ダンガンロンパα (wild)
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生徒名簿

生徒の基本的な情報を開示


一之瀬 拓也 ♂️

身長.156㎝

体重.41㎏

胸囲.70㎝

血液型.AB型

誕生日.4月1日

好きなもの.こたつ

嫌いなもの.ジェットコースター

利き手.右利き

年齢.17

出身校.泉ヶ丘高校

出身地.東京

特記事項.超高校級のゲーマー

 

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詳細

今作の主人公

 とある格闘ゲームの大会にふらりと現れ優勝し、その後もジャンルを問わず様々なゲーム大会において優勝、連覇を成し遂げているゲーマー。本人は、【Life is game】をモットーにしている。世界的に名の知れたプレイヤーなためスカウトメールが毎日届くのが最近の悩み。

 

 参加者の中では指折りで身長が低くく、ゲームのオフ会で身長について散々煽られて以来、とても気にしている。性格は引っ込み思案で弱気だが、ゲームで培った観察眼で人への気配り、相手の欲しい言葉を瞬時に理解するなど、鋭い感性を持つ。

 

 頭の回転が人一倍早く、前述でも書いた観察眼の他に高い計算能力、瞬時に物事を記憶する瞬間記憶能力など、コロシアイ学園生活においてとても頼りなる存在に化けることも…?

 

 

 

黄泉月 四季 ♀️

身長.160cm

体重.47kg

胸囲.78cm

血液型.B型

誕生日.6月20日

利き手.両利き

好きなもの.アイス

嫌いなもの.騒音

年齢.16

出身校.???

出身地.アメリカ

特記事項.超高校級の傭兵

 

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詳細

 とある傭兵部隊の頭目に拾われた彼女は、若干13歳にも関わらず各地の紛争において目まぐるしい活躍をし、15歳の頃には跡継ぎとして指揮権すら任せられるようになっており、今や各国の上層部で名前が上がるほどの有名人。

 

 性格は疑り深く、良くも悪くも意見をはっきりと発言するため、周りと中々打ち解けられない。本人はそれをあまり気にしていない。

 

 孤立気味であまり特色されないが、素の身体能力はスーパーアリスートも顔負けで、他の超高校級の運動神経ともひけをとらない。

 

 

 

黒波 晃 ♂️

身長.170㎝

体重.52㎏

胸囲.76㎝

血液型.AB型

誕生日.12月19日

利き手.右利き

好きなもの.一人旅

嫌いなもの.人の多い場所

年齢.16

出身校.北琳界高校

出身地.東京

特記事項.超高校級の不運

 

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詳細

 一般家庭に生まれた彼だが生まれつきの極度の不運体質で、コンビニに行くと3回に1回クレーマーや強盗に絡まれる、飛行機に乗ると当然のように墜落、船は全てタイタニック号かの如く沈没するなど、彼の回りには常に不運な出来事が起きていた。

 

 性格は一見フランクで明るいと思われがちだが、卑屈で臆病。とても派手な服を着ているが特にこれといった理由はなく、勧められた服を適当に着てる。

 

 才能故に様々なトラブルに巻き込まれてきたため緊急時の応用知識が豊富で、疑り深く、常にドライで慎重なため、緊急時には人を全く信用しない。

 

 

 

白石 莉桜 ♀️

身長.159cm

体重.46kg

胸囲.85cm

血液型.B型

誕生日.7月31日

利き手.左利き

好きなもの.編み物/質素な料理

嫌いなもの.偏見

年齢.16

出身校.聖キッホル大修道院

出身地.イギリス

特記事項.超高校級のシスター

 

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詳細

 物心ついた頃には、毎日決まった時間に神様に祈りを捧げ続けていたためか、神様の声が聞こえるようになり、たまに100%当たる予知夢を見ることで瞬く間に有名になり、奇跡の少女とメディアで取り上げられた有名人。

 

 容姿は普通の少女そのものだが、身なりが修道服で他の生徒と比べてもかなり異質なため特に目立つが、本人は気づいてない上に、気にしていない。

 

 裁縫、洗濯、ゴミ捨てなどコロシアイ学園生活の家事は料理以外は全て担当しており、面倒見のいい性格である。

 

 

 

袴田 重蔵

身長.188cm

体重.85kg

胸囲.110cm

血液型.B型

誕生日.11月27日

利き手.右利き

好きなもの.畳の匂い/蕎麦

嫌いなもの.怠け者

年齢.19

出身校.葛木葉工業高校

出身地.神奈川

特記事項.超高校級の空手家

 

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詳細

 幼少時から世界の金メダリストや師範たちを乗り越え屠ってきた伝説を作ったアスリート。とある一説では正拳突きで鉄を貫いた、突きの衝撃波で牛を殺すなどの逸話があるほど人物。

 

 寡黙で真面目、仕事人気質の性格で、あまり人と接するのが得意じゃないとのこと。ただし、良識を備えているため、集合や協力事項などには積極的でクラスメイトから無意識に好感を持たれる。

 

 頭の回転はお世辞にも早いとは言えないが、スポーツマンなため、決断力と行動力に長けている。

 

 

 

坂田 颯天

身長.168cm

体重.63kg

胸囲.85cm

血液型.B型

誕生日.7月19日

利き手.右利き

好きなもの.ラーメン

嫌いなもの.勉強(特に数学)

年齢.16

出身校.雷皇工業高校

出身地.新潟

特記事項.超高校級の陸上部

 

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詳細

 50m5.6秒の最速記録を持つスーパーアスリートで、既に世界大会から強化選手として召集を受けるほどだが本人はあまり乗り気ではない。

 

 性格は単純で愚直、素直で気持ちのいい馬鹿。裏表がなく、兎に角突っ走ることしか考えず、後の事を考えない猪突盲進的な考えで、精神的にまだまだ未熟。

 

 頭の回転は遅いが、勘がとても鋭く、意図しない所でヒントになることをポロっと溢す。

 

 

 

左東 亜栖日

身長.147cm

体重.38kg

胸囲.73cm

血液型.AB型

誕生日.12月4日

利き手.左利き

好きなもの.温野菜

嫌いなもの.鏡

年齢.16

出身校.威座灘国立アカデミー

出身地.埼玉

特記事項.超高校級の演劇部

 

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詳細

 とある劇団で活躍する超人気舞台役者で、彼女の高校では彼女が舞台演劇に出演するだけでテレビや、その手の大手プロデューサーが来校したほど。

 

