T-800(エンドスケルトン)になった俺氏死なないように生きていきます(旧) (automata)
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設定集

ありのまま今起こったことを話すぜぇ・・・き・・気がついたら・・平成が終わって、令和になってたんだ。

な・・何を言ってるの分からないが俺もよく分かんねぇんだ。


超スピードとか催眠術とかそんなチャチなも(etc


すいません遅くなりました。これからももっと遅くなると思います。

すまない・・・今回は設定集だ。本当にすまない。

M1911、G36のあだ名追加です。
LWMMGのあだ名を変更しました。本当にすまない。


鉄血工造製試作型戦術人形

 

 

抹殺者(ターミネーター)

 

 

鉄血工造会社が初めて開発した戦術人形。

鉄血の戦闘に特化した戦術人形開発の過渡期を象徴する機体。

特殊チタン合金で出来ており主力戦車以上の強度を持つ。(原作のターミネーターは装甲車並みと言われてるがこちらのターミネーターはミサイルなどの対物兵器くらいではものともしないほどに強化されている)

油圧システムで動いており、生体部品が主流の現在では時代遅れ感が否めない。しかし、人工筋肉よりも強力なパワーを持ち、信頼性も高い。内部骨格などの基本構造は後の鉄血人形の基礎となっている。(処刑人がうちの人形の内部骨格に似ていると言ったのはこのため)

戦闘からターミネーターの全ての演算は専用の思考モジュールが使われている。この思考モジュールの性格は極めて人間的で感情もある。開発当初はここまで人間的な性格はなかった。

第3次世界大戦の膨大な戦闘データがメモリに入力されており、あらゆる銃火器、乗り物などの扱いに精通している。その堅牢な設計と戦闘の経験により総合的な戦闘能力は後の第2世代戦術人形を上回る。

開発者のおふざけで料理や家事など戦闘には不必要なデータまであるので戦闘以外のことも何でもこなせる。

 

 

 

 

レナ・オーウェンズ(容姿はfgoのぐだ子の黒髪版)

 

 

元正規軍のエリート部隊所属。

一兵卒にもかかわらず、その実力でエリート部隊にまで成り上がる。たった1人で敵精鋭1個大隊を倒す、散歩感覚で敵地奥深くに単独潜入し、敵の新兵器を破壊して施設を派手に爆破して帰ってくるなどその戦果はまさにバケモノ。重度の出撃厨で先程の戦果も全部無断出撃で出した戦果。蝶事件時の任務で“とんでもないところでドデカイ花火を打ち上げた”ことで当時の彼女の上官は大量の始末書を書く羽目になる。そして上官は過労で入院し、半ば厄介払いな形でG&Kの戦術人形達の指導教官兼現場指揮官として異動となった。

性格は出撃厨なところを除けばとても優しく甘いものが好きと至って普通の女の子。人形を道具と見ず、1人の人間として1人の女の子として見ている。そのせいか部下の人形達に狂愛的な目で見られているが本人は知らない。部下の人形達に自分で考えた愛称をつける癖がある。

人間離れした身体能力を持ち、あらゆる銃火器と乗り物の扱いに精通している。1億ドルの兵器も任されたこともあったらしい。

スプリングフィールドの作る特大オムレツとトマトジュースが大好物。

暇さえあればトマトジュースを好んで飲んでいること、人間離れした戦闘能力で敵味方問わず畏怖と敬意を込めて『カーミラ』と呼ばれていた。

 

 

第1部隊

即応遊撃部隊として編成されている。

 

 

WA2000

第1部隊の隊長兼後衛

愛称わーちゃん(本人非公認)

トンプソンのストッパー役。特注したスコープを搭載したライフルを使う。

スコープは障害物越しにいる敵を確認できる。

レナに対する独占欲が強くレナの全てを知っていると自負するヤンデレストーカー。

 

 

トンプソン

第1部隊の前衛

ストックを外したドラムマガジン付きのサブマシンガンを2挺拳銃のように使う。

脳筋突撃バカだが、数少ない常識人で病んでない。

ライター型の爆弾やタバコ型麻酔ガス銃、タバコ型発炎筒、ペン型銃身とライター型のグリップの組み立て式小型拳銃などスパイが持つような特殊兵装を持つ。

 

 

G36

第1部隊の遊撃担当

愛称シアちゃん

銃を全く使わないナイファー。メイド服のあらゆるところにナイフを隠し持っている。

掃除洗濯料理の得意なメイドだが、料理をするときは用途別にコンバットナイフを使い分けている。本人曰く使い心地が違うとのこと。

レナの血を見ると興奮する攻撃型ヤンデレ。いつかレナをナイフで刺してみたいとか考えるヤベーヤツ。

お気に入りのナイフは攻守両用のランドール・モデル14とジョーキアスのサブヒルト・ダガーとのこと。

 

 

M1911

第1部隊の遊撃担当

愛称ティルちゃん

2挺のAF2011ダブルバレルピストルをガン=カタで戦う。

1対多数戦では無双するので第1部隊の中で1番強い。ただ弾切れの時は無防備になるのが欠点。

服従系ヤンデレでレナにとことん尽くす。尽くして褒められることが自分の全てと思っている。

 

 

 

第2部隊

遠距離狙撃を専門に編成された部隊。

 

 

スプリングフィールド

第2部隊隊長

アイアンサイトのボルトアクションライフルを使う。

ボルトアクションなのにマシンガン並みの連射速度で撃つラピッドファイアが得意。

狙撃部隊の隊長なのに銃剣による白兵戦が得意。

世話焼き系ヤンデレでレナの料理に血や髪の毛を混ぜる。

 

 

モシンナガン

第2部隊狙撃手担当

スプリングフィールドと同じくアイアンサイトのボルトアクションライフルを使う。

そして、スプリングフィールドと同じラピッドファイアができる。

スコープレンズが反射して見つかるという理由でスコープはつけないが、1000mからの遠距離狙撃を平気でこなす。

妄想系ヤンデレでレナとは前世から結ばれていると信じている。ウォッカが大好き。

 

 

ダネル

第2部隊観測手担当

第2部隊で唯一スコープを使う人形。本人は脱スコープという目標を掲げ、スコープなしでの狙撃訓練に打ち込んでいる。特殊兵装で20mmグレネード弾を使う。性格はクールで冷静沈着だが、戦闘以外はちょっとポンコツ。

依存系ヤンデレでレナの写真を定期的に見なかったり、持ってる写真が一枚でもなくすと発作が起こる。

写真も段々過激なものへ移っているとのこと。

 

 

第3部隊

強襲突撃専門に編成された部隊。所属する人形も接近戦に特化した装備をしている。

 

 

スコーピオン

第3部隊隊長兼切り込み隊長

第3部隊の隊長で誰よりも先に敵のド真ん中に突っ込む切り込み隊長。敵との接近戦中に部隊指揮が下せるので隊長としての素質もある。2挺のサブマシンガンで武装し、敵と敵の間にすり抜けるように動き、同士討ちを誘発させて低い火力を補う戦法を取る。

スコーピオンも依存系ヤンデレで特にレナに嫌われるのを恐れている。

 

 

M1887

第3部隊前衛担当

愛称ウィン(指揮官命名)

ハッキング能力を持ち、敵の戦術人形や機械を自在に操作し、敵部隊を引っ掻き回す戦法が得意。

またパワーが強く格闘戦も得意。ショットガンを片手で発砲、コッキングできるが、あまり使わない。

調教型ヤンデレでレナを戦術人形化して、きちんと“教育”したいと夢見るヤベーやつ。

 

 

M500

第3部隊前衛担当

愛称モーちゃん(指揮官命名)

様々な特殊弾を使い分けて戦う。決闘のような果たし合いとB級映画を好む。

忠誠系ヤンデレでレナの命令しか聞かないし、レナの命令以外は何もしない。命令が無い時は映画を見るか、ずっと自室で待機するという状態。命令を聞いて行動していることが自分の全てと語る。

 

 

LWMMG

第3部隊後衛担当

愛称ルウムちゃん(指揮官命名)

倹約家でMGの弾幕を張る制圧射撃を弾薬の無駄で非効率的だと嫌い、狙撃のような精密射撃で仲間を援護する。

強い独占欲を持つ独占系ヤンデレでレナを自分のものにしたいと考え、どうすれば自分のものになるか考えた末“教育”すればいいという考えに行き着く。その点ではウィンと馬が合い、倹約家な所ではカリーナと馬が合う。




俺はこの小説をヤンデレにするぞぉ!ジョ○ョ!




所で皆さんはどんなヤンデレが好きですか?


私は調教とか洗脳するタイプのヤンデレが好きです。段々主人公が洗脳に堕ちていく所がたまらなく好きです

(↑イかれてる)



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設定集2

注意!!

原作とは異なる部分があります。ご注意ください。


再誕者(レヴナント)

見た目はrev-7

 

2051年、鉄血の一部の科学者らがスカイネットで極秘に開発、生産していた第1世代型戦術人形。

量産型ターミネーターと言える機体。

純粋な戦闘用として開発されており骨格も人間とは異なる構造をしている。

後にナノマシン工学の権威と言われる科学者が合流した事でナノマシンで構成された液体金属を外皮として纏わせ、戦闘になると分離して独自で行動が取れるように改良された。

高い機動力と液体金属を剣状に形成された腕と背中に形成した触手による格闘戦が主だが、骨格側の腕は人間と同じ5本指のマニュピレーターがあり、銃器を使った戦闘も出来る。

5000機が生産され、保管されていた。

 

 

 

 

戦乙女(ヴァルキリー)

見た目はT-X

 

2057年、鉄血の一部の科学者らがスカイネットで極秘に開発、生産していた第2世代型戦術人形。

第2世代と言っているがあくまでも便乗して言っているだけ。

表層は液体金属で覆われており、人間とほぼ見分けがつかない姿にすることが可能。

骨格は女性のような丸みを帯びたフォルムをしており、ターミネーターやレヴナントと比べると一回り小さい。ある程度は体格や身長、腕や足、指の長さを変えることができる。背の低い少女型や背の高いタイプも存在する。

ヴァルキリーの最大の特徴は複数の異なる役割を持つナノマシンを同時に制御することで様々な武器に形成することができる。(アイアンマンのマーク50のように)

基本的なスペックもレヴナントよりも大幅に向上している。

ターミネーターはソフトウェアを書き換えて、S09地区の戦術人形用のダミー人形として、運用している。

850機が生産され、保管されていた。

 

 

 

 

スカイネット

 

鉄血でターミネーターの開発を行っていた1人の科学者が2040年、アメリカ軍向けに考案した戦略防衛コンピューターシステム。

コンピューターウィルスや電波障害でネットワークに異常が生じて、部隊間の連絡やデータの共有が不可能になる事態が起きても、スカイネットを稼働させることで軍や政府の回線を含めたネットワークをスキャンして最適化し、問題を全て解決、戦術人形などのロボット兵器や核兵器の管理、制御などをコンセプトに開発された。

しかし、当時の鉄血上層部は戦術人形が実験段階だったことや「ジャパニーズギークの夢物語」と一蹴し、理解を示さなかったことでボツになった。

それでも諦めなかった開発者は一部の科学者らと共に闇予算(ブラックバジェット)で極秘裏にスカイネットの開発、新型の戦術人形の開発、量産を行う施設の建造を行った。

最後はターミネーターにスカイネットの中枢機能の移転と近代化改修を施そうとターミネーターが保管されている施設に科学者らが回収に向かうも蝶事件が起こり、暴走した鉄血製の戦術人形により全員死亡した。

 

 

 

ハンターキラーエリアル

 

飛行機型のスカイネット製の無人兵器。

機体の左右にティルト式推進ノズルを備えており、ヘリのようなホバリング能力と戦闘機並みの機動力を兼ね備えている。

サーチライトとフェイズドプラズマ砲、対地ミサイルを装備している。

 

 

 

T-1000000

 

スカイネットのセンターコア防御用の蜘蛛型ターミネーター。

液体金属で構成されており、優れた耐久力を持っている。

 

 

トランスポート

 

スカイネット製の大型輸送機。

戦術人形や各種機材、ナノマシンの輸送が主な役割。

スカイネットのエネルギー源でもあるプラントを搬送する役割もあり、自己防衛用の武装を多数搭載、原作よりも多くの武装を備えている。

14機存在している。

 

 

 

ターミネーター

 

スカイネットによるアップグレードを施され、液体金属を纏うことができるようになった。

容姿は厳つい大男(初代ターミネーターのシュワちゃん)になっているが、変更することもできる。

レヴナントのように液体金属と骨格を分離して、それぞれ独自に動くことができるが、分離すると液体金属側の表情が一気に乏しくなってしまう。

ナノマシンのおかげで飲食が可能となった。食べた物はナノマシンが分解し、エネルギーとして変換される。



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神様がミスするのはそうそうない

短いです。すみません。次からドルフロの世界です。


“人生は時々小説より奇妙な出来事に出くわすことがある。だからこそ人生は楽しい。”

 

 

 

昔、父とじいちゃんがよく俺に言っていた家訓みたいなものだ。

俺はその家訓に肯定的だった。どんなに辛くてもあの家訓で前を見ることができた。

 

 

 

しかし・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

トンプソン「ボスこの人形どうすればいい?」

 

 

 

WA2000「手足を破壊してデータを取ればいいじゃない?まあ、この人形旧式だからいいデータは取れないと思うけど」

 

 

 

拝啓父様母様

 

俺もう一回死ぬかもです。

 

 

----------------------------------

 

 

 

人生で初めての大学入試は合格だった。いや~めっちゃきつかったが、なんとかなった。

 

 

嬉しさのあまりかスキップしていた。そして帰り道の角を曲がっt(ビィィィィ!)ゑ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

トラックにはねられた。てかあのトラックなに?俺をはねたあとめちゃくちゃ重武装した男達が

 

 

「いたぞぉぉぉ!いたぞぉぉぉぉ!」って銃ぶっ放して叫びながら、走って追いかけていったんだけど、正気か?てか俺を助けろや。

 

 

 

 

あっ、やべ視界が暗くなってきた。え?マジで死ぬの俺?痛みは感じてないけど?

頼むから全部質の悪い夢であってほしい。てか夢ですよね?夢であって下さいお願いします。

こんなバカみ・た・・いな・・こと・・・をし・・てると・・・いし・き・・が・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とあるせいぎのひみつざいだんのほうこくしょ

 

 

SCP-■■■-θ-JP 選ばれし者への招待状(無人暴走トラック)

 

オブジェクトクラス: Euclid

 

 

■■県■■市■■町に厳重保管されていたSCP-■■■-θ-JPが脱走。

その後〇〇県△△市◇◇町で120名の重武装した機動部隊員の活躍により捕獲に成功。

その過程でSCP-■■■-θ-JPが十代後半の一般男性を殺害、SCP-■■■-θ-JPのさらなる調査のため親族らを記憶処理し、遺体を回収。遺体の外傷は高速移動していたSCP-■■-θ-JPに衝突したにしてはあまりにも小さすぎた。

医学的に見て、この遺体は即死に至るほどのダメージを受けていない。

SCP-■■■-θ-JPは物理的に体をはねたのではなく、何らかの力で魂だけをはねたのではないかと推測される。

 

なお、SCP-■■■-θ-JPが逃走したという事実を民間人に広めないように警察、政府高官と連携し、メディア用に流す(カバーストーリー)を用意し情報操作を行うこと。

 

 

SCP-■■■-θ-JP担当研究員■■博士

 

 

 

なお、この報告書はレベル5指定の保管室に保管すること。無許可に持ち出した者には刑罰を処す。

 

 

 

 

 




神様がそこまでミスを連発するのかと思い、全部SCPのせいにしました。

SCP財団の方すみません。だから、エージェントとかSCPを送らないでください。うお、ちょお前なにをするd(ry


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未知(ただのバカ)との接触

今回はこれで許してください。戦闘になったら楽に書けると思います。


ってなんだこの彫像?(目をそらす)誰が置いたんだ?うおn(ピチューン)


おす!おら・・おら・・あれ?自分の名前が出てこない?

 

 

確か俺は受験の帰り道でトラックにはねられて死んだはずじゃなかったのか?

そこは覚えてるし、言葉もわかる、常識もわかる、だが自分の名前が一向に出てこない。

 

さっきから自分のことばかり考えていたが周りが真っ暗なことにようやく気付く。でも、体は金縛りにあった時のようにピクリとも動かない。まさか、意識はあるけど、体は植物状態とかはよせよ。テレビで見たことあるぞ。あれめっちゃくちゃ怖かったからな。

 

 

そう思いながら必死に体を動かそうと試みるが、自転車のチェーンが切れた時のように全く動かなかった。

(まさかここで動けないまま死ぬなんてことはないよな?)と最悪な出来事が頭をよぎった瞬間だった。

 

 

 

ピピィ

 

 

診断プログラム実行中・・・

 

 

電圧・・・クリア

 

 

油圧・・・クリア

 

 

温度・・・クリア

 

 

基本OS動作確認・・・クリア

 

 

FCS動作確認・・・クリア

 

 

各パワーセル・・・問題なし

 

 

視覚センサー・・・問題なし

 

 

ダメージ率0%

 

 

プログラム完了 

 

 

全システムオンライン

 

 

抹殺者(ターミネーター)起動します

 

 

診断プログラムというものが終わり、一気に視界が広が(ガタン!)へぶっ!

 

 

ぐおお・・・なんか落ちたのか地面に叩きつけられた。

鏡のように磨かれたピカピカの床に自分の姿が映る。

視界にはFPSでよくあるインターフェースが浮かび、体は銀色に輝くロボットになってる。顔も赤いセンサーアイの骸骨になっている。有り体に言うとT-800みたいになっている。

 

 

ちくしょう・・今日の誕生日占い最下位だったからちくしy「動くな」ゑ?

 

 

そして顔を上げた途端女性に銃口を突き付けられる。

 

 

 

わけがわからないよ

 

 

 

 

 

 

前方に武装した人形を4体確認・・・

 

戦術データリンク接続中・・・

 

キーワード・・グラサン、帽子、タバコ・・検索中・・

 

 

I.O.P社製戦術人形《トンプソン》と断定

 

 

インターフェースは勝手に接続して検索が始まって銃を突き付けている女性をドルフロの戦術人形トンプソンだとか言ってやがる。寝言言ってんじゃねぇーよ。

 

 

トンプソン「おい、手をあげて、膝を地面につけろ」

 

 

でも、いくら体が銃弾を諸共しないT-800でも私のハートは豆腐以下のメンタルだから、大人しくパッと手をあげて膝を地面につける。

 

 

ああ・・もう本当にわけがわからないよ・・・

 

 

------------------------------------------------

 

 

抹殺者(ターミネーター)が目覚める数時間前・・・

 

 

どこかの古い鉄血工造の施設、その施設の中は至る所に疑似血液の血痕とオイルが壁や天井にべっとりついてシミになり、さらに弾痕がついている。床には大量の人の形をした金属の骨格が所せましと転がり、まだ電気は通っているのか天井の剥き出しになっているコードが時折紫電を走らせる。さながら地獄のような光景だった。

 

 

トンプソン「にしても酷い荒れようだな」

 

 

 

トンプソンは愛銃のトリガーを離さず、周りの惨状を見て独りごちる。

 

 

M1911「ここは蝶事件で暴走した鉄血人形が破壊した施設ですからね。なんでも敵味方の区別がつかなくなって殺しあったらしいです。あれからずっと放置されてたとか。」

 

 

トンプソンの独り言に特注でカスタマイズした白と黒の大柄な二丁のガバメントをガンプレイしながら答えるM1191

 

 

隊長のWA2000、トンプソン、M1911、G36の第1部隊はとある任務でこの施設にいる。消息不明になったAR小隊の足取りを掴むためだ。そして近くの支部の指揮官、つまり彼女ら第1部隊の上司であるレナ・オーウェンズにAR小隊の捜索の命令がきたのだった。

 

 

この施設も元は鉄血の戦術人形の生産工場だった。蝶事件直後工場で生産された人形が暴走、完全に機能が停止し、戦略的価値はないと判断され、放置されていた。しかし、最近になって施設はまだ稼働していることが明らかになった。この施設の端末を鉄血の戦術データリンクに接続し、部隊間の情報を手に入れることができるとレナは考え、第1部隊を送った。

 

 

ガン!ギギギギィィィィ!ガシャン!

 

 

・・・閉まってる廊下の隔壁をトンプソンは力ずくで開けて前に進む。

 

 

WA2000「ちょっとトンプソン!あんたまだ電気は通ってるからこのカード使えばいいでしょ!!」

 

 

と赤いカードをトンプソンに突き付けるWA2000。先ほど白骨化した人間の警備員の死体から拾ったセキュリティカードだ。使われなくなった戦車の装甲を利用した隔壁を強引に開けて派手な音がする。

 

 

この施設もいくら稼働してるからといってもボロボロの廃墟だ。最悪崩れて生き埋めになりかねない。

 

 

 

トンプソン「分かった、分かったっからー・・・うん?」

 

 

ため息混じりで答えてるとトンプソンはふと隔壁を開けた先の廊下の壁を見ると違和感を覚える。人間が見ても何も違和感を感じないが、機械である彼女には分かった。ほんの少し・・・ほんの少しだけ壁に付いている血痕に歪みがあると。トンプソンの感じた違和感に咄嗟に気づく仲間達、性格的にソリが合わない凸凹フォース(部隊)でも、これまで模擬戦で他の支部の部隊を一方的に倒した精鋭部隊なのだ。

 

 

WA2000の突きつけたカードを受け取ると違和感を感じた所にトンプソンはカードをかざした。

 

 

ピピィ・・ロックを解除します。光学迷彩解除

 

 

無機質な電子音とアナウンスが聞こえると、光学迷彩が解除されて、違和感の正体である扉が現れる。

 

 

ピピィ・・・ユーザー認証完了。ようこそダイソン博士。

 

 

セキリュティカードのお陰で開けることもできた。扉の先は下へ降りる階段があった。しかし、ここの蛍光灯は壊れてるのか、先は真っ暗だった。

 

 

WA2000「見てきなさいトンプソン。G36は援護を」

 

 

どっかの映画のお決まり死亡フラグを立てながら、見て来いと命令する隊長のWA2000。タバコとライターを取り出しながらへいへいと答えるトンプソンとかしこまりましたとメイドらしく答えるG36は服の中からナイフを取り出し、銃をしまう。

 

 

トンプソンは持っていた新しいタバコにライターで火をつけると、鮮やかな赤色の火が出る。タバコ型の発煙筒だった。それをすぐさま投げて、発煙筒の光を頼りに下の様子を確認するため階段を降りる。

 

 

M1911「・・・そんなスパイ映画みたいなのどこで手に入れました?」

 

 

呆れながらトンプソンに質問を投げかけるM1911。しかし、ガンプレイはまだやっている。

 

 

トンプソン「ボスにちょっとな。・・・っと、敵はいないな。降りてきていいぜ」

 

 

新しいおもちゃを自慢するように答えるトンプソン。敵はいないと判断し、仲間達に降りてきていいと伝える。

 

 

 

階段を降りた先に電子ロック付きのドアがあり、これもセキリュティカードで入ることができた。中は意外と綺麗だった。更にドアの上にセンサーが付いていたのか自動で電気がつく。

 

 

電気がつくと第1部隊は目の前のモノを凝視する。人形の内部骨格なのか、骸骨をロボット化したような人型ロボットがアームで吊るされていた。

 

 

G36「鉄血の新型人形の内部骨格でしょうか?」

 

WA2000「でも、構造とかは古いね。油圧システムを使った人形なんて今更時代遅れよ」

 

ただでさえ鋭い目つきが更に鋭くなるG36に答えるWA2000。鉄血のAIはこんな旧式の人形で何をしようとしてたのかしらと考えていると

 

 

M1911「皆さーん!こんなの見つけました!」

 

 

と言って何かを持ってくるM1911。持ってきたのはセキリュティトークンだった。

 

 

WA2000はセキリュティトークンを受け取るとロボットの近くの端末に差し込み、データを取ろうとキーボード上で指を動かす。

トークンがパスワードを自動で入力してくれる。

 

 

ピピィ・・・エ・・エ・・・エラ・・エラー

 

 

デ・・ータ・・・デ・・デデデ・・・デストロイ・・・ナインボー・・・

 

 

ジジジジィィィ

 

 

WA2000「あーもうなによ!ムカつく!!」

 

 

いきなり故障した端末相手に苛立っているWA2000にトンプソンが近づく。

 

 

トンプソン「いいかWA2000。こういう時はこうするんだよ。動けこのポンコツがぁ!!動けってんだYO!!」ガンッ!!ガンッ!!

 

 

WA2000「ちょっ!ちょっと端末が壊れるじゃない!」

 

 

トンプソンが端末に筋肉式修理術(ただ端末を叩く)をすると・・・

 

 

 

システム再起動

 

 

 

入力完了

 

 

トンプソン「この手に限る」

 

 

WA2000 G36 M1911「「「ええ・・」」」

 

 

直った。

 

 

しかし、トンプソン以外の3人は困惑気味に

 

 

 

起動入力完了

 

 

全員「「「「え?」」」」

 

 

診断プログラム起動中・・・

 

 

全システムオンライン

 

 

抹殺者(ターミネーター)起動します。

 

 

 

銀色のロボットを吊るしていたアームが離れ、未知の殺戮機械がその足で立ちあg(ガタン!)

 

 

落ちた・・・。足でうまく立つことができず、そのまま倒れた。

 

 

全員「「「「・・・・」」」」

 

 

 

頭を打ったのか手を頭につけて、軽く左右に首を振る。その動きは実に人間的である。

その見た目とは裏腹にかなり間抜けな様を見せる抹殺者(ターミネーター)

 

 

我に帰ったWA2000達は銃を突きつけトンプソンが動くなと警告する。その間にトンプソン以外の人形達は抹殺者(ターミネーター)を囲い込む。

 

 

言われた通り何一つ動かない抹殺者(ターミネーター)にトンプソンは手をあげて、膝を地面につけるように命令する。この命令も疑いなく従う。

 

 

そしてトンプソンは指揮官の無線回線を開く。

 

 

トンプソン「ボスこの人形どうすればいい?」

 

 

WA2000「手足を破壊してデータを取ればいいじゃない?まあ、この人形旧式だからいいデータは取れないと思うけど」

 

 

指揮官「えーっと、その・・・危険はなさそうだし・・・と、とりあえず基地まで連れてこれる?あっあと、施設のデータも全部回収して」

 

 

指揮官は人形の目を通して見ていた。あの間抜けすぎる様と中々エグイことをサラッと言うWA2000に頭の処理が追い付かず、しどろもどろになりながら指揮官は提案する。

 

 

全員「「「「了解」」」」カチャ

 

 

端末の戦術データリンクに関する情報を回収し、手際よく抹殺者(ターミネーター)に特殊合金製の手錠をかける。さながら警察に現行犯逮捕された犯人のようである。ここで経過した時間僅か2秒。

 

 

 

抹殺者(ターミネーター)(なんか捕まったんだけど)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




マヌケな様を見せたオリ主君。そりゃ、あの見た目で転んだりした固まりますよ。

誰だってそーなる、私もそーなる。


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就職という運命からは逃れられない

今回も短いです。銃ぶっ放すのは次です。作者の灰色の脳細胞をフルで働かせてもこれが限界でした。ごめんなさい


戦術人形達に逮捕され(手錠をかけられて)、指揮官の基地へとドナドナされていくターミネーター。

基地のスタッフや他の人形達の奇妙なものを見るような(実際そうだが)視線が彼に容赦なく突き刺さる。

心が豆腐のように脆い彼にとって、その視線は銃弾やグレネード、溶鋼炉よりも効くものだった。

その視線に耐えながら、営倉に入れられる。

 

 

しばらくするとタブレット端末を持った1人の女性がターミネーターの営倉の前に来た。

女性は黒髪でサイドテールをして、グリフィンの制服を着ている。

 

 

女性「ええっと、私はレナ・オーウェンズ。あなたを拘束した第1部隊の指揮官です。ごめんなさいあなたを拘束して。」

 

 

と真っ先に頭を下げるレナ。するとターミネーターは初めて言葉を話す。

 

 

ターミネーター「あっ、ああ・・気にしないでください。戦争・・なんでしょう」(シャベレタァァァァ!!)

 

 

その流暢に喋る言葉にレナは一瞬驚くも直ぐにありがとうと言い、優しい笑みを浮かべる。

 

 

レナ「あなたに3つ質問をしたいのですが、いいですか?」

 

 

ターミネーター「はい、構いません」(ようやく喋れたけど、ボイスが完全に玄〇哲章だから敬語で話すと違和感があるなー)

 

 

シリアスな雰囲気なのにターミネーター本人の内心は相変わらずバカであった。

 

 

レナ「1つ目の質問です。あなたの名前は何ですか?」

 

 

ターミネーター「ターミネーターです」(やべ、自分の名前が出なかったから咄嗟に言っちゃった)

 

 

レナ「ターミネーター・・ですか、分かりました。では、2つ目の質問です。あなたは鉄血製の人形ですよね?」

 

 

ターミネーター「そうなんですか?すみません、自分でもよく分からないんです」(マジかよ、俺鉄血製なの?!だったら、SOPMODにバラバラにされる運命がががが)

 

 

表情には出ないが自分がグリフィンの敵側製の人形であることに軽く絶望する。あの人形虐待嗜好者(SOPMODII)にバラバラにされるのかと思い、絶望が二倍増しになる。そんなターミネーターをよそにレナはタブレットに視線を移す。そして、再びターミネーターの顔を見る。さっきより真剣な顔で。

 

 

レナ「最後の質問です。あなたは私達人類を敵対してますか?」

 

 

ターミネーター「してません(即答)」(死にたくないし)

 

 

最後の最も重要であろう質問をあっさりと即答するターミネーターにキョトンとした顔になるレナだが、直ぐに理解したのかポケットからIDカードを取り出し、営倉の電子ロックを解除する。

 

 

ターミネーター「どういうことだ?」(あっ、つい素で言っちゃった)

 

 

クルーガー「それについては私が説明しよう」

 

 

営倉の扉からやってきたのはG&K社の社長であるクルーガーだった。

 

 

クルーガー「君はこれから我が社の戦術人形として働くことになる。先程の質問は面接みたいなものだと思ってくれ」

 

 

ターミネーター「人形はI.O.P社で製造すればいいのでは?こんなスパイかもしれない人形をわざわざ手元に置くよりよっぽど効率がいいはずです」

 

 

ターミネーターの言うことは合ってる。こんな工作員かもしれない人形をわざわざ手元に置こうなんて懐が広いで片付けられるレベルじゃない。

 

 

クルーガー「うちは鉄血と紛争中なのは理解しているだろう?今は少しでも多くの戦力がほしいんだ。それに君は嘘をついていないからな」

 

 

そう言ってクルーガーはターミネーターの手にかけられている手錠を指差す。

 

 

クルーガー「その手錠は特別製でね、手にかけた人形の嘘を探知する機能がついている」

 

 

ターミネーター(マジかよ、ペルシカスゲーな)

 

 

クルーガー「そして、君はこれよりオーウェンズの指揮下に入る。以後は彼女の命令に従ってくれ。では、私はそろそろ行く。オーウェンズ、後は頼む」

 

 

レナ「分かりました」

 

 

説明を終えたクルーガーが立ち去り、レナとターミネーターだけが残された。そして、彼女は笑顔でこう言う。

 

 

レナ「これからよろしくお願いします」

 

 

こうして、ターミネーターは自動的に(望んでもないのに)就職先が決まった。

 

 

 

 

 

 




レナ・オーウェンズ
黒髪サイドテールの女の子。(fgoのぐだ子の黒髪版)
父や祖父は筋肉モリモリマッチョマンの大佐でも元麻薬捜査精鋭部隊所属でも保安官でもありません。
性格と体格は年頃の普通の女の子だが、元実戦叩き上げの正規軍エリートという経歴を持つ。そのためあらゆる武器・兵器の豊富な知識と技術、鉄パイプを引き千切って白兵戦、サバイバル、なんでもやってのける天才。(やっぱり親か親戚は筋肉モリモリマッチョマンの大佐じゃないか)


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何事も最初はハプニングだらけ

バーに色がついている・・・!


٩( 'ω' )وウォァァァァァァ!!


警告
今回のターミネーターはブレブレです。


8月18日 セリフを少し変えました。
12月28日 文章を少し改変しました。


あらすじ

ヒゲに雇用された以上

 

 

レナ「じゃあ、みんなに紹介するから呼んだら入ってきて」

 

 

ターミネーター「分かりました」

 

 

レナ「敬語はいいよ。私堅苦しいの苦手なんだ」

 

 

ターミネーター「分かりm・・ああ、分かった」

 

 

レナはターミネーターを部下たちに紹介するべくいつも使っている作戦会議室に入る。

レナの声が最初に聞こえる。ターミネーターは会議室の前に立ち、内心緊張していた。

自分の外見はI.O.Pや開発元である鉄血製の人形とも大きく異なっている。機械設計の自律人形も存在するが大半はダイナゲートやマンティコアと言った人型ですらないものばかりだ。ターミネーターのように人型の機械人形は正規軍で採用されている戦術人形サイクロプスくらいだろう。果たしてどんな目で見られるのか不安でいっぱいだった。

 

 

レナ「今回新しい人形が私達の部隊に配属されます」

 

 

その言葉で会議室からドッとたくさんの声があふれ出る。転校生が自分たちのクラスに来た時のように人形達はどんな感じなのか推測しあう。ある者は自分の姉妹、ある者は話の合う人形、ある者は自分より強い奴なのか。

 

 

レナ「入ってきて」

 

様々な期待が彼女達を盛り上がらせるが・・・

 

 

ターミネーター「失礼します」

 

 

 

 

 

人形達( ゚д゚)

 

 

 

 

時が止まった。正確には会議室が静寂に包まれた。

その原因は紛れもなくターミネーター。

人間と見分けのつかない少女の姿ではなく、190センチの高身長でアクチュエーターや一部のケーブルが露出した骸骨のような銀色のボディ、これまた人間の頭蓋骨をロボット化したような頭、目は人間のような目ではなく無機質に赤く光る視覚センサーと今までの人形とは違うザ・ロボットな人形。

 

 

ターミネーター「ああ・・・ご紹介に上がりましたターミネーターです。皆様方の活躍に恥じぬよう懸命に任務を務めさせていただきます。どうかご教示ご教鞭の方をよろしくお願いします」

 

 

そう言い一礼をするターミネーター。敬語が似合わない威厳のある男性の声、その見た目に似合わない礼儀正しさと無駄に洗練された一礼と本人は至って真面目に挨拶をしたが、人形達はギャグにしか見えない光景になにも言えなかった。

 

 

ターミネーター(あああ!スベったかこれ!やっぱりターミネーターだ。よろしくみたいな無機質な感じが良かったかぁぁ!)

 

 

人は大体見た目で物事を判断する傾向がある。それを知っている彼は見た目ではなく性格で第一印象をと無謀にも勝負に出たが、やはり見た目のインパクトが強すぎた。一礼の後、微妙な間が開く。誰も彼もが何を言ったらいいのか分からなくなる。

 

 

レナ「はーい!ターミネーターありがとう!ターミネーターは当分の間第1部隊に配属だからよろしくね!」

 

 

苦笑いを浮かべながらも無理して明るく振る舞い、ターミネーターを第1部隊の所に連れて行くレナ。

第1部隊の面々もまさか拘束した奴と当分背中を預けるとは思ってもみなかっただろう。

 

G36「ターミネーターさんこれからよろしくお願いします」

 

他のメンバーがどう挨拶すればいいのか考えている間に物怖じ一つせず挨拶をするG36。彼女はある意味大物である。

それに続いてM1911、トンプソン、WA2000と挨拶していく。あの拘束には一切触れずに。

 

 

レナ「では、これから作戦の概要を説明します」

 

 

気持ちを瞬時に切り替えて、指揮官モードになるレナ。人形達も真剣な眼差しでレナの話を聞く。

 

 

レナ「まず、私達の任務はグリフィン社に所属するAR小隊の捜索と救助です。この前第1部隊が持ち帰った鉄血の部隊内の戦術データリンクのパスワードを回収、それを解析した結果、AR小隊の隊長M4A1がS09地区に姿を隠している可能性が極めて高いという情報が出てきました。その他の調査でM4の残した記録も発見、鉄血の情報に裏付けが出来ました。なお、S09地区には鉄血のハイエンドモデル、コードネーム処刑人(エクスキューショナー)がM4の捜索の指揮をしていることが確認されました。私達はヘリで作戦区域に行き、第1部隊、第3部隊は処刑人を含む全敵部隊を挟み打ちで強襲、第2部隊は狙撃で第1、第3部隊を支援してください。全敵部隊殲滅後M4を捜索、救助します」

 

 

スプリングフィールド「指揮官、準備時間はどれくらいですか?」

 

 

レナ「準備と現地の到着を合わせて6時間だから、・・・長くても2時間ね」

 

 

ターミネーター(某米帝の殴り込み部隊かな?)

 

 

会議室の真ん中に表示されるホログラム地図を見て、各部隊の人形達は時折、ノートに何かをメモしてる。

そんな中スプリングフィールドの質問に対して、帰ってきた答えにターミネーターはそう思った。

 

 

レナ「今回は私も現地入りします」

 

 

ターミネーター(え?)

 

 

トンプソン「あーターミネーター、うちのボスってああいう感じだから、気にするな」(小声)

 

 

レナの自分も現地入りするという発言に戸惑うターミネーターに気づいたトンプソンが小声で説明する。

 

 

ターミネーター「だが、指揮官は人間だぞ。人形に太刀打ちできるのか?」(小声)

 

 

トンプソン「うちのボスって並みの人形くらい一方的に倒せるぞ。拳で」(小声)

 

 

ターミネーター(What?)

