新訳・とある時王のハイスクール (海神アグル)
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旧校舎のディアボロス
episode#1




この作品は、時折台本形式になります。

それと不定期更新になりますが、感想を貰えれば次話を書く意欲に繋がるので、是非お願いします。

後、絶対にタグを読んでから、本編を読んでくださいね?




◎side

 

 

あらゆる光線が降り注ぐ。

 

 

 

大きな地鳴りがそこかしこに響く。

 

 

 

しかしそれも数分で止み、後に残ったのは地面に横たわる何十人者の光の巨人と、同じ数くらいの仮面の戦士達。

 

その更に外側には天使や悪魔、堕天使等の種族達が地面を埋め尽くすように、折り重なっていた。

 

それがこの戦場で起きた悲惨さを物語る。

 

そして一際大きく出来たクレーターの中心に、赤い龍の籠手を左腕に持つ光の巨人…とあるウルトラマンが膝をついていた。

 

名前は『ウルトラマンドライグ』

 

変身者は、緋村一誠。

 

赤龍帝と呼ばれるドラゴンを身に宿す少年で、このウルトラマンドライグも、彼の中に眠るウルトラマンの力と赤龍帝の力がユナイトした結果の存在である。

 

しかしそんな彼でさえも、彼を含めた何十人者のウルトラマン達でさえも、仮面の戦士…仮面ライダー達でさえも、目の前にいる男の前に敗れた。

 

男は赤っぽい髪に、赤を基調とした服を着ており、その右肩からは異形の右腕を現していた。

 

男は言う。

 

「お前達はよく頑張ったよ。だが、俺様には及ばない」

 

男は邪悪に笑うと、異形の右腕をウルトラマンドライグ…一誠に向けた。

 

それを見て一誠は唇を噛み、ここまでの事を走馬灯のように思い出す。

 

最初に男の前に倒れたのは恩師や義兄、ライバル達だった。

 

次に自分の幼馴染みである友人達、そして妹達。

 

更には父親とその友人達を始めとした歴代ウルトラマン達に、母親とその友人達を始めとした歴代平成仮面ライダー達。

 

最後には、一誠が最も愛する女性までもが、男の前に倒れた。

 

その悔しさと憎悪を込めて、一誠は男に叫んだ。

 

「フィアンマァァァァァァァァアアアアアアアアアア!!」

 

「もう1度チャンスをやるから、ゼロから始めろ」

 

一誠の慟哭すら一笑に伏せた男は、右腕から極太の光線を発して、世界を滅ぼした。

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

光が暗闇に差し込む。

 

眩しいという感覚がある。

 

ここで緋村一誠の意識は、徐々に覚醒して行く。

 

光を求めて、そこより這い出る。

 

「俺は…………一体…………?」

 

意識の覚醒と共に、一誠は自分の周りに違和感を覚えた。

 

まず最初に見えたのは、曇天の空ではなく、見慣れた自分の天井だった。

 

それも大改装される前の自分の部屋の天井。

 

下にはフカフカのベッドの感覚がある。

 

上体を起こして周りを見ると、これまた見慣れた部屋模様。

 

窓を開けて見ると、そこには先程の戦場など無かったかのような平和な朝焼けの街。

 

一誠は慌てて部屋の壁にかけてあるカレンダーを見る。

 

日付は自分の最後の記憶から1年前の日付になっていた。

 

つまり今は一誠が高校2年生になった春の季節である。

 

一誠はその事実を認識すると、そっと自分の左腕を握り、そこに眠る相棒のドラゴンに語りかける。

 

「ドライグ……聞こえるか?」

 

無駄だとは思っていた。

 

本来ならこの季節にドライグは目覚めていない。

 

自分が歴代赤龍帝最弱であるばかりに。

 

にも関わらず、

 

『なんだ相棒?』

 

予想外にも、威厳ある低い声が左腕から聞こえた。

 

その事に一誠は歓喜の涙を流しそうになるも、グッと堪えて本題に入る。

 

「俺達……過去に飛ばされたのか?」

 

『結果的にはそうだが、厳密には違う』

 

どうやらドライグも最後の戦いの記憶を保持しているようで、自分の憶測を一誠に語る。

 

『俺達は確かに過去に飛ばされた。だがそれはあくまで俺達の精神のみ。あの男がやったことは少し不完全だったようだな』

 

「そうか……」

 

あの男……一誠達が最後に戦い、この現実に追いやった敵の顔を思い出して、一誠は歯軋りする。

 

しかし直ぐに気分を切り替えると、ドライグに大事な事を訪ねる。

 

「ドライグ、俺の力は今どれだけある?」

 

リベンジするにも力が無くては無意味だ。

 

もう1度戦い、今度は勝つために特訓する為にも、今ある力を把握しておかなければならない。

 

そう思って訪ねると、ドライグから返ってきた返答に唖然とした。

 

『今あるのはジオウの力のみだな。ウルトラマンの力は綺麗サッパリ無くなってやがる。それに他のレジェンドライドウォッチも無くなっている』

 

「………は?」

 

嘘でしょ?

 

それが一誠の感想だった。

 

まさかのウルトラマンドライグの力が無くなっている。

 

代わりにジオウの力は残ってるものの、他のレジェンドライドウォッチが無いのでは心許ない。

 

『そう悲観するな。ウルトラマンドライグの力はライドウォッチとして残ってる。それに神の奴も今はいないが、直に会えるだろ』

 

ドライグが言う神とは、ドライグダーク神の事で、一誠が暴走して闇落ちした時に生まれた存在の事である。

 

まぁあの煩い存在はともかく、ウルトラマンドライグの力は実際変身は出来ずとも、ライダーの範囲で使える。

 

これは一誠にとっては嬉しい誤算だ。

 

次に大事な事を一誠は訪ねる。

 

「フィアンマとの戦いを覚えてるのは他にもいると思うか?」

 

この記憶はかなり大事だ。

 

これを覚えてるかどうかで、今後無償で協力してくれたり、また一から戦わなければならない者で分かれてくるのだから。

 

『そこは分からん。まぁ遠回しにそれとなく聞いてみる他しか無いだろう』

 

「だよな…」

 

バカ正直にあなたは最後の戦いを覚えてますかと訊いても、変人に見られるだけ。

 

なのでかなり面倒だが、それとなく一々聞いていく他しか無いだろう。

 

とは言え、確実に最後の戦いの記憶を持つ者を、一誠もドライグも知っている。

 

彼らの仲間達を葬り、一誠を過去に飛ばした敵・右方のフィアンマ。

 

彼は突如として一誠達の前に現れ、大きな戦争を引き起こした。

 

それを止めようと動いた結果、無惨にも一誠達は完敗してしまったが……。

 

「とりあえず今の所はこれだけか。………今度こそフィアンマの野郎を倒してやる」

 

『相棒、そう気負うな。分かってると思うが、今の相棒は悪魔の特性も無くなってんだぞ?』

 

「分かってる」

 

朝陽を浴びて何とも無いことから、それは一誠も薄々感じていたので、そんなに驚かない。

 

そうやって今からやる事を軽く脳内シミュレートしていると、部屋の扉がガチャリと開いた。

 

「一誠~、朝やで~」

 

「お兄ちゃん起きてる~?」

 

振り返ればそこにいるのは、尊敬する母親と愛する妹の姿があった。

 

緋村(旧姓:東條)希と、緋村 美月である。

 

「起きてるよ、母さん、美月」

 

変わらない家族の元気な姿に、一誠は言い知れぬ心地よさを感じていた。

 

「お兄ちゃんが早起きなんて……」

 

「雨でも降るんやろか……」

 

「おい」

 

あまりにもな言いように一誠は思わずツッコんでしまう。

 

だがこれこそ、一誠の望む平和な日常のヒトコマ。

 

その事に一誠は苦笑しつつ、父・緋村 茜の所在を訊ねる。

 

「父さんはもう下なの?」

 

至極当然な質問の筈なのに、何故か2人はキョトンと首を傾げ、一誠に不思議そうな視線を注ぐ。

 

その事に一誠が首を傾げると、希はあっけらかんと言う。

 

「一誠……まだ寝惚けてる?茜君は昨日、竜司君達と一緒に海外に出張したやん」

 

「………えっ?」

 

のっけから躓いた。

 

一誠はそう思った。

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

一誠が時を遡って、もう1度最初からやり直そうと決意した途端に躓いた同時間帯。

 

ある喫茶店の屋外席には、一組の男女がコーヒーブレイクをしていた。

 

男の方は白い髪に赤い瞳というアルビノで、黒を基調とした服の上にグレーのパーカーを着ている。

 

その対面に座る女は、褐色肌で紫っぽい銀髪、出る所は出てるスタイル抜群の美女だった。

 

男の名は、火神 竜牙。

 

『仮面ライダーカリス』というライダーに変身する少年で、今は一応恋人となっている目の前の美女、アルフィミア・レヴィアタンの世話をしながら平和を謳歌している。

 

だが本来なら彼らの邂逅はもっと先の事。

 

なのにもう恋人関係になっている事に、最初の歴史を知る者なら誰もが疑問を抱くとこだが、そんな事を彼ら2人が知る筈もなく、当のアルフィミアはケーキを片手に席を立ち、道行く人々の服装を見ながら興味深そうに呟く。

 

「人というのは不思議ね。衣替えという風習があるなんて。これは私も便乗してきゃっ!?」

 

竜牙は彼女の襟を掴むと、席の上に雑に倒す。

 

「テメェの服装は涼しすぎるンだよ。つーかみっともねェから座って食え。そして喋るか食べるかどっちかにしろ」

 

そう言う竜牙に、胸元や太股を大胆に見せた肌色成分多めの白のワンピースを着ているアルフィミアは文句を言う。

 

「もう!少しは優しさを見せてほしいかも!」

 

「我ながら想像出来ねェよ」

 

頬を膨らますアルフィミアを視界の外へ追いやるように竜牙は苦いコーヒーを啜った。

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

場所はお台場。

 

そこにある虹ヶ咲学園という学校の廊下に、少年達はいた。

 

何故土曜日なのに生徒である彼らが学園にいるのか?

 

普通なら部活でいるのだろうが彼らは違う。

 

彼らが学園にいる理由は補習である。

 

ここにいる3人の少年達は、あまり勉強がよろしくない。

 

よって、貴重な休みの日である土曜日を潰して、3人は補習に勤しんでいた。

 

今は休み時間だが。

 

3人の少年の内、真ん中にいる黒髪ツンツン頭に水色のメッシュを複数入れた少年、氷城 冬麻はふと呟く。

 

「……出会いが欲しい」

 

その瞬間、その頬に両サイドから拳が入った。

 

「うにゃあ!? 何するんですかー!?」

 

冬麻がそう言うと、赤茶髪の少年、小牙 晴司が言う。

 

「いやあ、お前が言うと嫌味にしか聞こえないんだよ」

 

続いて氷川 冷が言う。

 

「その言葉を引き金にして、そこらじゅうから好意ましましな女子が出てきそうだもんな」

 

一応は2人にも恋人はいるが、それでも冬麻には及ばない。

 

彼が自覚してないだけで、冬麻に好意を寄せてる女子はたくさんいる。

 

2人が知ってるだけでも、自分達とも関わりのある幼馴染みの少女2人がそうだ。

 

後は予想で言うと、クラス委員長や風紀委員のお姉さん風の先輩、サバゲー大好き女子や科学部の女子etc……。

 

とにかく適当な所にアタックすれば直ぐ恋人関係に発展できる癖に「出会いが欲しい」等と抜かした冬麻に、2人は一時的な殺意を覚えたのである。

 

そこに何処からどう見ても小学生にしか見えない容姿の担任教師が声をかけてくる。

 

「氷城ちゃーん、小牙ちゃーん、氷川ちゃーん!補習再開しますですよ~」

 

「「「へーい」」」

 

担任の言葉に3人は無気力に返し、のたのたと教室に戻って行くその間際、不意に冬麻は誰にも聞こえない呟きを漏らした。

 

「今度こそ………フィアンマを倒す……!」

 

そしてポケットから取り出したのは、青いメカニックなクワガタ『ガタックゼクター』。

 

記憶を保持したまま時間遡行したのは、何も一誠だけではなかった。

 

 

 

 

 

 

そして、新たな物語が幕を開ける。

 

 

 

 

 



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episode#2



今回のジオウのop、突然最初にカブトのopが流れてビックリしましたね。



俺はドライグ。

 

嘗ては最強と謳われた二天龍の一角だ。

 

さて、今日は俺の相棒である緋村一誠の事について触れたいと思う。

 

相棒は前世で右方のフィアンマという、謎の敵に敗れ、俺共々この時代、1年前の日付に飛ばされた。

 

だが不運はそれだけじゃなく、前世で相棒は恋人であったリアス・グレモリーやその他の女達、恩師に最高の友やライバル、果ては尊敬する両親や可愛い妹達を失った相棒は……変わった。

 

いや、変わらざるを得なかった。

 

前世の相棒はとにかくスケベだった。

 

TPOを弁えずに女の乳や尻を追っかけ、覗きをしたり、公然の場でエロ本を出すような、軽く犯罪の域に足を出してるような奴だった。

 

それでも本来の禁手から外れた進化…ウルトラマンになった事で責任感が大きく上がり、そういうエロ方面は平均男子程にまで下がった。

 

だが今の相棒は違う。

 

スケベ心が全く無くなっていた。

 

いや、全くは語弊だな。

 

あるにはあるが、どちらかと言うと自分を鍛えるのに必死で、そちらに頭が行かないという感じか。

 

相棒の学校での友人が前世と変わらずエロ本を公然の場で出したり、覗きに誘っても相棒はそれを蹴って特訓に精を出していた。

 

この事に友人2人はおろか、同じクラスの女子まで唖然として、ザワザワしていたのは記憶に新しい。

 

どんだけの事を前世で相棒がやってたか分かる、いい証拠だな。

 

それはともかく、本当に相棒は変わっちまった。

 

今の相棒は絶対に何も失わない確固たる『信念』と、底知れぬ『復讐心』があった。

 

相棒……またいつか、俺は底抜けに明るく笑うお前が見られるのだろうか?

 

 

ドライグsideoff

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一誠side

 

 

イッセーだ。

 

俺は今、下校の時間になった為に校門に向かって歩いていた。

 

ここまでの経緯をざっと言うが、先ず母さんも美月もフィアンマの事は覚えていなかった。

 

「右方のフィアンマって知ってる?」と遠回し且つ、ストレートに訊いてみた所、母さんも美月も「何それ?なんかのアニメのタイトル?」と聞き返してきた。

 

これで2人は記憶を持ってない事が明らかになった。

 

一応父さんにも電話で訊いてみた。

 

ここでの前世との変更点は、この時期、父さん達は海外出張なんてしてない事だ。

 

だから少しの希望を持って国際電話でかけてみた所、やはり父さんも、竜司さん達も知らないと言う。

 

勿論、俺に余計な心配をさせない為に、敢えてそう答えた疑惑もあるが、今は記憶無しと断定しておく。

 

穂乃果さん達?

 

多分、穂乃果さん達も母さんと同じ記憶無しだ。

 

と言うか学校で絵里さんに話しかけたけど、特に表情に動揺という変化は見られなかった。

 

フィアンマの単語を出してもピクリと反応するどころか、首を傾げる始末だったからな。

 

リアスや木場達に関しては訊かずとも分かったよ。

 

何度か廊下ですれ違ったが、向こうから話しかけてくる様子も無ければ、チラリと振り向く事も無かった。

 

もし記憶保持なら、向こうから話しかけてくる筈。

 

なのでやはりリアス達に関しては記憶無しだと断定出来た。

 

なんだろな……やっぱ分かってても心に来るな、この現実は。

 

そう今までの収穫に肩を落としながら校門に辿り着いた時だ。

 

「あ、あの!」

 

「ん?」

 

俺は誰かに呼び止められた。

 

この声は……忘れたくても忘れられない。

 

俺の初彼女にして、俺が裏の世界に足を踏み入れる切っ掛けになった堕天使の女。

 

そして俺を殺した女。

 

「緋村、一誠君ですよね?」

 

そこにいたのは予想通り、長い黒髪が特徴の可愛らしい女の子……天野 夕麻がいた。

 

彼女の姿を認識した時、俺はどんな顔をしていただろう?

 

憤怒?トラウマ?憎悪?

 

分からない。

 

でも1つ分かるのは、彼女のお陰でリアスと親密な仲になれた。

 

それに色んな仲間に出会えた。

 

その点で言えば俺は夕麻……レイナーレに感謝していた。

 

だから出来るだけ優しい笑みを取り繕った。

 

「そうだけど……君は?」

 

「あ、ごめんなさい!自己紹介がまだでしたね……。私、天野夕麻って言います」

 

うん、知ってる。

 

「………ここだと少しあれですから、向こうの公園まで来てもらってもいいですか?」

 

「あぁ、良いぜ」

 

特に断る理由もないしな。

 

それに、俺も確かめたいことがあるからな。

 

父さん達が今この日本にいないように、もしかしたらレイナーレも心変わりしてるかもしれない。

 

そんな一筋の希望を持っていた。

 

『相棒、言っちゃなんだがそういう希望は』

 

分かってる。

 

あくまであったらいいな的程度だよ。

 

ドライグとの会話を打ち切り、俺はレイナーレの後についていく。

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

「ごめんね。いきなり呼び出して」

 

「良いよ」

 

俺と夕麻は学校からそう離れてない公園についた。

 

「で、話って?」

 

俺が切り出すと、夕麻は恥ずかしげに口を開いた。

 

「そんなに難しいことじゃないの。その……」

 

もじもじしているその姿は、第三者から見たら間違いなく告白シーンだろうな。

 

でもまぁ、未来を知ってる俺からすりゃ下手な三文芝居だ。

 

それに俺は、リアスや朱乃、アーシア達のような素晴らしい女の子達の事を知ってしまった。

 

だから今更彼女に何の魅力も未練も感じない。

 

それにさっきから彼女のオーラから殺意とか色々感じてるしな。

 

『相棒……』

 

分かってるよドライグ。

 

こりゃ情状酌量の余地も無いな。

 

だから単刀直入に言う。

 

「悪いけど、君が言おうとしてることに俺は答えられない。………堕天使レイナーレ」

 

「っ…!?」

 

俺が言ったその一言に、夕麻…レイナーレの顔が凍りついた。

 

「………な、何のことかな?」

 

「そういうのいいから。どうせ俺を殺す気なんだろ?」

 

しらを切ろうとするレイナーレの言葉を一蹴する。

 

するとレイナーレは突然肩を震わすと、

 

「そっか。じゃあ……………………死んで?」

 

そう静かに呟くなり、光の槍をその手に作り、その矛先を向けてきた。

 

はぁ~………やっぱこうなんのかよ。

 

溜め息を吐いた俺は静かに『ジオウライドウォッチ』と『ジクウドライバー』を取り出した。

 

 

一誠sideoff

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◎side

 

 

ここは駒王町。

 

その人気の無い路地。

 

そこを青緑色の髪をツインテールにした少女と、頭頂部に編み込みをした茶髪の青年が両手に荷物を持って歩いていた。

 

少女の方は『戦兎 初音』、青年の方は『万丈龍哉』という名前である。

 

「ちくしょー……何で俺がこんな事しなきゃなんねぇんだよ」

 

「文句言わない。水穂もカズミも、玄さんも今いないんだから。それにアンタ居候なんだから、これくらいしなさいよ」

 

ぶつくさ文句を言う万丈を軽くあしらう初音。

 

2人が持ってるのは、コーヒー豆が大量に入った紙袋。

 

初音の拠点はカフェを営んでおり、コーヒー豆が全て切れた為に彼女は暇してた万丈を連れて、行きつけの取引先の店に行っていたのだ。

 

因みにバイト店員である『水崎 水穂』は土曜日という休日を満喫、『猿渡カズミ』はスクールアイドルオタクとしてアキバに繰り出し、『氷室玄斗』は趣味の釣りに出かけている。

 

水穂はともかく、万丈と同じ居候であるカズミと玄斗の不在に万丈は僅かな不満を煮えたぎらせていた。

 

そんな時だ。

 

不意に2人は妙な感覚を覚えた。

 

「おい初音……」

 

「分かってる。今のは結界という奴ね。この方角だと公園……行くわよ万丈!!」

 

「お、おう!!」

 

そう言って2人は、今まさに戦場になろうとしている公園に走り出した。

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

補習を終えて一人帰宅していた氷城 冬麻は、同じく駒王町の人気の無い路地を歩いてた。

 

しかしそこは他の誰よりも不幸な少年。

 

早々に不幸な目に会っていた。

 

というのも、彼としては非常にめんどくさい少女に絡まれていたからだ。

 

「居た居た!居やがったわね、アンタ!」

 

神田 雷花。

 

活発で勝ち気な彼女らしい口調で、雷花は冬麻に迫る。

 

それに対し、冬麻は彼女を一瞥すると明後日の方向を見つめながら呟いた。

 

「はぁ……まあ、あれだ。不幸だー」

 

「人の顔を見てその反応は何なのよ!?」

 

まるで相手にされてない反応に対して声を荒げる雷花。

 

「で、何か俺に用でもあるのか、ビリビリ」

 

“ビリビリ”というのは、彼女が電撃を操る天然物の超能力者であり、そんな彼女を幼い頃から知ってる冬麻が自然と付けたアダ名に似た呼び名である。

 

しかし、そんな冬麻の様子に対して、雷花は腰に手を当てた格好をすると挑発的な態度で言った。

 

「今のアンタにそんな態度をとる権利があるのかしら?」

 

「はあ?」

 

言葉の意味が分からずに、彼女に聞き返す冬麻。

 

すると雷花はビシィと、冬麻の顔をまっすぐに指さして言った。

 

「1つだけ何でも私の言うことを聞くって言ったわよねん♪」

 

この口約束は、先月にあった彼女の誕生日にプレゼントを忘れた冬麻がその場凌ぎで言った出任せなのだが、当の言われた側の本人はしっかりと覚えていた。

 

「あれ?そんな事言ったっけ?」

 

しかし言った当人が覚えていなかった。

 

「勝手に水に流しているんじゃないわよ!とにかく、本当に1つだけ何でも言うことを聞いてもらうんだから。もっとも、アンタに出来る事なんてたかが知れてるだろうけど。まぁその辺はせいぜい頑張ってみたらー……?」

 

余裕の表情を見せながら話し出した雷花であったが、言葉が進むにつれて彼の表情が変わっていくことに気が付いた。

 

「分かったよ」

 

ひょっとして怒ったのか、と一瞬焦る雷花だったが、その言葉にパアッと顔を輝かせる。

 

訳は分からないがとりあえず、密かに想いを寄せてる彼とこれから一緒に過ごすことができる。

 

そう安堵しかけた雷花であったが、彼女はその後の彼の行動を予測することができなかった。

 

「よろしい!!」

 

冬麻はガバッ、と顔を上げるとカバンを地面に置き、拳を握りしめて声高く宣言した。

 

「ならばこの愛玩奴隷氷城冬麻に何なりとお申しつけるが良い!!」

 

「な……?」

 

一瞬思考が停止する雷花。

 

その間に冬麻はカバンから下敷きを取り出して、彼女の前に跪くと、そのまま下から下敷きで雷花を仰ぎ始める。

 

風でスカートがめくり上がりそうになるのを雷花は慌てて手で押さえているのだが、そのことに冬麻は気が付いていない。

 

「いや、ちょ、お願いだからいい加減下敷きで仰ぐのをやめなさい!私はどこぞの教祖なのかー!?」

 

道行く通行人達の生暖かい視線を受けながら、混乱して叫ぶ雷花。

 

そんな時だ。

 

不意に冬麻は妙な感覚を覚えた。

 

それは初音と万丈が覚えた感覚と同じもの。

 

(これはっ……まさか……!?)

 

嫌な予感を覚えた冬麻は慌てて下敷きを鞄に仕舞い、立ち上がると一目散にその場所へと駆け出した。

 

「あっ、ちょ、待ちなさいよ!!」

 

突然走り去る冬麻に唖然としつつ、事情を分からないままにも、雷花も冬麻の後を追いかけた。

 

 

 

(クソッ!! 間に合え……!!)

 

 

 

 

 



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episode#3



ようやく初陣です。

それとなんかこの作品が前作の続編だと叩かれたのですが、あらすじでも書いたように全くの別ルートなので、そこら辺はご理解頂きたいです。

どう違うのかと言うと、前作は前作で終わっており、これをαルート。
今回のこれは同じ物語を辿り、尚且つ新たな敵に暴れられたβルートの世界線です。

※追記:第1話のラスト辺りをちょい変えました。



一誠side

 

 

レイナーレと相対した俺はジクウドライバーとジオウライドウォッチを懐から取り出し、腰に巻き付ける。

 

《ジクウドライバー!!》

 

「な、なんなのそれは!? アザゼル様からの報告だと、あなたは相当に危険な神器《セイクリッド・ギア》を宿してる筈……!! そんな神器、見たこと無いわよ!?」

 

明らかに動揺を見せるレイナーレ。

 

まぁ事前に聞いてたのと違う、しかも自分の知らない物を見せられたら誰だってそうなるか。

 

俺は動揺しまくりのレイナーレを余所に、右手でウォッチの外枠を回し、天面のボタンを押して起動させる。

 

《ZI-O》

 

その音声の後、ウォッチをドライバーの右側スロットに付け、ドライバーのロックを解除する。

 

すると俺の背後に小さな歯車が幾つも付いた大きな時計が現れ、チッチッチッという秒針の音やドラムの音が混ざった独特な待機音と共に半時計回りに回る。

 

そんな中で俺は、親指&人差し指を立てた右腕を左下に伸ばしてから、両腕を右側に持っていく。

 

そしてスナップを効かせ、

 

「変身!」

 

左手でドライバーを回す。

 

《ライダータイム!》

 

その瞬間、俺を残して世界が1回転すると背後からマゼンタ色のライダーという文字が前に出て、その間に俺は幾つものマゼンタ色の腕時計のバンドに囲まれて黒のライダースーツを着込み、最後にライダーという文字が顔に着く!

 

《カメーンライダー!ジオウ…!》

 

俺は黒の体にマゼンタのラインが走り、腕時計のバンドが体の真ん中を横断していて、マゼンタ色で「ライダー」と書かれた顔を持った魔王と呼ばれる仮面ライダー。

 

 

 

『仮面ライダージオウ』になった。

 

 

 

そして拳を握って構えたその時。

 

(BGM:仮面ライダージオウ バトル)

 

「祝いなさい!全ライダーの力を受け継ぎ、時空を越え、過去と未来を知ろしめす時の王者。その名も、仮面ライダージオウ。まさに生誕の瞬間ですわ」

 

不意に少女の声が俺の後ろから聞こえた。

 

振り返ればそこにいるのは、黒いローブを目深に被った人物。

 

「えっ?誰……?」

 

「何者っ!?」

 

思わず仰天して反応するも、ローブの人物はそれを無視して俺に近づくと、恭しく膝をついて頭を垂れた。

 

「さぁ我が魔王、思う存分戦ってください」

 

「えっと、よく分かんないけど………行けそうな気がする!!」

 

とりあえず彼女の事は後だ。

 

そう思って俺…ジオウはレイナーレに向かっていく。

 

「くっ…!! そんなの虚仮脅しよ!!」

 

言ってレイナーレも光の槍を構えて俺に突進してくる。

 

突き出された光槍を俺は右腕で横に流して、がら空きになったレイナーレの腹にパンチを2発入れる。

 

「はっ!!」

 

「ぐっ!?」

 

後退した分だけ距離を詰めて、続けてレイナーレの脇腹に右回し蹴り、顔に裏拳、そして腹に蹴りを入れる。

 

「ぐふっ…!?」

 

ゴロゴロ転がるレイナーレは起き上がり様に莫大な光槍を放ってくるが、

 

《ジカンギレード!! ケン!!》

 

即座に専用武器の『ジカンギレード』を出して横に弾く。

 

だがその隙に黒翼をレイナーレは背中から出して空に飛んでいた。

 

「あははははっ!! あなたは空を飛べないでしょ!? 私の勝ちね!!」

 

なんか勝ち誇ったように笑ってやがる。

 

『あんなんだから最後の最後にドジ踏んで死んだんだな』

 

ドライグがそう言うが、ちょっと待て。

 

何でお前がレイナーレの最期を知ってんの?

 

あの時はまだ覚醒してないだろお前。

 

『相棒、俺達みたいな存在は宿主に宿ったその時から意識はあるんだぜ?だから前世での奴の最期も知ってる』

 

成る程、それなら納得した。

 

『それより未だに笑ってるあの烏を何とかしろ』

 

言われて見ると確かにレイナーレはまだ哄笑していた。

 

なので俺は無言でジカンギレードをジュウモードに変える。

 

《ジュウ!!》

 

そして彼女の腹に向かって光弾を連射。

 

「があぁぁああああああっ!?」

 

モロに受けたレイナーレは腹から大出血して地に落ちた。

 

うわー……痛そう。

 

『(小並感)』

 

止めろ。

 

この空気でそれは止めろ。

 

「ぐぅっ!この餓鬼がぁ………!!」

 

うわー……怖ぇ…。

 

女の子がしていい顔じゃねぇな。

 

『(KONAMI感)』

 

ドライグ……お前さっきからなんなの?

 

そうやって心の中でドライグに言ってると、レイナーレは懐から紫の禍々しいウォッチを取り出した。

 

って、ちょっと待て!!

 

あれはまさか……!?

 

「お前それは!?」

 

「あはははっ……これは凄いわよ?」

 

そう言ってレイナーレはそのウォッチを起動した。

 

《ビルドォ…》

 

その音声の後、レイナーレはそのウォッチを自分の体に取り込んだ!

 

そしてレイナーレの体を禍々しい何かが覆って、仮面ライダービルドを禍々しい怪物にしたような存在・アナザービルドに変えていく!

 

「さぁ……第2ラウンドよ!!」

 

アナザービルドになったレイナーレが右腕を横に振るうと黒い霧が振り撒かれ、そこから3体のハードスマッシュが現れた。

 

チッ……4対1か……。

 

『相棒!ウルトラマンドライグのライドウォッチを使え!!』

 

まぁその方がマシか……!

 

そう考えた俺がウルトラマンドライグのライドウォッチを腕から外したその時!

 

 

 

 

 

 

「イッセー!!」

 

 

 

 

 

聞き慣れた友の声が聞こえた。

 

声は公園の入口から聞こえたのでそちらに振り向くと、そこにいたのは二組の男女だった。

 

一人は水色のメッシュが所々に入った黒髪ツンツン頭の少年、二人目は茶髪セミロングに緑のカチューシャを着けた少女、三人目は青緑の長い髪をツインテールにした少女、最後は茶髪の青年だった。

 

冬麻に雷花!

 

それに戦兎に万丈!

 

懐かしいなぁ……いやそれより!

 

声をかけてきたのは冬麻だった。

 

だが今の俺は仮面ライダージオウ。

 

何で冬麻はジオウが俺だって分かったんだ?

 

そんなの……前世の記憶が無いと分からない筈なのに。

 

そう思ってる俺を余所に四人は俺の隣に並び立つ。

 

「なんか分かんないけど、協力するよ♪ ラブ&ピースの為にね」

 

「うおっ!? なんだありゃ!? ビルドなのか?」

 

戦兎がナルシスト気味に言うと、万丈がアナザービルドを見て仰天する。

 

多分、この2人もフィアンマと戦った時の記憶は無いんだろう。

 

それでも、こうやって早々に巡り会えた。

 

冬麻や雷花とだって早い段階で再会できた。

 

そこに俺は運命を感じたし、なんだか嬉しくなった。

 

「冬麻……雷花……」

 

「あんたもしかして……イッセー!? まぁいいわ、この話は後!」

 

「先にこいつらを倒すぞ!」

 

「っ……ああ!」

 

俺が頷くと、戦兎と万丈はビルドドライバーを腰に巻き付け、冬麻はガタックゼクターを呼び出した。

 

「さぁ、実験を始めようか?」

 

初音は『ラビットフルボトル』と『タンクフルボトル』を取り出し、頭の横で数回ほど振る。

 

カチャカチャカチャカチャカチャカチャ!!

 

キャップを回して、ビルドドライバーに装填する。

 

《ラビット!タンク!ベストマッチ!》

 

レバーを回すとドライバーから管のようなものが伸び、その管の中を青と赤の液体が流れ、その管はプラモデルでいうランナー『スナップライドビルダー』を形成し、前後に赤と青の半身パーツを創る。

 

《Are you Ready!?》

 

「変身!」

 

初音がファイティングポーズを取ってそう言うと、前後のパーツが初音に重なり、『仮面ライダービルド・ラビットタンクフォーム』となる。

 

《鋼のムーンサルト!ラビットタンク!イェーイ!》

 

 

 

万丈は小型のドラゴン型ガジェット『クローズドラゴン』にカチャカチャ振った『ドラゴンフルボトル』を入れる。

 

《ウェイクアップ!》

 

そしてドライバーに装填。

 

《クローズドラゴン!》

 

万丈もレバーを回して、前後と横にパーツを作る。

 

《Are you ready?》

 

万丈は拳を掌に打ち付け、戦闘ポーズを取る。

 

「変身!!」

 

《Wake up burning!Get CROSS-Z DRAGON!Yeah!》

 

万丈は『仮面ライダークローズ』に変わった。

 

「っしゃあ!! 今の俺は、負ける気がしねぇ!」

 

 

 

冬麻はガタックゼクターを腰に巻いた銀のベルトにスライド装着する。

 

「変身!」

 

《HENSHIN》

 

ガタックゼクターから展開された六角形の粒子が冬麻を包み、『仮面ライダーガタック・マスクドフォーム』に変える。

 

最後に雷花が生まれ持った超能力である電撃をバチバチ放電させ、全員が戦う準備を整えた。

 

そしていざ開戦と言う時に、またもやイレギュラーな事態が起こった。

 

公園の一角から謎の魔法陣が現れた。

 

「あれは、グレモリーの紋章…!チッ!」

 

レイナーレは舌打ちすると、ハードスマッシュを消して自らの足元に魔方陣を展開した。

 

そうか……本来なら俺はここでリアスに命を拾われて、悪魔に転生するんだったんだよな。

 

「覚えていなさい緋村一誠!貴様はこのレイナーレが殺すっ!!」

 

俺を睨み付けながら呪詛の言葉を吐き、レイナーレはアナザービルドの姿で魔方陣の中に消えて行く。

 

初「えっ?ちょ、私達変身したばっかなのに!!」

 

万「待てこの野郎!!」

 

戦兎が狼狽し、万丈がレイナーレを追いかけるも、既にレイナーレは消えていたので、万丈は見事なスライディングを決めた。

 

「あたぁぁっ!?」

 

「何やってんのよバカ」

 

うわー…ダサっ…。

 

そうしてる間にグレモリーの魔方陣から、俺の最愛のヒトが現れた。

 

美しい紅髪をなびかせ、大きな母性の塊を揺らして、彼女…リアス・グレモリーは現れた。

 

「ふぅ~……確かここよね?堕天使のオーラがあったのは……って、仮面ライダー!?」

 

俺達の姿を見て酷く仰天するリアス。

 

あ、そっか。

 

今の俺はジオウなんだっけ?

 

初「最悪だわ……」

 

そう戦兎が愚痴ってるのが耳に入った。

 

ともかく、こうして俺とリアスはこの巻き戻された時間で再会した。

 

あの時とは違う形で。

 

 

一誠sideoff

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◎side

 

 

「はぁーっ、はぁーっ、はぁーっ…」

 

アナザービルドの姿を解いたレイナーレは、隠れ蓑にしている廃教会に戻っていた。

 

幸い撃たれて出血した腹部は、アナザービルドになった影響で傷は治っていたが、まだ痛みはあった。

 

「あ、レイナーレ様!…って、大丈夫っすか!?」

 

腹部を抑えながら歩いてると、部下の一人である堕天使、ミッテルトが慌てて近寄ってきた。

 

「ミッテルト……」

 

「大丈夫っすか!? 誰にやられたんっすか!? まさかここを管理してる悪魔達っすか!?」

 

ミッテルトの脳裏に浮かんだのは、ここら一帯の領地を管理してる悪魔・グレモリーの者だったが、レイナーレは首を横に振って否定した。

 

「違うわ……私が襲った神器保持者よ」

 

「えっ……?」

 

レイナーレは決して弱くは無い。

 

まだ覚醒したての神器保持者なら容易く倒せる実力がある。

 

にも関わらずここまでボロボロにされて帰ってきた。

 

その事にミッテルトは心底震えた。

 

レイナーレは続けて言う。

 

「それにその神器保持者……前もって聞いてた神器とは違う物を出したわ」

 

「と言うと?」

 

「仮面ライダー……」

 

「……は?」

 

今度こそ、ミッテルトの脳は思考停止した。

 

仮面ライダーはテレビの中だけの虚構の存在。

 

そうミッテルトは認知してたのに、目の前の上司は真面目な顔でそう言ってのけたのだ。

 

レイナーレは自嘲混じりに言う。

 

「笑っちゃうわよね……まさか襲った相手が実は本物の仮面ライダーでした……なんてね」

 

そう言うレイナーレを何とか励まそうとミッテルトが口を開こうとした時、突然横合いから別の声が飛んできた。

 

「ホント笑っちゃうわよね~。折角アナザービルドの力をあげたのに、この体たらく。やっぱ出来損ないは出来損ないね♪」

 

「お前ぇ……!」

 

ミッテルトはその相手を睨み付ける。

 

そこにいたのは、緑のローブっぽいドレスを着た女性だった。

 

髪も緑一色、口から出した舌の先には小さくも長い鎖がついており、その鎖の先には小さな十字架がある。

 

見た目からして異様な女性は、右手に巨大な十字架型のハンマーを持っていた。

 

「しっかりしてよね~?じゃないと、アナザービルドの力を渡した尻拭いで私があんた達をコロコロするから♪」

 

アナザービルドの力をレイナーレに渡したのは、どうやらこの女性らしい。

 

無邪気に狂喜に笑う女性を、レイナーレは目を細めて睨み付けながらその名を言う。

 

「うるさいわよ……そんな口を利けるのも今の内よ。

 

 

 

 

 

 

 

 

前方のヴェント」

 

 

 

 

 

 



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episode#4





一誠side

 

 

リアスと再び再会した俺は、戦兎や冬麻共々ここで何があったのか根掘り葉掘り訊かれたが、もう時間も時間なので明日話すという事で納得してもらい、現在は駒王町の片隅にある喫茶店『nascita』に来ていた。

 

理由は簡単。

 

戦兎達にもフィアンマの事を聞くため。

 

まぁあんまり期待はしてないけどな。

 

「好きな席に座ってよ」

 

と言う戦兎の言葉で、俺と冬麻と雷花はカウンター席に、万丈は適当な席に座った。

 

そういや、水穂とか操祈はここで働いてんだっけな?

 

姿が見えないって事は、今日は休みか?

 

そう思って周りを見てると、コーヒーを作ってる戦兎が訊ねてきた。

 

「それで?話があるんでしょ?」

 

おお、そうだったそうだった。

 

戦兎に話を振られて用件を思い出した俺は、単刀直入に言った。

 

「右方のフィアンマ……知ってるか?」

 

訊ねると万丈が戸惑い気味に訊ね返してきた。

 

「う、ウホッ……なんだよそれ?」

 

「バカは黙ってなさい」

 

「筋肉つけろよ!!」

 

相変わらずこの2人は仲良いな。

 

そんな2人にジト目を向けて見ていた雷花が俺に訊いてくる。

 

「その右方のフィアンマって何よ?」

 

「あー……いや、知らなきゃいいんだ」

 

説明しても現実味が無いだろうしな。

 

しかし負けん気が強く、姉御肌な雷花はどうしても気になるようで、俺に食ってかかってくる。

 

「ちょっと!そこまで言っといてそれは無いでしょ!? ちゃんと説明して!!」

 

「いや、ホントにいいから」

 

「イッセー!!」

 

はぁー……流石は果南さんの娘だ。

 

気になる事はとことん首を突っ込みたがる。

 

そこが雷花のいい所で、悪い所でもある。

 

するとここで今まで黙っていた冬麻が口を開いた。

 

「イッセー、俺はフィアンマの事を覚えてる。この時間が巻き戻された事も」

 

………は?

 

俺は一瞬、思考停止した。

 

だけどすぐにその現実に追い付き、顔が綻びそうになった。

 

なんせ俺やドライグ以外にも覚えてる奴がいて、そんなやつを漸く見つけたのだから。

 

嬉しくない訳がない!

 

しかしこれに話の追い付かない雷花と戦兎が訊ねてきた。

 

「ちょ、ちょっと!2人だけで進めないでよ!!」

 

「そうね。事情を話して貰えない?」

 

それに冬麻が「分かった」と頷き、俺達2人で三人に事情を話す。

 

この時間が1度巻き戻された時間である事。

 

それをやったのが右方のフィアンマである事。

 

そして俺達全員が1度、フィアンマに敗れ去った事。

 

それらを聞いて、万丈は「マジかよ……」と呆然、雷花も呆気に取られていた。

 

まぁいきなりこんな事言われても納得できないし、信じられないよな。

 

でも全部本当の事だ。

 

しかし意外にもフォローしてくれる者がいた。

 

「その話、信憑性あるかもね」

 

戦兎だ。

 

顎に指を当てて思考していた戦兎は、おもむろに懐から『フルフルラビットタンクボトル』や『ジーニアスフルボトル』をカウンターに置いた。

 

「私はこの2つを作った覚えが無いの。にも関わらず私はこれを持っていた。万丈だってクローズマグマになれるアイテムを持ってたし、カズミもグリスブリザードになれるアイテムを持ってた。だから私は緋村一誠の話を信じる」

 

そう言って戦兎はクシャッと笑った。

 

……やっぱ虎亜さんの弟子だな。

 

こんな突拍子も無い話を信じてくれるんだから。

 

戦兎が賛同した事で、万丈と雷花も答えを出す。

 

「よく分かんねぇけど、俺も信じるぜ!!」

 

「正直右方のフィアンマって言われてもピンと来ないわ。だから話の真偽はともかく、私はあんた達自身を信じるわ」

 

そう言って中学生の少女らしい笑顔を浮かべる雷花。

 

『相棒……いい友を持ったな』

 

ああ、全くだぜ。

 

あ、そうだ。

 

「冬麻」

 

「あん?何でせう?」

 

「お前は何でフィアンマの事を覚えてたんだ?」

 

これはこれで気になってた事だ。

 

父さんや母さん達が覚えてないなら、俺と同世代の鎧や雲雀、蒼輔達も覚えてない筈。

 

なのに冬麻は覚えていた。

 

何故冬麻は覚えていたのか?

 

そこだけがどうしても気になった。

 

「なぁイッセー。俺の母さん、氷城 善子は何のライダーだっけ?」

 

「えっ?善子さんは確か電王……あっ!!」

 

そうだ思い出した!

 

善子さんは時の運行を守る仮面ライダー、電王!

 

電王になれる者は時間の流れに左右されない特異点でなければならない。

 

そんな善子さんは当然、電王になれる時点で特異点が決定。

 

そしてそんな善子さんの息子である冬麻もその血を引いてるから特異点である。

 

だから冬麻は覚えていた。

 

俺もジオウだから覚えてたのだろう。

 

「分かったか?」

 

ニタリと笑う冬麻に俺は「ああ!」と頷く。

 

これでこの時間の異常を覚えてる者が、少なくとも2人出来た。

 

それだけでこうやって話せた結果があるものだ!

 

後はゆっくりフィアンマ対策をしていくのみ。

 

そう結論付けると時間もかなり差し迫っていたので、俺と冬麻と雷花は、戦兎達の拠点を後にした。

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

家に帰ってきた俺は「ただいま~」と言いながらドアを開けて靴を脱ぐ。

 

ふと下を見ると、誰か客が来ているのか、女性物の靴があった。

 

母さんか美月の友達かな?

 

そう考えてると、

 

「ニャ~」

 

そんな鳴き声と共に、玄関にいた俺に近づいてくるのは、一匹の黒猫。

 

「黒歌、ただいま」

 

前世では、小猫ちゃんの姉だったあいつと同じ名前の黒猫。

 

再会は早々に偶然で、俺が夜中にインスタントラーメンを食べようと下に降りた時に、人の姿でスルメ食べてたのを発見した。

 

最初見た時は、誰だこの中年みたいな奴はと思ったのは記憶に新しい。

 

しかも父さんと母さんに助けられ、拾われた経緯は一緒なのか、特に警戒される事もなく、むしろ目が合うと酔っぱらいみたいな絡まれ方をされた。

 

と言うかその時のこいつ、めっちゃ酒臭かった。

 

そんな黒歌だが、時折、夜中にこっそりと家を出て行ってるみたいだ。

 

多分、夜な夜な家を飛び出してるのは、小猫ちゃんを探してるんだろうな。

 

でも、小猫ちゃんはきっと大丈夫だ。

 

俺の脳裏には、今日再会した、優しく微笑む紅髪の少女が映った。

 

が、その思い出は一瞬で、フィアンマの野郎に殺された時の顔に切り替わった。

 

………クソッ、振り切った筈なんだがな……。

 

俺は頭を振って、部屋に戻る。

 

そうだ、今度こそ守る。

 

そしてフィアンマの野郎を倒す。

 

そう誓っただろ。

 

今の俺はただただ……皆を守れる最高最善の魔王になるだけだ。

 

 

一誠sideoff

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◎side

 

 

黒歌は部屋に戻る一誠の後ろ姿をじっと見つめ、完全に一誠の姿が消えると、猫とは思えない程の溜め息を吐いた。

 

「茜、希……あなた達の息子君、堕天使と悪魔の2種族と会ったみたいだにゃ……」

 

黒歌は悪魔が嫌いだ。

 

自分の大事な妹に危険な力を強要させた挙げ句、自分勝手に己をはぐれ悪魔に仕立てた悪魔が嫌いだ。

 

だからこそ、黒歌は黒歌なりに、一誠の事が心配だった。

 

自分を救ってくれた緋村夫妻に恩を返すためにも。

 

そんな黒歌に、大黒柱である茜がいない間、この家の事を切り盛りしている希が声をかける。

 

「黒歌~、一誠帰ってきたん?」

 

「ニャ!」

 

元気に頷いた黒歌は希の足元に行って頭を擦り付け、そんな黒歌を希は抱え上げる。

 

そして黒歌はそのタイミングで、一誠が本物の堕天使と悪魔に会ったことを口頭で告げた。

 

それに希はハッと目を見開く。

 

別に黒歌が喋った事に驚いた訳じゃない。

 

黒歌の正体が何なのかは既に知ってるし、何なら堕天使とか悪魔の存在も知っている。

 

希が目を見開いた理由は、一誠の今後についてだ。

 

異形の存在に出会ったということは、少なからず一誠の人生は変な方向に向かっていく。

 

希はそれを危惧していた。

 

おもむろに懐から希はタロットカードを1枚取ると、その絵を見る。

 

内容は『Change』だった。

 

神妙な顔をする希に黒歌が心配そうな目を向けていると、リビングの方から客と思われる女性の声が希にかかった。

 

「希さん、どうしました?」

 

「ああ、ごめんごめん。そうや、ちょっとお願いがあるんやけどええかな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

梨子ちゃん…………」

 

 

 

 

 

 

 



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episode#5

何でもいいので感想ください。

創作意欲が今かなり減っていて、またこの作品を消しそうになりそうです。



一誠side

 

 

放課後。

 

俺は今、学園の机に突っ伏していた。

 

何故かと言うとかなり眠いから。

 

ものすごく眠い!!

 

寝不足の理由は昨夜、何故かパジャマ姿の美月に知らない間に添い寝されていたのだ!

 

俺の隣ですぅーすぅー可愛らしく寝息を立て、ピッタリ俺の腕に抱きついて眠る美月ちゃん。

 

もうね、ドキドキして寝れなかったよ!!

 

あの母さん譲りの巨乳が俺の腕を挟み込んでいたのだ。

 

妹に欲情するのもどうかと思うが、あれは本当にヤバかった。

 

まぁ前世で実の妹とヤッといて今更何をと思われるかもしれんが、あれは美月が怪獣娘だったから。

 

今の美月はただの人。

 

その状態でヤッたら即アウトなので、何とか我慢しました。

 

まさか時間を巻き戻された弊害がこんな場面で現れるとは、フィアンマの野郎……マジでゆ゛る゛さ゛ん゛!!

 

『相棒はいつからブラックサンになった?』

 

そこは不思議な事が起こったという認識で頼む、ドライグよ。

 

そうしてると、

 

「やぁ、緋村君。迎えに来たよ」

 

学園最高のイケメン、木場がやって来た。

 

昨日リアスから使いを送るとは聞いてたけど、やっぱり前世通り木場か~。

 

「キタアァァァァ!!!!」

 

「木場君×緋村!!」

 

「何言ってるのよ!ここは緋村君×木場君よ!!」

 

「いやいや、ここは~」

 

いや、何勝手に人をBLの材料にしてくれちゃってんのクラスの女子ども!!

 

因みに俺の株なのだが、最近俺がエロ方面に精を出さなくなった事で、嫌悪感は無くなり、逆に少なからずの好感を持ってる女子がチラホラと出てるらしい。

 

だけど気味悪さを持たれてる方が大半、何それ悲しい。

 

ソースは元浜&松田。

 

「ああ木場。来てくれてサンキュー」

 

とりあえずこの場を早く離れたいが為に、俺はそそくさと木場と共にクラスを出ていき、オカルト研究部がある旧校舎に向かった。

 

「あれ?緋村君、部室の場所を知ってるのかい?」

 

「えっ?」

 

やっべ、前世の癖でつい先頭を歩いちまった!!

 

「あー……いや直感だよ直感!! 案内役頼むわ!!」

 

「そ、そうかい?」

 

何とか口から出任せで切り抜け、木場を先頭に再び歩き出した。

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

俺は木場に案内されて学園敷地内にある森を歩いている。

 

「ここを抜けたところにあるんだ」

 

しばらく歩くと白い壁の建物、旧校舎が見えてきた。

 

旧校舎に入った後もそのまま木場について行くと、とある部屋に辿り着く。

 

入口のドアにはもう見慣れた『オカルト研究部』と書かれたプレート。

 

「部長、連れてきました」

 

扉越しに木場が言うと、中からかつて愛した女性の声が聞こえた。

 

「入ってちょうだい」

 

リアスの声。

 

ものすごく安心する。

 

そういやこの時のリアスはシャワー浴びてたんだっけ?

 

そんで朱乃がお茶を出してくれて、小猫ちゃんに睨まれて。

 

未来に起きる事なのに、過去のように感じる。

 

『相棒、くれぐれも名前で呼ぶなよ?今のリアス・グレモリー達はあくまで初対面の時と変わらないんだからな』

 

わーってるよ!!

 

そんなヘマはしねぇよ。

 

そんなこんなで扉を開け、俺と木場は中に入った。

 

「緋村君はここに座っておいてね」

 

木場にそう言われ、俺はソファーに座る。

 

部屋の中を見渡すと至る所にろうそくが置かれ、壁や床、天井にまで様々な魔法陣が描かれていて、中々に怪しげな空間なのは、記憶にある通りだ。

 

一周回って我が家のように感じる。

 

部室内を見渡していると、俺の前にティーカップが置かれた。

 

「どうぞ、お茶ですわ」

 

そう言って優しく微笑むのは、黒髪のポニーテールが特徴的な大和撫子美少女、朱乃。

 

やっぱり時間が巻き戻っても美人だし、なにより巨乳………いや、その爆乳も健在。

 

どうしても揺れるおっぱいに目がいってしまうぜ!

 

「ありがとうございます」

 

俺はお礼を言ってカップに口をつける。

 

「このお茶、すごく美味しいですよ、姫島先輩」

 

「あらあら、お口に合って何よりですわ」

 

その時、バスタオルを巻いたリアスが出てきた!

 

しかも俺の目の前で着替えだしたよ!

 

マジですか!

 

前々から思ってたけど、リアス大胆過ぎだろ!?

 

木場は見ないようにしてたけど、俺は横目で然り気無く脳内保存する。

 

綺麗なくびれ、安産型のお尻、そして大きなおっぱい!

 

右方のフィアンマ、お前の事はものすごく憎いけど、こればっかりは感謝するぜ!

 

『相棒……』

 

分かってるから!!

 

これで復讐心が消えることはねぇよ……。

 

「呼び出してしまってごめんなさいね。改めまして私の名前はリアス・グレモリー。よろしくね、緋村一誠君」

 

「こちらこそ。2年の緋村一誠です。それで先輩方は悪魔ですよね?」

 

「っ……やっぱり知っちゃってるわよね?その通り。私達は悪魔よ」

 

そう言って四人は背中から悪魔の翼を出した。

 

まぁ魔方陣使って出てきたし、レイナーレがグレモリーの魔方陣って言ってたから、その手の人ならすぐ分かるだろう。

 

「それで単刀直入に聞くけど、イッセーでいいかしら?イッセーはどこでジオウの力を手に入れたの?」

 

これは予想外だ。

 

リアスが仮面ライダーの存在を知ってるのは昨日の反応で分かったが、まさかライダーの名前まで知ってるとは。

 

俺の疑問が顔に出てたのだろう。

 

リアスはクスリと微笑むと、その理由を話す。

 

「私の兄がウルトラマンとか仮面ライダーが好きなの。その影響でね」

 

マジかよ……サーゼクス様、まさかの特撮ファンでしたか。

 

理由を理解した俺は言う。

 

「ジオウに関しては今は言えません」

 

これの出自を言えば、多分リアス達は混乱する。

 

信用はしてくれるかもしれんが、余計な心配をかけたくないからな。

 

彼女達を今度こそ守りきる為にも……。

 

「そう………それなら今は待つわ」

 

俺の答えを聞いたリアスは、本当にその時が来るまで待ってくれそうな、母性溢れる笑みを見せた。

 

本当に………君には感謝しかないよ、リアス。

 

「代わりにですが、俺が堕天使に襲われた理由を話します。俺の中には神器があって、それがこれです」

 

言って俺は、左腕に赤龍帝の籠手《ブーステッド・ギア》を展開する。

 

これにはリアス達も驚いていて、

 

「ブーステッド・ギア!二天龍の一角、赤い竜を封印した十三種の神滅具の一つ…………。まさか、こんな近くに所有者がいたなんて……!」

 

木場達も出現した赤龍帝の籠手を見て、息を呑み、目を見開いていた。

 

この反応を見るに、赤龍帝の籠手ってやっぱりすごいんだな。

 

流石は十三種しかない神滅具ってところなのか?

 

『当然だ。極めれば神や魔王をも超えることが可能なのだからな。それに相棒はこれを使ってウルトラマンになれる。それを見たらグレモリー達はもっと驚くだろうな』

 

ははっ、言えてる。

 

今はなれねぇけど。

 

「仮面ライダージオウになれる上に今代の赤龍帝………あなた何者なの?」

 

「って言われましても~……」

 

そもそもとして、ジオウが後付けだからな~。

 

そしてこの後の大まかな流れだが、リアスは俺を眷属に誘って来たので、俺は二つ返事で快諾。

 

あまりのアッサリぶりにリアス達はめっちゃ驚いたけど、こっちとしては願ったり叶ったりな誘いなんだよな。

 

フィアンマの野郎を倒すためにも。

 

そして転生の儀式が行われたが、やはりと言うか悪魔の駒《イーヴィルピース》の兵士の駒8つで転生出来た。

 

ドライグ曰く、これだけで今の俺を転生させれたのは奇跡に等しいらしい。

 

「じゃあ、改めまして。今日からリアス・グレモリー様の兵士になりました。緋村一誠です!これからもよろしく!」

 

俺が改めて挨拶すると、みんなは拍手して俺を迎えてくれた。

 

やっと………やっとスタート地点に立てたぜ!

 

だが俺はこの時、うちの飼い猫になってる黒歌がこの状況を見ている事に気づかなかった。

 

そしてこの事を母さん達に伝えられていた事も。

 

 

一誠sideoff

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◎side

 

 

「そう……うん……ありがと黒歌」

 

同時間帯。

 

黒歌から連絡を受けた希は、深い溜め息を吐いた。

 

「はぁー………茜君の言った通りになっちゃった」

 

彼女の夫、緋村 茜は未来が見える。

 

と言っても本当に未来が見える訳ではなく、相手の心拍数や脈拍、筋肉の動きの機微、そして思考や精神面から予測して、その相手の何歩先かを読む類いの物だ。

 

一誠が堕天使や悪魔と邂逅したのを希から聞いた茜は、一誠がそういう動きに出るかもしれないと、希に警告していた。

 

結果は茜の予想通りだった。

 

それに希は下唇を噛んで回れ右をして、その方向にいる面々に顔を見せる。

 

そこにいたのは全て女性。

 

だが見る者が見れば仰天し、腰を抜かすか、大きく歓喜する者達だった。

 

緋村家のリビングに集まっていたのは、μ's、Aqours、A-RISE、そしてSaint Snowをやっていたメンバーで溢れていた。

 

【雨崎 絵里】が希に訊ねる。

 

「一誠君、どうなったの?」

 

「……悪魔に転生しちゃった……」

 

その言葉に全員が「ええー!?」と驚きの声を上げた。

 

穂「どどどどうしよっ!?」

 

真「落ち着きなさいよ」

 

海「どうして一誠はわざわざ悪魔なんかに転生したんですかっ!?」

 

こ「海未ちゃんも落ち着いて!」

 

明らかに慌てふためく【天青 穂乃果】を【氷川 真姫】が落ち着かせ、一誠の安易な選択に憤慨する【土方 海未】を【朱雀 ことり】が冷静にさせる。

 

それを見て【小牙 千歌】が他のAqoursメンバーに訊ねる。

 

「みんなはどう思う?」

 

最初に答えたのは【神田 果南】。

 

「何か事情があったんじゃないかなん?」

 

それに【城闇 ダイヤ】が問う。

 

「その理由とは?」

 

「そこまでは分かんないけどさ……」

 

ここで【六道 鞠莉】が顎に指を当てて言う。

 

「とりあえず霧黒達にも報告しときましょ」

 

鞠莉の言葉に、【瀬能 ツバサ】と【右左 聖良】が同調する。

 

「そうね…」

 

「バックアップにウルトラマンである彼らが居れば安心ですね」

 

そうやって意見がまとまっていく中、ずっと何かを言いたそうに下を向いて黙っている【氷城 善子】の様子に【神代 花丸】が気づき、声をかける。

 

「ん?どうしたの善子ちゃん?」

 

花丸の言葉に全員が善子に注意を向けるのと同時に、善子は意を決したように顔を上げて、一誠が悪魔になった時以上に衝撃の真実を打ち明けた。

 

 

 

「みんな聞いて!実は今私達がいるこの時間は……1度巻き戻された時間なの!!」

 

 

 

『えっ……ええええぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!?』

 

 

 

この事実に22人は一斉に声を上げた。

 

と同時に、また最初の歴史とは違う流れで彼女達は動き出した。

 

 

◎sideoff

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一誠side

 

 

オカルト研究部の初期メンバーと再会し、リアスの眷属になってから早三日。

 

最初の歴史でもやってたようにチラシ配りしたり、契約取ってきたりした。

 

勿論、俺はやはりと言うか魔力がからっきしだったようで、ジオウ専用バイク『ライドストライカー』に乗って召喚者の元まで行っていた。

 

お陰で『バイクで来る悪魔』なんて言うアダ名が付けられちまった。

 

それとその間、なんか母さんの態度がよそよそしいと言うか、過保護に心配してきたが、まさかもう転生悪魔になった事バレたか?

 

まぁそれはともかく、今俺はリアス達と共にとある廃墟に来ていた。

 

はぐれ悪魔の討伐の為で、バイサーと言う名前のはぐれ悪魔らしい。

 

そういや前世では竜司さん…ウルトラマンがとっとと倒してたんだっけ。

 

けど竜司さんは、今この地にいない。

 

となるとバイサーはまだいるだろうし、前世の時みたく面食らって無駄足になる事も無いだろう。

 

そう考えてると、

 

「………………………血の匂い」

 

小猫ちゃんの呟きで、俺の意識は現実に戻された。

 

確かに嫌な匂いだ……。

 

「イッセー、いい機会だから貴方にも悪魔としての戦い方を経験してもらうわ」

 

「えっ?あ、はい」

 

ごめんリアス。

 

経験も何も、もう悪魔の戦い方知ってんだわ。

 

けどここで下手に拒否っても意味ないし、復習の意味も兼ねてもう一度見聞するか。

 

『相棒、敵さんのお出ましだ』

 

分かってるよ、ドライグ。

 

さっきからずっと感じてたからな。

 

俺の視線の先には馬鹿みたいに大きな、上半身は裸の女、しかし下半身は化物のように四足という存在がいた。

 

オマケに手には槍みたいな獲物………なるほど、こいつがバイサーか。

 

「不味そうな匂いがするぞ?だがうまそうな匂いもするぞ?ぎゃぎゃ!」

 

おおぅ、口開いたらすげぇ言葉飛び出た。

 

「己の欲を満たすために主を殺したはぐれ悪魔、バイサー………悪魔の風上にも置けない貴方を消し飛ばしてあげる!」

 

リアスのその決め台詞がまた聞ける日が来るなんてな……。

 

「小娘が……。逆に貴様らを消し飛ばしてやるぅ!!」

 

相手の脅しに取り合わず、リアスは、

 

「祐斗」

 

「はい」

 

リアスの声に木場は腰に帯剣してた剣を引き抜き、常人には目にも負えないような速度で動いていた。

 

やっぱ速いな……。

 

「じゃあイッセー、今から駒の特性を説明するわ」

 

するとリアスは木場の方を見た。

 

当の木場は非常に速い速度でバイサーの槍による攻撃を全ていなし、軽くかわしている。

 

「祐斗の駒の性質『騎士』……あのように騎士になった悪魔は速度が増すわ……そして祐斗の最大の武器は―――剣」

 

そして木場はバイサーの槍を持った片腕を、一瞬で切り落とした!

 

「ぎゃぁぁぁぁぁぁああああ!!!」

 

バイサーの絶叫が響き、切断された腕からは血が止まらない!

 

そうしている中、絶叫途中のバイサーの足元に小猫ちゃんがいた!

 

「小猫の特性は『戦車』。その力はいたってシンプル」

 

するとバイサーは、小猫ちゃんをその馬鹿デカイ足で押しつぶそうとしていた!

 

でも小猫ちゃんなら大丈夫だ。

 

そして思った通り、踏まれているはずの小猫ちゃんがバイサーの足をぐぐぐっと持ち上げてた。

 

「馬鹿げた力と、圧倒的な防御力!」

 

そうこうしてる内にバイサーの巨体はみるみる持ち上がり、

 

「………………えい」

 

そしてその小さな拳ではぐれ悪魔の巨体を殴り飛ばした!!

 

やっぱすげぇパワーだよな。

 

あの力で俺殴られた事あるけど、思い出したらゾッとするぜ。

 

「最後に朱乃ね」

 

「あらあら、うふふ……分かりました、部長」

 

朱乃はそう言うと、そのままバイサーの方へと歩いてゆく。

 

バイサーは木場の切断と小猫ちゃんの打撃で既に戦闘不能だった。

 

にも関わらず、

 

「はい♪」

 

朱乃は手からバチバチと電気のようなものを発生させ、バイサーの上空で雷雲のようなものが発生、次の瞬間、そこから激しい落雷がバイサーを襲った!

 

「朱乃の駒『女王』……『女王』は『王』を除いた全ての特性を持つ、最強の駒。最強の副部長よ」

 

「ぐぎゅゅゅゅう……………」

 

「あらあら……まだ元気みたいですわねぇ」

 

末に瀕死のバイサーに、これでもかっていう位、雷撃を浴びせ続けている!?

 

ドSは健在か!

 

『相棒の前だとドMになるのにな』

 

うるせぇよ。

 

「朱乃は魔力を使った攻撃が得意なの。特に彼女が得意なのが雷………そして何より、彼女、究極のSだから。あ、でも味方には優しいわよ」

 

知ってます!

 

でもやっぱ怖いよな~。

 

「うふふ……そろそろ限界かしら?とどめは部長ですわ」

 

すると朱乃は雷撃を止め、リアスに道を譲った。

 

「何か言うことは有るかしら?」

 

「……殺せ」

 

バイサーのその一言と同時に、リアスの手より極大の魔力が生まれる。

 

その魔力は黒と赤を混ぜたような少し気味の悪いオーラを放っており、危険な匂いがプンプンしていた。

 

あれはもう何度も見た、リアスが持つバアル家の特有の消滅魔力。

 

「そう……なら消し飛びなさい」

 

その一言とともにリアスから発せられた魔力の塊を受け、バイサーは跡形もなく消しとんだ。

 

これにてはぐれ討伐の任務は終了。

 

そう思っていたら、

 

 

 

「さっすがは悪魔~♪ 同族殺しでも平気でやるのね~」

 

 

 

妙な女が現れた。

 

髪も着ているモノも全部緑!

 

右手には十字の巨大なハンマーを持ち、舌の先にはチェーン付きの十字架がピアスの如く付けられていた。

 

その雰囲気は何処と無くフィアンマに通じるものがあった。

 

そして女はそれを肯定するように言った。

 

「私は『神の右席』が一人、前方のヴェント。ってなわけで、さっさと殺されてくんないかな?赤龍帝・緋村一誠ェェェェェェ!!」

 

言ってヴェントはハンマーを振るい、そこから膨大な風を巻き起こし、俺達に叩きつけてきた。

 

「ぐっ……!?」

 

なんて風圧だ!!

 

足が浮きそうになる……!!

 

見るとリアス達も耐えようとするが、這いつくばってる小猫ちゃんや、剣を地面に刺して耐えてる木場と違ってリアスと朱乃は支えるものがない。

 

暴風が吹き荒れて数秒後、2人は足が離れて壁に叩きつけられそうになる!

 

危ないっ!!

 

俺は慌てて暴風の力を利用して2人の背後に回って、それぞれを受け止めた。

 

「きゃっ…!? イッセー!?」

 

「大丈夫ですか!?」

 

「え、ええ……ありがとイッセー」

 

「助かりましたわ」

 

よかった。

 

怪我が無いならいいんだ。

 

俺は2人を地面に下ろすと、ヴェントを睨み付ける。

 

「お前……さっき前方って言ったよな?右方のフィアンマと関係があるのか?」

 

「まぁあるっちゃあるけど……今から死ぬお前には関係ねぇよ!!」

 

言って再びヴェントはハンマーを振り上げようとしたが、突如横合いから入ってきた裏拳に対処できず、そのままヴェントは吹っ飛ぶ。

 

「ぐはっ……!? 誰だァ!?」

 

ヴェントがさっきまでいた場所。

 

そこに立っていたのは、ワインレッドの長い髪を途中でハーフアップにしてバレッタで止めている女性だった!

 

 

 

 

 

 

 

「悪いんだけど、この子達を殺させる訳にはいかないの」

 

 

 

 

「あなたは……梨子さん!?」

 

 

 

 

 

ヴェントを妨害し、俺の隣に立ったのは、【桜内 梨子】さん……もとい【草木 梨子】さんだった。

 

 

 

 

 



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episode#6


今回は割りとオリジナル展開になってます。

それと感想待ってま~す。



◎side

 

 

リアスは今起こってる事に頭が追い付かなかった。

 

依頼されたはぐれ悪魔を倒してさぁ帰ろうという時に現れた、前方のヴェントという謎の人物。

 

彼女がハンマーを振るって放ったと思われる風は、悪魔の自分達でも耐えきれない程に強く、また少し聖なる物が混じってたのか、肌がピリついた。

 

それだけでも充分驚きなのに、更に驚く事に加勢に来てくれたのが、あのAqoursの元メンバー、桜内梨子だったのだ。

 

(一体……何がこの町で起ころうとしてるの?)

 

リアスは頭がパンクしそうになっていた。

 

それは多分朱乃や木場、小猫もそうだろう。

 

そんな彼女達を尻目に、一誠はゲーマドライバーを腰に巻いた梨子と共に、ヴェントを睨み付ける。

 

「梨子さん……どうしてここに?」

 

「丁度この近くを通りかかったの。そしたらドンパチする音が聞こえてね……」

 

そう言った梨子は右手に『マイティアクションXガシャット』を握る。

 

そして不意に頭に浮かんだのは、一誠が悪魔に転生した事、善子から聞かされた、この時間が巻き戻された時間だという事。

 

前者はともかく、後者はにわかに信じがたい事だった。

 

とは言え、そんな質の悪い冗談を彼女は言わないし、何より善子のあの時の真面目な顔からして嘘では無いのだろう。

 

そこまで思い出した時、不意にヴェントの嘲笑う声が聞こえた。

 

「へぇ~、草木 梨子、仮面ライダーエグゼイドのお出ましとは……面白い状況ね」

 

そう言ったヴェントは懐から禍々しい紫のライドウォッチを取り出して、天面のボタンを押して起動した。

 

《エグゼイドォ…》

 

アナザーエグゼイドウォッチを持った右手を横に振るい、ヴェントは6体のバグスターを召喚した。

 

「悪いけど、私的にライダー2人を相手にできる程、まだ力が整ってないからこれでオサラバするわ~」

 

言ってヴェントはハンマーを振るって風を巻き起こし、その場から消えた。

 

代わりに残ったのは6体のバグスター。

 

「梨子さん!」

 

「ええ……行きましょ」

 

言って一誠はジクウドライバーを腰に巻いて、ジオウライドウォッチの外枠を回して天面のボタンを押して起動、梨子もガシャットを起動した。

 

《ZI-O》

 

《マイティアクション・エーックス!!》

 

瞬間、梨子を中心にゲームエリアが展開、チョコブロックがばら蒔かれる。

 

「君達の運命は、私が変える!」

 

梨子はそう言って右腕を左側に伸ばした後、両腕を勢いよく右側に持っていく。

 

「大・変・身!」

 

左手に持ち変え、上に掲げるとゲーマドライバーに差し込んで、すぐにレバーを開いた。

 

《ガシャット!ガッチャーン!レベルアーップ!》

 

梨子の前にピンクのディスプレイのようなゲートが現れ、梨子を通過。

 

《マイティジャンプ!マイティキック!マイティマイティアクション・エッークス!!》

 

梨子は『仮面ライダーエグゼイド・レベル2』に変わる。

 

「さてと……天才ピアニストRのプレイ、見せてあげるわ!」

 

(BGM:エグゼイド LEVEL 2~患者の運命は俺が変える!)

 

本物のエグゼイドの姿を目にしたことで、リアスがやや興奮気味に言う。

 

「本物の仮面ライダーエグゼイド!! しかもその変身者があの桜内梨子だなんて……!!」

 

彼女達のような異形界隈では、μ'sとAqoursは物凄く注目されていたグループ。

 

そのグループに属していた一人が、仮面ライダーになる等、激震以外の何者でもなかった。

 

《ガシャコンブレイカー!!》

 

そんな彼女達を尻目に、梨子…エグゼイドはガシャコンブレイカーを手に持ってバグスター達に突撃していった。

 

「はぁぁぁぁぁ!!」

 

その一方で一誠もジオウライドウォッチをドライバー右スロットに装着、ロックを外して独特な待機音を響かせて変身ポーズを取る。

 

「変身!!」

 

そして左手でドライバーを回す。

 

《ライダータイム!カメーンライダー!ジオウ…!》

 

《ジカンギレード!! ケン!!》

 

仮面ライダージオウになった一誠も、ジカンギレードを召喚して向かっていく。

 

「リアス、あれが……」

 

「ええ……イッセーが変身する仮面ライダー、ジオウよ」

 

「…本物を見れる日が来るなんて……」

 

朱乃の問いにリアスが答え、小猫は独り言を呟きながら2人のライダーの戦いを見入っている。

 

エグゼイドはガシャコンブレイカーで3体いるバグスターの内、真ん中を殴り付け、右のバグスターは右後ろ回し蹴りで倒し、左のバグスターはガシャコンブレイカーを横に振るって殴り倒す。

 

「はっ!」

 

そしてそのまま真ん中にいたバグスターに馬乗りになると、何度もブレイカーで殴りつける。

 

「はっ!そりゃ!」

 

HITの文字が何回も浮かび、やがてバグスターは爆発。

 

そこに残り二体が迫ってきて、エグゼイドを後ろから蹴り倒す。

 

「ぐっ…!?」

 

前に転がったエグゼイドはブレイカーのBボタンを押して、ソードモードにする。

 

《ジャ・キーン!!》

 

そのまま横に大振りに振るって、

 

「はっ!」

 

追撃にきた二体のバグスターを斬り捨てる。

 

火花を散らして倒れたバグスター二体を尻目に、エグゼイドはドライバーからガシャットを抜いて、

 

《ガッシューン……》

 

そして左腰に付いている『キメワザスロットホルダー』に入れる。

 

《ガシャット!!》

 

ホルダーのボタンを押す。

 

《キメワザ!!》

 

するとエグゼイドの右足にド派手な色をしたエネルギーが大量に集まる。

 

「行っくわよ~……!」

 

もう一回ボタンを押す。

 

《マイティクリティカルストライクー!!》

 

エグゼイドは飛び上がり、目の前にいた二体のバグスターに『マイティクリティカルストライク』を飛び蹴りで放つ。

 

「はぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

一直線に飛び込んでいき、モロに受けたバグスター二体は爆発した。

 

《会心の一撃ぃ~!!》

 

 

 

そしてジオウの方は、残る3体に囲まれていたが、焦ること無く攻撃を捌き、ジカンギレードで反撃していた。

 

「はっ!ふっ!そりゃ!」

 

バグスターの槍攻撃を身を反らして避けたり、ジカンギレードで流しつつ、背中を蹴り飛ばしたり、ジカンギレードで斬っていく。

 

そうしてる内にバグスター3体が纏めて倒れたので、その隙にジオウはライドウォッチのボタンを押してドライバーのロックを解除する。

 

《フィニッシュターイム!!》

 

するとバグスター3体の周りを幾つものキックの文字が囲む。

 

3体がそれに注意を向けてる隙にジオウは飛び上がり、ライダーキックの体勢に入ってからドライバーを回す!

 

《ターイムブレーク!!》

 

キックの文字達は時計回りに1つになっていき、ジオウの足裏へとエネルギー収束、そのままジオウは『タイムブレーク』をバグスター3体に喰らわせた!

 

「そりゃああああああああああ!!」

 

「「「キィイイイイイイイイイイ!!!?」」」

 

バグスター3体はタイムブレークを受けるとゴロゴロ転がり、体にダメージの電流を走らせると爆発した。

 

こうして、なんとか当面の危機は回避できた。

 

「よっし……梨子さん、今日はありがとうございました」

 

「そんな……礼を言われる事じゃないわ」

 

2人は変身を解除しながらそう言い合い、一誠はリアスに手を差し出すと、帰るように促した。

 

「それじゃあリア……部長。帰りましょ」

 

「え、ええ……そうね」

 

一瞬、名前を言いそうになって慌ててこの時間での呼び名に変えた時の一誠の悲しそうな顔に、リアスが気づく事はなかった。

 

 

◎sideoff

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一誠side

 

 

イッセーだ。

 

あの廃墟での事は特に尋問される事は無く、次の日が休日っつー事で、適当に出掛けることにした。

 

理由は何てことない、ただぶらつきたい。

 

それだけだ。

 

因みに隣には冬麻がいる。

 

家を出て数分の所で出くわしたので、前方のヴェントについて情報交換ついでに一緒にぶらついていた。

 

「にしても前方のヴェントか……右方のフィアンマと関係があるんだよな?」

 

「ああ、神の右席って言う所に所属してるみたいで、多分フィアンマもそこにいる筈だ」

 

そうやって話してると、

 

「はぅ!」

 

「「ん?」」

 

何か可愛らしい声が聞こえたぞ。

 

俺と冬麻は声がした方を振り替えると、

 

「いたた……!」

 

白のヴェールを被った可愛らしい金髪の少女が尻餅を付いていた。

 

あの娘は……っ!?

 

間違いない!

 

俺の大切な女の子の一人だった、シスターのアーシアだ!!

 

俺はすぐさまアーシアらしきシスターの所に駆け寄り、手を差し出す。

 

「大丈夫か?」

 

「あ、すみません……!」

 

やっぱりこの声に可愛らしい顔立ち、アーシアだ。

 

本当に懐かしい……。

 

俺はアーシアの手を取って立ち上がらせる。

 

「……私の言葉が分かるのですか?」

 

「ん、あぁ……」

 

流石に悪魔だから何でも日本語に聞こえる、なんて今のアーシアには言えねーよな。

 

「イッセー、確かそのシスターは……」

 

俺と同じ前世での記憶を所有してる冬麻もアーシアに見覚えがあるのか、アーシアの側に近寄る。

 

「ああ……この娘も俺の大切な女の子の一人だった娘だよ」

 

そういや、アーシアと初めて会った日も、こんな天気だったな。

 

となると、やっぱレイナーレがいる教会に向かう気か?

 

そこんとこ訊ねてみるか。

 

『相棒、その前に自己紹介しろ。俺達はアーシア嬢の事は知ってても、向こうは知らないんだからな』

 

おっ、そうだな。

 

「俺は緋村一誠。こっちは氷城冬麻。君は?」

 

「あ、私はアーシア・アルジェントと申します!」

 

と、自己紹介も済んだ事だし、

 

「で、どうしたんだ?こんな所で」

 

「あの……この辺りに教会はありますか?」

 

やっぱ教会か……。

 

でもあそこに連れてったらアーシアを危険な目に合わせるし、何よりこの時代にはあの糞神父もいる。

 

どうするべきか……。

 

ドライグはどう思うよ?

 

『危険だと分かってて放り込む事はしないだろ?』

 

だよな……仕方ない。

 

アーシアには悪いが、ここは嘘を吐かせて貰おう。

 

「すまないアーシア。この地に教会はもう無いんだ」

 

「そんな……っ!? では私はどうすれば……」

 

途端に目尻に涙を貯めて、途方に暮れるアーシア。

 

まぁそうなるよな。

 

アーシアは教会の糞みたいな理由で、ここに一人で追放された。

 

しかも本来行くべき場所が無いとなると、途方に暮れるのも分かる。

 

けどちゃんと解決策はある。

 

「なぁアーシア。もし良かったら、うちに来ないか?」

 

それは俺の家で匿う事。

 

勿論、母さんや美月には事情説明するけど、多分了承してくれるだろう。

 

2人とも助け合い精神が旺盛だからな。

 

「いいんですか!?」

 

途端にパァーッと顔を輝かせるアーシア。

 

うんうん、やっぱアーシアには笑顔が一番だ!

 

「アーシアさえ良ければ」

 

「ありがとうございます!これも神の御加護なのですね……!」

 

アーシアはそう言って十字を切った。

 

み、見るだけで頭が痛くなってきた………。

 

「不幸だな……」

 

おい冬麻、そんな哀れみの目を向けてくるなよ!!

