~白鷺奏汰の受難~ (丸まる)
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1話 ~設定&本編~
~主人公、その他のキャラ設定~
主人公.
白鷺奏汰(しらさぎ そうた)
身長:170㎝
血液型:A型
学校:花咲川女子学園。(共学化しています)
学年:一年生。(千聖はまだ二年生です)
好きな食べ物:ハンバーグ、ポテトサラダ。
嫌いな食べ物:すっぱい味付けの料理。
趣味:書店巡り、ピアノ、料理。
誕生日:12月29日
星座:山羊座
容姿:一人称は俺。姉に似たクリーム色の髪の毛、耳までかかる程度の長さ、目の色は少し黒ずんでいる茶色。筋肉はあまりないが運動はそれなりにはできる、
勉強もそれなり(平均70点くらい)にできる。目が悪く、学校や外に出るときはコンタクトを着用しているが家の中ではメガネを着用している。
かなりの自信家だがリアリストな姉とは逆で人情を大切にする。鈍感。
・このスペックもあり、さらには姉があの有名な女優、白鷺千聖なため中学時代は相当な数告られているが全員を振ってきている。
・周りにはあまり知られていないがかなりのシスコンなのだが本人はそれを認めていない。
・3歳からピアノを弾き始めた。理由は千聖が子役としてドラマやテレビに出る姿を見て、「自分もお姉ちゃんみたいに有名になりたい」と思い、必死に努力を重ねた。
それから2年後、5歳になりジュニアコンクールに初参加し見事優勝した。この際に6歳の白金隣子と会っている。
しかし現在はピアノを辞めており趣味で弾くくらいになっている。
・商店街に店を構えている羽沢珈琲店でアルバイトをしている。
奏汰の親友.
藤沢大河(ふじさわ たいが)
身長:169㎝
血液型:o型
学校:花咲川女子学園。
学年:一年生。
好きな食べ物:麺類。
嫌いな食べ物:なし。
趣味:体を動かすこと。
誕生日:3月23日
星座:牡羊座
容姿:奏汰にも負けず劣らずのイケメン。小中サッカーをしていたが高校では部に所属していない。
茶色交じりの黒髪で耳に少しかかっている。運動神経はかなり抜群なのだが、勉強は全くできず、いつもギリギリ赤点を回避している。
チャラチャラしているが色々なところに気を配れているため少数ながら大河に好意を抱く人もいるが多くは隣を歩いている奏汰に目が行くためなかなか彼女ができないらしい。
●●●
「なー奏汰ー」
「ん?どうかしたか?」
ただいまは昼休み。屋上にて小学校からの親友である藤沢大河と共に昼ご飯を食べている。
「今日は手作りじゃないんだな、弁当。」
「ああ、これか。…今日は目覚まし鳴ってから遅く目が覚めたから自分の分は間に合わなかったんだよ。」
いつもは自分の分ともう一人の分を作るのだが、今日は目覚めが悪く、姉の分しか作ることができなかった。
「ようやるよな、お前。だからモテるんだろうな~奏汰は!」
「な、なんだよ。急にどうした?」
「だってさー!勉強できる、運動できる、料理できるってお前。ラノベの主人公かっての!おかしいぜ神様!世界は平等じゃないぞ~~~~!!!」
屋上の柵に手を置き校庭側の空に向かって叫んだ。
「それになんだ!美人で女優の姉までいると来た!どうした?どっかのイキ〇トなんかの数10倍羨ましいわ!」
「いやいや、あいつの方がいいだろ。かわいい妹、かわいい彼女、かわいい友達たくさんなんてさすが主人公だろ。それの10倍だとか…」
まああの人はかなりの数のプレイヤー救ってるから、ハーレムになってもまあ誰も文句は言わないだろう。そいつの10倍とか、どういう状況だよ…。
ガチャッ
そうこう話していると屋上の扉が開く音がした。
「あ、あの!白鷺奏汰君だよね!ちょ、ちょっといい?…」
『!?』
扉を開けたのは見たことのない女子生徒だった。ネクタイを見たところ同級生ではない、あの色は確か千聖と同じ2年生だな。
「じ、自分ですか?」
なんだろう、多分面識はないから怒るとかいった内容じゃないと思うけど…もしかして千聖のこととかかな…
「ほーら始まった!まだ入学して1か月だぜ?どうしてこうなるんだよ…」
「…あー、なるほど。」
中学時代から大河のこの態度を見たことある俺は内容を察することができた。
●●●
ここは校舎裏、緑が豊かで木が植えられているため影になっており、とても涼しい。
「あ、あの。お話とは…」
「…えっと~//。…奏汰君!わ、私と付き合ってください//!」
…今年度になって何度目だろうか、まだ入学して間もないのに、どうしてみんな俺なのだろうか…。
確かに俺はかっこいいと思う。周りの男子とは比べ物にならない、それは大河や千聖の発言から自覚している。
女子からたまに聞こえる会話だって聞こえないふりはしているものの、聞こえてしまう。
そのたびに俺は相手のことを気に掛けなければならない。その子を振り、もしその場で泣いてしまったら。怒って殴りかかってきたら。
告白されるたびそんなことを考えなければいけない、贅沢ことだと思うだろうが、実際そんなことが起こったことがあるのだ。
「…ごめんなさい。自分は先輩のことを知らないですし、好きでもない人と付き合っても先輩に失礼です。
なので・・・ごめんなさい。」
「⁉…そ、そうだよね!昼休みなのにごめんね、時間使って。」
「い、いえ、気にしないでください。」
彼女の目には涙が浮かんでいた。
「じゃ、じゃあね!!」
そう言って先輩は走って行った・・・。
●●●
「ただいま。」
「お、帰ったか。あ、サンドイッチ一切れ貰ってるぜ。」
「…ああ。」
「大変だな、イケメンって言うのは。告ってくれた相手のことも考えないといけないなんてな。」
「はぁ~~っ。…やっぱりこういうの何回経験しても辛いんだよな。」
「じゃあ試しに一回付き合ってみればいいじゃねえのか?そしたらそういうのは消えるんじゃねえのか?
…うまっ!このサンドイッチ!山吹ベーカリーのだな」
「ご名答!・・・そんな気持ちで付き合っていいのかよ、相手に失礼だろ。」
「ま、まあそうだな…」
「昼休み終わるから教室に戻るぞ。」
?「また振ったのね、奏汰・・・。」
ありがとうございました!主人公のナルシスト感がウザすぎる笑
次回からバンドリキャラを出すのでお許しください。
あ、年号、令和になりましたね。
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2話 ~お姉ちゃんは有名人です~
今回は僕の推しが出てきます!
どうぞ!
●●●
「ただいまー。」
学校が終わり家に帰ってきた。家は俺と姉の二人暮らしであるためそこまで広くはない。しかし一人だと少しばかり大きく感じてしまう。
「千聖は・・・帰り遅くなるのか。」
俺の姉、白鷺千聖は有名な女優である。子役としてデビューし現在もバリバリ現役で働いている。そのため高校に通ってはいるが早退したり、来なかったりと色々大変なのだ。
もちろん家に帰ってくるのも遅い。なので基本家事は俺が行っている。家賃などは千聖が出してくれているためお互いに不服な点は別にないのだ。
「今日は~・・・ハンバーグにするか!」
あまり千聖はカロリーの高いものは好まない、女優なので仕方のないことだ。だが俺の作るハンバーグはその点をしっかりと考慮できているから大丈夫だ。
「あ、玉ねぎがない。…買いに行くか。」
財布を持ちいつもお世話になっている商店街へと向かった。
●●●
「ありがとうございましたー」
八百屋で玉ねぎを購入した後いつもお世話になっているあの店に向かった。
「いらっしゃいませー。あ、奏汰。」
「おっす沙綾!いつものあるか?」
この子の名前は山吹沙綾。花咲川女子学園1年生でここの店の店長の娘だ。小さいころからお手伝いをしてるため面識があるのだ。
確か兄弟がいるっていうのは聞いた気がするが。
「はい。いつものチョコクロワッサンとメロンパン。…八百屋さんの帰り?」
「ああ、今日は夜ハンバーグを作るからな、必要不可欠だから買いに行ったんだよ。」
「へ~。凄いね、料理できる男子なんてそういないよ?」
「まあな、俺は趣味でやってるっていうのもあるけどやっぱりおいしいって言ってくれるのって嬉しいよな。」
「あーわかるなぁー。私もお店に来てくれた人がおいしかったって言ってくれるとすごく嬉しいもん。」
「だな。はい、お金。ありがとうな。」
「ありがとう。また来てね。」
「はーい、頑張って。」
そう言って店を出た。
●●●
「いただきます。」
結局千聖はご飯の時間に帰ってこなかった。30分くらい前に『遅れるから先に食べてて』というメッセージを頂いたから待たなかったが、もしこなかったらご飯を食べるのがかなり遅れていただろう。
現在時刻は8時20分過ぎ、あまり遅くなると心配してしまうのだが、もうそろそろ帰ってくるだろう。
「…ただいま。」
噂をすればなんとやらというやつだな。
「おかえり、千聖。」
「ええ。ただいま。あら?今からご飯なの?」
「ああ。今日はハンバーグだからな、腕によりをかけて作ったからな。あ、もちろん、千聖のはヘルシーに作ったぜ。」
「助かるわ、待ってて。一緒に食べましょう。着替えてくるから。」
よく中学の時に「お前の姉ちゃんってあの白鷺千聖なのか?」っていうのをよく聞かれた。嘘をつく必要はないのでうんと答えるがそのたびにみんな羨ましがるのだ。
俺としては生まれたときから一緒にいるため羨ましがる意味が分からない。
「お待たせ、さあ食べましょう。」
「ああ。」
『いただきます』
そう言って二人とも箸を動かし始めた。
「そういえば奏汰。」
「うん?」
「あなた、今日校舎裏で告白されていたでしょう?」
「んっ!?」
「えっ奏汰!?大丈夫!?」
喉に肉を詰まらせてしまった。急いでお茶を飲んで流し込んだ。
「げほっ!げほっ!…み、見てたのか?」
「べ、別にみたくて見たわけじゃないのよ?私と花音がお昼を食べてたらあなたが校舎裏に女の子と行く姿が見えたから、もしやと思って花音と追いかけたのよ。」
「なんで、追いかけたんだよ・・・思いっきり見たくて見てるじゃねえか。」
「ち、違うわよ!私は行かなくていいんじゃないって言ったのよ?でも花音が強引に…」
お、おかしいぞ。俺の知ってる花音さんはそんな性格じゃないんだけど。
「で?俺の返事は聞いたの?」
「・・・キイテナイワ…」
「おい、しっかり演技をしろ。え・ん・ぎ!」
はあ、聞かれたのか。
「何で振ったのよ、あの子、私たちの学年じゃ№1かわいいで有名よ?」
「いやいや、お前らの学年で一番かわいいのはあなたですよ。千聖さん。」
「あら//ほめても何も出ないわよ?//」
それは演技なのかは分からないがどうでもいいことだろう。
「好きでもないどころか話したことだってない相手だぜ?付き合ってどうするんだよ。」
「それもそうだけど、そんなこと言ってたらあなた一生彼女なんて・・・」
「・・・あなたがそれを言うのですか?あなたも彼氏ができたことなんてないですよね~?」
「・・・」
「痛い痛い。無言で足を踏むな!」
「まあ、しっかり考えなさい。あ、花音とかどう?優しいし、気配りもできるわよ?」
「花音さんかー、もう少し話してみたらかな~確かに優しくていい人だよね。さすが千聖と仲良くしてくれてる人だ。」
「ええ。花音はいい子だわ」
そうこう話してるうちに食事が終わった。
「明日は遅いのか?」
「いいえ?明日はオフよ。Pastel*Palettes の仕事も休みだし。」
「そっか。俺は明日アルバイトだから午後いないから。昼は自分で作ってくれ。」
明日は学校が休みナタメ正午からシフトを入れている。
「あらそうなの、わかったわ。」
そう言って千聖は自室へと戻った。
ありがとうございました!
私しーが丸の推しは千聖ちゃんです!
しかしバンドリでは星4千聖さん一枚しか持ってないので何とか当てたいです!
それでは失礼します!
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3話 ~アルバイト先での受難~
ありがとうございます!これからも頑張ります!
それではどうぞ!
●●●
『いらっしゃいませー』
『奏汰君、これ、お願いできる?』
『ソウタさん!ブシドーですっ!!』
『ぶしどーはわからんが行ってくるわ』
「・・・た・・・そうた・・・奏汰!!」
「・・・うぇっ⁉…あ、はいっ⁉すぐに準備します!!・・・って、あれ・・・?」
「…何を準備するのよ・・・起きなさい、あなた今日バイトだって昨日言ってたでしょう?早くしないと迷惑かけるわよ。」
どうやら、俺は夢の中でバイトをしていたらしい。そっか、今日シフト入ってるんだったな。
…ん?いやちょっと待って。なぜ俺は千聖の声によって目を覚ましてるんだ?…目覚ましはどうしたんだ?
