ヒエヒエの実の能力者が巨人が蔓延る世界に転生した (マスターM)
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転生

進撃の巨人に今更ながら、ハマり書き始めました!!ハーメルンとゲームでの知識しかありませんがよろしくお願いします!!


「(元帥達の話通りならこの任務が終われば俺も大将か・・・)だがしかし・・・それが俺の正義に合うのだろうか?」

銀髪の少年ギルは現在偉大なる航路(グランドライン)前半の海に来ていた。実はギルは出発前に会議室を通りかかりある内容を聞いた。その内容がさっきギルが考えていた大将への昇格だった。

ギルの今回の任務は数人の直属の部下と共に訓練兵の実地演習だ。

 

「ギル中将間もなくオーレ島に着きます」

「分かった。異常はないか?」

「現在異常はありません」

「新兵達に通達、迅速に動く様に言っておけ」

「はっ!」

目的地の無人島に近づき部下の一人がギルに報告し、ギルは異常がないかの確認し新兵達に迅速に動く様部下に言った。部下は敬礼をして新兵達の元に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヒュルルルル・・・・・・ズドォォン!

オーレ島の港に軍艦を停泊しギルが軍艦から降りようとしたら砲弾が飛んできて港に着弾した。

「何処のどいつだ?海軍に砲撃してくるアホは!?」

「ぎ、ギル中将!た、大変です!!」

「どうした!?相手が分かったのか?」

「あ、相手は『蒼鳥海賊団』です!!」

「何だと!?何故『五皇』である奴等が偉大なる航路(グランドライン)前半の海に!?」

そうギルに攻撃を仕掛けたのは五皇の一人蒼鳥海賊団の本船だった。

 

「グフフフ。今日の獲物はお前らだ!!覚悟しろ銀氷(ぎんひょう)ギル!!」

船首に立ちそう言ったのは蒼鳥海賊団船長蒼鳥フリーゲンだ。

 

「チッ、面倒な奴に目を付けられたな。演習は中止お前達は本部に帰還しろ!!」

「ギル中将は!?」

「奴の目的は俺だ。俺が殿を務める」

「・・・健闘を祈ります」ばっ

そう言い部下は敬礼しその後ろにいる新兵達も敬礼した。

 

「さて取り敢えず船を足止めするか」

そう言いギルは自らの能力で海を凍らせ、ギルは氷の上を滑りながら敵船に近づいた。

ギルの靴は軍が作った物でスケート靴にもなる。なお鉄の部分は海楼石で出来ており能力者を無効化出来る。

 

「船長どうしましょう!?」

「慌てんなお前ら!大砲で回りの氷を撃ち抜け」

「奴を狙わないのですか?」

「アイツに大砲なんか効果はない。なら早く動ける様に氷を割れ」

「へい!」

ズドォォン!ドゴォォォ!と砲撃が響きわたりギルは軍艦が完全に撤退する時間を稼ぐために甲盤に乗り込んだ。

 

「全くタイミングは悪いな。何故今前半の海にいるフリーゲン?」

「だから言ったろ?今日の獲物はお前だと」

「今日は厄日だな」

そう言いお互いに戦闘態勢に入った。ギルは冷気を出し右半分が氷、フリーゲンは蒼い炎を纏う不死長の姿になった。

 

「行くぞフリーゲン!!」

「おう!迎え撃ってやるぜ!やるぞ野郎ども!!」

「「「おおおおお!!!」」」

次期海軍大将と現五皇の一角と戦いは世界中に報じられた。蒼鳥海賊団は戦闘隊第2部隊隊長『砂のパズ』と同じく戦闘部隊第8部隊隊長『バラバラのゲン』その他の高額賞金首が討ち取られるが、蒼鳥のフリーゲンが銀氷ギルを討ち取ったと新聞に報じられた。海軍本部はこの事を受け蒼鳥海賊団を要監視対象に認定した。

 

 

 

 

ギルは死に際にこう言った。

「お、俺の・・せ、い・・・ぎは、死ん、でも・・・消えない・・・」

そう言いギルの人生は幕を閉じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

筈だった。

「は・・・」

目が覚めるとギルは草原に立っていた。

 

「夢?いや確かに心臓を突き刺されたし、夢にしてはリアルだしな・・・そもそも草原に立ってるって、俺は夢の中で夢を見ていたのか?」

状況が分からず困惑していると、見聞色で声が聞こえて来た。

『お前達なんか死んでしまえ!!』

「・・・随分な罵倒だな」

ギルは集中して声が聞こえて来た方に見聞色を使った。

 

「人と・・・少し大きめな人?巨人族の子供?の気配だ。罵倒って事は喧嘩か?何にせよ止めないとな」

そう言い声のする方に、剃と月歩を融合した剃刀で向かった。

 

 

 

 

 

そこで見たのは女性が罵倒しながら7m級の人間?から逃げている光景だった。

「あの7m級消化臓器がないな・・・そもそも人か?巨人族の͡子?かわからんし・・・」

見聞色で確認した事を呟いていると、女性が7m級に捕まり、握られた力で腕の骨が折られた。

 

「不味いな、助けないのは俺の正義に反する。あいつはこの先隻腕になっても仕方ないだろ」

そう言い剃刀で7m級に近づき・・・

 

「嵐脚」

嵐脚で7m級の腕を根元から切断した。

 

「え?・・・きゃあああ!!」

女性は一瞬何が起きたか分からず、浮遊感から落下感を感じ悲鳴を上げた。しかし直ぐに落下感は無くなり、誰かに抱きしめられている感じがした。そして人の声が聞こえた。

 

「大丈夫か?」

声を掛けて来たのは15歳程の銀髪の少年だった。

 

「折れた腕は安静にしていれば治るな」

少年は私の腕の事を心配しているが、私はそれどころでは無かった。

壁の外に人がいて、その人が少年でしかもブレードも無しで巨人の腕を切断したのだ。驚かない訳がない。混乱していると、巨人の腕が再生されて私達を捕まえようとした。

 

「再生する?不死鳥の実か?」

少年は巨人を見ることなくその手を避けた。しかも気が付くと巨人と距離が出ていた。

 

「取り敢えずアレを止めてくる」

少年は私を降ろし巨人に向かって行った。私は只々見ている事しか出来なかった。そしてこの後の出来事は決して忘れる事はないだろう。何故ならーーー

 

氷拘束(アイスビンディング)

瞬間巨人は氷漬けにされた。

 

「これで大丈夫だろう」

これが私イルゼ・ラングナーと少年ギルとの出会いだった。



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説明

 私はイルゼ・ラングナー。第22回壁外調査に参加。第二旅団最左翼を担当、帰還時巨人と遭遇。所属班の仲間と馬も失い、故障した立体機動装置は放棄した。北を目指し走る。巨人が支配する壁の外で馬を失ってしまった。人の足では巨人から逃れられない。

 私が今取るべき行動は恐怖に平伏すことではない。この状況も調査兵団に志願した時から覚悟していた。

 私は死をも恐れぬ人類の翼。調査兵団の一員。例え命を落とすことになっても最後まで戦い抜く。武器は無いが私は戦える。この紙に今を記し今できる事を全力でやる。私は屈しない。

その時巨人に遭遇してしまった。

 

「わ・・・わ、わたしは、屈しない・・・」

 巨人遭遇。すぐに私を食べない、奇行種か・・・。終わる事を覚悟したが、その時巨人がしゃべったのだ。ありえない事だが意味のある言葉を発音した。『ユミルの民』『ユミル様』『よくぞ』間違いない。

 この巨人は表情を変えた。私に敬意を示すような姿勢を取った。信じられない恐らく人類史上初めて私は巨人と意志を通わせた。

その後巨人に存在、所在、目的を問うがうめき声をあげるだけで応答は無い。私は段々と巨人に対する憎しみが沸き上がって来てその巨人を罵倒した。それに苛立ったのか分からないが襲い掛かって来た。

 

 

 

 

 

結果を言えば私は助かった。但し自分の力ではない。突如現れた少年に助けられたのだ。その少年はブレード無しで巨人の腕を切断し私を救った。その後気づけば巨人との距離が開いていた。私を降ろした少年は無防備に近づきそして次の瞬間ーーーー巨人が氷漬けになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「取り敢えず簡単に応急措置するか」

7m級の巨人を氷漬けにしたギルは女性の元に行き、自らの能力で氷を作り着ているマントを破り、それを折れた左腕に巻いた。

 

「本当はちゃんとした措置をしたいが、今はそれで我慢してくれ」

「いえ。食べられなかっただけまだましです・・・」

「そっか。所で何故 巨人族が人を食べようとしたんだ?」

「巨人、族?巨人は巨人じゃ・・・」

「ううん・・・?」

ギルは会話が噛み合っていない事に気付き質問した。

 

「所で此処は偉大なる航路(グランドライン)か?それとも東の海(イーストブルー)か?西の海(ウエストブルー)か?南の海(サウスブルー)か?北の海(ノースブルー)?」

「グランド、ライン?それに他の4つも聞いた事ない・・・やっぱり君は壁の外の人間?」

「ちょっと待ってくれ壁って何だ?」

ブツブツと言う女性の言葉に壁の外の人間と言う言葉に思わず聞いた。

 

「ええっと、少し長くなるけど・・・」

そう言い女性はギルに説明を始めた。

100年前に突如現れた巨人に人類の多くが食われ、巨人が越えられない50mの壁を3重に築き上げ残った人類はその中で暮らしていると。

 

 

 巨人を氷漬けにした少年は自らの体から氷を作り、少年が着ていたマントを破り折れた私の左腕に巻いてくれた。その後少年の話を聞くと、どうやら少年はこことは違う所から来たそうだ。私は少年に壁の事を話した。

 

「100年前ね・・・俺がいた所では100年前以上から巨人族はいたからやぱり別世界か・・・。て、事はやはり死んだ事だな。だがどうして悪魔の実の力を持ったままなんだ?」

「ちょっと待って!君今死んだって・・・」

「ん?ああ、死んだな。詳しくは殺されたけどな」

「巨人を一瞬で凍らせる君より強いの?」

「ああ強い。俺もそんなに強くない俺の世界ならトップ10にも入ってないだろう」

「君の世界っていったいどうなっているの?」

「俺の世界は・・・」

私は少年の話を聞き驚愕した。何処までも続く海に様々な島、海賊と海軍。そして少年も食べたと言う海の秘宝である悪魔の実。目の前の実例をみて認めるを得ない少年は違う世界から来たと。

 

「取り敢えずその壁に向かえばいいのか?」

「あ、はい。ええっと・・・」

「そう言えば名乗ってなかったな。俺はギル。バビル・D・ギルだ」

「私はイルゼ・ラングナーです」

お互い自己紹介を済まし北を目指した。



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調査兵団

北を目指すことにしたギルとイルゼ。いざ進もうとした時にイルゼがギルに声を掛けた。

 

「ねえギル君?どうやって壁を目指すの?」

「何故名前の所が疑問形なんだ?」

「ええと・・・それは・・・」

「・・・やはり身長と顔か」

「うん・・・」

ギルは15歳でありながら身長が2メートル近くあるが顔は童顔なのだ。

 

「俺は15歳だ」

「15!?嘘!!?身長と顔が合ってない!!」

「はー・・・コンプレックスなんだよな・・・身長はどんどん伸びるし」

「成長期って凄いね・・・」

「で、話を戻すぞ」

「・・・うん」

ギルはこれ以上身長と顔に触れられたくないのか強引に話を戻した。イルゼも何時巨人が来るか分からない為頷いた。

 

「で、移動はこうする」

そう言い地面を北に向けて一直線に凍らせた。

 

