私のうっかり人理修復生活 (ひねくれた夏みかん)
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第0章 特異点F
私はうっかり召喚してしまったらしい


Fate/Grand Orderにはまってしまったノリで書いた。
あとキャスニキに一番最初に聖杯をあげたいのにレベルが足りなくて悲しい衝動で書いた



冬木市在住、華凛 霧香のこと私が押入れを開けるとそこにはイケメンがいました。正確には寝ていた。

 

お兄さん誰!ちょっと待ってよお兄さん!きついよねベットに運ぶから!

 

お兄さんを引きずりながらベットに運ぶ。お兄さんの睡眠力の半端なさに引きずっている私は驚愕した。そしてそのまま何もなかったように朝食の準備に取り掛かった。

 

「ん、んん?ここは?」

「あ、起きた?」

 

朝食ができたので呼びに行ったらお兄さんがちょうど目を覚ました。…ちくしょうイケメンは何やってもイケメンだ。

お兄さんはキョロキョロしたら急に手から杖が出てきて私の顔を指した。

 

「おまえが俺を呼んだのか?」

「知らない知らない!押入れ開けたらお兄さんがいたモン!」

「だったらその押入れに俺を連れて行け。」

「オッケーオッケー。」

 

とてつもない殺気いや圧力が私たちに襲いかかり、動くことはできなかったが、何故か口はスラスラと動いた。されるがままに押入れを案内して開けてみるするとそこには…魔法陣が描かれていた。

 

…ん?昨日はなかったよね?ってあ、あ、あー!あー!オカルト本に乗ってるのを調子こいて描いたやつだわこれ。

 

「やっぱりか…お嬢ちゃんこれについて覚えはあるか?」

「オカルト本に乗ってた聖杯戦争のサーヴァントの召喚の仕方を調子こいてやりました。しかも酒の酔いの衝動で…」

「そのオカルト本どこで手に入れた?」

「へんな占い師さんに貰った。そして消えた。」

 

答えながらだんだん顔が下がる私の頭をお兄さんは撫でた。そして頰を両手で押さえられて顔を上げさせられる。

…うわぁ超イケメンやわぁ。目の保養保養。その時のんびりとそう思っていた私を殴りたい。お兄さんは私にばくだんを落としていった。

 

「おまえが俺のマスターか?」

「ひゃ、ヒャい。」

「これで契約成立だな!よろしくなマスター!俺はキャスターだ。」

「え、は、えーと私は華凛 霧香。マスターじゃなくて霧香って呼んで。キャスター。」

 

じゅっと右手の甲に痛みが走る手を見ると謎の火傷の跡があったのを見つけたのと同時に両者のお腹が同時になったので笑いながら朝食にした。え、話って?そりゃあ聖杯戦争講座に決まってるじゃないですかやだー!

 

「聖杯戦争についてはどのくらい知ってるんだ?」

「7人の魔術師がそれぞれのサーヴァントを召喚して聖杯をかけて戦う。勝者には聖杯に願いを叶える権利が貰えるくらいかな。まあ昨日の今日だから本にはもっと詳しく書いてあるんだと思うんだけど…」

「それくらい知っていれば大丈夫だろ。後は7人のサーヴァントなんだが、セイバー、アーチャー、ランサー、ライダー、アサシン、そして俺のクラスのキャスターだ。」

「ごほっ!ん?キャスターって名前じゃないの!」

「絶ッ対に言わん。キャスターニハオレニャアワネエヨ」ブツクサ

 

はーい爆弾発言二個目ありがとう(白目)絶対信用されてないわー。

キャスターは後ろに暗い影を纏い、私はうなだれて机に頭を押し付けてすぐに両者ガバッと起き上がる。そう、名前が知らなくても私はマスター(仮)なんだからしっかりしなくてはならない。彼は驚いた顔をするがすぐにニィッと笑う。

 

「それじゃあキャスター私の願いはあなたと一緒に生き残る。聖杯なんていらないから。これからもよろしくね!」

「ああ、これからもよろしくな霧香。」

 

こうやって私たちの契約は幕を閉じたのである。実にイレギュラーだった。今回の聖杯戦争は実に狂っていた。そして私も実に狂っていたと…

 

その前に皿洗いをしなければと自分のサーヴァントにも手伝えと前の生活と変わらずに過ごしている私には知るよしもなかったのである。

 

「キャスター、皿洗い手伝って。それと服はどうしよう…」

「まぁ普通に霧香と同じ生活はできるぞ。」

「うんじゃあおさがりでいいなら服はある。」

「へぇ、彼氏でもいたのか?」

「いや、男装が趣味な長身の友達が置いてったものがねちなみに新品だぜ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




華凛 霧香

読み かりん きりか
性別 女
誕生日 6月21日
身長 163cm
体重 マル秘だよ

髪は黒のロングストレート
よくうっかりが発動する。大抵酒の勢い


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私はうっかり魔術師になったらしい

タグはこれから増やします。
ぐだ男の事藤丸立香のタグがありますが出番はもう少し後です。
あとタグにヤンデレを追加しましたがヤンデレ要素は薄いかもしれません


「魔法を教えてください!」

 

 昨日うっかり召喚してしまった華凛霧香です。今絶賛土下座中です。なぜかってそりゃあキャスターに魔法を教えてもらうために決まってます!

 キャスターはうーんと少しひねったが少し笑いながら椅子から降りて土下座する私の手を取ったので流れで私のは顔を上げた。その時の顔は超満面で爽やかな笑みで、多分女性にはイチコロであろう顔を見てきゅんとするわけでもなく、少し戸惑う感じに私は顔を歪めていた。そんな私に彼は言った。

 

「いいぜ。霧香。魔法くらいなら教えてやる。」

「ほんとうに!ありがとうキャスター!」

「霧香は笑ってた方がかわいいぞ。」

「ば、バーカ!そういうのは好きな子に対して言うんだよ!」

 

 顔が火照ったように赤くなるのに気づいて、バーカバーカ!とキャスターの胸をポカポカと叩く。これだからイケメンはこっちの気も知らないで!