 

ってな訳で、母さんに電話で事情説明すると、快くアーシアの同居を許してくれた。

 

その間、冬麻は自分の連絡先をアーシアに渡していた。

 

これでアーシアがレイナーレの手に落ちる事態は回避できた。

 

そう思っていたが、現実は甘くなかった。

 

 

 



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episode#7


まさか一章だけでここまで長くなるとは思いませんでした。



アーシアを居候させて更に3日が経った。

 

その間、アーシアは住まわせて貰ってる礼として母さんの手伝いや、美月の遊び相手をしていたお陰で、すぐに2人からは実の娘や姉同然に愛され始めていた。

 

だからなのか、美月が怪我した時に自身の神器・聖母の微笑み《トワイライト・ヒーリング》で美月の怪我を治しても、2人から怪訝な顔をされる事はなく、むしろ感謝されていた。

 

その事に、アーシアは嬉しさで泣いていた。

 

父さんもテレビ電話でアーシアを一目見ると、すぐに気に入った。

 

そして四日目。

 

今日も今日とて部室に行くと、俺に依頼が入ったらしく、すぐにバイクライドウォッチを展開して『ライドストライカー』にすると、学園を出ていく。

 

そして依頼のあった家に着いたのだが……

 

「血の匂い………それにこの感覚。まさか………」

 

家の中から漂う血の匂いに違和感を感じた。

 

と言うかよくよく見れば、この家は最初にあの糞神父と邂逅した家だ!

 

嫌な予感がした俺は、腰にジクウドライバーを巻きつつ急いで家の中へと入っていった。

 

気配を辿って着いた部屋には薄暗いライトが点いているだけ。

 

部屋を覗いてみると、そこには血を出して倒れてる人と、それを見下げている神父服を着ている白髪の男。

 

間違いない……こいつは……!!

 

男は俺に気付いたらしく、こっちを見て話してきた。

 

「おぉ~?これはこれは、悪魔くんじゃあ~ありませんか~」

 

ふざけた口調と殺意。

 

やっぱりこいつは糞神父こと、フリード!

 

もう出会う事は無いと思っていたが……運命ってのはつくづく意地が悪い。

 

「俺の名前はフリード・セルゼン。とある悪魔払い組織に所属する末端にございますですよ」

 

フリードは自己紹介しながら一礼してくるが、俺はそれをスルーして床に倒れる血塗れの男性に視線を送りつつ、ほぼ確信はあるものの一応確認を取った。

 

「これはお前が、やったのか?」

 

「イエスイエス。俺が殺っちゃいました。だってー、悪魔を呼び出す常習犯だったみたいだしー、殺すしかないっしょ」

 

人を殺しておきながら罪悪感の欠片も感じない。

 

時間が戻ってもとことん屑だな、こいつは。

 

そういや前世ではこの時、穂乃果さんがいたけど、一向に来ないな。

 

それにこの家には、フリード以外にもう一つの気配がある。

 

しかも、その気は俺が知っているものだ。

 

今ならここには居ない筈の人物。

 

そう、アーシアの気配だ。

 

どういう事だ?

 

何故ここにアーシアがいる?

 

いや、考えるのは後回しにしよう。

 

フリードが光の剣を振り回して突っ込んできているからな。

 

「今からお前の心臓にこの刃を突き立てて、このイカす銃でお前のドタマに必殺必中フォーリンラブ、しちゃいます!」

 

横なぎに振るわれる光の剣。

 

「くっ…!!」

 

俺はそれを横へ転がって避けつつ、

 

《ZI-O》

 

ジオウライドウォッチを起動して右スロットに装着。

 

フリードは避けた俺目掛けて銃を撃つ。

 

「悪魔祓い特製の祓魔弾だぜ☆ 当たったらそうとう痛いよ~。ひゃはははは!」

 

乱射される光弾を俺は連続バク転して避け、横へ転がるとドライバーのロックを解除、背後に大きな時計が現れると一気にドライバーを回す!

 

「変身!!」

 

《ライダータイム!カメーンライダー!ジオウ…!》

 

「ぐぴゃっ!?」

 

背後の大きな時計から飛び出した「ライダー」と書かれたマゼンタ色の文字がフリードにぶつかり、壁に叩きつける。

 

そしてブーメランのように顔に貼り付くと変身完了!

 

俺はフリードに向かって駆け出し、胸ぐらを掴んで無理矢理立たせるとその顔に1発パンチをぶちこむ!

 

「おらっ!!」

 

「ぐぴゃっ!?」

 

無様に転がるフリード。

 

「この腐れ悪魔がぁぁあ!ヘンテコな姿になった上によくも俺様を殴ったなぁぁああ!?」

 

フリードは苦しみながらも俺を睨み付けた。

 

「来いよ。お前は手加減無しで痛め付けてやる」

 

「っなろっ!!」

 

フリードは銃から光弾を連射してくるが、俺はそれを宙返りで避ける。

 

「なんですとっ!?」

 

驚くフリードの後ろに立つと振り返り様に裏拳をするが、フリードは新たに出した光剣で受け止め、すぐに銃を俺の腹に突きつけてくる。

 

それを見た俺は素早くフリードの腹を蹴って体勢を崩すと、ヤクザキックでフリードを壁際まで蹴り飛ばす。

 

「おらっ!!」

 

「ぐへっ!!」

 

ドズンッ!! と音を立ててへたりこむフリード。

 

追撃しようと俺が走り出したその時だった。

 

「きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!?」

 

女性の悲鳴が室内に響き渡った。

 

声が聞こえた方に俺もフリードも声がした方向に視線を向ける。

 

倒れ伏した男性の遺体を見て表情を固まらせていたのは、つい最近同居し始めたシスター……アーシアだった。

 

「………やっぱりお前だったのか。アーシア」

 

つくづく運命ってのは意地が悪い。

 

折角アーシアを危険な目から遠ざけたのに、ここに舞い戻してくるのだから。

 

「その声……イッセーさんですか!?」

 

一方のアーシアも俺の声が分かったのか、ジオウになってる俺に確認を取ってきた。

 

「アーシア、なんでここにいるんだ!?」

 

「それは……実は昼間に教会関係者の方が来て、私を保護してくれると仰ってくださったので、イッセーさんのお家に手紙を置いて出て来たんです。いつまでも他人の私が、イッセーさんのお家にお邪魔する訳にはいきませんから……」

 

そう言って悲しそうに目を伏せるアーシア。

 

そうだよな……お前は物凄くお人好しで、優しい女の子だったよな。

 

そこで気を取り戻したフリードがヨロヨロと立ち上がって、アーシアに話しかける。

 

「おんやぁ?助手のアーシアちゃん。結界は張り終わったのかな?」

 

「フリード神父……これは?」

 

「そっかそっか、アーシアちゃんはこの手の死体は初めてでしたねぇ。これが俺らの仕事。悪魔に魅入られたダメ人間をこうして始末するんすよ♪」

 

「そ、そんな………っ!? イッセーさん……」

 

その説明を聞いてショックを受けたアーシアは俺にすがるような目を向けてくる。

 

その雰囲気はフリードでも分かったらしい。

 

「なになに~?君たちお知り合い?シスターと悪魔の禁断の恋ってやつ?」

 

「悪魔?………イッセーさんが?」

 

フリードの言葉が信じられないと固まるアーシア。

 

正直、知られたくは無かったが、あのまま同居していればいずれはバレること。

 

この際、仕方ないことだ。

 

「ゴメンな、アーシア………。そう、俺は悪魔だよ」

 

俺がアーシアに謝る横ではフリードが大笑いしていた。

 

「ひゃはははは!残念だけどアーシアちゃん、悪魔と人間は相容れません!それに、僕達、堕天使様のご加護なしでは生きてはいけないハンパ者ですよぉ?」

 

堕天使だと!?

 

やっぱレイナーレの奴の差し金か!!

 

フリードが言う。

 

「まぁ、そんなことは良いとしてぇ、俺的にはこの悪魔君にさっきの仕返しとしてぶったぎらないと気がすまないんですよぉ」

 

俺に光の剣を突き付けるフリード。

 

「懲りないやつだな。ここで倒した方が今後の世の為かもな」

 

俺もジオウの拳を鳴らせながら、フリードを睨む。

 

そして俺とフリードが戦闘を再開しようとした時だった。

 

アーシアが俺の前に立ち、庇うように両手を広げた。

 

俺にとっては二度目になるその行為に、俺もフリードも目を見開いた。

 

「アーシアやめろ!退くんだ!」

 

「マジっすかー、アーシアちゃん。キミ、何をしているかおわかりなんですかぁ?」

 

フリードの問いにアーシアが言う。

 

「はい。フリード神父。お願いです。この方を見逃してください。悪魔に魅入られたからといって、人間を裁いたり、悪魔を殺すなんて、そんなの間違ってます!」

 

アーシアの言葉を聞いたフリードは憤怒の表情となった。

 

「はぁぁぁぁぁああああ!? バカ言ってんじゃねぇよ!このクソアマが!悪魔はクソだって、おまえも習っだろうが!」

 

「悪魔にだって、いい人はいます!」

 

「いねぇよ、バァァァカ!!」

 

「います!イッセーさんはいい人です!悪魔だと分かってもそれは変わりません!こんなこと、主が許すわけがありません!」

 

アーシアがそう言った時、フリードは拳銃をもった拳を振り上げた!

 

なっ……やらせるか!!

 

俺が急いで妨害しようと走り出したその時!

 

 

 

 

《クラックアップフィニッシュ!!》

 

《スクラップフィニッシュ!!》

 

 

 

 

アーシアの後ろから紫と金の拳がやって来て、フリードの顔面に炸裂。

 

「ごべらっ!?」

 

奴の体は勢いよく吹っ飛び、家の壁に衝突して壁をぶち破り、外まで飛んでいった。

 

そして外にある大きな木に衝突し、完全に気を失った。

 

派手に吹き飛んだが、ギリギリ生きてるって感じか。

 

それよりもだ、俺とアーシアはフリードに攻撃を喰らわせた人物を見ようとそちらを見る。

 

変身を解いた後なのか、そこにいたのは2人の男性だった。

 

「ッたく……こんなか弱い女の子に手ェ出してんじゃねぇよ。なぁ髭」

 

「ああ……その通りだ」

 

一人は分厚いコートを着ていて、もう一人は黒の革ジャンを着ていて髭を生やしていた。

 

「猿渡さん……!氷室さん……!」

 

そこにいたのは、『仮面ライダーグリス』の猿渡カズミさん、そして『仮面ライダーローグ』の氷室玄斗さんだった!

 

まさかこの2人にも早々に会えるなんて……!

 

ん?……と言うかこの2人がいるという事は……。

 

「ヤッホー♪ 仮面ライダージオウ、いや緋村一誠」

 

俺の考えを見透かしたように現れたのは、やっぱり戦兎だった。

 

そしてその後ろには万丈も!

 

チームビルド集結かよ!!

 

「戦兎まで!どうしてここに!?」

 

「いや~、ここの人とは店の経営上、付き合いがあったんだけど……」

 

そこまで言った戦兎は死体になった男性に近寄り、合掌しつつ瞑目した。

 

そっか……戦兎にとっては大事な人を亡くしたんだな。

 

そのタイミングで部屋に紅い引光……グレモリー家の紋章が現れた。

 

「おわっ!? おい初音!なんだよアレ!?」

 

「静かにして筋肉バカ。一回見たことあんでしょ?それとご近所に迷惑」

 

騒ぐ万丈を戦兎がたしなめる。

 

ありゃ転移魔法陣だ。

 

となると、

 

「やあ、緋村君。助けに来たよ………ってもう終わったのかい?」

 

「遅えよ、木場」

 

魔法陣から最初に顔を出したのは木場だった。

 

木場に続くように残りのオカルト研究部の面々が魔法陣から現れる。

 

「イッセー、無事なの?ゴメンなさい、依頼人のところにはぐれ悪魔祓いが訪れていることが分かって、急いで来たのだけれど………」

 

「大丈夫ですよリア…部長。俺は無傷です。こうやって猿渡さん達が来てくれましたし、むしろあのクソ神父の方が相当重傷だと思いますよ?」

 

「そう、それは良かったわ。でも心配したのよ?」

 

「ははは、すいません」

 

やっぱリアスは最高だ!

 

こんな情愛の深いヒトに俺は会えた。

 

その幸運に感謝して、今度こそ俺は彼女達を守りきる……!

 

その時、何かに気付いた朱乃が言う。

 

「ッ!部長、数人の堕天使の気配がここに近づいていますわ」

 

この周辺に複数の気配。

 

数は少ないが………。

 

朱乃の報告を聞いたリアスはその場に魔法陣を出現させる。

 

「イッセー、話しは後で聞くから今は帰るわよ?」

 

「ならアーシアを…」

 

「気持ちはわかるけど、無理よ。この魔法陣は私の眷属しか転移出来ないの。だから、その子は無理なの。そもそも彼女は堕天使に関与している者。だったら尚更よ。それに、背後関係が分からない今、ここで堕天使と争えば悪魔と堕天使の間で大きな問題になりかねないわ」

 

リアスの言っている意味は理解できる。

 

何が原因で悪魔と堕天使の争いが大きくなるか分からない今、下手に堕天使とその関係者に関わるわけにはいかない。

 

ここでアーシアを連れて行けば、それが原因で悪魔と堕天使間で大事になる可能性もある。

 

それでも、俺は……!

 

「ならそれを対処するのが私達仮面ライダーならどう?」

 

「えっ?」

 

俺が迷っている時に助け船を出してくれたのは、戦兎だった。

 

戦兎の提案にリアスは一瞬キョトンとするが、戦兎は構わず続ける。

 

「今ここで堕天使と戦うのが私達仮面ライダーなら、そんな争いにはならないでしょ?今の緋村一誠だって、ジオウという立派な仮面ライダー。ジオウとして戦えば問題なしよ」

 

「確かにそうだけど……」

 

リアスは悛巡するが、朱乃の「リアス早く!」という切羽詰まった声に急かされ、俺と戦兎の顔を交互に見る。

 

俺はそんなリアスの背中を押して、魔方陣に立たせる。

 

「ちょ、イッセー!?」

 

「お説教なら後でたくさん受けますから、朱乃さん!!」

 

俺の言葉に朱乃は強く頷き、魔方陣を光らせて転移した。

 

「待ってイッ――」

 

最後まで言い切る前にリアスは転移で消えた。

 

これでいい………去り際のリアスの悲痛な顔が心苦しいが、今はアーシアを守る!

 

「アーシア、俺の側から離れるな」

 

「イッセーさん……」

 

不安な顔をするアーシアの頭を撫でてから、俺は戦兎と共に庭に出た。

 

 

一誠sideoff

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◎side

 

 

庭先に出れば、既に小数ながらもそれなりに多い堕天使の軍勢がいた。

 

それを見上げて、初音は言う。

 

「玄さん、カズミ、万丈、準備はいい?」

 

「っしゃあ!!」

 

「この戦い……みーたんに見せてやりたかったぜ」

 

万丈とカズミが意気込む中、氷室は革ジャンのジッパーを下げて、中に着ていた「賛成だ」という文字Tを見せる。

 

《オーラァ!!》

 

それを一瞥してから初音と万丈はビルドドライバーを、カズミと氷室は『スクラッシュドライバー』を腰に巻いた。

 

初音はラビットタンク時の顔が描かれた缶型のアイテム『ラビットタンクスパークリング』を取り出し、振る。

 

そして蓋を開けるとシュポッ!という音がして、初音はドライバーに装填する。

 

《ラビットタンクスパークリング!》

 

レバーを回していくと、ビルドを表すライダーズクレストを模したライドビルダーが展開され、管には気泡が混じった液体が流れ、前後でボディを形成する。

 

《Are you ready?》

 

「変身!」

 

パーツが初音を挟み込む。

 

《シュワッとはじける!ラビットタンクスパークリング!イェイ!イェーイ!》

 

ラビットタンクに白のカラーと泡のような白いドットが入り、装甲はギザギザになったその姿。

 

初音は『仮面ライダービルド・ラビットタンクスパークリングフォーム』になる。

 

 

万丈はクローズドラゴンにドラゴンフルボトルを装填。

 

《ウェイクアップ!》

 

そしてドライバーに装填。

 

《クローズドラゴン!》

 

万丈もレバーを回して、前後にパーツを作る。

 

《Are you ready?》

 

万丈は拳を掌に打ち付け、戦闘ポーズを取る。

 

「変身!!」

 

そしてパーツが万丈に重なり、変身が完了する。

 

《Wake up burning!Get CROSS-Z DRAGON!Yeah!》

 

万丈はクローズに変わる。

 

「今の俺は、負ける気がしねぇ!!」

 

 

カズミはロボットが描かれた黄色のゼリー飲料型アイテム『ロボットスクラッシュゼリー』の蓋を捻り、スクラッシュドライバーに差し込む。

 

《ロボットゼリー!》

 

カズミは体を真横にして、左手を拳銃の形にしてから真っ直ぐ向けて、指を上に向けて言う。

 

「変身」

 

そして右端のレンチを倒す。

 

《潰れる!流れる!溢れ出る!》

 

ロボットゼリーの中身が左側にある容器に液体として流れ込む。

 

カズミは巨大ビーカーに包まれ、その中の黒の液体に浸かり、それが弾けると、金のカラーで赤い複眼を持つ戦士になる。

 

その戦士の頭から黒いゲルが吹き出て、それが体全体にかかるとクリアブラック色に固形化、完全に変わる。

 

《ロボットイングリス!ブラァ!》

 

カズミは『仮面ライダーグリス』になる。

 

「心火を燃やして……ぶっ潰す!」

 

 

氷室は右手に紫色の細身で少し長いボトル『クロコダイルクラックフルボトル』を持って、キャップを正面に向ける。

 

《デンジャー》

 

「ドゥドゥドゥン……ドゥドゥドゥン♪」という危険で不気味さを醸し出す一定のリズムが鳴る。

 

氷室はクロコダイルクラックフルボトルをスクラッシュドライバーに差し込む。

 

《クロコダイル!!》

 

そしてレンチを下げる。

 

「変身」

 

瞬間、氷室は紫の液体が詰まった巨大なビーカーに囲まれ、そのビーカーをワニの顎を模した装置が挟み込む。

 

《割れる!喰われる!砕け散る!》

 

それらが消えると、氷室は紫の尖った鎧に、白いヒビが入った黒いスーツを着用。

 

更に黒のマスクに、紫のワニの顎が装着されて赤いヒビが入り白くなると、そこから水色の複眼が完成される。

 

《クロコダイルインローグ!! オーラァ!!》

 

ついでに後頭部には割れ物注意のシールが貼ってある。

 

《キャアアァァァァァァ!!》

 

氷室は『仮面ライダーローグ』になる。

 

「大義の為の……犠牲となれ…」

 

 

 

変身し終えると、彼らは一斉に構えた。

 

 

 



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episode#8

ラブライブシリーズも、もう9周年ですか~。

あ、感想待ってます。



数を改めて見れば、ざっと10人はいる。

 

万「空飛んでんのかよ!?」

 

カ「堕天使だからな……」

 

空を飛べてる堕天使に大きな不満を漏らす万丈に、カズミが至極当たり前の事を言う。

 

それを聞いて初音はボソリと漏らす。

 

「とりあえず引きずり落としましょ」

 

「なら俺が何とかするぜ」

 

一誠はそう言うと腕から『ウルトラマンドライグ』のライドウォッチを取り外して、外枠を回して天面のボタンを押して起動する。

 

《ウルトラマンドライグ!》

 

そしてドライバーの左スロットに装着して、ロックを解除すると一気にドライバーを回す。

 

《ライダータイム!カメーンライダー!ジオウ…!アーマーターイム!》

 

その音声の後に、ジオウの前に右腕を伸ばして左腕は頭の横で曲げたポーズを取っている、ウルトラマンドライグを模したアーマーが現れたので、ジオウはそれを蹴って分解、自身に装着していく。

 

《ブースト!ドラゴン!ウルトラマンドライグー!!》

 

胸には真っ赤な鎧、肩には龍の足を模した鎧、頭には黄色の龍角、顔には「ドライグ」とマゼンタ色で書かれた文字、そして左腕に付いた赤龍帝の籠手。

 

ジオウは『仮面ライダージオウ・ドライグアーマー』になった。

 

その瞬間、

 

(BGM:仮面ライダージオウ バトル)

 

「祝いなさい!全ライダーの力を受け継ぎ、時空を越え、過去と未来を知ろしめす時の王者。その名も、仮面ライダージオウ・ドライグアーマー。ウルトラマンの力の一端を使った瞬間ですわ」

 

何処からかまたあのローブの少女がやって来て、そう高らかに祝った。

 

万「うおっ!? 誰だこいつ!?」

 

初「えっ?誰ッ!?」

 

万丈や初音達はそのローブの少女を見てビクリとし、アーシアや堕天使達はなんのこっちゃと言わんばかりに首を傾げ、一誠もビクリとしつつ少女に訊ねる。

 

「一体何処から来たの?って言うか君、レイヴェルだよね?」

 

声で一誠は分かった。

 

少女の正体はフェニックスという悪魔の家系で、尚且つ自分の眷属にしてマネージャー、そして愛する女性の一人であったヒト、『レイヴェル・フェニックス』だと。

 

ローブの少女はその問いにクスリと微笑み、恭しくジオウの前に膝を着くと、こう言った。

 

「我が魔王、それはいずれ明かします。ですが今はこの場をお納めください」

 

言われて一誠は今が戦いの最中だと思い出し、注意を堕天使達に向ける。

 

「よし……なんか行ける気がする!」

 

そう言うとウルトラマンらしく両腕を伸ばして飛行、堕天使達の周りを縦横無尽に飛び回る。

 

「ぐっ……!?」

 

「なんだこいつは!?」

 

狼狽する堕天使達を尻目に、ジオウ・ドライグアーマーは堕天使達を次から次へと蹴っていき、ビルド達の前に落としていく。

 

「ぐへっ!!」

 

「ぎゃっ!?」

 

「痛いっ!!」

 

そうして落ちてきた堕天使に、ビルド達が群がっていく。

 

「さぁ、実験を始めようか?」

 

「っしゃオラァァァァ!!」

 

「だりゃあああああああ!!」

 

「ふんっ……」

 

ビルド・スパークリングは2人の女堕天使に『ドリルクラッシャー』をぶつけていき、クローズは2人の男堕天使に拳を何度もぶつけていき、グリスも同じく2人の男堕天使に回し蹴りやサマーソルトキックをぶつけていき、ローグは女堕天使2人の腹に紫のエネルギーを纏った拳をぶつける。

 

そして地に降り立ったジオウ・ドライグアーマーも、残った男堕天使2人の相手をする。

 

 

(BGM:勝利の法則は決まった!)

 

ビルドはドリルクラッシャーを2人の女堕天使が出した光槍とぶつけ合っていた。

 

黒髪ロングと茶髪ショートの女堕天使はどちらもスタイルが良く、槍を振るう度にプルンプルン揺れる一部分を見た初音は、仮面の下で歯軋りした。

 

(どいつもこいつも……!! なんで異種族ってのはこうも胸がでかいのよ!!)

 

割りと私怨の籠った剣撃は、予想以上に女堕天使2人を圧倒していた。

 

「な、何よこいつ……っ!?」

 

「攻撃が重い……っ!?」

 

そしてビルドはスパークリングになった事で腕に生えたギザギザを黒髪ロングの腹に切りつけ、

 

「ぐふっ!?」

 

そして蹴り飛ばすと、茶髪ショートの方には刀身を回転させたドリルクラッシャーを叩きつける。

 

「せいっ!!」

 

「ぎゃっ!?」

 

ドリルクラッシャーにより光槍を折られた衝撃で、茶髪ショートの女堕天使は、黒髪ロング堕天使の隣に吹き飛ぶ。

 

ここでビルドはドリルクラッシャーをガンモードにすると、砲口から光弾を連射して、女堕天使2人の翼へと着弾させる。

 

「「あ゛あ゛ああああああああァァァァ!!!?」」

 

神経が通ってる翼が焼かれ、悶絶する2人にビルドは泡の爆発力を備えたパンチをぶちこむ。

 

「せいっ!!」

 

「「ぐふっ!?」」

 

彼女達が吹き飛ぶと、

 

「勝利の法則は決まった!」

 

そう言って初音は高く跳びながらレバーを回す。

 

ワームホールの様な図形を出現させて、その中に2人の女堕天使を拘束。

 

「ちょ、何よこれ!?」

 

「と、解けない……!!」

 

2人は何とか抜け出そうともがくも、時間の無駄に終わり、無慈悲に死刑宣告が放たれる。

 

《Ready go!スパークリングフィニッシュ!》

 

「はぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

無数の泡と共にライダーキックを叩き込む『スパークリングフィニッシュ』が2人の腹に激突。

 

「「いぎゃああああァァァァァァ!!」」

 

ビルドが相手していた堕天使は消滅した。

 

 

 

クローズは男の堕天使2人が出した光の槍を、両腕を使って上手く横に流していき、反撃の隙を窺っていた。

 

グリスもまた一緒なのか、相手取っている男堕天使2人が出した光槍を『ツインブレイカー』という武器で応戦しつつ、反撃に移れる隙を窺っていた。

 

そうしてる内にクローズとグリスは背中合わせになり、相手に挟まれる形になった。

 

万「はぁ、はぁ、意外とやるぞこいつら…」

 

カ「ああ、戦闘技術では劣ってるな……」

 

2人もそれなりに戦闘経験はあるものの、時が巻き戻ってる今となっては体が覚えてる程度。

 

つまり直感で動いてるので、自然と技術では負けてしまうのだ。

 

であれば。

 

カ「手数で押すぞ!!」

 

万「おお!!」

 

グリスは取り出した『フェニックスフルボトル』と『ロボットフルボトル』をそれぞれツインブレイカーに差し込み、

 

《シングル!ツイン!》

 

向かってくる堕天使2人に目掛けて腕を振るった。

 

「喰らえやぁぁぁぁッッ!!」

 

両肩から放射された『ヴァリアブルゼリー』が翼を形取り、飛翔しつつ体当たりを仕掛ける。

 

「何っ!?」

 

接近に成功したところでゼリーによって肥大化した巨腕を使い、堕天使2人の身体を挟み込む。

 

「ぐぉぉぉおおお……ッ!!」

 

「は、離せぇぇ……!!」

 

地面を大きく抉りながら堕天使2人を引きずり、そのままの勢いで宙へと放り投げた。

 

そしてドライバーのレンチを下ろす。

 

《スクラップフィニッシュ!!》

 

すると肩や背中からヴァリアブルゼリーが勢いよく噴出して上昇。

 

そのままライダーキックを食らわせる『スクラップフィニッシュ』を宙に浮いた堕天使2人に決めた。

 

「オルァアアアアアア!!」

 

「「ぐあぁぁああああああああ!!」」

 

盛大な爆発と共に、彼らは散った。

 

「っと……みーたん!俺勝ったぜ!!」

 

 

 

《ビートクローザー!》

 

クローズはドライバーから『ビートクローザー』という剣を召喚。

 

向かってきた男堕天使2人の光槍をビートクローザーで受け止めると、それを力任せに弾いて、その勢いで怒濤の斬撃を浴びせていく。

 

「オラっ!オラっ!オラァァァァァァ!!」

 

「ぐふっ…!?」

 

「ぐはっ!?」

 

斬られた箇所から血が吹き出し、吐血する堕天使2人。

 

クローズはビートクローザーをどっかに放り捨てると、レバーを思いっ切り回していき、背後に青い東洋タイプの龍を模したエネルギー体『クローズドラゴン・ブレイズ』を呼び出す。

 

《Ready go!ドラゴニックフィニッシュ!》

 

クローズは、クローズドラゴン・ブレイズの吐く火炎に乗り、蒼炎を纏った右脚でボレーキックを相手取っていた堕天使2人に叩き込む。

 

「おりゃあぁぁぁぁ!!」

 

「「う…うわぁぁああああああああ!!」」

 

ズドオオオオォォォォォォン!! という爆音と共に堕天使2人は黒羽を散らせた。

 

 

 

ローグはただ攻撃を受け続けていた。

 

棒立ちで、一切動じることなく。

 

相手している女堕天使2人が光槍を剣のようにぶつけて来ても、投げてきても、ローグは反撃しない。

 

それもそうだ。

 

ローグの装甲は余程異常な力で無い限り、ダメージを負うことは無いのだから。

 

やがて攻撃することに疲れたのか、2人はハァハァと息を切らす。

 

「何なのよ……こいつっ」

 

「硬すぎ……っ」

 

「どうした?もう終わりか?」

 

底冷えするような氷室の声に2人の女堕天使は背筋をゾッさせ、黒翼を広げて逃げようとする。

 

「逃がさん……」

 

《クラックアップフィニッシュ!!》

 

無情にレンチを下ろしたローグは跳躍、その足に紫のワニ顎を模したエネルギーを纏うと2人の女堕天使を挟み込み、何度か噛み砕き、回転しながら地面に突き刺した。

 

 

 

最後にジオウ・ドライグアーマーは、赤龍帝の籠手から出した光剣『アスカロンセイバー』で男堕天使2人と斬り合っていた。

 

「シュアッ!フッ!」

 

「くっ…!!」

 

片方が光槍を降り下ろせば、それを防いで横に流していき、もう片方が光槍を投げてきたらそれを回し蹴りで砕く。

 

《BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost!!》

 

そして籠手で倍加すると、槍を投げてきた堕天使に急接近、思いっきり右手で腹を殴る。

 

「シェヤァァァァ!!」

 

「ぐはっ!?」

 

堕天使は地面に叩きつけられ、内蔵が破裂したのかそのまま息絶えた。

 

「ひっ……!?」

 

残った男堕天使は怯え、黒翼を広げて逃げようとする。

 

「待て!!」

 

一誠はそう言うとジオウとウルトラマンドライグのライドウォッチのボタンを押して、ドライバーのロックを解除する。

 

そして一気に回す。

 

《フィニッシュターイム!! ウルトラマンドライグ!》

 

《ブーステッドターイムブレーク!!》

 

その音声の後に、籠手を上に伸ばして倍加。

 

《BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost!!》

 

そして逆L字に両腕を組んで赤い光線を発射した。

 

「オラァァァァァァ!!」

 

ズアアアアアアアアアアアアアッ!! と赤い光線が逃げようとした堕天使に殺到、直撃した瞬間に爆発を起こして、最後の堕天使は消滅した。

 

それと同時に結界も無くなったので、5人は変身を解いてアーシアに集まる。

 

「アーシア!! 無事か!?」

 

「イッセーさん!!」

 

感極まって涙を流すアーシアは一誠に抱きつく。

 

「無事で良かったです……っ」

 

「ああ……それより帰ろう。母さん達が待ってる」

 

一誠がそう言うと、アーシアは心残りがあるような、戸惑いのある顔を浮かべる。

 

他人である自分が居てもいいのか、シスターの自分が悪魔である一誠と一緒にいてもいいのか、その事を気にやんでいるのだろう。

 

初音は事情をよくは知らなくても、何となく察せたのでアーシアに声をかける。

 

「シスターアーシア」

 

「はい?」

 

「家族になるのに、血縁は要らないんだよ。そこに確かな絆が有れば、家族同然。現に私達だって家族みたいなもんだしね」

 

初音の言う通り、今のご時世、血の繋がった我が子や親を簡単に見捨てたりする家族がいれば、例え血縁は無くとも実の家族同然に愛を注ぐ家族もいるように、かなりそこの線引きが曖昧になっている。

 

愛し愛される関係がそこに有れば、それは確かな家族なのだろう。

 

それを肯定するように、万丈もカズミも氷室も笑っていた。

 

それを見たアーシアは更に涙を溢れさせ、一誠に嗚咽混じりに言う。

 

「イッセーさんっ……私っ、本当はイッセーさん家が凄く心地よかったですっ……だから、また帰ってもいいですか?」

 

「勿論」

 

一誠は即答した。

 

それを見て初音は、

 

「実験は成功。ハッピーエンドね」

 

と言うが、一誠はそれを否定する。

 

「まだだ。アーシアが本当に幸せになるには、まだ根本がいる」

 

そもそもこんな事が起きたのは、全てレイナーレって奴の仕業。

 

それを既に知っている一誠は、初音達に事の顛末を話し、もう少し付き合ってほしい了承を得ると、電話で希にアーシアを保護した事を伝え、リアスに自分は無事である事、もう一仕事やる事を伝えると、とある友人に手伝いの電話をかけた。

 

「あ、もしもし冬麻?ちょっと手伝ってくれ」

 

事件は急速に駆け抜けていく。

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

この一部始終を建物の影で見ていた者がいた。

 

それは梨子だ。

 

梨子は無事に一誠達が勝つと安堵の溜め息を吐いて、更に一誠達がレイナーレのいる教会に向かうことを聞くと、その形の良い眉をひそめた。

 

そんな梨子に近づく影が2つ。

 

「リリー…」

 

「っ………よっちゃん。それに穂乃果さん」

 

穂乃果と善子だった。

 

善子は言う。

 

「彼ら……どうするって?」

 

「これから堕天使がいる教会に向かうって……心配だわ」

 

言って眉尻を下げる梨子を横目に、穂乃果が善子に言う。

 

「最初の時間では、この時一緒にいたのは穂乃果なんだよね?それで教会に行ったのも穂乃果」

 

「ええ……それにこの時、戦兎達はいなかった」

 

「それって、右方のフィアンマ?って言う人が時を巻き戻した事に関係あるの?」

 

「多分ね……」

 

特異点である善子もそんなに確信は持てなかった。

 

確かにフィアンマは時を巻き戻した。

 

しかしそれは完全ではなく、現に本来穂乃果が来る所に戦兎達が来ている、そして本来この地にいる筈の竜司や茜達が海外にいる等のイレギュラーが起きている。

 

やはり時を無理矢理巻き戻す等、無理があったのだろう。

 

そんな思考をしつつ、善子は梨子に言う。

 

「それよりリリー。早く彼らの援護に行って。リリーのは出来てんでしょ?」

 

「分かってるわ。それとリリー言わないで」

 

そう言って梨子がポケットから取り出したのは、エグゼイドの顔が描かれたライドウォッチだった。

 

 

 

 

 

 




この作品が前作の二番煎じだからか、あんまり感想も来ないし、お気に入りも増えず、悲しいです。


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episode#9



(OP:Gravitation)

分からない人は黒崎真音さんで検索です。



リアスside

 

 

私は今、頭を悩ませていた。

 

「イッセー………」

 

あんな危険な場所にイッセーを置いてきてしまった。

 

いくら彼が仮面ライダーであっても、ビルドとかの他のライダーがいても、やはり無理矢理にでも連れ帰るべきだったと後悔している。

 

しかも電話で無事が確認できた事に安堵した次の瞬間には、もう一仕事する為に教会に向かうと言って、こちらが反論する前に電話を切られた。

 

多分、そこにいる堕天使を倒すつもりね……。

 

「リアス」

 

そこへ朱乃が話しかけてきた。

 

朱乃には堕天使について調べてもらっており、その結果、駒王町に現れた堕天使は一部の者が独断で行動していることが判明。

 

廃教会を根城にしてるらしく、イッセーもそこにいるはず。

 

「そろそろ行きましょうか?」

 

「あらあら、本当にリアスは心配性ね」

 

「もう、茶化さないで」

 

「うふふ。それで、どうするの、リアス?」

 

「イッセーは例の教会に向かってるから、祐斗と小猫にもそちらに向かってもらいましょう」

 

「それでは、私が二人に連絡を入れておきますわ」

 

「ええ、お願いするわ」

 

朱乃が祐斗と小猫に連絡を入れた後、私と朱乃も堕天使のところへと向かった。

 

 

リアスsideoff

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一誠side

 

 

「冬麻ー!こっちこっちー!」

 

「おう!」

 

俺は『ガタックエクステンダー』に乗ってやって来た冬麻に手を振り、廃教会の前で合流した。

 

勿論、横には戦兎達もいる。

 

アーシアに関しては先に母さん達に預けて、俺は忘れ物をしたとか適当な理由で抜け出た。

 

その時、母さんと美月は思いっきりアーシアを抱き締めていて、アーシアも嬉しそうに2人を抱き締めていて、やっぱりそれを見ると、彼女の幸せを守りたい気持ちがより一層強くなった。

 

だから必ず、ここでケリを着ける!

 

万「つーか、本当にここにいんのかよ?」

 

玄「どう見てもボロ屋だしな」

 

いや、2人の言うことは分かるけど、実際ここにいるんだよな~。

 

冬「とにかく行くぞ。アーシアの幻想を守るために」

 

「ああ!」

 

冬麻の言葉に頷いて、いざ行こうとした瞬間。

 

「ちょっと待ちなさい」

 

女性の声が後ろから聞こえた。

 

振り返るとそこにいたのは、見覚えのある3人だった。

 

「梨子さん!? それに木場と小猫ちゃん!」

 

何故この3人がここに!?

 

「なんでいるんだよ?」

 

「リアス部長の命令でね。堕天使の背後関係が掴めたから討伐に来たんだよ」

 

「…イッセー先輩の援護も兼ねてます」

 

あ、そうなのね。

 

やっぱりリアスや木場達がここに来るのは、運命的に決まってるのね。

 

梨子さんはしばらく眉を吊り上げていたが、すぐに柔らかい笑みを浮かべ、俺に近づいて肩を叩いてくると、やんわりと言ってくれた。

 

「一人で背負わないの。善子ちゃんから聞いてるわ。この時の事、君が悪魔になってる事」

 

ッ!!………そうか、聞いたのか。

 

梨子さんが知ってるって事は、多分母さんや絵里さん、他の人ももうこの時間の事、俺が悪魔に転生した事は知ってるんだろうな。

 

多分だけど、父さん達も。

 

だからここ最近、母さんの態度がよそよそしかったのか。

 

そう思ってると、梨子さんは俺にある物を渡してきた。

 

「はいこれ。ジオウの君には欠かせない物でしょ?」

 

「これは……!?」

 

エグゼイドのライドウォッチ!?

 

まさかこんな所でくれるなんて……でも出来ればビルドも欲しかったな……。

 

初「あ、そうだ緋村一誠。私も渡すものあるんだ」

 

と思ってたら、初音からビルドのライドウォッチを渡された!!

 

「あるんかよ!?」

 

思わずツッコンでしまった。

 

でもラッキー!!

 

これでアナザービルドと戦える!

 

「そういえば、部長と朱乃さんは?」

 

「二人はこの教会の外にいる堕天使の討伐に行ったよ」

 

あー……そういやレイナーレの他にもいたっけ?

 

となると、この場の戦力は俺と冬麻、梨子さんに戦兎、万丈、猿渡さん、氷室さん、木場、小猫ちゃんか。

 

これだけいれば十分過ぎるだろう。

 

教会の入り口に立つと、小猫ちゃんが言ってくる。

 

「先輩、気を付けてください」

 

「ああ、どうやら中で俺達を待っている奴がいるらしいな」

 

前世でも経験した事だから、もう誰が待ってるかは分かる。

 

扉を開けて中に入ると、待っていたのはやはり白髪の男。

 

そしてそいつを筆頭にした大勢のはぐれ神父。

 

「やあやあやあ。感動の再会だねぇ、イッセーく~ん」

 

「フリード………本当に懲りない奴だな。結構重傷だったはずだが………」

 

「勿論、この通り生きてござんすよ!どこにも傷はナッシーング!」

 

本当にゴキブリみたいな奴だな。

 

「退け。お前らに用は無い」

 

俺がそう言うとフリードは笑いながら禍々しいライドウォッチを取り出して起動。

 

《ビルドォ…》

 

「そんな冷たいこと言わないでくれよぉ。俺っちはイッセー君に前回の仕返しをしたいんだからさぁ!」

 

そしてフリードはアナザービルドライドウォッチを体内に取り込んで、アナザービルドに変わった。

 

チッ、レイナーレの奴から貰ったか?

 

とは言え、結局はぶちのめさないといけないようなので、とりあえず俺達は変身する。

 

《ZI-O》

 

俺はジオウウォッチを起動して、ジクウドライバーの右スロットに装着、ロックを解除して変身ポーズを取ってから、

 

「変身!!」

 

ドライバーを回す。

 

《ライダーターイム!カメーンライダー!ジオウ…!》

 

 

梨子さんは『マキシマムマイティXガシャット』を起動する。

 

《マキシマムマイティエーックス!!》

 

梨子さんを中心に金とピンクのゲームエリアが広がると、梨子さんは高らかに叫ぶ。

 

「マックス大変身!」

 

そしてゲーマドライバーにガシャットを差し込む。

 

《マキシマムガシャット!!》

 

ドライバーのレバーを開く。

 

《ガッチャーン!! レベルマァァァックス!!》

 

梨子さんの前にゲートとエグゼイドのアイコンが出てきて、梨子さんは右手を伸ばしてセレクト。

 

更には背後のゲーム画面からエグゼイドの顔を更に巨大化させた物『マキシマムゲーマ』が出てくる。

 

《最大級のパーワフルボディ!! ダリラガーン!! ダゴズバーン!! 最大級のパーワフルボディ!! ダリラガーン!! ダゴズバーン!!》

 

「フッ!」

 

待機音が流れる中、エグゼイドになった梨子さんは左手を握り締めてエグゼイドの頭部部分『アーマライドスイッチ』を押し込んだ。

 

《マキシマームパワー!! エーックス!!》

 

エグゼイドが体を丸めてマキシマムゲーマの中に入ると、手足が生え、上のシャッターが左右に開き、そこから顔を出して装着、エグゼイドは『マキシマムゲーマーレベル99』になった。

 

 

戦兎は『ハザードトリガー』と『フルフルラビットタンクボトル』を取り出して、ハザードトリガーを起動。

 

《マックスハザード・オン》

 

♪~~♪

 

メロディが流れると、ビルドドライバーの後部スロットに装着。

 

続いてフルフルラビットタンクボトルを振る。

 

金縁の方にある蓋を回して、

 

《ラビット!》

 

真ん中から折り、ビルドドライバーに装填する。

 

《ラビット&ラビット!》

 

「変身!」

 

そしてビルドドライバーのハンドルを回す戦兎。

 

《ガタガタゴットン!ズッタンズタン!ガタガタゴットン!ズッタンズタン!》

 

鋳型のようなフレーム『ハザードライドビルダー』が出てきて戦兎をプレス。

 

《Are you ready?》

 

ハザードビルドランナーが開いて消えると、戦兎はビルド・ラビットタンクハザードフォームになる。

 

《オーバーフロー!》

 

その直後、ビルドの側に赤い兎型の強化アーマー・ラビットラビットアーマーが来て、分裂。

 

空中に浮かび、ビルドはそれに向かってジャンプして、縦横無尽に飛び回りながら装着していく。

 

《紅のスピーディージャンパー!ラビットラビット!ヤベーイ!ハエーイ!》

 

ビルドは複眼がどちらもラビットになり、ラビットラビットアーマーの耳がマフラーのようになっていて、胸に金色のビルドのライダークレストがある赤い姿、『ラビットラビットフォーム』になる。

 

《フルボトルバスター!!》

 

そして右手に専用武器である黒い大剣『フルボトルバスター』を持つ。

 

「さぁ……実験を始めようか?」

 

 

万丈は『クローズマグマナックル』を取りだし、そこに『ドラゴンマグマフルボトル』を振ってから装填する。

 

《ボトルバァーーン!!》

 

そしてグリップを折り畳み、ビルドドライバーに付けるとナックルの部分が開いてボトルが剥き出しになる。

 

《クローズマグマ!》

 

万丈がハンドルを回すと、なんとその後ろにナックル状の壺が現れる。

 

《Are you ready?》

 

「変身!」

 

それが傾くと、中に入っていたマグマが万丈を飲み込み、八匹の龍を作りながら冷えて黒く固まる。

 

そして後ろの壺がナックル部分を見せて、後ろから万丈を殴り付けて、溶岩を砕く。

 

「ラァッ!!」

 

そこから出てきたのは、オレンジのスーツにオレンジの翼に似たものが背中に有り、黒い龍を模した装甲が腕や肩、頭や足にあるライダーだった。

 

《極熱筋肉ゥ!! クローズマグマ!!》

 

《アぁァチャチャチャチャチャチャチャッアチャァァァ!!!》

 

万丈は『仮面ライダークローズマグマ』になった。

 

「力が漲る……魂が燃える……俺のマグマが迸る!! もう誰にも止められねぇ!!」

 

 

猿渡さんは今回ビルドドライバーを腰に巻いていた。

 

そして青いナックル型のアイテム『グリスブリザードナックル』を取りだし、そこに『ノースブリザードフルボトル』を振ってから装填する。

 

《ボトルキーーン!!》

 

青いグリップを折り畳み、ビルドドライバーに付けるとナックルの部分が開いてボトルが剥き出しになる。

 

《グリスブリザード!》

 

ハンドルを回すと、彼の膝下が凍りつき、その後ろにクローズマグマと同じナックル状の壺が現れる。

 

《Are you ready?》

 

「出来てるよ……」

 

それが傾くと、中に入っていた冷気が猿渡さんを飲み込み、氷結する。

 

そして後ろの壺がナックル部分を見せて、後ろから猿渡さんを殴り付けて氷を砕く。

 

《激凍心火!! グリスブリザード!!》

 

《ガキガキガキガキ!! ガッキーーン!!》

 

そして左腕が巨大なロボットの腕になっている水色のグリス、『仮面ライダーグリスブリザード』になる。

 

「心火を燃やして……ぶっ潰す……!!」

 

 

《デンジャー》

 

氷室さんはクロコダイルクラックフルボトルを取り出し、蓋を捻ってからスクラッシュドライバーに装填する。

 

《クロコダイル!》

 

「変身」

 

そしてレンチを下げてビーカーに浸かるが、そこをクロコダイルの顎に挟まれて砕かれる。

 

《割れる!喰われる!砕け散る!》

 

《クロコダイルインローグ!オォォラァァァ!!》

 

氷室さんはローグに変わった。

 

「大義の為の……犠牲となれ」

 

 

冬麻はガタックゼクターを腰に巻いた銀のベルトにスライド装着する。

 

「変身!」

 

《HENSHIN》

 

ガタックゼクターから展開された六角形の粒子が冬麻を包み、『仮面ライダーガタック・マスクドフォーム』に変える。

 

 

これを見てアナザービルド…フリードは憎々しげに言う。

 

「ゲッ!? そうかそうかお前らか……僕ちんを殴ったのはァァ!?」

 

あ、そういやこいつグリスとローグの攻撃を受けて気絶したんだっけ?

 

「なら話は早ぇ……イッセー君を潰した後にテメェらも潰してやるよ!!」

 

そう言ってアナザービルドは走り出すが、その行く先は何故かクローズマグマになっていた。

 

万「あ?」

 

「お?」

 

これには万丈も当のフリードも予想外だったのか、そんな声を出して、次の瞬間にはアナザービルドはクローズマグマに抱きついていた。

 

万「うおっ!? なんだよお前!?」

 

「し、知らねぇし!! 俺っちだってお前みたいなクソ悪魔に協力するクソ人間に抱きつくなんて嫌なのに体が勝手に動くんだよ……!!」

 

万「クソってなんだよクソって!?」

 

そう言うフリードの口とは裏腹に、勝手にアナザービルドの口が開いた。

 

『俺、ビルド!お前、クローズ!ベストマ~ッチ♪』

 

そう言って仲良さげにクローズマグマの背を叩くアナザービルド。

 

あ、そう言う事か。

 

これは多分アナザービルドの本質が勝手に働いてるだけだ。

 

だからフリードの意思とは関係なく動いてる。

 

とは言え……。

 

「気持ちわるっ!!」

 

そう言って万丈はアナザービルドを殴って吹き飛ばし、それによりフリードは「ぐへっ!?」と言ってダウンする。

 

うん、確かに今のは気持ち悪いよな。

 

あんな化け物にハグされたら俺なら多分吐く。

 

初「なんか妬けるな~」

 

万「あ?」

 

戦兎、お前何気に万丈の事好きなのか?

 

と、そうこうしてる内にビルド達の体にノイズが走る。

 

初「ん?なにこれ?」

 

万「あ?」

 

猿「何が起こってやがる?」

 

ヤバイな……アナザービルドの誕生で、本来のビルドである戦兎達に影響が出始めてる。

 

こうなったらさっさとアナザービルドを倒すか。

 

そう思った俺は、ビルドライドウォッチを起動する。

 

《ビルド!》

 

そしてドライバーの左スロットに装着して、回す。

 

《ライダーターイム!カメーンライダー!ジオウ…!アーマーターイム!》

 

俺の前にビルド・ラビットタンクを模したアーマーが現れたので、俺はそれにタッチして分解、装着していく。

 

《ベストマッチ!ビ・ル・ドー!》

 

胸の装甲はラビットタンクと同じに、複眼には「ビルド」と書かれ、両肩には赤と青のフルボトルのような大型デバイスが着き、右腕にはドリルクラッシャーを模した大型ドリル『ドリルクラッシャークラッシャー』が装備された。

 

俺は『仮面ライダージオウ・ビルドアーマー』になった。

 

その瞬間、やはりと言うか、

 

(BGM:仮面ライダージオウ バトル)

 

「祝いなさい!全ライダーの力を受け継ぎ、時空を越え、過去と未来を知ろしめす時の王者。その名も、仮面ライダージオウ・ビルドアーマー。まず1つ、ライダーの力を継承した瞬間ですわ」

 

レイヴェルらしきローブの少女が何処からか現れて祝ってくれた。

 

毎回思うが、一体何処から来てんの?

 

「うおっ!? また来やがった!!」

 

万丈は口を開いて驚き、木場も小猫ちゃんも、梨子さんも冬麻もポカーンとしていた。

 

まぁ、そりゃそうなるか。

 

すると戦兎…ビルドが俺に近づいて来て、耳元で何かを言ってきたので、その通りにする。

 

初「勝利の法則は決まった!」

 

「決まったー!」

 

戦兎が隣でポーズを取る中、俺は左手を前に伸ばしてワキワキ動かすが、何故か途中で戦兎に腕を下げられた。

 

解せぬ。

 

「しゃらくせぇ!!」

 

フリード…アナザービルドが向かって来たので、俺達もそれを合図に激突した。

 

 

 



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episode10


まさかカガミンがカブトになるなんて………。

個人的にはすごく微妙だったな~。



◎side

 

 

アナザービルドであるフリードと、ジオウ・ビルドアーマーの一誠が激突した瞬間、冬麻達もはぐれ神父の軍勢と激突した。

 

梨子···エグゼイド・レベル99は腕をゴムのように伸ばして神父達を凪ぎ払ったり、巨大なマキシマムゲーマの体格を利用して神父達をプレスしていく。

 

木場は華麗な剣裁きで翻弄し、小猫は戦車の特性で神父達を殴り飛ばしていく。

 

冬麻···ガタック・マスクドフォームは、肩のガタックバルカンから弾をババババババババッ!! と連射していく。

 

「「「「ぐあああああああああッ!!!?」」」」

 

嵐の如き弾幕で放たれる弾を食らった神父達は絶叫し、なすすべもなく倒れていく。

 

《クラックアップフィニッシュ!!》

 

ローグは早々に必殺技を発動して、紫のエネルギーを纏った拳を神父達に矢継ぎ早に連打していく。

 

「おおおおおおぉぉぉぉ···!! はぁっ!!」

 

グリスブリザードもまた、容赦のない殴りを神父達にぶつけていき、その度に雪の結晶が散る。

 

「おらッ!おらァァァァァァァァ!!」

 

更にサマーソルトキックで目の前にいた神父を蹴りつけ、着地と同時に地面を殴って他の神父達を氷結拘束してから、グリスブリザードはハンドルを一回回す。

 

《シングルアイス!グレイシャルアタック!バリーン!》

 

その音声の後、グリスブリザードは巨大化した左腕のアームで氷結した神父達を捕まえ、地面にクレーターが出来る程に叩きつける。

 

「オラァァァァァァァァ!!」

 

「「「「ぐあああああああああッ!!!?」」」」

 

更にハンドルを2回回す。

 

《シングルアイス!ツインアイス!グレイシャルフィニッシュ!! バキバキバキバキ!バキーン!!》

 

「オラァァァァァァァァ!!」

 

冷気を纏ったグリスブリザードのライダーキックが残りの神父達に決まり、神父達は一旦氷結した後に砕かれて吹き飛ぶ。

 

 

 

クローズマグマは周りを神父達に取り囲まれるも、次々に迫り来る光剣を避けたり、流したりして、一発ずつマグマを灯したパンチを叩き込んでいく。

 

「おらッ!おらっ!おらァァァァァァァァ!!」

 

その一撃に神父達はぶっ飛び、残りがたじろいでる隙に、クローズマグマはハンドルを一回回す。

 

《Ready go!ボルケニックアタック!アチャァ!!》

 

クローズマグマは空高く飛び上がり、その両足にはマグマで出来た八匹の龍『マグマライズドラゴン』が宿っていて、それぞれ自由に動き回っている。

 

そして集束したその瞬間、そのまま残りの神父達にライダーキック『ボルケニックアタック』を喰らわせる。

 

「おりゃああああぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

受けた神父達は「ぐあああああああッ!!」という断末魔と共に吹き飛んだ。

 

 

 

ビルドラビットラビット(以後ビルドRR)は、フルボトルバスターブレードモードで、ある程度神父達の軍勢を斬り伏せると、ハンドルを回す。

 

《ガタガタゴットン!ズッタンズタン!ガタガタゴットン!ズッタンズタン!》

 

《Ready go!ラビットラビットフィニッシュ!》

 

その音声の後、ビルドRRは高く飛び上がり、右足に仕込まれたバネ『ディメンションスプリンガー』を使って長く伸ばす。

 

それは一人のはぐれ神父の手前で止まり、少しの感覚を開けてそのままライダーキックを放つ。

 

「はっ!」

 

身体が縮んで元に戻る勢いを利用した威力が神父に炸裂すると、その背後にいた神父達にも威力が伝播して、ボウリングのピンのように神父達は吹き飛んでいく。

 

ビルドRRは着地するが、その途端に体に走るノイズが酷くなり、次の瞬間には変身が解けてしまった。

 

「嘘······こんな事って·····」

 

自分の意思とは反する事なのか、呆然と自分の手足を見つめる初音。

 

見れば万丈やカズミ、氷室も変身が強制的に解けていて、酷く狼狽していた。

 

幸いにもはぐれ神父達は全員片付けていたので、戦闘中に怪我する事は無かったが····。

 

初音はふと、アナザービルドと戦っているジオウ・ビルドアーマーを見る。

 

戦況はジオウが優勢だった。

 

ドリル型の武器『ドリルクラッシャークラッシャー』でアナザービルドの体を斬りつけたり、ドリルの回転を利用した刺突や斬撃を繰り出したりして、アナザービルドを圧倒していた。

 

「はっ!ふっ!おりゃ!」

 

「げふっ!ごふっ!? がぁ···ッ!?」

 

最後の一突きでアナザービルドは大きく吹き飛び、変身者のフリードは吠える。

 

「クソッ!クソッ!! なんなんだよその力はァァ!!」

 

「そろそろ終わらせようか?」

 

そう言ってジオウは2つのライドウォッチのボタンを押す。

 

《フィニッシュターイム!ビルド!》

 

ロックを解除してドライバー本体を回す。

 

《ボルテックターイムブレーク!!》

 

直後、アナザービルドを斜め直線のグラフが拘束して、ジオウはグラフの上に乗ってドリルクラッシャークラッシャーを前に突き出して滑走。

 

本家ビルドが発生させていた数々の数式の代わりに「方てい式」「よくわからない式」「理解不能」「ラッキーナンバー×ラッキーナンバー」「xとyがいっぱい」「1年生のときに習ったやつ」など、もはや数式ですらないものが多数発生しており、それと共にジオウはアナザービルドに突貫。

 

「おりゃ!」

 

「ぐふっ!?」

 

一度アナザービルドを上に打ち上げてから、落ちてきた所を再度グラフで捕まえて突貫。

 

教会の外に吹き飛ばした。

 

「うぎゃああああああああッ!!」

 

アナザービルドは大木にぶつかり、フリードは気絶。

 

それと共にアナザービルドウォッチは破壊された。

 

尚、この様子を見ていた万丈と初音は、

 

「·····なんか違くね?」

 

「最悪だわ······」

 

こんな会話をしていた。

 

「よっと·······戦兎。これで多分、安定した変身が出来ると思うぞ」

 

「えっ?あ、そう·····」

 

ジオウ···一誠の言葉に初音が上の空気味に返事した時だ。

 

木場が叫ぶ。

 

「不味いよ一誠君!仲間の堕天使が複数こっちに来てる!」

 

「マジか!? ヤバイな·····」

 

一誠がそう毒吐くと、初音が笑顔で言う。

 

「なら堕天使は私達でやるから、他の人はラスボスやっちゃってよ♪」

 

「そうか?なら頼む。木場と小猫ちゃんも戦兎達と一緒に」

 

「わかった」

 

「了解です···」

 

言ってビルド組と木場と小猫は教会の外に駆け出し、一誠と冬麻と梨子は祭壇を退けた所にある隠し扉を開けて、レイナーレの所に向かった。

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

階段を降りきった3人。

 

前にある開きっぱなしの扉から光が漏れている。

 

3人は慎重に扉に入った。

 

中は薄緑色に染まっていた。

 

その中央で一人の修道女が立っており、教会にある十字をひっくり返した、逆十字をじっと見ていた。

 

「……ハエの掃討は終わったかしら?……あら?」

 

女はこちらを向く。

 

修道服が消え去り、黒ビキニのような格好になる。

 

その際どい格好に、マキシマムゲーマを脱ぎ捨てたエグゼイドの梨子は「うわっ···」と軽く引く。

 

「レイナーレ····」

 

一誠が呟くと、レイナーレは背中から黒い一対の羽を生やして、手に光の槍を握る。

 

「久しぶりねイッセー君。たくさんお仲間引き連れてたみたいだけど、3人に減ってるってことは、私の部下達も神父達も、ある程度の仕事はしてるってことかしらね」

 

そう言って更に彼女は紫の禍々しいライドウォッチを取り出して起動。

 

《エグゼイドォ···》

 

『アナザーエグゼイドライドウォッチ』を自分の体内に埋め込み、まるでエグゼイドをプレデターみたいな怪物にした存在・アナザーエグゼイドに変わる。

 

その瞬間、エグゼイドの体に走るノイズがビルドの時みたく酷くなり、梨子もまた変身が強制的に解けてしまった。

 

「くっ·····!これがアナザーライダーの歴史改変能力なの?」

 

歯噛みする梨子を他所に、レイナーレは哄笑する。

 

「あははははは!これで私は更に強くなった!そしてアーシアの力を抜き取って、更に強くなるのよ!」

 

「そんな事させるかよ!!」

 

言って一誠は『エグゼイドライドウォッチ』の外枠を回して、ボタンを押して起動。

 

《エグゼイド》

 

ビルドライドウォッチと差し替えて、ロックを解除してからドライバーを回す。

 

《ライダーターイム!カメーンライダー!ジオウ…!アーマーターイム!》

 

目の前にエグゼイド・アクションゲーマーレベル2を模したアーマーが現れたので、ジオウはそれをタッチして分解、装着していく。

 

《レベルアーップ!エ・グ・ゼ・イー・ド!》

 

胸の装甲はエグゼイドと同じに、複眼には「エグゼイド」と書かれ、両肩の装甲はマイティアクションXガシャットのような形をしており、両腕にはガシャコンブレイカーハンマーモードを模した大型のハンマー『ガシャコンブレイカーブレイカー』が装備された。

 

 

ジオウは『仮面ライダージオウ・エグゼイドアーマー』になった。

 

 

その瞬間、やはり彼女は前触れもなく現れた。

 

(BGM:仮面ライダージオウ バトル)

 

「祝いなさい!全ライダーの力を受け継ぎ、時空を越え過去と未来をしろしめす時の王者。その名も仮面ライダージオウ・エグゼイドアーマー。また一つ、ライダーの力を継承した瞬間ですわ!」

 

「あの時の·····!一体何処から!?」

 

レイナーレ···アナザーエグゼイドは驚くが、二度目になる冬麻や梨子、もはや四度目になる一誠はもう驚かない。

 

それどころか、一誠は梨子と一緒に決めポーズをしていた。

 

「ノーコンティニューで……」

 

「なんかクリアできる気がする!」

 

そう言って片手を上げたジオウを微笑ましく見てから、梨子は部屋の隅に避難した。

 

そしてガタックはガタックゼクターの大あご部分『ゼクターホーン』を弾く。

 

瞬間、ガタックの鎧に電流が走り、少しだけ浮く。

 

「キャストオフ!」

 

そして完全に背中側に倒す。

 

《Cast Off》

 

その音声の後、一気に鎧が弾け飛ぶ。

 

そしてガタックホーンが頭の定位置に着き、ガタック・ライダーフォームへと変化する。

 

《Change Stag Bettle》

 

不意に冬麻はレイナーレに訊ねる。

 

「お前、何でアーシアの力が欲しいんだ?」

 

冬麻は一誠から、アーシアにはあらゆる怪我や病気を治す神器があることを聞いていた。

 

そして神器を抜き取れば、保持者が死ぬことも。

 

それはこのレイナーレも知ってるはず。

 

なのに何故それをするのか?

 

アナザーエグゼイドになっているレイナーレは答える。

 

「決まってるでしょ?私が至高の堕天使になるためよ。そして尊敬するアザゼル様やシェムハザ様の役に立つためよ。それが何?」

 

「いや、いいさ。それだけ聞ければもう何も言うことはない!!」

 

冬麻···ガタックは、右手を握った。

 

 

 

 

 

「お前のその腐った幻想は、ここでぶち殺す!!」

 

 

 

 

 

そう言ってガタックとジオウ・エグゼイドアーマーは構え、アナザーエグゼイドと激突した。

 

 

 



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episode11



とりあえずこの章を最後まで書ききって、そこまでしても何ら反応が無ければ、この作品を続ける事を考え直します。

と言うか、この話がこの章の最後なんですけどね。



挨拶がわりにと、アナザーエグゼイドは光の槍を飛ばしてくる。

 

ガタックとジオウ・エグゼイドアーマーはそれを咄嗟に左右に跳んで、それぞれ避けた。

 

そしてガタックが肩にある双剣『ガタックダブルカリバー』を持って突撃する。

 

「おおおおおおおおおぉぉッ!!」

 

アナザーエグゼイドが飛ばして来た二撃目の槍はカリバーに斬られて形を失った。

 

そのままガタックはアナザーエグゼイドに向かって袈裟斬りに斬りかかるが、アナザーエグゼイドは堕天使の翼を広げてバックステップでそれを回避した。

 

そして両手に光の槍を作ると、それを同時に投げる。

 

ガタックはそれをダブルカリバーで斬り捨て、砕く。

 

アナザーエグゼイドは堕天使の翼を羽ばたかせ、上空から光槍を再度作ると、それを今度はタイミングをずらして投げてくる。

 

ガタックは当然、それすらもカリバーで斬り捨てるが、次々に光槍は放たれる。

 

飛んできては斬り捨て、飛んできては斬り捨て、それを続けていくが、飛んでくるスピードに段々追い付けず、やがてガタックは光槍の一撃を胸に貰う。

 

「ぐあッ!?」

 

後方に吹き飛ぶガタック。

 

それにアナザーエグゼイドが「クスッ」と嘲笑した時、突如下からの衝撃に彼女は体勢を崩され、地に落ちる。

 

「ぐっ·····!? 何が·······!?」

 

見れば大きく跳躍したジオウの姿が。

 

エグゼイドアーマーは、元となっているエグゼイドがアクション的動きが得意なように大ジャンプが得意で、それを活かした攻撃をする。

 

着地したジオウは両手のハンマー・ガシャコンブレイカーブレイカーを前に突き出してアナザーエグゼイドに突貫していく。

 

「うおおおおおおおぉぉぉぉ!!」

 

「ナメるな!」

 

すぐに起き上がったアナザーエグゼイドは光槍を連続で投げてくるが、ジオウはガシャコンブレイカーブレイカーでそれを砕きつつアナザーエグゼイドに接近。

 

ガシャコンブレイカーブレイカーによるアッパーで宙に浮かせ、

 

「はっ!」

 

「ぐっ!?」

 

自分もジャンプしつつ更にアッパーで打ち上げ、

 

「よっと!」

 

「がっ····!?」

 

一旦着地すると今度は大ジャンプでアナザーエグゼイドを追い越し、彼女の腹を殴って「ヒット!」のエフェクトを出しつつ地面に叩きつける。

 

「おりゃ!」

 

「がはっ!?」

 

地面にクレーターが出来るほどの威力に、アナザーエグゼイドは最早満身創痍だが、それでも執念でフラフラと起き上がる。

 

そんなアナザーエグゼイド···レイナーレに冬麻は言う。

 

「……強いな、アンタ」

 

「?……当たり前でしょう?私は仮面ライダーと同じ力を手に入れた。最早誰にも遅れを取らないし、負けないわ」

 

レイナーレは息を荒げながら嗤う。

 

その姿に冬麻は言った。

 

「じゃあなんでアーシアを狙う……いや、神器を狙うんだ?」

 

「言ったでしょ?私達のトップ、アザゼル様やシェムハザ様、彼らの力となる為よ!アーシア・アルジェントの治癒の力、それと同等の価値があるライダーの力。私はその力を持ってして、彼らの傷を癒す役目、あるいは強力な兵士として彼らを守るの。そう、私がお二方の力となれるの!こんな素敵な事はないわ!」

 

彼女は両手で自身の身体を抱き、悶える。

 

この動機に一誠はやはり隠しきれない怒りを覚えた。

 

それをレイナーレにぶつけようとした、その寸前。

 

「ふざけるな!!」

 

冬麻の叫びにその怒りは霧散し、レイナーレはハッと正気に戻る。

 

レイナーレの目に氷城冬麻、ガタックが映った。

 

「テメーの勝手な都合に、アーシアを巻き込むんじゃねえ!俺はあの娘の事はあまり知らない。それでも、あの娘が物凄く優しい娘だけなのは分かる!多分アンタの計画を知っても、アンタが謝ればすぐに許してくれる程に優しい娘だ。それなのに、アンタはそんな娘を犠牲にするってのかよ!?」

 

レイナーレはその言葉に目を見開く。

 

「アーシアから強引に神器を奪う御大層な理由が強くなるため?お偉いさんの力になるため?何が二人の力になるだ!他人から奪った力で強くなって、偉い奴らを守るなんて、そんなもんで守られたって、アザゼルだかシェムハザだかいう奴らは喜ばない!! アナザーライダーの力だってそうだ!それは誰かから与えられた物だろ!? テメェ自身の力じゃないだろ!アンタの言うお偉いさんは、テメェ自身の力で役に立ってほしい筈だろ!!」

 

「うるさい!!」

 

今まで話を聞いていたレイナーレが、突如激昂した。

 

「お前なんかに私の何がわかる!天から堕ちたあの日、穢れた私をアザゼル様は拾ってくれた!シェムハザ様は堕天使の私を認めてくれた!それが途方も無い絶望に染まっていたあの日の私にとって、どんなに嬉しかったか!私は彼らの為なら命を投げ出す覚悟だって出来た!その為に何百年もの間、死に物狂いで努力した。少しは地位も上がり、部下もできた」

 

その言葉には何処か、悲痛さがあった。

 

「でもそれだけ!私の手には、あの方々の背中は程遠い!とてもじゃないけど追いつけない!私は少しでも早く力になりたいのに!! でもそんな時、アナザーライダーの力を手に入れた。そして神器があれば私はさらに上に昇れる。遠かったゴールがもうすぐそこなのよ!? それを知ってしまったら、そうするしかないじゃない!!」

 

「そのために、他の奴を犠牲にして良いと思ってるのかよ!?」

 

アナザーエグゼイドは大跳躍を駆使してガタックに飛びかかり、その顔を殴り付ける!

 

ライダーと堕天使の力が合わさった攻撃はかなり響くようで、ガタックは膝をつき、思わず梨子は間に入りそうになったが、ジオウが横からアナザーエグゼイドを殴ったので、なんとか踏みとどまる。

 

アナザーエグゼイドはよたつくも、なんとか踏み留まるとジオウを殴り付ける。

 

ジオウも後ろにたたらを踏むが、なんとか踏み留まり、ガタックと共にアナザーエグゼイドを殴る。

 

そこからは殴り合いの応酬だった。

 

ガタックが殴ればアナザーエグゼイドが殴り返し、ジオウがガシャコンブレイカーブレイカーで殴ればアナザーエグゼイドも負けずに殴り返し、2人同時に殴ればアナザーエグゼイドは2人を殴り返す。

 

その殴り合いの中でレイナーレは吐露する。

 

「自分が正しくない事をしているのは分かってんのよ!! それでも、私はもう耐えられない!何百年ものの間、気の遠くなるような時間を、私は堕天使としての力を磨くために費やした!でもそれはすぐに目標に到達する前に限界を迎えた!でもライダーの力や神器さえ在れば、そんな努力なんて要らないし、限界も越えられる!あなた達にわかる!? 長きに渡る努力よりも、たった一つの強力な力を手に入れる方がずっと効果的だと知った私の気持ちが!今までの時間を無駄にした、私の気持ちが!!」

 

アナザーエグゼイドのダブルパンチが2人の腹に入り、ジオウとガタックは後退する。

 

その中で冬麻は叫ぶ。

 

「わかんねぇよ!でも、ひとつだけ言える!お前の長い努力は無駄なんかじゃねぇ!頑張ってここまで来たんだろ!部下だってちゃんとお前に従ってた!堕天使達だって皆、お前の為に動いてた!」

 

一誠が言う。

 

「レイナーレ!俺達がこうやって戦ってる間も、戦兎達はお前の部下に足止めされてる!これ以上お前の戦況を悪くしないように!だってそうだろ!? もしお前の部下達がお前を見限れば、すぐにでも戦兎達がここにやって来て、お前は大きく劣勢になる。それでも戦兎達が中々来ないのは、お前の部下達が頑張ってるからだろ!それが何よりのお前の努力の証じゃねぇか!!」

 

冬麻が続きを引き継ぐ。

 

「それを無駄だって言うなら、お前は一生上になんて昇れねぇ!追いつくことなんてできねぇ!だってお前が話すアザゼルやシェムハザってのは、部下に対して優しくできる奴らだからだ!部下を無駄だと言える奴がそいつらに追いつけるはずがねえ!!」

 

そう言ってガタックは腰のスイッチを押す。

 

「クロックアップ!」

 

《Clook Up》

 

機械音とともに“世界が止まる”。

 

否、わずかにだが動いている。

 

クロックアップ。

 

ガタックのようなライダーを始めとした、マスクドライダーシステム最大の特徴とも言える、この機能は、いわば超高速の特殊移動方法。

 

タキオン粒子を体に纏い、別の時間流を自在に往き来できるのだ。

 

そのクロックアップの中でガタックは、ゼクターのボタンを三回押す。

 

《one・two・three》

 

ガタックはゼクターホーンを元に戻す。

 

「ライダーキック!」

 

そして再び反す。

 

《Rider Kick》

 

タキオン粒子が発生し、ガタックホーンに流れ、右足に集まる。

 

そしてガタックはジャンプする。

 

「おらぁぁぁぁぁぁ!!」

 

そのままボレーキックの要領でアナザーエグゼイドにライダーキックを食らわせた。

 

《Clock Over》

 

「あ゛あああああああッ!?」

 

クロックアップが解けるとアナザーエグゼイドは大きく吹き飛び、背後の逆十字にぶつかる。

 

逆十字は壊れ、煙が立ち昇る。

 

しかしそれでもアナザーエグゼイドの姿が解けることは無く、変身者のレイナーレは立ち上がる。

 

ここで梨子が左親指で左腰の辺りを連打するジェスチャーをしながら一誠に言う。

 

「今よ!キメワザよ!」

 

その声でジオウは装着してる2つのライドウォッチのボタンを押す。

 

《フィニッシュターイム!エグゼイド!》

 

ロックを解除してドライバー本体を回す。

 

《クリティカルターイムブレーク!!》

 

直後、専用のキメワザカットインが現れ、ジオウはそれを上に跳ね上げて、ガシャコンブレイカーブレイカーで地面を叩き、衝撃波を飛ばしてアナザーエグゼイドを打ち上げる。

 

「がはっ!?」

 

無抵抗のアナザーエグゼイドが宙に浮いてる間にジオウも跳んで、カットイン時の枠線を先にアナザーエグゼイドに叩き付け、最後に「クリティカルタイムブレイク」という文字のエフェクトをアナザーエグゼイドに向かって直線に並べ、ハンマーになってる両手を前に出して突貫。

 

「おりゃああああああああああッ!!」

 

「ヒット!」の文字を連続で出しながら連続攻撃し、アナザーエグゼイドを圧し潰す。

 

「ごはっ!?」

 

地面に叩き付けるとアナザーエグゼイドの姿は解かれ、レイナーレに戻り、出てきたアナザーエグゼイドライドウォッチは自壊した。

 

尚、これを見ていた梨子は一言。

 

「そんなんじゃないんだけどなぁ········」

 

それを横目に、変身を解いた冬麻はまだ意識のあるレイナーレに言う。

 

「まだお前の人生は終わっちゃいねーんだ。お前が積み上げた努力はちゃんと報われてる。それでもその努力を全否定して、他人に迷惑かけてでも楽がしたいってんなら、そんな幻想はぶち殺す·······」

 

その言葉を最後に、レイナーレは意識を落とし、この戦いは幕引きを迎えた。

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

この戦いの結末を見ていた者がいた。

 

前方のヴェントだ。

 

「あ~らら、負けちゃってんの。やっぱり落ちこぼれは落ちこぼれね。次は誰にしようかな~」

 

そう言って彼女は新たなアナザーライドウォッチを片手で弄びながら、その口を引き裂くように歪めた。

 

「待っててね~、氷城冬麻く~ん、赤龍帝く~ん。すぐに殺してあげるから♪」

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

またヴェントとは違う者、ローブの少女もこの戦いの結末を見届け、誰にともなく呟いた。

 

「こうして、我が魔王、緋村一誠は仮面ライダービルド、仮面ライダーエグゼイドのライドウォッチを手に入れ、無事に継承出来ました。残るウォッチは17個。果たして次のレジェンドライダーは誰になるでしょう?」

 

 

 

 

 




やっと一章が終わりました。

感想、待ってます。


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EX:1



割りと反応があったので、続けます。

それと今回は番外編です。


一誠side

 

 

あの事件から3日が経った。

 

レイナーレ以外の堕天使は全て倒され、事が終わると戦兎や梨子さん、冬麻達は帰っていった。

 

更にアーシアが悪魔に転生した。

 

言わずもがな、リアスの眷属としてだ。

 

何でも俺と一緒にいたくて、リアスにお願いしたらしい。

 

リアスは悪魔になる以外の道も提示したが、それでも悪魔の俺とずっと一緒にいたい一心で、転生したらしい。

 

しかも駒王学園に転入して、俺と同じクラスになってまで。

 

何気にアーシアって大胆な所があるよな。

 

いや、嬉しいけどね!

 

そんで俺が悪魔になった事は、やはり母さん達は知っていた。

 

どうにも前世を覚えてる善子さんから聞いたらしく、レイナーレとの戦いから帰ってきた時に、いつになく真剣な顔で迎えられた時はビックリしたぜ。

 

と言っても、まだ美月達のような未覚醒の妹'sには言ってないけどな。

 

あ、そうそう、レイナーレの処遇だが、普通に冬麻が連れ帰って居候させてるらしい。

 

独断で動いた結果、アザゼル先生の所にも帰れない。

 

かといってグレモリー管理の地にいてもあれなので、結果、冬麻が引き取ることになった。

 

今じゃ氷城家のメイドとして家事全般やってるらしく、大物ユーチューバーの善子さんの手伝いもしてるようだ。

 

そんな日々を送っての3日後、俺達オカルト研究部員はいつものように部室でくつろいでいた。

 

するとリアスが俺とアーシアに言ってきたんだ。

 

「イッセーとアーシアもそろそろ使い魔を持ってみない?」

 

「使い魔、ですか?」

 

そういやそんな出来事も前世ではあったな。

 

結果、アーシアは使い魔ゲットしたけど、あの頃性欲剥き出しの俺はゲット出来なかったからな~。

 

「そう、使い魔よ。あなたとアーシアはまだ持っていないでしょう?」

 

使い魔は悪魔にとって、手足となる使役すべき存在だ。

 

情報伝達や偵察、他にも悪魔の仕事で役に立つ。

 

と言うか、仮面ライダーの俺に使い魔っているのか?

 

そう思ってると、リアスの手元に赤いコウモリが現れた。

 

「これが私の使い魔よ」

 

リアスの髪と同じ色でなんか気品がある。

 

次に朱乃さんの手に小さな鬼が現れる。

 

「私のはこの子ですわ」

 

小猫ちゃんが呼び出したのは白い子猫だ。

 

「………シロです」

 

シロっていうのか。

 

言っちゃなんだが安直だな。

 

あと、木場の使い魔は小鳥。

 

小鳥と聞いて、ことりさんがちらつく俺は末期だろうか?

 

まぁ、とにかく俺とアーシア以外の眷属は自分の使い魔を持っているのはみたいだな。

 

「部長、使い魔ってどこで手にいれるんですか?」

 

「それは」

 

リアスが言いかけた時だった。

 

 

 

コンコン。

 

 

 

部室の扉がノックされた。

 

あ、来た来た。

 

未来から戻ってきた俺には分かるぞ。

 

この後来るのは、ソーナ会長を始めとした生徒会にしてシトリー眷属のみんなだ。

 

そして予想通り、

 

「失礼します」

 

扉を開けて、数人の女子と一人の男子、シトリー眷属が入ってくる。

 

久しぶりだな、彼女達とも。

 

フィアンマとの戦いでは、ソーナ会長を守って匙も他のシトリー眷属も死んじまったからな······。

 

「リア···部長。やはり彼女達も悪魔ですよね?」

 

一応確認の為に訪ねると、

 

「あら、イッセー……気が付いていたのね?」

 

リアスは俺の言葉に関心を持ったようにそう言う。

 

まあ未来から過去に戻ってきてるんで、既に知ってる事なのですよ。

 

「リアス、そこの彼はもしかして…」

 

「ええ……最近、私の眷属の『兵士』になった緋村一誠、そしてイッセーの後ろに隠れているのが『僧侶』で元シスターのアーシア・アルジェントよ」

 

リアスは会長に俺達を紹介すると、俺とアーシアは一歩前に出て頭を下げる。

 

一応この時間流では初対面になるしな。

 

「リアス部長の下僕で『兵士』の緋村一誠です」

 

「そ、『僧侶』のアーシア・アルジェントと申します!」

 

すると会長は俺達に少しお辞儀して、にこりと笑ってくる。

 

「はじめまして…学園では支取蒼那を名乗っていますが、本当の名はソーナ・シトリー。上級悪魔でシトリ―家の次期当主です」

 

「それでソーナ……今日は何用なの?」

 

「ええ。お互い、下僕が増えたようですし交流を兼ねてと思いまして……匙」

 

「はい、会長!」

 

すると今まで会長の隣にいた、この中の唯一の男子生徒、匙が大きな声を上げて前に出てくる。

 

ちなみにアーシアは俺の背中に隠れている。

 

やっぱ人見知りし易いタイプだな~。

 

「はじめまして。ソーナ・シトリー様の兵士となりました、2年の匙元士郎です。よろしくお願いします」

 

「俺と同じ兵士か。よろしくな」

 

俺がそう言うと匙はため息をついた。

 

「俺としては、いつも覗きばっかりしている変態三人組の一人であるお前と同じなんてプライドが傷つくぜ。まぁ、最近はそれも鳴りを潜めて筋トレばっかしてるみたいだが、いつ再開することやら」

 

……あー、そういやこんなやり取りもあったなー。

 

懐かしいけど、やっぱりムカつく。

 

「会っていきなりそれかよ?」

 

「おっ?やるか?俺は駒4つを消費した兵士だぜ?お前なんかに負けるかよ」

 

すごく挑発的な物言いも変わらないな。

 

「止めなさい、匙」

 

すると会長は匙の頭を強くはたいた。

 

途端に匙は頭を押さえて、その場にうずくまると、会長が俺に頭を下げてくる。

 

「か、会長!なんでそんな奴に頭を下げるんですか!?」

 

「黙りなさい、サジ。今のはどう見てもあなたが悪いです。あなたも無礼を詫びなさい」

 

「で、ですが」

 

「どうやらあなたは、緋村君を自分より弱い存在だと思っているようですね。それは大きな間違いです」

 

「ど、どういうことですか?」

 

匙が会長に尋ねる。

 

会長は、はぁとため息をついてから、それに答えた。

 

「良く聞きなさい。彼、緋村一誠君は今代の赤龍帝です。しかもリアスの『兵士』の駒を8つ消費しています。そして彼は本物の『仮面ライダージオウ』です…」

 

「ジ、ジオウ…!? この緋村が!?」

 

「あなたでは勝つことはおろか、戦いにすらならないでしょう。無礼を詫びなさい、匙」

 

匙は会長に怒られて、俺の前にでて頭を下げる。

 

「すまなかった、緋村……」

 

「いいって。気にすんな。まぁ、取り敢えず」

 

ポンと肩を叩き、

 

「うちのご主人様に謝ってくれ」

 

親指でリアスを指すと、途端に匙は青ざめ、土下座でリアスに謝った。

 

ずっと笑顔で米神ひくつかせてたもんな、リアス。

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

取り敢えず問題を解決し、会長は部室を去っていった。

 

そして今、俺達はとある森に来ていた。

 

使い魔の森。

 

そう呼ばれているらしい。

 

辺りは薄暗く、不気味な雰囲気だ。

 

 

 

 

 

 

「ゲットだぜぃ!!」

 

「ひゃ!」

 

突然の大声に、アーシアは可愛い悲鳴声を上げながら俺の後ろに隠れてしまった。

 

声がした方を見ると帽子を深くかぶり、ラフな格好をしたおっさんがいた。

 

「俺はマダラタウンのザトゥージ!使い魔マスターだぜ!」

 

「ザトゥージさん、連絡しておいた子達を連れてきたわ」

 

リアスは使い魔マスターことザトゥージさんを紹介する。

 

つーか、前世でも思ったけど、絶対この人マ◯ラタウンのサ◯シ意識してんだろ?