「何度見ても凄い・・・こんなことが出来る人間が大勢いれば今頃人類は自由だったのだろうか?」

ギルの力をみてイルゼはそう呟いた。

 

「さてと」

ギルは靴をスケート靴にしてイルゼを抱えた。

 

「え、え?えええええ!!?」

急に抱えられたイルゼは困惑し悲鳴に近い声を出した。

 

「少し我慢してくれ。なるべく左腕に負担はかけないようにするから」

そう言って北に向かって滑り始めた。

 

「早い、馬と同じぐらい」

「後500メートル程進んだら少し右に曲がるぞ」

「どうして?このまま一直線に進めばいいんじゃないの?」

「その左側に巨人がいるんだよ。数は2体で気配からして10メートル級だな。不死身の相手を2体同時と面倒くさい」

「何で気配が分かるかは置いといて・・・巨人には一つ弱点があるわ」

「え?あるの?何度も何度もヤラなくてもいいのか?」

「はい。後頭部より下のうなじにかけての縦1m幅10cmここを削ぎ落とすと巨人は絶命します」

「ふ。弱点が分かればこっちのものだ」

そう言い巨人のいる方に向かった。

巨人はギルを視界に収めた瞬間、ギルに向かって歩き始めた。

 

「ど、どうするの!?」

イルゼは2体の巨人に恐怖し動揺しながらギルに聞いた。

 

「例え両手が塞がっていても問題はない。少し揺れるが我慢してくれよ?剃」

ギルはそう言い剃を使い巨人の後ろに回り込んだ。

 

「生命帰還、武装色硬化。嵐脚、髪嵐脚」

生命帰還によって髪の毛を足の形にし更に覇気を纏って2体の巨人のうなじを削ぎ落した。

 

「すごい・・・って!髪が足になってる!?しかも髪も足も黒くなってる!?なんでなんで!!?」

「説明するから落ち着け。取り敢えずあの巨大な森に移動するぞ。地上に居るのは得策ではないみたいだからな」

「あ、はい」

イルゼはギルの髪が足に変化した事と、黒くなったことで混乱したが、巨人の領域なのでギルの言葉に頷き静かになった。

ギルとイルゼは30メートル程の大きさを誇る巨大樹の森に入り木の枝に座った。

 

「さてと説明するぞ。まず最初に髪が足の形になったのは生命帰還て言う、本来脳の命令で動かしたりすることのできない髪や内臓などを己の意識を張り巡らせることによって操ることができる技能だ。こんな風にな」

そう言い髪を無数の手や足に変えた。

 

「すごいね。ギルの世界では皆出来るの?」

「出来るのは一握りだな。後最初に会った時とさっき使ったのは、海軍に伝わる武術・六式の嵐脚だ。他にも移動の時に使った剃。空中移動が可能な月歩。体を鉄の強度にする鉄塊。敵の攻撃から生じる風圧に身を任せ、紙の如くひらりと相手の攻撃をかわす紙絵。指の先に力を集約させ、弾丸のような速さで相手に撃ち込む指銃。以上が六式だ。中将クラスなら大抵は使えるし大佐クラスでも一部使える奴はいる」

「ええっとギルは中将だから全て使えるのよね?」

「ああ、使える。最後に髪や足が黒くなったのは武装色の覇気を纏ったからなんだ」

「武装色の覇気?覇気ってあの威圧感のあるあれ?」

「概ねその認識で合ってるな。覇気には3種類あって、さっき黒くなったのは武装色の覇気をより固くした硬化だ。後巨人の気配が分かったのは見聞色の覇気だ。見聞色を鍛えたらある程度未来予知が可能になる」

「成程。見聞色の覇気で巨人の気配に気付いたのね。それより鍛えれば未来予知も可能って反則級じゃない!!対抗する事は出来るの?」

「相手の覇気を上回ってないと難しいな。俺はどっちかと言うと武装色が得意だし」

「へーそうなんだ。あと一つの覇気は?」

「最後の覇気は覇王色の覇気。これは相手を威圧する覇気で、数百万人に1人王の資質を持つ者だけが扱える特別な覇気だ。戦うまでもない程の圧倒的な力量差がある相手をこの覇気で一瞬で気絶させることができる。が、相手が動物の場合はよほど力量差がないと気絶させることは敵わず、従わせるのが精一杯となる」

「戦うまでもないって・・・巨人相手は?一瞬で凍らせたし・・・」

「まだ試してないしどうとも言えないな。以上が六式と覇気の説明だ。悪魔の実の説明もしたいが、先に合流しよう」

「合流?誰と?」

「今さっき 北側から複数の人と馬の気配がした。そこに合流しようと思う」

「たぶんそれは調査兵団よ」

「イルゼが所属している組織か?」

「ええ、そうよ」

「なら早く行くぞ。彼等の行く先に巨人が5体いる」

「分かったわ」

ギルは説明中に複数の気配が森に入った事に気付き、彼等に合流する事を決め、再びイルゼを抱えて北を目指した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

北側の森では馬に乗った緑のフード付きマントを羽織り、背には自由の翼の紋章を付けた一団が駆けていた。

彼等こそ壁の中で暮らす人類国家において唯一、壁外に遠征する人類領域外の調査を主な任務とし、王政府の拡大政策を担う組織〝調査兵団〟である。

彼等は拠点を作ろうと巨大樹の森に入った。

 

「エルヴィン、ミケ、ハンジ班は周りを警戒しろ!!残りの全班で拠点を作るぞ」

『『『ハッ!!!』』』

100名を超える者達が一斉に動き拠点作りが始まった。

 

「スン、スン・・・匂う。南から巨人が5体来るぞ!!」

「総員━戦闘用意!!」

ミケは鼻が効き巨人の匂いを感知出来るのだ。ミケから巨人の接近を聞き団長であるキース・シャーディスは戦闘態勢の命令を発し、全員が両手にブレードを構えた。

そして遂に巨人を肉眼で捉えた。

 

「拠点を壊されてたまるか!同時に仕掛けるぞ!!」

「先頭の巨人来ます!」

「行くぞ!!」

兵士達はブレードを構え、巨人に突撃した。しかし・・・

 

「それじゃ死ぬだけだぞ?氷拘束(アイスビンディング)

「な!?巨人が凍った?いったい誰が・・・」

突如5体の巨人が氷漬けになり全員が驚いた。

 

 

 

キースside

 

「アンタ達が調査兵団か?」

声がした方、巨人の足元を見ると白い服に白いマントを着た銀髪の若い男がこちらを見上げていた。

 まさかあの者が巨人を?見るからに武器らしい物は持っておらず、立体機動装置すら着けていない者が壁外で生きてるとは・・・まさか人類は壁の外で生きているのか?いや今は話に応じよう。

 

「如何にも我々は調査兵団だ。私は調査兵団団長のキース・シャーディス。貴殿は?」

「俺はギル。バビル・D・ギルだ。ゆっくり話したいが、巨人の大群が南から迫ってる。取り敢えず移動しないか?」

「何?ミケ匂いはどうだ?」

「スン、スン・・・!そいつの言った通りだ。まだ遠いがかなりの数が向かって来ている」

「撤退だ!総員撤退準備にかかれ!!」

『『『ハッ!!』』』

「後この人を頼む。俺が殿を務める」

ギルはイルゼを調査兵に任せ・・・

 

氷壁(アイスウオール)

巨大樹の森横一列に15メートル程の氷の壁を創った。

 

 

 私は目を疑った。何だ奴は、何もない所から氷が出て来たぞ!人の姿をしているが本当に人なのか?いや、奴の話を聞くまでは保留だ。

 

キースsideout

 

 

暫く走り一行は壁から最も近い拠点に着き、キースと分隊長、ギルにギルと一緒にいたイルゼは会議室のような部屋に入り話し合いが始まった。

 

「さて、色々と聞きたいことはあるが君は何者だ?」

「まあそうだよな俺は・・・」

ギルはイルゼにした説明をそのまま話した。

 

「まさかそのような事が・・・」

「しかし団長、私達は実際にこの目で目撃しました間違いは無いかと」

「それに見聞色の覇気と言ったか?俺の鼻より早く巨人の接近に気付くとはな・・・」

「ホント興味深いよ・・・ねえ君ちょっと解剖してもいいかな?」

話を聞き、キース、エルヴィン、ミケ、ハンジが言った。ハンジは興奮気味にギルに詰め寄った。

 

「凍らされたくなかったら離れろ」

ギルは少し冷気を出して忠告した。

 

「い、いやー冗談、冗談だよははは・・・」

「目が泳いでるぞ。まあいい。それでこれからだが・・・取り敢えずその壁の中で過ごせる様にしてくれないか?勿論只とは言わん。必要なら俺の力を頼って貰って構わん」

「いいだろ。但し王には会ってもらう」

「分かった。後あまり目立ちたくはないな」

「それは難しいだろ。兵服や立体機動の予備で調査兵に潜り込めるが、そこまでの高身長は目立つぞ」

「ああ、それなら生命帰還。これで大丈夫だろ?」

ギルは生命帰還を使い2メートル近かった身長を平均の身長まで縮めた。

 

「あ、ああそれなら問題ない。案内しようウォール・マリアへ」



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巨人捕獲

ウォール・マリアに帰還しようとした一行は、ハンジの一言で作業の手を止めた。

 

「今回の成果はギルの発見だけってマズくないかな?一応目に見える成果があった方がいいんじゃない?」

「確かにそうだが どうするつもりだ?壁はもうすぐそこだ。今更まともな成果はあげられないだろ」

そう言うキース肩を落とした。

 

「団長大丈夫!私にいい考えがあるんだ!」

そう言うハンジの目線はギルに向いていた。

 

「その考えとは何だハンジ?」

ハンジに聞いたのはエルヴィンだった。エルヴィンはハンジの目線がギルに向いていてその意図を理解したが、会えて質問した。

 

「エルヴィンも人が悪いな〜分かってるのに聞いて来るなんて」

「敢えて聞くことで全員が興味を持つと思ってな。それにハンジが言わなければ私が提案していた」

「なら発表しよ。ズバリ、ギルを使っての巨人捕獲作戦!!どう団長!いい考えじゃない?人員的損害はなく巨人を捕獲出来たらいい成果でしょ!?」

ハンジは興奮気味にキースに言った。

 

「それは本人次第だ。我々が勝手に決める訳にはいかん。ギルよお前はどうする?私はお前の選択を尊重する」

そう言うキースだが心ではギルに参加してもらい成功させたいと思っていた。

 

「さっきも言ったが俺の力を頼ってもいい。勿論協力させてもらおう。唯俺はこの世界の巨人の事は殆ど知らない。必要最低限の知識を教えて欲しい」

そう言ったギルにハンジがものすごい勢いでギルに近づき両手を握りしめた。

 

「それだったら巨人研究をしてる私の出番だね!いいかいまず・・・」

ハンジの勢いは止まらず必要最低限な事を話終わると、自分の考察を交えての話になっていき、周りの者達は『また始まった』という顔をして同情の目線をギルに向けた。

ギルは二度と巨人の話はハンジが居るところでは話さない様にしようと、心に誓った。

 

「お、おいハンジいい加減にしろ。いつまでも話していては作戦が開始出来ん。もう最低限の事は話しただろ?お前の考察は帰還してからにしろ」

「ええ!?まだ話足りないよ!!」

「団長命令だ。いつまでも話していては何時奴らが来るか分からん。壁外での長居は無用だ」

「・・・仕方ないな。ギル帰ったら続きを話すから逃げないよね!」

ハンジの暴走を止めたのはキースで、ハンジは最初は不満そうにしていたがキースの説得でしぶしぶ話を切り上げた。

 

(絶対に逃げよ・・・)

