比企谷君と…雪ノ下と… (ゼロ少佐)
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1話

「貴方みたいな人が社会にでて真面にやっていけると思っているのかしら」

 

「ッ!!」パチーン

 

「っ!?」

 

「あ……す、、すまん」

 

「」タタタッ

 

 

 

 

 

八幡「またこの夢か…」

 

比企谷八幡24歳東京都にある大手企業に就職し

彼女がいない以外は充実した生活を送っている

 

入社してまだ3年だが俺の職場での評価は高く

上司からも期待されている

大学を卒業し、千葉から出て早3年

あっという間だった

 

気怠い身体を起こし身支度を始める

今日は金曜日だサラリーマンや学生にとっては1番モチベーションが上がる日だ

基本どこの会社も土曜日は休みだからだ

 

家を出て会社に向かう

俺が住んでいるのは

会社に比較的近いマンションなので徒歩で

通勤している

 

後輩「あ!おはようございます比企谷さん!」

 

八幡「おう、おはよう」

 

会社に向かうため歩いていると

後輩がこちらに走ってきた

高校や大学生活のお陰で多少は

コミュ力が上昇したので

今は誰とでもある程度なら話せるようになった

 

後輩「この前はありがとうございました!

比企谷さんのお陰で何とかなりました」

 

この前仕事に詰まっていた後輩の仕事を

肩代わりするのではなく、

効率のいい進め方、書類整理などを教えただけだ

 

こういう所…奉仕部の精神が抜けていないんだな

魚を捕るのではなく、魚の捕り方を教える

という高校時代に入っていたとあるボランティア部の

取り決めだ

 

八幡「お前の仕事が終わらなかったら 俺がどやされるからな 別に俺の為にしただけだ」

 

後輩「そんな事いいながらこの前他の人のミスを肩代わりして怒られていたじゃ無いですか。そんな人が自分の為だなんて言うわけないじゃないですか」

 

八幡「別にあれはそんなんじゃねーよ」ポリポリ

 

頬を掻きながら照れくさそうにそう言った

そこから特に会話することも無く

会社に着いた

 

八幡「おはようございます」

 

周りからおはようございますって声が返ってくる

俺が働いている会社は事務ごとに部屋を分けられていて、俺が務めているところは20人程しか人が居ない

 

自分の席につき、仕事を始め 数時間が経った頃

 

会長「やぁ、皆元気に仕事しているかい?」

 

この会社の元社長…現会長がやってきた

 

上司「会長!今日はどのようなご要件で?」

 

上司がスタタタタと早歩きで会長の前まで早足で歩いた行った。やはり、こういう時にのそのそ動くのは失礼だからな

 

会社「んーちょっと話したい子が居てね 比企谷君少しいいかな?」

 

え?俺?なんで?

 

八幡「は、はい!」

 

会長に呼び出され少し歩き応接間に連れていかれた

この応接間は基本使われてなく誰かが入ってくるという心配もない

 

会長「仕事の調子はどうかね?」

 

八幡「まぁ、ボチボチですかね…」

 

会長はそうかそうかと笑顔で答える

 

会長「それでだな 急で申し訳ないのだが明日2人でご飯でも食べに行かないか?」

 

これは!もしかしたらチャンスなのか!

4年前就職活動に勤しんでいた所

たまたま会社の面接の日に 道端で倒れているおじいさんが居た 構っていたら面接には間に合わないが俺は放っておけなかった。

おじいさんに寄り添い無事を確認したら

タクシーを呼んだ

 

「すまんな…最近腰の調子が悪くてな」

 

八幡「いえ、大丈夫ですよ(はぁ、やらかしたな…面接もう始まってるよ)」

 

「君、もしかして〇〇コーポレーションに面接しに来る予定だった子かね?」

 

どうしてその事を?

 

「図星か…すまないね迷惑を掛けてしまって

だが、今から急いで向かってくれ そしたらきっと報われる筈だ」

 

おじいさんが何を言っているのか分からなかったが

必死に走って会社に着いた

 

八幡「すみません!遅れました」

 

ドアを開け頭を下げると

 

「やぁ、思ったより早く来たね」

 

聞いた事のある声が聞こえてきた

 

八幡「さ、さっきのおじいさん?」

 

「改めて自己紹介するよ私はここの会社の社長だ」

 

八幡「え?えぇえええ!?す、すみません!先程は気付かなくて、その」

 

「はっはっは、気にしないでくれ それより特例として遅刻してきた君の面接を始めよう」

 

そこで社長の御厚意により面接を受けさせてもらい

見事合格したのだ

 

そして今となってもたまに会っている

社長は今は会長として会社を支えている

 

八幡「はい、大丈夫ですよ」

 

会長「そうか、すまないが明日千葉駅に16時に来てくれないか?」

 

ん?千葉?

 

八幡「千葉駅ですか?」

 

会長「あぁ、こう見えても私は千葉生まれで千葉育ちなんだよ」

 

へぇーそうなのか知らなかった

 

八幡「そうなんですか、僕と一緒ですね」

 

会長「まぁ、年季が違うけどね」

 

会長は豪快に笑っていた

話していて飽きないいい人だ

社員を駒としてではなく

1つの人間として扱ってくれている

 

 

 

会長との話が終わり仕事に戻ると

まわりの奴らから質問攻めにあった

 

八幡「はぁ…明日飯でも食いに行こうって誘われただけですよ」

 

と答えると罵詈雑言が飛んできた

まぁ、だけですよは駄目だったな

 

 

仕事が終わった俺はすぐに家に帰宅した

そして今日は早めに就寝し明日に備える事にした



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2話

翌日15時半

俺は久しぶりに千葉駅にやってきた

今は1年に1度しか実家に帰ってきてないから

ちょうど半年ぶり位に千葉にやってきた

 

千葉には楽しかった思い出、辛かった思い出

大切にしたい思い出が詰まっている

だから俺は大好きな千葉を出た

 

醜いもので上書きをしたく無かったから

俺にとっての宝物にしたかったから

 

そんな事を考えながらマッ缶を開け

ゴクゴクと飲み始める

 

都内にも一応売ってあるが

千葉とは違って自販機などにはなく

わざわざスーパーに買いに行かなければならない

そこら辺を考えるとやはり千葉は最高だ

 

会長「やぁ、比企谷君早いね」

 

数分ほど経った頃会長が

きちんとした正装でやってきた

 

八幡「こんにちは会長、お早いですね」

 

会長「あぁ、こんにちは…

ちゃんとスーツを着てきたんだな

偉いじゃないか」

 

俺の服装を見てふむふむと頷き始めた

 

八幡「一応オフな所ですが、会長と平社員の俺では流石に立場が違いすぎるので」

 

会長「ははっ、君ならそう言うと思っていたよ」

 

そういう会長も今日は正装で来ている

ココで違和感を覚えることが出来れば後々あんな事にはならなかったのだろう…

だが、今の八幡に知る由は無かった

 

会長「あそこのホテルのレストランに予約している

少し早いがもう入ろうか」

 

そういい歩き始め、

俺は会長と他愛のない会話をしながら

高級そうなホテルに向かっていった

 

レストランに着くと

 

会長「東堂という名で予約しているものだが」

 

ウェイター「ご確認しますねーーはい東堂様で4名様のご予約ですね ご案内致します」

 

4名?どういう事だ?

