB1bisの上を通り過ぎえて近くの電灯に当たると、蒸気を出しながら腐っていき、針金のように細くなった。

 

『電灯が…強力じゃない!』

『これは危険だな』

『何か策はないのか?!』

 

 再度通信機からカチューシャ、アレン、エルヴィンの声がするが、勇樹は「それがわかればいいが!」と突っ込む…が。

 

 

 

「だが、良い弱点があった…」

 

 

 

 勇樹の言葉に伊江は「なんだ、弱点は?!」と言うと百合子が「あ、車内では騒然でしたから聞いていませんでいた」と納得するかのように言う。

 それを聞いた彼は「これだよ」とパソコンを2人に見せる。そこに描かれていたのは。

 

 

『砲台である鼻の管は、内部からは丈夫になっているがそこから強い衝撃を与えると簡単に壊れてしまう。そこは厳重注意!』

 

 

「「ああー」」

「空はある程度飛べるし、問題はない」

「あのメカから放つ液体を利用して外装を壊して、そこを砲撃で攻撃すれば行けるね」

「ああ、それにあの虹色芋虫メカは攻撃は強いが防御は非常に低いからな」

 

 勇樹たちはそう言っていると、百合子は「それじゃあ通信を」と起動してみほたちにある話をする。そして。

 

『わかりました、その作戦は勇樹さんに任せます。それでは』

「作戦名は『べっとり作戦』だ!」

 

 勇樹はそう言うと同時に、各戦車・メカの操縦手はスイッチを押すと胴体などから翼が出てきてブースト等が起動すると、空を飛んである場所へと飛んでいった。

 虹色芋虫メカはそれを追い、建設物などを壊していく。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 その頃、地上ではM13/14が逃走しており、後からはマルチダⅡ歩兵戦車とM4シャーマンと九五式軽戦車とⅣ号駆逐戦車が追いかけている。

 

「追いかけている、急いで砲弾を!」

「無理です!」

「なぜだ?! 用意したのにできない理由を言え!!」

「隊長が砲弾は邪魔だって置いていったじゃないですか!!」

「…あ、忘れていた」

 

 隊長の言葉に生徒は「ちょっと!」とツッコミを入れる。そうしている間に後ろからマルチダⅡ歩兵戦車がやってきて。

 

 

 ドガアアッ!

 

 

『『うわああっ!?』』

 

 衝突により生徒らは驚き、装甲に『ガンッ!!』と何かがぶつかる音がした。

 

「な、なんだ?!」

「外を見てきます!」

 

 1名の生徒がハッチを開いて外を見てみると、錨が戦車の一部に引っかかっており、その錨にはロープが付いていた。

 

「いいっ!? こ、これって!!」

『用意しておいたロープです! 強制停止という意味でやります!!』

 

 ニルギルの声がすると同時に、マルチダⅡ歩兵戦車は一気に止まると、後にいたM4シャーマンと九五式軽戦車なども停止し、重しの代わりとなった結果、M13/14は停止した。

 

 

うわあああ?!

 

 

 その拍子で、生徒は頭に当たり気絶をし。生徒によって捕まえてしまったのであった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

ガラガラアアアアアッ!!

 

 勇樹たちが飛行している跡を、虹色芋虫メカはそれを追いかけている。そうしていると背中から出て頭のところへと行き三県のところまで行く。そして。

 

 

 

各自、攻撃開始!

 

 

 

 ドガドガドガドガアアアアッ!!

 

 

 ティーガーG型に乗っているまほが、各戦車・メカに向けて言った途端、砲台を一度に放って虹色芋虫メカに当てていく。虹色芋虫メカはひるんでいきながらも口から放つ爆弾を当てようとするが、とんでいるため簡単には当たらない。

 

『当たるなよ! ゼッタイ当てるなよ!!』

『ペパロニさん、そんなことしても効かないと思うっすが…』

『とにかく急いで離れていくわよ! 攻撃も重要よ!!』

 

 ペパロニの言葉に霊華はツッコミをすると、カチューシャはさらにツッコミを入れてメカから戦車を遠ざけていく。

 何度もしているとメカは目を合わしていき、砲台は左右上下に動いていた…その時。

 

 

『ガラガラアアアアアッ?!』

 

 ドバッ!! シュウウ~~……

 

 

 砲弾は砲台の管兼鼻の一部に当たると。少しずつ溶けていき、銀色の管が見えてきたその瞬間。

 

 

『『いっけええええっ!!』』

 

 

 すると上空から勇樹たちの声がする。それを聞いたコワスゾウは上を向くとマンモスタンクⅢとⅣ号とAMX-13がやってきて、砲台が例の砲弾に向いていた。そして。

 

 

 

 ドガアアッ!!   バガアアアンッ!!

 

 

 鼻の管は二つに折れてバラバラになると、そのまま部品は落ちていき、海上へと落ちていった。

 そして、後には太田たちがマジックハンドを出してしっぽをつかむ、そして。

 

 

『『『『あっげろおおおおっ!!』』』』

 

 

 一気に持ち上げて回転させ、そのまま海上へと落ちていく。

 

 

 

コワコワコワコワコワ!? コワスゾオオオッ!?

 

 

 

 ドバアアアアアッ!!

 

 

 

 コワスゾウは水上へと落ち、さかさまになった。

 その拍子で虹色芋虫メカは海面へと落ちると、バラバラに砕けで大爆発した。

 

 

「やったああ!!」

「あの虹色の虫、やっつけたっす!」

「地面の衝突は強いが、水の衝撃は耐えられなかったな…」

 

 伊江とペパロニは喜び、エルヴィンは冷静に納得すると。桜は「まだよ!」とコワスゾウが落ちて方へ向く。そこで目にしたのは。

 

 

コワアアス!!

 

 

 ガガガガガガガ… ガゴンッ!!

 

 ドガガガガガガガッ!!

 

 コワスゾウが立ち上がると背中のアトラクションが出てきて、アトラクションはみんなに向けて攻撃してきた!

 

 

「こいつまだ動けるのか!?」

「しまった、よけてください!!」

 

 勇樹とみほは急いでメカと戦車に向けて言うと、すぐに起動してその場からよける。

 2人も急いで入ると、その場から離れて攻撃をよける。

 

 

コワスゾオオオッ!

 

 

 ガゴッ!! ドドドドドドド…!!

 

 

 するとコワスゾウは、両手足が外れると背中のプロペラは外れると同時に胴体から翼が出てきて空を飛び、そのままみんなに向けて飛んでいく。

 

『飛ぶのもありなのか?!』

『校則違反を超えているじゃない!!』

『そこいうの!?』

 

 それを見たアンチョビは驚くとみどり子はイラつきながら突っ込む、それを聞いた最上は突っ込むが伊江は「簡単には倒せないのか!?」と勇樹に向けて言う。

 

「これは想定外だ! どこかにあったはずだが…っ!!」

 

 勇樹はどこにあるか探していると、観覧車型のアトラクションがみほが乗っているⅣ号に向けて放っていったため。勇樹は「小森!」とⅣ号に向けて指をさすと、小森は「わかった!」とコントロールを動かす。そして。

 

 

 ドガアアッ!

 

 

「っ!! 勇樹さん?!」

 

 マンモスタンクⅢはⅣ号に当てると観覧車型のアトラクションはそのままメカに当たると、バラバラに砕けて、彼らはそのまま海上へと落ちていく。

 

 

『『『『『勇樹!!』』』』』

『『『『『『勇樹さん!!』』』』』』

 

 

 みんなは急いで向かうがアトラクション型の攻撃により、救うことはできない。すると。

 

 

「こんな時にあろうかと…ポチっと!」

 

 勇樹はカバンからスイッチを出してボタンを押すと、マンモスタンクⅢの瓦礫からT-34/85が出てきて彼らはそれに捕まり乗り込むと、勇樹は「体制を整いなおすぞ!」と言いながらパソコンを入力して戦車の状態を変換する。そして。

 

 

 

 ガショガショガショガショッ!! シュウウ…ドガアアアアアア!!

 

 

 T-34/85から翼とブースト―が出てきて飛行すると、そのままコワスゾウに向けて行く。

 コワスゾウはT-34/85に向けて攻撃するが小森が「させるか!」と操縦桿を動かして攻撃をよけると、そのまま大洗から沖へと発進していく。すると。

 

「百合子さん! 五月女から連絡は?!」

「え、五月女さん!? あ、ありました!」

 

 五月女からの連絡はないかと彼女から聞いた百合子は急いで通信機を作動すると、五月女からの連絡があったため彼女は「どうぞ!」とマイクを彼に渡す。

 

「ありがと、こちら勇樹。少し状況は変わったが準備は完了! いつでもいいぞ!」

『ハッ、それならもう放ったぞ、お前の計算によればの話だが』

 

 それを聞いた勇樹は「もう放ったのか、凄いな」と驚くと、伊江から「今みほたちと合流している! そして会長たちは」と言うと彼は「わかった、ありがとう!」と答える。

 そうしている間に、後からコワスゾウが追い付いてきて攻撃しようとした…その時!!

 

 

各砲台、真下から翼に向けて…放てえええええっ!

 

 

 ドゴオオオオッ!!

 

 

 ガギイイイッ!!

 

 

 

 下から砲弾が一斉に放たれて右尾翼に当たると同時に、反対側からは上から巨大な砲弾が落ちてきて左翼に当たると、メカはそのまま回転しながら飛んでいった。

 これ井するものがないと回転しっぱなしで、平衡感覚は失われていく。

 

「優花里! 華にこれを!!」

 

 伊江はそのすきを狙ってT-34/85からⅣ号に乗車している優花里に青色に輝く砲弾を渡す。

 

「っと! これは?!」

「あのメカを倒すために勇樹があらかじめ積んでおいた特製の砲弾! 一発であのメカのあご、つまり頭の下部分を狙え!!」

 

 伊江の言葉を聞いて何か理解したのか、彼女は「わかりました!」と砲弾を抱えて中に入る。

 そして伊江は勇樹に「渡した! 護衛開始!」と言うと彼は「理解している!」と言いながら小森に指示を出していく。

 

『コワコワコワコワアアアス!?』

 

 コワスゾウはⅣ号に向けて攻撃していくが、T-34/85から放つ砲弾にふさがれて攻撃ははじき返され、目を回しているため正確に攻撃は出来ない。さらに。

 

 

「西住を守れ! 彼女を傷つけるものは許さないぞ!!」

「「「「はい、怜雄様!!」」」」

 

 

 Ⅳ号を守るように前に現れると攻撃を防ぎながら砲弾と機関銃を放ち、メカの目に向けて攻撃していく。

 

 

「これが勇樹殿の砲弾です!」

 

 優花里は伊江からもらった例の砲弾を装填すると、麻子は「何がすごいのわからんが、つかまってろ」と言うと、沙織は「え、どこに?!」と慌てる。そして。

 

 

「花を生けるかのように…発射!!」

 

 

 華がスコープで狙いをメカの下、つまり顎に定めて引き金を引くと砲弾は放たれてそのままメカのあごを貫いた。そして。

 

 

 

 バギバギバギバギッ!! ドガアアアァァァァァァ!!

 

 

 穴が開いたところから煙と火花が出ると、そのまま停止し。みんなは「止まった…?」と目を丸くした。その時。

 

 

 ドガアアアァァァァァァ!!

 

 

 

『コワスゾオオオオオオオオオオオオオッ!!』

 

 

 

 メカ叫ぶと同時にその場で大爆発し、部品となっていた遊具類は海へと落ちていき残骸となっていった。

 

「いきなり爆発!?」

「ひゃあ、驚いたよ」

「さすがに大きいとここまで爆発も派手ですね」

 

 それを見たルクリリ、ナカジマは驚いているが、ノンナは大きいと爆発も大きいと理科したのか納得した表情をしていた。

 そして百合子はある疑問を勇樹にぶつける。

 

 

「ところで勇樹君、五月女が言っていた話は…」

「あ、あれ? 実はオレがあらかじめ推測で言ったことなんだ」

 

 百合子の質問を聞いた勇樹はそう答えると、みんなは「え、推測?!」と驚く。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「あのメカがもし大洗に行っていたら、カール自走臼砲はあいつらが持っているはず、それを取り返したら急いで大洗に向けて放ってほしいいとお願いした…そしたら」

『うまくいけたってことだ。これは驚いたぜ』

 

 勇樹と(通信機から話す)五月女を聞いたみんなは「ええ…」とあきれていると、ダージリンから「ちょっとお待ちを」と言ったためみんなは何かと見ていた。

 

「ダージリンよ…ええ、そう。分かったわ。勇樹さん、ニルギルから連絡だけど。例の大洗に隠した闇の薔薇は手に入れた。黒薔薇の生徒は捕まえたけど逃げられたわ」

 

 ダージリンの話を聞いた勇樹は「そうですか…ありがとうございます」と答えると、今度は会長から「あ、ごめん」と電話に出る。

 

「はい杏です…はい、そうですか…わかりました、ありがとうございます」

 

 普段とは違って冷静できちんとした対応をしている会長の姿、それを見たみんなは「もしかして」と彼女を見つめると、杏は電話を切ってみんなに向けるとこう言った。

 

 

 

 

 

「みんな、官公庁から廃校は中止が来た。元の大洗にみんな戻れるよ」

 

 

 

 

 それを聞いたみんなは「「「「やったああああっ!!」」」」」と歓声が響き渡る。

 こうして大洗は無事、廃校の取り消しと同時にコワスゾウの暴走を止めることに成功した。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 ところで、忘れていると思うが、小春田たちはと言うと。

 

 

「なんであたくしたちがこれに乗って逃げなければいけませんの!?」

「予算がギリギリなんで怒らないでくださいよー!」

 

 彼女たちは現在廃遊園地の拝具を使ってヤークトティーガーで逃げているが、部品が古いものが多く合ったため壊れながら逃げているのであった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 黒薔薇との戦いから数日後…。

 彼女たちによって壊れた大洗の学園艦は、勇樹が道具を使って直して無事使用が可能状態に戻り、今は海上に進んでいた。

 

「いやぁ、一時はどうなるかと思ったよ…」

「無事で安心したっす」

 

 太田と霊華はそう言っていると、福音が「うんうん」と言いながら横になる。

 

「しかし、問題はあたしたちだよ」

「そうですね、タイムマシンがあればいいんですガ…」

 

 ココアと烏龍は悩むかのように呟いていると、勇樹が「あ、それなんですが」と彼はある設計図を見つける。

 

「これ、廃棄した大型のごみ類で何とか作れることが出来ます…多分」

 

 それを聞いたみんなは「え、可能?!」と驚く。

 

「わずかな時間でも行ける?!」

「そうなんですか!?」

「は、はい! 何とか…今からだと2日程度かかりますが」

 

 最上と麗の言葉に勇樹は答えると、太田は「あ、それだったら」とみほたちがいる方面へと向く。

 彼女たちは現在戦車道をしており、勇樹たちの声は聞こえていない。

 

「彼女たちに知らせておく…一応だけど」

「そうだな…知らせておくか」

 

 太田の言葉に勇樹は答えると、彼はタイムマシンを作り始めた。



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第3章『オリジナル編 未来世界・珍等師学園都市へようこそ』
第45話『戻れた…戻れない…巻き込まれた?!』


キンッ、キンッ、キンッ!! ギュィイイイイッ カンカンカンッ

 

 大洗学園艦の倉庫内から、何かが組み立てる音が響く。勇樹は帰る用のタイムマシンを作っている最中。

 理由は簡単小春田によって壊されたメカが彼の後ろにたくさんあったから。そのメカには大型のクレーンに変わった機械、コードなどが出ている。

 

「勇樹君、例のメカは治せそうですか?」

 

 百合子は勇樹に向けて言うと、彼は「大丈夫だよ」と答えながらメカを作っている。

 

「あと少しって言っても、あとはこのパーツを付けたら……出来たッ!!」

 

 勇樹はそう言い永Rあ蓋をすると同時に、彼は「出来上がったぞ!」と答える。

 

 

「タイムマシン『イカリ・ザ・タイマー』の完成だ!」

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「と言うことで、オレたちは元の世界に戻ろうかと思います」

 

 場所は変わってここは生徒会長室、彼の前には生徒会長の杏と広報の河嶋桃と副会長の小山柚子がいる。

 

「なるほど…自称と思っていたけど、これは本当のようだね」

「しかし勇樹、いいのか? いつでもこっちに来ても構わないが」

「私もそうしたいところですが、そうしていると時空にわずかな異常が起きますから」

 

 杏と河嶋の言葉に勇樹は答えると、柚子が「それでなんだ」と少し悲しい表情で納得した。

 

「とはいっても、そちらに異変があったり危険があるときになると。私たちは来ますので」

「お、そうなんだ。ま、小春田ちゃんは行方不明だから少し心配だけど。あの黒薔薇の仲間だとねぇ」

「そうですね…てかあいつらの仲間は気づかなかった」

 

 杏の言葉に勇樹は苦笑いで答えていると、柚子が「それとだけど」とある事を言いだした。それは。

 

 

 

他の生徒にはどう説明すればいいの?」

 

 

 

 それを聞いた勇樹は「あ」と目を丸くして気づいた。

 短期転校してきた他校の戦車道をしているみんなにどう説明すればいいか、忘れていた。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 大洗に他校が転校している理由、それは黒薔薇との戦いでみんな参加した。しかし1日しか参加するのはおかしい。

 助けに来たとはいえ僅か数時間で来たのはおかしい、せっかく大洗に転校したので他校のみんなは大洗にわずかな期間だが転校してきた。

 そして現在、勇樹は各学園のリーダーにだけだが『自分たちは元の世界に戻る』と話している。

 

「そう、元に戻るというならば仕方がないわね」

「それにしても驚いたわ、まさかあなたがヒューチャーから来たのは」

「私もだ、我がアンツィオの節約を超えるほどっだからな」

「あんた大丈夫? 頭の中壊れているの!?」

「落ち着け、私も初めは驚いていたが。あのメカと言い道具の性能と言い。信じてもいいだろう」

「そうですよ! その『たいむましん』と言う謎の機械は私も初めて聞きますが、一体何者ですか?!」

「何者かどうかはわからないけど、それは今必要かな?」

「そうね、それにしても未来人なのは意外ね」

「未来人って、それだったら日本語喋れるわよ?」

「えっと、勇樹さんはどうして未来に…?」

 

 ダージリン、ケイ、アンチョビ、カチューシャ、西、ミカ、マリー、エル、愛里寿は勇樹の言葉に戸惑っており、彼は「お、落ち着いて」と慌てている。

 まほは依然勇樹と出会っていたため、事情は大体知っている。

 

「それで、勇樹私たちにどうすれば?」

「はい、それなんですがあんこうチームのみんなを―」

 

 まほの質問に彼はある事を言うと、みんなはその作戦を聞いていく。それは…。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「ゆ、勇樹君が逃げた?!」

「そーだよー、逃げたというより正式には西住ちゃんを誘拐したってことかなー」

 

 会長の報告に、梓たちは「ええっ!?」と驚く。それを聞いていたそど子は「風紀を乱しているじゃない!」と憤っている。

 

「まさか裏切りとは、これは盾裏の反逆なのか?!」

「いや、これは明智光秀の本能寺の変だろう」

「いやいや、これは裏切りで一番有名な宇喜多直家だろう?」

「それだったら、裏切りの積み重ねで仕上がった男である斎藤道三だろう?」

「「「それだ!!」」」

 

 カバさんチームは「裏切り者」を歴史上の話をしており、それを聞いていた祝井は「それじゃねえよ」と頭をたたく。

 

「まさか勇樹さんが裏切るとは…迂闊だったわ!」

「早いねぇ、でもどうして今頃になって?

「「わからないけど事情があるじゃない?」」

「どちらにせよ、西住さんを…助けよう!」

 

 園みどり子がショックを受けている中、ナカジマと葵と茜が相談していると猫田は西住を助ける決心を決める。

 それを聞いたみんなは「おおー!!」と一斉に答える中、お銀だけは何か腑に落ちないのか悩んでいた。

 

「そうですね…会長! 情報は?!」

「情報ねー…かーしまー」

「はい、情報によると現在帰港している大洗のどこかに隠れていると情報が」

 

 河嶋の報告に、梓は「わかりました、西住隊長。助けに行きます!」とみんなを連れて生徒会室から出て行く。

 

 

「さて、小山。そろそろ」

「はい、他の皆さんもやっていますよ」

 

 

 杏の言葉に小山は答えていると、彼女は「そっか」と言いながら椅子から降りるとそのまま部屋から出る。そして。

 

「こっちも少しは見守るか」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

ヒュゥゥゥウウウウ………

 

 現在勇樹たちは戦車道の訓練場である広場に集まっており、勇樹たちはメカを大型のイカ型のメカに乗せていた。

 

「会長、突然ですみません」

「いいよいいよ、西住ちゃんを助けとなった分こっちもちゃんとしないとねー」

 

 ココアはそう言いながらメカを乗せていると、蓮華がやってきて「勇樹」と言いだした。

 

「アンコウの皆来たぞ、ここは私が」

「わかった」

 

 勇樹はそう言いながら例の資料を彼女に渡すと彼は急いでアンコウのところへと行く。

 

 

 

 その頃あんこうチームのみんなは、杏から「ここに集まって、勇樹ちゃんから連絡があるよー」と連絡があったためみんなは集合している。

 

「勇樹さん、一体なんで私たちを?」

「石川殿だけではなく美樹殿も呼ばれていると聞きましたが」

「何があったんでしょうか?」

「眠い…」

「麻子ったら…あ、勇樹さん」

 

 みほたちが話している中、沙織は勇樹たちがいたためみんなは向くと。普段着の勇樹たちとは違って黒色の軍服を着ていた。

 

「え、勇樹さんそれは」

「西住…いや西住さんに話があってな」

「え、話?」

 

 彼の言葉に沙織は反応すると、伊江が「そうだ」と答える。

 

「実はオレたちは元の世界に戻るんだ」

「転校基退学届けは会長に渡した」

「え、まさか!!」

「そのまさかだよ沙織君」

「ここにいるのはもう少しいたいが…」

「ここにいると向こうの世界に異常が」

 

 勇樹に続いて伊江、幹子、小森、百合子が言うと、麻子が「まさかだと思うが」と言うと、幹子は「そうだよ」と答える。

 

「元の世界に戻る…それは本当ですか?」

「ん、本当だ。このまま居続けると影響が大きくなるからな」

 

 華の言葉に小森は答えると、彼女は「まぁ…そうですか」と驚くかのように答える。

 

「ま、変えるといっても。二度とこないというふうじゃないんだ」

「え、どういう意味なの?」

「異常が治ったといっても、今で言うとウィルスと免疫と同じ原理で。免疫を付けたとしても丈夫になったんじゃない」

「一定の時間がたったらもう一度撃たないといけないんだ、それと同じ原理で言えば」

「なるほど、それは分かります」

 

 伊江の言葉に沙織は反応すると、幹子と勇樹の解説に優花里は納得する。

 そして百合子は「それに」と言うと、彼女はカバンから手紙を出してみほに渡す。

 

「あの、これは?」

「みほさんのお母さん、しほさんからです」

「え、私に」

 

 百合子の言葉にみほは急いで手紙を開いて中を見ると、それを見て彼女は数分見つめ「よかった」と手紙をしまう。

 

「私は通信手とはいえ、皆さんに知らせるのが仕事…いえ、伝えるのが仕事です」

「百合子、なんかずれているぞ」

 

 百合子の言葉に伊江は突っ込むと、勇樹が「それじゃあ」と答える。

 

「会長から連絡が入った『準備が出来た』と、オレたちはもう行かなきゃいけないそれじゃあ」

「はい、それでは…」

 

 勇樹が手を差し出すと、みほは手を出して握手を使用とした…その時。

 

 

 

『『『『『『『いたああああっ!!!!!』』』』』』

 

 

 

「え、何が?!」

「ん、んん!?」

 

 大声がしたため2人はあたりを見渡していると、向こうから大量の戦車が勇樹に向けて迫っている、

 

 

「びょえっ! なんだこれ!?」

「勇樹君、いま杏会長からら連絡! 『ごめん、風紀委員にみんなが正直に話してしまったためみんな憤っている』と」

「やらかしたあああ!! って、風紀委員のこと忘れていた!」

 

 百合子の報告に勇樹は驚くと、彼は「ごめん! 今は急いでいる!!」と彼らは急いで逃げる。その後を追うかのように各戦車は勇樹たちを追いかけている。

 

「いっちゃった…」

「全く、これは騒がしいことになったな」

「あ、怜雄さん」

 

 後ろから我狼院がやってきたため、みほは驚くと彼女は「すまん」と謝る。

 

「私の仲間にも話したが、みんな寝不足で話を聞いていない。今になってはちょっと大変なことになっている」

「はぁ…って何が」

「お前たちの戦車だが、頭に血が上っている生徒が乗っている…」

「そうでありますか…って!!」

「まぁ、それは意外です」

 

 怜雄の言葉に優花里と華は驚くと、彼女は「ああ」」と答える。

 

 

「今はヘッツァーが追いかけているが…間に合うか心配。それとあのバミューダトリオも暴走気味」

「えええ!! どうすれば!?」

「私の戦車に乗っていこう、少しは手伝いになると思うが」

「乗ります! 急いで止めませんと!!」

 

 怜雄の言葉にみほたちは急いで戦車に乗り込むように言うと、彼女は「わかった」と答えると電話を出して仲間を呼び出す。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「かいちょおおおっ!! 急いでメカを起動してくださいいいいっ!!」

「あいよー、ってすごいことになっているな」

「会長、準備は出来ましたので急いで彼らヲ!!」

「はいはーい、勇樹ちゃんはもうすぐ乗ってくるから急いで…」

 

 ここはそう言いながら画面を見て言うと、勇樹たちは急いでメカに乗り込んでスイッチを押すと、天井の電灯が光ったため彼女は「お、来たか」と反応する。

 

「それじゃあはっしーん」

「はいぃ」

 

 彼女の言葉にジャスミンはスイッチを押すと、天井に着いているカウンターと時計が起動し『時空移動開始』と表示したため、彼女は「よーし、出動」と言いだそうとした…その時。

 

 

 

 

 ゴガガガガガガガッ!!

 

 

 

「お、なんだ?」

 

 突然揺れたためここは反応すると、烏龍が「か、会長。画面ヲ!」と言われたため彼女は見ると「ありゃ」と目を丸くして驚く。

 理由は簡単、画面には全戦車がメカに無理やり乗り込むかのように一斉に入ってきた。

 

「ありゃりゃ、ジャスミン電話は?」

「あぁ、ちょうど勇樹さんから連絡がぁ」

「ありがと…勇樹ちゃんこれはもしかして」

『もしかしなくても大ピンチ!! 急いで停止しないとみんなも!!!』

 

 ジャスミンから連絡の話をするとココアはそれに出て話をすると、彼女は「あー」と顔を青ざめながら彼女は「ごめん」と答えた。

 

 

「実はもう起動した」

『……へ?!』

 

 

 ビガアアアッ!! ドガアアアアアアァァァァッ!!!

 

 

 その瞬間、メカは七色に輝くと同時にメカは爆発し、虹色の超空間へと巻き込まれた。

 メカが穴に入るが、その拍子でなのかメカに入ってきた戦車は外に放りだされる。

 

「しまった!」

 

 それを見た勇樹は、急いでカバンからU型の磁石が付いた釣り竿を出すと、一気に戦車に向けて放つ。

 すると磁石は各戦車のエンジンの排気口、砲台、車軸などに絡まると。一気に吊り上げるように1筋の戦車のひもが出来た。

 

「できました…あ、電話」

 

 百合子は電話が鳴っていることに気づき、急いで出るといきなり怒号が響いた。

 

「うわっ!! あ、これには事情が…あわわわわわわ」

「百合子さん、もしかして…」

「は、はい…各戦車道の皆さんです…怒号がすごいです」

 

 それを聞いた勇樹は「あーやっぱり」とジト目で答えた…その時。

 

 

 ビィィィイイイイッ!! ビィィィイイイイッ!!!

 

 

「な、なんだ?!」

 

 突然鳴り響く警報音に、彼は驚くと。スピーカーから『あー、ごめん』とココアの声がした。

 

 

『この先、なんか発生したごみに突っ込む…ほんとごめん』

 

 

「…ゴミ?」

 

 ココアの言葉に勇樹は目を丸くしていると、突然期待は大きく揺れて左右に揺れていく。

 

『『『おわわわわわ?!』』』

 

 

 突然の揺れに彼らは驚老いていると、『警告、警告!』と警告音が響く。

 

 

『この後、メカは屋敷地下にある『巨大メカ保存庫・タイムホール』に突っ込みます』

 

 

 

「…嘘だろ!?」

 

 警告音に彼は目を丸くして数秒後、そこに突っ込むことに驚くとメカはそのまま黒い穴に出る。それと同時にメカはバラバラに砕けて自然に不時着する。

 



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第46話『原因と屋敷の解説(上編)』

「いてて…ここは一体」

 

 メカの残骸から出てきた河嶋はあたりを見渡すと、あたりには見たこともない機材や巨大なクレーンに変わった乗り物がたくさんあった。

 

「こ、これは?!」

 

 河嶋はそれを見て驚くと、後から「桃ちゃーん!」と柚子が駆け寄ってきた。

 

「柚子! ここは一体」

「私も始めてくる…でも」

 

 桃と柚子はあたりを見渡していると、近くにヘッツァーがあることから生きているということは分かる。すると。

 

 

 ガガガガガガ……

 

 

「「ひぃっ!?」」

 

 後ろから機械音がしたため2人はびっくりし、後をそっと振り向くと。大きな手が上から出てきて、機材を掴んで持ち上げた。

 

「こ、これってもしかして…」

「じ、地獄に落ちるの?」

 

 2人はそう言っていると、ハンドは柚子と桃に向けて伸ばしてきたため2人は「きゃああっ!」と言いながら逃げていく。

 だがハンドは一気に伸ばして2人をつかむと、そのまま持ち上げた。ヘッツァーも忘れないように持ち上げていく。

 

「な、何するんだやめろおおっ!!」

「は、離してくださーい!!」

 

 2人は抵抗するがそれは通じず、そしてそのまま四角い明かりがあるところまで行くと、ハンドはその場で止まる。

 桃は「な、なんだ!?」と慌てていると、突然ハンドは2人を話して四角い穴の中に入っていった。

 

「「…きゃああああああああっ!!!」」

 

 2人はそのまま悲鳴を上げながら吸い込まれていった…。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 ドンガラガッシャンガラガッシャンッ!! スポッ!

 

「ぎゃああ! や、やめてくれええっ!」

「や、やめてえええ…てあれ?」

 

 2人は慌てていたが、柚子は明かりがあることに気づきあたりを見渡す。そこは先ほどの機械があるところとは違い、明るくてクッションのようにふかふかの椅子やテーブルなどがあった。それに。

 

「お、来た来た。大丈夫?」

「かい…じゃなくてココアさん!?」

 

 正面にレバーが付いた椅子にはココアが座っていた。それを見た柚子は驚く。

 ココアは「ごめんね、ちょっとこんなことをして」と言うと彼女は「え、ええ?!」と混乱する。すると。

 

 

 ガゴッ! ウィーン…

 

 

「あ、会長。2人は…」

「ん、ちょうど見つかったよ。それにしてもこの機械面白いねぇ」

「ははっ、杏会長も気にいるほどですからね」

「そりゃそうか」

 

 扉から勇樹が出てきてココアと雑談しているのを柚子は目を丸くして石のように固まっていた。

 なお河嶋は、混乱して数十分後、あたりを見渡して柚子に抱きしめたのであった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 ウィーン… ガゴッ!

 

「あ、河嶋先輩!!」

「無事だったんですね!」

 

 河島たちは巨大なホールに集められたみんなと合流し、彼女たちは喜んでいた。それを見た勇樹は「やれやれ」とジト目で見ている。

 

「あ、あの勇樹さん…ここは?」

「ん? あ、忘れていた…かいちょー」

「あいよー」

 

 みほの言葉に勇樹は忘れていたのか、思い出すとココアに向けて言う。ココアはもう知っていたのかスイッチを押すと天井からスピーカーが出てくる。

 

「みんなちゅーもーく、少し勇樹ちゃんから話したいことがあるよー。勇樹ちゃん」

「あ、わかりました」

 

 ココアはそう言うと彼はカバンからマイクを出して話し始める。

 

「えー、突然ですがみんなごめんなさい。ちょっと巻き込まれてしまって…えっと」

 

 顔を真っ赤にしながら目をそらしている勇樹を見て、桂里奈は「なにが?」と質問すると、勇樹は「ずごっ!」とその場でこける。

 

「全く…えっと要するにこの世界に巻き込まれたのは皆さんが一斉にメカに入ったため強制的に来たってことになります」

「なんだ、それだったら早く…私たちが入ったため?」

 

 勇樹の言葉に河嶋は反応すると、彼は「はい」と冷静に答える。

 

「時空間に裂け目が発生すると、私たちはそれに吸い込まれていきます。そしてその空間には一種の時空間…タイムホールが発生するのです」

「タイムホール…なんだかSFっぽい用語ね」

「驚いたな…まさか実際に巻き込まれたなんて」

 

 勇樹の言葉を聞いていたケイとルクリリは驚いていると、ヨウコは「でも、吸い込まれたら出れないんじゃ」と質問すると、彼は「それなんですが」と解説する。

 

「そのために私たちはこの専用の乗り物、タイムマシンで移動するのです」

「そっか、そう言えばあの巨大なイカ型のメカってタイムマシンの一種なの?」

「はい、半往復用に作ったメカですが。衝撃で壊れましたが」

 

 マリーの言葉に勇樹はそう言いながら後ろを見て言う、そこには『イカリ・ザ・タイマー』の残骸がたくさんあった。

 

「残っている機材などで行ける?」

「可能とは言えますが、100なのかどうかは不明です」

 

 ナカジマの質問に勇樹は答えていると、杏が「ちょっといいかな」と言い始めた。

 

 

「ここで話すのは構わないけど、少し光浴びない? 熱いけど…」

「それ実は私も思っていました」

 

 杏の言葉に勇樹は苦笑いすると、それを聞いていたみんなは「わかる」と一斉に答える。

 

「それでどうやって移動するの? ここは地下なのはわかったけど歩くのは少しいやよ」

「わかっているって、これで移動するよ」

 

 カチューシャの言葉に勇樹は答えながら、カバンからリモコンを出すとスイッチを押した。すると。

 

 

 ガゴッ! ガガガガガガ……

 

 

 突然天井から大量の椅子が出てきたためみんなはざわついていると、勇樹が「よっと」と椅子に座り込む。

 

「あ、皆さんも急いで乗ってください。その椅子はすぐに移動しますので」

 

 それを聞いたみんなは急いで椅子に座ると、今度は背もたれからベルトが出てきてみんなを固定する。

 

「な、なんですのこれは!?」

「きついっすー!」

「説明をしてくれ!!」

 

 突然の事態に、ローズヒップ、ペパロニ、ルミは勇樹に向けて言うと。彼は「これ重要ですら」と苦笑いで答える。

 

「あ、みほさんはあんこうチームの皆さんと。会長は小梅さんを含む生徒会の皆さんと一緒に」

 

 勇樹は思い出したかのように2人に向けて言うと、みほと杏子は「わかりました」「わかったよー」と言いながら各チームの椅子に座る。

 

「それじゃあ…ポチっとな」

 

 勇樹は椅子についているスイッチを押すと、突然椅子は右に動くと壁が開いてみんなはそこに吸い込まれるかのように移動する。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「うぐぐぐぐ…!!」

「お、思った以上に強い…ですね…」

「お、落ちない?! 落ちないよね?!」

「た、武部殿。ベルトをしているためそれは…」

「た、高い所じゃなければいいが…!!」

 

 あんこうチームのみんなは、衝撃に耐えながらも椅子にしがみつき移動していると、速度は徐々によ回っていき、後から機械音がして移動は停止した。

 

「あれ、止まった?」

 

 みほは止まったことに気づくと勇樹が「さて、ここでいいかな…どうだ太田」と通信機で太田と確認しながら何かを調整している。そして、彼は「これでいいか…」とつぶやいた。そして。

 

 

 

「さて…ここがオレが作っている巨大メカ製造工場兼保存倉庫だ」

 

 

 

 勇樹がそう言うと同時に、周りから明かりが放つと非常に大きな倉庫があらわになる。

 

 

 

 途中通信機で「太田、もう少し行けるか…分かった」と話していた。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「わあああっ! すごい量のロボットだ!!」

「あ、あれってもしかして戦車の入れ物ですか?!」

「うっへー! すげー量っす!!」

 

 倉庫内にある巨大コンテナを見た桂里奈、優花里、ペパロニは目を光らせながら見ていた。自動車部も「へぇー」と感心しながらメカの一部一部を見ていた。

 

「これって、一体?」

「オレが今まで作った巨大メカ…いわゆるアブ引き部とは関係ないメカがあるんだ」

 

 沙織の言葉に勇樹は解説していると、ケイが「それよりも」とメカのコンテナを見てこう言ってきた。

 

「これって一つ一つ作るのに費用が掛かったんじゃない?」

「確かに、私たち学園艦もそれほど大きくないしね」

「私もだ、P40を手に入れるのに節約していたからな」

 

 ケイの言いたいことがわかるのか、貧乏学園艦(ともいわれている)のミカとアンチョビは同意するかのように言うと彼は「あははは」と苦笑いする。

 

「まぁそうですね、バイトや廃棄した大型の粗大ごみなどで作りましたから」

「へぇ~……え、ちょっと待って!?」

「い、今バイトや廃棄した大型の粗大ごみと言ったよな?!」

 

 アンチョビの質問に彼は「はいそうですよ」と素直に答えると、ナカジマは「え、凄いよ!」と驚く。

 

「え、そんなにすごい事ですか?」

「すごいというより天才だよ!」

「そうね、アッサムと同じレベルで天才ね」

「いえ、私はデータを計算したところですので」

「確かにすごいなぁ」

「んだんだ」

「ミカ、私たちに入れたらすぐに豪華な喪ににあると思うよ!」

「そうかな…私は風に聞いてみればわかると思うけど?」

「我が受験組に入れば、屋台はいずれお店のようになるのか…?!」

「おい安藤、心の声が聞こえているぞ」

 

 勇樹を評価するように、聖グロとプラウダ、継続とBCはそう言っていると勇樹は「それんなことないけど」とジト目で見つめている。

 

「あ、あとアブ引き部のメカは専用の工場がありますが。今回は少しこちらの説明をしてもいいですか?

「そうだねぇ、今はこっちの話が聞きたいしあたしも気になるよ」

「確かに、君たちの工場の様子を見て。どうやって作っているか気になるしな」

「私もだ、恩人の行動は木になる」

 

 勇樹の言葉に、杏、まほ、怜雄はそう言うと。勇樹は「そ、それは後で」と苦笑いする。

 

「むぅ…それよりも眠い」

「麻子ったら…」

「そう言えば外にまだ出ていませんね」

 

 眠たそうな麻子に沙織は支え、華は思い出したかのように上を向くと。勇樹は「あ、忘れていた!」とカバンからスイッチを出して押すと今度は上に向けて椅子は上昇していく。

 

「今度はオレたちの屋敷…まぁ今で言うとシェアハウスに近い状態ですね」

「シェアハウス、それは意外だな」

「我々と同じ様式か」

「意外ぜよ」

 

 勇樹の言葉に歴女のカエサル、左衛門佐、おりょうはそう言うと、椅子のスピードは徐々に落ちていき。そして上が開くと椅子はそこから出て停止した。そしてみんなが目にしたのは。

 

 

 

 

 

 

 豪邸のように広い場所に出ていた。

 

 

 

 

 

 

「……え」

 

『『『『『『ええええええええええ!?』』』』』』

 

 

 突然の光景にみんなは驚き、勇樹は「おわわ?!」と驚きながら椅子から落ちた。



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第46話『原因と屋敷の解説(中編)』

「すっごーい!!」

「これは勇樹さんたちの住んでいるお屋敷ですか?!」

「いくらなんでも大きすぎでしょ!」

 

 リビングだと思われる場所を見て、桂里奈、華、アリサは驚いていると。勇樹は「いや、これは」と何かか忘れていたのを思い出したのか、言おうとするが。

 まほが「勇樹、ちょっといいか」と言ってきたため、彼は「っと、何ですか」と反応すると。彼女の手には見取り図を手にしていた。

 

「この見取り図は、もしかしてここの屋敷のか?」

「え、まぁそうですけど?」

「ふむ、やはりか」

 

 まほは何か理解すると勇樹は「え?」と目を丸くしていた。するとみほが「あの、勇樹さん」と言ってきたため彼は「え、何ですか」と反応する。

 

「あの、もしかしてですが…この屋敷って…あれですか?」

「……当たりみほ、お前がいてくれてありがとう」

 

 みほの言葉に彼は涙を流しながら頷くと、みほは「え、ええっ?」と慌てている。すると。

 

 

 ガチャッ

 

 

「勇樹さん、準備が…あら?」

 

 正面の扉が開くと、中から七星奈々が現れた。彼女の服装は普段着ではなく大洗の服装をしていた。

 

「あ、奈々さん…っと。準備は出来ましたか?」

「はい! 皆さんの情報はもう入れておきましたし、あとは名前を入力して送ればよろしいですのよ」

 

 勇樹は奈々に向けて言うと、彼女はそれに答える。そして彼は「やった!」と腕を上下に動かして喜びを表す。

 

「えっと、勇樹さん…情報って?」

「え…あごめんごめん、これは重要なことだからみんなに話すよ。奈々さん」

「わたくしに任してください、こう見えてわたくしの方が長くいますから」

 

 勇樹の言葉に奈々は答えると、彼女は肩から掛けているカバンからマイクを取り出すとこう言いだした。

 

 

 

 

『みなさーん、これより『個人情報仮登録』を行わせていただきます』

 

 

 

 

 奈々の言葉にみんなは「個人情報仮登録?」と声を合わせて言う。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「奈々さん、その個人情報仮登録って何ですか?」

「はい、個人情報仮登録とは。この珍等師学園都市に住むときに必要な個人情報を登録することですが、住み始めてから1ヶ月は登録に時間がかかるため仮登録、つまり予約した証明書みたいなのをもらえるのです」

 

 沙織の言葉に奈々は答えると、麻子は「なるほど、わかりやすく言うと許可書みたいなものか」と理解する。

 

「皆さんは他の世界、つまり外の世界から来たと想定しております。もし何らかの事情でこちらに来られたことを考えて、わたくしたちは仮登録の用意をしました」

「ふーん、それでその登録は何が必要なのよ?」

「登録に必要なのは生年月日と出身地、そして性別と学校名を入れれば大丈夫です。あとは名前を登録すれば仮登録が出てきて登録が起動するようになります」

「なるほど、意外とわかりやすい登録方法ですな」

 

 エリカの質問に奈々は答えると、絹代は分かりやすい解説に安心する。それを聞いたアキは「大丈夫かな、あたしたち」と心配する。

 

「それでですが…皆さんの本名を書いてくれませんか?」

 

 奈々はみんなに向けて言うと、みほは「あ、そう言えばまだ登録していなかったんだね」と納得する。

 

「ここからはわたくしたちがやっておきますから、勇樹さんは」

「わかった。それじゃああとはお願いします」

 

 奈々の言葉に勇樹は答え、その場から離れたある行動をしていく。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「えっと、これを書けば…できた!」

「名前を書くのは授業以外で初めてです」

「そうですね、ですがこれをするってことは!」

「筆跡鑑定をすることもあるか」

「なんだか、本人を確認する証明としては、うれしいかな?」

 

 名前を書くあんこうチームは、照れたり喜んだり話し合ってうれしいことがある。

 考えてみればそうだ、学校で名前を書くのはテスト以外あまりない。こういうことで名前を書くのは新鮮で、何より話があると少し心が軽くなるからだ。

 

「失礼します、回収しに来ました」

「おお、天女殿! もしかして名前の?」

「ええ、奈々様に頼まれましたので」

 

 天女の登場に優花里は反応すると、彼女は微笑み名前が書かれた紙を回収していく。

 

「これで全員…ありがとうございます」

「いえ、わたくしたちは構いませんでしたよ」

「ふふ…ではそろそろ準備が…できましたね」

 

 華の言葉に彼女は微笑みながら懐中時計を出して何かを確認すると「それではみなさん、こちらに」と案内される。

 

「なんだろう?」

「案内されていますね」

「もしかして、私たちの部屋だったりして!」

「まぁ、それは嬉しいですね」

「野宿は少し苦手だからな」

 

 あんこうチームはそう言いながら天女に付いていくと、扉を開けた先には『あんこうチームの皆様』と書かれたトロッコが用意されていた。

 

「ここからは少し傾斜がありますので『傾斜用・移動トロッコ』で行きます」

「傾斜用?」

「傾いている用のトロッコナノは分かるが、どうしてだ?」

 

 トロッコを見て沙織と麻子は頭を傾けていると、天女は「ふふ、それは乗ってからのお楽しみに」と言いながらみんなをトロッコに乗せていく。

 

「部屋は普通ですね」

「モノレールと同じだな…」

「あれ、でも操縦席はないね」

 

 内装に華と麻子は驚きながらも見渡していると、沙織は操縦する席がないことに気づいて言うと、天女は「これですよ」と壁についているスイッチを押した。すると。

 

 

 プシュー…ガタン!

 

 

 トロッコの扉が閉まると同時に車体は動き始め、何事もなかったかのように微妙な揺れを出しながら進んでいた。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「意外と揺れは少ないですね」

「はい、少し激しい方だと思いますが」

「ゆかりん、華。言い方言い方!」

「だが、どこが傾斜用なんだ?」

 

 優花里と華はトロッコの揺れが少ないことを言うが、沙織は違う意味を言っていると思い2人に訂正を促す。

 麻子はトロッコの揺れが少ないことを言うと、彼女は微笑みながら「外を見てください」と言う。

 

「窓の外?」

「麻子さん、これです」

 

 みほはそう言いながら後ろにある水色の窓を上に動かすと、外の様子があらわになる。彼女たちがそこで目にしたのは。

 

 

 

 

 

 イルミネーションのように光り輝く街並みが辺りに見渡せるところを通っていたからだ。

 

 

 

 

「わぁ、きれい!」

「すごいです! これは初めて見ますよ!!」

「うわっ! た、高い…」

「麻子ったら…それにしてもきれいねぇ」

「はい、わたくしも始めてみます」

 

 輝く都会を見て、彼女たちは驚くが、高所恐怖症の麻子はそれを怖がっていたのを沙織はあきれるのであった。

 

「あれ、ですがこの電車は斜めになっていたら気づくのになぜ普通に?」

 

 優花里は乗っているトロッコはケーブルカーの様に斜めになっていないことに気づくと、天女は「原理はこれです」とモニターのスイッチを押すとトロッコの様子があらわになる。

 

 

 トロッコは現在、前を短くして後を伸ばして移動しており、車体を斜めにしないように進んでいた。

 

 

「部品の性能を使用して、このようにしております」

「すごいっ!!」

「驚きました!」

 

 それを見た沙織と華は驚いていると、電子音が鳴ったため天女は「そろそろ着きますね」と言うと、トロッコはスピードを落とすと同時にトンネルに入り。そのまま停車すると扉が開いた。

 そしてその先には『屋敷駅』と看板と扉が用意していた。

 

「えっと…これは?」

「駅ですね」

「確かに…看板があるからわかるな」

「ですがどうして扉が目の前に?」

「うーん…?」

 

 あんこうチームはそれを見て考えていると、天女が「簡単です」といいながらトロッコの扉を閉める、前に進むと同時にこう言った。

 

 

「この先は、私たちが住み本当の屋敷…シェアハウスとなります」

 

 

 天女はそう言って扉を開くと、その先に目にしたのは。ドラマの一部のように豪華なソファーやテーブルに暖炉などが用意しており。テーブルには『あんこうチームの皆様』と書かれた鍵が用意されている。

 

 

「時間がなかったので急ぎましたが。どうでしょうか…あら?」

 

 

 天女は振り向いて言うと、華を除くみほたちは目を丸くして固まっていた。

 

「全く…初めてなので驚いていますね」

 

 それを見た彼女はあきれながらも、微笑むのであった。



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第46話『原因と屋敷の解説(下編)』

「え、それじゃあここは七星財閥、つまりななりんの?!」

「はい、正式には廃墟かになった建物と山を購入し勇樹さんと改造したといったほうが正しいですね」

「いくらなんでもすごいだろ」

 

 天女の話を聞いて沙織と麻子は驚くと、天女は「そうでしょうか」と頭を傾ける。

 

「それにしても、わたくしたちが出てきたのはまさかあのタンスだなんて」

「からくり屋敷並みにすごいですね」

「うん、そうだね華さん」

 

 自分たちが出てきたのは洋服ダンスだと驚く華、優花里は屋敷全体に何か仕掛けが無いか見渡しており、みほは始めてくるところに戸惑っているのかおどおどしている。

 すると沙織が「そう言えば」とある事に気づく。それは。

 

「会長たちやみんなはどこに…?」

「「「「あ、そう言えば」」」」

 

 沙織のいう言葉にみほたちは気づく、彼女の言う通り。先に来ていたとはいえ自分たちは最後、だとしたら会長たちはどこに?

 

 

「心配無用です、杏様たちは先ほど鍵を手にしていきましたので」

 

 

 天女は沙織に近づけて言ってきたため、彼女は「うわっ!!」と後ろに転びながら驚く。

 

「大丈夫ですか沙織さん?」

「え、うん。少し痛いけど大丈夫…いててて」

「それよりも、鍵とは?」

 

 心配する華に沙織は礼を言うと。麻子は天女に向けて質問した。彼女は「こちらです」とあんこうのエンブレムが付いた鍵を彼女たちに見せる。

 

「あ、私たちの」

「あんこうのエンブレムが付いた鍵ですね。それに5つあります」

「勇樹さんが先ほど作った、あんこうチームの皆様のカギです。エンブレムは特別に用意したのです」

 

 あんこうのエンブレムにみほと華は反応し天女が冷静に解説すると、沙織は「先ほど…ってさっきまで?!」と驚く。

 

「はい、時間がなかったので色は付いていませんが。どうでしょうか?」

「うんうん! 色はついていないけどすごいよ!!」

「そうです! こんなにすごい腕があるのは初めてです!!」

 

 興奮する沙織と華に麻子は「熱い」と言うと、華とみほは苦笑いするのであった。

 

「では、あんこうチームの皆様の部屋にどうぞ。洋服は私が用意しておきましたので」

「わかりました。ではみなさん」

 

 鍵を受け取った華はみんなに渡すとそのまま部屋へと歩いていく。それを見た天女は「立派な方ですね」とほほ笑むのであった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「あんこうチームの皆様はどこかな?」

「思った以上に広いですね」

「案内板がないと不安だ」

「そうですね、ですがこの屋敷にはきっと」

 

 華たちは案内板を探しながら歩いていると、みほが「あ、あった」と案内板を見つけた。

 

「えっと、私たちは…2階なんだ」

「上か、悪くないな」

 

 2階にあると分かったみほたちは階段で登り、あんこうのエンブレムがある扉を発見した。

 

「あった! 本当にエンブレムが」

 

 発見した沙織はエンブレムを見て驚いていると、麻子が「ところで鍵穴は?」と探していると優花里が「これでは」とあんこうのエンブレムに鍵穴が付いているのを発見する。

 

「意外ですね、鍵穴はノブの近くにあると思いました」

「確かに、鍵穴はそこにあったのかと思いました」

 

 鍵穴が意外なところにあったことに華と優花里は驚いていると、みほは「あ、それじゃあ」と鍵を入れて動かすと、扉は自動で開き部屋があらわに。

 

 

 ピンクのじゅうたんに白色の壁、5つのベットが揃っており天井にはⅣ号H型のマークをした電灯が付いており。壁にはあんこうチームのメンバーが書かれた看板と冷蔵庫と電子レンジが用意していた。

 

 

「すっごい!! これが私たちの?!」

「まぁ、豪華ですね」

「ベッドもふかふか…柔らかい」

「おおっ! 冷蔵庫には軍隊が実際に使用していた食べ物が! あ、レーションも!!」

「ボコもあるよ、驚いた!」

 

 それを見たあんこうチームは驚いたり喜んだりしている中、天女が入ってきて「洋服を用意しました」と服が入った段ボールをベットの近くに置く。

 

「あ、ありがとうございます」

「いえ、それよりも夕食は用意しておりますので」

「おなかすいた…夕食は?」

「もうすぐですので、服を着替え次第。リビングに…案内板を見ながらできてもいいです」

 

 天女はそう言うと「それでは」と部屋から出て行く。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「洋服に入っていた服って…まさかこれなのね」

「動きやすくていいですが…なんだか恥ずかしいです」

「しかし! これは私たちの意味があると考えると非常にうれしいです!」

「私は構わない…西住さんは」

「えっと…私も、この服は嬉しいかな…?」

 

 あんこうチームは現在、服を着替えてリビングへと行っているが、天女が用意した服にみんなは照れている。

 それもそのはず、彼女がたちが来ている服は、水色のパーカに白色のTシャツ、ピンク色のスカートを履いていたからだ。

 

「手紙には『大洗をイメージした服装です、初めて作ったので少しおかしいですが許してください』と書いています」

「なにそれ?! 手か作るの少し雑のような!!」

「落ち着け沙織」

 

 華が手紙を読み上げると沙織は怒るが、麻子が落ち着くようにしている。そうしている間に彼女たちはリビングがあるところへと着き扉を開けると。

 

 

 制服ではなく天女たちが用意した服を着たみんなが、長テーブルに並んでいた。

 

 

「会長、みなさん!!」

「あ、西住ちゃん。こっちこっちー」

 

 驚く西住に杏は呼ぶ、会長たちが来ているのは緑色のワンピースで亀の甲羅模様をしている。

 

「会長! それはもしかして!」

「そうだよー、勇樹ちゃんにしてはなかなかかわいい服を用意してくれたよ。

「私は少し苦手だ、なんでスカートだ?」

「桃ちゃん嬉しがったていたのに」

 

 みほは杏たちが来ている服装に杏は答えるが、河嶋は気に入らないのか不服な表情にしている。小山が言うと彼女は「桃ちゃん言うな!」とツッコミを入れる。

 

「先輩たちもそれですか、可愛いです!」

「梓ちゃん、その服は」

「はい! 私たち気に入りまして!」

「可愛いですからね~」

 

 梓たちが来ているのは、白色にフリルが付いたピンクのスカートと青色のTシャツを着ており、彼女たちを見たみほは「可愛いですね」とほほ笑むと、彼女たちは「えへへ」と照れる。沙希は明後日の方向を向いているが顔が赤い。

 

「あれ、これって確か」

「どうしましたか優花里さん?」

 

 杏たちと梓たちを見て優花里はある何かに気づいた。それを聞いた華は優花里に質問すると、彼女はこう答えた。

 

「みなさんの服装ですが、もしかして動物をイメージとしているのでは?」

「え…あ」

「本当だ、みんなエンブレムをイメージとした服装をしている!」

 

 優花里の言葉にみほは気づき、沙織は杏たちを見ると驚くかのように反応する。

 会長たちはカメさんで梓たちはウサギさんをイメージしていた。それだけではなく、エルヴィンたち基歴女は灰色に近いコートの下に歴史の名に懸けて甲冑や着物などをしている(なおエルヴィンの場合は鎧の色が青色になっている)。

 典子たち基バレー部は、白色のポンチョにバレー部の服装をしており靴は黄色。そど子基風紀委員は薄茶色のペンシルスカートと焦げ茶色の七分丈カットソーの上に白色と緑色のポンチョをしており、オレンジ色のつばが付いた緑色のクレッツヒェンをかぶっていてオレンジ色の靴している。

 ナカジマ基自動車部はヒョウ柄のオーバーオールの下に焦げ茶色のシャツをしており赤色のスカーフをしている。アリクイリームは白色のスカートをしており黒色のブラウスをしている、猫田は頭に黄色の鉢巻き、ぴよたんは黄色のスカーフをしておりももがーは右腕に黄色の腕輪をしている。

 お銀基サメさんチームは紫色のじゅすこッとを着ており下はいつもの船舶科の服だが腰には湾刀をしておりサメの牙の跡が付いている。葵と茜基モモンガチームは薄茶色のパーカの下にクリーム色のシャツと茶色の長ズボンをしており、背中には大型のリュックをしている。

 祝井基金魚さんチームは色とりどりの赤・黒・白色の法被をしており、茜色のシャツと黒色の短パンをしている。

 それ以外にも、黒森峰はドイツ軍の服装でサンダースはアメリカ軍の服装、アンツィオはイタリアの軍服と言った軍服をしているがズボンはカーゴパンツをしているため軍服風となっている。

 

「本当だ! これを作ったのってまさか…!」

「そ、その通り…あう」

 

 みほが作った人を言おうとした瞬間、後の扉から魂が抜けかけた勇樹が出てきて地面に倒れる。

 

「石川殿! 大丈夫でありますか?!」

「ら、らいじょうぶらいじょうぶ……全員分作るのに3時間はかかった」

 

 勇樹の言葉にエリカは「全員って…アンタよく作ったわね?!」と驚くと、その場にいたみんなはざわついて驚きをあらわにしている。

 そんな中、優花里は彼を持ち上げると思った以上に軽かったのか「軽っ!?」と驚く。

 

「ところで、私たちをここに呼んできたのは何か理由あるのか?」

 

 彼を見て我狼院は質問すると、勇樹は「あ、あります…」と言いながら通信機を出して「お、お願いします」と言いだした…その時。

 

 

 ガチャンッ!!

 

 反対側の扉が開くと大量の料理が乗せた屋台と台車にドリンクバーなどが用意している、その前にはピンク色のツナギの上にハートマークをした細めの女性が立っていた。

 

「勇樹君、準備は出来ましたよ?」

「あ、ありがとう…それじゃあ、みなさんに…」

「はい、みなさーん。お食事をどうぞぉー」

 

 女性はそう言いながら料理を持っていきテーブルの上に置いていく、それを見た沙織は勇樹の「あの人、だれ?」と言うと彼はこう答える。

 

 

「えっと数カ月前から入っている住み込みの家政婦、遊佐真莉愛さん…事情があるから話すのは難しいけどオレたちにとっては…ああ疲れる」

 

 

 しゃべるたびに疲れる勇樹を、麻子はゆかりの反対を支えると「しっかりしろ」と叱る。

 

 

「と、とにかく…今日はみんなおなかがすいているのと疲労がたまっていると思うから、食事をしてもいいよ…あ、お変わりは自由だよ」

「ええ!! いいの?!」

「デザートはあるのか?」

「あるよ…和菓子だけど」

「そこもあるのですか! これは貴重かもしれません!!」

「屋敷は各部屋にパンフレットを置いている…学校は明日頃だけどいいかな?」

「はい、わたくしたちが未来の学校に行くのは嬉しいです」

「私も、共学校は初めて行くよ!」

 

 勇樹の言葉にあんこうチームは話していると、真莉愛が「こらこら」と彼女たちを叱る。

 

「うわっ、いつの間に」

「しゃべっていると、お食事は冷めてしまいますよ?」

「確かにそうだな…私たちも並ぶか」

「あ、でも石川殿は…」

「あ、オレは少し休んでくる。体が疲れたから」

 

 勇樹はそう言って部屋から出て行くと、扉の向こうから何かぶつかる音がした。

 

「大丈夫でしょうカ…少し心配です」

「私が見ていきますから安心してください。彼女たちならんでいますよ?」

 

 華が心配している中みんなは席についていると、彼女は「あ、待ってください」と慌てて席に座る。

 

 

「さて、本日は『海老天・かぼちゃ・オクラ・さつまいものてんぷら』と『新鮮な魚の御刺身』に、『銀杏入りの茶わん蒸し』と『お吸い物』と『銀シャリ』、そして『大根と蕪の漬物』と『筑前煮』にデザートの『あんみつ』ですよー?」

 

 

 真莉愛の食事の内容を聞いたみんなは「おおおおっ!!」と驚きの反応をする。

 

 

「すごいねぇ、これは豪華と言うもんじゃないかな?」

「ふむ、和食とはなかなかおいしそうだな」

「ふふ、洋もいいけど和も悪くないわね」

「ワオ! これはおいしそうね!」

「我がアンツィオの腕を超えるのか…それはいいな」

「なんで和食よ…ま、カチューシャは心が広いから気にはしないけどね」

「これは知波単と同じ香りが…なぜ?!」

「和食…それは私たちにとって心が明るくなるね」

 

 各リーダーたちはそう言っている中、マリーは「デザートはあんみつって、なに?」と頭を傾げ、エルは「これが、和食?」とマリーと同じく頭を傾けていた。

 

「では、みなさん。手を合わせて…せーの」

 

 

 

『『『『『『『いただきまーす!!』』』』』』』

 

 

 真莉愛の合図とともに、みんなは食事をいただくのであった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「おいしかった…けふ」

「麻子食べすぎだよ。あんみつを5杯お代わりするなんて」

「わたくしは幸せでした。あのてんぷらとお刺身、今まで食べたことない触感でした」

「そうですね! 遊佐殿が作った料理はほっぺたが落ちる程幸せでした西住殿!!」

 

 あんこうチームの部屋では、4人は食べた料理がおいしくて幸せになっていた。優花里はみほに向けて言うと彼女はパンフレットを手にしてみていた。

 

「西住殿…?」

「あ、ごめんなさい優花里さん、これを読んでいて」

 

 みほは優花里に向けてパンフレットを見せて言うと、そこには『詳しい部屋の配置』と表記されていた。

 

「『この屋敷は3階建てになっており、1階はリビング・台所・キッチン、2階は勇樹たちの部屋があり、3階は大浴場に洗濯置き場となっている。また、屋敷の離れにはメイドと執事&使用人等専用の寮がある』…すごいね」

「あ、2階の部分ですが『なお、予算のため部屋を作ったのはいいが思った以上に多く作りすぎてしまい少し空き部屋状態になっている』と書いています」

「じゃあここはその部屋の一部!?」

「そうしますと、非常に広いですね」

「舌にはなんて書いているんだ?」

 

 麻子はみほに向けて言うと彼女は「えっと」と探している。

 

「あった『屋敷の敷地内には噴水と自家発電装置付きの小屋に花壇が設置している。屋敷の周りには特殊な機能が搭載した塀があり、簡単に泥棒などが入ってこれないようになっている』って書いているよ?」

「防犯もちゃんとしていますね」

 

 それを見た優花里はつぶやくと、沙織が「それよりも」とある事に気づく。それは。

 

 

 

 

勇樹たちが通っている学校ってどこ?

 

 

 

 

 

 沙織の素朴な疑問に、みんなは「あ」と目を丸くして答える。学校は、どこにあるかはまだ聞いていない。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 そんな中、場所は珍等師学園都市とは遠く離れた方面には黒色の薔薇に囲まれた学園がたたずんでいた。

 この学園は『黒薔薇学園』その地下にはどくろの形をした巨大な時計があり、文字盤が開くと小春田たちと大量の鉄屑が出てきた。

 

「いてててて…もうちょっと安定した方法はありませんでしたの!?」

「これでも限界ですー…」

 

 小春田たちはそう言って出ると、白山が出てきて『許可が出た』と携帯を差し出す。

 

「明日は休んでおこう、そして明後日は」

「わかりましたわ、あたくしたちはお休みを」

 

 小春田はそう言って部屋から出ると、白山は「全く」とジト目で見ている。

 



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第47話『学校と能力とたこ焼き?』

 午前7時朝方、みんなは飽きており真莉愛が用意した朝食を食べていた。この日の朝食は『トースター』と『ハムエッグ』、『コーンスープ』と『ビーンズサラダ』と『牛乳』。

 

「ふぁあああ…まだ眠い」

「麻子起きて、朝なのに」

「ですが麻子さんの言う通りですね、少し眠いです…ふぁ」

「うん、私も…真莉愛さんは『もう少し休んでもいいですよ』と言っていたけど」

「さすがに恐縮ですしね…」

 

 あんこうチームはそう言いながら朝食を食べていると、勇樹が入ってきて「できたー」と言いながら紙を持ってくる。

 

「会長、出来ましたよこれが」

「ん、これって?」

「学校の地図です。インターネットの経路を使ってわかりやすい地図を作りました」

 

 勇樹がそう言うと河嶋は「本当か!?」と反応して立ち上がる。それを見た勇樹は「本当です…あ、これをどうぞ」と彼女たちに紙を渡していく。

 

「えっとなになに? ここから学校に行くには…」

「ふむふむ、なるほど」

「少し遠いですけど…間に合いますね」

 

 生徒会の3人はそう言っていると、小梅が「私にも」と言うと彼は「どうぞ」と紙を渡す。

 

「えっと…確かにそうですね」

「一応この屋敷には案内板を用意したけど…大丈夫かな?」

 

 勇樹はそう言うと、杏は「ま大丈夫じゃない?」と安心するかのように答える。

 

「時間は分からないけどこの地図を見ればわかるし。迷うことないでしょ」

「そうですね、会長」

 

 河嶋は杏子に向けて言うが、小山は「あれ?」と何かに気づく。それは。

 

 

「この黒い線は…何ですか?」

 

 

 小山がそう言って指を指したのは、蛇のように黒くて長い管。それを見て勇樹は「あーこれ?」と戸惑っている。

 

「小山、そんなに気にしないでいいよー?」

「そうだ、それくらい気にしないほうが良いぞ」

「でも…」

 

 戸惑う柚子に勇樹は「それは後で話すよ」と言いながら部屋を出て行く。それを見たみんなはシーンと黙っていた。すると。

 

 

「あ、そう言えば時間は?」

 

 

 沙織の言葉にみんなは一斉に時計を見ると、時間はすでに7時30分になっていた。

 

「7時30分…あ、確か」

「石川殿が通っている学校は確か、登校時刻は8時まででは?!」

 

 みほとゆかりの言葉を聞いたみんなは、急いで緒食を食べて部屋へと戻り。真莉愛が洗ってくれた制服に着替えて屋敷から出て学校に向かうことになった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「えっと確かこの道を!」

「あ、あった! 『関係者以外立ち入り禁止』の看板を通れば!」

 

 みほと沙織は地図を見ながら走っており、麻子は「待ってくれ」と言いながら走っているが疲れているのか優花里がおんぶしている。

 

「時間をいただきすぎました…まさか道草を食べるとは…」

「私も油断していました! どうしてこの時間が!」

「話すより急いで! もうすぐ校門が!!」

 

 優花里と華の言葉に沙織はツッコミながら学校の門を通り、学校へ入り靴を変えていく。そして。

 

「資料には『1年は1階で2年は2階、3年は3階』と書いています!」

「じゃあ私たちは2階だね!」

 

 優花里の言葉に沙織は急いで階段を上ろうとした…その時。

 

 

 ビビビビビビビビッ!!

 

 

「え、何々?!」

 

 突然鳴り響く警報音に沙織は戸惑っていると、床からマジックハンドが出てきて沙織をつかむと階段から廊下へと移動させられた。

 

「…え?」

「なんで沙織さんが?」

「廊下は走るな…階段を上るときに注意されただろ」

 

 驚く沙織と華に麻子は冷静に言うと、彼女は「あ、それで警報が」と納得すると麻子が「今度は私が」と階段を上った…が。

 

 

 ビビビビビビビビッ

 

 

 麻子がゆっくり上がろうとするが、沙織と同じようにつかんで下ろされてしまった。

 

「なぜだ…」

 

 麻子は階段をにらんでいると、最上がやってきて「どうしたの?」と駆け寄ってきた。

 

「あ、最上さん。どうして?」

「西住さん。どうしてって、風紀委員だから少し見回りを。そしたら警報音がしてね」

「そう言えばそうでしたね…」

「それよりも! なんで階段を上がろうとしても下ろされるの?!」

 

 沙織の言葉に最上は「階段?」と会談を見て数秒後、彼女は「学年は?」と言ってきた。

 

「え、えっと…私たち全員2年生です…」

「そうだね…あれ、それと何か関係が?」

 

 みほと沙織はそう言うと最上は「関係おおあり」と答える。その理由は。

 

 

 

この学校は1年生は15から18、2年生は19から22、そして3年生は23から26あるのよ

 

 

 

 彼女の言葉を聞いたみほたちは「え」と目を丸くして固まった。初めて聞く情報。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「長いな…」

 

 西住達が来ないことに勇樹は心配しているのか、外を見て校門を見ている。

 授業は始まっていないが、今は先生による話のためみんなはだらけている。先生の話は15分くらいかかるがその話はお経のように言ってくるため聞くだけでも寝そうになる。

 そうしていると、廊下から何かが走る音がして扉の前で音と振動は止む。

 

「お、来たかぁ。みんなには短期転校してくる生徒紹介するよ。入ってぎでもえよ」

 

 勇樹の担任の先生である及川先生はそう言うと、扉が開くとみほたちが入ってきた。

 

「この子だぢはある関東がら転校してぎだ生徒でね、この学園さ興味があってぎだの。紹介してもえよ」

「に、西住みほです…」

「あ、秋山…優花里です」

「五十鈴華…です」

「た、武部沙織…」

「せーれー麻子…」

 

 みほたちは自己紹介をするが、息切れをしているためあまり細かい紹介はすることが出来ない状況。それを理解した及川先生は「初めで違う学校さ来るがら緊張してらよ」と答える。

 

「そいだば、西住さんは石川さんの隣さ、優花里さんは太田さんと暗山さんの間さ。武部さんと五十鈴さんは窓側さ。冷泉さんは教卓の前で」

「「「「「は、はい…」」」」」

 

 及川先生の言葉に5人は答え、先生の言われた場所へと座ると「はふぅ」と息を吐く。

 

「そいだば、早速んだども授業始めますよ?」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「え、まさかみんなあの会談で引っかかった?」

 

 昼、あんこうチームとカンガルーチームは屋上で昼食を食べて彼女たちが焦っている理由を聞いて彼は驚く。

 

「意外だな、麻子ならともかくみんなが一斉遅刻なんて」

「す、少し遅刻して…間に合ったけど」

「あはははは…そうでしたか」

 

 小森が言い放った意外な質問に沙織が回答すると、百合子は苦笑いで答える。

 すると華は何か思い出したのか「そう言えば」と言いだした。

 

「最上さんに出会いましたが、この学校って3年生ではなく9年生ですか?」

「ん、そう言えば話すの忘れていたな…緒度よかった、オレが話すよ」

 

 華の質問に伊江はカバンからホワイトボードを出して、この学校の説明をする。

 

「この学校、珍等師学園高等部は他の学校と違って9年生になっているんだ」

「その理由は?」

「理事長の話によると、『味をしみこませるお肉のように短い時間ではなく長い時間をかけていくようにしている』とか言ってたな」

「ええ、いくら何でも」

「お肉を付けるってなんで?」

「それはオレにもわからん」

 

 麻子の理由に伊江は答えると、みほと沙織は苦笑いで答えていた。すると。

 

「そう言えば、ここは学校なのは分かりますが。私たちと違うところとかありますか?」

 

 優花里はそう言うと小森が「そうだなぁ」と考え込んで数秒後、彼女は「あるとしたら」とある事を言いだした。

 

 

 

 

 

能力だな

 

 

 

 それを聞いた瞬間、みんなは「え、能力?」と頭を傾げる。

 

「わかりにくいと思うし…ちょうど午後は『能力の実力訓練』だし見せるか」

 

 伊江はそう言うと4人は「そうだね」と一斉に答えると、勇樹は「それじゃあ、そろそろ時間になるし。行くか」と言うと同時に彼らは屋上から教室へと移動していった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 5時間目、勇樹たちは体育館へと集合していた。彼らだけではない、太田や桜にアレンなどを含む奇跡のみんなと杏たちがやってきていた。

 

「それでは、早速だが能力の実力検査を行う…とその前に大洗から来た生徒は初めてなのでそっちで休んでもいいぞ」

 

 巨漢の男性はそう言うと、杏は「それもそうだね」と言いながらみんなは近くのベンチに座る。

 

「それでは、能力の実力検査を開始する」

 

 男性はそう言うと生徒は「はい!」と答えて能力の実力検査を開始した。

 みほたちは「10円玉を動かすのかな」や「カードを透視するのかな?」とマジックのようなことを言っていた…が。

 

 

 

「コンテナの中は何があるか言ってみろ」

「はい、コンテナの中にあるのは『ランボルギーニヴェネーノ』が1台です」

 

 コンテナの中に何が入っているか当てたり。

 

 

「右に30度傾けてください」

「はい」

 

 巨大な振子を念動力で傾けたり。

 

 

 ガゴッ!

 

「目標からの誤差、+2.0㎝」

 

 金属の箱を瞬間移動で移動させたりしていた。

 

 それを見ていたみんなは「え、そっちなの」と顔を青ざめていた。沙希と桂里奈は明後日方向に向けてたり頭を傾けていた。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 そして、時は夕方。商店街でどくろマークが付いたたこ焼きの屋台が建っていた。その中には3名の生徒が仕事をしていた。

 

「たこ焼きたこ焼き! できたてホカホカだよー!」

「今なら1ケースに着きたこ焼きは8個入り、それがなんと500円だよー」

「なんでこれせなあかんの…あ、出来た」

 

 毎度おなじみの生徒(?)である池本有希乃と白山沙耶音、茶髪のショートヘアーの少女がたこ焼きをしていた。

 

「大野、これで全部か?」

「全部や全部、何とか間に合ったからな」

「戦車を買うのは難しいが、あいつらをおびき寄せる程度なら…行ける」

 

 3名はそう言っていると『グフフフフ……』と不気味な笑い声が響いてきた…すると。

 

 

「すみませーん! たこ焼きくださーい!」

 

 

 店に少女の声がしたため白山は「はいはーい」と出て行く、そして少女の正体は小山であった。

 

 

「「……」」

 

 2人は固まってしまい白山は背を宅のように流して「しまった」と青ざめていた…が、小山は「初めて見るような…?」と頭を傾けていた。

 

「…あ、たこ焼き。いくつ買いますか?」

「あはい、たこ焼きを50程、今夜は屋台パーティーなので」

 

 小山の言葉に白山は「あ、わかりました!」と急いで店の奥へと行き、50個入ったたこ焼きをケースに入れて持ってきた。

 

「お、お代は…3万円です」

「うわ高いね…でも勇樹君からもらった『食費』で…はい」

 

 小山はお金を渡すとたこ焼きが入ったケースを交換すると、そのまま持っていった。

 

 

「よく怪しまれなかったな…ま、お釣りを忘れて資金は一気に増えたからいいか」

 

 

 小山の後ろ姿を見た白山はそう言いながら、店の中に入っていった。



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第48話『タコパ前に緊急事態とメカ?』

 屋敷では現在、太田たちがタコ焼き器を大量に用意していた。その理由は。

 

「今夜はタコパですか」

「会長の事とみんなの意見から聞いたんだけど、オレはたまにはいいかなと思ったんだが」

 

 パーティーの準備をする太田に勇樹は焦りながら答えるが、真莉愛は「たまにはいいですよ」と笑顔で答える。

 

「私もたまには、このようなパーティーをするのも悪くありません」

「はぁ…そうですか?」

「わたくしも、庶民のパーティーを楽しむのは嬉しいですわ」

 

 奈々は目を光らせながら生地を持ってくると、後から具材を手にした京子がやってくる。

 

「わたくしもです、この具材はタコ以外にブロッコリーにトマトやチーズなどを持ってきましたからバラエティー豊富ですね」

「そうっすね、あホットケーキの生地も持ってきたっす」

「カステラをするのか、それはいいな」

「ふくね、カステラ好きー!! あ、ホイップクリームにチョコレートなど持ってきたよ!」

 

 みんなが準備していると、玄関が開いてみほたちが帰ってきた。

 

「ただいまー…あ、これって」

「あ、みほ。おかえり」

「今夜はたこ焼きパーティーですよ。みなさん待っていてくださいね?」

 

 真莉愛がそう言うと麻子は「デザートもあるのか?」と言うと福音が「あるよ!」と答える。

 

「中にはチョコレートにハスカップジャム、あんこなども入れるからね!」

「おおお…おいしそう」

「私も少し気になるわね」

 

 麻子とマリーは目を光らせていると、沙織と押田と安藤が「デザートより食事が先」と突っ込んだ。

 

「それよりも、生徒会のみんなが遅いような…?」

「あ、会長と河嶋先輩たちは何か買ってくると言っていましたが…」

 

 伊江は生徒会がいないことに気づき後ろを見ていると、みほが答えると後ろから「ただいまー」と会長たちが帰ってきた。

 

「あり、何か準備している?」

「はい、タコパの準備でして。もうすぐ終わります」

 

 会長の言葉に勇樹は答えると、小山が「え」と冷や汗をかき始める。

 

「ん、小山さんどうしたんすか?」

「え、えっと…その」

 

 霊華は小山に向けて言うと彼女は目をそらしながら口を黙っている、これは流石に言えないと。

 小山はそう思いながら後ろに引き下がろうとした。その時。

 

 

「あれ、小山先輩。どうしたんですか?」

 

 

 後ろから自動車部のみんながやってきて、それを聞いた小山は「うひゃひ!?」と驚き、ケースを落としてしまった。

 ケースを落とした音に伊江は「ん、この音は」と急いで駆けつけてケースを拾う。

 

「あ、えっとそそ、それは…その」

 

 小山は慌てて言おうとするが、伊江は「これは」と何かを見て数秒後。ケースを持ったまま屋敷に入り、勇樹に知らせる。

 

「お、おい何を…」

 

 河嶋は2人に向けて言うと、勇樹は真剣な目つきで彼女をのけていき小山まで早歩きでいく。

 

「小山さん、少しいいですか?」

「ああああああ…」

 

 真剣な目つきに彼女は顔を青ざめると、小山はついに「ごめんなさあああああいっ!!」と土下座を据える。

 

 

「商店街にできたたこ焼きの屋台に行ったんですけどおいしそうなにおいでそれでそれで」

「石川ちゃん、少し落ち着いて」

 

 謝る小山に会長は勇樹に向けて言う、買ったことに怒っているのかと思っていた…が。

 

 

 

「それじゃなくて…このドクロ、どこの屋台で買ったんだ?

「ごめんあなさああい…え?」

 

 

 

 勇樹は買ったことではなく、ケースに描かれているドクロに向けて言ったため、みんなは目を丸くして「え」と答える。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「えええっ!! それって黒薔薇の生徒がやっているインチキ商売?!」

「今でもあるのは驚きましたが…どうして?」

 

 勇樹の言葉に沙織と華は驚くと、伊江が「多分、巨大メカの資金稼ぎだと思うぞ」と答える。

 

「えー、その商売で儲かるの―?」

「意外ぜよ」

「内容にせよ商売方法にせよ、相手を騙すなんて許さないわ!」

「あたしたちもだよ、これは海賊より悪いことだね…」

 

 それを聞いた優季とおりょうは驚き、そど子とお銀は憤りを感じていた。

 勇樹は勇樹で「落ち着いて」と彼女たちを落ち着かせる。

 

「ま、それなんだがどうやら何かをしでかす可能性がある…しかし何が目的で…?」

 

 勇樹は考えていると、河嶋が「それなんだが」と彼に向けてこう言ってきた。

 

 

「もしかしたら西住を狙っているんじゃ…あいつの実力があったから」

「私もだ、もしこの黒幕が小春田だとしたら…」

 

 河嶋と我狼院の言葉に勇樹は「確かに」と考え込む。もし小春田が考えたことならば、みほを狙う確率は高い。

 

「とにかくっす! もしその店がまだあるとしたら、急いでいくっす!」

「霊華の言うとおりね、勇樹君」

 

 霊華と桜の言葉に勇樹は「そうだな、今ならまだやっている可能性がある。行こう」と立ち上がって屋敷から出て行く。

 

 

「とそうだ、みほたちは先に食べててもいいよ。たこ焼きは完成する前、つまり焼き始めが楽しいパーティーの始まりだからな」

 

 

 勇樹は出る前にみほたちに行ってから屋敷から出て商店街へと走っていった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「えっと、どうしよう…」

 

 取り残されたみんなは、突然の事態に戸惑っていると、沙織が「みぽりん」と言いだした。

 

「勇樹たちの助けに行くんでしょ。いろいろと助けてもらったからね」

「あ…」

 

 沙織の言葉にみほは今までのことを思い出す。

 勇樹が来てから、戦車道の訓練に転機を聞かせたアイデア。黒薔薇との戦いに助けに来たこと…。

 彼がいなければ大洗や自分やみんなはどうなっていたこと…そう感じた。

 

「そうだね…私たちも助けよう」

「はい」

「自分も石川殿の手伝いをしに行きます!」

 

 華たちもそう言うと、他のみんなもそれに同意するかのように言いだした。

 

「私たちも、勇樹さんの助けとしていこう!!」

『『『おおー!!』』』

「バレー部の復活を願い、優木を助けるぞー!!」

『『はい、キャプテン!』』

「ここは、アメリカの歴史を日本に伝えようとしたジョン万次郎のようにいくぞ!」

「「「おおっ!!」」」

「風紀を守っていた勇樹さんの手伝いに行くわよ!!」

「「おおー」」

「機械いじりのお礼としていくか、みんなは?」

「「「もちろん!!」」」

「あいつはアタイらを変えてくれた…お前らも行くか?」

『『『同意!!』』』

「「私たちも行くよー! 戦車は楽しいからねー!!』』

「ぼ、ボクも…2人は?」

『『賛成…』』

「あたしたちも行くよ、桃さんのお礼を兼ねてだけどね。お前たち!」

『『『あいあいさー!!』』』

「んじゃ、ここはこっちも…行くか」

『『はい、会長!!』』

 

 大洗の生徒以外にも。

 

「ここまで来て戦車道をするなんて…」

「面白そうじゃない!」

「我々もだ!」

「少しぐらい助けようじゃない!」

「ふむ、みほを助けたお礼としていくか」

「西住隊長を救ってくれたお方だ、これくらいはしないといけません!」

「奈々とまた話がしたいし」

「すこーしだけど、面白そうじゃん」

「私も…みほさんと初めて友達になったから」

「小春田をやっつけるためにだ」

 

 1名だけおかしなことを言ったが、各学園のリーダーがそう言うと、会長は「それじゃあ」と言いだした。

 

「まずはここに行くか」

 

 彼女はそういながら壁についているつり革を引くと、壁が自動で動いて会談が現れてきた。

 

「ここに扉が!」

「屋敷のパンフレットに乗っていたからね、もしかして思って」

 

 彼女はそう言っていたが河嶋は「少しは教えてください!」とツッコミを入れる。

 

「それよりも急いでいきましょう、きっと近道になる可能性がありますし」

 

 みほそう言って階段に入ると、他のみんなも急いで後追い始める。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「あれ、暗い所に着いたね…」

「いてっ! 誰だここに道具を置いたのは!!」

「桃ちゃん落ち着いて」

「ねえどこかに懐中電灯はないの? 暗いじゃない!!」

「落ち着けそど子」

「暗いにもほどがありますわね…」

「とにかく走っていけばわかりますわー!!」

「うーん、近道はどこにあるのかしら…?」

 

 暗い通路にみんなは戸惑っていると、優花里は「それなら」とどこからかランタンを出して明かりをつける。

 

 ポッ…

 

「よかった、これで明かりが」

 

 明かりがついたことに河嶋は安心していたが、小山が「も、桃ちゃん後ろ」と指をさしてきたため彼女は「なんだ?」と後ろを向く。そこにあったのは…。

 

 

 

 

 

 

 巨大な球体に大きな口が付いた虫型のメカが河嶋の目の前にいた。

 

 

 

 

 

「……ぎゃあああああああああああっ!!!!

