とある回帰の電光超人 (暗愚魯鈍)
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第一話 学園都市の電光超人
設定としてはSSSS(海外版のグリッドマン)やグリッドマンでないウルトラシリーズの設定やタグにはないとある科学の一方通行やアストラル・バディなどの設定もあるかもしれません。因みに垣根君とヴィットさんの中の人が一緒ですよね。関係ないけど。
もう少しで三期も終わり…悲しいな…でも七月にはとある科学の一方通行がスタートするし楽しみ…てか早く超電磁砲やって、雷神美琴が見たい、削板さんの声が聞きたいです…さて前置きが長くなりました、初回で少し長いですが楽しんでくれたら嬉しいです
学園都市、その上空にて巨人が一筋の光により胸を穿たれた、巨人の目線の先にいたのはねじくれた銀の杖を手に持つ緑の手術衣を着た『人間』だった
巨人は地面へと落下を始める、巨人は彼に手を伸ばす、だがその手が『人間』届く事はなかった。『人間』は巨人に何も握っていない左手を向ける、巨人の身体は粒子へと変わっていく…そして空気に消える様に巨人の姿は見えなくなった
「……これで
『人間』はその喜怒哀楽全ての表情に見える顔を歪めた、その戦いを眺めていた天使と悪魔がいた、一人は嘆いた、また悲劇を繰り返すのかと。一人は笑みを浮かべる、また楽しめると。
その日を境に複数の人間の運命が大きく変わり始める。歯車は少しづつ動き始めた。
七月十七日、とあるビルの一室…風紀委員活動第一七七支部にて頭に薔薇やハイビスカス等の沢山の花をかたどった花飾りをつけた黒髪の少女がパソコンのキーボードを指で叩く音が聞こえる…彼女の名前は初春 飾利、新入りの
「初春、ちょっとよろしいですの」
「ひゃあ!?ちょ、いきなり瞬間移動しないでくださいよ白井さん!」
パソコンを操作していた初春の横に幽霊がいきなり現れた様にツインテールの茶髪の少女が突然現れ、彼女は肩をビクゥ!と擬音が付くほどに震わせる、彼女は驚かさないでとそのツインテール少女…白井黒子に訴えるも飴玉を転がすような甘ったるい声では本当に起こっている様には聞こえない
「はいはいですの、いい加減慣れてくださいまし…で、ちょっと頼みたい事があるんですの」
「やめる気ないんですね白井さんは…」
「話は最後まで聞きなさい…初春、あの荷物を指定の場所まで届けて欲しいんですの」
「……荷物?私がですか?そんなの
黒子は初春の言葉を軽く流して頼みたい事があると言い初春が小声でブツブツと文句を言う、黒子は話を聞けとじろっと彼女を軽く睨むとこほんと咳払いし指を部屋にある大きな段ボールに包まれた荷物へと指す。初春はそれは常盤台唯一の瞬間移動能力者である黒子が荷物運びに自分より適任なのではとキョトンと首を傾げる
「……初春、今貴方わたくしの能力をパシリに使おうと思っていますの?」
「いえいえ!違いますよ、ただ私よりも白井さんの方が早く着きそうだな〜て、思っただけで、それに私は情報分析が専門ですから…」
「……初春…まあわたくしもその通りだとは思いますけど…残念ながら貴方しか頼めないんですの」
「へ?」
黒子がジト目で初春を睨む、初春は頭を振って慌てて否定するが黒子は溜息を吐いて自分も行けるものなら行きたいと言うと初春がえ?と黒子を見る
「貴方が指定の場所にこの荷物を持って行きある人物に渡せとの命令らしいんですの…わたくしや固法先輩ではダメらしいですの」
「えぇ?そんな理不尽な命令とかあります?と言うか一体その荷物の送り主は誰なんですか?」
「…学園都市統括理事会の理事長ですわ」
「へぇ学園都市統括理事会の理事長さんか〜……ええ!?」
「…その驚く気持ちはわたくしも分かりますの…先程わたくしと固法先輩も同じ様なリアクションを取りましたわ」
ある人物から初春にこの荷物を持って行けと指示が書かれていたらしく、初春は理不尽な…と嘆くがその荷物の送り主は誰なのかと初春が尋ねる、すると黒子もまだ信じきれていないのか半信半疑と言った口調でこの学園都市の理事長の名前を言い初春はそうなんだ〜と薄いリアクションをした後、暫くして大音量で叫ぶ、黒子も初春の反応は間違っていないと頷く
「な、何で私なんかがそ、その理事長さんにこの荷物を持っていく様指示されるんですか!?」
「知りませんの…貴方何かしたんじゃありませんの初春?