他に2名誰か来るのか?

 

そんな事を疑問に思いながら個室に連れてこられた

レストランの中でも特に景色の綺麗な部屋だった

 

八幡「会長?どういう事ですか?」

 

会長にちょいちょいと隣にこいと指さされ

会長の隣の席に座った

 

会長「黙っててすまないと思っている

今日君をここに呼んだのはお見合いをしてもらう為だ」

 

は?俺がお見合いだと?

 

会長「君は仕事もできるし、会社での人望もあるが恋愛方面にはからっきしだったから心配でな、少々強引だがセッティングさせてもらったよ」

 

そんな事をほざいていた…いや仰っていたと言うべきか…だが俺は作れなかったんじゃない

望んで作らなかったんだ

何度か告白されたこともあるし

今では鈍感系は卒業している

 

八幡「どうして、言ってくれなかったんですか?」

 

会長「君逃げるでしょ?」

 

ビクッと肩が震えてしまった

会長は図星だなと笑っていた

 

八幡「相手はどんな方何ですか?」

 

会長「興味を持ってくれたかね 相手方の女性は物凄くべっぴんでな、写真は敢えて見せないが 本当によく出来た女性だよ」

 

八幡「顔がよくて、性格もよく出来たか…」

 

その時1人の女性の顔が浮かんでしまった

雪ノ下雪乃だ…

俺が憧れていた女性の名だ

 

八幡「雪ノ下…」

 

ボソッと呟いてしまった

 

会長「おや、どうしてその名を?」

 

え?何で会長が反応するんだ…

まさか!?

 

席をたち逃げようとしたが腕を掴まれた

 

八幡「離して下さい!雪ノ下だけは!雪ノ下だけはダメなんです!離せ!」

 

声を荒あげ会長の手を振りほどこうとした

だが中々離れず無理やり勢いをつけて動き

その反動で前に倒れてしまった

 

会長「比企谷君!どうしたのかね!」

 

八幡「はぁ、はぁ雪ノ下だけは雪ノ下だけは…」

 

「雪ノ下がどうかしたのかな?」

 

前を向くとそこには

白い肌に綺麗なボディラインに豊満な胸、そして整った顔をした雪ノ下陽乃の姿があった

 

陽乃「久しぶりだね、比企谷君」

 

八幡「………」

 

ままのん「会長さん、お久しぶりです」

 

陽乃さんと雪ノ下と陽乃さんのお母さん…面倒なのでままのんと命名しよう。その2人が個室にはいってきた。

 

会長「お久しぶりです雪ノ下婦人どの

今日はわざわざ御足労ありがとうございます」

 

会長がその場にたち頭を下げ

ご挨拶をした

 

陽乃「比企谷君、取り敢えず座ろっか」

 

その頃俺は陽乃さんに腕を持たれ席につかされた

 

八幡「……」

 

会長「えっと、比企谷君と陽乃ちゃんは知り合いなのかね?」

 

陽乃「はい、妹のk「友達の姉です」」

 

陽乃さんが何を言いかけたのかは分からなかったが

言葉を遮った。

 

ままのん「あら、雪乃とも陽乃とも知り合いだったのね」

 

八幡「はい…」

 

陽乃「お母さん雪乃ちゃんの高校の入学式の事覚えてる?」

 

ままのん「えぇと……確か1人の男子を事故に合わせたって」

 

陽乃「そう、それが比企谷君なの」

 

ままのん「そうだったのね…」

 

重苦しい雰囲気が辺りを包み込んだ

原因は俺だ

顔を俯かせ不機嫌な表情をさせて

黙っていたからだ

 

会長「比企谷君はどうして雪ノ下の名を聞いた時あんなに取り乱したんだ?」

 

会長が口を開いた

 

ままのん「確かに、何かあったのですか?」

 

八幡「……」

 

陽乃「ごめんね、比企谷君。皆に説明するよ」

 

彼女は俺に申し訳なさそうな顔をしていた

 

陽乃「実はね、比企谷君は雪乃ちゃんの元彼なの

そして雪乃ちゃんの唯一の犠牲者」

 

犠牲者という言葉に皆ピクっと身体が動いた

 

ままのん「犠牲者とは?どういう事なのかしら」

 

当然母親である彼女はその言葉に反応を示した

 

陽乃「えっとね…」

 

八幡「いいですよ陽乃さん俺が話します…」

 

そういい過去の事を語り始めた



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3話

過去話です


高校を卒業した日 俺は雪ノ下雪乃に呼び出された

 

雪乃「ついに、卒業ね…」

 

八幡「そうだな、今までありがとな 奉仕部に入ってからの2年間楽しかった」

 

雪ノ下や由比ヶ浜との二人の時間はものすごく居心地が良かった…

 

雪乃「そうね、私も楽しめたわ…それに色々な事があったわね…」

 

俺が入部してからの日々を2人で語り始めた

 

本当に充実した2年間だった

俺にとっての奉仕部は本物かは分からないままだったけど、宝物に等しいものであった

 

由比ヶ浜と雪ノ下と俺の3人で過ごした日々は

忘れる事は無いだろう

 

そう思えるほどに俺はこの関係が大好きだった

 

八幡「雪ノ下、俺と」

 

雪乃「ごめんなさい」

 

結局駄目だった、最後の最後まで俺と雪ノ下は友達になる事はなかった。

 

雪乃「ダメよ友達なんて薄っぺらい関係は

だから比企谷君…私と…私の恋人になってください」

 

唐突の告白だった

今まで何度も友達になろうと誘ってきたが1度も成功しなかった。そんな俺が、今ずっと憧れていたあの雪ノ下雪乃に告白された

 

驚きはしたが俺もずっと彼女の事が

雪ノ下雪乃の事が好きだった

 

八幡「あぁ、俺も雪ノ下の事が好きだ

だから、俺と付き合って下さい!」

 

雪乃「ふふっ、初恋は実らないと聞くけどあれは幻想だったのね、だって私…たった今初恋が叶ったのだから」

 

嬉しそうに彼女は微笑んだ

彼女の初めて見る表情はとても

綺麗で美しかった

 

八幡「そうだな…俺も何度も勘違いで人を好きになったが、心の底から好きになったのはお前が初めてだ」

 

こうして俺たちは恋人になった

 

そこからの生活は幸せそのものであった

 

俺は1人暮らしを始め

大学に通っていた

雪ノ下も1人暮らしだった為

土日はよくどちらかの家に泊まっていた

平日もデートに行ったり家でのんびりしたりしながら

幸せを満喫していた

 

その生活が約3年ほど続いた

俺は大学を卒業し雪ノ下と結婚するであろうと思っていた。多分雪ノ下も同じ気持ちだろう

 

だけど、とある日亀裂が走った

 

それは就職活動に勤しんでいた真っ最中だった

 

雪乃「八幡!これはどういう事なの!」

 

雪乃が持っていたのは会社の求人票やら

面接の練習本などであった

 

八幡「何って?就職活動ようの本だが」

 

雪乃「は?貴方が就職?何の嫌味かしら?

