初投稿です。誤字脱字駄文等ありましたらご報告と暖かい応援お願いします……
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人生というものは理不尽だ。生まれ持った容姿、環境、能力、その他もろもろ……大人は子どもには色んな可能性があるって言ってるけどそう思わない。こんだけ差がつく要因があれば選択肢なんてあってないようなものだ。
つまるところこの春晴れて高校三年生になる私こと中野裕司(なかのゆうじ)は人生ひいては世の中の理不尽に対して声を大にして言いたいのだ。
「腹痛での遅刻であり決して寝坊ではないので許して欲しいねえ……」
目の前にいる生活指導の先生は俺の反省文を見て大きなため息をついている。いや、ほんとマジで腹痛かったんだって、二度寝したら寝坊したけど腹痛なかったら遅れてないんだって。
「お前二年からこれで何回目だよ」
「そうっすね、30越えてから数えなくなったっす」
軽口を叩いていながらも新学期初日にやらかしてることに対し俺は少なくとも焦りを覚えていた。成績大丈夫かなーとかクラス替えで友達いるかなー程度だが
「まぁ、今回は許してやるけど次は本当に気をつけろよ」
「うっす、すいませんでした」
なんとかなってよかったが、今度からは気をつけよう。朝に乳製品は控えとこうと心に決めて職員室から出ようとしたところで先生から声がかかる。
「そういえば、怪我はもう治ってんだろ。最後の大会出ようと思わないのか?」
「……もう受験生になっちゃいましたしね。後は皆に任せますよ。」
失礼しましたと一礼をして自分の新しい教室に向かう。我ながらきっと上手く笑えてなかったなと自己嫌悪してしまうがきっとあれが自分の本心なのだろうと言い聞かせる。
大丈夫……大丈夫……と
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「よー腹痛野郎、ギリギリセーフだな」
「何がだよ完全アウトだわ、アホ」
教室に入って軽口を叩いてきたのは小学校の時からずっと一緒である相川始(あいかわはじめ)である。どこに行っても一緒に居たため中学でホモだと噂されたのは今ではいい思い出だ。
「お前の遅刻はもう気にしねーよ。それより、今年から浦の星女学院と統合になってこのクラスにも女の子の転校生が来るんだよ!」
「あーそりゃ間に合って良かったわ、始業式終わったけど転校生紹介って今なんだな」
「らしーぜ、まぁ、転校生イベントなんて今まで無かったから分かんねーけど」
なんてない会話が楽しいと思える。うん、やっぱり楽しい。間違ってない、俺は今のままでも幸せだ。自分にそう言い聞かせる……
「ほら、席についてー転校生紹介するから」
そんなセンチメンタルな気分になってると担任が入ってきた。実際転校生は楽しみだが始ほどウキウキは出来ない。何あの顔隣の席の女子引いてんぞ
「それじゃ、入ってきて」
…
「浦の星女学院から来ました、高海千歌です!よろしくお願いします!」
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2話
とりあえず二話まで書いときます
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「浦の星女学院から来ました!高海千歌です!よろしくお願いします!」
転校生がそう自己紹介してるのを見て俺は一つだけ思った。
え、めっちゃ可愛くね、何あれやば。
ごめん、ひとつじゃねえわ。思うどころかもう語彙力が散漫してる。
「席は中野君の隣が空いてるのでそこを使ってね」
まじか!ありがとう!担任の先生!今度ちゃんと名前覚えるね!
