神の盾 (神代リナ)
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新任指揮官
着任


「こちらアルファ、まもなくS-11地区の司令部に到着します」

ヘリのパイロットの声が聞こえる。まさかG&Kに戻ってくるとは…思わなかった。

「こちら管制塔、ラプター、ライトニングの着陸を許可する」

「「了解」」

 

 

 

 

 

 

 

「…懐かしいなぁ…グリフィンの前線司令部」

「イージス、貴方は確か…」

「あぁ、元S-01地区の指揮官だった。昔な」

「昔って言うほどじゃないと思いますが」

「アルファも元々G&Kの社員だった。そこで俺たちは出会った」

「そうだったんですか…貴方はあまり過去を語らないので知りませんでした」

「だって俺、大した事してないし…語るような事してないし」

「いや、コイツは凄かったぞ…見た目の割に」

「おいアルファ、最後のは余計だ」

「イージス、ライトニング達も来ました…」

「よし、じゃあ入るか…」

 

 

 

 

 

 

 

 

「貴方が新任の指揮官?」

「そうだよ…久しぶりだな、AR15」

まさかの出会いである…89式の予感の命中率がエゲツないと感心していた。

「改めて、S-11地区に配属されたコルトAR15です。これからよろしくお願いします」

「あぁ、よろしく」

「他の子達も読んでくるわ」

「頼む」

 

 

 

 

 

 

S-11地区に着任している戦力は

RO635、AR15、M4SOPMODⅡ、9A91、グリズリー、M14+剣部隊+B52(空襲妖精)

全員とあいさつを終えた後…

「S-10地区の時は助けていただいてありがとうございます」

そういえば…S-10地区のレーザー野郎にやられたM14を助けたんだった。

「いや、良いんだ。戦場では助け合うのは当たり前だよ」

「そういえば…AR小隊にはM16とM4がいた気がするんだが…」

「…M4は16LABで修復中でM16は傘にやられました」

ROが答える。

「…そうか。聞いてすまなかったな」

一方その頃

9A91と89式が激しい戦いを繰り広げていた。

「指揮官…私の視線から離れたら言ってね」

「あら…指揮官は私の相棒ですよ」

「「…」」

何これ怖い。俺明日生きてるかな。

「イージス…モテる男は辛いな」

「アルファ、俺が安心して生きていける土地まで頼む」

「俺はタクシーじゃ無いんだがなぁ…」

「「指揮官…逃げるんですか」」

「ウワァァァァァァ」

「イージス…いや、今は指揮官か…アイツは…良いやつだったよ」

「勝手に殺すな…」

 

 

 

 

 

 

 

 

「それでは我が作戦を」

「もう作戦?」

「甘いなグリズリー君、我々人間と人形は働くためにいるんだ…だったら働かないと」

「って言ってるけど…早く終わらせて早く休みたいだけですよね?」

…アッハイ。その通りでございます。

「今回はS-11地区の鉄血工場を爆破するのが目的だ。ここを爆破しちまえばしばらくS-11地区は安泰だ」

「でも敵戦力が…」

「流石だなAR小隊の隊長殿は…だが大丈夫だ。うちの基地にはライトニングにラプター、B52、アパッチがある。航空機組に工場を攻撃してもらい、アパッチは俺たちの援護をする…ちなみに鉄血のUAVや対空兵器は確認されていない。だからこそできる作戦でもある」

「でも誘導兵器が使えない以上、正確な攻撃が出来ないのでは?」

流石ラプター。ライトニングやラプターなどの戦術人形は誘導兵器が本来よりは正確じゃないが使える。しかし、B52はそうじゃない…

「安心しろ。俺たちが誘導兵器の目になる。ROの処理能力が特にずば抜けてるから誘導を頼みたいんだが…」

「良いですよ」

「よし、ありがとう。で、それ以外の陸上戦力はROの護衛だ。分かったか?」

「「了解」」



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爆弾攻勢 前編

深層映写が近づいてくるー


「…大型輸送ヘリも準備してくれてるのか。流石グリフィン」

「資金の格が違いますねぇ…」

「じゃ、輸送ヘリに人形を乗せるか…俺はいつも通りにアパッチ改に…」

「「えっ!?指揮官もくるの」」

「「えっ?ダメなの?」」

思わず俺と89式は叫ぶ。

「だって指揮官に何かあったら」

「でも彼、普通の人形より強そうじゃない」

「グリズリーさん!何言ってるんですか…」

「SOPはどう思う?」

「んー、良いんじゃない?」

「…ROちゃん、人間はね、働かないと死ぬんだよ」

「指揮官、嘘をつかないで」

「私より指揮官の方が強そうだし…良いと思うよ」

「M14まで…」

「私に指揮官がついて来てくれるなんて…」

「だれか9A91をどうにかしてくれ」

「イージス、ここに害虫を駆除するための化学物質が」

「何それ怖い」

「もうどうなってるのよ…」

「俺が聞きたいよ…AR15」

まあとりあえず…

「多数決で俺の勝ちだな…RO」

「1つ条件があります…ちゃんと防弾チョッキを着てください」

「着てるよ…一番安いやつ(☆3)」

「ちゃんと高いの(☆5)を着てください!」

「えぇ…じゃあちょっと買ってくる」

 

 

 

 

 

 

 

「おーい、カリーナ」

「何ですか?指揮官様」

カリーナは俺の書類仕事とかを助けてくれる。ちなみに数少ない人間の女性である。

「ちゃんとした防弾チョッキを買おうかと」

「結局自分を出撃するんですか…気をつけてくださいね」

「分かってるよ…ちょっと高いなぁ、このチョッキ」

「でも、これさえあればライフル弾も貫通しませんよ」

「まー、買うけどさ」

「お買い上げいただきありがとうございまーす」

 

 

 

 

 

 

 

防弾チョッキを買った後、自分の装備を決めた。今回はプライマリウェポンがP90、セカンドリウェポンがFN57、その他装備として手榴弾3発と迫撃砲(敵工場破壊用)を持ってきた。

「はぁー、やっと出撃か…」

「指揮官ってのは大変だな」

「全くだ…今回も頼むぞ、アルファ」

「任せとけ」

「こちら管制塔、ラプター、ライトニングのタシキングを許可する」

「ラプター、テイクオフ」

「ライトニング、テイクオフ」

「B52、速やかに出撃せよ」

「やっぱ戦略爆撃機はデカイなぁ」

「あれが何機もあれば苦労はしないんだがな」

「第3次世界大戦で航空機はほとんどなくなったからなぁ…」

「第3次世界大戦、許さん」

「アルファ、上昇開始」

「さて、初仕事頑張りますか」

 

 

 

 

 

 

「こちらアルファ、まもなくLZに到着する」

「全人形へ、今回のLZは速さを重視するために工場付近にしてる代わりに敵地のど真ん中だ。だからヘリを着陸させられない。全員、降下準備!初仕事開始だ」

「「了解」」



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爆弾攻勢 後編

[任務内容]
敵工場を爆破せよ
[味方戦力]
指揮官(イージス)、89式
AR小隊(RO635、AR15、SOPMOD)
第二部隊(9A91、M14、グリズリー)
ghost隊(ライトニング、ラプター)
B52(空襲妖精)


「ダイビングだー」

「「こんなのってあんまりだよ」」

初任務が高度2000mからのダイビングから始まるのである。人形達から批判殺到中である。

「ヨォエリートさん(AR小隊)、ダイビングの経験はあるかい」

「あるわけないじゃないですか〜!」

ROよ…強く生きるんだ。

「ワータノシイー」

AR15が死んだ…

「SOPは大丈夫か?…エッ!?」

「もっと大きな声を出せ〜」

SOPMODが飛びながら射撃してる…頭オカシイ(褒め言葉)

「総員、対ショック姿勢!」

…ダイナミック着地☆

「わーお…敵ばっかだぁ」

「指揮官…全員解体しても良いんだよね」

「勿論さ、動く鉄血は皆殺しだー」

「「了解!!」」

「M14は後方で援護射撃、ROは後方で待機、それ以外は突撃して敵の陣形を崩すんだ」

「こちらライトニング、対地ミサイル発射するよー」

「ラプター、対地ミサイル発射!」

敵工場の南側の一部が綺麗に吹き飛ぶ。

「汚ねぇ花火だぜ…そうだ89式、コイツを使うか?」

邪悪な笑みを浮かべながらバックを渡すイージス。

「…たまにはそういうのも悪くなさそうですね」

そのバックの中身は…ガトリングガンだった。そして銃身が回り出し、火を吹いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうしておよそ300体ほどの鉄血兵が89式のガトリングの犠牲になったのである。

「…凄い勢いで敵がスクラップになったね」

グリズリーが驚いている…まぁ89式は神エイムの持ち主だからねシカタナイネ。

「こればかりは私の負けです」

9A91も敗北を認めた。

「私の援護射撃…要りました?」

「いや…これは89式がおかしいだけだから…そんな落ち込まなくても」

「イージス、ちょっと東側を偵察してきます…」

「ん、分かった」

「さて…RO、誘導爆弾の誘導を頼む」

「分かりました…空襲妖精と連動します」

「こちら空襲妖精、爆弾倉を開きます」

「空襲妖精と連動完了…指揮官、指示を」

「爆弾投下!敵工場の比較的損害の少ない北側を爆撃せよ」

「爆弾投下!」

「爆弾を誘導します…着弾!」

「やっぱり爆撃機はすげぇな…搭載量が違う」

北側は壊滅的だ…さて後は

「南側に俺が迫撃砲を撃ち込めばしばらくこの工場は機能しないだろう…砲撃開始!」

4発の迫撃砲弾が鉄血工場にとどめを刺した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…そこの人形、手を挙げなさい」

「あら…久しぶりね。今の名前は確か…」

「89式ですよ、ドリーマー」

「いつから貴方はグリフィンの犬になったの?」

「…私は私の役目を果たすまで。そのためだったらグリフィンにだろうが何だろうが協力します」

「なるほどね…分かってるとは思うけどここに私達の主人は居ないわよ、traitor」

「…そうですか。後その名前では呼ばないでください」

「じゃ、私はかえらせてもらうわ」

「…二度と私の前に現れないで欲しいわ」

「それは難しいわ…だって私達は同じ工場から生まれた人形だもの」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こちらイージス、LZに到着した。回収してくれ」

「こちらアルファ了解、輸送ヘリと一緒に行く」

 




traitorは裏切り者という意味です。


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遅すぎた告別

レーザー兵器はロマン。はっきり分かるんだね。
ちなみにイージス君はフリー素材です。


爆撃作戦が終わった後のことである。

「…作戦は成功した。これでS-11地区の鉄血はしばらく大人しくなるだろう。さぁ、今日はもう休んで良いぞ」

「良いんですか…その、作戦報告書とかは書かなくて」

ROが質問する。

「あぁ、それなら…戦闘中に書いた」

報告書を見せる。

「「凄い」」

「あれ、私の仕事は…」

「カリーナ、お前はショップにでもこもって悪徳商売でもしてろ」

「酷いです…」

「酷いって…誰だっけな〜着任したてホヤホヤの俺に本来の3倍の値段で拳銃弾を売ったやつ」

「うぐっ」

カリーナは倒れた。

「ま、悪徳商売には慣れてるからな…」

「なんか嫌な予感が…」

「AR15、大正解だ。若い頃なんて苦労したものだ。クソみたいな悪徳商売をしてる奴にはロケット弾をPON☆と1発くれてやった…クルーガーさんには言うなよ」

「「コイツヤバイ」」

「私もやってみたいなぁそれ」

「ちょっと、グリズリーさん!?」

「M14もやるか?」

「やりません!犯罪一歩手前じゃないですか」

「いや犯罪でしょ」

「てか今でも若いよね」とか言ってるSOP。精神はかなり年取ってるから、俺。

「イージス、少し良いですか?」

「ん?89式、どうした?」

「ちょっと真面目なお願いが」

「オッケー、みんなちょっと2人っきりにしてくれないか」

「指揮官、まさか駆け落ち…」

「9A91、俺の元部下なら分かるだろ?真面目な用事だ」

「…分かりました」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

司令室にて

「まさか外骨格の改良と武装の変更を俺に頼むとは…」

「貴方は元々整備もやってたはずですが」

「まぁ、そうなんだけどさー。しばらくやって無かったから…で、この専用外骨格をつけるって事はお別れか」

「…えぇ。ここにはブレインがいないから」

「また俺は一人か…まぁ今までありがとな相棒。さっさと任務を終わらせて帰ってこいよ」

「分かりました…後、貴方はもう一人じゃないはずです」

「…分かってるよ」

「よし、骨格は付け終わった。武装はどうする?」

「そうですね…グレネードランチャーとかって」

「あるよ、リボルバーグレネードランチャー(6連装)。コイツで良いか?」

「ありがとう、後P90も貰ってこうかしら」

「良いぞ。後はコイツか」

対鉄血用レーザーソード[エクスキャリバー](89式only)

高い貫通性能を持つ近接レーザー兵器である。

「…機能正常。問題ありません」

「依頼は終わったぞ…さぁ、行ってこい。行ってお前の役目を果たせ」

「了解…イージス、今まで楽しかった。ありがとう」

「俺もだぜ、89式」




9A91
イージスがS-01地区の指揮官だった頃の部下の一人。他の人形に比べて高い戦闘力を持つ。使用武器は9A91とマカロフ(サプレッサー付き)
ちなみに本人曰く、ヤンデレキャラはワザとやってるとのこと。


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休暇をPON☆とくれたZE

休暇という名の仕事
イージス君が休めるのはいつなのか…


「これは…夢じゃないのか…1日休めるだと」

今日の朝、ヘリアンさんから連絡があったのだ…休暇をくれると。神は私を見捨てなかった。

「にしてもあの人やたら機嫌が良かったな…」

「合コンが良い感じなんじゃないですか」

カリーナが答えた。うん、そんな気がする。

「さてと…寝るか」

「「指揮官が死んだ」」

「残念だったな、トリックだよ」

「指揮官って休暇にすることあるの?」

とライトニングが尋ねる

「今日はあるぞ…S-11地区の防衛体制を決めないと」

「結局仕事関連じゃないですか」とラプターが突っ込んだが気にしない。

「カリーナちゃんよ、みんなを集めてきてくれ」

「了解でーす」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、今からこの司令部の防衛体制について話し合いたいと思う…本来休暇だけど」