 少し時間が経つとヤベェと思いながら離れようとしたらフードの中から少し顔を赤く染めたキャスターが見えて固まった。が、すぐにイケメンスマイルになって私を椅子に座らせて、万年筆と紙を取り出した。つくづく思う一体どっから出てくるんであろうかそれは、でも今は魔法講座が先なので考えるのをやめた。

 

「まず魔法には大まかに2種類あって詠唱と文字を刻むがあるんだが、俺はルーン魔法と言って文字を刻んで魔法を出す方だ。」

「だったら、私がうっかり召喚したのは?あれは魔法陣だった。」

「そうだ。サーヴァント召喚は魔法陣と詠唱の二つが混ぜ合わさった魔法だ。」

「なるほど。思ったんだけど、私詠唱じゃなくてルーン魔法を教えられた方がいい気がする。」

「俺も思った。詠唱はおぼえないけねえし、霧香は魔法のまの字も知らねえからな。」

「よし、ではよろしくお願いします!キャスニキ!」

「キャスニキって…」

「だってお兄さんみたいじゃん。私、家族いないからね。憧れちゃうのさそういうのに。」

 

 少ししんみりしたが、すぐに地獄のような特訓が始まった。1週間基礎から応用まで叩き込まれてパンクになりそうになりながらもひたすら書いた。本当に詠唱じゃなくて良かったと思うほどに、元一般人、素人魔術師にはルーン魔法を扱うのにも苦労したのだ。でる、出ないじゃない。家を破壊するかしないかの話である。やばかったあんなに威力があるとは、もう二度と魔法で遊ばないと決意したのであった。

 

 変わったことといえばキャスニキの真名判明と魔力供給の仕方であろうか。特訓から2日間は自分の腕を切って血を与えることによって与えていたが、なぜか3日目からキスで魔力を供給することになったぐらいであろうか。初めはビックリして少し怒った。

 

『ちょ、キャスニキや、やめて!そういうのは軽くやっちゃダメ!』

『クー・フーリンって呼べ霧香。』

『ん、分かった。クー・フーリンどうしたの?魔力が足りないなら血あげるから。』

『口付けでも魔力供給はできるし、そして血よりも質のいい魔力が入るんだぜ。』

 

 怖い。その時の私はかれと出会って初めて彼の闇というか負のオーラいやこれは執着心を垣間見た気がする。だからこそその時の彼の笑みが完璧すぎて怖かった。でも、すぐにいつもの感じに戻ったからあれは私が深く考えすぎたのかなと今ではそう思っている。そしてキス騒動で慌ててた私は彼の本名を聞けて嬉しいとフィーバーするのを忘れていたのは痛恨のミスであった。そして彼をクーと呼んでいる。

 

「そういえば、霧香は大学行ってないのか?」

「行ってるけど、休んでる。関係ない人を巻き込みたくはないからね。アト、クートナガクイタカッタシ」

「へー。じゃあおさらいな。」

「うへぇ。はーい。」

 

 万年筆を構えて空中に文字を刻む。すると風が発生する。そう、私は制御を覚えたのさー!初めは火柱が出たよ。クーに呆れられたこともあったけど(魔力豊富で)そして紙から空中へと進化もしたのさ!私がキラキラした顔で見るとえらいえらいと頭を撫でてくれた。とても優しい手つきだった。そしてそのまま口付けをされた。

 

 いくらなんでも前にやったことがあるからって心の準備ができてない!そしていつもより長いよ!

 

 酸欠でぱたっと倒れてしまった私。これで魔術師になる為の修行が終わり、多分最短で新人魔術師になったことによって幕を閉じた。

 

「ああ、早くここに堕ちてくれねえかなぁ…な、霧香?」

 

 じつはもう霧香はうっかり彼のハートを射止めてしまったのには気づくはずもない。これまた厄介なうっかりである。

 

 




キャスニキがヤンデレたらいいと思うのは私だけなのだろうか…


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私はせっかく生き残ったのにうっかり死んでしまったらしい

今回は少し長めです。多分これからもこの長さになると思います。


「火事が酷いってもう聖杯戦争は始まってるの?クー!」

「いや、術者は死んでいる!」

 

はーい新人魔術師になった華凛霧香です。絶賛火の中をクーにお姫様抱っこされながら移動しています。

今の状況は人類滅びたらしいです。ついさっきまで魔法の暴走で宇宙に行ってしまった私が戻るとこの有様でした。ん?なんでって?転移魔法をやったら宇宙まで行ってました。(クーも一緒に)

もう冬木市は火の海で焼身死体が沢山ある。可笑しいのは術者も死んでいることぐらいだ。

 

「なんでさ。私の家は無事なのさ。」

「知らねえが。まあいいんじゃねえか?」

「そうなんだけどさ。とりあえず聖杯戦争は私の勝ちでいいのかな?」

「いや。サーヴァントは生きてるぞ。」

 

謎に自分の家は無事だったので家で会議を開いていた。術者は死んだのにサーヴァントは生きてるというクーのサーヴァントレーダー(名付け親は私)察知し非常事態が発生したことが判明。普通は術者が死ぬとサーヴァントも消えるのだが今回はどうやら消えてないらしい。とりあえず表面上は停戦状態である。

少し時間が経つと火は自然に消え何故か家は誰もいない状態で元通りになっていた。

 