 

 後ろに虫型のメカがいたため河島は叫び、その場から走っていきどこかへと逃げていく。

 

「あ、桃ちゃん!」

 

 小山も急いで河嶋の後追っていくのを見た杏は「何してんだ」とジト目で見ていた。

 

「優花里さん灯ありがとう…でもここは」

「何の倉庫でしょうか?」

 

 みほと華はあたりを見渡していると、奥から「おーい、こっちに明かりのスイッチがあったからつけるよー」とナカジマの声がしたため、みほは「あ、お願いします」と返答する。

 

「これだね、よいしょ」

 

 ナカジマは明かりのスイッチを押すと、天井に明かりが点き始め周りが見えるようになった。そして、彼女たちが目にしたのは。

 

 

 大量のガラクタ品やメカの残骸に、粗大ごみや鉄くずなどが置いてあった場所にいた。

 

「なっ! これは!?」

「すごい量! これ全部勇樹さんが!?」

「いや、家電製品からして彼が作ったのは難しいな」

「こっちは機械の部品があるわ、しかも柔らかい」

「へぇ、これを使って作っているとしたらものすごい腕だね」

「おお、これはブラウン管タイプのパソコン! 今はなかなかないのが…!!」

 

 みんながそう言っていると、ペパロニが「それにしてもドゥーチェ」とアンチョビに向けてある事を言いだす。

 

「メカの部品にせよ、鉄類が少し多くないっすか?」

「確かに…どうしてこんなにも」

「あたしも同じよ、なにを作っているのよ?」

 

 ペパロニの意見に彼女は考え込むと、アリサもそれに同意するかのように考え込んでいると、沙希がみほの肩をつつく。

 

「あ、沙希さんどうしましたか?」

 

 みほは先に向けて言うと、彼女はあるところに指をさしていう。

 

「倉庫」

 

 クレーンがある先に『倉庫』と書かれた扉があったため、沙織が「ここに何か仕掛けが?」と言うが…そど子が「その前に」と言ってきた。

 

「この倉庫はいくら何でも高い所にあるじゃない!?」

 

 彼女の言う通り『倉庫』と書かれた扉は今いるところから約10m程上にある。それを見たみんなは「あー」とジト目で見ながら同意する。

 ここから倉庫まで、どうやって上ろうかと。

 

「何か梯子らしきものがあればいいが…」

「ありませんね」

「組み立てるにせよ、道具があればいいけど…」

 

 麻子とノンナはそう言っているが、スズキが道具がないことに答えると、猫にゃーが「あ、あの」と言いだした。

 

 

「もしかしたらだけど…あそこに入っているんじゃ」

 

 猫にゃーはそう言いながら壁に向けて刺すと、そこには『もしもも用の工具類が入っています』と書かれた扉、それを見たナカジマは「どれどれ」と扉に向かい開けてみると。

 

 

 ガチャッ ドサドサドサッ!

 

 

「おおっ!」

 

 扉を開けると同時に工具が雪崩のように落ちてきたため彼女は驚く、それを見たそど子は「よ、用意周到ね」と戸惑ったかのように答える。

 

「おおっ、ガスバーナーにスパナ、トンカチやのこぎりにねじ巻きなどもある…あ、電動ドライバーも」

「すごい量ね…これなら何とかいけるわ」

「梯子なら何とかいけるべ」

 

 工具を見てナカジマ、アッサム、ニーナはそう言うと、西住は「それじゃあ、みんなの力を合わせて作りましょう」と梯子を作り始めた。

 

 ちなみに河嶋は走り回って気絶しているのであった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 そして数分後…、鉄パイプを大量に使用して何とか梯子らしきものを完成させ、無事倉庫へと行き中に入ることに成功した。

 

「こ、怖かった…」

「よいしょっと、これで全員だね」

 

 麻子を中に入れて全員入った弧を確認したナオミはケイに知らせると、ケイは「全員よミホ!」と声を出す。

 

「ありがとうございます、もしここが倉庫だとしたら…」

「あ、灯あったよ」

 

 沙織が明かりがあったことに気づくと、梓は「すごいです先輩!」と感動する。

 

「それじゃあ、ここをっと」

 

 カチャンッ

 

 沙織はスイッチを押すと、明かりはつき。地下にあった時同様周りが見えるようになってきた。そして目にしたのは。

 

 

「わあっ! 大きいロボットだー!!」

「でもアイスクリームやソフトクリームなど付いているよー?」

「こっちは家電じゃないか、なぜ鳥なんだ?」

「それにしてはドゥーチェ、家電の再現が細かいですね」

「これは…虫か?」

「球体なのは初めてぜよ」

「おっきなモグラだべ」

「大きいお鼻だなぁ」

「これは、一つ目入道なの?」

「可愛い姿しているから怖くないね」

 

 巨大なロボットなどが置いてある倉庫、それを見たみんなは驚くというより喜んだり関心を高めている人がいた。

 

「これは一体…む」

 

 我狼院はあたりを見渡していると、近くの机に『設計図』と書かれたカバンがあるのを発見し、「岐路稲」と呼び出す。

 

「これ明けれるか?」

「難しいですね…やってみます」

 

 我狼院の言葉に岐路稲は答え、針金つかってカバンのカギに差し込んで数秒後…。

 

 

 カチャンッ

 

 

「開きました」

 

 柿が開く音がして岐路稲はカバンを開けると、そこにはメカの設計図と取扱説明書が入っていた。

 

「これは…みほ、まほ。みんな来てくれ」

 

 我狼院はみんなに集合するように言うと彼女たちは我狼院のところへと集まり、みほに例の設計図と紙を渡す。

 

「みほ、これなら」

「……戦車ではありませんが、近いのが1台ありましたね」

「ふむ、構造は違うが乗り物としては使えるな」

 

 3名はそう言うと、みほは「それでは」とある事を言いだした。それは。

 

 

 

 

「このモグラ型地底戦車メカ、モグドンという乗り物で行きましょう」



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第49話『情報と話し合いとメカづくり開始』

「ここが小山さんが言っていた屋台ですね」

 

 太田が言った先には、どくろのマークが付いたたこ焼きの屋台があった、店の前には『clause』と書かれた看板が掛けている。

 

「お店は閉店ね…でも」

「この店の裏に行けばわかるっすね」

 

 桜と霊華はそう言いながら店の裏に行き、大量の段ボールが置いてあるところを発見する。

 

「まぁ、凄い量。でもこれは」

「騙すために用意したものだな…たこ焼きの生地はあるが」

「これはスポンジ、これはピンポンの球…食べ物じゃねえのが入っているじゃん!」

「具材は小石やたわしに紙屑って…おなか大丈夫なの?」

 

 驚く真莉愛に勇樹たちは箱の中を見て、中弐と穂多瑠、桜は驚くかのように言っていると。店の奥から伊江が「こっちに来てくれ」と声がした。

 勇樹たちは急いでいくと、箱を隠すほどの小さなマンホールがあった。

 

「すごい伊江、どうしてここに?」

「地下に行くとしたら近くにマンホールがあると持ってな、もしかしてだと思って探したが」

 

 伊江はそう言いながらマンホールを開けると、中には地下へと続く梯子が付いている。

 それを見た勇樹は「それじゃあ入るか」と1名ずつホールの中に入っていく。その頃地下では…。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「情報はどうですの?」

「はい、どうやら調べてみるとアメリカ大陸のカンザスにある学校です」

「数が多いな」

 

 地下には元黒百合の生徒である小春田たちが、巨大なモニターが付いた装置で何かを探していた。

 勇樹たちは見えないところでモニターを見ているが、画質が悪いのか画面は思った以上に見えない。

 

「小春田さん、どうしますか?」

 

 おかっぱの少女である生徒は小春田に向けて言うと、彼女は「決まっていますわ」と言いながら立ち上がると同時にこう言った。

 

 

カンザス州にある学園に向けて発進しますわよ!!

 

 

 小春田はそう言うと、他の生徒は「はい、わかりました!!」と言うと同時に奥へと走っていく。物陰に隠れていた太田たちは何かと思い、外に出てみた。

 

「どうやら誰もいないっすね」

「そうだな、勇樹行くぞ」

 

 霊華と連華の言葉に勇樹は外に出て太田たちも後を追うと、画面に何が映っているの確認しようとした。

 

「何々…画質は悪いが最大にすれば」

 

 勇樹はそう言いながらキーボードをカタカタッと押していくと。画質はよくなっていき何が映っているのか分かってきた。

 すると福音は「そうだ」と言いながらUSBを出して機械に刺すとデータをコピーしていく。

 

「福音どうしたんだ? データを移しているが…」

「万が一情報のGPSとなるのがあったら、わかるじゃないかと思って!」

 

 伊江の質問に福音は答えると、百合子は「あ、それいいアイデアですね福音ちゃん!」と褒めた…その時。

 

 

 

 

 ゴゴゴゴゴゴゴ…!!

 

 

 

 突然基地が大きく揺れ始め、天井に大きなひびが入り始める。

 

「おいおい、やばくないか?」

「何があったの!?」

 

 突然の事態に太田たちは驚いていると、福音が「データコピー完了!」とUSBを引き抜くと、瓦礫がモニターに当たると火花を出して爆発した。

 

「危ない所でした…」

「それよりも急いで逃げるぞ! 生き埋めはごめんだ!」

 

 福音を掴んでいる百合子は驚いているさなか、青ざめた文は珍しく慌てていると、勇樹は「同じだ、急いでいこう!」と言ったためみんなは梯子があった場所へと行こうとした…その瞬間。

 

 

 ゴゴゴゴゴゴゴ…ガラガラガラッ!!

 

 ギュィイイイイッ!!

 

 

「おわっ! 何だぁ?!」

 

 突然壁が崩れて鋭い円錐状のドリルが出てきたのを伊江は驚き、後に転ぶ。

 みんなも何があったのかドリルを見ていると、穴は徐々に大きく広がり、ドリルが出てくると同時に茶色の装甲と頭にゴーグルをしており、シャベル状の手が出てきてその場で止まった。それを見た勇樹は「あ」と目を丸くしてこう言った。

 

 

「なんで『モグドン』がここに…しかもこのモグドンは『スーパータイプ』だ」

 

 

 勇樹の言葉にみんなは「え゛?!」と驚いていると、背中のハッチが開くとみほとまほが現れる。

 

「あれ勇樹さん、どうして?」

「ここは地下か? だがなぜ」

 

 2人は周りを見ていると、勇樹たちは「チャンス」と思い急いでメカに乗り込む。

 

「わわわっ! 勇樹さん?!」

「ど、どうしたんだ!!」

「説明している暇はないよ!」

「今は急ぎが重要! 話はあとで話す!」

 

 百合子と勇樹はそう言いながら中に入ってハッチを締めると、モグドンのドリルが回転していくとメカはシャベル状の手足を起用に動かして地面に穴を掘り、その場から逃げていく。

 それと同時に天井から瓦礫が落ちていき、地下は地面の一部となっていった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 ギュィイイイイッ…ドガアッ!!

 モグドンは地面を掘って屋敷の地下…メカの倉庫へと出るとハッチが開き、みほたちと勇樹たちは「あつううい…」と顔を真っ赤にしながら外に出る。

 

「な、何とか間に合った…」

「そうっすね…熱い」

 

 連華と霊華はそう言うが、顔を真っ赤にしてあおむけで倒れているため、勇樹は「ひ、ひとまず…休憩」と言うとみんなは「さ、賛成」と一斉に答えるのであった。

 

 

 そして数十分後…、元の状態に戻った勇樹たちはみほたちに話をしている。

 

「小春田女、ここまで来て何をしに…」

「我狼院さん、それなんですが今不明でして。今わかるのはアメリカのカンザス州に向かっている模様です」

 

 怒りを抑える我狼院に奈々は落ち着かせながら言っていると、ケイは「アメリカ?」と反応する。

 

「カンザス州って、確か砂場しかない所じゃない?」

「砂場って…まぁそうなんすけど、一体そこに向かって何をしに…」

 

 ケイの言葉に霊華は突っ込みながら考えていると、伊江は「もしかして」と何か思い出したのか、カバンから『世界にある珍しい学園一覧』を出して何かを調べる。

 

「どうしたのいきなり」

「何か分かったの?」

 

 それを見たアッサムとアリサは言うと、彼女は「わかったというか、少し気になるのが」と言いながら調べていると「あ、あった!」とあるページを開いてみんなに見せる。

 そのページには『アメリカ大陸アメリカに新たにできた巨大学園、プラズマ高校』と書かれている。

 

「プラズマ高校?」

「なんですか、それは?」

 

 表紙を見て沙織と妙子は目を丸くして言うと、伊江が「説明する」と言いながら吊皮を引くと壁からホワイトボードが出てきた。

 つり革があったことにエリカは「いつの間に…」とジト目で見ていた。

 

「プラズマ高校は、アメリカ大陸のカンザス州にある学校で、アメリカンすぎるすごい学校だ。この学校の面積は東京ドームで例えると約5つ分で、最新の設備が揃っているリッチ学園だ」

「私たちと同じところね」

「その通りケイ、だがこの学校は普通海外に西部科に海賊科に警察科などと言った変わった科目が7種類ほどあるのが特徴だ」

 

 ケイの言葉に伊江は答えていると、アリサは「何よそれ」とジト目で見て言うと太田は「そこは気にしないほうが」と苦笑いする。

 

「もしかしたら小春田は、この学校を狙っていったんじゃ…?」

「なるほど、アリババと40人の盗賊のように意外なところに隠している…いや事情があるってことなのか」

「そうだカエサル、構造は違うがこの学園はカンザス州にある事も理由があるんだ」

 

 カエサルの言葉に伊江は答えると、勇樹は「それじゃあ」と立ち上がると同時にこう言った。

 

 

「今からメカを作るか、ちょうど部品はあったし…あ、みんなの戦車は作業員が修復しているから心配しないでください」

 

 勇樹はそう言いながら部屋から出るが、河嶋と祝井、ホシノとペパロニは彼の服を掴んで「待て待て」と言いながら部屋へと引きずり込んでいった。

 

「おわっ! 何をするんですか!?」

「戦車がどうと下降とかじゃなく、お前はどうしてそこまでバカなんだ?!」

 

 河嶋の『バカ』に勇樹は「ば、バカ!?」と頭に青筋を浮かばせて彼女をにらむ。

 

「おいオレはバカだが1人で行くと言っていない! 奇跡のみんなが行くことを考えて―」

「そこだ勇樹、少し落ち着け」

「そうだよ、みんなの意見を聞いてみたらどうだい?」

「こっちも同じっすよ、まぁあたしの場合は別っすが」

 

 祝いの言葉を同意するようにホシノとペパロニはそう言うと、彼は「意見?」と目を丸くすると、梓が「そうです!」とグッと彼に近づいていった。

 

「ち、近い近い!!」

「少しは私たちも手伝いますから、無理はしないでください!」

「桃ちゃんのようになったら、私も同じだよ」

「桃ちゃんというな!」

「そうだね、私たちも少しお礼はするよ」

「んだんだ!」

「私もだ、みほを救ってくれたこともあるし」

 

 梓に続いて、小山とナカジマにニーナとまほはそう言うと、勇樹は「そ、そうですね」と言いながら考えている。途中、桃が何か言ったが勇樹は「それは後で」とジト目で即答する。そして。

 

 

「……わかりました、それでしたら会長。少しこちらからもお願いが」

「ん、なんだい?」

 

 勇樹の言葉に会長は反応すると彼はこう答える。

 

 

「この中から3組一緒に行動してもいいですか、それでしたら手伝います」

「んー…」

 

 勇樹の言葉に杏は考え込んで数秒後、彼女は「そうだね」と答えを出す。

 

「みんなで行くと大変だし、そっちが誰と行くか考えてくれると少しは嬉しいよ」

「わかりました、それでしたら今回はサンダースとウサギさんにあんこうチームのみんなと一緒に行ってもいいですか?」

 

 勇樹はそう言うと、彼女は「わかった」とkと会えると彼は「それじゃあメカを!」と言いながら部屋から出て行く。

 それを見た太田は「あ、そうだ」と何か思いついたのか会長たちに向けてこう言った。

 

 

「よかったら、勇樹君のメカづくり見る? 面白いよ?」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 メカの倉庫の奥にあるトンカチ・のこぎり・スパナの扉の先には、勇樹のメカ製作工場が用意されている。

 彼の目の前には大量の粗大ごみなどと言った鉄屑類が山のように並んでおり、彼の両手には工具類が用意されている。そして。

 

 

「それじゃあ、メカづくり開始だ!!」

 

 

 彼はそう言いながら鉄くずの山に向けて走り、何かを作り始める。

 

 

 ドンガンドンガンドンガン!!

 

 鉄くずを溶かして大きな立方体にし、それを鉄板のように薄くして1枚1枚作っていき。

 

 ギュィイイイイッ!!

 

 骨格と思われるパイプを付けていき、崩れないようにドリルで固定し。

 

 キンカンキンカンキンカン!!

 

 装甲を骨格と合体すると同時に、釘で丁寧に打って行き合体していくと。

 

 ガチャガチャ、ガチャガチャ

 

 電子機器をひとつづつ中につけていき、コードや精密機器にプラグなどを丁寧に設置していき。

 

 ガンガンッ!! ガンガンガンッ!!!

 

 付属のメカと思われるパーツを付けて、トンカチで重ねて付けていく。

 

 ギュィイイイイッ!! ガンガンガンッ!! ギュィイイイイッ!!

 

 そしてキャノピーと鎧に刀などを付けると、ドリルやトンカチで着けて外れないようにしていく。

 

 

「これで完成っと!」

 

 メカから降りた勇樹はスイッチを押すと、画面には『データ保存しました』と表示されると彼は「ついに完成だー!!」と喜ぶ。

 

 

 

 出来上がったメカはタコの顔をしており頭には鎧兜をかぶっていて、カブトには2対のマフラーと1対の槍と刀が装備されている。後ろにはクジラの尾びれが付いておりタコの下にはキャタピラーが付いている。

 

 

「せっかくだから鎧兜と海鮮を合体して作った戦車型メカ『海鮮兜タンク』の完成だ」

「ワオ! これが勇樹が作ったメカなの?!」

「そうです! わずかな資金で…ってケイ?!」

 

 突然現れたケイに勇樹は驚くと、後から梓たちとみほたちがやってきた。

 

「うわぁ! 大きいメカ!」

「兜なのになんで海鮮が付いているのかなぁ?」

「わからないけど、強そうだね!」

「つよそー!!」

 

 1年生のみんなはそう言っていると、百合子が「あ、勇樹君」とやってきた。

 

「百合子さん…これは」

「陽君が考えたんだけど…少し騒がしいことになって」

「ああ、それでか」

 

 百合子の言葉を聞いた優季はジト目で見ていると、彼は「そう言えば」とある事を言いだす。

 

「一史君たちは?」

「あ、それなんですが。メカの修理で」

「…あ、それでか」

 

 一史たちのことを聞いた勇樹は、メカの修理中だと理解し。邪魔しないようにそっとしておくことにした。

 

「それじゃあ勇樹君」

「わかった。ケイ、梓、みほ。それじゃあ」

 

 勇樹は3人に向けて言うと、彼女たちは「はい」と答える。彼は「固くしないでください」と苦笑いすると同時に、こう言った。

 

 

 

 

 

「カンザス州にあるプラズマ高校に向けて、発進!!」

 

 

 小春田が行っている場所である、プラズマ高校に向けて発進するのであった。



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第50話『プラズマ高校とハンバーガー店』

 アメリカ・カンザス州上空、そこには勇樹が作ったメカ『海鮮兜タンク』が飛んでいた。

 

「勇樹さん、このあたりにプラズマ高校があるのですか?」

「情報ではここに、あまり来ませんから…」

 

 勇樹はそう言いながら操縦かんを操縦しながらみほの質問に答えている。なお、ウサギさんとサンダースは…。

 

「これが和なのね、意外と面白いじゃん!」

「勇樹君は意外なこだわりがありますからね、細かい所があるんです! あ、それは掛け軸型の扉ですよ」

「え、これ扉?! なんでここに…」

「日本では確か隠し扉として用意していると聞いていたけど…ここまで再現しているのね」

 

 コックピットの後ろにある和室型の部屋をサンダースと百合子が見回っており。

 

「うわー、飛んでいる!!」

「空飛べるんだこれ!」

「すごーい!!」

「そりゃそうだ、このメカに使用しているブースターは太田が用意した特製ブースターでな、最高速度は戦闘機を超えるほど早いんだ!」

「すご~い」

「……」

 

 ウサギさんチームは窓から外を見て楽しんでおり、伊江はブースターを開発した太田を自慢していた。

 ちなみに沙希は窓を除いていたが別のところを見ている。

 

「梓も大変だな…彼女たちを世話するのは」

「も、申し訳ございません」

 

 苦笑いする勇樹に梓は顔を赤くして謝罪するが、勇樹とみほは「気にしないで」と彼女をなだめていた。すると。

 

 

『発見、発見。プラズマ高校発見しました』

 

 

 上についているスピーカーからコンピューター音がしたためみんなは前を見ると、巨大な木製の砦の先には西部の町並みが広がっており、まるで時空を超えたのではないかと思うほど街並みが再現されている。

 

「ここが例の場所か…」

 

 勇樹はそう言いながら操縦かんを掴みながら探していると、みほが「あ」とある場所を見つける。

 そこには『welcome』と書かれたヘリポートがあった、それを見た勇樹は「まさか」とある人物が思い浮かぶと、頭を抱える。

 

「あれ、勇樹さんどうしましたか?」

「いや、もしかしてだと思っていたが…まさかここで」

 

 梓は勇樹を心配しているが、彼はうなだれながらも操縦かんを動かし、ヘリポートに着陸した…その時。

 

 

 パンッ! パパンパンッ!!

 

 

 突然クラッカー音が響くと同時にメカはヘリポートと共に真下へと降りていく。

 

「え、ええ?」

「な、なんですかこれは?!」

 

 みほと梓は驚いていると、勇樹は「あー、心配すんな」と言いながら頭を抱えていると。動きは止まり、前の扉が開くと金色のショートヘアーをした少女が入っていく。そして。

 

 

 

「welcomeユウキ! プラズマ高校へ来て私は嬉しいわー!!」

 

 

 

 女性の言葉にみほたちは「え、ええ?!」と驚いていると、勇樹は「またか…」と顔を青くしている。その逆にケイは。

 

 

「ワオ! 勇樹これは一体なに!? 歓迎されているじゃない!!」

 

 興奮しているのであった。それを見た勇樹は「アリサの気持ちが、わかる」と答える。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「Heyユウキ! また会えてうれしいわ!」

「はい…オレもっす」

 

 元気よく言う彼女に対して勇樹は暗い気分で答えている、みほは「あの、この人は…?」と伊江に質問する。

 

「あいつはプラズマ高校・西部科の生徒であり、メカの腕が非常に強い隊長である『ソフィア=三日月』だ」

「ソフィアさん…もしかして」

「まぁ、強豪校として有名だ」

 

 伊江の言葉にみんなは「へぇー」と納得していると、沙希はソフィアを見つめていた。

 

「あら、ユウキ。このガールは?」

「え。この人たちは…みんなを呼んで説明しますよ」

 

 勇樹はそう右とソフィアは「わかったわ」と言うとみんなを呼びに行く、それを見た彼は「やっとだ」とため息をする。

 

「じゃあ、みほたちは上に行ってもいいよ。結構にぎわっているから、美樹姉と一緒にで」

 

 元気がない勇樹に百合子は「あ、私が付き添います」と勇樹によっていく、それ御見た幹子は「それじゃあ、行こう」とみんなを連れて行くのであった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「わあああっ! これがプラズマ高校なの!?」

 

 沙織が驚くのも当たり前、街並は木製の建物が多く乗り物は馬と馬車、制服はカウガールやカウボーイの服装をしている。

 

「西部だ! 本当の西部劇みたい!!」

「こ、これは初めて見ます! まさか本物の西部を見れるとは!」

「すご~い」

「すごい人たちだな…伊江は知っていたのか」

 

 街並みを見て桂里奈と優花里は目を光らせ、優季はのん気ながらも驚くかのように答える。

 ナオミは伊江に向けて言うと彼女は「イヤシリマセンデシター」と目を泳がせながら言っているが、ナオミは「絶対知っているな」と感じた。すると。

 

 

「ハイ、君たちは始めてきたのかい?」

 

 

 伊江の横から声がしたため何かと振り向くと、青色のツインテールをした少女が建っており、それを見た伊江は「エマか」と答える。

 

「暗山殿、彼女のこと知っていますか?」

「砲手と装填手の関係で少しはな、SNSで知り合ったんだ」

「そう、イエ彼女たちは」

「事情により転校しに来た友達だ」

 

 秋山とエマの質問・回答に彼女は答えていると、沙織は「海外にっも友達いるの!?」と驚く。

 

「オレ以外に意外な人がいるぞ」

「む、本当か?」

「どこでしょうか?」

「そうだな…とその前にエマ、洋服店はどこにある? せっかくだから」

 

 伊江はエマに向けて言うと、彼女は「そうだな…近い所だとここにある」と『洋服店』に指をさす。

 

「あそこでいったん服を探すか、ここは西部だとはいえ結構熱い場所にあるからね」

「サンキュ、さ行くか」

 

 伊江はそう言いながら沙織と麻子を持ち上げて店に向けて行く。みほたちも急いで家の後を言うかのように走っていく。

 沙希は途中まで行っていたが、何かに気づいたのか明後日の方向へと向いている。

 

「沙希、どうしたの?」

 

 それを見つけた梓は呼ぶと、沙希は梓のところへと戻っていく。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「これが私たちのカウガール! かわいいっ!!」

 

 沙織はそう言いながら目を光らせている、カウガールとはいえ灰色のダスターコートに白色のカウボーイシャツ、群青色のジーンズをしている。

 腰にはガンベルト、首にはバンダナをしている。なおガンベルトにしている銃はモデルガンであり本物ではない。

 

「わぁ、私初めてこの服を着るよ!」

「私もです! 戦車に関する服しか知りませんでしたが、これは初めて来ますよ西住殿!」

「似合っているのか?」

「ふふ、わたくしもうれしいです」

「そうですね五十鈴先輩!」

「私も似合っているかな?」

「あゆみにあっているよ!」

「あやちゃんも似合ってるよ~」

「沙希も似合っているね!」

「……」

「へぇ、サンダースにもこういう服はないから少し驚いたよ」

「そうね、私も初めて切るわ。アリサは?」

「私もですけど…なんかしっくりこない」

 

 カウガールを着ているみんなは賛否両論で喜んだり複雑な気持ちになっており、伊江は「微妙だな」と苦笑いをする。

 

「そう言えばエマ―、少しいいか?」

「ん、なんだい? 話は」

「これ、小春田というやつはここにいるか」

 

 小森はそう言いながらエマに小春田の写真を渡すと、彼女は「初めて見るな」と言いながら考え込む。そしてエマは「それだったら」とある人物を言いだす。

 

「私の同級生のオリビアはどうだ? 彼女はガサツだがちょっとした発明家だよ」

「そうか…オリビアなら何とかわかるな」

「それじゃあ…何だ?」

 

 エマが行っていると外がなぜか騒がしいことに気づく、みほたちも何かと思って出てみると、多くの生徒が何かを見つけそこに向けて走っていた。

 

「何があったんでしょうか?」

「1ヵ所に集まっているな」

「新しい店か…隊長からは聞いていないが?」

 

 みほと麻子、エマはそう言っていると。伊江は「何かわからんが行ってみればわかると思うぞ」と言いながら走っていった。

 それを見たみんなは、急いで伊江の後を追うかのように走っていく。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 巨大なバーガーに紙コップが突き刺さったバーガー店『Dokuro・バーガー店』では、プラズマ高校の生徒らが山のように並んでいた。

 

「どくろバーガーを1つ!」

「ハバネロホットバーガーセットを!」

「あ、ずるい! 私はそのスイーツDXバーガーとウルトラドリンクを!」

 

 大量の注文に白山たちは「ただいま!」と言いながらあらかじめ用意しておいたバーガーなどを袋に入れ、生徒に渡してお金をもらっていた。

 

「しかし、大量に用意して正解だな!」

「ま、これも資金のためだけど」

「私たちが生活に必要なのもあるってことよ!」

 

 白山たちはそう言っていると、カウンターから「すみませーん」と声がした。

 それを聞いた白山は「また客か?」と不満そうな表情をしていると、奈村が「私が行ってくるわ」とカウンターへと行く。

 

 

「はい、何でございましょ…う、か…」

 

「あ、私にもそのどくろバーガーを…あ」

 

 

 奈村が出てみると、そこには西住達がいた。それを見た彼女は頭から大量の汗を拭きだすと「しょ、少々お待ちを」と言いながら店に入った…そして。

 

 

 

 

正に閉店、みほたちに見られたわああああああっ!!

 

 

 

 

 奈村の合図に白山たちは「了解!」と言うと、バーガーを「そらよ!」と生徒らに無理やり渡すとシャッターをして、鍵をかける。

 伊江は「あ、開けろ!」とパールを出してシャッターに攻撃した、その時。

 

 

 ゴゴゴゴゴゴゴ…!!

 

 

「な、なんだこれは?!」

 

 建物が突然上に動くと思いきや、某ポテトケース型のボディとキャタピラ型の足が出てくると、後に動き、その場から逃げていく。

 

「逃げていく!」

「小春田の奴らか」

 

 みほと麻子はそう言っていると、梓は「隊長! それどころではありません!」と言うと幹子は「そうだね」と答える。

 

「エマ、乗り物とかは!?」

「向こうに確か、ジープを用意している!」

 

 伊江はエマに向けて言うと、彼女はジープのことを言うと麻子は「それで行こう」と言うと小森も「賛成」と答える。

 そして、みほたちは急いでジープがあるところへと走っていく、沙希は何かに気づいたのかある方向へと向いていた。



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第51話『沙希の才能とメカの欠点!」

 ガアアアアアアッ!!!

 

 小春田たちは、バーガー店型巨大メカ『メカバーガータンク』で西住達から逃げている。

 

「なんであいつらがここにいるんだ?!」

「わたくしが言いたいですわ! 小春田様!!」

 

 白山は操縦桿を動かしながら言っていると、奈村は操縦桿らしきレバーを動かしながら小春田に向けて言うと、彼女は焦っているのか顔を青ざめながら画面を見ていた。

 

「予想外ですわね…奈村、急いで砲台を用意してくださいまし!」

「はい!」

「白山はそのまま操縦を、塩崎は砲弾を持ってきて装填を!」

 

 小春田は2人に向けて言うと、白山と塩崎は「はい! ただいま!」と準備をしていく。すると。

 

 

後方注意、後方注意。乗り物3台来ています

 

 

 画面がそう言うと同時に後ろの映像が映し出される、そこにはジープに乗ったみほたちが追ってきていた。

 

「あの小娘ども…塩崎、砲弾は?!」

「特性砲弾で来たっすよー、でもなんで鉄じゃなくてプラスチックなんすか?」

 

 塩崎はそう言いながら装填していると、小春田は「後で説明しますわ」と言いながらカバンからパッドを出すと何かを検索していく。そして。

 

「プランをそろそろ…どうかしらね」

 

 画面を見つめたまま、小春田は不気味な笑い声を出したため、塩崎は「おっかねえ」とつぶやいたのであった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「待てえええっ!! バーガードロボーめ!!」

 

 伊江はそう言いながらジープに乗っているが、エマが「座っとけ」と彼女のベルトをつかむとそのまま席に座らせる。

 

「うわっ! にしてもなんであいつらがここにいるんだ?!」

「わたくし驚きました、てっきり侵入して化けているのだと」

「そうだな…しかし店の店員に化けるのは意外だな」

 

 ひっくり返る伊江に対し、華とナオミは小春田たちの侵入手段に驚いていると、エマが「小春田…」と何か気づいたのか考え始める。

 

「待てよ確か彼女はどこかで…髪型とかは違っていたが目つきだけは…」

 

 エマは目つきはどこかであったことがある気がと思いながら考えていると、伊江が「まえまえまえまえ!!」と伊江が言ってきたため我に戻って前を見てみると、巨大なバーガーが目の前に。

 

「しまった!」

 

 エマは急いでハンドルを動かし、バーガーからよける。伊江たちは突然の動きに驚いたのか「うわああっ!」と目を回して倒れる。

 

「なんだあのバーガーは!?」

「いててて…小春田が用意したのか!?」

『それはないよ!』

 

 操縦席から声がしたためみんなはどこだと探していると、華が「ラジオでは…?」と言うとラジオから『当たり』と小森の声がした。

 

「どういう意味だい、小森?」

「もしかして、別の人が用意したのでは」

 

 ナオミの言葉に華が言うと、小森は『当たり』と答える。

 

『砲弾が放たれると同時にバーガーが出てきたが。あのバーガーは一種の高反発素材を使用したクッションが出てきて攻撃などを跳ね返すことが出来るんだ』

「高反発性が搭載している…どうやって詰めたんだ?」

『それは知らない』

 

 ナオミの言葉に小森は即答すると、伊江は「知らんかよ」と答える。そして。

 

『その代わりだが、あの巨大なバーガー型のメカを止める方がある、ナオミ確かガム持っていたよな』

「え、持っていたけど…どうして?」

 

 ナオミは驚くかのように反応すると小森は『それを数枚かんでほしい…そしたら』と言うと、彼女は「それはどうだろうか」と苦笑いしながらガムを用意する。

 

「ハナ、伊江。ガム噛めるか?」

「わたくしはあまり…伊江さんは?」

「暇なときよく噛んでいるからいけるぞ…しかしなんで」

 

 伊江はそう言いながらナオミからガムを渡されそこから何枚か出して、その中身を食べていく。

 

「「んぐんぐ……」」

 

 ただかむだけで何をするのか華とエマは目を丸くしていると、隣から海鮮兜タンクがやってきた。

 

「っ! なんだあれは?!」

「勇樹さんのメカ…もしかして!」

 

 華がそう言っていると兜のハッチが開くと中からバス―カーを構えた幹子が出てきた。

 

「幹子さん!」

「スナイパーガール、どうして」

「話はあとだよ! ナオミさんと伊江君からガムを!」

 

 幹子がそう言っているとナオミは気づき、包み紙に入れて彼女に渡す。風の抵抗も多少あったため彼女は「おっと」と体を伸ばして手に入れる。

 

「よっと…伊江君は?」

「んぐ…んー」

 

 伊江は幹子の言葉反応すると、そのまま上に向いた。それを見た華達は上を浮くと伊江は急いで口からガムを出して幹子に向けて投げる。

 幹子はそれを受け取ると急いでばすーかに入れて構える。そして。

 

「発射!」

 

 

 カチッ ドガアアア!!

 

 

 幹子が引き金を引くとバス―カーからミサイル…ではなくガムが放たれた。そしてガムはそのままメカのブースターに入るとエンジン不調が起きたのかメカの動きは鈍くなっていき、そのまま停止していった。

 

「成功!」

「まぁ、いつの間に!」

「流石じゃん」

 

 幹子が喜ぶ光景に、華とエミは驚いているが、ナオミは「さすが幹子」と褒める。

 

「さて、これで準備万端!」

『今のうちに入って来いよー』

 

 小森の声がしたため、伊江たち顔を見せ合うと首を縦に動かし、メカの隣にジープを停止させるとそのままメカに乗り込む。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「あれ、勇樹?! どうして」

 

 伊江が驚くのも当たり前、コックピットには勇樹がいたからだ。彼の隣には目を光らせているケイがいる。

 

「話し合っていたら電話があってな、ケイから出たら小春田がいたから」

「あ、なるほど…あれソフィアは?」

「あるお願いをしに、少し用事を!」

 

 勇樹はそう言うと沙織が「それじゃあ」とレバーを動かした。すると、左右のカニばさみ型のアームが動いてメカに向ける。

 

「攻撃開始…って今は麻子が動かしているんだ」

「操縦方法はマニュアルがあったからそこから見たぞ」

 

 麻子はそう言いながら操縦機を動かすと、メカは前に進んで攻撃しようとした…その時。

 

 

 ガガガガガガ……ガゴンッ!!

 

 

「なんだ…?」

 

 突然パティが上に動くと同時に砲台が出てきて何かが装填される音がする、そして。

 

 

 ドガアアア!! ドガアアアドガアアア!!

 

 

「っ! それ有りなのか?!」

 

 突然放たれた砲弾により、麻子は慌ててレバーを動かし、攻撃からよけていく。砲弾はそのまま地面に着弾すると爆発し、バーガー型とポテト型のクッションが出てきた。

 

「あれが高反発性のか…跳ね返す道具はあるか?」

 

 麻子は勇樹に向けて言うと、彼は「確か…沙希が座っているところにアームが」と言うと沙希はレバーをを掴んで動かす。

 すると、兜から刀と槍が出てくるとそのまま構えて攻撃態勢となる。

 

「沙希大丈夫!?」

「結構重そうだけど…」

「怖い武器~」

「でもかっこいー!!」

「かっこいいね!」

 

 梓とあゆみが心配している中、優季と桂里奈とあやは武器を見て喜んでいる。それを見た百合子は「褒めているんじゃありませんが…」と額に青筋を浮かばせながらにらみつけているが、沙織とみほと勇樹が抑えているため暴れずに済んでいる。

 沙希は画面を見つめながらレバーを掴み、動きはせずそのまま画面を見つめていた…すると。

 

 

 ドガアアア!!

 

 

 砲台から砲弾が放たれるとそのまま海鮮兜タンクに向かっている、麻子は「よけるぞ!」と操縦をしていくが、沙希は何かに気づいたのかレバーを動かした…その時。

 

 

ふっ!!

 

 

 

ガチャガチャガチャ!!

 

 

 沙希が一気にレバーを動かすと、刀を器用に動かして砲弾が来ると峰を使いバッドのように跳ね返して砲台に入ると、爆発して動きを止めていく。

 それは1つだけではなく、2つや3つの砲弾を徐々に跳ね返していき。砲台にすべて入ると爆発してそのまま停止した。

 

「すっげー!」

「沙希凄~い!」

「沙希ちゃん流石です!」

 

 沙希の手裁きに伊江と優季、百合子は驚きながらも感激している。沙希は顔を赤くなりながらもうれしい表情をしている。

 

「よし、このままいけば!」

「あ、待ってください! 前を」

 

 幹子は出動使用していたが、みほが彼女の服を掴んで引っ張ったため彼女は地面にぶつかって『ひょっ!!』と顔面を打つ。

 

「な、何をするんだ…みほくん」

「あ、ごめんなさい…ではなくて。あのメカ見てください!」

 

 みほの言葉にみんなはメカを見ると、メカバーガータンクの胴体からガトリング型のアームとフライ返しを出してメカに向けるとガトリングからフレンチフライ型のミサイルが放たれて、メカに当たっていく。

 

 

 ドガドガドガドガアアアア!!

 

 

『『『『うわああああ!!!』』』』

 

 ミサイルがメカに当たった衝撃で、みんなは驚いていると伊江が「おい勇樹、防御法は大丈夫か?!」と言うと彼は「だ、大丈夫と思う!!」と答える。

 

「万が一のことを考えて、鉄は何重にもしているからな…多分」

 

 優季はそう言いながら椅子に座って画面を見ようとした…その時。

 

 

 ジュゥゥウウウウウウウ……

 

 

 座っている椅子から何かが焼ける音がしたため彼は何かと思って見てみると、熱さにより椅子は真っ赤になりそれが熱伝導により広がっていた。

 

「……よし」

 

 勇樹はそれに気づき、そっと立ち上がるとそのままみほ向けてこう言った。

 

 

 

「熱さが広がる前に急いでみんなは厚さが広がらないところに避難んんっ!!」

 

 

 彼の言葉にみんなは急いでクッションや畳などに移動し、熱さを出来る限り耐える場所へと移動していく。

 

「み、みぽりんを上に動かして!」

「え、でも沙織さんが!」

「今はそこじゃないよ! あ、華はここに」

「ありがとうございます…でもどうして」

「ミサイルが当たっただけなのにメカが熱くなるのは意外だ」

「もしかして、あの中には油が!?」

「ケイさんの言う通りです! 確か油は揚げ物に使うことが多く、それで火傷をする人は何人かいます!」

「ええええっ! それじゃあ私たちあげられてしまうの~!?」

「そんなの嫌だ―!!」

 

 油によりみんなはパニックなってしまい、勇樹は「何か策があれば」と頭を使って考えていた…。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「フレンチフライ型油ミサイル…流石ですわね!」

 

 小春田は奈村と塩崎の攻撃方法に喜んでいると、2人は「よかった」と安心する。

 

「油は熱を通しやすいのがありますからねー、相手は家中&海鮮っすからどうかと思ったっすよー」

「ま、このまま待てばすぐに勝てますわ」

 

 そう言うと小春田は「それでは、最終攻撃を」と吊皮を引いた。するとバーガーについているカップが開くと巨大なミサイルが出てきて方角を海鮮兜タンクに向ける。

 

「情報はあいまいで店をしながら探しましたが、なかったのは悲しかったですが…これで終わりですわ!!」

 

 小春田はそう言いながら吊皮を引いてミサイルを放とうとした…その時。

 

 

 

ピコーン、ピコーン、ピコーン、ピコーン…

 

 

「っと、なんですの?」

 

 突然鳴り響くアラームに彼女は動きを止まりあたりを見渡していると、1人の生徒が下からやってきて「大変ですー!!」と走ってきた。

 

「ど、どうしましたの!?」

「はい! 先ほど放ったフレンチフライ型のミサイルですが、油に火がついてメカ内部に! そして!!」

 

 生徒の言葉に彼女は目を丸くしたまま首を動かし「そして?」と言うと、生徒は「こうなります!」と言った。その時。

 

 

 

 

 

 ドガアアアアアアアアアアアッ!! チュドオオンッ! チュドオオオオンッ!!

 

 

 

 

「エンジンに使うニトロエンジンに引火して爆発しますうう!!」

「早く言ええええっ!!」

 

 

 生徒の言葉に白山は怒るが、彼女たちはそのままどこかへと飛んでいったのであった。

 それを見た勇樹たちは「えっと…?」と目を丸くするのであった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「ユウキから話は聞いたけど、まさかオルドから来たのは初めてね」

「私もだ」

「休みだというのに…何よこれ」

 

 ソフィアとエマ、そして赤紙のロングヘアをした少女が不満そうに言うソフィアは「ソーリー」と謝るのであった。

 

「情報は一応頼んで探したけど、小春田は少し探すのが難しいね」

「そうですか…」

 

 赤紙の少女の言葉にみほは悲しい反応で答えるが、ソフィアは「安心して」と答える。

 

「わずかな情報でも私たちは一応調べてあげるわ!」

「…わかりました、こちらも戻り次第調べますので」

 

 ソフィアの言葉にみほは答えると、勇樹も「こっちも、手伝うよ」と答える。

 

「ところで…あの子はどうするの?」

 

 ソフィアが行う言葉に2人は何かと思い見てみると。そこにはホットドックを大量にを食べている沙希がいた。

 それを見た勇樹は体と頭の色が抜けると「後で…払うよ」と小さく言ったのであった。

 みほは苦笑いしながら「あははははは…」と答えるのに精いっぱいであった。



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第52話『追跡が出来ない! まさかのピンチ?!』

 

キーンコーンカーンコーン…

 

 学校のチャイムが鳴り響く中、多くの生徒は教室から出て屋上や校庭に移動している。

 ここは珍等師学園高等部、この学校に今勇樹たちとみほたちが学園生活をしている。事情によりみほたちは勇樹たちの世界に転送されてしまい、解決方法が見つかるまで珍等師学園内にある学校に暮らしている。

 

「お昼ですね」

「やっと終わったー…国語の授業長いよもー」

「あはは、まぁ担当の先生は癖があるから長く感じるのも当たり前だよ」

 

 華と沙織はそう言っていると、太田が苦笑いで答えたため、伊江は「確かに、あの先生は癖があるな」と答える。

 

「それにしても、屋台があるのは珍しいですね、アンツィオ高校と同じです」

「あ、それオレも思った! アンツィオ高校の屋台行って見てえなぁ…」

 

 優花里と伊江はそう言っていると、百合子が「あ、それでしたら本日の屋台は惜しいのがやっています」と言いながらパンフレットを渡す。

 

「どれどれ…おおっ! カレーに目玉焼きとハンバーグセットが600円! こちらはオム焼きそば定食が500円!!」

「おおっ、これはすごい値段…キングプリン・アラ・モードが400円って安いな」

「わぁ、この牛すき焼き弁当が550円だって、安いね!」

 

 パンフレットを見た優花里、麻子、みほは驚くと、百合子は「これはアンツィオ高校よりもすごいですよ」と鼻高々に自慢する。それを見た勇樹は「自慢するところか?」と苦笑いする。

 

「それなら少し急いだほうが良いぞ、本日は『お得デー』が開催しているから通常の半分で終わると思うぞ」

「そうだな、特に今人気の『くるくる弁当』がもうすぐ売り切れるぞ」

 

 小森とアレンの言葉に沙織は反応し「なにそれおいしそう!」と目を光らせる。

 

「それどこにあるの?! 教えて!」

「わたくしも、その弁当気になります…どこにありますか?」

「もしかして軍人が使っていたのもあったりして…!!」

 

 興奮する3人に小森は「お、落ち着け!」となだめていると、アレンが「それなら確か」と案内板を使って場所を説明していく。

 

「この先を曲がっていき会談で上に行けばいい、2階にあったはずだが…」

 

 アレンはそう言って振り向くと、3人がいなかったため彼女は「早いな」とジト目で見つめていた。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「はうう…何とか間に合ったけど疲れたぁ…」

「ですが、あの屋台はおいしそうなのがあってうれしいです」

「まさか軍人カレーがセットでワンコインだなんて、うれしいですぅ!!」

「このおにぎりと漬物…200円って安いのか?」

 

 沙織たちは屋台の弁当に喜んだり疑問を浮かべているのをみほは「あはははは」と苦笑いする。

 勇樹はそれを見ながら「にぎやかだな」とつぶやいた。

 

「ところで百合子君、小春田は?」

「あ、知り合いに頼んでみたんですが。海外に逃げた形跡はありませんので。きっと日本に」

「なるほど…」

 

 百合子と幹子は、小春田のことを話していると伊江は「そう言えば」と考え込む。

 

「小春田は何を狙って…みほならば一人になったのを狙えば済むし…」

「そうっすね…我狼院さんに電話してみたんすけど『あいつが計画は私もわからない』と言っていたっす」

 

 伊江の言葉に霊華はそう言うと、蓮華は「目的…なんだろうか」と考え込む。

 そうしていると沙織たちは昼食を食べ終えて、教室に戻っていくため百合子たちも急いで戻っていくことにした。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 放課後、勇樹たちは屋敷に戻り戦車の修理をしていた。時空の現象により一部故障しているところがあったのか、そこを修理しなければいけない状態になっている。

 戦車を修理しているのは勇樹以外に、自動車部のみんなとメカニック部のみんなが協力して修理している。

 

「これですべて終わった…故障個所とかはないし、ウサギさんチームは終わり。ナカジマさん、前田さんそちらは?」

「はいはーい、こっちは今聖グロの戦車修理したよ。意外と大きいから難しいと思ったけど、思った以上に修理しやすかったよ」

「こっちもだよ。戦車を修理するのは大変だけど、電子機器がたくさんあったから大丈夫だよ」

 

 2人の声に勇樹は「わかりました」と答え、カバンからパソコンを出すと設計図を確認する。

 

「これで全部か、相手の設計図は今のところ情報は…」

 

 勇樹はそう呟きながら見ていると、倉庫内にエリカとアッサム、ペパロニが入ってきた。

 

「あれ、エリカにアッサム、ペパロニどうしたんだ?」

「どうしたって、少しお礼をしに来たのよ」

「たまには料理を用意しようかと…あ、自動車部とメカニック部のもありますよ」

「単純だけど、ポテトを用意したわ」

 

 彼女たちはそう言いながら、『ソーセージ3種』と『サンドウィッチ』と『フレンチフライ』を持ってきた。

 

「おおっ! おいしそう!!」

「ほんとだね、勇樹。少し休憩する」

 

 前田が勇樹に向けて言うと、彼は「休憩したい」という風に口からよだれが出ている。

 

「それじゃあ休憩だー!」

 

 前田がそう言うと、みんなは「おおー!」と答えて休憩をとることになった。すると。

 

 

警報! 警報!! 愛里寿からの情報!! ビル街にできた謎のぬいぐるみ店に小春田たちだと思われる店が発見!!

 

 

 警報機により勇樹はポテトをほおばりながら『むぐ!?』と反応すると、カバンからキーボードを出して調べてみると、映像にかわいらしい店の映像が映し出される。

 

「むぐむぐ…ケホッ、まじか!」

「うわー、可愛いけどなんだかわざとらしいねぇ」

 

 それを見ていたナカジマはそう言うと、後にいたスズキも「そうだね」と答える。

 

「屋敷はあまり知らないけど、結構丈夫そうだね」

「確かに、どうやって逃げるのかな?」

「勇樹が行っていたメカはどうやって…」

 

 3人の言葉に勇樹は「あ、暑い」と言いながらカバンから携帯を出して、『河嶋さん』と電話する。

 

「あ、河嶋さん…実はお願いが…はい、至急ですが…はい、今からメカを作りますので」

 

 勇樹はそう言っていると、エリカたちに話をしていく。

 

「なるほどね…小春田は何をしているのかしら…」

「わかりませんが、今はわずかな情報で」

「少し調べないとね…問題はコンピューターはどこに」

 

 3人はそう言っていると、勇樹は「それならちょうどいいのがあるぞ」と言いだす。それは。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「な、なんだなんだ!? この株落ちているぞ?!」

 

 場所は変わって小森の部屋、その部屋では複数の画面に映っている株価を見て驚いている。

 元引きこもりの彼女は、いつまでも怠けているのではない。株価をして稼いだり、動画配信サイトを利用してゲームの実況をして稼いでいる。

 

「にしてもこれは難しいな、わずかなお金で稼げるが…問題はどこに」

 

 小森はそう言いながら本を読んでいる、その本には『株のおすすめシリーズ』と株のことが乗っている。

 彼女はそれを見ながら近くのポテトチップスをバクバクと食べながら炭酸ドリンクを飲もうとした…その時。

 

 

 トントントン

 

 

「ん? 何だ…」

 

 扉からノックがしたため何かと思い立ち上げり扉を開けると、アッサムとアリサ、エリカの3人が立っていた。

 

 

「……失礼しました」

 

 小森はそれを見ると同時に磯で扉を閉めるが、エリカがそれを阻止し「失礼します」と3名は部屋に中に入る。

 

「うわああっ! な、何するんだ?!」

「少しパソコンを借りたくて!」

「私たちが持っているのは限度がありますので」

「それにしても汚いわね! 少しは掃除しなさいっての!」

 

 アリサの言葉に彼女は「それは無視しろ!」と言いながらベットに座る。

 

「にしても本当に勇樹の言うとおりね」

「『小森なら専用のパソコンをたくさん持っているって言っていたから怪しんでいたけど…」

「これほどあるとは…」

 

 アッサムはそう言いながら、巨大な画面を見ていると。小森は「そうか」と目を丸くする。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「んで福音、愛里寿さんの情報は?」

『うん、ぬいぐるみは本物だけど少し古いよ』

『ボコと同じだけど…材質が』

 

 福音と愛里寿の言葉に彼は「あー」と何か察知したのかジト目である思い出が浮かび上がる。

 

「それじゃあ何かあったら写真を、それまでは急いでメカを」

『分かった! それじゃあボコのぬいぐるみを!』

『3個、お願い…アズミ達には内緒で』

「はいはい、あいつらに知られていたら大変だからね」

 

 勇樹は2人からの褒美の話を聞いて苦笑いで答えると、福音と愛里寿は『分かった!』と答える。

 そして、電話を切ると画面をメカの設計図に切り替えて何かを書き始める。

 

 

「さ、残っている情報で急いで考えるか…骨格は何とかいけたが問題はどこに行くかだ」

 

 

 勇樹はそう言いながら次回ていると、画面に『福音』と表示される。

 

「早いな…メールか」

 

 設計図を描きながら画面をタッチし内容を見てみると。そこには慌てていたのか誤字がたくさん表示されている。

 

 

『ちゃいへん! 今こひゃるだがメカをとういしたの! なんだがおっきくて、細長いコンテにゃ見たい!!』

 

 

 それを見ていた勇樹は「コンテにゃ」という言葉に引っかかる。

 

「コンテにゃ…コンテナか? コンテナから考えるとしたら、輸送船かトラックか汽車…」

 

 コンテナから考えていた勇樹は何かに気づいたのか「汽車?」と思い出すかのように呟く。

 そして彼は電話を起動して福音に「急いで屋敷に戻ってきて、確認したいことがある」と言うと、今度はみほたちに「小春田たちに変化アリ」と伝える。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 

 

「場所はね、なんだかお茶屋ら魔法使いが有名なところ! 確か…イが付く国だよ!」

「うん、国のことは聞いたけど遠くからだから私も」

 

 福音と愛里寿がそう言っていると、伊江は「お茶と…魔法?」と考え込む。

 

「初めて聞くっす…エリマさんは?」

「うむ…我もだ、異世界の王であるこの我も初めて聞く言葉だ」

「そうっすか…」

「お茶と言いましたら、簡単に考えるとしましょう…もしかしたら静岡では?」

「確かにそうね、五十鈴さんの言う通り静岡に行く可能性があるわね」

「それはないわみどり子さん、あの小春田は黒薔薇学園の可能性がある。あたしたちだってどこに行くかちゃんとした情報がないといけないわ」

 

 霊華たちはそう言っていると、地理部のアイヌは「それなんだけど」と心当たりがあるのか、言いだした。

 

「それってもしかしてイギリスじゃないかな…ほら、お茶と言ったら緑茶だけじゃないし」

「そうですわね、確かにお茶と言ったら紅茶もありますわね」

「魔法使いと言ったら、あれだな。舞台にもなっていたし」

「うんうん」

 

 地理部のみんながそう言うと、みほたちは「あー、確かに」とどういする。

 

「あら、そう言えばそうでしたわね」

「私たちもすっかり忘れていました」

 

 ダージリンとペコもそれを思い出すかのように言うと、勇樹は「それとだけど」とある紙を出してみんなに見せる。

 

 

「福音が行っていたメカだけど…もしかしたらこれじゃないかな?」

 

 

 勇樹がそう言って見せたのは、汽車のイラスト。簡易で描いているが汽車と言えばわかりやすいイラストだ。

 それを見た2人は「それ!」と息を合わせて答える。

 

「なるほど…確かにあそこは汽車が生まれた場所でも有名だからな」

「じゃあメカは汽車!? 結構難しいそうじゃん!」

 

 沙織は慌てるかのように言うと勇樹は「それなんだけど」と困ったかのように言いだした。

 

 

「今回のメカの資金は少し事情があってね…骨格が未完成」

 

 

 それを聞いたみんなは「え?!」と驚く、まさかの資金不足に驚く。

 

「え、それじゃあ信金がないとメカが出来ない?!」

「半分は…粗大ごみでだとし越し厳しいんだ」

 

 河嶋の言葉に勇樹は青ざめながら答えると、伊江は「あー、そう言えば玲子があれだからな…」と目をそらしながら言う。

 みどり子は「玲子」という言葉に反応すると、彼女に質問する。

 

「ねえ、玲子って一体…」

「鬼の風紀委員長、国立風紀獄女学園の生徒会長として活動しているんだ…同じアブ引き部の仲間だけど今回は事情で」

「……危険?」

「危険だ、勇樹がものすごく嫌いな学校だ」

 

 伊江の言葉に彼女は青ざめながら「そ、そう」と言いながら後ろに引き下がる。

 そうしていると、勇樹は「あ、そうだ」とある事を思い出す。

 

 

「確か地下に鉄道学園があったな。地下で使われていない電車がたくさんあったからそこから」

 

 

 勇樹の言葉にお銀は「地下?」と反応する。

 

「もしかして、地下に行く専用の電車とかは?」

「あ、それはない。さすがにこちらの予算とかもあるし」

「そう…」

 

 お銀はがっかりしていると、彼は「だけど」とある事を言いだす。

 

「モグドンで行ける可能性はあるぞ」

 

 それを聞いたみんなは「え、モグドンで」と反応する。どうやって行くのかが不明だからだ。



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第53話『巨大メカの事情と朗報!』

 珍等師学園の鉄道は、東京と大阪と同じ鉄道路線がある。その内の3割は地上にある鉄道で残りの7割は地下鉄がある。

 なぜこの割合になっているかと言うと、学園の生徒が不正を行わせないようにしているためであり、キセルと言った偽装行為が学生でも増えているためだと言われている。

 地下には専用の通路が2つあり学生用と一般用の2つ、学生町で区別しているため不正を行わせにくいようにしている。

 そんな中、地上の鉄道では勇樹が用意したモグドンが地下鉄に入っている。

 

 

ギュィイイイイッ…

 

「ここ掘っていいのか?」

「そうですね、鉄道会社に怒られそうな…」

「その心配なはいよ、鉄道学園が作ったこの線路は、モグドン用だから安心してくれ」

 

 麻子と華の言葉に勇樹は答えると、沙織は「作ってくれたの?!」と驚く。沙織の言葉を聞いた百合子は「はい、そうですよ沙織さん」と解説してくれる。

 

「この鉄道の電車は、勇樹君が独自に開発した特殊な金属で使用されているため、鉄道学園は感謝のお礼として専用の鉄道を用意してくれました!」

「へぇ、凄いじゃん石川ちゃん」

 

 百合子の解説に会長は驚きながら彼を見ていると、勇樹は「そんなに自慢することじゃないですよ」と苦笑いした。すると。

 

『この先、鉄道学園です。停止してください』

「っと、もう着くか」

 

 コンピューターに勇樹は急いでレバーを動かすと、モグドンは厳重な門の前に停止した。

 

「おおっ! これはすごい扉ですね!」

「意外と厳重になっているじゃない、どうして?」

 

 目を光らせて興奮している優花里に対して、落ち着いて冷静に言うみどり子が言うと勇樹は「鉄道だからだよ」と答える。

 

「電車に使っている材質はすべて国産でな。一般的に使う材質とは桁が違うんだ」

「そのため、それを狙いに来ている窃盗団や盗賊などがやってくるから、この扉はわざと厳重にしているのです」

 

 勇樹と百合子の解説に、みんなは「へー」と納得する。そしてメカから出た勇樹は扉の前に行くとインターホンを押すと声が響く。

 

『はい、こちら鉄道学園警備員です…そちらは?』

「珍等師学園高等の石川勇樹です」

「同じく暗山伊江」

「中弐小森」

「美樹幹子」

「百合子・ビューティー」

「あ、私たちは転校してきた…西住みほです」

「武部沙織!」

「五十鈴華です」

「私は秋山優花里であります!」

「冷泉麻子…」

「園みどり子よ!」

「角谷杏だよー」

 

 みほたちはそう言うと、インターホンからは『わかりました』と言うと同時に扉から歯車音が響き、扉が自動でで開く。

 

『こちらにどうぞ』

「わかりました、では」

 

 勇樹はそう言いながらモグドンに乗り込む、そして操縦席に座るとエンジンを入れ、前に進み始める。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「薄暗い…眠りそう」

「麻子起きてよ…でも本当に暗いね」

「どうなっているのよ」

 

 眠りそうな麻子を起こす沙織だが、あたりを見渡しながら沙織とみどり子はつぶやくと、伊江が答える。

 

「それなんだが、オレもよく知らないんだ」

「知らないって、どういう意味!?」

「みどり子落ち着け…実はな」

「鉄道を作るに酸素が必要で、酸素を取り入れる専用のダクトがあるんだ」

「ですが、地下鉄や水道管に排水管などと言ったパイプなどを取り付けていました」

 

 伊江と百合子の言葉に優花里は「絡まったひものようなものですか?」と言うと小森は「その通り」と答える。

 

「もともと上には光を地下に届かせる空間があったが、設計ミスでダクトがそこを貫いてしまい」

「光が届か亡くなったてことだよ…これはあくまで仮設の一つ、本当はどういう事かは不明だよ」

 

 幹子がそう言うと、麻子は「真相は謎か」とつぶやいた。すると勇樹は「あ、目的っと」とレバーを動かすとメカは停止した。その場所は。

 

 

 

『廃車類』

 

 

 

「廃車類…?」

「どういう意味?」

 

 華とみほは頭を傾けていると、勇樹は「その名の通り」と言いながらメカから外に出る。

 

「ここは元々、治安が悪い場所でな。事故が起きればすぐに捨てるところ…まぁ墓場みたいなものだ」

「そして、ここはいつか『鉄道界のヨハネスブルク』と言われている」

「ま、それはもう昔で今は一部しかヨハネスブルクはないんだ、ここは廃車扱いとなった電車に飛行機などの乗り物を入れる倉庫だ」

 

 勇樹に続いて百合子と小森はそう言うと、メカから出て扉まで行くと暗証番号を入れて扉を開く用意をしている。

 すると沙織が「でも、そんなことしてもいいの?」と彼らに聞こえる程度で言う。

 

「ん、何がだ?」

「ほら、勝手にごみを持っていったら違反とかになるし…起訴されるわよ」

「確かに! 沙織さんの言う通り! 少しは反省を―」

 

 みどり子も一緒に言うと小森は「あ、それは大丈夫」と答える。

 

「実は違反されるどころか、逆に感謝されてな。巨大メカを作るために必要な部品などは粗大ごみや廃車などから作っているからな」

「そのため、ごみを上げる代わりに新商品のアイデアなどを渡すようにしているんだ」

「それはすごいです! リサイクルの目的であれば納得ですね!」

 

 小森と幹子の言葉に優花里は答えると、勇樹は「ありがと」と言いながらパスワードを入力していく。そして。

 

 

 ガゴンッ… ガガガガガガ……

 

 

 扉が自動で開くと中から部品である鉄屑が落ちていく。そして彼は「結構な量だな」と苦笑いしながらも、カバンから鉄製の掃除機を出していく。そして。

 

「掃除開始ー!!」

 

 電源を入れると同時に勇樹は鉄屑を吸い込み始めて行く、それを見た百合子は「すごい張り切っていますね!」と目を光らせている。

 そして数時間後…、鉄屑を吸い込んで満タンになった掃除機をカバンにしまい、メカに乗り込む。百合子たちも急いでメカに乗り込むとハッチを閉じて操縦席に移動する。

 

「てなわけで、さっそくメカづくり開始だー!!」

 

 勇樹はそう言ってメカを動かし、鉄道学園から出て行き地上へと出るとそのまま屋敷へと発進していく。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 メカを作り始めて数十分後…勇樹が完成したメカは巨大な楽器型のメカで、胴体はティンパニーでキャタピラとなっている軸は太鼓で履帯はフルート型、キャタピラを付けているのはピアノでマフラーがトランペットとホルン。

 砲台がクラリネット型とピッコロ型になっていて、コックピットとなっている顔が音符型になっている。

 

「というわけで、残っている部品を使って出来上がったメカは『楽器タンク』だ。何とか予算内に出来上がった…ふぅ」

 

 勇樹はそう言いながらメカに体を預けると、百合子が「お見事」と答えると、杏が「それでなんだけど」と言いだした。

 

「今回は誰と行くんだい?」

「そうですね…百合子さんたちは…」

「あ、少し用事が。小森ちゃんと幹子ちゃんに伊江ちゃんも」

 

 百合子の言葉に彼は「あ、そう」と言うと、アレンが「私が行こうか」と答える。

 

「操縦なら何とかいける…他には」

「わたくしは行けます、通信は少しですが」

「ボクに任してよ、この穂多瑠ったんならいけるし!」

「うちは射撃がいけるっすよ!」

 

 アレン、京子、穂多瑠、霊華はそう言っていると、勇樹は「すごい準備」と苦笑いする。

 

「あ、それでしたら場所は…イギリスだから聖グロの皆さんと一緒にどう?」

「それはいいですわね、賛成よ」

「わかりました…でしたら」

「バレー部のみんなと…あ、登山部の皆さんと一緒に」

 

 ペコと勇樹はそう言っていると、伊江は「みほはどうする」と言うと、我狼院が「私たちが守っておく」と答える。

 

「恩があるからな、みほは私たちが守っておく。後は」

「わかった、じゃあ我狼院はみほを守っておくとして…あれ、アッサムは?」

 

 勇樹はアッサムがいないことに気づきダージリンに向けて言うと、彼女は「アッサムならもうすぐ来ると思うわ」と答える。

 すると、天井からエレベータがやってきて、パソコンを持ったアッサムがやってきた。

 

「遅れてすみません、少し調べ物がありまして」

「それはいいわ…熱心にしていると気づかないことはあるからね」

「はぁ…?」

 

 ダージリンの言葉に彼女は目を丸くしていると、勇樹は「とにかく」と言いだす。

 

「今はあいつらからの行動によると、イギリスに向かっている可能性がある。そしてこの先には『クリスタル女学院』があることがわかった」

「クリスタル…女学院?」

「あ、今で言うとお嬢様学校なんすよ。宝石のように輝いているからそう言われていたり」

 

 典子の言葉に霊華は答えていると、ダージリンは「学院が狙われているのね」と答える。そして。

 

「では行きましょう、一刻も早く小春田さんたちの計画を止めに」

『『『わかりました!!』』』

「こっちも行くぞー!!」

『『『はい、キャプテン!』』』

「「やるぞー!!」」

 

 みんなはそう言っていると、文が「あ、そうだ」と何か思い出したかのようにみほたちに向けて言いだした。

 

「報告―、戦車だが修復可能範囲でできたのは八九式とチャーチルとクレセイダーとマルチダ、そして九四式の修理完了、M3リーも完了しているよー」

 

 それを聞いたみんなは「え、修理していたの?!」と驚く。

 

「そ、まあ修理していたのは自動車部とメカニック部、そして勇樹だけどね」

「資金は別にして正解だったよ」

「そうそう、戦車の修理は何度もやっているから!」

「機械系は強いよ!」

 

 ナカジマたちはそう言っていると、まほは「器用だな」と答える。アンチョビも「うちにもほしい」とつぶやく。

 そうしていると霊華が出てきて「とにかくっす」とみんなに話をする。

 

「今はその戦車とメカで行くっすよ! 小春田さんたちはみほさんを狙っているっすからきっとこのメカを」

「そうだな…勇樹、ここは私たちに」

 

 まほがそう言うと勇樹は「わかりました」と答えると、ダージリンは「では」と道具を彼に渡す…。

 

「あの、ダージリンさん……これカバンに入れてください」

「あら失礼」

 

 ちゃっかり訂正する勇樹であった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 メカを発進させてから数時間後、勇樹たちは現在イギリスにある霧の都、ロンドンに来ていた。

 

「おおー!! これがロンドンっすか!!」

「きれいですね…」

 

 窓からロンドンの町並みを見ている霊華と京子は目を光らせていると、勇樹は「驚くのは早いよ」と言いながら操縦かんを動かす。

 

「それにしても驚きました…まさか機械で行けたとは」

「私たちは黒薔薇を捕まえるためであれば、世界を超えてもいい…上からの許可も出ている」

 

 ペコの言葉にアレンは答えると、パソコンで何かを知らべていたアッサムは「そうですか?!」と驚くと、穂多留は「そうだね」と言いだす。

 

「黒薔薇は世界を股にかけるほど恐ろしい学園だから、対処できるのはボクたちしかいない」

「警察相手でも軍隊でもどう対応するか不明っす」

 

 穂多留と京子の言葉にアッサムは「驚きました…」と目を丸くしている。すると。

 

『ダージリン様ー!! 大変ですわ! ダイヤモンドの形をした建物が見つかりましたの!!』

 

 通信機からローズヒップの声がしたため、勇樹は「見つけたか」と反応する。

 そして京子は「失礼します」と通信機を手にすると、対応をする。

 

「ローズヒップさん、その建物はもしかして上から見た光景ですか?」

『そうですわね! 上から見れば確かにダイヤに似ていますわ!』

 

 通信機から聞いた勇樹たちは「やっと着いたか」と言うとダージリンたちに向けてこう言った。

 

 

 

「ここが、イギリス・グロスターにある学園、クリスタル女学院だ」

 

 

 そう言ってアレンがスイッチを押すと、例の学園の映像が映し出される。

 その映像には巨大なダイヤモンドの形をした学園が映っていた。



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第54話『クリスタル女学院とアレンの過去』

 勇樹たちは楽器メカをクリスタル女学院の門へと着陸し、勇樹は事情を放しに外に出てインターホンを押し、この学生の代表に話をしに行く。

 

 ピンポーン

 

「すみません、日本の珍等師学園都市から来た石川です」

『イシカワ…ああ、お久しぶりですわね石川さん』

 

 石川がインターホンを鳴らすと、インターホン越しから華麗な女性の声がした。それを聞いた勇樹は「お、お久しぶりでございます」と口を引きつらせながら答える。

 

『それにしても珍しいですわね、あなたがどうしてここに』

「あ、それなんですが。実は」

 

 勇樹はインターホン越しに事情を話しをしている間、典子たちはメカから外の光景を見ていた。

 

「これがお嬢様学校…」

「わたくしたちが通っている聖グロとはけた違いですわね」

「思った以上に大きい…」

 

 それを見て妙子、オレンジペコ、茜は驚くかのように言っていると、葵は「ちょちょっと」と茜を落ち着かせるようにしていく。

 すると典子は何かに気づいたのか「そう言えば」とある事を言いだした。

 

「画面に映っている…この『音検索』を見て気づいたんだけど、なんで馬が?」

 

 典子の言葉にみんなは一斉に上についている画面を見ると、その画面には『にぎやかな声』や『水を灌ぐ音』に『燃やす音』が映っている。

 その中に『馬が移動している音』が映っていたため、みんなは「なんで馬が…」と頭を傾げていた。

 そうしていると、勇樹は「ありがとうございます」と答えてインターホンから離れメカに乗り込むと、操縦席へと座った。すると。

 

 

 

ガガガガガガ……

 

 

 

 扉が自動で開き招き入れるように花の香りとまばゆい光が辺りを照らしていく。

 

「うわっ! まぶしい!!」

「改めてみると…きついかも」

 

 文とアレンはそう言いながら目を細めていると、勇樹はサングラスをすると「行くぞ」とレバーを動かした。

 すると楽器メカは前進し学園の中に入るとと同時に、門は自動で閉じた。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

『クリスタル女学院へようこそ勇樹さん、我が校をご覧くださいませ』

 

 学園内はイギリスの町並みをイメージしているのか、レンガでできた家や喫茶店やレストランに商店街もたくさんあり、向こうには川が流れていた。

 道路にはオムニバスに馬車や電気自動車などが通っており、蒸気や馬を使った移動法がある。

 

「これは驚きましたわ。馬で移動しているならともかく、蒸気と電気で動くのもあるとは…」

「うわぁ、時代が分からなくなりそうだ」

「あ、あれってもしかして本で見たんですけど『キュニョーの砲車』ですね!」

「本当だ…すごい再現!」

「でもあれ、電気で動いている」

 

 聖グロの生徒であるダージリンとルクリリはクリスタル女学院の町並みを見て驚いていると、妙子は初代蒸気自動車である『キュニョーの砲車』を見て言うとあけびも反応するが、忍は冷静に答える。

 それを見た文は「にぎやかだな」と言いながら資料を見ていると霊華は「そうっすね」と答える。

 

「そろそろ着くぞ…あの城のようなのがクリスタル女学院の学校だ」

 

 勇樹はそう言ってレバーを動かして言うと、みんなは「どれどれ」とキャノピーから外の光景を見る。

 そこに映っていたのは、まるでおとぎの国をイメージしているかのようなきれいなお城で、一番高い所にはダイヤモンドの形をした何かが付いていた。

 

「お、大きいですわ…」

 

 それを見たローズヒップは、驚きながら引いていると。霊華は「よっと」と彼女を支える。

 霊華がそうしている間、メカは駐車場と思われる場所に停止すると勇樹たちはティンパニーの胴体から扉が出てきて開くと、そこから階段が出てきて勇樹たちは外に出る。

 

「これが…クリスタル女学院の学校…」

「魔法使いが出てきそうですね」

「魔法って…出ないけどお嬢様としては少し意外なところがあるよ」

 

 茜とオレンジペコはそう言っているのを文は突っ込むを入れる。すると、学校の扉が開くと3人の女性が出てきた。

 1名は金色のショートヘアーをしているが後ろ髪の一部が白色に変色している女性、1名はオレンジ色の三つ編みロングヘアーをした女性、そして茜色のポニーテールをした女性が立っていた。

 

「ごきげんよう皆さん…そしてようこそ」

「初めましてみなさん」

「事情はこの人から聞いていますから、ご安心を」

 

 3名はそう言っていると、みんなは「え、ええ?」と目を丸くしていると勇樹が「紹介します」と言いだす。

 

「彼女たちは『クリスタル女学院騎士・騎兵科』の3年生、ダイヤモンド・ホームズさんです。オレンジ色の方はマリー・クラークさん。そして茜色の方はノエル=ウィリアムズさんです」

「彼女たちは『クリスタル女学院のトリオ・ザ・ナイト』で、各学園の行動を読みを解読するノエル、重いものを持ち上げて相手を驚かすマリー、そして見事な推理力と剣術で相手を貫くホームズだ」

 

 アレンも続けて言うと、ダージリンは「意外と詳しいわね」と言うと彼女は「多少だが通っていたからな」と答えていた。

 するとペコは「あれ、でしたらなぜ日本に…?」と言うとアレンはふと悲しい表情に変わる。そして。

 

 

 

「悲しいことがあって…退学した」

 

 

 

 それを聞いたペコは「え」と驚く、一体何があったのか…。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「勇樹さんに頼んで調べてみましたが、小春田さんは今だ見つかっておりません」

「そうですか…やはりスパイになって」

「入ってきたということになります」

 

 学園内にある通信機器室、そこではホームズとノエルはそう言うと勇樹は推測していたのかそう答える。

 

「しかしどこに行ったのでしょうか…探しているのは何かわかりませんし」

「そうっすね、一体メカは何で 来たか不明っすし」

 

 文と霊華はそう言うと、アッサムも「確かにそうですね」とパソコンを使って調べている。

 

「今だなにを探しているかは私もわかりませんし…プラズマ高校からは『貨物車に乗ってきた』と情報が」

「道具を使って探すしかねえ」

 

 勇樹はそう言いながら道具を出すと、文が「失礼」と入ってきた。

 

「すまないがペコは見ていないか?」

「ペコ…あ、オレンジペコさっすか?」

 

 文の言葉に霊華はオレンジペコを言うと、彼女は「ああ」と答える。

 

「ペコが珍しく履歴室を探しているが…まさか」

「履歴…アレンか」

 

 文の言葉を察したのか勇樹はアレンを想像すると、彼女はあれを調べている可能性が高い。

 

 

 

 彼女がどうして、クリスタル女学院を退学したのか。

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「これにのっていると思いますが…どこに」

 

 一方オレンジペコは、生徒のすべてが乗っている『名簿室』、通称『履歴室』におり。アレンが行っていた言葉に違和感を感じていたのか、隅から隅まで調べている。

 

「ここに乗っていない…でもここにも」

 

 五十音に並んでいる生徒の名簿を探している、シャーロック・アレンは氏名と名前が逆になっているため、『A』を調べればすぐにわかる。

 だが、いくら探しても彼女の名前はない。一体どうしたは不明、オレンジペコはそう思っていた…その時。

 

 

何を調べているんだ?

 

 

 後ろから声がしたため、彼女は振り向くと。アレンが彼女を見下すように立っていた。

 身長の差があるため彼女は「ひっ!!」と驚いていると、アレンはペコが手にしていた名簿を手を持つと本棚に戻していく。

 

「調べたいならそこにあるパソコンを使え、本から探すのは構わないが大変だぞ」

「あ、はい」

 

 アレンはそう言いながらペコに向けて言うと、あまりのクールなそぶりに彼女は顔を赤くしながら答えるが、アレンはクールなそぶりとは真逆に暗い表情をしていた。

 それを見た彼女は「あ、あの」とアレンに質問する。

 

「アレンさん…いったいどうして退学を…私それが」

「……」

 

 ペコの質問に、アレンは黙っているが。アレンは扉を閉めて出れないように鍵をした。

 

「え、ええ? あ、あの…?」

「ペコ、質問をする」

 

 冷たく響く彼女の言葉にペコは「ひっ! な、なんですか?!」と怯える。

 

 

「この話は、お前だけに話す…私のことを知っているのは勇樹と小森だけだ」

「はえ…はい」

「私の悲しい過去…他の生徒に話すのはお前が初めてだ」

 

 アレンはそう言いながら名簿があるところへと行くが、AではなくRであった。

 

「私の名前、シャーロック・アレンは仮の名前…本名を知られたくないために使っている名前だ…」

「仮の…名前?」

 

 アレンの言葉にペコは答えると、彼女は「ああ」と答える。

 話をしている間、名簿をペラペラとめくっていると「あ、あった」とめくるのを止める。そして。

 

 

 

私の本名は、スカーレット。スカーレット・レドウィックスだ

 

 

 

 そう言って彼女はペコに見せたときには、眼帯はしておらず騎士のように鋭い目つきをした彼女が乗っていた。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「失礼します」

 

 ところ変わってここは『通信機器室』、その中に入ってきた生徒にホームズは「どうしたの?」と言うと彼女はこう答えた。

 

「はい、この敷地内にある『クリスタル女学院駅』付近にある線路沿いに不審な汽車がありまして、その車両には『ブリザード・スプリング』という売店が」

「待て待て! それってもしかしてどくろのマークついていないっすか?!」

 

 生徒の報告に霊華は言うと、彼女は「え、そうですが…」と言うと京子は「行きましょう」と答えると同時に立ち上がる。

 

「小春田さんたちがそこで資金を稼いでいる可能性があります。ノエルさんそちらは?」

「はい、調べていますが不審な生徒は」

 

 京子の言葉にノエルは答えるが、画面に映っている生徒に不審な動きはないため眉をひそめている。そんな中、アッサムが「いました」と答える。

 

「生徒に化けていると思いますが、背中にしている工具は完全に隠しきれていませんのですぐにわかりました。

 

 そう言ってパソコンをみんなに見せると、1名の生徒が地面に穴をあけている。それを見たホームズは「あら」と驚きの反応をする。

 

「この地下、確か薔薇が保存している庭では?」

「それだ! もしかして薔薇を探しているんじゃ?!」

 

 文の言葉にアッサムは「あり得ますね…」と言うが、それと同時に「大声を出さないで!」と叱る。それを見た霊華は「なんかローズヒップさんをイメージするっす」と苦笑いする。

 

「それじゃあオレたちと典子さん、ダージリンとペコは電車に。ホームズさんとルクリリとローズヒップは穴を掘る生徒に。そして残りは通信機器室で。いいですか?」

「かまいませんわ、今回は勇樹さんの指示に従いましょう」

 

 ホームズはそう言うと霊華は「わかったっす!」と答える。

 オレンジペコはアレンと履歴室から出てきたのをルクリリが発見し、事情を話して行動に移った。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 その頃…線路沿いにある線路では『ブリザード・スプリング』という売店が開いており、様々な売店を売っていた。

 

「そのフォアグラベントを1つくださいまし」

「わたくしはそのエスカルゴベントを」

「そのキャビアのおにぎりを3つくださいな」

 

 上品に注文していく彼女たちに白山たちは「はいはい」と言いながら弁当などを配っていく。

 

「用意して正解…これいつまで続く?」

「次のメカの予備が溜まるまでっすよ」

「意外ですわね。あれを作るのかと思いましたわ」

 

 愚痴を言う白山に対し塩崎は突っ込むかのように言うと、奈村は驚くかのように言いながらお弁当を配っていく。

 彼女たちの後ろには『予備』と書かれた箱に大量の紙幣が埋まっていた。

 

「だが、もう少しで行けるな」

「ふふふ…そうっすねー」

「そうですわ…あら?」

 

 3名がそう言っていると、奈村は何か発見したのかジト目で外を見ていた。

 すると彼女は顔を青ざめるとスイッチを押してシャッターを閉めていく。

 

「お、おい何するんだ?!」

「まだ資金は溜まっていないっすよ!」

 

 白山と塩崎は文句を言うが、彼女が「彼女たちが来ましたのよ!」と言うと同時にスイッチを押すと警報音が鳴り車両は動き出した。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 その頃、車両外では…。

 

「あ、あれか」

 

 地図を手にした勇樹は例の売店があるのを発見し、ホームズは「行きましょうか」と行こうと歩いていく。すると。

 

 

 ガラガラガラッ! ガシャン!

