バディファイト@サイバーダイバーズ メモリーサーバ (辻 逆月)
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用語解説コーナー
CBSNについて


今回はCBSNについての説明になります。
ガイドはライナとプラグ、それではどうぞ。


プラグ「プラグと」

 

ライナ「…ライナの。」

 

プラグ「ダイバーズ用語解説コーナー!」

 

プラグ「ってお嬢も言えよ!」

 

ライナ「必要ないよ…。えっとここではバディファイト@サイバーダイバーズに出てくる用語の詳しいところを解説していくよ。」

 

プラグ「バディファイト@サイバーダイバーズではバディファイトのアニメや他の小説にはないものが多く登場しているから、読者達がコレよく分かんないぞって思ってるであろうものについて紹介してサイバーダイバーズの世界をより知ってもらうってコーナーだ。」

 

ライナ「ということで、今回が初となるこのコーナー最初のお題は…。」

 

CBSN

 

プラグ「CBSNについてだな。この物語におけるもう一つの現実、電脳空間の名前だ。」

 

ライナ「正式名称はサイバー バディファイト システム ネットワーク。名前にバディファイトなんてついてるけど要は自分の体で入れるインターネットってこと。」

 

プラグ「バディファイト以外にもCBSNの中で出来ることはたくさんある。例えば企業で遠い距離にある取引先との情報共有とか金のやり取りが正確に出来るから取引の場にCBSNを使う企業は多い、離れててもスムーズに会議や交渉が出来るしな。」

 

ライナ「そのCBSNを運営してるのが、ヴァルハラ社。10年近く前にCBSNを公開、一般開放して突然の躍進を遂げた大企業だよ。」

 

プラグ「CBSNの電脳化技術を応用して新時代の常識を作るって言ってキャッスルモールみたいな電脳化施設を現実に作ったりとめざましい活躍を見せてるな。」

 

ライナ「あ、今回はあくまでCBSNの説明だからそこの話はカットでお願い。」

 

CBSN『エリア』

 

プラグ「了解、じゃあ話を戻すか。CBSNはもう一つの現実と言われるだけあって相当広い場所だが、いくつかのエリアがあってエリアによってはバディファイトをする前提のエリアやお喋りする前提のエリアとかがあるんだが、正直俺らは全てのエリアに行ったわけじゃないんだ。だから詳しく説明できるエリアはこれらのエリアになる。」

 

フロントエリア

初めてログインしたユーザーは必ずここへとログインする、スタート地点。

大型の野球場よりすこし大きい程度の大きさで、初心者ユーザーの多くがここでファイトをしている。

エリア範囲、0.5%

 

チャットエリア

通称、会話天国。元は企業間の取引用に5年前に開設されたエリア。ここだけは特殊なプログラム体系で暗号変化チャットという会話内容が外に決してバレないチャットができるため、情報秘匿性が高い。

更にプログラムに変更を加えた瞬間、変更を元に戻すように設定されている上、監視の目もあるのでクラッカーでも手を出せない。

オフィスビルが立ち並ぶ都会のような外観。

エリア範囲、7%

 

コロッセオエリア

大きな闘技場がいくつも建設されたエリア。

チャットエリアとは逆にわざとプログラム改変が可能になっているエリアで、闘技場の形や地形を変えてバディファイトを楽しめる。

ここを借りてバディファイトの大会を主催する人は多い。

エリア範囲、12%

 

ジェイルエリア

バディポリスが自由に使えるエリア。危険なモンスターの意識を電脳化させて閉じ込めておく為の収容施設。

よほど危険なモンスターにしか使われず、エリア自体は広く取られていない。

エリア範囲、1%

 

ヴァルハラサーバ

ヴァルハラ社がCBSNを管理するために置いた情報処理専用エリア。

この場所は一般人は立ち入り禁止になっていて警備もCBSNで一番。

エリア範囲、1%

 

 

