ようこそ真の支配者がいる教室へ (Shiyuno)
しおりを挟む

1話

 とある学校の敷地内の学生寮でチェスによる対戦が行われている。

 

「チェックメイト」

 

 俺はチェスの駒を持ち、相手のキングの横に置く。

 それにより相手の敗北が決定した。

 

「まさか本当に負けるとは思ってもみませんでした」

 

 対戦相手の少女は驚きを隠せずに目を見開いてしまう。

 少女の名前は坂柳有栖(さかやなぎありす)。肩までの短い銀髪は強い特徴になっている。

 名前の通り不思議な国から来たかと思うかのような存在感だ。

 今までに出会ったことのない可愛さと美しさをもっていて、儚げな様子はどこか守ってあげたくなる雰囲気をかもし出している。

 

「でも運が良かったよ」

 

 本当にギリギリの戦いで、俺が負けてもおかしくはない戦いだった。

 

「いえ、チェスに運など存在しませんよ」

 

 確かにチェスは二人零和有限確定完全情報ゲームだ。

 運という、偶然が差し込む余地のないゲームにおいて、理論上、必勝法は明確に存在する。

 だがそれはあくまで理論上の話。

 10の120乗という膨大な局面を把握できた場合の話である。つまりは、事実上ないに等しい。

 

「人間に全ての局面を計算できるわけがないから、少しくらいは運の要素があると思うけど」

「それを計算できるのがあなたではないのですか?」

「そんなの無理だ」

 

 そんなのができるのはアニメや漫画の世界の人間だけだろう。現実の人間では不可能だ。

 

「でも流石はホワイトルームの出身者ですね」

 

 その言葉を聞いて、俺は眉間にシワが寄る

 

「前も思ったが、どこで聞いた?」

「それについてはお答えできません」

 

 俺はそうかと呟いてチェスを片付ける。

 

 俺が坂柳と出会ってから2週間がたった。

 お互い東京都高度育成高等学校の1年生で、同じクラスになったのがきっかけで知り合った。

 でも坂柳は以前から俺のことを知っていたようで、入学初日から絡んできた。

 儚げで守ってあげたくなるような容姿なので、最初は声をかけてくれて嬉しかったが、本来の性格は冷徹で攻撃的。華奢な身体からは想像がつかない程だ。

 何でこんな性格になったかはわからないが、どうしても俺と勝負をしたいらしくて、毎日のように絡んでくる。

 

「それで坂柳は俺のものってことでいいのかな?」

「ええ。たった今から私は水無月遼(みなづきりょう)くんのものです」

 

 この勝負にかけたのは、お互いの全てだ。

 あまりにも俺に挑発的な態度をとってくるので、冗談で全てをかけてくれるなら勝負すると言ってしまった。

 だが、坂柳は冗談と思ってくれなかったようで、それで了承をしてしまう。いや、冗談とわかっているが、俺と勝負したいからのったのであろう。

 

「別になかったことにしてもいいんだけど」

 

 あくまで俺は冗談で言ったのだから、特に坂柳を自分のものにしたいとは思っていない。

 

「それはダメです。私の顔に泥を塗る気ですか?」

 

 坂柳はプライドか高いためか、勝負をなかったことにするなんて、絶対に許さないようだ。

 

「じゃあ、セックスしたいって言ったらさせてくれるの?」

「はい。もちろんですよ」

 

 坂柳はそう言うと、制服のスカートをたくし上げた。

 それにより純白のショーツが露になる。

 こんな間近で見たのは初めてだから、坂柳がはいているショーツに釘付けになってしまう。

 

「流石にまじまじと見られるのは恥ずかしいですね」

 

 坂柳はこんなことをするのが初めてなのか、頬がほんのりと赤くなっている。

 

「坂柳は本当にいいの?」

「はい。以前見かけた時に一目惚れしてしまったので、問題はありません」

 

 以前というのは俺がホワイトルームにいた時のことだろう。

 何で坂柳がホワイトルームのことを知っているかはわからないが、それについてはどうでもいい。

 もし他の人に言ってもわかることではないし、坂柳自体も言うつもりはないはずだ。

 

 今までの坂柳は俺に攻撃的な視線を向けていたが、もうそれがなくなり、恋をする女の子のような瞳をしている。

 そのことから俺に惚れているのは間違いない。

 でも、冷徹な坂柳が一目惚れすることもあるんだな。

 生粋のSである坂柳は勝負に勝って俺のことを支配したかったのだろう。

 でもそれは叶わなかった。逆に俺が坂柳を支配しようと思えばできてしまう。

 俺の言うことを何でも聞いてくれるのは、今の状況を見れば誰だってわかる。

 

「それにしても綺麗な太ももだね」

「んっ……」

 

 坂柳のショーツを見て我慢できなくなってしまい、つい太ももを触ってしまった。

 太ももを触られたことにより、坂柳の口から甘い声が漏れる。

 ニーソックスをはいているので、太ももの半分くらいは見えないが、見たくなったら脱がせればいい。

 

 俺は太ももを触るのを止めて、机の引き出しからある物を取り出した。

 

「そんなのを用意しているということは、私を支配する気満々ではないですか」

 

 坂柳は俺が取り出した物を見ている。

 

「俺もSだからね」

 

 俺が手に持っているのは黒いチョーカーだ。

 

「ふふ、遼くんは独占欲が強いのですね」

 

 今まで俺のことを名字で呼んでいたが、今回は名前で呼んだ。

 

「じゃあ、つけるね」

 

 坂柳が頷いたので、俺は坂柳の赤いブレザーを脱がした。そしてリボンとワイシャツの第二ボタンまで外す。

 それによりショーツと同じ色のブラが少し見えたので、胸を触りたくなったが、今は我慢した。

 

 チョーカーを付け終わり、坂柳を抱えてベッドまで移動する。

 坂柳は足が悪いのか杖を使って歩いているので、支配しようと無理矢理歩かせることはしない。

 俺はベッドに寝かせた坂柳の上に覆い被さる。

 

「これから私は初めてを奪われるんですね」

 

 奪われると言っているが、嫌そうな顔をしていない。むしろ嬉しそうだ。

 

「そうだね」

 

 こんな可愛い子とできるのだから、男だったら誰でも食い付くだろう。

 

「私のことを抱くのですから、これからは名前で呼んでほしいです」

「わかったよ、有栖」

「ありがとうございます」

 

 俺は有栖の小さな唇に自分の唇を当ててキスをした。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

2話

坂柳の絵を描いて載せたい。


「ふふ、キスがこんなにいいものだなんて、思ってもいませんでした」

 

 お互いに初めてのキスだったので、軽く触れるだけのキスだ。

 

「そうだね」

 

 俺はまた有栖にキスをする。

 さっきした軽く触れるだけのキスとは違い、舌を絡めたりするディープキスだ。

 有栖の口の中を舌で堪能しながら、唾液を送り込んでいく。

 

「ん、ちゅっ……じゅる、んん……」

 

 キスで気持ちが良いのか、有栖の口から喘ぎ声が漏れている。

 俺はその声を聞きたくて、どんどんとキスを激しくしていく。

 

 キスを止めると、お互いの口が唾液で繋がった状態になる。

 有栖は目がトローンとしていて発情しているように見え、もっとしてほしいって顔をしている。

 

「可愛いな」

 

 俺は服の上から有栖の膨らみかけの胸を揉む。

 他の女性と比べて小さい胸だが、きちんと弾力があり柔らかい。いくらでも揉んでいられるような気さえするくらいだ。

 

 直接揉んでみたくなったのでワイシャツとブラを脱がす。

 露になった有栖の胸は重力によりほとんどないように見え、ピンク色の乳首がツンと立っていた。

 

「ひゃん、あん、んんっ……あん……」

 

 乳首をつまむと、有栖が今までにない大きい声で喘いだ。触る度に軽く身体が震えて、明らかに感じている。

 

 俺は有栖の乳首を口に加え、そのまま吸い付いた。

 有栖は乳首が弱いようで、声を我慢できないようだ。

 

 弱いとわかったらそこを重点的に責めることにした。

 吸い付いていない方の乳首は指でつまんだり、小さいが弾力がある胸を揉んで楽しむ。

 

「あ、あん……何か、きます……あ、ああぁー」

 

 しばらく胸を触っていると、有栖は身体を反らして大きく痙攣した。

 どうやら絶頂に達したみたいで、まだ軽く身体を震えさせている。

 

「はあ、はあ……ああん」

 

 有栖は絶頂に達したことで肩で息をしていたが、俺はまた乳首責めを再開する。

 

「あん、いつ、まで、胸を、ひゃん……触って、いるのですか?」

「いつまでも触ってられるよ」

「こんな、胸でも、あん、喜んで、んん……くれるんですね、ひゃん」

 

 少しだろうが胸がないことを気にしていて、想い人である俺が気に入ったことで、有栖は嬉しそうだ。

 俺はそんなに胸の大きさは気にしないし、少しでも揉めるくらいあればいいと思っている。

 

 俺は有栖の胸を1時間ほど触っていた。

 有栖は何度か絶頂に達していて、今では軽く乳首を触っただけで、大きく震えるようになった。

 

「次はこっちだね」

 

 スカートの中に手を入れて、ショーツ越しに有栖の割れ目を触る。

 既にショーツが染みになるほどに有栖の腟は濡れていて、既に受け入れる準備が整っていた。

 

 俺は有栖のショーツを脱がして足を広げさせた。

 ほとんど毛が生えていない腟口からは、大量の愛液が溢れてきていて、早く入れてほしそうだ。

 

「恥ずかしい、です……」

 

 今まで誰にも見せたことのない腟を見られたことで、有栖の顔はこれ以上ないくらいに顔を赤くする。

 

「可愛すぎ」

 

 俺は有栖の腟を指で広げる。

 無修正のエロアニメのキャラみたいに有栖の腟はピンク色で、全然触ったことがないことがわかる。

 

「ちゃんと処女膜がある」

「当たり前です。遼くんと再会できた時のためにとっておきました」

 

 その一言に俺はさらに興奮してしまい、有栖の腟を舐める。

 腟からは雌の匂いがただよっており、俺の脳内を刺激してきて、いっぱい舐めてしまう。

 

「ああん、はん……やん、ひゃん……」

 

 有栖は大きく喘ぎながら身体を反らす。

 

 舐めていたら豆のようなものがプクっと顔を出したので、皮を剥いてクリトリスを露にさせる。

 俺は指でクリトリスを弾くようにして触っていく。

 

「ああん」

 

 有栖の身体はまるで電気が走ったかのように大きく身体を反らした。

 どうやら乳首の他にクリトリスも弱点なようだ。

 なので俺は有栖のクリトリスを舐めて、両手で乳首をつまむ。

 

「ひゃん、あん……ああん、はあん……あ、ああぁん」

 

 弄りだしてから10秒とたたずに絶頂に達したのか、有栖の腟口からは大量の愛液が勢い良く溢れ出してきた。

 愛液が顔にかかってしまったために、俺は弄るのをやめた。

 

「有栖感じすぎだろ」

 

 初めてなのにここまで感じるなんて思ってもみなかった。

 

「はあ、はあ……ホワイトルームでは性教育もするのですか?」

「さあね。でも俺は童貞だよ」

 

 有栖もこんなに感じるとは思っていなかったようだ。だから俺がホワイトルームでもこんなことをしたのではないか? と、思ったのかもしれない。

 

「では遼くんの初めてを貰えるのですね」

「ああ」

「嬉しいです」

 

 俺は服を脱いで、生まれたままの姿になった。

 先程から俺の息子が「早くあの女の中に入れろ」と、訴えているかのように大きくなっている。

 

「大きすぎませんか?」

 

 俺の肉棒を見て有栖が驚く。

 

「いや、大きいかは知らない」

 

 他の男のなんて見たこともないからわかりようがない。

 ネットで検索すれば出てくるが、生憎、俺は男のものなんか興味はないから、今後も調べることはないだろう。

 

「これから入れるよ」

「はい」

 

 驚いていた有栖だが、何年も前から俺に処女を捧げるつもりなのだし、覚悟はできているはずだ。

 

 俺は腟口あたりに自分の肉棒をあてがい、入り口を見つけるとゆっくりと挿入していく。

 元々小さい穴に処女膜が邪魔して、中々挿入することができない。俺が下手な可能性もあるが……

 

「くっ、がっ……」

 

 少し中に入っただけだが、有栖は痛いようで顔をひきつらせた。

 

「大丈夫か?」

「は、はい。気にせずに、入れて、ください」

 

 明らかに大丈夫ではない。

 有栖の顔から一気に汗が溢れだし、このまま入れたら腟壁が避けてしまうかと思うくらいだ。

 

「私は遼くんに処女をあげれるのです。これ以上の幸せはありませんから、早く入れてください」

「わかった」

 

 俺は有栖の頭を撫でて、少しずつ腟内に侵入させていく。

 腟壁を傷つけないようにゆっくりとだが、確実に中に入っていき、俺の肉棒が有栖の肉壁に包まれる。

 まだ全部は入っていないが、それでも物凄く気持ちがいい。

 

「全部入ったよ」

「はあ、はあ、良かったです」

 

 数分かけて有栖の中に挿入した。

 有栖は処女を失った証として、腟内から血がでてくる。

 

「良く頑張ったね」

 

 俺は有栖にキスをした。

 今、動いても痛いだけだろうから、少しこのままにして慣らす必要がある。

 

「んん、ちゅっ……じゅる、んん~」

 

 俺はキスをしながらクリトリスを触る。

 それにより腟内がギュッって締まり、それだけでも俺のが絞り出されそうだ。

 

「もう、大丈夫ですから、動いてください」

 

 まだ少し痛そうにしているが、慣れてきたみたいだ。

 

「わかった」

 

 動いても問題ないと判断したので、動き出す。

 

「んん、ひゃん……あん、はあん、激し……」

 

 最初はゆっくり動こうと思ったが、気持ち良すぎていきなり激しく動いてしまう。

 傷みはあるものの、有栖はしっかりと感じてくれているようだ。

 

 気持ち良さと喘ぎ声で俺は理性を失ってしまい、まるで獣みたいに有栖を犯していく。

 有栖はそんな俺から逃げることはないだろうが、離したくない衝動からか有栖のことを押さえつけて、種付けプレスの形をとってしまう。

 

「ひゃう、あん、ひぃ~ん」

 

 俺が上から思い切り突いているからか、肉棒の先端が子宮口に当たり、その度に有栖は大きな声で喘ぎだす。

 有栖の身体は大きく仰け反り、足の指までピーンと伸伸びている。

 この様子だともう痛みはないだろう。いや、今の有栖には痛みすらも快感に変わっているのかもしれない。

 

「もう出そうだ」

 

 最初から激しく動いたためか、もう限界を迎えそうだ。

 

「ひゃん、いっぱい中に、ああん、出してください……」

「わかった。たっぷりと種付けしてあげる」

「はい」

 

 俺はラストスパートと言わんばかりに今まで以上に激しく動く。

 そして有栖は俺の腰に細い足を絡める。

 

「く、出る」

 

 俺の射精感がマックスになり、有栖の胎内に大量の精液が流れこんでいく。

 それと同時に有栖の身体は絶頂に達して、今までで1番大きな声で喘ぐ。

 

「――――あふぁぁぁぁあぁぁぁっ!? んはぁっ、ひぐっ、んあぁぁっ!! あつ、あつい、あついぃ……ひぐっ、んふぅぅ……んはうぅぅぅ……っ!!」

 

 俺の肉棒は確実に女を妊娠させたいのか、未だに射精が止まらずにいる。

 有栖はその脈動の度に身体を震えさせて、一滴も精液を逃したくないようで、腟内がギュッと締まる。

 

 長い射精はようやく終わりを迎えたので腟から抜くと、中からは精液が溢れ出してきた。

 

「気持ち良かった」

「はい。またいつでもお相手しますので、したくなったら言ってくださいね」

「じゃあ、今からするね」

「はい……ああ~ん」

 

 どうやら俺はセックスにハマってしまったようで、満足するまで有栖とした。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

3話

ラノベの11巻の試し読みして、思い切りネタバレ要素あるので、嫌なら読まない方がいいかと思います。
ちなみにエロシーンはないです。


 満足するまでセックスした俺は、有栖と共にベッドで横になっている。

 有栖は何回も絶頂に達したためか、まだ身体を震わせていた。

 体力がない有栖にとって、何回もするのは相当しんどいようだ。

 

「大丈夫?」

「はい。でも少し休ませてくれると嬉しいです」

 

 俺は頷いてお風呂や夕飯の準備をする。

 今の有栖に何かする体力は残ってないだろうし、またしたくなった時のために、少しでも体力を回復してもらわないといけない。

 

 今日は俺も疲れているので、夕ご飯は簡単なものにいておく。

 とは言っても、俺は料理が得意というわけでもなく、この寮に入ってから作るようになっただけだ。

 コンビニやファミレスなんかの料理だけでは栄養が偏ってしまうために、なるべく自分で作った方がいい。

 

「大丈夫?」

「はい」

 

 俺は未だに裸のままの有栖に服を着せてあげる。

 

「ありがとうございます」

 

 ここは俺の部屋なので、有栖が持っている服は学校の制服しかない。

 同じ寮だから服を持ってくることはできるが、まだ体力が戻っていない有栖には酷だろう。

 

「もし、よろしければ、今日は遼くんの部屋に泊めてもらえませんか?」

「いいよ」

 

 特に断る理由もない。

 それに今日は金曜日で、明日と明後日は学校が休みだ。

 だから俺がしたくなったらいつでもできるように、その間は有栖のことを俺の側に置いておく。

 

「ただし、俺がしたくなったら体力なくてもしてもらうけどね」

「ふふ、大丈夫ですよ。私は遼くんの命令には絶対に従うと決めましたから」

 

 流石に壊れるまでする気はないけど、今の有栖なら本当にどんな命令でも聞くだろう。

 

「それにしても皮肉なものですね。生まれ持った才能には、人は絶対に勝てないと思っていたのですが、遼くんにあっさりと覆されてしまいました」

 

 そういえば、そんなことを出会った頃に言っていたな。

 ホワイトルームは持たざる者が天才となるべきために作られた施設で、天才として生まれた人間には不要な場所だと。

 事実、ホワイトルームを運営しているあの男の信念はこうだ。

 遺伝子上優秀かどうかは関係ない。生まれた時から徹底した教育を受けさせ、睡眠時間から食べる物までありとあらゆるものを管理していくことで、最高の人間が完成する。

 それが日本を支える優秀な人材を生み出すたったひとつの方法だと。

 

「遼くんを叩き潰して、どんなに努力しても埋められない差は存在するという、私の信条を証明したかったのです」

 

 それも聞いた。

 毎日のように俺に挑発をしてきて、どうにかして勝負しようとした。

 その結果、俺は有栖の挑発に乗り対戦して勝利をものにし、有栖の全てを手に入れることになったわけだが。

 

「それで何でチェスだったんだ? 他にも色々とできるだろうに」

 

 学校なんだし単純にテストの点数勝負にすることだってできる。

 でも有栖はどうしてもチェスで勝負したかったように思えたのだ。

 

「それはホワイトルームであなたを見た時にチェスで他の人を圧倒したからですよ」

 

 どうやらチェスをしていた時に俺を初めて見たのだろう。

 

「そして私がチェスを覚えるきっかけになりました。遼くんのことは、あの日から1日たりとも忘れたことはありませんよ」

 

 忘れたことがないとは、俺と勝負したいのを願ってのと、一目惚れしましたから。

 勝負には負けてしまったが、俺と身体を重ねることができたから有栖は幸せな気持ちでいっぱいなはずだ。

 そして唯一、自分に勝った存在に支配されたいという欲求まで出てきてしまっている。

 それは今までの有栖を見ていたら想像すらつかない。

 それほどにチェスでの敗北は有栖の心に変化をもたらしたのだ。

 

「ちなみに有栖が勝ったら、俺をどうするつもりだったの?」

「ふふ、そうですね……」

 

 有栖は意味深に笑い、ベッドの横に置いてある鞄からある物を取り出した。

 

「考えていることは一緒……てわけか」

「そうですね」

 

 有栖が取り出した物は、自分が付けることになってしまったチョーカーだ。

 

「これは他に使う時のためにとっておいてください」

 

 そう言い、俺にチョーカーを渡してくる有栖。

 今、付けているのが壊れた時のための予備ってことだろうか?

 

「本当は使って欲しくないのですけど、他の子を支配する時のために必要ではないですか?」

「有栖はいいの?」

「良いか嫌かと言われたら嫌ですけど、私は遼くんに逆らうことができませんから」

 

 凄い忠実心だなと、思い、俺はチョーカーを机の引き出しにしまう。

 

「まあ、俺がどう思おうが、しばらくは使うことはないかな。だって有栖がいるからね」

 

 俺は有栖のことを引き寄せて、思い切り抱き締めた。

 それにより有栖は緩みきった顔をする。

 自分を支配する人にそんなことを言われたのだし、嬉しい気持ちでいっぱいになったのだろう。

 

「ちなみに俺とまた勝負したい?」

 

 勝負するという願いは叶ったが、敗北するという結果に終わってしまった。

 だからリベンジしたいという気持ちがあってもおかしくはない。

 

「いえ、もう大丈夫です。私はあなたのことを偽りの天才ではなくて、本物の天才と認めましたから」

 

 ホワイトルームで作られたのは、あくまでも偽りの天才。そう思っていたいだろう。

 でも今回のことで俺を認めてくれた。

 

「じゃあ、俺が有栖に命令するね。俺のものになれ」

「はい」



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

4話

新刊発売まで後5日……早く読みたい。


 今日はご飯より先にお風呂に入ることにした。

 いっぱいセックスをしたために、汗や精液の匂いだらけだ。

 だからお風呂でこの匂いをとってから、ご飯を食べることにしたのだ。

 もちろん有栖と一緒に入り、有栖の裸を見た俺は、我慢するできなくなりセックスをしてしまった。

 

 ご飯も食べ終わったので、二人してのんびりする。

 今は俺の膝の上に有栖が座り、後ろから俺が抱き締めている状態だ。

 たまに顔を合わせてキスをしたり、俺が有栖の胸や腟を触って悪戯をする。

 ちなみに有栖が着ている服は、俺が貸したワイシャツを着ているだけ。

 下着はどうせ邪魔になるからと、着させていない。

 

「遼くんは絶倫ですね」

 

 有栖の身体を触っているとすぐに勃起してしまう。

 その勃起した肉棒は有栖のお尻に押し付けられている。

 もう今日だけで何回も出していて、未だに衰えないからそう思ったのだろう。

 

「それほど有栖が魅力的ってことかな」

 

 それは俺の正直な感想だ。

 もし、有栖が可愛くなかったら、俺はセックスなんてしていなかっただろう。

 

「嬉しいです」

 

 有栖は俺の方を向いて、胸に自分の顔を埋めてきた。

 挑発的な態度をとってきた時は少し鬱陶しかったけど、従順な有栖は可愛すぎる。

 自分が負けるなんて思ってもみなかったと言っていたが、負けた時のことも考えて、自分に夢中になってもらうプランをきちんと用意していたようだ。

 事実、俺はもう有栖のことを離すつもりはない。

 

「有栖に気持ちよくしてもらいたいな」

「私にですか」

「うん。ここでね」

 

 俺は有栖の口に指を這わせた。

 それに有栖は頷いて、俺の指を口で加えながら舐めだす。

 

「んん、ちゅ……じゅる」

 

 まずは指でフェラの練習だろうか?

 音を立てながら俺の指を舐めたり吸ったりしている。

 

「指を舐めてもらうのもいいものだな」

「じゅる……そうれすか?」

 

 舐めながら聞いてくる。

 俺が頷くと、有栖は嬉しそうにしてまた俺の指を舐め出す。

 

 数分間、指を舐めさせてたが止めさせて、俺が舐めてもらいたいモノを舐めてもらうことにしよう。

 

「有栖が脱がして」

「はい」

 

 有栖が俺のズボンとパンツを脱がしたことにより、反り返った肉棒が有栖の目の前に現れる。

 

「いい匂いです」

 

 有栖は俺の肉棒を手に取り、自分の頬に当てながら匂いが嗅ぎ始めた。

 こんな匂いのどこがいいのだろうか? と思うが、異性からしたら興奮してしまう匂いなのだろう。

 事実、有栖の顔を見ると、興奮しながら頬擦りしている。

 

「じゃあ、舐めてね」

「はい。れろ……」

 

 まずは先っぽを舐める。

 それだけでもかなり気持ち良くて、声が出ちゃいそうだ。

 

「咥えて」

 

 有栖は頷いて、俺の肉棒を口に咥える。

 初めてなのと有栖の口が小さいのがあるからかぎこちないが、俺を気持ち良くさせようという意思は伝わってくる。

 もうちょっと奥まで咥えてほしいが、これ以上は難しそうだな。

 無理に奥まで咥えさせて、苦しくさせるのも嫌だし。

 

「んん、じゅる……れろ……」

 

 奥まで咥えられない分、音を出して俺を興奮させようとしているのかな?

 それとも俺を興奮させ、無理矢理奥まで突っ込んでほしいのだろうか?