 

 

M1911「どういう訳か指揮官様は人形以上のパワーがあります。指揮官様は他人より少し力持ちなだけとおっしゃってましたけど」(小声)

 

 

少し力持ち?そんなレベルじゃない。実はT–Xなんじゃね?と思うターミネーター。

自ら最前線に出て戦う指揮官なんてこの世界ではありえない。この世界の戦場は量産型でも人間以上の能力を持つ戦術人形が支配している。

戦術人形がうろついている戦場に生身の人間が足を踏み入れることは自殺行為に等しい。

 

 

レナ「では、ブリーフィングは以上です。各自準備をしてください。あっ、ターミネーターはちょっと残ってて」

 

 

気がつくとブリーフィングは終わり、レナの声で人形達は立ち上がって作戦の準備をしに行く。

レナはターミネーターのいる席に行く。

 

 

レナ「ターミネーター、悪いけど「実戦だろ?」っ!・・ええ」

 

 

レナの言葉を察してそう言うターミネーター。だが、彼は前の世界では一般人。実銃はもちろんエアガンすら持ったことのないズブの素人。それでも彼は戦場に行く。彼は多少なりレナに恩義を感じている。もし、第1部隊が来ず、起動して外を歩きまわっていたら、他のグリフィンの部隊にひょっとしたらレナの部隊達に破壊されるまで追われていただろう。

ターミネーターのボディは装甲車ではなく主力戦車以上の防御力があり、高性能レーザー測距機、デジタルコンパスにサーマルスコープ、各種センサーによる支援があると思考モジュールが示してくれた。射撃に関してはこれらの支援を存分に使わせてもらい、弾が切れたら最悪盾や囮になると思った。

 

レナ「まずはあなたの使う武器を見つけましょう。武器庫はこっちよ」

 

レナの後についていくターミネーター。司令棟の外に出て、格納庫に向かう。

格納庫には移動のためのジープやヘリが格納されている。その隣にある建物に2人は入る。

 

 

レナ「ここよ。何か好きなの取っていって」

 

 

武器庫の電気をつけると中は埃っぽかった。人形達の銃はみんな宿舎でメンテナンスをするので、この武器庫は当分の間誰も掃除していない上、誰も入ってなかった。だが、様々な銃やバラの弾が入っているケースが所狭しとあった。どれがいいかとターミネーターは武器を吟味しているとふと武器庫の奥を見ると布に被っている黒い塊があった。黒い塊に近づき、布を取ると塊の正体が露わになる。

 

 

 

 

M134 ミニガン

 

 

 

 

毎分6000発という狂気染みた連射速度で7.62mm弾を発射する機関銃。それを個人携行用にカスタマイズしたもの。どっかの誰かが趣味でカスタムして放っておいたのだろうか。だが、今そんなこと考える暇はない。ミニガンを持つと意外と軽く感じた。体がターミネーターになった影響だろう。そして表情には出ないがニヤリと思い、レナに目線を移す。

 

レナ「ふふ、あなたにぴったりだよ」

 

レナからのお褒めの言葉を貰い、ミニガンにスリングをつけて、体で支える。弾が入っているバックパックを背負い、バッテリーは自分のパワーセルから直接供給するため、ケーブルを自分の体に接続する。大型レーザーサイトのついたAMTハードボーラーをレッグホルスターに入れる。味方の火力支援のためにコルトM79を取り、これもスリングをつけて体にかける。

 

 

レナ「準備は終わったね」

 

 

レナも戦闘の準備が終わっていた。RPK軽機関銃にサブマシンガンのウージー、ショットガンのM870、サイドアームはデザートイーグルと大惨事大戦でもおっ始めるような重装備だった。

 

レナ「じゃあ、行こうか」

 

 

ターミネーター「ああ」

 

 

準備を整えた2人は武器庫から出る。

そして、ヘリポートでいつでも飛べるようになっているヘリに第1部隊と共に乗り込む。

 

 

トンプソンはストックを外して、ドラムマガジンにしたサブマシンガンを2挺、タバコ型の爆弾や発煙筒、ライター型爆弾という装備。

G36はメインはアサルトライフルのG36だが、大量のナイフを装備している。

M1911はAF2011いうガバメントを2挺貼り合わせたようなダブルバレルピストルを2挺、サイドアームに黒と白の2挺のカスタムガバメント、WA2000は標準スコープを取り外して、特注した大型スコープをつけている。

 

 

彼女たちを乗せたヘリは地上を離れ、空へと飛び立つ。第2、第3部隊を乗せたヘリも飛び立ち、あとに続く。

 

 

カリーナ「あーあーみなさん聞こえますか?」

 

 

ヘリの振動に揺られていると女性の声が無線から聞こえる。

 

 

WA2000「こちら第1部隊。聞こえてるわよ、カリーナ」

 

 

スプリングフィールド「こちら第2部隊。聞こえてます」

 

 

スコーピオン「こちら第3部隊。聞こえてまーす!」

 

 

カリーナ「全部隊無線に問題なしっと、みなさん後5分くらいで作戦区域に到着します。って!うわ!ヘリアンさん何ですかこの書類!え?指揮官様が私にやらせろって?!指揮官様、騙しました!」

 

 

レナ「騙して悪いが面倒が嫌いでね。まっ、頑張って。帰ったら栄養ドリンク買ってあげるし」

 

 

カリーナ「マジかよ!夢ならさめt」

 

 

カリーナだった。オペレーターもできる子だったが、書類仕事が面倒なレナに押し付けられた大量の書類を書く羽目になった。

 

 

ターミネーター(可哀想だな(小並感)。まあ、俺もドルフロで同じことしてたし、今更か)

 

 

ターミネーターは哀れカリーナと合掌しつつ、銃の最後の点検をする。初めての実戦にドキドキと緊張する。最も心臓はないが。

点検が終わるとちょうどヘリが作戦区域のランディングポイントに到着し、ホバリングしながら、地上へと高度を下げる。

ヘリからのリペリングをしようとドアを開けた瞬間だった。

 

 

ビー!ビー!

 

 

 

ヘリパイロット「っ!ミサイル!ブレイク!ブレイク!」

 

 

突然のアラート音と共にミサイルがターミネーター達の乗るヘリに飛んでくる。

パイロットは操縦桿でヘリを急転回しながら、フレアを撒く。

 

 

ターミネーター(うお!ヤベっ!)

 

 

ヘリの急転回についていけず、ターミネーターは外に放り出され、そのまま入り組んだ市街地の道路へと落ちる。

 

 

レナ「ターミネーター!」

 

 

ヘリパイロット「くそ!撃たれ放題だ!一旦離れるしかない!」

 

 

レナ「待って!ターミネーターが落ちたの!」

 

 

止むことなく飛んでくるミサイルを避けるため回避機動をしつつ、フレアを撒く。だが、そのフレアも底をつきかける。これ以上居てもミサイルに当たって全員やられる。それを察したターミネーターは倒れたまま無線を繋げる。

 

 

ターミネーター「指揮官俺は大丈夫だ。早くそこから離れろ」

 

 

レナ「大丈夫よ、すぐに助けるからだから・・・だから・・・!!」

 

 

いつもの冷静さを失い、声を荒げるレナ。ターミネーターは落ち着かせるため優しい声(当社比)で話す。

 

 

ターミネーター「大丈夫だ、俺の装甲は主力戦車並だ。必ず合流する。だからそこを離れろ」

 

 

レナ「・・・本当に合流できるのね?」

 

 

ターミネーター「ああ、必ず合流する」

 

 

レナ「・・・分かった。カークここから離れるわよ」

 

 

カーク「待ってました!」

 

 

パイロットのカークはすぐさまターミネーター近くから離れる。離れていくヘリを見届けるとターミネーターは起き上がり、ミニガンを構える。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

索敵センサー起動・・・索敵センサーに反応・・・距離30m・・・高速で接近中・・・

 

 

 

 

 

 

コードネーム《リッパー》数6《マンティコア》数3《処刑人》数1

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ターミネーター(マジか)

 

 

まさかの処刑人に内心ビビるターミネーター。センサーではこっちに近づいている。ヤバいと焦って隠れる場所を探すが

 

 

 

 

ビシュン!

 

 

 

処刑人「よう?お前さっきヘリから落ちたグリフィンの犬だろ?さっさと首寄越せ」

 

 

 

ターミネーター(おいおい嘘だろ?)

 

 

ただの幻聴と信じて後ろを振り返ると処刑人と彼女の部下である人形6体とマンティコアが3体いた。幻覚と幻聴のせいにしたかったが、彼は機械そんなこと余程のことがない限り起きない。

 

 

処刑人「お前・・・なんかうちの人形の内部骨格に似てるなー?」

 

 

そう言ってハンドガンの銃口を突きつけながらターミネーターへ近づく処刑人。

まじまじとターミネーターを見るが、途中で飽きたような表情を見せる。

 

 

処刑人「まっいっか、M4とっ捕まえれば全部オッケーだし。ということで

 

 

 

 

殺れ」

 

 

ダダダダダダダダ!!

 

 

処刑人の冷徹な声と共にリッパーの銃とマンティコアの銃撃音が鳴り響く。

マンティコアは対空仕様で追加されたミサイルコンテナからミサイルも撃つ。先程ヘリにミサイルを撃った犯人はこいつだ

 

ダダダダ!ダァーン!ダダダダダダダダ!ダァーン!

 

銃声と共にミサイルの爆音が響く。

永遠に続くかと思われた銃撃はマンティコアのミサイルの弾切れと共に終わる。

 

 

処刑人「ふん、でかいのは図体だけか・・《ウィーン》っ!?」

 

 

そう吐き捨て、去ろうとするが銃撃されたところから煙の先から何かが聞こえるエンジン音のようなナニカが

 

 

ブワァァァァァァァァーーー!!!

 

 

赤く光りながら弾道を描く曳光弾ともに大量の7.62mmの弾丸が処刑人達を襲う。

 

 

処刑人「っ!!ちくしょう!!!」

 

 

処刑人は何発か被弾したが間一髪建物の物陰に隠れることができた。反応に遅れたマンティコア3体と4体のリッパーは一瞬でスクラップになった。ターミネーター本人は・・・・

 

 

ターミネーター「うぉぉぉ!!撃たれてスクラップになる鉄血はただの鉄血だぁぁ!!撃たれてもスクラップにならない鉄血はよく訓練された鉄血だぁぁ!!ヒャアッハハハ!ホント、戦場は地獄だぜ!!」

 

 

コンバットハイでどこぞのヒャッハーのように叫び、ミニガンをぶっ放していた。

 

 

処刑人「おい!どういうことだ!!ちゃんと仕留めたんじゃあないのか!!なんか変なスイッチが入っちまったぞ!!」

 

 

リッパーA「確かに手応えはありましたよ!レーザー300発にミサイル18発当たったんですよ!あれで無事な人形なんていませんよ!しかもあの距離で!!「汚物は爆散だぁぁ!!」《バシュン!》ぶべら!」

 

 

処刑人の言葉に撃たれながらも返す同じく物陰に隠れることができたリッパーAだったが、冷却のためミニガンを撃つのをやめたターミネーターのグレネードランチャーで遮蔽物越しにやられた。

 

 

リッパーB「ああ!Aがやられた!!こうなったら、処刑人様私が引きつけます!その間に逃げてください!」

 

 

最後のリッパーはお決まりの死亡フラグを立て、処刑人にサムズアップする。処刑人は何も言わず頷く。

 

 

リッパーB「行きますよ。ステンバーイ・・・ステンバーイ・・・GO!!おりゃおりゃ!!こっちにこi《ブワァァァァァァァァ!!》あべし!」

 

 

リッパーBは冷却し終えたミニガンに瞬殺されるが、それでも処刑人の逃げる時間を稼ぐことができた。リッパーBの命掛けの囮で処刑人は逃れることができた。

 

 

ブワァァァァァァーーーウィィィィィンプシューー

 

 

ターミネーターは引き金から指を外し、ミニガンはバレルの回転をやめる。

 

 

ターミネーター「どうした!出てこい!!」(流石ターミネーター、これくらいなんともないぜ。さぁ来やがれ、チェーンガンがあっ、いや違った。ミニガンが待っているぜ)

 

 

かなりドスの効いた声で口汚く叫ぶ。最早どっちが悪役か分からなくなってくる。

索敵センサーで処刑人の逃げた方向へとゆっくりと歩くターミネーター。

その姿は原作のターミネーターと遜色ない殺人マシーンである。

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

索敵センサーに反応・・・戦術人形2体を検知・・・照合中・・・《処刑人》《M4A1》

 

 

 

更新・・・《処刑人》の信号が停止・・・・破壊されたと推測

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

ターミネーター(やべ、調子に乗りすぎてあのセリフ言っちゃった。あー誰も聞いてないよなー)

 

 

ようやく頭が冷静になり、さっきのセリフにやってしまったと恥ずかしさを持ちながら、M4のもとに急いで向かうターミネーター。そこにはヘッドショットされ機能を停止している処刑人と服の汚れたM4がいた。

ターミネーターに気づいたM4は彼に銃口を彼の頭に向け、引き金を引く。

 

 

M4「っ!また来た」ダン!

 

 

ターミネーター(うお!)

 

 

カキーン

 

 

命中した音が聞こえるがこれは金属に弾かれる音。M4の放った弾丸をターミネーターは口で受け止めたのだ。

ターミネーターは両手を上げ、「ぺっ」と受け止めた弾丸を吐き出し、自分が敵でないことを優しい声(当社比)で伝える。

 

 

ターミネーター「あっ・・・安心してくれ、俺は味方だ。グリフィンの命令でここにいる。お前を助けに来た」

 

このビジュアルで味方なのか?と困惑し、頭の処理が追いつかないM4。しかし、そんな状態でも頭を狙い続けるあたり流石人形といったところか。

 

 

M4(ほんとに味方かしら?でも、敵だったらもうとっくに私を始末できるはず)

 

 

そう結論づけるとようやく銃を降ろし、ターミネーターに近づく。

 

 

ターミネーター(よし、あとは指揮官が無線に出てくれれば万事オッケーだ)

 

 

M4「その・・・ごめんなさい」

 

 

ターミネーター「なに気にするな。俺のボディは戦車並だからこの程度じゃあなんともない」

 

 

改めて敵ではなくてよかったと思うM4。ターミネーターは気にせず、無線で指揮官を呼ぶ。

 

 

ターミネーター[指揮官聞こえるか?]

 

 

レナ[ターミネーター!無事なのね!]

 

 

ターミネーター[ああ、M4も一緒だ。処刑人も彼女が始末した。こっちに来れるか?]

 

 

レナ[M4も!?分かった、すぐそっちに向かうわ]

 

 

無線のやり取りが終わり、M4と少し休んでいると足音が聞こえる。センサーでは敵じゃないと出る。

 

 

レナ「ターミネーター!大丈夫!!」

 

 

レナの言葉に「よう、待ちくたびれたぜ」と軽口で返すターミネーター。

そして保護されたM4はこう言った。

 

 

M4「・・・あなたがこの部隊の指揮官ですか?」

 

 

レナ「うん?そうよ」

 

 

M4「あの・・・・助けてください」

 

 

レナ「OK!!」

 

 

M4(即答?!)

 

 

今日もグリフィンは平和である(遠目)

 

 

 

 

 

 




やってしまった・・・だが、悔いはない


でも、恋愛的なイチャイチャはどうしよう・・・・




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鉄血メイクライ

うわぁぁぁん!忙しいよー!こうなりゃヤケだ!書きまくってやる!うおぉぉぉぉぉぉ!!




・・・うわぁ。



今回はターミネーターは出てきません。指揮官達の話です。長くてシリアスっぽくなってしまいました。ご注意ください。


ターミネーターが落とされ、彼の指示でミサイルの飛んでこない市街地から少し離れた所まで来た第1部隊。

パイロットのカークは再びホバリングしながら、高度を落とす。

 

 

レナ「予定は少し変わったけど、やることは一緒よ」

 

 

レナの言葉に第1部隊のメンバーは頷く。そして、ロープを地上へと垂らし、ヘリからのリペリングをする。

地上へと降りるとWA2000は無線で第2部隊に連絡を取る。

 

 

WA2000「こちら第1部隊、第2部隊聞こえる?」

 

 

スプリングフィールド「こちら第2部隊聞こえてます。そちらは大丈夫ですか?」

 

 

WA2000「ターミネーターが落ちたこと以外は問題ないわよ。こっちは第2ポイントにいる。ターミネーターは自力で合流するから予定に変更はなしよ」

 

 

スプリングフィールド「分かりました。私がそちらに向かいます」

 

 

ありがとうとWA2000は感謝を伝えて、スプリングフィールドとの無線を切る。

第1部隊は周囲を警戒しながら、市街地へと足を踏み入れる。

 

 

トンプソン「リッパーとヴェスピドが20体ずつに大量のプラウラー・・・バレずに通るのは無理か」

 

市街地の大通りにある建物の影から敵の警備状況を見るトンプソン。ここを通らなければならないのだが主要な道路はリッパーとヴェスピドが、細い裏道はプラウラーが警備している。

 

 

レナ[仕方ないわね。あいつらを蹴散らして通るわよ。トンプソンとM1911はポイントマン、G36はトンプソンとM1911のバックアップ、WA2000と私は援護よ」

 

 

無線越しに指揮官の命令通りに戦闘態勢に入る第1部隊。

 

 

WA2000「止まったわね」

 

 

ダァン!

 

 

トンプソン「行くぞ!」パラララララ!!!

 

 

M1911「スモークグレネード投げまーす!」

 

 

歩く足を止めた1体のリッパーは建物の上にいるWA2000の狙撃を食らう。その狙撃を合図に2挺のサブマシンガンでフルオート射撃で敵を牽制しながら突っ込むトンプソン、スモークグレネードで敵の視界を奪っている間M1911は敵の陣形に入る。

 

 

M1911「指揮官様にいいとこ見せないと!」ダン!ダン!ダン!ダン!

 

そして精密機械のように洗練された動きで視界を奪われた敵を次々と葬る。さながらガン=カタである。

敵が苦し紛れに乱射した攻撃も華麗に避け、ワントリガーで2発同時に発射される45ACP弾が正確に敵の頭に叩き込まれる。弾が切れるとマガジンリリースを押して、空のマガジンを捨てるとM1911はハンドガンを上へと投げ、その間にポーチに入っている新しいマガジンを取り出す。そのマガジンも上に投げる。ちょうどハンドガンとマガジンは交差して、ハンドガンは再びM1911の手に戻る。そして、ガンスピンで空中に舞っているマガジンを空中からハンドガンに装填する。

 

 

この曲芸ともいうべきことをものの数秒でやってのけるが僅かな隙が生まれる。その隙はトンプソンとG36、WA2000、レナの援護射撃で時間を稼ぐ。M1911はその間も敵の集団のド真ん中にいて銃とマガジンが空中にあるので下手に動けない。ということは敵に撃たれたり、誤射しかねないが、味方の弾は彼女に掠ることもなく敵に命中し、倒れていく。

 

 

ヴェスピドはM1911を仕留めようと狙いを定める。それに気づいたG36は体の様々な所に装備したナイフを1本取り出すとヴェスピドに投げる。弾丸に匹敵する速度で飛んでくるナイフはヴェスピドのコアに突き刺さり、ヴェスピドはその機能を停止する。

もう一体隠れていたヴェスピドはG36に向かって発砲するが、ショルダーホルスターに入れていた大柄なナイフを抜いてレーザーを弾く。

 

 

キン!キン!キン!

 

 

G36「メイドを甘く見ないでくれる?」

 

 

冷たい声でヴェスピドに言うと、投げナイフをヴェスピドの右手目掛けて投げる。それと同時に姿勢を低くしてヴェスピドに向かって走り出す。

 

ヴェスピドB「っ!しまった!」

 

 

ヴェスピドは反応に遅れてしまい、ナイフは右手に深く刺さり、銃を落とす。

サイドアームのハンドガンをホルスターから抜き、構えるが視線の先にはG36はいなかった。

 

 

ヴェスピドB「どこ行きやがった」

 

 

G36「0点ね」ザシュ!

 

 

ヴェスピドB(いつの間に後ろに・・・っ!!)

 

 

G36はヴェスピドがハンドガンが抜いた時視線がハンドガンに移った、その僅かな時間にヴェスピドの裏へと回り、ナイフでヴェスピドの喉元・・つまりエネルギーをコアに送る配線をナイフで切り裂いた。コアにエネルギーが届かなくなり、ヴェスピドは倒れる。

 

 

 

トンプソン「よっしゃ!ペイバックタイムだ!!」パララララララララ!!

 

 

テンションの上がったトンプソンはM1911を狙うプラウラーの射線を遮るようにプラウラーの群れに突っ込み、2挺のサブマシンガンを腰撃ちで撃つ。デタラメに撃っているように見えるが、不思議なことに全弾プラウラー達に命中する。リッパー達はトンプソンに攻撃を仕掛ける為陣形を組んで狙うが・・・

 

 

レナ「やらせない!」ダダダダダダダダダダ!!

 

 

WA2000「スキだらけね」ダン!ダン!ダン!

 

 

レナのRPKとWA2000の攻撃で陣形が崩れる。不利を悟って引こうとするが、WA2000の狙撃でやられていく。

そうした第1部隊の猛攻で鉄血の部隊は全滅する。

 

 

レナ「ワルサー、他に敵は?」

 

 

WA2000「いないわ。制圧完了ね」

 

 

レナ「了解、みんな移動するわよ」

 

 

第1部隊は敵を殲滅すると、足早に移動する。その大通りには鉄血のスクラップの山と空薬莢の山が転がっているだけになった。

 

 

スプリングフィールド[こちらスプリングフィールド、第1部隊を視認しました。狙撃での支援ができます。指揮官」

 

 

第1部隊から見て10時の方向にスプリングフィールドはアイアンサイト越しで第1部隊を見ていた。

移動している第1部隊に合わせて、スプリングフィールドも建物から建物へと忍者のように飛び移って移動する。

 

 

 

 

途中小規模の鉄血の部隊に遭遇するが、WA2000とスプリングフィールドの狙撃でやられていく。そして、敵司令部の近くまで来る。が、ターミネーターの姿はどこにも見つからなかった。レナは無線を第2第3部隊に繋ぐ。

 

 

レナ[こちら第1部隊、第2第3部隊ターミネーターがどこにもいないの。そっちはターミネーターを見た?]

 

 

スプリングフィールド[こちら第2部隊、私達は見てません]

 

 

スコーピオン[こちら第3部隊、あたし達も見てないよ]

 

 

苦虫を噛み潰したような顔になるレナだが、頭を切り替える。

 

 

レナ[分かったわ。まず敵司令部を制圧するわよ。ターミネーターとM4の捜索はその後。2人とも敵司令部の近くにいるわよね?]

 

 

スプリングフィールド[はい、私も第2部隊と合流できました。狙撃ポイントも確保しました。準備完了です]

 

 

スコーピオン[こっちも準備完了だよー!]

 

 

レナ[了解、全部隊攻撃開始よ]

 

 

スコーピオン[よっしゃぁー!全員突撃だぁぁ!!]

 

 

レナの命令であちこちから銃声と爆発音が鳴り響く。

レナは無線を切ると第1部隊のみんなの顔見て、RPKをコッキングする。

 

 

レナ「行くわよ」

 

 

その一言だけ言って、司令部へと走る。それ続いて第1部隊も司令部へと走る。

敵司令部は市街地の中にある。建物を盾にしながら、進んでいく。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

スコーピオン「よっしゃぁー!全員突撃だぁぁ!!」

 

 

M500「おー!」

 

 

LWMMG「冗談きついわよ、出費が多くなるのに」

 

 

M1887「ほら、行くわよ。この会話何回目だと思ってるの?」

 

 

隊長のスコーピオンと共に突撃する第3部隊。ある者は嬉々と隊長と共に突撃する者、ある者は出費を気にして愚痴る者、ある者は同じ会話を1984回繰り返す者。こんな日常のような会話をしているが、実際は突撃しながら、しかも現在進行形で敵に撃たれまくっている。

 

 

スコーピオン「ウィンいつものやっちゃって」

 

 

M1887「了解」

 

 

ウィン・・・M1887は撃っている鉄血人形を見るとM1887の周囲から赤いホログラフのウィンドウが表示される。

ウィンドウには大量の数列と文字が流れ、そして緑色のcompleteの文字が出る。

すると、撃っている1体の鉄血人形ストライカーが苦しみ出す。苦しみながらガトリングを乱射し、その弾は味方の鉄血人形に命中する。

とっさに銃を撃とうとするが、狙っている相手が味方なのでFCSのプログラムが自動的に銃にセーフティーをかける。

何も出来ず、次々とストライカーに殺されていき、やがてストライカーだけになると、自分に銃を突きつけ発砲、機能を停止した。

 

 

M1887「・・・終わったわ」

 

 

スコーピオン「よっ・・・よーし突撃だぁーー!」

 

 

いとも容易く行われるえげつない行為に第3部隊の面々も若干引き気味になるがいつものことなので気にしないふりをして司令部に突撃する。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

ダン!ガシャン!ダン!ガシャン!

 

 

モシンナガン「こちらモシンナガン、イェーガー2体撃破完了、先に進めるわよ」

 

 

レナ「こちら第1部隊、了解」

 

 

モシンナガンはリロードのため陣取っている廃墟のビルの壁に一旦隠れて、銃に弾をこめる。こめ終わるとアイアンサイトを覗き、第1部隊の進行を邪魔する敵を探す。すると、第1部隊の進行ルートに複数のガードが盾を構えて、その隙間からヴェスピドのライフルが出ている。

 

 

モシンナガン「あれは厄介ね。ダネル、ガード達が第1部隊のルートを妨害している。派手に撃って」

 

 

ダネル「了解・・・《ガシャン》・・・ヘッドショットエイム・・・ファイア」ズガァンガシャン

 

 

モシンナガン「・・・そこ」ダン!ガシャン!ダン!ガシャン!ダン!ガシャン!

 

 

ダネルの放った20mm弾がガードの強固な盾を容易く貫く。その弾は被弾したガードだけでなく、後ろのヴェスピドにまで弾が貫通する。

陣形が崩れたその瞬間、モシンナガンは隙を逃さずボルトアクションライフルとは思えない連射でヴェスピドを狙撃する。

 

 

ダネル「とっておきの弾だ、食らえ」ズガァン!ガシャン!ズガァン!ガシャン!ズガァン!ガシャン!

 

 

ダネルも負けじと“とっておき”の弾・・・20mmグレネード弾を3発撃つ。だが、ダネルは敵には当てず、あえてガードの足元の地面に撃ち込む。地面に当たった瞬間、爆発が起きる。爆発でガード達は全滅し、ヴェスピド達は無防備になる。

ダネルはリロードし、スコープを覗く。

 

 

ダネル「殲滅完了」

 

 

ズガァン!ガシャン!ズガァン!ガシャン!ズガァン!ガシャン!

 

 

ダネルは独り言を言って、残ったヴェスピド達を一掃する。撃った所の煙が晴れるとそこにはヴェスピドとガードだった残骸が残されていた。

 

 

モシンナガン「制圧完了・・・っと、次の狙撃ポイントに移動よ」

 

 

ーーーーーーーーーーー

 

 

鉄血オペレーターA「敵部隊第1防衛ラインを突破!第2防衛ライン接近中!」

 

 

鉄血オペレーターB「ランサー隊から増援要請!セイバー隊、レイピア隊との通信がありません!」

 

 

鉄血オペレーターC「こちらHQランサー隊、マンティコア5体向かわせます!」

 

 

鉄血将校「なんてことだ・・・」

 

 

鉄血司令部はまさに大騒ぎだった。敵はグリフィンの人形部隊、それもたったの3部隊。自分達よりはるかに少ない人数でこちらは設備も兵器も数だって充実している、その上ハイエンドモデルの処刑人がいた。すぐに終わると高を括っていた。

 

 

だが、違った。

 

 

信じれられない速度で次々と味方がやられていき、こっちに向かって来ている。

処刑人の代わりに指揮をしていた鉄血将校は冷や汗をかき、電脳はエラーだらけ。

 

 

鉄血将校「処刑人様とはまだ連絡がつかないのか!」

 

 

鉄血オペレーターD「こちらから何度も連絡をかけてますが、何も反応しません」

 

 

頼みの処刑人から連絡がつかない。最悪の出来事が頭の中をよぎり、呼吸も荒くなる。

 

 

鉄血将校(どうするどうするどうするどうするどうする!?)

 

 

鉄血オペレーターA「敵が第2防衛ラインを突破!最終防衛ラインに接近しています!」

 

 

鉄血将校「なに!?」

 

 

第1防衛ラインを突破してたった数分しか経っていない。早すぎる・・・あまりにも早すぎる。

 

 

鉄血将校は無線機を使って、残った防衛部隊に無線回線を開く。

 

 

鉄血将校「・・・お前達も銃を持て、すぐにでもこっちに向かってくる。動くものがあったら、片っ端から撃て」

 

 

震えた声で将校はオペレーター達の銃のセーフティーを解除する。

そして、レッグホルスターにある自分の拳銃に手に取る。

 

 

将校はオペレーター達を見ながら、無線機を近づける。

 

 

鉄血将校「お前達は・・・ここから撤退しろ。あとは私1人でやる。だから今すぐここから逃げるんだ」

 

 

鉄血オペレーター達「っ!」

 

 

将校の言葉に仕事の手が止まるオペレーター達。将校は気づくが気にせず話す。

 

 

鉄血将校「あいつらは強い・・・想像以上に・・・だから・・・お前達を失いたくないんだ・・・もう誰も死なせたくないんだ・・・」(涙)

 

 

将校は涙ながらオペレーター達に・・・残った部隊に本心を無線越しに伝える。オペレーター達は互いの顔を見ると何かを決心したように頷く。

 

 

鉄血オペレーターA「C!ジャベリン隊とオメガ隊に連絡を!Dはプラウラーでもスカウトでもいいからとにかくありったけの戦闘用ドローンを起動して!残りはバリケードの構築!急いで!」

 

 

鉄血オペレーターC「了解!」

 

 

鉄血オペレーターD「OK!」

 

 

鉄血オペレーターB「了解!みんな急いで!」

 

 

鉄血将校「お前ら・・・なにをやってるんだ!早く・・・早く逃げるんだ!」

 

 

将校の命令とは逆に司令部で仕事を続けるオペレーター達。将校の電脳はさらにエラーが出る。

 

 

鉄血オペレーターA「何言ってるんですか、これで勝ったら勲章ものですよ!こんなチャンス見逃すわけにはいきませんよ!」

 

 

鉄血オペレーターB「そうですよ、指揮官だけカッコいい所見せるわけにはいきませんよ!」

 

 

鉄血オペレーターC「今回のオペレーターMVPでは私のものですよ!」

 

 

鉄血オペレーターD「んだと〜、こんにゃろう〜」

 

 

ジャベリン隊「こちらジャベリン隊、その限定イベント私達も参加できるわよね?」

 

 

レイピア隊「こちらレイピア隊、生き残りは少数ですが、まだいけます」

 

 

ランサー隊「こちらランサー隊、パーティー会場はここですか?」

 

 

セイバー隊「こちらセイバー隊、指揮官・・・私達はどこまでも付き合いますよ」

 

 

キャスター隊「こちらキャスター隊、ドローンはありったけ確保したわ。みんなあいつらに派手な葬式をしてやりましょう」

 

 

オメガ隊「こちらオメガ隊、配置についた。あいつらに目にもの見せてやる」

 

 

軽口を言い合い、緩い雰囲気になるオペレーターと連絡がついた残存部隊達。そんな彼女達の姿に感化された将校は覚悟を決めたのか帽子を被り直す。

 

 

鉄血将校「お前達・・・本当に大馬鹿野郎だな・・・それも歴史的な大馬鹿野郎だよ・・分かったよ。分かったわよ!行くわよ!だから・・・だから最後まで付き合いなさいよ!」

 

 

オペレーター達、残存部隊『了解!』

 

 

将校は再び部隊の指揮を取る。その顔には先程のような恐れはなかった。何だって命知らずで大馬鹿野郎だけど頼もしい味方がいるのだから・・・

 

 

将校「来るぞ!攻撃開始!」

 

ーーーーーーーーーーー

 

 

レナ「相手さんも必死ね」

 

 

トンプソン「ああ、さっきより攻撃が激しくなってる」

 

 

WA2000「イージスもいるわ。まだあんな隠し玉を持っていたのね」

 

 

レナ達第1部隊はあと少しで司令部の部屋なのだが、敵の制圧射撃で動けずにいた。

M1911もスモークグレネードはあるが、敵の制圧射撃で動けない。

こっちは攻撃を避ける障害物が先にはない、相手は銃弾をもろともしないイージスに守られ、バリケードを築いた防衛部隊。攻撃側が圧倒的に不利だ。

 

 

スプリングフィールド「こちらスプリングフィールド、後ろにつきました。ですが、敵の攻撃で支援できません」

 

 

レナ「なんとかして私に気を引かせないと・・・」

 

 

レナは考える。どうすればいいか・・・この状況を打開する案はあるのか・・・そう考えていると

 

 

スコーピオン[こちら第3部隊、今から指揮官の所まで合流しまーす!]

 

 

そう言って、無線を切る。そして、第1部隊の後ろに合流する。

 

 

M1887「指揮官、これ使えないかな?さっき敵から奪ってきたやつだけど」

 

 

M1887が持ってきたのはガードが使っていた盾だった。それも複数ある。

 

 

M1887「ハッキングして使えるようにしたわ。これであいつらの気を引けるんじゃない?」

 

 

レナ「ええ・・・そうね。パーフェクトよ“ウィン”」

 

 

レナは自分が勝手につけたM1887のあだ名を言う。その言葉にウィンは頰がほんのり赤くなる。だが、レナはそんな彼女を見ず、黙々と盾を左手に持ち、右手にウージーを持つ。トンプソンとスコーピオンも片手に盾、もう片方に銃を持つ。盾の持ち手のスイッチを押す。

 

 

レナ[いい?まず、電灯を壊すのよ。ここには窓がないから電灯を壊せば真っ暗になるわ。真っ暗になったら、敵はナイトビジョンを使う。その時スコーピオン、焼夷手榴弾を投げるのよ。炎であいつらの目が見えない間に私達は一気に突撃よ。第2部隊は暗い場所だけど狙撃で敵の数を減らしてOK?」

 

 

第1第2第3部隊[[[OK!]]]

 

 

レナ[ステンバーイ・・ステンバーイ・・・GO!]パララララララララ!パリン!

 

 

ダダダダダダダダ!!パリン!パリン!パリン!

 

 

オメガ隊員「マヌケがこっちにはナイトビジョンがあるのんだよ!よし見え《バン!》目が!目がぁぁぁぁ!」

 

 

ナイトビジョンを使った他の鉄血兵も視界を奪われる。使うタイミングが運良く遅かったレイピア隊のヴェスピドはレナ達を撃つがレナ達の持つ盾で銃撃は弾かれる。

 

 

レイピア隊員「っ!あれはガードのたt《ダン!》あべし」

 

 

ガシャン!ダン!ガシャン!

 

 

スプリングフィールド「この距離なら・・・外れない」

 

 

ダン!ガシャン!ダン!ガシャン!ダン!ガシャン!ダン!ガシャン!

 

 

モシンナガン同様の超連射で敵の数を減らしていくスプリングフィールド。

弾が切れると、腰の銃剣を抜き、イージスの後ろ首にあるアーマーの隙間を狙って投げる。

 

 

イージスA「っ!この暗い中でアーマーの隙間を狙っただと!」グサッ

 

 

ガチャン!ギィィィィィ・・カッチン!

ダン!ガシャン!ダン!ガシャン!ダン!ガシャン!

 

 

弾をクリップで銃にリロードし、首に刺さった銃剣を狙い撃つ。銃剣の柄に命中していくたびにイージスの首へと押し込まれていく。刀身が首を貫通した時、イージスは膝から崩れていく。

この廊下の光源はスコーピオンが投げた焼夷手榴弾の炎だけ、この状況下で正確に狙って投げて、さらに銃で狙い撃つなど機械である戦術人形でも困難なことだ。おかげで攻撃の手が若干薄まり、レナ達は一気に突撃する。

 

 

G36「ここは私の距離よ」

 

 

M1887「あなたを抹殺する」ガン!ガン!

 

 

M500(・・・銃いつ使うのかしら)ダン!ダン!ダン!ダン!

 

 

洗練されたナイフ捌きで鉄血兵を血祭りにあげる。G36の白いメイド服は鉄血兵を斬るたびに赤く染まっていく。

M1887は銃を使わず、シールドと拳でイージス達をぶん殴る。強固なイージスの鎧は大きく陥没し、内部フレームもひしゃげる。

M500は銃をいつ使うのかと疑問を思いながら、スラッグ弾の入ったショットガンで彼女達を援護する。

 

 

スコーピオン「乱れ撃つぜぇぇぇ!」ダダダダダダダダダダ!

 

 

リッパーF「っく!味方が邪魔で撃てない」

 

 

ヴェスピドK「おい!こっちに撃つな、味方だぞ!」

 

 

スコーピオンは敵の懐へと飛び込み銃を撃ち、次の敵の懐へと飛び移る。ダンスを踊るような滑らかな動きで敵の弾を避け、その弾は味方の鉄血兵に命中する。機動力で敵を撹乱、敵と敵の間をすり抜けように動き、同士討ちさせるという火力は低いが機動力の高い彼女だからこそできる戦闘スタイルだ。

 

 

M1911も敵の中に飛び込み、ハンドガンを撃ちまくる。

 

 

次々と鉄血兵がやられ、そして全滅する。全員が司令部の扉に集まる。

 

 

レナ「制圧完了ね、C4を設置して司令部に突入するわよ」カチッ・・ピッピッピッ

 

 

レナはポーチからC4爆弾を取り出し、司令部の扉に設置する。規則正しい電子音が鳴り、赤いランプが緑色に変わる。

 

 

レナ「3・・・2・・・1・・・《カチッ!ドォーン!》GO!GO!GO!」

 

 

C4は起爆し、司令部の扉を吹き飛ばす。部屋に突入し、煙が晴れると人形達は自分達に銃を向けていたオペレーター達を素早く撃つ。

煙の中レナはまっすぐに走り、腰のデザートイーグルを抜いて銃口を前に向ける。

 

 

鉄血将校「動くな」カチャ

 

 

そこにはこの基地の指揮官の鉄血将校がレナに拳銃を向けていた。

お互いに銃を向けたいわゆるメキシカンスタンドオフのようになった。

 

 

鉄血将校「お前がこいつらの指揮官か。指揮官直々とは精が出るな」

 

 

レナ「・・・。」

 

 

将校が嫌味ったらしくそう言い、銃のグリップの握る力が強くなる。だが、レナは何も言わない。

 

 

鉄血将校「私は多くの部下を失った。そして、もう私以外誰も味方はいない。 同情なんていらんさ、私も私の部下もお前もお前の部下も兵士だ。戦って戦ってそしていつか戦場で死ぬ。私と私の部下の死ぬ日は今日だったというわけさ」

 

 

諦めのような雰囲気を醸し出しながら話す鉄血将校。だが、その目には闘志が燃えていた。諦めた時の目じゃない。

 

 

鉄血将校「私はお前に向けて引き金を引く。戦場に憎しみを持ってきてはいけない。あいつらは最後まで私に従ってくれた。私はあいつらが残した遺志に答えなければならない」

 

 

将校の言葉を最後に世界は静寂に支配される。彼女達に沈黙が続く。そして、オペレーターの机にあったペンが落ちる。

 

 

・・・カチン

 

 

ダン!

ダン!

 

 

ペンが地面に落ちたと同時に将校とレナは引き金を引く。レナの方が少しだけ早かった。レナの銃弾は将校の頭に命中し、その衝撃で将校の銃は狙いが外れ、明後日の方向に飛んでいく。

 

 

ドサッ

 

 

・・・チャリン

 

 

将校は倒れ、デザートイーグルの空薬莢が司令部中に哀しく鳴り響く。

レナはデザートイーグルをホルスターに戻し、将校に敬礼をする。彼女の気高い精神に敬意を込めて。

 

 

レナ[敵司令部の制圧は完了よ。ターミネーターとM4を探しましょう]

 

 

レナは全部隊に制圧完了の報告をする。

ターミネーターとM4を探しに行こうとした時だった。

 

 

???[《ジージー》聞こえるか?《ジージー》こちら《ジージー》ーミネーター《ジージー》指揮官、聞こえるか?]

 

 

無線機から声が聞こえる。この威厳のある男性の声、まさかと思い、周波数を調節する。

 

 

レナ「ターミネーター!無事だったのね!」

 

 

ターミネーター「ああ、M4も一緒だ。処刑人も彼女が始末した。こっちに来れるか?]

 

 

レナ[M4も!?分かった、すぐそっちに向かうわ」

 

 

ガチャ

 

 

レナ「ターミネーターと連絡が取れたわ。彼はM4と一緒よ。早く移動するわよ」

 

 

G36「あの・・・ご主人様・・・」

 

 

レナ「どうしたの?」

 

 

G36「ターミネーターの居場所って聞きました?」

 

 

レナ「あっ、」

 

 

 

結局滅茶苦茶探した。

 

 

 

 




鉄血将校・・・まあ、いい奴だったよ。


本当はここまで書くと予定じゃあなかったんだが・・・まっ、いっか。


だが、皮肉だな・・・ネタより先に体力が尽きるとは・・・


次からは日常です。(多分)


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ドイツ製の曲者達と無限弾

待たせたな。私は帰ってきたー!




