BLEACH~ほんとはただ寝たいだけ~ (真暇 日間)
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オリ設定集~ネタバレもあるよ!~

 

 四楓院夜一の斬魄刀について

 

 名前は『明神』。解号は「(まろ)ばせ」。賽子型の斬魄刀。

 能力は未来の固定。サイコロを振って出た目にあわせて未来が変わる。ユーハバッハが未来を破壊しつくした場合、その未来に行く目は出なくなる。

 確率が0でなければ1%まで引き上げることもできるが、夜一は『目が小さければ小さいほど自身に有利なことが起こる斬魄刀』程度の認識しかしていない。そして賽子の目で未来が決まることが嫌な夜一はよっぽどの状況でなければ自身の意思で使おうとはしない。

 

 卍解『ちくわ大明神』

 

 可能性の神ともいえる斬魄刀。ユーハバッハにあらゆる未来を破壊されつくしたとしても、存在しない未来を作り出してそれを現実にすることもできる。ただし確率は最大1%。

 完全に独立した意志を持って動き、現実には存在しない場所で勝手にサイコロを振って世界中に様々なことを起こし続けている。たまに腹筋が死ぬ。

 夜一には自身の名前を伝えていない。

 

 裏話

 

 実は色々と形について考えられていた。超巨大なパイルバンカー型(動きがクソほど鈍るので使わない方が強い)とか、衛星軌道上に存在するバンカーバスター型(尸魂界では遮魂膜に阻まれて使えない。現世では被害半径がでかすぎて使えない)とか、ペン型(文字通りただのペン。書いた内容を具現化できるとかも考えたけどそもそもそれならもっていかない理由がないよなと考えて没)とか。

 そんな思考を過ぎて夜一の自由人な性格から『自身の未来を運で決められる』という斬魄刀にすることで精神的に嫌だと思わせて百年前に置いて行かせ、更に実際に使う時にこちらが色々と遊びを入れられるようにしている。一護の発狂が都合のいいものになった原因とか、たまに混ざる奇妙な夢の原因とか。

 

 

 

 

 完現術について

 

 原作における完現術は『母親の腹の中にいることの虚に襲われたものが身に着ける可能性のある技』ということになっていたが、幼いころに襲われた一護や高校生になってから襲われたチャド、井上等も身に着けていたことから『虚の霊圧を身体に取り込むことで霊体が変質して使うことができるようになる』と作者は認識した。

 そんなわけなので、戦いの中でもしも再び虚の霊圧を取り込んでいった場合、新しく完現術が発動する可能性はゼロではないとこじつけてみた。

 要するに……原作以上にチャドが強くなるよ!やったね! 井上もだよ!

 

 

 

 

 千年血戦篇について

 

 霊王の左腕とか心臓はどうするの? という質問がもしかしたらあるかもしれませんが、はっきり言いましょう。もう存在しません。

 左腕たるペルニダは一夏の出した武器に侵食した結果一夏の武器=千の顔を持つ英雄の一面を持つようになり、千の顔を持つ英雄=一夏の武器である以上一夏はそれを自在に扱える能力を持ちます。つまり、霊王の左腕は一夏の物になりました。

 心臓たるジェラルドは一夏の武器となったペルニダに侵食されてペルニダと合一。一夏の武器になりました。

 ……え? パンジャンにしてないのか? 流石にこんなクソ危ないだけのパンジャンとか作るわけが(ナパームクラスターパンジャンを横目に)……ナイジャン?

 

 そんなわけなので、もしも千年血戦篇がこれから先に起きることが万が一あったとしても星十字騎士団は存在せず、見えざる帝国も存在せず、ユーハバッハも知識を司る脳や心臓などを完全に失った状態での参戦になり……まあ、お察しと言う事で。

 

 

 

 

 一夏の斬魄刀について

 

 一夏の斬魄刀は片方は二枚屋王悦の作ったものですが、もう片方は一夏の千の顔を持つ英雄です。千の顔を持つ英雄なのであらゆる武器になります。相手の武器をコピーとか言っていますが、単純に新しく作っているだけです。要するに千の顔を持つ英雄で作った斬魄刀の能力は現状確認されていません。

 ただし、この世界の存在である霊子で作り上げた際にいくつかの種類の霊子を混ぜ合わせて再現した特殊な十二の形態を完成系変体刀として普段使いしています。

 

 絶刀・鉋 虚の鋼皮と死神の斬魄刀からできている頑丈な刀。卍解は『不毀の湖光(デュランダル)』……ということになっています。ただ物理的に頑丈なだけの刀から、物理的にも概念的にも折れなくなる感じです。

 

 斬刀・鈍 死神の斬魄刀の特化型。とにかく斬れる以外は普通の刀。卍解は『二次元の刃(イビルメタル)』。触れれば斬れるから触れなくとも斬れるようになります。

 

 千刀・鎩 死神の斬魄刀。普通の浅打。ただし無限に増える……ということになっている。実際には普通に作るだけ。卍解すると他の刀も増やせるようになる……という設定。卍解は『千の顔を持つ英雄』

 

 薄刀・針 斬魄刀と滅却師の動血装。なおこれで居合するのが一番早い。斬刀は実は二番目。卍解は『錆』。あらゆる棒状のものを刀とできる

 

 賊刀・鎧 虚の鋼皮と滅却師の静血装。防御力は随一。卍解は『巨鎧兵』。スパロボです。

 

 双刀・鎚 全てを満遍なく。お陰で重量が凄い。卍解は『如意禁箍棒』。重い武器で一番最初に知ったのがこれになります。

 

 悪刀・鐚 虚の超速再生と滅却師・ペルニダの浸食。卍解すると名前そのまま寄生型回復用ナノマシンに。正しい手順で取り除かないと自爆します。

 

 微刀・釵 完現術。自動人形として動き回ってくれる。卍解しても自動人形。賊刀と合わせて使うと効果的。

 

 王刀・鋸 人間と死神。毒性を浄化する刀。卍解すると無名の逆刃刀になる。無名だから当然名前も無い。と言うかそもそも卍解するときに名前を呼ぶ必要もない。

 

 誠刀・銓 完現術を基礎に他を少しずつ。自分の精神に作用する系統の刀だが、他人に使わせることで他人の精神を落ち着けたりもできる。王刀使わせた方が早いとか言ってはいけない。卍解は現状存在しない。

 

 毒刀・鍍 虚特化型。精神に作用し、力を持つと振るいたくなるという思いを増幅する。王刀を持ってると対抗できる。滅却師が持つと虚の霊圧に侵されて死ぬ。卍解は『妄想毒身』。わかれ。

 

 炎刀・銃 滅却師特化型。遠距離攻撃を行うことができる。卍解は『ミサイルサーカス』的なあれ。ちゃんと鬼道とか虚閃とかも撃てるから大丈夫。

 

 

 二枚屋王悦の作った方の斬魄刀の能力ですが、本編にあった通りに相手の状態を写し取り、そして自身の状態を反映させる能力です。写し取ったものが傷つけば同じように傷つき、写し取った自身が傷つけば同じように写し取られた対象も傷つきます。流石に変顔しても変顔したりはしません。

 そして二枚屋王悦の斬魄刀は死神の力の結晶であると同時に虚の力の結晶でもあります。虚化しても帰刃しても見た目は変わりませんが、霊圧が虚寄りになったりはします。

 

 

 

 

 その他追加中

 



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原作開始前 BLEACH~01

なんか令和になったので初投稿です(雑)


 

 side 織斑一夏

 

 死後の世界と言うのは様々だ。例えば霊体として地獄に行き、裁判を受けることになったり、あるいは適当に現世を彷徨ったり、特殊な所では英霊の座に登録されて色々な世界に呼び出されたり、あるいは死んだ先に物語などなかったり。

 しかし、作品によっては死んでからが本番と言う物もある。幽☆遊☆白☆書はその筆頭とも言えるが、それ以外にも死ぬ、あるいは死と同様に身体から魂が一度抜けてからが本番という作品もある。転生前の俺でも知っている作品だと、BLEACHと言う作品がそれにあたるはずだ。

 

 ……そして今、おそらくそのBLEACHの世界だと思われる場所に来ている。理由? 日本刀持った黒い和服の奴らが死神名乗ってそこら辺にいる幽霊の額に柄の先端当ててなんか判子みたいな感じのが付いたと思ったら尸魂界とか言う所に行くんだ安心しろ、みたいなこと言ってる世界とかそこしか無くね? あとなんか仮面被った化物が暴れまわろうとしてるところにそいつらが現れて仮面叩き割ったら消えるとかそれしか無くね?

 まあともかく、そんな感じで俺が今いるこの場所はブリーチにおける現世だと判断した。ついでに自分の身を守るために色々と特訓とかもしてみたが、必要無かったような気もする。

 いやほら、俺って大本英霊だろ? 要するに一般人と比べて魂の質量と言うかなんと言うか、まあともかく質が大分違うわけだ。例えて言うなら、一般人は掌サイズのプラスチック製のスポンジで、英霊は人間大かそれより大きい鉛の彫像ぐらいの差がある。完全に別物ですね解ります。

 そして仮面の化物……なんて言ったかな……まあいいや、仮面の化物はスポンジに水を含ませて重くした感じで、それが寄り集まってできたでかいのは水を吸ったスポンジの集合体みたいな感じ。で、それらが食い合ってできるのは水ではなくスポンジ部分を増やして重量と強度を上げていく感じだな。かなり雑な認識だと自分自身思っているが。

 

 さてそう言う訳で俺も簡単に死なないために霊力の修行をすることにした。斬魄刀は……出せた。ただ、斬魄刀は本人に馴染ませた方がいいとかなんとか言う話があった気がするのでまずは馴染ませるところから。剣技に関しては霊力という意志の力の通りやすいものを扱うことで二の太刀とかそう言うのがかなりやりやすくなっているので心配はしないが、術とかそう言うのに関しては全く分からん。最終的に霊圧が全てだ気合で殺せとか言う脳筋過ぎる戦法こそが正義な気もするが、この世界結構矛盾が多かったりするから信用できないんだよな。

 まあともかく普通に人間として生きてきた俺だが、死んでからの方が長かった。死んだら大抵座に戻るんだが、ここでは魂が死ぬまで戻れなさそうだ。魂が死んだら普通は完全消滅だろうと思うんだが、俺の場合は違うらしい。理由は不明。

 そんなわけでそれなり以上に昔々の話だが、一応人間として生まれた俺は現世でそれなりの間霊媒師のような仕事をして食っていた。当時の人間達は結構霊的な能力を持っている奴が多く、見るくらいは誰でもできて更にある程度戦うことができる奴も多かった。そんな中でトップクラスの戦闘力を持っていた俺だったが、俺の戦い方ってのはあれだ、虚とか滅却師に似ているらしくどんどんと現世の方に魂の比重が傾くからやめろと死神からストップがかかるくらいになった。だったらそもそも被害が出る前に対応しろと返してやったし、暴力に訴えようとする奴には暴力で返してやった。霊圧差か何かは知らんが結構勝てんのな。

 だが人間の身体であると言う事は即ち老いると言う事。そして時間が過ぎればやがて死ぬと言う事。はい、寿命で死にましたとも。なんか胸の鎖が気持ち悪いから霊力操作を応用して身体に取り込んでみたらなんか取り込めてしまったので俺はある意味完全な霊体としてこの世界に存在することができるようになってしまったわけだ。意味が解らん? 安心しろ、俺も意味が解らん。世の中意味の分からん事ばかりだな、本当に。

 

 あ、あとなんか虚的な力に目覚めた。これあれだ、完現術とか言う奴だ。ちなみに媒体は多分俺の魂そのものだ。相変わらず凄まじいものを作るよな俺。どうも『健康である』という能力らしく、傷を負ったり疲れたりしたら即座に回復するらしい。しかも次に同じ質の負荷が掛かったら損傷を半減か無効にする効果付き。某運命の十二の試練かな? 流石に蘇生は無理っぽい……と言うかそもそも試す気にもならないが、多分無理だろう。多分。

 虚っぽい力に目覚め、死神のっぽい斬魄刀を使えるようになった。となれば後は滅却師っぽい能力の練習をするべきなんだが……あれって結局のところなんなん? 周囲の霊子を使って武器を作って打ち出すってことしかわからん。あれだな? 死神は自分の持ってる霊力で戦うが滅却師は周囲の霊子を集めて戦うという感じの、燃費だけ考えれば間違いなく滅却師の方が遥かに良いと言い切れる感じの奴だな?

 ともかくよくわからんので周囲の霊子への干渉だけはできるようにしておいたが、これって死神が空中に立つときとかにやってるから滅却師特有のってわけではないと思われる。いったい何をどうすれば滅却師なんだ……?

 




Q.初手から大分やらかしてません?
A.自覚はあるからほっといて……

Q.斬魄刀、完現術、滅却師、虚擬き……一話から飛ばしてますな
A.これから多分もっと飛ぶ。


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BLEACH~02

 

 side 織斑一夏

 

 死んでからしばらくの間、なんかよくわからんが虚に襲われたり死神の相手をしたりしながら過ごしていたが、ようやく死後の世界、この世界で言う尸魂界に行くことができた。成仏していく奴の後を追おうとしてみたり、死神の移動方法とかを見て真似ようとしてみたりと色々やったが、結局空間ぶった切って入るのが一番楽というね……ちゃんとした術式を学ぶことができれば話はまた変わってくるんだろうが、学ぶ場所が今のところ無いからな。仕方ない。

 見て覚えることができたのは精々鬼道と呼ばれる術の一部くらいだ。なんかオサレな詠唱をして、格好よく構えて、なんか出る。時々詠唱しないで出している奴もいたが、多分あれだろ、詠唱破棄とか無詠唱とかそんな感じに呼ばれる方法があるってことだろ。多分。

 そしてそう言う方法があると言う事は、ああいう術は霊力……多分霊力を正しく運用すればちゃんと使えるものであると言う事だ。多分な。

 

 さてそういう事でようやっと尸魂界に到着した俺は、色々と面倒ではあるものの死なないようにするために色々と学ぶことは辞めないでいた。そろそろ原作も忘れているし、霊子でできた原作本を出して内容を読み、ある程度思い出したり新しく覚えたりしながら霊力の扱いを覚える。あとあれだ、霊圧ってのは本人の持つ霊力の密度だ。だから使えば弱くなるし卍解したりして出力が上がると強くなる。そういう事だろう。

 俺の斬魄刀? あーほら、俺の斬魄刀ってのはあれだ、千の顔を持つ英雄を使って自前で出した奴だってのは覚えているか? まあ俺の出した武器は大体そうなんだが、そもそも千の顔を持つ英雄自体が俺の魂に紐づけられている能力だ。何が言いたいかと言うと、俺の斬魄刀は千の顔を持つ英雄で、その能力は想像できる限りあらゆる武器を生み出すことができる、ってのになるわけだ。

 ……これ、斬魄刀の始解や卍解とは少し違うよな? どちらかと言うと破面の刀剣開放の方に近い気がする。使うのに解号とか必要無いし、身体の形態が変わるわけでもないから何とも言えんけど。なんか、本体とか言うのにも会えんし。

 

 ともかく面倒ではあるが勉強である。霊的な力の扱いを覚えると、恐らくだが英霊としての俺の力も強くなるんじゃないかと期待していたりするんだが、その辺りはどうなんだろうな? 実際魂って言う繋がりがあるはずだから問題なく持って行けると思うんだが……まあ頑張ろう。

 で、困ったのが霊術院とか言う所の試験だが、俺はそう言うのがよくわからん。なんかそこで斬魄刀を貰うだとかなんだとかいろいろ言われていた気もするが、BLEACHはそのあたり本当に曖昧で以前言っていたことと今言ってること違うじゃんとかそんな感じのがかなりあるから信用できん。

 あとこの世界だとある程度以上霊力持ってると腹減るのな。霊力の実用ができない奴は使ったら死ぬから消費もされず供給も必要ないようだが、ある程度以上持っていると無意識に使ってしまうようだ。あれだ、霊圧という形で垂れ流しになる感じだ。で、周囲の大気圧のような霊圧に届かなかったり拮抗するくらいの量しかない奴だと周りからの霊圧に負けて放出できないから消費されない、と。多分そんな感じだ。多分な。

 なお俺は周囲の霊子を取り込むことで自分の霊圧を上げ続ける訓練中だ。だから今の俺を見ても霊圧は一切感じないだろうが、勘のいい奴なら俺が霊子を操って取り込み続けている事を悟って俺にそう言った能力があることくらいはわかんじゃねえかな? 知らんけど。特に霊圧受けても全部吸収するから俺自身鬼道系統の技は効かんし。虚閃とかもう完全に餌です本当にありがとうございました。ただ、結構な数の魂が混じってドロドロになってる奴の虚閃はあんま美味くない。濃縮したセロリみたいな味がする。青臭い。霊子に味はあるのかって? 何言ってんだ尸魂界にも食い物屋はある。そして尸魂界の物質は全て霊子だ。つまり、霊子にも味はある。間違いない。

 

 それと俺はあまりに暇になったんで流魂街で炊き出しをすることにした。貧しい所に行っては無料でそこそこの味の物を出しては振舞う。襲ってきた奴には顔面に泰山麻婆を叩き付ける。盗みをする奴は全員捕まえて正座させ、説教の後年齢を見て辛めの物を食わせる。最大レベルはやっぱり泰山麻婆だ。美味いが辛いんだよな、あれ。

 炊き出しは結構な人気だが、毎日同じところでやるわけではない。毎日移動して別の所で炊き出しして、それからまた移動してを繰り返している。大抵子供たちが盗もうとするからさっさと捕まえて正座させてお説教から酸辣湯麵食わせたりしている。大人の場合は地獄麻婆に顔面を叩き込んでる。

 そんなことを繰り返していたら、何人かの子供達が俺に付いてくるようになった。今では助手として料理させたり皿を洗ってもらったりしているが、ちゃんと大人になったら自分の道を見つけるんやで……という思いで色々と仕込んでいる。ちょっとした戦い方とか逃げ方とかな。瞬歩は便利。飛廉脚も便利。何より響転が超便利。瞬歩は足元に霊子を固めて踏み込みの力を一とした場合の反発力を一以上にすることで行う高速移動。足元の霊圧が高まるからわかる。飛廉脚は足元を霊子で固めて霊子を操作して高速の流れを作ってそこに乗って移動する。霊子を固めるから霊圧感知に引っかかる。そして響転は霊圧を一か所低くすることでそこに流れていく移動法。霊圧が高まらないので察知されない。便利。

 まあ、瞬歩と飛廉脚の同時使用はできても響転を組み合わせるのは難しいからな。そもそも霊子が薄い場所だとあまり速度が出ないし。尸魂界より虚圏の方が霊子が濃いからそっちではより便利だろうな。完現術は……ほら、適性が必要だから、な?

 




Q.響転ってそう言う技なの?
A.知らん。こうでもなければ霊圧知覚をすり抜けて移動とか無理だろうなと思ったからそう言う設定にした。

Q.……これずっと続けてると流魂街出身の死神たちと知り合いになれる感じじゃね?
A.なりそうですね。なるかどうかはこれからをお楽しみに。


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BLEACH~03

 

 side 織斑一夏

 

 一日一万回、感謝の正拳突き。そんな修行法があるそうだが、確かにそんなことを続けていたら正拳の速度は凄いことになるだろう。また、一回ごとにしっかりと祈りを捧げて正拳突きをすると言う事は一瞬で集中力を高めることができるようにもなるはず。ちゃんとできるかどうかはその修行にどれだけ本気で取り組むかにもよると思うが、結局のところ最後に頼ることになるのは武器ではなく自分自身だ。子供達にもそのことは徹底して教えているのでそれぞれ一日百回の正拳突きを義務付けている。まあこの百回はだんだん増えていくんだけどな。

 そして正拳突きが終わったら炊き出し。これがまた体力を使うんだが、慣れって怖いな。なんか俺の出したものを食い続けたせいか霊力を少しずつ強化しているようで、自分の身体を強化して大鍋とかを持ち上げられるようになっていた。ちゃんとした食事をすれば強くなれるって証拠だな!

 なお、俺が引き連れている子供達に原作キャラは多分いない。糸目の胡散臭い関西弁の少年もいないし、茶色なのか金色なのかわからん髪色した少女もいない。と言うかはっきり言って今が原作のいつ頃なのかもわからん。なにしろ俺が生きていた時代にはカレンダーも無ければ西暦なんて言葉も無かったからな。とりあえず江戸時代よりは前だと思われる。鉄砲どころか鉄器も無かったから……いや、マジでいつだ? 石器はあったと思うが俺は自前で黒曜石を拾って研いでナイフ作ってたりしたから細かい時代は本当にわからん。あとブリーチの時代考証もわからん。

 

 まあそれはそれとして、結構な時間をかけたおかげでそれなりの情報が入ってくるようになった。まず、一番隊の隊長にして総隊長は炎を纏った刀を振るうおっさんらしい。爺さんではなく、おっさんらしい。つまるところかなり昔だってことがよくわかるわけだな。一体どれだけ昔なのかは知らんが、まあ二千年強って所だろう。

 そして、霊術院……今の名前で言うと死神統学院は既に開かれていて、ついでに死神はそこで色々な術を学んだりもするようだ。一応斬魄刀って物が周知され、浅打が大量に用意されるようになっているそうだから零番隊は発足済みなんだろう。斬魄刀を作った奴、尸魂界の全てに名前を付けた奴、義魂を作った奴、回道の先駆者、マジキチ技術者……なんと言うか本当にどいつもこいつも頭がおかしい。特にあれだ、全てに名前を付けた奴とか完全に頭がおかしい。相手の名前を知っているとか呪術においてこれほどのアドバンテージは存在しないし、名前を知っていてなおかつ覚えていると言う事は即ち相手の能力なんかも全て理解していると言う事になる。それに加えて塗り潰しと書き換えまで可能となると死神で勝てる奴とかいないんじゃないか? 特に尸魂界で生まれた死神は絶対無理だと断言できる。なぜならそれは即ち尸魂界の全てに名前を付けた男の掌の上にあると言う事だからだ。

 もしも死神でそれに対して何かできる奴がいるとしたら、現世生まれの死神くらいだろう。それも純粋な死神ではなく色々混じっていた方が恐らく勝率は上がる。そんな奴は早々居ないだろうが。

 

 それはそうと俺の斬魄刀、千の顔を持つ英雄ではない浅打としての意識が芽生え、さらに俺に馴染み始めたようで変化し始めた。ただし、その姿はどう見ても俺なんだよな?

 まあそれはそれで楽しみにしているが、きっと頭おかしい能力なんだろうなと。どんなだ? この世界で手に入れた技術は多分座にまで持ち帰りが効くだろうから便利なのがいいんだが……可能ならトリッキーな奴の方がいい。そう言う奴の方が面白いからな。まあ俺の現身みたいなもんだと聞いているし、多分滅茶苦茶な奴になるだろう。

 

 今日も今日とて炊き出しと移動だ。移動する度に何かしらの脅迫やら誘拐やら窃盗やら強盗やらが起きたりもするが、とりあえずそう言う奴は全員叩き伏せている。炊き出しで食った奴にさらにもう一杯とかはしない。邪魔だからな。そして移動の度に子供達が増える。大人がせめてこの子にはひもじい思いをしてほしくないと思って渡してくる感じか、もしくはこのままこの場所に居たら死ぬと思った孤児たちが勝手についてくる感じなんだろうが……まあ、追ってくるだけなら止めないし排除もしない。殺すだけなら結構簡単にできるしな。霊圧と剣術だけで現世と尸魂界の間の壁を切り捨てて乗り込んで来たやつを舐めんなって話だ。

 と言うか、殺すだけなら刀も霊圧も必要ない。そこそこの殺気を叩き込むだけで意識を失うくらいはするだろうし、全開でやれば多分周囲の生き物は大抵死ぬ。虚を相手に実行したら塵になったことがあるからまず間違いない。ただの霊相手ならそれだけで十二分だ。多分やらんが。

 

 ……そろそろ、ちゃんと学びに行ってみるか。統学院。優秀なら誰でも入れるそうだし。

 




Q.そんな前なの?
A.そのくらい前です。

Q.ちなみに統学院に行ったとしたら孤児たちはどうなるの?
A.与えられた畑を耕したりしながら元気に過ごすと思われる。


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BLEACH~04

 

 side 織斑一夏

 

 一番最初に俺の所に来た子供たちが成人したのをきっかけに、俺はちょっとした新しい世界を作ることにした。まあ簡単に言えばいつもの奴だな。霊子についてはそういう物だという理解で千の顔を持つ英雄で大量に放り込んで行けばいいだけだし、なんとでもなる。

 その上でその世界で様々な物を育てる班とそれを炊き出しとして配り歩く班に分けてそれぞれの班に班長を置いた。俺が多少修行を付けた以上そこそこに強くはあるが、実際の戦闘なんかはやっていない以上どのくらい強いかは不明。一応俺を呼ぶ鈴とそれぞれの世界を結ぶ紐の腕輪を作っておいたから、まあ後は自由にやるだろう。別に炊き出しを続けるべきだとは言わんし、俺がやってきたように孤児の引き取りなんかもやる必要はない。俺が住むための小さな家を一つ分、それだけ残っていればいいと言ったしな。

 

 ……そう言う訳で俺は今、統学院に通っている。鬼道系統はよくわからんが結局のところ術式だろうから色々と自作してみたが、霊力と相性のいい術式って詠唱式なのな。あれだ、言霊系統使うのが一番楽。なるほど、それであんな感じのオサレな言葉になるわけか。

 俺の場合は色々あれだ、言霊使いとしては結構な腕でな。概念術に通じるところもあるから便利だぞ。相手の名前を覚えられないから敵対時に役に立つことはあんまりないけども。

 で、言霊を使うことをしっかり意識しながらやってみたらかなり簡単にできてしまった。何度かやれば感覚は覚えるのでそれで覚えて、最終的に九十番台とか言われる鬼道も習得できた。一年目で鬼道に関しては卒業レベルとお墨付きを貰った。

 

 二年目。鬼道の方は感覚を覚えたので適当に新しい術式を組み上げつつ体術と歩法を学ぶ。とりあえず最高速度と小回りと一歩で移動できる最大距離を鍛えつつ鬼道と体術を合わせてみる。確か原作でこんな感じの技があったから俺も使うと言うだけだ。と言うか鬼道と剣を一緒に使うって考えがあるのに体術と鬼道を一緒に使うって考えにならない理由がよくわからないんだよな。斬魄刀が自分自身である以上、斬魄刀じゃない自分でもできて当然だと思うんだが。

 まあそんなこんなで二年目は終わり、鬼道と体術、歩法は卒業レベルを遥かに超えていると言われた。

 

 三年目。ようやく斬拳走鬼の四つ目である剣術を学ぶ……が、実のところ剣術も剣道も色々と覚えているので学ぶほどの物が無い。特技は篠ノ之流の居合だが、あれって女子供の護身術だから非力な奴が使うべき術理の流派なんだよな。いや、時代が追いついていないせいもあってかかなり使えるけども。大抵の奴は一刀両断できるけども。霊圧込めれば空間ごと切り捨てたりとかもできるから多少の加減が必須になったりもしたけども。あと、才能がある奴が始解を見せびらかしてきたのをガン無視して切り捨ててやったりもした。原作でも終盤まで卍解どころか始解すらしていないまま隊長格になった挙句戦闘部隊で最強クラスだったような馬鹿もいるしな。できるできる。

 なお、俺の斬魄刀はちゃんと俺のになってはくれた物の俺に名前を教えても無駄だってのをよく理解しているようで名前は教えてくれなかった。仕方ないな。

 ただ、能力については教えてくれた。相手の能力の完全模倣だそうだ。ただし、斬魄刀のそれに限る。

 ……つっかえねえ、と思ったらまさかの本人が同意してくるという事件があったりもしたが、ともかく三年目が終わった頃にはもうどこの隊に入っても席官を務められるレベルだとすら言われるようになった。多分事実だが、まあ何でもいいわな。

 

 四年目……と行きたいところだが、なんでもこの学校始まって以来一度も無かった事になるそうだが、飛び級が認められることになった。まだ始解ができていないからと突っぱねさせてもらったが、そうしたら俺の授業は自由になって代わりに斬魄刀の始解をすることができたらその時点で卒業と言う事になった。

 あと、俺が作った方の元浅打は既に始解ができるんだが名前をちゃんと覚えるまで呼ばないように言われていて、入学時に貰った方の浅打は……あれだ、すっげえ理不尽な能力に目覚めてしまった。

 まず、名前が無い。しかし呼べばその形になる。何が言いたいかと言えば、例えば某完成系変体刀の名前を呼べばそういう形になるし、そう言う能力になる。例えば某竜物語のきせきのつるぎなんてものがあるが、その名前を呼べばそれになる。斬ったら回復するようにもなる。

 そして、他人の斬魄刀の名前を呼べばそれになる。能力も全く同じものになる。恐ろしいのは斬魄刀と言っても死神のそれに限らないところだ。

 ……一番やばいのは他人の名前で呼んだらそいつそのものの肉人形のようなものになり、それを殺すとその姿の元になった奴も死ぬって能力があることくらいか。なおこれはどれを真似ても同じ、他人の斬魄刀を真似た上で折れば元になった斬魄刀も折れるし、それが卍解だった場合は可哀想なことになる。卍解は治らないそうだからな。

 問題は、俺は名前を呼べないってことくらいだが……まああれだ、こいつは『(なまくら)』と言う事にしておこう。解号は……あれだ、単純明快に『斬れ』でいいや。そういう事にしておこう。何しろ斬刀だしな。

 

 さあ卒業だ。

 




Q.自前の方はともかく貰った方の能力やばくね?
A.普通に使っていれば攻撃系、しかし呪詛系の能力もあり。便利!それに自前で作った奴は要するに完全に自分でしかないわけで……自分にできないことができるようになるわけがないんですな。この世界では憑依という形で自分以外を取り込んでいるわけではありませんので。
 その点、貰った方は一応この世界生まれなのでちょっと能力に幅が出ました。

Q.……これ『しら筆一文字』とか真似た上で折ったらどうなんの?
A.真名呼和尚が二度と物に名前を付けられなくなります。たーいへん。


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BLEACH~05

 

 side 織斑一夏

 

 どうもこんにちは織斑一夏です。今俺は席官間違いなしと言われた実力を微妙に発揮して現世で適当に虚を虐殺している所だ。とりあえず出たら狩る。それだけ。時々賞金がついてたりするから中々悪くない稼ぎになるんだが、ついつい他の死神の範囲まで行ってしまい怒られることもそれなりに。来るのが遅いのが悪いと思うんだが?

 いやだって何あれ、頭おかしいんじゃないの何あの遅さ。現世で全力とか全然出せない俺の十分の一どころじゃない速度、あれで本気とか流石に笑う。と言うか俺の目の前で背後からの虚の襲撃に気付きもしないで死にそうになってたところを助けたにも拘らずこれとかもしかして俺は救わない方が良かったですかね? とかまあ色々と言ってしまった結果、十一番隊の所属にされてしまった。強い奴が偉い、という十一番隊だが、俺は別にバトルジャンキーではないのでまあ適当に。

 ……なお、売られた喧嘩は全て買ってやったが後悔はしていない。一部は斬魄刀を使わないで戦って勝ったりもしたが、なんで喧嘩を売ってくる相手は減らないんだろうな? お陰でいつの間にか副隊長だよこん畜生。拒否ったのに……。

 

 なってしまったものは仕方ないので副隊長としての仕事は最低限終わらせつつ適当に休みを取っては流魂街の異世界に残してきた子供たちを見に行ってのんびりする日々。たまに戦闘があるがまあ負けんわな。多分今の隊長相手なら直接斬られても斬れねんじゃね? ってくらいには頑丈だからな、俺。

 ただ、俺の斬魄刀の名前ってことにしてしまった鈍はとにかく斬ることに特化したものだ。加減はできないし刀身に触れれば斬れる。物理的に斬ることに関してこいつに勝る斬魄刀は現状存在しない、とまで言われるようになった。実際には無い事は無いんだが、無いってことにしておいた方が平和だから別にいいや。

 

 で、事件には極力触れないようにして生きてきたわけだが……副隊長ともなればどうしても巻き込まれることが増えてしまう。荒事専門の十一番隊は難しい事には関わらないことになっているからまだ助かっているが、十一番隊の中で特に話がわかると言われて重宝されるようになってしまったのは痛恨の極みだ。俺は割と自由人な方なんだが、目でも腐ってたのかね?

 最近巻き込まれた中で面倒臭かったのは滅却師との抗争だろうか。護廷十三隊の殆どが投入されたらしいが、俺は大した活躍をしないまま普通に終わってくれたので助かった。面倒だからな、ああいうのは。

 

 ……ああそうだ、やっとちゃんと名前を覚えたので俺の作った方の斬魄刀の名前を呼んでいいと本人からお許しが出たので紹介しようと思う。

 形態に関しては基本そのまま、ただし始解をすることで知っている斬魄刀を写し取って再現するんだが、ここで一つポイント。こいつ、形が無いのが形みたいな斬魄刀であるため増やせる。片手に鏡花水月、片手に鈴虫、背中に黒縄天譴明王。ちなみに同じ斬魄刀の始解状態と卍解状態を同時に使うこともできなくはない。

 ……まあともかくそんな感じに増やせる。そして鏡花水月の幻術の中にいない間に鏡花水月に触れていれば能力の効果は出ないって制限があるそうだが、俺のが真似た鏡花水月でも問題ないらしい。写してるからな。

 始解の名前は『照魔鏡(しょうまきょう)』。解号は『写し取れ』。卍解しても照魔鏡のままだが解号が『写し盗れ』になり、まあ簡単に言うと相手は俺が真似ている間は卍解も始解も使えなくなる。滅却師が襲撃して来た時に使ってたあれの上位互換みたいな感じになるわけだ。

 あと、俺が盗んでいる間に持ち主が死んだら俺の手元に残るようになっている。地味だと思ったが中々……いやでもはっきり言って千の顔を持つ英雄で相手が使えなくなるところ以外は完全再現できるんだよな。やっぱりあまり使えない。

 

『わかる。実際俺なら結構普通にできるよな。一応相手から奪うって能力付けたのは英断だった』

 そうだな。それが無かったら多分存在忘れてたと思う。

『ああそうそう、俺はお前だ』

 知ってる。

『つまり、自分の名前をちゃんと覚えている保証が無い、ってことだ』

 ……なるほど。確かに俺もちゃんと名前を覚えるには見本のような物が無いときつかった。こいつが俺ならそうなるな。要するにこの能力は殆ど俺の能力であって斬魄刀由来では無いと。

『一応奪い取るのは斬魄刀由来だぞ。だから多分大本はそう言う能力なんだろうな』

 奪い取る、使えなくする、そう言う系統の能力か。なんかあれだな、敵キャラに居そう。

『わかる』

 で、最後には主人公一人を相手にして個人ではなく絆の力で負けてその力を失う感じな。

『あーそれっぽい。もしそれに続きがあったとすれば、唯一付いてきてくれた無邪気だけれど有能ではない腹心あたりに絆されて似たような、ただし奪うんじゃなくコピーする系統の力を使えるようになって帰ってきそう』

 すっげーわかる。まあ俺には適用されないだろうけども。

『だな』

 

 そもそも俺は誰かを率いるとか絶対無理なタイプだ。気ままに個人でやってる方がよっぽどいいんだが……そう言う点では十一番隊は中々いい職場だ。脳筋が多すぎるのとバトルジャンキーが多すぎるのとそいつらに四六時中戦いを挑まれるのが面倒ではあるが。それ以外は結構いい職場なんだ……。 

 




Q.副隊長まで速くね?
A.九十番台の破道と縛道、最強クラスの剣術とそれに誂えたかのような始解、莫大な霊力量。これらを併せ持った奴が一般死神のままでいられるとお思いで?

Q.名無しの斬魄刀とどう違うの?
A.奪って使うから相手が使えなくなるのが照魔鏡(仮)、見た目と能力を真似てかつ自身の状態を相手に押し付けるのが名無し。状況次第。


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BLEACH~06

 

 side 織斑一夏

 

 さーて問題です。原作におけるBLEACHでは護廷十三隊の隊長格になるためにはいくつかの条件がありますが、その中でも強ければ許されるという意思が最も強く出ているのはどれでしょうか?

 まあわかるな。200人以上の隊員の見る前で隊長と決闘をして勝ったら隊長になれる、ってやつだ。十一番隊で最も多い隊長のなり方だな。ちなみに俺も結構挑まれているんだが、問答無用で殴り倒してやればまあ問題ない。実際に問題らしい問題が出た事は無いし、殴り倒された方も畜生次こそ俺が勝つ的な感じで後に残さないからな。そこだけは脳筋相手の良い所だ。

 だが、そんな脳筋相手に色々としかけてこようとする奴もいるもんで。気に入らないなら関わりに来るなと思うんだが、職場が近いから仕方ないっちゃ仕方ない。態々挑発するだけしに来る奴は死ね、とは思うんだが、そんな馬鹿はそうそう居るもんじゃない。全くいないわけではない辺り頭が痛くなる案件だが。

 

 さて俺は基本的に原作の登場人物たちに積極的に関わりに行く気はない。向こうから来たらそれなりに相手はするが、だからと言って態々こっちから接触しに行くようなことはまずない。無いわけではないがまずない。あっても仕事だ。

 そう言う訳で一応副隊長として秒で書類を全部終わらせ、出すところに出して適当にぶらぶら。仕事が終わっているからぶらぶらしてても何も言われないし、それに色々あってぶらぶらしながらでも修業はできるしな。主に霊子操作系統のだが。

 適当な茶屋に入ります。茶を啜り、団子を食いながら空を見上げます。殆どの場合雲が浮いているので霊子操作で干渉して形を自由に変えようとします。それが上手くなると鬼道の腕が上がります。いや、マジな話ね。あれ霊子とかの扱いで威力やら発動速度やらが変わってくるから。特に詠唱破棄とか無詠唱だと余計に。

 

 ……しかしあれだな、俺でもわかる原作の登場人物は一番隊の総隊長の爺さんと副隊長のおっさん、四番隊の隊長で元十一番隊の隊長の戦闘狂くらいってのはどうなんだ? まだ黒猫女も下駄帽子もいないし、ついでに言うなら原作における仮面の軍勢になる隊長陣も不在だし。いったいどうなってんだろね? と言うかマジで今っていつなんだ? 原作何年前とかそう言う流れが全く分からん。多分五百年は前なんじゃないか、ってくらいだな。

 お陰様で十一番隊の副隊長として長いこと務めることになった。仕事は多いが書類だけなら完成品を完璧な状態で出せばいいだけだし、鍛錬については日常の中でそれなりに続けている。剣術に関しては篠ノ之流らしく居合特化でやってみたが、ののちゃんのあれがやばいものだってことくらいしかわからんかった。身体能力では俺の方が大分上のはずだってのに、何がどうなってののちゃんのあれは出来上がっていたのか実に不思議だ。それでもそこそこ上手くはなったが。

 一日一万回の感謝の正拳突きならぬ、一日一万回(どころじゃないが)、無念無想の抜刀術だ。抜いて切って納めてまた構えるまでを零呼吸でできるようになった。やったぜ。あと、霊圧なしで空間も断てるようになった。走る方も瞬歩のような高速移動をやっていたはずがなんでか縮地になったりもしたが、まあ、うん、はい。体術? そこそこ。

 

 ただしそのそこそこの体術と歩法と鬼道を組み合わせて縮地と瞬歩となんちゃって瞬閧を実行していたら隠密機動の奴に眼を付けられた。そう言えば瞬閧は隠密機動の秘術的な位置にある技だったような気がしなくもない。俺が使っているのはモドキだから背中や肩の布がはじけ飛ぶような事は無いし、術の発動の中心は肩ではなくて腰回りだったりするんだが……まあそのあたりは個人差だろう。足技を多く使いたいなら俺の方式の方が出力は上がるぞ。やりすぎると酷いことになるが。具体的に言うとあれだ、雷獣っぽくなる。仕方ないね。

 瞬歩だけなら俺以上の奴ってのは居る……多分いるだろうが、俺の場合は瞬歩そのものだけでなく飛廉脚と縮地も混ざるから早々追いつかれないんだよな。速度だけなら負けることがあってもそもそも走る距離を縮めてしまうからな、縮地は。

 おかげさんで大抵の場合逃げ切れるし、暗殺を仕掛けようとしてきたら反撃できる。毒物なんかは基本効かないからスルーだが、美味い毒ならともかく不味い毒は仕込んだ奴にお返しだ。死ね。隠密機動の秘儀だか何だか知らんが、そんなに真似されたくないんだったら大事に箱の中にでもしまっておけ。

 




Q.瞬閧……そう言えば隠密機動の極意とも言える技だったね?
A.あんな目立つのが隠密機動の極意ってあたり隠密って言葉の意味を調べ直してほしいです。

Q.飛廉脚や瞬歩はわかるが縮地ってなんぞ? どう違う?
A.紙の上を歩くとして、純粋に速度を上げて一瞬で紙の端まで行くのが瞬歩や飛廉脚。紙を折り畳んで普通の一歩で紙の端まで行っちゃうのが縮地。折り畳んだ紙は即座に元の形に戻るものとする。


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BLEACH~07

 

 side 織斑一夏

 

 基本的に瀞霊廷の中では斬魄刀の開放は認められていない。例外はそれぞれの隊の訓練場と死神統学院の実技場内、ついでに霊圧を完全に遮断する室内であれば始解どころか卍解したところで気付かれないので問題ないが、本来はアウトだからやらないように。

 しかし例外があり、常時開放型、つまり一回解放するとずっと解放されたままの斬魄刀は、いくら何でも斬魄刀を使うなとは言えないからそのままだ。俺の斬魄刀はどちらも完全に変化する開放型だからそれについては考えなくてもいいんだが、面白い能力を持っている斬魄刀を見るのに色々な手続きが必要なのは面倒臭い。十一番隊の馬鹿野郎どもの斬魄刀は基本的に物理型の攻撃系だし、鬼道系も見ておきたいから仕方ないっちゃ仕方ないんだよな。

 ……あー、できれば相手の能力を無効化するような能力の斬魄刀でも手に入らんものかね。集中すれば相手の霊子をこっちで抑えて能力の発動を潰してやったりとかもできない事は無いんだが、それが霊子の扱いに長けた滅却師相手にもできるかどうかは未知数だ。そして能力でやばいのと言えばやっぱり滅却師。なんだろうなあの致死量だとか全知全能だとか世界調和だとかは。馬鹿じゃないのかと。殺したら死ねよ。俺だって殺されたら死ぬぞ? 早々殺されないだけで。

 

 まあそれは置いておくとして、色々と面倒なことをしている割にあまりいい結果は得られなかった。隊長格であれば基本的に卍解はできるはずだが隊長格がそこらで卍解することなんぞそうあるものではないし、始解もできる奴はできるができない奴もいるって扱いだった。席官なら大抵できるそうだが、ヒラの隊員だとできなくてもおかしくないレベルだとか。

 そしてそう言う奴は上に行こうと努力する奴とそのままでいいと現状維持をしたがる奴に分けられる。現状維持したがる方はどうでもいいが、上に行きたがる奴が偶然そこに居た副隊長(それも割りと話の分かる方)にアドバイスを求めない訳がなく俺はそこそこの頻度で訓練を願いされたりもしている。大抵断っているが、俺自身やることがあるから仕方ないわな。

 まあ訓練中に始解できるようになってそれを俺が見ることができる事態にはそうそうならないが、たまーにそういう事もある。ごくたまにだが、無い事は無い。正直そんなのを待っているくらいだったら自分から積極的に教えに言った方がよっぽど効率良いんじゃないかってくらいには低確率だが、多分原作が始まればそれなり以上に斬魄刀の開放が見れるだろうからそこまで気にはしない。あと……何だっけ? 名前忘れた……ヨン様的なあれ、あー……いいやもうヨン様(仮)で。あれの斬魄刀も覚えておきたいからな。原作にある奴は見ないでも真似られるんだが、基本的に写し取る方でやっておこうと思う。多分それで問題なく催眠から抜けられるしな。

 なにより、本人の名前を憶えておかないと切札が使えない。滅却師の親玉は世界の全てを見て全てを理解し全てを改竄できるらしいが、だったらこの世界とはあまり関係のない俺の事は見えるのか? 俺の事を改竄できるのか? 俺のやったことを改竄できるのか? あとついでに名前がわかれば名無しの方で真似て殺してハイ終わり、って手が使えると思われるからちゃんと名前も覚えないとな……特に滅却師の親玉の方。ヨン様(仮)の方はやろうとすればなんとかなると思うし。

 

 ……不思議に思っていたんだが、滅却師が虚を斃すと虚は消滅する。しかし現世と尸魂界の魂の総量のバランスが崩れる。つまり滅却師は実際に虚を消滅させているのではなくあくまでも霊子に分解しているだけで完全に消滅させているわけではないんじゃないかと言うのが俺の理屈だ。霊魂は霊子が寄り集まったもの、って認識なわけだな。じゃなけりゃ霊子でできた世界である尸魂界に器子(現世の構成物質)が無いのに現世には霊子がある理由がわからんし。

 それを逆に考えれば、霊魂を霊子から作り上げることも不可能ではないはず。そして魂の総量が増えるから駄目というのなら、現世に漂う霊子を集めて魂を作り、その魂を尸魂界に持ってくれば問題なくなるんじゃないかと言う理論を作ってみたが、証明はできない。と言うかそもそも霊魂が霊子からできているのは当たり前のことだが、だからと言って霊魂を一から全部くみ上げようとかそんなことをする奴はそういない。なにしろ難易度があまりに高すぎるからな。具体的にどれくらい難しいのかと言えば、人間一人を原子から再構成するくらいの難易度だ、まあ基本無理だと思ってもらっていい。

 しかし世の中には義骸やら義魂なんてものも存在する。つまり、魂らしきものを作り上げることは不可能ではないという事だ。だからと言って本物と変わらない魂を一から、あるいは零から作ろうとする馬鹿はそうそう居ないと思って構わないだろうが。

 

 ……やってみるか。時間はあるし。覚えないといけない名前については多分あと百年くらいは余裕があるだろうからゆっくり覚えていけばいいだろうし。やりたいことを並行してやるのたーのしー。

 




Q.滅却師の能力のうち一夏にも効果があるやつってある?
A.使った本人を強化する系統は多少。ただし一夏に干渉する系統はまあ効かない。

Q.具体的に。
A.
 A、全知全能→そもそも世界が違うので見えない。見えない物は変えられない。
 A、完全反立→立ち位置を変えようとしても霊圧差で弾かれると思われるが霊圧差が関係ないなら効く可能性の高い三番目。
 B、世界調和→不幸を分けられても一夏が傷つくレベルの不幸って世界崩壊かな? 使ったらみんな死ぬのである意味無効。有効にしたら全て死にます。効く可能性の一番高いの。
 C、強制執行→同化した瞬間一夏の細胞に食われます。
 D、致死量→健康なので効きません。
 E、爆発→多分当たった物に霊子を混ぜ込んで結合を破壊し、結合分のエネルギーを爆破に回していると思われるので霊子操作能力で上回れば効果あり。なお上回っているとは言ってない。可能性高い四番目。
 F、恐怖→健康なので(ry
 G、食いしん坊→物理技だけどそれが通るほど強くないので効果無し。
 H、灼熱→ちょっと服が焦げるか霊圧で服に焦げ目すらつかないかの二択。
 I、鋼鉄→硬くなっても……ねぇ?
 J、監獄→滅却師は閉じ込められないそうなので無意味。
 K、???→能力不明。多分NARUTOの修羅動的な物だと予想。まあ効かないよね。
 L、愛→健康(ry
 M、奇跡→自己強化型だから効果はあるけど最大強化が不明。まあ普通に負けると思われ
 N、???→能力不明
 O、大量殺戮→一夏に届くまでに一体何億人犠牲にするつもりやら……まあそこに届く前に殺されると思われます。
 P、力→純粋な筋力で一夏に勝てるとかドラゴンボール世界でもそういないので無意味では?
 Q、異議→異議あり!「うるせえ寝かせろ」
 R、咆哮→咆哮!「うるせえ寝かせろ」
 S、英雄→要するにファンを消滅させてから当人も消滅させればいいだけなので……。
 T、雷霆→電撃とかカモです本当にあ(ry
 U、無防備→健k(ry
 V、夢想家→剣八に勝てないのに一夏に勝てると?
 W、紆余曲折→認識できないと曲げられないそうなので時間止めて斬りましょうねー
 X、万物貫通→霊圧勝負なら多分無効。ただし霊圧関係ないなら効果あるかも。まあBLEACH世界は最終的に霊圧がモノを言う世界なので……。効く可能性の高い二番目。
 Y、貴方自身→残念ながら一夏は必要とあらばいくらでもその瞬間に強くなれるのですよ……。
 Z、死者→け(ry
 結論、基本全部効かない。なお効果があっても被害が出るとは限らない。


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BLEACH~08

 

 side 織斑一夏

 

 できちゃった。ただ、完全に新しい魂として作るんじゃなく誰かと全く同じ魂に作り替えるってところまでだが、できてしまった。これはあれだな、完全に霊子を解析することができる道具とその通りに並べられる道具があれば十分作れるってこったな。作る価値があるかは知らんが。

 まあ作ったのは小動物の魂だ。具体的に言うとトカゲ。そこら辺を走っていたから捕まえてみたんだが、結構いけるもんだ。

 あと食えた。味はそこそこだが食えない事は無い。まあトカゲなんぞ肉にすれば鶏のそれとそう変わらんからな。食えない理由はそんなになかろう。気持ち悪い? どうせ肉だけになればわかりゃせんだろ。

 

 さてそれはそれとして、俺の仕事がまた増えた。秒で終わるとはいえ隊長の仕事を肩代わりしているし、隊首会とかもなんでか俺が参加することが多いし、十一番隊名物の大訓練大会で馬鹿やった奴らの傷を治すのも俺だし、なんなら教えるのも俺だし、その上で料理まで任された。そろそろ俺はキレてもいいと思うんだよ。

 始まりは……ああ、そうだ。俺が仕事を終わらせて自作の飯を食っていたら隊員が話しかけてきて、弁当はどこで買ったかと聞かれたから自作だと答えた結果だったっけか。それが巡り巡ってなんでか俺は十一番隊の奴らのメシまで作ることに……いやまあ作れるよ? 作れるけどね? めんどくせえし仕事もかなり多いからマジで勘弁してもらいたいところなんだよね?