 俺に支配されてから有栖はMっぽい雰囲気を見せているから、後者の可能性も充分にある。

 

「有栖いい?」

 

 俺が有栖の頭を手で押さえると、意図を掴んだのか頷く。

 そして俺は肉棒を有栖の口の奥まで一気に突っ込んだ。

 

「んんー、んむうぅぅ……」

 

 少し苦しそうだが、有栖がそうしてほしいという素振りを見せてきたのだからしょうがないよね。

 

「本当に無理と思ったら、手で叩いて教えてね」

 

 そう言うが、きっと止めることはないだろう。いや、正確には有栖がどんなに苦しくても手を叩くことがないから止めることはないと言った方がいい。

 本当に無理そうなら俺から止めるから心配はないが。

 

「ん、んんんーー……」

 

 小さい口に無理矢理奥まで突っ込んでいるから相当苦しそうだが、まだ止めることはしない。

 有栖は自分がどんなに苦しくても俺に気持ち良くなってほしい……そんなことを思っているはずだ。

 それなのにすぐ止めるのは、有栖に対して失礼だと思う。

 

「出る」

「ん、んんんーー……」

 

 出る瞬間に有栖の頭をがっちりと抑えて、1番奥で射精した。

 もう既に何回も出しているのにも関わらず勢いは収まらず、口の中だけでなくて喉の奥まで精液で犯していく。

 勢いが収まったら、有栖は尿道内に残った精液を一滴も残さずに吸い出して、ゴクンと音を立てて飲み干してくれた。

 

「これが精液の味なのですね。少し苦いのですが、遼くんのだと思うと病みつきになりそうです」

 

 どうやら有栖はどんどん変態になっていってるようだ。

 まあ、原因は明らかに俺のせいなんだが。

 

「今日は後1回有栖の中に出して終わろうかな」

「はい。私でいっぱい気持ち良くなってください」

 

 有栖は自ら足を広げて、愛液と精液で溢れている腟を見せてきた。

 早く入れてほしいかと思えるくらいに腟口から大量に愛液が湯水のように溢れてきている。

 

「あ、ああぁぁーー」

 

 俺は腟口に肉棒を当てがうと、一気に奥まで挿入した。

 それにより有栖は絶頂に達したようで、舌を出しながら身体を震えさせた。

 

「ああん、待って、ください。イったばかりだから……ひいぃぃん」

 

 そんなこと言われても待てるわけもなく、俺は獣のように腰を振り続ける。

 もちろん有栖は俺に逆らうことはないので、俺が待たないと決めたらそれに従うしかない。

 まあ、有栖にしても無理に従ってるわけではないし、待たなくても問題はないだろう。

 

「あ、あ……ひぃ……」

 

 もうイきすぎて呂律も回っていない。

 俺が突く旅に大きく身体を痙攣させて絶頂に達しているかのようにも見える。

 今日、処女を失ったばかりの有栖がこんなにもなるなんて、よっぽど俺との相性が良いのだろう。

 

「いっぱい出すね」

「はい、あん、沢山出して、ひん、ひゃい」

 

 睾丸にある精液を全部出す勢いでパンパンと腰を激しく振る。

 それにより我慢ができなくなり、俺の肉棒から火山が噴火したみたいに有栖の腟内に大量の精液が流れていく。

 

「ああん、中出し、気持ちいい、れす……」

 

 有栖は中に出されながら絶頂に達して、体力の限界にきたのかそのまま寝てしまった。

 

 それにしても俺は本当に絶倫のようだ。

 いくら思春期と言っても、普通ならここまで出ることはないと思う。

 この学校に来るまでホワイトルームで過ごしていて、普通の人と違った生活をしていたからだろうか?

 

「ありがとうね」

 

 俺は寝ている有栖の頭を撫でた後に、抱き締めながら眠りについた。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

5話

 次の日の朝になり、俺は目を覚ます。

 隣には今までと違い、坂柳有栖がいる。

 いっぱいセックスをしたせいでまだ寝ているが、本来はもっと早く起きるだろう。

 部屋に置いてある時計を確認するとすでに9時を回っており、俺は洗面所に行き顔を洗う。

 

 顔を洗い終わって部屋に戻ると、ちょうど有栖が起きたようで、目を指で擦っていた。

 まだ眠気が取れていないのだろう。

 

「おはよう」

「はい、おはようございます」

 

 挨拶をして俺は有栖にキスをする。

 それで完全に目が覚めたのか、有栖の方から舌を絡めてきた。

 まさか朝からディープキスすることになるとは思わなかったが、有栖がしてきたのでそのままさせることにする。

 

 ディープキスで興奮してしまってそのまま有栖を押し倒しそうになったが、今は我慢しとく。

 

「すいませんが、お手洗いに連れてってもらえないでしょうか?」

「わかった」

 

 杖は玄関に置いてあるので、有栖は俺の力を借りないと移動することができない。

 なので俺が連れていく必要がある。

 

 トイレに座らせたのを確認し、俺は入り口の所で待つ。

 俺も一緒に入って有栖の放尿シーンを見るというのも考えたが、流石に止めておくことにした。

 昨日、処女を喪失したばかりの有栖には難易度が高すぎる。

 

 トイレを終えた有栖を制服に着替えさせて、二人して外に出た。

 有栖の服がないので部屋に戻ってもらい、服などを俺の部屋に持ってこようかと思ったのだ。

 この寮には監視カメラが付いていて俺の部屋に有栖が入り浸るのがバレるだろうけど、セックスした証拠にはならない。

 つまりはバレても問題は一切ないということだ。

 

 今日は土曜で他の人がそろそろ出かける時間にはちょうどいいので、何人かの人とすれ違った。

 有栖の住んでいる階のとこまで来たら、1人の女子が挨拶してきた。

 

「おはよー」

 

 肩までの栗色の髪が特徴の女の子だ。

 

「えっと、櫛田だっけか?」

「覚えてくれたんだね。ありがとう」

 

 彼女の名前は櫛田桔梗(くしだききょう)

 入学早々に他のクラスにまで友達を作りにきたし、俺にも声をかけてきたから覚えてしまった。

 俺とはクラスが違うためにあんまり話したことはないが、コミュニケーション能力が高くて入学して間もないにも関わらず、既に友達が多いだろう。

 今日は学校が休みだから制服を着ておらず、あざとさ全開の私服だ。

 

「櫛田はこれからデートか?」

 

 櫛田は可愛いしスタイルも良く、誰に対しても平等に接するからモテるはず。

 だからデートに誘われても不思議ではない。

 

「違うよー。これからクラスの人達と遊びに行くだけ」

「そうなのか」

 

 まあ、櫛田みたいな人は特定の人を作らずに、皆と遊ぶ方が好きなのかもしれない。

 

「そういう二人は朝帰りみたいな雰囲気出してるけど?」

「そうですね。昨日は遼くんの家に泊まらせていただきました」

 

 有栖の言葉に櫛田が驚く。

 冗談で言ったつもりだったのだろう。

 そんな回答がくるとは思ってなかったようだ。

 

「あはは、本当だったんだ。でも前にも二人で一緒にいるとこ見たし、付き合ってても不思議ではないよね」

 

 有栖が毎日のように俺に絡んできたことは、周囲からしたら俺へのラブコールだと思われてるみたいだ。

 あんなに執拗に迫っていたらそう思っても仕方ないか。

 有栖が付き合っているのを否定しないのは、俺に手を出さないでほしいと牽制をしているのかもしれない。

 

「時間は大丈夫なのか?」

「あ、そろそろヤバいかも。またね」

 

 櫛田はそう言い俺達から離れていった。

 

 有栖の部屋の前まで来たので、カードキーを使って鍵を開けて部屋に入る。

 初めて女の子の部屋に入ったので見渡す。

 有栖は足が不自由だからか、壁には他の部屋にはない手すりが付いていた。

 自分の部屋にいる時は、この手すりを使って移動するのだろう。

 手すりがついている以外は普通の女の子といった感じの部屋で、ベッドの横にぬいぐるみが置いてある。

 

 有栖はその手すりを使って移動しようとしたが、それは俺が止めた。

 

「遼くん?」

「俺がいるんだから俺に寄りかかって移動しよ」

「はい」

 

 俺は有栖を支えて、部屋の奥まで進む。

 有栖をベッドに座らせて、俺もその隣に座る。

 

「遼くんはこの学校についてどう思いますか?」

「どうとは?」

 

 いつかはこの質問がくると思っていたが、具体的な質問をしてほしい。

 

「そうですね。まずはポイントについてですね」

 

 この学校は特殊で毎月ポイントが生徒に支給される。

 それについて少しだが、Aクラスの担任である真嶋智也(ましまともなり)から説明があった。

 まず入学した俺達には全員に10万ポイントが支給されて、そのポイントを現金のように買い物で使用することができる。

 学生証カードを機械に通すか、店員に提示すれば使用可能だ。

 この学校の敷地内にあるものであれば何でも購入することができ、買えないものはないという。

 このポイントは他の生徒に譲渡が可能で、ポイントに困っている人に貸すなんてこともできる。

 

「まあ、最初の1カ月はあんまり使わない方がいいかもしれないね。毎月10万も振り込むなんて言ってないし」

「そうですね」

 

 それは有栖も予想していることだろう。

 

「普通に考えて授業態度とかを見て、ポイントに反映される仕組みだろうね」

 

 個人なのかクラス単位なのかはわからないが、それがSシステムの仕組みだと思っている。

 もしクラス単位であるならば、個人のポイントの他にクラスポイントなんていうものがあるかもしれない。

 

「俺の予想だけど、ポイントをかけた試験なんかもあると思うよ」

 

 それが中間、期末テストであるのか、それと別であるのかはまだ完全にはわからないが、十中八九、テストとは別に試験があるだろう。

 

「俺はてっきりその試験で有栖が仕掛けてくると思ったけど」

「私は遼くんみたくそこまで予知できませんよ」

「俺のは予知ではなくて予測なんだけどな」

「いえ、あなたのは予知というレベルですよ」

 

 確かに俺の予測はほぼ100パーセント当たる。

 もちろんほぼなので外れることもあるが、外れるのは本当に稀だ。

 

「それを知っていてチェスで勝負って凄いな」

「遼くんが得意なもので勝たなければ、叩き潰したことになりませんからね」

 

 有栖はあくまでも完全勝利が欲しかったようだ。

 それで俺の心を折って、自分の言いなりにしたかった。そんなところだろう。

 

「そんな有栖が今やここまで従順になっちゃうんだもんね」

「惚れた弱みってやつですかね」

 

 もし有栖が他の人と勝負をしたとしても、自分の全てなんてかけなかっただろう。

 俺とだから全てをかける気になった。

 

「とりあえず服を着替えたら?」

「そうですね」

 

 未だに制服姿の有栖を着替えさせることにした。

 着替えている有栖を見て興奮してしまい、そのままセックスしてしまったのは言うまでもない。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

6話

 俺の部屋に有栖の服を持ってきてからは、一緒に外に出ている。

 とある物を買うためだ。

 

「学校の敷地内にこんな物が売っているのですね」

 

 俺が買ったのはアフターピル。

 昨日から有栖の中に出しまくったので、これを飲まないと妊娠してしまうことがある。

 だから有栖にはこれを飲んでもらう。

 

「それを置いてでも妊娠してほしくない理由があるってことだね」

 

 アフターピルが置いてあるのは学校側も知っているはずだ。

 それなのに普通に売っているということは、妊娠されては困ることがあるから。

 妊娠してしまったら少なくとも女子は退学するしかない。

 退学になったら恐らく教師が困る。そんな理由があるから黙認されているのだろう。

 だからセックスしたとしても、妊娠させなければ何も問題がないということだ。

 カメラの前や人前でしてバレたらペナルティがあるかもしれないが、バレなければ問題はない。

 

 有栖にアフターピルを飲ませる。

 中に出してから24時間以内に飲めば効果があるから、これで妊娠することはほぼなくなる。

 

「副作用出たら言ってね」

「はい」

 

 妊娠は99パーセント防げるが、アフターピルなので、副作用は少し出る確率が高い。

 もし副作用が出てしまったら、今後はゴムを使用することにしよう。

 

 アフターピルを買った後は学校の敷地内にあるケヤキモールまで来た。

 高度育成高等学校は許可なく外に出るのと、外部との連絡が制限されている。

 もし、許可なく外に出たらペナルティまである徹底ぶりだ。

 でもその反面、生徒達が苦労しないように数多くの施設が存在する。

 カラオケやシアタールーム、カフェ、ブティックなど、小さな街が形成されていると言ってもいい。

 大都会のど真ん中にして、その広大な敷地は60万平米を越えるそうだ。

 そしてこのケヤキモールが放課後や休日に学生が良く利用する複合施設なのだ。

 ケヤキモールがあるから生徒達は外に出れなくても文句を言わないのだろう。

 ここにさえ来れば遊ぶことに不自由はないのだから。

 しかもポイントは無料で支給されるから、ケチる必要もないのだ。

 まあ、俺はそんなに使う気はないけど。

 

「初デートだね」

「そう言ってもらえて嬉しいです」

 

 俺は有栖と手を繋いで歩いているから、他の人から見たら恋人同士にしか見えない。

 有栖は服に気合いをいれたのか、とても可愛らしいワンピースを着ている。

 そのワンピースに合った帽子をかぶっていて、ファッション雑誌にも出そうなほどだ。

 

「映画でも見ようか」

「はい」

 

 最近上映が始まった映画があるので、それを見ることにした。

 有栖が映画を好きなのかわからないが、少ししたいとこがあるから、これは強制的に見てもらう。

 

 映画を見るためのポイントを支払って、上映時間に近づいたので席に着く。

 土曜だからか見に来ている人が多くてなんとか隣同士で席を抑えることができた。

 もう少し遅かったら席を取ることができなかったかもしれないな。

 

 上映が始まって少しして有栖のことを見るが、あんまり興味がなさそうにしている。

 映画はあんまり見ないのだろう。

 でもここからは退屈しないで済むから問題ないよ。

 

「ん……」

 

 俺は有栖の太ももを触る。

 それにより有栖は甘い声を出すが、映画の音にかき消されて他の人に聞こえることはない。

 いつもはタイツをはくようだが、映画館で悪戯したくて今日はタイツをはかせなかった。

 映画館にも監視カメラはついているが、今は暗いためにほとんど俺達のことは見えない。

 だから多少エロいことをしてもバレることはないはずだ。

 

「足を開いて」

 

 有栖の耳元で言うと、素直に足を開いてくれた。

 俺はすぐに太ももの内側に手をやり、堪能していく。

 有栖の太ももは女の子特有の柔らかさを持っていて、何時間でも触っていられそうだ。

 

 俺が太ももだけで満足できるわけもなく、ショーツの上から割れ目を触る。

 太ももを触られてから期待していたのか、有栖の腟からは既に大量の愛液が出ていて、ショーツが湿っていた。

 

 あんまりショーツを湿らすのは気持ち悪いだろうから少しズラして、直接触っていく。

 

「んん、はん……やん」

 

 有栖は口を手で押さえながら声を抑えている。

 いくら音で声はかき消されるとはいえ、大きな声を出すわけにはいかない。

 

 膣内に指を侵入させると、中は愛液と精液でドロドロになっており、すんなりと入れることができた。

 相変わらず有栖の腟内は狭く、指一本でも物凄く締め付け感だ。

 

「ひゃん、あん……」

 

 どんなに抑えようと声を我慢することはできないのか、有栖の口から喘ぎ声が漏れる。

 

「ひい……」

 

 もう一本指を入れると、少し大きな声で喘ぎだす。

 

「我慢できなかったらイってもいいんだよ?」

「はい。ああん」

 

 隣の人にバレるんじゃないかと思うくらいに声を出しているが、映画に集中しているおかげで気づかれていない。

 

 俺は少しだけ激しくさせ、有栖を絶頂させることにした。

 激しくすると有栖の身体が小刻みに震えだす。

 これから絶頂に達するのも時間の問題だ。

 

「ひい、ひゃん……イ、く……」

 

 身体と腟が大きく震えて有栖は絶頂に達した。

 我慢しながらなので体力が削られてしまったのか、有栖は俺に寄りかかり残りの時間はぐったりとしていた。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

7話

 映画を見終わって有栖に何か欲しい物はないかと聞くと、ないとのことなので、俺達は夕飯の買い物をして寮に戻った。

 

「遼くんに1つ聞きたいことがあるのですが、よろしいですか?」

「何?」

 

 二人でのんびりとイチャイチャしている状態で、有栖から質問が入る。

 

「あなたはどういった経緯でホワイトルームに入られたのですか?」

 

 やっぱりそれは気になるよね。

 でもホワイトルームのことを知っている有栖になら話しても問題はないかな。

 

「俺の初めての記憶は白い無機質な空間だった」

「それって……」

「うん。俺は生まれた時からホワイトルームにいたんだよ」

 

 もちろん生まれた時の記憶なんてないが、ある男に聞かされたことだ。

 ホワイトルームを運営している男と俺の親は親戚同士で、そのおかげで俺はホワイトルームで過ごすことになってしまった。

 

「俺は生まれてから15年間、ホワイトルームから出たことがなかった」

「そう、なのですね……」

 

 有栖の顔が曇る。

 普通の子供は外で遊びたくなるものだ。

 でもホワイトルームにいる子供は何もかも管理されるため、外に出ることが許されない。

 だから有栖は俺のことを可哀想だと思ったのだろう。

 

「でもどうやって外に出れたのですか? 遼くんは間違いなくホワイトルームの最高傑作。そんな人を逃すことなんてないはずです」

「ある人にこの学校を勧められた。ここならホワイトルームの人から逃げられると。それで逃げる手助けをしてもらった」

 

 この学校にいれば、あの男も簡単には手を出せない。

 それがこの学校に来た理由でもある。

 外部との連絡が一切できたいために、あの人が今どうしているかはわからないが、あの男はあの人のことを許さないだろう。

 

「わかりました。私は遼くんをホワイトルームから全力で守ることを誓います。私のお父様はここの理事長ですので、私から口添えしときます。すでに遼くんがこの学校にいることを知っている可能性は高いですが」

「ありがとう。有栖にそう言ってもらえると安心できるよ」

 

 俺は有栖を抱き締める。

 ホワイトルームはまだ実験段階。50年、100年後を見据えて今は教育をしている。

 そんな中、成功作である俺を逃さないと、あの男がこの学校に接触してくることは簡単に想像できる。

 だから有栖が味方になってくれるのは心強い。

 

「この学校に入れて良かった。有栖とこうしていられて幸せだ」

 

 ホワイトルームにいた時は、こんなこと思うことはなかった。

 あそこは人のことを道具として扱うように教えられ、そんな感情とは無縁だ。

 

「そう言ってもらえて私も幸せで……んん」

 

 俺は有栖にキスをする。

 キスをしながらベッドに押し倒して、いっぱい舌を絡めて胸を揉む。

 

「ずっと有栖のここに俺の精液があるようにしたい」

 

 キスだけで濡れたのか、腟内に指が抵抗なく入った。

 

「ひゃん。全ては遼くんの思いのままに」

 

 お互いに服を全て脱いで、いつでも準備万端な状態になる。

 俺は有栖の腟口に肉棒を当てがう。

 入り口を探すふりをして、少し焦らしている。

 有栖は甘い声を漏らしつつ、早く入れてほしそうな顔をしていて、我慢ができなそうだ。

 

「入れてほしい?」

「んん……はい」

 

 もう入れてもいいが、それだと面白味なないなら、少し調教してみよう。

 

「何をどこに入れてほしいの?」

「えっと、それは……」

 

 言うのが恥ずかしいようだ。

 

「言わないと入れてあげないよ」

 

 嘘だ。有栖が黙っていても俺が我慢できなくなり、きっと入れてしまう。

 それは有栖もわかっているだろうが、俺の命令に逆らうことができないので、言うことになるだろう。

 有栖は一呼吸して。

 

「遼くん専用の濡れ濡れおまんこに、遼くんのおちんちんを入れて、ずっと精液がある状態にしてくださ……はあん」

 

 思った以上のことを言ってきて我慢できなくなり、言い終わる前に挿入してしまった。

 

「いっぱいご褒美あげるね」

「あん、ありがとう、ございます……ひゃん」

 

 俺は無我夢中に腰を振る。

 その度に有栖は大きな声で喘いで、俺をどんどんと興奮させていく。

 

 興奮が最高潮になりもう有栖の中に射精したいとしか考えられなくなる。

 有栖はすでに何回か絶頂を迎えており、喘ぎ声すら呂律が回っていない。

 

「ひゃあ、ああん……ひい、あん……イく……」

 

 また絶頂に達して、肉棒という蓋があるのにも関わらず膣内からは愛液が溢れ出してシーツを濡らしていく。

 

「らめです……また、イひます……ああぁぁー」

 

 有栖は身体を大きく震わせて、舌を出しながらまた絶頂に達した。

 

 そこから有栖は10秒に1回のペースで絶頂を迎える。

 有栖はもう何も考えられていないだろう。もしくは俺とセックスしたいとしか考えていないのかもしれない。

 

「出すよ」

「ひゃい、たくさん、らして……くだしゃい」

 

 睾丸にある精液を全部出し尽くす勢いで腰を振っていく。

 

「出る」

「ひゃん、イく……ああん、ああぁぁーー」

 

 有栖の腟内に大量の精液が出されていく。

 昨日からたくさん出しているのも関わらず、蛇口から水がでているみたいに勢いが収まらず、腟内だけでなく子宮にも精液が及んだ。

 

「精液出されながら、イってましゅ」

 

 出されているのも気持ちがいいのか、有栖は身体を小刻みに震えさせて、もう何回目かわからない絶頂を迎えた。

 

「遼くん、愛してます」



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

8話


【挿絵表示】

線画だけ描いてみました。
スマホで描くのは難しすぎる……


 俺が高度育成高等学校に入学してから一月がたち、5月1日を迎えた。

 朝になって俺は学校側さから支給された携帯でどれだけポイントが振り込まれたかを確認する。

 

「9万4千か」

 

 俺が今持っていてるポイントは17万ほど。

 昨日までのポイントを差し引くと、今日振り込まれたのが9万4千だということがわかる。

 

「やはり、遼くんの言う通りでしたね」

「うん」

 

 有栖も振り込まれたポイントを確認して、俺に見せてくる。

 振り込まれたポイントが同じってことは、クラスでの評価が毎月振り込まれるポイントに影響されるということだ。

 これに気づいていない人はポイントを確認して焦っているに違いない。

 

「まだ時間あるし口でして?」

「はい」

 

 有栖がフェラを開始する。

 有栖のことを抱いてから今まで溜まっていた性欲が爆発し、毎日するようになってしまった。

 今の有栖は生理中なので挿入することができないから口でしてもらっている。

 アフターピルのせいで少し生理が遅くなったみたいだが、それ以外に副作用はない。

 そして今はアフターピルじゃなくて、低用量ピルを飲ませている。

 こっちの方が副作用が少ないし、生理も安定するからだ。

 挿入することができないので物足りないが、こればっかりはどうすることもできない。

 生理中にもさせてくれるとは思うが、血で汚れてしまうし、衛生的にもよろしくないから止めておく。

 

「んん、じゅるる……ちゅる」

 

 フェラも慣れてきたのか、有栖は口の奥まで入れることができるようになった。

 たくさん俺を気持ち良くさせたいという気持ちが伝わってきて、今では毎日のように口でしてもっている。

 

 俺も有栖の身体を触りたくなってきたので、ボタンを外して胸を触る。

 乳首を触ると身体を震わせてしまうが、それでもフェラを止めずに気持ち良くしてくれる。

 

「出すからしっかり口で受け止めてね」

 

 俺は有栖の頭を手で抑えて、有栖の口の中に本日最初の射精をした。

 

「ん、んんんー」

 

 たっぷりと口の中に出して、有栖の口から肉棒を引き抜く。

 

「今日はまだ飲まずに手のひらに出してごらん」

 

 いつものように飲もうとしている有栖を俺は止めた。

 有栖は頷き、手のひらに精液を出す。

 手のひらだけでは収まりきらずに、どんどんベッドまで垂れていく。

 

「じゃあ、口の中に戻して飲んで」

「はい」

 

 手のひらにある精液を口の中に運び、それを飲んでいく。

 

「御馳走様です」

 

 本当に俺の精液を美味しそうに飲む。

 俺は飲む気なんて起きないが、精液は12時間前に食べた物の味がするらしい。

 それに精液には美容効果があると医学的に証明されつつあり、亜鉛やビタミンC、コラーゲン、プロスタグランジンなどが含まれており、不老不死の万能薬『エリクサー』にもっとも近い存在と語る専門家もいるくらいだ。

 

「じゃあ、準備しようか」

「はい」

 

 学校に向かう時間になったので外に出た。

 最近は手を繋いで一緒に登校しているので、俺と有栖が付き合ってるという噂が流れている。

 クラスの何人かの人に聞かれたが、面倒なので適当にはぐらかしてやり過ごす。

 実際は俺が有栖のことを支配してイチャイチャしているだけなので、厳密には付き合っているわけではない。

 

 寮から学校は近くてすぐに着く。

 教室に入るともうほとんどの人がいて、今回10万ポイント振り込まれていないことを話してある人が多かった。

 

「気づいている人がほとんどいないなんて、遼くん以外の人は無能なのでしょうか?」

 

 中には気づいている人もいるが、やっぱり気づいていない人のが大多数だ。

 

 始業を知らせるチャイムが鳴ったと同時に担任の真嶋先生が教室へと入ってきた。

 プロレスラーみたいな体格で真面目な先生だ。

 担当は英語で、以前は別の教科も教えていたらしい。

 

「先生、今朝ポイントを確認したら振り込まれたのは10万じゃなかったんですけど」

「そうだな。今からその質問に答えよう」

 

 先生は黒板にA クラスが940CP、Bクラスが650CP、Cクラスが490CP、Dクラスが0CPと書いていく。

 

「Aクラスは940CPだから今月は9万4千が振り込まれたんですね」

「その通りだ。流石は水無月だな。この学校ではクラスの成績、評価が毎月振り込まれるポイントに反映される」

 

 てことは1CPが100ポイントということになる。

 それにしてもこのクラスのポイントは綺麗に並びすぎているな。

 その疑問はすぐに先生が答えてくれた。

 

「この学校では優秀な生徒から順にクラス分けされていく。優秀な生徒はAクラスへ、ダメな生徒はDクラスへとだ。まあ、良く塾とかである制度だな」

 

 CPが書かれたのを見たらすぐに予測はできていたが、そんな制度があったのか。

 でも、単に学力や運動神経だけで決めたわけではなさそうだ。

 例えば櫛田なんかがいい例だと思う。

 彼女の噂はAクラスでも聞くが、学力や運動神経は悪くなく、優秀な生徒だと言える。

 それなのにDクラスなのだから、Dクラスになってしまった要因が他にあるだろう。

 

「もし仮に今回Bクラスが1000CPだったら、BクラスはAクラスに昇格し、キミ達Bクラスへと降格になっていた」

 

 なるほど、クラスのポイントが他のクラスのポイントを上回れば昇格できる仕組みなのか。

 ならこれからCPをかけた試験が行われる可能性はほぼ100パーセントだな。

 

 有栖を見てみると入学当初、俺に見せてきた攻撃的な笑みを浮かべている。

 俺が何か言わないと他のクラスに何か仕掛けそうだ。

 でも俺以外に有栖を楽しませることができる人がこの学校にいるだろうか?