 

 

「あれ、どうしましたの?」

「いきなり閉店?」

「でもどうして?」

 

 扉がいきなりしまったことに生徒らは驚いていると、車両は逃げるように発進していき勇樹たちから逃げていく。

 

「あ、逃げた!」

「今から追っても間に合う…あ、電話が」

 

 京子はポケットに入れていた電話に出ると、ホームズから連絡が入っていた。

 彼女は「もしもし」と電話に出ると、数秒後「どうしてわかったのですか」とジト目で言ってきた。それを見たみんなは「ダージリンと同じか」と一瞬思われたが、本人は「偶然ですわ」と冷静に答える。

 

「京子さん、スピーカーにしてくれませんか?」

「あ、そうですね…どうぞ」

 

 勇樹の指示に京子は急いでスピーカーにしてみんなに聞こえるようにしている。

 

『お話は京子さんと話をしましたわ。追いかけるならば。ちょうど修理中のメカを使ってくださいまし。写真を送りますわ』

 

 ホームズはそう言いながらみんなにメールを送ると、勇樹たちは「それで行こう!」と一斉に言うと、例のあれがある場所へと走っていく。

 勇樹たちも急いで彼女の後を追いに行くのであった。

 

 



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第55話『スパイ捕獲作戦と袋小路作戦!』

「ここを掘っていけば…」

 

 その頃、小春田の仲間だと思われる生徒は地面に穴を掘っており、地下にある薔薇が保存している庭に向けて掘っていた。

 いつ掘り終えるのか分からないが、これで何かがわかる…そう思っていた、その時。

 

 

もしもしー、少しいいですかー?

 

 

 上から声がしたため何かと上を向くと、茜と葵が穴をのぞき込むかのように見ていた。

 それに続くかのように「茜ちゃん葵ちゃん、何か見つけたの?」とあけびたちの声が聞こえてきた。それを聞いた彼女は「あー」と体から滝のように汗を出して焦ってきた。そして。

 

「……逃げる!」

 

 道具をリュックに入れて穴からジャンプしていき逃げていくと、2人は「うわっ!」と後ろにこける。

 扱けた2人をあけびは「大丈夫?!」と心配していく。

 

「あー! あの人って!」

「小春田さんの! 行こう!」

 

 逃げる姿を見た妙子と忍は、小春田の仲間だと気づき急いで追いかけると、ルクリリたちと合流する。

 

「あ、ルクリリさん!」

「っと、確かバレー部の…どうしてここに?」

「それはこっちが聞きたいです! それよりも生徒が向こうに逃げていきました!」

 

 忍から話を聞いたローズヒップは「わたくしが追いかけますわー!!」と目には見えない速さで走っていった。

 

「あれ、ルクリリさん叱りませんか?」

「普段は叱るが…この場合は別だ」

 

 いつもは怒るルクリリに妙子は質問すると、彼女はジト目で答えたため忍は「あ、それで」と納得した。

 それを見たホームズは「ではわたくしたちはこちらに」とマップを出すと、そこには先ほど逃げていた生徒とそれを追いかけるローズヒップが防犯カメラに写っていた。

 

「これって! もしかして!!」

「見た目は古くても技術の進歩を甘く見てはいけませんわ、ウィリアムズがあらかじめ用意した『認証式・防犯カメラ』ですわ」

 

 驚く妙子にホームズは冷静に解説していると、ルクリリは「こっちと似ているところがあるな」と冷や汗をかきながらジト目で画面を見ている。

 

「今回はスパイの認証は出来ませんでしたが、追いかけているローズヒップさんの画像は認証できていますのでそこから逆算すれば」

「あ、そうか! どこに逃げているか分かるってことなんだね!」

 

 ホームズの言葉に忍は何かに気づいたのかそう言うと「正解」とホームズは答える。

 

「この先ですと…あら、テムズ川風河原ですね」

「よし! そこに行くぞ!」

 

 ルクリリはそう言うとホームズは「賛成」と言うと妙子と忍も「わかった!」と言い、急いで追いかけていく。なお、あけびと登山部には妙子が「テムズ川風河原に集合!」とメールをしておいた。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 その頃勇樹たちは、ホームズのメールにより急いで例のメカがある車庫へと行き中に入ると、そこにあったのは……。

 

「これで時速100キロ以上出す電気機関車!?」

 

 目の前にあったのは、黒く光る漆黒の蒸気機関車風のメカで、石炭を積む専用のトロッコが付いていない。

 

「蒸気は出ないのはいいけど…勇樹さん、楽器型のメカは?!」

「今呼んだけど…方向音痴なため遷都を探すのが大変なんだ」

 

 典子の言葉に勇樹は答えるが、それを聞いた文は「あ、そう言えば方位磁石積んでいたな」と思い出したかのように呟く。

 

「ま、幸いあいつらが今逃げているのは線路沿いだからすぐにわかるが…これ大丈夫か?」

 

 勇樹はそう言いながらメカを見て言うと、今度はアレンから電話が鳴ってきた。

 

「む、何だ…おや、ウィリアムズから。珍しいな」

 

 アレンはそう言いながら電話に出ると同時に、スピーカーモードにしてみんなに聞こえるようにした。

 

『失礼します、皆さん今漆黒の電気機関車型メカ『J・ロコモーション』にいますか?』

「え、今すけど?」

『すみません、どうやらホームズが送ったメールは今修理中のでして。本当のメールは別の人に送ってしまいまして』

 

 ウィリアムズの話を聞いた勇樹たちは「あ、それでか」と納得した、あのホームズがなぜミスをしたのかは意外だからだ。

 

『今からメールを送りなおしますので、皆さんはそちらに移動―』

「いや、大丈夫だ」

 

 ウィリアムズの言葉を遮るように、勇樹はそう言いながら道具を出していく。

 それを聞いた典子は「え、どういうこと?」と目を丸くしていると、それを見た霊華は「お、ついに来たっすね」tぽ目を光らせる。

 

「あの、勇樹さんは何を?」

「ペコさん、実は勇樹さんはこう見えてメカを作る以外に修正をすることが出来るのです」

「だから、彼の腕前は企業や工事現場にリサイクル店にとって『博士』と言えるほど強力な人っすよ」

 

 ペコの言葉に京子と霊華は答えると、ダージリンは「有能の人なのね」と答える。

 そうしている間に勇樹はメカを修理していき、装甲は新しい鉄のようにきれいになっている。

 

「わぁ! 短時間で装甲が!」

「これくらい簡単っすよ! 後何分か待てば…」

 

 驚く典子に霊華は冷静に言っていると。装甲はすべて輝き煙突から蒸気が出て7本のアンテナが出てきて虹色に輝き始めた。

 

「なんて言っていると、新たに出来上がった電気機関車型メカ『レインボー・ロコモーション』の完成!」

 

 勇樹はそう言って工具をしまうと、霊華は「おおおっ!」と目を輝かせている。

 

「もう完成した?! 漆黒ではなく緑色の装甲…ペンキも用意しているのですか!?」

「時間がないから急ぐぞ。よいしょ」

 

 驚くペコは勇樹に質問するが、アレンがペコと典子を持ち上げるとそのままメカに乗り込ませる。京子もダージリンと一緒に乗り込むと文たちも急いでメカに乗り込んで操縦席に移動する。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 ポッポー!

 

 小春田たちは、売店型蒸気機関車メカ『売店ロコモーション』で勇樹達から逃げている。

 

「なんであいつらがここにいるんだ?!」

「わたくしが言いたいですわ! 小春田様!!」

 

 白山は操縦かんを動かしながら言っていると、奈村は操縦かんらしきレバーを動かしながら小春田に向けて言うと、彼女は焦っているのか顔を青ざめながら画面を見ていた。

 

「予想外ですわね…奈村、急いで攻撃の用意してくださいまし!」

「はい!」

「白山はそのまま操縦を、塩崎は砲弾を持ってきて砲台に装填を!」

 

 小春田は2人に向けて言うと、白山と塩崎は「はい! ただいま!」と準備をしていく。

 

「この前のようにはさせませんわ…石川勇樹!!」

 

 小春田はそう言いながら、操縦機についている画面を睨みつけている。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 ポー!

 

 売店ロコモーションの後ろから走っていくかのようにレインボー・ロコモーションが走っている。

 

「すごい速度! 蒸気とは比べ物にならないっす!」

「電気ですからそんなに排気ガスは出ませんし、熱さとかは感じませんね」

 

 メカの速度に驚く霊華にペコは冷静に答えていると、文が「それと同時だが、朗報だ」と画面を見て言う。

 

「あの文さん! 朗報とは?」

「メカだ、楽器タンクがやってきたぞ」

 

 典子の言葉に文は答えながら外を見ると、非常に速い速度で楽器タンクがやってきた。

 

「はやっ! いつの間に来たんすか?!」

「方向音痴が少し治っただろ。それより勇樹、どうやってメカを」

 

 霊華は驚いているがそれとは反対に文は冷静に勇樹に向けて言うと、彼は「簡単だ」とカバンからリモコンを出してアレンに渡す。

 

「アレン、操縦は出来るか?」

「メカか…操縦は出来るぞ」

 

 アレンの回答に勇樹は「なるほど」と言うと今度はペコとダージリンに「ペコさんとダージリンさんはアレンさんと一緒に行ってくれませんか」と言う。

 

「え、私は構いませんが。ダージリン様は」

「わたくしは大丈夫ですわ」

「わかりました、アレン」

 

 勇樹はアレンに向けて言うと、彼女は「わかった」と言うと背中についている4本の蜘蛛上の足が動き、右手にはダージリン左手はオレンジペコをつかむとそのまま外に出て隣にある楽器タンクに乗り移って操縦席に乗り込む。

 それを確認した彼は「よかった」と言いながらスイッチを押すと、画面には『準備完了です』と文字が映りだす。そして。

 

「それじゃあ、行動開始だ!」

 

 勇樹はそう言うと、京子たちは「わかりました!」と答える。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「あわわわわわわっ!!」

 

 生徒は急いであけびたちから逃げていくが、後から「逃がしませんわよー!!」と勢いよく走っているローズヒップにおびえながら逃げている。

 体格は同じなのになぜ追いついていけるのか…彼女はそう思いながら急いでテムズ川風河原に着くが。

 

 

「「そーれっ!!」」

 

 

 目の前に巨大な網が現れて彼女は「わわっ!」とつかまってしまい、そのまま恵方巻のように包んでいった。

 

「な、なんですか!? 一体何が!?」

「もうつかまっているんだよ。な?」

 

 ルクリリは絡まった生徒に向けて言いながらあけびたちに言うと、彼女は「もちろんです!」と答える。

 

「クリスタル女学院に来たことを考えて、バレーをしたい人がいるか用意したけど。ここで役に立つとは」

「本来は違う使い方だけどね」

「そうですわね」

 

 妙子、忍、ホームズはそう言っていると。生徒は「そんなのありー?!」と慌てている。

 そしてローズヒップが「これでどうですの!?」とひもを出して逃げないように前と後にできた空間にひもを締める。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 ドガアアアア! ドガドガアアアア!!

 

「もう少し左に…ペコ、装填は?」

「できました。それでは」

 

 アレンは画面に映っている標準に集中し、ペコに装填は出来たか言うと彼女は完了したと答える。

 そしてアレンは「発射!」と同時にレバーを引くと、ホルン型の砲台から音符型の砲弾が出てきて、売店ロコモーションに当たるが、装甲がはがれてどこかへと消えていく。

 

「剥がれた程度か…ダージリン、勇樹からは?」

「今勇樹さんが『そのまま攻撃してくれ、あとはあそこを』と」

 

 ダージリンは画面を使ってアレンに見せると、彼女は「おお、なかなかいい方法だな」と答え、速度をさらに上げていく。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「ありがとうございますダージリンさん、無理なことを言って」

『いえ、それよりもあなた方は』

 

 ダージリンの言葉に勇樹は「大丈夫」と後ろを向くと、文と霊華が鉄球を後ろに持っていってる。

 

「あと少しで行ける。幸いそっちには『エネルギー砲弾』をたくさん用意したから」

『わかりましたわ、では』

 

 ダージリンはそう言うと同時に通信機を切ると、京子が「そのまま行けますか?」と言うと彼は「もちろん」と言いながらレバーを握る。そして。

 

「石川流…『袋小路』開始だ!」

 

 そのまま前に動かして速度を上げていく。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「なっ! 速度を上げている、急いで逃げるぞ!!」

 

 岡本信子は画面を見て2台のメカが追っていることに驚き、小春田に知らせると。彼女は「わかりましたわ!」と答える。

 

「池本、急いで速度を上げていきなさい! 白山は攻撃を中止し急いでエンジンのレベルを3から5に!」

「わかったよー!」

「今やる!」

 

 小春田の指示に池本と白山は急いでレベルを上げてメカの速度を上げていく。

 

「この先はテムズ川風河原の橋…そこを渡れば!」

「わかりましたわ! 急いで速度を!!」

 

 白山の報告に小春田は答え、彼女は池本に「速度を上昇!」と指示を出していく。

 すると、楽器タンクはそのまま速度を落としていきホルン型の砲台が別の方向へと向けて行く。

 

「何をするんだ…確かこの先は」

 

 それを見た白山は『クリスタル女学院敷地内』のマップを見て確認していると、彼女は「げっ!」と何かに気づき、急いで小春田に知らせる。

 

「小春田! 急いで池本に停止指令を!!」

「白山、どうしたんですの? あなたが珍しく焦っていますわね」

 

 焦る白山に彼女は頭を傾げた…その時。

 

 

 

ガガガガガガ……

 

 

 突然売店ロコモーションは突然前に傾き、小春田は「え…」と画面を見た。そこに映っていたのは。

 

 

 川に飛び込もうとしていた。そして

 

 

 

 ドボンッ……ドガアアアア!!!

 

 

 

 川に入って数秒後、メカは大爆発するのであった。

 

 

『『『やっぱりこうなりますかああああ?!』』』

 

 そのまま大爆発し、どこかへと飛んでいったのであった。

 ちなみにレインボー・ロコモーションは、川に入ってしまう前に霊華と文が後ろに放り出した鎖付きの鉄球を投げたため、メカは何とか川に入ることが出来なかった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「それで…そのスパイは?」

『はい、今瞳さんが調べていますので時間はそんなにかかりませんが』

 

 日本に帰って数日後、小春田の仲間であるスパイを捕まえ、電話からホームズの報告を聞いた勇樹は「そうですか」と答える。

 

「あまり圧力をかけないでほしいです、いくら生徒とは言え」

『ええ、一応他の生徒には話しておきますから…そして、アレンの秘密が』

「やはり…彼女はあまり他の人に話したくないので」

 

 勇樹はそう言うと、彼女は『わかっております、出来る限り他の人に話さないようにします。では』と答えると同時に電話が切れる。

 

「ふぅ…まさかアレンの秘密が知られるとは…不覚だ」

 

 勇樹はそう言いながら椅子に座ると同時に、ため息をするのであった。

 



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第56話『資金事情とイタリア』

「なあ勇樹、質問してもいいか?」

 

 戦車の修理中、アンチョビの言葉に勇樹は「え、なに?」と反応する。

 アンチョビはアンツィオ高校の隊長として活躍しており、隊長とは言えども戦車の管理をするのも怠ってはいけない。

 そんな中、勇樹のメカを見て彼女は疑問を抱き、彼に質問した。

 

「お前はいつも立派なメカを作っているが…資金とかはどこから出ているんだ?」

 

 そう、アンチョビの言う通り彼はどこから資金が出ているか不思議だ。

 いくら粗大ごみなどから来たとはいえども、その量はいくら何でも多すぎ。先ほどの『海鮮兜タンク』だけでも軽く億は超えている。

 アンチョビはそう思いながら彼に向けて言うと、勇樹は突然動きが固まると「う」と顔を青ざめる。

 

「お、おいまさか…危ない仕事でもして―」

「してないしてない! それ決してしておりませぬ!!」

 

 心配する彼女の言葉に勇樹は焦りながら言葉を遮りながら修理をし、追えると同時に工具箱に入れてその場から去る。

 

「お、おい話はがまだ!」

「オレは少し用事が出来ましたんでいったん退散しますです! ではマター!」

 

 片言に言いながら彼は倉庫から出るのを見たアンチョビは「一体何が」と心配そうに見ていた。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「それで、ホームズさんからの情報は?」

「ああ、それだが今話しているが黙秘状態だから簡単には」

「あらら…話せませんか」

 

 百合子はアレンにホームズからの話は何か聞いてみたが、黙秘状態だと答えると彼女は苦笑いで答える。

 スパイは現在、クリスタル女学院で1名だけしかつかまっていないが。小春田の仲間であることは分かった。だがそれ以外の情報はまだ分からない。

 

「だが、今ホームズから聞いたが『黒薔薇の生徒手帳がありましたわ』と返答が来た」

「やっぱり、あ、警察に」

 

 百合子の言葉にアレンは「わかった、今するからな」と電話を出して電話をする。

 

「私は今から京子と一緒に警視庁に行く、2日ぐらい空くかもしれないから真莉愛さんに」

「はい、では」

 

 百合子はそう言いながら困った表情をすると、アレンは「では」と歩くと同時に電話を耳に当てる。そして「はい、シャーロック・アレンです」と言ってきた。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「はぁ…何とかまけたが、これ以上あの隊長に知られたら…」

 

 勇樹はアンチョビの質問に逃れたことに安心し、後を見ながら歩いていた。すると。

 

 

 ピリリリリ…ピリリリリ…

 

 

「電話? いったい誰から」

 

 電話の着信音がしたため彼は出てみると、画面には『カルパッチョ』と表示されていた。

 あの貴ちゃん基カエサルの友人が自分にしてくるのは意外だ、と彼は思いながら電話に出てみる。

 

「はいもしも―」

 

 

 

 

ゆーきさーん! ひどいですよもー!! たかちゃんと一緒にお菓子買いに行っけど、中身が空っぽなのー!

 

 

 

 

 突然のカエサルの大声と鳴き声に彼は「うわっ!!」と驚くと、電話の向こうから『ひなちゃん、落ち着いて!』とカエサルの声がした。

 

「ととと…何があったんだそれにしても」

『どうもこうもないわよ! 駄菓子屋があったからたかちゃんと一緒に行ったんだけど、懐かしくておいしそうなのがあったから二人で袋詰めのを買ったんだけど、中身は綿菓子しかないよもー!!』

「あはははは…ドンマイ」

 

 カルパッチョの言葉を聞いた彼は「騙されたのか」と苦笑いで答える。

 

『ひなちゃん、ごめんね借りるよ…カエサルだ、話は聞いたか?』

「あ、うん…もしかしてあの?」

『小春田だ、今近くの喫茶店から見ているが閉店してから変化は…店が壊れて何かが現れた!』

 

 カエサルの言葉に勇樹は「なに?!」と反応すると、「勇樹!」と伊江がやってきた。

 

「今生中継のニュースで『駄菓子屋が壊れて巨大な香水型のロケットが出てきました!』と!」

「ああ、今カエサルから情報が」

 

 伊江の言葉を聞いて勇樹は答えると、彼女は「大至急だが、急いでメカを!」と言うと彼は「わかった!」と急いで走っていく。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「なんて言いながら高速で作った結、カジノはイタリアから来た言葉だと分かり、そこから考案したルーレットロケットメカ『ロケットスロットメカ』で行くぞ!」

 

 勇樹はそう言って後ろを振り向くと、胴体はスロット台で頭にはルーレット、右手はサイコロで左手はトランプケースが付いている巨大メカが佇んでいた。

 

「ねえお兄ちゃん、なんでイタリアにしたの?」

「実は文から『情報機から、あいつらの行先はイタリアに行ったぞ』と聞いたからな…メカの説明も短縮したけどいいのか?」

 

 勇樹はそう言いながらカエサルに言うと、彼女は「ああ」と答える。

 

「今回は私たちカバさんチームと祝井さん率いる金魚さんチーム、そして」

「我らドゥーチェ・アンチョビ率いるアンツィオ高校と一緒に行くぞ!!」

 

 アンチョビはそう言うと同時に、後にいた生徒らは「おー!」と声を出していた。いつの間にかCV33とセモヴェンテに乗っていたが。

 

「ま、知っていたけどね…それじゃあ!」

「急いで乗せるぞー!!」

 

 勇樹とアンチョビはそう言うと、それを見た奈々は「わたくしも」と言いだした。

 

「今回はわたくしが行きます、アンチョビさんたちの料理おいしいですしね」

「お供として私も」

「ふくねも行くよ! 久しぶりのイタリアだー!」

「今回は、主婦代表として私も行きますよ?」

 

 奈々に続いて天女、福音、真莉愛はそう言うと、勇樹は「あ、はい」と体を落としながらメカに乗っていく。

 

「あ、そうですわ。カバさんと金魚さんの戦車は乗せておきましたのでご安心を、今はアンツィオ高校の皆さんのを乗せていますわ」

 

 奈々はそう言いながらメカに乗り込むと、カエサルたちと祝井たちは「行くぞー!」とメカに乗り込む。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 メカを発射して数時間後…勇樹たちは現在イタリア上空にいる。

 

「コンピューターはどうやらここに刺しているって言うが…」

「何もないっすね」

 

 ペパロニの言う通り、画面を見て言うが目的地である場所を指していたが、外は何もない。

 

「おかしいっすねぇ、場所は『ナポリ・クッキング大学付属高校』があるはずなんすが…どこに」

「資料を見たが、どうやらここにあると書いている…どういうことだ?」

 

 左衛門佐も『クッキング大学』の資料を見て言うが、福音は「左衛門佐ちゃん、あたり前だと思うよ」とジト目で見る。

 

「ナポリはね、確か海岸線沿いにあって…あ、あそこだよ!」

 

 福音はそう言って、ペンでイタリアのナポリの沖に描くと、みんなは「え、沖にある?!」と驚く。

 

「お、おい福音! まさか学園もそこに?!」

「すげえっ! だとしたらお金持ちか?!」

「いや、それだとしたら、アタシたちよりすごい都市があるかも!」

 

 アンチョビが驚くかのように言うと、他の生徒も一斉に言いだしにぎやかになっていく。が。

 

 

あなたたち…少し黙りませんか?

 

 

 黒いオーラを放つ天女にみんなは「あ…すみません」と大人しくしていく。それを見た勇樹は「天女さん」と苦笑いする。

 

「ま、何がともあれ。急いでいくぞ」

「そうですね、小春田さんたちに咲きこされると危険です」

 

 勇樹と奈々はそう言いながらレバーを動かすと、ロケットスロットメカは沖に向けて発進していく。

 そして数分後…ナポリ沖ににぎやかな街並みと多くのゴンドラが並んでいる島を見つけた。

 

「これって、学園?」

「しかし、なんで沖合に?」

「驚いた。まさかそこにあるとは」

 

 学園を見て左衛門佐、エルヴィン、カエサルは驚いていると、奈々は「これがクッキング大学付属高校の特徴です」と答える。

 

「イタリアにあるヴェネチアにちなんで、学園も会場学園都市。この都市は沖に作ったもので、動かないように杭をしています」

 

 奈々はそう言うとみんなは「なるほど」と納得し、カエサルは「まさかヴェネチアから考案したとは」と感心している。

 

「奈々さんの言う通りだ、しかし問題発生だ」

「ん、何がた問題発生ぜよ?」

「着陸方法だ」

 

 問題発生という言葉におりょうは質問すると、勇樹は冷静に解説していく。

 

「ここは海上にある、船型ならともかくこのメカはロケット。どうやって着陸するか悩みが発生した」

「確かに」

「うーん…分解して落ちるのは?」

「それでしたらわたくしたちがまず海に落ちてしまいますわ」

 

 勇樹の言葉に左衛門佐は納得しペパロニは案を出すが、奈々はジト目でペパロニに近づいていったため、彼女は「え、そうっすか?」と目を丸くしたため、奈々はフライパンを出して彼女の頭をたたく。

 

 ガァンッ!!

 

「いったぁ! 何するんすか?!」

「今のはペパロニさんが悪いです」

「それは私も同じだ、少しは頭でモノを考えろペパロニ」

 

 頭を抑えるペパロニに奈々は正論を言うと、アンチョビはどうするかのように答える。

 

「勇樹、何か砲帆はないっすかー?」

「そうだねー、何かある―?」

「わたくしも知りたいです!」

 

 アマレットと日向、天野川は勇樹に向けて言うと彼は「無いとは言い切れないけど…」と言いながらあたりを見渡していると、何かを見つけたのか「ん?」と凝視する。

 

「あれは…着陸できるかも」

 

 勇樹の言葉にアンチョビは「なんだと、どこだ?!」と反応すると、彼は「あそこを」とキャノピーの外に指をさした。

 みんなは何だろうと思い見てみると、ヘリポートのマークがついていた。

 

「…まさか、そこに?」

「その通り、ま。これくらい簡単だ」

 

 祝井の言葉に勇樹は答え、レバーを動かすとメカは降下していき、ヘリポートへと着陸する。その瞬間。

 

 パンッ! パパンパンッ!! 

 

 

 突然クラッカー音が響くと同時に多くの生徒がやってきて歓迎をしている。

 

「こ、これは一体!!」

「祝い事か? だがなんの…」

「始めてくるが…どうしたんだ?」

 

 突然の光景にアンチョビと祝井、カエサルはそれ見て驚いていると、勇樹は「いや、これはきっと―」と言いかけた…その時。

 

 

 

ようこそクッキング大学付属高校へ! 私たちはお前たちが来たことを歓迎する!!

 

 

 

 突然声がしたためみんなは外を一斉に見ると、巨大スピーカーを手にした緑色のワンレンボブの少女が目の前に立っていた。それを見た福音は「あー!」と驚くかのように反応する。

 

「おい福音、こいつ誰か知っているのか?!」

「知っているも何も…ふくねのお友達だよ」

 

 

『『『『『え?!』』』』』

 

 

 福音の言葉に、みんなは驚く。一体何の関係があるのか不明だ。



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第57話『クッキング大学付属高校の大作戦!』

よく来た勇樹! 私は我がクッキング大学付属高校の隊長、伊織=バロッタだ!

 

 緑色のワンレンボブの少女、伊織はそう言いながら勇樹に向けて言うと彼は「あ、そうですね」と苦手な表情で接してきた。

 

「なぁ、あれは何すか?」

「伊織さん、勇樹さんと浸しいような気がしますけど…?」

 

 勇樹と伊織の光景を見て、ペパロニと日向は奈々に向けて言うと彼女は「実は」とある話をする。

 

「勇樹さんと伊織さんは同じ資金稼ぎをしている変わった人で、彼女は誇らしげに勇樹さんの子と褒めていますが勇樹さんは」

 

 奈々の言葉にペパロニは「あー、確かにそうっすね」と何かを理解したのか頭を上下に動かす。そして奈々は「それに、勇樹さんより福音さんの方が」と言いかけた、その時。

 

「やっほー伊織ちゃん! 久しぶりだね!」

「おおっ! 福音じゃないか、久しぶりだな!」

 

 福音の返事に気づいた彼女は、福音と握手するとそのまま話をしていく。

 

「ねえねえ、お料理はどうかな? 最近おいしいのが多いし!」

「おおっ、それは嬉しいぞ! 我がクッキング大学付属高校はこう見えて腕は自信があるから最近は料理店とのコラボは決まっているぞ!」

「わぁー! おいしそうだね!」

 

 福音と伊織の話は徐々ににぎやかになっていき、それを見たみんなは目が点になっていった。

 

「あれってまさか…仲良しなのか?」

「はい、伊織様と福音さんは料理友達があり中学生の時にとある大会で知り合ったのです」

 

 茫然として2人の光景を見ているアンチョビに天女の華麗に説明すると、みんなは「あー、それで華」と納得する。

 カルパッチョは「私と貴ちゃんと同じね」と言うとカエサルは「ひなちゃん?!」と慌てる反応をする。

 すると伊織は何か思い出したのか「そうだ福音、失礼する」と彼女から離れて勇樹のところへと行く。

 

「勇樹、霊の情報は一応伝わった。パソコンとかないからネットカフェのを使ったが、生徒から情報は」

「無いのか…ってネットカフェのパソコン使ったのか?」

「そっちの方が安いし朝食だけとれるしな、ホテルとかは高いし嫌だからな」

「おいおい、もしかして生徒全員分」

「そこまで資金はないから私だけだ! あとは実家とかで暮らしている」

「全く…他の生徒の親などがこの学園内にあるだけでも安心するよ」

 

 勇樹と伊織の言葉にみんなは「資金の話か」とアンツィオの生徒らはジト目で見ている。すると祝井が。

 

「なぁ、あいつらでおもいだしたが…あの船逃げているんじゃねえのか?」

 

 祝井はそう言って右に指を指したためみんなは見ると、そこには巨大な香水型のメカが四角い竈門型のメカと多くの野菜型のメカから逃げていた。

 

「……なあカエサル、確かお前が見たのは」

「こ、香水の姿をしていた…」

 

 エルヴィンの質問にカエサルは汗をかきながら答えると、勇樹は「あ、そう言えば」と彼も思いだしたかのように呟く。すると。

 

 

全員集合! 直ちにあの香水を追えー!!

 

 

 伊織は懐から剣を出して叫ぶと、他の生徒は「おおー!!」と叫び声がすると同時に武器を手にし、先ほどの竈門型のメカと野菜型のメカに乗り込むと、そのまま後を追いかけていく。

 

「おい伊織、何があったんだ?!」

「どうもこうもない! カーナからの報告で『店の商品を偽って売っている人がいました』と報告があった! これは我がクッキング大学付属高校を侮辱していることだ!!」

 

 勇樹の言葉に伊織は睨みつけながら怒るように答えると、アンチョビも「確かに!」と答える。

 

「伊織の言う通りだ! 私たちが苦労したのを偽るのは言語道断だ!」

「そうだ! お前も同じことをしているのか?」

「ああ、我がアンツィオは豆戦車だけしかないが、コツコツとお店を出したりした結果、ついに重戦車を!」

「すごいな! 私たちはわずかに残った資金を、バイトなどで稼いでお金を集めていき、ついに本格巨大メカを完成させたんだ!」

 

 アンチョビと伊織の熱い話にみんなは「事情があるもんだな」と思いながら見ている。そして。

 

「よーし! 我々も急いで戦車で行くぞー!!」

「こっちもだ! ひな…じゃなくて、カルパッチョの仇をとりに!」

「オレたちもだ! 祭りと喧嘩は火事の始まりだからな!!」

 

 アンチョビ、カエサル、祭梨はそう言うとみんなは『『『『おおーーー!!!』』』』と答えてメカに乗り込む。すると。

 

 

いや、今回は戦車で行くぞ

 

 

 勇樹が冷静に言うとみんなは「え」と停止し勇樹を見つめる。

 

「あの、勇樹さん。戦車を使用したいのはやまやまですが…」

「ここは水上、海水だ。戦車を浮かばせるとしたら」

「専用の浮きが必要だよー!」

 

 カルパッチョとエルヴィン、七日はそう言うと勇樹は「そう来ると思って」と彼はカバンからあるものを出した…それは。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「やばいやばい! まだ店を出して1時間もたっていないのに何でこいつらに?!」

 

 その頃小春田たちは、香水型メカ『アロマ―ル号』に乗って逃げていた。

 白山は操縦機を動かしながら焦っており、後からは野菜がたくさん追いかけていた。

 

「小春田! このままだといつかは捕まえて―」

「あ、小春田さんは珍しく風邪をひいたんで今は日本にいるっすよー」

「…あ、忘れていた。しかしこのままだと私たちが捕まってしまう」

 

 磯崎の言葉に白山は操縦に集中し、逃げていると。一人の生徒が上からやってきた。

 

「白山さん! 後ろから例の大洗が!」

「大洗…ふっ、大丈夫だ。相手はメカで来ていると推測しているからこのメカから逃げればいい」

 

 生徒の言葉に彼女はにやけながら操縦機を動かすと、速度は徐々に増し逃げていく…が。

 

 

いえ…大洗はメカで来ていますが…巨大メカではなく所持している戦車できています。アンツィオも

 

 

 それを聞いた彼女は「なに!?」と新ためて驚くのであった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「うっひょー! 早いっすねー!!」

「これは、船に乗るよりすごい!」

「涼しいわね」

 

 大洗とアンツィオは、CV33とセモヴェンとP40、Ⅲ突とティーガーG型が水上を滑るように走っていた。

 なぜそれが出来るのか…理由は簡単。実は。

 

『表面張力を利用して作った『跳ね返りスプレー』をしておけば、水上でも陸のように歩行が可能なんだ』

 

 勇樹があらかじめ、水玉模様のスプレーを戦車に吹き付けておいたため水上でも陸のようにスムーズに移動が出来る。

 そのため、重戦車のP40とⅢ突にティーガーG型でも軽々と移動が出来る。

 

「みんな、これは勇樹と福音の友人である伊織の母校、クッキング大学付属高校と言う学校を侮辱した敵だ! 小春田はきっとみほを襲うこと以外にこのがくえんをほうかいしにきたのだろう!!」

「これは歴史事情最大の憤りだ! 我らも許すことではない!」

「祭を止めるは行事を中止する…それに匹敵するほど罪が深いぞ!」

 

 3名はそう言うと戦車を加速し、香水メカの左右にティーガーとP40が配置にすると、アンチョビは叫ぶ。

 

 

ラッシャロダ・ソール!!

 

 

 ドガアアアア! ドガアアアア!!

 

 砲台から砲弾は放たれて、メカの胴体に当たるとひびが入ってきた。

 

「どんどん打て! 壊れるまで撃てええっ!!」

 

 アンチョビの指示に砲弾は放たれていき、メカにひびが入っていく。

 そして、メカの前方にCV33が出てきて向きを変えて装甲し、ペパロニが出てくるとこう叫ぶ。

 

スパーラ!!

 

 

 ドドドドドドドドド!!!

 

 

 ペパロニの指示に機銃から弾丸が放たれてメカに当たると、ひびは徐々に入っていき。装甲の一部がはがれていく。

 

『なっ! 小癪な小娘ども!!』

 

 すると胴体の一部がはがれると砲台が出来て、CV33に向けて放つが、豆戦車であるCV33はそれを華麗によけて攻撃を続けていく。

 そうしている間に、後からセモヴェンテとⅢ突が近づいていき、そして。

 

撃てえええっ!!

 

 

 ドガドガアアアア!! 

 

 

 2つの砲台から砲弾が放たれていき、部品が壊れていく。その影響で噴出のパイプがはがれていく。

 

「ペパロニ、もう少ししたら離れるんだ!!」

「うっす姐さん!!」

 

 アンチョビの指示にペパロニは答えると同時にCV33に乗り込むとそのまま後ろへと移動しながら攻撃をしていく。

 

「勇樹! 本当にこれでいいのか?!」

『大丈夫! 今カーナからもらった地図を見ながら支持している!』

 

 アンチョビは勇樹に質問すると彼は答えると同時に、電話越しから『この先で大丈夫ですよー?』と女性の声がした。カーナだろうか?

 

「よし、それだったらもうすぐしたらでいいか?」

『ああ、もう少ししてからだ…もう少し』

 

 勇樹はそう言っているとメカは徐々にCV33に近づいていき、胴体からハンドが出てきてつかもうとした…瞬間!

 

 

『いまだ!』

「離れろおおおっ!!」

 

 

 勇樹とアンチョビの指示に、CV33とⅢ突、ティーガーとセモヴェンテ、そしてP40は一斉に停止すると『アロマ―ル号』はそのまま前に進んでいったその時。

 

 

「今だ、みんな引けええええ!!!」

 

 

 

ガラララララララ!!!

 

 

 突然目の前にカーテンが出てきたと思いきや、無数の槍が付いておりメカは急いで停止しようとするが、スピードの出しすぎた女停止することが出来ない。そして。

 

 

 グサササササ

 

 

 メカに大量の槍が突き刺さり、メカ内部に槍が入り込みエンジンやコンピューターに電子機器などに突き刺さっている。

 そして伊織は「急いで逃げろおお!」と叫ぶとみんなは急いでその場で離れた…その時。

 

 

 

 ドガアアアア!! ドガドガアアアア!!

 

 

 また大爆発するんどえあった、いつも思うが小春田たちはなんでメカ爆発しやすいのか不明だ。

 

「ここで思ったが…あいつら結構すごい爆発だな」

「ん、そうか?」

 

 伊織の素朴な疑問に勇樹は頭を傾げながら答えるのであった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「お、そうだ。伊織質問してもいいか?」

「ん、何だ?」

 

 アンチョビは何か思い出したのか彼女に質問すると、アンチョビは「実は」と例の薔薇の話をした…が。

 

 

「薔薇を飼育するぐらいなら、まずは土地が必要だ」

 

 

 素朴な答えに彼女は「あ…そうでしたね」と答える。すると真莉愛が「そうだわ」とある事を思いつく。

 

「今夜はイタリア料理にしましょうか! アンツィオの皆さんと一緒に」

 

 真莉愛の言葉に伊織は「おお、それだったらこの調味料を」と言いながら調味料の瓶を真莉愛に渡す。

 勇樹は「イタリア料理か…いいね」と口からよだれを出す。だが。

 

 

「しかし、島田愛里寿は確かいtアリア料理が苦ってじゃないっすか?」

 

 ペパロニの言葉にアンチョビは「あ、確かにそうだなぁ」と頭を抱えて悩む…が。

 

「それでしたら、あれがありますよ」

 

 真莉愛は微笑みながらあるものを出した。それは…。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「さあ、今夜は我がアンツィオ高校の特性イタリア料理! 今回は天女が提案した新しい料理もあるから食べてくれ!」

 

 そして今夜、屋敷ではアンチョビ率いるアンツィオ高校がイタリア料理を作ってくれた。今夜の夜ご飯はアンツィオ高校特製の料理をいただくことなった。

 

「うわー! おいしそう!」

「チーズを使わない料理、おいしそうですね」

「オリーブの代わりにごま油、それで和風になっているんですね」

「ん、このピザの生地はは餅か、驚いたな」

 

 桂里奈、華、ペコ、ナオミは料理を見て言うと、天女は「安心しました」と答える。そして、中でも料理を見て驚いたのは。

 

「おいしそう…あ、このパスタはもしかして」

 

 島田愛里寿、彼女は意外なことにオリーブオイルとトマトとチーズとアンチョビが苦手だ。それを見かねた天女はアンチョビに話したところ、今夜のパスタにハーブや香草で臭みを抜いて、具材をトロトロあっさりとして食べやすくしている。

 愛里寿の表情を見たアンチョビは「喜んでくれただけでもうれしい」とほほ笑む表情をした。

 

「それではアンチョビさん」

「む、そうだな。それじゃあみんな」

 

 アンチョビの言葉にみんなは「あ」と気付くと、彼女は「せーの」と言うとみんなはこう答えた。

 

 

「いただきます!!」

 

 

 



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第58話『カチューシャのピンチ!』

「えっと、これで全部ですね」

 

 珍等師学園都市内にあるスーパー『ほっこほっこ』、そこで真莉愛は料理に使う食材を合っていた。

 ここのところ、寒さが続いていたのか真莉愛はあったかい料理を作ろうかと考えていた。しかし、その料理は何にしようかと考えていた。

 鍋にするとあんこうや水炊きにカレーなどと言ったジャンルがあり、材料の量は多くある。何にしようかと彼女は考えていた…すると。

 

「全く、なんでカチューシャがこんなことを…ノンナ!」

「はい、カチューシャ」

 

 聞き覚えのある声がしたため真莉愛は「あら」と反応し、声がしたほうへと行くと。ロシアのイベントがやっており、特にロシア限定の料理セットが揃っていた。

 そんな中、真莉愛は背が高い女性と低い少女が何かを見て騒いでいるのを見つけた。その少女たちは。

 

「カチューシャちゃんにノンナさん?」

 

「あ、真莉愛!」

「真莉愛さん、珍しいですねここで会うなんて」

 

 ノンナの言葉に真莉愛は「ええ、そうね」と答える。

 

「それよりもどうしてここに? ロシアの商品を買いに…?」

「はい、正式にはこのピロシキとボルシチに黒パンを含む5つの『ロシア有名セット』を買いに来ましたが…御覧の通り」

 

 ノンナはそう言いながら棚を見ていたため真莉愛は何かと思ってみると、『ロシア有名セット』があるのは棚の一番上にあった。

 小さいカチューシャが背を伸ばしてもまだ届かず、ノンナを片乗りして高さを足そうとしたがまだ届かないようだ。

 

「私とカチューシャと一緒に協力したら行けるかと思って」

「あら、そう言えばそうね…あ」

 

 真莉愛は何か思い出したのか、カバンから関節が付いたマジックハンドを出してきた。

 

「私に任してください、ノンナさん」

「はい、ですがどうやってそれを?」

「高いといっても、それじゃあ届かないわよ?」

 

 ノンナとカチューシャはそう言うが、真莉愛は「任してください」と言いながら、ハンドを棚の上に向かて引き金を引いた。

 

 

 ギュィイイイイッ! ガシッ!!

 

 

 ハンドは一気に伸び、例の商品をつかむとそのまま自分のところへと持ってきた。

 

「はい、これをどうぞ」

 

 真莉愛はそう言いながらそれをカチューシャに渡すと、彼女は「あ、ありがとう」と照れる。

 ノンナは「それにしても、それは一体」と言うと、彼女は「これですか?」と道具を見てこう答える。

 

「これは『ノバースハンド』と言いまして、最大500mほど伸ばすことが出来る特殊なマジックハンドなんですよ」

 

 真莉愛はそう言うと、カチューシャは「それ欲しい」と言う目つきで見ていたため彼女はそれに気づくと道具を彼女に見せる、嫌それを上げるようにしている。

 

「よかったら、使う?」

「え、いいの! あ、でもそれじゃあ真莉愛が…」

 

 道具をもらうことに彼女は喜ぶが、これは元々真莉愛の物だと気づき拒否をするが、真莉愛は「大丈夫です」とほほ笑む。

 

「また勇樹さんに頼んで作ってもらいます。時間はかかりますが、これはこれでどうぞ」

 

 真莉愛はそう言いながらカチューシャに渡すと、カチューシャは照れながら「あ、ありがとう」と答える。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「それで今夜はボルシチですか?」

「はい! 意外なことに、ボルシチはウクライナから来た料理でして、今回は野菜をトマトとレタスと人参の3つにしましたよ」

 

 食卓に並ぶ赤いスープに真莉愛はそう言うと、カチューシャは「おいしそうじゃない!」と目を光らせて答える。

 

「マリーシャ、アンタおいしそうな料理を作るじゃない。プラウダに来たらどう?」

「あらあら、それでしたら私はアンツィオかBC自由学園に移動しますよー?」

「ううっ! でも、時々着たらいいじゃない!」

「あ、それもいいですね」

 

 カチューシャと真莉愛の行動を見たみんなは「何をしているんだか」とジト目で見ていた。

 ただし、プラウダ生徒らは「ノンナさんとクラーラさん以外、明るい表情で話しているのは初めて見た!」と目を丸くしていた。

 

「ま、それはともかくそろそろ…ん?」

 

 勇樹が「いただこう」と言いかけたとき、携帯からバイブ音がしたため何かと出ると『百合子さん』と画面に表示されていたため彼は電話に出ることに。

 

「ハイもしもし…百合子さんどうした…え、メカが!? しかも小春田だけでなく黒薔薇が?!」

 

 勇樹が驚くと、太田たちは「黒薔薇」に反応して驚く。みほたちも何かと見ていると勇樹は「それで、他には」と話をしていた。

 

「うん、場所はロシアの…はい、それで…分かった。この場所だと確かブリザード学校があった。例の道具は確かまだ持っていますか? それがあればに行ってくれませんか?」

 

 勇樹はそう言うとカチューシャは「ブリザード学校…」と言う言葉に反応し、ノンアに話す。そして。

 

「よし、真莉愛さんすみませんがお食事は後でいいですか?」

「はい、あお弁当を用意しましたのでそれを」

 

 真莉愛はそう言いながらボルシチが入ったお弁当を持ってきた。

 

「ありがとうございます。行くのは…」

「私が行こう、霊華は…行かないか」

「ボクが行くよ、たまには男手が必要だしね」

「オレもだ! 太田が行くならオレも行くぜ」

 

 連華、太田、伊江はそう言うと勇樹は「わかった」と答えて。急いで地下に行く。

 

「ノンナ、クラーラ行くわよ! みんなもよ!」

「「わかりました」」

『『おー!』』

「それじゃあ、ここは勇樹君のお礼を兼ねて私たちも」

『『了解!』』

 

 勇樹に続いてプラウダ高校と自動車部のみんなも急いでいくように走っていく。

 真莉愛は「あらあら」と困りながら「おいしいパンも用意したのに」とつぶやいた。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 北海道上空、空を飛んでいるのはアイスホッケー選手の姿をしたモグラ型メカ『アイースホッテール』でロシアに向かっている。

 

「へぇー、これがそのアイースホッテールなんだ」

「自動車のハンドルもついているから少し心配したけど、結構丈夫にできているね」

 

 メカの操縦席を見たナカジマとスズキは感心するように言うと、蓮華は「当然だ」と答える。

 

「嫁が作ったメカは一心不乱欠点はないからな、予算内とはいえ結構立派にできているのは流石だ」

「褒めるところなのかそれは」

 

 連華が褒めるような言葉に勇樹は突っ込んでいると、ニーナが「ところで勇樹さん」と話してきた。

 

「この先にほんに『ブリザード学校』は、あるんだが?」

「ああ、それなら大丈夫、もう少ししたら着くから安心して」

 

 勇樹はそう言いながらニーナの頭をなでなですると、彼女は「えへへ」と照れながら笑ったため彼も照れていた…その時。

 

 

 ドガアアアア!!

 

 

「な、何だ?!」

 

 突然爆発音がしたためみんなは驚いていると、太田が「大変!」と走ってきた。

 

「真下から黒薔薇のメカがボクたちに攻撃してきた!」

「なに!? この下にいたのか?!」

 

 太田の言葉に勇樹は驚くと、ナカジマは「もう敵が来たの」と驚く。黒薔薇の行動に彼らは改めて感じた。

 

 

「「「あいつらの情報は、どこから来たんだ!?」」」

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 その真下では、ドクロマークが付いたの円盤…の形をした飛行機型のメカ『ドクロプター』が勇樹たちが乗っているアイースホッテールに攻撃している。

 

「隊長、数発のうち一発は当たりました」

「わかった…小春田は?」

 

 知長と名乗る生徒がそう言うと、通信手は「はい、小春田は今ブリザード学校に向かっている模様です」と答えると、彼女は「そうかと答えながら画面を見て数秒後…彼女は生徒らに向けてこう叫んだ。

 

 

直ちに相手をつらくさせろ! ミサイルを使ってすぐに打ち落とすんだ!!」

 

 

 彼女の言葉に生徒らは「おおーっ!!」と答えながらスイッチを押していき、円盤からミサイルを放っていく。

 アイースホッテールに向けて。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「右によけて右に!」

「あいよ!」

 

 コックピットでは、勇樹より操縦が上手のツチヤに後退すると同時に太田は画面に映っているミサイルが当たらないように指示を出しながら、ツチヤは操縦をしている。

 さすがポルシェティーガーの操縦手、細かい動きが出来ておりミサイルを華麗にかわしている。

 

「すごいなツチヤ! このまま飛行の道に進んだらどうだ!?」

「そう言いたいが、今は答えられないよー!」

「そうです霊華…あ、後にバック!!」

 

 連華の言葉にツチヤと太田は突っ込んでいると、太田はミサイルが来たのをツチヤに指示を出して急いでよける。

 ミサイルはどれくらいあるだろうか、下からどんどん放っていくため五つ斬るかは不明だ。

 

「ちょっと、もっと華麗によけれないの!?」

「仕方ないだろ! 資金は余裕あったが急いで作ったから囮ミサイルはないんだ!」

 

 カチューシャはイラつくように言うが、彼もイラつくように言ったため彼女は「なんですって!?」とイラつくように睨みつける。すると。

 

「っ! 勇樹さんカッちゃん、みんな! 何かにつかまって!!」

 

 突然ナカジマが叫んだためみんなは「え」と目を丸くした…その時。

 

 

 ピシャアアアアッ!! ガラガラガラッ!!

 

 

 突然雷がメカに当たると、電子機器は異常を起こしメーターは狂い、警報機が鳴り響く。

 

「しまった! この先は『吹雪の雷区域(ブリザード・サンダーエリア)』があったんだ!」

「なに?! それだとしたら急いで椅子に―」

 

 現象に気づいた勇樹に蓮華はそう言うが、突然天井のハッチが外れると中にいた道具や本などは寒暖差による風で外に吸い込まれていき。みんなは急いで椅子などにしがみついている…が。

 

 

 バッ…

 

 

「え」

 

 

 カチューシャだけは椅子につかまるのを忘れてしまい、そのまま外に出されてしまった。

 

「カチューシャ!!」

「だめですノンナさん! 今は外に出るとあなたが!!」

 

 外に出ようとするノンナに太田は押されるが、彼女は「離してください!」と急いで彼を離そうとした…その時。

 

 

 ドガアアアア!!

 

 

 メカのブースターが爆発し、メカはそのまま墜落していきドクロプターに当たると同時に大爆発を起こし、アイースホッテールはそのまま無人島へと墜落していく。

 

 

『『『『『うわああああああ!!!!』』』』』』

 

 

 そして、この島は恐怖の無人島とは誰も気づかない。



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第59話『短縮サバイバル…?』

 無人島に不時着して勇樹たちは現在カチューシャを探していた。先ほどの雷によりハッチは開き、彼女は外へ放りだされた。

 メカは雷により壊れてしまい、起動できない状態になっている。太田たちが修理しているが時間がかかるため勇樹と蓮華を含むノンナたちはカチューシャを探している。

 

「カチューシャは何も持たずに外に放りだされた…勇樹、彼女は」

「大丈夫、一応だけど彼女にリュック型の安全パラシュートを付けておいたから大丈夫だけど。ただ…」

 

 連華の言葉に勇樹は答えながら歩いているが、草が思った以上に生えているため歩くのは非常に困難。

 この無人島を勇樹が地図で調べたところ、ロシアにあるのは分かったが。詳しい詳細が乗っていないため探すのが大変。

 

「この島は、本当に大丈夫でしょうか?」

「無人島とはいえ危険ですから…一応道具は持っていたから大丈夫だと思いますが」

 

 ノンナの言う通り、この島は何が出るか分からない。猛獣や害虫に先住民族が現れて襲われてもおかしくない。

 もしカチューシャが襲われたら一巻の終わり、幼い姿をしているため蛇や鳥に襲われたらすぐにやられてしまう。

 勇樹は万が一のことを考えてリュックの中にある程度の道具を数種類入れていたため問題はない。

 

「それにすても広ぇ島だね…カチューシャ様はどごさいるのだびょんか?」

「わーもおべね…勇樹さんは?」

 

 ニーナとアリーナは勇樹に向けて言うと、彼も「正直分からない」と言いながらあたりを見渡している。

 

「だが、あの嵐で彼女はどこかに飛ばされても安全な大陸に移動するようになっている。だから」

「あ、もす大陸さ落ぢでもカチューシャ様は!」

 

 勇樹の言葉に何か気づいたのか、ニーナは答えると彼は「その通り、必ず助かる」と答える。すると。

 

 

 

キンキンキンッ

 

 

「ん、この音は…」

 

 どこから金属が叩く音がしたため勇樹は気づき、音がしたほうへと向く。そこには崩れかけていた洞窟で、一部が明るくなっている。

 

「この音は、金属?」

「にしても、どうしてここで?」

「さあ、おらも分からない」

 

 ノンナたちは頭を傾けていると、彼は「見てみるか」と言いながら歩いていく。

 

「勇樹さん、あなたはこの先何があるのか分かりますか?」

「正直今は分からない、でも今はカチューシャを救っていかないと彼女が」

 

 真剣に言いながら洞窟に入っていく彼らに、ノンナは「そうですか…」と言いながら彼の後を追う。

 ニーナたちもノンナと一緒に行動するが、彼女が「あなたたちはここにいなさい」と言いながら彼女の頭を抑える。

 

「な、なんでだがノンナさん?!」

「わんども一緒さ行ってカチューシャ様ば!」

「あなたたちが行ったら、相手は必ず入り口を防ぎます。それを塞がないようにするものあなたたちの役目です」

 

 ノンナはそう言いながら入っていくのをニーナたちは「確かに…」と目を丸くしながら茫然と立ち尽くすのであった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「勇樹、この先は一体?」

「正直分からない、でもここって…」

 

 連華と勇樹はそう言いながら入っていくと、音は徐々に広がっていきそれと同時に光は明るくなっていく。そうしている間に2人は洞窟から出て広い穴へと出て、そこで目にしたのは。

 

 

ギンガンギンガンッ!!

 

ギュィイイイイッ!!

 

ガガガガガガ……!

 

 

 巨大なかき氷の頭をした鬼型のメカを黒薔薇の生徒えらが作っていた。

 

「これは…もしかして小春田が」

「そのようだな…下を見ろ」

 

 勇樹の言葉に蓮華は下を見ると小春田たちが温泉マークが付いたコンテナに入っていく。

 

「自分たちはこの温泉に入ってまさか作っているのですか?」

「ああ、羨ましい…あ、ノンナさん」

 

 ノンナが隣にいたことに彼は驚くと、蓮華は「早いな」と冷静に言う。

 

「それよりも、あのメカはもしかして」

「目には目を歯には歯を…きっと寒いなら寒いをイメージしてかき氷型のメカを作っているんでしょうね」

 

 勇樹の解説に2名は「なるほど」と即答する。

 

「しかしこのメカはどこから…」

 

 連華はメカの資金源をつぶやくと、勇樹は「もしかして」とある事を思い出す。そう。

 

「あの時、一緒に墜落したメカの部品ですね」

「はい、多分そこからメカを」

 

 ノンナの予想に勇樹は答えあたりを見渡すと、ドクロプターの残骸があるのを見つける。

 

「そこからどうやらメカを作っているのか」

 

 連華の言葉にノンナは「意外なところから作っていますね」と冷静に言うと勇樹は「そうですね」とジト目で見ていた。

 すると、1名の生徒がやってきてコンテナに入って数分後…タオルを巻いた小春田が出てきて生徒に何か指示をする。

 

「どうしたんだ?」

「なにかあせっていますね」

 

 小春田の行動に3名は頭を傾げていると、生徒は急いでメカを作り残った部品をメカの内部に入れていく。

 小春田は急いで制服に着替えるとそのままメカに乗り込み、エンジン音がすると同時にメカの手にすいている金棒で壁を壊して逃げていく。

 

「な、なんですか今のは…」

「何かから逃げている…火山の予兆はないけど」

「だったら何が…?」

 

 彼女たちの行動にノンナたちは驚いていると、突然壁にひびが入っていき水が少しずつ入ってきている。

 

「水…そう言えばここは無人島でしたよね?」

「え、どうしたんですかノンナさん?」

 

 ノンナの言葉に勇樹は反応すると、彼女は「気になることがありまして」と言ったため彼は目を丸くしている。

 

「えっと…ここは確か無人島でしたが・…あ!」

 

 勇樹は何かに気づいたのか、地図を出して調べている。蓮華は「ど、どうしたんだ?!」と驚いていると、彼は「実は」と顔を青くしながらそっと地図を彼女に見せる。

 

「む、地図を見せてどうしたんだ?」

「いや、この島は一つ気づいたことがあった…場所を見て」

 

 勇樹の言葉に蓮華とノンナは地図を見てみた…。そこに描いていたのは。

 

 

氷の無人島…立派な島のように見えているが氷のようにもろいので、大きな音を出すと崩れてしまう井のでご注意を

 

 

「「……」」

 

 地図を見た彼女たちは顔を青くし、そっと立ち上がり…そして。

 

 

さっさとカチューシャを回収してにげろおおおおっ!!

 

 

 勇樹の言葉にみんなは急いで洞窟から出て、ニーナたちに話した結果、彼女たちも急いでカチューシャを探すことになった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 その頃、太田たちは現在『アイースホッテール』を修理していた。

 

「うっひゃあ、これはすごい雷だ。鉄が溶けているな」

「でも予備の鉄とペンキを持ってきて正解だったね。何とか修理できるよ」

「さすが勇樹君」

 

 伊江と太田は道具を出しながら壊れた個所を修理しており、ナカジマは道具の良さに感心している。

 

「でもカチューシャはどこに行ったのかな?」

「そう遠く入っていないから…この近くにいて」

「ありえるけど、さすがにねぇ」

 

 部品を修理している間、スズキとホシノはカチューシャがどこにいるか話しており、ホシノは近くにいるというが、ツチヤはあり得ないと答える。

 

「でも近くにいるとしたら…あのヤシの木とか?」

 

 ナカジマはそう言いながら近くにヤシの木に指をさすが、みんなは「それはあり得ない」と苦笑いした…その時。

 

 

『助けてぇええっ!』

 

 

「ん? 今声がした木が」

 

 太田はカチューシャの声がしたことに反応し、太田は反応しあたりを見渡して数秒後…。

 

 

「……いた」

「ん、何がいたんだ?」

 

 太田が顔を青くしていったため伊江は何かと質問すると、彼はこう答える。

 

 

か、カチューシャさんがいた! ヤシに木にぶら下がっていた!!

 

 

 太田の言葉みんなは「なんだって!?」と驚き急いで見ると、ヤシの木にぶら下がって半べそで「助けてえええっ!!」と叫ぶカチューシャがいた。

 

「いた! でもなんでカッちゃんが?」

「こんな近くにいたのに…気づかなかったよ」

 

 ナカジマとスズキはそう言っていると、ブースターからクラーラが出てきて梯子を手にし、カチューシャがぶら下がっているヤシの木まで行くと、設置しそのまま上がり、彼女を救う。

 

「大丈夫ですかカチューシャ様?」

「クラーラ…ありがとぉおおお!!」

 

 クラーラに助けたカチューシャは、目から涙を流して抱き着いていると。砂浜へと走って逃げていく勇樹たちを太田は反応する。

 

「あれ、勇樹君どうしたの慌てて?」

「急いでメカを修理するのを手伝う! あ、カチューシャは無事発見! 急いでメカを!!」

 

 勇樹はそう言いながらメカを修復していく。ナカジマたちは何かと目を丸くしていたためノンナと連華が理由を話す。

 

「……なるほど…」

 

 それを聞いた太田はそのままメカに向けると、工具を手にして高速で修理していく。それを見た自動車部のみんなも急いで修理する。

 

「え、何があったんだ太田!?」

「氷の無人島だよここは! 北極辺りにあるのにどうして草木が生えていたのかが不振だと思ったが、まさか減少でできたなんて!!」

 

 伊江の言葉に太田は急いで言うと、メカは完成し、みんなは急いでメカに乗り込む。

 クラーラたちも急いで乗り込んでハッチを締めると、メカは海中に潜りそのままロシアへと発進していく。

 

 そして数分後…無人島は粉々に崩れて海の水へと変えて言った。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「な、何とか間に合った…」

 

 突然の事態に勇樹たちはぐったりとしており、操縦は自動でしており。みんなはその場で「ふぅ~」と息を吐く。

 

「にしても、カッちゃんはどうしてここに?」

「カッちゃん言わないで! そうね…落ちたのは事実だけどパラシュートで何とか持ちこたえて少しづつ落ちていったわ。でも」

「あのヤシに木に絡まったってことか」

 

 ナカジマの質問にカチューシャは答えていると、伊江が即答したため彼女は「ちょっと!」と怒る。

 

「ま、これで何とかブリザード学校に着く。勇樹、あとは?」

「一応、隊長に聞いたところ「合流するから待っておけ!」と言っていたが…あ、見えた」

 

 勇樹はそう言いながら画面を見て言うと、みんなは急いでキャノピーから外を見てみる。

 そこで目にしたのは、絨毯に乗って空を飛んでいるロシアの生徒たちがいた。

「そ、空を飛んでいる!?」

「うわっ! 驚いたべ!」

「これは一体…!!」

「機械で使っていないから…驚いたよ!」

 

 それを見たカチューシャとニーナ、ノンナとナカジマは驚いていると。赤色のYシャツの上に灰色のチェスターコート、白色のタイトスカートを着ている背の高い少女が立っていた。

 

「あ、いた。おーい」

「知り合いなの?!」

 

 勇樹が背の高い少女にカチューシャは驚くと、伊江は「意外な知り合いがいるからな」とジト目で見ていた。

 そして太田は「あ、スピードを」とレバーを動かすとメカは停止し、絨毯の軍隊にぶつかる前に停止した。そして少女はこう叫ぶ。

 

 

「よく来た! 我がブリザード学校に!!」

 

 

 

 彼女はそう言っていると、後から百合子が出てきて「よ、よーこそー」と照れながら紙吹雪を投げるのであった。



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第60話『学校の説明と侵入者?』

 勇樹たちはブリザード学校の生徒である背の高い女性、水無月エリーナと一緒に巨大メカ『アイースホッテール』で例の場所へとし進んでいる。

 

「彼女たちは一体…魔法使いなのですか?」

「魔法使いってそもそも絵本とかに乗っているのじゃない?!」

 

 ノンナとカチューシャの言葉に勇樹は「まぁ、ここは少し変わっているから気にしないでください」と手短に答える。

 それを聞いたカチューシャは「それどういう意味?!」と彼をにらみつける。そうしていると蓮華が「もうすぐ着くぞ」と言うとみんなは「え、もう!?」と急いでキャノピーから外を見る。

 

 そこで目にしたのは暗い洞窟で、その先には何も見えない洞穴となっていた。

 

「こ、ここが学園…?」

「ただの洞窟にすか見えねが…?」

 

 ツチヤとニーナは目を丸くしていると、百合子が「これはカモフラージュですよ」と言いながら腰にしているウエストポーチから本と笛を出す。

 

「ねえ、百合子さんは何を?」

「え。ああ百合子さんはきっと」

 

 カチューシャの言葉に太田は答えようとしたとき、百合子は笛を吹いた。

 

 心が温まり、まるで凍った心を溶かす音…。

 

 

「暖かいべ…」

「ココアが出来そうだね」

「マシュマロもです…」

 

 音を聞いたアリーナ、ホシノ、太田はそう言っていると、洞窟の奥の壁が少しづつ溶けていき、入り口が現れた。

 

「普段はあまりしヨーしていねーからな…入るぞ」

 

 エリーナはそう言うと勇樹は「わかった」とエンジンを入れる、百合子は道具をポーチに入れるとメカに入りハッチを締める。

 そして、メカは洞窟へと入っていき、奥へと進んでいく。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「よいしょ、うまくいけましたか?」

「かなりでした、昨日から見本の音楽を聴きながら頑張ったのはすごいですよ」

 

 勇樹はそう言うと彼女は「えへへへ」と照れながら椅子に座る。

 

「どうもこうも、ここって何だろう…?」

「魔法学校の入り口だ。一般の人に知られると厄介だからな」

 

 同靴を見てスズキはつぶやくと、蓮華は解説しながら画面を見ていた。

 それを聞いていたノンナとクラーラは「どういう意味ですか」と言う追うとしたその時、画面に『もうすぐ着きます』と文字が出てきたため彼女は「もう着くか」と言う。

 すると、洞窟の先からまばゆい光がみんなを浴びるように照らしていき、みんなはあまりのまぶしさに目をつぶって防いだ。

 

 

 そして、光が収まったのを確認しそっと目を開くと…そこで目にしたのは氷の檻に囲まれた巨大な城で回りは吹雪があるのにも関わらず、ここは春のように温かく草木は生えており流れている川の水は宝石のように輝いていた。

 

 

「ナニコレ…洞窟の中に学校が!?」

「城まであるべ!」

「驚きました、このような仕掛けがあったのですね」

 

 プラウダ生徒らは、それを見て驚いているとエリーナは「そうか?」と目を丸くしている。

 

「この学校は魔法の力で吹雪から守っていてな、ドームの姿が雪ダルマに似ているから『』雪だるま学校と言われているんだ」

「なんかかわいい学校名だね」

 

 エリーナの言葉にナカジマは言うと、エリーナは「そ、そうか?」と照れながら飛んでいく。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「ここ魔法学校は、世界で有名な学校でな。極寒の地で唯一ともいわれている氷専門の魔法学校だ」

 

 勇樹たちは現在、このブリザード学校の本校である城に入っていた。その理由は、小春田率いる黒薔薇のこともあるが、移動途中で黒薔薇に襲われて無人島へと一時不時着したため、体力と疲労回復のため彼らを休ませるためにしている。

 エリーナの話を聞きながらナカジマは「ここって本校だよね」と百合子に言う。

 

「え、そうですけど…どうして?」

「いや、ここに実は仕掛けがありまして。休むのに必須というレベルです!」

 

 百合子の言葉にナカジマは頭を傾げていると、エリーナが「まずは、疲れていると思うからここに入ってくれ!」と案内した場所は。

 

 

 

『回復室』

 

 

 

「回復室…?」

「そう! いくら魔法や勉強に体力を鍛えている生徒がいても、疲れる生徒はいるからな。この休憩室で休んでおけ」

 

 エリーナはそう言うと、みんなは「あ、なるほど…」と納得する。

 

「そして勇樹、一応小春田という小娘の情報は聞いたぞ。黒薔薇の仲間なのは分かったから簡単に分かったぞ」

「ありがとう」

 

 エリーナと勇樹はそう言っていると、百合子は「「むー」とジト目で頬を膨らませている。それを見た伊江は「妬いてるな」と苦笑いする。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 その頃小春田たちは、水中から学校内へと移動し近くの浜辺へと着く。

 

「小春田、ここなら店は開ける」

「魔法学校だからすぐに人気になれるっす」

 

 メカから外へと出て、あたりを見渡す白山と塩崎はそう言うと。小春田は「そうですんね」と言いながら考え込む。そして。

 

「そうと決まればすぐに開始ですわ! 白山、塩崎!」

 

 小春田はそう言うと彼女たちは「了解!」と言いながらメカに入って数秒後、急いで機材を出して店を作り出す。

 そして小春田は「ここでなら、勇樹さんたちはまだ知りませんね」」とにやける…が。

 

 

 当の本人たちはもう学校に入っていたのであった。

 

 

 



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第61話『魔法学校とプラウダの強力技!』

「ふぅ…暖かかったぁ」

「サウナみたいに熱いけど、この寒さでしたらちょうどいい温度でしたぁ」

「そうですね」

 

 回復室から出てきたナカジマ、百合子、ノンナはそう言いながら出てくる。顔が艶々している。

 

「ふぅ…あ、エリーナ。情報は?」

「おう、それならちゃんと調べたぞ。プラズマとは違って非常に豪華で魔法の力で細かい所をちゃんと調べているからな!」

 

 勇樹の言葉にエリーナはそう言いながら、水晶玉を出して情報を見せる。

 

「ねんだ、あの水晶玉は?」

「キレイだべ」

 

 水晶の輝きにプラウダの生徒は驚いていると、百合子が「水晶玉型の情報共有、今言うとタブレットみたいなものです」と答える。

 

「水中からかき氷型の何かが入ってきたのがわかった。小春田はどうやらこのがくえんにきているかのうせいがたかい」

「そうですか…人数は?」

「5人、残りは逃げていったから分からない」

「逃げた…せこい奴らだ」

 

 エリーナと勇樹の言葉に伊江は「あまりの早い話で追いつけれない…」とジト目で見ていた。

 

「わかった。エリーナ生徒は?」

「それならもうやっている、外にいる生徒らは今店を見つけ摘発しているはずだ」

 

 エリーナはそう言いながら水晶を見ると、かき氷型の鬼メカが生徒から逃げていた。

 

「はっ! 情けねえな、あいつらから逃げているなんて」

「小春田たちはこれが苦手だから…」

 

 水晶を見て勇樹は言うと、カチューシャが「それなら今から行けるじゃない!」と彼の片に乗って言う。

 

「うげっ! 何すんだカチューシャ!?」

「突然でごめんね! でも、この調子だと小春田たちは捕まえられそうね!」

 

 カチューシャはそう言っていると、エリーナは「確かに」と答える。

 

「攻撃していくならちょうどいいな。そっちに武器は?」

「かーべたんとISにT-34/85が合計4台ほどあるわ! それならいけるじゃない!」

「そうだな…しかし、装甲をどうにかしないと相手は倒せねえぞ」

 

 エリーナはそう言いながら水晶を見ると、メカの胴体は何重にも重ねているのか鉄にひびが入っている。

 

「ひびが入っているってことは、耐久が弱いのを上にして耐久が強いのを一番下…ミルフィーユ構造で攻めているのか」

「あ、そうですね。攻撃しても砲弾には数が限りありますからね」

 

 勇樹の言葉にノンナは冷静に解読すると、伊江は「確かに…」と納得する。すると百合子が「あ」と何か思い出したのかある人物を言いだした。

 

「そう言えばエリーナさん、ジュンにメアリーにアリスは今すか?」

「ん、それならちょうど外に…そうかそれがあったな」

 

 エリーナは百合子の言葉を聞いて何か理解したのか、にやけていると勇樹は「そうか、それがあったな」とにやける。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「このっ! このっ!!」

 

 白山はレバーを動かしメカに付いている金棒で生徒に攻撃するが、相手は絨毯や放棄などに乗っているため攻撃をかわしている。

 そして魔法陣が突然出ると吹雪を放ちメカの胴体に当たり凍らせていく。

 

「くっ! 小春田、これは予想外だ!」

「魔法は苦手っすよー!!」

 

 白山と塩崎は焦りながら言っていると、おかっぱの生徒が「泣き言を言うより動かせ!」と言いながらバルブを動かしている。

 

「しかし問題が発生した。まさか吹雪光線を搭載していないから金棒での攻撃しかできない」

「走行を分厚くして安心しましたわ。これなら何とか耐えられますわね」

 

 奈村はそう言いながら操縦機を動かしていると、小春田は「そうですわね」と自信気に答える。

 

「もう少ししたら、地下にあるデーターがわかりますからね…もう少ししたら」

 

 小春田はそう言いながらキャノピーから外を見て言うと、城の方から百合子と3人の少女が箒に乗ってやってきた。

 1名は青色のショートツインテールの少女、1名はオレンジ色のショートボブの少女、そして1名は緑色のロングヘアーの少女。彼女たちは杖らしき道具を手にしている。

 

「な、なんですの…?」

 

 それを見た小春田は目を丸くして言うと、百合子たちは4方向へと移動し、箱のように囲んでいく。

 百合子たちの光景を見た生徒らは、彼女たちから離れていく。そして。

 

 

『『『『ル・トーケル・トーケ、雪よ鉄よ、紙になれ!』』』』

 

 

 4人がそう言うとメカの真下の魔法陣が出てきて包み込み、まばゆい光が発生しみんなは目をつぶる。

 そして目を開いてメカを見るが、姿は変わっておらずただ動きが止まっただけでそれ以外はない。

 

「えっと…なんでしたの今のは?」

「変化はない…どういう意味っすかね?」

 

 それを見た白山と塩崎は言うと、今度は城の方からポルシェティーガーとKV-2、IS-2にT-34/85がやってきた。

 

「な、なんで戦車が…」

「それは気にしないほうがいいっすよ。このメカで砲弾を攻撃しようにせよ、簡単に壊れないっすよー」

 

 塩崎はそう言ってジュースを飲んでいると、ポルシェティーガーは一発メカの道外に向けて放った。

 

 

 ドガアアアア…バガアアアアッ!

 

 

 砲弾はそのまま胴体を貫き、貫抜いた穴から黒煙と火花が散っていく。

 

「なっ! これは一体?!」

「メカ負傷がありました! エンジン故障です!!」

 

 生徒の言葉に奈村は「なんですって!?」と焦る。そうしているとKV-2にIS-2、T-34/85からも砲弾を放っていきメカに穴をあけていく。

 

「これってやばくないか!?」

「やばいっすやばいっす!!」

 

 白山と塩崎は焦っていくと同時にメカは徐々に破壊されていき、手にしている金棒まで壊れていく。

 

「小春田!」

「くっ…またしても、直ちに脱出を! 急いでくださいまし!」

 

 白山は小春田に向けていると、彼女は脱出の指示を出すと生徒らは急いで脱出用意をしていく。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 ドガドガアアアア!!

 

「どんどん放ちなさい! 今なら防御は最弱だからね!!」

 

 カチューシャはそう言うと砲弾は徐々に増していき、メカの塗装は破壊されて胴体が壊れていく。

 

『カチューシャ、そっちはどうだ!? 今地面を掘ってあいつらが逃げているかどうか探知している!』

「十分という程壊れているわ! 爆発するまえに脱出するのにも時間の問題よ!」

 

 カチューシャはそう答えると、ナカジマが『さすがカッちゃん』と言うと彼女は「カッちゃん言わないで!」と突っ込む。

 そうしているとメカはバラバラに砕けると、大爆発を起こし黒色の煙が空に浮かぶ。すると、ドクロのマークが付いたせんすいかんがでてきて湖へと落ちる。

 

「落ちたぞ! 急いで…と言いたいところだけど」

「カチューシャに任せなさい! ニーナ、アリーナ!」

 

 エリーナが言う前にカチューシャがKV-2に向けて言うと、通信機からは「わかりました!」と答えると同時に砲台が動き、砲台はそのまま湖へと向けると。

 

 ドガアアア!!!

 

 砲弾が放たれてそのまま湖に向かうと小さな水柱が発生し、そして数秒後には巨大な水柱が出てきて中から小春田たちが出てきた。

 

「やっぱり負けるのかああああっ!!?」

 

 そのまま空へと飛んでいくと膜をぶち破っていき、日本へと飛んでいった。

 

「ずいぶん飛んでいったな」

「そうですね…あ、膜が」

 

 勇樹は幕が破れたことを言うと、彼女は「心配するな、これぐらい大丈夫だ」と答えると、紙面からシャボン玉が出てくると穴が開いたところへと行きはじけるとすぐに修正した。

 

「早いですね」

「ま、この学校はこれがすごい所だからな」

 

 それを見た百合子と淳はそう言っていると、カチューシャが「百合子―!」と声がしたため舌を見ると、彼女の手にはメガホンが握られていた。

 

『少し聞きたいけど、その3人は誰ー!?』

 

 それを聞いた百合子は「あ、離すの忘れました」と言いながら3人に話をするのであった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「ふーん、百合子から聞いたけど本当に魔法学校の生徒?」

 

 百合子から魔法学校の生徒の話を聞いたカチューシャは、ジト目で見ながら言っているとジュンが「お?」と反応する。

 

「おいおい、アタイたちの知らないのか?」

「し、知らないに決まっているわよ!」

 

 ジュンの言葉にカチューシャは反論すると彼女は「しゃーねーな」とため息をする。

 

「じゃあ紹介するぜ、アタイはジュン・アルフォード・クロスフィールドだ!」」

「私は、メアリー・シャーロット・リバース…です」

「私はアリス・マーがレッド・スカイフォールでーす」

 

 3名は自己紹介をしていると、百合子が「あ、私も一応魔法学校に通っています、少しの間ですけど」あと答えると勇樹は「話をややこしくしないでください」と彼女をどこかへと移動していく。

 

「嘘っぽいけど…百合子の話を聞く限り事実のようね」

「事実って…お前なぁ」

「ま、カチューシャは心が広いから許してあげるわ!」

 

 カチューシャは自信気に言うとジュンは「あのな」と頭に青筋を浮かばせるがメアリーが「ジュンちゃん、落ち着いて」と彼女をなだめる。

 

「それより、なんでジュンたちが? 魔法学校はまだやっているんじゃないか?」

 

 勇樹の言葉にアリスが「それですが」とあるパンフレットを渡して彼に見せる。彼はそれを受け取って書いている内容を見る。

 

「なになに…学校改装?」

 

 勇樹はそう言うと落ち着きを取り戻したジュンは「そ」と簡潔に答える。

 

「学校の補強工事で1週間ほど時間がかかるんだ。実家は遠いしお金はかかるからここに行けばどうかなーと思ったんだ」

「あ、なるほど」

 

 ジュンの言葉に勇樹は納得すると、伊江は「それでなんだけど」と話の間に入ってきた。

 

「そうしてくると…屋敷の部屋は足りるか?」

 

 伊江の言葉に勇樹は「あ」と体から色が抜けると同時に汗が噴き出してきた。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「それで、勇樹君はメカの倉庫に?!」

「そっちの方が寝やすいと思いますし…、あと意外と気持ちいい」

 

 勇樹の報告に京子たちは驚いていると、彼は「それじゃあ」とメカ工場に行くが、押田と安藤が「待て待て待て待て!!」と彼の動きを止める。

 

「うげっ! 何するんですか?!」

「こういう時こそ、他人の部屋に泊めればいいじゃないか!」

「そうだ、たまにはそこに行けば!」

 

 押田と安藤はそう言っているが、勇樹は「女性が苦手だから無理」と青い表情で答えたため、みんなは「あ」と思い出した。

 特にみどり子と小梅は「そう言えば」と大洗のことを思い出す、初めてあった時彼は逃げていたからだ。

 

「あ……でもオレが泊っていける生徒がいた」

『『『それはどいつだ!?』』』

 

 勇樹の言葉にみんなは反応すると、彼は「それは」と答える…。

 

 

 

「それで、私たちのところに?」

「無いよりましだ…あと同感できる」

 

 プラウダのニーナのところに一旦泊まることになった勇樹であった。

 



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第62話『手紙とエリカからの連絡』

「勇樹、手紙が来たぞー」

 

 日曜日、勇樹たちは屋敷で休んでいる中、伊江が手紙を持ってきてそれを勇樹に渡す。

 勇樹は「ありがとー」と手紙を手にして宛先を見て数秒後、彼は「お、懐かしいな」と言いながら手紙を開ける。

 

「暗山さん、あの。勇樹さんは何を…?」

「ん、あーあいつか? あいつは久しぶりに会うゲーム仲間…いわゆるFWQBのな」

 

 伊江の言葉に小梅は「え、FWCB?」と目を丸くしていると、伊江が「あ、解説するぞ」と言いながらホワイトボードを持ってくる。

 

「お、何か面白そうなことしているね。あたしにも聞かせて―」

「あ、私もです」

 

 途中、勇樹たちの話を聞いていた杏と小島がやってくると伊江は「わかった、話すよ」と答える。

 

「FWQB、通称『ファンタジー・ワールド・クエスト・バトル(fantasy・World・Quest・Battle)』というゲームがあってな、会社の名前は分からないがこのゲームは一種のARで遊ぶことが出来るんだ」

「AR、もしかして。空間で遊ぶ?」

「あたり猫田、このゲームは専用のインカムで遊ぶことが出来るんだ…あ、これこれ」

 

 伊江はそう言いながらカバンからインカムを出してみんなに見せる。

 ヘッドフォンの耳当てがなくマイクだけが付いている変わったインカム。

 

「これがインカム…変わった形をしているっちゃ」

「骨伝導タイプでな、これは勇樹が独自に作った特殊な骨伝導でな、一般のインカムを改造したんだ」

「ここまで祈祷なんですね」

 

 それを見た小島は驚いていると、杏は「そう言えば」とある事に気づく。

 

「勇樹ちゃんが言っていた友達って、このゲームに関する人物?」

「そうだな、確か…名前が独特で済んでいる場所も離れているのがいたな」

 

 伊江はそう言いながら彼を見ると、勇樹は手紙を読んで微笑んでいる、よっぽどうれしい事か…。

 すると、彼の携帯が鳴ったため出てみるとそこには『逸見エリカ』と表示されていた。

 

「エリカからか、珍しいな」

 

 勇樹は驚きながらも電話に出てみる、すると。

 

「どうしたエリカお前から電話なんてめず―」

 

勇樹! 今からタオルと服を持ってきなさい!! 今すぐ、来なさいよ…!!