 一応レシピなりなんなりを適当に残しておく予定だから多少はマシになるだろうが、それでも脳筋戦闘部隊十一番隊だからな……その程度でマシになるかはわからん。ならない可能性も十分にある。ほんと勘弁してほしい。できる奴がやればいい、じゃなくて、できない奴をできるようにしようぜ? じゃないと俺過労でぶっ倒れるぞ? そうなる前に逃げる可能性もあるが。

 あれだな、なんでもできるから駄目なんだな。もう少し手を抜こう。こいつら良く動くから味は濃いめで量多くとか、そんなこと考えないで適当に作ればいい。栄養のバランスを考えて朝昼晩で献立を変えるとか週で管理するとかそう言うのが仕事の手間を増やしているわけだ。と言うかなんで十一番隊は給食風なんだろうな? 他の隊は社員食堂って感じなのに。

 

「副隊長!肉下せえ!」

「にーく!にーく!」

「にくぅぅ!」

「わーったわーった、大人しく待ってろ。そこに整理券があんだろそれ取って注文内容書いて半券千切って置いとけ」

『うす!』

「あと野菜も一応食え。肉と一緒に作ってるから肉みたいな味しかせんから」

『……うす』

「残したら俺と一緒に『濃厚蜂蜜授業~ポロリもあるよ☆』に強制参加な」

 

 なお内容はクソほど濃い暴行と殺戮の宴。死ななきゃ安いをモットーにした『死んでなければOKルール』適用型の超難易度修行体験だ。十一番隊の奴は隊長を含めて大抵これを一度は受けている。そして多大なトラウマを受けている。効果は中々高いんだが受ける側の根性がな……なおポロリすんのは大抵内臓なので注意な。

 どの辺が蜂蜜か? 命の危機が無いんだから蜂蜜だろ。甘いって意味で。

 そんな感じの事が周知されているせいで基本的に俺に逆らう奴はいない。隊長? 胃袋掴めば一発よ。結婚を申し込まれたこともあるが寝言は寝て言えと突っぱねた。そしてついでに首も刎ねそうになったが流石に堪えた。いきなりこんなところで殺しはまずいどうせいつか殺してもばれにくい大きな争いがあるんだからそこまで我慢……いや、バレなければ殺してもいいんじゃないか? バレる気しかしないが。傷口に残った霊圧から個人の特定とかもできるしな……めんどくせえ。

 

 あー……副隊長とかやめたい。平の隊員になって馬鹿みたいに仕事を押し付けられる状況から脱出したい。でも平だと給料やっすいんだよな。生活はできるが贅沢はほぼできないレベルで。金を多めに貰ってんだからこの忙しさも仕方ないのかもしれないが、俺がやってる書類の七割は隊長がやらねえといけない奴なんだ。めんどくせえ。

 ちょっかいかけてくる奴も面倒だし、本当にマジでこの問題児共どうしてくれようか。斬れるならそれが一番楽なのは間違いないが、斬って全てがするりと片付く時代じゃないしな。責任とかなんとかを俺が取らなきゃならんのがマジで面倒臭い。仕事しないんだったらマジで隊長辞めろと。

 あとついでにむやみに俺の仕事増やす奴も死ね。俺がやってる分を真面目にやったら多分お前ら死ぬぞ? 不真面目にやってる俺でもイライラしてんだからマジでそうなる未来が見える。死神は死んだらそこで終わりなんだから身体に気を付けろと。

 

 




Q.今の隊長って女?
A.男だから『寝言は寝て言え』でした。

Q.おっそろしい蜂蜜授業があったもんだな……
A.なお他称は『死ぬ以外の人生の不幸を全部味わえる絶望人生フルコース』


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BLEACH~09

 

 side 織斑一夏

 

 ようやっと俺の知っているキャラが増えた。まあ敵側なんだが知っているキャラに違いはあるまい。あれだ、youは馬っ鹿だ。なんか響きは凄い似てたはずだ。滅却師の親玉だな。

 ……あと、あれだ、多分俺過去現在未来を見通す千里眼系の技と認識した事実を改竄する能力はともかく、力を与えたり奪ったりは俺もできるわ。多分だが。と言うかあれ血族とかそう言うのだからできるとばかり思ってたんだが、実際の所血族だからじゃなくて構成する霊子の相性なんだな。俺個人の意識で言えばどうでもいいが。

 

 まあ要するに、原作開始千年前辺りの滅却師との戦争が始まったわけだな。すぐ終わったけど。結構な数の死神が死んで、それ以上に滅却師が死んだ。現状においては死神の勝利と言えなくもないし、ほぼ全員を殺してみせたが残念ながら本当に全ての滅却師を殺し尽くしたわけではない。これがいずれ千年血戦篇に繋がると思うとワクワク……いや、ワクワクはしねえな。

 かと言ってアレが復活しないようにする方法なんざ知らん。未来の操作とか現実の改竄とかを相手に何をしろと。できることと言えば未来あるいは過去から時間を越えて斬るくらいしか思いつかないんだが、それをやったところで多分あっと言う間に傷を治されるよな。やっぱり直接やるしかない。具体的には現在過去未来全てを纏めて一刀両断するしかない。これぞ因果の破断と言う奴よ。まあ俺のはちょっとどころじゃなく邪道な方法だけども。

 本当だったら因果を絶たれればおよそあらゆるものは両断されるか消滅するが、俺の場合は初めから存在しなかったようにする。あれだ、灼眼のシャナで存在の力を奪われた人間みたいな感じで初めからいなかったことになる。ただしめっちゃ疲れるし消した相手によっては世界の寿命がクソほど縮むし認識が馬鹿みたいに歪むこともあるが、知らん。初めから存在しなくなれば治すも与えるもありはすまい……。

 なお、十一番隊は戦闘部隊として戦ったせいで被害は一番大きかったんだが、それでも随分と生き残りは多かった。あと俺も参加したがそんな強い奴らはいなかったから苦労もそこまでしなかったしな。やっぱり時代が違うと強さってのは変わってくるものだ。

 

 

 

 

 

 side another

 

 音もなく滅却師が崩れ落ち、解体され、消えていく。

 鞘走りの音も鍔鳴りもなく、言葉も歩く音もなく、滅却師の身体が寸断され、血の一滴が地に落ちるより早く消えていく。

 男の周囲に制空圏が見える。その場所までは男の支配領域である領域が、じりじりと範囲を広げていく。滅却師の飛ばす矢もその広がりを止めることはできず、制空圏に入った瞬間に断ち切られ形を失い解け消える。

 滅却師の一人が叫ぶ。矢が届かない。

 滅却師の一人が喚く。矢が作れない。

 滅却師の一人が嘆く。弓が消えた。

 そして制空圏に飲み込まれていった順に、切り刻まれ霊子に分解されて消えていった。

 

 制空圏は広がる。その場の霊子を支配しながら着実に。老いも若いも問答無用で呑み込んで。

 制空権の中に一人佇む男は、ぼんやりと空を眺める。そこでは男の所属する護廷十三隊の総隊長と、今回の敵の頭であるユーハバッハがぶつかり合い、被害を大いに広げていた。男はその被害を逸らし、弾き、打ち消し、時には打ち砕きながら制空圏を広げていく。

 

「……あー、なあ、三席」

「はい!」

「今すぐ全体に退かせろ。無駄に巻き込まれるぞ」

「はっ?」

「総隊長の爺さん、どうも本気でやるみたいだからな。できる限り離れろ。間に合わないで巻き込まれたら自分の足の遅さを恨みながら死ね。……行け」

「はっ!! しかしこの場は……」

「見ての通り俺一人で十分だ」

 

 男はそう言うが、既にこの場に敵はただ一人、恐らく大将であるとみられるユーハバッハのみになっていることを感じ取っていた。それは自身の制空圏に入り込んできている相手が既にいないことを察知しての事だが、その察知の感覚が霊圧のみではないと気付いたものが一体何人いただろうか。いたとしても霊圧を完全に消していた者もそうでない者と同じように霊子の塵に変えられており、それを伝える術を持たない。

 三席と呼ばれた男はそれを聞いて一瞬逡巡し、しかしその直後に了解の言葉を告げて走り始めた。周囲に総隊長が全力で戦うから巻き込まれたくなければ逃げろと叫びながら。

 それを見るでなく観ながら男は刀を手にじっと戦いを眺める。構えることすらなくただ立っているだけにしか見えないが、現実には単純な速度を以て時の流れを越えて動き、敵の攻撃を居合にて切り伏せている。そしてそうしてできた隙を突き、総隊長と呼ばれた老人は敵の大将を跡形もなく焼き払った。

 

「……やれやれ、何人巻き込むつもりだったのやら」

 

 面倒臭げに男は呟き、影すら残さず消え去った。

 




Q.みてるだけ? 手は出さんの?
A.今は出しません。

Q.過去斬りとか未来斬りとか因果の破断とかおっそろしいこと言ってんな!?
A.何を言っても出来てしまうから仕方ないね。


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BLEACH~10

 

 side 織斑一夏

 

 隊長は死んでいた。滅却師との戦いで単独で突っ込みすぎて死んだらしい。そんなわけで副隊長である俺が一時的に隊長の権限の代行をしているわけだが、いつもとやっていることがそんなに変わらないってのはなんでだろうな? あと隊長への任命はお断りしておいた。今でも面倒なのに正式に隊長とかやってらんねえわ。態々ほかの理由考えるのも面倒だから真っ正直にこの通り言ったらめっちゃ怒られたけど気にしない。ついでに今の俺の仕事の量を聞かせたら黙った。十一番隊は怪我人が多いし、器物破損も多い。そう言ったものに対しての書類やらなにやらをちゃんと作るのに俺じゃなかったら半日くらいかかるだろうし、それ以外の料理だの訓練だのと言った奴も加えればまともな奴なら寝る時間も取れないレベル。ここに正式に隊長の任務も加わるとか絶対嫌だ、と真っ正直に言ったら若干哀れみの視線が増えた。

 そう言う訳で希望は『最低限隊長としての仕事はしてくれる人』。別に口が悪かろうが戦闘狂だろうが構わんから仕事だけは片付けてくれ。そうすれば俺の仕事の三割くらいは消えんだわ。年に何度か孤児の世界に行って家の中でのんびりするだけの休日を過ごしてはいるが、できればもうちょい休める時間を増やしたいんだよな。

 

 ……それはそれとして、俺は色々あって死神としての能力の他に滅却師の能力と俺と言う存在を基にした完現術者の能力もあるという話を覚えているだろうか。まあ忘れててもいいし、正直滅却師の能力ははっきり言って霊子の集束と分解を極めれば大体できるから滅却師固有の能力ってわけでもない。完現術者としては自分の再生能力だから基本無視して構わんし、死神としての能力……は、斬魄刀の名前を覚えはしたもののそもそも斬魄刀の方が自分の名前を正しく覚えている確証が無い、つまり原作で言う『藤孔雀』みたいなことになっている可能性もあるわけだ。

 だから死神としての能力については未知数だとしても、もう一つ覚えられる方向がある。そう、虚だ。似たようなものである完現術が使えるんだから行けない理由は無い。行ける行ける絶対行ける大丈夫大丈夫間違いない信じて行けよ行けるって。

 行けた。崩玉が必要かもしれないと考えはしたんだが実際にはそんなことは全くなかった。ほら、俺ってこの世界では生前から虚を狩りまくってたじゃん? そしたら当然虚の霊圧とかも受ける訳よ。大して効かんけど。で、その時の感覚を思い出してやってみたら仮面出せた。で、有給取って虚化を鍛えようと思ってたら俺の中で名称不明の斬魄刀である仮名照魔鏡と、俺の色が白黒っぽくなったのが談笑してた。破壊衝動に塗れてるわけないとは思ってたがまさかここまで和気藹々としているとはちょっとしか思ってなかったので驚いたが、まあ好都合だわな。

 

「よう俺」

『お、来たか』

「待ってたぜー」

 

 ちなみにこの世界には名無しのあの刀はいない。正確にはこの世界は俺の世界であるから俺以外は入れない。元々俺である虚の俺と、元は千の顔を持つ英雄である仮名照魔鏡は俺だから問題なく入れるが、名も無きあの刀は俺の力を受けて育ちはしたものの俺では無いからこの世界にはいないわけだ。いや、もしかしたらいるのかもしれないが、少なくとも俺には発見できない。

 あいつに会うにはあいつを使ってあいつの心象に行かないとならん。まあ特に何もしないでも行けるこの世界と比べていく頻度が落ちるのはしゃあないわな。

 

「合言葉は」

「『そうだ、布団行こう』」

「完璧だな。虚の力使いたいんだけど暴走とかさせないでくんね?」

『三食はいらんから朝寝と昼寝と夕寝と夜寝を所望する』

「それ24時間寝てないか? まあ寝てれば大人しいのも俺っぽいか」

『俺はお前だからなぁ……あ、それとあの名前のない刀あったろ?』

「あったな」

『俺の刀にしたからな。始解状態は今のままだが卍解として帰刃できるようにしておいた。見た目は特に何も変わらないから安心しろ。何しろ俺はお前だからな』

「名前は?」

『俺はお前だ。要するにそういう事だな』

「……もしかしたら俺もそうかもしれん。霊圧を完全に遮断するようなところで試してみてくれ」

「わーお。解った、やってみよう」

 

 話はついた。正直こんな簡単でいいのかと思ってしまったが、まあ別に構わんだろう。楽に終わるならそっちの方がいい。ただ、相手が俺だと言う事を考えると色々と仕込んでても不思議には思わない。まず間違いなく俺が破滅するような事ではないだろうが、代わりに何が起こるかはいまいちわからん。多分周囲に被害は出ない類だろうが……出たとしても敵だけだろう。

 原作では虚の自分は本能に忠実だとか言う描写があったが、俺の本能は睡眠欲でおよそ八から九が埋まっているので妥当な線か。戦いにならなくてよかったよかった。強くなりたいって欲もまあ多少はあるが、基本的かつ根本的に他人のために強くなりたいとか思えない質だからな。あれだ、俺は俺のために強くなることを決めた、って奴だ。あんま意味はねえけど。

 




Q.ちょっと待ってそれでいいの?
A.本人がいいって言ってるんだいいいんじゃないですかね?

Q.解号ってまさか……
A.『布団いこう』だったら面白いですけど残念ながら変えたやつに合わせて変わるんです。


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BLEACH~11

 

 side 織斑一夏

 

 零番隊には尸魂界の全ての物に名前を付けた男がいる。そいつははっきり言って大分頭がおかしいが、何より頭おかしいのは斬魄刀が言霊特化型と言う所だ。なんだよ言霊特化って頭おかしいんじゃないのかと。流石の俺でも他人に名前を呼ばれることで死んだ自分を蘇生させるとか頭のおかしいことはできんぞ。

 だが、言霊ってのは極めればこんな頭おかしいことができるわけだ。噂をすれば影、って言葉があるが、真名呼和尚のあれはその究極系だな。名前を出せば蘇る。名前を出せばそこに居る。この世界における言霊使いの究極点と言える存在だ。流石に真似るには時間がかかりそうだし、それに関してはのんびりやっていく事にする。

 

 それと新隊長が決まった。また脳筋だったがそれでも一応仕事はやろうとしてくれる。一切やろうという気配を見せなかった前隊長と比べるまでも無いが、しかし戦闘に関してはやや劣る、と言ったところか。まああんなんでも十一番隊の隊長をやってた奴なわけだし、実力で言うなら非常に高くて当然なんだよな。面倒臭いが。

 だが、一応副隊長として色々教えればちゃんと覚えようとしてくれるしありがたいっちゃありがたい。失敗もそこそこするが徐々に減ってきているし、書類の前で頭から煙を出して突っ伏しているのを見ると新鮮な気分になる。俺の書類作りが早すぎるのがある意味問題だそうだが、それに関しては数百年も隊長から執務を押し付けられながら自分の時間を作るために努力すればできるようになると答えさせてもらった。事実ではあるが実際は仕事はさっさと終わらせて普通に自分の時間を作っていたんだがそこまで言う必要は無いからどうでもいいな。うん。

 時々仕事から逃げ出す事もあるが、息抜きは必要だから三時間程度は大目に見ている。ただし、当たり前の事なんだが片付けない限り書類は減らないしむしろ増える。そして何が何だかわからないうちに身体が闘争を求め、フロムがアーマードコアの新作を出す。いや、出ないが。

 

 そういう事もあって俺の縛道の腕は着々と上がっている。隊長の足を縛り上げて逃亡を阻止したり、隊長の身体を縛り上げて逃亡を阻止したり、隊長と周囲の空間を区切って逃亡を阻止したり、ともかく逃亡阻止と足止め系の縛道は中々に上手くなった。多分鬼道衆でもそこそこやっていけるレベルだろう。知らんが。

 あとついでにオリジナルの鬼道も覚えた。と言っても基本は霊子操作系の技能であって鬼道と言っていいかどうかは知らんのだが、相手の鬼道系の術を霊子に分解することで無力化する術だ。多分原作における二番目の破面の能力にも対応できるだろう。相手の術の効果が出るより早く分解するようにできているからな。

 ただし、これは鬼道だ。つまり死神であれば練習すれば大体使えるようになると言う事だが、俺なら自前の操作能力だけでできるのをなんとかかんとか術にまで落とし込むのは中々面倒だった。

 基礎は断空。そこに滅却師の使うゼーレシュナイダーをヒントにして敵の術や霊圧放出系の技を解体して霊子に戻す術式を組み込み、術を受け止めつつ解体した霊子は受け流すように作り替える。面倒だったしそもそも俺には必要かどうか怪しい術だったが、とりあえず鬼道衆には教えておいた。上手く使えば虚閃も無効化できるはずだが、その辺りは使う奴次第だ。俺は知らん。

 攻撃系の術? 霊子の膜を拳に纏わせてそれを高速で振動させながら殴る疑似振動破砕なら作った。普通の振動破砕は……と言うか俺の持つIS系の元転生特典は全部完全物理だ。原子ではなく霊子で構成されたこの世界だとイマイチ役に立たない。役に立つとしたら自分の思考速度を上げる不可侵の秘書と移動速度を上げるライドインパルス、投擲物であれば原子も霊子も関係ないスローターアームズくらいで、よく使っていたディープダイバーやシルバーカーテンなどは霊子をすり抜けられなかったり物質的ではない光を操作できなかったりと機能不全を起こしてしまっている。残念極まりないが仕方ないね。世界の法則と構成物質が違うからね。

 

 しっかしまさか俺がここまで真面目に働くことになるとは思わなかった。今までは真面目と言っても裏で色々と遊んだりしていたし、本当に必要だった動きをしたりとかしなかったのにな。まあそれもこれも原作の知識だのなんだので未来を知っていたから言えることで、周りが何も知らない以上俺が責められるような事は全くなかったわけだが。

 それはそうとそろそろ俺も自重を少しずつなくしていこうか。仕事はきっちりするがそれ以外は色々とぶん投げる方向で行こうと思う。責任とかそう言うのは俺じゃなくて隊長にお願いします。俺はあくまで副隊長なんでね。副隊長としての仕事は十分してるはずだから文句を言わせるつもりはない。

 護廷十三隊を抜けるとしたら、多分原作が終わってからになるだろう。それまでは十分仕事を片付けつつできるだけのんびりと死神生活をしていこうと思う。

 




Q.転生特典って機能不全起こすんだ……?
A.よく考えて? アクセル・ワールドの世界にノーゲーム・ノーライフのジブリールがいたら、電脳空間では魔法が使えないからポンコツにしかならないでしょ? 原作順守ならそう言う風になるようになってるんだし? いやまあ身体能力は高いけども!

Q.ちなみにアクセル・ワールドに一夏が行った場合どうなんの?
A.元々の加速に加えて自前の加速によって時間を止めるどころか巻き戻し、自分がダメージを負ったと言う事実を無くしながら一方的に殴ってきます。まあそもそもダメージを喰らうようなことがあるかどうか怪しいですが。あと、電子系世界なのでISは大体機能します。インフィニット・ストラトスを除く。


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BLEACH~12

 

 side 織斑一夏

 

 パンジャンドラムって知ってるか? 知ってる奴は知ってるだろうし一回あれについてちゃんと知ったらあまりの馬鹿さに忘れられなくなるだろうがあえて説明しよう。パンジャンドラムとは紅茶をキメた英国紳士淑女によって作り上げられた英国面に落ちた兵器の一つである。簡単に言えば自走する機雷のような物だが、まあ英国面に落ちた兵器と言われるだけあって色々と問題点の多い兵器だ。

 が、そんなものは知ったことじゃないので緑茶と紅茶とコーヒーの三択だったら一応紅茶を選ぶ俺はパンジャンドラムを量産してみた。触れると火傷するぜ? いや、マジで。

 

「……あの、副隊長。それは一体なんです……?」

「見ての通りだ」

「……」

「『見てわかんねーから聞いてんだよ』と言いたげな顔をしているな」

「ヒエッ」

「教えてやろう。それはパンジャンドラムと言う。一応武器だ」

「武器!? これが!?」

「転がして使う」

「転がして!?」

「触れると爆発するから気を付けろ」

「怖っ!?」

 

 実際にただ触れただけで爆発するような事は無いんだが、ある程度以上の衝撃を与えられるとその衝撃で爆発したりはするな。ニトロみたいなもんだ。勿論改造によって爆発を接触直後にするか接触からの時限式にするか衝撃感知型にするかと言った操作は受け付けるし、ついでに思念で動かしたりも可能だ。パンジャンドラムは本来どこに向かって転がるかわからないものだったが、思念による操作ができればその問題は一気に解決するな。流石は紅茶の国の兵器だ。

 ……そう言えばセシリーはあの英国生まれ英国育ち。そして英国のISは思念操作を可能とするBTシステム……そうか、そういう事か。英国はついにパンジャンドラムを積んだISにBTシステムを積んでノルマンディー攻略をするつもりだったに違いない。謎は全て解けた。ノルマンディーはパンジャンの炎に包まれる。

 あとついでに次に暴走した馬鹿もパンジャンの炎に包まれる。威力の高い爆弾は作らないと無いし、試作品にそんな威力が高いのを積むほど馬鹿ではないつもりなので死にはしないだろうが、まあ火傷ぐらいはするだろう。威力の高い爆弾についてだが、実際にあるものを霊子で組み立て直せばちゃんと爆弾として機能するので実践で使うことが万が一あったらそうすればそこそこのダメージは与えられるだろう。そんなもの使うより殴った方が強いし速いというのは言わないお約束で。

 

 それはそれとして、俺の斬魄刀の本当の名前が俺と同一だった件。いやまあ俺から生まれた俺なんだから俺の名前で何も間違っていないとは思うぞ? 実際その名前で照魔鏡を始解してみたら盗める数に制限が無くなったり効果が上がってたり改造できるようになってたりと色々な恩恵があったからな。あと卍解だと思ってたのはどうやら卍解ではなく滅却師のよく使う霊子の隷属の効果をガン上げした結果写し取った際に相手の斬魄刀の能力だけではなく中身まで奪ってしまうことによって起きるものだったらしいと言う事まで分かった。つまり、こいつにはもう一段階先があると言う事だ。

 そして名無しの刀の方は、俺の名前で解放することで……特に変わらない。俺は虚としての自分が俺とそう変わらない姿であることを知っているしおかしいとは思わないが、能力については大きく変わった。

 まず、名前を呼べばそのものになる能力。滅却師の隷属のあれはあまり効果を発揮していないらしく中身のない外側と効果だけを真似た物でしかない物だったのが中に虚としての俺が入ることで協力的な意思を持ったその刀、という感じになった。勿論入らないことも可能でわざと折ったりする時には入らないようにしている。あとその能力だがどうも俺自身の言霊使いと言うか今まで学んだ呪術使いとしての俺の能力が強く出ているらしい。だからこんなよくわからん能力になったわけだな。

 意志を持つことで変わったところはそれだけではない。霊子の繋がりやら何やらを参照することで敵の姿を写し取ってから作戦を読み取ることもできるようになったし、相手の固有の能力も使えるようになるらしい。あの滅却師の親玉……(カンペ確認)ユーハバッハの名前を出せばユーハバッハの姿と力を持った俺が出来上がるわけだな。やっべえ。

 

 落ち着け。まあ落ち着いて紅茶でも飲め。そしてハギスを用意しろ。新鮮な山羊の胃袋に肝臓、心臓、肺と言った内臓を細かく刻み、同じように刻んだ玉ねぎやハーブ、オートミールと混ぜたものを詰め込んで茹でるか蒸すかするだけだ。案外簡単だろう。

 だがはっきり言って美味くはない。なんでオートミールを入れるのかと。どうせだったらもっとしっかりと臭みを取るためのハーブを混ぜてオートミールを抜いてオーブンに放り込み、胃袋の中で肉汁によって煮込む感じにしたものを飯で食えば絶対行けると思うんだが。実際セシリーに食わせたら驚いてたし。ソースは大味の物がいい。繊細な風味とかを感じさせるにはハンバーグ風ハギスは臭みが強いからな。

 あとウナギのゼリー寄せ。なんでゼリー寄せにしちゃったかな……まず骨は抜こう? 内臓も処理しよう? 話はそれからだよ。わざわざレモンとかで誤魔化しに行かなくともウナギって脂っこいけどそれなりに美味いからさ。な?

 ……よし、紅茶をキメた俺に死角はない。あってもパンジャン転がせばなんとかなる。流石に英国面に落ちっぱなしだと頭がおかしくなってくるからそろそろ日本人頭に戻すために緑茶キメ直そう。

 




Q.セシリアのビットはパンジャンドラムだった……!?
A.セシリア「訴訟」

Q.紅茶をキメてから緑茶をキメたところで脳の作りが変わるとは思えないんですが。
A.それを変えてしまうのが紅茶と緑茶では?


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BLEACH~13

真暇はP1グランプリを応援しています。


 

 side 織斑一夏

 

 俺が何を考えていたのかちょっとよくわからない。なんで俺はパンジャンドラムなんぞ作ってたんだ? 態々今作らんでもその場で作ればいいだろうに……。

 まああれだ、こういう欠陥兵器を見たら日本人としては改造を施してどうにか使えるようにしたくなるよな。日本人の本能みたいなもんだ、もったいない精神ってのはな。

 

 そういう事で色々と魔改造してみたが、もうこれパンジャンドラムじゃねえだろと言いたくなるようなものが大量にできてしまった。

 例えばこれ。水圧式縦型航空パンジャン。言いたいことはわかる、空飛んだ時点でそれパンジャンじゃないと言いたいんだろう。わかる。だがまあ聞いて行け。

 鬼道を応用することで内側から水を出し、回転しながらロケットのように飛んでいく。内部には当然爆弾があるので当たれば爆発する。飛ばすのにわざわざパンジャン使った理由? 知らね。俺の頭が湧いていたに違いないな。

 それからこれ、とりあえず被害半径を広げることだけを考えた結果、実際に使ったら計算上瀞霊廷全体に綴雷電がぶちまけられ一寸先は綴雷電二寸先も綴雷電三寸先も四寸先も五寸先も綴雷電当然その先も綴雷電と言う状態になってしまうと思われる衝撃反転型跳躍式雷電パンジャンドラム。当たり前のことを言うが無差別だしこれを起動させるだけの霊力があるならそれ使って別の術を使った方がよっぽど効率がいい。衝撃反転式と言うのは破道の一である『衝』を使って本体を上空に跳ね上げることでジャンプ地雷と同じように被害半径を増やす試みで作られたものだ。成功だが失敗だなこれは。

 そして成功っぽいと思ったのが浮遊型術式起点補助パンジャンドラム。簡単に言うと、これを操っているとパンジャンドラムの方から鬼道を撃てるようになる。あと結界の起点にしたり防壁張って空中飛び回らせたりすることで囮もできる。

 

 ところで知ってるか? 紅茶と緑茶ってのは結構同じ葉を使っているものが多かったりするんだ。つまり日本人の事を緑茶をキメた変態だと言うなら英国人も同じようなものだと言う事だな。そしてチャイをよく飲んでいるインド人もだ。インドのは砂糖やらスパイスやらが大量に混ざっているからちょっと違う気がしないでもないが。

 しかしよく考えて欲しい。インドの神格と言えばそのスケールから考えて色々と頭おかしい奴らの巣窟だ。世界崩壊とかよくあること。踊り踊って世界崩壊、妻といちゃいちゃして宇宙を焼き払いかける、そんなことが当たり前にある神格ばかりが集まる場所、それがインド。そんなインドに住んでいる人間もまたインド頭だ。要するにチャイをキメている訳だ。何もおかしくは無い。

 おかしいのはどちらかと言えば総隊長の方だ。なんでそんなに俺を隊長にさせたがるんだか。俺は現状卍解擬きはできてもちゃんとした卍解はできないってのに。と言うかあるのか俺の作った斬魄刀に卍解とか。ほぼ完全に俺の同位体を俺として呼んでその結果だぞ? もはやあれが卍解なのでは?

 ただ、始解だけでもそこらの奴に負ける気はしない。実際卍解されたところでそこまで強くないしな。元々俺の生まれが上位世界なせいか、魂の強さと言うか存在の重さと言うか、ともかくそう言うのには自信がある。実際には下位世界に押し込む際に余った部分を削ってチートとかそう言うのにするそうだが、俺は削られた後にもう一度同じように存在の力を増してしまったからな。色々な世界を巡って修行もしてきたし。

 卍解……卍解ねぇ……待てよ? この中にいる俺が真実俺だとするなら、織斑一夏の名前じゃなく大本の俺の名前になるはず。上位世界から落ちたときに削った物でチートが作られるなら、文字通りの意味で千の顔を持つ英雄からできた俺は俺だ。だったらやってみる価値はあるかもしれんな。パンジャンドラム片付けよ。もし火種とか出てきたら誘爆しそうだし。

 

「副隊長!隊長がまた逃げ出s」

 

 ズドン。

 

 

 

 

 

 ……よし、いつもだったら少し時間をやるところだが、今回は許さん。たっぷりとパンジャンドラムを楽しんでいくといい。ノックもせずにいきなり開けて爆発の直撃を受けた隊士が黒焦げアフロになっているが、まあ適当に治して転がしておけばいいだろう。十一番隊ではよくあることだ。

 あと、名も無き刀の方を『侘助』の名前で呼んでおき、その能力を一時使えるようにしておいた。あれだ、斬ったら重量が二倍になる、ってやつだ。これはかなり便利だよな。鬼道系の能力なのか物理系かよくわからん能力だが、まあ恐らく鬼道系だろう。それも縛道系統だ。

 逆に言えば、斬魄刀という形であってもそれができているということはつまり再現すれば同じことができるようになると言う事だ。今回丁度いいし真似てみよう。どんな斬魄刀使っても相手を重くできるかもしれん。実験台はやっぱり今回逃げ出してくれやがった隊長にお願いするかね。

 




Q.卍解擬きってなんぞ?
A.今使っている完成系変体刀十二本を始解として、それの上位互換になりうる物を卍解擬きと設定しています。

Q.ちなみにどんなの?
A.
鉋→思いつかない。と言うかこれの上位互換ってなんぞ?
鈍→二次元の刃(脳嚙ネウロより)
鎩→増やせる対象が自分の開放可能なもの全部に
針→そもそも使う機会ある?
鎧→モビルスーツその他巨大ロボ
鎚→如意金箍棒(西遊記より)
鐚→寄生系回復用ナノマシン(ただし正しくない手順で取り除こうとすると自爆する)
釵→自動人形系で適当に。鎩で増やされるなら大抵こいつだと思われる。
鋸→木刀は木刀だしとりあえず『洞爺湖』とでも彫られる?
銓→多分これからもこれを武器として使う事は無いんじゃないかなーと。
鍍→もしこれが滅却師に奪われたら多分その滅却師は一夏に完全に毒された感じになる。
銃→空間から大量の銃口が出てきて無限に何らかの弾をぶち込んでくると思われる。

Q.あともう一つ。紅茶に対してのその信仰心にも似た思い込みは何なの?
A.ネタです。


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BLEACH~14

 

 side 織斑一夏

 

 パンジャンドラムに乗って空を飛び、パンジャンドラムを飛ばして索敵し、パンジャンドラムで結界を張ってパンジャンドラムから爆撃。パンジャンドラムを囮にパンジャンドラムを叩き付けパンジャンドラムで行き先を封じパンジャンドラムの模様で幻術をかけパンジャンドラムを突撃させパンジャンドラムの自爆に巻き込みパンジャンドラムで轢きパンジャンドラムに捕えてパンジャンドラムで運ぶ。

 

「なんだこいつは……」

「panjandrum」

「は?」

「panjandrum」

「なんだそいつは」

「あ、隊長が今座ってるところは爆弾なんで気を付けて」

「おいコラ一応隊長を爆弾と一緒に閉じ込めるとか何考えてんだ!?」

「毎日二時間さぼらせてあげてるんだからむしろ温情だと思うけども? 衝撃加えると爆発するんで動かないことをお勧めしますよ……おっと石」

「避けろ!避けろよ!?」

「大丈夫、俺は爆発した瞬間逃げられるから問題ない」

「俺の命に問題が出るぞ!?」

「それも大丈夫。ちょっとアフロになる程度の威力しかないのは確認済み。よかったね」

「そもそも爆弾がある時点でおかしいだろどうやって作った!?」

「霊子を圧縮して閉じ込めるだけでなんちゃって爆弾くらいなら簡単に。ただそれだけだと寂しいんでちゃんと釘やら鉄の欠片やらを入れて手榴弾のように周囲に被害をまき散らせるようになってます」

「あっぶねえなおい!」

 

 ちなみにこのパンジャンドラムは二重構造になっていて、外側が回転しても内側はそのまま動かないため中に物を入れたまま転がしても大丈夫と言う画期的なパンジャンドラムだ。こんなもの作るくらいだったら別の物を使えばいいとか言わないでいいぞ、俺もそう思ってるから。

 それと今日の隊長のメシはウナギのゼリー寄せを中に入れたスターゲイジーパイにマーマイトをトッピングしたブリタニアの餌にしてやるから覚悟しておけ。単体でもまずい物をいくつも混ぜるとどうなるか知ってるか? 奇跡がいくつか重なるレベルで運が良ければびっくりするほど美味くなったりもするが、大抵の場合は地獄が顕現する。スターゲイジーパイはちゃんと下処理をしてから適切に料理すれば結構美味いのができるし、ウナギのゼリー寄せ……と言うか煮凝りは骨や内臓の処理と調味料の見極め&加減を間違えなければまあ食える物ができる。マーマイトは……あれは俺も諦めた。あれは無理。好きな奴は好きなんだろうが俺は無理。

 そして今回は罰ゲーム用なので本場のちゃんとしたウナギのゼリー寄せとスターゲイジーパイにマーマイトを用意しました。地獄絵図だな。

 そもそもあの国はマジで極限状況にあるからな。主に緯度と地質の問題で。

 全域で雪がガンガン降る島国。緯度が高いから夏でも割と涼しく冬は頞部陀(あぶだ)かってくらいに寒い。頞部陀ってのは八寒地獄の一番浅い所だな。確かに寒いが一番マシな所だ。それでも寒いし生きた人間ならあっという間に氷漬け確定だが。ちなみに未来の十番隊隊長の卍解で有名な大紅蓮地獄は摩訶鉢特摩と言う八寒地獄の八番目、一番寒さがきつい所の別名だ。

 そのため植物が育ちにくく、地質的に木を育てるには向かない場所が多い。植物が少なければ当然草食動物は減るし草食動物を食って生きる肉食動物はもっと減る。雑食の人間と豚が生き残るのは必然だったわけだ。豚と言っても昔のイギリス、ブリテンにいた豚は家畜化されているものばかりではなく害獣としての猪も多かったそうだし、やっぱりこうなっても仕方ないっちゃ仕方ないわけだ。俺は絶対に正式なイギリス伝統料理は食わんけどな。

 

 ……不味い料理ってのは毒を食わせるより心を折るのに役立つよな。特に周りの奴らがいいもん食ってるのに自分だけ糞みたいなもん食わされると本当にきつい。それに関して俺はよく知っているが、なんで知っているかは気にすんな。俺にもそこそこ良くない環境で生まれ育ったことがあるってだけの話だ。

 

「さあ食え特製ですよ」

「明らかに人間が食ったらまずい物な気がするんですがそのあたりどうなんですかね織斑さん」

「死にはしない。食え」

「アッハイ」

 

 なお味覚は死ぬ。たまに嗅覚も死ぬ。そしてスターゲイジーパイの見た目によって視覚も死にかけること請け合いだ。マーマイトのソースがかかっててグロい色してるしな。

 あとマーマイトって結構しょっぱい。だから味付けにはマーマイト以外の物は使っていないんだが、臭い消しとかのために色々突っ込んだ分風味はある。マーマイトに負けているからわからんと思うが。

 結論。俺はもう二度とこの料理が作られないことを切に望む。だってこれを作ってる最中も凄い匂いがしていたし、できる限り作る機会は減らしたい。作らなくちゃならないんだったら完成品を直接出すことにする。ただその場合レシピがずれる可能性があると言うか多分イライラして意図的に不味くなるようにずらした上で味見もしなくなるだろうからやめておいた方がいいと思われる。まあ今まさに一口目を口にした瞬間白目を剥いて泡を吹き卒倒してビクンビクンとやばい感じに痙攣している隊長を見ればこうなりたいと思うやつはそうはいないだろう。だがお残しは許さないので残りは全部隊長の口に詰め込んで無理矢理呑み込ませておいた。静かになったし大丈夫、暫く安静にしておこう。実際不味いだけだし。

 

 なお、隊長はこの後一週間目を覚まさず、目を覚ましてからも一月の間全身に違和感が出るようになったという。ブリタニアのメシって怖いわ。

 




Q.新しい隊長って誰よ? 更木剣八?
A.いいえ、名前も出てこないオリキャラです。これからも多分名前は出てきません。

Q.ところで、スターゲイジーパイってそんな不味いの?
A.そもそもあそこ土地がやせまくってるから美味い穀物が取れないんですよ。あと水が硬いから少なくとも日本人の口には壊滅的に合わないです。


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BLEACH~15

 

 side 織斑一夏

 

 悪戯っ子がいきなり訓練に乱入してきたらどうするか。まあ、普通に考えればつまみ出すんだが十一番隊では違う。例えそれがお偉い貴族の出身だろうが年端も行かぬ子供だろうが女であろうが関係ない、強い者が正しい。それが十一番隊だ。だから俺が実質的な支配者をやってられるわけだが。

 そんなわけで逃げ足だけは早い子供を追いかけ回す訓練をさせたが、どうも単純に足が速いだけでなくそれなり以上に鍛錬を積んでいるらしい悪戯っ子は見事に逃げ回ってみせた。隊士のいい訓練になっただろうと言う事で飯を食わせてさっさと帰したが、そしたらちょくちょく乱入してくるようになった。走るばかりでなく体術面もできるようだから武器不使用で攻撃可としてみたらなかなかいい勝負になった。未来は明るいな。いや明るいのかどうか知らんし実際には事件が死ぬほど起こると思うが。

 

 ……そう言えば、零番隊の自称一番いけてる零番隊士は斬れ過ぎて鞘に納めることもできない刀を作ったらしい。多分物質としての強さはあっちの方が上だと思うが、能力としては鈍の方が上だと思われる。鈍は斬ると言うより分子間の結合を無くして二つに分ける感じだし、それで鞘が切れない理由はそもそも刃の切れる部分が鞘に触れない作りになっているからだ。だから普通の刀に比べて少々摩擦が強く、血で濡らして摩擦を減らすことでより早くするなんて無茶な技が実現するわけだ。普通なら美しく仕上げた鞘の内面より血濡れにした方が早いなんてことは無いからな。超絶どうでもいいかもしれないが。

 まあなんにしろパンジャンで轢けば大体の物はどうにかなる。時々轢くと言うか挽く感じになるが細かい事だ。あと虚相手だとパンジャンで爆殺すると滅却師と同じようなことになるからちゃんと斬魄刀で殺りましょう。勿論始解あるいは卍解するとパンジャン型になる斬魄刀なら全く問題ないけどな。俺のみたいに。

 

 脱線したので話を戻すが、あの子供は恐らく護廷に入ってくるだろう。入ったからなんだと言う訳でもないんだが、そこそこ以上に使える奴だと思われる。適正を考えれば二番隊の刑軍辺りだろうか。十一番隊には入らないと思うが、まあ本当に入ることがあったら是非とも遊びに来てくれ。歓迎しよう。盛大に。

 それと、いたずらっ子を捕まえられなかった隊士たちにはペナルティとしてたっぷりと鍛錬のお代わりをさせておくことにした。楽しむといい。

 

「副隊長。俺ら死にます」

「気合が足りんとは言わんが限界すれすれまではやれ。強くなるためならとりあえずぶっ倒れるくらいはやれ。血反吐吐いてからが本番と言わないだけ温情だぞ」

「ぶっ倒れるまで全力で、ですか……」

「ぶっ倒れた後に俺がお前たちの身体を操って死ぬまで走らせてやってもいいぞ」

「止めてください死にます。わかりましたぶっ倒れるまでやらせていただきます!」

「ちゃんと訓練メニューをこなした奴には昼飯にカツを食わせてやるから頑張れ」

「ウッス!全力でやらせていただきます!」

 

 こいつら基本飯で釣れるから楽なんだよな。全力で動いた直後にカツカレーとか出しても普通に食うし、あと十一番隊に貧弱っぽいモヤシが入ってきた時に飯当番として色々と叩き込んだ結果雑用係ではなく飯係として大事に扱われるようになったみたいだしな。単純なんだこいつら。

 あと悪戯っ子にも同じものを食わせてやるが、一口食べた時点で目をキラキラさせてそれからすぐに掻き込み始めた。口に合ったようで何よりだ。しかしこの飯は護廷十三隊で共通の物ではなく十一番隊でしか出ないものだと説明したらかなり真剣な目になった。多分あれはいかにして十一番隊に入ろうとしているかを考えている眼だ。

 一応言っておくと十一番隊は強さを重んじる隊だ。だがこの強さってのは別に戦闘能力に限らない。一番わかりやすいのが戦闘能力だから重要視されているように見えるが、原作の時期ならともかく今は鬼道だろうが剣だろうが最終的に生きていた奴が、あるいは自分の意思を貫き通して相手に意見を曲げさせられる奴が強いってことになっている。だから飯係として毎日の飯を作る元モヤシは戦闘能力は高くないがそこそこの力を持っている扱いになっているし、飯と書類(給料に関わる)と戦闘力がある俺は隊長ではないにもかかわらず隊長相手であっても真正面から話ができるわけだ。

 要するに、十一番隊に入りたいなら強くあれ。一番手っ取り早い方法はそれで間違いない。優秀すぎると一番隊とかに引っ張られることもあるからそのあたりは気を付けないといけないが、一番隊がどうしても欲しいというようなことはまず無いから安心していい。ちなみに俺は一番隊に欲しいと言われたが全力で拒否った。規律とかそう言うのがあまり得意じゃないんでな。

 ……帰る? そうか。気を付けて帰れよ。不審者を見かけたら解決しようとか考えず近くにいる信用できる奴に伝えること。いいか? 