ギルは心の中でそう誓った。

 

「で、何体狙う?大きさは?」

「3m級を一体でいいよ。本当はもっと多く捕まえたいけど、管理する場所も費用もないからね。今回の功績でもっと費用を貰ったら次は7m級。最終的には15m級の奇行種を捕まえてみたいな」

「3mか・・・了解した」

そう言いギルは立ち上がり正義の文字が書かれたコートを羽織った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

外に出たギル達、ギルは南東に複数の気配を感じた。

「南東にいる。但し複数だがどうする?」

「3m級じゃなかったらギルの戦闘力の確認も出来るから、一石二鳥だよ~」

「まてハンジ!無駄な犠牲は出せんぞ!複数いるならなおさらだ!」

「いえ団長、彼一人で殲滅は出来ると思います。どうだ?」

「可能だな。時間が惜しい決めるのはキース団長、アナタだ」

「・・・よかろう。南東に向かうぞ!」

一行は南東に向かった。

 

 

 

 

 

 

南東には、3mが一体、5m四体、7mが三体、10mが二体、15mが二体いた。

「団長数が多すぎます!撤退を!!」

調査兵の一人が巨人の数にキースに言う。

 

「大丈夫だ直ぐ終わらせる」

そう言いギルは馬から降りた。

 

「おい何をする!?」

「少し離れていろ。それとしっかり気張れよ?」

ギルは一人巨人に近づいた。巨人達はギルを見ると捕食しようとギルに向かって、大地を揺らしながらギルに近づこうとした。

 

「巨人相手に通用するか確かめさせてもらうぜ?ふっ」

瞬間ギルを中心に覇王色の覇気が発せられた。調査兵団は遠くにいたが、そのプレッシャーを感じた。一方巨人達は・・・

 

「・・・成程10m以下までか・・・」

そう10m以下の巨人は立ったままだが動きは止まった。しかし、10m以上はぎこちないが動いているのだ。

 

「まあ、結果が分かっただけ儲けもんか」

そう言いギルは、剃を使い動いている10mと15mの巨人の項を破壊した。

 

「今回は3mだけ。次は捕まえるからな?」

ギルは3m以外の項を破壊し、3mの口と四肢を凍らせ動きを封じた。

 

「終わったぞ」

『『『・・・・・・・・・』』』

調査兵団の全員は言葉を失っていた。巨人達が一方的にしかも、立体機動装置も着けていない者に蹂躙されたのだから仕方ないが。

 

「はっ!それより巨人を確保するよ!」

最初に正気に戻ったのはハンジで、ハンジの言葉で全員が動き始めた。

 

「まさか、これ程とは・・・」

「団長、彼は変革の一翼になるのでは?」

「確かにな。その素質は十分あるだろう。しかし・・・」

「片翼では飛べないと?」

「そうだ双翼で初めて羽ばたけるのだ。彼は一人で一個旅団の戦力、いやそれ以上だろう。もう1人そんな人材がいればな・・・」

キースとエルヴィンはこの光景を見てヒソヒソと話していた。

 

「さて、今度こそ案内頼むよ」

「ああ。分かった」

巨人の拘束が終わり一行は壁に帰還すべく移動を始めた。



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王都での説明

「これはたまげたな・・・」

ギルは馬に乗って調査兵団の兵服を着て調査兵になりきっていた。そしてついに先端の壁『ウォール・マリア』が見えて来てギルは思わずその高さに呟いた。

 

「ギルの世界の巨人族って何メートルあるの?」

ギルの呟きが聞こえたのかイルゼが聞いてきた。

 

「最大でも20メートルだな。昔の文献によると、67メートル(オーズ)や180メートル(サンファン・ウルフ)がいたらしい」

「ええ!?壁より大きいじゃない!!しかも180メートル!!壁の3倍以上じゃない!!」

「まあこれは悪魔の実で巨人が更に大きくなったらしい」

「らしいって・・・」

「そこまで文献に載ってなかったんだよ・・・」

「ギルよその話もまた話してもらうぞ」

イルゼとギルの話を2人の前にいたキースも聞いており、改めて話させるように釘をさした。

 

「了解了解と。壁に入ったら王達と会うまで大人しくしてるな」

「ああ。頼むぞ」

そして調査兵団は帰還した。住民達は失望の目を向けていた。

 

「今回はそんなに減ってないな・・・」

「だが早く帰って来たな」

「予定では夕方帰還予定じゃなかったか?」

「壁の中にさえいれば安全に暮らせるのに・・・」

「兵士なんて税の無駄遣いだな・・・」

(これが兵士いや、調査兵団の現状か・・・)

ギルは壁に入ってから見聞色の覇気で住民たちの声を聞いていた。

 

 

 

 

 

 

調査兵団のアジトに着いたギルはキース、エルヴィンに連れられ馬車に乗った。

 

「すまんなギル王がお前をお呼びだ」

「早くないか?今さっき壁に着いたばかりだぞ?」

「それは先に伝書を出していたからな」

「成程な。でその王は何処にいるんだ?」

「人類最後の砦である、『ウォール・シーナ』だ。王を始め特権階級はシーナでしか生活できない」

「ふ~ん」

実はギルは貴族が好きではないのだ。特に天竜人が大嫌いだったのだ。

「少しはまともだといいな・・・」

「ん?何か言ったか?」

「何でもない、気にしないでくれ」

そう言い外の景色を眺めた。

 

 

 

 

「着いたぞ」

「なかなか立派な城だな」

「王が住む場所だからな」

ギルは黙ってキースとエルヴィンについて行く。

 

「ここだ準備はいいか?」

「ああ。大丈夫だ」

「よし」コンコン

「キース・・シャーディスとエルヴィン・スミスです。例の男を連れてきました。

『入れ』

「「失礼します」」

「失礼する」

キースがドアをノックして入室の許可をもらい、エルヴィンと共に先に入った。ギルも一言言ってから入室した。なお身長は元に戻しており、服も海軍の物に着替えている。

 

 

 

ギルから見て正面に王だと思われる人物が椅子に座っており、その周りに貴族らしい男たちが4人がいた。右側には薔薇とユニコーンの紋章が入った兵服を着た一団が占めており、反対の紋章には4兵団とは別の紋章が入った一団が占めていた。

 

「来たか。話は聞いている名を聞こうか」

貴族の男の一人が最初に口を開いた。

 

「ギル。バビル・D・ギル。海軍本部の中将です」

海軍の敬礼をし名乗りをあげた。

 

「その中将は上から何番目だ?」

「上から3番です。なお自分は死ぬ前に大将への昇進が決まっていたようです」

「伝書にもあったが本当に死んだのか?まったくそうは見えんが?」

「ごもっとも。しかし真実ですので」

「なら証明できるか?」

「出来ます」

「どう証明するのだ」

「それをするために、協力を願います」

「よかろう。言ってみろ」

「ありがとうございます」

そこまで言ってギルは護衛にいた兵士、否銃を指さした。

 

「その銃で俺を撃って下さい」

『『『はあ???』』』

零の要求に全員がポカンとした。

 

「エルヴィンやってくれ」

「了解した」

ギルは予め自身の悪魔の実の事を話していたエルヴィンに撃つよう頼み、エルヴィンは頷いた。

 

「どこを撃てばいい?」

「頭だ。それが一番分かりやすい」

「ま、待て王の御前を血で汚す・・・」

パアン!

エルヴィンは兵士から銃を奪い、ギルの頭を撃ち抜いた。

 

「エルヴィン!!」

薔薇の紋章の男がエルヴィンに掴みかかった。

 

「お前王の御前を汚すとは何事だ!!?」

「ナイルよく見てみろ」

と言われ全員がギルの頭を見ると・・・

 

「氷?」

確かに頭には空洞が出来ていたが、血が一滴も出ておらず、空洞の周りは氷で出来ていた。

 

「自分は自然系(ロギア)系悪魔の実。ヒエヒエの実を食べた氷結人間です。物理攻撃はほぼ効きません」

 

「そんな人間が何故死んだのだ!?」

「それは・・・」

ギルは海楼石の事を伏せて覇気の事を話した。

 

「理解した。どうやら本当に異世界からみたいだな。これからどうするつもりだ?」

「調査兵団に協力しようと思います。自分の力は巨人にも通用すると分かったので」

「そうか・・・わかった。下がっていいぞ」

「失礼する」

「「失礼します」」

ギルと共にキースもエルヴィンも退室した。



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もう1人の変革の一翼

王達への説明を終えたギルはついでという事で王都を見て回る事にした。なおキースは今回の壁外調査の報告書作成の為先に調査兵団のアジトに戻った為、エルヴィンがギルの付き添いとなっていた。

 

「ここが一番栄えてるな」

「王都だからな」

「ふ~ん。後この下は?やけに広いし人の気配もあるが?」

ギルは見聞色で地下がある事がわかりエルヴィンに質問した。

 

「この下は地下街が広がっている」

「街?だが感じは廃墟だぞ?」

「昔の資料によれば一時期巨人から逃れる為に地下で暮らすことが検討されたが、結局移住は中止され残された廃墟は貧しい者や犯罪者の住み家となってスラム化した。今では憲兵団すら立ち入りを躊躇する程だ」

 

「へえ・・・少し寄ってもいいか?」

「いいが・・・何かあるのか?」

「強い気配がする。分隊長クラスのな」

「ほう・・・」

ギルが地下街に行く事を提案すると、エルヴィンはその理由を聞くと分隊長クラスの人物がいると聞き興味を持った。

 

そしてその人物はいた刈り上げ頭と三白眼が特徴の男で、立体機動はエルヴィンの見立てでは調査兵団のベテランを凌ぐレベルだと。エルヴィンはすぐ報告の為調査兵団アジトへと戻った。因みにギルはある程度見学してから戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 

数日後ギルは立体機動装置に慣れそうと特訓していると、キースに呼ばれエルヴィンと共に総帥に会いに行くと言われ付いて行った。

 

「ちゃんと自己紹介をするのは初めてだな。私は3つの兵団を総括しているダリス・ザックレーだ」

「ギル・バビルです」

因みにギルはこの世界では名前が先の為『ギル・バビル』となった。Dはこの世界には天竜人がいないため抜いたのだ。

互いに自己紹介を終えてからキースは資料を提出した。それをよんだザックれーの返事は否だった。

 

「納得できません!!」

キースが提出した資料はエルヴィンが考案した‶長距離索敵陣形〟を使えば壁外調査での死傷者が激減するが、議会の承認が得られない為に次の壁外調査は出来ないと言われた。

しかしその五日後エルヴィンの暗躍(ギルも協力)で、貴族院でも大きな影響力を持つロヴォフ議員が壁外調査の許可を出したのだった。

 

「総帥。先日お願いした件はいかがでしょうか?」

「ん?ああ。君らが地下街で行う作戦についてだね、憲兵団へ話を通しておいたよ」

「ありがとうございます」

「しかしいくら立体機動に長けていても地下のゴロツキが壁外調査の役に立つかね?」

 

「はい。先日ギルに言われ地下街に赴いた時、この目で見て侮れない腕前だと思いました。特にリーダーらしき男は調査兵団のベテランを凌ぐレベルだとギルと意見が一致しました」

「ほう。それは凄いな」

「少しでも可能性がある者は全て今期の壁外調査へ投入してみるつもりです。まずは・・・近いうちに接触を図ります」

そう言った数日後エルヴィン、ギル、ミケの三人は地下街に入った。

 

「左1キロ先に例の三人組を確認。誰リーダーを狙う?」

「私が行こう」

ギルが誰がリーダー格の男を狙うか聞くと、エルヴィンが立候補した。

 