 有栖は優秀すぎすからAクラスでも有栖と互角に渡り合えるのは1年の中で俺以外にいない。

 他の学年とならわからないが、今のところ絡む機会がないのでわからない。

 

「そしてこの学校の特権である好きな進学先、就職先に進むためには、卒業時にAクラスの必要がある」

 

 その言葉を聞いて生徒達が少し騒ぎだす。

 この学校には好きな進学先、就職先に進むことができるから来た人が多い。

 だからそれを聞いて驚いたのだろう。

 

「キミ達は優秀だからこのまま行けば大丈夫だろう」

 

 本当に優秀な順にクラス分けされているのであれば、だけど。

 

「そしてこの学校では中間、期末と赤点を取ったら、問答無用で退学になるから気を付けるように」

 

 普通の学校であれば補習なんかがあったりするが、この学校ではないようだ。

 

「先日やった小テストの結果を見る限り、普通に勉強していればキミ達が赤点を取ることはないだろう」

 

 先生は黒板に小テストの結果が書かれた紙をを磁石を使って張った。

 小テストは最後の3問だけやたら難易度が高かったやつか。

 その3問は高校1年生が解けるようなものではなかった。

 小テストの結果は俺と有栖が100点で同率1位だ。

 そして平均点は89点でかなり高いと言える。いや、小学校レベルの問題もあったし、それくらい取れないとダメだろう。

 

「では、ホームルームは終わりとする」

 

 先生はそう言い、教室から出て行った。

 CPをかけた試験があるとしたら、これからクラス間での争いとか起きそうだな。

 

「それにしてもDクラスは0か」

 

 これは色々と使えそうだ。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

9話

ハーレムタグをつけているので、そろそろ他の人との絡みを出します。


 5月1日から1週間ほどがたち、今、Aクラスではちょっとした対立が起きている。

 それは今後のクラスの方針についてでだ。

 ざっくり言うと、積極的にポイントを稼ぎにいこうとする坂柳派と、今あるポイントを守っていこうとする葛城派の2つで分かれている。

 葛城は俺と有栖に次いで小テストの結果が3位という好成績を修めていてリーダーになれそうな素質を持ってはいるが、保守的な考えてを持つ。

 攻撃的な有栖とは180度考えが違うので、対立してしまうのも仕方がないかもしれない。

 もし有栖に保守的になれと命令すれば言うことは聞くが、攻撃は最大の防御とも言うし、俺としては有栖の考え方に賛成している。

 だから俺からどうこう言うつもりはない。

 もし、葛城派に傾いてしまったら、俺が動けばいいだけの話だ。

 

 俺は教室を出る。

 この対立はほぼ半分くらいの人数に分かれているが、今後はどうなるかわかりきっているので、対立している話を聞く必要はない。

 教室を出る時に少しだけ有栖が寂しそうな顔をしたが、会いたい人がいるから我慢してもらう。

 どうせ後でいっぱいイチャイチャするし。

 

 廊下を歩いていると、ちょうど目的の人物がいた。

 

「櫛……」

 

 目的の人物である櫛田に声をかけようと思ったが、いつもと雰囲気が違う。

 いつもと同じようにニコニコしている櫛田だが、目が笑っていない。

 

 俺は先日買ったペン型のカメラで録画を開始して、櫛田の後をつけることにした。

 これは何かと役に立ちそうだから買ったのだが、早速使う機会が訪れるとは。

 

 櫛田は屋上に近い階段の中程で止まった。

 今は放課後なので、ここで誰かと待ち合わせしている可能性があるが、俺はそうではないと思っている。

 学校にはいくつもの監視カメラがあったりするが、ここにはそのカメラがない。

 いつもあざとさ全開の櫛田だが、ここで本性が見れそうだ。

 

「あーーーー、ウザい」

 

 あの櫛田が発したと思えないくらい低く重い声だった。

 

「マジでウザい、ムカつく、堀北なんて死ねばいいのに……」

 

 呪文を、呪詛の言葉を唱えるかのように暴言を呟く。

 

「自分が可愛いからってお高く止まりやがって。どうせアバズレに決まってんのよ。あんたみたいな性格の女が勉強なんて教えられるわけないっつーの」

 

 櫛田がムカつくと言っている相手は堀北って女か。

 俺は面識がないが、そんなに嫌な性格をしているのだろうか?

 

「あー最悪。ほんっと、最悪最悪最悪。堀北ウザい堀北ウザい。ほんっとウザい」

 

 櫛田は間違いなく、クラス一の人気者だろう。

 そんな優しい少女のもうひとつの顔を見た気がした。

 彼女の誰にも見られたくない姿だ。

 本来なら今すぐに立ち去った方がいいだろうが、これは櫛田と接触できるいいチャンスであり、もしかしたら櫛田を上手くコントロールできるかもしれない。

 

「随分と物騒な言葉を言うのな」

 

 未だに暴言を吐いている櫛田に話しかける。

 すぐに櫛田は俺の方を向いて、驚いたような顔をした。

 どうやら誰かに聞かれているとは思ってなかったようだ。

 

「聞いてたの?」

「その答えは今しがた言ったはずだけど」

「そうだね」

 

 櫛田が階段を降りてくる。

 そして自らの左の前腕を俺の首もとに当てがい、壁に押し付けた。

 口調も行動も俺が知る櫛田ではなかった。

 でもこれが櫛田の本性だ。表では誰でにでも好かれるように振る舞って、裏では暴言を吐いてストレス発散をいている。

 普段の櫛田からは想像がつかないほど恐ろしい形相をしているが、これがもし誰かに屈服した時にどうなるのか見てみたくなってしまった。

 

「今聞いたこと……誰かに話したら容赦しないから」

 

 とても脅しとは思えないほど、冷たい感情の籠った言葉。

 

「もし話したら?」

「今ここで、あんたにレイプされそうになったって言いふらしてやる」

「冤罪だし」

「大丈夫、冤罪じゃないから」

 

 そう言うと、櫛田は左手首を掴み、ゆっくりと手のひらを開かせる。

 自らの手を俺の手の甲に添え、俺の手を自らの胸元へと持っていく。

 柔らかな感触が手のひら全体を通して伝わってくる。

 

「あんたの指紋、これでべっとりとついたから。私は本気よ。わかっ……んん、何をするの?」

「せっかく女の子から胸を触らせてくれたのだから、揉んどかないと損かなって」

 

 有栖のと違って、力を入れた分だけ指が胸に沈みこんでいく。

 もちろん有栖の小さな胸もいいが、櫛田の胸は吸い寄せられるかのように手を離すことができない。

 

「んん、好きで触らせたわけじゃないから……ひゃん」

「しっかりと感じてるんだな」

「そんなこと……あん」

 

 否定している櫛田だが、喘ぎ声が漏れていて説得力が皆無だ。

 

「ところでこれは何だ?」

「ただのペンじゃないの?」

「残念。カメラが着いてるんだよね」

 

 櫛田は全てを察して俺からカメラを奪い取ろうとするが、そんなことはさせない。

 

「もしレイプされたって言ったら、俺は撮っている映像を提出するから」

 

 そうすれば櫛田についている指紋は、櫛田自身が俺の手を掴んでつけさせたという証明になる。

 これで櫛田が不利な状態になったわけだ。

 

「何が目的なの?」

「男が女の秘密を握って、迫ることといったらひとつしかないよね」

 

 俺は櫛田の肩を掴んで引き寄せた。

 これにより櫛田との距離がキスができるくらいまで近くなる。

 

「本当に最低ね。あんたには彼女がいるんじゃないの?」

 

 彼女というのは有栖のことだろう。

 

「有栖は彼女じゃないよ。毎日抱かせてもらっているけど」

「セフレってこと?」

「セフレじゃなくて俺が有栖を支配しているだけ。それを櫛田にもしたくなった」

 

 すると櫛田の身体が震えだす。

 それはそうだ。好きでもない男に抱かれるかもしれないのだし、恐怖が襲っても不思議ではい。

 

「このことは他の人に言ったらダメだからね。もし言ったらどうなるかわかってるよね?」

 

 もしこの映像が広まったら櫛田は停学になってしまうかもしれない。

 いや、それよりかは今まで櫛田が築き上げてきた交遊関係が一気に崩壊することになるだろう。それだけは避けたいはずだ。

 

「ちなみにこの映像は携帯のネットワークで繋がっていて、自動的にクラウドにアップされるから奪おうとしても無駄だよ」

 

 虎視眈々とカメラを奪おうとしている櫛田に牽制をかけておく。

 これでカメラが奪われることはない。

 

「死ね」

 

 そんな暴言は初めて言われたが、俺は何とも思わない。

 

「ここじゃあれだし寮まで行こうか」

 

 櫛田は無言で頷き、俺についてくる。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

10話

先に謝っときます。
堀北好きな人にはあまりいいとは思えない展開になります。


 寮に帰る前に教室に荷物を取りに戻る。

 

「有栖帰ろう」

「ええ」

 

 毎日有栖と登下校しているので、もちろん一緒に帰る。今日は櫛田も一緒だけど。

 有栖は櫛田の姿を見て、俺が櫛田を調教しようと察したようだ。

 

「待て坂柳。まだ話は終わっていない」

 

 まだ無意味な話し合いをしていたのか。

 

「これ以上、あなたと話しても水掛け論。意味がありませんよ」

 

 有栖は鞄を持ち、俺のとこまで来る。

 そして3人で下校した。

 

 

「ねえ、坂柳さんはいいの?」

 

 寮のエレベーターに乗っている時に、ここまで無言だった櫛田が口を開いた。

 

「いい、とは?」

「だって彼氏が他の女の人を抱こうとしているんだよ? 普通なら嫌なんじゃないの?」

 

 今は有栖がいるからかいつも通りの口調だが、目からは完全に光を失っている。

 抱かれる覚悟はできているみたいだが、やはり嫌々だ。

 だから有栖が止めに入ってくれるのを最後の望みとしているのだろう。

 

「遼くんがあなたを抱きたいと言ったのであれば、私がどうこう言うことはできませんよ」

 

 内心は他の女を抱いてほしくないと思っているが、有栖にそれを嫌と言う権限はない。

 それに有栖は俺が他の女にチョーカーを使うことをわかっていて渡してきたのだし、文句など言えるわけがない。

 

「そ、そんな……」

 

 櫛田の唯一の希望が崩れた瞬間だった。

 もしここで有栖が嫌と言ったのであれば、俺は櫛田のことを抱かなかったかもしれない。

 いくら俺の言うことが絶対だと言っても、俺は有栖のことだけは大切にしたいと思っているからだ。

 それに俺がこれから櫛田を抱くのは、別に性欲解消のためではない。

 それだけのためなら有栖がいくらでも相手をしてくれる。

 でも櫛田を抱くのは、俺に屈服させるからだ。

 いくら映像で脅せるとは言っても、裏では裏切ってくるかもしれない。

 だから完全に屈服させて裏切れなくする。

 

「では、私はこれで失礼します。後で遼くんの部屋に行きますね」

「ああ」

 

 有栖と別れて、櫛田と共に俺の部屋に行く。

 

「本当に私のことを抱くの?」

「もちろん。櫛田が屈服するまで徹底的に」

 

 俺の言葉に恐怖を感じたのか、櫛田は小刻みに震え出す。

 これから何時間かかろうが、俺は櫛田が屈服するまで止めるつもりはない。

 そのことを感じとったのか、櫛田はもう絶望しかないだろう。

 

 俺は櫛田をベッドに座らせ、俺はその隣に座る。

 

「とっととすれば?」

 

 櫛田は最早投げやりな状態だ。

 もう完全に俺から逃げることを諦めたようで、早くして終わらせたいように見える。

 

「早く楽しみたいの?」

「そ、そんなわけ……んんー」

 

 俺は櫛田にキスをする。

 もちろん俺に弱味を握られている櫛田は、抵抗することなく受け入れる。

 舌を絡めようとした時に少しだけ抵抗したが、無理矢理口をこじ開けた。

 

「んん、ちゅ……はん」

 

 口の中を舌を使って犯すと、キスだけで櫛田の口から甘い声が漏れる。

 

 しばらく堪能したのでキスを止めると、櫛田の目からは涙が溢れてきた。

 

「酷いよ。初めてだったのに……」

 

 櫛田のことだから演技でなんとか逃れようするのかと思ったが、この涙は本気だ。

 当たり前だ。好きでもない人と初めてキスを奪われたのだから、泣いてしまっても仕方ない。

 

「その顔そそるね」

 

 泣いてうつむいている櫛田の顔を、指を使って俺の方に向ける。

 もし彼氏にされたら女の子は胸キュンするだろうけど、今の櫛田にそんなことはありえない。

 

「初めてのキスはどうだった?」

「さいってーの思い出だよ」

 

 泣いてても櫛田の暴言は健在だ。

 

「大丈夫。すぐに最高の思い出に変わるから」

「そんなことはない。ほんっとに死ねばいいのに」

 

 本当に口が悪いな。 

 俺は有栖から貰ったチョーカーをつけることにした。

 

「つけさせてもらうね」

「好きにすれば? どうせ私に拒否権なんてないんだし」

 

 リボンとボタンを外してチョーカーをつける。

 ワイシャツのボタンを外して、櫛田の豊満な胸が目に入って触りたい衝動に襲われるが、チョーカーをつけるために我慢した。

 

「いいね。チョーカーをつけてこそ俺の女という実感がわく」

 

 櫛田は俺のことを睨むが、それだけではこの状態をどうにかすることができない。

 

「そういえば櫛田は堀北って人を退学にさせたいの?」

 

 あの櫛田が校内で暴言を吐いてしまうのだから、相当にストレスが溜まっていたのだろう。

 

「そうだね。あの女は大嫌いだから」

「退学にさせたいのはその人が櫛田の本性を知ってるからかな? 中学が同じだったとか」

 

 俺の言葉を聞いて、櫛田の目が見開く。

 

「櫛田は中学の時も今と同じように振る舞って人気者だったけど、何かをきっかけに本性がバレてしまった。問い詰められたけど、持っているありとあらゆる秘密を皆の前で暴露した。それでクラスは崩壊してしまったんじゃない? だからそのことを知っている堀北って女を退学にしたい。もしかしたらバレるかもしれないから」

「あんたは超能力者か何かなの?」

 

 俺は決して超能力者ではない。

 あくまで今ある材料だけで櫛田のことを推理したに過ぎない。

 でも櫛田の反応からして、当たっていることは間違いない。

 櫛田はそれが原因でDクラスになったんだ。

 もし個人間だけであれば隠し通せて、この学校にバレることはなかっただろうが、バレてしまったのであればクラスの皆を巻き込んだ可能性が高い。

 だからクラスを崩壊させたのだと思ったのだか、当たりだったようだ。

 

「それで何? あんたに抱かれれば堀北の退学に手を貸してくれるの?」

「それはこれから櫛田がどれだけ俺に尽くしてくれるかにかかっているよ」

 

 俺に尽くしてくれるのであれば、それなりのご褒美を与えることも考えている。

 

「櫛田が俺の言いなりになって裏切らないのであれば、堀北を退学させることに手を貸してもいいよ」

 

 櫛田の目から少しだけ光が戻ってきた。

 

「わかった。抱かれてもいいよ」

 

 櫛田は俺に抱かれてでも、堀北のことを退学にしたいようだ。

 

「わかっていると思うけど退学にさせるのには俺にリスクが伴うかもしれない。だから完全に信用するまでは手を貸さないよ」

「わかってる。どうせ抱かれるなら、こっちも何かしらのメリットがあった方がいいと思っただけ」

 

 これでほぼ完全に櫛田を手懐けることができる。

 後は身体を使って櫛田を屈服させるだけだ。

 

「じゃあ、決まりだね」

 

 俺は櫛田を押し倒してキスをした。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

11話

 今度のディープキスは櫛田も舌を絡めてくれた。

 俺に抱かれることで堀北の退学に手を貸してもらえるかもしれないのだから、これから俺に尽くしてくれるだろう。

 

「んん、ちゅ、はん……」

 

 キスをしながら胸を触ると、櫛田の口から甘え声を出して感じてるようだ。

 もう片方の手でワイシャツのボタンを外していくと、オレンジ色のブラが姿を表した。

 

「大きいな」

「そうでしょ。坂柳さんなんて目じゃないよ」

 

 櫛田の口調がいつも通りに戻っている。

 さっきまでとは違って物凄くあざとさを感じる。

 こんな櫛田に話しかけられたら、男であれば勘違いしてもおかしくないだろう。

 そして俺はその櫛田をこれから抱くことができる。

 脅してという最悪な方法だが、今の櫛田からは先程までの絶望は感じられない。

 完全に俺に抱かれるのを受け入れた目だ。

 

「水無月くんって策士だよね。一度絶望に叩き落としてから交渉を持ちかけてくるんだから。しかも私の願いはいつ叶うかわからないわけだし」

 

 気づかれてしまった。

 この契約は俺が櫛田のことを信用しなければ、堀北のことを退学させようとしないので、いつまでの先伸ばしにすることができる。

 もちろん俺が櫛田のことを信用したのであれば手を貸すけど、それがいつになるかがわからない。

 だから実質、俺にはデメリットがないのだ。

 

「なら俺に尽くして信用させてみないとね」

「わかってるよ」

 

 俺は櫛田のブラを取り、その豊満な胸を見た。

 大きい胸は俺を興奮させるには充分で、櫛田の胸を鷲掴みにした。

 

「ひい、痛い……やん」

 

 少し強く揉みすぎたかな。

 俺は少し加減をして櫛田の胸を揉んでいく。

 服の上から揉むより、直接の方が吸い付いて離れない。

 

「んん、あん……ひゃん」

 

 有栖と同様で敏感な胸は、揉まれる度に櫛田に快感を与えていく。

 

「櫛田はオナニーしたことあるの?」

「はん……そんなの、したことないよ……ああん」

 

 乳首を摘まむと櫛田は大きな声で喘ぎ出す。

 

「自分から胸を触らせてくるのにしたことないの?」

「あれは、少し焦ってたというか……ひゃん」

 

 少し強めに乳首を摘まむと身体をビクビクと震えさせた。

 どうやら櫛田はM体質なようだ。

 乱暴に胸を揉んだ時もきちんと感じていたし。

 有栖と同様に乳首責めして、触るだけで大きく感じるようにしてみようかな。

 

「櫛田が素直になるまで乳首責止めない」

 

 さらに強く摘まむと櫛田はひい……と、声を上げ、身体を大きく震わせた。

 どうやら軽く絶頂に達したみたいだ。

 

「ドM」

「ドMじゃ、ない……ひゃん……」

 

 乳首を乱暴に触られて感じているのだから、否定させても説得力がない。

 

「認めないってことはずっと俺に抱かれていたいのかな?」

「そ、そんなことは……はあん」

 

 どうやら櫛田には本格的に調教する必要があるな。

 

 俺は櫛田の乳首を1時間ほど強く摘まみ続けた。

 乳首を噛んだりもして、痛みが快感に変わるまで何度も痛みを与える。

 まあ、もう既に快感に感じているようで、喘ぎまくっているけど。

 

「自分がドMだと認める?」

「あん、み、認め、ない……やん、ひい……」

 

 どうやらこのまま乳首責めしても櫛田は認める気はなさそうだ。

 俺は乳首責めを止めて、乳首の周りを優しく触ることにした。

 

「あ……」

 

 櫛田の反応が変わった。

 あえて乳首は触らずに、物足りないと思わせることにした。

 事実、それは効果があるようで、櫛田の顔が何か寂しそうだ。

 

「自分がドMと認めるのであれば、またしてあげるよ」

「うぅ~……」

 

 櫛田も自分のことがMだってことは頭でわかっているはずだ。

 でも、それを認めてしまうと、今までの自分が壊れてしまう……そんな気がしてならないのだろう。

 

「認めないならずっとこうしてる」

 

 嘘だけど。

 もう俺の肉棒はもう限界に達しており、早く櫛田の中に入れたい。

 

「認めるのであればご褒美あげるよ」

「ご、ご褒美?」

「そう、これ」

 

 俺はズボンを脱いで、己の肉棒を櫛田の前に出した。

 はち切れんばかりに勃起した肉棒に櫛田は興味津々のようで、まじまじと見ている。

 

「こんなに大きいのが入るんだ……」

「今の櫛田なら初めてでも物凄く気持ち良くなれるよ」

「気持ち良く……」

 

 ここまでくれば櫛田が屈服するのは時間の問題だろう。

 

「俺の前だけでも素直になりなよ」

 

 俺は櫛田の頭を撫でる。

 今までの櫛田は、きっと生理的に受け付けない人でも嫌な顔しないで接してきただろう。

 そんな櫛田が抱えているストレスはきっと計り知れない。

 俺の前だけでも素直になれば、少しはストレスを発散することができる。

 

「素直に?」

「うん」

 

 櫛田は少し考えた後にこう言った。

 

「堀北さんが退学したら、水無月くんも退学してほしいな」

 

 確かに俺は櫛田の過去を知ってしまったけど、退学するつもりはない。

 

「どうやら調教が足りないようだな」

「そうだね。私はドMだから水無月くんにいっぱい調教してもらいたい……かな」

「認めてくれたのはいいけど、退学のことは言わなくていいんじゃないか?」

「あはっ」

 

 あざとく笑っても可愛くは……めちゃくちゃ可愛いけど。

 

「認めたんだからいっぱい気持ち良くしてね?」

「わかった」

 

 俺は櫛田の乳首を思い切り引っ張る。

 すると櫛田は大きく喘ぎ出し、快感に溺れた。

 

「こっちはどうなっているのかな?」

 

 俺はスカートの中に手を入れて、ショーツ越しに割れ目を触る。

 櫛田のショーツは愛液でグショグショになっており、俺のを受け入れる準備はできているようだ。

 

「入れてあげるね」

 

 櫛田のショーツを脱がして、思い切り足を広げさせた。

 男の前でこんな格好は初めての櫛田は顔を真っ赤にしている。

 髪と同じ色の陰毛は丁寧に処理されており、綺麗なピンク色の割れ目だ。

 ここまで綺麗であればオナニーをしたことないのも本当かもしれない。

 

「じゃあ、いくよ」

「うん。いっぱい痛くして気持ち良くして」

 

 有栖の時とは違って、一気に処女幕を破って奥まで入れる。

 

「あ、が……」

 

 想像を絶する痛みだったようで、櫛田の顔がひきつる。

 慣れるまで少しこのままでいようかと思ったが、櫛田から驚きの言葉が告げられる。

 

「この痛みを……もっとちょうだい? 動いていっぱい痛くして?」

「いいの?」

「うん。こんな身体にしたんだから責任とってよ」

 

 櫛田がここまでドMになるとは……

 櫛田の顔はまだひきつってて痛いはずなのに、その痛みを求めている。

 

「じゃあ、いっぱい快感を与えてあげる」

「うん。いっぱいちょうだい」

 

 もう完全に櫛田は俺に屈服した。

 

「あ、ひい……この痛み、いいよぉ」

 

 俺は思い切り腰を振った。

 それが櫛田に痛みを与え、快感を与えていく。

 屈服される気でいたけれど、正直ここまでドMになるなんて全く思っていなかったからビックリだ。

 

「もう出そう」

 

 ずっと激しく腰を振っていたので、もう限界を迎えそうだ。

 

「うん……いっぱい、私の中に出して……ひい」

「出る……」

 

 俺は櫛田の中に射精した。

 今日は朝に有栖としただけで1回しか出していないために、櫛田の腟内に大量の精液が流れていく。

 

「中出し、気持ちいいよぉ」

 

 痛みと中に出されたことにより、櫛田の身体を大きく震わせて絶頂を迎えた。




櫛田がドMになってしまった。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

12話

明日が11巻の発売日。
そして9月には11,5巻が出るとこのと。
綾小路に負けて坂柳退学にならないでほしい。


 櫛田の屈服が終わったので、有栖に電話で部屋まで来るように伝えた。

 

「櫛田、これ飲んで」

「これは?」

「アフターピルだよ。中に出したから飲んだ方がいい」

 

 櫛田は頷いてアフターピルを飲む。

 これは有栖のために買ったやつだが、早々に低用量ピルに移行させたために余っているのだ。

 恐らく櫛田ともこのまま肉体関係が続くだろうから、後で櫛田用にも低用量ピルを買わないといけない。

 

 10分程たって有栖が俺の部屋に来た。

 来て早々に俺に抱きついてきたので、お姫様抱っこをして部屋まで移動した。

 

「ん、ちゅ……じゅる、はん……」

 

 有栖が俺のことを欲しそうにしていたので、ディープキスをする。

 目の前に櫛田がいるのをお構い無しに、有栖は俺のことを求めてしまう。

 有栖には櫛田のことで我慢させてしまったから、きちんとご褒美をあげないといけないな。

 後でいっぱい抱いて幸せを与えるとしよう。

 

「遼くん……」

 

 完全に有栖が発情しきっていて、このまま抱いてほしそうだ。

 櫛田がいるのにこうなっているのは、よっぽど我慢ができないのか、櫛田に自分の方が俺に愛されてると思わせたいのか……いや、両方か。

 

「このまま有栖としちゃうけど、櫛田は部屋に戻る? 後で話があるからまた来てもらうけど」

「ううん。ここにいるよ。痛くてあんまり動けないから」

 

 痛みが快感に変わっている櫛田だが、今はそうでもないようだ。

 まあ、俺としている時以外に快感になっても嫌だし。

 

「有栖はいい?」

「ええ。櫛田さんに見せつけますから」

 

 やっぱりそうなんですね。

 

 俺は有栖にキスをしながら胸を揉む。

 チラッと櫛田の方を見ると携帯を弄っている。

 友達の多い櫛田のことだから、俺とセックスしている間にもたくさんメッセが届いているだろうからその返信だろう。

 流石に俺との関係のことを言うのはだろうけど、後で言っといた方がいいな。

 俺が櫛田を屈服させたのはその交遊関係を利用したいからだし、もし俺との関係がバレたら、交遊関係が崩れる可能性もありえる。

 だから秘密にしといた方がいい。

 

「もうグショグショだね」

 

 有栖の腟を触ると、既に愛液で腟内が満たされていた。

 動かす度にくちゅっと妖艶な音を立てて、お互いに興奮させていく。

 

「あん、もっと触って、ください……はあん」

 

 指を入れながら勃起している乳首とクリトリスを弄って有栖を快感に溺れさせていく。

 

「ひゃん、やん、ああん」

 

 敏感なとこを触られて有栖の喘ぎ声が大きくなる。

 入れる前に有栖を絶頂に導くために、動きを激しくした。

 

「ああ、はあん……やん、イきます、ああぁーーー」

 

 有栖は身体を大きく反らして絶頂に達した。

 それに伴い、腟から液体が勢い良く出てきて潮を吹いた。

 こんな調子でいつもシーツが濡れてしまうので、毎日洗うはめにはってしまう。

 

「もう準備万端だね」

「はい。すぐに遼くんに抱いてもらってもいいように、いつでも準備万端です」

 

 可愛いなあって思いつつ、有栖にキスをする。

 

「私には愛のあるキスをしてくれなかったのに、坂柳さんにはするんだね」

 

 せっかくのキスを櫛田が遮ってきた。

 櫛田にもきちんとキスをしただろう。愛はなかったけども。

 

「ふふ、嫉妬ですか?」

「うん。私だって遼くんのものになったんだから、ちゃんと愛がほしいよ」

 

 いつの間にか名前で呼ばれたし。

 まあ、それに関してはいいんだけど。

 

「今回は櫛田を屈服させるためにしたから愛なんてないよ。これから俺に尽くしてくれるのであれば、きちんと愛を与えるよ」

「本当?」

 

 覗きこんで俺に聞いてくる。

 明らかに計算している行動だろうが、それに惚れてしまう男は多いんだろうな。

 俺は既に有栖がいるから、それだけで惚れることなんてないけど。

 

「もちろん。尽くしてくれる人に嘘はつかないよ」

 

 櫛田の頭を撫でると嬉しいのか笑みがこぼれた。

 俺に屈服して惚れてしまったのかな?

