短編集 アインズの召喚 (にゃんこの助)
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ナザリックと丸い軍団

 ナザリック地下大墳墓第六階層の森の中、この階層守護者であるアウラ・ベラ・フィオーラはいつもの様に見回りをしていた、騎乗しているフェンリルの『フェン』が何かを発見したらしく鼻をヒクヒク動かしある一点を見つめる。

何事かとアウラも同じ方向を見るが何もない、あるのは何時も見ている木々があるだけだ。

 

「フェンどうしたの?さっ!仕事に戻るよ!」

 

フェンの頭を軽く撫で先に進もうと指示を出すが一向に進もうとしない、どうしようか悩んでいるとフェンが急に走り出した、ビックリしたアウラはフェンにしがみ付いているしかなかった。

 

 

 

数分走った後フェンが止まりこちらを見てくる、どこか困った様な顔をしている。そんなフェンを見つつ止まった場所を見るとそこには今まで見た事が無い生き物が大量に居たのだった。

ある者は木陰で寝ているしある者はその辺をぶらぶら歩いている、またある者はその者ので有ろう槍を磨いている。

見た目は一頭身、丸、丸だ、そしてその丸に手足と思われる突起がある、その顔は目しか無く頬であろう部分は赤くなっていた。

なんとも言えない光景であったがアウラは考えた、こんな奴ナザリックに居たっけ?と、しかし心当たりはなかったのでこの場に弟であるマーレ・ベロ・フィオーレを呼ぶことにした。

 

 

 

 

 

 

「お、おねぇちゃん、僕もこの生物が何なのかわからないよ」

 

呼ばれてきたマーレに聞いても分からないと答えた、仕方ないので上の者、アルベドに報告することになった。

アルベドに報告するためマーレに走ってもらった、その間にこの生物に接触してみようと近づき話してみる。

 

「あの~、君たちは何処から来たのかな?」

 

見た事はない、かと言ってナザリック外の者だという雰囲気でもなかった、なぜナザリック外の者ではないと言うとそう感じたからである、例えるなら至高の御方がお決めになられた事の様にそう感じたからである。

話しかけても相手はこちらをじっと見つめるだけだ、それも仕方がないなんたって口が無いのだから、仕方ないので間地かでジッと観察していると相手は眠いらしく目を瞑り眠ってしまった。

 

「あ… かわいいかも…」

 

そう思ったアウラは徐に抱き上げてみた、もちもちぷにぷにとした肌触りでとても気持ちがいい、自然にアウラも笑顔になった。

 

 

 

そして数分後マーレがアルベドを連れて戻ってきた、最初この生き物達をアルベドは何とも言えない顔で見渡した後アウラと同じように私もこの生き物が何なのか解らないと言った。

守護者統括のアルベドでも知らないこの生き物を知っているとすれば残るはただ一人、最後までこのナザリック地下大墳墓に残られた至高の御方、アインズ様だけだ、そうと決まるとアルベドは目を輝かせこの場から去ってしまった。

残されたアウラとマーレはその謎の生物を抱きしめながらアルベドとアインズが来るのを待っている。

 

 

 

 

 

 

 

アインズはアルベドから聞かされた謎の生物の事を思いながら第六階層の森をアルベドと歩いている。

話によると一頭身の可愛らしい生物で今まで見た事ないはずなのだが何故かナザリック内の者であるという認識は取れるらしい、そんな奴居たかなと悩みながら歩いているとその現場に到着したのだった。

その生物を見てアインズは思い出してしまった、いいことも悪いこともすべて思い出した、この生物はWaddle Dee日本語表記だとワドルディと呼ばれる生物だ、星のカービィに登場する雑魚キャラである、そしてここに何故居るかというと数日前アインズがここでアイテムを発動させてしまったため居るのである。

完全なる狂騒等の苦い経験から辺りに誰も居ない場所でアイテムの確認を行う事にしたのだったが又してもこの場所でうっかりアイテムを発動させてしまったのである、そのアイテムは星のカービィとのコラボした時の記念ガチャの一応当たりアイテム【願い星(ワドルディ軍団)】だ。

効果はワドルディを大量に召喚するというただそれだけのアイテムだ、使用してしまった時は焦りに焦ったのだがいっこうにワドルディが現れないのでこの世界では発動しない物と思い放置したのだ。

 

「アインズ様? いかがなさいましたか?」

 

「な! なんでもないぞアルベド! この生物の事だったな!? こいつらはワドルディっと言ってだな……… 傭兵NPCだ!」

 

アインズ悩んでいるとアルベドが顔を覗き込んで訪ねてくる、慌ててアインズは何とかしようと言葉を発したのだった。

 

 

 

そんな二人を見ながらアウラ、マーレ、ワドルディ達は思い思いに過ごすのであった。

 

 

 

 




書きたかったから書きました、ごめんなさい。


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ナザリックと白い長方形

 

アインズは何とも言えない顔で目の前の人物?を見つめる、事はアインズの部屋の整理で出てきたランダム召喚アイテムを見つけたのが発端だった。

アイテムはレベル30~90までの傭兵モンスターをランダムに一体召喚できるというよくあるアイテムなのだがアインズが見つけたアイテムは初回盤で決定的なバグがあったため使われる事が無かったアイテムだったのだ、そのバグとは召喚されるモンスターのレベル帯が3~9というものだ。

普通の運営ならバグを修正するのだがユグドラシルの運営はこのバグを放置し新たにランダム召喚アイテムを作るという事をしたのだ、それ故このアイテムは存在する。

この事もあって忘れていたのだがこのバグアイテムは実際に使えるのだろうかという好奇心から使ってみたのだ、召喚は無事成功し持っていたランダム召喚アイテムが光の粒となり消えると目の前に光が集まりその者が現れたのだ。

 

「お… お前は傭兵だよな?」

 

「せやで~」

 

何とも言えない似非関西弁で返事をするそいつを見ると何故だが気が抜ける、大きさは成人男性ぐらいで帽子を被り右手にはナイフを持っている。

召喚してしまったのだから仕事を与えなければいけないと思ったアインズはこいつをアルベドの元へ向かわせたのだった。

 

「ほなさいなら」

 

 

 

 

 

 

 

 

数日後アルベド主催の食事会が開かれると小耳にはさみ余り乗り気ではなったのだが見に行く事にした。

あのアルベドが料理できるとは思っていなかったのでどんな料理を出すのか気になったからだ。

会場には各階層守護者がこたつに入り鍋をつついていた、なぜこたつなんかがあるのだろうかと考えていたのだが皆がアインズに気付き立ち上がろうとしたのでそれを手を上げやめさせ近づく。

 

「ほぉ、鍋か最近寒くなってきたし良い事を考えたではないかアルベド。 ん?豆腐がやけに多くないか?」

 

アインズは鍋の具材は何かとのぞき込めば8割方豆腐で埋め尽くされていた。

アインズの言葉を聞いたアルベドは頬を染め何時ものにんまりした笑顔でアインズに詰め寄り話始めた。

 

「はい!アインズ様ぁ!アインズ様からいただいた豆腐がメインですので!」

 

他の者もうんうんと頷きもしゃもしゃと豆腐を食べている、アインズは豆腐なんてあげたっけと首を傾げた。

そしてふと部屋の隅に置かれている物に目が行った、それを見てアインズは口をあんぐり開け固まった、なぜならそこにはこの前召喚した傭兵モンスターが装備していた帽子とナイフが置かれていたのだから。

