火継ぎレOプ!不死人と化した先輩 (ウルトラネオン)
しおりを挟む

プロローグ

つい最近ダークソウルを初めてプレイところ、突然思い付きました。世界観かなり崩壊するので見たくない人or駄文過ぎて見れない方はすぐバックオーライ。
なお、ダークソウル自体はまだ一周もクリアしてないので余計に鈍足亀更新です。

はい、よーいスタート


ー下北沢某道場ー

 

野獣「ビールビール!」

 

MUR「冷えてるかー?」

 

野獣「大丈夫っすよ、冷えてますよ!foo↑」

 

KMR「…………」

 

皆様お馴染みにの誰でも知っている某大学の空手部に所属する野獣、MUR、KMRは空手部の練習に疲れが溜まったのか先程風呂に入った事で疲れを癒し、丁度風呂から上がった後だった。服に着替えて部屋に戻ると野獣先輩が腹が減ったのか二人に問いかけた。

 

野獣「MURなんか腹減んないっすか?」

 

MUR「腹減ったな〜」

 

野獣「減ったすよね!」

 

自分の意見に同調してくれたMUR先輩に喜ぶ野獣先輩。

 

野獣「このへんにぃ、うまい、ラーメン屋の屋台来てるらしいんっすよ」

 

MUR「あっ、そっかぁ」

 

野獣「今度一緒に行きませんか?」

 

MUR「行きてぇなぁ」

 

野獣「行きましょうよ!じゃけん夜行きましょうね〜」

 

MUR「おっ、そうだな」

 

腹が減っているにも関わらず今度と言いながら夜に行こうというなんともガバガバな日本語をしゃべってはいるがその事に全く気づいていない池沼MUR先輩。

 

と、ここまでは空手部のごく普通の日常会話であるがMUR先輩があることを思い出し、KMRの方へと振り返った。

 

MUR「あっ、そうだ。おい木村ァ、さっき俺らが風呂入ってる時チラチラ見てただろ?」

 

KMR「いや見てないです(断言)」

 

MUR「嘘つけ絶対見てたゾ」

 

KMR「なんで見る必要があるんですか?(半ギレ)」

 

野獣「……?」

 

野獣先輩はKMRに違和感を感じていた。いつものKMRならおどおどしながら引きぎみに喋る筈なのに今日のKMRは何処かおかしかった。

練習中もそうだったがいつもよりふてぶてしかった。

気のせいだろと思い、いつものように野獣先輩が言葉を続けた。

 

野獣「あ、お前さ木村さ、さっき風r」

 

KMR「ふざけんなっ!(迫真)」

 

野獣「ファッ!?」

 

突然KMRが迫真の声で怒りだした。野獣先輩は唐突過ぎて

鈴O福君のような顔になり、MURにいたってはマヌケの顔を晒している。

 

KMR「さっきからぐちぐちぐちぐちとよぉ!俺の事を怒らせてくれたねぇ!!」

 

MUR「き、木村どうしたんだゾ?」

 

野獣「落ち着いてくれよな〜頼むよ〜」

 

こんなにも怒っているKMRを二人は今までみたことがなかった。目が血走り、青筋を立ててそれこそすぐにでも人を殺しそうな形相だった。するとKMRはポケットから小さなナイフを勢いよく取り出すと二人に向けて振りかぶった。

 

KMR「野郎ぶっ殺してやらぁぁぁぁ!!!」

 

そばにいたMUR先輩を一撃で刺し殺し「ポッチャマ…」と言いながら血を流して絶命した。続けて野獣先輩の方へ向くと一直線にナイフを刺した。

 

野獣「アー逝キソ逝キソ…ウーン」

 

床に倒れ野獣先輩の死亡を確認したKMRは血溜まりになった部屋をグルッと見渡しニヤリと笑った。すると、KMRの体が突然ブルブルと震えだし、段々と黒色に染まるとあっというまに黒いモヤのような何かへと変貌し、霧状になって消滅したのであった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

野獣「ウーン…」

 

目を覚ますと野獣先輩は少し暗い石造りの部屋にいた。辺りを見回すと壁に2本ずつ松明が掛けられていて正面には鉄で作られた柵のようなドアがあった。

 

野獣「こ↓こ↑は何処だ?」

 

KMRに刺されて死んだかと思えば今度は元いた道場でもなく、まるで中世にでもありそうな牢屋だった。

とりあえず立ち上がりドアを開けようとガシガシしたり蹴ったり殴ったりしたがびくともしない。

 

野獣「やっぱりな!」

 

こういうドアは決まって開かないor頑丈が定番だ。ドアから外を見てみるとやはりというかここと同じ牢屋がいくつかあった。うん!おいしい!(錯乱)

 

野獣「しかしなんにもないんすっね〜このばs」

 

言いかけたところで隅の方に死体が2つ並んでいた。

 

野獣「(こいつらと同族にはなりたく)ないです」

 

すると転がっていた2つの死体が急に起き上がったのだ。

 

野獣「ファッ!?まずいですよ!?」

 

???「なんだ野獣うるさいゾ…」

 

???「先輩、声煩いです…」

 

気だるそうに言いながら死体は野獣先輩を見ると

 

???「大体何がまずきやゃゃゃゃゃゃゃゃゃ!!!!!???

 

???「三浦先輩!?どうしたんですああああああああああ!!!!!?????

 

と、とてつもない大声を死体達は発したのだ。

 

野獣「うるせえぇ!

 

???「死体が歩いて喋ってるゾォォ!!?

 

野獣「いやあんたらも死体でしょうが」

 

???「は?」

 

死体達が自分の体を見回すと少し驚くと顔に手を抑え、ため息をついた。

 

野獣「あの顎を化け物レベルまで伸ばして叫ぶ姿は…三浦先輩っすか?」

 

MUR「まさかお前野獣か?」

 

野獣「そうだよ(便乗)」

 

三浦先輩らしき死体?は結構警戒して…いやマヌケ顔で野獣先輩をじろじろと見てきたが何処か納得したように頷いた。

 

MUR「それならそうと早く言えゾ」

 

野獣「叫ぶから悪いんっすよ。というかこのとなりの死体は…木村か?」

 

KMR「は、はいそうですよ」

 

死体がKMRだと判断した瞬間KMRの方へ詰め寄り肩をポンッと叩いた。

 

野獣「お前大丈夫か?」

 

KMR「え……と…何がですか?」

 

野獣「ほら、お前今までみたことがないくらい切れてたろ?もしかしたら俺達が何かしたのかと…」

 

KMR「すいません…覚えてないんです…」

 

MUR「それはどういうことゾ?」

 

MUR先輩もこちらへ近づいてきたがその顔は先程のマヌケ顔ではなく閣下と呼ばれる顔へと変貌していた。

 

KMR「僕はどうしてここにいるのか…昨日のことなら覚えてるんですけど今日の事は全く覚えてないんです」

 

MUR「………どうなってるんだゾ?」

 

野獣「さぁ…」

 

MUR先輩らしき死体と顔を見合わせてると天井から音が鳴り天井の一部の穴からは太陽光とある1人の騎士が現れた。

 

上級騎士「君たち!今から鍵を落とすからそこから脱出……ヴォエ!!」

 

穴から覗き込んでいた騎士は顔部分を腕で覆った。

 

上級騎士「こんなにも臭いとは…だが君たち!早く来てくれ!」

 

と、上級騎士は鍵を放り投げてはそそくさと逃げ去った。

 

野獣「とりあえずここから出ましょか…」

 

ドアの鍵を開けて俺達は牢屋から出た。

 




本日の被害者:エスト瓶くれた上級騎士さん

まだ北の不死院は抜けない…ぬけなくない?


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

1.

<悲報>
デーモンと名のついた奴は例外なくひでになる。
ヒョロヒョロは亡者の事だよ!間違えないでね!

後、文章が短いのは許してちょんまげ


野獣先輩達は牢屋から出てとりあえずは続いている道通りに進んでいくとヒョロヒョロの人こと、亡者が立っていた。

 

野獣「あれ人なんすかね?」

 

MUR「わからないがとりあえず話しかけて見るゾ」

 

MUR先輩は亡者に近づき肩を叩いて言葉を発した。

 

MUR「すいません、ここが何処か教えて欲しいゾ」

 

MUR先輩は気持ち悪い動きで亡者のほぼ真横に顔を近づかせて言ったのだが聞こえてないのか何の反応もなかった。

 

MUR「あの〜」

 

亡者「………」

 

MUR「すいません」

 

亡者「………」

 

MUR「…………ポッチャマ…」

 

MUR先輩は若干半泣きになりながら両手で顔を抑えた。

ここにいても進展もなさそうなので亡者を後にした。進んでいくと水浸しの部屋があったが特に問題もなく潜り抜けて近くにあった梯子を上ると、巨人でも入るのだろうかと思えるくらい大きな門と地面に一本の剣が刺さっていた。

 

KMR「野獣先輩あれ見てください!剣が刺さってますよ」

 

野獣「何これ?」

 

野獣先輩達は刺さっていた剣に近づいた。特に変わった様子もなく触ってみてもうんともすんとも言わなかった。

 

MUR「これもしかしたらゼOダみたいな勇者の剣に違いないゾ!」

 

野獣「とりあえず引き抜きましょうよ〜」

 

KMR「先輩!危険ですよ!」

 

野獣「大丈夫だって安心しろよ〜。平気平気、平気だから」

 

と意気揚々に剣を抜き始めた野獣先輩だがが全力を出しても剣が抜けることはなかった。

 

野獣「あっれれ〜?おっかしいぞぉ〜?(コナン)」

 

MUR「俺もやるゾ」

 

MUR先輩も剣を抜こうとしたがやはり抜ける事はなかった。

 

MUR「木村も早くしろ〜」

 

KMR「え、僕もやるんですか…?」

 

野獣「俺もやったんだからさ、頼むよ〜」

 

KMR「……わかりました」

 

KMRも挑戦してみたが、やっぱりというか当たり前だと言うのか抜ける気配が全くなかった。

 

KMR「これやっぱり抜けないんじゃないんですか?」

 

野獣「頭来ますよ!(憤怒)」

 

KMR「はえっ!?」

 

情緒が不安定なステハゲ先輩は怒りを露にした。KMRとMUR先輩は野獣先輩が怒っている理由も分かっていないが、理由はただ剣が抜けないからというかなりシンプルなものだった。ただ、抜けないから。

 

読んでいる皆には分かっているとは思うけど今、先輩が抜こうとしてるのは篝火に刺さってる剣だからね。皆は抜かないようにしようね!

 

野獣「ヌゥン!ヘッ!ヘッ!ア゛ア゛ア゛ア゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ア゛↑ア゛↑ア゛↑ア゛↑ア゛ア゛ア゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛!!!!ウ゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ!!!!!」

 

スポン!

 

ブッチッパ!

 

野獣先輩が目力の如く叫び散らすと遂に篝火の剣が引っこ抜けた。が、それと同時に糞と小便を漏らしてしまった。元々叫び声がえげつなかった為MUR先輩とKMRはもだえ苦しみながら耳を抑えていたが、当の本人はまるで何かを見つけたかのような虚無の顔になっていた。

 

そして、野獣先輩が引き抜いた剣は光となって消滅してしまった。

 

野獣「ファッ!?消えたんですがそれは…」

 

KMR「ここまでの努力は一体…」

 

MUR「ポッチャマ……ま、まあとりあえずあの大きな門通ろうゾ」

 

三人は気を取り直し自分達よりはるかに巨大な門に近づくと勝手に扉が開き出したので少し驚くいた。

 

MUR「なんか凄いところにきたな」

 

野獣「そぉですねぇ…」

 

門をくぐり抜けるとそこは教会らしき所だった。が、辺り一面が荒れ果て一般的な教会に有るであろう椅子や祭壇といった物が1つもなく完全に廃墟のような場所だった。

 

KMR「なんだか建物が崩れそうで怖いですね…」

 

野獣「大丈夫だって安心しろよ〜」

 

MUR「そうだゾ。木村は少し心配しすぎだゾ」

 

三人は向かいの扉に行こうとすると━━━━

 

不死院のひでーモン「ぼくひで」

 

「「「えぇ…(困惑」」」

 

1つの巨体が大きな音を立てて先輩達の前に降り立った。体だけを見ればかなり太った体型、藍色に棘が幾つも生えて大きな棍棒を持った、まさしくデーモンと呼べるにふさわしい姿だったが顔だけが()()()()()。しかも喋る。

 

野獣「え、何あれは」

 

MUR「あの顔よく道場に来てたクソガキゾ」

 

KMR「きもっ」

 

と、わりと言いたい放題の先輩達だがその言葉に切れたのか不死院のひでーモンは手に持っていた棍棒を振り回し先輩達に攻撃を仕掛けた。

 

だが腐っても空手部、見事な身のこなしでひでーモンの攻撃を回避し、ひでーモンに対してパンチやキック、そこら辺の棒切れを拾い攻撃していたが効いてる気配がない。というか先輩達が攻撃してる最中、欠伸をしているくらいだ。

 

野獣「あれどうやって倒すんでしょうね?」

 

KMR「先輩!あの奥のほうに階段があります!そこに一旦逃げましょう!」

 

MUR「そうだよ(便乗)」

 

KMRが発見した階段に急いで向かう先輩達だが━━━

 

ひで「ああ逃れられない(カルマ)」

 

その棍棒で野獣先輩達もろとも叩き潰したのであった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

野獣「ウーン…あれ?」

 

目が覚めるとまたあの牢屋に戻っていた。野獣先輩は辺りを見回すと隅の方に再びMUR先輩やKMRを見つけた。すると、間もなく二人は起き上がり正気に戻ると目を丸くしていた。

 

MUR「何がどうなってるんだ…」

 

野獣「んにゃぴ…んまそう…よくわかんないです…」

 

KMR「確かに僕たちは殺された筈なのに…」

 

三人が頭を抱えているとMUR先輩はあることに気づいた。

 

MUR「もしかして蘇ったのかもしれないゾ」

 

野獣「はえ?」

 

MUR「俺達は一度しんだんだゾ。死んだが何かの原因で再び蘇ったんだゾ」

 

KMR「でも何が原因で蘇ったんでしょうか?」

 

MUR「そこは俺もよく分からん」

 

野獣「駄目みたいですね」

 

はぁ…とため息をついた三人であった。

 

 

その頃上級騎士は━━━

 

上級騎士「あ゙あ゙あ゙も゙お゙お゙や゙だあ゙あ゙あ゙!!」

 

上級騎士は亡者から逃げていた。普段なら亡者ならば造作もなく倒すことが可能な上級騎士だが今追いかけられている3体の亡者は少し違っていたのだ。

 

亡者達「「「うんちして?君の可愛いうんちが見たいんだ……いいだろう?」」」

 

上級騎士がこの亡者に会ったときからこの言葉しか発言しない。斬っても殴っても全く倒れないし止まらないので逃げてきたのだが永遠と追いかけられていた。

 

上級騎士「お断りだ!誰がそんなもの見せるものか!!」

 

亡者達「「「なんで?(殺意)」」」

 

亡者達が喜びから殺意に変わった瞬間である。上級騎士は特にこの亡者達に言ってはならならい言葉を発したせいで亡者達の走るスピードが極限まで高められ逃げている上級騎士に緊迫していた。

 

亡者達「「「嫌って言っても見せるんだよぉ!!うんちを!!!」」」

 

上級騎士「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!!」

 

亡者達は迫っていた。




やめて!うんち提案亡者の特殊能力で、後ろの穴を触られたら、穴がガバガバになりすぎて上級騎士の精神まで燃え尽きちゃう!

お願い、死なないで上級騎士!あんたが今ここで倒れたら、野獣先輩やMUR先輩とKMRの約束はどうなっちゃうの? エスト瓶ははまだ残ってる。ここを耐えれば亡者達に勝てるんだから!

次回、「上級騎士死す」。デュエルスタンバイ!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

2.

最初に書いてる小説より伸びてる…これもうわかんねえな…


とりあえず先輩達は不死院のひでーモンこと糞がいる部屋の門前に到着した。

 

KMR「とりあえずあの階段まで逃げれば流石の奴でも追ってこれないでしょう」

 

MUR「よし、じゃあせーので行くぞせーので」

 

野獣「せーの!」

 

ドン!と門を蹴飛ばして開けてはすぐさま猛ダッシュで階段に目掛けて走り出した。そしてやはりというかなんというか、ひでーモンが再び現れた。

 

不死院のひでーモン「ぼくひd」

 

野獣「逃ぃげるんだよ〜!」

 

3人はそそくさとひでーモンの横を通り過ぎてはすぐに階段に入り込めた。そして3人は先に進んでいったがそれとは別にひでーモンは

 

不死院のひでーモン「やだ!やだ!行かないで!」

 

とだだこねた糞ガキと化していた。

 

野獣「foo↑どうにか逃げれましたねぇ!」

 

KMR「まだ気を抜いてはいけませんよ」

 

MUR「木村の言うとおりゾ」

 

階段を降りるとそこには少し広い部屋と篝火があったが野獣先輩は息をするように篝火の剣を抜いては消滅させていた。篝火君、可哀想…

 

部屋から出ると小さい一本道にでて奥には弓を構えた亡者かいた。

 

MUR「さっき無視された人がいるゾ。でもなんか弓構えてるゾ?」

 

KMR「……まさか!三浦先輩逃げてください!」

 

KMRの予感は当たり、亡者はMUR先輩に目掛けて弓矢を放ってきた。だがその時のMUR先輩は既に閣下の顔になっていて━━━━

 

MUR「よっと」

 

野獣先輩を自分の前に引き寄せた。

 

野獣「ファッ!?」

 

当然、野獣先輩は身代わりになり、矢からMUR先輩を守った。防いだ矢は見事頭部に命中し

 

野獣「アーイキソ…イキソ…」

 

と弱々しい声で苦しんでいた。

 

MUR「近くに居たお前が悪いゾ」

 

野獣「えっ…ひどすぎない?」

 

そうこうしてる間に亡者は次の弓を放ってきたが流石に3人には当たらなかった。亡者は3発、4発と弓を撃ってきたがそこでKMRはとっさに落ちていた盾を拾い弓矢を防いだ。

 

KMR「これなら大丈夫だと思いますよ!」

 

野獣「木村それちょっと貸してくれよな〜頼むよ〜」

 

KMR「えっ?いいですよ」

 

野獣「ホラ行くど〜」

 

木村から盾を受けとると野獣先輩は盾を構えながら亡者に向かって突撃しに行った。亡者は応戦するように次々と弓を放ったが盾のお陰で当たることなく距離を詰めた。

 

すると野獣先輩は突然盾をフリスビーのように投げ出し亡者にヒットさせた。

 

野獣「行きますよ〜イクイク」

 

亡者に当たり跳ね返った盾をジャンプして掴みとってはその盾で落下の勢いに任せて殴りつけ、亡者にまたがっては顔を何度も殴りつけた。

 

野獣「foo↑!気持ちぃぃぃ!!!」

 

KMR「ヒェッ…」

 

先程の身代わりのせいか野獣先輩は何処にもぶつけられない怒りを亡者に当たり散らすように殴っていた。ついでに目には力が入っているのか目力先輩へと変貌していた。

 

ようやく亡者が死に霧になって消えては3人の体に吸い込まれまた。

 

MUR「一体何が起こったんだゾ?」

 

KMR「よくわからないですけどなんだか体の中に入ったような…」

 

不思議な感覚を感じた二人は疑問に感じていたが

 

野獣「まあいいじゃないっすかそんな事」

 

と野獣先輩は特に気にすることもなく進んでいった。ちなみに野獣先輩は既に目力先輩から元に戻って綺麗な顔になっていた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

道なりに進むと不死院のひでーモンが居る教会の門のフロアの二階に着き、上に続く階段に登った3人だが落石のトラップに引っ掛かり下敷きになっていた。

 

MUR「さっきから思ったんだが…」

 

野獣「どうしたんすっか先輩?」

 

MUR「俺達どうして普通なら死にそうな目にあっても死なないんだゾ?」

 

野獣「確かに…そうっすよね…」

 

KMR「僕達が牢屋から出る時に鍵をくれたあの騎士の人に聞けば何かわかるんじゃないでしょうか?」

 

MUR「そうだよ(便乗)木村ァ頭いいゾ〜これ」

 

KMR「え、いやそれほどでも」

 

なんて会話してるとトラップの落石のお陰か壁が壊れて1つの部屋が見つかり気になった3人はその部屋に足を運んでいた。

 

するとそこにはかなり、とてもかなりぐったりしていた上級騎士が座り込んでいた。

 

上級騎士「き、君たちはあの牢屋の…うわ臭っ」

 

MUR「こんなとこにいたのかゾ」

 

KMR「何故こんな所に?」

 

上級騎士「あ、ああ…実は亡者達に突然うんちをしろとかなんとか言われたんだ…。だが断るととてつもないスピードとパワーで襲われてた為ここに逃げたのだ…臭っ…」

 

KMR「亡者って何ですか?」

 

上級騎士「まさか知らないのか…?亡者というのは不死人が正気を失い成り果てた者の事を指す…臭い…」

 

MUR「つまり俺達は不死になったのかゾ?」

 

上級騎士「何より君達に刻まれているダークリングが証拠だ。この世界の常識を知らないとは…何をしていたらそうなるんだ…後めっちゃ臭い…」

 

野獣「そんなに俺達匂いますかね…」

 

上級騎士「ああ。この上なく」

 

野獣「ウーン…」

 

上級騎士「実は君達を牢屋から出したのは他でもない、頼みたい事があるからだ」

 

野獣「頼み?」

 

上級騎士はゆっくりと3人の方へ向くと

 

上級騎士「私の使命を受け継いで欲しいのだ」

 




何故更新が遅かったかって?テイルズオブエクシリアをやっていたからです。
すみません!許してください!何でもしますから!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

3.