私があなた一人程度養えないとでも思っているのかしら?それなら今すぐにでもやめなさい不愉快だわ!」

 

俺にはコイツが何を言っているのか意味が分からなかった

 

八幡「確かにお前が働けば生活には困らないかもしれない、だけどな俺はお前一人に負担をかけたくないんだよ」

 

俺は雪乃にそう伝えた…だけど彼女には聞き入れては貰えなかった

 

雪乃「それなら貴方が家でイソイソと家事をしてくれていた方がよっぽど効率的よ」

 

雪乃「それに貴方みたいなクズな人が社会にでて真面にやっていけると思っているのかしら」

 

俺はその言葉を聞いた時 もうすでに身体が動いてしまっていた

 

八幡「ッ!!」パチーン

 

雪乃の頬を思いっきりビンタしてしまった

 

雪乃「いっ!?」

 

八幡「あ…す、すまん」

 

雪乃「っ」タタタッ

 

雪乃が走って部屋に行ってしまった

俺は止めることもできずにただただ茫然としていた

暫くして雪乃の部屋の前に立ちこう言った

 

八幡「別れよう…」

 

そう言い残しおれは雪乃の部屋を去って行った

 

 

 

 



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4話

それから先は酷かった

 

大学の前で俺を待ち伏せをして

俺にやり直そうと持ちかけてきたり

家やどこかに行くのにもストーカーの様に着いてきた

 

そして休日にスーパーに行こうがどこかに出掛けようが彼女は監視しているかのように何処にでも現れた

 

そこまではまだ良かった…だが

どんどんエスカレートしていき

しまいには

 

雪乃「私の何が駄目なの!こんなにも貴方のことを愛しているのに どうして避けるのよ!」

 

気がついた時には常に罵倒がついてまわった

そこから俺は怖くなって実家に逃げ帰った

そして卒業と同時に都内に逃げるように就職した

 

 

八幡「必要ないところら大分省略しましたが

これが全てです」

 

俺は涙を流していた

後悔しているのかもしれない

もしかしたら本当は雪乃と幸せに暮らせたのかもしれない未来に…

それに未練もタラタラで

 

今でも雪乃の事が忘れられない

だから俺は恋人を作らなかったんだ

 

ままのん「そ、そんな事が…」

 

ままのんがドン引きしていた

それはそうだよアンタの娘が

そんな人だとは思ってもみなかったかだろうしな

 

陽乃「比企谷君、雪乃ちゃんに変わって私が言うわ…本当にゴメンなさい」

 

八幡「いいですよ、もう…過ぎたことですし」

 

陽乃「比企谷君…」ギュッ

 

抱きしめられた豊満な胸に包まれて

物凄く落ち着いた

 

八幡「はる、のさん…おれ、俺!雪乃の、事が!」

 

本当に雪乃の事が大好きだった。

今でも忘れられない程に

あの幸せな時間が好きで好きでたまらなかった

 

陽乃「うんうん、忘れられないんだよね」

 

陽乃「代わりと言ったら悪いけど…私と付き合わないかな?容姿なら雪乃ちゃんとも似ているし」

 

八幡「で、でも」

 

陽乃「分かるでしょ、こんなにバクバク言ってるのよ

自己犠牲でも無く本心なの…わたしね比企谷君の事が7年も前から比企谷君の事が好きだったの」

 

八幡「陽乃さん…陽乃さん!」

 

陽乃さんを強く抱き締めて泣き叫んだ

雪乃と別れてから1度も涙を流すことがなかった俺が陽乃さんにしがみつき泣き続けた

 

そして暫くして心を落ち着かせた俺は

 

八幡「お、俺…陽乃さんと」

 

言いかけた瞬間1人の女性が個室に入ってきた

 

「ダメ!!!!」

 

大きな声を出し俺と陽乃さんの間に入り込んできた

 

八幡「ゆ、雪乃?」

 

雪乃「お久しぶりね、八幡」

 

あの頃と何も変わらない笑顔をこっちに向けてくる

その顔が凄く愛おしくて仕方がない

だけれど、俺は…

 

八幡「今更、何の用だ雪ノ下…」

 

雪乃「お願い、考え直して…八幡

私自分の行動に凄く後悔して反省したの

だから…無理に私は貴方に会いに行かなかった…傷つけたく無かったから、いつかあなたが向かいに来るのを信じて…」

 

八幡「だから、何だよ…もう俺とお前の関係は終わったじゃないか」

 

雪乃「もう、雪乃とは呼んでくれないのね…」

 

八幡「そんな、関係じゃ…ないだろ」

 

今にも崩れさりそうなほど弱々しい声で俺は雪ノ下を否定した

 

雪乃「そう、ね」

 

その後沈黙が訪れたが それを陽乃さんがすぐ壊した

 

陽乃「何で雪乃ちゃんが居るのかな?」

 

その声はとても冷たく そして妹に発しているとは思えないほど棘があった。

 

雪乃「そ、それは姉さんがお見合いするのは知っていたけれど、たまたまその相手の顔写真を見てしまって…気がついた時には」

 

陽乃「そう、雪乃ちゃん迷惑だから帰ってくれる?」

 

俺が高校時代に何度か見た事のある

外骨格ではなく素の状態で怒っている陽乃さんの姿がそこにあった

 

雪乃「いくら姉さんの頼みでもそれは出来ないわ…」

 

陽乃「ねぇ、雪乃ちゃん 貴方が比企谷君に何をしたのか覚えていないの?比企谷君は優しいから許してくれるかもしれはい、だけどそれは“本物”と呼べるのかな?」

 

本物…それは俺達がずっと追い求めていたものだ

そんな物は存在しないと分かっていながら

夢物語だと知っていながらずっと

追い求めていたものだ

 

だが、そんなものは幻想に過ぎなかった

本物と思っていたものは壊れ

崩れ去ってしまったのだから

 

雪乃「本物なんてもう関係ないわ 私は八幡とまたあの頃のように、一緒に幸せに暮らしたいだけなの」

 

陽乃さんの目が鋭くなった

 

陽乃「雪乃ちゃんは何も変わってないのね…

昔はそれが可愛かったんだけど

今ではもう軽蔑を通り越して呆れるわ」

 

雪乃「それは、どういう」

 

陽乃「分からないなんて言わせないわよ

高校時代に私は君たちの関係を共依存だと言ったわ

雪乃ちゃんは比企谷君に依存し

比企谷君は自分を求めてくれる2人に依存した

 

ガハマちゃんだってそうだった。

本物となんて幻想に縛られ、凍ったように停滞している貴方達が気に入らなかった。だから私は1度壊した。

 

そうして、貴方達はまたやり直したと思っていた

でも、雪乃ちゃんだけは変わらなかった

私から比企谷君に対象が変わっただけだった

 

それが原因で貴方達は破局した。

それなのに、まだ雪乃ちゃんはあの頃となんにも変わっていない。そんな子が比企谷君にまた言いよろうとしている、それが許せないの」

 

陽乃さんが言っている事は正しかった

俺ら3人は依存し合い

それを陽乃さんに伝えられ、壊され

また1からやり直した

依存ではなく 友達として

 

その後俺は雪乃と結ばれ、3年弱は幸せに暮らす事が出来たのだ

 

就職する時、彼女は俺の言い分を聞いてくれなかった

雪乃は俺の事を分かろうとせずに拒絶した

 

それがたまらなく悲しくて…辛かった

裏切られた気がした もう、そん感じた時には

全てが遅かった

 

雪乃「そんなの、姉さんの我儘じゃない」

 

陽乃「そうよ…私の我儘だよ…これ以上大好きな比企谷君の傷つく姿を見たくないの」

 

陽乃「比企谷君、君の事が好きなの私と付き合って下さい!