 




バイオハザード2の豆腐です。


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ナザリックと四角いモンスター

 

デミウルゴスは悩んでいた、アインズから軍事強化の為POPモンスターであるスケルトンやらゾンビやらの雑魚モンスターを指揮し使えるようにせよと。

これだけならデミウルゴスは悩まない、しかしいざ雑魚モンスター達を集め隊列を組ませると見た事のないモンスターが混じっていたからだ。

そのモンスターは一見ただのスケルトンなのだが何かがおかしい、そう四角いのだ、そういう者だと思えばいいのだが30体に1体という割合で紛れ込んでいる。

そして同じようにゾンビにも四角い者が混じっている、今までこの様な者を見た事が無かったデミウルゴスは少し悩んだがそのモンスター達は他のモンスター同様命令には忠実だったのでそのまま使う事にした。

ここまでは良かった、隊列を組ませ各モンスター別で装備を見て行くときに異物を発見した。

列の最奥に一匹ぽつんと緑色の何とも言えない四角いモンスターが居た、手はなく足らしきものは4つで長方形の体に四角い頭、観察しようと近づくと「シュー…」っと唸るような何かが燃えているような何とも言えない声を出したのだ。

一瞬足を止めたがレベルが低いモンスター、そして命令に忠実に隊列に参加している事から大丈夫だろうとそのまま更に近づき手で触れれる距離まで来たときデミウルゴスは光に包まれた。

 

 

 

デミウルゴスは目を開けた、見えた光景は自室の天井だ。

 

「デミウルゴス様、体調はどうですか?………あっ、わん」

 

自分はいつの間にか寝ていたのか?などと考えたが声の主ペストーニャを見て考えが纏まってきた、たぶんではあるがあの緑色の四角いモンスターが攻撃をしたのだ。

ペストーニャに今までに何があったか聞くといきなり目の前に黒く長方形で手足の長い者が現れたかと思うとペストーニャを抱きかかえこの場所にワープしたのだそうだ、そしてベッドで横になっている私を見て驚いたそうだ、服は所々焼け焦げ眼鏡にはひびが入り身体中に土埃が付いているのだから、急いで治療をし今に至る。

ペストーニャの話を聞いて周りを見渡したが先ほど言っていた者は居ない、この場所に居るのはデミウルゴスとペストーニャだけだ。

とりあえずペストーニャには通常業務に戻ってもらった、そして自分は自身の考えが合っているのかを確認するために再びあの雑魚モンスター達の元へ向かったのだった。

 

 

 

「何でありんしょうこの緑色のモンスターは」

 

戻ってきたらそこには先ほどの緑色のモンスターに近づくシャルティアが居た、近づくのをやめさせようと声を出す寸前、緑色のモンスターは爆発した。

急いで近づくとそこにはデミウルゴスと同じような状態のシャルティアが気絶していたのだった。

 

 

 




マインクラフトのモンスター達です。


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ナザリックと神と神

 

アインズは魔法の確認を行っていた、この世界に来た当初の出来事を鑑みての事だ。

召喚されたアンデットは死体があれば永続的に使役できる、ユグドラシル時代ではなかった仕様だったからだ。

しかしアインズの予想通り通常攻撃魔法やバフ・デバフ魔法等は変わらずの効果だった、そしていよいよ超位魔法を試す事になったのだがナザリック第六階層円形闘技場では試せないものもあったのでトブの大森林の奥地で試すことになった。

 

 

 

1日目、天地改変・失墜する天空を発動し辺りは更地と化し生存しているのはアインズと護衛のセバス、護衛にと強引に付いてきたアルベドとシャルティアそして森という事でアウラとマーレそしてリザードマンの集落が近い為に来たコキュートスとたまたま統治のアドバイスの為に集落に訪れていたデミウルゴス、いつものメンバーだけであった。

 

 

2日目、更地の土地に同じメンバーが集まった。

 

「今日は天軍降臨から発動させる、昨日と同じく皆離れるように」

 

アインズがそういうと皆は軽くお辞儀し離れる、その姿を確認した後詠唱を開始した。

詠唱中アインズは不思議な感覚に襲われた、全身がピリピリ痺れる様な軽い痛み、ダメージを受けると発動は中止される筈だがそれもないことからそのまま続行したのだった。

 

 

 

 

もうすぐ詠唱が終わるという時に一人の男が現れた、その男はマントで全身を包み顔もフードで隠れていてよく見えない。

アインズも他の皆も驚いた、突然現れたのもそうなのだがアインズの詠唱をその男が乗っ取ったからだ、そしてあろうことかその男は魔法を成功させてしまったのだ。

男の魔法から召喚されたのは上半身裸で下半身は黒いスパッツを穿いた茨の王冠を被った男だった。

 

「私は神だ、貴様が私を呼んだのか?」

 

「はい! どうか私の願いを叶えてください!」

 

「よかろう、 すべての神よ、そしてすべての生命よ、彼に…」

 

神と名乗る召喚された男が詠唱らしきものを呟きだすと突然現れたマントの男が光始めた。

 

「おぉ! おぉお! すごい!力が… 力がぁ!」

 

そう言うマントの男はマントをバサッと空中に放り投げた、そこから現れたのは神と名乗る男と同じ格好をした男だった。

 

「私だ…」

 

「お前だったのか…、気づかなかったぞ…」

 

「暇を持て余した」

 

「神々の」

 

「「遊び」」

 

二人の神はアインズ御一行を見る、そんな奇妙な二人を見てアインズはどう対処していいのか解らず立ち尽くし、アルベド、シャルティア、デミウルゴスは臨戦態勢になり、アウラとマーレは何処か目を輝かせ、コキュートスとセバスは二人に向かって拝み始めたのであった。

 

 

 

 

 

 




モンスターエンジンのメンフェンティスとメンフィスです。


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ナザリックと神と神ぱーとつー

アインズは魔法の確認を行っていた、この世界に来た当初の出来事を鑑みての事だ。

召喚されたアンデットは死体があれば永続的に使役できる、ユグドラシル時代ではなかった仕様だったからだ。

しかしアインズの予想通り通常攻撃魔法やバフ・デバフ魔法等は変わらずの効果だった、そしていよいよ超位魔法を試す事になったのだがナザリック第六階層円形闘技場では試せないものもあったのでトブの大森林の奥地で試すことになった。

 

 

 

1日目、天地改変・失墜する天空を発動し辺りは更地と化し生存しているのはアインズと護衛のセバス、護衛にと強引に付いてきたアルベドとシャルティアそして森という事でアウラとマーレそしてリザードマンの集落が近い為に来たコキュートスとたまたま統治のアドバイスの為に集落に訪れていたデミウルゴス、いつものメンバーだけであった。

 

 

2日目、更地の土地に同じメンバーが集まった。

 

「今日は天軍降臨から発動させる、昨日と同じく皆離れるように」

 

アインズがそういうと皆は軽くお辞儀し離れる、その姿を確認した後詠唱を開始した。

詠唱中アインズは不思議な感覚に襲われた、全身がピリピリ痺れる様な軽い痛み、ダメージを受けると発動は中止される筈だがそれもないことからそのまま続行したのだった。

 

 

 