KMR「使命…ですか?」

 

上級騎士「ああ、君達には鐘を鳴らしに行ってもらいたい」

 

野獣「鐘!暴力!SOX!」

 

KMR「その鐘じゃないと思うんですけど(名推理)」

 

上級騎士「ここ北の不死院から抜け出した所にある地下不死教区という場所と病み村という場所にあるのだが…残念ながら私の力ではそこまで到達することは出来なかった」

 

上級騎士が続けて言った。

 

上級騎士「君達も不死人なら…どうかこの使命を継いで欲しい。私にはもう立ち上がる力さえも残っていなくてな」

 

KMR「そんな…」

 

MUR「ようやくまともな人に会えたのに悲しいゾ…」

 

KMRとMUR先輩が落ち込みながらそう言うと野獣先輩が前に出て上級騎士の元へと寄り添った。

 

野獣「いいっすよ。牢屋から出してもらった恩があります、その使命ってのをやりましょう」

 

上級騎士「………ありがとう。最後に君のような不死人に会えてよかったと思う。臭いが」

 

野獣「ウーン…」

 

上級騎士「君達にこれを」

 

上級騎士は自身の懐を探ると3つの炎が灯った瓶を取り出し野獣先輩に手渡した。

 

上級騎士「それはエスト瓶。傷付いた不死人の体を癒す事ができる」

 

野獣「いいんすか?こんな高価そうな物まで貰っても」

 

上級騎士「力尽きた私にはもう不要な物だ。そして、ここから抜けるには教会にいたデーモンを倒し先にある崖に行くといい。大カラスが君達を連れて行ってくれるだろう」

 

野獣「何から何まで…ありがとナス」

 

上級騎士「ナス…?まあいい。私はここで少し眠るとしよう。君達の幸運を祈る」

 

3人は返事をするように頷き部屋を後にした。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

3人は階段を上がると鍵がかかった鉄格子の扉を蹴りでぶち壊すとそこには3人の亡者が待ち構えていた。

 

亡者達「「「うんちして?」」」

 

MUR「あいつら喋れるのかゾ…」

 

KMR「ていうかうんちしてって頭おかしくないですか」

 

脱糞を強要してくる亡者達に困惑した2人だったが野獣先輩だけは違った。

 

野獣先輩はクソ汚い尻を亡者達に向けて

 

野獣「やりますねぇ!やりますやります!」

 

とMAXパワーで脱糞を行った。野獣先輩の周りは糞だらけになりKMRとMUR先輩は距離を取って、亡者達は━━━━

 

亡者A「え何これは(困惑)」

 

亡者B「ホントにするとかコイツ頭おかしい…」

 

亡者C「キ チ ガ イ」

 

と散々な言われようだった。当然である。

 

野獣「あっったまきたぁぁっっ!!」

 

突然キレ出してはKMRから借りパクしていた盾を勢いよく投げつけ亡者に盾が当たると反射して次の亡者、次の亡者に当たっては再び野獣先輩の手元に戻ってきた。

 

前に倒した亡者とは違い今度は盾を当てただけで亡者達は消滅したのだ。

 

野獣「foo↑!気持ちぃぃ〜」

 

とスッキリした顔をした野獣先輩とは裏腹に

 

KMR「MUR先輩、野獣先輩の盾の使い方間違ってませか?」

 

MUR「それは違うゾ。盾は投げたり殴ったりするものだゾ。なんかの映画で見たゾ」

 

KMR「えぇ…」

 

野獣「二人ともこいつら剣落としましたよ!これ使えばいいんじゃないっすかね?」

 

武器を拾った3人は奥に進むと霧がかかった入り口を見つけそこに入ると不死院のひでーモンがいる教会の二階の位置に当たる場所だった。だが肝心の不死院のひでーモンは…

 

不死院「zzzzz…」

 

幸せそうな顔をして寝ていた。

 

MUR「なあ木村ァ、野獣」

 

「「どうしたんですか?」」

 

MUR「俺あいつの寝顔見て…スッゴい腹立つんだがこれっておかしいか?」

 

「「いえすっごく同意です」」

 

閣下モードに入ったMUR先輩を見て激しく同意した2人

 

KMR「やっちゃいますか?」

 

野獣「やっちゃいましょうよ」

 

MUR「暴力!暴力!暴力!」

 

MUR先輩が飛びたして持っていた剣を落下速度と合わせてひでーモンに直撃させた。

 

不死院のひでーモン「ああああああああああ痛いっ!痛いっ!!」

 

続けてKMR、野獣先輩も攻撃を加えてひでーモンを悶絶させた事でひでーモンは倒れた。

 

不死院のひでーモン「ヤダッキッヤダッユウコトキクネッチョ、ユ゛ウ゛コ゛ト゛キ゛ク゛カ゛ラ゛ヤ゛メ゛テ゛!」

 

野獣「最後の一発くれてやるよオラァ!!」

 

雄叫びと共に盾を全力フルスイングしひでーモンの顔にダイレクトヒットさせ

 

不死院のひでーモン「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛も゛う゛や゛だ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」

 

と、断末魔を上げて消滅していった。

 

 

不死院のひでーモンを倒して教会を抜けると3人は崖に立った。

 

野獣「……なんもないっすね」

 

KMR「大カラスが連れて行ってくれると言ってたんですが…」

 

とかなんとか言ってたがすぐに大カラスが現れ3人仲良く大カラスに運ばれたのであった

 

 




混沌の苗床はひで


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

4.

水着沖田さんはよ


なんやかんやあって北の不死院から火継ぎの祭祀場へとたどり着いた3人だが

 

野獣「アアッ…ウァッ…アァ…」

 

野獣先輩は悶絶していた。

それはほんのちょっと前の出来事だった━━━━

 

KMR「それにしてもスッゴい大きいですね」

 

MUR「こんなカラス見たことないゾ」

 

恐らく今目の前に現れた大きなカラスが上級騎士が言っていたやつだろう。カラスはMUR先輩と野獣先輩の背中を掴もうとし、KMRを口で咥えて飛行しようとしたが……

 

野獣「ア゛ア゛ア゛ア゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛

ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ウ゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ!!!!」

 

MUR先輩は背中を足で掴んでいたが、野獣先輩だけ股間部分を掴まれ目力先輩になるくらいとても悲痛な叫びをしていた。

 

無論カラスに運ばれているのでKMRとMUR先輩はどうすることもなく耳を塞いでいた。しかも北の不死院から火継ぎの祭祀場まで数十分かかるので地獄の拷問と絶叫が絶え間なかった。

 

KMR「先輩大丈夫ですか?」

 

MUR「野獣大丈夫かゾ?」

 

野獣「駄目みたいですね(即答)」

 

野獣先輩は土下座をしながら股間を抑えてKMRとMUR先輩に答えた。実に情けない姿である。

 

???「あんたら何者だ?」

 

KMR「えっ?」

 

2人が振り替えると壁に座り込んだ人物がいた。かなり根暗な顔をしている。

 

???「だからあんたら何者だと聞いてるんだ」

 

MUR「俺は三浦、こっちは木村で悶絶してるのが野獣っていうゾ。あんたはなんて名前なんだゾ?」

 

???「俺か?俺は………好きに呼ぶといい」

 

MUR「じゃあ根暗のおやっさんで」

 

KMR「いや流石に失礼なんじゃ…」

 

根暗「ネクラか…まあ何でもいいさ。それよりあんたらは何しにここに来た?見たところ亡者になりかけてるが…」

 

MUR「騎士さんに言われてここまで来たんだゾ」

 

根暗「は?騎士?誰だそれは」

 

あまりにも説明不足だったのでKMRが今までに起こった経緯を詳しく説明した。

 

KMR「…………というわけです」

 

根暗「ハッ、あんたらも不死の使命を果たしに来たのか。だがあんたらはホントに果たせるのか?」

 

MUR「どういうことだゾ?」

 

根暗「不死の使命……言うのは簡単だが実際はそうでもない。この先には亡者や怪物や化け者がうじゃうじゃいる。それにここ最近は妙におかしくなってきている」

 

KMR「どういうことですか?」

 

根暗「前なら絶対に喋らない筈の亡者が喋りだし、ダンスをしながら襲ってくるカエルもいりゃぁ、鞭を持った騎士がいる。こんなことはなかった筈だ」

 

KMR「世界観がわからない…」

 

根暗「俺も力及ばずだ。それをあんたらにできるのか?」

 

KMR「僕達にはまがりなりにも騎士さんに恩があります。その恩を返す事くらいはしないと」

 

根暗「それはいい心がけだ。だがあんたらは行く道も知らない。だろ?」

 

根暗のおやっさんにそう言われるとKMRは黙りこみMUR先輩も少し顔を落とした。野獣先輩はまだ悶絶しているが。

 

根暗「ハァ…ここのすぐ右にある階段から道なりに行け。ここからかなり先だが鐘はある」

 

それを聞いたKMRとMUR先輩は顔を上げパァっとした顔になった。根暗は続けて言った。

 

根暗「だが鐘の前にガーゴイルが道を塞いでいる鐘を鳴らすにはそいつを倒す事だな。後、野獣といったか…そいつを篝火に休ませてやれ。見ているこっちが痛い」

 

KMR「あの篝火っていうのは…」

 

根暗「あの剣が刺さってる所だ。そんなことも知らないのか?」

 

MUR「あれは野獣がいつも引っこ抜いてたゾ」

 

根暗「はい?なんて?」

 

MUR「だから引っこ抜いてたゾ」

 

根暗「えぇ…」

 

MUR先輩の話を聞いた根暗はあまりの事だったので顔を抑えていた。

まあ、当たり前だよなぁ?

 

KMR「………とりあえず先輩を休ませますか」

 

MUR「そ、そうだな」

 

野獣先輩を篝火に引きずって連れていかせると篝火に火が灯り野獣先輩はみるみる回復していった。

 

野獣「あれ!?体が楽になりましたよ!foo↑」

 

KMR「よかったですね!」

 

野獣「所でさっきなんの話してたんすか?俺も混ぜてくれよな〜頼むよ〜」

 

MUR「そこからかゾ…」

 

野獣先輩の声を聞いた途端、根暗はすぐ顔を上げ野獣先輩を詰め寄り━━━━

 

根暗「お前何て事をしてんだっ!」

 

と大声を上げた

 

 

 

〜1時間説教タイム後〜

 

根暗「いいか!?もう二度と篝火の剣を抜くんじゃないぞ!分かったな!!でないと火防女に意識を失うまで殺されるからな!!!!」

 

野獣「大丈夫っすよ!バッチェ分かりましたよ!」

 

根暗のおやっさんが真剣に、そして激しく言った中野獣先輩は屈託のない笑顔で返事をしていた。

 

根暗「お前らもコイツが何かやらかしそうになったら止めろよ!!」

 

KMR「ハ、ハイ」

 

MUR「わ、分かったゾ」

 

根暗「ハァ…」

 

根暗のおやっさんは少々不安な顔をしていた。

 

野獣「んじゃまっ!行ってきますんで!」

 

根暗「あ、ああ」

 

根暗のおやっさんは不安な顔をしながら3人を見送った。

 

 




根暗のおやっさんは青ニートだよ☆


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

5.

シフ強すぎ…強すぎない?


階段を登った3人は再び亡者と戦っていた。

MUR先輩は亡者とつばぜり合い、後ろからKMRが切り裂くという戦法で戦っていたお陰で迫りくる亡者を次々と殺していった。

野獣先輩はというと――――

 

野獣「ほら堕ちろぉ!」

 

と上から火炎壺を投げてくる亡者を木板の盾を投げて命中させ、亡者を落下死させていた。勿論その盾は野獣先輩の手元へと戻ってきている。

 

野獣「foo↑やっぱりあいつらに盾を、当てるのを、最高やな!」

 

KMR「先輩がどんどん人外になっていきます…」

 

MUR「もとから人じゃないだろいい加減にしろぉ!(小声)」

 

亡者を片付けたMUR先輩と木村は野獣をみながらボソボソ喋っていたがその会話は全て野獣先輩には届いていて……

 

野獣「誰が人間じゃないってオォォン!!??」

 

KMR「ヒェッ!」

 

MUR「お、落ち着くんだゾ!普通、盾を投げて使ったり盾で殴ったりする奴なんていないからそんな事ができる野獣が人害(褒め言葉)って言ったんだゾ!」

 

当然、MUR先輩はそんな事欠片も思っておらず単にうOこの擬人化やら忌み子の類いで放った言葉で、決して褒めてはない。

だがMUR先輩の嘘のお陰か野獣先輩の怒りはある程度収まった。

 

野獣「ホントですかねぇ…」

 

野獣の眼光で睨み付けながらMUR先輩に問いただしたが

 

MUR「ホントだゾ。俺がお前にいつ嘘ついた事があるんだ?」

 

野獣「何回も息をするようにつかれてたんですけど(困惑)」

 

自信満々に胸を張って言ったMUR先輩だが「アストルフォ君は女の子」だの「KMNライダービーストは野獣先輩の祖先」だのさんざん嘘をつかれ、その度に「うそだよ(迫真)」と馬鹿みたいに何回も言われてたのでどん引きした。

 

崖の階段を登ると下水道のような所を通っては亡者を次々と倒していき奥に進んでいった。だが、進んでいる途中で先輩はとある小屋を見つけた。いや、正確には小屋の中にあるものを見つけた。篝火だ。

 

野獣「ちょうどイライラしてたんでアレ抜いてキレイサッパリしましょ!」

 

KMR「え…いやそれはちょっと…」

 

野獣「なんだ木村ァ〜俺を怒らせてえのか〜?」

 

KMR「いや根暗の人が抜いたら火防女の人に殺されるって…」

 

野獣「大丈夫だって安心しろよ〜!平気平気、平気だから!」

 

そう言って野獣先輩は再び篝火の刺さっていた剣を抜いたのであった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

篝火を抜いた後、橋を渡って(道中火炎壺を投げられたが)部屋にいた3体の亡者を野獣先輩の盾で(省略)し、すぐ出たところの部屋にいた剣を持った亡者倒すと奥に気配があったので3人はこっそりと近寄った。

 

恐る恐る見るとネット回線がないこの世界であぐらをかきながらパソコンのキーボードを叩いていた亡者がいた。

何故電源がついてるのか不思議ではあるが亡者は熱心にキーボードを叩いていた。題名は「やったぜ、投稿者:変態糞亡者」と書かれていた。

 

いちいち相手にするのも面倒だったので3人はその亡者を無視し、階段をかけ上がると再び亡者が3体いたが奥にいる奴だけ何故か警官帽を被っていて

 

警官亡者「警察だっ!」

 

と言って火炎壺を投げつけてきた。

 

野獣「はぇ〜…この世界にも警察がいたんですね…すっごい」

 

KMR「言っている場合ですか!」

 

投げられた火炎壺を避けてすぐに態勢を整えるとMUR先輩が

 

MUR「俺にいい考えがあるぞ」

 

と閣下の顔をして野獣先輩の肩を掴んできた。だが流石は野獣先輩と言ったところだろうか、キリリリンと例の天パよろしく脳内に閃光が煌めき自分がまた身代わりにされるであろうと予測したのだ。

 

野獣先輩は掴まれたMUR先輩の手を掴みMUR先輩の体ごと持ち上げた。

 

野獣「お前の考えに乗るわけねーだろバーカ!」

 

MUR「ファッ!?」

 

持ち上げられたMUR先輩はジタバタと暴れたがそれを手放す野獣先輩でもなかった。

 

警察亡者と横にいる2人の亡者も一瞬たじろいだがすぐに火炎壺を握りしめ

 

警察亡者「3人に勝てるわけないだろぉ!」

 

と豪語して火炎壺を投げてきたがニヤリと笑い

 

野獣先輩「馬鹿野郎お前!俺は勝つぞ俺お前!」

 

と言ってMUR先輩を亡者に目がけて投げつけた。

途中MUR先輩が「あっ…そっかぁ…」と小声で言っていたがそんなものはお構い無しにMUR先輩が投げれた火炎壺の身代わりとなりそのまま警察亡者達にぶつけて殺した。

 

MUR「ひ、酷いゾ…」

 

野獣「近くにいた先輩が悪い」

 

MUR「ポッチャマ…」

 

とグタッと倒れたMUR先輩だがそれに構わず野獣先輩はMUR先輩を引きずり出した。

 

野獣「という訳で先輩、()()()()()()()()()()()()()()()()

 

有無を言わさず階段の下に待ち構えていた鎧を着た亡者達に再びMUR先輩を投げつけ殺した。それと同時にMUR先輩も体力を全部持っていかれ死んでしまった。

 

KMR「ええっ!?三浦先輩が霧になって消えましたよ!?」

 

野獣「まっ、いいでしょ別に」

 

KMR「えぇ…」

 

階段を降りると大きな階段と小道があり野獣先輩はとりあえず小道の方へ進むと奥には野獣先輩より体格が遥かに大きい黒い鎧を着た騎士がいた。だが、手に持っている武器が可笑しかった。左手には大きな盾を持っていたが右手には()()()()()()()()()()()()()()()

 

KMR「なんですかあれ」

 

野獣「んにゃぴ、僕もそう…わかんないです」

 

2人はとりあえず黒騎士に近付き、それにあわせて黒騎士も2人に気づいた━━━が。

 

虐待黒騎士「怒らしちゃったねぇ!叔父さんの事をねぇ!」

 

といい、野獣先輩とKMRの首を鞭で首を跳ねたのであった

 




デーモンはひでーモンになってるからひでの天敵の虐待叔父さんが黒騎士君じゃないわけないよなぁ?