 でも俺は櫛田と付き合う気はない。

 それは櫛田もわかっているけど、セックスだけでも愛がほしいのだろう。

 そもそも痛みを快感にしている櫛田にどうやって愛を与えればいいのだろうか?

 痛みを与えることで愛を与えるってことになるのかな?

 

「とりあえず今は有栖だから」

「はい。たくさん愛をください」

 

 有栖は嬉しそうに、櫛田は悲しそうにした。

 

 有栖の中に入れるために、足を思い切り開かせた。

 

「あ、ああぁーーー」

 

 一気に挿入するとそれだけで絶頂に達したようだ。

 本当にすぐ絶頂する身体になってしまった。

 

「ひい、イった、ばかりなのに、ひゃん、あぁ……」

 

 俺はまだ射精していないために、有栖が絶頂に達しようとピストン運動を止めることはない。

 肉棒の先が有栖の子宮口をノックしてから、無理矢理こじ開ける。

 それに快感を感じたのか、有栖はまた絶頂に達する。

 

「遼くんに調教されるとこんなになっちゃうんだ……」

 

 櫛田は何回も絶頂に達している有栖のことを見ている。

 

「桔梗もおいで?」

 

 俺が名前で呼んだからか、これ以上ないくらいの笑みを浮かべて俺のとこまできた。

 

「んん、ちゅ、はん……じゅる……」

 

 腰を振りながら桔梗が望んでいる愛のあるキスをする。

 嬉しそうに俺のキスを受け入れていて、幸せそうにしている。

 ここまできたら俺のことを裏切ることはまずないだろう。

 

 キスを止めて既にむき出しになっている桔梗のクリトリスを強く摘まむ。

 普通はここまで強く摘まんだら痛い以外の感覚はないだろうが、桔梗にとってその痛みは快感に変換される。

 実際に桔梗は身体を大きく反らして、喘ぎまくっている。

 

「そろそろ中に出すよ」

「ひゃい。たくさん、ああん、出してください」

 

 動きを激しくして射精感を高めていく。

 

「桔梗もイきなよ」

「ひい……もっと痛くしてイかせて……はあん」

 

 さらに強く摘まむと、さらに大きな声で喘ぎだす。

 

「出る」

 

 俺は桔梗のクリトリスを強く摘まみ、有栖の中に射精していく。

 

「イく、イく、ああぁーーー」

「ああん、中に出されながらイってましゅ」

 

 二人は同時に絶頂に達して、大きく身体を震わせた。

 今回は二人を相手にしているからか、いつもより多くの精液が有栖の中に流れていくのがわかる。

 

「たくさん出てます。はあん、もっと出して……ああん」

 

 二人がエロい格好をしているので、これで終わるわけもなく、二人の中に精液を出しまくった。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

13話

 俺が満足するまでセックスしたためか、有栖と桔梗はぐったりしてしまったので、今日は2人とも俺の部屋に泊めることにした。

 

「坂柳さんは凄いね。毎日こんなにしてるの?」

「いえ、今日は特に凄かったですよ」

 

 少し休んで体力が回復してきたのか、会話をし始めた。

 確かに今日はいつもよりしてしまった気がする。

 ホワイトルームでの管理が影響しているのだろうか?

 俺は他の人とは比べものにならないくらい、大量に精液が作られるようだ。

 だからか、性欲も他の人より強い。

 1日でもセックスしなかったら爆発してしまいそうなほどだ。

 だから2人にはいっぱい相手をしてもらうことになるだろう。

 

「桔梗はもう俺の言うこと何でも聞いてくれるってことでいいのかな?」

「うん。流石に死ねとかは無理だけど」

 

 抱く前に俺は死ねって言われたけどな。

 

「エッチな言うことなら何でも聞くから、いっぱい命令してね」

 

 桔梗は胸を俺に押し付けてそう言った。

 

「ありがとう」

 

 俺が頭を撫でると桔梗は「えへへ」と、笑みを浮かべる。

 流石に人気者の笑顔には破壊力があるな。

 有栖がいなかったら、俺が堕ちていたのかもしれない。

 

「有栖もありがとう」

 

 有栖のことを引き寄せてから頭を撫でる。

 

「遼くんって思っていたより優しい?」

「そうですね。おかげで甘い恋人同士のように過ごさせていただいてます」

「ズルい。私も遼くんと甘い時間を過ごしたい」

 

 桔梗とは外ではあんまり絡む気はない。

 だから桔梗とはデートすることはできないだろう。

 それにこの学校は明らかにクラス間で争うようにできてきる。

 そんな中、櫛田と外で絡みすぎるのはよろしくない。

 

「外では絡まないよ」

「何で?」

 

 説明しないと納得してくれないか。

 

「桔梗にはその交遊関係を利用して俺が言う人の秘密を探ってもらおうかなって思ってる。だから特定の異性と仲良くされると、秘密が知りにくくなるかもしれないからね」

 

 異性と仲良くしていると、つい喋ってしまうんじゃないかと思われていまうから、それは避けたい。

 これで納得してくれないのであれば一応案はあるけど、どうだろう?

 

「わかった。でもここでは坂柳さんに負けないくらいイチャイチャさせてもらうから」

 

 少し納得していなそうな表情だが、了承はしてくれた。

 

「じゃあ、桔梗の連絡先教えて」

「わかったよ」

 

 お互いに携帯を取り出して、連絡先を交換した。

 桔梗は他のクラスの人達ともたくさん連絡先を交換しているし、俺とも交換しても問題はない。

 人の秘密は証拠の残るメールとかではしないけど、電話で指示を出すから連絡先の交換は必須だろう。

 

「さて、休憩もしたし、またやろうかな」

 

 俺は二人の前にギンギンに勃起した肉棒を見せつけた。

 

「あれだけ出してもまだこんなに大きいなんて⋯⋯」

「はい。れろ⋯⋯」

 

 桔梗は驚いていたが、有栖はもう慣れているからか、すぐに舐めてくれた。

 

「桔梗も舐めて」

「う、うん。こうすればいいのかな? れろ⋯⋯」

 

 二人して俺の肉棒を舐めてくれる。

 桔梗は舐めるのが初めてだからか、有栖を見よう見真似で舐めているようだ。

 

「気持ちいいよ」

 

 そう言いながら頭を撫でると、二人の顔から笑みがこぼれる。

 本当に気持ち良く、油断しているとすぐに出てしまいそうだ。

 でも長く味わっていたいために、ここは出すのを我慢する。

 

「ひゃん」

「ひい⋯⋯」

 

 2人の乳首をつねる。

 するとすぐに乳首が勃起して、2人は快感で舐められなくなった。

 

「ほら、きちんと舐めないと」

 

 また舐めてくれるが、さっきより動きがぎこちない。

 俺が乳首を弄ってるせいだが、きちんと舐めてもらわないと。

 

「ん、れろ⋯⋯はあん⋯⋯」

「ちゅ、ひゃん⋯⋯れろ⋯⋯」

 

 有栖はほぼ毎日してもらっているからだいぶ上手くなってきたが、初めての桔梗はお世辞にも上手いとは言えない。

 これからたくさんすることになるだろうから自然と上手くなっていくことだろう。

 

「出すよ」

「はい。たくさん出してください。ちゅ⋯⋯」

「うん。いっぱいちょうだい、ん⋯⋯」

 

 射精感がマックスになり、精液が2人の顔や髪にかかる。

 それにしても本当に量が凄い。

 顔のほとんどにかかり、明らかに睾丸に入る量より多い気がするのだが気のせいだろうか?

 1人でするより、セックスした時の方が多く射精することは知っているが、多すぎる。

 

「このまま拭くのはもったいないから、かかった精液を舐め合って」

「はい」

「うん」

 

 お互いの顔を交互に舐めながら精液を飲んでいく。

 俺は携帯のカメラ機能を使って撮ることにした。

 まあ、撮ったとしても使うことはないけど、記念にはいいかな。

 一応落として他の人に見られないように、この写真は別のフォルダーを作って、そのフォルダーはロックをかける。

 まあ、携帯を動かすにはロックを解除する必要があるから、フォルダーにロックをかける必要はないが念のためだ。

 

「遼くんの精液美味しいよぉ、れろ⋯⋯ん⋯⋯」

「はい。全部飲み干しましょう。れろ⋯⋯」

 

 どんだけ俺の精液が美味しいんだろうか?

 好きな人の精液は美味しく感じてしまうのだろうか?

 

 俺は舐め終わった二人を連れてお風呂に入り、そこでもいっぱい二人に射精した。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

14話

アンケの途中結果……一之瀬が凄い優勢です。


 桔梗の処女を貰ってから次の日の朝になり、俺は学校に行く準備をする。

 桔梗は俺の部屋に私物がないので、自分の部屋に戻った。

 もちろん戻す前にフェラをしてもらったけど。

 

 有栖は朝からセックスしたいと求めてきたので、そのまましてしまった。

 今まで朝はフェラだけだったのに。

 恐らくは桔梗に負けたくないという気持ちがあるのだろう。

 

「じゃあ、行こうか」

「はい」

 

 いつも通りに有栖と手を繋いで家を出ようとしたら、ドアの前には桔梗がいた。

 

「どうしたの?」

「遼くんと一緒に登校しようと思って」

 

 これじゃあ、俺が桔梗と絡んでいることが他の人にもバレちゃうじゃないか。

 

「桔梗にはお仕置きが必要かな?」

「うん。いっぱいお仕置きして」

 

 ダメだ。ドMの桔梗にとってお仕置きするのはご褒美になってしまう。

 俺と一緒にいたい気持ちもあるだろうが、1番の理由はお仕置きされたいから外でも絡もうとしてきたな。

 俺が放置したり、他の男に抱かれてこいと言わないことをわかっているから質が悪い。

 

 この時間だったら桔梗がここにいるのを見た人がいるかもしれない。

 そうなったら俺と絡んでいることがバレる。

 まあ、バレたとしても策はあるから大丈夫ではあるんだけど。

 

「桔梗は俺の親戚ってことにするから」

「親戚?」

「うん。そうすれば俺と絡んでも不思議には思われないから」

 

 学校には嘘だってバレるかもしれないけど、いちいち調べることなんてしないだろう。

 だから親戚ってことにしちゃえばいい。

 俺には有栖と付き合っている噂が流れているから、他の女と仲良くしたら印象が悪くなる。

 でも親戚であればいっぱい話しても印象が悪くなることはない。

 

「まあ、イチャイチャはできないけど、話せはするからそれでいいかな」

「じゃあ、行くよ」

 

 今日は3人で学校に向かう。

 美少女2人と一緒にいるからか、男からの視線が痛い。

 特に桔梗は学年でも5本の指に入るくらい人気があるから、俺に嫉妬の目が向けられている。

 てか桔梗とは手を繋いではいないんだから嫉妬するな。

 まあ、本人は繋ぎたそうな顔をしているが。

 

「桔梗に頼みがあるんだけどいいかな?」

「うん。何かな?」

 

 俺に頼られることが嬉しいのか桔梗の顔から笑みがこぼれる。

 

「もうすぐ中間テストがあるでしょ。上級生から過去問を貰えないか交渉してほしい」

「過去問? それってズルくないかな?」

「ズルくはないよ。先生はポイントで買えないものはないって言っていた。つまりは生徒間で過去問なんかの売買が行われているはず」

 

 それにこの間の小テスト……最後の3問だけ明らかに高校1年生が解ける問題ではなかった。

 あの小テストは過去問を手に入れられるというヒントを与える目的があったのではないかと思ってる。

 だから中間テストも過去問とほぼ同じ問題が出るはずだ。

 

「ポイントは俺が払うから何とか手に入れてほしい」

「わかった。頑張ってみる」

 

 桔梗のコミュニケーション能力なら問題なく手に入れることができるだろう。

 

「できれば小テストもつけてくれると有難い」

 

 小テストの内容が一緒であれば、中間テストも一緒の問題が出るのはほぼ100パーセントだ。

 だから確認の意味もこめて小テストの内容も見てみたい。

 

「過去問を手に入れたらDクラスの人達と共有してくれて構わないよ」

「いいの?」

「うん」

 

 Dクラスの皆が高得点を取ろうが、問題はない。

 それにAクラスの人達は過去問がなくても高得点は取れるだろう。

 こっちは共有をする必要性は感じられない。

 

「昨日の内に言わなかったってことは、こうやって私が絡んでくるの読んでたでしょ?」

「なんのことやら」

「遼くんのことだから間違いなく読んでいたでしょうね」

 

 この2人は俺が予知能力者だと思っているんですかね?

 

「とりあえず昼休みに山菜定食を頼んでいる生徒を狙ってくれ。ポイントに困っている人の方が交渉しやすいし」

 

 食堂の山菜定食は無料で食べることはできるが、美味しくはない。

 試しに食べてみたが、美味しくなくてもう食べたいとは思わなかった。

 よっぽどの物好きな人を覗いて、山菜定食を頼む人はポイントに困っているということだ。

 

「じゃあ、ポイントを振り込むね」

「うん」

 

 俺は携帯を使って桔梗に2万ポイントを振り込んだ。

 恐らくは1万5千くらいで足りるとは思うけど。

 

「ありがとう。絶対に手に入れてくるね」

「期待しているよ」

 

 俺は部屋にいる時の癖で、つい桔梗の頭を撫でてしまった。

 桔梗は笑みを浮かべたが、俺はしまったと思い手を引っ込める。

 

「あああーー、櫛田ちゃんが男に頭を撫でられてる」

 

 物凄く大きな声を出して、こっちに向かってくる男子生徒がいる。

 てかめちゃくちゃうるさい。

 

「池くん」

 

 どうやら桔梗の友達のようだ。

 しかもこの反応からして池は桔梗に好意がある。

 

「櫛田ちゃん、その男は誰?」

 

 こら、俺に向かって指を指すな。

 失礼にもほどがあるぞ。

 

「えっと、私の親戚の神無月遼くんだよ」

「そっか、親戚なのか」

 

 池はホッと胸を撫で下ろす。

 

「俺は池寛治(いけかんじ)。よろしく、お兄様」

「気色悪い」

「酷い」

 

 初対面の男にお兄様とか呼ばれたくはない。

 それに親戚という設定であって桔梗の兄ではないので、呼ぶなら普通に呼んでほしい。

 

「今のは池くんが悪いと思うな……」

「櫛田ちゃんまで」

 

 

 学校に着いたので桔梗と別れる。

 

「過去問をDクラスに渡しても良かったのですか?」

「問題はないよ。桔梗が過去問を手に入れて赤点を回避する人がいれば、桔梗の評価が上がって信頼を得ることができるからね」

 

 信頼できる人には自分の秘密を喋りやすくなる。

 だから桔梗にはこれから色々と動いてもらうことになるだろう。

 もしDクラスを裏切ることになったとしても俺のことを優先するはずだ。

 もちろん表だっての行動をさせるつもりはないから、Dクラスの人達は桔梗が裏切るなんて思うことはない。

 

「ふふ、遼くんは私以上に人を使わせることが上手なようですね。しかも相手に不快感を与えないのですから流石です」

 

 まあ、桔梗に関しては一度絶望に突き落としてはいるけど。

 でも結果的には自分の意思で俺に屈服した。

 

「俺は有栖のことが好きだよ」

 

 突然の告白により有栖の顔が真っ赤になり、口元がニヤけている。

 

「だからずっと一緒にいてね」

「はい」

 

 人が結構いるとこでの告白だから、これで俺と有栖が付き合っているというのが広まる。

 それにより俺が桔梗と仲良くしているのは、あくまで親戚としてという形に見えるはずだ。

 池は結構お喋りっぽいから、俺と桔梗が親戚ということも他の人に伝わるだろうし。

 有栖ならすぐに俺の意図に気づくかと思ったけど、嬉しすぎて何かを考えてる余裕はないようだ。

 なので後できちんと説明しないといけなくなった。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

15話

もう少しアンケ載せますが、このままでは一之瀬が圧倒的になりそうです。


 昼休みになったので、有栖と一緒にご飯を食べる。

 有栖の足を考えて俺が有栖の分までお弁当を作って、それを一緒に食べるのだ。

 本当は2人きりで食べたいのだけれど、移動には時間がかかるし、いたる所に監視カメラがあるので止めておく。

 2人きりになると自重できなくなるし。

 エロいことをしすぎてポイント減らされてしまう可能性もあるから自重しないといけない。

 監視カメラがない所を見つけてはいるが、他のカップルがイチャイチャしているかもしれないので行く気にはなれない。

 

「あ~ん」

 

 周囲にラブラブなのをアピールするために、有栖に食べさせてもらっている。

 無理矢理させていわけではないからポイントが減らされることはないだろう。

 

「おい、あんまりイチャつくな。ポイントが減ったらどうする?」

 

 有栖と対立をしている葛城康平(かつらぎこうへい)がやってきた。

 葛城は無毛症なのか毛が一切生えていない。

 きっとあそこの毛もないのだろう。

 高校生とは思えない顔と大きな身体は、相手を威嚇するには充分だ。

 

「おやおや、保守的な葛城くんらしい考え方ですね」

「何だと?」

 

 葛城が有栖のことを睨む。

 

「有栖、あ~ん」

「あ~ん」

 

 次は俺が有栖に食べさせる。

 少し頬を赤くしている辺りが可愛らしい。

 

「無視するな」

 

 さらにつっかかってくるが、せっかくの有栖との時間を邪魔しないでほしい。

 

「遼くんと葛城くん……私がどちらを優先するかなど分かりきっていることではありませんか」

 

 相変わらず俺以外の人には攻撃的だな。

 

「これくらいではポイントを減らされないから問題ないよ」

「その根拠はあるのか?」

 

 いちいち言わないとわからないのか……面倒くさいな。

 俺は4月にとある実験をしていた。

 だから休み時間に多少イチャイチャする分にはポイントが減らされないのはわかっている。

 まあ、ご飯を食べさせあっているから多少ではないが。

 他の人からしたら砂糖を直接口の中に入れられたようなほど甘いだろう。

 そんな中、話しかけてきた葛城は結構度胸がある。

 

「俺は振り込まれるポイントが個人の評価なのかクラスでの評価なのかを確かめるために、4月は何度か授業中に携帯を弄った。そして有栖は模範的な生徒として授業を受けた」

「結果、クラス間での評価で60CP減らされたわけだ。それが何か関係あるのか?」

 

 優秀と言われるAクラスでも本当に優秀なのは有栖だけなのかもしれないな。

 ここまで言ってもクラスで3位の葛城がわからないのだから。

 

「俺は有栖と手を繋いで登下校したりして普段からイチャイチャしていた。それなのに60CPしか減らされていない。だから休み時間にイチャついてもポイントが減ることはない」

「それは他の皆が真面目に授業を受けたからポイントがプラスされたんじゃないか?」

「それはない」

 

 CPは入学時に1000与えられていて、基本的には授業態度で減点されることはあっても授業態度で加点されることはない。

 

「どういうことだ?」

「授業態度で加点されるのであればAクラスは余裕で1000CPは越えている。俺が携帯を触ったのはあくまで数回……それで何百とポイントが減らされることはあり得ないだろう」

 

 それに授業態度は良くて当たり前。

 そんなことは義務教育で散々言われてきたことだ。

 だから授業態度がいくら良くてもポイントが加点されることなんてあり得ないのだ。

 Dクラスが0CPなのは、授業態度が物凄く悪かったのだろう。

 

「よって休み時間にイチャついてもポイントが減ることはない。他にも根拠はあるけど説明は必要か?」

「いや、いい」

 

 流石に葛城も理解はできたか。

 これで理解できなかったら、どうしようかと思ったけど。

 

「ポイントが減らない理由はわかったが、あんまりイチャつくのはどうかと思うぞ。水無月に殺意がこもった視線が向けられている。恋は盲目なのは本当のようだな」

 

 有栖は可愛いから有栖のことを好きな人がいてもおかしくはない。

 そんな人から俺は目の敵にされているのか。

 もし桔梗との関係がバレてしまったらら敵が増えそう。

 

「いえ、盲目ではなくて、あえて見せつけているのですよ。遼くんに余計な犬がつかないように」

 

 俺は有栖を支配していると他の人に思われたくないために、学校では俺の前でもSを出してもらっている。

 まあ、元からSだから演技ではないのだけど。

 だから他の人から見たら俺が尻にひかれていると思っているだろう。

 ここまで見せつけないといけなくなったのは桔梗のせいだから、本当に後でお仕置きをしないといけないな。

 俺が桔梗と親戚の設定ということにしても、俺が有栖に夢中ってことにしなければならなくなった。

 だから今日はバカップルになっているわけだが。

 

「女子の間でイケメンランキングが実施されたのを知っていますか? 遼くんはそれで4位なんですよ。だから見せつけて諦めさせるのです」

 

 そんなランキングがあるなんて初耳なんだけど。

 それにしても見せつけて諦めさせるとかどんだけSなんだよ……

 案外残酷なことをするんだな。

 俺だったら心が折れてしまいそうだ。

 

「ちなみに葛城くんは圏外でしたよ」

 

 そんな情報はいらない。

 

「俺のことは余計だ」

 

 本人も知りたくなかったみたいだ。

 

「まあ、ほどほどにしておけよ」

 

 葛城はそう言い、俺達の元から去って言った。

 

 また食べるのを再開しようとしたら携帯が震えた。

 誰かからメールがきたのか。

 送り主は桔梗でメールにはこう書かれていた。

 

『テストの過去問貰えたから送るね。ポイントは余ったんだけど返した方がいいかな?』

 

 早速手に入れたのか。

 行動が早くて助かるな。

 

『残りのポイントは自由に使っていいよ。ありがとう』

 

 そう返信をした。

 

 添付されているテストの内容を見てみる。

 小テストの内容は全く同じだったことから、中間テストの内容も過去問と同じなのは間違いないな。

 その後に桔梗から『大好き』というメールが来たので、それだけは削除した。




一応活動報告のとこに書いてほしいキャラを募集しているのを作ったので、リクエストがあればそこに書き込んでください。
感想欄は小説の感想を書くとこなので、そこに書かれても……って思ったので。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

16話

 放課後になったので、俺は有栖と帰ることにした。

 桔梗はクラスの人達と勉強会をすることになっているとのことなので、一緒には帰らない。

 

「しばらくの間は遼くんのことを独占できますね」

「そうだな」

 

 勉強会が終わったら俺の部屋に来そうだが、それまでは2人きりでいることができる。

 だからなのか今日は早く寮に帰りたそうだ。

 

「Aクラスの坂柳さんと水無月くんだよね?」

 

 帰るために2人で廊下を歩いていたら、女子生徒に話しかけられた。

 腰下まであるピンクの長い髪は少しウェーブがかかっていてる。

 そしてその笑顔と制服の上からでもわかる巨乳は、男を惹き付けてならないだろう。

 

「Bクラスの一之瀬さんでしたか?」

「うん。私は一之瀬帆波(いちのせほなみ)だよ」

 

 一之瀬のことは聞いたことあるな。

 Bクラスのリーダーをしていて、クラス内からの信頼が厚い生徒だ。

 

「何で俺達のこと知ってるの?」

 

 知っている理由は大体想像がつくけど。

 

「えっとね、櫛田さんにAクラスの知り合いがいないかって相談したら、2人の名前が出てきたの」

 

 やっぱり桔梗か。

 これは堀北を退学させるために彼女も味方につけてほしいってことだろうか?