 よし。じゃあな。

 




Q.この子供ってまさか……
A.夜一ではないと言っておきます。血族ではありそうですが。

Q.十一番隊、原作とだいぶ違くね?
A.一夏がいるからね。仕方ないね。


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BLEACH~16

 

 side 織斑一夏

 

 時が過ぎるのは早いもので、ちらほら原作で見た顔を見かけるようになってきた。ただ、原作では隊長だった奴が隊長ではなく席官だったりするが、まああまり大きな差ではない。そして俺はいつもの通り隊長への昇進は遠慮させてもらった。まだ卍解もできてないし、仕方ないね。

 ……実際卍解はできていない。いや、もしかしたらできているのかもしれないがわからん。こちとら持ってる斬魄刀が両方ともまともじゃないんでな。名無しの方は適当に名前を呼べばその通りになるからもうこれが卍解でいいんじゃないかなと思っているし、虚の俺の名前を呼べば虚化もできたりするから最悪斬った虚の力を溜め込んで纏うことでパワーアップする能力とかそんな感じの事を適当に言っておけばいいだろう。卍解は使えないことにしているからそんなことを態々説明するまでも無いと思うが。

 あと元照魔鏡の方だが、やっぱり織斑一夏が名前だった。一応俺は織斑一夏として英霊の座に登録されているからこっちだろうとは思っていたが、やっぱりこっちだったな。

 能力も俺と変わらん。ただ、織斑一夏としての俺がいるなら恐らく織斑一夏じゃない俺の名前でも反応するだろうと思って色々と名前を呼んでみたところ、大体の物には反応した。

 イギリス生まれの魔法使いにも反応したし、恋姫の世界で使っていたいくつかの名前でも同じように反応した。忍んでない忍者世界の俺の名前でも反応したしシュテルンビルトでヒーローやってた時の名前でも反応したが、一番いい反応をするのはやっぱり織斑一夏の名前なんだよな。多分これからも今まで通りの名前で呼ぶわ。

 

 そして原作のキャラクターの中でかなり変わったと思えることが一つ。糸目銀髪の関西弁の少年と、なんか光の具合で髪の色がかなり変わって見える少女。その二人が俺の所の奴らの中にいた。まあ、少なくともこの中にいる限りは飢えることだけは無いから安心するといい。その他の危険については流石に知らんが、事件なんかがあったら是非教えてくれとだけ伝えておいた。

 まあ、信用されてるかどうかはわからんが少なくとも俺がここを治めてるってことは納得してくれたらしい。そもそも始まりは俺が色々な場所で炊き出しをしていたことで、行き場のない孤児たちが集まってできたのがこの場所だからな。結構強めの結界が張ってあるから早々中には入れないし、入ったとしてもここにあるのは食材くらいだ。一応家畜もいるにはいるが変わらんな。

 ……このままだと原作通りに進む事は無いかもしれんな。まあそれはそれで構いやしないんだけども、俺としてはここから何があれば原作のように進むかを考えたい。世界の修正力的に考えれば原作部分をできるだけその通りにしたいはずだし、どうすればああなるか。

 まず、似非ヨン様がここを見つける。そして実験台にする。その時に少女の方が被害に遭う。それを関西弁の彼が覗き見る。こんな感じか?

 だったらまずは見つからないように隠すことだが、これはそう難しい事ではない。霊子に満ちた世界であってもハリポタ的な魔法は使えないわけではないからな。秘密の守り人のあの魔法を使えばいい。少なくとも霊子の流れで何かがあることは確信できてもそこに入ることはできなくなるからな。入るところを見られたり、入れる奴に連れ込まれたりすると効果が無くなるが。

 

 ……鏡花水月のせいで普通に潜り込んでくる未来しか見えない。一応結構有名な集団だし、いなくなったら探されたりもするだろうから狙われにくいとは思うんだが……どうかねぇ……世界の修正力ってのはかなり強いからそれなり以上の対策をしても割と簡単に対応されたりするからなぁ……。

 対策されない方法? まず主人公を世界からリタイアさせればその時点で根幹が歪むからいくらでも弄れるようになる。ただし弄れば弄るほど歪みは大きくなるから気を付けんといけないけどな。歪みすぎると世界から切り離されてしまうから。

 鏡花水月を何とかする方法……初めから鏡花水月を盗んでおけばいいんじゃね? あるいは俺の方で鏡花水月を何本か作っておけば催眠状態にはならないだろうし。お守りとして作った鏡花水月の刃を折ったものを袋か何かに入れて持たせてやれば最低限催眠にはかからんですむだろうか。能力的にやって意味があるかは知らんが。いくら相手の特殊能力が効かなくなったからと言ってレベル1の勇者がレベル100の魔王に勝てる訳がねーんだなこれが。ステータスの暴力って奴だ。闇の衣を纏ったゾーマより純粋にレベルとステータスで圧倒されている相手の方が辛かったりする。だって闇の衣は剥がせるし。

 

「―――僕の顔に何かついてます?」

「あー……なんと言うか、何かついていると言うか、なんかついてなさそうな顔してる」

「幸薄って言いたいん?」

「いや、なんかあれだ、自分の大事な人に危害を加えた相手をいつまでもいつまでもいつまでもいつまでもつけ狙って殺す機会を探って最終的に殺すのに失敗しそうな顔……?」

「どんな!?」

「わからん。ただなんかそんな感じに見えた。とりあえずお守りやるからちゃんと持っとけ」

 

 お守り(鏡花水月の破片)だがな。便利だぞ。

 




Q.あれ? 卍解できるんじゃ?
A.卍解と言う事にしているだけで卍解そのものではないんです。見た目卍解以外の何物でもないですが。

Q.原作どうなんの……?
A.さあ? とりあえずぶっ壊れるのは確定的に明らか。


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BLEACH~17

アンケートですが20話で締め切らせていただきます。


 

 side 織斑一夏

 

Q.鏡花水月対策で一番いい方法は?

A.俺そもそも鏡花水月効かないからわからん。

 

 うん、そうなんだわ。効かないんだわ。だってほら、鏡花水月って催眠及び洗脳系だろ? 俺は自分が健康体であり続けるようになってるだろ? 洗脳も催眠も毒も効かないだろ? そういう事よ。要するにあれだ、デバフ完全無効って奴だ。実際には睡眠のデバフは効くと言うか通ると言うか通しちゃうんだが、そこに悪夢を見せるとかそう言うのが入ると途端に効かなくなる。寝るだけなら効くのにな。

 ちなみにこの実験は名無しの刀を鏡花水月と呼んで実験したものだからマジで敵で出てきたらどうなるかはわからない。恐らく効かないと思うが、あくまでも俺だけなんだよな効かないの。

 あと、糸目の少年に渡した欠片だがあれを肌身離さず持っていれば鏡花水月は防げるはずだ。実際効いてなかったしな。ついでに大事な相手用に一つ欲しいと言われたから渡してやったが、俺が見てないうちに自分のと中身を入れ替えていた。同じだ同じ。違いがあるとしたら重さとか形とかそんなんだ。効果は同じ。言ってはやらないが。

 

 それはそうと俺にも仕事があるので十一番隊に戻る。わーいやっぱり仕事が山になってやがりますがなド畜生。一応隊長もやってはいるようだが脳筋に一体どれだけの仕事ができると言うのか。ちゃんと計算のできる脳筋ならいいんだが、脳筋って大抵の場合計算に根性論と気合と筋肉を捻じ込んでくるから実質計算できないのと変わらないんだよな。パンジャンで追いかけながらだとちゃんとできるのに何で座ってるとできないんだ? 普通座ってる方が覚え良いよな? まさかとは思うが本当に筋肉で物を覚えているから筋肉を動かしながらじゃないと覚えられないあるいは覚えた物を使えないとかそんなんじゃないよな? ないと言って? まあこういう場合本当に無いと言われたところで現実は変わらないから気休めにしかならないんだけどな。流石に筋肉で物を覚えるとか無いとは思っているが。

 そう言えば、俺は死神としての勉強はしたし修行もした。虚と言うか仮面付きの修行も一応したしそこそこ物にしてる。ただし俺の仮面は無いので出しっぱなしにできる時間とかわからんけどな。普通に使ってるし。それから滅却師の修行もした。滅却師って基本的に霊子操作で何でも完全再現できるからそこまで苦労はしなかった覚えがある。

 だが、完現術についてはほとんど何もしていない。何もしないでも勝手に発動し続けている自動発動型だからかもしれないが、物質の魂に干渉したりとかは……あ、できた。結構簡単なのな。多分霊子でできている世界だから余計に簡単なんだと思うが。

 後は完現術の強化だが……いや、デバフ完全無効だけで十分すぎる。睡眠については受けながら動けるから全く問題ないな。デバフ完全無効の強度だけ上げとく感じでいいか。無効化を貫通されたりとかしないようにそう言う所はちゃんとしておかないといけない。とりあえず概念的な方向からの対処と世界法則を弄ってくるタイプへの対処、あと因果関係を弄ってくる奴にも対処しとかないといけないな。

 なお、俺の斬魄刀は俺本体であるため完現術が強化されると斬魄刀もその影響を受ける模様。一番の反則は完現術だった……? まあどいつもこいつも極めるか極める寸前まで行けば一般人からすれば反則みたいなものにしかならないけどな。中国拳法の七孔墳血の人とか。

 

 毎日毎日修業は続くが色々な世界でその世界風の修行を続けてきた俺にはそこまで苦痛ではない。一番きつかったのはドラゴンボールだな。何しろあの世界だと俺がいくら強くなっても簡単に上回る奴が出てくるから上限が見えなくてきつい。加えて身体能力だけで俺以上の奴とかもいないわけじゃないし、まさか俺が全力で技術に逃げないといけない時が来るとは思っていなかった。まあ技術に逃げれば大抵勝てるんだがね。

 そんな感じで様々な世界で培ってきた修業レパートリーはそう簡単に尽きるものではない。そもそも霊力を使わない高速移動方が無いってだけで武術はそこそこ止まりだとわかってしまう。気も魔力も霊力も、超常の力を一切使わないまま目にも止まらぬ高速移動くらいやってみろと。力任せじゃなくてまともな人間程度の身体能力に抑えても決して不可能ではないはずだ。少なくとも俺はできた。この世界でも全く問題なくできた。まあ技術だからできない方がおかしいんだが、たまに世界が根幹から違うせいでできない世界とか身体もあるんだよな。電脳世界とかだとマジで技量による増幅とかそう言うのを科学的に抑え込んで無理矢理一般人の常識にまで抑え込んで来やがるから難しい。そう言う時には内側から作り変えてやればいいんだが、それを実行した場合恐らく消されてしまうから実行するかどうかは難しい。人間の手から離れた純粋に自然の電脳世界でもあれば話は別だが、そんなものは今まで見たことがないからな。裏インターネットですら一応は人間の作った物だったし。

 ……デジモン世界ならワンチャンある場合もあるか? 行ったこと無いから知らんが。

 




Q.お守りが役に立つことはあるんですか?
A.あるかもしれないし、無いかもしれない

Q.ドラゴンボール……お疲れさまでした。
A.インフレ激しすぎんですよねあの世界……

Q.そう言えばアンケートでどれを選んだら書き直しになるの?
A.正直ヒロイン無し以外どれ選んでも若干遅くはなります。書き直しかかるのはバンビちゃんです。

Q.具体的にどのくらい書き直しかかる?
A.平均文字数2100×20話くらい?



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BLEACH~18

 

 side 織斑一夏

 

 えーっと……どうしようか。これ、困るな……うん、マジでどうすっか……。

 まあいいや、なるようになる。と言うかなってくれないと困る。だからなるようになれ。

 

 さて、原作において始まりの頃、尸魂界編でのラスボスにして死神としては最強格の男、名前は……藍染惣右介。なんか死神としての限界の先に行くために死神と虚の境界を超越しようとした男だが、この男、主人公に言わせれば『ただひたすらに虚無だけが心の中に広がっていた』らしい。あまりにも強すぎるが故に自身の死神としての力を失いたかったんじゃないかと予想すらされていた男だが……ここで問題です。俺と藍染、戦えばどっちが勝つでしょう?

 まあ、俺だな? 鏡花水月無効、霊圧俺の勝ち、霊力量俺の勝ち。はっきり言ってしまうと最初期の死神の力を自覚していなかった頃の主人公と始解を覚えたあたりの更木の剣八くらいの差がある。まあ、全力で斬りかかっても肌に刃が通らないくらいか? あるいは斬りかかった方の手の皮が裂けてついでに斬魄刀が粉々になるくらい?

 まあともかくそのくらいの差があるわけだが、ここで再び問題。自身が強すぎることによって孤独感を感じていた男が自身より強い男が人生エンジョイしているのを見つけました。どうなるでしょうか?

 

 まあ、喧嘩の一つ二つ売ってくるわな。纏めて買い叩いてパンジャンに放り込んで爆破してやったけど。

 なお喧嘩の結果、腕力も脚力も走力も体術も霊圧も霊力操作も剣術も鬼道も全部俺には劣ることを確認され、なんかとても清々しい顔で笑っていた。キモい。

 

「キモいは酷くないですか?」

「ちょっと想像してみ? なんかいきなり喧嘩売ってきた相手がほぼあらゆる出来事でぼっこぼこにされて何一つ勝てないことを刻みつけられているにも関わらず清々しい感じの笑みを浮かべたと思ったら悪役三段笑いを思いっきりかましている所を見たら、お前ならどう思う?」

「……キモいですね。すみません」

「うん、めっちゃキモいわけだ。マジで勘弁してほしいレベルでキモいわけだ」

「そうですね。私でもちょっとよそでやってほしくなります」

「そう言う訳だから一旦落ち着くまで俺から離れて? 可能ならちょっと視界から外れて?」

「あ、いえ、もう大丈夫です。落ち着きました。ちょっと客観的に自分の現状を見つめたらその瞬間落ち着きました」

「ほんとにござるか?」

「ござる!? え、ええ、本当です」

 

 まあ突然夢が叶ったら一時的に正気を失うのもわからなくはない。ただ、どうもこの眼鏡の坊ちゃんはここに来るまでに色々とやらかしてきていたようで、その辺りを全部知って訴えたら二千年くらいは務所に入れられるんじゃないかと思ったりもする訳だが……なんかその辺全部ぶっ飛んでる気がする。

 ……こいつが色々やらかしたらとりあえず首を飛ばしておくつもりだったんだが、なんかやらかさない感じになってますね? いやもうやらかしてはいるんだろうが、致命的なところまではやらかしてないね?

 

「ところでお前崩玉作った?」

「……ええ、まあ、作りましたが」

「完成してないだろ」

「はい。よくご存じで」

「一応言っておくとあれに魂を削って与えたところであんまり意味無いからな。やるんだったら崩玉と同等の密度まで圧縮した魂魄の結晶体みたいなものでも与えないと」

「……よくご存じで」

「そうやって完成させた崩玉がこちらになります」

「 」←絶句

「そしてその予備がこちらになります」

「 」←忘我

「さらに予備の予備がこちらになります」

「 」←白目

「なおこれらに与えた魂魄結晶はかつて現世で砕かれた虚の物を再構築したもので賄っているため完全に合法。むしろ現世に留まり続けている魂魄の量を減らしているから褒められることはあっても罰される事は無いと自負している。そもそも消滅した虚に対しての法なんて無いしな」

「 」←転倒の後しめやかに気絶

 

 なお実際には完成体で出したのが二つ、未完成の状態で出してそこに魂魄結晶を与えて完成させたのが一つなんだが、態々言うような事じゃないし構わんだろう。あと虚を消滅させることによって現世に増えた魂魄を(プラス)に戻して尸魂界に還元するとかマジで表彰物じゃね? 零番隊に推薦されてもいい感じじゃね? されても受けないけど。

 

「欲しい?」

「……いえ、自分で作ります」←復活

「あっそ。だったらあれだ、もう一人崩玉を作っている奴がいるからそいつから貰って食わせれば完成すると思うぞ。あいつのはほぼ完成しているが完全ではなく、お前のはガワができている程度だが中身さえ入れればほぼ完成だ」

「なぜ、そこまで教えていただけるのです?」

「暇だから。できればあれだ、世界が崩壊しない程度に荒れてもらいたいね」

 

 大体の事が自前でできるってのは一種の悲劇だ。何でもできるが故に努力しようにもする努力が見つからない。努力しないでもなんでもできるというのは心を腐らせる。周りから見れば羨ましいかもしれないが、やってるこっちからするとずっと続けば倦んでいく。

 だからこそ、妙に強かったりする奴は色々とぶっ飛んでる奴が多いわけだ。大抵の場合ある程度の才能と時間があればおおよその事はできるようになるし、天才ってのがひねた目で世界を見るようにもなる。仕方のないことだが、面倒臭い。

 

「……荒らせ、と?」

「いや? 荒らしたいんだったら荒らせばいいと思うし、荒らしたくないなら荒らさなくていいと思うぞ。と言うか崩玉作ってるならわかると思うが俺の願いを吸って実現のために動いているだろうからほっといてもいずれ大荒れになると思うがな」

「……なるほど。それでは私は……コホン。僕はこの辺りで。楽しい一時でした」

「俺もそこそこ面白かったぞ。できれば今度は勝算を持って挑んで来い」

「……ええ」

 

 ……さて、これからどうなるか。楽しみではあるな。

 




Q.えっ
 ……えっ
A.一夏の勝ち

Q.……一夏さん、裏ボス化です?
A.いいえ、ラスボスより強い上にいつでも戦えるけどいつでも強制敗北イベント戦闘をしてくるタイプの中ボスになるだけです。


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BLEACH~19

 

 side 織斑一夏

 

 更木剣八と言う男がいる。非常に強いが強すぎる故に自身の実力に蓋をしてしまった男だ。

 まあそう言う訳で、ちょっと蓋を取っ払いに行くことにした。流魂街に眠る原石の発掘って名目でな。実際にあいつとマジで戦ったらいろいろと問題が出てくる予感しかないが、一応世界を区切っておくから多分大丈夫だろう。多分な。

 そう言えば、更木剣八っていったいいつから生きてるんだろうな? 現四番隊の隊長が十一番隊の隊長をやってた頃に子供だったはずだから、結構な年だとは思うんだが……まあいいや。ともかく行ってみようか。

 

 行ってみた。向こうから駆けつけてきた。勝負した。一応勝ちはしたがこいつくっそ強えのな。一応倒す度に治しはしたが、治す度に襲い掛かってくるとは。せめて少しくらい話を聞いてくれてもいいんじゃないかね? 聞いてくれないのは何となくわかっているがそれでもそう思ってしまうのは仕方ないだろう。だって相手は更木剣八だもの。

 そう言う訳で起きては斬り起きては斬りを繰り返していくとだんだん硬くなっていくし、だんだん速くなっていく。それでも俺の剣速にはついてこれてはいないし斬ろうと思えば斬れるから問題なく相手しているんだが、これ最終的にはどこまで上がるんだろうな? あとそろそろこいつの霊圧で世界を区切ってある隔離結界にガタが来てるからそろそろ一回終わりにしようと思う。

 四肢を斬り落とし、腹を貫く。この状態でも笑みが止まって無いんだから本当に戦闘狂ってのは厄介だ。力が勝っていれば御しやすくもあるんだが、力関係が逆転すると途端にやりにくくなる。まあ獣の論理みたいなものだから仕方ないっちゃ仕方ない。

 四十六室の奴らがいたらここで殺しておけと言ってくるんだろうが……それは俺の仕事じゃないから却下だ。可能な限り黙っていてもらいたい。

 

 ……そう言えばこいつの育ちって更木だよな? 文字読めんのか? 読めねえだろうなぁ……仕方ないから今回の発掘の成果はこいつってことにして今回は戻るか。あっちにいるこいつの斬魄刀も持って行かねえと。

 こいつが文字を読めるんだったら適当に書置きでも残しておけば護廷に来ようとするだろうが、多分じゃなくまず間違いなく読めねえだろうしな……それにこいつの霊圧から周囲を守るために世界を区切っておいたからこいつが起きてから戦った相手の事を聞いても誰も知らないと答えるだろうし……全く、仕方ないな。

 とりあえず斬魄刀をしまって、剣八の斬魄刀も鞘にしまう。それから超いい笑顔でぶっ倒れてるこいつを背負って……

 

「おい、そこのちっこいの。さっさとついてこい」

「……わたし?」

「そうだよ。お前こいつの斬魄刀だろうが」

「……なんで?」

「俺は色々と不思議な人間でな。まあ人間じゃないと思ってくれていいぞ。人間じゃないと言われたら喧嘩売ってると取るけどな」

「ふーん……剣ちゃんをどうするの?」

「放置しといたら暴れまわりそうだから俺の目の届くところに置いておくんだよ。多分だがこのまま暴れさせたらあのクソめんどい奴らから討伐指令とかが出てくる可能性もあるし」

「誰のこと?」

「四十六室って言う頭の固い老害の集まりだな。あそこはいったい何がどう役に立っているのかよくわからん」

「……ふーん」

「あ、お前わからなかったから流しただろ」

「うん」

「正直な奴め」

 

 まあうだうだと表裏の乖離が激しすぎる面倒な言葉を使われるよりはよっぽどいいけどな。なんだよもうすぐ生まれる子供が元気に育ってくれればいいって話が家庭教師の紹介をしてほしいって意味になるとかわからんわ。一応言っておくが俺は日本語はわかっても察する能力はそこまで高くは無いからな? と言うかあれはもはや察する能力云々以前の問題だ。元からそういう物だと知っていないとわからん。

 しかし、こいつを連れて帰るとなると色々と怖いな。四番隊の隊長が八千流モードに入ったりしそう。あとこいつ絶対他人のいう事とか聞かないだろうから隊長クラスじゃないと問題が出るだろうし、斬魄刀の方のちっこいのも確か副隊長としていたはずだからそのあたりの調整もして、それからこれが起きたら説明をぶち込んで……あーめんどくさい、仕事が増える。しかしこいつがいないとある意味もっと面倒だしな……何だよ想像を現実に変えるとか。馬鹿じゃねえの? いやまあ多分俺なら勝てるけども。あと、未来の改編とかマジで頭おかしいわ。まあ俺なら多分勝てるけども。

 

 ……あー、そう言えば有能な奴と言えば細目の少年やその相方っぽい髪色の変わる少女も結構な霊圧の持ち主だったっけか。今のところ死神になる理由は無いはずだが、もしも死神になりたいって言うんだったら多少推薦してやるか。あと鍛えてもやった方がいいかもしれん。才能はあるはずだしな。

 それと、もしそれをやらないんだったらどこぞの天才児をこっちで探して拾ってくる方がいいかもしれん。霊圧云々で斬魄刀が暴走して冷気が充満するようになってたはずだからな。

 




Q.今原作何年前?
A.とりあえず四百年以上前。

Q.剣ちゃん強すぎないっすかねぇ……?
A.まあ更木剣八だからね。仕方ないね。


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BLEACH~20

この話の投稿を以て今回のアンケートは終了となります。夜一さんですね……書き直し部分が少なめでよかったですわ。


 

 side 織斑一夏

 

 原作とは変わったいかれた仲間の紹介をしよう。

 まずは藍染惣右介。原作では五番隊の副隊長及び隊長をやっていたが、何が起きたのか十一番隊で三席をやっている。毎日楽しそうに俺に挑みかかり、ぼっこぼこにされては笑みを噛み殺しきれずに笑ってる。ただし、裏でこそこそ後ろ暗いこともやっている模様。大丈夫、対象はみんな虚だから責められない。

 次に市丸ギン。そもそも護廷に居ない!だって藍染ってば非人道的な実験は虚相手にしかやってないからな!なんか最近祝言上げるとか言ってたからいつも通り個人の畑と家を建ててプレゼントしてやったよ!税として全体の一割を貰ってるけどな!なお、この貰った一割は時間を止めて飢饉などの非常時に使われることになっている。今まで旱魃も大雨も一度もなったこと無いし、飢饉もそこまで酷いことにはなってないけどな。

 松本乱菊。ギンと祝言を上げて仲良く暮らしていらっしゃいます。良かったな。なお持つこともないと思うので灰猫は頂いておいた。ついでに神槍も。

 更木剣八。二百人以上の集まる中で前十一番隊の隊長を見事に倒してのけたので現在隊長になっている。ただ、俺を見かける度に突然斬りかかってくるのは非常に面倒なのでやめてください殴り倒しましたよ(過去完了形)。

 草鹿やちる。更木剣八と同時に十一番隊に就任。第二副隊長としていつでも剣八にくっついている。たまに悪戯が過ぎると俺が殴りに行くことになるからほんともう少しおとなしくしてほしい。

 

 とりあえずこの五名が原作と大きく立ち位置の違う者たちだろう。

 さてそんなわけで五名のうち戦える三名と一緒にやってきました見えざる帝国(ヴァンデンライヒ)

 

「瀞霊廷にこんな場所があったとは……よくご存じでしたね副隊長」

「六百年……七百年か? まあそのくらい前に滅却師がここに逃げ込むのを見逃してやってな。そろそろ回復して強いのも出てくるころだろうと思って連れてきた」

「……お前最高だな、一夏」

「はいはいそいつはどうも。ただどいつもこいつも強いわけじゃない。ピンからキリまでいるし、能力の相性が悪い奴も多分いるから油断はすんなよ。俺も一部の奴相手だと真正面からやったんじゃ勝てないと思うし」

「ハッ!楽しくなってきやがった!」

「なるほど……それでは私も行ってきます」

「おう。負けても構わんが死にはするなよ」

「負けねえよ!」

「死にませんよ」

「剣ちゃんは負けないよ!」

 

 三者三様の回答になかなか面白いものを感じつつ、とりあえずこいつらがいないことを誤魔化せる時間はいいとこ三日くらいなのでそれまでに戻ってくるように言っておく。ちなみに誤魔化し方は気合と変身だ。俺より背の高い剣八は色々と無理があるし、藍染もあの雰囲気を真似るのが辛いがなによりやちるの真似が辛い。具体的には背が辛い。いや、一応真似てはいるけどな? 真似られるけどな? でも辛い。

 さて、俺も色々と斬っておこうか。可能ならユーハーヴェーハーを霊子にまで分解して虚に組み替えて二度と滅却師の力を取り戻せないように加工してやりたいところだが、それをやると更木にキレられそうなんだよな……でもやる。だって危ないもの。

 まあとりあえず、無銘の斬魄刀を賊刀・鎧と炎刀・銃に変えて近付いてきた滅却師を片っ端から撃ち落としておく。無銘の斬魄刀についてまた色々と調べてみたところ、死神の力以外にも色々と混ぜ込めることに気付いた。絶刀は虚寄りの死神の力、斬刀は完全に死神、千刀も同じく完全に死神だが鬼道系、薄刀は完全に滅却師、賊刀は死神寄りの虚、双刀は完現術と虚、悪刀は完全に虚の超速回復、微刀は完現術、誠刀は何も無し、王刀は全部を持っているがそれらすべてを相克し続けて消していき、毒刀も同じく全部あるがこちらは全てを増大させていく。ちなみにこれを滅却師が持つと多分虚の力に負けて死ぬ。そして炎刀は滅却師の能力で、まあ滅却師の矢を撃てる。物理の弾丸も同じく撃てるが滅却師の矢が一番威力高いから他のをやる意味はあまりないというね。

 ちなみにやろうとすれば全部の刀に全部乗っけられなくもないんだが、適正と言うべきものがそれぞれの刀にあるようで、頑丈さが必要なら虚の鋼皮、まともな刀なら死神、技量を要するなら滅却師といった傾向がある。例外と言うべきかは知らんが完現術はよくわからんのと、誠刀はそもそも刀身が無いから武器じゃない。なんか自分の心を量る刀らしいが……一遍更木に持たせてみるか。なんかあるかもしれん。

 

 まあそんな俺は未だ死にっぱなしのユーハーヴェーハーの顔を拝みに行く。そこに行く時に色々と邪魔も入るが、立ち塞がるなら容赦なく殺しておく。時々静止の銀を心臓の中に直接出して滅却師としての能力を完全に封じ込めながら一方的に殺していくが、やっぱり態々真正面からやるよりこうやって嵌め殺した方が楽だよな。

 ……霊子について多少知識ができたおかげかこういうのも普通に作れるようになったし、霊子体の金属も爆発物に変えられるようになった。やっぱり知識と慣れは大切だわ。

 あと、いつでも殺せるようにユーハーヴェーハーの名前も覚えておかんといかん。ユーハバッハだったはずだ。ユーハーヴェーハーと呼ぶことの方が多くなるだろうが。

 




Q.……ん? え? こんなんアリ!?
A.アリです。

Q.と言うかこれだとバンビちゃん出てこれないんじゃ……?
A.だからバンビちゃん選ばれてたら書き直しが必要になるんですよ?

Q.これ千年血戦篇どうなるの……?
A.そもそも起きないか起きたとしても規模がかなり小さくなる感じですね。多分。

Q.もしもバンビちゃんがヒロインに選ばれてたらどんな感じになってた?
A.まず、この時点で突撃しないで原作が始まってからの突撃になります。そして黒崎が死神の力を失ってる頃に一人で潜入してたでしょう。
 それからバンビちゃんがイライラしている時に部屋に呼ばれて殺されそうになる(殺されるとは言ってない)けど生き延び、眠りながら起きているのと変わらない行動ができる体質と言うか性質を利用して霊子を抑え込みながらバンビちゃんのバスター(隠語)をバインバイン(隠語)し続けてたでしょうね。
 そこからちょいと関係を広めてまあ色々。流石にそれ以上は考えてないです。


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BLEACH~21

 

 side 織斑一夏

 

 滅却師はそろそろいい感じに力を取り戻してるんじゃないかと思ったんだが、どうやらそうでもないらしい。原作で瀞霊廷に乗り込んできた奴らはまだ生まれていないようだし、そいつらに力を与えただろうユーハーヴェーハーも復活していない。なんとか生きているのが限界と言う感じですらなく、そもそも心音を取り戻すのに900年かかるんだからそりゃそうだと、なんとも不完全燃焼に終わった。不完全燃焼で終わったせいで、更木と藍染を相手に割と本気で殺し合いにほど近い訓練をすることになった。大失敗だわ。

 そしてそのせいで瀞霊廷の影の中に存在していた見えざる帝国は文字通りの意味で壊滅。中にいた滅却師は恐らくすべて死に絶え、ついでにユーハーヴェーハーも死んでいるうちにバラバラに解体してそれぞれに封印をかけておいたから復活しようにもできないだろう。なにしろ封印場所には霊子が一切無いようにしたからな。

 

 そんな殺し合いにほど近い鍛錬をした結果、最後には見えざる帝国が崩壊しさらに瀞霊廷にまで被害が拡大。およそ二割程度の建物が消し飛び、三割近い建物が倒壊を起こし、そうでない場所にもそれなりの被害が出たが……人的被害は一切出さなかった。それもこれも俺が表に出していた分身達が最速で救助と被害の軽減に動き回ったためだが。

 もし俺が動いてなかったら……まあ、瀞霊廷の七割が消滅、瀞霊廷を越えて流魂街まで被害は広がり、一桁番地は壊滅状態になっていたことが予想できる。やっべえなマジで。

 そして今回の被害の原因を探ってみれば、更木と藍染、そして俺の霊圧に加えて死神の物ではない霊圧の痕跡が出てきた……はっきり言って滅却師の痕跡も見つかった結果、査問を受けることになった。仕方ないね。

 

「此度の事件……なんぞ申し開きでもあるかの?」

「総隊長が討ち滅ぼし損ねたユーハバッハの微弱な霊圧を瀞霊廷の影の中から感じ取ったので近くにいた更木隊長と草鹿副隊長、藍染三席を連れて影の中に乗り込んだら大量の滅却師の生活区域があったので滅ぼしてきました。ユーハバッハの眠る場所に強力な結界があったので更木隊長と藍染三席を煽って最大威力をぶち込ませたところに合わせて攻撃したら結界を破ることに成功し、生きてはいないが死んでもいないユーハバッハの影のような存在が本体を守っていたので三人で打倒、その際の余波が影を通して瀞霊廷を襲ったと思われます。そして本体の首を持って来ました」

「 」

 

 なんか今にも『オッフ』とか言いそうな顔をされた。なおこの首は脳味噌と眼球を取り出した後の空の物だから流石にこれから復活はしないだろう。脳の方は大脳の右脳と左脳、小脳、間脳と言った具合に小分けしてそれぞれ別の場所に封印しておいたから、最悪の場合でも霊王の腕のようになるくらいで済むはずだ。

 

「すでに瀞霊廷の中に入り込んでいる滅却師が突如瀞霊廷内に現れて破壊の限りを尽くし、そこに完全体のユーハバッハが居るのと今の状況では間違いなく今の方がマシだと考えますが」

「……いつから気付いておった?」

「影の気配の事でしたら数日前の隊長との実践訓練の際に霊圧のぶつけ合いで影として瀞霊廷とあの場所を隔てる術式が緩んだようでして、その際に」

「被害を抑えることはできなんだか」

「総隊長殿が瀞霊廷内で残火の太刀を振り回すのに比べればよっぽど被害は少ないと思いますが? それに影とはいえユーハバッハです。無理を仰る。むしろ、大分抑え込んでなおこれです」

「抑えてなおこれか」

「逃亡阻止と威力上げのために結界を張っておりまして。まああちらとこちらの攻撃のぶつけ合いで消し飛びましたが」

「このことに関しての主犯は?」

「俺ですね。初めに気付いたのは俺、行くことに決めたのも俺、隊長たちを連れていく事にしたのも俺、行くための術式を組んだのも俺、行くための道具を作ったのも俺、あとついでに滅却師の霊子操作を見て滅却師が現世で滅ぼし霊子にまで還元された虚の魂魄を集めて整に戻す技術を実現しようとしてるのも俺です」

「そうか……待て、消滅した虚を整に、じゃと? できるのか?」

「さあ? 術式は組みましたが今まで試す機会がありませんで。半日頂ければ実験結果の記録くらいは提出しますが」

 

 総隊長の爺さんは、非常に疲れたような大きなため息を一つついた。

 

「……瀞霊廷内に潜んだ賊、それも滅却師の根絶ともなればその功績は極めて大きいと言わざるを得ない。証としてユーハバッハの首……だけでは少し弱いが、滅却師の矢の霊圧を確かに感じることから、少なくとも瀞霊廷内に滅却師がおったというのは明白。襲撃を未然に防ぎ、さらに死者も出しておらん……故に、今回の件に関しては不問とする!」

「あ、一応他の滅却師の死体なんかも持って来てはいますがここで出します? ただ隊長がぶった切ったり藍染三席がぶった切ったり草鹿副隊長がぶった切ったり俺がぶった切ったりしたせいで結構な数の部位が足りないと思いますが」

「……一応数がわかるような物だけ出しておけ。鼻か、右の耳といったところか」

「おお、えぐいえぐい。了解です総隊長殿」

 

 べしゃり、と保存しておいた滅却師の死体から右耳を削ぎ落して山を作る。結構な数だが、これで罪も無くなるだろうしその方が楽だ。

 

 

 

 千年血戦篇・完

 




Q.ほんとに終わらせよったよ……。
A.一番初めに千年血戦篇が終わるBLEACHとかこの作品だけじゃないですかね?

Q.これからどうなるの?
A.まあユーハバッハが居なくなったことを考えてそのあたりの事を色々と調整してから原作入りですかね?


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BLEACH~22

 

 side 織斑一夏

 

 前回の瀞霊廷内における滅却師討伐戦によって甚大な被害を出してしまった結果、俺と更木と藍染の三人にはついに瀞霊廷内でも限定霊印がなされることとなった。要するに、何もなければ常に五分の一の霊圧でいろってことだな。

 まあ、全力でぶつかり合ったら瀞霊廷と同じ大きさの異空間が消し飛んだ、なんてことを聞いてしまえばそうなるのもわからなくはない。普通に考えて何らかの制限は必要だろう。俺の場合こういった枷を付けた方が実力を上げやすいから是非とも来てほしい感じなんだがな。

 あと、滅却師が瀞霊廷内に潜んでいたと言う事には箝口令が敷かれているので俺達が何かを言うことはできない。同時にそのことについて俺達が何らかの形で罰されることも無くなったわけだが、俺と更木と藍染は別の隊に分けられてしまった。

 更木は十一番隊に居残り。藍染は五番隊の副隊長に就任し、俺は四十六室及び総隊長からの命令で三番隊の隊長に強制的に就くことになった。ヤダヨー……と言ってみたところで今回ばかりは許してもらえなかった。畜生め。これでも結構頑張って藍染や更木を抑えてたんだがなぁ……あと三番隊は俺の気風に合わないんだが、まあとりあえず仕事は最低限やりつつ適当に遊んでおこうか。面倒臭いが。

 それと藍染だが、俺から離れたことで色々と吹っ切れたのか結構動き回っているようだ。なにしろそこの隊長は藍染の事をこれっぽっちも信用していないみたいだが、藍染は藍染で鏡花水月フル活用して勝手に動き回っているようだからな。ついでに原作通りと言っていいのか悪いのか、あの盲目の男も仲間に引き入れたらしい。

 と、俺は何も知らないことにするためにあまり藍染から俺に関わろうとはしてこない。戦闘面で我慢できなくなったら更木の所に行ったりもしているが、俺の所にはあまり来ない。と言うか崩玉を自前で作っていた時点でそこそこに苦手意識を持たれていたようだ……と言う事になっている。なお、そのような事実はない。

 

 さて、おそらく藍染はおよそ原作の通りに護廷を荒らすことだろう。本人はどう荒すかを俺に秘密にしているようだが、何となくわかる。なぜなら原作のある世界と言うのはできる限りその原作の通りに物語を動かそうとするものだからだ。まあ最終章のラスボスは封印してしまったから、もしも出てくるとすれば霊王の左腕のように頭だけで動くくらいだろう。頭だけでも十分以上に強い可能性があるのが恐ろしい所だが。

 藍染の性格その他を考えれば、今までは大分抑えていたとしてもここから一気に加速させていくはずだ。俺から離れた途端に始めるってのがなんとも藍染らしいと言えばらしいのかもしれないが、原作からは大分離れたな……。

 で、尸魂界が荒れたなら当然戦いが待っているわけで、戦いが待っているなら更木はとても喜ぶわけで。それに今は限定霊印のおかげで自動で手加減がしているのに加えて俺が作ったハンデ用の眼帯に常時そこそこの量の霊圧を食わせている状態。それでも今の十一番隊の三席である射場を相手に傷一つ負うことなく勝てるんだから本当にぶっ飛んでるよな。俺か? そんな更木が限定解除と眼帯外して始解して完全にガチになった状態を相手に今の限定霊印付きでも多分勝てるくらいか。かなり技術に頼ることになるだろうが。

 なお、俺は無為無想とかそんな領域にはいない。俺は基本的に身体能力任せだからな。薄刀を効果的に振るうために多少剣術を学んだりもしたし、色々な世界のキチガイ剣術も取り入れてはいるが基本的には一般人だ。俺が覚えている中で気やら魔力やらと言った特殊なエネルギーを一切使わない純粋体術で一番強いのは財団神拳だし、魔力とかを使っていいなら純粋物理で物理学に喧嘩を売れるレベルでもあるし、なんなら転生及び召喚無しで世界間移動とかもできなくはないが、一般人である。以前行ったことのある身体の一部を斬り落とすなりなんなりすることでそれを武器にできる特異な人間のいる世界に行った時には本当に人間かどうか疑われたりもしたが、少なくとも俺の認識上では精神的には一般人である。酷いよな、俺は別に腕を落とされるとその腕がチェーンソーの付いた槍みたいになったりするわけでもないのに人間扱いされないんだ。しかもそんなことができる奴は人間扱いなんだぜ? 酷くね? ちょっと右手からビーム撃って敵軍を城塞のある山ごと消し飛ばしただけなのにな。確かにちょっと威力が高くて拳から山を繋ぐ直線上とその延長線上に長く伸びた谷を作ったりもしたけどさ。

 

 ……話が逸れたな。ともかく、ここから一気に世界は進んでいく事だろう。色々と仕込んだから藍染は原作以上に優秀な部分がそれなりにあるだろうし、逆に頭を使う事の一部は苦手になっているだろう。隠し事は多分上手くなってると思うがな。さて、どこまでやってくれるのか……楽しみにしている。

 




Q.藍染の計画は止めないの?
A.荒れてくれた方が楽しいと宣う主人公ですからね。

Q.ついに隊長ですか。
A.ついに隊長です。そして一部のボスキャラに枷が付きました(効果があるとは言ってない)。
 ちなみにですが、もしこの三人が現世に行く場合には追加でもう一つ限定霊印が付けられることになります。二十五分の一になるわけですね。外すには四十六室の許可が必要になります。

Q.ところで体の一部を切り落として武器にする奴が居る世界とは?
A.かつて明らかにR-18なのに全年齢として売られていた武林クロスロードという小説がありましてね? あとは察して。


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BLEACH~23

 

 side 織斑一夏

 

 色々あった。そりゃもう本当に色々なことがあった。

 例えば霊体消失事件だとか、死神の虚化事件だとか、十二番隊隊長の実験によって何人もの隊長格が虚にされただとか、当時の二番隊の隊長がそれを連れ出したとか、まあそんな感じの事だ。本当に色々ありすぎて困った。

 俺にできることと言えば、二番隊の隊長が書いたように見える手紙をこっそりと未来の二番隊の隊長に渡したり、トップツーが抜けた鬼道衆の育成に多少力を貸したり、不思議なことに突然暴れ始めた未来の二番隊隊長がウラハラコロスウラハラコロスと妙な呪文のような物を唱え続けるようになったのを抑え込んだり、一気にいなくなってしまった隊長格の穴埋めのために奔走したり、本当に忙しかった。この一連の騒ぎが終わったらしばらく休みを取ろうと決心するレベルだな。なお休みは取れなかった。久し振りに限定霊印を内側からぶち壊して更木とやり合った。藍染も混ざってきたが気にせず続行した結果、旧見えざる帝国跡地は再び消し飛んだ。今回はちゃんと瀞霊廷に被害が出ないようにしていたから消し飛んでも大丈夫だけどな。よかったよかった。

 

 ちなみに公的にはこの場所は無くなったことになっているが、俺はあくまでも『瀞霊廷の影の中に滅却師が作っていた見えざる帝国と名を付けられた場所は無くなった』と言ったのであってこの場所、つまり影の中の空間が無くなったと言った覚えはない。今ではこの場所は藍染を主体とした研究チームの研究所本部になっていたりする。虚を改造したり調整したり俺が体系化した術で作った一般人の整に虚を混ぜ込んでみたりと割とやりたい放題しているが、まあ早々バレんよな。人間そこにあると思って無ければそうそう見つけられんようにできている。面白いもんだよ。

 まあ、だからこそ俺が色々とやらかしても大丈夫だったりするんだが……十二番隊がああなってからは少しやりにくくなったな。あれのおかげで色々と隠れることが難しくなったし、誤魔化しも効きにくくなった。面倒な物を残してくれたもんだよ。その意趣返しとしてあの手紙を作ったわけだが。

 俺としては自分の身に危険が及ばないように世界で最も強く、ダントツで強くなってありとあらゆる面倒事や危害を加えてくる奴を一方的に虐殺できるだけの力を持ちたいってだけなんだがなぁ……大抵の場合そうなると俺に対しての対応が二極化される。敵対か、懐柔かの二択だ。敵対なら滅ぼせばいいし、懐柔なら無視すればいい。俺から利用されてやってもいいと思うような相手じゃないなら利用されるのは御免被る。面倒だしな。

 ……これってあれだな、剣と魔法の世界で食事が必要ない精霊系のドラゴン辺りが考えていることに近いな。そして状況的にもそんな感じ。もっともドラゴンだった場合は懐柔はほぼあり得ないが。一方的に敵対して一方的に悪の看板を押し付けて討伐されるのを待つ。そんな感じだろう。面倒なことだ。

 こんな時こそ八つ当たりだ。具体的にはいくら殺しても再生する霊王の左腕を相手にひたすらボコる。再生するのは構わん、むしろもっと再生しろ。そして俺の八つ当たり用のサンドバッグとしての人生を永遠に歩み続けてくれ。俺はお前を殺したいだけで死んでほしいわけじゃないんだ。俺は殺すつもりでお前を攻撃するがただひたすらにお前は生きろ。反撃しても構わんが死なないようにやれ。だが殺す。

 ……原作では過剰再生による細胞の限界によって死んだはずだが、それさえなければこいつは恐らく永遠に生き続けるだろう。過剰再生は通常の再生に比べてエネルギーをかなり食うし、ついでに再生した細胞はそこまで強くない。超再生と過剰再生の違いと言う奴だな。まあ気にせず死ね。

 

 

 

 

 

 side 砕蜂

 

『砕蜂へ

 この手紙をお主が読んでおると言う事は、おそらく儂はもう尸魂界を出ておることだと思う。直接の挨拶も無しにお前を置いて出て行ったことをまずは詫びさせてもらいたい。しかし、もしも顔を合わせてしまったらお主は必ず儂についてくると考え、こうして手紙を残して去ることに決めた。

 まず、儂らに掛けられている容疑は全て事実ではない。しかし、事実でないことを悟られてはならぬ。そして儂等に罪を着せた者の事をこの手紙で伝えることもできぬ。

 お主には儂の跡を継ぎ、二番隊を率いてもらいたいと考えておる。まだ少し早いかもしれぬが、それもまた経験と考え、精進せよ。どれだけかかるかはわからぬが、儂は必ず戻る。その時まで息災でおれ。

 

 追伸。浦原の奴に襲われ、嫁に貰われることになった。この逃避行は新婚旅行を兼ねている物でもある。お主もいい男を見つけたら逃すなよ。

 四楓院改め、浦原夜一』

 

 この後しばらくの記憶がない。なんでも現世に行くための穿界門を開かせようと暴れまわり、止められて気絶させられたらしい。ただ、ウラハラコロスウラハラコロスと繰り返し呟き続けていたらしいが……うっ、頭が……!