後、パソコン亡者の投稿スレを見たいって人は感想にどうぞ


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

6.

評価とか感想とか色々貰って嬉しいゾ〜コレ

(牛頭のデーモンにはまだいか)ないです





野獣「ウーン……」

 

目が覚めると野獣先輩は最初にいたあの場所、火継ぎの祭祀場に戻って来ていた。

 

野獣「はえっ??なーんでこんな所にいるんすかねー?」

 

なんせ野獣先輩は鞭を持った黒騎士にKMRと共に首を跳ねられたのだ。不死人だから死ぬことはないと聞かされていたのだが何故この場所にいるのかはわからなかった。

 

野獣「あっ、そうだ。木村は何処だ!?」

 

辺りを見回すとすぐ近くの所にKMRが寝転んでいた。どうやら野獣先輩と同じくここに来ていたようだ。

 

野獣「ふぅー↓、キツかったすねクォレハ…」

 

MUR「おーい、野獣」

 

ふと、聞き慣れた声がしたので振り替えるとそこには霧になって消えていったMUR先輩もこの場所に来ていた。どうやら致命傷をうけるとこの場所に転送されるみたいだ。

 

野獣「三浦先輩!」

 

と話しかけた野獣先輩だったが━━━━

 

MUR「オラッ!」

 

野獣「オォン!?」

 

と、振り向き様に野獣先輩の腹に渾身のMURパンチを喰らわせて続けさまに

 

MUR「オラオラオラオラオラオラァ!オラァッ!!!」

 

野獣「ンァァァァァァァ━━━━!!!!」

 

野獣先輩は全身をねねちゃんのうさぎさん並みに殴られて向こうの壁まで吹き飛ばされてしまった。岩の壁に深くまでめり込み悶絶したような汚い声を出しながら苦しんでいた。

 

MUR「(自業自得なのは)当たりまえだよなぁ?」

 

まあ誰でも攻撃の身代わりにされて挙げ句の果てには亡者に投げられて死亡したのだから怒るのは当然である。

 

ただ、忘れてはいないだろうか?最初、身代わりにされたのは誰なのか。

 

野獣「ヌゥンッ!!!」

 

掛け声と共に壁にめり込んでいた野獣先輩は壁を吹き飛ばし誰がみても分かる通り、全身の筋肉がはち切れんばかりに膨れ上がり、目が赤くなっていた。

 

足に力を入れて地面を蹴ると風より早いスピードを出し、MUR先輩の頭を掴んでは地面にぶつけて引きずり回した。

 

MUR「ま、待のだ野獣!そんな事したら凄く痛いゾ!」

 

頭から大量に血を流しながら真剣な顔で野獣先輩に訴えていたが、今の野獣先輩の状態に意識はなく本能で行動しているので聞く耳を一切持っていない。

 

野獣先輩はそのままMUR先輩を持ち上げ崖の下に落としていったのであった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

KMR「う、うーん」

 

目を覚ましたKMRは体を起こし、辺りを見回すと奇妙な光景が目に写った

 

KMR「何コレ(困惑)」

 

まずMUR先輩がぶるぶると震えながら縮こまっていて野獣先輩は海パン姿で首を傾けていた。

 

野獣「おっ、木村大丈夫か?」

 

KMR「あ、はい。それよりもどうしたんですかこれ?」

 

野獣「いや、俺にもさっぱり…」

 

こんな虐待された犬のようなMUR先輩を見た事がなくどうしてこうなったかも分からない状況だった。とりあえずKMRはMUR先輩に近付き話しかけた。

 

KMR「あの〜先輩?」

 

MUR「ポッチャマ…」

 

KMR「何かあったんですか?」

 

MUR「ポッチャマ…」

 

KMR「どうしてそんなに怯えているんですか?」

 

MUR「ポッチャマ…」

 

KMR「あ、あの…」

 

MUR「ポッチャマ…」

 

駄目だ話が通じない。

 

KMR「先輩が何かしたんじゃないんですか?」

 

野獣「いや…実はあの黒騎士に殺されて、そのあとこ↑こ↓で三浦先輩とあってからの記憶が、ないです」

 

KMR「えぇ……」

 

こいつ絶対何かやっただろという目を向けながらMUR先輩に向き直り、そこら辺に落ちていた顔くらいの大きさの岩を持ち上げた。

 

KMR「ちょっと荒療治ですけど…」

 

野獣「お、おい待てい(江戸っ子)木村なにするんだよ」

 

KMR「この岩で殴って三浦先輩の恐怖の記憶を消し飛ばします」

 

野獣「ファッ!?」

 

そう言うとKMRは持ち上げた岩をおもいっきり振り下ろし三浦先輩の後頭部にダイレクトヒットさせた。

 

KMR「堕ちたな(確信)」

 

野獣「(木村の頭が)やべえよやべえよ…」

 

気絶させたMUR先輩を篝火に近づけさせるとMUR先輩の後頭部の傷はみるみる直り目を覚ました。

 

MUR「?俺は…一体何をしてたんだゾ…?」

 

KMR「先輩!僕達の事分かりますか?」

 

野獣「おっ大丈夫か大丈夫か?」

 

MUR「ん?木村、野獣何してるんだゾ?さっき火炎壺を投げてきた奴らはどうなったんだゾ?」

 

KMR「やりました!成功です!」

 

野獣「やりますねぇ!」

 

MUR「何がやったんだゾ?」

 

KMR「あ、いえなんでもないです」

 

MUR「?」

 

首を傾け疑問に思いながらもMUR先輩は「まあ大丈夫だろ」と思い考えるのをやめていた。

 

野獣「それよりも…あの黒い騎士どうするよ?」

 

KMR「ですよね」

 

MUR「黒い騎士ってなんだゾ?」

 

KMR「ああ、それはですね…」

 

〜説明15分後〜

 

MUR「成る程、つまり虐待するような見た目をした黒騎士をどうにかしたいと」

 

KMR「虐待するような見た目かは分からないですけど…」

 

MUR「ならいい考えがあるゾ」

 

野獣「ホントですか先輩!」

 

MUR「無視すればいいだけだゾ」

 

「「あっ…(察し)」」

 

そうなのである。3人が行こうとしている道はあくまで大きい階段の道であり、虐待騎士がいる場所は行かなくてもいいのだ。それを確信した3人は次からあの道は通るまいと固く決心して再び歩き始めたのであった。




水着沖田さんまだですか?(半ギレ)


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

7.

お陰様でグウィンも倒せたゾ〜


虐待騎士の無視を決め込んだ3人はそのまま虐待騎士がいる小道とは反対の大きな階段の道を進んでいった。

階段を上がったのはいいが、どこからともなく樽が転がってきたが3人は協力しあい、転がってきた樽を粉砕した。

 

そのあと、鎧を着た亡者が突っ込んできて「オナシャス!センセンシャル!」なんて訳の分からない言葉を発してきたので野獣先輩が盾を投擲し、亡者を殺した。

 

奥に進むと不死院でもあった霧がかかった入り口に到着した。

 

KMR「この霧、どういう原理で出てるんですかね?」

 

MUR「きっとドライアイスでも付けて霧を出してるんだゾ〜」

 

野獣「そんな幼稚園児でも考えそうなこと言われてもなー…」

 

MUR「今何か言ったかゾ?」

 

野獣「(特に)ないです」

 

3人は霧がかかった入り口を進むとところどころ壊れたりした大きな一本道が現れた。

するとKMRが上から気配を感じたのかすぐ上を確認すると亡者が2体いた。

 

KMR「先輩!上に亡者がクロスボウを構えています!」

 

野獣「何だって!?それはホントかい!?」

 

野獣先輩とMUR先輩が見上げるのもう既に引き金に指を掛け狙いを定めていたが━━━

 

カチンッ

 

と音はなったがクロスボウに装填されていた弓矢は放たれなかった。

 

亡者A「また君かぁ、壊れるなぁ…」

 

クロスボウを持っていない横の亡者が呆れながら呟き、そのままクロスボウを強引に取ってじろじろ見ていると

 

亡者A「やっぱり壊れてるよ…これじゃ話になんないから責任者呼んで貰おうか」

 

亡者B「責任者なんているのかよ(困惑)」

 

亡者A「はぁ?なんやねんその態度。お前んとこ潰れかけやろ?俺にそんな態度とってええんか?」

 

亡者B「いや確かに最近尾てい骨が潰れかけやけど…」

 

といったふざけた会話を繰り広げていた。

流石の3人もポカーンとすることしかできなくアホ面をしていると

 

亡者A「ホラ見てみ。下の3人もアホ面で見とるで恥ずかしくないん?」

 

亡者B「あ〜もう(会話が)メチャクチャだよ…」

 

と馬鹿にされたので野獣先輩は盾を投げて2人の亡者に当てていったが片方の亡者Bは死んだがまだ亡者Aは死なず後ろに倒れた。亡者Aは立ち上がると

 

亡者A「痛ってーなお前オイ!」

 

と3人に向けて言葉を発した亡者だがMUR先輩とKMRが持っていた剣を亡者の頭部目掛けて投げつけ頭蓋骨を貫通させた。

 

亡者A「え何コレは?(困惑)」

 

MUR「こいつ頭貫通させたのに死なないゾ?」

 

野獣「生命力高すぎぃ!」

 

亡者は頭にささった剣を抜きMUR先輩達に投擲したが当たる事はなく綺麗な音を立てて転がっていった。亡者は「もう許さねーからなぁ!」と声を荒げると大きく息を吸い込んで

 

亡者A「牛頭のデーモンさん!やっちまってくだせぇ!」

 

と天にまで届きそうな大声をあげると向かい側の建物からとても大きな巨体の━━━

 

 

牛頭のひでーモン「僕、ひで」

 

 

ひでだった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

どすん、どすんと大きな棍棒を持って向かってくる牛頭のひでーモン。

不死院の時の事もあってか「デーモン」と呼ばれる生き物?にはひでの顔があるのではないかと多少なりは予想していた先輩達だったがまさかホントに予想通りとは思わず3人は呆気に取られていた。

 

牛頭のひでーモン「うー☆うー☆」

 

どこぞの館の吸血鬼の主みたいな鳴き声を発すると狭い一本道という状況の中で棍棒を振り回した牛頭のひでーモンだっが先輩達はそれを用意に回避しついでに落ちていた剣を拾って背後を取った。

 

MUR「カスが効かねーんだよ!」

 

と、剣で切りにかかったMUR先輩だがそれに気づいた牛頭のひでーモンが棍棒を振り回し━━━━

 

牛頭のひでーモン「(無闇に突っ込んで来るとか)ほんとぉ?」

 

MUR先輩にヒットさせ一本道から空中に放り出された。

当然空中に放り出された先には足場などなく落下死確定の高さだった。

 

MUR「あっ…(察し)そっかぁ…」

 

と言葉を呟いて間抜け顔で落下していった。

 

野獣「駄目みたいですね」

 

KMR「三浦先輩…あんなに格好良く突っ込んでいったのに全部台無しじゃないですか…」

 

牛頭のひでーモン「んじゃあ、君達も死ぬにょっ!」

 

牛頭のひでーモンがジャンプすると落下の勢いも付けて棍棒を振り下ろしたがそれも難なく二人は避けるが牛頭のひでーモンはそれを待ってたと言わんばかりに顔をニチャァつかせ持っていた棍棒を投げつけた。

 

KMRと野獣先輩は棍棒を飛んで避けるとお互いの盾と剣を投げつけるが牛頭のひでーモンはそれを両腕で防いだ。

 

野獣「あいつアホそうな顔してるくせに知能あるとかウッソだろ!?」

 

KMR「やめてくれよ…(絶望)」

 

牛頭のひでーモン「今僕の事馬鹿にしたよねぇ!もう許さないにょ〜」

 

そういうとゴツい両腕でラーOジャンの如く腕をブンブン振り回して前進してきた。当然一本道なんで逃げ場などなくその豪快な腕に当たって2人共MUR先輩の時と同じく空中に放り出され

 

野獣「ンアーーーーー(≧Д≦)」

 

KMR「まずいですよっ!?」

 

と言いながら落下死していった。

 

牛頭のひでーモン「やったにょ〜」

 

と両手を叩きながら大喜びしていた牛頭のひでーモンだった…が

 

亡者A「流石ひでーモンだ!なんともねぇ!」

 

と亡者が喜ぶと牛頭のひでーモンがピタリと止まり亡者の方へと見る。

 

亡者A「え、何」

 

牛頭のひでーモン「お前も死ぬにょっ!」

 

と亡者に向かって走りだし豪腕で亡者を掴んではさっきの3人と同じように放りなげた。

 

亡者A「嘘やろ…あかんこれじゃ死ぬぅ…」

 

と言って亡者も落下死していったのであった。

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

8,

(ひでーモンとは戦わ)ないです


牛頭のひでーモンに落下死させられた3人は死んだ影響で火継ぎの祭祀場へと転送されていた。

されたのだが……

 

亡者「はぁ…つっかえんわあのデーモン」

 

野獣「………なんでお前がここにいるんだよ」

 

亡者「えっ?俺も不死人やからやけど?まさか知らんかったの?嘘やろ?アホやろ?」

 

野獣「お前の事情なんか知るわけねぇダルぉぉぉ!!!??」

 

KMR「先輩、落ち着いたほうがいいですよ?」

 

野獣「foo↓…」

 

野獣先輩の怒りはどこから来ているのかと言うと前の話を見れば分かると思うがこの亡者に煽られたのである。怒るのもしょうがないよね。

 

野獣「次煽ってきたら容赦しねぇからなぁ〜?」

 

亡者「わしいつ君に煽ったっけ?」

 

と、とぼけた顔で言いった。その言葉を聞いた瞬間野獣先輩は青筋を立て般若の顔へと変貌し

 

野獣「てめぇもう許さねぇからなぁ!?」

 

KMR「先輩!?まずいですよ!?」

 

木片の盾を握りしめ殺意を放ちながら襲いかかろうとしたが、KMRによって抑えられた。この先輩短気である。

 

野獣「よせっ!木村!HA☆NA☆SE!!」

 

木村「この人を殴った所でどうせ復活するんで時間の無駄です!それよりもこの人からこの世界の事聞いたほうがまだ有意義ですよっ!」

 

野獣「………チッ!」

 

忌々しく亡者を見ながら落ち着きを取り戻した野獣先輩。

それを見てゲラゲラと笑う亡者を見て再び怒りが湧いてきたが今度は冷静になるのが早かった。

 

MUR「なあ亡者さん、さっきいたあの腹立つ顔をした生き物ってなんゾ?」

 

亡者「生き物ってあのひでーモンのことかいな?」

 

MUR先輩が同意するように頷くと亡者は手を出してきた。

 

MUR「なんゾ?」

 

亡者「聞きたかったらまず誠意っちゅうもんが必要やな」

 

MUR「お金は持ってないゾ」

 

亡者「はぁ?金なんかいらんわ。ソウル寄越せやソウル」

 

MUR先輩は頭を傾げると亡者がクソでかため息を吐くと

説明してくれた。

要は、この世界の生物を殺害するとその生物の魂、ソウルが体の中へと流れ込む。そのソウルを寄越せとの事。

 

MUR「でもどうやって渡すんだゾ?」

 

亡者「そこは同意があれば後はこっちがやったるわ」

 

MUR先輩が頷くと亡者はMUR先輩の胸に手を当てMUR先輩から出てきた霧状の物が亡者に流れ込んでいった。

流れ込んでいったのだが……

 

亡者「うせやろ!?ソウルが200しかないってどういう事なん!?」

 

KMR「何か問題が有ったのですか?」

 

亡者「問題も何もこれくらいしかないとかホンマつっかえんわ〜…。せっかく人間性も99個集めたのに…つっかえんつっかえん」

 

話が分からぬまま罵倒されたため池沼の顔をしているMUR先輩をよそに、KMRがある疑問を抱いた。

 

KMR「?人間性ってなんですか?」

 

亡者「あん?人間性っていうのはお前らみたいなひょろひょろ状態から元の姿に戻す事ができる素晴らしい物なんや!ソウルもたくさんあれば強くなれるのに…はぁ…(クソでかため息)」

 

亡者がクソでかため息をすると野獣先輩にある閃きが起こり野獣如き眼光を光らせた。

 

野獣「木村ァ」

 

KMR「どうしたんです?」

 

野獣「殺っちゃう?殺っちゃいましょうよ!」

 

KMR「え、それは…」

 

MUR「いいゾ〜それ!」

 

野獣「いいっすかぁ!foo↑!」

 

亡者「君ら何話してるん…?」

 

亡者がそう言うと野獣先輩とMUR先輩が亡者に振り向き手始めに野獣先輩が盾を投げつけて亡者を殺害した。

 

 

 

人間性を獲得しました

 

 

 

野獣「はぇ〜これが人間性なんすね」

 

MUR「なんだか不気味だゾ」

 

亡者から落ちた人間性をまじまじと見ているとすぐ側にある篝火で先程殺害された亡者が復活し

 

亡者「ちょっとまって!?どういう事なんコレ!?」

 

半分怒り、半分困惑状態の復活した亡者が2人に詰め寄る。

 

野獣「確か……後人間性が98個あるんでしたよね?」

 

野獣先輩がさらに眼光を光らせて亡者に問うと

 

亡者「え…まさか…うせやろ?」

 

と震えた声で答えた。

 

野獣「散々煽って来て……怒らせてくれるねぇ!おじさんの事をねぇ!」

 

亡者「い、いや!いくらなんでも殺す事は…」

 

MUR「(殺されるのは)当たり前だよなぁ?」

 

亡者「ちょ、ちょっと待ってください!助けて!」

 

KMRの方に視線を合わした亡者だったがそんな懇願するような顔をしていた亡者をKMRはそっと視線を外した。

 

MUR「もう抵抗できねぇからなぁ?嬉しいダルォォォ!?」

 

野獣「殺りますねぇ!殺ります殺ります!」

 

亡者「あああああああああああ!!!!!?????」

 

その後、亡者は崖に落とされたり他の亡者達に殺させたり篝火の火で亡者をキャンプファイヤー等今まで煽られてきた分の怒りを先輩達は盛大に亡者にぶつけたのでたあった

 

 

 




余裕があれば人物紹介でもするんで許してください!何でも許してください!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

9.

どうやらTDNはアホだったようです。


野獣「foo↑!元の体に戻りましたよ!やっぱ好きですねぇ!」

 

MUR「すっげー(この体が)懐かしいゾ〜!」

 

KMR「ありがとうございます…(涙)」

 

亡者から人間性を奪い取った(惨殺しまくった)後、篝火に捧げて元の姿に戻った3人は無邪気に喜んでいた。KMRなんか手を合わせるくらいだ。

 

亡者「いや酷すぎない?苦労して集めた人間性を奪い取る普通?」

 

野獣「あぁ?なんか文句あっか?」

 

亡者「ないです(震え声)」

 

野獣の眼光を放ち威圧する先輩。この世界に来てから逞しくなったんとちゃう?