「あら、目覚ましなら、一時間前に鳴っていたわよ?今は…」
「…待て、それ以上言うな。頼む、それ以上は言わないでください。」
ロボットが動く時の音が鳴るかなのような遅さで枕の近くにある時計を見た。
…そこには目覚まし設定時刻より短針が一周先に行っている姿があった・・・。
「( ^ω^)…」
「・・・ごめんなさい、気持ちよく寝ていたものだから。ね?」
そう言って千聖はぐっすり寝ている俺の寝顔が写ったスマホを見せてきた。
「おいいいいいっ!!今すぐ消せ!そんな写真!そんなん撮る暇あるんだったら起こせよ!」
「嫌よ。あなたたいてい私より早く起きてるでしょ。めったに撮れないから良いじゃない。」
「よかねえよ!てかその写真どうするんだよ!」
「そうねえ、まずPastel*Palettes のみんなに見せてー」
「無理だ!そんなことは許さない、麻弥さんやイヴならともかくあの二人はダメだ!次会ったときに何されるか分かんねえから!」
あの二人とは頭ふわふわピンクなやつと、るんっ!とかわけわからんこと言いだす天才のことだ。
「嘘よ。そんなことより良いのかしら?こんなことを話してるうちに時間は過ぎていくのよ。」
「はっ!!そうだ、急がないと。ただでさえ遅刻してるのにこんなところで駄弁っていたらさらに遅れてしまう!」
千聖はPastel*Palettes の仕事が休みって言ってたから多分あいつも来るんだろうな。
「いいか!絶対にその写真ばらまくなよ!じゃあ着替えるから部屋から出て!!」
「え、ええ。わかったわ…。」
朝ごはんなんて到底食ってる暇なんてないため身支度をして家を出た。
「・・・困ったわね、もうばら撒いちゃったわ…。」
●●●
「す、すみません!!遅れました!!」
自分の出せる限界の速さで自転車をこぎ、駐輪場において店の中に入った。
「あ、ソウタさん!遅かったですね!大丈夫でしたか⁉」
「ああ、イヴか。すまんな、寝坊して、遅れたよ。…つぐみは?」
彼女の名前は若宮イヴ。同級生で千聖と同じくPastel*Palettesに所属していて、キーボードを担当している。父は日本人で母がフィンランド人の帰国子女で日々武士道の鍛錬をしているが、たまに訳の分からんことを言うのだが部活にも多く所属しているし、仕事の合間にバイトをしているという頑張り屋さんなのだ。
「ツグミさん!ソウタさんが見えましたよ!」
イヴが呼ぶと彼女は厨房の方から出てきた。
「あ、奏汰君!なにかあったの?大丈夫?」
小走り気味に出てきた少女の名前は羽沢つぐみ。俺がアルバイトをする羽沢珈琲店の娘さんでafterglowというバンドのキーボードをしていて、家の手伝いもするし学校では生徒会にも入っている。本人曰く「私は普通だから人一倍頑張らないといけない」ということらしいのだが、たまにこれが空回りしてしまう時がある。
「い、いや、そのー…近くないですかね…つぐみさん。」
「え…//あ、ごめん!//その、心配で。奏汰君が遅刻なんて珍しいから…」
「ごめんな、目覚まし鳴ったの気付けなくて。別に何かあったわけではないから気にしなくていいよ。」
「そ、そっか!よかった・・・」
あのバカ姉が起こしてくれればギリギリ間に合っていただろうに・・・。
「あ、今日の分のバイト代、いらないから。遅れてきたのにもらうなんて図々しいだろ。」
「だ、だめだよ!遅れたって言っても数十分だから気にしないで!まだ忙しくなってないからこれから頑張ってくれたらいいから!」
「で、でもな…」
周りを見渡すと確かにあんまり客はまだ入ってきてない。
「ね?だからこれから頑張ってくれればいいから。それに奏汰君がいると、・・・そのー…」
「ん?何かあんのか?」
「宣伝効果になるから」
「は?なんだよ宣伝効果って。」
「ツグミさん!お客さん、大量に来ています!!」
店の外を見ると子供から大人まで、あらゆる年代の女性がこちらに向かってくるのが見えた。
「奏汰君は、その…かっこいいから//。お客さん、この時間帯に来れば奏汰君に会えるってわかってるから店の宣伝になるんだ」
「あ、あはは・・・そうですか…」
苦笑いするつぐみに対して俺は笑うことしかできなかった・・・。
一方そのころ・・・
「花音、これからどうする?」
「えーっと。いつもの喫茶店に行かない?」
「そうね。それに今日は奏汰がバイトをしてるからちょうどいいわね、花音。」
「ち、千聖ちゃん⁉ふぇぇ~//」
「ふふっ。あ、花音。いい物を見せてあげる。…はいこれ」
「なに?・・・こ、これ、奏汰君⁉」
「ええ。可愛いでしょ?ふふっ」
「ち、千聖ちゃん!!その写真、私に送って//」
「もちろんいいわよ。・・・はい」
「ありがとう!か、かわいい~//」
●●●
「あ、そういえば。ソウタさん!」
「ん?なんだ?」
ただいま俺とイヴはつぐみから「二人とも休憩して」と言われたので奥の方で休憩がてら喋っていた。
「この写真、ソウタさんですよね!とてもかわいいです!」
「え?・・・」
目の前には俺が今朝千聖に見せられた写真が広がっていた。
「ど、どどどどうやってこれを?・・・」
「千聖さんがパスパレのグループに送っていました!かわいいので保存しました!」
そこにはメンバーの『丸山彩』『大和麻弥』『氷川日菜』がほとんど同じ文章で『保存させてもらうね!』と書いてあった・・・。
「いらっしゃいませー!あ、千聖さん、花音さん!」
「こんにちは、つぐみちゃん」
「こんにちは、つぐみちゃん。奏汰は・・・休憩中かしら?」
「はい!奥で休憩しています。もう少しで出てくると思うんですけど…。」
「あ、千聖さん来てますよ!ソウタさん!」
「・・・」
「千聖さーん!」
「あらイヴちゃん。・・・後ろで項垂れているのは…奏汰かしら?」
「そ、奏汰君⁉大丈夫⁉」
「…あ、花音さん・・・来てたんですね…こんにちは・・・すいません、今接客しますね・・・。」
「奏汰君!大丈夫?具合、悪い?」
「大丈夫だ、問題ない・・・わけではない!!千聖!お前俺の寝顔ばら撒きやがったな!!」
「しょうがないじゃない。あなたが忠告してきたときにはもうあげちゃったし…。」
「じゃあ、パスパレメンバー以外は持ってないんだな?・・・」
「・・・ええ。そうよ」
「なんだ今の間は!…もしかして!!」
左横に立っているふわふわしている先輩の方を見た。
「ご、ごめんね…奏汰君・・・//」
「う、嘘だぁーーー!ち、千聖!!お前な!何で花音さんまで!」
「違うわよ写真を見せたら花音が…「ストップ!!ストップ!!千聖ちゃん//!!」あら、ごめんさいね。」
「う、うう。もう嫌だ。鬱だ、泣きたい。」
「あら、泣けばいいじゃない。お姉ちゃんの胸で泣く?」
「うるせえ!注文は何だ!!」
どうやら面倒ごとがまた増えたらしい・・・
バイト後・・・
「ね、ねえイヴちゃん。」
「なんでしょう!ツグミさん!」
「私にも奏汰君の寝顔、くれないかな//」
「はい!良いですよ!!」
「ありがとう//か、かわいい!//」
「へっくっしゅん!」
風邪でも引いたのかな・・・。
ありがとうございました!一応ヒロインの花音さん初出演ですね!
奏汰君が萎えていたため花音さんの説明は次の登場回に!
Twitterやってるので是非フォローお願いします!
mj0505eri1021
次回はもう一人のヒロイン登場かも・・・?
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4話 ~知り合い?…~
この話を投稿してた日にお花見をしてきました!
桜がめっちゃきれいでした笑←誰も聞いてないw
それではどうぞ!笑
●●●
「…おはよう奏汰。相変わらず早いわね。」
「お。おはよう。そりゃうかうか寝てたら前みたいに盗撮されるからな。」
ただいまは朝の六時。普通の男子高校生なら大半はまだ寝ているころだろう。
しかし俺はそうではない。毎朝の朝ごはん、そして俺と千聖の二人分の朝ごはんを作っている。そのためこの時間に起きていてもぎりぎりになる時が多いがその時は千聖も手伝ってくれる。
「盗撮なんて言い方が悪いわよ。…それじゃあ私ウォーキングに行ってくるから。」
現にやっていることは盗撮だからな・・・
「ん。時間になったらちゃんと帰ってこいよ。」
「わかってるわよ…。」
少し膨れながら言い、千聖は出て行った。
「何が『わかってるわよ』だよ!全然わかってねえじゃねえか!!」
「悪かったわよ!…さあ、早くこいで。遅刻しちゃうわよ」
「ふ・ざ・け・ん・な・よ!!誰のせいだと思ってんだよ!」
ただいまは8時4分。8時10分以内に校門を通り抜けれなければもれなく遅刻になってしまう。
まあなぜこうなったのかというと・・・。
「そうねー。強いて言うなら私がウォーキングしているときにたまたま隣を歩いている人の飼ってた犬が可愛かったのが原因かしら?」
「おおそっかー、そうですね。なら千聖さんのせいではないですね。・・・・・・・ってなるか!!」
それに今の状況がかなりきつい。いつもなら登校は余裕があるため自転車を押して行くのだが、今はそんな余裕はない。
そのため全力で自転車をこいでいる。一人なら遅刻は多分ないだろうが、千聖が今は一緒だ。置いていくわけにもいかないため千聖を後ろに乗せてこいでいる。つまり二人乗りをしているということだ。
幸い学校への道は基本は下り坂だからなんとかなるとか思っていたのだが予想以上にきつい。もしかし千聖は見た目以上に…
「あら、私はそんなに太っていませんけど?体重維持にはいつも気を使っていますのでご心配なくっ!」
「…さらっと心を読むなよ、怖いわ。それと痛い、そんな力強くホールドすんな。」
「…私だからいいけど花音の前でそんなことを考えちゃ花音泣いちゃうわよ?」
「…何で花音さん限定なんだよ。」
そうこう話している内に校門が見えた。
「ほら、降りろ。二人乗りしてるのがばれたら風紀委員に怒られるからな。」
「そうね、ありがとう。今度アイス奢るわね。」
「あざます。」
どうやら遅刻は回避できそうだな。
「白鷺さん。それに、あなたは…?」
校門付近には水色髪の人が立っていた。
やべっ。この人確か風紀委員の…。
「紗夜ちゃん、おはよう。隣のは私の弟の奏汰よ。」
隣のって、俺は物かよ!!
「はじめまして、弟の奏汰です。よろしくお願いします。」
「はい、氷川紗夜です。ご存知だと思いますが風紀委員をやっております。どうぞよろしくお願い致します。」
氷川?もしかしてあの天才の姉なのか?確かに目とか髪は似ているな・・・。
「あの、失礼なこと聞きますけど。もしかして氷川って…」
「っ!・・・ええ、日菜は私の双子の妹です。面識、あったんですね。」
確かに顔は双子ってことで納得はいくが…話し方といい性格は全く逆だな…
でも何だろう、何で日菜さんのことを聞いたら顔を暗くしたんだろうか…
「ま、まあたまに千聖が家に連れてきたりしますからね。おもしろい人ですよね、妹さん。」
「すいません、妹がいつも迷惑をかけてしまい。」
「ああいえ!そういうことじゃなくて!たまに勉強も教えてもらっていますから!そんなこと気にしてませんから!」
「はい…ならいいのですが…」
「さあ、そろそろ教室に行かないと遅刻したことになっちゃうわよ?じゃあね、紗夜ちゃん。」
「はい、失礼します。」
「失礼します。」
そう言って中に入った。
んーやっぱり気になるなぁ~。
「…奏汰、あなた今、『紗夜ちゃんが日菜ちゃんの話を出したら顔が暗くなったのはどうしてだろう?』って考えてるでしょう?」
「・・・」
「…何故無言なのかしら?当たってるでしょう?」
「・・・姉弟って怖いな、何でもかんでも心を読み取ることができるんだな。俺はできないけど。」
「…私が芸能人だからよ。あなたの場合顔に出すぎなのよ。何もかもね」
「…ああ気になるよ、でもまあ、今ので大方理解はしたよ。双子特有の『考え方』だろ?」
「あら!あなたにしては珍しく鋭いわね。」
「日菜さんはああいう性格、それに対して紗夜さんはあの性格だからな。日菜さんはお姉ちゃんと仲良くしたい。紗夜さんもそう思っている。けどなかなか素直になれないからすれ違っているって感じだろ?」
「へえ~。あなたも成長したわね。その調子で女の子の気持ちも理解しましょうね。」
「・・・それは一生かかっても無理だな。…じゃあ俺はこっちだから。」
「ええ。今日は仕事だけど早く帰ってこれるから夜は私が作るわね。」
「そっか、じゃあ頼むわ」
そうしてチャイムと同時に教室に入った。
●●●
なんやかんやで授業が終わり、HRの時間になった。
「えーっとー。藤沢と白鷺。お前らこの間借りた本がまだ帰ってきてないらしいから放課後返しに行くように。」
「あ、やべ。完璧に忘れてたわ。奏汰、行こうぜ!」
「おう、ちょっと待ってくれ。」
本を用意して図書室に向かった。
「ついでに何か借りていくか…」
「そだな。俺はラノベを借りようかな~」
うちの図書室はそれなりに広く、数千冊の本が揃っているらしい。
「あ、これ返します。すいません遅れちゃって。」
「い、いえ・・・気にしないでください・・・」
「あの、自分のもお願いします。」
「は、はい・・・わかりまし・・・!!・・・」
「ん?え?…あ、あのーすいませーん」
受付係の人は俺を見るや否や固まってしまった。
「まさかこの人も奏汰ウイルスに感染したのか?」
「おい!なんだよ!奏汰ウイルスって!」
「お前を見た瞬間に固まったり挙動不審な動きをした人が持つウイルスのことだぜ!!」
かってに変なものを作りやがって…
「あ・・・す、すいません。・・・はい、どうぞ・・・」
「あ、どうも」
少しおかしかったがまあ、大丈夫だろう。
●●●
「…じー・・・」
「な、なあ。大河。」
「おん?なんだよ?」
おかしいな。何でかわからないがめちゃくちゃ視線を感じるのだが・・・
「…すごく視線を感じるんだけど…。」
「なんだよ、いつものことだろう?なんだ、嫌味なのか?」
「いや違うんだよ、いつものとは違う感じのやつで・・・」
「は?違うってどんな?」
「んー…言葉にはできないけどなんか違うんだよな~…」
なんだろうか、この感じ。
「あ、あの・・・すいません。・・・少しいいですか?」
「は、はい。大丈夫ですけど…。」
話しかけてきたのは受付をやっていた生徒だった。
「(・д・)チッまた奏汰かよ。…んじゃな、俺は教室でゲームして待ってるから。」
「あ、ああ。頼む。…」
そう言うと大河は部屋を出て行った。」
「あの・・・白鷺、奏汰・・・さん。ですよね?」
「は、はいそうですけど・・・」
あれ?この人、俺どっかであったことあるぞ・・・。学校一緒だし当たり前なのかもしれないけど、もっと前、俺が小さいころに…。
「・・・あの・・・私、白金、燐子・・・っていいます。」
白金燐子・・・燐子・・・りんこ・・・。聞いたことあるぞ!!それもさっき俺が思ってた時期くらいに。
「その・・・ピアノ、してましたよね・・・」
「・・・は、はい。やってました。でもかなり前ですよ?よくご存じですね。」
「・・・金賞、取りましたよね・・・・?ジュニアのコンクールで・・・」
「何で知って!・・・あれ・・・待てよ?」
思い出せ、確かその大会の銀賞の子は確か・・・
「あああああ!!思い出した!!白金燐子!りんちゃんだ!!…凄いな・・・よく覚えてたね」
「は、はい。私、その時銀賞・・・だった、から。」
そうだよ!なんで忘れてたんだろうか!あんなに仲良く話していたのに!
「久しぶりだね!今もピアノやってるの?」
「は、はい。Roselia、というバンドで・・・キーボードをやっています・・・」
Roselia。聞いたことある、ちょこちょこ千聖が名前を出してたな・・・。
「そ、その。そう君は、今はピアノ、辞めちゃったの・・・?」
「…ああ。辞めたわけじゃないけど、りんちゃんみたいにバンドとかコンクールとかには出てないよ。趣味としてやってるくらいかな」
「…よかった・・・そう君、うまかったし・・・やめるなんて、もったいないから・・・」
「ありがとう。りんちゃん今でもやってるんでしょ?聞いてみたいなー」
「そ、そんな//。・・・あ、・・・え、えっと今度、私たちライブに出るん、だけど見に、来ない//?…」
りんちゃんはスカートのポケットからライブのチケットと思われるものを出してきた。
「え?いいの!?」
「うん。ぜひ・・・見に、来て。・・・頑張る、から//。」
「ありがとう!友達と一緒に見に行くよ!」
「・・・それじゃあ今度、そう君のピアノも、聞かせてね。」
「ああ!わかった。ありがとう!じゃあ友達も待ってるからまた今度ね!」
りんちゃんに手を振り部屋を出た・・・
●●●
「りんりん!気合入ってるね!何かいいことでもあったの?」
「あこちゃん。…うん。大切な人が、見に来てくれるんだ」
「何々!?燐子!彼氏でもできちゃったの?」
「ち、違います//!」
「まあいずれにせよ気合の入っていることはいいことです。」
「そうね。燐子、この調子でいきましょう。」
「はい!湊さん・・・」
『そう君が見に来てくれるんだ!頑張らないと!』
あありがとうございました!
次回はライブ回!・・・と行きたいのですが、Pastel*Palettes 回を一話挟みたいと思います。
いやーメインヒロインの燐子ちゃん出せてよかった!
喋り方が難しい笑 これは作家あるあるなのかな?笑
それではまた次回!感想、高評価待っています!
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5話 ~カラフルな人たち~
ありがとうございます!!これからも頑張っていきます!!
さて、今回は前回予告した通りパスパレ回です!
さて、どうぞ!