無事に発動できたのだが現れたのはパンチパーマの成人男性とロン毛で茨の王冠をかぶった成人男性二人だ、服装は変な言葉が書かれたTシャツにジーンズといういたって普通の格好だ。

二人は何やら話しているが状況を確認すべく二人に話しかけた、曰二人はイエスとブッタだと言う、確か発動させた超位魔法の効果は高レベルの天使を召喚するもの、二人の言う事が正しければ神を召喚したことになる。

仕方がないので今の状況を二人に説明したらブッダがイエスに笑顔で、しかしどこか怒りを思わせる雰囲気で問いただした。

 

「ねぇイエス、君何か変な事したかい?」

 

「えっ? ………何もしてないよ!」

 

「本当に何もしていないのですね?」

 

「あ…いや………たぶんこの前父さんにおすすめのライトノベル小説を聞かれたんだ、その時に下界では今異世界転生ものが流行ってるって言ったからかな………」

 

その言葉を聞いてブッダは何処か達観した顔になり天に顔を向ける。

 

 

 

この後いろいろな事があった、アルベド、シャルティア、デミウルゴスはこの二人には決して近づかず遠巻きに睨みながら警戒したりアウラとマーレがブッダの額の白毫を押そうとしたりコキュートスとセバスが二人に対して拝み始めたりした。

そして驚いたことがある、この二人はユグドラシルでもリアルでもこの世界の住人でもないことが分かったからだ、なんとも申し訳ないことをしたと謝ったのだが二人は気にする様子はなく笑顔で許してくれた。

 

 

 

 




聖☆おにいさんのイエスとブッダです。


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ナザリックと冷徹

 

シャルティアは困っていた、それはもう相当困っていた。

何時もの階層の見回りから自室へ帰ってきたらヴァンパイア・ブライド達を口説く見知らぬ男が居たからだ。

 

「君かわいいねぇ、良かったら僕と遊ばない?」

 

ヴァンパイア・ブライド達は嫌そうにする者もいればまんざらでもない感じの者もいる、そんな事は置いといてこの男いったい何処から来たのか、何が目的で口説いているのか、そして一番重要な事が何故部外者のはずなのにこうも仲間意識があるのか解らなかった。

 

 

 

コキュートスは何とも言えない顔になっていた、目の前の光景に。

鍛錬をしていたのだが背後が騒がしくなり振り向くと見た事のない者が氷の上を楽しそうに滑っているのだから。

 

「ひゅ~すっべるぅ~」

 

辺りに居るフロスト・ヴァージンもコキュートスと同じく滑っている者を何とも言えない表情で見ている。

その者の見た目は髪は白で目はたれ目、なんとも気が抜けてる感じの者だった。

 

 

 

アウラ、マーレは楽しく遊んでいる。

蹴鞠をしたり日本人形で遊んだり4人で楽しく遊んでいる。

 

「「「「あはははははははは」」」」

 

一緒に遊んでいる者はアウラ、マーレより年下だと思われる、一人は黒髪でもう一人は白髪の着物姿の日本人形みたいな少女二人だ。

 

 

 

デミウルゴスは見なかったことにした。

溶岩の川で大きな男が溺れてるなんて知らない。

 

「ちょっと!そこの君!助けてよ!!てか無視しないで!!!」

 

王と書かれた赤い帽子をかぶり立派な髭を蓄えている人物なんて見ていないしこれからも知る事が無いだろう。

そのままデミウルゴスはその場を通り過ぎて行ったのだった。

 

 

 

アインズは睨まれている、カミツキガメみたいな目に。

いつも通り職務をしていた、そして休憩という事でベットに横になりまた職務に戻る、椅子に座り机の上にある報告書に目を通そうとした時異変に気付いた。

いつもの様に側にはアルベドが居たのだが、そう休憩前までは。

 

「あの……… 誰だ?」

 

「鬼灯です」

 

アルベドの代わりに鬼灯という者が立っている、黒の和服に三白眼で、額に1本の角が生えている男。

こんなNPC居たっけ?等と考えたのだが心当たりがないしアルベドが居ない事も疑問に思った。

 

「アルベドはどうした?」

 

「さぁ?」

 

興味なさげに答えるこの者を見ながら心の中で疑問符が多数浮かぶアインズだった。

 

 

 

その頃アルベドは彷徨っていた。

行けども行けども不思議な花畑から出れないのだ。

そんなアルベドを見るのは金魚だけだ。

 

 

 




鬼灯の冷徹の白澤と春一と一子と二子と閻魔大王と鬼灯と金魚草です。


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ナザリックと反乱軍

アインズは頭を抱えていた、事はカッツェ平野での大戦の時に遡る。

 

 

 

帝国軍と手を組み王国軍を殲滅する、とても簡単な事だ、しかしアインズ・ウール・ゴウン魔導国として今回は出陣する事に思う事があったのだろうと今は思う。

国として出兵するのであれば軍を率いていた方がいいと思ったのだがナザリックの兵は極力出したくない。

ならばとヴァルキュリアの失墜後3回目のコラボ時に出たガチャのレア枠アイテムを使う事にした。

そのアイテムはスクロールで、書かれている物は赤色で中央に白丸があり中に黒のバッテンが描かれた国旗の様なマークだけである。

「反乱軍のカリスマ元帥」をアインズは使ってしまったのだ。

 

 

 

夕日が沈むアインズ陣営の拠点に軍服で眼帯をした髭の男が召喚された、そこでアインズは嫌な予感がした、本当ならばこの男の他にこの男の兵が現れるはずなのに現れないからだ。

召喚された男は腰に手をやりガハハッと笑う、この場に居たマーレは不敬だと思い握っている杖で攻撃しようかと動いたが直ぐにアインズに止められた。

そして笑ったあと男は右手を前へ突き出しアインズに人差し指を向ける、すると男の背後に大きな、もうそれは大きな黒く禍々しい転移門が開いたのだ。

 

 

 

アインズは焦った、流れるはずがない冷や汗が大量に出るくらいに焦った。

転移門からは召喚した男の兵士と思われる者達が次々と現れる、途切れることなく次々と。

兵だけではなくヘリや戦車に戦闘機に飛行船、バイクに車に船にロケットに宇宙船に宇宙人に未知の乗り物までそれらはこの拠点内では収まりきらず拠点外、帝国陣営の拠点をも飲み込みその数何と100万を超えた。

この数に敵である王国軍だけでなく味方である帝国軍にナザリックの者も驚き混乱を巻き起こした。

 

 

 

その後アインズは帝国の者に詳細を聞かれ適当にごまかしたり皇帝との約束である魔法を使わず召喚した兵で王国軍を蹂躙したりなんやかんやあったが無事この戦を終わらせたのだった。

 

 

 

 

 

 

話は冒頭に戻りアインズは自室で頭を抱えている、この大量に召喚された兵たちをどうすればいいか解らずとりあえず最初に召喚した男にトブの大森林で適当に過ごさせることを言い渡した。

アルベドやデミウルゴス、パンドラズアクターにもこの状況について説明し事態を収拾できそうな案を導き出した。

 

そして数日後その案を実行しに大森林へ向かうとそこには1つの都市が出来ていた、それはもうアインズが、いや鈴木悟が住んでいたリアルの世界と何ら変わりのないとても科学が発展した大きな大きな都市が出来上がっていたのだった。

 

 

 




メタルスラッグのデビルリバース・モーデンとモーデン兵達です。


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ナザリックと熊と鳥

 