あー久しぶりに寝られるはずだったのに…まぁ命に比べれば安いが。

「まずこの基地は鉄血占領下のS-12地区が横にある。んで更に激戦区のS-10地区が横にある。ここまで言えば何を言いたいか分かるな?」

「このS-11地区はいつ攻められてもおかしくない…って事ですね」ROが答える。

「その通りだ。更にS-11地区はS-10地区ほどでは無いが汚染地域が少なく、この司令部の周りには人が暮らしている。もちろん暮らしてる奴らの中にはテロリストや密売人、人類人権団体、更には鉄血のスパイも含まれている」

「要するに敵は鉄血だけでは無いと」グリズリーが言う。

「そうだ。この地区はかなり危険だが…S-10地区にいる鉄血を偵察できる貴重な地区でもある。だからこの司令部は絶対に落とされてはいけない」

「で、今の戦力だが…ここに集まっている人形達はみんな練度が80以上のエリートだ。しかし数が足りない。それを補うために30体ほどの第一世代の人形と3機の偵察用のUAVが配備されている。テロリスト対策はこれで十分だがおそらくS-12地区の鉄血が攻めてきた時には戦力不足だ」

「そうですね…でもあの89式とか言うチート人形がいれば大丈夫なんじゃないですか?」9A91がそんなことを言った

「89式は極秘任務遂行のためにしばらく帰ってこない。だからこの問題は俺たちでなんとかするしかない」

「彼女は帰ってくるんですよね?」

「安心しろAR15、アイツは必ず帰ってくる…必ず」

「では、第一世代の人形を更に増やすのはどうでしょう?」M14が提案する。

第一世代の人形は安いしそれなりに丈夫だ。しかし、単純な指示しか出せないが第二世代の人形を大量に買えるだけの金もなければ運用する資材もない。

「まぁ当分はそうするしかないが将来的には第二世代の人形も増やしたい。それにいくら航空支援があるとはいえ、第二部隊が明らかに人手不足だしな」

「この司令部の人形全体を見ても足りない銃種が多いですからね」

「ROの言う通りだ。とりあえず今回は一世代の人形の追加を本部に頼んでおく。じゃあ会議は終わりだ、後は好きにしてくれ」




S-11地区の人形の練度設定
RO635 LV95
SOPMOD LV92
AR15 mod2.5(A.T社の独自改修) LV112
9A91 LV100
M14 LV90
グリズリー LV85


グリフィン全体の人形の平均練度が30くらいという設定です。


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渡り鳥

任務 S-03地区のI.O.P社の工場を占領しているテロリストを排除せよ
戦力 9A91、AR15、イージス(使用武器は89式のみ)、C-2
輸送機
ghost隊 (ライトニング、ラプター)


司令室にて

「9A91、AR15それにghost隊の諸君、良く来てくれた」

「何故私たちだけを呼んだのかしら」

AR15が尋ねる。

「今回の任務が任務だからだ。今回の相手は…人間だ」

「なるほど…セーフティーがある人形は出撃できないってことですか」

「その通りだ。今回の任務はI.O.Pからだ。つい先程、テロリストがS-03地区のI.O.Pの工場を占拠した。依頼はコイツらの排除だ」

「にしても距離が遠いですね。ヘリでいくと時間がかかりますよ」

ラプターが言う。全くその通りだ。

「そんな貴方にC-2輸送機。今回はコイツを使ってS-03地区まで行く。ちなみにこの工場付近の飛行場の使用許可が出ているから帰りも安心だ。」

「でもライトニング達が行く意味は?」

「テロリスト共が占拠した工場がUAVの製作工場なんでね。一応の警戒だ」

「そういう事でしたら…では私たちは出撃準備に移ります」

「また空で会おうねー」

ライトニングとラプターは司令室から出て行った。

「…ところでC-2輸送機は何処から拾って来たのかしら」

AR15が尋ねる

「グリフィンの上に頼んだら空輸妖精と一緒に快く貸してくれたぞ」

「相変わらずの癒着っぷりですねぇ…I.O.Pとグリフィンは」

9A91が嫌味っぽく言う。

「昔からそこは変わってないよな…じゃ、行きますか」

「こちら管制塔、ghost隊は速やかに出撃せよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こちら空輸妖精、まもなくS-03地区に到着します」

「こちらラプター、敵影見ず」

「こちらライトニング、敵機はいないよ」

「よし、降下するぞ!」

「「了解」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「着地成功…周りが既にテロリストばかりだ」

「これは…想像以上の数ね」

「と言ってる割には楽しそうだな、AR15」

「どっかの誰かさんのせいじゃないですか?」

「どっかの誰かさんとは誰の事だ?9A91」

「コイツら…S-03地区の奴らじゃねぇぞ」

テロリストの一人が叫ぶ

「お前、中々良いところまで考えたな。この名前を出せば分かるかな?俺はイージスだ」

「お前が!…テロリスト殺しの」

「なんでテロリストにこんなに俺の名前が知られてるの?」

「S-01地区にいた頃に散々テロリスト共をしばいたからでしょうに」と呆れ顔で9A91が言う。

「RPG!」

テロリストの一人がRPGを撃った

「9A91とAR15、俺の名前の由来を教えられやる」

俺の89式自動小銃が火を吹き…空中のロケット弾を破壊する。

「イージス…なるほどね」

「今まで名前の由来を知りませんでしたよ、指揮官」

9A91さん、目の前のテロリストより怖いです。

「じゃ、俺はアイツらのロケット弾を迎撃してるからテロリスト共は頼んだ」

「「了解しました」」

 

 

 

 

 

 

「…終わったか?」

「はい、テロリスト共は全員眠ってます」

「麻酔弾は便利だよなぁ、じゃ帰りますか」

 



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テロリスト殺し(過去編)
亡霊の集まり 前編


今回は過去編です。


「こちら管制塔、C-2輸送機の着陸を許可する」

「…S-11地区よ、私は帰ってきたー」

「今回は簡単な任務だったわね」

AR15が言う。

「まぁ普通の人形だったら無理ゲーなんだがな…」

「やはり指揮官の側にいるのはこの9A91がもっともふさわしいってことですね。他の奴らを掃除してきます」

「意味わからん。てかお前さんさ、なんでヤンデレ(?)になってるの?昔は純粋な子だったよね」

「えっ、指揮官はこういうのが好きってとある人に聞きました」

「とある人って誰だよ」

「アルファさん」

「ちょっとアイツを殴ってくる」

「えっ」

「おい、イージスどうしたんだ…ってなんで殴られなきゃならんの、俺」

「アルファ…アイツは良いやつだったよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「指揮官、私達に内緒で一体どこに行ってたんですか!」

あ、ヤベェ。ROがキレてる。どう言おう…

「いやーちょっとお買い物に」

我ながら安い嘘だと思う

「…嘘ですね」

「バレましたか…」

「…指揮官だけずるいよ」

すまないSOP、お前が人を解体するのは見たくねぇ

「確かに私達は貴方達より弱いかもしれない。でもせめて信用くらいはして欲しい」

…グリズリーさん、全くの正論でございます

「そうですよ」

M14まで

「分かったよ。俺たちを何してたかを聞きたいやつは…このソフトをダウンロードしてくれ」

「これは…バレたら大変なことになるわよ」

「良いんだAR15」

「なんのソフトですかこれは」

「安心しろ、RO。ウイルスとかでは無い」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、全員がダウンロードしたか…じゃ、俺に銃を向けてみてくれ」

「そんなこと…出来るはずがありません。だってセーフティーが…えっ」

俺とAR15、9A91以外が驚く。

「そっ、さっきのソフトは人形のセーフティーを解除して人を撃てるようにするプログラムが入っていたんだ」

「それって違法プログラムじゃ?」

「まぁその通りだな、M14。

「じゃあ貴方達がした事というのは」

「そう、人殺しだ…まぁテロリストだがな」

「AR15…A.T社で何をされたの?」

ROが警戒しながら尋ねる

「何もされてないわよ…ただ彼らは教えてくれただけよ…この世の闇を」

「この世の闇…ね」

「指揮官、貴方は一体何ものなの?」

「ただの指揮官だ…って言っても信用してくれそうに無いな。じゃあ、少し昔話をしようか。これは俺がまだG&KにもA.T社にも所属してない(亡霊だった)時の話だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2059年、S-01地区の廃ビルにて

「こちらphantom01、狙撃ポイントに着いた」

「こちらphantom02、了解。指示を待つ」

俺の愛銃である38式歩兵銃を構える。スコープを覗くと今回の回収ターゲットを持っているテロリストとその護衛の人形共が見える。まだ射程圏外だ。

「なぁphantom01」

「どうした02」

「今回の依頼主は16LABのやつらだよな」

「そうだ。確か名前はペルシカとか言うやつだったような」

「で、依頼は強奪されたI.O.Pの人形に関するデータを取り返す。で、テロリスト共には何故か鉄血人形が護衛としている」

「その通りだが」

「鉄血の索敵能力がヤバイと聞いたが?」

「じゃあ、バレなきゃ良い訳だ」

「あんまりだぜ…で01、お前はなんで対人形用麻酔銃なんてもんを持ってるんだ」

「03に作ってもらった。人形とはいえ殺したくないからな」

「よくもまぁ今の時代にそんなことを言ってられるよなぁ」

「まぁ殺したら殺したでしつこく追い回されそうっていうもっともな理由もあるけどな。俺たちは亡霊でいなくちゃならない。戸籍上は死んでることになってるんだから。存在がバレたら何されるかわからん。ただでさえ汚れ仕事を山ほどやってきたんだから」

「まぁ眠らせるだけならあんまり問題にはならなさそうだしな…おっと雑談の時間は終わりだ。テロリスト共がお前さんの射程内に入ってきた」




phantom
存在してはいけない者達の集まり。どこの企業にも属さない。主に大企業や正規軍からの汚れ仕事を請け負う。
phantom01
イージスの昔のコールサイン。高い狙撃能力を持つ。愛銃は彼の父親の形見である38式歩兵銃。
phantom02
イージスの元相棒。中〜近距離戦を得意とする。主にアサルトライフルや発煙手榴弾を使う。
phantom03
phantomに所属している技術者。戦闘はあまり得意ではないが高い技術力を使って01や02の武器を作っている。


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亡霊の集まり 後編

過去編が結構長くなりそうです。


照準を合わせて引き金に指をかける。優先順位は…3体の狙撃手タイプの鉄血人形だ。他にもテロリストが2人いるが武器がAK47だから多分後回しで大丈夫と判断。弾はちゃんと対人形用の麻酔弾を込めて引き金を…引く。38式はボルトアクションだからすぐさま手動で薬莢を排出して次弾をこめる。…ん?鉄血人形に効いてないぞこの麻酔弾。

「こちらphantom01からphantom03へ、麻酔弾が効いかない。どう言うことだ?」

「こちら03、テロリスト共が俺にこう言ったんだ…01の妨害をしたらこの任務の報酬の3倍の額を出すと」

「裏切りやがって…01から02へ、03が裏切った。任務は失敗だ」

「03が裏切っただと…で、どうする?」

「…とりあえず、俺が合図したら鉄血共のところに発煙手榴弾を投げてくれ。すぐにお前と合流する」

「了解…お前、実弾は後何発残ってる?」

「…30発くらいだ」

「良かったな、全弾ミス無しで当てれば弾が余裕で余るぞ」

「無茶苦茶だ…がやってみるか」

「廃ビルの階段を下りながら窓から発砲。1体の鉄血人形の頭に風穴が開く」

「01、ターゲットを1体破壊、そろそろ発煙手榴弾を投げてもいいぞ」

「流石だぜ。じゃあこっちもスモークを投げる」

02が発煙手榴弾を投げて、煙が出た後、俺は外に出て02が隠れている建物の裏に滑り込む。

「…ナイスタイミングだったぞ、02」

「早くここから離脱しよう」

「だな…」

スコープを覗いて周囲を確認する。

「東側はテロリストの本拠地があるから論外。南側は鉄血人形が5体しかいないが…奥に何体かいるかもしれない。西側にはテロリストの装甲車両が2台…北側には何もいないが身を隠す場所が少ない…どうする?」

「…北から行こう」

「しかし、向こうにバレたら終わりだぞ」

「安心しろ、そこに車がある…多分動く」

「分かった。運転は頼んだぞ02」

「任せとけ」

スモークが切れないうちに車に乗って北側へ走り出す。

車の中だと流石に38式は使いづらい使いづらいし、多分当たらない…いっそ当たらなくても敵を吹き飛ばせる爆発系の武器が欲しいな

「おい、02。なんかロケットランチャーとか無いか?」

「あるよ」

そう言ってRPG7を渡してきた。

「ちょっと天井に穴が空いてるなこの車」

「RPG発射!」

テロリスト2人と鉄血人形1体が吹き飛ぶ。

「鉄血人形は残り1体だがもうすぐで奴の射程圏外だ」

「俺たち…助かったのか、01」

「あぁ…もうすぐで…」

突然、車の近くに何かが着弾し、吹き飛ばされる。多分敵の砲撃だろう。

「っ!!」

全身が痛い…02は…大丈夫…なのか?

「お…い、大丈夫か…」

…息をしてなかった。恐らく頭を強く撃ってしまったのだろう。俺もそろそろ…限界だ。視界が…暗くなってくる…



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死んだと思った?残念だったなトリックだよ

銀髪って良いよね


「…ここは天国かそれとも地獄か?」

俺は辺りを見渡した…病院のベットっぽいのに寝かされている。死の国って意外と親切だなー

「残念だがどちらでもない…ここはG&Kと提携している病院だ」

…誰だこのおっさん。てか今G&Kって言ったよね。俺、正規軍かなんかに引き渡されて殺されるんじゃね?