「は?元通りになってるんだけど。」

「チッ!これは聖杯の力だ。やばいぞこいつぁ聖杯戦争の幕開けだ!」

「嘘!私足手まといじゃん!術者いないのに!」

「俺がちゃーんと守ってやるから。霧香は何もしなくていい。」

「あ、クーが言うんなら分かったよ。」

 

ぎゅっと私を抱きしめる。それは懇願にも近く長い髪がサラサラと私を閉じ込めるようにかかる。私も抱きしめて頭を撫でる。

こんな時に言うのもなんだが私はクー・フーリンが好きだ。もちろん恋愛的な意味で、でも私の本能が結ばれないと叫んでいる。だから無言の恋を貫こうではないかと思うほどに好きだ。

そんな気持ちを振り払ってクーを引き剥がし、家を出た。けど本当に家以外は何も無い人もいない。何故か焼身死体もない。あ、ごめんサーヴァント発見したわ。

 

「ねえ、サーヴァントじゃない?」

「ほんとじゃねえかってセイバーってあんな感じか?」

「あ、セイバーなのね。ってセイバーが勝ってって何泥を飲ませてるの?あれ?聖杯じゃん。」

 

セイバーは聖杯の泥を負けたサーヴァントに飲ませている。するとたちまち負けサーヴァントは起き上がり黒くなった。いわゆるブラックサーヴァントである。セイバーは黒いけどあの全身真っ黒ブラックサーヴァントほどでは無かった。少し様子を見ているとどんどんサーヴァントがセイバーに立ち向かっていくがセイバーの圧勝であった。そしてセイバーは次々とブラックサーヴァントを作っていきやがった。つまり今の状況は私+クー・フーリンVSセイバー+ブラックサーヴァント軍団という非常にやばすぎる状況でした。

 

「やばい、やばいよ!ど、どうしよう!」

「とにかく全員相手じゃ無理だ。一つずつ対処して行かねえと。」

「クー申し訳ないんだけど見つかったよ私たち!」

「霧香指示を出せ!」

「OK!とりあえずとにかく離れて!一つずつ対処する!」

「ああ!任せとけ!」

 

とにかくこの場を離れなければと思い支持を出す。お姫様抱っこされながら家の屋根を使い移動する。走って走って走ってとにかく走ってもらった。追っての質は落ちたが数は増えた。通常の聖杯戦争では絶対いない骸骨兵がお出迎えしてきやがった。全く嬉しくない!戦えないクーの代わりに私がルーン魔法で片付けながら橋のところでなんとか追っ手を巻くという予想外の状況となった。

 

「まさかセイバーが聖杯戦争を始めるとわな。」

「セイバーって誰なの?」

「聞いて驚け!アーサー王だ。」

「女の人じゃんってああ、アーサー王は実は女でしたよってのはマジだったのね。ってマジか…」

「よくマイナーなこと知ってるな。」

「まぁ歴史は小さい頃から好きで特にケルト神話が一番好きでよく調べてたからクーが私のサーヴァントで本当に嬉しい。」

「嬉しいこと言うなぁ!霧香!俺、霧香のそういうところが好きだぜ。」

「ありがと。私も好きだよってきた!あれはアーチャーじゃん!」

 

アーチャーはブラックサーヴァント化はしていなかったが左目が黒かった。そして弓を放つので私の魔法で対処するが剣を持って近距離戦にしようとする。近距離だとクーはキャスターだから危ない!でもこいつアーチャーなのになんで剣を持ってるのよさ!

 

[クー!私がこいつを引きつけるから強い一撃をぶつけて!]

[ダメだそんなことしたら霧香が!]

「余所見している暇はあるのかね?異端のマスターとクランの猛犬よ。」

「は、やくキャスター!下がって!」

 

脳内会話でしていたが、アーチャーの一撃が重く悔しいが余所見の暇は無いクーがなんとかしている状態だ。彼の宝具は少し時間がかかる私が相手をできればいいんだがこの勝負を見ていると私では無理だ。30秒持って奇跡の範囲内だ。クーは私を守りながら戦っているので余計に不利な状態が続く。そして気づいた。まさかのセイバーまでいることにセイバーは少しずつ近づいているよく見ると不意打ちをしようとするらしい。アーチャーは気づき、クーは気づかない。

 

いやだ。私の頭の中はそれに占める。クーがセイバーの言いなりになって欲しくなかった私のサーヴァントのままでいてほしい。私が生きているうちは…。だからタイミングよくセイバーが剣を振るった瞬間彼を庇った。背中に熱い痛みが走るうまく立っていられなくなり、くーに体を預けた。

 

「ほお。まさか庇うとは。そのまま逃げればよかったものの。」

「私はマスターだからいや、違う嫌だったんだ。かれがいいなりになるのが。」

「キャスターおまえに異端のマスターとの別れの時間をやろう。アーチャー戻るぞ。」

 

セイバーはアーチャーを引き連れてきた道を戻っていった。キャスターはルーン魔法で背中の傷を治すが自分の身体のことだよくわかる。血が流れすぎて治しても意識は戻らない。死んだも同然だ。うつ伏せから仰向けに自力で直す。クーに抱えられながら私は口を開いた。

 

「クー多分私の身体もたないや…心臓は動いてもいしきは戻らない。」

「なんで前に出たんだ!俺は、サーヴァントは使い捨てだ。霧香もわかってたんだろ。なぁ!」

「あまりしゃべれないからこれだけは言っておく花言葉でクチナシとツキミソウだよ。」

 

そこで私の視界はブラックアウトになった。走馬灯ぐらい見たかった。ああ、クー・フーリン私はあなたのこと愛してる。

私の20年人生はここで終わった。好きな人を守れて幸せだ。

 

 

 

 

 

 