 極度の中二病を拗らせており、演じたキャラクターを気に入ると飽きるまでそのキャラクターの格好で街を歩くほどの奇人…と思われているが素に戻ると割りと常識人で、キャラの濃いクラスメイトに手を焼く場面もたまに見られる。

 

 ムードメーカー気質なためか彼女の発言、振舞いが静まりきったクラスメイトを奮い立たせることも少なくない。

 

 

 

初音 順

身長.177㎝

体重.69㎏

胸囲.86㎝

血液型.AB型

誕生日.6月30日

利き手.右利き

好きなもの.チョレギサラダ

嫌いなもの.たこわさ

年齢.18

出身校.東逢学園高校

出身地.東京

特記事項.超高校級のアイドル

 

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詳細

 人気沸騰中の高校生アイドルグループ『hurricane』のリーダーを務めており、三年連続で人気投票一位の絶大な人気を誇る歴代最高の卒業生と噂された。

 

 クールでリーダー気質な頼れるイケメン…が一般で知られている彼だが、実際はナルシスト&ド天然…どこか抜けている。

 

 前述のとおり天然なところがあるものの、リーダーとしての手腕と冷静さがずば抜けているのは事実で、クラスメイトのメンタルケアをしたり、アクの強いクラスメイト達をまとめようと奮闘している。

 

 

 

四宮 銀

身長.180cm

体重.65kg

胸囲.83cm

血液型.AB型

誕生日.6月10日

利き手.右利き

好きなもの.彫刻

嫌いなもの.適当な人間

年齢.17

出身校.遠坂茶寮料理学園

出身地.広島

特記事項.超高校級のシェフ

 

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詳細

 三ツ星レストラン【Alice】の若き副料理長。中学時代から既に厨房を掌握しており、現在は5年連続で三ツ星を受賞した若き新星として世間を騒がせた…がとある事情で最近店を追い出された。

 

 普段は皮肉屋で敬語混じりの皮肉でディスってくる。自分の作った料理に絶対の自信をもっており、自信の料理にケチをつけたり、食べ物を残すと口が極端に悪くなり、皮肉なしでディスってくる。

 

 コロシアイ学園生活に対してさほど不満はなく、お互いに干渉しなければいいと思っており、コロシアイ学園生活中は厨房か自室に籠りあまり脱出する気がない。

 

 

 

那切 刹奈

身長.163cm

体重.53kg

胸囲.94cm

血液型.AB型

誕生日.3月23日

利き手.右利き

好きなもの.もんじゃ焼き

嫌いなもの.Gから始まる虫

年齢.16

出身校.聖羅刹学園高校

出身地.東京

特記事項.超高校級の美食家

 

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詳細

 総資産100兆、五大財閥の1つと称される「那切財閥」のご令嬢であり、料理業界を牛耳る評論家としても有名で、彼女がクロを出した店は閉店に追いやられるなどのとんでもな噂が存在するほど。

 

 お嬢様口調で気品があり、良好なコミュニケーションを取れる数少ない人物…でもあるが、箱入り娘で世間知らずな一面があり、たまにとても下らないことで驚く一面がある。

 

 上流階級の人間との関わりによってみについた、人を見る観察眼や本人の豊富な知識は時折クラスメイトの助けになる。

 

 

 

漆原 沙依

身長.171cm

体重.56kg

胸囲.78cm

血液型.A型

誕生日.9月29日

利き手.右利き

好きなもの.サウナ

嫌いなもの.パイナップル

年齢.18

出身校.沖津島高校

出身地.沖縄

特記事項.超高校級のゴルファー

 

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詳細

 突如、ゴルフ業界に姿を表した神童。新進気鋭とした立ち振舞いから将来有望な選手であると同時に、ボーイッシュな見た目なため、同性からの人気も高い。

 

 お姉さん気質で、孤立気味なクラスメイトに助け舟を出すことも多いが、クラスメイトをからかったり、脅してみたり、時には強制するなど、小悪魔的である。

 

 クラスメイト達をよく見ており、前述の通り、孤立しているクラスメイトに積極的に声をかけたり、全体の静まり返った暗い雰囲気にも彼女が声を発することで雰囲気を一気に変えるなど、気配り上手で、年下からはよく慕われる。

 

 

 

雪代 明里

身長.164cm

体重.46kg

胸囲.84cm

血液型.B型

誕生日.5月20日

利き手.右利き

好きなもの.押し寿司

嫌いなもの.非科学的な存在

年齢.17

出身校.パルテノン大学付属高校

出身地.フランス パリ

特記事項.超高校級の科学者

 

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詳細

 歴代最年少でギネスを獲得した天才科学者。世界的に使われるスーパーコンピューターや携帯、新しいソフトウェアの開発などに携わり、数々の偉業を成し遂げた。

 

 傲慢で高飛車、プライドも高いなどから、天上天下唯我独尊の権化と言わんばかりに性格が悪い。饒舌であり毒舌である。そのため、クラスメイトとの衝突が絶えないトラブルメーカー。

 

 コロシアイ学園生活のことを金持ちの娯楽かなにかだと思っており、監視カメラについても映像化していて金持ちがこれを見てほくそ笑んでいると仮定し、下らないと見下している。

 

単独行動をいつもとろうとするが、漆原に見つかるとみんなの前に強制連行されるなど、漆原には頭が上がらない。

 

 

 

西園 さとり

身長.155cm

体重.42kg

胸囲.81cm

血液型.O型

誕生日.3月16日

利き手.左利き

好きなもの.本/動物

嫌いなもの.虫全般

年齢.17

出身校.海遷女学院高校

出身地.千葉

特記事項.超高校級の???

 

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詳細

 超高校級の才能を忘れていると自称する謎多き美少女。

 物腰が柔らかく、清楚で温和な性格。女子グループの中ではかなり頼りにされ、度々相談にのる彼女のことを目撃している人物も少なくないとか…

 

 あまり人と関わるのが好きではないのか、図書室に籠り気味で他者との関係をあまり持とうとしない。

 

 推理力と洞察力に長けており、心を読まれているのかと思わんばかりの会話術や、類い稀な精神力をもつなど、益々なんの才能なのか分からないミステリアスな少女。

 

 

 

菊門寺 影虎

身長.175cm

体重.64kg

胸囲.85cm

血液型.O型

誕生日.11月26日

利き手.右利き

好きなもの.辛い食べ物全般

嫌いなもの.飛行機

年齢.17

出身校.酒月中央学園高校

出身地.静岡

特記事項.超高校級の忍

 

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詳細

 絶滅したと思われていた日本唯一の忍の家系に生まれた異質な才能を持つ少年。彼の家は代々、政治家や大企業の社長から依頼を受け、暗殺や諜報活動などを生業としているらしい。

 

 そんな才能に反して彼の性格は陽気で爽やか、無類の女好きなど、とても裏家業の人間とは思えないような性格をしている。

 

 常に女子生徒を口説き回っていることや、普段の態度から忘れられがちだが身体能力がずば抜けて高く、学園長曰く【歴代の忍の家系でも類を見ない天才】と称されるほど。

 

 

 

アイ

身長.151cm

体重.60kg

胸囲.75cm

血液型.???