 

「私は……一体何を……?」

「これだ。追伸のとこはもう読むな。いいな?」

「しかし夜一様の手紙を読み切らないなどt……ウラハラコロォォォォォォス!!!」

「せいっ」

「がべっ!?」

 

 私は気絶した。すいーつ。……すいーつとはなんなのだろうな?

 




Q.冤罪が酷すぎやしませんかねぇ!?
A.仕事を押し付けられまくったからその反撃でしょう。それにこの手紙によって未来が大きく変わる可能性も……。

Q.砕蜂さんは進化しますか?
A.原作と同じ程度にはなると思われます。


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BLEACH~24

 

 side 織斑一夏

 

 考えてみよう。俺が今までやったことで変わった、変わらざるを得なかった未来についての事だ。

 まず、流魂街での炊き出しとそれに伴った子供たちの保護と村のような集落のような場所の作成。これによって原作において三番隊の隊長をやっていたギンと十番隊の副隊長をやることになる乱菊が死神になることはまず無くなった。俺の集落で二人仲良く暮らしているからな。

 それから砕蜂についてだが、恨みの矛先が変わった。俺の手紙のせいだな。日々『ウラハラコロスウラハラコロス』と呟きながら鍛錬を繰り返している。最近瞬閧を会得したようで火力が上がったが、風の瞬閧なので一瞬の破壊力は雷の瞬閧に若干劣る。持続性なら間違いなく風の方が上なんだがな。勿論真似させてもらった。俺のは属性らしい属性が無いから気分で染められるんだよな。

 そして藍染。色々吹っ切れて更に強くなっているが、つい最近まで結構満たされていたせいか脳筋っぽくなっている。それでも隠し事は上手いし策を練るのも上手いんだが、まあ是非ともやらかしまくってほしい。

 あと更木。始解ができるようになり、さらに原作では最後の方までつけっぱなしだった蓋が外されて凄いことになった。隊長になった時期もだいぶ早いが、実力だけなら誰もが認めざるを得ない物になっている。なお、草鹿は更木が始解を会得しても副隊長をやっている。ただし始解すると斬魄刀の中に消える。

 

 さらに、俺がユーハーヴェーハーを滅ぼしたので恐らく原作における主人公の母親や主人公の仲間の滅却師の母親が死ぬ事は無くなっているはずだ。だってほら、力を奪われることも心臓に銀が現れることも無くなるわけだから特に何もなければ死にはしないよな? まあここまで色々変えたんだからそもそも主人公が産まれてこない可能性も十分にあるし、主人公どころか主人公の母親や父親が産まれてこない可能性も無くはない。無ければよかったんだが残念なことにあるんだなこれが。主人公不在のまま進んでいく原作!もう完全に原作崩壊と言うかなんと言うか、ともかくそんな一言で済ませて良いレベルじゃない。だが一言で表すと原作崩壊になっちまうんだよなぁ……。

 まあ、遡れる時代が長ければ長いほど世界は分岐する。分岐した世界でどうなるのかは知ったことじゃないが、多分大丈夫だろ。もしかしたらどこかの世界ではTSしている主人公君とかが居たりするかもしれないが、それはそれでネタとしては非常においしい。本人からすればたまったもんじゃないかもしれないが非常においしい。人気が出るかとかは知らん。前回同じようなことをやったから多分ならないが。

 

 大きなところで言えばこんな感じか? これらからバタフライエフェクトが起きたとして、一体どこまで未来が変わるのか……とりあえず千年血戦篇は恐らく起きないだろうし、たとえ起きたとしてもかなり簡単に鎮圧できると思われる。それから尸魂界篇は……藍染の気分次第だろうが状況から考えて多分起きる。続く破面編も恐らく起きるだろう。どこまでこの想像が正しいかは俺にはわからんが、何となく確信がある。

 死神代行消失編? まあ、状況次第じゃね? ほら、当時藍染を倒せる可能性があったのが原作では主人公だけだったが、ここだと更木とか俺もいるし……な? そもそも死神の力を失わない可能性が……な? 死神の力を失わなかった場合どうなるのかはちょっと予想もできんが、まあ問題ないんじゃないか? あの組織……X-LAWSだっけか? そいつらに会わなかったり、会ったとしても初っ端戦闘になったりするくらいで。完現術を学べなくなったりとか色々あるかもしれないが、別にその後に戦闘があるわけでもあるまいし。あっても総隊長の爺さんがどうとでもしてくれるだろうし。

 

 小さい所はそれこそ山のようにある。俺が三番隊の隊長なんてやっているのもそうだし、四十六室の構成員の一部が何者かに証拠一つ残さず暗殺された事件が起きたり、二番隊の新しい隊長の私室から『夜一様!夜一様!夜一様!夜一様ぁあああぁぁわぁああああああああああああああああああああああん!!!あぁああああ…ああ…あっあっー!あぁああああああ!!!夜一様夜一様夜一様ぁぁあぁわぁああああ!!!あぁクンカクンカ!クンカクンカ!スーハースーハー!スーハースーハー!いい匂いだなぁ…くんくんんはぁっ!夜一様の射干玉のような御髪をクンカクンカしたいお!クンカクンカ!あぁあ!!間違えた!モフモフしたいお!モフモフ!モフモフ!髪髪モフモフ!カリカリモフモフ…きゅんきゅんきゅい!!織斑から貰った写真の夜一様麗しかったぁ!!あぁぁああ…あああ…あっあぁああああ!!ふぁぁあああんんっ!!良かったね夜一様!あぁあああああ!麗しい!夜一様!美しい!あっああぁああ!今月分の写真集も買取できて嬉し…いやぁああああああ!!!にゃああああああああん!!ぎゃああああああああ!!ぐあああああああああああ!!!写真なんて本物じゃない!!!!あ…文書も映像もよく考えたら…夜 一 様 は 本 物 じ ゃ な い?にゃあああああああああああああん!!うぁああああああああああ!!そんなぁああああああ!!いやぁぁぁあああああああああ!!はぁああああああん!!現世えぇぇぇぇぇええぇ!!この!ちきしょー!やめてやる!!現実なんかやめ…て…え!?見…てる?写真集の夜一様が私を見てる?写真集の夜一様が私を見てるぞ!夜一様が私を見てるぞ!写真の夜一様が私を見てるぞ!!映像の夜一様が私に話しかけてるぞ!!!よかった…世の中まだまだ捨てたモンじゃないんだねっ!いやっほぉおおおおおおお!!!私には夜一様がいる!!やったよ雀蜂!!ひとりでできるもん!!!あ、写真の夜一様ああああああああああああああん!!いやぁあああああああああああああああ!!!!あっあんああっああんあ夜一様ぁあ!!夕四郎様ぁああああああ!!!やっぱり夜一様ぁあああ!!!!ううっうぅうう!!私の想いよ夜一様へ届け!!現世在住の夜一様へ届け!』とかそんな声が夜な夜な響いているとかもあるが、特筆するような事でもない。そこにそっと忍び込んで無断で拝借してきた夜一の上着を一枚顔にかかる様に被せてやったら暴走が激しくなったとか俺は知らん。次の日つやっつやしてたとか全然知らん。と言うか知りたくない。

 




Q.……なんぞこれェ?
A.砕蝶は進化したよ!や(らかしちゃ)ったね!

Q.ところで他にやらかしたことは?
A.今のところないよ!(多分)


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BLEACH~25

 

 side 織斑一夏

 

 なんか霊力を暴走させている子供がいるから引き取りに来てほしいという手紙をもらったので流魂街の俺の家に戻ってみたら、そこに居たのはどう見ても俺の知ってる未来の十番隊隊長さんでしたとさ。ついでになんか未来の十三番隊隊長さんとその夫になりそうな赤パイナップルもいた。だいぶちっこかったけど。

 知ってはいたが流魂街への炊きだしはずっと続けているようで、それによっていろいろ情報を得たり治安が良くなったりしているらしい。まあそこらのチンピラよりはよっぽど強いしな。一部の席官を一方的にボコれたりもするし。

 それと、虚に襲われて命を落とした奴は完現術が使えるようになっていたりする。ただ、霊力が無かった奴については俺の所の食材でブーストさせてからの発現だから練習は必要だが、死んでから最も長く使っている思い入れの強い物……まあ、大抵の場合農作業の道具なんだよな。しかも俺が出したやつ。

 凄いぞ? 一振りで5×10m耕せる鍬とか、一度で3×5m土をひっくり返せる鋤とか、物を載せている間は重量を八割近く軽減し、さらに本来の十倍近く物を載せられる大八車とか、しっかり自分で手入れして使っている物であればあるほどそう言う能力が発現しやすくなっている。

 一部、糸目関西弁の男から貰った帽子を大事にしている金髪だか茶髪だかわからん髪色した女はその帽子で完現術を使おうと頑張っている。まあ虚に襲われたことがない奴には難しいと言うかまず無理なことだが、なんとびっくり俺と言う虚によく似た存在がここに居る。そして俺が訓練じゃなく修業を付ければ恐らくできるようになるぞと言ったら乗ってきた。糸目関西弁の男も乗ってきた。後悔しているらしい。

 

「死ぬ……あかんこれは死ぬ……」

「死にそうになったら回復させてやるからちゃんと言えよ」

「ボクさっき言ったよな!?」

「何言ってんだ言葉にできる程度だったらまだ追い込みが足りないに決まってるだろ」

「鬼!悪魔!死神!」

「鬼ではないし悪魔でもないがお前にはこれから死神としての修行も付けてやろう。大事な女を守れる力を付けられるぞ、泣いて喜べ」

「うう……畜生……やらせていただきます……!」

「……あの、ギンは大丈夫……?」

「大丈夫大丈夫、ただこいつ大事な物ってのがお前さんくらいしか無いから完現術には向いてないってのを忘れてただけだ。愛されてるな」

 

 はーい茹で蛸二匹あがりー。蛸って数え方は匹でいいんだったっけ? 一杯二杯だったっけ? それは烏賊か?

 まあいいや、若い奴を揶揄うのは楽しいね。まあ若くなくても純情な奴なら揶揄ってて楽しかったりするんだが。

 そしてこいつら普段から熟年夫婦みたいなことをやってるくせにそう言う所でからかわれることに慣れていないせいか自分たちの行動を言葉にして確認されると凄い照れる。見ていてこれほど面白いものは中々ないぞ。やることもやってるくせにな。

 それに、こいつらお互いを勝手にダシにしあってどんどん強くなろうとするからそう言う所も見ていて楽しいんだよな。どちらかと言うとギンの方が進んでいるが、ギンが進むと乱菊の方もぐんっと伸びる。ちょっとバランスの取れていない比翼の鳥かと。

 ……できることならこいつらが戦闘なんぞしなくていいまま過ごしていければいいんだがね……世の中そうそう上手くは行かないもので。俺は過去の事なら大体わかるが未来の事はあまりわからないから必ず巻き込まれるとかそう言うのはよくわからんが、可能性は低くないだろう。なにしろ流魂街は治安が悪いからな。昔は態々当時の十一番隊の隊長がやってきて斬りかかってきたりすることまであったし、そういう事が無いとは言えん。

 ちなみに斬りかかってきた当時の十一番隊の隊長は相手からするととてもつまらない方法で仕留めたから俺を付け狙うような事にはなっていない。具体的には殺気石の剣を出してそれで斬りかかった。霊圧を一切通さず霊子に影響されない剣、しかも触れただけで斬魄刀が分解されてしまうどころか触れなくとも魂魄ごと分解されてしまう剣を何百か並べてそいつの周りに壁を作ってやった。つまらんだろ?

 さて、殺気石の断面から発される遮魂膜を抜けられる物質と言えば何か。そう、殺気石だね。そう言う訳で相手を殺気石の檻に閉じ込めた状態で殺気石でできた串を投げまくる。触れれば当然魂魄は分解され、触れなくとも魂魄は分解される。ちなみに俺は分解された魂魄を自力で再構築し続けると言う他人に知られたら頭おかしいと言われること間違いなしの方法で克服していたから平気なのであって、それを知らずに俺が触っているんだから大丈夫だろうと触ったりしたら当然分解される。そんな感じで嵌め殺した。

 

 ……まあそいつ今も生きてるけどな。四番隊で隊長やってるよ。しかも俺のことをいつもニコニコと超絶いい笑顔で見つめてくんだよあの女。超怖い。最近二番隊の新隊長になった女が知り合いの顔の書かれた紙を張り付けたサンドバッグに瞬獄殺やって『次は貴様の番だ浦原ァァァァァ!』と叫んでる時の顔より怖い。そうやって叫んでるところに『今月分の写真集でーす』と持って行くと一瞬にして超デレデレした顔になるのも怖いが元十一番隊隊長現四番隊隊長のあの笑顔の方が遥かに怖い。

 あ、最近その四番隊隊長が俺と更木隊長との模擬戦を目撃してしまい、俺を見かける度に鯉口を斬って鍔鳴りさせまくるのもかなり怖い。嫉妬か? 自分は更木の実力に蓋させてしまったのに俺がその蓋を取り除いたことによる嫉妬か? まあ流石にこれを真正面からは聞けんな。

 




Q.何やってんすかね?
A.どっちの話? 修業の方? それとも殺気石セイバーの方?

Q.殺気石の串を投げんなよ……
A.なお、最近殺気石から出る遮魂膜の波動を解析して遮魂膜ビームなる必殺技を開発したそうな。


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BLEACH~26

 

 side 織斑一夏

 

 俺の特技はネタ技だ。と言うか、ネタ技で強い強いと言われている相手を倒すのが結構好きだったりするんだが、この度ネタ技を用いて新しい六番隊の隊長を打倒することに成功した。ちなみにそのネタ技の名前は『ワキチョップ』である。内容は簡単、相手の腕を捕らえるか振り下ろされる腕を止めるかして相手の腕が上がっている状態にして、そしてあらわになった脇にチョップするだけである。簡単。

 ただし、このワキチョップはただのワキチョップではない。普通のワキチョップは表面、精々脱臼か骨折程度までしかいかないが、浸透勁と発勁、そして衝撃系の鬼道を乗せたある種の瞬閧と同時に行うことで、相手の体内全てに多大なる衝撃を与え、上半身でも上の方にある肺と心臓を圧迫した上で骨や筋肉、脳までを揺らして一瞬にして継戦能力を奪い取ることができるのだ。

 なお、これをやるくらいなら直接頭に打ち込んだ方が楽だし速いし効果的なんだがそこはネタ技と言う事で。態々脇から全身に衝撃が通るようにするには調整その他が大変だし、技術的にも頭を上から叩いて全身に衝撃を通した方が遥かに楽なんだが……ネタ技だからな。しかも見た目はただのワキチョップだし。

 

 さて、どうして俺がこんな風に六番隊の新隊長を苛めて……訂正、訓練をしているのかと言うと、この貴族のお坊ちゃんが俺の所の世界の中で暮らす一人の女に本気で惚れたから嫁に欲しいと言われたせいだ。俺としては全く問題ないんだが、一応実力の確認と言う事で戦ってみたところ……まあ、あれだ、察せ。死神としての修行は積んだものの実働はしたことのないギンとどっこいどっこいか少し弱い程度、と言ったところだったわけだ。藍染とか更木ほどとは言わんからもうちょっと実力が欲しいと思うのも仕方ねーわな?

 そんな訳でちょっと鍛錬を積ませることにしたわけだが、訓練でぶっ倒れる度に恋仲にある女といちゃいちゃいちゃいちゃ……イラっと来たので写真と動画に残してやった。結婚式で流してやることに決めたよ俺は。呼ばれなくても勝手に行って勝手に流すからお構いなく。

 そう言うことで最低限実戦経験の殆ど無いギンと五分五分くらいまで強くなったら嫁取りを許すことにした。あと、身体が弱いからちゃんと薬とかの準備も整えておくつもりだが、それに関しては妹の方がとてもよく働いてくれているのでまあ何とかなるだろう。なにしろ自分の姉のために俺に(労働力的な意味で)身体を売ってその代価に知識と技術を得て幼馴染の赤かぶみたいな髪の男と共に薬草畑を作り上げて数々の薬草を栽培し薬を作り、姉の健康を何とか守ろうとしているくらいだからな。ちゃんと週に一回は妹の方が直接姉の顔を見るのと状態を見るために朽木家に行くことにもなっているので寂しくは……あるかもしれんが致命的ではないだろう。多分。

 ちなみに死ぬときは嫁にとった相手より遅く死ねと言ってある。身体が弱かろうが何だろうが最低でも数百年は持たせる予定なので簡単には死ねないだろう。もし嫁より早く死んだら蘇らせてまた殺す。そして墓を建ててからパンジャンドラムで爆砕してやるから覚悟しておけよこんボケぇ。

 なお、俺は織斑一夏としてIS世界で生きてきた時には嫁の誰より早く死んだ。だからこのことに関しては強く言えないんだが、まさか魔術とかそう言うのが全くない世界で波紋に似たエネルギーを生み出して老化を止めるとか想定してねえ。ただ、そう言うことがあったおかげで俺の常識は色々と振り切れたわけだな。

 つまり、今こうして俺の前に六番隊の隊長とギンがぶっ倒れて恋人と妻に介抱されているのは全部俺の一番初めの嫁たちが原因だと言う事だ!

 

俺は別に結婚したいなら勝手にすればいいと思っているし、結婚よりも家のおきてとやらが大事なんだったらそれを守って生きていけばいいと思っている。結局どう生きるかなんてのは自分にしか決められないんだから、周りが何を言ったところで意味などあるわけもない。ただ面倒なだけだ。

 だが、それは力があればの話。力が無ければ周りの意見に流され、自身と言う物を失ってしまう。周囲からの圧力と言う物は大抵貴族や王族といった特権階級に強く働くもので、大抵の場合はそう言った圧力に屈してしまう物らしい。まあそう言った力を上手く使いこなせれば個人の力より大きなものになるのだからそれを求めて流されると言うのも悪くは無いだろうし、俺も何度かそう言った流れに身を任せたこともあるが……やはりどうにも性に合わないんだよな。

 かつて、第二次世界大戦において伐刀者と呼ばれる魔術師たちが活躍して日本を勝利に導いた世界において俺は本気で周囲の圧力に抗ってみた。俺を縛ろうとするモノ全てに対して反発し、最終的に生まれた国において国防の要となる生家の人間のほぼ全てを斬り捨てて国外に出奔、面倒事を持ってこようとする奴は片端から切り捨てながら生き続け、最後には捨てた身体を太陽に飛び込ませて生涯を終えた。あの世界での俺はとても自由だったし、気楽だった。二度と行こうとは思わないが、そこそこの印象はある。

 だから俺の言うことを逐一守らんでいい。そのことに気付いてもらいたいんだが、この貴族のお坊ちゃんは本当に真面目で仕方がない。もう少し頭を柔らかくしないと必要以上に苦労を背負い込むことになるからお薦めしないぞ? 言っても聞かないだろうがな。

 




Q.何やってんの!?
A.朽木家のお坊ちゃんに稽古を付けつつまだ少し厚くなりやすい所の残っている彼を煽って愛を叫ばせて録音してそれを携帯の着信音にしてます。

Q.ごめん聞きたいことが増えたんだけど本当に何やってんの!?
A.凄くどうでもいいことかもしれないけれどなんと驚くことに現在朽木白哉より市丸の方が強いです。(答える気/Zero)


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BLEACH~27

 

 side 織斑一夏

 

 一応藍染に確認してみたが、裏で色々と動いているらしい。細かい内容までは聞いていないからよくわからんが、とりあえず崩玉は七割程度完成しているのに加えて浦原の崩玉を手に入れるためにも色々と探りを入れているようだ。

 まあ最終的には手に入れることになるんだろうが、手に入れたからと言って俺に勝てるとは思わんことだ。死神と虚の境界を越えて魂魄強度の限界を超越してそれでようやく俺との勝負のスタートラインに立つ資格を手に入れることができる抽選会への参加資格を得るってだけの話だからな。しかも参加したからと言って必ずスタートラインに立てる訳じゃないし、スタートラインに立ったからと言って既にスタートしている俺に追いつけるかどうかも知らん。やるやらないは任せるが結果がどうなっても恨むなよ。

 

 そんな感じでだんだんと原作に進んでいくわけなんだが、貴族の坊ちゃんに嫁入りした姉を持つ集落の薬師が死神になりたいと言い出した。本当は死神になりたいわけじゃなく姉に会いに行きやすい状態を作りたいだけだろうなと察してはいたがまあ許可は出した。そしたらその幼馴染の赤かぶあるいは赤パイナップルのような男もそれに便乗して来たのでそっちの方も許可は出した。と言うかなんで俺に許可を取るんだろうな?

 一応薬草畑や薬については後継者を作っておけと言っておいたが、既に作ってあったと言うかそもそも薬師集団として何人かで過ごしていた中で一番腕が良かったのがその薬師だったと言うだけで若干劣りはするものの薬を使える奴はいるそうな。

 

 ……あと、名前を聞いてみたらルキアだとさ。そうだね、初めのうちは正ヒロイン的立ち位置だったけどいつの間にかサブヒロインになったあのお嬢さんだね。そして赤パイナップルの方は……あばら骨オーブン? とか言う奴だ。なんか自分と結構長いこと一緒に居た斬魄刀に卍解の本当の名前を教えてもらえなかった男だ。こう聞くとあれだな、全てを見せてもらったと思い込んで結婚したものの本当はさらに大きな隠し事があった、みたいな感じだな?

 まあ二人とも霊力を扱う才は十分あるようだし、真面目に学べば結構偉くなれるんじゃないかと思う。確か原作では隊長にまでなってたよな? 後日談的な最終話での話だったけども。なんか子供も居たし。

 しかしそう考えるとやっぱり原作のある世界ってのは修正力が強いもんだな。その修正力をぶち抜いて色々と捻じ曲げてきた俺が言う台詞じゃないかもしれんが。

 

 ともかくまずは最低限の実力の確認だ。才があっても今使えなければ入学もできないだろうしな。霊術院。俺が卒業してから随分と経つが、今では名前も変わり学ぶことも変わり色々なことが変わっている。鬼道も増えたし一部の犠牲破道が禁術扱いになったりもしたし、あと授業中に命を落とすような奴はかなり減った。昔は生徒の死亡率がかなり酷かったからな。もう少し優しくしてそこそこ使える程度の奴も増やさないと全部には手が回らないだろうからもう少し優しくした方がいいとは言ってたんだが、ここに来てようやく……いや、実際にはもっと早いこと優しくはなっていたそうだが、本人も気付いてたんだろうな、戦闘で命を落とす奴より自身が訓練で殺した数の方が最終的に多くなると。そして殺した分の人手を考えると多少甘くしてでも数を増やして手数にした方がいいと考えたんだろう。今更過ぎる気もするが。

 昔はすごかったからな、ここも。護廷と名乗ってはいたものの名ばかりの殺人集団で、どいつもこいつも十一番隊みたいな感じだった。当時の十一番隊は今の十一番隊と比べて遥かに血の気が多かったからそのあたりも大変だったな。俺に文句をつけてくる奴の多くを殺さんように叩き潰していったらいつの間にか副隊長になっていたし、やっぱりかなり乱暴な所が多かった。まあ総隊長が総隊長だったからな。

 だが、昔と比べていくらか優しくなったと言ってもそれでも護廷はエリート死神の集まるところ。席官ではないヒラ死神でもそれなりに稼げるような仕事場の倍率が低いわけもない。ちゃんと霊術院に入れるように色々と叩き込んでおかないといけない。それが無理なら諦めさせると言うのも視野に入れなければいけないしな。

 

 さてそう言う訳で色々と確認していったんだが、こいつらだったら多分今でも入れる。ただ、卒業までどのくらいかかるかはわからないしついでに言うと入ってから何年で卒業できるかもわからない。飛び級は難しいだろうなってくらいだ。

 まあ飛び級は別にそうしなければいけないと言う訳ではない。するんだったらしても良いがしないんだったらしなくてもいい、って感じだ。別に金がかかるわけでもないしな。あの場所は四十六室からある程度の金が出されてその金で運営しているからむしろどんどんやればいい。別にこんな面倒な所に通う必要が無いと思うんだったら直接隊長に喧嘩を売りに行き、二百人以上の隊員の前で決闘して勝ってみせればあっという間に隊長になれるぞ。

 なおいきなり素人が隊長になると事務作業で死ぬからお薦めしない。マジで。本当にきついぞ?

 




Q.死神統学院……丸くなったね。
A.昔はすごかったらしいですからね。

Q.今って原作開始何年前くらい?
A.さあ?(雑)

Q.凄い今更なんだけど、死神の中で一夏に斬魄刀の能力が効く奴って居るの?
A.とりあえず隊長・副隊長だけで。
山本元柳斎重國→燃えないし斬れない。
雀部 長次郎 忠息→受けても特に何ともないしそもそも電気系は簡単に防げる
砕蜂→蜂紋華が出ない。そして雷公鞭の方は当たっても何ともない。
大前田希千代→当たると砕ける(斬魄刀の方が)
吉良イズル→斬ると重くなるがいくらでも身体能力を上げられるしそもそも重力も扱えるので意味があるのかないのかで言うとない。
卯ノ花八千流→能力知らね。
虎徹勇音→同上
藍染惣右介→健康だし効かない。
雛森桃→威力が足りない。
朽木白哉→一枚一枚の威力が足りないため効かない。
阿散井恋次→威力が足りない。
狛村左陣→威力が足りない。
射場鉄左衛門→能力知らない。
京楽春水→色鬼で受ける場合のみ効果あり。他は卍解含めて効果なし。
伊勢七緒→能力知らない。
東仙要→始解・卍解共に効果なし。
檜佐木修兵→霊圧を完全に消費しきっても主人公は死なないが、拘束すると言う点では効果あり。
日番谷冬獅郎→地水火風全てを凍結されても時間が凍結されないので基本無効。
更木剣八→唯一物理で効果があるかもしれない。なお防げないとは言ってない。
涅マユリ→毒と薬物は効かないんですよこれが……。
浮竹十四郎→反射されるような技は基本遊び用なので……効果あるっちゃあるけど物理で殴れば死ぬ。
朽木ルキア→凍っても平気だしそもそも凍らないので効果なし。


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BLEACH~28

 

 side 織斑一夏

 

 霊力の制御ができずに宿った斬魄刀に翻弄されていた少年を霊術院に放り込んでから数年。その少年は飛び級を繰り返して既に護廷の席官として働ける程度の腕を持つようになった。何とも優秀なことだ。

 俺の下につけるかという話も出たんだが、本人が望むところに行くのが一番だろうと思い本人の希望を聞くことにしたんだが、特にこれと言った要望が出なかったので空き員の多い十番隊に放り込んでおいた。結果的に原作と大体同じ流れになっているな。問題は原作における副隊長は今は俺の作った集落……もう集落と言うほど小さくないがともかくそこでいい感じに母親をやっている事だろうか。ちなみに出産祝いに鯛を尾頭付きで二匹贈った。美味しく食べてくれ。

 

 ……しかしなんだ、護廷の中で俺に頭が上がらない奴がそこそこの数いる気がする。夜一グッズで買収してついでにそれを使っている所を録画&録音した二番隊の隊長の砕蜂だろ? 五番隊の副隊長から隊長になった藍染だろ? 六番隊の隊長で嫁取りの時に色々あった坊ちゃんだろ? 藍染繋がりで俺にそこそこ会いに来つつ若干俺にトラウマ持ってる鈴虫の人だろ? 十番隊の副隊長になったシロちゃんだろ? 十一番隊は全体的に俺の言うことを聞くようになってるし、隊長の更木も俺の言葉には一応無条件で耳を傾けるくらいはしてくれるだろ? 十二番隊は……うん、前に破面もどきを実験体として放り込んだり虚の斬魄刀を実験対象として持ち込んだりしたから俺の意見を一応聞くくらいはしてくれるだろ? まあ聞くだけで実行するかどうかは本人の匙加減なんだがそれは置いといて、あと十三番隊は隊長の病弱っぷりを何とかしようとした結果霊王の右腕を排除して肺を付け替え、全身の病巣を霊子操作で無理矢理作り変えた結果霊王の右腕を失った分最大火力は落ちた物の継戦能力と病弱な身体を霊圧で支えなくてもよくなった分連続して十分な火力が出せるようになったからまあ成功として、それで大分大きめの貸しがあるから茶菓子を持って行けばもてなしてくれるくらいの関係にはなってるだろ?

 あれ、俺ってもしかして結構どころじゃなく顔広い? 現世に逃げた浦原とかにも時々会いに行ってるし、元隊長格の……仮面の軍勢の連中もそこそこ繋がりがあるし、やっぱり結構顔広いんじゃね?

 

 それはそうと、本日は新たな敵を求めて虚圏に足を延ばしてみた。藍染が色々と手を出しているからそこまで荒すつもりは無いんだが、俺が行くと不思議といつも荒れてしまうんだよな。なんでだろ? とても不思議だ。

 現状では破面と呼ばれるものはそう多くない。崩玉はまだ完成していない以上、完成するまでは最上級大虚は破面にしないで取っておいているはずだ。じゃないとあまりにもったいないしな。だからここに居るのは基本大したことのない奴ばかりだと思うんだが……大したことがないと言うのと厄介ではないと言うのはまた別の話になるわけだな。

 例えばあれだ、あの……あー……名前忘れた、あのなんか似非科学者っぽい奴。解号が『啜れ』な奴。ざ……ざ~……ザッケンナコラーとかそんな感じの名前の奴。なんか違う気もするけどもうこれでいいよな面倒だし。あいつは純粋な戦闘能力だけで言えば決して強くはないが、はっきり言って面倒臭い敵だ。流石に『未来を改変しました、私は死にません』とか『過去を改変した、お前の技はみんな知ってる』とかそのレベルじゃないし、『死んだけど別に平気』あるいは『死んだけどなんともない』クラスでもない。殺せば死ぬし死んでから蘇るまでに一定のプロセスを踏む必要があるし、さらに言えば殺さないように封印したら出られないだろうし。なお、俺が本気で相手するなら相手の霊子構造を分解して能力とかガン無視して消滅させるね。だってまともにやったら面倒だし。

 純粋に強くて面倒なのはやっぱあいつだ、自分を二人に分けた銃使い。虚閃はいくらでも分解吸収できるから困らないが、狼型のあれは魂そのものだから簡単に分解はできなくて困る。できないわけじゃないんだけどな。

 能力的に厄介なのは虚無の死を司るあいつ。超速再生にかなり固めの鋼皮、かなり高めの機動力と命中率はそこそこだが威力高めの雷霆の槍。全体的に性能高めで面倒臭い。

 なお相性的に楽なのが老化の爺さんとカチカチの五番、吸収の九番だ。まず爺さんの老いは俺には効かん。時間を止めて殴れば影響を受ける前に殴り殺せる。それから五番の蟲みたいなやつは普通の大虚より多少硬いだけで斬ろうとすれば斬れる。と言うか斬刀使えば普通に斬れるし斬刀じゃなくてもやろうとすればまあ。吸収の九番は要するに真正面からの力比べで勝てれば問題なく勝てる。そして俺は対群戦闘ではまあ無敵と言えるわけで……負けるはずも無いわな? ああ、一応八番の支配のあれも俺には効果がない。だって支配されてる状態って健康じゃないだろ?

 

 色々と言ったが今回の一番の収穫は、虚圏に存在する多くの虚をぶち殺せたことだな。虚が斬魄刀に斬られて整に戻る時の霊子の状態を結構な数眺めることができたし、色々と暴れまわって追加徴金かかってる虚を斬って臨時収入が入ったのもでかい。あと十二番隊への土産になんか斬魄刀を消して霊体を吸収乗っ取りする虚を生きたまま捕らえておいた。なお俺のを消そうとしたら霊圧差によってそいつが消えそうになったので結構簡単に捕縛できた。やったね。

 




Q.乱菊に子供出来たん!?
A.まあ結婚してればすることもしてるでしょうしねぇ……。可愛い男の子(乱菊談)です。

Q.また凄まじく原作ぶち壊してますね!?
A.千年血戦篇が多分無くなるし、良いかなと。

Q.虚圏に大惨事が起きようとしている……!
A.と言うかもう起きてますねこれ。

Q.海燕殿の死因が……消えた……!?
A.アーロニーロさん弱体化のお知らせ。



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BLEACH~29

 

 side 織斑一夏

 

 原作が始まったのか始まってないのか、そもそも原作開始というのはいったいいつからになるのだろうか。まあ大抵の場合は漫画なり小説なりが始まった第一話を原作開始とするんだろうし俺も今までそう言う認識でいたんだが、原作開始前にこれだけ動き回って原作崩壊確定状態にまで持って行った以上、原作と言う物が一体どれだけ信用できるものかと。

 ……と言っても、世界ってのはできる限りつじつまを合わせに来るものだ。生きていてもあまり未来の変わらない奴は結構生きたり死んだりするし、この場で死んでおかないと未来が明らかに変わってしまう奴は大概そこで死ぬようにできている。総隊長の爺さんなんかもそうだが、あそこで死ななかった場合霊王宮の被害が甚大なことになってただろうしあそこまで苦戦することも恐らく無かっただろう。いや、結局最後には主人公と藍染が居なかったら間違いなくこの世界は崩壊に向かっていただろうが。

 原作開始と言うのはとりあえず一巻一話開始時と言う事にしておくが、さあ聞いて驚け主人公の母親生きてます。父親は元死神だがとりあえず勝手に出奔した時には追いかけてぶん殴っておいたからいいとして、まあ大体原作通りに進んでいると言ってもいいんだろう。多分。ただ、問題は俺の方だ。

 

 暇だ。心の底から暇だ。暇で暇で暇すぎて更木が売ってきた喧嘩を毎度買って総隊長に怒られたり四番隊の隊長から売られてんのか売られてないのかよくわからん喧嘩を買って総隊長に怒られたりしてしまうくらいに暇だ。もうすぐ騒ぎになるってのはわかっているし、赤ナッポーと貴族の坊ちゃんが格落ちサブヒロインが現世で行方不明になったと聞いて俺に色々と話を聞きにきたりするのを適当にあしらったりもしているが、マジで暇で仕方ない。

 これはあれだ、今までは時間があまりに長かったから気にしないでいられたのが、自分の力で見えるくらいに近くなったせいで気が急いているんだな。こういう時には寝るのが一番だ。とりあえず仕事は全部終わらせて、それから人を駄目にするクッションの上でごろごろする。あーだめになるわー。

 

「隊長、書類を……」

「全部済ませた。内容が同じのがそこらにあるからもってけ」

「えっ……あ、あった……え、なんで?」

「それと俺はこれから暫く寝るから起こしたら殺すって言っといて」

「え、ちょっ、まだ仕事が残って」

「ねえよ全部終わらせた。今から先一週間分終わらせてそこに積んだから上から持ってけ」

 

 お休み。

 

「いやお休みじゃなく!」

「書類で足りないのがあったら起こしていいぞ。あと更木は近付けるなよ寝起きの俺は加減ができないから文字通り瞬きの間も無く首を刎ねる可能性が高いんでな」

「え゛……はい、それはわかりましたが周りへの影響や隊長としての威厳がですね……」

「俺を知ってる奴なら書類仕事の能力については知ってるだろ。威厳についても戦闘中以外はそんな物見せない方がいい。無駄に緊張して失敗が増えるだけだろうしな。わかったらさっさと行け」

 

 人を駄目にするクッションは本当に人を駄目にするからな。なお、この世界のこの時代にはまだ人を駄目にするクッションなんてものはどこにも売りに出されていないからやろうとすれば多分特許も取れる。やらんが。

 ……どうせならこれ瀞霊廷に広めるか? 書類仕事を長くやってる奴には間違いなく喜ばれるだろうし、結構人気出るんじゃないかと思うんだが。椅子じゃなくても長く座ってると腰痛とかその他にも色々と問題は出てくるし、それらの予防策としてこれはありなのでは? むしろ歓迎されるのでは?

 でもこれを量産するとなると十二番隊の仕事にあるだろうしなぁ……そこそこ話は通じなくはないとはいえできればあまり付き合いたくはないからなぁ……十二番隊は色々な意味で面倒怖い。何が面倒って知識欲が旺盛すぎて真理の探究のためだったら寝ている奴を無断で改造して爆弾に変えて捨て駒にするとか当たり前の顔でやってきそうなところがあるが、それが面倒。自分のためだったら何でも許されるわけじゃねえんだぞおいコラ。まあそこの現在のトップ相手なら俺は非常に相性がいいから殺そうとすれば殺せると思うがな。何しろ疋殺地蔵の出す手足を動かす信号だけを遮断する高尚な薬物は俺には効果を及ぼさないし、卍解で出てくる金色芋虫の撒き散らす毒も俺には効かない。まあはっきり言って天敵だわな。

 加えて色々と開発を繰り返して作り上げた様々な薬物・毒物も俺には効かない。そう言ったことに関して俺はあいつらに何かを伝えた事は無いが、多分知ってるだろ。知らんでも構わん、面倒だからな。

 

 ……( ˘ω˘)スヤァ

 




Q.人を駄目にするクッション……
A.広めた結果元柳斎すら駄目にした実績を持つクッションです。(この世界に限る)

Q.量産は十二番隊が?
A.座っての仕事が多い十二番隊では同じ材質で作られた円座クッションが大人気です。

Q.初代剣八さんの喧嘩を軽率に買わないでください。
A.大丈夫、最終的にどちらも無傷で終わらせました。(途中で殺しかけてないとは言ってない)


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尸魂界編 BLEACH~30

主人公の斬魄刀・ボツ案

「千の顔を持つ英雄で作られた方の俺です。ここでは作者が一応考えはしたもののいくらなんでも駄目だろ……と思った斬魄刀を紹介していくぞ。記念すべき一つ目はこちら」

ちくわ大明神

鬼道系の斬魄刀。相手の言葉を一部「ちくわ大明神」に変えることができる。
例:
「君臨者よ!血肉の仮面 万象 羽搏き ヒトの名を冠す者よ! 真理と節制 罪知らぬ夢の壁に僅かに爪を立てよ!」

「君臨者よ!血肉の仮面 万象 羽搏き ヒトの名を冠す者よ! 真理と節制 罪知らぬ夢の壁に僅かにちくわ大明神!」→鬼道は暴発する

例2:
「万象一切灰燼となせ『流刃若火』!」

「万象一切灰燼となせ『ちくわ大明神』!」→当然解放はできない

「ボツ理由は簡単。あまりにもカオスすぎるしネタとしては美味しくてもこれをどう進めればいいのか……シリアスが完全に死ぬね?」

例3:
「最初から誰も天に立ってなどいない。君も、僕も、神すらも。だが、その耐え難い天の座の空白も終わる。これからは、私が天に立つ」

「最初から誰も天に立ってなどいない。君も、僕も、神すらも。だが、その耐え難い天の座の空白も終わる。これからは、私がちくわ大明神」→欠片も格好がつかない

「もう完全にシリアスに別れを付ける斬魄刀だね? あんまりにもあんまりなんで卍解の方は能力すら考えてないよ! アデュー」





 

 side 織斑一夏

 

 長期休暇を取った。三番隊の業務は副隊長である吉良に押し付け、何かあったら藍染か朽木にでも相談しに行けと残して一月くらいの休暇。もうすぐ尸魂界編が始まるってのになんで休暇を取ったかと言うと、まあ簡単に言うと俺が仕事をしたらどう考えてもあいつらが目的を遂げることができなくなるからだ。

 よく考えてみろ。一応仕事とはいえ俺がこのころの主人公達の前に敵として立ちはだかるとする。俺は未だに霊子を取り込んで霊圧やら何やらを強化し続けているが、強化中は周囲に一切の霊圧が漏れる事は無い。そして状況から言ってあいつらは急いでいるだろうから俺の事を敵とみなして襲いかかってくるだろう。襲いかかられたらもう相手をするしかないだろう? そして俺が反撃したらまあみんな死ぬだろ? 原作終了お疲れさまでした、になるだろ? 流石に駄目だろ。

 

 そう言うことで俺は自分の仕事を前倒しで三か月分終わらせ、それをもって総隊長に休暇を申請し、なにがなんでも受理してもらって休むことにしたわけだ。八月一日から三十一日まで。

 原作では確か夏祭りが八月一日、そして一週間程度で尸魂界に向かい、色々あって過去に飛ばされて五日か六日ほど巻き戻る。つまり大体そのあたりにやってくるはずだ。それに合わせて俺は休暇を取った。

 そして休暇開始の当日。俺が瀞霊廷から西に出ようとしたら目の前に門が落ちてきた。これで俺は一時的に出れなくなったわけだが、関係ない、出る。霊子を隷属させる滅却師と同じことをして、俺が通る時だけ門の霊子を分解してあたかも通り抜けたかのようにして外に出た。なお、門はそのまま残っているから安心してくれ。穴も開いていないぞ。

 そして目の前に広がる巨大な男のケツ。確かこいつ主人公にすっ転ばされてたはずだから脇にどいて、ちょいと戦いを眺めてみた。

 

 ……うん、弱いわ。瀞霊廷の門を守る存在だから尸魂界から集められた強者だって話を聞いたんだが、これだったら俺の所の集落の餓鬼の方が三倍くらい強いわ。一番驚いたのは門番のくせに自分で守るべき門を傷つけたことと、殺気石でできている壁に傷をつけたこと。あれって超質量の巨大な塊でもなければ早々破れないはずなんだがねぇ……。

 と言うか、あれだ。十本兕丹打祭りとか言いつつ十本どころじゃない数を打ち下ろしてるとか、数が巻き戻ったり飛んだりしてるとか色々と言いたいことはあるんだが……必殺技がこれとかほんと大した事ねえな。まああの体格から振り下ろされる斧は結構な威力になるだろうが、尸魂界……と言うかBLEACH世界では霊圧が物を言う世界だし、受け止められてる時点でそこそこ止まりでしかないわけで。あとBLEACHもジャンプの漫画だからな。パワーインフレが激しいのなんのって。

 そう考えたら、この辺りに出てくる奴の実力が大したことなかったとしても何もおかしくはない。ただ、期待していたほどではないってだけの話だ。まあ見た目で言うとこの辺りの地盤が吹き飛んだりめくれあがったりとパワー系の奴だってのがわかる描写はしてあるが、そのパワーを受け止められる主人公すげえ、って方向にもってくためのキャラだよな、こいつ。

 あと、技は先に出した方が負けるってのがBLEACHのお約束。かっこいいかどうか微妙な技でも先に出しちゃったからな、こいつは。

 

 あと、門番が侵入者に対して門を開けるとかどうなんだそれは。駄目だろう? 門番は門を守るのが仕事だ。門を開けるのもまあ門番の仕事と言っていいかもしれないが、呼ばれてもいない奴を入れるかどうかの判断は門番がするべきではない。……俺、休暇中なんだがなぁ……。

 

 門を掴もうとした腕を斬り落とす。開けることはできず、かつ殺さないようにするってのは結構面倒だったができないわけではない。両腕の肘から下を狙えば、まあ開けることはできなくなる。そして貧血なりなんなりで倒れたらそこで血は戻さないようにしつつ腕をくっつけてやればいい。それで完成だ。

 門番は悲鳴を上げる。突然腕が斬り落とされたらそりゃそうなるが、身体がでかいだけあって凄い五月蠅い。

 

「おいおい、門番が招かれざる客に門を開いてどうするよ」

 

 俺の声にその場にいた全員が反応する。まあ、敵地でいつの間にかそこに居た見知らぬ男となればそりゃ警戒の一つもするだろうが……反応が遅いんだよな。

 

「なあ、門番は門を守るのが仕事だろう? それ以外にやることがあるとしたら通ろうとする奴を通すための許可を願うくらいでお前の判断で通したら駄目ってくらいわかるだろうに」

「お、オラ゛は負げだだ……負げだ門番が門を開ぐのは当然だべ……!」

「いや、門番が負けるってのは死んだか門を破られたかの二択だからな? どちらにしろ負けた門番が自分から門を開くことはねえよ。……立つのも億劫になった頃に腕は戻してやる。そこで大人しくしてろ」

 

 ふい、と視線を旅禍に向ける。全体的に白っぽい眼鏡と肌が褐色に近い大柄の男、胸のサイズだけ身長と釣り合っていない女とオレンジ色の髪の不良っぽい男、そして黒猫。間違いなく主人公御一行だ。

 

「……ほー。滅却師に死神に完現術者が二人、そして百年少々前によく見た顔が一つ……で、目的は?」

 

 門番の腕から零れる血の量を眺めつつ問いかける。答えそうなやつは一人だけだが、ちゃんと答えてくれるかどうか……。

 

「ルキアを返してもらいに来た」

「……なるほど。とりあえず、俺はこれから二百年ぶりの長期休暇なんだ。その直前にこんな面倒事に巻き込まれたとなったら報告とか面倒だから一回帰れ。どうせ今のお前たちじゃ俺には勝てんよ」

 

 純粋な事実としてな。

 

 




Q.長期休暇!?
A.本人も言ってますが主人公達とマジで敵対したら……ね?

Q.隊長格が長期休暇とか無理じゃね……?
A.そのあたりはほら、なんとかできそうな人がいるじゃないですか。仕事で邪魔されたら困る計画をやろうとしている人が。


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BLEACH~31

「いえーいボツ案第二回目だぞーい。今回紹介するボツ案はこちら!」

造物主の鍵(コード・オブ・ザ・ライフメイカー)(ネギま!)