 

どう聞いてもさっきの自己紹介がそれを物語っている。

 

「イッセー、アーシア、この人は使い魔のプロフェッショナル、ザトゥージさんよ。今日は彼のアドバイスを参考にして、使い魔を手に入れなさい。いいわね?」

 

「「はい!」」

 

ま、今は使い魔ゲットするのに集中するか。

 

「ちなみにザトュージさん。ここらで最も強い魔物って何ですか?」

 

「おう!それはこいつしかいねぇ!龍王の一角、そして龍王最強と謳われる伝説級のドラゴン!天魔の業龍《カオス・カルマ・ドラゴン》、ティアマット!時たま姿を現しては暴れまわるらしいが、まあ手にれられた悪魔などはいないぜ!」

 

『ほぅ、ティアマットか。懐かしい名だな』

 

ドライグは俺の中でしみじみといったように呟く。

 

なんだ、知り合いなのか?

 

『ああ…昔、白いのを倒すのに躍起になっていた時、奴から色々と宝具を借りていてな』

 

ほうほう。

 

『それで最後に倒された時、それらを返せてなくて、世界中に散らばってな。以降、俺は奴から借金取りみたく追われている』

 

うん、お前マジでダメな奴だな。

 

借りパクはダメだろ、借りパクは。

 

『くっ、ぐぅの音も出ん····』

 

そうドライグと会話していると、リアスが言ってくる。

 

「赤龍帝に龍王…イッセー、命令よ!ティアマットを使い魔にしなさい!!」

 

「死ねってか!?」

 

「だって見てみたいじゃない。赤龍帝と龍王のセット」

 

そんな軽い感じで言わないで!

 

「…それにしても今日の森は静かすぎる」

 

するとザトュージさんは怪訝な顔つきになった。

 

そして次の瞬間、辺りに凄まじい強風が吹き渡り、そして突然、轟音のような音が響いた!

 

肌で感じることが容易なほどのこの威圧感。

 

空を見上げると……巨大なドラゴンの姿があった。

 

蒼穹の体躯が目立つ美しいドラゴン。

 

そう―――龍王ティアマット!

 

しかし何だか吹き飛ばされてるような格好だ。

 

それは皆も疑問に思ったのか、しばらく注視していると、ティアマットは宙で反転して、俺達とは別の方向に蒼いブレスを吐いた。

 

そのブレスはかなり大きいが、中央から引き裂かれるように分かれていく。

 

そしてそんな芸当をやっていたのは、

 

 

 

 

 

 

「シェヤッ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

赤と銀のシンプルカラーが目立つ光の巨人、原点にして頂点。

 

そうーーー初代ウルトラマンだ!

 

ウルトラマンが飛び蹴りでブレスを真ん中から引き裂き、ティアマットを蹴り飛ばした!

 

ティアマットは地面に落下して、盛大な土煙を上げる。

 

いやちょっと待て。

 

何でウルトラマンがここにいんの!?

 

竜司さん、あなた海外にいるんじゃないの!?

 

「ウルトラマン!? あの伝説の巨人をここで見られるなんて·····!」

 

リアスが地味に感動してる!?

 

そしてザトゥージさんが言う。

 

「そういや、時々だがティアマットがウルトラマンと戦ってるの、見かけた事あるぞ。その時はいつもお互い、模擬戦をやってるような感じだったな」

 

えっ?そんな事がここで時々あったの!?

 

それヤバくね?

 

ここ冥界だろ?

 

何でウルトラマンが普通にここに入って来れるの?

 

おかしくね?

 

『どうした竜司!? もう疲れたか!?』

 

普通の女性声でそう吠えるティアマット。

 

見ればウルトラマンはティアマットと取っ組み合っていたが、やや劣勢気味だった。

 

そしてお互い距離を開けるとティアマットはブレスを、ウルトラマンは両腕を組んでスペシウム光線を撃った!

 

「ヘヤッ!」

 

2つが激突した瞬間、蒼い閃光が辺りを目映く照らす!

 

ぐっ、眩しい!

 

ザトゥージさんが言う。

 

「あー········ここは危険だ。今回ティアマットの捕獲はやめよう」

 

それにリアスが「そうですね」と賛同。

 

俺達は背後から鳴り響く轟音を背に、違う場所に向かった。

 

そして結果から言うと、アーシアは前世でも同じく蒼雷龍《スプライト・ドラゴン》をゲット。

 

俺も同じく、ここではゲット出来なかった。

 

というのもだ、使い魔になってくれる生物が皆、俺を見かけると逃げていくのだ。

 

ドライグ曰く、ジオウの力が関係してるみたいだ。

 

冬麻じゃないけど、不幸だ······。

 

そういや帰り際に、竜司さんらしき男性をおんぶした、蒼い髪の綺麗な女性を見かけた。

 

とてもスタイルが良く、特に胸が大きかった!

 

『あれがティアマットの人間態だぞ?』

 

なんですと!?

 

そんな事がありながら、俺は使い魔探しを終えた。

 

 



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戦闘校舎のフェニックス
episode1


第2章です。



俺、緋村一誠の朝は早い。

 

起床は朝の5時。

 

ジャージに着替え、キッチンで水を飲んだ後、外に出て修業を行う。

 

現状に満足しちゃいけない、フィアンマを倒せるくらいに強くなるためには日々の努力だ。

 

まずは隣町まで10kmのランニング。

 

次に腕立てや腹筋などの基本。

 

そしてジカンギレードを使って素振り。

 

基本的な修業はこんな感じだな。

 

これを一通りこなしてから、アーシアや美月を起こし、母さんが作ってくれた朝食を皆で食べる。

 

「あ、イッセーさん、お茶淹れますね」

 

「ん、ありがと」

 

平和だな。

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

朝、教室にて。

 

「アーシアちゃん、おっはよー!!」

 

「アーシアちゃんおはよう。今日もかわいいな」

 

登校した俺達に気付いた松田と元浜が挨拶をしてきた。

 

「おはようございます、松田さん、元浜さん」

 

アーシアが挨拶を返すと、二人は感無量の表情になりながらしみじみと口を開く。

 

「元浜君!」

 

「ああ!分かるぞ松田よ!美少女から挨拶!朝から生き返る思いだ!」

 

まぁ、その気持ちは分かる。

 

そういえば、こいつら俺に挨拶は?

 

「なぁ、俺もいるんだけど」

 

俺がそう言うと般若の形相で俺を睨んできやがった!

 

「うるさいわ!この裏切り者め!」

 

「そうだ!美月ちゃんという可愛くてスタイルの良い妹がいるだけでも羨ましいのに、アーシアちゃんがホームステイだと!? ふざけるな!」

 

「おまけにオカルト研究部にまで入部だと!? お前があの美女美少女軍団と同じ部活に入るなど言語道断!今すぐ退部するか、俺達を紹介しろ!」

 

「そうだ!あるいは誰か可愛い娘を紹介しろ!」

 

「「お願いします!!!」」

 

そう言って俺にしがみついてくる二人。

 

しかも、目にはうっすら涙。

 

「ウザいから離れろ!」

 

何で朝から男にしがみつかれなきゃいけないんだよ!

 

むさ苦しい!

 

「俺達と同じエロ三人組だったお前が急にエロを止めて筋トレに精を出した挙げ句、女の子に囲まれる生活なんて間違っている!」

 

そんなこと言われてもなぁ。

 

そうしてると、担任である絵里さんが来た。

 

「はーい皆!席について!」

 

「ほら、絵里さんが来たぞ」

 

「くぅ~!数いる女教師の中でも一二を争う美女っぷりを誇る絵里先生とも仲が良いなんて····!」

 

「羨ま死ね!」

 

んな事言われてもな~。

 

あの人は母さんの親友で、その縁で仲が良いだけだしな~。

 

「ほら一誠君!早く座って!」

 

なんか俺だけ注意された!?

 

そんなこんなで日々が過ぎていく。

 

そういやこの時期だと、そろそろアイツが来るな。

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

俺は今、自分の部屋のベッドに横になっている。

 

美月とアーシアは風呂に入っている。

 

宿題は終わっているし、悪魔の仕事もない。

 

「もう寝るか………」

 

そう漏らして瞼を閉じようとした時だった。

 

突然、部屋に魔法陣が浮かんだ。

 

そして、魔法陣からはリアスが現れた。

 

はい来たーーーーーー!!

 

これも覚えがあるよ!

 

どうせこの後、私を抱いて、とか素晴らしいお言葉が来るのよ!

 

でもその背景を知ってるから素直に喜べない。

 

とりあえず知らないふりで訊いてみよう。

 

「あ、部長。どうしたんですか?」

 

俺が尋ねるとリアスは何も言わず、こちらをじっと見てくる。

 

えっ、ちょ、何?

 

なんか喋ってくださいよ。

 

「あの~、部長?」

 

「………イッセー」

 

「は、はい」

 

「今すぐ、私を抱きなさい」

 

………はい来た~。

 

部屋が静まりかえる。

 

これを聞くのは二度目だけど、やっぱり凄いインパクトだよな~。

 

「それは何故に?」

 

俺が聞き返すと無言のまま、リアスは俺を押し倒して馬乗りになった!

 

「ち、ちょっとリアス!?」

 

思わず名前を呼んでしまったが、それを気にする事なくリアスは言う。

 

「お願い………。祐斗は根っから騎士だから、ダメだろうし、あなたはこういうことに興味あるでしょう?」

 

「え、えーと………」

 

「………イッセー!」

 

「は、はい!」

 

「至急、私の処女を貰ってちょうだい!」

 

いかん、今のリアスは冷静じゃない。

 

多分婚約の事だろう。

 

今のリアスを止めるには、少し躊躇いがあるが、もう言うしかない。

 

そう考えてると、リアスは俺の前で服を脱ぎ、全裸になり始める。

 

あ、これはこれで良いかも······。

 

じゃなくて!

 

俺は慌ててリアスの肩を掴み、やめさせる。

 

「イッセー?」

 

「部長、いやリアス。俺の話を聞いてほしい」

 

「··········イッセー?」

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

「そう、あなたは全て······こうなる事を知ってたのね」

 

悲しげに呟くリアス。

 

何とか行為をやめさせた俺は、ベッドにリアスを座らせ、今過ごしてるこの時間の事を話した。

 

一度巻き戻された時間である事。

 

今の俺は、壊された時間から来た、未来の出来事に関する知識を持った一誠である事。

 

右方のフィアンマの事。

 

そして俺とリアスが恋人同士であった事。

 

それを聞いたリアスは黄昏るように部屋の天井を見つめる。

 

「やっぱり、信じられませんよね?」

 

俺はそう訊ねる。

 

こんな荒唐無稽な話、信じろというのが無理だ。

 

下手すりゃ頭おかしいのかと疑われるレベルだ。

 

なのに。

 

「いいえ、私はあなたを信じるわ。だって、あなたはこういう場面では嘘を吐かない人だって、知ってるもの」

 

彼女は····リアスは母性溢れる微笑みでそう言ってくれた。

 

直感で分かる。

 

同情で言ってるんじゃない。

 

本気で俺の事を信じてくれているのだと。

 

そう思うと、すごく嬉しくなった。

 

リアスは「それに」と言うと、胸の内を吐露する。

 

「初めてあなたを見た時、初対面じゃない感覚が私の心を満たしたの。この光景、この状況が二度目だという変な感覚。それと同時に、祐斗やお兄様に感じる愛情とはもっと別の愛情が、あなたを見る度に私の心を満たす。それだけで今の話が本当だと分かる」

 

言ってリアスは、「我ながらロマンチスト過ぎたわね」と自嘲し、俺のベッドから立つ。

 

「ゴメンなさい、イッセー。今日は迷惑かけちゃったわね」

 

「いえそんな·······」

 

俺がそう言うとリアスはこちらに振り返り、年相応の少女の笑顔を浮かべて訊いてきた。

 

「ねぇ、どうして私はあなたに恋をしたの?イッセーは分かる?」

 

「すいません。ちょっとそれは········」

 

リアスには悪いが、俺もどうしてリアスに好かれたのかわからない。

 

そこまでは知識が無いからな。

 

そう答えるとリアスはクスクスと笑い、俺がそれを見て安堵した時だ。

 

俺の部屋に銀色に光る魔法陣が展開される。

 

あ、ついにグレイフィアさんが来るな。

 

予想通り、魔法陣からメイド服を着た銀色の髪の若い女性が現れた。

 

グレイフィアさんだ。

 

生きてるこの人を見るのも久しぶりだな。

 

そしてやっぱりかなりの美人だな。

 

グレイフィアさんはリアスを確認するなり、口を開いた。

 

「こんなことをして破談へ持ち込もうとしたわけですか?」

 

グレイフィアさんは呆れた口調で言う。

 

「こうでもしないと、誰も私の話を聞いてくれないでしょう?………まぁ、今はもう冷静だからそんな馬鹿なことはしないのだけど」

 

「そうですか。それならば、良いです」

 

するとグレイフィアさんは俺の方を見てきた。

 

「その龍のオーラ………。中々の強者とお見受けしました………」

 

「緋村一誠といいます。リアス・グレモリー様の兵士をやってます」

 

「私はグレモリー家に仕えるグレイフィアと申します。この度はお嬢様がご迷惑をお掛けしました」

 

グレイフィアさんは俺に頭を下げてきた。

 

その後、再び魔法陣を展開してリアスの方を振り返る。

 

「お嬢様」

 

「ええ、分かっているわ。一度、私の根城に戻りましょう。話はそこで聞くわ。朱乃も同伴でいいかしら?」

 

「『雷の巫女』ですか?私は構いません。王たる者、傍らに女王を置くのは常ですので」

 

「よろしい。イッセー」

 

リアスはそう言うと俺に近寄り、俺の頬へチュッと、自分の唇を触れさせた。

 

おおおおお!?

 

ほっぺにキスされたぁぁぁあ!!

 

「明日、部室で会いましょう。今日の事は多分知ってると思うけど、明日またちゃんと説明するわ」

 

「は、はいっ!」

 

俺は突然のことで頷くことしか出来なかった。

 

リアスは別れを告げると、グレイフィアさんとともに魔法陣の光の中に消えていった。

 

俺はキスされた頬をさすりながら、しばらくボーッとしてしまった。

 

 

一誠sideoff

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◎side

 

 

翌日。

 

少女・神田雷花は、氷城冬麻との約束のために、指定した曜日、つまり今日の更に指定した時間の30分前·······12時半から待ち合わせの場所に来ていた。

 

だが。

 

「来ない……」

 

待ち合わせには早めに来るのが当然でしょ、などと甘い考えを持っていた彼女は、その幻想を軽々と壊されてしまい、約束の1時になっても待ちぼうけを食わされていた。

 

と言うか本来は平日で登校日なのだが、彼女や冬麻が通う高校と中学が同時に振り替え休日だったので、こうしてデートの約束を取り付けたのだが……。

 

「遅い……遅い遅い遅い遅い遅い遅い!!」

 

あまりにも遅すぎる事に、雷花のイラつきは頂点に達していた。

 

その心境を現実に出すかのように、彼女の力である電撃が額から迸る。

 

その時、ようやくお目当ての人物がやってきた。

 

「いやー、ごめんごめん」

 

全く悪びれることのないその様子に、さらに彼女は腹が立ってしまう。

 

「あのねえ……用意し忘れた私の誕生日プレゼントの代わりに、アンタは私の言うこと何でも1つだけ聞くって言ったわよね?それに甘えてみれば……どうして私は1時間も待たされなきゃならないのかしら!?」

 

前髪から電撃をバチバチと鳴らしながら、雷花は冬麻に食って掛かった。

 

「いや、それには深い訳が……って、あれ?確か約束って1時だったよな?」

 

雷花は「1時間も待たされた」と言ったが、現在時刻は1時半。

 

それに対し約束の時間は1時。

 

つまり、約束の時間からは30分しか経っていないはずであるが……。

 

「お前30分前からここにいたのか?そりゃあ、悪かったな」

 

「ば、別にきっちり1時間前から待っていたわけじゃ……」

 

顔を赤らめてそう言う雷花に対し、冬麻の表情が真剣なものに変わる。

 

彼が滅多に見せないその表情に、さらに彼女の鼓動が速くなっていった。

 

「雷花、お前……」

 

「だから、その……」

 

小さな頃から育んできた自分の気持ちがばれるのでは、と緊張していた彼女だったが、

 

「あら?アンタここで何してんの?」

 

そこに運悪く、第3者の声が冬麻にかかった。

 

「んあ?」

 

「へっ?」

 

見るとそこにいたのは、修道服のスカートをスリットのように破き、左脚を大きく露出させている氷城家の居候メイド、レイナーレだった。

 

「レイナーレ……お前こそ何してんの?」

 

「見ての通り、今日の夕飯の食材買ってたの。アンタの家、殆んど調味料ばっかで引いたわよ」

 

そう言ってレイナーレは買い物袋を掲げ、冬麻はそれに得心するが、視界の隅で雷花がプルプル震えているのに気付く。

 

「ん?どうした雷花?」

 

「ねぇ、アンタこの女性とどういう関係なの?私聞いてないわよ?」

 

そう言った雷花の瞳に光は無かった。

 

プラス前髪から迸る電撃が激しくなっている。

 

それに異常な危機感を抱き、背筋に冷たいものを走らせた冬麻はゆっくりと後退。

 

そしてレイナーレは悪戯を思い付いたようにニヤリと唇を歪め、冬麻の腕に躊躇なく抱きついた。

 

自分の大きな胸を押し付けるように。

 

「初めまして♥️ 最近彼の家に同居(居候)し始めたレイナーレと申します。以後よろしくお願いします♥️」

 

「ちょ、レイナーレさん!?」

 

火に油を注ぐ発言に冬麻がビクッとしたその瞬間、

 

 

 

 

 

 

 

 

「おどれはまた悪い癖をぉぉぉぉおおおおおおおおおおおお!!」

 

「んぎゃぁぁあああああああ!!!? 不幸だぁぁあああああああああ!!」

 

 

 

 

 

 

 

雷花の電撃が暴発、不幸な少年は修羅場を味わった。

 

そしてそれを、黒髪ツインテールの小柄な女性が見ていた。

 

 

 

「青春ねぇ~············さっさと絵里の所に行こっと」

 

 

 

 



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episode2



レイヴェルの独り言。

「この本によると、赤龍帝にして、かつてウルトラマンドライグだった高校生【緋村一誠】…彼には右方のフィアンマによって大切な者全てを壊され、過去に飛ばされた経緯を持っていた」

「自分の他にもフィアンマの事を覚えていた氷城冬麻…仮面ライダーガタックと共に堕天使レイナーレを矯正した我が魔王」

「そしてアーシア・アルジェントや仲間と共に平和を謳歌していたある日、リアス・グレモリーに夜這いされる。更にはライザー・フェニックスという男も現れ、そこに地白ニコ、雨崎絵里の2人もやって来て…おっと、読みすぎてしまいましたわ。ここから先は、皆さんにとって未来の話」



一誠side

 

 

放課後。

 

俺はアーシア、木場と共に部室へ向かっている。

 

「イッセー君、大丈夫かい?顔色が優れないようだけど………」

 

「………ああ、ただの寝不足だ………大丈夫」

 

帰ったらすぐに寝よう………。

 

つーか、今日早く帰れるのか?

 

昨日の件もあるし。

 

それに、グレイフィアさんの気配が旧校舎からしてるんだよな。

 

俺達が部室の近くまで来た時だった。

 

そこで木場がハッとしたように顔を上げた。

 

「………まさか僕がここに来るまでこの気配に気がつかなかったなんてね」

 

木場も気付いたんだろうな。

 

アーシアは何のことか分からないみたいだ。

 

「とりあえず入ろうぜ」

 

俺はドアを開ける。

 

部室にはリアス、朱乃、小猫ちゃん、そしてグレイフィアさんがいた。

 

やっぱりか。

 

「全員そろったわね。部活を始める前に話があるの」

 

「お嬢様、私がお話しましょうか?」

 

リアスは腕を横に伸ばして、グレイフィアさんの申し出を断る。

 

「実はね」

 

リアスが何かを言おうとした時だった。

 

部室の床に、魔法陣が出現した。

 

それと共に広がる熱い炎。

 

ちっ、遂に来やがったか。

 

「………フェニックス」

 

俺の傍で木場がそう呟く。

 

魔法陣からは炎が巻き起こり、熱気が部室の中を包む。

 

そしてその炎の中心に男の姿があった。

 

ライザー・フェニックスだ。

 

にしても相変わらずいけ好かない顔だし、派手な登場だな!

 

部室が火事にでもなったらどうしてくれる!

 

「ふぅ、久々の人間界だ」

 

ライザーは初めて会った時と同じ、赤いスーツを着崩して、ネクタイをせずに胸までシャツをワイルドに開いている。

 

「やぁ、愛しのリアス。会いに来たぜ」

 

う、ウゼェ·····!

 

超絶ウゼェ!

 

この時のライザーはリアスの婚約者だからこういう態度なんだろうけど、上から目線のイケメンぶってるのが鼻につく!

 

俺の渋い顔を見て、グレイフィアさんが言う。

 

「緋村一誠様。この方は純血の上級悪魔であり、古い家柄を持つフェニックス家の三男、ライザー・フェニックス様であらせられます。そしてこの方はグレモリー家次期当主、リアスお嬢様と婚約されております」

 

「あ、はい、そうっすか」

 

すいませんグレイフィアさん。

 

その情報、もう知ってます。

 

 

一誠sideoff

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◎side

 

 

 

同時刻。

 

オカルト研究部のある旧校舎に、荷物を持って向かっている女性2人がいた。

 

一方の女性はとても美しく、綺麗な金髪をポニーテールに纏め、アイスブルーの目が輝く。

 

もう一方の女性は隣の彼女と比べると、とてつもなく小柄で、艶のある黒髪をツインテールにしている。

 

雨崎絵里と地白ニコ。

 

どちらもμ'sの元メンバーだ。

 

絵「いや~、ホントいい所に来てくれたわニコ」

 

ニ「いや、ドーナツ差し入れに来たら何で私も手伝わされてんの?」

 

いい笑顔で言う絵里に、ニコは呆れる。

 

ニコとしては、ドーナツを差し入れに出したらとっとと帰るつもりだったのに、まさかのヘルプに駆り出された事に、疑問を解消出来なかった。

 

と言うか本来部外者の自分が居てもいいのかという疑問も出てくるが、ここの教員である絵里が一緒なら大丈夫なのだろうと、勝手に自己完結する。

 

「って言うか、ぬぁんでオカルト研究部がお茶葉を頼んでるのよ?」

 

「さぁ?」

 

ニコは自身が持つダンボールの箱に目を落とす。

 

中には紅茶の茶葉が入った袋が、沢山詰まっていた。

 

何故、絵里とニコがこの荷物を持って、旧校舎に向かっているのかというと、本来オカルト研究部に届ける担当の教員に他の仕事が入ってしまい、急遽絵里が届けることになった。

 

しかし量が多い。

 

他の教員も自分の仕事で忙しい。

 

困っていた所に、元大銀河宇宙No.1アイドルのニコが来たので引っ捕らえ、今に至るという訳だ。

 

2人は旧校舎を見上げる。

 

ニ「こんなボロ屋使ってるなんて、悪魔の感性って分かんないわ」

 

「まぁまぁ。さっ、入るわよ」

 

そう言って2人は旧校舎に入る。

 

「そう言えばニコ」

 

「何よ?」

 

「ここに真姫がいればBiBiになるわね」

 

「·········そう言えばそうね」

 

「············呼んじゃう?」

 

「止めなさい。あの娘だって忙しいんだから」

 

 

◎sideoff

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一誠side

 

 

「いやー、リアスの女王が淹れてくれたお茶は美味いものだ」

 

「痛み入りますわ」

 

朱乃はニコニコしてるけど、いつもの笑顔とは何処かが違う。

 

ソファに座るリアス。

 

ライザーがその隣に座り、リアスが嫌がるのも気にせず、髪を触ったり、肩やら手を触っている。

 

おのれライザー!!

 

そのヒトは俺の恋人なんだぞ!?

 

まぁ今は違うから、こんな事言っても無駄なんだけどな。

 

それでもやっぱり腹立たしい。

 

一発不意打ちで殴りたい気分だ。

 

だけど、ここで手を出したらリアスに迷惑をかけることになる。

 

さて、どうしたものか………。

 

「いい加減にして頂戴!私は前にも言ったはずよ。私はあなたとは結婚しないわ!」

 

リアスはライザーの手を振り払って、そしてソファから立って言い放つ。

 

「それは以前にも聞いた。だが、そういうわけにもいかないだろう?君のお家事情は意外と切羽詰まっているのだろう?」

 

「余計なお世話よ!私は次期当主、婿くらい自分で決めるわ。私が本気で好きになった人を婿にする。それくらいの権利は私にもあるわ」

 

リアスが自分の気持ちをハッキリとライザーに言った。

 

ライザーはそれを耳にすると、舌打ちしてリアスを睨み付けた。

 

そして、全身からプレッシャーを放つ。

 

炎が広がり、部室を再び熱気が包む。

 

「俺もな、フェニックスの看板を背負っているんだよ。名前に泥を塗られるわけにはいかないんだ。………俺はお前の眷属、全員を焼き尽くしてでもお前を冥界に連れて帰るぞ」

 

それを聞いた瞬間、俺は、

 

 

 

「何ほざいてんだクソ野郎。俺の大事な仲間を焼き尽くすだと?」

 

 

 

俺はライザーの殺気を消すように、殺気を放った。

 

勿論、アーシア達には届かないように。

 

「っ……気に入らんな、転生悪魔の分際で、この俺に意見するとは」

 

「だから?」

 

俺は嘲笑を込めてライザーに返した。

 

悪いがこっちは一度最上級になってんだわ。

 

今更そんな貶しじゃ俺の心はぶれねぇぞ?

 

するとライザーは、案の定表情をイラつかせた。

 

「よぉ焼き鳥。怒ったか?」

 

「貴様ァ……っ!この俺を愚弄するか!?」

 

「ん?やるか?」

 

俺がジオウライドウォッチを取り出して、まさに一触即発の空気になった時、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おやめください、緋村様、ライザー様」

 

俺とライザ―の真横にいつの間にかグレイフィアさんの姿があった。

 

グレイフィアさんの体から漏れる魔力は恐ろしいほどに強力なものだった。

 

「私はサーゼクス様の命によりここにいます故、この場に置いて一切の遠慮はしません」

 

「………最強の女王候補と称されたあなたに言われたら俺も止めざるを得ないな」

 

取り敢えずは俺も大人しくする。

 

するとグレイフィアさんはため息を吐いた。

 

この人はいつも大変そうだな。

 

「……グレモリー家もフェニックス家も当人の意見が食い違うことは初めから気づしていました……ですので、もしこの場で話が終わらなければということで最終手段を用意しました」

 

「最終手段?」

 

リアスがグレイフィアさんにそう質問すると、グレイフィアさんは話し続ける。

 

「お嬢様が自らの意思を押しとおすのであれば、この縁談を『レーティングゲーム』でお決めになるのはどうでしょう」

 

やっぱそう来るか。

 

『レーティングゲーム』………爵位もちの上級悪魔が自分の下僕を戦わせるゲームのことだ。

 

まぁ前世でやったこのゲームでは、見事に俺個人はライザーに惨敗。

 

絵里さんや蒼輔がいなけりゃ、マジで負けてた。

 

すると途端にライザーは得意げな顔をして嘲笑した。

 

「リアス、俺は既に成人していて、レーティングゲームを幾度も経験している……それに勝ち星も多い……どう考えても、君が勝てるとは思えないけどな」

 

確かに不利かもな。

 

俺がウルトラマンやジオウの力を持ってなくて、経験がなけりゃの話だがな。

 

「おいリアス……もしかしてとは思うが、君の眷属はここにいるだけで全部か?」

 

ライザーは俺達を見渡してそうリアスに問い掛けた。

 

「ええ、そうよ」

 

すると何が可笑しいのか、ライザーは大きく笑いだした。

 

ウゼェ·······堕天使の涙ぶちこみてぇ。

 

善子さんの創作料理、かなり辛いからそれをぶちこみてぇ。

 

「あはは!おいおい、それでこの俺と戦おうと言っているのか?君の下僕では『雷の巫女』と謳われる君の『女王』くらいしか、俺の眷族とまともに対抗できないと思うが……それに」

 

ライザーは朱乃の二つ名を呟いた後、高見沢ベルデ宜しく指を鳴らす。

 

すると部室の床にまたもやフェニックスの紋章が現れた。

 

そして部室は再び、炎に包まれて、そしてその炎の中には、15にもなる人影があった。

 

「俺の眷属は全部で15名。フルでそろっているわけなんだが……だから君が俺に勝てるとは到底思えないね」

 

俺はその人影を見る。

 

やはりというか、そこには男の姿はなく、全てが全て、美少女や美女と呼べるような女の子だらけ!

 

あ、レイヴェル発見。

 

向こうも俺に気づいたのか、軽くウインクしてきた。

 

『相棒、アイツ絶対前世の記憶覚えてるぞ』

 

まぁ俺がジオウの時、毎度の如く祝ってくれてたし、正体言及するとそれを匂わすような事言ってたし、十中八九覚えてるだろうな。

 

何でレイヴェルが覚えてるかは分からないが。

 

「どうだい下僕悪魔君?童貞の君にとっては羨まし···」

 

「うん、羨ま死ね」

 

折角人が色々考えてる時に、邪魔するように口を出してきたライザーに、ニッコリと笑ってそう吐き捨ててやったぜ!

 

「なっ!? 貴様、俺を愚弄するつもりか!?」

 

「うるせぇよ!この腐れ焼き鳥野郎!!!」

 

「腐れ焼き鳥野郎だと!? 貴様ァァァ!!」

 

「ライザー様、落ち着いてください……」

 

するとあいつの眷属の一人である大きな杖を持った女が、ライザーに近づく。

 

「ユーベルーナ……。ああ、そうだな。少し落ち着こうか」

 

すると、ライザーはその女性を抱き寄せるとキスをしやがった!

 

しかもこんな公衆の面前でディープキス………。

 

この光景も二度目だな~······羨ま死ね!

 

「お前、部長と結婚するつもりでこの場にいるんじゃないのか?」

 

俺は怒りを押し殺してそうライザーに問い掛けた。

 

するとライザ―は眷属の口元から唇を離し、そして俺の問いに答えた。

 

「ああ、愛するぞ?俺のハーレムの一人としてな」

 

っ………この野郎、やっぱぶちのめす!

 

「人間界のことわざで、英雄、色を好むってのがあるだろ?それだよ、それ」

 

「お前の何処に英雄要素があるんだ?ただの盛りのついた猿じゃねーか」

 

俺は遠慮もなしにそう断言し、リアスの前に庇う様に立つ。

 

「お前には部長は不釣合いだ。この変態焼き鳥野郎が!」

 

「ふん………ミラ、やれ」

 

ライザーは近くにいた棍棒を持った小柄の女の子に命令する。

 

あ、これも二度目だ。

 

ふとレイヴェルの方を見ると、どうぞやっちゃってください的に、連続ウインクしてくる。

 

割りと対応厳しいな、レイヴェル。

 

さて、どういなすか。

 

そう考えてる間にも、少女はこっちに突進してくるが、

 

 

 

 

 

《バインド・プリーズ》

 

 

 

 

 

 

 

その音声の後、少女は自分の周りに現れた4つの魔方陣から伸びた鎖に捕らわれ、動きを止められる。

 

「なっ·····!?」

 

少女は驚きの声を出し、ライザーも驚きの声を上げた。

 

「なんだっ!?」

 

俺はふと扉の方を見る。

 

そこには、

 

「ニコさん!? それに絵里さんも!」

 

なんと母さんの親友であるニコさんと、同じく母さんの親友でここの教員でもある絵里さんが、扉に背を預けて立っていた。

 

と言うか何でニコさんがここにいるの?

 

校内的に部外者だよね?

 

「貴様何者だ!? ミラを離せ!」

 

ライザーが怒鳴るも、ニコさんは鼻を鳴らすだけ。

 

「アンタいい年した男の癖に女の子を向かわせるとか、男としてどうなの?」

 

「なんだと?」

 

お、ニコさんの物言いにライザーの眉がひくついてる。

 

良いぞニコさん!

 

もっと言ってやれ!

 

絵「それで?……これはどういう状況かしら?グレモリーさん」

 

「それは……」

 

絵里さんの疑問にリアスが言い淀んでいると、リアスの近くにいたグレイフィアさんが代わりに話し出す。

 

「それは私から話しましょう」

 

絵「あなたは?」

 

「リアス様のメイド、グレイフィアと申します」

 

絵「そう……」

 

そこへライザーが割って入る。

 

「というかさっきも聞いたが、お前ら誰だ?」

 

絵「やれやれね。人に名を訪ねるときは、まず自分からと、おばあ様に習わなかったの?」

 

あ、懐かしいやり取りだな。

 

「………ライザー・フェニックスだ。貴様達は何者だ?」

 

それに対し、ニコさんは左中指にある指輪を見せながら、絵里さんは人差し指を天に向けて言う。

 

「地白ニコ。希望の魔法使いよ」

 

「天の道を往き、総てを司る女。………雨崎絵里よ」

 

これって普通に聞くと、かなり痛い言葉だよな。

 

「ほう。人間の女にしちゃあ、大それた通り名だな」

 

絵「あなたもね。フェニックスですって?せいぜい焼き鳥がいいとこでしょう?」

 

「なっ!? 貴様!人間の分際で!」

 

どうやらライザーはキレたらしい。

 

「燃やしつくす!!」

 

ライザーの体から炎が吹き出る。

 

そこへ、

 

「ライザー様。お納めください」

 

グレイフィアさんが止めに入る。

 

「ぐっ!………わかりました。この場は手を引きましょう。しかし!そこの女達をレーティングゲームに出してもらいましょう!ここに入ってきたということは、こいつらと何らかの関わりがあるということでしょう?」

 

ニ「上等よ!絵里、アンタは出なくていいわ。私だけで充分よ」

 

ニコさんが拳をポキポキ鳴らして不敵な笑みを浮かべると、ライザーは炎を納め、自分の眷族の中に入っていく。

 

「じゃあな、愛しのリアス。そして人間の女!逃げるんじゃねーぞ!」

 

そうして、ライザーは魔方陣で何処かへと消えていった。

 

レイヴェルを残して。

 

多分レイヴェルは自分の意思で残ったのかもな。

 

それに疑問を持ったのだろう。

 

リアスが訊ねる。

 

「貴女は帰らないの?」

 

「はい、私は我が魔王、イッセー様に御用があるので」

 

「我が········魔王?」

 

それにリアスが首を傾げ、他の皆も要領を得ないのか顔を見合わせる中、レイヴェルは俺の前にひざまずいた。

 

「先程は私の兄が無礼を働きました。我が魔王。どうかお許しを」

 

「いやいや大丈夫だから。顔を上げて?レイヴェル」

 

「えっと、イッセー?悪いけど説明をしてほしいのだけど」

 

ま、そうなるよね。

 

ってな訳で、俺は皆に簡単な説明をすることになった。

 

 

一誠sideoff

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◎side

 

 

ライザー・フェニックスは人間界から帰ってきた後、自分の部屋で冷や汗をダラダラと流していた。

 

(なんなんだ、あの小僧は······っ!?)

 

思い出すは一誠の殺気。

 

自分の存在が、殺気が薄れる程の大きな殺気。

 

例えるなら魔王。

 

それと対面しているかのような錯覚を覚えていた。

 

気を抜けば自分が失神しかねない。

 

ライザーはそう感じていた。

 

そんなライザーに、女性の声がかかる。

 

「お困りのようだね~」

 

「誰だ!?」

 

声は自分の眷属の誰の者でも無かった。

 

見ればそこにいたのは、緑髪の女性。

 

右手に巨大な十字ハンマーを持ち、チロリと出した舌の先には小さな十字架が小さな鎖を介してピアスのように付けられている。

 

十字架、聖水は悪魔にとって効き目抜群の物。

 

そんな十字架を持ってる女性を見て、ライザーは嫌な汗を流しながら訊ねる。

 

「教会の者か?」

 

「半分正解。私は前方のヴェント。ねぇ、力が欲しいと思わない?」

 

「何?」

 

いぶかしむライザーを他所に、ヴェントは彼に近づき、ある物を埋め込んだ。

 

「でもまぁ···」

 

「ぐっ!? あああああああああぁぁぁぁ!!!?」

 

「悪魔の意見なんか知らないけどね」

 

《ウィザードォ····》

 

直後、ライザーは異形の姿に変わった。

 

 

 

 

 

 

 

「おめでとう。今日からアンタが仮面ライダーウィザードよ」

 

 

 

 

 

 

 

 



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episode3



レイヴェルの独り言。

「この本によると、赤龍帝にして、かつてウルトラマンドライグだった高校生【緋村一誠】…彼には右方のフィアンマによって大切な者全てを壊され、過去に飛ばされた経緯を持っていた」

「ライザー・フェニックスが気に入らなかった我が魔王は、大胆にもライザーを貶し、更には地白ニコ、雨崎絵里もライザーを貶し、キレたライザーは2人の参加を希望。応じるように地白ニコが勇ましく参戦した」

「そして10日の間に強くなる為、我が魔王は自分の友人を呼び出して…おっと、読みすぎてしまいましたわ。ここから先は、皆さんにとって未来の話」


一誠side

 

 

俺達、グレモリー眷属とライザーのレーティングゲームが行われることが決定した日の翌日。

 

俺達はグレモリー家が人間界で所有する別荘で泊まり込みの修業を行うことになった。

 

因みに、昨日部室で俺はレイヴェルと共に、リアスに話した事を他の面々にも話した。

 

やはり皆信じられないという顔をしていたが、その記憶が無いながらにも懸命に補足してくれた絵里さんやニコさん、リアスの説得もあって、皆俺の話を信じてくれた。

 

しかもアーシアからは、『イッセーさんにはこれから起こる事が全て分かっている。だから私の時も、嘘を吐いてまで助けようとしてくれたんですね』と、笑顔で礼を言われた。

 

結論、アーシアは天使!

 

それとレイヴェルだが、今はライザーの眷属なので、一旦帰った。

 

しかしゲームで俺が勝てば、即座にライザーとの契約を打ち切って、俺の元に来るらしい。

 

まあレイヴェルにも色々と事情があるし、仕方ないよね。

 

それとレイヴェルが前世の記憶を保持していた理由だが、どうやらフィアンマによって時間が巻き戻されるその寸前まで意識を持っていたのが起因しているらしい。

 

つまりだ、この理論で行けば、時間が巻き戻されるその寸前まで意識を持っていれば、冬麻や善子さんみたいな特異点じゃなくても記憶を保持しているという事だ。

 

だけどそんな奴、いるのかな~と考えつつの現在。

 

俺達は別荘に向かうべく山道を歩いている。

 

周囲には自然豊かな木々が生い茂り、小鳥が鳴いている。

 

景色も申し分ない。

 

「わぁ、良い景色ですね!」

 

「そうだな。都会では見れない景色だ。写真撮ってやろうか?」

 

「はい!」

 

そう言って向こうにある山をバックにして、アーシアはニッコリ笑う。

 

よし。

 

綺麗に撮れた。

 

後で父さんと母さん、美月に見せてやろう。

 

「い、イッセー君。余裕だね………」

 

木場が笑顔をひきつらせながら言ってきた。

 

「え?何が?」

 

「………イッセー先輩、自分の状況を見てください」

 

小猫ちゃんに言われて自分の状況を見直してみる。

 

背中と肩にはリュックサック。

 

リアスや朱乃、アーシアの荷物が入っている。

 

そのため、リュックサックはかなり大きい。

 

木場や小猫ちゃんも同じ状況だ。

 

特に問題とすることではないだろう。

 

「木場や小猫ちゃんだってリュックサック背負ってるだろ」

 

「そうじゃなくて………。今、君はそれだけの大荷物の上に、アーシアさんを背負っているんだよ?」

 

そういえば、そうだった。

 

アーシアが軽くて忘れてた。

 

「まぁこれも特訓の内だ」

 

フィアンマの奴は、滅茶強いからな。

 

なんせサーゼクス様の攻撃を無力化して、一瞬で倒したような奴だ。

 

体力をたくさんつけるのに越した事はない。

 

「はははは········流石は未来人」

 

「寄せよ。そんな未来人なんて呼ばれるもんじゃないさ」

 

「イッセー先輩を未来人と言わないなら、誰を未来人と呼ぶんです?」

 

そんな事言われてもな~。

 

「3人とも~!早く来なさ~い」

 

あ、リアスからお呼びがかかった。

 

「分かってますよ!」

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

それから歩くこと10分弱。

 

目的地には着いた。

 

目の前に立つ別荘は、とにかくデカイ。

 

まるで豪邸。

 

まぁプールや温泉もあるくらいだしな。

 

真姫さんや鞠莉さんの所と、いい勝負出来るんじゃね?

 

 

 

 

『なにそれ?意味分かんない』

 

『シャイニー!』

 

 

 

 

はっ!? 今2人の声が聞こえたような!

 

「イッセーは見るの、二度目になるのよね?」

 

「ええまぁ····」

 

未来の知識を持ってる事は、これから起こる事に対処しやすいってのもあるが、こういう新鮮さも味わえなくなるんだよな。

 

ちょっと悲しい。

 

「それじゃあ早速修業といきましょう。部屋に案内するから、各自ジャージに着替えて集合するように」

 

リアスの言葉で俺達はリビングに荷物を置き、案内された部屋で着替えることになった。

 

俺は着替える前にリビングで水を飲んでいる。

 

「じゃあ、僕も着替えてくるよ」

 

木場が青色のジャージを持って言ってくる。

 

「おう」

 

「覗かないでね」

 

「殴るぞ、この野郎!」

 

「ははは、冗談だよ」

 

まったくこいつは········。

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

今回の修業での俺の主な役割は皆を鍛えることだ。

 

勿論、俺も昔からの友人に鍛えて貰うつもりだが、そいつがまだ来てないので、それまでは皆の相手をすることになった。

 

最初は木場の相手をしている。

 

木場は『魔剣創造《ソード・バース》』という神器を持っており、その力で作った魔剣を持って、ジオウになった俺と向き合っていた。

 

「いくよ、イッセー君!」

 

「来い、木場!」

 

木場は魔剣を両手で構えて突っ込んでくる。

 

それを俺はジカンギレードで受け止める。

 

木場は力で敵わないことを知ってか一旦下がり、騎士のスピードで俺を翻弄しようとする。

 

そして、フェイントを混ぜながら次々と斬りかかってくる。

 

それを俺はジカンギレードで防いだり、受け流したりする。

 

「僕の攻撃を全て流すなんてね!」

 

「今のお前より速いお前を見てきたんだ。対処も簡単だよ!」

 

言って俺は重い蹴りを木場の腹に見舞う。

 

「ぐっ!?」

 

尻餅をついた木場の喉元にジカンギレードを向ける。

 

「っ!………参りました」

 

降参した木場。

 

「ほれ、タオルとスポーツドリンクだ」

 

「ありがとう。………僕はスピードと剣術には自信があったんだけどね。こうも歯が立たないと少し自信を無くすよ」

 

「気にすんな。俺は未来の知識を持ってんだ。こうなっても仕方ねぇよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

「当たってください………!」

 

木場の次は小猫ちゃんとの組手をしている。

 

小猫ちゃんから放たれる拳は鋭く、当たった木は折れて倒れた。

 

相変わらず小猫ちゃんの小さい体からは想像できない威力だな。

 

的確に中心線を狙ってくる。

 

たまに俺が攻撃をすると、それを避けて瞬時に懐に入ろうとする。

 

狙いも正確だ。

 

ただ、攻撃が単調だ。

 

なので彼女が突き出したパンチを手を添えて受け流し、逆肘固めを決める。

 

「ぐっ····!」

 

苦痛に顔を歪める小猫ちゃんから手を離す。

 

「···参りました。流石未来人のイッセー先輩です」

 

「その呼び名やめて」

 

地味に逆肘固め決めた事根に持ってるな。

 

俺は小猫ちゃんの隣に腰を下ろすと、あることを話す。

 

「なぁ小猫ちゃん·······黒歌に会いたくないか?」

 

「っ!?」

 

やはり反応するか。

 

小猫ちゃんは俺の腕を掴むと、焦るようにまくし立ててくる。

 

「姉様がどこにいるか知ってるんですか!?」

 

「ああ、俺の家にいる。ただな小猫ちゃん。黒歌の事を誤解しないでほしい」

 

「········どういう事ですか?」

 

多分小猫ちゃんは、黒歌が力に呑まれたと思ってる。

 

でもそれは違う。

 

2人を拾った悪魔が、まだ幼い小猫ちゃんにも仙術を強要して、それを止めようとした黒歌によって殺された。

 

黒歌のやった事は悪い事だし、結果的に小猫ちゃんを追い詰める事になったけど、それでも全ての元凶はその悪魔。

 

黒歌は悪くない。

 

「黒歌を許してあげて?」

 

そう言って俺は小猫ちゃんの頭を撫でて、次に朱乃さんの元に行った。

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

「ありがとね」

 

朱乃さんの元に行く途中の芝生。

 

そこで一匹の黒猫に声をかけられた。

 

「黒歌か?」

 

そう言うと、黒猫は一人の美女に変わった。

 

黒い着物を着崩し、豊満な胸の谷間を大胆に見せた美女に。

 

「イッセーちんは不思議だよね~。私達の事を何でも知ってる。まるで未来から来たみたい」

 

その言葉にドキリとする。

 

黒歌には、この時間が巻き戻されたものだという事を、まだ言ってない。

 

それに彼女を見る度に思い出す。

 

フィアンマの手で妹共々殺された彼女の最後を。

 

「あんまり姿現すなよ?」

 

「分かったにゃ!」

 

それを最後に彼女と別れる。

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

朱乃の所に行くと、アーシアに魔力の手解きをしていた。

 

俺の姿が見えると、一旦中止して模擬戦を始める。

 

俺はジオウに変身して、ジカンギレードをジュウモードに変えて、空から雷を撃ってくる朱乃さんと対峙。

 

彼女が遠慮なく撃ってくる雷をなんとか回避しつつ、朱乃さんに光弾を撃って反撃していた。

 

にしても彼女の攻撃力はやはり高く、しかも広範囲に放ってくるから大きく避ける必要がある。

 

更に言うなら攻撃に緩急を付けているから余計に攻めにくい。

 

「流石は朱乃さん。雷の巫女と呼ばれるだけはあります」

 

「あらあら、誉めてもらえて嬉しいですわ」

 

いつものニッコリ顔でそう言ってくる朱乃さん。

 

やっぱり美人だよなぁ。

 

そうだ、ちょっと聞きたい事があるんだ。

 

「朱乃さん、ちょっといいですか?」

 

「あらあら、朱乃って、呼び捨てでもいいんですよ?」

 

「あー、それはまたの機会に」

 

時間が巻き戻されている事を話したついでに、朱乃と小猫ちゃんとアーシアはリアス同様、俺の恋人だった事を話したら、妙に呼び捨てをお願いしてくるんだよな。

 

因みにアーシアは赤面して、小猫ちゃんは微妙な顔をしていた。

 

「それより朱乃さん。やっぱり堕天使の力は使いたくないですか?」

 

朱乃さんは堕天使と人間との間に生まれて、紆余曲折があって悪魔に転生した存在。

 

その紆余曲折が、また父親のバラキエルさんと拗れに拗れた関係なんだよな。

 

朱乃さんは嫌そうな、苦しそうな顔で言った。

 

「やっぱり未来から来たイッセー君は全て知ってるのね。ごめんなさい。あの人の力はまだ·····」

 

やっぱりこの時点ではまだ嫌悪感があるか。

 

「でも朱乃さん。母親の朱漓さん、生きてますよね?」

 

俺の記憶が正しければ、朱漓さんはウルトラマンネクサスに救われてる筈。

 

「ええ、ウルトラマンネクサスに助けられて······今も元気です」

 

やっぱり………それでも割り切れない感情があるか……。

 

「嫌なら仕方ありません。朱乃さんの心の整理が着くまで、待ちますよ」

 

「ごめんなさいイッセー君………」

 

「いいんです。気にしないでください」

 

その分、俺が頑張ればいい。

 

幸い、ウルトラマンドライグの力もライドウォッチとして残ってるし、ニコさんもウィザードとして参加するし、ライザーに勝てる要素は充分にある。

 

それに、この特訓にはあいつも呼んでるからな。

 

「じゃあ朱乃さん。アーシアの魔力指導お願いします。アーシア、頑張れよ?」

 

「「はい!」」

 

2人の元気な返事を聞いて、俺はある場所に向かった。

 

そこは別荘からかなり離れていて、森が開けて暴れるには丁度いい広場がある所。

 

そこに徒歩でマイペースに向かっていき、一足早くそこで待っていた人物に声をかける。

 

「よう、早いな?」

 

「まぁ暇だったしな」

 

その人物は茶色のロングコートを翻し、テンガロンハットを浅くかぶり直した。

 

「じゃあ始めようぜ?

 

 

 

 

 

 

 

………鎧(ガイ)」

 

 

 

 

 

 

そこにいたのは、俺の古い友人にして、ウルトラマンオーブに変身する少年、土方 鎧だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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episode4

◎side

 

 

一誠が自身の修行相手に選び、呼んだのは、ウルトラマンオーブの土方 鎧だった。

 

一誠はジクウドライバーを腰に当て、鎧はオーブリングを取り出す。

 

ふと一誠は訊ねる。

 

「なぁ鎧。今のこの時間の事は······?」

 

「お袋から聞いてる。冬麻からも電話で聞いたしな」

 

どうやら今過ごしてる時間が一度壊され、巻き戻されたものだという事は、鎧も聞いてはいたようだ。

 

とは言え、その顔に浮かんでいたのは半分の信用と、半分の疑惑だった。

 

「最初は疑惑しか無かった。だって今生きてる時間が巻き戻ったものだって言われても、信じられるか?」

 

それを聞いて、一誠は確かに、と納得する。

 

鎧は続ける。

 

「けど言われると可笑しな部分はあった。しずくやエマ達のライブに、妙な既視感を感じるんだ。それに今の俺なら本来持ってない筈のウルトラフュージョンカードの数々。それらが既にあることにも違和感があった。何よりジャグラーがおかしい」

 

「ジャグラー?ジャグラーがどうした!?」

 

何か手がかりがあるかもしれない。

 

そう思った一誠は鎧に詰め寄り、その圧迫感に鎧は何故一誠がジャグラーを知ってるのかという疑問も忘れて、辿々しく言う。

 

「あ、ああ·······アイツ、俺の前に現れるといつも言うんだ。『さっさと記憶を取り戻せ、鎧』ってな」

 

「さっさと記憶を取り戻せ?」

 

「ああ」

 

間違いない。

 

ジャグラーも最後の最後まで意識を持っていた。

 

絶対に巻き戻る前の時間を覚えている。

 

一誠はそう確信すると、鎧から離れ、本来の目的に戻る。

 

「話してくれてサンキュー。じゃあ相手頼むわ」

 

「ああ、分かった」

 

そう言うと2人は雰囲気を鋭くさせ、鎧はオーブリングを掲げ、一誠は2つのライドウォッチを起動させた。

 

《ZI-O》《ウルトラマンドライグ!》

 

そしてドライバーの両スロットに装填すると、流れる待機音と共に変身ポーズを取る。

 

「変身!」

 

手首をスナップさせ、ドライバーを回転させる。

 

《ライダータイム!カメーンライダー!ジオウ…!アーマーターイム!ブースト!ドラゴン!ウルトラマンドライグー!!》

 

一誠は仮面ライダージオウ・ドライグアーマーになった。

 

 

一方、鎧は紫の空間に佇む。

 

「ウルトラマンさん!」

 

《ウルトラマン!》

 

「へャアッ!」

 

リングの中に通すような形であるカードを翳すと、輪の部分が青く輝き、カードも同じ色の光の粒子に変換されて鎧の左後ろへ飛んで行くと、全ての伝説の始まりとなった巨人・ウルトラマンが現れる。

 

「ティガさん!」

 

《ウルトラマンティガ!》

 

「チャッ!」

 

続けて2枚目のカードを翳すと、黄色い輝きと共に変換された粒子が右後ろに飛んで集まると、超古代の光の巨人・ウルトラマンティガとなり、輪の部分が左右で青と黄色に輝き始める。

 

「光の力、お借りします!」

 

鎧がオーブリングを掲げると、二体の巨人も同じ動きをし、鎧は持ち手のトリガーを押した。

 

《フュージョンアップ!》

 

瞬間、リングの両側にある装飾が展開し、輪の部分が青、黄、紫の順に光を放つと、同じようにウルトラマンとティガも、それぞれ青と黄色のオーラを纏い、光に包まれた鎧と重なる。

 

「シュアッ!」「チャァッ!」

 

そして足元から光が粒子となって霧散し、露わとなった姿は大きく変わっていた。

 

《ウルトラマンオーブ・スぺシウムゼぺリオン!!》

 

胸には鮮やかな水色の輝きを放つ光輪があり、両肩から背中にかけて黄と銀で彩られたプロテクターを装着し、体は赤・紫・黒を主としており、やや青みがかった白い瞳を持つ銀色の顔の額にあるクリスタルは紫の光を放っている。

 

その戦士の名は、ウルトラマンオーブ・スぺシウムゼぺリオン。

 

「闇を照らして、悪を討つ!」

 

人間サイズのオーブは、ジオウに向かってゆっくりと構える。

 

ジオウもジカンギレードを携える。

 

お互いに出方を伺い、その為に流れる一時の無音空間。

 

一陣の風が吹いた時、鎧は一誠に言う。

 

「あまり驚かないんだな?」

 

「まぁ知ってたし。と言うかそっちも驚かないじゃん」

 

「冬麻から聞いてたからな。多分他の奴等も知ってる筈だぜ?」

 

「そうか·······」

 

「「···········」」

 

再び流れる沈黙。

 

数分程お互いに動かなかったが、ついに両者同時に動いた。

 

オーブは右腕を上に、左腕を左に伸ばして紫の円形エネルギーを前に現してエネルギーチャージする。

 

「スぺリオン……光ぉ線!!」

 

次いで両腕を十字にクロスさせると紫の光線『スペリオン光線』が放たれる。

 

それに対してジオウはウルトラマンドライグのライドウォッチをドライバーから抜いて、ジカンギレードのスロットに填める。

 

《フィニッシュターイム!》

 

《ウルトラマンドライグ!ギリギリスラッシュ!!》

 

「おりゃああああああああああ!!」

 

直後、紫の光線と赤い巨大な光刃が激突。

 

大気を揺るがし、周りの木々を薙ぎ倒した。

 

 

◎sideoff

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一誠side

 

 

修行を終えて、晩御飯と風呂を済ませた俺は、深夜辺りに自分に割り当てられた部屋を出て、一回の台所に来ていた。

 

今日の鎧との修行、結局勝敗は俺の負けだった。

 

やっぱウルトラマンと仮面ライダーでは、スペック的問題も出てくるが、それでも僅かな差だったので悔しい反面、上々だと思う所もあった。

 

まぁ結構な規模で森とかに被害出してて、何事だと慌ててやって来たリアス達には迷惑かけちゃったな。

 

そう言えば温泉に入る時、リアスに一緒に入らないと誘われたが、丁重にお断りした。

 

時間が巻き戻る前の俺なら喜んで飛び付いただろう。

 

だけどどうしても、そういうムフフな展開を想像すると、フィアンマの顔が脳裏にちらつく。

 

なまじ奴と殺り合う前日に、リアス達と子作りしていたから、余計に思い出してしまう。

 

幸せだった前日から、一気に地獄に叩き落とされた日だったから。

 

「振り切った筈だったんだがな·······」

 

台所で水を飲んで呟いた俺の言葉は、誰に聞かれる事もなく宙に消えていく。

 

そんな時だ。

 

不意に俺の頬に風が当たる。

 

どっかの窓が開いてんのか?

 

そう思って風が吹いてる所を探すと、テラスにリアスがいた。

 

「あら、イッセーじゃない。どうしたのこんな時間に?」

 

彼女はテラスのベンチに座って本を読んでいた。

 

赤いネグリジェを着ており、珍しく眼鏡をかけている。

 

やっぱ知的美女って雰囲気があるな。

 

「ゲームの勉強ですか?」

 

前にもこんな会話があった。

 

その時もリアスは不安だからといって、気休め程度にレーティングゲームの勉強をしていた。

 

「正直、気休めにしかならないのだけどね。一応ってところかしら」

 

リアスは自嘲しながらそう呟く。

 

「リアスは、ゲームに勝つ自信がないんですか?」

 

「………正直、勝てるかどうかと言われれば、難しいわね」

 

らしくもない、弱々しい声だった。

 

リアスのいつもの威風堂々としたものじゃない。

 

もっと不安で、そんな気持ちに押し負けそうな声だ。

 

「普通の悪魔なら、資料を呼んである程度は対策を練れるかも知れない。でも相手はフェニックス…そう、不死鳥なのよ」

 

「死なない、鳥…」

 

「ええ。あなたも知っている通り、不死鳥とは聖獣として有名だわ。どんな傷でもその涙は癒し、殺しても死なない永遠の鳥、不死鳥……そしてその能力と悪魔のフェニックス家は同じ力を有している」

 

リアスは本の一冊を積み上げられている本の上に重ねる。

 

「つまりライザ―は死なないのよ。攻撃してもすぐ再生する。彼のレーティングゲームの戦績は10戦2敗…その2敗は懇意にしている家への配慮だから実質無敗。既に公式でタイトルを取る候補として挙げられているわ」

 

「不死鳥の王。そんなの反則級に無敵ですね」

 

「ええ。正にその通りよ。フェニックス家はレーティングゲームが始まって一番、悪魔の中で台頭してきた一族…」

 

「死なないから負けない。単純だけど、分かり易い強さですね」

 

俺は嘆息する。

 

例えあいつに力がなくても、不死鳥の性質からあいつは負けることがない。

 

そんな相手に、まだ学生のリアスにこの賭けをしろって言うのは、あまりにも無謀。

 

初めからリアスが婚約を嫌がるのは分かっていて、それで最後は勝てるはずのないレーティングゲームで決めさせる。

 

あの時はただ彼女を勝たせる事ばかり考えてて、そこまで考えが行かなかったが、よくよく考えりゃ仕組まれてるのが容易に分かる。

 

「ハメ手―――チェスで言うスウィンドルね。初めからライザ―が勝つように仕組まれている」

 

それでもリアスは、戦おうとしている。

 

「リアスは、どうしてこの縁談を破棄したいんですか?焼き鳥野郎の問題はともかくとして…」

 

「私はリアス・グレモリー·········でもね、誰も私を『リアス』とは見てくれないの…」

 

リアスは淡々と話し始めた。

 

「どこまで行っても、どこに行っても私は『グレモリー』としてみられるわ。名家のご令嬢、グレモリー家の次期当主。もちろん、自分がグレモリーということは誇りよ。でも、せめて自分を愛してくれる人には、『リアス』として見られたい………接してほしい。それだけよ」

 

·······そう言えばそうだった。

 

リアスはただ、誰よりも当たり前の幸せを望んでいるだけなんだ。

 

一人の女の子として、好きな人に愛されたい、好きな人を愛したい、恋したい。

 

家とかそんなもの関係なく、年相応の恋をして、結婚したい。

 

そんな当たり前の事を叶えたいんだった。

 

「神クラスの一撃なら、一瞬で体の全てを滅ぼすことは可能だとは思うけどね。それがフェニックスの対策…。でも残念ながら私にはそんなものはない……」

 

確かに今のリアスには無い。

 

でも。

 

「大丈夫」

 

「え?」

 

「いくらフェニックスと言えど、あいつだって悪魔でしょ?なら光は毒の筈」

 

言いながら俺はウルトラマンドライグのライドウォッチをリアスに見せる。

 

「これは?」

 

「赤龍帝とウルトラマン、2つの力が込められたウォッチです。これはウルトラマン特有の光を扱える。これならライザーも倒せますよ。それにニコさんもいる」

 

「元μ'sメンバーの彼女も戦える力があるの?」

 

「ああ。ニコさんは仮面ライダーウィザード。人々の希望を守る魔法使いです」

 

「希望を守る魔法使い······」

 

反芻するように呟くリアス。

 

「なあリアス。約束するよ。俺が君を自由にする。俺は君のお家事情も、悪魔の事情も理解はしてる。でも俺にとってリアスはリアス。俺はリアスの事、リアスとして好きだ!」

 

「イッセー…」

 

若干再告白の意味も込めて言うと、リアスは目尻に涙を溜めて、俺を見つめてくる。

 

俺は誓ったんだ。

 

今度こそリアス達を守ると。

 

だからこんな所で躓いてなんかいられない!

 

「だから、そんな悲しそうに泣かないで下さい。俺が必ず君を勝たせる。最高、最善の魔王として」

 

「っ·······ふふ♪ そうね。あなたは仮面ライダージオウだものね♪」

 

やっと笑顔を見せてくれたリアス。

 

「イッセーがアーシアに好かれる理由、それに私が貴方に惚れた理由、分かった気がするわ…そんなこと、真正面から言われたら……」

 

リアスはそう言うと、本を持ってその場に立ち上がる。

 

「イッセー…ありがとう。貴方の言葉で、私は戦えるわ。おやすみなさい、イッセー」

 

「はい」

 

そしてリアスはその場から居なくなる。

 

リアスは最後に笑顔を見せてくれた…。

 

俺に出来るのは、あの笑顔を守ること。

 

 

 

 

 

 

 

そしてついに、その日はやって来る。

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

当日。

 

レーティングゲームの開始時間が近づいた頃、俺とアーシアを含めたグレモリ―眷属の皆はオカルト研究部の部室に集まっていた。

 

勿論、既にニコさんもおり、プレーンシュガーのドーナツを食べていた。

 

小猫ちゃんは拳に皮のオープンフィンガーグローブを付けて、木場は静かに本を読んでおり、リアスと朱乃はさすがと言ったほど落ち着いていて、アーシアは俺が傍にいるからか、比較的に落ちついていた。

 

うん、皆いい感じに落ち着いてるな。

 

「ニコさん、私にも一口……」

 

「しょうがないわね~!ほら」

 

露骨にドヤ顔するニコさんは、小猫ちゃんにドーナツを一個渡す。

 

そういや小猫ちゃん、甘い物好きだっけ?

 

「皆様、準備はお済なりましたか?」

 

すると試合開始の10分ほど前に銀色の魔法陣が展開され、その中からグレイフィアさんが現れた。

 

「この10日で随分と変わられましたね。お嬢様、私の立場的に言いにくいのですが………頑張ってください」

 

「勿論よ。最善はつくさせて貰うわ」

 

そう言うとグレイフィアさんはリアスから視線を外し、今度は俺とニコさんの方に視線を合わせてきた。

 

「緋村一誠様、地白ニコ様」

 

「イッセーでいいっすよ」

 

「私も出来れば『にこにー』って呼んでほしいわね」

 

「……ではイッセー様。そして地白ニコ様。この様な立場ですが、リアスお嬢様をお願いします」

 

うわっ、スルー!

 

俺の呼び名は変えてくれたのに、ニコさんの方は普通にスルーした!

 

その事に若干ニコさんの頬が膨れてる!

 

「ええ、勿論」

 

「任せなさい。私は涙を宝石に変えるのが得意なのよ」

 

ニコさんカッコいいー!!

 

そこに痺れる憧れる~!

 

「では皆様、この魔法陣の中にお入りください」

 

グレイフィアさんは部室の真ん中に魔法陣を展開させる。

 

そして全員が魔法陣の中に入ると、次の瞬間、魔法陣が光を出し始める。

 

「これにより皆様を戦闘フィールドにご案内します。それでは、ご武運を祈ります……」

 

 

 

 

 

そして次の瞬間、俺達は光に包まれながら転移していった。

 

 

 

 

 

 



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episode5





目を開けると、俺達がいたのは部室だった。

 

やはり前世と同じく、駒王学園のレプリカであるここが舞台らしい。

 

ニ「何?転移の失敗なの?」

 

訝しげにニコさんが言う。

 

そっか、ニコさんは初めてだから、そう思って当然か。

 

多分俺が知らないだけで、絵里さんや蒼輔もそう思ってたのかもな。

 

「ニコさん、実は····」

 

俺はニコさんにここがゲームの舞台である事を教えていると、どこからかアナウンスが流れた。

 

『皆様、この度、フェニックス家とグレモリー家の試合に置いて、審判役を任せられましたグレモリー家の使用人、グレイフィアと申します』

 

やはり前世と同じく、グレイフィアさんが審判らしい。

 

『この度のレーティングゲームの会場として、リアス・グレモリー様方の通う、駒王学園の校舎を元にしたレプリカを異空間に用意させていただきました』

 

にしても本当に細かいところまで作り込まれてるな。

 

部室の窓から外を見ると本当に校舎まである。

 

駒王学園全体を再現する悪魔の技術には感服だ。

 

ただ、やっぱり空だけは違う。

 

見慣れた夜空ではなく、空一面が緑色のオーロラのような物に覆われた不思議な光景が広がっている。

 

『両陣営、転移された先が「本陣」でございます。リアス様の本陣は旧校舎オカルト研究部部室。ライザー様の本陣は新校舎生徒会室。兵士ポーンの方はプロモーションを行う際、相手本陣の周囲まで赴いてください』

 

部室から生徒会室まではそこそこに距離がある。

 

俺達と遭遇することを考えると相手の兵士のプロモーションは大体は防げそうだ。

 

『開始のお時間となりました。なお、ゲームの制限時間は人間界の夜明けまでとなります。それでは、ゲームスタートです』

 

キーンコーンカーンコーンと、学園のチャイムが鳴る。

 

今のが開始の合図だ。

 

こうして、俺にとっては何度目かの、リアス達にとって初のレーティングゲームが開幕した。

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

簡単な作戦会議が開かれ、メンバーのそれぞれの配置について説明された。

 

それとこのゲームのシステムについて補足説明された。

 

一定以上のダメージを食らい、その戦闘で再起不能と判断された場合、リタイアとなって戦闘フィールドから医療設備の整ったところへ強制的に転送されるらしい。

 

つまり、よほどの攻撃でない限りは死ぬことは無いという安全なシステムであるということだ。

 

「イッセー、小猫、そしてニコさん。指示通りに頼むわね」

 

俺と小猫ちゃん、ニコさんの目的地は体育館。

 

一応そこを重要拠点にするつもりだ。

 

「さて、敵は不死身のフェニックス家の中でも有望視されている才児ライザー・フェニックスよ。さあ、消し飛ばしてあげましょう!」

 

「「「「「はい!」」」」」

 

ニコさん以外の全員でそう返事をして、それぞれの場所へと駆けていった。

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺達は体育館の演壇の裏側にいる。

 

コートには既に敵が待ち構えている。

 

こっちを見ているってことは俺達に気がついているみたいだな。

 

「ちょっと、どうすんのよ?」

 

「イッセー先輩」

 

「隠れてても仕方ないし、姿を見せますか」

 

そう言って、俺達は堂々と壇上に立つ。

 

コートには女性悪魔が4人。

 

チャイナドレスを来たお姉さんと、棍を持ったあの時の少女と、双子らしき小柄な娘達。

 

確か、チャイナドレスのお姉さんが戦車で、他の3人は兵士だった気がする。

 

すると、チャイナドレスのお姉さんが話しかけてきた。

 

「こちらが声をかける前に出てくるなんてね。随分潔いじゃない」

 

「まぁね。そっちも気が付いている以上、隠れてても時間の無駄だし」

 

「そう。ならさっさと始めましょうか」

 

「ふっふっふっ♪ その威勢の良さ、嫌いじゃないわ!」

 

ニコさんのルナドーパントめいた言葉を切っ掛けに相手は戦闘体制に入る。

 

「イッセー先輩とニコさんは兵士をお願いします。私は戦車を倒します」

 

「はいはい、分かったわよ」

 

「気を付けてな、小猫ちゃん」

 

「大丈夫です。イッセー先輩に鍛えてもらいましたから」

 

俺達三人はお互いの相手と対峙する。

 

俺とニコさんの目の前には兵士が3人。

 

少女は棍を構える。

 

そして、双子はチェーンソーをニコニコ顔で取り出す。

 

ドル、ドルルルルル!!

 

「解体しまーす♪」

 

「バラバラバラバラ!!」

 

双子は無邪気な声でそう言いながら突っ込んでくるので、俺とニコさんは横に転がって回避しつつドライバーを装着する。

 

《ジクウドライバー!》

 

《ドライバー・オン!プリーズ》

 

俺の腰にはジクウドライバーが巻かれ、ニコさんの腰には『ウィザードライバー』が現れる。

 

俺はジオウライドウォッチをドライバー右スロットに装着、ロックを外して独特な待機音を響かせて変身ポーズを取る。

 

「変身!!」

 

そして左手でドライバーを回す。

 

《ライダータイム!カメーンライダー!ジオウ…!》

 

《ジカンギレード!! ケン!!》

 

俺はジオウになると、ジカンギレードを召喚する。

 

 

ニコさんはベルトの左右のハンドルを操作して中央の手の形を左手の向きに変える。

 

《シャバドゥビタッチヘンシ~ン‼ シャバドゥビタッチヘンシ~ン‼》

 

「うっさ!?」

 

「ちょっと‼ その音何とかしてよッ‼‼」

 

双子が耳を塞いでそう言う。

 

うんまぁ、煩いよね。

 

「仕様だから諦めなさい。私はもう諦めたから…」

 

どこか遠くを見るような目をするニコさん。

 

なんだろう·······これどっかで見た光景だな。

 

あ、そうだ!

 

こことは違う異世界にいる善子さんとやりあった時に見た光景だ!

 

元気かなぁ·····向こうの俺やヴァーリ、千歌さん達。

 

ニコさんは左中指に赤い宝石の付いた指輪を填め、バイザーみたいなのを下ろす。

 

「変身‼」

 

そしてそれをベルトに翳した。

 

《フレイム・プリーズ!ヒー、ヒー、ヒーヒーヒー!》

 

それから左手を横に伸ばし、描かれた魔法陣を潜ると、その姿を『仮面ライダーウィザード』へと変えた。

 

(BGM:イッツショータイム)

 

 

「さあ、ショータイムよ」

 

《コネクト・プリーズ》

 

更に小さな魔法陣から銀色の武器『ウィザーソードガン』を取り出してソードモードで構える。

 

「こしゃくな!」

 

そう言ったのは棍を持った少女···確かミラだったか?

 

ミラはウィザードに棍を突き出して真っ直ぐ向かっていくが、ウィザードはそれをソードガンで受け止める。

 

そして上に弾いて腹に蹴りを見舞う。

 

「そりゃ!」

 

「ぐっ!?」

 

後退するミラにウィザードはソードガンを右上から左下へ、そこから返す軌道で斬り上げ、最後に体を横にして回転しつつの振り下ろしを繰り出す。

 

「はぁァァ!!」

 

「ぐっ···!? つ、強い!?」

 

ミラはニコさんの強さに驚愕するが、すぐに大きく飛び退いて棍を構え直す。

 

それを見たウィザードは「はい無駄~」と言いながらベルトを操作。

 

《ルパッチマジックタッチゴー!バインド・プリーズ》

 

右中指に填めた指輪をドライバーに翳すと、ミラの周りに4つの魔方陣が現れ、そこから4つの鎖が伸びてミラを拘束する。

 

「しまった!」

 

まんまと再び捕まった事にミラは慌てて鎖を千切ろうとするが、ますます鎖は絡まっていく。

 

「次はこれね?」

 

ニコさんはそう言うと指輪を付け替え、ドライバーを動かして再び翳す。

 

《ルパッチマジックタッチゴー!ビッグ・プリーズ》

 

するとウィザードの前に魔方陣が現れ、そこにウィザードが右腕を突っ込むと、ミラの前に現れた魔方陣から巨大化したウィザードの右腕が出現。

 

ウィザードは容赦なくその右腕を振り下ろした。

 

「い、嫌ァァああああああああああ!!」

 

断末魔を上げてミラは潰され、地面とウィザードの掌が接触している所からリタイアの合図である光が漏れる。

 

『ライザーフェニックス様の「兵士」1名、リタイア』

 

「よくもミラを!」

 

「許さない!」

 

そう言って双子がチェーンソーを振り上げて向かって来る。

 

俺はそれを側転で避けて、ビルドのライドウォッチを手に取る。

 

「チェーンソーにはドリルだ!」

 

《ビルド!》

 

ビルドライドウォッチを起動すると左スロットに装填、素早く回す。

 

《アーマーターイム!ベストマッチ!ビ・ル・ドー!》

 

「なんか決まったー!」

 

俺はジオウ・ビルドアーマーに変わる。

 

「姿が変わったって!」

 

言って双子は同時にチェーンソーを振り下ろしてくるが、俺は右腕のドリルを回転させて受け止め、互いに火花を散らせる。

 

その隙に片方の腹に強烈な蹴りを入れ、後退させる。

 

「きゃっ!?」

 

もう片方には、未だ削り合ってるドリルを無理矢理振るってチェーンソーを弾き飛ばす。

 

「あっ」

 

飛んでいった武器に彼女が注意を向けてる間に、俺は高く飛び上がり、ジオウとビルドのボタンを押してドライバーを回す。

 

《フィニッシュターイム!ビルド!ボルテックターイムブレーク!!》

 

直後、双子を滅茶急カーブしたグラフが拘束して、俺はグラフの上に乗ってドリルを前に突き出して滑走。

 

本家ビルドが発生させていた数々の数式の代わりに「方てい式」「よくわからない式」「理解不能」「xとyがいっぱい」「1年生のときに習ったやつ」「おっπおっπ」など、もはや数式ですらないものを多数発生させ、それと共に俺は双子に突貫。

 

「おりゃああああああああ!」

 

「「きゃああああああああああ!!」」

 

双子をドリルで貫いて爆発を起こし、双子をリタイアさせた。

 

『ライザーフェニックス様の「兵士」2名、リタイア』

 

「よっと」

 

俺は着地すると、小猫ちゃんの方を見る。

 

どうやら小猫ちゃんの方も優勢らしく、戦車のチャイナお姉さんを地べたに這いつくばらせていた。

 

「ぐっ······うう·····」

 

「降参してください····」

 

更に立て続けにグレイフィアさんのアナウンスが聞こえた。

 

『ライザーフェニックス様の「兵士」三名、リタイア』

 

そして俺達に通信が入る。

 

『イッセー君、こっちは終わったよ』

 

木場だ。

 

やっぱり今のは木場がやったらしい。

 

「みたいだな。待ち合わせは運動場な。先に行っといてくれ。直ぐに行くよ」

 

『了解。先に行って待っておくよ』

 

木場との通信を終えた俺は、ウィザードと共に小猫ちゃんの所に行く。

 

「行くよ小猫ちゃん」

 

「はい」 

 

そして外に出ようとしたが、俺はあることを思い出して、ニコさんに話しかける。

 

「ニコさん、体育館を出て体育館を壊した後、ちょっとお願いがあるんです」

 

「何よ?」

 

「実は───なんで、お願いします」

 

「分かったわ」

 

これから起こる最悪を回避する為に、俺はニコさんにお願いをしてから、今度こそ体育館を後にした。

 

《ビッグ・プリーズ》

 

外に出ると、ニコさんが再びビッグの魔法で体育館を破壊。

 

ニ「ふぃ~」

 

『ライザー・フェニックス様の「戦車」1名、リタイア』

 

アナウンスが鳴り、先程のチャイナお姉さんがリタイアしたことが伝えられる。

 

「体育館も破壊できたし、木場のところに急ぐか」

 

「そうですね」

 

体育館を破壊したところで、作戦の第一段階は終わった。

 

そして、俺達が木場が待つ運動場に向かおうとした時だった。

 

 

 

 

 

 

 

ドォンッッ!!

 

 

 

 

 

 

俺達を爆撃が襲った。

 

やっぱりこうなるか。

 

でも。

 

「ふふふ………。狩りを終えて油断した獲物は一番狩りやすい。これは戦いの基本よ。こちらは多少の駒を犠牲····サクリファイスにしてもあなた達を狩れれば十分よ。駒を一つ失うだけでそちらには大打撃なのだから」

 

《ディフェンド・プリーズ》

 

「だとしたら甘いわね。私達はその先を行ってるわよ?」

 

ニコさんの声と共に巻き起こる煙と埃を炎の渦が払って、俺達は姿を現す。

 

「なっ!?」

 

向こうは相当驚いているな。

 

不意を突き、直撃を確信したのにも関わらず、俺もウィザードも小猫ちゃんも平然としているんだからな。

 

まぁ、こうなる事は既に予測済みの経験済み。

 

だからニコさんにお願いして、ウィザードの防御魔方陣で攻撃が当たる直前に防いで貰ったのだ。

 

俺はライザーの女王に言う。

 

「悪いな。こっちは全てを知っている」

 

 

 

 

 

 

ドォォォォォォンッッ!!