製造日.4月7日

利き手.???

好きなもの.コメディ映画

嫌いなもの.恋愛映画

年齢.3(高校一年生)

出身校.A-PIC専属アカデミー

出産元.東京

特記事項.超高校級のAI

 

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詳細

 

 近代のロボット技術と、AI技術の融合体であり、人間にもっとも近い感情、肉体を持ち得る可能性が高いとされる、現代科学の生んだ奇跡の少女。

 

 無表情かつ、淡白な反応しか示さず、学習以外のことにあまり興味を示さないが、超高校級の才能についての話題には食い付きがよく、暴走する。

 

 コロシアイ学園生活の開始直後や、動機を配られた直後もまったく動揺せず、むしろ動揺したクラスメイト達に対して疑問を抱えるほどに感情がない。

 

 

 

六魅 楓

身長.173㎝

体重.60㎏

胸囲.81㎝

血液型.A型

誕生日.2月29日

利き手.左利き

好きなもの.ジャンクフード

嫌いなもの.生魚

年齢.18

出身校.葛木葉工業高校

出身地.神奈川

特記事項.超高校級の幸運

 

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 本来なら才能溢れる高校生しか入学出来ない希望ヶ峰学園に、平凡な学生の中から抽選で選ばれた超高校級の幸運として入学した中性的な顔立ちの少年。

 

 チャラチャラしているが、人当たりのいい優男で、誰とでも気軽に話ている。口癖は「俺って天才だからね」。

 

 高い記憶力と推理力を兼ね備えており、コロシアイ学園生活では一之瀬の隣で彼を支える相棒のような存在となる。

 

 

 

 

学園長

身長.181cm

体重.74kg

胸囲.88cm

血液型.???

誕生日.???

利き手.???

好きなもの.???

嫌いなもの.???

年齢.???

出身校.???

出身地.???

特記事項.自称:希望ヶ峰学園の学園長

 

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詳細

 希望ヶ峰学園の学園長を自称する謎の男。超高校級の生徒達を集め、コロシアイ学園生活を強要する全ての元凶。

 

 敬語で物腰が柔らかく、生徒達を気遣う素振りも見せるが、同時に生徒達を精神的に追い詰めるようなことを繰り返す。

 

 正体や、仮面の下の顔など不明点が多く、自分のことをあまり語ろうとしない。



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プロローグ「ゼロから始まる学園生活」
プロローグ【ゼロから始まる学園生活】①


遅くなりました。今後は気を付けます。


その巨大な学園は、都会のど真ん中にそびえたっていた…まるでそれが、世界の中心だと主張するように…

 …私立希望ヶ峰学園、現役の天才高校生を集め、人類の希望として育成するための国が認めた最高教育機関であり、卒業した生徒はその後の人生の成功を約束される、世界的に有名な学園。

 入学する生徒は、世界最年少で世界有数の研究機関に所属する超高校級の科学者や、大ブレイク中の高校生アイドルグループのセンターを務める超高校級のアイドル、高校生ながら陸上競技の最速タイムで、世界大会の選手やスカウトマンからも一目置かれる超高校級の陸上選手に、三ツ星レストランの副料理長を勤め、本人も三ツ星を取得した超高校級のシェフなど、ジャンルを問わず様々な天才が入学する…そんな学園の前に僕は立ち尽くしていた。

 情けない話、物怖じしてしまっており、なかなか学園の土を踏み込むことができずにいる…

 …といっても、僕こと一之瀬 拓也もちょっとだけ名の知れたゲーマーで、たまたま希望ヶ峰学園のスカウトマンの目に止まったことによりスカウトされた超高校級のゲーマーである。

 入学した動機は、毎日届く企業からのスカウトメールへのストレスや、ゲームをする自宅環境に限界を感じた時期に、希望ヶ峰学園の防音宿つき、最新設備でゲームやり放題&授業参加は個人の自由という条件を目にしてしまい、一時の感情で入学を決意してしまった。

 有名人ばかりの学校…悪い想像ばかりしてしまうし、僕は超高校級の人見知りでもあるので、同級生とは仲良くなれる自信もないなか、路頭に迷うこと三十分…

 結局、悩んだ末に開き直り、孤立したら元の高校に戻ってやり直そう!

そう思い僕は三十分以上眺めた大きな校舎の土に一歩踏みこんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 …そこで、俺の記憶はぷっつりと切れた。

 頭が割れるように痛く、意識が朦朧となったときには既に地面に熱烈な口づけをしていた。

 今まで眺めていた空や校舎の色も段々と薄くなっていき、人生で一番不快な気分だった。

 急に意識を失うなんて、某ゾンビゲームの世界にでも迷いこんだのかと思わんばかりだった…

 そんな下らない事を考えている内に目の前が真っ暗になり、僕は意識を手放した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 …気がつくと、僕は薄暗い一面木製の教室の様な場所で倒れていた。

 頭痛がまだ残っていて、意識も朦朧…しかも、色の識別が判断しにくく、クラクラする…

 脳みそをシェイクされたらこんな感じになるのかとか、ゲームのキャラクターはこんな経験をしているのかという、特に意味のないことを考えているうちに僕は今の状況をよーく…よーく!観察し、状況を把握することにした。

 ここをどこかの教室だと仮定するならば、窓が張ってあったであろう場所に鉄板が張ってあり、意図の分からない監視カメラなどの、ウェブの脱出ゲームを彷彿とさせる設備が配置されており、同年代くらいの少年が眠るように隣で眠っている。

 …いやいや、意味が分からない!

 まるで、犯罪に巻き込まれたみたいなシチュエーションじゃないか!?

 そんな命の危機すら感じる異常事態に、僕の手は反射的にポケットに入ってるはずのケータイを取り出そうとする。

 …あれ?