 

 大きな声と黒い言葉に彼は「あ、わかりました」と怯えながら手紙を置き、真莉愛に頼んで服を2着とタオルとカバンに入れて外に急いでいく。

 それを見た杏と小梅たちは、急いで勇樹の後を追うことに。猫田たちも急いでいくが、あまりの速さに追うのが困難状態。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 勇樹がやってきた場所はこの町に最近できたレンタルボート店、今最近はやりなのか公園には多くの店が置いている。

 勇樹はその中でどくろのマークが付いた大きなレンタルボートへと走っていく。そして勇樹はエリカから送られてきたメールよ読みながら森の中へと入っていく。

 

「エリカ―、一応持ってきたがぁ!?」

 

 勇樹はエリカの姿を見た瞬間顔を赤くし、後に向く。

 彼女は今まほと一緒にいるが、彼女たちの服は濡れており肌と引っ付いている状態。エリカは「さっさと渡しなさい!」と怒られた。

 

「い、一応大洗の制服だけど…いいか?」

「何でもいいわよ…隊長」

「すまないエリカ、そしてありがとう勇樹」

 

 まほはそう言いながらエリカから服とタオルをもらうと、勇樹は「一体何が」と質問する。

 

「実はエリカと一緒にボートを乗っていてな、悩み事とかないか聞いていたんだ。だが」

「突然ボートに穴が開いて水が入ってきたと思ったらエンジンと料金を入れる機械…名前は忘れたけどそれが出てきたのよ!」

「なるほど…それでお金は持っていないから?」

 

 勇樹の言葉にまほは「そうだな」と答える。

 

「持っていたら相手はすぐに引っかかるからな。ここはわざと嘘をついて引っ掛けてんだ」

「んで、急いで陸に上がって身を潜めて相手の動きを見ていると同時に、このように」

「それでなんだ…あと終わった?」

 

 勇樹の問いかけに彼女は「ああ、すまない」と言いながら濡れた服とタオルを彼に渡してカバンに入れる。

 

「なるほど…そのお店と事情は聞いたけど、それってもしかして」

「あの店だ、『シップス・ドクロ』」

 

 まほはそう言ってエリカと勇樹を連れて例の店に移動する。今は閉店しているが、地下から何かが作る音がしている。

 

「どうやら、この地下で軟化を作っているな…」

「ああ、だが音だけで隙間が」

 

 まほはそう言っていると後ろから「隊長」と小島たちがやってきた。

 

「小島、どうしてここに!?」

「え、勇樹さんが不審な動きをしていたから…多分」

 

 コジマの言葉にエリカは「そう言えば」とケイタイのことを思い出す、前に話していたときに聞こえていたのではないかと」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「それよりも石川ちゃん、この様子ってもしかして」

「多分じゃなくてそうですね」

 

 杏の言葉に勇樹は答えながら、カバンから吸盤が付いた電子機器を取り出し吸盤を壁につけてスイッチを入れると電源が入り、画面に波が映りだした。

 

「この『音検知器』を使って何を聞いているか聞きましょう」

「あれ、あの機械はどうしたアル?」

 

 ぴよたんの言葉に勇樹は「あ、あれは実は…」と目をそらしながら話をする。

 

「電子機器が故障で、一部修理中…現在はこれで」

「それでって! 少しはメンテナンス位はしろ!!」

「メンテナンスと言っても、これでも部品を探すだけでも時間かかるよ! 特に電子機器はあまり見かけないのが多いから」

 

 勇樹は河嶋に怒られながらスイッチを押しているとももがーが「あ、画面を!」と言ってきたため見てみると、『反応アリ』と表示されたためみんなは一斉に画面を見る。

 

『それで…次はどこですの?』

『この様子だとドイツだ…しかも上空にある』

 

「ドイツの上空、意外なところにありますね」

「意外と高いね」

 

 話を聞いた小山と小梅はそう言うと、勇樹は「ドイツ…上空」とつぶやきながらダイヤルを動かして音大きくしていく。

 

『それで、メカは完成しましたの?』

『完成したぞ、何とか資金があったから『オクトロケット』が出来たぞ』

『そうですの…それでは行きましょう!』

 

 それを聞いたみんなは「ドイツ?」「ロケット?」とざわついていく中、勇樹は「なるほど…あいつらそこに行くか」と言いながらメモをしていく。そして道具をしまうと「急いで屋敷に行くぞ!」と走っていく。

 

「ちょっと待ちなさい!」

「何か分かったのか!?」

 

 エリカとまほはそう言うと彼は「多分ですが、あいつらが行くのは学園です」と言いながら走っていく。

 まほたちも急いで、勇樹と一緒に屋敷へと戻っていく。そしてお店は崩れると同時にイカ型のロケットを付けたタコ型のメカが空を飛んでいった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「んで、こちらは野菜がモデルとなったメカ『ベジタバルーン』で行くぞ!」

 

 勇樹はそう言うと、奥にあったのは大根型の風船に着いたトマト型のコックピットに、左右にはきゅうり型のエンジンとかぼちゃのプロペラが付いている。

 

「ちょっと、これで行けるの!? てか他のは思いつかなかったの!?」

「予算ぎりぎりだからこれで精いっぱい…許して」

 

 勇樹はそう言いながら土下座していると、まほは「まぁ許してやれエリカ」と彼女をなだめる。

 

「彼も苦労しているし、今から行けば間に合うか?」

「え、まぁ向こうに連絡入れましたし大丈夫だと」

「そうか…エリカ、みんなに戦車を乗せるように」

 

 まほの言葉にエリカは「え、わかりました」と戸惑いながら小島たちに知らせていく。

 

「よーし、今回はあたしたちが行くか…猫田ちゃんたちは?」

「え、ぼボクたちは…その…西住さん、のお姉さんの強力になれるなら…いき、ます」

 

 杏の言葉に猫田は戸惑いながら答えると、彼女は「それじゃあ準備するか」と言う。

 

「かーしま、小山」

「はっ! わかりました!」

「戦車持ってきます」

「あのぴよたんとももがーさん…ボクたちも」

「わかったちゃ!」

「やってやるナリー!」

 

 杏たちと猫田たちも、急いで戦車の用意をしていく。それを見た勇樹「あ、そうだ連絡を」とメールを打って相手に送る。

 

 

 そして数分後…。

 

 

「勇樹君が行くなら、ボクと一緒に行こう」

「麻子も!」

「久しぶりに行くとしましょう」

「無論、私も」

 

 ベジタバルーンのコックピットには、彼の仲間である穂多瑠、麻子、桜、珠姫はそう言うと、彼は「あ、そうですね」と言いながらレバーを動かす。

 

「それじゃあ隊長さんたちに会長たち、猫田さんは大丈夫ですか?」

『私たちは問題ない、みんなはちゃんとシートベルトをするように指示をした』

『こっちもだよー』

『あ、ボクたちも…です』

 

 通信機からそう言うと、彼は「それじゃあ、行きますか」と言いながらレバーを動かすと、キュウリのエンジンから黒煙が出るとカボチャ型のプロペラがが起動し、上へと移動していくと、天井が動き外へと出るとそのままドイツに向けて発進していく。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 キイイイイ…

 

 同時刻、日本の成田空港に5人の男女がいた。

 1名はピンク色のポニーテールをした女性で、頭には葉っぱのヘアピンをしており竹刀袋をしている。もう1名は紫色の短髪をした男性で、背中に杖らしきステッキを背負っている。

 1名は緑色のショートツインテールをした女の子で。頭にはゴーグルと肩に赤色のマントをしている。もう1名は黄色の縦巻きロールをし女性で、ハートの眼帯をしている。

 そして最後の1名は黒色のショートヘアーをした男の子で、右腕に水色の腕時計をしていた。

 

「山吹、それで彼は?」

「ドイツに行ってるそや、事件があったやら何とか…」

「本気で行ったのか」

 

 女性は、山吹という男性に言うと彼は答え。それを聞いた彼女はあきれるようにつぶやく。

 

「ふん、成田で集合してといったのに。あいつ忘れるなんて。あったま壊れているんじゃない?」

「ふふ、そうですわね。あのお方はここまで考えていませんからねぇ」

「あ、えっと…それはないと思うけど…?」

 

 緑色のショートツインテールの女性と黄色の縦巻きルイントールの女性はあきれるかのように言っていると、黒髪の青年が慌てながら2人の間に割り込む。

 

「ま、何がともあれ。こいつはドイツに向かっていることは分かった…行くよ」

 

 女性はそう言ってキャリーケースを持っていくと、青年らも「わかった(で)」と言いながら女性の後を追っていく。

 

 ヨーロッパ行きの飛行機に乗り込んで、目的地へと…。

 



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第63話『スパイク女学校と緊急事態、そして…?』

 勇樹たちは現在、ベジタバルーンでドイツへと向かっていた。場所へチェコ、人形を使ったコマ送り型のアニメが有名。

 

「現在はチェコか、ずいぶん特に方に行ったな」

「ここまで来て捕まらないのが意外ね」

 

 外を見てまほとエリカが言うと勇樹は「つかまらないって」と苦虫を噛み潰したような表情をする。

 

「でもどうして捕まらないのですか? 国を無断で超えたら捕まると思いますが…」

「それは簡単小梅さん」

 

 小梅の言葉に穂多留が入ってくると、杏も「気になるね、あたしも聞かせて」と入ってく。

 

「ボクたちは黒薔薇を捕まえるために結成したのでね、もともとは別の行動をしていたけどね」

「あ、黒薔薇の事件にかかわることがあったため」

「今の行動をしていることなんだ?」

 

 穂多留の言葉に2人は答えると、彼女は「正解」と答える。

 

「どこかの怪盗アニメのように、目的を捕まえるならある程度は捕まえる警察のように…なっているんだよ」

 

 彼女はそう言っていると、珠姫が「姉さん」と話してきた。

 

「お、珠姫ちゃん。どうしたの?」

「もうすぐ着く…学園が迎えに来ている」

 

 珠姫の言葉にみんなは「迎えに来ている!?」驚きの反応すると、勇樹は「あ、そのようだな」と画面を見て答える。

 まほたちは何を言っているのか不思議に思いながら外を見てみると…。

 

 そこで目にしたのは巨大な飛行船でゴンドラには町があった。

 

「ナニコレ…町があるの!?」

「すごい…学園艦と同じだね桃ちゃん」

「桃ちゃん言うな!」

「おおお、こ、これはまさに空想世界並みの異世界だにゃ…!!」

 

 それを見たエリカと猫田、小山は驚いているが。桃は柚子に言葉にツッコミを入れている。

 そして珠姫は「あそこ」と指をさすと、その先には機体の部分に四角い扉が開きそこから飛行艇である橋が出てきた。

 

「あそこに行けってことか?」

「そのようですね、つかまってください」

 

 勇樹はそう言いながらレバーを動かすと、メカは飛行艇に入っていき出来る限りぶつけないようにしていく。幸い飛行艇内部は思った以上に大きいため、ベジタバルーンは軽々と入ることが出来た。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「もう少しで…あと少し」

 

 勇樹はレバーと舵を細かく動かし、メカを着陸していき。それを見た桜は赤色のレバーを動かすときゅうり型のエンジンからタイヤが出てきて着陸する。

 そして珠姫はスイッチを押すと壁が動いて扉が開くと階段が出てきて、地面に降りるようになった。

 

「やっと着いた…外の出ても大丈夫ですよ」

「ありがとう。みんな、外とは言えここは飛行船の中だ、あまり走らないようにしよう」

 

 まほは黒森峰のみんなに向けていると、彼女たちは「わかりました」と答え、少しずつ外に出て行く。

 

 

 数分後…

 

 

「よいしょっと」

 

 穂多留が出るとまほは「これで全員か」と確認する、そして彼女は勇樹に「全て終わった」と言うと彼は「ありがとう」と答える。

 

「これだけ乗っても丈夫なのね…どうなっているの?」

「この本によると、確か超重量級の戦車を50台以上耐えれるようになっていて。飛行に使われている機体はヘリウムと聞いたことがあるって書いているわ」

「それでなんですね」

 

 エリカの言葉に桜は本を見ながら答えると、それを聞いた小山は納得した。そして小島が「それよりもここの隊長は…」とあたりを見渡した。その時。

 

 

私が隊長だ

 

 

 奥から声がしたため何かと見てみると、黒色の軍服を着た女性がやってきた。その女性は黒色のロングポニーテールをしており鋭い目つきをしている。背中にはドイツのコック模様をしたマンタとをしている。

 

「む、勇樹彼女は?」

「あ、彼女の名前は―『私のこと知っているのか?』…あ」

 

 まほの質問に彼は答えようとすると女性は反応したかのように答える。それを聞いた勇樹は何かに気づいたのか「忘れていた」と反応する。

 

「えっと…アベルさん、自己紹介を」

「わかった、私は優木=アベル、スパイク女学校自衛隊科のリーダーをしている者だ。勇樹、彼女たちは?」

「彼女は西住まほという西住流の長女、彼女は黒森峰という学校で戦車道をしているんだ」

「なるほど…お前がまほか、よろしく」

 

 勇樹の言葉にアベルはまほに握手すると彼女も「こちらこそ」と握手をする。

 

「勇樹、もしかしてそこの人たちは」

「ライバルの大洗女子学園です、彼女は会長の角谷杏さん。そして」

「ね、ネトゲ部の…猫田…です」

「そーそー、あたしが会長の角谷杏だよー」

 

 猫田と杏がそう言うと、彼女は「そうか。よろしく」と握手をする。

 

「それよりもアベル、例の情報は」

「彼女に伝えた、幸い自衛隊科のみんなはお前のことを信頼しているからすぐに理解してくれた」

「ありがとう…それと、仲間だと思われる写真とメカを」

 

 勇樹はそう言いながら写真を彼女に渡すと、アベルは「わかった、写真は私が伝えておく」と答えると勇樹は「ありがとう」と答えた。

 

「相手はこの学園内に店を開いている、気を付けてください」

「わかった、お前たちは飛行船で来たとはいえ眠いだろ。町に行ってホテルで休んでもいいぞ。私が用意しておいた」

 

 アベルはそう言いながら歩いていくと、杏は「ありがとねー」と言いながら手を振る。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 ウィイイイイイン…

 

 勇樹たちは現在、町へと行く専用のエレベーターに乗り移動していた。

 アベルから「町に行くとしたらエレベーターで言ったほうが早いぞ」と言われたためみんなはアベルの指示を従っていた。

 

「エレベーターまであるんですね」

「こっちは階段だからあまり体験しないなぁ、今度付けてみるか」

「会長、それでしたら少し予算が」

 

 生徒会がそう言っていると、小梅と小島に挟まれている珠姫が「うるさい」とジト目で生徒会を見つめていた。

 

「珠姫ちゃん、暑くない?」

「無論、きつくはないから大丈夫」

 

 珠姫はそう言うと、杏は「あ、わかる」と何かに理解したのか納得する。そうしている間に、エレベーターの動きは止まり扉が自動で開く。そして目にした光景は…。

 

 

 ローテンブルク旧市街のように綺麗な街並みで、生徒らが街を歩いていた。

 

 

「すごいな、これがここの学園の街か」

「うちと大違いね」

 

 それを見ていたまほとエリカは冷静に保ちながらも驚くように言っている。杏も「西住ちゃんから聞いたけど、世界の学園ってすごいねぇ」と言いながら干し芋を食べる。

 

「おおお。こ、これはまさにファンタジーの世界! 異世界に来たレベルですにゃ…!!

「もはや、異世界だわさ!」

「すごいなり―!」

 

 アリクイのメンバーは、ドイツの町並みに目を光らせてあたりを見渡しながら歩いていた。

 すると小梅が「そう言えば、お金大丈夫でしょうか?」と言いながら財布を出すと、勇樹が「あ、それなら大丈夫」と言いながらある場所へと連れて行く。

 その場所は、コンビニであろう建物にやってきた。それを見たエリカは「コンビニぃ?」とイラつく言葉で彼をにらみつける。

 

「ちょっと、このコンビニでどうやってお金を出すの!?」

「お金を出すんじゃなくて、両替をするんですよ」

「両替…ここでか!?」

 

 勇樹の言葉を聞いた河嶋は驚くと、彼は「はい」と答える。

 

「世界にある学園は日本人が来る方が多くてな、日本人の何割かは日本円を持っていて外国でもしようが出来ないんだ」

「なるほど、コンビニであったらATMは1台はある。そこで両替をすることが出来るからここにか」

 

 まほはそう言うと、勇樹は「はい」と答える。それを聞いた小梅は「あ、それじゃあやって来ます」と言いながら急いで入っていく。

 

「みんなもやっておくか…そう言えばみほの場合は」

「あ、他の生徒が払ったようです。せっかく来たのでおごるとか」

「そうか…」

 

 勇樹の言葉を聞いたまほは、少し悲しそうな表情をしている。すると、茜色のショートツインテールをしたつり目の少女がやってきた。

 

「勇樹、少しいいかしら!」

「アガタ? どうしたんだ?」

 

 アガタと呼ばれる少女と勇樹の行動にエリカは「知り合い?!」と言うと、桜は「知り合いよ」と簡潔に答える。

 

「今他の生徒から聞いたんだけど、どうやらこの町に来ているらしいわ! でもすぐに捕まえたわ!」

「さすがスパイク女学校…恐れ入りました」

 

 アガタの言葉に勇樹は土下座すると、彼女は「ハハハハッ!!」と高笑いする。

 それを見たエリカは「なんだかむかつくね…誰に似ているのかしら」と言うが、まほたちは「エリカ(さん)だろうな」と無言で彼女を見つめていた。

 

「って、それよりも小春田たちはどこに?」

「今は牢獄にいるわ、気体の最上階にあるから迎えに行こうにせよ、いつも飛んでいるから専用の飛行系のメカか飛行船がないといけないわ!」

 

 それを聞いたまほは「確かにそうだな」と理解する。が。

 

「あ、あの…それですが。少しいいですか?」

「ん、アンタは…隊長から聞いた生徒ね。それで何、猫田?」

「はい…実は思い出しましたが、彼女たちはどうやってここに入ってきましたか?」

 

 猫田の言葉にアガタは「そう言えば…確か」と思い出すように考え込む、そして数秒後…彼女の表情は徐々に青ざめていき「お、思い出した」と言いだした。

 

「あいつら、確か乗り物でやってきたわ!!」

「おい待て! もしかしてだがその乗り物は取り押さえしていないのか?!」

「だ、誰も乗っていないから一応テープはしていたが…エンジンは」

 

 アガタは桃からの質問に答えていると、外から爆発音がしたため、みんなは「何?!」と驚く。

 

「アガタ! 外の映像は!?」

「管理教室! この先にあるから急いで来て!」

「わかった! まほ!」

 

 勇樹はまほに向けて言うと彼女は「わかった!」と答えて急いで例の教室へと走っていく。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 管理教室…そこは飛行船の安全設備に異常がないか管理するために用意した建物、正式に言うとこの建物は学校ではない。

 そんな中、勇樹たちは管理教室に入っていき監視モニターのところへと行く。

 

「あ、アガタさん。どうしたんですかみんなを連れてきて」

「それはいいのよ! それよりも先ほどの爆発は?!」

「え、実は私も確認しようと…あ!」

 

 生徒の一名は驚いたため彼女は「何が映っているの?!」と強引に見ると、巨大なタコ型のメカが期待に穴を開いて小春田たちが入っている檻ごと中に入れていく。

 

「あのメカは! 小春田が用意したメカ!」

「空中戦だと難しいわね」

 

 エリカはそう言いながらにらみつけていると、まほが「いや、まだある」と言いながら彼に「勇樹、あれはまだついているか」と言う。

 

「あれ…あ、まだ付いています! 修理する際にしまっておきましたので!」

「わかった、今すぐ行けるか?」

「4分ぐらい掛かります、今すぐしましょう!」

 

 勇樹はそう言うと、杏も「そうだね、少し厄介なメカだから手助けするよ」と言いながら椅子から降りる。

 

「無論、猫にゃーも」

「え、ええ!? ボクたちもですか!?」

 

 猫田はそう言うと、河嶋が「当り前だろ」と突っ込む。

 

「ベジタバルーンに大量に用意している、ブースターは限りありますがプロペラを付ければ!」

「わかった、急ぐぞ!」

 

 まほはそう言うと、生徒らは「わかりました!」と答えて彼女と共に走っていく。

 

「アガタは監視カメラを! もし入っていたら連絡を!」

「そうね、こっちも油断していたからもしかしたら入っているかもね…わかったわ、隊長にも知らせておくわ!」

 

 勇樹の質問に彼女は答えると彼は「わかりました!」と走っていく。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 その頃…スパイク女学校から数百メートル下から飛行船がやってきていた。その飛行船には『スパイク女学校行き』と表示されているため、一種の空中タクシーだろう。

 

「ドイツまでの時間は早く着いたがここが長い…」

「もうすぐ着く思うさかいいけるけど…ん、あら?」

 

 山吹は上を向くと6両の戦車が空を飛んで、行くのを発見した。

 

「あれは…飛行機か? なんで」

「上に何かありますわね…あれ、使いますか?」

「ボクも…けが人が出るのは嫌だよ…」

 

 少年の言葉にみんなは「そうだね」と言いながらインカムを用意し、電源を入れると虹色に輝き電子音が響く。

 

「それじゃあ、行こうか」

 

 女性はそう言うと、みんなは「おう!」と一斉に答える。



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第64話『空中戦と情報』

「どこかにあるはずだとおもったのに…ここは外れですの?!」

「そのようだ…たく、こんな時に機械の調子が!」

 

 驚く小春田に白山はコンピューターと思う機械をたたく。

 

「それよりどうしますの?! このままでストまたあの方たちに!」

「それは心配あらへん…ここ天やからな」

 

 心配する奈村に塩崎は冷静に言うと彼女は「あ、そう言えばそうでしたわね」とあっさりと納得する。

 

「そうですわね…空中で設楽相手は勝てませんし。あたくしたちが攻撃してやればいいですわ」

 

 小春田はそう言うと白山は「そうだな」と言いながらレバーを動かすと天井からスナイパーが付いた機械が出てきた。

 

「飛行船に攻撃すれば済む…撃つぞ」

 

 彼女はそう言うと射撃用意をし、標準を飛行船に向け引き金を引こうとした…その時。

 

 

 ビビビビビビビビビビビ!!

 

 

「な、なんですの!?」

「警報か?!」

「驚きましたわ!」

 

 突然鳴り響く警報音に、小春田たちは驚いていると生徒が操縦席に入ってきて「大変です!」と声を出す。

 

「大洗の生徒たちと黒森峰が空を飛んでいます!」

「なんだと!?」

 

 それを聞いた白山は驚くのであった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「砲台訂正! 砲撃用意!」

 

 まほたちは現在、勇樹によってつけた翼とブースター・プロペラで空を飛んでいる。

 砲台が回る戦車であるティーガーG・Ⅰ型と三式は飛行停止していても砲撃可能だが、ヘッツァーとティーガーⅡは砲台が回らないっため機体ごと方向転換しないといけない。

 

「かーしま、装填」

「わかりました会長!」

「赤星ちゃん、そちらは?」

「方向転換は出来ます、ただ思った以上に大きいので少し時間が」

 

 小梅の言葉に杏は「わかった」と言いながら引き金を用意すると、河嶋が砲弾を装填し終える。

 

「終わりました会長!」

「りょーかい―っと」

 

 カチッ! ドガアアア!!

 

 杏は引き金を引くと砲台から弾が放たれて、メカの触手に当たる。

 

「よっし! と言いたいところだけど、掠っただけか…」

「しぶとそうですね」

 

 メカの触手を見て杏と小山はそう言うと、まほが乗っているパンターG型から砲弾が放たれてメカに当たると触手で攻撃するがティーガーⅠが砲台を放った攻撃を防ぐ。

 

「なかなかやるじゃん、猫田ちゃん。攻撃するよー!」

『わ、わかったにゃー!』

 

 通信機越しから猫田が答えると、砲弾は放たれてメカの頭に当たる。

 

「すごい、空中でも攻撃が」

「猫田さんたちはネトゲをしているからでしょうか、砲撃が上手ですね」

「そうだね…こっちも攻撃をしていくか!」

 

 杏はそう言いながらメカに攻撃していくが、思った異常に頑丈にしているのか装甲が簡単にはがれない。

 

「思った以上に硬いですね…」

「こりゃ連続しないと壊れないな」

「いくら何でも私は無理です会長!」

 

 会長の言葉に河嶋は慌てて答えると、小梅が「冗談ですよ河嶋先輩」と苦笑いで答える。すると。

 

 シュルルルル!!!

 

 突然触手が伸びていくとすべての戦車を捕まえるとそのまま縛り上げていく、すると。

 

 ミシミシミシミシッ!!

 

「およ?」

「な、ななななん!?」

「この音ってもしかして!」

「あの触手の力で壊してきている?!」

 

 杏はのんきに反応しているに対して、河嶋と小山、そして赤星は慌てて言うと通信機っから『そのようだな!』とまほの声がした。

 

『どうやら、このメカは私たちを攻撃している間に触手で壊そうと!』

『そ、想定外だニャー!!』

「ありゃりゃ…石川ちゃんは?」

 

 杏は勇樹に連絡すると彼は『すみません!』と声が返ってきた。

 

『こちらも行こうとしましたが、出入り口が塞がれて飛行不可能です!』

「なんだとぉおお!? すぐに破壊しろ!」

『それなんですが…フグの毒爆弾』

 

 勇樹の言葉に赤星は「あ、それでしたら慎重に壊してください」とあっさりと答える。イライラしている河嶋も「そうだな…慎重に」と顔を青ざめて答える。

 実はフグは毒を持っており、特に内臓は毒がある。もしフグの胴体内部にあるガス…それが毒ガスだとしたら危険だ。

 そうしている間に、メカの触手の力は徐々に増していき。戦車を壊そうとしていた…その時。

 

 シュッ!! スパスパスパッ!!

 

 突然何かが通り過ぎるとメカの触手はバラバラになっていき、メカは驚いていると戦車は体制を整えて飛行を開始する。

 

『危ない所だった…しかし』

『あれは何なの?! いきなり助けたのはありがたいけど』

「うーん、目には見えないねぇ…だけど」

 

 杏は戦車から頭を出してメカを見ていると、目には見えない何かがメカの周りをまわっていた。

 メカは残った触手で捕まえようとするが、思った以上に速いため捕まえない。逆にメカの装甲がはがれていき、メカの骨格があらわになっていく。

 

「チャンスはこれだね…河嶋!」

「はい、ただいま!」

 

 杏の指示に河嶋は砲弾を装填すると、彼女はスコープで標的をメカの骨格に標準を合わせる。そして。

 

「少し早いけど…発射!」

 

 カチッ! ドガアアア!!

 

 メカの骨格に向けて砲弾は当たると、ひびが徐々に広がっていき。メカの頭以外に触手などにひびは入っていき。そして爆発することなくバラバラに散っていきメカのコンピューターと思われる機械が出てきた…そして。

 

 

 ドガアアア!! ドガドガドガアアアアッ!!

 メカは大爆発を起こし小春田多胎が出てきて遠くの方へと飛んでいった。

 

『彼女たちが出てきた! 追うなら今が―」

『待てエリカ、今から追っても相手は私たちを狙う』

『ですが隊長! このままですと!』

 

 エリカは彼女たちを追うとするが、猫田が『あ、あの…まだ小春田さんたちは完全につかまったじゃないです』と答える。

 

『もしかしたら…他のところで捕まえることが出来、ます』

『猫田の言う通りだ、ここで捕まえるのは時間の無駄。そして相手が切り札を出す可能性がある、捕まえるのはもしかしたら先になる』

『隊長…わかりました』

 

 まほと猫田の説得に彼女は理解すると、杏は「さすがだねぇ」と感心する。そして。

 

「気になるのがあるしねー」

 

 杏はそう言いながら下を見ると、その先には飛行船型のタクシーが飛んでいた。

 なお、出入り口である飛行艇に防いでいたフグ型の爆弾は、勇樹たちが丁寧に外しておいたため、通れることが出来た。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「それじゃあ、彼女たちが石川ちゃんの?」

「はい、FWQBの仲間であるパーティー『希望』です」

 

 杏の言葉に勇樹は冷静に答えると、麻子は「仲間、仲間!」と興奮で言ったため桜が「麻子、落ち着きなさい」と麻子の頭をなでる。

 

「私は今は勇樹と言われていますが、FWQBの世界では『ユキ』と呼ばれています。そして」

「私の名前は安齋志露、ゲームでは『ココロ』と呼んでいる」

「うちの名前は山吹喜代斗、ゲームでは『キョウト』て呼んでる」

「あたしは大原歩夢! ゲームでは『アオ』って呼んでいるわ!」

「わたくしは御坂琴葉ですわ、ゲームという世界では『ミコト』と言われておりますわよ!」

「ボクは…水無月陸…ゲームではツユリだよ」

 

 個性がある言い方にみんなは「ほへー」と言う風に目を丸くしていたが、猫田たちは「おおおっ!」と目を光らせている。

 

「まさか、石川さんの友達、ですか!?」

「初めて会うぴよ!」

「初めましてナリ!

 

 ゲームのユーザーに合えたことに猫田たちは喜んでいた、それを見た陸は「え、えっと…?」と戸惑っていた。

 

「なあ勇樹、こいつらは一体…?」

「華すけど忘れていた、事情により空間転送された人たち」

 

 キョウトの室温に勇樹は答えうと、ミコトは「ふーん」と納得する。すると。

 

「話の途中で割り込んでしまうが、情報が入った」

 

 アベルの言葉に勇樹は「情報?」と反応する。

 

「アベルさん、その情報は」

「アガタに頼んでみたところ、日本の軍隊流派高校西から情報が入った。

「西さん…それで情報は?」

「ああ、それなんだが彼女はその学園に通っていたことがわかった…だが、妙な事が」

 

 アベルの言葉に勇樹は「妙な事?」と言うと彼女は「ああ」と言いながらこう答える。

 

 

 

 

「おかしなことに、彼女は高校を卒業していない…それ以前に彼女は消えているんだ」

 

 

 

 

 それを聞いたみんなは「…え」と反応する。

 

「消えているって…まさか上に?」

「いや、それを聞いてみたんだがそれを消した記録がない。当時の人に聞いてみたが本当に見覚えがないそうだ」

「そうですか…詳しい話は」

「残念だが、それは今わからない…正式には体調が知っているというが」

「なるほど、それじゃあその西というやつに聞けばいいのか」

 

 河嶋はそう言うが、彼女は「それなんだが」と彼女は複雑そうな表情をする。

 

「む、何か問題があったのか?」

「問題というか…今は休校だ、学園の修理のため」

 

 それを聞いたみんなは「確かに」と納得するのであった。勇樹は「それで、開校日は?」と彼女に質問をする。

 

「その学園が開校する日は?」

「一週間から十日以内、それまでに急いで連絡をする」

 

 それを聞いた彼は「わかりました」と言うと、みんなと一緒に日本へと帰るのであった。

 



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第65話『鉄道と学園内…!!」

「そうですか…は、わかりました。ありがとうございます」

 

 今朝がた、屋敷内では京子が真剣な表情で電話をしていた。

 それを見ていた西絹代と福田はる、磯部典子と川西忍は見つめていた。

 

「西隊長、薩摩殿は一体何を?」

「私もわからない…だが何か重要なことを話しているのは事実だな」

 

 福田と西はそう言いながらじっと見つめていると、京子は「それでなんですが」と電話で話しながらカバンからメモを出して何かを書き始める。

 

「先ほど送った情報を少し調べてほしいです…はい、そしたらそれを勇樹さんに伝えます。突然で申し訳ありません」

 

 京子はそう言って電話を切ると、そのままため息をする。

 

「さて…そろそろ勇樹さんに連絡を」

 

 京子はそう言って立ち上がり、部屋から出ようとしたのを確認した西たちは、急いで退こうとした…その時。

 

 

 ドガアアアァァァァァァ!!

 

 突然屋敷が爆発したのか激しい衝撃が伝わり、みんなは驚いてその場でこける。

 そして勇樹の部屋だと思う扉が開くと彼が出てきた。

 

「い、石川殿!? 一体何が!?」

「いててて…少しメカの改造をしていたら事故って…その代わり新メカが完成したから何とか」

「何とかって…けがは大丈夫!?」

 

 頭にたんこぶが出来ている勇樹を忍は心配していると、彼は「大丈夫大丈夫」と答える。

 

「それとだけど、ここで朗報が入った! 今軍隊流派高校がこちらに向かっている、もう少ししたら小春田の情報が聞けるよ!」

「本当ですか石川さん!」

「ああ、今回はなんと隊長が西さんたちに会いたいと…ところでなんで西さんたちは京子さんの部屋の前に?」

 

 勇樹の言葉に西たちは気まずそうな表情で目をそらしていたため、彼は「何か聞いていたのか」とジト目で見て言おうとするが、京子が出てきた「大丈夫ですか!?」と勇樹を心配する。

 

「京子さん、オレは大丈夫です」

「そうですか…でも最近小春田さんたちは何をするのか分かりませんから」

「わかりました、それよりも例の情報は?」

「はい、あと少しで小春田の家族の詳細がわかると思います」

 

 勇樹と京子の言葉に、みんなは「すごい情報網…」と目を丸くしていた。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 そして次の日、勇樹はアレンと百合子は知波単の生徒と一緒に学園内にある巨大駅『ギアステーション』へと移動している。

 

「石川さん、私たちも一緒に連れてどこに?」

「安心してください、西さんたちと気が合いそうな人たちがいるところです」

 

 勇樹はそう言いながら西に向けて言うと、アレンは「そうだな」と同意するように答える。

 

「そこは少し変わった学校の1つだが日本らしい変わった学園だ」

「知波単らしいのもありますから、私も驚きましたよ」

 

 アレンと百合子はそう言っていると、福田は「私たちと…同じ?」と頭を傾けながら移動していた。

 

 徒歩で1時間後…勇樹たちはギアステーションに着くと、駅構内…ではなく立ち入り禁止の扉へと進んでいた。

 

「あれ、石川さんそこは違いますが…」

「わかってるさ、ただオレたちが行くのは学園の大きさによりここからしか入れないんだ」

 

 西の言葉に勇樹は答えながら扉に入っていくため彼女たちも急いで後追っていく。

 そして数十分後、立ち入り禁止の扉から出てきた勇樹たち、そして西たちも出てくるとあるものを目にする。

 

 

 高さ5メートル、幅は25メートルほどある巨大な車両。車両には日の丸模様の上に『軍隊流派高校』と太字の筆で書かれている。

 そして先頭車両である汽車は、D52型が2台あり、どちらも清掃していた。後ろの車両の大きさと数だけで汽車1両だけでは限度があるようだ。

 

 

「こ、これは一体?!」

「大きいであります!」

「な、なぜこれがここに!?」

「私も不明であります」

 

 突然の光景に西たちは驚いていると、勇樹は「初めて見る人はそう思うよな」と苦笑いする。

 そうしていると、車両の一部が開き4名の生徒が出てきた。

 

 1名は背が高く白色のロングツインテールをしており狼のように目つきが鋭い、1名は先ほどの彼女と同じ身長だが黒色の三つ編みロングヘアで黒色の眼鏡と頭に桜をしている。

 1名は先ほどの女性と同じ身長をしており茜色の縦巻きショートヘアーをしており頭にはゴーグルと腰にウエストポーチをしている、最後は身長が低く紺色のボブヘアーをしている少女、オッドアイで右腕には学園のマークをしたリストバンドをしている。

 

「西さん、彼女たちが例の」

「話は聞いているよ、ぼくも初めて会うけどこんなにりりしい方を見るのは久しぶりだよ」

 

 西と名乗った女性はそう言いながら西を見ると、彼女は「同性ですか…?!」と驚きながら真剣に彼女を見つめている。

 

「初めまして、ぼくは西(にし)真由美(まゆみ)。軍隊流派高校のリーダーをしている」

「私は、(ひがし)江里(えり)です! 次期隊長として期待があると言われていますので学んでおります!」

「あたしは(きた)早苗(さなえ)です、ちょっとした発明家でーす」

「私は(みなみ)鈴女(すずめ)南鈴女…です」

 

 4名は自己紹介が終わると、西は「初めまして」と言うと同時に手を伸ばして握手をする素振りをする。それを見た西は「は、初めまして」と硬くなりながら握手をする。

 

「立ち話もなんだから、中に入ってはなそう。勇樹君、例の資料も用意しているよ」

「ありがとうございます、では」

 

 勇樹はそう言うと、西たちと一緒に車両へと入っていく。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「こ、これがその車両の中ですか?!」

 

 西が驚くのも当たり前、彼女たちは今車両の中に入っているのにかかわらずそこはまるで一部の街のようになっていたからだ。

 1階建ての建物しかないが街並みは昭和風で電柱や塀に看板も懐かしさが残っており、多くの生徒が歩いていた。

 

「毎度思うがすごいなここは」

「いえ、ぼくたちはただ昭和の街を再現しただけで細かいところまでは」

 

 西はそう言っていると東が「それよりも!」と話の間に入ってきた。

 

「隊長! 霊の資料をお連れしていきます!」

「東…確かにそうだな…」

 

 東の言葉に西は黙り込んで数秒後、彼女は「わかった」と言いながら彼女の頭をなでる。

 

「それじゃあ東、第4車両に移動してくれ。そこに例の資料が」

「わかりました! では勇樹さん!」

「え、ああ…アレンは絹代さんたちと」

 

 勇樹の指示に彼女は「わかった」と答えると、勇樹は百合子と共に東と一緒に行動していく。

 

「西さんたちは、少し休憩を。ちょうど今和菓子が売っている店がありましたので」

「おおっ! それはいいですね!」

 

 西の言葉にみんなは反応すると彼女は「すごい反応速度」と苦笑いすのであった。



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第66話『資料と逃走、そして絶望と希望』

 第4車両、そこは学校のもなっている車両で、多くの生徒が学んでいるところ。その車両の中には生徒の履歴や貴重な本などが入っている資料室がある。

 勇樹たちはドイツのアベルから聞いた話により、この学園に小春田の情報があったため。彼らはそこに案内している。

 

「それにしても、小春田の情報は本当にあるのか?」

「はい! 西隊長に頼んだ結果、この資料室に確かにありました!」

 

 東はそう言いながら資料室前まで行くと、他の生徒が「お疲れ様です」とあいさつする。

 

「篠原さん細原さん、厳重に見張っておいて大丈夫ですか?」

「はい、扉周辺に不審人物はいません!」

「ありがとうございます」

 

 篠原が答えると東は「こちらが資料室です」とドアノブに手を付けて開けようとした…すると。

 

「待て」

 

 アレンが突然彼女の手を掴んで扉から離す、それを見た東たちは「え」と目を丸くしている。

 

「アレン殿、何かありましたですか?」

「ああ…勇樹もか?」

「同じだ、相手はまだいるな」

 

 アレンと勇樹はそう言うと、彼はカバンからカメラを出して『資料室』につけてスイッチを押す。

 

ガタガタ…ガタンッ! ペラペラペラペラ…シュルル ビリビリビリ

 

 カメラの画面には擬音が表示されているだけで、東たちは「これは?」と頭を傾げていた…が。

 

「ビリビリ…これは破く音?」

「この音は紙だな…紙…紙? 待てよ確か!!」

「しまった、小春田の情報を盗んでいる!」

 

 勇樹はそう言いながら急いで扉を開けると、村瀬と池本が一枚の紙を持って外に逃げようとしていた。

 

待て!

 

 アレンは苦無を出して彼女たちの服に目掛けて投げるが、2人はそれを華麗によけて外へ逃げた行く。

 

「しまった! 東、この外に乗り物は?」

「あ、あります! 昨日からですが係員からは『点検中のトロッコがある』と言っておりました!」

「でしたら、外に行きましょう! 3号車は確かこの学園専用のメカがあったはずですので、そこから外に!」

 

 篠原の言葉に百合子は「さすがです!」と答える。そして勇樹は「よし、行こう!」と走っていく。

 東たちも走っていると百合子が「あ、細川さん!」と呼ぶと彼女は反応する。

 

「はい、何でしょうか?!」

「西さんたちに連絡を! 万が一のことを考えてですから!」

「わかりました!」

 

 百合子の言葉に細川は答えると、西たちがいる1号車へと走っていく。

 その時勇樹は「あ、そうだ」と電話を出してある人物に連絡する。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「情報は盗んだ! 急いで逃走だ!」

「はい!」

 

 トロッコの中に入り村瀬は黒薔薇の生徒に向けて言うと、彼女は電源を入れてトロッコを起動しその場から逃走する。

 

「しかしよく間に合いましたねー…メカはまだ未完成でしたが、この未使用のトロッコをかっぱらって使うなんてねー」

「仕方ないだろ、まぁその分。逃げれる時間は稼げるけどな」

 

 池本と村瀬はそう言いながら、手にしている紙を見て自信気に答える。その紙は例の資料室で見つけた『例の人物』が映っていた。

 村瀬は「これを捨てればすぐに終わるな」と言いながら破ろうとした…その時。

 

 

 

ドガアアアァァァァァァ!!!

 

「おわっ!?」

「な、なにー!?」

 

 突然後ろから何かが着弾する音がしたため、2人は急いで外を見ると、八九式の中戦車が線路内に入ってきて、トロッコを追い始めた!

 

「な、あれは確か!」

「バレー部なのー?!」

 

 驚く村瀬に慌てる池本がそう言うと、ハッチが開いて典子が出てくる。そしてメガホンを出すとトロッコ向けて叫ぶ。

 

『こらー! そこの困るだの生徒―! すぐに停止しろー!』

「小春田だ! 困るだじゃない!!」

 

 典子の言葉に村瀬は怒りながら反論していると、生徒が「やっばっ!」と急いで傾けると、トロッコはそのまま右に曲がり速度を増していく。

 

「村瀬さん! このままですと私たちが!」

「わかっている! せめてこの手紙だけでも…!」

 

 村瀬はそう言いながらポケットから鳩型のロボットを出し、例の紙を入れスイッチを入れるとそのまま空を飛び、どこかへと飛んでいった。

 

「情報消滅は完了! あとは逃げるぞ!」

「わかりました!」

 

 生徒はそう言ってトロッコに付いているレバーを引くと、速度は徐々に増していき八九式から離れていく。

 

「はっ! 速度だったら私たちの方が上だな」

「やーいやーいでーす」

 

 八九式をバカにする等に池本はアッカンベーをした…すると。

 

 

 ギュィイイイイッ!

 

 

「いいっ!?」

 

 目の前からモグラ型のメカが出てきて生徒らの通行を妨げたため、生徒は急いで方向を変えてぶつからないようにした。

 

「なっ! あれはモグラ!?」

「ですがあのメカは奇跡のではない! この学園のものなのか?!」

 

 村瀬と生徒はそう言っていると、目の前から『吶喊ー!!』と声がしたため何かと見ると、知波単の戦車がやってきた!

 

「なー! あれは知波単の?!」

「持ってきていないのに何でー!?」

 

 村瀬と池本はそう言っていると、徐々に近づいていき。ブレーキをかけようにせよ、速度が思った以上に速いためすぐには止まらない…そしてトロッコと戦車は。

 

 

 ドガアァァンッ!!

 

 

 大きな音を立ててぶつかると同時に、生徒はそのまま飛んでいき北と南が「捕まえろー!」と急いで軍隊流派学園の生徒らといっしょにつかまえた。

 だが村瀬と池本はそのまま飛んでいき、移動中のトラックの荷台へ入るとそのまま走行していった。

 

「細見、寺本、池田! お前たちはあのとらっくにのった生徒を追え!」

「「「了解しました!!」」」

 

 西の指示に3名はそのまま戦車で移動し、道路へと出る専用の通路から行きそのままトラックを追い始めた。

 軍隊流派の生徒が生徒を捕まえていると、勇樹たちがやってくるが、本人だけはなぜか顔を青ざめて滝のように汗を流している。

 

「勇樹さん! 何とか捕まえました!」

「あ、ありがとう…それ、よりも…生徒は?」

「捕まえましたが…今は意識が」

 

 南の言葉に勇樹は「え?」と頭を傾げながら見てみると、一度に押し掛けたため彼女は目を回して気絶していた。それを見た勇樹は「あー、なるほど」と何か理解したのか、ジト目で彼女を見つめる。

 

「…京子さんに連絡をお願いします」

「わかりました!」

 

 生徒はそう言うと、車両へと行き電話をしに行く。すると福田がやってきて「ところでありますが」と質問をする。

 

「石川殿は、どうしてアヒル殿と戦車を用意しておきましたでありますか?」

「ああ、アヒル殿基バレー部のみんなは福田との友情関係があるとあけびさんから聞いたからな。それに戦車を用意したのは万が一あいつらが来たことを考えて、わざと用意したんだ」

 

 勇樹の言葉に福田は「そうでありますか…」と目を丸くしているのであった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「あらら、これは結構破いているな」

 

 アレンはそう言いながら破けた個所を見ると、そこは小春田の情報が書かれた箇所があるが、村瀬が破ったため何が書かれているか分からない。

 しかもその箇所は紙が古いため、紙が変色して折った跡が何か所かある。

 

「これは難しいな…勇樹、この箇所だけ復元することが出来るか?」

「時間はかかるが…何とかやってみよう。西さん借りてもいいですか?」

「もちろんでございます! 情報はとられてしまいましたが、復元してくれるなら歓迎します!」

 

 西はそう言って本を差し出すと、彼は「あ、ありがとう…」と苦笑いしながら受け取る。

 するとアレンの電話が鳴ったため彼女は出ると「絹代…知波単のか」と言いながら電話に出る。

 

「もしもし…ああアレンだ…そうか、いや西が原因ではない。相手がすばしっこいだけだ」

 

 アレンは「落ち着いて行動するように」と言いながら電話を切ると、勇樹に話す。

 

「あいつらはどうやら途中で降りて、マンホールに逃げていった。しかも下水道にだ」

「厄介なところに逃げたな…生徒は?」

「今京子が警察に、それとだが…朗報が」

「朗報?」

 

 アレンの言葉に勇樹は反応すると、彼女はこう言った。

 

「フィンランドのトレジャー高等学校、宝を探していたら小春田の基地が発見した。今給油のため日本に来ているようだ」

「基地…はっ! 運が良ければ明日あたりに」

「ああ…今隊長から『基地の情報は3日以内に来るよ、用意した方が得かな」と答えが来た」

 

 アレンの言葉に彼は「なんという言葉を使っているのやら」とジト目で言うのであった。

 



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第67話『潜水艦と島』

 次の日…この日勇樹は、あんこうチームと継続高校、そして船舶科基サメさんチームと一緒に行動していた。

 

「本当にいいのですか? 私たちと一緒で…」

「それはかまわないよみほ、オレたちは十分だ」

「あたしもだよ、だけど本当は生徒会と一緒に行きたかったが…」

「まさか杏を除く柚子と桃が風邪を引いたとはな」

 

 勇樹とお銀の言葉に続くように小森が言うと、綺羅は「意外ですね」と単直に答える。

 

「勇樹、ところでだが彼女は?」

「彼女はこちらの事情で一緒に行動、住んでいる仲間で。名前は白夜綺羅だ」

 

 お銀は白髪の少女を向けて言うと、彼は解説するように答えながら操縦桿を動かしている。

 白夜(びゃくや)綺羅(きら)…その少女は雪のように白い色のロングヘアでルビーのように輝く赤色の鋭い目つきをした少女。幼いころ波乱な人生を送っていたある日、勇樹に助けられて共に行動している。

 

「それにしても、本当にトレジャー高等学校は本当に来るのですか?」

「話によると、世界を駆け巡りなが学んでいるというが…どういうことだ勇樹?」

 

 綺羅に続いて薄茶色のアホ毛が出ている少女、白夜月奈(つきな)はそう言うと、彼は「それがオレもよくわからないんだ」と答える。

 

「まだ初めて会うから…暗しい情報もなくて、特に学校はどんな姿をしているか不明なんだ」

「そうか、それで私たちも一緒にか?」

「綺羅たちがいると正直安心する、最近外に行っていないからな」

 

 勇樹はそう言うと、綺羅は「そ、そんなことは…」と照れながら顔を赤くする。

 そうしているとアキは「よいしょ」と勇樹と綺羅の間に入る。

 

「勇樹さんが言っていた学校て、もしかしてわたしたちのように少し貧しいの?」

「直球に行ったね…確か聞いた話によると少し貧しいと聞いたような」

 

 勇樹はそう言いながら天井に着いているスイッチを押すと、一冊の薄い本が出てきてアキがそれを受け止める。

 

「えっと、『トレジャー高等学校の秘密』…?」

「天女からもらったんだ、詳しい内容は乗っていないけど。現隊長であるあいつらは乗っているはずだよ」

 

 勇樹はそう言っているとアキは「どれどれ」と本をめくってその人物を探していた、すると。

 

「あった! アールト・カリナにカント・イーダ、エリオ・ケイトだよ!」

 

 アキがそう言うと綺羅は「外国人にしては珍しい名前ですね」と感心しながら外を見て言う。

 

「この人たちもメカはあるんだ…いったい何だろう?」

「あたしに聞かれてもねぇ…西住さん、アンタは?」

「え、私もですけど…きっとミカさんと同じ変わった機能があるのでは…?」

 

 お銀はみほに向けて言うと、彼女は慌てながらも冷静に質問に答える。それを聞いたミカは「私もそう思うよ」と答えながらカンテレを鳴らす。

 

「勇樹、現在逗子市に来ている。もう少ししたら」

「見えるか、ありがとう小森」

 

 小森の言葉に勇樹はお礼を言うと、ムラカミは「逗子市って…どこだ?」と言うとみんなはそのばれこけるのであった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 神奈川県逗子市、神奈川県の南部に所在する市。そこでは『リビエラ逗子市マリーナ』というマリーナリゾート地がある。

 勇樹たちはこのリゾートにある船艇販売へと着くと、潜水艦の特徴である大きな潜舵が出ていた。その潜舵にはトレジャー高等学校であるマークが描かれている。

 

「ここであっているな…あ、いたいた」

 

 勇樹はそう言っていると、オレンジ色のショートヘアーをした眼帯の少女が立っていた。

 彼女は彼を見つけると「やあ」と声をかける。それを見つけた勇樹も「おう」と答える。

 

「みほたちからは彼から聞いているよ、私はアールト・カリナだよ」

「初めまして大洗女子学園の戦車道をしている西住みほです。そして」

「私は継続高校の戦車道をしている隊長のミカ、よろしく」

 

 ミカはそう言って手を出すと、彼女は「こちらこそ」と握手をする。

 

「それでアールト、その基地ってどこに…」

「ここから小笠原諸島にある小さな研究所、まだ何を研究しているかわこっちもわからないよ」

 

 アールトはそう言うと、お銀は「そこは確か、沖合にある島か?」と言うと綺羅は「遠いですね」と答える。

 

「ここから行くとしたら…2日ぐらいはかかるな」

「そうだな…あ、勇樹」

 

 何か思いついたのか麻子は彼に向けて「潜水艦」と言うと、勇樹は「それだ」と何かに気づいたのか、そういう。

 

「アールト、潜水艦でここまで行けるか? それだったらオレたちも」

「それはいいね…でもごめんね、あいにく私たちの潜水艦は燃料を補給していて、それが終わるのは4日後だと思うよ」

 

 アールトの言葉に勇樹は「やっぱり」とうなだれる…が。

 

「万が一のことを考えてメカを用意して正解だ」

 

 勇樹の言葉にみんなは「え」と驚くが、綺羅は「やはり用意していたのですか」と答えると、彼はカバンから袋を出すとそこから球体上のカプセルを出すと海に向けて投げる。

 

「あー! 石川殿!! どうして玉を海に!?」

「もったいないじゃないか!」

 

 それを見た優花里とお銀は彼に向けて言うと、勇樹は「まあ見ておいて」と言いながらにやける。すると。

 

 

 ポコポコポコポコ…ザバアアアッ!!

 

 

 泡が出てきて、何かと思ってみていた中。突然海から巨大な海亀型のメカが現れた、そのメカの甲羅には船に使われる帆が付いていた。

 

「海亀型海賊船メカ『パイレーツ・タートル号』、いざというときに用意して正解だ」

「これは…船か?」

「海亀だからわかるけど」

「なんだか不思議なメカだな」

 

 勇樹が説明し終えると同時に、お銀たちはメカを見てひそひそと話をしていた。

 みほは「海亀…かな?」と頭を傾げていると、ミッコが「そろそろ行こうよ」と文句を言い始めた。

 

「ちょっと待って、時刻は確か…おっとこんな時間か」

「そろそろ行きましょうか。車は奈々さんの仲間が回収しますから」

 

 綺羅はそう言うと勇樹は「そうだな」と言うと、メカの甲羅に手を触れる。すると。

 

 ウィイイインッ……ガゴッ!

 

 メカの甲羅の一部が突然動き、そこからメカの中に入る専用の扉が出てきた。

 

「ハッチは事情により出入口は甲羅になったけど、メカの硬さは他のより丈夫になっているよ」

 

 勇樹はそう言いながら入っていくと、みんなも急いでメカ内部に入れていく。

 途中彼は「戦車はもう積んでいるから、安心してね」と言うとみほは「用意周到ですね」と驚く。

 

「アールトさんたちはどうやって」

「専用のメカがあるよ、パーツを付けるのに少し整備はする必要あるけど、終わればすぐに行動が可能だよ」

「そうですか」

 

 アールトの話を聞き終えた綺羅は「では先に行ってまいります」と言いながら扉を閉めると、甲羅は動き鍵がする音がし。メカは前に進み始める。

 

「さて、私も急ぐか」

 

 勇樹たちを見た彼女は、潜水艦へと歩いていく。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「現在海上移動中、速度は時速40キロ」

「時間はかかりますが安定広域ないですね」

 

 綺羅と百合子はそう言うと、勇樹は「目的地の島は時間かかるな…」と言いながらファイルを開けて、ファイルに入っている写真を見る。

 

「あれ、勇樹君その写真は」

「アルートさんからもらった例の写真だ」

 

 勇樹の言葉に百合子は「いつの間に」と言っていると、勇樹は「お前たちが考えているさなか、アールトが突然渡すからな」と言いながら調べている。

 

「小春田の基地が映っている写真で、何かわかると思うが…あった」

 

 勇樹はそう言っていると、巨大なドーナツの形をした建物が発見される。

 

「この基地は…どこかで見たことあるような」

 

 勇樹はそう言いながら見ていると、綺羅は「勇樹」と言うと彼は反応する。

 

「どうした綺羅?」

「目の前に船がありましたが…あれはただの船ではありませんね」

 

 綺羅はそう言って前を見て言ったため、勇樹たちは何かと思い見てみると。

 そこにあったのは煙突が付いた蒸気汽船、黒色をした普通の船。

 

「あの船…蒸気汽船だけど帆が付いているな」

「一種の黒船か、だが本物にしてはドクロのマークが付いているな」

「敵か」

 

 勇樹が画像を見て言うと、麻子とお銀が冷静に言ったため。百合子は「そうですね」と真剣に答える。

 

「まさかここで会うとは予想外です」

「気にするな綺羅。しかしこの様子だとまだ俺たちの姿は見つけていない」

「そうだね…今のうちにこれを潜水しよう!」

 

 勇樹の言葉に月奈と沙織はそう言うと、彼は「わかった」と言うと水色のスイッチを押す。

 するとメカは帆をしまうと同時に、頭から潜望鏡が出てきて海の中に入っていく。

 

「潜水モード完了! これなら心配ないよ」

 

 勇樹はそう言うとラムは「すごいなほんとに」と驚く。

 

「これって一体なんだこのメカは?」

「船になったり潜水艦になったり…不思議だね」

 

 お銀とフリントはそう言っていると、沙織は「ほんと、凄いよもう!」と感心しているのであった。

 

「勇樹さんが作ったこの潜水艦…本当に不思議ですね」

「改めてみますが、本当に石川殿が作ったメカとは思いませんね」

 

 華と優花里はそう言っていると、勇樹は「そうでもないよ」と答える。

 

「このメカはまだ未完成の部品が多く合って、修理して点検して何とか安全地になったけど。例の島までたどり着くかどうかは」

「不明、だね」

 

 勇樹はそう言っていると、ミカが入っていったため。百合子は「む」と彼女をにらみつける。

 

「あと、このまま潜水して移動してもいいのかな…いつかばれたら大変なことに」

「それはないぞアキ、このメカは一応魚雷っぽい武器も搭載しているから守ることは可能だ」

 

 心配するアキに月奈は答えると、百合子「そうですよ」と答える。

 

「海面ですと相手の動きがわかる分、攻撃に狙われやすいし逃げにくいのです!」

「しかし、海中だと動きは取れにくい分波の影響は低く、攻撃されてもよける手段はいくつかある」

 

 勇樹もそう言うと、お銀は「意外と詳しいじゃない」と感心するのであった。

 

「それじゃあこのまま加速していくぞ…と言いたいところだけど、昨日から少し眠いから…ふぁあああー」

 

 勇樹はあくびをしていると、麻子が「私がやっとく」と操縦機を握る。

 

「簡単なのか動かすのは?」

「一応 行先までは自動操縦してくれるが。応用コントロールで行先を変えることが出来る…あ、操縦機は動かせるよ」

 

 勇樹はそう言うと彼女は「なるほど」と納得してそのまま座っている。

 

「とにかく今は少し朝早くから行動したから出来る限り体力を回復しよう」

「そうですね、うたた寝は危険を招きますから皆さん休んでください」

 

 勇樹とみほはそう言うと、みんなは「わかりました」「ヨーソロー!」と答える。

 

 

 

 

 しかし彼らは気づかなかった。

 

 今から行く、島はとんでもない事実が隠されていることも知らずに…。

 

 

 

 



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第68話『野生の秘密と研究所と罠』

 島に付いた勇樹たちは、メカを近くの浜辺へと移動しメカから彼女たちの戦車を出して森の中へと移動していく。

 その間、勇樹と麻子、ムラカミと優花里はメカが海流に流れないように、錨を出して近くの岩場に固定していくが、思った以上に重かったため、4人が持って移動するだけでも精いっぱいだ。

 

「これで良し…それにしてもこの島」

 

 錨を固定し終えた勇樹は島を見る、その島はヤシの木などと言った多くの植物が生えていた。

 南の島のように木々は輝いており、生え方を見たところ植物は手入れしていない、つまり自然に育った証拠だ。

 

「この島…九条、思い出すな」

「うん…懐かしい」

 

 勇樹は九条に向けて言うと、彼女は首を動かして答えるとそのままヤシの木へと行き、幹に手を付ける。

 そして彼女は微笑みながらそのまま抱き着き、顔をすりすりとする。

 

「なあ勇樹、彼女はどうしたんだ?」

「ムラカミ殿の言う通りです、私も始めてみますけど…一体」

 

 ムラカミと優花里は彼に向けて質問すると、勇樹は「彼女か」と息を吐きながらこう答えた。

 

 

彼女は、どこかの南の島…一種のフィンランドの島から来た少女だ

 

 

 勇樹の言葉にムラカミは「ふぃ、フィリピン?」と目を丸くしたため、優花里は「島とフルーツが多い国です」と簡潔に解説する。

 

「九条はどこかの研究施設で生まれた少女で、両親は実際にいたけど数年前に起きた事故で亡くなったんだ。分け合って日本へと密輸、まぁコンテナに侵入してきたってことだ」

「私と同じですね」

 

 優花里は真剣に言うと彼は「まぁそんなもんだ」と答える。

 

「そして、学園外で少し調べていた美樹姉と綺羅が彼女を見つけて保護したってわけさ」

 

 勇樹はそう言うと2人は「それでなんだ…」と納得して九条を見ると、彼女は「うがうが」と言いながら木を登っていた。

 

「ここまで来る間、彼女は両親を亡くしてから狼が育ててな。その狼は人を襲わない珍しい肉食動物だってことがわかったんだ」

「人を襲わない狼、そんな品種がいるのか」

「フィリピンは島が多いですから、まだ知られていない生物がいるのは当たり前ですよ」

 

 優花里はそう言うと、彼女は「それもそうか」とあっさりと納得した。勇樹は「納得するのかよ」とジト目で見る。すると。

 

 

 ピリリリリ…ピリリリリ…

 

 

「ん、携帯からだ」

 

 勇樹の携帯が鳴ったため彼は見ると『綺羅』と表示していた、それを見た彼は「彼女からか、珍しいな」と言いながら電話出てみる。

 

「どうした綺羅? ……見つけた? それでその中は…今調べるか。分かった、オレもいく」

 

 勇樹はそう言って電話を切ると、優花里に「小春田の仲間がいる基地が見つかったか、急いでいくよ」と言ったため彼女は「わかりました!」と答える。

 ムラカミも「お、おい待ってくれ!」と急いで追いかけていく。麻子は彼らの行動に気づいたのか木から降りると、そのまま走っていった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 綺羅たちがいる場所は、浜辺からわずか5キロ先にある研究施設。爆発した跡があるのかガラスは黒く変色し鉄類は地面にばらまいており、内部は紙が燃えた跡や機材などが壊れて地面に落ちているのがある。

 勇樹たちはやってくると、みほが「勇樹さん」と反応する。

 

「いてて…動物がいないのは幸いだけど、結構つかれる場所にあるな」

「仕方ありませんよ、ここは無人島ですからあまりひとがこないですよ」

 

 優花里はそう言うと百合子が「確かにそうですね」と言いながら植物を掴んで観察している。

 

「扉はまだ動くな…錆びているところはないし」

「動かせるってことですね」

 

 出入り口であろう扉を見ながら勇樹が言うと、綺羅は答えながら扉に触れると麻子も「そうだな」と答える。

 

「扉は古く見えているが、メーターが回転している。電気は通っている証拠だな」

「となると、どこかにスイッチが…あった」

 

 勇樹はそう言って壁を探していると、スイッチがあることに発見し。試しに押してみると扉が左右に自動で開いた。

 

「これが出入り口か…意外とあっさり空いた」

「だけど、相手は小春田さんたちだよ。何をしてくるか分からないよ」

 

 ミカはそう言うとお銀も「彼女の言う通りだね」と答える。

 

「相手はどこにいるか分からない。油断しないようにしていくよ」

「わかった、念のため麻子と月奈さんは入り口で」

 

 勇樹はそう言うと九条と月奈は「うが」「わかった」と答える。

 

「それじゃあ入ろう、何があるか正直分からないけど相手はここにいる可能性が高い」

「勇樹の言う通りだな、道具は彼が持っているしいざとなれば」

「はい、今回は勇樹さんの道具を頼りに行きましょう」

 

 勇樹の言葉にお銀とみほは答えると、百合子は「それじゃあ」とみんなは扉の中に入っていき、奥へと進んでいく。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「ここは…研究室か? 初めて見るところだな」

 

 勇樹たちが研究室に入って数分後、彼らは生物を研究しているところへとやってきた。

 装置には生き物が入っているであろう手のひらサイズの卵に、円柱型のカプセル型には生き物がコードにつながっていた。

 

「何を研究していたのでしょうか…」

「なんだか、怖いよ」

「大きい所に出たね…」

 

 装置や卵に生物を見た沙織、アキ、フリントはそう言いながら歩いていると、綺羅は「ここはどこかで出てきたような」とジト目をしながら歩いている。

 

「百合子さん、どうですかそちらは?」

「小春田産の仲間はいませんね…綺羅ちゃんは?」

「向こうを見に行きましたが、それらしき人物はどこにも」

 

 百合子と綺羅はそう言っていると、勇樹は「意外と隠れ上手だな」と感心する。

 

「それにしてもこの研究室は一体なんだい? まだ初めて見るのもあるが…」

 

 お銀はそう言っていると、ラムは「お?」と何かを発見する。

 

「親分! 石川さん、何かありましたよ!」

 

 ラムの言葉に2人は「なんだって?」と反応し、急いで彼女のへと行く。そして目にしたのは…。

 

 

 

髪の毛? オレンジ色に近いな

 

 

 

 机の上には、切った髪であろうオレンジ色の髪の毛が落ちていた。

 それを見た勇樹は「なぜここに髪の毛が?」と言いながら、袋に紙を入れて保管する。

 

「え、それ拾うのか?」

「何かしら重要な手掛かりになるからな、こういう時はわずかな手掛かりを拾うのも大事だ」

 

 勇樹はそう言いながらそれを拾い終えると、今度はカトラスが「手掛かり発見」と言うと、華と綺羅が駆けつける。

 

「あの、手掛かりとは?」

「いったいどういうのですか?」

 

 2人がそう言うと、彼女は「これ」とあるものを見せる。

 それは1枚の紙だが何か機械らしき設計図が描かれている、椅子があることから何かを固定してやるようだ。

 

「これは…機械ですか? それにしては大きいですね」

「大きさから計算しますと、トラックに乗せることが出来るレベルですね」

 

 華と綺羅は冷静に言うと、カトラスは「保存しましょう」と設計図を綺羅に渡す。

 

「これは何かの手掛かりになりますね…ミカ?」

 

 綺羅はそう言っていると、ミカが壁を見ていた。彼女は何かと思いミカのところへと行く。

 

「ミカ、あなたは何を見ているのですか?」

「鉄の兵器かな? それらしいのを見ていたよ」

「鉄の兵器? それは一体…っ! これは!!」

 

 ミカの言葉に彼女は不思議に思いながらも壁を見ると、そこにあったのは巨大なドローンの姿をしたメカが描かれていた。

 

「ドローン…兵器とは言いにくいですが、逃げるというならば可能ですね」

「そうだね…それとだけど、奥から音がするよ」

 

 ミカの言葉に綺羅は再び「え」と目を丸くし、急いで壁に耳を当てると。奥から人の声と機械音がした。

 

「機械音…この音は何かを掘っている…掘っている!?」

 

 音を聞いた綺羅は急いで勇樹のところへと行き話をすると、彼は「急いで壁を!」と壁のところへと行き、カバンからハンマーを出して壁を壊すと、何かで乗ったのか地面には穴を掘った跡がある。

 

「穴を掘っていた…不覚でした!」

「いや、まだ間に合う! 穴はまだ掘って間もない…ボードで追うぞ!」

 

 勇樹はそう言いながらカバンから車輪がついていないボードを出すとそれに乗り、ボードについているスイッチを押すと浮かび上がり、キラを連れて穴へと入っていく。

 百合子は「あわ! 遅れました!」と走っていくが間に合わずその場でこける。それと同時にミカは「行くよ、百合子」と言いながら外へ出て行く。

 それを見た百合子は「え、ええ?」と戸惑いながらミカの後を追っていく。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「大きいですね…あのメカより広そうです」

「そうだな、だがなんで地面に逃げるんだ?」

 

 勇樹はそう言いながら周りを見ていると、突然地面が大きく揺れて後ろから瓦礫が落ちてきた。

 

「っ! 瓦礫?!」

「そういう事か! だが、このオレが発明した『プラズマ・ボード』をなめるなよ!」

 

 後ろから瓦礫が落ちて2名をつぶそうとしているが、勇樹が開発した電磁浮遊型特殊ボード、通称『プラズマ・ボード』は徐々に増していき瓦礫から逃げていく。

 

「早いです! これなら急いで」

「あいつらに追いつけそうだな…!」

 

 綺羅と勇樹はそう言いながらボードを増していくと、突然前の通路から巨大な岩が落ちてきて、ぶつかるように仕向けてきた!

 

「しまった!」

 

 勇樹は急いでスイッチを押すと、プラズマ・ボードは急ブレーキをするが遅すぎたのかそのまま岩にぶつかって2人はその場で倒れた。

 

 バタッ!

 

 2名はぶつかった影響なのか、体は動くことが出来ず頭は痛み目を回していた。すると突然地面が揺れ何かの予兆なのか天井から石ころが地面に落ちてきている。

 勇樹は「地震か?」と思っていたその時、突然地面から巨大なドリルが付いた黒色のモグラ型のメカが出てきた。

 

 

 ギュィイイイイッ!!

 

 

「このメカ…まさか!」

 

 

 勇樹はモグラメカについているドクロを見て驚くと、頭のハッチが開き白山が出てきて彼らを見下す。

 

「ふっ、無様な姿だな…」

「あんたにだけは言われたくない!」

「ま、そう言うだろうな…だがもうここまでだ」

 

 白山はそう言うと、メカのドリルは起動し回転すると同時にドリルは2人に向ける。

 

「まさか…オレと綺羅を!?」

「その通り、この場所はちょうど活火山があるところでな、お前たちを誘うのに苦労はしたよ」

「か、火山の溶岩で…護衛の力を…!」

「当たり、だがもう一つ目的はある…」

 

 白山の言葉に勇樹は「なんだ、その目的は…!」と言うが、彼女は「ふっ! 教えてたまるか」と言うとメカは前に進んで2人に攻撃しようとした…その時。

 

『白山様! 左方向に不審な乗り物が、戦車と一緒に何か来ています!!』

「む、戦車と戦車とに何かが…?」

 

 生徒の言葉に白山は反応すると、突然左側から何かが来ているのか地面が揺れると同時にひびが大きくなってきた…その時!

 

 

 ドガアァァ!!

 

 

「な、カメだと?!」

 

 巨大海亀型メカ『パイレーツ・タートル』が出てきたことに彼女は驚くと、口が開いて巨大なグローブが出てきたため白山は急いで入るとグローブは放たれて、メカは壁にぶつかる!

 

『一体…何が?』

 

 綺羅は何が起きたのか目を丸くしていると、胴体のハッチが開いてアキとみほが出てきた。

 

「勇樹さん! 大丈夫ですか?!」

「綺羅さんも、ケガが」

 

 2人は勇樹と綺羅を心配していると、彼は「オレたちは大丈夫だ!」と答える。

 

「それよりも、あいつを捕まえてくれ! 奴は小春田の仲間だ!」

「あ、でも」

 

 勇樹の言葉にみほは戸惑っている。友達を先に救うべきか、敵を追うべきか…彼女はどっちを先にしようか…戸惑っていたその時。

 

「みほ―! 前ー!」

 

 九条の言葉に彼女は反応し前を見ると、モグラ型のメカは体制を整えると同時にドリルを回転し、壁に穴をあけて逃げていく!

 

「しまった…わかりました、私たちは小春田産の仲間を追います。ですが必ず勇樹さんと綺羅さんを…必ず助けます!」

 

 みほの言葉に勇樹は「わかった、必ず助けに木来いよ!」と言うと、みほとアキは「はい!」と答えると、2人は中に入ると同時にハッチを閉めて、モグラメカ基白山の後を追い始めた。

 



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第69話『逃走と噴火、そして救出』

 研究所があるのは火山に近い山岳部のふもと、そこに研究所を立てた理由は今でも不明だが火山の溶岩を利用した熱発電が一番強い。

 その研究所の火山の山頂付近にひびが入っていき、穴が開くと黒色のモグラ型のメカが出てきて山から下っていく。そのメカを追うようにパイレーツ・タートルが出てき追い始めた。

 

「あらら…、追ってきてますわよ白山さん?」

 

 砲弾を砲台に装填していつでも放てるように準備をしている奈村は白山に向けて言うと、塩崎は「そうっすねー」と答える。

 

「それにしてもすごい大きさっすね…奈村さん口調変えてもいいっすか? やっぱ関西弁の方が楽っすけど」

「そのままで、そしたら他の性と思われて勇樹さんたちは油断しますから」

 

 塩崎の言葉に彼女は「あう」と肩を落とす。白山は「何をしてんだか」とジト目で見ている。

 

「ま、このメカはただのモグラではないことを教えてやる。スピードアップ!」

 

 白山はレバーを動かすとメカのエンジンは赤くなり、歯車の回転数が上がり速度を上げていく。

 その影響でモグラメカはパイレーツ・タートルから離されて逃げていくのを見た沙織は「ああー!」と驚く。

 

「逃げられるよ! このままじゃあ逃げられるよ!」

「無理言うな沙織、山で速度を上げるとこのメカは崖に落ちる。一巻の終わりだ」

「だけどこのままだと追いつけないね…」

 

 慌てる沙織を麻子はなだめるが、彼女の言葉に同意するようにお銀はそう言うと同時に百合子に向けて言う。

 

「百合子さん、このまま速度上げれるかい?」

「もちろんですよ! このメカは勇樹さんが作り出した新機能が搭載ですからね!」

 

 百合子はそう言いながらシフトレバーを『ウサギ』から『馬』に動かす、するとメカの甲羅の一部が動くと同時にブースターが出てきて火を噴きだすと同時にメカの足がしまわれると同時にタイヤが出てきてメカを追い始めた。

 この山は円錐型のドリルのように溝があり、メカはその溝の中に入って逃走している。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「おやおや、相手もなかなかやるっすねー。奈村さん例のカバンは?」

「もちろん持っておりますわ! 万が一捕まえてもこれだけは守って見せますわ!」

「そうっすねー、小春田産の秘密が入っていますから…白山さんどうっすか?」

「今のところ異常なし、エンジンは急速冷凍装置でできるだけオーバーヒートを起こさないようにしているさ」

 

 白山はそう言いながら前を見ていると、生徒が出てきて「あのー」と白山に言ってきた。

 

「前に小屋がありましたが…あれはもしかしてトレジャー高等学校のでは?」

 

 生徒の言葉に彼女は「え、小屋?」と思いながら画面をよく見ると、この先に小屋があることに気づいた。しかも小屋はちょうど自分たちが通る道のど真ん中にあった。

 

「なななななあ!?」

 

 それを見た彼女は慌ててハンドルを動かし方向転換するが、メカは加速したまま崖から下っていく。

 

「ありゃ、あれは?」

 

 それを見た百合子は反応し、シフトレバーを『馬』かた『カタツムリ』に変えてブレーキを踏むと、ブースターは起動停止し2つのつるはしが出てきて地面に突き刺すとメカを強制停止した。

 メカが停止するとハッチが開き、月奈が出てきて「っと!」と言いながら家を見てこう言った。

 

「アールトさん、何をしているのですか?」

 

 月奈の言葉を聞いたみほたちは「え、アールトさん!?」と驚くと、家は突然変形し一種の汽車型へと変わる。

 そして扉が開くと同時にアールトが出てきて「やぁ」とあいさつする。

 

「先回りしておこうかと思ったけど、どうやら少し外れてね。今から追うところだよ」

「そうですか、ではお先に行きます」

 

 月奈はそう言って中に入りハッチを閉めると、つるはしは甲羅にしまわるとそのまま小春田たちの後を追い始める。

 アルートも「それじゃあ」と言いながらメカに入ると、煙突から煙が出てエンジンが動く音がすると同時にパイレーツ・タートルの後を追い始めた。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 ガガガガガガッ!!

 

 モグラメカは森をかき分けるかのように木を倒しながら進んでいる、その影響でなのか鳥は空へと逃げていき木の実は落ちている。

 だがその後を追うように、勇樹たちのメカであるパイレーツ・タートルはやってきた。

 

「後ろからやってきているか…これなら大丈夫だな!」

「そうっすねー」

「そうですわね」

 

 白山の言葉に塩崎と奈村はそう言っていると、生徒が「そう言えば、戦車は」と言いながら塩崎に言うと、彼女は「んー」と言いながら画面を見ていると、確かにパイレーツ・タートルの後ろから戦車は来ていない。

 

「置いてきたんじゃないっすか? 戦車は結構重いっすから」

「あ、そうですね」

 

 塩崎の言葉に彼女は納得すると、奈村が「戦車?」と何か思い当たることがあったのか考え込む。

 

「そう言えば…ここまで来るのにどうやってメカを…まさか!」

 

 彼女は思い出したのか急いで白山に「砲台を!」と言いだした。

 

「砲台? 攻撃しても相手は戦車で来てないぞ? 香華kしいても意味が―」

「ありますわよ! 継続高校の小娘たちが持っているBT-42が!」

 

 奈村の言葉に塩山は「なんだそれ?」と言うが、塩崎は「あー! やばいっすよ!」と慌て始める。そう、なぜならば。

 

 

「チェーンを外せば車の様になるっす! 一度見たじゃないっすか!

「チェーン…あ」

 

 

 塩崎の言葉に彼女は青ざめると、目の前にBT-42が現れて砲台をメカに向けて放った。

 彼女は急いでレバーを動かし方向を変えるが、メカの右目に砲弾は当たり、操縦席から移る画面の半分は砂嵐状態になった。

 

「しまった! だが範囲は問題ない、急ぐぞ!」

 

 白山はそう言いながらレバーを動かすと、メカは徐々にスピードを増していき砂浜へと逃げていく。このまま海へ逃げていこうとするようだ。だが。

 

 

 ドガアアッ! ドガアアッ!

 

 

 突然砂浜が爆発し、モグラメカは急停止した。そして後ろからパイレーツ・タートルと汽車型のメカ、そしてBT-42が出てきて砲台をメカに向ける。

 

「なんだ?! 囲まれてしまったぞ!!」

「それよりも、どうして砂浜が爆発しましたの?! 海未からなのはわかりましたがどうして!?」

「…あー、邪魔者っすね、これを見てください」

 

 塩崎はそう言いながら画面に指をさしたため奈村たちは見てみると、BC自由学園の戦車であるルノーFTとソミュアS35とARL44が船でやってきていた。

 

「な、どうしてお嬢様学校の奴らが?! 情報ではあいつらは船を持ってきていないのでは?!」

「それなんですけど…情報に追加ありっす。どうやらフランスのスウィーティ学園が日本へ来ていたらしく、それをマリーというお嬢様が話したっす」

「それででしたの?! てかまさかの同盟が?!」

 

 驚くなら奈村に塩崎は「そうっすねー」と言いながら道具を探していた。それを見た奈落は「何を探していますの?」と言うと彼女は「これっす」とリモコンを出した。

 

「おい、それってまさか…」

「そうっすよー、ひじょーに危険のリモコンっす」

 

 塩崎はそう言って赤色のスイッチを押す炉光が滅し始める。白山と奈村は青ざめて引いていると、彼女は「にしし」と不気味な笑顔をする。そして。

 

 

 

自爆っす

 

 

 

 彼女はそう言いながらスイッチを押した。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 ドガアアアァァァァァァ!!

 

「おわっ! 何だ?!」

 

 突然大爆発がした振動と音にムラカミは驚くと、百合子は「爆発?!」と慌てて画面を見る。

 画面に映っていたのは、火山から黒煙が出てきて爆発した影響なのか岩石が飛んでいる。

 

「まさかあの爆発は…でもどうして火山に?」

 

 それを見た百合子は疑問を抱いていると、みほが「あ、前を!」と言ったためみんなは画面を見ると、メカは砂浜に穴を掘ってそのまま逃げていった。

 

「逃げたか、急いで追うよ!」

 

 お銀はそう言うが、月奈が「待ってくれ、勇樹と綺羅が山の中に!」と言ってきたためみほは「あ!」と山に向ける。

 そう、あの2人はまだ山の中にいた。助けようにも時間がない。

 

「どうしよう、このままだと勇樹さんと綺羅さんが…!」

 

 みほはそう言うと、ミカが「助けに行こうか」と言ってきた。

 

「ミカさん?」

「私たちのBT-42はそんなに早くはないけど、助けることはできるかもしれないよ」

 

 ミカはそう言うと、百合子は真剣に考えこむ。そして。

 

「わかりました、勇樹君と綺羅ちゃんを助けてください。それとこれを」

 

 百合子はそう言いながらスマホを渡すと彼女はそれを受け取る。

 

「これは、なんだい?」

「発信機受信携帯電話です、勇樹君と綺羅ちゃんはこの道具に反応すると思います」

「なるほど…わかった、ありがとう」

 

 ミカはそう言ってメカから出てBT-42に行く、それを見たアキは「待ってミカ!」と追いかけていく。

 そして2人は戦車に乗り込むと方向を火山に向けるとそのまま発進し、木々をなぎだ押していく。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

ガアアアアアアッ!!

 

 BT-42は山を登り落ちてくる岩をよけながら穴があるところを探している。

 

「ミカ、発信機は?」

「まだ反応しているね、どうやらできた穴は…あった!」

 

 ミカはそう言って外を見ていると、無理やり穴を開けた後が発見された。

 ミカはミッコに「あそこに」と言うと彼女は「わかった!」と言いながらハンドルを動かし、穴の中へと入っていく。

 

 ガラガラガラッ!

 

 落ちてくる石や砂はBT-42に当たるが、装甲があるためそんなに大きな異常は起きていない。

 

「この先にあるが…どこにいるんだ」

 

 ミカは真剣な目つきであたりを見渡していると、アキが「いたよ!」と知らせる。

 それを聞いたミッコはブレーキをすると、砂に埋もれて顔を出している2人を見つけた。

 

「いけない! このままだと埋もれる、アキ!」

「わかった!」

 

 ミカとアキは急いで外に出て、綺羅と勇樹を救いだす。幸い埋もれていたのは砂なため、簡単にどかすことはできる。

 砂をどけ終えた彼女たちは、BT-42に乗せて逃げようとしたその時。

 

 ガラガラガラッ!!

 

 戦車の上から巨大な岩が落ちてきて押しつぶそうとした―。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 ドガアアアァァァァァァ!!