ここで終りなんてさせないよ。思い出してきてよお姉さんの記憶。

 

 

 

 

 

 




「『私はとても幸せです』『無言の恋』」
俺は呟く。まだ心臓は動いているが起きる気配は全くない。霧香は実質死んだ。俺を庇って生きてるけど死んでいる。

「つくづくいい女には縁がない。」

本当に?だって小さい頃からの初恋じゃないか、なんで守れなかったんだ?あんなに誓ったのに、ああ、もういいや閉じ込めてしまおう。復讐もして聖杯も手に入れて二人だけで一緒に暮らす。そう考えるとニタリと口が歪むのがわかる。

「待ってろよ霧香。起きたときにはなにもかもぜーんぶ終わっているからな。」

霧香を彼女の自宅のベットに寝かせてガチャリと扉を閉める。

なあ、覚えてないかもしれねえが霧香と俺はもっと前からあってたんだぜ。

彼が藤丸立香と出会う数日前の話であった。


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私はうっかり過去を見て回ることになったらしい

今回はオリジナル満載です。


「ここはどこ?」

 

はい。前回ある意味死んだ華凛霧香です。上下左右も分からない暗闇にいてとても寒く感じる。なにもする事がないので歩いてみた。ひたすらに歩いても何も見つからず遂に寒さで足が動かなくなり、しゃがんでしまった。体を丸めて震えていると急に暖かくなったので顔を上げると男の子がいた。

 

「やあ、お姉さん。ここで終わりにするつもり?」

「私は植物状態に限りなく近いだからある意味死んでるから終わりだよ。」

「ふーん…お姉さんはクー・フーリンとはあの召喚が初対面だと思ってるでしょ?」

「な、んでそのことを…」

 

男の子はてを後ろに組んでニコニコと笑っていてあくまで私の疑問には答えないつもりらしい。私は狼狽えながら彼の顔を見ると心なしかクーに似ているような気がしてきた。少し経つとムムムとした彼が口を開いた。

 

「違うよ。君たちはもっと前から会ってるんだよ。ま、記憶が無いから仕方ないんだけど。」

「え?どういう、こと?」

「過去に行って思い出してきてよ。」

「ちょっと待っ!」

 

肩を押されて私の体は重力に逆らわずにどんどん落ちてゆく。最後に見た彼の表情は哀しそうでとても儚い笑みを浮かべていた。

 

ドシン!と背中から痛みが広がる。起き上がると一面中花、花、花の花畑であった。来たこともないのにどこか懐かしいという気持ちを胸に歩いてみる。すると幼少期の私とクーに似た少年がいた。

 

「セタンタ君。はい!はなかんむりだよ!」

「はは!ありがとうキリカ!こっちもあるぞ!」

「ありがとう。どう?にあってる?」

「ああ、とっても似合ってる。」

『私には気づいていない。』

 

セタンタはクー・フーリンの幼少期の名前だから多分これが私達の初対面である。実は私はずっと二人のかなり近くに居たんですよねーでも砂糖を吐き出せるくらいのゲロ甘雰囲気のお二人さんに気づかれることはなかった。なるほど、私の奥深くにある記憶の中にいるのか。それにしてもあの二人めっちゃ甘い。甘すぎる!

 

目の前の景色がふと変わる。セタンタが私(子)を庇いながら猛犬に立ち向かおうとしている場面だ。あの時の私はもう泣きそうなのに彼の足手まといにはなりたくなくてずっと堪えている。それを見たセタンタは顔を変えて一撃で猛犬を倒した。死体を見た恐怖からのか安心感からきたのか目の前の私(子)はかれの胸の中で泣いていた。

 

「うわーん。ひっぐ。グス。」

「キリカどうかしたのか?痛いのか?」

「セタンタ君が死ななくてよかったよー!」

「安心しろちゃーんと守ってやっただろ?」

『ああ。私はあれの立ち会っていたのか。』

 

セタンタは優しい顔で私(子)を抱きしめている。私は少し安心しながらそれを見ていた。急に周りがブラックアウトになって私と私(子)が向かい合わせになった。

 

「大きくなったわたしにあげるね!」

「これは、花?」

「うん!もうセタンタ君のことわすれちゃダメだよ!」

「あ、ちょっと!」

 

私(子)は手を振りながら光に向かって走っていった。私も追いかけようとするがとてつもなく強い向かい風によって体ごと吹っ飛ばされた。幸いさっき貰った花は一本も落とさなかった。次はとても暗いところにであったが少しずつ灯りがついているため、完全な闇ではない。そこには高校生の私とあの頃より大きくなった。クー・フーリンがいた。あれは多分スカサハも一緒にいる。

 

「へぇ。結婚する為に修行か。師匠さんよ。」

「なかなか鍛えがいのあるやつだ。キリカも一緒にしてくか?」

「お!キリカも一緒にやるか?」

「遠慮しておきます。師匠も知ってて言ってます?私が来れるのは私自身が夢の中であるってこと。」

「知っているさ。だから冗談なんだが。あいつはマジだぞ。」

「マジですか。」

 

仲良く談笑はしているが。やはりクー・フーリンが好きだったのか私(高校生)の顔は少し無理をした笑顔になっていた。確かに夢だけの存在だから結ばれることは一生ない。だが失恋の痛みは凄まじいものだったと顔を見れば一発で分かった。スカサハはそれに気を遣って話しているがクー(青年)はいつも通りであった。

 

また景色が変わる。すると重体の私(高校生)を抱きかかえたクー(青年)が映る。彼は目から滝のように涙を流しそして目は虚であった。今まで見てきた彼にはまったく想像出来ない表情だった。見てるこっちも駆け出したいでも、駆け出しても絶対に気づかれることはない。見てる側のこっちがとてつもなくもどかしい気持ちになった。

