ボスぅ!?ボスじゃあないですかッ …え、女? なんでおんnキングクリムゾンッッッ 過程などどうでも良いのだァァァア!!! ("7つ目"の矢)
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第1話

深夜テンションに身を任せて書きはじめたはいいが…これって誰得なんだろうか…?


『ウヒします!!』

 

『ウ゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛(悲嘆)』

 

『この状況では先輩であr俺の側に近寄るなぁぁぁーーーーーーーーッ!』

 

Yes, falling love

 

 

……

 

 

「くっ、ははははっ! や、やばい腹が……ん?」

 

暗い部屋の中、唯一の光源である目の前の画面を眺めながら男は呟く。

 

「これ…ボスの等身大フィギュア……か?」

 

先程、パッ○ョーネ24時という動画を見て腹筋を文字通り壊していた男は、動画の関連商品に奇妙な品が紛れ込んでいるのを見つけた。

 

男がその商品の詳細を確認すると「等身大ボス」とだけ書かれており、現実では髪を染めなければまず有り得ないピンク色の髪に黒い斑点、そして網目状の明らかに寒そうな服……服? を着ている絵があった。

 

そう、ボスだ。 ビクンビクン絶頂してたら、新米ギャングに部下を掻っ攫われ、

 

挙げ句の果てには実の娘と覚醒した新米ギャング改め、邪神コロネに永遠に殺され続ける強制糞ゲーENDを迎えたあのボスだ。

 

キングクリムゾンッ!からの「ボスお疲れ様です」の流れは、ジョジョを直接見たことがない人でも知っているかもしれない。

 

さて…この「等身大ボス」の値段だが…クソ高い。

300万もするらしい。一般市民が手を出せる値段ではない。

 

()()()()()()()()()()()、だが。

 

数ヶ月前、男ーー田中 良介(たなか りょうすけ)は宝くじで1等を当てていた。 その額はなんと10億円。

普通に生活するなら、働かなくても一生生きていける金額だ。

 

この宝くじを当てた時ーー良介はかなり喜んだ。

 

 

「これでジョジョ6部以降も買えるぞ!」と。

 

…宝くじが当たる前の良介にはお金が無かった。

小学生の頃に両親は他界し、連絡が取れる唯一の親族である叔母さんの家に引き取らせたはいいものの、その叔母さんもついこの前に他界してしまっていた。

 

幸い、両親の遺産から学費や生活費、お小遣いが出ていたものの、

両親の墓とその維持費も両親の遺産から出ていた為に高校生からは使えるお小遣いも少なかった。

 

叔母さんからもお小遣いを貰ったりしていたが、その分は主に仲のいい友人への誕生日プレゼントだったり、休日に友人と外出して遊ぶ用に使っていた為、良介が趣味(ライトノベルや漫画)に使える分のお小遣いはそう多くない。

 

 

故に高校を卒業した後は大学に行くことすら諦め、叔母さんと昔から近所で仲のいい、何処かの社長らしい源さんに仕事を紹介してもらい、其処に行こうかと考えていたのだがーー宝くじが当たった為に働かなくてもいいようになってしまった。

 

当たった10億円は非課税なのでそのまま貰えるし、両親の墓は叔母さんに多少、出してもらっていた為、

叔母さんの墓を追加で作っても大体、維持費も含めて170万円程度で済むし、叔母さんのお葬式も源さんが色々と手続きしてくれて、遺産相続した叔母さんの遺産から費用が出してもらった為に、叔母さんの遺産を除いても、まだ9億以上ある。

 

ネットで調べた、人が一生に使うお金を参考にしてこれからの人生で使うであろう生活費、家の修繕費やその他諸々の金額を計算して差し引いても、まだ7億4000万は残るのである。

 

ーーさて、良介はここで考えた。今後買うかもしれない車とか免許証とかその他諸々も一応別枠で残しておいても7億円は確実に残ってしまう。

 