「分かった」

確認して3人は速度をあげた。なおギルは立体機動装置をつけているが、まだ不慣れの為剃刀を使っている。

 

 

 

 

「おい追ってだぞ!!」

銀髪の男がギル達に気付き仲間の2人に言った。

 

「後方50mに3人だ。きょうはずいぶんと少数だな」

 

「フッ。また憲兵団か、懲りない連中だぜ・・・」

赤髪をおさげ髪の少女がキメ顔で言った。

 

「このままアジトまで招待するわけにはいかねぇ。面倒くせぇが・・・ファーラン」

「おう」

「イザベル」

「おう」

「いくぞ!」

刈り上げ頭と三白眼の男が合図すると、3人は急降下して橋の下を立体機動でくぐった。

 

「おい。奴等まだついて来るぞ、しかもさっきより詰められてる」

後を見たファーランがリーダーの男に言う。

 

「・・・」

「憲兵団のくせにやるじゃねぇの、今日こそ本気出して捕まえようってか」

「地下まで出張してくるぐらい上は暇なのかね。王様の顔色だけ窺ってくれてりゃいいのに迷惑な話だ」

「いや・・・それにしちゃ様子がおかしい(そもそもクズの憲兵団がまともに動くはずがねぇ。人ごみの中でまともに飛べるって事は・・・まさか・・・)奴等憲兵団じゃないかもしれん」

ファーランとイザベルは何時もと同じ憲兵団だと思ったが、リーダーの男は一つの可能性が頭に浮かんだ。

 

「次の柱で急旋回だ。・・・確かめてやる」

そう言い次の柱に差し掛かった時3人は急旋回をした。リーダーの男はすれ違う瞬間背中の紋章を見た。

 

「流石は調査兵団、か」

「何!?調査兵団だって?間違いないのか!?」

「ああ。すれ違う瞬間確かに背中の紋章が見えた。あれが自由の翼だ。お前ら分かってるな?」

「もち!」

「はいはい」

3人は3手に別れた。

 

「真ん中のリーダーは任せたぞエルヴィン。俺は左の奴を追うからミケは右の奴を頼む」

「分かった」

「了解した」

ギル達も3手に別れた。

 

 

 

 

「へへ、泣かしてやるぜ」

イザベルは地形を利用してギルを巻こうとするが、相手が悪かった。

 

「マジか・・・ならこれはどうだ!」

更にイザベルは急降下・急旋回を使いながら振り切ろうとするが・・・距離は広まるどころか縮まる一方だ。しかも途中からギルは立体機動装置は使わず剃刀を使っている。

 

「はあ!?立体機動使ってないのに飛んでる!!?ありかよそんなの!!ッ!!しまった!!」

ギルに気を取られてしまったイザベラは、アンカーがしっかり刺さらず落下してしまう。だがイザベルは地面に叩きつけられる前にギルに捕まってしまう。

 

「ほい確保」

「畜生はーなーせー!!」

捕まったイザベルはバタバタと抵抗するが両手を後ろで拘束されてる為逃げられなくなっていた。

 

「お前なんなんだよ!立体機動使わず飛ぶなんて卑怯だぞ!!」

「特殊な訓練を受ければ誰でも出来るぞ」

「マジで!?俺も使えるのか!!」

「さぁどうだろうな?さて、エルヴィンとミケは・・・あそこか。他の2人も捕まえたみたいだな」

ギルは見聞色を使い2人共確保したのを確認してイザベルを連れて行った。

 

 

 

 

 

ギルが到着すると、ファーランの首筋にブレードを添えているミケと、リーダー格の男の前で仁王立ちしているエルヴィンがいた。

 

「こっちも確保したぞ」

捕らわれたイザベルを見てリーダーの男はギルを睨みつけた。

 

「もう一度お前の名は?」

「・・・リヴァイだ」

エルヴィンが聞くと、リーダーの男・リヴァイは間を開けて名乗った。

 

「リヴァイ。私と取引をしないか?」

エルヴィンはリヴァイの前に片膝を着けてそう言った。

 

「取引・・・?」

「お前達の罪は問わない。かわりに力を貸せ、調査兵団へ入団するのだ」

「断ったら?」

「憲兵団に引き渡す。これまでの罪を考えればお前はもとより、お前の仲間もまともな扱いは望めんだろう」

「・・・」

「好きな方を選ぶがいい」

リヴァイはファーランと目を合わせて歯軋りをして口を開いた。

 

「いいだろう。調査兵団に入ってやる」



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第23回壁外調査

調査兵団本部

 

「正直言って屈辱的です。正規の訓練を経てきた我々に犯罪者共を受け入れろというのですか・・・」

会議室に団長のキースと幹部の分隊長達が集まっていた。リヴァイ達の受け入れを分隊長の一人フラゴンが批判した。

 

「・・・君の言い分はもっともだ。彼等が原因で我々に命の危険が及ばないとも限らない」

 

「部下になんと伝えればよいのです・・・」

「フラゴン分隊長、君の言いたい事はよく理解できる。現に彼等は兵士の体をなしていない、迷惑もかけるだろう。だがこの先必ずや兵団の変革の一翼を担ってくれるはずだ。ギルと合わせて双翼となるだろ」

 

「『変革の双翼か・・・ギルは兎も角彼等にとって壁外遠征が最も重い罪にならぬよう祈っておくよ」

会議が終わり広間に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「全員注目!!」

キースの号令に調査兵達は体の後ろで両手を重ねた。

 

「1人は知ってると思うが、今日から我々と共に戦う4人を紹介する。お前達皆へ挨拶しろ」

キースが言い終わるとリヴァイは横目でエルヴィンを見て口を開いた。

 

「リヴァイだ・・・」

「イザベル・マグノリアよろしく頼むぜ!!」

「ファーラン・チャーチ・・・です」

3人とも挨拶をするが調査兵達に歓迎の感じはない。

 

「ギル・バビルです。至らぬこともありますが、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします」

ギルはまだ海兵時の癖が残っている為、「公に心臓を捧げる」の敬礼ではなく、海兵式の敬礼をした。

ギルの事は殆どの兵士達が知っているが、能力を見たのは半数なので、見ていない者達は半信半疑だ。

 

「4人はフラゴンの分隊に入る。フラゴン面倒を見てやれ」

「じ、自分の隊でありますか!?」

「なんだ不満か?」

「い、いえてっきりエルヴィン分隊長の下へ入ると思っていたものですから・・・」

フラゴンはまさか自分の隊に4人とも入るとは思わず驚いた。

 

「エルヴィンには壁外調査で行う新陣形に備え、全体指揮の補佐を任せる。そのため彼に新兵の面倒を見る余裕はない。わかったか?」

 

「はっ!承知しました!!」

「以上だ」

そのあと報告事項の連絡が終わり、キースに呼ばれたギル以外の3人はフラゴンに兵員宿舎に案内された。

 

 

 

 

 

 

一方ギルは団長室にいた。

 

「『覇気』は誰でも使えるんだな?」

 

「使えると言うか、覇気は誰にでも宿っているが大半は気づかないか、引き出せないまま生涯を終える事があるから一概に使えるとは言えない。気づかせる・引き出すには覇気使いの指導があれば可能だ」

 

「ではギルお前は前世、覇気を教える立場であったか?」

「まあ中将だったし、新兵に覇気の実演と指導はしたが・・・」

「それを聞いて安心した」

「?」

ギルはどう安心したのか分からず首をかしげた。

 

「生存率を上げる為、覇気を教えてくれ!出来ればあの足技も」

「見聞色と武装色に月歩、剃、嵐脚か?」

「ああ」

「教えるのはいいが物に出来るかは保証しないぞ」

「それでもいい。長距離索敵陣形によって生き残る兵士も増えると思うが、更に生き残る兵士を増やす為だ」

 

「了解した。だが条件がある。これを認めなければ教える事は出来ないぞ?」

「その条件とは?」

「まず1つ目。教えるのは次の壁外調査を終えてからだ。理由としては新しい物を2つ同時にすると余計な混乱が起こるからだ」

 

「確かにそうだな・・・他には?」

「2つ目。覇気もそうだが六式を使う時は俺が許可をした時だ。中途半端な状態での使用は危険だからな。以上この2つの条件を認めないと教える事は出来ない」

 

「分かった条件を飲もう」

キースはギルの条件を飲んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数か月後

 

リヴァイ達と訓練に明け暮れ数か月、いよいよ壁外調査の日がやって来た。

 

「開門始めーっ!!」

キースの号令で扉が上がり始めた。

 

「今日また一歩我々は前進する!!訓練の成果を見せてくれ!!人類の力を思いしらせてやるのだ!!」

 

『『『オオオオオオオオオ!!!』』』

キースの激に兵士達は大声で答えた。

そして扉が完全に上がった。

 

「第23回壁外調査壁外調査を開始する!前進せよ!!」

一斉に調査兵団は壁外に駆け出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

壁を出て直ぐ左手前方森林の中から15m級の巨人が現れた。

 

「近いな・・・やり過ごすのは無理か・・・やむを得ん!!応戦する!!前衛は俺と来い!!本隊はそのまま目的地である補給所へ前進せよ!!」

キース達前衛が森に入ったタイミングで隠れていた15m級2体が現れ隊に向かった。

 

「俺達が引き付ける!!後衛は速度を上げて振り切れ!!」

中衛の一部隊が巨人を引き付けようとするが、その巨人は近くにいる人間を捕食する通常種ではなく、遠くの人間を狙う奇行種であった為隊に向かった。

 

3人が立体機動に移り頸を狙うが1人が巨人の左腕に捕まり、そのまま捕食された。残りの2人が動きが止まった巨人の項を狙うが突如腕振りをして、ワイヤーをさしていた2人は振り回され顔の前に来たところを捕食された。

 

フラゴンが班員のサイラムと仕掛けようとすると、リヴァイがイザベルとファーランを連れ腕振りの巨人に向かった。

 

「待てっお前達!!」

「あれはあの3人に任せればいいと思う」

止めようとしたフラゴンをギルが止めた。

 

「ギル!これは実戦なんだぞ!!」

「だからだ。実戦だからこそ、相手の力量が分かる。もう1体は任せろ」

そう言いギルは月歩でもう1体の巨人に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

リヴァイ達が向かった方では、リヴァイが巨人の背中に張り付き、巨人が止まり腕振りが終わると同時にイザベルとファーランが巨人の膝を斬り、体制が崩れた所をリヴァイが項を削ぎ落した。

 

「やっぱスゲェぜ兄貴!!」

「馬鹿イザベルまだもう1体いるんだぞ!!」

リヴァイを称賛するイザベルだったが、ファーランがもう1体いると言い、その方向を見ると・・・

 

「やっぱまだ立体機動装置には慣れんな・・・まあガスの節約だと思えばいいか」

ギルが立体機動装置を使わず空を飛んでいた事にファーランとリヴァイは驚いた。

 

「あーそう言えば空の飛び方聞き忘れたな」

「イザベルアイツを知ってるのか!?」

「俺を捕まえた奴だよ。気がつかなかったのかファーラン?」

「分かる訳ないだろ!?俺お前の方向くと喉切れそうだったからな」

(何者なんだアイツ?装置を使わず自由に飛べるのか?)