 

「キリカ、キリカ!」

「大丈夫だよ。だーいじょうぶ。少し疲れただけだから。ね?」

「俺を置いていかないでくれぇ!」

「大丈夫君なら戦える。じゃ、また会おうね。おやすみ。」

「ああ、おやすみ。絶対今度会った時はちゃーんと守ってやるから。」

 

夢から覚める合図なのか私(高校生)の体がキラキラひかりそして消えていった。クー(青年)は彼女が消えた後無双していった。もうただの作業ゲーじゃないかと思うほど、愉悦もなく殺すことに対してを特化させていた。唖然する。も、また場所が変わる。

 

今度は少し暗いところでスカサハが深く眠る私に杖を一振りしている。その時の顔はとても穏やかでそして少し厳しく悲しそうな顔をしていた。

 

「もう、あなたはこっちにきてはいけない。だから忘れろ。」

『ちょっとってえ。そういうことなの。』

 

つまり私はスカサハによって封印された記憶を見ていたということだ。また私と私(高校生)が向かい合わせになる。

 

「あげる。初恋は今なら実るんじゃない?」

「どういうこと!ねえ!」

 

また花を貰った。そして今度は一番最初の男の子がいる場所についていた。やっと意味が分かった気がする。でもこの花を渡したい相手がいる。せっせと貰った花で花かんむりをつくり、男の子の前に突き出した。

 

「私をクー・フーリンの死に場所と死んだ直後に転移して!」

「それでいいの?」

「いいに決まってる!」

「じゃあ僕も一緒に行くよ。」

 

少年が手を上に上げるとたちまち場所が変わる。目の前には自殺したクー・フーリンがいた。私は涙を静かに流し彼の頭に花かんむりをのせる。

 

「思い出したよ。ごめんねぇヒッグ遅くなっちゃって。私死んじゃった!思い出す前にさ。ごめんねごめん。」

 

力一杯ぎゅっと抱きしめながら泣いて謝罪の言葉をエンドレスに言い続ける私。少し時間が経つと男の子は咳払いをして元の暗闇に戻った。私まだ泣いているが次の彼の一言によって泣き止む。いや驚愕した。

 

「お姉さんはまだ生きれるよでもサーヴァントでしか生きられない。」

 

こうして私の過去旅行は幕を閉じたのである。

 

 

 

 

 




出来るだけ詰まらないように物語を出したいです。
次回急展開!


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私はうっかりボクっ娘サーヴァントになるらしい

少し遅れました。


「お姉さんはまだ生きれるよ。でもサーヴァントでしか生きられない。」

 

過去旅行を無事に終わらせてきた華凛霧香です。今少年の言葉に驚きでいっぱいです。私は死んだのに生き返るとは、最近流行りの転生みたいなもの何だろうかと少し思考をシャットダウンしました。でも生き返れるのなら生き返りたいと思う私は多分相当狂っている。

 

「それは本当?」

「本当だよ。ぼくはお姉さんには嘘をつくことができないからね。」

「そうなんだ。実際にはどのように?」

「ぼくがお姉さんを依代にして憑依する。そして人格の主導権をお姉さんに譲ることで生き返ることができる。」

「君は大丈夫なの?」

「うん。眠っているだけだからね。」

 

少年はにっかりと笑ってピースをする。なぜか私には強がっているようにしか見えなくて大の大人が泣きそうになった。少年は私をぎゅっと抱きしめる。それだけで私の涙腺は申し訳なさで崩壊した。

 

「ぼくはお姉さんには生きて欲しい。お姉さんじゃなきゃぼくは見捨ててた。だからね。」

 

「生きてもいいんだよ。」

 

「生きてもいいの?君を踏み台にして?」

「いいんだよだからこの手をとって?」

 

少年は私に手を差し伸べる。私は目を腫らしそして顔を叩き、さっきとは変わって多分爽やかな笑みを浮かべていると思う。そして彼の手をとった。その時暗かったこの空間がヒビを入れてパキパキと音を立てながら崩壊していく。手はどんどん彼から離れていくそして最後には叫んでやった。

 

「ありがとうね!君!いやコンラ!」

「お姉さん!なんで知って!」

 

彼の叫びは聞こえなかったけどそんなに驚くことだったかなぁ?と思いながら別れた。海に落ちると息苦しさと光の強さによって私は生き返ることになった。

 

起きるとそこは自分の家で服を見るとなぜかパーカーを着ていた。全体を写す鏡で見てみるとそこには髪と目がクー・フーリンと同じカラーで動きやすいパーカーとジーパンを履いてる自分が映った。そして手持ちは万年筆となぜかの金属バットだったステータスはバーサーカーである。ん?バーサーカー?私狂ってなくね?あ、狂わないバーサーカーなのね私。1番重要なのはサーヴァントなのに私に令呪があるということだろうか?とりあえず包帯巻いて隠しといた。でもオカシイだろ!