「しませんよ!白井さんの中の私の評価はどうなってるんですか!?」
「……冗談ですの、兎に角この荷物を届けるのが仕事らしいですし、この荷物と一緒に付属していたメモに書かれた場所に行って人物に渡せばいい様ですの…まあ簡単な仕事ですわね」
「……白井さんが動かないからて……分かりました、で誰に届ければいいんですか?」
黒子が初春が守護神と呼ばれる程のハッカーなのを思い出して良からぬ事をしたのでは?と疑うが初春はしていないと手を横に大きく振る、黒子は冗談と言いながら荷物と共にあったらしいメモを初春に渡す、そして初春は誰に届ければいいのかと質問すると黒子は困惑した様子で呟いた
「わたくしも困惑しているのですが…届け先の人物は…あのお姉様よりも序列が一つ上の
第10学区…学園都市で唯一の墓地が存在し、他にも少年院や実験動物の処分場、 大きな土地を必要とする研究施設や、原子力関連の施設も多数存在する学園都市の中で一番治安が悪い学区として有名な場所だ、特にストレンジと呼ばれるスラムに似た場所にはビックスパイダーと言う
『能力者の演算をキャパシティダウンから流れる音で混乱させ能力の発動を阻害する。レベル4程度なら能力を完全に押さえつけ、レベル5すらも能力を弱体化させる、尚且つ
とお墨付きをされた音響兵器である、実際黒妻達が使用してみた所、自分達には少しうるさい程度にしか感じず試しに他の学区へと出向き能力者に対しこれを使うと相手の能力を冠絶に封殺できた…黒妻はこれは使えると笑い能力者狩りを実行しようとした…だが
「ば、化け物……」
黒妻達が根城にしている廃墟に爆発音が鳴り響いた、爆発により吹き飛ばされた黒妻の手下のスキルアウト達が気絶し地べたに倒れこむ、その爆発の中心部にはイケメンと呼べるであろう整った顔立ちでありながらも少しガラの悪そうな風体の少年が立っていた、服装はホストが着ていそうな赤いスーツ、そのスーツの胸ポケットに銀の鎖がアクセラリーとして付けられている、黒妻はその少年を化け物を見る目で怯えながら見ていた、そしてその少年の近くには廃車となった車の残骸と車に置いておいたキャパシティダウンの残骸が散らばっていた
「大した事ねえな、てかなんだこの同人の薄い本で使われそうなガラクタは…まさかこの機械で俺を対処を出来ると思ってんのか?」
少年は
「く、来るな!」
彼は懐に隠し持っていた拳銃を取り出す、そして少年に銃口を向けて牽制するも少年は止まらない、黒妻は引き金を引き銃口から弾丸が放たれる、弾丸は真っ直ぐ彼へと向かい…途中で
「あ、あ……」
「玩具は品切れか?」
弾切れを起こした拳銃を呆然と見つめる黒妻にゆっくりと近づいてきた少年は黒妻の肩を足で押さえつけ踏みつける。肩に激痛が走り黒妻は呻きをあげようとするがそれを耐え少年を睨みつける
「お、お前…俺を誰と思って…」
「煩えよ、テメェが黒妻 綿流じゃなくて蛇谷 次雄だって事は分かってんだよ、クソボケ」
「!?な…何で知って…」
黒妻は何か言おうとするが少年は肩に押し付けた足を強く回し黒妻の顔が苦痛に染まる、そして少年は目の前の男を黒妻 綿流…の名前を語っていた蛇谷 次雄だと知っていると呟き、蛇谷は何故知っているのだと聞こうとすると少年は蛇谷の肩を踏みつけている足の力を強め蛇谷が苦痛の声をあげる
「さぁて、死ぬ前に何か言い残す事はねえか?」
「……もし黒妻さんと…ミイに会えたら…謝りたい…居場所を守る為に…悪事に染めた事を…黒妻さん達に…謝りたい…」
「……そうか、もう言い残す事はねえな?」
少年が遺言はあるかと口元を歪めながら聞くと蛇谷は口をゆっくりと開いて黒妻本人と仲間の一人だった少女に謝りたいと俯いて呟く、少年は間を置いた後足を退かし右手を開けその手に白い剣が形成される、それが何の能力なのか蛇谷には分からなかったがその剣に自分の首が刎ねられるのだと考え蛇谷は目を瞑る…だがいつまで立ってもその剣は振り下ろされない…蛇谷が目を開けると壁にその白い剣が突き刺さっていた
「ばーか、誰がテメェみてえな小物を俺がわざわざ殺さなきゃならねえんだ、テメェにそれだけの価値があると思ってんのか?」
少年はそう言って蛇谷を小馬鹿にするかの様に言うと蛇谷から背を向けて廃墟から去っていく、その姿は余裕そのもの、蛇谷は立ち去っていく少年を呆然と眺める…次第に少年の姿は消えその場には呆然とする蛇谷と気絶したスキルアウト達、キャパシティダウンの残骸が残った
「こっちの仕事は終わった、そっちは?」
『こっちも終わったわ、能力を使ってしまえば楽勝だったわ』
少年…学園都市が誇る
「そうか、俺は先に隠れ家に帰ってる」
『そう、じゃあね』
通信が切れる、垣根は携帯をしまうととある建物の中にあるスクールの隠れ家に戻ろうとしていた、そして隠れ家への通り道である路地裏を通ろうとしたその時垣根はあるものを見つける
「ちょ……、離してください!連行しますよ!?」
「あ?嬢ちゃん状況理解してんのか?」
「風紀委員だからて調子乗ってんのか?!」
「………おいおい、なんだこのクソつまんねーラノベみたいな展開は」
台車に大きな段ボール箱を乗せた一人の少女が複数のチンピラ…恐らくはスキルアウトに絡まれていた。遠目で見ると花瓶を頭につけている様に見える少女の肩には盾をモチーフにした腕章がつけられている、風紀委員だろう…その風紀委員が取り締まるべきスキルアウトに脅かされ威厳を保てないのは嘆くべき事だが。垣根は何処の下手くそな小説の展開だと溜息を吐く、垣根に少女を助ける義務はない、だがここを通らなければ隠れ家に行けない …はぁと彼は溜息を吐くとその花飾りの少女の元へと向かう
(うぅ…私荷物を渡しにやって来ただけなのに絡まれてしまうんでしょう…)
花飾りの少女…初春飾利はもう既に泣きそうになっていた、通り道にあったお店のパフェの誘惑を振り切り、漸く目的地近くに辿り着いたと言うのにスキルアウトの三人に絡まれてしまった…一応風紀委員の腕章も付けて来たのだが彼らには何の牽制にもならないらしい…初春の能力は『