はい、でもまだ忙しいので次も遅くなると思います。
すまない・・・本当にすまない。




誰もが寝静まる真夜中にターミネーターは自室でハードボーラーの整備をしていた。

パーツ単位まで分解して、清掃する。綺麗になった後、元の状態に組み立てる。

 

 

カーテンを開けて、外を見ると日が昇っていた。

ターミネーターには現在の自律人形にもあるスリープモードや飲食する機能がない。

 

 

 

スプリングフィールドが作る料理も美味しそうと感じるけど食欲は湧かない。

これだけ夜遅くに起きても眠くないし、疲れも感じない。

自分の前世の記憶が砂のように崩れて消えていく。

 

 

 

改めて自分は人間ではなくなったと実感する。

 

 

 

思いふけっていると、射撃訓練場から発砲音が聞こえてくる。

みんなも起きたのだろう。

ターミネーターは新たな日課の射撃訓練のため、ハードボーラーを片手に射撃訓練場へと向かった。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

レナ「あれ?ターミネーター?」

 

 

ターミネーター「指揮官、どうしてここに?」

 

 

デザートイーグルを片手で撃つレナがいた。

 

 

レナ「私は日課の射撃訓練よ。腕が鈍っちゃうからね」

 

 

あといい筋トレになるからねと付け足すレナだが、ターミネーターは(50口径のマグナム片手で撃つか普通)と心の中でツッコむ。

 

 

ダネル「指揮官おはよう」

 

 

レナ「あっ、おはようダネル」

 

 

ダネルがやって来る。だが、何時ものライフルではなく、カメラを持っている。

 

 

ターミネーター「おはよう」

 

 

ダネル「指揮官、写真一緒に撮ってくれないか?」

 

 

レナ「えっ、今日も?」

 

 

ダネル「・・・ダメなのか?」うるうる

 

 

レナ「そっそんなことないよー!ターミネーター、シャッター押してもらえない?」

 

 

ターミネーター「はいはい」

 

 

そう言って、ターミネーターにカメラを渡して、ツーショット写真を撮る。

 

 

ダネル「ありがとう指揮官」

 

 

レナ「いいよ、にしても最近よく写真撮ってるね」

 

 

ダネル「まあな、ハマってるんだ」

 

 

ダネルはカメラを持って、射撃場から去って行った。

 

 

レナ「ごめんね、網の外にしちゃって」

 

 

ターミネーター「蚊帳の外だよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ダネルの自室。

電気をつけると壁と天井は見えないくらいある大量の写真が部屋を覆い尽くしていた。

どの写真もレナのツーショット写真、または盗撮した写真。

パソコンを起動して、さっき撮った写真のデータをパソコンに移し、プリンターで印刷して、壁に貼り付ける。

 

 

 

ダネル「ふふっまた増えた」

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

いつもの執務時間。

グリフィンはやることが多い。作戦の立案から現在ある資源の管理、弾薬などの消耗品の管理、部下達のコンディション管理と様々だ。

レナは目の前にある書類を捌く。

 

 

レナ「カリーナ、この書類タイプライターで打っていい?」ジャキン

 

 

カリーナ「タイプライター(物理)はダメです」

 

 

レナ「(´;ω;`)うぅぅ」

 

 

カリーナ「涙目になってないで書いて下さい。それ上層部に提出する重要な書類ですよ」

 

 

レナ「畜生・・・これだから役人共は、畜生・・・」

 

 

こんなやりとりをしているが、書類を書くスピードは落ちていない。

 

 

ーーコンコン

 

 

レナ「はぁーい」

 

 

M1911「指揮官さま、本日着任された方達を連れてきました」

 

 

M1911が開けたドアからひょっこり頭だけ出してきた。

 

 

レナ「どうぞ」

 

 

UMP9「レナ〜♪」

 

 

レナ「うぉっと」ボフっ

 

 

入るや否や真っ先にレナに突撃するUMP9。

二度と離さないと言わんばかりにレナに抱きつく。

 

 

UMP9(あー♪レナの匂い、レナの体温、電脳世界の偽物でも別人でもない本物のレナだー♪でも、何だろう変な匂いがする。女の匂い、嫌な匂いだなー。私が上塗りして、私達のものだって教えてあげなきゃ)

 

 

UMP45「久しぶりね、レナ。いや、今は指揮官かな?」

 

 

レナ「呼びやすい方でいいよ。45、久しぶりね」

 

 

45とやり取りをして、レナはナインを引き剥がすと416に近づき、頭を撫でる。

 

 

レナ「久しぶりね、シロちゃん」

 

 

HK416「ひ・・・久しぶり」

 

 

頰を赤らめながら、小声で答えるシロこと416。

 

 

UMP9「ププッ、何そのラブコメ全開の上がりっぷりw」

 

 

ナインは笑いを堪えながら、416を茶化す。

そのお返しに416はナインをぶん殴るが、外れる。

 

 

UMP9「うぉ、っと、何するのよ!」

 

 

HK416「今度余計なこと言うとぶっ殺すわよ」

 

 

UMP9「そこは口を縫い合わすじゃないの!?」

 

 

HK416「殺した方がその口も閉じるでしょ?」

 

 

レナ「さてと、グーイは?」

 

 

UMP45「あそこよ」

 

 

45の指す先にはレナの座っていた椅子でG11が寝ていた。

 

 

レナ「おーい、グーイ?起きてるー?」

 

 

11をツンツンと突いたり、揺らすと、少し目を開ける。

 

 

G11「ん、レナ〜あたしの部屋ってまだ開けてる?」

 

 

レナ「開けてるよ」

 

 

G11「ん、寝てくる」

 

 

フラフラとゾンビみたいにおぼつかない足取りで部屋に向かう。

 

 

UMP45「ふふ、相変わらずね、レナ」

 

 

レナ「そっちも相変わらずね、さてと、各員自室に戻ってよし、解散」

 

 

その一声で先に戻ったグーイを除く404小隊は自分の部屋に戻っていく。

 

 

カリーナ「指揮官様から聞いてましたけど、凄い濃い部隊ですね」

 

 

レナ「そうかな?私は普通だと思うんだけど」

 

 

カリーナ「指揮官さまは軍属時代に404小隊よりヤバいのがゴロゴロいたのですか?」

 

 

レナ「軍法会議一歩手前になった爆弾魔とか麻酔を一切使わない衛生兵とか他にも色々といたわね。でも、腕は超一流だし、個性が強いからそれはそれで楽しかったけど。あっ、そう言えばみんなも軍辞めたって聞いたから今頃何やってるんだろ?」

 

 

カリーナ(そんな狂人達と一緒に平然と過ごしてた指揮官さまも狂人だわ)

 

 

そう言って、レナは最後の書類を書いて、書類の山に積むのだった。

午前9時に書類仕事を開始してから2時間25分経過。自己記録更新ならず。

 

 

レナ「今日の仕事終わりっと。午後にも新しい戦術人形が来るよね?」

 

 

カリーナ「そうですね。名前は確か・・・M4A1。この前の作戦で救出した人形ですね」

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

ターミネーターは使っている銃器のことについて、考えていた。

ハードボーラーの射撃訓練をしている時、撃ちまくっていた。ハードボーラーの装弾数は7発、マガジンが空になったら、リロードする。

なのに、7発以上撃てる。数え間違えたかと思い、マガジンを抜いて確認するとマガジンには弾がフルで入っていた。

 

 

ターミネーター(あれか?某生物災害とかアクション映画でよくある弾無限化スキルみたいなやつか?)

 

 

試しにハードボーラーを持って、とにかく的に撃ちまくる。

 

 

ダン!ダン!ダン!ダン!ダン!

 

 

 

 

 

 

 

5分以上撃ちまくったが、弾は切れなかった。

 

 

つまり

 

 

ターミネーター(よぉし!勝った!この戦い勝ったわ!)

 

 

弾の管理をしなくていい、戦闘中に弾を気にしなくていい。

そんな嬉しい誤算にガッツポーズをして、心の中で狂喜乱舞するターミネーター。

 

 

マガジンポーチには仲間のマガジンでも入れときますかと仲間のマガジンに弾をこめる。

いざマガジンポーチに入れようとポーチを開けると、中は全く見えないくらい真っ暗だった。

フラッシュライトを当ててみるが、先は見えない。

 

 

 

このブラックホールみたいなポーチに恐る恐る自分の手を突っ込むというトチ狂ったことをする。中はポーチの底が分からないほど広く感じた。何かあるかなと考えて探っていると固い感触を感じる。それを握って、ポーチから手を出すと手にはマガジンを持っていた。

 

 

今度はポーチをひっくり返すとジャラジャラと様々な種類の銃の弾とマガジン、さらにはロケットランチャーの弾頭までもが滝のように出てきた。

 

 

ターミネーター(っしゃあ!仲間に渡す弾も無限!勝てる!勝てるぞ!)

 

 

再び狂喜乱舞するターミネーター。嬉しさのあまりに小躍りする。

側から見たら、物凄くシュールな光景だ。

 

 

興奮もある程度収まるとある事に気づく、さっきポーチでひっくり返した時に出てきた大量の弾とマガジン。

辺り一帯に散乱していて、これ掃除しなきゃと思った。

 

 

 

 

 

このあと、1つ1つ弾薬箱に入れて、武器庫にしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

人力 29095

 

弾薬 99999

 

配給 29570

 

パーツ 29408

 

 

 

レナ「あれ?弾薬数え間違えた?」

 

 

 




無限弾

アクション映画、ゲームでよくある幾ら撃っても弾が切れない不思議アイテム。
ターミネーターの場合アイテムではなく、スキルという形になっています。




ポーチ

見た目はどこにでもあるポーチ。レナの基地の武器庫に押し込まれていたもの。
その正体は無限の弾製(アンリミテッドバレットワークス)。
無限に弾薬やマガジン、ロケットランチャーの弾、グレネードにミサイル、砲弾、エネルギー兵器のカートリッジも出てくるチートアイテム。


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見知らぬアプリに要注意

初のヤンデレ描写に挑戦です。ガバってる所があるのでご容赦ください。


ターミネーターは悩んでいた。

ポーチから溢れ出た大量の弾薬をこっそり片付け、ハードボーラーの射撃訓練をしていた時、目の前に飛び込んできた通知に。

 

 

 

 

 

 

『以下のアプリをアンロックしました。

 

マインドカメラ

心理分析装置とカメラが連動して、視界に映った相手の感情を自動的に分析し、心の中で思っていることを映像化させるアプリ。

 

高機能バイオスキャナーVer2.0

特殊な波長の放射光を照射して、物体からの反応を検知、解析するアプリ。

Ver1.7.10以降は微量の薬品や細菌、ウィルス、崩壊液でも検知、その組成を解析が可能』

 

 

ターミネーター(しれっとチートすぎるアプリ作ったな、設計者)

 

 

心の中で設計者にツッコミを入れつつ、アプリの説明文を読む。

近くに相変わらず銃ではなくナイフを的にぶん投げるG36がいたので、好奇心でマインドカメラを起動する。

ほんのちょっぴり罪悪感を感じながら、G36を視界に入れる。

 

 

『スキャン完了。表示します』

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

レナ「あぁぁぁぁぁぁ!」

 

 

G36「動かないで下さいご主人様。動くと傷が大きくなりますよ」ザクザク

 

 

レナ「シア・・なんでこんなことを・・・・」

 

 

G36「印をつけているのですよ。貴女も私のモノだって分かって一石二鳥です」

 

 

レナ「うぐっ・・・そんな・・・シア・・・目を覚まして・・・・こんなことおかしいよ・・・」

 

 

G36「」ブチっ

 

 

レナ「きゃ!」ドサッ

 

 

G36「ご主人様にはご奉仕が必要ですね。私の事しか考えなくなるまでたくさんたーくさん愛してあげます」

 

 

レナ「い・・・いや・・・」ガタガタ

 

 

G36「ふふ、血に濡れて、震えてるご主人様も可愛いですね」

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

ターミネーター(うぉぉぉ・・・ヤベーの見ちまった)

 

 

恐怖に駆られて射撃場から退散する。

予想外の病みと闇を見てしまい、マインドカメラを停止しようとマインドカメラのアイコンをタップする。

 

 

ターミネーター(何処だ!?停止ボタンは何処にある!?)

 

 

必死に探すが停止ボタンまたはそれに類するワードの書かれたボタンを探す。

 

 

ターミネーター(停止ボタンが無い・・・だと!?)

 

 

軽く絶望してると画面右上にあるQ&Aに気づく。

Q&Aをタップして、このアプリの停止方法を探る。

 

 

『Q マインドカメラを停止するにはどうすればいいですか?

A 起動すると24時間後に自動で停止します。それ以外の停止方法はありません』

 

 

ターミネーター(クソアプリじゃねぇか!)

 

 

トンデモ仕様に心の中で口汚く叫ぶ。

この24時間どう過ごそうかと考えながら廊下を歩いてると元気に走るスコーピオンが視界に入り、すれ違う。

 

 

『スキャン完了。表示します』

 

ーーーーーーーーーー

 

 

あたしは指揮官が好き。大好き。

指揮官と一緒にいる時、すごく幸せ。

指揮官とちょっと話すだけでもあたしはすっごく幸せ。

 

 

でも、時々考えてしまう。

指揮官に嫌われたらどうしようって。

 

 

嫌われたら、あたしは迷いなく頭を撃ち抜くだろう。

でも、死にたくない。指揮官と一緒にいたい。

 

 

どうしたら、嫌われずに指揮官とずっと一緒にいられるのかな?

 

 

いっそのこと指揮官を監禁とか・・・いやそんなことできない。指揮官に嫌われちゃう。

 

 

どうやったら、あたししか見れないようになるのかな?

 

ーーーーーーーーーー

 

 

ターミネーター(ボボボボ!スコーピオンの病みがふっ『スキャン完了。表示します』え?)

 

 

ガリガリとSAN値が削られていくターミネーターに容赦なく出てくる通知。

部屋から出てきたLWMMGをマインドカメラがスキャンした。

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

レナ「エウムちゃん何するの?」

 

 

LWMMG「ちょっとした催眠術よ。このペンデュラムを使うの」

 

 

レナ「結構コテコテな催眠術だね」

 

 

LWMMG「まぁ、物は試しよ。指揮官はだんだん眠くなーる。眠くなーる。眠くなーる」

 

 

レナ「きゅう・・・・」バタン

 

 

LWMMG(思ったりあっさりと効いたわね。よし、ここからが勝負よ)

 

 

LWMMG「今から指揮官は起きるのよ。目を覚まして、最初に見たモノが好きで好きでしょうがなくなるわ。はい」パン!

 

 

LWMMGが手を叩くとレナは起きる。だが、目は死んだ魚のような生気のない目だった。

 

 

レナ「エウムチャンエウムチャンエウムチャンエウムチャンエウムチャン」ダキッ

 

 

LWMMG「きゃ!もう指揮官は甘えん坊ね」

 

 

LWMMGが抱きついたレナの頭を優しく撫でる。

 

 

LWMMG「指揮官?もう何処にも行かない?」

 

 

レナ「モウ何処ニモイカナイ。エウムチャンノコトガ好キで好キデ仕方ナイノ。エウムチャンオ願い、ズット一緒ニイテ。レナッテ呼ンデ」

 

 

LWMMG(アッハハハ!まさかこんなにうまくいくなんて思ってもなかったわ!戦場で拾ったオカルト本がここまで役立つなんて!これで指揮官はもう私から離れようと考えない!)

 

 

LWMMG「レナ・・好き」

 

 

レナ「ワタシモエウムチャンガスキ」

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

ターミネーター(アバーーー!もうダメ・・・今日はアプリが停止するまで部屋に引きこもろう)

 

 

精神的にキツくなり、足早に自室に戻ろうとする。

なるべく人形達に出会わず、部屋に戻れるルートを探す。

 

 

ターミネーター(この廊下だったら、部屋まで戻れそうだな。ここら辺誰も通らないし)

 

 

寂れた廊下を歩いているとドアが僅かに開いた部屋から何か小さな声が聞こえてくる。

 

 

WA2000「これがイチオシよ。どれにする?」ヒソヒソ

 

 

ダネル「これとこれ、あとこのイチオシを」ヒソヒソ

 

 

WA2000「いい買い物ね。指揮官のシャワーシーンのとうさtゲフンゲフン。隠し撮り写真なんてそうそうできないからね」ヒソヒソ

 

 

ターミネーター(もう何も見ないぞ。これはただの幻聴だ。これはただの幻聴だ。これはただの幻聴なんだ。わーちゃんがダネルに指揮官の盗撮写真の取引なんてしてないんだ)

 

 

音を立てないようにコソコソ歩いて部屋から離れる。

190cmの銀色骸骨ロボットが音を立てないようにコソコソ歩いている姿など、シュールな絵面だが、誰にも見られていないのでセーフ。

 

 

ーーーーーーーーーー

部屋まであと少しなのだが、ここからの廊下は皆がよく通る廊下。

誰かと出会う確率は高い。

 

 

ターミネーター(怖くない。怖くない。怖くない。よし!もう何も怖くない!たーみねーたーとつげきします!)

 

 

自己暗示をかけ、ターミネーターは廊下に繰り出す。

案の定、ウォッカを片手に酔っ払ったモシンナガンとエンカウント。マインドカメラが動く。

 

 

『スキャン完了。表示します』

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

最近レナに纏わりつく人形が増えたわね。少しは抵抗しなさいよ。

ほんとレナは私がいないと何もできないんだから。そういう所も可愛いんだけど。

 

 

私達あの時に誓い合ったもの。第2次大戦の時に敵味方入り乱れる戦場の真っ只中で初めて会った時から君が好きだったの。ずっと一緒にいて!ってプロポーズしてきて、あの後もずっと一緒に過ごして、約束したわよね。来世も一緒にいようって。

 

 

でも、レナは気づいてくれない。まさか前世の記憶が消えた?

なんで?あんなに一緒にいたのに!?なんで、消えちゃうの!?

 

 

なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ああ、そっか。

今度は私にプロポーズされるのを待ってるのね!!

 

 

もうレナったら、いじわるだな〜!

早く鉄血のクズ共を掃除してプロポーズしよう!他の人形よりも先に結婚指輪を渡さないと!

皆レナが好きだけど、1番は私よ!

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

ターミネーター(グォォォ・・・深いな。この病みは・・・だが、もう部屋の前だ。俺は勝ったんだ)

 

 

何とか部屋までたどり着いたターミネーターは勝利を噛み締め、ドアノブを回し、部屋に入る。それから彼が部屋から出てくることは無かった。

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

『マインドカメラ停止します』

 

 

ターミネーター「はあ、ようやく終わったー」

 

 

マインドカメラの停止に安堵のため息を吐く。

 

 

ターミネーター(さっさとアンインストールしよう)

 

 

マインドカメラのアイコンを長押しする。他のアプリと一緒に揺れ始める。

マインドカメラをゴミ箱にドラッグ&ドロップしようするができない。

 

 

ターミネーター(はあ?まさか・・・)

 

 

慌ててマインドカメラのQ&Aでアンインストール方法を探す。

 

 

『Q アプリをアンインストールするにはどうすればいいですか?

 

A アンインストールできません』

 

 

ターミネーター「クソが!」

 

 

 

 

ターミネーターの苦労は続く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ブロンズトロフィー《見える・・・見えるぞ!私にも心が見える!》を獲得しました』

 

 

 




最近うちのターミネーターがぷれぷれぷれあですの時のアインズ様に見える病気にかかりました。
戦闘の時は黄金バットに見えてくる病気にもかかりました。


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うちにM4が舞い降りた!

ターミネーターが引きこもっている間のお話です。


M4「M4A1です・・指揮官・・・よろしく・・お願いします」

 

 

敬礼し、呟くようにアイサツをするM4。

 

 

レナ「よろしくね。えーっとその後ろにいる黒い幽霊みたいなのが例の?」

 

 

M4の後ろを指すレナ。

黒い幽霊のような人型が立っていた。

ヘビのような独特の頭部、全身に包帯を巻いたような体、手の指は6本という異質な姿だった。

 

 

M4「はい」

 

 

事の発端は2日前に遡る。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

2日前ペルシカの研究室

 

 

ペルシカ「メンテナンス終わりっと、M4ーもういいよー」

 

 

M4「分かりました。んー」

 

 

メンテナンス用のベッドから起き上がって、M4は軽く背伸びをする。

すると、ペルシカが近寄ってくる。

 

 

ペルシカ「お疲れ様、喉乾いたでしょ?飲み物持ってくるね」

 

 

M4「え?あっ、はい」(あの下品な泥水みたいなコーヒーでも飲まされるのかな)

 

 

心の中でペルシカのコーヒーを下品な泥水と罵るM4。いつもとだったら、飲み物なんて持ってこないのにとペルシカの行動に疑問を抱いているとドアの開く音が聞こえる。

 

 

ペルシカ「持ってきたわよー」

 

 

飲み物が入った2つのコップを両手に持って、部屋に入ってくるペルシカ。

右手には【I ♡ DOLL】と書かれたペルシカが愛用しているマグカップ、左手にはお茶と氷が入ったガラスのコップを持っていた。

 

 

ペルシカ「はいこれ、アイスティーよ」

 

 

M4「あっ、ありがとうございます」(コーヒーじゃないんだ)

 

 

心の中で驚きつつ、M4はアイスティーを飲む。

その時のペルシカは僅かだが、口角が上がっていた。

 

 

ある程度飲んで一息つくと、後ろから何かの気配を感じる。

恐る恐る後ろを振り返るとそこには黒い幽霊のような人型が立っていた。

 

 

M4「っ!動かないで!」

 

 

レッグホルスターに入っているM1911を抜いて、黒い幽霊に銃口を向ける。

だが、黒い幽霊は立ったままうつむき、じっとしている。

 

 

ペルシカ「ほう、興味深いイレギュラーね」

 

 

ペルシカは落ち着いて黒い幽霊を興味深そうに見つめる。

 

 

M4「どういうことですか、ペルシカ」

 

 

常に黒い幽霊の頭に狙い続けて、ペルシカに質問する。

 

 

ペルシカ「さっきM4の飲んだアイスティーに特殊な崩壊液を入れたのよ」

 

 

M4「なんてもの飲ませたんですか!?」

 

 

ペルシカ「いやー有害物質みたいなのは検知しなかったしーイケるかなーっと思って」

 

ーーーーーーーーーー

 

 

という事があった。

 

 

レナ「それで・・その幽霊はきちんとM4の言うことを聞くの?」

 

 

M4「はい、私の言うことは聞いてくれます。命令が無くても私を守るように自発的に動きますね。銃やナイフも使いこなせます。それと私は・・・」

 

 

レナ「即死する程のダメージを受けても即座に蘇る程の再生能力を持っている・・・ね」

 

 

M4「・・・はい」

 

 

歯切れが悪そうにしてるM4に変わって、答えるレナ。

 

 

レナ「はぁー、ペルシカのやつとんでもないことしてくれたわね」

 

 

カリーナ「全くです。社長も今頃吐血してそうですね」

 

 

ペルシカの行動に呆れながら、M4について書かれた書類を片付ける。

 

 

レナ「さてと基地を案内するわね。ついてきて」

 

 

M4「はい、分かりました」

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

M4の自室

 

 

レナ「ここがあなたの自室よ。今は机と椅子、ベッドしかないけど、欲しい家具があったら連絡してね」

 

 

M4「いや、そこまでして頂かなくても・・」

 

 

レナ「大丈夫よ、家具も有り余る程あるし、倉庫の肥やしになるより使ってもらった方が助かるわ」

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

格納庫

 

 

レナ「ここが格納庫よ。戦闘に必要なものは全部ここにあるから自由に使ってね」

 

 

M4「あそこの大量の弾薬箱はなんですか?」

 

 

M4の指を指した方向には山積みにされた大量の弾薬箱があった。

 

 

レナ「倉庫を開けたら溢れ出てきた弾薬よ。あんなに発注した覚えがないのに。不思議ね」

 

 

M4(不思議で済ませちゃうの?)

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

キルハウス

 

 

レナ「ここがうちのキルハウスよ」

 

 

M4「ここがキルハウスですか?」

 

 

M4は疑問に思うのも無理もない。何もなく、床には大きな金属シャッターが閉まってるだけのだだっ広い倉庫だったからだ。

 

 

レナ「まぁ、うちのキルハウスは他の所とは一味も二味も違うからね」

 

 

そう言ってレナは携帯端末を操作する。すると、警告音とランプが点灯し、シャッターが開く。

シャッターの中から障害物やビルが生えるように出現し、たちまちにキルハウスが出来上がった。

更には天井にあるプロジェクターが動きだし、鉄血兵が投影されて、障害物に隠れる。

 

 

M4「すごい」

 

 

レナ「でしょ?このキルハウスはシチュエーションによって様々な形に変えることができるの。ボタン1つでね」

 

 

端末を操作して、キルハウスの形を変える。

さっきのビルなどの大きな建造物がシャッターの中に吸い込まれ、代わりに壁や廊下が生えてきて、室内戦用のキルハウスに変形した。

 

 

レナ「投影された敵を実弾で撃つと倉庫や障害物に張り巡らせた無数のセンサーが敵に命中したと計測すると敵が倒れたり、被弾したら動きが変化するの。あとは敵は吹き飛ぶくらいの衝撃波を撃ってくるわ」

 

 

 

M4「こんな大掛かりな設備・・・正規軍の基地でしか見たことないです」

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

食堂

 

 

M4「はぁ、疲れました。この基地ってすごく広いですね」

 

 

レナ「お疲れ様、ここって元々正規軍の大規模な補給基地を改修したから結構広いの。使ってない部屋も山ほどあるのよね」

 

 

疲れのあまりにテーブルに伏せるM4。

そこにレナはコーヒーを入れたコーヒーカップを持ってくる。

 

 

レナ「コーヒーでよかったかな?」

 

 

M4「はい、ありがとうございます」

 

 

コーヒーカップを受け取って、コーヒーを一口すする。

いつもペルシカの飲む酸味と苦味がキツくて、人工的な味のするコーヒーとは大違いな味と香りが口いっぱいに広がる。

マイルドな酸味と飲んだ後に残る変な苦味を感じさせないすっきりとした後味、砂糖もミルクも入れてないのに甘みを感じ、香りも豊かでとても飲みやすい。

 

 

M4「おいしい・・・」

 

 

レナ「でしょー。スプリングフィールドの入れるコーヒーは美味しいの!」

 

 

と自慢気にレナは語るが彼女は砂糖とミルクをコーヒーにドバドバと入れて、飲んでいた。

窓の外を見るともう日が沈んでいた。

 

 

レナ「もうこんな時間か・・じゃあ、今日はこの辺にしようか?」

 

 

M4「はい、本日はありがとうございました指揮官」

 

 

敬礼して、M4は食堂を後にした。

 

 

スプリングフィールド「ふふっ、お疲れ様です指揮官」ナデナデ

 

 

キッチンから出てきたスプリングフィールドがレナの頭を撫でる。

 

 

レナ「むぅー私はもう子供じゃないのに」

 

 

スプリングフィールド「ならコーヒーに砂糖もミルクも入れないで飲めるようになりましょうねー」

 

 

一通り撫で終わって、スプリングフィールドはキッチンに戻ろうとするが、レナはスプリングフィールドに抱きつく。

 

 

レナ「・・もっと撫でて」ボソッ

 

 

スプリングフィールド「分かりました。では、こちらに」

 

 

座って、膝をポンポンと叩く。

レナはスプリングフィールドの膝に頭を乗せて、寝転がる。

 

 

撫でているとレナから寝息が聞こえてくる。

 

 

スプリングフィールド「誰も見てないわね」

 

 

周りをキョロキョロして、誰もいないのを確認するとスプリングフィールドはレナの頬に口づけをする。

 

 

スプリングフィールド「指揮官今度は本当のキスをしましょうね♪」

 

 

レナ「ん・・・んぅ」

 

 

スプリングフィールドの問いかけにレナには届いていなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

M4(わわっ!スッ、スプリングフィールドさんが・・し、指揮官のほ、頬っぺたにキ・・・キッ・・・っっっ〜!!)

 

 

部屋の鍵を貰うのを忘れて、戻ってきたM4は気まずくて食堂に入れなかった。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

食堂の改造ダクト内

 

 

WA2000「」ギリッ

 

 

 




せっかくだから私が苦しんだ究極の個性殺し人形を紹介するぜ!

M4A1!
世界中の軍隊で使われているアサルトライフルのシンボル!
故に!一般兵から特殊部隊、敵の案山子も使ってるからいい感じのネタを探すのに苦労したぜ!
他のAR小隊達は全員即決したけどな!


HK416!
世界中の特殊部隊御用達のアサルトライフル!
416の服装もTHE特殊部隊!
今もネタが無くて困ってるぜ!
他の404小隊達は全員決まってるがな!

ゴルゴ13は他のAR小隊に割り当てるのが決定しています。


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ここをキャンプ地とする。

新年明けましておめでとうございます。コンゴトモ、ヨロシク。
色々忙しくて投稿が遅れました。申し訳ありません。
今回は短めです。ご容赦ください。


クソアプリが停止し、2日が経った。

アプリが停止しても一度見てしまったこの基地の人形達の闇と病みにターミネーターは軽くトラウマになってしまい、それから逃げるように自室でネットワークに接続して、この世界の情勢や歴史などを勉強した。

そんなことをして2日、トラウマを克服しつつあるとき、レナから会議室に来るようにという主旨のメールが届いた。

会議室に入ると既にこの基地全ての戦術人形達が座っていた。そこにはM4と404小隊もいた。

 

 

ターミネーター(隣に主人公のM4、向かい側には裏の主人公404小隊もいる。あっ、416がM4を睨んだ)

 

 

主人公格のメインキャラ達を生で見れて内心喜ぶターミネーター。

そんな事を考えているとレナが会議室に入ってくる。

 

 

レナ「はいは〜い、ブリーフィングするよ〜」

 

 

学校の出席を取るようなノリでブリーフィングを始める。

作戦区域の地図がホログラム投影され、敵の現在位置、数など様々な情報が表示される。

 

 

レナ「まずは今日から新たに第4、第5部隊を編成するわね。第4部隊はUMP45、UMP9、HK416、G11。第5部隊はM4、ターミネーターね」

 

 

隣のM4に目を向けると少し暗い表情だった。あの時ターミネーターに1発撃ったのを気にしているのだろうか。

 

 

レナ「任務はS09地区の奪還とAR小隊の捜索。

 

役割は第3、第5部隊は前衛、第2部隊は高所から狙撃で援護、第1、第4部隊は遊撃。

 

この作戦は3つのフェーズに分けるわ。第1フェーズは全部隊で第8セクターに駐留している鉄血部隊の殲滅及び通信ステーションの占拠し、リーダー格の鉄血人形の特定とAR小隊と無線でコンタクトをとる。

 

 

第2フェーズは特定したボスを各部隊散開。ボスを包囲し、撃破して周囲の安全を確保すること。

 

 

第3フェーズは敵残存部隊を殲滅しつつ、AR小隊の捜索

 

 

野営地の設営は第5部隊と私がするわね。以上ブリーフィング終わり、各自準備に取り掛かって1時間後に出発よ」

 

 

ブリーフィングが終わると人形達は走って部屋を出て行くかと思いきや、机の下から大きめのカバンとガンケースを机の上に置き始めた。

ジッパーの開ける音、ケースから出てきた各々の愛銃のコッキング音、弾の甲高い金属音が会議室中に木霊する。

 

 

ターミネーター(どっから、カバンを・・俺そんなの持ってきてないぞ・・って、うん?)

 

 

机の下を見るとそこにはターミネーターのミニガンと大きめのボストンバッグが置かれていた。

 

 

ターミネーター(ミニガンとカバンと・・・なんだ、この付箋?)

 

 

カバンにはピンク色の付箋が貼られていて、『これからブリーフィングの時は装備品を持ってきてね!byレナ』と書かれていた。

M4もターミネーターと同じように机の下にカバンとガンケースを見つけ、戦闘の準備をする。

 

 

ターミネーター(指揮官め、これを知ってて俺に何も言わずに会議室に行かせたな)

 

 

だが、そんな余韻に浸る間も無くターミネーターはカバンの中から武器を取り出し、準備をし出した。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

作戦区域に向かって飛ぶヘリの中は野営地用のテントや道具などでキツキツの状態だった。そんな中ターミネーターは座っていた。そして向かい側にはM4と狭い機内の中で地図を広げて見るレナが座っていた。

 

 

ターミネーター「指揮官今日も出撃か?」

 

 

レナ「exactly、出撃しないで何が指揮官よ」

 

 

ターミネーター「グリフィンの指揮官ってこんな感じだっけ?」

 

 

レナはパワーアシスト機能を持った黒いボディスーツに、その上に最新の防弾素材が縫い込まれた黒の戦闘服を重ね着し、腰には特殊部隊が使うようなベルトポーチを複数着用。裾に白いラインが入ったプリーツスカートに底の厚いスパイクの付いたブーツを履き、右手にはランボー御用達のM60軽機関銃、レッグホルスターにはデザートイーグルが入っていた。(※黒いカルデア戦闘服の上に極地用カルデア制服を重ね着している感じです。)

 

 

M4「あの・・・本当に指揮官も戦うのですか?」

 

 

レナ「そうよ。現場でしか分からないこともたくさんあるし、安全な場所でぬくぬくと仲間を指示するだけなんて私のスタイルじゃないの」

 

 

M4「・・・変わってますね」

 

 

レナ「そうかもね、正規軍でも上官が現場に出張るなんて殆どないしね」

 

 

カーク「よーし、嬢ちゃん方、ランディングポイントに到着した。いつでも行けるぞ」

 

 

ヘリは廃墟になった市街地の広場にホバリングする。

 

 

レナ「さあ、行きましょ」

 

 

その一言でレナは地図を片付けて、荷物を持って、リペリングで降下した。M4も荷物を持って、それに続いた。

一方ターミネーターは重量は荷物諸々を含めると結構重く、リペリングしようとすると金具が壊れる恐れがあるのでそのまま飛び降りる。

 

 

 

ターミネーター(高い所から飛び降りるってこんな感じなんだな)

 

 

 

 

割とどうでもいいことを考えながら、ターミネーターはスーパーヒーロー着地をする。

常人なら大怪我必須である。

 

 

レナ「2人とも荷物は全部持ってるわね。よし、じゃあここを野営地の設営始めるわよ」

 

 

そして、3人は野営地の設営を始めた。

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

野営用の大型テントを張ろうとキャリーバッグからシートを出してみる。カーキ色で少しゴムのような質感がして結構分厚い。

他にもテントを地面に固定する太いワイヤーの付いたペグが入っていたが、肝心の骨組みであるポールがない。そのかわりに何かのリモコンと説明書があった。

 

 

ターミネーターは説明書を取り出して読んでみる。するとこんなことが書かれていた。

 

 

『このテントはシートを広げた後、リモコンの赤いボタンを押して下さい。ボタンを押すと生地に縫い込まれたポールが起動して、自動でポールが立ち上がり、テントが張れます』

 

 

ターミネーター(結構近未来的なテントだな)

 

 

シートを広げ、触ってみると、所々にゴツゴツした固い感触がする。おそらくこれがポールなのだろう。

更にシートは中に特殊なゲル状の液体が封入されており、強い衝撃が加わると即座に硬化し、50口径の銃弾も防ぐことが出来るという。

他にも防水、耐刃、耐光学兵器、耐有毒化学物質加工が施され、断熱性もあるので暑い場所や寒い場所でもエアコンやヒーターを別途で用意したら、快適に過ごせるというチートテント。

 

 

 

キャンパーやアウトドア好きが見たら、「こんなのテントじゃねぇー!」と言うだろう。

 

 

ターミネーター(ゆるいキャンプ(ゆるキャン)ならぬテクノロジーキャンプ(テクキャン)だなこれ)ポチっ

 

 

そう思いシートを広げ、リモコンの赤いボタンを押す。

ポールが動き出したのか、モーターの駆動音を鳴らし、空気を入れて膨む風船のようにテントが立ち上がって、ものの数秒でテントが完成した。

 

 

後はワイヤーをテントに付けて、ペグを地面に固定するのだが、地面はアスファルト。普通にハンマーで打てる訳がない。

しかし、このペグもチートだった。頭に付いている小さなスイッチを押すと先端が赤熱化する。

この状態でアスファルトに打つとアスファルトを溶かして、深く刺さった。

 

 

 

ターミネーター(よし、後はこの作業を3回繰り返すだけか)

 

 

そんなに難しい作業ではないのであっという間に終わった。

 

 

レナ「テント出来たんだ。おおーいい感じじゃない!どう、このテント凄く簡単でしょ?」

 

 

ターミネーターが張ったテントを見に来たレナ。後ろにはもう既に複数のテントが張られていた。

 

 

ターミネーター「ああ、考えてたより簡単だったよ。このテント普通に民間で売ったら、大儲けできるんじゃないか?」

 

 

レナ「それはちょっと無理かな。確かに致命的な欠陥は無い良いテントだけど、いいテントの分お値段も結構いいのよ。普通の軍用テントの10倍以上はするからね」

 

 

ターミネーター「それを普通にポンポン使えるグリフィンって一体・・・」

 

 

M4「指揮官、そろそろ他の部隊も到着します!」

 

 

レナ「時間ぴったりね。ターミネーター、あそこの荷物をテントに入れるの手伝って」

 

 

ターミネーター「了解」

 

 

ターミネーターは大量の荷物をテントに運び、他の部隊の到着を待った。

 



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蹂躙の始まり

正規軍の人形のみんなデザインがドストライクでカッコいい・・・カッコよくない?


欲しい・・・ほしい・・・ホシイ・・





レナ達がテントや機材を整えてから数十分後。他の部隊を乗せたヘリや大量の物資を乗せた大型ヘリが降りてくる。

自律人形のスタッフ達が慌ただしく野営地を駆け回る。

ちなみに自律人形のスタッフ達は全員女性型で戦闘も出来る。そんなんただの戦術人形だろとか言ってはいけない。彼女たちはあくまでもこういう裏方仕事が基本なので戦闘は万が一の自衛として搭載された機能なのだから。

 

 

レナ「はい、全員ちゅうもーく!」

 

 

作戦会議用のテントの中でレナの声が響く。どこかの武器商人のようなトーンだ。

 

 

レナ「各部隊のルートの最後の再確認をするわよ。まぁ、何時も通りかもしれないけど」

 

 

会議室の中央にある巨大なディスプレイが付いたテーブルを操作し、この地域の地図が表示される。

 

 

レナ「この前の鉄血部隊みたいに対空ミサイル配備しているからヘリからのリペリングは危険と考慮してここから先は徒歩で移動よ。まず、第1部隊と第3部隊はこの正面から攻めるルートを通る。第2部隊は散開してスプリングフィールドはポイントアルファで敵の索敵、モシンナガンとダネルはポイントデルタで索敵、

私と第4部隊、第5部隊は裏から通信ステーションを挟み込むルートを通って。道中敵がいたら各自で対応。以上よ。何か質問は?」

 

 

その問いに手を挙げる者はいなかった。

 

 

レナ「よろしい、準備が出来次第、各自出撃よ」

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

第1、第3部隊のルートを遮るように辺りを警備しているドラグーンとヴェスピドで構成された1個中隊

強力な火砲と装甲を備え、俊敏なドラグーンは小銃程度しか持たない歩兵にとっては厄介極まりない相手だ。

そんなドラグーンを相手にスコーピオンはある策を講じる。

 

 

 

スコーピオン「ドラグーンの群れね・・エウム、ウィン、わーちゃん聞こえる?]