 

 

 

 

 

 

 

今度はライザーの女王を雷撃が襲った。

 

そして、黒焦げの状態で体から煙をあげながら落下してくる。

 

上空には巫女服姿の朱乃。

 

「ナイスタイミングです、朱乃さん」

 

「ええ。イッセー君の合図が良かったのですわ」

 

敵は俺達が最も油断すると思われるタイミングで仕掛けてくる。

 

俺はそれを知識として知っていたからこそ、それを利用させてもらった。

 

おかげでライザーの女王に大ダメージを与えることが出来た。

 

ただ、直前に不完全ながらも魔力障壁を張ったおかげで、リタイアにならずにすんだようだけど。

 

「あのタイミングで障壁を張れるとは思わなかったよ」

 

「くっ………よくもやってくれたわね………ッ」

 

地に伏せながら女王は睨んでくる。

 

すると、懐から一つの小瓶を取り出した。

 

まさかあれは!?

 

「あれは………フェニックスの涙!」

 

朱乃がそう呟いた。

 

やっぱりか。

 

女王が自身に中身を振り掛けると傷があっという間に消えていった。

 

ニ「何あれ!? ズルくない!?」

 

ごもっともです。

 

って言うか蒼輔の奴、前世でもライザーの女王はこれを使ったと思うが、よく勝てたな。

 

「あなた達、覚悟してもらうわよ。この私に恥をかかせたのだから」

 

女王は立ち上がって俺達に敵意を向けてくる。

 

すると、朱乃が俺達の前に降りてきた。

 

「予定通り、彼女の相手は私が引き受けます。イッセー君と小猫ちゃん、ニコさんは祐斗くんの救援へ向かってください。私も修行の成果を見せつけてやりますわ」

 

朱乃の体から金色のオーラが発せられる。

 

纏うオーラが修業前とは明らかに違う。

 

「了解。朱乃さん······いや朱乃、ここは任せます!」

 

そう言って、俺達三人は運動場に向かって走り出す。

 

「あらあら。ようやく一時でも呼び捨てにしてくれるなんて·······嬉しすぎて私、燃えちゃいますわ♪」

 

その直後に背後から激しい爆音と雷鳴が鳴り響いた。

 

『相棒、あれ狙ったろ?』

 

さぁ?

 

 

 



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episode6

「待たせたな、木場」

 

運動場の隅にある体育用具を収める小屋の物陰に隠れていた木場を見つけた俺達はそこに駆け寄った。

 

「三人とも、無事みたいだね」

 

ニ「当たり前でしょ?私を誰だと思ってるの?大銀河宇宙No.1アイドルにして」

 

「あーはいはい。分かりましたから」

 

ニ「ちょっとぉぉぉぉ!! 途中で遮ってんじゃないわよ!?」

 

ウィザード状態のニコさんの言葉を遮ると、ニコさんは両腕を真上に上げてプンスカ怒る。

 

いやだってニコさん、貴女のその言葉、正直聞き厭きたんで。

 

とりあえずお互いの無事が分かったところで現状を確認しておくか。

 

「俺達からの脱落者は無し。相手は兵士が六名、戦車が一名、脱落だ。女王は朱乃さんが戦っているけど、勝てると思う」

 

「じゃあ、残りは兵士が二名、僧侶が二名、騎士が二名、戦車が一名。そして王のライザーだね」

 

「そうだな」

 

運動場からいくつか気配がするし。

 

ニコさんは当然、木場や小猫ちゃんも気が付いたようで、俺の言葉に頷いた。

 

とは言え、正確には僧侶1名だ。

 

レイヴェルは恐らくだが戦わない。

 

「イッセー先輩、、ニコさん、祐斗先輩、どうしますか?」

 

「そうだなぁ·····」

 

小猫ちゃんに問われてしばし思案していると、

 

「私はライザーさまに仕える『騎士』カーラマイン!こそこそと腹の探り合いをするのも飽きた!リアス・グレモリーの『騎士』よ、いざ尋常に剣を交えようではないか!」

 

グラウンドの中心に立った女騎士、カーラマインが堂々と挑発してきた。

 

うん。

 

俺が言えたことじゃないけど、あの娘も結構、馬鹿だと思う。

 

あんなに目立って、狙い撃ちされるのが怖くないのか?

 

すると、ふっと木場が笑った。

 

「名乗られてしまったら、『騎士』として、剣士として、隠れているわけにもいかないか」

 

「ちょっと!本気で挑戦を受ける気?作戦が台無しになるじゃない!」

 

ニコさんがそう言っても、木場は真正面から出ていってしまった。

 

「あのバカ」

 

思わずぼやいてしまう。

 

こうなったからには、俺達も出るしかないので、三人で残りの敵の前に出ていく。

 

因みに木場とカーラマインは既に騎士同士の戦いに入っている。

 

火花を散らして、剣と剣がぶつかり合う。

 

なんか、二人とも生き生きしてるな。

 

ニ「さてと、さっさと片しましょうか?」

 

言ってニコさんは左中指に青い指輪を填め、ドライバーのレバーを動かす。

 

《シャバドゥビタッチヘンシーン!シャバドゥビタッチヘンシーン!》

 

そしてタッチする。

 

《ウォーター・プリーズ!

スィー・スィー・スィー・スィー!》

 

青い魔方陣を通り、ウィザードは『フレイムスタイル』から魔力の高い『ウォータースタイル』になる。

 

更に右中指に指輪を填め、ドライバーを動かしてタッチする。

 

《リキッド・プリーズ》

 

リキッドの魔法で、液状化したウィザードWSは、先ずは兵士二名の顔にまとわりつく。

 

「な、なんなのがぼぉっ!?」

 

「た、助けがぼぉっ!溺れ···がぼぉっ!?」

 

液体だから掴めず、いいようにされた兵士二名は窒息でリタイアした。

 

『ライザー・フェニックス様の「兵士」二名、リタイア』

 

うん、あれは御愁傷様としか言えない。

 

と言うかニコさん、あんた何処のバイオライダーだよ?

 

液体から戻ったウィザードは再び左中指に緑の指輪を填め、ドライバーを動かしてタッチする。

 

《ハリケーン・プリーズ!フー・フー・フーフーフフー!》

 

緑の魔方陣を通り、風を操る姿『ハリケーンスタイル』になる。

 

「はっ!」

 

ウィザードHSは風を纏って飛び、そのままヒット&アウェイの要領で、騎士の女性悪魔に何度も斬撃を浴びせていく。

 

「ほいっ」

 

「ぐっ!?」

 

「あらよっと」

 

「ぐっ!」

 

「そらそらぁぁ!!」

 

「あああっ!?」

 

空からの攻撃に対処出来ない騎士の彼女は、ウィザードにいいように遊ばれていた。

 

「そろそろ決めるわよ?」

 

言ってウィザードは、ウィザーソードガンのハンドオーサーを開く。

 

《キャモナスラッシュシェイクハンド!キャモナスラッシュシェイクハンド!》

 

うん、あれもうるせぇな!?

 

俺がそう思ってると、ウィザードはハンドオーサーと左手で握手。

 

《ハリケーン!スラッシュストライク!フーフーフー!フーフーフー!》

 

直後、ウィザードは風を起こし、騎士の女性悪魔を吹き上げ、そこから彼女に向かって風の斬撃を放つ。

 

「そりゃ!」

 

「きゃああああああああっ!?」

 

風の斬撃を受けた彼女は、リタイアの光に包まれた。

 

『ライザー・フェニックス様の「騎士」一名、リタイア』

 

「このぉっ!」

 

「ふんっ!」

 

ウィザードに危機感を感じた戦車と僧侶の彼女達が向かっていくが、その間にウィザードはまたもスタイルチェンジする。

 

《ランド・プリーズ!ド・ド・ド・ド・ド・ドン・ドゥン・ド・ド・ドン!》

 

黄色の魔方陣を通り、『ランドスタイル』になる。

 

そして殴りかかってきた戦車の女性悪魔の拳を受け止め、遠距離から放たれた僧侶の攻撃は、戦車の彼女を蹴り飛ばして距離を取った上で避ける。

 

俺はその間にエグゼイドライドウォッチを起動。

 

《エグゼイド!》

 

ビルドアーマーから変わる為にビルドライドウォッチを外し、代わりにエグゼイドウォッチを装填、ロックを解除して回す。

 

《ライダーターイム!カメーンライダー!ジオウ…!アーマーターイム!》

 

目の前にエグゼイドアーマーが現れたので、俺はそれをタッチして分解、装着していく。

 

《レベルアーップ!エ・グ・ゼ・イー・ド!》

 

「なんかクリアできる気がする!」

 

そして大跳躍して、ウィザードに向かって行こうとする仮面を顔半分に着けた戦車の彼女の前に立ちはだかり、両手のハンマーを叩きつける。

 

「おりゃ!」

 

「ぐっ!?」

 

鑪を踏んで後退する仮面の女性。

 

俺は追撃にハンマーで二発殴り、そこから大跳躍して彼女の頭を踏みつけ、その反動を利用して再び大跳躍すると、彼女の頭をハンマーで殴る。

 

「おりゃ!」

 

「がっ····!?」

 

ズザザザーーッ!! と地面を滑る仮面の女性。

 

「ぐっ···あっ·····」

 

彼女は立ち上がろうとしたが、脳震盪を起こしたのか、結局倒れてリタイア。

 

それと同時にウィザードもソードガンで僧侶の女性悪魔を刺し貫き、リタイアさせた。

 

『ライザー・フェニックス様の「戦車」一名、「僧侶」一名、「女王」一名、「騎士」一名、リタイア』

 

どうやら木場と朱乃も同じタイミングで勝ったらしいな。

 

残るはレイヴェルだけだが、彼女は俺の前に恭しく膝をつき、頭を垂れた。

 

「流石は我が魔王。見事な戦いでした」

 

「そ、そうか?」

 

ほとんどニコさんがやったけどな?

 

ふと校舎の屋上を見ると、リアスとアーシアが降り立っていた。

 

そこに相対するは、あの焼き鳥だ。

 

ニ「ちょ、なにやってんのよあの子は!?」

 

全くもってニコさんの言う通りだ。

 

なんでわざわざ陣地を抜け出したんだリアスは!?

 

いや、今は考えてる場合じゃない!

 

早く行かないと!

 

そして俺は小猫ちゃん、ニコさん、木場と共に走り出し、合流した朱乃も連れて屋上に向かった。

 

 

一誠sideoff

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リアスside

 

 

「ははっ。リアス、投了しろ!キミの魔力はほぼ空。キミはもう詰んでいる。仮面ライダー共もすぐに叩き潰す。チェックメイトだ」

 

ライザーはそう言ってくる。

 

アーシアには回復のオーラを飛ばして貰っているとは言え、確かにライザーの言うとおりだ。

 

これは私の独断専行が引き起こした事。

 

でもどうしても私には我慢ならなかった。

 

ライザーは私に通信で一騎討ちを申し出てきた。

 

恐らく眷属が殆んど倒され、焦っているのだろう。

 

それがわかった私は最初こそ断ったけど、ライザーは続いて私を貶してきたり、煽ってきた。

 

それでも私は勝つために我慢した。

 

だけどライザーは、今度は私の眷属をバカにした。

 

それだけは許せなかった。

 

自分の事をどう言われても、今なら流せたけど、イッセー達をバカにする事だけは許せなかった。

 

結果、私はまんまとライザーの罠に引っ掛かった。

 

「さぁ、リザインしろ、リアス!」

 

「誰がするものですか!」

 

ライザーの放った炎と私の放った滅びの魔力がぶつかる。

 

滅びの魔力がライザーの体を消し飛ばし、炎が私の肌を焦がす。

 

魔力障壁で防いでも衝撃までは消しきれない。

 

ケガはアーシアの回復で何とかなるけど、疲労は徐々にたまっていく。

 

それに対してライザーは攻撃を受けても再生し続ける。

 

このまま行けばこちらが先に力尽きてしまう。

 

「なかなか頑張るじゃないか。なら、これはどうだ!」

 

そう言ってライザーはアーシア目掛けて巨大な炎を放つ。

 

あれはアーシアでは防ぎきれない!

 

私は咄嗟にアーシアの前に立って魔力障壁を展開する。

 

だけど、魔力障壁はライザーの炎の勢いに負けて崩れ去ってしまう。

 

「あああああああああああっ!!!?」

 

ライザーの炎を受けてしまい、全身を高熱が襲う。

 

「部長さん!!」

 

アーシアがすぐに回復してくれたおかげで傷は治ったけど、今のでかなりのダメージを受けてしまった。

 

体がしびれて思うように動かない。

 

「フッ、これで完全なチェックメイトだな。今ので君はかなりのダメージを受けたはずだ。リザインしろリアス」

 

「誰が!眷属の皆がここまで頑張ってくれたのよ!私が諦めるわけにはいかないわ!」

 

どれだけダメージを受けたとしても、私は絶対に諦めない!

 

「そうか………。それじゃあこれで終わりにしてやる!」

 

ライザーはさっきよりも大きい炎を私たち目掛けて放った。

 

ライザーの魔力が向かってくる。

 

避けないといけないのに体が言うことを聞かない!

 

このままじゃ………!

 

私は咄嗟に目を瞑ってしまった。

 

 

 

《ディフェンド・プリーズ》

 

 

 

だけど、いつまでたっても攻撃は来ない。

 

「大丈夫か?リアス」

 

目を開けると私の前には、通常のジオウがいた。

 

「イッセー!」

 

更に前には土の壁を作ったのか、黄色のウィザードがいた。

 

多分、ニコさんが今の攻撃を防いでくれたのね。

 

「アーシアは無事か?」

 

「はい!でも………部長さんが私を庇って………!」

 

「そうか············リアス。気をしっかり持てるか?」

 

「そこは大丈夫よ」

 

まだ意識はある。

 

リタイアにはならない。

 

「「「部長!」」」

 

後ろを見れば朱乃達も来てくれた。

 

朱乃が私に言う。

 

「部長、どうして独断専行でここまで?」

 

「ごめんなさい。我慢しようとしたけど、貴女達の事をバカにされたら、いても立っても居られなくて·········」

 

「そうでしたか·······」

 

朱乃はそう言うと俯くが、イッセーは仮面越しに怒っているのが分かった。

 

「リアスはここで休んでて。俺があいつを倒すんで」

 

それは卑怯なライザーに対する怒りだった。

 

イッセー····ジオウは立ち上がって、私に背を向ける。

 

ライザーがジオウを忌々しそうに睨みながら言った。

 

「まさかこんなに早く来るとはな」

 

「悪いがここでお前には倒れて貰う」

 

言って、ジオウはウィザードと共に構える。

 

「ほう。だが、俺がここで貴様らを倒せばリアスの勝機は消え、俺の勝利が決まる!」

 

「それは無理よ。私は諦めの悪い魔法使いだからね。さぁ、ショータイムよ」

 

「それに、俺はリアスを守るって決めてんだ。ここで負けて躓くわけにはいかねぇんだよ!」

 

そう言うイッセーの背中はとても頼もしく感じた。

 

そして私は完全に理解してしまった。

 

何故私が彼に恋をしたのか?

 

その答えを。

 

だけどその余韻も束の間。

 

ライザーは憎々しげな顔を浮かべると内ポケットから紫の禍々しいウォッチを取り出す。

 

あれは!?

 

「アナザーライドウォッチ!?」

 

イッセーの驚く声が、私の耳に入る。

 

そんなイッセーの態度に満足したのか、厭らしい笑みを浮かべたライザーは、そのアナザーライドウォッチを起動、自分の体内に埋め込んだ。

 

「この力で貴様を倒す!うおおおおおおおおおおおおおおっ!!」

 

《ウィザードォ···》

 

そして現れたのは、仮面ライダーウィザードを怪物にしたような存在だった。

 

 

 



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episode7


ライザー決着です。



◎side

 

 

ライザーがアナザーウィザードとなった。

 

この事実に、全員がそんなバカなと言わんばかりに驚きの顔を出した。

 

アナザーライドウォッチはそう簡単に手に入るものではない。

 

唯一の方法は、それを持ってる者に接触する事。

 

そして今現在所有者が分かっているのは、前方のヴェントのみ。

 

つまりライザーはヴェントに接触、あるいはヴェントの方から接触してきて、アナザーウィザードの力を与えられたと考えるべきだ。

 

そこまで一誠は考えて、ライザーに訊ねる。

 

「ライザー!お前その力を何処で手に入れた!?」

 

「前方のヴェントという女だ。この力はいいぞ~。今なら何でも出来る!貴様を倒すこともな!」

 

やはり与えたのはヴェントだった。

 

しかもライザーは力に半分呑まれており、最悪なことに、オリジナルのウィザードにも影響が出始めている。

 

「ん?ちょ、何よこれ!?」

 

自身の体に走るノイズにビビるニコ。

 

これを見て慌てて一誠は言う。

 

「ニコさん、早くライザーを倒しましょう!朱乃さんと木場と小猫ちゃんは、リアスとアーシアを頼む!」

 

「分かりましたわ」

 

「任せて!」

 

「気を付けてください」

 

三人からの激励を受け、ジオウはウルトラマンドライグのライドウォッチを起動。

 

《ウルトラマンドライグ!》

 

左スロットに装填、ロックを解除してドライバーを回す。

 

《ライダータイム!カメーンライダー!ジオウ…!アーマーターイム!ブースト!ドラゴン!ウルトラマンドライグー!!》

 

ウルトラマンドライグアーマーになったジオウは、アナザーウィザードに向かって行き、殴り合う。

 

 

「本気出すわよ」

 

言ってウィザードLSは、フレイムスタイルの指輪とは違う赤い指輪を着けて、ベルトに翳す。

 

《フレイム・ドラゴン!ボー、ボー、ボーボーボー!》

 

赤の割合が多くなった強化形態、それが『フレイムドラゴン』だ。

 

《コネクト・プリーズ》

 

更に接続の魔方陣を出して、そこから『ドラゴタイマー』というアイテムを取り出す。

 

右腕に装着し、腕部分のダイヤルを回し、

 

《ドラゴタイム!セットアップ!》

 

ダイヤル部分のカウンターを勢いよく押した。

 

《スタート!》

 

さらに回し、ダイヤル部分が青の箇所を差したところで、カウンターを押す。

 

《ウォータードラゴン!》

 

アナザーウィザードの真後ろに『ウィザード・ウォータードラゴン』が現れ、アナザーウィザードをウィザードソードガンで斬りつける。

 

「ぐはっ!?」

 

更にダイヤル部分が緑の箇所を差したところで、カウンターを押す。

 

《ハリケーンドラゴン!》

 

今度はアナザーウィザードの真横に『ウィザード・ハリケーンドラゴン』が現れ、ウィザードソードガン・ガンモードで、アナザーウィザードを撃ち抜く。

 

「があぁっ!?」

 

更にダイヤル部分が黄色の箇所を差したところで、カウンターを押す。

 

《ランドドラゴン!》

 

アナザーウィザードの真上に『ウィザード・ランドドラゴン』が現れ、アナザーウィザードを踏みつける。

 

「ぐあっ!!」

 

踏みつけられ、転がるアナザーウィザード。

 

対してニコは、合計4体のドラゴンスタイルのウィザードを現すと、ドラゴタイマーのレバーを押す。

 

《ファイナルタイム!》

 

《ドラゴンフォーメーション!》

 

そしてウィザードドライバーを操作して、ドラゴタイマーが付いた右手を翳す。

 

《オールドラゴン!プリーズ》

 

その瞬間、ウィザード達は魔方陣と共に浮かび上がった。

 

そしてフレイムドラゴンを中心に、他のドラゴンスタイルがそれぞれの色を投影した魔力に戻り、ウィザード・フレイムドラゴンに還元されていく。

 

風と共に現れる翼、土煙が巻き起こり装備される強靭な両爪、水飛沫と共に噴き上がる様にして顕現する尾、そして燃え上がる炎の如く、胸部から飛び出るドラゴンの頭部。

 

ニコは『ウィザード・オールドラゴン』となる。

 

しかしそれも一瞬。

 

ノイズが酷くなると、ウィザードの変身が解けた。

 

「えっ?ちょ、ここで!?」

 

折角変身したのに、まさかの歴史改変の影響で強制的に解除。

 

とことんついてない希望の魔法使いだった。

 

「占めた!」

 

その隙にライザーは、アナザーウィザードの力で魔法を発動。

 

《ウォーター・プリーズ》

 

自らの炎と水を合わせた攻撃をニコに繰り出す。

 

「やばっ!!」

 

それを見てニコは咄嗟に横に転がって避ける。

 

目標を失った強力な攻撃は、屋上の床を穿ち、焼け焦げさせる。

 

「ニコさん!野郎ッ!!」

 

これを見てジオウ・ドライグアーマーは倍加を使う。

 

《BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost!!》

 

そして赤龍帝の籠手で殴るが、

 

《ディフェンド・プリーズ》

 

アナザーウィザードの防御魔方陣に防がれる。

 

「まだまだぁ!!」

 

ジオウは諦めずに殴り続けるが、アナザーウィザードの防御魔方陣は砕けない。

 

いや、砕けるには砕けるが、砕いた直後に再生してしまうのだ。

 

「だったら!」

 

ジオウは防御魔方陣を蹴りつけて一旦離れ、籠手に赤い光弾を精製、それを投球する。

 

「ドラゴンショットォォ!!」

 

彼がウルトラマンドライグだった頃から使ってた技の一つ、『ドラゴンショット』は真っ直ぐアナザーウィザードの防御魔方陣に向かって行き、直撃すると破壊してアナザーウィザードに爆発ダメージを与える。

 

「があぁぁぁぁっ!!」

 

吹き飛び、ダメージの電流が体に走るアナザーウィザード。

 

「なんか行ける気がする!」

 

一誠はそう言ってアナザーウィザードに走っていくが、アナザーウィザードは倒れながらも魔法を発動。

 

《バインド・プリーズ》

 

「なっ·····!?」

 

ジオウの動きを鎖で封じ、

 

《ロック・プリーズ》

 

「があぁっ!?」

 

下から出した岩でジオウを吹き飛ばす。

 

「イッセー!!」

 

「「イッセー君!」」

 

「イッセーさん!」「イッセー先輩!」

 

慌ててリアス達がジオウに駆け寄り、その体を起こす。

 

「大丈夫?イッセー!」

 

「リアス、俺は大丈夫。だけどアナザーウィザードの倒しようが·······」

 

アナザーウィザードを倒すには、同じ力を持つウィザードでなければならない。

 

だがそのウィザードであるニコは力を失った。

 

かと言ってウィザードライドウォッチもない。

 

まさに万事休すかと思われたが、ここでニコがジオウに何かを手渡す。

 

「ニコさん?」

 

「遅くなったわね?さっき出来上がったみたい」

 

言われて、握らされた物を見た一誠は驚愕した。

 

「これはっ!? ウィザードライドウォッチ!?」

 

それはアナザーウィザードを倒せるキーアイテム・ウィザードライドウォッチだった。

 

ニ「行きなさいイッセー!」

 

「······はい!」

 

ニコの激励を受けて、ジオウはウルトラマンドライグのライドウォッチを抜いて、通常ジオウに戻る。

 

「なんだ?もう降参か?」

 

ライザーは一誠を嘲笑うが、当の一誠は何処吹く風な態度で不敵に笑う。

 

「ライザー、お前の力ってさ、これに弱いんだぜ?」

 

「なんだと?」

 

言ってジオウはウィザードライドウォッチの外枠を回して、天面のボタンを押す。

 

《ウィザード!》

 

そして左スロットに装填、ロックを解除してドライバーを回す。

 

《ライダータイム!カメーンライダー!ジオウ…!アーマーターイム!》

 

その音声の後に出てきた魔方陣がジオウに重なり、魔方陣自体がアーマーに変わった。

 

《プリーズ!ウィ・ザード!》

 

姿は『ウィザードフレイムスタイル』を模しており、複眼には『ウィザード』と描かれている。

 

両肩には『フレイムウィザードリング』に似た装甲を装備しており、胸部は『フレイムドラゴン』のような意匠、さらに下半身には魔動力で形成された黒いロングコートがあり、背中には何かの文字が羅列した赤いマフラーのようなものが2つあった。

 

 

ジオウは『ウィザードアーマー』になった。

 

 

(BGM:仮面ライダージオウ バトル)

 

そして、やはりレイヴェルが現れた。

 

「祝いなさい!全ライダーの力を受け継ぎ、時空を越え過去と未来をしろしめす時の王者。その名も仮面ライダージオウ・ウィザードアーマー」

 

これに反応するは、ライザー、木場、小猫。

 

「レイヴェル!? 何故お前がそっち側にいる!?」

 

「あれの祝辞、彼女がやってたんだ」

 

「と言うか、毎回やらなきゃダメなんですかね····?」

 

確かに他人からすればしつこい事この上ない。

 

しかしそれが彼女の役目でもあるので、致し方ない。

 

ここでニコがジオウ・ウィザードアーマーの肩を叩いて言う。

 

「あれやりなさい、イッセー」

 

「さぁ、マジックショーだ!」

 

「違うわよ!! ショータイムよ!!」

 

微妙に違う事を平然と言ってのける一誠に、ニコのツッコミが炸裂した。

 

「おのれぇ~~っ!!」

 

ここでライザー···アナザーウィザードが向かってくるが、ジオウも走っていき、激突する寸前にアナザーウィザードの腹に蹴りを入れて後退させる。

 

「ぐおっ!?」

 

更にそこから右パンチ、左パンチ、右回し蹴りからの左後ろ回し蹴りをアナザーウィザードの頭に打ち付ける。

 

「ぐはっ!!」

 

ゴロゴロ転がるアナザーウィザードは魔法を発動。

 

《バインド・プリーズ》

 

ジオウ・ウィザードアーマーを鎖で拘束するが、対するジオウも呪文無しで鎖を出してアナザーウィザードを拘束する。

 

「なんだとっ!?」

 

大いに驚愕したライザー。

 

だがそれだけに留まらず、ジオウはアナザーウィザードが出した鎖を自力で破壊。

 

更にウィザードが使う魔力とは別の力・魔動力を使って炎や水、竜巻や岩石をアナザーウィザードにぶつけていく。

 

「があぁぁぁああああああああっ!!」

 

今のライザーは、アナザーウィザード。

 

不死身のフェニックスでは無くなってる為、普通にダメージが響いていた。

 

その為膝をつき、息を荒げていた。

 

「イッセー!フィナーレよ!」

 

ニコの言葉に一誠はジオウとウィザードのライドウォッチのボタンを押す。

 

《フィニッシュターイム!ウィザード!》

 

ロックを解除してドライバー本体を回す。

 

《ストライクターイムブレーク!!》

 

直後、ジオウ・ウィザードアーマーの足元に炎が燃え盛る魔方陣が出現。

 

「はぁぁぁああああああ········はっ!」

 

ジオウはそれを二段蹴りの要領でアナザーウィザードにぶつけて拘束。

 

そのまま連続ロンダートしながら、踵落としをアナザーウィザードに決めた。

 

「おらっ!!」

 

「ぐあああああああああっ!!」

 

爆発が起こり、それによりアナザーウィザードは吹き飛び、鉄柵に激突。

 

アナザーウィザードの変身が解けると、ライザーに戻り、ライザーはリタイアの光に包まれ消滅。

 

アナザーウィザードライドウォッチも壊れた。

 

『ライザー・フェニックス様、リタイア。よってこのゲーム、リアス・グレモリー様の勝利です!!』

 

ライザーがリタイアしたアナウンスがされ、一誠達の勝利が決まった。

 

因みに、ジオウの技を見ていたニコは小首を傾げていた。

 

「な~んか違うのよね~·····」

 

 



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episode8



フェニックス編最後です。



ここはレーティングゲームの観戦ルーム。

 

今回の縁談に関係しているグレモリー家とフェニックス家の者が集まっている場所である。

 

この場にいる全員が息を飲んでいた。

 

当初、このゲームは見るまでもなくライザーが勝つと思われていた。

 

しかもアナザーウィザードという、正体不明の力も使ったのだ。

 

いくらリアス本人や眷属がどれだけ才能が高くとも、強力な援軍に仮面ライダーウィザードが居ようと、まだ成人すらしていない未熟な者達がフェニックスを倒すところなど一部の者を除いた全員が想像していなかった。

 

その一部の者、サーゼクスは一人笑みを浮かべていた。

 

彼だけは一誠の勝利を疑っていなかった。

 

ただ、あそこまでの実力とは思っていなかったが………。

 

「驚きましたな」

 

「ええ、話には聞いていましたが、まさかこれほどとは」

 

今、椅子に腰かけて話している二人はグレモリー卿とフェニックス卿。

 

つまり、リアスとライザーの父親だ。

 

「サーゼクスよ。彼の名前は何といったか?」

 

「仮面ライダージオウ・緋村一誠君です。父上、どうかされましたか?」

 

「いや、一つ気になることがあってな。彼は赤龍帝なのか?」

 

それを聞いてサーゼクスはああ、と納得する。

 

確かに一誠がジオウの他に使ってたのは赤龍帝の籠手だった。

 

しかしその使い方、というより姿がここにいる誰の記憶にも無いものだった。

 

しかも聞き間違いでなければ、ウルトラマンという単語も聞こえた。

 

悪魔に天使、堕天使、果ては他の勢力すらも恐れた光の巨人達を総称するその名前。

 

「ええ。確かに彼は赤龍帝です。ただ、我々が知る赤龍帝とは異なる進化を遂げてるようですが···」

 

その言葉に反応したのは、フェニックス卿だ。

 

「そんな事が有り得るのか?赤龍帝の籠手の本来の禁手、赤龍帝の鎧とは別の道が·····」

 

フェニックス卿の最もな意見にグレモリー卿も頷く。

 

サーゼクスは、かの堕天使の長の顔を頭に浮かべながら言う。

 

「それは、堕天使の長である彼に聞けば分かることです。ただ、彼にも分かるかどうかは不明ですがね····」

 

それを聞いて、2人は神妙な顔を浮かべる。

 

しばらくの間を置き、グレモリー卿はフェニックス卿の方へと向きを変える。

 

「フェニックス卿。今回の結婚、このような形になってしまい大変申し訳無い。無礼承知で悪いのだが、この件は···」

 

「みなまで言わないでください、グレモリー卿。今回の縁談、残念な結果になってしまったが、息子にとっては良い勉強になったでしょう。フェニックスは絶対ではない。これを学べただけでも今回は十分でしょう」

 

「そう言っていただけると、こちらも助かります」

 

「グレモリー卿。あなたの娘さんは良い下僕を持ちましたな」

 

「………しかし、まさか私の娘が赤龍帝、しかも仮面ライダーの1人を眷属にするとは思いもしませんでした。次はやはり」

 

「ええ。目覚めているかも知れませんな。白い龍『バニシング・ドラゴン』。赤と白が出会うのもそう遠い話ではないでしょうな」

 

それもまた、彼らにとっては大事な事だが、サーゼクスにとってはそれよりも気になる事があった。

 

ライザーが変化したアナザーウィザード。

 

その源となる物を貰った彼は、1人の人物の名前を挙げていた。

 

(前方のヴェント··········一体何者なんだ?)

 

 

◎sideoff

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一誠side

 

 

部室に帰った後、シャワーを浴びて汗を流したりしてから少しゆっくりした。

 

そういえば、部室のシャワーって初めて使ったな。

 

木場や朱乃さん、小猫ちゃんにアーシア、そしてニコさんも先に帰った。

 

アーシアはニコさんが家まで送ってくれるみたいだから安心だ。

 

部室には俺とリアスの二人っきりだ。

 

俺はソファに横になり、リアスは動けるようになったので、シャワーを浴びている。

 

もう少ししたら帰るか。

 

母さんや美月にはメールしたけど、心配してるだろうし。

 

そんなことを考えているとシャワー室からバスタオルを巻いたリアスが出てきた。

 

なんと言うか······リアスのおっぱいはやっぱり最高だけど、少し無防備過ぎない?

 

そんなことを考えていると、リアスがそのままの格好で俺の所に寄ってきて、俺の隣に座る。

 

なんだろう。

 

リアスが少し緊張しているような………。

 

「リアス、どうかした?」

 

「………私ね。嬉しかったの。ライザーにやられそうになった時、助けてくれて」

 

「直接助けたのはニコさんですけどね。それに助けるのは当然ですよ。守るって約束したから」

 

「………それでね、イッセー。少し目を閉じてもらえるかしら?渡したいものがあるの」

 

「え?あ、はい」

 

渡したいものってなんだ?

 

俺はリアスに言われた通りに目を閉じる。

 

すると、俺の唇に何か柔らかいものが当たった。

 

目を開けると··············リアスが俺の首に手を回し、唇を俺へ重ねていた。

 

キス。

 

一分ほど唇を重ねた後、リアスの唇が離れていく。

 

マジかよ·······俺、リアスとキスしたのか?

 

ダメだ、思考が上手く追い付かない。

 

「時間が巻き戻ってるとは言え、私のファーストキスよ。それとイッセー、私はあなたが好きよ。大好き。1人の異性として」

 

しかも告白までされた!

 

まさかこんな早い段階で恋人になれるなんて。

 

予想外過ぎる!

 

「リアス、いいのか?俺で」

 

「もちろんよ。私はあなたが大好き。この気持ちに、勘違いなんてものは無いわ」

 

頬を赤らめながらニッコリと微笑むリアス。

 

そして、俺に抱きついてきた。

 

「愛してるわ、イッセー」

 

いつものリアスの声だ。

 

ようやく、緊張が解けたようだ。

 

よかった。

 

リアスに笑顔が戻ってくれて。

 

「俺も·····愛してるし、好きだよ。リアス」

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私、イッセーの家に住むわ」

 

「へ?」

 

リアスが着替えた後、いきなり言ってきた。

 

「ごめんリアス………もう一度プリーズ」

 

「イッセーの家に住むわ」

 

あ、聞き間違いじゃなかった。

 

やっぱりこうなるのは前世通りなのね。

 

「私は、恋人同士の交流を深めたいのだけど……」

 

そう言ったリアスは、上目使いで俺を見てくる。

 

しかもモジモジ行為付き。

 

「私と一緒に住むのは………イヤ?」

 

ごっは!!

 

リアス、そいつはずるいぜ………。

 

しかし何と言う破壊力!

 

いつもお姉様なリアスが上目使いをすると、ここまでの破壊力があるのか!

 

そんなウルウルした目で見ないで!

 

そんな目で見られたら俺は………っ!

 

「わ、分かりました。とりあえず母さんに聞いてみます………」

 

それから母さんに電話したところ、なんと即OK。

 

まあレイヴェルも一緒に住むことになったから、今さら1人2人増えても、という感覚なのだろう。

 

補足だが、レイヴェルは約束通り俺がライザーに勝つと、あっさりライザーの眷属を抜けてフリーになって、俺の家に居候することに。

 

しかも駒王学園に通いつつのオカルト研究部所属になった。

 

よくレイヴェルのご家族さんも許しを出したよな。

 

しかもこの時、通信越しに何故かレイヴェルのお母さんに過度な期待を寄せられたが······。

 

とにもかくにも、もう1人ホームステイ者が増えた。

 

「そういうわけで、イッセー。明日からよろしくね」

 

ウインクしながら言うリアス。

 

俺の日常は更に賑やかになりそうだ。

 

あ、そういや次はあいつらが来るんだっけ?

 

嫌だな~。

 

あの2人はともかく、またあのクソ神父とか、戦闘狂堕天使に会わなきゃいけないなんて。

 

戦兎なら「最悪だわ」、冬麻なら「不幸だ」って言うんだろうな……。

 

 

 

 



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月光校庭のエクスカリバー
episode1




新章突入ですが、そろそろ感想がほしいです。



イッセーだ。

 

突然だが俺は今、どうすればいいのか分からず困っています。

 

その理由は………。

 

「うぅん……」

 

艶かしい声を出しながらリアスが俺の横で寝ている。

 

しかも、全裸で………。

 

この間からリアスは俺の家に住むことになり、俺達と一緒に生活するようになったんだ。

 

とりあえず、俺の現状はこうだ。

 

今、俺の横ではリアスが全裸で、しかも俺を抱き枕のように抱いて寝ている。

 

そして彼女の胸が俺の体に押し付けられていて、俺の腕はリアスの太ももで挟まれている。

 

この状況、どうすれば良いんだろう………。

 

寝込みをいいことにリアスのおっぱいを揉むか、太ももを触るか……ドライグはどう思うよ?

 

『相棒の好きにしてくれ。俺は知らん』

 

えっ?なんか冷たくね?

 

もうちょっと相談に乗ってくれてもいいんじゃね?

 

『恋人になったんだろ?だったら好きにしろよ』

 

雑っ!!

 

お前本当に雑だぞ!?

 

そうドライグと会話してると、リアスの目が開いた。

 

「あら、イッセー。起きていたのね」

 

「ええ、まぁ。というよりリアス。なんで俺のベッドに?」

 

「ゴメンなさいね。イッセーを抱き枕にして寝たい気分だったのよ。あなたが寝ていたからお邪魔させてもらったの。………イヤ、だったかしら?」

 

「い、いえ!むしろリアスと一緒に寝られて嬉しいよ!」

 

最近は、こういうエロ展開に入っても頭にフィアンマの顔がちらついたり、リアス達の死が浮かんでくる事は無くなった。

 

俺の心に余裕が出てきた証拠なのだろう。

 

「そう、よかったわ」

 

リアスはそう言うと俺に抱きついてくる。

 

うおおおおおっ!

 

リアスの胸が!

 

太ももが!

 

そして、俺の耳元で囁く。

 

「このまま、起きる時間までこうしているのも、素敵と思わない?ちょっとエッチなことも、恋人っぽいでしょ?」

 

な、なんて甘美な誘惑!

 

「リアス……」

 

俺がリアスの頬に手を添えると、彼女は頬をほんのり赤くしつつも、小悪魔っぽく笑う。

 

「いいわよ。私の事、イッセーの好きにしても」

 

「っ!」

 

俺の思考がピンク色の方向へ飛びかけた時だった。

 

「イッセーさーん。起きていらっしゃいますか?」

 

「イッセー様、朝食の準備が出来ておりますわ」

 

アーシアとレイヴェルの声だ!

 

ヤバい!

 

この状況、見られたらマズいって!

 

「イッセーさん?まだ、眠ってますか?部長さんも起きてこないのですが………」

 

「お、起きてるよ!ちょっと下で待っててくれ!」

 

リアスやレイヴェルが同居するようになって、アーシアは2人に対して、何やらライバル心を抱いている様子なんだ。

 

前世ではよく分からなかったけど、二度目の今なら分かる。

 

これは恋する乙女の戦いだと。

 

まぁリアスとは既に恋人になってるから、勝敗はもう決しているのだが、リアスからすれば、自分が正妻でいられるならハーレムでも構わないとの事。

 

心の広い女性で本当に良かったよ。

 

それに、三人は普段なら仲良いしな。

 

「アーシア、レイヴェル、もう少し待ってなさい。私もイッセーも仕度をしないといけないから」

 

リアスゥゥゥゥ!?

 

何やってるんですか!?

 

 

 

 

バンっ!

 

 

 

 

勢いよく開け放たれる扉!

 

アーシアはベッドの上にいる俺達を見て、涙目になる。

 

しかも、頬まで膨らませているし。

 

レイヴェルは「はわわわっ!!」と赤面状態に。

 

2人を見るなり、リアスは体をより俺に密着させる………リアス!?

 

「おはよう、アーシア、レイヴェル」

 

ヤバい!

 

アーシアが全身を震わせている!

 

レイヴェルに至っては滅茶挙動不審になってる!

 

あれ?

 

こんな感じのシチュエーション、前世にもあったような………。

 

俺がそれを思い出した時はすでに遅かった。

 

「私も裸になります!仲間外れなんて嫌です!」

 

「わ、私も!我が魔王の為なら!」

 

あー、今日も賑やかだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

時は早く回って放課後。

 

今日は旧校舎が年に一度の大掃除で定例会議が出来ないので、俺の家で会議をする事に。

 

最初はオカルト研究部としての会議、今は悪魔としての会議中。

 

黒歌?

 

あいつこういう時にいないんだよ~。

 

まだ小猫ちゃんに会う気が無いのかは知らんが。

 

「じゃあ、まずは契約者数から。朱乃が十一件、小猫が十件、祐斗が八件、アーシアは三件よ」

 

俺の部屋で、その月の悪魔稼業の契約者数についての結果をリアスから発表されていた。

 

「すごいじゃないか、アーシアさん」

 

木場はアーシアの契約件数を聞いて素直に感心していた。

 

「…新人さんにしたらいい成績です」

 

「あ、ありがとうございます!」

 

アーシアは嬉しそうに俺達に頭を下げる。

 

流石はアーシア。

 

どうやら、アーシアには癒しを求めてくる依頼者が多いらしい。

 

まぁ、アーシアは話しているだけで癒しているからな。

 

「そしてイッセー………九件」

 

うんうん。

 

前世の時に比べたら、最高な進歩だな!

 

ん?

 

なんだ?

 

皆が俺を見てるんだけど………。

 

「え?なに?何か変か?」

 

「いやー、なんていうか………」

 

「思っていたより普通で逆に驚いてます」

 

そういう反応!?

 

レイヴェルが補足してくれる。

 

「恐らくですが、イッセー様は仮面ライダージオウ。契約件数もそれ相応の規格外の数字になるものと期待したのでしょう」

 

そうなの!?

 

皆、頷いてるし!

 

つーか、俺そんな風に思われてたの!?

 

なんか、ゴメンね!

 

期待を裏切っちゃって!

 

「まぁ、契約を取りはじめて間もないのだから、これだけ取れていれば十分よ。これからも頑張ってね、イッセー」

 

「ういっす」

 

とにかく力を着けないと。

 

先ずはこの調子でドンドン契約をとって、上級悪魔を目指す!

 

『相棒なら直ぐだろう。というよりも既に実力は最上級悪魔を超えている。いっそのこと本当に最高最善の魔王でも目指したらどうだ?』

 

最高最善の魔王ねぇ。

 

俺に魔王が務まるとは思えないけどな。

 

そこで部屋の扉がノックされて開かれる。

 

希「お邪魔するでー。皆喉が乾いたやろ?」

 

「お茶とお菓子を持ってきたよー」

 

母さんと美月がお菓子を持ってきた。

 

確かに少し喉が乾いたからありがたい。

 

「ありがとうございます、お母様」

 

「ええんよ。皆も学校の部活と悪魔のお仕事のお話なんやろ?これくらいお安いご用や」

 

俺が悪魔に転生したのを知ってる事、そしてリアスとレイヴェルが同居する事に機に、俺は母さんと美月に改めてリアス達の事と、自分の事を話した。

 

結果は2人とも、簡単に受け入れてくれた。

 

例え種族が変わっても、母さんにとってはたった一人の息子、美月にとってはたった一人の兄、2人はそう言ってくれた。

 

多分受け入れてくれるとは思っていたが、こうも簡単に、しかもそんな風に言ってくれた時は、嬉しくて涙が出そうになったぜ。

 

因みにこの事は父さんにも伝えており、父さんも同じ思いだった。

 

「そうや。それと、良いもの持ってきたよ~」

 

母さんが取り出したのはアルバム。

 

あれはまさか!

 

「お母様、それは………」

 

「これはねぇ、イッセーの成長記録や」

 

悪戯っぽく母さんがそう言った瞬間、リアスの目の色が変わった。

 

いかん!

 

これは絶対に阻止しなければ!

 

2度も赤裸々な思いをして堪るか!

 

「それ以上言うなー!やめろー!」

 

ちょっとブレイブとかスナイプを意識して飛び出せば、

 

 

希「美月!」

 

「了解!」

 

 

美月に抱きつかれ、呆気なく動きを止められた。

 

「美月!? 卑怯だぞ母さん!」

 

「シスコンなイッセーや。美月が抱きついては引き剥がせんやろ?」

 

くそ!

 

俺のことを良く分かってらっしゃる!

 

流石は俺の母親!

 

リアスも言う。

 

「イッセー。私はね、小さい頃のイッセーに凄く興味があるの」

 

いやそんな事言われても。

 

希「ってな訳でご開帳~♪」

 

あー!

 

俺のアルバムが開かれていくぅぅぅぅぅ!

 

部員の全員が俺の赤裸々な過去をまた見ていくぅぅぅぅぅ!

 

美月が抱きついているから動けるわけもなく、俺は皆がアルバムを開いていくのを再び、ただ見るしかなかった………。

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

希「で、これが小学生の時のイッセーなんよー」

 

「あらあら、全裸で。かわいらしいですわ」

 

「朱乃さん!? 母さんも見せんなよ!」

 

「イッセー先輩の赤裸々な過去」

 

「これが小さい時の我が魔王」

 

「レイヴェルと小猫ちゃんも見ないでくれぇぇぇ!!」

 

あー、もう!

 

最悪だ!

 

オカ研のメンバー全員に見られてしまったよ!

 

「小さいイッセー、小さいイッセー!」

 

「私、部長さんの気持ちよくわかります!」

 

「分かってくれるのね、アーシア!嬉しいわ!」

 

なんか、リアスとアーシアが大興奮してるんですけど………。

 

リアス、息を荒立てないで!

 

あなたショタコンじゃないでしょ!?

 

ああ……アーシアとリアスが二人だけの世界に入っちまった!

 

ちくしょう!

 

木場までニコニコ顔で見ていやがる!

 

「木場!お前は見るな!」

 

「ハハハ。いいじゃないか、イッセー君。僕も楽しませてもらっているよ」

 

「………」《ZI-O》

 

「無言でライドウォッチ起動するのやめてよ」

 

木場は顔を真っ青にしながらそう言うと、アルバムを見ながら言った。

 

「でも、いいお母さんじゃないか」

 

「まぁ、それはそうなんだけどな」

 

ただ、こんなことはできればやめてほしい。

 

俺が死んでしまう………精神的に。

 

「イッセー君これは?」

 

「あん?ちょっと待て」

 

俺は、スースー寝息を立てている美月を抱っこしたまま、木場の方に向かう。

 

全く、性格は昔のままなのに体ばっかり大きくなりやがって。

 

主に胸!

 

本当に中学生なのかって疑いたくなるくらいデカイ。

 

良い方向に成長してくれて、お兄ちゃん、嬉しいですの事よ?

 

「どれだ?」

 

「これ」

 

木場は一枚の写真を指差す。

 

そこには園児時代の俺と同い年の園児、そしてその子のお父さんらしき人が写っていた。

 

あ、この子イリナだわ。

 

この時は男の子だと思ってたのに、いざ再会したら女の子って言うんだから、驚きだったな~。

 

でも多分、木場が知りたいのはそこじゃない。

 

証拠に、よくよく見れば木場が指してるのは背後の剣だ。

 

確か聖剣だっけ?

 

ふと見上げれば、木場の瞳は憎悪に満ちていた。

 

木場………やっぱりお前。

 

「なぁ木場、お前やっぱり聖剣に……」

 

「流石は未来から来たイッセー君。その通りだよ」

 

一拍置いた木場は、ハッキリと言った。

 

「僕は聖剣が憎い。全て壊したいくらいにね」

 

また、騒動が起きそうだ。

 

 

 



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episode2



今回は後半で、禁書目録要素が濃厚になります。



あれから2日経ったが、木場の様子が明らかに変わった。

 

俺の家で聖剣が写っている写真を見て以来、妙に呆然とすることが増えた。

 

まるで考え事をしているかのような立ち振る舞いをしていて、それで最初のほうはリアスも気にかけていたけど、とうとう木場は悪魔家業にまで影響を及ぼしたらしく、結果昨日はリアスに怒られた。

 

だけど木場はそれでも相変わらずだった。

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バチンッ!

 

次の日の夜、工場跡地の外でそのような乾いた音が響く。

 

頬を叩かれる音……叩かれたのは木場だ。

 

はぐれ悪魔討伐に訪れていた俺達だけど、木場は何時もの冷静さを欠いてミスを犯し、危うく全員殺られてしまう所だったんだ。

 

後から遅れてやって来たリアスに状況を説明して今の状態に至る……というわけだ。

 

「今ので目が覚めたかしら?祐斗、あなたが行った独断行動がどれだけ危険なものだったか分かっているかしら?相手のはぐれ悪魔はA級クラスの危険指定のはぐれ悪魔だったのよ。ジオウであるイッセーがいてくれたから大事には至らなかったけど、下手をすれば誰かが傷ついていたかもしれないの」

 

「……………」

 

リアスは本気で怒っていて、厳しい口調で木場にそう言うが、木場は無表情で無言のままだ。

 

『アイツ……考えすぎて逆に顔に出てないな』

 

……確かに。

 

「すみませんでした。自分一人で何とかできると思いましたが、結局イッセー君がいなければ僕は何もできませんでした。今日のことは全面的に僕が悪いです……だから今日はもういいですか?」

 

コイツ……!

 

淡々と、そして何処か面倒くさそうにリアスに言い放ちやがった!

 

リアスはそれを見てもう一度掴み掛かろうとしたが、俺は彼女を止めた。

 

今の木場に言っても意味がない……そう確信しているから。

 

「イッセー、離しなさい。私は祐斗に言わなければいけないの」

 

「今言っても逆効果です。こいつのことは俺に任せてください……………木場」

 

「……何だい」

 

俺は背を向けて去ろうとした木場を呼び止めた。

 

木場は面倒くさそうに振り返った。

 

「木場………お前の事情は分かるし、気持ちも分かる。今の俺にも復讐したい相手がいるからな。だけどそればっかりに目が行って、今の環境を捨てようってなら…………俺はお前を止めなきゃいけない」

 

「イッセー様……」

 

レイヴェルが複雑そうな、悲しみのある目で俺を見てくる。

 

復讐したけりゃすりゃ良い。

 

だけど今やらなきゃいけない事を他所へやって、まだ先の復讐を優先するなら、俺はお前の為にも、リアスの為にも止める。

 

それが現時点での最高最善の道だから。

 

それを聞いて木場は、ふっと笑うだけで、特に何も返さずに降り始めた雨の中を去っていった。

 

 

一誠sideoff

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◎side

 

 

同時刻。

 

「むむ、雨が降ってる。私的には満月というのを見たかったのにって、ちょっとしょんぼりしてみる」

 

雨も降り始めた真っ暗な街の道中で、褐色肌に紫っぽい銀髪を持つスタイル抜群の美少女、アルフィミア・レヴィアタンは万歳するように両手を空へと向けながら雨をその掌で受ける。

 

その一方で、黒地の変なシャツを着たアルビノの少年、火神 竜牙はそんなアルフィミアを、気怠げな様子で眺めていた。

 

「鬱陶しいからその辺で固まってろ」

 

「満月見たかったな~。凄く綺麗だって聞いて楽しみにしてたのに」

 

「おい」

 

先ほどから落ち着きのないアルフィミアの襟元を、竜牙は手でがっちりと捕まえた。

 

「ちょろちょろすンなって言ってるだろォが、クソアマ」

 

「むむ、ここまで過保護にされなくても大丈夫かもって、私は自由と解放を求めてみたり」

 

「何をフロンティア精神に溢れた寝言吐いてンだコラ。そもそも保護なンてしてねェし」

 

その言葉に、アルフィミアは笑顔を見せて言った。

 

「またまたー、そんなに照れなくっても~♪ いつだって私の事を考えてくれてるの、私知って……って、何故そこで力強く拳が握られるの?って、私は激情緩和用にこやかスマイルを浮かべて尋ねてみたり」

 

やっぱりこいつはめんどくさい、というのが竜牙の感想だった。

 

向こうから恋人になってほしいと言ってきたので、恋人になったものの、まさかここまで自由主義とは思わなかった。

 

つい最近まで追われてる身だった者とは思えぬ程フリーダムなアルフィミア。

 

いや、その追われる身から解放されたからこそ、ここまでフリーダム少女になってしまったのかもしれない。

 

そして竜牙もまた、人に好意を向ける事が得意ではない少年だ。

 

好意を向けようとするのが怖く、自分に向けられる好意もついつい無下に扱ってしまう。

 

火神 竜牙という少年は、素直になれない拗らせ少年なのだろう。

 

反対に悪意、敵意には倍にして返す程の戦闘狂な部分がある。

 

そこはやはり、彼の父親と同じ血を引いてるだけあってよく似ていた。

 

そこまで自分の事を考えていた時だ。

 

「痛っー!」と甲高い声が響いた。

 

「転んじゃったよ~………ううっ」

 

アルフィミアが女の子座りの状態で、濡れた道路に尻をついている。

 

どうやら、小雨で濡れた路面で足を滑らして転んでしまったようだ。

 

「ったく、言わンこっちゃねェだろォが」

 

彼女の両膝には擦り傷ができており、そこからは赤いものが滲んでいた。

 

「消毒が必要かも」

 

アルフィミアが目尻に涙を溜め、泣きそうになって少し掠れている声で言う。

 

「お前悪魔だろォが。回復魔法でも使いやがれ」

 

アルフィミアはその苗字が表す通り、とある悪魔の血族。

 

その正体を知ってる竜牙はそう言うが、アルフィミアはぐずりながら言う。

 

「私、回復魔法は使えないの」

 

アルフィミアは転移魔法や水氷を使った魔法には精通しているが、回復魔法の類は一切扱えない。

 

それはもう見事に、一種の才能とも言えるくらい一切扱えない。

 

「ならツバでも付けとけよ」

 

それを聞いた竜牙はぶっきらぼうに言う。

 

鬱陶しい、と言わんばかりの様子だった。

 

しかし、実際に雨も降り始めているため、あまり長い間外にいたくはないのも事実だった。

 

「分かったわ。ここは痛いけど我慢してみる」

 

アルフィミアは傷についてそれ以上言及しようともせずに立ち上がって、テクテクと竜牙の後を追うように歩き出した。

 

しかし、歩くペースがそれまでと明らかに違う。

 

いつもなら踊るように竜牙の周りを走ったり、竜牙の腕にベッタリと引っ付くが、今は彼の少し後をぽつぽつと歩いているだけであった。

 

「……クソッたれが」

 

竜牙は振り向き様にアルフィミアの額に指を当てて、そのまま後ろにあった屋根のついているバス停のベンチへ倒すように座らせた。

 

「わっ!いきなり何するのって……ん?」

 

突然の行動に驚くアルフィミアであったが、そこでようやく自分が無理矢理ベンチに座らせられたことに気が付く。

 

竜牙は、そのままぶっきらぼうに言った。

 

「そこで待ってろ。勝手に動いたらムッコロスぞ」

 

彼は、少し離れた場所にある薬局へと向かう。

 

店内で絆創膏の箱を手に取ったときは1度「……バカげてやがる」と呟いたが、それでもその箱を購入して、アルフィミアの下へ歩いた。

 

彼自身にも、慣れないことをやっている自覚は十分にある。

 

だが不意に、幼い頃、母親の花陽に言われた事が脳裏に浮かんだ。

 

『いい竜牙?人に優しくする事は、恥ずかしい事じゃないし、くだらなくないんだよ?その行いの積み重ねが、後々あなたの人生にいい形で帰ってくるんだよ?』

 

「……クソッタレが」

 

思わずそう言った時、彼は気配を感じた。

 

それは仮面ライダーの1人である竜牙にとって、非常に慣れたものだ。

 

迷わず腰に巻いてる『カリスラウザー』に『チェンジマンティス』のカードを読み込ませる。

 

《チェンジ》

 

途端に黒い液体が竜牙を包み、その体を『仮面ライダーカリス』に変える。

 

直後、

 

 

 

 

「いやっほ~~~い!!」

 

 

 

 

神父服を着た白髪の少年が、不気味な雰囲気を漂わせる剣を振り下ろしてきた。

 

それをカリスは左腕の装甲で防ぎ、右手で少年神父の腹を殴る。

 

それを受けた少年は綺麗なバク宙を決めて、地に降り立った。

 

「ひゅ~♪ これはこれは……まさかこんな所で仮面ライダーに出くわすとは、どうやらボクチンのラッキースキルがまた無意識に発動してしまったようだ。テヘ♪」

 

そんな風に舌を出して無邪気さを顕わにしている少年だが、その口振りとは裏腹に全身からは異様な雰囲気を醸し出していた。

 

狂気。

 

目の前の少年は通常の人とは異なる気。

 

狂気を纏いながら剣を肩に担ぎ、カリスに向かって歩み寄る。

 

そんな状況の中でも、竜牙は落ち着いていた。

 

何故なら、

 

「お客さーん。申し訳ないッスけどぉ、ウチのボスから目撃者は全員殺す様に言われてるんスよぉ。いやほら、俺っちは普段異教徒しか狩らない真面目な神父様なんすけどぉ、やっぱ仕事の立場上仕方ないっての?上からの命令は基本聞き入れなきゃいけなんいんですよぉ。それに君みたいな仮面ライダーには恨みもあるし~。もうホント、君個人に恨みがある訳じゃないしぃ、それはもの凄く心苦しいんですけど……」

 

狂気の度合いなら、

 

「一丁、死んでくれませんかねぇ!」

 

竜牙も負けてはいないから。

 

少年は剣を振り下ろすが、カリスは『醒弓カリスアロー』の刃でそれを受け止めると、少年の剣を持ってる方の手首を掴んで、逆肘固めを決める。

 

「いでででででででっ!!!? なにしやがんだこのクソ野郎!離せよ!」

 

そう喚く少年の戯れ言は無視して、竜牙は冷酷に話す。

 

「まあ、来ると思ってたンだこォいうバカが。俺に恨みがある奴か、あのアマを利用しようとするやつか。どっちかは知らねェが」

 

言い終えると、底冷えするような声で、竜牙は一方的に告げる。

 

「ブチ殺す」

 

直後、狂者と狂者が激突する。

 

カリスは少年を突き飛ばすと、カリスアローで斬りかかるが、少年はそれを剣で受け止め、上に弾いた後に横に振るうが、カリスはそれを身を翻して避ける。

 

少年が追撃に剣を突き出してくるも、カリスアローの刃で受け流し、カウンターで少年の顎を殴り砕き、

 

「ぐえっ!?」

 

襟首を掴むと、壁へ投げて叩き付け、更に彼の上に飛び乗るとまた襟首を掴み、路上に駐車されていた無人車に投げてぶつけ、車ごと爆破。

 

炎を立ち昇らせる。

 

カリスは爆発した車の残骸の上に飛び乗ると、炎の中で声高に叫んだ。

 

「あはぎゃはっ!! 演出ご苦労ォ!華々しく散らせてやるから感謝しろォ」

 

その時、カリスの前に黒い羽が舞い降りた。

 

「あァン?」

 

怪訝に思って見上げると、そこには1人の堕天使が宙に浮いていた。

 

逆立てた金髪に、顔にある入れ墨、白衣を着た1人の男堕天使が。

 

それは、竜牙にとってはアルフィミアを保護した時から、とても因縁ある堕天使だった。

 

「だーから言ってんじゃねぇかよぉ、ライダーを倒すにはライダーの力じゃなきゃ駄目なんだよ……だから最初から俺が出るっつってんじゃねぇか」

 

「木ィ原クンよォ、何だァ?その思わせぶりな登場の仕方はァ?」

 

その堕天使の名前は木原。

 

アルフィミアの力を利用する為、何度もカリス…竜牙と交戦した堕天使。

 

ただ、勝敗はいつも竜牙の勝ちだったが。

 

「俺としてもテメエと会うのはお断りなんだけどなぁ。俺を雇った者の命令だから、仕方なくやっているんだ。なんでも、戦争を起こしたいんだとよ」

 

木原は片手で頭を掻きながら面倒くさそうに言う。

 

「だからまあ、悪いけどここで潰されてくれねえか」

 

言って、木原はウォッチのような物をポケットから取り出した。

 

それはアナザーライダーのライドウォッチだった。

 

木原はウォッチのボタンを押して起動。

 

《フォーゼェ…》

 

ウォッチは紫の奔流となって木原を包み、仮面ライダーフォーゼを怪物にしたような存在『アナザーフォーゼ』に変わった。

 

「チッ!アナザーライダーかよ……」

 

思わず竜牙は舌打ちした。

 

木原と竜牙。

 

アナザーフォーゼとカリス。

 

両者の眼光が激突する。

 

そして、両者は同時に駆け出し、カリスはカリスアローを振るい、アナザーフォーゼは右拳を振りかぶる。

 

結果は、ゴキィン!という鈍い音と共に、カリスが吹き飛んだ。

 

カリスは驚いて体制を立て直す。

 

(なんだこいつ!? 攻撃が効いてない!?)

 

先に到達したのはカリスアローだった。

 

にも関わらず、カリスのダメージを意に返さず、アナザーフォーゼは殴ってきたのだ。

 

「おい、一応訊くけどよ……アナザーライダーを倒せるのはオリジナルのライダーだけって言う法則、知らねぇのかクソガキが!」

 

アナザーフォーゼの拳がカリスの顔を捉え、後方へと殴り飛ばす。

 

「がふっ……!?」

 

ゴロゴロと何度も転がり、やがてうつ伏せで止まるカリス。

 

そんなカリスに木原は面倒そうに言う。

 

「とりあえずそこでゆっくりしてろ。アレはこっちで回収しとくわ」

 

アナザーフォーゼが親指で後方を示す。

 

そこには彼の部下と思われる堕天使が、ダランと力なく項垂れる褐色肌の銀髪少女を拘束していた。

 

それを見た竜牙の頭に血が昇る。

 

「っ!? なめてンじゃ……ねェぞォォォ!!」

 

カリスは横腰のホルダーからラウズカードを1枚抜いて、カリスアローにリードする。

 

《トルネード》

 

そしてカリスアローから暴風を撃ち出すも、アナザーフォーゼは腰のベルトを動かす。

 

《ランチャー・オン》

 

そうして出てきたランチャーモジュールからミサイルを撃ち、途中で爆発させて暴風を阻害した。

 

(だったら……!)

 

カリスはもう一度トルネードホークをラウズ。

 

《トルネード》

 

「おいおい、学習しない奴だな~!」

 

それを見たアナザーフォーゼはせせら笑うようにランチャーモジュールを構えるが、カリスが暴風を撃ち出した目標は、アルフィミアの方だった。

 

「アルフィミアァァァァァァ!!」

 

結果、アルフィミアを拘束していた堕天使達は暴風に顔を覆ってしまったが為に、アルフィミアを手放してしまい、アルフィミアは風に乗って何処かに飛んでいった。

 

そしてカリスは、トルネードホークとは違うカードを取り出して、カリスラウザーにリード。

 

《フロート》

 

フロートの力で飛び立ち、この場を離脱。

 

竜牙は初めて、木原に敗北した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

同時刻。

 

誰よりも不幸なツンツン頭の少年、氷城 冬麻は両手にレジ袋を持って、隣を歩く1人の女性と共に夜の町を歩いていた。

 

「いや~花丸さん。助かりましたよ~」

 

「別にいいずらよ~。それにしても、買った卵を店から出た直後に落として、全部割るなんて、すごい不幸ずらね」

 

冬麻のお礼に答えた女性、神代 花丸は顎に指を当てて、こうなる経緯を思い出す。

 

タイムセールで冬麻は卵の買い出しに出ていたが、何故か今回は運良く良質な卵をタイムセール中に手に入れられた。

 

今日はラッキー!うっはー!と、喜んだのも束の間。

 

店を出た直後にレジ袋の底が破れ、卵のパックは落下。

 

見事に全部割れてしまい、不幸だと嘆きつつも店に戻るが、既にタイムセールの卵は完売。

 

途方に暮れていた所に、卵を大量に買っていた花丸に遭遇。

 

事情を聞かれて話してみると同情され、いくつかの卵パックを譲られたのだ。

 

「流石は善子ちゃんの息子君。不幸体質は受け継がれてるずらね」

 

「嫌な体質っすね」

 

まるで他人事のように呟いた時だ。

 

冬麻の背中に衝撃が走った。

 

なんとか貰った卵を落とさなかったことに安堵しつつ、彼が背後を振り返ると、褐色肌のナイスボディの銀髪美少女がそこにいた。

 

「助けて……!」

 

「君は確か……」

 

幾日か前、町で竜牙とバッタリ出会した時、彼と一緒にいた少女だと、冬麻は思い出す。

 

彼女は竜牙の恋人である悪魔少女。

 

「お願いだから……あの人を助けて!」

 

彼女は、アルフィミア・レヴィアタンと呼ばれている少女であった。

 

 

 

 



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episode3




いよいよドライバーだけですが、あれが出ます。



一誠side

 

 

俺は木場と別れた後、家に帰って風呂に入り、部屋でゴロゴロしながら考え事をしていた。

 

するとリアスとアーシア、レイヴェルが俺の部屋に来て、木場のことで話があると切りだした。

 

十中八九、聖剣計画の事だな。

 

そして俺とアーシア、リアスとレイヴェルは同じ部屋で今は話を聞いていた。

 

「イッセーはもう知ってると思うけど、初耳になるアーシアやレイヴェルの為にも話すわね?聖剣計画の事」

 

それにアーシアが首を傾げる。

 

「聖剣計画……ですか?」

 

リアスの口から語られたその単語、それは木場の過去の最も大きな出来事のことだった。

 

聖剣計画と呼ばれる事件のこと。

 

それは教会サイドで行われていた聖剣、特にエクスカリバーを扱える子供育成するための計画のことだった。

 

数年前まで当たり前のようにあったその計画は、悪魔にとっては究極の兵器ともいえる聖剣を人為的に操れる人間を創るための計画。

 

そう、それだけの計画なら良かった……。

 

リアスの口から更に言葉が続けられる。

 

「でも祐斗はその計画での成功なんてものにはならなかった……いいえ、言い方が悪いわ。その計画に置いて、成功者なんか一人もいなかったの」

 

「「「…………」」」

 

俺とアーシアとレイヴェルは黙ってリアスの話を聞く。

 

「そして、誰一人として成功者を出さなかったその計画の果て、祐斗達は処分という形で全員が殺された……不良品というレッテルを張ってね」

 

「……ッ!そんなこと、主がお許しになるわけが!」

 

アーシアが泣きそうな表情でそう言う。

 

そりゃあ、信じられるわけないよな。

 

少し前まで自分のいた世界で、そんな非人道的なことが起こっていたことに。

 

「でも事実なの……嫌悪するわ。ただ勝手に計画のために子供を使って、それが失敗だったからって全てを処分という形で毒ガスで殺す……許せないわッ!」

 

リアスは悔しそうな表情を浮かべながらそう言った。

 

それは俺も同じだった。

 

これを聞くのは二度目だが、聞けば聞くほど胸糞悪くなる話だった。

 

でも俺は知ってる。

 

どこまでも救いようの無い話だが、その果てには僅かな希望があることを。

 

「祐斗はね……唯一、命からがら施設から逃げたの。私が祐斗を発見した時には既に毒ガスを多く吸ってしまったから、雪が積もる森の中で息絶えた……私はその時に祐斗を悪魔に転生して生き返らせた。だから彼は唯一の生き残りだと思うわ」

 

生き残り、仲間だった者のための復讐……あいつが生きる意味っていうのはそれなんだろう。

 

でも木場、お前だけが生き残りな訳じゃない。

 

他にも居るんだよ。

 

お前と同じ境遇で生き残った者が。

 

俺の脳裏に浮かんだのは、筋骨隆々の爺さんの元で保護されている1人の少女。

 

この事を今言うべきか、その時が来るまで黙っておくか、悩んでしまった。

 

「……もうこんな時間だわ。イッセー、そろそろ寝て、明日の朝に備えた方が良いわ」

 

リアスがそう言うと、レイヴェルが挙手して言う。

 

「あ、あの!実はイッセー様に伝えておくことが……」

 

「うん?なんだレイヴェル?」

 

俺達の視線が集まると、レイヴェルはおずおずと服の下に隠してた物を俺達の前に置く。

 

それは仮面ライダー関係のドライバーだった!

 

基本は黒、中央にモニターがあり、右に黄緑のグリップ、左に3つの黄緑のボタンがあった。

 

これは……!?

 

俺はそれに見覚えがあった!

 

リアスがレイヴェルに訊ねる。

 

「レイヴェル、これは?」

 

「それが分からないんです、リアス様。自分の部屋に帰ったら、いつの間にかテーブルの上に置かれてて……」

 

レイヴェルはそう言うが、俺はなんとなく、今のレイヴェルのポジションからして、このドライバーを手に入れる予感が何処かにあった。

 

でもまさか本当に現実になるとは……。

 

「とりあえずレイヴェル、この動画を見て、勉強するんだ」

 

俺はそう言って、自分のスマホをレイヴェルに渡す。

 

「分かりましたわ、イッセー様」

 

言ってレイヴェルは、ドライバーと俺のスマホを持って、俺の部屋を出た。

 

レイヴェルが完全に部屋を出たのを見計らって、リアスが俺に訊いてきた。

 

「イッセー、あれも仮面ライダーのベルトなの?」

 

「はい。名前は……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ビヨンドライバー』」

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

翌日。

 

一日の授業と部活を終え、悪魔の仕事もなかったから、俺とレイヴェル、アーシアの三人は家路についていた。

 

いつもならリアスもいて、四人で帰っているんだけど、会長と用事があるらしく、今日はいない。

 

アーシアが不意に呟く。

 

「木場さん、大丈夫でしょうか?」

 

今日、木場と同じクラスの子に話を聞いたところ、木場はずっとボーッとしていたらしい。

 

名前を呼んでも返事をせず、いつもと違う雰囲気に先生も心配するくらいだったそうだ。

 

「まぁ、あいつにも色々あるんだ。今はそっとしておいてやれ」

 

レイヴェルが眉尻下げて言う。

 

「私達、何か出来ないのでしょうか?」

 

「残念だけど、今の俺達に出来ることはあいつを見守ることぐらいだ。今は何を言っても逆効果だろうしな」

 

多分、木場と同じ生き残りである少女、トスカさんの事を今言っても、逆にトスカさんを教会から1人で奪い返すという暴挙に出る可能性もある。

 

「………そうでしょうか」

 

「そんなに落ち込むなって。あいつは絶対に帰ってくるさ。俺達の仲間を信じろよ………あん?」

 

家に着く直前、俺は言い知れない悪寒を感じた。

 

この感覚は以前にも体験したことがある。

 

アーシアとレイヴェルも感じているようだ。

 

「2人とも、少し急ごうか」

 

2人は頷き、歩くペースを上げる。

 

この方向は俺の家。

 

母さんの気を感じ取れるから大丈夫だということは分かる。

 

だけど、何があるか分からない以上、急いだ方が良いだろう。

 

そして、俺達が家の前に着いたとき、そこにいたのはローブを着て十字架を胸に下げている二人の女性。

 

良かった……敵じゃなかった。

 

むしろ前世通り彼女達でホッとした。

 

俺は二人と談笑する母さんに話しかける。

 

「………母さん、玄関前で何してるの?」

 

「あ、イッセーやん。三人とも、お帰り。久しぶりに会ったものやから話し込んじゃって」

 

俺は二人の女性に視線を向ける。

 

一人は栗毛、もう一人は青髪に緑色のメッシュが入っている。

 

二人ともかなりの美人さんだ。

 

そして、二人からは聖なるオーラが感じられる。

 

やっぱりこいつらは………。

 

「イッセー様、やはり彼女達はゼノヴィア様とイリナ様ですわね」

 

コソッと耳打ちしてくるレイヴェル。

 

やっぱりレイヴェルも分かっちゃうか。

 

「こんばんわ、緋村一誠君」

 

栗毛の女性が話しかけてきた。

 

「ああ、久しぶりかな?イリナ」

 

そう言うと、栗毛の女性…イリナは目をパチクリさせ、やがてその顔を喜色に染めると、俺に飛び付いてきた。

 

「覚えててくれたんだ~!嬉しいよイッセー君!」

 

「ちょ、イリナ!?」

 

く、苦しい!

 

そして色々と柔らかいの当たってる!

 

更に言うとピリピリと聖剣のオーラが痛い!

 

にしてもここまでの喜びようとは……。

 

こりゃ、時が一度巻き戻ってるからもう知ってます、なんて口が裂けても言えねぇ……。

 

それに、イリナのこの喜び様と、ゼノヴィアの剣呑な眼差し、この2人もフィアンマの事は覚えて無さそうだな。

 

どちらも覚えてたら、それ相応の態度を素直に出すような2人だからな。

 

そう思ってると、イリナは喜色の面から一転、意味深な顔を浮かべて俺から離れた。

 

「でも良かった~。もし忘れられてたらどうしようかと思ってたの。でも………お互いしばらく会わないうちに色々あったみたいだね。本当、再会って何が起こるか分からないものだわ」

 

………気付いているな。

 

俺が悪魔になったことに。

 

「そうみたいだな」

 

本当、再会ってのは何が起こるか分かったものじゃないな。

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

「無事で良かったわ」

 

あの後、聖剣の気配を感じたリアスが急いで帰ってきた。

 

とりあえず、俺達の無事を確認して安堵しているようだ。

 

「部活が終わってから、ソーナから聖剣を所持した教会の関係者が潜り込んできている、という話を聞いたの。どうやら、私達に交渉を求めているようなの」

 

「交渉ね~」

 

どうせ干渉するな~とか、牽制みたいな事、また言われるんだろうな~。

 

「リアスはどうするつもりなんですか?」

 

「とりあえず受けておくことにしたわ。わざわざ向こうから交渉してくるなんて、よっぽどのことでしょうから」

 

まぁ、そうだよな。

 

断って、下手に動かれるよりは話を聞いた方が良いよな。

 

「それで、交渉はいつ?」

 

「明日の放課後よ」

 

明日か………ここも前世通りだな。

 

今のところは前世通りだが、レイナーレやライザーの時みたく、冬麻が最初から居たり、ニコさんが応援だったり、最後に怪獣が現れる所に現れなかったり、不確定要素も出てるからな。

 

気は抜けない。

 

「木場が聖剣を前にして冷静にいられますかね?」

 

「そうね。正直言って、今の祐斗は堪えられないと思うわ」

 

だろうな、下手したらイリナ達に剣を向けかねないな。

 

いざという時は俺が何とかするか。

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、次の日の放課後。

 

部室には部員全員と、イリナ&ゼノヴィアが集まっていた。

 

リアスとイリナ達が向かい合う形で座り、俺達はリアスの後ろで控えている状態だ。

 

木場は一人、俺達と少し離れたところで壁にもたれ掛かり、イリナ達を鋭い目付きで見ている。

 

「この度、会談を了承してもらって感謝する。私はゼノヴィアという者だ」

 

「紫藤イリナです」

 

「私はグレモリー家次期当主、リアス・グレモリーよ。それで、悪魔を嫌っている教会側の人達が私達悪魔に何の用かしら?会談を求めてくるぐらいだから、それなりのことがあったのでしょう?」

 

「簡潔に言おう。………教会側が所有しているエクスカリバーが、堕天使たちによって奪われた」

 

う~ん……やっぱりここも前世通りか。

 

出来れば別の理由であってほしかったよ。

 

にしてもミカエルさん、簡単にエクスカリバー盗まれるとか、教会の警備ザル過ぎない?

 

『手引きした者がいたのだろう?そこまで天使どももバカじゃない』

 

確かにドライグの言うことも一理ある。

 

「教会は三つの派閥に分かれていて、所在が不明のエクスカリバーを除いて6本の剣を2つずつ所有していた。その内、三本のエクスカリバーが盗まれた。残っているのは私の持つ『破壊の聖剣《エクスカリバー・ディストラクション》』と」

 

「私の持っている『擬態の聖剣《エクスカリバー・ミミック》』よ」

 

ゼノヴィアは布で巻かれた大剣、イリナは腕に巻かれている紐のようなものそれぞれ指差した。  

 

「我々がこの地に来たのはエクスカリバーを奪った堕天使がこの町に潜伏しているという情報を掴んだからだ。我々はそれを奪取、もしくは破壊するためにここに来た」

 

「堕天使に奪われるくらいなら、壊した方がマシだもの」

 

「………それで、盗んだ堕天使の名は?」

 

リアスはゼノヴィアにそう尋ねた。

 

個人的には既に知ってる故、違う堕天使であってほしい。

 

「『神の子を見張る者・グリゴリ』の幹部、コカビエル」

 

ほら見ろォォォォォォォォ!!

 

やっぱりあの戦闘狂堕天使だったよ!

 

お願いだからこういう所でイレギュラー要素出てほしかった!

 

俺はゼノヴィアの情報に内心崩れ落ち、俺以外の全員は普通に驚いていた。

 

「………それで、貴方達は私達に何を要求するのかしら?」

 

「簡単だ。私達の依頼──いや、注文は私達と堕天使のエクスカリバー争奪の戦いに悪魔が介入してこないこと。つまり、今回の事件で悪魔側は関わるなということだ」

 

ゼノヴィアの物言いにリアスの眉がつり上がる。

 

「ずいぶんな言い方ね。私達が堕天使と組んで聖剣をどうにかするとでも?」

 

「悪魔にとって聖剣は忌むべき物だ。可能性がないわけではないだろう?」

 

リアスの瞳に冷たいものが宿った。

 

かなりキレてるな。

 

まぁ、自分達の失態を棚にあげておいてこれだからな。

 

「もし、そちらが堕天使と手を組んでいるなら、私達はあなた達を完全に消滅させる。たとえ、魔王の妹でもね」

 

「そう。ならば、言わせてもらうわ。私は堕天使と手を組んだりしない。決してね。グレモリーの名にかけて、魔王の顔に泥を塗るような真似はしないわ」

 

リアスがそう言い切るとゼノヴィアはフッと笑った。

 

「それが聞けただけで十分だ。私も魔王の妹がそこまで馬鹿だとは思っていない。今のはあくまで上の意向を伝えただけさ」

 

ゼノヴィアの言葉を聞き、リアスは表情を緩和させる。

 

張り詰めていた部屋の空気も少し緩くなった。

 

会話が終わり、イリナとゼノヴィアは立ち上がる。

 

「本日は面会に応じていただき、感謝する。そろそろおいとまさせてもらうよ」

 

「そう。お茶は飲んでいかないの?」

 

「いや、悪魔とそこまでうちとけるわけにもいかなくてね」

 

「ごめんなさいね」

 

ゼノヴィアはリアスの誘いを断り、イリナも手でゴメンをしながら謝る。

 

すると、二人の視線はアーシアに集まった。

 

「緋村一誠の家で出会った時、もしやと思ったが、アーシア・アルジェントか。こんな極東の地で『魔女』に会おうとはな」

 

ゼノヴィアの言葉にアーシアはビクっと体を震わせる。

 

魔女。

 

この言葉はアーシアにとって辛いものだ。

 

にしても、やっぱりこの会話もあるんだな。

 

イリナもそれに気づいてアーシアを見る。

 

「へぇ。あなたが噂になってた元聖女さん?悪魔を癒す力を持っていたから追放されたとは聞いていたけど………まさか、悪魔になっていたとはね」

 

その追放があのクソ変態に全て仕組まれた物だと知ったら、この2人はどう思うか。

 

いや、やめとこう。

 

それを知ったアーシアの顔なんて見たくないからな。

 

「あ、あの………私は………」

 

二人に言い寄られ、対応に困るアーシア。

 

「安心しろ、このことは上には報告しない。だが、堕ちれば堕ちるものだな。まだ、我らの神を信じているのか?」

 

「ゼノヴィア。悪魔になった彼女が主を信じているわけないでしょう?」

 

呆れた様子でイリナはゼノヴィアに言う。

 

「いや、背信行為をする者でも罪の意識を感じながら、信仰心を忘れない者がいる。彼女からもそれと同じものが感じられる」

 

「そうなの?ねぇ、アーシアさんは今でも主を信じているのかしら?」

 

その問いにアーシアは悲しそうな表情で答える。

 

「………捨てきれないだけです。ずっと、信じてきましたから………」

 

それを聞いたゼノヴィアは布に包まれた聖剣を突き出す。

 

「そうか。ならば、今すぐ私達に斬られるといい。罪深くとも、我らの神ならば救いの手を差し伸べてくださるはずだ」

 

 

 

 

……………ああ、限界だ。

 

 

 

将来、俺を愛してくれて、俺自身も愛した2人だから、何とか我慢しようとした。

 

でも、やっぱこの時の2人は気に入らねぇ!

