45姉の日常 (Silent sick)
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きゅうかのはじまり

G11の霊圧が…消えた…?



どうでもいい箇所を修正、読み直さなくてもいいです。


 『死』が身近なものとなってから一体幾つの時が過ぎただろう?

 こんな筈じゃ無かったのにと、毎晩布団に潜ってそう心の中で愚痴を言っている。

 本当に、世界はいつだってこんな筈じゃない事ばっかりだ。昔知り合いに勧められたアニメの台詞を思い出して口の中で呟く。するとやけにその言葉が重く感じた。

 いつまでこうして退廃的な仕事をこなしていれば良いのだろうか、この仕事を始めてからはもう人の事を考える暇が無くなって、自分の体裁を保つことだけに必死になっている気がする。

 思えばいつからこんなに酷い性格になったのだろうか、前はこんなに皆から嫌われるような性格ではなかった気がする。

 私は任務の時にいつも小隊の皆に迷惑をかけているのではないかと怯えている、私はこの小隊の、ましてや妹に嫌われたりなどしたらもう生きてはいられないだろう。

 こんな私がこの小隊の隊長で良いのだろうかといつも考えている、私よりあの真面目で管理することが大好きな人形の方が隊長に向いているのではないかと思う。一回その事で雇い主やその人形に相談したことがある、だけど揃いも揃って遂に頭が可笑しくなったのかと大笑いしながら訊いてきた。

 私はもう何も失いたくなくて全てを擲って血の滲むような努力してきた、そのせいで片目と片脚が思うように機能しなくなった。

 

 それでも私はみんなと笑って過ごしたかった。

 

 

 

 

 

 私の名は『UMP45』、『404小隊』で隊長をやっているしがない唯の人形だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「45姉いる~!」

 

 久し振りの長い休暇に自室で寛いでいた私を妹が訪ねてきた。妹が訪ねて来るのは嬉しいのだが、こんな偶の休みは一人でノスタルジーにでも浸っていたかったのに。

 時計を見てみるとまだ短針は6の少し後ろを回ったばかりだった、こんなに早い時間に一体どうしたと言うのだろうか。

 さっきまでの巫山戯たような思考を消し去り今尚扉の前で私を呼ぶ妹に返事をする。

 

「はいはいいるわよ、おはようナイン、どうしたのこんな朝から」

「おはよう45姉!それがね、ちょっと困ったことがあって」

 

 私の休みが消えた気がする。この妹の『困ったこと』は大体碌でもないことなのだ。前回の『困ったこと』は416━━さっき言った真面目なやつで極端に下戸━━に間違えて酒を飲ませてしまったと言うものだった。どんな間違いだよと突っ込みたかったが、それは仕方がないので一日がかりで倒れた416を看病していた。

 前回もその前もこの『困ったこと』で休みが潰れたのだ、多分今日のこの休みも消えるだろう。

 取り敢えず妹を部屋に入れて、丁度淹れたばかりの紅茶をコレクションしているティーカップに注ぐ。

 

「それで、どんな困ったことなの?」

「実はね、45姉がいなくなっちゃったの!」

「ん、えっ?は?」

 

 ちょっと何言ってるかわからない、壁に頭でも打ったのだろうか?

 第一私は目の前に居るし、だからこそ相談しに来たんだろう、全く訳がわからないよ。

 困惑する私を見かねた妹が私に身振り手振り頑張って説明してくれた。

 

「えっとね、実はこっそり私の部屋で猫を飼ってたんだけど、それが」

「ちょっと待って、え?猫を飼ってたの?いつの間に?」

「ごめん!飼っちゃダメって言われてるのはわかってたんだけど…」

「………はぁ、別に良いわ、どうせ偶々拾って『これから家族だ!』って感じで飼い始めたんでしょ」

「おー!45姉当たり!流石は私の姉!」

「ナインがそういう性格だってことは私が一番よくわかってるからね…」

 

 いつだったか任務で熱帯雨林に行ったとき、それなりに大きいアミメニシキヘビを拾ってきて『これからこの子も小隊に加えて良い?』とか言ってきたことは今でもトラウマだ。私はヘビが苦手なのだ。

 因みにヘビは416が捌いて食糧にしてくれた、淡白で意外と美味しかった。

 

「それで、その猫がどうかしたの」

「そうそう、その猫の名前が『45姉』なの」

 

 ん?今この妹はなんと言った?