 

KMR「僕達の体が元に戻ったのはいいんですけど、まだ問題は解決してませんよね」

 

MUR「何の問題ゾ?これで無事解決したんじゃないのか?」

 

野獣「いや先輩。ひでーモンとかいう糞みたいな生物を殺すという事忘れてません?」

 

MUR「あっ…ポッチャマ…」

 

そう。そもそも牛頭のひでーモンに殺されたから火継ぎの祭祀場に居るわけであり、普通なら3人で戦ったら死ぬことはあっても多少は善戦できる相手である。

 

問題は他にあり牛頭のひでーモンが居るあの狭い一本道の場所だ。場所が狭い分3人の行動は制限されなおかつあの巨体でバカでかい棍棒を振り回されたら避けれる攻撃も避けれなくなる。

 

野獣「やっぱり全力であいつの攻撃を避けるしかないんじゃないですかね…」

 

MUR「でもあんなでかい棍棒を振り回されたら避けれる自信がないゾ」

 

KMR「あの棍棒を叩き落とせれば」

 

野獣「叩き落としてもあの巨体でタックルされたらどうすんだよ木村ァ…」

 

KMR「ですよね…」

 

うーんうーんと悩んでいると亡者がある1つの提案し始めた

 

亡者「あいつ殺したいんやったら落下死させればいいんちゃう?あの場所、ああ見えて結構ボロいしな」

 

KMR「た、確かに…!」

 

一見しっかりできているように見えるが少し先に進むと確かに壊れている部分があることを3人は死ぬ寸前に見ていた。それに納得した3人だったが1つ疑問点が浮かんだ。

 

MUR「あのひでーモンはアンタの仲間じゃないのかゾ?」

 

亡者「俺を放り投げて殺した時点で仲間もクソもねえよ」

 

何故自分達が殺された後、この亡者もここにいるのかようやく合点がいった3人はあっ、ふーん程度に思い心に閉まい牛頭のひでーモンがいる場所へと向かったのであった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

野獣「所でなんで付いてきてるんだ?」

 

牛頭のひでーモンのいる場所の前に来た3人だったが何故か亡者も来ていた。

 

亡者「まま、そう焦んないで」

 

野獣「(焦る必要が)ないです」

 

亡者「え、あ、うん…。いやまあ乗りかかった船的な感じやから付いてきただけやけどあかんかったかな?」

 

MUR「別にいいゾ〜!これからよろしくな〜!」

 

野獣「はぁっ!?先輩!?こいつ仲間に入れるんすか!?」

 

MUR「仲間は多いほうがいいし楽しそうだからいいゾ〜これ」

 

KMR「先輩、諦めましょう。こうなったら三浦先輩頑固になりますから…」

 

野獣「はぁ〜…(クソでかため息)」

 

結構煽られたのにも関わらず亡者を受け入れる辺り良く見れば器がでかい、悪く見ればTDNアホであるMUR先輩。98回も殺せばお合いこと言われればそれまでだが。

2人は諦めかなーり渋々だが亡者の動向を許す事にした。

 

入り口の霧を抜けると牛頭のひでーモンがいた。いたのだが……

 

牛頭「zzz…zzz…」

 

やはり寝ていたのだ。それはとても幸せそうに。

 

KMR「知ってた」

 

亡者「うわ何あれ…ごっつぅ腹立つ…」

 

MUR「そうだよ(便乗)」

 

しかも棍棒を枕代わりにして手を合わせながら寝ているので余計に腹立つのであった。

 

野獣「三浦先輩、木村ァ!あいつの目に剣ぶっ刺して、どうぞ」

 

MUR「いいゾ〜それ」

 

KMR「分かりました」

 

寝ているひでーモンに近づき剣を立てておもいっきり振りかぶって剣を刺す。すると……

 

牛頭「痛いんだよぉ!!!(マジギレ)」

 

目に剣が刺さりながら怒る牛頭のひでーモン。

 

牛頭「あぁぁぁぁこれじゃあ前が見えないじゃないかっ!」

 

役目を終えた2人が後ろに下がると目が見えないながらでもひでーモンは棍棒を手に持ち振り回すが当然の如く攻撃は当たらない。

 

そこで亡者があることを閃き道が壊れている所へすぐ駆け出す。

 

野獣「あいつ何やってんだ…?」

 

亡者「このクソデーモン!こっちだよ!おらあく来いよっ!」

 

牛頭「死ねにょ!」

 

目が見えないまま、声がした方向に迫りながら棍棒を振り回すが亡者は早々に棍棒から逃げるように避けた。

 

牛頭「にょっ!?」

 

ひでーモンは驚きながら崖に転落していったのであった。

 

亡者「ふぅ〜なんとかなったわい…」

 

尻餅つきながらホゥ、と息をついた亡者。

その光景を見ていた3人は亡者に近づき

 

野獣「やりますねぇ!」

 

MUR「すっげーかっこよかったゾ〜」

 

KMR「流石ですね!」

 

と先程嫌悪感を出していた2人も亡者を褒めちぎっていた。

 

亡者「よせやい、褒めても何もでねぇからなぁ〜?」

 

と言いつつ照れている亡者。

と、そんなやり取りをしていると下からズシンと鈍く重い音が辺りに響いた。

 

野獣「ファッ!?」

 

KMR「これは一体…!?」

 

亡者「まさか…」

 

音は段々と大きく、正確には()()()()()()

崖から大きなゴツい手が伸び出てくると続いて大きな巨体が現れた。それは、先程崖に落ちた牛頭のひでーモンだった。

 

牛頭「もう許さないにょ!!」

 

牛頭のひでーモンは棍棒を大きく振り上げ、4人の所に振り下ろし即死させたのであった。

 

 

 

〜火継ぎの祭祀場〜

 

野獣「崖から落としたら登ってくるとかウッソだろお前…」

 

亡者「あんなんされたら敵わんわ…」

 

4人は結構悩んでいた。

牛頭のひでーモン単体ならともかく場所があまりにも悪すぎる。加えてあのひでーモンが持っている棍棒も厄介極まりない。

 

KMR「一体どうすれば…」

 

MUR「あの糞生物の高笑いが聞こえてくるゾ…」

 

3人がそれを想像すると「にょほにょほにょほにょほにょほにょほ!」と気持ち悪い笑い方をしそうだったのでこれ以上想像するのをやめていた。

 

野獣「かくなる上は…あれしかねえな!」

 

KMR「何かあるんですか!?」

 

野獣「ふっふっふっ(fo↑fo↑fo↑)、それはだな…」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

野獣「お願いします騎士様!どうか!どうか俺達に力を貸してくださいっ!何でもしますからっ!」

 

ちょっと前、KMRと野獣先輩を瞬殺した虐待騎士に助けてもらうという事だった。お陰で先程まで格好良かった先輩が惨めに虐待騎士の足を掴んで懇願するようにすがっていた。この光景に流石の3人もドン引きせざるを得なくなった。

 

ついでに虐待騎士も喋れないのか何も言わないが流石に困惑状態である。

 

野獣「助けてくださいっ!何でもしますから!靴も俺の舌で綺麗にしますから!」

 

と言ってしまいにはベロベロと汚ならしく虐待騎士の靴を舐め始めた。それを見てキレたのかもう片方の足で野獣先輩の頭を蹴り飛ばし、少し待てのジェスチャーをした。

 

するとどこからともなく紙とペンを持ち出し何かを書き始めた。

 

KMR「一体何を伝えたいのでしょう…?」

 

すると虐待騎士が紙を見せびらかすと

 

「ひでーモンを倒すまでの間だけ、貴公らの助けとなろう」

 

と書いていた。

その紙を見てやったぜと喜んでいる中――

 

野獣「オォン…アォン…」

 

と情けない声を出しながら身悶えしていた野獣先輩がいたのであった。




今更ですがやっぱり、水着沖田さんを、最高やな!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

10.

ひでーモン虐め回


野獣先輩の尊き犠牲?のお陰で虐待騎士を味方につける事ができたので一行は牛頭のひでーモンがいる場所に舞い戻ってきた。

 

KMR「しかし…大丈夫ですかね…?」

 

MUR「どうかしたかゾ?」

 

KMR「流石の騎士の人でも僕らが束になっても勝てなかったひでーモンをたった一人で戦うのは少々無理があるんじゃないかと…」

 

此処に来るちょっと前の事、虐待騎士は余り喋らない性格なのでジェスチャーで意思表明をしていた。

 

ジェスチャーするくらいなら喋れよ、という気持ちを押さえつつジェスチャーを1つ1つ解読していくと

 

『ひでーモンは、私一人で、倒す、それまでは、一時的に、味方と認識する』とのことだった。正直に言うと期待より不安の方が大きい。

 

4人で戦おうが姑息な手段を使おうがまるで通用しなかった相手であり、いくら強いとはいえ本当に大丈夫なのかと不安がるKMR。それに対し他の3人は

 

野獣「大丈夫だって安心しろよ〜木村ァ」

 

MUR「そうだよ(便乗)」

 

亡者「心配症やな兄ちゃん」

 

などとお気楽も同然だった。

そんなこんなで霧を抜けた一行。だがそこに待ち受けていたのは―――

 

牛頭のひでーモン「zzz…zzz…」

 

幸せそうな顔をしながら寝ていたひでーモンだった。

あれか、ひでーモンは誰もいないと腹立つくらい幸せそうな顔で寝るのか。

 

4人がそう思っていると野獣先輩の横にいた虐待騎士が突然走り出した。しかも元々持っていた大きい鞭だけじゃなくどこから取り出したのか大きな竹刀も携えていた。

 

寝ているひでーモンに近づいた虐待騎士は―――

 

虐待騎士「何寝てんだオラァ!」

 

と大きな声をあげて鞭でひでーモンをひっぱたいた。しかもいい音を出して。

 

牛頭のひで「!?なにするにょ!?」

 

何をされたのか、そして何故目の前の騎士が怒っているのか困惑した状態のひでーモン。だがお構い無しに虐待騎士は鞭を振り続ける。

 

虐待騎士「誰が寝ていいっつったオォン!?」

 

牛頭のひで「何言ってるのかよく分かr」

 

虐待騎士「口答えなんていい度胸してんじゃねえかオラァッ!!」

 

特に口答えもしてないのに有無を言わさず鞭を激しく振り回す虐待騎士。その光景をみた4人は目の前の光景よりも喋れたのかよと言う気持ちでいっぱいだった。

ひでーモンのことについて?慈悲はないよ。

 

虐待騎士「寝ながら人の話を聞いてて失礼とは思わねえのかオォン!?」

 

もう片方の手に持っている竹刀でひでーモンの顔を殴る虐待騎士。

 

牛頭のひで「だかr」

 

虐待騎士「誰が口答えしろって言ったぁ!」

 

もはや発言すら許されないひでーモン。

 

牛頭のひで「あーもう!痛いんだよぉ!!(マジギレ)」

 

「ムチ痛いのは分かってんだよオイ!オラァァァァァァ!!(激怒) YO!」

 

激情に任せて竹刀と鞭を交互に振るう虐待騎士。野獣先輩達が束になっても勝てなかったひでーモンが今目の前の1人の騎士によって圧倒されていた。

 

拳を振るおうとすれば竹刀が、蹴り飛ばそうとすれば鞭が、終いにはタックルしようとするとひでーモンの首を締め苦しませていた。

 

虐待騎士「興奮させてくれるねぇ!おじさんの事をねぇ!」

 

牛頭のひで「おじさんやめちくりー…」

 

虐待騎士「おじさ↑ん↓だとぉ!?お兄さんだるぉぉ!!もう許さねーからなぁ!!」

 

牛頭のひで「あああああああもうやだああああああ!!!!」「

 

怒濤の調教(攻撃)により情けない断末魔と共に消滅した牛頭のひでーモンと鎧のせいで表情は分からないが割りとスッキリしたような虐待騎士であった。

 

MUR「騎士さん凄いゾ!」

 

野獣「はぇ〜スッゴい怖い…」

 

清々しい姿で野獣先輩達の元に帰って来た虐待騎士。

ご満悦といった様子だった。

 

MUR「この人スゴイゾ〜これ」

 

MUR先輩は馴れ馴れしくバンバンと虐待騎士を叩いた。

 

野獣「先輩!?そんな事したらまた殺されますよ!?」

 

余りにも馴れ馴れしくしているので下手をすると殺されかねない。そう思った野獣先輩だったがここで事件が起きた。

 

叩かれた虐待騎士はちょっとバランスを崩した。それがいけなかった。

バランスを崩した虐待騎士は石に躓いた。只でさえ狭い一本道で転げるとどうなるのか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

落下死してしまうのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

虐待騎士「オオオオオオオオオオォォォォォ……」

 

 

鎧だけ残して虐待騎士は死んだのであった。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

11.

MUR「あっ、そっかぁ…」

 

驚きと動揺を隠せずにいるMUR先輩。それはそうだ。

何せ今、目の前にいた虐待騎士がMUR先輩によって落下死してしまったのだから。

 

KMR「先輩!?なにしてんすか!?マズイですよ!?」

 

MUR「ポッチャマ…」

 

亡者「いや、これポッチャマ?で済む問題なん?」

 

一時的とはいえ味方として1人で立ち向かい牛頭のひデーモンを倒した虐待騎士を悪意がないとはいえ殺してしまった後にポッチャマで済む問題ではなかったのだ。

正に恩を仇で返す所業。

 

MUR「うう…すまないゾ騎士さん…」

 

流石にMUR先輩にも思うところがあり涙を流しながら虐待騎士が落ちていった場所に手を合わせながら謝罪していた。

 

そんな事をよそに虐待騎士が死んだ折りに現れた虐待騎士の鎧を着はじめた野獣先輩。

 

亡者「野獣サン!?なにしてんの!?」

 

野獣「え?この鎧格好いいから着たいなぁ〜って」

 

亡者「今そんな雰囲気ちゃうやろ…?」

 

野獣「どうせ敵になってたから大丈夫だって安心しろよ〜」

 

亡者「えぇ…」

 

雰囲気台無しである。

謝罪を終えたMUR先輩は野獣先輩に向き直り近づくと手を差し出した。

 

野獣「な、なんすか」

 

MUR「野獣……我が儘言っちゃうんだが、その鎧を俺にくれないかゾ?」

 

野獣「な、なんでですか?」

 

MUR「俺は悪意がなかったとはいえ騎士さんを殺してしまったんだゾ。あの人にとって俺達は敵だったのにも関わらず俺達を助けてくれたのに恩を仇で返す形になってしまったんだゾ…。ならせめて…勝手な事だけどあの人みたいな心の精神を継いでこの優しさを他の皆にもしてやりたんだゾ」

 

だから虐待騎士の身に付けていた鎧を形として受け継ぎたい、そうMUR先輩は語った。

 

今までの所業の事を考えたらそんな事出来るわけないだろ!いい加減にしろ!と言いたいのだがやはり仁義に厚いのかMUR先輩がここまで他人の事を想って自分の意思を語ったのは同じ空手部の2人にとっては初めての事だった。

 

亡者は驚くような顔で、KMRに至っては感動で涙すら流していた。

 

野獣「やだよ」

 

「「は?」」

 

野獣先輩の一言で亡者の顔は真顔になりKMRの涙は引っ込んだ。MUR先輩に至ってはポカーンと口を開けた状態である。

 

野獣「これ俺が最初にさわったんだから俺のもんだしー。格好いいから上げないしー。あっかんべー」

 

と言ってヒソカの顔になりながら笑い続けていた。

 

KMR「人間の屑がこの野郎…」

 

腹の底まで黒く人を煽る野獣先輩。MUR先輩が聖人じみた事を言ったのにも関わらず子供のように煽りまくった野獣先輩に流石のKMRも殺意を湧かずにはいられなかった。

 

だが――――

 

MUR「そうかゾ…それもそうだよな」

 

野獣「え?」

 

普通なら怒り狂い野獣先輩をボッコボコにして無理やり鎧を奪う場面な筈なのに何故か妙に落ち着き、少し悲しい顔をしたMUR先輩に野獣先輩は困惑せざるをえなかった。

 

MUR「どんなに綺麗な事を言ったって俺は騎士さんを殺してしまったのだから受け継ぐなんておこがましいよな」

 

野獣「え」

 

MUR「俺みたいな人間に騎士さんの心を受け継ぐなんて騎士さんの侮辱になるよなぁ…」

 

野獣「え、ちょ」

 

MUR「野獣の言うとおりだゾ。最初に触ったのは野獣だし、ましてや騎士さんを殺した俺が騎士さんの鎧を着るなんて間違ってるゾ…」

 

野獣「あ待ってくだs」

 

MUR「野獣…我が儘を言ってすまないゾ」

 

そう語るとMUR先輩は後ろに振り返り前に歩きだした。

 

野獣「………何これは」

 

亡者「当たり前なんだよなぁ…」

 

KMR「あの三浦先輩があそこまで言うなんて僕ですら初めて見たのにこのステハゲうんこの擬人化野郎ときたら…」

 

野獣先輩をゴミを見るような目で見ていたら野獣先輩が少しバツが悪い顔をして

 

野獣「……三浦先輩が落ち込んでたのは目に見えてたから元気付けようとふざけたのになぁ……」

 

と言ったのだ。

 

亡者「限度があるやろ」

 

KMR「最後の方子供みたいで気色悪かったんですがそれは」

 

野獣「…そうするとイライラするだろ?だから三浦先輩の悲しみを怒りに変えて俺を殴らせて元気出させようとしたんだけどなぁ…しくじったんだよなぁ…」

 

KMR「先輩…」

 

流石の野獣先輩と言えどもMUR先輩の心情を理解し、先輩なりの励ましだったのだろうがそれが裏目に出てしまい余計にMUR先輩に悲壮感を持たせてしまった。

 

野獣先輩は走ってMUR先輩が進む道を遮る形で近づくと

 

野獣「先輩!俺実は…先輩が落ち込んでいたのを悟ってわざとふざけて先輩を元気付けようとしたけどちょっとふざけ過ぎました!許してください!何でもしますから!」

 

MUR「野獣…」

 

誠心誠意土下座してMUR先輩に許しを乞うていた。

それを聞いてハッとした顔をすると、土下座している野獣先輩に

 

MUR「嬉しいゾ〜これ!」

 

と、とても素敵な笑顔で手を差し出していた。

 

野獣「先輩!」

 

顔を上げて喜んだ顔をする野獣先輩。2人は全裸の状態だが抱き合い(深い意味はない)友情を確かめ合った。

 

亡者「ええ話やなぁ…感動や!何が日本一や!世界一や!」

 

KMR「何だかまとまって良かったです!」

 

拍手をしながや2人の友情に賛美する亡者とKMR。空手部で転生してからまだほんの少ししか経ってないが改めて友情があったのだと亡者を除いた3人は分かり合えた。

 

MUR「あっ、そうだ。おい野獣」

 

野獣「え、何ですか?」

 

MUR「さっき何でもするって言ったよな?」

 

野獣「いいましたけど…」

 

MUR「なら騎士さんの鎧、俺にくれないかゾ?」

 

野獣「当たり前だよなぁ!」

 

そんなこんなで虐待騎士の鎧はMUR先輩の所有者となったのだ。




優 し い 世 界

まだ続くよまだまだ続くよ!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

12.