 見た限りでは善人を絵に書いたような人っぽいから、協力してくれるとは思えないけど。

 てか退学させたいという堀北を紹介させろよ。

 桔梗なら可能だろうに。

 いや、それが難しいから堀北のことを紹介するなんて言ってこないのだろう。

 

「それで何の用ですか?」

 

 有栖の声に少し苛立ちを感じる。

 せっかく2人きりでいれる貴重な時間を邪魔されるかもしれないのだし、仕方ないだろうけど。

 

「うん。良かったら一緒に勉強会でもしようかなって思って」

 

 一緒に勉強会なんて何を考えているんだろうか?

 

「私がそれに賛成するとでも?」

「それはわからないよ。でもAクラスの人達と一緒に勉強会ができたらいい刺激になると思ったんだ」

 

 本当に裏表のなさそうな人だな。

 いや、そうなった原因がないかあるのかもしれない。

 人間には少なくとも何かしら裏がある。

 彼女にも人には言えない何かがありそうだから、桔梗を使って探らせてみよう。

 

「話になりませんね」

「俺は一之瀬と勉強会してみようかな」

「遼くん?」

 

 有栖は勉強会を開くのは反対なようだ。

 まあ、俺といれる時間が減るのが嫌なんだろう。

 

「ただ、今日は予定があるからその話は後でさせてくれ」

「うん。じゃあ、私の連絡先教えるから後で連絡して」

 

 俺は一之瀬と連絡先の交換をしてから寮に帰った。

 

 

「何で勉強会を開くのですか?」

 

 本当に納得してなさそうな顔だ。

 でも有栖は俺に逆らうことなんてできないから、勉強会に行くことになるだろう。

 

「ただ単に一之瀬を味方にしといた方がいいと思っただけ」

「それは櫛田さんみたく屈服させるのですか?」

「そこまでは考えてないよ」

 

 ただ、彼女の闇がどんなのか次第になるけど。

 もしそれを使って彼女をこっち側につけられるのであれば、利用させてもらうだけだ。

 

「でも駒は多いに越したことはないからね」

 

 今後、この学校に絡んでくるあの男を退けさせるためにも、何かしらの対策が必要になる。

 そのために一之瀬には悪いが、強制的に俺の駒になってもらう。

 

「今は桔梗がいないし、いっぱい愛し合おう」

 

 俺が本当に愛を持って接するのは有栖だけだ。

 桔梗にはあくまでご褒美をあげているだけにすぎない。

 そこに本当の愛なんて存在しない。

 

「はい」

 

 俺は有栖にキスをする。

 いっぱい唾液を送り込んで、それを有栖に飲ませる。

 

「んん、じゅる……ごく、はん……」

 

 キスをしながらブレザーとワイシャツのボタンを外していく。

 今日は初体験の時と同じ下着をつけているようで、そこまで時間はたっていないのに何だか懐かしさを感じる。

 ブラをずらして露になった有栖の乳首に思い切り吸い付く。

 

「はあん、やん……ひゃん、あん、ああん」

 

 吸い付いてすぐに乳首は勃起して、もっと触ってほしいみたいで主張する。

 俺はそれに答えるべく、たくさん乳首に刺激を与えていく。

 ビクビクと身体を震わせながら感じている有栖をいっぱい見たくて、刺激を強くして感じさせる。

 

「ああ、イきます⋯⋯んんー、あああぁぁーー」

 

 絶頂に達した有栖は思いきり身体を反らした。

 

「今日は服を着たまましよう」

「着たままです⋯⋯ああん」

 

 ショーツをずらして大きくなった肉棒を有栖の膣内に一気に挿入した。

 

「そして体位も変えよう」

 

 いつもは有栖を寝かして俺が突くことが多いが、今日は変えようと思っている。

 繋がったまま有栖を抱きかかえた。

 いわゆる駅弁と呼ばれる格好だ。

 

「ひい⋯⋯」

 

 自身の体重によりいつもより深く入ったのか、それだけで絶頂に達してしまったようだ。

 俺の肉棒が有栖の子宮口を無理矢理こじ開けて、そこに射精したいとさらに大きくなった気がする。

 

「ひゃん⋯⋯これ、いいれす⋯⋯いっぱい突いて、ああん」

 

 今までにない快感を感じたのか、いつもより大きな声で喘ぎだす。

 それにより俺も興奮してしまい、思いきり突く。

 一突きする度に絶頂に達しているんじゃないかと思わせるほどに、有栖は大きく身体を震わせている。

 

「出そう」

 

 有栖の膣壁は俺の肉棒を思いきり締め付けてきて、もう出てしまいそうだ。

 

「ひい、出して⋯⋯たくさん、出してくだしゃい」

 

 俺の精液が欲しいのか、さらに締め付けを強くしてくる。

 

「出る⋯⋯」

 

 ギリギリまで引き抜いてから奥まで突いたと同時に、有栖の膣内に大量の精液が流れ込んでいく。

 

「ああ、いつもよりたくさん⋯⋯幸せれす」

 

 最奥に出されたとこにより、有栖も絶頂を迎えた。

 身体を震えさせながらもその顔は幸せそうだ。

 

 精液を出し切ってもそのまま抜かずに、俺は有栖と共にベッドで横になった。

 気持ち良すぎて動きたくなってくるが、今は我慢する。

 

「有栖は今後、俺から1秒たりとも離れることを許さない」

「はい。離れません」

 

 ずっと一緒にいるという誓いを込めたキスをした。

 繋がったままで我慢ができるわけもなく、またセックスしたのは言うまでもない。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

17話

櫛田をこんなにしてますが、嫌いなわけではないです。
むしろ好きです。


 勉強会が終わったのか、桔梗は予想通り俺の部屋まで来た。

 大きい鞄の中に服やら日用品やらを入れて来たから、俺の部屋に入り浸る気満々ってことか。

 

「遼くーん」

 

 俺とイチャつきたかったのか、部屋に入ってきてすぐに抱きついてきた。

 わざと胸を押し付けてきて、俺を興奮させたいのだろう。

 

「桔梗にはお仕置きが必要だよね」

「そうだね。どんなお仕置きなのかな?」

 

 お仕置きを期待する目をされても困るんだけど。

 調教したとはいえ、良くここまでドMになったものだ。

 

「桔梗なんて放っておいていっぱいしよ」

 

 抱きついている桔梗を無理矢理離してから有栖にキスをする。

 

「遼……くん?」

 

 いきなり突き放されたために桔梗は悲しそうな顔をするが、俺は気にせず有栖とキスをした。

 桔梗を突き放すように有栖だけを見てキスをする。

 

「俺の言うことを聞かない人は必要ない」

 

 桔梗は外で絡んでくるし、一之瀬に俺のことを言うしで、勝手に動いている。

 俺はそんな駒を求めているわけではない。

 

「そんな……」

 

 昨日、俺が脅した時のように絶望した顔になる。

 肉体的に痛みを与えても桔梗にとってはご褒美になってしまう。

 だから精神的に痛みを与えることにした。

 

「有栖愛してるよ」

「はい。私もです」

「え⋯⋯?」

 

 俺はまた有栖にキスをする。

 

「何で? 坂柳さんのことも私と同じように支配しているんじゃないの? それなのに愛してるっておかしくない?」

 

 確かに支配しているけど、有栖は桔梗とは違う。

 俺にとって有栖は本当に大切な人だ。

 だから愛していると言っても何にもおかしくはない。

 

「桔梗もこうして欲しがったら、俺に謝って忠誠を誓って」

 

 桔梗のコミュニケーション能力は、この後絶対に役に立つ。

 だからきちんと謝ってくれるのであれば、俺の手元に置いておく。

 

「これが桔梗へのお仕置き。謝ってくれないのであれば、どこまでも突き放す」

 

 外で話しかけてきたことを見ると、桔梗は俺に依存している。

 そんな人には突き放すのが1番効果的だ。

 でも完全に突き放すことはしない。

 もし、桔梗を突き放したことで俺の悪評を流されたりしたらたまったものじゃないからな。

 

「有栖、学校を卒業したら結婚しようね」

「はい。必ず」

 

 俺の言葉に飛びっきりの笑顔で答える有栖。

 俺だけにしか見せない特別な顔だ。

 

「いや……」

 

 桔梗が壊れ始めた。

 頭を手で抑えてガタガタを震えただす。

 昨日から感じていたが、桔梗は承認欲求の持ち主だ。

 愛されたい、頼られたいと思われることで自分の気持ちを満たしている。

 そんな桔梗は俺に特別愛されたい気持ちでいっぱいのはずだ。

 だから俺が他の女に好意を示せば簡単に壊れる。

 もしかしたら暴言をはくかもしれないとも思ったが、今の彼女にはそんな余裕はないようだ。

 

「いや、いやいやいやいや……遼くんと一緒にいたい」

 

 いい感じに壊れてきたな。

 その顔は涙が流れていて、このままでは自ら命を絶ってしまうんじゃないかと思えるほどだ。

 簡単にこうなるのだから、俺に相当依存している。

 だからその依存を利用させてもらう。

 

「忠誠を誓えないのであれば、そのチョーカーを返してもらうね」

 

 俺は桔梗のチョーカーに触れる。

 

「ダメ……」

 

 弱々しいが抵抗を見せる。

 このチョーカーは桔梗にとって、俺との繋がりを表す物だ。

 それを取られてしまったら、俺との関係がなくなってしまうと思っているのだろう。

 もし、このチョーカーを取ってしまえば、桔梗は完全に壊れる。

 

「俺に愛されたいのであれば忠誠を誓って。親戚という設定にしたから外で絡むなとは言わないけど、俺の言うことだけは全部聞くこと」

「そうしたら本当に愛してくれるの?」

「ああ、約束だ」

 

 俺は優しく桔梗の頭を撫でる。

 

「遼くんの言うことは何でも聞く。だから私のことを愛して」

 

 依存って怖いな。

 どんなに突き放しても、少し優しくしただけで簡単に戻ってくるのだから。

 

「クラスを裏切ることになっても?」

「うん。遼くんと一緒にいれなくなるのが1番嫌だ」

 

 これで桔梗は完全に俺の駒だ。

 俺と一緒にいるためにどんな命令でもきいてくれる。

 

「ふふ、遼くんはやっぱり凄い人です。私が勝てないわけですね」

「坂柳さんは遼くんに負けたの?」

「ええ。チェスで勝負したのですが、負けてしまいました」

 

 まあ、チェスはホワイトルームで散々やったから、簡単には負けない。

 

「でも私は負けたことに後悔はしていません。こうやって遼くんと一緒にいることができるのですから」

 

 そうだろうね。

 有栖も俺に依存しているし、もう離れることはできない。

 まあ、有栖に関しては絶対に離さないから、俺も有栖に依存しているのだろうな。

 

「じゃあ、約束通り桔梗を愛してあげる」

「うん」

 

 さっきまでの顔が嘘みたいに飛びっきりの笑顔を見せる桔梗。

 この後は3人で愛し合った。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

18話

11巻面白かったですね。
坂柳がもっと出てきてくれればいいんですが、これからあんまり出番がなさそう。


 俺は携帯を取り電話をかける。

 数回のコールの後に相手は電話に出てくれた。

 

「今時間大丈夫か?」

『うん。大丈夫だよ』

 

 俺が電話をかけた相手は一之瀬だ。

 今から勉強会の話をする約束をしていたので、その話をする。

 ちなみに有栖と桔梗は左右から俺にベッタリとくっついている状態だ。

 AクラスとDクラスの美少女が俺にくっついてきて、Bクラスの美少女と電話で話している……俺は端から見たらリア充にしか見えないだろう。

 こんなこと入学したばっかりの俺には想像すらつかなかった。

 予知とまで言われる俺の予想は、人間関係が変わればこうも容易く外れてしまう。

 

「勉強会はいつからやるの?」

『もうテストまで時間がないからね。明日からやりたいと思っているよ』

 

 明日からか。

 

「わかった。じゃあ、放課後に図書室でいいかな?」

『うん。問題ないよ』

 

 俺はわかったと言い、電話を切る。

 これでテストまでは勉強会だ。

 

「貰った過去問ってもう皆に渡したの?」

「ううん。一緒に手伝ってもらった人に前日に渡した方がいいって言われたから」

 

 なるほど。過去問なんかは前日に渡した方がいい。

 もし既に過去問を貰ったら、それだけを覚えようとしてまともに勉強をしないだろう。

 いくら普段から勉強をしない生徒でも、赤点をとったら退学なのだから勉強をするはずだ。

 だから少しでも基礎を構築させ、最後の手段として過去問を渡すのだろう。

 

「その人も遼くんと同じことを考えてたよ」

 

 Dクラスにも頭が切れる生徒がいるみたいだ。

 

「良かったらその人のこと紹介してくれないか?」

「いいけど、男の子だよ?」

 

 別に女の子を紹介してほしいなんて思ってもいない。

 それに俺は有栖の彼氏ってことになっているから、女の子を紹介してほしいなんて言うわけがない。

 

「まあ、少し興味があるだけだが」

「遼くんって男の子もいける口じゃないよね?」

 

 桔梗は俺のことを何だと思っているんだ?

 確かに性欲は強いけど、同性相手な興奮なんてしない。

 

「また絶望に陥りたいの?」

「それだけは嫌……」

 

 どうやらさっきのお仕置きは桔梗にとって大きなトラウマになってしまったようだ。

 俺のことを離さないかのように強く抱きしめてくる。

 

「冗談だよ。紹介お願いできるかな」

「わかったよ。明日の昼休みに会えるようにお願いしてみるね」

 

 きっと桔梗の誘いを断ることはないだろう。

 だから明日に会うことができる。

 その人も駒として使うことができればいいんだけど、会ったことがないからどうなるかはまだ想像できないな。

 

「私は同席しない方がよろしいですよね?」

「そうだね。有栖を他の男と関わらせたくないし」

 

 そう思うってことは有栖を独占したい俺の心の現れだろう。

 まあ、有栖は俺にベタ惚れ状態だし他の男になびくことはないけど。

 

「話も終わったししようか」

 

 俺は2人の胸を揉む。

 

「んん、はい」

「あん、いっぱい遼くんの愛ををちょうだい」

 

 2人を裸にさせてベッドに寝かせる。

 寝たした2人の上に覆い被さりキスをした。

 最初は交互にキスをしていたが、すぐにしてほしくなってしまうのか求めてくるので、3人で舌を出してキスをしていく。

 

「んん、れろ……じゅる……」

「はん、んん……」

 

 途中で2人の口の中にたっぷりと唾液を流し込む。

 その唾液を美味しそうに飲んでいく2人。

 唾液を流し込みすぎて口の中がカラカラに乾いてしまったので、キスを止める。

 もっと欲しそうにしていたけど、次はこっちだ。

 

「桔梗には許可なく男と接触したからお仕置きしないといけないね」

「え……」

 

 そんなに悲しそうか顔されても……

 桔梗にはしばらくお仕置きって言葉は禁句かもしれない。

 

「大丈夫」

「だい……ん、んんんーー」

 

 俺は桔梗の頭を手で抑えて肉棒を一気に口の中に入れる。

 

「歯を立てたら今日は抱いてあげないからね」

 

 そう言うと桔梗は歯を立てないように、しっかりと口を開けている。

 桔梗はイラマチオは初めてだから苦しそうにしているが、すぐに快感に変わってしまいそうな気がする。

 そうなったらお仕置きにはならないな。

 そんな桔梗を羨ましそうに見ている有栖にも何かしてあげるか。

 

「ひい…」

 

 有栖には乳首を噛んだ。

 本当は有栖にも肉棒を入れてあげたいが、無理なので乳首を噛んで気持ち良くさせてあげることにした。

 結構強めに噛んだために痛そうにしているけど……

 

「ひゃん、痛いけど、気持ちいいです……ああん」

 

 やっぱり気持ち良くなってきている。

 俺に抱かれたらどんな子もMになってしまうのかな?

 

「出すからしっかり受け止めてね」

 

 しっかりと頭を抑えて口の中に大量に射精した。

 

「あ、あ……イく、イきます……あ、ああああーーー」

 

 有栖の乳首をさらに強く噛むと、絶頂に達したようだ。

 

「ん、んんんーー」

 

 桔梗は有栖よりMなためにイラマチオで射精させただけで絶頂に達する。

 

「きちんと飲んでね」

 

 口から肉棒を引き抜くと桔梗は精液を全部飲み込む。

 

「これじゃあ、お仕置きじゃなくてご褒美だね」

 

 そんなことを笑いながら言わせても……

 

「さて、まだまだ出すよ」

 

 この後、2人に10発ほど出してそのまま寝た。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

19話

感想のとこにリクエスト書くと運営対応が入るんですね。
いつくか消されてるし。
リクエストは活動報告のとこに書けますので、そこに書くようにお願いしますね。


 今日はDクラスの人を紹介してくれることになっているので、待ち合わせの食堂まで行く。

 有栖と離れる時に口づけをしたから他の男が近寄ってくることはないだろう。

 食堂は人がいっぱいいるからあんまり行かない。

 有栖にとって人がいっぱいいることは転倒する危険が高まるからだ。

 

「遼くーん、こっちだよー」

 

 桔梗に声をかけられたので桔梗の元に行くと、茶髪の男子生徒がいる。

 その男子生徒はどこまでも無表情で、その顔には見覚えがあった。

 

「きよ、たか?」

 

 桔梗の隣にいたのは綾小路清隆(あやのこうじきよたか)

 俺と同じホワイトルームにいた人だ。

 ホワイトルームを運営しているあの男の子供だからてっきりまだいると思っていたけど、清隆もここに逃げ込んだみたいだな。

 

「え? もしかして知り合い?」

 

 桔梗は俺と清隆を交互に見た。

 まさか知り合いだと思っていなかったようで桔梗は驚きを隠せない。

 

「ああ、中学が同じだったんだ」

 

 俺も驚いているが、清隆は落ち着いて話をする。

 こいつは俺がこの学校にいることを知っていたな。

 じゃなければこんなに落ち着いていられるはずがない。

いや、驚いてはいるが、それが顔に出ていないだけだろう。

 それにしても咄嗟に中学が同じって、嘘を言うあたりが凄いな。

 まあ、ホワイトルームで一緒に学んでいたから、完全に嘘ってわけではないか。

 

「それにしてもお前は櫛田と親戚だったんだな」

「そ、そうだね」

 

 清隆は俺の従兄弟だ。

 だから俺と桔梗が親戚同士でないことは知っているはずなんだけど、俺の気持ちを察してくれてたようだ。

 まあ、俺と従兄弟ってことがバレたくない理由があるのかもしれないけど。

 

「それにしても綾小路くんにも友達がいたんだね」

「俺だって普通の高校生なんだから友達くらいいたって不思議ではないだろう」

 

 お前が普通って言っても何も説得力はない。

 清隆も紛れもない天才なんだから。

 桔梗に紹介してもらって駒にしようかと思ったが、清隆は俺の駒にはできない。

 こいつも人を動かす側の人間なんだからな。

 今のところ特に目立ったことはしていないから、表だって動きたくはないのだろう。

 

「清隆は坂柳有栖のこと知っているか?」

「いや、知らない。お前の彼女ってことは聞いたが」

 

 清隆も有栖のことは知らなかったか。

 有栖は清隆のことを知っているのだろうか?

 もし知っていたら俺の時と同じように勝負したいと思うのだろうか?

 そうだとしたら嫌なので、有栖にはきちんと言っておかないといけない。

 

 俺は清隆と連絡先を交換して教室に戻った。

 

「どうでしたか? 駒として使えそうな人でしたか?」

 

 有栖は俺が戻ってきたのが嬉しいようで、少しだけテンションが高い。

 

「使えないな。俺と同じ側の人間なのだから」

「そうなのですね」

「言っとくけど挑発するのは禁止だからね」

「わかっていますよ。私は遼くんといれれば満足ですから」

 

 その言葉に嘘はないようだ。

 

「ずっと愛してるよ」

「はい」

 

 俺は有栖に抱きついて愛の言葉を囁いた。

 その言葉を聞いて嬉しそうに頷いた有栖を見て、俺はずっと有栖の側にいたいと思ったのは言うまでもない。

 

 

「何で私も勉強会に参加しないといけないわけ?」

 

 放課後になって俺達は勉強会のために図書室に向かっている。

 メンバーは俺と有栖と神室真澄(かむろますみ)だ。

 神室は腰までの長いサラサラとした黒髪に少し目付きが鋭い。

 

「何でと言われましても命令ですので」

 

 神室は有栖に弱味を握られていて、命令に逆らうことができない。

 その弱味とは前にお酒を万引きしたのを目撃されたことだ。

 神室はそのことを伝えて退学にさせれば? と言ったみたいだが、逆に有栖に気に入られてしまったために、こうして有栖の配下になった。

 

「あんたもこんなのが彼女だなんて大変じゃない? こき使われてそうだし」

「おやおや、彼氏である遼くんをこき使うなんてことあるわけないじゃないですか」

「どうだか」

 

 実際は俺が有栖のことを支配しているのだが、神室はそのことを知らない。

 だから俺が振り回されているんじゃないかと思っているのだろう。

 

「有栖にこき使われるとかご褒美じゃないか」

「これだからこき使う気が起きないのですよ」

「そ、そうなのね。坂柳も大変ね」

 

 有栖に俺を命令することができないので、俺がMってことにして命令すれば喜ぶということにしとく。

 そうすれば有栖は俺に命令しなくて済む。

 

 俺は携帯を取り出して桔梗に一之瀬について探ってほしいとメールをしとく。

 彼女の闇を知るのは難しいかもしれないが、桔梗のコミュニケーション能力を使えば何とか知ることができるかもしれない。

 するとすぐに頑張るという返信がきた。

 桔梗は頭が結構切れるし、俺と一緒にいれるためなら何がなんでも知ろうとするはずだ。

 俺は桔梗が一之瀬の闇を知るのをゆっくりと待てばいいだけ。

 まあ、もし知ることができなくても、お仕置きをするつもりはない。

 今回のはかなり難しいことだから。

 でももし一之瀬の闇を知ることができれば、いっぱいご褒美をあげることになるだろう。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

20話

タグにはついていないですが、要望が多いキャラを出してみます。


 図書室に行くと既にBクラスの生徒が席を取っていた。

 図書室を見回していると、他の生徒達もテスト勉強をしているようだ。

 Dクラスの生徒もいてそこには桔梗や清隆、池などもいる。

 桔梗と視線が合って俺ににっこりと笑顔になると、池や他のDクラスの男から殺意のこもった視線が向けられた。

 少なくとも池は俺と桔梗が親戚だと思っているのだから、殺意のこもった視線を俺に向けるんじゃない。

 

「お待たせしてすいません。なにぶん私は歩くのが遅いので」

「ううん。私達もさっき来たばっかりだから」

 

 俺達はBクラスの生徒達と向かい合うように席に着く。

 Bクラスも3人か。

 一之瀬も俺と同じ考えで大人数では効率が悪いと思って、この人数にしたのだろう。

 

「まずは自己紹介からだよね。私は一之瀬帆波。よろしくね」

 

 やっぱり一之瀬の胸は大きいな。

 少し動いただけでも揺れるし。

 

「俺は神崎隆二(かんざきりゅうじ)だ」

 

 短い自己紹介だしあんまりコミュニケーションが得意じゃなさそうな人だ。

 

「私は白波千尋(しらなみちひろ)です。よろしく」

 

 少し緊張しているのか頬が赤い。

 それと同時に一之瀬ばかりを見ているので、彼女に好意があるのかもしれない。

 

 俺達も自己紹介を済ませ、この6人が本日勉強会に集まったメンバーだ。

 

 

 勉強が始まって1時間ほどがたった。

 一之瀬と神崎はかなり勉強ができ、その実力はAクラスでもおかしくない。

 神崎は人付き合いが苦手そうだからBクラスになったと思うが、一之瀬に関しては何でBクラスになったのか不思議なほどだ。

 やっぱり過去に何かしらあって、Bクラスにされたのだろう。

 

「ふと思ったんだけど、Cクラスにはどんな人がいるんだ?」

 

 俺はまだCクラスの生徒と交流がない。

 でも一之瀬は俺と違って交流関係が広そうだしCクラスの人と面識がありそうだ。

 

「Cクラスかぁ……あんまりいい印象がないんだよね」

「そうなのか?」

 

 普段から笑顔が絶えない一之瀬がそんなことを言うなんてよっぽどのことがあったのだろう。

 

「うん。入学早々にBクラスを仲間割れさせようとしてきたんだよね」

「それはそれは……Cクラスには残酷な人がいるものですね」

 

 そう言う有栖も結構残酷なことをしそうだけど。

 俺が止めなかったら勝つためにどんな手段でも使うだろ。

 実際に神室を使って俺のことを尾行させたこともあるくらいだし。

 

「でも私達は結束力が高いから大丈夫だったけどね」

 

 Bクラスは一之瀬中心に纏まっているみたいだな。

 俺達なんてクラス内で分かれてしまっているからBクラスは少し強敵になるかもしれない。

 AクラスがBクラスみたいに完全に纏まることなんてないだろう。

 有栖と葛城の考え方が違いすぎるからな。

 

「せっかく図書室に来たから何か本を探してくる」

 

 俺は席から立ち上がって本を探す。

 有栖には真面目に受けるように言ってあるから表面上は真面目に勉強をしている。

 でも退屈していることだろう。

 今の有栖は俺といることが最大の生き甲斐だ。

 俺と一緒にいるとはいえ、イチャつける時間が減るのだから、今の時間は退屈以外の何者でもない。

 