イザベルとファーランが言い争っている時リヴァイはギルの動きを見ていた。

 

「さて嵐脚!!」

ギルは嵐脚で頸をそぎ落とした。

それにはイザベルも驚きギルに対して3人共警戒し始めた。




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加入

調査兵団は昔の城跡についた。

 

「なぁ、こんなボロっちいところで休むのか?」

イザベルが言う。

 

「確かにこの壁は年季が入った心許ない壁だが・・・昔の城跡を上手く利用しているみたいだ。巨人が攻め込まれたらひとたまりもないだろうが、夜を明かすぶんには大丈夫だろ」

 

「そっか、巨人は夜は動かねぇんだったな」

「とは言っても壁外だ。何が起こるか分からん、油断はするなよ」

呑気に話していた2人をリヴァイが注意した。

 

 

 

中に入ったリヴァイ達はある事を話していた。

リヴァイ達はロヴォフからエルヴィンが持つ書類の入手とエルヴィンの殺害を依頼されていた。ファーランはエルヴィンの部屋を漁ったが書類は見つからず、持ち歩いていると予想した。そこでエルヴィンがキースと遠くに行った間に探すと提案し、ファーランとイザベルが探している間リヴァイは足止めを頼まれた。

結局書類は見つからず、肌身離さず持っていると判断し殺害を計画しようとした。

 

「ちょっといいかな。やぁ見ていたよ。決定的瞬間!」

ハンジが話しかけて来て3人共警戒した。

「決定的瞬間?何のことだ・・・?」

「何って・・・君が巨人を倒すところに決まってるじゃないか!!」

リヴァイは右手を荷物の下に隠していたナイフの柄を握り、何時でも刺せる状態をとっていたが、計画の事ではなくナイフから手を離した。

 

「ホント凄かった!!思わず滾ったよ!!」

「・・・ああ・・・」

「私はハンジ・ゾエ。君はリヴァイだよね?そっちの子がイザベルで、あとーとー」

「ファーランだ」

「そうそうファーラン!!よろしく!!」

ハンジはリヴァイとイザベルの名は覚えていたが、ファーランの事は覚えていなかった。本人から名前を聞き、ファーランの肩を叩きながらイザベルとファーランの間に座り込んだ。

ハンジはリヴァイに色々聞くが、バッサリ切り捨てられた。

 

「色々答えてやったんだ。俺の質問にも答えてもらうぞ」

「いいよー何が聞きたいの?巨人のこと?」

ハンジは後半にかけて鼻息を荒くして言った。

 

「違う。奴は何者だ?」

「奴?」

「俺達と同じ班の銀髪だ」

「ああギルの事か・・・ギルはね・・・」

「人の事を勝手に喋るんじゃねえ」

ハンジがギルの事を話そうとすると、後ろからギルが現れ、ハンジの口を塞いだ。

 

「俺の事を知りたいなら、生き延びる事だ」

そう言いギルはハンジを連れて行った。 

 

 

 

 

 

 

翌日日の出と共に調査兵団は城を出た。

 

「全隊、長距離索敵陣形に展開せよ!!」

エルヴィンの掛け声で全ての部隊が展開した。

展開して直ぐ右翼から赤の信煙弾が発射された。

信煙弾は4種類あり、赤が巨人を発見した際に使う煙弾。緑が進路方向を指し示す煙弾。黒が奇行種が出現した際に使う煙弾。黄色が作戦成功または失敗を知らせる際に発射される煙弾。

 

赤の信煙弾を確認したエルヴィンは左方向に向けて緑の信煙弾を発射し、他の部隊も同じ方向に緑の信煙弾を発射した。

順調に進んでいたが、雨雲が広がって来て一気に振り出してきた。

声も聞こえづらくなって、信煙弾も使い物にならなくなって、索敵機能は失われた。

 

 

 

リヴァイ達はエルヴィンの殺害と、エルヴィンが持つ書類を奪う事をロヴォフから依頼されており、好機と見たリヴァイ達が一人でエルヴィンのいる中央に向かった。

一方ギル達フラゴン班はリヴァイを除き合流した。

 

「止まれ!!」

「ギル?」

突然のギルの制止の声にサイラムは首を傾げた。

 

「巨人が5体前方から来るぞ!!」

その1分後5体の巨人が現れた。

 

「おいおい!マジかよ・・・」

「畜生やっぱ地下で大人しくしてればよかったか・・・

「平地に巨人が5体・・・」

「不味いぞ・・・」

ギル以外の4人は焦っていたが、ギルだけは冷静に馬からおり4人から離れた。

 

「おいギル!!」

「大丈夫だお前達は死なせない」

フラゴンにそう返し、4人の周りを10m程の氷で囲った。

 

「氷!?」

「アイツがやったのか!?」

ギルの能力を初めて見たイザベルとファーランは驚いた。

 

「さあ。殲滅タイムだ」

ギルは一番後ろの巨人の背後に剃刀で移動し生命帰還で髪をブレードに変え、髪のブレードと嵐脚で2体の巨人の頸を削ぎ落し、その勢いのまま1体の項を武装色を纏ったブレードで削ぎ落し残りの2体は、フラゴン達を囲った時に同時に足を凍らせており、飛ぶ斬撃で頸を削いだ。

5体とも完全に消滅を確認し、氷の壁を消した。

 

「終わったぞ」

「おいおい、なんだこの状況は・・・」

全てが終わったタイミングでリヴァイが合流した。更にはエルヴィンとミケも合流した。

エルヴィンは懐から書類を取り出しリヴァイに渡した。渡されたリヴァイは封を破り中を取り出したが白紙だった。

 

「テメェこれはどういうことだ?」

「ブラフだ。ロヴォフを追い詰める決定的な証拠を集める為お前達を利用した」

「・・・知っていて、何故俺達を兵団に入れた?」

「一つはお前達が優れた戦力だからだ。もう一つは取引相手のお前達を利用して、ロヴォフに揺さぶりをかけるため・・・だがもう本物の書類は今頃ザックレー総統の手元にある。ロヴォフはもう終わりだ」

「俺達はどうなる?」

「どうもこうもない。お前達はもう調査兵団の一員だ。調査兵団で戦えリヴァイ!!お前の能力は人類にとって必要だ!!」

エルヴィンの言葉を聞きリヴァイは体に衝撃が走り、頷いた。

 

 

 

 

この日予想外の雨により犠牲者が出たが、いつもよりかは生存者が多く、長距離索敵陣形の優位性が証明された。

 

「おい」

調査兵団本部に戻ったギルにリヴァイ達は声をかけた。

 

「教えてもらうぞお前の事」

「ああ。話そう俺の事を」

ギルはキース達にした話をリヴァイ達にも話した。

 

「マジかよ氷結人間・・・物理無効とか無敵じゃねーか・・・」

「スゲー俺も能力者になれるのか!?」

「聞いてなかったのか?能力者になる為にはコイツの世界に行かないと駄目だろ?お前はその力で何を成す?」

「俺は自分の正義を信じ戦う事だ」

「自分の正義?」

「『守る正義』だ。俺は全てを救う事は出来ない。なら手の届く範囲は救うと誓ったんだ」

言い切ったギルにリヴァイは正面から目を見た。

 

「・・・本気のようだな・・・。これからは頼りにしてる。それとあの時こいつ等を助けてくれて・・・ありがとうな」

そう言いリヴァイはイザベルとファーランを連れて行った。




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ウォール・マリア陥落

ギル達が加入して1年が経過した。ギルとキースの間で交わした覇気及び六式の指導は教えるのがギルだけの為分隊長クラス+リヴァイのみで行った。見聞色を鍛える為に目隠しをし、ギルが木刀で叩くというギル自身が受けた事をそのまま行った。見聞色の覇気を最初に使える事になったのはミケだった。ミケは嗅覚が優れていた為鼻に栓をして嗅覚を封じ、気配だけで感じるようにした。元々見聞色に適性があった為か半年程で粗削りだが使えるようになった。今では嗅覚と混ぜて使っている。

ミケの次に使えるようになったのはやはりリヴァイだった。しかも、武装色の覇気までもが使えるようになっていた。硬化まではまだ至っていないが近く至るとギルは予想していた。

六式の内月歩、剃、嵐脚は半年前からリヴァイ、ミケ、エルヴィン、フラゴンにコツを教え4人は日々習得に向け特訓していた。分隊長である3人に部隊員の兵士達がやり方を聞き六式や覇気の訓練も一般兵士達もするようになってきた。ギルは分隊長達に教え、分隊長は部隊員に教える事で指導できる人数を増やしっていった。だがそれでも完璧に使えるのはギルのみで全体的にはまだ教える側が少なかった。

 

 

 

 

 

現在調査兵団は壁外調査中である。エルヴィンの長距離索敵陣形に左右にギルから実戦での見聞色の覇気の使用を認められたミケとリヴァイが配置され索敵能力が上昇した。

 

「おかしい・・・」

「何がおかしいんだ?」

ギルの呟きに反応したのはキースだった。

ギルは見聞色の広さから先頭に配置されキース達と行動する事が多いのだ。

 

「巨人が少なすぎる。何時もなら数体気配がするが全くない・・・」

「偶然ではないか?」

「そうかな・・・ッ!?」

突然ギルの頭に壁を超える超巨大な巨人と、大量の巨人が見えた。

 

「キース!撤退だウォール・マリアが危ない!!」

「!!分かった!」

ギルの切羽詰まった声にキースは緑の煙弾を北上に向けた。

 

「先に行く!」

「ギルよ壁の中で能力を使うなら顔を隠せよ!」

「分かってる!!」

この世界では能力者はギルのみである為、壁の中で能力を使えばギルは警戒されると思い能力の使用は壁外だけで、もし壁内で使う事になった場合顔を隠す事をキース及び分隊長達総意で決まっていた。

ギルは月歩で空中に上がり剃刀で一気に壁を目指した。

 

 

 

 

 

 

 

 

ギルがウォール・マリアに着いた時には既壁内は地獄絵図になっていた。壁に穴を空けられそこから無数の巨人が入り込んでいた。

 

「遅かったか・・・」

 

(どうしていつも母さんの言う事聞かないの!最期くらい言う事聞いてよ!!)

見聞色で女性の切羽詰まった声が聞こえギルは空けられた壁に氷で塞ぎ声がした方に向かった。

 

 

 

 

ギルが声のした方に向かっていると、巨人が女性を握り今にも捕食しそうだった。

 

「嵐脚」

嵐脚で握っていた右腕を切断しその女性を抱え巨人から距離を取った。

 

「母さん!!」

すると黒髪の少年が走って来た。

 

「「エレン!!」」

その後ろには黒髪の少女と駐屯兵団の男性が走って来た。

ギルは女性を地面に下ろした。

 

「この人を連れ早く避難しろ」

「アンタ誰だ?」

ギルが巨人に向かおうと振り返ると、駐屯兵の男性がギルに何者か聞いた。

この時ギルは上着とマントを脱いでおり、顔はフードで見えない様に隠していた。

 

「只の通りすがりだ。早く行けここから先は巨人共を通さない。それと今から起こる事は誰にも言うなよ?」

 

「それはどう言う・・・」

氷壁(アイスウオール)

駐屯性の男性が言い終わる前にギルと彼等の間に高さ10メートルの氷の壁がシガンシナ区の半分程そびえ立った。

 

「氷!?なんで急に氷が・・・」

「まさかアイツの仕業か?いや今は避難が先だ。カルラは俺が背負う逃げるぞお前ら」

4人共急な氷の出現に驚いたが避難する事が先と判断し先を急いだ。

 

 

 

 

 

 

「行ったようだな・・・」

ギルは見聞色の覇気で4人共離れたのを確認して、巨人が多い東の方向に向かった。因みに女性・カルラを捕食しようとした巨人はギルが能力を発動させた時に完全に凍らせた。

 

 

「数が多い・・・」

ギルはあの後数時間に及び巨人達を駆逐していた。しかし巨人の数が多い。否多すぎるのだ。

 

「まるで多く集めてから壁に穴を空けたようだ・・・今までとは違う。いや例外が一つあったな・・・」

ギルはイルゼから巨人と意志を通わせた事を聞いていた。最初にギルが凍らせた個体が意味の言葉を発した事はハンジの話を聞いた後では例外だと思った。

 