●●●
「で?あの子にはなんて答えたんだよ?…まあどうせ振ったんだろ?」
「ん?あ、違う違う。あの人は俺の小さいころに知り合いだったんだよ。向こうは気づいてくれたけど俺は話すまで完壁に忘れてたよ。」
りんちゃんと別れた後、教室にいる大河と合流して学校を出た。どうやら大河はまた俺が告白されたと思っていたのだろうが、その考えは外れてしまっている。
「へー。ま、それならいいんだけどな。俺はてっきりまた告白をされてるものだと思ってたんだよ。」
「…そんな高頻度で告白なんてされるかよ。」
最後に告白されたのは約10日前くらいだな。・・・まあ確かに今日やられていたら高頻度だな。
「ま、いいや。それはそうと今日はゆっくりなんだな。晩飯作んなくていいのか?」
「…今日は千聖が作ってくれるんだと。いつも以上に今日は仕事が早く終わるらしい。」
家に帰ったら何をしようか。宿題は出てるには出てるけど別に提出は明日じゃないしな…。
「じゃ、俺はこっちだから。お姉ちゃんの手作りの感想聞かせろよ!」
「月曜の朝、10文字以内で答えてやるよ。…じゃあな。」
少ねえよ!と言いながら大河は俺と真逆の方向へと歩いて行った・・・。
●●●
「はぁー・・・暇だなー…」
現在時刻は17時30分。いつもなら夕飯の買い出しや準備を開始する時間なのだが、今日はそれが必要ない。
「いつもならなーご飯の準備なんだけどなー…」
いつもと違うことをするのもなかなか難しいものだと痛感した。特にすることもなく暇を持て余している。
大河とかならこの時間はゲームをするんだろうけど、あんまりゲームは好きじゃない、酔ってしまうからだ。テレビもテレビでニュースや教育向けのアニメとかなのでなかなかにつまらないのだ。
まあ、でもソファーの上で寝てるだけよりかはマシなのかな・・・。
「・・・まだ帰ってこないだろ…。」
いくら早く帰るとはいえ、まだまだ帰ってこないだろう。こんな時は…もう…
「・・・寝よ。」
ソファーに乗っているクッションの上に頭を置き、意識を手放した・・・
「ただいまー。…あれ?奏汰、いないのかしら…。」
『お邪魔しまーす!!』
・・・ちさと?…帰って来たのか?・・・
「よーし!ソファーへと~~~ジャーンプ!!」
「あ!日菜ちゃん!ちょっと!」
・・・ひな、ちゃん?・・・まさかな・・・
ドアの開く音が聞こえると同時に何かが近づいてくる音が聞こえてきた。
そして次の瞬間・・・
「ん・・・?千聖…?どうかしたのk「イエーイ!!」ぐえっ!!・・・な、なんだ!?不審者か!?・・・」
・・・かなりの重さの物が寝ている俺の上に降ってきた。
「日菜ちゃん!?…あ、奏汰。大丈夫?」
「奏汰君!…大丈夫?」
「ひ、日菜さん・・・」
「ソウタさん!大丈夫ですか!?」
ひ、日菜だと・・・じゃあ俺の上にいるのは…。
「あ、奏汰君だ!やっほー!・・・なにしてたの?」
「・・・ひ、日菜さん!?そ、それに皆さん、ど、どうしてここに?」
起き上がると目の前にはあの今注目されているアイドルグループ、Pastel*Palettesのみんなが並んでいた・・・。
「私たち今日ここでパジャマパーティをしに来たんだよ!知らなかったの?」
「知らなかったも何も初耳なんですが。」
千聖の方を見ると千聖は「ごめんなさい」と言わんばかりの顔をしていた。
「お、おじゃまします。奏汰さん。」
「あ、麻弥さん。別に気にしないでください。俺はあんまりかかわらないようにしますので」
メガネをかけているこの女性は大和麻弥さん。パスパレではドラムを担当していてPastel*Palettesの中では千聖の次にまともな人物だ。
まあ、イヴも残りの二人と比べればまともなんだろうか・・・。
「ねえ奏汰君!今失礼なこと考えていたでしょ!私も一応まともなんだよ!?」
「…まあ、一応。ですけどね…彩さん。」
「ぶぅー…」
彼女の名前は丸山彩。パスパレのふわふわ?ピンク担当らしく、ボーカルをしている。リーダーなのだが日菜さんや千聖からちょくちょくいじられてそのたびに泣いているらしい。
「・・・ていうか日菜さん!いつまで俺の上に乗ってるんですか!!おも・・・くわないですけど…。」
「いいじゃん!いいじゃん!奏汰君の上、落ち着くし!」
「近い//!近いです//!日菜さん!」
この無防備な人の名前は氷川日菜。千聖も認める天才で、なんでも一回見れば覚えてしまうらしい。パスパレではギターを担当している。うちの学校の風紀委員をやっている氷川紗夜さんの双子の妹というのは今朝知った話だ。
「日菜ちゃん?そろそろどいてあげましょう?」
「えーなんで~。あ、もしかして千聖ちゃん、妬いてる~?」
「な!//そ、そんなことないわよ//・・・」
あの千聖が顔を赤らめてる!?これは珍しい!
「…奏汰、あなたは今日の晩御飯、自分で作りなさい。」
「ごめんなさいそんなくだらないことはもう考えませんからどうか許してはくれませんか。」
「千聖さん、怖いっす…」
「ソウタさんは千聖さんに弱いですね!」
弱いどころの話じゃないんだよな。全く勝てないからああゆうくだらないことを考えてしまうんだよ。
「それじゃあ私は夜ご飯を作ってくるから。」
「あ、ジブンも手伝います!」
「私もお供します!」
「ええ、よろしくね!」
「え、二人は手伝いに行かないんですか?」
「私は奏汰君とお話ししときたいから~千聖ちゃん、3人で十分でしょ~?」
「ええ。二人は奏汰で遊んでていいわよ。」
だから!俺は物かっつうの!!
「あ、ああ!俺も手伝うよ!千聖!」
「4人もうちのキッチンに人は入らないわよ?」
「じゃ、じゃあ麻弥さんは休んでて大丈夫ですよ!」
「ほーらー!奏汰君!行こっ!別に変なことはしないから!」
「うんうん!ちょっとお話しするだけだからね~」
「い、いやだっ!!2人のおもちゃだけは絶対にッ!!」
叫び声は虚しく家じゅうを響き渡り、俺は別室へと運び込まれた・・・
●●●
『ごちそうさまでした!!』
「ご、ゴチソウサマデシタ・・・」
うん。千聖と麻弥さんとイヴが作ってくれたご飯はとてもおいしく体中にたまった疲れを少しは安らいでくれた。
でも、あの二人はやっぱりすごすぎる。質問だけで人をこんなにも疲れさせるなんて。やっぱり天才と努力家は凄いな・・・
「ち、千聖・・・俺、疲れたから先に風呂入らせてくれ…。」
「ええ。いいわよ」
「また後でお話ししようね!奏汰君!」
「あ、あははははは。・・・わかりました…。」
「じゃあ私たちはこっちの方で話しましょうか。」
『はーい!!』
●●●
「ふぁー・・・いい湯だなー…。」
やっぱり疲れてるときほどお風呂は気持ちいよねー。なんか何も考えたくなくなるって感じ?気持ちいいー・・・。
「・・・よし、そろそろ上がるか…。。」
およそ30分くらい湯船につかっていた。きっと5人は女の子っぽい会話をしてるんだろうな…あー聞きたくない・・・。
「あ、奏汰さん。上がったんっすね!」
「!!…はい長々とすいません。」
お菓子の袋のごみを持った麻弥さんは寝間着姿、通称パジャマ姿だった。
「まだお風呂には入ってないはずですよね…どうしてパジャマ姿なんですか?…」
「ぱ、パジャマパーティーという項目なので、着替えようと、日菜さんが…。」
「な、なるほど。大変ですね・・・」
「あら、奏汰。上がったかしら。」
「千聖、もう俺は疲れたから寝るな。今日は泊まるんだろう?あんまうるさくすんなよ。」
「ええ、わかってるわよ。」
「・・・朝は俺が作るから、ゆっくり寝てろ。・・・じゃあおやすみ。」
「ええ。おやすみ。」
そう言い伝えると俺は自室へと入っていった・・・。
「千聖ちゃん!奏汰君は!?」
「奏汰ならもう寝ちゃったわよ。相当疲れてたらしいから。」
「そっか…悪いことしちゃったかな・・・?」
「そんなことはないと思うわよ?さあ私たちも戻りましょう。」
まだまだ彼女たちのパジャマパーティは終わる気配がない・・
ありがとうございました!
後半ぐだってしまってすいません泣。明日からしっかり頑張っていきます。
次回はライブ回です!ハロハピも出す予定なのでお楽しみに!
明日投稿できるかわかりませんが、できる限り頑張ります!!
感想、高評価お待ちしております!
renasuartさん4話の誤字報告ありがとうございました!
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6話 ~初めてのバンドライブ~
そうならないように気を付けます。
今回は少し期間があいてしまいましたがライブ回です!
タイトルを見たらまあ、わかりますよね笑
千聖side・・・
「・・・おはよう奏汰」
土曜日ははいつも仕事で忙しいのだが久しぶりに今日は仕事が午後からしかない。そのため今日はかなりのんびりと寝ていた。
「おう、おはよう。・・・そっか今日は仕事、午後からだったな。」
「ええ。・・・あれ?どこか行くの?」
ソファ付近に置いてある洋服とジーンズを見て私は察した。
奏汰は基本、土曜や日曜の休日はいつも家でのんびりしている。
『・・・まぁ。仕事で疲れて帰ってくる私の代わりに家事全般をしてくれるのだから、そうなるわよね…』
「…?どうかしたか?」
「ううん!・・・気にしなくていいわ。…で?どこに行くのかしら。」
いつもはのんびりするはずなのだだが今日はそうではない。しかし奏汰に限って女の子とのデートなどの類はありえないだろうけど…。
「大河と一緒に昼からバンドのライブを見に行くんだよ」
「バンド?あなたそんなのに興味とかあったかしら…」
大河君から誘ってきたのならきっぱりと断っているはず・・・。
「バンドに興味があるって言うか、出てるグループのメンバーに見に来てくれって誘われたんだよ。」
そう言い、奏汰はチケットを見せてきた。
「このRoseliaって言うバンドのキーボードの人と小さい時に面識がってな。たまたまあったときに見に来てくれって誘われたんだよ。」
「あら、Roseliaじゃない。」
「え?知ってんの?」
「ええ。知ってるも何も私たちパスパレと一緒にライブをしたことだってあるわよ。」
しかもRoseliaのキーボードって言ったら燐子ちゃんじゃない。
「・・・奏汰、あなた燐子ちゃんと小さい時に面識があったって言うけど、何時かしら?私、覚えてないんだけど・・・。」
「りんちゃんのこと知ってんのか!?…あーそっか学年一緒だもんな。」
「り、りんちゃん?…随分と親しいのね・・・。」
「小さい時に初めて出たピアノのコンクールで仲良くなったんだよ。学校の図書室でたまたま会って俺は忘れてたけど向こうは覚えてくれてたって感じ。」
「そういえば燐子ちゃん、小さいころからピアノをやってたって言ってたわね・・・」
なるほど、奏汰も小さい時にピアノをやってたし、わからない話ではないわね。
「んじゃ、そういうことだから。昼ご飯は作ってるから温めて食べてくれ。…じゃあな!」
「い、いってらっしゃい・・・。」
●●●
「おまたせ~」
「遅いぞ!普通誘われた側は先に来とくだろ!」
いつもの公園で待ち合わせをした俺たちはさっそくライブの会場であるCIRCLEへと向かった。事前にスマホで場所を調べているため迷うことはないだろう。
「そういやーそのライブにハロハピ出るって書いてあるよな。」
「…ハロハピ?なんだそれ?」
Roseliaのことなら少しでネットで調べた。実力派のガールズバンドということが書いてあった。本来の目的はRoseliaだけだったのだが気になる名前だな。
「知らねえのか?うちのクラスの弦巻と奥沢、それとAクラスの北沢がやってるバンドで結構人気があるみたいだぜ。俺、そっちも結構楽しみなんだよな~」
へーこころにはぐみがかー。にしても美咲は意外だな・・・。
そうこう話している内にCIRCLEへと着いた。
「意外と近いんだな。」
「そうだな・・・うわっ!結構人が集まってるなー。」
受付みたいな人にチケットを渡し、中に入ると、すでにかなりの量の観客が入っていた。
「Roseliaは・・・2番目だな。ハロハピは・・・」
「正式名称はハロー!ハッピーワールドだけどな。」
「なるほど。…えーっと…って、1番じゃん!」
「ああ。早くに登場してくれるのは助かるぜ。」
「だな。じゃあそろそろ始まりそうだし、座るか。」
『世界を笑顔に!ハッピー!ラッキー!スマイル!イェーイ!!』
「お!出てきたぞ!」
「…(。´・ω・)ん?あのドラムの人って・・・。」
「ああ。あの人は確か俺たちの1個上の先輩だったはず。・・・知り合いなのか?」
あの髪色、そしてあの雰囲気。
「花音さんだ・・・」
お、驚いた!まさかあの花音さんがドラムだなんて・・・人は見た目によらないな…。
というか・・・
「美咲はどこにいるんだ?」
「ん?…ああ。あのDJの着ぐるみの中だ。通称ミッシェル。」
「は、はあ。大変なんだな。あいつも・・・。」
いつも素の状態でもこころに手を焼いてるのに。よく頑張るな…。
「…あれ?…あの人。どこかで・・・」
あのギターを持っている人・・・どこかで。
「み~んな~、ハロハッピ~!」
『ハロハッピ~!!』
「ハロハッピ~!!」
「や、やめろよ。恥ずかしい…。」
「お前!何を恥ずかしがってんだよ!みんな言ってんだろ!?羞恥心なんて捨てろよ。」
「あら?そこのあなた!元気ないわね!…ってあれ?ソウタじゃない!来てたのね!」
「あ、そう君じゃん!やっほー!」
「げっ!…何で奏汰がこんなところに…。」
「お、おいお前ら、何シンプルに観客に声かけてんの?」
なんか周囲からすごい視線を受けているのだが・・・。
「こ、こころちゃん、はぐみちゃん。も、戻ってライブを…。」
「ああ、儚い」
さすが花音さん!頼れる先輩だ!にしても儚いってなんだ?
「それもそうね!ソウタ!見ていてちょうだい!」
「は、はい。・・・」
ハロー!ハッピーワールド。凄いぶっ飛んでいる人たちの集まりみたいだな・・・。
「いやーよかったな!ハロハピ。」
「だな。最初はどうなるかと思ってひやひやしたけどな。」
その後は無事にライブを終えることができた。ライブの方は5人らしい、そしてグループ名らしい周りを明るくしそうな曲を歌っていた。
「次はいよいよ本腰!Roseliaだな。」
「ああ。楽しみだな!」
燐子side・・・
「りんりん!大丈夫?緊張してない?」
「あこちゃん。・・・うん。今日は、そう君が見に来てくれてるから・・・大丈夫。」
「…その『そう君」って言う人がりんりんがピアノに熱心に向き合うきっかけになった人なんだよね。そんなにすごい人なの?」
「…うん。そう君は、私よりも一つ年下だったのに、全然年上にも引けを取らない演奏をしていて、私も、あのくらいうまくなりたいって思ったんだ・・・。」
「へ~・・・あ!…そういえばさ!燐子!」
「は、はい。なんでしょう、今井さん・・・。」
「その『そう君』って言う人の本名って何?多分あたし知ってると思う!」
「え、えっと。白鷺、奏汰、君です。千聖さんの、弟です・・・。」
「やっぱり!あたしその人知ってる!うちの学校でもめっちゃ有名だよ?『花女にはスーパーなイケメン』がいるって!ねえ?友希那」
「そうかしら?そんな話有名かしら…。でもその名前なら小さいころに聞いたことあるわよ。『天才ピアニスト』とか言われていたわね」
確かにそう君は天才だったと思う。言われたことはその場ですぐに修正して、より良い演奏をしようと努力をしていた。
「湊さん、そろそろ出番です。行きましょう。」
「ええ、そうね。みんな、行くわよ!」
そう君、見に来てくれてるのかな・・・。
●●●
歓声が聞こえる。もう何度もライブを行っているため、この緊張感にも少しは慣れることができてきた。
『そう君、そう君は・・・!いたっ!・・・』
そう君は約束通りライブに来てくれた。
『そう君、聞いていてね。これが今の私、私たちの演奏!』
「・・・こんにちは。私達はRoselia・・・まずは1曲、聴いてください『BLACK SHOUT』!」
友希那さんのMCから曲が始まった。曲が始まると同時に私は曲に集中した。何度も繰り返し練習し、指は自然とその場所へと向かうようになってきた。しかし少しリズムを外れてしまうことが多い。しっかりしっかり一つずつの動作を完璧にやっていかなくてはならない。
『そう君が聴いてくれてる。ミスはできない・・・。』
なんとか1曲目はミスなしで弾くことができた。この調子でラストの曲もしっかりとしよう。
「・・・ありがとうございました。ラストの2曲目、聞いてください。『陽だまりロードナイト』」
この曲はさっきのBLACK SHOUTと比べてリズムが取りやすく、テンポもゆっくりとしている。そのためいつも通りしっかりできればミスは出ない・・・。
『あ、間違えちゃった。・・・落ち着いて、修正して、修正して。』
少し焦ってしまったのか、いつもはできる部分をミスしてしまった・・・。一時は焦ったが、ライブを重ねてきた経験で演奏中にしっかり修正することはできた。
そして演奏は無事に終了し、私たちはステージから外れた。
「…これからどうする?ファミレスで今から反省会する?」
「そうね、なるべく早くしないと忘れてしまうわ。行きましょう。」
「りんりん!今日も良かったよ!!」
「そ、そんな…ミスもしちゃったし、しっかり反省しないと・・・。」
『次はそう君のピアノを聞かせてね・・・。」
ありがとうございました!
今回は奏汰視点以外を入れていました!どうだったでしょうか!
次回はいまいち未定ですが奏汰とRoseliaメンバーを対面させる回を書こうかと考えております。
それとこれから2日間テストがあるため更新は11日になってしまいます・・・。
お許しください。
感想、高評価お待ちしております!