ぶっちゃけ使い道が無い。普通なら「自分へのご褒美」として高級な寿司を食べてみる、宝飾品を買ってみる…なんて思いつくものだが、良介は今までほぼ毎日自炊してきた為、外食は友人との付き合いで行くくらいで十分だし、個人で行ったとしても一般的な回転寿司で満足してしまうタチだ。 というか毎日繰り返してきた行為故、自炊をしていないと良介自身が落ち着かないのである。

 

加えて宝飾品や金持ちが好きそうな物を買う趣味も持っていないという始末。この男、競馬やギャンブル、パチンコなど一般的な大人の趣味にすら興味を持たないのでマジで使い道が無いのだ。

 

 

大金を使うなら一番くじを大人買いするか、古本屋で漫画全巻セットを買うくらいしか思いつかない、というレベル…どれも2万円以内に収まってしまうので恐らくこれから何事もなければ7億円は残り続けるのだろう。

 

ところで、画面の向こうの貴方…「深夜テンション」という状態をご存知だろうか? ネットに夢中になっていたら気がついたら深夜の時間帯。そんな状況で陥りやすい一種の状態異常的なアレだ。

 

 

ーーここまで語った上で現在の良介の状態を確認して頂きたい。

 

 

・大金を手に入れたけど特に使い道が無い。

・趣味はライトノベル、漫画。

・ジョジョが好きだが金欠だった為、6部以降はまだ読んでいない。

・休日なのでネットでパッシ○ーネ24時などのジョジョ関連の動画を連続視聴中。

・現在、深夜2時。良介は休日なのをいいことに10時間ぶっ続けでパソコンの前に食いついている。

 

 

これらの情報から導き出される「結果」は……。

 

「300万……だと!? …ふざけんなよ……こんなの大金もってる奴しか買えねぇーじゃあないかァァァア!!? よし、俺が買うしかねぇーだろーがよォォッ!!!! 」

 

「買うって思った時…その時スデに行動は終わっているんだッ!」

 

なぜか表示されていた制限時間を一切無視して商品を購入した。

して、()()()()

 

 

 

…………………

 

………

 

 

 

"ピンポーン"

 

「…ん、んぅ…」

 

(背中いてぇな…あ、椅子に座ったまま寝てたのか)

 

 

「………今、何時だ?」

 

壁時計を見る…9時か。

 

 

「そういえば…昨日、何かしたよなぁ……」

 

 

寝起きのせいもあるだろうが、流石に休憩もなく食事もせず、ぶっ続けで10時間はきつかったらしく、イマイチ 良介の頭の中ははハッキリしない。

せいぜい、「昨日は楽しいことがあった!」くらいしか思い出せないのだ。

"ピンポーン"

 

「なんだっけなぁ……楽しかったコト…楽しかったコト…」

 

 

なかなか思い出せない。楽しかっt "ピンポーン" ……。

 

 

無言で玄関に向かい、そのまま扉を開く。

 

 

「ハイハイ…どちら様ですかっと……

 

ーーん?」

 

誰もいない……? いや、それよりも、

 

「なんだこれ……?」

 

目の前にあったのはーー

 

 

 

人一人入りそうな()ほど大きい、()が一つ、置いてあった。




ちなみに現実で10億円当てると非課税だけどめっちゃ面倒くさいらしいです。あと、その他諸々の設定とかおかしい所が多分出てきますけど勢いだけで書いてるので心の広い読者は目をつむってくだせぇ。

おしまインザミラー!


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第2話

朝起きて何となくハーメルン開いてみたら、なんかめっちゃ評価してもらってンですが…! ありがとうございます…嬉しいです!

あと、このss… 勢いだけで書いちゃっても構いませんねッ!!!

無駄ァ!!


「箱…?」

 

先程、良介は家のチャイムを耳に入れて、玄関の扉を開いていた。

すると、チャイムを鳴らしていたであろう人物は其処には居らず、代わりに大きいサイズの箱が置いてあった。

 

「大きい箱だなァ〜? 人が一人、入れそうなくらいでかいぞ、コイツぁ…」

 

( とりあえず中身を確認してみるか?)