年内最後の投稿です


無事に丸く収まり歩みを進めて行く一行。

狭い一本道から今度は階段を降りていくとそこには絶景の光景が見える広間となっていた。

 

ちょっとした広間になっているそこは雲と太陽のみしか映さず天から降り注ぐ太陽の光は強く輝き、雲は辺り一面に広がり建築物すら見る影もなかった。

 

野獣「はぇ〜…スッゴい綺麗…」

 

KMR「僕達が見たことある太陽よりも凄く輝いてますね!」

 

MUR「なんだか清々しい気分だゾ!」

 

亡者「はぁ^〜生き返るわぁ〜」

 

この通り4人もご満悦の様子。

 

???「おお!貴公らもそう思うか!」

 

4人が景色を見ていると横から声をかけられた。横を見ると腕を組んんで空を見上げていた騎士がいた。

 

鎧の中央部分に太陽のマークが施され手にしている武器はそれほど高価なものでもないがちゃんと手入れされているのかピカピカに輝いていた。だが何よりも特徴なのはその頭の兜である。

 

なんとバケツの形をしているのだ。

 

MUR「誰だゾ?」

 

ソラール「俺の名はアストラの太陽の騎士ソラール!不死となり、大王グウィンの生まれたこの地で俺自身の太陽を探しに来た!」

 

と両腕を下から上に上げてバンザイのポーズを取った。

その言葉とバンザイポーズのせいで4人は困惑し始めた。

 

ソラール「………変人だと思ったか?」

 

野獣「んにゃぴ…んまそう…よくわかんないです」

 

MUR「そうだよ(便乗)」

 

ソラール「ハッハッハッハッ、何、心配する必要はない。自覚はあるからな」

 

先程のテンションとは違い少し大人しく笑ったソラール。

 

KMR「それにしても太陽…でしたっけ?探してるのは」

 

ソラール「おお、そうだとも!この世界は前よりも混沌に満ちている。故に、俺自身の希望となる太陽を探しに来たのだ」

 

KMR「太陽なら既に空にあr」

 

「「馬鹿野郎っ!」」

 

グチャッ!

 

と、KMRがスッゴい野暮な事を口走る前に亡者と野獣先輩が

どうやらったらそんな音がでるのか分からないようなガチ切れビンタを放ち、KMRを吹っ飛ばした。

 

亡者「兄さんそれは野暮っていうもんやで!」

 

野獣「男のロマン語ってるのに天文学でツッこむのは駄目ってそれ一番よく言われてるから(断言)」

 

KMR「……ナオキです」

 

突然の事に驚きと頬の痛さからMUR先輩のポッチャマ現象と同じナオキ現象を起こしてしまったKMRは、その場で正座して顔を俯いてしまった。

 

ソラール「き、貴公ら?何も殴らなくとも…」

 

野獣「野暮な事を言う方が悪いってはっきり分かんだね」

 

亡者「せやでソラールはん。この世界は前よりメチャクチャや。だからソラールはんの言ってる事はよーく分かるで」

 

馴れ馴れしくソラールの肩をポンポンと叩いたが、そこで知将MUR先輩はあることに気がついた。

 

MUR「あっ、そうだ(唐突)。この前ネクラのおやっさんもこの世界がおかしくなったって言ってたゾ。亡者やソラールさんもそう感じてるのかゾ?」

 

元々この世界の住人ではない空手部達はいまだにどういった世界なのかよく分かっていない。

だがこの世界の住人であるネクラのおやっさんや亡者、ソラールまでもが「前よりおかしい」と言っているのである。気になったのも当然の話。

 

亡者「せやなぁ〜…前やったら少なくともワイはこうして喋る事もなく見境なく誰かを襲ってたやろなぁ。少なくとも自我なんてなくなるもんやと思ってたしそれが当たり前な世界やったからなぁ」

 

ソラール「俺もそう感じている。まるで元あったものが別のものに変貌したかのような…あの道の先にいるヘルカイトもそうだ。姿は同じだが中身がまるで違う」

 

KMR「ヘルカイト?」

 

さっきまで落ち込んでいたKMRが言葉を発した事でソラールは一本道だがちゃんとした道の先にいる砦の上に居座っている一体のドラゴンに向けて指を指した。

 

ソラール「あの赤い龍がヘルカイトという。ここではないが以前奴と出くわしたことがあってな…奴にはあの巨体と火炎ブレスに手を焼いたものだ」

 

野獣「そのヘルカイト?ですか。何が違うんです?」

 

ソラール「……まあ行ってみればわかる」

 

まるで今ある現実を逸らしたいような声でソラールは呟いた。頭に?マークを浮かべた4人はヘルカイトを見たら一度ここに戻ってくる、とソラールに伝えて道を進んだ。

 

道を進むと盾と槍を持った亡者が3人いたのだが何故か道の端っこに座りながら意気消沈していた。おまけに1人はこの世に絶望したかのように倒れ伏せていた。

 

MUR「どうかしたのかゾ?」

 

倒れ伏せていた亡者に話しかけた。すると亡者は顔を上げたがMUR先輩の顔を見るとすぐに顔が青ざめて悲しそうな顔で顔を伏せた。

 

KMR「何かあったんでしょうか?」

 

MUR「分からないゾ…」

 

野獣「……先輩あのドラゴン、サングラス掛けてません?」

 

まだヘルカイトとの距離はある筈なのに遠目からでも分かるくらいヘルカイトの顔にサングラスが掛けられていた

 

MUR「どこからあんなデカいサングラス持ってきたんだゾ…?」

 

亡者「心なしかこっち見てへんかあいつ…」

 

KMR「き、気のせいですよ」

 

様子を伺いながらヘルカイトを見ていると変化があった。

ヘルカイトの首が動きだし口を開けて空を見上げると何処からともかく強烈な異臭を放った。

 

亡者「くっさ!?」

 

KMR「何ですかこの匂い!?」

 

MUR「鼻が曲がりそうだゾ!!」

 

3人が異臭に苦しんでいるなか、野獣先輩はというと……

 

野獣「え?そんな匂いしないんですがそれは」

 

ケロッとしていた。

そしてヘルカイトの首が4人に向き直るとブレスを吐き出した。吐き出したのだが…

 

『ドバ―――――――』

 

なんとうOこを吐き出したのだった。

道と言う道全てにうOこをぶちまける事で後ろに下がる以外の逃げ道がなかった。だがヘルカイトがうOこを吐き出す勢いが速すぎて4人はうOこの川沈んでしまった。

 

その物量と質量のせいで息が出来なくなってしまい4人はそのまま窒息死してしまった。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

13.

目が覚めるとネクラのおやっさんがいる火継ぎの祭祀場へ戻って来ていた。理由は言わずもながらである。

 

ネクラ「ん?……ああ、お前らか。どうしたそんなやつれた顔で」

 

KMR「あまり聞かないで欲しいです…」

 

4人はかなり意気消沈していた。それもそうだ。前もって聞かされていたヘルカイトがまさかうOこを吐き出し、ましてや死因がうOこに沈んだからなどと考えたくもなかったのだ。

 

MUR「……あの道にいた亡者達はいつもあれをされてるのかゾ?」

 

亡者「せやなかったらあそこまで人生諦めた顔はせえへんやろうなぁ…」

 

ヘルカイトがいる道に誰かがたどり着くとうOこを吐き出すと言うことはあの場にいる亡者達も巻き添えになる。

あの亡者達もそれを知っていたのだからこそ先輩達の顔を見た時、絶望した顔をしていたのだ。

 

根暗「ホントに大丈夫か?」

 

KMR「……ナオキです」

 

根暗「な、ナオキ?」

 

またもやナオキ現象を起こし始めたKMR。うOこで死んだという事実にショックを受けていた3人を余所に野獣先輩は首を傾けていた。

 

MUR「野獣、どうかしたのかゾ?」

 

野獣「ソラールさんが言っていた事を思い出しまして…」

 

KMR「それってこの世界が以前よりおかしくなったって話ですか?」

 

野獣「そうだよ(肯定)。…ネクラさん、聞きたいことがあるんですけどヘルカイトって前までは口からうOこ吐き出したりしました?」

 

根暗「まずそんな生き物がいてたまるか」

 

KMR「ですよね…」

 

MUR先輩もそうだが野獣先輩も薄々だがこの世界がちょっとおかしい事を感じ取っていた。

まず今まで出会ってきた亡者やデーモンが自分達の世界にいた人物にある程度だが似ている気がしてならなかった。

 

ひでーモンはよく空手部の道場で遊びに……もとい邪魔しに来た糞ガキのひで、うんち提案亡者や警官亡者、虐待騎士やヘルカイトといい自分達の知人に共通している部分があったのだ。

 

流石にうOこを吐き出す知人はいないが。

 

根暗「この世界についての事なら火防女に聞くと手っ取り早いだろう」

 

MUR「火防女って誰ゾ?」

 

根暗「篝火を見守り、そして篝火の火を常に灯してくれている者達の事だ。奴らなら少なくとも以前の世界についてなら俺よりも詳しい筈だ」

 

野獣「やりますねぇ!じゃけん今すぐ会いに行きましょうね〜」

 

KMR「ま、待ってください!何処に居るかも分からないのに闇雲に動かないでください!」

 

根暗のおやっさんの話を聞くとすぐに走り出した野獣先輩だったがKMRが肩を掴んで野獣先輩を止めた。

 

野獣「善は急げって言うし多少はね?」

 

KMR「順序ていう言葉知らないんですか?馬鹿なんですか?」

 

野獣「ファッ!?」

 

いつも従順なKMRがいつになく野獣先輩を罵倒したので驚きを隠せなかった先輩。そんな先輩をほっといてKMRは根暗のおやっさんに火防女が何処に居るのかを聞くのであった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

KMR「まさかこんな近くに居るとは…」

 

MUR「近くというか最早隣人レベルの距離だったゾ」

 

4人は火継ぎの祭祀場にある篝火の後ろにある階段を降りて火防女の前まで来ていた。

火防女の居る場所を聞いた時にはあまりの近さに驚き、野獣先輩はその衝撃で出糞していたが。

 

火防女は茶髪のショートヘアで後ろに髪をくくっていて美人だった。服装も黒いローブにスカートといった質素なものだったがそれでも顔が美人な為かとても凛々しく見える。

 

KMR「あの〜貴方が火防女でしょうか?」

 

KMRにも普通の感性があったのだろうか、少しテレテレしながら聞くと火防女は返事をしなかったが代わりにコクコクと可愛らしく頷いた。

 

KMR「…………いい」

 

亡者「兄さん、目的忘れとるんちゃう?」

 

KMR「え!?いや、そんなこと…」

 

亡者「ほんまかなぁ…」

 

少し不安がる亡者だったがKMRはコホン、と咳をすると火防女に向かってこの世界の事について聞こうとしていたが

 

???「やめておけそいつは喋る事が出来ないんだ」

 

と柱の影から現れた騎士に止められた。王冠のような兜だが前が見えているのか見えていないのか分からない穴だらけの仮面に、まるで自分自身を抱き締めているかのように思える装飾を施し、全身黄金色といった奇抜な騎士だった。

奇抜と言えばソラールも大概だが。

 

野獣「誰っすか?」

 

ロートレク「俺はロートレク。たまに此処に来る只の騎士だ」

 

MUR「喋る事が出来ないのかゾ?」

 

ロートレク「ああ。だからそれに聞いた所で大した事は聞けない。よければ俺が話してやろうか?」

 

亡者「いやいや、あんさんワシらの聞きたいこと知ってはるの?」

 

ロートレク「ああ、勿論この世界の事についてだろ?」

 

仮面で見えないが恐らくニヤリと笑っているのが想像つくようにロートレクは答えた。

 

KMR「……火防女さんの声が聞けないのは少し残念ですね」

 

亡者「兄さんまだ言っとるんかい…」

 

KMRが火防女の方へ振り向くとニコッと可愛らしい笑顔をしていた。

 

MUR「なんだ木村お前ノンケかゾォ〜?」

 

KMR「え?元々ノンケですけど」

 

野獣「はぁ〜?ノンケとか萎えるわ〜…。大体この女の何処がいいんだよ木村ァ?俺から見ると只のブs」

 

「あ?何か言った?」

 

野獣「え」

 

野獣先輩がまた調子に乗っていたら女の声がした。少なくともこのメンバーの中で女性は火防女しかいないのでおのずと視線が火防女に集まっていた。

 

MUR「し、喋ったゾ…?」

 

ロートレク「そんな馬鹿な…」

 

火防女「別に喋れない訳ではありませんよロートレク様。私はただ、喋らなかっただけです」

 

胸に手を当てニコリと笑いながら火防女はそう答えた。

 

アナスタシア「申し遅れました。私はアナスタシアと言います。早速お話をしたいのですが…」

 

ここで口を閉ざしアナスタシアは鋭い目で野獣先輩の方に向き直った。

 

野獣「な、なんすか」

 

アナスタシア「貴方様は確か此処に来る前に篝火の剣を引き抜いて来ましたね?」

 

此処で根暗のおやっさんの言葉を思いだそう。あの人は篝火の剣を抜くと火防女に殺されると。なら、剣を引き抜いてきた野獣先輩はどうなるのかもう分かり切った事である。

 

アナスタシア「一辺、地獄でも見てきてください♪」

 

そう告げるとアナスタシアは自ら閉ざしていた牢屋を物理で壊し、瞬く間に野獣先輩はとんでもなくヤバい殺され方をされ、その魂は篝火で肉体が再生されるまでの間地獄を見てきたそうな。




怖ぇよ怖ぇよ


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

14.

ちょっとした過去話になるんでオッスお願いしまーす


野獣先輩の体と魂が復活するとまたもや虐待された子犬のようにプルプル震えていた。

 

MUR「野獣、大丈夫かゾ!?」

 

真っ先に野獣先輩の所に駆けつけてくれたMUR大先輩。だがMUR先輩の言葉を聞いてもうずくまりながら淡々と「クゥーン…」と情けない声しか出さなくなっていた。

 

MUR先輩は優しく背中をさすり野獣先輩を落ち着かせようとしたが、少しずつだが震えが収まっていくのであった。

 

暫くするとKMR達も火継ぎの祭祀場に到着し、その頃には野獣先輩は体育座りまでになんとか立ち直っていた。

 

KMR「先輩大丈夫ですか!?」

 

MUR「木村来るのが随分遅かったゾ」

 

KMR「あ…あのですね…ちょっと僕達の方でも色々ありまして…」

 

チラッと膝をついている騎士ロートレクの方を見るKMR。MUR先輩は疑問に思ったが何故か急にアンモニア臭が漂ってきた。よく見るとロートレクの下半身に何故か水滴がポタポタと流れていて地面には水溜まりが出来ていた。

 

亡者「このあんさん、小便垂らしながら立って失禁しとったんや。……というか今も失禁しとる」

 

MUR「そうかよ(絶望)」

 

KMR「そのままにしておくのもアレなんでとりあえず連れてきたんです。……所で野獣先輩の方はどうですか?」

 

MUR「子犬から体育座りまで立ち直ったゾ」

 

亡者「基準がわからんのやけど…。野獣兄さん大丈夫でっか?」

 

野獣「カンノミホ…」

 

亡者「直ってないやん」

 

すると、後ろの階段からコツコツと誰かが上がってくる音がして振り替えると火防女アナスタシアが現れた。

アナスタシアを見るや否やすぐさまMUR先輩の後ろに隠れる野獣先輩を見てアナスタシアは野獣先輩に近づいた。

 

アナスタシア「野獣様、そんなに怯えないでくださいませんか?……私も少し傷ついてしまいますよ…?」

 

少し寂しそうな顔をしてアナスタシアはそう言ったが、当の本人にとてもとてもグロい殺され方をした野獣先輩にそんな言葉は信じられなかった。

 

そんな光景を見ていた根暗のおやっさんは大きなため息をつくのであった。

 

 

〜数分後〜

 

 

根暗「それで?どうなったらこんな状況になるんだ?」

 

片や失禁状態、片や怯えて喋れなかった筈の火防女があの牢屋から出て来て喋っている始末。こんな状態を見てかなり厄介な話になりそうだと内心、根暗のおやっさんは思っていた。

 

アナスタシア「それは…彼が篝火の剣を抜いたからですね」

 

根暗「だろうと思ったよ」

 

KMR「あ、あはは…」

 

苦笑いしながらなんとか誤魔化すKMR。まあ、これも全部野獣先輩の自業自得なのだが。

 

MUR「それで火防女さん。この世界の事について教えてくれないかゾ?」

 

アナスタシア「ええ、そのつもりですよ。ですが少々長くなりますがよろしいでしょうか?」

 

一同が頷くとアナスタシアは再び向き直って真剣な眼差しをした。

 

アナスタシア「では、私達火防女が伝えられているこの世界の事について話します」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

遥か太古の時代、まだ世界が灰色だった頃の時代。

 

そこはかつて朽ち果てぬ竜が正に世界を支配していました。そんな時が続いていく中、ある場所に火が灯りました。

 

後の時代まで語り継がれるはじまりの火と言われるものです。その火につられて近づいた者達がいました。

 

栄光輝く太陽の神、大王グウィン

 

強大な呪術を扱う者達、イザリスの魔女達

 

最初の死者とも呼ばれる者、墓王ニト

 

3人ははじまりの火と呼ばれる物の中にあるものを見出だしました。

それが私達の生きる力の源である『ソウル』でした。

 

やがてそのソウルを用いて、大王グウィンは世界を我が物としている竜達にソウルを用いて戦いを挑みました。

 

ですが幾らソウルの使うとはいえ不死の力を持つ竜達に苦戦を強いられていました。

 

ですが竜達の中から裏切り者が現れました。鱗のない竜の白竜シースです。

 

彼が竜達の弱点を教えた事で戦況は一変しやがて大王グウィンは全ての竜を滅ぼしました。

 

やがて世界に平和が訪れ我々「人」達は彼を王と崇め、繁栄を極めました。

 

 

 

アナスタシア「と、ここまでは大王グウィンにまつわる話でした」

 

KMR「とても壮大な話でしたね」

 

MUR「すっげー面白かったゾ〜」

 

アナスタシア「では、ここからはこの世界の異変の事についての話です」

 

 

 

 

 

ある日の事、大王グウィンに予期せぬ報せが届きました。

 

今は滅びた都市ウーラシールから謎の病気が発生したとの事。大王グウィンはその病気を調査する為、直属の部下であり騎士の中でも強き者として謳われた四騎士の1人、アルトリウスをウーラシールへと向かわせました。

 

アルトリウスはウーラシールに辿り着くとそこの住人達は我々も知らない奇っ怪な言葉を喋り地獄そのものと化していました。

 

アルトリウスは勇敢に立ち向かいやがて全ての元凶とも言える存在、マヌスと呼ばれる怪物を発見し見事討伐をしました。

 

ですがそれが事の始まり。マヌスの最後の断末魔と共に彼の怪物から「深淵」とも呼ばれるものが世界中に広がり徐々に人々や、そして神々をも影響が及ぼされました。

 

その深淵は最早防ぐ術はなく世界の一部として定着していくのでした。

 

そして深淵の急速な広がり方や感染の仕方からかいつしか深淵は「t-ウイルス」と呼ばれその事実は神々の者達と火防女達にしか知ることはなかったのです。

 

 

 

アナスタシア「そして混沌としたこの世界になっていったのです」

 

亡者「ちょ、ちょっと待ってくれ!この世界でそんな出来事が起きてたんか!?」

 

アナスタシア「はい。普通に生活をしているとまず気づく事はありません。ですが全て事実です」

 

根暗「だがそんな大きな話、何故俺達に話す事が出来る?不死とはいえ俺達は只の人だ」

 

アナスタシア「貴方様の言う通りです。この話は重大な話。易々と話す事はできませんが――」

 

アナスタシアは野獣先輩、MUR先輩、KMRを一瞥すると再び口を開いた。

 

アナスタシア「この方々3人が此処とは異なる世界から来た者達だからです」

 

野獣先輩達の運命は刻々と前に進んでいくのであった。

 




やっとt-ウイルスの単語出せた……

この単語の理由はしっかりあるので間違ってもバOイオハザードじゃないからね?