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7話 ~青薔薇との出会い~
これからはそのようなことがないように気を付けていきます。
それではどうぞ!!
●●●
「いや~。にしてもよかったな!Roselia!」
「ああ!さすがトップクラスのバンドだな!」
バンドハウスを後にし、俺と大河は夜ご飯を食べるために近くのファミレスへと向かっていた。
『りんちゃんの演奏、良かったなー。俺もピアノ、久しぶりにまじめにピアノ始めようかな・・・。』
俺がピアノを辞めた理由は別に、そんなたいした理由があったわけではない。ただ単に辞めた。それだけである。
「そういやRoseliaのキーボードの人、白金先輩だろ?あの図書委員の。」
「白金先輩って、お前知ってんのか?りんちゃんのこと。」
「りんちゃんってお前、逆にお前は知り合いなのか?白金先輩とどういった関係なんだ?」
「お前は知らないかもしれないが、俺は昔ピアノを習ってたんだよ。そん時出たコンクールに出ててな。・・・ま、まあ一悶着あって仲良くなったんだよ。」
「へー。お前ピアノやってたのか。今はやってないのか?」
「ああ。趣味でやる程度かな。」
実家の方にあるピアノをたまに妹と弾いているくらいでそんなに今は弾いてない。
『・・・そろそろ一回、あっちの方に帰った方がいいのかな・・・。』
「で?お前は何で知ってんだよ。」
「俺の友達の図書委員をやってるやつがな『めちゃくちゃかわいい先輩がいる!』って言っててな。・・・俺らの学年の男子でもかなり人気なんだよ。白金先輩は!」
「そ、そうなんだ…初耳なんだが・・・。」
「それに!女性に必要な部分をしっかりと持ってる!いや!持ちすぎている!あれはデカすぎだ!」
「は、はあ?何の話をしてんだよ?」
「まあお前にはわからない話だな・・・着いたぞ。」
「なんだよその決め顔は・・・。」
中に入ると夕食にはまだ早い時間のためかそんなに客がいなく、店員が運ぶお皿の音くらいしか聞こえなかった。
「え~っと、何頼む?俺はもう決まってるけど。」
「そ、そうだな~。…ファミレスってこんななメニューが豊富なんだな・・・。」
こういう場を千聖があんまり好まないため夜はあまり外食をしない。なのでなかなかに多いメニューからどれを食べればいいか迷ってしまう。
「じゃ、じゃあこのカルボナーラでいいや。」
「お、いいね~。でも俺は絶対に洋風ハンバーグの和食セットだけどな!」
二人のメニューが決まり店員を呼ぼうとベルを鳴ら層としたその時だった・・・。
「あ!キミたち確かさっきのライブに来てたよね!」
「…え?は、はい。」
この人は確か・・・
「あたしは今井リサ!Roseliaのベースをやってるんだけど、覚えてないかな?・・・」
「いえいえ!覚えてます!凄くお上手で印象に残っています!」
「はい!あの全部のグループの中でRoseliaが実力は一番だったと思います!
「そんな、お上手だなんて!まだまだだよ!」
多分見た目を見た感じ、高校生くらいだろうな・・・それも多分年上。
「ねえ、キミ!」
「じ、自分ですか?」
「うん、キミ。白鷺奏汰君でしょ?」
「…え!?な、何で知ってるんですか・・・?」
「やっぱり~!だって君、うちの学校じゃ有名人なんだもん!」
「え、え~と・・・ち、ちなみに学校は・・・?」
「え~っと、羽丘女子学園?だったはず・・・。」
羽丘って言ったら・・・。
『おいおい、あの天才がいるじゃねえか・・・あいつのせいだろ・・・』
あの天才アイドルめ・・・いろいろなところに言いふらしやがって・・・。
「でもさすが千聖の弟!生で見ると一段とイケメンに見える!」
「あ、どうもです・・・//」
「何照れてんだよ・・・。」
「そうだそうだ!二人はもう注文した?」
「い、いえまだでですけど・・・」
「ならちょっとついて来て!今日のライブの感想とか聞きたいからさ!」
「あ、ちょっと!」
強引に俺と大河は手を取られ、されるがままにされた。
「・・・今井さん、その方々は。ってあなたは奏汰さんじゃないですか。いったい何故?それに藤沢さんまで・・・。」
「さ、紗夜さん!・・・なるほど、やっぱりさっきのは紗夜さんだったのか・・・。」
「あ、紗夜さん!どもども~」
な、なんだ?もしかして二人は知り合いなのか?・・・
「あれ?他の3人は?」
「つい先ほどそろってトイレに。それにしても二人ともどうしてここに?」
「ライブの帰りだったんで~ここで夜を済ませようとしてたんです。」
「紗夜!二人の知り合いなの?」
「ええ。一応風紀委員なので、面識が少しあるだけですが・・・。」
「・・・て、ていうか今井さん、何で自分たちをここに連れてきたんですか?」
「…呼び方。リサでいいよ!それはだね~」
「・・・リサ、この人たちは?」
「あ、友希那!…この人たちは今日ライブに来てくれてた人で、感想を聞こうと思って連れてきたんだ~!」
え?・・・感想いうとか今知ったんだけど。あれ?5人って言ってたしあと二人足りないんじゃ・・・。
「あ~!!あこ、この人覚えてる!かっこいい人だな~って印象にあったんだ!」
「あ、あこちゃん、待って・・・。・・・そ、そうくん!?ど、どうしてここに・・・?」
「りんちゃん!?て、ていうかRoseliaのみんながどうして!?」
「あら。あなたが燐子の言う白鷺奏汰君かしら。…私は湊友希那、Roseliaのボーカルをやってるわ。」
「は、はい。知っています・・・」
す、すごい・・・なんかオーラ?っていうのがめちゃめちゃ見える・・・。
「それじゃあ、早速聞かせて頂戴。感想を。」
『は、はい?』
俺と大河は口を揃って同じ反応をしてしまった・・・。
ありがとうございました!
今回は少し短かったかな~。学校が始まったせいでペースがダウンしてしまっている!
しっかり気をつけて頑張っていきます・・・。
次回はこの続きを書いていきたいと思います!可愛い燐子、書けるといいな…( ´∀` )
感想、高評価お待ちしております!
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8話 ~日常にも色々あるものです~
少なからずこの作品を待っていてくれた方もいたにもかかわらず、約一年もの間も空いてしまいました・・・。
これから暇な時を見つけては書いていくので駄文ですが何かとよろしくお願いします!
●●●
「・・・はぁ、疲れた・・・。
「だな~、精神的に参ったよ。」
ライブ後のファミレスにて夕食を済ませるつもりだったのだが、ライブ後のRoseliaと鉢合わせをし、リサさんの無茶ぶりにより感想を言うことになったのだが…。
「なんかこう、凄かったよな、オーラって言うか雰囲気が。」
「ああ、同じ高校生とは思えなかったな、まるでプロみたいだった。」
さすがに周りからプロ顔負けの実力を持つグループ、凄く気品のあるオーラだった。
「はあ。結局飯も緊張から喉を通らなかったしよ、コンビニでもよって帰るかな。一緒に行くか?奏汰。」
「いや、俺は遠慮しとく。」
「わかった!じゃあまた月曜な。あ、宿題やってきとけよ!移すから!」
「へいへい。んじゃな!」
そう言って大河と別れた。
●●●
「・・・ん?」
大河と別れて数分後、携帯が鳴った。
相手は千聖だった。
「もしもしー。」
『奏汰?今どこかしら?』
「ん~?今帰っているけど、どうかした?」
『ご飯はもう食べたかしら?』
「おー食べた食べた。」
『それならいいのだけれど、私の分の夜ご飯は大丈夫だけれどもう冷蔵庫の中がすっからかんよ?』
あ、しまった!完璧に忘れてたわ・・・。
「おっけ、買って帰るよ。他に何かいるものある?」
『それならお菓子とジュースを買ってきてくれないかしら。来客が来てるのよ。』
来客?誰だろうか、ついこの間みたいにパスパレにみんなが来てるのかな。
「わかった、適当に買ってくるよ。」
『ごめんなさいね、今日は楽しかったかしら?』
「うん。疲れたけどね。」
『そうなの?かえって話を聞かせて頂戴ね。じゃあ待ってるわ』
そう言い終わると電話を切った。
●●●
いつもお世話になっているスーパーに出向き適当に食材を買い、お菓子コーナーへと向かって行った。
「あーそっちのは買わないから戻してきて」
あれ?この声は
「ん?美咲じゃん、こんな時間に買い物?」
そこには弟であろう子供と共に買い物に来ていた美咲がいた。
美咲とは中学から仲が良く、高校も同じクラスで仲良くしてもらっている。
「奏汰!?奏汰こそどうしたの、こんな時間に、千聖さんにでもぱしられた?」
「ま、まあ言い方を悪くすればそんなとこかな。」
「お姉ちゃん、この人誰?」
「あーこの人は数々の女の子をたらしまわっている世の男子が見たら「なんだこいつチートや!そんなん!チーターやん!」と言われんばかりにイケメンという最高のステータスを持っているお姉ちゃんの友達の白鷺奏汰っていうの。」
「な、なんだ?今一瞬キ〇オウさんみたいな人いたぞ、ってかなんだその紹介の仕方は!ぼくーお兄ちゃんはそんな人じゃないからね。」
「ごめんごめん、最近あのアニメ見ちゃって。」
今更かよ!あのアニメ結構古いだろ!
「…てか美咲は何でこんな時間にここに?あと弟君も。」
時刻は8時を回っているため普通なら女子高生は外に出ない時間だろう。というか少年も連れ出したら危ないし。
「別に大きな理由は無いよ。ただ単に親に頼まれただけ。」
「ふぉーん。偉いな、脱帽だわマジで。」
「ありがとう、それじゃ、また月曜日。遅くなったら心配かけちゃうしね。」
「おう、それじゃあな。弟君もばいばい。」
「ばいばい~」
無邪気に手を振った弟君の手を引きながら美咲はレジへと向かって行った・・・
「俺もそろそろ帰ろっと。」
必要な食材をそろえた俺もレジへと向かった・・・
●●●
「ただいまー。」
玄関に上がると見たことのない靴が一足きれいに並べられていることに気づいた。
扉の向こうからは千聖の声のほかにもう一人楽しそうな声が聞こえた。別の女の子の声、聞き覚えのある声だった。
「この声はもしかして・・・。」
「あら奏汰おかえりなさい、申し訳ないわねお使いなんて頼んで。」
「あ、奏汰君、お邪魔してるね。ありがとう、手伝うよ?」
「ああいえいえ、大丈夫です!くつろいでいてください!」
花音さんだった、パスパレの誰かと予想していた俺の考えは外れていたらしい。
・・・というか・・・。
「ち、ちさと。ちょっと。」
「?どうかしたかしら?」
手招きをして千聖を呼んだ。
「こんな時間まで何をやってるんだよ、家に帰さねえとあぶねえだろ。送って帰ろうか?」
「違うわよ。今日花音はうちに泊まるのよ。」
は・・・?
「あら?言ってなかったかしら?」
「言ってなかったかしら?じゃあねえよ!!そういうのは先に言えよ!部屋は綺麗なのかよ!」
千聖はたまにこういうところが抜けてる。テレビなど見る千聖とは打って変わってたまにポンコツになるところがある。まあそれがテレビとのギャップでの面白いところの一つなんだけど。
「それなら安心していいわよ?日頃あなたがやっていてくれたおかげで汚い箇所なんて一つもなかったわ。」
「まあそれならいいけど。」
「千聖ちゃん、早く続きを聞かせてよ。」
「わかったわ、そういうことだから、よろしくね。」
「・・・は、はい。」
どうやらまだまだ寝れそうにないらしい・・・。
久しぶりすぎて何を書いていいのかわからなかった…笑
コロナウイルスによる休校を利用してバンバン更新していきたいと思います!
よろしくお願いします!
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9話 ~美人な姉を持つことって天国でしょうか地獄でしょうか?~
コロナウイルスによる休校に感謝しながら書いています!
それでは9話どうぞ!
●●●
「奏汰君、今日のライブ来てたよね?」
「はい。花音さんがドラムをやっているなんて驚きでしたよ。」
あれは驚いた。俺の中でドラムをする人のイメージとしては荒々しい人というのがあったがそれとは全く逆のおとなしい花音さんがやってるというのを見て俺の固定観念は吹っ飛ばされた。
「ど、どうだったかな、私たちのバンド?」
「よかったと思いますよ!観客の人たちも楽しそうにしてましたし。」
今言った言葉に偽りはなく、真実だ。センターの子が問いかければそれにしっかり観客が答えるという一体感が生まれ、会場一帯がとても楽しい雰囲気になっていた。
「そ、そっか!ならよかった!私ミスしてなかったか心配で…。」
「そんなことないですよ!綺麗でした!」
「き、きれい!?そ、それってどういう…//」
「あのー!お二人さん?ここは二人だけの世界じゃないですから!そういうのは私のいない場所でしてくださいねっ!」
「ち、千聖ちゃん!そういうのじゃないよ~…//」
「なんだよ急に大きな声出して、珍しいな。」
「…全くこの鈍感弟は…」
なぜ今千聖はため息をついたし…鈍感関係なくないか?・・・
「そんなことより奏汰?あなたお風呂入るって言ってなかったかしら?」
「あ、そうだったわ。忘れてた。」
花音さんとしゃべることに気を取られててすっかり忘れてたわ。
「それじゃあ入ってくる、くつろいでってください花音さん。あ、でもあんまりうるさくはしないでくださいね」
「わかった!気を付けるね。」
花音さんの返事を聞き安心して浴室へと向かった。
千聖side・・・
「さっきは楽しそうだったわね?…花音」
「も、もしかして千聖ちゃん…怒ってる?」
奏汰が帰って来て早々に花音の顔が私と話している時に比べて女の子らしくなったのは言うまでもない。花音は奏汰のことが大好きなのだから・・・。
「別に怒ったりしないわよ、逆に何に対しての怒りかしら?」
「奏汰君と私が話してたから、その、嫉妬してるんじゃないかなって・・・」
「…嫉妬?何に対してのかしら?」
「奏汰君と話してたから・・・」
花音・・・そんなちっさなことで嫉妬なんてするはずないわよ!私たちは姉弟なのだから毎日のように話すのよ?いちいち他の女の子としゃべってるのを見て嫉妬なんてしないわよ。
でもこれは面白いかも・・・花音が奏汰のことを好きなことは私も花音本人も自覚をしているはず。
しかし花音は私と一対一になってもあまりそういった話を持ち込まない。
…これはあえて嫉妬したという程にして花音から情報を聞くのがいいんじゃなかろうか・・・。
奏汰は入浴中でいない、今がチャンスね!!
「・・・そうね。嫉妬、したかしらね。」
「やっぱり、ごめんね。千聖ちゃん」
花音!!そんな顔しないで!私の中の良心が!
でもここで引くわけにはいかない、しっかりと情報を聞かないと。
「・・・私の奏汰、なのよ?花音。」
ここで私は今まで培った来た俳優業での演技力を使い、多分普段の私からは想像できないようなキャラを演じる。
「そうだね…ごめんね・・・。」
ああ、泣かないで花音!
「そういえば花音は奏汰のことが好き。って言ってたわね?」
「・・・え?ええっ!//急にどうしたの?千聖ちゃん!」
「そうね、私も好きよ。奏汰の事、一人の異性として。」
わ、私は何を言ってるのかしら!//急すぎるわよ!てかバカでしょう!私たちは姉弟なんだしそんなわけが!