「あんた誰だ?」

「…私はG&Kで社長をやってるものだ」

「…確か名前はクルーガーだっけ?」

「そうだ。あと安心しろ…君を殺すつもりは無いし正規軍に引き渡す気もない」

…これは裏がある。絶対にある。phantomとしての感がそう言ってる。

「君には少しやって欲しい事があるだけだ」

やっぱり…

「…君にはG&Kに入ってS-01地区のテロリスト共の主要拠点を攻略して欲しい」

「少し…じゃない気が」

クルーガーによればS地区は崩壊液に汚染されている土地が少ない貴重な地区だからG&Kとしてはなんとしても確保したい。しかし、至る所にテロリストがいるから掃討したいが他の地区の警備などで人手が足りない。そんな時に俺は救助された…そんな感じだ。身柄を保護してくれてさらに金がもらえるなら文句は無い。

「…どうやら私はG&Kに入るしかないようですね。でも戸籍はどうするんですか?私は本来死んでることになってるんですが」

「君が話が分かる人で良かったよ…で戸籍はこちらで偽装しておく」

「そんな事して大丈夫なんですか」

「今の世の中そんぐらいしてるPMCはいくらでもある」

「えぇ…」

「一応これを持っとけ」

そう言ってクルーガー社長がM9A3とホルスターを取り出して俺に渡した。

「ところで私の38式歩兵銃は?」

「損傷が激しく修理不可能だったので回収しなかった」

ちょっと…いやかなり残念だが…しょうがない。

「…ところでこのベレッタの貸し出し料金とかあるんですか」

「返さなくて構わんよ。代金は君の口座から抜き取っておいたからな」

軽く犯罪どころか犯罪である…が武器無しで歩く訳にもいかないしな今の世の中。そう思って納得した。

「では、今日まではゆっくり休んでいてくれ。明日からさっそく任務があるぞ」

「了解です、クルーガー社長」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日

「…久しぶりによく寝た」

案外、病院とかも悪くないかも。安心して休める。そんな事を考えてたら誰かがドアをノックする音が聞こえる。一応M9A3を構えた。

「…どちら様でしょうか」

「グリフィンに所属しているものなんですけど」

少女の声が聞こえる。まだ警戒を解いてはいけない。

「どうぞ入って下さい」

銀髪美少女とはたまげたなぁ…アサルトライフルを持っているがきちんとセーフティがかかってるし、そもそもマガジンがささってない。敵では無さそうだ。

「君の名前は?」

「9A91と言います。今日から貴方の指揮下に入ります」

なるほど…まぁ確かに1人で任務をこなすのは辛いからな。かと言って多くの仲間は要らない。だって私はphantomなのだから。

「変わった名前だね」

「人形ですから」

グリフィンに所属してる人形ってみんなこんな感じなのか。めっちゃ可愛いし、人間そっくり。

「さっそく任務があります…まずは16LABに向かって下さい」

「分かった…ところでここの病院代は?」

「それについてクルーガー社長から伝言があります…口座から抜き取っておいたですって」

「ふざけやがって!」

「気持ちは分かりますよ」

少々機嫌が悪くなったが…とりあえず俺たちは16LABに向かった。



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Aegis 前編

I.O.Pとか変態しかいなさそう(超☆偏見)
ちなみにphantom01君の昏睡時間は1日という設定です。



…16LABにて

「これが16LABの建物か…大企業と提携している施設は格が違うな」

やっぱいつの時代も金と権力が大事なんだなって。ちなみに16LABやI.O.Pからの依頼を受けたことはあるがいつも通信だけだったので実際に建物を見るのは初めてだったりする。

「武器はこちらが預からせてもらいます」

警備の人がそう言ったのでベレッタを預けた。

「9A91は取り上げられないのか」

「私たちI.O.Pの人形はI.O.Pの社員とグリフィンの社員には発砲が出来ないようにセーフティーがかかってるので」

「なるほどね」

 

 

 

 

 

 

 

「貴方が亡霊さん?」

「そうです、ペルシカさん…前の任務、達成出来なくて大変申し訳ありませんでした」

「いや構わないよ…実はあのデータは囮なんだ」

「それって…」

「私たちは鉄血の職員がテロリストを雇っているという事実が欲しかったのさ…これでしばらくリコもおとなしくなるだろう」

「でも証拠は」

「君達の無線を盗聴させてもらった」

…コイツ悪気がねぇ。一言言ってくれせめて。

「まぁそのおかげで君は助かったんだから…勝手な盗聴は帳消しにしてくれ」

「まぁそう言うことなら」

「そろそろ本題に入ろう。今回の君の任務は模擬作戦だ」

「模擬作戦…ですか」

「不満かい?」

「いえ、そんな事はありません」

「模擬作戦と言っても君の専用兵器のテストだけど」

え、マジで?専用兵器って嫌な予感しかしない。

「こちらが専用兵器だ…気に入ってくれると良いんだが」

89式自動小銃改(命中精度の上昇やドラムマガジンが使用できるように改造してある)に4連装ロケットランチャー[Mars]、片手直剣[シリウス]それとクルーガーから買った(買わされた)ベレッタM9A3(サプレッサー、フラッシュライト付き)、光化学迷彩だ。片手剣とか使ったこと無いんだけど。あ、でも近接戦闘能力が強化できるから良いか。ロケランは役に立つだろうし、89式はありがたい。

「確か君はビリヤード(銃弾を銃弾で撃つこと)とかも出来たよね?」

「やったことはあります」

「じゃあやってみようか」

はい?

「9A91、この訓練用ゴム弾でphantom君を撃ってみて」

「…了解しました」

「ちょっと待てー!」

「安心して、君の89式にもゴム弾が装填してあるから」

「そういう問題じゃない…まぁやりますけど」

もう…こんな所で撃ち合いしてどうなっても知らないぞ。まぁ実験器具とかは無いっぽいけど。さて、9A91の装弾数は20発だ。という事は20発の弾丸を迎撃しなければならない。やりたくねぇ。

「それでは…指揮官、撃ちますよ」

9A91が発砲を開始。フルオートなので20発なんてすぐに撃ち尽くす。そして20発の弾丸が俺のところに吸い込まれるように飛んでくる…がしかし次の瞬間、9A91の弾丸は別の方へ飛んでいく。

「嘘…」

「流石亡霊と言ったところかな」

これ結構疲れるからやめて欲しい。てか9A91が現界からログアウトしそうだけど大丈夫かな。

「人形と言うのは確かに普通の人間より優れているから敵(テロリスト)に対して抑止力になる…人より射撃精度も高いし、丈夫だからね。でも、君のようなイレギュラーが出てくるとその抑止力が効かなくなる。全く…君の実力は大したものだ。クルーガーが欲しくなるのも分かるよ」

そんな事をペルシカは言っているが…人形の射撃精度も中々だ。もし人形が複数体いたら俺は確実に負ける。

「じゃあ次はMarsの方を試そう…付いてきて」

俺たちはペルシカに付いて行って、外の実験場まで歩いた。




4連装ロケットランチャー[Mars]
16LABが作った高火力なロケットランチャー。その火力は正規軍の装甲兵が一瞬でスクラップになるほどやばい。あまりにも強すぎるため、量産はされていない。
ちなみにMarsの日本語訳は火星。


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Aegis 後編

過去編がやっと終わった。


16LABの実験場…そうそこにあったのは…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃあ今度はMarsをそこの(正規軍の)戦車に撃ってみよう」

「…どうやって入手したんですかその戦車?」

「ちょっと…ね」

これは闇のニオイを感じる。まぁとりあえず撃ちますか。

PON☆

「マジか」

あの硬すぎると話題の正規軍の戦車の装甲を貫通した…火力ヤバイな。てかこれって違法兵器のレベルじゃね?

「…I.O.Pって大丈夫?」

「普段は健全ですよ…多分」

9A91はそう言ってるがまるで説得力が無い。

この後、残っていた戦車の砲身に片手直剣[シリウス]を振りかざしたら真っ二つになった。アタマオカシイ。で、光化学迷彩は普通だった。

「うん、試験はもう良いや。大体予想通り」

「これが予想通りなんですか…」

「外のヘリポートにヘリが待機してるからそれに乗って。S-01地区の司令部まで連れて行ってくれるから」

「ちなみにこの武装のお値段は…」

「ただで良いよ。破棄予定の違法兵器だから」

「違法って言ったよこの人…今日はありがとうございました」

「君は何のために戦い続けるんだ、亡霊君?」

「… 普通は復讐のためとか言うのかな?でも俺は違う。俺は…もう二度と仲間を失わないために、もう仲間を失う人が居なくなるために…俺は戦い続ける」

「クルーガーからの伝言だ。ここでの君のコードネームは[イージス]…良い名前だね」

「こちらアルファ、まもなくヘリポートに到着する」

そしてその1ヶ月後、彼らによってS-01地区を完全に開放された。(その時、テロリスト達からテロリスト殺しとして恐れられる。S-01地区開放直後、その偉業からイージスにはグリフィンエリート勲章が与えられたがその後彼らは一度前線から姿を消すことになる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2062年 NOW

 

「まぁこんな所かな」

「イージスって意外と凄かったんだね」

「ライトニングお前意外とって…まぁよく言われるから良いけどさ」

「変な疑いをかけてすみませんでした…」

「良いんだよ、RO」

「ところで指揮官、グリフィンを辞めた後は何をしてたんですか?」

と9A91が尋ねる

「辞めた後1年間は人形整備士、その後はA.T社に勤めてたよ」

「人形整備士ですか…」

「意外か?」

「貴方出来ないことって逆に何かあるの?」

AR15が聞いてきたが…俺だってできない事はある。

「近接戦は割と苦手。後、料理をするとこの世のものとは思えないものが出来る…」

「あぁ…」

「ところで今、ロケランとかどこにあるの?」

「良い質問だな、グリズリー…今私が座ってるイスの下でーす」

と言ってイスの下からMarsとシリアス、89式改を取り出す。

「俺がグリフィンを辞めた時に9A91に預けてたんだよね」

「そのロケットランチャー、私も欲しい」

SOPがそんな事を言ってたが…渡さない方が良さそうかな

「ちょっと失礼…分かった。今、飛行場の管制塔から連絡があった。街の方でテロが起きたらしい…テロリスト殺しの名を引き継ぎたい大馬鹿野郎だけ残れ」

全員残りやがったか

「お前らはもう少し大人しいと思ってたんだがな」

「貴方の部下が賢いとでも?」

「言うようになったな、M14…全員、直ちに戦闘準備!」

「「了解」」




片手直剣[シリウス]
青白い片手直剣。最新の特殊合金を使用しているため軽くて丈夫。更にこの剣に使われている素材にはレーザーを無効化する効果がある。


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前線基地の日常
設定集


需要があるかは知りませんが書きます。ちなみにここのはフリー素材(聞いてない)


イージス(現S-11地区の指揮官)

 

日系の男性。年齢は恐らく20代(本人が覚えてない)。使えない銃種は物理的に携行できないもの以外は無い。本人は遠距離戦が得意で近接戦は苦手と言っているが明らかに近接戦も正規軍の軍人よりは強い。G&Kに所属している時は89式自動小銃改、4連装ロケットランチャー[Mars]、片手直剣[シリウス]、ベレッタM9A3、光化学迷彩(16LAB)を使用する。ちなみに異様な経歴を持つ。(民間人→少年兵→懲罰部隊→phantom→G&K→人形整備士→ソロ傭兵→A.T社→G&K)

 

鉄血製戦術人形traitor(戦術人形89式自動小銃)

 

裏切り者のコードネームを持つ戦術人形。最初は16LABのAR小隊の人形達を越えようとして作られた(Dominator計画)がエリザの製作が始まってからはエリザが暴走した際、それを止めるまたはエリザを破壊するための人形に方向性を変更した。しかし、運用テストで望んだ性能が出せなかったため破棄された。その後、イージスによって救助されA.T社で改良された。それ以降はイージスと共に行動していたが今は単独でエリザをさがしている。

 

A.T社(Anti Teller社)

 

第三次世界大戦中に設立したPMC。第三次世界大戦が終結した直後、グリフィンに一度併合したものの結局意見が分かれて再び独立(2061年)。その後は様々な汚れ仕事を請け負っていた。ここに入った人は、剣部隊(由来は旧日本軍の爆撃機)、デルタ隊(由来?知らんな☆)、ヘリパイロット、技術班、後方支援班に分けられる。

 

 

I.O.P 武装研究班

 

ロマン兵器や違法な火力が出る兵器や違法改造兵器を作ってる部門(もちろん普通の武器も作って入る)ここの職員はイージスが自分達が作った武器を完璧に使いこなしてくれるのでイージスに良い印象を持っている。

 

人類人権団体

 

人形よりも人間に物資を渡して欲しいと願っている人達の集まり(非武装)だったがここ最近はG&KやI.O.Pを狙うただの武装集団に成り下がった。しかも、鉄血にまで利用される始末。

 

PMC GS(Global Security)

 

打倒グリフィンを狙う大規模民間軍事会社。主力の戦力は人間と第一世代人形を改良した第1.5世代人形。最近ではテロリストまで雇っている。

 

AH64D改

 

アパッチ戦闘ヘリをI.O.Pの武装研究班が改良し、輸送ヘリとしての性能を持たせて攻撃能力を強化したもの。もはや原型が行方不明。



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テロリスト追撃

[任務]テロリストを追撃せよ
[戦力]
AR小隊(RO、AR15、M4 SOPMODⅡ)
第二部隊(9A91、M14、グリズリー)
ghost隊 (ライトニング、ラプター)武装はバルカン砲のみ
AH64改 武装はミニガンのみ


司令部から徒歩10分。テロリストがたくさんいる素晴らしい物件。

「対人戦が初めての奴らに言っておく。人間は人形より弱い。しかし、その分何をしてくるかは分からない。気をつけろ。今回は麻酔弾を使用して生け捕りだ」

「「了解」」

「指揮官、一つ質問しても良いかしら?」

AR15が言う。

「構わんよ」

「善良な民間人とテロリスト、見分ける方法は?」

「関係ない民間人はみんな家に避難してるから外に出てるやつはテロリストだ」

「分かりやすくて良いわね」

「今回のテロリスト追撃戦の指揮権はROに任せる」

「指揮官は…」

ROが尋ねる

「嫌な予感がするんだ。ちょっと別で行動する」

「えー、指揮官きてくれないの?」

SOPがそんな文句を言ってるがまぁ無視して

「…気をつけて下さいよ」

「お前らこそ気をつけろよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

S-11地区司令部

…当たりか。司令部に侵入しようとしているテロリストが10人。現行犯で逮捕ですな。まぁ雑魚そうだから正々堂々とやりますか。

「あんたら…何しようとしてるんだ」

「グリフィンの制服を着てるなお前…さてはここの指揮官か?」

テロリストに話しかけられた

「そうだが…それが何か?」

「てめぇらの部下の人形共のせいで俺たちは仕事を奪われたんだ…人形をこっちに寄越したらお前だけは助けてやる」

うーん、仲間を売れと…無理な相談だな

「そうだな…コイツならくれてやる」

そう言って俺はテロリストの顔面にシリウスの鞘を力強く投げつける。わーお綺麗な顔が吹き飛んだぜ。

「ふざけやがって!」

テロリスト共が俺に向かって発砲

おー、最近のテロリストは勇敢だなーとか思いながら奴らが撃ってきたAK47の弾を弾丸切りしながら接近し…

「まずはそこの君からだ」

「なんなんだコイツは…」

とりあえず近かった奴にCQCをしかけて…気絶させる

「コイツ…一体何者なんだ…話と違うじゃねぇか」

「…どーせ鉄血にでも雇われたんだろ?」

「あぁ、そうだよ!クソ雑魚司令部だからって…」

予想は大当たり

「今すぐ武器を置いて失せろ。そしたら見逃してやる」

そう言った途端、テロリスト達は武器を捨てて逃げていった。

「こちらイージス、アルファ聞こえるか?」

「バッチリ聞こえてるぜ」

「司令部の周りに鉄血のハイエンドモデルがいないかどうか探してくれ」

「了解した」

「さて鉄血か…誰が出て来るかな」

誰も出てこないのが一番なんだけど

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とある建物の屋上から銃声が聞こえる。その弾丸は真っ直ぐと敵の頭に吸い込まれるようにヒットする。