「ここは小説コーナーかな」

 

 この学校の図書室はかなり広くて本の数が膨大だ。

 小説だけでもかなりの数があり、在学中に全部読むことなんて不可能に近いだろう。

 

「久しぶりに小説を読むのもいいかもな」

 

 ホワイトルームでも小説を読むことはあった。

 人気があるラノベとかではなくて、教養のために子供が読むには難しい物が多かった。

 予測を鍛えるためなのか、俺はミステリーを良く読まされていた記憶がある。

 

 俺は読んでみようと思った小説に手をかけると、他の人と手が重なる。

 どうやら他にもこれを読みたい人がいるみたいだ。

 

「あ、すいません」

 

 声がする方を見てみると、そこには何冊か本を持っている女子生徒がいた。

 有栖と同じ銀髪は腰まで伸びていて、おっとりとしてそうな雰囲気を持つ美少女だ。

 

「あなたも小説を読まれるのですか?」

 

 丁寧な口調から有栖を思わせるが、有栖のように挑発的な態度ではない。

 

「まあ、たまにだけど」

「そうなのですね。どんなのがお好きですか?」

 

 凄い食い付きだ。

 この子はよっぽど本が好きなのだろう。

 

「良く読んでたのはミステリーかな」

「私もミステリーが好きなんです」

 

 読む本のジャンルが一緒のためか、さらに食いついてくる。

 本が好きな友達がいないのか、本について語り合いたいような感じだ。

 でも俺は有栖達を待たせているから、ここに長居をする気はない。

 

「すいません。1人で勝手に盛り上がってしまいまして」

「いや、いいよ」

 

 俺が思っていることを感じとったようだ。

 この子は洞察力が優れているのかもしれない。

 頭も切れそうだし俺の駒にしたいかも。

 

「私は1年Cクラスの椎名ひより(しいなひより)といいます。よろしければあなたの名前を教えてください」

 

 さっき一之瀬が言っていたCクラスか。

 でも椎名は争いなんかには興味がなさそうだから、仲間割れさせようとしたことには参加していないだろう。

 

「俺は1年Aクラスの水無月遼だよ。よろしく」

 

 俺が握手を求めると椎名はそれに応じてくれた。

 

「今は時間ないから無理だけど、今度本について話そう」

「いいのですか?」

「うん」

 

 椎名は嬉しそうに笑う。

 

「では連絡先を交換しませんか?」

「いいよ」

 

 俺は椎名と連絡先を交換して勉強会に戻った。

 ちなみに本は椎名に譲ってあげた。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

21話

 勉強会を終えて、俺と有栖はケヤキモールまで来た。

 欲しい物があるためだ。

 もう日が落ちているというのに、多くの生徒達で賑わっている。

 ここはこの学校の生徒にとっての娯楽の場所だから賑わって当たり前か。

 

「これを買うってことは、少なくとも2人を支配しようとしているのですね」

 

 俺が買おうとしているのはチョーカー。それも2つ。

 

「つける相手は一之瀬さんと真澄さんですかね?」

「それはわからないよ」

 

 一之瀬は駒にすると言ったからわかるが、神室は有栖の駒だろう。

 確かに神室は優秀だとは思うけど、あんまり駒にしたいとは思わない。

 

「でも遼くんがチョーカーを買うのですから、支配されるの決定ですね」

 

 決定って言ってはいるが、その結果がどうなるかわからない。

 使うことになるかもしれないし、使わないかもしれない。

 まあ、俺の予想では使うことになるから買うのだけれど。

 

 俺はチョーカーと他に欲しいものがあったので、それを買って帰った。

 

 

「こんなものが売っているのですね」

 

 俺が先ほど買ったのはメイド服だ。

 それを有栖に着させている。

 何故、学校の敷地内にメイド服なんかが売っているのかは不明だが、有栖に着させてみたいという気持ちがあったので買うことにしたのだ。

 メイド服を有栖に着させて、俺にご奉仕させる。

 

「凄い似合っているよ」

 

 俺はそう言いながら、有栖の頬に触れる。

 

「ありがとうございます」

「桔梗は来ないから2人でいっぱい楽しもう」

「はい」

 

 桔梗には今日は来るなと言っておいた。

 あのお仕置きがきいているはずだから、命令に背くことはないだろう。

 その分、明日の夜はずっと一緒にいることになってしまったが。

 

「そういえばチョーカーについては何も言われないね」

「そうですね。お洒落でつけていると思われているようです」

 

 まあ、有栖が支配されているということは秘密にしたいから、それでいいんだけど。

 有栖を支配しているのは俺達だけの秘密……というわけだ。

 桔梗は知っているが、俺達の関係を明かさないわけにはいかないから話したわけだが。

 

「有栖の奉仕期待しているね」

「はい」

 

 有栖は俺にキスをしてきた。

 最初は軽くだったが、我慢できなくなったのか、すぐに舌を絡めてくる。

 いつもは俺からしているためか、自分からするのは慣れていないようで少しだけぎこちない。

 有栖が絡めてくる舌に合わせて、俺も舌を動かす。

 

「んん、はん……じゅる、ん、あむ……」

 

 俺の舌を甘噛みしてくる有栖。

 

「おいひいれす……じゅるる」

 

 有栖は俺の口のから唾液を吸い取って、それを美味しそうに飲んでいく。

 唾液に味なんてあるのか? と思ったが、俺のなら何でも美味しく感じるのだろう。

 

「ん、ちゅー」

 

 次は首筋にキスをしてきて、有栖はそのまま思い切り吸い付いた。

 俺にキスマークをつけたいようだ。

 

「ふふ、遼くんにキスマークをつけちゃいました」

 

 そんなことを笑顔で口にする。

 キスマークをつけたのは、有栖なりの独占欲の現れだろう。

 俺は桔梗とも肉体関係を持っているし、これから他の人も抱くことになるかもしれない。

 そんな中、有栖は自分が1番だ……という気持ちが押さえきれずにキスマークをつけたのだ。

 

「今はご主人様でしょ」

「え?」

「有栖はメイドなんだから、奉仕している俺のことをご主人様と呼ばないと」

 

 せっかくメイド服を着させているのだから、シチュエーションを重視してみることにした。

 

「わかりました、ご主人様」

 

 そう呼ばれたことで、有栖には抑えていた支配欲がでてきてしまいそうになった。

 でもたまには有栖にもこの支配欲を出してみるのもいいかな。

 

「じゃあ、次を頼むね」

「はい」

 

 有栖は俺のズボンを脱がして肉棒を取り出した。

 奉仕を期待しているからか、既に大きくなっている。

 

「手を使っちゃダメだよ」

 

 俺は有栖の両手を握って手を封じた。

 

「はい。あむ……」

 

 有栖は肉棒を口に含んでフェラを始めた。

 毎日のようにしているから俺の感じるとこがわかっており、そこを的確に刺激してくる。

 

「じゅる、じゅるる……んん、はむ……」

 

 AVばりのエロい音を立ててフェラしてくれるせいで、俺は興奮してしまい、どんどん射精感が高まっていく。

 

「出すからちゃんと受け止めるんだよ」

 

 有栖は頷くと、さらに激しくフェラをした。

 

「んん、じゅる……んん……じゅぼ……ん、んんん」

 

 射精感がマックスになったと同時に、有栖の口の中に大量の精液を流し込む。

 

「まだ飲んじゃダメだよ」

 

 そう言うと、有栖は口の中に精液をためていく。

 きちんと尿道内に残っているものも全部吸い出してくれた。

 

「咥えたまま飲んで」

 

 少し飲みにくいかもしれないが、頑張って飲んでくれる。

 

「そのまままたしてね」

 

 咥えたまままたフェラをさせる。

 

 

 もう一度口の中に出した後はメインディッシュだ。

 ショーツを脱がして濡れている腟を触る。

 

「ああん、んん……」

「準備万端だね」

「はい」

 

 本当はこれも有栖にしてほしかったが、足の悪い有栖にさせるわけにはいかない。

 だから有栖をうつ伏せに寝かせて肉棒を腟口に当てがう。

 この体勢は初めてなので入れるのに少し苦労したが、しっかりと入れることができた。

 この状態はいわゆる寝バックと言われる体位だ。

 

「ああん、あん……ひゃん、ひい……」

 

 動き出すと有栖が喘ぎ出す。

 

「ヤバいれす。この体勢、気持ち良すぎます。ああん」

 

 確かにこの体位だといつも以上に腟が締まっているから相当感じているんだろう。

 腟壁と肉棒が擦れて、結合部から愛液が溢れてくる。

 

「もう、イキましゅ。ひい、あ、ああああーー」

 

 有栖は身体を大きく反らし、絶頂に達した。

 

「ああ、イった、ばっかりなのに……またイキましゅ」

 

 この体勢で突かれるのは相当気持ち良いようで、また絶頂に達する。

 腟は痙攣しながらどんどんと締め付けてきて、有栖は連続で絶頂に達しているように見える。

 

「出る……」

 

 締め付けが強いせいか、いつもより刺激されてしまい、もう射精してしまいそうだ。

 

「ひい、らして……ご主人様の、精液を全部らしてくだしゃい……イく、んん……ああああぁぁーー」

 

 有栖が絶頂に達したと同時に、俺も絶頂に達した。

 ドクドクと大量に精液が腟内に流れていき、一滴も逃がさないかのように俺の肉棒を締め付ける。

 

「はぁん……ご主人様の精液がたくさん……熱いです」

 

 俺は出し終わっても抜かずに、そのまま有栖のことを抱き締めた。

 

「有栖の全ては俺のもの。この先もずっと」

「んん、はい」

「もし俺が先に死んでしまったら、すぐに追いかけてこい。そして、有栖が先に死んだら、俺が来るまで待っていろ」

「もちろんです」

 

 重いと感じるかもしれないが、俺に愛されていると実感した有栖は嬉しそうに頷いてくれた。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

22話

原作よりだいぶ早いですが、一之瀬潰しが開始されます。
坂柳が綾小路に興味がないので、オリ主が実行します。


 中間テストが終わったら桔梗からメールがきた。

 その内容を見てみると、一之瀬は中学の時にしばらく不登校になったことがある……というものだ。

 どこからそんな情報を手に入れたかはわからないが、本当であれば一之瀬を駒にできるチャンスがくるかもしれない。

 あの一之瀬がいじめを受けるわけがないし、学校とは別に何かある可能性がある。

 だとしたら考えられるのは犯罪。

 殺人などの重い罪ではなく、万引きあたりがバレてしまって不登校になってしまった。

 Bクラスにいるのだから罪に問われていることはないと思うが、彼女がBクラスになったのは不登校が原因だろう。

 あの一之瀬が罪を犯したのだから余程のことがあったとは思うが、俺には関係ない。

 俺の駒になるために色々と踊ってもらおう。

 

「一之瀬についての情報を手に入れた。中学テストも終わったことだし、一之瀬潰しを実行する」

 

 俺の隣を歩いている有栖に内容を説明をする。

 

「凄いですね。これだけで一之瀬さんの過去を見抜くなんて……」

 

 有栖は素直に感心しているようだ。

 普通の人だったらわからないだろうが、一之瀬の性格なんかを鑑みた結果、犯罪に手を染めてしまったということが導きだせた。

 俺の予測だから絶対ではないが、俺は一之瀬が万引きをしたことをほぼ確信している。

 これが一之瀬の抱えている闇。

 そして俺はそれを利用させてもらう。

 

「とりあえず部屋で色々と詳しい話をしようか」

「はい」

 

 俺たちは帰って一之瀬潰しのことについて話した。

 俺が使える駒は有栖と桔梗……それと有栖の思想に賛成している者たちだ。

 有栖に賛同している者たちは有栖に指示を出してもらって動かすが、有栖と桔梗には俺が直接指示を出す。

 一之瀬を潰しすぎて本当に退学をされては困るので、念入りに作戦を練っていく。

 

「これでいいかな」

「遼くんは本当に凄いですね。流石は私が認めた人です」

「これだと有栖が何か言われるかもしれないけど」

「構いませんよ。確実な証拠がない限り、ペナルティを受けることはありません。そしてこの方法なら誰が仕掛けたかという証拠は掴めませんから」

 

 有栖はこの方法なら確実に一之瀬を駒にできると確信しているようだ。

 俺も失敗はしないと思うけど、念のために色々と策をねっておくことにする。

 情報を手に入れた桔梗も何かしら言われる可能性があるかもしれないが、そのことについても保険をかけておこう。

 

「とりあえず実行するのは中間テストの結果が発表されてからにするか」

「そうですね。それがいいと思います」

 

 中間テストで赤点を取ると退学していまう。

 結果が発表されてから実行するのがベストだ。

 一之瀬が赤点を取って退学になることはないと思うが、もし、退学になってしまうようなら俺の駒には必要ない。

 

「一之瀬さんを駒にすることができたら、肉体関係を持つのですか?」

「どうだろうね」

 

 俺が他の女を抱くことは有栖にとっては嬉しいことではない。

 

「持つな……とは言いませんけど、ずっと私のことを一番に想ってくれると嬉しいです」

「それはもちろんだよ。他の駒を失おうとも、有栖だけはずっと俺の側に置いておくよ」

「ありがとうございます」

 

 俺と有栖は導かれるように唇を重ねた。

 そんな俺たちが軽いキスで終わるわけがなく、舌を絡めだす。

 

「んん、んちゅ……はん……ちゅ、じゅる……」

 

 キスの音だけが部屋に響く。

 その音だけでお互いに興奮していくのがわかり、貪るように求めてしまう。

 

「遼くんとこうしていられて幸せです」

 

 有栖が俺に抱きついてくる。

 もう有栖は桔梗以上に俺に依存していて、俺から離れることはない。

 

「俺もだよ」

 

 俺は有栖の頭を撫でながらそう言う。

 

「キスで興奮しちゃったからしようか?」

「はい」

 

 俺は有栖をベッドに押し倒してキスをしていく。

 唾液が溢れるくらいに有栖の口の中に流し込む。

 

「じゅる……んく、はん……れろ、んちゅ……」

 

 俺の唾液を美味しそうに飲んでいく有栖。

 たっぷりと唾液を流し込みながら、有栖の服を脱がしていく。

 胸を触っていないのに既に乳首はたっていて、触ってほしそうに主張している。

 

「んあん」

 

 乳首を指で摘まむと有栖は大きく喘いだ。

 俺の口で塞がれているのに凄い響く。

 一応ある程度の防音加工はされているみたいだが、隣の部屋に響くのは嫌だな。

 

「今日はずっとキスしながらするから」

「あん、はい……むぐ……んちゅ……」

 

 キスをしながら有栖の敏感なとこを触る。

 乳首やクリトリスはもちろんのこと、お腹や太ももまで色々なとこを触って満喫していく。

 

「んん、はん……んちゅ……はあん……」

 

 有栖は身体を小刻みに震わせた。

 激しく触ったわけではないが、俺に色々と開発されたから軽く絶頂に達したようだ。

 

「今日はこうしようかな」

 

 有栖を抱えて俺の上に座らせる。

 華奢な身体だから腕の力だけで支えることができるので、肉棒を腟口に当てがい、力を緩めて一気に奥まで挿入した。

 

「あが……」

 

 それだけで有栖は大きく身体を反らせて絶頂に達した。

 対面座位になったわけだが、この状態で有栖から動くのは無理だろう。

 だから腕の力で有栖を浮かせてから力を緩めていく。

 こうすることで子宮口の奥まで電流が走ったような感覚に陥ったようで、この度に軽く絶頂しているようだ。

 

「んちゅ、ひゃん……ひい……」

 

 上と下の口の両方で刺激を与えられている有栖は快感に溺れていて、力の入らない手足を必死に俺の背中の方に回す。

 まるでもっと俺に快感を与えてほしいように……

 

「ひゃん、んちゅ、ちゅ……イく……じゅる……」

 

 有栖はさっきからずっと身体を震えさせている。

 腟内も痙攣しているようで、その刺激が俺の射精感をどんどんと高めていく。

 

「ん、出すよ」

「んちゅ……ひい、らして、じゅる……」

 

 お互いに身体を震えさせて、同時に絶頂に達した。

 俺の肉棒からは荒ぶるように精液が出てきて、有栖の腟内を満たしていく。

 腟内に出されたことでもう一度絶頂に達した有栖は、力尽きるように俺にもたれかかってきた。

 

「ずっと一緒」

「はい」

 

 俺は有栖の首筋にキスマークをつけてから、力一杯抱きしめた。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

23話

 テストの結果が発表されたので一之瀬潰しを実行することにした。

 一之瀬が万引きや援助交際、薬物使用に手を染めたという噂をAクラスの人たちを使って流していく。

 万引き以外は手を出してないと思うけど、こっちの方が噂が広まりやすいと思ったからだ。

 思っていた通り、一年の間でその噂は一気に広がり、皆その噂について話している。

 そして一之瀬にはある手紙を出しておいた。

 

『一之瀬帆波は犯罪者だ』

 

 手書きだと筆跡でバレる可能性があるからもちろんパソコンを使い、プリントアウトした手紙だ。

 かなり噂が広がっているので、学校や生徒会なとが動くことは予想できるが、俺は生徒会の副会長である南雲雅(なぐもみやび)と何とか密会をして、生徒会は黙認するという約束をとりつけた。

 ただ、現生徒会長である堀北学(ほりきたまなぶ)が動く可能性があり、それを止めるのは約束しかねるとのこと。

 でも、話した限り、副会長は会長に敵対心を持っているようなので、何としてでも止めにかかるだろうことは予想できる。

 実際にかなり噂が広がっているにも関わらず、学校や生徒会が動く気配はなく、きちんと約束は守ってくれているみたいだ。

 ちなみに副会長と密会した時に生徒会に勧誘されたが、きちんと断りを入れておいた。

 

「さて、一之瀬はどう動くかな」

 

 ほとんどの人は一之瀬がそんなことをしていないと思いながら噂を流しているだろうが、本人はそう思っていない。

 一之瀬の性格からして実際にしていなかったら、堂々と振る舞うだろうが、今の彼女は消極的になっている。

 だから万引きしたのは確定だな。

 

「坂柳はいるか?」

 

 Bクラスの何人かの生徒がAクラスまで来た。

 この中には勉強会に参加していた神崎や白波がいる。

 思っていた通り一之瀬はいない。

 一之瀬のためにクラスメイトが動いたということは、相当信頼されているんだな。

 

「私ならここにいますが、何かご用ですか?」

 

 Bクラスの人たちが有栖の側に来る。

 きっと一之瀬の噂について聞きにきたのだろう。

 神崎は頭が切れるから有栖がその噂を流したと思っているはずだ。

 

「坂柳が噂を流したというのは本当か?」

 

 表情こそいつもの冷静な神崎だが、その気迫は中々のものだ。

 

「噂ですか? ああ、一之瀬さんが色々と悪さをしたというやつですね。だとしたら事実無根ですね。そんな噂を流すほど、私は暇じゃありませんよ」

「とぼけるだけ時間の無駄だ。この場ではっきりさせておきたい。お前たちがやっていることは悪質すぎる」

「そんなことを言われても私にはどうしようもありませんよ。それとも私が噂を流したという証拠があるのですか?」

「それは……」

 

 証拠はない。

 一之瀬本人には手紙を出したが、噂は人を伝って広まった噂だ。

 そんな状態で証拠を掴むことなんて難しい。

 ここまで広まったのなら名誉毀損になるが、ここが閉鎖的な空間で俺たちがまだ未成年であること、全世界に配信されるインターネットに書き込んでいないこと。

 確実な証拠がない限り、俺たちを罪に問うことは到底できない。

 

「この噂について一之瀬はなんて何か言っていたか?」

 

 あんまり有栖につっかかってこられても嫌なので、俺が横槍を入れる。

 

「水無月か。一之瀬は噂などに惑わされず気にしないでほしい。そう答えた」

「つまりは肯定も否定もしなかったってことか」

「そうだ。だから信じることにした」

 

 まだ知り合って二ヶ月もたっていないのに、凄い信頼しているんだな。

 

「そもそも火のない所には煙は立たないって言うよ。本当に単なる噂なのかな?」

 

 少し神崎を煽ってみる。

 

「噂は火がなくても煙を立てることができる。人間に悪意さえあれば」

「なるほど。確かに火と噂は別物だ」

 

 確かにこの噂は悪意があったからこそ広まった。

 まあ、その悪意が目の前にいるわけだが、神崎は有栖が流した噂だと思っている。

 

「でも、証拠がないならこれ以上有栖を責めるのは止めてもらいたいね」

「それはこっちだって同じだ。一之瀬のありもしない噂を流されて嬉しいわけがない」

 

 一之瀬はBクラスのリーダーだ。

 もし彼女が抜けてしまったら、今のBクラスはAクラスに上がるのは難しくなる。

 そもそも一之瀬はリーダーというよりリーダーを支える補佐の方が向いているように思える。

 そんな一之瀬がリーダーになっているのだから、もし抜けてしまってはCクラスに抜かれて降格するだろう。

 

「そう思うのであれば一之瀬本人も連れてきたらどうだ? 事実だからこの場にいないんじゃないか?」

「一之瀬は風邪で休んでいる」

 

 風邪か……これは一之瀬と2人きりで話すチャンスだ。

 外だと2人きりになれることは難しいからな。

 

「俺たちはもう帰るよ。噂に付き合うほど、暇じゃないんでね」

「ま、待て……」

「遼くんの言う通りですね。お互いにこうでは話す意味がありません」

 

 俺は有栖を連れて教室を出た。

 

 

 俺たちはけやきモールまで来ていた。

 

「一之瀬さんに接触すると思っていたのですが、しないのですか?」

「するよ。その前にすることがあるから」

「すること……ですか?」

 

 俺はけやきモールにある店に入ってからある物を買った。

 それを有栖にプレゼントする。

 

「俺が有栖を一番って思っている証拠」

 

 俺は買った物を袋から取り出してから有栖の左の薬指につける。

 

「お揃いだよ」

 

 俺が買ったのはペアリングだ。

 チョーカーは桔梗にもつけているし、有栖は俺の彼女ってことにしているから、これで差別化した。

 

「嬉しいです」

 

 よっぽど嬉しくなったのか、外なのに俺に抱きついてきた。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

24話

 有栖と別れた俺は一之瀬の部屋に入る。

 最初は抵抗があったようだが、何とか入ることができた。

 

「ごほごほ……ごめんだけどマスクをしてくれないかな?」

 

 一之瀬は俺にマスクを渡してくる。

 仮病で休んでいるかと思ったけど、咳をしているし本当に風邪をひいているようだ。

 今の一之瀬には寒気もあるみたいで、厚着のパジャマを身につけている。

 

「こんな時に邪魔して悪かったね」

「にゃは、ちょっと強引だねえ、水無月くん……」

 

 確かに少し強引に上がらせてもらった。

 

「病院には行ったのか?」

「うん。薬も飲んだから微熱程度まで下がってるよ。数日中には学校に行けそうかな」

 

 一之瀬は噂が原因で、仮病を使って休んだ。

 多くの生徒がそう思っているから、早く学校に行ってそのことを否定したいのだろう。

 

「噂のせいで休んでるんじゃないかって、心配してくれたんだよね。ありがとう」

「いや……」

 

 俺が噂を流した張本人だからそんな心配はしていない。

 まあ、心身共に本気で潰れてしまって退学になりそうなら救いの手を差しのべるつもりではいるが。

 

「まだ治ってないなら横になってた方がいいんじゃないか?」

 

 熱は下がってきているようだが、それは薬による効果で一時的。

 風邪が治っていないなら、薬の効果が切れればまた熱はでる。

 

「大丈夫だよ」

 

 もうそこまで体調は悪くないらしい。

 一之瀬の性格を考えれば、体調管理に気を使うタイプであることは深く考えるまでもない。

 恐らくは心のダメージで免疫力が一気に低下してしまって風邪をひいたのだろう。

 

「あ、これはお見舞い品ね。ゼリー飲料とか消化にいい食べ物もある。食欲がありそうならお粥くらいなら作るけど」

 

 部屋に来る前に買ったやつを一之瀬に見せる。

 

「こんなに沢山ありがとうね」

「それでお粥作ろうか?」

「まだお腹空いてないから大丈夫だよ」

 

 俺はそうかと呟いてから袋を机の上に置く。

 

「それより彼女がいるのに私の部屋に来てもいいの? もしこのことがバレたら坂柳さんが怒るんじゃ……」

 

 そう思うのであれば入れなければいいだろうに。

 

「有栖には伝えてあるから大丈夫」

「にゃはは、そうなんだ」

 

 一之瀬は苦笑いをした。

 

「でも、俺を部屋に入れてくれたってことは何か聞きたいことがあるんでしょ?」

「そうだね」

 

 一之瀬は頷いた後に、深呼吸をして俺に聞いた。

 

「噂を流したのって坂柳さんなの?」

 

 一之瀬もそう思っているようだ。

 そして俺を部屋に上げた最大の理由は、俺が有栖の彼氏だから噂を流した理由を聞きたいからだろう。

 

「言っとくけど有栖は噂を流していないよ」

 

 あんまり有栖が責められるのはいい気分がしない。

 噂を流した時点で、有栖が疑われるのはわかってはいたが、否定だけはしておく。

 彼女だから庇っていると思われるかもしれないが。

 

「そうだね。私は坂柳さんが噂を流した犯人だとは思っていないよ」

 

 一応信じてはくれたみたいだ。

 

「ただ、彼氏に言われて噂を流したんじゃないかって思っているよ」

「へえ~……」

 

 一之瀬は思っているより随分と頭が切れる。

 他の人は俺のことを疑うことすらしなかったのに、一之瀬だけは違った。

 俺が犯人だからその理由を聞きたくて部屋に上げたってわけか。

 これは何としても一之瀬をこちらの手駒にしたい。

 