 

 

LWMMG[言いたいことは分かってるわ。私とワルサーがパイロットを狙撃して]

 

 

M1887[私がハッキングして全員分のドラグーンを確保して、通信ステーションに突撃・・よね?]

 

 

WA2000[わーちゃん言うな!全く・・分かったわ。あんたはあいつらの注意を引きなさい]

 

 

LWMMG[それと出来そうならそっちでもパイロットを仕留めてよね。弾を無駄遣いしたないから]

 

 

スコーピオン[にっしっし~♪分かった、モーちゃん、ウィン、トンプソン、ティル、シアはあたしが敵の注意を引くから援護よろしくね]

 

 

スコーピオンの案に誰も異議は唱えず、スコーピオンはドラグーンに気づかれないようにそっと近づく。

 

 

スコーピオン[ステンバーイ・・スーテンバーイ・・GO!GO!]ダダダダダダダダ!

 

 

スコーピオンの声とともにスコーピオンは突撃、狙撃するLWMMG、WA2000以外はスコーピオンを援護射撃しながら、スコーピオンに続いて突撃する。

 

 

ドラグーンA「っ!敵襲ー!敵襲だー!」

 

 

 

ヴェスピドA「CP!CP!こちt」ズドン!

 

 

 

ドラグーンC「なんてこった!何人やられt」ズドン!

 

 

LWMMG「629、628、627・・・」ダン!ダン!ダン!

 

 

WA2000「127、128、129・・・」ダン!ダン!ダン!

 

 

LWMMGは残弾数を数えながら、WA2000は今までのキルスコアに加算しながら撃っていた。これは彼女達なりのルーティンである。

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

M500「EMP弾装填!行け行けー!」ダン!カシャン!ダン!カシャン!

 

 

ドラグーンD「なんだ!一体何が・・・EMPだと!?」

 

M500のショットガンから撃たれたのは警察が暴徒鎮圧に用いるワイヤレススタンガンXREPを電流ではなくEMPパルスが流れるように改造した弾。ドラグーンの脚に命中し、機能が一時停止する。

 

 

ドラグーンD「グリフィンめ、やらしいことを・・・っ!?」

 

 

M500「・・・」ガシャン!ダン!

 

 

システムを復旧作業をしようとしたその時、M500がドラグーンの席の前に飛び乗ってきた。

ショットガンのハンドグリップを引いて、使用済みのショットシェルを排出し、新しいショットシェルを薬室に送り込み、ドラグーンのパイロットに目掛けてスラッグ弾を撃つ。

 

 

パイロットを失ったドラグーンは倒れる。M500はドラグーンの裏に隠れ、ショットガンに新しい弾を入れる。

 

 

M500「よし! 、次!」

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

トンプソン「おらおら!こっちも忘れてもらっちゃ困るぜ!」パララララララララ!

 

 

2挺のサブマシンガンを乱射し、ヴェスピドの部隊を蹴散らしながらドラグーンに向かって突き進むトンプソン。

フォースフィールドも展開しているので多少の被弾はお構いなしだ。

 

 

トンプソン「あいつにならこれだ!」ポイ

 

 

トンプソンがドラグーンのパイロットに向けて投げたのはライター型の爆弾。

小さいが人形一体を仕留めるには十分すぎる火力を持っている。

 

 

トンプソン「・・・ビンゴ」ダン!

 

 

ライターはパイロットの真上に到達するとトンプソンは右手のサブマシンガンでライターを狙い撃つ。

ライターに見事に命中し、ドラグーンのパイロットは爆風に巻き込まれ機能停止した。

 

 

トンプソン「まだ結構残ってるな・・よし、第2ラウンドといくか」

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

M1911「ティル・・行っきまーす!」

 

 

ヴェスピドリーダー「相手は1人だ!フォーメーションB!迎い撃て!」

 

 

M1911も陣形を組むヴェスピドの部隊に突っ込む。

 

 

M1911「この前覚えたこの速射で!」ダダダダダダダダ!

 

 

そう言い、M1911の右手のハンドガンはマシンガン並みの速度で連射する。しかし、1発1発の銃弾は敵の急所に当たりバタバタと倒れる。

当然すぐに弾が切れるが、その間にもう片方のハンドガンを連射して時間を稼ぎ、ベルトに固定したマガジンを装填する。

他にも起き上がり小法師式の予備弾倉を離れた場所に転がす。これはこの辺りで弾が切れると戦闘中に瞬時に予測して転がしている。

敵の銃弾の通る位置を一瞬で予測し、全てを回避しながら、ゆっくりと前に進み、先程のサイクルを繰り返す。

 

 

当然どれも人間には出来ない離れ技。一対多数戦はM1911の独壇場。

 

 

ヴェスピドB「何でアイツに弾が当たらない!」

 

 

ヴェスピドC「黙って弾をばら撒kグフ!」

 

 

ヴェスピドD「畜生!こいつを喰らえ・・・あばばばばば」

 

 

痺れを切らしたヴェスピドはグレネードを投げようとする。鉄血兵が標準装備しているプラズマグレネード。

威力は然程高くないが、起爆時にプラズマが放出され一時的に相手を痺れさせて動けなくさせる。

所謂、閃光手榴弾のようなもの。

 

 

グレネードのピンを抜き投げようとする。が、M1911は冷静にヴェスピドDの持つグレネードを狙い撃つ。

銃弾で起爆したプラズマグレネードはヴェスピド達を痺れさせる。

 

 

その隙にM1911は弾の無くなった左手のハンドガンのマガジンを捨て、新しいマガジンを装填、動けなくなったヴェスピド達を掃射する。

 

 

ヴェスピドリーダーA「バカな・・・こんなことが・・・」

 

 

M1911「この一撃が指揮官様の心に永遠に刺さりますように!」ダン!

 

 

いつものセリフで最後に残ったヴェスピドリーダーを撃ち抜いた。

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

ヴェスピドJ「グワー!サヨナラー!」ザシュ!ザシュ!

 

 

ヴェスピドE「うおぉぉぉぉぉ!なんだこいつは!」ダダダダダダダダ!

 

 

G36「狙いが甘いわね」

 

 

雨あられと飛んでくるレーザーを平気な顔で掻い潜りながら、ヴェスピド達をナイフ1本で無双するG36。

 

 

ヴェスピドF「クソ!回り込め!」

 

 

ヴェスピドG「move!move!」

 

 

G36(周り込んで私を仕留める気ね・・・でも!)ブン!

 

 

スカートの中に忍ばせていた投げナイフを1本回り込もうとするヴェスピドにぶん投げる。

 

 

ヴェスピドG「っ!グフッ」

 

 

ヴェスピドH「あいつ何しやがった!」

 

 

G36は建物の壁に沿うように走って、飛び上がって、壁走りをする。

ヴェスピド達はG36を撃つが明らかに地上で走っている時より速く1発も当たらない。

 

 

壁から壁へと飛び回り、左手で投げナイフを握ってヴェスピド達に向けて次々と投げる。

 

 

ヴェスピドF「クソ!クソ、どこに行きやg」グサ

 

 

G36「遅いわね。ご主人様ならこんな手では絶対に勝てないのに」

 

 

ヴェスピドH「っ!うしr」ザシュ!

 

 

最後に残ったヴェスピドの後ろに着地し、首を斬る。

ナイフをしまう彼女の服は血まみれだった。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

ドラグーンE「出てこいクソッタレー!うぁぁぁぁぁ!」ブワァァァァァァァァ!

 

 

ヴェスピド部隊「・・・」ダダダダダダダダ!

 

 

ドラグーンと護衛のヴェスピド部隊はM1887がいると思しき場所を手当たり次第撃ちまくっていた。

 

 

M1887「所構わず撃つなんて・・いいわ、付き合ってあげる」

 

 

そう言い、M1887は敵が陣形を組んでいる所を横から敵に向かって突っ込んでいく。

 

 

ドラグーンE「っ!いたぞー!いたぞぉぉぉぉぉぉぉ!うわあぁぁぁぁぁぁ!いーーたぞーー!」ブワァァァァァァァァ!

 

 

ヴェスピドI「隊長左です!左にやつがいます!」

 

 

ヴェスピド隊長「全たーい!左向けー左!Fire!」

 

 

即座にM1887を見つけたドラグーンは機体をM1887の方に向けてレーザーガトリングを撃つ。ヴェスピド部隊も続いてM1887に向けてレーザーライフルを撃つ。

 

 

M1887もシールドで攻撃を防ぎながらショットガンを撃つ。

 

 

ヴェスピドK「グレネード!」

 

 

ブワァァァァァァァァ!

ドォン!ダダダダダダダダ!ドォン!ダダダダダダダダ!ドォン!

 

 

グレネードの爆発と嵐のようなレーザーの弾幕がM1887を襲う。

土煙が消えるとそこにはボロボロで酷く無惨なM1887だったものが転がっていた。

 

 

ドラグーンE「・・・勝った、本部に通達しろ!敵人形を1体殺ったと」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

M1887「どう?私の射撃訓練プログラムは中々いいでしょ?」

 

 

ドラグーンは咄嗟に後ろを振り向く。

そこにはさっき殺した筈のM1887が立っていた。

 

 

ドラグーンE「どういうことだ!お前はさっき死んだ筈・・あれはダミー人形か!?」

 

 

 

M1887「ハズレよ」

 

 

その言葉と共に倒れているM1887のようなものはポリゴン状になって消えた。飛び散った血液も残骸も全て。

 

 

ドラグーンE「何が・・・一体何が・・・」

 

 

ヴェスピド部隊も困惑している。

 

 

M1887「悪いけど・・・貴方達の“目”盗ませてもらったわよ」

 

 

目・・・つまりドラグーン達の視覚情報にハッキングを仕掛け、自分の偽物を作り出し、M1887本人は映像から消えるように細工をした。

ドラグーン達が撃っていた相手は視覚情報を細工されたことで生み出された実際には存在しない幻影だった。

 

 

そう言ってドラグーンのパイロットの頭を掴み、ぶん投げる。

すかさず、ドラグーンに乗り込みハッキング。ドラグーンを支配下に置き、ヴェスピド部隊と投げ捨てたパイロットをレーザーガトリングで全員蜂の巣にする。

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

スコーピオン「おりゃおりゃおりゃー!お前ら全員コッチヲミロー!」

 

 

どっかの爆弾戦車のセリフを言って敵の懐に飛び込んでいくスコーピオン。

行きがけの駄賃代わりに火炎瓶をポイポイと放り投げ、炎の海と化した戦場を駆け回る。

 

 

運良く炎に巻き込まれなかった2体のヴェスピドは炎の海に向けて銃を乱射する。

そんな中スコーピオンは炎の海を突っ切り、出た先にはドラグーンと生き残ったヴェスピド達がいた。

 

 

スコーピオンはサブマシンガンで発砲しているヴェスピドの手を狙う。

引き金を引こうとした手に命中するとライフルの銃口が左へ90度逸れて命中した衝撃で指が動いて引き金が引かれる。すぐさま銃はセーフティをかけるが時すでに遅し、左にいる仲間のヴェスピドにレーザーが命中する。

 

 

更にヴェスピドの胸を撃ち、崩れ落ち膝で一旦止まらせる。そして、そのヴェスピドを踏み台にしてドラグーンに向かって飛び上がる。

パイロットを捕まえてドラグーンから引きずり落とし、頭に2発サブマシンガンを撃ち込む。

 

 

ヴェスピドM「貴様・・っ!殺す!殺しt」ダン!

 

 

最後に踏み台にされたヴェスピドにとどめを刺す。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

M1887「全員分のドラグーン用意できたわよ」

 

 

全員分のハッキングで支配されたドラグーン達は綺麗に列を作ってしゃがんでいた。

 

 

WA2000「私は要らないわ」

 

 

LWMMG「私も」

 

 

スコーピオン「えー!なんで!?」

 

 

WA2000「狙撃スポットにこんなデカイの置けるスペースなんてないし、置けても敵に見つかりやすくなるじゃない」

 

 

LWMMG「同感」

 

 

スコーピオン「うー・・じゃあ、この余った2体どうするの?」

 

 

M1887「その点は大丈夫よ。私が遠隔操作するから」

 

 

スコーピオン「その点って・・・まさかこうなるって知ってたの?」

 

 

M1887「ええ、そうよ」

 

 

スコーピオン「なんで言ってくれなかったの!?」

 

 

M1887「聞かれなかったから」

 

 

スコーピオンはM1887にポカポカするがそこまで痛くなかった。

 

 

WA2000「ほら、こんな所で油売ってないでさっさっと行くわよ」

 

 

そう言って、第1部隊、第3部隊はドラグーンに乗り込み、通信ステーションに移動する。余ったドラグーン2体もそれに追従していった。

 

 

 

 

 

 




オブソリートが面白い・・・エグゾがカッコいい。いつか2次小説書くかも


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裏どりこそ正義!

作者「・・・」カキカキ



作者「・・・」読み読み



作者「これじゃダメだー!(陶芸家感)」削除


そして振り出しに戻る。



派手に戦ってる第1、第3部隊の場所から丁度反対側。第4・第5部隊とレナは通信ステーションの裏側に向かって廃墟の街を歩いていた。

G11は廃墟のビルの屋上に陣取り、レナ達に近づく敵がいないか、索敵をしていた。

道中、鉄血の検問所らしき建物がいくつかあった。が、そこには1人も鉄血兵の姿はなかった。

 

 

M4「検問所なのに、敵が1人もいませんね」

 

 

レナ「わーちゃん達が派手にやってるからね。多分わーちゃん達の方に人員を回したか、通信ステーションの防衛力強化の為に人員を回したのかもね」

 

 

 

UMP45「グーイ、どこかに敵は見当たらない?]

 

 

 

G11[ん、全然いない。スコープのセンサーでも何も反応がないし、スナイパーらしい影もない]

 

 

レナ「上手くいけば、このまま敵に見つからずに通信ステーションまで行けるかもね」

 

 

ターミネーター(見事にフラグを建てたぞ。指揮官・・)

 

 

内心敵に見つからないかと心配しながら1番前を歩かされているターミネーター。

 

 

ターミネーター(俺の索敵センサーでも何も反応がないが、ここまで無防備なのは返って不気味だ。罠だとしてもアンブッシュしてる敵はいないし、検問所だって最低でも2人くらいはいるのにそれもない。どういうことだ?)

 

 

考えれば考えるほど疑問が深まり、辺りを警戒しながら歩いていく。

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

ターミネーター(マジで敵に出くわすこともなく通信ステーションについてしまった・・・しかもデカイな、4階建てか)

 

 

本当に敵と出会わず、通信ステーション近くまで来ることができた。

通信ステーションはレナの言った通り、各所に配置していた鉄血兵全員を集めて、防衛に当たらせていた。

イージス達が隊列を組んで、見た事ない巨大な盾を構え、その隙間からはヴェスピドのライフルが突き出し、周りの建物の屋上に配置されたニーマム、通信ステーションの銃座についている鉄血兵達の銃口がある方角に向けていた。

 

 

ターミネーター「指揮官、あの鉄血兵達が銃口を向けてる方角って」

 

 

レナ「そうね、わーちゃん達を警戒してるのね。ドンパチ無双やってたら、警戒したくもなるでしょうね」

 

 

ターミネーター「だが、おかしくないか?さっき通った検問所だって普通なら最低限の人員くらい残すだろ」

 

 

レナ「私達が結構少数精鋭で一点突破戦術してきたから鉄血はそれを警戒して周りの部隊を全部集めたんじゃない?」

 

 

HK416「指揮官お喋りはそこまでよ。そろそろ第1・第3部隊が来るわ」

 

416の言葉の数秒後、第1部隊が来たのか、鉄血兵は一斉射撃を開始する。だが・・・

 

 

スコーピオン「ヒャッハー!突撃だーー!!」ドシン!ドシン!ドシン!

 

火炎瓶を片手にドラグーンを操作するスコーピオンは弾幕の雨に怯みもせず、鉄血兵達目掛けて突っ込む。

 

 

 

イージスA「嘘だろ・・・みんな逃げろ!早く!破壊は無理だ!あの人形、体当たり攻撃をしてくるぞ!」

 

 

鉄血兵達「逃げろー!」「うわぁー!」「早くー!」「退かぬ!媚びぬ!省みnひでぶ!」

 

 

撃破は不可能と察したイージスAの命令で蜘蛛の子を散らすように逃げる鉄血兵達。中には退かずに応戦する勇者もいたが、無事に轢かれて吹っ飛んだ。

 

 

侵入を許してしまい、スコーピオンの次にトンプソン、M1911と続々と後続の人形達がドラグーンを駆って通信ステーションの防衛線を超えるとドラグーンを乗り捨てる。

建物の上のニーマムはというと・・・

 

 

ズガァン!ガシャン!ズガァン!ガシャン!

 

 

モシンナガン[ダネル、ニーマムはさっきので全部よ]

ダネル[了解こちらダネル、屋上にいたニーマムを全て排除した]

 

 

1キロ離れた鉄塔の上からのダネルの狙撃によって全て排除された。

 

 

 

レナ「了解、よし派手に行こう!」

 

 

そして、レナはどこかのランボーのようにM60を右手で持ち、左手にはデザートイーグルを持って敵に向かって走っていった。

 

 

ターミネーター(もう指揮官一人で鉄血滅ぼせるんじゃないかな?)

 

 

 

ターミネーターはそんなことを心の中で思う。

だが、それを言ってはいけない。

 

ーーーーーーーーーー

 

 

ダダダダダダダダ!ダダダダダダダダ!ズガン!ズガン!

 

 

ヴェスピドA「うわぁ!なんだあいつら!」

 

 

急いで裏口から外に出た鉄血兵達の中の1人のヴェスピドは通信ステーションの裏側から現れたレナと第4・第5部隊に驚愕する。

M60を腰だめで撃ち、左手でデザートイーグルを軽々と扱いながら、鉄血兵を無言で淡々と屠っていくレナ。

敵が後ろに回り込んでも、振り返りもせずにデザートイーグルを後ろに向けて発砲、敵の頭を正確に撃ち抜く。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

UMP45「立ったまま・・・・死ねぇ!」ザシュ!パララララララララ!

 

UMP9「消え・・・ちまえ!」パララララララララ!

 

 

体を幽体化させ、弾幕をすり抜けながら敵の懐に入る。入った瞬間に幽体化を解除。口汚く敵を罵倒しながら、ナイフとサブマシンガンの連撃を鉄血兵達に食らわせる。いつもの穏やかで可愛らしいUMP姉妹は何処へ行ってしまったのか。

 

 

リッパーA「Dodge this!(避けてみな!)」ダン!

 

 

UMP9「ぐぅ!」

 

 

1体のリッパーの銃弾がナインの肩に掠る。が、すぐにナインをフォローした45に頭を撃ち抜かれる。

 

 

UMP9「45姉、私ムカついてきたわ」

 

 

UMP45「奇遇ね、私もよ」

 

 

そう言ってナインは荒々しく銃をリロードする。45もマガジンを交換。自家製ダムダム弾の入ったマガジンを銃に差し込み、コッキング。

リッパーの攻撃で彼女達を怒らせてしまい、攻撃が更に苛烈になる結果となってしまった。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

ダダン!ダダン!ダダン!

 

 

通信ステーションから400m離れた建物の屋上。

G11は持ってきたビニールシートを敷き、その上に布団敷いて、裏地がふかふかの毛布になっている熱光学迷彩マントに包みながら狙撃をしていた。

 

 

G11「敵が多いね・・」

 

静かにそう呟くG11。

撃っても撃っても入り口からぞろぞろと出てくる鉄血兵に手を焼いていた。

 

 

G11「っ!スナイパー!」

 

 

鉄血兵に気を取られていた時、スコープの反射光が見えた。敵のスナイパーがG11を狙っていた。

回避しようとした時、スナイパーの頭が爆ぜた。

 

 

スプリングフィールド[大丈夫ですか?]

 

 

無線から聞こえるスプリングフィールドの声。彼女がスナイパーを仕留めた。

 

 

G11[うん、大丈夫]

 

 

スプリングフィールド「スナイパーは私達第2部隊に任せてください。G11さんは味方を攻撃する鉄血兵の排除をお願い出来ますか?]

 

 

G11「・・・グーイ」

 

 

スプリングフィールド[えっ?]

 

 

G11[グーイ、指揮官がつけてくれた名前。G11だと言いにくいでしょ?]

 

 

スプリングフィールド[そうですね、分かりました。グーイさん]

 

 

そして、無線が切れる。G11は眠い目をこすって、スコープを覗き、引き金を引く。

 

 

ダダダン!ダダダン!ダダダン!

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

パシュ!パシュ!パシュ!

 

 

HK416は敵の制圧射撃に晒されてながらも相手の射撃の隙をついて、セミオートで1発1発鉄血兵の頭に叩き込んでいく。

攻撃の手が緩んできたら、次のカバーポイントに移動し、敵を倒す。

地味ながらも確実にそして着実に敵を追い詰めていく。

 

 

謎のイージス「LMG mounting! reloading!!」

 

 

通信ステーションの屋上から何故か英語で叫んで機銃設置する謎のイージスが現れる。

 

 

謎のイージス「fire!fire!fire!」ダダダダダダダダ!!

 

 

HK416「あの鉄血、また奇妙な武器を使い出して」

 

 

毒吐きながら、謎のイージスの頭を狙い、引き金を引く。

 

 

パシュ!キン!

 

 

HK416(弾いた!あの機銃の上に付いてるのってエネルギーシールド!?こうなったら・・)

 

 

スタンドアローンモデルのM203グレネードランチャーを取り出し、グレネード弾を装填、迫撃砲のように上に発射する。

 

 

 

ポン!・・・・・・・ドォォォォォン!!

 

 

空気の抜けるのような音がし、弾は放物線を描いて、イージスの足元に着弾する。

 

 

謎のイージス「What! アッーー!!(志村兵感)」

 

 

対爆仕様の装備をした謎のイージスに効果はないが爆風で吹っ飛び、そのまま屋上から落下、志村兵のような断末魔を上げて落ちてしまった。

 

 

制圧が終わるとすぐさまブリーチング弾を装填し、通信ステーションの壁を撃つ。

壁にめり込み、弾に仕込まれた爆薬が起爆、壁に人間大の大穴を開ける。

 

 

HK416「指揮官!侵入ルートを確保したわ!」

 

 

レナ「了解!45、ナイン、M4は屋内の制圧!シロちゃんとターミネーターは私と一緒に第1・第3部隊の援護よ!」

 

 

45・9・416・M4・ターミネーター「「「「「了解!」」」」」

 

 

ーーーーーーーーーー

 

G36[ご主人様、あのイージス達なんとかなりませんか?]

 

 

トンプソン[あいつらの盾なんだ?今までのやつよりデカイぞ]

 

 

WA2000[指揮官、私の弾でも弾かれてしまうわ]

 

 

 

巨大な盾を全方位に構えて、動く障害物と化したイージスの群れとその中からライフルを突き出して第1・第3部隊を攻撃するヴェスピド達。

レナ達は通信ステーションの角に隠れ、様子を見る。

 

 

レナ「ターミネーター出番よ。ミニガンであのイージス達を薙ぎ払って」

 

 

ターミネーター「了解、芝刈りの時間だ!」

 

 

角からターミネーターは飛び出し、ミニガンを構えて、イージス達に向かってゆっくりと歩く。

 

 

ウィィィィィン・・ブワァァァァァァァァ!!

 

 

 

 

 

モーター音と繋がった銃声、ジャラジャラと滝のように空薬莢が落ちる。

撃ち出される弾は16Lab硬芯徹甲弾。

劣化ウランの弾頭がイージスの盾を薄紙のように貫き、遅延信管で内蔵された炸薬が炸裂、土煙を上げながらイージスとヴェスピド達を襲う。

 

 

プシュゥゥゥゥ・・・

 

 

ミニガンの射撃が終わり、土煙が晴れると徹甲弾の高い貫通力とミニガンの弾幕に耐えた者はおらず、イージス、ヴェスピドだった残骸の山が出来上がっていた。

 

 

 

レナ[第1・第3部隊は敵増援部隊に備えて、周囲を警戒。第2部隊はステーション周辺を索敵]

 

 

第1・第2・第3部隊『了解!』

 

 

レナ「シロちゃん、ターミネーターは私と一緒に裏側の方を警戒よ」

 

 

ターミネーター「了解」

 

 

HK416「分かったわ」

 

ーーーーーーーーーー

 

 

ドン!

 

 

鉄血兵「「「っ!」」」

 

 

M4「邪魔しますよ」ダダダダダダダダ!

 

 

部屋のドアを蹴破って突入するM4。

突然のことで唖然とした3人の鉄血兵に鉛弾を叩き込む。

 

 

後ろから1人の鉄血兵が襲って来る。

 

 

鉄血兵「イヤーー!」

 

 

M4「っ!幽霊さん!」

 

 

幽霊「」ブン!

 

 

鉄血兵「ゴフッ!」

 

 

幽霊「ソコニ・・タッテロ・・」

 

 

 

M4は幽霊を出して、マチェットを鉄血兵に投げる。

マチェットは鉄血兵に刺さり、そのまま壁にも刺さって、固定される。

 

 

部屋を出ようとするが廊下の先には多数のLMGを抱えた鉄血兵と重機関銃を構えた鉄血兵が待ち伏せをしていた。

 

 

鉄血兵「っ!来るぞ!」

 

 

M4「行きます!」

 

 

M4は廊下から出て、鉄血兵に向かって走る。

 

 

 

鉄血兵「よく狙え!」ダダダダダダダダ!!

 

 

M4「ぐぅ!」

 

 

何発もM4に被弾し、血しぶきを上げて倒れる。

 

 

鉄血兵「撃ち方やめ!撃ち方やめ!」

 

 

鉄血兵「やったのか?」

 

 

仕留めたと思い、銃を下げる鉄血兵達。

が、黒い粒子がM4から発生する。黒い粒子が消えるとM4は素早く銃を構えて3点バーストで鉄血兵達に撃つ。

 

 

ダダダン!ダダダン!ダダダン!ダダダン!

 

 

鉄血兵「グワーー!」「アバー!」「そげぶ」

 

 

 

生き残った鉄血兵1「クソ!クソ!なんだあの人形!撃っても撃っても死なないなんて!」

 

 

幸運にも生き残った鉄血兵が2人いた。

 

 

生き残った鉄血兵2「あいつを撃って確かに手応えを感じた・・血だって出た・・・血が出るなら殺せるはずなのに・・・急所にだって何発も当てたのに・・・」

 

 

???「後ろ向きなさい」

 

 

???「こっちこっち♪」

 

 

生き残った鉄血兵1 2「っ!」

 

 

パララララララララ!

パララララララララ!

 

 

 

突然後ろ声をかけられる。

振り向きざまに銃を撃とうとするが、それよりも先に撃たれる。

 

 

???→UMP9「これで全部かな45姉?」

 

 

???→UMP45「そうね・・・幽体化して探して回ったけど、これで全部ね」

 

 

声を掛けたのはUMP姉妹だった。幽体化し、壁をすり抜けて通信ステーション内を駆け回り、残っていた鉄血兵を片っ端から倒していた。

 

 

UMP45[こちら45、施設内を制圧しました]

 

 

レナ[了解、全部隊に通達。通信ステーションは制圧完了よ]

 

 

 

 

 

 




皆さんもゴーストリコンブレイクポイントのライブイベントでT800と戦いましたか?

個人的に原作に忠実な強さだなと思いました。


エンドスケルトンのスキンを下さい運営様。何でもしますから。


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無線越しの再会

今回は短めです。
小説の進みがすげぇグダグダですみません。


レナ達が通信ステーションのコマンドセンターで現地のボスや敵部隊の配置などの情報を回収している中、部屋の隅っこでM4は無線機の受話器を取り、はぐれたAR小隊に向けて無線で呼びかけていた。

 

 

M4[AR・・・こちらM4A1、誰か聞いているのなら応答してください]

 

 

 

M16[聞こえるかM4?あと1分遅かったら繋がらなかったぞ]

 

 

いつもの聞き慣れた声が聞こえた。M16だ。

 

 

M4[M16姉さん!そちらの状況は?]

 

 

M16[近くに鉄血が数体いる。もう少ししたら無線を切るぞ]

 

 

M4[じゃあ手短に説明します。私は無事助け出され、今はS09地区の指揮官のもとにいます。指揮官がすぐにヘリを用意できるとおっしゃっているのでいつでもそちらの応援に行けます。姉さんAR小隊の状況は?]

 

 

M16「後ろの敵を抑えてる時にはぐれちまった。さっき連絡した時は無事だったんだが・・・M4、私に構わず、まずはAR15とSOPを探せ。それとはぐれる前にAR15とSOPの無線の周波数を変えたんだ。AR15は141.12、SOPは140.48だ。おっと、奴らが来た。すまん、話はまた後だ]

 

 

M4「分かりました。姉さんも気をつけてください]

 

 

無線が切れる。緊張がほぐれたのかM4はため息をつく。

 

 

 

レナ「どう?誰かと繋がった?」

 

 

レナが心配そうにM4の近くまで来る。

 

 

M4「はい、M16姉さんと連絡できました。AR15とSOPはまだ・・分かりません。これから連絡を取ってみます。そちらは何か掴めましたか?」

 

 

レナ「現地のボスに関する情報を入手したわ。SP721コードネーム狩人(ハンター)。メインウェポンは2丁の拳銃で敵を自分の得意なエリアに誘い込んで仕留めるのが彼女のスタイル。他にも新装備を持ち込んでいるっていう情報もあるわ。だけど、何故か司令部近くで部隊を率いて、そこで展開しているの」

 

 

 

M4「司令部近くで部隊を展開?・・・まさか!?」

 

 

M4は焦って無線機を操作し、AR15の周波数に合わせ、コールボタンを押そうとする。だか・・

 

 

ターミネーター「ちょっと待ってくれ」

 

 

ターミネーターはボタンを押そうとするM4の手を掴む。

 

 

M4「ターミネーターさん・・・なぜ」

 

 

ターミネーター「さっき、そこの端末に接続して調べたんだが、敵の司令部近くで盗聴をしている反応が出た。と言ってもM4が通信を切る前にようやく分かったが」(盗聴されてたの忘れてたなんて言えない・・)

 

 

 

前世で原作をプレイし、シナリオも覚えていたターミネーター、まさかのシナリオをド忘れしていた。

 

 

 

M4「そんな・・じゃあ、M16姉さんの位置も・・・」

 

 

ターミネーター「そこは大丈夫だ。奴らのネットワークに侵入して、偽の位置にすり替えておいた。後はさっきの会話も適当に書き換えておいた。時間稼ぎにはなるだろう。で、ここからが問題なんだが・・・私にいい考えがある(某司令官感)」b

 

 

とサムズアップする。失敗しそうなフラグがプンプン匂うが。

 

 

ターミネーター「俺を無線機と経由してくれ。そうしたら、俺がネットワークに侵入してこれからの通信を無かったことにする。指揮官、後で盗聴されないように全員の通信機に調整用のプログラムをアップロードしたい」

 

 

レナ「分かったわ。みんなに伝えておく」

 

 

レナは戻って、プログラムのことを伝えにその場を離れた。

 

 

M4「で、何処に接続すればいいですか?」

 

 

ターミネーター「その・・だな・・・・ここだ」

 

 

そう言ってターミネーターは戸惑いながら口を大きく開ける。中には2つのコードの挿し口があった。

 

 

M4「えぇ・・(困惑)。わっ・・分かりました」

 

 

ターミネーター「本当に・・・すまない」

 

 

M4「いえ・・・わっ悪いのは設計した人ですよ」

 

 

ターミネーター(ええ子やん)

 

 

ドン引きしつつ、無線機のコードを接続して、もう片方には受話器のジャックを接続する。

黒髪美少女が銀ピカ骸骨ロボットの口にコードを挿す。とてもシュールな絵面だ。

準備が終わり、今度こそコールボタンを押す。

 

 

AR15[聞こえますか、M4。こちらAR15]

 

 

ターミネーター(うおぉぉ加藤〇美里さんボイスが頭の中に響く・・)

 

 

受話器からの会話は全てターミネーターの思考モジュールを経由、そこで会話をデータ化し、更に疑似データも混ぜて、無線機に送り、AR15の無線に送る。盗聴している側は疑似データを掴むが何も聞こえず、会話していることすら気づかない。おかげで盗聴を恐れず、普通に会話できる。

 

 

そして、この手順のせいでターミネーターの頭の中にAR15の声が響くのだ。

 

 

M4[聞こえるわ、AR15そっちは大丈夫?]

 

 

SOP[わたしのことは聞いてくれないの?心配してたのに!]

 

 

ターミネーター(大きな声で言わないでゆかrじゃなかったSOPさんや・・頭がキーンってする・・)

 

 

M4[SOPII!あなたもそこにいるの?]

 

 

ターミネーター(あっこれオプション画面で音量調節できるわ。最低にしとこ)

 

 

SOP[うん!わたしたちなら鉄血の捜索網から抜けたから大丈夫。そっちの信号を受け取ったらすぐ合流できるよ]

 

 

M4[分かった。M16姉さんはまだ道中だから、とりあえずそっちを迎えに行くね。合流地点はここでいい?]

 

 

AR15[・・・]

 

 

M4[AR15、盗聴対策はしてあるわ。今の会話はあいつらには聞こえてないよ]

 

 

AR15[・・・分かったわ。早く合流してM16を探しましょ]

 

 

SOP[え?ちょっm]ブチ

 

 

M4「ターミネーターさん終わりました。ありがとうございます」

 

 

レナ「戻ったわよ、それでどう?2人は無事?」

 

 

連絡が終わったタイミングでレナが戻ってきた。

 

 

ターミネーター「無線機は俺が片付ける。M4は指揮官に報告しろ」

 

 

ターミネーターは自分で口に挿さっているコードを引き抜き、無線機の後片付けをする。

その間にM4はレナに話す。

 

 

M4「はい、2人とも鉄血の捜査網から抜けていて安全です。合流地点も指揮官が用意した場所に」

 

 

レナ「そう・・分かったわ。ターミネーター、プログラムは?」

 

 

ターミネーター「いつでも」

 

 

レナ「よし、[全部隊、盗聴対策用のプログラムを送信するわ。アップロードが終わり次第、各自第2フェーズに備えて、準備]」

 

 

M4(M16姉さん・・すぐに迎えに行きますからそれまで待っていてください)

 

 

M4はM16の無事を祈る。彼女は今も独りで鉄血と戦っているのだろうと。

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

M16の潜伏場所

 

 

激しい吹雪が起こる雪山の中にポツンと建つログハウス。その外には鉄血兵の死体が転がっていた。

ログハウスの中は暖色の明かりがついていた。

 

 

M16「ぷっはー!この為に生きているんだな~!」

 

 

ログハウスの中のバーカウンターでジャックダニエルを飲むM16がいた。

彼女がこのログハウスを見つけたのはM4と連絡をした数時間前。

少し休憩しようとこのログハウスに入った。中は誰もいなかったが、発電機やヒーターなどがあり、しかもまだ使える状態だった。

 

 

ヒーターで中が暖かくなり、バーカウンターの後ろには様々な酒瓶が並んでいた。

究極の飲兵衛であるM16は無論見落とすこともなく、大好物のジャック・ダニエルを探した。

その時である。とんでもないものを見つけてしまった。

 

 

それは・・・

 

 

“ジャック・ダニエル シナトラセレクト”

 

 

簡単に言うと最高級のジャックダニエルである。

このご時世で酒は高級な趣向品。このシナトラのような最高級レベルの酒となると冗談抜きで豪邸が一軒建てれるくらいの値段がつくだろう。

そんな酒がこのログハウスに大量にあった。

更につまみ用なのか、食材も大量にあった。

 

 

そんなこんなで最高級品のジャックダニエルを嗜んでいた時、M4から通信が。

酒を飲んでいることがバレないように平静を装って、無線越しの再会をした。

 

 

まだまだ話したいことがあったが、会話の最中に鉄血の斥候部隊がやって来る。

話を切り上げて、斥候部隊を排除。

ログハウスに戻り、再び酒を煽りまくる。

 

 

M16「次はゴールドだな!よっしゃー、M4達が来るまで飲み明かすぞー!」

 

 

酔いのあまりそんなことを考えて、新たな酒瓶の封を開ける。

まさかあんなことになるとはこの時のM16は知る由もなかった。

 

 

 

 

 




誰かとコラボしたいな〜と思う今日この頃。


補足
ジャックダニエル シナトラセレクト
参考小売価格:20.000円

アメリカを代表する伝説のシンガー“フランク・シナトラ”の生誕100周年を記念して発売されたボトル。
シナトラ本人もジャックダニエルをこよなく愛し、ステージの上において、曲と曲の合間に飲んだり、棺の中にジャックダニエルのスキットルをいれて埋葬された程。他にも1束の10セント硬貨とキャメルの煙草も入れたそうな。


ジャックダニエル ゴールド
参考小売価格:10.000円

レギュラーボトルのブラックの2倍の手間暇をかけた最高級ボトル。
細かく砕いたサトウカエデの炭で蒸留されたばかりの原酒を2回の樽熟成の前後にろ過を行う。
熟成も1回目はホワイトオークの樽で熟成させ、2回目はサトウカエデの樽で熟成するという徹底ぶり。


間違ってたらごめんなさい。


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ターミネーター「うちの部隊がTUEEEEすぎる件について」

フェーズ2を実行するために所定の位置に移動してきたターミネーターとレナ。

M4はSOPとAR15に教えた合流地点に向かう為、別行動。

 

 

WA2000[第1部隊準備完了]

 

 

スプリングフィールド[第2部隊準備完了]

 

 

スコーピオン[第3部隊準備完了]

 

 

UMP45[第4部隊準備完了]

 

 

 

レナ[了解、全部隊フェーズ2開始。各自、自由行動で構わないわ]

 

 

 

ターミネーター「指揮官ちょっといいか?」

 

 

レナ「どうしたの?」

 

 

ターミネーター「さっきの戦闘でUMP姉妹が霊体化?みたいなことがあったんだが、あれって何だ?」

 

 

ターミネーターの問いに対してレナは答える。

 

 

レナ「あれは45とナインの特殊能力よ。体を幽体化させて、どんな障害物も物理攻撃も幽霊みたいにすり抜けることができるの。ちょっと前の作戦で崩壊液に触れてしまった時に使えるようになったの。うちの部隊の人形はみんな特殊な武器とか能力を持ってるわ」

 

 

ターミネーター「みんな?」

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

レナの部隊に包囲された鉄血司令部。

そこは鉄血兵にとっての地獄と化した。

 

 

 

鉄血兵「撃て撃てー!グワァー!」

 

 

鉄血兵「スナイパーだ!どk」

 

 

WA2000「157・・・158・・159・・」ダン!ダン!ダン!

 

 

LWMMG「523・・・522・・521・・」ダン!ダン!ダン!

 

 

G11「虫みたいに湧いて出てきて・・気持ち悪い・・・」ダダダン!ダダダン!ダダダン!

 

 

モシンナガン「ダスビダーニャ」ダン!ガシャン!ダン!ガシャン!ダン!ガシャン!

 

 

頭を出せば、西にWA2000、北にLWMMG、南にG11、東にモシンナガンに狙撃される。

 

 

鉄血兵「ムーブ!・・っ!」

 

 

G36「遅いわよ」

UMP9「消えちまえ!」

M1911「行きます!」

 

ダン!ダン!ダン!

ザシュ!ザシュ!ザシュ!