「こちらM14、ターゲットの無力化に成功!」

「こちらグリズリー、ターゲットの拘束が終わったわ」

「こちらRO635、了解。警戒態勢を維持せよ…これで10人目ね」

「RO〜もう終わり?」

「SOP、まだ気を抜かないで」

指揮官が言っていたようなとんでもない事は今のところ起きていない。このままならあと10分くらいで司令部に帰れそうだ。

「こちらAR15、鉄血のハイエンドモデルを発見」

「進行方向は?」

「司令部よ…指揮官の嫌な予感の正体はこれね」

どうやら物事はそう上手くはいかないようだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

S-10地区、鉄血前線司令部にて

「…私の部下達を蹴散らしてくれたのはお前か…」

「なるべく手荒な真似はしなくないのよ、処刑人。エリザの居場所を教えてくれる?」

「…知らねえな。それに…あんたを通すなって代理人に言われたんだよ。かかってこい、裏切り者」

「仕方ありませんね。こちらも実力行使をさせていただきます」

89式のエクスキャリバーと処刑人の大型ブレードが衝突し火花が散った。




今日からDDが始まりますね。頑張らないと


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ただの案山子ですなぁ

DDのストーリー良かった。さて、UMP骨格でも掘りますか。


「こちら管制塔、第三防衛線を鉄血に突破されたのを確認した」

「こちらイージス、了解した」

今回は第一世代人形計30体を10体ずつに分けて防衛線を3本築いたんだが早速僅か1分くらいで1本目を突破された。まぁ10対100くらいじゃシカタナイネ。むしろ1分も持った方が凄いか…さて、人形達が迎撃戦に入るまでに持つかな?持たない気がする。なら持たせるために先にこっちで敵の指揮官を潰しますかねぇ。

「こちらアルファ、第二防衛線付近に敵のハイエンドモデルを発見…あれはスケアクロウだ」

「ただの案山子ですなぁ☆」

よし、アイツならいけるぞ。あのドローンに頼りきっているアイツなら。

「こちらイージスから管制塔へ、ghost隊のタシキングを許可してくれ。ただし、万が一民間人に誤爆したら問題だからミサイルや爆弾は搭載しないように」

「了解した。こちら管制塔、ghost隊のタシキングを許可する」

「こちらライトニング了解、やっと私たちの出番だね」

「こちらラプター、テイクオフ…イージス、指示をお願いします」

「こちらイージス、君達ghost隊はAR小隊と第二部隊の支援を頼む」

「こちらラプター、了解」

「ライトニング、了解」

「RO、君達が第一防衛線に到達するまで後どれくらいかかりそうだ?」

「10分…いや5分くらいです」

「分かった、君達が到着するまで俺が時間稼ぎをする」

「分かりました。よろしくお願いします」

「…こちら9A91、私も貴方の方へ行った方が」

「いや、大丈夫だ。そっちこそ戦力が足りなくなる」

「…絶対に無事に帰って来てください」

「分かったよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「頼むぜ…89式改」

今、俺は第二防衛線付近に光化学迷彩に身を包んで潜伏している…89式改を構えてスケアクロウのドローン(全3機)に狙いを定めて…トリガーを引く。その後、薬莢が落ちると同時にスケアクロウのドローンの1機が黒煙を吹いて落ちる。

「残り2機か」

「‼︎…私のドローンが…一体何処から」

案山子様は相当混乱していると思われる。

「じゃあもう2機もチャチャっと落としますか…」

「…そこね」

スケアクロウのドローンがこちらに向かって攻撃を開始した。なんでバレたし。

「チッ…スモークグレネード!」

とりあえず煙幕を炊いて物陰に隠れる…相手は隙だらけだし、奴のコアでも吹き飛ばすか。89式改を再び発砲。

「…ドローンが庇ったか」

それでも奴のドローンはこれで後1機か…火力で押し切る。

「人間の身でよくここまで練り上げましたね」

「俺が子供の時…力が無いと生きていけなかったもんでね」

そう言ってMarsを発射。スケアクロウの未来位置を予測しての発射。直撃コースだが…再びドローンがスケアクロウを庇う。

「未来位置を予測してのロケット弾の発射…流石は元最強の懲罰部隊の兵士ね」

「そりゃどうも…これで終わりだ!」

そう言って俺はスケアクロウに肉薄し…奴のコアにシリウスを突き立てる。

「…これで2回目ね。貴方に負けるのは」

「そうだな。確か…1回目は蝶事件、2回目は今この瞬間か」

「やはり我々では勝てないのね…神の盾には」

「強いて言うなら…お前はドローンに頼りすぎだ。せめてハンドガンくらいは持っとけ」

「…それもそうね。次の私に期待するわ」

スケアクロウは機能を停止し、他の量産型鉄血人形は統制を失った。

「こちらRO635、第二防衛線に到着、攻撃を開始します」



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とある少年兵の日記 前編

過去編は終わりと言ったな…あれは嘘だ


「…こちらイージス、俺は東側の鉄血を狩るからRO達は西側を頼む」

「了解」

本来ならいくらスケアクロウを撃破して鉄血の統制が取れなくなったからと言っても数はざっと200体くらいはいるのでこちらがピンチなのには変わりないはずだが、こっちには航空支援があるからなんとかなっている。

「こちらM14、航空支援を要請する」

「ライトニング了解、ガンを発射」

次々と鉄屑になっていく鉄血人形。もはやこちらの勝ちは確定したようなものだ。

「こちらAR15からROへ、小さな小屋を発見…どうする?」

「こちらRO、罠の可能性がありますね…2人以上で中の様子を見てください」

「こちらAR15了解…9A91、お願いできるかしら」

「分かりました…入りますよ!」

AR15がドアを蹴り飛ばし、9A91が先に突入して小屋の中を見渡すが誰もいない。

「敵影無し…クリア」

「…タブレット端末ならあるわね」

AR15がタブレットを9A91に見せる。

「旧式のタブレット端末だから傘とかは無さそう…AR15、開けてみて下さい」

「…日記?」

開いてみると日記と表示されているアプリしかない。そしてそのアプリを開いてみる。

「電子版の日記ですか…書いた人の名前は…code0013」

「code?実験かなんかに使われてた人形の物かしら?」

「いやこれは…確実に人間の物です。最終更新日が2056年になってますから」

第二世代人形が出てくるのは2057年以降、つまり2056年の時点の人形に感情は無い。

「所属していた企業の名前とかは書いてありませんか?」

「えっと…あったわ…元少年兵現正規軍懲罰部隊所属」

「…正規軍ですか。人体実験の可能性もありますね」

昔から正規軍が人体実験をしているとの噂が飛び交っている。

「とりあえず中身を見てみましょうか」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2055年 12/26

俺は第三次大戦のせいで親を失った、憐れな子供の一人だ。毎日、適当な路地裏で食べ物を漁って路地裏で寝るというクソみたいな行為を何年も何年も繰り返していた…が、今日からとある少年兵に所属することになった。

きっかけはいつもの通りの生活をしていたらとある少年に出会い、こう言った。

「君は今の世の中が楽しいかい?」

楽しくなんかない。無能な金持ちが自分達の権利を守る法律しか作らない。俺たちのような貧民は何もされない。むしろどこが楽しいと思う?

「なら戦おうよ…力を勝ち取るために」

…力か…悪くない

こうして俺は戦い始めた…この世界と




このシリーズが終わったら日記型はやめます…多分


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とある少年兵の日記 後編

ランキングの40%とか無理なんだけど(クソザコナメクジ指揮官は語る。




前編の続きからスタートします。


2055 12/27

今日、少年兵の1人から日記を書く為のタブレット端末を渡された。彼曰く

「今の世の中、日記でも書かないとやってられない」

だそうだ。まぁ、趣味なんてなかったのでありがたい。

このタブレット端末、まさかのステレス機能があるらしい…これで誰かに捕まってもこの日記の中身は見られないってことだ。安心出来る。ちなみに昨日の分の日記も書いた。

 

2055 12/28

かつて自分の家だったところへ行ってきた。理由は昔父親が使ってたいた狩猟用の銃を回収するためだ。家の瓦礫を退けていったら大きめな箱があった。開けてみるときちんとライフルが入っていた。名前は…38式歩兵銃だったはず。父親のただ1つの形見が物騒すぎる案件。まぁ形見すらない母親よりはマシか。その後、両親の墓参りをしてから少年兵のアジトに帰還した。

2055 12/29

今日は少年兵として初めての戦闘に参加する。俺は38式歩兵銃を手に取り出撃した。少し緊張するな。ちなみに俺のコードネームはrevolution16らしい。

 

2056 1/2

初めての実戦の相手は人類人権団体の過激派との戦闘だった。銃を撃つなんて今までなかったから全然弾が当たらなかった。部隊の仲間曰く「そのうち上手くなる」らしい。本当かよ。

 

2056 1/3

38式歩兵銃の弾を補充するために闇市の違法な店に行ったら正規軍に捕まった。最悪だ。ちなみにこのタブレットは例のステレス機能のおかげでバレなかったので今後も監視が緩くなった時に日記を書くつもりだ。

 

 

2056 1/4

今日の朝は正規軍の管轄下の牢屋からおはよう。俺の処分が決まった。正規軍第333部隊…正規軍様の懲罰部隊の所属になった。彼ら曰く「死ぬまで戦い罪を償え」だとさ。

俺違法なお買い物しただけじゃん…あ、でも少年兵の所属も違法だったわ畜生。あと、俺の38式歩兵銃は第333部隊の格納庫に仕舞われているらしい。

 

 

2056 1/5

輸送機で第333部隊の基地へ運ばれた。生まれて初めて飛行機に乗ったが悪くはなかった。んで、部隊長に本名を聞かれたが生憎本当に覚えてない、というか知らないのでありませんと言ったら「嘘を吐くなよ」と言われた。まぁそれは置いてここでの俺の名前はcode0013。実験台のモルモットみたいな名前だな。

 

 

2056 1/6

部隊長に叩き起こされたと思ったらよく分からない部屋に連れて行かれて、白衣を着た怪しい科学者に何かを俺の体内に注射をされた。そのせいかさっきから変な感じだ。

 

 

2056 1/7

昨日の注射のせいか頭が痛い。そして注射の中身が分かった。身体を強化するナノマシーンだ。もちろん違法な物である。

 

 

2056 1/8

身体……が…いた…い

 

 

2056 1/10

痛みがやっと引いた。これ以上奴らのモルモットにはなりたくない…というかこれ以上やられると死にそうなので逃亡することにした。監視員が鉄格子を開けた瞬間、そいつの頭を思いっきり殴った。そしたらそいつの頭が比喩抜きで吹き飛んだ。あれぇ…こんなに力あったっけ?いや、ナノマシーンのせいか。すげぇな最近の技術力。

格納庫に行こうとしたら警備兵が発砲してきた。おぉ…弾がスローモーションに見える。ほんと凄いなこのナノマシーン。違法じゃなければ100個くらい欲しい。まぁ、そんな事を考えながら敵弾を回避しつつ、格納庫に滑りこんで38式歩兵銃を回収し、警備兵に発砲。ヘッドショットだやったぜ。

 

 

2056 1/11

脱出は成功した。正規軍どもは俺が死亡したと思っているらしい…俺はこれから亡霊として生きるとしよう。

phantom01…これが俺の名前だ。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

「確かphantom01って…」

「昔のイージスのコードネームですね」

「こちらRO、何かありましたか?」

「こちらAR15、タブレット端末を発見したわ…中身を今から部隊のみんなに送る」

「…これは」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

S-10地区 処刑人管轄下の鉄血司令部にて

 

処刑人のコアがあるところにレーザーソードが突き刺さっていた。

「…流石は裏切り者、見事な剣筋だ」

「今の私は89式自動小銃…G&Kの人形よ。間違えないで」

「そいつは悪かった…次こそはお前に勝ちたいなぁ…」

処刑人は活動を停止した。

「さて、次の鉄血司令部を探しに行きますか…」

89式がその場を立ち去ろうとした瞬間、何者かが現れた。

「…貴方は誰?」

「…僕のことを忘れたのかい?」

「!!貴方はまさか…でもあの計画は凍結になったはずじゃ」

「うん、そうだね。僕は最近まで凍結されていたけどね…エラーのおかげで助かったよ」



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面倒事の前の静けさ

「こちらイージス、鉄血の残存勢力が撤退するのを確認した。これ以上の追撃は不要だ。よく頑張った。基地に帰投してくれ」

「「了解」」

「こちらアルファ、まもなくLZに到着する」

あれ?今回、俺徒歩で帰るはずだった気がするんだが

「俺のサービスだ。乗ってけ」

「分かった。ありがとう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

S-11地区 司令部

「みんな、よく頑張った。我々は圧倒的な数を誇る鉄血の大部隊の撃退に成功した。何か戦利品やら拾った物とかあるかね?」

「指揮官、このタブレット端末をとある小屋で拾いました」AR15がタブレット端末を手渡す。

「これは懐かしの日記じゃないか…中身見た?」

「みんなで見たわよ…貴方やっぱ人外じゃないの」

AR15がそう言った。日記とか見られたくなかったがまぁ見られたものは仕方ない。

「俺はまだ某石仮面被ってないからセーフ、セーフ」

「違う、そうじゃない…」

グリズリーに突っ込まれた。まぁナノマシーンくらいならギリ人間な気はする。

「指揮官はナノマシーンを埋め込んだ人を恨んだりしないんですか?」

復讐のためにAR小隊に戻って来たROらしい質問だ。

「恨むなんてとんでもない。むしろ、力をくれた事に感謝してるくらいだよ…今の世の中は力が全てだからな。それに恨んだってしょうがないじゃないか。それで死んだ誰かが戻って来る訳じゃない」