(白井さんがこんな時いてくれればなぁ…一緒に来てくれれば良かったのに…)
「おい黙ってんじゃねえよ!」
初春がこんな時頼りになるパートナーの黒子がいれば…と考えてしまうが無い物ねだりは仕方ない、どうしようかと悩んでいたその時
「失礼、お兄さん達」
「「「ああ?」」」
「え?」
スキルアウトの三人に声をかける人物がいた、その人物はガラの悪そうな少年が風貌に似合わない柔和な笑みを浮かべ近寄って来た
「何だ兄ちゃん?なんか用か?」
「いや、その子が困っている様だからね…やめてあげたらどうかな?カッコ悪いよ?」
「あぁ!?煩えよ!ホストみたいな服装しやがって!」
「落ち着けよ、こいつ金持ちそうなスーツを着てるし…財布が自ら飛び込んできたんだ、おい兄ちゃん金置いてけや、そしたら見逃してやる」
「いいね!てな訳で金置いてけやホスト崩れ!ギャハハ!」
三人の中ではまだ落ち着いた口調で話すスキルアウトが少年に近づくと少年はやめてあげたらと丁寧な口調で話す。それを聞いたスキルアウト達は笑って少年に金を出せと言う、少年はやや困った顔になると初春を見る
「困ったな、ねえ風紀委員のお嬢さん、これは俺が能力でお兄さん達を攻撃しても正当防衛になるかな?」
「…え!?え、えっと…こ、この場合は…や、やり過ぎなければ…」
「そうか、ありがとう。ああそうだ、お兄さん達に言い忘れた事があったんだ」
「「「あ?」」」
少年の質問に初春はきょどるがやり過ぎなければ少し程度ならいいと思うと少年に伝えると少年はそうかと頷く、そしてスキルアウト三人の方に柔和な笑みを向け三人が少しイラついた風に少年を見る、そして少年が笑った
「テメェらさっきから煩えんだよ」
少年が右腕を動かしただけで三人は
「さっさと失せろ、殺すぞ」
少年はそう言っただけでスキルアウト達は悲鳴をあげて逃げていく、少年はそれを一瞥すると初春の横を通り抜け路地裏の奥へ進もうとする…それを慌てて初春が止めに入った
「あ、あの!助けてもら…」
「あ?俺の帰り道にゴミがいたから掃除しただけだ、お前の為じゃねえよ花飾り」
「(は、花飾り?)は、はあ…でもこれで荷物を運べるのでありがとうございます!…あ!あのもしかしてここを通るて事はここら辺に住んでいるのでしょうか?」
「…それを聞いてどうする?」
「い、いえ!実は私この荷物を垣根 帝督さんて人に届ける様言われてて!もしかしたら貴方がその人を知っているかな、と思いまして…」
「………あん?俺に…だと?」
「………へ?」
『スクール』とは学園都市の闇で活動する暗部組織の名前である、スクール以外にも『アイテム』やら『メンバー』等様々な組織が存在する、このとある建物はスクールが所有する隠れ家の一つ、閉ざされたカーテンに薄暗い部屋、照明器具のスタンドライトやテレビ、ソファ等が置かれている、その部屋に二人の男女がいた
「ねえパシ…誉望さん、垣根さんと
「……今俺の事パシリて呼ぼうとしたスよね?」
「気のせいではありませんか?わたくしが誉望さんの事をパシリと言うと思いますか?」
黒いふわぼさなツーサイドアップの髪に一見タイツに見えるそれは服に隠れているだけで首元まで上下一体型のボディスーツを来た大きな胸が特徴的な少女と360度にプラグが挿してあり無数のケーブルを腰の機械に繋げている土星の輪っかの様なゴーグルに似たヘッドギアをつけた少年がソファーに腰掛けながら何か話していた、高校生程の少女 弓箭 猟虎が同僚の少年 誉望 万化にパシリと言いかけ、誉望は睨みつけるが猟虎は気に留めない
「…まあ確かに遅いスね、今回の仕事は「能力者の能力を使用出来なくする機械の破壊」と「不穏分子の殺害」だけなのに…心理定規さんも垣根さんも遅いスね」
「そうでしょう?何かあったのではないでしょうか誉望さ…パシリさん」
「…今いい直したスよね、誉望さんて言いそうになってパシリさんて言い直したスよね?」
「あらそうでしょうか?わたくし記憶にないですわ」
「…オッケー、喧嘩売ってるんスね、買うっスよ」
「…あらあら、誉望さんがわたくしに勝てるとでも?」
垣根はキャパシティダウンの破壊、心理定規は不穏分子の殺害と言う二人にとって比較的楽な仕事な筈、なのに帰りが遅いと誉望も頷く、猟虎は何かあったのではないかと考えるがその先に誉望の事をはっきりパシリと呼び二人の間に不穏な空気が流れる、そして誉望は手を構え猟虎は笑って袖口に仕込んだ炭酸ガス銃を誉望に向ける、二人が激突する瞬間
「何やってんだお前ら…」
「「!?か、垣根さん!」」
部屋の扉が開き垣根が入って来て睨み合う二人に威圧する、それだけで険悪だった二人の空気が一転、二人は垣根の威圧を受けて肩をビクビクさせる、誉望に至っては顔色を青くし口元を押さえ始める
「…まあいい、今からお客様が来るんだ…普通に接しろよ」
「「お、お客様?」」
垣根がお客様が入って来るから怪しい事をするなと二人に言うと二人はん?と首を傾ける…そして部屋の扉が再び開き花飾りを頭に乗っけた少女…初春が入って来る、二人がまず目にやったのは型の腕章…風紀委員と気づくと何故ここに風紀委員が?と怪しむ二人だが彼女は台車に乗せた荷物を部屋の何も置かれていない場所に段ボール箱を下ろす
「あの〜ここに置いていいですか?」
「……あの垣根さん、これはどういう状況なんスか?」
「……俺が知りてえよ」
誉望がどういう状況なのかと垣根に尋ねるが垣根もまだ状況を理解していないのか珍しく頭を抱える、猟虎は知らない人間が来た時点でどうすればいいのか分からず視線をキョロキョロさせている、初春はそんな三人の心情等知らず三人に顔を向けて話しかける
「すみません〜、
「あ?」
「届けたら垣根さんと組み立てる様に、てメモに書いてあって…組み立てるの手伝ってくれませんか?」
「……おい誉望、猟虎、手伝え」
「「えぇ……」」