 ない!?ケータイが無くなってる!?

 …益々不安になったのか呼吸が乱れる。胸の鼓動がうるさい。血の気が引いた。軽い吐き気もしていて、作業ゲーを連日徹夜している時よりも気持ち悪くかった。

 …大きく深呼吸して一旦落ち着こうとする。そうだ、命はある!手足も自由で外傷もない…それを今は喜ぼう…!

 大きく深呼吸すれば、この胸の鼓動も少しは落ち着くはずだ!

 

ーーーーーーーーーーーフーッーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

ふっざけんな!?

 

 …僕ってこんなに大きな声が出るんだ。

 現状の理不尽な現実に対する不満を簡潔に、かつ誰に伝える訳でもなく大声で叫んでいた…

 

???「…うっ…なに?何事?」

 

 しまった、叫んだせいで隣で倒れてる人を乱暴に起こしてしまった…

 

一之瀬「…ごめんね、大丈夫?」

 

 冷静を装うが、すごくイライラしていた。

 多分、一人だったらこの場所をグチャグチャにしてヒステリックを起こしていたかもしれない。

 

???「…頭がめっちゃ痛いんだけど何事?君は誰?ここはどこ?」

一之瀬「僕も分からない。分からないけど、気づいたらここにいて、頭痛いし、喉痛いし、ケータイないし、誘拐だしもう本当に最悪な状況なのは間違いないよ。」

???「なにそれ(笑)…悪いんだけど、起こしてくれない?ちょっと体に力が入らなくてさ~。」

一之瀬「…いいよ、ついでにこの現状について少しだけ説明するね。」

 

 状況を説明しながら、今わかっていることを確認しよう。

 外との連絡手段を断たれ、監禁されてしまっている…そして、誘拐犯の目的も、今の正確な時刻も、そして私物も分からなくなってしまっていること。

 そんな非現実的な現実を聞いても、彼の様子は変わらず、至って冷静そのものだった…

 

???「なるほどね~、状況は分かったよ~。」

一之瀬「…あんまり驚かないんだね?」

???「ん~、希望ヶ峰学園の生徒なんだし、これくらいの事件は付き物なのかな~って思ってさ。」

一之瀬「…そんな馬鹿な。」

???「別におかしくはないでしょ?懸賞金のついてる生徒の一人や二人、絶対いると思うけどな~?」

 

 懸賞金がつく才能って物騒すぎるだろ…

 

一之瀬「…ん?君も希望ヶ峰学園の生徒なの?」

???「そうだよ♪僕も今年から希望ヶ峰学園に入学する新入生なんだけどさ~…君もそうなの?」

一之瀬「うん、僕もだよ…」

???「っていうことは、やっぱり希望ヶ峰学園の生徒だから誘拐されたんだよ~。」

一之瀬「…僕、この騒動が終わったら希望ヶ峰学園を自主退学するよ。」

???「そこまで思い詰めるんだね(笑)」

???「そうだ、こんな状況だけど自己紹介しておかない?」

一之瀬「この状況で!?」

???「いいからいいから♪」

???「俺の名前は六魅 楓!次世代を担う天才さ!よろしくね♪」

 

 六魅…楓?そんな名前の生徒、学校のスレの中に居たっけ?

 

一之瀬「そうなんだ、それで君はなんの才能の持ち主なの?」

六魅「…俺は超高校級の幸運だよ~♪」

一之瀬「…幸運?」

六魅「そ~、希望ヶ峰学園は毎年抽選で全国から一人、超高校級の幸運としてこの学校に入学させる制度があって…」

六魅「今年のその枠が俺ってこと。」

一之瀬「そ、そうなんだ…」

 

 …っていうことはただの一般人?天才なんて自己紹介するからすごい才能なんだと思ったんだけど、例外的な才能なんだな…

 

六魅「…それで、君の名前は?」

一之瀬「…僕は一之瀬 拓也…巷では超高校級のゲーマーって呼ばれてるよ。」

六魅「あ~、君が天才ソロプレイヤー"one"だったのか~♪」

一之瀬「え?僕のこと知ってるの?」

六魅「もちろん♪二年前から活動してる有名なソロプレイヤーでしょ?」

六魅「僕は君のファンだからね~、もちろん知ってるよ♪」

 

 ふぁ、ふぁん?僕にそんなのがあるのか…

 

六魅「おっけー、それじゃあ一之瀬くん行こうか♪」

一之瀬「うん…うん?え?どこに?」

六魅「とりあえずこの部屋を出ようよ、ここにいてもしょうがないよ♪」

一之瀬「いやいや、展開が早すぎてついていけないよ!?どいうことなの!?」

六魅「ここにいても危ないよ?犯人が戻ってきたりしたら、俺達じゃ対抗できないし…」

  「それに、部屋からでたらなにか武器みたいなのも見つかるかもよ?」

一之瀬「武器ってなにに使うのさ…」

六魅「まぁまぁ、取り敢えず出よ?ここから出てドッキリ番組でした~、っていう落ちかもしれないしさ~♪」

一之瀬「いや、ちょっと待ってよ!監視カメラがあるし無闇に動くのは危険だって!?」

六魅「大丈夫、大丈夫~♪俺の幸運を信じてよ♪」

 

 六魅くんの力は華奢な体つきに似合わず以外と力強く、嫌がる僕を引っ張りだすには充分だった。

 僕は彼に引き連れられ教室を後にすることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 …瞬間、僕だけが横から来たなにかとぶつかった。

 瞬時に脳が理解してしまった…「あっ、オワタ」。

 早々に犯人と遭遇した…だから軽率な行動は危ないって忠告したのに…

 あ~思い返すとろくな人生じゃなかったなー。

 こんな時なのに思い出すのはソシャゲのログインとか、次のクラン戦のこととか…ゲームばっかりだな僕の走馬灯…

 あぁ、神様…来世はゲームに出てくる正統派主人公のような陽キャの高身長イケメンに生まれさせてください。

 …っていうか、もう怒鳴られるなり胸ぐら捕まれるなり、新しい展開があってもいいと思うんだけど?