「…」

「指揮官、今は痛くなったりしないの?」

SOPは心配そうに言った。

「今はもう大丈夫だ。心配無い。さて、俺の話はこれくらいにしてっと、今日はみんな休んでくれ。あ、悪いがライトニングとラプターは残ってくれ」

全員が司令室から出て行く。

「イージス、何か私達に問題でも?」

「そうじゃない。安心しろ、ラプター。今、残ってもらったのは…明日からの事で少し話さなきゃならない事がある」

「何が始まるの?」

ライトニングは興味深々だ。

「グリフィンは鉄血との戦争を早急に終わらせるために近日、大規模反攻作戦を行うことを発表した。その反攻作戦を確実に成功させるために前段作戦を行うのだが…前段作戦の内容がこれだ」

俺はラプターとライトニングに紙束を渡す。

「正規軍航空隊及び有志連合と協力してS-10地区内の敵の工場を爆撃…それで私達が」

「そういう事だ。しかも明日からスタートだ。…行ってくれるか?」

「もちろんですよ」

「私達が断る訳ないじゃない。ささっと敵を撃破して帰って来るんだから」

「頼もしい限りだ。頼んだぞ」

「「了解」」

ラプターとライトニングも司令室から出て行ったら、カリーナが入って来た。

「指揮官様、コーヒーはいかがですか」

「ありがたい…金は取らないよな」

「流石に取りませんよ…」

コーヒーを飲んでみると…やっぱインスタントの味がした。まぁ今の世の中、コーヒー豆なんて高価すぎて買えないからね仕方ないね。まぁしかし、どんな味でも仕事終わりのコーヒーは美味い。

「…お兄さんもう疲れたでござるよ」

「最近、忙しかったですからねー」

「まぁ、グリフィンが鉄血との戦争を早く終わらせたいのが分かるから文句は言えないが…」

「グリフィンとしては鉄血と長い間争っていた方が儲かるのでは?」

「まぁ確かに純粋に考えるとカリーナの言う通り、長い間争っていた方が依頼が増えるから儲かる事には儲かるな。でもな金は入っても資材は減るし、戦力も減る。それを見た正規軍の反PMC派はどうすると思う?」

「…鉄血とグリフィンの両方とも潰す…という事ですか」

「そう言う事だ。いくらPMCが天下を取っている今の世の中でも正規軍の戦力の方が高い。長期戦になったら間違えなく潰されるな」

「なるほど…」

さて、俺もそろそろ寝るかと思って司令室を出て行こうとしたら…

「指揮官、緊急事態です」

M14が凄い慌てて司令室に駆け込んで来た。

「何があった?」

「S-11地区に鉄血の部隊が侵入して来ました」

「奴らの目的は?」

「それが…グリフィンS-11地区に亡命したいと言ってます」

「…亡命か。面倒な事になりそうだ」



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亡命

独自設定の塊です。


「亡命ねぇ…罠の可能性は?」

連絡に来たM14に聞いてみる。

「今のところ分かりません…」

「そうか。で、その鉄血人形達は今どこに?」

「AR小隊の監視の下、飛行場周辺に待機させてます」

鉄血人形には深刻なエラーが発生しているはずだから本来、亡命などあり得ないはずだ。罠かそれともイレギュラーかどっちかか。

「とりあえず、その人形に会いたい」

「…危険ですよ」

「止めても無駄なのは分かってるだろうに」

「…仕方ないですね。付いてきて下さい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

飛行場付近に行ってみるとなんと驚き。量産型鉄血人形であるイェーガーが100体以上いらっしゃる。食べ放題だね、やったね(錯乱

「どうなってんのこれ…」

ROに聞いてみる。

「私も最初に見たときは驚きました…しかも、この人形達は全部新型と思われます」

よく見ると確かに普通のイェーガーには無い近接戦用と思われるハンドガンとコンバットナイフを追加で装備している。

「コイツら全部壊しても良い?」

「SOP、壊しちゃダメだ…今のところは」

「残念」

「でRO、この部隊の隊長はどこだ?まさかコイツらが亡命をしたいと言った訳じゃないだろ?」

「隊長なら…」

「僕のことかな?」

青い髪の女性が背後から現れた。

「君が…」

「そうだよ。今はこの部隊の隊長を務めてる鉄血人形、Dominatorだよ。よろしくね」

「統治者…ねぇ。俺はイージスだ。よろしくな」

「貴方がイージスかぁ。鉄血の間で有名だから名前だけは知ってたよ」

「…悪い意味で有名なんだろうなぁ」

にしてもDominatorは名前的にかなり上の方の権限を持つ鉄血人形なのは間違えない。しかし、そんなやつが何故亡命なんて…

「あ、そうだ。ここに来る途中で貴方の良く知る人形に会ったよ」

「良く知る人形?もしかして…」

「Traitor…いや、89式だったかな?君達の方では」

「やっぱあいつか…」

「君達は長い間、コンビを組んでたとか」

「なんでそんなとこまで知ってんだよ…お前ら」

まさか俺の個人情報まで引き抜かれたり…なんて事は無いよな。鉄血にとって俺の銀行口座のパスワードを知られたりとかは…まさかクルーガーじゃあるまいし。

「…口座から金を盗んで何になるのさ。僕が」

「だよなぁ…ってなんで人の心を読んでるんだよ」

「まぁこのくらいは出来ないとねぇ。そもそも僕は鉄血の全人形を統治するために作られたんだから…まぁそれは置いといてっと」

「いや、置いとくなよ」

「いやさ、だって今は僕の護衛専用に作られたイェーガーを指揮する権限くらいしか無いんだよ…エリザのせいで」

やっぱコイツは上位ハイエンドモデルだ。しかも、鉄血のトップだったとは…コイツは鉄血との戦いの切り札になる。その為には何としても例の決戦で勝利しなければならないな…とりあえずクルーガーさんに連絡しないとな。

「あの…指揮官」

ROが話しかけてきた。

「どうした?」

ROが通信機を俺に渡してきた。

「AR15から貴方にって」

「…AR15が?」

通信機を受け取った

「こちらイージス、どうした?」

「こちらAR15、S-11地区とS-10地区の国境付近に元正規軍の重要設備と思われる場所を発見した」

「…何?どんな施設だ」

「今、映像を暗号化通信で送ります」

こういう時に人形というのは便利だ。自分が見たものを即座に味方と共有できる…俺はグリフィンのタブレットを開き、AR15から送られた映像を見る。

「コイツは…」

でかい砲だ…ただ、そう思った。ジュピターなんか比にならないレベルでデカイ。しかも、そんなヤバイ感溢れる砲が8機もある。

「あぁ…これに関してのデータならはいこれ」

そんなことを言ってDominatorが俺にデータチップを渡してきた。

「…コイツは?」

「89式が貴方に渡して欲しいって」

「なるほどな…AR15、一旦戻ってくれ」

「…了解。AR15、帰投します」

「まずはクルーガーに連絡だな…Dominator、イェーガーを連れて着いてきてくれ。他のみんなも帰投するぞ」

「「了解」」

 

 

 

 

 

 

 

 

イージスの自室にて

「…なるほど、Dominatorという鉄血人形の亡命を受け入れか…その人形は本当に人類の敵では無いんだな」

「…彼女には鉄血人形の大半が抱いてる人間を見下している…みたいな感情がありませんから。おそらく敵では無いでしょう」

「そうか…ならば亡命受け入れを許可しよう」

「ありがとうございます…クルーガー社長」

「にしても、正規軍の秘密兵器…ストーンヘンジか。コイツの射程がS-10地区全体っていうのも驚きだ。君達の部隊にストーンヘンジを収容している施設の確保をお願いしたいのだが…」

「一時的な確保は可能かもしれませんが…鉄血の警備も厳重ですから長期は無理ですよ」

「分かっている…君達は一時的に占領してくれれば良い。君達が無事に占領に成功した後にG&K本部直轄部隊をそちらに送る」

「そういう事なら…了解しました」

「…頼んだぞ、イージス指揮官」




強化型イェーガー
かつて大ヒット商品だったイェーガーをDominatorの護衛専用機として改良したもの。
装備
増加装甲
鉄血製実弾ライフル×1
鉄血製レーザーハンドガン×1(弱いレーザーを弾丸として発砲するHG)
鉄血製コンバットナイフ×2

強襲型イェーガー
かつて大ヒット商品だったイェーガーを強襲型に改良したもの。しかし、開発コストが高いため約10機がDominatorの護衛として配備されているのみとなっている。
装備
増加装甲
試作鉄血製レーザーライフル×1(非常に強力なレーザーを発砲するライフル。その火力はマンティコアを1撃で葬る事ができるほどの火力がある)
実弾ハンドガン×1(デザートイーグル)
民間向けレーザーソード×2(ビームサーベルの様なもの)
使い捨てロケットランチャー×2(追尾機能付き)
専用強化外骨格(左右の足の部分に装着)×2


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決戦
前段作戦 〜大規模空襲〜


今回、陸上戦はありません(ドルフロとは


作戦目標 S-10地区の鉄血工場を全て(2ヶ所)爆撃せよ。
味方(有志連合)戦力
正規軍
UAV(制空型)×50
UAV(対地攻撃型)×100
F-35B(有人、対空兵装)×3
F-15C(有人、対空兵装)×4
B-52(有人、誘導爆弾)×10
B-2(有人、対地ミサイル)×1
MiG29(有人、対空兵装)×3
Su47(有人、対地兵装)×1
Su57(有人、対空兵装)×6
Tu95(有人、誘導クラスター爆弾)×3
JAS39(有人、対空兵装)×2
自衛隊残党
F-15J(有人、対空兵装)×2
F-3(有人、対空兵装)×2
ロボット人権団体
UAV(対地攻撃型)×1
GS(Global Security)社(このPMCについては設定集を見てください)
UAV(制空型)×2
UAV(対地攻撃型)×1
G&K
UAV(制空型)×2
UAV(対地攻撃型)×6
F-22(戦術人形、対空兵装)×1
F-35A(戦術人形、対空兵装)×1
B52(空襲妖精、無誘導陸用爆弾)×1
敵(鉄血&人類人権団体)戦力
UAV(制空型)×30
新型UAV(兵装不明)×1
SAM×3
対空機関砲×2
ジュピター砲×5



[亡命]の翌日

「こちら管制塔、Ghost隊及び空襲妖精は準備出来次第出撃せよ」

「こちらラプター、take off」

「こちらライトニング、take off」

「空襲妖精、出撃します〜」

「妖精って喋るんだ…」

「流石16LABの変態技術ですね」

ラプターとライトニングが感心していると…

「こちらイージス、一応今回君達の指揮は俺がする事になっている」

「どうやってこっちの状態を知るの?」

「ライトニング、良い質問だ。空襲妖精が見た映像を暗号化通信でS-11地区司令部まで送っている」

「なるほど」

「それで…今回の君達の仕事は、ラプター、ライトニングは有志連合の爆撃隊の護衛で空襲妖精君は鉄血工場の爆撃だ。これより、Ghost隊はA地点に行って有志連合飛行隊と合流せよ。A地点の場所は既に君達のコンピュータに反映してある」

「了解、これよりA地点へと向かう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こちらラプター、A地点に到着しました」

「近くに味方の大編隊がいるはずだ」

「こちらライトニング、レーダー上に正規軍の有人機を発見」

「よし、そっちに向かってくれ」

「こちら有志連合飛行隊隊長、Saber01だ。有志連合に参加する場合は所属を言ってくれ」

「こちらG&KS-11地区所属Ghost隊及び空襲妖精です。これより有志連合に参加します」

「Saber01了解、君達の機体のコンピュータに味方の情報、及びターゲットの位置の情報を送信した」

「…凄い数の味方」

「これが人類最後の希望ですからね。この作戦が」

「こちらSaber01から全航空機へ。これよりB地点及びC地点に向かい、鉄血工場を爆撃する」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こちらセイバー03、鉄血のUAVを発見!」

「全戦闘機、爆撃機を守れ」

「こちらイージスからGhost隊へ、敵機との戦闘に集中しすぎるなよ。あくまで任務は爆撃機の護衛だ」

「「了解」」

「Saber03、エンゲージ」

「Saber02、エンゲージ」

「Mage01、エンゲージ」

正規軍の戦闘機隊が次々と敵機との交戦を開始した。

「こちらラプター、エンゲージ」

「ライトニング、交戦開始〜」

ラプターが近くの敵機の背後をとる

「FOX2!」

有志連合は制空権を確保しかけていた…

「こちらライトニング、最後の敵機を撃墜!」

「グリフィンも中々やるな」

「正規軍もまだまだ腕は健全ですね」

「こちらSaber01より一部爆撃隊へ、B地点に到着した。爆撃開始」

「こちらイージスから空襲妖精へ、鉄血の奴らにプレゼントをくれてやれ」

「了解です〜」

「…汚ねぇ花火だぜ」

B地点の工場は100発以上の爆弾を落とされて跡形も無く消し飛んだ

「こちらラプター、鉄血のUAVをレーダー上で確認。まもなく目視で見えます」

「…新型機か」




戦術人形ラプター
A.T社によって開発された烙印システムを戦闘機に適用させた人形。
人間がやるとGで死ぬような機動が出来るので(エースパイロットを除けば)人間より戦力になる。G&KではGhost隊の隊長を務めている。


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前段作戦〜制空戦闘・ストーンヘンジ奪還作戦開始〜

陸上戦よ、私は帰ってきた。


「こちらSaber01から各飛行隊へ、敵新型機の性能は不明だ。気をつけろ」

「「了解」」

「こちらイージス、ウェポンズフリー交戦を許可する」

「ラプター、エンゲージ」

「ライトニング、エンゲージ」

「こちらStrider01、敵機がレーザーを発射!」

「Saber01より全機へ、回避だ!」

「回避ってどこにだよ!」

「とりあえず散開しろ!」

「くそッ、味方のUAVが半数以上食われた」

「こちらMage02、被弾した!離脱する」

敵機の強力なレーザー兵器により、味方は大損害を負い、混乱している。

「ライトニング、FOX2!」

そんな中、ライトニングが敵機にミサイルを発射したが…

「振り切られた!」

「機動がおかしいくらいですね…鉄血ってなんで変なものしか作らないんですかね」

「こちらイージス…ラプター、例の兵装を試してくれ」

「こちらラプター、了解」

「イージス、私の分は?」

「ライトニング、君の分は無いんだ…本当に済まない」

「えぇぇ…ラプターだけずるい」

「貴方の方が機体自体は新しいでしょ」

「それとこれは別よ…で、いつの間に最新兵器を積んだのよ…」

「つい数日前に16LABから送られてきた」

「へぇ…その兵器、大丈夫?」

「…多分、それでは例の兵装を」

「ファンネル!」

「えぇぇぇ…」

ライトニングも思わず驚き。例の武装とはまさかのガ○ダムのフィン・ファンネル(×2)である…

「行っけぇぇぇぇ」

フィン・ファンネル2機は鉄血新型機の後ろを取って…レーザーを発射した。

「こちらSaber01、敵機の撃墜を確認!更にまもなくC地点に到着する。爆弾倉を開け!」

残存機(爆撃機)全機が爆撃体制に入り…

「爆弾投下!」

C地点の工場も70発ほどの爆弾の集中攻撃をくらい、跡形も残さず吹き飛ばした。

「作戦成功、これより基地へ帰投する」

「こちらイージス、3機ともよく頑張った。戻ったらゆっくり休んでくれ…これより、航空機隊の指揮権をラプターに移す。分かったか」

「「了解」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こちらアルファ、及び無人輸送ヘリ、LZに到着する」