と心の中はもうお祭り状態である。腐ってはいても健全な男子高校生であるならば可愛い転校生が横に来て悪い気は誰もしないだろう。
「えっと、中野君だっけ?隣の席同士よろしくね!」
おっと、いかん、ここはクールに行こう。大人っぽくかつ優しく紳士に。
「こちらこそ、何かあったら遠慮無く聞いてね。」
そう言うと彼女は、はにかんで席に座った。あーこれからは毎日彼女に会うために朝遅刻しないようにしようと心に決めた。
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放課後になっても高海さんの周りには質問をする生徒が多くいた。まぁ、可愛い女子が来たらそりゃ盛り上がるよな。仕方ない。だけど俺の席まで侵食しないでほしい。切実に。
皆落ち着いて一段落したらしくそれぞれが部活やら用事で高海さんの周りから人がいなくなっていく。
人気者ですごいなーとか考えてると高海さんと目が合った。すると彼女はこっちに来て
「中野くん!ちょっと案内して欲しいところがあるんだけどいいかな?」
と人懐っこい笑顔で言った。断る理由もないのですぐに了承した。ここに始がいなくて良かった。切実に。心からそう思った。ちなみに始は部活のためいない。
「ところでどこに行きたいの?」
ふと行先を聞いていなかったので聞いてみた。案内するにも場所を知らなきゃ話にならない。
「生徒会室に行きたいの!あのね、私スクールアイドルを浦の星でやっててこの南高でもやりたいから部活申請をしたくて!」
笑顔が眩しくて直視出来なかったがそういう理由だったのかと一人で納得する。
「あと、その他のメンバーの子達も一緒に案内して欲しいんだけど大丈夫?」
ここも特に断る理由はないので二つ返事で了承をした。
「ありがとう!じゃあこの教室に集合してもらうからちょっと待ってて!そういえば中野くんは部活大丈夫なの?」
「っ!……あーうん、大丈夫。俺もう幽霊部員みたいなもんだからさ。待ってる間話相手くらいなら出来るよ」
そう言うと高海さんはまたはにかんで、ありがとうと俺に言った。
大丈夫……大丈夫……俺は今ちゃんと楽しい……そうやってまた自分に言い聞かせた。自分の心の底を見ないように。
治ってるはずの膝がピリッと痛んだ。まるで逃げ続けている自分に喝を入れてるような気がした。
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3話
お気に入りが早くも来てて驚いている次第であります……本当にありがとうございます!
自己満足系駄文小説ですがこれからも暖かく見てください!それでは第3話どうぞ
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高海さんと教室で雑談しながらスクールアイドル部の方々を待ってる間色んな話をした。やれ、何が好きだの、今日実は緊張していただの、Aqoursの子達は皆可愛いだのと、よくこんな話せるなあと関心していた。Aqoursというのは高海さんの所属しているグループの名前らしい。
15分程度話していると教室の外から話し声が聞こえてきた。
ガラッ
「千歌ちゃーん!お待たせー!」
すると、教室にちょっとくせっ毛のショートカットの女の子がやって来た。また、元気な子が来たなー…Aqoursの子はメンバーになる条件に元気であるのが必須なのだろうかと考えてるとその女子に続いて4人の女の子が入ってくる。
「その人が案内してくれる人なの?」
とピンクと赤の中間みたいな色した髪の大人しめの子が声をかける。
「そーだよ!同じクラスで隣の席の中野くん!」
「中野裕司です。よろしくね。」
とりあえず無難に挨拶した。しかし、女の子皆レベルが高いなあ……やっぱスクールアイドルやるにはこんなに可愛くないといけないのかなーなんて考えてるとくせっ毛ショートカットさんが元気よく手を挙げて挨拶してきた。
「私は渡辺曜!曜って呼んでね!よーろしくー!」
くせっ毛ショートカットさん改め渡辺さんがそう言うとそれに続いてそれぞれが自己紹介してくれた。
「桜内梨子です。これからよろしくね中野くん。」
おお、大人しめ子ちゃん改め桜内はあんまり大きな声出さないんだな。なんか落ち着く。
「えっと、オラ、じゃなくて私は国木田花丸です。よろしくお願いします中野先輩」
茶色い髪の小柄な子がそう言ったが、方言気にしてんのかな?可愛らしくていいと思うけど。
「あ、えっと、黒澤ルビィです。よろしくお願いします……」
赤毛のツインテールの子がおどおどしながらこちらに言ってきた。んー顔が怖いのかな、そこまで露骨に怖がられるとうっかり死にそうになるなあ……あとなんか黒澤さんに飴とかあげたい。かわいい。
「堕天使ヨハネよ。下等な人間よ、私のリトルデーモンになる許可を特別にあげましょう。」
頭にシニヨンつけた女の子がそう言ってきた。なにそれ怖いやめて。あと自己紹介して頭抱えないで。こっちが抱えたいから。