 

俺はアーシアに突き付けられた聖剣を掴み、無理矢理下に向けさせる。

 

これにはゼノヴィアも驚きを隠せないようだ。

 

「布に包まれているとはいえ、悪魔が聖剣に触れるとは………」

 

「あ?そんなもん知るかよ。それより、随分と好き勝手言ってくれたな。………アーシアが魔女だと」

 

「そうだ。少なくとも今の彼女は魔女だと呼ばれるだけの存在ではあると思うが?」

 

ゼノヴィア………お前っ!!

 

俺は怒りに奥歯を噛み、ギリギリ鳴らす。

 

リアスが俺を制止しようとするが、俺は言わせてもらう!

 

「フジャケルナ!! 聖女だと勝手に祭り上げ、悪魔を癒してしまえば今度は魔女だと勝手に追放する。少々、いやかーなーりー教会側の人間は身勝手すぎる」

 

「聖女と呼ばれながらも、神に見放されたのは彼女の信仰心が足りなかったからだろう?」

 

はっ!

 

神様か…………そんなの、もうとっくの昔に死んでるぜ。

 

「だったら、随分と最低最悪の神様なんだな」

 

「なんだと?」

 

俺の言葉にゼノヴィアは眉を吊り上げて反応する。

 

「だってそうだろ。悪魔にも優しくできるアーシアを認めない。それまで多くの人々を救ってきたにも関わらずだ。本当に優しい心を持っている者が救われない。そんな信仰は間違っている」

 

「………今の発言は我々、教会への挑戦か?」

 

「どう取って貰っても結構。俺はいつだって最高最善の道を取ってるだけだ」

 

ゼノヴィアが俺に向けて殺気を放つ。

 

だが軽い。

 

ゼノヴィア、今のお前の殺気は軽すぎる!

 

「イッセー、お止め…」

 

リアスが俺を止めようとした時だった。

 

俺とゼノヴィアの間に木場が入る。

 

「ちょうどいい。僕が相手になろう」

 

強い殺気を発して、木場は剣を携えていた。

 

「誰だ、キミは?」

 

ゼノヴィアの問いに木場は不敵に笑う。

 

「キミ達の先輩だよ………失敗作だったそうだけどね」

 

その瞬間、部室内に無数の魔剣が現れた。

 

 

 



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episode4






俺達は旧校舎の前にある芝生の広場に来ていた。

 

先ほど、俺とゼノヴィアの口論に木場が飛び込んできて、一触即発の空気になったんだ。

 

木場が売った喧嘩をゼノヴィアが買い、今から殺し合いは無しの決闘が行われることになった。

 

俺の前にはイリナ、木場の前にはゼノヴィアがそれぞれ対峙するかのように立っている。

 

対戦相手が逆のような気もするが………。

 

元々、俺がゼノヴィアと言い争っていたんだし。

 

そういや前世なら、ここに絵里さんや真姫さん、千歌さんがいる筈だが、今回は来なかった。

 

まぁその前にフリードと戦ってた真姫さんに会わなかったし、こうなるのは必然か。

 

それはともかく、俺達の周囲を丸ごと囲むように紅い魔力の結界が展開された。

 

人払いと、戦いの騒音を消すための結界だ。

 

結界の端では部員の皆が俺達を見守っている。

 

「では、始めようか」

 

イリナとゼノヴィアが白いローブを脱ぐと黒い戦闘服の姿となった。

 

あの衣装って体の線が浮き彫りになってて、ボンテージっぽくてエロいんだよな。

 

それにやっぱ2人とも、出るとこ出てて腰が引き締まってて、スタイルが良い。

 

ゼノヴィアは布を取り払いエクスカリバーを解き放つ。

 

イリナの方は腕に巻いていた紐が日本刀の形になった。

 

「イッセー、ただの手合わせとはいえ、聖剣には十分気を付けて!」

 

「分かってるよ」

 

そう答えつつ俺はジクウドライバーを腰に巻いて、ジオウライドウォッチを起動。

 

《ZI-O》

 

するとイリナが途端に慌てふためく。

 

「えっ?ちょ、まっ!? イッセー君それって!?」

 

お、やっぱ昔一緒にウルトラマンごっこや、仮面ライダーごっこしてただけはあるな。

 

ジオウの変身アイテムである事にすぐ気づいたようだ。

 

「見てろよイリナ?」

 

俺はジオウライドウォッチをドライバー右スロットに装着、ロックを外して独特な待機音を響かせて変身ポーズを取る。

 

「変身!!」

 

手首をスナップさせ、左手でドライバーを回す。

 

《ライダータイム!カメーンライダー!ジオウ…!》

 

「ひゃっ!?」

 

俺の背後から飛び出たライダーの文字にイリナは驚いてしゃがむが、それがいい方向に回避となった。

 

これでまともにぶつかってたら、その時点でイリナの奴、気絶してたな。

 

「危ない危ない………でも」

 

イリナは立ち上がり、仮面ライダージオウとなった俺を見ると、その瞳をキラキラと輝かせる。

 

「本物のジオウだ~……!!」

 

そして素早い動きで近づいてくると、俺にベタベタ触れてくる!

 

ちょ、今模擬戦なんだけど!?

 

「ふわぁ~……!! まさか悪魔のイッセー君が本物の仮面ライダージオウになるなんて……素敵だよ~!わっ、やっぱ鎧の部分は硬いな~。でもスーツの部分は柔らかい!複眼はザラザラしてる!きゃーっ!もうカッコよすぎー!! 日本に帰ってきて良かったー!!」

 

なんか……すげぇ喜んでる。

 

まあこれはこれで素直に嬉しいな。

 

にしても女の子なのにライダーに憧れる辺り、やっぱイリナの嗜好は男子寄りだな。

 

「「「「むー……」」」」

 

おう………。

 

なんか不満そうな声が聞こえたので横を見ると、リアスと朱乃、アーシアとレイヴェルが頬を膨らましていた。

 

それが嫉妬から来るものなのか、はたまた別の感情なのかは分からないが、このままだとまずい気がする。

 

未だにはしゃいでいるイリナを見て呆れたのか、ゼノヴィアが注意する。

 

「おいイリナ!今は決闘だぞ!気を引き締めろ!」

 

「はっ!そうだった!」

 

ゼノヴィアの言葉にイリナは慌てて、俺から距離を取る。

 

グッジョブ、ゼノヴィア!

 

今だけ感謝するぜ!

 

一方、木場の方は既に神器を発動して周囲に魔剣を出現させている。

 

そして、木場は不気味に笑っていた。

 

「………笑っているのか?」

 

ゼノヴィアが木場に訊ねる。

 

「倒したくて、壊したくて仕方なかったものが目の前にあるんだからね。嬉しくてね」

 

ゼノヴィアは周囲に展開された魔剣を見る。

 

「『魔剣創造《ソード・バース》』か。………聖剣計画の被験者で処分を免れた者がいると聞いていたが、もしやキミが?」

 

ゼノヴィアの問いに木場は答えず、ただ殺気を向けるだけだ。

 

あいつ、これは殺し合い禁止だってこと分かってんのか?

 

「イッセー君!」

 

あ、所定の位置に着き直したイリナが話しかけてきた。

 

「なんだよ?」

 

「再会したら懐かしの男の子が悪魔な上に、魔王と呼ばれる仮面ライダーになっていたなんて、なんて運命のイタズラ!聖剣の適正を認められ、晴れて主のお役にたてると思ったのに!これも主の試練なのですね!でも、この試練を乗り越えることで私は真の信仰に近づけるんだわ!」

 

目をキラキラと輝かせながら、難易度の高い言葉を飛ばしてきたよ!

 

お前さっきまでミーハー状態だったじゃねぇか!

 

有名人(主にジャニー系)に出会った一般女性みたいなノリだったじゃねぇか!

 

今は完全に自分に酔ってるよね!

 

「さぁ、イッセー君。私のこのエクスカリバーであなたの罪を裁いてあげるわ!アーメン!」

 

そう思ってると、風を切る音と共にイリナが斬りかかってきたので、ジカンギレードで防ぐ。

 

《ジカンギレード!! ケン!!》

 

「わっ!本物のジカンギレード!イッセー君、後でそれ触らせてね!?」

 

「お前決闘に集中するかファンになるかどっちかにしろよ」

 

コロコロ態度変わってやりづらいな。

 

俺とイリナはそのまま鍔競り合いをしていたが、突然俺がイリナの剣を横に流したので、勢い余ったイリナはそのまま俺の後方に倒れる。

 

「わひゃっ!?」

 

その隙に俺はウィザードライドウォッチを取って起動。

 

《ウィザード!》

 

「聖剣には魔法使いだ!」

 

そして左スロットに装填、ロックを解除してドライバーを回す。

 

《ライダータイム!カメーンライダー!ジオウ…!アーマーターイム!》

 

その音声の後に出てきた魔方陣が俺に重なり、魔方陣自体がアーマーに変わった。

 

《プリーズ!ウィ・ザード!》

 

「さぁ、マジックショーだ!」

 

俺はジオウ・ウィザードアーマーに変わるが、その途端にイリナの目が再びキラッキラと輝く。

 

「す、すごい!アーマータイムも出来るんだ!イッセー君!後で写真撮っていいかな!? 後ライドウォッチってどれくらい持ってる!? ジオウⅡはあるのかな!?」

 

「え、え~っと……」

 

うわ~……ホントやりづらい。

 

どうしよドライグ?

 

『もうとことん付き合ってやれ。それかとっとと黙らせるかだな』

 

その二択しか無いのかよ!?

 

まぁでも、やるしかない。

 

俺はウィザードのエクステンドの魔法のように腕を伸ばすと、イリナの聖剣を持ってる方の手首を叩いて聖剣を落とし、バインドの魔法でイリナをがんじ絡めに縛り上げた。

 

「あ!とっとっ……っ…ひゃわっ!?」

 

バランスを崩したイリナはそのまま後方に倒れ、身動き取れなくなった。

 

「はい俺の勝ち~」

 

「むー…っ」

 

そんな頬を膨らますなよイリナ。

 

負けず嫌いなのは昔からだな。

 

「流石は我が魔王です」

 

「やっぱりイッセーはすごいわね」

 

「ええ、ですわね」

 

「………イッセー先輩は規格外です」

 

変身を解くと、レイヴェル、リアス、朱乃、小猫ちゃんの順で賛辞してくれて、アーシアが心配してくれる。

 

「おケガはありませんか、イッセーさん」

 

「ありがとうアーシア。俺は無傷だよ」

 

やっぱりアーシアは優しいよな。

 

何故そんな彼女が追放されたのか、その理由をミカエルさんから聞いて、そうしなければいけない事情も理解していた。

 

だけどやっぱり、ミカエルさんが取った結果が、最高最善の道とは俺には思えなかった。

 

とりあえず、俺の方は終わった。

 

残りは木場とゼノヴィアか。

 

「時折ミーハーになったとは言え、あのイリナがこうもあっさりと倒されるとは………。流石は日本のヒーロー、仮面ライダーと言うべきか」

 

「次は君の番さ」

 

木場は二本の魔剣を握り、ゼノヴィアに迫る。

 

「燃え尽きろ!そして凍りつけ!ハアアアア!!」

 

片方の魔剣から業火が生まれ、もう片方からは冷気が発生する。

 

そして、木場の魔剣とゼノヴィアの聖剣がぶつかり合い火花を散らす。

 

二人の剣士による激しい剣撃が繰り広げられる。

 

「中々のスピードだ。そして、炎と氷の魔剣か。だが甘いっ!」

 

ゼノヴィアの一振りが木場の二本の魔剣を粉々にした!

 

「君の魔剣など、私のエクスカリバーの相手ではない!」

 

ゼノヴィアは長剣を天にかざし、地面へ振り下ろした。

 

 

 

ドォォォォォォォン!

 

 

 

地面が激しく揺れて地響きが発生する。

 

聖剣を振り下ろした場所にはクレーターが生み出されていた。

 

「七つに分かれてもこの威力。全てを破壊するのは修羅の道か………だけど!」

 

木場は新たに魔剣を作り出す。

 

「この力は同志の無念の思いで作られたものだ!この力で僕はエクスカリバーを破壊する!」

 

再びゼノヴィアに向かっていくが、作った魔剣はことごとく破壊される。

 

すると木場は手元に巨大な一本の剣を創り出す。

 

禍々しいオーラを放つ魔剣を木場は両手で構える。

 

「その聖剣の破壊力と僕の魔剣の破壊力!どちらが上か勝負だ!」

 

木場はそれをゼノヴィアに向けて振るう。

 

あのバカ!

 

冷静さを欠いて、アイツ自身が最もとってはいけない行動を取りやがった!

 

結果として壊れたのは、木場の魔剣。

 

そして、木場の腹部に聖剣の柄頭が抉りこむ。

 

「ガハッ」

 

口から吐瀉物を吐き、木場はその場に崩れ落ちた。

 

ゼノヴィアは木場を見下ろしながらつまらなさそうに言う。

 

「残念だよ。キミの武器は多彩な魔剣とそのスピードだ。巨大な剣を持てばキミの長所を殺すことになる。そんなことも分からないとはね」

 

そう、巨大な魔剣は木場が持ってはいけないものだったんだ。

 

ゼノヴィアはそれを見抜いていた。

 

木場は立ち上がろうとするが、ダメージが大きいせいでそれは叶わない。

 

ゼノヴィアは木場を一瞥した後、俺の方に歩み寄ってきた。

 

「さて、緋村一誠。イリナをほぼ一方的にあしらったキミの強さには私も驚いたよ。是非とも手合わせ願いたいところだが、私達も忙しいのでな。またの機会にするとしよう。リアス・グレモリー、先ほどの話、よろしく頼むよ」

 

「ええ、分かっているわ」

 

ゼノヴィアは踵を返しイリナと合流する。

 

「それでは失礼するよ」

 

「イッセー君!今度は私が勝つからね!後写真も頂戴ね!」

 

おい、拗ねるかファンになるかどっちかにしろよ、まじで。

 

こうして、二人はこの場を去っていった。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

「待ちなさい、祐斗!あなたが私から離れることは許さないわ。はぐれになんてさせない……あなたは私の大切な『騎士』よ!」

 

あの2人が去ってから数分後、部室でリアスと木場が言い争っていた。

 

木場はその復讐を果たすために、敢えてリアスの眷属から抜け、『はぐれ悪魔』になるつもりらしい。

 

だが、それを眷属を何より大切にするリアスが許す筈もなかった。

 

「それでも僕は……エクスカリバーを!」

 

……ったく、見てらんねぇな。

 

「木場」

 

俺は木場に声を掛けた。

 

「イッセー君………」

 

「お前を無理に止めようとは思わない……でもな、死んでいったお前の仲間、本当にお前に復讐を果たしてほしかったのか?」

 

「…………何が言いたいんだい?」

 

「よく思い出せ。お前の仲間が、最後の最後までお前に願った事を」

 

「……………」

 

それに木場は何も返さずに、部室を去って行った。

 

 

一誠sideoff

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◎side

 

 

この様子を部室の扉の影に隠れて聞いていた者がいた。

 

一誠のクラス担任であり、μ'sの元メンバーでもあり、とある仮面ライダーでもある女性、【雨崎 絵里】だ。

 

絵里はここで起きた事の一部始終を、全て見て、聞いていた。

 

故に考える。

 

今の自分にできる事を。

 

「とりあえず彼女達に任せてみましょ。私はまだ出来てないし、もう少しで完成するらしい2人が側にいた方が一誠君の為にもなるわ」

 

絵里の頭に浮かんだのは、2人の女性。

 

幸い1人はこの地にいるが、もう1人は現在静岡県沼津の方にいるので、電話をかけて呼ぶことにした。

 

「もしもし?久しぶり。早速で悪いけど、至急こっちに来れるかしら?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ルビィちゃん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

同時刻。

 

天候が悪く、波が大いに荒れている東京湾の海面に、幾つもの鋭い突起が浮いていた。

 

それは剣山のようにも見える。

 

それはとある巨大生物の背鰭だった。

 

巨大生物はイグアナのような頭を海中から浮上させ、出現の咆哮を高らかに上げた。

 

 

 

 

 

「ギュゥゥゥゥオオォォワアァァン!!」

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

翌日の事だった。

 

仮面ライダーカリスこと、火神 竜牙は街を歩いていた。

 

二日前、彼は自分にとって因縁のある堕天使、木原と戦い、そして負けた。

 

何とかアルフィミアだけは逃したものの、あれから彼女とは連絡が着かず、彼自身も受けた傷を癒やす為に寝ていた為、すぐには捜索に出れなかった。

 

そして現在、傷もある程度癒えたので、彼はアルフィミアの捜索に出ていたが、そこで奇妙な光景を見つけた。

 

「えー、迷える子羊にお恵みを~」

 

「どうか、天の父に代わって哀れな私達にお慈悲をぉぉぉぉぉ!!」

 

路頭で祈りを捧げる白いローブを纏う女の子が二人。

 

通りすぎる人々も奇異の視線を向けていた。

 

関わるな、すぐに通りすぎろ。

 

関わってしまえば面倒な事になる。

 

竜牙の頭にそんな警告が発令されていた。

 

「なんてことだ。これが超先進国、日本の現実か………。誰も救いの手を差しのべてくれないとは。これだから信仰の匂いもしない国は嫌なんだ」

 

「毒づかないでよゼノヴィア。路銀の尽きた私達はこうするしかないんだから。このままじゃ食事も取れないのよ?」

 

「ふん。もとはといえば、おまえが詐欺紛いの変な絵画を購入したのが悪いんだ」

 

そう言って青髪少女が指差したところには、変なおっさんが描かれた一枚の絵画があった。

 

下手くそな絵だな、というのが竜牙の素直な感想だった。

 

「何を言うのゼノヴィア!この絵には聖なるお方が描かれているのよ!展示会の人もそう言ってたわ!」

 

「ああ、どうしてこんなのが私のパートナーなんだ………。主よ、これも試練なのですか」

 

「あなたって沈む時はとことん沈むわよね」

 

「うるさい!それより、今日の食事を何とかしないとエクスカリバー奪還どころじゃない。どうすれば良いんだ………」

 

「「はぁ………」」

 

ぐぅぅぅぅぅぅ………。

 

離れて見ている竜牙のところまで届く腹の虫。

 

二人はその場に崩れ落ちる。

 

とは言え、どう見てもこれは彼女達の自業自得。

 

そんな者に手を差し伸べる程、竜牙は崇高な人間でも、博愛主義者でもない。

 

何より彼は迷子少女を見つける大変大事な用事がある。

 

なのでさっさと通りすぎるように彼女達の前を歩いた時だ。

 

ガシッ!と、足首を掴まれる感覚を覚えた。

 

嫌な予感を覚えつつ、見下ろすと、先程まで空腹で崩れ落ちていた少女2人が絶対に逃さないと言わんばかりの目で竜牙を見上げていた。

 

「見てゼノヴィア、天使様よ……」

 

「ああ、私にも見えるぞイリナ……」

 

どうやら空腹の限界で彼女達は竜牙を天使と見間違えているらしい。

 

確かに竜牙の見た目は、髪が真っ白で、華奢な体なので天使のようにも見えなくは無いが、彼の内面はそんなメルヘン存在とはかけ離れている。

 

「おい、離せよ。誰が天使だ?俺がそンなメルヘン野郎に見えるかァ?」

 

そう言って鬱陶しそうに言うも、彼女達は手を離さない。

 

と言うか返答もない。

 

どうやら本格的にヤバイようだ。

 

それに竜牙はため息を吐くと、心底鬱陶しそうに毒づいた。

 

 

「くそったれが……」

 

 

 




再び禁書要素が出てくる回でした。

それと途中で出た怪獣、わかる人いますかね~。


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episode5






2人を近くのファミレスに連れていった竜牙は、少しばかり後悔していた。

 

「美味い!日本の料理は、美味いぞ!!」

 

「ああ、やっぱりファミレスのメニューこそ私のソウルフード!!」

 

ガツガツとファミレスで注文したメニューをたいらげていくゼノヴィアとイリナ。

 

テーブルの上に次から次へと皿が積み上げられていく。

 

既に十皿以上は積まれてる上に、店員がまだ持ってくる。

 

あの細身のどこにそれだけの量が入るのか、竜牙は思わず真剣に考えてしまった。

 

「……食うか喋るかどっちかにしろォ。つーか、俺に何か言うことがあるンじゃねェのか」

 

竜牙のその言葉に、2人は一気に巨大ステーキをその口に押し込むと言った。

 

「本当に助かった。礼を言おう」

 

「貴方は私達の恩人ね。アーメン!」

 

「一言かよ、オイ」

 

2人はテーブルの上にあるジュースの中身を一気に口の中に流し込んで飲み干していく。

 

「そうだ。名前をまだ言ってなかったな。私はゼノヴィアだ」

 

「私の名前は紫藤イリナって言うんだよ」

 

「汚ねェ面で自己紹介か?」

 

彼女達の口元が汚れているのを見た竜牙は、2人にポケットティッシュを渡す。

 

そしてスマホを操作すると、アルフィミアの写真を呼び出し、2人に見せた。

 

「オマエら、この女を見た事があるか?」

 

「いや、知らないな」

 

「私も」

 

2人して即答。

 

その返事に、やるべきことはやったとばかりに、竜牙は立ち上がる。

 

その行動にイリナが訊ねる。

 

「もう行っちゃうの?」

 

「ああ、生憎と大忙しだ」

 

竜牙はそう言いながら、今現在の金額プラス、この2人がまだ食べる分だけの予想金額を合わせた金銭をテーブルの上に置く。

 

一般高校生からするとかなり大ダメージな額だが、何分竜牙は普通の高校生が持てないような額を貯金しているので、このくらいをポンッと出す事に躊躇いはなかった。

 

そしていざ去ろうとした時だ。

 

「あれ?竜牙?」

 

「あァン?」

 

彼にとって聞きなれた声が聞こえた。

 

前を見れば、そこには一誠がいた。

 

(何でこいつがここに?)

 

竜牙はそんな疑問を持つが、一誠からすれば何故竜牙がゼノヴィア達といるのか、そっちの方が疑問だった。

 

「竜牙、何でお前がここに?」

 

「このアマどもが無様に野垂れ死にそうになってたから、飯奢ってたンだよ。お前は何の用だ?」

 

「俺はその2人に話があってな。丁度いいから竜牙も話に付き合ってくれ」

 

「なァンで俺がテメェのやることに付き合わなきゃいけねェンだよ?生憎こっちも立て込ンでンだ」

 

普通の人間なら竜牙の言いように目くじらを立てるが、そこは竜牙とも幼馴染みの一誠。

 

これが竜牙という人物なのを理解しているため、特に気にする事なく引き下がる。

 

「そうか……なら仕方ないな。引き留めて悪かった。その代わり、主に堕天使関連でなんかあったら連絡くれ」

 

堕天使。

 

そのフレーズを聞いた瞬間、竜牙のこめかみがピクリと動いた。

 

そして今度は竜牙が一誠を引き留める番だった。

 

「待て。気が変わった。俺も参加させろ」

 

「え?何でだよ?」

 

「前にクソみてェな堕天使と会ってな。そいつも関係してるかもしれねェ」

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

という訳で、一誠は竜牙を隣に、ゼノヴィアとイリナを対面に秘密の会談をしていた。

 

「それで、キミが私達と接触してきた理由は?」

 

ゼノヴィアが単刀直入にそう尋ねてくる。

 

どうやら、大体は察していたらしい。

 

「単刀直入に言わせてもらう。エクスカリバーの破壊に俺と竜牙も協力させてほしい」

 

一誠の発言に二人は驚愕していた。

 

「………目的はなんだ?昨日、我々と関わらないように約束してもらっていたはずだが?」

 

ゼノヴィアの言うことは最もだ。

 

悪魔は関わるなと言った翌日に協力させてくれ、と言ってきたのだから。

 

「理由は二つある。そっちは破壊してでもエクスカリバーを回収したい、だよな?」

 

「ああ、そうだ。昨日も言った通り、堕天使に利用されるくらいなら破壊したほうがマシだからな」

 

「一つ目の理由なんだけど、木場…俺のところの騎士は自分と同志の怨みを晴らすためにエクスカリバーを破壊したがっている」

 

「なるほど。エクスカリバーの破壊という点では我々の利害は一致しているわけだ」

 

「そういうことだな」

 

「それで、二つ目の理由は?」

 

「実は二日前、竜牙が堕天使と交戦したんだ。もしかしたらコカビエルと関係してるかもという事。後は、お前らだけじゃ危ういというところか。ハッキリ言うぜ。お前達だけではコカビエルには勝てない。それはお前達も分かっているはずだ」

 

「………確かに、私とイリナだけでは正直無理だ。奪還も難しいだろう。無事に帰れる確率は三割以下。そういう意味ではキミが協力してくれるのはこちらにとっても大きいだろう」

 

ゼノヴィアが一誠の協力に乗り気になると、イリナがそれに異を唱える。

 

「ちょっと、ゼノヴィア。相手はイッセー君とはいえ、悪魔なのよ?」

 

どうやらイリナは一誠が悪魔だってことを気にしてるようだ。

 

では協力する立場を悪魔ではなく別の存在として動くならばどうだろう?

 

例えば仮面ライダー、或いはドラゴンなど。

 

それを一誠は提案する。

 

「悪魔がダメなら仮面ライダー、或いはドラゴンなら良いだろ?」

 

「何?」

 

ゼノヴィアが一誠の言葉に反応する。

 

「俺は仮面ライダージオウでもあり、今代の赤龍帝でもある。更に言えば、竜牙も仮面ライダーだ」

 

「「!?」」

 

その言葉にゼノヴィアとイリナは物凄く驚く。

 

ただ1人、赤龍帝の凄さを分かってない竜牙は興味なさそうに頬杖をついているが。

 

ゼノヴィアはどこか納得したように言う。

 

「キミから感じられるドラゴンのオーラ。それにイリナを一瞬で倒したその力量………。まさか、キミが赤龍帝だったとは………それにそっちの彼も戦闘慣れしているオーラを感じる。仮面ライダーが2人か」

 

「そういうことだ。それで、どうだ?俺の申し出を受けてくれるか?」

 

「良いだろう。最悪、上には仮面ライダーとドラゴンの助けを借りたと報告すれば良いからな」

 

どうやら交渉は成立のようだ。

 

話に一段落着いたのを見て、竜牙はとある事をゼノヴィアに訊ねる。

 

「おい、お前ら教会の戦士なンだよなァ?」

 

「ああ、そうだが?」

 

「俺が戦ったクソ堕天使は木原って名前だが、聞いた事はあるか?」

 

そのフレーズに、一誠は頭に疑問を浮かべるが、ゼノヴィアとイリナだけはピクリと肩を揺らして、反応した。

 

それが知ってる素振りだと確信した竜牙は問い詰める。

 

「知ってンだな?」

 

「………ああ。知ってるとも。聖剣計画、あの忌まわしい計画の副責任者で、自身の研究の為には例え天使だろうと悪魔だろうと、なりふり構わずに使うような狂った研究者だったと聞いている」

 

「追放された今は堕天使側に身を置いてるって、風の噂で聞いたわ。でもまさか本当に堕天使になってるなんて……」

 

最初にゼノヴィアが口を開き、イリナが補足する。

 

(あァ、そォ言う事かァ……)

 

ここに来てようやく、竜牙は木原という存在の実態を理解できた気がした。

 

「情報提供ありがとよ」

 

竜牙はニヤリと口を三日月に歪め、その際にゼノヴィアとイリナがビクリと一瞬震えるのを気にも止めずに席を立つ。

 

「礼って訳じゃねェが、俺からも情報をくれてやる。聖剣つったか?それらしき物を持った奴を潰したぜ?俺と同じ白髪だったな」

 

竜牙の情報に一誠達はピクリと反応、竜牙と同じ白髪という所に着目して、思い当たる人物を一誠が挙げた。

 

「もしかしたらフリードかもな」

 

「あぁ、かもしれない」

 

これはこれで一誠達にとっては良い収穫だった。

 

しかし前世でフリードと交戦したのは真姫…キバだった。

 

だが今回は竜牙と交戦、しかも木原なんて言う一誠にとっては初耳の堕天使まで絡んでいる。

 

このイレギュラーに気を引き締めつつ、一誠は言う。

 

「じゃあそろそろ店を出るぞ。木場のところに行かないとな」

 

 

◎sideoff

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一誠side

 

 

イッセーだ。

 

竜牙に出会ったついでにゼノヴィアとイリナを無事に見つけて交渉成立させ、ファミレスを出たんだが、俺は今戸惑っている!

 

「おいクソアマ、テメェ一体どこに居やがったンだ?」

 

「そんな事より、私の無事に安心してよって注文しつつ、貴方が無事である連絡くらい寄越してほしかったかもって、貴方の心配をしてみたり!」

 

あ、有りのまま起こった事を言うぜ!

 

四人でファミレスを出ると、店の前に冬麻と、謎の褐色肌の銀髪巨乳美少女がいたんだ!

 

そしてその美少女は竜牙を見つけると、竜牙に真正面から抱きつき、頬擦りし始めたんだ!

 

自分でも何言ってか分かんないが、事実だ!

 

と言うかこの娘、よくよく記憶を辿ってみると、竜牙の恋人悪魔だ!

 

名前は確かアルフィミア・レヴィアタン。

 

あのカテレアの娘さんだ。

 

まさかこの時期にもう出会うなんて、ちょっと今回はイレギュラーが多々あるな。

 

「つーかよォ、お前今まで何してやがった?」

 

「それなんだけど、この人に保護して貰ってたの」

 

竜牙に尋ねられたアルフィミアさんはそう言って、冬麻を指差す。

 

保護?

 

どういうことだ?

 

「冬麻、一体何があったんだ?」

 

俺が訊ねると、冬麻は「実は……」と切り出して、アルフィミアさんと一緒になって話してくれた。

 

要約すると、二日前、木原って言う堕天使と戦った竜牙は奴に負けて、何とかアルフィミアさんを木原の魔の手から逃したは良いものの、離ればなれになった。

 

アルフィミアさんは誰かに竜牙を助けて貰おうと、偶然最初に目にした冬麻に救援を願い、それを受けた冬麻は急いで現場に急行したが、既にその場に2人はいなかったらしい。

 

仕方ないから彼女を二日間の間、保護していた。

 

その間に竜牙に連絡すればいいと思ったが、なんと冬麻のスマホはその日修理に出してたらしく、連絡が出来なかったらしい。

 

流石は冬麻、不幸に愛されてるな。

 

そして訳も分からないのに、助けてと言われたら即座に助けに動く辺りも、流石としか言いようがない。

 

俺よりヒーローじゃね?

 

「んじゃあ、俺はこの辺で」

 

「おう、じゃあな冬麻」

 

「ありがとうって、私は手を振って感謝してみる」

 

冬麻が手を振って帰ろうとしたので、俺とアルフィミアさんも一言言って別れ、竜牙もアルフィミアさんを連れて一旦家に帰っていく。

 

するとゼノヴィアが俺に尋ねてくる。

 

「緋村一誠、彼女はもしかして悪魔か?それらしき気配を感じたが」

 

「あぁ、まぁな。ってか、分かっててよく斬りかからなかったな?」

 

こいつなら即行、斬りに行くと思ってたが。

 

「まぁ害は無いようだし、一応協力してくれる彼の身内らしい感じだったからな」

 

「本当なら斬らなきゃいけないけど、こんな街中でする訳にもいかないしね」

 

あ、そこら辺のモラルはあるのね。

 

そう思いつつ、俺は2人を連れて木場が待つ公園に向かう。

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

木原の待つ公園へ足を運んだ俺達だが、そこには意外な人物が2人程いた。

 

「あれ、小猫ちゃんと匙? なんで二人がここにいるんだよ?」

 

木場だけじゃなく、何故か小猫ちゃんと匙がいた。

 

「………私は祐斗先輩を探していました」

 

「俺は小猫ちゃんに事情を聞いて木場を探すのを手伝っていたんだ。それで今、木場を見つけたところなんだ」

 

あー、やっぱり小猫ちゃんも心配してたんだな。

 

匙も手伝ってくれていたのか。

 

後々バレたら会長から酷い目に会うと分かってたから誘わなかったのに、まさか動いてくれるとは。

 

最初の出会いは最悪だったけど、結構良いやつなんだよな。

 

「それで、イッセー先輩はその二人を連れて何をしようとしてたんですか?」

 

うっ………。

 

まぁ、この状況で聞かれないわけがないか………。

 

誤魔化しも通用しなさそうだ。

 

小猫ちゃんって、かなり鋭いからな。

 

木場もいるし、ここは正直に言おう。

 

「実は―――」

 

俺は事情を話していく。

 

全てを聞き終えた後、匙が目玉が飛び出るかというくらいに驚愕していた。

 

「な、なにぃ!? 緋村、お前正気か!?」

 

「………連絡が取れないと思ったら、そんなことをしていたんですか」

 

俺がエクスカリバーの破壊に協力することにしたことを話すと匙も小猫ちゃんも驚いていた。

 

当然の反応か。

 

その横では木場とゼノヴィアが睨み合っている。

 

「エクスカリバー使いに破壊を承認されるのは、正直、遺憾だね」

 

「随分な言いようだ。そちらがはぐれなら問答無用で斬り捨てているところだ」

 

「おい!共同作戦前なんだから、ケンカはやめろ!」

 

メンチを切り合う2人の肩を押さえて注意する。

 

全く……先が思いやられるぜ。

 

「キミが聖剣計画を憎む気持ちは分かるつもりだ。………あの事件は私達の間でも最大級に嫌悪されている。だから、計画の責任者と副責任者は異端の烙印を押されて追放されたよ」

 

イリナがゼノヴィアに続く。

 

「『皆殺しの大司教』と呼ばれた男、バルパー・ガリレイ。そして木原。今では2人とも、堕天使側についているわ」

 

あのクソ爺か………かなりムカつく野郎だったな。

 

にしても聖剣計画の首謀者と副責任者が揃いも揃って堕天使陣営とは……。

 

「バルパー………そして木原。その2人が僕の同志を………。情報の提供には感謝する」

 

当面の向こうの戦力としては、コカビエル、バルパー、フリード、そして木原か。

 

だがカリスである竜牙が負けた所を考えれば、あちらもそれらしい戦力があるかもな。

 

最悪、アナザーライダーの力を持ってる可能性も。

 

「木場、今回の件にバルパーは必ず関わっている。どうする?」

 

俺が木場に訊ねると、ゼノヴィアが「ちょっと待て」と止めてくる。

 

なんだよ?

 

「何故バルパーが必ず関わっていると言い切れる?私達だってまだその可能性があるとしか思ってないんだぞ?」

 

あー……そこに触れてくるか。

 

「まぁそこは追々話すよ。今は聖剣破壊の事だけ考えようぜ」

 

ゼノヴィアやイリナには悪いが、ここは無理にでも納得してもらおう。

 

すると木場が言う。

 

「それを聞いて、僕が協力しないわけにはいかなくなったよ」

 

木場もこの共同作戦に参加してくれる気になったみたいだ。

 

「じゃあ、話はついたわね」

 

イリナはメモ用紙にペンを走らせ、連絡先を渡してきた。

 

「何かあったらここに連絡してね」

 

「サンキュー。じゃあ、俺のも」

 

「イッセー君のケータイ番号はおばさまからいただいてるから大丈夫よ」

 

イリナが微笑みながら言う。

 

「えっ?あぁ、そう……」

 

母さん、何やってんだよ……。

 

「では、そういうことで」

 

ゼノヴィアはそう言うと踵を返した。

 

「またねイッセー君!」

 

イリナは手をブンブン振りながらゼノヴィアと共に去っていった。

 

はぁ………とりあえず、何とかなったな。

 

すると木場が俺に言ってきた。

 

「イッセー君、君は」

 

「おっと、手を引けってのは無しだぜ」

 

「でも、これは僕の復讐だ」

 

「それでもだ。お前は俺の友達だ。友達を助けないわけにはいかないだろ?」

 

「………」

 

まだ納得していない表情の木場。

 

どうしたものか。

 

俺はふと傍に立つ小猫ちゃんと匙を見る。

 

本当にタイミングが悪いところで会ってしまった。

 

眷属の皆には後々の事を考えて、黙って事を進めるつもりだったんだけどな。

 

「小猫ちゃん、匙。この事は部長や会長には黙っててくれないか?」

 

そう言って、俺は二人に頭を下げる。

 

まぁ……返ってくる答えなんて分かりきってるが。

 

「………私もお手伝いします」

 

そう答えたのは小猫ちゃんだった。

 

小猫ちゃんは俺と木場の裾を掴み、顔をあげる。

 

その表情は寂しげなものだった。

 

「………祐斗先輩。私は、先輩がいなくなるのは寂しいです。それに、イッセー先輩も。一人で危険なことをしようとしないでください………。お願いします………」

 

む、一応危険な事に巻き込まないよう配慮してたが、逆効果だったか。

 

とりあえず、心配させてしまったんだ。

 

謝らないとな。

 

「ゴメンな、小猫ちゃん」

 

木場はというと、困惑しながらも苦笑いしている。

 

まさか、小猫ちゃんがこんな表情を浮かべるとは思わなかったのだろう。

 

「まいったね。小猫ちゃんにそんなことを言われたら、僕も無茶できないよ。本当の敵も分かったことだし、二人の好意に甘えさせてもらうことにするよ」

 

おお、木場も俺達の協力を受ける気になってくれたか!

 

流石の木場も小猫ちゃんには勝てないようだ。

 

すると、匙が手をあげながら言った。

 

「えーと、すまん。俺はこの話に全くついていけてないんだけど………。エクスカリバーの破壊を会長やリアス先輩に黙っといてほしい、ってのは分かる。だけど、エクスカリバーと木場の関係が分からん………」

 

あれ?

 

小猫ちゃんから事情を聞いたんじゃなかったの?

 

「………すいません。祐斗先輩とエクスカリバーの関係までは話していませんでした」

 

今度は小猫ちゃんが答えた。

 

ああ、なるほど。

 

それだと、匙からすれば、さっきの話は理解出来てないだろうな。

 

そんな匙を見て、木場が言う。

 

「そうだね、僕の過去を話そうか」

 

木場は自分の過去を語り始める。

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

それから数分後。

 

「うぉぉぉっ!! 木場!俺、お前の事いけすかないイケメンだと思ってたけど、そんな辛い過去背負ってたんだな!! 俺は自分が情けねぇ!! 俺に出来ることなら何でもする!会長のお仕置きも覚悟するぜぇぇぇぇ!!!」

 

無駄にテンションアップしたな、匙。

 

涙まで流して。

 

「それを聞いちゃ、尚更勝たないとな。コカビエルに!」

 

「……あぁ」

 

「はい……」

 

「おう!」

 

 

一誠sideoff

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◎side

 

 

一誠達が公園でそんな事をしてる中、1人の女性がその様子をじっと見て、微笑んでいた。

 

その女性は、赤い髪を肩まで伸ばし、三つ編みにした髪をハーフアップにしていた。

 

「大きくなったね、一誠君。がんばルビィ!」

 

彼女は自身の代名詞とも言える事を言いながら、ガッツポーズした。

 

 

 

 



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episode6




一応ここまで連続更新でしたが、何日か間を開けて更新した方が良いですかね?



一誠side

 

 

その日の夜。

 

「こんな時間にお疲れ様です」

 

「悪魔のお仕事も大変だね」

 

玄関から俺を見送ってくれるのは、アーシアとレイヴェル、美月だ。

 

「まぁ、お得意様のご要望だからな」

 

これから俺はイリナ達と合流するんだけど、3人には悪魔の仕事で出かけると言って嘘を吐いている。

 

正直、3人を騙すのは罪悪感があるけど、これも巻き込まないためだ。

 

「じゃあ、行ってくるよ。リアスが帰ってきたら言っといてくれ」

 

「分かりました」

 

「ご武運を」

 

「頑張ってね」

 

俺は3人に見送られながらイリナ達と待ち合わせているところへと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

俺達はアーシアを助けたあの廃教会に集まっていた。

 

ここなら、リアスや会長も気が付かないだろう。

 

そして、俺、木場、匙、小猫ちゃんの悪魔組の全員が黒い神父服を着ている。

 

理由はフリードがエクスカリバーを使って次々に神父を殺して回っているからだ。

 

ようするに、囮捜査だ。

 

神父の格好をしておけば、フリードの方から仕掛けてくるだろう。

 

そう考えてのことだ。

 

まぁ実際、前世もこの方法だったしな。

 

ちなみに発案者はイリナ。

 

竜牙は木原って言う堕天使が出た時に連絡する取り決めになってる。

 

「悪魔が神父の格好をするなんてな」

 

「抵抗はあるだろうけど、我慢してね」

 

ぼやく匙にイリナがそう言う。

 

「目的のためなら、どんな手段でも使うさ」

 

木場はある程度の落ち着きは取り戻しているみたいだな。

 

一人で突っ走ってる時よりはるかにマシだ。

 

危うさが完全に消えたわけではないけど………。

 

俺達の準備が出来たのを確認してゼノヴィアが言った。

 

「効率を考えよう。これだけ人数がいるんだ、二手に別れたほうが良いだろう」

 

「…力を二分するならイッセー先輩を一人と、それ以外を纏めるしかないです」

 

小猫ちゃんの言葉に木場と匙がうんうんと頷いている。

 

いやちょっと待てぇぇ!!

 

俺をボッチにするつもりかよ!?

 

「つーか、なんで匙まで頷いてるんだよ?」

 

「いや………。この間、会長にグレモリーとフェニックスのゲーム映像を見せてもらったんだけどよ。あれ見れば誰でも同じ反応すると思うぜ?」

 

そう言う匙に今度は木場と小猫ちゃんがうんうんと頷いている。

 

ゼノヴィアとイリナは何のことか分からないという表情をしているな。

 

『実際そうだろう。仮面ライダーで元ウルトラマン。この場にいる全員でそんな相棒に襲いかかっても相棒は倒せまい』

 

ドライグまでそんなことを言ってきやがる。

 

なんだよ。

 

そんなに俺をボッチにしたいのか、お前ら。

 

泣くぞ?

 

年甲斐もなくジタバタ暴れて泣くぞ?

 

その後、ゼノヴィアの提案により悪魔組と聖剣組に別れることになった。

 

「じゃあ、俺達は町の東側に行こう」

 

「では、我々は西側を回るとしよう。何かあったらイリナの携帯に連絡してくれ」

 

「了解だ」

 

そう言って、二手に別れようとしたとき。

 

「ああ、ちょっと待ってくれ」

 

俺はゼノヴィアに呼び止められた。

 

「どうしたんだ、ゼノヴィア?」

 

「一つ伝え忘れていた事があってな。有意義な情報だ」

 

有意義な情報?

 

俺への情報ってなんだ?

 

俺がそんなことを考えているとゼノヴィアはその情報を明かしてくれた。

 

「白い龍は目覚めているぞ。気を付けろ、緋村一誠」

 

……………ごめんゼノヴィア、それもう知ってる。

 

とは言え、それを知らない俺以外の面々は戦慄していた。

 

白い龍──白龍皇バニシング・ドラゴン、又の名をアルビオン。

 

ドライグと同じ二天龍の一角で、赤龍帝に相対する存在。

 

そしてその宿主は………おそらくアイツだ。

 

はぁ~……嫌だな~。

 

またアイツとやり合うとか、今から考えると憂鬱だ。

 

『相棒なら軽くやれるさ』

 

それ何の慰めにもなってないからな?ドライグさんよぉ。

 

まあ今はあのバトルマニアよりも木場のことだ。

 

俺は頭を切り替えて、町へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

別れて捜索する事数分。

 

俺達は真っ直ぐ、はぐれ悪魔のバイサーを倒した廃墟を目指していた。

 

前世の時もそこでフリードを見つけたからな。

 

なので躊躇なく歩く俺を先頭に、そこに向かっていた。

 

もしかしたらイレギュラー要素で違う場所にいるかもと懸念していたが、その懸念は杞憂に終わった。

 

何故なら、その廃墟にフリードの気配を感じたから。

 

「ビンゴだ」

 

俺の言葉に、三人とも戦闘体制に入る。

 

中に入ると、切り刻まれた神父達の死体がゴロゴロ転がっていた。

 

「流石はイッセー君だね」

 

木場はそう言うが、匙は人の死体を見たのは初めてなのか手で口を押さえている。

 

「匙、大丈夫か?」

 

「………ああ、大丈夫だ。もう落ち着いた」

 

その時、寒気が俺を襲った。

 

この感覚、イリナ達と出会った時に感じたものと同じ、聖剣の気配!

 

「上だ!」

 

匙が叫び、全員が上を見る。

 

すると、聖なるオーラを放つ長剣をかまえた白髪の神父が降ってきた!

 

「神父御一行にご加護あれってね!」

 

瞬時に魔剣を作り出した木場がフリードの剣を受け、弾く。

 

フリードは宙返りしながら半壊した二階の床に着地する。

 

「おやおや、折角神父をチョンパしようと思ったのに悪魔のコスプレかよぉ~」

 

相変わらず、ふざけた口調だな。

 

「んん~?そこにいるのはイッセー君じゃあ、あーりませんかぁ。会いたかったぜぇ」

 

フリードも俺がいることに気づき、話しかけてくる。

 

「緋村、あいつと知り合いなのか?」

 

「まぁな。出来れば二度と会いたくなかったけど」

 

俺の言葉を聞いて、フリードはさらにふざけた口調で言ってくる。

 

「そんなつれないこと言うなよぉ。あの時の、二度もボコられた仕返しをずっと、したかったんだからよぉ。この聖剣、『天閃の聖剣《エクスカリバー・ラピッドリィ》』で今度こそイッセー君をズタズタにしてやるぜぇ!!」

 

はぁ、本当に懲りないやつだな。

 

予定より早いが、マジで再起不能にしてやろうか?

 

「俺としてもお前はここで潰しておきたい所だが、今回お前の相手は俺じゃない」

 

「はっ?」

 

俺の言葉に間抜けな声を出すフリード。

 

その瞬間、俺の横を物凄い速さで通り過ぎるものがあった。

 

木場だ。

 

木場は魔剣をかまえてフリードに突っ込んでいく。

 

「キミの相手は僕だよ!」

 

「はっ!脇役はすっこんでなぁ!!」

 

そこから始まる二人の剣士による剣撃の応酬。

 

空中に激しく火花が散る。

 

フリードのやつ、木場のスピードについて行ってる。

 

流石は天閃の名を持つ聖剣と言ったところか。

 

どちらにしても木場の騎士としての優位性が無くなったな。

 

剣の質は向こうの方が上だ。

 

「木場のやつヤバイんじゃないのか?加勢しなくて良いのかよ?緋村、お前が行けば楽勝だろ?」

 

匙の意見は正しい。

 

だけど、俺は匙の意見に反対する。

 

「いや、これは木場の復讐だ。もし、ここで俺が出ていけば木場は納得しない」

 

まぁ、本当にヤバくなったら助けるけどな。

 

「それに………俺達の相手はそこにいる、はぐれ神父どもだ」

 

そう言う俺の視線の先には黒い神父服を着た、はぐれ神父がぞろぞろ姿を現していた。

 

ざっと十人くらいか。

 

さっさと片付けよう。

 

俺が前に出ようとしたとき、匙と小猫ちゃんに止められた。

 

「これ以上、お前ばっかりに良い格好させるかよ。俺だって兵士の駒を四つも消費したんだぜ?あれくらい余裕だ」

 

匙の左手の甲にデフォルメされたトカゲの顔らしきものが現れる。

 

「俺もお前と同じ神器持ちでな。神器の名は『黒い龍脈《アプソープション・ライン》』!ラインを接続して相手の力を吸い出すことができる神器だ!」

 

すごい説明してくれるけど、もう知ってるから。

 

なんならその力で俺、お前にゲームで一回リタイアに追い込まれたからな?

 

でもアプソープション・ラインか……確か五大龍王の一角、黒邪の龍王《プリズン・ドラゴン》・ヴリトラを宿した神器だっけ?

 

「…イッセー先輩は祐斗先輩をお願いします」

 

そう言って小猫ちゃんと匙は、はぐれ神父達のところへと突っ込んでいった。

 

うーん。

 

ああ言われたら俺も下がるしかないな。

 

とりあえず、サポートに回るか。

 

ジクウドライバー着けて、ジオウライドウォッチを起動して、

 

《ZI-O》

 

スロット装填からのロック解除、独特な待機音を鳴らして変身ポーズ取って、

 

「変身!」

 

ドライバーを回す!

 

《ライダータイム!カメーンライダー!ジオウ…!》

 

うん、なんかもう手慣れたもんだな。

 

「クソッ、早く斬られろよ!クソ悪魔がぁ!」

 

聞こえてくるのは苦戦するフリードの声。

 

今見て気づいたけど、木場のやつ案外冷静だ。

 

修業の成果か、フリードに遅れを取っていない。

 

技量で剣の差を埋めてるようだ。

 

このままいけば、木場だけでフリードに勝てるかもしれない。

 

匙達も俺の助けは要らなさそうだ。

 

そう思った時だった。

 

「随分、苦戦しているじゃないか。フリード」

 

男性の声が聞こえてきた。

 

声がした方を見るとそこには初老の男性。

 

「魔剣創造と……あれが噂の仮面ライダーか。随分と厄介な代物が揃っているようだな」

 

「何しに来やがった、バルパーのじいさん!」

 

「っ!? お前がバルパー・ガリレイか!」

 

フリードの言葉に木場がいち早く反応した。

 

まずい、仇敵を目の前にしてあいつ、冷静じゃいられなくなっていやがる!

 

「フリード、聖剣に因子を込めろ。さすれば聖剣の力をさらに引き出せる」

 

「へいへい。流れる因子よ、聖剣に!なんつってな!」

 

すると、フリードと聖剣のオーラが強くなった。

 

「さぁ、クソ悪魔君。さっさとチョンパといきましょうかぁ!」

 

チッ、速い!

 

木場の速度を越えてやがる。

 

「ぐっ!」

 

木場が魔剣で受け止めるも折られてしまう。

 

このままじゃ流石にまずいな。

 

俺も前に出ようとした時だった。

 

 

 

 

バゴォオオオオオオン!!

 

 

 

そんな轟音と共に廃墟の壁がぶち壊され、入ってきたのは一台の赤い車!

 

あれは『トライドロン』!

 

トライドロンはキキーッ!! というブレーキ音を立ててフリードを轢いた!

 

「エバラっ!?」

 

トライドロンの車体が見事に体全体に直撃したフリードはそんな声を上げ、きりもみ回転しながら吹き飛び、反対の壁をぶち抜いて行った。

 

うわ、痛そう。

 

ありゃフリードも無事じゃ済まないな。

 

「な、なんだあれは!?」

 

おーおー、バルパーも酷く狼狽してるな。

 

木場は勿論、小猫ちゃんや匙も目をパチクリさせていた。

 

そこへゼノヴィアとイリナがご到着。

 

「やぁ、遅くなったね。って、なんだこれは!?」

 

「やっほー。連絡もらったから来たわよーって、本物のトライドロン!? 嘘っ!? 何この奇跡!?」

 

しかし今の廃墟を占拠してるトライドロンに目を剥いて驚く。

 

まぁそんな反応になるわな。

 

そしてそんな騒ぎの中心であるトライドロンのドアを開けて出てきたのは、

 

 

 

「あれ?もしかして轢いちゃった?」

 

 

 

 

予想通り、【黒澤ルビィ】さん……もとい【水崎ルビィ】さんだった。

 

彼女は赤い地毛を三つ編みにして、その三つ編みを後頭部でハーフアップにしていた。

 

と言うかルビィさん、そんな可愛らしく言って疑問に思っても、完全に轢いちゃってますから。

 

フリードの奴、独楽みたいにきりもみ回転しながらぶっ飛んで行きましたから。

 

「と言うかルビィさん、何故ここに?」

 

俺が訊ねると、ルビィさんは言う。

 

「えっと……実は公園で一誠君達が話してるの聞いちゃって、それで後を追いかけてここに来たんだけど……」

 

おう………まさかあの会話を聞かれていたとは。

 

しかも追跡されてたのか。

 

全然気づかなかった。

 

するとここで気を取り直したゼノヴィアが言う。

 

「バルパー・ガリレイだな。神の名のもと、断罪してくれる!」

 

「ふむ、ここは一旦退こう」

 

そう言ったバルパーは懐から何かを出したかと思うとそれを地面に叩きつける。

 

そして、それから激しい光が放たれた。

 

閃光弾か!

 

それに俺達が腕で目を覆ってる隙に、バルパーは逃亡。

 

見渡せば木場達もいなかった。

 

匙が言う。

 

「まさか閃光弾を使ってくるなんてな。緋村、木場達は?」

 

「木場とイリナ、ゼノヴィアの三人は多分奴等を追って行った筈だ。俺もこれからそこに向かう」

 

俺が二人にそう言って、木場を追おうとした時だった。

 

後ろから数人の気配が現れる。

 

こ、この気配は……!?

 

「どこに向かおうと言うのかしら?ねぇ、イッセー?」

 

振り返るとそこには会長と副会長、朱乃、そしてリアスがいた………。

 

 

 

ル「え、えっと……一誠君!がんばルビィ!」

 

 

 

いや助けてくださいよ、ルビィさん!!

 

 

 

 



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episode7





一誠side

 

 

「エクスカリバーの破壊って………あなた達ね………」

 

リアスは額に手を当てる。

 

非常に機嫌がよろしくない表情をしている。

 

俺と小猫ちゃんはリアスの前に、匙は会長の前でそれぞれ正座をして説教を受けていた。

 

尚、ルビィさんは俺達の隣でオロオロしていた。

 

「サジ。あなたがこんな勝手なことをするとは思いませんでした」

 

会長が低い声音で匙に迫る。

 

この場面を見るのは二度目になるけど、やっぱり怒った時の会長、マジで怖いな………。

 

リアスよりも怖いかも。

 

「ソーナ会長、待ってください。もともと、この作戦を考えたのは俺なんです。罰は全て俺が受けます」

 

こうなる事が分かっていたから、俺は前世と違って1人で行動していた。

 

後々尻を叩かれて絶叫する匙ルートを回避する為に。

 

後、俺が尻を叩かれるルートを回避する為に。

 

結局、それは水の泡になったけどな。

 

「発案者があなただとしても、それに参加したのはサジの意志でしょう?でしたら、サジも相応の罰は受けて貰います」

 

うっ………あっさり却下されてしまった。

 

でも、俺達が関係のない匙を巻き込んだのも事実だ。

 

俺が会長に食い下がろうとすると、匙に止められた。

 

「気にするな緋村!俺は会長のお仕置きを覚悟の上で参加したんだからな!受けるべき罰は受けるさ!」

 

匙………お前って奴は!

 

直後、匙は会長に尻を叩かれ始めた。

 

魔力のこもった手で………。

 

くっ、あの痛さを思い出して、思わず尻を押さえそうになったぜ!

 

「あなたには反省が必要です。千回、きっちり受けて貰います!」

 

千回!?

 

えげつないな!

 

「緋村ぁぁぁ!俺は耐えるぞぉぉぉ!」

 

匙、すまない!

 

そして頑張れ!

 

それを横目に、リアスは言う。

 

「祐斗はそのバルパーを追っていったのね?」

 

「はい。イリナとゼノヴィアと一緒に。まぁ奴やフリード相手ならあの三人でも大丈夫だとは思うけど………」

 

あの廃墟から出る際、フリードの死体を確認しに行ったが、フリードの死体はなかった。

 

つまりまだ生きていると言うことだ。

 

トライドロンに轢かれたのに、あれで生きてるとか、本当にゴキブリみたいな奴だな。

 

「そう………。イッセーがそう言うならそうなのでしょうね」

 

そして、リアスの視線が小猫ちゃんに移る。

 

「小猫まで、どうしてこんなことを?」

 

「……祐斗先輩がいなくなるのは嫌です。だから………」

 

小猫ちゃんは自分の想いを口にする。

 

リアスはそれを聞いて嘆息した。

 

「………過ぎたことをあれこれ言うのもあれだけど、あなた達がやったことがどんなことか分かるわね?」

 

「分かってる。すまないリアス」

 

「………はい。ゴメンなさい、部長」

 

俺と小猫ちゃんは頷き、謝った。

 

俺達がしようとしていたことは悪魔の世界に大きな影響を与える可能性が無いわけでは無かった。

 

下手すれば恋人になったリアスに迷惑かける事になる。

 

それは分かっていた。

 

だからこそ、隠密に動いていたわけだけど………。

 

ここで今まで静観していたルビィさんが口を開く。

 

「あの~……少しいいかな?」

 

『ん?』

 

全員がルビィさんの方に向いたお陰で、匙は一時的に地獄から解放された。

 

「お仕置きも大切だとは思うけど、それよりもやるべき事があるよね?」

 

それにリアスが首を傾げる。

 

「やるべき事、ですか?」

 

「うん。その祐斗くんだっけ?探した方がいいんじゃないかな~?お仕置きはそれが終わった後でも大丈夫だと思うけど」

 

流石ルビィさん!

 

優先事項を突きつけつつ、俺達を擁護してくれるなんて!

 

感謝しますよ、大天使ルビィさん!

 

いえ、女神ルビィさん!

 

ルビィさんの言葉に理解があるのか、リアスは顎に指を当てて考える。

 

「それもそうね。確かに祐斗を探す方が先決ね。ソーナ、悪いけど手伝ってくれるかしら?朱乃も」

 

「もちろんですわ、部長」

 

「はぁ~……仕方ありません。匙、あなたへのお仕置きは一旦ここで保留にしますが、事が全て終わったらまた再開ですよ?」

 

「はい………ありがとうございます、会長……」

 

最早虫の息じゃねぇか、匙よ。

 

何はともあれ、ルビィさんのお陰で俺達は一応お仕置きを免れ、とりあえずは一旦各々帰路に着くことになった。

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

俺とリアスが家に帰る頃には夜の9時を過ぎていた。

 

帰る道中に木場に連絡を取ったが、木場は出なかった。

 

バルパーを見た瞬間から怒りに流されていたからな。

 

連絡を取ってる余裕が無いのだろう。

 

幸い、今のところ堕天使の気配は感じられない。

 

フリードやただのはぐれ神父程度ならあの三人で大丈夫だろう。

 

木原って言う堕天使や、コカビエルならヤバイがな。

 

「ただいまー」

 

「ただいま帰りました」

 

俺とリアスが帰宅すると、リビングからアーシアとレイヴェルがひょっこり顔を出した。

 

「あ、イッセーさん、部長さん、おかえりなさい!」

 

「おかえりなさいませ、イッセー様、リアス様」

 

なんか、二人とも顔だけ出して恥ずかしそうにしてるけど、どうしたんだ?

 

リアスもそれに気付いたのか、訝しげな表情をしている。

 

すると、母さんの声が聞こえた。

 

「ほら、二人とも。見せなくてええの?」

 

「ち、ちょっと心の準備が………」

 

なにやら三人で話し込んでいるようだ。

 

ふむ、前世ではこんな事無かったからな~。

 

全く見当がつかん。

 

「ええからええから!」

 

「「きゃっ!」」

 

母さんに押されたのか、二人が飛び出してきた。

 

二人ともエプロン姿だった。

 

アーシアが白で、レイヴェルは黄色のエプロンだ。

 

可愛らしいフリルが着いている。

 

しかし、肌の露出がやたらと多い。

 

ま、まさかッ!!

 

裸エプロンだと!?

 

そんな……バカな!

 

二人ともなんて淫らな格好をっ!

 

素晴らしいっ!!

 

ハッピーバースデー!!

 

あ、思わず鴻上会長出ちゃった。

 

「2人とも……それは?」

 

俺が訊ねるとアーシアが顔を真っ赤にして、モジモジしながら呟く。

 

「桐生さんに教えてもらったんです………。キッチンに立つ時はこれが正装だって………。こうすると、男性の方が喜ぶと……」

 

レイヴェルに至ってはモジモジしつつ、俺の方をチラッ、チラッ、と期待の眼差しで見てくる。

 

おのれエロ眼鏡女、桐生!

 

アーシアに何てことを教えやがる!

 

レイヴェルも真似しちゃうし!

 

だけど礼を言うぜ、ありがとう!

 

希「うっふふ、可愛いやろ?ウチ、こういうのは大賛成よ。なんか新婚の頃を思い出すわぁ、茜君もあの頃は、うっふふ♪」

 

いやちょっと待てぇぇぇい!!!

 

今、なんと!?

 

新婚の頃はって……母さんもこういうことを父さんとしてたのかよ!

 

と言うか、あの父さんがこんな事をノリノリでやってたのか……。

 

全然想像つかねぇ!

 

「なるほど、その手があったわね。まさか、二人に先手を取られるなんて………」

 

俺の隣で何やら悔しそうにつぶやくリアス。

 

ちょっとまさか……?

 

「分かったわ。二人がそう来るなら、私もやってみようじゃない。お母様、私にも裸エプロンをお願いします!」

 

「その意気や、リアスちゃん!さぁ、こっちに!」

 

「はい!」

 

リアスは気合を入れて母さんの案内に従い、この場を去った。

 

リアスの裸エプロン………くっ!

 

期待してしまう俺がここにいる!

 

「あのイッセー様、それでどうでしょう?私達のこの格好」

 

レイヴェルの問いに、俺は興奮を抑えながら二人の肩に手を置く。

 

「ああ………!似合ってる。スゲェ似合ってるよ、二人とも。ありがとう……!ありがとう!!」

 

お礼を言う俺。

 

もうね、今なら何でもできる気がする!

 

「なぁ、アーシア」

 

「はい」

 

「もし教会の連中が来て、アーシアを傷つけようとするなら、俺が守る。アーシアが怖いと思っているやつは全部、俺が追い払ってやる」

 

突然の俺の言葉にアーシアは少し驚いている。

 

俺もこの流れで言うのはどうかと思った。

 

だけど、この思いだけは伝えておきたかった。

 

俺はアーシアの頭を撫でながら続ける。

 

「アーシアのことは俺が守る。もちろん、レイヴェルやリアス、他の皆も俺が守る。今度こそ守りきるから。だから心配するな」

 

もう誰も……死なせやしない。

 

そう新たに誓っていると、アーシアが抱き着いてきた。

 

あの~アーシアさん?

 

裸エプロンでそんなことしたら、色々なところが当たってしまう!

 

「………私、悪魔になったことは後悔していません。今は主への思いよりも大事なものがあります。イッセーさんや美月ちゃん。部長さんやレイヴェルさん、学校のお友達、お父さま、お母さま、皆が私にとって大事なものです。離れたくありません。………私、もう独りは嫌です」

 

「ああ。絶対に独りにしないよ。これからもずっと一緒だ」

 

「はい!」

 

アーシアは笑顔でそう答えた。

 

うん、やっぱり笑顔が一番だ。

 

そしてレイヴェルもこの様子を微笑ましく見ていた。

 

その時だった。

 

「イッセー!私も着てきたわよ、裸エプロン!」

 

リアスが現れたのでそっちを見ると、レイヴェルやアーシア以上にきわどい裸エプロン姿だった!

 

大事なところがギリギリ隠れている程度で、なんとかエプロンだと認識できる代物だ。

 

「ごっふぁ!!」

 

俺は吐血した。

 

なんてエロい恰好をしてるんだリアス!

 

それ本当にエプロンなの!?

 

いや、もうそんなことはどうでもいいか。

 

この美女美少女三人の裸エプロンが見られただけで十分だ。

 

俺は幸福感に包まれながら、後ろへ倒れそうになったその時だ。

 

嫌な気配を感じた。

 

俺はすぐに方向転換して、外に飛び出る。

 

そしてその気配がした方角を見た。

 

今の感じ、まさか。

 

『ああ、堕天使だな。しかも、力を使っているようだな。この力の波動、並の堕天使ではあるまい』

 

コカビエルが出てきやがったのか。

 

しかも、この気配の近くには木場達の気配も感じられる。

 

これはマズいな。

 

「イッセー様、行くのですね?」

 

レイヴェルが尋ねてくる。

 

「ああ。フリードだけならあの三人でも大丈夫だと思ったけど、堕天使が出てきたんなら話は別だ」

 

今の木場達ではコカビエルには勝てない。

 

下手すれば命を落とすこともあり得る。

 

早く助けに行かないとな。

 

「では私も行きます」

 

レイヴェルはそう言って、ビヨンドライバーを取り出す。

 

「使い方は完璧にマスターしましたわ」

 

そう不敵に笑うレイヴェルからは、頼れるオーラを感じた。

 

こりゃ留守番してろって言っても聞かなさそうだな。

 

「頼りにするぜ、レイヴェル」

 

「はい!」

 

レイヴェルが元気に頷くと、俺はリアスに視線を向ける。

 

「リアス」

 

「分かってるわ。本当は心配だけど、朱乃やソーナ達に連絡を入れて、一足先に態勢を整えておきましょう。何かあればすぐに連絡すること。良いわね?」

 

「了解」

 

そうだな、それが一番良い選択だろう。

 

「イッセーさん、レイヴェルさん、気を付けて」

 

「ああ、行ってくるよ、アーシア」

 

不安そうに見てくるアーシアに笑って返し、俺は、裸エプロンの上からコートを着たレイヴェルと共に向かった。

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

気配を感じた場所は、町はずれにある小さな山だ。

 

人通りも少なく、辺りが暗い。

 

ここなら、多少の戦闘をしても一般人に気付かれる心配はないだろう。

 

それだけは幸いだな。

 

到着して目に入ったのは、イリナが、頭や顔を包帯でぐるぐるに巻いてるフリードに襲われている姿だった。

 

木場とゼノヴィアの姿が見当たらないのが気になるけど、それは後回しだ!

 

俺はジクウドライバーを着けて、ライドウォッチを起動してスロット装填する。

 

《ZI-O》

 

ロック解除して、ドライバーを回す。

 

「変身!」

 

《ライダーターイム!カメーンライダー!ジオウ…!》

 

「レイヴェル!援護を頼む!」

 

「お任せを!我が魔王」

 

俺はレイヴェルに指示を出すと、フリードに襲われているイリナの元へと走った。

 

何故かイリナの手には聖剣が無い。

 

まさか奪われたのか!?

 

どちらにしろ、マズい!

 

俺は拳を握り、イリナを木に押し付けているフリードに殴りかかる。

 

「俺の幼馴染みに手を出してんじゃねぇよ!!」

 

「のわっ!?」

 

俺の攻撃に気付いたフリードは大きく後ろに跳んで、これを回避。

 

俺の拳はフリードがいた場所に大きなクレーターを作り出す。

 

フリードから解放され、力なく崩れ落ちるイリナ。

 

「イリナ、大丈夫か?」

 

「………イッセーくん?………助けてくれたんだ………」

 

俺はイリナを抱き抱え、傷の具合を確認する。

 

戦闘服はズタズタに切り裂かれ、体の至るところから血を流している。

 

意識はあるけど、呼吸も荒く傷も深い。

 

かなりの重傷だ。

 

早いことアーシアに治療してもらわないとな。

 

「木場とゼノヴィアは?」

 

「………二人は無事に逃げたみたい………でも、私は一人逃げ遅れて………」

 

そこまで言うとイリナは気を失った。

 

「これはこれは、イッセーくんじゃないですか。邪魔しないでくれるかなぁ~。今からその娘を始末するんだからさ!」

 

フリードがそう言いながら剣を構えると、そこに渦巻く炎が放たれる。

 

「させませんわ!」

 

レイヴェルが掌を前に突き出しながら、フリードを牽制する。

 

そして、フリードに注意を払いつつ俺の傍に駆け寄ってきた。

 

「怪我をしてるようですね」

 

「ああ、かなりの重症だ。早くアーシアの治療を受けないと………」

 

「彼女は私にお任せを!こんなこともあろうかと、フェニックスの涙をいつも持っているので」

 

おお!

 

流石は俺のマネージャー、レイヴェルちゃん!

 

早速頼りになったぜ!

 

「分かった。イリナのことを頼む。俺は………」

 

俺はイリナをレイヴェルに預け、立ち上がる。

 

そして、フリードと空に浮かぶ男を睨みつけた。

 

その男は十枚もの黒い翼を広げ、俺を観察するような目で見ていた。

 

コカビエルだ!

 

「貴様、仮面ライダーか?」

 

「ああ。俺は緋村一誠。上級悪魔、リアス・グレモリー様の眷属で仮面ライダージオウ、そして今代の赤龍帝だ」

 

「なるほど。この町の管理者、リアス・グレモリーが仮面ライダーにして赤龍帝でもある者を手にいれたという噂は本当だったか。確かに感じるその龍のオーラ、忌々しい限りだ。大戦の時を思い出す」

 

コカビエルはどこか納得したような表情をしている。

 

「にしてもアザゼルの奴、ライダーベルトが全部無くなったとかほざいていたが、まさかこんな極東の地にあるとはな……」

 

ああ~……そういや、元々ライダーのベルトって、クウガ~エグゼイドまでは堕天使の所で鳴時って言う人が作ったんだっけ?

 

士さんから聞いた話によると、実はその鳴時って人、あのウルトラマンキングが人間に擬態した姿らしい。

 

どうやら知らず知らずの内に、一回キングと会ってたんだな、俺。

 

そう前世の事を思い出してると、コカビエルが言ってくる。

 

「まぁいい。そのベルトを返してもらおうか?」

 

いや返すも何も、元から持ってたの俺だし。

 

「嫌だね。それよりもコカビエル。お前エクスカリバーを盗んだ挙句、この町に来て何が目的だ?」

 

まぁ答えは分かってるけど、一応聞いてみよう。

 

「ほう、俺の名前を知ってるとは。いいだろう。短い付き合いになるんだ。それくらい教えてやろう」

 

うざいくらいのいやらしい笑みを浮かべて、コカビエルは嬉々として言う。

 

「お前の主、リアス・グレモリーの根城であるこの町で少し暴れさせてもらおうと思ってな。そうすればサーゼクスが出てくるだろう?」

 

やっぱサーゼクスさんを引っ張り出したいのか。

 

「そんなことをすれば神と堕天使、悪魔の戦争が再び勃発する。それは分かっているはずだ」

 

俺がそう言うと、コカビエルは笑みを浮かべながら答えた。

 

「それは願ったり叶ったりだ。エクスカリバーを盗めばミカエルが攻めてくるだろうと思ったのだが、よこしてきたのは雑魚の聖剣使いが二人。あまりにつまらん。だから俺は、悪魔の、魔王の妹の根城で暴れることにしたのさ」

 

「お前、戦争がしたいのか?」

 

「その通りだ、赤龍帝。物わかりが良くて助かるよ。そう。俺は戦争がしたい。三つ巴の戦争が終わってから俺は退屈してたんだ!アザゼルもシェムハザも次の戦争に消極的でな。神器なんぞ集め始めて訳のわからない研究に没頭し始める始末だ。誰も戦争を起こそうとしない。そこで俺は思い至った。それならば、自らの手で戦争を起こせばいい、とな」

 

チッ、やっぱ戦争狂かよ。

 

『相棒、もうここで仕留めてしまおうぜ?』

 

ドライグの言う通りだな。

 

未来の為にも、コカビエルはここで倒す!

 

俺はジオウライドウォッチをドライバーから抜いて、ジカンギレードのスロットに填める。

 

《フィニッシュターイム!》

 

《ジオウ!ギリギリスラッシュ!!》

 

「はっ!」

 

俺は跳躍して、コカビエルに居合い切りの要領でジカンギレードを振り抜く!

 

ジカンギレードから伸びたマゼンタの光刃はコカビエルに向かっていき、コカビエルも巨大な光の槍を出して受け止めるが、予想以上の威力に呻く。

 

「ぬっ……!? なんだこれは!?」

 

「はぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

そのまま押し込もうとしたが、コカビエルはそれを横に受け流して避け、俺から距離を取った。

 

お陰で俺は地に落ちていき、そこへフリードが斬りにかかってくるが、

 

「いよいよ首チョンパの刑だぜイッセー君!」

 

俺はジカンギレードでフリードのエクスカリバーを受け止め、瞬時にジュウモードに変更。

 

《ジュウ!》

 

ゼロ距離でぶっぱなしてやった。

 

「あばぎゃっ!!」

 

だけど咄嗟にエクスカリバーを盾にしたのか、致命傷には至らなかった。

 

チッ、本当にしぶとい野郎だ。

 

これを見ていたコカビエルが笑いながら言う。

 

「ふははははははははははっ!! 流石は仮面ライダーと言った所か!面白い!俺はお前達が通う学園を中心に破壊活動を行う。止めたければいつでも向かってくるのだな!フリード、行くぞ」

 

「俺っちとしてはここでやり合いたいんすけどねぇ。まぁ、ボスがそう言うならしょうがないっすねぇ。どうせ木原のニーヤンも先に学園に行ってるだろうし。イッセー君、じゃあまた後でねぇ。はい、ちゃらば!!」

 

フリードはそう言うと、バルパーと同じく閃光弾を使って姿を消しやがった。

 

光が止むと、コカビエルの姿も消えていた。

 

あいつらが向かった先は駒王学園。

 

ならさっさと行くのみ!

 

「レイヴェル、イリナの状態は?」

 

「一応フェニックスの涙で完治はしましたが、衰弱が酷いです」

 

「そうか。なら俺の家で休ませよう」

 

そう言って俺はライドストライカーを展開、イリナとレイヴェルを後部座席に乗せて、発進させた。

 

 

一誠sideoff

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◎side

 

 

火神 竜牙は歯をギリギリ鳴らしていた。

 

それは自分への不甲斐なさから来る悔しさによるものだった。

 

と言うのも、自分がコンビニに行ってる隙に、アルフィミアが連れ去られたようなのだ。

 

現に今彼が立っている部屋は、アルフィミアに割り当てられた火神家の部屋で、その部屋には1枚の黒い羽が落ちていた。

 

おそらくそれは木原の羽。

 

その答えに行き着いた時、竜牙のスマホに着信が入った。

 

おもむろにスマホを取って通話に出ると、

 

 

 

『元気かなぁ!竜牙くん!』

 

 

 

その声に、彼の瞳が大きく見開かれる。

 

「っ……!! 何の用かな、木原クン?」

 

『なあ、その辺りに女のシャツの切れ端とか落ちてねえ?』

 

言われて見れば、確かにシャツの切れ端が落ちていた。

 

それは木原がわざと残したものだった。

 

竜牙に敗北を味わせるために。

 

『それにしても、四大魔王の1人だけあって、レヴィアタンってのはすげえよなあ?この膨大な魔力をプラスからマイナスに変換するだけで、街一つ消滅させられる爆弾に早変わりなんだからなぁ』

 

木原の笑い声が電話越しに届いて来る。

 

しかし、竜牙は挑発的に返した。

 

「で、俺は何てリアクションすれば良いンだ?」

 

『は?』

 

「腹ァ抱えて笑ってやるのが良いのかァ、マゾ太君?」

 

『おいおいテメエ、状況判断能力が壊れちまってんのか?』

 

木原の言葉に対し、竜牙はあくまでも余裕をもって言う。

 

「どうせお前を雇った奴は、傷一つ付けず丁寧に扱えなンて王子様精神溢れるセリフを吐いちゃあいねェよなァ?にもかかわらずゥ、わざわざこンな連絡寄越す程にブルッちゃってるお前は何なのよ?」

 

『殺す』

 

その言葉を最後に、通信が途切れた。

 

竜牙はフンと鼻を鳴らすと、部屋の窓を開けて、そのフチに足をかけつつ腰のカリスラウザーに1枚のラウズカードを読み込ませた。

 

《フロート》

 

瞬間、窓のフチを飛び台にして、竜牙は夜空に飛んでいった。

 

向かう先は、駒王学園。

 

 

 

 



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episode8



そろそろ感想がほしいです。

今回は割りと多くの方が楽しみにしてたシーンが入ってるので。



一誠side

 

 

「リアス先輩。現在、学園を大きな結界で覆ってます。これでよほどのことがない限りは外に被害は出ません」

 

匙がリアスに現状報告をしていた。

 

イリナを自宅に運び、俺のベッドで養成させた後に学園に行くと、既にある程度の準備は終わっていた。

 

今は木場を除いた部員メンバー全員が今、駒王学園の前にいる。

 

匙の言う通り、シトリー眷属によって学園は大きな結界に覆われている。

 

ただ、これはあくまで、中で起きたことを外に出さないための措置。

 

相手はコカビエルだ。

 

正直、この結界では心もとない。

 

それに、前世では千歌さんや真姫さん、晴司が来てくれたからコカビエルに勝てたが、今回もそうなるとは限らない。

 

気を引き締めねぇとな。

 

「これは飽くまで最小限に抑えるものです。正直言って、コカビエルが本気を出せば学園どころかこの町ごと崩壊させることも可能でしょう」

 

会長が匙の説明に付け加える。

 

やっぱりそれだけの存在なんだな、コカビエルは。

 

「ありがとう、ソーナ。あとは私達がなんとかするわ」

 

「リアス、相手はケタ違いの化け物なのですよ?」

 

ソーナ会長の声を遮るようにリアスが言う。

 

「分かってる。だからこそお兄様に連絡するよう、朱乃に言っておいたわ。………朱乃、お兄様はなんて?」

 

朱乃が一歩前に出て答える。

 

「あと四十分程度で到着するようですわ」

 

「四十分………。分かりました。その間、私達シトリーで結界を張り続けて見せます」

 

会長が決意を示す。

 

「さあ、私達も行きましょうか。皆、死んではダメよ。生きてあの学園に通いましょう!」

 

「「「はい!部長!」」」

 

俺たちは気合の入った返事をする。

 

そうだ、ここで死ぬわけにはいかないんだ。

 

あいつを……フィアンマを倒すまでは!

 

「頼んだぞ、緋村!」

 

「ああ、任せろ!匙も結界の維持、よろしくな!」

 

俺と匙は拳を合わせる。

 

その時だ。

 

突然俺の隣に白い影が降り立った。

 

見ればそれは、竜牙だった!

 

「竜牙!? 何でお前が!?」

 

連絡もしてないのにこのタイミングで竜牙が来たことに、俺は動揺を隠せず、他の皆は竜牙の登場に困惑していた。

 

まぁ竜牙の正体を知らなければ、そんな反応になるよな。

 

竜牙はその赤い双眸を憎々しげに歪めて言った。

 

「木原の野郎を潰す為だよ」

 

そうか………木原もこの学園にいるのか。

 

「ならそいつはお前に任せるぜ」

 

俺がそう言うとリアスが尋ねてくる。

 

「イッセー、彼は一体?」

 

「こいつは火神 竜牙。俺の幼馴染みの1人で、仮面ライダーカリスです」

 

「彼も仮面ライダーなの!? だったら心強いわね」

 

どうやら竜牙の同行を許可してくれるみたいだ。

 

さて、ここからは絶対に敗けられない戦いだ。

 

行くぜ、ドライグ!

 

『相手は聖書に記されしコカビエル。だが今の相棒はもう昔の弱い相棒じゃない。奴にドラゴンと、最高最善の魔王の力を見せつけてやれ』

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

堂々と正面から入り、コカビエル達の前に俺達は立った。

 

目の前には魔法陣の傍にいるバルパーと、顔に入れ墨のある白衣を着た男がいた。

 

あれが木原か。

 

その木原の足元には、両手両足を拘束されて眠らされているアルフィミアさんがいた!