魔法世界において、あらゆる物を対象にあらゆることができる鍵。この世界においては霊子体に限定されるがあらゆる物を対象にあらゆることができる。霊子体に限定されるが。

「……いや、これはいくら何でもチート過ぎませんかね……? そんな訳で没になりました。作者は普通に使ってても十分に強いチートの使い方を工夫して最強になるのが好きですが、誰がどう使っても最強以外の何物にもならない物は好きではないのです」



 

 side 織斑一夏

 

 大人しくなった門番の腕を継ぎ、薬を使って無理矢理寝かしつける。そしてこっそりと離れようとする黒猫をつまんで膝の上に。昔っから毛並みは良いんだよな、こいつ。

 

「……で、なんでお前当たり前みたいな顔してここに居るんだよ」

「ん? ああ、今のお前たちじゃ隊長格と出会ったら確定即死だから多少戦えるくらいにはしてやろうってのと、そっちの二人……完現術者なのはわかるが能力が随分と未発達と言うか不完全な形で無理矢理出しているのがわかるから命を削りだすより前に多少教えてやろうかなと。あと夜一を揶揄うためだな」

 

 猫の状態の夜一は良い感じにモフり倒すとダレる。ダレると言うかたれる。正直人間の姿の時より猫の姿の時の方が好みだ。本人どころか誰にも言った事は無いが。

 

「ああ、一応言っておくが門番の腕を斬り落としたのは仕事だからだ。瀞霊廷の中にいる時は休暇中でも急な仕事が入ったら対応しなきゃならんし、さっきのあれは急な仕事として対処させてもらった。あとさっきも言ったがお前ら弱いから隊長格に遭ったらまあ即死するから多少は戦える程度にまでなって貰おうと思ってな」

「おい、俺達だって結構修業を」

「ん? もっぺん言ってみ?」

 

 殺気は込めないまま霊圧を上げる。込めた霊圧は精々が一番新人の隊長が卍解した時程度。ここから技を使ったりすればかなり上がるし、俺の本気からは程遠いんだが……この程度でも完全に呑まれてしまっているのがわかる。一部は気絶すらしそうになっているし、と言うかいっそ死にそう? 殺気は込めてないんだが……と、一応ここで抑える。なお夜一は跳び退こうとしたところを抑えつけたので未だ膝の上だ。

 

「はっきり言っておこうか。今のくらいなら隊長の席に座っているやつだったら誰でも同じことができる。副隊長でも一部は同じことができるし、極一部では三席でもできる。お前らはただそこに極一部の三席がいるってだけで、普段なら相手にもならないような雑魚相手に苦戦どころか殺される可能性すらあるってことだ。理解したか? と言うか、これで理解できないんだったら今すぐこの場で穿界門作って現世に送り返してやるから自己申告な。理解できなかった奴挙手ー。ついでに修行受けたくなーいって奴も挙手なー」

 

 一応見回してみるが、誰も手を上げていない。そりゃあ俺みたいのが目の前に居たら、そして今くらいのなら結構誰でもできると言われたらそう言う反応にもなるわな。実際結構できる奴ならいるし、なんなら殺気をしっかり使えばこれ以上の奴とか普通にいるし。

 そう言うことで全員修行場に放り込む。こいつらが今霊体、いや、この世界だと魂魄あるいは霊子体とでも言うんだろうが、ともかくそれでよかったと思うのは、霊圧を放つことができる類の存在はこの尸魂界の中において老化が遅くなる傾向があると言う事だ。それはこいつらが救い出そうとしているあの娘、ルキアが百五十程度とはいえ人間の寿命を遥かに超えて生きているという点からもわかるだろうが、とにもかくにも非常に都合がいい。

 俺はその状態を利用して、こいつらの霊子体と肉体の老化の速度を釣り合わせるように内部の時間経過の速度を上げる結界を張った。霊圧が高ければ高いほど加速度は上がっていくが、逆に低ければ低いほど一度に使える時間は短くなる。仕方ないわな。

 あと、一応夜一の方も相手をしているが、こいつ大分鈍ってるな。ちょっと後で追いかけっこしよう。捕まえたら頭のてっぺんから尻尾の先まで全部ブラッシングします。拒否は認めない。

 

 そう言う訳であれだ、ちょっと護廷の方にテコ入れしすぎたから今度は主人公の方にもテコ入れする必要に駆られてしまったわけだ。だって今のまま行ったら十二番隊とかは俺との関わりが薄いからまだいいにしても、十一番隊の奴らが全体的に強くなってるからな。もしかしたら途中で負ける可能性もあるし、ついでに言うと主人公が廷内に侵入して一番初めに見つかる相手がその十一番隊三席のはずだから可能性は結構高めなんだよな。うん。

 滅却師の方は多分大丈夫だろうと思うし、それに合わせて女の子……何だっけ、木上(きのうえ)だっけ? も多分大丈夫だと思うが、茶渡って男が多分不味い。原作では結構な数を倒して全員が動きやすい状況を作り上げた裏方と言う名の縁の下の力持ちが機能しなくなると大分問題が出てくるだろうからな。

 あと夜一は……うん、追いかけっこをしたら風呂だな。全身泡塗れにしてやる。

 

 そう言う訳でこれから暫く修行パートだ。しっかりかっちり強くしてやるから安心して強くなれ。できなきゃ死ね。

 

 それと、どうでもいいかもしれないが霊子体が霊圧を放つことができるようになるとその強さに応じて老化が遅くなる理由についてだが、原作において更木が主人公の刀を肌で受け止めたことがあっただろう? あれは主人公が殺すために研ぎあげた刀から放たれる霊圧より更木が垂れ流している霊圧の方が遥かに強かったから起きたことなんだが、あれは実のところ物質に限らない。霊圧によって時間の流れから受ける影響を弾いているわけだ。だから霊圧によって老化の速度が変わる。まあ霊体になるとそもそも物質よりも精神の影響を受けやすくなるから若いつもりでいるとずっと若いままだったりもするけどな。

 




Q.なんか繋がり無くない?
A.あの後一護の顔面掴んで夜一の背中つまんで一旦引かせたようです。なお、兕丹坊は現在貧血で倒れています。

Q.どのくらいまで強化するの?
A.ここから修行パート入るので自分の目で確認してください。


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BLEACH~32

「本日のボツ案のコーナー。今回紹介するボツ斬魄刀はこれだ」

鎮守府

かつて自身が暮らしていた鎮守府。勿論艦娘たちもいて、艦娘たちを出撃させて戦う。本人が殴った方が早いとか言ってはいけない。

「ボツ理由は完全にクロスオーバーになってしまうのと、最近の艦娘の事をあまりよく知らないからだ。ゴトランドis誰?」



 

 side 織斑一夏

 

「ほいじゃまずお前さんだが、まずは自分の能力についてしっかりと知っておく必要があると俺は思う訳だ。自分の力に対しての理解ってのは大事だからな。ここら辺ができているのとできていないのとでは出力や扱いに天と地ほどの差が出ることもある。脚を早く動かそうとする時に腕に力を入れてもしょうがないだろう? まずはそんなところから始めていこう。ちなみにこれについてはお隣のでかい坊主も同系統の能力者だから纏めるぞ」

「オス!」

「ヌ……わかった」

 

 いいお返事と悪くはないけど良いとはとても言えないお返事だ。だがまあ肯定の返事が返ってきているので一旦は良いとする。

 まずは初歩から。霊力についてはまあ多少わかっているようだから良いとして、霊圧……は、理性でどうこうする類の物ではないからこれも後回し。完現術ってのがどういう物かについての説明からしていこう。内容については原作でも読み返して補完しておいてくれ。俺が説明した内容は要するにそれと変わらん。物質に宿る魂を引き出し、自身の霊圧なりなんなりと言う形で魂を加えて増幅し、様々な形で力を見せる術。また本人がにとって特別な思い入れのあるものを媒体にして発動するそれは物の形すら変えて特殊な能力を得ることもあり、でかい坊主こと茶渡の方は肌がその媒体であり、お嬢ちゃんの方は髪についてる小さな髪留めがその媒体だと言う事も話しておいた。ちなみに完現術ってのは尸魂界においてはくっそマイナーで総称としてそう言う名前があることすら知らない奴ばかりだから名前については覚えておく程度でいいと言う事。初歩はこんなところかね。

 次に、完現術と言うのは完成したら変化しないと言う事。しかし逆に言えば完成するまでは色々と手を加えることができると言う事でもある。まあ結果が先にあってそこに向かっていく感じだから手を加えられると言ってもそこまで大したことじゃないんだが、とりあえずは完成を目指してみるところから始めよう。

 

 そこで二人を分けてそれぞれの部屋に。お嬢ちゃんの方をまずは担当するが、こいつの場合能力的には相当キチってるんだよな。事象の拒絶、要するに『私はこの傷を認めないから怪我していると言う事実は消えろ』を現実で実行した挙句に実現させる感じだ。はっきり言って頭おかしい。

 その上でまずは言霊を削るところから。まあ要するに能力を使い慣れるところから始めていくつもりだが、無理はさせない。この時期、と言うかもう少し先になると普通にそれをやっているから多分今でもちょいと練習すればでいるだろう。あと、盾の両面の拒絶を行う奴がいるが、これを三天結盾あるいは双天帰盾に加えることで拒絶の能力を底上げできるだろうことを伝えて実行させる。まあ後はできるまで練習あるのみだな。原作では戦闘力は最後の最後までつかなかったが、防御力だけなら原作有数まで成長したからその半分くらいはやってみようか。

 

 もう一人、茶渡の方だがこっちはこっちでやりすぎると命を削ることになるからちゃんと休みを取らせておく。まず、自身の能力については知らせた。そしてその能力が何のための物なのかを自覚させた。まあ簡単に言えば、茶渡の右手に宿る力が攻撃のための物ではなく防御のための物だと自覚させる必要があった。

 祖父の言葉を守り続けていた茶渡は、俺の言葉に大分感銘を受けたようだ。主人公と出会ってからもこいつの右手は常に何かを守るために振るわれてきていたはず。ならば思い入れを形にする完現術の性能からして防御に傾くのは当然のことだと思ったのだろう。実際そのはずだがちょろくて助かる。

 そして、そのことを自覚することで茶渡の右腕は進化した。正確にはやや元の姿に近くなったと言った方がいいだろうか。具体的には虚圏に突入する直前のあの状態になった。そして、左腕にも同じような物が生まれる兆しが見え始めてきたが……今回はここまでだ。十分だろう。と言うか少々強化しすぎた気も……いや、大丈夫か。最終形態とも言える右腕盾状態にはなってないし、左腕も悪魔の左腕は出てきてないし。

 

 そう言う訳で基本はできたからあとはその力を身体に慣らす作業だ。慣れない力を使おうとすると振り回される。ついうっかり自分の寿命全部一撃に込めてぶっぱしちゃいました、なんてことになったら笑えないからな。俺は『うわ馬鹿すぎるwww』と笑うかもしれないが流石に不謹慎だし。いくら俺でも実行は……するかもしれないが多分多少我慢しようとはすると思うしその時の俺の我慢に期待したい。それ以前にそもそも自爆するようなことにならないのが一番なんだが、残念なことに恐らく自爆覚悟の攻撃はすることになると思うんだよな。だって相手にあの京楽がいるんだから。あいつあんな風体あんな言葉遣いあんな行動してるくせにかーなーり強くて厄介なんだ。殺すだけならいくらでもできるがあの遊びを事実にする技はやばい。そして面倒臭い。あの遊びって本当にどうなってるんだろうな?

 

 ……まあ、この二人の修行パートはこんなところだ。あとは当人たちの霊圧の容量広げて無茶できるようにすることに時間を使わせるよしよう。

 




Q.どのくらいまで強化予定?
A.とりあえず完現術士二人は虚圏突入辺りまで。あとの二人はもう少し待って。

Q.夜一の強化はあります?
A.あるっちゃあるけど意味があるとは言ってない。


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BLEACH~33

 

 side 織斑一夏

 

 滅却師。何百年か前に俺が滅ぼした一族の名だが、とにもかくにも霊子の操作能力に長けた種族だ。滅却師の戦闘能力は究極的には霊子操作能力にある。どっかの始祖から力を受け取ってそれを使う場合はまた話が変わってくるがそれに関しては割愛。あと究極形態については完全に自爆技だからそれも割愛。

 死神に教わることなどない、と意地を張っていたが、炎刀から滅却師の矢を撃ちだしてやったら明らかに驚いた顔で俺を見た。まあ死神が滅却師の矢を真似るとか想像もしないわな普通。ちなみに炎刀からは滅却師の矢以外にも虚閃や鬼道を撃てたりします。便利。

 

「まあそう言う訳だ。昔々にお前らの始祖とも言えるような奴と戦ったことがあってな。その時真似た」

「滅却師の能力と言うのは血によって紡がれるものだ。真似ようとして真似られるようなものではない!」

「いやいや、再現性があると言う事はそれは種のある技術に過ぎない。そして技術であり技法であり何らかの形で体系づけられている方法ならば、その何らかの部分を再現すれば同じように使えるようになるのは当たり前だろう? 現世での有名所で言えば……野球の投手がボールを投げて軌道を変えるにはそれぞれ決まった形でボールを握り腕を振らなければならないが、それを理解して実行すれば練度にもよるが誰でもある程度はできるようになるのとそう変わらん」

「むぅ……では他にどのようなことができるんだ?」

「こんな感じの事かね」

 

 滅却師・最終形態、と言っても俺の場合根本から自前で霊子操作をやっているから限界を超えて霊子を集めるとかそういうことはない。限界量は限界量でちゃんとあるし、そもそも強制的に集めなくとも霊子の支配くらいならできるしな。原作最後の方で死神たちが霊子で空中に足場を作れなくなってたりしたが、それと同じことが当然のようにできる程度の支配半径と強度を持っている。それが俺だ。それを活用すれば今のように形だけ最終形態を真似ることもできる。

 ただ、そんなことを知るわけもない滅却師のメガネモヤシは驚愕に満ちた表情を浮かべている。わからなくもないがこのくらいの事で驚いていたら出演の度に『なん……だと……!?』しか台詞を貰えない落ちこぼれキャラになってしまうぞ。俺個人としてはどうでもいいが。

 そして最終形態モドキを解除してから散霊手套を改造して、必要な時に必要なだけ効果を弱められるように改造したものを与える。これによって本人の扱える霊子集束力をほんの少しだけ超えるように調整しながら弓を扱わせることで最終形態でいられる時間を伸ばし、修業完遂まで散霊手套を外しきらないままいられれば常時最終形態と同じだけのことができるようになると言う画期的な修行だ。俺はそんなことしないでも普通にできたからやってないが、とある俺の集落に暮らしていた女を娶った四大貴族のお坊ちゃんとの合同修行で五分五分まで持って行かれて悔しがった糸目の青年がもっと強くなりたいと言って来たのでこれを使って霊子の操作を極めさせてみたらなんと自分の霊力と言うか霊子と言うかそんな感じの物を一切使わないまま大気に満ちる霊子のみを使って大分難しめの鬼道を発動することすらできるようになったものだ。なお、そいつには滅却師としての才能はこれっぽっちも無かったので途中で散霊手套を外しても何もなかったことを付け加えておく。

 

 ……まあ、本当は自身の身体が持たないほど霊子を集めると言うのはよろしくないのは本人でもわかっていると思うんだが、結局のところそのあたりはその能力を使う当人が決めることだから俺には何も言うことができない類のお話だ。必要な時に必要な力が無いってのは悔しいものだからな。わかるわかる。俺にだってそう言うことはある。

 例えばあれだ、某グレートスピリッツを巡って戦うシャーマンたちの戦いがある世界で初めから幽霊として存在した時は面倒だった。どこぞの『ちっちぇえな』が口癖の奴に焼かれそうになって反撃して一方的にボコって地獄に送って地獄まで追いかけて地獄でもボコって冥府に落として冥府にまで追いかけて冥府でもボコって阿鼻地獄にまで叩き落してそこまで追いかけてボコって精神を綺麗に磨り潰してから帰ろうとしたら流石に帰れず、仕方ないから幽霊として帰るのではなく目の前にいたボコった相手の身体を奪い取る形で現世に復帰して乗り捨てようとしたらそれができなかった時とかにはもう少し練習しとけばよかったと本気で思ったもんだ。

 なお、その後そいつとして普通に生きて普通に死んだから悪い事は無かったんじゃね? ちゃんと戦いには参加したし、持ち霊として火の大精霊ことスピリットオブファイアを持ってたし、霊体人生長いから巫力もだいぶあったしな。具体的な数値で言えば2000000000000000000000くらいだ。一番上の数字以外全部切り捨てだけどな。

 

 そう言うことでヒョロメガネモヤシをマチョメガネモヤシに鍛え上げるために色々と画策してみたが、流石に肉体面でマチョるようなことは起きんな。霊力的な面では大分脳筋になったけど。頭のいい脳筋って怖いよな。

 




Q.シャーマンキング行ったの?
A.行った。そして優勝もした。

Q.石田君はマッチョになるの?
A.物理的にはなりません。


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BLEACH~34

「今回お見せするボツ案は、まあはっきり言って意味があるのかと言うような物だ。まあこんな風に迷走したりもするわけだな。うん」

聖杯

強者の魂を捧げることによって願いを叶えることができる。なお、この場合の強者とは自身よりも何かが優れている存在に限る。

「まあ簡単に言えば俺が俺である限りこの世界じゃ使えねえ奴だ。使えねえ。」


 

 side 織斑一夏

 

 さて主人公であるオレンジ色の髪の少年だが、強化するにあたってこいつが一番厄介と言うか、加減をしっかり考えないといけない奴なんだよな。今の状態で多分人間として一日過ごすのと同じだけの老化を魂魄に起こさせるのに必要な時間は恐らく二週間と言ったところ。さらに色々と叩き込むことで実力を上げていけばその最中でもどんどんと伸びていくだろうから、まあ一月くらいを目安にしておこうか。

 で、こいつの場合まずやるべきは自分の状態についての説明だ。

 

 主人公は今現在父親由来の死神の力を使っている。しかし今現在こいつの中には母親に取り付いた縁から来た虚の力と母親自身からの滅却師としての力の二つが眠っている。虚の力の方は最近起きだしてきてるんだったか? まあ色々あったはずだが、ともかく能力としては死神の物を基本に虚が混じり始めているって所か。

 そう言う訳でまずは選択肢を与えよう。どれから上げていくかだ。

 

 死神としての力を上昇させる。要するに卍解を目指して修業をするわけだが、これには原作でも使ったあの温泉と人形みたいなものを使うことで効率を上げられる。ただし、更木と戦って斬月とある程度分かり合ってもいないような状態でそれができるかはわからないし、ついでに言っちゃうと多分実力が足りないから無駄になる可能性もある。斬月の強度に任せた戦い方ではなくもう少しまともな戦闘を行うことはできるようになるかもしれないから完全に無駄になるとは言い切れないけども。

 次に虚としての力を鍛え上げる。これに関しては多分今でもできる。あと、根っこの部分……斬月は結局どこまで行ってもお前自身なのだからしっかりと受け入れてしまえば傷つけられるようなことなどありえないと言う事を理解しておけば負けることもないような気もするが、こいつの場合自分の中に虚がいるのを『自分自身』とは認めないだろうからやっぱ普通に戦う感じになるだろう。まあできるかどうかは知らんが。

 そして滅却師として目覚める。これはこいつに足りていない防御を補うことができるようになると思うが、滅却師として目覚めさせるならヒョロ長メガネモヤシと一緒にしておいた方がやりやすかろう。ただ、滅却師は基本死神的には抹殺対象だからお薦めしない。強くなれるかどうかもわからんし、目覚めさせることができるかもわからんからな。

 なお、完現術に関してはその条件を満たすような物を持ってきていないから今回は無しだ。

 

「選べ。死神としての基礎能力を上げるか、虚の力を扱えるようになって一時的ではあるが強大なブーストを得るか、滅却師として目覚めることで継戦能力と基礎能力を追加するかだ」

「全部だ」

「……全部か」

「とにかく俺は強くならなきゃならねえ。全部だ」

 

 ……全部か。困ったな……いくら時間を伸ばしたところで限界はあるし、こいつの成長が早いからと言ってそんないくつも別の方向に同時に成長させるのは難しい。イメージはグラフのような物だ。中心を0として、上下に線が伸びる。上向きの線が死神としての力量で、下向きの物が虚としての力量。能力を完全に使い切った場合にはこの線が長い方が強いとすると、その両方があることで実力が一気に伸びるのもわかるだろう。ちなみに滅却師は横線の右側、完現術者は横線の左側みたいな感じだが、今は関係ないから割愛な。

 さて、こうなったら本当に三つ同時進行するか。ただし、現実世界だと恐らく無理だから精神世界に入ってからやることになるな。他人の精神世界に干渉する刀なんてのも一応あるからそれ使おうか。

 誠刀・銓。自身を量る誠実さの刀。所有者は俺だがこれを貸すこともできるので、こいつで主人公に刃禅をやらせる。そうすることで斬魄刀との共有地である精神世界の中にお邪魔することができるが、誠実さを顕す刀である以上勝手に入り込むことはできない。と言うかこいつの中にいるあれってユーハーヴェーハーなんだよな。なんかこいつの意思に押されまくって完全に保護者っぽくなってたはずだけども。

 

 そんな訳でご対面。うん、やっぱこいつどう見てもユーハーヴェーハーだわ。千年くらい前のやつな。

 

「……」ジー

「……」メソラシー

「…………」ジトー

「…………」クビソラシー

「………………」ジロリンチョ

「………………」カラダソラシー

「いやあんたら何やってんだよ!?」

「見覚えある面があったからこんなところで何やってんのか聞いても答えないだろうから瞳を覗き込んで内心を読み取ろうとしたら避けられたから追い回していた」

「トラウマのある相手が絶対来ないだろうと思っていた場所に現れてこちらの顔を覗き込もうとするものだから必死になって視線を逸らし続けていた」

「お前やっぱユーハーヴェーハーか」

「その呼び方なら許容しよう」

「斬月じゃなかったのか!?」

「何言ってんだこいつが斬魄刀の化身な訳ねえだろこいつ滅却師だぞ」

「実はお前の斬魄刀を一時的に取り込んで今の身体の限界を越えないように制御しているのが私だ」

「マジで!?」

「まあ見た限りお前の斬魄刀ってこいつが封じきれなかった分の上澄みを使ってるだけだからいいとこ一分くらいだろ?」

「そんなに多いわけが無いだろう。私の力を甘く見てもらっては困る」

「むしろ俺としては他人の身体の中にある残滓の残滓程度のやることとはいえお前が封じきれてないって事実が驚きの対象なんだがな」

「一護は優秀だからな」

「女相手にはヘタレな気もするが」

「ああ、まあ、そう言う所もあるな」

「うるっせえよ!と言うかあんたらなんの話してんだ!」

「「お前/一護の話に決まっているだろう」」

「あああああああああ腹立つ!」

 

 おっとそう言えば修行だったなこれからやるの。思った以上に話が通じて面白かったからついやってしまった。

 




Q.今の状況でばらして大丈夫なの!?
A.本人復活できない状態ですし、良いんじゃないですかね?

Q.ちなみに一夏の使う気とかそういうのはグラフにするとどのあたり?
A.奥行。


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BLEACH~35

「今回のボツ案は実質作品の中にも出ているぞ。ただ、これを本当の斬魄刀にするのはどうにも違和感があったためボツになった。仕方ないね」

無限の火薬車輪

パーンジャン♪
つまりはそう言うことだ。
パンジャンドラムを召喚する。無限に召喚し自在に操る。そして当然自爆もする。宝具で言うと対軍宝具。

「これにするくらいならもう普通に出した方が早いと思ってボツ。仕方ないね(二回目)」


 

 side 織斑一夏

 

「ぱんころ~」

「逃げるぞ一護。あれの攻撃は馬鹿にしているようにしか見えんがどれもこれも威力は折り紙付きだ」

「わかったけどなんで斬月のおっさんはあいつのこと知ってんだよ!? あとなんかゆーはーなんとかって呼ばれてたよな!?」

「ああ、まあ色々あってな。それと一護、足元注意だ」

 

 垂直跳躍式縦ジェット型航空パンジャンによる爆撃を喰らえ!下からな!なお下から喰らった場合、当たる場所は足か腿か股間の三択だ。必死に逃げろ。

 

「あいあむざぼーんおぶまいぱんじゃん」

「斬月のおっさん!なんか変な呪文っぽいの唱え始めたんだが!?」

「あれを唱えるとなんかよくわからないが転がってきたり飛んでたりするあれが理不尽に増えるぞ。霊圧とか一切ないのに突然どこからともなく増える。気を付けろ!」

「怖いなそれ!? と言うか何をどう気を付ければいいのか全く分からねえんだが!?」

「一応言っておくがこの修行を受けることによりなんか強くなるぞ」

「なんか強くなるとか意味わからねえし怖いんだが!? 理屈はどうなってんだよ!?」

「死神の学問を詳しく学んでないと欠片も解らん類の話になるが本当に聞くか?」

「あーわかった聞かねえから具体的にどんな感じに強くなるのかだけ教えてくれ!」

「お隣にいる自称斬月なユーハーヴェーハーに認められれば卍解って言うもう一段の解放ができるようになるんだが、今のところ死神の力の方ではそれを目指している。卍解終わったら虚の力の方に入るから覚悟しておけよ。なにしろユーハーヴェーハーはなんでかお前に大分甘いが、虚のお前は厳しいからな」

「虚の俺ってなんだよ!?」

「お前がどうしても呼んでほしいと言うなら今すぐに呼んで一緒にやってみるがどうする分かったお前がどうしてもそうしたいと言うならそうしよう全く仕方のない奴だな我儘な奴め」

「俺が何も言ってないうちに勝手に俺の意思が決定されて勝手に仕方がない我儘な奴扱いされてんだけど!?」

「諦めろ、あの男はそう言う奴だ」

「ぱんじゃんふぉー」

「なんか全体的に白い俺が増えた!?」

「なんだこりゃあ!?」

「来たか。私には応援しつつともに走ることしかできんが頑張れ」

「お前が虚の俺って奴か!? って今はとにかく走れ!」

「あぁ!? 何が―――」

「パンはパンでもお前らをぶち殺して血祭りにあげるパンはなーんだ? パーンジャン」

「―――よし逃げるぞ!」

「色々と話をしたいのはお互い様だろうが後でな!」

「そうだな!」

「うむ、では走るぞ一護!」

「「おう!」」

 

 仲良きことは良いことだ。共に苦楽を乗り越えればそこそこに仲良くなれる物だ。それが虚と死神でもそう変わらん。まあ普通は協力体制を敷くような事にはならないから実現する事は無いんだが、今みたいにある意味全員同一なんだったらそうなる可能性は十分ある。滅却師の力としての象徴であるユーハーヴェーハー、死神の力としての象徴である主人公、虚の力としての象徴である白い主人公。俺の中のあいつらほどとは言わんから仲良くなればそこそこ力を貸してくれるようになると思うんだよな。

 それはそれとしてパンジャンを増やす。地を駆けるパンジャンだけでなく空中を舞うパンジャンやなんか伸び縮みして内側に対象を取り込んで起爆する特殊なパンジャン、花火のように爆弾が爆発すると周囲に小型の爆弾をばら撒いて被害半径を拡大させるクラスターパンジャン、重ね設置によって凄まじい加速を得ることに成功した弾丸パンジャンなども用意してある。

 

 バシュンッ!ズドォォンッ!!

 グワァァァァァ!!

 オレェェェェェェ!!?

 イカン!カサネセッチシキチョウソクヒショウガタダンガンパンジャンドラムダ!

 ナンダソリャ!?

 イイカラニゲルゾイチゴ!

 アイツヲオイテハイケネエ!

 

 あとこれもお薦めだ、風車式風船型空中爆雷パンジャンドラム。一応パンジャンドラムだから自前で動けるんだが空中爆雷の名を持つだけあって遅い。ただ、こいつは数を揃えてばら撒くと相手の動きを制限できるから中々便利だ。ただし、触らないように一か所に集めて爆破されると全部爆破するから気を付けないと巻き込まれる場合もある。パンジャンドラムが味方を巻き込むのはまれによくあることだから仕方ないね。

 あと滅却師としての能力を目覚めさせるために昔滅却師と戦って殺して回った時に滅却師の身体を分解して取り込んだ霊子を身体に慣らすことで後天的に得た滅却師としての霊圧で爆発を起こしているから繰り返していれば多分目覚めるだろ。

 

 グワァァァァァ!!

 ザンゲツノオッサン!

 ワタシタチハオマエジシンダ!オマエガシナナイカギリワタシタチガシヌコトモナイ!

 ダッタラ!オレガオレヲマモルコトニナンノモンダイモネエヨナ!

 イカン!ニゲロイチゴ!ホッピングシキチョウヤクガタアッサツパンジャンドラムダ!

 ヒトメミタダケデソレガワカルッテザンゲツノオッサンスゲエナ!?

 トイウカアッサツッテ・・・ウワァァァァ!!

 イチゴォォォォォ!!

 

 おっと酷いことになってるな。例の温泉に放り込んで……いや、温泉に放り込むより紅茶を飲ませるか。経口摂取で紅茶を取ってる間はまだ大丈夫だ。紅茶風呂もまだ戻れる。紅茶を血管に直接取り入れようと点滴やら注射やらを始めたらもう戻れないからそこだけ気を付けておこう。

 




Q.これパンジャンドラムがトラウマにならない?
A.多分大丈夫。と言うかパンジャンドラムなんて欠陥珍兵器を実用してるのは一夏くらいなんで大丈夫。

Q.紅茶漬けにするつもりかよ……。
A.一旦英国面に堕としてから日本茶で中和させるから平気平気(大丈夫とは言ってない)


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BLEACH~36

「今回もやってきましたボツ斬魄刀シリーズ。今回紹介するボツ斬魄刀はこちら」

虚刀・鑢

斬魄刀を持つと弱くなる。

「完全にデメリット斬魄刀です本当にありがとうございました。しかもそもそもこれなしでも虚刀流の技だけなら使えるしな……いや、形だけだが」


 

 side 織斑一夏

 

 修業は続くよどこまでも。具体的にはあれだ、ユーハーヴェーハーと虚の主人公と主人公が合体して虚圏で四番に追い詰められた時になったあの状態になってもまだ続く。とりあえず一応の卍解はできているし、仮面を出したままそこそこ行動できるようにもなっているし、若干ではあるが静脈に霊子を流して静血装を使えるようにもなっている。動血装の方は現状ユーハーヴェーハーは使わせるつもりはないようだが、まあそれについてはどうでもいいな。目的は十分強くなる事であって滅却師の能力を意識的に使えるようになる事じゃないし。と言うかこいつ教えれば教えるだけ砂漠の砂に水を流し込むような感じで吸収していくから教え甲斐がある。なお、リアルに砂漠に大水をいきなり出したら砂に吸収されるんじゃなくて細かすぎる砂と水との間に空気の層ができて吸収しきれずすさまじい勢いで砂の上を水が転がっていく感じになるから絶対やらないようにな。できんだろうけど。できたとしても突如として実行するような馬鹿はおらんだろうけど。

 ……うん、よく考えたら今の状態でそこまで強くなったら色々と問題が出てくるような気がするぞ? そこ止まりだったら平気だとは思うが藍染は大丈夫か? ……大丈夫か。ここまでやってギリ同等に届かないってとこじゃね?

 

「おーい、今くらい鍛えれば大体の奴には勝てると思うがどうする?」

「……朽木白哉には勝てるか?」

「あ? あー……初手不意打ちで飛廉脚と瞬歩の同時使用で気付かないうちに背後から最速で近づいて首を刎ねるくらいの事はできると思うぞ。真正面から戦った場合の勝率は知らん。俺の物差しはkm単位でな。ミリ単位の差なんぞ測れん」

「今でも俺とあんたにそこまで差があんのかよ……」

「一応言っておくが俺が転がしてたパンジャンドラムは趣味と暇潰しを兼ねて適当に作った遊び道具だぞ? 使うのが俺なら怪我すらしない奴を必死に避けて、爆風の余波だけで死にかける奴に言われてもな」

「マジかよ……」

「あ、最後に俺と戦ってみるか? お前は卍解でも虚化でも何でも使っていいぞ。俺は二番目に殺傷能力の低い鋸で相手してやる」

「鋸!?」

「ん? ああ、俺の斬魄刀は特殊でな。始解の形と卍解の形がそれぞれ十以上あんだよ。頑丈さの鉋、切断力の鈍、数の鎩、軽さと脆さの針、防御力の鎧、重さの鎚、回復力の鐚、人間らしさの釵、毒気の無さの鋸、誠実さの銓、毒気の鍍、距離と連射力の銃、って具合にな」

「……それぞれに別の能力があるのか?」

「あるのもあるし、無いのもある。ただ一つ言えるのは、始解一つにつき卍解一つ、ってことだ」

「……そういやあの刃の無い刀……」

「あれが銓だ。自身を見つめ、自身の迷いや悩み、欲を斬るための刀だ。だから刀身が無い。効果としては……集中力が異常に増すくらいだな。その分休みを多くとらないと疲労で死ぬが」

「あれ使って入ってきてるんじゃねえのかよ!?」

「俺の斬魄刀を経由してお前が刃禅やってんだから当然俺の意識の塊である斬魄刀から俺が入ってもおかしかねえだろうよ。そんなことより、さっき言った鋸ってのはこれだ」

「……木刀?」

「その通り。ただし、ただの木刀だと思って甘く見るなよ。そもそも人間は木刀でも死ねるんだ。死なないように加減はするが―――死んだらすまんな」

「……卍解!」

 

 俺の前で主人公君は習得したばかりの卍解を使う。全身を覆うマントのような黒い衣に黒一色の打刀、卍解としては異様なほどに小さなそれを構えた主人公君は、まあ一番隊以外であれば隊長格にも引けを取らないだろう。更木に勝てるかは知らん。藍染に勝てるかも知らん。ただあの爺さん相手だと分が悪いだろうな。『分が悪い』程度である時点で末恐ろしいが。

 さらにそこに虚化の仮面を被ることで力が跳ね上がる。これで多分総隊長の爺さんとも結構いい勝負ができるんじゃないかと思うが、あの爺さんの切り札は面倒臭いからな。ちなみに俺がそれを受けた場合、炎と同化できるから鋩に集めた炎がまず一切効かない。死んだ奴らが纏わりついても全部一瞬で爆破できる。一帯を焼き尽くされても特に何ともなく、一万五千度くらいなら問題なく耐えられるから危ないのは尸魂界だね。

 ただ、今の主人公君はそれに比肩できるだけの能力を持っている。と言っても通常状態でそんなことができる訳も無く、動血装と虚化、卍解の三つを同時に使うことで一時的にその域にまで踏み入ることができるってくらいの物だが……十分にやばいわな。

 

「先に行っとくが、できる限り虚化と動血装は使うなよ。虚も滅却師もここじゃ目の敵にされる存在だからな」

「……必要になったら使うぜ」

「使わないと勝てないような奴と戦うな、って言ってんだが……まあいいさ、聞くとは思ってないし」

「そうかよ」

 

 お互いに構える。俺は本当なら無行の位が得意なんだが、今くらいは良いだろう。相手を殺さなければいけないわけでもないんだし、その辺りは手抜きだ手抜き。

 

「最後に一応言っとくが、俺の事は誰にも言うなよ。言ったらついうっかりお前の部屋の引き出しの中に母親の洗濯物の下着が迷い込むかもしれん」

「おいふっざけんなよてめえ!?」

「真面目に言っている。俺にこうして手習いを受けたこと、そして俺に出会ったことは誰にも言うな。もしも誰かに伝えれば、お前の部屋の机の引き出しの上から二段目に母親と妹達の洗濯前の下着が迷い込むからな?」

「増えてる上に洒落にならねえからヤメロ!わかった誰にも言わねえよ!」

「よし約束だぞ!約束を破ったらさっき言った通りお前に変身して空座町の空を変態的な編隊飛行して街を騒がせてやるから覚悟しておけ!」

「さっきと言ってることがまるで違「隙アリィ!」グワーッ!!」

 

 よし勝った。やっぱセクコマ強いわ。

 




Q.実行すんの!? と言うかできるの!?
A.可能です。そしてもしも一護がそれについて口にしたら実行することでしょう。

Q.つっよ。一護つっよ。今の時点で原作のどのくらいの強さ?
A.恐らく虚圏編で現世に返ってきた直後以上最後の月牙天衝使用可能状態未満、ってとこだと思います。


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BLEACH~37

「今回のボツ斬魄刀だ。ちょっとネタ色が強すぎると思ってな……」

丸太

丸太である。それ以上でも以下でもない。丸太である。
ちょっと流刃若火の炎を受けても焦げ目一つつかず、完全版の天鎖斬月を受けても傷ひとつつかず、ユーハーヴェーハーの能力でへし折ったり無かったことにしたりもできないだけのただの丸太である。
いい丸太だな……

「何よりこの設定だと『みんな!丸太は持ったか!』ができない。困るだろう?」



 

 side 織斑一夏

 

 原作との相違を説明しようと思う。

 まず主人公。この時点で卍解習得。さらに虚化も習得し、自身に滅却師の能力があることも自覚。ただし、滅却師の能力については自身で完全に制御することはできず中にいるユーハーヴェーハーに任せているらしい。

 ヒロイン。言霊を削って術名すら言わずに術を使うことが可能に。強化版の盾である四天抗盾を会得し、防御力と回復力に磨きをかけた。まあ回復についてはやっぱり霊圧の回復は遅いようだが、肉体を治してから霊圧の回復をさせるのは容易なことだし問題は無いだろう。

 ヒョロガリメガネモヤシ。流石に常時最終形態とはいかないが、相手に意思が無くかつ自身の傍に存在するものであれば霊子の隷属を行えるようになった。これにより某十二番隊隊長を務めるバイキンマンみたいな声の男の卍解の毒は問答無用で分解できるようになったと言う事だ。頭おかしいね。

 ゴリマッチョこと茶渡。こいつだけ苗字が二音だから覚えられるのはありがたいが、結局あれから成長はあまりしていない。攻撃よりも防御の方を大事にしすぎているからだろうが、まあそれについて俺は文句を言うつもりはない。多分だが本当に必要になったら出てくるだろ。保証はしないが。

 

 主人公達に関してはこんなところだが、ともかく今日一日の間に色々と話を付けに猫一と一緒に花火師の所に邪魔することにした。ちなみにだがここの兄は原作では死んでいたが、普通に生きている。そのためここの弟の方もそこまで死神嫌いではないようだが……はてさて一体どんな風に変わっていく事やら。一応霊圧とかの操作を主人公にも多少教えはしたし、主人公も自分の中にいるユーハーヴェーハーに聞いて学んでいたからそこそこはできるようになっていると思うんだが……さてどうなることか。

 

「で、お前どうやって入る予定だ? 西流魂街に来てるってことはあれだ、空から入る感じで合ってるか? つなぎは取ってるのか? あとお前の跡を継いだ砕蜂だが毎夜毎晩お前の姿がプリントされた抱き枕を抱きしめながらお前の名前を呼び続けるようになったぞ気を付けろ。それとお前が尸魂界を離れることになった理由が浦原の奴に性的に襲われ食われた結果の新婚旅行みたいなものだと思ってるはずだから未だにお前の事大好きだぞ。声をかければ協力してくれるだろうから一遍合っとけ」

「頼むから待て」

「『夜一様!夜一様!夜一様!夜一様ぁあああぁぁわぁああああああああああああああああああああああん!!!あぁああああ…ああ…あっあっー!あぁああああああ!!!夜一様夜一様夜一様ぁぁあぁわぁああああ!!!あぁクンカクンカ!クンカクンカ!スーハースーハー!スーハースーハー!いい匂いだなぁ…くんくんんはぁっ!夜一様の射干玉のような御髪をクンカクンカしたいお!クンカクンカ!あぁあ!!間違えた!モフモフしたいお!モフモフ!モフモフ!髪髪モフモフ!カリカリモフモ」

「砕蜂の声で妙なことを叫ぶのを止めろォ!」

「いや俺じゃないし。これ録音だから俺が言ったんじゃなくて本人が叫んでるのを記録しただけだから」

「嘘だ!嘘だと言え!」

「別に言っても良いが事実は変わらんぞ?」

「ぐぬぁああああぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 猫一が俺の膝の上から落ちて床にビタンッ!ってなった。しかしそれを意に介せずごろごろと転がっているのは何なんだろうな。見た目美人な猫なのに。

 前にも何度か思ったが、俺は人間状態の夜一より猫状態の猫一の方が好きだ。特にモフモフがいい。

 

「……なぜ儂が喜助に嫁いだと思われておる……?」

「俺が筆跡と霊圧を真似て砕蜂に手紙を書いて残しておいたから」

「貴様の仕業かぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!!?」

「腹心の部下に何も言わずに出て行ったりするからそれを利用されてこんなことになるんだよ。良かったな、利用したのが俺で。もしお前が何らかの理由で戻ってこれたらちゃんと味方にできるように動いてやったんだぞ」

「ぐっ……!!」

 

 まあ何も言えんわな。実際それは助かることなわけだし。もしも俺が何もしていなかったらまず間違いなく一度は敵対することになっていただろうし。

 

「ああそれと、お前が置いて行った斬魄刀だが砕蜂が持って行ってたぞ。ちゃんと毎日手入れをしているそうだ。何に使ってるかは知らないと言うことになっているがな」

「なんじゃその含みのある言葉怖いんじゃが」

「何に使っているかの予想を聞きたいか? お前の絵の描かれた抱き枕の丁度股間の部分に斬魄刀の柄を入れるのにちょうどいい穴が開いていてな?」

「もういいわかったいやわかりたくないがわかったからそのことについては触れるな頼む」

「全く仕方のない奴だ。いくら急いでいたからと言って普通斬魄刀置いて行くかね? だからこんなことになってるんだが?」

「ぐぬぬ……」

 

 ぐぬぬと言っても現実は変わらない。まあ精々後悔しているといい。あと、多分だが砕蜂なら猫一ならともかく夜一が瀞霊廷に入ったら匂いで大体の位置を掴んで接近してくると思うぞ。言わんが。

 あれだ、精々頑張れ。錆落としくらいは手伝ってやる。

 




Q.うわぁ……。
A.事実だからね。仕方ないね。

Q.夜一って斬魄刀持ってたの?
A.持ってるはず。でも使ったところは見たことがない。名前も知らない。だからこんな扱いになりました。


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BLEACH~38

「今回のボツ案は……すまない、実はそろそろネタ切れなんだ。まあかなり初めの方からいい感じに完成系変体刀なんて物を思いついてしまったからね。仕方ないね。そう言う訳でこれで最後だ」

四次元ポケット

ドラえもんの例のあれ。なお、中身が入っているとは言っていない辺りもう本当にネタ。

「まあこいつ単体だとネタにしかならないが、中身を作れるとなるとネタどころじゃなくなるんだよな。そして俺は作れる。でもそもそもその場でさっと作った方が早いと言う……要するにどこまでもネタ枠」
「そう言う訳で、さらば」


 

 side 織斑一夏

 

 丸一日。たったそれだけの時間で全員がかなりのレベルアップを果たしている訳だが、これはとても喜ばしいことだ。一番変わったのが主人公で、次点が茶渡か。ただ、一番応用の範囲が広がったのはヒョロモヤシだろうな。いくつか滅却師用のアイテムをくれてやったからできることは広がったはずだ。

 まずは銀筒が百二十万本とそれを入れておくためのちょっと空間が歪んだ小さなホルスターが一つ。お値段は本物の散霊手套の解析。それから霊弓弧雀の改造により連射力を高めた銀嶺弧雀……に近い形をした弓。お値段はそこまで高くなく、モヤシの霊力を溜めた銀筒を五本。あとゼーレシュナイダーを五百四十とそれを納めるちょっとばかり空間が歪んだホルスターが一つ、お値段はずっと使ってきた滅却師十字の解析。他にも少々。

 それとお嬢ちゃんだが、基本的に即応性ばっかり上げていたからあまり強くはなっていない。言霊なしで防壁を張れるようにはなっているし、それまでの技に両面の拒絶をするあいつを加えて技自体の強化も可能になり、さらに攻撃手段として六体全部使って盾の両面を拒絶してぶった切る技も使えるようになった。まあそんなもの使わないで守り続けてた方がよっぽどいいと思うけどな。ついでに消滅した奴も復活させられるようになった。よかったよかった。

 

「黒崎、お前……相当強くなったな」

「石田もな。チャドもか」

「ム……」

「私も!言霊削って即座に技が使えるようになったよ!」

「すげえじゃねえか!」

 

 なんとも青春しているな。ただ、猫一の驚きが凄い。まあそりゃそうだ、流石に今の状態では抑えているようだが、全開にすれば原作で言う『俺自身が月牙になることだ』状態一歩手前くらいの霊圧があるからな。しかも現在虚の力も滅却師の力も意識的に抑えて使ってないのにその状態だ。今の状態なら頑張れば隠せるんじゃね? めっちゃ頑張れば、だけど。

 そう言う訳で場が驚きに包まれたんだが、一応これから突入と言う事で目的地である志波の花火師の所までの正確な地図をくれてやってから俺はのんびりと俺の作った集落に引きこもる。これから毎日二十時間は眠り続ける予定だが、合間に集落での相談事やら何やらを解決したりもしておく。あと暇だったから久し振りに全力で飯を作って老若男女問わずにメシの顔をさせておいた。愛情でカバーできる範囲を軽々と超える料理も作れるが、流石にそんな物を作ってしまったら破局する奴らも出てくる気がするからやめておいた。俺は優しくて思いやりがあるからな。一夏君優しいって言って?

 さて俺はさっき言った通り暫く寝るからここで一旦お休みだ。事件の内容については多分主人公一派の誰かが解説してくれるだろう。もしかしたらそれ以外にも俺と関わることで魔改造されてしまった誰かが話すことになるかもしれないが、まあ割とどうでもいいよな。

 

 ……あ、そう言えば休みの前に今週分の夜一シリーズを砕蜂に渡してくるの忘れた。あいつもしかしたら夜一不足により禁断症状出てる可能性があるんだがもし本当に出てたとしたら本人を目の前にして一体どんな反応を返すか予想がつかない。

 例えば、そうだな……本人が瀞霊廷に突入してすぐに気配だか匂いだかでその存在を感知して普段から速いのにそれと比較してなお速い瞬歩で瀞霊廷中を探索して夜一を見つけ出し、猫の状態の夜一の腹に顔を埋めてクンカクンカスーハースーハーして恍惚の笑みを浮かべたりしそう。それに我慢しきれなくなった夜一が人の姿に戻ったと思ったら再び抱き着いて乳だか腹だかに顔を埋めてぺろぺろしだすところまで見えた。そんなところまで見えなくていいと思うが見えた物は見えたんだから仕方ない。千里眼(偽):EXってこういう時不便だわ……。

 ん? どこでそんなもの手に入れたか? あれだ、直感:EXと千里眼(真):Bとちょっとした魔眼を組み合わせたらできちゃってな。偽物だけあって不安定だし確定したものでもないんだが過去と未来と現在が見える。ただし、その多くは並行世界の物だから役に立つことは少ないんだがな。

 俺がそれを見てしまったと言う事はマジでそうなる可能性があるってことだし、俺が見えたと言う事は結構確率は高いと言う事だ。確率として高い事象は人類史を樹とした時には太い枝に当たるわけで、そして太い枝の方が見やすいのは当然なわけで。

 頑張れ夜一、応援だけはしておく。ただしあくまでも応援だけだから謝ることはしないし後悔もしない。勿論責任も取らん。仕事を放り出して勝手に逃げ出したお前らが悪い。と言うかそもそも藍染に嵌められた間抜けなお前らが悪い。パンジャンドラムを作って転がし始める時に地面から零距離に置かなかったせいで落下の衝撃で爆発してしまったくらい間抜けなことをしたお前らが悪い。そしてその仕事の多くが何故か十一番隊と三番隊に回された挙句に一時的に俺が二番隊の指揮を執ることになりクソほど仕事量が増えて睡眠時間が減った。絶対許さないからな……未だに許してないからな……。

 




Q.石田君贔屓されすぎじゃない?
A.虚圏突入寸前くらいの強さなわけですが……まあ、大抵の奴には勝てますね。

Q.ちなみに一番変化が少ないのは?
A.夜一。毛並みはモフモフ度が上がったぞ!