「えーっと、個性が強くていいと思うぞ?」
「フォローはもっとやめて!!!」
あーこの子後でもっといじろう。楽しい。
「よっし、じゃあ自己紹介も終わったしとりあえず生徒会室に案内するよ」
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「そういえば中野くんってスポーツ何かやってるの?」
渡辺さんがふと俺に聞いてきた。
「あーバスケやってたよ。一年やってないからもうほとんど出来ないけどね」
「そういえば幽霊部員って言ってたよね?なにかあったの?」
うっ、高海さんは痛いところついてくるなあ……まぁ、隠すことでもないしいいか
「ん、ちょっと怪我してね。元々そんな上手くなかったから未練も何もないよ」
そう答えるとどこかバツの悪そうな顔をしてしまった。あちゃー誤魔化せばよかったと少し後悔してしまう。
「気にしないでいいよ。それよりそろそろ生徒会室だよ、ほら、この部屋が生徒会室。」
そう言うとAqoursの皆はこっちを向き口々にお礼を言ってきた。苦しゅうない。苦しゅうない。
「じゃあ、俺行くから」
そう言い、帰ろうとすると生徒会室から人が出てきた。
「あれ、中野どうしてこんな所に」
そう声をかけてきたのはバスケ部のキャプテンである佐藤岳(さとうがく)だ。俺が今一番会いたくない人物である。
「いや、ただの道案内よ、そこのAqoursの皆さんの」
「なるほどな、怪我治ったんだろ。いつ復帰する?」
「しないって、俺は一足先に受験生になるの」
なんでこいつ顔合わせる度に復帰させようとすんだまじで。
それじゃと言って俺は帰ろうとする。ほんとにお節介なやつだな、いつまで誘うんだか……
「いつまで逃げるつもりだ?」
は?逃げる?誰が?
帰ろうとした足はそのまま進まず気づけば逆戻りして岳の胸ぐらを掴んでいた。
「なんだ、逃げてる癖に一丁前にプライドはまだあんのか」
「うるせぇよ、今後一切関わんな」
「ベンチは一つ空けておく」
「話にならねえな」
ほんと話にならない。これ以上は無駄だと冷静になる。ふと、Aqoursの皆の顔が視界に入った、困惑気味でどうしていいか分からない顔だ。まぁ、仕方ないよな急にこんなの見せられたら
バツの悪くなった俺は早足でその場を去った。岳がまた何か言っていたが俺は聞かないようにした。膝が痛い。治ったはずなのに。
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4話
講義があまりにもつまらないので書きます
今回は千歌ちゃん視点で書いていきます
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「いつまでも引きずってんな!逃げずに向き合えよ!」
岳って呼ばれてた人が中野くんに向かってそう叫んでたけど中野くんは無視して行っちゃった。何があったか分からないけどただならぬ雰囲気だったのはいくら私でも理解出来た。
「はぁ……あ、すいません、お見苦しいところをお見せして」
岳くんがこっちを向いて謝罪をしてきた。
「いや、全然大丈夫だよ!少し驚いただけだから!」
彼は苦笑いをしていたが、突然難しい顔になって何か考え出し私達に向かって言い出した。
「少しあなた達に頼みたいことがあるんだがいいか?」
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生徒会への書類などの提出は滞りなく終わった。生徒会の人達は外での出来事に触れてこなかった。私達6人は岳くんに言われて体育館にやってきた。
「すまない、わざわざ来てもらって」
「全然大丈夫だよ!それで頼みたいことって?」
岳くんは少し躊躇い遠慮がちに口を開いた。
「中野にもう一度バスケをしてもらうよう説得してほしい。」
「え、でも私達は今日この学校に来たばかりだし中野くんの事も全然知らないし……」
うーん、困ったなあ……力にはなってあげたいけど説得なんて安請け合い出来ないし……
「Aqoursの事はクラスの友達に聞いたんだ。君達は0だったものを1にしたって、何があっても諦めず突き進んできたって。」
「それはそうだったけど、なんか改めてそう言われるとちょっと照れくさいね」
私は照れ隠しのために少し笑って誤魔化した。
「あいつは、中野は今でも0のまま止まってるんだ。去年からずっと0のまま……」
すると梨子ちゃんが割って入ってきた。
「なんとなく頼もうとした理由は分かったけど私達じゃ役不足なんじゃないかしら?それこそ同じ部活の人とか」
たしかにその通りだよね。私達ほんとに来たばっかだし、中野くんとは席は隣でおしゃべりくらいは今日してないわけだし……
「きっと、俺達みたいに最初からあいつにとって内側の存在だったのがいくら言っても聞いてくれないんだ」
実際に今日もケンカになったしと少し岳くんは苦笑いして続けた