 

 ???「…のせく…ん?」

 六魅「一之瀬くーん?」

 一之瀬「!?」

 

 目の前にあったのは六魅くんの顔…僕はまた地べたで寝てしまったらしい。

 

 六魅「大丈夫?頭から転んだから心配したよ~?」

 一之瀬「…」

 六魅「ごめんって~♪俺もまさか教室からでた瞬間に人と会うなんて思わなかったんだよ~。」

 

 やっぱり希望ヶ峰学園には、才能はともかく問題児しかいないのかもしれない…幸運の彼でこれとか先が思いやられる。

 六魅くんを睨み付けた後、彼の後ろで騒いでいる人物たちが目についた。

 

 奇抜な格好の少女「大丈夫なのですか!?いい加減に起きてください!」

 全身黒服の少年「…ん~?なに、ここはどこ?君はだれ?」

 奇抜な格好の少女「そのやり取りはさっきやりましたよね!?」

 一之瀬「…なに、あのこたち?」

 六魅「ん~、取りあえずそこの二人は犯人じゃなさそうだから大丈夫だよ。」

 

 …一人は奇抜な格好をした、ゲームやアニメの世界から飛び出したかのような魔女服を着こんでいる小柄な少女。もう一人は季節外れな赤いマフラーとピアスや腕の装飾品が特徴的な、全体的に暗い色の服装の少年…どちらも一見して見れば危険性は無さそうだが…

 

 一之瀬「‥根拠は?今の時代、高校生がこういう事件を起こしてもおかしくないでしょ?。」

 六魅「ま~、そうなんだけどさ~、彼等からはなんとなく危険な匂いがしないっていうか~。」

 六魅「それに~、俺より華奢な彼等が武器なしでここに来るのは違和感があるな~。」

 

 ‥そうなのだろうか?彼等がなにかしらの武道の達人だったり、特殊な暗殺術の心得がある以上、安心できないんだけど…

 

 全身黒服の少年「‥え~っと、取り敢えず君達は何者?この状況をどこまで知ってるの?」

 六魅「…俺たちも気づいたらここに拉致されてたんだ~。もしかしなくても、君たちも同じ感じ?」

 全身黒服の少年「拉致かどうかはわからないけど、俺達もさっきそこの教室で目が覚めたんだ。」

 全身黒服の少年「…希望ヶ峰に入学できると思ったのに…やっぱり俺は不運だな…」

 一之瀬「…えっと、君たちももしかして希望ヶ峰学園の生徒だったりするの?」

 奇抜な格好の少女「はい!そういえばまだ名乗っていませんでしたね。」

 奇抜な格好の少女「…んっん。」

 

 彼女は軽く咳払いをし、両腕をクロスさせると…

 

 奇抜な格好の少女「妾こそが魔王の眷属が一矢、超高校級の魔術師の左東 亜栖日様であーる!」

 

 …超高校級の魔術師?なにそのRPGゲームのキャラクター向けの才能…

 

 六魅「…えっと、左東 亜栖日さんで間違いないのかな?」

 左東「うむ、妾の真名は確かに左東で間違いないぞよ!」

 全身黒服の少年「…大丈夫?もしかして僕の代わりに頭うってたりとかしてない?」

 左東「ち、ちがうわぃ!?これは前回演じたキャラクターのプロフィールを私verにアレンジしただけですよ!」

 六魅「…彼女は超高校級の演劇部の左東さん…有名な劇団の売れっ子役者なんだけど…」

 六魅「役に入り込み過ぎると、キャラクターになりきったまま授業や街に繰り出す奇人って噂だよ~。」

 左東「ちょっと!?誰なのですかそのプロフィールを作った人は!この私が奇人だと!?」

 六魅「希望ヶ峰に乗ってたプロフィールを読み上げただけだよ~、文句は希望ヶ峰にいってよね~。」

 左東「…ふははは!妾の崇高さは低俗な平民どもでは計り知れんということだな(震)」 

 六魅「声、震えてるよ。」

 

 さっきまではまともな人だと思ったけど、この人も一癖あるタイプの人種だったか…

 

 全身黒服の少年「…じゃあ、次は俺が自己紹介するね。」

 六魅「うん、よろしく。」

 全身黒服の少年「俺の名前は黒波 晃。超高校級の不運で希望ヶ峰学園にスカウトされた、ただの凡人だよ。」

 

 …ん?超高校級の不運?

 

 六魅「…奇遇だね、俺は超高校級の幸運の六魅 楓だよ~。」

 黒波「う、うん…よろしく」

 一之瀬「ちょっと待って、希望ヶ峰は不運の才能で君をスカウトしたの?」

 黒波「…話せば長くなるんだけど、希望ヶ峰学園は超高校級の幸運と不運の才能を同時期に入学させることで、どちらの才能を研究すべきなのか…また、運とは不確定要素だけのものなのかを検証するために俺を入学させたらしいよ。」

 六魅「捕捉すると、希望ヶ峰学園は人の運は一定で平等な物なのか…はたまたその人個人の才能になり得るのかを研究してたんだけど…」

 黒波「…去年の夏に起きた飛行機のハイジャック事故って覚えてる?」

 一之瀬「え?まぁ、不思議な事故だったから覚えてるけど…確か被害者の一人だけが重態になった事故だよね?」

 黒波「その事故の被害者、俺なんだ。」

 

 …え?

 

 六魅「…他にも彼は未知の病気で生死の境をさ迷ったり、コンビニにいくと毎回強盗の巻き添えを受けてしまうような、極度の不運体質って噂だよ。」

 一之瀬「…え?今の全部彼の武勇伝なの?」

 黒波「そう、今のは全部が俺の体験談だよ…そして大きな事件の被害者に必ず名前が上がったことから、僕は不名誉ながら超高校級の不運として希望ヶ峰学園に入学することになったんだ…」

 左東「そ、そこまで酷い不運だったのですか…」

 六魅「…研究の話に戻るけど、希望ヶ峰学園はどうやら幸運の研究を保留にするのと同時に、今年は今までの研究スタイルから不運と幸運を同時に入学させることで、どちらの才能が上間るのか…はたまた相殺されて両方の才能の持ち主の運が丁度良くなるのかというのを研究するつもりらしいんだ。」

 一之瀬「…随分詳しいんだね?」

 六魅「これは希望ヶ峰学園公式の新入生の紹介スレに書かれてたことだよ~。」

 黒波「まぁ、俺の才能を良く思わない人も居るだろうしね…」

 左東「確かに一般の生徒の救済措置である幸運の入学を今年で打ち切って、しかも不運の生徒を入学させたらその説明を求める人は少なくないでしょうね…」

 一之瀬「…え?幸運を打ち切ったってどういうこと?」

 六魅「…もしかして、一之瀬くんってあんまり希望ヶ峰学園に興味なかった?」

 一之瀬「いや、スレの中でも目立った才能のクラスメイトのことは調べたんだけど、それ以外は特に調べなかったから…」

 六魅「…俺たちは希望ヶ峰学園の第100貴生になるんだけど、希望ヶ峰学園は幸運の卒業生を100人目で一旦打ち切って、過去の卒業生のデータを元に人の運勢についての研究を俺の卒業と同時に結果を出すっていう話が先々月に発表されたんだよ。」