「壁ではなく開閉扉を蹴破る時点で知性があるのは確定だが・・・何故今なんだ?100年も前から巨人がいるなら100年前に出てもおかしくはない。それとも突然変異か?」

「ギル!!」

ギルが思考しているとハンジがギルの近くに着地した。

 

「ギル撤退だって。ウォール・マリアが落とされた」

「なんだと!!?どういう事だ!!」

ハンジの言葉に衝撃を受け詰め寄った。

 

「お、落ち着いてよ」

「・・・悪い」

ギルは冷静になり、ハンジから離れた。

 

「詳しい事は落ち着いてから話すよ。今は・・・」

「わかってる」

2人はウォール・ローゼに撤退した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日、人類は思い出した。ヤツらに支配されていた恐怖を・・・

鳥籠の中に囚われていた屈辱を・・・



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リヴァイ班結成

ウォール・マリアが陥落して一ヶ月、ギルとリヴァイは団長室に呼び出された。

 

「俺達を呼んだのは何の用だエルヴィン」

そうウォール・マリアが陥落した日キースはエルヴィンに団長の座を譲り、今はトロスト区で訓練兵団の教官を務めているのだ。

そしてエルヴィンはウォール・マリアが陥落してからバタついていたが落ち着いた為ギルとリヴァイを呼び出したのだ。

 

「今日お前達を呼んだのは、班の事だ」

「フラゴンの班から異動か?」

エルヴィンに班の事を言われギルは異動か聞いた。

 

「異動ではなく独立だ。リヴァイを班長とする。同時に兵士長の地位にもつける。ギルもリヴァイの班に入ってもらうが将来的には一つの班を任せたいと思っている。今は覇気と六式の指導を頼みたい」

「了解した」

「班員はリヴァイ、俺にイザベルとファーランだけか?」

エルヴィンの話を聞きリヴァイは承認してギルは班員を聞いた。

 

「あと4人ほど入れる予定だ。この人員は2人がスカウトしてもらう」

「成程な・・・俺は良いと思う。リヴァイは?」

「俺も異論はない」

「期間は問わないじっくり決めるといい」

あと4人のスカウトはギルとリヴァイで決める事になり2人共承認した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから1年。あれからギルとリヴァイで2人をスカウトした。

まず一人目エルド・ジン。髪を後頭部で結び顎鬚を生やしている男性。

二人目がグンタ・シュルツ。栗の様なとんがり坊主頭が特徴の男性。

以上二名が新たにリヴァイ班に入った。

 

「ギル今回は何処に配置だ?」

「今回は若手の所に班長として配属だとエルヴィンが言っていた」

「若手か・・・大丈夫なのか?」

「俺は能力だけが頼りじゃねえよ。使えなくとも守ってやるさ」

ギルに話しかけたのはエルドで今回ギルが何処に配置されるか聞いてきた。ギルは若手の所と答えるとダンクが大丈夫か聞いてきた。

 

実はウォール・マリアが陥落した後ギルはエルヴィンにリヴァイ、イルゼに分隊長を呼んである事を話した。その内容は巨人の中身は人間じゃないかと言うもの。当然突拍子もない事だが、穴を空けた超大型巨人に中門を破った鎧の巨人は明らかに知性がある事を指摘、さらにはイルゼにギルと最初に会った時に遭遇した巨人の事も再度話し、敵がウォール・ローゼに侵入していると言った。

これに対しフラゴンが否定するが、巨人の事を全て理解していないのに一概に否定してはキリがないと言い、更にギルは壁が破られる前の兵士と、信用出来る者以外がいる時は悪魔の実の能力を使わないと言った。この事にハンジは反対だと言ったがエルヴィンが認めたため諦めた。

そう言う事でダンクが心配したのはギルが能力を使えない事だったのだ。それに対してギルは能力だけではないと言い、若手も能力が使えなくっても守ると言った。

 

 

 

 

 

 

 

「今回諸君達の班長を任されたギル・バビルだ」

ギルがそう言うとギルの前に並んでいる4人の兵士達が心臓を捧げるポーズをとって、一人一人自己紹介を始めた。

 

「オウ・ジェ二です!」

「ペトラ・ラルです!」

「ニイ・フィターです!」

「ヴァイ・ユシです!」

最初に自己紹介したのが身長が174cmの銀髪の男性。

2人目が身長158cmのオレンジに近い明るい茶髪の女性。

3人目が身長164cmの黒髪の女性。

そして最後が身長が181cmの金髪の男性だ。

 

「今回俺達が配置されるのは左翼三列だ。初陣を生き残った諸君なら生き残れると俺は思っている。今日は今回の壁外調査の目的を話す。楽にしてくれ」

「「「「はっ」」」」

ギルが楽にしろと言うと4人は腕を下ろし体の後ろで両手を重ねた。

 

「今回の目的はウォール・マリアへの中継補給所を複数設置する事だ。設置は我々が行いその間はリヴァイ、ミケ、ハンジ、フラゴン班が索敵する予定だ。だが決して戦闘がないと思うなよ?臨機応変に対応する事を心がけろ」

「「「「はっ」」」」

ギルの言葉に4人は返事した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日

 

「開門始めーっ!!」

エルヴィンの号令でトロスト区から壁外への扉が上がり始めた。

 

「今日また一歩我々は前進する!!訓練の成果を見せてくれ!!人類の力を思いしらせてやるのだ!!」

『『『オオオオオオオオオ!!!』』』

エルヴィンの激に兵士達は大声で答えた。

 

ギルの班はギルは落ち着いているが若手の4人は緊張で手綱を握りしめている。ギルは声をかけようとしたがその前に扉が完全に上がった。

 

「第28回壁外調査壁外調査を開始する!前進せよ!!」

一斉に調査兵団は壁外に駆け出した。

ギルは索敵陣形を展開してから声をかけようと思った。

 

 

 

「長距離索敵陣形!!展開!!」

エルヴィンの合図で長距離索敵陣形を展開した。

 

「今の所付近には巨人はいないから、少しは気を抜け」

「あの班長何故付近に巨人がいないと分かるのですか?」

ギルが見聞色の覇気で4人に言うとペトラが何故か聞いてきた。

 

「そっか新兵~若手は覇気の事知らなかったな」

「覇気?」

「ああ覇気とは・・・」

ギルは何度も話した覇気と六式の事を簡潔に話した。

 

「・・・って事で見聞色の覇気を使えば、巨人の接近に気付ける訳だ」

「「「「成程~」」」」

「じゃここ最近殉職率が低いのは・・・」

「見聞色を使う様になったからだ。まあエルヴィンの長距離索敵陣形も関係してくるがな」

ギルが説明すると4人は納得し、オウがここ最近の調査兵団の殉職率の低さの事を言うとギルは覇気と長距離索敵陣形の成果と言った。

 

 

 

数時間後廃村に到着した。ここに来るまで2度奇行種と戦闘になったがどちらもリヴァイとミケが先に気付き迎え撃つ事が出来たため死傷者は出なかった。

 

「一休みしたら出発だ。それまで休んでいろ」

「「「「はっ」」」」

「あ、ギル君」

ギルが4人に休む様言うとイルゼがギルに話しかけて来た。

 

「イルゼか。そう言えば班近かったな。どうだ班長は?」

そうイルゼは班長になっていた。

 

「初めての事だらけで大変よ」

「まあ最初はそうだろ。俺もそうだったし」

「ギル君でもそんな事あったのね?」

「俺も人間だからな」

「あのギル班長~」

ギルがイルゼと話しているとニイが話しかけて来た。

 

「ん?どうした?」

「ギル班長ってお幾つなんですか?」

ニイはギルの年齢が気になったのか聞いてきた。他の3人も興味あるのか聞き耳を立てている。

 

「俺は16歳だ」

「「「「1、16歳ぃいいいい!?」」」」

ギルの年齢を聞き4人は驚愕した。

 

「「年下!!?」」

「「同じ歳!!?」」

上がオウとヴァイで下がペトラとニイだ。

 

「毎回毎回皆同じ反応するな・・・」

「仕方ないよ」

ギルは毎度の事で落ち込み、そんなギルをイルゼは慰めた。

 

「ッ!?南東から巨人複数接近!戦闘態勢に移行せよ!!イルゼは伝令を!!」

「「「「了解!!」」」」

「分かったわ」

ギルが見聞色で巨人の接近に気付き、大声で言うと全員が動き始めた。

 

「ここも拠点の一つだ。森で迎え撃つ」

「「「「はっ。了解です!!」」」」

ギル班が馬に乗り森に向かった。

 

 

スピード特化の巨人が3体それどれ5mが2体、7m、。その後ろには15mが3体いた。

 

「後ろの15mと7mは俺がヤル。残りの2体を森に足止めしろ」

「「「「了解!!」」」」

ギルは剃刀を使い7mをすれ違いざまうなじを切り落とし、後ろの15mに向かった。

 

「5mが2体か・・・どうする?」

「速攻で1体を片付けて、もう1体も片付ける?」

「班長は足止めでいいって言ったけど、片付けるなとも言ってない」

「なら私が膝を斬るから体勢が崩れたらうなじを狙って」

上からオウ、ニイ、ヴァイ、ペトラが言い。行動に移した。

まず1体の膝をペトラとペトラに合わしたオウが膝を斬り、大勢が崩れた所をヴァイがうなじを切り落とした。

 

「やった!」

「ニイ気を抜くな!もう1体が来るぞ!!」

1体を倒した事にニイは気を緩めたが、オウが指摘した事で集中し直した。

4人はもう1体の周りを飛びうなじを切り落とすチャンスを窺った。最初に動いたのはニイで先の要領で膝を狙ったが、突然巨人が腕を伸ばした事に対応出来ず捕まってしまった。

 

「キャアア!!」

「くっ!」

すかさずヴァイが腕を斬りニイを助けた。そのヴァイを捕まえようと逆の腕が伸びてきたが今度はオウがその腕を斬った。ペトラはニイが捕まった時ヴァイが動いたのを見て巨人の足に狙いをつけた。ヴァイが腕を斬った時には左足を、オウが斬った後に右足を斬り巨人は倒れた。

 

「今よ!!」

ペトラが言うと巨人の腕から解放されたニイがうなじを切り落とした。

 

「はあはあはあはあ・・・」

ニイは木の上で息を整えようとしていた。そこに3人が合流した。

 

「危なかったな・・・」

「ああ、間に合ってよかったぜ」

「大丈夫?」

「はあ。助けて頂き、ありがとうございました」

ニイは助けて貰った事に礼を言った。

 

「良い連携だったな」

そう言いながらギルが合流した。4人が最初の巨人と戦闘に入る前にギルは既に後ろの15m3体を片付けた後で、残りの5m2体を片付けようと思ったが4人共やる気だった為見守る事にした。ニイが捕まった時は助けようとしたが、ヴァイが助けに入る事、オウがフォローに入る事を見えたのでそのままにした。

 

「班長!?」

「見てたんですか!?」

「助けてくれてもよかったんじゃ・・・」

「そうですよ・・・」

ギルは女性2人から非難されたが、見た事思った事をそのまま言った。

 

「付近に巨人の気配はない。が、もう移動するみたいだ」

ギルの見ている方に視線を向けると緑の煙弾が上がっていた。

 

「移動するぞ」

「「「「了解!!」」」」

ギル達は馬に乗り左翼に合流した。

 

 

 

 

 

 

その後巨人とは遭遇するもギルの班は4人の連携が上手く行き殉職者は出なかった。そして無事にトロスト区に帰還した。

 