プラグ「このヴァルハラサーバについてなんだが、ハッカー達はここを落ちたらCBSNがどうなるか分かったもんじゃないからここを攻略しようなんてまず考えない。だが一般人の中には興味本位でここに侵入しようとするバカがいるんだ。」

 

ライナ「そういう人たちは近くにいるハッカーがコテンパンにするのが普通だけど、そもそもあのサーバは未確認のモンスターに守られててハッカーが近くにいない時に入った人は…。」

 

プラグ「ああ、どんなモンスターかは知らないが問答無用でアカウントを破壊するらしい。だからこそヴァルハラサーバは絶対に行っちゃいけない場所で、同時にバカの度胸試しスポットになってるわけだ。」

 

ライナ「どれだけ言っても聞かない人は多いらしいからね…。」

 

アクセスポイント

正式名称がないためいろんな呼び方をされる。

個人サーバ、企業サーバを主としURL(アドレス)とサーバパスワードというものさえあれば入り込めるCBSN以外の電脳空間。

 

ライナ「ここは特にいうことないかな」

 

プラグ「そうだな、今までに登場したことないし。」

 

ディープジュール

 

ディープジュール

ハッカーの溜まり場。

CBSNの下に存在していて、ビルの瓦礫のようなオブジェクトが転がっていたり苔のオブジェクトがこびりついているなど、廃墟というイメージがぴったりのエリア。

ヴァルハラ社の説明ではCBSN一般公開前に様々なテストを行った試験エリアらしい。

10の層に分かれていて、下に降りるほど広く複雑な構造になっていく。

エリア範囲、?

 

プラグ「んで、ここが俺達が一番よく使うエリアだ。」

 

ライナ「最初の1層はフロントエリアと同じぐらいの大きさしか無いのに下に降りれば降りるほど広くなるからここを歩く時は迷子に気をつけないとね。」

 

プラグ「だな、けどここについては今度詳しく説明するとして次だ次。」

 

CBSNで出来ること

 

プラグ「CBSNで出来ることと言ったらまずバディファイトだな。」

 

ライナ「それ、私たち二人が紹介するの?」

 

プラグ「……、えっとー!!CBSNでは、バディファイトができます!ファイト中に見えたカードは履歴に残るため、能力確認もスムーズに行えます!」

 

ライナ「無理やり通したね。現実でもカードの使用履歴は確認できるけど(43話、星空凛と雉沼燕のファイト参照)あれはバディカード管理庁のデータベースから膨大すぎるカードデータの中から特定のカードを見つけてから表示するっていう面倒な過程を通して見るからちょっと時間がかかるんだよね。しかも登録されてないカードは見れないし。」

 

プラグ「だがCBSNなら直接カードを解析してそのデータを見れる。解析もすぐ終わるしな。だからファイト自体が現実より早めに進むな。」

 

ライナ「状況によって使えるカードをシステムアシストが光らせてくれる初心者に優しいサポートもあるしね。」

 

 

プラグ「そうだな、…バディファイトの現実との違いはこんな感じか。じゃあ今度はバディファイト以外にできることだがどれを説明するか。」

 

ライナ「アバターカスタムとコンソール操作じゃない?」

 

プラグ「やっぱそれだな。じゃあそれらの前にアバターについて説明しとくか。」

 

アバター

 

プラグ「アバターは想像つくだろうがCBSN利用者の電脳世界での体…なんだが、アバターって言い方はあんまりされてなくて『アカウント』っていう呼び方をするのが一般的だ。」

 

ライナ「今回はアバターって呼ぶけど、実際どっちでもいいから。」

 

プラグ「アバターの姿は現実の姿が元になるんだ。仕組みはよく分からんが最初にCBSNにログインする時からそうなってる。」

 

ライナ「けど現実の姿でいなきゃいけない訳じゃなくて、アバターは姿の改造も多少融通が利くようになってるから、アバターアイテムを使ったりすればファッションを楽しんだりできるよ。しかもその中にはアバターの見た目に変化を加える特殊なものもあるの、例えばこれ。」