「ふええっ!!そうなんだ!で、でもそれって法律的には…」
「この国は無理でも、世界中にはそれを許可してる国はいくらでもあるわ。」
…知らないけど。
「・・・。」
あら?下を向いちゃったわね。どうしたのかしら?・・・
「私だって奏汰君のことが好き!!千聖ちゃんに負けないくらい!」
「!!・・・へぇ~。それはどういうところがいいと思ってその考えに至ったのかしら?」
珍しく声を張り上げた花音に対して一瞬驚いたがすぐさま私はマウントを取りにいった。
「そ、それは・・・」
「あら言えないのかしら?私は言えるわよ?例えば顔はゆわずもがな整っている、俳優になっていてもおかしくない顔だわ、というか私のマネージャーがさせたがってるし。
それに性格だって優しいし男気もある、強いて言えば鈍感な点くらい。家事全般はできるしとても男子高校生とは思えないスペックと私は思うわ。」
「…わ、わたしだって!いつも優しくしてくれるし性格がいいことなんて知ってるよ!道に迷ってるときも助けてくれるしさっきだって真剣に私の話を聴いてくれてたし・・・。」
「そんなの私は毎日してもらってるわよ?」
「そ、それは。千聖ちゃんがお姉ちゃんだから・・・。」
「というかほんとに好きなのかしら?それは好きというより、信頼してるだけなんじゃないのかしら?」
「…わ、私も最初はそうだと思ってたよ。でも奏汰君と話してるうちに彼の声や動きが愛しくなって、…たまに彼が告白されてるのを見て心がキュッて締め付けられるような感覚がしてっ。…最近ようやく理解したんだ。
私は奏汰君が好きって・・・。」
花音は泣きながら自分の主張をはっきりと私に言った。
…成長したわね、花音。
「はーーっ!さっぱりした!!・・・二人とも何の話をしてたんだ?」
「きゃっ!!…そ、奏汰!!あなたいつからそこに!?」
花音の主張に感極まっていた私は背後にいた奏汰に気づくことができなかった。
「そ、奏汰君//!!き、聞こえてた!?私たちの話!!」
花音は立って慌てて奏汰の方に体をのりだして聞いた。それもそのはず話の内容が聴かれてたら、花音が奏汰のことを好きなことがばれてしまっているからだ。
「花音さん?ど、どうして泣いてるんですか!?」
花音はそのまま奏汰に抱きつき泣いた。
「奏汰?もう一度聞くわよ?あなたいつから私の後ろに?話、聞いた?」
「ん?別にすぐに千聖に声をかけたけど、てか話ってなんだ?面白いことでも話してたのか?」
ほっ、どうやら奏汰には聞こえてないらしい、よかったわ。王道ラブコメみたいな展開で。
「…というか花音さんは何で泣いてんだ?まさかお前が泣かせたのか?」
「ち、違うわよ!こ、これはそのー・・・そ、そう!怖い話をしたのよ!まえ家にパスパレのみんなが来たじゃない?その時に日菜ちゃんから聞いた話花音にしたのよ。そしたら泣いちゃって・・・。
「そ、そうなんだ。ごめんね奏汰君急に泣いちゃって。」
「あーいえいえ!それならよかったですよ!じゃあ俺にもその話聞かせてくれ、千聖」
「え、ええ。わかったわ。でもその前に。花音、ちょっと。」
「…?…どうしたの?千聖ちゃん。」
手招きして花音を呼び、耳打ちで全てを話した。
「私は別に奏汰のこと好きじゃないから安心して頂戴。あ、別に好きよ?あなたみたいに好意という意味ではないけれど。」
「ふぇ!?・・・そうなの!?」
「ええ。でも安心したわ。」
「あ、安心?」
「花音がしっかりと奏汰のことが好きってことが知れて。ごめんなさいね、試すような形をとってしまって。」
「も~!わたし千聖ちゃんがライバルだったら絶対に勝てないと思ったから。・・・うぅっ、よかった。・・・」
「ちょ、ちょっと!なんで泣くのよ!」
「…っ…安心しちゃって。ごめんね。…」
全くこの子は。成長したと思ったら・・・・・。
奏汰side・・・
●●●
「・・・という話よ。」
「ふえぇ~、怖かった~。」
「す、すごい現実味のある話だったな。」
た、確かに怖かったけど、花音さんが泣くほどなのか?ああ見えて花音さんはしっかりとしてるからなぁ。
「ち、千聖ちゃん、トイレってどこかな?」
「トイレなら廊下に出てすぐ左側にあるわよ。」
花音さんがトイレに立った今、千聖に聞こう。
「・・・千聖。」
「何かしら?あなたも怖すぎてトイレに行きたくなったかしら?」
「ちげえよ。…さっき花音さんが泣いてたのって本当にこれなのか?・・・言っちゃ悪いと思うが泣くほどじゃないと思うのだが。」
「・・・あなたこういうのは頭がきれるのね。もっと恋愛とかの方にその考え方は行かないものなのかしら・・・。」
「悪かったな。」
「あなたの言う通りよ、でもあなたに理由は言えないわ。」
千聖は立ち上がりあれの方へと距離を詰めてきた。
「・・・な、なんだよ。ち、近いって//!どどどどどうしたんだよ//お前らしくないって!//」
千聖は俺に顔を近づけながら・・・
「・・・鈍感 」
・・・俺のでこにデコピンを食らわせてきた・・・。
●●●
「‥奏汰君?どうかしたの?顔真っ赤だけど・・・」
「相変わらず責められるのには弱いのね・・・。」
「ち、千聖//…いつか絶対に復讐してやるからな・・・。」
この鉄仮面が・・・。その表上の顔いつか絶対世に知らしめてやるっ!!
どうでしたでしょうか!!
ついにわが大分県にもコロナが・・・。
新バンドにRASの追加と色々激熱な三周年ですね!
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10話 ~妹降臨~
今回は白鷺家の妹が登場します。名前なんですがとある作家さんから意見を頂きました!
後書きの方にてプロフィールを書いときます!
それではお願いします!
●●●
「じゃあ私たちは寝るから。…あなたも早く寝なさいよ。」
「んーおやすみー。」
「奏汰君、おやすみ」
「おやすみなさい、花音さん。」
時刻は23時を回り、そろそろ0時に向かおうとしている。花音さんと千聖はどうやら寝るらしい。
俺は日曜日はゆったりとしていたいので宿題を済ませるため、もう少しだけ起きていくつもりだ。
「はぁ、かなりの量出てるな・・・。」
これは小一時間ほどかかりそうだな・・・
「・・・んー?・・・やっべ!寝てたのか」
どうやら俺は寝てしまっていたらしい、時計を見ると1時を過ぎていた、二時間弱寝てたのか・・・。
『 ~』
RINEの音で意識が覚醒した。
「めっちゃ通知来てるな。誰だ?大河か?・・・」
眠り眼で相手を見てみるとそこにはなじみのある名前が書かれていた。
『お兄さん!』
『起きてますか!?』
『もしもーし!』
『起きてるー?』
「・・・こいつめ、いったい何時だと思って・・・。」
相手の名は『千春』。本名は白鷺千春、苗字と文の内容を見ればわかると思うのだが、俺の妹だ。
「おい、今何時だと思ってるんだ。早く寝ろ」
『兄さん!兄さん自ら私に電話なんて!…どうかした?』
「聞いてなかったのか?寝ろ。今すぐに。」
『わかりました、ですが兄さん。今日は何の日か覚えていますか?』
「今日?何かあったけか?・・・」
『ひ、ひどいです!今日は兄さんと私でお買い物をする約束をしてた日ですよ!』
あ、そういえばそんな日もあったな、忘れてたわ・・・。
「そ、そういえばそうだったな、悪い悪い。忘れてたよ」
『なんでですか!今日の日のために私は学校の先生や近所の汚らしい男どもに嫌な顔一つとせずに頑張ってきたんですよ!』
千聖はあまりそういったのは口に出さないのだが、千春の場合姉が有名女優ということもあってよく声をかけられたり、比べられたりするためストレスがどうしても溜まってしまう。・・・まぁそれにしても口が悪いと思うが。
『はぁ、世の中の男子が全員兄さんのような人なら、どんなに嬉しいか…。」
こいつの良くないところは『裏表』が激しいことだ。そりゃ人間なら裏表があって当然だろうと思う人が多数いると思う、俺もそう思う。しかし千春の場合はそれが大きすぎる・・・。
学校では周りから人気の女の子、しかし家に帰れば学校とはまるで別人な人格になる。
…あまり自分で言いたくはないのだが、千春は俺のことが好きすぎるのだ・・・。
それが故に周りが見えなくなり完璧jkとは打って変わってポンコツjkとなり学校の姿からは想像のつかないほどだ。
『兄さん!聞いていますか!?楽しみにしときますから準備お願いしますね!明日の朝9時に迎えに行きますから!』
「お、おうーわかった、から早く寝ろよ?」
『はーい。』
まあ例えるなら学校では千聖のように気品ある少女、家では日菜さんみたいな自由奔放な感じかな。
『あ、そうそう兄さん。』
「ん?」
『ママとパパも会いたがってるから、顔、出してあげてね。・・・お姉ちゃんにも言っといて…。』
「・・・わかった。」
『じゃ!おやすみー!』
はあ、確かにここ2か月くらい帰ってないもんな…。
「どうしたのかしら、そんな顔して。」
「うぇっ!ち、千聖!?どうして・・・」
「声が大きいわよ、花音が起きちゃうわ。」
「あ、ごめん・・・。」
随分と前に寝たはず、起こしちゃったのか?
「・・・相手は千春かしら?」
「ああ。明日買い物に付き合うことになった、というかそういう予定だったらしい。」
「あら、そうなの。私と花音も明日、出かけるわよ。」
「へー、それは出くわすかもしれないな。その時は気をつけろよ。」
「…気を付けるって何をかしら。」
「いやほら、あいつ、お前のこと嫌いだろ・・・。」
そう。千春は千聖のことが嫌いなのだ。多分千聖と比べられることや、周りからの評価のせいからだろう。
姉に有名女優を持ち、周りはその姉と比べてしまう。それに家族も俺や千春に比べ千聖にはかなり優しく、一方で俺や千春は厳しく育てられてきた・・・。
千春はきっとそういう点で千聖のことが嫌いなんだろう。
「…そうね、会わないように心がけるわ。」
「ま、まぁそこまでしなくてもいいと思うが…」
「わかってるわ・・・あなたも寝なさいよ。もうすぐ2時よ。」
「わかった、そうする。起こして悪かった・・・。」
宿題、全く進まなかったな・・・。
●●●
「・・・ん。・・・うた君・・・奏汰君!」
「・・・んー?・・・。」
眩しい。・・・もう朝か・・・
「・・・」
「・・・」
「・・・Σ(゚Д゚)」
「ふぇ!?奏汰君!?どうしたの?」
何で花音さんが俺の部屋に?
あ、そういえばうちに泊まり来てたのか。嫌々でもなんで!?
「・・・どうしてここに?」
「えーっとね、千聖ちゃんが朝ごはんを作っているから起こしてきてって言われて・・・。」
起こす?・・・しまった!!昨日アラームをかけるのを忘れてた!
「…すみません、今何時ですか?」
スマホは机の上に置いていて手が届かない、時計もあいにく部屋にはついてないため恐る恐る時間を聞いた。
「えーっと~9時前だよ。」
「・・・詳しく」
「へっ?」
「詳しくっ!!」
「ふぇっ///!ど、どうしたの!急にっ///」
「教えてください!花音さん!!」
「そ、奏汰君///ゆ、揺らさないでっ///」
「朝から何をやってるのかしら・・・あなたたち。」
『ち、千聖(ちゃん)!!』
「せめてそういう行為は私がいない時n「そ、そんなんじゃないよっ///!」」
二人とも何の話をしてんだ?・・・って!そんなことは後回しだ。
ベットから降り、机の上に置いたスマホを見た。
『8時50分』
「お、終わった・・・。」
あと10分で支度なんてできないし・・・。
『ピーンポーン』
「こんな朝早くに誰かしら?」
う、嘘だろ?まだ時間じゃないだろ!!
「お、俺が出てくる!」
恐る恐るドアを開けた。
「兄さん!!会いたかったわっ!!」
「ぐわっ!!」
勢いよく飛び込んできた正体はやはり千春であった・・・。
「お、おい千春、離れろっ、絞めるな痛い痛いっ!」
「嫌です!数か月ぶりの兄さんですよ!離れませんっ!」
こんな姿、千春の同級生が見たらなんていうだろうな。
「奏汰?誰か、しら・・・。」
「・・・お姉ちゃん。」
「千春、何をしてるの?奏汰も苦しんでるから離れなさい。」
「・・・」
「お姉ちゃんの言うことが聞けないのかしら?無視とはあなたも偉くなったものね。」
「うるさい!お姉ちゃんは関係ないでしょ!」
「ちょ、マジで死ぬ。離れてくれ・・・。」
「あ、すみません。」
まったく、どうしてこの姉妹はこんなにもイザコザしてるのか。
「大体お姉ちゃんはさ、毎日兄さんと二人っきりじゃない。こんな時まで邪魔しないで。」
「邪魔なんてした覚えはないわ、私はただ奏汰が苦しそうにしてたから言ったまでよ。」
「何を言ってるんですか?兄さんは嬉しそうにしてましたよ。」
「・・・嬉しそう?何を言ってるのかしら」
その通りだ、何を言ってるんだ。嬉しいことなんて一つもないぞ。
「わからないですか?私のようなナイスバディな女の子に抱かれてるから嬉しいに決まってます!」
「は?おいおいちょっと…」
いやいやいや、そんな事微塵も思ってないがっ!?
「大体お姉ちゃん、本当に高校生なんですか?」
「それはどういう意味かしら?」
「だってお姉ちゃん、身長も低いうえにおっぱいだって他の人と比べて小さいじゃん。私の方が大きいよ?」
「なっ///」
「お、お前は何を言ってんだ・・・。」
「兄さんも一緒に暮らしてて思いませんか?『千聖は千春と比べてちっさいな~』って。」
ほ、本当になんてことを言うんだこの馬鹿は・・・。
ま、まあでもそれは思う時があるかもしれない、俺と同級のイヴや千聖の同級生のりんちゃんと比べると・・・
「ふんっ!!」
「ぐえっ!い、痛てえっ!…な、何すんだよ!」
「兄さん!?大丈夫ですか?やっぱりお姉ちゃんは危険です、一緒に家に帰りましょう。」
「と、とりあえず話が飛んでるって。いったん中に入ろう、近所迷惑で苦情が来ちゃうし。」
こいつらは気づいてるか分からないがかなり大きい声で話してる、このままじゃ苦情が来てしまう。
「はっ!確かにそうですね。」
「ちょっと、中には花音がいるのよ?」
「いや元をたどればお前らの中の悪さが原因なんだから。・・・まぁ花音さんなら大丈夫だろう。」
花音さんは千聖と比べ温厚だし、喧嘩騒動にはならないだろう。
「千聖ちゃん、奏汰君、大丈夫だった?」
「あ、あああっ!あなた誰ですか!何故家の中にいるんですか!!」
声をあげ花音さんに指をさし千春は固まった。
「私の友達の松原花音。今日はたまたまうちに泊まりに来てたのよ。」
「千聖ちゃん、この子誰?お姉ちゃん?」
「お姉ちゃんじゃなくて妹よ。私と奏汰の妹。」
「ええっ!そうなんだ・・・てっきりお姉ちゃんかと思った…」
「か、花音?あなた今大分失礼なこと言ったわよ…。」
千聖は遠回しにディスられて少し悲しんでいる。確かに周りから見れば千春が姉に見えるだろう、背も千春の方が高いし。
「( ^ω^)・・・」
「…殴るわよ」
「すいません。」
こいつは読心術でも使えるのか?
「おい、いつまで刺してんだ、失礼だろうが」
「あ、すいません。」
「うんうん、気にしないで、千春ちゃん。」
相変わらず優しいな、花音さんは…
「ほら、自己紹介しとけ、千春」
「白鷺千春と言います。先ほど紹介があったと思いますが訂正があったので言わせていただきますが、奏汰兄さんの妹であって姉の妹ではありません。」
「へ?え、えーっと・・・」
花音さんですら困惑してる、そりゃそうだ、俺も何言ってるのかわかんねえ。
「…気にしなくていいわ。兄が好きすぎる病なのよ、この子は。」
「そ、そうなんだ。千春ちゃんはお兄ちゃんのことが好きなんだね。」
「はい!兄としてもですが、異性としても好きです!世の男性の中で一番かっこいいと思います!」
「そ、そんなに好きなんだ…。」
「はい!花音さんは兄さんの事どう思ってるんですか?」
「ふぇぇ!?わ、私?」
「あら、これは・・・。」
おいおい千聖何笑ってんだ、お前は止める側だろ。
「・・・///」
「あ、あのー花音さん、全然無視でいいですから・・・。」
「兄さんは黙っていてください!」
「そうよ、奏汰。あなたは黙っていなさい。」
「・・・お前まで何で乗り気になってんだよ。」
「た、頼りになって、かっこいい人…です…///。」
「なるほど!でもわかります!兄さんはほんとに頼りになりますから。」
「・・・まぁ及第点ってところかしら。・・・どうせ気づいてないだろうし。」
そんな風に思っててくれたなんて・・・嬉しいな、普通に。
~~~
「花音さん、兄さんのことお願いしますね、・・・お姉ちゃんだと、なんか嫌ですし。」
「あら、そんなこと気にしなくてもいいわよ、千春。」
「お姉ちゃんに言ってないし、話に入ってこないで。」
「あらあらそれはごめんなさいね。」
「大体お姉ちゃんは!」
「奏汰君」
「・・・なんでしょう。」
「千聖ちゃんと千春ちゃんって仲が良くないの?」
「い、いやー悪いことは無いと思うんですけど・・・。」
この二人のやり取りは数10分続き、終わったころには朝ごはんはとっくに冷めていた・・・。
ありがとうございました-。
休校期間中にあと一話は投稿したいかなと考えています!