 

気がついた時にはいつも君の事ばかり考えていた

他の男性に告白されてもいつも君と比較していた

 

比企谷君なら、比企谷君だったら…って

それ程に比企谷君の事が好きだったの…

 

昔は雪乃ちゃんが居たから…手を出さなかったけど

でも、今は比企谷君は雪乃ちゃんのものじゃない

 

もう君以外愛せないの 好きになれないの…

だから責任…取ってよ」

 

陽乃さんからの唐突な告白だった

俺はどう反応すれば分からず黙り込んでしまった

 

頭の中で考えるが纏まらない

陽乃さんへの気持ち

雪乃への気持ち

自分自身の気持ちが分からなくなった

 

頭が混乱する 頭痛や吐き気が出てきた

いくら頭を回しても結果が帰ってこない

 

雪乃「八幡…いえ、比企谷君

私も比企谷君の事が大好きなの

姉さんに負けないくらい…ううんそれ以上に

 

私、こんな性格だから貴方にたくさん

迷惑掛けてきた。貴方に辛い思いを

させてしまった…貴方を追い詰めてしまった

貴方を裏切ってしまった…

 

それから凄く辛かったの…

貴方が居てくれるのが当たり前だと

思っていたから、貴方のいない生活が

耐え切れないほどに辛く…寂しかったわ

 

でもね、私の気持ちだけは何も変わらないの

貴方と過ごしたあの幸せな日々

あの頃と同じくらいに貴方の事が好きなの

 

だから、私ともう一度付き合って下さい!」

 

彼女は言い切った

体力がない彼女が必死に息を切らさずに

俺に告白してくれた

 

八幡「俺は…俺は…」

 

言葉を詰まらせながら

俺は…



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5話

最低だ…

俺は最低な男だ…

 

2人の女の子に告白され 俺はその場から逃げ出してしまった。自分の気持ちが分からなかった。どうしたらいいか分からなかった。でもそんなのはただの言い訳だ。

 

2人は俺に想いをぶつけてくれた

なのに、俺は答えを出すこともせずに

逃げ出してしまった

 

「おや、珍しいな君がこんな所に居るだなんて」

 

ホテルから少し離れた暗い道で1人佇んでいたら

懐かしい声が聞こえてきた

 

八幡「ひら、つか先生?」

 

そこには高校時代の恩師の平塚先生が居た

 

平塚「どうしたんだ?君は確か東京の方に就職したと聞いていたのだが」

 

多分小町辺りをから聞いたのだろう

大学3年の終わり頃に会って以降1度も連絡を取っていなかったのだから

 

平塚「らしくないな、今にも泣きだしそうな顔をして」

 

八幡「そうですね、本当に俺らしくない…」

 

下唇を噛みながら思ってもない事を口に出した

俺らしいとは一体何なのか?

それすらも分からない

 

平塚「近くに公園がある、少し話さないか?」

 

八幡「…はい」

 

平塚先生に連れていかれた公園は

少し小さめで、人気のない少し寂しい感じがした

 

平塚「私で良ければ話を聞こうか?」

 

八幡「……はい、お願いします」

 

俺は語り始めた

今日あった事

過去の事を包み隠さずに平塚先生にぶつけた

 

途中から俺は泣きながら

話していた

 

八幡「俺、俺は 自分がどうしたいのか分からないんです。雪乃が未だに忘れられない程に好き…だけれど同時に陽乃さんの傍に居てあげたいと思う自分が居る…相成れない2つの感情が俺の中で蠢いているんです」

 

多分どっちを選んでも俺は後悔してしまう

そんな気がしていた

だからって両方から逃げるのは

もっと後悔しそうだ

 

平塚「悩め、悩んでも悩んでも分からないかも知れないが、それでもめげずに足掻け、それでも残ったものが君の本心だ 」

 

以前にも似たような事を言われたな…

あの時は本物だったな…

 

八幡「その結果、誰かが不幸になるかもしれない…それなら俺は…」

 

平塚「馬鹿者ッ!」

 

ゴフッ

 

久しぶりに鉄拳制裁を食らった

 

平塚「比企谷、君は何も分かっちゃ居ない

今まで君が振ってきた女性の事を考えてもみろ

お前が例えば雪ノ下を想って振ったとしよう

その女性達はどうなる、君が好きな人が居ると言われ振られたのに、その好きな女性に告白されても断るだなんて、無責任すぎるだろう」

 

八幡「す、すみません」

 

平塚先生が言っていることは正しかった

俺は大学から社会人にかけて何人もの人から告白をされた事があった

 

平塚「いや、いいんだ 君は本当に立派になった

葉山とは違う方向にイケメンとなった

さぞかし君に惚れた女性は多かっただろう

 

だが、当の本人はそれを自覚していないで

自分を卑下にしている

そんな事をしていたら君はいつか刺されるぞ」

 

平塚「嫉妬とは醜いものだ、例えば自分の好きな子が自分以外の子に告白し、振られ その振った男は俺モテないからと言っていたらどう思う?」

 

八幡「ムカッと来ますね」

 

平塚「そうだ、君がやっているのはそういう事なんだ」

 

そうだったのか…俺はもう誇れる人間になっていたのか…

 

平塚「ふふっ、本当にイイ男になったな比企谷

もし数年早く今の君に出会っていれば心底惚れていただろう」

 

先生はニカッと笑いながらそんな事を言っていた

 

八幡「ははっ、俺も後10年早く生まれていれば

あなたに心底惚れていましたよ」

 

少し元気になった俺は久しぶりに軽口を叩いた

 

平塚「その時はお似合いのカップルだな」

 

八幡「そうですね」

 

互いに笑い合あった

 

平塚「もう、大丈夫だろう 行きたまえ」

 

八幡「はい!ありがとうございました

先生今度飲みにでも行きましょ」

 

平塚「あぁ、待ってるよ」

 

互いに別れ違う方向に歩き始めた

後ろを振り向くと比企谷も丁度こちらを振り向いた

 

八幡「遅くなってすみません!ご結婚おめでとうございます!!」

 

平塚「あぁありがとな!(本当に遅すぎだ…馬鹿者)」

 

平塚先生は俺が最後に会った時には彼氏がいた

多分その人と結婚したんだろう

幸せになれたのなら、良かった…

 

そう思いながら俺は来た道を戻っていった



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6話

比企谷君が飛び出していき

長い沈黙が訪れた

 

陽乃「雪乃ちゃん…比企谷君に何したの?