 

箱の中身を確認する為に良介は箱を持ち上げようとしてーー

 

ーーえ、ちょ、(おも)っ!?

 

普通に持てずに落とした。

 

…一応フォローしておくと、良介の筋力が足りなかった訳ではない。

()()()()()()のだ。

 

(マジで何が入ってんだ? これ…)

 

今度は箱の重さを確認した上で慎重に持ち上げる。

 

良介は高校時代に特別、何か部活に入っていた訳ではないのだが…何かとお世話になる近所の源さんが趣味で行く釣りや、老後の体力作りも兼ねているという畑仕事を手伝っていたので、自然とそれなりの筋肉は付いていたのだ。

 

「…っとと。 あぶねー」

 

しかし、そんな事は関係ないと思えるくらい重い。

多少、危なげない足運びをしつつも自室に戻ってきた良介は早速箱を開けることにする。

 

ーー………ふむ。

 

「どうやって開けるんだ? これ…」

 

この箱、薄々わかっていた事だが、間違いなく紙とかじゃない。

鉄とかそう言う類の材質で出来ていると言われた方が納得出来る硬さと光沢であり、更にフタであろう部位には、つなぎ目が見当たらない。

 

良介が重いだけのただの箱かよ……と、脱力して箱にもたれ掛かる。

ーーすると、

 

「わわ…え、今めっちゃ有り得ないコトが起きた気がするんだけど…」

 

良介が驚くのも無理はない。何故なら 箱のフタが文字通り()()()()()()()

 

より詳しく説明するなら、アニメでベイビィ・フェイスが見せた『分解』のようにフタが「四角い穴が空くように」高速で消えていったのだ。

 

「……はっ! 驚きすぎて忘れていたけど、箱の中身を確認しないと」

 

多分、気にするべきなんだけど、フタよりも箱の中身が気になる。

そっと中身を確認すると……

 

「女の子……だと?」

 

身長は目視で大体…140cm前後、だろうか?

年齢は10歳程度の女の子、いわゆる幼女が箱に入っていたのだった。

 

 

……………

 

 

……

 

 

 

 

(さて、これ…ホントどうしよう…?)

 

良介の目の前には箱の中からベッドに移された幼女がいる。

元々幼女が眠っていた箱は、とにかく無駄に場所を取るので、祖父が使っていたと言う倉庫に仕舞っておいた。

 

幼女の容姿を改めて確認する。白人特有のきめ細やかな白い肌も目を惹くが…この子の顔……やはり美形だ。

 

それこそ、将来は間違いなく容姿だけでアイドルとして生きていけそうなレベルの美少女になっていそうだと思ってしまう位には顔が整っていた。

 

ーーしかし、そんな顔だとか肌の色はどーだこーだは無視するべきだ、と思ってしまう位、気になってしまうコトがある。

 

 

「なんでこの幼女、()()()()()()()してンだ…?」

 

ピンクの髪に黒い斑点。 髪と同色のセーターから僅かに見える網目状の…恐らく際どい例の服と、紫の独特なズボンを履いている…

 

 

…完全にボスのコスプレだ。

えー…? 幼女がしていい格好じゃないでしょコレ…。

 

まじまじとベッドの上で睡眠中の幼女を観察している良介。

ふと自分の今の構図を頭に思い浮かべ、アレ、これってハタから見たら俺、犯罪者扱いされたりするのでは……? と無駄に冷や汗をかいていた。

 

そうして良介が自分は第三者目線でロリコン扱いされるか、されないかを必死で考えているとーー幼女の目が開いた。

 

まだ少し眠いのか開ききっていない、ウトウトとした目で顔を良介の方に向けーーその瞬間、薄いピンクの瞳を開いて驚いたように硬直した。

 

「……」

「…えっと…」

 

「……」

「…もしもし?」

 

「……オレは」

「あ、やっと喋った」

 

「ーーオレは今、『()()()()()()()()』を、この身で体験しているのか…?」

 

(やっと喋ったと思ったら意味不明なコト言い出したぞッ!? この子…ッ!)