千春とのデート回・・・かな~。意見があればぜひ(>_<)
誤字報告、感想お願いします!( ´∀` )
・白鷺千春(ちはる)中学三年生。161㎝。ナイスバディ。千聖と同じ髪色。碧眼。
・重度のブラコン(もとにしたキャラは某干物妹です(笑))
・口調は基本丁寧だが場合によっては荒くなる。
こんな感じです、よろしくお願いします!
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11話 ~妹とデート?~
アフグロのあの子も登場します!まぁ、ちょこっとですが笑
それではどうぞ!
●●●
「おおー、凄い人込みだな…」
「まあ、日曜日ですからね!当然ですよ!」
現在俺は妹の千春ともに近くのショッピングモールに来ている。
話にもあったが、今日は日曜日ということもあって入り口は結構な量の人がいる。
「それにしても兄さん、やはり寝坊していたんですね…。」
「うっ…そ、そこは。すまんかった。」
「ま…まぁ、あの時間帯に連絡した私も問題がありましたが・・・」
「ホントに悪かったよ、その分今日はなるべく付き合うよ。」
事実悪いのは俺だし、千春が責任を感じることはない。
「本当ですか!?嬉しいです!!」
「ああ。なんでもいいてくr「それでは行きますよ!!」お、おい!手を引っ張るなっ!」
全く、どうしてこうも姉と似てないのかな・・・。
~~~
「お、おいそろそろ離していいだろ」
「…あ・・・なんでですか!?」
「いやだってもう中に入ったし・・・」
入り口から移動し、俺と千春は中にある服屋に来ている。もちろん男女両方売ってる店だ。
「そういう問題じゃないんです…」
「それにお前だって他のやつに見られたりしたら嫌だろ?」
「・・・それはどういう意味ですか?」
「だって男と手を繋いでるところを学校のやつにでも見られたら面倒なことになるんじゃないのか」
前も言ったと思うが千春は今はこんなんだが学校では人気の女の子だ。そんな女の子が手を繋いでるところに見られたら周りからうわさが広まるに決まっている。
現に俺も前そんな妙な噂が立ったせいで学校で面倒なことになった経験があるし。
「いいんです!!兄さんだったら!」
「そ、そうなのか・・・。」
まぁ本人がいいって言うなら別にいいか・・・。
「・・・まったく、兄さんはそうゆうところは鈍感なんですね・・・。」
「…今鈍感関係あったか?」
「はぁ…そうゆうところですよ。それより次行きましょう!兄さん!」
「・・・はいはい。」
ほんと、何で学校ではこういう天真爛漫な姿を見せないのか・・・。本来の千春ならもっと友達もできるし、より良い生活を送れるはずなのにな・・・。
~千春side~
「そろそろお腹がすく頃ですね。」
「もうそんな時間か。どこで食べる?」
「まぁ、無難にレストランにしましょう。」
今の時間は12時を少し回っているころ、お昼にはちょうどいいころですね。
何を食べましょうか、ここはやはり・・・
「・・・・・なっ!!」
何にするか考えている時だった、私の目にとんでもない光景が入ってきた。
「兄さん!!あそこを見てください!!
「おお!びっくりした、な、なんだ?・・・あれはってお前なんてもの見せてんだ!はたから見たら犯罪者だぞ!」
「あ、違いますって!。その奥、下着売り場の奥です!」
どうやら兄さんは手前の女性の下着売り場を見ていたらしい。・・・はぁ。
「あれはー・・・何やってんだ?悪い、ちょっと見えない・・・」
そういえば兄さん、あまり目が良くなかったような。
「あの栗色の髪の子、見えますか?」
「ああ。ギリギリ見えるぞ。近くに男の人?がいるな。」
「はい。その子今男の人に口をふさがれています。」
「な、なんだって!?」
「そしてもう一人のピンクの子は両手を掴まれています。」
「そんな…周りの人は見えてないのか?」
「・・・あそこは完璧に死角になってるから周りから見えません。・・・やばいですよ!兄さ・・・・・ん?」
隣を見ると兄さんはいなくなっていた・・・
「まったく・・・世話が焼けますね。」
???side
「はぁ。結局私たち二人だけなんだね、つぐ。」
「しょ、しょうがないよ。蘭ちゃんと巴ちゃんは家の用事だし、モカちゃんは急遽バイトが入っちゃったって言ってたから。
「もぉ~!今度三人にパフェを奢ってもらおう!」
「あ、あはは。」
「それならお兄さんたちが奢ってあげようか?」
「きゃっ!」
「ちょっと、何ですか!」
突然知らない男の人に話しかけられた。そしてその男につぐが捕まってしまった。
「だからお兄さんたちが奢ってあげよかって言ってんだよ。」
「…お兄さんたち誰?ていうかつぐを離して」
「おいおい、いいじゃねえか。一緒行こうぜ?な。」
「は、離してください!叫びますよ!」
私は何とか逃げるために助けを呼ぼうとした。
「ははっ!・・・残念ながらここは死角だ。周りからは見えない。」
「そ、そんな・・・」
つぐはどうやら気を失ってしまったようだ・・・私もこうなるのかな・・・。
「それじゃ、ちょっとの間お眠になってもらうな。目が覚めたらきっと楽しいことが待ってるはずだぜ?」
男はニタニタ顔を浮かべ私にハンカチのようなものを押し付けてこようとした・・・。
その時だった・・・
「おいおい。そこで何やってんだ?」
「・・・あ?」
「おいおい兄ちゃん、一人っきりで何しに来たんだ?」
~奏汰side~
「おいおい。そこで何やってんだ?」
「・・・あ?」
「おいおい兄ちゃん、一人っきりで何しに来たんだ?」
そこには千春の話からあった通り、体の大きい男が二人立っていた。
少女二人はどうやら意識を失っているらしい。二人とも壁によりかけられていた。
「とりあえず、兄ちゃんにも気絶してもらうか。・・・力技で。」
まずいな。飛び出してきたもの俺は特別喧嘩の強いわけじゃない。こういうのは大河の専売特許なんだけどな・・・。
あ、そんなこと考えてる場合じゃなかったな。
でもこういう時は・・・。
「ふっ、かかってこいよ。反撃食らって泣くなよ?」
「口だけは達者なようだな。まぁいい!」
こういうう時は必殺のブラフを張るしかない!
「ふっ!おいおい当たんねえぞ?しっかり当てろよな。」
「・・・はあ…はあ。ど、どうなってやがる。」
喧嘩っていうのは別に真正面から殴り合うことを言うわけではない。どんな手を使ってもいい。というか別にこっちから攻撃する必要は無い。
ということはおれは相手の攻撃を避けることに集中すればいいだけの話だ。
「何やってんだよ。・・・俺も手を貸してやる。」
「…え?ちょっ、二対一は卑怯じゃねえのか?」
「はんっ!何言ってやがる!」
「ぐっ!・・・さ、さすがに二人はきついって・・・がはっ!」
「おいおい、さっきから逃げてばっかだな。俺たちを倒さなきゃこいつらは救えねえぞ?」
そ、そろそろ来てくれなきゃきついって千春。
かと言ってここから引くわけにはいかないしな・・・。そうわ言ううが俺から攻めたって反撃食らって最悪死ぬだけだし・・・。
ここは気絶してでも時間を稼がなきゃな。頼むぜ千春。
「・・・」
「ふんっ・・・まぁいい。オラっ!!」
「ぐはっ!」
「おいおいさっきの威勢はどこに行ったよ!」
ああ・・・やばい・・・そろそろ意識が・・・
「ここです!警察さん!!」
『なっ!!』
「ち、千春・・・。」
「ちっ!女は置いて逃げるぞ!」
「おい!待ちなさい!!」
▼▼▼
「兄さん!大丈夫ですか!?」
「あ、ああ。なんとか。それより女の子たちは?」
あと1分遅れてたらヤバかったけどな。
「・・・・・・大丈夫、気を失っているだけです。」
あーまじで痛い。何とか意識を保つことができたが次の一発を食らってたら終わってたな。
「そうか。よかっt・・・え?・・・つぐみ?」
「兄さん?お知り合いの方ですか?」
「ああ。俺がバイトをさせてもらっているところの娘だ。よかった・・・無事で。」
外傷もあるわけでもないし、本当に良かった。
「なるほど。これはいいことを聞きましたね。」
「…?…なんだよいいことって。」
この笑みは悪いことを考えている時の顔だな・・・まあいっか。
「何でもありません!ほら、医務室に行きますよ。二人を背負ってください。」
「ふ、二人?…いくらなんでもそれはきついぞ。」
「では片方は私が持ちます。兄さんはお知り合いさんの方を運んでください。私はこの巨乳さんを運びますから。」
「きょ、巨乳さんって!お前なあ・・・」
「わ、こんなに大きいおっぱい生で見るのは初めてかもしれません。」
「おいバカバカっ!揉むな揉むな!仮にも男が目の前にいるんだぞ!それに周りには客だって大勢「先ほども言いましたがここは死角です、周りには見えません」っでもなっ!」
「それに兄さんだって、触りたいんじゃないですか?兄さんは十分触るに値することをやったのでいいと思いますが。」
「真顔でなんてこと言ってんだよ・・・行くぞ、俺もきついんだから。」
「ああ!もう。それで兄さんは私にお礼の言葉は無いのですか。私が助けを呼んでいなかったらどうなっていたか・・・。」
「まぁ。お前ならそうしてくれるだろうと思ったけどな。でも、ありがとう。サーティ〇ンアイスクリーム奢ってやる。」
「ありがとうございます!・・・では行きましょう。」
俺たちは一階にある医務室へと向かった・・・。
ありがとうございました!
次回もこの続きを書いていきたいと思います!
感想誤字報告待っています!
それと話は変わりますが現在蘭ちゃんをヒロインとする作品を書こうかなと思ってるのですが、どうでしょう。是非感想にて聞かせてくれればうれしいです!
Twitterもやってるので是非!!https://twitter.com/Mj0505eri1021
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12話 ~白鷺の血は怖いですね~
それなのに今回短いなんて!ほんっとーにすいません!
スランプで書けないものなんですぅ~(´;ω;`)。
●●●
「や、やっと着いたか・・・」
「大丈夫ですか?兄さん。・・・兄さん?」
「あ、ああ。だ、だい・・じょう・・・ぶ・・・。」
「に、兄さん!!せ、先生!兄さんがっ!!」
「ん・・・んー・・・寝てたのか・・・。」
「は!兄さん!!目を覚ましたのですねっ!!」
「あ、ああ。あと、勢いよく飛び込まないでくれ…痛いから。」
「・・・すみません。」
こ、ここは・・・医務室、か?
そう言えば、千春が医務室に行くって言ってたっけ。…何とかたどり着けたみたいでよかった。
「そ、そうだ!つぐみとあの娘はどうだった!?」
「じっとしていてください、兄さんだって怪我人なのですから。
・・・安心してください彼女らは気を失ってただけで外傷はなかったそうなので。」
それならよかった・・・。
「あ、千春。今何時かわかるか?」
「えーっと。16時過ぎですね。それがどうかしたのですか?」
「今日の晩御飯、作らなきゃいけないからな。その時間なら大丈夫かな。」
「・・・兄さん、自分の現状分かってます?」
「え?何かおかしいか?」
「・・・はぁ。兄さんにはこれから病院に行ってもらいます。」
「びょ、病院?それはいったいなんで?」
病院に行くほどじゃないとは思うんだけどな・・・。
「一応念のためです、お姉ちゃんには私から連絡しておきましたし。」
「そ、そんなに俺ひどいか?」
確かに顔に包帯を巻かれている感じはするが。あと少し体が痛むくらいで特には・・・。
「それはもう!お兄さんの完璧な顔が見るも無残に!・・・と。まではいってませんが外相が目立つ箇所がいくつかあるので病院に行ってください。」
「そ、それもそうか・・・はぁ。千聖に申し訳ないな。」
「お姉さんなら大丈夫でしょう。基本的に何でもできる完璧人間なので。」
「それもそうだな。んじゃ!行くかな。」
「もう動けるのですか?それなら肩を貸しますけど・・・。」
「いや大丈夫。周りからの目線気になっちゃうし。」
~病院にて。 奏汰side~
「はぁ。やっと終わった。」
「異常がなくてよかったです!骨とか折れてたらどうしようかと考えていたのですが杞憂でよかったです。」
どうやら体に大きな異常はなく。内出血や青ジミくらいだったらしい。
「ああ。わざわざついて来てくれてありがとな。・・・あと買い物中断させて悪かったな。」
「ホントですよ!・・・でも今回は兄さんには悪意があったわけではないということは分かるので許します。
・・・なのでその穴埋めと言っては何ですが・・・」
「なんだ?できる限りのことはやるけど・・・。」
「今日、兄さんの家に泊まりに行ってもいいですか?」
「きょ、今日か!?ど、どうだろうな…俺はいいけど千聖が許可するか・・・。」
「お姉ちゃんは関係ないです!だ、ダメ、ですか・・・?」
まったく。上目遣いなんて誰に教えてもらったんだよ・・・。大人なやり方しやがって。
「うっ・・・わかったよ、千聖は俺が説得する。・・・それでいいか?」
「はいっ!!それでいいです!」
「はぁ・・・ころころ表情の変わるやつだな・・・やっぱり千聖同様お前も演技の才能あると思うぞ。」
「ふっふ~ん!!私が女優になったらお姉さんの枠を奪ってしまいますからねっ!!」
「ふっ…はいはい。そうだな。」
やっぱりまだまだ子供だな。安心した・・・。
「あ、今馬鹿にしたような笑い方をしましたね!」
「・・・・・・してない。」
「なんなんですかっ!今の間は!」
誤字報告お待ちしております。
これからは一週間に一話ペースで上げれるように頑張りますので、どうかお許しを・・・。
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13話 ~修羅場~
2か月以上も空いてしまうなんて・・・申し訳ないです。
これからは暇を見つけできるだけ期間を開けないよう頑張ります。
●●●
「いいか、俺が交渉するからお前は出てくるなよ?お前が出てくるといろいろ厄介なことになるから。」
「はいっ!わかってますよ、兄さん!」
千春が突然うちに泊まりたいなんて言うものだからここまで来たが、果たして本当に許可を出してくれるのだろうか・・・。
喧嘩にならなきゃいいけど・・・。
「頼むぞ・・・本当に。」
念入りにくぎを刺すがやはり心配だな。本当に千聖と正反対だから。
「分かってますよ!ほら、早くお願いします!」
「・・・ただいま」
「おかえり。遅かっt・・・ど、どうしたのよ!その怪我!」
「あ。こ、これか?ちょっと転んでな。」
やべっ、千聖に連絡するのを忘れてた。
「・・・あなた嘘をついたわね。」
「・・・」
は?な、何でバレてんだ!?こいつエスパーか何かか?