あの怯えよう尋常じゃ無かったよ?」

 

多分私が知っていること以外かにも何かありそうだと思った。でないと

私達が来る前、いや来ると同時頃に彼は

お見合い相手の家が雪ノ下と知り

怯えて居た。雪ノ下だけは…雪ノ下だけは駄目だと

 

雪乃「以前、彼が他の女の子に言い寄られて

いて、比企谷君が鼻の下を伸ばしていたのを

たまたま見た私が本気で比企谷君の事を怒って

そこから比企谷君は私を怒らせないようにしてた

位しか思い出せないわ…話の前後が分からないから

私には分からないわ」

 

多分これは違う、もっと本質的な何か

もしかしたら彼はまだ雪乃ちゃんに会う覚悟が

出来ていなかったのかも知れない

 

もしかしたら、もう雪ノ下と関わりを

持ちたくなかったのかも知れない

 

でもそれは本人に確かめないと分からない事だ

 

会長「ははは…今日はすまなかったね、私もこんな事になるだなんて思ってなかったから」

 

ままのん「そうですね、さすがの私も実の娘が好きな子に異様な程のストーキングをしていた事実には正直引いてしまいましたが」

 

雪乃「そ、それはその…えっと 比企谷君に

会いたくて、謝りたくてその」

 

陽乃「はいはい、そんな事はいいから

比企谷君をどうするか話しましょ

 

多分彼は今頃自分の事を追い詰めていると思うし」

 

彼は昔からそういう子だった

自分の事が大嫌いで自分を信じてあげることが

出来ない、真っ直ぐにねじ曲がった子なのだから

 

雪乃「比企谷君…もう私達に会ってくれないんじゃないかしら? 彼は逃げることだけに関しては一流だから」

 

比企谷君に会えないそう考えただけで

胸のところがキュッと締まった

胸が痛い 張り裂けそうな程に

 

 

 

八幡「誰が、逃げることに関しては一流だ…」

 

陽乃&雪乃「比企谷君!」

 

胸を痛ませ本当に思い悩んでいると

扉が開かれ彼が入ってきた

 

八幡「まぁ、何だ…さっきは逃げて悪かったな

唐突すぎて頭の処理が上手くできなかったんだ」

 

彼は少し照れくさそうな表情を浮かばせていた

 

八幡「それに、逃げたところですぐにでも追いかけてきそうですしね…実際されたし」

 

雪乃「!そ、それは…」

 

陽乃「あはは、流石に引くよ雪乃ちゃん…」

 

周りから哀れみの視線を向けられる雪ノ下

これはこれでありだな

 

陽乃「それで、戻ってきたって事は結論出したのかな?」

 

八幡「いいえ、出してませんよ」

 

「え?」

 

皆が口をポカンと開いて間抜けな顔をしていた

いや、確かにそんな反応されると思っていたけどさ

さすがに辛いよ

 

八幡「俺、やっぱり雪乃の事が忘れられないし

陽乃さんの事も愛おしく思ってしまった」

 

八幡「だから、今の俺は選ぶだなんて出来ない

だから、ゆっくり考える時間が欲しい」

 

雪乃「そうね、散々待たされたのだから 貴方が選択するの位律儀に待って上げるわ」

 

陽乃「そうだね…でも、その間にアプローチしまくるから覚悟してね?絶対振り向かせるんだから」

 

彼女たちはそういい決意を固めた



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7話

あの、感動的でも何でもない再開から数日が経った

日曜は折角千葉に戻ってきたから小町に会いに

行こうと思ったのだが雪乃と陽乃さんに連れ

回されて帰ることができなかった。

 

小町会いたかったよ…

 

その日はそれで良かったんだが…

 

陽乃「八幡おかえり!」

 

雪乃「おかえりなさい八幡」

 

どうしてこうなった…

 

月曜から仕事があり

仕事を終え家に帰ろうとすると

雪乃と陽乃さんが会社の目の前で俺の事を

待っていたのだ。

 

それを2日連続されて流石に悪いと思い

合鍵を渡してしまった

 

だがこれが駄目だった…

 

この2人無駄に優秀だから仕事をさっさと終わらせて

俺のところに来て家に泊まり

朝起きた時にはもう姿が無い

これが最近の日常だ

 

一昨日無理するのはやめろ

土日はこっちに来ていいし

なんなら千葉に行ってやるからと

言ったら

 

「無理なんてしてないわ…それに1週間も貴方に会えないなんて辛すぎるわ」

 

「私がやりたいだけだから八幡は気にしなくていいよ♪」

 

って言って聞いてくれなかった

 

八幡「…おう、ただいま」

 

陽乃「ご飯にする?お風呂にする?それとも私?」

 

定番の奴かここは適当に受け流すか

そう思い適当にメシとでも言おうとしたが

 

八幡「じゃあ…陽乃で」イケボ

 

おっと、間違えた 小町の時の癖が出てしまった

 

陽乃「え?いいの?///」

 

何かほんのり顔赤くなってるし

後ろにいる雪乃が怖い顔してるし

 

八幡「ちと、疲れたからマッサージお願いできる?」

 

そんなつもりは無かったが ここは適当に言い逃れよう

陽乃「あ、そ、そうだよね うん!いいよ!」

 

スーツを脱ぎ部屋着に着替え

ベッドの上に横になる

 

陽乃「じゃ、始めるよ〜」

 

雪乃「ぐっ、私体力無いから…割り込んだ所で…」

 

雪乃が何かブツブツ言ってるがまぁいっか

 

八幡「ぁっ、んん……はぁ、陽乃さん、気持ちいいです…あっ、そこ、、い…い」

 

陽乃「結構凝ってるねー ちゃんと体ほぐしてあげないと駄目だよ〜(八幡の声がエロい///)」

 

雪乃「(な、なんて声出してるのよ…私としてる時もあんな声…出てたわね///)」

 

やばい…気持ちよすぎて 身体が暑くなってきた

血流が良くなったのか…凄く眠い…

 

八幡「あっ、そこ…気持ちいい んぁっ」

 

それから数分間マッサージが続いた

気がついた時には俺は寝てしまっていた

 

八幡「スースー」

 

陽乃「あはは、寝ちゃった そんなに気持ちよかったのかな?」

 

雪乃「そのようね、あれだけ色っぽい声出してたんだから それ程気持ちよかったのでしょう」

 

陽乃「雪乃ちゃんもそう思う?」

 

雪乃「えぇ、あんな声ヤッてる最中位しか出さないし、それ程気持ちよかったんでしょう」

 

陽乃「や、ヤってるって///」

 

忘れてたわ姉さんまだ処女だったわね

 

雪乃「まぁ、経験のない姉さんが八幡を気持ちよくさせることが出来るとは思えないけどね」

 

陽乃「なっ!?雪乃ちゃんだって八幡と別れて

から誰とも付き合って無いんでしょ

それだけ時間が経てばテクニックだって失うでしょ!」

 

雪乃「なっ!経験もないくせに」

 

陽乃「逆に考えると処女って今回に関してはプラスじゃないかな?八幡がもし私の初めてが欲しいって考えたりして…」

 

んっ!それは!確か初めてした時

私と八幡の初めてをそれぞれ捧げた時

嬉しくて泣いてたわね

俺が初めての相手で嬉しいって…

 

まずいわ…それは非常にまずい

 

雪乃「お姉ちゃん♪雪乃ね、八幡君の事が欲しいの…お願い?」ウルウル

 

完璧だわ最強の妹…小町さんをトレースし

完璧に使いこなしてみたわ!