 

ーーそして幼女は再び沈黙して……涙を静かに流し始めた。

 

「…っ、…ぅう…ぐずっ……」

 

「え"ッ、なんで泣き始めてんのッ!? 俺、なんかひどいコトしたっけ!?」

 

「…ぐすっ……オレは…()()されたのか……」

「解放って何さッ!?」

 

「…ぅゔ…」

「あ、答えてくれないのね……分かりましたよーと……」

 

「……」

「……」

 

 

………。

 

 

え、俺…この状況で、結局どうすればいいの……?

 

幼女の目の前で田中 良介はただただ狼狽えていた。

 

……………

 

 

……

 

 

 

「箱に入っていた…だと?」

 

あの後、突如涙を流し始めた幼女が落ち着くまで待っていた良介は、一番に「なぜ君は箱などに入っていたのか?」と、尤もな質問をした。

 

しかし、幼女も質問に対する"回答"を持ち合わせていないのか、眉毛をハの字にして困惑している。 困り顔かわいいなオイ。

 

「心当たりは……無さそうだな。」

 

「あぁ」

 

「…あっ、そう言えば名前を言うのがまだだったね。

俺は田中 良介! 良介って呼んでくれればいいよ」

 

「リョースケ…だな。オレは……()()()()だ」

 

「え、ディアボロじゃねーの?」

「!?」

 

ガタッ…と、勢いよくベッドから立ち上がった彼女は"少し"良介を睨みながら発言する。

 

「……やはり、我を……帝王ディアボロだと理解した上で解放したようだな……ッ!!」





書き終わった後に読み返してみたらボスの口調に違和感ががが。
ま、まぁ…年齢や姿どころか性別すら変化してますから、身体に精神が引っ張られてるんですよ、きっと…(そういう解釈で許してくだせぇ)

あ、ちなみに次回はボス視点から始まります。


それでは…
さよナランチャ!


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第3話

今回、ボスのループシーンやら何やら考えるに めっちゃ苦戦しました。 しかも目標のシーンまで気力が持たなかったのでこのまま投稿という… ボスのドッキリシーンを楽しみにしてた人、ごめんね!

それと…お気に入り登録してくれた方、評価をしてくれた方、感想を下さった方……ありがとうございます! めちゃんこ嬉しかったです!

(お気に入り登録数が100を超えてて軽くびびってた作者。 もちろん、喜んでたけどね!)



シンプルな丸刈り




……





(間が) 無駄ァ!


ーーふと、思い出したのは……あの忌々しい出来事だった。

 

「誰が言った言葉」

 

「………だったか………」

 

息も絶え絶え、という感じでその男は言葉を選ぶ。

 

ーー『我々はみな 選ばれた戦士』…

 

「え? くそ……だが……この世がくれた真実もある………」

 

ボロボロな身体を片手で支えながら言葉を告げている。

 

「運命はこのオレに………「時を飛ばし」…………

 

……………「予知」ができる能力を…授けてくれた…」

 

男がもう片方の手を見るーー震えていた。

 

「間違いない…………それは明らかな真実だ…」

 

ーーしかし同時に男は…この手に「()()」がある、と確信していた。

 

 

 

……確信していた、()()()()()

 

 

「この世の運命は我が『キング・クリムゾン』を無敵の頂点に選んだはずなのだ………オレは「兵士」ではない」

 

 

ーーーッ

 

 

「くそーーッ‼︎」

 

「そのオレに対してッ‼︎」

「この手の中にッ!」

 

 

「あの「矢」が、この手の中にないッ!」

 

「よくもッ! こんなッ!」

 

………

 

「こんなことで、このディアボロが敗北するわけがないッ!」

 

「ここは『退く』のだ…………」

 

( 「矢」から身を隠し反撃の時期を待つ…………)

 

(ここで一時『退く』のは敗北ではない……………‼︎)

 

(オレは頂点に返り咲ける能力があるッ!)