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

15.

亡者「えぇ…?嘘やろ?」

 

アナスタシアの話を聞いてかなり険しい顔をした。それも当然、突拍子もなく「この3人は別の世界から来た」なんて事実、信じられる話ではなかった。

 

アナスタシア「ですが事実です」

 

MUR「少し語弊があるゾ。俺達は木村に殺されて気がつくとこの世界に来てたんだゾ」

 

この世界に来た、とは3人の認識とは少し違っていた。KMRに殺された事によりいわゆるここが死んだ後の世界だと野獣先輩とMUR先輩は認識していた。だが、アナスタシアが話した事実によりその認識は変わった。

 

KMR「ちょ、ちょっと待ってください!僕に殺されたとはどういう…」

 

MUR「そのまんまの意味だゾ。風呂に入ろうとしたあの日に俺達はお前に殺されたんだゾ」

 

この世界で目覚めたKMRは2人を殺した記憶だけ何故か抜けていたので、知らないのも当然である。愕然とした顔でKMRは膝をついた。

 

KMR「そ、そんな……僕はなんて事を…」

 

野獣「気にするんじゃねぇよなぁ〜木村ァ」

 

KMR「で、でも!」

 

MUR「俺達は本来、此処は天国かなんかと思ってたんだが実際は違ったから今話しただけだゾ。元々言うつもりはなかったゾ」

 

KMR「どうして!僕は先輩達を殺してしまったんですよ!?責められるだけでは足りないくらいですよ!?」

 

野獣「別にホントに気にしてないだけだからだよ。あの時お前の様子がかなりおかしかったし、それにこうして話してるだろ?だから過去の事なんてパパパッと水に流して終わり!閉廷!以上!解散!」

 

KMR「せ、先輩…」

 

自分が殺したのにも関わらず、広い心で笑って許してくれた先輩達に申し訳なさと感謝、そして良き先輩達に出会ったと胸に刻み込みKMRは「申し訳ありませんでした」と先輩達に謝罪した。

 

根暗「な、なぁ…おいてきぼりか俺達は…?」

 

アナスタシア「ふふふっ」

 

謝り終えたKMRが立ち上がるとアナスタシアがコホン、と咳をつくと3人はアナスタシアの方へと振り返った。ただし野獣先輩はMUR先輩の後ろに隠れたが。

 

アナスタシア「貴方様方には鐘を鳴らした後のお話をします。よろしいですね?」

 

MUR「後ゾ?」

 

元々北の不死院にいた上級騎士の頼みでここまで来たのだ。鐘を鳴らした後の事なんて考えてもなかったが特にこれといった予定もなかったので聞いてみる事にした。

 

アナスタシア「貴方様方は鐘を鳴らした後、センの古城へと向かいそこからアノール・ロンドへと来てもらいます。但し、行くのは貴方様方4人のみです」

 

KMR「そこに行って何をするのですか?」

 

アナスタシア「王の器を取ってきてもらいます。最もアノール・ロンドに着くと貴方様方を試そうと襲いかかってきますのでどうか慎重に動いてください」

 

亡者「な、なんで襲ってくるんや?」

 

アナスタシア「貴方様方がこの世界を救うに値する者なのかどうか見極める為です」

 

野獣「きょ、拒否権は…」

 

アナスタシア「別に拒んでも構いませんが亡者に成り果てるか、またはそこら辺に野垂れ死ぬ事になりますが」

 

ヒェッとプルプル怯えながら小声で悲鳴を上げた野獣先輩。そんな先輩をほっといてうーんうーんと考えると、結局する事もないので不死の旅に出ることを了承したのであった。

 

MUR「ところで火防女さん、頼みたい事があるんだゾ」

 

MUR先輩がある頼み事を言うとアナスタシアはニコリと笑って了承するのであった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

場所は変わってヘルカイトがいる場所。相変わらずサングラスをかけて何考えてるのか分からない顔をしながら再び戻ってきた一行を睨み続けていた。だがヘルカイトはあることに気がついた。自分のブレスで倒した者達の中にいなかった筈の者が増えていた事を。

 

KMR「しかし…ホントに出来るのですか?」

 

不安な顔をしながらMUR先輩の頼みで一時的に付いてきてくれたアナスタシアに向けて問いかけた。だがアナスタシアは特に気にする程でもないらしく変わらない笑顔でコクリと頷いた。

 

アナスタシア「まあ、多少荒っぽいやり方になってしまいますが…」

 

と一言だけ付け加えてアナスタシアは前へと進んでいった。それに対してヘルカイトは野生の感が働いたのかアナスタシアに対してとても強い警戒心を抱き、ブレスを吐き出す準備をしていた。だがそのブレスは首もとに強い衝撃が走ってきた事でやめてしまったどころか次に背中に強い衝撃が走った。

 

何の事はない、ヘルカイト自身が背中を強打していたのだ。目の前にいるアナスタシアに投げられたのだから。

 

アナスタシア「以前の私ならまずこのような事はしないし出来ませんでしたが…」

 

アナスタシアがヘルカイトのツノを片手で掴んで持ち上げると―――

 

アナスタシア「今の私は…負ける気がしません!」

 

ヘルカイトをブンブン振り回し床に何度も何度も叩きつけていてた。まるでHARUKUがROKIをブンブン叩きつけたように何度も何度も。

 

キィィィイイイイイヤァァァァァァ!!??

 

悲鳴をあげながら自身の翼をばたつかせたり体を捻ったりなど必死に抵抗したが殆ど影響がなかった。そうしてる内に段々と抵抗が少なくなり最終的にはピクリとも動かなくなりやがて命が尽きた。

 

命が尽きたヘルカイトはソウルに変換されドン引きしていた4人に吸収されていき一振りの剣がアナスタシアの前に刺さっていた。

 

アナスタシア「私が出来るのはここまでです。ここから先は貴方様方にまかせました」

 

もうお前1人でいいんじゃね?という気持ちを押し殺して4人は深く頷いた。刺さった剣を引き抜きKMRに渡すと

 

アナスタシア「では皆様方、神の祝福があらんことを」

 

と言って深く頭を下げていた。4人はかなり苦笑いをしながら先に進んで行った。

 

 

KMRは飛竜の剣を手に入れた!

 

 




ソラール「何あれこっわ」


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

16.

拝見、親愛なる皆様お元気でしょうか?KMRです。

 

なんやかんやあってこの世界に迷い込んだ僕達空手部ですが元気にやっています。この世界に来てからというもの驚かされる事ばかりでした。糞餓鬼ひでの顔をした化け物達、力強過ぎる女性、うんこを吐くドラゴンなどこの世の物とは思えないものばかりでした。

 

でもそんな感傷に浸ってる場合ではありません。

なんせ今は―――――

 

 

 

「ブモォォォォォォォ!!!」

 

黒騎士「待てやこの糞野郎共!」

 

僕達4人は巨大な剣を携え、銀色の猪に股がった黒騎士さんに追いかけ回されてるのですから。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

ーーーーーーーー

 

遡ること数十分前―――

 

MUR「どうするゾ?」

 

野獣「どうするって言われましてもねぇ…」

 

道を進んできた先輩達は壁に隠れながらこっそりと覗いている先輩達。なにせ、鐘を鳴らすために目の前にある大きな教会に辿り着くため、今正に進もうとしている道に遠くから見ても分かるとんでもなく大きい銀色の猪の様子を伺っているのだから。

 

今のところはおとなしい只の馬鹿デカイ猪だが先輩達はこれまでの経験上、あの猪に見つかると間違いなく死んでしまうと予想していた。なので迂闊に動く事もせずここに滞在しているのだ。

 

亡者「とりあえず行ってみたらわかるんちゃう?」

 

野獣「そんな事したらあの猪に殺されるだろ!いい加減にしろ!痛いのは嫌なんだよ!」

 

いくら不死とはいえ殺される間際の痛みは当然ある。アナスタシアにやられた事で野獣先輩はそれをよく理解していた。変わらない状況に悩んだ先輩は気でも晴らそうかと空を見上げると、あるものを見つけた。

 

野獣「あれ…黒騎士さんじゃないっすかね?」

 

その言葉につられて上を他の者が見上げると、確かに前に出会ったことがある虐待黒騎士に似たような人がいる事に気がついた。

 

MUR「ホントだゾ!黒騎士さんの知り合いかもゾ!」

 

KMR「もしかしたら助けてくれるかもしれませんね!」

 

虐待黒騎士の強さを十分に理解していた先輩達は微かな希望を持つ事ができこれならばもしかするとあの猪もどうにかしてもらえるのかもしれないと思った先輩達はすぐに虐待黒騎士がいるであろう場所に向けて階段を上がっていった。

 

階段は螺旋階段になっておりかなり高層に居るものと分かっていたので階段を上がる度に少しずつ体力を奪われていき階段を上がり切る頃にはかなり体力を消耗していた。

階段を上がりきった先には――――瞬間、大きな剣が先頭にいた野獣先輩に当たることなくの目の前に飛んできた。

 

野獣「ファッ!?」

 

突然の事でかなり深々と床に刺さった剣を見て驚きながら剣が投げられてきた方向に向き直るとそこには虐待黒騎士が居たのだ。

 

MUR「どうしたゾ!?」

 

野獣「い、いやいきなり剣を投げられてきて…」

 

虐待黒騎士「貴様ら、よくも我が友人の黒騎士を殺してくれたな…!見ていたぞ!貴様らが我が友人を突き落とした所を!」

 

鎧で顔が見えないとはいえ声からでも分かる怒りを露にした虐待黒騎士に殺してしまったとはいえ他意はなかったと弁明を言おうとしたが虐待黒騎士は先輩達が発言する前に左手に持っていた盾を投げつけてきた。

 

野獣「あ、待ってくださいよ!」

 

虐待黒騎士「貴様らの言葉など不要!今すぐ殺してくれるわ!」

 

すぐに距離を詰めてきた虐待黒騎士は手始めに野獣先輩の頭部目掛けて拳を叩き込もうとしたがすんでの所で回避されその拳は壁にめり込んだのだ。

 

野獣「不味いですよ!」

 

MUR「一体逃げるゾ!」

 

登ってきた螺旋階段を急いで降っていった先輩達だが虐待黒騎士が追ってくる気配がなかった。

 

亡者「な、なんとか逃げ切ったんか…?」

 

KMR「そうだといいんですけど…」

 

「ブモォォォォォォ!!」

 

一息の安心をすると今度は後ろの方からあの銀色の猪の声がとてつもない雄叫びを上げ、暴れだしていたのだ。

 

MUR「こ、今度は何ゾ?」

 

野獣「先輩!猪の上に黒騎士さんが!」

 

野獣先輩が指を指すと猪の上には先程出会った虐待黒騎士が猪の上に股がり、まるで手懐けさせようと携えている剣で猪を殴っていた。猪が大人しくなるのに数秒もかからず完全手懐けたのか猪が暴れなくなったのだ。

 

MUR「嫌な予感がするゾ」

 

亡者「亡者もそう思います」

 

MUR先輩と亡者の予感通り、猪は先輩達の方に向き直ってとてつもなく早いスピードで走り出してきたのだ。それを目にした先輩達は既に猛スピードで逃げ出して悲鳴を上げていた。

 

野獣「あああああああもうやだああああああ!!!!」

 

虐待黒騎士「待てやこの糞野郎共!」

 

「ブモォォォォォォォ!!!」

 

 

 

 

そして現在逃げ回っているわけなのだ。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

17.

先輩達は逃げ回った。ヘルカイトのいた道、地下不死街、果ては火継ぎの祭祀場などあらゆる場所に逃げ回った。その間引き殺されていった亡者は数知れずだが根暗のおやっさん、アナスタシアは既に隠れていたので問題はなかった。

 

が、ロートレクは気絶したままだったので猪に引かれていたのに何故か死ぬことはなかったがそれは先輩達の知る由ではなかった。

そうして逃げている内に何故か教会に辿り着いたのだが虐待黒騎士も付いてきてるので問題解決には至らなかった。

 

KMR「あ、あれだけ走ってまだ着いてくるんですか!?」

 

4人全員が体力を消耗し、息継ぎが荒くなっているなかもうすぐそこまで来ていた虐待黒騎士と猪に対して驚愕の顔を露にしたKMRだったがそんな事を気にする余裕も体力も既になくなっていた。

 

虐待黒騎士「死んで我が友人に詫びるがいい!」

 

虐待黒騎士が猪のケツを大きな鞭で叩き、それに怒った猪が更にスピードを上げて突進してきた。そしてその突進が先輩達に当たる刹那――――

 

野獣「ヌッ!」

 

野獣の眼光が光り、猪の突進を見切り突進が当たるスレスレの所でジャンプして避ける。それだけでは終わらず虐待黒騎士の顔に向けて蹴りを入れ、吹き飛ばす事で猪から引きずり落とす事に成功したのだ。まあ、残り3人は突進によって普通に死亡したのだが。

 

吹き飛ばされた虐待黒騎士は回転しながら落ちていき、猪はそのまま突進した事で壁に頭をめり込ませてしまった。スムーズに着地した先輩はそのままコロンビアのポーズを取り

 

野獣「fo↑!気持ちいい〜」

 

と喜んでいた。だが決して油断する事はなく倒れている虐待黒騎士を見ていたが、なんと巨大な剣を支えにしてフラフラと立ち上がったのだ。だが野獣先輩の攻撃が効いているのか立ち上がった所で体が揺れていて頭の兜もかなり凹んでいた。

 

虐待黒騎士「貴様…我が顔に蹴りを…」

 

顔を押さえながら弱々しい声で呟いたがそんな事を意にも

介さず野獣先輩は木版の盾をフリスビーの要領で投げるが、虐待黒騎士がとっさに盾で防いだ事によって弾き飛ばされた。が……

 

野獣「行きますよぉ…行きますよぉ行く行く」

 

野獣先輩が高く飛び跳ねると弾き飛ばされた盾を掴んで腕に装着し、回転しながらタイミング良く虐待黒騎士の顔に拳を叩き込んだ。流石にその行動を読めなかったのか虐待黒騎士は防ぐ事すら叶わず野獣先輩の攻撃を受けてしまった。

 

虐待黒騎士は数歩後ろによろめきこの隙を逃さんとばかりか野獣先輩はドロップキックを繰り出したがその攻撃が通る事はなかった。何故ならその攻撃は手で掴んで防がれたのだから。

 

野獣「や、やりますねぇ…」

 

虐待黒騎士「そう何度も食らうと思うなよ…!」

 

かなりのダメージを喰らっているのにも関わらず傷を負っているとは思えない程大きな力で野獣先輩を放り投げ、先程の戦闘で落としていた自身の大剣を掴み取った。

 

虐待黒騎士「覚悟しろ。貴様をすぐに殺し―――」

 

虐待黒騎士が台詞を言い切る前にその姿が消えてしまった。それもその筈である。なにせ―――

 

「ブモォォォォォォォ!!!」

 

銀色の猪によって吹き飛ばされてしまい、そのダメージによって死んでしまったのだから。手懐けたからといって猪にはこれっぽっちも忠誠心がなかったのでめり込んでいた猪は虐待黒騎士に突進していったのだ。

 

満足したのか随分と鼻息が荒くなり次は野獣先輩の方に狙いを定めた。

一瞬状況が分からなくなってしまい虚無のような顔をしていた野獣先輩だが、猪と視線が合った事で我に返った。

 

野獣「いいよ!来いよ!胸にかけて胸に!」

 

ホイホイと猪に対して手招きしながら煽る先輩に切れたのか雄叫びを上げると共に突進してきた。してきたのだが…

 

グサッ

 

「ブモォォォォォォォォォォォォ!!!???」

 

猪の進行方向に先程吹き飛ばされた虐待黒騎士の大剣がタイミング良く猪の頭に落ちてきて、その切っ先が猪の頭に刺さったどころか貫通してしまい馬鹿五月蝿い声を上げた。

 

野獣「え、何これは…」

 

流石に状況が状況なので野獣先輩も困惑せざるを得なかった。猪は暫く鳴き叫んだら後、ケツから糞と尿を大量にばらまきソウルとなって絶命したのだった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

KMR「早く先輩の所へ行かないと!」

 

MUR「そうだよ(肯定)」

 

猪に引き殺された3人は火継ぎの祭祀場から教会に向かって全力疾走していた。復活してからも野獣先輩だけは戻らなかった為3人は急いで向かったのだが向かった先にいたのは野獣先輩が猪の頭の形をした兜と虐待黒騎士の大剣が置いてある目の前で考える人と化していた。

 

MUR「野獣!大丈夫かゾ!?」

 

亡者「野獣はん!?大丈夫か!?」

 

野獣「あ、みんな」

 

ゆっくりと顔を上げた野獣先輩はかなり困惑した顔で立ち上がった。

 

亡者「あれ?黒騎士と猪はどうないしたんや?」

 

野獣「んにゃぴ…んまそう…良く分かんないです」

 

亡者「?」

 

かなり困惑した顔でそう言った野獣先輩だが起きたこと全て話したところで?マークだらけになるから特に話すことはしなかった。

 

野獣「まあ、いいじゃないっすかそんなこと。それよりこの教会の上に行かなきゃな」

 

MUR「あっ、そうだ。忘れてたゾ〜」

 

先輩達は教会の階段を登ると何やら奥から騒がしい音がするのが分かった。恐る恐る見ると少なくとも10人はいるであろう亡者達が1人の人物によって群がっていた。

 

YTR☆伝導師「オッハ―――!!!」

 

訂正、群がっていたのではなくLiveを開いていたみたいだ。杖を持ちながらとんでもないハイテンションと歌で亡者達を心滾らせて………はいなかった。どっちかというとあまりのハイテンションぶりに注目してるように見える。

 

実際、歌っている曲を亡者達に振ると沈黙と冷静な眼差しで返されて尚も挫けず歌っているその姿勢はとてもつもないメンタルを持っているように思えた。

 

先輩達はそのLiveに紛れて教会の天井を目指すのだった。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

18.