 

陽乃「雪乃ちゃん」

 

陽乃「10年前に出直してきなさい」

 

雪乃「えっ……そんな私のプライドを捨てての小町さん作戦が…」ガクッ

 

陽乃「(やばかったわ…八幡が近くにいなかったら今すぐお持ち帰りしてたわ…雪乃ちゃんやるわね)」

 

八幡「…」ギュッ

 

雪乃&陽乃「!!??」

 

八幡「雪乃、お兄ちゃんがずっと一緒に居てやるからな」ナデナデ

 

雪乃「うん/////」

 

陽乃「え!?ちょっと!え?!実妹じゃなくても反応するの!?どれだけシスコン拗らせてるの!!!」

 

八幡「うるせぇ!俺はシスコンじゃねぇ!千葉の兄だ」

 

雪乃「(ふふっ、勝ったわ 八幡の妹の座は私のモノよ…あれ?妹?)」

 

陽乃「それじゃ、雪乃ちゃんが妹になるのなら

私が奥さんじゃないと駄目だよね?」

 

八幡「ま、まぁ確かに…ってあれ?何で俺雪乃を抱きしめてるんだ?」

 

雪乃「八幡、あまりジロジロ見られると恥ずかしいのだけれど///」

 

……え?何これ?俺の胸の中で雪乃がモジモジしている。可愛い もっと抱きしめたいんですけど

 

八幡「わ、悪い」

 

手を離したら少し寂しそうな顔をしていた

満更じゃねぇのかよ

 

陽乃「むぅー」

 

陽乃さんがぷくぅと頬を膨らませてこちらを見ていた

 

八幡「陽乃さん、マッサージありがとうございます

おかげで大分疲れが取れました」

 

陽乃「ふん!」プイッ

 

あぁ、怒ってるよこれ…どうすっかな

俺もそろそろ決めないとな

雪乃か陽乃さんか

 

 



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雪乃√1

ここから個別√に入ります


俺はもう決めた

選んだ事でどちらかが辛い思いをするだろう

だからって選ばずにこのぬるま湯に浸かり

続けるのは俺らしくない…いやそんなものに

価値なんてない。そう決意したから俺は選ぶ

 

そう覚悟した

 

八幡「雪乃、陽乃さん明日結果を出します」

 

俺は食事の後に2人に大事な話があると

伝え 呼び出した後その事を伝えた

 

雪乃「決めたのね…」

 

八幡「…あぁ」

 

陽乃「比企谷君が決めた事なら私も、雪乃ちゃんも受け入れるから、そんな辛そうな顔しないで」

 

陽乃さんが優しく微笑みかけてくれた

 

八幡「…はい」

 

そう、短く返事をしその場を去った

自室に戻り布団の中に潜る

 

八幡「これで、いいんだ…俺は覚悟したんだから」

 

 

 

 

 

陽乃「雪乃ちゃん、この結果だけは恨みっこ無しだからね」

 

雪乃「えぇ、分かっているわ それに私、姉さんに負けるつもりなんて無いから」

 

陽乃「なっ 私だって雪乃ちゃんに負けないんだからね!」

 

ふふっと2人で笑い

抱きしめあった

 

雪乃「姉さん、今までありがとね」

 

陽乃「うん…」

 

その日私は生まれて初めて姉の愛情を感じる事が出来た

 

 

 

 

次の日

 

雪乃「おはよう、比企谷君」

 

陽乃「やっほー!比企谷君」

 

おぉ、完全に呼び方戻ってるな

昨日も思ったけど、何か違和感あるな

別にいいけど

 

八幡「うす、すまんな泊まるって言うのに布団1つしか無くて」

 

そう家には小町が来たとき用に1つ敷ふとんを置いているのだが、それしか無くて2人はその一つの布団の中で眠ってもらう事になった

 

陽乃「いいのいいの、雪乃ちゃんにもいっぱい抱きつけたし」

 

雪乃「姉さん、あれわざとだったのね…身内の寝相の悪さに心配した私が馬鹿だったわ…」

 

何だか雪乃が口元をよく触っている

 

八幡「どうしたんだ?そんな唇触って」

 

雪乃「いえ、比企谷君以外の人にキスされるのって初めてだったから…少し変な感覚で それも姉妹だから」

 

え、陽乃さんそこまでしたの?

いくらシスコンでもやりすぎじゃないかしらね?

 

陽乃「え?」

 

雪乃「覚えてないのかしら 姉さん私に何度もキスしてきたじゃない」

 

八幡「マジ?」

 

雪乃「えぇ、おかげで寝不足よ…」

 

確かにほんのり隈ができてる

 

陽乃「え、ちょっと、待って!私雪乃ちゃんにキスしたの!?」

 

雪乃「え、えぇ…」

 

キスの方は完全に予想外だったのか…

というか、陽乃さんって寝相悪いのな

 

雪乃「まぁいいわ、朝ごはんにしましょ」

 

八幡「おぉ、そうだな」

 

飯を食べ2人にはゆっくりしてもらい

俺は片付けに専念する

 

片付けを終えリビングに戻ると

 

雪乃「比企谷君、そろそろいいんじゃないかしら」

 

八幡「そうだな…その前に最後に3人で出掛けないか?俺の中でもう結論が出てるわけだし、もし出してしまったらこのままの関係じゃ居られない…だから最後に思い出…作ろうぜ」

 

2人はキョトンとし固まっていた

俺らしくないのは分かっているが

フリーズする程か?

 

雪乃「あ、貴方がそんな事を言うなんて…いえ、行きましょう」

 

陽乃「そうだね〜比企谷君と最後のデートかも知れないからね」

 

そうして俺達は準備をし

出掛ける用意を始めたのであった



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雪乃√2

3人でディスティニーランドへ行き

アトラクションを楽しんでいった

雪乃は途中パンさんに魅入られていた

 

八幡「(まだあいつ、パンさん好きだったのか…)」

 

お思ったが、案外早く切り抜けて

こちらにやってきたりした。

 

流石に少しは成長したようだ

付き合っていた頃なんて時間を忘れて眺めてたのにな

そう懐かしみながら雪乃の事を眺めた

 

夕方頃にディスティニーランドへ出て

とある公園に来ていた

 

陽乃「んーっ 今日は楽しかったね」

 

雪乃「そうね、それに姉さんとこうして出かけるの十数年ぶりかしら」

 

2人はそんな事を話していた

俺は3人分の飲み物を自販機で買い

2人のところへ戻って行った

 

雪乃「それじゃ、比企谷君そろそろ…」

 

八幡「あぁ、そうだな」

 

そう言って2人の前に立った

 

八幡「俺は、俺は…」

 

言葉を発しようとした時

色んな出来事が頭の中で蘇ってきた

3人でご飯を食べ楽しく談笑している様子

いろいろあって、仲が拗れてしまった姉妹が

やっと仲良くなれた時の事

他にも…色々な思い出が蘇ってきた

高校時代…奉仕部

陽乃さんのちょっかい

雪乃に告白され、付き合い始めた頃に見た笑顔

 

八幡「俺は…雪ノ下雪乃さんの事が好きです!