 

「ごめんねナイン、ちょっとよく聞き取れなかったわ。もう一回猫の名前を言ってもらえる?」

「珍しいね、いいよ!猫の名前は『45姉』だよ!」

「えっ」

 

 人の名前を猫に付けるとかどういう神経してるんだこの駄妹は。

 百歩譲って『45』はまだ良い、だが『45姉』とはどう言うことだ。もしかして私の妹は猫のことを姉だと…?

 いや!そんなはずがない!私の自慢の妹が猫如きにあ、姉性?を感じている筈がない!

 それに私の方が姉として姉らしく……した覚えがないな、もしかしてそのせいで…?

 確か最近は下手したら死ぬような任務を言い渡したり、一緒にゲリラ戦の訓練をしたり、ダメなところがあったら改善するまで何回も反復練習させたり、作戦のためとはいえ騙したり……ダメだな姉らしいことは少しもしてないぞ。

 

「な、ナイン?何か悩みでもある?何かあったらお姉ちゃんに言ってね……?」

「?悩みなんてないよ?」

「そ、そう?なら良いわ、それでその猫がいなくなったってことで良いのね?」

「うん!そういうこと」

 

 今日は猫探しで一日が終わってしまうな…もしかしたら今日一日に納まらないかもしれない。

 物珍しそうにして呑気に部屋を見渡す栗色頭の妹を見て一人憂鬱になるのであった。

 

 

 

 

 

 




短くね?






感想待ってます。


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じょうほうきょうゆう

少し雑になってしまった上に書くのが遅いぞ…。


「ナイン、猫を探すに当たってまずは情報の共有が重要だと思うの」

 

 妹と向き合う丸い机、その上に置いておいた紅茶を少し口に含み、提案をする。

 

「そうだね、えっと名前は45姉だよ!」

「それは知ってるわ。教えてほしいのは…そう、体毛の色とかの身体的特徴よ」

「毛の色~?45姉とお揃いだよ、後少し虎柄っぽい感じ」

 

 まさか毛の色だけで名前を決めたんじゃないだろうな。

 

「そうなの、それ以外は?」

「目の色は黄色で~、左耳が少し欠けてるかな、後はそう!45姉みたいな性格だよ」

 

 私みたいな性格とは一体どう言うことなのか、私が猫のようだとでも言いたいのだろうか。私は猫のように気紛れでもないし、人に擦り寄るような性格でもないだろうに。

 

「大きさはどの位かしら」

「これ位かな」

 

 妹の手がこの位とぐるぐると空中を泳いでいる。それを見るにおよそ38~40cm程だろうか、少し小さいが恐らく普通のの猫だな。

 よし、大体の特徴は掴めた、後は探して見付けるだけだ。

 

「ナイン、猫がいないって気付いたのはいつ頃?」

「えーと確か昨日任務から帰ってきたときからかな」

「え、き、昨日?じゃあなんで昨日来なかったの?」

「うん、時々いないことがあるけどいつもは朝には戻ってきてるから今回もそうだろうって思ってたのよ」

「そう…」

 

 これは大変だな、遠くに移動している可能性が高い、探して見付けると言うのは口にするのは簡単だがこれは大変だぞ。

 突然だが私達はとある基地に所属している、まあ、あまり人が寄り付かない僻地だが。この基地は僻地にある割にそれなりに広く、所属している人形が少ないので使用していない部屋も沢山ある。

 つまり何が言いたいかと言うと、探すのは困難を極めるだろうと言うことだ。

 時計を見ると現在の時間はAM07:38、昨日任務が終わって帰ってきたのがPM23:43位か。およそ八時間、はてさて何処まで行っていることやら、下手したら基地の外に出ているぞ…。しかも外はちょっとした森になっているしマジで見付からないかもなこれ。