霧がかかった入り口の前にたどり着くと一呼吸だけ間を置いた。これまでの経験上、霧がかかった入り口をくぐり抜けると恐らくまた厄介なのが現れると考え、覚悟を決めるための時間を取ったのだ。

 

無論、これまで出会ってきた奴らも大概だがそれでもブレブレになりそうな気持ちを落ち着かせるにはこれ以外方法がなかった。

 

野獣「行きますよ?行きますよ?行く行く?」

 

MUR「さっさと入るゾ」

 

押すなよ?絶対に押すなよ?という目を向けていた野獣先輩だったが、ちょっとイラついたのかMUR先輩が蹴飛ばして入り口をくぐり抜けさせた。それに続いて全員入り口をくぐり抜けた。

 

亡者「うーん、趣味悪い銅像やな」

 

KMR「そうですか?僕は親近感が沸きますよ」

 

教会の屋根にたどり着くと、今にも動きそうなガーゴイルの銅像が無数に並んでいた。

 

MUR「根暗のおやっさんが言ってたけど、もしかしてこの中の銅像が動くのかゾ?」

 

根暗のおやっさん曰く、教会の鐘をならす前にガーゴイルがいるからそれを倒してからじゃないと鳴らすのは不可能に近いらしい。空中を飛び回ったり、火を吹いたり武器を使ってくるとも言われている。

 

おまけにt-ウイルスなんて物が広まっているなか恐らくガーゴイルも変貌しているのだろう。

 

野獣「今度は何に変貌しているのかこれもうわかんねえな」

 

先輩が進むと真っ正面にある巨大なガーゴイルの像がピシピシと音を立てていた。それどころかひびも入ってきている。

 

KMR「先輩!あの銅像動いてますよ!」

 

野獣「やべえよやべえよ」

 

銅像は徐々に動きだし最終的に生物としてなんら変わらない動きをし始めた銅像のガーゴイル。翼をはためかせ右手に斧槍を持ち、左手に盾を構え頭に兜を着たその姿はガーゴイルとは思えない姿をしていた。

 

MUR「アイツもやっぱり変貌してそうだゾ」

 

亡者「いやごく普通におるガーゴイルやであれ」

 

野獣「え」

 

確かにガーゴイルの姿ではないだろう。ないのだが、この世界のガーゴイルは武器を携えていて当たり前なのである。変貌していないと分かるや否や野獣先輩とMUR先輩は目の色をかえるとニコニコしだすと……

 

野獣「殺りますねぇ!殺ります殺ります!」

 

MUR「いいゾ〜コレ」

 

と言い出し、待ってましたと言わんばかりのような勢いでガーゴイルに突っ込んでいった。

MUR先輩がガーゴイルの懐に素早く潜り込むと得意の空手でガーゴイルを攻撃すると、驚いたのか翼を使ってガーゴイルは後ろに飛んだ。

 

いや、正確には()()()()()()と言うべきか。ガーゴイルが飛ぼうとした瞬間に野獣先輩が投げた木片の盾がガーゴイルの顔に直撃したのだから。

 

鐘のガーゴイル「ゴガァ!?」

 

野獣「ハホーン!!」

 

意味不明な叫び声と共に野獣先輩は起き上がろうとしていたガーゴイルにRAIDAキックを繰り出し再び吹き飛ばす。それをチャンスと見たMUR先輩はガーゴイルの持っている斧槍を無理矢理奪い取った。

 

鐘のガーゴイル「ガ!?」

 

MUR「いいゾ〜コレ」

 

既に閣下の顔になっていたMUR先輩はガーゴイルの斧槍を持ってガーゴイルを切ったり突いたり殴ったりと様々な攻撃をしていた。あまりの痛みにガーゴイルは闇雲に暴れだしたがMUR先輩は全て見切り、1つの攻撃も当たらずにガーゴイルを攻撃していた。

 

だが、その攻撃も続くわけではなくガーゴイルが咄嗟に盾でガードしたことによってMUR先輩の攻撃は防ぐ事ができた。だが…

 

野獣「それ俺にもくれよなぁ!頼むよぉ〜!」

 

まるでカエルの飛び方のような状態で割り込んできた野獣先輩に、持っていた盾を無理矢理奪われ、馬乗りになると奪った盾で何回もガーゴイルの頭を殴り付けた。

 

野獣「ホラホラホラホラホラホラホラ」

 

鐘のガーゴイル「ガッ!?ゴエッ!グオッ!」

 

その姿はまるでパンチラッシュ先輩のようでバキッ、ドガッとグロテクスな音を出しならガーゴイルをボコボコにしていた。

そんな野獣先輩を余所に、MUR先輩はガーゴイルの斧槍をガーゴイルの股間部分に連続で叩きつけて「いいゾ〜コレ」と気が狂ったかのように同じ言葉を何回も発していた。

 

そんな混沌とした状況にKMRと亡者は股間を押さえながらかなりドン引きしており、自分に向けられている訳ではないのに恐ろしい程、威圧感を感じていた。

 

野獣「最後の一発くれてやるよオラァッ!」

 

鐘のガーゴイル「ガッ…」

 

最後に拳を思いっきり振りかぶり、ガーゴイルは断末魔を出すこともなく絶命した。絶命したガーゴイルはソウルとなって先輩達に取り込まれていった。

 

野獣「foo↑!気持ちぃ〜」

 

MUR「スッゲー楽しかったゾ〜」

 

亡者「兄さんら鬼か何か?やってることデーモンよりヤバイんやけど」

 

野獣「んにゃぴ…んまそう…」

 

亡者「都合悪いときにんにゃぴ使うなこの猿ゥ」

 

野獣「ウーン…」

 

KMR「ま、まあまあ。ガーゴイルも倒した事ですし早く鐘を鳴らしましょう!」

 

MUR「あっ、そっかぁ。スゲー忘れてたゾ」

 

先輩達は先に進むと世界を見渡せる教会の天辺辿り着きそこには大きな鐘とレバーが存在していた。

 

亡者「このレバー倒せば鳴るんかな?」

 

野獣「じゃけん、鐘鳴らしましょうね〜」

 

特に疑うこともなく野獣先輩がレバーを引くと心地のいい鐘の音が火継ぎの祭祀場まで響いたそうな。

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

19.

1つ目の鐘を鳴らし終えた先輩達は次の鐘は何処にあるのかを聞くために、火継ぎの祭祀場へと戻ってきていた。

 

根暗「まさかホントに鐘を鳴らす事ができたとはな」

 

KMR「ま、まあ道中で色々トラブルがありましたけど…」

 

根暗「?」

 

ヘルカイトや虐待黒騎士の出来事、ガーゴイルの無残な殺され方等を思い出すと何故自分達が鐘を鳴らすことが出来たのか今だに理解できていなかったKMRはそっと目を反らしながら答えた。

 

MUR「そんな事よりアナスタシアさんはどこゾ?あの人に次の鐘は何処にあるのか聞きたいゾ〜」

 

根暗「ああ、それなら元の場所に戻っているぞ」

 

亡者「え?何で戻ってるんや?」

 

根暗「本人曰く、静かでミステリアスな淑女な私は此処にいなければならないとか訳分からない事言ってたぞ」

 

亡者「えぇ…」

 

一度その怪力で鉄格子を壊し、野獣先輩をグロテクスに仕立て上げヘルカイトをフルボッコにした火防女が今更

何を言っているのかと声を出して言いたかったのだが、声を出して言えば下手をすれば野獣先輩みたいな目に合う可能性が考えられたので、何も言わずそのままアナスタシアの元に向かった。

 

道中、ロートレクを見かけたがまだ失神していたのだった。どれだけビビっているのか…

 

アナスタシア「1つ目の鐘を鳴らし終えた事、おめでとうございます」

 

壊れた鉄格子は復元され、隅の方にチョコンと座っていたアナスタシアは先輩達が目の前に来るとニコッと笑ってそう言った。その姿に妙な安心感を覚えた先輩達だったが、野獣先輩だけはMUR先輩の後ろに隠れて生まれたての小鹿のようにプルプル震えていた。

 

アナスタシア「此処に来たと言うことは次の鐘の場所を聞きにきたのでしょう。お教えします」

 

野獣先輩の反応にあまり気にすることなくアナスタシアは言葉を続けた。

 

アナスタシア「次の鐘の場所は病み村と言う場所に居座っているイザリスの魔女の1人、クラークがいる場所の先に鐘はあります。ですが、病み村に行くにはまず最下層まで行ってもらいその先に病み村があるので頑張ってきてください」

 

話を終えるとMUR先輩は顔を渋らせ

 

MUR「病み村ゾ…なんだか病気になりそうな村の名前ゾ」

 

と言った。その事に関しては誰もが同意していた。そもそも村の名前に「病」なんて文字を入れる事自体、不吉な感じがして少し不安感を覚えた先輩達。

 

アナスタシア「あの村は元々普通の村だったのでしたが色んな病いを抱えた人達をその村に住居させたと言う事でいつしかその名がつけられました。不吉感がある、という事には私も賛成しますが…」

 

だが、そんな事も言ってられない。この世界の異常を直すにはどうしても鐘を鳴らしてアノール・ロンドに向かわなければならない。先輩達は気持ちを切り替え、新たに歩みを進め始めたのだった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

KMR「取り敢えず下層という場所には来ましたけど…」

 

アナスタシアによるとヘルカイトのいた場所の塔から下層、最下層に行けると聞いていたのだがその塔の扉には鍵がかけられていたのでパンチラッシュ先輩が扉を粉々に粉砕した後梯子を降りた。降りたのはいいが……

 

亡者「人面犬と山賊がキャンプファイアーしてるで」

 

いかにも不幸にも黒塗りの高級車に追突しそうな顔をしている人面犬と大人数の山賊が大きな火を囲ってマイムマイムを踊っていた。

 

山賊は顔が隠れて表情が分からないが躍りにキレが入ってる為、とても楽しそうな様子だ。人面犬の方は顔が出ているのにも関わらず無表情だが「ワン、ワン、ワン、ワン」

とまるで下手くそな犬の鳴き声を真似をしてるかのような声を上げていた。

 

KMR「今回も無視した方がいいですね」

 

亡者「ばれないようにゆっくり進んで行こうか」

 

そろりそろりと進んで行くとマイムマイムを踊っていた人面犬がピタッと止まりぐるりと首が180度回転した。人面犬の目はしっかりと先輩達を捕らえ1つ大きな雄叫びを上げると周りの山賊達も一斉に振り返り先輩達を見た。

 

MUR「あっ、そっかぁ」

 

野獣「んにゃぴ…んまそう…まずいですねぇ!」

 

山賊「「「きぃやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

山賊達の発狂と共に一斉に動きだし、襲いかかってきた。山賊達は比較的軽装な装備をしてる為早いスピードで先輩達に近づいてきた。

 

野獣「ヌッ!」

 

野獣先輩は鐘のガーゴイルの時に奪い取ったガーゴイルの盾を投げると、山賊に当たったと同時に跳ね返り複数の山賊に命中させていった。流石に一撃では仕留めきれなかったが、KMRが持つ飛竜の剣でのけ反っていた山賊達に止めを刺した。

 

亡者「ほな行くでー!」

 

どこから取り出したのか亡者が手の中に握っていた火炎壺を放り投げ、山賊達を一網打尽にする。火炎壺から吐き出された火炎が山賊達を苦しませ絶叫させた。火炎壺に当たらなかった山賊はMUR先輩がガーゴイルの斧槍で真っ二つに切り裂きソウルへと変えていく。

 

そうした連撃を繰り返して行く内に遂には人面犬一匹だけになっていたのだ。

 

野獣「ぬわわわわわぁぁぁぁん疲れたもぉぉん…」

 

KMR「かなりの数がいましたからね」

 

亡者「せやけど残りはこの人面犬一匹のみやで」

 

先輩達が人面犬に目を向けると人面犬は飛び跳ねるとくるくる回って自分の腹を出し、クゥーンと鳴いて舌を出していた。

 

MUR「降参のポーズかゾ?」

 

KMR「人面犬にも降参のポーズあるんですね…」

 

情けない姿を見た先輩達は闘争心をなくしたのかそれ以上は攻撃をする事もしなくなり腹をポンポン叩いて先へと進んで行った。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

20.

皆さんコロナに気をつけてね


先に進んだ先輩達はまたもや霧がかかった入口に辿り着いいてた。

 

MUR「これで何度目だゾ」

 

KMR「もう数えてませんよね…」

 

野獣「この部屋になると無駄に強い敵が現れるんすよねぇ…」

 

これまで何度も霧がかかった入り口を通ると馬鹿げた強さを持った敵(ガーゴイルは除く)ばかりだったので入り口を見るやいなや、気だるさが出てきた。

 

亡者「でもまあ、ここで止まってても意味ないしさっさと入ろうや」

 

亡者がうながすと3人は渋々だがゆっくりと足を動かし入り口に入っていった。すると目の前には―――

 

山羊頭「ぼくひで」

 

と、いつものに比べてスケールの小さいひでーモンが首輪に紐を着けた人面犬を牽引していたのだった。

 

山羊頭「可愛いでしょ?この犬」

 

色々な事に唖然としていた先輩達に対して、人面犬を見せびらかしながらそう言った。その犬も前に出会った不幸にも黒塗りの高級車にぶつかって全ての責任を負いそうな顔した犬らしき生物が2匹、「ワン、ワン、ワン」と鳴いていた。

 

山羊頭「僕ね、この犬と一緒に散歩していたんだにょ。さっきもこの犬と一緒においかけっこで遊んでたにょ」

 

誰も聞いていないのにひでーモンが近況報告をすると、人面犬達と一緒に戯れだしたではないか。ひでーモンは人面犬2匹を担いで遊んでたが人面犬は少し嫌がったのか腕にガジガジと噛みついていた。

 

そんなほのぼの?とした光景に野獣先輩は一息つくと右手に持ったガーゴイルの盾を思いっきり投げつけた。投げられた盾はひでーモンの首筋にヒットし、大きく後ろに倒れた。

 

山羊頭「にょ!?いきなり何するにょ!?」

 

すかさずKMRが飛竜の剣で握っていた人面犬を吹き飛ばすと亡者が火炎壺を投げつける。

 

山羊頭「あっ!?ねっ、やだ熱い!!」

 

火炎壺の炎に苦しんでいると閣下の顔へと変貌したMUR先輩がガーゴイルの斧槍でめった刺しにすると

 

山羊頭「あああああ痛い!!痛い!!!」

 

とまるで糞ガキムーヴが如く痛がっていた。

 

山羊頭「ライダー助けて!犬さんも助けて!」

 

と人面犬が吹き飛ばされた方向に向かって叫んだがそこには既に人面犬の姿は存在していなかった。人面犬トボトホと既にその場を離れていて主人かどうかはさておきひでーモンを見捨てたのだ。

 

山羊頭「ねえ!ねえ!どうしてこんな事するの!?僕何もしてないにょ!?」

 

涙目で先輩達に訴えたひでーモンに対して口を開けたのは野獣先輩だった。

 

野獣「…………だよ」

 

山羊頭「え!?何て!?」

 

野獣「…………似てるからだよ」

 

山羊頭「誰に!?誰に似てるからこんな事するにょ!?」

 

野獣「お前がかつて俺達の道場でイタズラや物を壊したり、挙げ句の果てには道場の前でうんこ114514回してた糞ガキに似てるからだよぉ!」

 

山羊頭自体に罪はない。だが顔がひでに似てるというのであれば別の話。しかも、ここに来るまでに出会ったひでーモン達も無駄に強く何回か殺された恨みもあり山羊頭のひでーモンに対して八つ当たりを先輩達は行っていたのだ。

 

山羊頭自体弱いしね。

 

山羊頭「八つ当たりかにょ!?」

 

野獣「そうだよ!(肯定)当たり前だよなぁ!?(再三の肯定)」

 

山羊頭「ああああああああああもうやだあああああああああ!!!!」

 

いつもひでーモンが出していた断末魔と共に死ぬと1つの鍵とソウルとなって先輩達の体内に吸い込まれていくのだった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

亡者「この鍵が今いる下層よりもっと下の最下層に行く鍵なんちゃう?」

 

ひでーモンから落ちた一本の鍵を亡者が拾うと野獣先輩に手渡す。

 

野獣「多分…そう…じゃないすっかね」

 

MUR「よし!これで先に進めるゾ!」

 

さっきまでひでーモンを一方的なぶり殺しをしたという無茶苦茶な事をしていたのにひでにしているからいいか見たいな感じで特に気にすることもなく先へと進んで行った。

 

「……誰か助けて」

 

野獣「ヌッ!今なんか聞こえませんでしたか?」

 

MUR「そうだよ(便乗)」

 

KMR「僕は何も聞こえませんでしたけど…」

 

亡者「ワイも聞こえへんかったで」

 

野獣先輩はもう一度耳をすまし声があった方向に耳を傾けた。するとまたもや小さな声で「助けて」と聞こえたではないか。

 

野獣「聞こえますねぇ!あっちかな?」

 

KMR「あ、待ってくださいよ!」

 

声が聞こえた方向に向かって野獣先輩が走り出すと他の3人も野獣先輩に続いて走り出した。すると聞こえていなかった声がしだいに大きくなっていき遂に声の発生源と思われる小屋の前にたどり着いた。

 

野獣「こ↑こ↓」

 

???「誰かそこにいるのか?どうか助けては貰えないだろうか!?鍵をかけられて内側からでは開けることができないんだ」

 

亡者「どうするんや?」

 

MUR「今助けるゾ〜」

 

MUR先輩はドアのぶに手を掛けたがやはり開かなかった。

 

MUR「しょうがないゾ…見たけりゃ見せてやるよ」

 

その言葉を告げた瞬間、鎧越しに柔道着姿となったMUR先輩はカンフーを思わせる動きをしていた。

 

亡者「お、凄くキレがええ動きやな」

 

野獣「MUR先輩カッコいいっすよ!」

 

周りの声援を気にすることなく動き続けたMUR先輩は途端にピタッと止まりだし顎が外れたというレベルでは済まされないぐらい大きく口を開けた。

 

なんとその口から大出力レーザーを放ったのだ。

 

亡者「さっきの動きいるん?」

 

亡者のツッコミをよそに、レーザーはドアにぶち当たると吹き飛び向かい側の壁まで貫通し穴が空いた。横には後に分かる名前だが魔術師グリッグスがレーザーをほぼスレスレに掠めていた為かショックで白目を向いて泡を吹いていた。

 

KMR「やり過ぎじゃないですかね」

 

MUR「し、しくじったゾ…」

 

助けるはずが逆に気絶させてしまったMUR先輩。取り敢えずこのままにしておくのもアレなので、火継ぎの祭祀場に連れていったあと、最下層に向かったのであった。

 

 




今回のひでーモンには同情してあげてね(マジキチスマイル)


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

21.