 

上げ底ブーツ

22話「突然始まる「デートォ!」と、各サイド。」で会話の中に登場。

見た目ではわかりにくいが靴の中は上げ底になっていて、更にアバターの身長の変更が可能になるプログラムが仕込まれている。

主に身長の低い人が使用している。

 

ライナ「似たようなデザインのただの靴がいくつも出回ってて、上げ底かどうかは基本判別しにくいから安心して使えるよ。」

 

プラグ「前にお嬢も使ってたらしいしな、俺はその時の話知らないけど。」

 

ライナ「…蒼?お兄ちゃん?」

 

プラグ「両方」

 

ライナ「後でお仕置きしよう。で、そういったアバターの改造はもちろん他にも様々な機能を使うために呼び出すのがコンソール。アバターの手を空中で適当にかざすとでてくるよ。」

 

プラグ「これは出来ることが多いから1から説明すると説明が長ったらしくなるんだが。簡単に言えばいつでもタブレットが呼び出せるって思えばいい。」

 

ライナ「呼び出したコンソールはさっき説明したヴァルハラサーバと使用履歴をはじめとして多くの情報が共有される。私たちハッカーは基本コンソールでハッキングをしてるけど、そうしてわざとハッキングの履歴を残すことは私たちがハッキングを犯罪には使っていないっていう証明にもなるの。」

 

プラグ「逆に自分のやってることを知られたくない奴はコンソールとヴァルハラサーバの共有を切ったり、外からパソコンでハッキングをしたりするな。お嬢とか」

 

ライナ「う…。」

 

プラグ「ちなみに、これはCBSNそのものの説明とは違うんだが忠告だ。今はハッカーそのものの数が増えてハッキングも白黒グレーとかじゃ言い表せないほどにハッキングの手口や目的が増えてる。だから俺らでもハッカーと『クラッカー』の差が分からなかったりする。」

 

クラッカー

ハッキング技術を悪用して犯罪を犯す者達。

最近ではCBSNの普及によりハッカーやクラッカーの数、手口、目的が増えたため一々判別するのが難しい。

 

ライナ「…だからクラッカーもハッカーみたいな認識が増えてバディポリスの星野美奈みたいな誤解をする人が本当に多いの。」

 

プラグ「実際、俺みたいな今ハッカーって言われてるがほぼクラッカーって言える奴もいれば、『崩剛』(クズレ ツヨシ)っていう手口はクラッカーなのに人助けをすることがある奴もいる。ここ最近ウチには顔見せてないけどアンダーズ所属な。」

 

崩剛

年齢23歳

性別、男

■アンダーズ所属のクラッカー。

■ほぼアンダーズに顔を見せることはなく、気が向いた時に依頼を手伝う。

■初対面の人間と打ち解けるのが早く、人当たりのいい気さくな男。

■データの破壊が得意で、大きなサーバ一つのデータをサーバごと抹消したこともある要注意クラッカー。

■使用ワールドはエンシェントワールド、バディは王覇 ゼルベリオス

 

ライナ「ツヨシみたいに危険なことした前歴を持ってても今は依頼を受けてハッカーとして活動する人もいる。けど、逆にハッカーだった人が犯罪を犯してクラッカーになることもある。私たちだっていつか犯罪を犯すかもしれない。」

 

プラグ「だから、不本意だが今はハッカーとクラッカーの区別はつけない方がいいのかもしれないな。ここばっかりは星野ちゃんの反応は正しかったんだ。」

 

ライナ「むう…。」

 

プラグ「そう不機嫌になるなって。要は、ハッカーには気をつけろってことだ。どれだけ良いことしても、ハッキング技術っていう武器を持ってることに変わりはないしな。それに気を付けとけばCBSNでの活動は悪いもんじゃない。」

 