 

 パイレーツ・タートルに乗った百合子たちは、火山が噴火したほうへと向くと。火山は噴火し黒煙と共に岩や火の粉が散っていき近くの木々に当たり燃えていく。

 それを見た百合子は唖然の表情で見ていた。

 

「勇樹君…綺羅ちゃん。ミカさん」

 

 彼女は3名を心配していると、山の一部にひびが入ると穴が開き。そこからモグラのハンドが出てくるとBT-42が出てきた。

 

「あ、あれは!」

「BT-42…あの手は何だ?」

「そこ麻子…それよりもあれがあるってことは!」

 

 BT-42を見たみほと沙織は驚くが、麻子は茫然としながらもハンドを見て言う。

 そうしているとハンドは動きそのまま山を下っていき百合子たちの方へと移動していく。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「よかったです! 本当によかったですー!!」

「痛い痛い痛い痛い!! 百合子さん痛いですよ?!」

 

 百合子に抱くつかれている勇樹は慌ててはがそうとするが、それを見た綺羅は「幸せ者ですね」とジト目で見て言っている。

 彼女は現在足をくじいたのか足にシップをしている。

 

「それよりも、小春田の仲間が逃げられたね。しかも彼女たちの基は火山で壊れた」

「手掛かりは…ないね」

 

 お銀とラムは島を見て言うと、綺羅は「そうですね」と答える。

 あの後、みんなは急いでメカに乗り込むと同時に島から離れると、島は大きな音を立てながら沈んでいき、島は浮かび上がらなかった。

 

「せめて手掛かりさえ残していれば」

「あると言ったらこの髪の毛と写真だな」

 

 麻子の言葉に勇樹はそう言いながらカバンから例の袋と写真を出す。

 

「これを京子に渡して、至急調べるようにお願いする。そして例の本の解析がわかった」

「本当ですか勇樹さん?!」

 

 みほは勇樹に向けて言うと、彼は「ああ」と答える。

 

「まだわかる範囲での結果だけど、名前の一部がわかった」

「それじゃあ行きましょう…と言いたいところですが」

 

 百合子はそう言いながら視線を船の方へと向く、勇樹も何かと思い船の方へと向くと…。

 

 

「うまうま! あまーい!」

「麻子ちゃんの言うとおりね、あ、これも甘いね。祖父江、凄いわ」

「恐縮ですマリー様」

 

 

 九条とマリーが一緒にスイーツを食べていたため、すぐには行動できない。

 それを見た彼は「あらら」とあきれるのであった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「それよりも、アキさんは砲手に装填手をしているなんてすばらしいですね。月奈姉さんから聞きました」

 

 メカ内部にある医療室、綺羅はアキから先ほどの話をしていると。彼女は「え」と反応する。

 

「私は乗っていませんよ? ミッコは乗っていたけど私じゃないよ」

「…え、でも」

 

 アキの言葉に綺羅は驚いていると、彼女は「それじゃあ、誰が」と考えていると…ある人物が頭に浮かぶ。

 

「…あ、それなら合致しますね」

 

 綺羅はそう言って扉を見ると扉と壁にわずかに開いており、その隙間からは特徴あるチューリップ帽が見えていた。

 それを見た綺羅は「ふふ」とほほ笑む、それを見たアキは頭にハテナマークを浮かばせながら頭を傾けた。

 



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第70話『事件の手掛かりと掃除開始』

 屋敷内部、勇樹たちは例の研究所から帰ってきて京子からの連絡を受け急いでくると、リビングには京子と文がソファーに座っていた。

 

「あ、おかえりなさい勇樹さん」

「おかえり」

「ただいま帰りました。それよりも本の解析は」

 

 勇樹はそう言うと京子は「こちらです」と『生徒名簿解析結果』の資料を渡してきた。

 

「ありがとうございます」

 

 勇樹はそれを受け取り答えると、中身をめくって敗れた本汚結果を見る。

 

「えっと…『このページが破られた名簿は、他の紙に付着していたインクなどを解析した結果。名前は……『粟田口(あわたぐち)如月(きさらぎ)』?」

 

 彼女の名前に勇樹は意外な反応をすると、優花里も「初めて聞く名前ですね」と答える。

 

「石川殿、これは確かにおかしいですね」

「ああ、如月ならともかく粟田口は初めて聞く名前だ」

 

 勇樹はそう言うと、沙織も「そう言えばそうだね」と納得する。

 

「それに、妙な部分があるな」

「妙とは?」

「まずは彼女の年齢だ。この本は今から約20年前でこの生徒は推定年齢はここについているインク、スタンプ状態になっているから読み取れる範囲は…18歳あたりか」

「それがどこだ? 年齢は関係ないだろ」

 

 勇樹は麻子に「落ちつけ」と言うと話すを続ける。

 

「次は、彼女はなぜ黒百合に入学したのか、入学するなら資金難を利用するアンツィオや青師団か、お金持ちであるサンダースか聖グロ、厳しさで行けるとしたら知波単かプラウダ…おかしくないか?」

「確かにおかしいですね、黒百合は確かに戦車道をやっていましたがそれほど貧富の格差はありませんのに」

「華の言う通り、なぜ戦車道をしている学園の中でそれを選んだか…そして最後はこれだ」

 

 勇樹はそう言って紙を見せると、みんなは「ん?」とそれを凝視する。文字は水で滲んでいるため読めず逆になっていたためわかりにくいが、『生没年』には意外な数字が描かれていた。

 

「えっと…2050年…あれ、確かこの本は20年前」

 

 みほの言葉に沙織は「ちょっと待って」と反応する。

 

「生没年って確か亡くなった年と言う意味だよね…この資料には20年前に乗っていたのにどうして…?!」

 

 沙織の言葉に優花里も「確かに!」と驚く。

 

「もしこの生徒名簿が本当だったら…小春田殿は?!」

「幽霊でしょうか?」

「ひぃっ!」

 

 優花里と華の言葉に麻子は顔を青ざめて驚くと、京子は「それはありません」と答える。

 

「もし幽霊で設楽、相手は戦車に乗ることはできません。まれに足まである幽霊だとしても足は数センチほど浮きますよ」

「あ、それもそうでしたね」

 

 京子と沙織の話を聞いた麻子は「よかった」と安堵をしたのか、息を吐く。だが文は「だが」と頭を抱えながらこう言った。

 

「小春田が幽霊じゃないとしたら、一体何者なんだ?」

「確かに! でも度したら…」

 

 沙織は悩むように言いながら考え込むと、みんなも「どうしよう」と頭を抱えて考え込む…そして。

 

 

「……あいつに聞くか」

 

 勇樹の言葉にみんなは「あいつ?」と言うと彼は「ああ」と答える。

 

「小春田…黒薔薇のかかわりがある唯一の人物…少しややこしいからみんなを呼んできてほしい」

 

 勇樹の言葉に沙織は慌てて「わ、わかった」と答えると、カバンから電話を出して急いで会長たちに連絡をする。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「んで、ここに例の人物がいるのか」

 

 杏は扉を見ながら言うと、伊江は「ああ」と答える。

 その扉は他の扉と色は同じだが扉には『KeepOut』と書かれた看板がつるされていた。

 

「これは…一体何が」

KeepOut(立ち入り禁止)…心が病んでいるのかしら?」

 

 看板を見たダージリンとケイは驚きつつ冷静に保っているが、アンチョビは「にしてもだな」と扉付近にある食材などを見てあきれる。

 扉付近にあったのは、大量のピザや寿司桶にコンビニの弁当やお菓子のが入っていた袋などがビニール袋に入れていたりそのままの状態で置かれていた。

 

「こいつちゃんとした食事取っているのか?」

「カチューシャのように立派衣に慣れないわよ!」

「そこかな…でも彼女の言う通りに」

 

 袋の中身を見てアンチョビとカチューシャは言うが、カチューシャの言葉にミカはそっとツッコミを入れた。

 

「引きこもっていると聞いていましたが…どうして?」

「勇樹からもらった資料、基手紙からは『もともとオレたちと同じ敵だけど、訳有って脱退して今はオレたちのところに居候している』と」

「ざっくりしすぎだな」

 

 梓の言葉にエルヴィンは手紙を見ながら言うと、それを聞いていた祭梨はあきれる用の答える。

 

「それにしてはちゃんとしているね。この寿司桶は大きさが違うから高く積むのは不可能だけど、わずかなずれで積んでいるよ」

「確かにそうね…でもどうして?」

「開けてみればわかるじゃない? よいしょ」

 

 寿司桶タワーを見てナカジマは答えながら見ていると、ナカジマの言葉に園は同意するように言いながら、扉を見て詰めて言う。

 するとマリーはとんでもないことを言うと同時に、扉を勢い良く開けた。が、扉の奥つまり中から異臭が放たれてみんなは「うっ!!」と急いで扉を閉める。

 

「な、なんだ今のにおいは?!」

「異臭…それを超えるほどだね」

「天国に行きかけていたわ…」

 

 部屋から漂う異臭の異常さにアンチョビとミカ、エルは顔を青ざめて言うと、まほは「しかし問題だな」と言いながら扉を見る。

 

「勇樹は『彼女は少し異常がある…友好関係ではなく狙われている意味で』と言っていたが…」

「どこが問題なのかしら?」

 

 勇樹の言葉を思い出しながらまほとダージリンはそう言うと、ある部屋の表札を見る。

 

 

 その名前は『優木(ゆうき)和葉(かずは)』と書かれていた。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「和葉さんが、問題があったのですか?」

「あったというか、まぁそうだな」

 

 リビングにみんなは勇樹たちの話を聞いていた、勇樹が言っていた『優木和葉』とは一体何者か。そしてどうして部屋にいるのか。

 梓はそれが気になっていたのか、彼に聞くと。勇樹は顔をゆがめながらココアを飲むと同時にこう言った。

 

「和葉はな…実はオレたちの敵である黒薔薇の元生徒なんだ…」

 

「「え…」」

 

 元敵だという言葉にみんなは驚愕し、河嶋は「ちょっと待った!」と彼に質問する。

 

「その、和葉はなぜお前たちのところにいるんだ!? いくら何でもおかしいだろ!」

「それなんだけど…黒薔薇のことで少し話をするよ」

 

 勇樹はそう言いながら天井からホワイトボードを出して黒薔薇の説明をする。

 

「黒薔薇はどこにあるか正直不明だ、手掛かりは生徒だがその生徒も退学・卒業と共に記憶の一部が変化されている」

「変換されている? 消えているってこと?」

「あけびさんそうです、一部の記憶を他の記憶に入れ替えることです」

 

 あけびの言葉に勇樹は答えると、桂里奈は「他の記録に入れ替える?」と頭を傾ける。

 

「簡単に言うと、パソコンのデーターの一部を他のデーターに入れる。特撮のテレビの録画の容量を入れ替えるのと同じ原理だと思えばいいよ」

「あー」

 

 勇樹の言葉に桂里奈は納得すると、ナカジマは「なるほど」と何か理解する。

 

「それじゃあその和葉さんは、その黒薔薇から逃げてきたってこと?」

「そうだね、まぁ彼女は黒薔薇でD型の生徒だからな」

「D型? 血液方かしら?」

「そど子違うと思うぞ」

 

 そど子の言葉に麻子は突っ込むと、彼女は「そど子と言わないで!」と反論する。

 

「ちなみに、D型は劣等生の意味があって。仕事で言うと土木工事レベル。またC型は普通生で仕事は軽作業、B型は優等生で仕事はサラリーマン、A型は優秀生で仕事はカニ漁。そしてS型は最高優秀生で仕事は石油王だ」

 

 勇樹はそう言いながらホワイトボードに書き込でいくと、お銀は「ほぅ、これが意外だな」と驚きながらホワイトボードを見る。

 

「それで、そのDやCはレベルだけで判別しているのか?

「いえ、それだけではありません。学園から支給されるお金の量に待遇度や給食などもレベルが違う。どこかの監獄も恐れる内容なんだ」

「確かに…怖そうだな」

「んだんだ」

 

 勇樹はお銀の質問に答えると、それを聞いたニーナとアリーナは同意するのであった。

 しかし、エリカは「それにしては妙ね」と考え込む。

 

「ねえ勇樹、その和葉はさっき狙われているって言っていたけど…まさか」

「選抜や暗殺専門などの生徒に、命を狙われている」

 

 エリカの言葉に勇樹は答えると、みんなはざわつく。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「うーん…これだけやっても無理なのね」

 

 ケイとダージリンは扉を開けようとしても、内側から鍵をかけられていたためみんなで引っ張手も空くことが出来ない。

 アンチョビが「料理で誘うぞ!」と言いながら鉄板ナポリタンを置くが、地面にもぐりこむと同時に鉄板ナポリタンの器だけが帰って来たため出ることはできない。

 一度まほが「戦車を用意して空砲で脅すか?」と言ったが、みほや愛里寿が止めたため不発となった。

 

「でも…どうやって彼女を」

「無理やりでもお食事でも…無理ですね」

 

 扉を見てダージリンとみほはそう言うが、カチューシャは「だったら」と彼女は考え込む…そして。

 

 

「ここは少し、部屋の清掃をするのはどうかしら?」

 

 

 カチューシャの言葉に、我狼院とエルは「は?」と反応する。

 

「カチューシャ…すまないがそれは無理あるぞ。いくらなんでも」

「私も同じく、ちょっと同じね。それで引っかかるとは…」

 

 エルがそう言っていると、ダージリンが「可能だと、思いますわ」と答える。

 

「1人では無理ですが、やり方を変えれば可能。見方を変えれば可能ね」

「そうだな、私も同じことを考えていた…みほ」

 

 まほはみほに向けて言うと彼女は「え」と反応する。

 

「うん…私も思っていた…それだったらまずは誰から」

 

 みほはそう言っていると、アンチョビは「それだったら」と言いだした。

 

「ここはうちのペパロニと恋愛マエスロトに任せよう!」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 部屋内部…薄暗く洞窟内にいるような雰囲気をしており、大量の家電製品や資料などが集まっているなか一番大きな画面がついていた。

 黒色のロングヘアで右目が赤色で左目が青色のオッドアイをしており、目の下には隈が出来ている。

 彼女は画面を見ていた…その画面には『新型のメカ』の設計図が映っていた。まだ未完成なのか和葉はキーボードを打ちながらマウスを操作している。

 

 

「まだ…まだ『未完成』…」

 

 

 壊れたレコーダーのように彼女はそう言いながらパソコンをしながら茶色の瓶に入った液体を飲んでいく。その瓶を近くに置くとそのままパソコンをいじっていく。

 もう少ししたら…完成する、彼女はそう思いながら設計を描いていく…その時。

 

 

 ドガアァァ!!

 

「はいはーい! 清掃しまーっす!」

 

 

 扉が勢い良く開けると同時に、ガスマスクをした沙織とペパロニに、そして風紀委員のみんなと三船とアリサ、アッサムが入ってきた。

 

「え、ええ。あなたたちは?!」

「掃除しに来たに決まっているっす!」

「さ、外に出た出た! そのまま風呂に行くよー!」

 

 沙織はそう言いながら風紀委員のみんなと一緒に和葉を持ち上げると、そのまま部屋から出て風呂場へと行き一年生のみんなとローズヒップに自動車部のみんなが服を脱がせると、そのまま風呂へと入れていく。

 

「ああっ! な、何をするのですか?!」

「大丈夫大丈夫! うわー福汚れているじゃん!」

「あ、私たちがやっておきますので!」

「ありがとう、それじゃあ」

 

 自動車部はそのまま数はそのまま風呂に入ると、ローズヒップが「洗いますわー!!」と彼女をごしごしと洗う。

 ウサギさんチームは、特殊洗濯機に服を入れるとスイッチを押し。洗剤と漂白剤などを入れて洗濯を開始した。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「さて、次は洋服ね! これで全部かしら」

 

 和葉が風呂に入っている間、カチューシャは福音と奈々が持ってきた服を用意し、それをハンガーに飾っている。

 

「相手は高校生ですので身長は高めです。それも考えませんと」

「問題は…あの子は一体何が好きなのかだね」

 

 ノンナとあんずはそういいながら服を見て言うと、伊江は「そうだな」と困ったかのように答える。

 

「あいつは少し個性があるが、ジャージなどと言ったどこにでもある地味なのを切るからな」

「女子力少ないじゃん!」

「私と同じだな」

「んだんだ」

「私もよく来ているけど、普通着になっているんだね」

 

 伊江の言葉を聞いたにルミと麻子は反応し、アリーナも同意するが、普段からジャージを着ているミカたちはなぜか同感する。

 

「下着と靴下に靴は葵と茜に任せるが…いいか?」

「任せてくださーい」

「これなら私たちは行けますよー!」

 

 伊江は彼女の下着と靴下に靴を選ぶのを任せると、彼女たちは喜びそのまま選んでいく。

 

「それにしてはすごい量っすね…沙織さんどうっすか?」

「ゴミが多すぎて大変! 1日で終わるのは難しいと思うよ!」

「そうっすね、ホコリまみれのものもありますので少し時間かかるっす」

「コンセントにたくさんついているわね、火事になってもおかしくないわ」

 

 伊江は沙織たちに向けて言うと、彼女たちは答えながらコツコツと掃除をしていく。途中ゴモ代とパゾ美が外に出て袋持ってきまーす」と急いで袋を持ってくる。

 ただ伊江は「ところで」と風呂場に向けて言うと、奥から「ひぃいいっ!」と彼女の悲鳴が聞こえる。

 

「なぁペコ、あいつお風呂の担当にしてもいいのか?」

「私も少し心配していましたが…ナカジマさんたちと一緒ならまだ大丈夫だと」

「そ、そうか…」

 

 ペコの言葉に彼女は答えると、洗濯場から「失礼します」と梓が出てきた。

 

「あ、澤どうした?」

「はい、洗濯は終わりましたが…問題は服が」

 

 梓はそう言いながら洗濯場を見たため、伊江は何かと洗濯場へと行くと、ボロボロになって切れに状態になった服が置いていた。

 

「あー、これはすごいことになったな…」

「ここまでボロボロになっているね…これじゃあ切れないよ」

「古かったのかな~?」

「あ、これ1年ほど前に売っていた服だよ。タグもついているし」

 

 ボロボロになった服を見て伊江は驚いている中、あやと優季、あゆみは服を見ながら言っていたため伊江は「結構言うな」と苦笑いするのであった。

 



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第71話『心の傷を防ぐ手段』

「ふ、不快です…まさかここまで洗っていただくなんて…」

 

 風呂から出た和葉は、風呂から出ると船舶科とお祭り部のみんなが髪の毛と体を拭いていた。

 

「まぁまぁ落ち着いてって」

「クリームソーダを用意しておく」

「カトラスもそう言っているところだし…落ち着いてよー」

「そうそう」

「きれいな女性が掛けてしまいますよー」

 

 フリントとカトラス、ラムに日向と天野川はそう言って彼女をなだめるが。和葉は「それは気にしないでください」と答える。そして。

 

「さて、これで終わったとおもう…が」

 

 お銀はそう言ってタオルを上げて彼女を見るが、彼女の頭にできた痣に違和感が出た。

 

「…ムラカミ、ちょっといいか?」

「ん、親分?」

 

 お銀はムラカミを呼ぶと彼女はあることを話す、そしてムラカミは「聞いてみます」と脱衣所からある人のところへと行く。

 それと同時に丸井は「およ?」と肌についている肌色のシールがはがれかけていることに気づき、はがそうとした…その時。

 

「だめ! それはやめて!」

「きゃっ!」

 

 突然和葉は彼女を押して、丸井は驚き後ろにこける。

 それを見た祭里は「おいどうした!?」と言うと丸井は先ほどの話をする、それを見たローズヒップは「どうしたんですの?!」と驚く。

 

「…和葉、いったいどうしてこれを…」

「気にしないでください…気にしないで…」

 

 体を震わせている和葉に祭里は違和感を持っていると、ラムは「んー」と考え込むと同時にフリントは「もしかして」とある事を言いだした。

 

 

 

体に傷を…負っているんじゃないか?

 

 

 

 それを聞いた瞬間、和葉は「いっ!?」と体を固まった。それを見たフリントは「え、冗談で言ったのに」と答える。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 脱衣所で事実が発覚する数分前…、伊江たちは服を選んでいたが彼女はあるものを選んでいた。

 

「長いのじゃないと無理だな…特に七部カットソーとパーカーが良いな」

 

 なぜか袖が長い物ばかり選んでいた、それ以外はハンガーにかけている。それを見たカチューシャは「伊江、ちょっといい」と質問してきた。

 

「ん、カチューシャか。どうしたんだ?」

「なんで長い服を選ぶの? 寒くなっているのは分かるけど、まだ暖かいから」

 

 それを聞いた瞬間、伊江は「あー」と苦い表情をしているとムラカミが「伊江!」と言いながらやってきた。

 

「ムラカミ、どうしたんだそんなに焦って」

「焦るも何も…和葉は前の学校に誰かにいじめられているのか?!」

 

 ムラカミを聞いた伊江は「え、なんでムラカミが!?」と驚くと、彼女は「え、親分の推測当たっている?!」と目を丸くしている。

 

「ちょっと、それどういう意味?!」

「少し気になりますね」

「私もちょそ聞いていいですか?!」

「教えてくれ」

 

 話を聞いたカチューシャたちも近づくと、彼女は「えっと」と焦りながら後ろに引いていく。そして…。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

『『『黒薔薇はブラック学校!?』』』

 

 話を聞いてみんなは驚くと、勇樹は「にょわ!!」と椅子から落ちてその場でこける。

 

「そう言えば前に聞いていましたが…どれくらいブラックなのかは聞いていませんでしたね」

「確かに、わたしたちもはじめてしったな」

「詳しくしえてくれませんか」

 

 カルパッチョとナオミ、ペコはそう言いながら勇樹に向けて言うと、彼は「えっと」と目をそらしていた…すると。

 

 

 

「あの…私はもう邪魔でしょうカ…」

 

 

 

 和葉の声がしたためみんなは向くと、涙目で椅子に座っている赤ジャージを着た彼女がいた。

 和葉は現在、柚子と桃につかまっており落ち着かせるためカトラスがクリームソーダを持ってきている。

 

「あー、嫌お前は邪魔じゃないよ! まったくもってだけど?!」

「そ、そうですか…あ、クリームソーダおいしい」

 

 勇樹は慌てて和葉に言うと、彼女は安心すると同時にクリームソーダを飲みほほ笑むと、カトラスは「ありがと」と答える。

 

「それで勇樹さん、和葉さんの体って一体」

「ああ…実は和葉は黒薔薇の生徒で発明家だけど…不適合者、つまりいじめの対象になったんだ…」

 

 みほの質問に勇樹は答えると、みんなは「え」と困惑や驚きを発し、中には無音のままじっとしている者がいた。

 

「おい、それは本当か!? 説明しろ!!」

「わたくしにもですわ、どうしたこのような事態が…」

「教えなさいよ!」

「こっちもっす!」

「私もだ…これは許されないことだな」

「もちろんよ! プラウダの恐ろしさを見せてやるわ!」

「私もだね…風の反乱が起きそうだよ」

「西隊長、これは憤りを感じるであります!」

「私もだ…これは久々に感じる怒りだ…!!」

「押田君、ここはいったん休戦して」

「ああ、同じ気持ちだ安藤君」

 

 黒いオーラが出ているみんなに勇樹は「落ち着いて落ち着いて!」と慌ててなだめる。

 

「それよりも…っと、これを用意して正解」

 

 勇樹はそう言いながら天井に着いているつり革を引くと、天井からホワイトボードが出てきて「説明するよ」と言いだした。

 

「黒薔薇はその名の通り学園の周りに黒い薔薇で囲われていてな、外に出ることは不可能なんだ」

「それは意外だな…それ以外に何か情報は?」

 

 我狼院の言葉に勇樹は「他に情報はあります」と答える。

 

「その学園は全寮制学生費は無償で科目は普通科を含んで約20ほどあります」

「結構すごい数の科目だね…でもどうして優木ちゃんはこのように?」

 

 杏は干し芋を食べながら和葉を見て言うと、勇樹は「理由は分かりませんが」と答えるだす。

 

「和葉の話から推測したところ、どうやらD型の中で一番下…つまり最下位と言うのは聞きました。その最下位は何かはわかりませんが」

「なるほどな…しかし和葉はこのままでいいのか?」

「正直、オレもこのままだといけないから工夫はしているが。やはり黒薔薇にとっては裏切り行為に近いからむやみに外に出るのは…」

 

 勇樹はそう言いながら和葉を見ていると、彼女は暗いオーラを出しながら外を見ていた。

 外に出たいのは分かるが、彼女はいつどこで狙われているか分からない、そのことを考えると思った以上に行動は難しい。

 そう考えているとそど子が「それなら簡単よ」と言いだした。

 

「簡単って、みどり子さんは何か案ありますか?」

「案というより、ここは思い切ってイメチェンをしたらどうかしら? エルヴィンさんやカエサルさんにナカジマさんたちなどを見習って!」

「なるほど、それは忘れていた。和葉、良いか?」

 

 彼女の提案に勇樹は和葉に言うが、彼女は「ひえっ!?」と驚きその場から逃げようとする。だがムラカミが捕まえたため逃げることはできない。

 

「嫌です嫌です! ただでさえ私はダメなのにもっとだめにしては嫌ですー!!」

「悪化するようなことを言ってどうする…えっとそれじゃあフリントさんにエリカさん、そしてあけびさん。和葉のことお願いします」

「わかったよっと」

「全く、少しは落ち着きなさいって」

「私たちは危害を加えませんよー?」

 

 フリントたちはそう言いながら和葉を連れて脱衣所へと走っていく。それを見た優花里は「あれでよかったのでしょうか」と彼に質問する。

 

「なんだか和葉殿が心配ですが…」

「あいつの場合はこうでもしないということが効かないんだ、プラウダのみんなに頼もうとしたが…流石に」

「え、あー…確かにそうですね」

 

 勇樹の言葉に優花里は同意すると、向こうから「ひゃあああっ!」と和葉の声が響いた。

 

「それでなんですが…会長、少しいいですか?」

「ん、なんだい?」

「簡単なんですけど―」

 

 勇樹は杏子にあるお願いをすると、彼女は「いいよー」と答える。そのお願いとは…。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「んなわけで、今回からあんこうチームに和葉ちゃんと一緒に同居することにしたよー」

「「「「えええええーー?!」」」」

 

 突杏が然部屋にやってきてと思いきや、いきなりの命令であんこうチームは驚くが、麻子だけは「想定していたからな。わかっているさ」と答える。

 

「でも私たちでいいのですか? 少し心配ですけど…」

「それなら心配しなくてもいいよ、一応石川ちゃんに許可だしたからね」

「はぁ…ですが少し心配します」

「時々安全かどうかあたしたちが確認していくよ。和葉ちゃんに身に何かあったら勇樹ちゃんたちが駆けつけるようになっているからね」

 

 杏はそう言うと、沙織は「はぁ。…そうですか」と目を丸くしながら答える。

 

「ま、一応勇樹ちゃんの道具は持ってきているし。勇樹ちゃんが作った説明書もあるし渡しておくよ」

「あ、ありがとうございます」

 

 道具を受け取った沙織はそれを近くのベッドに置くと、優花里は「ところで、和葉殿は?」と言うと彼女は「優木ちゃんなら、あそこに」と外を向いたため、みんなは外を見る。

 

「ああ、私は本当に大丈夫でしょうか…これは心配ですけどだめですか?!」

「銃器を持ち込む必要はない! 刀もだ!」

「えっと、この手榴弾もですね。このミサイルも」

「結構持ち込みますね」

 

 武器類を分別している河嶋たちに、彼女は「あー」と納得する。そして衣服・必要最低限の道具が入ったキャリーケースを小山から受け取ると、そのままあんこうチームの部屋に入る。

 

「部屋はあたしたちとみんながやっておくからね、それじゃあ」

 

 杏はそう言いながら部屋から出ると、みんなは和葉を見る。和葉は顔を真っ赤にしながら椅子に座り、石造のように固まった。

 

「あ、あの…和葉さん。大丈夫ですか…?」

「ひぇ!? だ、大丈夫れすよ?!」

「落ち着いていないな…それにかんでいる」

「あうううう…」

 

 麻子の指摘に彼女は真っ赤になると、沙織は「麻子余計なことを言わない」と突っ込む。

 それを見た華は「ここは少し」と言いながらベッドの上にある道具の山から何かないか探し始める。

 

「華さん、何を?」

「道具に中で少しは仲良くなれるのはあるのかと…あ」

 

 みほの質問に華は答えていると、彼女はクラッカー型の道具を取り出した。

 取り出した拍子で、クラッカーのひもは道具に引っかかるのに華は気づかずそのままも上げた…その時。

 

 

 パアアアンッ!!

 

 

 クラッカーから大量の花吹雪とテープなどが大量に出てきて部屋が埋まるほど出てきた。

 

「うぱっ!」

「ふひぃ」

「はふぅ」

「うぴゅっ」

「はふぅ…びっくりした」

「あうう」

 

 紙吹雪やテープの山から出てきたみほたちはお互いの顔を見る、和葉は「ふふっ」とほほ笑む。

 

「和葉さん」

「あ、すみません…その道具は勇樹さんが作った『ビックリクラッカー』でして…今のように突然爆発するのですが…それにビックリしまして」

「確かにそうでしたね、石川殿もとんでもないのを用意しましたね」

「ほんと! もう迷惑! …でも」

「ふふ、そうですね」

「笑っちゃうね」

 

 沙織に連れて華やみほに優花里と麻子もほほ笑むと、和葉は「ふふふ」とほほ笑んでいた。



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第72話『あんこうチームと和葉の話』

 和葉があんこうチームと同居して数日…和葉と彼女たちの間に、少しだけだが変化が出てきた。

 今回はあんこうチームと和葉の話をしよう。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

華の場合…

 

 

「砲手…ですか?」

「はい、砲手、です」

 

 休みの日、和葉は華と一緒に屋敷の地下深くにある戦車専用倉庫にいた。和葉は華に「砲手にとって重要なのは」と質問をしていた。

 

「わたくしが砲手を上手になるか…難しいです」

「あ…簡単じゃなくてもいいです、みんなにも分かるレベルで…お願いします」

 

 和葉のお願いに華は戸惑っていると、同じ砲手であるノンナとナオミ、アッサムがやってくる。

 

「む、華じゃないか」

「どうしたんですか?」

「何か悩んでいますね」

「ナオミさん、ノンナさんにアッサムさん」

 

 華は和葉の話をすると、彼女たちは「そうですね」と悩み始める。

 

「そうしてくると悩みますね」

「確かにそうだな」

「私たちでもわかる内容…」

 

 ノンナ、ナオミ、アッサムはそう言うと華も「わたくしも考えましたが」と再度悩み始める。するとナオミが「それだったら」とある提案を言いだした。

 

 

 

「少し外に出るのはどうだい? ちょうどいいものがあるし」

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 ナオミの提案に、華たちは屋敷から出て街中にあるゲームセンター『デジタリアン』と言う最新ゲームセンターにやってきた。

 

「あの…私に何を?」

「射的を教えてあげるよ、ちょうどできたのがあったから…っと、見つけた」

 

 ナオミは和葉の質問にい答えると、彼女は例のシューティングゲームである『ショット・ザ・駄菓子』を発見した。

 このゲームはお祭りで見かける『射的』がモデルとなっている、スナイパーに使う弾はコルクではなくシリコンを使用した特殊な弾で放つようになっている。

 

「ここに最近は待っていてね、戦車の砲撃をする以外に便利なんだよ」

「駄菓子ですか、これは珍しいですね」

「まぁ、面白いゲームですね」

「始めてみます」

 

 ナオミの言葉にアッサムたちは驚くと、和葉も「驚いた…」と目を丸くしている。

 

「せっかくだから一戦してみないかい? 私も参加するよ」

「それはいいですね、一番多く取った人が勝ちですね」

「私も賛成です」

「わたくしもです。和葉さんは?」

「あ…私も。やり、ます」

 

 ナオミの言葉にアッサムたちは賛成すると、和葉も戸惑いながらも賛成する。

 そして「それじゃあ開始だ」とナオミはそう言いながら的当て大会(仮)を始めた。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「私が7個か」

「わたくしは8つですね」

「私は5つ、ナオミさんに負けましたね」

「わたくしは9つ、アッサムさんに勝てました」

 

 華が終わると4人は持っている駄菓子を持って言うと、ノンナは「むぅ」と華を見つめる。

 

「私も、撃ってもいいですか…?」

「ん、ああ構わないよ」

 

 スナイパーを手にした和葉を見て彼女は反応すると、ナオミは「撃ち方は分かるかい?」と言うと彼女は「はい、大丈夫です」と構えながら答える。そして。

 

 

 ビィイイイッ!

 

 

 警報が鳴ると同時に駄菓子が乗っかったレールは動き始めた。ナオミは「お手並み拝見」と言いながら和葉を見て言う。すると。

 

 

「…発射」

 

 

タァァアアンッ!

タァァアアンッ!!

 

 

 突然鋭い目つきで彼女はスナイパーを構えると、流れてくる駄菓子を一つずつ放ち、それを落としていく。

 それを見たナオミたちは、目を丸くし驚いている。まるで初心者ではなくプロのように冷静に放っている。そして。

 

タァァアアンッ!!

 

「……これで全部…」

 

 スナイパーを打ち終えるとそのまま定位置に置くと、和葉は「教えることは?」と言うと彼女たちは「ないない」と一斉に答えるのであった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

優花里の場合…

 

 

「これが最近の写真?」

「はい、西住殿と皆さんで撮った最近の思い出です!」

 

 和葉は現在、優花里が持ってきた新しいアルバムを見ている。アルバムには西住達が大洗優勝記念としてⅣ号H型の前に並んでいた。

 

「記念写真…私とってことない、羨ましい」

「あー、確かにそうでありますね。和葉殿は黒薔薇にいてここにきていろいろありましたし…あ、この話は石川殿から聞きましたから」

 

 優花里は慌てて訂正するように言うと、彼女じゃ「あ、気にしないでください」と慌てる。

 

「それにしても…みんなとの写真…私も撮りたい」

「そうですね、記念写真が出来ればいいですけど…」

 

 和葉の思いに優花里は何かいい方法はないか考えていると、近くに置いてある道具の山に目にすると「そう言えば」と何か思い出したのか、道具の山から何かを探し始める。

 

「石川殿の道具でしたら…おおっ! ありました!」

 

 優花里は何か見つけたのか、2つのレンズが付いたカメラを取り出した。

 

「えっと…それは?」

「あ、これはですね…説明書っと」

 

 和葉の質問に優花里は答えうようとするが、道具の説明書を読んで性能を確認する。そして彼女は。

 

 

「まずは少し準備をしましょう。和葉殿は普段着で来てください」

 

 

 彼女の言葉に和葉は「え?」と目を丸くするのであった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 ところ変わってここは屋敷の下にある戦闘用の特殊ルーム『室内映写室』へと来ていた。

 この部屋は、一見室内にいるように見えるが、専用のリモコンを使えば風景や気温などを変更することが出来る。

 優花里はこの室内に、Ⅳ号H型とあんこうチームのみんな、そして和葉を呼んできた。

 

「優花里さん、私たちを呼んできてどうしたんですか?」

「戦車まで用意して、いったいなぜだ?」

「わたくしも驚きました…そして」

「パンツァージャケットを着てくるなんて、ゆかりんどうしたの?!」

 

 突然優花里の声掛けにみほたちも戸惑っていると、優花里は「実はですね」と和葉には聞こえないように話をする。そして…。

 

「それでは優花里さんの話通りに…和葉さん、こちらに」

「え、ええ?」

 

 突然みほは和葉を連れて戦車のところへと行くと、和葉は華と沙織の間に挟まれる。そして。

 

「設定した内容ですれば…これで良し」

 

 優花里はカメラに何か設定すると、三脚に設置し沙織たちの方へと行く。そして。

 

「それでは優木殿、笑顔を!」

「え。あ、はい?」

 

 優花里の言葉に和葉は戸惑いながらも苦笑いするとカメラは彼女たちを撮ると、写真が出てきた。

 

「優花里さん、これは?」

「石川殿の発明品である『ボラロイド式立体カメラ』であります! ちょうど出来上がったので少し

 

 優花里はそう言いながら写真を出してみんなに見せると、みほたちが写真からまるで出ているように見える。

 

「わぁ、私たちがまるで出ている!」

「こんなのがありましたね」

「意外だ」

「すごいゆかりん! あ、もしかしてこれ人数分出せる?」

 

 写真を見てみほたちは驚いている中、優花里はカメラのスイッチを押すと、人数分の写真が出てきた。

 

「優木殿もどうぞ」

「え、私、の?」

 

 優花里から渡された写真に彼女は戸惑っていると、優花里は「はい」と答える。

 

「私と西住殿、武部殿に五十鈴殿に冷泉殿と一緒に撮った、和葉殿の大事な写真ですから」

 

 それを聞いた和葉は、頬が赤くなると「あ、ありがとうございます」と受け取る。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

冷泉の場合…

 

 

「うう…眠い」

 

 低血圧か寝不足なのかどちらか分からないが、彼女はふらふらとした動きで廊下を歩いていた。

 休みの日とはいえ、彼女は出来る限り起きておかないといけない。戦車を動かしている間睡魔に襲われたら命を落とす可能性があるからだ。

 しかし、彼女は昨日分け合ってそど子の説教に付き添われてしまったため寝た時間は午前1時からとなった。すると。

 

 

「あううう……頭が痛い」

 

 

 台所で牛乳をコップに注ぐ和葉がいた、彼女は頭に手を当ていたため麻子は「む」と反応する。

 

「和葉、どうしたんだ?」

「あ。冷泉さん…今戦車の資料を呼んでいましたが少し頭が痛くて…あ、何か飲みますか?」

「甘い飲み物であれば」

「あ、それでしたらこれを…『甘々・苺ミルク』とか」

 

 和葉はそう言いながら苺の模様をしたピンク色の牛乳パックを取り出すと、彼女は「それでいい」と答えると、コップに注いで冷泉に渡す。

 

「どうぞ…何か食べますか?」

「時刻は…午前9時か、軽食なら食べる」

 

 冷泉はそう言いながら時計を見て言うと彼女は「それでは」と、台所から薄力粉と砂糖にベーキングパウダーなどを出して料理していく事、数分後…。

 

「あら、冷泉さんに優木さん。なに作っているの?」

「む、そど子」

「そど子じゃない、園みどり子よ! 全く、いつになったら治るのかしら…」

「みどり子さん…今軽食を、食べますか?」

「いただくわ、それよえりも私はみどり子じゃなくてそど子…あ、合っていた」

 

 みどり子は慌てて訂正すると、それを見た冷泉は「ふっ」と鼻で笑った。そして…。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「パリパリチーズパン、出来ましたけどどうかな?」

 

 さらに人数分分けたパンに2人は「おおお」と驚きと同時に歓声をすると、みどり子に苺ミルクを注ぐ。

 

「あら、ありがとう」

「いえ…ではいただきます」

「「いただきます」」

 

 優木は挨拶をするとみどり子と冷泉は一緒にあいさつをして料理をいただく。

 

 

「ん…おいしい」

「本当においしいわ! 表面はカリカリで中はホカホカ、いつも作っているの?」

「黒薔薇にいたとき、格安のフリーマーケットで買い物をして作っているので。資金には多少問題ありませんでした」

 

 彼女の言葉に2人は「なるほど」と納得する、そしてみどり子は「これはいいわね」とつぶやくと冷泉は何かを感じたのか寒気が背中から走った。

 そして冷泉は「そ、それよりも!」と急いで話を作り出す。

 

「和葉は家族とかいたか!? 少し気になるが!」

「あなた…でも確かにそうね、私も気になるわ」

 

 冷泉とみどり子の言葉に彼女は「え、あ」と少し戸惑う。そして彼女は悲しい表情をしながらこう答える。

 

 

「実は、生まれてから両親はいませんでして。冷泉さんとみどり子さんの家族関係に私はうらやましくて」

 

 

 それを聞いた2人は「あ」と表情が固まると両者戸惑いながらも「そ、そうでしたか」と答えながら目をそらす。

 

「あ、気にしないでくださいよ!? 私はただ質問をしただけで、答えなくてもいいですよ!!」

 

 和葉はそう言って慌てると、みどり子は「こ、こっちからも気にしなくてもいいわよ!」と答え返す。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

沙織の場合…

 

 学校から帰宅途中、沙織は和葉と一緒にショッピングモール『クラセル』に来ていた。

 ここに来ている理由は和葉の服を購入しに来たからだ、彼女は今持っている服はジャージと戦闘服の2着だけ、外出に向いていないのがあったため買いに来たからだ。

 そんな中、和葉のもち肌を見た和葉は「それにしても」と言いだした。

 

「和葉ってもち肌で結構かわいいじゃない! 結構モテるんじゃない!?」

「も、モテるかどうかは分かりませんが…。沙織さんで程モテていませんよ」

 

 沙織からの質問に和葉は答えると彼女は「えーもったいない!」と驚く。

 

「こういう時は、ちゃんとした服装で行かないと! そしたらもち肌がもったいないよー!」

「えーもち肌って、活躍できませんけど…」

「こういうときにだよ! それが活躍しないと風船のように何時かはしぼむよ!」

「風船って…それにしても服はどれに」

 

 和葉は苦笑いしながら服を選んでいると、沙織が「これとかどう?!」とピンク色のワンピースを持ってくる。

 

「え、それを着るんですか!?」

「そうそう! たまにはかわいい服装、こう言うのがいいよ!」

「少し派手ですね…あ、これが良いかな?」

 

 和葉はそう言いながら、緑色のショートパンツと青色のジャージを手にする。

 

「え、それを選ぶの?」

「はい、せめて動きやすい服装が私は好きなので…だめですよね?」

 

 服装を手にした和葉は沙織に言うと、彼女は近づくと同時に「そうよ!」と真剣に答える。

 

「ズボンとかは男っぽい人が着るのが多い! 珠にはスカートとかにしたらいいよ! こういうワンピースだけではなくてツーピースやジャンパースカートなども!」

「は、はぁ」

 

 沙織の勢いに彼女は押され、後ろに引きながらも服を受け取り更衣室へと行く。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「はぁ、お金がすごい…」

「いいよいいよ! 今回は私も払うから気にしないで!」

「気にしますよ…ジャンパースカートとワンピースが2着ずつ」

 

 和葉は手にしている服をレジで購入し、帰宅することになった。彼女が手にしている袋の中には先ほど買った服が入っている。

 

「そう言えば、沙織さんは裸眼ですか? 結構視力いいですね」

「え、ああ実は私少し目が悪くてね。外出時はコンタクトで室内時はコンタクトレンズをしているんだよ」

 

 沙織はそう言いながらカバンからコンタクトケースと眼鏡ケースを見せると、和葉は「あー、なるほど」と納得する。

 

「それにしてもいいですね…私は眼鏡とコンタクトレンズしたことありません」

「そうなんだ…あ、もしよかったら、レンズの種類は限られているけど眼鏡買う?」

 

 沙織の提案に和葉は「いいですね」とほほ笑みながら答える。

 

「ですがわかりますか? ここ結構広いですし」

「あ、それなら大丈夫! ココア会長から渡された珍等師学園都市の地図もらったんだ、それから見たんだ」

 

 彼女の話を聞いて和葉は「なるほど」と納得する。

 そして和葉と沙織は、そのまま屋敷へと帰っていき、服を見せ合ったり話し合ったりするのであった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

みほの場合…

 

「う…ううう…」

 

 真夜中、あんこうチームの部屋で布団で寝ている和葉だが、彼女は悪夢にうなされているのか苦しい表情と共に滝のように流れる汗が出ている。

 そんな中、うなされる声にみほは気づき起き上がると、和葉が苦しんでいるのを発見し彼女は慌てて和葉のところへと音をたてないようにいく。

 

「和葉さん、大丈夫ですか?!」

「ううう…え」

 

 みほは慌てて言うと和葉は目を覚まし起き上がると、みほを見て「あ、失礼しました」と謝る。

 

「少し悪夢を見ていまして…いつもなら薬を飲んでいるから大丈夫でしたが、今回は」

「薬…まさか危険なのですか?!」

「あ、薬と言っても文さんが調合したのです! まやかが付くのはありませんよ!」

 

 みほの言葉に和葉は慌てて訂正すると彼女は「あ、よかった」と安心する。

 

「黒薔薇にいたころ…多くの人に蔑んだり脅迫などがいましたから…その恐怖心がありまして」

「そうなんだ…どこからこの学園に」

「学園とはいえ外部から荷物を入れるトラックがありまして、その中には道具が入った荷物を外に送ることもあります、そこから」

 

 和葉はそう言いながら説明すると、彼女は「優花里さんと同じ」とつぶやく。彼女は他校へとスパイするときに、コンビニ艦へと乗っていったからだ。

 みほは何かないか考えていると、手に持っているボコを見て「そうだ」と思い出した。

 

「よかったらこれどうかな…ボコだけど」

 

 みほはそう言いながらボコを渡すと、和葉は「え」と目を丸くして驚く。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「ボコはね、やられてもやられても立ち上がり、負けないんだよ」

「あ、それ福音さんから聞いています。私も見ましたので面白かったです」

 

 みほと和葉はそう言って話をしていると、彼女は「でもいいのかな」と言いだした。

 

「私に、このボコを渡しても…みほさんのですけど」

「いいよ、ボコは守ってくれているから。和葉さんに助けてあげないと、それに和葉さんに思い出を」

 

 みほの言葉に彼女は「あ」と気付く、ボコはただやられているだけではなく、みんなに勇気などを分けているのだと。

 

「…ありがとう…」

 

 和葉はみほからボコを受け取ると、そのまま布団に入って横になる。それを見たみほは「ふふっ」とほほ笑むとそのままベッドへと行き、再び寝ることになった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

『『『キャンプ??』』』

 

 突然杏会長の知らせにみほたちは一斉に答えると、彼女は「そうだよー」と答える。

 

「なんだか戦車道の訓練と同時にサバイバルキャンプをすることになってね、ちょうど廃墟となったキャンプ場があったからそこを使用することになったよ」

「廃墟のキャンプ場?」

「太田ちゃんによると、その敷地は少し荒れ地が多く人気のスポットから離れていてね、あまり人が立ち寄らないところだから廃墟になったんだよ」

 

 沙織の質問に彼女は答えると、華は「それでなんですか」と納得するように答える。

 

「そしてなんだけど、アブ引き部のみんなが使用するメカの修理が終わったから、訓練受けるそうだよ。ちょうどいい機会だし」

「そうだな、たまには大型機械同士での戦いと言うのも悪くないな」

「そうだ、それと今回は勇樹が何かを開発しているそうだが。この前の爆発だから少し心配だ」

 

 河嶋の言葉にみんなは「確かに」とあの時の爆発事件を思い出す。一体何を作っているのかは、正直分からない。

 

「それと、優木ちゃんはあんこうチームと一緒に行動することになったよ。一応戦車は行ける?」

「砲手、通信手、装填手に操縦手など行けます。隊長は少し無理ですが」

「そっか、ありがとね。それじゃあねー」

 

 杏はそう言いながら部屋から出ると、みほたちは「ほへ?」と頭を傾けるのであった。

 

 

 

 

 そしてこの時、彼女たちは飛んでもない事件に巻き込まれることになるとは知らずに。



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第73話『訓練と事件発生』

「てなわけで、今回は大人数で移動することを考えて太田が特注で用意した専用車両で行くぞー」

『『『おおー!』』』

 

 当日、勇樹たちは屋敷からギアステーションへと行き、専用の線路へと集合した。

 その場所には無数のコンテナ車が20近くあり、先端車車両にはM250系電車が付いている。

 

「それにしてもすごいですね…僅か数十日で用意したのは」

「太田ちゃんに感謝しないとねー」

「ああ、しかしこれを乗せることが出来るのは予想外だな」

 

 コンテナ車に戦車を乗せる光景をみほは驚いている中、杏はのんきなことを言いながら干し芋を食べていた。まほは戦車を移動させるために使う用意したことに感心していた。

 そう言っていると、アブ引き部専用のメカを持ってきたココアたちがやってきた。

 

「やっほー、少し時間はかかったけど何とか修理は終わったよー」

「会長! 大丈夫でしたか?」

「大丈夫大丈夫、こう言うのは新鮮でうれしいし」

 

 ココアはそう言いながら微笑むと、勇樹は苦笑いで「そ、そうですか」と答える。

 

「それよりも、コンテナ車に乗せることになりますけどオレたちこの国鉄24系客室で行きますけど」

「いいよ、運用中のは乗れるのが難しいけどまさかこれで乗れるとはねぇ」

 

 ココアはそう言うと、一史も「私もです!」と興奮するように答える。

 

「カメラも持っていましたので活躍できるとは思いませんでしたよ!」

「そうだね、一応だけど素のカメラって?」

「高画質で撮れる大容量の一眼レフが2つあります! あ、もちろん予備ですよ」

「さすがカメラ名人、中学の頃は確か壁新聞部にいたからやれる腕前」

 

 一史が持っているカメラを見て勇樹は感心すると、まほが「勇樹」と言いながらやってくる。

 

「そろそろ乗せていいか、みんなが少し」

「あ、わかった今行く。一史、じゃあ写真をお願いな。現地に着いたらで」

「わかりました、では!」

 

 一史はそう言うと同時に、メカをコンテナ車に乗せる手伝いをしに行く。

 勇樹も一緒にメカを乗せる手伝いをしていく、途中ふざけている人もいればしっかりする帆とがいる者もいる。

 全て載せ終えると、そのままみんなは車両に乗り、目的地であるキャップ場へと発進した。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 車両に乗って数時間後、彼らが着た場所は富士山のふもとから約2キロほど離れた山梨県にいる。

 

「ここは一体…初めて見るけど」

「このキャンプ場は、太田が所有する一つでな。調べてみたところ、ここはサバイバルゲームが使用可能の特殊キャンプ場なんだ」

「今回は戦車道のために1週間ほど借りることが出来たんだ」

 

 勇樹と太田はみほの驚きに答えると、麻子は「大規模だな」とあきれて答える。

 

「それで、一日目はどうするんだ?」

「まほさん、そうっすね…まずはテントを用意するっすか」

 

 霊華の言葉を聞いたまほは「そうだな」と答えると、伊江は「テントの道具持ってきたぞー」とテントの機材を持ってくる。

 

「さて、まずはテントの組み立てだが。ここは優花里に少し学ぶか」

「おお、それは嬉しいですね!」

 

 伊江の言葉に優花里は目を輝やかせると、彼女は「では早速!」と説明し始める。

 

「今回使用するテントはワンポール型のテントで、このテントは中央に1本の柱を立てるだけでいいんですよ!」

「確か、このテントを建てたときの形が円錐に似ているから『モノポールテント』や『ティピーテント』と言うよね」

「おおっ! さすが美樹殿、詳しいですね!」

「少しだけど本に乗っていたからね、手伝おうか?」

「ありがとうございます! では早速」

 

 美樹と優花里は息が合うように話しながらコツコツとテントを立てていく。それを見ていたエルヴィンと百合子は「いい相手がいるな」と羨ましいのかジト目で見ていた。

 

「ところで、勇樹たちも?」

「同じく優花里と同じテントを使うよ。せっかくだしみんなと一緒にしたほうが良いしな」

 

 勇樹はそう言うと道具を手にしてみんなはテントを組み立て始めた。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「戦車道の練習試合は終わり、夜ご飯も食べたっと」

「後は寝るだけですね」

「疲れた…明日は早く起きそう」

「麻子ったら…あれ、和葉は?」

 

 和葉がいないことに沙織は気づき、みほたちはあたりを見渡すとアルパインダウンという高級寝袋に入っていた。

 

「和葉殿! その寝袋は?!」

「沙織さんと一緒に行ったとき…購入しまして…マウントベルと言うアウトドアで」

「あ、そう言えば言っていたね」

 

 和葉の言葉に沙織は思い出すように言うと、華は「意外なところに行っていましたね」と驚く。

 

「和葉、その豚の目覚まし時計は?」

「『目覚ましトンケイ』です、名前がよかったので作りました。それよりも、麻子さんの隣に」

 

 和葉はそう言いながら寝袋手にして麻子の横に行くと、寝袋を敷いて目覚まし時計を置き横になる。

 

「麻子さんは低血圧なので私が先に起きたらすぐに動かしますのでご心配なく」

「いや、和葉がやらなくてもいいけど」

「これくらいは恩返しです! 一応道具も持ってきましたので、安心してください沙織さん!」

 

 和葉はそう言いながら道具が入ったリュックを置くと、そのまま横になって睡眠をとる。

 

「麻子より早い!」

「そこか…それよりも横になった瞬間に寝たな」

「よっぽど疲れたのでしょうか?」

「外に出ることはあまりありませんですからね、仕方ありませんね」

「そうだね…私たちも寝よう」

 

 みほはそう言うとみんなは「はい」と答えると同時にランタンを消し、寝ることになった。

 

 

 

 

 

 その夜中、地面から巨大な掃除機型のメカが出てきてあんこうチームの方へと移動している。その掃除機型のメカには、ドクロのマークがついている。

 メカはそのままあんこうチームが寝ているテントへと行くと、吸い込み口からマジックハンドを出して捕まえようと動いだした…だが。

 

「むぅ…なんだ?」

 

 麻子が突然目を覚まし外を見てみると、掃除機型のメカの吸い込み口からマジックハンドが出てきてが和葉をさらおうとしていた。

 それを見た彼女は「さささ、沙織、沙織!!」と彼女を起こす。

 

「何麻子…いきなり慌てて」

「ど、ドクロが…掃除機が。く、黒薔薇が!!」

「ああ、黒薔薇…黒薔薇?!」

 

 沙織は麻子の言葉に反応し驚くと、華たちも起きたため急いで説明すると、メカのハンドは吸い込み口に入り吸引機が起動し始めた。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「んんん…これはどら焼きだな…たい焼きもいいが、やっぱりこっちだな」

 

 夜中、勇樹は睡眠用の耳栓をしてねている中。誰かに起こされるように体を動かしている。

 

「ん、何だこんな時に…太田?」

 

 顔を青ざめた太田が彼を起こしたため、勇樹は不機嫌な表情をしながら起き上がり耳栓を外す。

 

「太田どうしたんだ? 夜中に」

「黒薔薇が来たよ! 和葉を誘拐しに」

「ああ、黒薔薇か…黒薔薇が!?」

 

 連呼するように彼は目を覚まし急いで外を見ると、みほたちが和葉を連れて掃除機型のメカから逃げている。

 

「大変だ…そうだ、みほ! 戦車に乗って逃げるんだ。急げ!」

 

 勇樹は急いでみほに向けて言うと、彼女は「わかりました!」と急いであんこうチームの戦車であるⅣ号H型に向けていく。

 

「こっちも行こう、念のためメカを用意していたからな!」

「わかった、攻撃許可は?」

「まだだ、今は逃がすようにするのが優先だ」

「うん、急ごう!」

 

 勇樹たちは急いでアブ引き部専用のメカがある駐車場へと向けて走っていく。

 その頃、みほたちは急いでⅣ号H型に乗り込み、麻子はエンジンを入れる。

 

「麻子さん、急いで逃げましょう!」

「わかった!」

 

 みほの指示に麻子は急いでレバーを動かすと、メカは戦車を吸い込もうと追うが、戦車が移動しているため吸い込むことが簡単にできない。

 

「何あれ!? どうしてここにいるのがわかったの?!」

「きっと、わたくしたちが立てているところを外部から見てのでは? 優花里さんのように望遠鏡型の道具がないと分かりませんし」

「あり得ますね、富士山からでしたらギリギリですが見えます。ですが今は」

「逃げるが優先、和葉さんを守りましょう!」

 

 みほはそう言うと、麻子は突然「ブレーキをする、気を付けろ!」と急いでブレーキを踏み速度を落とす。

 

「麻子何するの?!」

「この先に崖があった! 夜だから見えなかったが、前に崖があった! 急いでブレーキを!」

 

 麻子の言葉にみんなは急いで外に出て前を見ると、10メートル以上もある大きな崖に落ちていくように戦車は進んでいる。

 坂道なのかブレーキを踏んでも速度は落ちず、ただただ進んでいる。そして。

 

「だめだ、もう止まらないっ!!」

 

 麻子がそう叫んだその時、Ⅳ号H型は崖から落ちて谷底へと落ちていく。掃除機型のメカもあんこうチームと共に谷底へと落ちていく。もうだめだと思った…その時。

 

『超時空間、通称『タイムホール』を探知しました。ただいまからタイムワープ開始します』

 

 

「「「「え?!」」」」

「なんだ!?」

 

 突然通信機から声がすると同時に、上空から赤色と黄色の雷が落ちてきて戦車に当たるとⅣ号は突然光となってどこかへと消えて行った。

 掃除機型のメカは、そのまま谷底へと落ちていき地面にぶつかると大爆発した。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 ビビビビビビビビビ!!!

 

「この警告、時空探知!?」

「おかしいですよ、この地域に『カミガクレ現象』は勇樹君が探知したばかりですよ!?」

「2色の雷が落ちたな、あれは確か『小森!』っ、なんだ?」

「この先に崖がある! 緊急ブレーキを!」

 

 勇樹の指示に小森は「わかった!」と急いで赤色のスイッチを押すと、マンモスタンクⅢの胴体からジェットエンジンが出てきて逆噴射する。

 メカはジェットエンジンの力により速度は低下していき、崖の手前で停止した。後ろから来ていた他のみんなも急ブレーキや逆噴射で停止した。

 そして外に出てがけ下を見ると、掃除機メカの残骸が落ちているだけでそれ以外は何も変化はなかった。

 

「石川ちゃん、もしかしてあの残骸に」

「いえ、先ほどの雷で当たっただけで爆発はしません…調べてみなければわかりませんが、時空を超えた可能性が」

「そうか」

 

 杏と勇樹はそう言っていると、太田は「まほさん」と彼女に連絡を入れる。

 

「すみませんが、訓練は中止で」

「ああ、まずはみほたちを探さないといけないな…」

 

 まほはそう言ってあたりを見渡していると、がけ下を除いていた伊江は「ん」と何かを見つける。

 

「あれは…なんだ?」

 

 伊江が見つけたのは、泣いている人の顔をしたバッチが落ちていた。

 



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第74話『時空と手掛かり、逆探知!』

 戦車道の訓練は中止し、勇樹たちとまほたちはあんこうチームが消えた崖周辺を探索しているが…。

 

「手掛かりが少ないっすね…」

「あのメカが落ちたのと謎の雷が降ったからな、そう簡単には見つからないな」

「そうだねぇ…あ、そっちは?」

「残骸だらけだ、こっちはない」

「黒薔薇め…なぜ和葉を?」

 

 霊華と連華、カメさんチームとかばさんチーム。そしてアンツィオ高校の生徒らは崖下へと行きメカの残骸をどかしながら探していた。

 だが戦車の部品やみほたちがいないためそう簡単に見つからない…いや、先ほどの現象でどこに行ったか不明だ。

 

「現象についてだが、霊華。どうだ?」

「カエサルさん、それが不思議っすよ。現象探知機で調べたんすけど異常がないっす」

 

 霊華はそう言いながら探知機を使って探しているが、探知機には反応がない。

 それを見たエルヴィンは「意外だな」と反応する。

 

「霊華、上にいるみんなは?」

「あ、聞いてみるっす。電話電話」

 

 連華の言葉に彼女は急いで電話を出し、上にいるみんなに連絡をしだした。

 

「あ、こちら霊華っす。手掛かりはどうっすか? え、手掛かりかどうかわからないけど伊江さんが見つけたっすか!?」

「霊華、私たちも今から行くと伝えろ」

 

 連華は霊華に向けて言うと、彼女は「わかったっす!」と伝えると、霊華はアンツィオやカメさんチームなどに伝える。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 霊華たちが上へと行くと、太田が「霊華さん、みんな」とやってきたため彼女たちは「お待たせ」と答える。

 

「それで、伊江からの手掛かりは?」

「実は、このバッチでして…今勇樹君が解析をしていますから無理ですが、写真を撮ってきましたので」

 

 太田はそう言いながら人数分の写真を渡すと、みんなは「これは…?」と頭を傾ける。

 

「うーん…何すかねこれ?」

「気持ち悪いバッチだな…」

「しかし、これは勇樹が作った物ではないな」

「手掛かりとしては大きいぜよ」

「そうだねぇ、それで他には?」

 

 ペパロニ、河嶋、蓮華、おりょう、杏はそう言うと、天女は「そうですね」と言いながら何か資料を持ってくる。

 

「うわ、なんだべこの資料!」

「重そうでありますね…」

「天女さん一体何を?」

「先ほどの雷で少し気になることが…ありました」

 

 服だとアリーナ、そして奈々は彼女に質問すると天女は資料を見ながら探しているあるページを発見した。

 

「なんすか天女さん?」

「あの雷は『時雷(じらい)』と『空雷(くうらい)』という一種の現象で、雷が降ると時間と空間が入れ替わるというのです」

 

 天女はそう言うと、みんなに見せるように資料を広げる。そこに書いていたのは…。

 

 

『『時雷』…黄色に輝く雷、当たれば時間を超えると言われている。雷に当たった本人は時空の影響で老けたり若返ったりする』

『『空雷』…赤色に輝く雷、当たれば瞬間移動が出来る。雷に当たった本人は体力の3分の1が疲労する』

「ほへー、これが『時雷』と『空雷』なんすね」

「はい、伝説として乗っていましたが。まさか見れるとは」

「そうですね…それだとしたらどこにみほさんたちは」

 

 奈々はそう言って崖を見ていると、勇樹が「このバッチがわかったぞ」とやってきた。

 

「勇樹君、何がわかったの!?」

「このバッチは和葉が用意した道具『感情バラバラ探知機』で、『喜怒哀楽』で相手はどこにいるか少しわかりやすくするようになっている」

「なるほど、和葉はバッチでどこに行ったのか分かるか?」

「わかります、研究所に戻ってからじゃないといけませんが『逆探知機』を使えばどこに行ったか分かります」

 

 まほの言葉に勇樹は答えると、エリカは「隊長、それでは」と言うと彼女は「ああ」と答える。そして。

 

 

「勇樹の指示に従うぞ! みんな、異論はないか!!」

 

 

 まほの言葉にみんなは「ありません!」と一斉に答えると、まほは「それでは、勇樹」と言うと彼は「わかりました」と答える。

 

「太田! 急いでコンテナ車に高速でいく特殊電車を! 奈々さんは人数分の高速バスなどを! オレは急いで屋敷に着いたら和葉たちはどこにいるか調べてみる!!

「わかりました!」

「ええ、お任せを」

 

 

 勇樹の言葉に2人は答えると、みんなは急いで行動に移る。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 その頃和葉たちは、先ほどの雷により戦車ごと時空間に入り込みどこかへと移動している。

 

「な、なんだこれは!?」

「時計が飛んでいる!? どういう意味―!!?」

「揺れが、激しいです…!!」

「優木殿、西住殿。大丈夫ですか!?」

「私は大丈夫…和葉さんは?!」

「私もです!!」

 

 突然の現象に6名は驚き、戦車にしがみついている。外に吹き飛ばされそうな勢いで揺れているが、幸い彼女たちはシートベルトをしておりハッチには鍵をしているため外に出ることはなかった。

 

「それよりも、わたくしたちはどこに!?」

「わかりません! ですが、カウンターとマップに異常が!!」

 

 華の言葉に和葉は答えながらパッドを出してみると、時計が高速で回転し地図は土地が大きく変化しているためどこに移動しているか分からない。

 そうしている中、優花里は「ん?」と何かに気づいたのか道具が入ったリュックに目を付ける。すると。

 

 ポワァァァァアア…

 

「き、消えている?!」

 

 リュックの中に入っている道具が消えて行き、優花里は急いでつかもうとしたが道具はすべて消えていった。

 それを見た優花里は「消えてしまった…どうして?!」と驚いている。その時。

 

「時空間にの出口が見えてきました!」

 

 和葉の言葉にみんなは前を見ると、目の前に黒色の穴が出てくると同時に戦車はその中に吸い込まれていきどこかへと出された。

 そして時空間から出てきた先に見た光景は、見たことない建物や乗り物などがたくさんあった。

 そんな中、戦車は重力に従うように真下に落ちていってる。

 

「お、落ちてるうううっ!!」

「おい逆噴射はついていないぞ!?」

「あら、ついていると思いました」

「五十鈴殿、冗談にしては少し危険でありますよ!?」

「ええええっ…!!」

 

 落ちていく戦車にあんこうチームは慌てていた…その時。

 

 

「『強力パラシュート』、展開!!」

 

 

 和葉は自分が手にしているリュックから四角い包み紙を外に出してスイッチを押すと、磁石が付いたアームが突電出てきて戦車につけると、今度は巨大なパラシュートが放たれて空中で速度を低下した。

 

「か、和葉さん…?」

「少し持ってきましたが、ここで薬に多雨のは初めてです」

 

 和葉の行動にみほは驚いていると、戦車は徐々に落ちていき。空地へと着陸する。

 

「着陸成功しましたが…どこでしょうか?」

 

 優花里はそう言いながらパッドを見ると、突然顔を青ざめると同時に目を丸くした。

 

「に、西住殿…た、大変であります!」

「優花里さん?」

「ゆかりんどうしたの?」

「こ、ここここ、ここはもしかしたら…お、おおおおお、大洗かもしれません!!」

 

 優花里はそう言いながらみんなにパッドを見せる、そこに映っていたのは。

 

 

 

『2475年10月2日 場所:日本の茨城県大洗町』

 

 

 

 優花里と同様、みんなは目を丸くすると急いで外に出てあたりを見渡す。

 見慣れた和風の建物や車などがなく、鉄の塔のような建物が多くあり車はタイヤがないものがたくさんあった。

 

「これは…一体」

 

 みほは目を丸くしていると、道路からパトカーらしき乗り物がやってくると戦車を囲み警官が出てきて拳銃を出し彼女たちに向ける。

 

「動くな! 時空管理局のものだ、抵抗するな!」

 

 警官の言葉にみほたちは「え、ええ?」と戸惑うのであった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 その頃勇樹たちは、屋敷へと戻り急いで研究室のメカ工場へと行くと。メカを作ると同時に和葉たちがいるところはどこか探し始めた。

 

「勇樹、それで彼女たちは?!」

「時空№02003535、これは時間と空間がバラバラになっているから…そこから調べれば」

 

 勇樹は文と小森と一緒に調べていると百合子は「あ、ありました未来の地図が!」と急いで『22~26世紀の地図』を持ってきた。一方。

 

「ありがと百合子さん、えっとデータが当てはまるところを調べれば…」

 

 勇樹はそう言いながら真剣に地図を見ていると、「あった!」とある地図を見つける。そこに書かれたいたのは。

 

 

「『25世紀、場所日本大洗町』…、ここにいる可能性が高い!」

「それじゃあ、みほさんたちも!」

「急いでメカを!」

 

 百合子と文の言葉に勇樹は「わかった!」と言うと、壁についている赤色のスイッチを行きおよく押す。

 すると床の一部が開き彼らはそこから入るとメカ工場へと降りていく。

 

「百合子さん、みなさんに連絡を!!」

「そう来ると思い、もうやっておきました!」

「戦車もそこに集まっている、メカは?」

「アブ引き部はもうOKだ、もちろん例の7体のメカも!」

 

 勇樹はそう言うと、メカ工場へと着き急いで例のメカがあるところへと走っていく。

 

「太田、例のメカは?!」

 

 勇樹は携帯電話を出し太田に連絡を入れ、例の話をすると彼は『大丈夫です!』と元気よく答える。

 

『完成しましたよ! ちょうど機関車と車両がたくさんありまして! メカの設計図も勇樹君のまだ未完成がありましたのでそれを使用しています!』

「さすがだ! みんなは?!」 

『専用の倉庫車両に乗せました! 丁度2両でしたので何とか収まりました、メカもですよ!」

『サンキュー!』

 

 勇樹はそう言うと『出入口』と書かれた看板から入っていき、メカのコックピットに座りそのまま電源を入れる。

 

『システム、オールグリーン…。以上ありません、すぐに行動可能です』

「わお、凄いじゃん」

 

 勇樹は装置の軌道に驚くと、伊江が入ってきて「準備可能か」と言いだした。

 

「みんなは乗せてカギをした、そして椅子に座った」

「こっちもだよ、手掛かりはたくさんあった!」

「流石っす! 急いで出動っす!」

 

 霊華はそう言うと勇樹は「おう!」と言いながらレ場0を動かす、するとパイプから蒸気が動く音がすると同時歯車が動く音が響き渡る。そして上についているマイクを下におろすと。

 

 

『出動開始! 各皆は椅子にしっかりつかまってくれ!』

 

 

 勇樹はそう言いながら吊皮を動かすと、突然大きな揺れが発生しコックピットについている画面に『TimeWarp OK?』と表示される。そして。

 

「タイムワープOK、巨大蒸気機関車メカ『ジャイアント・ロコモーション』。速発進!!」

 

 ガチャンッ!!

 

 勇樹はそう言うと同時にレバーを動かすと、ジャイアント・ロコモーションは緑色の膜につつまれるとそのまま時空移動していく。

 



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第75話『宇宙にある時空管理局と非常事態発生』

 現在、みほたちは「時空管理局」と名乗る者につられて地球から数百キロ離れた場所にある衛星へと連れてこられた。

 そこに着いたみほたちは、一室の部屋に入れられて待たされるようになった。

 

「私たち…何か悪いことしたかな?」

「それはありませんよ西住殿! 戦車に乗っていたならともかく、そんなに悪いことをしていたとは!」

「空から落ちてきたら、罪はなりませんか?」

「華、怖いこと言わないで?!」

「いや、まず戦車が落ちるわけないぞ」

 

 あんこうチームはそう言っていると、和葉は「ああ、だめだった」と泣きそうな表情で明後日の方向で見ていた。すると。

 

 

 ガチャッ

 

 

 突然扉が開いたため何かと一斉に向くと、目つきが鋭く背が高く黒髪のロングヘアをした女性が入ってきた。

 そして彼女は「待たせてすまなかったな」と言いながら、席に着くと話をする。

 

「私の名前は『(やなぎ)(しのぶ)』だ、時空管理局捜査一課の警部をしている」

「は、はぁ…」

「君たちはどこから来たかは私は分からない…だが、先ほど押収した戦車の表面の錆から計算すると過去から来たようだな」

 

 忍の言葉に優花里は「そこまでわかりますか?!」と驚く、それを聞いた彼女は「ああ」と答える。

 

「どうして錆たか、錆てから逆算したら大体は分かる。それ以外に油の臭いにエンジンから想定したら、昔の可能性があるからな」

「すごいな…そこまでわかるのか?」

「ある程度はな…それよりも、彼女は一体何を?」

 

 忍はそう言いながら指を指したため、みんなは一斉にその先を見ると…。

 

 

「ああ、私はなんでこんなにダメな方向に行くのでしょうか。元から危険な神があるのでしたか。それとも私は、疫病神なのでしょうか。ああ私はなんでこんな目に遭うのかなははははははははは……」

 

 

 和葉が黒いオーラを出しながら泣いていたため、みほは「か、和葉さん」と彼女をなだめる。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 その頃勇樹たちは時空間の穴の中に入っており、その空間内にはジャイアント・ロコモーションが移動していた。

 

「探知機によると未来方面に向かっているな…」

「そうか、それ以外に何かわかるか?」

「わかると言いましても」

 

 まほの言葉に勇樹はキーボードとレバーを動かしていると、画面に地図と時間が表示され、勇樹は画面を見ながら何かを調べている。

 

「未来の情報は今だ不明で、情報は100%とは限りませんよ」

「そうか…わかったら教えてほしい」

「わかりました。急いで探索しますので」

 

 勇樹はそう言いなが調べると、太田が入ってきた。

 

「勇樹君。警視庁から連絡が」

「ん、連絡って?」

「はい、粟田口如月ですけど。家族はいますが両親は病死でいません、代わりに妹と弟がいます」

「妹と弟…兄弟がいたってことか」

 

 太田の報告にまほは答えると。彼は「はい」と答える。だがそこで妙な事を言いだす。

 

「おかしなことにその妹と弟は『姉はいましたが、当時は父母と一緒に買い物に出かけていた際、事故に巻き込まれ亡くなっている』と…あ、一応葬式にし調べてみたらそのようでして」

「事故で亡くなっている?」

「妙だなそれは…我狼院たちも来いよ」

 

 太田の報告を聞いたまほと勇樹は答えていると、勇樹はレバーを引いた瞬間。扉が開くと同時に民が入ってきた。

 

「うわっ!」

「エリカ、みんなも来ていたのか」

「いやぁ、ごめんごめん」

 

 会長は謝るように言うが、彼は「聞かれていたなら仕方ありませんが。せめて何か言ってくださいよ」と答えると、ココアは「そうだね」と答える。

 

「それで石川ちゃん、その情報はどういう意味?」

「オレもわかりません…なんで粟田口が亡くなっているのか不明です、生きているとしてもなぜ偽名をしたのかも不明」

「そうですね…ゾンビじゃあるまいし」

「ぞ、ゾンビ!?」

 

 勇樹と百合子の話を聞いた梓は驚くと、桂里奈たちも「ええ、ゾンビ?!」「怖~い」「かまれたら怖いよー!!」と慌て始める。

 

「あ、梓! ゾンビはあくまでオレの可能性で、100ではないよ!」

「そうです! もしゾンビになったとしても、可能性としてはあれしかないですが、あくまでそれは私の推測ですけど」

 

 勇樹と百合子はそう言うと、伊江は「そうだそうだ」と言いながら梓の頭をこする。

 

「ゾンビは元々ウィルスではなくて魔法の力で生まれたモンスターだ、噛まれて感染するのもいれば感染せずいつも通りに暮らすのもいるからな」

「そうっすそうっす! ゾンビなんか、うちらがやっつけるっす!」

 

 伊江に続いて霊華はそう言うと、カエサルは「そうか」とジト目で言う。

 

「それにしては時間がかかるな…」

「時空移動とはいえ、川に流れる笹船のように移動しているからな。探知機が反応するのは難しいぞ」

 

 ムラカミの言葉に蓮華は答えると、伊江は「そうだな」と言いながらデータを調べていた。すると画面に手紙のマークが現れる。

 

「手紙? 時空管理局からだ」

 

 勇樹はそう言って手紙を見ていると、ケイは「ワッツ?」反応する。

 

「ねえモリリアーティ、時空管理局って何?」

「え。ああ時空管理局って今で言うと警察みたいなものだよ」

「正式名は国際時空管理局、『International world and Time Administration』を焼灼してIWTAです」

 

 幹子と天女の回答にみんなは「へぇー」と驚くが、ナカジマは「そう言えば」とある事に気づく。

 

「石川さんじっと手紙を見ていたけど、何かわかったのかな?」

「あ、忘れていた。今時空管理局第12階層で柳警部から連絡が」

 

 勇樹の言葉に伊江は「げ、あの柳警部からか」と苦い表情で言うと彼は「そうだよ」よ答える。

 

「オレ苦手なんだよな、柳という名前覚えにくいし」

「ニーナとアリーナの名前の間違えないでほしいわよ!!」

「そこまで彼女は言っていませんよ、カチューシャ」

「「んだんだ」」

 

 カチューシャが伊江に叱ると、ノンナとニーナとアリーナはなだめているとそれを聞いていた桜は「何をしているの」とジト目で見ていた。

 

「っと、それで先輩。その柳警部からは?」

「手紙には『第43階層『保護安全室』で彼女たちを保護している』と書かれている。一応調べてみたら確かにあった」

「それじゃあ勇樹君。その場所に」

「行けるぞ」

 

 幹子の言葉に勇樹は答えると、百合子は「それじゃあみなさん、急いで座っていきましょう!」と言うとみんなは「それじゃあ急いで」と客室へと走っていく。

 

「それじゃあ行くぞ、小森」

「わかった」

 

 小森は勇樹の言葉に答えると、彼女はレバーを動かして時間と場所を設定する。そして。

 

『時空移動脱出開始』!!

 

 ガチャンッ!!

 

 赤いレバーを引くとジャイアント・ロコモーションは青い雷を発し、時空間の穴から目的地へと脱する。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 宇宙に浮かぶ巨大宇宙ステーション『時空管理局』、そこの近くにある専用駐車場にジャイアント・ロコモーションは

 

「ここが、時空管理局…」

「すごい広い所に伝わね」

 

 客室についている窓からみんなは驚いていると、勇樹が入ってきて「みんな、これを」と錠剤を渡す。

 

「これは…なんだべ?」

「薬ですね…」

「何か危険な物とか」

「含まれていないって!」

 

 錠剤を見て怪しむアリーナと妙子、玉田が怪しんでいたため勇樹が突っ込むと祭梨は「説明をお願い」と言ったため彼は答える。

 

「それじゃあ説明する、この錠剤は『真空錠剤』と言って。飲んだだけで体に薄い膜が出来て温度差が激しい所や水圧・空圧に空気がない所でも普段通りに行動することが出来るんだ」

「ここは宇宙だから、爆破とかあったら宇宙に放りだされるぞ」

 

 勇樹に続いて伊江は言うとみんなは一斉に錠剤を飲みこむ。

 

「さ、外に出るぞ。地面はないが通行用のパイプがあるからそこから行くよ」

 

 連華はそう言って扉を開けると、カバンからロープが付いたフックを投げて近くのパイプにつなげると彼女はそこへ移動していく。

 そして近くのレバーを動かすとパイプが付いたアームは伸びていき、客室の出入り口まで行き固定する。

 

「ありがとう、蓮華」

「かまわない、それでは」

 

 連華はそう言うと勇樹は「わかった」と言うとみんなに「しっかりつかまっていこう」と答える。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 室内へと入った勇樹たちは、地面に着くと蓮華が「重力が働いているから、いつも通りで歩いてもいいぞ」と言う。

 

「おっと、本当だな」

「なんだかフワフワしていたから不思議だったよー」

「そうっすね、うちも同じ意見っす」

 

 重力を感じた河嶋と桂里奈、ペパロニは驚くと伊江は「確かにそうだな」と同意するように答える。

 

「それで勇樹、その柳がいるところは?」

「そうですね…ここは第56階層ですから、合流階層は『第50階層』…ここは休憩室や会議室などがありますね」

「広い所ですね」

「ひっじょーにややこしそうですわね…」

 

 勇樹の言葉に小梅は驚くが、ローズヒップはジト目で言うとルクリリが「ややこしいじゃないだろ」と彼女の頭をたたく。

 

「大きい建物はこれくらいややこしいんだよ!」

「ルクリリさんの言う通りです」

 

 ルクリリに同意するように奈々は言うと、勇樹は「何をしているんだ」とジト目で見て言う。

 

「エレベーターが来たよ、真空タイプで電磁力を利用しているから最大150名まで乗れるよ」

 

 勇樹はそう言うとみんなはエレベーターに乗り込み、第50階層へと移動していく。

 

 

 

 

 

 50階層へと着いたみんなはエレベーターから出ると、黒髪の女性『柳忍』がやってきた。

 

「久しぶりだな勇樹」

「お久しぶりです柳警部、それで彼女たちは」

「安心しろ。今は安静のため睡眠をしている。幸いけがはないし乗ってきたと思われる戦車は保護している」

 

 柳の言葉にみんなは「ほっ」と安心するが、彼女は「それとだが」と勇樹にある話をする。

 

「警視庁のにいる仲間に例の情報を送ったが、どうやらこの小春田…いや粟田口はどうやら『外装年齢偽造型』時空犯罪者だと分かった」

「外装年齢…そうか、それって確か若返りの能力で」

「それだと説明がつきますね」

 

 彼女の言葉に勇樹と太田は納得するが、ダージリンが「お待ちなさい」と言いだし。

 

「先ほどから『外装年齢偽装型』時空犯罪者と言ったいましたが」

「少し私たちにも分かるように話しなさい!」

「そうだね…だけど。彼女はもしかして」

「確実に死んでいない…つまり」

 

 ダージリンとカチューシャ、ミカとナオミは抗議しながらも推理をすると蓮華は「ああ」と答える。

 

「私たちの時代からやく20年前までは能力はあったが、事故の時に完全に亡くなっていない。つまり」

「赤ん坊に戻って事故を回避し、外に出てどこかへ一時隠れて元の姿に戻り偽名を作り、何らかの方法で黒薔薇へ行き」

「みほたちの世界へと行き黒百合に入学し、黒薔薇のスパイと黒百合の生徒たちを集め洗脳し。学園艦を襲う…だが」

「学園艦を奪うにはまず何かで光栄を作る、戦車道に入って戦う…だが」

「黒森峰が連勝しているのは予想外、そこで事故を装って脱落させる」

「この戦いは黒百合が勝ったが、オレたちが来たことで予想が変わった。しかも移動した先がみほが転校した大洗だと知り急いで排除をする」

「だけど思った以上に頑固なうえ、黒森峰とプラウダから戦車が送られてきたため事態は悪化、やり方を変えて大洗にスパイを送り」

「勇樹とのやり取りを聞く同時に黒森峰を襲い大会を中止する…ですが、黒森峰があった場所は戦車ではなく使われていない戦車倉庫…それに襲われたのはまほではなくエリカ」

「そして戦いに勝とうとするが我狼院が勇樹との戦いで異常に気づき、急いで戻ったところ違法なことをしていたため即刻退学、安心に終わらせたが」

「今度は、大洗の学園艦を襲った。その目的はえっと…あ、闇の薔薇を回収したんだよ!」

「そうね、そして五月女流と協力し巨大メカを作り、学園艦を取り戻すために大洗連合を襲うはずだけど」

「うちらが来たことに事態は変わった…なんすけど、相手もすごいっすねー」

「ああ、でも結果は見事に私たちが勝ちました。そして今度はみほを襲いますが」

「時空移動により急いで勇樹たちの世界へと行き、資金集めと同時に黒薔薇を探し始める…しかし」

「小春田を調べている人がいたため、急いでその情報を消していきますが。他の学園のみんなが情報を送っているため無理」

「そこで、みほと一緒に屋敷に匿っている和葉を襲ったか」

 

 連華に続き、幹子、勇樹、伊江、アレン、太田と天女、奈々と月光と福音、月奈と霊華、綺羅と文と京子と穂多留はそう言っていると、みんなは「ほへー」と目を丸くしている。

 

「えっと、要するに時空を超えた世界征服をするために活動しているってことっすか?」

 

 

「「「「「「「「「「それだ!!!!」」」」」」」」」」

 

 

 ペパロニの言葉にみんなは一斉に言うと彼女は「おわっ!」と後ろにこける。

 

「ペパロニそれだ! どうして早く簡単に言わなかったんだ!!」

「え、いやーこれかなーと思いましたけど流石に違うかなーって」

「いやいやそれがあっているっす!!」

「そうそう! あ、それで粟口田は」

「現在彼女は『指名手配』としているため、捕まるのは時間の問題です」

 

 柳の言葉に勇樹は「そうですか」と安心した…その時。

 

 

 ドガアアアアアッ!!

 

 

「な、なんだ!?」

 

 突然大きな揺れと爆発音が響いたためみんなは驚いていると、一人の隊員がやってきた。

 

小原田(こはらだ)、どうしたんだこの揺れは!?」

「大変です! 今謎の爆発により1台の戦車が!」

「なんだと?!!」

「その話、マジっすか?!」

 

 隊員の話に柳と霊華は驚くと、外から黒色のスペースシャトルが飛んでいた。そのスペースシャトルには黒薔薇のマークが付いている。

 

「あれって、黒薔薇の!!」

「しまった、宇宙船で襲ったんだ!」

 

 外を見て勇樹とまほは反応すると、桂里奈は「それじゃあ、急いで!」と走るが。伊江が「待て」と彼女の服を掴む。

 

「ぐえっ!」

「桂里奈ちゃん、何をするのですか!?」

 

 梓は伊江に向けて言うと、彼女は「考えてみろ」とあきれるように言う。

 

「場所は宇宙だ、戦車で言ってもロケットエンジンがないと宇宙へはいけない。今持ってきている部品は地上の飛行器具だ」

「あ」

 

 伊江の言葉にみんなは「あ」と思い出したかのように反応する。

 

「そうか、それがあった…」

「宇宙ではキャタピラで移動は不可能か!」

「忘れていたべ!」

 

 それを聞いたみんなは慌てていると、小梅は「何か案はあるんですか!?」と勇樹に言う。

 

「うーん…ないとは言い切れないけど…あれしかないな」

 

 勇樹はそう言いながら頭を抱えると、みんなは「あれ?」と目を丸くする。



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第76話『宇宙の救出と時空保護、そして目的』

「「「「「うわっ!!」」」」」

 

 ドサッ!

 

 みほたちは宇宙船の一室へと無理やり入れられて何があったのかあたりを見渡している。

 彼女たちがいるところは銀色の部屋の中にいており、扉は厳重な鉄で窓は鉄格子はついていない。

 

「一体何が?」

「わたくしたちは確か、部屋にいましたが…」

「突然巨大なドリルで部屋を突き破ってきて」

「私たちを誘拐した…あ!」

「誘拐されたってこと!?」

 

 みほたちは状況がわかったのか急いで扉を開けようとするが、頑丈な扉なので簡単に開くことはできない。

 

「かった! どうしてなの?!」

「隙間がありませんね…」

「簡単に私たちを逃がすことはしないようにしていますね」

 

 扉が開かないことに沙織と華は驚くが、優花里は冷静に考えながらあたりを見渡していた。

 するとみほは「あ」と何か気づいたのか、ある人を探し始めた。

 

「みぽりんどうしたの?」

「何を探している?」

「和葉さん…和葉さんがいない!」

 

 みほの言葉に優花里は「そう言えば…」とあたりを見渡すが、和葉の姿はいない。

 

「しまった! 優木殿が!!」

「つかまった…!」

 

 優花里とみほは急いで扉を開けようとするが、開くことはできない。

 

「そうしよう…和葉さんが!」

「急いで開けるぞ!」

「わたくしも!」

 

 沙織たちも急いで扉を開けようとしていると、わずかだが少しずつ扉が動き始める。

 みほたちは「動いた?!」と力を増していき開けていき、近くに某があったため麻子が「あった!」と急いでそれを掴んで扉に挟み、てこの原理でいきおよく開けた。

 

「「「「「そぉっれ!!」」」」」

 

 ドガアアアッ!!