 

そうか、竜牙が来た理由は彼女を助ける為でもあるのか!

 

そして最後に、宙で椅子に座って、俺たちを見下ろすコカビエル。

 

前も思ったが、どうやってあの椅子を浮かしてんだ?

 

すると竜牙の存在に気づいた木原が竜牙に話しかける。

 

「よぉクソガキぃ……元気かなぁ?」

 

それに口を三日月に歪めた竜牙は『チェンジマンティス』のラウズカードを手に取り、

 

「木ィィィはァァァらァァァくゥゥゥゥゥゥゥン!!」

 

そう叫びながらカリスラウザーにリード。

 

《チェンジ》

 

体から黒い水飛沫を飛ばして、仮面ライダーカリスに変身すると、即座に飛び出していく!

 

それに対して木原は紫のライドウォッチを起動。

 

《フォーゼ…》

 

アナザーフォーゼに変わった。

 

そうか!

 

アイツがアナザーフォーゼになったから、竜牙は負けたのか。

 

《ランチャー・オン》

 

アナザーフォーゼはランチャーモジュールを出すと、ミサイルを発射して爆発を起こすが、カリスはその爆風に乗って跳躍すると、アナザーフォーゼを蹴りつける。

 

「ぐおっ!? このクソガキィ!!」

 

激昂するアナザーフォーゼに構わず、カリスはアルフィミアさんに近寄ると彼女をお姫様だっこして、アナザーフォーゼからバックステップで何歩か離れる。

 

そして近くの木に彼女を寝かせた。

 

「カッコイーッ!! 惚れちゃいそーだぜぇ火神竜牙ァ!」

 

しかし、その様子を見てもアナザーフォーゼ…木原は余裕を見せるかのように笑う。

 

竜牙を一度倒した事、アナザーフォーゼである事がそうさせてるのか?

 

「さァて、スクラップの時間だぜェ。クッソ野郎がァァァァ!」

 

それでも竜牙は、カリスは立ち向かう。

 

俺も後で援護に回ろう。

 

アナザーライダーなら俺も関係してくるしな。

 

「こんな魔法陣を敷いて何をするつもり?」

 

リアスがそんな疑問を口にする。

 

「四本のエクスカリバーを一つにするのだよ」

 

バルパーは笑みを浮かべながら答えた。

 

「バルパー、あとどれぐらいでエクスカリバーは統合できる?」

 

「五分もかからんよ、コカビエル」

 

「そうか。では引き続き頼む」

 

コカビエルはバルパーの答えを聞いた後、俺たちの方に視線を戻した。

 

「初めましてだな、リアス・グレモリー。その紅髪、お前の兄にそっくりだ。忌々しくて反吐が出そうだよ。それで?今回来るのはサーゼクスか?それともセラフォルーか?」

 

「魔王様の代わりに私達が相手になるわ!」

 

リアスが答えた瞬間、閃光が走り、体育館を吹き飛ばした。

 

体育館が跡形も無くなってしまった。

 

「実につまらん。だがまぁ、余興にはなるか」

 

馬鹿デカい光の槍だな。

 

流石は聖書に名を残す程の存在だ。

 

「さて、先ずは俺のペットと遊んでもらおうか」

 

コカビエルが指を鳴らす。

 

すると、魔法陣がいくつも展開され、十メートルはあるであろう三つ首の犬が出てきた。

 

ケルベロスだ!

 

数は約三体。

 

「ギャオオオオオオオオォォォォォォンッッ!」

 

三つ首から発せられた咆哮が周囲を震わせる。

 

うるせぇ!

 

リアスが驚いたように言う。

 

「ケルベロス!? 本来は冥界に続く門の周辺に生息しているそれを人間界に連れてくるなんて!行くわよ、朱乃!」

 

「はい、部長!」

 

リアスと朱乃がケルベロスに向かい飛んで行った。

 

よし、俺達も行くぜ!

 

「アーシアは防御魔法を使って下がれ!レイヴェル、小猫ちゃん、行くぞ!」

 

「「はい!」」

 

「勿論です」

 

言って俺はジクウドライバーを、レイヴェルはビヨンドライバーを腰に着けて、小猫ちゃんは先に飛び出していく。

 

《ZI-O》

 

ジオウライドウォッチを起動して、スロットに装填!

 

待機音と共に変身ポーズを取ってから、

 

「変身!」

 

ドライバーを回す。

 

《ライダータイム!カメーンライダー!ジオウ…!》

 

俺は、仮面ライダージオウに変わる。

 

 

レイヴェルは『ウォズミライドウォッチ』と呼ばれるウォッチのボタンを押して起動する。

 

《ウォズ!!》

 

そしてビヨンドライバーのスロットにウォズミライドウォッチを両手を交差させながらセット、腕を開きながら再度ウォッチのボタンを押してカバーを開く。

 

《アクション!!》

 

するとディスコチックなメロディと共に、レイヴェルの背後に緑のプロジェクターのような物が現れ、周りを緑のライトが取り囲んで彩る。

 

にしてもこのメロディ、本当いいメロディだよな。

 

証拠にリアス、朱乃、小猫ちゃんは戦いをやめてレイヴェルを凝視してるし、ケルベロス達も動きを止めてる。

 

と言うか微妙に体を揺らしてる!

 

もしかしてノリに乗ってる!?

 

「変身」

 

レイヴェルがそう言ってスロットレバーを起こすと、中のディスプレイにウォズの顔が投影される。

 

《投影!! フューチャータイム!》

 

後ろのプロジェクターから蒼のライダー文字が飛び出すと、レイヴェルは緑の球体に囲まれ、その球体に向かって緑の光線が三方向から投射される。

 

《スゴイ!ジダイ!ミライ!仮面ライダーウォズ!ウォズ!!》

 

最後に蒼のライダー文字が顔に貼り付くと、レイヴェルは銀のスーツにライトグリーンが走るライダー。

 

『仮面ライダーウォズ』に変わる。

 

「祝いなさい!過去と未来を読み解き、正しき歴史を記す預言者。その名も仮面ライダーウォズ!新たなる歴史の1ページですわ!」

 

…………ついに自分で自分を祝いだしちゃったか~。

 

そこまでウォズに似なくてもいいのに。

 

まぁこれは置いといて。

 

「レイヴェルは小猫ちゃんの援護に回ってくれ」

 

「了解です。我が魔王」

 

《ジカンデスピア!! ヤリスギ!》

 

レイヴェル…ウォズは専用武器の『ジカンデスピア』を召喚すると、小猫ちゃんと共にケルベロスの一体とやり始める。

 

俺も行くか。

 

《ウルトラマンドライグ!》

 

ドライグのライドウォッチを起動して、左スロットに装填、ロック解除してドライバーを回す。

 

《ライダータイム!カメーンライダー!ジオウ…!アーマーターイム!ブースト!ドラゴン!ウルトラマンドライグー!!》

 

俺は仮面ライダージオウ・ドライグアーマーになるが、その途端にリアスと朱乃を2匹がかりで襲っていたケルベロスの一体がこっちに迫ってきた!

 

「ギャオオオオウ!!」

 

おいおいマジかよ。

 

俺はすぐにドライグライドウォッチをジカンギレードのスロットに装填。

 

《フィニッシュターイム!ウルトラマンドライグ!ギリギリスラッシュ!!》

 

「おりゃああああああああああ!!」

 

俺は走りながらジカンギレードの刀身から赤い巨大な光刃を伸ばして、向かってきたケルベロスを真ん中から分断。

 

そのケルベロスは斬られた箇所から煙を上げながら、消滅した。

 

これでケルベロスは2匹。

 

後はリアス達でいける筈!

 

「ケルベロスを一撃とは………。流石は赤龍帝、いや、仮面ライダージオウと言ったところか」

 

「お前もすぐに倒してやるから覚悟しろ」

 

「それは楽しみだ。だが、赤龍帝。アレは良いのか?」

 

コカビエルが指差す方向には、新たに現れたと思われるケルベロスに襲われているアーシアの姿。

 

今は防御障壁で防いでいるけど、障壁にはヒビが入っている。

 

あれでは長くもたない。

 

「アーシア!」

 

俺は慌ててそっちに方向転換するが、その直後、赤い車、トライドロンがケルベロスにぶつかって、ケルベロスを吹き飛ばした!

 

まさか……また来てくれたのか!?

 

ルビィさん!

 

「なんだ一体!?」

 

コカビエルが仰天してる中、トライドロンの運転席から現れたのは、やはりルビィさんだった。

 

しかし助手席からも女性が現れた!

 

その女性はルビィさんと同じく、俺の知ってる女性だった。

 

 

 

 

「花丸さん!」

 

「ヤッホー♪ 助けに来たずらよ♪」

 

 

 

 

その人は、仮面ライダーフォーゼの【国木田 花丸】さん、もとい【神代 花丸】さんだった!

 

まさかルビィさんだけじゃなく、花丸さんまで来てくれるなんて!

 

でも一体どうやって来たんだ?

 

この学園は結界が張られてて、外からは入れない筈。

 

これにはリアスも驚嘆する。

 

「ルビィさん!? それに国木田花丸さんまで!」

 

「あ、あの!助けてくれてありがとうございます」

 

アーシアが礼を言うと、2人はアーシアにウインクしてから、同時に各々のドライバーを腰に着けた。

 

ルビィさんは『ドライブドライバー』を、花丸さんは『フォーゼドライバー』を。

 

花丸さんはドライバーにある4つのスイッチを順に下ろした後に左腕を曲げて右側に持っていき、右手でレバーを掴む。

 

《3》

 

《2》

 

《1》

 

「変身!」

 

花丸さんは、その掛け声とともにレバーを引く。

 

すると辺りを白い煙が包み、彼女の真上から降り注ぐように光が出現する。

 

そして次の瞬間には煙が流れ、『仮面ライダーフォーゼ』が現れた。

 

「ずらぁっ!!」

 

フォーゼは両腕を体の前に持ってきて体を縮めると、

 

「宇宙……」

 

勢いよくX字に背伸びしながら叫んだ。

 

「キタずらァァァァァァー!」

 

 

「行くよベルトさん」

 

『OKルビィ、START your Engine!』

 

キーを回し、車のエンジン音のような待機音が鳴る中で、ルビィさんは赤いシフトカー『タイプスピード』を左手首のシフトブレスに装填、動かす。

 

「変身!」

 

そしてルビィさんは左腕を右側に伸ばし、両腕をそれぞれ回す。

 

『ドラァーイブ!タァーイプ!スピィード!』

 

流れるメロディと共に、ルビィさんは『仮面ライダードライブ・タイプスピード』になった。

 

最後にトライドロンから発射されたタイヤが、ドライブの体に斜めに刺さった。

 

「コカビエル、ひとっ走り付き合ってよ!」

 

 

「ちぃぃっ!! やはり奴等も仮面ライダーだったか!!」

 

目に見えて悔しそうに、忌々しそうにするコカビエル。

 

その隙にドライブはアーシアを襲ったケルベロスに向かっていき、フォーゼ…花丸さんは俺の隣に来て、肩を叩く。

 

「一誠君、行くずらよ?」

 

「ええ、勿論です」

 

花丸さんと短く問答してから、やや劣勢気味のカリスを援護するために、俺達はアナザーフォーゼに向かっていく。

 

 

 



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episode9


今回は戦闘描写が稚拙になると思います。



◎side

 

 

(BGM:SURPRISEーDRIVE)

 

ドライブは三体いるケルベロスの内の一体と戦っていた。

 

「来て!ドア銃!ハンドル剣!」

 

ルビィの言葉で、ドライブの右手にハンドル剣、左手にドア銃が来た。

 

さらにタイプスピードのシフトカーを三回起き上がらせ、シフトギアを上げる。

 

『スピ、スピ、スピード!』

 

スライディングのポーズで火花を散らしながら地を滑るドライブは、ケルベロスの首や胴にドア銃の弾を撃ち込み、足元に近づくとハンドル剣で斬りつける。

 

「せいっ!やっ!はぁっ!」

 

「キャン!?」

 

足に走る鋭い痛み、黒や胴に走る鈍い痛みから逃げるようにケルベロスはたたらを踏み、反撃にドライブを踏み潰そうと足を出したり、3つの首から炎を吐くが、ドライブのスピードに追い付けない。

 

「ほらこっちだよ、ワンちゃん」

 

対してドライブは余裕だった。 

 

『ルビィ、タイヤ交換だ』

 

「分かったよ!ベルトさん!」

 

ドライブはケルベロスから離れた上でベルトのキーを回すと、シフトブレスにオレンジのシフトカーを装填、動かす。

 

『タ・イ・ヤ・コウカーン!!』

 

トライドロンから炎を纏ったタイヤが射出され、スピードのタイヤを押し退け、ドライブに刺さる。

 

『マックス!フレア!』

 

ドライブはフレアのシフトカーを三回動かす。

 

『フレ、フレ、フレア!』

 

その隙にケルベロスは3つの首から同時に炎を吐くが、ドライブは左腕を大きく振るって渦巻く火炎を放ち、相殺させる。

 

そして今度は紫のシフトカーを装填して動かす。

 

『タ・イ・ヤ・コウカーン!!』

 

トライドロンから紫の手裏剣のようなタイヤが射出され、フレアのタイヤを押し退け刺さる。

 

フレアのタイヤはケルベロスの真ん中の首に当たってから、トライドロンに戻る。

 

『ミッドナイト!シャドー!』

 

タイヤ交換すると、すぐにミッドナイトシャドーのシフトカーを三回動かす。

 

『シャ、シャ、シャドー!』

 

ドライブは両手に紫の手裏剣エネルギーを作ると、それをケルベロスに向かって投げる。

 

「えいっ!やっ!」

 

紫の手裏剣エネルギーは、ケルベロスの左右の首に当たって分断した。

 

『ドラァーイブ!タァーイプ!スピィード!』

 

最後はタイプスピードに戻り、キーを捻ってからブレスのボタンを押し、シフトカーを一度倒す。

 

『ヒッサーツ!フルスロットール!スピード!』

 

すると真ん中の首だけが残ってるケルベロスの周りをトライドロンが高速で走り回り、囲む。

 

「はぁぁぁぁぁぁぁ……はっ!」

 

ドライブもその中に入り、トライドロンと協力しての連続蹴り『スピードロップ』を放つ。

 

「はい!はい!はい!はい!はい!はい!とりゃああああああ!」

 

「ギャオオオオオオオオウ!?」

 

全方位から来る強力な蹴りを受け続け、最後に真正面から来たライダーキックを受けたケルベロスは吹き飛び、空中で爆発。

 

逆にドライブはキキーッ!! と急ブレーキをかけながら着地した。

 

そしてすぐにリアス達の方を見ると、リアスと朱乃は地に膝をついており、その対面にいるケルベロスは雄々しく吠えていた。

 

「危ないっ!!」

 

そう言ったルビィは、青と白のシフトカー『タイプフォーミュラ』を出し、ベルトのキーを回し、シフトブレスに装填、倒して戻す。

 

『ドラァーイブ!タァーイプ!フォーミュラァー!』

 

ドライブは青いレーシングカーをモチーフにした姿、『タイプフォーミュラ』に変わる。

 

そして直ぐにフォーミュラのギアを4回入れる。

 

『フォ!フォ!フォ!フォーミュラ!』

 

瞬間、レーシングカーのごとき超高速で動いて、リアス達に迫っていたケルベロスの顔に蹴りを入れる。

 

「えいっ!」

 

「ギャオオオオウ!?」

 

その巨体を地面に寝転ばせるケルベロスに対して、ドライブは綺麗に着地して、リアスと朱乃に声をかける。

 

「大丈夫!?」

 

「ありがとうございます!」

 

「助かりましたわ」

 

2人の無事にルビィは頷くと、ケルベロスの方に向き直って叫ぶ。

 

「来て!トレーラー砲!」

 

ドライブの手に青いレーシングトレーラーの形をした武器『トレーラー砲』が来る。

 

ドライブは運転席の部分をスライドさせて、銃の取っ手を現すと、シフトフォーミュラをシフトブレスから外して、トレーラー砲の銃口上部に装填。

 

『フォーミュラァー!』

 

次に『タイプスピード』と『タイプワイルド』のシフトカーをトレーラー砲に格納する。

 

『ヒッサーツ!フルスロットォール!』

 

そして引き金を引き、必殺技『トレーラーインパクト』を放つ。

 

『フルフルフル!フォーミュラァータイ、ホォーウ!』

 

トレーラーインパクトは起き上がった直後のケルベロスを飲み込み、盛大に爆発させた。

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

一方、小猫とウォズは協力して最後のケルベロスを相手取っていた。

 

小猫が拳でケルベロスの顔を殴って注意を引かせると、その隙に背後からウォズがジカンデスピア・ヤリモードで切りつける。

 

「はっ!」

 

「グルルル……」

 

唸るケルベロスがウォズの方に向くと、小猫がケルベロスの尻尾を掴んで動きを止め、それにケルベロスが動揺を見せると、ウォズは跳躍して、ジカンデスピア・ヤリモードを連続で叩きつける。

 

「はぁァァァああああああああ!!」

 

「ギャオオオオオオオオオオオオウ!?」

 

顔に走る激痛に仰け反るケルベロス。

 

その隙にウォズはジカンデスピアのタッチパネル部分にあるカマアイコンと「カメン」と書かれたボタンを押して、手動でカマモードに変える。

 

《カマシスギ!》

 

「…そのテンションの高い音声は何なの?」

 

「知りませんわ!」

 

ジト目で問う小猫の言葉を一蹴したレイヴェルは、再びタッチパネルのカマアイコンを押してから、三回程スワイプさせる。

 

するとかなりテンポの早い、高まるような待機音が流れる。

 

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……!」

 

《フィニッシュタイム!一撃カマーン!》

 

直後、ジカンデスピア・カマモードの刃に緑のエネルギーが集まり、ウォズはそれを大振りに振るい、ケルベロスの胸に大きな傷を作る。

 

「はぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

「ギャン!!」

 

大きく後退するケルベロスだが、今ので完全に怒ったのか、強く狂ったように「グルルル」と唸る。

 

それを見たウォズはビヨンドライバーのレバーを開いて、すぐに戻す。

 

《ビヨンドザタイム!》

 

直後、ケルベロスはウォズに向かって走るが、ウォズのドライバーからキューブ状の時計型エネルギーが出てきて、一瞬驚いて止まる。

 

キューブ状の時計型エネルギーはそのままケルベロスを素通りして、背後に留まる。

 

《タイムエクスプロージョン!》

 

ウォズは周囲を回転する「キック」文字型のエネルギーを纏ったまま回転。

 

「はぁぁぁぁぁぁぁ……!」

 

そのエネルギーを纏った後ろ回し蹴りをケルベロスの真ん中の首にぶち当て、キューブに叩き込み、時限爆弾よろしく爆破させた。

 

「ギャオオオオオオオオオオオオ!!」

 

これにて全てのケルベロスは全滅した。

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

木原はムカついていた。

 

今の自分はアナザーフォーゼの力を使っている。

 

アナザーフォーゼに対抗できるのは、オリジナルのフォーゼの力のみ。

 

よって花丸が変身しているフォーゼには最大の注意を払いつつ、竜牙が変身しているカリスや、一誠が変身しているジオウの力にはその場しのぎの注意を向けていた。

 

ウルトラマンドライグのアーマーを纏っている為に、倍加しまくって1つ1つの剣撃や拳打が重くなってるジオウの攻撃は横に流すか、体を反らして避ける事に専念。

 

仮に反撃しても倍加で防御力も桁違いに跳ね上がっているので、あえて避ける事にしている。

 

花丸フォーゼに至っても同様。

 

彼女に攻撃させるだけさせて、その攻撃を捌くか、受け止めて耐える。

 

アナザーフォーゼの歴史改変能力でフォーゼの力が無くなるのを待っているのだ。

 

そしてカリスに至っては攻撃を受けてもアナザーフォーゼの力が無くなることは無いので、攻撃させるだけさせて、防げる攻撃は防ぐ。

 

こうすることで、かつて敗北しまくっていた竜牙に無力感を味わわせようとしていた。

 

なのに。

 

 

(どういうことだ?)

 

 

カリスは決して折れない。

 

攻撃を止めない。

 

闇雲に振るうカリスアローの斬撃の速さに、衰えが見えることは無い。

 

カリス…竜牙は吠えながら三枚のカードを取る。

 

「クッソ野郎がァァァァァァ!!」

 

それらをカリスアローに取り付けたラウザーにリードする。

 

《トルネード》《ドリル》《フロート》

 

《スピニングダンス》

 

その音声の後、3枚のラウズカードの力がカリスに吸収され、カリスは竜巻を纏いながら空高く浮遊し、体を回転させながらアナザーフォーゼに足から突撃する。

 

そして接触すると爆発、必殺の威力にアナザーフォーゼは吹き飛んでゴロゴロ転がるが、何とも無いように立ち上がり、ベルトのようなものを操作する。

 

《ロケット・オン》

 

するとアナザーフォーゼの右腕にオレンジ半透明のロケットモジュールが装備され、アナザーフォーゼはロケットモジュールを噴かしてカリスに急接近。

 

「響かねえぞ、小僧!」

 

その顔面をロケットモジュールで殴り付ける。

 

「ごはっ!?」

 

カリスの体は宙高く舞い、地に落ちると何度もバウンドした。

 

「竜牙!」

 

ジオウが慌ててジカンギレードを持ってアナザーフォーゼに斬りかかるも、アナザーフォーゼはそれをロケットモジュールで防ぎ、互いに押し合いの膠着状態に入る。

 

「一誠君!」

 

フォーゼもすぐに援護に入ろうとしたが、ここで体に大きなノイズが走って彼女の変身は解け、花丸は無防備状態になってしまう。

 

「ずら!? 変身が……」

 

ここに来てアナザーフォーゼの歴史改変能力が行き届いてしまった。

 

(勝った……!)

 

木原は内心でほくそ笑んだ。

 

故に余裕も出てきた。

 

アナザーフォーゼはジオウを蹴り飛ばすと、モタモタ立とうとしているカリスに言う。

 

「おいテメエ。ここで1人の女助けるためにデカい悪に立ち向かって。もしかして自分のことカッコイイとか思ってんのか!? 立派なヒーローになってるとか思ってんのか?んなわけねえだろ!ハハッ、テメエは一生泥の中の悪党なんだよ!」

 

それを聞いて、竜牙は歯軋りして思う。

 

(分かってンだよ。一生泥の中ってことくらい。どう足掻いたって、俺じゃあアイツや、緋村みてェにはなれねェ)

 

彼は一誠や、氷城 冬麻に密かな憧れを抱いていた。

 

他人の為に怒り、泣き、守ろうとする彼等に。

 

だけど自分はそんな御大層な人間じゃない。

 

しかし。

 

それでも。

 

今の彼には戦うべき理由がある。

 

(地獄に落ちるのは俺とオマエだけで良い。そこにあの女まで巻き込むンじゃねェ!)

 

竜牙…カリスは再びアナザーフォーゼに飛びかかり、その顔に右手を伸ばす。

 

《チェーンソー・オン》

 

しかしアナザーフォーゼが装備した半透明のチェーンソーモジュールに顔のマスクを叩き壊され、

 

「があっ!?」

 

その威力に彼は吹き飛び、変身が解ける。

 

「竜牙!」

 

一誠の心配する声も他所に、竜牙の意識は闇に落ちていく。

 

「ハハ……」

 

白い少年は、そのまま動かない。

 

「ハハハハハハハッ!」

 

木原は笑う。

 

「電池が切れりゃあ、ただの動かないガラクタってか?」

 

彼がそう呟いた時だ。

 

「ごはっ!?」

 

突然、頬に響いた鈍くも激しい衝撃に木原は吹き飛んだ。

 

「ごっ…ふっ…!……ああ?……テメエ、なにしやがんだコラ?」

 

木原を殴ったのは、ジオウ・ドライグアーマーだった。

 

彼は底冷えするような、静かながらにも強い口調で言う。

 

「俺のダチを……それ以上愚弄するんじゃねぇ……!」

 

その瞬間、花丸は自分のポケットに何かが光るのを確認した。

 

手に取ってみると、それはフォーゼの顔が描かれたライドウォッチだった。

 

「これは………一誠君!」

 

花丸の声にジオウは振り向き、それと同時に花丸はウォッチを投げて渡す。

 

それを何とか受け取ったジオウはウォッチをマジマジと見て、仰天する。

 

「これは!?………よし!」

 

ジオウはアナザーフォーゼを倒す力、『フォーゼライドウォッチ』の外枠を回してボタンを押す。

 

《フォーゼ!》

 

ドライグライドウォッチを抜いて、フォーゼライドウォッチを左スロットに装填、ドライバーを回す。

 

《ライダータイム!カメーンライダー!ジオウ…!アーマーターイム!》

 

出てきたのは、半透明のロケットモジュールのようなアーマーで、「宇宙キター!」のポーズを取った後にロケット形態になってから自律的に分解、ジオウに装着していく。

 

《3・2・1!フォーゼ!》

 

姿はフォーゼの『ベースステイツ』を模しており、複眼にはカタカナで『フォーゼ』と描かれている。

 

両肩はロケットの先端部分が左右に分かれた形状をした可変装甲『フェアリングフラッパー』になっており、両腕にはロケットモジュールを模した『ブースターモジュール』が装備されており、背中や脚部にもブースターが搭載されている。

 

 

ジオウは『フォーゼアーマー』になった。

 

 

(BGM:仮面ライダージオウ バトル)

 

直後、ジオウの隣にウォズがやって来て、高らかに祝う。

 

「祝いなさい!全ライダーの力を受け継ぎ、時空を越え過去と未来をしろしめす時の王者。その名も仮面ライダージオウ・フォーゼアーマー」

 

それにコカビエルは眉をしかめ、リアス達はまたかと言わんばかりに嘆息、花丸とルビィは首を傾げた。

 

「宇宙に…行くー!!」

 

一方のジオウは、フォーゼがいつもやることをしているが、どこか言葉が違う。

 

「何言ってか分かんねぇぞ!!」

 

木原はムカついたのか、ジオウ・フォーゼアーマーに向かって行くが、ジオウは即座にアーマーを変形・移動させて『ロケットモード』に移行。

 

ブースターを噴かせて、アナザーフォーゼに突撃した。

 

「ぐはっ!?」

 

ダンプカーに追突されたような衝撃に木原は吐血、体をくの字に曲げるが、ジオウはそのままロケットモードで空高く飛んでいき、再びアーマーモードに戻ると、空中でアナザーフォーゼを殴りまくる。

 

それもブースターを噴かせて威力を上げた上で。

 

「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラドッリャァァァァァァ!!」

 

「ごはっ!?」

 

最後のハンマーフックでアナザーフォーゼを地面に叩きつける。

 

そして即座にフィニッシュタイムに移行。

 

《フィニッシュターイム!フォーゼ!》

 

ロックを解除してドライバー本体を回す。

 

《リミットターイムブレーク!!》

 

ジオウは再びロケットモードになると、フラフラと立ち上がったアナザーフォーゼに突撃、自分ごと宇宙まで連れていく。

 

そして無重力状態で身動きが取れないアナザーフォーゼに回転蹴りを放つ。

 

「宇宙ロケットきりもみキーーーーック!!」

 

「ぐわァァァァァァァァ!!!?」

 

ジオウ・フォーゼアーマーの必殺技『リミットタイムブレーク』を受けたアナザーフォーゼは再び地球に落ちていき、摩擦で体が燃えつつも耐えきり、再び駒王学園の地面に落下。

 

ズドォォォォン!! という轟音の後には大きなクレーターが出来ており、その中心にジオウと、変身の解けた木原がいた。

 

「ごっ…はっ…!?」

 

「……ふん」

 

ジオウはギリギリ生きてる木原を一瞥すると、彼の元から離れて行く。

 

アナザーフォーゼのウォッチも壊れたので、彼がアナザーフォーゼになることはもう無い。

 

尚、この一連を見ていた花丸は渋い顔で一言。

 

「なんか………違うずら」

 

残るはコカビエルとバルパーのみ。

 

誰もがそう思った時、不意に一誠の視界に、ヨロヨロと立ち上がる木原の姿が入った。

 

「アイツ!? まだ……!」

 

一誠を始めとして、誰もが仰天する中で木原は堕天使の翼を広げて狂喜に笑い出す。

 

「ハハ……ハハハハハハハハ!! よーし、調子が出てきた。もっと面白くしてやるから、もう少し付き合ってくれよ!」

 

言って木原は懐からピンを外した手榴弾を出し、それをなんと意識の無い竜牙に向けて放った。

 

「ちっ…!!」

 

慌ててジオウはロケットモードになるが、手榴弾が竜牙に到達するのが早かった。

 

竜牙の額に手榴弾が落ちて爆発する。

 

それに木原は「ハハハハハハ!!」と哄笑を上げ、ルビィと花丸は口を抑え、一誠やリアス達は木原を睨み付けるが、不意にその顔は驚きに変わる。

 

無論、それは笑っていた木原も同じ。

 

立っている。

 

意識が無く、生身の竜牙が、だらりとした様子で立っていた。

 

そして、白い頭の上には赤いY字の結晶が浮かび、その背中からは黒い翼が噴き出す。

 

竜牙自身朦朧とする意識の中で生み出されたその翼は、かつてないほどの破壊力を秘めていることを自然と連想させた。

 

ただ、圧倒的な力。

 

一誠やリアス、ルビィ達はもちろん、あのコカビエルでさえ目を見開き、冷や汗を流していた。

 

それが、今の竜牙だった。

 

「何、だよ……その背中から生えている、真っ黒な翼はァ!」

 

木原は叫ぶが、それよりも早く接近した竜牙によってその顔面を掴まれる。

 

その体が、宙に浮かぶ。

 

(そういや、確かこいつの父親は……!?)

 

 

 

 

 

 

「ihbf殺wq」

 

 

 

 

 

ノイズと殺意の混じった声と共に、木原は一瞬にして結界を突き破り、夜空へと飛ばされる。

 

そしてあまりのその速さに、大気との摩擦熱により、その体は光となって消えた。

 

一方、竜牙は事をやり終えたかのように翼を消して、その場に倒れた。

 

 

 



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episode10

今回は前作で書いてなかった木場の戦闘シーンを組み込んでます。
だからそこら辺は流し読みしてくれても構いません。



一誠side

 

 

アナザーフォーゼ…木原を倒し、残るはコカビエルとバルパーのみとなった。

 

小猫ちゃんに竜牙をアルフィミアさんの隣に運んでもらい、アーシアに治療を頼んでそれを見届けると、俺達は宙に浮くコカビエルを見据える。

 

そしてコカビエルも俺達を見据えるが、突如として笑い始めた。

 

「フハハハ!! 良いぞお前達!ここまでとは思わなかった!面白い!実に面白いぞ!」

 

余裕綽々だな。

 

だがそんなコカビエルの周りに突如、夥しい数の魔剣が現れ、一気に向かっていく!

 

はっ、やっと来たか。

 

「むっ!?」

 

コカビエルは片手に巨大な光槍を出し、自分が回転することでそれらを全て壊した。

 

そして後に聞こえる聞きなれた声が2つ。

 

「遅くなりました、部長」

 

「加勢に来たぞ、グレモリー眷属」

 

そこには、魔剣を構える木場と、聖剣を構えるゼノヴィアの姿があった。

 

「遅ぇぞイケメン王子」

 

「ハハハ、ごめん」

 

「とりあえず、遅れた分はきっちり働いてもらうからな」

 

「もちろんだよ、イッセー君!」

 

頼もしい限りだ。

 

「花丸さんは変身出来ますか?」

 

「もちろんずら!」

 

言って花丸さんは再びフォーゼドライバーを腰に着ける。

 

ドライバーにある4つのスイッチを順に下ろした後に左腕を曲げて右側に持っていき、右手でレバーを掴む。

 

《3》

 

《2》

 

《1》

 

「変身!」

 

花丸さんは、その掛け声とともにレバーを引く。

 

すると辺りを白い煙が包み、彼女の真上から降り注ぐように光が出現する。

 

そして次の瞬間には煙が流れ、花丸さんは再び『仮面ライダーフォーゼ』になる。

 

フォーゼは両腕を体の前に持ってきて体を縮めると、

 

「宇宙……」

 

勢いよくX字に背伸びしながら叫んだ。

 

「キタずらァァァァァァー!」

 

更に頭部を撫でて、コカビエルに拳を突き出して言う。

 

「仮面ライダーフォーゼ、タイマン張らせて貰うずら!」

 

よかった。

 

アナザーフォーゼの影響は無事に無くなってるみたいだ。

 

これを見てゼノヴィアが一言。

 

「仮面ライダーが四人もいるとは………それより何故に宇宙?」

 

ゼノヴィア、それは気にするな!

 

気にしたら敗けだ!

 

「──完成だ」

 

次に聞こえて来たのはバルパーの嬉々とした声。

 

神々しい光が校庭を覆う。

 

あまりの眩しさに俺を含めた全員が顔を手で覆った。

 

四本のエクスカリバーが一本に統合される。

 

そして、陣の中心に異形の聖剣が現れた。

 

「エクスカリバー………ッ!」

 

木場が憎々しく呟く。

 

エクスカリバーが統合されたことで笑みを浮かべるバルパー。

 

「エクスカリバーが一本になった光で下の術式も完成した。あと20分程度でこの町は崩壊するだろう。早く逃げることをオススメする」

 

『っ!?』

 

バルパーの言葉にこの場にいる俺以外の全員が驚いた。

 

ちっ、やはり止めるのは間に合わなかったか。

 

だが諦めるにはまだ早い!

 

コカビエルを倒せば、その術も壊れる。

 

皆が焦る中、木場がバルパーに近づいていく。

 

「バルパー・ガリレイ。僕はあなたの聖剣計画の生き残りだ。いや、正確にはあなたに殺された身だ。今は悪魔に転生したことで生き永らえている」

 

冷静な口調で言う木場だが、はっきりとした憎悪が木場から感じられる。

 

「僕は死ぬわけにはいかなかったからね。死んでいった同志のために!」

 

それを聞いたバルパーは鼻で笑い、こう言った。

 

「君に1つ教えてあげよう。君達は聖剣の因子を持ち合わせていなかったのではない。ただ、少なかっただけだ」

 

「何を、言って…………!」

 

「言葉通りだよ。聖剣を扱うための因子が君たちには不足していた……ならば不足している出来損ないはどうすればいい?………答えは簡単。因子を抜けばいいんだよ」

 

それに木場は驚く。

 

「何……!?」

 

「因子を抜いて、それを集めて結晶化出来れば、聖剣を第三者が扱うことが出来る!たとえ才能がなくてもな!そして私は研究の末、ソレを完成させた!だがどうしたものだ!! 教会は私を異端者と追放した挙句、私の研究成果を奪う!」

 

「だったら、木場達を殺す必要はなかったはずだ!因子を抜いて捨てれば、木場達は…………!」

 

激昂した様に怒鳴る俺に、バルパーは何でもない風にその言葉を吐いた。

 

「ははは。何を言っている?貴様たちは実験動物だ。使い終わったモルモットは、殺すに決まっているだろう?」

 

モルモット。

 

その言葉を聞いた木場は、ガクリと膝を付いた。

 

そんな木場に、バルパーは青い塊を投げた。

 

「今、君の足元に落ちているのは君たちから抜き去った因子の残りだよ…………そんな残り屑、君にあげよう。そんなゴミは私にはもう必要ない」

 

「バルパー・ガリレイ!貴方と言う人は!何処まで人の命をっ!?」

 

花「いくら何でも酷いずら!」

 

リアスや花丸さんの叫びを無視し、高笑いを続けるバルパー。

 

「おい木場……」

 

「…………皆」

 

俺の言葉に耳を貸さず、木場はそれを大切そうに拾い上げる。

 

泣きながら結晶を握り締めて、体を震えさせて。

 

「僕は、ずっと思っていた……。何で僕が生き残っていたんだろうって……」

 

涙を流しながら、木場は胸に留めてた想いを吐き出した。

 

「僕は生き残って、それで部長の眷属になって、学校に通えて、友達が出来て…………僕だけが幸せになっていいのかと考えた…」

 

そうだ。

 

ずっと木場は考えていた。

 

自らが独り生き残った理由を。

 

「僕は復讐者だ…………そして、僕はずっと独りだ!!」

 

 

 

 

 

 

 

───貴方は一人じゃないよ。

 

そう自暴自棄になる木場に、優しい声が響いた。

 

その声は、木場だけでなく、俺達にも聞こえていた。

 

そして、声は更に増えていった。

 

『泣かないで。どうして一人なんて寂しいことを言うの?』

 

『死ぬなんて、悲しいよ……』

 

『君は生きていいんだよ。だって僕達の希望なんだから』

 

「どう、して……ッ。皆…!」

 

木場の周りには、薄ら青い透明な人影……小さい人影、大きい人影があった。

 

その影は木場を囲むように、声を掛ける。

 

「僕は何も出来なかった!何も……皆を見捨てて、今は平和に暮らすなんて、そんなこと許されるはずがない!!」

 

木場は結晶を両手で握り締めて震え泣きながら叫ぶ。

 

『見捨ててなんかないよ』

 

『だって君はずっと、僕達のことを想ってくれていた』

 

『たとえそれが復讐なんだとしても、君が私たちを忘れた日はなかった』

 

『それに…………今も涙を流してくれている』

 

木場は何度も何度も涙を拭うも、それは後から後から溢れてくる。

 

『私達もあなたを大切に想う』

 

『あなたはひとりじゃない』

 

『一人の力は弱くても、みんなと一緒なら大丈夫だ』

 

『だから受け入れよう……』

 

人影達は木場の手に、自らの手を添える。

 

そして、木場の手の中の青い結晶を指した。

 

『歌おう。みんなで歌った歌を……』

 

木場の周りの光から、聖歌のようなものが響く。

 

それは俺達にも聞こえていた。

 

リアスは驚いていて、アーシアは涙を流している……全員優しい表情をしていた。

 

『聖剣を受け入れよう』

 

『神が僕達を見放しても、君には神なんていらない』

 

『君には私達がいる』

 

『たとえ神が僕達を見ていなくても僕達はきっと……』

 

 

 

一つだ──。

 

 

 

そう聞こえたかと思うと、木場に人影達が取り込まれ、目の前に1本の剣が現れた。

 

『相棒、奴は至ったぞ』

 

ああ、ここまでは俺の知ってる未来通りだよ。

 

木場は禁手に至った。

 

その証拠に、アイツの前にある剣から漏れ出る光は闇夜を切り裂き、新たな境地に至った木場を祝福している様だった。

 

 

一誠sideoff

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

木場side

 

 

僕は目の前の剣を掴んだ。

 

そして感じた。

 

皆が、僕を内側から励ましてくれてるのを……!

 

「木場!今のお前ならエクスカリバーなんかに負けやしねぇ!! むしろ勝利したぞ!」

 

「イッセー君…………」

 

新たなアーマーを纏ったジオウ姿のイッセー君は、僕に激励を送ってくれる。

 

いや、イッセー君だけじゃなかった。

 

「負けないで下さい!祐斗さん!!」

 

アーシアさんが、

 

「やっちゃって下さい…………祐斗先輩…!」

 

小猫ちゃんが、

 

「木場様、新たなページを作るのです!」

 

ライダー姿のレイヴェルさんが、

 

「祐斗君、負けたらお仕置きですわ」

 

朱乃さんが、

 

「祐斗!貴方は私の、グレモリー眷属の『騎士』よ!だから……思いっきりやりなさい!!」

 

そして、リアス部長がそう言ってくれる!

 

「…はい!」

 

だから、負ける理由なんて…………ない!!

 

「その様なこけおどしに、私のエクスカリバーが負けるとでも?フリード!」

 

「あいあいさっ!」

 

バルパーはフリードにエクスカリバーを手渡す。

 

「今ここに誓おう……僕は剣になる。皆を守るための………眷属の剣となる!! 『双覇の聖魔剣《ソードオブ・ビトレイヤー》』!! この聖魔剣と共に!!」

 

これにはバルパーもおののく。

 

「聖魔剣だと!? ありえない!相反する要素が混ざり合うなど、そんなことあるはずがないのだ!」

 

「ひゃはははぁ!! そんな虚仮脅しが、俺っちに通用する訳ねぇ~だろぅがぁぁぁぁ!!!」

 

フリードは高速で僕の周りを動き回る…………天閃の力だね。

 

だが速度ならっ!

 

「僕も負けてないっ!!」

 

「どわおっ!? だったらこれでどうだぃ!?」

 

今度は鞭状に変化させ此方に向けてくる…………あれは擬態の力…………急に透明化した!?

 

「見えない一撃を読めるかい!?」

 

恐らくは他のエクスカリバーの力…………だけど!

 

ギィンッ!

 

死角から襲い来るエクスカリバーを受け止めるっ!

 

「な、んなアホなぁ!? 刀身は確かに消えてた筈っしょ!?」

 

「確かにね…………でも、僕は刀身なんて見てない。エクスカリバーの聖の力を探知したまでだよ」

 

そう、姿を消せても気や質量は消えない。

 

「こんのクソ悪魔がァァァァ!! こちとらさっさと前菜を平らげ、メインディッシュであるイッセー君と、俺っちとキャラが被ってるあの白髪野郎にお礼参りしなくちゃならねぇんだからよぉ!」

 

フリードは怒り狂い、エクスカリバーを滅茶苦茶に振るう!

 

「そんな乱れた剣で、僕達の想いが詰まった聖魔剣を、折れると思うなぁ!」

 

「どわっ!?」

 

聖魔剣を一閃すると、僕は後方に下がる。

 

すると、何か声が聞こえた。

 

「……あれは」

 

「あん?」

 

そこにはゼノヴィアさんがいた。

 

彼女は、僕達が斬り結んでる最中にも何かを呟いていたけど…………。

 

「ペトロ、バシレイオス、ディオニュシウス、そして聖母マリアよ。我が声に耳を傾けてくれ」

 

ゼノヴィアさんはそう呪文のようなものを唱えると、彼女の手元の空間にひびが入った。

 

そしてそこから……鎖で包まれている大剣が出現した。

 

あれは聖剣。

 

しかもエクスカリバーよりも大きなオーラを有している!

 

「この刃に宿りしセイントの御名において、我は解放する……デュランダル!!」

 

ゼノヴィアは宙に出現する剣の柄を掴み、そのまま振り抜く。

 

その剣を拘束していた鎖は、まるで糸が切れるように粉々になり、ゼノヴィアはその聖剣──伝説の聖剣・デュランダルの剣先を僕たちの方に向けていた。

 

「デュランダル!? 貴様、エクスカリバーの使い手ではなかったのか!? それに私の研究ではデュランダルを扱うまでの所までは到達していない!」

 

彼女の発言にバルパーはひどく驚いている……僕も驚いているよ。

 

デュランダル…………エクスカリバーに並ぶほどの聖剣の一つだ。

 

「私はイリナやそこの男とは違って天然ものの聖剣使いでね。そして、私の本来の使い手は、このデュランダルだ」

 

「…………何すか?何なんすか?ここにきてのこの展開はぁ!? 胸糞悪いったらねぇぞオイ!この糞アマァ!!」

 

フリードは激昂しながらエクスカリバーをデュランダル目掛けて振るうも、彼女がデュランダルを振るうと、

 

 

 

 

 

 

 

ピシィッ!

 

 

 

 

 

 

「なっ…………!?」

 

フリードのエクスカリバーに亀裂が!

 

「……凄い」

 

たったの一閃で……!

 

「…………何だこの程度か。これなら、彼の聖魔剣の方が強いな。木場祐斗、後は君が決めろ」

 

「…………言われるまでもないさ!」

 

ゼノヴィアに言われる前に、僕はフリードに向けて駆け出した!

 

「糞がっ、糞がっ、糞がぁぁぁぁ!!!」

 

フリードは怒鳴りながら封魔銃を乱射するが、僕は全て聖魔剣で往なし、亀裂の走ったエクスカリバーに向けて一閃!!

 

ガァンッ!!

 

「ば、かな…………っ!?」

 

フリードは鮮血を撒き散らして、その場に倒れた。

 

エクスカリバーの破片と共に。

 

「皆、僕達の想いが………勝ったよ」

 

僕は聖魔剣を掲げて、同士達に伝える。

 

 

木場sideoff

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一誠side

 

 

木場のやつ、ついにやりやがった!

 

これで後はコカビエルだけ!

 

そう思ってると、木場がバルパーに迫る。

 

最後のケリを着けるつもりだろう。

 

「バルパー・ガリレイ。覚悟を決めてもらおう」

 

すると、バルパーはそんな木場の言葉を無視して、何かを呟きだした。

 

「そうか!聖と魔、それらを司る存在のバランスが大きく崩れているとすれば説明はつく!つまり、魔王だけでなく神も」

 

ズンッ!

 

何かに思考が達したかに見えたバルパーの胸部を巨大な光の槍が貫いた。

 

そして、バルパーはそのままグラウンドに突っ伏し、消えていく。

 

コカビエルの仕業だ。

 

「バルパー。お前は優秀だったよ。そこに思考が至ったのもそれ故だろう。だが、俺はお前などいなくても最初から一人でやれる」

 

宙に浮かぶコカビエルがバルパーを嘲笑っていた。

 

チッ、やっぱり用済みになったから殺しやがった。

 

これにはいつも温厚なルビィさんも憤慨した。

 

「どういうつもりなの!?」

 

「なに、用済みになったから消したまでのことだ、ドライブ」

 

コカビエルはそう言うと地に降りてきた。

 

あいつから感じられる重圧が増したな。

 

リアス達なんて頬に冷や汗を流してる。

 

「さぁ、余興は終わりだ。ここからは俺が相手をしよう。仮面ライダーども!」

 

そう言うと、コカビエルは紫のライドウォッチを取り出し、ボタンを押して体に取り込んだ!

 

まさか、アイツもアナザーライダーになるのかよ!?

 

《ドライブ…》

 

その予想は当たり、コカビエルはルビィさんが変身する仮面ライダードライブを怪人にしたような存在『アナザードライブ』に変わった。

 

なんか妙にサイボーグ感漂う見た目をしており、車をモチーフにしてるだけあって機械感漂うオリジナルのドライブとは色んな意味で正反対だった。

 

それと同時に、ドライブ・タイプフォーミュラになってるルビィさんの体にノイズが走り始め、一際大きくなると完全に姿が解けてしまった!

 

「わっ……!ピギっ!? ベルトさんが!?」

 

ルビィさんが悲痛な声を上げる。

 

チッ、アナザードライブの歴史改変能力で、ベルトさんの存在も消えたのか!

 

「先ずは一人……」

 

コカビエルがそう言う。

 

クソッ!

 

こうなったら俺と花丸さん、レイヴェルだけでやるしかない!

 

俺はリアスに指示する。

 

「リアス!朱乃さんと一緒になって、ルビィさんやアーシア、竜牙達の守りに徹してくれ!」

 

「っ………分かったわ」

 

自分達の攻撃じゃあコカビエルはおろか、アナザードライブも倒せない。

 

それが分かってるリアスは悔しそうな顔で頷き、朱乃と共にルビィさんやアーシアの盾に回る。

 

すると木場やゼノヴィア、小猫ちゃんが合流してくる。

 

「僕も手伝うよ、イッセー君」

 

「ここまで来たんだ。最後まで付き合おう」

 

「…先輩やレイヴェルだけに任せはしません」

 

……ははっ、頼もしい仲間だぜ。

 

「じゃあ、協力してもらおうかな?」

 

そう俺が言うと、6人同時にコカビエルへ飛び出した。

 

 

 

 




ゲイツの扱いはどうしましょう?
あえて登場させない方がいいのか?
それとも出した方がいいのか?
メッセージで返答お願いします。


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episode11



後何話で終わるか、自分でもわからないです。



◎side

 

 

6人同時に飛び出し、最初に仕掛けたのはジオウ・フォーゼアーマーと木場だった。

 

ジオウはロケットモードに変わって突撃、それをコカビエル…アナザードライブは横に転がって避け、そこに木場が聖魔剣を振り下ろす。

 

しかしアナザードライブは手元に光の剣を作り出し、木場の聖魔剣を防いだ。

 

やはり変身者が堕天使であるだけはあって、光の剣も使えるらしい。

 

「…そこ!」

 

一瞬の隙に小猫がアナザードライブの背後を取った。

 

そしてその拳を振り下ろそうとするが、

 

「バカが!」

 

アナザードライブが背中から生やした黒い翼が鋭い刃物と化し、小猫を貫こうとする。

 

「させないずら!」

 

《ドリル・オン》

 

それをフォーゼが左足に装備したドリルモジュールで防ぎ、小猫を庇う。

 

《ヤリスギ!》

 

そしてウォズはジカンデスピアをヤリモードに変えて、怒濤の連続突きを繰り出すが、アナザードライブはバックステップで避け、頭もずらして的確に避け続ける。

 

そしてウォズの隙を見つけて、その腹に蹴りを入れて吹き飛ばす。

 

「きゃっ!!」

 

今度はゼノヴィアが木場と共に向かっていき、デュランダルを振り下ろすが、アナザードライブはオリジナルと同様に驚異的なスピードを出して2人の背後に回る。

 

「何っ!?」

 

「そんなっ!?」

 

驚く2人の背中にアナザードライブは強烈な回し蹴りを繰り出す。

 

「「がぁ……っ!?」」

 

背中に激しい衝撃を受け、2人は何度かバウンドしてから地面を滑る。

 

「裕斗!!」

 

リアスの悲痛な声が響く。

 

続いて小猫が素早い動きで迫るが、それを読んでいたかのように小猫の進路方向にアナザードライブは光槍を向ける。

 

虚を突かれた小猫は目を見開いて驚くも、スピードがあるために止まれない。

 

よってウォズが小猫の前に出て光槍をジカンデスピアで上に弾くが、アナザードライブは背中の黒翼を羽ばたかせて突風を起こし、ウォズと小猫を吹き飛ばす。

 

「「ぐぅ……っ!?」」

 

「小猫!? レイヴェル!?」

 

慌ててリアスが2人の側に駆け寄って、その体を抱き起こす。

 

(BGM:Switch On!)

 

これを見てフォーゼはリミットブレイクの準備に入る。

 

《ロケット・ドリル・リミットブレイク!》

 

「リミットブレイクずら!!」

 

ロケットモジュールも出し、その推進力で飛び、ドリルの矛先をアナザードライブに向ける。

 

そしてその推進力を利用したドリルの貫通力がアナザードライブに迫る。

 

「ライダーロケットドリルキィーーック!」

 

アナザードライブは背中の黒翼を丸め、フォーゼの『ライダーロケットドリルキック』を受け止める。

 

これを喰らえば流石のコカビエルでも大ダメージを受けるはず。

 

現に仮面の下で焦りの表情を浮かべていた。

 

「ぬうううううん!!」

 

なのでアナザードライブは本気を出して丸めた翼を広げ、フォーゼを上空高くに吹き飛ばす。

 

しかしフォーゼは慌てず空中でステイツチェンジする。

 

一番右のスイッチを抜き、『ファイヤースイッチ』というアストロスイッチを入れる。

 

《ファイヤー!》

 

そして栓のようなものを引く。

 

《ファイヤー・オン》

 

するとフォーゼの体が炎に包まれ、それが収まると赤い姿の『ファイヤーステイツ』に変わる。

 

「離れて強いと言ったら、これずら!」

 

そして専用モジュールの『ヒーハックガン』をアナザードライブに向けて構える。

 

それを見たアナザードライブは光槍を作り、投げて阻害しようとするが、そこにジオウが飛んできてアナザードライブの体勢を崩す。

 

「おりゃ!」

 

「ぐうっ!?」

 

その隙にフォーゼ・ファイヤーステイツは自然落下しながら、ヒーハックガンから火炎放射をアナザードライブに吹き付ける。

 

「ずらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

「ぐおおオオオオオオオオっ!?」

 

フォーゼが落ちてくるまでの間に火炎を受け続けたアナザードライブは悶え苦しみ、さらにゼロ距離になったフォーゼに頭を踏みつけられた。

 

「ずら」

 

「ぐぅ…っ!?」

 

アナザードライブをクッションにしたフォーゼは受け身を取って地面に降り立つが、アナザードライブに背中を向けてる隙に後ろから光槍を受けて、前に吹き飛ぶ。

 

「ずらっ!?」

 

「花丸さん!」

 

慌ててジオウがフォーゼの隣に降り立ち、彼女の身の安否を確認する。

 

「大丈夫ですか!?」

 

「一応はね?……でも、やっぱりルビィちゃんの力じゃないと……」

 

あの火炎を受けても、まだアナザードライブは生き生きと立っている。

 

やはりドライブには同じドライブの力をぶつけなければ勝てない。

 

それを嫌でも理解したジオウは下を向く。

 

その様子にコカビエルは嘲笑する。

 

「ハハハハ!今の連携と攻撃は中々だった。だが相性が悪いな!」

 

コカビエルは愉快そうに笑うと一誠達を興味深そうに見てくる。

 

「しかし愉快な眷属を持ったものだな?リアス・グレモリーよ」

 

「どういうことかしら?」

 

「赤龍帝にして仮面ライダージオウ、聖剣計画の生き残り、そしてバラキエルの娘!面白い面子を揃えたようだ」

 

「私の前であの男の名を口にするな!」

 

その言葉は彼女にとっては地雷らしく、珍しいことに朱乃は激しい怒りを見せた。

 

「それにそこのデュランダルの小娘もだ。仕える主がいないのに、よく信仰心を持って戦える」

 

コカビエルは呆れたように言う。

 

今の言葉に直ぐに反応するゼノヴィア。

 

「主がいない?どういうことだ!コカビエル!」

 

「おっと、口が滑ったな。………いや、良く考えてみれば戦争を起こすのだ。黙っている必要もない」

 

それに一誠は嫌な予感を感じた。

 

そしてそこから導かれる未来を思い出し、コカビエルの口を封じようとフォーゼアーマーのブースターを噴かせる。

 

一気に距離を詰めてブースターパンチをしようとするも、ドライブ特有のスピードで避けられる。

 

そこからは猛スピードの追いかけっこが勃発した。

 

ジオウはフォーゼアーマーのブースターを噴かしてアナザードライブを追いかけ、アナザードライブはそれからひたすら逃げ続け、時には堕天使の翼を使って空中鬼ごっこも始める。

 

それをしながらもコカビエルは言う。

 

 

(BGM:EXCITE)

 

 

「デュランダル使いイィッ‼‼」

 

大声で呼ばれたゼノヴィアはビクッと反応する。

 

「何故教会を異端となる者が爆発的に増えたのかッ‼

 

 

 

 

何故神が数百年も姿を見せていないのかッ‼

 

 

 

 

何故そこの男が聖と魔の力を融合する事が出来たのかアァッ‼‼」

 

そしてゼノヴィアに質問を飛ばしていくが、そこにいる殆どの者が彼が何を言っているのか理解できていなかった。

 

しかし例外がいる。

 

今現在アナザードライブのコカビエルとぶつかり合っている一誠だ。

 

「それ以上言うなァッ‼‼」

 

「その答えはただヒトォツ…‼」

 

止めようとするも、コカビエルの口は止まらない。

 

「ヤメロー!!」

 

「フゥハー…‼ デュランダル使いイィッ‼‼」

 

「………ッ‼」

 

ロケットブースターを叩きつけるも、光槍で防がれる。

 

このままでは禁断の言葉が紡がれる。

 

そう思ってジオウは奮闘するも、空しくそれは放たれた。

 

「貴様の信仰する神は……魔王と同じく過去の大戦で、既に死んでいるからダァァァァァ‼ フハッハッハッハッ‼‼ ギャーハッハッハッハッハッ‼‼」

 

一般人兼仮面ライダーである花丸やルビィはそれがどういう事か理解しきれてないが、悪魔陣営や天界陣営にいる者達はその重要性が分かった。

 

「神が…!?」

 

「亡くなっているなんて!?」

 

「は……ハハ…‼ 嘘だ、そんなの…私を騙そうとして…‼」

 

「では……私達が神から与えられる筈の愛は…!?」

 

アーシアの疑問にコカビエルはジオウを地面に蹴り落とした後、おかしそうに答えた。

 

「ふん。ミカエルは良くやっているよ。神の代わりに天使と人間をまとめているのだからな。『システム』さえ機能していれば、神への祈りも祝福も悪魔祓いもある程度は機能するさ」

 

コカビエルの言葉を聞いてアーシアはその場に崩れ落ちた。

 

どうやら気絶したらしい。

 

「俺は戦争を始めるッ!お前達の首を土産に戦争を起こす!俺だけでもあの時の続きをしてやる!」

 

アナザードライブの姿で、コカビエルはそう宣言した。

 

そんなガキみたいな理屈で仲間を傷つけたのか?

 

そんなことで戦争を起こすのか?

 

そう思うと、一誠の心には沸々と怒りが沸いた。

 

そんな時だ。

 

 

 

 

 

ル「ふざけないでよ!」

 

 

 

 

 

突如としてルビィの怒声が響いた。

 

普段怒りという怒りを見せないルビィに、全員の視線がルビィに集まる。

 

「ルビィちゃん……」

 

花丸の呟きに構わずルビィは続ける。

 

「あなたの事情なんてみんな知ったことじゃないし、すごく迷惑なの!十数年前、今みたいに怪獣がたくさん現れていた頃、どれだけの人々が平和を願ったか、あなた知らないでしょ!?」

 

「チッ、何を言うかと思えば………俺はその平和が退屈だから戦争を起こそうとしてるんだ!それを「だからっ!!」…っ!?」

 

コカビエルの主張は途中で遮られた。

 

「だから……あなたの事情なんて知ったことじゃないって、言ってるでしょ!? 水希君が……ウルトラマン達が頑張って作った平和を壊さないで!!」

 

それにコカビエルは忌々しそうに顔を歪めた。

 

それと同時に、ルビィの手に光が宿る。

 

不思議に思ったルビィは自分の掌を見る。

 

そこにあったのは………ドライブの顔が描かれたライドウォッチだった。

 

「っ…!? 一誠君!使って!」

 

ルビィは直ぐ様ドライブのライドウォッチを投げ、ジオウはそれを受けとる。

 

「ドライブライドウォッチ!?………よし」

 

ジオウはフォーゼアーマーを解くと、ドライブライドウォッチの外枠を回して、ボタンを押す。

 

《ドライブ!》

 

左スロットに装填して、ロックを解除してから、ドライバーを回す。

 

《ライダーターイム!カメーンライダー!ジオウ…!アーマーターイム!》

 

目の前にドライブ・タイプスピードを模したアーマーが腰を伸脚気味に落としたポーズで現れたので、ジオウはそれをタッチして分解、装着していく。

 

《ドラァーイブ!ドラーイブ!》

 

装着すると、頭部や胸の装甲はドライブ・タイプスピードと同じに、複眼には「ドライブ」と書かれ、両肩にはタイヤが付き、両腕にはシフトスピードが装填されたシフトブレス型サポートメカ『シフトスピードスピード』が装備されている。

 

 

ジオウは『仮面ライダージオウ・ドライブアーマー』になった。

 

 

その瞬間、やはりレイヴェル…ウォズが隣に立つ。

 

(BGM:仮面ライダージオウ バトル)

 

「祝いなさい!全ライダーの力を受け継ぎ、時空を越え、過去と未来をしろしめす時の王者。その名も仮面ライダージオウ・ドライブアーマー!」

 

もう何度目だろうか?

 

既に慣れたリアス達は冷めた目で見ていた。

 

一方のジオウは伸脚気味に腰を落としたポーズで言う。

 

「コカビエル!ひとっ走り行こうか!」

 

やはりどこか決め台詞が違う。

 

そんな事を思うルビィを他所に、ジオウ・ドライブアーマーはアナザードライブに走っていく。

 

「抜かせ!!」

 

コカビエルもそう言って走り出すが、中距離辺りで突然ジオウは両肩のタイヤ状デバイスから発せられる加速フィールドを発動。

 

高速移動でアナザードライブにタックルした。

 

「ゴハッ!?」

 

不意の衝撃にコカビエルは吐瀉物を吐き散らし、そんな彼に構わずジオウはドライブ・タイプスピードと同様のスピード格闘を駆使してアナザードライブを追い詰める。

 

小回りの利く機動性を活かし、アナザードライブの周りを走りながらヒット&アウェイの要領でパンチやキックを繰り出していく。

 

「はっ!ふっ!そりゃ!」

 

「げふっ!ゴハッ!? げふっ!?」

 

ここでアナザードライブもスピード格闘に打って出るが、ジオウが突然出したジカンギレードによる居合い斬りを喰らい、後方に吹き飛ぶ。

 

ならばと巨大な光槍を作り、連発してくるが、それらはドライブアーマーの両肩のタイヤから放たれた各シフトカーのタイヤにより相殺される。

 

「バカな……!? この俺が……!」

 

今まで優勢だったのが一気に劣勢になったことで動揺を見せるコカビエル。

 

「脳細胞がトップゴールだぜ!」

 

意味の分からん事を言いながら、ジオウは2つのウォッチのボタンを押す。

 

《フィニッシュターイム!ドライブ!》

 

ロックを解除してドライバー本体を回す。

 

《ヒッサツターイムブレーク!!》

 

直後、ジオウ・ドライブアーマーは残像を残すほどの高速移動を披露、回転しながら縦横無尽にアナザードライブに連続攻撃を喰らわせる。

 

「はっ!ふっ!はっ!そりゃ!」

 

そしてトドメの体当たりを炸裂させる。

 

「そりゃ!」

 

「ぐわァァァァァァァァ!!!?」

 

上に跳ね上げられたアナザードライブは地面に落下した後、大爆発を起こしてコカビエルに戻った。

 

コカビエルは黒焦げの傷だらけで、アナザードライブウォッチはその側で転がると、砕け散った。

 

それを見届けたジオウは変身を解いて一誠に戻り、そこにリアス達や、気絶から帰ってきたアーシアが駆け寄ってくる。

 

「イッセー!!」

 

「イッセーさん!!」

 

「「イッセー君!!」」

 

「イッセー先輩!!」

 

「「一誠君!!」」

 

因みに竜牙とアルフィミアは、ルビィから住所を聞いた朱乃によって家に転送されていて、既にこの場にはいなかった。

 

一誠に近づいて最初に尋ねたのはリアス。

 

「大丈夫!? イッセー!!」

 

「まぁ何とか………ルビィさん、ベルトさんはどうです?」

 

「うん、大丈夫だよ」

 

言ってルビィは腰に巻かれてるドライブドライバーを見せる。

 

するとリアスは瞳に涙を溜めて、

 

「……本当によかった!心配したんだから!」

 

イッセーを抱き締める。

 

しかし。

 

「こ、これで、終わると思うな…………っ!赤龍帝ジオウ……リアス・グレモリー!!」

 

『っ!?』

 

全て終わったかの様に思えたが、コカビエルはまだ生きていた。

 

地べたに這いつくばりながらも、その瞳に戦意はある。

 

リアス達の間に緊張が走るが、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ざんね~ん、あんたもう用済みよ。コカビエル」

 

突如としてソーナ達の張っていた結界が破られた挙げ句、十字型の巨大ハンマーがコカビエルの背中に降り注いだ。

 

「がはっ!? き、貴様は…………!」

 

体を押し潰されたコカビエルと、驚愕するリアス達の眼に映ったのは、

 

 

 

 

 

 

 

 

「は~い、グレモリー眷属達~。感動的な再会だよ~」

 

「前方の…………ヴェント!」

 

 

 

 

 

 

緑を纏う、前方のヴェントだった。

 

 

 

 

 

 

 




EXCITEのやべー奴を使う場面が今後無いかもしれないので、ここで使ってみました。

まぁ、とある作家さんと似通っちゃいましたが……。


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episode12

今回怪獣が出ますが、ウルトラ怪獣ではなく、あのシリーズから出ます。



「前方のヴェント……聞いた事がある」

 

最初に口を開いたのはゼノヴィアだった。

 

「教会最暗部組織・神の右席の紅一点。それが前方のヴェント。彼らが扱う術式は天使が扱うそれと同じ強力なものだと聞いている」

 

ル「あれが梨子ちゃんが言ってた……」

 

花「前方のヴェントずらか?」

 

ヴェントの奇抜で攻撃的なメイクに、ルビィと花丸はややびびり、一歩後退する。

 

それに構わず、ヴェントは自分が踏みつけてるコカビエルを見下ろす。

 

コカビエルは、ギギッと油の切れたロボットのように首をヴェントの方に向けると、こう言った。

 

「ヴェント!他のアナザーライドウォッチを出せ!そうすれば俺はもう一度ジオウと戦える!戦争を起こせッ「うるさい」………」

 

コカビエルの言葉が最後まで続く事はなかった。

 

ヴェントのハンマーで頭を潰されたからだ。

 

それにアーシアは口を手で抑え、他の者は顔を険しくさせる。

 

記憶を辿れば、確かヴェントは一誠を殺そうとしていた筈。

 

であれば、ここでコカビエルに力を渡して彼を倒させる筈なのに、ヴェントは新たなアナザーライドウォッチを渡すことはなく、むしろ自分の手でコカビエルを殺した。

 

それに疑問を持った一誠が訊ねる。

 

「どういうつもりだ?」

 

「簡単よ。一度負けた敗者に用は無いの。敗者には敗者にふさわしいエンディングを見せただけよ」

 

それに、と前置きしたヴェントは物凄い憎悪を顔に浮かばせて言った。

 

「私は悪魔が嫌い!堕天使が嫌い!天使が憎い!そして、そんなクソどもに荷担する仮面ライダーが嫌い!」

 

それは単に一誠への憎しみだけではなかった。

 

その憎悪はリアスやアーシア、ゼノヴィア、そして今回が初対面の花丸やルビィにも向けられていた。

 

闇のように黒く、燃え盛る業火のような激しい憎悪だと、一誠は感じた。

 

一通り叫んだヴェントはクツクツと笑うと、自分の後ろにある校舎の更に後ろに、大きな緑の魔方陣を浮かばせた。

 

それはドラゴン・ゲートと呼ばれる魔方陣に似ていた。

 

当然、それにリアスや朱乃が反応する。

 

「ドラゴン・ゲート!?」

 

「まさか何かのドラゴンを呼び出すんですの!?」

 

それを聞いて一誠は構えるが、ドライグが否定の意を唱えた。

 

『待て。確かにあれはドラゴン・ゲートに似てるが、細部が絶妙に違う』

 

「どういう事だドライグ?」

 

一誠が疑問の声を上げるが、その答えはすぐに分かった。

 

ドラゴン・ゲートに似た緑の魔方陣から、巨大な生物が出てきたからだ。

 

イグアナのような頭部に、灰色の体、そして鮫の背鰭を逆にして生やしたような背鰭がいくつも背中に生えている。

 

それは怪獣と呼ばれるものだった。

 

そしてそれに反応したのは、ルビィと花丸だった。

 

「ピギッ!?」

 

「ゴ、ゴジラずら!?」

 

花丸の言う通り、確かにその怪獣は日本国民なら誰でも知ってる怪獣王ゴジラに似ているが、その怪獣の姿はあまりにも本来のゴジラからはかけ離れていた。

 

そして正しい答えを一誠が言う。

 

「違います。あれはゴジラじゃない。むしろ紛い物…………名前はジラです」

 

 

強足怪獣・ジラ。

 

 

『ゴジラ』から『ゴ』だけを抜いたような雑なネーミングだが、実際そう言う名前なので仕方ない。

 

とはいえ、ジラも立派な怪獣。

 

ウルトラマンの力を失ってる一誠は勿論、花丸やルビィでも対処はできないだろう。

 

じゃあリアス達ならどうか?

 

「消し飛びなさい!」

 

せめてもの抵抗として、リアスは滅びの魔力を撃ち、朱乃は雷を、木場を聖魔剣を複数生み出して飛ばすが、ジラには何の効果もなかった。

 

リアスと朱乃の攻撃は当たった箇所から煙が出るだけ。

 

木場の聖魔剣も当たった瞬間に砕け散る。

 

今度はゼノヴィアがデュランダルのオーラをぶつけ、レイヴェルはフェニックスの炎を撃つが、やはり同様の効果しかなく、むしろジラは鬱陶しそうに首を振るだけだった。

 

ここで一誠が再びジオウに変身する。

 

《ZI-O》《ウルトラマンドライグ!》

 

「変身!」

 

《ライダータイム!カメーンライダー!ジオウ…!アーマーターイム!ブースト!ドラゴン!ウルトラマンドライグー!!》

 

仮面ライダージオウ・ドライグアーマーになると、直ぐ様必殺技に入る。

 

《フィニッシュターイム!ウルトラマンドライグ!》

 

「シェヤッ!」

 

ウルトラマンらしく両腕を伸ばして飛行すると、ジラの前で浮遊、ドライバーのロックを解除して回す。

 

《ブーステッドターイムブレーク!!》

 

その音声の後に、籠手を上に伸ばして倍加。

 

《BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost!!》

 

そして逆L字に両腕を組んで赤い光線を発射した。

 

「シュラァァァァァァ!!」

 

ズアアアアアアアアアアアアアッ!! と赤い光線がジラの顔に殺到。

 

「ギュゥゥオオォォワアァァン!!」

 

ジラの鳴き声と共に爆発が起き、煙がモクモクと上がるが、やはりジラは健在だった。

 

「クソッ!やっぱダメか!!」

 

いくらウルトラマンの力を内包したウォッチと言えど、その力はライダーとして使える範囲に弱体化している。

 

故に怪獣相手では火力不足なのである。

 

もう打つ手は無いのか?

 

このまま負けるのか?

 

誰もがそう思った時だ。

 

 

 

 

 

「シュオワッ!!」

 

 

 

 

突如としてそんな頼もしい声と共に、赤い巨人が舞い降りた。

 

(BGM:ジャスティス!)

 

赤い体に黒と銀のライン、胸にある銀のプロテクターには2本の黒いラインが走り、その中央には金ブチの青い水晶、そして黄白に輝く瞳。

 

その光の巨人の名は……

 

 

ウルトラマンジャスティス。

 

 

宇宙正義を司るウルトラマンで、この世界ではルビィの夫である青年・水崎 水希が変身している。

 

現にルビィは嬉しそうな顔で「水希君!」と名を呼び、ヴェントに至っては忌々しそうに顔を歪めた。

 

「チッ!こんなタイミングで来るとは………まぁいい。ウルトラマンジャスティス。お前の力を見せて貰おう」

 

(BGM:We're all to blame)

 

そう言ったヴェントは右人差し指を前に向けて、ジラにジャスティスと戦うよう指示を出した。

 

それに答えるようにジラはジャスティスに視線を定め、対してジャスティスはジオウ・ドライグアーマーに下がるよう頷き、それを見たジオウは降下してリアス達の元に行って変身を解く。

 

そしてジャスティスの戦いを見守ることに徹する。

 

一対一の状況に持ち込めたジャスティスはジラに向かって構える。

 

「シュオワッ!!」

 

ジラはジャスティスに向かって走っていくが、ジャスティスはそこに右拳から放つ光線『ジャスティススマッシュ』を撃つ。

 

しかしジラはハイジャンプで避け、そのままジャスティスに飛びかかるが、ゼロ距離になった途端にジャスティスの後ろ回し蹴りを喰らい、空中にいた為に録な抵抗を取れずに運動場に激突。

 

そしてジャスティスは曲げた両腕を頭の横に持ってきてエネルギーを溜め、

 

「ハァァァァァァァァァ…」

 

両腕同時に突き出して放つ必殺技『ビクトリューム光線』でジラを爆発させる。

 

「シュオワッ!!」

 

「プオォォアアァァオオォォン!!」

 

戦闘開始から僅か10秒でジラは死んだ。

 

この結果にヴェントは頭を抱えて「ぬァァああああああ!!」と叫び、激しく地団駄を踏んだ後、ため息を吐いた。

 

「はぁー………やっぱりマグロ食ってるようなのはダメね。帰ろ」

 

言ってヴェントは魔方陣を展開して大人しく帰っていった。

 

こうして、聖剣事件は終わりを迎えた。

 

 

 



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episode13



グランドジオウすげぇな……。
ほぼチートじゃん……。

そして電王、ひいてはモモタロスはやっぱ面白いですね。



一誠side

 

 

コカビエル襲撃事件から数日後。

 

ここまでの事を大まかに言うと、ジラを倒したジャスティスはさっさと飛び去って何処かに消えた。

 

そしてその後に今代の白龍皇…つまりヴァーリがやって来て、初対面風の軽い挨拶をくれた。

 

まぁ予想はしてたが、やはりヴァーリも、そしてアルビオンもフィアンマの事を覚えていなかった。

 

と言うのも、前世での最後の戦いの時、ヴァーリとアルビオンは共にフィアンマに存在を抹消されたからだ。

 

そりゃ覚えてる訳がない。

 

んで、ヴァーリが去った後、復讐を終えた木場は無事にグレモリー眷属に帰ってきて、心配をかけた罰としてリアスに尻叩きをされた。

 

ここまでが昨日の事。

 

そして今現在。

 

「やあ、赤龍帝」

 

部室に入った俺を出迎えたのは、駒王学園の制服を着たゼノヴィアだった。

 

あー……やっぱり悪魔に転生したのね。

 

「とりあえず、何でここに?」

 

一応として俺が尋ねた瞬間、ゼノヴィアの背中から悪魔の翼が生えた。

 

予想的中。

 

にしても、この間まで悪魔を敵視してたのに、案外変わり身早いよな、ゼノヴィアって。

 

「悪魔に転生したのか」

 

俺がそう言うと、リアスが説明してくれる。

 

「ゼノヴィアはね、私の騎士として悪魔になったの。これからよろしく頼むわね」

 

続いてゼノヴィアが。

 

「神がいないと知ってしまったのでね。破れかぶれで頼み込んだんだ」

 

お前、前世もその理由だったよな!?

 

絶対後でグリゼルダさんにグチグチ言われるぞ?