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BLEACH~39

 

 side 黒崎一護

 

 あの修行と言う名の拷問を受けてから、身体が軽い。と言うか、ふわふわと浮いていて地に足がつかないような感覚だ。織斑さんは一気に強くなりすぎた弊害だと言っていたが、なんと言うか早めに慣れておかないとヤバい気がしている。魂そのものが俺の霊圧に軋みを上げているような、そんな感覚。今本気出したら俺死ぬんじゃね……?

 ともかく俺は大分強くなったが、瀞霊廷の中には今の俺よりも強い奴がそこそこいると言うのだから行動は慎重にしないとまずい。まあ門が使えなくなったから侵入はド派手になるんだが。

 それと、なんだかよくわからねえけど夜一さんがずっとぶつぶつ文句を言っている。何があったのかはわからねえけど何か良くないことがあったみたいだ。いや、純粋に良く無い事とも言い切れないから困っている、みたいな感じか?

 

「……着いたぞ」

 

 ……何だここ超入りたくねえ。なにあの旗持ってる腕……絶対こんなの作っちゃうから町中に居られなくなっただけだろ? 絶対そうだろ? 夜一さんは『中々良い』とか言ってるけどどこがいいのか全く分からねえ……。純粋な死神と俺とじゃここまで大きな認識の差があるのかよ……!? いや、別にその認識の差を埋めたいとは思わねえけども!

 いや、良いから入るぞとか言われても超入りたくねえんだけど……いや入る、入るから少し心の準備を―――

 

「はよせい」

「……ハイ」

 

 夜一さん怖え。強さで言えば多分今の俺の方が強い……いや、強いかどうかはともかく霊圧だったら俺の方が間違いなく上だと言う確信があるが、あの雰囲気には逆らえそうにない。怖え。

 それより今はこの状況……この奇妙なオブジェの立てられた残念な家に入らなければいけないという受け入れがたい事実を受け入れねえといけない訳か……織斑さんとの修行で色々と理不尽に慣れたつもりでいたが、まだまだだったか……世の中は理不尽で満ちているってのは本当だったな。まさかこんな理不j

 

 ゴッスゥ!

 

「はよせい」

「……鼻が……鼻はどこだ……」

 

 めっちゃいてえ。このくらいだったらすぐ治るのはわかってるけどすげえ痛い。霊圧感知……と言うか、斬月のおっさんから教えてもらった滅却師としての霊子感知で前が見えなくても何がどこにあるのか、だれがどこにいるのかくらいはわかるようになってるが前が見えないとかなりきつい。人間はやっぱり視覚がないときついわ。

 まあそんな訳で思いっきり凹まされた顔面をさすりながら夜一さんに続いて階段を降りていく。なんで玄関入って二秒で階段なのかはわからない。こんなところに階段を作るんだったら上に建ってるあの建物の必要性は何なのかと。金彦と銀彦の住居か?

 ともかくこれから色々とやらなきゃならないことがある。まずは今の状態に慣れることだ。このふわふわした状態じゃあ戦いにくくて仕方がない。身体が霊圧に慣れてきているのか少しずつ馴染んでは来ているが、完全な状態になるまでは時間がかかりそうだ。

 

「く、黒崎君、その……大丈夫?」

「おう。ちょっと前は見えねえけど大丈夫だ」

 

 そろそろ治ると思うんだが……お、治った。めり込んでいた鼻が元に戻り、前も普通に見えるようになった。よかったよかった。なんか井上が物凄い物を見る目で俺を見ているんだが、大丈夫か?

 

「黒崎、お前は一体いつの間に人間を辞めたんだ?」

「俺は今も昔も人間のままだぞ!?」

「いや、あそこまで顔が凹んでいる状態から普通に治しておいて人間と言うのはちょっと……」

「ヤロウ……」

「大人しくしておれ」

「「ハイ」」

 

 夜一さん怖え……。

 

 そんなコントにも似たことをやりつつ進んでいくと、そこそこ大きな場所に出た。そこに居たのは……隻腕の、女。ただ、この女が只者じゃないってことだけは今の俺にもわかる。なんと言うか、身体の感覚が鋭いんだか鈍いんだかわからねえ今の状態でも何となくかなり強いってことはわかる。……夜一さんと同等か、少し劣るか、って所だろうな。

 ……と言うか、ほんとさっきからこの感覚はなんだ? 同じものを見ているはずだってのにその瞬間ごとに全く違う姿が見えてくる。およそ、四つ、か……? そのくらいの物がほぼ同時に重なって見えるせいで感覚が定まらない。

 多分だが、四つのうち三つは死神としての霊圧知覚、虚としての探査回路、滅却師としての霊子知覚だろう。これらのそれぞれ違う方法での感知能力が全部混ざることで今みたいに感覚が滅茶苦茶になっているんだろうなと思うが、あと一つは何だろうな……?

 

 俺が迷っている間になんか話は進んだらしい。いつの間にか移動することになっていて、いつの間にか移動していて、そしていつの間にかなんかでかい大砲みたいなもので空から瀞霊廷に入ることになっていた。別にそれに問題があるわけではないし、あの拷問……じゃなかった、修業のおかげで俺も多少は霊力を扱えるようになったからとりあえずこの球に霊力を込めてm

 

 ズヴォン……!(あまりに大量に込められた霊力によって半径にして二十キロほどが瞬間的に隔絶された図)

 ドボシャァ!(驚いて気を緩めたら爆発しそうになったがそれを滅却師の能力で抑え込んだは良いものの落下に対処するのを忘れて顔面から行った図)

 

 ……調整はマジで必要だわ……クッソ痛い……。

 

 




Q.四つ目の感覚は完現術士の感覚?
A.いいえ、人間としての感知能力です。意味が解らない? 大丈夫、いつかわかる。多分。

Q.二十キロって……やばくね……?
A.やばいよ? あと藍染にばれたよ?


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BLEACH~40

 

 side 黒崎一護

 

 死ぬほど怒られた。まあこれについては間違いなく俺が悪い。軽く霊力を込めたつもりだったんだが馬鹿みたいに多かったらしい。いったいどんだけ霊力があるんだと驚かれたが、あの修行で一気に増えたせいで制御が難しいんだよな。自分ではちゃんとやってるつもりなんだが、実際にはかなり大雑把になっているらしい。ただ、今みたいな失敗をしても瀞霊廷のあの壁のおかげで全く気付かれていないだろうからそこだけは安心していいらしい。

 

「黒崎、お前……いつからあんなに……!?」

「あー……あの修行で何回か、どころじゃなく死にかけてな……それでまあ、色々あって強くはなった。ただ一気に強くなりすぎて制御の方がどうもなぁ……」

 

 あと、なんか怪我の治りも早くなったし霊圧の回復も早くなった。ついでに全力で月牙を撃つと黒くなるようにもなった。そしてあの修行の中で、常に覚悟を持って戦うことを覚えさせられた。

 元々浦原さんに教えては貰っていたんだ。恐怖ではなく、覚悟を持って戦う。そうして戦っているうちに、俺は織斑さんの剣から色々な物を教えてもらった。

 

 織斑さんが、俺を殺さないようにするために手加減に手加減を重ねていたこと。殺してしまうことがないように、例え即死一歩手前の傷を負わせたとしても即座に回復させられる準備をしていたこと。そして、修業が一旦終わった今も、俺は織斑さんの本気を一度も引きだせてすらいないと言う事。

 卍解をした。虚化もした。滅却師の力も使った。それでもなお織斑さんには届かない。卍解に虚化を重ねて動血装でさらに速度と力を上げても、織斑さんの動きについていく事はできそうになかった。少なくとも、織斑さんは卍解も虚化も滅却師の力も俺との試合で使う事は無かった。ただの一度も、だ。

 ……いや、本当のことを言おう。俺に対して使った武器は、攻撃能力を持つ織斑さんの始解の中で最も攻撃に向いていない木刀だった。そして俺は、その木刀一本に全力で向かっていったにも拘らず木刀を斬るどころか折ることも、傷をつけることもできないままぼろ負けした。何度も回復してもらって時間一杯戦って、結局傷一つつけるどころかそもそも剣を触れさせることすらできなかった。

 

 ……夜一さんの言うことがよく分かった。これが隊長格。俺達よりずっと長く生きてきて、その時間の多くを己を鍛えるために使い続けた戦闘部隊を率いる存在。正直、俺がどれだけ強くなってもその遥か先に居るのがわかる。織斑さん自身から『俺に勝てる死神は相性の問題で死神相手なら完全に封殺できる王族特務の和尚しかいないから安心していいぞ』とか言われていなかったら正直折れていたかもしれない。

 ついでに今の俺と戦いができるか俺を封殺できる奴について教えてもらった。一番隊の隊長である山本の爺さんこと、山本元柳斎重國。同じく一番隊副隊長、ただしこっちは卍解を使わない制限を設けているらしく、卍解無しなら割と余裕で勝てるだろうと。二番隊の隊長である砕蜂は同じ位置に二度攻撃を受けると問答無用で死ぬ技を使ってくるらしい。霊圧でその技を引っぺがすことができるならそこまで強くないらしいが、そんな霊圧を持っている奴はそういないし俺でも少し難しいらしい。それと四番隊では隊長だけが凄まじく強いらしく、剣技において右にでる者はいないとか。五番隊の隊長である藍染惣右介は割と策士で気が付いたらすべて終わっているような状況にしてくるから注意しなければならないと言うのと、十一番隊の隊長である更木剣八は純粋な戦闘能力だけで言えば死神と言う存在ではトップクラス、十二番隊の隊長である涅マユリは時間を与えれば与えるほど厄介になってくるタイプの研究者らしく、こいつにだけは本当に滅却師の能力を見せてはいけないらしい。

 注意されたのはこれだけだが、逆に言えばこれだけ今の俺でも勝てるかどうかわからない奴がいると言う事。死神としての力だけでも十分戦えると言う話はされたが、限界まで追い詰められたとしても滅却師の能力ではなく虚の方の能力を出せと言われているが……理由はわからない。多分死神が滅却師と敵対関係にあったことが原因なんだろうが、そこまで気を付けなければいけない事なのかは俺にはわからない。

 わからないが……従っておこうと思う。織斑さんの言う事だし、何か理由があるんだろう。面倒臭いとか俺と相性が悪いとか俺と性格的な相性が悪いとか色々。何の理由もないのにそう言うことは言わないだろうしな。ただ、まだまだ経験が足りないから何人か戦いになる相手と戦っておいた方がいいと言われているから適当に出会った相手に挑んで……いや、一番隊の隊長と四番隊の隊長だけはやめておけって言われてた。じゃあその二人以外で適当に何人か選んで戦ってみようか……一番戦って身になる相手は更木剣八だって話だが、凄まじく厄介だからしっかり覚悟をした上で戦いに挑むように言われている。そう言うと言う事は相当強いんだろうが……多分、織斑さんよりは強くない。じゃなかったら薦めたりしないだろうし。

 

 ……つまり、隊長格の中にも強い奴と弱い奴がいる、ってことか? それも実力差が結構ある感じで。それがどの程度かはわからないが、多分戦闘を専門とする隊長とそれ以外の隊長で結構違ったりするんだろう。

 いや、それより今は霊力の操作を何とかしねえと。このままだとまた暴発しそうになるだろうし、そもそもあの大砲の中に入れない。

 




Q.と言う事は他の隊長格ならコンスタントに勝てると?
A.まあ、一応は。ただし浮竹(NOT病弱)と京楽には経験の差でかなり苦戦すると思われます。

Q.白哉相手なら?
A.原作でもあった「あの時、剣を止められていなければ……」が実現しますので勝てます。


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BLEACH~41

 

 side 黒崎一護

 

 五分でできた。ちょれぇ~。あの拷問じみた修行に比べたらちょろすぎて欠伸が出るレベルだ。超ちょれぇ~。これは要するにあれだ、空中に立つ時に霊子を固めて足場を作るのと同じような感じでできるな。込める霊力の量を調節するのが難しいが。

 そんなこんなですぐに出発。一応休みは入れたがそこまで疲れてはいないし、腹も減っていない。……あくまでも俺は、なのでちゃんと休憩はするし飯も食うけどな。

 その間、空鶴さんの弟である岩鷲と話をしたりしたが何とも微妙な対応をされた。こう、普段は荒っぽいことをやっている不良が何とか上辺だけでも取り繕って敬語使って対応されているような感じだ。実際そうなんだろうが。

 

 さて、ともかく俺は今の状態に慣れていかないとならない。身体は眠らせつつ頭の中で霊圧の扱いに慣れていく。そうして慣れさせていった霊圧のを身体に馴染ませて、また頭の中で霊圧を扱っていく。周囲にできるだけ漏らさないように抑えてはいるが、この抑え方だと多分問題が出てくると思うんだよな。斬月のおっさんに頼んで滅却師と同じ方法で抑えているし、なんとか普通の死神と同じように霊圧をできるだけ抑え込めるようにならないといけない。

 まずは呼吸だ。呼吸法によって霊圧の魄動を緩やかなものにする。霊圧ってのは基本はイメージで何とかなるそうだが、流石に何の情報も無くそれだけ言われてやってみろと言われてもできるわけがない。基本だけは教えてもらったからそれをやっていこう。

 

 黒だ。死神としての霊力は、基本的にどこまでも黒い。その黒を、俺は常に身に纏っている。心臓の鼓動と共にゆらゆらと揺らぎながら溢れ続け、揺蕩っている。

 その霊力の波に流れを作る。渦を巻くように俺の身体に引きつけ、鼓動と共にできる波紋を引きつけて圧縮しながら身体の中に飲み込んでいく。ただ霊圧を放つのではなく、放った霊圧を捕らえて集め、身体の周りに集束させる。これでちょっとした鎧のように使える……らしい。織斑さんには木刀でぶった切られたから本当に鎧として使えるのかはわからねえが、多分できるんだろう。多分。

 そうやって馴染ませていくと、いつの間にかしっかりと身体に霊圧が馴染んでいる。この場合は身体にと言うより魂魄にと言った方がいいのかもしれねえが、まあ身体でいいだろ。似たようなもんだ。

 ……霊圧に関しては今のところこれでいい。霊力に関してはなんとかなった。実戦経験は織斑さんのおかげで数えきれないほどさせてもらった。斬月の名前を知り、斬月について知り、斬月のもう一つの名を知り、そして斬月が斬月では無い事も知った。虚の俺が中にいることを知り、虚の俺と戦い、虚の俺に俺自身を認めさせ、戦いの本能を目覚めさせた。そしてその二人から虚と滅却師の力の使い方は教わったし、そこそこならできるようにもなっている。しかし死神としての力だけは俺自身が磨かなければならない。そのための教材として、織斑さんは力を貸してくれていた。

 剣を振るうだけが死神ではないが、剣を振るえないよりは振るえた方がいい。そして斬拳走鬼、剣術と体術、歩法、鬼道の四つのうちできないのが一つだけならば残りの三つを鍛え上げることで穴埋めはできる。そう教えられてから鬼道が苦手な俺に剣術と歩法を叩き込み、ついでに力が付いたと思った俺の鼻っ柱を叩き折るために大量のパンジャンドラムを―――いや、パンジャンドラムについては忘れよう。忘れたい。忘れさせてくれ。

 

『ぱんころ~』

「!!?」

 

 ……幻聴か。幻聴でよかった。いきなり起き上がったせいで岩鷲がなんか驚いた顔で俺を見ているが、俺は気にしない。今はとにかくパンジャンドラムが転がってこないことを喜ぼう。

 

「……なんでそんなにしてまで助けに行くんだ? 休む時間も削って妙なことやってよ」

「あ?」

「そんなに大事か?」

「いや別に」

「あ? じゃああれか、助けてやるとかって約束でも」

「してねえ」

「なら金か!」

「ここと俺らの世界じゃ通貨がちげえから貰ったところで使えねえよ」

 

 ……そう、そんなんじゃねえんだ。約束とか金とか大事な奴だからとか、そんなんじゃねえ。ただ、俺はあいつにでかすぎるくらいでかい借りがあって、それを俺に貸したせいで今処刑されそうになっている。そいつを見殺しにするような男になるのは御免だ。ただ、それだけの話だ。

 結局のところ、俺は俺があいつを助けたいから助けに行くと言うだけの話。誰のためでもなく、俺のための行動だ。虚の俺には馬鹿にされたし、斬月のおっさんにはあまり危ない事はしてほしくないと心配そうな顔をされたんだが、これに関してはどうにも譲れねえ。俺がやると決めたんだから、俺はやる。ここまで来て逃げ帰ったんじゃあ何のためにここまで来たんだって話になるしな。

 

 さて、明日のためにそろそろ寝るか。休むことも戦うためには必要だ。

 




Q.なんだかどんどん変わっていってるような……。
A.まあ未来なんてのは過程が変われば結構変わるものですからね。

Q.霊力ってそんななんだってどこかに描いてあったっけ?
A.オリジナルです。ただ、和尚の力の源が黒であり、和尚は死神相手に負ける事は無いと言う話が合ったので死神の霊力は黒、と言う事にしました。ちなみに一夏の霊圧は結構事由に染め変えれる感じです。


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BLEACH~42

 

 side 黒崎一護

 

 でっかい大砲の中に入って空から瀞霊廷の中にダイナミックエントリー。なお、あの壁から出てた遮魂膜は越えられたがそこで勢いを失って一人で放り出された模様。

 ……井上が心配だ。石田と一緒だから多分大丈夫だとは思うんだが、それでも心配なことに変わりはない。チャドについては負けるところとか想像……織斑さん以外には想像つかねえし、夜一さんは多分大丈夫だろう。経験だったら俺達の誰よりも積んでるだろうし。

 

 そう言う訳で落ちた先はなんかよくわからん端っこの方。霊子を掴んで空中で減速しながら静かに降りたから周りに被害は出てないが、結局場所がわからないしルキアがどこにいるかもわからねえからあまり意味は無さそうだ。

 周りには……とりあえず二人。好戦的そうな坊主頭と……なんか鳥みたいな羽っぽいのが何本か生えてるおかっぱ。

 さて、とりあえず戦いになるだろう。大分好戦的なようだし、ついでに言えば明らかに敵意を向けてきているしな。逃げようとしても追ってくるのは間違いないだろうし、もし俺より強ければ逃げたところで追いつかれる。俺より弱いなら倒して進めばいいだけの話。ともかく……一当たりしてみるか。

 

「……そこの奴。ちょっと聞きたいことがあんだが、いいか?」

「あん? 俺の名前か? 班目一角だ」

「聞きたいのはそれじゃねえよ……戦って俺が勝ったらまた聞くぜ」

「お前にできるのか?」

「やらなきゃなんねえからな。」

「そうか。で。お前は?」

「? ……ああ、黒崎一護だ」

「一護か。いい名前じゃねえか」

「ありがとよ」

 

 じゃあ、始めるか。ルキアの事を考えるのは一旦置いといて、戦闘に集中しねえとな。

 

 

 

 

 

 side 班目一角

 

 黒崎一護と名乗ったそいつが背負った身の丈ほどの大刀を握った瞬間、空気が変わった。まるで更木隊長を目の前にしているかのような圧倒的な存在感。巨大な包丁のような奇妙な刀身に巻かれた布が落ちていくほどにその圧力は強まり、やがて誰もがそれに気を取られてしまうまでに大きくなる。

 そして、一護は小さく刀を横に振った。即座にその場から離れるために跳躍する。

 ―――跳躍、しようとした。しかし、身体が動かない。いや、動いてはいるようだがその動きは嫌に遅く感じる。全速力で、瞬歩まで使って跳躍していると言うのに、まるでナメクジのようにゆっくりと俺の身体は動く。

 俺の意識の中では緩やかに、しかし実際には俺の限界の速度で跳躍した俺の足元を何かが走る。それが俺の足元を越えた次の瞬間に俺の速度が上がり、そして俺の背後の壁が静かに両断された。

 

「おー、避けんのか……やっぱまだまだだな」

 

 再び剣が振るわれ、俺が乗っていた壁が縦に両断される。いや、壁どころかその先の道も建物も、一刀のもとに両断された。

 

「お前……強いな」

「おいおい、まだ一発も当てられない奴に言うのは早いんじゃねえか?」

「こっちはかなりぎりぎりで避けてんだ、誇っていいぜ。俺の所属する十一番隊は護廷きっての戦闘部隊。その中で三席やってる俺を防戦一方にさせるたぁな……」

「……三席? マジか……でも戦闘部隊だろ? 他の隊の副隊長くらいには強いと思っていいよな?」

「……まァな」

 

 戦いの最中とは思えない口調。殺すどころか完全に追い詰められているのがわかる。しかも、明らかに一護は本気を出していない。

 鬼灯丸を呼んで構え、一護の一挙手一投足を観る。ただ、さっきので分かるのは今の俺じゃあ一護には勝てそうもねえと言う事だ。あれを使えば可能性はあるが……使わねえ。絶対に。

 どこまで俺がこいつを測れるかはわからねえが、ともかく戦いだ。正直更木隊長といい勝負ができるんじゃないかと言うくらいだが……始解することで霊圧が上昇している今なら一撃を加えることもできるはずだ。

 踏み込む。瞬歩の最中にさらに瞬歩を重ねて加速する。そのまま鬼灯丸の切先を跳ね上げて顔面に突き立て―――

 

 目が合った。

 

 切先が皮膚に触れる寸前、一護は顔を背けることで刃を躱す。その間もしっかりと俺の事を視界に収めながら、しっかりと俺と目を合わせながらだ。

 腹に衝撃が走る。避けられたのがわかった瞬間に固めてはいたが、一護の……恐らく膝だと思われる衝撃は俺の腹筋を易々と貫いてきた。まるで腹の内側で鬼道が弾けたような感覚。痛いと言うよりも熱いと言う感覚の方が正しいとすら思えるそれを受け、俺は吹き飛び壁に叩き付けられる。致命傷で無いのは感覚的にわかるがそれでも身体が動かなくなる。

 

「かっ……!?」

 

 直後、顔の横に突き立てられる大刀。鬼灯丸を掴んだ腕は片足で抑えられ、一方的に命を握られる感覚。ここまで圧倒的な相手を、俺はほんの数人しか知らない。

 十一番隊隊長、更木剣八。元・十一番隊副隊長であり、現・三番隊隊長、織斑一夏。そして実際に本気で戦っている所を見た事は無いが、一番隊の隊長にして護廷十三隊の総隊長でもある山本元柳斎重國。俺が『測り知れない』と思った相手はこの三人だけだ。

 だが、一護も同じように測り知れない実力を持っている。ならば更木隊長の無聊を慰めることができる相手になるかもしれねえ。

 

「……聞きたいことがあるって言ってたな。なんだ?」

 

 俺は身体に走る痺れるような痛みをこらえながら、一護に問いかけた。

 




Q.この時点で月牙使えるようになってるの?
A.使えはしますが小っちゃく振って斬撃を飛ばしたのはただの剣圧です。

Q.……え?
A.崩玉と融合中の藍染との最後の戦いで剣をぶつけ合わせて山をぶった切った時と同じ、剣圧です。規模は小さめ。


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BLEACH~43

 

 side 織斑一夏

 

 ( ˘ω˘)スヤァ・・・

 ( ˘ω˘)・・・・・・

 ( ゚ω˘)パチッ

 ( ゚ω˘)・・・・・・

 ( ˘ω˘)スヤァ・・・

 

「……ほんまによく寝る人やね」

「今思いっきり目を開けてたけどね……」

「たまに寝たまま動いとるし今更や。ただ寝言には注意せなあかんよ」

「寝言?」

「ぱんころ~」

「逃げるで乱菊」

「なんd……わかった逃げましょ」

 

 この後滅茶苦茶爆発した。

 

 

 

 

 

 side 黒崎一護

 

 ルキアの居場所を聞いた。なんか南に行ったら詰め所があるからその西の端にある白い塔の中にいるらしい。嘘を言いそうなタイプでは無いから信用しても大丈夫だとは思うが、それを言った直後に今回の分のは終わったからともう一回戦うことになるとは思わなかった。今度は真空飛び膝蹴りで気絶させてやった。歯が何本かへし折れたそうだが知らん。

 あとなんかアホ毛っぽいのが何本か生えたおかっぱにも同じように襲われたが、こっちはこっちで殴り倒しておいた。まあ、武器無しでも一応勝てるな、うん。いきなり刃が増えたせいで少々やりにくかったが、まあ隙間に貫手で何とかなった。肉を貫いた感触が生々しいと言うか生臭くて好かないんだが、虚の俺と日々やり合ってたせいで慣れた。ちなみにやられる方も慣れた。あいつ容赦ねえんだもんよ……ちなみに怪我については斬月のおっさんが治してくれた。頭が上がらなさ過ぎてやべえ。

 ……俺も誰かの怪我を治すのができればいいんだが、どうにもなぁ。正直一角が刀に薬を仕込んでおいてくれて助かった。俺の場合は斬月に仕込むのは無理だし、死覇装に仕込んだら卍解の時に消えるから使えねえしで意味がない。だからって石田みたいに鞄みたいのを持つ気にもなれないし、これに関しては諦めることにした。井上みたいな能力に目覚めるのは色々考えて望み薄だしな。

 あと、十一番隊の隊長はやべえと言う情報を貰った。知ってる情報ではあるが、やっぱり相当強いんだろうなとは思う。尸魂界に来た時の俺でも十分強くなったと思ってたんだが、織斑さんから付けられた修行であの時の俺とかゴミだったと言えるくらいに強くなり、更に今の俺と十分戦えるだろう奴が瀞霊廷に何人もいると言う。それどころか俺でも手が届かないほど強い相手すらもいるとか。瀞霊廷やべえな。

 

 さてそれはそうと俺もここでいつまでも動かないでいることはできない。ボロボロではあるが一角達も起きたし、さっさとあの白い塔を目指していこう。南行って、建物の群れが見えたら西だったな。端っこの方に白い塔が建ってる、と。

 だが、とりあえず走ってみたが中々広い。門から門まで歩いて十日、円の周径は直径の3.2倍程度として壁を伝って一周するのにおよそ四十日。つまり直径は歩いておおよそ12日って所だ。瞬歩を使って全速力で移動すればそこそこ短い時間で到着するだろうが、瞬歩は霊圧の感知に引っかかるらしいから見つかる可能性がある。

 それに、他の奴らも見つけねえといけないしな。チャドは平気だろうが石田や井上は……まあ、頭がいいから大丈夫だとは思うが心配だ。できるだけ早いとこ合流したい。夜一さん? 大丈夫だろう。何しろ昔二番隊で隊長やってたらしいし。ただ、猫なのによくそんなことできるよな。

 

 しかし本当に広い。ここまで広い場所をあれだけの高さの壁で覆うとなるといったいどんだけの労力が必要になるんだろうな。しかも使った物が霊力を完全に遮断する殺気石。かなり特殊な方法を使わなければあんな綺麗な壁を作り上げるなんてことはできないだろう。兕丹坊でも削れたんだから削るくらいは簡単にできるのかもしれないが。

 ……と言うか、兕丹坊に削れるんだったら結構普通に削り切れるってことじゃないか? 壁を削り切ったとしても遮魂膜はあるだろうから入れないままかもしれないが、もしも全体を均等に同時に削り続けることができれば中に入ること自体は案外簡単なのでは……? まあ、だからこそあれだけの大きさの壁になっているんだろうが。

 

 ともかく適当に南に……南ってこっちだよな? こっち南で合ってるよな? 一角は端の方に居たそうだし、壁とは逆側に走ったんだが合ってるよな? 壁は見えたがその周りに白い塔とか見えなかったし多分合ってるはずだ。もし違ってたらまた適当に誰か捕まえて聞くしかねえ。

 

 と、そんな感じで走ってたら確かに人混みが見えた。それも多くの死神が出入りしている建物もだ。多分あそこが隊の詰め所って奴だろう。

 そうなると今走ってきた方が北だから、西は右側か。よーし大体わかった。後は白い塔が見えてきたらそこに向かうだけだな。

 

 ……ただ、どうも俺も見つかったらしい。霊圧は消しているんだがこうやって堂々と姿を見せたらそりゃ見つかるだろうし、ついでに俺の髪の色ってかなり目立つから味方に居れば少しくらい話に出てもおかしくない。それが無いならまず間違いなく味方ではないと思われるだろう。侵入したのはバレてるわけだしな。

 仕方ない。ともかく走って撒くとしようか。撒けるかどうかはわからないが、最悪ぶった切ろう。

 




Q.待って一護かなり強くね? 原作でどのあたりくらいの強さ?
A.前にどこかで言った気もしますが虚圏編で現世に返ってきた時以上月牙になった時以下です。

Q.もっと具体的に。
A.断界で修業して刃を受け入れた直後よりは弱いですが、とりあえず藍染を始解状態でギリ斬れる程度。なおそこまで強くなっても現在の剣八は始解じゃどう頑張っても斬れない模様。


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BLEACH~44

 

 side 黒崎一護

 

 漸くと言うかなんと言うか、白い塔が見えてきた。あそこにルキアがいるはずだが……多分あの建物も殺気石だよな? どうやって入る?

 ……いや、それより前に、その前に立ってるあいつを何とかしないとな。

 

「……久しぶりだな。俺の顔を憶えてるか?」

「忘れようにも忘れられねえよ……阿散井恋次」

 

 俺はあの時より強くなった。だが、織斑さん曰く副隊長より上の席次だと現世に行く時には霊圧を五分の一まで抑える限定霊印とか言うのを付けられるらしい。つまり恋次も白哉も霊圧はあの時の五倍。今の俺が勝てるかどうかはわからない。

 ただ、一角と弓親のおかげで身体の調子にも慣れてきたし、感覚も戻ってきた。今なら多分一角の時よりもう少し力を出しても大丈夫だろう。少なくとも俺自身の霊圧に身体や骨が負けて軋むとか痛むとかそう言うのは無さそうだ。いや、あまり出しすぎたらどうなるかわかんねえけどな。

 

 身体の調子も確認できた。それより今は戦いだ。斬月に巻かれた布を払い、構える。そして切先を恋次の身体の中心に向けて、全体を眺める。

 

 ―――斬る。

 

 身体が勝手に動くような奇妙な感覚。織斑さんに叩き込まれた瞬歩と飛廉脚の合わせ技。相手が本気を出していないとか、斬魄刀の始解をしていないとかは関係ない。戦いになるとわかっているのにまだしていないそいつが悪い。そう思うように織斑さんに教え込まれた。本気を出していないからとか、そう言うのはいらない。自分に負担がかかるほどの物を常にやる必要はないが、自分に負担がかからない程度の備えはいつでもしておくべきだと。

 だから、俺はまだ戦いの準備を終えていない恋次を斬った(・・・)。会話を続けようとしていたが、容赦なく。斬魄刀を抜こうとした体勢のまま半ばまで鞘に収まった斬魄刀ごと、胴を薙いだ。

 

 恋次の斬魄刀は砕け折れ、恋次自身も脇腹から血を流す。かなり深めに斬ったし、内臓が一部損傷しているかもしれない。

 

「ごばぁっ!!?」

「悪いが、俺は止まれねえんだよ、恋次。ルキアを助けに来たからな」

「が、ぐぅ……っ!て、めえのせいで!ルキアは処刑されるってのにか!」

「だから助けに来たんだろうが。何のために何十回も何百回も死ぬような思いして強くなったと思ってんだよ」

 

 ……正直、内容を思い出すだけで目が死ぬよな。いやマジで。具体的にどこがどうやばいとかじゃなく、もう全体的に全てがやばい。あとイギリスのとある欠陥兵器に詳しくなった。

 だが、あの時には手も足も出なかった恋次に勝てた。いくら始解をしていなかったとしても、あの時の五倍の霊力量の恋次が相手でもこうして勝てる程度に強くなっている。織斑さんには本当に頭が上がらない。

 

「俺はルキアを助ける。そう誓ったんだから助けるさ」

「誓い、だァ……? 何に、だよ」

「俺の魂にだ」

 

 さて、恋次はこのまま置いといたら間違いなく死ぬな……仕方ないから近くにいる奴を適当に攫ってきて治させるか。あ、いや、治せる奴って少ないんだっけか。じゃあ攫ってくるんじゃなく恋次を適当な奴に押し付けた方が早いか?

 鞘ごと叩き切った刀と一緒に恋次を担ぐ。そしてそのまま霊圧を探ってこの近くで集団から離れたところに居てかつ移動を続けているやつを探る。俺達が派手に突入したもんだから今はどこでも騒ぎが起きていて、そのせいだろうが一人で移動している奴はほとんどいない。一人だったとしてもその周りには誰かがいることが大半で俺が望んでいるような状態の奴は……あ、居た。

 

 走る。恋次の身体がどんどんと冷たくなっていくような気がするが、あんだけ血を流せばこうなるのも当然っちゃ当然か。

 そしてそいつの目の前に降りると、そいつはぽかんと俺を見上げる。まあ、結構な勢いで落ちてきたからな。戦い慣れてない奴だったらこうやって呆然としてもおかしかねえか。

 

「なあ、あんた」

「ひゃっ!ひゃいっ!」

「声裏返ってんぞ……まあいいや。あんた怪我とか治せるか?」

「へ……は、はい!僕は四番隊ですから、よっぽど酷くなければ……」

「お、そうか。じゃあちょうどいいな。こいつ頼むわ」

 

 恋次をポイっと渡しておく。体重が結構あるから受け止め切れなかったらしいそいつは尻もちをついたが、すぐに状態がかなり悪いと言うことに気付いて治療を始めた。こいつ、内臓に届くような怪我でも治せんのか。すげえなオイ。井上なら……あ、井上も焦ってなければできそうだわ。

 

 ここにもう用はない。俺はルキアを助けに行こう。

 

「あの、あなたは……?」

「黒崎一護。ちょっと知り合いを助けに来ただけだ」

「知り合い……?」

「ルキアって奴だ」

「ルキア……四季崎ルキアさん、ですか?」

「……知り合いか?」

「ええ、少し。……阿散井副隊長を治すまで、待っててもらえませんか」

「なんでだよ?」

「ルキアさんの居る懺罪宮の鍵……僕ならご用意できます」

 

 ……。

 

 そいつは恋次の傷を治しながら、俺の事をじっと見つめる。

 

「初めまして。僕は、山田花太郎。四番隊の第七席で、ルキアさんと色々お話をする程度の仲です」

「……もう一度言うが、俺は黒崎一護。現世であいつに助けられてな。俺を助けたことが原因で処刑されそうになってると聞いたから、俺にできることはやっとこうと思ってる」

「そうですか……それじゃあ、よろしくお願いしますね。一護さん」

 

 花太郎は俺を見て、幸薄そうな儚げな笑顔を浮かべた。

 




Q.……四季崎?
A.この世界のルキアは朽木家に引き取られてはいません。そして一夏は自分の斬魄刀として扱っている完成系変体刀十二本から自分の作り上げた集落を四季崎と呼んでいます。苗字のない人はそこから名字を付けられます。

Q.でも恋次は阿散井なのね?
A.そう名乗ってますからね。ルキアの旧姓とか知りませんのでとりあえずそう言う設定にしました。


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BLEACH~45

 

 side 茶渡泰虎

 

 ばらばらに落ちてしまった。一護が一人で落ち、夜一さんもまた別の方向に。石田と井上が一緒なのは本当に良かった。石田は死神相手には加減をしないだろうから、井上をしっかりと守ってくれるだろう。

 それに、一護については何の心配もいらないだろう。一護は強くなった。多分、俺達の中で一番伸びたのは一護だろうし、一番強くなったのも一護だろう。俺も完現術と言う物を覚え、死神が使うような瞬歩とはまた違う形での高速移動ができるようになっているとはいえ、今の一護に追いつける自身はない。もう少しで今の俺の能力が殻を割るような感覚があるが、なんと言うか今の俺には何かが決定的に足りていないと言う事だけがわかった。

 織斑さんが言っていたように俺の能力が虚に近いものだとするならば……俺の能力を完全な物にするには虚についてよく知る必要があるのではないかと思う。

 

 ……ともかく、今は戦いだ。右の拳に力を込めて、一護のために敵を殴り飛ばす。数が多ければただ殴るのではなく霊圧の塊を撃ち出すことで纏めて排除し、数が多くなければ一撃ずつ腹に拳を叩き込んで終わらせる。気絶させないように無力化させるつもりだったが、俺も一護ほどではないにしろ大分力が強くなったことで上手く加減ができていない。これでは四季崎ルキアの居場所がわからないんだが……仕方がない、俺にできる範囲で何とかするしかない。

 地面を完現術(フルブリング)して反発力を上げて速度を上げる。靴を完現術して衝撃を俺の足にまで届かないようにしつつ反転させてさらに速度を上げる。右腕の肌は黒を主体とした硬質な物に形を変え、左腕には未だ完現術として完成とは言えない僅かな完現術の光が纏わりついている。そのせいか左の拳も以前より威力が出るようになっているようだが、未だ完成には至らない。

 

 立ち塞がる男たちをなぎ倒し、時には女であってもなぎ倒し、傷の浅そうなやつを起こして問いかける……が、大抵の奴はそのまま何も言わずに気絶するか既に気絶してしばらく起きそうにないような奴ばかり。もう少し加減して相手をしなければならないが……しかし俺以上に強い奴は瀞霊廷には結構いると織斑さんに聞かされている。つまり、できるだけ最初から相手を殺さない程度に全力でやるのが一番だと言うことになる。中々要求としてはきついが不可能ではないはずだ。本当に強い相手に突然あたりでもしない限りは。

 瀞霊廷内には数多くの死神がいる。そしてその死神の殆どは今の俺より弱いそうだが、基本的に隊長を相手にしたら勝てないと思い、副隊長を相手にしたら命を懸ける戦闘をすれば勝率が五分五分と言ったところだとか。三席以下なら大体は勝てるだろうが、十一番隊なら三席でも相手をするとわりと難しいらしい。

 

 十三隊のそれぞれのトップ、つまり十三人だが織斑さんは休暇中と言う事でいないから実質十二。副隊長がそれぞれの隊に一人、十三人。これで合計は二十五人。そしてこの二十五人と鉢合わせすることなく抜けられる道を見つけなければいけないわけだ。

 俺は今どこにいるかもわからない。落ちる時におおよその位置は見てきたつもりだったが、縮尺がうまく合わないせいか迷ってしまっている。一護の霊圧が消える気配が全くないのが救いだが、どうやっているのか一護の霊圧があると言う事はわかるんだがその霊圧の元がどこにあるのかと言うのは全くわからない。石田の霊圧もわからないから何かあるのかもしれないな。

 井上の霊圧は小さすぎてわからない。一護の霊圧はあるのはわかるがどこかわからない。石田の霊圧は恐らく弓矢を作らなければ発される事は無いだろうし、夜一さんの霊圧はここに来る前からほとんど感じ取れない。恐らく何らかの方法で霊圧を隠しているのだろうが、どうやっているのかは不明だ。つまり、今の俺は運任せにするくらいしか合流するための方法を持たないと言う事だ。

 

 ともかく今はできることをする。俺がこうして多く倒していけばそれだけ他にかかる追手が減る。つまりそれだけ他の奴が安全に行動できるようになる。ならば俺は向かってくる奴はできるだけ殺さないように気を付けながら、けれど逃がすこともないようにしつつ倒していこう。

 ……単純に小さい霊圧と、大きい霊圧を抑え込んでいる霊圧の差も何となく理解することができてきた。だったら俺じゃあ手が届かないような奴は後に回すか、もしくは全力で逃げ回るかのどちらか。完現術について知ってから霊圧を抑えるのもやりやすくなってきたから逃げ回るだけなら十分にできそうではあるが……一護の助けになるためには積極的に手数を減らさせていった方がいいんだろうな。

 

 自分のためではなく、一護のためにこの拳を振るう。俺は一護にそう誓った。一護が俺のために命を懸けてくれた。だから俺も一護が命を懸けて守りたいものがあるなら、そのために命を懸ける。そのことに何の躊躇もない。

 

 さあ、戦おう。

 




Q.チャドさん男前っすね?
A.原作でも男前でしたからね。

Q.チャドの強さはどのあたりで?
A.おおよそ虚圏突入寸前です。しかしここから少し変わってきます。


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BLEACH~46

 

 side 石田雨竜

 

 霊子を集束し、矢を番え、撃つ。この三つの工程を一息でできるようになるまで、僕はそれなりの時間をかけた。そんな僕の目の前で『態々弓使うとかしゃらくさい、霊子操作で矢だけ出して矢だけ撃ち出せばいいじゃん』とか言いやがった挙句に実行して成功させたのが織斑さんだ。滅却師を何度も見てその力を真似たと言っていたが、どう考えてもおかしい。滅却師は種族だ。ならば織斑さんにも滅却師の血が流れていると考えるのが正しいはずだが、なんと織斑さんは滅却師の祖が生まれる以前に生まれ、そして死んでいると言っていた。つまり、滅却師の祖の血を引いていることは絶対にありえないと言うことになる。

 ならばどういうことか。それはつまり、織斑さんは滅却師の祖と同じように滅却師としての力を血縁ではなく持っていたと言うことになる。織斑さんが新たな滅却師の祖となるのか……間違いなく酷いことになるだろうな。霊子の隷属ができるようになるまで滅却師と名乗らせてもらえなさそうだ。

 

 まあそれはともかく、目の前の卑怯で汚い死神を撃つべし!撃つべし!本当なら秒間に千発ほど打ち込んで挽肉未満の蛋白質の塊に変えてやりたいところだけれど、井上さんの目の前でそれはまずいと言うことくらいはわかる。もし本当に実行したとしても、今の井上さんならそれでも治せてしまいそうだしね。

 けれど、やはりこの服は死神の中では非常に目立つようだ。何しろ相手は全員が死神で、死覇装を着ている。一部の例外もあるが、その中で目に付くことがあるのは全員が隊長格。隊長格の顔を知らないものなどそうはいない。となると、どこかで調達してくるべきなんだろうけど……そこら中にあるから適当に見繕えばいいかな?

 

 ……いや、適当に見繕うんじゃ駄目だ。まず、死覇装の内側にどこかの隊の隊章があるのと、それぞれの隊によって特色のある装備をしているはずだ。狙い目は……四番隊、だろうか。四番隊は他の隊と違って治療に特化した隊で、戦闘力については低いものが多いらしい。唯一隊長だけは非常に強く、織斑さんと戦いの体を成すことができるくらいの実力はあるらしいからそこは避けて……特殊な装備については治療用の道具の詰まった鞄のような物を持っているらしいからそれも一緒に奪い取ればいい。そして治療班として走り回っているように見せかければどこを動いていてもそうそう怪しまれることはない……はずだ。

 一番やってはいけないのは、十二番隊の隊員の死覇装を奪うこと。織斑さん曰く、十二番隊の隊長はマッドサイエンティストで人情なんてものを初めから持ち合わせておらず、隊員に爆弾を仕込んで近付け、爆破してきたりすることも十分に考えられる相手だとか。そんな奴だからまず間違いなく自分の隊の隊員の持ち物には発信機や盗聴機などを仕込んでいるだろうし、戦った相手の情報を収集して自分の手元に送る細菌のような物を感染させていたとしても何もおかしくないような奴らしい。

 初めて聞いた時にはそんな奴がいるのかと思ったものだが、研究者なんてのは一皮剥けばどこまでも自分勝手な奴ばかりだと言い切られてしまった。ちなみに織斑さんも多少被害に遭ったことがあるらしい。具体的な被害の内容は教えてもらえなかったけれど、反撃はしたそうだ。

 

 その作戦を井上さんに伝え、霊圧をできるだけ隠しながらこっそりと移動する。僕は滅却師だからそこまで気にしないでも霊圧は発するものではなく集めるものだから矢を出していない限りはそうそう感知される事は無いけれど、井上さんはそう言う訳にもいかないからね。

 そして四番隊らしき人達を見つけたらその人たちが二人以下になる時を狙って襲い掛かり、縛り上げて死覇装を奪う。そしたら着替え……着替え……草履履くの難しいな……あと着替えの位置が普通逆だと思うんだけど……いや、井上さんがいいなら別にいいんだけどね?