「何かを隠してるわね。・・・教えなさい。」
こ、怖いな。そんなに睨まなくてもいいだろうに。
「わかった、わかったよ。教えるからそんな怖い顔するなよな。」
「あなたが嘘をつくのが悪いのよ。・・・それで?何を隠してるのかしら?」
「別に隠してるつもりはないんだけどな・・・。実はな、今千春が玄関に前にいるんだよ。」
「・・・はい?…それはいったいなぜかしら・・・。」
千聖は『千春』と言う単語が聞こえたとたんに表情を曇らせた。
「それで要相談なんだが・・・・・。今日だけ!今日だけでいいからあいつを泊めてもいいか?」
「布団はどうするのよ。ここにはあなたと私の布団しかないわよ?」
「そ、それはぁ・・・あとで、何とか。」
「…はぁ。・・・なによそれ。」
「頼む・・・今日だけでいいんだ。」
「・・・・・」
やっぱりだめか・・・。こればっかりは何とかならいのか・・・。
「・・・わかったわよ。」
「頼むそこを何とか!!…ってあれ?いいのか!千聖!」
「そもそも家の前まで来てるのよ?もう遅いのに今から帰すわけにはいかないわよ。・・・一応、姉妹だもの。」
「ち、千聖・・・。」
やっぱり口からは何とでも言っても本心はちゃんと心配してるんだ・・・。
「・・・お姉ちゃん」
「千春!お前いつから中に!?」
「兄さん、どんな季節でも夜と言うものは冷えるんですよ?・・・兄さんが入ってすぐに私も入りました。」
「そ、そうなんだ。全く気が付かなかった」
「まったく・・・盗み聞きなんて感心しないわよ。」
「べ、別に盗み聞くつもりはなかったんだけど…もしお姉ちゃんがだめって言ってたら私が直々に申し出るつもりだったから。」
「おい、さっき出てくるなって言っただろ?お前が出たらややこしくなるんだって。…まぁ、許可を貰えたからよかったけど。」
「はい!やりましたね!!兄さんっ!」
「おわっ!飛び込んでくるなっ!」
や、柔らか…って違う!千聖がすごい目で見てるから早く離れないと!
「先ほどお姉ちゃんが言ってた布団の話ですがそれなら心配はないです!私は今日兄さんと一緒の布団で寝るので!」
「…だからお前は色々と変なことをっ!」
頼む頼むこれ以上女王の機嫌を悪くしないでくれ!
「・・・あらあら、あなた今日泊まる身分のくせしてそんなことを言うのね。いつの間にそんなに偉くなったのかしら?」
「あ、いっそお風呂も一緒に入っちゃいます?私が隅から隅まで洗って差し上げますよ!」
「いいって!そんなことより早く離れてくれ!頼む!お前がどいてくれなきゃ俺死んじゃうッて!」
「大丈夫ですよ!兄さんは私が守りますから!」
「何が大丈夫なんだよ!早くどいてくれーーーーー!」
●●●
「あーひどい目にあった。」
現在俺は先にお風呂を頂いている。どうやら千聖が外で千春のことを見張ってるらしい。
「喧嘩になってないといいが・・・」
まあでも、さっきの千聖の言動からして千聖も本心では千春のことを嫌ってないのではないだろうか。
千春も千春で千聖を嫌いと入ってるけど本心がどうかは分からない。
でもきっと千聖と同様本心では嫌ってないのではないのではなかろうか。
「ってて…沁みるなやっぱり・・・。」
お風呂につかるとわかるがやっぱりけがをしたんだとヒシヒシと伝わってくる。あと千聖にひっぱたかれた箇所も沁みはしないが痛い。
「大丈夫ですか?兄さん。」
「あー大丈夫大丈夫。・・・・・・うん、大丈夫・・・大丈夫なはず・・・。この状況は全く大丈夫じゃないけどなっ!!」
誰もいないはずの場所に千春が立っていた。しかも衣服をすべて脱ぎ、体にタオルを巻いてある状態で・・・。
「ち、千春!!お前なんて姿でっ!!」
「やっぱりだめですか・・・ならタオルを取りますね。」
「どうしてそっち方面に行っちゃいますかね!?…それ南極行けって言ってるのに北極行けって言ってるのと同じだからな!」
あ、俺今うまいこと言ったな。と、そんなことを考えてる場合ではない!この状況はまずい!
そうそう、今のは旨いと不味いをかけました。あはははは・・・・・・はぁ。
「お前千聖はどうしたんだよ!」
「お姉ちゃんならトイレに行きましたよ?だから私はここにいるんですよ。」
「何その当然でしょ見たいな顔は。・・・早く千聖が来る前に戻れって!」
「いやんっ///兄さんったら積極的なんですから。」
「頼むから今そんな声を出さんでくれ。千聖が聞いたら今度こそ本当に俺死んじゃうから。」
「大丈夫ですよ~。それに兄さんも男性なんですから嬉しいんじゃないんですか?」
「お前な、妹で興奮なんてしたら俺は世の中から永久追放されてしまうんだって。」
でもまぁ・・・確かにでかい。見た目は千聖に似てるのだが出てるところは千聖に比べ出てる。一緒に住んでるがゆえに千聖のバスローブ姿は何回も見ているがやっぱり・・・。
「ほらほら~やっぱり見てるじゃないですかぁ~。兄さんのえっちー。」
「・・・男性はそれが目の前にあると見てしまうんだよ。」
「先ほどと言ってることが矛盾していますが・・・。ま、兄さんならいつでも襲ってくれて結構ですから!」
「断じて絶対襲いません!から早く出て行ってください!」
これからしっかりと書いていくので気長にお願いします!
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14話 ~姉と弟~
前回の感想で「千春のスリーサイズを教えてほしい」と言うものがあったので載せておきます!
B82・W57・H81
こんな感じです!(ま、今回あまり出ませんけどね(笑))
●●●
「・・・あーぢぃ~。」
なんとか千聖に見つかることなく事なきを得ることはできた・・・
「あなた、そんなに長々と湯船の中にいたの?」
「ま、まあな。…そういう気分だったもんですから。」
長風呂を余儀なくされた俺はその代償として完璧にのぼせてしまった。
千春とのお風呂の一件の後、彼女はそのままお風呂に入っている。
「・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・」
な、何だ!?この気まずい雰囲気は!こんなに会話が生まれなかったか?俺たち!!
もしかしてさっき嘘をついたことを根に持って・・・でもそんなことで不機嫌になったりするか?
…それともそういう演技をして構ってほしいとか・・・。
いや、ないな・・・これは真面目な顔をしてる。何とか話しかけて…
「・・・奏汰…。」
「な、なんでしょう!!」
「何を急にかしこまってるのよ。・・・普通にしなさい。」
「わ、わか・・・った。ごめん」
いや、話しかけようとしたら急にそっちから来るんですから、驚いちゃいますよ!
「あなたに今から質問をするわ。…正直に答えなさい。」
「・・・ああ。わかった。」
やっぱり怒ってるのか・・・。
これはちゃんと正直に答えないとな。
「今日、千春は楽しそうにしてたかしら・・・」
「・・・・・は?」
い、今なんて言ったんだ・・・。千春のことを聞いてきたのか?
「だから、今日一日あなたと一緒にいてあの子は楽しそうにしてたかしらって聞いたの。」
「・・・・・・・・・・・
・・・ふっ、ふふふ( *´艸`)」
「・・・殴られたいのかしら?」
「ちょ違う違う!たんまたんま!!今日もう散々殴られてるんだからこれ以上は勘弁だって。」
「私はいたって真面目に聞いたのよ。その態度はあんまりじゃないかしら?」
「悪かった悪かった!!・・・いやさ、まさかお前の口からそんなことが聞けるなんて思ってなかったから。」
「それに別に面白くて笑ったわけじゃないんだよ。」
「・・・?」
「…嬉しかったんだよ」
「…う、嬉しい?」
「ああ。あんなに千春のことを卑下してたのにさ。・・・なんか心配して損した気分だよ。」
「心配?・・・私と千春の関係を?」
「ま、でも心配する必要は無かったな。」
表面上では千春のことを嫌いながらもちゃんと妹として見たときは姉として妹への気遣いをしっかりとする・・・。
やっぱなんやかんやでいいお姉ちゃんだな、やっぱり。
「…確かにあの子のことは嫌いよ?・・・生意気だし、自分勝手で、妹のくせに私が持ってないものをたくさん持ってる。
…たまに羨ましいって思う時もあるわね。」
「・・・それでも家族だもの。本心で避けることはできても嫌うことなんてできないわ。
・・・それにあなたと千春には何度も迷惑をかけてるわけだし、あの子があなたにゾッコンになったのも私に責任があるもの。」
「もう気にしなくていいって、俺はともかく多分千春も
あとゾッコンに関しては一切責任はないと思うぞ・・・あれはあいつがただ単純にそういうやつだから。」
「・・・そうね。」
少し微笑みながら千聖は呟いた。
「そういうあなたは・・・私のことは嫌いじゃないの?」
「・・・なんだよ急に。」
「千春が私のことを嫌っている理由はきっと私たちの幼少期のことが原因なのでしょう。
ならあなたも私のことを嫌っていてもおかしくないもの。」
いきなり何を言うかと思えば・・・。
まぁでも確かにあの頃は凄くきつかったね!うんっ!!
高校生になった今でもたまに思い出しては寒気がするけど・・・。
っとその話はまたいつかの機会に。
「…嫌い・・・なわけないだろ。そもそも嫌いならお前と一緒に同居してないよ。
それに多分千春もお前のことはもう許してると思うけどな。」
向こうもなんだかんだできっと悪くは思ってないはず・・・はず・・・だけど。
「ふふっ・・・そうだといいわ。」
~~~~~
「それで?今日はどうやって寝るのかしら。」
「俺がソファーd「もちろん私が兄さんと一緒に寝ます!なのでお姉ちゃんは気にせずいつもどーり寝てくださいっ!」いや、お前は何を言ってるんだ」
「あら、いつも通りなら私は奏汰と一緒に寝るけど?」
「いや、あなたも何を言ってるんだい?」
「兄さん!!私という女がいながら、お姉ちゃんと共に夜を過ごしてるのですか!?」
「やめろ!そんな生々しい言い方をするな!それに千聖の言ってることも嘘だから」
まったく、一人増えるだけでこんなにうるさくなるものなのか、家は。
これに母さんや父さんがいることを考えたらとんでもないな・・・。
「俺がソファーで寝るから、千春は俺の布団を使って寝てくれ。
・・・くれぐれも変なことはするなよ。」
「それはやってほしいということの裏付けですか?兄さんったら素直じゃないんですからぁ~」
「あーもーはいはい。なんでもいいから早く寝てください。」
あー久しぶりにこいつの相手を一日中したからもう滅入ってしまったよ。
『あしたの〇ョー』みたく白くなりそう。・・・白鷺だけに。
「ぷぷぷっ。( *´艸`)」
「・・・急に笑うなんて怖いわよ?千春のせいで頭おかしくなったのかしら?」
「いえいえ、これはきっと毎日お姉ちゃんと一緒にいたストレスでついに限界が来てしまったのでしょう。かわいそうな兄さん・・・。」
「あらあら、もしかして妬いてるのかしら?…ごめんなさいね~。私が毎日一緒にいることに嫉妬してるのね。」
「お姉ちゃんこそ、今日一日中兄さんと私が一緒にいたことに嫉妬してるんじゃないですか?
今日はとーっても楽しかったですね!兄さん!!」
「アーハイソーデスネー」
もう嫌だこの姉妹・・・。
今回結構過去の内容について書きました。
まぁかなり先になってしまうと思いますが・・・。
できれば一週間以内に次回をあげたいですね!
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特別編 ~特別な受難~
【白鷺千聖生誕祭2019】~姉の本当に欲しいもの~
なので今日はTwitterでも書いた通り、千聖さん生誕祭記念回を書きます!
本来予定していた小説は月曜に投稿させていただきます。㏠空いてしまいますがすいません。
(ライブの表現って難しいですね~笑)
それではどうぞ!
●●●
「なぁ千聖。」
「…なにかしら?」
今日は3月30日の土曜日の夜。千聖と共に夜ご飯を食べている。
「もうすぐ、誕生日だろ?…プレゼント何が欲しいのか聞いとかないと準備できないからな。」
そう。今日の一週間後、4月6日は千聖の誕生日なのだ。千聖、俺、そして妹の3人は兄弟姉妹の誕生日の時には必ずプレゼントを買うことが当たり前になっている。
なのでそろそろプレゼントを用意していなくては万が一間に合わないことがあると大変なことになってしまう。
「もうそんな時期かしら。時が経過するのは早いわね。」
「…急に年寄りみたいなことを言うなよ。まだ高2だろ。」
「ええ。そしてあなたは今高校1年生よね?」
「ああ。何当たり前なこと言ってんだよ。」
急に年寄りみたいな発言をするし、俺の歳は忘れるし、もう老化が進んでんのか・・・
「…ごめんなさいおねがいですから箸をおしまいください。そんなもので私を刺そうとしないでください…」
「あら?私は野菜を取ろうとしただけなのだけれど?…」
「目が笑ってないんだよ…目が。」
ホント怖い姉だ。こいつには敵う気がしない…。
「で、肝心のプレゼントなのだけれど。」
「お、おう。そうだったな…」
完璧に忘れてたわ。
「自分で考えて選びなさい。」
「・・・はい?」
自分で考えて選ぶ、だと・・・?
「あなたはもう高校1年生なのよ。そろそろ自分で考えて用意して頂戴。」
「はあ?んなこと言われたって…。」
「じゃあ私が今この状況で何が欲しいかわかる?」
「…納豆・・・・・・嘘ですそんなはずがないって知ってます。」
危ない危ない、もう少しで刺されるところだった・・・。
「じゃあ何かしら?」
「…むs「言い残したことはそれだけかしら…?」…冗談です適当言いました。」
遺言が『虫』なんて悲しすぎるだろ・・・。
「・・・わ、わかりません…。」
「まあ、そうよね。だから今じゃなくていいわ、1週間あるのだからどうにか頑張って選びなさい。」
「な、何で急にそのようなことを?」
「あなたには明らかに抜けているところがあるのよ。」
「は、はあ。けどそりゃ俺は天才じゃないからしょうがないことであって。」
「そういうことじゃないのよ。頭脳の問題じゃないわ、心の問題よ。」
「・・・こころ?」
「そう。あなたは女心を理解してなさすぎるのよ。だからこれを機に理解してほしいのよ。じゃなきゃ花音がかわいそうだもの。」
「女心と花音さんは関係ないだろ・・・」
でも確かによく大河に言われる。「お前は女子の気持ちがわかってない」と、俺はさっぱり何のことかわからなかった。
「でも、それと千聖へのプレゼントと何の関係性があるんだよ。」
「それは当日教えるわよ。」
「え~。なんだよそれ・・・。」
●●●
「・・・てなことがあったんだよ。」
「へ、へー・・・。」
「…お前、興味ねえだろ」
翌日俺はいつもお世話になっているやまぶきベーカリーに来ている。学校は違えど仲良くしてくれている女友達はいるもので、昨日のことを沙綾に聞いてもらっているところだ。
「千聖さん、面白いことするね。」
「ホントだよ。急にどうしたんだろうな。」
「まあでも、確かに奏汰は女心を理解してなさすぎると思うよ?」
「・・・じゃあ逆にどの辺が理解できてないって言うんだよ。一応考えてはいるつもりなんだけど…。」
「それで!?・・・えーっと。まず、鈍感でしょ?」
「うっ、それは関係ないと思うのですが…」
「あとは~発言とか?」
「それに至ってはどうしようもなくねえか!?」
発言って言われたらもう喋れないじゃん!!
「じゃ、じゃあ試すけど。・・・私の事、どう思ってる?」
「沙綾の事?そうだな~。…いつも弟たちの世話とかしていてこうやって時間があればお店の手伝いもするしー理想の姉って感じかな。」
「あ、ありがとう//」
「それとたまに見せるドジな一面とかすごく可愛く見える。」
「・・・//」
「あとは~」
「も、もういい!!わ、わかったから//!!」
「そ、そっか。」
まだあるんだけどな~沙綾の良いところ・・・。
「で?これで何がわかるんだよ…?」
「…さ、さあ。自分で考えてみたら?」
「は?じゃあ今のは何なんだよ!」
「と、とりあえず!自分で頑張ってみて!」
「お、おう。わざわざ手伝い中に悪かったな。」
「気にしないで、私も楽しかったから」
沙綾が言い終わると俺は店を出た。
「そういうところだよ・・・奏汰//・・・」
●●●
「んでま、来たものはいいが・・・。」
今は4月5日。平日なので普通なら学校なのだが今は春休み、休みなのだ。そのため朝10時なのだが関係なく外に出向いている。
「何を買えばいいのかさっぱりだな・・・。」
結局何もつかめないまま前日を迎えてしまった。1人でショッピングモールに来たものの、何を買ったら正解なのか、結局分からずじまいでここに来てしまった。
「とりあえず、雑貨屋でも行くか…。」
そう思っていた時だった・・・
「奏汰君?」
「か、花音さん・・・どうしてここに?」
そこには、私服姿の花音さんが立っていた。
「新学期が近いから、筆記用具とか揃えようかなって。…奏汰君は?」
「え、え~っと…。」
そ、そうだ!