何を失ってでもいい それ程に貴方の事が好きです

だから!俺と付き合って下さい!」

 

涙を流しながら頭を下げ手を雪乃の方へ向けていた

 

雪乃「はい、私も比企谷八幡君の事が大好きです

こんな私で良ければ 貴方の隣に一生居させて下さい」

 

雪乃もまた泣きながら手を取り

笑顔で微笑んでくれた

 

その顔は雪乃が俺に告白をし

OKした時よりも綺麗で 儚く感じた

 

八幡「あぁ ありがとう!雪乃」

 

雪乃「えぇ!愛してるわ八幡」

 

2人は涙を流しながら抱き合った

雪乃と別れてからの4年間は物凄く寂しかった

辛かった 何度もよりを戻したいと思っていた

 

だけど俺の中の他の感情が許してくれなかった

自分の意見を聞いてもらえない

自分の事を分かろうとしてくれない

のが酷く怖かったからだ、

 

だが、今はそんなのは関係なかった

4年ぶりに味わう人の温かさに酔いしれていた

 

陽乃「あーぁ、振られちゃったな…でも、ちゃんと答えを出してくれて 私は嬉しいよ」

 

陽乃「ありがとね、比企谷君」

 

彼女は最後にニコッと笑いその場を去っていった

振り向く瞬間涙のようなものが見えた

方を震えさせながら 小走りでその場を去り

姿が見えなくなってしまった

 

雪乃「姉さん…」

 

八幡「陽乃さんにも、お前にも感謝している

もしあそこで再開しなかったら 俺はずっと

独り身のままだった。

裏切られるのが怖いとかそういうのもあるが、

何よりもお前の事が忘れられなかったからだ」

 

八幡「だから、また俺と向き合ってくれて

ありがとな」

 

2つの影は1つに重なった

4年ぶりにしたキスは物凄く甘く

気持ちが良かった

 

何分間していたか分からないが

息が苦しくなったので唇を離した

 

俺も雪乃もとても幸せそうな顔をし

 

1つの言葉を呟いた

 

「「愛してる」」



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陽乃√1

あれから何日が経っただろうか

俺は雪乃か陽乃さんかを決められずに居た

陽乃さんも雪乃も同じ位大好きだ

 

俺は最低だなこんなの二股じゃねぇか

 

八幡「はぁ……」

 

重苦しいため息をついた

 

その日は仕事で疲れ 直ぐにベッドに潜り寝てしまった

 

 

 

陽乃「最近比企谷君元気ないよね」

 

雪乃「そうね、多分私達の事で悩んでるのよ」

 

陽乃「比企谷君、そういう所真面目だからね

どちらか選べない自分が嫌いだって思い詰めてそうよね」

 

雪乃ちゃんが有り得そうね、と小さな声で呟いた

 

彼はずっと1人だった故に 誰にも頼らず1人で抱え込んでしまうところがある。そんな所が可愛いで守りたくなっちゃうんだけどね…

彼はそれを外にバレないように

出来るだけいつも通りに振る舞う…

だから気が付かない…いや気が付くことができない

 

多分周りを頼ったのは私が知る限り雪乃ちゃんと別れてすぐの頃だけ

 

それ程に彼は強く、孤独であろうとする

 

雪乃「そういえば姉さんそろそろよね」

 

陽乃「うん、早くても後数年以内に」

 

陽乃「お母さんは必ずそれまでに私を結婚させよとしてくると思う…」

 

私は雪ノ下家の長女だ

それを意味する事は言わずとも分かるだろう

私は数年以内に社長になる

父から私に継承される

 

陽乃「私の残された時間はもうそんなにないのよね…」

 

そう1人でため息をつきながら

夜空を眺めた

 

雪乃ちゃんと別れ家に帰る

私は仕事をしだしてから家を出た

わざわざ休日の日にお見合いなんて

したくなかったからだ。

 

仕事で疲れてやっとリフレッシュ出来るはずの

土日にお見合いで時間を潰される程の愚行は

あるだろうか…特に興味もない男と話

食事をし家に帰る。そんな日常は真っ平御免だった。

 

誰か私を見つけてくれる事を信じて…

比企谷君のような子がまた私の前に現れることを

願いながら数年という時を過ごしてきた

 

結果はNOだった。誰も私を見抜く事なんて

出来なかった。外面でできた私に騙され

本心を知り恐怖し、去っていった

そんな人しか居なかった

 

そんな日常の中奇跡が起きた

母から強制的に行かされた

お見合いの相手は比企谷君だった

 

その事を知った私は興奮が収まらなかった

彼にまた会える事が嬉しくて

彼と一緒になれる可能性が少しでも

出てきてくれた。その事実が堪らなく嬉しかった。

 

私の初恋の相手、私が生きてきた中で

唯一好きになった男の子

その子とまた再会出来るのだから

 

だけど同時に不安もあった

それは過去に雪乃ちゃんと付き合っていた事

彼が昔雪ノ下家を避けていた事

私の度重なる嫌がらせ

 

そういう過去が私を不安に導いた

その不安はほぼ的中した

 

レストランに着き 個室に入ろうとすると

雪ノ下に対する彼の恐怖心が伝わってきた

「雪ノ下だけは!雪ノ下だけは!」

 

その言葉を聞いて私は涙が出そうになった

雪乃ちゃんが過去にやってしまった事

雪乃ちゃんを捨てるように逃げた事への負い目

彼はそんな事を思っているのだろうと

私は心の中で思った。

 

だけど、扉の先に居るのは比企谷君とお母さんの恩師である御方。ヘマをする訳には行かなかった

だから、私は強化外骨格を付け

数年ぶりに比企谷君の前に姿を現した

 

 



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陽乃√2

あれから数日が経った

私は仕事に追われ中々彼に会いに行けなかった

 

だけどそんな日々もやっと終わり

明日は土曜日…比企谷君に久しぶりに会いに行ける

 

そう考えただけで胸が踊った

 

土曜日になり 朝早くから家を出り比企谷君の家に向かった。

雪乃ちゃんは昨日は比企谷君の家に泊まったらしく、

向かうのは私一人だった

 

陽乃「ひゃっはろー!久しぶりだね比企谷君!」

 

彼の家の鍵を開け 部屋にドタドタ入っていった

早く彼に会いたかったから

連絡もせずに来てしまった

まぁ、サプライズ見たいな感じでいいよね!

 

陽乃「ん、んー?」

 

リビングに入っても人の気配がなかった

まだ比企谷君寝てるのかな?

でも雪乃ちゃんの姿も無いぞ?

出掛けてるのかな?