「そうだね。一之瀬が思っている通りだよ」

 

 特に嘘をつく理由はない。

 

「すんなりと認めるんだね」

 

 意外だったようで、一之瀬が驚く。

 

「それで何であんな噂を流したのかな?」

「全ては一之瀬を手に入れるためだよ」

「私を?」

「そうだよ」

 

 俺は一之瀬の頬に触れる。

 いきなりのことで驚いているのか抵抗してこない。

 このまま押し倒せばキスくらいなはできそうだが、まだする気はないので我慢する。

 

「それでこのことを学校側に言うのかな? 俺が認めたんだし、一之瀬が学校側に言えば停学かポイント没収くらいにはできるかもしれないよ」

「え? あ……」

 

 驚いていた一之瀬が正気に戻ったのか、俺の手を頬からどかす。

 

「えっと……私は真実が知りたかっただけで、このことを学校側に言うつもりはないよ」

「それは万引きが真実だから?」

 

 再度、一之瀬が驚く。

 

「……やっぱり知っているんだね」

 

 一之瀬が認めたことで、万引きしたことが確定した。

 

「一之瀬が中学の時に不登校になったってことを聞いてね。それで推理しただけにすぎないけど」

「それだけで万引きしたのがわかるって水無月くんは超能力者?」

 

 桔梗と同じ反応をされた。

 俺は超能力者じゃないので、きちんと否定をしておく。

 俺の予想は予知でも超能力を使ったものではない。

 

「それで話を戻すけど、俺は一之瀬が欲しいんだ」

「それって告白なのかな?」

 

 一之瀬はモテるだろうから告白くらいされているはずだ。

 でも、悪い噂を流して自分のことを欲しいなんて告白は初めてされただろう。

 

「告白……自分のものにしたいのだからそうなのかもね」

「でも、それこそ坂柳さんに悪いよ」

「そうだね。有栖は俺にとって大事だから。でも俺は一之瀬を彼女にしたいわけじゃないよ」

「違うの?」

 

 一之瀬は目を丸くする。

 

「もし彼女にしたいと思うのなら、普通に告白するよ」

「それもそうだね」

「でも、一之瀬の身体は魅力的だね」

 

 俺はあえて一之瀬の身体を舐めるように見た。

 ゆったりとしたパジャマなのに胸は主張しており、腰などの引っ込んでほしいとこは引っ込んでいる。

 桔梗もスタイルはいいが、それ以上に女の子らしい身体だ。

 

「えっと……」

 

 自分の胸を見られることはあっただろうが、こんなまじまじと見られることはなかったようで、一気に顔が赤くなった。

 

「まあ、いくら魅力的だからと言っても無理矢理襲うことなんてしないよ」

「え、うん。ありがと」

 

 何故、お礼を言ってくるのかはわからないが、俺の印象は最悪ではないらしい。

 

「それともお金を払わないと援交少女は抱かせてくれないのかな?」

「私は援助交際なんてしてないよ。それくらいはわかっているでしょ?」

 

 俺がまあねと言うと、一之瀬は頬を膨らませた。

 きっと性格が悪い男だと思っていることだろう。

 

「噂を流した俺が言うのもなんだけど、噂を静める方法は考えているよ」

「そーなの?」

「完全に潰れてもらっても困るからね」

 

 俺の駒にしたいからある程度潰しても完全にはしない。

 

「一之瀬が言わないから学校側は黙認を決め込んでいる。だから学校側が無視できない状況を作ろうと思ってね」

「無視できない状況?」

「うん。学校側や生徒会が介入してくれば噂を止めさるを得ない」

「それって水無月くんが危険になるんじゃないの?」

 

 俺の心配をするなんて本当に優しい人だ。

 自分のことを潰そうとした張本人なのに。

 

「一之瀬をこんな目に合わせたから、少しくらいのリスクは承知の上さ」

 

 俺が一之瀬の頭を撫でると、嫌がらずにそのままでいる。

 自分で潰してから自らの手で再生。

 そして一之瀬を俺のものにする。

 一之瀬にはリスクを負うと言ったが、もちろんそんなの負うつもりはない。

 

「でも、生徒会はどうして介入してこないのかな? 会長なら何かしてきそうなのに」

「ああ、それは俺が副会長に言って黙認してもらった」

「え? 水無月くんは生徒会と繋がりがあるの?」

 

 一之瀬が凄い食いついてきた。

 

「一之瀬は生徒会に入りたいの?」

 

 あんなに食いついているのだから生徒会に入りたいということは簡単に想像ができる。

 

「うん。一応立候補したけど、入れてくれなくて」

 

 その理由は何となくわかる。

 会長とは話したことがないが、見たところ真面目そうで副会長とは正反対の性格をしている。

 自分が引退してしまったら二年生である今の副会長が会長になるだろう。

 だから副会長に毒されないように生徒会にいれなかった。

 でも、これは使えるかもしれない。

 

「実は副会長から生徒会に入らないかと言われているんだよね」

「そうなの?」

「うん。俺のものになってくれるのであれば、一之瀬を推薦しておくよ」

 

 一之瀬が生徒会に入ってくれればさらに役に立つかもしれない。

 俺は入る気はないが、一之瀬には入ってもらおうかな。

 

「もし、俺のものにならないのであれば、一之瀬を徹底的に潰させてもらうよ。ここまで頭が切れるのは厄介だから」

 

 今の状況はペン型のカメラで録画してある。

 この録画を提出すれば俺が噂を流したことがバレてしまい、ポイント没収くらいあるだろうけど、俺にとってはどうでもいいこと。

 俺が駒を作るのはあの男が介入してきた時のため。

 この学校で安静に過ごせるならクラスが降格してしまおうと知ったこっちゃない。

 

「でも、俺のものになってくれるのであれば、生徒会入りもできるし、何よりBクラスの団結力はさらに高まるよ」

「本当に?」

「うん。そして何か困った時があったら、俺に相談してくれて構わない」

 

 一之瀬が手に入るのであれば、協力するものいいだろう。

 

「わかったよ。水無月くんのものになる」

 

 結構あっさりと俺のものになってくれた。

 

「ありがとう。それで何で万引きしたか教えて」

「……言わないとダメ?」

「うん。俺のプランに必要だから」

 

 もうここまで噂が広まっているのだから、一之瀬は自分の罪を告白するしかない。

 だから俺に言えないのであれば、他の人に言うことはできないだろう。

 

「わかったよ」

 

 一之瀬は深呼吸をして自分の罪について告白をした。

 一之瀬は母子家庭で母と妹の三人で暮らしている。

 でも二人を育てている母親が倒れてしまった。

 仕事をしながら子育てもしているのだし、疲れがたまっていたのだろう。

 倒れてしまったために妹の誕生日プレゼントを買うことができなくなってしまったので、一之瀬はデパートで妹が欲しかった服を盗んだ。

 その時はバレなかったみたいだが、妹がその服を着てお見舞いに行ったから母親にバレた。

 そして母親と一緒にデパートまで謝りに行き、土下座をして謝った。

 警察にはつき出されなかったけど、その騒動が広まってしまい、半年間閉じ籠ってしまったのだ。

 そして担任からこの学校を紹介してもらい、高度育成高等学校でもう一度やり直そうと決心した。

 これが一之瀬の闇。

 その闇を泣きながら俺に話してくれた。

 

「話してくれてありがとう」

 

 俺は一之瀬を優しく抱きしめる。

 そして一之瀬は俺の胸に顔を埋めてからまた涙を流した。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

25話

 俺の胸でしばらく泣いたら落ち着いたようで、一之瀬は俺から離れた。

 一之瀬の目は赤くなっており、こんなに泣いたのは万引きの件以来だろう。

 

「一之瀬の涙で制服がぐっしょりだ」

「ご、ごめんね」

「大丈夫だよ」

 

 俺は一之瀬の頭を撫でる。

 すると噂が流れてから初めて見せるであろう本気の笑顔になった。

 

「一之瀬の体液だと思うと興奮する」

「にゃにゃ、水無月くんは変態だったの?」

 

 一之瀬はこういった話に慣れていないのか、すぐ顔を赤くしてしまう。

 

「変態だね」

 

 複数の女の子と肉体関係を持っているのだから、俺は変態なのだろう。

 

「一之瀬に聞きたいことがあるけどいいかな?」

「う、うん。私は男性経験はないよ」

 

 物凄く恥ずかしそうにそんなことを口にする一之瀬。

 

「何勝手に自爆してるの?」

「え? それを聞きたかったんじゃないの?」

「聞きたいことは別だけど」

「ううぅ~……」

 

 恥ずかしがっている一之瀬は可愛いな。

 それにしても一之瀬は処女なのか。

 あんだけ可愛いのだから経験があってもおかしくはないと思ったけど。

 

「聞きたいことは何で俺が噂を流した本人だってわかったのかだよ」

 

 もう予想はついているけど、聞いてみた。

 恐らくは俺のミスだろう。

 

「えっとね、私が勉強会を開こうって言った時に坂柳さんは嫌がっていたのに、水無月くんが参加するって言ったら素直に参加したからかな」

 

 やっぱりか。

 一之瀬と繋がりを持てるチャンスだったから参加したけど、有栖は参加させるべきではなかったのかもしれない。

 

「坂柳さんは水無月くんの言うことなら何でも聞いてくれるでしょ?」

「そうだね」

 

 一之瀬がまだ俺の駒になっていないのであれば否定したけど、今は隠す必要性を感じない。

 

「じゃあ、Aクラスの真のリーダーは水無月くんなんだ?」

「葛城だっているぞ」

 

 Aクラスは二つに別れているからな。

 

「葛城くんには悪いけど、水無月くんに勝てるとは思えないな」

 

 確かに負ける気は起きないけど、勝負したわけじゃない。

 だからもしかしたら俺が負ける可能性だってある。

 まあ、ほぼ0だと思うけど。

 

「俺はクラスには興味ないから実質は有栖が仕切っているようなもんだよ」

 

 実際にAクラスの人は俺が有栖を支配しただなんて思っていない。

 

「じゃあ、一之瀬は俺のものになったってことで、これをつけようかな」

 

 俺は鞄からチョーカーを取り出した。

 有栖や桔梗がつけているのと同じ色だ。

 

「え? これをつけるの?」

「うん」

 

 俺は一之瀬にチョーカーをつけた。

 

「恥ずかしいね」

 

 チョーカーをつけられた一之瀬はモジモジと恥ずかしがっている。

 全く抵抗をしてこないのは俺に服従すると決めたからなのか、俺に服従することに喜びを感じたからなのか……

 

「それで……私は水無月くんに抱かれるのかな?」

 

 一之瀬は俺を性欲の魔人なんかと勘違いしているのかな?

 確かに毎日のようにしているけど、一之瀬のことを抱きたいから俺の駒にしたわけじゃない。

 

「そうだね。抱かせてもらおうかな」

 

 俺は一之瀬の肩を掴んで引き寄せる。

 せっかくこんな魅力的な身体をしているのだし、本人が嫌がっていないのであれば手を出さない理由がない。

 

「マスクとるね」

 

 一之瀬のマスクを外そうとすると、止められてしまった。

 

「風邪がうつっちゃうよ」

「大丈夫。それより一之瀬とキスができなくなる方が嫌だ」

 

 一之瀬は無言で頷いたので、俺はマスクを外す。

 俺は早速潤いのある一之瀬の唇に自分の唇を重ねる。

 やはり風邪をうつす心配をしているのか、少し遠慮がちだ。

 初めてだから恥ずかしいっていう気持ちもあるだろうが。

 

「んん、んちゅ……」

 

 一之瀬の魅力的な唇に奪われて離れることができない。

 すぐに舌を口の中に入れて、一之瀬の口の中を貪るように味わう。

 

「んちゅ、はん……ちゅる、ちゅ、んん……」

 

 一之瀬の口から甘い声が漏れる。

 初めてのキスで少しぎこちないが、一之瀬は一生懸命に舌を絡める。

 

「んん……ちゅ、やん……はぁん……」

 

 俺は一之瀬の豊満な胸を揉む。

 服の上からでも指が沈みこむような巨乳に俺は興奮し、ずっと揉んでいたくなってしまう。

 服の上からでは我慢できるわけもなく、パジャマを脱がす。

 一之瀬の胸は青色の可愛らしいブラで覆われていて、それも取っていく。

 

「凄いな」

 

 胸を直接見ると凄い破壊的で、その大きさが伺える。

 異性に胸を見せたことなんてない一之瀬にとっては恥ずかしいようで、手で胸を隠してしまう。

 

「一之瀬はいつこんなに大きくなったの?」

「そ、それは……去年くらいからどんどん育っちゃって」

 

 一年でこんなに育つものなのか?

 

「手をどかすよ」

 

 一之瀬の手をどかすとピンク色の乳首が俺の目にうつる。

 既に乳首は勃起していて、恥ずかしがっていても身体は正直で触ってほしそうだ。

 

「ひゃん」

 

 俺が乳首を触ると一之瀬は感じたのか喘ぎだす。

 もう反対側の胸は手のひら全体を使って揉んでいく。

 力を入れるだけ手が沈みこんでいき、思わずかなりの力を入れて揉んでしまう。

 

「次はこっちかな」

 

 胸をたっぷりと触った後は、一之瀬の股間に手をやる。

 

「んん、はん……ああん、やん……」

 

 パジャマ越しでもきちんと感じでいるようで、一之瀬の口から喘ぎ声がもれている。

 ズボンを脱がして一之瀬の足を開かせた。

 ブラと同じ色のショーツは湿っていて、俺は湿っている部分を触る。

 

「ああん、はん……いや、恥ず、ひん……」

「一之瀬の一番恥ずかしい部分のご開帳~」

「やん、恥ずかしいよ~……」

 

 ショーツを脱がしてまた足を開かすと、一之瀬はこれ以上ないくらい顔を赤くした。

 一之瀬の腟からは愛液がよだれのように垂れている。

 そして何より驚いたことは……

 

「毛がない」

 

 一之瀬はパイパンだった。

 

「剃ってるの?」

「一応手入れをしてるんだけど、間違えていつも以上に剃っちゃったから全部剃っちゃったの」

 

 だからって全部剃るとか凄いな。

 最近手入れをしたのだろう……少しの毛も見られなかった。

 

「毛がないから丸見えだね」

「うう~……」

「綺麗だよ」

 

 俺は手で腟を広げて一之瀬の腟内を確認する。

 ピンク色で綺麗な腟は、自分でも全く弄ってないのがわかった。

 

「舐めたくなった」

「え? いや、汚……ひゃん」

 

 俺は一之瀬の腟を舐めた。

 舐める旅に雌の匂いが漂ってきて、俺の脳を刺激する。

 そういえば今まで腟を舐めたことないな。

 有栖や桔梗の腟には俺の精液がいつもある状態だから、あんまり舐めたいと思わない。

 でも、一之瀬の腟はまだ俺の精液がないので、舐めてみた。

 

「ひい……ひゃん、ああん……」

 

 剥き出しにさせたクリトリスを少し噛むと、一之瀬が大きく反らした。

 これにより一之瀬もMということがわかる。

 

「やん、何か、くる……ああん、やん……あ、ああぁぁー……」

 

 身体を大きく震わせて一之瀬は絶頂に達した。

 それと同時に腟内から大量の愛液が溢れてきて、シーツを濡らしてしまう。

 初めての絶頂でぐったりとしてしまう一之瀬。

 そんな一之瀬に俺は……

 

「初めてなのにイっちゃうなんて一之瀬は淫乱だね」

「はあぁ~ん……」

 

 耳元でそう囁くと、また大きく身体を震えさせた。

 桔梗とはまた違ったドMのようだ。

 桔梗は痛みで感じるが、一之瀬は言葉責めで感じるドM。

 

「そろそろ一之瀬の処女を貰おうかな」

「はあん……貰って」

 

 俺は裸になり、一之瀬の前に勃起した肉棒を出した。

 

「はあぁ~、いい匂い」

 

 トロトロに蕩けている一之瀬は、俺の肉棒の匂いを嗅いだ。

 

「本当に淫乱女だ。俺以外に発情しないよう、調教しないといけないね」

「はあん、いっぱいして?」

 

 俺は腟口に肉棒を当てがう。

 俺も発情しているために一気に入れたいが、一之瀬は処女だからゆっくりと入れることにした。

 

「あ、が……」

 

 一之瀬の顔が強張る。

 どんなに発情していても、処女喪失の痛みは相当のようだ。

 桔梗の場合はこの痛みすらも快感に変換されていたが、普通は痛くて我慢できないだろう。

 一之瀬の目には涙がたまっていて、その痛みの強さが伺える。

 

「大丈夫か?」

「う、うん。大丈夫だから全部入れて」

 

 そう言われたのでゆっくりと挿入していく。

 

「全部入ったよ」

 

 有栖の処女を貰った時よりかはスムーズに入った。

 処女を失った証として一之瀬の腟内から血が出てくる。

 

「にゃはは、初めてってこんなに痛いんだね」

「少し慣れるまで動かないでおくから」

 

 動かない代わりに一之瀬の胸を揉みまくることにした。

 痛みはあるだろうが、胸を揉まれているからか一之瀬の口からは喘ぎ声が漏れる。

 面白いくらいに形を変える胸は揉んでいて飽きない。

 

「はあん、もう動いていい……ああん」

 

 一之瀬が言い切る前に俺は腰を動かす。

 愛液たっぷりの腟からはクチュクチュと妖艶な音を立てる。

 

「あ、ああん……ひゃん、やん……ひい」

 

 まだ痛みはあるだろうが、それ以上に気持ちがいいのか、一之瀬は大きな声で喘ぐ。

 

「一之瀬を妊娠させるために、たっぷりと精液を注ぎこんであげるね」

「え……?」

 

 そんなことを言われて一之瀬は感じながらも絶望的な顔になる。

 俺に屈服することにはしたが、妊娠するのは嫌なようだ。

 まあ、アフターピルを持っているから妊娠することはないが、一之瀬はそんなことを知らない。

 

「はあん……妊娠は、ダメ……やん」

「でも、一之瀬のここは俺のを締め付けて離さないよ。中に欲しいんでしょ? 中出しの快感を教えてあげる」

「はあぁぁん……いっぱい出して」

 

 一之瀬はやっぱり言葉責めで感じる。

 俺に言葉責めされるだけで一之瀬は脳が麻痺してしまい、俺の言うことをきいてしまう。

 

「出すよ」

「うん、ああん……いっぱい、出して……はあん、妊娠させて」

 

 俺の肉棒から精液が出た瞬間に一之瀬は身体を大きく震えさせて絶頂に達した。

 

「中、熱いよぉ……」

 

 俺の身体は本当に一之瀬を妊娠させたいのだろうか、大量に精液が出ていき、膣内を満たしていく。

 このままピルを飲ませなかったら本当に妊娠してしまいそうだ。

 肉棒を抜くと、膣からは精液が溢れてくる。

 

「ほら、溢れてきたら妊娠できないよ」

「はん……嫌、妊娠したいよ……」

 

 脳が麻痺している一之瀬はどうしても妊娠したいようで、指を使って精液を膣内に戻していく。

 

「可愛いな」

 

 そんな一之瀬を見て俺はキスをした。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

26話

だいぶ更新できずすいません……


「はあぁーん……やん」

 

 一度出しただけでは俺の性欲がおさまることなんてなく、一之瀬の柔らかい胸を言葉責めしながら揉みまくる。

 一之瀬はもう風邪をひいているとは思えないくらい元気だ。

 俺に罪を告白したことによって、精神的に楽になったのかもしれない。

 

「一之瀬を屈服させるために、ずっと犯し続けるね」

「はあぁ……いっぱい犯して」

 

 もう屈服しているように思えるが、それは俺が言葉責めしているから。

 完全に屈服しているとは言い難い。

 通常の一之瀬だったら俺よりクラスを優先してしまう可能性がある。

 言葉責めしなくても俺に屈服するように、一之瀬を犯しつくす。

 脳が麻痺している一之瀬は俺が欲しくて仕方ないようで、教えてもいないのに俺の肉棒を上下に擦っている。

 

「一之瀬の胸で俺の挟んでよ」

 

 せっかくこんなに立派な胸があるのだからパイズリというのを体験してみたい。

 桔梗でもやろうと思えばできるかもしれないが、やっぱりこれは爆乳の人にしてもらうに限る。

 

「こうかな?」

「うん」

 

 一之瀬の胸が俺の巨根を包み込み、刺激してくる。

 初めてしてもらうが、柔らかい胸で全体を包み込んでくれて、たまに当たる乳首が気持ちいい。

 

「んん、はん……やん……あん……」

 

 敏感な乳首が肉棒に当たり、一之瀬も感じているようだ。

 

「舐めながらして」

「うん。れろ……んん……」

 

 胸だけでも充分に気持ちいいが、舌の動きが加わることによってさらに気持ちよくなっていく。

 そろそろ出したいので一之瀬の頭を手で掴み、パイズリさせながら咥えさせる。

 そのまま頭を上下に動かす。

 

「んん……じゅるる……ん、んん──」

 

 だいぶ射精感が高まっていたので、すぐに一之瀬の口の中に精液が大量に発射させる。

 いきなり出たせいなのか驚いた一之瀬は離れようとするが、俺がしっかりと抑えていたので離れることができなかった。

 

「きちんと飲んでね」

 

 一之瀬は頷いて頑張って精液を飲んでくれる。

 有栖と桔梗として毎日出しているのにも関わらず、俺の射精は本当に衰えを知らない。

 どろどろとした濃厚の精液を大量に飲んだためか、一之瀬は少しむせてしまった。

 

「大丈夫か? 風邪が治ってないし、キツいならこの辺にしておくけど」

 

 まだし足りないが、有栖や桔梗を呼んでいくらでも性欲を解消することはできる。

 だから一之瀬がしんどいなら、これ以上はする気はない。

 一之瀬なら調教しなくても裏切ってくるなんてこともないだろう。

 

「大丈夫だよ。水無月くんが望む限り、私はそれに従うから」

 

 桔梗以上にある大きな胸を俺に押し付けて誘惑をしてくる一之瀬。

 今まで俺のことなんて好きなんて感情はなかったと思うが、今の一之瀬は完全にベタ惚れ状態なのかもしれない。

 

「それに水無月くんのは大きいままだよ? 私で興奮してくれてるんだよね?」

「めちゃくちゃ興奮してる」

「じゃあ、その興奮を私に全てぶつけて?」

 

 一之瀬も興奮しているのだろう、一切俺から離れようとしない。

 

「わかった。一之瀬……いや、帆波の全てを俺が貰うから」

「うん。私の全てを遼くんにあげる」

 

 抱かれてから始まる恋があるように、帆波は俺に抱かれて好きになってしまったようだ。

 でも、俺には有栖がいるから告白はできない。

 だから少しでも俺に好意を持ってもらおうと、自ら抱かれようとしている。

 有栖から奪おうとは思っていないだろうが、愛人でもいいから側に置いてほしい……そんな感じだ。

 

「帆波は俺の言うことは何でも聞いてくれるよね」

「うん。恥ずかしいけど、頑張る」

 

 俺は帆波の耳元で、とある言葉を口にした。

 するとみるみると帆波の顔が真っ赤に染まっていく。

 純情な帆波にこんな台詞を言うのは相当恥ずかしいだろうが、俺の言うことを何でも聞いてくれるはずだから言うしかない。

 

「その……遼くん専用の奴隷お、おまんこに……おちんちんを入れて、いっぱい種付けして、ください……」

 

 これ以上ないくらい顔を真っ赤にしている帆波はとてつもなく可愛い。

 今まで経験がなかったのが不思議なくらいだ。

 告白は沢山されてきただろうけど、貧乏だったから誰とも付き合わなかったのだろう。

 

「今の台詞録音していい?」

「え? 恥ずかしすぎるけど、遼くんがそう言うなら……」

 

 帆波は完全に俺の駒と言ってもよく、これからは俺に尽くしてくれる。

 

「淫乱帆波を沢山気持ちよくさせてあげる」

「はあぁん……して?」

 

 俺は一気に肉棒を帆波の膣に挿入する。

 精液と愛液で潤っている膣内は抵抗がなく、入れた瞬間に膣壁が離さないようにギュウギュウと締め付けてきた。

 

「あ、あぁぁぁぁん……ひぃ、ひゃぁん」

 

 挿入した瞬間に帆波は大きく身体を震わせ、絶頂に達してしまう。

 まるで潮を吹いたんじゃないかと思わせるくらいに愛液が勢いよく溢れ、帆波の顔は舌を出しアヘ顔を晒した。

 

「ひぃ、あんあん……ひゃん、気持ちいいのが……止まらな……ひぃぃぃん」

 

 処女を失って間もない帆波であるが、絶頂に達して数秒でまた絶頂に達してしまう。

 身体の相性が良いものあるだろうけど、帆波が相当エロいというものある。

 

「帆波が締めつけてくるからすぐ出ちゃいそう」

「ひゃぁん、いっぱい出して……妊娠するくらい、ひぃ……欲しいの……」

 

 帆波は発情すると妊娠願望が出てしまう。

 今の頭の中は俺に種付けされることしか考えていないはずだ。

 もしかしたらこの後に渡すアフターピルを飲まない可能性すらある。

 絶対に飲めって言えば飲むだろうけど。

 妊娠したら俺といれなくなるのがすぐわかるだろうし、落ち着けば飲むだろう。

 

「出すよ」

「あぁん、出して……あ、イく、イくイく……ふあぁぁぁぁぁん……」

 

 帆波の絶頂と同時に肉棒から精液が膣内に流れ込む。

 ポンプのように出る精液は膣内を満たしてもなおで続け、子宮にも侵入していく。

 

「はぁん……気持ち良すぎるよぉ……」

 