 

 ともかく、これである程度バレにくい状態を作ることができた。設定上では僕たちは四番隊で、とにかく走り回って怪我人を探している状態。これならある程度単独行動になってもおかしくは無いから大丈夫……のはずだ。

 

 ……ついでだし、今からでも少しずつ織斑さんの真似をして霊子を分解しながら周りに漂わせておこうか。形にしないことで戦闘準備が終わっていることを悟らせたりしないで済むし、一発くらいなら弓を使わずに先制できるかもしれない。織斑さんと違って僕は不器用だから弓を使わず矢だけを作って撃ち出したりするのは難しい。散霊手套を七割から八割ほど脱げば可能だとは思うが、今の僕の限界は半分までだ。それ以上散霊手套を外すと僕の制御能力を超えてしまい、力を失うことになる。

 なお、もし本当に失ったら戻してやれるからおいでと言われた。そして修行中に本当に戻してもらえた。体力と精神力を限界まで削った状態でとある部分に霊弓の一撃を受けるのが霊力を取り戻す唯一の方法だとかわかるはずがない。実際に取り戻した以上は信じざるを得ないわけだけれど、本当にあれは何なんだろうね……? それ以上に織斑さんって本当になんなんだろうね……? 本人は『ちょっと長く生きているだけの一般的な死神』とか言ってたけど絶対嘘だゾ。

 




Q.卑怯な死神……ああ、あれ。
A.そう、あれ。

Q.ちなみに結局どこの隊のを取ったの?
A.四番隊です。


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BLEACH~47

 

 side 四楓院夜一

 

「夜一様!夜一様!夜一様!夜一様ぁあああぁぁわぁああああああああああああああああああああああん!!!あぁああああ…ああ…あっあっー!あぁああああああ!!!夜一様夜一様夜一様ぁぁあぁわぁああああ!!!あぁクンカクンカ!クンカクンカ!スーハースーハー!スーハースーハー!いい匂いだなぁ…くんくんんはぁっ!夜一様の射干玉のような御髪をクンカクンカするお!クンカクンカ!あぁあ!!間違えた!モフモフするお!モフモフ!モフモフ!髪髪モフモフ!カリカリモフモフ…きゅんきゅんきゅい!!織斑が言ってた通り夜一様が来てくれたぁぁ!!あぁぁああ…あああ…あっあぁああああ!!ふぁぁあああんんっ!!浦原から逃れられて良かったね夜一様!あぁあああああ!麗しい!夜一様!美しい!あっああぁああ!」

「……」(死んだ目)

 

 一護たちと分断され、瀞霊廷内で姿をくらませようとした瞬間、砕蜂に捕らえられた。それも、儂が夜一だと理解した上でだ。

 そして今、猫の状態の儂の腹に顔を埋めながらすーはーすーはークンカクンカと儂の匂いを肺一杯に取り込もうとしておる。どうしてこうなった……? あと浦原とは特に何も無いから安心せい。

 

 ぽす、と肉球で頭を叩いてみるが、それをする度に『ああぁぁぁあああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ夜一様の肉球が私の髪に触ってる!触っちゃってる!フォェェェェェェェイ!!』とテンションが急上昇してしまうため何もできない。あと砕蜂は随分と腕を上げたようじゃ。この身体とは言え儂が逃げ切ることができんとはの。

 

『その砕蝶は俺が鍛えた!』

 ふざけるでない。と言うかどこから声が……いや違う、これ声じゃない。なんかよくわからんがなんか通じている。理由はわからんし解決方法も解らん。あと砕蝶ではなく砕蜂じゃ。

 と言うか、なんぞ風の瞬閧を纏ってこちらの行動を絡めとったり動きの起点を潰されたりするせいで抱き着かれた状態からほとんど動けんのじゃが?

『それの練り上げも俺が案を出して目の前でやってみせた!疲れた!』

 死ね。頼むから死ね。なんという事をやらかしてくれよったんじゃ本気で死ね。

『いやだってお前らが俺に仕事を押し付けていくから……当時俺がした苦労分を補填してくれたっていいだろ?』

 どう考えてもこれの方がきついような気がするんじゃが……と言うか会話になっとるのはなぜじゃ?

『あれだよあれ、ほらあれ』

 どれじゃ!?

『なんか気合で何とかなる系統の奴だよ。わかるだろ?』

 わかるかっ!!と言うかこやつをこうしたのがお前なら何とかできるじゃろ!? なんとかせんか!

『いやぁ、俺は今寝てるし無理かな? まああれだ、何も言わずに出て行ったのが原因なんだから諦めて受け入れてやれよ。とりあえず適当に頭でも撫でてやんな。夜一成分を十分に摂取したら治るさ。多分』

 儂の成分ってなんじゃ!?

『あ、ごめん俺これから夢の中でパンジャン転がし祭りを開かないといけないから時間無くなるわ。じゃあな』

 待て織斑!織斑ァァァァァ!!!?

 

 ……あやつの声が消えよった。どうやら本当に儂を置いて行ったようじゃな。今度会った時に何してくれようか……。

 

「……失礼いたしました、夜一様。久し振りの純夜一様成分の補給だったものでつい暴走してしまいました」

「純な儂の成分ってなんじゃ……」

「ですがもう大丈夫です。純粋な夜一様成分を取り込んだことで私の調子は最高潮、今ならどんなことでもできるような気がいたします。さあ、浦原の奴を殺しにまいりましょう!」

「いやいや違うぞ!? 儂が尸魂界に戻ってきた理由はそうではない!」

「……? !もしや、私に会いに来てくださったのですか!?」

「全くの0ではなかったが会えればいいな程度の感覚であったわ」

「やはり私と夜一様は両想い……!」

「その両想いは一般的に使われるそれと意味が違うような気もするがまあ間違ってはおらんの」

「ああぁあぁぁぁぁぁああああぁぁあぁぁあぁぁぁぁぁああああl!!!」ビクンビクン

 

 うわぁ……なぜこんなになるまで放っておいたんじゃ織斑の奴……最終的に儂に擦り付けるのだからと手を抜いたか? あるいはむしろ手をかけさせるためにこんなにした可能性もある。おのれ織斑め……!

 ……だが、今行われている行動で分かった。間違いなく砕蜂は今の儂よりも強い。百年の錆は織斑に何度か殺されかけて落としきったが、正直雷獣戦形をやったにもかかわらず『よーしよしよしよし』とかされて無力化されるとは思っておらなんだ。あと正直儂自身の織斑に対する好感度があそこまで高いとも思っておらんかった。儂の雷獣戦形は気分で色々変わるのは知っとったが、まさかああなるとは全く思っておらんかった。

 それに、好感度が高いと言ってもそれも気分で変わる物だとばかり思っていたんじゃが……本能が強く出すぎるせいで攻撃に行くどころか媚びに行くとは思わんかった。ただし織斑もそうなるとは思っていなかったようで眉間を人差し指で抑えておったのを覚えておる。そして雷獣戦形の儂はその指の上から同じように指をぐりぐりと押し付けておったな。

 

 ……よし忘れよう。忘れたい。全力で忘れたいから忘れることにした忘れた。よし。

 

「砕蜂。少し手伝え」

「はっ!」

 

 ……刑軍の統括がこれでいいのかの? 駄目な気がするんじゃがなぁ……。

 




Q.もうこれ駄目じゃね?
A.完全に駄目ですありがとうございました。

Q.と言うか速攻捕まったんか……。
A.降りようとしたらそこで超いい笑顔で待ち構えられ、そこから術で移動したら移動先で捕まりました。


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BLEACH~48

 

 side 織斑一夏

 

 瀞霊廷内にて戦闘が多数勃発。死神達は手痛く負け、旅禍は無傷と言ってもいい状況で一日目が終了した。そして二日目に事態は移り変わっていく。あとなんか十一番隊が大分損耗したのと、一部の上位席官がボコられていたので多分大きな騒ぎになるだろう。上位席官は俺は大体五席以上って認識で、隊長格と言うと副隊長以上って認識だ。まあ十一番隊の五席と三席、六番隊の副隊長、七番隊の四席などなど、被害は甚大だな。

 あと、俺が休み取ってるにも拘らず呼び戻そうとしていたが、集落に入れる入れないは俺の意思によるので俺を呼びに来る奴は入れないようにすればそれで済むわな。

 

 二日目。五番隊の副隊長が朝っぱらから悲鳴を上げる。多分藍染の死体を見つけたんだろうが、残念ながら俺にはわからない。なぜなら俺にはそもそも鏡花水月が効かないせいで藍染が見せようとしている幻覚にかからないからだ。

 それもあって藍染は俺に長期休暇を取らせるために早目に四十六室を壊滅させて成り代わってたんだろうが、策としてはかなり優秀だと思うぞ。早めの行動は大切だ。

 

 ここまでは大体原作と同じなんだが、ここから色々と変わってきている。なにしろ怪しまれていた三番隊の隊長はギンじゃなくて俺になっているし、十番隊の副隊長も変わっているからな。と言うかはっきり言って俺が初日で外にいる時点で色々と原作がぶっ壊れていないはずがないんだよ。なにしろ俺も一応隊長格なもんで。

 怪しまれたのは俺ではないし、三番隊でもない。と言うか殺されたのはまず確実だったとしても誰に殺されたのかはわからない状態だ。旅禍が怪しいと言う者もいたようだが、それはまずありえないと言うお墨付きがある。黒い猫を膝に乗せて撫で続けている二番隊の隊長からの発言だが、少なくとも瀞霊廷の中央部に旅禍が侵入した形跡はないとのこと。実際には膝に乗ってる黒猫は旅禍扱いされている猫一なんだが、まあ気にしてはいけない。

 まあそんなこんなで戦時特例により斬魄刀の常時帯刀と解放が許されたわけなんだが、正直心底どうでもいい。現状俺にはほとんど関係ないし、猫一によって二番隊が丸々手に入ったような状況にあるからある程度自由に動き回ることができるようになっているだろう。二番隊の警邏をやっているのは副隊長が率いる警邏隊だが、基本的に探し物がとても上手な奴らで構成されている。そんな奴らに見つかったとしても積極的に手を出されることがないと言うのは侵入者としては幸運なことだろう。

 

 ここから一体どうなるか。色々と原作がぶち砕かれているから原作通りになることはまずありえないと思っていいが、それでもある程度は踏襲することになるだろう。猫一が主人公を助けに行けるかどうかはわからないがな。だって砕蝶がいるし。抱き着かれてるし。振りほどけないようだし。

 霊圧は瀞霊廷を囲む壁によって阻まれているからわからんが、気配の方は普通にわかるんたよな。命の気配じゃなくて霊的な気配だから感知方法が少し違うんだが、できないわけじゃない。これでもそれなりに霊とか神とか悪魔とかがいる世界を渡り歩いているからな。

 

 ここからどうなるのかを楽しみにしつつ、とりあえず俺は五度寝をすることにした。

 

「……あ、また寝た。あの人ほんま飯より寝るのが好きなんやな」

「霊力はあるはずなのにどうして食べないでやっていけるのかしらね?」

「あー、確か……霊圧と言う形で外に放出するから腹が減るんだから霊圧を出さないようにすれば腹は減らないとか何とかいっとった気がする。真似ようとして見たけど無理やった」

「ギン、あんたね……無理な物は無理なんだから無茶したら駄目よ? 子供たちも真似するんだから」

「あらら、怒られてもうた」

 

 いちゃいちゃしやがって。これはあれだな、こいつらが末永く爆発するように立派なパンジャンドラムを作って爆破させるしかないな。

 そうだな、まずは中心に火薬玉を仕込んだ黒曜石を大量に用意し、それを本体の爆弾の周囲に配置していく。この状態で本体の爆弾が爆発したら周囲に黒曜石の球が飛び散るようになるわけだが、このままだと本体の爆弾が爆発した時に黒曜石の方の火薬玉も一緒に爆発して被害半径はあまり大きくならなさそうだからそのあたりにも改造が必要だろう。

 理想は爆弾で黒曜石の球体を周囲にある程度飛ばしてからそこで火薬玉で爆破する、いわば打ち上げ花火みたいのになってくれるのが一番なんだが、あれはある意味芸術品だからな。純粋な火薬玉だけであんなのは俺にはちょっと無理。なのでいつもの通りに『そう言う物』として出してしまう。そうすればちゃんとした爆弾と火薬玉でなくても花火のように良い感じになるだろう。

 そしてそのままだとクラスター爆弾のように破片を周囲に撒き散らすものになるので、ちゃんと燃焼もするようにしたい。そう言う訳でナパームを用意して火薬玉の周囲にくっつけておく。上手いこと爆発すれば黒曜石の破片がクラスター爆弾の破片として飛び散り、砕けながらナパームによって燃焼するようになるはずだ。

 

「……ギン。なんかやばいものが作り上げられている気がするんだけど」

「あァ、こらあかん、サーキュラーソー式オブシディアンクラスターパンジャンやな。逃げるで」

「なんだかよくわからないけどとりあえず危ないってことだけはわかったわ」

 

 この後無茶苦茶パンジャンフォー。

 




Q.どうして今回の一夏はよくパンジャンドラムを作るのですか?
A.『今回のギャグに使うネタはそれにしようぜ』という天啓と、とある動画との出会いが原因です。

Q.どういう事やねん。
A.気になった方はニコニコ動画で『マーマイト茜』で検索検索ゥ!その結果何が起きても自己責任でお願いします。


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BLEACH~49

 

 side 黒崎一護

 

 山田花太郎。恋次を預けようとしたらなんでか協力してくれると言ってきたそいつに連れられて地下通路に入る。ここにルキアの牢に入るための鍵があるらしいんだが、俺にはどれが何だかさっぱりわからねえ。

 

「……なあ、なんでお前は協力しようと思ったんだ? 俺一応旅禍だぞ?」

「あはは……ちょっとだけ、付き合いがあったんですよ」

 

 そう呟いて、花太郎は話をしてくれた。ルキアが懺罪宮に入る前に六番隊の隊舎牢に居たこと。そして花太郎がそこの清掃を任されていたこと。話しかけて、優しくしてもらったこと。少しずつ打ち解けていき、色々な話をしたこと。

 そして、その話の内容の多くが俺の事だったと言う事。

 

 ……ほんと、馬鹿野郎だ。いや、男じゃねえから野郎ではないかもしれないが、ともかく馬鹿だ。そしてそんな馬鹿を助けようとここで色々とやってる俺もまた同じくらいの馬鹿野郎なんだろうな。

 だが、今は疲れた。周囲の警戒を続けながら慣れない瞬歩を連続して使い、その上戦闘を四回。しかもそのうち一回は集中力を限界付近まで引き上げた超加速状態だ。一瞬しか使わなかったとはいえ、流石に疲れた。身体の状態には慣れたつもりでいたんだが、流石にまだ無理があったか。

 

 身体の状態は悪くないが、良くもない。軋むほどの負担はかかっていないが、じくじくと蝕むような痛みはある。俺の意思で静血装を常時発動できていれば自分の霊圧や動きで身体が軋むような事は無くなるんだろうが、瀞霊廷の中にいる間は滅却師としての力は極力使わないようにすると約束しちまったからな。そもそも俺じゃなくってまだ斬月のおっさんの方に力を貸してもらわないと使えねえし。

 斬月を両膝に乗せて刃禅をする。こうしていれば身体は休まるし、頭の中で修業もできる。出ようとすればすぐに出れるようにもしてあるから大丈夫だろう。少なくとも感知能力に関しては俺よりよっぽど上手い奴が二人も揃ってる。

 

「……花太郎」

「! はい、なんでしょう?」

「……少し、休む」

 

 返事を聞くことも無く意識を内側に仕舞い込む。そうして俺が目を開けると、そこにはすでに見慣れた俺の精神世界が広がっていた。

 そして、そこには俺を除いて三つの影があった。

 

「よう、また来たのか、王よ」

 

 虚の俺。ある意味じゃ俺の戦い方の師匠とも言える存在。こいつにはこいつの思惑があると言うのはわかっているが、結局のところ俺が強くなれば同じだけ強くなる以上本能によって俺が騎馬になるか王になるかが決まると言う。理屈はわからなくもないが、負ける気はない。

 

「さて、ここに来たと言う事は修業の続きか? 身体を休めながらなのだろうが、最悪の場合身体の方に傷がつくことは覚えておけよ」

 

 斬月のおっさん。本当の名はユーハバッハと言うらしいが、俺にとってはやっぱり斬月だ。滅却師の力の制御を教えてくれている。

 

「精神修行なら任せろ。態々俺に感染してまで力を求めるような奴は中々いないからな。手伝えるだけ手伝ってやるよ」

 

 織斑さん……の姿をしているが、実際には織斑さんではない。織斑さんの斬魄刀の開放形態の一つ、毒刀の名を持つ刀、鍍。刀を握れば人を斬りたくなる、刀の毒そのものとも言えるそれを俺は受け取り、そしてその毒を飲み干した。お陰で俺は他人を斬ることも他人に斬られることも躊躇わずに済んでいる。

 ただ、この毒は少しずつ薄れて行っている。この毒が完全に無くなる前に、俺はしっかりと他人を斬ること、そして自分も斬られることについて覚悟を決めなければならない。

 ……しっかし織斑さんの刀ってどこまで無茶苦茶なんだろうな。驚きだよマジで。

 

 さてさっきも言った通り、ここは俺の精神世界だ。それさえわかっていれば俺はこの世界では何でもできる。自分を一度三人に分けて、ここに居る三人の教師にそれぞれの事を習って統合することもできる。その状態で戦うと当然弱くなるが、まあ仕方ない。意志で強さをある程度ひっくり返せるこの場所で虚の俺と戦って引き分けるくらいのことができないんだったら、ルキアを助けることなんざ夢のまた夢みたいなものだろう。

 

「また頼む」

 

「おう、今回も念入りに殺してやるよ」

「わかった。私の知る全てを教えよう」

「無論だ。俺を乗り越えて見せろよ」

 

 こうして俺の修行は未だ続く。虚の俺を降し、斬月のおっさんから学べるだけ学び、鍍の毒を飲み干して精神を鍛え上げる。恐怖を殺すのではなく手懐け、力をただ振るうのではなく自在に操り、無数の経験を積み続けていく。届かない星に手を伸ばすようにと織斑さんは表現したが、俺にとって星は届かないものではない。必ず、ルキアを救い出して見せる。俺が俺にそう決めた以上、俺は絶対にそれを実行する。

 

 ただその、パンジャンドラムだけはほんとに勘弁してもらってもよろしいですかね? できればパンジャンドラムを思い出させるような円形の物も使わないでいただけると……。

 

「俺は使わねえよ。使えねえしな」

「私は使えるが使わんから安心しろ」

「駄目だ、使うね」

 

 鍍は本当に毒を吐いてきやがるな……(吐血)

 




Q.鍍はパンジャンドラム的なものを使ってくるの……?
A.んなわきゃない。

Q.鍍の能力はそういうのにしたのね。
A.まあ、真庭鳳凰が四季崎記紀に乗っ取られてましたし、こういう使い方もありかなと。


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BLEACH~50

 

 side 黒崎一護

 

 ……数時間ほど過ぎて、身体が回復したのを確認してから目を開ける。虚としての超速再生を持っているから虚化できれば早いんだが、流石にこんなところで突然虚化するわけにもいかない。それに花太郎がいるところで虚化したら間違いなく疑われるどころじゃすまないだろうからな。

 

「……あ、おはようございます」

「おう、おはよう」

 

 座りっぱなしで硬くなった身体を伸ばすが、刃禅を始める前に比べて大分霊圧が身体に馴染んでいる。今までは霊圧の衣を纏っていたような感じだったのが、しっかりと俺の一部になったような感じだ。いや、実際には初めから俺の一部だったんだが、普段から使っているバイクのエンジンだけが突然超高性能な別物に変えられていたせいで全速を出すと車体が持たなさそうな感じだったのを、車体の方のチューニングを繰り返すことによって全速を出しても大丈夫だろうと思えるようになった。

 ……外は今頃夜になっているころか? だったら丁度いいな。死覇装は黒、夜に溶け込むにはぴったりだ。霊圧も溶け込まさないといけないんだが、まだ俺の霊圧操作は完全じゃない。できる限りやるつもりだが多分見つかるだろうとも思う。

 

「今、外はどんな感じだ?」

「えっと……多分夜になってると思います。騒ぎが結構大きくなってるみたいですね」

「そうか……で、そこに居るのは誰だ?」

「え?」

 

 じっと見つめると、そいつは静かに姿を現した。明らかに隠密のそれとわかる衣装、織斑さんの言ってた二番隊の奴だろうとすぐに分かった。

 

「……二番隊隊長、砕蜂様より、身の丈ほどの大刀を背負ったオレンジ色の髪の死神、黒崎一護殿に言伝を預かっております」

「は? 俺に?」

「はい。申し上げます。『夜一様より話は聞いた。表立っての協力は不可能だが、情報提供と攪乱くらいはしてやる。』……以上です」

「……そうか。ありがとう」

「礼は不要です。仕事ですので」

 

 それだけ言い残してそいつは消えた。一瞬霊圧を僅かに大きくしてから即座に全力で隠蔽し、同時に瞬歩で移動する。一瞬残された霊圧によって知覚が攪乱されてどこに行ったか分かりにくくする方法のようだが……多分俺には合わねえな。残念だ。

 しかし、夜一様、ねぇ……一体何があってどうなったのかはわからないが、夜一さんも色々と動いてくれていると言うのはわかった。ただ、こんなに簡単に俺達の味方をさせて、更にその部下まで使えるとなると仕事とか全部放り出させることができるような情報があったってことだよな? 何かは知らねえけど。

 

 ……浦原さんも色々と隠し事をしているようだし、多分他にも知らされてない事ってのはあるんだろうな。今はルキアを助け出すことばかり考えているが、終わったら腰を据えて聞いてみるのもいいかもしれない。

 

「あの……」

「ああ、悪いな花太郎。じゃあ行こうぜ」

「あ……はい」

「疲れてるなら少し休んでくか?」

「いえ、大丈夫です。僕もすぐ休みましたから」

 

 ……嘘だな。恋次の傷を治してここまで移動して、それから鍵を探してたんだ。疲れているだろう。だったら俺ももう少し休んでいく事にしよう。身体の方は大体平気になったが、意識の方は休めてないからそれを休めるのにもいいかもしれない。

 それに、さっきの男は恐らく瀞霊廷の索敵やなにかをやっている隊なんだろう。それがこっちについていると言う事は、ある程度隠れていれば早々見つからない、あるいは見つかっていても問題ないと言うことになる。当然、思いっきり見つかってしまえば手を出さざるを得ないだろうが。

 それに、傷は無いし霊圧もほとんど消費してないんだが精神疲労はある。まあ織斑さんにパンジャンドラムで追い回されるのに比べればほんと大したことないんだが、それでも全く無いわけではない。さっきまでのは身体を休めるための物であって精神の方はずっと起きっぱなしどころか斬り合いしてたしな。虚の俺と。

それに精神修行もあったし。

 

 だから俺も少し休みたい。そう言って横になると、花太郎もおずおずと横になった。ちゃんと床に布を敷いている辺り育ちがいいように見える。俺は……ほら、持ってねえからな。柄布はこれ巻いてないと斬月に軽く触っただけで最悪腕がすっぱり行くから巻かないわけにもいかないんだよな。もう少し伸ばせれば……。

 いや、待て。確か虚の俺は柄布を掴んで斬月を振り回してたりもしたよな? しかも明らかに元々の布の長さより遥か先に。それだけじゃなく、俺が戦っている時に柄布が邪魔になったことがない。元々柄に巻いてあるのを刃にも巻き付けてたんだが……もしかしてこの柄布って伸び縮みすんのか……?

 

 やってみた。めっちゃ伸びた。何度か畳んで即席の敷布団くらいにはなった。そうだよな、斬月ってこの布も含めて斬月だよな。しかも今までも無意識とはいえ何度も伸ばしたり縮めたりしてきたんだからできて当然だよな。そりゃそうだ。

 なんかかなり伸ばせるようだから、花太郎の所にまで伸ばして上に一枚かけるようにしておく。俺の霊圧で編まれた布だからなのか、布とは思えないくらいに頑丈だからな。突然爆発が起きてもある程度大丈夫だろう。本当に大丈夫かどうかはその爆発の規模にもよるが。

 




Q.職権乱用じゃないっすかねぇ!?
A.ここの砕蜂ならこのくらいやってくれると思いまして。

Q.これ後でめっちゃ怒られない?
A.筆頭は大事な時に居なかった一夏でしょうけどね。


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BLEACH~51

 

 side 黒崎一護

 

 起きた。身体は全快、霊圧も問題なし、あと精神的にも余裕がある。睡眠としてはあまり長くない物だったはずだが、それでも十分に回復できた。

 花太郎の方は……少なくとも恋次を回復させた直後に比べれば大分回復したらしい。これ以上の休憩は時間の浪費にしかならねえから回復してくれて助かった。

 

 花太郎を連れて懺罪宮まで戻る。恋次は適当な所に放り出しておいたから流石に待ち伏せされてたりはしないだろう……と、思っていたんだがそうでもないらしい。隠す気も無いのがわかる剣呑な霊圧。その圧は俺達を威圧して来た時の織斑さんのそれより遥かに重苦しく、鋭い。多分、織斑さんに聞かされた要注意人物の誰かだろう。

 ただ、こうして直接的にやってくると言う事は―――

 

「……花太郎、平気か」

「ぅ……ぁ…………」

 

 ……平気ではなさそうだな。霊圧に当てられた、って奴か。俺はまだ何とか平気だが、このままの状態がずっと続けばせっかく回復したってのにまた精神がやられちまう。

 幸い即座に襲い掛かってくるつもりはないらしい。そして何か罠が仕掛けられていると言うようなこともないようだ。十二番隊ではなさそうだし、十三番隊の隊長や八番隊の隊長ならばこうして威圧してくるような事はまずないそうだから……十一番隊の更木、って奴だろう。一番隊の総隊長なら威圧するより先に斬りかかってくるそうだし、多分間違いない。

 

 ともかく、まずは花太郎をなんとかここから移動させねえとまずい。隊長格が目の前にいるなら流石に二番隊の奴も手を貸してはくれないだろう。だったら……俺が移動した方が早いだろう。

 花太郎を近くの建物に寄りかからせ、俺は瞬歩で移動を始める。とりあえずついてきているのはわかるんだが……流石と言うかなんと言うか、速い。懺罪宮は殺気石でできているらしいからこんな霊圧の持ち主でも中にいる奴に影響は出さないだろう。とりあえずそっちの方に移動しておく。

 数分。たったそれだけで十キロには届かないだろうが五キロは移動した。少し前までなら信じられないような移動速度だが、追手は迷うことなくついてきている。ほんと、自信無くすぜ。

 

「……この辺りでどうだ?」

「ああ、いいぜ」

 

 声がかけられた方に即座に斬月を走らせる。霊圧を研ぎ澄ませ、霊圧を食わせ、巨大な霊圧の刃を放つ。

 しかしそれは止められた。ボロボロの刃をもつ長刀によって、月牙そのものがへし折られると言う形で。

 

 ……霊圧を食って斬撃そのものを巨大化させて飛ばす月牙天衝。それを真正面から弾き飛ばされると言う事は、巨大化して重くなった斬撃でも弾き飛ばせるだけの力が相手にはあると言うことに他ならない。それも、横から弾くとかではなくて真正面から打ち消される形で。

 流石に眩暈がしそうだ。それに、さっきから感じる霊圧がどんどんと跳ねあがっていくのがわかる。テンション次第でどこまでも性能が上がっていくテンションモンスターとかマジかよ護廷の隊長は化物か。……ああ、織斑さん含めて化物だったわ。

 

「……あんたの事は聞いてる。十一番隊の、更木剣八―――だよな?」

「ああ、そうだ。お前と殺し合いに来たぜ」

「……十五秒待ってくんね? 卍解して、あと一応切札も使うのにそのくらい必要なんだ」

「あん? さっさとしろよ。今のままじゃ勝負になんねえぞ」

 

 織斑さんの言うとおり、強い相手と戦うためなら少しくらい我儘を聞いてくれるようだ。その間に俺は卍解し、そして虚の仮面を被る。更に天鎖斬月に死神の霊力と虚の霊力の両方を食わせ、月牙を纏わせて一撃の威力を上げる。さらに加えて更木剣八は霊圧感知が苦手と言うだけでなくこっちの手の内に関してはかなり大雑把な反応しか返さないと聞いていたので、こっそりと動血装を纏って速度と威力を上げる。

 

「……待たせた」

「ハッ!いやいや、俄然楽しみになってきたなオイ!さっきまでのとはわけが違う!今の状態なら俺とあいつ、あと爺さん以外には勝てるんじゃねえか?」

「まあ、かなり努力はしたからな……」

「いいぜ!早速始めようじゃねえか!」

 

 聞いていた通りの戦闘狂。強い相手と戦いたくて、しかし戦えないせいで自身に無意識のうちに枷を嵌めてしまうほどの化物染みた使い手。織斑さんの方が強いらしいが、そのせいか織斑さんと戦う時には初めっから全開で戦うようになっているらしい。

 逆に言えば、それ以外の奴に対してはそこそこのリミッターが付いた状態から戦いが始まるらしい。そのリミッターによって制限されている能力が解放される前に、リミッターの開放が行われないような状態から最大威力の一撃を一発目からぶち込む。それが今の俺にできる対更木剣八用の最適解。そして一発目で致命傷を与えられなければ、潔く諦めた方がいいと言われた。怪我とか関係なしにテンション次第でどんどん強くなるそうだから、油断はとてもできそうにないな。

 

 お互いに踏み込む。卍解状態なら速度は俺の方がそこそこ上。月牙無しの一撃の威力は剣八の方が圧倒的に上で、月牙ありならトントンには届かない物の差はかなり縮まるだろう。

 そして俺は回復したての霊圧の殆どを月牙につぎ込み、しかし刃の大きさを上げずに形も大きさもそのまま斬撃そのものの密度と威力を更に上げて斬りかかる。

 

 勝負は一瞬で着いた。初めから全力の俺と、無意識の手抜きによってかなり実力の落ちているだろう剣八。しかしそれでも上回ったのは僅かで、虚の仮面は既に砕け散ってしまった。

 

「……おぉ……俺の剣を折りやがるかよ……しかもまだ成長途中と来た。おもしれえ、また今度殺ろうや」

「勘弁してくれ」

「お? なら今やるか? それじゃあ楽しめそうにねえなァ……」

「わかったまた今度な……今はほんとに勘弁してくれ」

「おう、良いぜ」

 

 ……なんでか助かった。いや、理由はわかる。ある程度先が楽しみだと思われたからだろう。織斑さんから『自分に届きそうなやつがいない? だったら自分で育ててみればいいだろう』とか言われて多少そっちの方も考えるようになってたらしいからな。それが無かったら間違いなく死んでるところだぜ……いや、本当に。

 とにかく、花太郎の所に戻ろう。霊圧の回復は……仕方ないから周りにある霊子を少し取り込んでおく。滅却師の力だからあまり使わない方がいいらしいが、背に腹は代えられない。

 

 俺は姿を隠しながらその場を離れた。恐らく、と言うか間違いなく、ここで起きた戦いとも言えない霊圧のぶつかり合いの原因を探るために誰かが向かってきているだろうからな。

 




Q.なんか剣八丸くなってね?
A.普段から割と全力で戦える相手がいますし、ついでに一夏から『他人を育てる』と言う事を学んだので期待できる相手には少し優しくなっています。

Q.でも殺すんでしょ?
A.戦いになれば殺します。


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BLEACH~52

 

 side 黒崎一護

 

 花太郎は気絶こそしていなかったが戻ってくるのに暫く時間がかかった。その間俺は体力と霊圧の回復に時間を使ったわけだが、花太郎が起きてから霊圧の回復を手伝ってもらった方が遥かに早かった。多分、起こすのに時間を使った方が最終的に効率が良くなってただろうなと思えるほどだ。

 聞いてみたんだが、井上の回復と違って死神の回復はまず霊圧の回復から始めるそうだ。そしてその霊圧を使って魂魄の損傷を埋めていく方法を取るらしいのだが、魂魄の損傷度合いによっては回復させる以上に傷から霊圧が外に出てしまって間に合わない場合もあるそうだ。

 なので、今回の俺のように身体に傷らしい傷はほぼ無いが霊圧は殆ど枯渇している状態で霊圧を回復させるのはとても簡単なんだとか。

 

「……花太郎、お前結構すげえのな」

「えへへ、ありがとうございます……でも、四番隊にいるなら大体の人はできると思いますから……」

「いや、それでもすげえよ。ありがとな」

 

 花太郎の頭を撫でて、それから懺罪宮を見上げる。正直、やばい霊圧だった。今の俺からしても相当やばかったのだから、少し前の俺がもしも出会っていたら文字通り蒸発していたかもしれない。いや、花太郎が形を保っているのだから大丈夫だとは思うんだが。

 

 ……!? チャドの霊圧が、揺らいだ……!?

 

 

 

 

 

 side 茶渡泰虎

 

 何人も倒してきた。何十人も、もしかしたら何百人も。

 防御の力だと自覚した俺の右腕は非常に硬く、しかし攻撃の力が宿る気配は未だ無い。左腕に纏わりつく光がその前触れだと織斑さんは言っていたが、どうやら発現するにはまだまだかかるらしい。

 

 ただし、色々とわかったこともある。昨日の時点で四季崎の居る場所はわかったし、そこまでの道も大体だがわかっている。それから、俺は戦闘部隊でなければ三席くらいなら勝てるようになっているらしいと言う事もわかった。

 そして、死神を倒していく度に、俺の左腕に纏わりつく光も強さを増している。これなら、もう少しで何とかなるかもしれない……そう思った時、俺の前に一人の男が現れた。

 

 十三番隊副隊長と名乗ったその男は、変化させた斬魄刀に水を纏わせ、高い位置を起点にした円運動で斬撃と水圧による打撃を同時に仕掛けてくる。一撃受けるだけで右腕が軋みを上げ、こちらからの攻撃は水によって威力を減衰させられた上で丁寧に弾かれた。

 

「なあ、そろそろ諦めちゃくんねえか」

「すまんが、それは無理だ」

「はぁ……なんでこういくつも事件が重なるのやら」

 

 事件が、重なる……? 俺達が入ってきた以外にも何かが起きているのか……?

 

「すまんが、俺達はここで止まることはできない。四季崎ルキアを助けないといけないんでな」

「ルキアを? そりゃまたなんでだ。あいつが現世に居たのはせいぜい数ヶ月くらいだろ?」

「ああ。だが、一護が助けたがってる。命を懸けて」

 

 約束したんだ。一護と。

 

「十分だ」

 

 一護が俺のために拳を振るい、俺は一護のために拳を振るう。

 

「俺が命を懸けるのに、それ以上の理由は必要ない」

 

 何かが俺の中で弾けた。左腕に纏わりついていた光がしっかりとした形を取り、右腕の色を反転させたような白い腕になる。硬く重厚な感覚の右腕とは違い、硬く鋭い感覚の左腕。俺は新しく出来上がったその腕に霊圧を乗せ、構える。

 

「……そうかよ、わかった。だがこっちも退くわけにはいかないんでな。いい感じに気絶させてやるから、あまり動くなよ」

「すまん、無理だ。全力で行かせてもらう」

 

 織斑さんに習った。拳を打ち込む時には大雑把に分けて二つやり方があると言う。重く、鉄鎚で叩くような衝撃を目的とするものと、鋭く、突き刺すことを目的とするもの。水を相手にするならば衝撃ではだめだ。散らされてしまう。だから、鋭く研ぎ澄ませた一撃を打ち込む必要がある。

 速く、鋭く、全てを貫く一撃を―――!

 

 向かう俺に波濤が迫る。大質量の水塊に、真正面から左の拳を打ち込む。細く、鋭く、全てを貫くように。

 同時に右腕を身体の前に構える。水を貫きはしたものの、それでも多くの水は俺に向かってきている。ここで相手を倒せたとしても、俺が先に進めないのであれば意味はない。生きて進まなければ。

 

 衝撃。水塊を打ち抜き相手に十分なダメージを与えた手ごたえを感じた。しかし同時に自身に降りかかる水の圧力に右腕が軋みをあげる。霊圧の殆どを左腕から打ち出したばかりの今、直撃を喰らったら暫く俺は動けなくなるだろう。それを防ぐために残った僅かな霊力を右腕に集め、身を守る。

 しかし水は全身を叩く。頭と胴体の一部は守れたものの、他の大部分は凄まじい勢いの水塊に叩かれ弾き飛ばされる。こちらの攻撃によって水塊が僅かに散らされていたからこうして思考を保つことができているが、それが無ければ完全に意識を失っていただろう。

 志波海燕と名乗っていた死神は、俺より怪我は少ないようだ。それに、どうやら鋭くした打撃は水流によって逸らされて脇腹部分を削り取る程度のダメージしか与えられていない。いや、脇腹部分を削ってやれば大抵戦闘不能になるだろうが、死神と言うのは霊圧で、ひいては意志の力である程度の傷はなんとかなるらしいからまだ続けられるだろう。

 対して俺は、ただ立っているだけでもやっとの様相。俺に傷を治す力は無いし、隠れて休もうにもこの出血ではすぐに場所を辿られてしまうだろう。

 

「……ケッ。死神でも滅却師でもない人間相手にここまでやられるとはな……まだ隊長格は遠いぜ」

 

 どしゃり、と倒れる音がする。視線を向けると、死神がその場に倒れていた。意識は失っていないようだが、動けるわけでもなさそうだ。

 

 俺はゆっくりと進んでいく。右腕の鎧は引き裂かれ、おびただしい量の血が地面を濡らす。

 

「おい、やめとけよ。お前そのままじゃ死ぬぞ?」

「……」

「おーい、聞こえねえのかよー」

「……聞いて、いる。だが、止まれない……!」

「いいや、止まってもらうよ。ここでね」

 

 誰かの声が聞こえた、気がした。

 




Q.最後の誰?
A.京楽さん

Q.海燕さん強くね? チャドは虚圏編くらいの強さでしょ?
A.その海燕も出てましたね? ルキアをほぼ一蹴してましたね? そんな感じです。ただ、数多くの虚を取り込んで強化されている分を除けばこんな感じかなと。


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BLEACH~53

 

 side 黒崎一護

 

 ……大きくなって、小さくなって、また大きくなって、最後に小さくなったまま戻らない。チャドの霊圧は消える気配こそ見せないが、小さくなったままだ。

 チャドが、負けた……? 信じられないがそう考えた方が無難だろう。織斑さんが言ってた化物も多いし、俺自身ついさっきまでその化物の一人と戦っていた。一応剣はへし折ったし、あのまま戦いはしないだろうから剣八じゃあないとして……誰だ?

 

 いや、まずはルキアだ。まずはルキアを拾って、それからチャドと……あ、ルキア助けた後にどうやってそれを伝えるか決めてねえや。チャドは伝えようとしても今動けないだろうからこっちから行くとして、良い感じに霊圧を隠してる石田と井上、それに夜一さんはどうすっか……。

 とりあえず、見張りをぶん殴って気絶させる。声を上げる間もなく意識を奪ったし、大丈夫だとは思うんだが実際に大丈夫かどうかはわからない。剣八相手に結構暴れたしな。誰かがここに向かってきている可能性は十分にある。

 

 で、花太郎に持ってきてもらった鍵で牢の扉を開けてみれば、そこにはちゃんとルキアがいた。ただ、俺がここに居ることにかなり驚いているようだが……知ったこっちゃねえ。

 

「よう。助けに来たから大人しく助けられてろ」

「きっ……来てはならぬと、あれほど言ったであろうが……莫迦者め」

「悔しかったら自力で助かってみろ。まあ今のお前じゃ絶対無理なのはわかりきってるけどな。オラ部屋の隅っこでブルブル震えて『お助け~』とか言ってろ。ちゃんと助けてやるからさ」

「……私の意見は?」

「あ、すまんいきなり耳が遠くなってよく聞こえねえわ。なに? 『オタスケクダサイイチゴサマ』?」

「いっとらんわそんなこと!」

 

 当然わかっているが聞くつもりはない。ルキアを抱えあげてさっさとこの場を去る。

 ……いや、その前にやっておくべきことがあったか。

 

「花太郎」

「はい? なんですか?」

「ここの鍵を持ち出したら問題になるよな?」

「……ええ、まあ、なるでしょうね」

「自分の怪我は治せるか?」

「? そこまで酷くなければできますけど……あ」

「そう言うことだ。悪いな」

 

 そこそこ血が出るように、しかし致命傷にはならないように花太郎を斬る。その場に懺罪宮の鍵を放り捨て、俺が花太郎を脅して無理矢理鍵を開けさせたかのように。

 意識は失わせないようにしながらそうやるのはかなり難しいが、滅却師の力の使い方によって相手に麻酔をかけて痛みだけを感じさせないようにしながら斬ることができるから問題はない。

 

「一護、貴様っ!?」

「ここで斬っとかねえとあとで花太郎が困るだろうが!一応俺は剣八と戦って生き延びてるし、俺に脅されたってことにしとかねえと花太郎が罰受けるだろうがよ!」

「……大丈夫です、ルキアさん。死なないように切ってくれたみたいですし、それに鋭く切ってくれたのですぐくっつけられます」

「しかし!」

「大丈夫です。それに……痛くないんです。一護さんですよね?」

「まあな。さっさと傷塞いでくれ。全部治しきらないようにしてくれると治している途中で限界が来て気絶した感が出て良いと思うぞ」

「ははは……ルキアさん、お元気で」

 

 花太郎はゆっくりと自分の傷を治し始めた。花太郎は随分と腕が良いようで、放置していても死なない程度に傷を治してからは目立たないように出血を抑え、痛みを抑える方向に移っていった。本当に優秀なんだな、花太郎。

 俺はルキアを抱えあげたまま瞬歩で走る。ついでに懺罪宮の尖塔の一つを剣圧で斬り砕いておいた。これで多分わかるだろう。花太郎の居ないところを狙ったし、中に残っている花太郎も多分大丈夫だ。

 

 ……だが、どうも簡単にはいかないらしい。俺の霊圧を感じ取ってきたのか、それとも今俺が剣圧で懺罪宮をぶった切ったのを見て飛んできたのかはわからないが、朽木白哉がそこに居た。

 

「……ルキア。そこで大人しくしてろよ」

「莫迦者!お前が義兄様に勝てるはずが」

「うるせえ、黙って見てろ」

 

 こっそりと滅却師のやり方で周りの霊子を吸収して霊圧の回復をしていたおかげで普通に戦える程度の霊圧はある。剣八相手に限界寸前まで使った時に比べれば雲泥の差と言えるくらいだ。いや、最悪の時と比べてどうするんだって話だが。

 まあとりあえず、先手必勝ってことで剣圧を飛ばすが瞬歩で避けられる。一角相手には今ので十分通じたんだが、流石は隊長格と言うべきか回避しながら向かってきている。

 だが俺も強くなった。動きは見えているしこの程度なら十分に防げる。ついでに織斑さんが俺の……と言うか俺達の月牙を見てその場で見様見真似してくれたのをさらに俺が見様見真似した手刀での月牙で斬りつける。剣八相手だったら絶対効果がないとやらないでもわかるが、白哉相手なら十分効果が見込めそうだ。

 実際効果はあった。刀は弾くことができたし、そのついでに肩口から斬りつけることもできた。傷自体はかなり浅く皮一枚ほどではないにしろ肉で十分止まっている。やっぱ織斑さんみたいにはいかねえか。

 

「なん―――」

 

 白哉の言葉を叩き切るように斬月を振るう。月牙は霊圧によって斬撃そのものを巨大化させて飛ばす技だが、飛ばさず纏わせることもできる。だったらこういう使い方もできるんじゃないかと考えて練習している所を織斑さんに見られて『こんなか?』と実演されて凹みつつ覚えた、斬撃を打撃に変えて撃ち出す峰打ち攻撃。死ぬこたないだろうが暫く寝ててもらうことにした……んだが、防がれてしまった。

 

「大丈夫か、朽木」

「……兄か」

「あー……どちらさんか聞いても? あ、俺は黒崎一護。ルキアを助けに来た旅禍だ」

 

 俺の打撃の月牙を刀一本で受け止めた白髪の男は、少し驚いたような顔をしつつ答えてくれた。

 

「十三番隊隊長、浮竹十四郎だ」

 

 ……ああ、確か霊圧を使った放出系の攻撃を吸収反射してくる性格の悪い斬魄刀の使い手だったっけか。あと瞬歩がクソ上手いって聞いた。

 さて、こうなると色々難しいな……どうするか。

 




Q.なんで当たり前の顔して花太郎斬ってんの!?
A.実は現在一護さん発狂中で人情が欠如しています。

Q.なんでそんなことに……。
A.修行中に何十回か死んだからじゃないですかね? あとこちらで勝手に決めたとあるオリジナル斬魄刀のせい。


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BLEACH~54

 

 side 黒崎一護

 

 結論から言うと勝てなかったが負けもしなかった。いや、まさかあそこからさらに追加で二人来るとは思わないだろ? 逃げたよ。ルキアを連れて。

 六番隊の白哉と、十三番隊の浮竹、その二人と戦っていたところに乱入してきたのが七番隊の狛村と九番隊の東仙。合計四人の隊長格を相手にするには場所が悪すぎたし、消耗もかなりあった。まともにやってたら逃げることもできなさそうだったが、だったらまともにやらなければ問題は無いわけだ。

 

 月牙天衝。斬月の能力であるそれはとてもシンプルで分かりやすい能力だが、使い方は色々工夫ができる。と言うか使ってるのを見た織斑さんに言われて色々と新しい使い方を試さざるを得なくなった。正直辛かったが役に立っている。

 普通に飛ばす方法。飛ばさず纏わせて威力を上げる方法。纏わせて斬撃を打撃に変える方法。そして放ちはするが飛ばさずにその場に固定して空間に罠として仕掛ける方法。罠の状態から一発きりの固定砲台に変える。様々な使い方ができる。

 狛村と言う男の巨大な一撃にはその衝撃と対抗できるだけの一撃を撃つために打撃に変えた月牙で弾き返し、東仙の無数に分裂して飛んでくる刃は剣圧で真正面から撃ち落とす。飛ばした月牙を跳ね返してくる浮竹にはこちらからはできるだけ手を出さず、白哉は超接近戦を挑み続ける。こうすることで音を使った攻撃や高速で飛び回る千本桜をかなり弱体化させることができた。

殺さないように加減はしているが、流石に四人を相手に殺さないようにしながら勝ちに行くのは難しい。殺してもいいからとにかく勝ちに行くなら何とかなりそうなんだが、本当に殺した場合まず間違いなく現世にまで追手がかかるからな……どうしたもんか。

 

 そう言う訳で置き月牙を上手く使って相手を足止めし、逃げ切った。俺が離れるとそれに合わせて音が追ってきたり無数の花弁のような刃が追ってきたりしたが、全速力で走ったら逃げ切れた。俺、いつの間にか音より早く移動できるようになってたんだな。流石に驚きだ。

 

「一護……強くなったな」

「まあ、色々あってな……」

 

 色々。(木刀による突きで作り上げられた衝撃波の壁に圧殺された思い出)

 色々。(全力の月牙天衝を木刀で真似られ真正面から撃ち負けた思い出)

 色々。(置き月牙を真似られた挙句改造されて自動操縦月牙を何百単位で撃ち込まれた思い出)

 色々。(月牙で作ったパンジャンドラムで追い回されてなんか爆発に巻き込まれた思い出)

 色々。(自動操縦月牙と月牙パンジャンの合わせ技で切り刻まれた思い出)

 色々。(突如として背後や横から現れるパンジャンに轢かれた思い出)

 色々。(なんか爆発した思い出)

 色々。(天鎖斬月を引っ張り出されて纏めて爆破された思い出)

 色々。(月牙天衝を突きで使われてぶち抜かれた思い出)

 色々。(黒い月牙天衝を素手で蚊でも払うかのように払われた思い出)

 色々。(虚化+動血装+卍解状態なのに速度で負けた思い出)

 

 ……本当に色々あったな、もう忘れたい。忘れないが忘れたい。

 

「一護。目が遠いぞ」

「大丈夫だ。大丈夫とは言い難いが大丈夫だ」

「それは果たして大丈夫と言っていいのか……?」

「霊圧失って戦うこともできない奴に心配される程じゃねえよ」

 

 はいぐぬ顔頂きました。実際こんな状態のルキアに心配されるような事じゃねえし、こんな状態のルキアに心配されたところで何かが変わるわけでもねえしな。俺は何も間違っちゃいねえ。

 

 さて、これからどうすっか。みんな集まらねえと帰れねえからまずは合流するために行動するとして……その間ルキアの事をどうするかも問題だよな。戦うどころかまともに走ることもできない状態なわけだし、一人で置いて行くのは論外。だが誰かに預けるにしても問題は誰に預けるかだ。

 石田と井上が一緒に居るようだしあの二人に預けるのがいいか? だが周りに誰かいるようだし、いきなり現れた俺と仲良さげに話しているのを見咎められれば問題になるだろう。

 チャドは……どうやらまだ捕まっているらしい。霊圧が安定しているようだから状態は悪くないと思うが、早めに助けに行ってやりたい。

 夜一さんは……猫だしなぁ……。

 

 ……気配。

 

「誰だ」

「黒崎一護殿ですね。お迎えに上がりました。こちらへ」

 

 そう言ってその影は方向を変えて跳んでいく。今のは確か、二番隊の……いや、名前は聞いてなかったな、確か。

 俺はその姿を追いかける。霊圧は抑えて、跳躍もしないようにしながら瞬歩で走る。暫くすると、千罪宮からも見えていた巨大な武器のある崖に連れてこられた。

 

「こちらで二番隊隊長、砕蜂様がお待ちです。私はここに入ることを許されておりませんので、ここで失礼いたします」

 

 それだけ言い残してそいつは即座に移動していった。隠密機動……中々の速度だよな。まあ隠密で機動部隊なのに遅いとか笑い話にもならないから速くて当たり前なのかもしれないが。

 霊圧を感じ取ってみると、崖の内部から夜一さんと知らない誰かの霊圧があるのがわかる。戦闘状態にはないようだが、なんか夜一さんの霊圧がすっげえ平坦になってる気がする。安定してる、ってのとも違うんだよな。理由はわかんねえけど。

 ともかく入って―――

 

「アンチが何を言おうが夜一様が神なのは揺るぎない事実。

 まず高い教養からくる物だろう圧倒的カリスマ。一人で他の隊長格を根底から超越する存在感がある。

 さらに戦闘能力も高くテクニックと速度があるし、超絶技巧とも言える瞬閧はもはやジャンル・・・いや、人間という壁を越えた凄まじい能力だ。

 しかも元柳斎殿をも上回る尸魂界トップクラスの白打技術を持ち、瀞霊廷の情報網を支える部下までいる。

 それだけを考えても護廷十三隊どころか西梢局まで含めた尸魂界全土と張り合える。

 その上実力者のみが就いてきたの歴代二番隊隊長達の技まで物にしている。

 夜一様の姿を見てしまったら他の何を見ても感嘆の感情が沸き上がらなくなるほどの魅力がある

 だいたい最近の―――」

「―――」(死んだ目)

 

 ……。

 

「間違えました」

 

 さて、ルキアをどうするか……。

 




Q.砕蜂さんは何をやらかしておられるの?
A.怪文書を次々吐き出しておられます。

Q.隊長格四人相手に勝ち寄りの引き分けとか強過ぎね?
A.改造されてますからね。仕方ないね。


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BLEACH~55

 

 side out

 

 四人がかりで戦っておきながら何たる無様か。朽木白哉は内心そう吐き捨てた。

 現世で義妹から死神の力を奪い取った男が、その時よりも遥かに強力になって現れた。そして自分を含む四人の隊長格を手玉に取り、まんまと逃げおおせてみせた。それも、義妹を連れてだ。

 自身の隊の副隊長である阿散井恋次が敗北したと聞いた時には情けないと思ったものだが、これほどまでに強くなっているなどと誰が予想できるだろうか。できるはずもない。少なくとも白哉にはそんなことは予想だにできなかった。

 

「やれやれ、逃げられたか……」

「何を悠長な……」

「無茶はよせ、狛村。その手首、折れているんだろう?」

「この程度どうと言うことはない!」

「完全な状態で簡単に対処されたのが怪我をしている状態でよくなるとは思えん。まずは治療を受けておくべきだと思うぞ俺は」

「それに関しては僕も同意だ。君の卍解は君の身体の状態に左右される。最大戦力を出すためにも一度治療は受けておくべきだと思うよ」

「ぐっ……!」

 

 三人の言葉を聞いているうちに、白哉の胸の内に二つの感情が生まれた。

 一つは貴族としての自分から生まれた感情。例え妻の妹であり、妻の健康を保つための薬師であり、彼女がいなくなれば妻の健康は失われてしまうと言うことを理解していてもなお、貴族として掟を破ることはできない。故に義妹であるルキアを逃してしまったことに対する自身への憤り。

 そしてもう一つは、個人として、緋真の夫として、ルキアの義兄としての自分から生まれた―――安堵であった。

 ルキアが逃げることができた。ならば恐らく逃げ込む場所はあの場所だろう。かつて自身が通い詰め、特殊な事情により内部から招かれることがなければ例えそれが霊王であろうとも踏み入ることのできない特殊地域。作った本人曰く、流魂街番外地区・四季崎。

 あの場であれば、内から招き入れられない限りは例え護廷十三隊の者であろうとも入ることはできない。つまり、命を落とす事は無い。

 

 突如として自身の内側より沸き上がる吐き気に白哉はその場で膝を落とし、胃の中身をその場にぶちまけないように無理矢理抑え込んだ。

 自分は今何を考えた? 白哉は自問する。義妹の事を自分から救おうともせず、ただ外から救われるのを見て自分の手が届かなくなった事を感じ、安堵した?