 

激昂していた男は自らはまだ敗北していないと…今は反撃の時を待つ時なのだと自らを宥め、落ち着かせようとしたーーその時。

 

"逃がさ………ないで"

 

か細い声の方向へ振り向くーートリッシュだった。

 

「ジョルノ……あいつを」

 

ーーッ!?

 

「決して………」

 

「逃がしたら…………身を隠される」

 

そのか細い声が、ハッキリと聞こえたーー

 

・・・・

 

その声に応えるかのように…煙が晴れてゆく。

 

「逃げる……気だわ………ジョルノ」

「感じたの……今 あいつが一歩、退いたのを…」

 

煙の中から姿を現したーージョルノ・ジョバーナがいた。

 

髪をーーまるで風のように………黄金の風のように靡かせながら奴は現れた。

 

その手には、しっかりと「矢」が握られていたーー。

 

 

ーーッ!?

 

天に「矢」を堂々と掲げるサマはーーまるで。

 

「いつの間にか雨が晴れている… ジョルノだ……「矢」を」

「つかんでいる‼︎ レクイエムの次に「矢」を支配するのは…!」

 

「ジョルノだッ‼︎」

 

運命を支配したかのようなーー

 

(だめだ………やはり、このオレがここで…………)

 

ここで立ち向かわなければ……オレは……

 

(逃げるわけにはいかない…………‼︎)

(「誇り」が消える……ここでこいつから退いたら‼︎)

 

……そうだーー

 

(オレは「帝王」だ)

 

(オレが目指すものは「絶頂であり続ける」ことだ。

ーーここで逃げたら…その「誇り」が失われる

次はないッ……ッ!)

 

 

……………

 

……

 

 

 

 

「や……やッたぞッ ついにッ!」

 

結局、「矢」はヤツを拒まず…ジョルノ・ジョバーナを選んだ。

 

「矢」で進化した、おまえの「ゴールド・エクスペリエンス」‼︎」

「一体 何をやったのか、オレにはよく見えなかったし、わからなかったが とにかく!」

 

「ボスの『K・クリムゾン』は、まったく無力だったッ‼︎ ついにッ! 倒したぞ‼︎」

 

「でも… ちょっと待って どこかに浮かんできてる?」

 

「ねぇ⁉︎ どこ⁉︎ 浮かんできてる⁉︎ ()()()()‼︎ 死体は?」

 

「……… ………」

 

どこよッ! 探してジョルノッ! あいつは どこッ⁉︎

 

…………

 

「いや… 探す必要はない。 全てはもう終わっている…」

 

「ヤツはもう ()()()()()()()()()()()()

 

「終わりがないのが『終わり』」

 

 

「それが『ゴールド・E・レクイエム』」

 

…………

 

……

 

 

 

 

ーー男はG・E・レクイエムの能力により「永遠に」死に続けることとなった。

 

何百回……いや何千回 死んだだろうか?

しかしある時、転機が訪れた…

 

「ヒッ…!? こ、今度はなんだ!? 今度は『どうやって死ぬ』……!?」

 

ーーその男…かつて、パッショーネの"ボス"まで上り詰めた帝王ディアボロはひたすらに怯えていた。

 

ヤク中のゴロツキに刺されて死んだり…車にひかれて呆気なく死んだりもした。

 

他にも、帝王切開されて死んだ、占い師のようなブ男に消し炭にされて死んだ。

 

足元に落ちていた道具か何かが爆発して死んだ、穴ぼこチーズっぽい死体にチューチュー吸われて死んだ。

 

何故か歩いていた重量を操る緑色のスタンドに殴られて死んだ…隕石が直撃して死んだ。

 

子供にアメちゃんをあげていた古代の戦士っぽい筋肉男にグツグツのシチューにされて死んだ…お母さんヤギに切り裂かれて死んだ。

 