「みんな、聞いてくれ。これより、S-11地区はS-10地区とS-11地区の国境付近にあるストーンヘンジが配備されている元正規軍基地を占領作戦を開始する。鉄血の守備隊はそこまで強くないが一応気をつけてくれ…また第二部隊は今回は出撃せずにDominatorを監視してくれ」

「指揮官と一緒にいれない…ですって…」

9A91の目が死んでるな…

「済まないが…まだ奴を完全に信用した訳では無いからな」

「…了解」

「私達が貴方達の帰る場所を絶対に守ってみせます!」

「だから安心していってきな」

「頼りにしてるぞ、M14、グリズリー」

「こちらアルファ、上昇開始!」




ラプター専用フィン・ファンネル(試作)
某ガ○ダムのフィン・ファンネルである…
フィン・ファンネルは操縦者の電脳によって遠隔操作が出来る小型な機動砲台。レーザー兵器を搭載している。ちなみにガ○ダム内の設定とは違い、こちらのフィン・ファンネルは使用後の回収が可能。これをラプターが2機搭載している。


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前段作戦 〜ストーンヘンジ奪還作戦〜

任務 戦略兵器ストーンヘンジを奪還し、G&K本部派遣部隊が到着するまで一時的に占領せよ。
味方戦力
G&K AR小隊(RO635、SOPⅡ、AR15)
その他 イージス、AH64改(アルファ搭乗機)
援軍 G&K本部派遣部隊(長期占領用)
敵戦力
鉄血 ドラグーン×3
リッパー×6
イェーガー×1
ダイナゲート×10
デストロイヤー×1
正規軍 ???


「こちらアルファ、まもなく現場に到着する」

「行くぞAR小隊、そんな武器で大丈夫か?」

「「大丈夫だ、問題ない」」

「これより降下を開始する」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

早速双眼鏡を使って周囲を索敵してみる。

「さてと…ん?」

「どうしましたか指揮官?」

「いや…鉄血の残骸しかないんだ」

「一体何が…」

「ちぇっ…先に解体された」

嫌な予感が…

「…人形かあれは」

ストーンヘンジの制御室の入り口付近に赤髪ロングの少女が立っていた。

「私が確認します」

「頼んだぞ、AR15」

「あれは人形ですね。しかも稼働しています」

「あいつが鉄血をやってくれたのか…にしても放棄した基地に稼働中の人形…なんか嫌な予感が(二度目」

「皆さん、伏せて」

「…RO、どうした」

「鉄血のハイエンドが近くにいます」

 

 

 

 

 

 

「痛いなら声を出してもいいけど〜アッハハハ〜」

デストロイヤーが正規軍の人形に対して攻撃を開始した。

「デストロイヤーか…悪いが囮として使わしてもらおう…全員、正規軍の人形の後ろに回るぞ」

まだあの人形が敵と分かった訳では無いが万が一の保険として後ろをとらせてもらおう。

「「了解」」

「さて、いくら正規軍の人形とは言えこれだけの榴弾に耐えられるはずは…」

デストロイヤー、そいつはフラグだぞ

「…」

正規軍の人形は無傷だった

「嘘…ちょっとドリーマー、助けて!」

「対象、鉄血人形デストロイヤー。非友軍と見なします」

「ごめなさいね、デストロイヤー。正規軍には喧嘩を売りたくないのよ私」

「えっ…じゃあ私…」

「モード戦略、グングニル発射用意」

(エネルギー充填率50%)

「ウワァァァァ」

デストロイヤーがドリガーハッピーと化して正規軍の人形に襲いかかるが効果はあまり無いようだ。

「…さよなら、可哀想な子」

(エネルギー充填率100%)

「そんな…こんなところで…私…」

レーザー砲[グングニル]がデストロイヤーのコアを貫く。ちなみにグングニルの余波で俺達までこんがり焼けそうになったのは内緒。

「…そこの人形、手を上げろ」

「…私にはグングニルって言う名前があるんですが」

そう言いつつ、グングニルは手を上げた。

「お前は何のためにここにいる」

「ここを守るため」

「じゃあ俺達を通らせてくれ」

「…識別コードを確認…敵と断定」

「ちょっと待ってください!我々は正規軍の友軍です」

ROが必死に言うが効果は無い。

「グングニル発射用意…モード戦略」

(エネルギー充填率30%)

「全員退避!物陰に隠れろ!」

「指揮官も早く!!」

SOPがそう叫んでいたが物陰は狭いから俺が隠れれば彼女達が危ない。

(エネルギー充填率50%)

「…シリウスならレーザーを無効化できる」

「まさか…」

俺はシリウスを抜刀し、構える。

「貴方逃げないのね…」

グングニルが俺に言う。

「あぁ、俺は何処にも逃げないぞ」

(エネルギー充填率100%)

「さようなら…勇敢な人間さん」

レーザー砲が放たれ、レーザーはシリウスの刀身と衝突する。シリウスの刀身の軋む音がする。

「シリウス…こんなところで終わるなよ…1等星の名を冠しているなら…人類の未来くらい照らしてみせろ!!」

その瞬間、シリウスの刀身が青白く輝きはじめ、レーザーを吸収した。




Unbekanntes Metall(ドイツ語)
遺跡から見つかった未知の金属。研究者曰くこの金属を使うと何が起こるかよく分からない。
試作第3世代戦術人形[グングニル]
そんなUnbekanntes Metallをフルに使ったヤバイ人形。しかし試験運用中に暴走状態になり、動く人形を全て非友軍とみなすようになった。装備は、戦術/戦略レーザー[グングニル]、フルオート対物ライフル、リボルバーグレネードランチャー、専用増加装甲
真・シリウス
片手直剣[シリウス]に使われていたUnbekanntes Metallがイージスの呼びかけに応えて覚醒したもの。この剣の特殊能力としてこの剣に刺されたありとあらゆる武器の中身を解析し、同化する。一部の人形を同化した後は擬似感情まで取得している。


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代償

任務 16LAB本部にたどり着く
護衛 AR小隊
敵 不明



16LAB本部付近上空

「任務終わった瞬間、連れ回して悪いな」

「いえ、問題ありません」

ROが答える。

「それにそろそろペルシカには会っておきたかったの」

AR15が言う。あの人クソまずいコーヒーを飲んでるイメージしか無いな。あのコーヒー絶対に健康に悪いよ(偏見

「そろそろ16LABに着くぞ」

「アルファ、帰りも頼んだ」

「了解だ」

「…M4」

SOPが心配そうに呟いた。

「安心しろ、M4は確かM16のおかげで修復が終わったはずだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「久しぶりね、イージス。AR小隊も一緒に連れてきてくれるなんて嬉しいね」

「こ、こんにちは」

ん、この子は確か…

「M4…良かった無事で」

「会いたかったですよ、M4」

「M4…やっと…お話しできるね」

「AR15…貴方…生きてたの…それにROもSOPも…」

「…感動の再会って訳か」

「まぁ彼女たちの邪魔をしないように私の研究室で話しをしようか」

「そうだな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ペルシカの部屋に入った後、俺は刀身が光り輝いているシリウスをペルシカに渡した。

「これが…」

「あぁ、閃光手榴弾並みの輝きだ。なんでこうなったか分かるか?」

「少し検査してみよう。君の身体もね」

「…化け物みたいにならなきゃ良いがな」

「今のところはなんとも言えないね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「検査が終わったわ」

「おう、どうだった」

「…悪い知らせと悪い知らせ、どっちから聞きたい」

「どっちも悪いんか…もう好きにしろ」

「まずあの片手剣のことだけど…最新の合金を使ったと言ったな…あれは嘘だ」

「知ってた…どうせ遺跡からでも発掘されたやつとかなんだろ」

「感が鋭いね…その通りだよ」

「んで、その金属の効果もどうせある程度の威力のレーザー兵器からの攻撃を無効化するだけじゃないんだろ」

「その通り、この金属を仮に[Unbekanntes Metall]と呼ぶとしよう…ドイツ語で未知の金属と言う意味だがね。この金属を使用することで現在起きたことは

1.ある程度のレーザーの無効化。

2.この金属を使った兵器は通常より火力、耐久が大幅に増加する。

3..敵の兵器を同化し、自身が使用可能になる。

4.人の思い通りになる。

5.未だに何が起こるか分からない。

だね」

「何が起こるか分からないって…」

「あぁ、そうそう。君達のヘリの中に居た正規軍の人形[グングニル]も勝手に調べておいたよ」

「おいおい、まさか拘束器具は…」

「外したよ」

「大丈夫なのかよ」

「君がシリウスを使わなかったら大変なことになっていたね」

「どういう事だ」

「グングニルのログを見たところ、あの人形は全身をUnbekanntes Metallを使って作られた人形なんだが…よく分からない金属を使ったせいで敵味方識別システムが致命的なバグを起こしていた。しかしだ、君がシリウスから放ったレーザーが当たった瞬間敵味方識別システムが復旧したらしい」

「…まさかシリウスが」

「あぁ、おそらく敵味方識別システムを同化して、G&K 基準の敵味方識別システムに更新したんだと思う」

「なるほど…」

「後、君の身体だが…君の細胞の一部が変異を始めている…恐らくシリウスのせいだね」

「そうか…」

「もはやどうなるか私には保証出来ない。君がシリウスを使うたびに変異は進むだろうね…さぁ、君はどうする?」

確かにシリウスを使わなければいいのだろう。シリウスがもしただの片手剣なら俺は手放しただろう。しかし、今やシリウスは同化能力を有する最強の兵器だ。それに…

「もし、シリウスが人の願いを叶えると言うのなら…俺は自分の夢を叶えたい。だから俺はシリウスを使い続ける」

「君の願いは昔のままかな?」

「あぁ、俺の願いは変わらない」

「それなら君は自分の命を無駄にするかもしれない」

「俺は…信じてみたいんだよ…人間の可能性と言うやつを」




イージスの願いは最終決戦で明らかになります。
何度も言ってますが先行鯖のストーリーとは全く違う方向に行きます。ネタバレは気にせずに見てください。







あとイワシちゃん可愛い


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決戦(対鉄血)前編

任務 S-10地区を奪還せよ
エリザを破壊せよ
逃げ遅れた民間人を出来る限り保護せよ
味方戦力
G&K 全戦力
各国正規軍親PMC派全戦力
ロボット人権団体過激派全戦力
???
自衛隊残党全戦力
鉄血クーデター派(ドミネーター率いる亡命部隊)
敵戦力
鉄血S-10地区守備隊(ほぼ鉄血全戦力)
人類人権団体過激派全戦力
中立
その他PMC
正規軍反PMC派


16LABに行ってから1日後

「これよりブリーフィングを開始する」

ついに始まるのだ…鉄血との最終決戦が

「本日よりS-10地区奪還を目的とする[haven作戦]を開始する。まず現在の状況を説明する。鉄血は今までほぼ全戦力をS-10地区に移動させ、強固な要塞と安全な輸送路を築きグリフィンに抵抗していた。しかしだ、最近グリフィンが占領し使用し始めた戦略兵器[ストーンヘンジ]の攻撃により鉄血の要塞と輸送路が大打撃を受け、鉄血の指揮系統は混乱状態に陥っている。このすきを逃さず、我ら有志連合の総力を持ってエリザの首を取ろうという訳だ…誰か質問のあるやつは?」

ROが挙手し、質問する。

「この作戦中、S-11地区の防衛は?」

「今回の作戦の都合上、防衛部隊の設置出来ない。だが、ここに攻め込んでくる可能性のあるS-12の鉄血部隊は現在、リッパーが10体ほどとほとんどいないも同然だ。だから問題無い」

今度はAR15だ

「この作戦計画書を読む限り、S-11地区方面からS-10地区に侵攻するのは私たちだけですよね?」

「その通りだ」

「これだけの戦力ではS-11地区とS-10地区の国境線に配備されている大量の鉄血兵に抵抗出来ないのでは?」

「あぁ、それなら問題無い。今日から正式にこのS-11地区の司令部に着任する人形が100人以上もいるからな…入ってきて良いぞ」

「戦術人形M4A1、着任します。皆さんよろしくお願いします」

「戦術人形グングニルよ、皆さんよろしく」

「戦術人形Dominator、一時的にグリフィンの部隊に参加するよ、よろしく〜」

「Dominatorがこちら側に着く以上、強化・強襲型イェーガーもこちら側に着く。さらに今回は特別なスペシャリストがいるんだ」

「私もアルファのヘリから電子戦でサポートする事になった」

「「ペルシカさん!!」」

戦術人形全員が驚愕している。そりゃ大企業のお偉いさんが来たようなもんだ。驚かない方がおかしい。

「これでもまだ足りないか?」

「…十分どころかオーバーなレベルね」

「だろ?他には居ないな…じゃあみんな、作戦開始だ」

「「了解」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こちらアルファ、まもなくLZに到着する」

「さぁ、始めようか…最後の戦いを」

先に人形を乗せた無人ヘリが着陸する。

「こちらM14、指定された狙撃ポイントに向かいますよ〜」

「支援よろしくな、期待しているぞ」

「指揮官の期待に添えるように頑張ります〜」

「こちらアルファ、着陸する」

「アルファ、上空哨戒に移ってくれ」

「了解だ。生きて帰ってこいよ、イージス」

「もちろん生きて帰ってくるさ…」

本当のところはシリウスの事があるから分からないけどな。

「M14、周囲に民間人は?」

「居ません」

「全人形、俺とグングニルの前に立たないでくれ」

「「了解」」

「グングニル、戦略レーザーを国境守備隊にお見舞いしてやれ」

「了解だ、指揮官」

(グングニルモード戦略、エネルギー充填率30%)