 

 そのまま行きおよく扉は開き、彼女たちは廊下に倒れる。沙織とみほは「お、重い…」と目を回し、華は「ごめんなさい」と慌ててどく。

 麻子は「すまん」と言いながら立ち上がると優花里が「大丈夫ですか!」と慌てて心配する。

 

「優花里さん、ありがとう」

「それにしても重かったぁ」

「そうですね…そしてここは?」

 

 華はそう言いながらあたりを見渡すと、そこには巨大なエンジンやブースターに燃料タンクらしき容器などが置かれていた。

 それを見たみんなは「まさか…ここは」と思いながら上を向くと、そこには看板が付いていた。看板には『エンジンルーム』と書かれていた。

 

「ここって…ロケットの中?!」

 

 沙織は驚くように叫ぶと後ろから「その通り」と声がしたため振り向くと、武器を構えた白山たちがいた

 

「あなたは!」

「小春田さんと同じ仲間の!?」

「ああ、そうだ」

 

 彼女を見た華と沙織は驚くと、彼女は冷静に答えると同時に「改めて言おう」と自己紹介をする。

 

「私の名前は白山(しろやま)沙耶音(さやね)だ、小春田とは知り合い程度だが元戦車道仲間だ」

「同じくこっちは塩崎(しおざき)豊美(とよみ)っす」

「わたくしは奈村(なむら)美代子(みよこ)ですわ」

岡本(おかもと)信子(のぶこ)だ」

 

 4名はそう言うと、みほは「小春田と同じ仲間、なの」とおびえながら言うと白山は「ああ」と答える。

 

「お前たちを捕まえるのは小春田からの指示…まぁ計画だけどな」

「計画…それはなんだ?」

「麻子さん、それは言えませんわよ? わたくしたちの計画は簡単に崩せないから…ですわ」

「うわぁ、嫌味がある言葉遣い」

 

 白山の言葉に麻子は質問するが、奈村がそれを止めると同時に嫌味を表す言葉を言ったため沙織はジト目で答える。

 

「まぁ、まずはみほから行ったから成功した…お前たちはそのそれを使うために捕まえた」

「利用する?!」

「どういう意味でありますか?!」

 

 信子の言葉に華と優花里は驚くと、麻子は「もしかして…髪の毛をか」と真剣に言うと塩崎は「鋭いっすねー」とのんきに驚く。

 

「まぁ、少し知られても安心する程度だから気にはしないけど…黒薔薇の情報を知っている和葉は別っす、ですよね白山さん?」

「そうだなぁ、あいつはすぐに消してもらおうか」

 

 白山の言葉に麻子は「おい、消すってまさか!!」と言うと彼女は「そうだな」と言いながらコントロールパネルを取り出す。

 

「どこにいるからは分からないが…すぐに消えるかもな」

「そんな!」

 

 強打くするようにみほは驚くが、白山は冷静に答えながらパネルに『開始します』と表示されており、それを押そうとした…その時。

 

 

 

ドガアアアァァァッ!!

 

 

『『『『『うわっ!?』』』』』

 

 突然メカが爆発すると同時に大きな揺れが発生し、みんなは驚き床に倒れたり壁にぶつかったりしている。

 そんな中、白山が持っていたコントロールパネルを落としてしまい、彼女は「しまった!」と急いで伸ばすがメカの一部に引っかかる。

 

「今のうちに和葉さんを!」

「わかりました!」

「何が爆発したのかはわからんが、急ごう」

「そうだよ! 急いでいこうよ!」

「まだ中にいるの可能性があります!」

 

 みほたちは急いで和葉を探すために彼女たちがいる場所とは反対方向へと走っていく、それを見た塩崎は「お、追い待てっす!」と走るが、揺れが激しいため早く走れなかった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 その頃宇宙では、黒薔薇の宇宙船が飛んでいる後ろからコウモリの羽根が付いたモグラ型のメカが飛んできた。

 そのメカは勇樹が作ったモグラ型メカ『モグドン』で、羽が付いているのは空を飛ぶことが出来る一種の翼、後にはブースターが付いている。

 

「うひょおっ! すっげー、このメカ戦車と同じ速度で出せるじゃん!」

「そりゃそうっす! このメカは先輩が作った『スーパーモグドン』っす! 簡単に空を飛ぶことが出来るっすよ!」

 

 操縦機を動かして感動するミッコに霊華は自慢げに言うが、それを見たカエサルエルと小梅は「自慢になるのか(な)」とジト目で2人を見る。

 

 なぜこの4人が乗っているのか、その理由は簡単。このメカはいくら勇樹が作ったメカとはいえ宇宙に行くと酸素に限りはあるため人数は最大でも4名しか乗れないことになった。

 それを聞いた伊江は「じゃあみんなの誰かが4名だけメカに乗るのはどうだ」と言うと、みんなと話した結果。操縦の腕がある継続高のミッコと装填手のカエサル、通信の腕がある小梅と指示と砲手の腕がある霊華が乗ることになった。ただ、霊華は砲手の才能があるかどうかは不明だ。

 

「もうすぐ見つかると思うっすけど…どうっすかカエサルさん?」

「いや、探知機には反応がない。それよりもこの先は流星群があると」

「そうっすか…ん?」

 

 霊華はコックピットの画面を見ていると、一部が点滅していたため何かと思い、機械をいじっていると、点滅している部分を映像化しそこを拡大すると。

 そこに映っていたのは黒色の薔薇のマークをしたスペースシャトルが流星群に当たって飛んでいた。

 

「いたー! いたっす!」

「「なに!?」」

 

 霊華の言葉にミッコとカエサルは驚くと小梅は「いま勇樹さんに通信します!」と通信機を起動する。

 

「いやーまさかここまで馬鹿なのは初めてっす…大丈夫っスかね」

「バカって…どれくらいなんだ?」

 

 カエサルの質問に霊華は「そうっすねー」と悩んで数分後…彼女は「例えるなら」と言い始めた。

 

 

 

 

「カエルが生んだのはオタマジャクシじゃなくてカエル」

 

 

 

 

 霊華の言葉にみんなは「あー」と納得する。

 

「とにかく、今は確保優先っす! 確保したら急いで先輩たちがいる場所へと!」

「あいよ!」

 

 ミッコはそう言いながらレバーを動かすとブースターは起動し、モグドンは黒薔薇のメカに向けて発進していく。

 モグドンはそのまま宇宙船へと行きミッコは「ブレーキ」と急いで踏もうとした…が。

 

「このまま突っ込むっす!」

「早々突っ込む…突っ込むぅ?!」

 

 彼女の言葉にミッコは驚くと、霊華は「そうっす!」と答える。

 

「いくら相手が宇宙船でも所詮は巨大メカ、このモグドンだと押せるのはドリルだけっす! 先端だけ入った後戦車があれば無理やり持ち出してあんこうチームと和葉さんを!」

「あ、なるほど」

「なるほど、じゃない! 勇樹に知られたらどうする『勇樹さんから許可出ました』いいのか?!」

 

 霊華の言葉にミッコは納得するが、カエサルは慌てて訂正するように言ったが小梅から許可が出てため彼女は驚く。そして。

 

「それじゃあ、いっくぞおおおっ!!」

 

 ミッコはそう言いアンガラレバーを倒すと、モグドンは徐々に加速していき。ドリルの回転速度も増していく。そしてモグドンはそのまま宇宙船を貫くが、ドリルだけ入って胴体は外にいる。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 ドガアアアッ!!

 

「うわっ! こんどはなに?!」

 

 突然の爆発に沙織は驚くと、麻子は「今度は爆発か…?」と冷静に言いながら走っていく。

 

「爆発にしては大きいですね、隕石がぶつかったのでは?」

「そうですね、窓から見ましたが流星群が大量に落ちてきています」

 

 優花里と華はそう言うと、沙織は「それで保てるのはすごくない?!」と驚く。

 すると、みほが「いました!」と声がしたため急いでいくと、窓が付いている扉で中を見ていたみほがいたためみんなも急いで見ると、Ⅳ号H型につかまっている和葉がいた。

 和葉は頭から血を流して服が破れており、相当相手にひどいことをしていたと分かる。

 

「和葉さん!」

「おい、扉が開かないぞ?!」

「向こうから塞がれていると思われます! 急いで開けないと!」

 

 華たちは急いで扉を開けようとしていると、生徒が「いました!」と発見される。それを聞いた優花里は「急ぎましょう!」と近くにあった掃除用具からモップを出して扉の隙間に入れててこの原理で開けようとしていた。

 

 ギギギギギギ…

 

「固い…です!」

「開けにくいな、そっちは」

「固い! どうしてここまで硬いのよー!!!」

 

 先ほどのように開くことは出来ず、みんなは力を増していくがまだ開かない。

 扉を開けている間に生徒が徐々に集まっていき、その内の一名が「観念しろ―!」と言いながら武器を放とうとした…その時。

 

 

 

ドガアアアアッ!!

 

 

『『『『『『うわあああっ!?』』』』』』

 

 突然目の前に巨大なドリルが出てきて生徒とみほたちの間に割り込んで壁が出来上がった。そして、ドリルの一部が外れて霊華が現れた。

 

「みなさん、急いで乗るっす!」

「霊華さん?! どうしてドリルの中に!」

「説明している暇はないっす! 和葉さんは…いたっす!」

 

 霊華はそう言いながら通信機を出して「ドリルの左に和葉と戦車発見、救出をお願いっす!」と言うとシャベルのアームが出てきて戦車と和葉はそのまま飲み込まれる。

 

「和葉さんは無事ですから急いで乗ってくださいっす!」

「…わかりました! みなさん!」

 

 みほは優花里たちに言うと彼女たちも頭を楯に動かしドリルに乗り込む、そして霊華が扉を閉めるとドリルは外に動き外にいるモグドンと合体すると、そのまま方向を変えて飛んでいった。

 ちなみに、生徒たちは宇宙に放りだされそうになったが、急いで壁にフックを付けて外に出ることなく無事に済んだ。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 黒薔薇の宇宙船から出てモグドンは地球へと向かっている、理由は時空管理局の本部からの指令で『地球へ向かえ、富士山の近くにいる』が出たため霊華たちは地上へと向かっていた。

 幸い、モグドンは飛行でも行けるように加工しているのと同時に熱対応の金属を使用しているため、溶けずに着陸することが出来る。

 そしてモグドンは富士山の麓まで行き、研究所である建物の前に着くと建物から勇樹たちが出てきた。

 

「霊華、みんな大丈夫か!」

「みほたちはどうだ!?」

 

 勇樹とまほがそう言うとハッチが開き、霊華が出てきた。

 

「みんなは無事っす! それと医療班を、和葉さんが大けがを!」

「わかった、太田、文!」

 

 勇樹の指示に太田と文は「わかった!」と急いでモグドンに入り、和葉をグリーンストレッチャーに乗せて施設の中に入っていく。真莉愛たちはみほたちに怪我がないか一応検査している。

 

「みんな、大丈夫か?!」

「柳さん! 私たちは大丈夫です!」

 

 すると、柳を含む捜査一課がやってきてみんなの心配をしている。それに勇樹は答えると彼女は「そうか」と安心する。

 

「話は聞いた、念のためだがみんなは過去に一旦戻ることを禁ずる。万が一黒薔薇が戻ってくる可能性を考えて」

「ええ!? どうしてですか!?」

 

 柳の言葉に柚子は驚くと、みんなも「ええー!!」「そんなー!」「ひどいべ!」と不満声が叫んでいく。

 

「それよりも、ここにいつまでもいると過去の時間がずれていく…いつ戻れるかわからんな」

 

 アンチョビが時間のことを心配していると、勇樹が「それなら大丈夫」と答える。

 

「この場合は多少時間がかかっても、時空間の性能を利用してわずかな時間にすればいいよ」

「わずかな時間…?」

「なによそれは?」

 

 勇樹の言葉にエリカとアリサは頭を描開けて質問すると、福音が「解説するよ!」とホワイトボードを持ってくる。

 

「時間には進むというのがあったけど、タイムマシンという道具があれば時間の調節が出来るんだよ!」

「ふむ、それをどうやってわずかな時間にすればいいんだ福音?」

「うん、例えば今いる時間から過去に戻って1時間いるとする、そして未来に戻って今から約5分の時間をずらしたら…行けるんだよ!」

 

 福音の言葉にまほは「なるほど」と納得する、柳も「彼女の言う通りだ」と答える。

 

「時間はわずかなずれが発生するが私たちが保証する、黒薔薇はそれを狙っている可能性が高い」

「ありがとうございます…」

「気にしなくてもいいよ…しかし、黒薔薇は…いや粟口田はなぜみほを狙ったんだ、それに和葉も」

 

 柳は粟口田のことを考えていると、みほは「もしかして」とある事を思いだす。

 

「あの、柳さん…私たちを狙うのはもしかして…私たちの中身を使うために狙われているのでは?」

 

 みほの言葉にみんなは「え、中身?」と目を丸くする。

 



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第77話『訓練準備と七体の巨大メカ』

 みほからの話を聞いて勇樹は「確かに可能性はあるな」と真剣に答える。

 

「あいつなら身代わりの方法があるな」

「自分のためなら相手を犠牲させるからな」

「そうですね、黒薔薇はここまでして自分を勝たせる派ですからね」

 

 勇樹の言葉に小森と百合子は答えると、ペコは「なんということを」と真剣に呟く。

 

「しかし、あいつらは本人がいなければ使用が出来ないというのは安心する」

「どういう意味だ?」

「簡単っすよまほさん」

 

 まほの質問に霊華は答える。

 

「相手は本人がいなければ無理っす! その本人をうちらが守れば行けるっすよ!」

「霊華の言うとおりね、幸いこっちには戦車と勇樹君のメカがあるし。大体だけど勇樹君の発明品があるからね」

「桜さんの言う通り、みほさんたちが捕まる前に粟口田さんが捕まえることに集中しましょう」

 

 霊華と桜、京子はそう言うと。ケイは「京子たちの言うとおりね」と答える。

 

「こっちも今のうちに対策が必要よ、どんな相手が来るか分からないからね」

「ケイの言う通りですわ、相手は黒薔薇。手段を選ばないからね」

「そうだな、しかしどうすれば」

 

 ケイとダージリン、そしてアンチョビが悩むように言うと。勇樹は「簡単ですよ」と言いながらカバンから道具を出していく。

 

「この道具の中で…あった!」

 

 勇樹は道具の山から工具箱とバンドを出すとみんなに渡していく、そして彼はこう言った。

 

 

「これらを使って鍛えましょう」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

ガガガガガガガッ!!

 

 そして次の日、施設内に大量の機材がやってきて中に入れている。

 勇樹は「それを奥にお願いします!」とメガホンで指示を出しているのを係員らは運んでいる。

 

「にしても、これくらい必要なのか?」

「まほさんあまり舐めないでくださいよ? これでも戦車の修理費以外にアブ引き部のメカと勇樹君が用意した7体の巨大メカの修繕費を含めば、これくらいしますよ」

 

 まほの言葉に百合子は答えると、エリカは「それにしてはすごい量ね」と言いながら袋を持っていく。

 

「エリカさん、それはもしかして…死ッとしているのですか?」

「別に嫉妬はしていないわよ…だけどこれだけの機材が必要なのは意外だなっと思っただけよ」

 

 百合子の言葉にエリカは無関心なららも答えると、伊江は「それもそうだな」と同意するように答える。

 そうしているうちに、穂多留がやってきて「機材の追加が来たよ」と言ってきたため。みんなは急いで道具を入れていく。

 

 

 

 機材を運ぶ初めてから数十分後、種瀬地の一部ホール内には山のような機材が置いており。それを見た勇樹は「何とか足りるな」と言いながらメモをしていく。

 そしてメモをし終えると柳に向けて「ありがとうございます」と頭を下げる。

 

「必要な物はこちらから用意する、他に必要なのは?」

「今のところは大丈夫です、機材はこれぐらいあれば十分足りますし」

「そうか、私たちはこれから粟口田を探してくる」

 

 柳はそう言うと勇樹は「わかりました」と言うと彼女は隊員らに「行くぞ!」と言うと彼らも答えて外へと行く。

 それを見た勇樹は「本当に、ありがとうございます」と頭を下げる。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「てなわけで、勇樹君に頼んで戦車の修理は終わったよ」

「例の箱に大量の工具類がたくさん入っていたからな、自動車部とメカニック部が高速で修理したぞ」

「思った以上に簡単に終わったっす!」

 

 幹子と蓮華と霊華の言葉に勇樹は「わかった」と答える。

 

「アブ引き部のメカは少し難しいと思ったけど、大変でしたか」

「それなら大丈夫。コックピットや電子機器に装甲は故障個所が少なかったから、すぐに終わった。特殊砲弾は少し減ったが、問題はない」

「それに、戦車の砲弾は減りが少ないし燃料は柳が隠し持ってきたポリタンクに持ってきたから、不足はない」

 

 勇樹の言葉に幹子とアレンが言うと、彼は「用意周到だね」と苦笑いする。

 

「あと、和葉は一応だけど。登山部と知波単の福田はると細見静子、そして池田江美が一応護衛するようになっている」

「あんこうチームはいったん鍛えるっすからね。終わったら交代するっす」

 

 連華と霊華はそう言うと、勇樹は「早いね」と言いながら資料を持ってくる。

 勇樹が手にしている資料に百合子は「それは?」と言うと、彼は「これ?」と答える。

 

「今回訓練する地形と天気に風量などの資料と、オレが持ってきた巨大メカの設計図だ」

「ふむ、戦車の訓練の地形などの資料ならともかく。メカの設計図はどうしてだ?」

「それは簡単…改造するためだからな」

 

 連華の言葉に勇樹は答えると同時に工具を持ってくると、そのままどこかへと歩いていく。

 それを見た2人は目を丸くして「改造?」と頭を傾けるのであった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 勇樹が改造している中、どこかではある研究室の扉の前に白山たちが立っていた。

 

「おい、寝るな。これで5回目だぞ」

「うが…そう言われても眠いっす」

 

 塩崎が眠たそうになっていたため白山は答えるが、彼女の眼の下には隈が出来ていた。

 

「それをこらえるのが黒薔薇流ですわ、わたくしなんか4日ほど寝ていませんから」

「私は5日だ」

「長いっすね…流石先輩がた」

 

 奈村と信子の言葉に彼女は感心していると「ふわぁ…」と欠伸をする。

 

「他の生徒はもう寝ているっすからね…」

「あきれたやつらだ…と言いたいところだが、あいつらの仕業で宇宙船の一部を修理したからな」

「ま、今回ばかりは許しましょ」

「そうだな」

 

 4名はそう言って扉を見て言うと、塩崎は「そうっすね」と答える。すると。

 

 

『もう、準備は出来ましたの?』

 

 

 扉から小春田の声がしたため彼女たちの背筋が凍り、急いで扉に向く。

 

「小春田…」

『白山、どうしたんですかそんな声を出して』

「驚くに決まっているっす! 1週間ほど前っからあの装置を使って小春田さんは苦しんでいたんすから!」

「そうですわ! それに、いきなり使用するのは一般人でも危険ですから!」

『わかっていますわ』

 

 小春田の言葉に信子は「む」と反応する。

 

「わかっているとは…もともと何か目的があってからか?」

『もちろん、ですわ』

 

 小春田がそう言うと扉は自動で開き彼女が現れる。それを見た白山は「なっ!」と驚く。

 

「時間は迫っている…今からでも遅くありませんわ」

「…そう、ですか」

「奈村、そろそろ資金を用意してくださいませ」

「え、はい!?」

 

 小春田の言葉に奈村は驚くと、白山は「ようするに」と小声で言い始める。

 

「巨大メカを用意する…てことだ」

「巨大メカ…あ、もしかして!」

「ああ、すぐに用意しろ。起きている生徒をすぐにだ」

 

 白山の言葉に奈村は「了解しましたわー!」と走っていく。信子も「協力する」と奈村と一緒に行動する。

 

「小春田…そろそろ時間が」

「ええ、そろそろですわね」

 

 白山は小春田の姿を見て、彼女は確信した。

 彼女の姿は、金色のクリーム色の縦巻きロングヘアーではなく。オレンジ色のショートヘアーをしていた。顔も整形しており、彼女の姿はまるで。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 西住みほと同じ姿をしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「まほさん、そちらは?」

「みんなは訓練をした成果で装填速度は約3秒増している。移動もやや早めに移動している」

「すごいな、わずかな時間で」

 

 まほの言葉に勇樹は驚くと、彼女は「そちらは」と質問すると彼は答える。

 

「修理し終えて今皆さんと訓練しています。戦車と違って高さはやや高いですし、武装は多少違いがあります。ただ訓練をしたところだいぶ上手になっています」

「そうか、そして巨大メカと言うのは?」

 

 まほの言葉に勇樹は「ああ」と思い出したのか即答で言いだす。

 

「ちょうど完成しました、皆さんの休憩が終わり一定の温度・体力・脈拍などが安定したら出良いですか?」

「かまわない、ちょうど終わったところだし、少し休憩している」

「ありがとうございます、今ココア会長から連絡がありましたの」

 

 勇樹の言葉にまほは「そうか」と納得するのであった。

 

 

 

 

 そしてみんなの休憩が終わったころ、まほと霊華から「勇樹が何か完成したみたい」と言いながら倉庫前へと集合した。

 

「勇樹、言われた通りみんな読んできたぞ」

「何を完成したのか説明しなさいよ」

 

 まほとエリカがそう言うと、勇樹がやってきて「ごめんごめん」と慌ててきた。

 

「時間はかかったけど出来上がったよ…さて」

 

 勇樹はそう言って眼鏡をするとみほが「何か、作っていたのですか」と質問する。

 

「みぽりん、何かを作っていたのってどういう意味?」

「沙織知らないのか? 勇樹さんがあの大量の機材を用意したにせよ、戦車を修理する以外に目的があるだろ」

 

 麻子の言葉に沙織は一瞬だけ頭を傾けるが、何かに気づいたのか「あ、なるほど」と納得する。

 

「勇樹さん! もしかしてあなたが持ってきていたあのモグラ型のメカとかですか!?」

「典子さん鋭い…まぁそうですね」

 

 典子の言葉に勇樹は苦笑いで答えながらも、冷静に言い始める。

 

「今回小春田基、粟口田たちはみほたちを狙う可能性がある。戦車だけでも対抗できないメカを用意する可能性があるためアブ引き部のみんなと協力することなった」

「あ、はい!」

 

 勇樹の言葉に一史は反応するが、彼は「一史君、緊張しないで」と慌ててなだめる。

 

「おっほん…だけど相手はオレアブ引き部のメカを調べている可能性がある。そこでだけど、今回は7体のメカを用意した」

「7体の、メカっすか?」

 

 勇樹の言葉にペパロニは反応すると、左衛門佐は「弁慶の七ツ道具か?」と考え込む。

 

「そう、一応用意が修理しておいたから大丈夫だと思う」

「へぇー、それはすごいね」

「少しだけど、そのメカに興味あるなぁ」

 

 勇樹の言葉にナカジマとホシノがつぶやくと、彼は「いやぁ、それほどでも」と照れる。

 そして祝井は「そのメカだけど、こっちに見せてくれないか? みんなに」と言うと、勇樹は「あ、ごめんごめん」と慌ててリモコンを取り出す。そして。

 

 

「これが、オレが用意したメカだ」

 

 

 勇樹はそう言ってスイッチを押すと、後の巨大な扉が自動で開くと7体のメカが現れる。

 

 2本のアンテナが付いた球体の頭と胴体は筒状の縦長、C型のマジックハンドが付いている。胴体の背中にはロケット型のブースターが付いている。巨大なモグラ型のメカであるモグドンがあるが、頭にゴーグルが付いていて胴体には虫眼鏡マークが付いている。

 球体の胴体と頭が並んでいて、頭には2本のアンテナとサーチレンズが付いている。頭を除く胴体には手足があるが爪が鉤爪状態になっている。

 姿は鳥だが体中が家電製品で構成しており、顔がテレビと掃除機になっている。巨大なアイスクリームが胴体で手足がモナカ・ソフトクリーム・氷となっている巨大なロボット。

 ゾウの姿をしているが頭にピエロ帽が付いているが体中の装甲が明るく派手な色になっている。そして最後は体中が巨大な鉄球でできており頭には砲台と煙突が付いている巨大なロボット。

 

 それを見たみんなは「ほへー…」と目を丸くしながら茫然と立っていた。

 

「こ、これらって一体…」

 

 それを見たフリントが言うと、勇樹は「これですか?」とメカを見て言いだした。

 

「これらはオレが自力で完成した自信作、『一つ目入道メカ』『スーパーモグドン』『ガブリンムシ』『家電バードメカ』『スーパー・アイアンアイスロボ』『ツヨイゾウ』『ジャイアントメガトンボールロボ』だ」

「かまずに言えた」

「すごいべ」

 

 メカの名前を噛まずに言えた勇樹に、麻子とニーナは感心すると。伊江が「それじゃあ説明を」と勇樹に言う。

 

「これらのメカをみんなと協力することにします、メカによって性能が違いますから訓練相手&相性がわかると思います」

「なるほど、ただただ戦うだけでなく、方法を考えて協力するか」

「悪くはありませんわね」

「私もよ! それってかーべたんのようなものじゃない!」

「私も同じ意見です!」

 

 勇樹の言葉にまほとダージリン、カチューシャと西は同意するが。河嶋は「それで行けるのか!?」と慌てふためく。

 

「いくら何でも無理があるような気がする! 相手がメカだとはいえ、そう簡単鍛えれるか?!」

「本来でしたら、廃材などでメカを作る予定ですが。なんだか嫌な予感しかしませんからね」

 

 勇樹は河嶋の質問に答えながら外を見て言う、それを見たみほは「え?」と何かに気づいたのか目線を見ていた。

 

「勇樹、メカの使用は行けるか?」

「あ、一応ですが『AI機器』を付けておきましたから自分で行動するようになっています」

「意外な巣地を付けたね」

 

 まほの質問に勇樹は答えると、エリカは呆れながらつぶやく。

 

「よし、それじゃあ明日から使用することになるが。勇樹いいか?」

「かまいませんよ、オレは少し調べたいのがあります」

「わかった、みんな。明日から勇樹のメカを使用する、だれがどのメカになるか分からないがいいか」

 

 まほがそう言うとみんなは「はい!」と一斉に答える。

 そして、明日から。本格的な訓練が始動する。



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第78話『訓練開始と資料』

 

「私たち黒森峰は、みほを含むあんこうチームと太田率いるスペードチーム、そして白薔薇女学院のみんなと一緒に行動することになった」

「メカは一つ目入道メカですね」

「ひ、一つ目の時点で…怖い!」

 

 まほたちは現在、荒地である平原へと来ており戦車以外に、太田たちが乗っているドクター・バッキンバキンと桜たちが乗っているケーキタンクメカ。そして訓練相手である一つ目入道メカが用意していた。

 

「訓練時間は約1日。道具の使用は5つまで許されている、時間になったらすぐに終了。いいか!」

 

 まほの言葉にみんなは「はい!」と答える、そしてみほも「それとですが」と言いだした。

 

「この戦う相手はメカとはいえ相手の動きをまねただけです、気を抜かないようにしましょう」

「だが武器は何が出るか正直分からない、そこを気を付けるんだ」

 

 みほと同時に怜雄が言うと、戦車に入り込みエンジンを入れる。

 

「麻子、いくら妖怪と言っても相手ロボット。安心したほうが良いよ」

「あ、安心したいが…やっぱり怖い!」

『あ、麻子さんは確か、お化け苦手でしたね』

 

 お化けと祖母の久子、そして暗い所が苦手の麻子は一つ目入道メカを見ただけでビビり。操縦が出来ない状態になっていた。

 お化けが苦手な彼女を思い出した太田は驚き。麻子を見た沙織は「全く」とあきれてていた…その時。

 

 

 ガシャンッ

 

 

「ん?」

 

 機械の足音がしたため何かと思って外を見てみると、一つ目入道メカがしゃがんできてⅣ号H型を見ていた。

 それを見た麻子は「ひっ!!」と怯える、それを見たメカは何かに気づいたのか立ち上がると口が開くとあるものを出した。

 

「あれって…ゴーグル?」

「それもあのゴーグルは水中に使うタイプだ」

 

 エリカと怜雄の言う通り、一つ目入道メカが出したのは横がタイプの水中ゴーグルでレンズの模様が2つ目になっている。

 一つ目入道メカはそれをはめると再びⅣ号に向く、麻子は怯えながら外を見るとメカの目が1つから2つになったのを安心したのか。胸をなでおろす。

 

「これなら安心する」

「よかった、麻子が安心して」

「それにしてもすごいですね」

「はい、石川殿が用意したのか分かりませんが。さすがAIです」

 

 一つ目入道メカの行動に華たちは感心すると、メカの手がC型のハンドからピコピコハンマーに変える。

 

「戦闘はいつでも行けるか…」

「初めはこのハンマー…安全を考えて装備したか」

「あら、気が利くわね」

 

 まほと怜雄、桜はそう言って戦車に乗り込むと、方向を変えて一つ目入道メカに向ける。

 

 

 

「「「それでは、訓練開始!!」」」

 

 

 3名はそう言うと、巨大メカと戦車による訓練を開始する。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 バキバキバキッ! ドシンッ!!

「撤退だ、撤退撤退!!」

 

 河嶋が叫ぶや否や、ヘッツァーは後ろに移動していく。ヘッツァーが通った後には大木が落ちてきた。

 

 杏率いるカメさんチームは、アリクイチームとサンダース、ココアたちが乗っているDX・カモノハシカーとアイコンたちが乗っているタートル・エジソンは、対戦相手であるガブリン虫メカと戦っていた。

 彼女たちがいる場所は、卑怯であるジャングルの森の中。木が生い茂っているため身動きは取れにくく、猛獣やがれきなどがあるためむやみに外に出ることはできない。

 そんな中、ガブリン虫メカの口から砲台が出てきて木に向けて放っている。河嶋はそれにおびえて後ろに逃げるように指示を出していた。

 

「桃ちゃん逃げているばかりだと無理だよ?」

「無理無理無理だ! 大きな虫に勝てっこない―!!」

「かーしま」

「河嶋先輩」

 

 柚子言葉に河嶋は怯えながら答えたため、それを見た杏と小梅は苦笑いする。そんな中、サンダースがメカに向けて砲弾を放ちガブリン虫メカは方向を変える。

 

『アンジー! 少し撤退しすぎじゃない?』

「お、ケイか。ごめんごめん、かーしまが怯えてなー」

『あら、それだったら仕方ないわね…でも少しは』

「わかっているよー、かーしまは行けると言えば行けるけど、問題は砲手の腕前だよね…」

 

 ケイからの通信に杏は答えながら彼女を見る、実は河嶋は超が付くほど砲弾の向きが変わっている。

 まっすぐ打つはずなのになぜか砲弾はそれて別の場所に当たる、いったいなぜそれが出来るのかは、杏でさえ分からない。

 

「ま、とにかく考えてみるか。小山、甘井ちゃんと合流をするよ」

 

 杏はそう言いながら柚子に指示を出すと彼女は「わかりました」と言い、ヘッツァーをDX・カモノハシカーに向けて発進する。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 場所は変わってここは海岸沿い、そこにはウサギさんチームとサメさんチームとBC自由学園。一史たちが乗っていブンボーガーと帆立たちが乗っているクジラ・パイレーツ、そして剣たちが乗っているZ・ティーポットタンクが並んでいた。

 潮の香りが鼻に伝わり波の音が響く中、お銀は「静かだねぇ」とつぶやく。

 

「こんなところにメカは来るっていったけど…いったいどんなのが来るだろうね」

「私も初めてです、戦車同士ならともかく勇樹さんのメカと戦うのは」

「自信がない、だね」

 

 お銀の言葉に梓は少しおびえながら言うが、一史はフォローするように言ったため彼女は「はい」と答える。

 

「ボクもだよ、自分たちが考えたのを作って戦うのはともかく。今回は巨大メカ、どこからやってくるのか分からないよ」

「そうね、まぁここは少しお菓子を食べて休みましょ」

 

 一史が真剣に言う中、マリーはチーズケーキを食べたため雰囲気が台無し位なった。

 マリーがケーキを食べている光景を帆立は「台無しじゃないか」とジト目で見た…その時。

 

「親分、海から何かやって来ます!」

「海から?」

 

 ムラカミの言葉に彼女は反応し、みんなに伝えると急いで戦車・メカに乗り込み海沿いへと向く。そこから現れたのは…。

 

 

「モグラ…あれって確か」

「『モグドン』ですわね…でもなんかおかしいわ」

「よく見たら、ヒレが付いているな」

 

 

 梓の疑問に剣は画面を見ながら言うが、押田は姿がおかしいことに指摘する。

 そう、今モグドンの姿は何もついていない・コウモリの羽根が付いいない、代わりに魚のヒレと装甲が鱗に代わっていた。

 モグドンは浜辺に着くと両手足のシャベルが動き目の前まで移動する。

 

「なるほど、こいつがあたしたちの訓練相手だね」

「なんだかかわいい」

「でも先ほどの水中移動を考えると、見た目で判断してはいけないよ」

 

 お銀は搭乗の仕方に感心し、梓はメカの姿に「可愛い」というが。一史は話をそらさないように注意をする。

 そう、いくらモグラとはいえこのメカは『モグドン』、勇樹が作った一種の戦車メカで何が出るかは不明。

 

「確か資料には…よし、みなさん、訓練開始しますけどいいですか?」

 

 一史に言葉にみんなは「もちろん!」「ああ、構わない」「わかりました!」と返答が来ると、彼は「それじゃあ」とメカに乗り込む。そして。

 

 

「訓練を開始します!」

 

 

 一史の言葉にみんなは戦車に乗り込むと、エンジンを入れて訓練を開始した。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 その頃、南極のように寒く大量の雪が数に乗ってあたりを散らす場所には。ナカジマたちが乗っているポルシェティーガーと猫田たちが乗っている三式中戦車、祝井たちが乗っているパンターG型とプラウダ高校。前田たち基メカニック部が乗っているラビット・レーサーとアイコン基PC部が乗っているグレードキングダム・タンクと小土師梨基会談部が乗っている車海老メカが吹雪の中移動していた。

 その後ろには巨大氷&氷菓メカである『スーパーアイアンアイスメカ』が追いかけていた。

 

「いやーまさか窮地になるのは予想外!」

「そうだね。ツチヤ操縦は?」

「少し難しいよ! 吹雪があるから前が見えないし…メカニック部には感謝するよ」

 

 ツチヤはそう言いながら後ろを向く、その後ろにはメカニック部が乗っているメカ『ラビット・レーサー』がポルシェティーガーを押していた。

 重戦車で燃費の悪いポルシェティーガーを押して、移動しやすくしていた。

 

「こちらナカジマ、前田さんどうですか?」

『こちら前田、少し厄介だね。後ろからはあの氷ロボットが来ているけど、慣れていない場所で戸惑っているよ』

「ありゃりゃ、そうなんだ」

 

 前田の答えに彼女は納得しながら驚くと「それじゃあそのままお願いね」とお願いすると彼女は『了解』と返答する。

 

「それじゃあ今度はカッちゃんにっと」

 

 ナカジマは今度はカチューシャに連絡をすると、通信機から「ちょっといきなり何通信してきたの!?」と彼女の声がした。

 

「あ、ごめんごめん。そっちは大丈夫かなーっと思って」

『大丈夫に決まっているわよ! 相手はロボットやら怪獣やらわからないけど、大丈夫よ!』

「よかった、それじゃあこの先にあれがあるから」

『あれ…ああ、あったわね』

「そうそう、そこで」

 

 ナカジマとカチューシャの話にホシノは「何か策があるね」と彼女を見て言う。そして。

 

「それじゃあ、そのまま行くか! スズキ!」

「通信をっと」

 

 ナカジマの指示にスズキは携帯を出してみんなにメールを入れる。ある作戦をしに。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「熱いっす…」

「まさか、アンツィオと一緒なのは安心したが…」

「場所がまさか火山の火口、それに周りは溶岩なんて」

 

 だらけるように言ったのは、アンツィオのペパロニとかばさんチームのエルヴィン、そしてカモさんチームのみどり子が小さな声で行った。

 しかし彼女たちがいるところは火山の中にある溶岩、その真ん中には岩の島があった。その真ん中には、カバさんチームとカモさんチーム、アンツィオ高校。それ以外にアイヌたちが乗っているワイルドモグリーノメカと最上たちが乗っているサボ・ポリス、そして吉備人たちが乗っている狸タンクメカが揃っていた。

 だが場所は火山の火口、あまりの暑さに体から汗が出てきて操縦は困難。

 

「しかし…まさか相手が鳥だとは」

 

 エルヴィンはそう言いながら上を向くと、それには飛行形態の家電ロボット『家電バード』が飛んでいた。

 

「相手が鳥なのは予想外ね…どうやってやる?」

「そうっすね…鳥だから撃ちますか姐さん」

「いくら何でも無理がある! しかし相手は何か弱点があるはずだ」

 

 ペパロニの言葉にアンチョビは突っ込むが、家電バードメカを観察している。何か弱点があるか探しているからだ。

 

「何か弱点がある、よく見ないと」

 

 アンチョビはそう言いながら観察していると、メカのしっぽである電球の付け根にプロペラが付いていた。

 そのプロペラは地上での移動時は起動していないが飛行時になるとプロペラが回転していた。アンチョビは「もしかして」と考え込む。

 

「そうか、あいつはもしかしたら飛ぶのは出来るが移動はプロペラか!」

 

 アンチョビの言葉にみんなは「あ、それか!」とみんなは反応する。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「意外ですね」

「私たちがいるのはお城の中、そして相手は」

「「ゾウのピエロ…?」」

 

 典子とダージリン、茜と葵は驚くように言ってあたりを見渡す。彼女たちがいるのはどこの国の城かはわからないが、お城の中庭にいた。

 その城の中には象型ピエロメカ『ツヨイゾウ』が佇んでいた。

 そしてこの中にいたのは、バレー部とモモンガチーム、聖グロと青師団。そして圭太基サッカー部が乗っているロケット・バッタ―と麗たち基天文部が乗っているスペース・チクリーン2が置いていた。

 

「まさか相手がゾウなのは。予想外ですわ」

「驚くゾウ?」

「スゴイゾウ?」

「なんで…って蔵は言わせないよ」

 

 ダージリンの言葉に妙子とあけびは語尾に『ゾウ』を付けるが、忍はそれを止める。

 青師団は「何かの暗号?」と目を丸くするが、ペコは「暗号ではありません」と訂正する。

 

「それにしても大きいね」

「派手なのが唯一かと思ったけど、見た目によらないね」

 

 茜と葵はメカを見て言うと、ツヨイゾウは鼻先をモモンガチームに向ける。2人は何かとじっと見ていた…その時。

 

『ゾウッ!』

 

 ツヨイゾウは鼻から水を放ち2人は「おわわわわっ!!」と水に当たり後ろにコケる、それを見た圭太は「何しているんだ」とジト目で見て言う。

 

「それでは行きましょう、相手が動物であってもわたくしたちは勝負を受けますわ」

「そうですねダージリン様」

「私たちも行くぞ!」

「「「ハイキャプテン!」」」

「「絶対に許さないぞー!」」

「大変なことになったわね」

 

 ダージリンたちはそう言いながら戦車に乗り込むと、圭太たちも急いでメカに乗り込み戦闘態勢に変える。

 

 

「それでは開始しましょう、負けと言うのは恥の一つですわ」

 

 

 ダージリンはそう言うと戦闘開始となった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 その頃、勇樹たち基スターチームと知波単、継続のみんなは。砂漠地帯に来ていた。

 

「あれ、勇樹君黒井さんたちは?」

「全員出来ますと和葉さんに異常が出ますから、交代制で今は」

「なるほど、それはいい判断だね勇樹君」

 

 百合子の質問に勇樹は答えると、幹子は喜びながら彼の頭をたたいたため彼は「頭はやめてよ」と払う。

 

「それよりも石川さん! 対戦相手はあれですか!?」

「結構大きいね」

 

 西とミカの言葉に勇樹は「はい、そうです」と答える。

 彼女たちの目の前には、巨大鉄球型メカ『ジャイアントメガトンボールメカ』が佇んでいた。

 

「一応武器の威力は弱めていますが、大丈夫ですか?」

「大丈夫です! 知波単の突撃を見せて、相手をひるませます!!」

「順番は大事じゃないかな?」

 

 勇樹の言葉に2組は答えるが、話を聞いて彼は「大丈夫かな」と苦笑いする。そして。

 

「ま、こっちは早めにやっていくか…小森」

「了解」

 

 勇樹の言葉に小森はエンジンを入れる、彼らが乗っているのはアブ引き部のメカ『マンモスタンクⅢ』に乗っていた。

 

「それじゃあ、戦い開始だ!」

 

 勇樹の言葉が合図になっていたのか、他の戦車も起動して『ジャイアントメガトンボールメカ』と戦い始めた。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 その頃柳は、国際時空管理局の『人物感知室』にいた。彼女はそこで何かを調べていた。

 

「あの警部、何を調べていますか?」

「粟口田のことで疑問があってだ」

 

 柳の言葉に隊員は「彼女のことですか?」と答える。

 

「あの、彼女は勇樹さんの世界にいたのは知っていますよね。それで何が」

「重要なのはそこではない、私が気になるのは…あった」

 

 彼女はそう言いながらある資料を見つけた、その資料は…。

 

 

 

「元レドウィッグズの次女であり、クリスタル女学院中退、今は黒薔薇学園に登校の…『バイオレッド・レドウィッグズ』……アレンの実の妹か」

 

 

 その資料には、アレンの妹である『バイオレッド』の資料を手にしていた。

 



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第79話『黒薔薇の話と戦車落下!? そして…』

 訓練がを終えたみんなは倉庫に戻ると、まほは「訓練の上昇は」と彼に質問する。

 

「訓練は初心者とはいえみなさんいい腕をしていました。早い時間で倒されたのは開始してから約20分、長くても約50分です」

「そうか」

「それと、今新ブン・ボークから連絡がありまして。白薔薇基粟口田の仲間である生徒は今どこにいるか分かりません」

「そうか…新ブン・ボーグ?」

 

 勇樹が言った『新ブン・ボーグ』という言葉に彼女は反応すると、彼は「失礼」と言いながらカバンからホワイトボードを取り出した。

 

「新ブン・ボーグは旧『ブン・ボーグ』という元悪の組織で、訳有って黒薔薇に入っていたんだ」

「そうか…しかしなぜ?」

「原因ですけど。彼女たちには過去に傷がある、つまり心に溝が出来ていたから…黒薔薇はそれを利用して」

「なんてひどいことを!」

「早々…って皆さんも聞いていたんだ」

 

 カチューシャの言葉に勇樹は反応すると、伊江が「仕方ないな」と苦笑いする。

 

「それで勇樹、彼女たちは?」

「和解して時空管理局によって時空変換罪および障害未遂の容疑で懲役150万年…今で言うと約7年の刑を受けることになった」

「意外と短いっすね」

 

 河嶋の言葉に勇樹は解説し、それを聞いていたペパロニは驚くがアンチョビが「長いだろ!」とツッコミをする。

 

「ふむ…それで彼女たちは?」

「幸い騙されているという理由で時空前科者には登録されていないが、学校を一から学ぶという条件で釈放をすることになった」

 

 我狼院の言葉に勇樹は答えると、みどり子は「そう、それは安心したわ」と納得する。

 

「それと、彼女たちには仲間基友達が出来たんだ」

「友達…それは?」

「お嬢様に兄妹、サイボーグや神社の巫女や多家族など…結構すごい個性があるんだ」

 

 勇樹の解説にローズヒップは「わたくしより多そうですわ」と何かを考えていると、伊江は「どんな家族なんだ」とジト目で見て言う。

 

「そして、今回大洗の世界に来てオレたちが戦車道をしている間に彼女たちに少しお願いを」

「それが小春田の事か」

「正解です」

 

 まほの回答に百合子は答えると、勇樹は「そうです」と続けるように言う。

 

「幸いあいつらの中にはちょっとした発明家がいるため、どこにでもある機械でも通信機が…あ、来た」

 

 勇樹はそう言っていると、天井からテレビが出てきて『通信です』と表示される。

 それを見てからは急いでレバーを引くと画面が変わり、虹色の再度テールと瞳の星が描かれている少女が映し出される。

 

『あら勇樹さん、通信は?』

「成功、時差の関係でこっちは夜なんだ」

『はい、ちょうど神条さんが料理を作っていますの』

「そうですか」

 

 少女の話に勇樹は答えていると、百合子が「失礼します」と勇樹をどかす。

 

「円ちゃん、報告は?」

『あ、失礼しました…では報告を』

 

 百合子の言葉に少女・円は答えると、我狼院は「この子が発明家か?」と霊華に言う。

 

「口調から大洗の華と同じお嬢様だが…、一体」

「元お嬢様っす、彼女は元々ある豪邸のお嬢様で事故により両親と姉を失ったんす」

「そうか…そんな過去があったとは」

 

 霊華の言葉に彼女は納得すると、百合子は「え、本当!?」と驚く。

 

 

「黒薔薇の生徒が戦車を集めている?!」

『100かどうかは分かりませんが、見たところ何か機械らしき部品を集めている可能性が』

「うーん…どうして彼女たちは…」

 

 百合子はそう言って考えていると、扉が開き柳が入ってくる。

 

「柳さん?」

「話をしているところすまない…円」

 

 柳はそう言って円を見ると、彼女は『け、警部さん』と口を引きつらせる。

 

「まぁ今は置いといて、粟口田が犯罪者になった原因の一名がわかった」

「そうですか…え」

「「「「わかった!?」」」」

 

 柳の言葉にみんなは驚くと、京子は「本当ですか!?」と言うと彼女は「ああ」と答える。

 

「時空移動ETCを調べてみたところ、ここのところ最近この時間帯を調べている人物が1名いた」

「1名って、すぐにわかりそうね」

「そうですね」

 

 柳の言葉にエリカと小梅は安心するように言うが、彼女は「それなんだが」と苦い表情でアレンを見る。

 アレンは「もしかして」と内にかに気づいたのか、顔が曇ると柳も「ああ」と答えると同時にこう言った。

 

 

 

 

「彼女を事故に巻き込まれさせたのは…バイオレッド・レドウィッグズだ」

 

 

 

 

 柳の言葉を聞いたペコは「あれ、この名前どこかで」と考え込むと、アレンがな突然立ち上げりその場から逃げるように歩いていく。そして。

 

「あー…少しよーじ思い出したな―…ちょっと外すよー」

 

 片言で言いながら去ろうとしたため、ケイとエル、押田と安藤は彼女の服を掴んで無理やり椅子に座らせる。

 

「ちょっとアレン? 何か隠しているのかしら?」

「少し質問するけど…いいかな?」

「私も同意見だ、何か心当たりはあるか?」

「話さないと…こっちにはこれがあるからな」

 

 ケイとエル、押田と安藤はそう言いながら彼女をにらみつけると。アレンは「あ」と顔を徐々に青ざめていき、滝のように汗を流していく。

 それを見たペコは「ばれますね」と苦笑いしていると、ダージリンが「ペコは知っていたのね」と声がしたため彼女は「ひっ!」と驚く。そして…。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

『『『『『『アレンの実の妹?!』』』』』』

 

 

 アレンの言葉にみんなは驚くと、彼女は「あ、ああ」と答える。

 

「バイオレッドは私と同じく成績は良く剣術の腕は親が認めるほど上手なんだ、ただ彼女は私と違って自信過剰で自己中心、わがままなところがあるから困っているんだ」

「両親は?」

「妹に溺愛していてな、私の意見を無視していたんだ」

「かわいそうな人生を歩んでいたのね」

 

 アレンの言葉にミカとアリスは答えると、彼女は「気にしなくてもいい」と彼女たちに答える。

 

「それで柳さん、どうして彼女が?」

「ああ、先ほどETCに引っかかると同時に粟口田が復讐する計画が描かれた本が見つかってな。ただこの本は我狼院が見つけた本だ」

 

 勇樹の質問に柳は答えると、みほは「いつの間に」と言いながら我狼院を見ると、彼女は無言で目線をそらした。

 

「暗号が描かれていたため私は分からなかったが、鑑識に頼んだ結果、この文字は『ブラックライト型』でブラックライトを当てないと分からないんだ」

「ブラックライトって」

「なにー?」

 

 柳の言葉にあやと桂里奈は頭を傾げていると、文が「簡単に言うと蛍光反応の一種だ」と答える。

 

「蛍光反応が出たってことは、何か液体でも?」

「よく覚えているな、確かにそうだ」

「文も気づいていたか、液体ってことは。栄養ドリンクか」

 

 勇樹の言葉に文は「そうだな」と答えると、丸井が「ちょっと待って」と二人の間に入る。

 

「さっきからブラックライトや栄養ドリンクで気づいたんだけど、そうしてそれで光るの?」

「そうだな…簡単言うと栄養ドリンクにはビタミンB2が含まれているんだ」

「そのビタミンにはブラックライトに反応すると言われている」

 

 2人の言葉にみんなは「へぇー」と納得する。

 

「蛍光ペンだとばれると思ったのか、栄養ドリンクを使うとはなかなかだ」

「それで、計画は?」

「あ、失礼…内容は『西住流を倒すには、まずはみほをどうにかする』…どういうことだ?」

「みほをって…確かこの前話していたあれに」

 

 柳の言葉に勇樹はそう推理していた…その時。

 

 

 ドガアアアアッ!!

 

 

「っ! 何だ?!」

 

 突然爆発がしたためまほは反応すると、勇樹は「この音は!」と急いで走っていく。

 彼の後を追うようにみんなは急ぐと、ある部屋に入っていく。その部屋には『メカ制作室』と掛かれていた、すると。

 

 

 

 

『なんだこりゃあああっ!?』

 

 

 

 勇樹の叫び声がしたため何かと急いで入ると、そこには大量の戦車が落ちていた!

 

「これは…クルセイダーに歩兵戦車マルチダ」

「M4シャーマンにM4A1シャーマン!」

「こっちはT34/76とT34/85があるわ!」

「マウスにヤークトパンター、エレファントまで…」

「こちらは特二式内火艇があります!」

「どうなっているんだ? どうして戦車が…」

 

 ダージリンたちの声に勇樹は考えていると、上から「おーい!」と少年の声がした。何かと思い上を向いてみると…。

 

「おーい!」

「一行?!」

 

 声の正体は、五月女流の長男であり先月の試合で出会った五月女一行であった。

 さらに、ダージリンは「勇樹さん!」と声がしたため彼は「すまん、救助はするけど後で!」と言いながら彼女のところへと行く。それを聞いた一行は「わかった!」と答える。

 

「ダージリンさん一体何が」

「ニルギルがいます! 急いで救急を!」

「太田っ! 急いで救急班を!」

 

 勇樹の声に太田たちがやってきてニルギルを救護する、彼女の頭から血を流しているが太田は「頭に傷を負っただけ、念のため消毒はしておく」と答える。

 

「それにしても一体何が…」

「わからない…他の皆さんは?」

「太田たちが今救急班と一緒に活動している、幸い大きなけがはなし」

「そうか…」

 

 文からの報告で彼は安心すると、伊江がやってきて「勇樹、五月女は?」と言ってきた。

 

「あいつらはケガしていないけど…結構高い所にいるな」

「確かに…五月女、そっちは大丈夫か?」

 

 勇樹は五月女に向けて言うと、彼は「大丈夫だ」と答える。

 

「よかった…あ、はしごを」

 

 勇樹はそう言いながら梯子を持ってきて、一行たちを助けることになった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「ふーっ…助かったよ」

「大袈裟だ全く」

 

 安心した勇樹はため息をし、それを見た一行は苦笑いしコーヒーを一杯飲む。

 

「それにしてもいきなりこの世界に来たが…いったいなんだここは?」

「どうやら未来の日本です、近未来が進んでいるため25世紀あたりだと」

「すごい時代を超えたっすね」

 

 勇樹の話を聞いていた『山田舞』は驚くように言うと、『井上由美』は「ほへー」と目を丸くする。

 

「未来ってこうなっているんですか…始めてみます」

「ありがとう由美さん…それで一行、どうしてここに…?」

 

 勇樹は一行たちがどうしてここに来たか質問すると、彼は「そうだな」と思い出すように答えるる。

 

 

 

「家で少し訓練をしていたらいきなり穴が出てきてな、初めは何も起きなったが突然吸い込まれるようにオレたちは入り込まれてしまってな、そしたら」

「ここに来たか…どうなっているんだ?」

 

 彼の言葉に勇樹は頭を傾けていると、太田と加藤理恵が入ってきた。

 

「勇樹君、戦車道乗員のみんなはケガしていたけど、切り傷・軽傷が多くいたため問題なかったよ」

「戦車はすべて見たが修理しても問題ない範囲内だ、すぐに修理しても安心だ」

 

 2名の言葉に一行と勇樹は「なるほど」と答える。それを見た百合子と舞は「なんだか似ているなぁ…」とほほ笑む。

 

「そして、戦車に交じって『ミラクル号』が、混じっていた」

「え、ミラクル号が?」

 

 太田の報告に彼は反応すると、後からメカニック部の前田と後山が入ってくる。

 

「意外だね、あの車風の装甲車が混じっていたのは」

「オレもだ、勇樹修理はしておいたから大丈夫だぞ」

 

 2人の言葉に勇樹は「ありがとう」とお礼をすると、一行は「なんだ、その乗り物は」と言うと勇樹は「オレたち専用の乗り物メカだ」と簡潔に答えた。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 次の日…戦車道の履修のみんなは戦車がある部屋へと入ってきた。その奥には前田たちが行っていた『ホワイトナイター』が修理していた。

 

「これがホワイトナイター?」

「なんだか間抜けっぽーい」

「お顔に見えるよー」

「でも可愛い~」

「花みたいなのが付いているよ!」

 

 ホワイトナイターを見てウサギさんチームのみんなはマシンガンのように言うと、勇樹が出てきて「間抜けで悪かったな」とジト目で彼女たちを見つめる。

 

「びっくりした! あんた何をしているのよ?!」

「何をって…電子機器に異常がないか調べていたんだ」

「そうだね。あ、アンテナパーツは直ったよ」

 

 エリカの言葉に勇樹は答えると、前田が修理したことを言うと彼は「ありがとう」と答える。

 

「水陸空どこでも移動が可能で、遠い所でも言え来るようになっているんだ」

「おおー、凄い乗り物。もしかしてこれって」

「その通りっすナカジマさん! これはスクリュー・翼・プロペラなどが出る装置が搭載しているので、山を登ったり空を飛ぶこともできるっす!」

 

 霊華の言葉にみんなは「へぇー…」と意外位に驚く。そしてエルヴィンが「ところで」と質問してくる。

 

「なぜ私たちがここに呼ばれてきたんだ…?」

「あ、それなんだが実はお願いがあって」

 

 勇樹の言葉に杏は「お願い? それなんだい」と言うと彼はこう答えた。

 

 

 

 

「このホワイトナイターと、戦う相手はいるか質問してきた」

 

 

 

 勇樹の言葉にみんなは「え、そっち?」と目を丸くする。



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第80話『専用機vs戦車ーその1』

 場所は変わってここは平原、そこには勇樹率いるアスターチームがホワイトナーターの整備をしていた。

 

「自動車部の整備はすごいな…エンジン順調でハンドルの動きが滑らかだ」

「通信機は少し無理やり入れましたが、準備完了です!」

「砲手あるがまさか争点がないとは…ま、その分副操縦手があるのはいいな」

「引き金はついているね、あレンズはないか」

 

 小森たちはそう言いながら目ホワイトナイターを見て言うと、勇樹は「心をえぐるようなこと言わないで」と涙目で言う。

 

「それよりも勇樹、訓練相手は?」

「そうだな、もう少ししたら…来た」

 

 小森の言葉に勇樹は答えながらあたりを見て言うと、Ⅲ突とヘッツァーにセモヴェンテ、クルセイダーにルノーF1がやってきた。

 

「砲台が回らない3台とスピードに自信があるのが1台、そして隊長車(仮)のルノーF1の皆さんに協力することになりました」

 

 勇樹はそう言うと戦車は止まり、戦車から隊長者たちが出てくる。

 

「ということで、練習のお願いありがとうございます」

「「「「ありがとうございます」」」」

 

 勇樹たちは挨拶をすると杏は「固いこと気にしないでいいよー」と答える。

 

「それにしても、まさか車が相手とは…」

「驚きました」

「ま、石川ちゃんのメカで戦うのもいいけど。たまにはこういう乗り物で相手をするのはいいねぇ」

 

 大洗の各戦車の隊長であるエルヴィンとカルパッチョは驚くが、杏はのんきに答える。なお、ローズヒップは「これで勝てますの?」と言いながらジト目でメカを見て呟く。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

「それではルールを再確認します、今回は私たちスターチームはこの『ホワイトナイター』で乗ってきます。対戦相手は大洗が3台でアンツィオが1台、そしてBC自由学園が1台の合計5台」

「攻撃方法はそちらは砲弾で放ったもいいが、こちらはこのアンテナで攻撃する。ただし相手は生徒であるため光線は放つことを禁止する、代わりにパンチを放つだけというハンデを使用する」

「ボクたちは2回当てたら白旗判定、代わりにそちらは3回当てたら白旗判定する」

「それでいいか」

 

 百合子たちのルール確認に杏は「かまわないよー」と答えながら干し芋を食べる。

 

「判定人として、今回は太田と桜さんにアレン。実況と解説は霊華と連華、そして綺羅がやることになりました」

 

 勇樹はそう言いながらカバンから無数のドローンを出して装備していく、中には金庫に自己型のジェットエンジンが付いたドローン型の機械も取り出す。

 

「そして、今回は食料とランプなどと言った最低限の道具以外はこの金庫に閉じ込めて使用制限をしていただきます」

「え、それしてもいいのか?」

「せっかくですからね、これくらい平等にしないと」

 

 エルヴィンの言葉に勇樹は答えながら金庫に入れて扉を閉めると、ドローンは起動しどこかへと飛んでいった。

 

「ま、このドローンは月奈さんが操縦していますし、砲弾が流れても自動でよけるようになっています」

「時間は約1時間から2時間以内、範囲はここから半径約3キロ以内となっています」

 

 勇樹と百合子の言葉にローズヒップは「平等するほどルールがあるのですね」と言いながら周りを見渡す。

 そうしているうちに太田がやってきて 「お待たせしました」と言ってきた。

 

「それでは開始とします、礼!」

 

 彼の言葉にみんなは「よろしくお願いいします」と礼をする。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「さ、始まりました。今回はスターチーム基勇樹先輩が乗るメカ『ホワイトナイター』と、大洗のⅢ突とヘッツァー、アンツィオのセモヴェンテ、聖グロのクルセイダー、そしてBC自由学園のルノーF1と戦うことになったっす!」

「先ほどのルール通り、ホワイトナイターは2回当てたらアウト、5台の戦車は3回当てたらアウトとなっている。道具の使用制限も彼は自ら専用の機械に入れて空に飛ばした」

「そして、時間は約1時間から2時間範囲は半径3キロ以内。攻撃方法は戦車は砲弾だけどホワイトナイターはパンチだけとなります」

 

 霊華と蓮華、綺羅はそう言うと。桜は「平等な方法ね」と言いながら画面を見て言う。

 彼女たちがいる場所は、倉庫内にある一番大きなフロア。その中に専用のプロジェクターと巨大なスクリーンに大量の椅子に売店(仮)を用意している。

 

「それにしてもすごいっすね…ここまで用意するのは」

「まぁ、これぐらい鑑定しないといけないしな」

「気にあるところもあります」

 

 3名はそう言っていると、エリカが「それで」と霊華に向ける。

 

「他にルールとかは無いの?」

「あ、失礼っす…ルールはこれくらいっす」

 

 霊華はそう言うと太田が「お待たせ」と会場に入り、実況席に着く。

 

「では、これより訓練開始します…!」

 

 彼の合図に画面は『START!』と表示されると同時に、エンジンは起動し訓練が開始された。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「エンジンは異常なし、時間は昼。視界は良好だ」

「攻撃の異常もないから何度でも打てるよ」

「半径1キロ以内であれば打てるか…さてどこにいるんだ」

 

 勇樹はそう言って画面を見て言う、このホワイトナイターは一見普通の車に見えるが、実は中はM3リーと同じ構造、階段状になっている。

 階段状になっているため細かい移動はしにくいが、逆に平面と違って高さが出るため相手がどこにいるか分かりやすくなっている。

 

「なんだか階段状態になっているから少しヒーロー戦隊の操縦席になっているね」

「だけどこれも悪くない。面白いし」

「あははははは…」

 

 百合子と小森のコメントに勇樹は苦笑いしていると、幹子が「お、いたよ」と勇樹に知らせる。

 

「約200m先に彼女たちがいた、形から計算するとⅢ突。どうやらカバさんチームだね」

「珍しく隠れないで目立つようにしてきたな…よけれる?」

「可能範囲は行ける、伊江」

「おう、行けるぞ!」

 

 小森の言葉に伊江は操縦かんをつかむと、机型の装置から画面が出てきて彼女は「行くか」と言いながらアクセルを踏む。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「お、来たな…」

 

 その頃Ⅲ突には、外の様子を見ていたカエサルがホワイトナイターを発見する。

 

「こっちの動きには気づいているが、あの速さだと当てれえるな」

「よし、それじゃあ粗点を」

 

 それを見ていたエルヴィンも答えると、カエサルは砲弾を装填し左衛門佐に「放てるぞ」という。

 

「よし、さっさとやっつければ早いでござるな…」

 

 左衛門佐はそう言いながら放とうとした…その時。

 

 

 

 《marquee:normal,hidden,linear,t3,d0,》ギャギャギャッ!!/marquee》

 

 

 

 

「な、曲がった?!」

 

 突然ホワイトナイターが加速すると同時に右に曲がり左衛門佐の視界から消えていった。

 カエサルたちも「どこに行った!?」「消えたにしては早い!」と慌てていた。すると。

 

 

 ドガアアアアッ!!

 

 

「うわあっ!」

「この衝撃ってまさか、あの機械か!?」

 

 カエサルは急いで外に出てあたりを見渡すと、ホワイトナイターのアンテナの先頭の球体が飛び出して、Ⅲ突に当たっていた。

 そして球体はそのままホワイトナイターに戻っていき、ホワイトナイターはそのままどこかへと逃げていく。

 

「なんと素早い行動!」

「攻撃をしてから逃げるなんてあざとい技だ!」

「しかし、あのような素早い動きは真似できないぜよ」

「確かにそうだな…って!」

 

 歴女たちが走行していると、左衛門佐は「忘れていた!」と言うと彼女たちは急いで入り、Ⅲ突はホワイトナイターを追い始めた。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「決まったー! ホワイトナイターの必殺技『ミラクルパンチ』が決まったっすー!!」

「あの技で耐えた戦車は初めてだ、中についているバネで調節したな」

「さすがですね」

 

 それを見ていた霊華たちは納得すると、まほは「さすがだな」と感心する。

 

「あの素早さ、私たちでも再現は出来ない。自動車部は?」

「ポルシェティーガーだから少し遅いし、モーターでも壊れるから不可能だね」

「BT-42でも流石にバランスとるのが難しいし、素早い攻撃だ。無理だよもー!」

 

 まほの言葉にナカジマは苦しい表情で答えると、ミッコは同意するように答える。

 ケイはホットドックを食べながら「ナオミはあの攻撃は可能?」と言うと、彼女は「いや無理だね」と答える。

 

「あの素早い攻撃は、私は驚いた。素早い動きで放つとしたらそう簡単には中てられないね」

「そうですね、わたくしも改めてみますと驚きます」

「確かに、データで調べてみてもそう早く打つのは難しいですね…」

「私もです…冷静に保ちながらでも…」

 

 ナオミ、華、アッサム、ノンナの砲手メンバーはそう言って画面を見ていると、祭里は「確かにそうだな」と言いながら焼き鳥をほおばる。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「後方からⅢ突が追いかけています、右に行けば可能だな」

「砲台が動かないと便利なのはそこだ…しかしその分」

「固定しているため砲弾の威力が高いか…」

 

 伊江と幹子、勇樹はそう言っていると、百合子が「あ、右にセモヴェンテが来ました!」と言うと小森は「わかった」と言いながら操縦かんを動かす。

 するとセモヴェンテはホワイトナイターに当たる前にⅢ突に当たり、数秒動かなくなった。

 

「ありゃ、やりすぎたか」

「いえあの様子でストブレーキをかけていたので多分…」

 

 焦る小森に百合子は冷静に言っていると、セモヴェンテはⅢ突の右に移動しそのまま走行してきた。

 

「ほらね」

「ほらね…じゃない! 追ってきているの忘れんなよ!」

「あ、ごめん!」

 

 伊江のツッコミに百合子は思い出したかのように気付くが、勇樹は「あまり責めないで」と伊江に言う。

 そうしていると、2両の戦車から砲弾が放たれてホワイトナイターに当たろうとしていた。

 

「うわっ! かわす程度だがなかなかだ!」

「攻撃は無理だね…転換してから攻撃は?」

「可能だ、だがまずは広い所であれば可能だ」

 

 小森はそう言って操縦かんを動かしていると、伊江が「ストップ!」とブレーキを踏みホワイトナイターを停止させた。すると。

 

 

 シュッ!!   ドガアアアアッ

 

 

 

 目の前に砲弾が流れてメカの装甲を掠って過ぎて行った。それを見た勇樹は「い、伊江…すごい」と驚く。

 

「だけど伊江、どうして攻撃されたのに気付いた?」

「戦車の数が少なくてな、前の我狼院との戦いでヘッツァーが攻撃をしてきたのを思い出した。それでもしかしてと思って」

 

 小森の質問に伊江は答えると、みんなは「あー、確かにあったね」と納得する。

 

「そうこうしているうちに徐々に来るぞ、急いで逃走してくれ」

「わかった、厄介ごとになるのは苦手だ…うれしいこともあるが」

 

 小森はそう言いながら操縦かんを動かし、ホワイトナイターはそのままヘッツアーがいる方向とは反対方向へと逃げていく。

 途中ヘッツアーから砲弾が放たれるが、違う場所へと当たったためみんなは「河嶋(さん)か」と一斉に理解した。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「おおー、凄いっすね」

「あの攻撃をかわすのは初めてだ…綺羅はどう思う?」

「攻撃をかわすのは簡単ではありません、わずかなスキを与えれば命取りにもなります、伊江はそれを知ったうえでかわした可能性があります」

 

 3名の実況に麻子も「確かにそうだな」と納得する。

 

「あの行動を知った彼女はすごいな、パンフレットには伊江が装填の代わりに副操縦手にもなっている」

「すごーい! それってなかなかないよね!?」

「確かに! 装填意外にそう言う資格があるのは初めてだよ!」

 

 それを見ていた麻子はジト目で言っているが、桂里奈とツチヤは目を光らせて画面を見て言っていた。同じ操縦手でも違いがある…。

 

「オラたちも取れるべか?」

「そうですね…ローズヒップの手助けになれると思いますし」

「ふむ、操縦は慣れるのも私はいいな…」

 

 同じ装填手のニーナとオレンジペコ、重美は同じ気持ちを持ったのかスクリーンを見て言う。

 福田も「みならいたいであります」と真剣に言いながらメモをしている。

 



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第81話『専用機vs戦車ーその2』

「右に40度変更、そしたら加速増し」

「おうよ!」

 

 小森の指示に伊江はレバーを動かすと、ホワイトナイターは40度右に回りそのまま速度を増していく。

 

「後方に敵はいるが、左右によけながら行くぞ!」

「おう」

「勇樹君、そっちは?」

「異常なし、幹姉」

「あいよ、いつでも行けるよ」

 

 みんなの言葉に答えていると、小森が「はいストップして」と突然ブレーキを踏んだその時。

 

 

 

ギャギャギャギャッ!!

 

 

「どっりゃあああっ!!」

 

 伊江が勢いよくハンドルを回してホワイトナイターを無理やり無理を変えると、幹子は「いまだ!」と引き金を引いた。

 するとパンチは放たれてⅢ突とヘッツァー、そしてセモヴェンテに当たる。そして小森は「加速、逃走」と言いながらアクセルを踏み3台の戦車から逃げていく。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「うわーこれは凄い腕っすね!」

「回転したのを利用して攻撃したか」

「息が合う瞬間ですね」

 

 3名の解説にまほは「確かにそうだな」と答える。

 

「あの腕はみほ行けるか?」

「ううん、自動車部の皆さんでもあそこまではいけないよ」

「そうだね、あの素早いドリフトは私も無理…ツチヤは」

「うーん、レオポンのなら少し行けるけど。あれはちょっと」

 

 みほの言葉にホシノとツチヤは苦笑いで答える。使い慣れているポルシェティーガーなら圧程度は行けるが、ホワイトナイターは流石に無理のようだ。

 

「おー、凄い凄い! あのような動きしたーい!!」

「あー確かに」

「私たちがやったらかっこいいかも~」

「でもそれだったらあの戦車は?」

「あ…」

 

 ウサギさんチームは先ほどのドリフトでにぎやかになっていたが、梓の指摘にみんなは気まずい雰囲気を出した。

 なお沙希は明後日の方向を向いているが、時折スクリーンを見ていた。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「右から加速しているのがやって来ます、この速度は…クルセイダーですね」

「クルセイダーで早い…ローズヒップか?」

 

 勇樹はそう言っていると、右からクルセイダーが出てくるとホワイトナイターの装甲に砲弾を当てる。

 

 

 ドガアアアアッ!!

 

 

「うわっ! これはキツイ!」

「ダメージが出ました!」

「初めてのダメージ…気持ちいい」

「幹子、何か目覚めそうだがやめろ」

 

 幹子の言葉に小森は突っ込むと、伊江が「バックだ!」とレバーを動かすとホワイトナイターは後ろに動き、森の中に入っていく。

 クルセイダーは「追いかけますわー!」と言いながら森に入っていくが、すぐにパンチ攻撃に当たった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「はやっ! ホワイトナイターにダメージを負わせると同時にクルセイダーにダメージっす!」

「最速のダメージ…どう思う?」

「彼らもあきれますが、クルセイダーが一番呆れます」

 

 3名の言葉にみんなは「確かに…」と同意する。アッサムは「全くあの子ったら」とあきれていた。

 

「あの子成長したと思ったらここでミスをするとは…」

「全く、後で叱ってやるか」

「かわいそうだと思いますが…」

「自業自得ね」

 

 聖グロのメンバーはそう言ってスクリーンを見ていると、天女がやってきて「お変わりは」とポットを出すと、ダージリンがカップを差し出したため天女はそこに注ぐ。

 

「そうカッカなさらないでくださいませ、ローズヒップさんはこう見えて頑張っています」

「あなたから言われると事実なのは分かりますが…もう少し落ち着きがあれば」

「ふふ…そうですね、でもあの子はあの子なりの方法をしています」

 

 天女はそう言ってその場から去ると、アッサムとルクリリは「どういう意味(だ)ですの?」と頭を傾ける。

 ペコは苦笑いしているが、ダージリンは平然とした表情で紅茶を飲む。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 ドガアアアアッ! ドガアアアアッ!!

 

「ヘッツアーから砲弾が放たれました、ですがすべて軌道が逸れていましたので当たりません」

「ま、あの砲弾は河嶋さんの可能性が高いね」

「そうだな…小森、加速を!」

「おうよ伊江」

 

 小森と伊江はそう言ってホワイトナイターを加速していくと、右斜めからBC自由学園のルノーF1がやってきた。

 

「ありゃ、少しピンチ」

 

 それを見た小森は焦るかのように言うと、幹子は「攻撃を!」と言うと勇樹は「わかった、許可する!」と言うとパンチは発射されルノーに当たろうとした…が。

 

 

 ひょいっ!

 

 

『『『『『え、よけたぁ?!』』』』』

 

 ルノーが華麗にパンチをかわしたことにみんなは驚いていると、砲弾が放たれて装甲に当たる…が。

 

「ちっ!」

 

 伊江が急いでバックをして砲弾をかわしたため白旗は出なかったが、後から4台の戦車がやってきた。

 

「しまった!」

「油断していた…次で最後。逃げるしかない!」

 

 驚く勇樹の小森は焦りながらレバーを動かすと、ホワイトナイターのパンチは戻り、そのままどこかへと逃げていく。

 ルノーを含む5台の戦車はホワイトナイターを追い始め、砲弾を放っていく。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「うわーこれはすごいっす! まさかの逆転でっすね!」

「攻撃をよけてからするのはすごいな」

「闘牛士のように見えて、驚きました」

 

 3名の解説に押田と安藤は「さすがマリー様!」と高評している。

 

「マリー様は祖父江と砂辺の力が合わさればあのような技は簡単にかわせる!」

「パンチの攻撃のスキをついて、攻撃とはなかなかだ!」

 

 2名はそう言っていると、太田は「そうかな」と苦笑いしながらポップコーンを食べていた。

 するとみどり子は「あら、そうとは言えると思うわよ」と言いながら説明する。

 

「あれは戦車と同じ攻撃だとしたら、装填に多少時間がかかるわ、マリーさんはきっとそれを見て」

「「確かにそうだね」」

 

 彼女の言葉にパゾ美とゴモ代は同意するように迫ってくると太田は「わ、わかったよ」と慌てて後ろに引き下がる」

 

「しかし、まさかあそこまで行くのは驚きました」

「逆転は流石に難しいか…?」

「どうやって勝てば」

 

 妙子と忍、あけびは心配するように言いながらスクリーンを見て言うと、文は「正直難しそうだな」と言いながらトマトジュースを飲む。

 

「逆転は可能するのは低すぎる、わずかなスピードでかわすとしたら少し厄介だしな」

「ええっ!? どうして」

「理由は2つある。1つはあのマリーの華麗な技、パンチをかわしどうやって攻撃するか予測していた。もう1つは5体の戦車、一同に砲弾が放たれたら流石に無理だな」

 

 文の解説にバレー部の部長である典子は「確かにそうだ」と納得する。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「パンチの回数は無限だけど、さすがに次当てられたら危険だ」

「2回で敗北の件、すっかり忘れていました…ドウシマショウ!」

 

 慌てる勇樹と百合子に幹子は「これはピンチだね」と言いながらガムを出して食べる。

 

「よける手段は無数にあるが、装填してから攻撃したら少しピンチだね…対策は?」

「スピードを出しながらドリフト…と言いたいところだけど難しいな」

「オレもだ。ドリフトにしてもタイヤに限度あるしな」

 

 幹子の質問に小森と伊江は答えると、勇樹は「万事休すか…」と言いながら外を見ていた…その時。

 

 

 

ガアアアアアアアッ!

 

 

 クルセイダーが目の前にやってきて砲弾を放とうとしたため、伊江が「させるか!」とレバーを動かして砲台からそれる。

 クルセイダーから砲弾が放たれて気に当たると砕けで地面に倒れた。そうしていると伊江が「幹子、放ってくれ!」と叫んだため彼女は「分かった」と答える。

 

「それっ!」

 

 

 ドガアッ! バギイイッ!

 

 

 パンチはクルセイダーに当たるとそのまま逃げていく、クルセイダーは急いで後を追うが。途中で木に引っかかり追うことが出来なくなった。

 

「よかった目の前に木があって」

 

 それを見た勇樹は肩の荷を下ろしていると、ブレーキがかかり彼は「おっと」と驚く。

 

「どうした、何かあった?」

「あー…大変だね」

「ゲームセット…」

「だね、勇樹君」

「あはははははは…」

 

 勇樹の質問にみんなは青ざめた表情で答え、百合子にいたっては苦笑いで答えたため彼は何かと思い前を向いた。

 

 

 

 そこにあったのは、4台の戦車が出ていて。砲台はホワイトナイターに向けられていた。

 

 

 

 そうしているうちにクルセイダーがやってきて真後ろに停止する。それを見た勇樹は。

 

 

「……完敗だ」

 

 

 そう言った瞬間、森の中から爆発音が響き地面は揺れるのであった。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「なんと、ここで意外な展開っスー!!」

「クルセイダーに攻撃して逃げようとしたが、まさか待ち伏せていたとは!」

「これはもう即倒されましたね」

 

 3名は興奮したり冷静に言うと、みほは「すごい」と驚いていた。

 

「まさかあの機械に勝つなんて…」

「さすがBC自由学園、リーダーとして適格だ」

「「さすがマリー様!」」

 

 驚く美保とは逆にまほは冷静に先ほどの行動を見て言うと、青しだと安藤は大喜びでマリーをほめていた。

 

「うわぁ、まさかやられたとは」

「装甲は少し剥がれているね」

「修理には時間かかりそうだなぁ」

「前田さんたちと協力したらどうかな?」

 

 ツチヤの言葉にナカジマたちは「それだ!」と言うと急いで前田達の方へと走っていく。

 

「あーあ、やられちゃったね」

「逆転かな?」

「でも結構面白かったすねー」

「んだなぁ」

 

 桂里奈は残念そうに言っているとあやは頭を傾げながら疑問に思っている、ペパロニとニーナは面白っかったのか「もう一度見たい」という表情でスクリーンを見ていた。

 

「ま、これで少し鍛えられたのね」

「ああ、しかしまさか圧勝されるとはな」

「そうだな。我狼院、今度私たちと対戦するか? 3対3で」

 

 まほの言葉に怜雄は「それはいいな」と彼女は微笑むと、エリカは「え、いきなりですか!?」と驚く。

 それを見たまほは「まぁ待て、今じゃなくて今度だ。今度」と冷静に言うと彼女は「あ、よかった」と安心する。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 勇樹たちが訓練している中、上空ではあるメカが地上に向かっていた…。

 

 

 

 

 日本のある場所に向かって。



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第82話『和葉の過去、そして大事件発生!』

 ホワイトナイターとの戦いが終わって次の日、まほたちは医療室に来ていた。

 その入り口には『クロウメカ』の車長である忍ヶ丘女学館の黒井雅緋が椅子に座っていた。彼女は眠いのか椅子に座りながらうたた寝をしていた。

 

「む、すまない少し寝ていて」

「いや、構わない。彼女の護衛をしているのは勇樹から聞いた」

 

 目を覚ました彼女はまほに向けて謝るが、彼女は勇樹のことを話すと雅緋は「そ、そうか」と答える。

 

「和葉はまだ寝ているのか?」

「いや、起きているが恐怖症で…今焔が一緒にいる」

「大変だな…しかし勇樹から聞いた話は本当か」

「本当…それは?」

 

 まほの言葉に雅緋はとぼけるように言うと、エリカが「あんたね」と話に入り込む。

 

 

「和葉はブラック学園に浸りこんだ結果、ブラック体質兼ブラック業界恐怖症になったってことよ!!」

 

 

 エリカの話を聞いて雅緋は「ああ、それでか」と納得する。

 

「そうだな…彼女の行動は私も驚いた。いや桁を超えていたんだ」

「やはりそうか、強制労働をしすぎて体を壊して恐怖症が発生した…納得する」

 

 彼女の話を聞いてまほは納得するが、雅緋は「半分はそうだが半分は違う」と答える。

 それを聞いたみんなは「え」と驚きの反応をした。

 

「ちょっとそれどういう意味よ『半分はそうだが半分は違う』って!」

「その名の通りだ、確かに彼女は強制労働やパワハラなどで体を壊したが、その影響で桁を超える作業が出たんだ…あの時は大変だった」

 

 雅緋の言葉にまほは「詳しく話してくれ」と言うと彼女は「話そう」と言いながら話し出した。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 忍ヶ丘女学館の倉庫、そこにあったのは錆びた手裏剣や苦無に刀などが置いており、生徒はそこに集まっていた。

 

「今回の授業は、見ての通り刃物をきれいにすることだ。錆びているとはいえ研げば鋭くなるから気を付けろ」

『『『わかりました!』』』

 

 教官の言葉に聖とは答え、刃物を研いでいる。和葉は護衛のため雅緋と一緒に来ており、教官は彼女から話を聞いていた。

 

「君は出来る限りでいいよ、大変だったら休憩しても構わない。初めてだからミスは誰にでもある」

「わ、わかりました…」

 

 教官の言葉に和葉は怯えるように答えると、手裏剣を手にして研ぎ始めた。

 

 

 

 そして、生徒が刃物を研ぎ始めて1時間後…。

 

 

 

「よし、今回はここまでだ。まだ研いでいないのがあるがそれは明日からにする」

『『『はい!』』』

 

 教官の言葉に生徒は答えると、彼女たちの隣には研いだ後の刃物が置かれている。

 まだ生徒であろうか、まだ研いでいない箇所や変色している個所が多く残っている。それを見た教官は「まだまだだな」と苦笑いする。

 

「さて、和葉もそろそ…ろ」

 

 教官は和葉に向けて言うが、彼女の研いだ刃物の量を見て顔を青ざめる。

 

 

 その量は、軽く千を超えており新しくできているように輝いていた。

 

 

 それを見た生徒らも目を丸くして驚いており、和葉は「ノルマを超えるノルマを超えるノルマを超える」とつぶやきながら研いでいく。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「急いで教官が止めたおかげで何とか彼女は意識を取り戻した…作業を始めると周りが見えない人は初めて見た…」

「千ってすごい量ね…」

 

 彼女の話を聞いてエリカは驚くと、エミも「確かにそうですね」と答える。

 

「何度声をかけても止めることなく、叩いても反応がない。彼女の精神がおかしいのは初めて知った」

「そうか、黒森峰でもそこまで集中人はいないな」

「いたとしても、もう精神崩壊になりそうよもう」

 

 まほとエリカはそう言っていると、雅緋は「おいおい」と苦笑いした…その時。

 

 

 

 

 ビィイイイッ! ビィイイイッ!!