初春が段ボール箱を開けると出てきたのは古臭いパソコンとそのパソコンに繋ぐ機械類…ガラクタに見えるそれらを初春は床に並べた後垣根達にこれを組み立てるのを手伝って欲しいと言う、これもメモの指示らしく垣根は本来なら手伝う訳がないが確か送り主は
隠れ家の扉を開けたのはホステスのような背中の開いた丈の短いピンクのドレスを着込んでいる少女
「……何してるの貴方達?」
「あ!心理定規さん!実はですね…」
心理定規はそんな四人を見下ろし猟虎が立ち上がって説明する、心理定規はパソコンを一瞥し自分には関係ないと言わんばかりに携帯を弄りながらソファーに座る
(アレイスターのクソ野郎は何でこんな
垣根は内心でそう呟きならもパソコンの組み立てを完了する、出来上がったのは電子部品が乱雑に組み合せられ内部構造がむき出しになった手作り臭いパソコン…はっきり言って学園都市で安売りしている中古のパソコンの方がしっかりしている気がする…このパソコンに名前をつけるのなら
『私はハイパーエージョント グリッドマン!』
「……あ?」
「わぁ!」
そのロボット…グリッドマンが喋ったのを見て初春と垣根はAIか何かかと思いそれぞれの反応を示す、後ろの二人が変な顔をしたが気にしない
「…見た目はポンコツだがここまで高性能な画像を映し出すとはな…流石学園都市て所か」
「凄いですね!AIか何かでしょうか?もしかしてテスターとして選ばれたとか?」
『違う!私はAIではない!この世界に危機が迫っている!私の話を聞いてくれ!』
垣根は寄せ集め感がするこのパソコンにこれほど綺麗な映像が映るとはと感心し初春はこのAIの機能を確かめる為のテスターに垣根が選ばれたのかと考える…だがその画面の中のロボット…グリッドマンは大きく頭を振るって自分はAIじゃないと伝える
「…あの…垣根さん?」
「あ?何だ誉望」
「いや…何二人して
「…はぁ?」
「…え?」
誉望が何故何も映っていない画面を見て話しているのかと二人に話しかける、垣根と初春は彼が何を言っているのか分からなかった
「おい何言ってやがる誉望、このロボット見たいなヤツが映ってるだろうが」
「え?いや何も映ってないっスよ?垣根さんこそ何言ってるんスか?」
「え!?な、何言ってるんですか!?こんなにはっきりと映ってるじゃないですか!」
「いえわたくし達には何も映っていない様にしか見えませんわ」
垣根と初春は今だに画面に映っているグリッドマンを指差すが二人は何も映っていないと断言する、垣根は心理定規の方を向き何か言おうとするがそれより先に彼女が口を開く
「言っておくけど私も見えてないわよ、能力だけでなく貴方の脳内もメルヘンになったのかしら?」
「…チ!能力は今は関係ねえよ(どうなってやがる…?何で俺とこの花飾りしかこの…グリッドマン?が見えてねえんだ?)」
心理定規も自分にはグリッドマンは見えていないと伝えると垣根が舌打ちし頭に手を当てて考える、何故自分と
『……そろそろ頃合いか、さあ
窓のないビル、そう呼ばれる建物の中で男にも女にも、子供にも老人にも、聖人にも囚人にも見える『人間』が動き出した
『…カーンデジファー、キロカーン』
赤い液体で満たされたビーカーの様な円筒形の生命維持装置の中に逆さまで浮かんでいる『人間』が口を開くとビーカーの正面にデータの塊が幾つも集い、二つの影となって実体化する、一人は黒い体に黒いマントを羽織った怪人、赤い体に赤いマントを羽織った怪人…魔王 カーンデジファーとその弟であるネオカーンデジファー又の名をキロカーンと呼ばれる魔王達が出現する
『今回もまた始めるのか?』
カーンデジファーは『人間』に話しかける、『人間』はその問いに答えず代わりに二人の近くに赤く輝く三角形が出現する、三角形が虚空に浮かび上がったモニターに入り込むとモニターに三角形が映り出され、モニターの中で三角形が変化し、二つの異形の怪物の姿をモニターに映し出す、一匹は全身を白い結晶体で覆った怪物にもう一匹は龍の様な長い首に少し丸っこい胴体の怪物のCGが映し出される。カーンデジファー達はそのモニターに自分達の胸から放つ悪のエネルギーをモニターに当てる
ーーーグギャガルルルルゥゥゥゥゥゥゥ!ーーー
ーーークカキャウウゥゥゥ!ーーー
するとモニターに映し出された怪物達が咆哮をあげ動き始める
『行くのだメガウィルス・モンスター ギラルスよ!』
『暴れろ魔導人形 グールギラス!』
ーーーグギャガルルルゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!ーーー
ーーークカキャウウゥゥゥ!ーーー
カーンデジファー達がマントを翻し叫ぶと二体の怪物は唸りを上げてモニターから怪物達が何処かへ転送される、それを見届けた『人間』は口を歪める…彼の計画はゆっくりと進み出す
ーーーゴゴゴゴゴゴゴーーー
「な、なんスかこの揺れは!?」
グリッドマンが見えるか見えないで垣根達が言い合っていると軽い地震の様な揺れが起こり、誉望が驚いていると不意に何者かの咆哮が轟く
ーーーグギャガルルルゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!ーーー
「え!?」
「!」
「……」
突如学園都市に響いた大音量の叫びに初春がビクッとなる、垣根は顔を僅かに強張らせ、心理定規は読んでいた本を閉じる、誉望と猟虎が何が起こったのかを知る為にカーテンを開け景色を見る、その先に見えたのは…
ーーーグギャガルルルゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!ーーー
「「か、怪物!?」」
二人が見た光景には日常には存在しない異形なモノが混ざり込んでいた…それは龍の様な長い首を持ち背中の角の部分から針金らしきものが露出しており、手足が針金で出来ている青い怪物…いな怪獣 魔導人形 グールギラスが建物を破壊していた
「え…え!?何ですかあれ!?」
(……能力の応用か?いや暗部の技術が生み出した生物兵器か?)