 精液を出されながら再び絶頂した帆波は、体力がなくなったのか、ベッドでぐったしとしてしまう。

 風邪をひいているからしょうがない。

 俺は帆波が寝るまで優しく抱きしめながら頭を撫でた。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

27話

最近櫛田がめっちゃ好きです


 帆波を抱いた数日後、風邪が治り登校してきた彼女は自分の罪を打ち明けた。

 Bクラスは元々団結力があったとから、帆波を嫌う人はいなかったようだ。

 ちなみに俺は桔梗から得た他の人の秘密をネット掲示板に暴露したため、学校側が動いて帆波の件は急速に収まった。

 最初は他の人に書き込んでもらおうかと思ったけど、これは俺が書き込んだ。

 そして俺の予想通り、掲示板に書き込んだことは特にお咎めなし。

 ちなみに帆波を生徒会に勧めようとしたが、俺に奉仕できる時間が減るのが嫌なようで、入ることを止めたようだ。

 

「二人きりになれて嬉しい」

 

 頬を赤らめて俺を見つめる桔梗。

 帆波のことがわかったのは桔梗のおかげであるし、これからご褒美をあげることにした。

 いつもは有栖がいる時にしていたので、二人きりは桔梗の処女を奪った時以来。

 

「たまには二人きりの時間を作ってもいいかなって。恋人のように甘い時間を過ごしたいんでしょ?」

「うん」

 

 俺に依存している桔梗にとって、一緒にいれるのは嬉しいことだろう。

 本当はもっと一緒にいたいだろうが、こればっかりは仕方ない。

 この部屋限定ってことで我慢してもらう。

 それに桔梗は俺と一緒にいれなくなることを恐れている。

 だから俺の言うことを聞かなくなるなんてことは決してない。

 ちなみに桔梗は俺とのセックスでストレス発散しており、あれ以来暴言を吐いていないようだ。

 あれを他の人に見られると俺も困るから、これからも定期的に二人きりの時間を作ってあげるのもいいかもしれない。

 

「遼くん、好き」

「うん。知ってる」

 

 有栖がいないからか、唐突な告白。

 

「ずっと離れたくないよぉ……」

「うん。桔梗が俺の言うことを聞いてくれる限り、一緒にいてあげるから」

 

 俺は桔梗を抱きしめて、彼女の顔を自分の胸にうずめさせた。

 本当に幸せそうな顔をしており、どれだけ俺のことを好きなのかわかる。

 

「一緒にいたいなら俺に桔梗の全てをちょうだいね?」

「うん。私の全てを遼くんにあげる」

 

 今のところ特にないが、桔梗は俺と一緒にいるために平気で友達を裏切るだろう。

 それはこれからDクラスが上に上げっていくのを邪魔するのも厭わないということだ。

 

「そういえば桔梗はまだ堀北を退学させたいの?」

「うーん……できることなら……でも、それで遼くんにリスクがあるなら別にもういいかなって思ってるよ。私の秘密を暴露するなんてことはないだろうし」

 

 抱かれるさいにした約束はどうでもいいようだ。

 桔梗から少し堀北について聞いたが、彼女は他人に興味をほとんど示さない。

 だから桔梗の秘密を漏らさないという判断だ。

 退学してくれるならしてほしいだろうが、リスクを負ってまでさせる必要は感じられないってことだろう。

 もし、他の人にバレたとしても、桔梗にとって俺と一緒にいることが最優先。

 自らリスクを負うより、このまま様子見でいようって思っているようだ。

 秘密がバレないのに越したことはないから、注意はしてるだろうけど。

 

「そか。じゃあ、これから桔梗を愛してあげる」

「うん。沢山愛して?」

 

 俺は桔梗にキスをし、そのままベッドに押し倒す。

 今までに何度もしてきた濃厚なキスを沢山して、いっぱい唾液を流し込んでいく。

 

「んん、じゅる……はぁん……ごく……んぐ……」

 

 もっとしてほしいのか、桔梗は俺の頭に手を回してきて離さない。

 今日はご褒美でしてあげるので、ある程度のことは容認することにしよう。

 キスをしながらブレザーとブラウスのボタンを外していくと、初めて抱いた時と同じオレンジ色のブラが姿を現した。

 ブラをずらしていっぱい触っているのにも関わらず、綺麗なピンク色の乳首をつねる。

 

「んん、ひゃぁん……」

 

 キスをしながら桔梗は喘ぎ声を漏らす。

 痛みが快感に変換される桔梗にとって、胸を普通に揉まれるより乳首を刺激した方がいい。

 もちろん胸も揉むが、桔梗には痛みを中心に与えていく。

 

「桔梗には新たに痛みを与えてあげる」

「うん。ちょうだい?」

 

 俺は桔梗の首の辺りの髪をどかして、そのまま噛みついた。

 沢山痛みを与えるために思い切り噛みつくと、桔梗は快感に溺れた。

 

「ああ……いいよぉ……」

 

 明らかに歯形ができるくらいに強く噛んでいるが、桔梗にとってはこれくらいじゃなきゃ満足できない。

 一応、制服を着れば隠せる位置に噛みついたので、他の人にバレるということはないだろう。

 

「遼くんに歯形をつけられちゃった。幸せ……」

 

 うっとりとした表情で、桔梗は歯形ができた箇所を触る。

 今まではチョーカーで私は遼くんのものって感じていたようだけど、今は歯形で感じているようだ。

 

「桔梗は俺のものだから、独占しようかなって」

「うん。いっぱい独占し……ひゃん」

「びしょ濡れ」

 

 スカートの中に手をいれショーツを触ると、これ以上ないくらいに膣は濡れていた。

 

「ああん、ひゃん……もっと強くぅ……」

 

 普通に触るだけでは物足りないようで、痛みを与えてほしいという桔梗のおねだり。

 俺は桔梗のショーツを脱がして、既に勃起しているクリトリスに噛みつく。

 

「ひぃぃぃん……この痛み、この痛みがほしいのぉ……」

 

 痛みを与えると、膣からは大量の愛液が溢れてくる。

 それに伴いエロい匂いが漂ってきて、俺の性欲を刺激していく。

 

「あ、あ……イく……ひゃん、もうイっちゃうよぉ……あ、あぁぁぁぁぁん……」

 

 大きく身体を震わせた桔梗は、痛みで絶頂に達した。

 

「入れるね」

「うん……いっぱい痛みを……ひゃぁぁん」

 

 俺の巨根は慣れた相手にも痛みを与えるようで、桔梗はすぐに絶頂に達する。

 

「あぁん……痛気持ちいい……ひぃぃん、ひゃん……」

 

 桔梗が絶頂に達しようと、俺は腰を振るのを止めない。

 沢山精液を出すために、さらに動きを激しくしていく。

 

「ひゃあ、あ、あん……はぁぁぁん……ひゃん」

 

 桔梗は痛みを求めるべく膣壁で肉棒を締めつけ、一切離そうとしない。

 ずっと中に入れてほしそうに思えるほどに。

 

「ほら、もっと痛みを与えるよ」

「ひぃ、ひゃん……ふあぁぁぁん」

 

 無理矢理子宮口をこじ開けると、桔梗はアヘ顔を晒しながら絶頂する。

 桔梗のこんな姿を動画に撮ってオークションにかけたら凄いポイントで落札されそうだが、俺が独占するからそんなことはしない。

 

「いっぱい出すね」

「ひぃ……出して……はぁん、あ、あぁぁぁぁぁん」

 

 俺が膣内に精液を出すと桔梗はまた絶頂し、快感に溺れた。

 

「遼くんの精液がこんなに……幸せすぎるよぉ……」

 

 確実に妊娠するんじゃないかと思うくらいに出ている精液は、桔梗にとって幸せでしかない。

 俺と一緒にいれるのであれば、子供を作るのにも何の躊躇いはないだろう。

 

「ほら、二人きりの時間は限られてるからまだするよ」

「うん。ひゃぁん」

 

 桔梗を四つん這いにさせ、バッグで満足するまで犯しつくした。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

28話

ようやく原作の2巻に突入できます。


「あれ?」

 

 6月1日。ポイントの確認をしようと携帯を見たのだが、本日振り込まれるはずのポイントが振り込まれていなかった。

 

「何かあったのか……」

 

 普通ならシステム障害が起こって振り込まれなかったと考えるが、俺はそうでないと思っている。

 ポイントには学校側も細心の注意をしているはず……今更システム障害が起こるなんて考えにくい。

 だとすると学校側が意図的にポイントを振り込まなかったということになる。

 恐らく一年の生徒が問題を起こしてしまい、それが解決するまでは振り込まない。

 誰が問題を起こしたかはわからないが、面倒なことをしてくれた。

 ポイントには一切困っていないけど、あるに越したことはないのだから。

 桔梗や清隆なんかは最初に貰ったポイントだけだし、困ってたりするのだろうか?

 まあ、ポイントに困っていても無料の食べ物とかあるから、生活できないということはない。

 

「有栖は……まだ寝てるか……」

 

 ほぼ毎日のように俺の部屋に泊まっている有栖は、隣で寝息をたてている。

 その寝顔をとても可愛らしく、寝ている有栖にキスをしてしまった。

 まだ朝早い時間というのがあり、有栖は起きる気配がない。

 

「たまにはこういったものもいいかもな」

 

 俺は寝ている有栖の胸を揉む。

 寝間着の時はブラをさせていないため、服越しに柔らかな感触がダイレクトに伝わる。

 ブラがあるのとないのでは触り心地が全然違う。

 

「んん……はん……」

 

 俺によって調教されている有栖は、寝ていても感じるようだ。

 服の中に手をいれ、直接胸を触っていく。

 桔梗や帆波に比べたら全然ないけれど、小さくてもとても柔らかい。

 あの二人と比べると他の人が可哀想になってくるが……。

 

「あ、はぁん……」

 

 乳首も立ってきて、有栖の口から喘ぎ声が漏れる。

 今まで寝ている有栖にしたことはなかったが、これはこれでいい。

 これからはたまにやることにしよう。

 

「次はこっちかな」

 

 有栖は基本的にワンピースタイプの寝間着が多い。

 だから足を開かせると、既にシミが出来ているショーツが見える。

 先月はアフターピルの影響で生理が遅れ血が出ていたが、今回はいつも通りきたためにもうほとんど血は出ていない。

 生理中にするのはあんまりよろしくないから昨日まではしていなく、もう有栖の中に入れたい。

 有栖とできない時は桔梗や帆波が相手をしてくれたから欲求不満というわけではないが、俺がただ有栖としたいだけ。

 俺はショーツをずらして、寝ている有栖に挿入をする。

 

「あ、ひゃぁぁん……」

 

 流石に起きたようで、大きな喘ぎ声を上げて絶頂に達した。

 

「ひゃん、遼く、ん……ひぃぃぃん」

 

 寝起きの有栖にはかなり強い刺激に、腰を浮かせてしまう。

 

「有栖としたくなっちゃった」

「あぁん、それは……構いませんが……はぁぁぁん」

 

 俺に忠誠を誓っている有栖は、どんな時だろうと股を開いてくれる。

 それは寝ている時も例外ではない。

 

「何度も言うけど、俺から離れることは一切許さないよ」

「ひゃい……絶対に、離れません……ふぁぁん」

「いい子だ」

 

 俺は有栖に覆い被さり、さらに激しく腰を降っていく。

 突かれる度に絶対に達してるんじゃないかと思われるくらいにずっと身体を震わせ、顔はだらしなくなっている。

 普段は凛とした表情で不敵な笑みを浮かべる有栖であるが、俺にだけ見せるアヘ顔に独占欲を覚えてしまう。

 俺がセックスにハマるきっかけになった少女である有栖を、絶対に離す気にはなれない。

 

「あ、あん、あぁん……ひゃん、ひぃぃぃん」

 

 俺によって快感を与えられ、有栖は突かれながら潮を吹いた。

 それにより俺とベッドを濡らしてしまうが、気にせず腰をする。

 今は有栖を孕ませたい……俺の本能がそれしか考えられなくしてしまう。

 

「出すよ」

「ひゃい……いっぱい、らして……ふぁぁぁぁん……あ、あぁぁぁぁぁん」

 

 絶頂しまくっている有栖の膣に、俺は射精していく。

 膣壁はぎゅうぎゅうに肉棒を締めつけ、最後の一滴まで精液を絞り取ろうとしてくる。

 まるで妊娠するまで出していてほしいかのようだ。

 

「出されながらイってましゅ……」

 

 最愛の人に精液を出されながら、有栖は再度絶頂に達する。

 

「んん、んちゅ……じゅる……」

 

 俺は射精しながら有栖にキスをし、たっぷりとマーキングしていく。

 有栖の全ては俺だけのものであり、この先何があっても変わらない。

 

「んちゅ、しゅごい……また、イきましゅ……」

 

 長い射精とキスにより、再び絶頂に達してしまう。

 

「お風呂行こうか」

「はい……ひゃぁぁん」

 

 挿入したまま立ち上がると、肉棒がさらに奥に入ったために有栖が身体を大きく震わせた。

 入れられたままシャワーを浴びることになった有栖は、お風呂場で何度も絶頂するのであった。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

29話

長らく更新出来なくてすいません。
物語とは関係ないですが、今回は坂柳のイラスト付きで載せます。


 

【挿絵表示】

 

 

「Dクラスの須藤がケンカしちゃったから振り込まれなかったわけか……」

「うん」

 

 6月になっても一年生にポイントが振り込まれなかった理由は、Dクラスの問題児である須藤という生徒がCクラスの数人の男子と喧嘩をしてしまったから、と桔梗から聞かされた。

 学校に行った時にはシステムに問題が起きてポイントが振り込まていない、と担任が言っていたが、予想通り違っていたようだ。

 学校が終わったら桔梗が部屋に訪ねてきて教えてくれた。

 本人は呼び出されて相手から仕掛けてきたと言って正当防衛を主張しているようだが、明らかに大怪我をしているのはCクラスの男子なので、須藤に否があるとみなされるだろう。

 清隆が動いてくれれば解決しそうではあるものの、他人に興味がないからどうなるか分からない。

 最悪今月もポイントが振り込まれない可能性があるので、動く可能性はあるかもしれないが。

 ちなみに俺は桔梗からお願いしてこない限りは手助けするつもりはない。

 他クラスのことだからだ。

 

「桔梗はポイント足りるの?」

 

 先月はゼロだし、今月もまだ振り込まれていない、いくら寮費はかからないといえど食費はかかるため、ポイントが少なくなっていてもおかしくない。

 

「大丈夫だよ。遼くんは優しいね。心配してくれてありがとう」

 

 どうやらかなり節約はしているようだ。

 でも、表の桔梗は天使のように優しい性格をしているので、浪費が激しい生徒にポイントを貸したりしているだろう。

 

「教えてくれたお礼に気持ち良くされてあげるから全部脱いで」

「うん」

 

 えへへ、と笑みを浮かべている桔梗が制服を脱ぎだす。

 この後はクラスの人たちと今回の件について色々と動くようなのであまり時間はないが、一発中に出してあげることは出来る。

 

「ほら、有栖はもっと深く咥えて」

「んん、じゅる……んんん……んくぅ……」

 

 先程からフェラしてくれている裸の有栖の頭を掴み、肉棒をさらに奥まで咥えさせる。

 若干苦しそうな表情になるも、ドMだから問題ないだろう。

 本当にしんどくなった時は教えてくれるはずだし、このまま奥まで加えさせてフェラさせる。

 帆波はクラスの女子たちと遊ぶこのことなので、今はこの部屋にいない。

 遊びが終わったら来ると行っていたし、夜に沢山気持ち良くさせる。

 

「沢山痛くして気持ち良くして?」

 

 既に膣口からは大量の愛液が太ももを伝うほどに出ており、フェラを見て発情しているのだろう。

 

「その前に一回出すから」

「んん、じゅる……んんん――――んく、んくぅ……」

 

 フェラしてくれている有栖の口内に精液を出す。

 何度出しても萎えない肉棒の先にからは毎日射精しているとは思えないほどの量の精液が出ていく。

 きちんと音を立てて飲む有栖にもご褒美を上げたいが、今は桔梗が先程だ。

 有栖はこの後も時間がありものの、桔梗はないから早くしなければならない。

 

「ほら、ますはこっちだ」

「ああん、いいよぉ………ひゃぁん」

 

 右手で乳房を鷲掴みにし、反対側は乳首を噛んで痛みを与えていく。

 痛みで感じてしまう桔梗にはこれくらい強くしないと絶頂に至らない。

 

「あ、イく……ああん、ん、ひゃあぁぁん」

 

 ただ、痛みを与えてあげることで、桔梗は喘ぎ声を上げて簡単に絶頂してしまう。

 一応ポイントを使って部屋を防音にしたが、隣に聞こえそうな大きい声だ。

 

「んくぅ……じゅるる、んじゅ……じゅる……」

 

 まだまだ足りないのか、桔梗が大きく身体を震えさせたのを見た有栖は、再びフェラを開始する。

 

「遼くんのおちんちん、おまんこに欲しいよぉ……」

 

 甘い声で誘惑してきた桔梗はベッドに横になり、足を開いてひくひく、と動いている膣を見せてきた。

 女性にとって一度大きな肉棒を体験してしまうと、小さいのでは満足出来なくなってしまうらしい。

 恐らく桔梗は他の人たちでは満足出来ないだろう。

 

「ああん、指じゃなくておちんちんが欲しいのぉ……」

「だって有栖がフェラしてるし」

「んじゅる……んくぅ、じゅる……んん……」

 

 肉棒は有栖が独占してしまっているため、桔梗の膣内には指を入れた。

 ただ、喘ぎ声を上げて気持ち良くしていそうだが、もう指では満足出来ないらしい。

 早く桔梗に入れてあげたい気持ちはあるも、有栖が離してくれないから無理だ。

 

「ああん、イく……ひゃあぁぁぁん」

 

 それでも潮を噴いて絶頂はするみたいだが。

 

「もう一回出す」

「んん、じゅるる……んんん――」

 

 再び有栖の口内に射精していく。

 

「飲んじゃダメだよ」

 

 こくり、と頷いた有栖は、尿道にある精液を吸い取って口内に貯める。

 

「有栖は横になって桔梗は有栖の上に乗って」

 

 膣を弄られながらも頷いた二人は、俺の言う通りにしてくれた。

 

「有栖は桔梗に精液を口移しで飲ませて」

「ふぁい。んちゅ……」

「じゅる…んちゅ……んくぅ、んくぅ……」

 

 有栖によってキスされた桔梗が精液を飲んでいく。

 この構図なら桔梗を下にしたいが、体格差や有栖の足が不自由なことからこうさせた。

 

「んくぅ、ふぁあぁぁん」

 

 精液を美味しそうに飲んでいる桔梗の膣に、短時間に2回出しても萎えない肉棒を一気に突っ込む。

 いきなり挿入されて精液が溢れてしまったようだが、しっかりと有栖が口に含み、再び桔梗に飲ませていく。

 

「んくぅ……ふあ、ひゃあぁぁぁん」

 

 奥まで突かれながら飲むのはしんどいようだ。

 でも、桔梗はしっかりと精液を飲んでくれているのは、俺への忠誠心がなせる業だろう。

 

「んちゅ……ふぁあぁぁん……」

 

 最後の一滴まで桔梗に精液を飲まそうとしている有栖のクリトリスに爪をたてると、すでに愛液でビショビショの膣が潮を噴いた。

 

「また、イく……ふぁあぁぁん」

「私もイき、ます……ひゃぁああん」

 

 桔梗は精液を膣内に出されながら、有栖はクリトリスをつねられながら身体を大きく震えさせて絶頂した。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

30話

「ずっとセックスしてたい気分だ」

 

 有栖と桔梗とセックスしまくっても足りなかったため、俺は帆波を呼んでセックスすることにした。

 

「うん。んん、んちゅ……あん」

 

 頷いてくれた帆波にキスをして胸を揉む。

 

 三人の中で一番大きい胸だがハリがあって垂れていない。

 

 揉んだり舐めたり噛んだり挟んでもらったりと、めちゃめちゃ万能な胸だ。

 

 もちろん有栖や桔梗の胸もいいが。

 

「あん……遼くんは、んん……本当に性欲凄いよね。ああん……櫛田さんと坂柳さんがぐったりしてる」

 

 ベッドでぐったりとしている有栖と桔梗を見た帆波は、これから自分もそうなるのかな? と思っているだろう。

 

 二人の腟からは沢山の愛液と精液が溢れ出ており、何度も絶頂してぐったりとしてしまった。

 

 だから今日は帆波もセックスするしかない。

 

「これから帆波の中に何度も出すから」

 

 今日だけで十回以上射精しているのにも関わらず、俺の肉棒は勃起したままだ。

 

「うん。いっぱい出して? ああん、ひゃん……」

 

 服とブラを捲り上げて激しく胸を揉むと、帆波の口から喘ぎ声が漏れた。

 

 言葉攻めで感じることが多いが、もちろん激しくされても絶頂する。

 

「ああん、イっちゃう……あああん、んん、ひゃぁぁあん」

 

 既に勃起した乳首を強く抓っただけで簡単に絶頂してしまうほどに帆波もドMになった。

 

 痛みで観じる具合は桔梗の方が上だが、ビクンビクン、と震えるから帆波も痛みで感じるドMだ。

 

「パイズリフェラして」

「うん」

 

 服だけじゃなくてブラやシミが出来ているショーツも全部脱がせ、帆波の前に勃起した肉棒を見せる。

 

「んん……じゅるる……んちゅ……れろ」

 

 大きな胸で肉棒を挟んだ帆波は、唾液を垂らしてから肉棒の先端を咥えて舐め始めた。

 

 胸の柔らかさに固くなった乳首が当たって、先端は口の暖かさと舌の刺激で気持ち良い。

 

「気持ち良いよ。もっとして?」

「うん。じゅるる……れろ……んちゅ……」

 

 シコシコ、と胸によるパイズリとれろれろ、と口でするパイズリフェラは別格だ。

 

 もちろん有栖や桔梗がしてくれるフェラも気持ち良いが、パイズリは毎日してもらいたいかもしれない。

 

 帆波はBクラスのリーダー的な存在だし、依存してくれている桔梗にも今度頼もう。

 

「飲むまで離しちゃ駄目だから」

「……れろ、じゅるる……」

 

 コクン、と無言で頷いた帆波は、ラストスパートと言わんばかりに肉棒を刺激してくる。

 

「出る」

「んん、んんんーーごく、ごく……じゅるる」

 

 いくら出しても勢いが衰えることのない肉棒から精液が湯水の如く発射された。

 

 きちんと音を立てて飲んでくれるし、尿道にある精液も吸い出してくれるため、帆波は本当にお利口さんだ。

 

「全部飲んだか見せて」

「うん」

 

 んあ、と大きく口を開けてくれたので確認すると、精液は既になかった。

 

 しっかりと飲んでくれたので頭を撫でてあげると、嬉しそうに「えへへ」と帆波が笑みを浮かべた。

 

 言葉攻めが好きな帆波であれど、褒められるのも嬉しいのだろう。

 

「今日はバッグでしてあげる」

「うん」

 

 後ろを向いからベッドに手をかけた帆波は、お尻をこちらに突き出してくる。

 

 毛のないパイパンの腟からは既に愛液が溢れており、パクパク、と動いているから早く入れて欲しそうだ。

 

「おねだりして?」

 

 覆いかぶさるようにし、帆波の耳元で命令をする。

 

「遼くん専用の濡れ濡れおまんこに、遼くんの逞しいおちんちんを入れていっぱい気持ち良くなって? 満足するまで中出しして?」

 

 指で膣を広げておねだりしてくる帆波は、頬を真っ赤にさせてこちらを向いた。

 

「ふにゃあぁぁぁん」

 

 いやらしいおねだりに我慢出来なくなり、肉棒を膣に一気に挿入した。

 

 それだけで絶頂してしまったようで、帆波は身体を大きく震えさす。

 

 足が生まれたての小鹿のようにガクガク、と震えさせているため、何とか力を振り絞っている状態だろう。

 

「子宮がパンパンになるまで出してあげる」

「うん。出して。ピル飲んでいても妊娠するくらい出して。赤ちゃん袋を遼くんの精液でいっぱいにして欲しいのぉ。ひゃあぁぁん」

 

 エロい言葉を言われてゆっくり出来るわけもなく、早速肉棒で突いていく。

 

 くちゅくちゅ、と妖艶な音を立てて結合部からは愛液が出てくる。

 

「アナルもヒクヒクしてる」

「ひゃあ……痛いけど、遼くんにされると、気持ち良……はあぁぁん」

 

 ヒクヒク、と動いているお尻の穴に指を入れてみたが、帆波はアナルでも気持ち良くなれるようだ。

 

 三人ともセックスに慣れたドMだし、そろそろ皆のアナルを開発するのもいいかもしれない。

 

「おっぱいもたゆんたゆん揺れて本当にエロいな」

「はあぁぁん、ああん、ひやぁ……気持ち良いのが止まらないのぉ。イくうぅぅ」

 

 右手の人差し指をお尻の穴に入れて左手で胸を揉みつつ付くと、帆波が再び大きく身体を震えさせた。

 

「ほら、俺はまだ出してないから休暇はなしだよ」

「うん。しゃん、ひゃぁぁぁ、あぁぁぁん」

 

 敏感な箇所を三点同時攻めされているため、帆波の絶頂が止まらないようだ。

 

「ほら、出すぞ」

「はあぁん、ひゃぁ……出して。遼くん専用の赤ちゃん袋にいっぱい種付けして、イく、イく……ああ、ひゃあぁぁぁぁん」

 

 ドクドク、膣に精液を出されながら再び大きく身体を震えさせた帆波は、絶頂しながら膣口から大量の愛液を噴射させた。

 

 ガクガク、と足を震えさせているから立っているのもしんどそうだが、精液を搾り出すために頑張っているようだ。

 

「まだまだ出すから」

「うん。もっと出して妊娠させて? ああん」

 

 連続でバッグは厳しそうなため、繋がったまま帆波が楽になる対面座位になって再び出しまくった。



目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。