 

 

 

 

緊急事態発生、緊急事態発生! 北海道・東京・大阪・沖縄・京都に黒薔薇基小春田の反応アリ!』

「小春田が急に現れた?! どうして…」

「わからないが行くか…雅緋は」

「もう少しここにいる。この作戦は何か罠の可能性があるからな」

 

 雅緋はそう言うとまほは「そうか、一応勇樹に伝えておく」と言うとエリカに向けて「行くぞ」と言いながら走っていく。

 エリカも「わかりました!」と答えると彼女の後を追い始める、エミは「あ、それでは」と雅緋に向けて挨拶すると急いで走っていく。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「北海道・東京・大阪・沖縄・京都…、これは小春田の仲間の可能性があるな」

 

 勇樹はそう言いながらスクリーンを見ていると、みほは「そうですね」と真剣に答える。

 

「別れて行動している可能性がありますし、今までの行動からすると。私たちは戦車で行動していたので」

「地面か空から攻撃する可能性が高いってことですね西住殿」

「はい」

 

 優花里の言葉にみほは答えると、ダージリンは紅茶を飲みながら「それは難しそうですね」と答える。

 

「どうやって行動しているのかわたくしたちはまだつかめていませんのに、相手が攻めてきた」

「それにバラバラにね、これは少し寒気が思想だわ」

「そうだな、しかも数は5体とはいえどうやって攻めてくるのか」

「わからないわよもう!」

 

 ダージリンに続き、ケイ、アンチョビ、カチューシャはそう言うと。百合子は「お、落ち着いてください!」と慌ててなだめる。

 

「行ける人数は限られるな…アブ引き部の皆さんは?」

「えっと、ダイスチームとヤタガラスチームにPC部、メカニック部に華のささやき部の5チームです」

「だったら…一史たちは梓たちと一緒に、典子さんたちは圭太さんと一緒に、」

 

 勇樹の言葉に彼女は「なるほど」と何かに気づく。

 

「では前田さんたちはナカジマさんたち、アイコンさんは猫田さんたち、そして華のささやき部は聖グロですね!」

「ああ、残りは基地にいるか和葉の護衛。そして少し協力者を探しに行く」

 

 勇樹はそう言うと立ち上がり、みほに「協力者を探しに行くから手伝って欲しい」と言うと彼女は「あ、わかりました」と優花里たちを呼び一緒に行動する。

 

「一史君、それじゃあ」

「わかりました! 梓さん、急いでいきましょう」

 

 勇樹の言葉に一史は答え、梓は「わかりました!」と立ち上がる。

 

「あ、あと例の7体のメカ使用してもいいよ。ちょうど修理終えたから」

「「わかりました!」」

 

 勇樹は思い出したかのように言うと、一史と梓は息をそろえるように答えた。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 一史と梓たちは、巨大氷メカ『スーパーアイアンアイスクリームロボット』に乗って大阪に向かっている。

 移動している最中、みんなは操縦席にいる。メカが自動操縦しているとはいえども、これはあくまでIAがしていること、今は彼らが乗っているため自分たちの力で操縦しないといけない。

 

「それにしても、モデルが氷なのはわかっていたけど」

「操縦席の中はもっと寒いかな~と思っていたけど」

「あったかーい!」

 

 あゆみと優木、桂里奈は驚くかのように言うと双葉は「そうかなぁ?」と頭を傾げる。

 操縦席はメカのイメージ値は違い、暖炉やストーブにこたつなどが装備されていた。操縦席は机型だが椅子は電気ヒーター付きの特殊な椅子。

 操縦席を見た梓も「こんなふうになっているんだ」と驚いている。

 

「勇樹さんって本当にすごいんですよ、わずかな資金や道具を使ってこのようなメカを作るから」

「確かに…ところで目的地まであとどれくらいですか?」

「えっと…六巳」

 

 一史は六巳に向けていると彼女は「えっと…あと5分だよー」とのんきに答える。

 

「5分…他の皆さんは?」

「えーっと…典子さんは6分、ナカジマさんは10分。猫田さんは3分でダージリンは7分だよー」

「バラバラなんだ…でもこれなら」

 

 一史はそう言っていると、梓は「なんだか、私と同じだね」と答える。

 

「え、何が似ている?」

「うん、実は私と一史君って少し目標の人がいるのがいてね。私は似ていると思ったよ」

「あ…そうだね」

 

 梓の言葉に彼は気づいたのか、微笑むように答える。それを見ていた梓も、一史とほほ笑み返す。そして。

 

「それじゃあ行こう、ぼくたち…ううん、ぼくたちと梓たちと一緒に」

「はい!」

 

 2人はそう言うと戦車があるところへと走っていく。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 ガガガガガガガガ!!

 

 沖縄の海底に無数の穴をあける音が響く、その音の正体ナマズ型の潜水メカが口からドリルを出して穴を掘っていた。

 

「それで、想定範囲は?」

「はい、あと数分で着くと思いますが…計画通りですか?」

 

 白山の言葉に生徒は答えると、彼女は「そうだ」と答える。

 

「小春田の期待を応えるためにやっていること、私は彼女のために尽くしている…何があってもだ」

 

 白山はそう言いながら外を見て睨みつけていると、奥から水中モードに変形したモグドンがやってきた。

 

「来たか…上昇しろ、海面に行き次第すぐに攻撃用意を」

「は、はい!」

 

 生徒は慌てて答えると、急いで操縦席へと行きメカを起動する。

 するとナマズメカは起動し水面に向けて上昇していく。なおモグドンは後を追うように水面へと追いかけていく。

 

「あの素早さ、自動車部ではない動きから推測すると…ネトゲではない、もしかしてバレー部か」

 

 モグドンの動きを見て彼女は推理すると、モグドンの口が開くと同時に魚雷が放たれる。

 彼女は「よけろ、魚雷だ」と言うと生徒は「わかりました!」と答え、魚雷をよけながら逃げていく。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 ドガアアアアッ! ドガドガアアアッ!!

 

 北海道では、雪山に大型の西洋鎧型のメカと家電バードメカと戦っていた。

 

「にゃああっ! これで良いのですか?!」

「初めはこれが一番! 巨大メカに戦車は戦えにくいからだよ!!」

 

 怯える猫田に代わり操縦レバーを動かしていると、ももがーも「わかるなり!」と答える。

 

「猫にゃー氏! ここで負けてしまったゲームオーバーもも!」

「少しだけでもいいから、がんばってみるぴよ!」

「そ、そうしたいところだけど…やっぱり怖い!!」

 

 ももがーと一緒にぴよたんが言うが、猫田は怯えていた。それを見たアイコンは「無理はしないで」と真剣に答える。

 そうしているうちに、ハッカーが「すきだ出来た!」と言ってきたため見てみると、鎧メカが後ろに寄りかかり転びかけていた。

 

「よし、急いでいこう!」

「は、はひ!」

 

 アイコンはそう言って立ち上げると猫田も急いではしていき、戦車があるところへと行く。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 ドガアアアッ!!

 

 都内に巨大な毛虫型のメカが着陸すると、ガブリン虫メカは目の前に着陸する。そして口が開くとクルセイダーとマルチダ、そしてチャーチルが出てくる。

 それに続くように、ティーポットタンク3号がメカから出てくる。

 

「一か八かですが、協力しましょう」

「ええ、それはわたくしも考えていましたわ」

 

 ダージリンと剣の話を見たみんなは「すごい」と驚いていると、毛虫型のメカから砲台が出てくると2人に向けて砲弾を放った…だが。

 

「させませんわー!!」

 

 ローズヒップが乗っているクルセイダーが走ってくると砲弾を放ち、メカからの攻撃を防ぐ。そして砲弾を放つと砲弾は胴体にあたる。

 それを見たルクリリは「お前意外なところで役に立ったな…」と感心した彼女であったちた

 

 ダージリンは「さすがローズヒップ」と感心すると、剣も「そうですわね」と答える。そして。

 

「ではこちらも…」

「本気を出しましょうか」

 

 2人はそう言うと操縦手に向けて指示を出すとエンジンの音は大きくなっていき、前に加速していく。

 そして、戦車たちはメがいる方角へと向くと、攻撃を再開していくいく。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「全速ぜんしーん!」

 

 ナカジマの指示にツチヤは答えると、ポルシェティーガーはそのまま加速していき巨大なイカ型のメカに攻撃していく。

 だが、イカ型のメカは触手や胴体はゴムでできているのか砲弾を跳ね返していきナカジマは「おわわわっ!」と慌てる。

 

「ツチヤよけて! 砲弾がこっちにやってきている!!」

「え、本当だ!!」

 

 操縦手のツチヤは慌てて砲弾からよけていると、ラビット・レーサーがやってきて砲弾を放って攻撃を無効化する。

 

「ナカジマー、攻撃はこっちが処理するよー! その間に攻撃をしていて、わからないことがあったら通信機で勇樹君に伝えてねー!」」

「ありがとう!」

 

 前田の言葉にナカジマは答えると、イカ型のメカから無数の砲台が出てきてメカに攻撃するが、ラビット・レーサーから人参型のミサイルを放って自動車部に攻撃をしていく。

 



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第83話『手掛かりと、重要関係者基容疑者…』

 その頃勇樹とみほと我狼院のみんなは、国際時空管理局に来ていた。

 

「あの石川殿、ここに一体何か用事が?」

「用事か…まぁそうだな、協力者がここにいてね」

 

 優花里の言葉に彼は答えていると、奥から「待たせてすまない」と女性の声がした。それを聞いた勇樹は「あ、来たか」と言うとみんなは声がしたほうへと向く。

 その女性は黒色のロングヘアで一本結びをしていて、目つきが鋭く右手には手袋をしている。

 

諸星(もろほし)さん、他のみんなは?」

「ああ、一応話したが用事があって。特にヒールは医療で」

「あー、確かに」

 

 勇樹と諸星という女性の話にみんなは茫然していると、百合子が「おっほん!」と咳をする。それに気づいた二人は「ごめん」とすぐに謝った。

 

「勇樹君、皆さんに紹介を」

「あ、わかりました…彼女は時空管理局捜査一課警部補をしている諸星一鬼(いつき)だ。本当は杭田(くいた)に乾、そしてヒールと一緒に話す予定だが彼らには用事が」

「なるほど、それでさっき話をしていたのか」

 

 麻子は理解すると、彼女は「理解が早いな」と驚く。

 

「彼女は何か資格があるのか?」

「あ、麻子は少し頭がいいだけで」

「だけは余計だ…でも眠い」

 

 沙織と麻子はそう言っていると諸星は「そうか」と何か納得する。

 

「あ、初めまして。私たちは大洗の―」

「心配するな、話は優木から聞いている。君たちは大洗の戦車道をしているあんこうチーム、そして彼女が」

「黒百合基白薔薇の生徒会長兼戦車道をしている我狼院怜雄だ」

「わかった、それで話は粟口田だが。医療に通っていたことがわかった」

 

 諸星の言葉に華は「医療ですか?」と言うと彼女は「ああ」と答える。

 それを聞いた怜雄は「妙だな」と疑問を出した。

 

「彼女は大きなけがをしていないし、薬を飲んでいない。それなのになぜ?」

「それなんだが、担当していた医師によると医療していたのは事実だが、正式には『整形』と言いながら『医療』と偽っていた」

「整形…どうして?」

 

 沙織の言葉に亮子も「私もわからない」と答える。そして重美も「なぜ整形だ?」と考え込むと、勇樹はある推測を感が出した。それは。

 

 

「もしかして……誰かになりすます為に整形を?」

 

 

 勇樹の言葉にみんなは「え」と反応するが、沙織は「いやいやそれはないよ」と言いだした。

 

「いくら粟口田さんがそれを使用としても誰になりすますかはわからないよ!」

「そうだな、勇樹になりすましてもどうしてそれをするかだ…特に問題は」

「女性恐怖症、勇樹は女性が苦手だから無理だな」

 

 沙織に続いて伊江と麻子は同意するように言うと「そうですね」と秀乃も答える。

 だが怜雄は「いや、違うな」と違うことを言いだす。

 

「粟口田は必ずしも勇樹を狙うことを言っていない…何か別の人物を狙っているのでは…?」

「他の人物…あ、諸星さん。人物の写真は」

 

 怜雄の言葉に勇樹は気づき、彼女に言うと諸星は「それは大丈夫だ」と言いながら手帳を出すと空中に立体映像が出てきて大洗を含む全学園艦の生徒の写真を出される。

 

「大洗を除く全生徒は『彼女たちじゃない』と言われてな、勇樹たちも一応出したがそれも同じだった」

「てことは、大洗の生徒になるようだね」

「美樹姉のゆう通りだな…それで生徒は?」

「ああ、大洗の生徒全員見せたがある人物以外は『彼女じゃない』と答えた」

 

 諸星の言葉にみほは「ある人物?」と反応すると、彼女は「そうだ」とある人物の写真を見せる。その人物は…。

 

 

 

 

 

 

西住みほ…お前を見て彼は『彼女です』と答えた

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

『『『『『えええええっ!?』』』』』

 

 同時刻、例の施設では太田たちが他の生徒の治療・戦車の修理をしている中。勇樹からの報告を受けみんなは驚く。

 

「小春田がどうしてミホーシャに似せて!?」

『理由は分からないが、オレの推測だと戦車道を破壊する可能性がある』

「なんだと!?」

「ちょっと待って、もしみほがやったと知ったら…偽物ではなく本物が!!」

『エリカさんの言う通りです! 急いで探さないと!』

 

 百合子は慌てて言うと、ケイが「ちょっと待って」と相手を落ち着かせるように言いだした。

 

「百合子が伝えたいのは私もわかったわ、でも手掛かりが少ないし彼女がとこにいるか分からないわ」

「そうっすね…特に問題は和葉も狙っているっすから」

 

 ケイとペパロニはそう言うとエルも「確かにそうね」と答える。

 するとマリーが「それだったら」とある事を言いだした。

 

「ここは少しケーキを作るのはどうかしら?」

「マリー様! ここでケーキを作るのですか?!」

「そうです! 真面目にして…あ」

 

 マリーの言葉に2人はツッコミを入れているが、押田は何かに気づいたのか「なるほど」とある事に気づく。

 押田は安藤に話をすると、彼女も「なるほど…その手があったか」と言いだした。

 そして2人はみんなにある話をすると、勇樹は『それはいい話だ』とにやける。

 

『それだったら、福音と協力してくれ。彼女だったらスイートの腕は達人並みだ!』

「よし分かった! 福音、手伝ってくれ!」

「大至急だがお願いだ! 今必要な物を作ってくれ!」

「砂辺と祖父江もよ、お菓子と言ってもケーキだけどね」

『『わかりました、マリー様!』』

 

 BC自由学園の彼女たちはそう言うと福音も「やるぞー!」と言いながら調理器具を大量に出した。

 それを見た勇樹は『こっちも急いで、そちらに戻ったらあれを作る。終わったら急いで一史たちのみんなの手伝いを!』と言うと電話を切る。

 

「よし、みんな、やるぞー!!」

『『『『おおおおー!!!!』』』』

 

 福音たちはBC自由学園の生徒と一緒に奥の部屋へと行き、急いで何かを作り出す。

 太田たちは「こっちも急いで治療専念、そしたら一史君たちの手伝いを!」と言うとみんなは「はい!」と答える。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 ドガアアアッ!!

 

 

「梓さん、右によけて! そしたら攻撃を!」

『わかりました、桂里奈。行ける?」

『あいあいー!!』

 

 一史の言葉に桂里奈は答えると、M3リーは右によけると。シオマネキ型のメカの巨大なハサミが地面に刺さる。

 そして2つの砲台はメカの胴体に放つと、砲弾が胴体に当たるとひびが入っていき。メカは短い鋏で攻撃するが。

 

「放てっ!」

「了解っ!!」

 

 一史の言葉に四音はスイッチを押すと、万年筆型から鉛筆ミサイルが放たれてハサミに当たると爆発し、ハサミは地面に落ちた。

 

「梓、今のうちに胴体に!!」

『わかりました!』

 

 一史の言葉に梓は答えると、M3リーは進んでいきメカの近くまで行くと急停止しする。そして。

 

 

「発射!!」

 

 ドガドガアアアッ!! バギィイイイッ!!

 

 砲弾は放たれると胴体を貫くとそのまま動きが止まる。そして…。

 

 

『『退避開始いいっ!!』』

 

 

 2人は操縦手に向けて言うと、M3リーとブンボーガーはメカとは反対へ向くと同時に急発進し逃げていく。その時。

 

 

 ドガアアアアッ! ドガドガアアアッ!! チュドオオオオッ!!!

 

 

 メカは大爆発し中から奈村と生徒4名が出てきて「あれえええっ!」と叫びながら飛んでいった…が、ブンボーガーから虫取りアームが出てきて5名がその中に入っていき、捕まってしまった。

 

「やったぁ! 成功だああっ!」

『よかったぁ‥』

 

 それを見た一史と梓は安心すると、みんなは「わーいっ!」と喜んだ。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 ドガドガアアアッ!!

 

「後ろについて来てくれ! 離れるのは危険だ!!」

『わかりました!!』

 

 圭太の言葉を聞いた典子は答えると、ロケット・バッターと八九式は一緒によけると、ミサイルは砂浜に当たると同時に爆発を起こした。

 

「ナマズ型のメカ…水上じゃないのは幸いだけど砂浜だけでも動きが!」

『ですが、その分攻撃の瓦礫が少なく済みます!』

 

 典子の言葉に天は「それ関係ある?」と言いながら操縦かんを動かしていると、ナマズ型のメカの口からハンマーが出てくると八九式とロケット・バッタ―に向けて攻撃していく。

 

「しまった! よけて、ハンマーが!」

『え…忍、急いでよけるんだ!』

「天も、急いでよけろ!」

 

 圭太と典子はそう言うと操縦手は『『了解』』と言うと、ハンマーをよけていく。だがナマズ型のメカは2人を追いかけるとハンマーを振り落としていく。

 だが2名の指示に戦車とメカはよけながら進んでいき、ハンマーからの攻撃をよけていく。

 

『このままですと私たちの燃料が尽きてしまいます…どうしましょう…』

『泣くな忍! ここで泣いたら我々は―』

「いや、泣くというより考えているんじゃ…」

 

 玉子の冷静なツッコミに圭太たちは「確かに…」と答えると、圭太は「あ」とある事を思い出した。

 

「典子、確かこの前『殺人レシーブ』をしていたよな」

『え、はいしましたが…あ!』

「ふっ、思い出したのは同じだな…行ける?」

 

 圭太の言葉に典子は『行けます!』と答えると、そのまま加速を増していき、ロケット・バッタ―を抜かしていく。

 そしてロケット・バッタ―は停止すると同時に180度回転し、頭を上げて動きを止める。

 それを見たメカは一時停止してメカを見つめていると、奥から八九式が走ってきた。そして。

 

「「「「いっけえええっ!!」」」」

 

 

『合体式、殺人レシーブ!!』

 

 

 ガガガガガガガッ!!

 

 

 八九式はそのままロケット・バッタ―の背中か上へ行き、空を飛ぶとハンマーのえの部分まで近づいていく。そして。

 

 

 ドガアアアッ!!

 

 

 砲弾は放たれてえに当たると、そのまま折れていきメカの頭を貫いて中に侵入していった。

 八九式はそのまま飛んでいき、メカの真後ろに着陸する。地面衝撃は来るが、幸い砂浜なので衝撃は小さく済んだ。そしてロケット・バッタ―も急いで離れた…その時。

 

 

 ドガドガドガアアアアッ! チュドオオオオッ!! ドガアアアアッ!!

 

 

 メカは爆発を起こし、中から白山と生徒4名が出てきて海の中に入っていった。

 それを見た典子は「捕まえるぞー!」と網を出すとあけびたちは「はいキャプテン!」と言いながら捕まえに行った。

 圭太たちも「負けないぞー!」と典子たちと一緒に捕まえに行くのであった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 ドガドガドガドガアアアアッ!

 

「おおっ! さすがネトゲ部の皆さん!」

『こ、これはなんと行けるにゃ…!!』

『みんなの力を合わせれば、簡単っちゃ!』

『そうで、ござる!』

 

 ネトゲ部のみんなはそう言っていると、三式中戦車から砲弾が放たれて鎧メカの剣に当たると粉々に壊れた。

 

「よーし、こっちも攻撃するぞー!!」

『おおー!』

 

 アイコンの言葉にハッカーとチャットが答えると、チャットが「そっれ!」とレバーを動かす。するとキングダム・タンクから剣と盾が出てきて攻撃態勢に移り変わる。

 

「攻撃開始だー!!」

 

 チャットはそう言ってアクセルを踏むと、キングダム・タンクは発進し、盾に攻撃していく。

 西洋鎧メカは防御をしていると、後から三式中戦車がやってきて背中に向けて砲弾していく。攻撃しているのに気づいたメカは後ろを向いて攻撃するが、キングダム・タンクが攻撃したため再び前を向く。

 それを何度かしているとメカにひびが入っていき、いつ壊れてもおかしくない状態になっている。

 

「チャンス…猫田さん、そろそろあれを!」

『分かった、ぴよたん殿!』

 

 通信機から猫田の声がすると、彼女も「それじゃあ!」と砲弾らしき機械を装填していくと、ハッカーに「装填OK」という。

 彼女も「もっちろん!」と言いながらスコープを出すとそこから外を見ながらレバーを動かす。

 すると、キングダム・タンクから砲台が出てきて先が西洋鎧メカに向ける。そして。

 

 

「ファイアアアアッ!」

 

 

 ドガアアアアッ!!

 

 

 2機から砲弾が放たれると、鎧を貫き交差するように砲弾はメカから出て行く。そして。

 

 

 

 ドガアアアアッ!! ドガドガドガアアアアッ!!

 

 

 メカが爆発すると同時に塩崎を含む3名の生徒が出てきて、雪山に起きていく。

 それを見たチャットは「よいしょっと」とレバーを動かすと、剣と盾がしまわれると同時に大型のバケツが出てきて塩崎が落ちたと思うところを救う。

 

『これで、彼女たちが…?』

「入っていると思うよ、一度に救ったからね」

 

 アイコンはそう言うと、通信機から『ホッ』と安心する声がした。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 ドガアアアアッ!! ガギィイインッ!!

 

「なかなかですわね…壊しても壊れない。不死身に近いわね」

 

 外の様子を見てダージリンは焦るように答える、その理由はメカに砲弾を放ってもメカは分離し攻撃をかわし、壊れても中から部品が出てきて合体していく。

 ペコも「限度が、あります!」と急いで砲弾を装填していく。

 

「何度放っても攻撃は当たるが、壊れても復元します…どうすれば!」

「アッサム、これは予想外ね」

「はい、あの機械はいつ壊れていくか分かりませんし。このままですと負ける可能性が…」

 

 ダージリンの言葉にデータ主義のアッサムも、慌てるように答えると。通信機から『これは危険ですわね』とローズヒップが珍しく真剣に答える。

 

「何か方法があればいいですが…剣さんは?」

『こちらもやっておりますが、虫との戦いは予想外です!!』

 

 剣の焦る声がしたためアッサムは「やはり想定はしていませんでしたね」と答える。

 そうしているうちに、メカは再び合体すると口が開き砲台が出てきた。そして砲台が放たれると網が出てきて聖グロの戦車とティーポットタンク3号はそれに捕らわれる。

 

「しまった!」

「これは予想外です!!」

「ぴゃっ!!」

 

 突然の行為にダージリンたちは驚いていると、毛虫型のメカから大型のドリルとハンマーに丸ノコカッターとペンチが出てきて。少しずつ戦車を引っ張っていく。

 

「アッサム、これは絶体絶命ね」

「ええ…これは少し危険ね」

「のんきに言っている場合ではありませんけど?!」

 

 冷静に言うダージリンとアッサムにペコは焦りながら突っ込んでいた…その時。

 

 

 シュッ!! ガラガラガラッ!!

 

 

 突然何かが通るとアームの武器がバラバラに壊れていき、武器は地面に崩れる。

 そして戦車を包んでいた網もちぎれると、ダージリンは「あら」と目を丸くする。

 

「これは一体…?」

 

 アッサムもそれを見て驚いていると、ガブリン虫メカが出てきて毛虫型のメカを睨みつける。

 

「あれは…確かパクリン虫メカかしら?」

「ガブリン虫メカです」

 

 ダージリンの言葉にペコは訂正すると、アッサムは「もしかして、あの時の技って」と思い出すと、通信機から剣の声がした。

 

『この機械は、どうやら協力してくれるようですわ…』

「それは本当かしら、剣さん」

『ええ、彼が作ったロボットですから。信じてもいいですよ』

 

 剣はそう言うと彼女は「そうですか」と答える。そして。

 

 

 

「全戦車、巨大な虫型のメカに続いて発進!」

 

 

 

 ガブリン虫メカが進むと同時に、チャーチルとマルチダ、クルセイダーとティーポットタンク3号は後に続くように行動していく。

 毛虫型のメカは糸を吐くがガブリン虫メカからホースが出てきて糸に当てるとそれは溶けていき、そうめんのようにもろく砕けて行った。

 

「撃てえええっ!」

 

 

 ドガアアアアッ!

 

 

 ルクリリがそう言うとマルチダから砲弾が放ち、メカの装甲に当たる。

 バラバラになっていき再び合体していこうとしたが、ガブリン虫メカから黒色の液体が放たれて部品に当たると合体すると思いきや突然固まっていき、地面に落ちていく。

 それを見た彼女は「あれって…もしかして!」と内科に気づいたのか通信機を出してダージリンに知らせる。

 

『ダージリン様、今のはもしかして!』

「ええ、わたくしも見ましたわ…それでは行きますわよ」

 

 ダージリンはそう言うと、砲台は一斉にメカに向ける。そして。

 

「発射」

 

 

 ドガドガドガアアアアッ!!

 

 

 砲弾は放たれてメカに当たるとバラバラに砕けていき再び合体するが、ガブリン虫メカから例の液体が放たれると装甲などに当たり、固まっていくと同時に地面に落ちていく。

 そしてメカの胴体がすべて露になると、クルセイダーがやってきて砲台はメカの胴体に向ける。

 

「ローズヒップ、あとは行けるかしら?」

『もちのろんでございますわ! わたくしが決めて見せますわよー!!』

 

 ローズヒップはそう言うが、アッサムとペコは「本当に大丈夫やら」と思いながらため息をつく。そして。

 

 

『発射ーですわー!!!』

 

 

 

 ドガアアアアッ! バギィイイイッ!!

 

 

 クルセイダーから放たれた砲弾は胴体を貫くと、そのまま崩れていき操縦席があらわになった。そして。

 

 

 ドガアアアアッ!!!!

 

 

 大爆発を起こし、操縦席が崩れると信子が現れてガブリン虫メカに捕まる。

 

「やっと捕まえましたわね…」

「ウィナーですわー!!」

 

 安心するダージリンに対して、ローズヒップは元気よく答えるのであった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「うわぁ、まさかゴムなのは予想外だねぇ」

『確かに、柔軟性があるのは驚いたよ』

 

 ナカジマと前田は驚くように言うと、イカ型のメカは触手を使って攻撃を跳ね返していた。

 威力が強いポルシェティーガーとラビット・レーサーの攻撃をゴム製の胴体で跳ね返していき、触手で絡んで壊していくのはたやすい事。

 ツチヤも「これは手ごわいねぇ」と言いながら見ていると、ホシノが「あれ」とある事に気づく。それは。

 

「このメカ、よく見たら回路とか付いているね…どうして?」

 

 ホシノの言葉を聞いた後田は「カイロ…?」と言いながら考え込む…そして。

 

 

勝てる方法が…見えたよ

 

 

 

 後田はそう言うと、スズキは「何かあったの?」と反応すると、彼は「ああ」と答える。

 

「スピードを、上げていくからタイミングを逃さないでね。左川!!」

「はいはーい!」

 

 左川はそう言ってレバーを動かすと、ラビット・レーサーはそのまま発進し触手はそれに攻撃していく。

 だがラビット・レーサーはウサギの姿をしたレースカー型のメカであり、攻撃をかわすのは朝飯前。触手は地面に当たると亀裂が入ってくる。そして触手が落ちるのを見ると彼女はこう叫んだ。

 

 

 

「いまだっ! 触手に乗っていくぞー!」

 

 

 

 左川はそう言うとメカは触手に乗り移り、そのまま胴体へと行き回転していった。ブーストを起動しているため下に落ちることなく加速を増したまま回転を増している。

 そしてイカメカに異常が出てきたのか、装甲が少しずつ曲がっていき触手は伸びていくことなく縮んて行く。

 

「「あわわわわわわ…」」

「さ、左川。あとどれくらい…」

「もう少し…いける!」

 

 左川はそう言ってレバーを動かすとラビット・レーサーはジャンプして近くの地面に着陸する。

 そうしているとイカメカの装甲ははがれ触手は曲がってしまい身動きが取れない状態になっていた。

 それを見たナカジマは「なるほど」と気付くと、そのまま中に入ると「スズキ、装填お願い」と指示を出す。

 

「今がチャンスかもしれない、この隙を狙って」

「わかったよっと」

 

 スズキはそう言いながら装填していくと、ホシノが「じゃあ行くよ」とスコープを覗いて砲台をメカに向けて行く。そして。

 

 

「発射!」

 

 

 ドガアアアアッ!!!

 

 

 ホシノが引き金を引くと砲弾は装甲と胴体を貫き、中まで入っていくと後ろまで行き。メカ全体に亀裂が広がっていく。そして。

 

 

 ドガアアアアッ!! ドガドガドガアアアアッ!!

 

 

 メカが壊れると同時に爆発すると、村瀬を含む生徒が4名出てくると、そのまま地面に倒れるように着陸する。

 それを見た後田は「それじゃあ」と言いながらレバーを動かすと、ラビット・レーサーの胴体からマジックハンドが出てきて彼女たちを救うと胴体に入れこむ。

 

「いやぁ、何とか勝てたよ…」

『何とかいけたねこれは…』

 

 ナカジマはそう言うと、前田も同じ意見を言うように答えるのであった。



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第84話『時空を超えた囮と未遂発生』

 キンカンキンカンキンカンキンカン!!

 

 

 その頃、国際時空管理局にいる勇樹たちは、専用の倉庫内で何かを作っていた。

 スペースシャトルの姿をしているが大きさは10メートル程度、勇樹は道具を使ってそれを作っていた。

 

「すごい、僅かな時間でここまで作ったなんて…」

「もはや何も言えない」

 

 それを見ていた沙織と麻子は唖然としていると、伊江が「そうだな」と答えるが「だけど、そこがあいつらしい」と答える。

 

「ガラクタ品や壊れた物を作り直したり改造したり、修理することが出来るのはあいつだけだ。オレたちは作ることしかできないしさすがだと思うよ」

「なるほど、確かに言われてみて羽それは石川殿しかできませんね」

 

 伊江の言葉に優花里は納得すると、怜雄は「確かにそうだな」と答える。

 

「私たちも彼を見習ってみるか、そしたら少しは」

「それはいいですね怜雄様」

「怜雄さんでも呼んでもいいぞ、隊長でも」

 

 秀乃の言葉に怜雄が言うと、彼女は「は、はい怜雄さん」とぎこちない言葉で答えた。すると。

 

 

 プルルルル…プルルルル…

 

 

「ん、電話?」

 

 勇樹の携帯が鳴ったことに彼は気づき、作るのを停止して電話に出る。画面には『太田陽』と表示されていた。

 

「もしもし俺だけど? うん、うんうん。分かった、ありがとう」

 

 通信機から連絡を受けた勇樹は応答すると、伊江が「何があった?」と言うと彼は「柳警部を呼んでほしい」と言ってきた。

 

「粟口田の仲間がつかまった、それも5名だ」

「なるほど…まじか?!」

「ああ、それで警部に連絡を」

 

 勇樹の言葉に優花里は「急いで呼んできます!」と言いながら走っていった。伊江は「あ、警部はオレが知っている!」と慌てながら彼女の後を追っていく。

 

「さて、少し急ぐか…百合子さん、美樹姉」

「はい!」

「もちろんだよ勇樹君」

 

 2人はそう言うと、懐から道具を出すと勇樹と一緒に何かを作り始めた。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 その頃…富士山の麓にある施設周辺では、粟口田の仲間である生徒が見張っていた。

 

「ここであっているのか? 誰もいないが…」

「情報によると彼らはここから出てきた目撃があった。ちゃんと調べているさ」

「いやそこは確認していいのか」

 

 3名はそう言っていると、後から赤髪のロングヘアーをした生徒がやってきた。

 

「お前たち、何を話している?」

「「「げ、井ノ原さん?!」」」

 

 井ノ原を見た3人は驚くと、彼女は鋭い目つきで「あ?」と言ってきた。

 

「貴様らはまだそれを言っていたのか? さんか様付けで呼べ」

「「「は、はいいっ!!」」」

 

 3名はそう言って土下座していると、井ノ原は「む?」と何かに気づいた。それは空から降りてくる小さなスペースシャトルと5体のメカ。

 

「上から来た、隠れるぞ」

 

 井ノ原はそう言って通信機で回りに言いながら隠れると、通信機からは『了解』と応答がした。

 草むらや岩陰に隠れて施設を見ていると、メカは施設の入り口であるシャッターから入っていく。スペースシャトルも同じく滑空しながら入っていくとシャッターは自動で閉まった。

 

「やはりあそこが彼らの…攻撃用意しろ、ただしマシンガンバス―カーの使用は禁じ、ゴム弾入りの銃類と光線銃を使用許可する」

 

 井ノ原は通信機でいると、通信機から『了解!』と生徒が応答する。彼女も銃を構えて標準を施設のシャッターに向ける。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「全員気絶?!」

「うん、どうやら爆発や線盗聴などで気絶しているんだ」

「そうですか」

 

 太田の報告に勇樹はがっかりするように答えると、伊江が「それにしてもよく倒せたな」と感心するように戦車とメカを見て言う。

 黒薔薇のメカ1体にメカ1体ならともかく、戦車と戦ったのは初めてだからだ。

 

「しかし、外に見張りがいるとしたら外に出れないな」

「そうですね、出れたとしたもどこに行けば」

「わからないっすか」

 

 まほとエリカは施設の窓から外を見て言っていると、霊華も参加するように話してきた。するとエミが「あの」と心配するように言ってきた。

 

「窓から直接見たら狙われますが…大丈夫ですか?」

「あ、それなら心配無用っす」

 

 エミの言葉に霊華は答えると同時にカバンからガラスを出した、ただし反対は鏡になっているガラスを。

 

「これはマジックミラーと言いまして、この窓全部にあらかじめ用意したんすよ!」

「まぁ、時間はかかったがな」

 

 霊華の言葉に蓮華は苦笑いで答えると、アンチョビは「ちなみに時間は?」と言うと霊華は答える。

 

「確か…4時間っすね」

「4時間か…4時間!?」

 

 驚くアンチョビに伊江は「あー、忘れていたな」と思い出すように答える。

 彼女たちは常識を超えているところがあるからだ。

 

「それよりもですが、福音ちゃんとBC自由学園のみなさんは?」

「もうすぐ完成するそうだ…言われてみれば」

 

 アレンはそう言って『調理室』の扉を見ると、向こうから『出来たー!!』と声が聞こえる。

 

「さて、そろそろ行くか…みほ」

「はい、行きましょう」

 

 勇樹とみほの反応に伊江に「ちなみにだが」と言いだす。

 

「作戦名はなんだ?」

「「作戦名それは…」」

 

 

 

 

「「クリーム作戦だ(です)!!」」

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 ガガガガガガガッ……

 

 

「む、開いたか」

 

 シャッターが開いたのを確認した彼女は通信機に伝えると、施設から出てきたのは巨大なケーキ型の戦車メカがゆっくりと出てきた。

 

「なんですかあれは?」

「ケーキにしては大きいですね…ジャンボ?」

「ウェディングケーキだよ、結婚式にしか出ないレアなケーキ」

 

 3名はそう言っていると、1名の生徒が「でもどうしてウェディングケーキ?」と言っていると井ノ原がやってくる。

 

「馬鹿かお前たち? 大量の戦車を入れるとしたら大きな乗り物が必要だ。それだとしたら、あれが必要だ」

 

「「「あ、なるほど」」」

 

 みんなは納得すると、彼女は「ミサイルを、ただし強力な粘着弾を」と指示を出す。そして。

 

「行くぞ、そろそろ捕まえて彼女を」

「「「はい!」」」

 

 井ノ原の指示に3名は答えると、装甲車がやってきてそれに乗り込む。

 

 

 

 

 ウェディングケーキ型のメカが発進して数分後、数百メートル離れたところには数台の装甲車が追いかけている。

 すると、1台の装甲車からミサイルが放たれるとそのままウェディングケーキに向かい。

 

 

 ドガアアアアッ!  ベチャ!!

 

 

 空中で爆発すると同時に網目状の粘着弾が出てきてケーキを追いかぶさるように包む。

 

『無駄な抵抗はやめろ、我々黒薔薇は貴様らを取り押さえた。抵抗すれば沢煮重い攻撃をする』

 

 井ノ原はそう言っていると、網の下からキャタピラが付いた機械が出てきて、前に進んでいた。

 彼女は「あれは…」と見つめて数秒後、ウェディングケーキは氷のように溶けていき、装甲車が付いたときには跡形もなく崩れていた。

 

「あらら…崩れましたね」

「これは一体…」

「なんでしょうか??」

 

 3名はそう言っていると、井ノ原は「まさか!」と何かに気づいたのか。富士山の方に向くとこう叫んだ。

 

 

 

「あれは私たちを騙す囮だったのか!!!」

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

『作成成功です! 見事に騙しました!』

「よっしゃー!!」

 

 その頃勇樹たちは、っ戦車やメカに乗って時空の穴(タイム・ホール)で移動していた。

 波や揺れで離れないように戦車やメカには5本のロープでつなげている。彼らが向かっている場所は、西住達の世界。

 

「にしてもさすがマリーさんです、まさかあそこで発想が浮かぶのは」

「あの天然女、さすがだぜ」

 

 百合子と伊江はそう言っていると、幹子は「ボクも驚いたよ」とほほ笑みながら答える。

 

「ケーキをアイスクリームに変えて、一定の温度を保つように専用の鉄板が付いた機械で運ぶようにする」

「そしてそれを相手が騙されるように機械の部品を取り付ける」

「まさかのアイデアで相手を騙せたのが驚いたよ」

 

 勇樹たちはそう言っていると、通信機からみほの声がした。

 

『勇樹さん、そちらはどうですか?』

「お、みほか。こちら勇樹、今のところ敵らしき人物は映っていない、それどころが先頭にいるから障害物はなし」

『わかりました、和葉さんはこちらが保護していますが、よろしかったのでしょうか?」

 

 みほの言葉に彼は「大丈夫立ちと思うよ」と答える。

 勇樹たちが保護するより、同じ性別であり同年代であるみほたちに保護したほうが安全であり、信頼考えれるからだ。

 

「相手はきっと俺たちを狙うから、先頭にしたし。それ以外にこのメカは『スペースホワイトナイター』がいるからこっちが狙っても一史たちがいるから安心しろ」

『……』

 

 勇樹はそう言っているが通信機から無言がしたため太田が「長いね」と言うと彼は「確かに」と答える。

 

「みほ、どうしたんだ?」

『……あ、すみません。少し考え事をしていましたから聞いていませんでした』

「なんだ、それでか」

 

 みほの言葉に彼は呆れるが、その分安心したように答える。

 

「それじゃあ何かあったら警報スイッチを押してくれ、すぐに駆け付けるぞ」

『わかりました。では』

 

 みほはそう言うと通信機を切ったため、伊江は「ま、これで安心したぜ」と答えながら椅子に座る。

 

「今度こそ巻けただろう、ここならいつでも逃げれるしな」

「そうっすね、ま追ってきてもうちらがやっつけるっす!」

「霊華の言う通りだ、私たちの恐ろしさを知らないやつらはおらんしな」

 

 伊江に続いて霊華と連華はそう言うとみんなは笑うが、勇樹だけは何か引っかかるのか考え込んでいた。

 

「勇樹、何を考えていますか?」

 

 それを見た綺羅は彼に言うと、考えていたことを話すように「実は引っかかることがあるんだ」と言いだした。

 

「引っかかること? それは?」

「通信機なんだ、あの時みほと話していたが少し間があって」

「間がある…時間は?」

「30秒程度だけど」

「30秒…時空の乱れが発生してから数秒レベルですね」

「確かに…まてよ、確か粟口田は西住に」

 

 綺羅と勇樹は話をしていると、彼は何かに気づいたのか武器を持ち出すとそのままスペースホワイトナイターから外に出る。

 

「勇樹?!」

 

 それを見た綺羅は慌てて追いかけると、太田たちも「なに?!」「一体どうした!?」と騒ぎ始める。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「うっ…ぐ!!」

 

 その頃Ⅳ号H型では、首を絞められて苦しんでいる和葉がもがいていた。

 彼女の首を絞めようとしている相手は、『西住みほ』……と似た粟口田であった。

 

「どうして…あな、たが…!!」

「Ⅳ号H型の戦車の下に隠れましたのよ、本物が先に乗っていたら後からばれますからねぇ」

 

 粟口田はそう言いながら振り向くと、タオルで口をふさぎ喋れないようにしロープで手足を縛って動けないようにしているみほたちがいた。

 

「操縦は先頭やっていますし、それ以外は通信機で話すことが出来ます。そして…あたくしの時代はもうすぐきますからねぇ」

 

 粟口田はそう言いながら首を絞めていく、和葉は必死に抵抗するが。手足にロープをしているため動くことができない。

 意識が薄くなっていき、頭に血が上り視界が暗くなっていく。そして息が絶とうとした…その時。

 

 

 コンコンコン!!

 

 

「ん、何ですの?」

 

 外から音がしたため、粟口田は不満な表情で外を見ようとハッチを開けた。その瞬間。

 

 

 ドガアアアアッ!!!

 

 

「ブッ!?」

 

 突然顔に何かがぶつかると、彼女は後ろに吹き飛ばされ。Ⅳ号H型からヘッツアーとポルシェティーガーを超えてⅢ突にぶつかる。

 突然の音にみんなはざわついている中、粟口田は顔を抑えながら立ち上がる。

 

「あなたは…勇樹?!」

 

 彼女が見た先には、武器を手にして立ち上がっていた石川がいた。

 



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第85話『時空移動中の戦闘中に着き、分離』

 時空間移動中、Ⅲ突の上にはみほに化けた粟口田が立っており、Ⅳ号H型には勇樹が立っていた。

 彼の手には武器である薙刀が握られている。

 

「和葉、大丈夫?!」

「ヒュー…ヒュー…」

 

 綺羅はⅣ号に入って和葉を救うと、伊江も入っていき「みほ! みんな!」と急いでタオルとロープをほどいていく。

 

「お前たちどうしたんだ!?」

「っ! 伊江さん!」

「粟口田が突然入ってきたと思ったら、私たちを抑えて」

「叫ばないようにタオルをして暴れないようにロープで縛られたの!」

「そして優木殿を襲おうとしたのです!」

 

 伊江の言葉にみほは反応し、麻子と華と優花里が説明すると彼女は「なるほど」と言いながら、懐からナイフを出して、手足に縛れらているロープを切っていく。

 

「声まで似させるとは…あいつは只者じゃないな」

「ええ、わたくしたちも驚きました」

 

 華はそう言って外を見ると、粟口田は腰から刀を出して構える。

 

「目的は2つある…1つは和葉を殺して黒薔薇の情報を削除」

「あ、そう言えば和葉さんって元黒薔薇の」

 

 伊江の言葉に沙織は和葉を見る、彼女は怯えるようにみほの腕にしがみついている。

 

「暗山殿、それにしてもあの方は…」

「黒薔薇の一員だと考えればわかる、あいつは一体どれくらい強いかオレは分からん」

 

 伊江はそう言って彼らを見ていると、下から何かロケット音が響いてきた。

 彼女は何かと思い、下を見てみると。黒色のスペースシャトルが飛んでいた。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「はあっ!!」

「でりゃああ!!」

 

 ガギィインッ!!

 

 その頃勇樹と粟口田は攻撃をしており、薙刀と刀により火花が散っている。

 

「やりますわね勇樹さん!」

「お前こそ…目的があるなら、たとえ命が絶えてもか!!」

 

 ガギィインッ!!

 

 2人の動きにみんなは驚いている、会長は「こりゃすごいね」と言いながら干し芋を食べている。

 

「こ、これは一体?!」

「石川君と粟口田さんが…見えない速さで?!」

「見えないとは言い切れませんが、確かに早いです」

 

 それを見ていた河嶋たちも驚いていると、通信機から太田の声がした。

 

『もしもし杏さん! 聞こえたら応答してください!!』

「ん…ハイハイ太田ちゃん、どうしたんだい?」

『杏さん…突然ですがお願い良いですか?」

 

 太田の言葉に彼女は「ん、お願い?」と目を丸くするのであった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「やああっ!!」

 

 ギィィイイインッ!!

 

 粟口田の攻撃に薙刀が飛ばされ、近くの戦車に刺さる。勇樹は右手を抑えながら彼女を睨みつける。

 

「お前、この力はもしかして!」

「データーパーツ、簡単言いますとドーピングですわ。ただしただのドーピングではない規定量の約4倍もあるハード型の!!」

 

 粟口田はそう言って彼に向けて攻撃するが、勇樹はカバンから双剣を出して防ぐとそのまま彼女のおなかを蹴って遠くに飛ばす。

 

「ふっ! 用意していましたの?!」

「甘かったな、一応だと思って用意した予備の武器だ!」

 

 勇樹はそう言って立ち上がるとそのまま粟口田に攻撃していく、だが彼女も刀で攻撃を防ぎながら攻撃をしている。

 そうしていると、粟口田が戦闘中にもかかわらず突然「ふっ」と笑った。

 

「何がおかしい?」

「おかしいですわよ…なぜあたくしがあなたと戦っているか…わかりませんの?」

「戦っている…まさか!」

 

 粟口田の言葉に勇樹は何かに気づくと、彼女は「ええ、そうですの」と答える。

 

 

「あなたたちは皆さんを元の世界に避難させていると思いますが、逆にあたくしたちがそっちに行けば黒薔薇の皆さんの計画は実行する…あらかじめ考えていたらどうですの?」

 

 

 それを聞いた勇樹は「計画していたのか!」と叫ぶと、彼女は「ふふっ!」と答える。

 

「あなたたちの世界に行けばあたくしたちは世界を変える、そしたら歴史上の偉人になる…西住流を壊すことも!」

 

 粟口田はそう言うと刃から『カタカタカタッ!!』と金属音がしてきた。

 

「真下にはあたくしたち専用の『ブラックロケット』を用意していますの、あたくしがどこかに行ってもその宇宙船は自動で追いかけるようになっていますわ!」

「自動で…そうか」

 

 粟口田の言葉に勇樹は答えると、彼女は「ようやくわかりましたわね」とほほ笑みながら答える。

 

「あたくしがみほさんに整形したのは西住の師範を暗殺する、それと同時に戦車道を破壊する…正式には戦車を回収してメカの資源にしていきますのよ」

「それで戦車道に行っていたのか…しかし謎がある」

「なんですの?」

「家族だ、特に妹と弟が事故に巻き込まなかったのがだ」

「ふふ…計画の邪魔になりますからそのままにしましたのよ、もちろん親戚がいましたからそれは安心して下いまし」

 

 粟口田はそう言っていると勇樹は「そうか…それでわざと黒薔薇に」と言うと彼女は「その通り」と言いながら彼のおなかを殴る。

 その衝撃で勇樹は「ぐっ!?」とひるむとそのまま後ろに引き下がる。

 

「このままあなた方を倒せば計画は順調…邪魔などはしてほしくありませんわ」

 

 粟口田はそう言うと矢先を殻に向ける、ヘッツアーの上に倒れて動かない勇樹はそのまま彼女を向くと刀を見つめる。

 

「あら、もう降参ですの? あっけないですわね」

「降参…それはまだ早いな」

 

 勇樹はそう言って刀をつかむと粟口田と一緒に戦車から飛び落ちる。まだ時空移動途中なのに。

 

「な、なにをするんですの?!」

「これをするんだ。ここまでしたら流石に終わるのかと思ってな」

「そう…でもブラックロケットはどうしますの? あたくしがいなくても機体じたいが」

 

 粟口田はそう言うが勇樹はにやけると同時にこう言った。

 

 

 

 

「仲間の事、忘れんなよ」

 

 

 

 

 その言葉を聞いた彼女は急いでブラックロケットを見ると、メカから黒い煙が出てくると同時に墜落し始めた。

 

「なっ! まさか!!」

「絶対、西住に手を出してたまるかよ!!」

 

 勇樹はそう言うと、粟口田と共に黒い穴へと落ちていく。

 

「勇樹さん!」

 

 みほは急いで助けようと出るが、綺羅が「だめです!」と彼女を押さえつける。

 

「あなたが落ちたらもう元の世界に戻れません!」

「で、でも勇樹さんが!」

 

 戦車から出ようとするみほに対して綺羅は押さえつけている、優花里たちも「離してください!」「みぽりんの邪魔しないで!」と加わるが、月奈たちがそれを引きはがしていく。

 そうしているとみんなは白い穴へ入り込み、ある場所へと到着する。



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第86話『戻ってきた世界と過去からの手紙…そしてみほの話』

 熊本県熊本市、西住流本家の居間では師範である西住しほが外を見つめていた。

 彼女は今、あの二人が無事かどうか心配している。勇樹に頼んだとはいえ彼らでも限度はある。

 長女は西住流の後継者、次女は新たな西住流になる。母としては期待が高く安心する娘たちだが、黒薔薇と小春田と名乗る人がいたため無事でいられるかどうかわからない。

 

「まほ…みほ…」

 

 しほは心配するようにそう言った…その時。

 

 

 

 ドガアアアアッ!!!

 

 

 

「何この音!?」

 

 突然訓練場から音がしたため何かと急いでいってみると、無数の戦車と巨大なメカがまるで事故を起こしたかのようにバラバラにぶつかっていた。

 

「これは?!」

 

 しほは驚いていると、Ⅳ号H型からみほが出てきて目を回していた。

 それを見た彼女は「みほ! 一体何があったの!?」と駆けつけるが、彼女は気絶していた。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「っ! ここは…」

 

 痛みによって目を覚ました和葉は起き上がると彼女は布団で寝ていた。頭には濡れたタオルが付けていたのか落とした時にはもうぬるくなっている。

 

「えっと…ここは?」

 

 彼女はあたりを見渡すと、機械系が並ぶ内部ではなく和室の一室にいた。

 一体何があったのか戸惑っていると、襖が開き和服姿をした女性が入ってきた。

 

「大丈夫ですか和葉様」

「え…はい、大丈夫です」

 

 彼女の言葉に和葉は答えると、彼女は「これを」とある手紙を渡す。

 和葉は「これは」と受け取るとそこには『和葉へ』と書かれていたため、彼女は手紙を開けるとそこにはある文章が書かれていた。

 

『これを見た人へ、

 これを見た人はオレたちは少しピンチになっていることを現している。実はオレたちもピンチ。

 まぁこれは想定内と言ったほうが良いかな? 洗えないレベルだけど…。

 話は逸れてしまったから本題を言う。

 

 この手紙を見た人はお願いがある…、みほを守ってほしい。

 みほは今何者かに狙われている可能性がある、オレたちが何かしらピンチになっているのを利用して相手は彼女を狙う。

 万が一のことを考えて、手紙を書いたと思うが、これは嘘…と思うだろうな?

 

 嘘じゃなければ、今季の大会でどこかの学園が優勝する。

 

 これが事実であったら信じてほしい。そして―』

 

 手紙は途中で書き終えていたため続きは何が描かれているか分からない。だが、彼女はある言葉を言う。

 そして、無音ながら涙を流していた。泣くという感情を感じていない。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「和葉さん、大丈夫でしょうか…」

 

 ところ変わってみほたちは今、西住家の倉庫の中にいた。彼女たちは戦車の修理をしつつ休憩を取り出来る限り万全な対策をしている。

 だが、みほ率いるあんこうチームのみんなは和葉のことが心配なのか、彼女がいる屋敷へと向いていた。

 

「優木殿、苦しんでいましたから…心配しますね」

「そうだな、粟口田に首を絞められていたし、私たちが抵抗しても無理だったから…いてて」

 

 麻子はそう言いながら腕を抑える、それを見た沙織は「大丈夫麻子」と心配される。

 

「さっきの揺れ、激しかったね。戦車をしていた私たちも驚いたよ」

「いくら戦車でもこの揺れには対応していませんからね…」

「わたくしも驚きました」

 

 沙織に続き優花里と華も同意するように答えると、杏がやってきて「そうだねぇ」と感心するように答える。

 

「会長、みなさんと戦車は大丈夫ですか?」

「大丈夫大丈夫武部ちゃん、みんなは軽傷で済んだし他の戦車やヘッツァーは結構丈夫に改造したから修理は簡単に終わった…だけど」

「和葉さんですね」

 

 杏に続き華も一緒に屋敷を見て答える。するとみほは「少し見てくる」と立ち上がると屋敷の方へと走っていく。

 

「みぽりん…」

「西住殿、やはり優木殿が心配ですね」

「そうだな…それよりも会長はどうしてここに」

 

 麻子の質問に彼女は「あたし?」と言うと、懐から例の紙を取り出した。

 

「これなんだけど…あたしの干し芋の袋の中に隠していてね。ちょっとした設計図なんだ」

「設計図…設計図?!」

 

 沙織の言葉にみんなは反応すると、彼女は「そうそう」と答えながら紙を広げていく。

 

「少し見たんだけど、結構大きくてねぇ。これは石川ちゃんが万が一のことを考えて優木ちゃんに授けた物じゃないかな…」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「和葉さん…どこにいますか?」

 

 みほは今和葉のところへと行くが、菊代の話によると「外の空気を吸っております」と言われたため探している。

 しかし彼女の姿がないことに違和感があったため、廊下を歩きながら彼女を呼んでいる。だがどれだけ呼んでも彼女の声がしなかった。

 

「どこに行ったのかなぁ…」

 

 不安になるみほはもう一度呼ぼうとしたその時、まほが襖の前に立っていた。

 

「お姉ちゃん、どうしたの?」

「しっ」

 

 みほが言いかけたところでまほが静かにするように合図したため、彼女は何かと音を静かにする。

 

 

 

『あなた、それ本気で言っているの?』

『はい、本気です…私の使命はこれです』

 

「和葉さん…」

 

 

 襖越しからしほと誰かが話をしている、その相手は意外なことに和葉であった。

 みほは「どうして和葉さんが」と小声で言うと、まほは「それだが」と言い始めた。

 

 

「護衛の件と同時に粟口田を倒す話をお母様と和葉が話をしているんだ」

「え、どうしていきなり…」

「私も初めてだ…だが、今までみほと彼らの行動を見ていると」

 

 まほの言葉にみほは「うん」と答えると同時に文章が頭に浮かぶ。

 

 なぜ、勇樹たちはみほを護衛するのか。そして和葉は一体しほと何の話をしているのか。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「和葉さん、あなたが狙われていることも知ってみほを守るのですか?」

「はい、勇樹さんたちが戻ってくるまで私が守ります」

 

 書斎では、しほと和葉が何か大事な話をしていた。その話はみほの護衛という話だが、なぜその話をするかと言うと。

 

 

「みほさんが狙われるとしたら、私が囮となり。出来る限り彼女を守りつつ遠くへ逃げさせるようにします」

 

 

 粟口田の目的はみほの可能性が高い、もし襲われたら自分がみほの身代わりとなり彼女から出来る限り離させるようにしていく。

 命を落とす行動であるが、和葉はそれを知っていながらも彼女を守るようにしていた。

 

「私は元敵ですが、通っていた学園で鍛えています! たとえ命を落とす行動でも、使命を果たして見せます! だから―」

 

「落ち着きなさい和葉さん」

 

 しほは冷静に和葉に言うと、彼女は「え、はぁ…?」と目を丸くしながら言葉を慎む。

 そしてしほは、和葉に向けてこう言った。

 

「あなた、西住流と言うのは知っていますか?」

「西住…あ、勇樹さんから聞きました。『何があろうと前に進み相手に勝利することこそがすべてである』でしたね」

「ええ」

 

 和葉の言葉にしほは答える。が「しかしそれは私たちが間違っていたことです」と否定するように答える。

 

「え、どうしてですか?」

「私たちは今まで勝利のためなら多少の犠牲は当たり前だと考えていました…しかし」

「しかし?」

「プラウダとの戦いで黒薔薇の生徒が企てた計画により小梅たちはプラウダと一緒に川に落ちて流されそうになったのです」

 

 しほの話を聞いて和葉は「え、そんなことが」と驚愕している。

 

「みほのおかげで彼女たちは助かりましたが…彼女はそれが原因で10連勝を逃して周りに迷惑かけたのではないかと思い、大洗に転校しました」

「あ、それで同じ西住なのに大洗と黒森峰にいるんですね…」

「ええ、私は正直憤る行為だと思いましたが。命を優先にする彼女の勇ましさは私やまほもできることではありません」

 

 しほの話を聞いたまほもそれを聞くと「確かにそうだな」とこころのなかでどういする。

 

「彼女の行為は、命を懸けて仲間を助けた。負けた代償に仲間を助けた…私は正直みほをほめたかった。ですが彼女は転校してしまった」

「それって先ほどの」

「ええ、彼女が転校したことで副隊長はエリカになり一時は黒森峰は慌てていたわ」

 

 しほの話を聞いたみほは小声で「本当、お姉ちゃん」と言うと彼女は頭をこくりと動かした。それを見た彼女は「し、知らなかった」と怯えるように答える。

 

「正直、私は母親失格じゃないかって思ったわ。あの子を責めていたかもしれない」

「え、でもまほさんがいるのでは?」

「まほはまほの道があるのよ、みほの道を聞いてみようとしたんだけど…その前に」

「あ…それででしたか」

 

 しほの言葉に彼女は理解すると、彼女は「あなたに伝えたいことがあります」と言いだした。

 

 

「あなたが出来限りですが。あの子…みほの道を見守ってください」

 

 

 しほはそう言うと和葉も「は、はい…こちらこそ」と言いながら頭を下げる。



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第87話『過去の話と今の目標』

 しほと和葉の話が終わり、和葉は部屋から出ると倉庫へと行きみんなに謝ろうとしていた。すると。

 

「みほさん、まほさん」

 

 襖に立って隠れていた彼女たちに和葉は反応し、まほは「勝手に聞いてすまない」と謝る。

 

「お母様があそこまで考えていたのは初めて知った…まさかみほのことまで」

「うん、お母さんはやっぱり私のことも考えていたんだね…小梅さんたちのことも」

 

 まほとみほがそう言うと、和葉は「あ、そう言えば小梅さんって確か」と彼女を思い出すと、まほは「ああ、彼女だ」と答える。

 

「当時の彼女は仲間重いが強いが戦車の指示を出すのがあまり上手ではなかった」

「でも小梅さんはみんなと違って嫌味を言わない、正直に話すことがあるの。私も驚いたよ」

 

 まほとみほはそう言っていると、和葉も「そう言えば」とあの時を思い出す。

 前に一度黒森峰のみんなと一緒にいたとき…。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 黒森峰と一緒にいたとき…それは勇樹の世界で一度高校生専門の居酒屋に寄ったとき。

 

「ここが 居酒屋『high squash』なのね」

 

 黒森峰の副隊長であるエリカはそう言って看板を見ると、まほは「勇樹が言っていた場所がここだとは意外だな」と答える。

 

「高校生専門の居酒屋、ノンアルコールを提供している唯一のお店。マニアで有名なところなのは理解するな」

「そうですね、予約は勇樹がしておいたと聞きましたので入りますか?」

 

 エリカの言葉にまほは「そうだな、少し肌寒いし。みんな」と言うと、生徒らは「はい」と答え、店の中に入る。そして見かけたのは。

 

 

「いらっしゃいませー。お一人様ですか、それとも団体様…あ」

 

 赤いエプロンに白色のハンカチを頭にした少女、和葉はまほを見た瞬間顔を真っ赤にし、「よ、予約した方ですか」と小さな声で言うと、まほは「ああそうだ」と冷静に言う。

 

「初めて来るところで少し早めに来たが、大丈夫でしたか?」

「い、いえ。多少早めに来ても問題はありません…それよりもお席を案内します」

「ああ、そうだったな。団体の場合はどちらに?」

 

 まほの言葉に和葉は「えっと」と近くにあった地図を持ってくると、説明をしだした。

 

「1人、4名までは1階で。団体の人の場合は2階となっております。予約した内容ですと団体なので2階となりますね」

「そうですか、では上に行きましょうか」

 

 まほはそう言うとみんなは「わかりました」と答え、2階へと上がっていく。

 それを見た和葉は「ほっ」と安心し作業に戻ろうとした…すると。

 

 

「あの、少しいいですか?」

「え」

 

 

 後ろから声がしたため彼女は振り向くと、小梅が和葉のそばにやってきていた。

 

「えっと…小梅、さん?」

「はい、黒森峰戦車道をしておりパンターG型の車長をしております」

 

 彼女の言葉に和葉は「あ、そうですか」と答え、作業に戻ろうとするが。店長が出てきて「今日は休め」と言ってきた。

 

「え、でもまだ時間が」

「たまには休め、お前は少し働きすぎだ。心配するな、事情は私が話しておく」

 

 店長はそう言いながらタイムカードに『終』を押すと同時にカードを入れると、カードは17;30と記入された。

 

「あ、それでは…終わります」

「ふふ」

 

 和葉の言葉に小梅は微笑むと、彼女は「それでは」とエプロンを畳むと小梅に「少しお待ちください」と言い、どこかへと行き数分後。彼女は私服へと着替え外に出ようとするが、小梅が「上に行きますよ」と彼女の腕をつかむ。

 

「え、でも私は黒森峰の」

「いえ、隊長から話をしたいらしいので」

「隊長…まほさんから?」

 

 彼女の言葉に小梅は「はい」と答えると、和葉と一緒に上へとかけあげり黒森峰がいる部屋へと入っていく。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「小梅長かったな…その子は確か」

「元黒薔薇の生徒…確か優木和葉ね」

 

 まほとエリカの言葉に和葉は「ど、どうも」と後ろに引いていく。

 それを見た小梅は「下からお休みをいただきましたので」と言うと、彼女は「そうか」と答える。

 

「なら少し食べるか? 小梅が少しミスをしてな」

「え、でも迷惑じゃないですか? 黒森峰のみなさんと一緒なのはちょっと」

「別にいいわよ、たまには一緒に話してみたいし」

「エリカもそう言っているからどうた。もちろん私もだ」

 

 まほとエリカの言葉に和葉は渋々と「わ、わかりました」と言いながら席に着くと、他の生徒から「コップ持ってきて」「飲み物ある?」と声がし、和葉の分を用意していく。

 そして和葉の用意が終わるとまほが「それでは」と立ち上がると同時にあることを言いだす。

 

 

「間はあったが。私たち黒森峰は、勇樹と共に小春田の手掛かりがあると聞きドイツまで行った。しかしそこで彼女たちに襲われてしま危険な目に遭った、しかし勇樹と彼の仲間のおかげで私たちは今がある」

 

 

 まほの言葉に生徒らは頭を上下に動かすと、エリカは「そうですね」と同意するように答える。

 

「そして、彼女は元黒薔薇の生徒の優木和葉。勇樹からは元敵であり今は味方だ」

「あまり責めないでください、彼女も少し心に傷があるので」

 

 小梅のフォローにみんなは「なるほど」「わかったわ」「それなら納得できます」と声がする。

 

「それではみんな、今回は心休まるお食事を行おう。乾杯!」

 

『『『乾杯!!』』』

 

 

 まほの合図にみんなは答え、和葉も怯えるように挨拶をする。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「わずかな瞬間、小梅は和葉のことを知った…意外だった、私が聞く前に知ったのは戦車道大会以来だ」

「私も、小梅さんは他の人と違って優しい所があるから」

 

 まほとみほの言葉に和葉も「そうですね」と納得するように答える。すると。

 

 

 

「優木ちゃん、ちょっといいかな?」

 

 

 後ろから声がしたため何かと振り向くと、珍等師学園高等部の生徒会長の甘井ココアがやってきていた。

 

「会長、どうしたんですか?」

「いま杏会長さんから『西住ちゃんと優木ちゃんを呼んできて』と言われてね、あたしもちょうど呼ぼうと思ってきたんだ」

「私と、和葉さんにですか?」

 

 みほの言葉に彼女は「そうだよ」と簡潔に答えると、まほは「それで話は」と質問する。

 

「話は一体どんな内容ですか?」

「それなんだけど、実は石川ちゃんからのちょっとした伝言用紙があって…倉庫に」

 

 ココアの言葉に何か察知したのか、まほは「そうだな」と言うとみほも「わかりました」と答える。

 和葉は「伝言用紙…中身は一体」と考え込み、そのまま倉庫へと歩いていく。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 倉庫内では他の生徒たちが戦車やメカの修復をしており、それをみほは「あと少しで直るんだね」とつぶやくように言う。

 

「思った以上に激しい衝撃だからけが人は出ましたが、幸い特殊カーボンを使用しているため軽傷で済んだ人がいましたから」

「そうか、戦車や生徒は無事なのはわかったかがメカは?」

「持っている『修復用の部品』ですぐに済みます。少し時間はかかると思いますが」

 

 みほとまほの言葉や質問に和葉は答えていると、ココアが「こっちだよー」と声がしたため彼女たちは急いでココアの後を追うように歩いていく。

 

 

 そしてココアが付いた場所は『会議室』と書かれた部屋で、そこには各隊長たちが揃っていた。

 

「杏ちゃん、呼んできたよー」

「お、ありがとねココアちゃん…さて」

 

 杏はそう言って椅子に腰かけると、どこからか1枚の紙を出してきた。

 

「アンジー、その紙は?」

「この紙なんだけど。実はこの倉庫の中にあった物なんだ」

 

 杏の言葉にみんなはざわつくと、カチューシャは「ちょっと待って」と言いだした。

 

「勝手に持ってきて悪くはないの?! もしそれが黒森峰のだったら」

「あたしも初めはそう思ったんだ。だけど…これを見てほしい」

 

 彼女はそう言いながら丸めた用紙を広げていくと、そこに書かれていたのは…。

 

 

『ラッセルタンカーの設計図 作:石川勇樹』

 

 巨大なラッセル車の図面が描かれており、右上にはメカの名前を設計図を描いた人の名前が書かれていた。

 

「石川勇樹…彼がここに来たのか?!」

「わずかな時間でここまで仕上げた…流石ですわね」

 

 設計図を見たアンチョビは驚き、ダージリンは冷静に答えながら紅茶を飲む。そしてミカも「そのようだね」と答えながらカンテレを鳴らす。

 

「そうなんだ、大きさからすると約20メートル前後、ラッセル車だから車輪はあるけどキャタピラのように動かす構造になっているんだ」

「それにしては結構大きいわね、どうして?」

「うーん、結構時間かかりそうだね…」

 

 杏の言葉にカチューシャとナカジマは図面を見ながら言っていると、みほは「あ」とある事に気づく。

 

「みほどうしたんだ?」

「うん、もし勇樹さんが用意したなら…必ずメカの部品はどこかに隠されているんじゃないかなと…」

 

 みほの言葉にエルヴィンは「それなんだが」とある報告をする。

 

「実はそれを見て私たちは倉庫外を探したんだけど、それらしき入れ物がなくて」

「戦車やメカの中に入れているんじゃないかと確認したわ、でもなかったのよ」

 

 エルヴィンに続いてみどり子も言うと、祭梨は「それじゃあ」と設計図を見ながら答える。

 

「どこかにあるとしたら…一体どこだ?」

「私たちにも分かりません、ですが」

「このような事態は、初めてですわね」

 

 お銀に続いて、エルとダージリンは答えた…その時。

 

 

 

『電話、電話』

 

 

 

 和葉の携帯から着信音が鳴ったため彼女は「す、すみません」と言いながら電話に出る。

 

「はい優木和葉です…え、三日月さん?」

「What? 三日月がどうしたの?」

 

 和葉の声にケイは反応すると、彼女は「はい、三日月さんからですが」と彼女はそう言いながら電話の受信機をスピーカーモードに変えて机に置くと。

 

『和葉、そっちは大丈夫?』

「え、大丈夫ですけど…どうして?」

『実は地面の中を掘ってみたんだけど…あ、もちろんあの薔薇のことが気になってね』

「薔薇…ああ、確か行ったときに生徒の一名が掘っていたわね」

 

 ケイの言葉にナオミも「そう言えばそうだな」と思い出したかのように反応する。

 

「それで三日月、地面を掘って何かわかったの?」

『それが…何もないのよ』

 

 三日月の言葉にココアは「意外だねぇ」と反応をする。

 

「何もないってことは、偽物を用意したのかしら?」

『可能性はあるわ、生徒からは『囮として掘っていけ、来たれ逃げろ』と上からの命令でやっていたようよ』

「なるほど、今までの行動は私たちを騙すための行動で。本当は」

『軍隊流派にしまっていた例の資料を奪うってことね…それともう一つ情報が』

 

 三日月が言った『情報』にダージリンは「なにかしら、その情報は」と言うと、彼女はこう答える。

 

『これは軍隊流派からの知らせなんだけど。どうやら彼女、顔だけ整形していたという話を手に入れたわ』

「あ! もしかして!」

「そうか…声も真似していたか?」

 

 まほの質問に三日月は「そうね…その連絡もあったわ」と真剣に答える。

 

『続きはそっちに行きたいけど、もしかして彼が言っていた例の』

「ああ、時空間の異常。今は熊本にいるが私たちの世界のだ」

『あちゃー、それもそっか…仕方ないね。こっちも来るようにできる限りやるから、後は出来る?』

 

 三日月はそう言うとケイは「わかったわ」と答えると、電話越しから『じゃあね、バァイ』と同時に電話は切れる。

 

「ふむ、まさかここまでやるとはな…みほ」

「うん、粟口田さんの目的がわかってきたかも」

 

 まほとみほはそう言うと、杏は「それじゃあ最後は」と和葉に向けると、彼女は「え、ええ?!」と慌てだす。

 

「優木ちゃんの力が必要なんだ」

「そうね、和葉」

「あなたの力が必要ですわ」

 

 杏に続き、ケイとダージリンもそう言うと彼女は「え、でも…」と戸惑い始める。

 

「わ、私はどうやっても無理だと思いますし…それに」

「自信を無くさないで」

 

 みほの言葉に和葉は「え」と驚くと、彼女はそのまま話していく。

 

「あなたは、私たちと一緒にいてどうたった? 楽しかった?」

「えっと…たのし、かったです」

「うん、そうだね。私たちも楽しかったよ」

「え…みほさんも楽しかった?」

 

 みほの言葉に彼女は「うん」と答え、ポエットから1枚の写真を取り出す。

 

「私と優花里さん、沙織さんに華さん、麻子さんと和葉さんと一緒にいて私は思ったんだ」

「思った?」

「うん、私は一人じゃない。みんなといるから私は今がある。和葉さんもそうだよね」

 

 みほの言葉に和葉は「あ」と気付いた。

 

 

 華と一緒に射的をしたり、優花里と一緒に写真を撮ったり、麻子と一緒にご飯を食べ、沙織と一緒に服を選んだり。そしてみほと一緒にボコと話をしたこと…。

 それを思い出した彼女は何かに気づき、みほに向けると彼女も「気づいたんだね」とほほ笑む。

 

「私、一人じゃないんだね…」

「うん、私たちがいるからあなたがいる…そうだよ」

 

 みほの言葉に彼女は「そうですね…」と言うと立ち上がり、各隊長たちに向けてこう言った。

 

 

「みなさん。今回は迷惑をかけると思いますが…よろしいですか?」

 

 

 和葉はそう言って頭を下げると、杏は「そうだねぇ」とほほ笑みながら答える。

 

 

「そんじゃあ、少しやるか」

「大変そうですが、同意しますわ」

「そうね! 私も賛成よ!」

「万が一おなかがすいても、私たちに任せろ!!」

「カチューシャの団結力も舐めないでね!」

「私たちもだ、機械系は得意ではないが出来る限り手伝ってやろう」

「我々もです! 和葉さんのためならたとえ火の中水の中!」

「出来る限りこっちもやる、どうかな?」

「私たちも行くか…後でお礼を」

「細かいことも任してね、安藤と押田の力でできるかも」

「美はともかく、見た目を木を付けるのも重要ね!」

 

 

 各隊長はそう言うと、和葉は「ありがとう…ございます!」と再度頭を下げる。

 

「あはは! そう言われるとさらにガンバちゃいそう!」

「ええ、本当にそうね」

「それじゃあ始めるか、優木ちゃん」

 

 

 杏はそう言うと、和葉は「はい!」と元気よく答える。



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第88話『メカニック工程中に信号。そして完成と襲われた!?」

 倉庫内では何かが作る音が響く、金属がぶつかり合う音が何度も響く。

 

 ガンガンガンッ!!

 

「ふぅ、和葉。これで良いかな?」

「はい! これをその装置に付けてください」

「りょうかーい!」

 

 和葉の指示にナカジマは答えると、装置に付けてバーナーで固定していく。

 

「和葉さん、これは一体どこに付ければいいの?」

「そのパーツは『第10型』に、簡単に言いますとエンジンの一部なので」

「エンジン…あ、あそこね」

 

 和葉の言葉にそど子は答えると、パゾ美とゴモ代に指示を出していく。

 

「間に合うかな、少し時間がかかりそう」

「そうですね…でも」

「うん、勇樹さんを助けるためにだね」

 

 みほはそう言うと、スパナを持ってメカを作り始めた。

 

 今回作っているメカは今までとは違って大きく、装甲などを考えると完成するのに時間がかかる。

 だがそれは1人の場合での話、今は和葉だけではなく、大洗のみんなや黒森峰、サンダースや聖グロにアンツィオ、プラウダに継続に大学選抜、知波単や青師団にBC地涌学園、そして白薔薇の力を合わせてメカを作っている。そのため通常の約4分の1は完成する可能性が高い。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 ガガガガガガガガ!!

 

「オーライ!! オーライ!!」

「ゆっくりだべー!」

 

 アキとアリーナがそう言って巨大な歯車を装置にはめているのは、設計図に乗っている部分で言うとエンジンと車輪につなぐ重要な部品。

 歯車ははめるのは簡単だが今回作っているのは直径3メートルほどある巨大な歯車、頑丈な金属を使用しているためはめるのにダンプカーやショベルカーなどで使用している。なお、操縦しているのは例のごとく操縦手のみんなであった。

 

 

 ジジジジジッ! ジジジジジッ!!

 

「熱いねぇ…そっちは?」

「少し熱いです、防火服を着ているため少し重いですが」

「それを脱ぐと、さらに熱くなるからやめといたほうが良いよー」

 

 エルと押田、前田の3人は防護服を着てバーナーを使用して装甲となる鉄板をつなげたいたのは、メカのブースターの周辺の金属を熱で溶けないように耐熱の金属を溶接していた。

 

 

 ギュィイイインッ!!

 

「そこを繋げたらそっちか…結構多いね」

「これぐらい大きと、少し大変ね…でも」

「勇樹さんがこのようなメカを作ることを考えれば」

「納得するな」

 

 お銀とエリカ、オレンジペコとナオミは操縦席を設置してインパクトドライバーで固定していた。後ろから一史たちがやってきて「コード付けておきます」と言いながら電子機器にメモリーなどを付けている。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「どうですか会長、勇樹さんからの連絡は?」

「そうだねぇ…武部ちゃん、どうだい?」

 

 和葉の言葉に杏は武部に言うと、彼女は「難しそうだね…」と頭を抱えながら通信機のメモリを変えている。

 

「時空の中に落ちて、その勇樹たちがどこに行ったか通信機で探すなんて…いくら何でも無理だよー!!」

「そうっすね…だけど」

「どこかに勇樹さんは見つかるはずです」

 

 沙織は半泣きで言うが、ペパロニと華が励ますように言うと彼女は「ううう」と言いながらメーターを見つめる。

 

「どうやって探せばいいのかな…通信機は声しか聞こえないからつながるかどうか心配だし…」

「そうですね、せめて道具に反応してくれればいいですが」

 

 沙織と華の言葉に我狼院は「そうだな」と答えて言うと、みほも「通信機届くのか心配です」と答える。

 

「通信機は通信機同士から放つ電波を掴んで聞く、魚釣りの原理と同じですから」

「それが勇樹のかどうかは正直不明…か」

 

 みほとまほはそう言うと、ケイが「何かいい案があればいいけど」と言いながら道具を広げる。

 

「おいケイ、何をしているんだ?」

「ん、道具で何か反応しないかなーと思って」

 

 アンチョビの質問にケイは答えると、優花里は「そう言えば」と何か思い出したかのように言いだした。

 

「この前私たちが行ったとき道具が消えましたね」

「そうそう! 確かに消えたね!」

「わずかだが、私たちが時空移動らしい現象に巻き込まれたとき、石川さんが用意した道具は消えたな」

 

 優花里に続いて沙織と麻子はそう言うと、我狼院は「それは初めてだ」と反応する。

 

「それはどうしてだ? 初めて聞くが」

「石川殿に少し聞きましたが、どうやら国際時空管理局の『時空変換許可』が下りていないと言われていまして。私たちの場合は戦車なので」

「登録する必要はない、改善点がある可能性が低いと言われていたな」

 

 優花里に続いてアンチョビは答えると、彼女は「なるほど」と納得する。

 すると沙織は「あ」と何かに気づいたのか、和葉に聞いてくる。

 

「和葉、もしかしてだけど電話らしい道具とかは無いよね?」

「電話…あ、ありましたよ!」

 

 沙織の言葉に和葉は答え、カバンから何かを取り出す。

 それは細長いカプセル型の道具で、そこには『Yuki Kazuha』と名前が書かれていた。

 

「この『電子電話』ならいけるかもしれません、通信機につなげます!」

「うん、やってみようよ!」

 

 和葉と沙織はそう言って電話を通信機に付け、再び通信機を起動して勇樹たちを探し始めた。すると、通信機を起動して1分後…。

 

 

 ビビビビビビビッ!!!

 

 

『探知アリ、探知アリ。勇樹たちがいるのは2500年のジャングル都市である『ウッドロス』で探知しました』

 

 

 

 

「いたあああっ!! 勇樹たちがいたよ!!」

「場所はジャングル都市…そこって確か南アメリカ大陸ですね! 場所はブラジルの森林部ですね!!」

 

 沙織と和葉の言葉にみんなは「やったぁ!!」と歓喜の声がする。

 

「よし、みんな急いで作る速度を上げろ! 協力していくんだいいか!!」

 

 

『『『『わかりました!!』』』』

 

 

 我狼院の指示に聖とは答えると、まほたちもみんなに伝えメカを作る速度を速めることになった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 メカを作り始めて1日後…、倉庫内ではあるものが完成していた。

 それは巨大なラッセル型のメカで装甲には大洗の『大』の文字をかたどったマークが描かれている。

 

「これが設計図に乗っていた…巨大輸送型メカ。『ラッセルタンカー』」

 

 みほはそう言うと、和葉は「そうですね」と答える。

 

「設計図を見ながら作るのに、約3日はかかるのを皆さんのおかげで1日で出来上がりました…ありがとう、ございます!!」

 

 和葉はそう言いながらみんなに頭を下げるとココアは「気にしなくてもいいよー」と答える。

 

「勇樹ちゃんにいろいろと頼んだからね、御礼としたら簡単だよ。ね、まほちゃん」

「そうだな、前に一度助けたことがあったからな」

「うん、大洗を2回も助けたことからお姉ちゃんの気持ちわかるよ」

「それじゃあ、準備をするか。まだ完全にデータは転送していないし」

 

 ココアに続いて、まほとみほそして杏はそう言う。杏は言うと同時にメカの一部を見ると、白薔薇のみんなが管みたいなのを付けていた。

 

「ココア会長の言う通りだ、少し休憩をとりつつ出動準備するか。幸い道具はまだあるしみんなには睡眠をとっている」

「そうだな、私たちも少し休むとしよう」

 

 我狼院とまほはそう言うと、杏は「そうだねぇ」と同意するように答える。

 

「ま、休むとするか。優木ちゃんは西住ちゃんと一緒に休んでもいいかな?」

「はい、和葉さんいいですか?」

「私はいいですよ」

 

 和葉はそう答えると、まほは「よし、それじゃあ睡眠をとろう」と言った。その時。

 

 

『電話、電話』

 

 

「あれ電話?」

 

 和葉の携帯から電話がしたため出てみると、彼女は「え?!」と目を丸くすると、みほに何かを話した。

 それを聞いたみほは「え、出れますか!?」と言うと彼女は「出ます!」と電話に出ると同時にスピーカーモードに変える。

 

 

『和葉、聞こえるか!? 聞こえたら応答をしてくれ!!』

「勇樹さん聞こえてますよ! 答えてください!!」

『…聞こえている、やった聞こえている!! みんな聞こえている、成功したよ!!』

 

 勇樹に続いて電話越しから他の生徒の声がしたため、みほは「みんな無事なんだ!」と反応する。

 

『電子機器を壊すほどの特殊電磁波を放っているからぎりぎりの範囲でやってみたが行けた!』

「さすが発明家…それで今はどこにいるんだ?」

『場所は未来だからわかりにくい…あ、ただ廃墟となった都市がある。地図は変わっていないよ』

「それ以外に情報は?」

『未来だ、暗雲が続いている場所だから少し周りがわからない…それにメカがあればいいがアブ引き部専用のメカに付いている装置は半壊だから修理しにくいな…どうすれば』

 

 勇樹はそう言っていると、我狼院が「それなら心配ないぞ」と答える。

 

「いまちょうど和葉と私たちみんなが協力して作り上げたところだ」

『作った!? まだ設計図がそっちにはないと思うが…あ!』

「ふふ、どうやら気づいたな。そうだお前が置いた設計図があったんだ、角谷会長の中にしまっていた例のあれでな」

 

 まほの言葉に勇樹は『さすがです!』と答える。

 

『和葉だけだから心配かと思ったが、どうしてなんだ…?』

「わたし、いやみんなが協力したおかげだ。そして」

 

 まほはそう言って和葉を見ると、泣いている和葉をなだめるみほがいた。

 

『訳は分からないが、急いで方が良い。急がないと和葉とみほを―』

 

 勇樹はそう言っていると突然砂嵐が発生し、声が聞こえなくなった。まほは「砂嵐?」と反応する。

 

「まほどうしたんだ? いきなり砂嵐が発生したが…」

「どうやら特殊電磁波に引っかかったかもしれない。それにしてもみほと和葉を狙うと言った。気を付けるぞ」

 

 まほの言葉に我狼院は「ああ」と答える。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 真夜中、倉庫街に設置しているテントの中には多くの生徒が寝ていた。その多くのテントの中に、3名の生徒が入ってきてあるテントの中に入っていく。

 そのテントの中には、大洗のあんこうチームと和葉が寝ていた。

 

「ここだな…」

「それじゃあ運ぶわよ」

 

 2名の生徒はそう言うと、1名の生徒がキャリーケースを2つ持ってくるとふたを開けてナイフとロープを出して2名に渡す。

 その生徒はナイフを手にし1名はロープを手にして彼女の後を追っていき、1名が寝袋に向けて刺さろうとした…が。

 

 

 ドガアッ!!