 

「デュランダル使いが眷属に加わったのは頼もしいわ。これで祐斗とともに剣士の両翼が誕生したわね」

 

リアスは楽しげだ。

 

細かいところに拘らないのがリアスらしいというか何というか。

 

まぁ、聖剣使いのゼノヴィアが眷属入りしてくれたのは頼もしい。

 

レーティングゲームの時なんか、相手は悪魔だから大活躍するな。

 

「今日からこの学年の二年に編入させてもらった。よろしくね、イッセーくん♪」

 

「真顔で可愛い声を出すな」

 

「むぅ、イリナの真似をしたのだが、上手くいかないものだ」

 

はぁ、調子が狂う。

 

まぁ、変にイレギュラー事態にならなくて良かったよ。

 

「でもよ、本当にいいのか?悪魔になってしまって」

 

もう少し待てば、ミカエルさんによって転生天使のシステムが開発されるのに。

 

まぁもう遅いけど。

 

「神がいないと知った以上、私の人生は破綻したに等しいからな。………だが、敵だった悪魔に下るのはどうなのだろうか?いくら魔王の妹とはいえ………。私の判断に間違いはなかったのか?ああ、お教え下さい、主よ!はうっ!」

 

何やら自問自答した上、祈りを捧げて頭痛をくらってるよ。

 

何してんだか。

 

「イリナは帰ったのか?」

 

知ってて俺は訊ねる。

 

するとゼノヴィアは嘆息しながら答える。

 

「本部に帰ったよ。………イリナは私より信仰が深い。神の不在を伝えたら、心の均衡はどうなるか………」

 

やっぱイリナのことを思って伝えなかったのか。

 

だけど、これでゼノヴィアとイリナは、一時的にとは言え、味方から敵になったということだ。

 

俺はそれを知ってるから不安は無いが、未来を知らないゼノヴィアは何処か覚悟を決めているようだ。

 

ゼノヴィアは続ける。

 

「私は最も知ってはならないことを知ってしまった厄介者、異端の徒になってしまった。………私はキミに謝らなければならない、アーシア・アルジェント」

 

「え?」

 

「主がいないのならば、救いも愛も無かったわけだからね。本当にすまなかった。キミの気が済むのなら殴ってくれてもかまわない」

 

ゼノヴィアは深く頭を下げる。

 

突然の謝罪にアーシアは慌てるが、宥めるように言った。

 

「ゼノヴィアさん。私はこの生活に満足しています。今は悪魔ですけど、大切な方々に出会えました。私は本当に幸せなんです」

 

アーシアは聖母のような微笑みでゼノヴィアを許した。

 

やっぱりアーシアはいい子だよなぁ。

 

「そうか、ありがとう。………そうだ、一つお願いを聞いてもらえるかい?」

 

「お願い、ですか?」

 

首をかしげて聞き返すアーシアにゼノヴィアは笑顔で言う。

 

「今度、この学園を案内してくれないか?」

 

「はい!」

 

アーシアも笑顔で答えた。

 

初めの出会いは最悪なものだったけど、こうして仲良くしてくれるのは良いことだ。

 

ゼノヴィアだって、本当はいい娘だからな。

 

「我が聖剣デュランダルの名に懸けて、そちらの聖魔剣使いと赤龍帝ジオウ、キミ達とも手合わせしたいものだね」

 

「いいよ、今度は負けないよ」

 

「まぁ、暇な時にな?」

 

俺と木場も笑顔で返した。

 

と、そうだ。

 

ゼノヴィアは教会の戦士で、前方のヴェントのことも知っていた。

 

そしてヴェントはフィアンマと何か関係のある人物。

 

ならフィアンマの事も、ゼノヴィアなら何か知ってるかもしれない。

 

そう思って俺はゼノヴィアに訊ねる。

 

「ゼノヴィア、右方のフィアンマって知ってるか?」

 

「何故君がその名を?まぁいい。実は私もよく知らないんだ。神の右席は教会内でも極秘事項でな。前方のヴェントを初めて見たその瞬間に、私も神の右席という組織の実在を知ったんだ。それまではただの噂程度にしか認識してなくてな。すまない」

 

「いやいいんだ。気にするな」

 

そっか……神の右席ってそう言う暗部組織なのか。

 

フィアンマについて何か情報を集めようとしたが、こりゃミカエルさんに訊いた方がいいかもな。

 

ここでリアスが手を鳴らす。

 

「さぁ、新入部員も入ったことだし、オカルト研究部も再開よ!」

 

『はい、部長!』

 

全員が元気良く返事をする。

 

この日、オカ研に久しぶりに笑顔が帰ってきた。

 

 

一誠sideoff

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◎side

 

 

部室に流れる和気藹々とした平和な活気。

 

それを見守るレイヴェルは、誰にともなく呟いた。

 

「こうして、我が魔王、緋村一誠は仮面ライダーフォーゼ、仮面ライダードライブのライドウォッチを手に入れ、無事に継承出来ました。残るウォッチは14個。果たして次のレジェンドライダーは誰になるでしょう?」

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

静岡県沼津の内浦にある、オハラホテル。

 

そこの最上階にあるスイートルームの1つに、金髪の女性と、紺色の長い髪をポニーテールにした女性はいた。

 

彼女達は一人言のように話し合う。

 

「そろそろだよ。準備はいいかなん?」

 

「Off Course。勿論よ」

 

そして彼女達は動き出す。

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

同時刻。

 

東京秋葉原にある私立校・UTX高校の玄関を出た火神竜牙は、眉間にシワを寄せて、目の前に立つ人物達を睨み付ける。

 

数は四人、若い男2人に、美女2人だった。

 

男の方は黒髪のまぁまぁなイケメンで、もう一人はワル系のイケメン。

 

美女の方は、一人は金髪碧眼で相当な巨乳の持ち主、もう一人は快活そうな雰囲気の、亜麻色の髪をハーフアップにした女性だった。

 

「……チッ、まァたあのアマを狙うクソどもかァ?」

 

敵意は無いが正体不明なので、とりあえず悪意を振り撒く竜牙。

 

それに黒髪の青年は苦笑して、自己紹介を始める。

 

「火神竜牙君……で合ってるかな?俺は幾瀬鳶雄。『刃狗(スラッシュ・ドッグ)』のリーダーだ」

 

続いてワル系のイケメンが言う。

 

「俺は鮫島綱生。よろしくな、小僧」

 

次は金髪碧眼の美女が言う。

 

「私はラヴィニア・レーニと申します~。一応、魔法少女なのですよ~。よろしくお願いしますね、竜くん♪」

 

馴れ馴れしく呼ぶンじゃねェ、という言葉が喉から出かかったが、何とか飲み込む竜牙。

 

最後に亜麻色の髪を持つ女性が言う。

 

「私は皆川夏梅。よろしくね、竜牙君」

 

「チッ、用件を言え、用件を」

 

舌打ちして急かすと、鳶雄が言う。

 

「いきなりで悪いが、手を組まないか?仮面ライダーカリス」

 

「……あァ?」

 

本当にいきなり過ぎて、思わず顔をしかめる竜牙。

 

しかもこちらの正体まで知ってる始末だ。

 

それに夏梅が詳しく説明する。

 

「コカビエルの存在は知ってるよね?昨日の夜、君は出会った筈だよ」

 

言われて竜牙は思い出す。

 

そう言えば木原をブチ殺す際、なんか鴉みたいな奴がいたなと。

 

アルフィミアを助けるのに必死だったので、正直コカビエルなんて眼中に無いと言うのが、竜牙の答えだった。

 

夏梅はそう前置きした上で、さらに詳しく言う。

 

「君はもうこっちの世界に片足を突っ込んでる。その上でお願いがあるの。私達と一緒に戦ってほしい」

 

鳶雄が言う。

 

「こちらも戦力が欲しいんだ。ある集団と戦う為に。勿論、強制はしないし、ただでとは言わない。君の守りたい者を守るために力は貸すし、欲しいものがあれば何でも言ってくれ」

 

そして鮫島が言う。

 

「これから先、お前一人で守れると思わない方がいいぜ。俺達が戦おうとしてる集団にとって、彼女は大事な存在だからな。どんな手を使っても奪いに来るぞ」

 

それを聞いて竜牙は考える。

 

確かに彼らの言う通りだ。

 

いくら自分が仮面ライダーでも、何処まで守り切れるか分からない。

 

どんな手を使ってもという事は、最悪、木原のようにアナザーライダーの力を使ってくる可能性もある。

 

であれば、竜牙としても使える力は使う、受けれる恩恵は受けたい所。

 

だから。

 

「面白ェ。テメェらの船に乗ってやる」

 

彼らを利用する事にした。

 

「ただし、お前らが足を引っ張るなら、その時は容赦なく切り捨てる」

 

その言葉に、鳶雄は笑った。

 

「威勢の良いワルガキだ。ついてこい。そろそろ最初の任務が始まる」

 

鳶雄を先頭にして、夏梅、鮫島、ラヴィニアも歩き出した。

 

その後に、竜牙も続く。

 

(楽しいねェ。目的があるっていうのは、本当に楽しい)

 

幾瀬鳶雄()と。

 

鮫島綱生()と。

 

ラヴィニア(魔法使い)と。

 

皆川夏梅(グリフォン)と。

 

そして火神竜牙(悪党)

 

彼ら『刃狗』は独自の戦いに向かっていく。

 

 

 



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停止教室のヴァンパイア
episode1




今回は真ん中辺りで手抜きな部分がありますが、悪しからず。



一誠side

 

 

俺は今、悪魔の仕事で、前髪が金髪の黒髪ダンディな男性のところに来ている。

 

そう、アザゼル先生だ。

 

もう一度生きてる先生に会えた時は、心に来るものがあったが、それを圧し殺して俺は平静を装って先生に接した。

 

「おー、よく来てくれたな悪魔君」

 

「どうも。いつもご指名ありがとうございます。アザゼル先生」

 

「先生はやめてくれよ、先生は。まぁ悪い気はしないがな」

 

俺がライドストライカーを走らせ、呼び鈴を鳴らすと先生は快く迎えてくれた。

 

「いやー、なんかすいません。ご無沙汰になってしまって………」

 

エクスカリバーだの、コカビエルだのとドタバタしてたから、ここに来るのは久々なんだ。

 

「なに、気にすることはないさ。悪魔君も色々あったみたいだしな」

 

「………そう言ってもらえると、助かります。それで、今日の依頼というのは?」

 

俺が尋ねると、先生は棚から一つのゲームを取り出した。

 

「おお!それって、この間発売されたばっかりのゴジラのゲームじゃないっすか!」

 

それは二日前に発売された最新のゲーム、ゴジラVS2。

 

俺も今度、買おうと思っていた代物だ。

 

「おうよ!今日は君と対戦したくて、呼び出したわけだ」

 

「了解っす!早速やりましょう!」

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

「あちゃー!また負けた!」

 

「ふっふっふ。君に勝つために、買ってからすぐにやりこんだからな。特にキングギドラのレベルは既にMAXだぜ?」

 

「マジっすか?」

 

やりこみすぎだろ。

 

この人、本当は忙しい身なのに。

 

「さぁ、もう一戦しようか悪魔君。いや………赤龍帝、そして仮面ライダージオウ、緋村一誠君」

 

そう言いながら先生は黒い翼を出し、立ち上がる。

 

翼の枚数は六対十二枚。

 

やっぱ先生なら既に調べて知ってるよな。

 

「望むところですよ。堕天使総督、アザゼルさん」

 

 

一誠sideoff

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

絵里side

 

 

今、私はオカルト研究部にいる。

 

何故かと言うと、この部活の臨時顧問になったからよ。

 

何故正式ではなく臨時なのか?

 

答えは一誠くん個人に頼まれたから。

 

何でも、前世で私はこの場にいたらしい。

 

まあ、それはいいとして。

 

現在一誠くんは、グレモリーさんに膝枕をされていた。

 

何でも一誠くんのお得意様が堕天使の総督だったらしい。

 

そのせいか、元から過保護なグレモリーさんが、より過保護になった。

 

絵「それって問題にするほど?」

 

「当たり前です!大問題です!堕天使の総督が私の縄張りに侵入し、営業妨害していたなんて……」

 

グレモリーさんは、ぷるぷると全身震えて怒っていた。

 

確かに、堕天使で最も責任のある立場の人が悪魔の契約相手を偽っていたというのは、冗談で済むことに見えない。

 

「しかも私のかわいいイッセーにまで、手を出そうなんて、万死に値するわ!アザゼルは神器に強い興味を持つと聞くわ。きっと私のイッセーが赤龍帝の籠手とジオウの力を持っているから接触してきたのね……。大丈夫よ、イッセー。私がイッセーを絶対に守ってあげるわ」

 

一誠くんの頭をなでなでするグレモリーさん。

 

私のって繰り返し言って、甘やかして……まぁ今更ね。

 

と言うか、こんな場面を見せつけられる為に臨時顧問にされたのかしら?

 

「大丈夫だよリアス。あの人はそんな悪い人じゃないから」

 

一誠くんがそう言っても、グレモリーさんは「でも……」と納得しかねない様子だった。

 

すると木場くんが言う。

 

「大丈夫ですよ、部長。いざという時は僕がイッセー君を守ります」

 

厚意で言っているのは分かるけど……状況的に、危ない意味も含まれていると思ってしまいそうね。

 

「いや、あの、う、嬉しいけどさ……。なんていうか、真顔でそんなことを男に言われると反応に困るぞ……」

 

「真顔で言うに決まっているじゃないか。君は僕を助けてくれた、大事な仲間だ。仲間の危機を救わないで、グレモリー眷属の『騎士』を名乗れないさ」

 

『騎士』という言葉は、男に向ける言葉じゃないわね……。

 

「確かに今の僕では君の足下にも及ばない。だけど、禁手に至った僕ならイッセー君の役に立てる時がいつか来ると思えるんだ。………ふふ、少し前まではこんなことを言うキャラじゃなかったんだけどね。君と付き合っているとそれも悪くないと思ってしまったよ。それに………なぜだか、胸の辺りが熱いんだ」

 

「お、おい木場。もうそれ以上言うな。頭痛がしてきた………」

 

「そ、そんな、イッセーくん……」

 

何故か木場くんはしゅんと気落ちした。

 

本当、何があったの?

 

「にしても、困ったわね。相手は堕天使の総督。下手に接することは出来ないわ。あちらの動きが分からない以上、こちらも動きづらい。イッセーの件も含めて、どうしたものかしら……」

 

考え込むグレモリーさん。

 

三大勢力の関係は、コカビエルの件で敏感になっているというし、難しい問題になっているのね。

 

「アザゼルは昔から、ああいう男だよ、リアス」

 

突然、この場の誰でもない声が聞こえる。

 

視線を移すと、そこには紅髪の男性がにこやかに微笑んでいた。

 

この人、誰かに似ているような……。

 

姫島さん達がその場で跪き、私とアーシアさん、ゼノヴィアさんは誰だか知らないのか、呆然としている。

 

逆に一誠くんは懐かしそうに目を細めてる。

 

「お、お、お、お兄さま!?」

 

グレモリーさんが驚愕の声を出した。

 

グレモリーさんのお兄さん!?

 

言われてみれば、紅髪がそっくりね。

 

確かグレモリーさんの親族の名簿には、サーゼクスと書いてあったような。

 

「先日のコカビエルのようなことはしないよ、アザゼルは。今回みたいな悪戯はするだろうけどね。しかし、総督殿は予定よりも随分早い来日だな」

 

と言う、サーゼクスさん。

 

その後方には、メイドのグレイフィアさんの姿。

 

私を確認すると、会釈をしてくるので、私も返す。

 

「くつろいでくれたまえ。今日はプライベートで来ている」

 

サーゼクスさんが皆に向けて告げた。

 

それで姫島さん達が立ち上がる。

 

「やあ、我が妹よ。しかし、この部屋は殺風景だ。年頃の娘たちが集まるにしても魔方陣だらけ、というのはどうだろうか」

 

「お兄さま、ど、どうして、ここへ?」

 

怪訝そうにグレモリーさんが聞く。

 

まぁそれもそうね。

 

するとサーゼクスさんは、一枚のプリント用紙を取りだした。

 

「何を言っているんだ。授業参観が近いのだろう?私も参加しようと思っていてね。ぜひとも、妹が勉学に励む姿を見たいものだ」

 

そういえば、グレモリーさんから三大勢力の会談があると聞いたのだけど、その会談の日と前後して、授業参観があったんだわ。

 

最近は忙し過ぎて忘れていたわ。

 

これだからポンコツエリーチカってバカにされるんだわ。

 

いけないいけない。

 

「グ、グレイフィアね?お兄さまに伝えたのは」

 

「はい。学園からの報告はグレモリー眷属のスケジュールを任されている、私のもとへ届きます。むろん、サーゼクス様の『女王』でもありますので、主へ報告も致しました」

 

グレイフィアさんに肯定されたグレモリーさんは嘆息する。

 

グレモリーさんは、授業参観が嫌なのかしら?

 

まあ、婚約騒動があったし、微妙な関係になっているのかしら?

 

「報告を受けた私は、魔王職が激務であろうと、休暇を入れてでも、妹の授業参観に参加したかったのだよ。安心しなさい。父上もちゃんとお越しになられる」

 

「そ、そうではありません!お兄さまは魔王なのですよ?仕事をほっぽり出してくるなんて!魔王がいち悪魔を特別視されてはいけませんわ!」

 

そういうことね。

 

グレモリーさんも、そういうところはキッチリする性質なのね。

 

「いやいや、これは仕事でもあるんだよ、リアス。実は三すくみの会談を、この学園で執り行おうと思っていてね。会場の下見にきたんだよ」

 

ハラショー!?

 

これには、全員がビックリする。

 

大切な会議を、学園の校舎でするというのだから。

 

「っ!ここで? 本当に?」

 

「ああ。この学園とは、どうやら何かしらの縁があるようだ。私の妹であるお前と、伝説の赤龍帝にしてジオウ、仮面ライダーウォズとなるフェニックス家の者、聖魔剣使い、聖剣デュランダル使い、魔王セラフォルー・レヴィアタンの妹が所属し、コカビエルと白龍皇、更には2ヶ月程前から現れている怪獣が襲来してきた」

 

確かに2ヶ月程前から怪獣が再び現れだした。

 

特に集中して現れるのがお台場。

 

「さらに、伝説と謳われたスクールアイドル、μ'sとApours。この二大スクールアイドルのメンバーが仮面ライダーに変身し、終いには三大勢力の均衡を揺るがしかねないウルトラマンの一人までこの場所に現れた。これは偶然では片づけられない事象だ。様々な力が入り混じり、うねりとなっているのだろう。そのうねりを加速度的に増しているのが、緋村一誠くん……仮面ライダージオウだと思うのだが」

 

一誠くんって、そんなにすごい存在だったかしら?

 

「さて、難しい話はここまでにしよう。しかし、うーむ、人間界に来たとはいえ、夜中だ。こんな時間に宿泊施設は空いているのだろうか?」

 

話を切り換えるサーゼクスさん。

 

どうやら、宿の用意をしていなかったようね。

 

確かこの学園の経営者はグレモリー。

 

グレモリーさんのお兄さんにして、しかも魔王。

 

この人程にもなれば、どうとでもなると思うんだけど……。

 

「あ、それなら――」

 

そこで一誠くんが手を挙げて、進言した。

 

 

絵里sideoff

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一誠side

 

 

サーゼクスさんが来訪してから数日。

 

俺の案でサーゼクスさんとグレイフィアさんは俺の家に泊まり、泊まった次の日に俺の家を出立した。

 

どうやら、この町の下見をしているようだ。

 

そして現在。

 

俺達オカ研メンバーはプールサイドに集まっていた。

 

「またこれを掃除すんのかよ………」

 

この状況が二度目の俺は、プールの中を見てげんなりする。

 

プールの中は苔や藻がいたるところで繁茂している。

 

これを少ないメンバーで掃除しろというのだから、中々に面倒な作業だ。

 

朱乃が言う。

 

「使ったのは去年の夏以来ですから、仕方がありませんわ」

 

「だが、どうしてオカルト研究部がプールの掃除を?」

 

ゼノヴィアの疑問は最もだ。

 

プール掃除の仕事は本来、生徒会の仕事だ。

 

実際、去年は生徒会メンバーが行っていた。

 

リアスがゼノヴィアに答える。

 

「コカビエルの時に生徒会メンバーが後始末をしてくれたから、そのお礼として今年はうちが引き受けたのよ」

 

あー、そういやそんな理由だったな。

 

校舎に体育館、グラウンドの修復は生徒会が請け負ってくれたんだ。

 

そのお礼の掃除だったよな~。

 

「でも、掃除が終わったらプールを使っていいと言われてるわ。私達は一足早くプール開きよ」

 

リアスの言葉を聞いてハッとなる。

 

そうだった!

 

今日はリアス達の水着姿が見られるありがたい日じゃないか!

 

この前、なぜかリアスと朱乃が水着姿の写真を送ってきたんだけど、あれは俺の携帯にしっかり保存してある!

 

保存した理由としては、時が巻き戻った際にそれすらも消えてたから。

 

にしてもリアス達の水着姿をもう一度生で見れるとは!

 

それを思うとやる気が出てきたぜ!

 

「さぁ、始めましょうか。皆、オカルト研究部の名にかけて、生徒会が驚くくらいピカピカにするのよ!」

 

『おおー!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

それから一時間後。

 

俺達の目の前には苔ひとつないピカピカのプールがあった。

 

「いやー、かなりキレイになりましたね」

 

「そうね。皆、ご苦労様。今からはお楽しみの時間よ。朱乃、頼めるかしら?」

 

「ウフフ、了解ですわ」

 

朱乃は手を上に挙げると、そこに魔法陣を展開。

 

すると、魔法陣から水が作り出され、あっという間にプールを水で満たした。

 

すげぇ!

 

流石は朱乃だな。

 

「さぁ、思う存分泳ぎましょう。ねぇ、イッセー。私の水着、どうかしら?」

 

そう言って片手を腰に当て、自分の水着姿を惜し気も無く晒すリアス。

 

うむ、やはり恋人贔屓の目を無くしても、リアスの水着姿には目を奪われる。

 

布面積の小さい赤のビキニ!

 

おっぱいなんてこぼれ落ちそうだし、下乳なんて見えるなんてレベルを越えている!

 

「最高だよ!流石は俺の恋人」

 

「フフッ♪ ありがと」 

 

「あらあら。部長ったら張り切ってますわ。よほど、イッセー君に見せたかったのですわね。ところでイッセー君、私の水着姿も見ていただけますか?」

 

おお!

 

次は朱乃か。

 

黒ラインの翠ビキニ。

 

もちろん、布面積は小さい!

 

「朱乃も最高です!」

 

「あらあらうふふ♪」

 

ワオ、ものすごい嬉しそう。

 

「イッセーさん、私も着替えてきました!」

 

振り返ると、そこにはアーシアと小猫ちゃん。

 

二人は学校指定のスクール水着だ。

 

胸の「あーしあ」、「こねこ」と書かれた名前が素晴らしい!

 

「ああ、可愛いぞ!感動的だな!小猫ちゃんもいかにもマスコットって感じで良いな!」

 

「卑猥な目つきで見られないのも、それはそれで少し複雑です」

 

何やらぶつぶつと残念そうにしてるけど………どうしたんだ?

 

すると、肩をつつかれた。

 

レイヴェルだ。

 

「イッセー様………どうでしょうか?」

 

恥ずかしそうにもじもじしている。

 

レイヴェルの水着はオレンジのビキニ。

 

リアスや朱乃と違って布面積は大きいが、とても可愛い。

 

「やるじゃないかレイヴェル!可愛いぞ!」

 

親指を立ててそう答えると、レイヴェルは嬉しそうに微笑んだ。

 

いやー、オカ研の皆は全員が美女美少女だから、水着がよく似合うな。

 

あれ?

 

誰か一人足りないような………。

 

「ゼノヴィアは?」

 

「ゼノヴィア様は水着を着るのに手間取ってるみたいですわ」

 

手間取る?

 

おいおい、前世では普通の青いビキニだったのに、今回はどんな水着なんだ?

 

すると、リアスは俺に背を向けている小猫ちゃんの肩に手を置き、ニッコリ微笑みながら言う。

 

「それでね、イッセーに頼みがあるのよ」

 

うんうん分かるよ。

 

一度体験してるからリアスの言いたい事は分かるよ?

 

「アーシアと小猫ちゃんの泳ぎの練習だよね?」

 

「流石はイッセー。お願いね?」

 

「了解です」

 

こうして、俺は2人にもう一度泳ぎを教える事になった。

 

 

 

 



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episode2







「………スースー」

 

プールサイドにビニールシートの上で寝息をたてるアーシアと小猫ちゃん。

 

あの後、懇切丁寧に泳ぎを教えたが、泳ぎが苦手な二人は大分疲れたようだ。

 

冷えてはいけないから、タオルだけかけておこう。

 

それにしても二人の寝顔も可愛いな。

 

見てるだけで癒される。

 

「イッセー」

 

そんなことを考えていると、リアスに声をかけられた。

 

振り向くと、リアスが手招きをしている。

 

反対の手には小瓶らしきもの。

 

あれは、オイル?

 

ハッ!?

 

そう言えばこの時はリアスにオイル塗りをしたっけ?

 

まぁその後、朱乃と軽く戦争になったけど。

 

ともかく、俺はダッシュで向かう。

 

「どうしたのリアス?もしかしてオイル塗り?」

 

先んじて訊ねると、リアスは微笑み、ウインクしながら「正解♥️」と言った。

 

語尾にハートが付いたのは気のせいだろうか?

 

「オイル塗ってくれないかしら?」

 

「まぁいいけど」

 

むしろ断る理由が無い!

 

「じゃあ、さっそくお願いするわ」

 

ハラリと外されるブラ。

 

ブルン、と豪快に揺れるリアスの胸。

 

「ちょ、リアス!俺の前で脱いでいいのか!?」

 

「ええ、恋人であるあなたになら私は構わないわ」

 

笑顔で答えるリアス!

 

マジですか!?

 

恋人の俺なら良いんですか!?

 

くぅー!!

 

早々に恋人になって良かった!

 

俺はリアスに渡されたオイルを手に落とし、馴染ませる。

 

そして、リアスのお背中へ!

 

 

ぴと、にゅるぅぅぅ。

 

 

手に伝わるリアスの感触。

 

あぁ、スベスベしてて気持ち良い。

 

「ねぇイッセー、背中が終わったら前もお願いできるかしら?」

 

なん……だと……!?

 

前――それはつまり、リアスの胸を触るということ。

 

「……良いんだね?」

 

ゴクリと生唾を呑みながら訊ねると、リアスは言う。

 

「いいわ。後で念入りに塗ってちょうだい。だって、恋人でしょ?」

 

oh……そんな切なそうな目で見ないで!

 

色々と妄想しちゃうから!

 

「イッセー君♪ 私にもオイル塗ってくださらない?部長だけずるいですわ」

 

背中に柔らかく、弾力のある何かが背中に押しつけられる!

 

こ、これは!

 

振り返ると朱乃がいた。

 

しかも、ブラを外した状態で!

 

朱乃が俺の体に腕を回して抱きついてくる!

 

「あ、朱乃?」

 

「ねぇ、良いでしょう?」

 

マジですか!

 

俺、未来の嫁さん2人からオイル塗りを頼まれちまった!

 

「ちょっと朱乃!私のオイル塗りはまだ終わってないのよ?」

 

リアスが上半身を起こして、朱乃に言う。

 

明らかに不機嫌だ。

 

つーかリアス!

 

もろに見えてます!

 

おっぱいが揺れてるんですけど!

 

「いいじゃない。少しくらい。私は日頃からお世話になってるお礼に、イッセー君に溜まってるものを吐き出させてあげたいだけですわ。………ねぇ、部長。私にイッセー君をくださらない?」

 

あ、朱乃!?

 

「だめよ!イッセーは私の恋人よ!………レイヴェルやアーシアならともかく、あなたには絶対にあげたりするものですか!イッセーが獣になってしまうわ!」

 

わー……ひでぇ言われよう。

 

と言うかリアス、サラッと恋人発言したけど、今それ言っちゃっていいの?

 

「なら私もイッセー君の恋人になりますわ。悪魔は一夫多妻が認められているのですし」

 

「ぬぐぐぐ……!」

 

正論にぐぅの音も出ないリアス。

 

「ねぇ、イッセー君」

 

「な、なんでしょう、朱乃?」

 

「私のおっぱいを好きにしてみたくないかしら?部長のことだから、特にそういうことをイッセー君にさせてあげたことはないのでしょう?」

 

た、確かに。

 

リアスとは一緒に寝たりするだけで、特にそういうことをしたことはない。

 

いずれはするんだから我慢すればいい話だが、やはり早めにやっておきたいのも事実。

 

つーか朱乃さんや、今日は何故にそんな積極的なんですか?

 

「私と色々なことしてみない?」

 

言って朱乃は、ふぅ~と俺の耳に息を吹き掛けてきた!

 

やっぱヤバいよこの人!

 

エロすぎる!

 

その瞬間、バシュン!と、ドス黒い魔力弾が俺の横を通りすぎる。

 

ギギギ、と首を後ろに向けると、プールサイドの一部が消し飛んでいた。

 

「朱乃、少し調子に乗りすぎじゃないかしら?」

 

リアスが手に滅びの魔力を作りながらそう言う。

 

怖ぇ!

 

すると、俺に抱きついていた朱乃がすくっとその場に立ち上がる。

 

「あらあら。そっちがその気なら私も容赦しませんわ」

 

バチッ!バチチッ!!!

 

今度は朱乃の手に雷が作り出された!

 

二人は一瞬睨み会い──

 

 

 

 

 

ドガアァァァァァァン!!

 

 

 

 

 

互いに魔力を投げ合った!

 

おいおい、こんなところで魔力合戦しないでくださいよ!

 

「イッセーはあげないわ。卑しい雷の巫女さん」

 

「可愛がるぐらいいいじゃない。紅髪の処女姫さま」

 

「あなただって処女じゃない!」

 

「ええ。だから今すぐにイッセー君に貰ってもらうわ」

 

「ダメよ!私があげるのよ!」

 

「あら?恋人の癖に彼に手を出せていないあなたがそんなことをできるのかしら?私ならあ~んな事や、そ~んな事をイッセー君にしてあげられますわ」

 

「私だってイッセーにならあ~んな事や、こ~んな事くらい出来るわよ!だいたい、朱乃は男が嫌いだったはずでしょう!」

 

「そう言うリアスだって男なんて興味ない、全部一緒に見えるって言ってたわ!」

 

「イッセーは特別なの!」

 

「私だってそうよ!イッセー君は可愛いのよ!」

 

あああああ!!

 

なんかとんでもないこと言いながら本格的な大ゲンカになってきたぞ!

 

これは止めなくては!

 

「ちょっと2人とも!少し落ち着け…」

 

「「イッセー(君)は黙ってて!!」」

 

「………はい」

 

怒られちゃった。

 

『相棒……』

 

言うな!

 

情けないとか言うな。

 

とは言え、ここにいても仕方ないので、俺は未だに出てこないゼノヴィアの元に向かった。

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

「…イッセー、か?」

 

「よっ」

 

更衣室に向かうと、丁度ゼノヴィアが出てきた。

 

「遅かったな?」

 

「うむ、水着を着た後、少し考え事をしていてな」

 

そう言ったゼノヴィアは、青のビキニを身に着けていた。

 

成る程、遅かった理由は考え事をしていたからか。

 

納得。

 

「にしても、似合ってんじゃん」

 

リアスや朱乃の陰に隠れがちだけど、此奴も結構スタイル良いもんな。

 

「あ、ありがとう……。そうだ、時に緋村一誠」

 

「別にイッセーで良いぜ。仲間なんだしさ」

 

「…ではイッセー。私と子作りしないか?」

 

……………あー、やっぱそれ言うか。

 

「こ、子作り……?」

 

「あぁ、そうだ」

 

「……それはリアスから言われたのか?」

 

「よく分かったな?その通り、私は以前まで協会のシスターとして活動してきた。その生活で私達は私欲を持っていなかった。だが悪魔は自らの欲に忠実な生き物だとリアス部長に教えられたんだ」

 

「それで小作り……?」

 

「うん。女らしい欲だろう?私は女の喜びを君から知りたいんだ」

 

「はー……あのなゼノヴィア。お前何言ってるか分かってんのか?一生モンなんだぞ!そんな理由で好きでもない奴相手に処女捧げるんじゃない」

 

「……私は誰彼構わずこんな事は言わない。イッセーだから言うんだ」

 

「俺だから?」

 

「あぁ。私は君の強さに惚れた。そんな君だからこそ、私は言うんだ」

 

ゼノヴィアはそう言うとビキニを取り払った!

 

「どうかな?確かにリアス部長や朱乃副部長には負けるが、それでもアーシアや小猫より揉み応えもあるぞ?」

 

こ、コイツ、なんつー蠱惑的な事を………!

 

「さぁ、抱いてくれ……イッセー」

 

「や、でもここだとアレだし、何よりリアスにバレたら…………!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「バレたら……何かしら?イッセー」

 

あぁ……………オワタ。

 

この後こっ酷く叱られました…………。

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

あの後プールを出て、自販機で缶コーヒー2つを買ってから、帰り支度の為に俺は一人校門を出ていた。

 

そして目先の橋に、予想していた人物はいた。

 

綺麗な銀髪をした美少年、ヴァーリだ。

 

「やぁ」

 

「おう」

 

俺は軽くあいさつを交わし、缶コーヒーを投げ渡す。

 

ヴァーリは受け取った缶コーヒーを見ながら言う。

 

「これを用意してたってことは、俺が来ることを分かっていたのかな?」

 

「まぁ、こうなる未来を知ってるんでな……ヴァーリ」

 

「ふっ、君は面白い男だ。俺の名前まで知ってるとは」

 

「そうか?それより用件はなんだ?まさかここで一戦やるつもりか?」

 

俺が問うと、ヴァーリは苦笑しながら答える。

 

「それもいいが、今回は軽く挨拶に来ただけさ。赤龍帝・緋村一誠。いや、仮面ライダージオウと言った方がいいか?」

 

俺は橋の手摺を背もたれのようにして、缶コーヒーのプルタブを開けた。

 

「どっちでも」

 

「そうか」

 

その会話の後、俺達2人はコーヒーを一口飲む。

 

すると今度はヴァーリが尋ねてくる。

 

「緋村一誠。君は世界で何番目に強いと思う?」 

 

「さぁな、そんなもんに興味は無いから」

 

「そうか。はっきり言って君は世界でも強者の部類に入る」

 

ヴァーリからそんな言葉を貰えるとは。

 

エロを控えて修行に打ち込んだ甲斐はあったようだ。

 

「で?それがどうしたんだよ?」

 

「俺は君と出会った時、歓喜したよ。今代の赤龍帝はライダーの力も使える上に、想像以上の強さだったのだからね」

 

「……いつかは俺と闘いたいのか?」

 

「ああ、そうさ。出来ることなら俺は今すぐ君と闘いたい………!」

 

ヴァーリが好戦的な目つきで俺にそう言ってきた瞬間だった。

 

風を切る音が聞こえたと思うと、ヴァ―リの首元に二つの剣が向けられていた。

 

「そういう冗談は止めてくれないかな」

 

「ここで赤龍帝と闘わせるわけにはいかないな、白龍皇」

 

そうヴァーリに言うのは聖魔剣を向ける木場と、デュランダルを向けるゼノヴィアだ。

 

二つの剣を首元に向けられているにも関わらずヴァーリは依然として平然としている。

 

こいつにとったら、こんなのは大したことはないだろうな。

 

はぁ………全くこいつらは………。

 

俺はため息を吐くと、二人の頭に軽いチョップをいれる。

 

「痛っ」

 

「うっ………何故だイッセー!?」

 

ゼノヴィアが俺に突っかかる。

 

俺は再びため息をついた後、理由を説明する。

 

「こんな公衆の面前で物騒な物出すんじゃねーよ。一般の人に見られたらどうするんだよ?」

 

ここは学校の前。

 

一般人に思いっきり見られる可能性がある。

 

ただでさえ美少女で目立つのに、そこに剣を握っていたら尚更目立つ。

 

俺の言葉に二人はしぶしぶ剣をしまう。

 

「それにこいつはここで俺とやり合うつもりは無いよ。だろ、ヴァーリ?」

 

俺がヴァーリに尋ねると、ヴァーリは笑みを浮かべながら頷いた。

 

「ああ、緋村一誠が言うようにここでやり合う気はない。挨拶をしに来ただけだからな。それに、俺も色々と忙しくてね。やることが多いんだ」

 

ヴァーリが俺の後ろに視線を向ける。

 

そこにはリアスを先頭にオカ研のメンバーが揃っていた。

 

「緋村一誠は貴重な存在だ。大切にすると良い、リアス・グレモリー」

 

「言われなくてもそのつもりよ」

 

不機嫌そうに答えるリアスにヴァーリはフッと軽く笑うと、リアスの方へと歩を進める。

 

「二天龍に関わった者はろくな人生を送れないらしい。君達はどうなんだろうね?」

 

「ろくな人生かどうかは私が決める。他人にどうこう言われたくは無いわね。少なくとも今はイッセーと過ごせて幸せだと思っているわ」

 

「そうか」

 

ヴァーリはそれだけ言うと俺達の前から去って行った。

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

翌日。

 

今日は授業参観の日だ。

 

そのため、教室の後ろにはたくさんの親御さんが来ている。

 

家の母親も来ている。

 

まぁ母さんが見に来たのはアーシアだけどね。

 

とは言え、

 

「アーシアちゃ~ん。希パワー、た~っぷり注入。は~いプシュ!」

 

「い、いただきました!」

 

「うふふ♪」

 

何故μ's時代のコールをしているの!?

 

この様子に俺は頭を抱え、クラスメイト達や、その親達は「あれ、μ'sの東條希なんじゃない?」と、ヒソヒソ話している。

 

にしても、やっぱμ'sにジェネレーションギャップは無いんだなと痛感したよ。

 

そこへ担任の絵里さんが入ってくる。

 

教科は英語なので、その担当の絵里さんが来るのは至極当たり前の事だ。

 

「はーい、みんな静かにー。始めるわよ~?」

 

「おっ!エリチや♪」

 

母さんはもう1個のビデオカメラを絵里さんに向ける。

 

器用だな!!

 

そして何やってんの!?

 

すると絵里さんは突然体を揺らしながら言う。

 

「賢い、可愛い~……?」

 

絵里さんが耳に手を当てたその瞬間、アーシアと俺以外の全員が、

 

『エリーチカぁぁぁぁぁ!!』

 

と叫んだ。

 

「ハラショー♪」

 

前世でもやったが、今回もあえて言わせてもらいます。

 

一体何やってんのぉぉぉ!?

 

あなた教師なんですよ!?

 

もうスクールアイドルじゃないんですよぉぉぉ!?

 

さらに驚愕はこれだけではなく。

 

絵「いいですか~?いま渡した紙粘土で好きなものを作ってみてください。動物でもいいし、人でもいい。家でもいい。自分がいま脳に思い描いた、ありの~ままの~表現を形作るチカ~♪。そういう英会話もあるチカ」

 

だからねぇよそんな英会話!!

 

何でこの日に限ってまともな英会話しないんだよ!?

 

後アナ雪歌わないで!

 

本当にこの日の貴女どうしたんです!?

 

後、語尾もおかしいです!!

 

「む、難しいです」

 

アーシアはもう作り始めてるぅぅぅぅ!

 

根が素直だから相変わらず順応が早い!

 

そんな事を思いつつも、俺は無意識の内にリアルなリアスのフィギュアを作ってたようで、いつの間にかオークション状態になった。

 

絵「流石は私ね♪」

 

何がッ!?

 

 

 



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episode3







授業参観が終わり、ソーナ会長のお姉さん・セラフォルー様が魔法少女の格好で問題を起こしたり、母さんがリアスのお父さんと挨拶してたり、そんな色々な事があった後。

 

俺達オカルト研究部は、とある部屋の前にいる。

 

そう、この閉めきった扉の向こうに、もう一人の『僧侶』ギャスパーがいるのだ。

 

まぁ未来を知ってる俺やレイヴェルはともかく、アーシアとゼノヴィアは一切ギャスパーについては聞かされてない。

 

知ったら驚くだろうな。

 

この先にいるのが女装野郎の引きこもりヴァンパイアなんて。

 

で、ギャスパーが封印されてる理由は、やっぱり前世と同じく以前までのリアスの技量じゃ扱いきれないと危惧されたから。

 

でも今ならもう大丈夫だろうということで、封印解除されるらしい。

 

にしても『KEEP OUT』のテープ大袈裟に貼りまくりでしょ。

 

「ここにいるの。一日中、ここに住んでいるのよ。一応深夜には術が解けて、旧校舎内だけなら部屋から出てもいいのだけれど、中にいる子自身がそれを拒否しているの」

 

「やっぱギャー助の奴、引きこもりなんだな」

 

「流石はイッセーね。未来の事を知ってるだけはあるわ」

 

リアスの納得の言葉にゼノヴィアが疑問を持ったのか、尋ねてくる。

 

「未来を知ってるってどういうことだ?」

 

それにアーシアが簡単に説明してくれる。

 

「ゼノヴィアさん。実はかくかくしかじか」

 

「成る程。だから未来が分かるのか」

 

納得したゼノヴィアは俺にキラキラした目を向けてくるが、そんないいもんじゃねぇよ。

 

朱乃が片手を頬に当てて言う。

 

「でも、眷属の中でも一番の稼ぎ頭だったりするのですよ」

 

確かネットで繋がるんだっけ?

 

「人に会わないで契約って取れるものなのか?」

 

ゼノヴィアの問いに朱乃は答える。

 

「パソコンを介して、特殊な契約を人間と執り行っているのです。直接私たちと会いたくない人間というのもいるのですよ。その手のタイプの人間とは別の形で交渉をして、関係を持つのです。それを、パソコンを介して解決しているのよ。パソコンでの取引率は新鋭悪魔の眷属のなかで上位に入るほどの数字を出しているのです」

 

こうやって改めて聞くと、あの引きこもりヴァンパイアってハイテク営業に向いてるなと、つくづく痛感するよ。

 

「さて、扉を開けるわ」

 

封印を解き、リアスが扉を開いた瞬間。

 

「イヤァァァァァァァァアアアアアアアアアアッッ!」

 

とんでもない絶叫が中から発せられた!

 

分かってたけどうるせぇ!

 

リアスは驚くこともなく、ため息を吐いて朱乃と一緒に中へ入っていった。

 

『ごきげんよう。元気そうで良かったわ』

 

『な、な、何事なんですかぁぁぁぁぁ?』

 

中から聞こえる声は、女の子のようにかなり高いものだった。

 

と言うか何処か亜里沙さんに似てる。

 

そう言えば、昔はアーシアと2人のW金髪少女僧侶を夢見てた時期があったな~。

 

見事にその幻想はブチ殺されたけど。

 

『あらあら。封印が解けたのですよ?もうお外に出られるのです。さあ、私たちと一緒に出ましょう?』

 

朱乃がやさしく呼びかけるけど。

 

『やですぅぅぅぅぅぅ!ここがいいですぅぅぅぅぅぅ!外に行きたくない!人に会いたくないぃぃぃぃっ!』

 

酷いことを言っている……。

 

そういや、この時期は相当重症だったな……。

 

俺達が2人の後に続いて、中に入ると、意外にも可愛らしく装飾された部屋の一角に、不釣り合いな棺桶が設置されていた。

 

そして奥にいるリアスと朱乃の先に、震え声の主はいた。

 

駒王学園の女子の制服に身を包み、金髪と赤い双眸をした、アーシアに近いタイプの美少女、否、女装野郎。

 

ギャスパー・ヴラディ。

 

引きこもりヴァンパイアのご登場である。

 

俺はギャスパーに近づいて言う。

 

「つーかさ、本当にその女装の意味なんなんだよ?誰かに見せる訳でも無いんだろ?」

 

「だ、だって女の子の服の方が可愛いんだもん」

 

「もん、とか言うな」

 

くそ、無駄に似合うのがまた腹が立つ。

 

いっそのこと去勢させるか?

 

するとリアスがギャスパーの頭を撫でながら言う。

 

「一応紹介するわね?この子の名前はギャスパー・ヴラディ。私のもう一人の僧侶よ。そして、元人間と吸血鬼のハーフなの」

 

あー、そういやそんな設定あったな。

 

そのお陰でデイウォーカーって言う、昼間でも動ける吸血鬼になれたんだよな。

 

もう殆ど忘れかけてたぜ。

 

「ギャスパー。お願いだから、私達と一緒に外へ出ましょう。ね?」

 

リアスが小さな子供をなだめるようにしゃがんで言うが、ギャスパーは激しく首を横に振る。

 

「いやですぅぅぅ!」

 

本当に筋金入りだな。

 

朱乃に続いてリアスも拒否るとは。

 

仕方ないので、俺が出る。

 

「なぁ、ギャスパー。外に出るのがそんなに嫌か?」

 

「は、はいぃぃぃ。え、えっと、あなたは?」

 

「そういえば自己紹介がまだだったな。俺は緋村一誠だ。リアスの兵士をやってる。よろしくな」

 

「イッセー様の秘書、レイヴェル・フェニックスですわ。以後お見知りおきを」

 

「僧侶のアーシア・アルジェントです。よろしくお願いします」

 

「騎士のゼノヴィアだ」

 

レイヴェルとアーシアとゼノヴィアも俺に続いて自己紹介をした。

 

そしてリアスが俺についての追加情報をギャスパーに言う。

 

「因みにイッセーは赤龍帝で、仮面ライダージオウよ」

 

「仮面ライダージオウ!?」

 

その情報にギャスパーが俺の方をキラキラした目で見てくる。

 

そういや、前世では絵里さんが対象だったっけ?

 

ギャスパーは言う。

 

「あ、あの!お噂はかねがね聞いてます!あのライザー・フェニックスさんを始めとして、数々の強敵を打ち倒したヒーローとして、1度会ってみたかったんです!」

 

「そ、そうか?」

 

すげぇ興奮具合だな。

 

きっと絵里さんもこんな心境だったのかもな。

 

するとリアスが提案してくる。

 

「そうだわ♪ ねぇイッセー、お願いがあるのだけど?」

 

「ギャスパーの面倒を見るのと、特訓に付き合え……だろ?」

 

「よく分かったわね?」

 

やっぱり。

 

つーか、前世では絵里さんに頼んでたんだぜ?

 

「んじゃあ、行くか?」

 

そう言ってギャスパーの肩を叩いた瞬間、この部屋の時間が止まった。

 

周囲は時間が止まったようにモノクロの風景となり、俺とレイヴェル以外の動きが完全に停止させられた。

 

部屋にあった時計の針も止まっている。

 

これがギャスパーの能力『停止世界の邪眼《フォービトゥン・バロール・ビュー》』だ。

 

視界に映した全ての物の時間を停止させることができる。

 

まぁ、停止の対象が強い場合は効果が薄いようだけど。

 

現に仮面ライダーの方が力が強いのか、俺とレイヴェルは動けてる。

 

にしても、まじでタイムジャッカーみたいだよな。

 

すると、停止の効果が切れたのか部屋の様子が元に戻った。

 

「おかしいです。何か今………」

 

「ああ、何かされたのは確かだね」

 

停止が解けたアーシアとゼノヴィアは驚いているが、リアスと朱乃と木場、小猫ちゃんはため息をつくだけだった。

 

その後、リアスが簡単にギャスパーの能力を説明してくれた。

 

「改めて聞くと、やっぱり成長したジオウの力や、タイムジャッカーに似てるな」

 

俺がそう呟くと、ギャスパーが食いついてきた。

 

「そうなんですか?」

 

「ああ。今は無理だけど、その内俺も時間を停止させたり、挙げ句に巻き戻したりできるからな」

 

「す、すごいです!」

 

本気で感心するギャスパー。

 

あれ?

 

なんかシンパシー抱かれてる?

 

「それじゃあイッセー、お願いね?」

 

「了解です」

 

確か会談の打ち合わせだっけ?

 

リアスも色々と忙しいんだな。

 

「あ、それから祐斗も一緒に来てちょうだい。お兄様があなたの禁手について知りたいらしいのよ」

 

「分かりました。イッセー君、ギャスパー君のこと任せたよ」

 

「ああ、任せろ」

 

そう言うと、リアス、朱乃、木場の三人は魔法陣で転移していった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほら、走れ!逃げなければデュランダルの餌食になるぞ!」

 

「ひぃぃぃぃぃぃ!デュランダルを振り回しながら追いかけてこないでぇぇぇぇ!ハントされるぅぅぅ!!」

 

夕方に差しかかった時間帯、旧校舎の前でギャスパーがデュランダルを振り回すゼノヴィアに追い回されていた。

 

と言うのもだ。

 

いざ特訓に入ろうとしたら、ゼノヴィアがいい方法があると言い出したので、なら任せてみるかと思って任したら、このザマになった。

 

絵里さんは普通に教師らしい教え方してたのに、ゼノヴィアになるとマジでおっかねぇやり方に早変わりだな。

 

「ゼノヴィアさん、生き生きしてますね」

 

「アーシアもそう思う?」

 

「はい。ゼノヴィアさんの目がいつもより輝いてます」

 

ゼノヴィア………お前、日頃のストレスをここで解消しようとしてないかい?

 

おっと、ついにギャスパーがダウンしたぞ。

 

「うぅ~。もうダメですぅ~!もう動けないですぅぅ!」

 

地面に座り込むギャスパー。

 

見た目通りの軟弱ぶりだな。

 

「ギャー君、大丈夫?」

 

「うぅ、小猫ちゃん………」

 

「疲れた体にはニンニクが良いよ」

 

「に、ニンニクぅぅぅ!?」

 

おお、ギャスパーが逃げ出したぞ。

 

まだ動けるじゃないか。

 

「小猫様も生き生きしてますわね」

 

だな。

 

むしろ小猫ちゃんまでギャスパーを虐め出す始末。

 

ニンニク持ってギャスパーを追いかけだしたぞ。

 

しかも笑顔で。

 

中々レアな光景かもしれない。

 

と、ここへ一人の気配が近づいてきた。

 

「おー、やってるなオカ研」

 

「おっ、匙じゃん」

 

そろそろ来る頃だと思ってたよ。

 

「よー、緋村。解禁された引きこもりの眷属を見に来たぜ」

 

「ずいぶん耳が早いな」

 

「会長から聞いたんだよ。それで、その眷属は?」

 

「あぁ、それなら今、ゼノヴィアと小猫ちゃんに追い回されてるぜ」

 

「おお!金髪美少女か!」

 

嬉しそうな匙だ。

 

まぁ、普通の反応だよね。

 

「女装野郎だけどな」

 

それを聞き、匙は地に両手を着き、ガックリと項垂れる。

 

心底落胆しているようだ。

 

「ウソだろ………そんなの詐欺じゃねぇか!つーか、引きこもりが女装って、誰に見せるんだよ!」

 

「分かる。その気持ちは十分に分かるぞ、匙よ」

 

だって、普通に見れば美少女だもんなぁ。

 

俺だって、前世で男と知った時のショックはでかかったよ。

 

まぁ、それはともかく。

 

「それで?堕天使の総督さんはここに何を?」

 

『えっ!?』

 

俺の言葉に全員が驚き、動きを止める。

 

「気配は消していた筈なんだがな。流石はコカビエルを倒すだけはあるか。なぁ、ジオウ」

 

「いや、アザゼル先生が来るのは分かってたんで」

 

「お前まさか未来が見える訳じゃねぇよな?」

 

すげっ、いい線行ってるぜ、先生。

 

俺とアザゼル先生は和やかに話すが、レイヴェル以外の他の皆は違う。

 

ゼノヴィアは剣を構え、アーシアは俺の後ろに下がった。

 

匙も驚愕しながら神器を展開する。

 

「ひ、緋村、アザゼルってまさか!」

 

「ん?あぁ、堕天使の総督だよ」

 

「何でお前は警戒しないんだよ!?」

 

「何で、と言われても」

 

特に警戒する必要もないしな。

 

アザゼルさんなんか、匙達の反応を見て苦笑いしてるし。

 

どう見ても戦う気配ではない。

 

「やる気はねえよ。ほら、構えを解けって。赤龍帝ジオウを除いて俺に勝てる奴がいないのは何となくでもわかるだろう?いや、そこの金髪ロールのお嬢ちゃんも中々の実力のようだが。まぁ、ちょっと散歩がてらに聖魔剣使いを見に来ただけだから、警戒すんな」

 

「木場ならいないっすよ。今、サーゼクスさんに呼ばれてるんで」

 

「あらら。そりゃ残念」

 

少し遅かったですね、アザゼル先生。

 

すると、アザゼル先生は小猫ちゃんの後ろに隠れているギャスパーの方に視線を移す。

 

「『停止世界の邪眼』か。そいつは使いこなせないと害悪になる代物だ。神器の補助具で不足している要素を補えばいいと思うが……そういや、悪魔は神器の研究が進んでいなかったな。五感から発動する神器は、持ち主のキャパシティが足りないと自然に動きだして危険極まりない」

 

ギャスパーの両眼を覗き込みながら説明しているアザゼルさん。

 

その視線は匙に移る。

 

「そっちのお前は『黒い龍脈』の所有者か?」

 

目を付けられたと思った匙が身構える。

 

どうしても戦闘態勢を取ってしまう辺り、アザゼル先生への恐怖心があるのだろう。

 

まぁ、この時期の堕天使の総督といえば悪魔にとってはラスボスみたいなもんだしな。

 

その辺りはしょうがないか。

 

「丁度良い。そのヴァンパイアの神器を練習させるならお前さんが適役だ。ヴァンパイアにラインを接続して余分なパワーを吸い取りつつ発動させれば、暴走も少なく済むだろうさ」

 

そういえば、匙の神器はラインを繋いだ相手の力を吸いとるんだったな。

 

すっかり忘れてたよ。

 

「神器上達の一番の近道は赤龍帝を宿した者の血を飲む事だ。ヴァンパイアなんだし、一度やってみるといい」

 

流石は神器オタク。

 

完璧なアドバイスだ。

 

「あー、そうだジオウ。ヴァーリが勝手に接触して悪かった。どうやらお前さんに興味を持ったらしくてな」

 

「別にいいですよ。それも予想してた事なんで」

 

でも正直言うと、野郎から興味は持たれたく無かったです。

 

「じゃ、俺は帰るわ。あまり長居するのもなんだしな」

 

「まぁ、そうですね。じゃあ、次に会うのは会談の時ですかね」

 

「そういうこった。じゃあな、ジオウ」

 

そう言うとアザゼル先生はこの場を去っていった。

 

 

一誠sideoff

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◎side

 

 

その日の夜。

 

氷城家では小さないさかいが起こっていた。

 

「……何よこれ?」

 

不満そうに、そう言うのは氷城家のメイドとなりつつある堕天使、レイナーレ。

 

彼女の見つめる先には、大量の素麺。

 

そしてその対面には、情けなく縮こまっている氷城冬麻がいる。

 

「えーと………素麺でせう」

 

「それは見れば分かるわよ。私が言いたいのは、何で大量の素麺がここにあるのかって事!まだ夏じゃないのよ!?」

 

そう言ってテーブルをバン!と叩いて身を乗り出すレイナーレ。

 

その際に彼女の豊満な胸が揺れ、彼女が着ている修道服の襟元から深い谷間が見えて、冬麻はドキマギするが、その気持ちを圧し殺しつつ答える。

 

「えーとですね………実は商店街の福引きをやったら大量の素麺が当たりましてですね……いつも不幸不幸嘆いているけど、こんな時に当たってよっしゃラッキーと思ってたら、賞味期限が今年の8月末までである事に気がついた次第でありますでせう。はい」

 

「…………はぁ~~~~~…」

 

レイナーレは額に手を当てて深いため息を吐く。

 

この少年の不幸っぷりは知っていたが、ここまでとは思わなかった。

 

(と言うか8月末までって何よ!?)

 

どう考えても、賞味期限がヤバい!じゃあ福引きの商品に出しちゃえ!という悪意ムンムンな意図を感じるレイナーレ。

 

さらに言えば、テーブルの上だけでも小さなピラミッドが出来てるのに、さらに彼女の後ろの壁に追いやるように大きなピラミッドが大量の素麺箱で作られているこの現実。

 

いくら何でも大量過ぎて、この日ほどレイナーレは死にたいと思った事はない。

 

「そういや母さんは?」

 

そして当の元凶少年はサラッと話題を変える始末。

 

レイナーレは少しイラッとしつつも答える。

 

「善子さんはユー◯◯◯ブに上げる動画の編集中よ。あ、そうだ」

 

何かを思い出したようにレイナーレはハッとして、冬麻に言う。

 

「明日三大勢力の会議があって、私も呼ばれてるんだけど、あんたも来なさい」

 

 

 

 

 

「…………………はい?」

 

 

 

 

 

 



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episode4







一誠side

 

 

よぉ、イッセーだ。

 

ギャスパーの教育も何とか終えた俺は三大会議があるこの日、朱乃に呼ばれてんだ。

 

理由はおそらく聖剣アスカロンの受け渡しだろう。

 

ドライグライドウォッチで使えるアスカロンセイバーは名ばかりで、ただの光の剣だからな。

 

龍殺しの力は無いので、ありがたい話だ。

 

『相棒、そろそろ着くぞ』

 

お、そうか。

 

やっぱバイクで行くと早いな。

 

俺はライドストライカーをウォッチに戻すと、目の前の神社を上がっていく。

 

そして見えた鳥居の下には、

 

「いらっしゃい、イッセー君」

 

我らが二大御姉様が一人、朱乃がいた。

 

それも巫女服で。

 

「上がっても大丈夫ですわよ?此方の神社は悪魔でも入れる様になってますから」

 

「了解でーす」

 

そう言ってスタスタと入る俺。

 

「にしても朱乃。やっぱ巫女服似合いますね」

 

「あらあら、ありがとうございます」

 

微笑みながら礼を言う朱乃。

 

くぅ~!

 

正に大和撫子だなぁ!

 

「そう言えば、今日他にも誰か来てるんですか?例えば……ミカエルさんとか」

 

「………やはり未来の出来事を記憶に持つイッセー君なら分かってしまいますか」

 

なんかすいませんね、サプライズの仕甲斐がない男で!

 

「成る程、中々の力量ですね。今代の赤龍帝は」

 

とか思ってると、第三者の声が不意に聞こえたので、そちらを振り向いた。

 

そこには輝く金色の羽を漂わせる、豪華なローブを着た美青年がいた。

 

ミカエルさんだ!

 

「えーっと、初めましてですね。ミカエルさん」

 

一応初対面風に挨拶すると、ミカエルさんは驚いた顔を浮かべた。

 

「私が何者かまで知ってるとは……驚きです」

 

まぁ、これから色々と付き合う関係なんで。

 

ミカエルさんは12枚の金色の翼を生やして言う。

 

「ですが、一応名乗るのは礼儀です。私はミカエル。天使の長を勤めております。以後お見知りおきを。緋村一誠君」

 

 

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

自己紹介も終えた所で俺達は神社の本殿にいた。

 

そこはかなり広く、デカい柱が何本も立っていた。

 

だけど何より凄く肌がピリピリする。

 

でもそれは恐らくミカエルさんではない筈………寧ろ柱の中央からそれは感じる。

 

「用件は簡単です。今日は貴方にこれを授けようと思いましてね」

 

ミカエルさんが指差す方角を向くと、そこには一本の剣が浮いていた。

 

この波動…………アスカロンか?

 

証拠に何かデュランダルとかエクスカリバー以上に体が拒絶してるから。

 

「これはゲオルギウス──聖ジョージと呼べば伝わりやすいでしょうか?彼の持っていた龍殺し、ドラゴン・スレイヤーの聖剣、アスカロンです」

 

やっぱアスカロンか!

 

でもジョージって何処かで聞いたような……。

 

確かオススメシリーズで聞いたぞ。

 

『はぁいジョージ』

 

そうそう、それそれ……って誰がペニーワイズだよ!?

 

『いや、相棒が振ったんだろ?』

 

確かにそうでした!

 

「特殊な儀礼を施してあるので、悪魔の貴方でもドラゴンの力があれば扱えますよ。貴方が持つと言うよりは、赤龍帝の籠手に同化させると言った感じですね」

 

分かりやすい説明どうもです。

 

俺は早速赤龍帝の籠手を出して、アスカロンに翳す。

 

波動を同調させて、無事にアスカロンを取り込んだ。

 

『成功だ。これでドライグライドウォッチを使ってアスカロンセイバーを出した時、龍殺しの特性も付与されるぞ』

 

そりゃありがたい。

 

俺は籠手をグーパーさせて感触を確かめながら、ミカエルさんに訊ねる。

 

「ミカエルさん、実は話があるのですが」

 

「お話でしたら、会談の席か、会談後に聞きます。ご安心を」

 

と言って、ミカエルさんはこの場から消え去った。

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

「お茶ですわ」

 

「あ、ありがとうございます」

 

ミカエルさんとの邂逅後、俺は朱乃が普段生活してると言う境内の部屋にお邪魔してた。

 

そこで茶を飲みながら、俺は彼女に訊ねる。

 

「朱乃。やっぱりまだバラキエルさんとは……」

 

その言葉を聞いた瞬間、朱乃は分かりやすく顔をしかめた。

 

あちゃー、これはまだダメなパターンか。

 

内心落胆してると、朱乃は口を開く。

 

「イッセー君、少し私の過去を聞いてくれませんか?」

 

「……いいですよ」

 

「私の母は、この国のとある神社の娘でした。ある日、傷付き倒れていた堕天使の幹部のバラキエルを助け、その時の縁で私を宿したそうですわ」

 

ここで朱乃は背中から翼を広げる。

 

それは何時もの悪魔のソレではなく、片方が堕天使の翼だった。

 

朱乃は憎々しげに堕天使の翼に触れる。

 

「この羽が嫌で、私は悪魔になったの…………でも、生まれたのは堕天使と悪魔の羽の両方を併せ持ったもっとおぞましい生き物。ふふっ、汚れた血を宿す私にはお似合いかもしれませんわ」

 

…………朱乃、そいつは違う。

 

「イッセー君はどう感じます?堕天使は嫌いよね?アーシアちゃんの命を奪おうとし、この街を破壊しようとした堕天使に、良い思いを抱く筈ないわよね」

 

「………………そうですね」

 

こういう時は、偽っちゃ駄目だよな。

 

「確かに堕天使は嫌いです」

 

それを聞いて、朱乃は悲しそうに顔を歪める。

 

だけど俺は続ける。

 

「でも、朱乃の事は好きです」

 

「っ……」

 

朱乃は少し驚いた様だった。

 

「俺が嫌いなのは、人に迷惑をかける堕天使です。朱乃や、アザゼル先生みたいな堕天使は好きですよ」

 

そして俺は彼女の手を握る。

 

「だから否定しないでください。自分の中の堕天使を。もし周りが朱乃を否定しても、俺は朱乃を否定しません。あのウルトラマンネクサスが今日まで繋いでくれた貴女の存在を、今度は俺が最高最善の道で守ります」

 

「………………っ」

 

俺が言い終えると、朱乃は泣いていた。

 

あっれ~?

 

結構カッコいいセリフの筈なのに。

 

何故だ?

 

『相棒はもう少し女心を理解しろ』

 

ナニソレ?意味わかんない!

 

だけど、朱乃さんは嬉しそうに笑い、涙を拭った。

 

「…………殺し文句、言われちゃいましたね。…そっか、私が貴方を好きになった理由はこれなのね……」

 

おや?

 

これはもしや?

 

そう思っていると、朱乃は迷わずに立ち上がり、俺に近付くと抱き着いて来て倒れ込んだ!

 

つまり、押し倒されたのだ。

 

「朱乃……?」

 

「…決めましたわ、私、決めました。イッセー君…………」

 

「は、はい……?」

 

や、やべぇ、良い匂いとか、おっぱいの柔らかさで意識が……!

 

「……三番目で構いませんわ。貴方の恋人にして?」

 

「…………へ?」

 

な、なんですと!?

 

「そう、三番目。割りと良いポジションだと思いますわ。何より浮気って感じで燃えますわ。うふふ、イッセー君、私にもっともっと甘えてくれても良いのですよ?部長の代わりに膝枕もして上げますわ」

 

「ま、マジっすか!?」

 

朱乃の膝枕…………俺得過ぎるぜ!!

 

あーでも、こんな所リアスに見られたらヤバいな。

 

『相棒、それはフラグだ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これは何かしら?………ねぇ、イッセー…?」

 

はぅあ…………………っ!!

 

俺は慌てて頭を起こして立ち上がり、声の方を振り向いた。

 

するとそこには、紅色のオーラをたぎらせる俺の恋人様がいました………………。

 

オワタ/(^o^)\!!

 

「リアスっ!これには、その……!」

 

駄目だ、どう言い訳しても退路がないっ!

 

リアスはずんずんと近付くと、俺の頬を引っ張った!

 

痛い、痛いっす!

 

「例の剣は?」

 

「も、もらいまひた!」

 

「ミカエルは?」

 

「か、帰りまひた!」

 

「ならもう帰るわよ!」

 

と、リアスの後に続いて俺も退出した。

 

「……さぁリアス、私も本気出しますわよ?」

 

と、呟いた朱乃の声に、リアスは一度立ち止まる。

 

が、直ぐに俺の腕を引いていく。

 

何だか、俺を遠ざけようとしてるみたいだな…………。

 

因みに、神社を出た俺は膨れっ面のリアスに唇を奪われました。

 

歯が当たって痛かったです……。

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

時間は流れて夜になった。

 

ついに待ちに待った、三大勢力のトップ会談が行われる。

 

場所は職員会議室で、周りには結界が張られており、蟻の子一匹抜け出せないし、入り込めない。

 

まぁ、三竦みのトップが一挙に集まる訳だしな~。

 

こんなにも厳重になるわな。

 

「さて、皆…行くわよ」

 

リアスの一言で全員頷く。

 

因みにギャスパーも連れていく事になってる。

 

理由としては、今回の会談を邪魔する敵が不意打ちするのに、こいつが使われるから。

 

この事をリアスに言ったら、即OKしてくれた。

 

会談の場で時間を停止させるのもあれだけど、それ以上に自分の可愛い眷属が敵の手に落ちるのが分かってて放置しておく事など、リアスには出来ないのが本音だ。

 

なんともリアスらしい理由で助かった。

 

「イ、イッセー先ぱ~い……会談って、たくさん知らない人が来るんですよね?僕怖いです~!」

 

こいつの人見知りは結局治らなかった。

 

まぁそれは仕方ないとして、俺はギャスパーの肩に手を置いて言う。

 

「安心しろ。誰もお前に何かを聞いたり、注目するような事は無いから。どうしても意識するようなら、僕は影だって自己暗示でもしとけ」

 

「影……ですか?」

 

「そうすることでお前の存在感を薄くするんだ。ほら言え。"僕は影だ"って」

 

「僕は影だ、僕は影だ、僕は影だ僕は影だ僕は影だ僕は影だ僕は影だ」

 

連続で自己暗示するように呟くギャスパー。

 

するとみるみるこいつの存在感が薄くなる。

 

すごいな、こいつミスディレクションに目覚めるんじゃね?

 

ギャスパーのバスケだな。

 

『語呂悪いぞ、相棒』

 

うっせぇな、悪かったよ。

 

そんなこんなで俺達は会談の場に向かった。

 

「やっぱりイッセー君、面倒見が良いね」

 

「まぁ妹がいるからな」

 

不意の木場の言葉に、俺はそう答えた。

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

コンコン、とリアスが会議室の扉を叩く。

 

「失礼します」

 

そう一言告げてリアスが扉を開けると、特別に用意させたらしい豪華絢爛なテーブル。

 

そして、それを囲む見知った人達が座っていた。

 

サーゼクス様にセラフォルー様、ミカエルさん、アザゼル先生。

 

給仕係はグレイフィアさん。

 

ミカエルさんの側には、金髪のシスターさんと、一人の女天使がいた。

 

と言うかあのシスターさん、もしかしてエルニカさん?

 

ゼノヴィアとアーシアがエルニカさんらしき女性を見て呟く。

 

「エルニカ・玄・エルレンチェ……。教会の女性戦士最強と謳われたシスター」

 

「噂はシスター時代に聞いてましたが……噂通り凄く美人さんです………」

 

あ、やっぱエルニカさんなんだ。

 

アザゼル先生の側には、ヴァーリとレイナーレ、そして何故か冬麻がいた。

 

そういやレイナーレと一緒に来るって、メールが来てたな。

 

つーかヴァーリの奴、こっち見て「フッ」と笑いやがった。

 

『目ぇ付けられたな、相棒』

 

やめてくれよ~。

 

反対にレイナーレは気まずい顔してるっつーのに。

 

そんなレイナーレにアーシアは近づき、笑顔で話しかける。

 

それにレイナーレは戸惑うも、徐々に自然な笑顔を浮かべた。

 

うんうん、何とか和解出来てるみたいだな。

 

話終えたのか、アーシアがこっちに来た。

 

「レイナーレとはどんな話してたんだ?」

 

「一段落したら、どこかに遊びに行きましょうって、約束しました!」

 

笑顔で言うアーシア。

 

レイナーレの奴、ちゃんと改心してくれたみたいだな。

 

「私の妹と、その眷属だ」

 

サーゼクス様が他陣営のお偉方に紹介すると、リアスも軽く会釈する。

 

「先日のコカビエルの件では、彼女達と、仮面ライダードライブ、フォーゼ、そしてカリスが活躍した」

 

「報告は受けてます。改めて礼を申し上げます」

 

ミカエルさんがリアスに笑顔で礼を言い、それに対してリアスも冷静に再度会釈する。

 

「イヤー悪かったな、俺んとこのコカビエルが迷惑掛けて」

 

先生、もうちょい謝罪の態度見せてくれよ。

 

リアスの口元ひくついてんぞ。

 

「その席に座りなさい」

 

サーゼクス様の指示を受けて、俺達はグレイフィアさんに促されて椅子に座る。

 

そこにはソーナ会長が座っていた。

 

俺達が着席したのを確認すると、サーゼクス様が口を開いた。

 

「全員揃った所で、会談の前提条件を一つ。ここにいる者達は、最重要禁則事項の『神の不在』を認知している。それを認知しているとして、話を進める」

 

そしていよいよ、三大勢力の会談が始まった。

 

 

 



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episode5






とは重々しく言ったけど、会談自体は順調な様だった。

 

「と言うように我々天使側はーーーー」

 

とミカエルさんが意見を述べれば、

 

「そうだな。その方が良いのかもしれない。このままでは確実に三大勢力とも滅びの道をーーーー」

 

サーゼクス様も肯定しつつ、悪魔サイドの意見を述べる。

 

「ま、俺達堕天使は特に拘らないけどな」

 

たまにアザゼル先生が余計な一言を放ち、場を凍り付かせたりしたけど、まぁ順調だ。

 

つーか、この人はその状況を楽しんでるだけだな。

 

にしても暇だ。

 

そう思ってると、ふと手に重みを感じた。

 

見てみると、リアスが俺の手を握っていた。

 

リアスの手は僅かに震えていた。

 

………緊張してるのか?

 

ならば!

 

俺は無言で手を握り返す。

 

俺はリアスの恋人だからな!

 

「さて、リアス。そろそろ先日の事件について話してもらおうかな」

 

「はい、ルシファー様」

 

リアスと朱乃、そして会長が立ち上がって、こないだのコカビエル戦の一部始終を話し始めた。

 

そして、それを真剣に聞く三大勢力の方々。

 

「ーーーー以上が、私、リアス・グレモリーと、その眷属悪魔が関与した事件の報告です」

 

「ご苦労。座りたまえ」

 

全てを話し終えたリアス達は、サーゼクス様の一言で漸く着席した。

 

「ありがとう、リアスちゃん☆」

 

セラフォルー様、貴女は良い意味でも、悪い意味でもムードメーカーですな。

 

「……さてアザゼル。この報告を受けて、堕天使総督の意見を聞きたい。何故、仮面ライダーのベルトを作ったのか」

 

サーゼクス様の問いに、全員の視線が独身総督に向けられた。

 

だが先生は臆する事なく笑みを浮かべて淡々と語りだした。

 

「言っとくが、作ったのは俺じゃない。ある男だ。俺は研究施設を貸しただけだ」

 

「ある男とは?」

 

ミカエルさんが訊ねる。

 

「鳴時(なるとき)っていう男だよ。そいつはクウガ、アギト、龍騎、ナイト、ファム、ファイズ、カイザ、デルタ、サイガ、オーガ、ブレイド、ギャレン、カリス、レンゲル、響鬼、カブト、ガタック、キックホッパー、パンチホッパー、電王、キバ、W、オーズ、フォーゼ、ウィザード、鎧武、ドライブ、ゴースト、エグゼイド、アマゾンオメガ。合計31のベルトと、それぞれのパワーアップアイテムを作った。……だがヤツは突然全てのベルトと共に姿を消した。まるで最初からいなかったかのようにな。あーそれと、ビルドとジオウのベルトに関しては俺は知らん」

 

アザゼル先生はそう言う。

 

まぁビルドに関しては戦兎が自作したし、ジオウだって俺から生まれたからな。

 

って、あれ?

 

なんか龍騎系のベルトが3つ無くなってるような。

 

「そして、その全てのライダーベルトは、巡り巡って彼女達μ'sとApoursに流れ着いたと言うのですか?」

 

「そうだ」

 

ミカエルさんの考えを肯定するアザゼル先生。

 

「それより、俺も聞きたい事がある。少し話が脱線することになるが許してくれ」

 

「まぁ、内容にもよりますが……」

 

「アザゼル、言ってみてくれ」

 

「ああ。……赤龍帝、いやジオウ、お前は何者だ?」

 

っ!

 

ここで俺に話を振りますか。

 

「ヴァーリから話は聞いた。いくら他のライダーの助けがあったとは言え、終始コカビエルと互角に渡り合い、最後の最後で圧倒してボロボロにするやつなんざそうはいない」

 

「そうですね。私も報告を聞いて驚きました。いくら赤龍帝の力とジオウの力があるとはいえ、下級悪魔がコカビエルを倒すとは思いもしませんでした。緋村一誠君、あなたはいったい・・・・」

 

アザゼル先生に続きミカエルさんまで聞いてくる。

 

というより、この部屋にいる全員の視線が俺に集まる。

 

「先に謝っておく。悪いが、会談にあたり、お前さんのことは少し調べさせてもらった。お前は悪魔に転生するまでは普通の高校生だった筈だ。父親がウルトラマンマックスで、母親も仮面ライダーの可能性があるが、それでもお前は両親から特訓を受けていた過去もない。ジオウの力を使いだしたのもつい最近。それなのに、お前はコカビエルを倒す程の強さを持っている。どうやって、そこまでの力を手にいれた?」

 

まぁ、そう思うよな。

 

と言うか、ここらが潮時か。

 

俺は席から立つと、アザゼル先生達の視線を一身に浴びて口を開く。

 

「今から話す事は、突拍子も無い事ですが、どうか信じてください」

 

そして話した。

 

右方のフィアンマによって時を巻き戻された事、それ故の強さと未来の記憶を持っている事、そしてこの場ではレイヴェルと冬麻が同じ存在だと言う事を。

 

それを聞いたサーゼクス様やセラフォルー様、アザゼル先生は納得した顔になり、ミカエルさんは苦渋に満ちた顔を浮かべた。

 

ついでにヴァーリとレイナーレとエルニカさん、女天使や会長は驚きの顔で俺を見ていた。

 

「フィアンマ……彼がそんな事をするなんて……」

 

やはり天使の長だけあって、ミカエルさんはフィアンマの事を知ってるらしい。

 

アザゼル先生がミカエルさんに言う。

 

「ミカエル、右方のフィアンマは何処に?」

 

「それが所在が掴めないんです。ヴェントがこの町で暴れているのは、フィアンマの指示かもしれません」

 

フィアンマめ、あいつは一体何がしたくて時を巻き戻したんだ?

 

そう考えてると、アザゼル先生が言う。

 

「話してくれてありがとよ、ジオウ。時が巻き戻ってるから、これから起こる未来が分かる、か……確かにお前さんの今までの言動を振り返れば、辻褄は合うな」

 

まさか信じてくれるとは……やっぱいい人達だよな、彼らは。

 

アザゼル先生は視線を俺からサーゼクス様達の方へと戻す。

 

「話を戻そうか。と言っても俺はこれ以上めんどくさい話し合いをするつもりはない。とっとと和平を結ぼうぜ。お前らもその腹積もりだったんだろう?」

 

『っ!!』

 

アザゼル先生の言葉に全員が驚いていた。

 

いや、正確には俺とヴァーリと冬麻を除いた全員か。

 

ヴァーリはさっきから興味が無さそうにしてるし、冬麻は分かってない顔だしな。

 

まぁ、俺の話の時は興味を持っていたようだけど。

 

サーゼクスさんが言う。

 

「確かに私も和平の話を持ちかけようと思っていたところだ」

 

ミカエルさんもそれに続く。

 

「私も今回の会談で三勢力の和平を申し出るつもりでした。戦争の大元である神と魔王はもういないのですから争う必要はありません」

 

神はもういない。

 

この言葉を聞いて、アーシアとゼノヴィアが暗い顔をする。

 

この二人はずっと神のことを信じて生きてきたからな。

 

分かっているとはいえ、辛いんだろう。

 

「そこでだ。俺達、三竦みの外側にいながら世界を動かせるほどの力を持つ赤龍帝、そして白龍皇。おまえ達の意見を聞きたい。まずはヴァーリ、おまえの考えは?」

 

「俺は強いやつと戦えればそれでいいさ」

 

アザゼル先生の問いに、ヴァーリはにべも無く答える。

 

本当にそれ以外には望んでいないといった様子だ。

 

相変わらずバトルマニアだな。

 

それ故に先生を裏切るんだよな……。

 

次に俺に視線が移り、問われた。

 

「緋村一誠はどうしたい?」

 

「どうしたいもなにも、俺は最初から和平を望んでいます。その為に最高最善の道を突き進むだけなんで」

 

悲劇なんざもう二度とごめんだ。

 

その後は話が纏まり、ミカエルさんから神社でした話を振られた俺は、アーシアとゼノヴィアに追放した理由を教えてあげるようにお願いした。

 

それにミカエルさんは快く頷き、2人に追放した理由を話して頭を下げ、追放した後の処置も甘かった事も謝った。

 

だがゼノヴィアとアーシアは今の生活に満足してる事を話して、ミカエルさんを許した。

 

ここでサーゼクス様がアザゼル先生に問いかけた。

 

「アザゼル、あなたは神器を集めているようだが?」

 

「まぁな。神器の研究は俺の趣味だからな。だがな、神器を集めていたのはとある存在を危惧してのことでもある。未来を知ってるジオウなら分かるだろ?」

 

禍の団《カオス・ブリケード》だな。

 

「とある存在?それは一体?」

 

サーゼクスさんが言いかけた時だった。

 

 

 

 

 

 

ドゴオオオオオオオオン!!

 

 

 

 

 

突然部屋の壁が壊された!

 

これにはこの場にいた全員が驚いていた。

 

それは俺もだ!

 

こんな事の起こり方、前世ではなかった!

 

やはり不意打ちに使われるギャスパーがここにいるからこうなったのか?

 

そう考えながら身構えていると、見覚えのある緑の衣装が見えた。

 

 

 

 

 

 

「はぁ~い、アザゼル、ミカエル、サーゼクス、セラフォルーのくそども。元気かな?そして氷城冬麻!緋村一誠!ついに殺しに来たわよ?」

 

「お前は………前方のヴェント!」

 

 

 

 

 

 

まさかのヴェント襲来だった。

 

 

 



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episode6






突如現れた前方のヴェント。

 

奴は十字型のハンマーをこちらに向けて、敵意増し増しに宣言した。

 

ミカエルさんが言う。

 

「ヴェント。何故あなたがここに?フィアンマの命令ですか?」

 

「私に命令形は無い!それはあんたが一番知ってんでしょ?ミカエル」

 

そう言ってヴェントは舌を出して、その先に付いてる鎖付きの十字架を見せた。

 

「まずい!全員ヴェントに敵意を持たないでください!」

 

慌ててミカエルさんが言うも、それより早くヴェントは唱えた。

 

「天罰」

 

それと同時にバタリと、リアス、朱乃、木場、小猫ちゃん、アーシア、ゼノヴィア、ギャスパー、ソーナ会長、レイナーレ、女天使は倒れた。

 

逆にサーゼクス様、セラフォルー様、アザゼル先生、ミカエルさん、エルニカさん、冬麻、レイヴェル、ヴァーリは立っている。

 

なんだこれは!?

 

「おいリアス!朱乃!アーシア!皆もしっかりしろ!」

 

「小猫様!アーシア様!ゼノヴィア様!?」

 

俺やレイヴェルが呼び掛けるも、皆反応を返さない。

 

冬麻もレイナーレに呼び掛けをするも、レイナーレも反応を返さない。

 

なんだよこれ……?

 

幸い脈はあるが、突然昏倒するなんて……。

 

これがヴェントの力なのか?

 

俺の考えを肯定するように、ミカエルさんが言う。

 

「これがヴェントの術式『天罰』です。自分に敵意を少しでも持った者を強制的に眠らせる。彼女の脅威は風の弾丸や、あの巨大なハンマーを操る腕力では無いんです」

 

マジかよ!?

 

ミカエルさんの説明にヴェントは愉悦の笑みを浮かべ、軽口を叩く。

 

「説明ありがとうミカエル~。でもでも~、やっぱ仮面ライダーとか、最上級クラスの異形には効かないのが難点なのよね~。まぁそれもアナザーライダーの力を使えば何とかなるかな?」

 

ヴェントが何やらブツブツ言うが、その直後、校舎の外で大量の爆発が連続して巻き起こる!

 

「お、派手にやっちゃってるわね~」

 

ヴェントは心底可笑しそうに言う。

 

禍の団《カオス・ブリケード》に所属する魔術師の軍勢か!?

 

となると、ヴェントは禍の団にいるのか?

 

俺の疑問を他所に、サーゼクス様は校舎に結界を張り、アザゼル先生が外で起こってる爆発を見ながら言う。

 

「これで、校舎には被害がでないだろう」

 

「ヴァーリ、お前は外に出て魔法使いどもを蹴散らせ。白龍皇であるお前が出れば、相手は動揺するだろうからな」

 

「……ふ。了解だ」

 

ヴァーリは少し鼻で笑う。

 

そして、眩い光を発しながら力を解放した。

 

《Vanishing Dragon Balance Breaker!!》

 

その音声と共にヴァーリの体は白い鎧によって覆われる。

 

ヴァーリは俺を一瞥すると窓から飛び出していった。

 

魔法使いから放たれる攻撃をものともせずに宙を舞い、魔力弾を放って敵の魔法使いを次々に沈めていく。

 

けど、あれすらも裏切りの伏線。

 

そう考えると、あんまりいい気分じゃないな。

 

「エルニカ、貴方もお願いします」

 

「わかってる」

 

エルニカさんは気だるげに返事すると、校舎の外に飛び出していった。

 

「さぁ!早く殺ろうか!? 氷城冬麻!緋村一誠!」

 

そう言ってハンマーを振り回すヴェント。

 

チッ、先ずはこいつが先か!

 

「レイヴェルはリアス達の護衛!冬麻、行くぞ!」

 

「分かりましたわ!」

 

「おう!」

 

言って俺達3人はそれぞれベルトを巻いて、アイテムを取り出す。

 

俺はジオウライドウォッチを起動して、

 

《ZI-O》

 

ジクウドライバーのスロットに装填、からのロック解除。

 

独特な待機音を鳴らして変身ポーズ取って、

 

「変身!」

 

ドライバーを回す!

 

《ライダータイム!カメーンライダー!ジオウ…!》

 

俺は『仮面ライダージオウ』になる。

 

 

冬麻はガタックゼクターを腰に巻いた銀のベルトにスライド装着する。

 

「変身!」

 

《HENSHIN》

 

ガタックゼクターから展開された六角形の粒子が冬麻を包み、『仮面ライダーガタック・マスクドフォーム』に変える。

 

 

レイヴェルは『ウォズミライドウォッチ』のボタンを押して起動する。

 

《ウォズ!!》

 

そしてビヨンドライバーのスロットにウォズミライドウォッチを両手を交差させながらセット、腕を開きながら再度ウォッチのボタンを押してカバーを開く。

 

《アクション!!》

 

するとディスコチックなメロディと共に、レイヴェルの背後に緑のプロジェクターのような物が現れ、周りを緑のライトが取り囲んで彩る。

 

「変身」

 

ややドヤ顔のレイヴェルがそう言ってスロットレバーを起こすと、中のディスプレイにウォズの顔が投影される。

 

《投影!! フューチャータイム!》

 

後ろのプロジェクターから蒼のライダー文字が飛び出すと、レイヴェルは緑の球体に囲まれ、その球体に向かって緑の光線が三方向から投射される。

 

《スゴイ!ジダイ!ミライ!仮面ライダーウォズ!ウォズ!!》

 

レイヴェルは『仮面ライダーウォズ』に変わる。

 

するとアザゼル先生が唸る。

 

「ほーう、まさかレイナーレが連れてきた少年も仮面ライダー、しかもガタックだったとはな……」

 

そっか、俺やレイヴェルの事は聞いてても、冬麻の事は知らなかったのか。

 

まあそれは後、今はヴェントだ!