 一之瀬「へー、そーなんだー?」

 

 …正直、人の運についての研究とかあんまり興味ないからどうでもいいんだけど、僕から聞いた手前口には出せない

 

 左東「…さて、それぞれの自己紹介はこんな感じでしょうか?」

 一之瀬「あ、僕がまだだけど…」

 黒波「…超高校級のゲーマー、一之瀬 拓也くんでしょ?」

 一之瀬「え?なんで知ってるの?」

 左東「ふっ、妾の第三の目が貴殿の頭のなかを意図せず覗いてしまっただけに過ぎぬ。」

 黒波「六魅がずっと名前呼んでたし、スレにでかでかと書いてあったからすぐ分かったよ」

 一之瀬「え?僕ってそんなに大きく書き出されてたの?」

 黒波「世界で戦う期待の新星、oneが希望ヶ峰学園に入学決定!名前は個人情報の流出を危惧し生徒にのみ開示!…っていうスレでかかれてたね。」

 

 …そんなの聞いてないぞ!?人の名前を勝手に横流しにするとか最近の学校怖すぎだろ!!

 

 六魅「そうじゃなくても、今の時代でゲームをやってて君の名前を知らない人は居ないんじゃないかな?」

 黒波「まっ、そーいうことで君は自己紹介しなくても大丈夫だよ。」

 

 …僕って知らないうちにそんなに有名人になってたんだ…

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 ???「…おーい、そこに誰かいるのかー?」

 六魅「あれ?ねぇ、この声って…?」

 

 声のする方に顔を向けると、長髪の黒スーツの男性がこちらに小走りで向かってくる。

 

 ???「お前らも訳もわからないまま、ここに連れてこられたっていう状況か?」

 黒波「そうだよ~、お前らもってことは君もそうなんだよね?」

 ???「…俺もっていうか、俺達もっていうのが正しいな。」

 六魅「…俺達?」

 ???「あぁ、お前ら三人以外にもあっちには同じ状況の高校生が10人くらいいる。」

 左東「じゅ、十人もですか!?」

 六魅「…それって、もしかして全員希望ヶ峰の新入生の人達?」

 ???「あぁ、今年の新入生が全員拉致されたみたいだ。」

 

 新入生全員が拉致!?

 希望ヶ峰学園の生徒が全員拉致されたなんて、大事件じゃないか!?

 

 初音「それで皆でこの後のことを話そうとしたときに、そこの魔女っ子の大きな声がこっちにまで聞こえたから俺が様子を見に来たわけだ。」

 左東「ま、魔女っ子?私のことですか…」

 黒波「なるほど~、ちなみに聞く必要はないけど、名前を聞いてもいいかな?」

 ???「あっ、あぁ…」

 

 …なんか気にかかることでもあったのか?

 少し間があったような…?

 

 ???「俺を知らない奴なんていないと思うが、アイドルグループhurricaneのセンター兼リーダーの初音 順だ。これから三年間よろしくな!」

 

 日本で大ブレイク中の高校生アイドルグループのセンター…レスの中でも一、二を争うぐらいに騒がれてた芸能人であり、新入生の中で僕の近寄りがたい人物ランキングNo.1が彼だ。

 

 六魅「よろしく、俺は超高校級の幸運、六魅 楓だよ。」

 初音「…」

 黒波「あれ?どうしたの?」

 左東「ふっ、妾の凄まじいオーラに恐れ戦いてしまっているのだろう…」

 初音「…いや、やはり希望ヶ峰の生徒が相手だと、ちやほやされないな…とな。」

 

 は?

 

 初音「俺が挨拶したら大抵の女子は黄色い歓声で俺を向かえ、男子は嫉妬するのが性なのだが、同級生は皆遠慮せずに俺に話しかけるからな。」

 黒波「…まぁ、全員が各業界の有名人か、君の先輩と会ってるような人もいるぐらいだから、それは仕方ないんじゃないかな。」

 初音「いや、こういう普通の対応も嫌いじゃない。だが、中には俺の名前すら聞いたことのない生徒も居たからな…少しだけ自信がなくなった。」

 

 ゲーム廃人でテレビを見ない僕ですら彼を知っているっていうのに…知らない人は外国の人かなにかなのか…?

 

 初音「まぁ、俺の細かい自己紹介はここから出たらゆっくりするよ。まずはあっちにいる他のクラスメイトと合流しよう。」

 黒波「そうだね、俺の才能がいつ発動するかも分からないし、早く移動しよう。」

 六魅「…怖いこと言わないでよ(笑)」

 左東「それでは、初音よ!汝を妾の同期の元に導くナビゲーターとして任命する!」

 初音「…ナビゲートっていうほど遠い距離じゃないが?」

 左東「普通に返さないでください!こっちのノリに合わせてくれるかスルーしてくださいよ!?」

 初音「…それはすまない。」

 

 そんなこんなで、よく分からない状況なのは変わりないけど、過程はどうあれクラスメイトとの自己紹介をした。

 ゲーマー、幸運、不運、演劇部、アイドル…なんだこのパーティーは…




次回は二週間後の予定。
もしかしたらもっと早くあがるかも…?