 

「ねぇカズーイ、僕達呼ばれて来たけどいつまで働けばいいのかな?」

 

「そんなもの私に聞かれても解らないわ、それに私はここでの生活はそれほど嫌ってわけじゃないし」

 

一匹の熊と熊の背負ったリュックから上半身を出している鳥がナザリック内の食堂で仲良く食事をしている、どうやら今日はピザの様だ。

二人?の横にはシズ・デルタが座って一緒に食事をしていた、そして他の一般メイド達は遠巻きに微笑ましく見ている。

 

 

 

「あらぁん?今日も来てくれたのねん、はいこれが今日の報告書よん、なくさないでねん」

 

「ありがとうニューロニストさん、じゃあ持っていくね」

 

「毎回見て思うけどあんたぬるぬるして気持ち悪いわね」

 

「んもぅ鳥ちゃんには私の美しさが解らないのかしらん」

 

ニューロニストから分厚い書類を受け取り何処かへしまう熊、そしていつもの様に言い合いになる鳥。

なんやかんや言い合いをしているがそこまで仲が悪いんじゃないのだろうと思う他の下級悪魔達。

 

 

 

「デミウルゴスさん、今日の報告書だよ」

 

「ありがとうバンジョー君、戻るついででいいのだがこの書類をパンドラズアクターに持って行ってくれないだろうか」

 

「ふんっそれくらい自分で持って行きなさいよ」

 

「カズーイ、そんな事言ったらだめじゃないか」

 

デミウルゴスはこの二人?を見てニンマリとした笑みを浮かべる、部下の悪魔達はその様子をただ見守るのみだ。

 

 

 

「ねぇパンドラ、いつになったら私のジグソーを返してくれるのよ」

 

「それは私に言われましても、ァアインズ様が!お決めになる事!!」

 

「いつ見てもパンドラズアクターさんの動きは面白いね」

 

鳥はやれやれとした感じで首を振り熊はパンドラズアクターの動きを楽しそうに見ている。

 

 

 

「おぉ!帰ってきたでござるな!今日は日も暮れたのでさっさと寝るでござるよ」

 

「そうだね僕いろいろと動き回ってへとへとだよ」

 

「わたしは全然疲れてないわ」

 

「そりゃそうだよカズーイ、君は何もしていないからね」

 

そう言いあいながらも三人?は第6階層の与えられた自室で眠る事にした。

 

 

 

「アインズ様、今回の実験はおおむね予想通りでございます」

 

「その様だなアルベド、これでアイテムの仕様変更もユグドラシル時代と同じだと解ったな」

 

アインズとアルベドは遠隔視の鏡で熊と鳥を見ていた、今回は召喚アイテムの仕様変更アイテムによる使用の実験をしたのだ。

このアイテムはあるゲーム会社とのコラボの時にガチャで出たアイテム「マンボ・マジック」によるアイテムの変化を試した、このアイテムは1回だけだが召喚されるキャラを「そのゲーム会社のキャラをランダムに召喚する」に変更するという物だ。

 

アインズは召喚が成功した時内心とても喜んだ、精神の鎮静化が起きるぐらいには喜んだ。

何故なら出てきたモンスターは召喚確率0.02%の超レアキャラだから。

 

「レア社だけにレアキャラってね、ハハハハハッ!」

 

「ア、アインズ様?」

 

 

 




バンジョーとカズーイの大冒険のバンジョーとカズーイです。


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ナザリックと骨々

 

ナザリックの第二階層シャルティアの部屋ではシャルティアとすらっとした長身のスケルトンが茶を飲んでいた、細身のストライプ柄スーツを着こなすその姿は何処か貴族を思わせる。

 

「ハッピーハロウィン」

 

小さく呟き微笑む、その姿を見てシャルティアも微笑んだ。

 

 

 

第四階層ガルカンチュアが待機している場所に大きなスケルトンが同じく待機している、何も話さない巨大なゴーレムと巨大なスケルトン、威圧感は2倍になったのだが二人の間に置かれた大きなガチャガチャ、カプセルトイと呼ばれる物があるおかげで何処かおかしな空間になっている。

 

 

 

第五階層ではコキュートスがド派手な衣装に身を包んだスケルトンと手合わせしていた。

 

「ヨホホホホホ~! 流石コキュートスさん非常に手厳しーィ!」

 

とても楽しそうに二人は剣を交える、雪女郎達も楽しそうに観戦している。

 

 

 

第6階層ではアウラとマーレがぼろきれの様なシャツを着ているスケルトンに追われていた。

 

「ホラホラホラホラ」

 

「わーい!」

 

「あはははっ!」

 

三人は笑顔で追いかけっこを興じる、その姿を羨ましそうに見つめる獣が多数存在していたとか。

 

 

 

第7階層では多数の骸骨が寄り集まって、黒いボロ布のようなものを纏ったような異様な姿を持つスケルトンと対峙するデミウルゴスが居る。

デミウルゴスはそのスケルトンを見て「ほう…」「まさか…」「興味深い…」等と時折言うだけで特に動きはない、スケルトンの方もデミウルゴスをジッと見下ろして動かない。

 

 

 

第九階層の廊下ではセバスと黄金に輝くスケルトンが高らかに笑っていた、腰に手をあて笑う姿は何処か自信に満ち溢れている。

その二人の周りには黄金に輝く蝙蝠が飛んでいたのだがコウモリだけが知っている。

 

 

 

第十階層の玉座には玉座に座るアインズとその前に牛のような立派な双角を備えたスケルトンが対峙していた。

お互いがお互いを見つめあう、張り詰めた空気がこの場を支配していた。

 

「祝え………そして刻むのだ、残りの人生を。それは恐怖ではない、確固たる覚悟と言うものだ………」

 

対峙する双角のスケルトンが重々しい声で呟く。

この日、偶然にもアインズいや鈴木悟の誕生日であったのだが本人すらその事は解っていなかった。

 

 

 

アルベドは見知らぬ場所で激闘を繰り広げていた、どんなにダメージを与えようとも倒れない相手に苦戦する。

全身から炎をだし見慣れない乗り物を乗り回すスケルトンは鎖を振り回しアルベドに言い放つ。

 

「Eat my flames, Loser!」

 

 

 




ナイトメアー・ビフォア・クリスマスのジャック・スケリントン
妖怪ウォッチのガシャどくろ
ONE PIECEのブルック
それいけ!アンパンマンのホラーマン
ダークソウルの墓王ニト
黄金バットの黄金バット
Fate/Grand Orderのキングハサン
マーベルコミックスのゴーストライダー
達です。


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ナザリックとタバコ

ナザリック地下大墳墓内で壮絶な戦いが繰り広げられていた。

場所は第六階層【円形闘技場】、戦っている者は煙によってよく見えない。

 

「ふむ、なかなか良い戦いをしますね彼らは」

 

そう小さく呟くのは今回戦っている者達を指揮する役割をアインズ様より授かったデミウルゴスだ。

なんでも戦力の増強の一環として新たにアイテムで召喚したらしいその者達を実際戦力になるか戦わせて様子を見ているようだ。

もちろんアインズ様並びにこの階層の守護者であるアウラとマーレにも許可はとってある、その証拠に名前が出た三人はデミウルゴスの隣で戦闘を見ている。

 