「シリウス、戦略レーザーグングニル発射用意」

俺がそう言うとシリウスの刀身が2つに割ける

(エネルギー充填率100%)

「グングニル発射」

「シリウス、グングニル発射!」

シリウスの2分割された刀身の間とグングニルの発射装置から2本の赤いレーザーが発射され、鉄血の国境守備隊およそ300体が一瞬にして蒸発した。そして、シリウスは元の片手剣の形に戻った。

「さぁ、全軍突撃〜」

「無茶苦茶ね」

完全にAR15が呆れ返ってる。

「火力は正義…」

SOPの目が死んでる。まぁ、解体出来た鉄血兵は溶けちゃったからなぁ…

「そうだぞSOP、火力は正義。絶対に裏切らない」

「SOPに変な事を吹き込まないでください!」

「すみません…」

ROに怒られちまったぜ☆

「イージス、こちら89式です。聞こえますか?」

無線機から懐かしい声が聞こえる。

「89式…久しぶりだな。で、何の用だ」

「貴方の端末にエリザの位置を送りました。確認して下さい」

「確認した。助かるよ」

「私はこれから鉄血のハイエンドモデル[代理人]に戦闘を仕掛けるのでこれ以上はサポート出来ませんが…」

「いや、エリザの位置だけでも充分助かるよ…生きて帰ってくるんだよな?」

「もちろん、貴方の元に帰ってきますよ…全てが終わったら」

89式との無線が切れた。

「必ず勝てよ…相棒」

「僕はどうしたらいいかな?」

「Dominator、君は[haven作戦]の核心だから傷つける訳には行かないから…後ろでこれを使って援護してくれ」

そう言って俺はDominatorにレーザーライフルを渡した。

「了解したよ」

「こちらM14、50メートル先に装甲兵を発見!」

「了解だ。AR15、出番だ」

「こちらAR15、ターゲットの位置を確認、RPG7改発射!」

爆発音が聞こえる。

「M14、どうなった?」

「敵装甲兵の撃破を確認」

「よし、総員前進!」

こうしてS-10地区への進攻に成功したS-11地区の部隊の道のりはこれからが長かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こちらグリズリー、敵のリッパーを発見。攻撃を開始するよ」

「こちらM14、グリズリーを援護します」

「こちらイージス、敵のイェーガーを発見。交戦を開始する」

「イージス、戦闘中に悪いが耳だけ貸してくれ」

「どうしたんですか、ペルシカさん」

「今、正規軍の一部の人形が傘ウイルスにやられて味方を攻撃している」

「それくらい想定済みだ。感染した人形をぶっ壊せば良いだろ」

「それが…今回の傘は味方の識別コードは生かしたまま感染するものだ」

「要するに人形だとセーフティが働いて攻撃が出来ないって事か」

「そう言うことだ。一応注意してくれ」

「了解、そいつらが現れたら俺がやればいいんだろ?」

「そうだね、じゃあ私は電子戦に戻るよ」

「こちらイージス、イェーガーの撃破を完了」

「…話しながら銃を撃って全弾命中…うちの指揮官はやっぱチートね」

「おいAR15、俺は一般人だぞ。こんくらいみんな出来る」

「みんながこんなのだったら大変ですよ」

ROが突っ込む。

「そういうもんか?」

「ここの部隊ってなんか緊張感無いですね…」

「そうよ…M4。いつもこんなよ」

「おいSOP、解体するのはいいが敵の死体を振り回したりするな。血が飛んでくる」

「はーい」

「おい、グングニル!こんな所で戦略レーザーを撃つな。味方が死ぬ」

「火力は正義よ…敵を丸焼きに」

「味方を丸焼きにしたらどうすんだよ…フルオート対物ライフルでも振り回してろ」

「了解」

「本当に振り回すな!せめて撃てよ」

「こちらDominator。強襲型イェーガー隊を突撃させても良いかな」

「こちらイージス、了解。イェーガーを盾にして進むとしよう」

「こちらM14、近くに鉄血に追われている民間人3人を発見!おそらく親子かと」

「こちらイージス、俺が救助してくる。9A91、援護を頼めるか?」

「勿論です、指揮官」

「私たちはどうすれば?」

ROが質問した。

「残りは陣形を崩さずに前進してくれ」

「了解。人形の指揮は任せてください」

「…もう俺みたいなのは要らないんだ」

親が居ない子供が辿る運命は2つだ。

1つは運良く養子になるか

2つ目は…

俺にみたいに人体実験の犠牲者になるか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「折紙、こっちよ!」

民間人3人の母親が子供に叫んでいた。

「良かった…」

父親と思われる人が安堵していたその時…

「お父さん、お母さん、後ろ!」

娘と思われる少女が叫んだ。そう、彼女の両親の後ろには…

「可愛い人間さんですねぇ…ふふっ」

マシンガンを構えたイントゥルーダーとその部下と思われるイェーガーが居た。

「くそッ娘と妻だけでも」

父親が勇敢にもイントゥルーダーの前に立ちはだかった。

「お父さん!!」

「そういうの嫌いじゃないですけど…さようなら、勇敢な人」

イントゥルーダーはマシンガンの引き金に指を当てた。

少女は願った。誰か…誰か…助けて…と

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして願いは叶った

「久しぶりだな、イントゥルーダー。9A91、イェーガーの方は頼んだ」

「了解です」

「これでもくらいな」

そう言って俺はシリウスをイントゥルーダーのマシンガンに向かって投げつける。

俺がぶん投げたシリウスがイントゥルーダーのマシンガンに突き刺さり、大爆破を起こした。そして、イントゥルーダーを助けようとしたイェーガーを9A91が蹴り飛ばす。

「全く…どんなもん使ったらあんなに爆発するんだよ…民間人の方々は大丈夫ですか?」

「あ、あぁ私は大丈夫だ」

「私も大丈夫です」

両親は大丈夫だった…後は娘さんだが

「貴方も…道連れよ…私がこんな所で…」

あちゃー、イントゥルーダーの巻き添いを食らってる…

「おいシリウス、イントゥルーダーを食ってやれ」

シリウスをイントゥルーダーのコアに突き刺すとイントゥルーダーの体から緑色の結晶のような物が生えてきた。

「一体これはどうなって…やめろ…私の中に…入ってくるなー!」

そう言った直後、イントゥルーダーの全身が緑色の結晶に覆われて、砕け散った。

「…さらばイントゥルーダー。君は…大丈夫か?」

「このくらい大丈夫」

「なら良かった」

「…ありがとう」

「機にするな。戦場ではお互い様だ」

「指揮官、イェーガーを始末してきました」

「おう、お疲れ…じゃあ民間人の方々はここで待機しててください、ヘリが来るんで。アルファ、今俺が信号弾を撃つからそこら辺に強行着陸してくれ」

「了解だ」

信号弾を撃つ。

「こちらアルファ、信号弾を発見した。これより現場に向かう」

「娘と妻を助けてくれてありがとう」

少女の父親がそう言って俺たちに頭を下げた。

「良いんですよ、これも仕事のうちですから」

「こちらアルファ、LZに到着した」

「では、さようなら」

少女の両親達はヘリに乗った。

「君も早く乗りな」

「…名前」

「ん?」

「貴方の名前は?」

「俺の名前か…イージスだ。君の名前は?」

「千代紙…」

「千代紙か…良い名前だな」

「貴方も…」

「じゃあな、千代紙

「…指揮官もしかしてあの少女に恋でもしましたか」

「まさか…」

「ですよね。指揮官は私にゾッコンですもんね」

「おいちょっと待て」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

正規軍カーター派

「ついにグリフィンとの戦闘が始まったか…期待してるよ[神の盾]」




いやー、友人にデート・ア・ライブの沼に落とされましたなぁ…折紙ちゃん可愛い。
そんな俺をデアラの沼に落とした友人が書いてる[光と闇のシンクロ]という作品、面白いんで見てください(露骨な宣伝)


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決戦(対鉄血戦) 後編


人や人形以外の声(音声)には()を使っています(毎度の事後報告ですみません


有志連合の猛攻に対して、鉄血は3本の防衛線を引いて抵抗していた…

「こちらRO、敵の第1防衛線を突破しました」

「こちらイージス、良くやった。俺たちも直ぐに合流する」

「イージス、正面にマンティコア!」

9A91が叫ぶ。

「邪魔だ退け」

俺はマンティコアにシリウスを突き刺す。

「…マンティコアの無力化を確認。相変わらずの性能ですね、その剣」

「だろ?全く便利なもんだ」

(イージス、聞こえる?)

「…なぁ9A91、お前今喋ったか?」

「??…喋ってませんが」

(まぁいきなり話しかけられたら驚きますよね。私は貴方が持っている片手剣のシリウスです)

「まじかよ」

(ちなみにこの会話は外に聞こえません)

「まじかよ…んでなんで外に聞こえないのかな?仕組み教えて」

(…もうすでに貴方の脳の一部が私に同化されているから話す必要が無いんですよ)

「…もう脳の一部まで…俺は…俺はいつまで戦えるんだ?」

(それは…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鉄血総司令部

「…まだ生きてたのね、裏切り物。いや89式さん」

「貴方こそ…てっきりメイドごっこでもしてる途中に車にひかれて他界したかと思ってたわ代理人」

「酷くない私の死に方」

「良いじゃない今からそうやって死ぬんだから」

「えっ!」

「いっけー装甲車!」

89式は自動運転の装甲車(C-4付き)を代理人の所に突っ込ませた。

「…汚い花火ね。さらば代理人」

「この程度で死ぬわけないでしょ私が」

代理人は健全だった。

「ですよねー。この程度で死なれたら困ります…とは言え貴方をさっさと倒してエリザの首を取りに行きますが」

89式が89式自動小銃を構える。

「裏切り者をご主人様の元に行かせる訳にはいかないので…ここで貴方には死んでもらいます」

代理人はスカートから小口径主砲の砲身が顔を出す。そしてS-10地区鉄血総司令部の前で激しく火花が散ることになる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

S-10地区第二防衛線

 

「悪いRO、遅れちまった」

「やっと来ましたか…私の権限だとグングニルの発射を許可出来なくて大変でしたよ」

「それは済まない…グングニル、お前は後何発のグングニルが撃てる?」

「後1発が限界ね」

「そうか、じゃあエリザ戦まで温存しててくれ」

「了解よ。ただこの大量の敵をどうするの?」

「簡単な話だ。お前の役目は俺が引き継ぐ。シリウス、グングニル発射!」

(戦術レーザー発射を承認。発射します)

大量にいた敵が一気に消し飛ぶ。

「こちらグリズリー、残りの私のダミー人形が1体しか居ない。一度退却する許可を」

「退却を許可する。アルファ、グリズリーのダミー人形の予備が入ってる武装コンテナを彼女の元に投下してくれ」

「了解」

「こちらM14、弾薬が残りわずかです」

「補給線の位置を君の戦術マップに反映した。そこまで徒歩で行ってくれ。ただ、護衛がいるな…」

「私に任せてください」

M4がM14の護衛を名乗り出た。

「分かった。M4、M14の護衛を頼んだ」

「こちらRO、敵の防衛線に穴が空きましたが…進行しますか?」

「まさか。M4とM14を置いていく訳にはいかない」

「ですね。それでは穴を埋めようとする鉄血兵を優先して攻撃します」

「あぁ、頼んだ。俺も…」

あれ?視界が歪んで…

「指揮官!大丈夫?」

あぁ、その声はSOPか。空が見えるということは俺は倒れたのか。

「なんとか…大丈夫そうだ」

「無茶ばっかするからよ…」

AR15が俺の体を起こすのを助けてくれる。

「済まないAR15…」

「たまには私たちに頼って休みなさい。M4達が帰って来るまで休んでること。良いわね?」

「…了解」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

S-10地区鉄血総司令部前

「流石は代理人…まだ粘るのね」

89式は弾が切れた89式自動小銃を捨ててP90に武装を変える。

「貴方も…自分の名前を冠する銃の弾が切れても尚戦い続けるか」

「当たり前です。たがが1丁の銃の弾が切れたくらいで倒れる訳がありません」

「ならば…これでもくらいなさい!」

代理人は4丁の小口径主砲を一斉射した。

「…この程度!」

89式は4発の砲弾を回避しながらP90で攻撃を行う。

「ふん、この程度の弾丸でこの私が…何!」

まさかの展開だった。89式はP90を代理人に投げつけた。

「隙あり!」

P90を投げつけて一時的に代理人の視界を奪った89式はすぐさまレーザーソード[エクスキャリバー]を起動させてその刃を代理人のコアへ叩き込もうとする。

「私をあまり舐めたいで下さい!」

代理人もレーザーソードを起動させ89式のコアへとレーザーソードを突き刺そうとする。

「「くだばれ」」

2つのレーザーソードの刃はお互いを突き刺した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こちらM4、M14の護衛、及び補給に成功!」

「こちらM14、補給が完了。新たな狙撃ポイントに移動を開始します」

「こちらRO、了解。これより我々は敵第3防衛線へと侵攻します」

さて、俺もそろそろ動くとしよう。

「AR15、そろそろ動いて良いかね」

「…構いませんよ」

「よしシリウス、行くぞ」

(了解です)

「こちらラプター、S-11地区の戦闘部隊の支援に入ります」

「ライトニングも支援行きまーす」

こうしてイージス達は第2防衛線の突破に成功した。そして…第3防衛線への侵攻を始める…そう、そこは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

地獄だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鉄血は圧倒的な物量で有志連合の戦力を潰しにかかっていた。

「こちら自衛隊第36小隊、敵に包囲されている。救援を求む」

「こちら正規軍特殊作戦コマンド、損害大。戦車隊の援護を求む」

「…これは酷いな」

「あと少しで…ブレインの元に行けるのに」

「こういう時に焦りは禁止だ、M4。焦って突っ込んでいったらこちらが死ぬだけだ」

「…了解」

とはいえもはや策が無い。敵の量が多すぎる。戦略レーザーがあればどうにかなるが…ここで撃つと俺が撃った場合はもう確実に身体が持たないし、グングニルが撃つと今度はエリザ戦での戦力が減る。…あと戦闘員が1000人くらいいればどうにか1点突破が出来るんだが…