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プロローグ【ゼロから始まる学園生活】②

最近、手荒れが悪化してつらい…


 僕たちは初音君の案内に連れられて、一般高校生には馴染み深い場所に案内された。

 

 初音「ここに残りの新入生は全員集まってる。軽く挨拶を兼ねて自己紹介したらここから出る方法を考えよう。」

 黒波「…ちょっと待って。間抜けな質問をするようだけど…ここって体育館?」

 初音「あぁ、ここの施設はなぜか学校を連想させるような部屋ばかりなんだ。」

 六魅「もしかしたら、ここはもう誰にも使われてない廃校舎なのかもしれないね…」

 一之瀬「全体図を見てないから確定は出来ないけど、僕らが目覚めた所も教室みたいな場所だったし、その可能性は高いかもね。」

 初音「…ここが何処なのかも後で全員で話し合おう。情報は共有した方がいいからな。」

 

 そう言って、彼は体育館のドアを開けた。

 ドアを開けた先でこちらの音に反応した10人程度の男女がこちらに一斉に視線を向ける。

 にこやかにこちらに笑顔を向けるものもいれば、興味がないのかすぐにそっぽを向くもの…こちらに駆け寄ってくるものなどそれぞれ反応は違うものの、どの生徒にも超高校級の才能を持っているようなオーラを感じた。

 勿論、左東さんや初音君の時も同じようなオーラがあったのかもしれない。

 ただ、一度に各業界の一流高校生の視線を集めるとなると、その緊張感は少し意味合いは違うのかもしれないが"蛇に睨まれた蛙"と言っても差し支えないほどで、僕は緊張のあまり背筋が凍った。

 

 中性的な顔立ちの女性「おっ、来たね♪君たちも私達と同じ超高校級の生徒ってことでいいんだよね?」

 六魅「…うん、僕達4人も希望ヶ峰学園の新入生だよ~。」

 茶髪ウェーブ髪の男子「男子3人、女子1人…これで16人だから、イレギュラーがない限りいい加減これで全員かな?」

 タンクトップの少年「そうなんじゃねーの、てかいい加減どっかに穴でもあけて帰ろうぜ~。」

 黒の学ランの男「…それはいかん…器物破損で捕まるぞ…」

 紫髪ツインテールの少女「…今回の場合は器物破損ではなく建造物損壊罪になると思われますが…?」

 黒の学ランの男「む…!?そうなのか…」

 白衣の少女「構わんさ、馬鹿が一人捕まろうと私には関係ないからな。」

 修道服の少女「もう!なんでさっきからそういう棘のある言い方ばかりするんですか!仲良くしましょうよ~!」

 青いジャケットの女子「…はぁ」

 

 …なんというか、いざお互いが喋ってるの聞いてると、普通の学生のやり取りに見えるな…

 

 初音「まてまて、いっぺんにしゃべるな…まずはお互いの自己紹介をしてから…だろ?」

 茶髪ウェーブ髪の男子「それじゃあ、効率的にするために、ここには全員で16人居るから二つの8人ずつのグループを作って自己紹介…ってことでおっけー?」

 黒波「それで大丈夫だよ…そしたら俺と左東、六魅と一之瀬で別れて、あとの六人をそれぞれ入れ換えて自己紹介しようか。」

 初音「了解だ。それじゃあグループ別けをするぞ…」

 

 こうして初音君の指示のもと僕らは二つのグループに別かれて自己紹介をすることになった…

 というか、こんな緊急事態に自己紹介する余裕があるって…超高校級の生徒って肝が据わりすぎじゃないか?

 

 六魅「それじゃあ、誰から自己紹介する?」

 初音「俺は既にお前らも含めて自己紹介済みだから良しとして…それじゃあ白石から時計回りで回していこう。」

 修道服の少女「わかりました!一番手白石 莉央、がんばります!」

 初音「あんまり気張らなくていいぞ。」

 

 と言われた直後、初音君のアドバイスが耳に入ってなかったのか、彼女はお手本のように綺麗な正座を崩し、思い切り立ち上がってキラキラとした目で敬礼をしながら自己紹介をした。

 

 白石「白石 莉桜(しらいし りお)です!趣味に料理と裁縫を嗜んでおります!よろしくお願いいたします!」

 

 白石 莉桜…超高級のシスターだったけ?

 

 六魅「確か、不定期に100%あたる予知夢をみることで話題になった奇跡の少女…だっけ?」

 白石「そんな大それたものではありませんよ…主への感謝を一日も絶やさず、自分自身を人より律することで、稀に主からお告げを賜り、それを皆のために使う…私の才能と呼ばれるものは、その当たり前のことを繰り返していただけに過ぎません。」

 

 い、いきなり雰囲気が変わった!?

 …正直、予知夢とか主からのお告げとか非現実的過ぎて信じられないけど…100%ってことはきっと適当いっている訳ではないってことなんだろうな…

 

 六魅「ふーん、成る程ねぇ~…つまり君は当たり前の善行を繰り返していただけ…そういいたいの?」

 白石「そうですね…訂正点があるとすれば、私は自分の今までの行動を善行とは思っていないというとこだけですね。あくまで私がしてきた修練は、教会に勤めるものとして当然の責務でしたから。」

 六魅「…噂通りの聖女だね。」

 白石「いぇいぇ、私なんてまだまだ他の修道女に比べれば未熟ですので…希望ヶ峰学園で更に精進したいと思います!こんなところで私の自己紹介は大丈夫でしょうか?」

 

 雰囲気が戻った…スイッチのメリハリがしっかりとできている子なのかな?

 

 初音「OKだ、この後もそうだがゆっくりと問答をできる状況でもないから、詳しいことはここから出てからでよろしく頼む。」

 六魅「りょーかーい。」

 タンクトップの少年「んじゃ、次は俺がいくぜ!」

 初音「あぁ、よろしく。」

 タンクトップの少年「超高級級の陸上選手、坂田 颯天(さかた はやて)だ!しっかりと覚えてくれよ!」

 

 超高級級の陸上選手…100mの世界記録と並ぶ身体能力をもつ、テレビでも注目される神童…

 

 六魅「高校生ながら世界記録と並ぶ期待の新星…噂では"名は体を表す"という言葉が近年最も似合う人物とかなんとか…」

 坂田「あぁ、それな…自分で名乗っといてなんだけどよー…俺、超高級級の陸上選手っていう才能あんまり好きじゃねんだわ。」

 

 …はい?