 

扉を開けるとまた火の海になっており、あちこちに魔力が分散していた。あるところだけとても濃い魔力が集まっている場所があったので近づくと途中でサーヴァント反応がした。2人か…と近づいていると4人人がいた。クー・フーリンと銀髪の女性、黒髪の青年に、紫色の髪の少女がいた。骸骨兵が青年を襲おうとしているにで助けに入った。

 

「油断大敵だよ青年達!」

「せ、先輩‼︎大丈夫ですか?」

「だ、大丈夫だよマシュ。」

「あなたはサーヴァントでしょ!敵味方どっち?」

「坊主に嬢ちゃんこいつは俺のマスターだ…なんで生き返って。」

「キャスター!本当かい!でも彼女はれっきとしたサーヴァントだ。」

 

ヤバいヤバい!とにかくヤバい!だんだんとカオスになっていくこの場所で危機感を持ち始める私。クーは今にも泣きそうな目をしているごめんイケメンだからちょっと鼻血出そう。ヒッヒフー!少し落ち着いたのか自己紹介をしよぜ!となって自己紹介をすることになりました。

 

「俺は藤丸立香。彼女のマスターをしているんだ。」

「私はデミ・サーヴァント。マシュ・キリエライトです。」

「私はオルガーマリーよ。カルデラの所長です。」

「ぼくはロマ二・アーキマン。ロマンとでも呼んでくれ。」

「俺は…」

「キャスターでしょ?真名は言いたくないんでしょ?ボクの時もそうだったよね?」

 

「ボクは華凛霧香!クラスはバーサーカー!キャスターの元マスターだよ!」

 

クーと私以外は驚愕な顔をして、クーはなんか目のハイライトが消えていた。仕方ないじゃないかだってもう君のマスターじゃないんだから。手をだんだん強く握りしめていたのか手から血が出てきた。そういえば私には令呪があった。もしかしたらと私はすがるような気持ちで彼に命令することにした。一番分かりやすい方法で。

 

「令呪によって命じる。クランの猛犬を倒した時の心境を述べよ!自国語で!」

「な、記憶が戻ってって!それはやめろ!って口が勝手に動く!」

 

クーが顔を真っ赤に染めながらペラペラと喋るあ、多分私以外は理解できてないと思うね。だけど聞いてるこっちも恥ずかしく顔が真っ赤になった。けどこの令呪はクー・フーリンのであることに気づいた。そんなことが嬉しくて嬉しくてたまらなかった。そこにロマンの横槍が入る。

 

「華凛霧香という英霊はいないんだ!」

「どういうことよ!じゃあ彼女は一体何者なのよ!」

 

「ボクは擬似サーヴァントですよ。ボクに憑依したのはケルト神話でクー・フーリンの子供で父と戦い破れたコンラ。」

 

「つまりボクの真名はコンラですよ。」

 

しんとあたりは静まる。クーはさっきよりもなんか目に嫉妬の色がうかがえるが私にはよく分からなかった。クーにぎゅっと抱きつくと撫でてくれた。それだけで嬉しくてたまらなかった。だって君と同じ目、同じ髪色お揃いみたいで私はとても好きだ。そんな優越感に浸ってたから次の言葉にビビった。

 

「霧香はコンラが憑依したから自分のことをボクって言うようになったの?」

「え?いつもは私って言ってるのにボクだって?」

 

コンラ君はなんてことをしてくれたんだーーーーーーー!

 

私がボクっ娘サーヴァントになったことを自覚させられて幕を閉じた。




感想ありがとうございます。出来るだけ感想にはコメントを残していきたいと思います。


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霧香姉さんは『あたし』と『私』と『ボク』がうっかり融合したらしい

今回は短めです!


「先輩!前から敵が!」

「ようし!いっちょやるか!」

「1、2、3…10体人間を仇なす者は死ね。」

 

俺は藤丸立香です。前の霧香姉さんの叫び早々に敵がやってきました。上からマシュ、キャスター、霧香姉さんの順で話しているけど霧香姉さん言葉が不穏なんですけど!と思っている間に戦闘が始まる。マシュと霧香姉さんは前衛、キャスターは後衛で戦っている。マシュが取りこぼした敵をキャスターの援助攻撃でカバーする。霧香姉さんは?もうヤバいとしか言えないねうん。だって容赦なく倒していくんだもん。

 

『あははは!呪う暇もなく死ね。』

 

ヤバいよあのちょっとうっかりさんだった人が戦闘狂になっちゃった!と思い所長を見たら唖然としてた。俺は間違った気持ちじゃなかったんだ。やっぱり彼女もバーサーカーだったと気づかされた俺でした。まあバーサーカーには狂化がつくしね。

 

終わった後のみんなの反応↓(戦ってた組)

マ「なんとか勝ちましたよ先輩、所長。」

キ「お嬢ちゃんもなかなか筋がよくなってきたな!」

霧「ああ、もう終わりか。もっとボクを楽しませて欲っかたのに。」

 

うん!霧香姉さんはヤバい。というか人が変わってるような気がするのは俺だけ?と思ったらキャスターが急にトロンとした顔で彼女に近づいていった彼女は溜息をつきながらも彼の頭を撫でていた。オレタチハイッタイナニヲミセラレテイルノカナ?

 

「キリカ〜俺頑張ったぞ。だって呼び出されたと思ったら記憶をなくしてるじゃねえか?ああ、キリカの心臓が欲しい。」

「はぁ…ホントいつからヤンデレ属性になったんだか。そこ4人聞きたいことがあるのはわかってるから『大聖杯』に行く前に一息つこうか。」

「ええ。そうしましょう。私も聞きたいことがたくさんありますから。」

 

霧香姉さんの提案により俺たちは休憩(質問大会)をすることになった。兄貴的存在だったキャスターは霧香姉さんに軽く殴られてなんとか正気を戻したらしい。

 

「で、ボクは高校生までの華凛霧香が強く出たまぁつまり本当のボクというところさ。」

「本当の霧香さんとは?」

「うーんまず前提としてちょっと前の霧香は『あたし』の頃のボクが作り上げた理想の自分ってことだよ。はっきり言うと…」

 

「魔術についての記憶がない『あたし』の優しい部分だけを受け継いだ普通の一般人という『私』を作ったのさ。」

 