初春が窓を開けて窓から顔を乗り出してグールギラスを凝視する、垣根は超能力の応用か暗部の科学から生まれた生物かと推察する…するとグリッドマンが声を出す
『あれは怪獣!私が戦わなくてはいけない存在だ!』
「か、怪獣?」
グリッドマンがグールギラスの事を怪獣と称し初春が首を傾げる、垣根は
窓のないビルで『人間』が笑った、モニターに映るグールギラスと垣根の映像を見て彼は口元を歪めていた
『さあ……この状況をどう乗り切るのかな、垣根帝督?』
…戦闘描写が少ないですね…まあ次回は垣根君も活躍する筈ですから…長い目で見てくれれば嬉しいです、キャラの口調があってないかもなのですみません…他の作品の作者は上手く表現してて凄いなて本当に思います、因みに垣根君が劇中で使った攻撃は未元物質の応用…ほら垣根君の能力は翼だけじゃなくて素粒子を操る能力ですからこれくらいはしないと…劇中でも第四位なら翼を出さなくても勝てる、て言われてますし
初春はゆか+一平ポジです、ほら初春てパソコンの操作が得意だし発想力も豊かですから。第2期のオリジナル回だとロボットの操作も出来てたし多分ジャンクの操作もできる筈です、垣根君もピンセットの分解と組み立てが出来てたから機械に強い筈…それに垣根君の能力は創造、グリッドマンの能力は復元・修復…似てると思いません?だからこの組み合わせです、幻想を『殺す』上条さんや破壊を生み出す一方通行さんよりも垣根君の方がグリッドマンと相性が良さそう…まあミコっちゃんの方が良さげかもだけど
グリッドマンを倒したのは誰なんでしょうね(棒)、因みにキロカーンはネオカーンデジファーですが…ほら名前長いしSSSS要素があるならキロカーンも出さないと。さて最初の相手は現実世界のグールギラスにコンピューターワールドのギラルス…初っ端からハードモードです(笑)
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第二話 現実世界とコンピューターワールド
突如学園都市に姿を現した怪獣…魔導人形 グールギラス、グールギラスは顎に火炎を集め口を開けるとその巨大な顎から巨大な火球を放った
ーーーグギャガルルルゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!ーーー
山なりの軌道を描くその火球はある市街地の一角に火球が落ちる、すると着弾と同時に炸裂し広範囲を焼き払って周囲の建物を破壊する、焼き尽くされた街の光景が窓から乗り出している初春達の目に映った
「あの火力…間違いなく
「何なんスかあれ?!」
猟虎と誉望がグールギラスを見て大声で叫ぶ、それとは対照的に心理定規は携帯を開けグールギラスの写真を撮っていた。グールギラスは再び火球を放とうとするがグールギラスの背中に何かが命中し爆炎と火花が散る
ーーーグギャガルルルゥゥゥゥゥゥゥゥゥ?!ーーー
グールギラスが首を向けると3機のヘリがグールギラスの上空を飛翔していた。第二十三学区・制空権確保全管制センターから出動命令を受けた機体の左右に機銃やミサイル等の兵器を搭載するための『羽』を六枚持ち、回転する翼の補助動力としてロケットエンジンが搭載、HsAFH-11 …通称 六枚羽と呼ばれる無人攻撃ヘリが空から襲来する
「へぇ、 六枚羽か…250億円する高級品を化け物にぶつける気か…」
垣根がグールギラスに攻撃を仕掛ける六枚羽を見て、
ーーーグギャガルルルゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!?ーーー
グールギラスの身体に丸で粘土細工の様にヒビが入り左腕が地面に落ちる…取れた左腕の断面は乾燥した粘土を無理矢理引きちぎった様な断面図であり、グールギラスが純粋な生物でないことが理解できる
「あの程度で傷つく程度か…大した事ねーな、怪獣てヤツも」
「……あのメカカッコいいですね」
垣根はあの程度の攻撃ヘリに傷つけられる程度のグールギラスに興味を無くした様な顔をする、初春はメカが好きなのか六枚羽を見て若干興奮している…とはいえ全員がグールギラスは六枚羽に倒されると思ったその時グリッドマンが叫ぶ
『まだだ!もう一体怪獣がいる!』
「「「!?」」」
「あ?」
まだ一体怪獣がいるとグリッドマンが伝えると初春、誉望、猟虎が驚きの表情でグリッドマンを見つめ、垣根は視線をグリッドマンに向ける…が、先程までパソコンの画面に映っていたグリッドマンの姿はなく、代わりに画面には
ーーークカキャウウゥゥゥ!ーーー
第二十三学区・制空権確保全管制センター、六枚羽をコントロールする場所である…その制空権確保全管制センターにあるコンピューターワールドというどんなコンピューターでも存在する
ーーークカキャウウゥゥゥ!ーーー
ギラルスはコンピューターワールドにある建物や建造物を手当たり次第に殴りつけ、蹴り付けて破壊していく、建物が音を立てて崩れ未来都市風のコンピューターワールドを破壊していく、この世界には邪魔者はいない、ギラレスは安心してコンピューターワールドを破壊し尽くす…その破壊が現実世界にも影響を齎す、制空権確保全管制センター内部の機械類が機能不全となり機械類が放電し始め、オペレーターが混乱し始める
「何だこれは!?能力者のハッキングか!?」
「わ、分かりません!原因不明です!こんなのあり得ない!」
彼等は知る余地もない、コンピューターワールドがある事など知らない、これは怪獣の仕業だと知る事は無い、彼等にこの事態を解決する方法等ない
「…何だこりゃ…」
垣根はジャンクに映し出された光景を唖然として見つめる、映し出された場所は未来的な大都市に見える、夜の様に暗く建物は青や緑等の不可思議な色合い、非現実的なその世界に明らかな異物である怪獣…ギラルスが暴れ回る、それに同調するかの様に六枚羽の動きがおかしくなり始める
「何で六枚羽同士が撃ち合ってお互いを攻撃してるんスか!?」
同士討ちを始める六枚羽に誉望が困惑する、するとギラルスが暴れる映像が映し出される画面からグリッドマンの声が聞こえた
『これはあの怪獣…ギラルスの仕業だ、ギラルスはコンピューターワールド…コンピューター内空間に存在する異世界をギラルスが破壊する事によりあの機械が不具合を起こしているんだ』