「君はどうせあと戦闘員が1000人くらいいれば…とでもね思っているのだろう?ならば私達が援護をしよう、イージス君」

「久しぶりだなイージス、今まで剣部隊が居なくて寂しかったぜ」

「貴方達は…A.T社の社長にデルタ隊の隊長…生きてたんですか」

「S-12地区が落とされた後なんとかね…技術班の連中も無事だ」

「俺たちデルタ隊は1000人以上の戦闘員で構成されている…君達決戦部隊を無事にエリザの元に送り届けてやろう」

「感謝する」

道は開けた。あとは進むだけだ。




A.T社残党
S-12地区に本拠地を築いていた民間軍事会社A.T社はある日鉄血の猛攻にあい、本部を破壊された…がG&K がA.T社の生き残りを保護していたため未だA.T社は事実上健全。A.T社の自立人形や設備は全て破壊されたが人員は奇跡的に全員無事だったようだ。






ちなみにシリウスが話し始めたのはイントゥルーダーを同化したからです


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戦いの果てに

シリウスってこんな感じの剣です。まぁ、絵描くの下手だけど


通常形態

【挿絵表示】

射撃形態

【挿絵表示】



「こちらデルタ03、敵の防衛線に穴を開けた!」

「よしイージス、行ってこい!ここは俺たちA.T社に任せろ」

「済まないな」

「何、俺たちは以前剣部隊に世話になったからな。これで貸し借り無しだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

S-10地区鉄血総司令部付近

「…あれは代理人か」

「もう機能を停止してますね…」

「だな…あれは」

代理人の残骸の隣にもう1人の人形がいた。

「89式…おい、大丈夫か!」

「イージス…久しぶりですね」

89式のコアの近くにはレーザーソードが突き刺さっていた。

「AR15、あの二人の関係は?」

M4がAR15に尋ねる

「89式は彼の相棒よ…」

「そう…」

「89式、待ってろ!今すぐ応急処置を…」

「私のことは良いので…早くエリザを…彼女を…今止めないと」

「…指揮官、気持ちは分かりますが彼女の言う通りです。今はエリザの破壊を優先しましょう」

ROが言う。…その通りだな。

「分かった。89式、待ってろ。さっさとエリザを倒してお前を助けるからな」

「…待ってます」

こうして俺たちは鉄血総司令部に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれが総司令部か…よし、グングニル。あの建物を全壊させてやれ」

室内戦では退路が無くなるからな。野戦に持ち込ませてもらうぜ、エリザ。

「了解、戦略レーザー発射!」

グングニルが戦略レーザーが発射し、総司令部の建物は跡形もなく消えた。これでグングニルのエネルギーは使い切った。

「グングニルは撤退せよ」

「…了解。一足先に戻ります」

しかし、エリザの姿が見えない…ステルス迷彩でも付けているのかな

「こちらM14、狙撃ポイントに到着しましたが…敵影が見えません」

人形でも見えないか…

「逃げたんじゃない?」

グリズリーが言う。なるほどその可能性もあるが

「…エリザは必ずここにいる」

「お前もそう思うか、Dominator。俺もそう思う」

…見つけたぞエリザ

「お前は…そこに居るんだろ!」

そう言って俺はとある場所に4連装ロケットランチャー[Mars]の全弾を撃ち込む。すると…

「流石だね、グリフィンの英雄」

エリザが姿を見た。

「悪いが俺は英雄でもないし、英雄だと思ったこともない」

「ここまで来れた時点で君には英雄を名乗る資格がある」

「そいつは光栄なことだ」

エリザは無傷か…奴の武装は見たところ大量の小型ミサイルを積んでいるミサイルポッドが見える…ふむ、遠距離戦は無しだな。近接戦あるのみだ。そう考えらると

「全人形へ、後方支援に徹しろ。具体的に言うと奴のミサイルの射程圏外で狙撃してくれ。奴のミサイルの予測射程は戦術マップに反映してある」

「それは指揮官を見捨てろってこと?」

「私も指揮官の役に…」

「私も元から狙撃…」

「僕もだね」

「文句はあとで聞くからさっさと下がれ!死ぬぞ!」

「「了解」」

「逃すと思う?」

エリザは30発ほどのミサイルを後退中の人形に向かって発射する。

「ミサイル如き俺が叩き落とす」

俺は89式改でミサイルを迎撃する。

「どうしたエリザ、この程度か」

「…隙が出来てるよ」

エリザが急速に接近してきた。

「危なっ!」

エリザが片手剣を取り出し、俺に対して切りかかる。

俺は89式改を盾にしてそれを回避。

「遠距離武器はあとベレッタだけですが…大丈夫ですか」

「…ベレッタだけじゃないぜ。全人形隊、撃ち方始め!」

ていうかなんで俺の武装を完璧に把握してるんだよと心の中で突っ込むがまぁいいだろう。

後方に下がった人形達が一斉に射撃を開始する。

流石人形、命中率はそこそこだが…エリザの装甲は頭がおかしいくらい高いのでほとんどの弾は貫通していない。貫通していても余り効果の無いところだ。

「お返しだ!」

弾を回避中のエリザにベレッタで牽制射撃をしつつ接近し、無防備なエリザの身体にシリウスを叩きつけるが

「…あまい!」

エリザも片手剣で俺のシリウスを受け止める。

「なぁシリウス、この剣は同化出来ないか?」

(この剣は私と同じ匂いがします…無理です。地球上のもの全てを同化する方がマシな気がします)

「地球上…それだ」

(いや、マシだと言っただけで…)

「俺の全てを使って…俺の仲間を救ってくれないか?」

(…それは貴方の願いか?)

「あぁ…何も持って無い俺の…たった一つの願いだ」

(…貴方がどうなっても知りませんよ)

「構わん、仲間が救われるなら」

俺はエリザとの距離をとる。

「何か策でも思いついたのかな?ま、私に小細工なんて通じないけど」

「そうだな、エリザ。お前は小細工程度じゃ殺しきれない」

イージスはシリウスを天に向けて持ち上げた。

「だが…これならどうだ!」

その時、シリウスの刀身が青白く発光していたのがエメラルドグリーンに変わった。

「ちょっとイージス、何をする気!」

「最後くらい…派手にやっても良いだろ?AR15」

そして地球上全てを緑色の結晶が覆った。

「まさか…おい、止めろ!」

「もう遅いぜ、エリザ」

エリザとのイージスも結晶に覆われた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

S-10地区第3防衛線

「こちら衛生兵、怪我人が謎の結晶に覆われた!」

「こちらの怪我人もだ…結晶が砕けたぞ!」

怪我をした兵士達の結晶が割れた時、もう怪我人は居なかった。

「全兵士の怪我が治った…なんたる奇跡だ」

「神は我々を見捨てなかった…」

「おい、鉄血兵も結晶に覆われてるぞ!」

「おい、神さまは平等とは言うが」

しかし、鉄血兵を覆っていた結晶が砕けた時、そこに鉄血兵の姿はなかった。

「鉄血が…消えた?」

「我々が勝ったのか…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

S-11地区難民収容施設

「…綺麗」

「そうね、千代紙

先程、イージス達が救出した民間人の親子は地上を覆っている結晶を眺めていた。

「イージス…」

「イージス?」

「私達を救助してくれた人、私もあの人みたいに…誰かを救える人になりたい。」

「…君にはまだ早いかな。どこのPMCも高校生からしか取らないからな。あと5年くらい経てば折紙でもきっと彼のみたいになれるぞ」

両親は少し悲しい顔をしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

G&K 本部

「クルーガーさん!」

「どうしたんだそんなに慌てて」

「今、地球上を覆っている結晶ですが…」

「…あの結晶が世界中の崩壊液を吸収したと?」

「こちらを見てください」

「…世界中の地面、大気、海、水中、地下から崩壊液の反応が消えてるな。あの結晶は誰が…」

「人形たちの報告によると…イージスと呼ばれる指揮官だそうです」

「やはり彼か…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

S-10地区鉄血総司令部前

「傷が…治ってる」

89式が目覚めたら辺り一面が結晶で覆われていて自分の傷が治っていた。

「イージスを助けに行かないと…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

S-10地区鉄血総司令部

S-11地区の戦闘部隊はかつてイージスがいた場所にいた。しかし、そこには人1人くらいのサイズの結晶が2つあるだけだった。

「イージス、貴方が…貴方が犠牲になったら…いくらエリザを倒したところで」

「落ち着いてAR15、彼は返ってくる。絶対に」

「9A91…ありがとう」

その時、一つの結晶が砕け散った。

「エリザ…貴方まだ」

エリザの両手は無くなっていた。おそらく同化されたのだろう。

「こんなところで…人間ごときに…この私が…負ける訳には!」

エリザはミサイルを乱射し始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…ここは」

俺は…よく分からない、暗い空間で目が覚めた。

「イージス、聞いて」

誰かの声が聞こえる…この声は確か

「なんだシリウス、もう死んだ俺に何か用か?」

「貴方はまだ死んだ訳じゃない」

「へぇ…」

「貴方には2つの選択肢がある

1つは私に完全に同化されて地球の抑止力の一員になるか…もう1つは…

 

 

 

 

 

 

まだ歩み続けるか」

「抑止力の一員ねぇ、良い響きだ…だが、俺は仲間を見捨てるわけにはいかない。俺はまだ…まだここにいるぞ!」

「それには1つだけ条件がある…それはこの鉄血との戦争が終わったあとに隣界からやってくる異生物…精霊との対話及び保護を行うこと。それが約束出来るなら…貴方を祝福する」

「精霊との対話ね…よく分からんが良いだろう」

「おめでとう、貴方はこの世界に祝福された」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「イージス、あいつさえ居なければ貴方達を倒すなんて簡単だよハハハ」

S-11地区の戦闘部隊はエリザが放っている大量の小型ミサイルによって追い詰められていた。

「クッ、私達は両手の無い人形にすら勝てないのか」

その時、エリザの後ろの結晶が割れて中から少年が出てきた。

「イージスが居なければ?残念、俺はまだここにいるぞ!」

イージスはエリザのコアに向かってシリウスを突き刺した。

「そんな…私が…人間に…」

「地獄に落ちろ、エリザ」

俺は破壊されたエリザの中からコアを取り出しそのコアにはめられていた紫色の結晶を手に取りDominatorに手渡した。

「これが欲しかったんだろう、全鉄血人形を統治する権利が」

「その通りだよ。ありがとう」

Dominatorは紫色の結晶を受け取ると自分のコアを取り出し、そのコアのくぼみに結晶をはめた。

「…イージス、亡命を受け入れた恩は忘れないよ」

「人類との和解は頼んだぞ」

「任せて」

そう言うとDominatorとその配下の強襲・強化型イェーガーは去っていった。

「…ところで君達はなんで固まってるのさ?」

俺はさっきから固まっているS-11地区の全人形に尋ねた。

「「だって…ねぇ」」

「ん?わけわからん」

「イージス、無事ですか?」

「おー、89式。俺は無事だぞ」

「…その姿は…一体」

「お前も固まるのか」

「こちらアルファ、これより君達を回収する」

「よろしくー、アルファ」

「…お前、イージスだよな」

「そうだよ?」

「声高くない?」

「…そう?」

「まぁいい、着陸する」

「お疲れ、イージス…ってその姿は」

「なんでペルシカさんまで固まるのさ」

「…とりあえず16LABで身体検査を意地でも受けてもらう」

「えー、大規模作戦のあとくらい…休ませてよ」

「「検査を受けてください!」」

「…まぁそこまで言うなら行くけどさ。お前らは無人ヘリで先に帰ってな」

「いえ、私達も行かせていただきます」

「だってー、私達だけ休むって言うのもねぇ」

「なら良いけど…アルファ、16LABまで頼む」

「了解した。にしても、お前の声が異様に高いのに納得した」

「もう何なの…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

16LABにて

「…これは」

今俺は16LABの鏡で自分の姿を見て冷静さをかこうとしている。

「なんじゃこりゃー!!」

「私達が驚いていた理由が分かりましたか?」

ROが言う。

「でもこの姿のイージスは可愛い気も…」

89式が言う。

「驚いた意味は分かったけどさぁ…可愛いってなんだよ」

自分の姿はなんと小学生くらいになっていた。

「安心してください。その姿で不便な事があれば私が」

「ちょっと待って9A91、部屋には絶対に入れないからな」

「そんな…私の計画がぁ…」

「おい、シリウス。なんでこんな事に…確かに俺は精霊とやらと対話するのは約束したが…」

(必要な事です…貴方は彼の代わりにならなければならない)

「…彼?」

(こことは違う世界…平行世界で精霊との対話に成功した…五河士道という少年の代わりに貴方はならなければならないのです)

「はぁ、よく分からんが…まぁこの身体で不便なことなんて身長くらいだから良いかな」

(まぁその他の能力の代償だと思えば安いもんでしょう)

「そこは認める。同化を無効化する体質に、精霊の霊力を封印する能力とやらか…」

(貴方を食べられないのは残念ですが…精霊との対話のための致し方ない犠牲だと)

「誰がお前に食べられるかっての」

「イージス、ちょっと良いかな」

「何ですか、ペルシカさん?」

「君の身体の検査結果が出た」

「それで結果は?」

「率直言わせてもらうと…君はもはや人間の域を超えている。君の身体の一部がシリウスに使われている金属と同じ性質に変わっている」

「…それによって私の体はどうなるのですか?」

「君自身に同化耐性が付与された」

「それはコイツから聞きました」

「…喋る剣…か。そんな風に設計した覚えは無いはずなんだがね」

(私は剣としての役割としては果たしてるはずです。そもそも、貴方達が未知の金属と呼んでるものは人類に対して抑止力が異生物との対話のために与えたものです。貴方達が扱えるものでは無い)

「抑止力か…なるほどね。まぁそれは置いといて…イージス、君の特異体質はもう一つある…それは…」

「…なるほど、不死とはね。それは有り難いような…迷惑なような…」

「あと、君達の言う精霊のことだが…ちょうど君達が奇跡を起こした時に…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

DEM社

「ようやくですね、アイク」

「あぁ、ようやく原始の精霊が現れた。私の願いが叶う…ようやく。この願いを叶うために長かった…」

この日、ユーラシア大空災が起きた。




[DEM社(デウス・エクス・マキナ・インダストリー)]
イギリスに本社を置く世界的大企業。リアライザ(魔法を科学の力で
再現する禁断の技術)のシェアは世界一。
[ユーラシア大空災]
ユーラシア大陸の中心で起きた大規模な空間震。その被害はユーラシア大陸の中心が1夜にして更地になるほど。しかし、ユーラシア大空災が起きた土地は崩壊液の被害が大きかったので既に人は居らず人的被害は無かった。
[空間震]
名前の通り空間の地震。本震が起きる前に余震がある。発生原因は隣界にいる精霊が現界する際に発生する空間の揺らぎによって大爆発する際に起きる。




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