タグ追加しましたんでオッスお願いしまーす


魔術師グリッグスを祭祀場で休ませた先輩達は最下層に辿り着き、既に探索を始めていた。初めは特に何もなく、階段を降りていったのだが………

 

野獣「数が大すぎぃ!」

 

行き着いた場所には何人もの亡者や人面犬がいたのだ。最初は先輩達4人でも対処できる程であったが、徐々に数が増えていきいつしか亡者や人面犬が何処からでも湧いて出てきていた。

 

野獣先輩はガーゴイルの盾で殴ったり投げたり、MUR先輩は閣下の顔に変貌しガーゴイルの斧槍を使っての空手武術や口から大出力レーザー、KMRは飛竜の剣で、亡者は火炎壺や投げナイフといったそれぞれが得意とする技で迎撃するも

 

人面犬「ワン、ワン、ワン」

 

亡者A「ダイナモ感覚!」

 

亡者B「ダイナモ感覚!」

 

亡者C「YO!YO!YO!YO!」

 

亡者「DJDJ…」

 

人語を話さない犬とキOガイ亡者達が次々と押し寄せてきた。

 

MUR「何言ってんのか全然分からんゾ!」

 

KMR「理解しないほうがいいかと!」

 

亡者「あかん!これじゃワイら押し潰されるぅ!」

 

先輩達が悲鳴を上げたその時、奥から何かを叩きつけたかのような大きな音が鳴った。それにつられたのか亡者や人面犬達は一斉振り返り音が鳴った方向に走っていった。

 

亡者「な、なんや一体」

 

野獣「よく解んないです…」

 

すると、音がした方向から次はグチャッととてもグロテスクな音が響き渡ると断続的にグロテスクな音が鳴った。

 

その音に理解が追いつかなかった先輩達は目を凝らして奥の方を見ると、何やらずだ袋を被った2mはありそうな筋肉マッチョがその手に持った巨大な鉈で亡者や人面犬を潰していたのだ。

 

迫り来る亡者と人面犬を素早く、そして容赦なく叩き潰した。しだいに亡者と人面犬の数が減っていき、遂には亡者と人面犬は涌き出ることはなくなった。部屋中血まみれだけど。

 

亡者「な、なんやアイツ1人で全部倒しよったで」

 

野獣「はぇ〜スッゴい」

 

先輩達がずだ袋を被った人物に対して感心しているとずだ袋人がこちらに振り向きおじぎをした。

 

ずだ袋人「どうも、こんにちは。専属調教師のTKYと申します」

 

その言葉と同時にどうも、と先輩達もおじぎを返した。ずだ袋人は特に思う所もないのか淡々と言葉を紡いでいった。のだが…

 

ずだ袋人「今日、調教されるのは君達!果たして君達は私の調教に耐えることができるのでしょうか。それではご覧下さい」

 

と、突然訳の分からない言葉を喋るとある程度はあった筈の距離を一瞬で詰め寄り鉈を振り下ろした。

先輩達は紙一重で回避し、戦闘態勢を整えたがずだ袋人がすかさず鉈を振り下ろしたのだ。

 

ずだ袋人「何逃げてんだYO!そんなんじゃ調教できないだろ!?」

 

野獣「何考えてんのかさっぱりっすね!」

 

亡者「頭イカれてるんちゃうコイツ!」

 

振り下ろされた鉈を避けきる先輩達は愚痴を言ったが、避けられる事に対して感にさわったのか鉈で床に何回も叩いて怒り狂っていた。

 

ずだ袋人「俺の調教を受けられないってか!もう許せるぞオイ!!もう許さねーからなぁ!!」

 

再び向かってくるずだ袋人。流石に今度は見切れたのか野獣先輩は向かってくるずだ袋人に対してクロスカウンターをした。ずだ袋人がよろめくとすかさずガーゴイルの盾で殴り付けるとその攻撃に合わして亡者が火炎壺と投げナイフを投擲し、命中させた。

 

ずだ袋人「アツゥイ!やってくれるねぇ!どうりでねぇ!」

 

野獣「まだまだ行きますよ〜!行きますよ行く行く!」

 

野獣先輩は少し回転を掛けながらジャンプすると火炎壺に苦しんでいるずだ袋人に回転の勢いに任せて盾で殴った。

が、殴られたもののその腕を掴み大きく投げ倒した。

 

ずだ袋人「腕なんか必要ねぇんだよ!」

 

そのまま野獣先輩の腕目掛けて鉈を振り下ろすが野獣先輩の腕は千切れることはなかった。KMRがすんでの所で背後から取り押さえたからだ。

 

KMR「三浦先輩!今です!」

 

MUR「よし!じゃあぶちこんでやるぜ!」

 

KMRが合図を送るとMUR先輩が察したかのように柔道着姿になるとカンフーのポーズを取り続けると顎を大きく外し大出力レーザーをずだ袋人目掛けてKMRごと撃ち抜いた。

 

すかさずKMRは懐にしまっておいたエスト瓶を取り出し一口飲む事で傷を癒し、掴んでおいたずだ袋人を蹴飛ばした。

 

ずだ袋人「痛ってえなおい!」

 

蹴飛ばされた事、レーザーを放たれた事で体の半分が消し炭状態になった事に対して痛ってえなおい!で済ましたずだ袋人。

 

瞬間、ずだ袋人の体に異変が起こった。焼け焦げた肉体からうねうねしたものが湧きだし体を再生していった。

 

亡者「なんちゅー生命力や…」

 

亡者が絶句したと共に半分消し炭状態だったずだ袋人がいつの間にか元通りに戻っていた。ずだ袋人は首を曲げてポキポキ鳴らすと自然的な動きで鉈を投げてきた。

 

が、先輩達はそれを伏せる事で間一髪で避けきった。

 

ずだ袋人「あー、もう頭来た!」

 

努気を含んだ声を発すると懐をゴソゴソかき回すとずだ袋人はあるものを取り出してきた。

 

みんなご存じショットガンである。

 

「「「「はぁっ!?」」」」

 

ずだ袋人「オラァッ!死ねぇっ!」

 

ショットガンを構え発泡してくるずだ袋人。ショットガンが出てきた事に対して驚愕した先輩達だったが、そんな悠長にしてる場合ではなくすぐ射線から外れる事で発泡される寸前に避ける事ができた。

 

MUR「なんでショットガンなんてあるゾ!?」

 

野獣「はぇ〜、スッゴい怖い」

 

亡者「言ってる場合か!」

 

KMR「皆さん!あそこに穴があります!一か八かで飛び込みますか!?」

 

乱射してくるずだ袋人。ショットガンを避けながら提案してくるKMR。この場を潜り抜けるにはもうそれしかほぼなく、意を決して先輩達は机の後ろに隠れていた穴へと飛び込んでいった。

 

それが次のトラウマになるとも知らずに。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ずだ袋人「はぁ…つっかえホンマに」

 

散々ショットガンを乱射したずだ袋人はかなり不完全燃焼だったらしく不機嫌なのか床にショットガンをコンコンも小突いていた。

 

と、すればなにやら亡者が3人ずだ袋人に近づいていた。

 

亡者達「うんちして?君の可愛いうんちが見たいんだ…いいだろ?」

 

久々に登場したうんち提案亡者。それを見たずだ袋人はニタッと笑いショットガンを亡者達に向けた。

 

ずだ袋人「今日、調教されるのは君達!果たして君達は私の調教耐える事ができるのでしょうか。それではご覧下さい。あ、うんちはしないよ?」

 

最後の言葉を聞いた亡者達は自分たちのリミッターを外し全力で襲いかかる。それに対してずだ袋人は勇猛果敢に攻撃していったのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

余談であるが、この不毛な戦いは先輩達が火継ぎの試練が終わるまで続いたそうな。

 

 

 

 

 

 

 




ショットガン乱射してくるずだ袋人とか会いたくねえわ


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

22.

ずた袋を被った人から逃げる為にただでさえ地下だったのに更に下に行く穴に入って逃げた先輩達。そこまで深くなかったのか先輩達はすぐ床に激突し衝撃が体に走った。

 

KMR「痛ったた……皆さん大丈夫ですか?」

 

亡者「お、おう、なんとかな…」

 

MUR「すっげー痛かったゾ〜」

 

各々、体を痛めた所に手を当てつつもなんとか無事だった事にKMRはホッと息をついた。が、1つだけ違和感があった。普段なら五月蝿い筈の野獣先輩の返事だけが聞こえなかったのだ。

 

KMR「野獣先輩は何処に行きました!?」

 

慌ててKMRは周りを見回すとすぐ近くに頭の部分だけ床にめり込み手と足を大開きしていた野獣先輩がすぐ目に入った。その珍光景に驚きつつもKMRは急いで野獣先輩の胴体を大根を土から引っこ抜くかのように引っ張り出す。が、思いの外フィットしているのか中々抜け出せずにいたのだ。

 

KMR「抜けないですよ!?」

 

MUR「おい、待てい。俺にやらせてみるゾ」

 

そう言うとMUR先輩は足を踏ん張らせて野獣先輩を抜こうとするが少しだけ動く気配があったのかググッと野獣先輩の下半身が動くが抜ける事はなかった。それどころか踏ん張っていた足が床にめり込んでいき足場が不安定になった所でMUR先輩は手を止めた。

 

MUR「やっぱり抜けないゾ…」

 

亡者「三浦はんが無理やったらワイも無理やろな…」

 

MUR「あっ、そうだ(名案)。木村ァその剣貸してくれゾ」

 

KMR「えっ?この剣ですか?」

 

KMRが持っている飛竜の剣をMUR先輩が借り受けるとゴルフのクラブを振るかの如く野獣先輩の首の根元を切断し、床にめり込んでいる頭と体は綺麗に2つに分かれた。

 

KMR「先輩!?何してんすか!?マズイですよ!?」

 

MUR「大丈夫ゾ。エスト瓶飲ませればすぐ治るゾ」

 

亡者「それをどうやって飲ますんや…」

 

MUR「あっ…」

 

池沼な顔をするMUR先輩。エスト瓶で回復させるにはそもそも口から飲み込む必要があるのだがその口は床にめり込んでいる状態である。そこまで考えていなかったMUR先輩は顔を手で覆うと「ポッチャマ…」とだけボソッと呟いた。

が、その情けない姿のMUR先輩は再び顔を上げると無様にも放置されビグビクと動いている野獣先輩の体に近づき切断した所にエスト瓶を突き刺しだしたのだ。

 

KMR「先輩!?」

 

MUR「こうすればよかったんだゾ〜。これでエスト瓶も体に取り込めるし万事解決だゾ」」

 

亡者「こいつ精神状態おかしい…」

 

だがそんなMUR先輩の考えも虚しく終わる。たとえエスト瓶を突き刺した所で野獣先輩の体は元に戻る事もなく即死級のダメージを負った事で肉体が消滅し、突き刺したエスト瓶がカランと落ちた音だけが辺りに響いたのみだった。

 

MUR「ポッチャマ…」

 

KMR「と、とりあえず篝火を探しましょう!篝火さえ灯せば先輩も復活するでしょうし!」

 

亡者「せ、せやな」

 

3人はすぐに篝火を探しに行くと幸運にもすぐ近くに篝火があったので急いで火を灯すと消滅した野獣先輩はまたたく間に肉体が構成されていき復活したのだが、蘇生されるやいなや野獣先輩は挙動不審になっていた。

 

野獣「あれ!?どうして篝火の前にいるんだ?」

 

KMR「先輩大丈夫ですか!?」

 

MUR「大丈夫かゾ?」

 

野獣「特には…というかなんで俺は篝火に…」

 

MUR「あああああああれゾ!落ちた所にモンスターがいたから先に野獣の首が切断されたんだゾ!」

 

亡者「いや三浦はんが兄さんの首を切り――」

 

言いかけた所でスパァンといいビンタの音が鳴る。MUR先輩が亡者に向かってビンタをした音だった。

 

MUR「黙るんだゾ」

 

亡者「えぇ…」

 

野獣「?」

 

そんなこんなで再び道を歩んで行く4人。少し歩くと何やら下水道にも似た、石造りの壁とちょっとした牢屋の部屋がいくつか存在しているフロアへと出てきた。

 

野獣「なんすかねここ?」

 

KMR「収容所とか、そんな風には見えませんし…」

 

流れ落ちてくる水はこの場所の床にめぐり渡たって大きな水溜りとなっている。その為このフロアはほぼ水浸し状態となっており人が通った気配どころか生き物1つすら見当たらなかった。

キョロキョロと不思議そうに見回してる4人だったが、KMRがあるものを見つけたのだ。

 

KMR「あれって…スピーカーじゃないですか?」

 

石造りの壁の角に四角形の箱に一定の数で小さな穴が空いたそれはまさしく先輩達が元居た世界の学校にもあるスピーカーに酷似していたのだ。

 

亡者「スピーカーってなんや?」

 

KMR「スピーカーっていうのは音を出したり声を大きく聞こえるようにするものですよ」

 

亡者「そんなもんなんでこんな所にあるんや?」

 

亡者が疑問に思ったその時、突然スピーカーからメロディーが流れ出した。

 

<下弦の月が 朧に揺れる

夜を 包む叢雲〜♪>

 

亡者「な、何やこれ」

 

KMR「これ…歌ですか?」

 

<磔られた 番う雛

絡める 非情の罠〜♪>

 

MUR「俺知ってるゾ。甲賀忍◯帖っていう曲ゾ」

 

野獣「どっかで聞いた事あるなと思ったらそれでしたか…」

 

<嗚呼 今も燻ぶ

想い胸に 聢と宿らば〜♪「殲!」>

 

ドゴッオオッッ!

 

甲賀忍◯帖のサビが始まろうとした瞬間、突如壁が壊れた。それも内側から外側に吹き飛ばすかのように辺り一体の壁が壊れていった。壁が壊れた原因は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「「「「「「「「「クケ――――ッ!!」」」」」」」」」

 

壁の内側から出てきたのは1〜2メートルはありトカゲのような体色をして腕、足、体は全体的に細くこの姿を見るとどうやって壁を壊したのか、非力に見える生き物だった。

そして、最も特徴的な部分は顔にこれでもかと主張するかくらいの巨大な目玉。体内から「呪い」を付着させる霧状のブレスを吐く生き物はこの世界では「バジリスク」と呼ばれる生き物であり人々がトラウマになるくらい気味が悪い生き物なのだが人々が知るバジリスクとは2つ違う所があった。

 

1つはその霧状のブレスを通常と比べ際限なく撒き散らす事。

 

もう1つは―――

 

<水の様に優しく 花の様に劇しく

震える 刃で 貫いて〜♪>

 

「「「「「「「「クケ――――ッ!」」」」」」」」」

 

甲賀忍◯帖の曲に合わせて激しくダンスを踊る所だった。

 

その奇っ怪な状況に先輩達はなす術どころか余りにも意味不明な状況過ぎて何もできずにブレスによって死んでいくのだった。




半年以上エタッたけど本当に!申し訳ないと思っている!

それはそうとバジリスクをバジリスクタイムに仕立て上げました。
あのカエル?の目玉があのおっきいのじゃなくて口の近くにある小さいやつとは思わなかったゾ…


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

23.

野獣「ウーン…ファッ!?」

 

バジリスク(T)のブレスによって命を減らし再び篝火で蘇生した先輩達。一番最初に野獣が目を覚まし起き上がると他の人達も次々と起き上がってきた。

 

KMR「なんだったんですかアレ…」

 

MUR「すっげー気持ち悪いのに変な踊りしてたゾ」

 

ただでさえグロテスクな見た目なのにも関わらず甲賀忍◯法帖が流れるわ激しく踊ったりするわ無数にいるわで何が何だか理解出来なかった先輩達。少しボーッと篝火の火を見ていると野獣先輩が少し違和感を感じる。

 

野獣「なんか体に違和感じません?」

 

MUR「そう言われればそんな気もするゾ」

 

KMR「確かに僕も感じます」

 

体の調子が悪いとか何処かに傷を負ってとか外傷等ではなく何かが抜け落ちたかのような感覚。野獣先輩が腕をグルンと回してみたり体の調子を確かめようとジャンプをしたりするが問題なく動く。

 

亡者「あー…これは『呪い』にかかってもうたなぁ…」

 

野獣「『呪い』?なんすかそれ」

 

亡者「言うたら、ワイらの命を縛るみたいなもんや。『呪い』にかかったモンはそのソウルを縛られて凝縮…つまり体力を減らさせるんや。まさかあのカエル共がそれを持ってるなんて思いもよらんかったけど…」

 

MUR「解く方法はあるのかゾ?」

 

亡者「解呪石っちゅうもんを使うか聖職者に頼む他、方法がないんや。あのカエル共を倒してもなんの解決にはならんしそもそも解呪石と何処にあるのか分からんしなぁ」

 

KMR「それじゃ聖職者の方は」

 

亡者「t-ウイルスやったけか?アレの影響で殆どの聖職者が性格ごと変貌してもうてな。ワイの知り合いの聖職者もみんな変な奴に変わってな。とてもとても『呪い』を解呪なんてできひんわ」

 

腕を組みながらそう答える亡者。t-ウイルスのお陰で聖職者らしい聖職者も禄に存在せず、『呪い』を解呪するには解呪石以外の方法がなかった。

解呪石を探そうにも無闇に探しても何処にあるのか分からずただ無闇に時間を費やすだけなので動こうにもどうすればいいのか分からないままだった。

 

野獣「考えても仕方ありませんしとりあえずもう一度あのカエルの所に行きましょうよ」

 

MUR「それもそうだな。もしかしたら解呪しなくても突破できるかもしれないゾ」

 

そうと決めると先輩達は立ち上がり再びバジリスク(T)が無数にいるあのフロアに向かっていった。

なんの攻略法もなくただ考えなしに突っ込んで行ったがこれまでにもふざけたような場面や、不死とはいえ危険な道を幾度もこの4人で乗り越えてきた。

ならば例え10回や20回死のうがやがては乗り越えられると4人は心の中で思っていたのだ。

 

 

そして11万4514回もの数を死んだ所でその思いは跡形もなく消え去った。

一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一

 

MUR「どうしてゾ…」

 

亡者「あかんこれじゃ呪われるぅ…」

 

度重なるバジリスク(T)との戦闘で『呪い』を何重にもかかってしまい、とうとう躓いただけで死んでしまうような体力になった先輩達。

初めてから1000回辺りはまだマシだったものの10万を超えた当たりからバジリスク(T)からの攻撃は勿論の事、壁にぶつかろうがちょっとしただけで死んでしまい野獣先輩なんかは天井から滝のように流れてくる水に入っただけで死んでしまうとういうものだった。

 

MUR「これどうするゾ?解呪石探しに行くゾ?」

 

亡者「それが一番やろ」

 

KMR「でも解呪したとしても結局あの場所を超えなければ意味がないんじゃないでしょうか?」

MUR「そうだよ…(諦め)」

 

諦めムード全開の雰囲気だったが、たった一人だけまだ諦めてはいなかった。

 

野獣「ウーン…背に腹は変えられないよなぁ…」

 

KMR「どうしたんです先輩?」

 

野獣「いや、な?一応解決方法はなくはないんだよ」

 

MUR「あるのかゾ!?」

 

野獣「でもちょっとプライドが…」

 

KMR「そんな事言ってる場合ですか!?そんな小さなプライドなんて捨てて今すぐやってくてださいよ!」

 

野獣「ウーン…しょうがねぇなぁ~(悟空)。んじゃあさ、やってもらいたい事があんだけどさ……」

 

しばらくして、再びバジリスク(T)が巣食う場所にやってきた先輩達。フロアに入るとまたあのスピーカーから甲賀忍◯帳が流れるが気にする事なく前に進む。いや、進むというより()()という方が正しかった。

 

野獣「アーイキソイキソ…」

 

KMR「耐えてください後少しですから」

 

野獣「ん。おかのした」

 

野獣先輩を除いた3人は甲賀忍◯帖が流れている中、野獣先輩を運んでいた。それも普通の野獣先輩ではなくお腹がパンパンに膨らみ今にも弾けそうな見た目の野獣先輩をだ。

 

MUR「だ、大丈夫なのかゾ?」

 

野獣「大丈夫だって安心しろよ〜平気平気、平気だから」

 

とは言いつつも、顔は若干苦しそうにしていた。

 

先程、野獣先輩がして欲しいと頼んだ事は、自らのケツの穴を石で塞ぐ事だった。そこを塞ぐ事で脱糞をするエネルギーを体内に極限に封じ込め、限界まで貯めたエネルギーを一気に開放し爆発させる奥義、『ウルトラダイナマイッ!』を発動し野獣先輩諸共バジリスク(T)を殲滅する気でいたのだ。

野獣先輩がこの技を渋った理由はこの技はあくまで自爆技なこと。

そして、この技は本来元いた世界にいたひでが虐待おじさんに虐待され瀕死状態になったときに放つ悪あがきの技でありそれを真似て使うのは余りにも癪にさわるという理由だからだった。

ただそれだけの理由である。

 

KMR「!!そろそろバジリスク(T)が来る頃です!」

 

野獣「ほんじゃ、まぁ…逝きますよ〜逝く逝く」

 

甲賀忍◯帖のサビが始まりバジリスク(T)達が無数に壁の内側から現れた瞬間、野獣先輩は他の先輩も避難もしてないのに勝手に技を発動し、皆纏めてとてつもなく大きな轟音と爆発の中に消えていったのだった。

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。