「か、花音さんはもう、千聖への誕生日プレゼントを買いましたか?」
「うん、1週間前から用意してるよ?」
「ちなみにどのようなものを?」
「え、え~と…秘密かな・・・//」
「そっかー・・・。」
「で、でもなんでそんなこと聞くの?」
「そ、そのー自分まだ買ってないんですよね・・・。」
「ええっ!?だ、大丈夫なの?」
「そ、それが、全然大丈夫じゃないんですぅ・・・うぅ、助けてください…。」
「…ふぇぇ~…な、泣かないで。」
「千聖が自分で選んで頂戴って言うんです…どうしたらいいかわかんなくてぇ~・・・。」
「そ、そうなんだ。・・・じゃ、じゃあ一緒に買おう。プレゼント。」
「ほ、ホントですか!?…お願いします!」
思わず花音さんの手を握ってしまった。
「ふ、ふぇぇ~//」
「あ、すいません!嬉しくなってしまい、つい。」
「う、ううん!気にしないで//・・・じゃあ行こう」
「は、はい!」
「こ、これなんてどうですか?」
「うん!いいと思うよ。」
選び悩むこと3時間ようやく納得のいくものを見つけることができた・・・。
●●●
「本当にありがとうございました。この御恩はいつか、絶対に返します。」
「い、いいよ!気にしないで!」
「今度また一緒に買い物しましょうね!」
「ええっ!//・・・う、うん。そうだね//」
「それじゃあ、ホントにありがとうございました!」
「・・・うん!じゃあね・・・。」
よし!これで喜んでくれるだろう!
「デート・・・してたんだね。…私・・・//」
●●●
「・・・ん。」
いよいよ4月6日を迎えた。朝起きて開口一番におめでとうを伝えたかったのだが、どうやら千聖は朝早くから仕事らしい。帰ってくるのを待つしかない。
●●●
「ただいまー」
「おかえり。誕生日おめでとう、千聖」
かなりの量の荷物を持った千聖が帰ってきた。たぶんパスパレメンバーや花音さんからのプレゼントだろう。
「・・・それで?何を用意してくれたのかしら?・・・」
「ああ。待っててくれ。」
自室においてあるプレゼントを取りに行った。
「・・・めちゃくちゃ悩んで決めた。はい。誕生日おめでとう千聖」
「これは・・・財布かしら?」
俺が選んだもの、それは千聖のイメージカラーの色の財布である。
「この間、お前の財布を見てかなりぼろが来てると思ったからな。財布が欲しいと思ってるんじゃないかと思ったからそれにした。」
「・・・そう。」
え?何その反応・・・もしかして間違えだった・・・?
「も、もしかして要らなかったか・・・?」
「そんなことないわ!とても嬉しい!…ありがとう!奏汰!」
「・・・え?」
な、なんだ。てっきりそんな反応するから間違えたんじゃないかと思ったよ・・・。
「…奏汰、私はあなたが選んで買ってきてくれたものなら何でもよかったのよ?」
「・・・ふえっ?そ、そうなの…?」
「ええ。聞いたわ、花音に何買えばわからないって言ったんでしょ?その気持ちで十分なのよ。何貰っても嬉しいわ。何をあげれば喜んでくれるか、迷ってくれることが大切なのよ。」
「・・・」
「そもそも女の子はものより気持ちが嬉しいの。奏汰はそれがわかってなかったから私の言ったことが理解できなかったんだわ。」
「そ、そんなものなんですか・・・」
「ええ。そんなものなのよ。」
な、なんだよ~。たったそんなことだったのか・・・。
「よ、よかった・・・」
「あれ?もしかして奏汰、泣いてる?」
「な、泣いてねえ!!」
「そう。ならいいわ。」
あーあ。この1週間はめちゃくちゃ短く感じたよ・・・
「ふふっ。これで、少しは奏汰の鈍感も消えるかもしれないわね。」
「あ!それ沙綾にも言われた!どういう意味なんだ!?」
「さあ?自分で見つけてこそ意味が分かるものよ?」
「ま、またそれかよ!!」
やはり女子というのは分からない生き物だ・・・
ありがとうございました!なんかちょっとくさすぎる気がしますね笑
でもホントにめでたいことです!おめでとう千聖さん!
そしてこの作品のお気に入り数が200を超えました!!ありがとうございます!!これからも頑張っていきます!
Principさん。2話の誤字報告ありがとうございます!
夜刃神 雪さん。5話の誤字報告ありがとうございます!
誤字もしっかり減らしていかないと・・・
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【白鷺千聖生誕祭2020】~今年こそはしっかりと~
誕生日ガチャ爆死しちゃいましたけどね(笑)
それは置いといて。一日遅れてしまい申し訳ありません。課題に追われてしまい、
そして休校のことでもたもたしてしまい・・・。
すいませんでした。それでも何とか書き終えることができましたので、よろしくお願いいたします。
ではどうぞ!
●●●
「ここをこうしてっ、・・・っと」
「奏汰君、こっち終わったよ!」
「ありがとうございます!花音さん。お茶を淹れるので休憩しましょう。」
今日、4月6日は姉である白鷺千聖の誕生日なのだ。現在彼女は仕事に出ている。一方で俺たちは今日の夜千聖の誕生日を祝うべく、部屋の飾りつけや、パーティー用の夜ご飯を作っているところだ。
今日の誕生パーティーには俺と花音さんのほかにもう一名誘っているのだが・・・
「見てくれ奏汰!この写真を!千聖まで持っていてくれたんだね…」
「・・・あなた何しに来たんですか…」
「何を言ってるんだい?私は友である千聖の誕生日を祝いに来たんだよ」
「あ、さいですか。」
彼女の名前は『瀬田薫』。千聖や花音さんと同級生で俺の一つ上の先輩。千聖とは古い友人で俺も何度か会っていたため、今日のこのパーティーに誘うことができた。
最近では千聖の口からも名前を聞くことが増えてきた。どうやら仲は悪くないらしいので今日は来てもらった。
…久しぶりに話して分かったがこの人も日菜さん同様に人の話を聞かないらしい・・・。
「いいですか?薫さん。あんまり騒がないでくださいね、隣の人になんて言われるか分かんないですから。」
「ふふッ。そんなことは気にしなくてもいい、奏汰。今日の主役は私ではなく千聖なのだから。」
「じゃあ、装飾手伝ってくださいよ!ほら、花音さんを見てくださいよ!」
「ああ。さすが花音だ、儚い。」
「・・・」
「あ、儚いですね・・・すいません。」
もういや、この人・・・。
~~~~~
「そろそろ帰ってくる頃ですのでお二人は指定の位置に。」
「わかった。」
「了解だよ、奏汰」
作戦的には非常にシンプル。帰ってきた千聖にサプライズをする。
方法はまず俺が玄関まで迎えに行きます、リビングの脇に隠れている花音さんと薫さんがクラッカーを鳴らしサプライズは終了。いたって簡単。
シンプルisベスト!!去年の俺は色々と考えすぎた結果、本末転倒してしまった。なので今年はより簡単に。
「・・・ただいま帰ったわよ。」
「おかえり千聖!誕生日おめでとう!」
ここはあえていつも通り、相手にわかられず悟られずにリビングまで行く。
「・・・あ、ありがとう。」
「・・・」
「…な、なによ。というか何故玄関に?」
あ、やべっ。いつも俺千聖が帰ってきてもここまで来ないわ。
不自然だったなーしまったな。
いやっ!こんな時こそポーカーフェイス。相手は演技派女優だが、負けるわけにはいかない。
「・・・早く千聖に会いたかったからだよ」
「は、はい?どうしたの、熱でもあるのかしら?」
千聖は手を伸ばし俺の頬に手を置いた。
「だ、大丈夫!大丈夫ですって!」
「・・・何を焦ってるのよ。あなた今日変よ?顔も若干赤いし。」
違うよ!何やってんだよ俺!余計に怪しいじゃねえかっ!
なんとか誤魔化せ、このままじゃサプライズどころじゃねえじゃん!
「・・・」
「・・・」
「・・・な、なによ///」
「なんでもない!ほら!早く入るぞ。ケーキも買ってるから。」
「ふふっ。ええ。ありがとう。」
『千聖(ちゃん)!!誕生日おめでとう!!』
パーンッ!!
「・・・え…あ、ありがとう。」
「千聖ちゃん!おめでとう!」
「ありがとう、花音。…それに薫。」
「礼には及ばないさ、千聖。友を祝うことは当然のことだろう。」
あー人生に簡単な方なんてないんだな。俺向いてないわ。こういうの・・・
~~千聖side~~
「・・・ただいま帰ったわよ。」
今日も疲れたわね。誕生日と言っても関係なく仕事は入るもの。仕方がない、仕方がない。
・・・あら?私こんな靴持ってたかしら・・・?
「おかえり千聖!誕生日おめでとう!」
「・・・あ、ありがとう。」
ど、どうしたのかしら、嬉しいのだけど何か変、ていうかそもそも奏汰が迎えに来ることがおかしいわね。
「・・・」
「…な、なによ。というか何故玄関に?」
こういう時の奏汰は何かを隠してる。…少しからかってあげようかしら。
「・・・早く千聖に会いたかったからだよ」
「は、はい?どうしたの、熱でもあるのかしら?」
な、何でこの場でそんなセリフを吐くのよ!ドラマでもそんなべたべたなセリフは言わないわよ!
「だ、大丈夫!大丈夫ですって!」
…何で敬語?
「・・・何を焦ってるのよ。あなた今日変よ?顔も若干赤いし。」
んー別に熱があるわけでもない、ということはやっぱり何か隠してる。
「・・・」
「・・・」
「・・・な、なによ///」
ま、まったく、自覚がないのかしら、この弟には・・・。
「なんでもない!ほら!早く入るぞ。ケーキも買ってるから。」
まあ、そういうとこも含め可愛んだけどね。
「ふふっ。ええ。ありがとう。」
~~奏汰side~~
「あー。疲れた、緊張したー」
「奏汰、あなた下手すぎよ?何か隠してることが丸わかりだったわよ。」
「ああ。自分でも向いてないことを実感したよ・・・」
「それならばどうかな、奏汰。私と共に演劇をしないかい?きっと君なら私と同じくらい輝けるはずだ。」
「…そもそも学校違うじゃないですか。」
「あなたも薫の話の聞かなさ加減には苦労してるのね。」
「ああ。このパーティーに誘う時も苦労したよ。」
「まぁ、その時は薫さんより日菜さんに手を焼かされたけどね・・・。」
ほんっと大変だった。というか疲れた。あの日は・・・
~数日前~
「き、緊張するな・・・」
現在俺は、自分の通っている高校とは違う高校の前に来ている。
しかも女子校という・・・
『し、視線がいたい…』
やはり女子校だからか、校門付近に男子がいるのはおかしいのかな。
「は、早く出てきて…日菜さん。」
今日俺は”とある人を訪ねるべく”、羽丘に来ている。
理由は簡単、数日後に千聖の誕生日が来るのだ。
去年はあまりに無計画だったため、千聖本人にお咎めを貰ってしまった。
…なので今年は事前に準備を重ねてしっかりと千聖を祝いたいと思う。
「あれ~奏汰じゃん!何やってるのこんなところで?」
「り、リサさんっ!?…びっくりした~」
校門の前で項垂れてると帰宅中であろうリサさんが歩いてきた。
「もしかして、覗き?」
「ち、違いますっ!日菜さんを待ってるんです!」
「あ、そうなの?」
この人はなんてことを言うんだ・・・周りは俺が本当に覗きをしに来たんじゃないかと勘違いするだろうっ!
「…日菜なら教室で友達と話してたけど?」
「マジですか?・・・あの人は…。」
「ははッ!ま、頑張って。じゃねっ!」
「…失礼します・・・。」
「・・・」
「もしもし。」
『・・・・・・もしもーし?』
「もしもしじゃないですよ!いつまで俺ここに立ってればいいんですか!おかげで周りの人からすごい目で見られてるんですよ、こっちは・・・」
『あははッ!ごめんごめん、今ちょっと話してたから。』
「は、はい?」
『わかったすぐ行くー!』
「・・・全く。」
でもなんだろう、この人に振り回されるのも慣れてきた気がする。
~~~~~
『見て!あの人、かっこよくない?』
『あの人、あの『白鷺千聖』の弟らしいよ?イケメンだよね~』
「・・・//」
は、恥ずかしすぎる!!早く出てきてくれよ。
「・・・あれ、奏汰君?なにやってるの?ここ羽丘だけど…。」
「おー。この人がうわさの『そうた君』ですかー?」
「え、あ、はい。そうですが…。」
つぐみと・・・誰だ?この人は。見たところつぐみの友達らしいけど・・・。
…前もしかしてお店に来ていたかな・・・。
「べ、別に変なことをしてるわけじゃないんだぞ?君たちの生徒会長に用があってきたんだよ。」
「生徒会長って日菜さんに?」
「うん。中に入っていいかの許可が欲しいんだよ。…それなのにあの人出てこないから。」
「なるほど~モカちゃんは完璧に覗きかとー。」
「んなわけないだろ!・・・ていうか君は?」
「あ、この子は青葉モカちゃん。バイトしてるときに会ってないかな?」
「どーもー、モカでーす。よろしくー」
「えーっと…って。・・・そういえば君、さっき俺の名前言ったよね。知ってたの?」
「もちろーん。おにーさん、うちの学校じゃ有名人だよー。千聖さんの弟で、すーぱーイケメンだって。」
「・・・そ、そうですか。」
そういえば前にリサさんが言ってたな。『うちの学校で君のことを知らない人はほとんどいないよ?』って。
なんというか、恥ずかしくなるな…///
「あとーたまにつぐの口からも聞くよー?『うちでバイトしてる人なんだけどー』「ちょ、ちょっと!モカちゃんっ///!」いたいよーつぐ」
「そ、それは嬉しいな。・・・あははは・・・はぁー。」
そんなことより早く出てきてくれないかな。日菜さん。
「そーうたくーん!!」
やっと来たのか。あとあんまり大きな声で名前を呼ばないでほしい。恥ずかしいから・・・。
「そーうーたくんっ!!」
「わーお。」
「い、いつも言ってるでしょ!飛びついてこないでください!!痛いんですよ。それ。」
「とか何とか言って、ほんとは嬉しいくせに~」
「嬉しくないです!痛いんです!」
「いいじゃん!別にっ!・・・あれ?つぐみちゃんにモカちゃん?ここでなにやってるの?」
「日菜さん!こ、ここ公共の場ですよ!そ、そんな///」
「あ、もう良いんだよつぐみ。ツッコまなくていいから。」
「ひなさんっていつもそういうことやってるんですかー?」
「んー?やってるよ~」
「そーなんですかー、じゃあモカちゃんとつぐは帰りますねー。つぐー帰るよー」
「あ、奏汰君またね!・・・モカちゃん!ちょっと待って…」
「・・・日菜さん…そろそろ離れて、ください…。」
「あ~んもう!・・・それで?なんで羽丘に?」
「瀬田薫さんに会いに来たんです。いますか?」
今日の俺の目的、それはこの学校に通っている瀬田薫さんに会いに来たのだ。
彼女とは面識があり、千聖の小さいころからの友達らしく、今もたまに話したりしてるらしい。
その人に今日は誕生日を祝うお手伝いを頼めるかお願いに来たのだ。
「薫くん?多分いると思うよ。」
「そうですか、実はかくかくしかじかで・・・」
「すごーい!なんかるんっ!ってくるね!」
「そ、それはありがたいですね。」
「実はね、私たちパスパレもサプライズをするんだ!ちょうどその日はパスパレの仕事が入ってるから。」
「それはちょうどいいですね。」
「うん!あ、ここで練習してるよ。それと多分麻弥ちゃんもいると思うよ」
あそっか。麻弥さんも演劇部だった。挨拶しとこ。
↓↓↓
「・・・ま、まあそこから先は察してくれ。」
「ええ、もう理解できるわ。」
会話のできなさ加減だったら日菜さんを超えてたもんな、あの時の薫さんは。
「ま、まあいいじゃないか。それよりもお腹が減らないかい?私は申し訳ないが・・・」
「うん。私もお腹減っちゃった。」
「そうね。食べましょうか。」
まあ何がともあれ今年の誕生日はしっかりと祝えたのではないのだろうか。
「それでは改めて!」
『千聖(ちゃん)!誕生日おめでとう!!』
『ふふっ、ありがとう、みんな。』
白鷺千聖生誕祭2020
おしまい・・・
ありがとうございました。
薫さんとの出会い、省かなかった方が良かったかな・・・・・笑
それと次回の更新なんですが、休校が終わってしまいいつ更新できるか分からなくなります。気長に待っていただけると幸いです。
感想、誤字報告待っています!
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