蜘蛛の異世界生活。スライムの世界で。 外伝 勇者の異世界生活。 (光車)
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召喚されたけど、これはどうなんだ?

道に霧が立ち込める。

俺が住んでいる街は比較的山の中にある。

近くに川もあるし、時々こうやって霧ができる。

だけど、こんな風に霧が立ち込めて、一メートル先も見えない程になるなんて。

そんなことはこれまでなかった。

 

俺は不安を抱きながら、歩く。

 

突如。

 

目の前から車が出てきて。

 

体感する時が急激に遅くなる。

 

そして。

 

身体に当たる。

 

これから痛みがやって来るのだと思うと嫌になって来る。

 

《痛覚無効………取得しました》

 

………?

なんだ、これは。

 

腹が、凹む。

肋がミシリと言う。

 

血は、流れない。

 

《血操作………取得しました》

 

【ユニークスキル及びエクストラスキルを取得した為、第2フェイズに移行します】

 

《精神干渉無効を取得しました》

《エクストラスキル『刻無効』を取得しました》

《エクストラスキル『感情操作』を取得しました》

《ユニークスキル『隠蔽』を取得しました》

《ユニークスキル『五里霧中』を取得しました》

 

【ハイランクスキル『能力照覧』を付与されました】

 

【ハイランクスキル『水神の眷属』を付与されました】

 

【ハイランクスキル『血塗れし覇道』を付与されました】

 

【最終フェイズに移行します】

 

《ユニークスキル『魔剣創造』を付与されました》

《魔法適正『魂魄』を付与されました》

【ハイランクスキル『環境魔法(風)を付与されました】

【ハイランクスキル『擬魄』を付与されました】

 

【最終フェイズが終了しました。異世界召喚を実行します】

 

俺はこの世界から消え去った。

 

***

 

「………ここは………」

 

俺は確か車に………いや、轢かれていない?

痛み自体は感じていない。

 

「………!」

 

急に何かを操られた様な感覚に陥る。

目の前に半透明で青色の板が現れた。

 

「ッツ、」

 

これは、なんだ?

 

***

名前:柊 琳河

年齢:五歳

種族:半水精霊(ハーフウィンディーネ)(人間:水精霊=5:5)

魔素量:平均100,000

分割率

治癒能力:3割2部

身体能力:5割8部

運:5部

偽造:2部

その他:3部

加護:水神の加護

魔法適正:水、風、魂魄、空間、時、生命、散

スキル

『付与』

EXスキル

『血操作』

『刻無効』

『感情操作』

Unスキル

『隠蔽者』

『五里霧中』

『魔剣創造』

Ulスキル

なし

Oスキル

なし

Hyスキル

『能力照覧』

『水神の眷属』

『血塗れし覇道』

『擬魄』

 

 

耐性:精神干渉無効、痛覚無効

 

メッセージ

水神ポセイドンより

こんにちは、柊 琳河さん。

唐突ですが、貴方を私の眷属とします。

 

何故か、と思われているかもしれません。

理由としては、敵である邪神アクアがとある人をこの世界に転生させ、転生した彼女によりこの世界が大変なことになってしまうからです。また、此方の戦力を上昇させる、と言う理由もあります。

 

先ず、今の貴方の状況を説明しましょう。

Unスキル…通称ユニークスキルと呼ばれていますが、私はこの中の、貴方が持っている『隠蔽者』を強制的に発動させています。

これにより貴方を召喚した者に貴方のスキルが発覚しない様にしています。

そして、召喚陣にかかっている強制効果も、精神干渉無効により無効化されています。

ですが、魔法効果自体は無効化出来ませんので、デメリットが存在する『血塗れし覇道』と言うスキルを付与させていただきました。

この効果は、被ダメージを増幅する代わりに、精神・物理共に束縛系魔法を無効化するスキルです。

また、俗に言う御都合主義の様な効果があります。

起死回生の一手ともなるでしょう。

 

そして、貴方に指示に従ってもらうのは『神楽坂 優樹』と言う者です。

 

『リムル=テンペスト』と言う者が貴方達の所に来るまで彼の指示に従って下さい。

 

忠告です。

彼は我々の仲間ではありません。

くれぐれも気をつけてください。

 

P.S

私の能力の一部を付与させていただきました。

この能力を存分に使ってください。

 

能力照覧に関しては、私の世界に転移した際、能力を覚醒させて頂きます。

現在の能力照覧は、自身の能力しか分析できない様になっています。

他の人の能力を開覧する事は出来ませんので、気をつけてくださいね。

 

***

 

これ、は………。

 

………気をつけよう。

 

でも、水神ポセイドンには従えって言われてるし。

 

どうすればいいんだ?

 

………。

 

「………また、失敗か」

 

ッツ!

 

「………お前は?誰だ?」

 

「………答える理由はない」

 

………は?

 

「おいちょっと待て。俺の話を「転移」………なっ!」

 

気付くと俺は牢屋にいた。

 

………ふざけるなし。

 

***

 

ステータス見直して気付いたんだが、年齢が五歳じゃねえか。

気付かなかった。

俺、これでも十二歳だったんだぜ?

七歳も縮んでるじゃねえか。

 

どういうことだ?

 

………人が来てもいいように感情操作で怒りを演出しておこう。

 

がしゃあ

 

………ん?

殺気を向ける。

 

「あ、いた。こんにちは、僕は『神楽坂 優樹』。よろしくね。………君は?」

 

ッ、コイツが神楽坂、か。

 

さらに殺気を向ける。

 

「そんなに警戒をしなくてもいいよ。僕は君には攻撃しないから」

 

警戒の意思を少し弱める。

………便利だな、これ。

感情操作。

 

「ふう、で、君の名前はなんだい?」

 

その問いに、感情操作で警戒を表に出しながら答える。

 

「………柊 琳河」

 

「柊 琳河君だね。よろしく」

 

そう言って手を差し伸べてくる。

だが、俺はそれを取らない。

絶賛警戒の演技中だから。

 

………ん?

なんだこれ。

何か干渉された様な………。

 

ピコン!

 

***

メッセージ

風神セトより

こんにちは、ポセイドンの夫、セトだよ。

君には擬魄と言うスキルが付与されているから、魂に受ける攻撃をそれが肩代わりしてくれる。

これには精神干渉無効が付与されていないから、普通に精神干渉が効く。

けど、これによってある程度相手の察知を無効化、及び誤解させる事が出来るんだ。

今の様な相手にはとても良い能力だよ。

あと、これでも精神に影響は与えないけど、擬魄がどう言う状態かわかる様にもしておいたから、頑張ってね。

じゃ、さようなら。

 

P.S

僕たちを地球神話に当てはめてはいけないよ?

ポセイドンとかセトとかは、あくまでも役職名みたいな物だから。

***

 

………。ふうん。

まあ良いや。

 

擬魄の状態がわかる、か。

 

ふとステータスを見る。

 

***

 

『擬魄』

弱性支配『神楽坂 優樹』

 

***

 

ああ、そう言うことか。

ここだけ上に出しとこう。

 

よし、視界の右上に置けた。

後は気をつけるだけ。

………騙し通せるか?

やんなきゃいけないんだろうな………。

はあ、気が滅入る………。

あの神様もヤバイお願いをしやがって………。

 

………まあ、一通り頑張りますか。



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