「だからこそ外から来たあなた達に協力してほしい。もちろん、強制はしない。ただ中野ともう少し触れ合って協力する気になったらしてほしい。」
そう言って岳くんは部活に戻って行った。できれば力になってあげたいけど……うーん……
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帰り道バスの中で梨子ちゃんと少し話したけどAqoursの方針としてはとりあえずこの話は保留になった。
「うーん……そんな事があったなら部活のこと聞いたの悪かったなあ……」
私は部屋で一人今日中野くんに言ってしまった事を後悔する。明日学校で会ったらそれとなく謝ろうと決めて寝ることにした。
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Aqoursってどう喋ってたか書いてると分からないっすね
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5話
5th両日当たったけど初日行けない疑惑出てきてブルーになってます……それではお話の方書いてきます……
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「あーーーー……やっちまったなあ……」
学校を出て特に意味もなく街をぶらついていた俺は今日の事を思い出して反省していた。いや、まぁ、俺だけのせいじゃない気もするけど岳も悪いし……
そろそろ帰るかと思い家路に向かう。こういう気分ノ落ちてる時は狩野川を眺めながら帰ろうと思い土手の方に向かう。
「今日もいい感じに流れてますなあ」
いいよね、川とかって穏やかな気持ちになる。のほほんとしながら歩いていると、前方の方でなにか揉めている男女がいた。
「ちょっと離しなさいよ!」
ナンパかなあと思いいつつ、いつもならさわらぬ神に祟なしって事でスルーしていたが
「いや、まじかよ」
どっかで見たことあるお団子頭に昼間の元気が嘘のように怯えていた女の子がガラの悪い男に絡まれていた。
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曜side
皆と別れた後私と善子ちゃんはマンションの裏手で少しお話をしていた。もちろん話題は今日の事が主だ。
「全く、信じられないわね。会ったばっかの人にあんな事頼むなんて」
「まぁ、実際そうだよね。でも部活の事聞いたの悪かったよね。事情を知らなかったとはいえ……」
「とにかく、私は今回の件はパスね。さすがに力になれそうもないし。」
と善子ちゃんは手をヒラヒラさせながら言った。善子ちゃんらしいといえば善子ちゃんらしい考え方だ。
「そろそろ帰ろっか、遅くなるとまずいし」
と言って私と善子ちゃんは帰ろうとするとガラの悪い二人組が声をかけてきた。
「ねぇねぇ、お二人さん何してんの?」
金髪でチャラチャラした風貌の男の人が私達に向かって声をかける。
「別になんでもないです。今帰るところなんで。」
「いや、そう言わずにさーちょっと俺達と遊ばない?」
「本当に結構です。」
どれだけ断ってもしつこく声をかけてくる。さすがに埒が明かないと思ったので私は一つひらめいた。
「あの、あんまりしつこいと警察呼びますよ」
これで、大丈夫だろうと軽率に考えたのが間違いだった。男達は急に私の頬を平手で叩いてきた。
「あのさ、あんま調子乗らない方がいいよ?黙って着いてこいよ。」
自分が殴られたのだと気づいた時にはとても怖くなり声も出なくなっていた。すると善子ちゃんが私の前に庇うように出てきてくれた。
私は何も出来ずただ、怯えるだけになった。
sideout
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あれはどう見ても渡辺さんと津島さんだなあ。でもナンパされるくらいであんなに渡辺さんが怯えるのはおかしい。とりあえず何とかしなきゃと近づいて声をかけることに決めた。
「そこで何やってるんですか?」
と聞くと金髪の男がこっちに来た。やだ、怖い。ヤンキー怖い。
「関係ない奴が入ってくんなよ!邪魔なんだよ!」
「いやーさすがにこれ見逃すのは出来ないですよ。とりあえず落ち着きません?」
「なんだお前ぶっ飛ばされてえか!?」
んー会話が出来ない。ってかあんま強くなさそうだなあ。と考えていると胸ぐらを掴まれてしまった。
「ヒーロー気取りなら他所でやれよ!」
相変わらず大声で喋るなあと思って、ふと渡辺さんと津島さんの方を見る。 津島さんは俺が介入したことで安心したような申し訳ないような複雑な表情だった。
そしてこの距離になってからようやく気づいた。渡辺さんの頬が赤く腫れていたのだ。
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