円形闘技場内は厚い煙で覆われているが時折赤く燃え上がる炎や青色の物が煙の合間から覗かせる。

時に大きな破裂音、時に金属が何かを弾く大きな音がこの第六階層に響きたる。

 

 

 

何故この時期にアインズがこの者達を召喚したかと言うとただ単に好奇心でアイテムを発動させたからである、自身の部屋のアイテムの整理中に見つけたそのアイテムは手のひらサイズの箱であった。

何気なく手に取ったアインズは中身が何なのか気になりビニールにくるまれたその箱の封を開けてしまったのだ。

召喚された者、その姿を見てアインズは思い出す、この者には対になる者が居たはずと。

そして新たにアイテムを探し出しその者を召喚するアイテムを見つけ出す、そのアイテムは先ほどの箱より1回り程大きい、アインズは召喚する為にまたしてもその箱の封を切ったのである。

 

満足して召喚した者達を見ているアインズの元に書類の提出に来たデミウルゴスが訪ねてきた。

たまたま召喚した、そしてついでに見たいからと召喚した、等とデミウルゴスに言えるわけもなくアインズは適当に誤魔化した。

デミウルゴスはその頭脳を持って結論をだす、流石は至高の御方で在らせられると。

 

 

 

再び場面を円形闘技場に戻そう、もう戦闘開始から3時間ほど経っているがまだ決着はつきそうにない、今だ戦闘の激しい音が響き渡る。

そんな時先ほどまで厚く覆っていた煙が晴れて行き戦っている者達の姿がはっきり見えた。

片方の者は白色の円形の体に人の腕が生え頭の部分は燃えており顔らしき部分は人の顔、眉間に皺を寄せその眼光は相手を見透かすような鋭い物だ、足の部分は無くその代わり色が茶色に代わっている。

もう片方の者は見た目は人だ、全身青色の全身甲冑に身を包んでいるのだがあるはずの覗き穴がなく手には薄いオレンジ色をした円形の盾を装備している。

 

お互いがお互い睨み合い動かない、しかし青色の者が盾の裏から何か小さな箱を取り出す、その取り出した物を白い円形の者が見て両手を上げ声をだす。

 

「ニコレット!!」

 

 

 




武田コンシューマーヘルスケア株式会社 ニコレット CMキャラクター 吸いたくなるマン
ノバルティス ファーマ株式会社 ニコチネル パッチ CMキャラクター ニコチネル ナイト
達です。


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ナザリックとペンギン

執事助手であるエクレア・エクレール・エイクレアーは歓喜していた、主である偉大なる御方、アインズから直属の部下をいただいたからだ。

その部下の数は30体で見た目はエクレアと同じペンギンである、しかし色は青色で背中には蝙蝠の様な体のサイズと不釣り合いな小さな羽をはやしており腰の辺りにポーチを付けている。

 

「俺達の上司はお前ッスか?」

 

口の利き方は悪いものの仕事はしっかりやってくれる頼もしい部下だ。

 

 

 

通常勤務であればエクレアの元に5人程の部下が常時付く、三交代制で一回に働く時間は8時間、休憩時間は1時間で週5回で持ちまわっている、他の者は自由時間だ。

どうもエクレアは主であるアインズの休暇制度や時間制労働等の事を理解しておらず常時働かない部下達にいつも小言を言っている。

 

「えぇ~、ご主人はこの労働条件で良いって言ってたッス」

 

等とアインズを盾にするので小言で留まってた。

 

 

 

月に一回部下達は皆で主であるアインズの元へ行く、最初こそ『何か用事で呼ばれたのだろう』と気にならなかったエクレアであったが毎月毎月同じ日に行くので気になってこっそり覗きに行く事にした。

そこで見た光景は衝撃的な物であった、なんとアインズが部下達にユグドラシル製の貴重な金貨を渡しているからである。

部下達も部下達で感謝の言葉を述べてはいるもののこの行為が当然と言った風に受け取っている。

エクレアも欲しいと思いしれっと部下達の列に混ざる、前の奴の番が来た、お礼を言い受け取ったぞ、自分の番が来た、部下達と同じく行動する、おぉ!私も貰えましたぞ!

 

「あれ? 人数分用意したはずなのだが…」

 

「俺の分はどこッス?」

 

 

 

 

いろいろと衝撃的な部下達ではあるが同じナザリックの者としての仲間意識はあった、時には数名の部下を引き連れてバーへ足を運んだり、またある時は皆一纏めにシズに抱き着かれたりした。

創造主が設定したナザリックの簒奪を忘れるくらい楽しい日々を過ごした、このままずっとこの生活が続くと思っていた… しかしある時一人の部下が仕事時間でもないのに会いに来た。

 

「あ~… 言いずらいんッスけどそろそろお別れの時ッス」

 

いったい何を言っているのか解らないエクレア、その言葉を言った部下はテクテクとアインズの元へ歩いていく。

解らない、何を言っている… 頭の中はぐちゃぐちゃだ、 この様な状態だが部下に付いて行く事にした。

そしてアインズの元へ到着した部下はアインズにも同じく別れを口にしている。

別れの時は唐突に訪れた、アインズと今だ動揺しているエクレアの前に死神が鎌を構え現れた。

アインズはいつもの様に堂々とその光景を見ている、死神が部下に鎌を振りかざすのを。

 

 

 

唖然として見ていたエクレアの前には部下であった者の皮があるだけだ。

 

 

 

この日を境にまた一人、また一人と部下達が死神に連れて行かれる。

上司であり仲間であったエクレアがその状況を何とかしようとここから去ろうとする部下を体を引っ張り引き留めた事もあったが残った他の部下に「ありがたいんッスけど… どうしようもないッス………」と言われ引き剥がされてしまった。

 

 

 

あれからどれだけ時が経ち、部下が居なくなったか、もう残る部下は1人のみ。

その部下も今日、お別れの時が来たらしい。

もうお決まり事になってしまったアインズ様への最後の挨拶の時、エクレアは主に、アインズに今まで一度もした事が無かった願いを口にした。

 

「アインズ様! どうか! どうか私の部下をあの死神に与えないでください!!」

 

しかしアインズは何も言わない、いつも通り見守るだけだ。

その姿を見てとても落胆する、どうしても私の元から居なくなってしまうのかと。

 

そして最後の部下がエクレアに向けて小さな声で呟いた。

 

「今までありがとうッス、次があるならまた貴方がいいッス」

 

そう笑顔で言い残し死神に連れて行かれた。

この時エクレアは人生で初めて涙を流した、偉大な御方が隣に居ようとも止める事の出来ない涙を…

 

 

 

赤い月 赤い月

罪を 犯した 者共の

汚けがれを 清める 赤い月

今宵こよいは誰が 生まれ変わる

今宵こよいは誰が…

 

 




株式会社日本一ソフトウェア制作 ゲームキャラクター プリニーです。


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ナザリックと暴力団

 

カルネ村のエンリ・エモットは困惑していた、命の恩人であるアインズから貰ったアイテムを使用したら30人の真っ黒なスーツに真っ黒な眼鏡をかけた屈強な男達が現れたから。

 

「あ、あの… 初めましてエンリ・エモットです…」

 

「ドーモ。エンリ・エモット=サン。クローンヤクザです」

 