 

 六魅「…それはどういう意味なのかな?」

 坂田「あ?そのまんまの意味だよ。なんつーか陸上って飯食うのに融通利かねぇし、回りの期待?みてぇなのがあって自由な時間があんまりねんだわ。」

 初音「…よーするに、今の環境は窮屈ってことだろ?」

 坂田「そー言うわけで希望ヶ峰で卒業して、プラモの会社に就職するのが今の夢なんだわ。」

 

 …さっきの白石さん風に彼について語るなら。

 主はなぜ彼に陸上選手としての才能を与えてしまったのだろう…

 

 坂田「というわけで俺の陸上選手としての才能にはあんまり期待しねぇでくれ。別に世界大会に出たいとも思わねぇからよ。」

 初音「…さっきはその話題がなかったから色々聞きたい所だが…次の自己紹介を頼む。」

 

 初音君はここから出ても苦労しそうだな…

 

 赤髪の眼鏡男子「…次は俺か。」

 

 赤い髪に黒いメッシュ…高級そうな眼鏡にピアス、指輪を着けていて大人びた印象がある男子。

 彼はテレビを見ない僕でも知っているほどの有名人だ…

 

 赤髪の眼鏡男子「どうも、超高校級…いや世界一の料理人の四宮 銀(しのみや ぎん)と申します。これからよろしくどうぞ、ムッシュ一之瀬、ムッシュ六魅。」

 

 三ツ星レストラン【Grace】の若き副料理長であり、歴代最年少の三ツ星受賞者…メディア出演にも積極的だったから彼の名前はよく覚えている…

 

 一之瀬「…あれ?なんで僕達の名前をしってるの?」

 四宮「他のクラスメイトとの自己紹介を終えていたから消去法で名前が分かっただけですよ。それに、飲食店の料理長をやってると、正確性には欠けるが、自然にそういった噂や情報も流れてきただけさ。」

 六魅「…一之瀬くんのことはともかく、俺の名前も分かったのはなんで?幸運枠の生徒の情報は入学式を終えるまでは本人と学校関係者、家族以外には公開されないはずだけど?」

 四宮「…君の名前は自分が思っているより有名ということだよ。それは君自信も自覚していると思っていたんだが、説明が必要かい?」

 六魅「…」

 

 …どいうことなんだろう?六魅君はただの幸運でここに選ばれたんじゃないのか?

 それとも、幸運の才能以外にも、彼には希望ヶ峰に入学できた理由があるのか?

 

 四宮「というわけで俺の自己紹介は以上だ。」

 一之瀬「…え?名前だけ?」

 四宮「日本暮らしの二人なら、俺のことは名前さえ言えば大々どんな人間なのかくらいは分かるだろ?それとも、俺の名前がわからないくらい浮世離れしているのかい?」

 六魅「…そうだね、俺は別に大丈夫だよ。一之瀬君もそれで大丈夫?」

 一之瀬「う、うん。そういうことなら僕も大丈夫だよ。」

 

 四宮 銀…三ツ星を取るほどの料理センスを持つが、つい先月に大手政治家の客に対して暴行する事件を起こし、店をクビになったっていう噂の危険人物。

 言葉使いの節々に棘があるし、あまり仲良くなれなそうだ…それに、近寄りがたいオーラがある。

 

 茶髪ウェーブの男子「そんじゃ、次は俺か。かるーく自己紹介して、新しい子を口説きに行かせて貰いますよ♪」

 初音「ほどほどにしとけよ?さっきも脚を蹴られてただろ。」

 茶髪ウェーブの男子「あれはツンデレってやつだろ?あれも一種の愛情表現♪」

 坂田「…いや、あれは完全にお前の急所を狙って蹴ってただろ。」

 

 変わった制服を着てるな…というか口に咥えてるのは…飴?なんか見た目からだと才能が分かりづらい…

 

 茶髪ウェーブの男子「どうも~、菊門寺 影虎(きくもんじ かげとら)でっす!よろしくなっ!」

 

 菊門寺?レスにはそんな名前の人居なかったような…?

 

 六魅「聞いたことない名前だけど、君はなんの才能でここにきたの?」

 菊門寺「俺のは超高校級の忍っていうつまんねぇ才能だよ。まっ、そんなことよりお前らはぶっちゃけ女性陣のなかで誰が好みなん…」

 一之瀬「忍!?それは言葉の通り受け取っていいの!?」

 菊門寺「ん?あ~、まぁそうだな。俺の実家は日本で有名な、霧隠とか風魔とかみたいな家柄ではないんだけど、歴史のある家で俺はその31代目の元・跡継ぎ。」

 六魅「元?」

 菊門寺「そ、俺はあんな家を継ぐのは嫌だから、家出したってわけ♪…まぁ、結局家の使いに捕まって、親父殿に半強制的に希望ヶ峰に入学させられたんだが…」

 

 忍者か…まさか現代にも実在してたなんて…

 

 菊門寺「まっ、俺の自己紹介はこんなもんでいいんじゃねぇか?そんじゃま、三年間よろしくな!」

 初音「…まぁ、こういう才能がいてもおかしくないだろう…それでは次は黄泉月、頼む。」

 

 いや、忍者はだいぶイレギュラーだと思うけど…

 

 青いジャケットの女子「…」

 初音「おい、自己紹介はしっかりとしろ。三年間共にするクラスメイトだぞ。」

 青いジャケットの女子「はぁ…黄泉月 四季。超高校級の傭兵…特に用がなかったら話しかけなくていいから…」

 

 …いったそばからまたイレギュラー…傭兵に忍者?ここは天下一武道会かなにかなの?

 

 六魅「…アジア近辺を主に活動する傭兵部隊"スコーピオン"の現頭目…各地の戦場での目まぐるしい武功から、蠱毒の王と呼ばれる今期の生徒で最も危険と紹介された人物…だったけ?」

 黄泉月「…別に、仕事柄そう呼ばれるようになったっていうだけだし…っていうか、その意味わかんない呼び方はやめて。」

 初音「…忍者に傭兵か…まさか実在していたとは、最初聞いたときは驚いたぞ。」

 黄泉月「…別に、あんたらがテレビを見たり、ゲームをしているときに、私は戦場でナイフを握ってた…それだけの違いでしょ?」

 白石「それだけって…」

 黄泉月「別に…人類全員が同じ行動をするわけじゃないんだから、なにが変とかなにが不思議とか、考えるだけ馬鹿馬鹿しい…」

 白石「ん~、そういうものなのですかね…」

 

 言ってることはそれっぽいけど…彼女と僕達とじゃ根本的な苦労や経験のベクトルが違う気がする…

 その後、僕と六魅くんも自己紹介を終え、半分の生徒との交流をした。

 それにしても、忍、傭兵、シスター…半分に分けてもこれだけ特殊な才能の生徒がいるってことは…

 もう半分もかなり個性的なんだろうな…

 

 初音「よし、こっちは全員終わったな。」

 中性的な顔立ちの女性「こっちも終わったよー。」

 左東「それでは、私達2人と六魅達だけを入れ換えて続きをしましょう。」

 六魅「りょうかーい。」

 

 …先が思いやられるが次の六人が常識的な人物…または、一般的な才能の持ち主ばかりなことに期待しよう。

 




次は来週の金曜日目標でがんばります。


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