 

 

「ぶっ!?」

 

 突然寝袋から誰に蹴られ生徒は後ろに倒れると、生徒の1名が「なんだ?!」と驚く。

 だが後ろから「それー!」と声がすると同時に6名がビニールシートで上から覆いかぶさると彼女は「ひえっ!?」と驚き、逃げようとするが「させるか!」とカエサルたちがロープで固定して逃げないようにしていく。

 さらに外に待っていた生徒は、アンツィオとプラウダの生徒たちが抑えて逃げないようにしていた。

 

「やはり狙っていたとはな…同じテントを大量に用意して正解だ」

「ああ、お前たちがこのマークを頼りに探していたのは想定済みだ」

 

 我狼院とまほはそう言って、アンコウのマークが付いたテントを見ていうと、生徒の1名は「知っていたのか?!」と言うとエリカが「ええ、知っていたわよ」と答える。

 

「あんたたちは白薔薇のスパイで活動していたことは知っていたから、念のため変えたのよ」

「意外と警戒すると思ったが、まさか引っかかったとは意外ですね」

 

 エリカに続いて一史も答えると、そど子が「はいどいて」と言いながら粟口田の仲間に手錠をする。

 

「手錠は道具に入っていたから使用できるわ」

「では連行します」

 

 そど子に続いて最上と一緒にて売れていくと、それを見ていたまほは「しかし問題発生だ」と答える。

 

 

「今回はたまたまだからいいが、もしかしたら…」

 

 

 まほの言葉に我狼院は「いつ起きてもおかしくはない…か」と答える。

 

「確かにそうだな…みほ、もう少し和葉を」

「はい、こちらも和葉さんと一緒にいるようにします」

 

 みほはそう言って和葉を見ると、彼女は怯えながら沙織の後ろに隠れて「わ、わかりました」と小さな声で言う。

 

 

 

 

 そして、真剣に言うまほの言葉は、いずれ実現することとは知らず。

 

 

 



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第89話『目的の真意と協力者』

 次の日、まほたちは粟口田の仲間である3名を連れて取り調べを行っている。なお取り調べの場所は簡易小屋の中。

 

「さて、お前たちはなぜ和葉を狙ったんだ?」

 

 まほは仲間の1名に言うが彼女は「知らない」と言いながら目をそらした。

 

「何が知らないんだ? 少しわかりやすくいってくれ」

「和葉を襲ったのは私たちだがそれは上からの命令、私たちはそれをやっただけだよ」

 

 彼女の言葉にまほは「上からの命令か」と答えると、エリカに伝える。

 

「エリカ、この話をみほたちに。そして和葉にも知らせてくれ」

「わかりました、ですがどうして和葉に?」

「彼女は黒薔薇の元生徒だ、粟口田は彼女のことを知って抹殺するかもしれない」

 

 まほの言葉にエリカは「そうですか」と答えると「では伝えに行きます」と答え、みほたちに伝えるために外へと行く。

 

「さて、小嶋に根津子。少し時間はかかるが」

「はい、わかっています」

「正直に話すまで、がんばるか…」

 

 まほの言葉に小嶋と根津子は答えると彼女は「そうか」と答える、

 

「では、少し時間をかけて尋問するか」

 

 彼女はそう言いながら粟口田の仲間に向けて答える。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「そうですか…私を狙ったのは」

「上からの可能性があるわ、彼女たちはそれ以外話していないのよ」

 

 エリカの情報にみほたちは冷静に答えると、沙織が「でも不思議」とつぶやいた。

 

「武部殿、どうして不思議でありますか?」

「え、だってみぽりんの姿に変装した粟口田さんは、どうして和葉さんを狙ったのか気になって」

「沙織さんの言う通りですね、わたくしも少し気になっていまして」

「む、確かにそうだな」

 

 沙織の言葉に華と麻子は同じことを言うと、杏も「確かにそうだね」と真剣に答える。

 

「優木ちゃんが狙われるのは少し気になっていたんだけど、その理由は一体なんだろうね」

「私も思いました。どうしてなんだろうかと」

「確かにそうね、ただただ裏切りだけで狙われるのは不思議ね」

「うーん、どうしてなんだろう?」

「裏切りと言えば、抜け忍があったな。確か命に狙われていると書いていた」

「え、まさか西住さんも狙われていたのかにゃ?!」

「いやぁ、それは流石に考えすぎだと思うよ?」

「ナカジマさんの言う通りだね、これは少し気になるわ」

「だったら和葉に聞いてみるか? 本人なら知っているけど…と言いたいけど」

「「心に傷が付いているから難しいね…」」

 

 杏に続いて、梓、そど子と典子に左衛門佐。猫田にナカジマ、お銀と祭里そして茜と葵がそう言うと、ダージリンが「少し置きましょうか」と答える。

 

「和葉さんは今心に傷があるのもそうですが、昨日からあれを作っていますから眠たそうでしたわ」

「そうだな、ここは少し後で考えるか…」

 

 ダージリンに続いてアンチョビがそう言った、その時。

 

 

 ドガアアアアアアアッ!!

 

 

 突然どこからか衝突する音がしたためアンチョビが「な、何だ?!」と驚く。

 

「外から音がしました!」

「もしかして粟口田の攻撃!?」

 

 梓とみほはそう言うと、ケイが「行ってみましょう!」と急いでみんなは外に出て音がした場所へと走っていく。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 外に出たみんなは音がしたほうへと走っていき、あるものを見つけた。

 

「これって!」

 

 それを見たダージリンは目を丸くして驚く、それを見たみんなも「え、あれって」「うん、そうだよね」とざわつきながら驚いている。

 驚くのも当たり前、落ちた来て者の正体。それは。

 

 

 

「あれって……弾丸?」

 

 

 

 巨大な砲弾型のロケットがなぜか地面にめり込んでいた。先ほどのだろうか、ブースターと思われるところから煙が出ていた。

 すると、一部の装甲が動くと中からモノクロカラーのロングヘアーをした少女が出てきた。

 

「いててて…何とか逃げ切れたな」

 

 少女はそう言いながら外を見ていると、みほが「あ、あの」と言ってきた。それを聞いた少女は「ん?」と彼女を見て数秒後。

 

 

「……あんた、確か西住か?

 

 

 彼女の言葉にみほは「あ、えあ!?」と目を丸くして驚いている。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「それじゃあ、あなたたちが勇樹さんが言っていた『新ブン・ボーグ』の方たちですか?」

 

 ペコの言葉にモノクロカラーをした少女は「そうだ」と簡潔に答える。

 

「話は勇樹から聞いていたから少し戸惑ったが、まさか粟口田が敵だとはな」

「幹部の皆様ではないのが幸いですが、仲間が多くて少し大変でしたわね」

「まぁあいつらが乗ってきたこの弾丸型ロケットエンジン付き飛行機で逃げてこれたのが幸いだ」

 

 彼女に続いてお嬢様口調で話す虹色再度テールの少女と白色のおさげをした少女が言うと、エリカは「それよりも」と質問をする。

 

「あなたたちの名前は? 少し気になるけどいいかしら?」

 

 エリカの言葉にモノクロカラーをした少女は「あ、そう言えば忘れていたな」と反応する。

 

「オレは摸野(もの)沙市音(さしね)だ、まぁこいつらのリーダーだ。そして」

「メカ開発者基発明家の(まどか)筆子(ふでこ)ですわ」

「ちょっとした戦闘員のイレイザー(Eraser)白井(しらい)だ。鶴来は…あー今は無理か」

 

 白井はそう言いながら外を見ると、山郷たちと遊んでいた。

 

「いいんですの沙市音様、鶴来さんを遊ばせといて」

「いいじゃないか? あいつ少し光に浴びないとストレスで少し落ち着かないし」

「そう言えばそうですわね…まぁ少しは日に浴びさせときましょう」

 

 円がそう言うとペコが「あの」と言ったため沙市音たちは「ん?」と反応する。

 

「どうして粟口田さんから逃げてきたのに、あの飛行機で来たんですか?」

「あー、実は粟口田の情報が手に入ったんだ。それを持って帰ろうとしたら」

「仲間に気づかれてしまいましたの」

 

 沙市音と円の言葉にペパロニは「へー、それであの飛行機てきたんすか」と納得する。

 

「それでその情報は一体なんですか?」

「勇樹から聞いたと思うが、1つは西住流を破滅する。もう1つは和葉を抹殺。それとだけど、勇樹たちを時空の嵐に消すことが目的だ」

 

 沙市音の言葉にペコは「時空の…嵐?」と言うと彼女は「ああ」と答える。

 

 

 

「時空の嵐…まぁわかりやすい言葉で言うとしたら、小人がアリの巣で迷路になるのと同じだ」

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「へぇ、これが勇樹君が設計したメカの図を作ったんだ」

「意外だねぇ」

 

 その頃、他のブン・ボーグのみんなは倉庫にある大型メカ『ラッセルタンカー』を見ていた。

 

「あの人たちに見せてもいいかな?」

「怪しいとは思うけど、あのオレンジのショートヘアーをした女性が『沙市音さんの仲間だから安心して』と言いながら写真を見せたから安心はするけど」

「少し危険だな」

 

 みほたちはそう言いながら扉から見ていると、オレンジ色のショートヘアーをした女性が何かに気づき振り向く。

 みほたちは急いで隠れるが、女性は「出てきてもいいよ、襲ったりしないから」と言いながら微笑んだ。

 

「えっと…あ、あの」

 

 みほはそっと出てくると彼女は「っと、ごめんごめん」と言いながらしゃがむ。

 

「私はバンド(Band)・ナワジマ。沙市音さんとは学校で知り合った後輩みたいなものんで、この人たちが」

「わしは神条(かみじょう)吹雪(ふぶき)じゃ、まぁ子供に見えるがこう見えて高校生じゃ」

電子(でんし)卓也(たくや)、唯一の男性です…彼が来てから安心しますが」

「オレ様は丸尭(まるたか)挺子(ちょうこ)だ。よろしくな」

春日井(かすがい)小潟(こがた)…無視はしないでね」

「アタイは布忍(ぬのせ)月詠(つくよ)! でこの子が弟の則都(のりと)則都だよ」

「弟の…則都です…」

「私は№259の木野(きの)色刃(いろは)、マスターが作ったサイボーグです」

「私は双子の板野(いたの)黒羽(くろは)だよ! そして」

「ボクは、双子の白葉(しろは)…よろしくお願いします」

「そして、この子たちの顧問であり学園の教師の久利登米(くりとめ)仁美(ひとみ)よ」

 

 みんなはそう言うと、みほは「は、はぁ」と目を丸くしている。

 

「よ、よろしくお願いします…」

「うんうん、元気がいいねぇ」

 

 みほが握手をすると彼女も握手をし、元気よく上下に動かす。

 

「それで、ここの生徒会長はいるかな? 先生が少し話したいから」

「あ、アタシの事?」

 

 ナワジマの言葉に杏がやってくると、仁美は「あらあなたが生徒会長?」と反応する。

 

「そうそう、あたしが大洗生徒会の生徒会長。角谷杏だよ。よろしくね」

「ええ、私はこの子たちの教師をしている久利登米仁美よ」

 

 杏の言葉に仁美は答える姿に、沙織は「馴染んだね」と目を丸くして答えるのであった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「なるほど、それじゃあその粟口田は西住ちゃんと優木ちゃん以外に石川ちゃんを狙っていたんだ」

「そうよ、まぁ私も教師してこういう事件に巻き込まれて少し大変だけど。教師として見逃せないわ」

「特に、この小娘がまさか狙われるとはな…どうする」

 

 挺子の言葉にダージリンは「そうね」と真剣に考えていると、ナワジマが「それだったら」とアイデアを言い出す。

 

 

「一緒に行ったらどうかな? 情報共有以外に和葉さんを護衛する役目があるからね」

 

 ナカジマの言葉に歴女のみんなは「それだ!」と答える、が。

 

「あー、ごめんごめん。その護衛だけどもういるよ」

「え、もういるのですか?」

 

 ナワジマの言葉にゴモ代は反応すると、ナオミは「その人は一体誰?」と言う。

 

「その人っていったい誰か気になるけど、どこにいるんだい?」

 

 ナオミの言葉に電子は「あちらです」と指をさす。みんなは一斉に方向を変えると。そこにいたのは。

 

 

 

 

「あわわわわわわ!! どいてくださいいいいいっ!!」

 

 

 

 

 ドンガラガッシャアアン!! ガラガッシャアアンッ!!

 

 

 後ろから小柄で茶髪のショートツインテールをしたメイドが道具の山を落としてしまい、みんなは目を丸くしたり目を瞑る人が出てくる。

 

「いててて…あわわわっ! これをどうにかしないと!!」

 

 メイドは慌てて道具に山から出ると、急いで掃除をしていく。

 

「一緒についてきた羽衣(はごろも)(うい)さん。和葉さんの護衛兼メイドをしているんだ」

「アタイらよりも結構ドジだが、その分やる気と根性だけは結構強いんだ」

 

 ナワジマと月詠の言葉にダージリンは「ローズヒップと同じね」と答える。

 それを聞いていたローズヒップは「どういう意味ですかダージリン様?」と言うと、ルクリリは「そのままだ」と突っ込む。

 

「それで、一緒に行動するのはどうしますか? この部品で…だと少し足りないけど」

 

 カルパッチョの言葉にみんなは「そう言えば」とあたりを見渡す。

 

「買うとしたら仲間にばれるわね…かと言って」

「戦車で使われていない部品は少し無理だね、分解しても戦車は起動しないし…」

 

 みどり子とナカジマはそう言うと杏も「ちょっと難しいね…」と頭を抱えると、みんなも「うーん」と考え始めた。その時。

 

 

「でしたら、あの飛行機を分解したらどうですか?」

 

 

 綺羅の声がしたためみんなは振り向くと、綺羅と月光、月奈が工具箱を持ってやってきた。

 

「綺羅さん! 最近見かけないけどどこに?!」

「少しホームセンターに行っていまして、必要な機材や工具類にちょっとした材料などを探しました」

 

 驚く小梅に綺羅は冷静に答えると、アリサは「一体何を?」と言うと月光が「さっき言ったと思うけど」とジト目で見つめる。

 

「だけど、それはいい案ね! 相手のものとはいえそれを利用するのは流石ね!」

「分解して性能を利用するのは、ちょっと面白そうねぇ。賛成だよ」

「私たちも最近運動していないから、鍛えると同時に手伝うのは賛成だ!」

「「私たちもさんせーい!!」」

 

 みどり子とナカジマがそう言うと、祭里と茜と葵は同意する等に反応すると。入り口から「わたくしたちも賛成ですわ!」と円たちがやってくる。

 

「事情は入り口でコッソリと立ち聞きしましたから納得ですわ!」

「そっか、それじゃあ西住ちゃん」

「はい、和葉さんは少し休ませて、今回は円さんたちと一緒に協力して乗り物を作りましょう!」

 

 みほの言葉に、みんなは「おおー!!」と答える。それと同時に月奈は「服も用意しているよー!」と言いながら服を大量に出すのであった。



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第90話『作り終えたらすぐに出動』

 真夜中、普通の人や学生はもう寝ている時間帯。それに対し西住邸の倉庫では例の弾丸型の飛行機を分解していた。

 分解した部品は他の生徒が運んでいき、それを自動車部と黒森峰が装甲にしたり電子機器類を操縦と思われるところに付けている。

 

「そこをN30に、装甲を2枚重ねにして装甲を頑丈にしてくださいまし!」

 

 円は生徒に指示を出しながら作っている。手慣れているのかよそ見をしながら鉄骨の上を歩いている。

 

「これをここに付ければいいんすね」

「お、重いっす…」

「それを重ねればいいべな」

「もう少し下げて、そうそこだ」

「もう少しで完成する…あ、間違えた」

 

 オレンジペコとペパロニ、アリーナとナオミ、そしてアキはそう言いながらメカを作っているが、慣れない手つきで戸惑っている。

 

「装甲は…3枚だっけ?」

「違う違う、4枚だよ4枚」

「2枚よ2枚!!

 

 小嶋と山郷は装甲の枚数を確認していたが、彼女たちのボケにそど子は突っ込みながら装甲を付けていく。

 

「この電子機器を付ければいいな…これは」

「あ、これ壊れているわ…これで行けるかしら?」

「納得します…あ、これで出来ました」

 

 ムラカミとケイ、ノンナは操縦席を設置してインパクトドライバーで固定していた。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「円さん、少し質問してもいいですか?」

「あら、どうしたんですのみほさん?」

 

 制作中、みほからの質問に円は反応し、彼女に向く。

 

「これが完成したらどうしますか、勇樹さんのこともありますし…」

「そうですわね」

 

 みほの言葉に円は悩むように考え込む。そして彼女は考えが付いたのかこう答える。

 

 

 

「明日の夜明け、太陽が昇ってすぐに行動しますわ」

 

 

 

 それを聞いたみほは「え、明日の朝ですか!?」と驚くと、円は「あら、そう言えばそう言いますわね」と答える。

 

「会長にすぐに伝えてくださいまし、わたくしは急いで皆さんに指示を出して行動する指示しますわ」

「わ、わかりました!」

 

 円の言葉にみほは慌てて外に出ると、彼女はそのまま設計図を見てこう呟いた。

 

 

 

「間に合って、助けて見せますわ」

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 次の日、倉庫から大型メカ『ラッセルタンカー』が出てきて日が昇る方向へと向いていた。

 

「何とか間に合った…それで行けるかな」

「そうだね、戦車は全て乗せたからいつでも出動が可能だよ」

 

 沙織とスズキは息を吐きながら言うが、ネトゲ部は「少しは鍛えれたなりー!」「強くなったのはうれしいっちゃ!」と喜んでいた。

 

「和葉さんは私が運んでおきました! 寝袋の中で寝ていますからご心配なく!」

「すっかり寝ているのね、ま今は休んでおいていつでも起きるようにしておかないとね」

 

 初の報告にエリカは呆れながら納得すると、天井に付いているスピーカーから円の声がした。

 

 

『もしもしー、テスト中ですわ。聞こえていますか?』

 

 

「円さんからだ」

「スピーカーがあるってことは、どこかにマイクが…あった」

 

 天井に付いているスピーカーにみほは驚きながら反応し、沙織は近くにあったマイクを見つけると起動して応答する。

 

「はいこちら武部沙織です、聞こえていますよ」

『あら沙織さん、聞こえていますか…操縦者はどうですの?』

「麻子とおりょうさん、小山先輩が今操縦確認している。そっちは大丈夫ですか?」

『こちらは大丈夫ですわ、皆さんのおかげで思った以上に出来上がりましたわね』

 

 沙織と円の言葉にみほは「さすが沙織さん」と言うと、華と優花里は首を上下に動かす。

 まほはラッセルタンカーの外を見て隣にある何かを見る。

 

 

 

 その何かとは、ロケットエンジンが付いたSL型のメカで、エンジンには砲台と思われる武装が付いていた。

 

 

「しかしあれでよかったのか? SLとはいえ車輪は普通のタイヤで石炭車は外したし…」

「本人からの要望で設計道理に書きましたので問題はないよ、それに今回は少し場所が激しいからね」

「ホシノー、言葉がややこしいよ」

 

 まほの質問にホシノが答えるが、彼女が言った言葉に違和感があったためナカジマが冷静に突っ込む。

 

「それじゃあ急いでいきましょう、麻子さんおりょうさん、小山先輩。どうですか?」

「メインのは少しややこしいが、マニュアルがあるだけでもわかりやすい」

「こっちもぜよ、後方のあまり使わない部分とは言え重要ぜよ」

「私も同じく、でも前の方だから少し大変だと思う」

 

 麻子とおりょう、柚子の言葉にまほは「そうか」と答える。そして彼女はみほに向けてこう言った。

 

「みほ、そろそろ行くか」

「うん、私も思っていたよお姉ちゃん」

 

 みほはそう答えると、円が『では、そろそろあれを言いますのね』と言うと、彼女は「はい」と答える。そして。

 

 

 

 

「『金魚すくい作戦』開始です!」

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 その頃外では、粟口田の仲間である井ノ原がメカを見ていた。

 

「あいつら、これを完成しやがって…彼女に連絡は?」

「いま通信班がやっておりますので少々お待ちを…」

 

 井ノ原の質問に生徒は答えながらも後ろにいる生徒に向ける。通信班である生徒は、通信機を使って通信していた。

 

「それにしてもあの人たちが作ったメカ…すごく大きいですね」

「ラッセル車だから少しは分かったが、まさかここまでとはな」

 

 生徒の言葉に彼女は答えていると、突然蒸気機関車の煙突から白い蒸気が放たれる。

 

「動き出した…どうやら出動するな」

「動き出した情報も伝えておきましたのでご安心してください」

「そうか、伝えていたなら安心した…なに!?」

 

 井ノ原はそう言いながらメカを見ていると、ラッセルタンカーと蒸気機関車型のメカが突然パズルのように消えて行き、気づいたときには2体のメカは消えていた。

 

「…こ、これは予想外ですね」

「っ!! すぐに伝えろ、彼女たちは急いで例のあれを用意しろ!」

「わ、わかりました!!」

 

 井ノ原の言葉に生徒は慌てて他の生徒らに伝えると、その生徒らもあわてて用意や通信をし始める。

 井ノ原は消えたと思うメカの方へと向くと同時ににらみつける、そしてこうつぶやいた。

 

 

「今に見とけよ…西住みほ」

 

 



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第91話『時空の受信信号発見、そして彼らの行動』

 みほたちは現在、ラッセルタンカーとSL型のメカと共に時空の穴へと入って未来へと向かっている。

 

『2500年の南アメリカ大陸にあるジャングル都市…これであっているのかみほ?』

「はい、詳しい場所は今初さんが調べています。私たちと和葉さんがわかる範囲はここまでです」

 

 画面越しに映る沙市音にみほは答えると、彼女は『そうか』と答えながら地図を見る。

 

『ジャングル都市は初めて聞くな…こっちも調べてみるから』

「わかりました。突然ですみません」

『いいよいいよ、こっちも少し迷惑かけてしまったからな。それよりも』

 

 沙市音の言葉に彼女は「あ、みなさんにも伝えておきます」と言うと彼女は『サンキュ』と答える。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「えっと、ジャングル都市はどこにあるのでしょうか…これでもないしあれでもない…」

 

 ラッセルタンカーの内部にある1室の部屋では、初がパソコンや本を使って『ジャングル都市』を調べていた。

 初めて聞く言葉に彼女は悪戦苦闘で、パソコンや本にその都市の名前はおろか街の名前なども載っていない。

 

「うわあああっ! どこに乗っているんですかあああっ!!」

 

 調べているうちにイライラの限度が超えたのか、彼女は頭を抱えながら大声で叫ぶ。

 

「これだけ探してもないのなんて…いったいどこにあるのですかぁ…」

 

 初はそう言いながら近くにあった寝袋に埋もれると、扉が開き誰かが入ってくる足音がした。

 誰だろうと思い、初は振り向くと。

 

「初さん、大丈夫ですか?」

「うわっ、凄い本の量! これ持って調べたんですか?!」

「調べるのもいいですが、ここはお紅茶で少し息を抜かせてやりますわよー!」

「本当に抜いてどうする…疲れたかい?」

「たまには休んだ方がいいよ」

「息抜きも重要な試練ですわ」

 

 そう言ったのは、澤梓と岩田一史、ローズヒップとナオミ、お銀と茨野剣がお茶が入った水筒や菓子が入っていると思われるバスケットを持ってきていた。

 初は「は、はえ?」と目を丸くしながらも彼女たちの応答に答える。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「そちらはどうですか?」

「ALR-22は異常なし…電磁波安定機器もです」

「アッサム様、こちらは大丈夫です」

 

 アッサムとノンナとペコは、メインコントロールルームの補助室にいる。

 そこでは時空移動に関する装置やエンジン安定機器、補助操縦装置などに異常がないか確認していた。

 

「これでも結構時間かかりますね…」

「ですが、これも私たちの重要な役割だね」

「操縦に装填や砲手は行けても、副操縦や副砲手、そして福装填は必須とも言えますね」

 

 ノンナの言葉にアキと綺羅は答えると、アリサは「確かにそうね」と答えながらエナジードリンクを飲む。

 

「エナジードリンクばかり飲むと、高血圧で生活習慣病になりますよ?」

「うっさいわね、これがないと流石になれないわ…まぁ気を付けるけど」

 

 綺羅の言葉にアリサはイラつきながら答えると、福田が「報告であります!」と言いだした。

 

「福田さん、どうしましたか?」

「この先に『でぃー20』に反応がありました! この先はもしかしたら石川殿が!!」

 

 福田の言葉に綺羅は「Dー30…」と言うと、彼女はアッサムに「ダージリンに報告してください!」と言うと、彼女は「わかりました!」と急いで連絡をする。

 

「あれ、どうしたんですか?」

「何か慌てているようですが…一体?」

 

 綺羅とアッサムの行動にノンナとアキは反応すると、福田が「これを報告しに!」と一枚の紙を渡す。その紙に書かれていたのは。

 

 

『Dー20、救難信号が反応しました。なおこのDー20にはチリの廃墟都市ともいわれている『ナスカの地上絵』から東20キロ先にあります』

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「全ての戦車は修理完了だよ、そっちは?」

「こっちも十分できたよ、砲弾もたくさん用意したしね」

 

 巨大メカや各戦車が立ち並ぶ『メカ倉庫』では、自動車部と乗り物部の各メンバーが最終確認兼最終修理をしていた。

 

「ま、石川君が万が一のことを考えて用意した予備の部品に道具などで修理をする時間が軽く済んだのが幸いだね」

「エンジンに不調はないし、キャタピラに砲台に不備はないから安心したよ」

 

 後山とスズキはそう言うと、ツチヤは「さすが、発明家君」とほほ笑みながら答える。

 

「さ、あとは私たちに残されたあれを修理する?」

 

 ホシノはそう言いながらある場所へ向くと、みんなもその方へと向く。

 

 

 

 そこにあったのは、勇樹が持ってきたと思われるクーラーボックスで。そこには『巨大メカ7神機』と書かれていた。

 

「そうだな、わしも同じことを考えていたな」

「奇遇だね、オレもだよ!」

 

 右海と左川はそう言うと、ナカジマは「それじゃあ、少しやりますか」と言いながらスパナを持つと前田も「オッケー!」と答える。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「『Dー20』に勇樹さんたちがいますか!?」

 

 ダージリンの報を聞いたみほは驚く声にみんなは反応すると、彼女は「ええ」と答える。

 

「アッサムからのデータと福田さんが発見した情報をもとにメインコントロールルームの補助室から来ましたわ」

「みぽりん、もしかしたら!」

「うん」

 

 ダージリンの言葉に沙織はみほに向けると、彼女も「勇樹さんがいる可能性が高いですね!」と答える。そして。

 

「沙織さんは沙市音さんに伝えてください、急いで高速で行きましょう!! 麻子さんとおりょうさん、小山先輩はDー20に行けますか?」

 

 みほの言葉に沙織は「OK、伝えてくる!」と言いながら通信機を起動して新ブン・ボーグに連絡する。

 麻子たちは「難しいが、やってみよう」「前代未聞ぜよ!」「行けるのか心配…」と戸惑いながら操縦を動かす。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「なるほど、Dー20にあいつらはいるのか」

 

 沙織の連絡を聞いた沙市音は答えると、彼女は『そうなんだよ!』と答える。

 

『ういういから連絡来たんだけど、『昔のには載っていなかったけど40年後の本に乗っていた!』と!』

「あ、それで戸惑っていたんだ…」

「沙市音様、時空間に出る準備が出来ましたわ!!」

 

 円の報告に沙市音は「わかった、今行く」と答えると彼女は「わかりましたわ!」と答える。

 

「それじゃあオレたちも急いでついていく、それじゃあ」

『わかりました! では』

 

 沙織の言葉に沙市音は「おう」と言いながら電源を切る。

 

「よし、そろそろ行くか。白井、いいか?」

「おう! 武器の修理も終えているし、いつでも行けるぞ!!」

 

 白井の言葉に沙市音は「おう!」と答え、近くにあった腕章を腕に通す。

 

 

 

「新ブン・ボーグ…ただいま出動だ!!」

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 『ナスカの地上絵』があるチリから20キロ東、そこにあったのは大都会だが廃墟化となって今は誰も使われていない廃都市。

 その大きなホールでは、勇樹たちが道具を使って暖をとっていた。

 

「『焚火ツボ』がまだ使えてよかったぁ…」

「炎と熱はオレたちのとって重要な物だからな」

 

 暖を取っている太田と伊江の言葉に桜は「そうね」とな遠くする。

 

「しかし墜落してからもう5日…みんなは来るのかしら」

「勇樹さんが出来る限り妨害電波が届きにくい所へと行き通信しました。何とかつながりましたから安心しますが…」

「いつ来るか分からないっすね」

 

 上を見上げる桜は心配そうに言うが、百合子は安心する等に言うと霊華がはジト目であたりを見渡す。

 

「まさかあいつらがここにきているのは予想外だ」

「仲間の一割がまさか後をついてきたのは不覚だ…」

「ですが、時空間から出たとき電磁波が発生したため、逃げる時間が出来たのが幸いです」

 

 悔しい表情をするアレンと伊江は言うが、天女は安心するように言ったため小森は「そうだな」と答える。

 

「今はみんなが救出するのを待つが一番だ、ここでウロチョロされるとまたあいつらに見つかる」

「道具も先ほどの電磁波で9割ほど使用不可能だ」

 

 小森と蓮華はジト目で勇樹の道具を見て言うが、真莉愛が「でも、これは安心しましたね」と言いながらクーラーボックスを見せる。

 

「『圧縮冷蔵保管ボックス』は電磁波を跳ね返す特殊加工がしていたため、影響はありませんでした。食べ物があっただけでも幸いです」

「そうだね…食べ物は重要だし」

 

 真莉愛の言葉に幹子は答えると、勇樹は「それだな」と安心するように冷静に言いだした。

 

 

「みほ…みんなは必ず来る…みんなを連れて」

 

 

 彼はそう言いながら上を向くと、百合子は「そうですね、今は彼女たちが来ることを信じるしかありませんね」と答える。

 

 



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第92話『廃墟で敵遭遇! 探索開始!』

 ここは、チリにある世界遺産の1つ『ナスカの地上絵』から20キロ東にある大都会…しかし今は廃墟化となって誰も使われていない廃都市。

 その近くにある公園に謎の裂け目が出てくると、SL型のメカとラッセルタンカーが出てきてその場で停止した。

 

「やっと着いた、ここであっているのか?」

「Dー20はここしかありませんから、合っていると思いますが…」

 

 沙市音の言葉に円は答えると、吹雪は「あたたた」と目を回している。

 

「まずは外に出てみましょうか? そしたら電波は使えませんがどこかに手掛かりが」

「卓也の言う通りだな、ここは外に出て手掛かりを探すか」

 

 沙市音はそう言いながら外に出ようとすると、円が「沙市音様」と彼女に話し出す。

 

「ん、どうしたんだ円?」

「一応ですがみほさまに連絡を入れますわ、もしかしたらけがをしているかもしれませんし」

 

 円の言葉に彼女は「そうだな」と答えると「それじゃあ頼んだ」と言いながら外に出る。

 

「わかりましたわ沙市音様、連絡を入れてきますか」

 

 円はそう言いながら通信機を起動し、みほたちに連絡を入れる。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「私たちは大丈夫です、勇樹さんの設計図をみながら作りましたのでけがは少なく済みました」

『そうですの、それは安心しましたわ』

「そっちは大丈夫ですか?」

『わたくしたちは特別な訓練を受けていますのよ、これぐらいは安心してくださいまし』

 

 円の連絡に沙織は「特別な訓練って」と言いながらジト目をすると、麻子が「落ち着け」と押さえつける。

 

『それよりも、いったん外に出ましょうか? この機械で行くと流石にばれてしまいますし』

「そうですね…会長、お姉ちゃんは?」

 

 みほはそう言って杏とまほに向けて言うと、彼女たちは「問題ない」と答える。

 

「自動車部と乗り物部のおかげで修理は終わったし、こっちは大丈夫だよー」

「私もだ、エリカも怪我は治ってきているから問題はない」

「だから西住ちゃん、連絡をお願いねー」

 

 杏の言葉にみほは「わかりました」と答えると、通信機で連絡をする。

 

「円さん、こちらは大丈夫です」

『わかりましたわ、それじゃあわたくしたちも準備を』

 

 円はそう言いながら通信機を切ると、優花里は「いきなりですね」と驚くように答える。

 

「それじゃあ準備するか。小山―」

「わかりました!」

「私もいく、一応他のみんなにも連絡をする」

 

 杏は小梅と一緒に、そしてまほはそのまま言いながら部屋から出ると、おりょうも「左衛門佐に連絡を入れてくるぜよ」と慌てて外に出る。

 

「西住殿」

「うん私も同じだよ秋山さん」

 

 心配する優花里にみほは答えると、沙織は「それじゃあみぽりん」と言うと彼女はこう答える。

 

 

「私たちも行きましょう、ここからは皆さん団体行動で行きましょう!」

 

 

 みほはそう言うと、みんなは「おー!!」と一斉に答える。

 

「それじゃあみんなに連絡をしないとね!」

「砲弾は準備していますから、万が一のことを考えて食料を!」

「レーダーとかを用意しないと…西住さん、そうだよな」

 

 麻子はそう言うとみほは「そうですね」と真剣に答たえる。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 SL型のメカから沙市音が外に出ると、物陰に隠れながらあたりを見渡す。廃都市なため人はおらず、近くにあった遊具は錆びて動きは鈍く草木は枯れて建物は崩壊寸前になっていた。

 

「まぁ、長い時間かけていたらこうなるな」

 

 沙市音はそう言いながら近くの建物へと行き、壁に触れる。

 壁はもろくて崩れやすくなっており、まるで古いクッキーを触れたかのような触感をした。

 

「この様子だとあいつらはまだ来ていないな…一応みんなに知らせるか」

 

 沙市音はそう言いながら壁からSL型のメカに向けて走っていく。すると。

 

 

 ドガアアアアアアアッ!!

 

 

「おわっ!?」

 

 突然地面が揺れると同時に地面にはひびが入っていく。それを見た彼女は「おわっ!?」と驚き、急いで地面のひびから離れる。

 

「なんだこれ、地面が割れた!?」

 

 沙市音は驚いていると、Ⅳ号H型にのってきたみほたちがやってきた。

 

「沙市音さん、これは一体!?」

「オレも初めてだ! ただ、地面に何かがいる可能性が!!」

 

 沙市音はそう言っていると、地面から機械音がしてきて徐々に上へと近づいていいる。

 

「この音…機械音だな」

「そうだね、それにこっちに近づいている…」

 

 沙市音と沙織はそう言っていると、徐々に音は大きくなっていき何かが削る音も響いてきた。

 

「おまえら! しっかり戦車につかまっとけ!!」

 

 沙市音はそう言いながら戦車に体当たりをし、後へと動かす。突然の動きに彼女たちは「うわああっ!?」と驚いている。

 すると、地面から巨大なドリルが出てきて沙市音に刺そうとする。だが彼女は急いで腰からハンドが付いた銃を出してSLの煙突に放つと、ハンドはそれにつかむと同時に彼女はSLへと移動して攻撃をかわす。

 

「なんだあれは?!」

 

 ドリルを見て彼女は驚くと、ドリルと一緒に何かが地面から出てきた。そのなにかとは。

 

 

「こ、鯉のぼり?!」

 

 

 金色に輝く巨大なこいのぼり型のメカが出てくると、ドリルは中にしまうと同時に方向をラッセルタンカーの方へと変える。

 

『沙市音様! あの機械は!』

「知っているのか円?!」

『ええ知っていますわ!』

 

 円の言葉に沙市音は驚くと、優花里は「その人は一体誰でありますか?!」と質問する。

 

「私も初めて聞きます! その人物って?!」

「円! 教えてくれ!!」

『粟口田の仲間で幹部に1員、名前は…』

 

 円はそう言っているとこいのぼり型のメカの頭のハッチが開くと、銀色に輝く髪色にどくろの腕輪をしている少女が出てきた。

 

 

『彼女の名前は、花田(はなだ)滝恵(たきえ)ですわ!』

 

 

 円はそう言うと滝恵は「そのとーりなのだ!」と答える。

 

「私は花田滝恵だ! この粟口田の仲間であり幹部の一人だ! 未来の時に襲撃失敗したが、ここですぐに攻撃を!!」

「あ、もしかして捕まった仲間の?」

「そーですよ! って、捕まっていなーい!」

 

 沙織の言葉に滝恵は答えると、麻子は「声が大きいな」とジト目てみる。

 

「それよりも! ここから先は私が妨害だ、とーぜんぼーだ、道筋変更だー!!」

 

 彼女の言葉に、外に出てきた白井は「おいおい」とジト目で見る。

 

「しゃーねーな…みほ、お前らは先に行ってくれ」

「え、白井さん?」

「おねーさんも一緒にいるよ!」

「ナワジマさん!?」

 

 白井とナワジマの言葉にみほと沙織は驚き、沙市音は「お前ら」と反応する。

 

「おい滝恵、お前のそのこいのぼり型のメカと戦おうか?」

「お姉さんたちはこう見えて強いからねー」

 

 2人の言葉に滝恵は「お?」と反応する。

 

「なーんだ…こいつらの相手は流石に飽きるよ。相手はそっちにいる―」

 

 彼女はそう言いながらラッセルタンカーに向けて言うと、SL型のメカがラッセルタンカーに入ると同時にみほが「前進!」と言うと、Ⅳ号H型は発進すると同時にラッセルタンカーは発進していく。

 

 

「あ…あー!!」

 

 それを見た彼女は青ざめると、急いで中に入り『全速全身で急いで追えー!!』と声がすると同時に、こいのぼり型のメカは前に進んでいく…が。

 

「だから進ませないよー!!」

 

 ナワジマはそう言いながら腰にしている鞭を使って近くにあった電柱に投げる。

 

 ピシピシッ… バギイイッ!!

 

 脆くなっていた電柱は鞭の力で折れると、そのままメカのエンジンである胴体に刺さると、メカはその場で停止し口から煙が出てくる。

 

『にゃああああっ! エンジン故障したああああ!!』

 

 彼女の声に白井は「やるじゃん、ナワジマさん」と言うと、彼女は「にひひっ!」と喜ぶ。

 

「沙市音、ここから先は」

「私たちがやっておくよー!!」

 

 2人はそう言うと、白井は足にしている鉄球を出しナワジマは足に付いているスイッチを押すと車輪が出てきてモーターが起動する。

 それと同時にこいのぼり型のメカの背中から風船が出てきて浮かぶとプロペラが出てきて回転し、ナワジマたちに向ける。

 

『こうなったら、アンタたちを先に倒してやるー!!』

 

 滝恵の声がすると同時に口からドリルとハンマーが出てきて2人に向けて攻撃していく。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「沙市音さんあの二人は大丈夫ですか?!」

『大丈夫に決まっているさ! 白糸ナワジマはこう見えて力は強いからな』

 

 通信機から聞こえる沙市音の声に沙織は「ほ、ほんと?」と目を丸くしている。

 

『だけど、問題は石川ちゃんがどこにいるかだよね…』

「そうですね会長、私たちの力でできる限りのことをしましょう…」

「ですが、どうやって石川殿を探すか問題であります。電波妨害で通信機は使用範囲が限られてしまいますし」

「煙みたいなのを出してくれたらすぐにわかるけどな」

 

 みほの言葉に優花里と麻子は悩んでいると、通信機から『そう言えば』とカエサルの声がする。

 

『通信と言えば、勇樹は道具があったな』

『えー、それ本当ですかー?』

『私も初めて聞きます! 道具はたくさんあったのは分かりますが…』

「道具…」

 

 カエサルに続いて優季と典子は答え、みほは何かに気づいたのか考え込む。

 

『確か、カエル型目覚まし時計にじゃんけんボックス、ダジャレドリンク…一番あたらいい道具を聞いたら『煙幕警報花火』と言っていたな』

「あ、みほさん!」

 

 カエサルの言葉に華は何かに気づいたのかみほに向けて言うと、彼女も「私も同じことを考えていました!」と答える。

 

「空砲を放ちましょう! そしたら勇樹さんはその音に!」

『それいいねぇ、甘井ちゃんは?』

『同じく賛成! みんなも準備は万端らしいよ?』

 

 通信機から杏とココアの声がすると、みほは「それじゃあ!」と言うと同時にラッセルタンカーから各戦車が出てきて着地と同時にⅣ号H型の後ろに続いて移動する。

 そして一史と梓がハッチから出てくると『準備できました!』と声がする、それを聞いたみほは「ありがとうございます!」と言うと同時に、みんなに向けてこう言った。

 

 

 

『鶴の一声作戦、開始です!!』

 

 

 

 ウィイイイン…… ドガアアアアアアアッ!!!

 

 

 

 みほがそう言うと同時に、砲台は上へと向くと空砲が放たれ。音だけが当たりを響かせた。

 



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第93話『事態変換、戦車と仲間の連絡』

 その頃、沙市音たちはみほの作戦で空砲を放って勇樹たちを探している。

 

「空砲で築くと思っていましたが…」

「反応がないな」

 

 華と麻子の言葉に優花里は「妙ですね」と言いながらあたりを見渡す。

 

「優花里さん、妙って?」

「はい西住殿、おかしなことに粟口田殿にその仲間が見えないのです」

「そう言えば…姿が見えないね」

 

 みほの質問に優花里は答えると、沙織は優花里の言葉に何か気づいたのかそう答える。

 沙織の言う通り、ここは廃都市なのに粟口田や彼女の仲間が乗っているメカや戦車が現れていない。地下にいるとしてもドリル音や地響きがする。

 

『円ちゃーん、ここでなんだけど質問してもいい?』

『あら珍しいですわね、えっと…角谷さん?』

『杏でいいよ、んで質問だけど…包囲されているんじゃない?』

 

 杏の言葉にまほは『しまった、これは罠か!』と反応する。

 みほもまほの言葉に気づくと麻子に「麻子さん、ブレーキを!」と指示をすると彼女は急いでブレーキをする。

 

 ギギィィィイイイイイッ!!

 

 各戦車以外にラッセルタンカーもブレーキをして加速を急速に減速させる、

 

「西住殿!? これは一体!!」

「粟口田さんは私たちの行動をどこかで知っていた! でも地上には戦車や機械がなかったから違和感があったけど、会長とお姉ちゃんの言葉で気づいた!」

 

 優花里とみほの言葉に麻子は「そうか。それで相手は見つからなかったんだ!!」と反応しながらレバーを動かしている。

 

「え、どういう意味麻子!?」

『私たちにも分かるように説明しなさいよ!』

『まさか、西住さん!!』

 

 沙織に続いてみどり子は慌てているに対しアキは西住の言葉に気づいたのか答えると、麻子は「粟口田たちは地上や建物にいるんじゃない!」と言いながらこう答えた。

 

 

 

「粟口田たちは地面にいる! あのこいのぼり型のメカが地面から出てきたということは、地面にあいつらがいるんだ!!」

 

 

 

 麻子がそう言った瞬間、目の前に無数のコンセントとマジックハンドが出てきて彼女たちを捕まえようとしていた。

 

『ば、バックだべー!!』

『退避するわよ、急いで!!』

『撤退よ、急いで!!』

 

 みんなはそれを見て慌てて戦車を後退すると、アーム等は戦車があった場所に攻撃していく。

 

「音で気づいている…麻子さん、急いでラッセルタンカーに!」

「わかった!」

「沙織さん、皆さんに連絡を! このままだと」

「わかったよみぽりん!」

 

 みほの指示に麻子はレバーを動かして戦車をラッセルタンカーに向けて行く、沙織は急いで通信機でみんなに知らせていく。

 そうしている間に、各戦車は慌ててラッセルタンカーに乗り込んでいき。アームはラッセルタンカーに攻撃していくが、頑丈になっているため攻撃しても装甲は曲がっていない。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 ドガアアッ! ドガドガアアアッ!!

 

「くっ! これは少し想定外だな!」

「まさか地面に敵が隠れていたとは…予想外ですわ!!」

 

 ラッセルタンカーの操縦席には円と沙市音が外の様子を見ながら操縦機を動かしていた。それと同時に書く学園艦のリーダーたちが入ってきて「沙市音さん!」と声をかける。

 

「これって一体!?」

「わからねえ、ただ粟口田の仲間が作った特殊な装置でオレたちを捕まえようとしている!!」

「和葉さんを狙うと同時に、西住流を破滅にするようですわね!」

 

 沙市音と円はそう言っていると、操縦席にいた月詠が「報告入ってきたよー!」と言いだした。

 

「今白井っちとナワジマちゃんから報告! 相手はやられたが発信機はつけたから心配無用! 今そっちに向かっているからって!」

「やられたか…だが発信機を付けただけでも結構いいぞ」

「そうですわね…ですがまずはこれをどうにかしませんとね!」

 

 月詠の報告に、沙市音と円は答えると。まほも「そうだな」と言いながら操縦席に座る。

 

「沙市音、この触手は一体なんだ?」

「初めて見るが…黒薔薇のメカだとしたら接続装置『オクトパー』だな。戦車の電力であれば使用が可能だ」

 

 沙市音の言葉にまほは「そうか」と答えると、ダージリンが「それよりも」と言いだした。

 

「このままですとわたくしたちもやられてしまいますわ、少し策を考えませんと」

「そうよ! このままつぶされるのは嫌よ!」

 

 ダージリンに続いてカチューシャも言うと、ケイは「そうね、何とかしないと」と真剣な言葉で答える。

 

「それだとしたらこの触手をどうにかしないといけないわ、でも」

「頑丈だね…鉄に鉄は少し難しいよね」

「ですが、これ以外に私たちは助かる方法が!」

 

 ケイに続いてミカと西は慌てて言うと、ココアは「ちょっとやばいなのは事実だね」と答える。すると。

 

 

『それでしたらこちらの指示に少しお願いします!』

 

 

 通信機から和葉の声がしたためみんなは急いで向くと、天井からモニターが出てきて和葉と初が映し出される。

 彼女たちの後ろには巨大なコンピューターが付いている機械と歯車が映っていた。

 

「和葉さん!? どうしてそこに」

『初さんから話を聞きました! あと鶴来さんからも』

「あいつら…それで、何だ話は?」

『あ、はい! 実はこのメカはドリルが付いていますが。先ほどの衝撃で一部の装置が故障してしまって動くことが出来なくなったのです』

「ドリル?! あ、でもあの設計図に乗っていたなら納得できるわ」

 

 沙織は設計図を思い出しながら言うと、和葉は『あ、ありがとうございます』と照れる。

 すると、猫田は何かに気づいたのか「も、もしかしてですが」と慌てて質問する。

 

「もしかして、ボクたちもその作業に手伝うことになるのですか…」

『はいそうです! 皆さんのご協力がないと修理が不可能ですので!!』

「それは大変じゃない! どうやったらいいの!?」

「私たちは大丈夫だけど、これはいくら何でも難しそうだよ?」

『そう来ると思って、実は専用の道具を綺羅さんたちがそっちに持っていってます』

 

 和葉の言葉にみどり子とナカジマは戸惑う中、和葉の言葉に梓は「え、道具を?」と言うと後の扉から、工具箱を持った綺羅たちが入ってきた。

 

「お待たせしました皆さん!」

「綺羅さん! 月光さんに月奈さんも!」

 

 綺羅たちの登場にみほは驚くと、月光が「例の道具をどうぞどうぞ!」と急ぎでみんなに青色の工具箱を配る。

 

「え、これってなんの工具箱!?」

『『製造用工具箱・修理機能と自動装置機能搭載』です! 初心者でも手先が不器用な人でも修理・改造・製造が可能の道具です!』

「おお、これを使えば私たちも!」

「便利な道具ね」

「改めて道具を見るが、さすが勇樹と和葉」

 

 道具の説明にエルヴィンとダージリン、そして帆立はそう言うと。まほは「和葉、ありがとう」とお礼を言う。

 

「それでどこを修理すればいいんだ?」

『操縦席の下にあります。私は設計図を見ながら支持をしますので皆さんはそれを!』

『まほさんの真下にあるマンホール型のハッチがそれでーす!』

 

 初の言葉にエリカは「真下?!」と急いでまほの真下を見ると、『エンジン用出入口』と書かれていた。

 エルは「急いで開けましょう!」とパールを出して。祭里と一緒に蓋を動かすと、梯子とその奥から歯車音が響いている。

 

「歯車音が響きますね! これがもしかして」

「だが、この先は機械の音が響く。下手したら命を落とすかもしれない」

「光さえあればいいが…」

 

 音に驚く絹代に対し、押田と安藤は暗く長い通路に悩んでいると。和葉が『ヘッドライト型フラッシュライトが入っています!』と言うとマリーが「これかしら」と海と魚の模様が描かれたヘッドライトを取り出す。

 

『それなら半径10メートル以内であれば光は照らすことが出来ます』

「ワォ! これはすごいわね!」

「ですが、このライトは10個しかありませんわね。使用する数に制限が出ますわ」

「だったら、私たちが行こうかな? 電子機器は使っていないところだからいけるかもしれないし」

「あたしたちも同じだよ、ナカジマがやるならこっちも手伝ってあげる」

 

 ナカジマと前田の言葉にまほは「そうだな」と考え込み、そして彼女は「それでは頼んだ」と言いながら道具を渡す。

 

「分かった! それじゃあ行こう!」

「オッケー!」

 

 ナカジマたちと前田達は例のホールから入っていき、梯子を伝って動力源がある場所へと降りていく。

 

「私たちは何をすればいいんだ?」

『それでしたら、操縦機にある『メイン装置復元機器』を開けてください。もし歯車が動かないとしたらそこの基盤に』

 

 和葉の言葉に押田は「それを付けていたのか」と驚きながら探していると、福田が「発見しました!」と言ったためみんなは急いでいくと、壁に『メイン装置復元機器』と書かれた箱が壁についていた。

 

「ありました! 壁に付いておりますがこれを外すのですか?!」

『いえ西さん、その箱は先ほど言っていた機械に電気を伝えるために必要なコードが生まれていまして、基盤とかもそこに埋めています』

 

 和葉の言葉にルミは「どうなってんだよ」と言いながら蓋を開けると、プラスチックの取っ手が付いた基盤と赤・青・黄のコードが付いている。

 

「これってもしかして例の!?」

「す、すごい種類ぜよ」

「爆弾解除ゲームよりすごいぴよ!」

 

 中身を見た小山、おりょう、そしてぴよたんは驚くと沙市音は「ま、これくらい予想していた」とジト目で見る。

 

「それで和葉、これをどうすればいいんだ?」

『テスターを使ってください、反応がなければそれを抜くだけで行けます!』

「意外と簡単っすね。それじゃあテスターで…テスター?」

 

 ペパロニの言葉に円「え、テスター知りませんの!?」と驚くと、カルパッチョも「私も、初めて聞きます」と戸惑いながら答える。

 それを聞いた沙市音は「知らない奴いるんだ」と感心していると、沙織は「そこですか!?」とツッコミをしながら驚く。

 

「テスターはわたくしが話しておきます、沙市音様は」

「修理しておく、それじゃあやるか」

 

 沙市音はそう言いながら道具を手にすると、まほも「そうだな」と答える。

 

「このままだといつ壊れるか分からない、急いで修理を使用」

「頼んだぞ」

 

 まほの言葉に沙市音は答えると、みんなは急いで修理をし始めた。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「粟口田さん、この調子ですと彼らを捕まえることが出来ます」

『分かった、私は少しけがをしたから休む』

「いいですよそれくらい…アイツぶっ倒してやるからな」」

 

 緑色のポニーテールをした少女は通信機で言うと、粟口田は『その調子』と答える。

 

『あいつらを倒して西住流を破滅、そして新たな私が未来を変える…粟口田と言う人生を変えてやるんだ!』

 

 粟口田の言葉に彼女は「その調子です!」と目を光らせている。

 

「他の皆さんも、粟口田さんのために精一杯働いていますよ。未来を変えるためであれば!」

『さすが私たちの僕、と言ったほうが良いかしら? みほたちが乗っているあれは?』

「上から聞きましたが、今圧力をかけて出来る限り逃がさないようにしています。あのメカの部品は結構強いですから簡単には―」

 

 少女がそう言っていると、1名の生徒が急いで入ってきた。

 

「た、大変です!」

「どうしたんですか? 今粟口田さんと連絡をしていますよ」

「逃げました! 突然ドリルと刀でアームを切って地面に逃げました!」

「そうですか…って逃げた?!」

 

 彼女は急いで操縦席があるほうへと走っていく、後から来た生徒も急いで彼女の後を追っていく。

 

 操縦席に着いた彼女はメイン画面と思われる大型の画面を見たのは、ちぎれたり切れたアームと地面に大きな穴が映っていた。

 

鹿島(かしま)! これは緊急事態だ!」

「地面には無数の地下施設があり、その中には日本やアメリカ、オーストラリア行きの地下鉄もあります!」

「今から追いましょうか?!」

 

 多くの生徒に、鹿島と呼ばれた生徒は「お、落ち着いて…落ち着くんだ」と言いながらポケットから手乗りサイズのケースを出して中から青色の錠剤を数個口にする。

 

「ふぅ…直ちに飛揚(ひよう)陸奥(むつ)巻雲(まきぐも)はM4中戦車を5両とM7中戦車を3両で追うんだ! 残りは野分(のわき)青葉(あおば)三隈(みくま)三隈と一緒に操縦を!」

 

 鹿島の指示に生徒らは「わかりました!」と答えると、飛揚と陸奥と巻雲は多くの生徒らと一緒に『戦車保管庫』と書かれたところへと入っていき、残りは操縦や機械整備などをし始める。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「何とか逃げ切れたっす…」

「2つとも異常があったのは予想外でした」

 

 ペパロニと色刃はそう言うと、ナカジマも「たしかにそれは驚いたよ」と苦笑いする。

 

「ま、その分落ちる前にドリルが出てきて穴を掘ることが出来たし。あとは」

「モリリアーティと勇樹たちを救って、どこかへと隠れるのね!」

「そうと決まれば、急いでいきましょう」

 

 のんびり話すアイヌにづ付き、ケイとダージリンが言うとココアは「そうだね」と言いながらトランシーバーを出して起動する。

 

「こちら、ココア。ちょうど終わったところで今上に行ってもいいかな?」

「全ての装置に故障個所はなし、煙幕発生なしなのが正常」

「そーそー、そっちはどう?」

 

 ココアと色刃の報告にトランシーバーから『ありがとうございます、こちらも操縦に異常はありません。白井さんとナワジマさんももうすぐ来ると連絡が―』と言いかけた。その時。

 

 

 ドガアアアアアアアッ!!

 

 

「おわっ!?」

「きゃっ!!」

「っと!」

「何今の衝撃は!?」

 

 突然の衝撃にココアたちは驚いていると、色刃は「衝撃、原因は何かが追っている」と冷静に答えている。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「後からついて来ている? いったいどういう意味色刃ちゃん」

 

 シーバーからの連絡を聞いた沙織が言うと、色刃は『その名の通り、後方画面を見ている人がいたら報告を』と答える。

 沙織は「どういう意味かもう少し話してよ」と文句を言いながらも、彼女はエリカに「エリカさん、色刃ちゃんから」と連絡する。

 

「後方から追っている? 今エミから聞いてみるわ。エミ」

「エリカさん大変です! 後方にM4中戦車を5両とM7中戦車を3両が追ってきています!」

「なんですって?! 沙織聞いた、今彼女の仲間が追ってきているわ! 色刃の予測通り!!」

 

 エリカの報告に沙織は「了解!」と答えると、みんなに知らせていく。

 

「大変なことになったな、まさか相手も用意していたとは」

「隊長、そうですね。これは予想外でした」

「いつも勇樹が言っていた『巨大メカ』で行くと思っていたが、戦車とはな」

 

 まほの言葉にエリカは「そうですね」と言いながら画面を見ている。

 

「まほ、そっちはどうだ?」

「我狼院、少し事態が変わった。彼女の仲間が襲い始めたようだ」

「襲い始めたか、まさかだと思うが実弾の可能性があるのか」

「その可能性はある…戦車で追うのは知っていたのか?」

「可能性として言ったが、当たるのは予想外だ…小春田め」

 

 まほと我狼院の言葉にエリカは「専門用語並みにすごい」と言いながら画面を見ていた。すると。

 

 

『あーあー、マイクのテスト中。アタシ、白井とナワジマは今地下鉄の駅内にいる』

 

 

 白井の話を聞いたエリカは「ちょっと、こんな時に!」とイラつきながら、近くにあった受話器を手にする。

 

「こんな時になんて話をするの! 今それどころじゃないわよ!」

『ん、そっかごめんごめん…それよりもちょっと面白い情報があったぞ。メモをしてくれ』

「情報ぅ? くだらない情報だったら容赦しないわよ。早く言いなさい、こっちも今大変なことに―」

 

 イラつくエリカはそう言いながらメモの準備をすると、白井は『わかった、言うぞ』と真剣にことを言いだした。

 

 

『いまいる地下鉄駅内だけど、どうやら他の国につながる国際駅だと分かった。これを利用して相手を巻くことが出来るぞ』

 

 

 白井の言葉にエリカは「先ほどの言葉は撤回する、今隊長に知らせるわ」と言いながら先ほどの内容をメモをすると、それをまほに渡す。

 

「なるほど、これをみんなに知らせたほうが良いか?」

「隊長からの言葉にアンタは?」

『一応知らせてくれ、こっちは少し勇樹たちを探してく。もしかしたらこの駅の地下で入り口付近にあいつらがいる可能性が高いからな』

 

 白井の言葉にまほは「わかった、探してくれ」と言うと白井は『りょーかい』と同時に通話を終える。

 

「我狼院、お前たちの仲間にも」

「わかった、みほたちはまほにお願いする」

「ああ」

 

 我狼院とまほはそう言うとすぐに行動し、エリカは「国際駅ね…」と言いながらメモをし、近くにあった眼鏡ケースに入れる。

 それと同時にM4中戦車から砲弾が放たれてラッセルタンカーに当たる。



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第94話『作戦・成功か失敗不明?!』

 

 ドガアアアアッ! ドガドガアアアッ!!

 

「撃て撃て撃てえええっ!! あの乗り物に当てるんだあああああっ!!」

 

 M4中戦車に乗っている飛揚の言葉に生徒らは「わかりました!」と答えながら砲弾を装填し、それを放っていく。

 

 ドガアアアアアアアッ!!

 

「相手が動きながら逃げているため、攻撃は流石に難しいです…当たるのでしょうか?」

「当たるかあたらないかは何度も打てば分かる! 急いで攻撃をするんだ!!」

「はひいいっ!!」

 

 飛揚の言葉に生徒は怯えながら装填していると、1名の生徒が「報告です!」と飛揚に知らせる。

 

「たった今、地上へとつなぐ地下鉄の出入り口から白井とナワジマが出てきました!」

「なんだと…いや、あいつらは放っておけ。どうせ逃げている可能性が高い」

「わかりました!」

 

 生徒はそう答えると、飛揚は「そのまま撃てえええっ!」と指示を出すのであった。途中。

 

 

 ガゴッ!!

 

 

「アブなっ!」

 

 巨大な球体がラッセルタンカーから落ちてきたため、戦車はそれ避けると球体は後ろへと転がっていきどこかへと消えて行った。

 飛揚は「危ないだろー!」と叫んでいるが、最後尾のM7中戦車に乗っているある生徒は球体が通っていた方へとずっと向いていた。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

『こちら白井、今のところ敵は見当たらない。警戒している可能性があるが念のため身長に行く』

「わかった、今地理部とカモさんチーム、モモンガチームそしてBC自由学園が乗って移動している」

『了解!』

「そして、仲間である綺羅も一緒にいる。何かあったら彼女が持っている通信機で知らせてくれ、トランシーバーだと電池に制限があるからな」

『分かった』

 

 我狼院は通信機で白井の応答を聞くと、エルは「厄介なことになったわね」と真剣に言う。

 

「それにしても、粟口田の仲間は流石と言ったほうが良いだろうか」

「動くも砲弾を装填する時間も無駄がない、よけるのも上手ねぇ」

「さすがですわね、ですが今は逃げるが優先ね」

 

 後ろに入っている7両の戦車を見て雅緋と歩美、そして剣がそう言うとまほは「確かにそうだな」と答える。

 

「黒森峰もこのように素早く動きが軽やかな者はいない、学びたいものだ」

「へー、黒森峰の隊長さんも感心するんだ。意外だ」

 

 まほの言葉に祭梨は答えると、響子は「そうだねぇ~」とのんきに答える。すると。

 

「…そ、逸れました」

「え、何が?」

 

 則都が言った言葉にケイは反応すると、彼は「ひっ!」と怯えたため月詠は「よしよし」と彼の頭をなでる。

 

「ごめんごめん、則都は人見知りで」

「あ、そうなんだ。ソーリー、こっちもごめんね」

「う…うん」

 

 怯える則都に月詠は「そう言えば、何を言っていたの?」と言うと彼は「実は」と話し始める。

 

 

 

「戦車、6両になったよ」

 

 

 

 則都の言葉にみんなは急いで画面を見ると、後から追っていたM4中戦車とM7中戦車は追っていたが、なぜか1両少なかった。

 

「まさか、あの作戦を知ったの?!」

「それはないっす! うちが考えた作戦なんでそんなにすぐには!」

「ペパロニさんの言う通りだべ、おらたちもそんな作戦は思いつかなかっただ」

「んだんだ!」

「だとしらたどうやって行ったんだ!?」

「それよりも前にどこから聞いたんですの!?」

 

 それを見たみんなは慌てていると、色刃が「球体」とつぶやく。色刃の言葉を聞いた沙希は何かに気づいたのか、梓の肩をたたく。

 

「沙希どうしたの? 今は事態が!」

「…球体」

 

 沙希の言葉を聞いた彼女は「え…あ!」と何かに気づくと急いでまほに知らせる。

 

「まほさん、もしかしたら落とした球体に違和感があったのでは?!」

「そうか、さっきので相手は違和感が…不覚だ」

 

 まほはそう言うと月光は「少し厄介なことになったね」と冷静に答える。

 

「そうだ、沙織さん出来る限りでいいですからマリーさんに連絡を」

「あ、そうか白井さんたちは地上にいて、電波つながらなくてもマリーさんたちなら!」

「チャンスはあるってことか」

 

 月奈の言葉に沙織とナオミは答えると彼女は「正解」とほほ笑む。

 

「わかった、出来る限りやってみるよ!」

「通信機は…和葉、通信機どこに?」

「そちらの壁にダイヤルと受話器が付いた通信機でお願いします!」

 

 和葉の言葉にまほは「壁か!」とあたりを見渡すと、壁に『通信機』と書かれた箱があるのを発見し急いで開けると、黒電話に2つのダイヤルとスピーカーが付いているのを発見した。

 沙織は「ありがとう!」と急いで使用し、マリーたちに連絡をする。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 その頃、白井とナワジマは博物館と思われる場所に入っていた。

 

「勇樹君のことを考えるとしたら、まずはここだね」

「電子機器は持っているとして、問題の装甲とかはここで補えばいいからな」

 

 2人はそう言いながら物陰に隠れつつ移動していると、ナワジマが「あ、連絡が」と持っていた携帯が光っていることに気づく。

 

「連絡って、もしかして」

「わからないけど、見てみよっか」

 

 白井とナワジマはそう言いながら携帯を出して見ると、『メール1通』と表示されていてその内容を見てみる。

 メールの見たナワジマは「少し急ごう」と言うと、彼女が履いている靴に付いているスイッチを入れる。

 

「急がないと彼らが危ない!」

「わかった!」

 

 ナワジマの言葉に白井は答えると、彼女は「これにつかまって!」とポケットから紐が付いたベルトを出すと白井は「わかった!」とベルトをする。そして。

 

「GO!」

 

 

 

 ギュィイイイイッ!!

 

 

 

 ナワジマが走ると同時にモーターは起動し、スケートのように滑っていく。白井は近くにあった楯を取るとそれをそりのようにして滑っていく。

 

「この先にホールは!?」

「パンフレットを持ってきたから…この先に行ったら左に直進! 化石コーナーを右に曲がっていけばホールがある! でもどうして?!」

「メールにこれが!」

 

 ナワジマはそう言いながら携帯を白井に見せると、そこには『助けて、ピンチ』と書かれていた。

 

「この携帯は近くに電子機器がないと受信できないタイプでね、使用範囲は約1500メートル以内だよ!」

「なるほど、敵のも受信すれば味方も…って矛盾しているような?」

「細かいことはいいのっ!」

 

 ナワジマはそう言いながら左右に曲がっていきホールと思われる場所の前に行くと、無数の生徒らが大木を使って扉に攻撃していた。

 

「さっさと開けろー!! って、急ぐんだ!」

「井ノ原さんも手伝ってください! これ重いですから!」

「それを使って頭に攻撃しますよ!」

 

 2名の言葉に井ノ原は「あ、わかった」と慌てて大木を持つのを手伝うと、勢いよく扉に攻撃する。

 

「意外とシンプルな攻撃だね」

「出来る限り費用を抑えるためにしているからな…人件費と体力費が別なのは嫌だが」

 

 白井の話を聞いたナワジマは「あ、そう」と目をそらしてパンフレットを見ていると彼女は「ねえこれはどう」と白井に話す。

 それを見た彼女は「なるほど、その案があったな」と言うと腰から巨大なハンマーを出す。

 

「チャンスは何度か行けるけど、1度しかないね」

「こいつらをやっつけるなら、行けるかもな!」

 

 白井はそう言いながらハンマーを近くの化石にぶつける、その衝撃で化石は崩れて瓦礫となりその音を聞いた生徒らは後ろを振り向く。

 

「なっ! お前たちは新ブン・ボーグの白井とナワジマ!!」

「やーい、こっちにこいよーだ」

 

 白井はそう言うとナワジマは「逃げる!」と言いながら白井を連れて逃げる。

 

「おい、追いかけるぞ! 扉は後でするぞ!」

『『『了解!!』』』

 

 井ノ原の指示に生徒らは答えると、彼女たちは武器を手にして中島たちを追いかけ始めた。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「収まった…?」

 

 その頃、勇樹たちは博物館内にある道具や機材などを使って扉を塞いでいた。扉を塞いだ理由は、先ほどの井ノ原たちが入ってくるのを防ぐためだ。

 

「音が引いているからそうだね。それよりも」

「窓から出ようとしても窓は防弾で簡単には壊れないっす」

「床も頑丈にされていますし、熱伝導のため銅が何重にもしております」

「しかも、その銅を一枚刃がしてみたら熱を通す専用の機材があるから壊せませんわ」

「天井も、強化プラスチックを使用しているから壊れないぞ」

 

 太田たちの言葉に百合子は「おまけに道具が」と言いながら道具の山を見る。

 

「文、道具はどうなの?」

「どれもダメだ、雷によってすべてショート状態となっているから壊れかけている」

「修理するにせよ、ここでやるとしたら十分な工具が必要…ですよね、勇樹さん」

 

 文と天女はそう言うと勇樹は「そうだな」と頭を抱えながら道具の山を見る。

 

「使えるのはカバンの中に入っているのがすべてだから、安心したが。問題は使えるかどうかだ」

「うん、薪ツボは大丈夫だったけどこれらは…」

 

 勇樹と福音はそう言いながらカバンの中に入っている道具を見ると、伊江は「確かに」と頭を抱える。すると。

 

 

 ガタガタガタッ!

 

 

「っ!?」

 

 突然扉が大きく揺れ機材も崩れてきたため、伊江は「あいつらか?!」と言うとみんなは武器を手にして構える。

 

「太田、伊江! 急いでバリゲートを!」

「わかった!」

「おうよ!」

 

 勇樹の言葉に2人は急いで機材を手にしてバリゲートを修復していく。だが音は徐々に大きくなっていき扉に使用されているバリゲートが徐々に落ちていき。そして。

 

 

 ドガアアアアアアアッ!!

 

 

 

 機材はあたりに散らばり扉は壊され2名の人物が入っていく、それを見たみんなは緊張が走る…が。

 

「やっほー!」

「大丈夫か?」

 

 ナワジマと白井を見て勇樹ア「ナワジマさん、白井!?」と驚く。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「なるほど、それでここにいたんだね」

 

 白井は勇樹たちの話を聞いて彼女は納得すると、百合子が「そうなんです」と答える。

 

「落ちた先が湖なのが幸いでしたが」

「あいつらの仲間がすぐにやってきて大変だった」

「何とか陸地に出て街中に行きますが」

「そこはもう廃墟かとなった都市で逃げるのに苦労したっす」

「それにあのメカから放たれた雷で勇樹の道具の9割は故障だ」

 

 百合子に続いて、伊江とアレン、霊華と蓮華はそう言いながら道具の山を見る。文が道具の一つを修理をしていた。

 

「ですが、町が廃墟の中急いでスーパーマーケットやホームセンターで必要な物を集めて」

「この廃墟となった博物館に隠れて皆さんが来るのを待っていました」

「うんうん! 粟口田の仲間がいないときにお兄ちゃんが携帯を使って特殊電波が届かないところに行って通信したんだよ!」

 

 奈々と天女、福音を聞いた白井は「それでここに隠れていたんだ」と言いながら、カップ麺やインスタント食品の山を見て答える。

 

「そう言えば、真莉愛さんは?」

「それが少し具合が悪く横になっていまして…」

 

 ナワジマの言葉に奈々は反対方へと向くと、顔が青くなって寝袋で横になっている真莉愛を見つける。

 

「文に一応調べたら『時空酔い』と分かったから安心したよ」

「しかし、ここにいつまでもいたら流石にな」

 

 百合子と勇樹はそう言うと白井は「それもそうだな」と納得する。

 

「一応扉はさらに頑丈にしたから問題はないが…」

 

 白井の言葉に桜は「そうね」と言いながら扉を見ると、セメントや鉄筋などを使って扉を頑丈にして入れないようにしていた。

 

「そう言えば、さっきまほさんから連絡来たんだけど『今仲間をそちらに送った』と」

「仲間?」

 

 ナワジマの言葉にアレンは反応すると、太田は「仲間っていったい誰だろう」と言った、その時。

 

 

 ドゴオンッ!!

 

 

「うわっ! なんだ!?」

 

 突然壁から何か爆発がしたのに文は慌てて振り向くと、壁の一部が崩れてルノーB1bisとモグラメカと九四式系装甲車TK、ソミュアS35とARL-44そしてルノーFT-17が入ってきた。

 それと同時にモグラメカのドリルから大きな風船が放たれて壁に当たると一気に膨らむ。

 

「あ、あれってまさか!」

 

 伊江が驚いているとルノーB1bisからそど子が出てきて「助けに来たわよ!」と言いだした。

 

「みどり子さん! どうしてここに!?」

「ナワジマさんが地面にチョークで『博物館に行ってく』と書かれていたんだよ」

「それで私茜はそれを調べて」

「私葵は、みんなが隠れそうなところを調べたってことです」

 

 驚く京子にモヨ子と茜、葵はそう言うとナワジマは「手掛かりが役に立った」とほほ笑む。

 

「それよりも、ここから出たほうが良いぞ。外には粟口田の仲間がここにやってきていた」

「それは大変っすよ! 文さん道具は!?」

「全部ではないが1割は出来た、今はカバンに入れた」

 

 アイヌの報告に霊華は慌てていると文は道具を入れたことに言うと、桜は「それじゃあ急いで」と優木に向けて言う…が。

 

「あー…それなんだけどメカが」

 

 目線をそらして困った表情で言う勇樹に伊江は「あ、しまった!」と思い出す。

 

「そう言えばメカの部品がないんだ!」

「そうですね、資金もありませんし鉄の部品が少ないですし…」

「電子機器はあっても、さすがに無理だ…ああ貧血が」

 

 太田と奈々に続き文も言うが、彼女は貧血を起こして地面に倒れる。それを見た穂多留は「よっと」と言いながら彼女を姫様抱っこする。

 

「どうやってここから逃げれば…」

「お姉さんのローラースケートでならいけるんだけど。さすがに人数が2人以上だと流石にねぇ」

 

 百合子は外を見て言うが、ナワジマはローラースケートを見て言うと白井は「確かにそうだな」と答えた。するとみどり子が。

 

 

 

「だったら、風紀を破ってみない?」

 

 

 

 それを聞いたみんなはみどり子を見ると、彼女の後ろにはバッドや竹刀に大量のペイント弾が入った空気銃を持っていた。

 



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第95話『脱出と黒薔薇の計画…不明』

 ドガアアアアアアアッ!! ドガアアアアアアアッ!!

 

「固っ! どんだけ固めたんだあいつらは?!」

「何かテープのようなもので固定している…だが何度もやれば壊れるはずだ!」

「もっとやるぞー!!」

 

 その頃井ノ原たちは、元の場所に戻って丸太を使って扉を壊していた。なぜこうなったか、それは先ほどナワジマと白井を追いかけていた時だ。

 

 確かに彼女たちは2人を追っていた、逃げないように。しかしナワジマが履いているのはローラースケートで彼女は元ローラースケート選手、陸上選手でも追いつくことが困難だ。

 そうしていると徐々に距離を取られてしまい、気づいたときには見失っていた彼女たちだ。しかしナワジマたちは博物館の構造を利用して回り込み、勇樹たちがいるホールへと戻っていった。

 

 だが、何度もしていると扉にひびは入っていきいつ壊れてもおかしくない状態へと変化していた。そして。

 

「やれええええっ!!」

 

 井ノ原の言葉に生徒らは「おりゃあああ!!!」と叫びながら一気に叩こうとした…その時。

 

 

 

 ドガアアアアッ!! バギャアアッ!!!

 

 

「な、なんだ!?」

 

 

 突然扉が壊れると同時に、5両の戦車とメカが出てきて前に進んできた。

 それを見た井ノ原は驚いていると生徒の1名が「に、逃げましょう。潰れますよ!」と慌てて言うと彼女は「て、撤退だ!」と左右にある通路へと入っていく。

 他の生徒らも急いで左右の通路に入ると戦車とメカは進んでいき、壁を徐々に壊して外へ無理やり出て行った。

 

「な、何だあれは…!?」

 

 その光景を井ノ原は驚くだけしかできない。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「どいたどいたどいたー!!」

「風紀員が通るっすよー!!」

 

 外では、B1bisのカモさんチームが先頭で前に進んでおり。行き行き先にいる黒薔薇の生徒が乗っている戦車を無理やりどかしながら進んでいた。

 

「だ、大丈夫ですかあんなことをして?!」

「さすがに心配です」

「私も同感する」

 

 ソミュアS35に乗っている百合子と天女、そして安藤が言うと通信機から『大丈夫です』とまりあのこえがきこえる。

 

「真莉愛さん?!」

「大丈夫ですか!?」

『ええ、戦車の揺れで少しは…』

「どういう理論だ…」

 

 真莉愛の言葉に安藤が突っ込むと、乗っていた伊江が「落ち着け、現実で考えるな」と安藤を落ち着かせる。

 

「それよりも、そど子さんが大丈夫って?」

『みどり子ちゃん、ああ見えて真面目で少し外してしまうところはあるけど。なんだかあの子に似ていて』

「あの子??」

 

 百合子の質問に真莉愛は答えていると安藤が「あの子」と反応すると伊江が「あー、なるほど」と納得する。

 

「あの子か…確かにそうだな」

「え、伊江も七日!?」

「ん、そうだな。お前も一度会ったことあるぞ」

「私もあったのか?!」

 

 伊江の言葉に安藤は驚く中、『通信中すみません!』と通信機から京子の声がした。

 

『あ、京子ちゃんから出すね。それじゃあ私はここまでで』

「あ、わかりました。京子さんどーぞ」

『この先地下鉄に行く入り口がありました! 白井さんから話がありましたが、ここであっているのですか!?』

「あー、言われてみれば…ってなんで私たちに?」

 

 百合子の言葉に京子は『あ、えっと』と戸惑う声がした。何かあったのだろうかとみんなは確信する。

 

「はぁ…京子に通信だ、そのままっ進めと」

「あ、はい。京子さんこのまま進んでください」

 

 安藤の言葉に百合子は通信すると、通信機の向こうから「わ、わかりました!」と慌てる声がする。

 そうしていると速度は徐々に増していき、戦車と目からは地下へと行く階段に無理やり入っていくのであった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 その頃、粟口田は近くにあった住宅街の一部を取り壊し、専用のテントを立てていた。

 テントの周りには生徒らがコンクリートでレンガをつくり、そのレンガで何かを作っていた。

 

「逃がした。それは本当ですの?」

「はい、井ノ原の報告によりますと『勇樹の仲間が来た』ときまして」

 

 夕霧の報告に粟口田は「なるほど」と言いながら、カップに注いだ紅茶を飲む。

 

「それで、妨害とかはどうでしたか?」

「一応しましたが、相手はあの大洗のカモさんチームです。風紀ならば簡単に」

「それ以外に豆戦車に中戦車軍、そしてあの珍等師学園都市高等部の地理部もいます。強敵軍です」

 

 夕霧に続いて初春が答えると、粟口田は「ふむ」と答える。そして。

 

 

 

すぐに建築の速度を速めてください。そしたら至急例の5台メカと強力戦車を起動してくださいまし

 

 

 

 それを聞いた初春たちは「ええ?!」と驚く。

 

「そ、それは事実ですか?! いくら何でも早すぎだと!」

「私も同じです! それに戦車ならともかく5台のあれは!!」

「同意するっす!」

 

 3名の生徒はそう言っていると、粟口田は「心配しないでくださいまし」と言いながら画面を起動する。

 

「5台のメカは、もう安心してくださいまし。向こうから許可が来ましたからすぐに向かっていますわ」

「向かっている…まさか!」

 

 夕霧の言葉に生徒はざわつき始める。そうしていると1名の生徒が「報告します!」と言いながら入ってきた。

 

 

「たった今、栗花落(つゆり)(いつき)不知火(しらぬい)亞希(あき)志摩(しま)(りく)天川(あまかわ)那海(なみ)、そして紫電(しでん)(きん)がこちらに来ています!」

 

 

 それを聞いた初春は「いくら何でも早いわい!」とツッコミを入れる。

 だが、夕霧は「急いで迎えに行くぞ!」と慌てていくと、生徒らも「は、はい!」と慌てて彼女の後を追っていくのであった。それを見た粟口田は紅茶を飲むと同時にこう言った。

 

 

 

 

決戦は、近いね

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「地下に入ったのはいいけど」

「問題はあいつらだな…あの戦車やメカニック、人数が多いからな」

 

 パゾ美と伊江は地下鉄内の駅構内で地図を見ながら言っている。それを見た押田は「あの机は何だ」と、勇樹に向けて机型の道具を言う。

 

「あれは机型マップマシン『地図円卓』だ」

「2500年までの地図情報に地下鉄や空港状態、災害予測などを調べることが出来るっす」

 

 勇樹と一緒に霊華が言うと、安藤は「なるほど、これは便利そうだ」と言いながらジト目で道具を見て言う。

 

「それよりも勇樹、あの井ノ原は一体何者なんだ」

「黒薔薇幹部の1人…と言ってもあいつは中幹部と言った言いレベルだな」

「中幹部?」

 

 勇樹の言葉に安藤は違和感があるような反応すると、伊江は「あ、オレが説明する」とカバンからホワイトボードを出す。

 

「幹部は簡単に言うと選抜隊でな、まぁお前たちが考えている幹部はその1部、あいつらの幹部は並、中、上の3つがある。井ノ原はその幹部の一員でまだ誰も知られていないんだ」

「その幹部は分かりましたが、どうしてその情報を?」

「和葉さんからの情報、彼女は元敵であっても黒薔薇の元生徒。敵とはいえ彼女は私たちと同じ人間、助けてあげないとね」

 

 桜の言葉にみどり子は「確かにそうね」と真剣に答える。

 

「それよりも先輩、ここからどうやって出ればいいんすか?」

「それなんだが…いいものがあったぞ」

 

 霊華の言葉に勇樹はそう言いながら駅の中に入っていくと、アイヌは「おい勇樹?」と彼の後を追っていく。

 

「あ、待ってくれ勇樹!」

「先輩どうしたんすか!?」

 

 それを見た押田と霊華は慌てて後を追っていくと、百合子は「え、ええ?!」と慌てる。

 

「あの、突然行動していいのですか!?」

『葵と茜が行くよ! みんなはここにいといて!』

 

 茜と葵はそう言いながら急いで追うと、伊江は「いいのかよ」とジト目で2人を見て言う。

 

 

だが、ここで待つのは流石に時間がかかる、どうする?

 

 

 連華の言葉に太田は「今それ話す?」と言うと天女は「確かにそうですね」と同意する。

 

「蓮華さん、少し体調面のことも考えてください」

「天女さん少し違うけど!?」

 

 天女の言葉に太田は突っ込むと、小森が「太田、少しいいか?」と言ってきた。

 それを聞いた太田は「なんですか」と言うと、祖父江と砂辺とマリーが円卓を見ていた。

 

「どうしたの小森? 何か大変なことがあったの?」

「あったというより、この地図を見てくれ」

 

 小森の言葉に太田は円卓を見る、円卓には地下鉄の路線が描かれていた。

 

「チリの地下鉄…それがどうしたの?」

「わからないのですか? これを見て」

 

 祖父江の言葉に彼は「ちょっとそれは」と言いながら見ていると、赤い線の一部が時計へと延びていた。

 

「これって…まさか!」

「チリ語で書かれているけど…小森さんわかる?」

「地球反転専用トンネル出入り口専用門…細かい文字は分からないがこれだけは分かるな」

 

 小森の言葉に太田は「本当だ、確かに書いている」と反応する。

 

「って、それと何が関係あるの?」

「それなんだが、今この装置から黒薔薇の反応があった、まぁボクたちがここにいるってことがわかったてことだが」

「ああ、なるほど」

 

 小森の話を聞いていた天女は何かに気づくと円卓に何かを描き始めた。

 

「この出入り口は、電波で開くようになっている。しかし今は廃都市となっているため専用の電波を発する装置はない…ですが」

「ああ、何かに反応すると装置はそれを信号と見なされて起動する。わかりやすく言うと盗聴器の電波にラジコンが反応するってことだ」

 

 天女と小森はそう言うと砂辺は「だとしたら、範囲は」と言いながら円卓に書き込んでいく。

 

「装置が大きければ大きいほど電波の使用範囲は広くなる。だが粟口田が落ちたときには」

「その装置がなく専用の装置も落ちていった、それに大きさからしてもあの乗り物だと半径30キロ以内」

「だけど、あいつらの本体…つまり核が来たら例の装置を持ってくる可能性は高い」

「半径も更に広くなり都市を封じ込めることが出来る」

 

 小森たちの言葉に太田は「あ、そうか!」と気付いた。

 

「太田、気づいたか…先ほどの機械は壊れているが一部がまだ起動している。あの様子だと半径50から70キロ以内にいる」

「大きさからして結構広いな…都会にいる可能性は引くね。だとしたら」

「金銀鉱山が最も多いところでしょうか? もしくは」

「住宅街だな、ちょうどこの装置がある場所は海側ではなく陸地が辺り、しかも山が少ない方面だね」

 

 小森たちの話に伊江は「すごい速いな言葉で言うな」と驚いていた。



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