クローンヤクザと名乗る一団はエンリに深々とお辞儀をした、本来はニンジャのイクサには欠かすことの出来ない絶対の礼儀作法でありクローンヤクザがするあいさつではないのだがエンリがそんな事を知っているわけもなく『とても礼儀正しい方々だ』ぐらいしか思っていなかった。

 

 

 

クローンヤクザ達はエンリのいう事をよく聞き村の仕事を手伝ったりいろいろな場面で村の役にたっていた、そんなある日エ・ランテルの方角から馬車を引き連れた一団がカルネ村に近づいていた、そしてそれをいち早く察知したのはクローンヤクザ達だったのだ。

特にエンリから指示を受けていないので何かするわけでもなく村の仕事を手伝っていた。

 

 

 

またある日カルネ村に東の巨人と思われる一団が村を襲わんと進行してきた、この時は流石にエンリから村を守るように指示を受けクローンヤクザ達は動き出した。

 

「ザッケンナコラー!」

 

クローンヤクザ達は手に中途半端な長さの刀や短い鉄の筒が付いた良くわからない物を持ち敵目掛け突撃する、読者なら解るかもしれないがドスにハジキである。

そして激闘の末東の巨人一味を排除したのだ。

 

 

 

そしてまたある日、クローンヤクザ達が話しているのをエンリは目撃した、普段村人やエンリとしか話さずクローンヤクザ同士では話したところを見た事が無かったので耳を澄まして聞いてみる事に。

 

「―― 40時間働いた ―――」

 

「――――― オタッシャですねえ ――」

 

「――――――――― スシが効く」

 

よく聞き取れなかったが何やらよくわからない事を言っている事は解った、この事は無かったことにしようとエンリは胸に秘めた。

 

 

 

またまたある日、王国の第一王子の一団が村にやって来た、どうするか村人同士で話し合っていたのだが王子は待てなかったらしく攻めてきた、もうどうしようもないのでエンリは巨人の時と同じくクローンヤクザ達に頼ったのだ。

 

「ザッケンナコラー!」

 

「スッゾコラー!」

 

クローンヤクザ達は威勢よく村の門から出て行き王子の軍隊に突撃していく、しかし多勢に無勢、半数ほど倒した時最後のクローンヤクザは打ち取られてしまった。

 

「ナンオラー!?」

 

これが最後の言葉だった、もうおしまいだ、そう思った時エンリは思い出した、もう一つ同じアイテムを貰っていたことに。

藁をもすがる思いでそのアイテムを使用したその時、目の前に見た事の無い衣装に身を包んだ一人の男が現れた。

 

「ドーモ。エンリ・エモット=サン。ニンジャスレイヤーです」

 

 




ニンジャスレイヤーのクローンヤクザとニンジャスレイヤーです。


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ナザリックとソビエトの英雄

 

コキュートスは同じ大きさの人間と組みついていた、力は互角の様で拮抗状態だ。

 

「ナカナカダナ」

 

「お前もな」

 

二人は顔を見合わせ頬を微かにあげる。

 

 

 

所変わってアインズの部屋ではアインズと軍服みたいな服を着た人間らしき者が話していた。

 

「っと言う感じで部下とどう接していいか解らないんです」

 

「フム、そういう時はだな…」

 

この部屋に何時もいる護衛の者やメイドは居ない、居るのはこの二人だけ。

 

 

 

場所は戻ってコキュートスの場所、今度はお互いがお互いの胸を腕で叩き合っている、バシン!バシン!っと鈍い音が部屋中に響き渡る。

 

「ムムッ、ヤルナ」

 

「その言葉そのまま返そう」

 

やはり二人は楽しそうだ。

 

 

 

また変わって次はカルネ村、ここでは村の事も達と相撲取りらしき顔に隈取を描いたものが楽しそうに遊んでいた。

 

「はっはっは! これがツッパリでごわす!」

 

「つっぱりー! はっはっはっは!」

 

土俵に見立てた円の中で楽しく相撲教室を開いている様子。

 

 

 

そして場所は戻ってコキュートス、今度はお互い肩を組んでコサックを踊っている。

 

「足腰を鍛えるのにはこれが良いのだ」

 

「ソウナノカ、勉強ニナル」

 

二人は本当に楽しそうだ。

 

 

 

次はナザリックの何処かの部屋でセバスと袖がない道着を着ている褐色の男が互いに拳を交えていた。

 

「流石でございます」

 

「ぬしもなかなかの使い手」

 

互いに攻撃を受け流し時には防御をする、傍から見たら何をしているのか解らない程の速さで繰り出している。

 

 

 

そしてコキュートス達は今熱く語り合っている。

 

「そして我が偉大なソビエトは強大な敵を打ち破ったのだ」

 

「ウーム、我ガナザリックモ強大ナ敵ヲ打チ破ッタゾ」

 

とても仲がいいようだ。

 

 

 

 

その時第六階層の森の中ではアウラの獣達と戯れる緑色の人間らしき者が目撃されたとかされなかったとか。

 

 

 

 

またしてもコキュートス達、今度は何処から持ってきたのか解らない丸太相手に技をかけていた。

 

「これがパイルドライバーだ!」

 

「フム、体術ハ専門外ダガ良イ技ダ」

 

コキュートスも見様見真似でやるがうまくいかずわっはっはと笑われていた。

 

 

 

何をしているのか解らないのがシャルティア、目の前には仮面を付けた男が居る、特に何かするわけでもなくただお互いがお互いを見ているだけという何とも言えない空気が二人の周りを包んでいる。

 

 

 

そしてそしてコキュートス達は今雑談に興じていた、己の信念や忠義で盛り上がっている。

そんな時ふとコキュートスは思い出す、まだお互い名乗っていなかった事に。

 

「スマナイ、今マデ名ヲ聞イテイナカッタ、私ノ名コキュートスダ」

 

「オレの名前はザンギエフだ!」

 

互いは力強く握手した。

 

 

 




ストリートファイターシリーズのザンギエフ、ベガ、エドモンド本田、豪鬼、ブランカ、バルログ達です。


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ナザリックと悪魔

 

 

 

その日アインズは蝋人形になった―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

事の発端はアインズがギルドメンバーの事を思い出した事だった、思い出した事は昔流行った音楽について、これだけなら何時もの雑談で終わる記憶に残るようなものではなかったが誰かが言った1組のヘビィメタルバンドのせいで思い出に残る程の出来事になった。

 

やれ設定がどうだの今も皆は生きているだのそのバンドを知っている者達は言いたい放題言い始めた、1世紀も前のバンドなので知っている方が凄いのかこの時代まで名を刻んでるのが凄いのかよくわからないがアインズもそんなバンドが在ったのかと調べる事にしたのだ。

 

この時のアインズはパンドラズ・アクターを作成している所謂中二病全開時期だったのが良かったのか悪かったのかのめり込んでしまう。

 

そこまでなら昔の出来事で終わることが出来た、しかし本当に運が良いのか悪いのかそのバンドのあるメンバーの死去1世紀記念のコラボが開催された。

 

コラボ内容は特定のエリアの特定の悪魔モンスターを倒し、イベント専用ドロップアイテムを集めてガチャを回すと言うものだがそこはユグドラシル、リアルマネーでも回せる仕様だった、なぜなら開催期間が1日という短さなのだから。

 

そして手に入るアイテムの中で一番の当たりアイテムはそのバンドのボーカルのなりきりセット、このバンドに熱中していたアインズはその時の持ち金をすべて突っ込んでしまった、後にユグドラシルで2番目にリアルマネーを使ったと本人が言ったとか言わなかったとか。