「こ…コンピューターワールド?じゃああのヘリの暴走はあの怪物…じゃなくて怪獣?の仕業なんですか?!」
『その通り、魔王カーンデジファーがかつてある少年を唆して生み出した怪獣 ギラルスがあのヘリの機能を暴走させている!』
グリッドマンはあらゆる機械の中に存在する異世界 コンピューターワールドをギラルスが破壊する事により六枚羽が暴走を起こしているのだと説明し初春を含めた全員がそんな非科学的な事を信じられないでいた…そんな一同にグールギラスの咆哮が聞こえ全員が窓の方を見る、左腕を破壊されたグールギラスは攻撃が止んでいる時を見計らい損失した左腕を建物にぶつけ建物が崩壊する…そしてその崩れた建物が浮かび上がりグールギラスの損失した左腕部分に集まっていく
「な……!左腕が再生しただと?!」
そして破壊された建物の破片がグールギラスの新たな左腕となり、左腕を再生させたグールギラスは獰猛に唸るとその巨大かつ右腕と比べアンバランスな巨腕で六枚羽の一機を握り粉砕する、粉々に握り潰された六枚羽の残骸をグールギラスは左手から捨てると、顎から火球を放ちもう一機を炎上させて破壊、残る一機も制御が失われている、グールギラスが何もしなくても勝手に火花を散らして街へと墜落し地面に激突し爆発する、邪魔者が消えたグールギラスは目玉をキョロキョロさせ獲物を探し…初春達がいる建物を凝視し獰猛な笑みを浮かべる
ーーーグギャガルルルゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!ーーー
「……あれ?あの怪物…わたくし達がいる方を見ていませんか?」
「…いやいや…気の所為……じゃないっスね、完全にこっちガン見っスね…」
猟虎が自分達を見ているのではと恐る恐る言い誉望が否定しようとするが、完全にグールギラスが自分達を見ている事を理解してしまい顔を青ざめていく…初春は風紀委員として自分が
「「「あ……」」」
三人の口から声が漏れる、その火球はゆっくりと…だが確実に垣根達を焼き殺す為に建物に迫り来る、今から逃げては遅過ぎる、数秒程で建物ごと消滅すると本能的に理解する
(あぁ…最後に…佐天さん達に会いたかったなぁ…)
もう死ぬのかと諦めた初春は目を閉じて死の恐怖から逃れようとしたその時
「お前ら邪魔だ、退け」
「え?」
垣根が窓際に集まっていた初春達を無理矢理押し退ける、そして垣根は迫り来る火球を眺める、同時に窓際が
「……天使?」
垣根の背中に出現したのは三対の純白の翼、初春はそれを見て丸で天使だと錯覚してしまう、その翼の内右側の一枚が火球に向かって伸び始める、その長さは10メートル程で火球に向かって翼を振り下ろすと火球が切り裂かれる、切断された火球は空中で爆散、その白い翼は爆炎による焼け跡はなくサイズを元の大きさに戻す
「…この程度か化け物?」
ーーーグギャガルルルゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!ーーー
挑発する垣根の言葉に乗ったグールギラスは顎を閉じ三発も火球を放つ、垣根は薄く口元を歪めると翼で空気を叩く、それだけで垣根の身体が空に向かって飛び上がる…人は空を飛べない、そんな常識は垣根に通用しない、宙に浮かんだ垣根は翼を弓形に大きく曲げありったけの力を込めて衝撃波を放つ、その衝撃波が火球に激突し一つ目の火球を消滅させ二つ目の火球とぶつかりお互いに消滅、三つ目の火球は垣根が放った烈風に掻き消される
ーーーグギャガルルルゥゥゥゥゥゥゥゥゥ…ーーー
「もうお終いか?」
グールギラスが悔しげな唸り声を漏らすと垣根はその程度かと鼻で笑い部屋に降り立つ、グールギラスの火球は並大抵の者なら防ぎようがない、それを軽々と防ぐ垣根に初春が自分がよく知る常盤台の超能力者を連想していたその時、グリッドマンが叫んだ
『このままでは駄目だ!そこの君!』
「…俺か?」
グリッドマンが垣根を呼ぶと垣根は不審な目でジャンクを見る
『君の力を貸してくれ!私と合体すれば怪獣達を倒せる!』
「…合体だと?何を言って…」
『説明する時間はない!強制ですまないが私にもやるべき事がある!』
グリッドマンの言葉に垣根が何か言いたげな表情に変わるが垣根が何か言う間も無く、未だにギラルスが暴れまわる映像を映し出しているジャンクが光り始め垣根達が手で目を覆う、その瞬間ジャンクからメタリックブルーの腕が現れ垣根を無理やり掴む
「な…!?何しやが…」
「か、垣根さんがパソコンに吸い込まれたっス!?」
「かかかか垣根さんが食べられてしまいましたわ!?」
「え!?え!?何ですかさっきの!?」
「……パソコンて怖いわね」
垣根は抵抗するもジャンクに吸い込まれてしまう、それを見た誉望や猟虎、初春が先程の現象の意味が分からず混乱する、対照的に心理定規は表情も口調も冷静なままだった、すると画面が光ったままのジャンクからグリッドマンから聞こえる
『誰か戦闘コードを打ち込んでくれ!アクセスコードはGRIDMAN!』
「え、戦闘コード?!え、えっと…これで良いですか?」
グリッドマンが戦闘コードを打ち込んでくれと叫ぶと画面に何やらコードを打ち込む画面が映し出されて初春がそれにGRIDMANと打ち込む、すると画面に幾つもの表示が現れジャンクの光が強まっていく…
ーーークカキャウウゥゥゥ?ーーー
制空権確保全管制センターのコンピューターワールドで破壊の限りを尽くすギラルスはふと動きを止め上空を見上げる、上空にパサルートが開きそこからグリッドマンが現れるのをギラルスが見ると口元を歪める、その光景は初春達もジャンク越しに確認出来た、
「…あれ?何かおかしい所が…?」
初春が何か違うな〜と画面をもう一度見る、画面には
「……大きさが違い過ぎません!?」
「普通こういうのって同じ大きさじゃないんスか!?」
「何倍とかそういう違いじゃありませんわ?!」
そうギラルスとグリッドマンの大きさが違い過ぎる、ギラルスは70メートル程、対してグリッドマンは180センチ…垣根の身長と同じ…簡単に言い表すなら鯨と人の違い、これで勝負になるのかと三人が疑う中ギラルスが動き足でグリッドマンを踏み潰そうと動く