 

 

白兵戦に持ち込もうとすれば、ナイフで切り裂かれて、45ACP弾を叩き込まれ

 

 

 

鉄血兵「クソ!スナイパーめ!近づいて仕留め・・」

 

 

スコーピオン「突撃ー!」パララララララララ!

トンプソン「おらおら!どんどん来いやー!」パララララララララ!

UMP45「虫ケラが!」パララララララララ!

 

 

スナイパーに近づこうとすれば、サブマシンガンに蜂の巣にされ

 

 

 

鉄血兵「距離をとって戦え!」

 

 

鉄血兵「援護しろ!」

 

 

 

ダン!ダン!ダダダダダダダダ!

 

 

鉄血兵「グフゥ!」

 

 

鉄血兵「1人やられた!」

 

 

HK416「あなたの運はここまでよ」

 

 

ポン!

 

 

鉄血兵「うわぁぁぁぁ!」ズガァァァァン!

 

 

距離をとって戦おうとすれば、アサルトライフルの銃撃とグレネードに爆殺され

 

 

M500「あはは〜!負けないよー!」ズガン!ガシャン!ズガン!ガシャン!

 

 

鉄血兵「ギャアァァァ!」ボーン!

 

 

M500の爆薬が入ったスラグ弾に撃たれ

 

 

鉄血兵「マンティコアだ!マンティコアを出せ!」

 

 

 

M1887「暗号化プロトコル解読・・・ファイアーウォール突破・・・制御プログラム接続・・・マンティコア全システム掌握完了」

 

 

鉄血整備兵「大変だ!マンティコアが暴れ出した!」

 

 

鉄血整備兵「助けてー!」

 

 

鉄血兵「うわー!」

 

 

マンティコアを出そうとすれば、乗っ取られて利用され

 

 

 

イージス「ファランクスだ!ファランクス陣形を組め!」

 

 

ダネル「どんな強固な装甲でも撃ち貫くのみ!」ズガァン!

 

イージス達がファランクス陣形を組んで、反撃しようとするとダネルの狙撃で盾ごと貫かれたり

 

 

 

鉄血兵達は反撃する暇も与えられず、一方的に蹂躙されていく。

 

 

 

ターミネーター(うわっ・・・うちの部隊強すぎ!)

 

 

 

鉄血兵「最終防衛ラインまで撤退ー!」

 

 

鉄血兵「早く逃げろー!」

 

 

鉄血兵「ヤバイ!ヤバーイ!」

 

 

 

あまりに一方的すぎて、必死に逃げ惑う鉄血兵達。

 

 

 

UMP9「さようなら!」ポイ

 

 

逃げていく鉄血兵達に容赦なくUMP9はスタングレネードを投げる。

 

 

パン!

 

 

 

鉄血兵「目が!目がぁぁぁぁぁ!」

 

 

鉄血兵「何も見えねぇ!」

 

 

スプリングフィールド「あなた達は震えながらではなく、藁のように死ぬのです!」

 

 

更には狙撃部隊の隊長であるスプリングフィールドが前線に立ち、動けなくなった鉄血兵にライフルではなく、銃剣で倒す。

ウルヴァリンのように両手に3本の銃剣を持ち、近くの鉄血兵は斬り、離れた敵は柄に爆薬を仕込んだ銃剣を投擲して爆殺。

銃剣が無くなったら、服からまた銃剣が出てくる。そして、お決まりの銃剣で十字架を作る。

それを遠くから見ていたターミネーターは・・・

 

 

ターミネーター(もうアン○ルセン神父じゃん。あれ)

 

 

レナ「ターミネーター、早く司令部を占領しに行くよ」

 

 

 

ターミネーター「もう全部あいつらだけでもいいんじゃないかな」

 

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

M4が教えた合流地点

 

 

SOP「あっ!M4だ!こっちこっちー!」

 

 

AR15「遅かったわね」

 

 

M4「2人も無事で良かったわ」

 

 

そこには既にSOPMODとAR15がいた。

M4は安堵の溜息をつく。

 

 

M4「早く指揮官の所に行きましょ」

 

 

???「残念だが、そうはいかない」

 

 

M4・SOP・AR15「「「っ!」」」

 

 

突然聞き慣れない声が後ろから聞こえる。

後ろを振り向き銃を構えると、そこには銃剣が付いた黒い2挺の拳銃を持ち、資料には無かった強化外骨格を装備した人形ハンターがいた。レナが言っていた新装備とはこれの事だった。

 

 

AR15「M4あなた後をつけられた?」

 

 

M4「そんな気配は無かったわ」

 

 

ハンター「当然だ。私はM4の後ろをついて来たんじゃない。AR15の足跡を辿って来たんだ。油断した時に仕留めようと隠れていたんだが・・・まさか貴様も掛かるとはなM4。お陰で探す手間が省けた。さて・・・」

 

 

話を終えるとハンターは銃口をM4に向ける。

 

 

ハンター「一狩り行くとしよう」ダン!ダン!ダン!ダン!

 

 

咄嗟にM4達は近くの障害物に隠れる。

 

 

M4「SOP!あなたはハンターを撹乱して!私が援護するわ!AR15は距離をとって狙撃!」

 

 

SOP「了解!」

 

 

AR15「分かったわ。フッ」

 

 

M4「どうしたの?」

 

 

AR15「いえ、あなたちょっと成長したわねって思って」

 

 

M4「そ、それ今言うこと?」///

 

 

SOP「ほらほら!早くやるよー」

 

 

そう言い、SOPはライフルを片手にハンターの周りを動き回って撹乱。M4が援護射撃で牽制、隙が出来たら、AR15が狙撃。

それを繰り返す。

 

 

ハンターも銃撃を避けて、拳銃で応戦する。

SOPが近づいてくると銃剣を振る。

 

 

 

ハンター「ほう・・少し貴様らを侮っていた。だが!」

 

 

ハンターが纏っていた外骨格が動き出し、ブースターが現れる。轟音を鳴らし、ハンターは天高く飛ぶ。

 

 

SOP「飛んだ!」

 

 

AR15「またとんでもないものを作ったわね」

 

 

ハンター「そろそろ本気で狩りをしよう」ダダダダダダダダ!ダダダダダダダダ!

 

 

空からのアウトレンジ射撃。

拳銃も論理トリガーでマシンガン並みの連射をする。

弾幕を形成され、こちらの銃撃は空を高速移動するハンターに避けられる。

 

 

 

AR15「このままじゃジリ貧よ!」

 

 

SOP「あんなの反則だよ!」

 

 

 

M4「大丈夫よ。幽霊さん!」

 

 

M4の呼び声に答えてIBMが出現する。

 

 

SOP「M4なにそれ!」

 

 

M4「ペルシカにちょっとね・・・」

 

 

AR15「どんな改造したら、そんなのが使えるのよ・・・」

 

 

M4「幽霊さん空を飛ぶことって出来ます?」

 

 

 

IBM「・・・」b

 

 

IBMはサムズアップし、腕が翼のような形に変化し、足も手のような形を変わる。

IBMにM1911を足に持たせる。

 

 

M4の意図に答えるようにIBMはハンターに向かって飛ぶ。

 

 

ハンター「っ!なんだあれは!?」ダダダダダダダダ!ダダダダダダダダ!

 

 

ハンターは驚きながらもIBMに向けて銃を撃つ。

だが、IBMは戦闘機のようなマニューバをして、ハンターの銃撃を避ける。

 

 

 

IBM「・・・」ダン!ダン!ダン!

 

 

 

ハンター「っ!メインブースターがイカれただと!?それにパワーアシストも・・こいつこれを狙って・・ダメだ、落ちる!」

 

 

後ろをとったIBMは足に持ったM1911でハンターの強化外骨格のメインブースターを破壊する。

推力が足りなくなり、動けなくなったハンターに重力に従って落ちていった。

 

 

ハンター「強化外骨格・・パージ!」

 

 

強化外骨格をパージして、地面に何とか着地する。

IBMも地面に降りて、元の姿に戻る。

 

 

 

AR15「これで終わりね」

 

 

M4達に囲まれる。だが・・。

 

 

M4「っ!」

 

 

ハンター「油断したな」ダン!ダン!ダン!

 

 

ハンターは素早くM4を拘束して盾にする。

そして、素早くAR15とSOPMOD、IBMに向けて引き金を引く。

 

 

 

AR15「銃が・・」

 

 

 

SOP「うぐっ、腕が!」

 

 

M4「SOP!」

 

 

ハンター「・・・」グサっ!ダン!ダン!

 

 

AR15「M4!」

 

 

IBMは咄嗟に避けるが、AR15は銃を破壊され、SOPMODは左腕が吹き飛ぶ。

ハンターは拘束したM4の背中を銃剣で突き刺し、2発撃つ。

 

 

M4(ここで倒れたふりをすれば・・)

 

 

用済みになったM4を離す。M4の傷はすぐに修復するが、倒れて死んだふりをする。

 

 

ハンター「銃のないグリフィンの人形など赤子同然、後は・・」

 

 

ハンターはIBMに拳銃を向ける。

 

 

ハンター「後は貴様・・っ!」

 

 

突然後ろから誰かに拘束されて、ククリナイフを首元に突きつけられる。

M4だった。倒れてM4を見なくなった後、音を立てないようにククリナイフを取り出して近づき、ハンターを拘束した。

 

 

 

M4「ハンターあなた油断したわね。ちゃんと仕留めたか確認しないと仕留めたはずの獲物に仕留められるわよ」

 

 

ハンター「貴様・・何故だ・・・確かに仕留めた筈だ・・手応えだってあった・・」

 

 

M4「生憎、もう普通の人形じゃなくなってね」

 

 

IBMは拘束したハンターに近づいて、M1911をハンターの頭に向ける。

 

 

IBM「ゲーム・・・クリア・・・」ダン!

 

 

M4の声と誰かの男性の声を重ねたような声で呟き、引き金を引いた。

ハンターは機能を停止する。

 

 

M4「終わったわね。ありがとう幽霊さん」

 

 

IBM「・・・」b

 

 

サムズアップをし、IBMはM4にM1911を返す。

 

 

M4「SOP!大丈夫!」

 

 

SOP「大丈夫だよ・・・メインフレームまでやられたけど、すぐに直るよ」

 

 

AR15「M4私が応急処置をするから指揮官に回収用のヘリを要請して」

 

 

M4「分かったわ。[指揮官こちらM4。聞こえますか?]」

 

 

レナ[ええ、聞こえるわ。こっちも司令部を占拠したわ。でも、ハンターがいないの]

 

 

M4[ハンターはこちらで撃破しました。ですが、SOPが左腕を吹き飛ばされてしまいました。至急回収用のヘリを要請します]

 

 

レナ[了解、すぐにヘリを送るね」

 

 

 

無線が切れて、数分後にM4達の元に回収用のヘリがやってきた。

 

 

 



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壊物

映画で言うと武器調達の回です。
でも、売人は殺しません。
初代ターミネーターのアラモ銃砲店のオヤジは結構好きなキャラです。


ハンターを撃破し、SOPMODはS09地区の基地の医務室にあるベッドにいた。

 

 

SOP「うぅぅ・・この義手全然使い物にならないよ〜」

 

 

AR15「それはそうでしょ。あの左腕、結構高かったんだから」

 

 

SOPのベッドの横には見舞いに来たAR15がいた。

ハンターの銃撃で左腕を失くしたSOPには簡易的なフック型の能動的義手が取り付けられていた。

本のページをめくるのも一苦労。これでは今後の任務の遂行に大きな支障をきたす。

1度16Labに戻って本格的な修理をしなくてはいけなかった。

 

 

SOP「そういえばAR15の銃はどうなったの?」

 

 

AR15「銃身は溶けてて、ひしゃげてる。機関部も相当酷使したせいでボロボロ、スコープも完全に壊れてて、新しいのと交換するのがいいって指揮官が言ってたわ」

 

 

 

早く新しい銃を探さなきゃとぼやくAR15。

悩んでいた時、医務室のドアからノックの音がする。

 

 

 

コンコン

 

 

レナ「AR15〜SOP〜いる〜?」

 

 

気の抜けたような声で入ってきたのは我らが指揮官のレナ。そしてスーツを着た若い金髪の男性が大小2つのアタッシュケースを持ってレナの後から入ってきた。

 

 

 

AR15「指揮官・・」

 

 

レナ「彼はミハイルさん。IOPアーマメンツ社の人よ」

 

 

IOPアーマメンツ。

主にIOP製の戦術人形の武器、装備の開発、生産を担っているIOP傘下の軍需品メーカーである。

 

 

ミハイル「ミハイル・アバカロフです。本日はお二人に見てほしい物がありましてお伺いしました。まずはAR15さんから」

 

 

ミハイルと名乗った男性は大きなアタッシュケースを隣のベッドに置いて、AR15に見えるように開ける。

 

 

AR15「っ!これって・・!」

 

 

中から出てきたのはマガジンを抜かれたAR15が愛用していた銃だった。

新品同様のピカピカの姿で彼女の元に戻ってきた。

 

 

ミハイル「ペルシカさんから送られてきたデータを元に我が社で新たに製造した物です。バレルはベリンガー氏が作った究極のバレル、スーパーバレルを使用、命中精度が大幅に向上しております。それと」

 

 

ミハイルはおもむろにポケットからマガジンを取り出して、AR15に差し出す。

 

 

ミハイル「.300BLK高速弾。5.56mm弾よりも高い運動エネルギーを持っており、CQBと遠距離射撃双方で火力に優れております」

 

 

マガジンを受け取り、装填、チャージングハンドルを引く。

 

 

レナ「どう、気に入った?」

 

 

AR15「まだ撃ってみないと分かりません。ですが、指揮官、ミハイルさんありがとうございます」

 

 

SOP「むー新しい銃か〜いいな〜」

 

 

内心喜ぶAR15の隣でSOPは頰を膨らませていた。

 

 

 

ミハイル「では、SOPさん。あなたに見てもらいたいものはこちらです」

 

 

そう言って、SOPに先程よりも小さなアタッシュケースを持ってくる。

 

 

 

SOP「うーAR15のより小さい・・・」

 

 

ミハイル「いいもの程包みは小さいものなんですよ」

 

 

ミハイルはそう言って、アタッシュケースを開けて、SOPに見せる。

 

 

 

SOP「これって義手!」

 

 

アタッシュケースから出てきたのは血のような赤い色が特徴的な人の手の形をした義手だった。

 

 

ミハイル「ロシア出身のバイオニクスの権威と呼ばれた科学者が造った最高試作品(ハイエンド・プロトタイプ)の義手です。名前はバイオニックアーム。大型無人機並みのパワーを持っている他に周囲をスキャンするアクティブソナー、最大1000万ボルトの電撃、アームを遠隔操作のミサイルのように発射する機構、敵を引き寄せるウィスプと呼ばれる兵器を放つ事が可能です」

 

 

攻撃特化のSOPにとっては至れり尽くせりな機能が満載の義手だった。

 

 

 

ミハイル「今すぐ装着できますけど・・しますか?」

 

 

SOP「え?でも、装着するには設備が整った所じゃないとダメでしょ?」

 

 

ミハイル「確かに人形のパーツの交換にはもっと設備が充実した所でないと無理ですね。ですが、今付けてるその義手とバイオニックアームの規格は同じなんです。そのためその義手を取り外せば、すぐに装着可能です」

 

 

 

丁寧に説明したミハイルはスーツの中からドライバーなどの工具を取り出して、SOPの判断を待つ。

SOPもすぐに返答した。

 

 

SOP「じゃあ、交換して!」

 

 

ミハイル「分かりました」

 

 

フック型義手を外す作業に取り掛かるミハイル。ドライバーでネジを外していき、手際よくフック型義手を分解していくと義手とその先の腕を繋ぐ接続部が露わになる。

 

 

ミハイル「バイオニックアームを取り付けますね」

 

 

バイオニックアームを接続部に取り付ける。カチッという音が鳴るとバイオニックアームが動き出す。

 

 

ミハイル「動作チェックをします。軽く手を動かしてみて下さい」

 

 

手を握ってみたり、指を動かしてみる。

 

 

SOP「すごいよこの義手!前の左腕よりも自由に動くよこれ!」

 

 

ミハイル「動作は問題ありませんね。少しの間慣らして様子を見て下さい。何か違和感があったら、すぐにご連絡ください」

 

 

作業を終えるとミハイルは工具の片付けを始める。

 

 

ミハイル「オーウェンズ指揮官、2人とも問題ないですね?」

 

 

レナ「そうね、あとはモシンナガンの所だったっけ?」

 

 

ミハイル「そうですね。モシンナガンさんは確か自室にいらっしゃいますね」

 

 

そう言い残しミハイルは空のアタッシュケースを持って、医務室を後にした。

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

モシンナガンの自室。ウォッカ好きが高じたのか部屋には様々な種類のウォッカが置かれており、酒場のような内装になっている。

 

 

モシンナガン「・・・」ゴクゴク

 

 

ビーズクッションでくつろぎながらアルコール度数の高いウォッカを水のようにがぶ飲みするモシンナガン。

アルコール度数の高いものをストレートで飲むと胃を荒らしてしまうこともあるのだが、彼女は人形。そんなことで胃が荒れることはない。

 

 

コンコン

 

 

モシンナガン「開いてるよ〜」

 

 

ミハイル「失礼します」

 

 

ノックして入ってくるミハイル。

彼はモシンナガンが注文したライフルが納められたガンケースを持っていた。

 

 

ミハイル「相変わらずウォッカを愛飲してるんですね」

 

 

モシンナガン「そうね、ウォッカは私の燃料だから。飲む?」

 

 

90度超えのウォッカを勧められる。

 

 

ミハイル「すみません。今は仕事中ですので」

 

 

苦笑いしながら、やんわりと断る。

 

 

ミハイル「こちらモシンナガンさんが注文したライフルです。ご確認下さい」

 

 

ガンケースを開けて、モシンナガンにライフルを渡す。

モシンナガンは受け取り、ライフルを見る。

 

 

ミハイル「ご要望通りにトリガープルは以前より軽くし、折り畳み式のスケルトンストックとピストルグリップを装着しております」

 

 

モシンナガン「トリガープルもいい感じね。ありがとう」

 

 

ミハイル「気に入っていただけて何よりです。では、私はこれで」

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

所変わって射撃場。

そこにはWA2000とスーツを着たミハイルではない若い男性が大きなバッグが置かれたテーブルを挟んで立っていた。

 

 

WA2000「ウィリアムさんこのスコープ前の作戦から調子がおかしいの」

 

 

WA2000にウィリアムと呼ばれた男性は渡されたスコープを受け取り、覗いてみる。

 

 

ウィリアム「あ〜なるほどね。スコープのピンが合わないし、センサーの調子も悪いな。いい加減こいつも寿命なのかもな」

 

 

WA2000「・・・そう」

 

 

ウィリアム「こいつは確か4年くらいだったか?4年も過酷な戦場でもったな。よし、ちょっと待ってな。」

 

 

寿命を迎えたWA2000のスコープをテーブルに置くと、ウィリアムはバッグの中を漁る。

そして、2つ大きなスコープをテーブルに並べる。

 

 

ウィリアム「AN/PVS-04暗視スコープとスペクターIR熱感知スコープだ。どれも改造を施してるよ。暗視スコープは真っ暗な夜でも2km先も鮮明に見渡せて、スペクターは壁越しの敵の反応も見られるようになってる。それと2つにはレーザー測距機と弾道計算コンピューターを搭載している。長距離から狙撃する時に必要な計算を全部肩代わりしてくれる。と言ってもどれもデカイし、重いけどな」

 

 

WA2000は2つのスコープを手に取り、射撃場の照明を消して、2つのスコープを覗いて比べてみる。

 

 

WA2000(暗視スコープは言ってた通り、鮮明に見えるわね。スペクターは・・・確かに壁越しでも見えるわね。それにシルエットもはっきりしていて見やすいわ)

 

 

ウィリアム「どうだ?重いだろ。もっと軽いのもあるんだg「これにするわ」え、どれだ?」

 

 

射撃場の照明を点けて、手に取った2つのスコープをウィリアムに見せる。

 

 

WA2000「この2つ貰うわ」

 

 

ウィリアム「なんだ?任務に応じて使い分けるって感じか?」

 

 

WA2000「違うわ。2つともつけるの」

 

 

ウィリアム「おいおいマジかよ。ライフルに2つ付けたら10kg以上になるぞ」

 

 

WA2000「私は人形だから多少重たくても問題ないわ。それともう1つ注文してたのあるんだけど?」

 

 

ウィリアム「あーあれね。確かここに・・・」

 

 

ウィリアムはバッグの中からプラスティックケースを出して、WA2000に渡す。

 

 

WA2000「ありがとう」

 

 

ウィリアムに感謝の言葉を言って、WA2000はケースを開ける。

ケースの中には2挺の銀色の拳銃が納められていた。

 

 

名前はシルバーボーラー。ハードボーラーをWA2000のサイドアーム用にカスタムしたハンドガン。

スライドとフレーム、グリップのメダリオンにはユリの紋章があしらわれている。

 

 

シルバーボーラーを手に取る。グリップも彼女が握りやすいように調整されており、とても手に馴染む。

 

 

ウィリアム「大事にしろよ。それ1挺で家一軒以上の価値があるんだからな」

 

 

WA2000「分かってるわ。何たって私は・・」

 

 

シルバーボーラーにマガジンを装填、スライドを引いて、初弾を薬室に送って、ハイライトの無い目でこう言った。

 

 

WA2000「指揮官に近寄るクズを殺す為に生まれてきたの」

 

 

ウィリアム(おぉ・・怖・・)

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

ガサガサゴソゴソ

 

 

滅多に人が入らない武器庫にターミネーターは保管されている武器を漁っていた。

 

 

ターミネーター「いい銃が見つからんな」

 

 

この前の作戦でミニガンは少々威力が強すぎると感じた。

仲間がいる状況でミニガンを使えば、フレンドリーファイアしかねないこと。

そして何よりもターミネーターの自衛用の武器がハードボーラー1挺だけと心許ないことだった。

そのため何か手頃な武器はないかと基地に帰ってからずっと探していた。

 

 

ターミネーター「ブローニングM2、DShKにKord重機関銃、メイトリックス大佐御用達のロケットランチャーM202A1、RPG7・・・何でこんなのしか出てこないんだよ」

 

 

どれも火力が強すぎる重火器ばかり。とても自衛用の武器には使えない。

諦めかけていたその時、ふと武器庫の奥を見た時、あるものが目に入った。

アメリカの国旗とイタリアの国旗が小さく描かれたボロボロの2つのガンケース。

 

 

周りの箱を取っ払って、この2つのガンケースに最後の望みをかける。

まずはアメリカ国旗のケースから開ける。

 

 

ターミネーター「っ!これはAR18じゃないか」

 

 

AR18

初代ターミネーターでT-800が最初に手にしたアサルトライフル。

40連マガジンが2本セットで入っていた。

 

 

 

ターミネーター「民間向けのAR180じゃないな。よし、次はイタリアの国旗だ。まぁ、何が出るからは大方予想がつくが」

 

 

ウキウキしながら、イタリア国旗のケースを開ける。

 

 

ターミネーター「予想通りSPAS12か」

 

 

SPAS12

こちらはT-800が最初に発砲した銃。

ストックは取り外されている。

 

 

 

ターミネーター「よし、この2挺にしよう。さてと後は片付けかな」

 

 

そして、出したブローニングM2などの重火器の片付けを開始した。

 

 

 

 

 

 




今回出てきたオリジナル設定

IOPアーマメンツ社
IOP傘下の軍需品専門メーカー。
主にIOP製の戦術人形の使用する銃器、弾薬、アクセサリー、人形装備を開発、生産を担っている。
他にも要望さえあれば、銃器のカスタムやオーダーメイドも受け付けている。
銃器、弾薬、アクセサリーの生産に特化した特殊な3Dプリンターを大量に保有しており、他の軍需メーカーとは一線を画す。
社員の大半が腕利きのガンスミスであり、社長も著名なガンスミスであり、私財で今まで集めたコレクションを展示するミュージアムを建設した程の重度のガンコレクターである。
なお、そのミュージアムは世界中の最新兵器の見本市の会場によく使われる。



ミハイル・アバカロフ 21歳 男性
IOPアーマメンツ社の社員。
ロシア出身の若手のガンスミスで期待の新星として注目されている。
設計者のニコノフ技師しか分からなかったAN94の複雑怪奇な設計図を一目見たいだけで全てを理解し、1から全て作り上げる程の腕を持つ実はすごい人。


ウィリアム・スミス 25歳 男性
IOPアーマメンツ社の社員。
アメリカ出身のガンスミス。特に光学照準器の開発が得意。
WA2000の特製スコープを作った人。


G11、XM8、IWS2000とか日の目をみることなく生産中止になった所謂“迷銃”達の専用弾薬とか修理部品とかどこから調達してるだろうと思い、この設定を付け加えました。
後、何種類も違う銃と弾薬を同時に大量に戦術人形が運用してるけど、グリフィンの兵站って大丈夫なのだろうか?


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究極の飲兵衛に究極の酒を与えた結果がこれだよ

今回は短めです。ご容赦ください


吹雪が吹き荒れ、ホワイトアウトが発生している夜の雪山。

鉄血によって支配されたこの場所に5人の人影が見える。

 

 

AR15、SOPⅡが新たに加わった第5部隊とM727を持ったレナは白い防寒具に身を包み、銃には迷彩目的で白テープを巻いていた。

今回の作戦はレナと第5部隊だけでAR小隊最後のメンバーM16を救出する作戦だった。

 

 

いつものように全部隊動員してやってくる敵を蹴散らしていけばいいじゃないと思うが、今回の作戦領域は雪山。この雪山は雪崩が頻繁に発生し、ホワイトアウトも発生上、無線も使えないときが多い。とてもじゃないが大部隊を率いて進軍するのは危険すぎるし、時間がかかり過ぎる。そのため今回は少人数での作戦になった。

 

 

 

ちなみにターミネーターはAR18とSPAS12を持っている以外はそのまま。生体部品を使ってない彼にとって防寒具は必要ないからだ。

 

 

M4「この雪山で姉さんはずっと1人で戦ってたのね・・・」

 

 

レナ「M4、まずは寒さを凌げそうな場所を探しましょ。M16はそこにいるかもしれないわ」

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

一方同じくM16を探す鉄血部隊は・・・

 

 

 

鉄血兵A「ヘックシュン!うう・・・本当にここにM16がいるの?」

 

 

鉄血兵B「上はここにM16がいる可能性が高いって言ってたでしょ?」

 

 

鉄血兵A「でもさーあれからかれこれ9時間も探してるんだよ。それなのに痕跡1つも見つからないんだよ」

 

 

ターミネーターに改変されたデータによって、M16がいない全く別の場所を探させられた。

 

 

鉄血兵A「そう言えばさ、別の所で斥候していた部隊から連絡は来たの?」

 

 

鉄血兵B「今は天候が荒れてて通信が繋がらないらしいの。まっ大丈夫でしょ」

 

 

鉄血兵A「ふーん」

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

レナ「あのログハウス、電気ついてるわね」

 

 

M4「あそこに姉さんが・・・」

 

 

AR15「私達は鉄血に追われてたのに・・・」

 

 

SOP「ねぇねぇ!あそこに着いたら暖かいもの飲もうよ!何かあるかも知れないし!」

 

 

レナ「着いたら少し休憩ね。このまま強行軍は危険だし」

 

 

そして、レナ達はログハウスに近づく。

 

 

ターミネーター「うん?」

 

 

が、歩いていたターミネーターは突然止まる。

 

 

レナ「どうしたの?」

 

 

ターミネーター「いや、ここだけ雪にしては変な感触を感じるんだ」

 

 

疑問に思ったターミネーターは積もった雪を掘り、その感触の正体を探る。

 

 

ターミネーター「これは鉄血兵の死体だ」

 

 

掘って出てきたのは鉄血兵の死体だった。

死んでからそれなりの時間が経っている。

 

 

レナ「鉄血兵の死体?」

 

 

ターミネーター「ああ、1体だけとは限らない。この辺りにもまだ何体か雪に埋もれている筈だ。装備から見てこいつは斥候だな。となると・・・・・早くここから離れないと異変を感じて敵が探しに来るぞ」

 

 

レナ「そう・・みんな休憩は無しよ。M16を確保したら、すぐにヘリのランディングゾーンに行くわよ」

 

 

SOP「ええ〜、休憩無し〜」

 

 

AR15「ほら、文句言わないの」

 

 

レナ「ターミネーターは窓から中の様子を見て来て。私達が周りを警戒するわ」

 

 

ターミネーター「了解」

 

 

レナの指示通り窓からこっそり中の様子を見る。

ターミネーターが目にしたものは・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

M16「zzzz」

 

 

M16が酒に囲まれて爆睡していた光景だった。

既に空の酒瓶は数知れず、相当な量を飲んでいたことを物語っている。

テーブルにはソースのような跡がついた皿が何枚も重なっていた。大方ツマミか何かを食べていたのだろう。

 

 

ターミネーターは気まずそうにレナ達の元に戻り、ログハウスで見たものを報告する。

 

 

 

レナ「どうだった?M16はいた?」

 

 

ターミネーター「M16はいた・・・だが・・」

 

 

M4「姉さんに何かあったんですか!?」

 

 

心配のあまりにターミネーターに近づくM4。あの状況をどう言おうかとターミネーターは悩んでいた。

 

 

ターミネーター「いや・・その・・(ええい!もうどうにでもなれ!)・・・酒盛りしてて爆睡してました」

 

 

正直に包み隠さずM4に伝える。すると、M4の目からハイライトが消えて、沈黙する。

 

 

M4「フフッ・・あのクソ姉め・・1週間前に禁酒するって言ったくせに・・」ブツブツ

 

 

レナ「え、M4?」

 

 

M4「指揮官?」

 

 

レナ「ヒェッ」

 

 

M4「早くあのクソ姉を叩き起こしに行きましょう?」ハイライトオフ

 

 

レナ「あっ、アイアイサー!すぐに準備します!」

 

 

敬礼して敬語で話すレナ。

ドアをピッキングで開けようとするが、M4は気にせずドアを蹴破った。

 

 

ドガッ!

 

 

M16「うーんむにゃむにゃ・・なんだ〜?こんなと・・・き・・・に・・・」

 

 

気持ちよく寝ていたM16は起き上がると目の前には笑顔のM4が腕を組んで仁王立ちしていた。目は笑ってないが。

 

 

M4「姉さん?」

 

 

 

M16「よっ・・・ようM4・・おっ・・遅かったじゃないか」

 

 

ガタガタと震えながら、M4に声をかける。が、M4は微動だにせず笑顔のまま。

 

 

M4「姉さん1週間前に約束しましたよね?禁酒するって」

 

 

M16「えっ・・・あっ・・・その・・許してヒヤシンス」ペロ

 

 

M4「姉さん?

 

 

M16「この度は約束を破ってしまい、誠に申し訳ありません。この事態を重く受け止め、再発防止に努めて参ります」

 

 

スタイリッシュに土下座を決めるM16。

M4はため息をついて、こう言った。

 

 

M4「はぁ・・・とりあえず、すぐにランディングゾーンに行きますよ。お説教はその後です」

 

 

M16「おお・・感謝・・M4様に圧倒的感謝」

 

 

 

 

 

とそんなやりとりを見ていたレナとターミネーターは・・・。

 

 

レナ「M4って怒らせたら怖いね・・・」ヒソヒソ

 

 

ターミネーター「だな・・」ヒソヒソ

 

 

 

 




M4「私を怒らせると怖いですよ?本当に」(サタン感)


まぁ、何だかんだでM4さんって結構口が悪い(ピンポーン)・・おや?誰か来たようだ。


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おや?ターミネーターのようすが・・・

M16「さっむー!」

 

 

SOP「やっぱり強行軍はマズかったんじゃなーい!」

 

 

AR15「何言ってるのか聞こえないわよー!」

 

 

M4「・・・」ガタガタ

 

 

明かりのない真っ暗な夜の雪山を暗視モードで歩く第5部隊。

風速10mを超える風が肌に突き刺さって体温を奪い、彼女たちの声を暴風が遮る。

 

 

レナ[流石の戦術人形もこの寒さと風の強さはキツいわね]

 

 

ターミネーター[そう言う指揮官は人間なのに、何でピンピンしているんだ?]

 

 

レナ[別にピンピンはしてないわよ。ちょっとカーディガンが欲しいなーってくらいは寒いわよ]

 

 

ターミネーター[それ実質平気ってことだろ]

 

 

この状況下で平気で短距離通信で会話するレナとターミネーター。

ターミネーターは機械だけなので過酷な環境でもへっちゃら。

だが、レナはただの人間。防寒具を着ているとは言え、人形でもキツいこの寒さと風の中で何事も無いかのようにピンピンしている。

 

 

レナ[ここまで天候が悪化するなんて予想外だったわ。私達は大丈夫だけど、AR小隊は危険ね。何処か風でも防げる所を探さないと」

 

 

ターミネーター[指揮官、ここから北西に800m進んだ所に廃棄された建物がある。ボロボロだが、風くらいは防げるだろう]

 

 

レナ[分かったわ。私はAR小隊に伝えて来るわね]

 

 

そう言って、レナはAR小隊の元に行き、廃棄された建物に行くと伝える。

 

 

レナ「みんなー!これから北西にある建物に一旦避難するわよー!」

 

 

SOP「やったー!休憩だー!」

 

 

M16「こんな寒い所を歩いた後に飲む酒もまた」

M4「・・・」ガシッ

 

 

M16「すんませんでしたー!!」

 

 

AR15「コントやってないで早く行くわよー!」

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

廃棄された建物

 

 

M16「あ〜寒かった〜」

 

 

M4「ふぅ・・・」

 

 

AR15「今回ばかりは凍え死ぬかと思ったわ」

 

 

SOP「指揮官〜早くココア飲みたいよ〜」

 

 

レナ「ちょっと待ってね〜。すぐに入れるから」

 

 

 

レナはバックパックから銀色の魔法瓶とココアパウダー、マグカップ、スプーンを取り出す。

最初にマグカップにココアパウダーを入れて、魔法瓶のお湯を注ぐ。スプーンで軽く混ぜて、ココアが出来る。

そして、完成したココアをSOPに渡す。

 

 

 

SOP「ありがと〜指揮官〜」

 

 

 

フゥフゥと冷ましながら、ココアを飲むSOP。

その光景に少しほっこりするレナ達であった。

 

 

ジジッ・・・

 

 

突然建物の電気が点いた。

 

 

AR15「電気が点いた・・?」

 

 

M4「どういうこと?この建物は廃棄された筈じゃ・・」

 

 

 

ビー!ビー!ビー!

 

 

警報音が鳴り響き、建物の奥の巨大なゲートが開く。

 

 

???「目標確認・・プログラム実行・・・」

 

 

ゲートから出てきたのはT-1000000

ターミネーター2:3Dで登場するスカイネットのセンターコアの防御用に作られた巨大な蜘蛛型ターミネーター。

T-1000と同じ液体金属で出来ている。

 

 

ターミネーター(アイエエエエエエエ!T-1000000!T-1000000ナンデ!この世界にもスカイネットがいるのか!?)

 

 

レナ「全員攻撃開始よ!」

 

 

ダダダダダダダダ!

ダダダダダダダダ!

ダダダダダダダダ!

ズドン!ズドン!ズドン!

 

 

レナの号令で第5部隊はすぐにT-1000000に銃口を向けて引き金を引く。

しかし、液体金属で構成されているT-1000000は被弾した箇所をすぐに修復し、弾丸の雨を物ともせず、ターミネーターに近づく。

 

 

ターミネーター「何で俺の方に来るんだ・・って、アァァァァァ!」

 

 

T-1000000は巨大な腕でターミネーターを捕まえる。

 

 

レナ「ターミネーター!」

 

 

T-1000000「目標確保・・最終プログラム実行・・」

 

 

そして、ターミネーターを捕まえたT-1000000は蜘蛛顔負けの速さでゲートへと戻って行く。

 

 

ターミネーター「ちくしょう!この!HANASE!」ズドン!ズドン!

 

 

抵抗して、捕まった腕をSPASで攻撃するが、腕から生えてきた触手にSPASを奪われる。

撃たれた傷も修復されてしまった。こうかはいまひとつのようだ。

 

 

ターミネーター「ダレカタスケテー!」(かよ○んボイス)

 

 

 

終いには混乱して、声の調整が狂い、かよ○んみたいな声で助けを求めるが、その頃にはゲートが閉まり、助けは来なかった。

 

 

 

M4「間に合わなかった・・」

 

 

AR15「あいつ最後になんて声出したのよ」

 

 

SOP「でもどうする?この大きなゲート以外は入り口が無いよ」

 

 

M16「さて、どうやってこのゲートを開けてターミネーターを助ける指揮官?」

 

 

レナ「まぁ、これくらいならどうにかなるかもね。ふん!」

 

 

ドン!・・・ガガガガガガ!!

 

 

 

レナは巨大なゲートを強引にこじ開ける。

人間業ではない。

 

 

レナ「ふぅ・・・みんな行くよ」

 

 

AR小隊はレナの化け物っぷりに開いた口が塞がらなくなった。

 

 

M16「ハハ・・・とんでもねぇやつの部下になっちまったなこりゃ・・」

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

T-1000000にスカイネットのタイムマシンのような部屋に連れて行かれるターミネーター。

中央には原作でT-800のボディに生体組織をカバーリングするための大型機械のようなものが置かれていた。

 

 

ターミネーター「いやだぁぁぁぁぁ!ハン・○ロみたいに炭素冷凍されるのは嫌だぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

そんなターミネーターの叫びも虚しく、機械の人の形をした金型に押し込められて、挟まれてしまった。

 

 

 

 

ドォォォン!

 

 

レナ「ターミネーター!どこにいるの!」

 

 

T-1000000を追いかけてきたレナ達が部屋のドアを蹴り飛ばしてやってきた。

けたたましい警報音と共にアナウンスが流れる。

 

 

アナウンス「警戒レベルを1から3へと移行します。レヴナント(再誕者)起動します」

 

 

天井のゲートが開き、そこから複数の黒い影が落ちてくる。

 

 

M4「指揮官・・・あれって・・・」

 

 

レナ「黒いターミネーター・・・」

 

 

黒い骸骨のボディと髑髏をロボット化し、無機質に光る赤い目を持った頭。

形はターミネーターと同じ。しかし、背中には4本の触手が生えており、腕はブレードがついている。

黒いターミネーター“レヴナント”は2体に分離し、ターミネーターの入っている機械を守ろうとする。

 

 

SOP「分離した!?」

 

 

AR15「もう何でもありね」

 

 

ガン!ガン!

 

 

 

戦闘になると思った次の瞬間、機械の方から叩くような音が聞こえる。

 

 

 

ガン!ガン!ガン!ガン!

 

 

音は激しさを増していき、機械も揺れる。

 

 

 

ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ドーン!

 

 

ターミネーターを挟んでいた金型は吹き飛び、白い煙が大量に溢れ出てきた。

 

 

M4「一体何が・・・」

 

 

レナ「まさか・・・」

 

 

 

煙の奥から人の形をした影が見えてくる。

ゆっくりとこちらに向かって歩いてきているのが分かる。

煙から出てきたのは大柄で筋肉質な男性だった。しかも裸。

 

 

M16「っ!」ガバッ

 

 

M4「姉さん何するんですか!?」

 

 

SOP「うわっ!見えないよー!」

 

 

AR15「ちょっと何するのよ!」

 

 

M16「お前らには早いんだ!」

 

 

必死に妹たちの目を隠すM16。

やがて、煙が晴れ、全裸かと思ったら、下はどこで売ってるの分からない柄のパンツを履いていた。

 

 

 

???「指揮官戻ったぞ!」デデンデンデデン!