ライナ「なんか釈然としないけど、これでCBSNに関する説明は終わり。次回はいつやるか知らないけどまあ、知りたいことがあったら活動報告にでも出しといて。」

 

プラグ「次回はジュールについて説明…であってるよな?」

 

ライナ「うん、説明するのは私たちじゃないけど。」

 

プラグ「え!?」

 

 

ブツン…




説明いかがでしたか?
気になることがあったら、活動報告にお願いします


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メモリーダイバーズ(サイバーダイバーズ過去編)
雨中の始まり


こちらで本編に載せようかと思ったけど載せられなかった話を過去話としてアップしていきますので宜しくお願いします。


強い雨が降りしきる4月の夜中。

N&Cアンダーズの店長、下田辰馬と山井プラグは傘を差して歩いていた。

 

辰馬「すっかり遅くなっちまった…。企業サーバだぞ、ウイルスがあんなにとりつくなんざおかしいだろ。」

 

プラグ「多分、ハッカーが遊びのつもりでやったんだ。ウイルスの出処はクレームメールだった、メールはCBSN内から送られてたから送り主をすぐ特定できたし後は警察が上手くやってくれる。」

 

辰馬とプラグはある企業の依頼でサーバ障害の原因を探っていた。

そのサーバの障害の原因はウイルス感染が原因だった為、ウイルス駆除と対策プログラムの構築、更に感染源の特定と警察への報告に追われ、夕方には終わるはずだった依頼は深夜まで続くこととなり、今帰宅である。

 

プラグ「…お嬢はもう寝てるか。」

 

辰馬「いや、デッキ作りかCBSNかFPSだろ。」

 

プラグ「だよな、……ん?」

 

辰馬「どうした?」

 

プラグの目は路地裏の方に向かう。

暗闇で何かが倒れた音がした。

 

プラグ「誰かそこに居るのか?」

 

プラグが何かに声をかけ、辰馬は何かに近づく。

 

プラグ「おい、辰馬!」

 

辰馬「……。」

 

辰馬は何かを抱え…ようとしたが手放した。

 

プラグ「…何だ、それ?」

 

辰馬「男だ、…全裸の。」

 

プラグ「…通報するか?」

 

辰馬「……いや、今日はもう警察を見たくない。また同じ質問をされるのは面倒だ。」

 

プラグ「じゃあどこに、ってちょい待て!まさかお前。」

 

プラグは露骨に嫌な顔をする。

 

辰馬「うちに連れて帰る。」

 

プラグ「冗談…じゃないな、お前冗談苦手だもんな。」

 

辰馬「ああ、俺の機材持ってくれ。コイツと傘は俺が持つ。」

 

辰馬は持っていた機材をプラグに渡すと、右腕で全裸の男を持ち上げ受け取った傘を開く。

 

プラグ「お前の筋肉が役に立ったな。」

 

辰馬「お前も鍛え直すか?」

 

プラグ「いやー、遠慮しとく。」

 

 

 

 

 

 

N&Cアンダーズ

 

プラグ「コイツは俺が起こすから、辰馬は先にシャワー浴びとけ。」

 

辰馬「そうさせてもらう。」

 

辰馬はシャワールームに向かい、プラグは男にバスタオルをかけ頬を弱めに叩く

 

プラグ「おーい、起きろー。」

 

すると男は直ぐに目を覚ました。

 

全裸「……、んご?」

 

プラグ「起きたか。お前なんであんな所で倒れてたんだよ、しかも全裸で。」

 

全裸「…自分…のこと…か?」

 

プラグ「そうだよ、追い剥ぎにでもやられたか?」

 

全裸「…分からん。」

 

プラグ「?何でだ。」

 

全裸「自分は、誰だ…?」

 

プラグ「はぁ!?」

 

雨の降る池袋で倒れていた男。

アンダーズに保護された彼は記憶を、自分の存在を無くしていた。

男が『自分』を得るのは少し先の話。




今回はここまで、男はどんな自分を持つのか乞うご期待…?ッス


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