「そんなことが出来るわけないじゃない!その魔術にはたくさんの準備や人がいるわ!一人でできたとしてもそれは聖杯だけよ!」

「言霊って知ってる?もともとボクは『あたし』の頃に妖怪を殺す仕事をしていたんだ。彼らから憎しみの言葉をかけ続けられた。もともとボクは言霊は効きづらいほうだったんだけどそボクはたった2つだけ言霊によるの呪いにかかっちゃってね。『魔力が増え続ける』『見た目が人間以外の異端者を殺す衝動』。」

「じゃあ霧香姉さんも…」

 

「そう。もともとボクは魔術回路が並みの魔術師いや上級の魔術師よりもかなーり上回っているし言霊使いでもあったからから自分自身に言霊を使うのも簡単だった。」

 

霧香姉さんは哀しそうに笑う。キャスターは彼女に寄り添いマシュは俯き所長は唇を噛んでいた。

華凛霧香という人間いや今はサーヴァントか?はとても優しくそしてとても悲しい人生を歩んできたことに今実感した。そして新しい自分を作る程に生きたかった女性だったのだ。そして彼女は続ける

 

「コンラが『私』に記憶の一部を見せた後に私の言霊というか引きこもって魔力を注ぎまくって作っていた壁が壊れていった。そして敵が現れた時に。」

「壁が壊れてキリカがコンラの力を持つ霧香と合体してキリカが出てきたってことだな?」

「そう。正確に『あたし』と『私』が3:7でコンラが残って寝ているってとこかな?喋りかたが前と一緒なのはのは『私』の優しさや人格を少しだけ引き継いだってとこ。後コンラは力を貸しただけだから残ってるのさ。」

「それじゃあ霧香さんあなたはデミ・サーヴァントでも擬似サーヴァントでもないじゃないですか!」

 

マシュは悲痛な声をあげる。つまりは霧香姉さんはきっといやそれはないだろうでもでも!これじゃあこれじゃあ!もう!というところで頭に手が置かれた。

 

「はい!そんなんじゃあ『大聖杯』にいるセイバーに勝てないよ!ロマンそっちはいい?」

「ああ、こっちは大丈夫だ!だけどセイバーとは一体?」

「アーサー王だよ。だから生半可な気持ちで相手にするのはオススメできない。ま、彼女にはボクを殺してるから一発ぐらい殴らせて欲しいんだよね。あ、実際にトドメをさすのはマシュと君だよ。」

 

霧香姉さんはマシュと俺を指してニヤッと笑った。まるで俺たちが主人公であると言いたいかのようにでも彼女の真意を理解したのはちょっと後なのだった。

 

そして俺たちはされるがままに仮眠をさせられるのだった。霧香姉さんいわく少し寝て気をしっかりもちなさいだと。キャスターと姉さんが見てくれるというので俺たち3人は寝た。寝れないと思ったのにすんなり寝れたので疲れたんだなと実感させられた。

 

 

霧香姉さんがなんかいろんな人格が合体したのを知って幕を閉じるのだった。

 

 

 

 

 

 

 




3人が睡眠中の間の話
「キリカは見えてるんだなこの後が」

クー・フーリンは霧香の顔を見て怪訝な顔をするに対して彼女は気にしてもいないように見返した。

「そうに決まってるじゃない。じゃなきゃ誰があんな重大な役を押し付けるのさ。」
「人類が滅んで坊主たちがそれを救う為に戦うのか。」
「はあこれだから英雄様は。あなたにはきっと彼の気持ちを分かる事は出来ませんよーだ。あとサーヴァントにもね。」

霧香は呆れたようにてを仰ぐクー・フーリンはハハと苦笑した。

「後はよろしくね。クー彼らの力になりなさい。」

クー・フーリンは杖を霧香の胸を指しながら押し倒す彼女は少し驚くも目をパチクリして彼の頭を撫でる。

「本当に今殺して俺の座に引き連れてやろうか?」
「そんなの無理に決まってるのに何言ってんだか。それに知ってるでしょ?」

「サーヴァントでもないただの動くゾンビに近いボクが召喚なんてされっこないって。」

「それは!」
「だから頼んでるんでしょう。どうせなら召喚されて一緒に戦いたかったけどね。ボクは言霊に強いんだあれだって奇跡の産物なのに。立て続けに奇跡は起きない。」
「じゃあキリカは!」

フーと霧香はため息をつくそして全てを悟すのだ。

「なに。ちょっと徒歩で移動する友人に匿ってもらうさ。もしかしたら会うかもな。」
「だってそれが運命なのだから。」


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わたしはうっかり最後の最後にシリアスをぶち壊すらしい

遅くなってすいません。


「自分も武器が欲しい?」ボソボソ

「うん。俺、魔術が使えないからもしもの時に使えたらなと。」ボソボソ

 

はーい。前回実はうっかり融合してしまった華凛霧香です。休憩時間も終わり大聖杯にレッツラゴーをしています。その時に立香君に相談があると最後尾でボソボソ話すのでした。

彼いわく自分は魔術師では無く一般人なので魔力がかなり少ないらしく魔術が使えないというよりかは礼装とやらで補っているとのことだった。つまりはだ、彼自身守られているだけでは申し訳ないらしいので自分のできる範囲内でやれる事はやりたいらしいんだが、彼の膝が震えているのが分かる。怖い何故こんな目にというのが伝わってきた。昔の私と一緒だ、無知で純粋な頃に妖怪と戦えと言われて化け物屋敷に放り込まれた私と。だからなのか力を貸してやることにした。

 

「ん。」

「拳、銃?姉さんこれは?」

「立香。君は確かに弱いだけどそれと同じくらい強いんだ。」

「矛盾してるよ霧香姉さん。」

「それでいい。立香はそれでいいんだ。拳銃に君の想いを込めて撃ってごらん大丈夫これは普通の拳銃とは違うからサーヴァントにも効くから。いざという時に使えばいい。あ、弾はないからね。」