『!?チ!この身長差とか巫山戯てんのか!?しかも能力も使えねえし…クソが!』
グリッドマンの口から垣根の声が漏れる、
ーーー相変ワラズ逃ゲ足ガ速イナ、グリッドマンーーー
『!喋っただと!?』
ギラルスが喋った事に驚く垣根、ギラルスはAIを組み込んである怪獣でありギラルスは丸でグリッドマンを知っているかの様な口ぶりで語りかけてくる
「…ギラルス、私が最初に戦った怪獣…覚えているぞ」
ーーーソレハ嬉シイナグリッドマン、私ノ役目ハ貴様ノエネルギーヲ消耗サセル事、ソノ役目ハ果タサセテ貰ウゾーーー
「…現実世界のグールギラスに確実に勝つ為に自分を犠牲にする気か」
ーーーソノ通リ、全テハカーンデジファー様トキロカーン様ノ為ニ…ソシテ魔王様達ヲ復活サセタ魔術師ノ為ニーーー
グリッドマンは嘗て自分が最初に戦った怪獣の名前をギラルスに言うとギラルスがニヤリと笑う、自分を覚えていて嬉しいと零すと自分の役目はエネルギーを消耗させ現実世界のグールギラスがグリッドマンに勝てる様にするお膳立てをする事と告げる
『こいつ…自分が負けるて前提で戦ってんのかよ、厄介だな、それにこの身長差…勝てるもんも勝てねーぞ…』
垣根は厄介な敵だとギラルスを認識する、暗部でもこういう敵が案外厄介だったりする…垣根なら超能力で蹴散らせるがグリッドマンになった今は自分の能力が使えない、それにこの身長差でギラルスに勝てるのかと考える…それをジャンクで眺めていた初春は突如として動きキーボードを叩き操作し始める
「な、何してるんスか?」
「巨大化プログラムです!身長が小さいなら大きくすればあの怪獣に勝てるんじゃないでしょうか!」
誉望が何をしているのか初春に尋ねると初春は両手でキーボードを叩きながら巨大化プログラムを生み出しグリッドマンに取り込ませれば怪獣と同じサイズになれると伝える、そして素早くキーボードを叩き初春は巨大化プログラムを作り出すとグリッドマンに巨大化プログラムを転送させる
『!巨大化プログラムか!』
グリッドマンが送られてきた巨大化プログラムを取り込むとグリッドマンの身長が70メートル程に巨大化する、ギラルスと同じ身長になったグリッドマンは先程までの反撃とばかりにギラルスの顔に拳を叩きつける
ーーークカキャウウゥゥゥ!?ーーー
ギラルスは痛みに呻き口から白いガスを吐き出すがグリッドマンはそれを避け、左腕を突き出す事で光弾を放つスパークビームを数発放ちギラルスの身体に火花が散る、ギラルスは後ろへと後退するもグリッドマンは接近し至近距離からスパークビームをぶつけギラルスを吹き飛ばす
ーーークカキャウウゥゥゥ!ーーー
「く!」
だが一方的には終わらずギラルスは白いガスを放ち、グリッドマンに命中する、同時にジャンクにも火花が散り初春達が驚くがそれを垣根が知ることは無い、ギラルスは何度も何度もグリッドマンに自らの拳をぶつけグリッドマンを攻撃し口からガスを放ってグリッドマンを傷つける、その度にジャンクから煙や火花が散る
『チ…調子乗ってんじゃねえぞ!』
ーーーク…!流石グリッドマン…ソウ簡単ニハ勝テンラシイーーー
垣根が調子に乗るなとグリッドマンの身体を動かし回し蹴りを放ちギラルスを吹き飛ばす、ギラルスも負けじとガスを放つがグリッドマンはそれを避けつつスパークビームで応戦
「ギラルスの弱点は鼻先の結晶だ!スパークビームで破壊しろ!」
『俺に命令すんじゃ…ねえ!』
ーーークカキャウウゥゥゥ!?ーーー
グリッドマンが垣根にギラルスの弱点を教えると垣根はグリッドマンの身体を操作し、スパークビームでギラルスの弱点である鼻先の結晶を破壊する。ギラルスが大音量で破壊された鼻先を抑え動きが止まってしまう、その隙にグリッドマンが回し蹴りを放ちギラルスの顔面に直撃しギラルスは地面に倒れる
「今だ!グリッドビームでトドメだ!」
グリッドマンがトドメを刺すなら今だと叫び、グリッドマンは左腕にエネルギーを溜め、左腕のグラン=アクセプターから膨大なエネルギーを放つ光線 グリッドビームを地面から起き上がったギラルスに向かって放つ
ーーークカキャウウゥゥゥ!?ーーー
ギラルスは身体を爆散させるのではなく雲散霧消する、呆気ない程の結末に垣根はこんなもんかと感じてしまう
「これでギラルスは倒した…後はここを
『あ?直すだと?』
グリッドマンは後は
『…世界を直した?』
「私のフィクサービームは破壊されたプログラムを修復する、だがこれで終わりではない!次は現実世界だ!」
垣根がフィクサービームの効力に驚くがグリッドマンは次は現実世界のグールギラスを倒さなければと叫ぶ、そして再び左腕のグラン=アクセプターにエネルギーが集まり左腕で何もない空間に拳を突きつける、すると突きつけた場所に穴が空く
『……これは?』
「現実世界に繋がるパサルートに似た空間だ、これで現実世界へ行ける!」
垣根がこの穴はなんだと問いかけグリッドマンは現実世界へ移動出来るパサルートの様な物と答える、そしてグリッドマンはその穴に飛び込み現実世界へと向かう
ーーーグギャガルルルゥゥゥゥゥゥゥゥゥ?ーーー
グールギラスは上空を見上げる、そこには幾何学的な紋章が浮かびそこからグリッドマンが現れ、グリッドマンが地面に着地する。グールギラスはグリッドマンを睨みつけると火球を放つ、グリッドマンはそれを手で払いつつ、グールギラスに向かって走り始める、そして勢いよくジャンプし上空から超電導キックを放ちグールギラスを勢いよく吹き飛ばす
ーーーグギャガルルルゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!?ーーー
「行くぞ!」
グリッドマンが吹き飛ばしたグールギラスに向かっていき、スパークビームを放つ、命中し火花を散らしバラバラとグールギラスの肉体が崩れる…だがグールギラスはビルの残骸を身体に埋め込んで体を再生させ顎から勢いよく火球が放たれる、火球をグリッドマンは殴りつけて破壊するがグールギラスは一発、二発、三発と火球を連射しグリッドマンは全て防ぎきれず身体に命中してしまう
「がぁ…!」