「ペトラちょっといいか?」

ギルはペトラの所に向かい話しかけた。

 

「あ。ギル班長私になにか?」

ペトラはギルが何故自分の所に来たのか疑問に思った。

 

「お前、リヴァイ班に所属する気はないか?」

「わ、私がリヴァイ兵長の班に!?何故私なんですか?討伐数ならヴァンが一番の筈ですが・・・」

「理由はお前が一番周りを見ていたからだ。それに討伐数だけじゃない。的確な補佐があったからだ。確かに討伐数は重要だが、討伐する為には腕や足を切り落とす事も大切だからな。今回俺の班が討ち漏らしがなかったのはお前の働きがあったからだ。その力をリヴァイの所で役立ててくれないか?」

ギルがペトラにリヴァイ班に所属しないか聞くと、ペトラは何故自分なのか疑問に思ったが、その理由をギルは言った。

 

「そこまで評価していただけるとは・・・分かりました。その話受けさせていただきます!」

「ありがとう。じゃ、早速で悪いが顔合わせに行くぞ」

「はい!!」

ペトラはリヴァイ班に入る事を決め、顔合わせの為にリヴァイ達がいる所に移動した。

 

 

 

「ってなんでアンタが居るのよオルオ!!」

「そう言うお前こそなんでいるんだペトラ!!」

リヴァイ達がいる所に行くとペトラは薄い茶髪で髪色と似た色の瞳をしている老け顔の男性を見かけると声をあげた。老け顔男性オルオ・ボザドもペトラがいる事に声をあげた。

 

「俺はリヴァイ兵長にスカウトされたんだ!お前は何で此処のいる!?」

「アンタがリヴァイ兵長にスカウトされたなんて信じられない!?私はギル班長にスカウトされたのよ!!」

2人は言い争いを始めリヴァイを除く全員が苦笑した。

 

「おいお前ら・・・煩い静かにしろ」

リヴァイの声で2人は言い争いを辞めリヴァイに向き直った。

 

「ここにいる全員ああ、ギル以外が特別作戦班の班員だ。この班の人員は俺とギルが任せてた。つまりどちらもこの班所属って事だわかったな?」

「「はい!わかりました!!」」

リヴァイに睨まれながら言われ2人は返事をした。

 

「所でリヴァイ、ギルは俺達の班員じゃないのか?」

「そうだよリヴァイの兄貴。ギルは違うの?」

「俺は覇気とかを教えないと駄目だから籍はリヴァイ班だがフリーだ」

『『『へ~え~』』』

ファーランとイザベルが言うとギルが答え、その答えに全員が納得した。

 

「ギルを含め此処にいる全員が同じ班だ。まあよろしく頼む」

『『『はい/おう!!』』』

リヴァイの言葉に全員返事した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

調査兵団特別作戦班(通称「リヴァイ班」)

 

班長  リヴァイ

班員  ファーラン・チャーチ

    イザベル・マグノリア

    エルド・ジン

    グンタ・シュルツ

    ペトラ・ラル

    オルオ・ボザド

特別員 ギル・バビル

 




進撃で一番好きな女性キャラはペトラさんです!!次がアニです!!


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入団式

リヴァイ班結成から1年が経過した。リヴァイの強さが広がり今では、『人類最強の兵士』と呼ばれるようになった。因みにギルはこの世界唯一の能力者な為あまり目立たない様にしていた。

リヴァイはギルの方が上だと分かっているが、ギルの考えを理解し、人類最強の兵士と言われても肯定も否定もしない。

そんなギルだがエルヴィンに呼ばれ団長室にいた。

 

「エルヴィン俺を呼んだ理由は?」

「今調査兵団の覇気及び六式の練度はどうだ?」

「そうだな・・・リヴァイとミケは両方とも使えるようになって、ハンジ以下分隊長もばらつきがあるが、実戦で使える者達も増えてきたな。一般兵も月歩や見聞色をメインに覚え始めてる。まあまだ実戦では使えないレベルだが」

「そうか」

ギルは呼ばれた理由を聞くと、現状の調査兵団の練度を聞かれ、答えた。

 

「今の現状を知りたかっただけか?」

「いや。実はキース前団長から手紙が来たんだ。ギルを南方訓練兵団に入団させてほしいと」

「教官とではなくてか?」

ギルは今の現状を知りたいだけだったのかと思い聞くと、否定され、キースから訓練兵団への入団の手紙が来たと聞かせれ、教官としてではなく訓練兵での入団に疑問に思った。

 

「そうだ。言ってわ悪いが、その見た目が若いから教官ではなく訓練兵として入団して欲しいとのことだ。それと覇気と六式も教えて欲しいと言っていた」

「訓練兵団は3年だろ?全ては流石に無理があるぞ?」

「分かっている。特に見聞色と剃、月歩を訓練兵時に覚えれば、残りは調査兵団に入った時に教えればいいと言う事だ」

「成程な。調査兵団の殉職者は減少傾向にあるから、人員確保の為に訓練兵の時から少しでも覚えておけば、後々らくって事か?」

「そうだ。頼めるだろうか?」

「分かった。引き受ける」

「ありがとう。調査兵団には分隊長への研修と言っておく」

「了解した」

これから忙しくなると心で思いながら団長室を出た。

 

団長室から出たギルはリヴァイやミケ、ハンジ達分隊長に事を説明してウォール・ローゼ南方面駐屯に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

入団式の前日にキースと再会して、キースの部屋に招かれた。

 

「ギルよよく来てくれた」

「今後の為だ。協力はするさ」

「頼もしい限りだ。エルヴィンから聞いていると思うが、見聞色の覇気と剃、月歩を基本として教えて欲しいんだ。少ないが科目として組み入れている」

「大丈夫なのか?今までのやり方を変えても?」

「なに。実戦で生き残れるなら、大丈夫だろ。ギルが入る第104期の卒業1年後での生存率の確率で継続するかを検討する」

「了解した。よろしく頼むキース団長。いや、キース教官」

最後に敬礼をして部屋を出た。

 

 

 

 

 

そして翌日・・・

 

 

「オイ、貴様」

「ハッ!」

「貴様は何者だ!?」

「シガンシナク区出身!アルミン・アルレルトです!!」

「そうか馬鹿みてぇな名前だな!!親がつけたのか!?」

「祖父がつけてくれました!」

「アルレルト!貴様は何しにここに来た!?」

「人類の勝利の役に立つ為です!!」

「それは素晴らしいな!!貴様には巨人のエサにでもなってもらおう。3列目後ろを向け!」

アルミンの頭を持ち、アルミン達3列目を後ろ向けと言うと、今度は4列目に進んだ。

「貴様は何者だ!!」

「ハッ!」

 

「やってるな・・・」

「お前も訓練兵の時は初っ端からあれだっただろ?」

「懐かしいです。でも・・・あの恫喝には何の意味が・・・?」

「通過儀礼だ。それまでの自分を否定して、真っさらな状態から兵士に適した人材を育てる為には必要な過程だ」

「?・・・何も言われてない子がいるようですが?」

「あぁ・・・既に通過儀礼を終えた者には必要ない。恐らく2年前の地獄を見てきた者達だ。面構えが違う」

他の教官が言う通り、ギル以外の数人は恫喝されていない。

 

「貴様は何者だ!」

「トロスト区出身!ジャン・キルシュタインです!」

「何のためにここに来た!?」

「・・・憲兵団に入って、内地で暮らす為です」

「そうか!貴様は内地に行きたいのか?」

「はい!」

「ふん!」

キースの頭突きがジャンの頭に炸裂した。あまりの威力にジャンは座り込んだ。

 

(あれ今もやってたんだな・・・あれ鉄塊で受けたら崩れかけたし、無防備で受けたなら余計痛いだろうな~)

と3年前のキースの頭突きを思い出しながら苦笑した。

 

「オイ!誰が座っても良いと言った!!こんな所でへこたれる者が憲兵団になどなれるものか!!」

そう言うとキースは次に行った。

 

「貴様は何だ!!」

「ウォール・ローゼ南区ジナエ町出身!マルコ・ポットです!」

「何しにここに来た!」

「憲兵団に入り!王に͡この身を捧げる為です!!」

「・・・そうか・・・それは結構な事だ。目指すといい。・・・だが。王はきっとお前の体なんぞ欲しくない次!!貴様だ!!貴様は何者だ

「ウォール・ローゼ南区ラガコ村出身!コニー・スプリンガーです!」

コニーは敬礼においての腕の位置を間違えていた。

 

 

「逆だ・・・コニー・スプリンガー」

キースはコニーの頭を持ち上げながら締め付けた。

 

「最初に教わった筈だ。この敬礼の意味は『公に心臓を捧げる』決意を示すものだと・・・貴様の心臓は右にあるのかコニー!・・・!!」

コニーの横では湯気の出た芋を頬張る少女がいた。

 

「オ・・・イ・・貴様何をやっている?」

泡を吹いたコニーを落としながら芋を食べる少女に問いかける。

 

「!?・・・?」

少女は自分の事だと思わず、更に芋を食べた。

 

「なっ!?貴様だ!貴様に言ってる!!貴様・・・何者なんだ!?」

キースが目の前で言ってきて少女は急いで口に入っている芋を飲み込み名乗った。芋を手に持ちながら・・・。

 

「ウォール・ローゼ南区ダウパー村出身!!サシャ・ブラウスです!」

 

「サシャ・ブラウス・・・貴様が右手に持っている物は何だ?」

「『蒸かした芋』です!調理場に丁度頃合いの物があったので!つい!」

その後キースとサシャの会話はかみ合わず、何を思ったのか小さく舌打ちをして、半分とは言えないような芋のかけらを「半分・・・どうぞ・・・」と言いながら渡した。そしてサシャはフーッとドヤ顔をした。

 

 

 

 

サシャは罰として飯抜きと、死ぬ寸前まで走れと言われ今しがた目の前で力尽きた。

 

「やっぱこうなったか。ほれ水だ」

ギルは倒れたサシャに水が入った水筒を渡した。

 

「あ、ありがとうございます!貴方は神様ですか!?」

「俺は普通の人間だ。それとそこに隠れてる奴、バレてるから出て来い」

ギルがそう言うと物陰から小柄な金髪碧眼の美少女が出て来た。

 

「お前もコイツの介護か?」

「う、うん。これだけしか無いけど取っておいたの・・・」

そう言い少女はサシャにパンを差し出した。

 

「あ、貴方も神様ですか!?」

サシャはそう言い早口でパンを食べ、満足したのかそのまま寝むった。

 

「たく。満足して寝たか。んで、お前もか?」

「え?」

ギルが後ろを向きながら言うと少女は疑問に思いギルが見ている方に顔を向けた。そこには黒髪の長身でそばかすと特徴的な鋭い目つきをしている少女が立っていた。

 

「私はこいつに貸しを作って恩に着せる為だ。ソイツみたいに自己満足の『いいこと』はしねえよ。おいお前女子寮の入口まで運べ、入口からは私が運ぶ」

「全く。悪い奴に目ぇつけられたな」

そう言いギルはサシャを担いだ。

 

「そう言えば名乗ってなかったな?俺はギル。ギル・バビルだ」

「私はクリスタ・レンズ。よろしくね」

「私はユミルだ」

「(ん?ユミル?確かイルゼが遭遇した巨人は『ユミルの民』『ユミル様』『よくぞ』と言っていたって言ってたな。少し警戒しておくか・・・)よろしくな。話してる間に着いたな。ユミルあと頼んだ」

「任せろ」

ギルはユミルを要注意人物認定して、それを悟られないようにしてサシャを渡して、自分の部屋に戻った。



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実演

「まずは貴様らの適正を見る!両側の腰にロープを繋いでぶら下がるだけだ!!全身のベルトで体のバランスを取れ!これが出来ない奴は囮にも使えん!開拓地に移ってもらう」

翌日キースが全員の前で言った。

名前が呼ばれた順にぶら下がって行く。

 