 

「覚悟しろヴェント!」

 

「来なよ。2人一辺に殺してあげる」

 

そう言ったヴェントがバックステップで外に飛び出していったので、俺と冬麻も後を追いかけた。

 

 

一誠sideoff

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レイヴェルside

 

 

我が魔王の命令で、私は昏倒されたリアス様の警護に当たってました。

 

しかし会議室に突然、魔法陣が現れました。

 

それを見て、サーゼクス様は苦虫を噛み潰したような表情をされていた。

 

「これは──レヴィアタンの魔法陣」

 

確かに、この魔法陣はセラフォルー・レヴィアタン様の魔法陣とは違う紋様をしている。

 

ということは旧魔王のものですわね。

 

魔法陣から現れたのは胸元が大きく開いていて、深いスリットの入ったドレスを着た一人の女性。

 

「ごきげんよう、現魔王サーゼクス殿、セラフォルー殿」

 

「先代の魔王レヴィアタンの血を引く者、カテレア・レヴィアタン。これはどういうつもりだ?」

 

「もちろん、あなた方を滅ぼすため」

 

その瞬間、カテレアから巨大な魔力弾が放たれた。

 

《ジカンデスピア!! ヤリスギ!》

 

しかし私は直ぐ様ジカンデスピアを召喚、タッチパネルのカメンアイコンを押してから、三回程スワイプさせる。

 

《爆裂DEランス!》

 

そして刃先にエネルギーが貯まったジカンデスピアを槍のように突き出して、カテレアの魔力弾を相殺した。

 

「なっ!? 何者だ!?」

 

「我が名は仮面ライダーウォズ。過去と未来を読み解き、正しき歴史を記す預言者ですわ」

 

動揺するカテレアに私がそう言うと、カテレアは憎々しげな顔を向けてくる。

 

あんまり痛くも痒くもありませんわね。

 

サーゼクス様がカテレアに問いかける。

 

「カテレア、なぜこのようなことを?」

 

「先程も言ったはずです。あなた方を滅ぼすため、と。我々はこの会談の反対の考えに至りました。神と魔王がいないのならばこの世界を変革すべきだと」

 

神の不在、三大勢力の和平、それを全て知った上でのクーデターという訳ですか。

 

しかも、その考えはここにいる方々とは全く逆。

 

我が魔王が聞いたら本気で怒るでしょう。

 

「カテレアちゃん止めて!どうしてこんな……」

 

セラフォルー様の悲痛な叫びにカテレアは憎々しげな睨みを見せる。

 

「セラフォルー、私から『レヴィアタン』の座を奪っておいて、よくもぬけぬけと!」

 

「わ、私は……」

 

「ふん、安心なさい。今日この場であなたを殺して私が魔王レヴィアタンを名乗ります」

 

カテレアの言葉に表情を陰らせるセラフォルー様。

 

「やれやれ、悪魔のとんだクーデターに巻き込まれたと思ったが、お前らの狙いはこの世界そのものってことか」

 

「ええ、アザゼル。神と魔王の死を取り繕うだけの世界。この腐敗した世界を私たちの手で再構築し、変革するのです」

 

両手を広げてそう答えるカテレア。

 

しかし、その答えを聞いてアザゼルはおかしそうに笑う。

 

「アザゼル、何がおかしいのです?」

 

カテレアの声には明らかに怒りが含まれている。

 

「腐敗?変革?陳腐だな、おい。そういうセリフは一番最初に死ぬ敵役の言うことだぜ?」

 

「あなたは私を愚弄するつもりですか!」

 

激怒するカテレアの全身から魔力のオーラが発せられる。

 

「サーゼクス、ミカエル、俺がやる。いいな?」

 

アザゼル──堕天使総督が戦場に立つ。

 

その身からは薄暗いオーラを放っている。

 

本気ではないというのにすごい重圧を感じますわ。

 

「カテレア、下るつもりはないのか?」

 

「ええ、サーゼクス。あなたは良い魔王でしたが、残念ながら最高の魔王ではなかった」

 

カテレアはサーゼクス様の最後通告を断る。

 

「そうか……残念だ」

 

アザゼルとカテレアは上空へと場所を変える。

 

「旧魔王レヴィアタンの末裔。『終末の怪物』の一匹。相手としては悪くない。ハルマゲドンとシャレこもうか?」

 

「堕天使の総督ごときが!」

 

ドンッ!!

 

その瞬間、堕天使総督と旧魔王の末裔の戦いが始まりました。

 

それと同時に、今度は灰色のオーロラが現れ、そこから我が魔王のお母様、『緋村 希』様を始めとした3人の女性と、2人の少年が現れました。

 

驚いたサーゼクス様が訊ねます。

 

「一誠君のお母さん、それに貴方達は……」

 

「サーゼクスさん、いきなり来てあれやけど、他のクーデター起こしてる魔術師達はウチらに任せて?」

 

「行くわよ、果南」

 

「オッケー、鞠莉」

 

そう、彼ら彼女達もまた、レジェンドライダーの者達。

 

「光斗、準備はいいな?」

 

「ああ、勿論だ晴司」

 

3人の女性の内、一人は希お義母様、そして残る2人はAqoursの元メンバーだった女性達。

 

『小原 鞠莉』と『松浦 果南』でした。

 

いえ、今は『六道鞠莉』、『神田果南』と呼ぶべきでしょうか?

 

そして少年2人は、我が魔王の親友『小牙 晴司』様と『神代 光斗』様でした。

 

 

レイヴェルsideoff

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◎side

 

 

クーデター鎮圧に横合いから飛び込んできた希、鞠莉、果南、晴司、光斗の五人。

 

そこに、サーゼクス達に攻撃を仕掛けようとやって来た魔術師の一人が質問する。

 

「お前達は何者だ?」

 

鞠「私達は2人で一人の…」

 

果「仮面ライダーだよ」

 

言って鞠莉は『Wドライバー』と呼ばれるベルトを腰に装着する。

 

すると果南の腰にも同様の物が装着される。

 

鞠莉と果南は『ガイアメモリ』と呼ばれるUSBメモリのようなものをそれぞれ、鞠莉は右手に、果南は左手に持つ。

 

鞠莉は黒のメモリ、果南は緑のメモリだ。

 

そしてそのボタンを押す。

 

《サイクロン!》

 

《ジョーカー!》

 

鞠莉は右手を左側に、果南は左手を右側に持ってくると、静かに言う。

 

「「変身」」

 

果南がサイクロンのメモリを右側に挿し込むと、鞠莉の方に転送され、鞠莉がさらにそれを押し込むと、果南の体が緑の光球になって鞠莉の中に入る。

 

そして鞠莉はジョーカーのメモリを左側に挿し込むと、続いてWドライバーを左右に展開。

 

《サイクロン!ジョーカー!》

 

その音声の後、激しいメロディが鳴り、鞠莉は左は黒の、右は緑のライダー。

 

『仮面ライダーW・サイクロンジョーカー』に変わる。

 

「「さぁ……お前達の罪を数えろ」」

 

 

希は腰に両手を翳す。

 

すると炎を纏いながら『ゴーストドライバー』が現れ、希は懐から『オレ眼魂』を取り出す。

 

そしてオレ魂の左横にあるゴーストリベレイターを押すと、オレゴースト眼魂が起動し、中央のクアッドアイリスがGと書かれた面に変わる。

 

ゴーストドライバーのカバーを開け、オレゴースト眼魂をセットする。

 

《アーイ!バッチリミナー!バッチリミナー!》

 

するとゴーストドライバーから黒とオレンジのパーカーのようなゴースト『パーカーゴースト』がラップ調の音と共に現れ、希の周りを浮遊、希は陰陽師のような印を印す。

 

「変身!」

 

そしてゴーストドライバーの右横にあるデトネイトトリガーを引っ張って、さらに押す。

 

《カイガン!オレ!》

 

希はトランジェントと呼ばれる形態に変身し、その上にパーカーゴーストが覆いかぶさる。

 

《レッツゴー!覚悟!ゴ・ゴ・ゴ!ゴースト!ゴ・ゴ・ゴ・ゴ》

 

パーカーゴーストを纏い、頭を覆うエフェクターフードを外す。

 

頭部には波打つ大きな角、ウィスプホーンがあり、フェイスパンテオンはオレンジに光る。

 

そしてマッシブな黒の肉体。

 

希は『仮面ライダーゴースト』になった。

 

「命、燃やすで!」

 

 

晴司は『ギャレンバックル』を取りだし、そこにクワガタが描かれたカードを挿し込み、腰に着ける。

 

するとトランプのようなベルトが出てきて、晴司の腰に巻き付く。

 

晴司は右腕を曲げて、左側に持っていく。

 

「変身!」

 

そして右手でハンドルを引く。

 

《Turn Up》

 

ギャレンバックルからオリハルコンエレメントが出てくる。

 

晴司はそれを歩いて通り抜けると、ダイヤの紋章が刻まれた赤いクワガタのような戦士『仮面ライダーギャレン』になった。

 

 

光斗は『レンゲルバックル』と言うバックルに蜘蛛が描かれたカードを挿入、腰に装着してベルトを巻くと、左手を顔の前に、右手を左肘に持っていく。

 

「変身!」

 

そして左手でレンゲルバックルのカバーをオープンさせる。

 

《Open Up》

 

レンゲルバックルから出たオリハルコンエレメントは自ら光斗に向かっていく。

 

それを通過した光斗は、緑の体に金の鎧をしたクローバーの戦士『仮面ライダーレンゲル』になる。

 

 

今ここに、四人のライダーが新たに立った。

 

 

「それじゃあEverybody、Let'go!」

 

鞠莉の掛け声で、四人のライダーは一斉に魔術師達に攻撃を仕掛けた。

 

 

 



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episode7






(BGM:W-B-X 〜W Boiled Extreme〜)

 

大量の魔術師を4グループに分断して、W、ゴースト、ギャレン、レンゲルは無双していた。

 

鞠「はっ!せいっ!やあっ!」

 

Wは、魔術師の魔法攻撃を裏拳や回し蹴りで弾きながら、魔術師の一人一人を一撃で蹴り倒していた。

 

仮に魔法攻撃を食らっても、全くダメージが無いのだ。

 

「クソッ!! 何で効かないんだ!?」

 

焦る男の魔術師。

 

そんな魔術師に、鞠莉は気合の声を上げながら左パンチを入れる。

 

「はぁーっ!!」

 

「ぐおぅ!?」

 

吹き飛ぶ男の魔術師。

 

果『キリが無いよ?鞠莉…』

 

サイクロンの方の複眼が光り、果南の声がする。

 

「分かってるわ…。パパっと決めちゃいましょ」

 

鞠莉がそう言うと、Wはダブルドライバーを元に戻し、サイクロンとジョーカーのメモリを抜く。

 

そして新たに、鞠莉はジョーカーの左手で銀のメモリを、果南はサイクロンの右手で赤のメモリのボタンを押す。

 

《メタル!》《ヒート!》

 

そしてその2つのメモリをダブルドライバーにセットする。

 

再び左右に展開する。

 

《ヒート!メタル!》

 

その音声の後にWの姿は右は赤く、左は銀色に変わる『ヒートメタル』になる。

 

Wは背中に装備されている専用武器『メタルシャフト』を手に取り、両先端部に炎を灯す。

 

「はぁああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

鞠莉は声を上げながら、メタルシャフトを振り回し、多くの魔術師達を葬る。

 

「「「「「ぐあぁぁぁああああああ!!!?」」」」」

 

そして今度は青と黄色のメモリを手に取り、ボタンを押す。

 

《ルナ!》《トリガー!》

 

そしてダブルドライバーにセットし、再び展開する。

 

《ルナ!トリガー!》

 

Wは右は黄色、左は青の『ルナトリガー』になる。

 

『よっと…』

 

右手に持った専用武器『トリガーマグナム』から弾を五発ほどズガン!という音と共に連射する。

 

放たれた銃弾はルナの力で追尾式になり、逃げる魔術師たちを追いかけて貫いたり、防御壁を張る魔術師たちの背中に回り込んで貫く。

 

「「「「「ぐあああああああっ!!」」」」」

 

最後に鞠莉はジョーカーのメモリを、果南はサイクロンのメモリを取りだし、ガイアウィスパーを鳴らす。

 

《サイクロン!》《ジョーカー!》

 

「最後はやっぱり…」

 

『これだよね♪』

 

ドライバーに装填して展開、再びサイクロンジョーカーに戻る。

 

《サイクロン!ジョーカー!》

 

そして戻った瞬間、ジョーカーのメモリを右腰のスロットルに入れ、叩く。

 

《ジョーカー!マキシマムドライブ!》

 

Wはサイクロンの能力で竜巻を纏いながら、空高く浮遊する。

 

もう一度スロットを叩くと、体が半分に分断される。

 

『半分こになった!!!?』

 

この現象にWが担当していた魔術師達は驚く。

 

そんな事は余所に、Wは必殺技を叩き込むため、魔術師たちに向かっていく。

 

「『ジョーカーエクストリーム」』

 

「逃げろぉぉ!!」

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

散り散りに逃げる魔術師たちだが無駄な努力らしく、Wのジョーカーエクストリームを受け、大半が食らい爆発した。

 

地面に着地したWは、左手首をスナップさせた。

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

ギャレンとレンゲルは、背中合わせになって魔術師の群れを迎撃していた。

 

魔術師からの魔法攻撃をレンゲルが『醒杖レンゲルラウザー』で薙ぎ払って防ぎ、その隙にギャレンが『醒銃ギャレンラウザー』から撃つ弾で魔術師達を撃ち抜いていく。

 

「ぐあっ!?」「みぎゃっ!?」「きゃっ!!」

 

一人、また一人とギャレンラウザーの弾を受けて地に落ちて行く。

 

しかしこれでは埒が開かない。

 

そう悟った2人は頷き、別の行動に出る。

 

(BGM:Rebirth)

 

レンゲルは腰のホルダーからカードを三枚取って、レンゲルラウザーにラウズする。

 

《ブリザード》《ラッシュ》《ポイズン》

 

《ブリザードベノム》

 

3枚のカードの力をレンゲルラウザーで吸収し、吹雪と毒液を纏い、刺突力が上がったレンゲルラウザーを魔術師達に突き刺す。

 

「でぇりゃあぁぁぁぁぁぁ!!」

 

「「「「ぎゃあぁぁああああ!!!?」」」」

 

最初に受けた魔術師は毒と吹雪で確実に死に絶え、後ろにいた魔術師達も余波の吹雪で凍りついた。

 

レンゲルは続いてブリザードのカードを残し、ホルダーから抜いた別のカードと共にリードする。

 

《ブリザード》《バイト》

 

《ブリザードクラッシュ》

 

「でやぁぁぁぁぁ!!」

 

レンゲルは両足に吹雪を纏わせ跳躍、上空にいる魔術師の一人を両足で挟み込むキックをする。

 

「グワァぁぁぁぁぁぁ!!!?」

 

その魔術師は爆死した。

 

そしてギャレンもラウザーのオープントレイからカードを三枚抜いてリードする。

 

《ドロップ》《ファイア》《ジェミニ》

 

《バーニングディバイド》

 

その音声の後に、ギャレンの後ろに3枚のカードの力がオリハルコンエレメント状になって並び、ギャレンに吸収される。

 

そしてギャレンは高くジャンプすると宙返りしながら2人に分身、近くにいた魔術師の肩に両足を蹴りつける。

 

「はぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

魔術師にギャレンの両足が接触した瞬間、何tものの重りが魔術師にのし掛かり、2倍の威力で爆発する。

 

「ぐああぁぁああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!?」

 

爆死した魔術師を背に着地したギャレンは、左腕にある『ラウズアブソーバー』からカードを二枚抜いて、その内の1枚、『アブソーブQ』をセットする。

 

《アブソーブQ》

 

そしてもう1枚である孔雀の『フュージョンJ』をラウズする。

 

《フュージョンJ》

 

フュージョンJの力がギャレンに吸収され、胸の装甲はディアマンテゴールドになり、孔雀の紋章が刻まれる。

 

背中にはオリハルコンウィングが生え、ギャレンラウザーの銃口付近からディアマンテエッジが伸びる。

 

ギャレンは『ジャックフォーム』に進化する。

 

そして直ぐ様オープントレイを開き、三枚のカードを抜いてラウズする。

 

《バレット》《ラピッド》《ファイア》

 

三枚のカードの力が吸収される。

 

《バーニングショット》

 

ギャレンはオリハルコンウィングを開き、飛び上がる。

 

そして上空にいる魔術師達の中心に浮遊すると、自ら回転しながら必殺技『バーニングショット』をズドドドドドドドドドッ!! と連射する。

 

遠心力により波状攻撃のようになった炎の弾丸が魔術師達を穿ち、彼らは「ぎゃあああああああああっ!!」と断末魔を上げて爆死した。

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

(BGM:我ら思う、故に我ら在り)

 

周りを残ってる魔術師達に取り囲まれたゴーストは観察するように見渡した後、眼魂アイテムの1つである『ニュートン魂』をドライバーに入れる。

 

《アーイ!カイガン!ニュートン!リンゴが落下!引き寄せまっか!》

 

ゴーストは青い姿の『ゴースト・ニュートン魂』になると、両手の球状のグローブ『リパルショングローブ』と『アトラクショングローブ』を使って上空の魔術師達を引力で引き寄せ、斥力で遠くに吹き飛ばし、建物にぶつける。

 

これで3分の1が減った。

 

続いてゴーストは赤い眼魂『ムサシ眼魂』をセットする。

 

《アーイ!》

 

するとグリントアイからムサシゴーストが現れ、トランジェントとなったゴーストの周りを浮遊する。

 

《バッチリミナー!バッチリミナー!》

 

希はデトネイトトリガーを引いて、押す。

 

《カイガン!ムサシ!》

 

そしてゴーストにムサシゴーストが被さる。

 

《決闘!ズバッと!超剣豪!》

 

赤を基調とし、ちょんまげのようなフード、ニテンノフードを被り、頭部は2つ刀が重なったペルソナソードマスターと変わり、『ムサシ魂』へとゴーストチェンジする。

 

ムサシの力を纏ったゴーストは、ガンガンセイバーを二刀流モードに変化させると、左右に広げ跳躍。

 

独楽のように回転しながら魔術師達を切り刻んでいった。

 

赤い竜巻と共に切られた魔術師達は「ぎゃああああああっ!!」と苦悶の声を上げて地に落ちた。

 

これでまた3分の1が減り、着地したゴーストは再びオレ魂に戻る。

 

《カイガン!オレ!》

 

《レッツゴー!覚悟!ゴ・ゴ・ゴ!ゴースト!ゴ・ゴ・ゴ・ゴ》

 

そして直ぐ様レバーを引く。

 

《大開眼!オレ!オメガドライブ!》

 

「命………燃やすで!」

 

ゴーストの背後に巨大な眼の紋章が出現して、印を結ぶと右脚にエネルギーが溜まっていき浮かび上がる。

 

それと同時に残った魔術師達は全力で魔法攻撃を放つが、既に『ライダーキック』の体勢に入ってるゴーストの前に霧散、そのままあえなく一人が食らい、残りも爆発の炎で焼かれた。

 

「よっと………こんなもんかな?」

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

時は遡って希達が援護に来る前。

 

アザゼルとカテレアが上空で激突してる下で、ガタックとジオウはヴェントと向かい合っていた。

 

そんな中で冬麻は校外で倒れてる存在達を発見、ガタックの仮面の下で眼を驚きに染める。

 

おそらく今回の会談を警護する為に配置された者達だろう。

 

彼らもまた、リアス達のように昏倒しているようだった。

 

「おいヴェント!お前警備員にも何かしたのか!?」

 

「ん?ああ……あそこで寝てる三大勢力に属する異形達の事?可愛そうに……アタシの『天罰』に触れちゃったのね~」

 

ヴェントは「可愛そうに」と言うが、その顔や声音からは微塵もそんな感情が見て取れない。

 

むしろなって当然。

 

ザマァ見ろと言わんばかりの顔だった。

 

ヴェントが使う『天罰』という術式は、何処の誰だろうが、神様に唾吐くものは許さないという理屈。

 

ある感情を抱いたものを、距離や場所を問わず叩き潰す、驚異的な術式。

 

そのある感情とは、敵意や悪意。

 

しかもこの現象は、術者が術式を解除するまで治らない。

 

これを回避するには、この術を回避できるだけの力を持つこと。

 

故に、仮面ライダーやウルトラマンのような大きな力の持ち主は当然のように回避できる。

 

これを聞いた一誠は拳を握って言う。

 

「ならお前は必ずここで倒す。『天罰』は解かせてもらう。それで終わりだ」

 

「そいつは無理な話ね。アタシとしても、トップが集まるこの機会は逃したく無いのよ」

 

ヴェントがそのハンマーを振るう。

 

猛烈な風が2人へと襲いかかるが、2人は横に転がって避け、ガタックは肩のバルカンから弾を連射する。

 

しかしヴェントが再び振るったハンマーから発生した風の弾丸に軌道を反らされ、全てがあらぬ方向に飛び散る。

 

《ジカンギレード!ジュウ!》

 

ジオウもジカンギレードをジュウモードに変えて光弾を連射するが、やはりヴェントの風に軌道を反らされる。

 

どうにも弾丸系は効かないらしい。

 

ならばとガタックはガタックゼクターの顎に指をかけ、弾く。

 

直後にガタックの重厚な鎧に電流が走り、少しだけ浮く。

 

「キャストオフ!」

 

そして完全に背中側に倒す。

 

《Cast Off》

 

その音声の後、一気に鎧が弾け飛ぶ。

 

そしてガタックホーンが頭の定位置に着き、ガタックは『ライダーフォーム』へと変化する。

 

《Change Stag Bettle》

 

 

ジオウもドライブライドウォッチを取り出して外枠を回し、ボタンを押して起動する。

 

《ドライブ!》

 

左スロットに装填して、ロックを解除してから、ドライバーを回す。

 

《ライダーターイム!カメーンライダー!ジオウ…!アーマーターイム!》

 

目の前にドライブ・タイプスピードを模したアーマーが伸脚気味に腰を落としたポーズで現れたので、ジオウはそれを蹴って分解、装着していく。

 

《ドラァーイブ!ドラーイブ!》

 

ジオウはドライブアーマーになる。

 

 

この2つの変化にヴェントは焦りを浮かべるどころか、可笑しそうに笑う。

 

懐から「ダウン」と書かれた黒いライドウォッチを取り出して。

 

「クロックアップ!」

 

そしてガタックがクロックアップしようと腰のボタンに手を触れようとした瞬間。

 

《ライダーダウン》

 

ヴェントは謎のウォッチを起動。

 

その直後、ガタックのクロックアップ空間は霧散した。

 

「………んあ?な、なんだ?」

 

ガタックはクロックアップに移行できないことに動揺して、何度もボタンを押すが、やはりクロックアップできない。

 

「あれれ~?どうしちゃったのかな~?」

 

茶化すように言ってくるヴェント。

 

「もしかして~、アタシのせいかな~?だとしたら、すんっませーん!!」

 

明らかにバカにしたように言うヴェントの左手に、ジオウは謎のウォッチを見つけた。

 

「ヴェント!なんだそれは!?」

 

一誠が訪ねると、ヴェントは言う。

 

「こいつは全てのライダーの最大の特徴を潰す新種のライドウォッチ。その名も『ライダーダウンシステムウォッチ』。すごいでしょ?」

 

ここに来て最大のピンチ到来だった。

 

ライダー最大の特徴を潰す。

 

例えとしては、今のガタックのようにクロックアップできるライダーはクロックアップができなくなったり、クウガならモーフィンパワーが使えない等、そのライダーと言えばな能力を潰すシステム。

 

そしてジオウ・ドライブアーマーなら?

 

「っ………!? スピードが出ない!?」

 

ドライブアーマーならではのスピード格闘をするためのスピードが失われる。

 

最大の能力が使い物にならなくなって若干焦る一誠と冬麻に、ヴェントは醜悪に笑って言う。

 

 

 

 

「さぁ、どうする?仮面ライダーども」

 

 

 

 



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episode8


後半、割りと絶望増し増しになるよう努力してみました。



「さぁ、どうする?」

 

ヴェントの言葉が静かに響く。

 

この状況でクロックアップも、高速スピードも出せない。

 

おそらく必殺技までは潰されてはいないだろう。

 

それでも必殺技を決めるとなれば、そこまで弱らせるまで純粋な格闘のみで行くしかない。

 

ハッキリ言って余裕は持てない。

 

それでも。

 

冬(諦める理由には……)

 

(なんねぇよな……)

 

2人のヒーローは立ち止まらない。

 

拳を構えると、一気にヴェントに向かって駆け出す。

 

ヴェントはその巨大なハンマーを振り回す。

 

その際に彼女が舌から垂れ提げている十字架と当たり、カン!という小気味いい音と共に風が吹き荒れる。

 

それに対し、ジオウは応えるようにドライブアーマーの両肩のタイヤから放たれた各シフトカーのタイヤで相殺する。

 

その隙にガタックは肩の『ガタックダブルカリバー』を手に取ってヴェントに接近。

 

それを見たヴェントは再びハンマーを振るい、その舌から垂れ提げられている十字架に当たって高い金属音を響かせる。

 

(ハンマーの動きはフェイクで、本命は舌から垂れ提げられている十字架。この昏倒術式もあの十字架が核か!)

 

半分の確信を持った冬麻…ガタックはやって来る突風を右に避け、次に来た風の弾丸は跳んで避け、直後に来た竜巻はスライディングで避け、確実にヴェントに接近。

 

そして起き上がると同時にガタックダブルカリバーをヴェントのハンマーに叩きつけ、競り合う。

 

そこにジオウ・ドライブアーマーがやって来て、ヴェントの脇腹に蹴りを入れ、顔に左パンチ、最後に腹にパンチを交互に入れてヤクザキックを喰らわせる。

 

「はっ!」

 

「げはっ…!?」

 

吐瀉物を吐いてヴェントは体を曲げて吹き飛び、地面を転がる。

 

しかしすぐに立つと再びハンマーを振るって竜巻を呼び起こす。

 

「アタシは悪魔が嫌い。堕天使が嫌い」

 

その竜巻を、ジオウが各シフトカーのタイヤで迎撃する。

 

「天使が憎い!」

 

迎撃の直後に来た暴風を避けた直後、ジオウは気づいた。

 

その暴風の矛先が、リアス達が昏倒している職員会議室であることに。

 

(まずい!)

 

それにはガタックも気づいていた。

 

そして2人の注意が逸れたその一瞬を、彼女は見逃さない。

 

「随分と余裕ね!」

 

神の右席メンバーは対応する天使の力を引き出せる。

 

ヴェントの場合は、ウリエル。

 

よって、今までよりも多くのウリエルの力がこめられた風の塊が、ガタックとジオウを襲う。

 

2人は慌てて横に飛ぶことで、それを凌いだ。

 

だが、先ほど放たれた暴風は容赦なく彼の後ろを抉っていった。

 

つまり、リアス達がいる場所を。

 

冬「テ、メエ……!」

 

かなり頭に来た冬麻はヴェントを睨みつけるが、彼女は人を馬鹿にするような笑みを浮かべたままだ。

 

しかし一誠はすぐに気が付いた。

 

「おい冬麻!あれ見ろ!」

 

ジオウが指差した先。

 

そこにはいつの間にか、増援に来たと思われる四人のライダーがいた。

 

ゴースト、W、ギャレン、レンゲル。

 

この四人がヴェントの放った暴風を相殺し、職員会議室を守っていた。

 

「母さん!鞠莉さん!果南さん!晴司!光斗!」

 

「この偽善者どもが、何をやっているのよ!」

 

「ハハ、ハハハハッ!」

 

一誠が喜色の声を上げ、ヴェントが叫ぶが、逆に冬麻は笑い出した。

 

そして、大声で叫ぶ。

 

「ハハッ、日頃から不幸不幸、って言っているけれど、これだけあれば十分に幸せじゃねーか!」

 

そして増援に来ていた四人のライダーは走ってジオウとガタックの元に来る。

 

希「大丈夫?一誠」

 

鞠「ヘルプに来たわよ?」

 

果『さぁ、反撃と行こうか?』

 

言って彼女達も構える。

 

それを見たヴェントは憎々しく顔を歪めると、懐から紫のライドウォッチを出して、自分の体に埋め込んだ。

 

「ああぁぁぁああああああっ!!」

 

《Wゥ…》

 

緑の衣装を纏っていた彼女の姿は一変、仮面ライダーW・サイクロンジョーカーを怪物にしたような存在に変わった。

 

継ぎ接ぎのような真ん中のライン、サイクロンサイドは本家とは違うターコイズで、さながらナスカ・ドーパントのよう。

 

ジョーカーサイドは、ビスが打ち込まれた黒いレザー生地のような皮膚と刺々しい装飾。

 

ヴェントは『アナザーW』に変貌した。

 

その瞬間、本家のWである鞠莉と果南は変身が解け、2人に戻る。

 

鞠「ワッツ!? 変身が!?」

 

果「っ……これがアナザーライダーの力……」

 

驚愕に眼を開く鞠莉と、戦慄する果南。

 

だがマイナスな変化があったのは彼女達だけではなく、ヴェントも血反吐を吐いた。

 

「ごはっ…!?」

 

「ヴェント!?」

 

冬麻は思わず声をかける。

 

「ハッ、何バカみたいな声出しているのよ。魔術とライダーの力は相容れない。それはウルトラマンも同じ。ウルトラマンや仮面ライダーの変身者が魔術を行使すれば、こうなっちゃうのよ」

 

ヴェントがぶつぶつ呟いているが、冬麻はそれよりも気になった。

 

「そこまでして戦う理由なんてあるのかよ!」

 

ヴェントはかなり消耗している。

 

このまま戦っても、アナザーWの力を満足に発揮することは出来ず、ただ消耗して力尽きていくだけの運命だ。

 

しかし、彼女はそれでも続ける。

 

「白々しいセリフを吐いているんじゃないわよ!」

 

ハンマーを杖に、アナザーWは前を向く。

 

「……私の弟は、三大勢力によって殺された」

 

その言葉に、彼らの動きが止まる。

 

弟を殺された?

 

三大勢力によって?

 

彼女は元は敬虔な教徒だった。

 

しかしある日、水面下で行われた堕天使、悪魔の進行を食い止める為に天使が起こした戦いに巻き込まれ、その時に弟共々重症を負った。

 

その後病院に運ばれた時は、結局2人分の輸血が用意できず、弟の言葉に従って姉だけを助けた。

 

「驚いた?『神の右席』がこんな理由で戦っているなんて。それでもアタシはね、『神の右席』を利用してでも三大勢力を潰したいほど憎んでいるのよ!そしてそんな三大勢力に加担する仮面ライダーもね!」

 

彼女の想いは、決して仮面ライダーであっても完璧に救えないものだった。

 

完璧に彼女を救えるのはただ1人、彼女の弟だけなのだから。

 

だけど、それでも真実を伝えることはできる。

 

冬麻は言う。

 

「三大勢力がお前の弟を殺した?ああ、確かにそうかもしれねぇ。でもお前の弟は、お前に復讐を望んだのか?違うだろ!」

 

「黙れ……」

 

ヴェントはたじろぐが、冬麻はガタックダブルカリバーを向けつつ、彼女に言葉を突きつける。

 

「お前の弟は、ただお前が生きていてほしいと思ったからだけだろうが。復讐なんてしてほしいと願ったりなんてしないだろうが!お前はそいつの姉貴なんだろ。『お姉ちゃん』が、『弟』の復讐するなんて口実で、人を傷つけて良いはずがねえだろうが!『お姉ちゃん』なんだったら、『弟』に対して胸を張っていられるような奴にならなきゃならねえだろうが!」

 

「黙れ………この道は私が決めた」

 

ヴェントは冬麻の言葉を聞いても、その戦意を曲げはしなかった。

 

「たった今話を聞いただけのテメエに、そうそう簡単に捻じ曲げられるはずがないのよ!」

 

その時、鞠莉と果南の手に光が集まり、2人の手から何もない空間に集まると、1つのライドウォッチを生成した。

 

Wライドウォッチだ。

 

鞠莉は宙に浮くそれを掴むと、ジオウに投げ渡す。

 

「ヘイ!」

 

「ん?……おっと!これは……!?」

 

マジマジとWライドウォッチを見つめるジオウ。

 

そんな彼に鞠莉と果南は言う。

 

「もうあの子を楽にしてあげて」

 

「きっと疲れてるからさ……」

 

それにジオウは「はい!」と頷き、Wライドウォッチの外枠を回し、ボタンを押して起動する。

 

《W!》

 

そしてドライブウォッチを抜いてアーマーを解除すると、Wウォッチを装填する。

 

ロックを解除すると待機音が鳴り、ポーズを取る中で一誠はヴェントに言う。

 

「ヴェント、今のお前はこれに弱い。すぐに楽にしてやるよ!」

 

そしてドライバーを回す。

 

《ライダーターイム!カメーンライダー!ジオウ…!アーマーターイム!》

 

すると目の前にWのサイクロン/ジョーカーメモリを模したガジェット『メモリドロイド』が現れ変形、Wを模したアーマーになる。

 

《サイクロン!ジョーカー!ダブルー!》

 

ジオウは、W・サイクロンジョーカーを模した左右に色が分かれた装甲を上半身に装着、複眼にはカタカナで『ダブル』と描かれ、両肩には大きく飛び出したCとJのメモリが、端子側が外を向くように着いていた。

 

 

『仮面ライダージオウ・Wアーマー』の誕生だ。

 

 

そしてやはり、レイヴェルがやって来た。

 

(BGM:仮面ライダージオウ バトル)

 

「祝いなさい!全ライダーの力を受け継ぎ、時空を越え、過去と未来をしろしめす時の王者。その名も仮面ライダージオウ・Wアーマー!二人で一人のライダーの力を継承した瞬間ですわ!」

 

これに果南が「あれが例のしつこい祝辞か~」と感心、その一方でジオウ・WアーマーはアナザーWに指を向ける。

 

「さぁ、お前の罪を……教えて?」

 

前半ハードボイルドなのに、後半でコメディ漂う台詞を吐く一誠。

 

それに鞠莉が「ちょっと!コレジャナイ感が半端ないわ!」と半ギレする。

 

しかしそんな鞠莉をスルーして、ジオウ・Wアーマーはヴェント…アナザーWに向かって駆け出す。

 

アナザーWは右手にあるハンマーを振るって暴風を起こすが、それはジオウがサイクロンサイドの右手を突き出して放った風に相殺される。

 

これには一瞬アナザーWも虚を突かれるが、すぐに再びハンマーを振るって竜巻やら風の弾丸を放った。

 

しかしやはりジオウが出す風に阻害され、接近を許してしまい、右回し蹴りを頬に、脇腹に受け、そこからの右後ろ回し蹴りを頬に受け、続いて脇腹に左回し蹴り、左ヤクザキックを受けて後退する。

 

「ぐぅ……っ!?」

 

「終わりだ!」

 

ジオウは2つのウォッチのボタンを押す。

 

《フィニッシュターイム!W!》

 

ロックを解除してドライバー本体を回す。

 

《マキシマムターイムブレーク!!》

 

直後、ジオウは風を纏って上昇し、アーマーが変形したメモリドロイドと自身が開いた両足でWを描き、そのままアナザーWに向かってトリプルキックを放つ。

 

「はぁぁああああああああっ!!」

 

繰り出される『マキシマムタイムブレーク』に対抗しようとハンマーを振るうアナザーWだが、直撃した瞬間にハンマーは砕け、アナザーW自身も受けてしまい爆発、大きく吹き飛んだ。

 

「ああああぁぁぁああああああっ!?」

 

ゴロゴロ転がってからアナザーWの姿が解けたヴェント。

 

近くでアナザーWのウォッチが砕けるも、まだ戦意があるのか、ヴェントは立ち上がる。

 

そんなヴェントに向かってガタックが拳を握って駆け出す。

 

その右手を強く握りしめる。

 

「お前の弟に比べれば全然たいしたことはないだろうが、少しだけお前を救ってやる。弟の前で胸を張って『お姉ちゃん』でいられるように、もう一度やり直してこい。この大馬鹿野郎!」

 

全体重をのせ、愚直なまでにまっすぐ突き出されたガタックの拳がヴェントへと突き出される。

 

拳を顔面から受けたヴェントが、地面に倒されて意識を失った。

 

それでも、まだ終わっていない。

 

やることがあった。

 

ガタックはすぐに彼女の十字架を殴って破壊する。

 

「これでよし」

 

『天罰』が解除され、この地域にあった天使の力が霧散していくのを感じる。

 

そこへ……

 

 

 

ズドーン!!

 

 

 

何かが落ちてきた。

 

冬「なんだ!?」

 

驚く冬麻達の前で立ち昇る土煙から現れたのは、なんとアザゼルだった。

 

「アザゼル先生!? やっぱりヴァーリの野郎、裏切ったか……」

 

そう愚痴るジオウが見上げた先には、白い鎧を月光で輝かせる、白龍皇ヴァーリがいた。

 

その隣にはカテレアが浮いている。

 

「……チッ。この状況で反旗か、ヴァーリ」

 

多少の傷を負ったアザゼル。

 

「そうだよ、アザゼル」

 

白い光を放ちながら、一誠達の前に白龍皇ヴァーリが舞い降りる。

 

それと同時に、再びズドォォォォォォン!!!!と、アザゼルが落ちてきた時とは比べ物にならないくらいの轟音が響き、一誠も冬麻も、鞠莉や希達、ヴァーリやカテレアすらそちらを向いた。

 

そこにいたのは、あの宇宙警備隊隊長のウルトラ戦士、『ゾフィー』だった。

 

それを視認すると一誠は驚きの声を上げる。

 

「ゾフィー!? ってことはエルニカさん!?」

 

ゾフィーに変身するエルニカはかなり強い。

 

そのゾフィーがこうやって落下してダメージを負うなど、そうそう無いことだし、どれ程の敵なのか全員が身構えていた時だ。

 

奴は現れた。

 

全身の黒い筋肉を鎧のような外骨格上の白い皮膚に覆われており、両肩にも縦に半分になった骸骨のような外骨格が付いている。

 

目は赤一色、真ん中の頭部には二本の角がある。

 

どう考えても地球上のそれではない生物は、倒れてるゾフィーの数十歩先にふわりと降り立った。

 

それは宇宙から来た怪獣だった。

 

希がその宇宙怪獣の名前を口にする。

 

 

 

 

 

 

 

「モンスターX……」

 

 

 

 

 

 

 

 

「フシュウウウウグルルルル……」

 

 

 

 

 

 

かの怪獣は降臨の産声を上げる。

 

 

 

 

 

 



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episode9



アナザーゴーストの扱いが割りと酷いです。



一誠side

 

 

何故こうなった?

 

何故モンスターXが現れた?

 

俺の思考はそればかりに支配されていた。

 

本来あの怪獣はウルトラシリーズには出てこない怪獣。

 

なのに先日のジラに続いて、こいつまで現れるなんて。

 

モンスターXは、未だに地面に寝転んでいるゾフィーを眺めていた。

 

自分の無力さを思い知れと言わんばかりに。

 

「イッセー!!」

 

そこへ天罰術式が解けたリアス達が来るが、モンスターXを見た瞬間、体を強張らせる。

 

いや、その反応も仕方ない。

 

なんせモンスターXの見た目は、死神を怪獣にしたような感じだからな。

 

そんな時、鞠莉さんが言う。

 

「思ったんだけど……さっきのジオウの技、なんか違くない?」

 

……………いや、それ今言います?

 

確かにジオウが出す各アーマーの必殺技はオリジナルのライダーと比べるとなんか違うけど、今それ言います?

 

そんな鞠莉さんに果南さんが言う。

 

「それ、私も思った!」

 

便乗しないでください!

 

今はモンスターXの事を考えましょう!

 

するとゴースト状態の母さんがこっちに近づいてきて、ジオウ・Wアーマーの俺に何かを渡してくる。

 

「そうや一誠。これあげるね?」

 

言って、くれたのはゴーストライドウォッチ。

 

「いや今渡す!?」

 

嬉しいけど!

 

ゴーストの力くれて嬉しいけど!

 

今のタイミングで渡すかな普通!!

 

緊張感無さすぎだろ!

 

アザゼル先生はモンスターXを眺めると、事情を知らない俺達に説明してくれる。

 

「ジオウ、その様子だとヴァーリの裏切りは知ってても、モンスターXの登場は予想外、いや、いる筈が無いと言った様子だな」

 

アザゼル先生の言う通り、俺の知ってる前世では、この会談時に怪獣は出てこなかった。

 

いや、ゴジラ怪獣すら存在してなかった。

 

「だけどそいつは違うな。まだμ'sが解散して間もない頃、一度ゴジラ怪獣は現れたんだよ。現れた怪獣はゴジラ、モスラ、ラドン、ガイガン、そしてキングギドラ」

 

な、何だって!?

 

あのゴジラが一度この世界に現れたって言うのか!?

 

いや、ゴジラだけじゃない。

 

モスラにラドン、ガイガン、あのキングギドラまで現れたのか!?

 

俺は確認の意味も込めて母さんを見ると、母さんはコクリと頷いた。

 

マジかよ……。

 

アザゼル先生は起き上がって、服に付いた土埃を叩いて払うとヴァーリに訊ねる。

 

「いつからだ、ヴァーリ?」

 

「赤龍帝ジオウに挨拶した帰りの途中で彼女達にオファーを受けたのさ。『アースガルズと戦ってみないか?』──こんなことを言われたら自分の力を試してみたい俺には断れない」

 

「それで『禍の団《カオス・ブリゲード》』に入ったというわけか……」

 

やっぱりそれが理由か。

 

そしてテロ集団の名前もやはりカオス・ブリゲード。

 

しかしそんな存在を知らない者がいる。

 

リアス達やサーゼクス様、セラフォルー様だ。

 

アザゼル先生が言う。

 

「そういえば、会談の席で言いかけてそれっきりだったな。実は最近、うちの副総督シェムハザがとある組織の存在を掴んでな。その組織は三大勢力の危険分子を集めているそうだ。そしてその組織が、こいつらが所属する『禍の団』ってわけだ。そして、その組織のトップは『無限の龍神《ウロボロス・ドラゴン》』オーフィス」

 

『っ!!』

 

俺や冬麻みたいなライダー組を除いた全員が驚く。

 

「オーフィス……そうか、彼が動いたのか……」

 

サーゼクス様が険しい表情でそう呟く。

 

にしてもオーフィスか。

 

あいつもフィアンマに存在を消されてたから、まず記憶は保有してないだろう。

 

だから禍の団のトップに騙されて祭り上げられてるんだろうな。

 

でなければ即行俺の所に来るだろうし。

 

アザゼル先生が苦笑しながら言った。

 

「ったく、神と戦いたいねぇ。まぁ、お前らしいと言えばお前らしいか」

 

するとカテレアがアザゼル先生を嘲笑した。

 

「今回の件は、我ら旧魔王派の一人、ヴァーリ・ルシファーが情報提供と下準備をしてくれました。彼の本質を理解しておきながら放置しておくなど、あなたらしくありませんね、アザゼル。……自分の首を自分で絞めたようなものです」

 

さて、ここでヴァーリの名字をルシファーだと知ってるのは俺とレイヴェルだけだ。

 

記憶を保有してても、冬麻は何の事か分からないだろうし、母さん達も同じだ。

 

だけどリアス達は違う。

 

その瞳を大いに見開いて驚愕していた。

 

ヴァーリは自身の胸に手を当て、俺に向かって言う。

 

「我が名はヴァーリ・ルシファー。死んだ先代の魔王ルシファーの孫である父と人間の母の間に生まれた混血児。ハーフなんだ」

 

ヴァーリの背中から光の翼と共に悪魔の翼が幾重にも生えだした。

 

今代の白龍皇が魔王の血族。

 

改めて聞くと凄いスペックだな。

 

「……嘘よ……そんな……」

 

リアスが驚愕の声を漏らす。

 

しかし、アザゼル先生は肯定した。

 

「事実だ。こいつは魔王の血を引きながら、人間の血も引いているが故に白龍皇を宿すことが出来た冗談のような存在だ。こいつは過去現在未来において最強の白龍皇になるだろう」

 

最強……か。

 

「やっぱお前はすげぇな、ヴァーリ」

 

「それは君が言えることではないだろう、緋村一誠。未来を知ってる上に仮面ライダージオウの力を持つ赤龍帝。考えようによっては君の方が規格外だ」

 

うーん。

 

こいつに言われるとなんか腹立つ。

 

「さあ、覚悟してもらいましょうか、アザゼル」

 

そう言ったカテレアは体中から物凄いオーラを噴出、かつ紫の禍々しいライドウォッチを取り出して自身の体に埋め込んだ。

 

《ゴースト…》

 

瞬間、カテレアは白髪を生やしたゴーストをおどろおどろしい本物のお化けにしたような存在『アナザーゴースト』に変わった。

 

おいおい、オーフィスの力でドーピングした挙げ句にアナザーライダーの力も使うのかよ……。

 

本当に他力本願だな。

 

「なるほど、オーフィスの『蛇』か。しかもアナザーライダーの力も使うとは。誰から貰った?」

 

「アナザーライダーの力はそこで寝ている前方のヴェントからですよ。おかげで私はあなた達、愚かな統率者を滅ぼすことができる」

 

「愚かな統率者か。まぁ、俺はそうかもな。いつもシェムハザの世話になりっぱなしの神器オタクだからな。だがよ、サーゼクスやミカエルは違うと思うぜ?少なくともお前らよりは遥かにマシさ」

 

「世迷い言を!」

 

アザゼル先生を睨み付けるカテレア。

 

すると、アザゼル先生は懐から短剣を取り出した。

 

ありゃ変態龍王が封印された人工神器だっけ?

 

「俺は神器マニアすぎてな。自作神器を創ったりしちまった。まぁ、そのほとんどがガラクタ、機能しないようなゴミだ。神器を作った『聖書の神』はすごい。俺が唯一、奴を尊敬するところだ。まぁ、禁手なんて神を滅ぼす力を残して死んでいったことに関しては詰めが甘いと思うが、それがあるから神器は面白い」

 

「安心なさい。新世界では神器なんてものは残さない。そんなものがなくとも世界は動きます。いずれはオーディンにも動いてもらい、世界を変動させなくてはなりません」

 

「ハッ!横合いからオーディンに全部持ってかれるつもりかよ。まぁ、どのみちお前はここでお仕舞いだ。俺から楽しみを奪うやつは──消えてなくなれ」

 

アザゼル先生が短剣を逆手に構える。

 

「……バランス・ブレイク《禁手》!」

 

一瞬、閃光が辺りを包み込んだ。

 

かと思うと、閃光は直ぐに晴れ、そこにいたのはまるでドラゴンの様な全身鎧を纏ったアザゼル先生!

 

それと同時にゴーストに変身していた母さんが元に戻る。

 

「あ、変身解けちゃった」

 

このタイミングで!?

 

なんか悪意があるような……。

 

「『バニシング・ドラゴン』と他のドラゴン系神器を研究して作り出した、俺の傑作人口神器だ。『堕天龍の閃光槍《ダウンフォール・ドラゴン・スピア》』、それの擬似的な禁手状態『堕天龍の鎧《ダウンフォール・ドラゴン・アナザー・アーマー》』だ」

 

本当にいつ見てもすげぇオーラだ!

 

「ハハハ!流石だな、アザゼル!」

 

ヴァーリが笑うとアザゼル先生が俺の方へと顔を向ける。

 

「ジオウ!悪いが手ぇ貸してくんねぇか?アナザーゴーストの変身を解かせるだけでいいからよ」

 

「仕方ないですね」

 

まぁ俺としても、さっさと母さんの変身能力を返してほしいしな。

 

俺はWアーマーを解くと、ゴーストライドウォッチを起動する。

 

《ゴースト!》

 

そしてゴーストライドウォッチを左スロットに装填してロック解除、素早くドライバーを回す。

 

《アーマーターイム!》

 

直後俺の前に、ゴーストアーマーが現れ、ゴーストの必殺技発動時の両手を組んで印を結ぶポーズを取る。

 

俺はそれに触って分解、装着していく。

 

《カイガン!ゴー・ス・トー!》

 

そして現れたのは、頭部と胸部はゴースト・オレ魂を模した装甲で、両肩の装甲はオレゴーストアイコンのような形状、顔には「ゴースト」と書かれている。

 

 

俺は『仮面ライダージオウ・ゴーストアーマー』になった。

 

 

そしてレイヴェルが祝ってくれる。

 

(BGM:仮面ライダージオウ バトル)

 

「祝いなさい!全ライダーの力を受け継ぎ、時空を越え、過去と未来をしろしめす時の王者。その名も仮面ライダージオウ・ゴーストアーマー。また一つ、ライダーの力を継承した瞬間ですわ!」

 

それを見たレイナーレが言う。

 

「あれいつもやるの?」

 

なんか辟易してるな~。

 

あ、それは他の皆もか。

 

ともかく、俺はゴーストアーマーの浮遊能力でアザゼル先生の隣に立つ。

 

「命、燃やしちゃってみるぜ!」

 

「ほざけ!」

 

言ってカテレア…アナザーゴーストはパーカーゴースト達を召喚して向かわせて来るが、俺も両肩の眼魂ショルダーからパーカーゴーストを出してぶつける。

 

お互いの中間点でパーカーゴースト達はぶつかり合い、しばらく斬り合ってから元に戻ってくる。

 

それを見て俺はジオウとゴーストのウォッチボタンを押す。

 

《フィニッシュターイム!ゴースト!》

 

ロックを解除してドライバー本体を回す。

 

《オメガターイムブレーク!!》

 

それと同時にアナザーゴーストも背後に黒く歪んだ紋章を発生させ、オメガドライブに酷似したライダーキックを放ってくる。

 

俺も周りに赤、白、青、黄色のパーカーゴーストを出現させて、右足に集めるとそのままライダーキックを放つ。

 

「とりゃああああああああああっ!!」

 

俺の『オメガタイムブレーク』とアナザーゴーストの必殺技は接触するとしばらく拮抗、しかし直後に俺が押し勝って爆発を起こした。

 

「いぎゃあああああああああっ!!」

 

炎上する空から、アナザーゴーストの変身が解けたカテレアが落下した。

 

「がっ……ぐっ……こんなっ……」

 

傷が深いカテレアは盛大に吐血。

 

尚、俺の技を見てた母さんは、

 

「……うん、やっぱ違うわ。むしろアナザーゴーストの方がよく似てるわ」

 

と愚痴っていた。

 

なんかごめんなさい!

 

あんまり似てなくて!

 

一方でカテレアはただで終わる気は無いのか、その腕を伸ばしてアザゼル先生の左腕に絡める。

 

そして、体中に怪しげな紋様が浮かび上がる!

 

「あなたを滅ぼせるのならば、今ここでこの身が滅んでも意義がありましょう!!」

 

「自爆か?だが」

 

バシュッ!

 

「アザゼル様!?」

 

光の槍で左腕を切断したアザゼル先生。

 

これにはレイナーレもビックリ。

 

傷口からは鮮血が迸り、切り落とした左腕は消滅する。

 

「取引としては安すぎる!」

 

驚くカテレアの頭部をアザゼル先生が放った光の槍が貫く!

 

カテレアの体は爆破することはなく、塵と化して空へと消えた。

 

消滅したのは悪魔にとって光が猛毒だからだろう。

 

「ま、せいぜい左腕一本がいいところだ」

 

アザゼル先生の鎧が解除され、その手元には紫色の宝玉。

 

「まだまだ、改良の余地があるな。もう少し俺に付き合ってもらうぜ、龍王ファーブニル」

 

と、言って宝玉に軽くキスをした。

 

さて、残るはモンスターXとヴァーリか。

 

俺はヴァーリに言う。

 

「なぁヴァーリ、提案があるんだが」

 

「何かな?緋村一誠、いやジオウ」

 

「あの怪獣……モンスターX倒すまで待ってて貰えね?」

 

俺は未だに大した動きを見せず、その場に不気味に留まっているモンスターXを指差す。

 

その前にはフラフラしながらも立っているゾフィー。

 

それを見たヴァーリはフッと笑って言う。

 

「いいだろう。その提案呑もう。何より俺も怪獣と戦ってみたいしな」

 

よし、交渉成立だな。

 

そう思った時だ。

 

突如としてモンスターXが吠えた。

 

「ギニャアアアアアアアアアアアアっ!!」

 

かと思えばモンスターXの背後に4つの緑色の魔方陣が現れた!

 

そしてその魔方陣を通り抜けて出てきたのは、

 

「キシェエエエエエエン!!」

 

「キゴォォオオオオオオオオン!!」

 

「キュキキィィィィ!!」

 

「キュエエエエエエエエエ!!」

 

最初の一体は、藍色の生物とも、機械とも取れない肌をしていて、そのお腹には回転ノコギリが仕込まれていて、右腕には鎌のような武器、左腕にはチェーンソーが装着されていた。

 

背中には三枚の赤い翼があり、目は赤いモノアイ。

 

銀色の嘴の側には、クワガタの顎のような触覚があり、頭には大きな角が生えている。

 

そんな怪獣に続くように現れたのは、赤い翼竜のような怪獣に、カマキリを大きくしたような怪獣に、紫のハサミを持ったトンボのような怪獣。

 

合計四体が新たに現れた!

 

「あれは!?」

 

俺はその怪獣達の名前を知っている。

 

 

 

サイボーグ怪獣・ガイガン

 

空の大怪獣・ラドン

 

カマキリ怪獣・カマキラス

 

超翔竜・メガギラス

 

 

 

まさかこの四体が現れるなんて!

 

これにはリアス達も絶句しており、母さん達も大いに驚愕した。

 

希「ガイガンにラドン!? そんな……一度撃退したはずなのに……」

 

鞠「それにメガギラスにカマキラスって……」

 

果「あり得ないよ……」

 

モンスターXだけでも苦しいのに、そこに四体も投入とか馬鹿げてる!

 

クソッ!

 

エルニカさんだけで何とかなる相手じゃない!

 

もしも………もしも俺にウルトラマンの力があれば……!!

 

そう俺が無い物ねだりのifを想像した時だ。

 

 

 

 

 

ゾフィーの左右に

 

 

 

 

 

 

 

 

 

7つの光が舞い降り、その姿を現した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「シェヤッ!」「デュッ!」「ヘヤッ!」

 

「トワァァァァ!」「タァーッ!」

 

「イヤーッ!」「ショワッ!」

 

 

 

 

 



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episode10







◎side

 

 

神田明神。

 

かつてμ'sが体力を作る為に走ったり、ダンスの練習をする為に使ったと言われる神社。

 

時刻はすっかり真夜中で星一つ無い夜空の下、その神社の境内に五人の人影があった。

 

先程話題に上がったμ'sの穂乃果、凛、ことり。

 

そしてAqoursの千歌、善子の五人だ。

 

何故彼女達がここにいるのか?

 

それは駒王学園で起こってる戦いを見守る為。

 

ここからならよく見えるから。

 

そう思って見ていたが、次第に彼女達の心には焦りが出ていた。

 

ゾフィーであるエルニカが宇宙に飛び立ったのは見ていたから知っている。

 

しかし迎え撃ちに行った敵がまさかのモンスターXだとは思わなかった。

 

ゴジラと同等のタフネスと戦闘力を誇るモンスターX。

 

そのモンスターXに続いて、ガイガン、ラドン、カマキラス、メガギラスが現れた。

 

誰がどう見てもゾフィーだけじゃ無理と分かるのに時間はかからなかった。

 

千歌が善子に訊ねる。

 

「善子ちゃん、時間が巻き戻る前もこんな感じだったの?」

 

「ううん……少なくとも、この時に怪獣は一匹も出てこなかったわ」

 

それに凛が言う。

 

「さっき魔方陣みたいなの出てたよね?もしかして召喚されたのかな?」

 

凛の推測にことりが言う。

 

「それはあり得るかも」

 

おそらく、あの魔方陣はヴェントが時間を決めて自動的に発動するよう仕掛けた、時限爆弾のようなものだろう。

 

だが今大切なのはそんな推測ではない。

 

あの5体をどうするかだ。

 

「…竜ちゃん……」

 

思わず唇を噛んで、この場にウルトラマンとなれる大切な異性がいない事を悔しがる穂乃果。

 

だがそんな穂乃果の肩に手を置く者が。

 

振り返って見てみれば、そこには銀色の髪に赤い瞳、左眼に眼帯を巻いている青年がいた。

 

「竜ちゃん!? どうしてここに……?」

 

それは穂乃果の大切なパートナー、【天青竜司】だった。

 

穂乃果は喜色の笑みを浮かべると同時に、何故竜司がここにいるのか疑問が沸いた。

 

よく見れば背後には、他にも男性が6人いた。

 

「嵐助くん!?」

 

「よっ…」

 

「せっくん!それにライくんも!」

 

晴「相変わらずだな、千歌…」

 

「キーくん!?」

 

「雪……六道先生も……」

 

雪「久しぶり」

 

凛が呼んだのは茶髪の青年【寺獄嵐助】。

 

千歌が呼んだのは、黒髪で目付きの悪い青年【小牙晴矢】と、頭にヘッドホンを着けた死んだ魚みたいな眼をした青年【神田雷明】。

 

ことりが呼んだのは、晴矢と同じく黒髪で、切れ長の眼をした端正な顔立ちの青年【朱雀恭弥】。

 

善子が呼んだのは、右目が若干隠れた黒髪の青年【氷城 雪】と、右目は赤で左目と髪は藍色の青年【六道霧黒】。

 

ここにいる彼らは皆、ウルトラマンになれる者達ばかりだ。

 

補足として、凛は嵐助と、千歌は晴矢と、ことりは朱雀と、善子は雪と夫婦で、駒王にいる果南は雷明と、鞠莉は霧黒と夫婦である。

 

竜司は穂乃果の頭を雑に撫でながら言う。

 

「ったく、人がちょっと目を離した隙にこれかよ。くそったれが」

 

そう言った竜司は懐から『βカプセル』を取り出し、それに続くように嵐助は『ウルトラ・アイ』を、雷明は『ウルトラバッジ』を、霧黒は『ブライトスティック』を取り出す。

 

朱雀は『ウルトラリング』を、雪は左薬指の『獅子の瞳』を煌めかせる。

 

それが戦いに行く覚悟だと悟った彼女達は、それぞれ言葉を投げ掛ける。

 

優しく送り出す言葉を、穂乃果は竜司に、凛は嵐助に、千歌は晴矢に、ことりは朱雀に、善子は雪に投げ掛ける。

 

「いってらっしゃい、竜ちゃん」

 

「嵐助くん、頑張るにゃー!」

 

「信じてるから、せっくん」

 

「キーくん、いってらっしゃい♪」

 

「あんたはこの堕天使ヨハネの永遠最上級リトルデーモンなんだから!ちゃちゃっと片付けて来てよね!」

 

その激励を受けた彼らは不敵な笑みで頷き、変身していく。

 

竜司はβカプセルを天に掲げてボタンを押し、100万ワットの閃光と共に原点にして頂点と言われる戦士、『ウルトラマン』になっていく。

 

嵐助は「デュワッ!!」と言って、ウルトラ・アイを目に装着、直後にウルトラ・アイから火花が散り、顔、胸、体の順に変わっていき、最後に巨大化して『ウルトラセブン』になっていく。

 

晴矢は右腕を斜めに上げて体から光を解放すると、武器の扱いに長けた戦士、『ウルトラマンジャック』になっていく。

 

朱雀はゆっくり両腕を体の前に持っていき、両拳を合わせるとウルトラリングを輝かせ、光線技の名手『ウルトラマンエース』になっていく。

 

雷明は両腕を水平に重ねた後、左右に広げ、右手に持つウルトラバッジを額に当てた後、空に掲げる。

 

「タロォォーーーウ!!」

 

ウルトラバッジが輝き、雷明を『ウルトラマンタロウ』に変える。

 

雪は両腕を×にクロスさせ、そこから大きく外に回して素早く右拳を出した後に左拳を出すと同時に叫ぶ。

 

「レオーーーッ!!」

 

左薬指にある『獅子の瞳』が輝き、雪は真紅の戦士『ウルトラマンレオ』に変わる。

 

霧黒はブライトスティックを真上に突き出して言う。

 

「80……」

 

瞬間、ブライトスティックから光が溢れ、霧黒は『ウルトラマン80』になっていく。

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

そんな背景を持ったウルトラ兄弟達。

 

彼らの登場にゾフィーであるエルニカだけではなく、駒王にいる他の者も驚いていた。

 

「っ……ウルトラ兄弟……」

 

その声が誰のものかは分からない。

 

だがここにいる全員の気持ちを代弁したものであることに変わりは無い。

 

何故なら、この絶望をひっくり返す希望なのだから。

 

そして、一生に一度見れるかどうか分からない絶景だから。

 

果南、鞠莉、晴司と冬麻が高揚のある喜色に満ちた声で言う。

 

「ライ!」

 

「霧黒……!」

 

「「父さん!」」

 

そんな中で一誠はウルトラマンドライグのウォッチを握りしめ、ウルトラマンはゾフィーにエネルギーを分け与えながら言う。

 

『また派手にやられたな?エル……』

 

『来るのが遅いのよ、バカ弟達…』

 

悪態を吐くエルニカ。

 

それにイラッと来た竜司、嵐助、朱雀が文句を言う。

 

『んだとこのクソシスター!』

 

『バカって言うなよオバサン!』

 

『それに、誰が貴女の弟なの?咬み殺すよ?』

 

『上等よ。それと嵐助、あんた後でぶっ殺す』

 

オバサンと言われたのが余程気に食わなかったのか、シスターであるにも関わらず物騒な言葉を吐くエルニカ。

 

それに晴矢、雷明、霧黒、雪はため息を吐く。

 

強大な敵を前にしてこの余裕ある会話に、果南と鞠莉と希は苦笑を浮かべ、アザゼルは大笑い、他の面々は口を大きく開けてポカンとしていた。

 

そんな中で、ついに一誠にある変化が起きた。

 

彼のジオウ・ゴーストアーマーの姿が自然に解けると、ゴーストウォッチも含めて一誠が持ってる全てのライドウォッチが光輝き、ウルトラマンドライグのライドウォッチに吸い込まれていったのだ。

 

その影響か、ウルトラマンドライグウォッチは黄金に光輝き、まるで同化するように一誠の左手に吸い込まれた。

 

「これは……?」

 

何が起きたか分からず、呆然とする一誠にドライグが言う。

 

『相棒、今なら今回限りの変身だが、ウルトラマンドライグになれるぞ!』

 

「なんだって!?」

 

思いもよらないラッキーニュースだった。

 

何故こんな現象が起きたのか、何故今ならウルトラマンになれるのか、何故今回限りなのかは分からない。

 

それでも今ウルトラマンとして戦えるなら、それに越した事はない。

 

一誠は赤龍帝の籠手を出すと、一歩前に出る。

 

その行為にリアスと希が首を傾げる。

 

「イッセー?」

 

「どないしたん?」

 

しかし一誠がそれに答える事はなく、無言で籠手を左脇腹に引き絞ると、そのまま勢いよく天に突きだした。

 

「ドライグゥゥゥゥーー!」

 

《Welsh Dragon Ultlive!!》

 

直後、赤龍帝の籠手から赤い光と業火が放出され、一誠を包んで天へと伸びる。

 

「イッセー!?」

 

「イッセーさん!?」

 

悪魔にとって光は猛毒。

 

その光を纏った上に炎にまで身を包まれた一誠を心配するようにリアスとアーシアが悲痛な声を出すが、直後にそれは杞憂に終わり、むしろ再び驚くことになる。

 

光と炎が晴れたそこには、駒王の校舎を軽々と超える程の赤と銀の巨躯を持った存在が立っていた。

 

胸と肩にある赤い鎧、その胸の中心に光る龍の足を象った青く光る水晶、銀の頭には乳白色の双眸と、そこから頭部に伸びる赤いライン。

 

その赤いラインには黄色の龍角が有り、最後に赤龍帝の籠手が左腕を覆っていた。

 

それは一誠の元来の力にして、失われた力。

 

赤龍帝から生まれし光の巨人。

 

 

 

ウルトラマンドライグ

 

 

 

まさに再臨の瞬間である。

 

まさか悪魔の一誠が光の巨人であるウルトラマンになるとは思わなかったのだろう。

 

リアスを始めとしたグレモリー眷属、サーゼクスにセラフォルー、アザゼルやミカエル、レイナーレは酷く狼狽していた。

 

逆にヴァーリは面白そうに口角を上げていた。

 

こうなる事を善子や冬麻から聞いていた鞠莉や果南や希、晴司ですら、実際に見るまでは疑ってたのか、目を剥いて驚いていた。

 

だがそうじゃない者が冬麻以外にいた。

 

レイヴェルだ。

 

彼女は胡散臭そうな本を手に取ると、この空間全体に響くように声を張った。

 

「昭和の時代を駆け抜けた昭和ウルトラマン達。今その力が、未来へと受け継がれる。祝いなさい!新たなウルトラマンの誕生を!」

 

レイヴェルのその口上を狼煙に、ウルトラマンドライグは飛び立ち、宙返りしながらウルトラ兄弟達の側に降り立つ。

 

『竜司さん、エルニカさん、嵐助さん、晴矢さん、朱雀さん、ライさん、雪さん、霧黒さん。俺も戦います!』

 

霧『これは驚きですね』

 

雪『まさか一誠君がウルトラマンになるとは……』

 

雷『成る程、これがウルトラマンドライグか……強そうだな』

 

晴『んなものはどうでもいい。来るぞ…』

 

そう言ってジャックは右手を軽くスナップを効かせて振る。

 

その言葉に前を向くと、モンスターX、ガイガンは地響きを立てて突進してきており、カマキラス、ラドン、メガギラスはソニックブームを起こしながら此方に来ていた。

 

竜『んじゃあ、始めるとすっかァ。お片付けの時間だ。1分で終わらせてやる』

 

そう言った竜司…ウルトラマンが先に飛び出すと、他のウルトラ戦士もそれに続いた。

 

 

 



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episode11



ウルトラマン達の戦闘シーンです。



(BGM:ウルトラ6兄弟)

 

ついに両陣営が正面衝突して、激闘の火蓋を切って落とした!

 

一番にモンスターXに向かっていったウルトラマンが、前蹴りを浴びせて押し返す。

 

「シェアッ!!」

 

続いてゾフィーがモンスターXの頭を殴り付け、ドライグがその胸にヤクザキックを叩き込む。

 

「ヘッ!!」「ジュヤ!!」

 

更に80が側宙してからの蹴りをモンスターXの頭に打ち込む。

 

「ショワッ!」

 

ガイガンにはジャック、タロウがぶつかり、ラドンにはセブンがぶつかっていく。

 

メガギラスにはエースが、カマキラスにはレオが向かっていく。

 

超音速衝撃波を巻き起こしながら向かって来るラドンに対して、セブンは後ろ回し蹴りを繰り出し、ラドンの首に叩き込む。

 

「デュワッ!」

 

「キゴオオオオオオオオン!!」

 

一方、虫の怪獣らしく超音速で飛び回るメガギラスとカマキラスに、振り回され苦戦するレオとエース。

 

ガイガンはタロウに右腕の『ブラッディ・トリガー』で殴りかかろうとするが、そこにジャックの右回し蹴りがうなり首筋にヒット。

 

怯んだところをタロウが頭部を抑えつける。

 

「キシェェェェェェェン!!」

 

そこにジャックが左膝蹴りを何発か叩き込むが、ガイガンは左腕の『ブラッディ・チェーンソー』を振り回してジャックを斬りつける。

 

「アーッ!?」

 

火花を散らして吹き飛ぶジャックを見て一瞬の隙が出来たタロウには、お腹の回転ノコギリ『ブラデット・カッター』を回転させて当てる。

 

「ンンーッ!?」

 

直に食らって火花を散らすタロウは数歩後退した後、膝をついた。

 

モンスターXはウルトラマン、ドライグ、ゾフィー、80に囲まれるが、その場で跳躍すると回転して、遠心力が加わった二又の尻尾をムチのように振り回して、四人のウルトラマンの頬を叩く。

 

「アーッ!?」「グオッ!?」

 

「アーッ!?」「ショワッ!?」

 

思わぬ痛みに四人は倒れ込み、その上空をラドンとセブンが飛び駆ける。

 

 

(BGM:ラドンのテーマ)

 

「キゴォォォォォォォォン!!」

 

「フッ!」

 

月明かりの下でセブンが額のビームランプから『エメリウム光線』を連続発射するが、左右に揺れるラドンに回避された。

 

ラドンは急速旋回してセブンの方に向くと、その翼を一層大きく広げ、体を回転。

 

そのまま独楽のように回りながらセブンに突撃していく。

 

セブンは頭の『アイスラッガー』を飛ばすも、

 

「デュッ!」

 

それはラドンの翼に弾かれ、そのまま2体は激突。

 

「キゴォォォォォォォォン!!」

 

「デュワッ!?」

 

セブンが押し負けて落下していく。

 

地面にクレーターが出来、土埃が舞い上がる中でセブンは何とか起きようとしたが、そこにラドンが乗っかって来た。

 

「キゴオオオオオオオン!!」

 

ラドンはセブンからマウントポジションを取ると、その鋭い嘴を何度も振り下ろす。

 

それをセブンは首を左右交互に傾け、反撃の機を伺う。

 

そしてラドンが一層大きく首を振り上げると、セブンはそれを見逃さないとばかりにラドンの嘴を両手で掴んで白刃取りした。

 

同時に息が塞がれ、ラドンは思わず悶える。

 

そこに更なる激痛がラドンの腹に来る。

 

何事かと振り返れば、背中に深々と突き刺さるアイスラッガー。

 

それを認識すると、ラドンは失神した。

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

残像を残す程のスピードを出して飛び回るカマキラスとメガギラスに、レオとエースは翻弄されていた。

 

目で追えぬ速さ、何処から来るか分からない攻撃。

 

見事なまでの一方的な攻撃に2体のカラータイマーは点滅を始めていた。

 

このままでは負けてしまう。

 

そう思った雪と朱雀は頭を振って気分を切り替えると、瞑目して精神を集中させる。

 

暗闇の中に響く羽音。

 

ブンブンと耳障りな音がしばらく続き、やがて途絶える。

 

直後、レオは炎を灯した右足を後ろ回し蹴りの要領で振り回し、エースは背後を振り向いて両腕を立てた。

 

「イヤーッ!」「ヴェッ!」

 

その行動は見事に当たり、カマキラスはレオの後ろ回し蹴りバージョンの『レオキック』を食らって爆発。

 

「キュキキィィィィ!!」

 

その体は炭と化した。

 

一方でエースは背後にいたメガギラスからのハサミ攻撃を腕で防いでいた。

 

だがメガギラスは本命とも言える、相手のエネルギーを吸い取る尾のニードルをエースに突き刺そうとする。

 

それを視界の片隅で見たエースは急いで跳躍すると、メガギラスを軸に宙吊り状態になる。

 

すると尾のニードルを突き刺せなかったばかりか、下に回ったメガギラスは重力に従って落ちていき、エースの下敷きになる。

 

「キュエエエエエエエエエ!!」

 

エースのクッションになったメガギラスは悶え苦しみ、さらにエースによって尾を引き千切られた。

 

「フンンンッ……テェエエエエエエン!!」

 

「キュエエエエエエエエエ!!!?」

 

こうなればメガギラスに切り札は無いも同然で、慌てて翅を羽ばたかせて空に飛び立とうとするも、その前にエースの蹴りを食らって大空に吹き飛び、エースはその隙に体を捻って両腕をL字に組んで『メタリウム光線』を発射。

 

「トワァァァァァァ!!」

 

メガギラスに直撃させ、その体を爆発させた。

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

ジャックはガイガンの体に右パンチを三発、左パンチを三発叩き込み、ガイガンの頭を押さえ付けるとその額に膝蹴りを三発打ち込む。

 

「ヘヤッ!シェヤッ!ヘヤッ!」

 

そして右ヤクザキックを叩き込む。

 

「ダハァー!!」

 

後ろに数歩後ずさるガイガンに、続いてタロウが飛び込んでいき、その胴体に連続パンチを素早く何度も叩き込む。

 

「キシェェェェェン!!」

 

咆哮したガイガンは右腕のブラッディ・トリガーと、左腕のブラッディ・チェーンソーを同時に振り下ろすが、タロウはバク転で避け、ウルトラホーンから発射する『アロー光線』でガイガンの両腕を切り落とす。

 

「キシェェェェェェェン!!」

 

近接用の武器を落としたガイガンは、モノアイから発射する拡散光線『ギガリューム・クラスター』を撃ち、ジャックとタロウに直撃させる。

 

「アーッ!?」「ンンーッ!?」

 

立ち昇る爆炎と煙。

 

ガイガンは勝ったと思ったのか、爆炎に背を向ける。

 

それに思わず果南と、神田明神にいる千歌は息を呑むが、それは杞憂に終わる。

 

何故なら晴れる煙の向こうに、ジャックとタロウはしっかりと立っていたから。

 

そしてジャックは左手首の『ウルトラブレスレット』を『ウルトラランス』に変えて、ガイガンに向かって投げる。

 

「シェヤッ!」

 

それはドスッと、余裕をこいていたガイガンの胴体を貫き、その隙にタロウは上に挙げた右手に左手を重ねてから腰の左右に両腕を持っていき、体を虹色に輝かせてエネルギーチャージ。

 

『ストリウ~ム、光ぉ線!』

 

異変を悟ったガイガンがこちらに向いた瞬間に、両腕をT字に組んで『ストリウム光線』を放った。

 

虹色の光線はガイガンの頭に直撃、そのまま吹き飛ばして、機能停止に追いやった。

 

そしてジャックは右足を前に出し、腰を落とすと右腕を右太もも辺りに乗せる。

 

すると右足にエネルギーが溜まり始め、やがて青白く発光する。

 

「ヘァッ!!」

 

ジャックはそのまま高く跳び、空中で1回転する。

 

そして右足を突きだして当てる蹴り技『流星キック』を残ったガイガンの胴体に当てて爆発させた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

(BGM:ウルトラマン戦闘曲『危機』)

 

一度モンスターXから距離を取ったゾフィー、ウルトラマン、80、ウルトラマンドライグ。

 

その四体にモンスターXは目から放つ引力光線『デストロイド・サンダー』を放つ。

 

複雑な軌道を描いてやって来る雷状の光線を四体のウルトラマンは宙返りで避け、最初に80がモンスターXに接近する。

 

「ショワッ!」

 

右回し蹴り、左後ろ回し蹴りを交互に繰り出して何発か当てていき、次に右手に出した光の槍『ウルトラレイランス』を斜めに斬り下ろし、返す形で斬り上げ、次に真横に斬りつけるのを何度も往復するようにやっていく。

 

斬られる度に火花を散らすモンスターXだが、唐突に回転するとムチのような尾を80の頬にぶつけて後退させる。

 

「ショワッ!?」

 

そして膝蹴りを80の顎に当ててダウンさせる。

 

「ショワッ!?」

 

次にウルトラマンが接近し、上段回し蹴りでモンスターXの注意を逸らせると、その腹に両手で連続チョップをする。

 

「ヘヤッ!」

 

そして蹴り飛ばし、光の回転ノコギリ『八つ裂き光輪』を放つ。

 

「シェヤッ!!」

 

それは諸にモンスターXの胸に当たるが、ゴジラと同等のタフネスを誇るモンスターXは意に返さず、逆にデストロイド・サンダーでウルトラマンに反撃する。

 

「アーッ!?」

 

吹き飛び、空中で何度も回転してから地面に落ちるウルトラマン。

 

「シェヤァァッ!!」

 

次にゾフィーが殴りかかるが、モンスターXは右腕で弾く。

 

次いでゾフィーは空中に浮き、連続蹴りをするが、モンスターXは怪獣とは思えない程の正確さで全て捌いていく。

 

そしてモンスターXはドロップキックをゾフィーに食らわして、大きく吹き飛ばす。

 

「アーッ!?」

 

 

(BGM:Burning my Soul)

 

最後はウルトラマンドライグ。

 

籠手から赤い光弾『ドラゴンショット』を連続で撃つUドライグだが、モンスターXはデストロイド・サンダーで相殺。

 

それを見たUドライグは赤龍帝の籠手をライフゲージの前に持っていき、振り下ろすと体が青の波紋に包まれる。

 

《Knight!》

 

胸と肩の鎧の赤はそのままに、腕・足・体の赤が全て青に変わる『ナイトモード』になる。

 

そして籠手から光剣『アスカロンセイバー』を出すと光速で接近して、すれ違い様にモンスターXを斬る。

 

「ジェヤッ!」

 

これにはモンスターXも火花を散らして怯むが、再びUドライグが接近して来るのを察知すると、ジャンプして回転、尻尾をぶつける。

 

「グアッ!?」

 

慣性の法則に従ってUドライグは吹き飛び、ゴロゴロ転がるが、その隙に紫の波紋を浴びてタイプチェンジする。

 

《Rook!》

 

怪力と格闘に優れた紫の姿『ルークモード』に。

 

そして一ッ飛びで接近すると、モンスターXの顔を何度も殴り付ける。

 

「ジュオアアアアアアアアアアアアア!!」

 

一撃一撃が必殺技並みのパンチを連続で浴びるモンスターXは大きく仰け反る。

 

それを逃さずUドライグ・ルークはモンスターXを蹴りつけて、大きく後退させると、今度は緑の波紋に包まれてタイプチェンジする。

 

《Bishop!》

 

今度は脇腹のラインが緑で、後は赤と銀、籠手の手首には『ドライグスラッガー』という宇宙ブーメランが付いてる姿『ビショップモード』になる。

 

Uドライグは、額に右手を念仏のように添えると、モンスターXに向かって緑の光線を発射する。

 

『ドラゴンサイキック!』

 

緑の光線はモンスターXに絡み、空中に浮遊させる。

 

『ドライグスラッガー!!』

 

「シュアッ!!」

 

Uドライグは籠手のドライグスラッガーを取り外し、モンスターXに向かって投げる。

 

ドライグスラッガーは、Uドライグの脳波によって動く。

 

その為、縦横無尽に不規則に動き、モンスターXを斬りつける。

 

ここで一誠は言う。

 

『今です!』

 

それにウルトラマン、ゾフィー、80は頷き、必殺技を放つ。

 

ウルトラマンは両腕を十字に組んで『スペシウム光線』を。

 

「シェヤッ!」

 

ゾフィーは胸の前で指先を合わせ、右腕を後ろに引いて、エネルギーを溜める。

 

そして真っ直ぐ伸ばして、必殺技『M87光線』を放った。

 

「ヘヤッ!!」

 

80は右腕を真横に、左腕を斜め上に伸ばし、L字に構えて必殺技『サクシウム光線』を発射。

 

「ショワッ!」

 

三人のウルトラマンの必殺技は空中に縛られているモンスターXに直撃、爆発が起きるとそこからモンスターXは落ちてくる。

 

しかしまだモンスターXは生きていた。

 

三人のウルトラマンの必殺技を受けたにも関わらず。

 

四体のウルトラマンは僅かに焦りを覚えるが、何を思った