グリッドマンが火球を喰らい吹き飛ばされ地面に倒れると突然ビームランプが音を立てて点滅し始める、それと同時にジャンクから火花が散りパトランプが音を鳴らして点滅し煙が漏れる
「はわわぁ!?何ですこれ?!」
『不味いな…活動限界が近い!フィクサービームや現実世界に来るのにエネルギーを消費し過ぎたようだ!』
初春がジャンクが起こした現象に慌てるとグリッドマンがジャンク越しに何が起きたのか伝える、ギラルスとの戦いとコンピューターワールドを修復する為に使ったフィクサービーム、そして現実世界に来る等エネルギーを消費し過ぎた性で活動限界が近いと漏らす、グールギラスはそれを知ってか嘲笑うかの様にグリッドマンに接近しグリッドマンを踏みつける
「がぁ…っ!?」
ーーーグギャガルルルゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!ーーー
何度も何度も踏みつけては至近距離が火球を放ちグリッドマンを痛みつけるグールギラス、自分の体が自分の攻撃で壊れても建物の残骸が集まってすぐに修復される、グールギラスは楽しそうにグリッドマンを踏みにじる
『テメェ…調子に乗ってんじゃ…ねえぞ!』
ーーーグギャガルルルゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!?ーーー
だが垣根が調子に乗るなと言い放ちグリッドマンが勢いよく立ち上がる、グールギラスは体勢を崩しグリッドマンの拳を受けて吹き飛ばされる、ヨロヨロと後退するグールギラスだがその目に怒りを宿らせ火球をグリッドマンに飛ばす、グリッドマンの地面が爆ぜ炎上し身体を焼く、だが垣根は自分を舐めているグールギラスに静かに怒る
『ムカついた、再生出来ない程のスクラップにしてやる』
ーーーグギャガルルルゥゥゥゥゥゥゥゥゥ?ーーー
グリッドマンの背中から白い何かが溢れ始めた、グールギラスはそれを見つめ…何か理解する、それは翼だ、白い翼、垣根がグールギラスの火球を防ぐ際に使用した翼だった、先程まで能力が使えなかった筈の垣根がグリッドマンの身体から未元物質の翼を展開したのだ、何故いきなり使える様になったのか分からないが細かい事はいい、まずは
ーーーグギャガルルルゥゥゥゥゥ…?ーーー
『…覚悟はいいか化け物』
グールギラスの状況を把握できていない咆哮が響く、その瞬間グリッドマンは一瞬でグールギラスに接近するとグールギラスの顔面を殴りつける
ーーーグギャガルルルゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!?ーーー
グールギラスは何が起こったのか理解出来なかったが顎を開き鋭い歯でグリッドマンの装甲を噛み砕こうとする、だがグリッドマンはそれを未元物質の翼を盾にしグールギラスはそれに噛み付く…そしてグールギラスの歯が欠けて砕けた
ーーーグギャガルルルゥゥゥゥゥ?!ーーー
『確かにテメェのその鋭い歯なら
驚く怪獣に垣根は淡々と告げる
『だが俺の未元物質にその常識は通用しねえ』
次の瞬間未元物質の翼がギロチンの様に振り下ろされグールギラスの首が切断された、その速さには誰もついていけず、グールギラスは鳴き声を出さずに首が地面に落ちた、これで普通の生物なら即死で戦いは終わる、だがグールギラスにはそれが通じない、胴体だけになっても動き始めグリッドマンに尻尾をぶつけようとする
『チッ、まだ生きてやがんのか』
グリッドマンはそれを避ける、切り落とされた首の断面に赤く輝く三角形がある…あれがコアなのだろう、垣根が翼を動かしグリッドマンが身体を動かして接近しようとするが足元に鈍い痛みを感じ足元を見るとなんと切り裂いた筈のグールギラスの首が噛み付いていた
ーーーグギャガルルゥゥ…ーーー
「ま、まだ動けるんスか!?」
「規格外過ぎますわ…」
噛み付くグールギラスに首に胴体が地響きを起こしながら突進して来る、対してグリッドマンは噛み付かれている足を動かしサッカーの様に足を振り上げグールギラスの首を胴体にぶつける、そしてギラルスを倒した時と同じ様にグリッドマンは左腕にエネルギーを集める
「グリット…ビィィィィム!」
ーーーグギャガルルルゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!?グギャ……ガ……ゥ……ーーー
ギラルスに放った時よりも遥かに太い光線がグールギラスの身体を覆い尽くす、グールギラスの土塊の様な身体がボロボロと崩れコアである三角形も徐々に亀裂が入り砕け散った、そしてそのままグールギラスは身体を維持出来ずに消滅した
「た、倒しましたよ!」
グールギラスが倒れたのをジャンク越しに確認する初春、それと同時にジャンクが光り、ジャンクから垣根が吐き出される
「……何だったんださっきの…」
吐き出された垣根はグリッドマンと一体化したのはどういう事なのかとジャンクを見る、するとパソコンにグリッドマンが映る
『君のお陰で助かった!感謝する!』
「…お前が無理やり手伝わせたんだろうが…」
『だがこれで終わりではない』
「…え?」
グリッドマンが垣根のお陰で怪獣達を倒せたと礼を言い、垣根はお前が無理やり手伝わせたんだろうがと睨む…が、グリッドマンはまだ終わってはいないと告げると初春が目を見開く
『まだ敵は残っている、これからも怪獣は現れ続けるだろう、だから君の力が借りたいんだ』
「……まだ現れる…だと?」
グリッドマンは告げる、まだ敵は残っている、だからこれからも力を貸してくれと垣根に頼み込む、垣根はまたあの怪物が現れるのかと眉間にしわを寄せる…初春達も驚きの目でグリッドマンを見つめる中グリッドマンは垣根達に言葉を放つ
『頼む、私と共にこの世界を守ってくれ!』
窓のないビルで『人間』が微笑んだ
『グールギラスとギラルスは倒せるか、そうでなくては…さて次は幻想殺しと超電磁砲だ…次の怪獣の用意をしなくてはな』
六枚羽が出したかった、後悔はない…さて次回は原作ヒロインと主人公の登場、マイナーな怪獣も出てくるかも。因みにグリッドマンは記憶をある程度覚えています。まあそこはおいおい説明します
次回もお楽しみに
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