(ほ~うあの黒髪の女全くのブレが無いな、それに昨日怒られていたサシャにコニー、ジャンだったか?中々出来る者が多いな)

ギルは呼ばれるまで他の者達を見てそう思った。

 

「何をやっているエレン・イェーガー!!上体を起こせ!!」

キース怒鳴り声がし、其方を向くと体を上下反転させて宙吊りになっている黒髪の男の姿があった。本人も茫然としている。

 

(ん?よく見れば2年前の少年か?それに全くブレ無かった女も2年前一緒にいたな)

ギルはよくよく見てみると2年前に助けた女性の子供だと思い出した。

結局エレンは合格出来ず、明日の再試験に合格しないと開拓地行きになってしまう。

 

「次ギル・バビル」

「お!ようやくか」

ギルの順番になり、ギルは他の者達より高く上げられた。

 

「へーアイツもやるもんだな」

「うん。ミカサと同じで全くブレがない」

「でも、何故彼だけあんなに高く上げられてるのでしょうか?」

ギルをみて昨日知り合ったユミル、クリスタ、サシャが言った。サシャの疑問は全員が思った事だ。

すると教官の一人がギルのロープを切った。

これは闇討ちと言われる、故意に命綱を切りその対応を見るのだ。

訓練兵達は落ちると思ったがギルは空中に浮いている。

 

「う、浮いてる?」

誰かが言った。

 

「アイツ何者なんだ?」

「どうやって浮いてるんだ?」

ギルに対する疑問は広がっていく。そんな中ギルは静かに地面に降り立った。

 

「いきなり来るとは、少し驚いたぞ」

「心にない事を言うな。見聞色で分かっていた筈だ」

「まあな。それより説明しといた方がいいんじゃないか?」

「そうだな」

キースは訓練兵達の方に向き直った。

 

「今のは六式と言う武術の月歩だ。他にも技があるがこの月歩と剃と言う技、そして見聞色の覇気を諸君達に覚えてもらう。なお覚えれなかったと言って不合格にはならない。ただ調査兵団に入る者は覚えておけ。ここ最近の調査兵団の殉職率が低いのはこれらを使っているからだ。次は剃をしてもらう」

キースが言うとギルはその場で剃を使った。

 

「この剃は発動の瞬間に地面を10回以上蹴って移動する技だ。次にもう一度月歩をしてもらう」

次にギルはもう一度月歩をした。

 

「月歩は強靭な脚力によって空を蹴り宙に浮く移動技だ。これがあれば例えアンカーが抜けても対応出来る。最後に見聞色の覇気だ」

ギルは目隠しを付けた。そこに数人の教官がブレードを持ちギルを囲んだ。

 

「キースさん本当にいいんですか?木剣じゃなくて・・・」

「構わん。殺すつもりでやれ」

流石に人相手にブレードを振る事に教官達はたじろぐが、キースの殺すつもりでやれと言われ、冷や汗を流しながらギルに斬りかかった。

しかしギルには全く当たらずそれどころか・・・

 

「後ろから俺の首を右から狙っている。次は左から左足。左右同時に両腕狙い」

どこに攻撃が来るか言いながら避けていく。

 

「見聞色の覇気とは相手の気配をより強く感じたり、生物の発する心の声や感情を聞いたりする能力だ」

「因みに見聞色を極めれば数秒先の未来も見える」

キースの後に補足としてギルが言った。

 

「今日は此処までだ。片付けが終わり次第自由時間とする!」

訓練兵達は片付け終わると、夕食まで自由にしていた。

そんな中数人がギルに話しかけた。

 

「お前凄いな」

「本当に凄かったよ。目隠しして全て避けるんだから」

大柄な体格の男と長身の男が言った。

 

「ねえ。アンタ、キース教官が六式って言ったけど、他の4つはどんなの?」

クリスタと同じ金髪で目付きが鋭い女が残りの六式を聞いてきた。

 

「それにお前何者だ?六式も覇気も聞いた事ないぞ?」

「うん。始めって知った」

更にユミル、クリスタ、サシャ、コニー、ジャン、マルコが集まった。

 

「落ち着け落ち着け。ちゃんと説明するから。その前に自己紹介だユミルやクリスタには昨日名乗ったが他の者達はまだだったな。俺はギル・バビル。六式や覇気は家にあった文献に載っていた。それを修行して使えるようになったんだ」

 

「成程な。俺はライナー・ブラウンだ」

「僕はベルトルト・フーバー」

大柄な体格の男ライナーと長身の男ベルトルトが言った。

 

「私はアニ・レオンハート。で他の六式は?」

金髪で目付きが鋭い女アニが残りの六式に興味があるのか聞いてきた。

ギルは通過儀礼で3人の名前は聞いてなかったので、これで一応ここにいる者達の名前を確認できた。

 

「六式については、月歩と剃は説明済みだから省略するとして、まず一つ目は鉄塊。これは全身に力を込め、肉体そのものを鉄の甲殻に匹敵する程に硬化させる防御技だ」

 

「体を鉄の硬度に匹敵だと?本当なのか?」

ライナーの疑問は最もだとギルは分かっているので木剣をライナーに渡した。

 

「論より証拠だ。それで殴って見ろ」

「わかった」

ギルは鉄塊を発動させた。ライナーが木剣を振り下ろすがガッキーンっと明らかに人体から出る音ではなかった。

 

「・・・本当に鉄を殴ったみたいだ」

ライナーは殴って見て痺れる右手を見て言った。

 

「次に指銃だ。これは指の先に力を集約させ、弾丸のような速さで相手に撃ち込む攻撃技だ実際にやってみる」

そう言うと木に向かって指銃をした。すると木を貫いた。

 

「ゆ、指で木を貫いた・・・」

「あれが人体だったら・・・」

コニーとサシャは想像して顔を青くした。

 

「次に紙絵だ。これは敵の攻撃から生じる風圧に身を任せ、紙の如くひらりと相手の攻撃をかわす防御技だ。さっきの鉄塊が剛とするなら紙絵は柔の防御技だな。誰でもいい攻撃してみろ」

「じゃ私が」

そう言うとアニは独特の構えをし、そして足技主体の格闘術でギルを攻撃するが、攻撃の風圧で全て避ける。

 

「全く当たらない・・・」

「そう言うな弱点としては広範囲攻撃の時に読み間違ったら、当たるけどな。さてと最後は嵐脚。これは凄まじい速度で脚を振り抜き、蹴りと同時に飛ぶ斬撃を放つ攻撃技だ。こんな風にな」

そう言うと先程指銃をした木に嵐脚をすると木は真っ二つに切断された。

この事にコニーとサシャ以外も顔を青くした。

 

「以上が六式だが、コイツ等は基本ばかりでばかりで派生技は幾つかある。それはまた今度って事で次は覇気だ」

「覇気ってあの気迫とかの覇気なのか?」

「ああ、認識としてはそれであっている。ただ覇気にも種類がある」

「その1つが見聞色だろ残りは?」

ギルが覇気の事を言うとベルトルトが聞き肯定すると他にも種類が言うと、ジャンが残りを聞いてきた。

 

「まずは武装色の覇気だ。見えない鎧を身に纏う感覚だな。これは武器にも纏えるこんな風にな」

ギルは木剣に武装硬化し、真っ二つにした木の片方を更に真っ二つにした。

 

「これが武装色の覇気だ。そして最後の覇気だ。最後の覇気は覇王色の覇気だ」

「覇王色?」

「ああ。これは見聞色・武装色とは違い数百万人に一人しか使えない特殊な覇気だ。これは戦うまでもない程の圧倒的な力量差がある者を気絶させる事が出来る」

「そんな覇気があるのか・・・」

「なあギルは使えるのか?」

マルコがギルが使えるか聞いてきた。

 

「ああ、使えるぞこんな風にな」

そう言うとギルは男性陣を覇王色で気絶させた。

 

「一応弱めにしたから直ぐに起きると思うが・・・」

その数分後には全員が起きた。

 

「以上が六式及び覇気だ。どうだった?」

「何て言うか・・・凄いの一言だな」

ライナーの言葉に全員が同意した。

 

「これから科目として組みれるみたいだから、教えるがお前達がよかったら科目以外の時も教えてもいいぞ」

「それは有り難いな」

「そろそろ夕食の時間だ。今日は解散だな」

そう言うと一同は食堂に向かった。



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依頼

久々の投稿です。短いですがどうぞ。


訓練兵団に入団して1年が経った。

ギルは今キースに呼ばれ教官室にいた。

 

「さてギルお前を呼んだのは、エルヴィンからの依頼だ」

「エルヴィンからの?」

「ああ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時はキースに手紙を出す一週間前。

 

「次の壁外調査は平地が多いな・・・」

「建物と木が少々だけでは、立体機動装置は使えないからな」

「それに月歩や剃もまだ使えない方が多いし・・・」

次の壁外調査のミーティングをエルヴィンをはじめ各分隊長が集まって話していたが、目標の地点の中間地点はリヴァイが言ったように平地の為悩んでいた。ミケが立体機動が使えないと言うと、ハンジがまで月歩と剃が使える者は少ないと言う。

 

「だが使うにはギルの許可が必要だろ?今はまだ訓練兵団にいるし、後1年しないとな」

「そうか、その手があった」

フラゴンの言葉にエルヴィンは妙案が浮かんだと言わんばかりに言う。

 

「ギルを今度の壁外調査に連れて行く。名目としては調査兵団希望の優秀者から有志で集うとすれば大丈夫な筈だ」

「確かに一度ギルには覇気や六式の確認をしてもらわないとな」

「それにギルの能力なら平地でも対応できるだろう」

「しかし能力を使うのであれば、壁が破られる前の兵士で固めるしかない」

「そこは理解している。まずキース教官に手紙を出してギルの承認をもらおう」

エルヴィンがそう締め括りミーティングは終えた。

ミーティングを終えたエルヴィンは直ぐ手紙を出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして現在。

 

「成程そう言う事か」

「で?受けるのかギル?」

「受ける。確かに3年間訓練兵団にいると事は、その間の調査兵団の覇気と六式の確認は出来ないからな」

「ではこちらから返事を出しておく、ギルは準備を進めておけ」

「了解です」

敬礼をして教官室からでるギル。

 

 

 

 

 

 

「で、キース教官からの呼び出しって何だったんだ?」

訓練が終われば基本自由時間になっている。その自由にギルは有志で覇気や六式を教えていた。基本的にメンバーはエレン、ミカサ、アルミン、ジャン、マルコ、コニー、サシャ、クリスタ、ユミル、ライナー、ベルトルト、アニだ。

エレンが戻って来たギルに聞く。ギルは次の壁外調査に参加すると言うと、全員が驚き何人かは詰め寄ってきたが、ギルが落ち着かせた。

 

「さて、壁外調査のことは置いておいて、始めるぞ」

因みに今いるメンバーで見聞色、月歩、剃の習得・修得前はこうなっている。

 

見聞色修得

ミカサ、ユミル、コニー、サシャ

 

修得前

エレン、ジャン、ライナー、ベルトルト

 

月歩習得

エレン、ミカサ、アニ

 

修得前

クリスタ、ユミル、コニー

 

剃習得

アニ、サシャ、ジャン

 

修得前

ミカサ、エレン、マルコ

 

となっている。

 

「よし今日は月歩と剃の練習だ。修得組は俺の見れる範囲で自主練を。修得前、まだの奴は一人一人見ていくからな」

こうして特訓は続く。



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