道を通りかかった男にいきなり「かかったなアホが!」と罠に嵌められ死んだ…太陽から落ちてきた奇妙な格好をした男に「私は愛と正義の戦士! 宇宙刑事カーズ!」と名乗られてうめき声をあげる暇もなく殺された。

 

仲良く手を繋いで「早人よくやったなァ〜! 玉転がしで2位になるなんて流石、私の息子だ!」と、少し引くぐらいに息子を可愛がっている金髪の男が歩いてくるのを目撃してしまい、なぜか爆発して死んだ。

 

強風で飛んできた看板に押し潰されて死んだ……空から落ちてきたロードローラーにぶっ潰されて死んだ。

 

コーヒーガムを食べている犬とチェリー味のキャンディをレロレロ舐めているガタイのいい学生に殴られて殺されたり…猫に引っかかれて死んだりもした。

 

……死んだ。死んだ。死んだ。死んだ。 死んだ。死んだ。死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ 死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ 死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ……ッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーオレはあと何回、死ねばいいんだろう………?

 

 

 

 

 

 

 

…………

 

……

 

 

 

 

 

男は……いつしか…考えるのをやめていた。

 

いくら抵抗しても、いくら逃げようとしても…結局は死んでしまうのだから。

 

ならーーもう考えるのはよそう。

 

 

ーー男の心の中は、いつのまにか晴れていた。

 

青い空を見上げながらゆっくりと鮮やかな緑に身体を横たえる。

 

 

…こんなことしてたら、またすぐに死んでしまうのだろうな。

 

 

ーーそれでもいいか。

 

男は、ゆっくりと…腕を枕代わりにしながら、穏やかな顔立ちで…すやすやと眠ってしまった。

 

 

 

 

だからこそ気がつかなかった。

男の近くに広がっていく、奇妙な「光の穴」の存在に……。

 

 

…………

 

……

 

 

 

「な………じょ…………ンだ……」

 

 

(ぅ、うん…)

 

人の気配を感じて、ディアボロは目を覚ました。

 

ーーあぁ…また死ぬのか……という悲観と、まぁ、そうなるなら仕方ないか…という、諦めた心。

 

目を瞑りながら、ただ、「その時」を待つ。

 

数秒。 十秒。 数十秒。 一分……。

 

ーー長いな…いつもなら、もっと早く死ぬのに……。

 

ゆっくりと目を開けてーー目の前にいる青年と、()()()()()()()()()()()()()()()に気づく。

 

 

( ーーーー。 )

 

 

ジョルノ・ジョバーナのG・E・レクイエムと相対したあの時から失った……自らの絶頂の象徴。

 

スタンドが…出せていた。

 

あの地獄から抜け出せた……?

 

 

「……」

「…えっと…」

 

「……」

「…もしもし?」

 

「……オレは」

「あ、やっと喋った」

 

「ーーオレは今、『()()()()()()()()』を、この身で体験しているのか…?」

 

 

ーーオレは……もう死ななくていいのか……?

 

 

その事実に気づいたらーー頰を何かが流れていった。

込み上げてくる感情に流され、幼な子のように泣いていた。

 

「…っ、…ぅう…ぐずっ……」

 

「え゙ッ、なんで泣き始めてんのッ!? 俺、なんかひどいコトしたっけ!?」

 

「…ぐすっ……オレは…()()されたのか……」

「解放って何さッ!?」

 

 

ーーあぁ……もう、死ななくていいのか……。

 

 

「…ぅゔ…」

「あ、答えてくれないのね……分かりましたよーと……」

 

 

ーーオレはただ……泣いていた。




ちょい微妙なところだけど作者の気力がZero/になったので一旦切りますね。

次回はボスドッキリシーン回(の予定)です!



父親は猿!


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第4話

 誰も覚えていないと思うので初投稿です。
 


「……やはり、我を……帝王ディアボロだと理解した上で解放したようだな……ッ!!」

 

「…解放?」

 

 えーと。……どういう意味だ?