 

その甲斐あって何とかアイテムをゲットしたのだが結局誰にも見られる事の無い場所で一人楽しく使用したのみだった。

 

 

 

その事の顛末を思い出し懐かしいやら恥ずかしいやらの感情がこみ上げてくる、それと同時にあのアイテムを何処にしまったのか思い出せずモヤモヤした。

 

アインズは記憶を頼りにそのアイテムを探す事にしたのだが自室にも宝物殿にも無い、本当に何処にやったのか思い出せない、奪われたり売り払ったりはしていないのは確かなのだが本当に何処にもない。

 

うろうろとナザリック内を徘徊している時思い出した、あのアイテムは確か悪魔繋がりでウルベルトに譲ったのだった。

 

アイテムを貰ったウルベルトは大層喜んだとか、そしてその時の会話もアインズは思い出した。

 

「モモンガさんありがとうございます、これをデミウルゴスの衣装の一つに加えますよ」

 

そしてアインズはデミウルゴスに会うため探すのだがどこにもいない、仕方がないので守護者統括のアルベドなら知っているかもしれないとあまり会いたくはないが会いに行く事に。

 

そしてアインズは気づく、今日一日アルベドに会っていない事を、いつもなら四六時中側に居るはずなのに…

 

そんな事を思いながらもアルベドが居るであろう部屋に入るとそこには動かなくなったアルベドと例のアイテムを装備したデミウルゴスが居た。

 

その姿は魔王然とした衣装に顔には独特なメイクを施した何処となくデミウルゴスの面影が見える程度のあのバンドのボーカルの姿だった、そしてそのデミウルゴスがアインズに気付き扉の方に体を向けとてもいい声で言葉を発した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フハハハハハッ! お前も蝋人形にしてやろうか!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アインズはデミウルゴスがこちらに振り向き指を翳した所までは記憶があったのだがその先からの事はアインズは知る事は無かった―――

 

 

 




聖飢魔IIのデーモン小暮閣下(デーモン小暮)(デーモン閣下)のステージ衣装とメイクです。


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ナザリックとコック

 

メイド達は新しくコックとして配属された人間を見ていい印象を持っていなかった、その人間は男でとても大柄だ。

 

「ねぇシクスス、あの人間どう思う?」

 

「私に聞かれても… アインズ様がお決めになられた事なんで何とも言えないわ」

 

っとメイド達の反応はこんな感じだ、しかしそのメイド達が美味しそうに食べている料理の殆どがこの男が作っている事は一部の者しか知らない事だ。

 

 

 

何事もなく過ごすナザリックのある日、あのコックが何やら妙な動きを見せているとメイド達の間で話題になった。

 

メイド長のペストーニャはメイド達にそんな事は無いと説明するのだが一向にその話題は消える事無く今に至る。

 

そんな中メイド数人がその事が事実なのか確かめるべくコックの行動を監視することになった。

 

「ほ、ほんとに行くんですか?」

 

「確かめないと、もしアインズ様に危害を加えるのであればそれは… あぁ!」

 

「まだそうだとは決まってないからね…」

 

この様な感じで尾行はスタートした。

 

 

 

先ずコックが向かったのは第六階層の菜園である、ここでは特に変な行動は見せずただ食材を収穫していた。

 

そしてその日は厨房に戻り食事の仕込みをしたり夕食を作ったりして終わった。

 

次の日、コックは一日中厨房から動かなかった。

 

そのまた次の日六階層の菜園へ行きまたその次の日は厨房で仕事をする、こんな日々をメイド達は観察していた。

 

「はぁ、何にもおかしい所なんてなかったね」

 

「けど… まだ動いてないだけで!」

 

「いやいや、これだけ監視して何もなかったらもう何もないよ」

 

そんなこんなでメイド達のコック観察の日々が終わったのだった。

 

 

 

『こちらケーシー・ライバック、監視を逃れた、これより作戦に戻る』

 

『了解したライバック、引き続き作戦を実行せよ』

 

コックは誰かにメッセージを用いて通信をした、その声はこのナザリック内では知らない者は居ない程の者だ。

 

そんな通信を終えコックは動き出す、向かった場所はアインズの自室。

 

誰にもバレないよう慎重に動き、時には息を殺してメイドの背後を付いて行き、またある時は巡回の者にバレないよう天井に張り付き目的地へ向かった。

 

そうしてバレない様にアインズの自室の前まで来た時背後から声をかけられた。

 

「人間風情がアインズ様になんの様かしら」

 

コックは振り向くとそこには殺気を振り撒き今にも襲ってきそうなアルベドが居た。

 

「さぁな、ただ俺は用事があって来たんだがな」

 

コックはとぼける、しかしそんな事は通用しないようだ。

 

「とぼけるな! それなら堂々と来るはず、しかし貴様はコソコソ隠れて来ていたでしょう!」

 

一触即発、もう逃げられないと悟ったコックは隠し持っていた包丁を手に構える。

 

 

 

その頃アインズは一般メイド達の行動や性格といった情報を報告しに来るコックを今か今かとワクワクしながら自室の椅子に座りながら待っているのだった。

 

 




洋画 沈黙の戦艦(英 Under Siege)のケーシー・ライバックです。


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ナザリックと箱

 

 

 

ナザリック地下大墳墓内でこんな噂が流れている。

 

 

【段ボール箱を見た物は記憶を無くす】

 

 

というよくわからないものだ。

 

 

 

 

 

ある夜いつも通り掃除をしていた一人のメイドが直近数日間の記憶を無くし廊下で眠っているのを発見、そこから他のメイドにも同じ様な事が起こった。

 

これは一大事だとアルベドやデミウルゴスが調査に乗り出したのだが二人の部下達もメイドと同じく直近数日間の記憶を無くし廊下で眠っているのが発見された。

 

アインズに負担をかけまいと守護者達で解決に乗り出したのだが最悪の事態が起こった、それは指揮していた階層守護者にも被害者が出たのだ。

 

眠らされたのはデミウルゴス、しかし他の者と違って「段ボールが… そう私は段ボール箱を見たんだ………」と何があったのか聞くとそれだけ呟くのだった。

 

 

 

もうこれはアルベド達で解決できる範疇を越えてしまったと判断しアインズに相談する運びになった。

 

「アインズ様、この頃ナザリック内で直近数日間の記憶を無くし廊下で眠るという怪事件が起きています、初めは私達で解決できると思い動いていたのですがデミウルゴスもその事件に巻き込まれてしまい……… 申し訳ありません」

 

アルベドがとても悔しそうにアインズへ報告する、報告されたアインズは口を開け固まっている。

 

それに気づいたアルベドが自身の不甲斐無さに呆れていると思い謝るがアインズは手で制し言葉を発した。

 

「そ… その様な事がナザリック内で起こっているのか……… もしかして段ボール箱とか見なかった… か?」

 

段ボール箱、それはデミウルゴスが発言した物と一致する。

 

それを聞いたアルベドが流石アインズ様と褒めてから何故その事を知っているのか聞いた所アインズは曖昧な返事をして仕事へ戻ってしまったのだった。

 

 

 

その後も事件は起こりそのたびアインズへどうしたら良いか聞きに行く守護者達であったが毎回はぐらかされてしまう。

 