 でも妹を悲しませたくはない、なんとしてでも探しだそう。

 

 妹に姉らしいところを見せるのだ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 気合いを入れる為に冷めた紅茶を一気飲みし椅子から立ち上がる。それを見た妹も私に追随して急いで一気に飲み干して立ち上がろうとするが、気管に入ったのか少し噎せていた。

 少し微笑ましい。

 

「ゆっくりしてても良いのに」

「ちょっと急いでるのかと思って慌てちゃって」

「そう?気を付けてね。ああそうだ、猫は昼に探しに行きましょう、作戦をたててから行動しないと時間がかかっちゃうでしょ?」

「そうだね」

 

 今すぐに行こうが後で行こうが、ここまで時間が経っているのだからそう変わらないだろう。それに昼頃なら活動してる人形も多いはずだ。猫探しを手伝ってくれるかもしれない。

 ティーカップをナインの手から受け取り台所まで持って行きその場で洗う、先程までの会話を思い出しながら洗っているとふと、あることが引っ掛かった。

 私達の部隊はその性質上基地で過ごしていられる時間は少ない、その間は勿論この部屋は、と言うより部隊に所属する人形達の部屋は誰もいない訳だ。だと言うのに猫を飼うのは些か難しいのではないだろうか、当然だが長期に渡り猫の面倒を見れないなら誰かに預けるしかないだろう。しかし猫を誰かに預けるとしても指揮官は動物飼育禁止令を出しているのだ、万が一指揮官にバレるのが怖くて預かろうとする人形は少ないのではないだろうか。

 だからこそこの妹は長期の任務中どうしていたのか、私はそれが引っ掛かった。

 

「ナイン、一つ訊いてもいいかしら」

 

 台所から居間に戻り勝手に本棚の漫画を読んでいた妹に声をかける。

 

「なぁに45姉?」

「少し気になったのだけど、長期の任務中は猫はどうしていたの、当然誰かに預けていたんでしょ?」

「うん、そうだよ」

「一体誰に預けていたのかしら、もしかしたらその人の所にいるかもしれないわ」

「うーん、それはないかな。預けてたの指揮官だし、それにあの人の所だったら昨日会った時に私に渡されてるはずだし」

 

 …ん?今誰に預けていると言った?私の聞き間違いでなければ『指揮官に預けてる』と言うような旨の発言をしていなかっただろうか。それに

 …そもそもあの決まりを作ったのは指揮官だぞ、一体どういうことなんだ。

 

「ちょっと待ってナイン、私の聞き間違いでなければ『指揮官に預けてる』って聞こえたのだけど」

「そう言ったよ45姉、どうかしたの?」

「指揮官が動物の飼育を禁止したのに、何故指揮官に預けているの…」

「ん、あぁ、それはね。何でも指揮官が言うには『あの決まりを作ったのはな、かなり前に45が「動物って苦手なんですよね、私を見るとすぐに逃げ出しちゃうから」って言ってたからなんだ』って」

 

 ナインは指揮官の真似をしながら私に言う。似ていないが可愛らしい。…って飼育禁止なのって私が原因だったのか、でもそれで何も禁止にすることはないだろうに。全く不器用な男だ。

 

「へぇ、そう言うことだったの」

「うん、だから45姉には隠してたんだ」

「別にすごい苦手な訳じゃないんだけどね、それに逃げ出すから苦手なだけで動物そのものが苦手な訳じゃないし」

「ふぅん、そうなんだ」

「まあいいわ、じゃあ指揮官の所はあり得ないってことでいいのね?」

「それで言いと思うよ」

 

 むむむ、手懸かりがないぞ…。取り敢えずまだ8時頃だ、遅めだが食堂で朝食を摂ってから探しに行くとするか。

 

 

 

 




今回も案の定短い上に特に進展しない。


次は416を出したい(願望)


追記
方向性は固まりました。後は書くだけです。

誤字報告感謝いたします。


感想待ってます。


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