 ディアボロのコスプレだろって指摘したら、なんか急に睨んできて、しかも急に脈絡のない単語が飛び出して来たんだが。いや、どういうことだよ(困惑)

 

 とりあえず、このまま睨まれてても居心地が悪いので、俺が彼女に何か悪い事でもしたのかとを罪の所在を確かめるが、パっと思いつく限りでは思い当たるフシはない。なので、彼女が口にした『解放』という単語から身の錆を確かめる。

 

 カイホウ。…解放? え、何から?

 この女の子を俺が解放した?刑務所にでも入れられてたってことか?

 …なーんて考えてみたが、そもそも俺そんなことはしてないし、入ったことはあっても出したことはないからな。それに、この子は今、『ディアボロだと理解した上で』と言っていた。

 それではまるで、"この子がディアボロ"で、俺が『解放』───…物語のことを言っているのなら、『ゴールド・エクスペリエンス・レクイエムの"能力"から解放した』みたいじゃないか。

 

 そこまで考えた良介は、ふと、最近…そう、ごく最近、何か似たようなことがなかったかと引っ掛かりを覚えた。

 

 (ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム…ディアボロ…、そうだ。似たような…何か…。

 そう、そうなんだ。『完璧にかぶっているわけじゃあない』。似たようなこと、何かそれに近いことが…あった?ような…

 

 ───ボス…?…ボス…BOSS…ジョージア…)

 

 

 微糖よりもエメラルドマウンテン…───駄目だうん。思い出せねーわ。

 いい感じに思考が明日の方向へ見切り発車したところで頭を振り、リセットする。いや、小骨がのどに深くぶっ刺さった程度の引っ掛かりはあるんだけどさ、肉に突き刺さり過ぎて出てこんでもいいような記憶()ばかりがどばーっと出てくるんだよ。

 

 ほんの些細(ささい)な引っ掛かりなんだけどな…とこの間なんとわずか0.5秒の思考を終了し、ついでに明日の献立も考えつつ、今の状況を冷静に再考慮してみる。

 

 ジョジョ…漫画の、第5部の最後の話を言ってるんだよな?

 

「いや、ボスは解放されてないんじゃないか?」

 

 自力で運命から逃れられなかったし。眠れてもなかったし。なんかネットでもカーズ状態*1とかボロクソ言われてたし、なんならレース終わっても真実に 辿(たど)り着けてなさそうだし。

 

 

 とか考えてたら胸倉つかまれた。

 

「ザケんのもいい加減にしろよなああッ!?解放されてないッ!?

 だったらテメエの腐った目ん玉に映ってる男は誰だってんだよああああッ!?」

 

「え、可愛らしい幼女だけど?」

 

「───。

 は、はあぁああああああああああ!?!?!?」

 

 あ、大声出して固まった。

 

「幼女!?言うに事欠いてガキの女ッ!?しかも()()()()()幼女だとォッ!?」

 

 なんかめっちゃ「可愛らしい」に反応するねこの子。鏡見たことないのかな?

 え、それはないだろ?普通自分の顔くらい見たことあるだろって? いやいや。鏡見たことあるなら自分の容姿に絶対自信持てるでしょ。

 見てみなさいよ、この整った顔。何処の美人局だよ。いやこんな美幼女、ぜってぇ美人局にならねーわ、俺が親なら心配して監禁してるわ(過激派)

 

 しかも、めっちゃ肌白いし、生まれたばかりの赤ちゃんみたいでつるつるしてて綺麗だし、髪サラッサラだし。 何で自信がないの?なんで自分に自信を持てないのか。

 いや、()てよ。自分の顔に自信を()てよ!

 頑張れ頑張れできるできる絶対できる頑張れもっとやれるってやれる気持ちの問題だ頑張れ頑張れそこだ!そこで諦めるな絶対に頑張れ積極的にポジティブに頑張る頑張る!タカキも頑張ってるしお前もこの手鏡見て自信を持たないと!

 

「というわけで、はい。鏡」

 

「この俺のどこが女みてーだってえ?馬鹿にすンのも大概にしろよってはああああああああああああッ!?!?!?!?