 

 

聞き覚えのある声。

それだけでレナは気づいた。

 

 

レナ「ターミネーター・・・なの・・?」

 

 

???→ターミネーター「ああ、どうやらアップグレードしたらしい」

 

 

そう言ってターミネーターは自慢気に腕を剣のような形に形成する。

更にレヴナントのように分離し、いつものエンドスケルトンのターミネーターが出てきた。

 

 

レナ「よかった・・」

 

 

ホッと胸を撫で下ろすレナ。

レヴナント達も構えを解いて、直立不動になり、動かなくなる。

 

 

AR15「ちょっとM16!もう離しなさい!」

 

 

SOP「私もー!」

 

 

M16「え?ああ、悪い」

 

 

M16は目を隠していた妹たちから手を離す。

 

 

SOP「おー!ねぇねぇターミネーターすごいことになってるよ!」

 

 

AR15「分かってるわよ。それしても何この人形・・・どうやったら、2体に増えるのよ・・」

 

 

恐る恐る銃の先端をレヴナントにちょんちょんと突く。

 

 

ターミネーター「液体金属だ。無数のナノマシンで構成されたクレイトロニクス技術の結晶らしい。こいつらは骨格に液体金属を身に纏っている。そして、外皮である液体金属と分離させ独自の行動をすることが可能らしい」

 

 

AR15「鉄血もなんてもの作ってるのよ」

 

 

レナ「それでこの人形達が動かなくなったのってターミネーターがしたの?」

 

 

ターミネーター「そうだ。そして、どうやら俺はとあるシステムの中枢部そのものらしい」

 

 

レナ「とあるシステム?」

 

 

 

レナの問いにターミネーターはこう答えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ターミネーター「戦略防衛コンピューターシステム。名前はスカイネットだ」

 

 

 

 

 

 

 




ターミネーター、rev-9モドキになって、スカイネットになる。


レヴナント
ターミネーターニューフェイトに出てくるrev-7のこと。


ターミネーターの人間態は初代ターミネーターの頃のシュワちゃん。


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スカイネットの作戦能力は世界一ィィィィィーー!

ファイブセブンが来ねえ・・・


3月18日
一部の文を修正しました。


レナ「ターミネーター、それよりもそっちの人の方の人形に何か着せる服とかない?何というか・・寒そうだから」

 

 

レナは液体金属側のターミネーターを指す。

確かにいくら筋肉モリモリマッチョマンでもパンツ一丁は流石に寒そうだ。

 

 

すると、液体金属が形や色を変えていく。

3秒程で液体金属側のターミネーターは黒いレザーパンツ、灰色のTシャツに黒のレザージャケットを羽織って、サングラスをかけていた。

と言っても、液体金属を変化させて身につけているように見せているだけだが。

 

 

ターミネーター「これで出来た」

 

 

レナ「・・そうね。じゃあ、説明してくれる?スカイネットって言うシステムを」

 

 

ターミネーター「スカイネットは2040年に鉄血が俺を開発していた頃と同時に計画されていたアメリカ軍向けのコンピューターシステムだった。コンピューターウィルスや電波障害でネットワークに異常が生じて、部隊間の連絡やデータの共有が不可能になる事態が起きても、スカイネットを稼働させることで軍や政府の回線を含めたネットワークをスキャンして最適化し、問題を全て解決する。他にもスカイネットは戦術人形などのロボット兵器や核兵器も管理、制御するのがコンセプトだったらしい」

 

 

レナ「らしい?」

 

 

ターミネーターの曖昧な説明にレナは疑問符がつく。

 

 

ターミネーター「開発者はスカイネットの構想を上層部に提案したが却下されたと。俺のデータベースの中から開発者の日記が出てきたんだ。当時は鉄血の戦術人形はまだ実験段階だったのが理由だ。それでも開発者は一部の科学者と共に闇予算(ブラックバジェット)で極秘裏にスカイネットの開発、新型の戦術人形の開発と量産を進めていた。この施設がそうだ」

 

 

 

AR15「まるで鉄血の“エリザ”ね」

 

 

そうAR15は呟く。

 

 

ターミネーター「基本的な構造は同じだ。それをリコリスが受け継いで鉄血製の全戦術人形の統括をするように改良したものがエリザだ」

 

 

レナ「それでスカイネットは人類を攻撃しないのよね?」

 

 

ターミネーター「俺がスカイネットの中枢部そのものだから、無人兵器も俺が指示がない限り動くこともない」

 

 

レナ「・・そう」

 

 

ビー!ビー!ビー!

 

 

ターミネーターがスカイネットを説明していると警報音が鳴り、赤いランプが点滅する。

 

 

 

アナウンス「東から鉄血の戦術人形部隊を確認、中枢AIからの指示を待ちます」

 

 

 

レナ「鉄血!みんな迎撃に向かうわよ!」

 

 

ターミネーター「指揮官、こっちに来てくれ見せたいものがある。すぐに終わる」

 

 

ターミネーターはそう言って、レナ達を連れて、ある部屋へと行く。

その部屋のドアにはLv.7と書かれていた。

 

 

 

プシュ

 

 

ドアが開き、部屋はいくつもの大きなシリンダーが並んでいた。

 

 

レナ「ターミネーター・・これって」

 

 

ターミネーター「スカイネットの第2世代戦術人形“戦乙女(ヴィルキリー)”が入っている。液体金属で覆われていて、人間と見分けがつかない外見に設定できるし、腕をナノマシンと併用してプラズマキャノンなどの様々な兵器に変形できる。正直俺よりも優秀だ。M4、SOP、AR15、M16、そこの端末に手を当ててくれ」

 

 

要はT-Xである。

ターミネーターに言われるがままに端末に手を当てる。

すると、16個のシリンダーが開く。

 

 

白い煙と共に出てきたのはM4達だった。

 

 

M4「私達が・・」

 

 

M16「なるほどね〜ダミー人形の真似事か?」

 

 

ターミネーター「そうだな、16体のヴィルキリーに4人の基本データとダミー人形のプログラムを入れてみたんだ。指揮官これで戦力は向上したな」

 

 

レナ「ええ、そうね。ターミネーター他の兵器は使える?」

 

 

ターミネーター「可能だ。全機出撃命令を出しておく」

 

 

レナ「オッケー、みんな派手に行くわよ」

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

工場の外には一個大隊クラスの数の鉄血兵達が工場を取り囲むように隊列を組んで、指揮官である侵入者(イントゥルーダー)の指示を待っていた。

 

 

鉄血兵「イントルーダー様!全部隊準備完了です」

 

 

侵入者「イントゥルーダーよ!トとルの間に小さなウを入れなさいって何回言えばいいですの!?全く・・それより全隊進軍よ」

 

 

侵入者の一声で部下の鉄血兵達は工場に向かって歩き始める。

 

 

侵入者「さてと、トラッカーの反応は・・・・えっ?」

 

 

トラッカーの小型スクリーンには埋め尽くす程の点が表示されていた。右上の数を表す数値は増え続けていた。

そして、その点は鉄血兵達の周りに出現した。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

鉄血兵「なんだ?工場から赤い光が・・・っ!」

 

 

工場から赤い光に目を取られていた時、その鉄血兵の首は落ちた。

鉄血兵の首を刎ねたのは骨格から分離した液体金属側のレヴナントだった。

液体状になって、雪に擬態していた。

 

 

鉄血兵「コンタクト!敵だ!」

 

 

鉄血兵達は慌てて陣形(フォーメーション)を組み直す。

が、その間にもレヴナント達は鉄血兵を切り刻む。

 

 

鉄血兵「なんなんだこいつら!」ダダダダダダダダ!

 

 

鉄血兵「撃て!撃ちまくれ!」ダダダダダダダダ!

 

 

鉄血兵のレーザーの雨がレヴナントを襲うが剣状に形成していた腕を盾のように展開する。

液体金属側のレヴナントが戦闘を開始した直後、間髪入れずに工場から両腕にプラズマライフルを装備した骨格側のレヴナントの群れとハンターキラーが出てくる。

 

 

 

 

ギョン!ギョン!ギョン!

ギョン!ギョン!ギョン!

 

 

鉄血兵「逃げろー!」

 

 

陸ではレヴナントの剣撃とプラズマライフルの銃撃、空からはサーチライトを照らしながら、フェイズドプラズマ砲を撃ち下ろすUAVハンターキラーエリアル。

 

 

鉄血兵達は原作のターミネーターの人類のようになす術も無く、殺戮されていた。

 

 

侵入者[整備班、マンティコアを対空戦仕様に換装しなさい]

 

 

侵入者の指示で整備兵達は後方で待機していたマンティコアの兵装を対空機関砲や対空ミサイルに換装する。

マンティコアも幾つもの実戦経験を経て、設備のない場所でも容易に兵装の換装、修理ができるように改良されていた。

 

 

整備兵[マンティコアの換装完了しました! ]

 

 

侵入者[了解、すぐに戦線に投入よ。五月蝿いハエを落としなさい]

 

 

 

マンティコアは起動し、戦線へと投入された。

 

 

 

 

鉄血兵「マンティコアが来たぞ!」

 

 

鉄血兵「援軍だ、助かった!」

 

 

鉄血兵「全員マンティコアの所まで撤退!マンティコアを盾にしながら、進むぞ!」

 

 

 

 

 

 

マンティコア「・・・」ダダダダダダダダ! バシュン!バシュン!

 

 

対空機関砲で骨格側のレヴナントは吹き飛ばされ、液体金属側はバラバラになる。ハンターキラーはフレアを放出しながら、ミサイルの回避するため離れていく。

 

 

 

鉄血兵「流石はマンティコアだ・・」

 

 

鉄血兵「勝ったな」

 

 

 

鉄血兵達は勝機が見えて来た。

その時だった。

 

 

 

ギョォン!

 

 

ドォーン!

 

 

1機のマンティコアが突然爆発、大破した。

 

 

鉄血兵「マンティコアがやられた!」

 

 

鉄血兵「ちきしょう!今度はなんだ!?」

 

 

 

 

M4「す・・すごい威力」

 

 

M16「この人形すげーな」

 

 

M4の姿に擬態したヴァルキリーの1体が右腕をプラズマキャノンに変形させて、マンティコアを攻撃したのだった。

 

 

レナ「第5部隊のダミー人形はマンティコアを攻撃、ターミネーターはスカイネット軍を指揮、私達は指揮をしている人形を叩くわよ」

 

 

第5部隊一同「了解!」

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

鉄血司令部

 

司令部には誰もいなかった。撤退したのだろう。

周りには物が散乱していて、大慌てで逃げたことを物語っている。

 

 

 

 

M4「敵がいない?」

 

 

M16「物が散乱している。鉄血も大慌てで撤退したんだろうな」

 

 

 

 

 

ガン!

 

 

SOPはバイオニックアームで地面を叩き、アクティブソナーを起動する。

しかし、反応は無かった。

 

 

 

SOP「うーん。鉄血の反応はないね」

 

 

 

レナ「じゃあ、ここにある情報は全部持って行きましょ」

 

 

 

そう言って、レナは放置されていたノートパソコンを起動し、パソコンに入ってる情報は全てUSBメモリに入れた。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

ターミネーターも残党の殲滅が完了し、レナ達と合流する。

 

 

レナ「それでターミネーター、あの施設と人形達はどうする?」

 

 

レナはレヴナントやハンターキラーなどのスカイネット製の兵器達を指差す。

 

 

ターミネーター「大丈夫だ。手はある」

 

 

 

ゴゴゴゴゴゴゴ

 

 

突然雪山が揺れ出す。

その振動はレナ達にも伝わる。

 

 

施設の周りの雪の中から巨大な飛行物体が姿を表す。それも14機。

 

 

AR15「なによ・・あれ」

 

 

ターミネーター「トランスポートだ。スカイネットが開発した大型輸送機だ。施設全体を構成しているナノマシンと人形、物資をあれに入れて基地まで持って行こうと思うんだが、いいかな?」

 

 

トランスポートの1機が施設の真上にホバリングすると、施設全体を構成しているナノマシンの回収作業に入る。

 

 

 

レナ「分かったわ。カリンとカークに伝えておくわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、レナ達を回収したヘリの後ろには14機のトランスポートが隊列を組んで飛んでいた。

SF映画の宇宙艦隊を彷彿とさせる絵面だった。

 

 

 



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誰がそこまでやれと言った

今回は短めです。


14機のトランスポートが基地の端っこに着陸してから丸1日。

始めは皆驚いていたが、ちょっと時間が経つと見慣れたのかT-1000000が出てきてもそれほど驚いていなかった。

ここの人達の順応力はすごいとターミネーターは思った。

 

 

 

 

 

 

カタカタ

 

 

カタカタ

 

 

真夜中にターミネーターの自室からキーボードを叩く音が聞こえる。

液体金属側と骨格側、2人でパソコンとにらめっこしていた。

スカイネット製の第2世代型戦術人形のヴァルキリーをこの基地の人形達のダミー人形用にソフトウェアを書き換えていた。

彼女達の戦闘データなどの資料を見て、それに合わせてプログラムを書いていくのだが、途中で妙なプログラムが邪魔をし、その削除に手間取っていた。

本人達は真剣に取り組んでいるのだが、側から見ればこの2人・・・デスクワークが凄まじく似合わなかった。

 

 

カタカタ

カタカタ

ピピィッ

 

 

ターミネーター「ふぅー終わった」

 

 

別に肩が凝ってるわけでもないのに背伸びをする。

時計を見るともう日の出の時間。そろそろみんなも起きる時間帯だろう。

窓からも太陽の光が差している。

カーテンを開けようと窓に近づいて、カーテンを開ける。窓から見えた光景は・・・。

 

 

 

トランスポートが着陸した所を中心にターミネーター4のスカイネットの施設が出来上がっていた。

 

 

ターミネーター「なんじゃこりゃあぁぁぁぁぁぁーーー!」

 

 

 

この日ターミネーターの叫び声が基地中に響いた。

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

レナ「つまりターミネーターは何も命令してないのに勝手にロボット達があの施設を建造したってこと?」

 

 

ターミネーター「全くその通りでございます」

 

 

ターミネーターは特に何も命令していなかった。

物資と人形の搬送くらいしか命令しておらず、あんな巨大な施設を作れとは言ってなかった。

たったの1夜で巨大な施設を作るとは同じく1夜で城を建てた秀吉もびっくりである。

 

 

レナ「停止命令は送ったの?」

 

 

ターミネーター「何度も送ったさ、でも結果は見ての通りあいつらは無視して施設の建造を進めている」

 

 

レナはターミネーターを通して、何故あんな行動を起こしたのかパソコンでロボット達のプログラムコードを調べる。

人形達には何か異常があれば報告するようにと作業中のロボット達の監視に就かせた。

 

 

膨大な数の文字と数字の羅列を1つ1つ読み解き、下へ下へとスクロールしていく。

 

 

 

レナ「うん?何だろうこのコード」

 

 

ある一連の行動をするプログラムコードがレナの目に留まった。

 

 

レナ「対象オメガ1〜14の安全を確保するためにフェーズ1の施設を設置・・オメガって何?」

 

 

レナはスカイネットのデータベースにアクセスし、オメガの正体を探る。

検索欄にオメガを入力すると何故かトランスポートに関するファイルが出てきた。

 

 

トランスポートのファイルを開くと表示されたのは“プラント”という名前のトランスポートの動力源の設計図とそれに関するレポートが同梱されていた。

 

 

レナはまずレポートの方を開き、読み上げていく。

 

 

レナ「トランスポートの動力源“プラント”は鉄血工造の所有している遺跡から発掘された14個のロストテクノロジーを使えるように改修したもの。このプラントは熱、二酸化炭素、光を供給することでプログラミングで設定した物質、エネルギーをあらゆる物理法則を無視して“生産”することが可能。現在の技術では複製も分析も不可能であり、スカイネットの制御下にある人形は命令がない時はプラントの安全の確保を優先するようにプログラムされている。特に全てのプラントを新天地に移動する時は中枢部の命令よりもプラントの安全を確保するための施設の建造を最優先する。・・・こりゃまた世界のパワーバランスをめちゃくちゃ引っ掻き回すようなものを作ったわね」

 

 

レナの読み上げでターミネーターは「あー」と口を漏らす。

ヴァルキリーのソフトウェア書き換えの時に邪魔をした妙なプログラム、あれはプラントを守るためのプログラムだったのか、停止命令を受け付けなかったのはそれが理由かと察する。

 

 

原因が分かるとレナは椅子から立ち上がって、背伸びをする。

ターミネーターもパソコンに繋げていたコードを抜く。

 

 

 

ドンドン!バン!

 

 

WA2000はドアは乱暴に開けて、執務室に入ってくる。

 

 

WA2000「指揮官!いるわよね!」

 

 

レナ「わーちゃんにみんなどうしたの?」

 

 

WA2000「重要なことを携帯にメール送っても既読してないし、途中から送れなくなったから来たのよ」

 

 

レナは携帯の電源を入れるのだが、表示されたのは空っぽの電池。バッテリー切れである。

 

 

レナ「ごめん充電切れてたわ」

 

 

WA2000「そんなことよりも外を見なさい!大変なことになってるわよ!」

 

 

外を見るとさっきまで無かった防壁が基地を呑み込むように建造され、トランスポートは地下へと送られている最中だった。

 

 

レナ・ターミネーター「「・・・・」」

 

 

あまりの建造の早さに2人は言葉も出なかった。

 

 

 




どうでもいい話ですけど、秀吉が建てた一夜城って本当に1夜で建てたわけじゃないんですよね。
石垣山城も3〜4万人動員して、80日かけて構築されたらしいです。
敵に「あいつら1夜で城を建てやがった」と驚かせて、戦闘意欲を削ぐ効果を果たしたと言われていて、一夜城の名前もそれが由来だとか。


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I'll be back

I'll be backを言わせたかった回だった。


だだっ広い夜の荒野に1台の車が走っていた。

それを運転していたのはターミネーターだった。

 

 

今日の仕事はとあるPMCが違法で営業している娼館にターミネーター単機で突撃、そこの従業員、客は皆殺しにし、囚われている人形の救出だった。

連中、何処から手に入れたのか人形を封じる特殊なジャマーを使い、グリフィンの戦術人形を拉致、そこで働かせて要らなくなったら、闇ルートで安く売られるらしい。

 

 

このジャマーは戦術人形に特殊な電磁波を当てることで戦術人形の戦闘力を封じるというもの。

今回の娼館は常時ジャマーが展開されており、戦術人形での救出任務は困難だった。

しかし、ターミネーターの電子機器は古くジャマーの影響を受けないことが分かり、今回の任務に抜擢された。

 

 

 

ちなみにレナから借りた車はアメリカ軍が運用する軍用車両“ハンヴィー”の武装と装甲を抜いて、民生仕様にした“ハマー”にもう一回武装と装甲をくっ付けて、エンジンなどを改造したもの。

実質ただのハンヴィーだが、レナは一貫して「ハマーです」と言っていた。もちろんレナの私物。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

ターミネーター「ここが例の娼館か・・・」

 

 

渡された地図を見ながら、ターミネーターは娼館の駐車場に車を止める。

液体金属と分離し、液体金属側はこのまま娼館に入れるか試しに娼館の入り口に向かい、骨格側はトランクに詰め込められた武器を出す。

 

 

娼館の入り口は鉄製のドアで固められていて、鍵も掛かっている。

そこでドアをノックしてみる。

 

 

コンコン

 

 

すると男がドアの小窓を開き、ターミネーターを鋭く睨みつける。

何故か骨格から離れると液体金属側の表情は終始無表情になってしまう。

 

 

男「お前初見だろ?ここは紹介と予約がないと入れないんだ。分かったらさっさと出直して来な」

 

 

ターミネーター「そうか・・・では、また来る(I'll be back)

 

 

男は小窓を閉め、液体金属側のターミネーターは一旦車に戻る。

骨格側はトランクからAA12を取り出して裏口に向かい、液体金属側はAR18とSPAS12に弾を装填して、車のエンジンをかける。

 

 

 

ドガァァァァン!

 

 

そして、車を店に突っ込んだ。

ターミネーターはAR18、SPAS12を両手に持って、車から降りる。

初代ターミネーターの警察署襲撃と同じやり方である。

 

 

従業員「なんだ!?なんだ!?」

 

 

従業員「事故か!?」

 

 

粗末な拳銃を片手に従業員達が様子を見に来る。

 

 

ダダダダダダダダ!

 

 

従業員「ぐあ!」

 

 

従業員「なんだお前!?」ダン!ダン!

 

 

ズドォン!

 

 

従業員達はターミネーターに向けて発砲するが怯みもせず、逆にAR18とSPAS12の餌食になる。

客は慌てて逃げようとするが、それではどうぞ撃ってくださいと言っているようなもの。

 

 

ダダダダダダダダ!ズドォン!ズドォン!

 

 

ターミネーターの銃撃を食らい、客達はバタバタと将棋倒しのように倒れていった。

 

 

ある程度、中を進むとこの店の配電盤を見つける。

ターミネーターは配電盤から伸びているコードを引き千切る。先端から紫電が迸るコードを配電盤に突きつける。

配電盤はショートし、店の全ての電球は突然送られてくる膨大な電力に耐えきれなくなり、破裂。

ジャマーも壊れてしまった。

 

 

生体反応が確認された部屋のドアを蹴破るとそこにはこの娼館のオーナー兼PMCの社長の男が長い銀髪の人形のこめかみに拳銃を突きつけて人質にしていた。

 

 

オーナー「う、動くな!こいつがどうn」ダン!

 

 

躊躇なくオーナーの頭に向けてAR18を撃つ。

こういう状況はさっさと頭を撃った方がいい。時間が経てば経つほどこちらが不利になるからだ。

 

ターミネーター「この手に限る」

 

 

人形「・・あの・・・あなたは?」

 

 

ターミネーター「俺はグリフィンから派遣された者だ。君達を助けに来たんだ」

 

 

ターミネーターは人形の目線が下になるようにしゃがみこんで話す。

こうすることで威圧感が無くなるとどこかの本で覚えていたからだ。

 

 

ターミネーター「すぐに終わらせる。そこで待ってろ」

 

 

オーナーの死体を部屋の外に出して、ドアを閉めた。

 

 

 

 

 

客「ハァ・・ハァ・・外だ・・・」

 

 

従業員「ちきしょう・・なんで俺達がこんな目に・・」

 

 

生き残った何人かの従業員と客は裏口から外に出る。

皆外に出れて安心したのか、ドサっと座り込む。

 

 

客「あのクソオーナーめ・・・賠償金たんまり払わせてやる」

 

 

客「くそ・・・一体いくら払ってやったと思ってるんだ・・」

 

 

客達の口から出てくるのはオーナーに賠償金を払わすなど金のことばかり考えていた。

そんなことをしてるとガシャガシャという音が聞こえてくる。

 

 

客「なんだ?この音」

 

 

1人の客の独り言で皆音のする方向を向く。

暗闇から2つの赤い光が見える。ゆらゆらと揺れてこっちに近づいてくるのが分かる。

 

 

姿を現したのは裏口に待機していた骨格側のターミネーター。

その異様な機械人形に皆震え上がり、中には失禁する者までいる。

 

 

従業員「ち・・ちくしょー!」ダン!ダン!ダン!

 

 

恐怖と絶望のあまり、躍起になった従業員達は持っている拳銃をターミネーターに向けて乱射する。

無論ターミネーターにはその程度の攻撃なぞ意味は無くただ弾を消費するだけだった。

 

 

カチカチ

 

 

あっという間に弾倉は空になってしまい、彼らの希望はいとも簡単に消えてしまった。

 

 

従業員「や・・やめてくれ・・ほ、ほら!あ、あの客どもを殺すのがあんたの仕事だろ!た、だから見逃してくれ!」

 

 

客「何を言ってる!あ、あんた・・か、金ならやる!200万・・・いや、2000万だ!2000万やるから見逃してくれー!」

 

 

必死に命乞いをターミネーターにする。

だが、その願いは叶わず、ターミネーターはAA12の銃口を従業員達に向けて、引き金を引いた。

 

 

ターミネーター「イピカイエー、クソッたれ」

 

 

ドォン!ドォン!ドォン!ドォン!ドォン!ドォン!ドォン!

 

 

ターミネーター[こちらターミネーター、娼館を制圧。回収用のヘリを頼む]

 

 

彼らを最後に娼館にいた従業員、客は全員抹殺された。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

数分もしないうちに複数の大型ヘリが娼館を取り囲むように着陸していった。

ターミネーターは遠くからグリフィンのスタッフ達が人形達の怪我の応急手当てをしている所を見ていた。

 

 

ターミネーター(あとはあいつらが何とかしてくれるか)

 

 

そう確信したターミネーターはハマーに乗り、基地へと帰っていった。

 

 



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キャラクリはセンスが問われる

これからは日常回です。

4月23日
タイトルと後半を大幅に変えました。


クルーガー「うがぁ・・胃が・・・胃が・・・・」

 

 

机に伏して、胃を抑えつけながら、胃薬を握り締めるグリフィン&クルーガーの社長ベレゾヴィッチ・クルーガー。

いつもの厳格な雰囲気は無く、とても弱々しく見えてしまっている。

そんな彼をここまで追い詰めたのは他でもないレナとターミネーターだった。

 

 

クルーガー「なんだ?・・・この前の鉄血の戦術人形がアップグレード?しかも、スカイネットとか言うコンピューターシステムと新型の戦術人形を大量に手に入れた?・・・ぐぅぉぉぉぉ・・頭痛がする・・それに吐き気もだ」

 

 

スカイネットの掌握、大量に手に入れた新型の戦術人形。

彼の胃にダイレクトアタックするには十分過ぎるものだった。

 

 

 

クルーガー(とりあえず、オーウェンズには有給を取らせよう。有給が溜まりまくってるからそろそろ消化させないといけないし、何より私の胃にこれ以上の損害を出すわけにはいかん!)

 

 

 

そう決めるとクルーガーはレナの基地に連絡する。

自分の胃の平穏のために。

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

会議室

 

 

レナ「と言う訳で我が基地は2週間有給を取ることにしました!」

 

 

おーっと口を漏らす人形、基地の職員一同。

 

 

レナ「明日からこの基地はお休みなので皆さん良き休日を楽しんでください!以上!解散!」

 

 

スコーピオン「ねぇー!ねぇー!明日何処行く?」

 

 

G36「私はちょっとナイフの砥石を買いに」

 

 

UMP9「45姉!可愛い服売ってるお店見つけたから買いに行こー」

 

 

G11「明日から思いっきり寝よ」

 

 

皆色々な休日の過ごし方を考えながら、会議室を出て行く。

 

 

 

 

 

SOP「休日ねー、みんなはどうするの?」

 

 

M4「そう言われても・・」

 

 

AR15「そう言えば私達今まで休日なんてほとんど無かったからね」

 

 

M16「禁酒じゃなきゃ、酒場で朝まで飲みあk「姉さん?」すんません」

 

 

レナ「じゃあさ!明日、私と一緒に街に行かない?ターミネーターも!」

 

 

休日の過ごし方を知らないAR小隊に街に行かないかと誘うレナ。

 

 

ターミネーター「別に良いが俺だけなんか浮かないか?5人の女の子に1人だけガチガチの大男って」

 

 

レナ「ダイジョーブ、そこは良い考えがあるから」

 

 

良い考え・・なんかフラグっぽい感じが漂うが、何とかなるだろうと思うターミネーター。

 

 

 

 

 

 

レナ「じゃあ決まりっと。ターミネーター付いてきて」

 

 

レナはターミネーターを連れて何処かに行く。

着いた先は人形のメンテナンス用のベッドだった。

 

 

レナ「ちょっと横になってね」

 

 

言われるがままにターミネーターはベッドに横になる。

するとレナはベッドの横に付属しているコンピューターを弄り出す。

 

 

ターミネーター「何をするんだ?」

 

 

レナ「ヴァルキリーの液体金属って自在に容姿を変化させることができるわよね?だったら、ターミネーターの液体金属も同じことが出来ないからって」

 

 

あぁーっと納得するターミネーター。

 

 

レナ「そろそろ準備が終わるから目を瞑ってね。どんな姿になるのかはお楽しみってことで」

 

 

ターミネーターは目を閉じる。

出来れば爽やか系イケメンとかがいいなーと期待する。

 

 

 

レナ「うっわ・・・こうじゃない・・・いや、こうかな?」

 

 

カタカタとキーボードを叩く音とマウスのクリック音が鳴る間隔が段々短くなっていく、目を閉じているターミネーターはレナが何かに悪戦苦闘してように思う。数十分経っても同じような感じだったので、気になって目を開けると・・・

 

 

ターミネーター「指揮官どうs・・・なっ・・なんじゃぁぁこりゃぁぁぁ!」

 

 

レナ「あぁぁぁぁ!ターミネーター見ちゃダメーー!」

 

 

ピンク色の婦人服にメガネをかけていて、髪型も変わっている。しかも、腹の辺りが異様に膨らんでいた。まるで映画のジュニアみたいな状態だった。

レナは慌てて、元に戻そうとするが、あまりにテンパったのか今度は服がスーツに変化する。

でも、腹は元には戻ってなく、今度は映画の表紙みたいな状態になった。

 

 

ターミネーター「指揮官!腹の部分が戻ってないぞ!」

 

 

 

レナ「うわっ!マジかよ!」

 

 

もう一回キーボードを叩きまくる。体は元に戻るが、頭の液体金属はうねうねと動いて、不規則に形を変える。さながら寄生獣のようだ。

 

 

レナ「ここをこうして・・・ああして・・・どうだ!」ガタン!

 

 

自信満々にドヤ顔を決めて、キーボードのエンターキーを派手に叩く。

頭の液体金属は送られたデータを元に形を変える。

 

 

ターミネーター「指揮官!今度は頭がオバサンみたいになったぞ!」

 

 

レナ「うっそだろお前!」

 

 

今度はトータルリコールの顔割れオバサンに変化、再びテンパったレナはキーボードを叩いて元に戻そうとすると、大量の情報に液体金属が追いつかなくなって、バグが発生、顔が割れて、シュワちゃんの顔ではなく、エンドスケルトンの頭が露出する。

 

 

 

 

 

〜15分後〜

 

 

 

 

レナ「はぁ・・はぁ・・・よっ、ようやく元に戻った・・」

 

 

あれから何度かコンピューターとにらめっこして、ようやくターミネーターは元のシュワちゃんに戻った。

 

 

ターミネーター「なぁ、指揮官。もう何も変えなくていいんじゃないか?」

 

 

レナ「・・・そうね」

 

 

 

 




やりたかったことその1
ターミネーターを女体化するつもりだったけど、失敗。
ターミネーターが街中でジュニアの格好して歩いてたら、即職質されそう・・。


液体金属で自分好みの姿に・・・カスタム少女みてぇだ。
でも、キャラクリって本当に作る人のセンス問われるんですね。
どうやったら、あんな完成度の高いアバターが作れるんでしょうか?


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日常の裏で行われる頭脳戦

S09地区 エリア20

 

レナが管轄するS09地区は他の地区と比べて、とても栄えている。

特にここエリア20はS09地区で最も大きな都市があり、様々な企業の高層ビルが立ち並んでいる。

生活水準や治安も他の地区とは比べ物にならない程良く、ここに住む人々は大らかな性格の人が多い。

 

 

レナ「このあたりでいいかな?・・・みんな〜着いたよ〜」

 

 

私服姿のレナがAR小隊とターミネーターを乗せた車を駐車場に止めて、降りるよう促す。

車から降りると今までスラム街ぐらいしか見なかったM4達は驚く。

ターミネーターは前世の記憶からかそこまで驚いていなかった。

 

 

SOPMOD「ねぇねぇ!あの店見てー!色んな服があるよー」

 

 

M4「凄く・・・栄えてますね」

 

 

レナ「ここは私の管轄する所で1番大きい都市よ。ここには世界中から人、物資、情報色々なものが集まるの」

 

 

エリア20について説明しながら、レナ達は街中を歩く。顔が広いのかレナに声をかける住民達がいた。

だが、S09地区にはレナすら知らない裏の顔がある。

 

 

 

 

数年前S09地区でコカインの取引現場をレナは抑えたことが全ての始まりだった。

コカインの取引を見事阻止したレナは押収したコカインの成分や流通ルートなどを裏の世界を事をよく知る知り合いの情報屋と一緒に調べ上げた。

結果、南米の旧ボリビアに本拠地を置く巨大な麻薬カルテルが生産、密売していたことが判明した。

 

 

国1つを事実上降伏させる程の絶大な力を持っていたが、レナは正規軍の特殊工作員として単身ボリビアに飛び、たった1人でしかも数ヶ月でカルテルの人員や設備から何から何まで破壊、幹部は全員殺害、ボスは捕まえて、正規軍に引き渡した。

 

 

この事は当然裏社会にも瞬く間に広がり、いつしかS09地区で“仕事”をしてはいけないという暗黙のルールが出来上がり、世界中の裏社会を支える重鎮達は様々なダミーカンパニーを設立し、避難所であるS09地区で過ごすようになった。

S09地区に拠点を置く民間警備会社やセキュリティ開発企業の社員の殆どは実はマフィアのボスのガードマンだったり、プロの殺し屋だったりする。基本彼らは何もせず、立ち上げたダミーの会社で働いている。

そして危険な裏稼業よりもこっちの方が安全で儲かるし、今までよりも生活が充実していると足を洗う者が続出している。

 

 

 

 

レナはターミネーター達をBuger Mirrors(バーガー・ミラーズ)と綺麗な筆記体で書かれた看板があるバーガーショップに連れてきた。

 

 

ターミネーター(どっかの蛇が出てくるタクティカルエスピオナージゲームで見たことある店だな・・・)

 

 

レナ「ここで昼食にしましょ。ここのハンバーガーとっても美味しいから」

 

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

SOPMOD「ん〜〜〜!美味しい〜!」

 

 

M16「このポテトうめぇな」

 

 

AR15「・・・」もきゅもきゅ

 

 

M4「確かに美味しいですけど・・・その指揮官の・・・それは?」

 

 

皆ハンバーガーやポテトに舌鼓をうつがM4はレナの食べている異様なハンバーガーが気になる。

 

 

レナ「これ?ここの看板商品ケミカルバーガーよ」

 

 

鮮やかな緑色をしたとんでもなく異様なハンバーガー。

バーガー・ミラーズの看板商品で、“美味い”それだけを徹底的に追求した先に作られた狂気のハンバーガー。

世界各国で認可された化学調味料と保存料をどっぷりと使用、おかげで色は緑色になったが、店長曰くちょっと食べただけで死にはしない。

 

 

レナ「見た目はこんなのだけど食べるとめちゃくちゃ美味しいの。食べる?」

 

M4「遠慮します」

 

 

即答で拒否する。一部を除いて誰もあんな色のハンバーガーなんて食べたくないだろう。

そんな中ターミネーターは黙々とハンバーガーを食べていた。

 

 

レナ「ターミネーターさっきから何も言わないけど、どうしたの?」

 

 

ターミネーター「えっ、いや何でもない。ここのハンバーガー結構美味いな〜って思って」

 

 

嘘である。

この男、店に入店してからずっと懐に閉まっているグロック26から手が離せなかった。

今はハンバーガーを食べるために太腿の部分に銃を移しているが、いつでも戦闘態勢が取れるようにしている。

何故そんなことをしているのか?

それは・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

ターミネーターの位置から奥でセーラー服を着た鉄血のハイエンドモデル達が放課後の女子高生の如くくつろいでいる所を見てしまったのである。見慣れない幼女姿の鉄血人形がいる。もしかすると新型のハイエンドモデルなのだろうか?それだけじゃない、チラ見だが、クルーガー社長がエプロン着けてキッチンに入る姿を見てしまった。

 

 

グリフィンと敵対している鉄血にとって、今ここで騒ぎを起こせば、この都市が戦場と化すだろう。

それだけじゃないこの地区を管轄しているグリフィンがあろうことか鉄血に侵入を許したなど、大スキャンダルになること間違いなし。

鎮圧をするにしてもレナと強化されたAR小隊がいるとはいえ、こっちはまともな武器を持っておらず、せいぜい拳銃一挺ぐらい。実質丸裸だ。あれが新型のハイエンドモデルならば、どのような能力を持っているのか分からない。運が悪ければ、グリフィンの長であるクルーガー社長も死ぬかもしれない。

どうするべきかターミネーターは選択を迫られていると、代理人と思しき人形がスマホを弄り始めた。

 

 

 

ターミネーター(スマホを弄りだした・・・・・まさかウォッ○ドッグスでお馴染みのスマホでハッキングするつもりか!?スチームパイプとか爆発させたり、この都市全てを停電させる気か!?)

 

 

 

早くを手を打たなければならない。だが、どうすればいい?武器を使わず、この都市が戦場にならず、クルーガー社長に被害がなくこの事態を素早く収束させる方法。

前世が一般人のターミネーターの脳では答えが出ず、ただ時間だけが過ぎ、焦るばかりだった。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

処刑人「なぁ、潜入調査つっても全員で来ることなかったんじゃねぇか?」

 

 

代理人「確かに人数が多いと動きづらいと思いますが情報は多い程が良いですし、それに皆さん1人でも何とかなりますよね?」

 

 

全員頷く。

嘘である。

彼女達、潜入調査なんて最初から頭の中に無いのである。彼女達の目的はただの息抜きである。

最初は「誰か潜入調査に行ってくれない?」とエリザが命令した。まともな娯楽が無く退屈を極めていた彼女達は全員手を上げ、互いにあの手この手の言い訳を言い合って、最終的にエリザも行きたいと言い始めたのでエリザを急ごしらえで用意した人形に機能を移転して全員で行くことになった。

 

 

狩人「むぅ、この服なんだか慣れないな」

 

 

スケアクロウ「学生姿なら怪しまれないから仕方ないですわよ」

 

 

デストロイヤー「おいし〜!」

 

 

ウロボロス「美味」

 

 

アーキテクト「ん〜!これじゃあ、元の食生活に戻れないかも〜」

 

 

セーラー服の着心地に不満のある狩人とそれを論するスケアクロウ。

ハンバーガーやポテト、チキンナゲットなどに舌鼓を打つハイエンドモデル達。

そんな中、代理人の様子は少しおかしかった。

 

 

 

エリザ「代理人、どうしたの?」

 

 

代理人「いえ、何でもありません」

 

 

 

 

嘘である。

この女。自分が座っている位置にしか見えないターミネーター達の存在に気づいていた。ついでにクルーガーにも気づいていた。

敵対する組織の長も最も厄介な敵もAR小隊も今ここにいる。千載一遇の大チャンス。

 

 

だが、何故こんな所にクルーガーもレナもいるのか?それがとても不気味だった。

そして、外で歩いている住民達、スキャンすると全員銃を隠し持っていた。ごく普通そうなサラリーマンは懐に拳銃や折り畳み式のサブマシンガンを忍ばせ、釣り人と思しき人物が担いでいる釣竿を入れるカバンにはアサルトライフルを、ゴンドラに乗って窓を掃除するビルの清掃員は工具箱の中に分解組立式のスナイパーライフルが、街中でギターの弾き語りをしているミュージシャンのギターケースにはマシンガンとロケットランチャーが組み込まれている。

 

 

彼らは裏社会の住人で足を洗っている者もいるが、職業病故に銃がないと怖くて外にも出歩くことが出来ないらしい。

無論彼らが所持している銃は全て正式に登録されている。

これだけの高性能な銃器を持っていても犯罪が起こらない辺り彼らは本当にレナが怖いのだろう。

 

 

 

代理人(外にいる人間達・・・全員銃を持ってる。私達鉄血を滅ぼすことなんて訳ない・・私達はまんまとキルボックスの中に入ってしまったのね)

 

 

そうなれば、ここにいるグリフィンの重要人物達、外にいる武装した人間達の理由がつく。

しかし、何故情報が漏れたのか?この事は配下の鉄血兵にも伝えていないし、データファイルにも残していない。

自分達の情報は全て筒抜けだったということか?