トラップを増やしても引っかからない、監視の目を増やすため下部達を増やし警戒させたら被害者が増え、ニグレド等情報収集特化型の者達に探させても尻尾を掴めない。

 

もうどうしていいか解らないアルベドは何十回目になるか解らないアインズへの意見を聞きに行く途中ついに出会ってしまった、デミウルゴスが言っていた段ボール箱に…

 

ここで逃してはならないと思い襲い掛かろうとした時段ボール箱から一人の人間の男が出て来た、動揺することなく腕を伸ばし襲い掛かる、しかしあと一歩、そうあと一歩踏み込めばその者を屠れたのだが願いは叶わず意識が遠のいてしまう。

 

 

 

「くそ… 人間風情め………」

 

 

 

 

 

眠ったアルベドを見ながら男は手に持つハンドガンをリロードした。

 

「いいセンスだ」

 

 

 




メタルギアシリースのソリッド・スネークです。


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ナザリックと空手家

 

ナザリック地下大墳墓第六階層円形闘技場でアインズとフォーサイトのメンバーが対峙していた。

 

リーダーのヘッケランとアインズの交渉は決裂、死を覚悟しフォーサイトは向かっていく、その時何所からともなく道着を着た人間の男二人が現れた。

 

「オイオイオイ」

 

「死ぬわアイツ」

 

ほっそりした男とふっくらした男、どちらも人間にしては鍛えこんでいる様だ。

 

そんな中武技や魔法を使いフォーサイトは果敢に攻めている。

 

「ほう武技ですか… たいしたものですね」

 

何処からともなくまたしても人間の男が現れた、その男は眼鏡をかけており先ほどの男達より年上の様だ。

 

「武技はこの世界の者たちが使うオリジナル技能らしくアインズ・ウール・ゴウン様も研究されるくらいです」

 

そう眼鏡の男が説明している時何所からともなくランナーが三人走って来てそのまま何処かへ走り去ってしまった。

 

「なんでもいいけどよォ」

 

先ほどのほっそりした男が話始める、しかし隣にはふっくらした男ではなく眼鏡をかけた別の男だった。

 

「相手はあのアインズ・ウール・ゴウン様だぜ」

 

そんな二人の話に年上の男が答える様に、しかし先ほどの説明の続きを話始める。

 

「それに隙のない援護攻撃と魔法攻撃、これも即効性の連携攻撃です しかも信仰系魔法詠唱者の魔法もそえて攻撃バランスもいい」

 

そう話していると最初のふっくらした男が戦いを目を細めて見ている、そんな事はお構いなしに年上の男は更に説明を続ける。

 

「それにしても突発的な戦闘だというのにあれだけ連携できるのは超人的なチームワークというほかはない」

 

一連のやり取りが終わった時ヘッケランが自身の武器を見つめ呟く。

 

「よし… と―――」

 

その一連の流れをナザリックの者達は何とも言えない顔で見ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アインズとフォーサイトが対峙する前日アインズは帝国のワーカーを招き入れる作戦にまだよくは思っていなかった、この思い出の詰まったナザリックに… と思っていた時ある事をふと思い出す。

 

「仕方ない事だ、うじうじ考えてても仕方ない… 実験だしあのアイテムでも使うか………」

 

そうして取り出したのは召喚用チケット、ある格闘技マンガとのコラボ時に手に入れたガチャアイテムの外れ枠。

 

通常アイテムは使えるのは実験済み、ならばコラボアイテム等の特殊アイテムは使えるのかを試す為、そして召喚された者はその性能を発揮するのかを。

 

使用したアイテムは消え召喚は成功されたのだが一瞬道着を着た男達が現れたと思ったら何処か得消えてしまった、何故だと思っていたアインズは思い出す。

 

「はぁ… その場を説明するためだけの外れモブモンスターだったっけ? 本当にハズレアイテムだな………」

 

 

 

 




グラップラー刃牙の第一話の神心会空手の黒帯の門下生(モブ)達です。


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ナザリックと栗饅頭

 

その日ナザリック地下大墳墓は重大な危機に陥った。

 

どう足掻いても抜け出す事のできない個の群衆、何をしてももう遅い………

 

もう駄目だ、もう抑えきれない、次の五分で何もかも潰れてしまう。

 

アインズは最後の最後まで決断できなかったのだから………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

--------------------------

 

 

 

アインズはその日守護者達を労う為いろいろ考えていた、皆の趣味趣向に合うものを与えるのはどうだろうと思い自身のインベントリ内をあさり始めた。

しかしいざ探してみると良いものはなくどうしようかと思った矢先にこの問題を打開できそうなアイテムを発見した。

 

そのアイテムはユグドラシル時代にはイラストとフレーバーテキストだけのアイテムであったが今は現実の世界、取り出してみると見事に形になっている。

そのアイテムは【くりまんじゅう】、ある猫型ロボットとのコラボの時にイベントに参加した者に配られるアイテムの1つだった。

 

このくりまんじゅうのフレーバーテキストはとても短く『五分ごとに倍になる不思議な栗饅頭』とだけしか書かれていなかった、そんな内容を思い出しつつアインズがそのくりまんじゅうを見ていると二つに分裂した。

形も大きさも匂いも一緒、アインズ自身は食す事は出来ないが多分味も同じだろう、とりあえず守護者達を全員呼ぶとアインズの部屋が大変な事になるのでアルベドだけ呼ぶ事にした。

 

 

 

ほどなくしてアルベドが部屋に来てひと悶着あったが無事にくりまんじゅうを渡す事ができた。

 

「アルベドよ、その饅頭は私からの贈り物だ、守護者達と分け合って食べてくれ」

 

そういわれて渡された饅頭を大事に抱えながらアルベドは部屋を後にした。

 

 

 

--------------------------

 

 

 

アルベドは言われた通り饅頭を分けるために切ろうとした瞬間饅頭は分裂して増えた、これを喜んだアルベドは切らずに守護者達に渡して歩く、ゆっくり歩きながら各階の守護者達に渡したからだろう、うまい事分裂して皆に行き渡った。

饅頭を貰った者達は偉大なる御方であるアインズに感謝しその饅頭を大事に保管した。

 

 

そう、食べずに保管したのである。

 

 

各階層に散らばったくりまんじゅうは五分ごとに倍になる、1個が2個に、2個が4個に、4個が8個に、倍に、倍に。

最初の方はアインズから貰った饅頭が増えた事に喜んでいた皆だったがどんどん増える饅頭に頭を悩ませた、せっかく貰った物を食べるのは勿体無いと思っていた者達もこれだけ増えたならと少し食べる、しかしすべてを食べた訳ではないのでどんどん増える。

 

 

 

増えて増えて皆が困った時これだけあるなら全部食べようと皆で食べる事に、数だけは多いナザリック地下大墳墓の者達であったがすべてを消費することはできずまた増える。

 

 

もうどうしようもなくなった時ようやくアインズの耳に入ることに、しかしもう手遅れである、魔法で消し炭にしようが隔離しようが増えるスピードの方が速い。

魔法で一気に消し飛ばす事もできるがそんな事をすればこの墳墓内が傷ついてしまう。

アインズは最後まで決断できず最後にはナザリック地下大墳墓がくりまんじゅうに支配されてしまった。

 

 

 

 




ドラえもんの「バイバイン」の話で登場したくりまんじゅうです。


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