 

「女の子でしょ?」

はああああああああああああ!?!?!?!?

 

「可愛らしい」

あああああああああ?!?!?!?!

 

「YOJO」

ほわあああああああああああああ!?!?!?!

 

 

 あ、泡吹いて気絶した。

 

…………………

 

………

 

 

 

 

 

「……ゥ」

 

 俺は一体……

 

「目、覚めた?」

 

 紅茶飲む?と能天気な目の前の男が暖かいタッツァ(マグカップ)を差し出してくる。陶器に(てのひら)が触れると、じんわりと熱が伝わってきてあんし───じゃない。

 

「い、いらんッ!」

 

 つい、自然に受け取ってしまったがコイツは何故か俺の名を知っていた。しかも、寝ぼけていた頭がハッキリしてきたから思い出したが、俺の身体は何故か少年の身体ではなく、女のガキになっていた……クソッ!思い出して来たら腹が立ってきたぞ……ッ!

 よりのもよってこの俺が、こんなワケのわからないノーテンキな男の前で! あ、あんな醜態を晒すなどとは……ッ!!

 

 許せん……ここが『何処』なのか…だとか、今後の行動のための『情報』をしっかりと抜き取ってから始末するつもりだったが、もういい……今ここで!俺はコイツを消すッ!!

 

 キング・クリ───

「あ。そういや、まだ君の名前を聞いてなかったよね」

 

「───……なんだと?」

 

 こいつは今何と言った?『名前を聞いていない』?知らないだと?

 ───そんなわけがあるかッ!!

 

「───ッ、いい加減にしろッ!テメエもしっかりと口に出して言っていたじゃあないかッ!」

 

 その上、()()だと!?

 この俺がギャングの、()()()()()()()()()だってこともしっかりと認識しているじゃあないか……ッ!

 それをこんな……よくもぬけぬけと……ッ!!

 

「もしかして『ディアボロ』のこと?」

「それ以外何があるってんだよこのダボがァ───っ!」

 

 

「───いや、ドッピオもディアボロも、()()()()()()()()()()()()()だろ?」

 

 

 ───は?

 

 ……ハァ!?

 

「ま…漫画……だとッ!?」

 

 漫画?コミックスだと?俺が?

 創作だと?空想上の存在だと……ッ!

 何をトチ狂ったことを───!

 

「ホラ、これ」

 

「言って、るん……───?」

 

 奴が、近くの棚から一冊抜き出し、見慣れない文字のコミックスを開き、見せてくる。

 そこには、何故か、見覚えのある気がする、特徴的な格好の奴らが居、て……?

 

 ガタガタと震える。動悸が止まらない。吐き気がする。

 

 情けないだとか考える余裕はない。たった今、なくなった。

 

「なん……だ、これ……は……」

 

 なぜなら、なぜならそこには……そこに、は

 

 

「ジョジョの奇妙な冒険、第5部の───

 

 

 

 

 

 ───()()()()『ディアボロ』でしょ?」

 

*1
永遠に何もできないので死のうとしたら、死ねなかったポルナレフランドのレーシングカーのこと。




 ボス、無事にSAN値チェック失敗の巻。
 スタンドも持っていないような一般人に、無自覚のうちにボコボコに……見た目は可愛らしい美幼女なのでヨシ!


 あ、評価・感想を貰えたら私が飛び跳ねて喜びますよ。


 【次回予告】
 やめて!世にも奇妙な体験で、精神を焼き払われたら、魔神コロネのスタンドパワーで試練を乗り越える「意思」がすり減っているボスの精神まで消し飛んじゃう!

 お願い、死なないでボス!アンタが今ここで倒れたら、娘さんや金髪の小僧との強い絆で結ばれた思い出はどうなっちゃうの? スタンドはまだ残ってる。ここを耐えれば、試練を乗り越えれるんだから!

 次回、「ディアボロ死す」。デュエルスタンバイ!

 うっせーぞメローネ!


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