 

立香は少し戸惑いながらも拳銃をポケットにしまう。ま、私からの餞別だからな。私のお古だけど…というより金属バットより日本刀が良かったよまったく。

いつのまにか前との距離が離れてしまいマシュと所長にはーやーくーと連呼されることになりました。そして少し歩くと大聖杯の場所に着いた。なーんにもなかったけどねwいやあったはいたの方がいいのか、セイバーがいましたよ全くドス黒いことで、本当にやり方を間違えている哀しい奴。

 

「おう、セイバー邪魔するぜ。」

「お邪魔しまーす。そして一発殴らせろ。」

「ほう、生き返ったのか。元キャスターのマスター。で、そっちの宝具は、なるほど…」

 

「構えるがいい名の知れぬ娘。その守りが真実かどうかこの剣で確かめてやろう!」

 

そう言った瞬間マシュに攻撃してきた。かろうじて耐えるも多分やられるのは時間の問題だ。時間稼ぎにもならないかもしれないが前に出て問いかけた。そうこれは狂った戦争をやってきたやつにはピッタリだ。

 

「セイバー、あんたの目的教えてやろうか!」

「霧香!前に出たら危ないでしょう!早く下がりなさい!」

「なんだ答えてみろ異端のマスター。いや、妖怪殺しの通り名を持つ華凛家の者よ。」

「へぇ。表だったことをやってないのにその名が出るとはねぇ。ま、そんな事はどうでもいいけど。目的はね。」

 

「この時代の維持でしょ?ボクが気づかないとでも思ったの?」

 

「正解だ。だが貴様の言動には理解できない。何故身を滅ぼすやり方を選ぶ?」

 

みんなは息を飲んで私の方を見る。けど私は顔を変えない。だって知ってたから、見えてたから、これから私に起こる運命が。堂々と笑ってやろう答えてやろう。だってこれが私の生き様なのだから。と思ったところで抱きつかれた。立香に少し泣きながら、顔を服に押し付けて泣いていた。

 

「やっぱり死んじゃうじゃん。霧香姉さんずっと誤魔化してたよね。」

「…はぁ。立香戦え。いや戦いなさい。」

「ほらそうやって!」

「ボクはもう死んでいる!生きているのさえ奇跡!だから強く意思を持ちなさい!ボクひとりの犠牲にはきっと意味があったんだとボクは思う。それに。」

 

「立香、君の今やるべきことはなんだ!マシュを信じて一緒に戦うことだろう!」

 

いやー久しぶりに怒った気がするよ全く。青春だなぁ。それから頰をパチンと鳴らして再びセイバーに向き直る。マシュも顔をきっとさせる。そして彼は令呪を使おうとするも痛みで倒れてしまった。仕方ない私の出番かなと彼の前に立つ。セイバーは驚くが剣を持ち直し。そのまま攻撃体制に入った。

 

「キャスターいくよ。立香、マシュ私たちがお手本になるから覚えときなさい。」

「ああ、キリカ任せておけ!!」

「令呪をもって命ずる!マシュの援護をしなさい!マシュまだいける?」

「で、でも先輩が。」

 

「俺はこのくらいなんでもない大丈夫だから。」

 

ふーかっこいいこと言っちゃって私も胸がドキってなったわ!けどこれで大丈夫かな?立香、マスターらしい顔になってお姉さんはとっても嬉しいことですよ。と感激しているとマシュの背後にセイバーがきてクーのルーン魔法でふっとばされるも宝具の展開に入った。さすがにまずい。まずすぎるとは思ってはいないよ。何でって?だってあの2人ならきっと奇跡でも起こしちゃうんじゃない?だってあの2人は運命に選ばれているから。

 

「卑王鉄槌 約束された勝利の剣(エクスカリバー・モルガン)

 

「マスター…どうか指示を!」

「あの宝具を防ごう。いくぞマシュ!」

 

「仮想宝具擬似展開」

 

「とんだ美談ね。」

「オルガちゃんそれが彼らのいいところだよ。あと君もお疲れ様。」

「!私は何にもしてないわ。」

「いんや。君のおかげでもあるんだよね。マシュも立香も君がいなきゃできなかったことだってあった筈だ。あ、否定は結構。君はいろんなものを背負いすぎだから肩の力をらくーにって何で泣いて!」

「褒められたの始めてなのよ。ってレフ?」

 

振り返るといつのまにかことが終わっていて知らない奴が立っていた。けどとてつもないオーラを放っている。セイバーも居なくなってるしってあれ?セイバーを殴るのわ す れ て た。肝心のセイバーいない。いなくなった原因はレフというやろう。うん。殴らせろ。

 

「オルガちゃん。あいつに近寄っちゃダメだよ。」

「レフは味方よ!ってさっきからオルガちゃんって言ってるのよ!」

 

所長の言うことを聞かずに思いっきり助走をつけて一直線に走り出す。前方よし、後方よし相手は気づいていない。うん大丈夫だ。みーんなーあっぶないよー!足にありったけの力を込めて飛びそのまま重力に逆らわずにドロップキックをお見舞いしてやった。

 

「テメェのせいでセイバーに一発殴れなかったじゃんか!死んで詫びろ!」

「グハァ!」

「「「「ええええええーーーーー!」」」」

 

せっかくのシリアスをぶち壊して幕を閉じるのだった。

 

 

 

 

 




霧香姉さん呼び

「ねえ何でボクのこと姉さんって呼ぶの?」

霧香姉さんは急に聞いてきた。何でかって?そりゃあ1つしかないじゃん!

「俺一人っ子だったからお姉ちゃんかお兄ちゃんが欲しかったんだよねだからかな?」
「ま、いいか」



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