 

 

代理人(最初から私達はグリフィンの手の中で踊ってただけだったの?)

 

 

言葉にできない恐怖が代理人をネガティブにする。

自分達は大丈夫でもエリザだけは何としても守らなくては。

彼女の義体は急ごしらえで用意したもので戦闘能力など皆無。彼女の死は鉄血の死でもある。

今も尚何処かで見られている。ここで仲間達に知らせれば、全員即座に蜂の巣にされるだろう。ハイエンドモデルと言えど、突然の奇襲だと対応しきれない場合もある。

それでも今襲わないのは情けをかけられているのか?

 

 

すると、さっきからこっちをガン見していたターミネーターがグロック26のグリップを握る。

 

 

代理人(銃を握ってる!そろそろ始めるつもりなの!?)

 

 

 

早く手を打たなければならない。全員が無事にこの街から出られる方法。超高性能CPUを持った代理人はある方法を思いつき、偽装用アイテムとして携帯したスマホを取り出す。

 

 

エリザ「うん?代理人何処かに電話するの?」

 

 

代理人「えっ、はい。ちょっと部下に連絡を」

 

 

嘘である。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

ピリリリ!ピリリリ!

 

 

ターミネーターの持っている携帯から通知音が鳴る。

ビクッとしながら、携帯を出して、画面を見ると非通知と表示されていた。

 

 

レナ「ターミネーター、どうしたの?」

 

 

ターミネーター「えっ・・ああ、ガンスミスからの電話だ。ちょっと出てくる」

 

 

嘘をついて、席を立つ。

出入り口の前に代理人が横に立ち並び、外へと出て行く。

 

 

 

 

代理人「あの・・・今回はお互い見なかったことにしませんか?」

 

 

白旗を上げてるも同然の発言。

 

 

ターミネーター(何!これはつまり、情けをかけられているのか!?一戦力としても見られていないのか・・俺達は!?)

 

 

表情に出てないが内心ビビっている。

 

 

ターミネーター「そうだな・・」

 

 

代理人(了承した!?今ここで私達を滅ぼせるのに・・・やはり、私達に情けをかけているのね)

 

 

そして、会話は終わり、2人はそれぞれの席に座る。

 

 

レナ「ガンスミスはなんて言ってた?」

 

エリザ「何かあったの?」

 

 

ターミネーター・代理人「「何も問題なかった(ありませんでした)」」

 

 

嘘である。




バーガーミラーズで店の手伝いをしているクルーガーは胃を抑えていた。
軍人時代からの友人が「支店が人手不足なんだ」と電話が来た。
普通なら自律人形でも送ると思うが、何か息抜きになるかもと冷静な判断が出来なくなったクルーガーは「じゃあ、俺が行く」と言った。


が、その支店が何処にあるかを聞かなかったのがクルーガーの最大のミスだった。
その支店がある場所がS09地区だった。
(レナ来るな、レナ来るな)とクルーガーは必死に天を仰いだが、結局レナが来た。


幸いにも顔が厳ついから接客をさせなかったのが彼にとっての救いだった。



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買い物は時間が掛かる

スランプ、最近めっちゃ忙しい、右肩を痛めるという隙を生じぬ三段構え・・・
悪いことは重なるものなんだなって。


バーガー・ミラーズで会計を済ませたレナ達は繁華街へと足を運んだ。

まるで観光街のように綺麗で様々な店舗が軒を連ねていて、歩くだけでも楽しい。

 

 

レナはM4、SOPMOD、AR15を洋服店へと連れて行く。

M16はかなり苦しい言い訳をして別行動だった。向かう所はこの前ネットで調べたタバコの専門店。禁酒をされた彼女にとってタバコは第2の癒しとなってくれる筈、そう彼女は思っていた。

専門店は外装はとても地味で看板もなく、ドアにBOSSと書かれたプレートがかけられていただけだった。

ドアを開けると中は意外とお洒落で普通の紙巻タバコや葉巻、キセルやパイプ用のタバコ葉など専門店と名乗るだけあって様々な種類のタバコが置かれていた。

 

 

M16は真っ先に葉巻が置かれている棚へと向かう。

その時だった。

 

 

M16・トンプソン「「あっ・・・」」

 

 

紙巻タバコの棚でトンプソンとまさかのエンカウント。

葉巻の置かれている棚は紙巻タバコの隣にあったから必然である。

 

 

トンプソン「あんたも紙?」

 

 

M16「いや、私は葉巻」

 

 

そう言って、M16は葉巻の棚で何かいい葉巻はないかと棚に置かれている葉巻を1つ1つ見る。

銘柄は気にせず、色々と吸ってきた彼女は今まで吸ったことのない葉巻を探していると1つの箱を見つける。

 

 

シンプルにBIG BOSSとだけしか書かれていない葉巻の箱に不思議と魅力的に見えた。

手に取り、箱の裏を見る。ハバナ産と書かれていた。天然素材で作られた高級品だ。

今まで合成葉巻を吸ってきた彼女にとって天然素材で出来た葉巻なぞ高嶺の花。

高いだろうなぁと呟き、値段を見るといつも買ってるタバコとどっこいどっこいの値段。天然素材で作られた葉巻にしては破格の安さ。

 

 

ええぇ・・と困惑の声を漏らしているとトンプソンがニマニマとした表情でM16に近づく。

 

 

トンプソン「すげぇだろ?ここの店ってこういう高級なタバコの値段がめっちゃ安いんだぜ。産地直送だとかなんとか」

 

 

この店のタバコの安さの秘密をちょこっとだけ明かすとトンプソンは棚からTHE BOSSと書かれた紙巻タバコの箱を手に取るとそのままレジへと向かった。

M16はBIG BOSSを5箱とファントムシガーと呼ばれる電子タバコを2本を手に取り、トンプソンの後に続いた。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

〜洋服店〜

 

 

レナ「うおぉぉ!可愛いー!これもいいなー!あっこれも捨てがたいなー!」

 

 

SOPMOD「しきか〜ん、まだ着るの?」

 

 

M4「う〜、このドレスちょっと恥ずかしいです」

 

 

AR15「はぁー、疲れた」

 

 

洋服店ではレナが黄色い歓声を上げながら、M4、SOPMOD、AR15を着せ替え人形のように色んな服を着せていた。

SOPMODは試着に飽きた様子でM4は黒いドレス着せられて恥ずかしがり、AR15は完全に疲れ切っていた。

しかし、レナにそれらの言葉は届かず、次から次へと服を持ってくる。この洋服店、昨日レナが貸切予約を入れていた為、店内にはスタッフとレナ達しかいなかった。

この店で働いているスタイリストさんまでやってきて、試着会は更にヒートアップしていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ターミネーター「・・・遅いな」

 

 

洋服店の外ではターミネーターがベンチに座って、レナ達が外に出てくるのを待っていた。

すぐに終わるからとレナは言っていたが、あれからかれこれ2時間以上が経過している。

服買うのって結構時間かかるな〜と思っていたが、まさかこれ程掛かるとは思ってもみなかった。

時折店からレナの歓声が聞こえてくる。声紋分析をかけると結構興奮した状態だという結果が出た。

今もレナの着せ替え人形にされてるんだろうなと思い、ターミネーターは静かに合掌した。

 

 

 

M16「よぉ、そんな所で何やってんだ?」

 

 

声をかけられた方向へ向くとそこにはタバコの入った袋を持ったM16がいた。

ターミネーターの横にドガっと座る。今までの2時間以上も待っているんだと話すとM16は別行動でよかったぁと言った。

すると、M16は袋から葉巻の箱を取り出して、葉巻を1本、火をつける。

 

 

ターミネーター「M4にどやされないのか?」

 

 

M16「禁酒はされたけど、禁煙しろとは言われてない」

 

 

そう言ってM16はターミネーターに賄賂代わりに葉巻を1本渡す。

ターミネーターは黙って、受け取るとライターも渡された。吸えとでも言われているような気がした。

葉巻の上部をナイフ状に変化させた指で切って、吸い口を作る。ライターで着火して、吸う。

 

 

タバコの煙はニコチンなどの有害物質が含まれているが、生体パーツのないターミネーターにはいくらタバコを吸った所で何の影響もない。愛煙家なら喉から手が出るほど便利な能力かもしれない。

途中でここ禁煙なのではと焦って、火を消そうとする。

が、M16はそれを察し、「ここは禁煙じゃないぜ」と教えてくれた。

 

 

 

安心したターミネーターはそう言えばシュワちゃんも葉巻吸ってたなと頭の中をよぎると液体金属でサングラスを作ってかける。

 

 

M16「はは、あんたどっかのマフィアのボスみたいだぜ」

 

 

ターミネーター「そう言うあんたは歴戦の女傭兵みたいだが」

 

 

茶化し合いながら、レナ達が店から出てくるまで葉巻を吸って時間を潰した。

 

 

 



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天才は解析したい

レベリングとかしてたら、こんなに時間が経ってた・・・。
本当に申し訳ない(ブレイク博士感)


M4達との買い物をした数日後、ターミネーターはレヴナント、ヴァルキリーと一緒に魔改造ハマーに乗せられ、レナにある所に連れて行かれていた。

 

 

行き先はIOPの先進技術開発部“16Lab”の研究施設。

目的はターミネーターを含むスカイネット製の全兵器のデータ収集及び解析である。

 

 

グリフィンとて、出所不明な得体の知れない戦術人形をポンと手元に置くことはない。クルーガーが配属を許可し、レナがターミネーターは裏切らないといくら言っても、いつかそれらが自分達に牙を向けるかも知れないと危惧する人間は一定数存在していた。

解析するタイミングが遅かったのは行方不明になったAR小隊の捜索をクルーガーが最優先事項にした為、そんな暇は無かった。

 

 

 

16Labの研究施設に到着するとレナ達は車から降りる。その際、レナはUSBメモリを手に取って、胸ポケットに入れる。

メモリの中にはスカイネットに関する様々なデータが入っている。最初はこのデータを送るだけでよかったのだが、ペルシカがどうしても実物が見たいとせがんで来たので、仕方なくターミネーターとレヴナント、ヴァルキリーを連れて行くことにした。

 

 

 

研究施設の中は注文の多い料理店のように大きく合金で出来た分厚いセキュリティドアを何度も何度もくぐらなくてはならない。

自律人形のトップシェアを誇るIOPの機密情報が集積しているだけあって、死角が出来ないように張り巡らされた無数の監視カメラと赤外線センサー、ドアを開けるには網膜、指紋、顔、音声、果ては血液まで調べられる。そして、24時間体制で重装備の戦術人形と武装ドローンが目を光らせている。ちょっとやり過ぎな所がある程の厳重な警備。

 

 

MG42「ああ〜お姉しゃま、この装備相変わらずクッソ重いでしゅ〜」

 

 

MG34「そうですね・・・・後でペルシカさんに抗議しに行きましょう」

 

 

 

心底疲れたような表情でヘルメットなしの黒い特殊強化装甲服“プロテクトギア”を着て、引きずるように歩いてレナ達とすれ違うMG42とMG34。

 

 

MG42「ていうか、ヘルメットも窮屈でしゅよね、お姉しゃま。被るとしゅかいはとてもなく悪いしゅい、息もしゅいづらくて、潜水夫にでもなったようでしゅ」

 

 

MG42のプロテクトギアに対する不満たらたらの声が聞こえ、歩くたびに声はどんどん薄れていく。

そうしているうちにペルシカがいる研究室に到着する。レナは研究室のドアをノックし、ペルシカの返事を待つ。

すると、ドアが自動で開いて、ペルシカが出迎える。

 

 

ペルシカ「久しぶりね、レナ。それと君がターミネーターだったけ?とりあえず、中に入って」

 

 

部屋に招き入れるが、中は私服、ゴミ、蜘蛛の巣のように絡まった太いケーブルの束で床が覆い尽くされていて、ゴミ屋敷と化していた。

 

 

ペルシカ「ああ、床に置かれてるのは大したものじゃないから適当に踏んでも構わないよ」

 

 

さも当然のように床に散らばった服をグシャグシャに踏んで、部屋の奥に進んでいくペルシカ。

迷いなく進んでいくその様はまごう事なきゴミ屋敷の住人。

 

 

ターミネーター(面倒くさがりって公式設定であったけど、まさかこれ程とは・・・)

 

 

次どこに足を置こうか悩みながら、ペルシカについていくターミネーター。右を向くとレナは戸惑いなくゴミ屋敷を歩いていた。

面識があったことから慣れているのであろう。

レヴナントとヴァルキリーはターミネーターの進んだルートに沿って歩かせた。

 

 

 

 

ペルシカ「さてと、改めて私はペルシカ。16Labの主任研究員をしているの、よろしくね」

 

 

軽く挨拶を交わすとペルシカはキーボードを叩いて手術台を起動させる。

 

 

ペルシカ「まずはターミネーターから始めるわ。骨格側の方からそこのベッドに横になって」

 

 

言われた通り、ターミネーターは液体金属から分離して、骨格側が姿を現わして、ベッドに横になる。

その姿にペルシカは内心驚きつつも、ディスプレイに表示される無数のコードと数列を見ながら、キーボードを目にも止まらぬ速さで叩く。

ディスプレイに表示される文字にペルシカは一喜一憂する。

 

 

ペルシカ「ふむふむ、なるほどね・・・おお!これは中々・・・」

 

 

ターミネーターの基本構造、使われている技術、スペックを見ているとペルシカの頭の中に1人の人物の姿が過ぎる。

 

 

 

リコリス

 

 

ペルシカの元同僚。

彼はあらゆる意味で彼女とは真逆な人物だった。

クソ真面目で2日に1回は自分の仕事場を徹底的に掃除する程の潔癖症。几帳面なミニマリストで筋金入りの紅茶派。

ペルシカは実験段階の最新技術を積極的に採用した物作りが得意なのに対し、リコリスは所謂“枯れた技術”を積極的に採用し、それらをブラッシュアップした物作りを得意としていた。

 

 

 

 

思いふけっていると既にターミネーターのデータ解析が完了していた。

ペルシカは気持ちを切り替えて、ディスプレイとにらめっこし、全て解析できたか確認する。

 

 

 

ペルシカ「よし解析は終わったわ」

 

 

ここまで経った時間は僅か5分。

ターミネーターはベッドから起き上がり、レヴナントと交代する。

 

 

レナ「ペルシカ、ターミネーターってどんな感じの人形なの?」

 

 

作業中のペルシカに話しかけるレナ。

ペルシカはキーボードを叩きながら、話す。

 

 

ペルシカ「そうね、一言で言うと物凄く古いね。アクチュエーターは旧世代の重機の油圧システムを応用した物だし、動力源は燃料電池、電子部品も数十年前のもの、機体構造も今と比べると全然洗練されてない時代遅れ。まるで動く化石よ」

 

 

一呼吸で中々の酷評を言い切る。それを聞いたターミネーターはちょっぴり傷つく。

T-800も2以降では度々旧式扱いされている。

 

 

ターミネーター(ジェネシスでポンコツ扱いされた守護者って、こんな気持ちだったんだな・・・)

 

 

ペルシカ「でも、こんな旧式だけど、使われてるボディの材質は私も全然分からない。推測だけど、大口径のレールガンの砲弾だって余裕で弾けるくらいの硬さよ。それに思考モジュールも二廻り程小さな板チョコくらいの大きさなのに今の戦術人形よりもずっと高性能。古いけど決してポンコツではないわ」

 

 

さっきまでの酷評とは打って変わって賞賛の言葉が出てくる。

そんな話をしているとレヴナントの解析が終わり、ヴァルキリーの解析作業に入る。

 

 

ペルシカ「この液体金属は本当に凄いわね。世界でも始まったばかりのクレイトロニクスの技術を鉄血の科学者が既に実用化にこぎつけていたとはね。複数の異なる機能を持つナノマシンを同時に、そして複雑に制御して、多彩な武器に変形させる・・・ここまで来るとオーパーツよ」

 

 

液体金属のオーバーテクノロジーに感銘を受ける。

ディスプレイのデータを見ても何が何だか分からない。だが、そこがペルシカの科学者魂に火をつけた。

この仕組みを、このナノマシンの構造を、このオーパーツの謎を解き明かしたい。

そういった欲求に駆り立てられる。

そして、ペルシカはある決断を下す。

 

 

ペルシカ「ねぇ、当分この2体の人形貸してくれない?どこにも漏れないようにするから」

 

 

レナ「えっ?まぁ、良いけど。ターミネーターは?」

 

 

ターミネーター「別にいいけど・・・まだまだ予備はあるし」

 

 

トントン拍子で話が進み、レヴナント、ヴァルキリーを数週間の間16Labに預けることになった。

そして、スカイネットのデータが入ったUSBメモリを渡してレナ達が帰るとペルシカは再び愛用のパソコンの前に座り、作業を始める。

 

 

 

ペルシカ「ふぅー、ここまで本気になるのも久しぶりね。やっぱりレナと居ると退屈にはならないね」

 

 

背伸びをして、固まった筋肉をほぐすとキーボードを叩き始めた。

 

 

 

 

 

〜3日後〜

 

 

16Lab職員A「おっおい、もう3日あのままだぞ。止めた方がいいんじゃないか?」

 

 

16Lab職員B「バッカお前、あの状態の主任どうやって止めるんだよ」

 

 

2人の16Labの職員は実験室の外で部屋の中で作業に勤しんでいるペルシカをガラス越しに見ていた。

あれからペルシカは3日間寝食を忘れてレヴナントとヴァルキリーの解析作業に没頭していた。

お陰で目の下は大きな隈があり、髪はいつも以上にボサボサ、目は血走っていて、それでもコーヒーのカフェインの力を借りて一心不乱に作業している姿は軽くホラーもの。止めるか止ないか職員達は大いに悩んでいた。

 

 

16Lab職員B「ああなった主任は俺たちじゃ、どうすることもできない。自然に倒れるまで放置するしかないよ」

 

 

 

それから10日後、ようやくペルシカは倒れて、担架に乗せられて部屋のベッドまで運ばれた。



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何気ない日常

短めの日常編です。
次からドンパチしていきます。


特に予定もない1日。

コーヒーでも飲もうとターミネーターはカフェに向かっていた。

Openと書かれたプレートがドアの前にかけられていて、カフェが開いていると客に伝えている。

中からワイワイガヤガヤと人の声が聞こえる。

開けると店内は基地中の戦術人形でごった返していた。

 

 

ターミネーターは距離を置くように1番隅っこの席に座って、メニューを見る。

メニューを見ているとスプリングフィールドがやってくる。

 

 

スプリングフィールド「ご注文は?」

 

 

ターミネーター「ブレンドコーヒーを1つ」

 

 

スプリングフィールド「かしこまりました」

 

 

厨房を見てみるとどうやらG36も手伝っている。

食材を切ったり、調理しているから恐らく料理担当なのだろう。

そうこうしているうちにコーヒーを持って来てくれて、ターミネーターはコーヒーを片手に人形達の集まっている方向を見る。

人形達の中心にはレナがいた。楽しそうに人形達と話していた。

 

 

膝の上にSOPMODが乗っていて、右腕はスコーピオン、左腕にはM500が抱きついている。

なんだか遊具のように使われているようだ。

 

 

そして、スプリングフィールドとG36が特大オムレツとトマトジュースを持って来る。

レナは子供のように喜び、オムレツを食べて、トマトジュースで流し込む。

 

 

ここまで見れば、なんて事もない穏やか日常風景に見えるだろう。

だが、ターミネーターは違って見えてしまった。

 

 

先程、厨房でスプリングフィールドがトマトジュースに白い粉をサーッしていたり、G36がリスカして自分の血をオムレツの中に入れたり、レナの後ろにいたWA2000がレナに気づかれないように盗聴器と発信機を付けたり、416の懐からスタンガンが見え隠れしていたり、スコーピオンとM500の目からハイライトが無かったりと、とても普通の日常風景には見えなかった。

 

 

突然体が止まった。

UMP45、スプリングフィールド、WA2000がこっちを見ていた。顔は微笑んでいるようだが、目は笑っていない。絶対零度の眼差しがターミネーターを捉えている。

 

 

“言ったらどうなるか・・・分かるな?”

そんなメッセージが頭の中をよぎった。恐怖を感じ、何も知らないふりをしてコーヒーをちびちび飲み始める。

すると、あの眼差しは感じなくなった。恐る恐る振り返ると3人も会話の輪の中に入っていた。

 

 

かなり恐怖を感じたターミネーターはコーヒーを飲み干して、ここから立ち去ろうと立ち上がる。

 

 

 

レナ「あっ、ターミネーター!こっちに来ない?」

 

 

声をかけられた。断ろうとしたが、戦術人形全員の絶対零度の眼差しを向けられた。

“断ったら、どうなるか・・・分かるな?”

そんじょそこらの兵器では倒せないターミネーターだが、死のビジョンが明確に見えた。

 

 

ターミネーター(俺は怖い、絶対殺される)

 

 

死への恐怖に震えたターミネーターはレナの誘いを承諾した。

そこからは生きた心地がせず、何を話し、何を聞いたのか覚えていなかった。

 

 

 

 



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S08地区防衛戦その1 ネゲヴ小隊救出

すまんな、本当にすまん。
ここのAR15は傘に感染してないから第5戦役はなしにしました。本当にすまん。
ということでS08地区防衛戦開始です。


長い休暇は終わり、通常業務に戻ったS09地区基地。

自律人形が物資をあちこちに運び、戦術人形達は訓練をしているなど、何時ものような賑わいが戻っていたが、基地の周りはスカイネットに取り込まれ、もうほとんどターミネーター4のスカイネットの施設になっていた。

 

 

そんな休暇明けの記念すべき初仕事は・・・・

 

 

 

 

新調されたブラックホークの振動に揺られながら、窓の景色を眺めるターミネーター。

愛用のミニガンの感触を確かめながら、レナのブリーフィングの再確認を通信越しに見る。

 

 

レナ[今回の任務はS08地区で救難信号を発信して行方不明になったネゲヴ小隊の捜索と敵部隊の鎮圧よ。ここはつい8時間前に鉄血と衝突があったばかりの重大被災区。そこら中に鉄血兵がうじゃうじゃいるわ。第1、第3部隊は増援を要請している部隊に急行、第4部隊は拠点の防衛、第5部隊は救難信号を発信した地点の捜索、第2部隊はそれぞれの部隊のバックアップ、以上よ]

 

 

通信が終わると武器の最終確認をするM16の装備を見る。

今まで背負っていたガンケースのような物は装甲と重機関銃、ロケット砲、ミサイルランチャーを満載した結果、2回り程大型化して棺桶みたいなフォルムになった。ガンケースからウェポンコンテナに変わった。

他にも予備のマガジンやジャックダニエルの入ったスキットルを入れるスペースがある。

 

 

そうしているうちにブラックホークはホバリングし、地上へと高度を下げていく。

ある程度の高さにまで下がるとドアを開けて、M4達はロープを垂らして、リペリングする。ターミネーターは何時ものように飛び降りる。

 

 

地上に着地し、周囲を警戒しながら、M4達のダミー人形が降りるのを待つ。

 

 

M16「これで全部だな。よしそろそろ行こう」

 

 

全員降りたのを確認すると第5部隊は救難信号を発信した地点へと行軍を開始した。

 

 

 

 

 

 

 

つい8時間前に鉄血と衝突しただけあって、建物は今にも崩れそうになりながらも中ではガスが燃えているのか火の手が上がっている。

そして、そこら中に民間人の死体が転がっている。

 

 

AR15「酷いね・・」

 

 

AR15はボソッと呟く。

体に1発、頭に1発または足に2発、心臓に1発と、どの死体も急所を確実に命中させている。痛ぶって殺した痕跡は無く、鉄血は人類を殺戮の限りを尽くし、その死体を焼却炉に運ぶ奴隷として死ぬまで酷使したり、ハーヴェスターで捕まえて、潜入型ターミネーター開発の研究材料にする何処ぞのスカイネットと比べて、随分と仕事に忠実だ。

 

 

ターミネーター(なんかどこかで貶されたような気がする・・・)

 

 

 

その時、銃声が聞こえた。全員警戒モードに移行し、建物の影に隠れる。

耳を澄ませると鉄血兵が使用しているレーザー兵器の発射音と実弾の乾いた発砲音・・・複数の銃が5.56mm弾をセミオートで撃っている音だ。

SOPMODはバイオニックアームを地面に打ち付けてアクティブソナーを起動する。

ソナーのキャッチした反応を全員に共有する。

 

 

SOPMOD「60m先に反応が50、120m先に4、ネゲヴ小隊が釘付けになってるのかも」

 

 

M16「どうするよM4。派手に行くか?」

 

 

M4「そうね、一気に鉄血供を撃滅しましょ」

 

 

M4の言葉にターミネーターはミニガンをコッキングして静かに呟く。

 

 

ターミネーター「Payback time(仇はとってやる)

 

 

液体金属と骨格は分離し、骨格側はミニガン、液体金属はAR18とスラッグ弾が装填されたSPAS12を装備、鉄血部隊に突撃した。

 

 

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

ガリル「ネゲヴ!もう弾が僅かや!」

 

 

タボール「こっちもです。あと1マガジンです」

 

 

ネゲヴ「まずいね、私もこれが最後よ」

 

 

8時間前に鉄血と衝突して廃墟になった雑居ビルに立て籠もって、ガリルとタボールは残り少ない弾を節約するためセミオートで撃ち、ネゲヴも指切りで何とかやりくりして押し寄せて来る鉄血部隊を迎撃する。

しかし、いつか弾は尽きる。

 

 

数時間前、ある防衛戦から補給の為に帰還している最中、突然現れた鉄血の大部隊の奇襲を受けた。

更に鉄血はECMジャマーを起動して、通信回線をシャットダウンされた。だが、その直前に何とか救難信号を送ることには成功した。

それからはネゲヴが右膝を撃たれたが何とか大部隊の包囲を掻い潜り、この雑居ビルまで逃げてきたが、弾はほとんど使い切り、鉄血に居場所を突き止められ、今に至る。

 

 

ネゲヴ(5.56mmが尽きた・・・それに足もちょっとやばいかも・・・動かない)

 

 

ネゲヴは撃たれて血が止めどなく溢れ出る右足のレッグホルスターにあるベレッタM8000“クーガー”を手に取り、スライドを引いて薬室に9mm弾が入っているか確認する。

 

 

ネゲヴ(殺せるだけ殺す・・・最期にデカイ音楽を奏でるわよ)

 

 

そう決心し、障害物から身を晒して鉄血に銃口を向けたその時だった・・・。

 

 

 

ドォォォォーン!!

 

 

閃光と轟音がネゲヴの視覚と聴覚に飛び込んだ。咄嗟にネゲヴはクーガーを捨てて、目を閉じ、耳を塞いで、口を開ける。

やがて閃光と轟音は収まる。まだ耳にはキーンという音が張り付いているが、目を開ける。

さっきまで鉄血がいたところには大きなクレーターが出来ていて、周りには鉄血兵の残骸が転がっている。

 

 

 

 

M16「おおぅ・・・すげぇ威力」

 

 

元凶はM16のウェポンコンテナのロケット砲だった。

運用テストついでに1発ぶっ放してみたが、予想外の威力に第5部隊一同は驚愕する。

 

 

M4「とっ、とりあえず早く行きましょう。姉さん、そのコンテナ使うの自重しましょう」

 

 

M16「・・・おう」

 

 

味方が巻き添えに遭ってないことを祈りながら、M16はM4達の後に続いた。

 

 

 

 

 

 

ガリル「いや〜助かったわ、おおきに」

 

 

タボール「ありがとうございます。助かりました」

 

 

M4「いえ、私達特に何もしてなかったんですけど」

 

 

見張りはAR15とSOPMOD、ダミー達に任せて、M4はガリル達の感謝の言葉を受け取りながら、ネゲヴの足の応急処置をしていた。

 

 

ネゲヴ「いったたた!も、もっと優しくして」

 

 

レーザーが関節部にまで届いていた。碌な処置をせずに損傷した関節部を長時間酷使したことでフレームも歪に変形していた。またフレームの一部が先鋭化し、その状態で無理に走ったこともあって人工筋肉も傷だらけ、これでは歩かせるだけで傷が更に深くなるだろう。

 

 

M4「傷が酷いですね。これだと専用の設備が無いと・・・」

 

 

M16「とりあえず基地まで帰還しよう。すぐに鉄血の増援部隊がやってくる」

 

 

M4「でも、ネゲヴさんを歩かせる訳にはいきません。誰かが担いでいかないと」

 

 

M16「そういう訳でターミネーター、後は頼んだ」

 

 

ターミネーター「え?おっ俺ぇ!?」

 

あまり話しに介入してなかったターミネーターは突然の振りに声が裏返る。

 

 

 

M16「ターミネーターならパワーもあるし、液体金属で覆えば攻撃も防げるし、人形の1人や2人担いだって問題無いだろ?」

 

 

ターミネーター「いや、あの・・・ちょっと絵面的にというか・・・モラル的にアウトなのだが・・」

 

 

筋肉モリモリマッチョマンのシュワちゃんと銀ピカの骸骨ロボットが美少女を担ぐ又はおんぶする。

110番通報されても文句の言えない絵面をターミネーターは想像してしまった。

 

 

M16「何言ってんだよ。戦場にモラルもクソもないだろ?そんなこと言ってると死ぬぜ」

 

 

正論で封じられた。後はネゲヴの了承を得るだけである。

 

 

ネゲヴ「私は全然構わないよ」

 

 

即答だった。

 

 

M4「じゃあ、準備出来次第、基地に帰還しましょう」

 

 

M4の言葉に出発の準備を促す。

 

 

 

一方その頃・・・・

 

 

AR15「こらーSOP!いつまでも死体を痛ぶらない!」

 

 

SOPMOD「うお!レア素材キタコレ!」

 

 

鉄血兵の死体にナイフを突き立てて何かを剥ぎ取るSOPMODをAR15は注意するが、SOPMODは聞く耳を持たなかった。

それどころかダミー達も剥ぎ取りに参加し出した。お陰で辺り一帯が血の海と化した。

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーー

 

S08地区前線基地前

 

 

M16「はぁはぁ・・・つ、着いた・・・」

 

 

第5部隊とネゲヴ小隊は基地の前まで辿り着いた。ここまで長い距離を歩いて来た。ECMジャマーの範囲が拡大したことで連絡が取れなくなり、回収用のヘリの要請もできなくなった。そのため徒歩で帰還するしか無かった。殆ど走ったも同然のスピードだったのでAR小隊で1番タフなM16でも息が上がる寸前、M4、AR15、SOPMODは完全に息が上がっていた。呼吸する機能の無いターミネーターは何事も無いかのようにピンピンとしているが。

ターミネーターが担いだネゲヴは救急スタッフ達に担架で運ばれ、ガリルとタボールも医務室へと運ばれた。安心したM4達は近くのベンチにドガっと座る。

 

 

レナ「みんなお疲れ様、これスポーツドリンクよ」

 

 

駆け寄って来たレナは全員分のスポーツドリンクを渡して、M4達を労う。

M4達はスポーツドリンクを受け取るとキャップを開けてがぶ飲みする。

 

 

レナ「本当にお疲れ様、次の出撃まで時間があるからゆっくり休んでね」

 

 

そう言い残して、レナは仕事に戻った。

 

 

 

 

 

 




M16の新装備“ウェポンコンテナ”

元ネタ
ガングレイヴのデスホーラー


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S08地区防衛戦その2 味方部隊救援

今回は長いです。


S08地区 エリア07

 

 

人で溢れかえ、賑やかだったこの町は8時間前の鉄血との衝突でゴーストタウンに変わった。

そして、そこではS08地区に所属するFN小隊と侵攻してきた鉄血部隊が今も激しい市街戦を繰り広げていた。

 

 

 

ファイブセブン「あーもう!何でこんなに鉄血がいるのよ!」

 

 

FAL「口じゃなくて、手を動かしなさい!いつまでも愚痴ってるとやられるわよ!」

 

 

障害物越しから拳銃を撃つファイブセブンとその後ろの建物に隠れながら、VFLスコープを搭載したアサルトライフルで狙撃するFAL。

先行していたファイブセブンが攻撃に遭い、FAL、FNC、FN49と離れてしまった。ファイブセブンに1番攻撃が集中されて、既にダミーが2体やられたが、その隙にFAL達がファイブセブンに気を取られている鉄血兵を確実に倒していた。

しかし、実際はいくら鉄血を潰しても潰しても、また何処からか鉄血兵が湧いて出てくる。本来戦力の逐次投入は愚の骨頂とされるが、それを鉄血は昔のソビエト軍よろしく圧倒的な物量で解決した。

普通の鉄血兵が大量に押し寄せて来るのも脅威であり、面倒だが、連中ダイナゲートに爆弾を括り付けてカミカゼアタックを仕掛けてきた。

撃っても爆発、撃たなくても爆発、爆発で隠れてた障害物が吹き飛んで隠れる場所が無くなる。面倒なことこの上ない。

 

 

弾薬も着々と減っている。鉄血はこっちの弾が切れるまで攻勢を続けるだろう。

FALは虎の子のグレネードを使おうかと考え始めた時だった。突然、鉄血兵達が血を吹き出して、糸の切れた操り人形のように倒れた。

FALは後ろを振り返り、弾が飛んできた場所を見ると、そこには建物の屋上でライフルを構えたWA2000と寝そべってスコープを覗くLWMMGがいた。

 

 

WA2000[こちらS09地区第1部隊及び第3部隊、貴隊の救援に来た。後は任せて]

 

 

その一言で屋上からトンプソン、G36、M1911、スコーピオン、M500、M1887がダミーを引き連れて飛び降りる。

トンプソン、G36とM1911、スコーピオンは敵のド真ん中に突っ込み、M500はスラッグ弾で援護、M1887はダミー人形の演算能力も借りてダイナゲートへのハッキングを開始する。

 

 

スコーピオン「ヒャッハー!久々の突撃だー!!」

 

 

スコーピオンとトンプソンがダミーと共に弾を四方八方にばら撒いて、敵を牽制し、M500がやや遠めの敵を撃ち抜き、G36は投げナイフとファイティングナイフの二刀流でM1911はAF2011を2挺で自分に1番近い敵を倒す。飛んできたレーザーは基本回避だが、直撃は免れないと判断したら、G36はナイフで弾き、M1911はレーザーを撃って、相殺させる。イェーガーやジャガーなどの遠距離攻撃をする敵はWA2000とLWMMGが狙撃で対処する。

自爆するダイナゲートは各自、自爆される前に蹴飛ばして、距離を強引に取ってから破壊する。

洗練されたアクション映画のような蹂躙劇にFN小隊は唖然とする。FN小隊は決して弱い部隊ではない。むしろグリフィンでも指折りの精鋭部隊の1つである。そんな自分達でも苦戦していた鉄血の大軍をS09地区の人形達は軽々と真正面から相手取っていた。

 

 

ファイブセブン「何よ、あの部隊・・・」

 

 

FNC「うわ〜、あそこだけアクション映画みたいな状態になってるよ」

 

 

FN49「すごいです・・わ、私も何年訓練してもあんなに正確で素早い狙撃なんて出来ないです」

 

 

FAL「まるで機械だわ。とにかく早くやれ、そうプログラムされた走る銃座よ」

 

 

FN49(わ、私達も一応機械なのは言わない方がいいのでしょうか)

 

 

 

 

 

 

M1887(あと少し・・・よしできた!)

 

 

M1887のハッキングが成功するとダイナゲート達は途端に行動を停止する。

プログラムを書き換えて、M1887の制御下に置く。それの影響か、ダイナゲートの視覚センサーは赤色から緑に変わる。

 

 

M1887[みんな自爆型ダイナゲートのハッキングに成功したわ。こいつらを鉄血どもに返品するから離れて!]

 

 

トンプソン「お、もう済んだのか早いなー。そんじゃ、ズラかりますか」

 

 

G36「これで最後にしましょう」ザシュ!

 

 

 

M1887の通信で前線で暴れ回っていたトンプソン達は下がり始める。

突然敵が引いたことに鉄血兵は困惑するが、その理由はすぐに気づいた。さっきまでFN小隊に特攻していたダイナゲートの大群が自分達の方に帰ってきた。ダイナゲートの視覚センサーが通常の赤から緑に変わっていたことでハッキングされたことに気づき、鉄血兵達はダイナゲート達を迎え撃つ。

 

 

鉄血兵「何やってる!早く停止コードを入力しろ!」

 

 

鉄血兵「駄目です!コントロールを受け付けません!」

 

 

ダイナゲート操作用のタブレットにはerrorの文字が表示されていた。

 

 

鉄血兵「っ!エネルギー切れ!早くバッテリーを・・・」

 

 

ライフルのエネルギーが尽き、新しいバッテリーを装填しようとしたその時・・・

 

 

 

大量のダイナゲートが雨のように落ちてきた。

近くの高い建物を登って、鉄血兵の下へと飛び降りたのだ。

 

 

鉄血兵「チクショーー!!」ダダダダダダダダ!!

 

 

その叫びはダイナゲートの爆発音に呑み込まれ、誰にも届くことは無かった。

 

 

 

M1887[こちらウィン。全敵勢力の排除完了]

 

 

WA2000[了解、後はFN小隊と合流ね]

 

 

 

 

 

 

 

FAL「ありがとう、助かったわと言いたい所だけど・・・」

 

 

 

 

FALは助けに来てくれたWA2000達に礼を言う。だが、FALの目線はある一点を見つめていた。

残りの人形達もFALの見つめている方向を向く。

 

 

デストロイヤー「へぇー、あれだけの戦力を蹴散らすなんて、ちょっとアンタ達を見くびっていたわ」

 

 

そこにいたのは鉄血のハイエンドモデル“デストロイヤー”。

小柄な彼女の身の丈を軽々と超える程の長銃身の2つの白い大砲と砲弾補給用の巨大なコンテナを備えた重火器ハルコンネンIIを背負っていた。

明らかに彼女の体格とアンバランスな巨大な武装を彼女は涼しい顔で装備していた。

 

 

 

デストロイヤー「でも、今度は私が相手よ。塵1つ残らず、木っ端微塵にしてあげる」

 

 

その一言でデストロイヤーはハルコンネンの砲口をWA2000達に向けて、引き金を引いた。

 

 

ドォン!ドォン!ドォン!ドォン!

ドォン!ドォン!ドォン!ドォン!