 

そんな事を思いながらも比企谷君の部屋をそーっと開けてみた

 

そうすると布団の中に大きな丘が出来ていた

 

ふふふ、まだ寝てたのね お姉ちゃんを心配させた罰を与えないとね♪そう思いながら布団をめくり 比企谷君の隣に寝転がろうと思ったのだがそこには

 

比企谷君の胸の中で少し丸くなって寝ている

雪乃ちゃんの姿があった

 

比企谷君も雪乃ちゃんを抱きしめるような形で

 

陽乃「う、嘘?どうして……」

 

涙が溢れてきた 胸が痛くて…痛くて

張り裂けそうな程に痛くて…

私が居たかった場所に雪乃ちゃんが居て

私がどうしても欲しかったものを雪乃ちゃんが

手に入れて…結局私には何も残らなかった

 

その事が物凄く辛かった

 

私は今すぐにでもその場を離れたかった

だから部屋を出ようとしたが その時

 

八幡「…陽乃さんどうして泣いているんですか?」

 

彼に気が付かれた 泣いてる姿は見せてないハズ

なのに彼は見破った

 

陽乃「な、何を行ってるのかな?泣いてなんか無いよ」

 

外骨格を無理やりつけ 何も無いかのように

装った

 

八幡「今の俺は騙せませんよ…昔ならまだしも」

 

多分昔でも通用しなかったかも知れない

あの、初対面で比企谷君には…

 

陽乃「あはは…比企谷君には敵わないや」

 

そんなやり取りをしていると雪乃ちゃんが起きた

 

雪乃「あら、姉さん来ていたのね…」

 

陽乃「うん、ついさっき来たの お邪魔だったかな?」

 

雪乃「比企谷君と二人きりでイチャついてもいいのなら邪魔なのだけれど、生憎私は比企谷君の彼女ではないから邪険には出来ないわね」

 

彼女じゃない?

 

陽乃「え?2人は一緒に寝ていたのよね?」

 

八幡「あぁ、それは…映画見てたら2人で寝落ちたんだよ、そこにあるPC立ち上げたらDVDドライブの中にパンさんの映画がある筈だ」

 

そういう事だったのね…

私の早とちりか…良かった

 

陽乃「分かったけど、今日は私と寝る事!!

雪乃ちゃんだけずるい!」

 

雪乃「仕事が忙しいからって

こっちに来ない姉さんが悪いのよ」

 

この妹本当に生意気になったこと…

 

こうして、誤解が解けたのはいいのだけど

 

陽乃「雪乃ちゃんはいつまで比企谷君にくっついているの?」

 

雪乃「永遠かしら?」

 

八幡「怖いから…」ブルブル

 

雪乃「ごめんなさい、冗談よ」ふふっ

 

目が冗談じゃ無かったのだけど

 

陽乃「朝ごはん作って上げるから早く来てね」

 

八幡「…ありがとな 休みの日にわざわざすまん」

 

本当に優しいんだから

なんだかんだ言いながら私や雪乃ちゃんの事を

心配してくれて…

こんなの好きにならないわけないじゃん

 

 



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陽乃√3

朝ごはんを食べ片付けをし終え

リビングでくつろいでいると

比企谷君が後で話があるって真剣な面持ちで

言ってきた

 

きっと彼も覚悟を決めたのだろう

そう思いながら残りの食器を片付けていった

 

 

 

雪乃「では聞きましょうか 貴方が選んだ答えを」

 

陽乃「……」

 

八幡「あぁ…」

 

彼は深呼吸をし私達の前に立った

 

八幡「雪乃、お前の事は高校の時からずっと

憧れの存在だった。どんな困難にも1人で

立ち向かい、乗り越えて 周りがどんな事を

されようとも真っ直ぐに自分の道を貫いて

生きていく様を憧れていた。

 

大学に入り 交際し雪乃の色んな面を知る事ができた

優しい所、可愛い所、弱いところに強い

ところを沢山見てきた。

 

大学3年の時に色々あって別れてしまったが

また、こうやって雪乃と話せる事が素直に

嬉しいと思う」

 

八幡「陽乃さん、昔は貴方の事をやっかいな

雪乃の姉と思っていました。

 

貴方には俺が高校の時からいろいろちょっかいを掛けてきて、いろいろ迷惑してました。

雪乃や俺、由比ヶ浜の3人や関係者の関係を

壊してきました。だが、今なら分かります。

 

未熟だった俺たちを成長させようとしてくれていた

停滞していた俺たちを動かそうとしてくれていた

 

そんな貴方の歪んだ優しさに触れて

俺は陽乃さんの事が好きになりました。

 

あの頃はまだ俺も雪乃も子供で貴方の事を

もどかしく思っていましたが、今は違います

 

陽乃さんはもう俺にとっては大切な人です

歪んだ愛情表現も、面倒な所も、優しい所も

全部好きです

 

俺は、そんな貴方が大好きなんです。

だから、俺と付き合って下さい!」

 

 

陽乃「はい…一生貴方の隣に居させて下さい」

 

私の初恋は7年の時を経て叶ったのであった

 

雪乃「あれだけ私にも口説き文句言っていたのにも関わらず姉さんを選ぶなんて 比企谷君はやっぱり根性が腐ってるわね、でもちゃんと考えてくれてたから特別に許してあげるわ…」

 

彼はすまんと呟いていた

雪乃ちゃんと比企谷君は元々両想いだった

その中に私が入っていった…

罪悪感はあるけど後悔はしていない

だってそれ程に彼の事が好きだから

 

 

付き合い出して1年ほどが経った

陽乃さんの両親に挨拶に行き

ウチの両親にも紹介し

 

仕事も順調にこなしながらこの1年を過ごした

雪乃とはたまに会う位になったが

友好関係も続いている

 

雪乃と別れてから1度もあってなかったが

この前由比ヶ浜や一色、戸塚などとも

久しぶりに会った

 

皆元気にしてたみたいで、

俺が陽乃さんと交際している事を伝えると

皆お祝いをしてくれた

 

まぁ、雪乃を選ばなかった理由を

根掘り葉掘り聞かれたが…

雪乃が駄目なんじゃなく 陽乃が魅力的過ぎるから悪いんだ!!と言った所 引かれてしまった

 

 

 

八幡「陽乃、もう1年だな」

 

陽乃「そうだね、八幡」

 

1年…そう今日は交際記念日だ

陽乃に告白し、付き合い始めてから丸々1年が経った

 

八幡「あっという間だったな…こんな充実した生活は久々だった」

 

比較対象は言わずともわかると思うが

奉仕部ですごした高校生活と

雪乃と交際していた時だ

 

八幡「それも、全部陽乃と再開出来たお陰だな」

 

陽乃「会長さんに感謝しないとね」フフッ

 

彼女は優しく微笑んだ

昔には見せてくれなかった

陽乃の素の部分だ

昔は好きな人を構いすぎて 嫌いな人は徹底的に殺すだったが

今は好きな人は愛でて 嫌いな人は徹底的に殺すだ

 

あれ?あんまり変わってない?

まぁ、そんな陽乃が好きなんだがな

 

八幡「そろそろ、1歩進もうと思うんだ」

 

陽乃「それはどういう?」

 

八幡「俺と、結婚してくれ」

 

指輪を出し陽乃にプロポーズする

陽乃に告白したあの部屋で

ムードもへったくれもないが

俺達にはそれくらいが丁度いい

だってここから始まったから

 

陽乃「はい…」

こうして俺達の関係はまた変化したのであった




手抜き感が半端なくてすみません!

ネタが全然思いつかないで迷走してました

この作品自体が迷走から始まったものだから

こんなものでいいかな?って感じで

進めてきたので気楽に考えてください!



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