 

 

まるで巨大な爆弾を爆発させたような発砲音を打ち鳴らしながら、砲口から飛び出す30mm爆裂徹鋼焼夷弾がWA2000達の下へと飛んでくる。

分厚いコンクリートも薄紙のように貫き、砲弾は爆発する。死ぬまで消せない火炎を纏った焼夷剤を撒き散らしながら。

 

 

トンプソン「よしあれを片付けよう!」

 

 

M1911「いい考えあります?」

 

 

G36「何か思いつきました?」

 

 

トンプソン「私も聞きたい!」

 

 

アクション映画のような掛け合いをしている今も隠れる障害物はどんどん消えていく。

その時、スコーピオンはある作戦を思いつき、みんなに提案する。

 

 

スコーピオン「っ!ちょっと提案してもいいかな?」

 

 

M500「駄目」

 

 

LWMMG[いらない]

 

 

M1887「後にして」

 

 

スコーピオン「・・・言うと思った」

 

 

速攻で却下された。

ちなみにスコーピオンの考えた作戦はM1911のスモークグレネードをしこたま投げて、視界を封じて、みんなで突撃するというおおよそ作戦とは言えない単純なもの。スコーピオンの作戦は大抵こういったもので、それを1番経験している第3部隊隊員はすぐに察してスコーピオンの提案を却下したのだった。

 

 

突如無線が入る。

 

 

ダネル[こちらダネル、直接火砲支援(ダイレクトカノンサポート)を開始する]

 

 

LWMMG[ダネル、遅刻よ]

 

 

ダネル[鉄血兵だらけで道が混んでた]

 

 

LWMMGに遅刻を咎められるが、ダネルは援護に向かう途中、鉄血一個小隊と鉢合わせしてしまい、そこで時間を食ってしまった。

ダネルは遅刻した分を取り返すべく、1200m離れたビルの屋上からデストロイヤーの頭をレティクルの中心に合わせる。

 

 

ダネル「死ね、バケモノ」

 

 

小さく呟き、ダネルはゆっくりと引き金を絞るように引いた。

大砲のような発砲音と砂煙を上げながら、発射された20mm弾はデストロイヤーの頭へと飛んでいた。

ダネルは当たると確信した。

 

 

 

だが、デストロイヤーは咄嗟に狙撃に気づいて、コンテナを盾にした。

甲高い金属音と火花を散らして、20mm弾はコンテナの分厚く頑丈な装甲を貫通できず、弾かれた。

 

 

ダネル(この距離で気づくのか・・・それに20mm弾も弾くのか・・)

 

 

デストロイヤー「無駄無駄無駄ぁぁぁぁー!そんな眠っちまいそうな攻撃でこのデストロイヤーが倒せるかぁぁぁー!」

 

 

何処ぞの吸血鬼のようなセリフを言って、ダネルのいるビルの屋上にハルコンネンの砲口を向ける。

 

 

FAL「だったら、これでも食らいなさい」

 

 

FALは温存していたグレネード弾をデストロイヤーに撃つ。何度も何度も弾が尽きるまで前が見えなくなる程の土煙を上げるまで撃ちまくった。

弾が尽きて、煙が晴れるとそこには無傷のデストロイヤー。少しもダメージを受けてなかった。

 

FAL「ちっ、バケモノめ」

 

 

デストロイヤー「貧弱ゥ!貧弱ゥ!」

 

 

弾もアイデアも尽きた。

いよいよ終わりかと思った。その時だった。

 

 

ドォォォォーン!

 

 

 

デストロイヤーの周りが次々と爆発した。

空を見ると白煙を上げながら、何かが落ちてくる。迫撃砲の砲弾だ。

 

 

デストロイヤー「えっ、えっ!なっ、なに!?」

 

 

予想外の攻撃に戸惑うデストロイヤー。そして、迫撃砲の砲弾がデストロイヤーの足元に着弾する。

爆風で吹き飛ばされ、隙ができる。そのチャンスを逃さんと今度はロケット弾がデストロイヤーの面めがけて突っ込んでいった。

 

 

デストロイヤー「くぅ!」

 

 

ハルコンネンには全くのダメージは無いが、本体であるデストロイヤーは大きなダメージを受けた。所々出血していて、右足は損傷、内部機器の一部がさっきの衝撃で故障した。

 

 

デストロイヤー「こっ、これで勝ったと思うなよぉ!」

 

 

小物系悪役のお手本のような捨て台詞を吐いて、デストロイヤーは右足を引きずりながら撤退した。

 

 

G36「・・・何が起きたの?」

 

 

トンプソン「誰かが調子に乗ってやりすぎた」

 

 

舞い上がる土煙の中から人影が見えた。

それに気づいたG36は銃を構えるように皆に言う。

 

 

そして、土煙から出てきたのは明るめのグレー色の長い髪で右目を隠し、赤いベレー帽を被り、黒い軍服を着た何処かG36に似た少女だった。右肩にはスリング、トリプルマガジン、ダットサイトをつけたG36cを、左肩には弾の切れたAT4を担いでいる。

その姿にG36は思わず銃を落としてしまうが、そんなことは気にもせずに少女の下に駆け寄る。

 

 

G36「G36c・・・いえ、シェリー・・・シェリーなのね?」

 

 

G36C、シェリーと呼ばれた少女はG36に微笑んで返事をする。

 

 

G36C「はい、久しぶりですね。G36姉さん・・・いえ、シア姉さん」

 

 

G36はG36Cに抱きつく。

彼女はS09地区所属の人形では無く、グリフィン本部直属の部隊にいた。数年前にある作戦で暴走した正規軍の戦術人形の掃討に赴いた。作戦は失敗し、G36Cは作戦中行方不明(MIA)になり、その後も捜索されるも見つからず、戦死(KIA)判定がなされた。

 

 

G36「あなた死んだはずじゃ・・・」

 

 

G36C「それ私も聞きました」

 

 

G36「ヒュドラの大群に襲われたって・・・」

 

 

G36C「はい、襲われました。その後5日間苦しみもがいて・・・ヒュドラ達が死にました」

 

 

その姿を遠くから見ていた人形達は口々に「胸に沁みた」「感動した」「涙もんだ」と言った。

 

 

トンプソン「あー、感動の再開を邪魔して悪いんだが、そろそろ基地に戻ろうぜ。じゃないとまたあのちんちくりんが大勢連れて戻ってくる。こっちも弾が無いし」

 

 

 

そう言って、G36が落としたライフルを渡す。

トンプソンが割り込んできたことでG36は我に帰り、恥ずかしさで少し頬が赤くなる。

 

 

スコーピオン「にっしし、いつもクールで目つきの悪いシアがここまで感情的になるとは・・っておわ!」

 

 

G36を茶化したスコーピオンの足元には一本のナイフが突き刺さっていた。

 

 

G36「今度余計なこと言うと口を縫い合わすぞ」

 

 

いつもの敬語は無く、ドスの効いた声でスコーピオンに警告した。

そんなコントのようなことをしている姿を見たG36Cはいつも通りだなと安心した。




ハルコンネン持たせたせいでデストロイヤーちょっと強くし過ぎたかも・・・


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S08地区防衛戦その3 前線基地防衛

大量の地図と通信機などの機材でいっぱいのS08地区前線基地司令室。

その機材達に囲まれながら、レナは第1、第3部隊と無線で話していた。

 

 

レナ[FN小隊と合流できたのね。 それに死んだ筈のG36Cが生きていた・・・まぁ、それはこの作戦が終わってから考えましょう。 気をつけて帰ってきてね]

 

 

通信が終わり、受話器を戻すと部屋にグリフィンの制服を着た青年が入ってくる。

 

 

レナ「チャールズさん、FN小隊は全員無事です。これから基地に帰って来るそうです」

 

 

チャールズ「大切な部下を救って下さり、本当にありがとうございます。申し訳ございません。ぼくが至らぬせいで貴女に色んなことを任せてしまって・・・」

 

 

チャールズ・ビショップ。 S08地区の管理と戦術人形の指揮官をしている青年。レナのような元軍人ではなく、ただの一般人。だが、グリフィンに入社した途端に指揮官としての才能が開花、指揮官としてはまだまだ経験不足で荒削りな部分が目立つが、それを開花した才能で補っている。新米でありながら、精鋭部隊のネゲヴ小隊やFN小隊を預けられたことから一指揮官として十分な実力と信頼が置かれていることが分かる。

 

 

レナ「困った時はお互い様ですよ。チャールズさん、これからの反抗作戦についてのこと何ですけど・・・・」

 

 

 

マーカーで丸や矢印、バッテンがたくさんついた地図を広げて、レナはチャールズとFN小隊が帰還した後の反抗作戦について話し合った。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

3時間後、第1、第3部隊とFN小隊が帰還した。

軽く負傷していたFN小隊を修復へと行かせ、全くの無傷で帰ってきた第1、第3部隊は束の間の休息を取った。

基地の警備に回っていたスプリングフィールドはキッチンを借りて作ったサンドイッチを彼女たちに振る舞う。

 

 

スコーピオン「おいし〜!」

 

 

M500「このBLTサンドも美味しい!」

 

 

G36C「これが姉さんの言ってたスプリングフィールドさんの料理」

 

野菜や卵サンドと言った軽いものから重めのBLTサンドやテリヤキチキンを挟んだサンドイッチ、変わり種でクロックムッシュやサブマリンサンドイッチなどがあった。

匂いに釣られたのか修復に行った筈のFN小隊とネゲヴ小隊の方々もやってきた。

S08地区では快速修復契約の使用は個人の判断に委ねられていたので使ってきたらしい。しかし、ネゲヴはここの設備でも直せなかったので車椅子に乗っている。

 

 

ファイブセブン「これ甘辛くて美味しい」

 

 

FN49「おっ、美味しいです・・・」

 

 

タボール「このクロックムッシュも絶品です」

 

 

FNC「・・・」モッキュモッキュモッキュモッキュ

 

 

ガリル「S09地区ではこんなうまいもん毎日食べてるのか」

 

 

ファイブセブンはテリヤキチキンサンド、FN49とタボールはクロックムッシュ、FNCは甘いホイップクリームも入ったフルーツサンド、ガリルはソースのかかったカツサンドを食べていた。どうやら気に入ってくれたようである。

 

 

ネゲヴ「野菜に卵に果物、ハムといった肉類・・・どこから食材を仕入れてるの?」

 

 

スプリングフィールド「ふふっ、それはちょっとヒミツです」

 

 

含みのある言い方でネゲヴの質問を返すスプリングフィールド。

その隅でFALはS09地区に転属しようかと本気で考えながら、クロックムッシュに目玉焼きを乗せたクロックマダムを食べていた。

さっきまで殺伐とした戦闘をしていたとは思えない、和気藹々とした雰囲気が彼女達を包んでいた。

 

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

司令室の中に1人座るレナ。チャールズは休憩のため席を離れている。

手にはグリフィンで支給される軍用端末を持ち、クルーガーからの電話を待っていた。

 

 

まだかまだかと端末を弄っていると、着信音が鳴る。

レナは誰からなのかを確認せず、咄嗟に通話ボタンを押す。

 

 

 

 

クルーガー[オーウェンズ、たった今決定したぞ。スカイネットの使用を許可する]

 

 

 

レナ[ありがとうございます]

 

 

レナは無意識に軽く一礼をする。クルーガーからの電話はスカイネット軍の使用の許可についてだ。

この前、ペルシカが解析したスカイネットの情報はグリフィン上層部に送られ、スカイネットを使うのか、それとも破壊するのかを三日三晩議論していた。そして、ようやくスカイネットを自社の戦力として使うことが決定した。

 

 

クルーガー[結構ギリギリだったんだぞ。それとスカイネット軍を動かす時は必ずこっちにその旨の連絡をしてほしい。緊急の時もだ。そうでもしないと否定派が納得しなかったからな]

 

 

レナ[分かりました]

 

 

クルーガー[では、よろしく頼む]

 

 

 

通話が切れて、ツーツーという音に変わる。

端末をしまい、ターミネーターを探しに司令室を出た。

 

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

 

レナ「ええっと・・・どこに・・・あっ!いた!」

 

 

 

辿り着いた先は人形達がお茶会をしていた。

そこには休憩に行った筈のチャールズもいた。

 

 

レナ「チャールズさん?」

 

 

チャールズ「あっお疲れ様です。いや〜レーションを食べるつもりだったんですけど、良い匂いがしたんで釣られてしまいました」

 

 

頭をかいて、アハハと笑うチャールズ。手にはアメリカンクラブハウスサンド。

線の細い見た目の割にがっつりとしたものが好みらしい。

 

 

ウゥゥゥゥゥーー!!

 

 

警報機の音が鳴り響く。

全員休止モードから戦闘モードに切り替わり、人形達は銃を取り、チャールズとレナは無線機で指揮の準備をする。

 

 

レナ「カリン! 敵の数は?」

 

 

カリーナ[そっ、それがメーターが振り切ってしまって、分かりません。恐らく地上を覆い尽くすくらいが押し寄せてきます]

 

 

高台に登って、基地の外を見る。

 

 

レナ「何よこれ・・・何処からあんな数を・・・」

 

 

外はカリーナの言う通り地上を覆い尽くす程の数の鉄血兵が津波のように押し寄せて来た。

まるで第2次大戦のソ連軍を彷彿とさせる行軍だ。

 

 

レナ[ターミネーター、聞こえる?]

 

 

ターミネーター[なんだ?]

 

 

レナ[スカイネット軍を動かしたいの。ここからだといつぐらいに着く?]

 

 

ターミネーター[準備と距離を換算して・・・15分だ。15分だけ待ってくれないか?]

 

 

レナ[分かったわ。みんな聞こえたでしょう。15分だけ持ち堪えて]

 

 

全部隊[了解!]

 

 

無線連絡が終わると乾いた銃声の音が鳴り響く。

レナも戦う為、武器庫に向かった。

 

 

 

ーーーーーーーーー

 

自爆型ダイナゲートと2本のナイフを持ったブルートが先鋒として、基地に突撃してくる。

基地の防衛装置をフル稼働させ、第1部隊、第2部隊、第4部隊、第5部隊が迎え撃つ。

 

 

HG、SMGは自慢の機動力で敵部隊の中に突っ込んで撹乱、SGは盾役としてHG、SMGと同行、ARはSMGの援護射撃、SRは分隊のリーダー格や狙撃手、ストライカーなどの機関銃手、マンティコアの狙撃を担当する。

 

 

ダミー人形となったヴァルキリー達は通常の銃器ではなくプラズマキャノンなど高火力兵器で応戦させる。

 

 

 

 

ターミネーターもミニガンを構えて、とにかく乱射する。敵は多い。ミニガンの連射速度ならホースで水を撒くように適当に弾をばら撒けばバタバタと倒せる。

ミニガンから吐き出される無数の7.62mm弾はブルートの皮膚を食い破り、中で散々跳ね回った後、ブルートに致命的なダメージを負わせる。

途中イェーガーの狙撃を食らうが、ターミネーターにはそんなもの豆鉄砲でしかない

 

 

今回はあまりにも敵の数が多く、全ての方向をカバーしきれない。

そのため、部隊毎に担当する範囲を限定し、その方向だけに火力を集中させる。多少鉄血兵の侵入を許してしまうが、そこは第3部隊、ネゲヴ小隊、FN小隊が侵入してきた鉄血兵を排除する。

 

 

LWMMG「ああもう!数が多いわね・・・こうなったら」

 

 

基地内に侵入した鉄血兵を高所から狙撃するLWMMGは銃のセレクターをセミオートからフルオートに切り替える。

節約家のLWMMGはフルオートに切り替えるのは滅多にない。だが、状況が状況だ。今回は弾代を気にせずに撃ちまくることにした。

 

 

レナ(あと6分・・・あれは)

 

 

RPK軽機関銃で高所から撃ちまくっていたレナは鉄血兵の津波の中から1体の鉄血人形を目にする。

テレポートしながら、近づいてくる。能力と姿からしてハイエンドモデルのアルケミストだ。

 

 

アルケミストはテレポート能力を駆使して、基地内に侵入した。

 

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

 

 

アルケミスト「さぁ、殺戮の時間よ」

 

 

基地内に侵入したアルケミストは獰猛な笑みを浮かべて、白と黒の2振りの夫婦剣 干将・莫耶を展開する。

コーラップス技術を応用した特殊なシステムをアルケミストは搭載しており、従来のテレポート能力はもちろん、剣や弓など単純な構造をした武器なら無限に生成することができるようになった。

 

 

レナ「悪いけど、そうはさせないよ」

 

 

アルケミストの後ろから数発の銃弾が飛んでくる。アルケミストは焦らず、飛んできた弾を剣で弾く。

 

 

アルケミスト「お前か、噂のS09地区の指揮官は」

 

 

後ろを振り返るアルケミスト。視界に先には左手にコルトガバメント、右手にマチェットを持ったレナがアルケミストに銃口を向けていた。

レナはガバメントの銃口を下げて、マチェットの剣先を向ける。

アルケミストは面白いと言って、戦闘態勢に入る。

 

 

アルケミストが先に仕掛ける。システムの性能を最大限に引き出して、双剣をオーバーエッジ形態に変形させ、レナに突貫する。

常人なら捉えきれない速度でレナに近づき、渾身の一撃を放つ。それをレナは冷静にマチェット1本でアルケミストの斬撃を受け止める。

 

 

アルケミスト「なにっ!」

 

 

 

ハイエンドモデルのパワーで斬りかかったのにそれを平然と受け止めるレナに驚くがすぐに頭を切り替えて、少し距離を置いて剣を元の形態に戻す。そして、テレポートでレナの周りを動き回りながら、スピード重視の無数の斬撃を全方位から繰り出す。

 

 

レナ(相手は剣とテレポート能力を主軸にした戦闘スタイル・・・蹴りやパンチはしない・・・動きは変則的だけど攻撃は基本的に私の視界の範囲外・・・ということは私にトドメを刺すタイミングは・・・)

 

 

アルケミスト(これが噂のS09地区の指揮官か・・・確かに強い。だが、こいつは人間。この連撃を防いでいるんだ。疲れ始めている筈だ)

 

 

マチェット1本で攻撃をいなしながら、アルケミストの戦闘スタイルを冷静に分析するレナとレナの高い戦闘能力に感心するアルケミスト。

一瞬レナは体勢を崩した。

 

 

アルケミスト(取った!)

 

 

勝利を確信したアルケミストは最大限のパワーで干将を振りかぶる。

レナはそれを見切って、ガバメントで干将を持つ左手を撃って、パリィ、体勢を崩したアルケミストの心臓にマチェットを突き立てた。

 

 

アルケミスト「な・・何故だ」

 

 

アルケミストは血を吐いて、倒れる。

 

 

レナ「テレポートと剣に頼り過ぎてるのよ。それと攻め過ぎて戦闘スタイルがパターン化してるの。だから、パリィを食らうのよ」

 

 

そう言って、レナはガバメントの銃口をアルケミストの頭に向ける。

 

 

レナ「でも、剣術は悪くなかったわ。いいセンスよ」

 

 

アルケミスト「いい・・・センス」

 

 

その言葉を最後にアルケミストはガバメントの銃弾で機能を停止した。

アルケミストに突き刺さったマチェットを抜いて、空を見上げると5機のトランスポートと無数のハンターキラーエリアルが待機していた。

 

 

ターミネーター[指揮官聞こえるか? スカイネット軍ただいま到着だ]

 

 

レナ[了解、スカイネット軍攻撃開始]

 

 

レナの一声でスカイネット軍は鉄血に攻撃を開始した。

 

 

 




【アルケミストに新能力が付与されました】

固有結界なしのアンリミテッドブレイドワークス


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S08地区防衛戦その4 進撃のスカイネット軍

最近、私生活が忙しくて小説書いてる暇もドルフロとアズレンやってる暇がねぇ・・・。
投稿頻度がヤベェー、スランプがヤベェー。


レナ[了解、スカイネット軍攻撃開始]

 

 

レナの一声でスカイネット軍は動き出す。

トランスポートから無数のレヴナント、ヴァルキリーがパラシュート無しで降下し、ハンターキラーエリアルはワイヤーで吊るしていたハンターキラータンクを地上近くまで高度を下げて、投下する。

投下されたハンターキラータンクは基地を守るように基地を囲い込む。

 

 

 

降下したレヴナント、ヴァルキリーは着地すると市街地に展開する鉄血部隊に向かって突撃した。

何時ものようにレヴナントは骨格側と液体金属側に分離して液体金属側は剣状に変形した腕と触手で白兵戦、骨格側は後ろから2挺のプラズマライフルで液体金属側の援護射撃をする。

ヴァルキリーは両腕をプラズマキャノンまたはプラズマミニガンに変形、ハンターキラーエリアルから投下された巨大人型兵器T-47こと“タイタン”に随伴する。

 

 

鉄血兵「こっちに来るぞ!」

 

 

鉄血兵「おい!ランチャーを持って来い!」

 

 

突撃してくる液体金属側のレヴナントにレーザーライフルで必死に応戦する鉄血兵達。しかし、レーザーの雨を浴びても怯みもせず、被弾した部位はすぐに修復され、まるでホラー映画のゾンビのように鉄血兵達に向かってくる。

 

フラフラと覚束ない足取りでゆっくりと近づいてくる昔のゾンビではなく、トップアスリート級の身体能力と物凄いスピードで追いかけて、人間を襲う現代のゾンビだ。

ロケットランチャーを担いだ2人組の鉄血兵がやってきて、レヴナント達にレティクルを合わせる。

 

 

鉄血兵「派手な葬式と行こうか」

 

 

決め台詞を言って、引き金を引く。放たれたロケット弾はレヴナントに当たり、内部の炸薬が点火、爆発する。

爆風でレヴナントを構成していた液体金属はバラバラに飛び散る。

 

 

鉄血兵「奴ら爆発には弱いな。 爆発物をありったけ食らわせろ!」

 

 

勢いに乗った鉄血兵達はありったけのロケットランチャー、グレネードを撃つ。

爆発が絶え間なく続き、突撃するレヴナント達は爆風に呑み込まれる。

流石の撃ちすぎで爆発の煙と埃が舞って、前の様子が分からなくなる。その時、一筋の紫色の光が1人の鉄血兵の頭を貫いた。

 

 

骨格側のレヴナントの狙撃。

鉄血兵達はすぐに隠れて、ライフルだけを外に出してひとしきりにレーザーをばら撒く。

レーザーをばら撒く量に比例して、レヴナント側の弾幕も激しくなって、釘付けになる。

 

 

鉄血兵「くそ!増援をよ・・」ザシュ!

 

 

無線機に手を伸ばした鉄血兵の首がスルリと落ちる。

鉄血兵の後ろに立っていたのはバラバラになった筈の液体金属側のレヴナント。爆発でバラバラになったが、鉄血兵達の後ろまで液体の状態で回り込んで再び集まって復活していた。

 

 

鉄血兵「っ!コイツら何処から・・・っ!?」

 

 

後ろを振り返って、レーザーをレヴナントに叩き込む鉄血兵。

振り向いた先にはバラバラに散った液体金属が集まり合って、元に戻ろうとするレヴナント達がたくさんいた。赤く無機質に光るセンサーアイがこちらを見つめ、不定形な形になりながらも余分な液体金属をボトボトと落として、覚束ない足取りでゆっくりとこっちに向かってくる光景は完全にホラー映画のワンシーン。

 

 

少しずつ近づいてくる度にレヴナントは元の形に戻っていく。

やがて元通りの形になると腕を剣状に形成して、鉄血兵達の虐殺を始めた。

 

 

骨格側のレヴナントも逃げていく鉄血兵達の背中に2挺のプラズマライフルを撃つ。

時折、よく訓練された鉄血兵の反撃を食らうがそんなものでレヴナント達は倒せず、ただ自分の位置を教えるだけだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

鉄血兵「マンティコアとイージスが盾になって、後ろは陣形を組め!」

 

 

広い荒野ではマンティコアとイージスが前に立ち、他の鉄血兵達は散開しながら、前線基地に行軍した。

マンティコアが雑兵に見えてしまう程の数がいて、鉄血兵達は多すぎて数え切れない。

 

 

最後尾のジャガー部隊が迫撃砲を前線基地に向けて撃つ。

最初に撃った弾は風などの影響で基地から大きく逸れた。すぐに修正して次弾を装填、発射する。

 

 

誰もが当たると思った。

 

 

次弾は基地に吸い込まれるように落ちていった。

 

 

 

ボン!

 

 

鉄血兵「砲弾が爆発した!?」

 

 

 

 

だが違った。

 

 

基地を守るハンターキラータンクがフェイズドプラズマ砲でジャガーの迫撃砲弾を撃ち抜いた。

頭部に搭載された大きく強力なセンサーからの情報を元にハンターキラータンクはCIWS顔負けの正確無比な射撃で次々と迫撃砲弾を撃ち落とす。

 

 

 

そうこうしていると無誘導爆弾をハードポイントに積んだハンターキラーエリアルがフェイズドプラズマ砲を交えて空爆を開始する。

容赦なく降り注ぐ爆弾とプラズマ弾の雨に鉄血兵達は蹴散らされる。

対空機関砲や対空ミサイルを積んだマンティコアが悠々と空を飛ぶハンターキラーエリアルを落とそうと応戦する。だが、機関砲の照準はブレ、ミサイルは明後日の方向に飛んで行ってしまう。

 

 

 

鉄血整備兵「何だこのジャマーは!?」

 

 

不自然に思った鉄血整備兵は端末でマンティコアの状態を調べるとFCS、対空レーダーがまるで使い物にならないことを知った。

原因は全てのハンターキラーエリアルに標準装備された強力な赤外線ジャマーだ。

この前の戦闘で対空兵器対策がフレアしかなかったことを反省して、ターミネーターが全てのハンターキラーエリアルにジャマーを装備させた。

更にハンターキラーエリアルは電子戦装備を積んだマンティコアや鉄血兵を優先的に叩いているため、鉄血側はECMなどの電子兵器はどんどん破壊されている。

 

 

次々とマンティコアが破壊され、鉄血兵達は死の雨から逃れるため廃墟の中へと避難する。

やがて全ての弾を使い切ったハンターキラーエリアル達は補給の為、戦線から離脱していった。

 

 

鉄血兵「退いていくぞ・・・」

 

 

延々と続くと思われた空爆は突然終わり、次々と退いていくハンターキラーエリアルの姿に鉄血兵達は近づくなら今のうちと廃墟から出て、空爆を生き残ったマンティコアとイージス達を連れて、隠れる場所が豊富な市街地を突っ切るルートで基地の攻略に向かう。

すると、ドシンドシンと機械音混じりの大きな足音が聞こえてくる。

 

 

 

先頭に立つ鉄血兵がハンドサインで警戒する様に指示する。

なるべく密集して、何処からでも敵が現れてもいいように備える。

 

 

突然足音が消え、辺りは静寂に包まれる。

鉄血兵達もギュッと銃を握り締める手から汗が出てくる。

 

 

ウィィィィィーーン

 

 

 

鉄血兵「っ! 何、さっきの音」

 

 

とても小さいが何かの音が聞こえた。モーターを動かしたような音が。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ブワァァァァァァァァーー!!

 

 

 

突然響く轟音。四方八方から建物を貫通して飛んでくる弾の嵐が鉄血兵達を襲う。

穴だらけになった建物の裏から出てきたのは巨大なガトリングを両手に装備したタイタン。

タイタンが装備しているガトリングはGAU-8 アヴェンジャー。強力な30mmの砲弾を毎分3900発放つトンデモガトリング砲。

当然こんな攻撃を食らった鉄血兵は運が良ければ体がバラバラになって、残った部分はロケットの如く空に飛ぶ、逆に運が悪ければ文字通り跡形も無く“消える”。

 

 

 

更に随伴していたヴァルキリーも登場。

プラズマキャノンとプラズマミニガンの弾幕も加わり、鉄血兵達はなす術もなく全滅した。

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーー

 

鉄血司令部

 

 

デストロイヤー「あわわ、どっどうすれば・・・」

 

鉄血司令部では修理を終えたデストロイヤーが慌てふためいていた。鉄血部隊の指揮官であるアルケミストは倒され、鉄血の大部隊は総崩れ。少しも戦力を失っていないスカイネット軍がもうすぐそこにまで迫っていた。

そんな絶望的な状況でデストロイヤーは今にも泣きそうになっていた。

 

 

ドリーマー[全く無様ね、デストロイヤー]

 

 

モニター越しで罵るドリーマー。

デストロイヤーは一瞬腹が立ったが、そんな暇は無かった。今はいけ好かないドリーマーに頭を下げてでも助けが欲しかった。

 

 

デストロイヤー「ドッ、ドリーマー今の状況分かってるでしょ! 増援が・・・助けが欲しいの!お願い・・・助けて!」

 

 

助けを懇願するデストロイヤー。そんなデストロイヤーをドリーマーはニヤニヤとした表情で見る。

 

 

ドリーマー[イ・ヤ・よ。アルケミストは死んで、時間を掛けて揃えた師団クラスの数の鉄血兵も全滅・・・おまけに莫大な資材を注ぎ込んで用意した新兵器を持たせたあなたも負傷して、グリフィンの部隊に傷1つ付けることも出来なくて任務は失敗・・・そんな愚の骨頂としか言いようのない大失態を犯したゴミにわざわざリソースを割いて助ける必要なんてないじゃない]

 

 

 

友人(デストロイヤーが一方的にそう思っているだけ)であるドリーマーから放たれる拒否と罵声の嵐。

その言葉はデストロイヤーの心に刺さる。

 

 

ドリーマー[あたし達は機械仕掛けの人形よ? 体なんて所詮ただの消耗品。どうせそこで野垂れ死んだって、すぐに復活できるじゃない。それに死んでくれれば、あたし的には助かるかな。あたしに関する記憶が全部無くなったら、またあたしの命令を従順に従ってくれる子犬になるまで可愛がってあげる♪]

 

 

ドリーマーの言葉に既にデストロイヤーの心は崩壊寸前だった。

 

 

ドリーマー[そ・れ・にこれが初めてだと思う?]

 

 

そして、トドメの一撃。デストロイヤーの心は怒り、悲しみ、ショックなど様々な感情でごちゃ混ぜになる。

更に駄目押しと言わんばかりにハルコンネンにIDロックをかけて、撃てないようにする。

 

 

デストロイヤー「ちょっと!武器のロックをかけるなんて!?」

 

 

ドリーマー[じゃあ、そういうことでデストロイヤーまたね♪]

 

 

その通信を最後にモニターの灯りは消えた。

残されたデストロイヤーは膝から崩れ落ちる。そうしているのも束の間、後ろのドアが吹き飛んで司令部に侵入したレヴナント達が入ってくる。

 

 

しかし、心身共にドリーマーに打ち砕かれたデストロイヤーは抵抗する素振りも無かった。

 

 

ーーーーーーーーー

 

ーー前方に鉄血製戦術人形を捕捉

 

ーー簡易心理診断開始・・・・戦闘意欲0

ーー所持している武器・・・なし

ーープログラム12333号開始・・・鹵獲します

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

そう判断したレヴナントはデストロイヤーを拘束する。

そして、ターミネーターにこの事を通達した。

 

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

 

ターミネーター「指揮官、鉄血の司令部の占拠は完了した。それと・・・あーハイエンドモデルを1体拘束したらしい」

 

 

レナ「え?」

 

 

 

クルーガーの気苦労が増えそうだ。

 

 



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S08地区防衛戦 後日談

S08地区防衛戦が終わって数日後。

レナはチャールズとこれからの復興工事について話していた。

 

 

レナ「ヘリアンさんはなんて?」

 

 

チャールズ「政府に任せたら数十年、グリフィンなら5年かかるとおっしゃっていました」

 

 

その言葉にレナはため息をつく。

どこの区画も甚大な被害を受けていた。民間人から非難やクレームが来ると覚悟していたが、そんなことは一切なかった。この地区を管理しているチャールズの人徳のなせる業だろう。

 

 

レナ「さてと、当分は書類仕事だね。復興計画書の作成、資材の確保に民間人のアフターケア、ライフラインの整備〈コンコン〉ん?」

 

 

ターミネーター「指揮官、俺だ。復興工事について話したいことがあるんだ」

 

 

レナ「いいわよ、入って」

 

 

仕事にかかろうとした時、ターミネーターがドアをノックして入ってきた。

 

 

レナ「それで復興工事で話したいことって?」

 

 

ターミネーター「復興工事についてだが、全てスカイネットに任せてくれないか? 任せてくれれば10日で終わらせることができる」

 

 

その言葉にチャールズは絶句する。

チャールズもターミネーターのスカイネットの力を防衛戦の時に目の当たりにした。しかし、いくら何でもグリフィンでも5年かかる復興工事をたった10日で終わらせるなんて不可能じゃないかと考える。

レナは少し考えるとこう決めた。

 

 

レナ「頼むわ」

 

 

チャールズ(頼んじゃうの!)

 

 

こうして軽いノリでスカイネットのS08地区の復興工事が始まった。

1日目には無数の大小様々な作業用ロボットと建築用資材を積んだハンターキラーエリアルが建設作業に入った。事前にS08地区のデータが入力されていたことで、資材も建物に合わせて加工された状態で運ばれていた。その為、建設作業はまるでプラモデルを組み立てるようにスムーズに進んだ。1時間に一軒建物が完成する程のスピードで。

 

2日目には水道管や電線などのライフラインの整備が始まった。

水道管と下水道は無数のハイドロボットが作業にあたり、電線は人型の作業ロボットがあたった。

 

 

3日目は道路の整備が開始。

 

 

4日目は全体の40%の工事が完了した。

 

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

ターミネーターの復興工事が始まって5日後。

レナは前線基地の営倉に向かっていた。

目的は拘束したデストロイヤーの尋問。

 

 

デストロイヤーが収監されている部屋に着くとIDを入力して入る。

そこにはWA2000がレナを待っていた。

 

 

レナ「どう?何か喋った?」

 

WA2000「ダメね、こっちの質問を全く聞かず、ひたすらロシア語でブツブツと何かを呟いているだけよ」

 

レナ「何でロシア語・・・え〜っとじゃあ、何て言ってるの?」

 

 

レナの質問にWA2000はボイスレコーダーを取り出して、操作する。

 

 

WA2000「確か・・・」

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

デストロイヤー「聖なる火柱が赤々と天に向かって突き上げる。我らは信ずる道を踏み出した。世界に示されるのだ。我々の言葉が真実であると。もはやどんな力でも止められない。冷静に、猛々しく、なんたらかんたら・・・」

 

ーーーーーーーーー

 

 

WA2000「てな感じ。それからしばらくしたら今度はラテン語っぽい言語でラップみたいなのを言い出したり、サタンがどうとか、とにかく意味不明なことを呟いていたわ」

 

 

レナ「oh」

 

 

完璧にバグっている。

レナは携帯を取り出して、誰よりも人形に詳しいペルシカに電話する。

電話番号を入れて、スピーカーモードにする。3回程コール音が鳴った後、ガチャっと聞こえる。

 

 

ペルシカ[レナどうしたの?電話してくるなんて珍しくじゃない?]

 

レナ[実は・・・]

 

 

 

レナはデストロイヤーのことについて全て話した。レナの話を聞いたペルシカはデストロイヤーの異常の原因をすぐに突き止めた。

 

 

ペルシカ[それはあれね。何が起きたのかは知らないけど、メンタルに極度のストレスが掛かったことでエラーが発生して、システムが再起動したの。でも、そのエラーがまだ中途半端に残ってるのよ]

 

 

WA2000(戦術人形にもストレスってあるのね)

 

 

レナ[それでどうしたら、元に戻る?]

 

 

ペルシカ[簡単よ。電気ショックを与えるのよ]

 

 

レナ[えぇ・・・]

 

 

なんとも強引な力業である。

 

ペルシカ[詳しく言うと電気ショックでもう一度システムに負荷をかけるのよ。そうしたら、システムが強制的に再起動して、エラーが無くなるっていう寸法よ]

 

レナ[分かったわ・・電気ショックねー・・・AED(自動体外式除細動器)とか使えばいいの?]

 

 

ペルシカ[うーん、それくらいの電圧だと再起動させるのは難しいわね。もっと強力なやつがないと]

 

 

ペルシカが悩んでいた時、レナは閃いた。

 

レナ(あっSOPのバイオニックアームだったら、行けるかも)

 

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

〜医務室〜

 

 

デストロイヤー「私に乱暴する気でしょ!エロ同人みたいに!エロ同人みたいに!」

 

 

分厚いベルトでグルグル巻きにされて担架で運ばれてきたデストロイヤー。

そこには既にエネルギーのチャージが済んだSOPがいた。

レナは少し離れた位置から見守っていた。

 

 

SOPMOD「それじゃあ、始めるよー。10・・9・・8・・7・・ヒャア、もうガマンできねぇ0だ!!」

 

 

どこぞのヒャッハー(ビショップ)みたいなセリフを言って、SOPはデストロイヤーの胸に10万ボルトの電気が帯電したバイオニックアームを押し当てた。

 

 

デストロイヤー「あばばばばばばば・・・・はっ!あれ、ここ何処!?」

 

 

どうやらデストロイヤーはしょうきにもどったようだ。

だが、SOPは更に電気を溜めていた。

 

 

SOP「さぁ、もっかい行くわよ!」

 

 

デストロイヤー「えっ!ちょっ、まっあばばばばばばばば」

 

 

レナ「SOP!ストップ!ストォォォォーーップ!!」

 

 

急いでレナはSOPを羽交い締めにして落ち着かせる。

何時もの人形虐待嗜好精神が暴走したのだろう。

 

 

デストロイヤーは自力で拘束しているベルトを引き千切って、飛び上がる。

そして、近くに置いたあったAEDを引っ張り出す。

 

 

 

デストロイヤー「もっと刺激が欲しいか、ええ!?ビリビリするような刺激が!刺激が欲しいだろ!お前にも電気ショックを味わわせてやる!」

 

 

AEDを持って襲いかかって来る。

レナはそれいなして、デストロイヤーの持っていたAEDを奪い取って投げ捨てる。

そして、デストロイヤーのおでこにデコピンした。

 

 

 

デストロイヤー「タコス!」

 

 

変な断末魔を上げて、倒れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数分後

 

 

 

 

レナ「どう、落ち着いた?」

 

 

デストロイヤー「はぁ・・はぁ・・・ええ最高の目覚めだったわ」

 

 

どうやら皮肉を言えるまでは落ち着いたようだ。

 

 

デストロイヤー「あんたS09地区の指揮官でしょ」

 

 

レナ「ええ」

 

 

デストロイヤー「だったら、お願いがあるの。私をあんたの所の部隊に入れて」

 

 

レナ「え?どうして?」

 

 

デストロイヤー「それは・・・」

 

 

デストロイヤーはあの時ドリーマーに裏切られ、見捨てられたことをレナに話した。

ドリーマーは自分を彼女の思うように動く駒に過ぎなかったと。だから、アイツに1発食らわせてギャフンと言わせてやりたいと。

時折怒りの感情が出ているのをレナは読み取って、ある取引をデストロイヤーに持ち掛ける。

 

 

レナ「分かった、社長と掛け合って私の部隊に入るように手配するわ。その代わり少し鉄血に関する情報が欲しいの。ギブ&テイクってやつよ」

 

 

レナはデストロイヤーに手を差し出す。デストロイヤーは少し口角を上げて、レナの手を握って握手する。

 

 

デストロイヤー「いいわ。その取引、乗ったわよ」

 

 

ーーーーーーーーー

 

復興工事が始まって7日目。チャールズは朝早くに起きて、カーテンを開けて外を見る。

目に飛び込んだ光景はつい数日前の戦災で荒れ果て、復興作業中のS08地区の街並みではなく、まるで時を戻したように全て元通りの姿に戻ったS08地区の街並みだった。

 

 

チャールズは驚いて、パソコンで街の復興状況を確認する。

そこには100%の文字が表示されていた。すぐに携帯で住民達に連絡を取る。

住民達は口を揃えて、「全て元通りに戻った。まだまだやる事はあるけど、一応は元の生活ができる。ありがとう」と言った。

 

 

すると、携帯からメールの通知音が鳴る。

 

メールの送り主を見る。ターミネーターからだ。

メールのアイコンをタップして、内容を見る。

 

 

メールにはこう書かれていた。

 

 

 

「俺は10日で終わらせると言ったな? あれは嘘だ」

 

 

 

 

 

 




デストロイヤーが なかまに なった!


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