 こみ上げてくる吐瀉物を無理矢理に胃へと流し込む。背を摩る浮竹の手から流れ込んでくる治療の霊力に僅かではあるが癒されたためか、喉が胃酸に焼かれる感覚は消え去っている。

 

「朽木、お前も一度四番隊に行くべきだな」

「……必要ない」

「行くべきだ」

「必要ない」

「三番隊に行くか?」

「…………………………………………………………四番隊に行く」

「それでいい。東仙、狛村についてやってくれ。無茶して四番隊に寄ろうとしないかもしれないからな」

「そうだね。わかっているよ」

「ぐぬ……わかっている。ちゃんと行く」

「そうだね。では共に行こう」

 

 東仙に連れられた狛村と、浮竹に抱えられた白哉がそこそこの速度で四番隊に移動している間、浮竹の思考はまた別の方に向いていた。

 藍染を殺したのは、間違いなく彼ではない。四対一という状況ですらこちらを殺さないように手加減をし、さらに手を出してこない物にはできるだけ攻撃しないという戦い方を見て、あまりに完璧に殺されていた藍染への行動の違いを認識した。

 つまり、藍染を殺した者は別にいる。

 

 そもそもおかしい事ばかりだ。侵入して来た旅禍の人数は多く見積もっても十人には届かない。遮魂膜を打ち抜いてきた玉の大きさから見てもそうだし、今まで旅禍に襲われ気絶させられた者達の証言からは四人分の姿しか得られなかった。陽動として大きく暴れているのだとしても、隠れていられる人数は精々一人か二人。隠密機動の目をかいくぐってそれ以上の人数が潜んでいるとはとても思えない。

 そんな状態で、態々藍染を殺しに行くことに一体どんな利点があるのか。あまりに無益であり、同時に無駄であるとしか言えない。それでは陽動の他に誰かがいると教えるような物であり、そこから先の隠密行動がより難しくなるものでしかない。隊長格一人を落とせるというのは利点になるかもしれないが、そもそも藍染があのような状態で死んでいるというのも納得いかない物がある。

 藍染は元十一番隊であり、現在の十一番隊の隊長である更木剣八とも十分に戦うことができる程度の実力は持っていた。しかしその藍染が、敵がどこにいるかもわからないという状況において無防備に背後を取られて鎖結と魄睡を抉り取られる等と言う真似が可能だとはとても思えない。

 

 ……それに、今回の四季崎への判例はあまりにも異常だ。

 現世で死神の力を民間人に与えたこと。そして死神の力を失い、尸魂界の捕捉から逃れたこと。報告も無く現世で死神代行を作ったこと。精々その程度だ。この程度の罪状で双極による処刑が行われるようなことは通常あり得ないし、彼女が現世から戻ってから処刑が決まるまでが早すぎる。そして更に処刑までの期間までもが早まろうとしている。

 何かが、今回の件の裏で蠢いている。それも相当悪意の強い出来事が。

 

 ……今回は流石に元柳斎先生に怒られるだけじゃ済まないだろうなと思いながら、浮竹はこれからどうするかを考え始めた。

 




Q.なんで朽木隊長は勝手に精神的に折れそうになってるの?
A.この人も昔一夏のブートキャンプに参加したことあってな? そういう事や。

Q.浮竹さんリアルアイディア高すぎない?
A.もともとそういうキャラでしょうに。


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BLEACH~56

勝手ながら今回で夜一の斬魄刀の名前については締め切らせていただきました。
……大明神人気ですね。


 

 side 黒崎一護

 

「まあ待て一護。間違っとらんから入れ」

「むしろ間違っててほしかったんだが!?」

「残念ながらこれが現実じゃ……はよ入れ」

「もっと素直に夜一様の御姿を受け入れて欲しい。

 そして現実に見てみろ。

 いかに夜一様が他の死神達をぶっちぎりに超越した神かわかるぞ?

 まあ百十年前は浦原の奴について行っちゃってたけど技量とか瞬閧見てみろ? 本気で神だから。

 まさか私の瞬閧をも呑み込んだ夜一様の半生そのものである雷神戦形を披露していただけるとはこの道三百年の私でも思わなかったけども。

 相変わらずにゃんこな猫一様は狂気に満ちてたわ。

 それに猫一様を見たらいくら猫嫌いでも夜一様を認めざるを得ないだろう。

 こんなに凄い夜一様が世界を獲れないとか本気で思っちゃってるやついるの?

 もう少し夜一様と同じ時代に生きていられるという己の幸運を噛みしめたほうがいいんじゃないか?」

「ところでこの怪文書創作機はどちら様で……?」

「砕蜂隊長……!?」

「……隊長なのかよ!? 大丈夫か護廷十三隊!?」

「大丈夫ではない、問題じゃ」

「あとあんた誰だ!?

「夜一じゃ。目の前で戻ってやれなんだせいで驚きの顔はイマイチじゃの」

 

 夜一さんだった。怪文書を垂れ流してるこれから何度も名前が出てたからもしやとは思っていたが、マジで夜一さんだった。世の中どうなってるんだか……。

 ちなみに夜一さんだがなんか背中の部分が全部空いて袖もない死覇装を着てた。そして怪文書製造機は夜一さんの背中と脇腹の間にある布に顔を突っ込んでふがふがしながら怪文書をまだ垂れ流していた。怖い。なんだこいつ……。

 

「いや、実力はあるんじゃよ? ただどうも儂と離れとった百年少々の間に変な方向に進んでしまったようでな」

「方向ってかもう全体的におかしくねえかその人」

「真面目になれば隊長格にふさわしい実力もある」

「褒めていただけた……夜一様に褒めていただけた褒めていただけた褒めていただけた褒めていただけた褒めていただけた褒めていただけた褒めていただけた褒めていただけた褒めていただけた褒めていただけた褒めていただけた褒めていただけた……うッ! ――――――ふぅ」

「ほんとに大丈夫なのかこの人……?」

「多分大丈夫じゃ……多分な」

「砕蜂隊長……このような方だったのか……」

 

 何とも奇妙な出会いだし、この状態では多分自己紹介とかしても覚えてもらえねえだろうな。だってこの人完全に意識が夜一さんの方に向いちまってるし。

 

「……失礼した。久方振りの濃厚な夜一様成分に我を忘れてしまっていた。許せ」

「お主昨日も一昨日も同じこと言っておらんかったか……?」

「十五分以上補給できなければ久方振りです。しかし夜一様が瀞霊廷内にいてくださるお陰で瀞霊廷の空気を吸うだけで僅かですが夜一様成分を補給できるようになったのは嬉しいですね」

「助けろ一護」

「すんません無理っす」

 

 だって助けろと言われた直後からすっげー目で俺の事睨みつけてくんだもんよ。めっちゃ怖いわ。織斑さんほどじゃねえけどめっちゃ怖い。

 

「ああ四季崎、お前は暫くこの場所に居ろ。ここはかつて夜一様成分が足りずに夢遊病を発症した私が当てもなく彷徨っていたところ偶然見つけた夜一様の遊び場だ。浦原の奴の手で作られているせいで純度は低いがしっかりと夜一様成分が染みついておられるここは私のお気に入りの場所でな。私の手で霊圧の遮断と隠蔽が行えるようにしっかりと改造を重ねてきたのだ」

「……。

 まあそういう事じゃ。ここに居る限りは基本的に外には霊圧が漏れん。修行するにも隠れ潜むにも優れた場所じゃ」

「浦原さんが作ったのか……」

「うむ。儂と二人でコッソリの」

「……こんな馬鹿でかい空間をコッソリ?」

「うむ。まあいろいろあっての……ここで詳しく話をすると身の危険を感じるのでやめておくが文句は無いな?」

「ウッス」

 

 一瞬で瞳から光が消えたあの怪文書製造機を相手にしたくないのでとりあえずここは頷いておくことにした。だって怖えし。

 あと、そろそろ俺も休みたい。剣八とはお互い一閃しかしてないが戦って、それから花太郎を気を付けながら斬って、直後に白哉を含めた隊長格四人と戦って逃げてきたわけだ。疲れてもおかしかねえだろ?

 それにルキアもルキアで殺気石でできているらしい懺罪宮の中で暫く過ごしていたせいだろうが霊圧に当てられてまいっているのがわかる。さっきから俺の肩に担がれているにもかかわらず文句を言ってこないのがその証拠だ。いつものルキアだったらさっさと降ろせだのなんだの言ってきたりするだろうし、間違ってはないはずだ。

 

 布団なんかがあればそこに降ろしてやるんだが見当たらないので、斬月の柄布を伸ばしてそれを敷く。花太郎と一緒の時にやったのと同じ方法だが、これがまた結構悪くない。少なくとも、直接石や土に寝転ぶよりよっぽど身体の疲れは取れるだろうし、上手く使うとハンモックのようにもできる。あまり使わないが。

 

 ……助ける、というにはまだ早いし、これから捕まったままのチャドを助けてそれから出て行かなくちゃならない。大丈夫かね……?

 まあ、多分大丈夫だろ。多分だが。

 




Q.怪文書……こわ……なにこれ……。
A.一応元ネタもありますけどね。音楽系のコピペだった気がします。

Q.これ事が済んだ後に現世に戻れる? 無理じゃね?
A.察せ。


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BLEACH~57

 

 side 石田雨竜

 

 外道撃つべし!

 しかし今回の外道は前回の外道と違って非常にしつこい外道だ。撃っても撃っても倒せそうにないだけでなく、自分の部下を使ってこちらに攻撃を当ててきたりもしてきた。まったくなんて外道だ。死神にも多少いい奴がいると思えて来たばかりだと言うのに、尸魂界に来てから出会った死神には外道が多くて困る。

 

 しかしこの乱装天傀の改造版は便利だ。よくよく考えれば普通に肉体があるならともかく、身体が霊子に置き換わっている今の状態で態々霊子の束を使って動かす必要はない。霊子を操るのが滅却師の本領であるならば、そもそも自分の身体を構成している霊子をそのまま動かしてしまえばいいだけの事なのだ。

 脳から送られる四肢を動かす信号だけを選択して遮断する薬物を斬った相手に投与する剣。何とも陰険な武器だし、それを使うために自分の部下を使ったり部下ごと斬り捨てたりするというのは死神以前に人間として本当にどうなんだと。

 とりあえず今は井上さんにあいつの部下の傷だけ治してもらって、その上であいつと戦っている。可能ならばさっさと殺してしまいたいところだが、残念ながらそう簡単に殺されてはくれないようだ。体内に入れられた薬は霊子の隷属で霊子そのものにまで分解しているから少しずつ抜けているが、ここに来て新たな毒まで撒き散らしてくるとは……。

 

 いや、これに関しては僕は大丈夫だ。撒き散らした毒を霊子に分解してしまえば無毒化できる。しかしあまり離れていない井上さんはまずい。三天結盾は前面の防御能力は高いが、側面には何の防御もない。そしてこの毒は霧の形で撒き散らされる。当然前だけではなく横からも上からも毒が来るわけだ。

 僕であれば体内に入ったとしても死ぬ前に霊子にまで分解して無毒化できるだろうが、それを他人にやるのは非常に難しい。と言うか僕には無理だ。

 井上さんの所に毒が回る前に決着をつける。最終形態一歩手前の状態で周囲の霊子を解体し、できる限り毒も分解して矢を作る。毒の成分を残して撃ち込むこともできるが、今回の毒は相手の血液から作られたもので本人には効果がないらしいので全部霊子に変換して撃ち込む。腕の一本や二本程度の被害であれば簡単に治して見せる相手であることはわかっているので、とりあえず胴体をぶち抜いておくことにした。頭を撃ち抜いた方がよかったかもしれないが、流石に頭を狙っては躱される可能性の方が高いだろうことはわかっていたので胴体だ。

 

 僕の中でこいつを今この場所で殺しておけという声もするし、正直その声には抗いがたい魅力があるが……それでも今は耐えることにする。ここで殺したら僕たちがここから出る際に本気で邪魔をされそうだしね。いや、こうして結構な傷を負わせている時点で既にかなり本気で邪魔をされそうだけれど。

 

 弓を引いて、弦を放すことなく矢を放つ。この弓ではそういうことができるため連射速度は大幅に上昇。結果的に攻撃力も上がっている。

 そして何よりも、撃ち出した矢の軌道をある程度変えることも不可能ではない。速ければ速いほど操作性は落ちるが、ぎりぎりで躱そうとしている相手の身体を抉り取るくらいの事は十分にできる。

 喋る暇は与えない。喋らせれば喋らせるだけ色々と聞いていないことまで解説したがるタイプだと聞いているが、それ以上にこいつの言う言葉が不快すぎてどうでもよくなってきている。

 

 身体を動かせなくなる刀からさらに形を変えた毒をまき散らす金色の芋虫のような形の刀を撃ち抜き、その向こう側に居た涅マユリの胴体に風穴を開けた。織斑さん曰く、頭さえ無事なら何らかの方法を用いて復活してくるタイプだと聞いているが、本当にここから復活できるのか?

 ……と考えながらボロボロになった涅マユリを観察していたら突如自分の首に刀を刺し、何故か液体になった。しかも蛍光黄緑色ではっきり言って気持ちが悪い。

 しかし、液体になったらこちらの攻撃はほぼ効かない。滅却師は霊子を扱うのであって炎や雷を使うのは極一部。霊子による攻撃というのはこの全てが霊子でできている世界においてはほぼ純粋な物理攻撃と変わらない。液体をなんとかするのであれば、それこそ一部を閉じ込めておいてその状態で元に戻った時に閉じ込めた部分が心臓や脳などの重要器官であることを祈るくらいしかできない。そして大概の場合そういった願いは叶わない。

 

 けれど、とりあえず勝てた。毒が井上さんの方に行く前に何とかなったし、霊子の隷属によって分解された霊子はそれまでの形や状態がなんであっても問題なくただの霊子として扱えることも分かった。これなら次以降僕自身には毒は効かなくなる。ありがたいことだ。

 ……ちなみに、織斑さんは霊子集束の究極系として相手の意思の有無すら無視して霊子を分解解体集束する技術を見せてきた。上手く使えば虚をこれで分解して組み替え、虚になる前の正常な霊体に戻すこともできるらしい。今度習いに行こうと思う。

 

 それはそれとして……この人どうしようか? 怪我をしているし動けなくなっているが、ここに置いていっても大丈夫だろうか?

 




Q.そう言えば石田が戦ってるところを見たことがないような……?
A.はいはいキンクリキンクリ。

Q.霊子の隷属強すぎね? あとこれ滅却師の力を失わないんでしょ? やばくね?
A.原作で最後の敵も滅却師でしたからね。このくらいできてもいいのでは? と。


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BLEACH~58

 

 side 石田雨竜

 

 突然空から何かが降ってきたと思ったら、凄まじい威圧感を放つ髪が雲丹の針のようにとがっていてその先に小さな鈴がいくつもついている奇妙な風体の男と目が合った。

 これはやばい。さっきのイカレ科学者とはまた別方向にやばい存在だ。純粋に強く、そしてひたすらに戦闘を求める戦闘狂の顔をしている。

 

 だが、運がいいのか悪いのかはわからないがじっと見つめてくるばかりで襲い掛かってくる気配はない。殺気も無く、しかしただそこに立っているだけで凄まじい重圧が身体にかかる。乱装天傀によって無理矢理立っている僕はまだ大丈夫だが、井上さんは……

 

「……黒崎君と戦いました?」

「ああ。将来が楽しみな奴だったぜ。もうちっと強くなってくれねえと楽しい戦いにはできねえだろうが……まあ待つさ」

「なんでこの状況で普通に話しかけられるのかな井上さん!?」

 

 以前から空気を読まない行動とか結構していたけれどこの状況でその行動は読めなかったかな!? と言うかなんであっちの方も当たり前のように応対してるんだ!? 流石に全く意味が解らないんだが!?

 と言うか黒崎の奴はこれと戦って生きてるのか……思っていた以上に黒崎の奴は強くなっているのかもな。それがどの程度のものかは知らないが、僕より強いんじゃないか……?

 

「あいつの話ができるってことはお前らもあいつと同じ旅禍ってことでいいな……色々と話をしなきゃならねえことがある。ついてこい」

 

 そう言うが早いかそいつはひょいっと井上さんを背負って走り始めた。僕も飛廉脚で後を追うが、凄まじく速い。見失う事こそなさそうだが、どう見ても相手には余裕がある。僕はかなり全力で走っていると言うのにこれだけ差があるのか……これが隊長格……。!

 

「一応言っとくが俺より速い奴も強い奴も霊圧の多い奴も上手い奴もいるからな。俺はどの分野でも二位か三位って所だ」

「強さの分野では?」

「…………殺し合いなら四……いや、三位、か?」

「ちなみに一位から五位の方の名前は?」

「織斑、総隊長の爺さん、俺、卯ノ花八千流、藍染だろうな。俺と卯ノ花は前後するかもしれねえが……今の俺なら勝てるだろうよ」

「ほわぁ……凄いんですね」

「はっきり『頭がおかしい』と言ってもいいぜ?」

「? 強い事は良い事だって言ってましたよ?」

「ほぉ? 俺と意見が合いそうだな」

 

 なんで井上さんはほぼ誘拐されてるような状態でこんなに和気藹々と会話ができるんだ……? 僕の方がおかしいのか?

 

「あの、どこに向かってるんですか!?」

「あ? あ~……確かあれだ、旅禍が一人捕まってるらしくてな。そいつを引っ張り出して一護にくれてやって、その代わりにまた一遍やり合う予定だ。あいつなら乗るだろ。多分」

「あ、黒崎と戦うことが主目的なんですね……」

「たりめーだろ。ついでに他の隊長格とも戦えりゃ言うことなしだな」

 

 戦闘狂ってこういうののことを言うんだろうな……と思いつつ後を追っていくと、壁に挟まれた道ではなくもっと開けた建物の密集地帯に出た。ただ、どこからも知り合いの霊圧を感じ取ることはできない。黒崎の霊圧はどこにあるのかはわからないけれど瀞霊廷中に散っているからここに居てもわからないかもしれないし、夜一さんの霊圧は猫の姿だった頃から非常に感じ取りにくいものだったからわからないでも仕方がないと思たけれど、茶渡君がここに居るならそのくらいはわかりそうなものだ。それすらわからないというのはおかしい。

 

「捕まった奴ってのは霊圧を封じる枷を付けられる。完全に抑え込むことはできねえらしいが、術を使おうとするとそれに干渉して使えなくなるとか言ってたな」

「へぇ……」

「それは、霊圧だったら何でも抑え込める?」

「そうなんじゃねえか? 詳しい事は知らねえが、昔それで武器を作ろうとして失敗したって話もあったな」

 

 ……なんと言うか、細かい事は考えていないし憶えてもいないけれど、浅く広いものに限定するならかなり知識があるんじゃないかこの人? あと、隠し事をすると何となく見つけられそうな気がする……。

 でも、霊圧を感じ取れないんじゃ僕たちがどう頑張っても茶渡君を見つけることはできなかったと言う事だ。多分黒崎の奴でも同じだろう。ここで会うことができてよかったと思うことにしよう。

 ただ、随分派手に壊しながら来ているのだけれど、これは大丈夫なんだろうか。主に直す時のお金とか、どこから出ることになるんだろう……。

 

「あ、そうだ。黒崎君の居場所は知ってるんですか?」

「? 知らねえのか?」

「探せばわかると思いますけど……今はちょっと」

「そうかよ。まあ暴れてりゃそのうち出てくんだろ」

 

 思考回路は完全に脳筋のそれなんだけど、多分それもあの実力に裏打ちされてのものなんだろう。死神って言うのはどれだけぶっ飛んだ奴が多いんだ? 能力的に一番ぶっ飛んでいるのは織斑さんだし、性格が一番ぶっ飛んでるのはあのイカレ科学者。そして趣味嗜好が一番ぶっ飛んでるのがこの更木剣八。死神と言うのは個性の坩堝なのか……?

 

「おいヒョロモヤシ。お前今死神全体が濃すぎて呑み込めねえ、みたいなこと考えただろ」

「……ハイ」

「濃いのは上位席官の一部と隊長格くらいだ。他はそこまで濃くねえから安心しろ」

「アッハイ」

 

 思考を読まれたのか……? いや、言ってる内容自体は大体あってたけど細かい所は外れてたから何となくそんな気がしたとかそう言う奴だこれ……こわ……死神の隊長格こわ……。

 




Q.石田君死神という種族に苦手意識出てきてません……?
A.出てきてますがお気になさらず。

Q.井上はよく当たり前に声をかけられたな?
A.原作でもそんな感じに会話してる描写がありましたしね。

Q.やちるは?
A.現在別行動。



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BLEACH~59

 

 side ■■■■■■

 

 カロロロロロ……

 賽子の転げる音がする。

 転げまわってやがて止まって、そして全ては動き出す。

 

 瞳に移る無数の未来。選定し、数値を当て嵌め、賽子を転がす。

 くるりくるりと転げ落ち、地に落ち弾けて目を見せる。

 見せた目に映る未来を一つ選んで進んでいく。

 

 カロロロロロ……

 カロロロロロ……

 

 繰り返し、賽子を転がす。転げ(まろ)びて跳ね回り、思わぬ世界に道が開ける。

 

 未来が一つ、はじけて消えた。

 

 

 

 

 

 side 黒崎一護

 

 急にチャドの霊圧が現れた。一度弱まってそれから回復して、その直後に一瞬で押し潰されるようにして消えたから何かあったんだろうとは思っていたが、多分封印されていたんだろう。どんな方法でそれをやったかは知らないが、瀞霊廷の科学力は侮れない。

 ルキアを夜一さんと……夜一さんに抱き着いて猫吸いしていたちょっとお近づきになりたくない二番隊の隊長に預け、外に出てその方向に走り出す。

 ……剣八がいる。そしてそのすぐそば、それこそ背負われてるんじゃないかと言うくらい近くに井上がいて、そのすぐ後ろを石田とチャドが追いかけている。剣八のそばにいつもいたピンク色の髪のちっこいのは……どうやら邪魔が入らないように適当にその近くにいる奴を相手に飛び回っているようだ。剣は抜いていないようだし、これなら遊びで済む範囲ってことなんだろうな。

 

 その方向に走っていけば、双極の丘とは完全に逆方向に走っていた剣八たちに追いつくことができた。剣八がもう少しゆっくり走ってくれていればもっと早く追いつけたんだが、剣八変な所でめっちゃ速え。井上が後ろから走って追ってる俺を見つけれくれなかったらあと数分は走り続けていたところだ。

 で、なんで剣八が井上たちと一緒に居るかを聞いてみたんだが……俺と戦うためだったそうだ。

 

 まず、俺は現世で白哉に一方的に倒されている。いや、白哉どころか恋次にも負けている。それから一月と過ぎていないのに俺は恋次を瞬殺し、白哉を圧倒した挙句に四人の隊長格を同時に相手にして勝ちに近い引き分けにまで持って行っている。その成長速度を知って、とりあえず一回見逃してもう一度戦ってみたいと思ったらしい。

 俺がここまで強くなれたのは浦原さんが基礎を作ったところに織斑さんが基礎を増築してその上に城をおったてようとしたせいなんだが、そんなことは言われないとわからねえだろうしまあ仕方ねえわな。それに織斑さんとの約束で俺は瀞霊廷内で事が終わるまでは織斑さんの名前を出さないようにしているから伝えられないしな。

 だから今の俺にできる限界は少し前に剣八にやった卍解+虚化+動血装のあれと変わらないんだが……それを聞いても多分剣八は止まらないだろう。

 と言うか、なんで剣八の剣は折れてから一日二日で綺麗に元通りになってんだろうな。いや、元が綺麗じゃないから綺麗に元に戻ったって言っていいのか微妙な所だが。

 

「まあ何でもいい、とりあえず()ろうや」

「マジで勘弁してほしいんだがなぁ……ああわかってる、わかってるから。どうせあれだろ? 逃げても追っかけてくんだろ? で俺が戦わざるを得ない状況にまで持って行くんだろ? わかってるって」

「強くて物分かりのいい奴は嫌いじゃないぜ?」

 

「……でもよ。周りに面倒な奴らが来てるようだからできればまた後でにしてもらいてえんだが」

「あァ?」

 

 背後に跳び、斬月を振るう。月牙ではなく大気を切り裂く剣圧が、放たれた炎を切り捨てる。なお月牙を放たなかったのは霊子は燃やされるが霊子のない真空は燃えないからだ。

 そして視線を向けた先では、俺の知った顔と知らない顔がいくつも並んでいた。

 

「ほぉ……山じいの炎を斬り捨てるのか。こりゃまた随分と強いんだねぇ」

「いやあんたも相当だろ。見ただけで分かるわあんた強い」

「そいつはどーも」

 

 ……こいつは辛いな。あの燃えてる刀を持ってんのは間違いなく織斑さんの言っていた一番隊総隊長、山本元柳斎重國。威力だけで言えば最強の斬魄刀を持つ最古の死神。

 それから隊長格の事だけは聞いていた。六番隊の朽木白哉、七番隊の狛村左陣、八番隊の京楽春水、九番隊の東仙要、十番隊の日番谷冬獅郎、十三番隊の浮竹十四郎。それに加えて今すぐ襲い掛かってくるかどうかはわからないが十一番隊の更木剣八もいる。

 

 いや、これほんとマジで詰んでないか? ここから何をどうしたらひっくり返せる? 俺も人間であるからして、ひっくり返せる戦力差には限度ってもんがね?

 

「山じいがいきなり斬りかかっててなんだけど、一つ質問があるんだけどいいかい?」

「? なんだよ? 答えられることなら答えるぞ」

「藍染君を殺したの、君かい?」

「藍染……確か、五番隊の隊長だっけか。いや、俺はここに来てから誰も殺しちゃいねえよ」

「そうかい……なるほどね。彼女の予想は正しかったってわけだ」

 

 何が何だかわからないが、とりあえず今すぐに戦いになるわけじゃねえみたいだな。ただ、あっちの爺さんと白哉、それと狛村は俺の事を狙ってるし、他の奴らも今すぐ襲い掛かってきたりはしなさそうだが俺達の誰かが逃げようとしたら即座に追いかけていくだろう。

 

 ……どうする?

 

 いや、答えは決まっている。俺はルキアを助けに来たんだ。だったらここで止まっているわけにはいかねえし、誰一人失うつもりもねえ。

 さあ、斬ろう。

 




Q.最初の何?
A.後々わかる。

Q.一護がなんか脳筋になってない?
A.一夏に関わると大抵脳筋になるんですよね。びっくり。


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BLEACH~60

 

 side ■■■■■■

 

 放たれた賽は止まらない。結果が出るまで触れることは許されず、自然に止まるを待つばかり。

 転がる賽が静かに止まり、世界はその道に繋がれた。

 

 二つの賽を抓み上げ、掌中に転がし再び放る。果たして世界はどのように……

 

 

 

 

 

 side 黒崎一護

 

 戦いに必要な物は覚悟だと教わった。

 敵を斬る覚悟。決して死なせないようにする覚悟。武器よりも何よりも、そういった意思こそが必要なのだと。

 それを鍛え上げるために、強い意志を練り上げるために、馬鹿みたいに何度も何度も俺の事を殺しかけた。そしてその度に俺に優しい言葉を吐いて、俺がその言葉を拒否する。それだけで、俺の意思は固まった。

 

 勝つために必要な物を集めよう。

 霊圧。十分以上に確保している。

 剣。この手の中にある。

 意志。胸の内に燃えている。

 だったら後は動くのみ。

 

「おい一護」

「……なんだよ」

「約束しろ。あとで俺と殺しあえよ」

 

 ……敵が一人減って、一時的に味方が一人増えた。剣八が隊長格の中でどれだけ強いかは知らないが、俺が戦う時にちゃんとした戦いになると言われた三人のうちの一人だ。卍解は周りの被害が大きくなりすぎるから使わないだろうと言われた数人を除いて、の話だが。

 

「ああ、わかった」

 

 石田とチャドに視線を向ける。方向は俺が走ってきた方、双極の丘。その道は無理矢理にでも俺がこじ開ける。

 俺の意図にチャドが気付いた瞬間、俺は斬月を大きく振った。

 

 月牙天衝。俺の霊圧を食って斬撃そのものを巨大化させて放つそれは、直撃を受ければよほど俺との差が無ければ両断される。隊長格は流石と言うべきか即座に跳躍して躱してみせたが、そこにさらに追撃を行う。

 迫る炎を剣圧で両断し、足先から月牙を放って周囲の牽制。大量に飛んでくる刃の雨を弾き飛ばし、巨大な剣を打ち払う。

 無数に散った細かな刃をちっこい隊長の出した氷で受け流し、無理矢理作った道をチャド達が走っていくのを見届け……チャド達に襲い掛かろうとする山本の爺さんの剣を受け止める二人の隊長の姿を見た。

 京楽春水と浮竹十四郎。一体なんでこちらに協力してくれようとするのかはよくわからないが、ともかく手を貸してくれるようだ。ここにはいない四番隊の隊長さんが関わっているらしいが、ともかくこれで少しは楽になったと思っていいだろう。

 

「……剣八」

「あ?」

「何人と戦いたい?」

「……は、よくわかってんじゃねえか。全員寄こせ……と、言いたいところだが、一人は譲ってやるよ」

「じゃあ白哉は貰うな」

「俺の邪魔しやがったらお前から斬るぜ」

「肝に銘じておく」

 

 場所を移すために白哉の胴体に蹴りを入れる。体勢を崩して吹き飛んでいく白哉に追いついてまた蹴り飛ばす。加速していく白哉に繰り返し追いついて何度も蹴り飛ばしながら、千本桜の刀身が追いついてこれない程度の速度で果てまで走る。詠唱を無くした鬼道で目眩ましを仕掛けてこようとしたが、受けずに躱して更に追撃。二十も蹴り飛ばしたころにようやく周りに人がおらず、ついでに剣八からも十分離れられたと思える距離に来たので場所を見つけて白哉を蹴り墜とす。

 さらに追撃。千本桜が戻ってくるより早く肩口を斬月で貫き、織斑さんがやっていた突きの月牙を叩き込む。白哉の腕が吹き飛んでくるくると宙を舞い、握られていた柄だけの斬魄刀がガシャンと落ちる。

 しかし刀身は未だ戻ってくる最中だろうし、とりあえず柄の方に月牙を飛ばして使用不能にしてから本人の方を蹴り飛ばす。腕で防がれたが防いだ腕をへし折って顔面に踵を入れる。井上も斬り飛ばされた腕をくっつけるどころか元通りに生やすことだってできるんだし、こっちの技術でも繋げられるだろう。死んだら……流石に無理だろうけど。

 

 刀身の形ではなく霊子の塊になって飛んできた千本桜の刀身が、真っ二つになった柄に二つになって集束していく。真っ二つにしてもこうして元に戻るってのはすげえな……と言うか、斬魄刀がへし折られても元に戻るのは精神世界に限ったことじゃないんだな。剣八のもそう言えば元に戻っていたっけか。

 

 さて、この状況での戦力の確認をしておこう。

 まず俺。霊圧はほとんど減ってない。怪我無し、武器の損耗も無し。ついでに相手の情報は大体持っていて、俺の情報は殆ど見せてない。卍解も虚化も滅却師の術も見せてないしな。

 対して白哉はというと、右腕の肩から先を失って出血多量、斬魄刀の柄を両断されてまともに振ることもできないが、卍解の方法によっては十分使えるだろうからこれについては保留。卍解は始解の完全上位互換で、ほぼそのまま量が増えた感じだそうだ。使い方次第では刃を固めて剣の形にすることも可能だとか言ってたっけか。

 

 まあ、五分だな。油断できない。遠距離はあっちの間合いだし、接近戦で行こう。

 




Q.これで五分とか一護の脳味噌腐りきってんじゃねえの?
A.紅茶漬けになっているだけだから大丈夫です。

Q.と言うか一護強くね?
A.インフレ激しいジャンプ作品で一人先取りしているキャラですからね。


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BLEACH~61

 

 side ■■■■■■

 

 時は来た。賽の目は収束し結果が定まる。それが誰の得になるのか、あるいは損になるのか。誰も理解できぬまま。

 

 

 

 

 

 side 四楓院夜一

 

 突然の事だった。斬られたことを知覚した次の瞬間には砕蜂も同じように斬り捨てられていた。

 感知など全くできなかった。何もいないはずの場所からの突然の攻撃に、為す術なく倒されてしまった。

 しかし、儂も砕蜂も隠密機動を率いる、あるいは率いていた者。自身の身体に刃が食い込めばそれを即座に察知して身体を翻らせる程度の事はできる。お陰で胴が真っ二つになる事は無かったが……しかし、動くことはできそうにない程度の傷を受けた。

 

「―――腰から下を斬り落とすつもりだったのだが……流石と褒めておけばいいのかな?」

「―――藍、染……!?」

 

 砕蜂の目が大きく開かれる。砕蜂の情報では藍染は儂らが瀞霊廷に入り込んだ次の日に何者かに殺害されていたはず。それが今こうして儂らの目の前に立っており、儂等を攻撃して来た。即ちそれはいつからか瀞霊廷は藍染の手の中で転がされていたと言うことに他ならない。

 そして今ここに来ていると言うことは、狙いは間違いなく―――四季崎ルキア。

 

 今の四季崎はほぼ人間の霊体と変わらない。隊長格の霊圧を間近に受けて、立っていられるほど一般的な人間の霊魂と言うのは頑丈にはできていない。膝をつき、ただ震えながら藍染を見つめることしかできていないのがわかる。

 逃げろ、と叫んだところで逃げられるような状態にないのは見ればわかる。そしてそれ以前に、刀傷が肺にまで達しているせいで声を出せない。呼吸もままならず、繰り返し血を吐き出しながらその光景を見ている事しかできない。

 

 ふと、手に触れるものがあった。百年以上も触れていなかった、自身にとって最も身近で最も役に立たない武器。始解状態の名は知っているが卍解の名を知らず、しかし何故か卍解し続けるという奇妙な斬魄刀。

 何が起こるかわからない。良い方向にも悪い方向にも状況を変えうる、自身の刀。既に呼吸もままならないままに、儂は儂の知る刀の名を呼ぶ。

 

(まろ)ばせ―――『明神(みょうじん)』」

 

 声にならない声。しかしそれでも刀は形を変え、十の面を持つ賽子へと形を変えた。

 同時に自身の置かれた状況が客観的に理解できるようになる。まるで自身が物語の登場人物であり、自身の意のままに動かすことができる、一番近いもので言うならばかつてやったことのあるTRPGが一番近いだろうか。

 状況は、はっきり言ってかなり悪い。体力は刻一刻と減っていくし、身体はまともに動かせない。この状況で頼ることができるものと言えば……

 

 賽を振る。放たれる、というよりは転がり落ちると言った方が正しく思えるほどの弱々しい投擲だが、これに関してはこれでいい。ころころと転がり、出された目は―――

 

『……相変わらず、こういう時には運がいい』

 

 世界が向かうレールが切り替わった音がした。最高の結果ではないにしろ、少なくとも悪い方には行かないと言うことがほぼ確定した。

 再び賽を拾って投げる。一度切り替わったレールがさらに切り替えられ、予想だにしない方向へと向かっていく。

 目の前では四季崎が胸を貫かれ、その中に封印されていた崩玉を藍染が引きずり出している。決定的な結果が出る前に、もう一度。

 

 ……世界は決定づけられた。

 

「そこまでです、藍染隊長……いえ、大逆の罪人、藍染惣右介」

「……ほう。予想よりはるかに速い……なぜここが?」

 

 四番隊隊長、卯ノ花烈。なにがどうしてそうなったのかはわからぬが、運良く致命的な結果が出るより早く到着してくれたようじゃの。

 

「昨日、貴方の死体に強く違和感を感じ始めました。故に貴方の死体は完全にあなたの死体にしか見えませんでしたが、貴方の死体ではないという前提で動き始めました。初めは隠れるならば禁踏地である清浄塔居林を探しましたがあなたの姿はなく、けれどあなたが生きた状態でその場にいたという確証だけは得ました。そこで―――」

「ああ、もういいよ。摑趾追雀だろう? 虎徹君かな」

「―――ええ、そうですね。ですが一つわからないことがあります。一体あなたはいつ、あれほどまでに精巧な死体を用意することができたのです?」

 

 それから聞かされた話は、なんとも言えない物だった。鏡花水月。解放の瞬間を一度見せればそれ以降全ての存在に対して完全催眠に落とし込むことのできる斬魄刀。死体があるように見せ、四十六室を全員殺害して乗っ取り、全てを騙して自在に操る能力。

 ……そして、もう一人の隊長格、九番隊の東仙要の裏切り。

 

 それを話してから藍染は悠々とこの場を去った。脊髄が両断されて腰から下を動かせん砕蜂と、脊髄は無事じゃが内臓が全体的に腹からこぼれ落ちようとしておる儂。そして霊圧に当てられて動くこともままならぬ四季崎。儂と四季崎はともかく、このままでは砕蜂が隊長に復帰できるかは非常に怪しい。上手く治してくれるとありがたいんじゃが……。

 




Q.夜一の斬魄刀って十面ダイスで合ってる?
A.合ってます。

Q.幸運ロールして成功すると幸運が訪れる感じで正しい?
A.正しいです。

Q.ところでちくわ大明神は?
A.卍解!


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BLEACH~62

 

 sode ■■■■■■

 

 賽を振る。幸運成功。復帰可能。

 賽を振る。幸運成功。後遺症無し。

 賽を振る。入院期間は半月。リハビリ含む。

 賽を振る。チェック失敗。1D6……4の減少。

 

 賽を振る。幸運成功。復帰可能。

 賽を振る。幸運失敗。傷が残る。

 賽を振る。入院期間は三日。リハビリ無し。

 賽を振る。チェック成功。1D2……1の減少。

 

 賽を振る。幸運クリティカル。即時復帰可能。

 

 賽を振る。幸運ファンブル。魔王顕現確定。

 賽を振る。幸運成功。生存確定。

 賽を振る。幸運ファンブル。社会的死亡確定。

 賽を振る。幸運クリティカル。後遺症無し。

 

 腹筋弾け飛ぶwwwwwwwww

 

 

 

 

 

 side 黒崎一護

 

 白哉の両腕と片足を斬り落としている最中、突然頭の中に声が響いた。なんでも五番隊の藍染と言う隊長が色々と仕組みまくってこの状況を作り上げたらしい。目的はルキアの中にあった崩玉と呼ばれるもので、それがあれば死神と虚の境界を越えて更なる強さを手に入れることができるようになるとか。

 ルキアを俺が攫ってしまったために魂魄を蒸発させるほどの威力を持つ双極での処刑ではなく、浦原さんが残した研究の成果を使ってルキアから崩玉を取り出した藍染は、今は転移して双極の丘の上に佇んでいるという。

 

 ……話が終わった時点で俺に繋がっているこの術を逆向きに辿って四番隊だという人に声を届ける。白哉の両腕と片足を斬り落としちゃったんだけど落とした手足があればくっつけられるか聞いてみた。めちゃくちゃ驚かれたが、できないことはないらしい。

 四肢の三本を落とされているにも拘らず霊圧で出血を抑え、意識を保ち続けている白哉を斬月の布で包んで運ぶ。落とした手足と真っ二つになった斬魄刀も一緒に持って行くが……ルキアがいた双極の丘からかなり離れてしまったせいでもう暫く時間がかかりそうだ。

 

 それと、こんなことになるならここまでやらなければよかったという思いもある。せめて腕一本で終わらせておけば本人に走ってもらうこともできただろうに。どうも瀞霊廷に来てからやりすぎてしまうことが多くなった気がする。

 理由については……多分、織斑さんの修行によるものだ。人間性を捧げて強さを得るような修行だったからな。少し血液に紅茶が混じったような気もするがきっと気のせいだ。パンジャンは怖い兵器であって崇拝するものでもなければ気分やノリで作るようなものでもない。そう考えられる時点で俺はまだ紅茶はキマっていないはず。

 なおそれを織斑さんの前で言うつもりはない。言ったら多分ヤギの内臓にヤギの内臓を入れてヤギの体液で煮たものを食わされる。こわい。

 

 ともかく双極の丘の地下、浦原さんがこっそり作ったという修行部屋に戻ってみると、そこにはかなり深く身体を斬られた夜一さんと怪文書製造機……改め、砕蜂さん(呼び捨てにするほど親密になりたくない)が治療を受けているのが見えた。あと、ルキアも転がっているようにみえるが……見たところ外傷は無いように見える。中身は知らないが。

 

「……随分と派手に斬りましたね。旅禍―――黒崎一護」

「……俺、あんたに名乗った覚えはねえんだけどな。まあ、初手から卍解使わせるわけにもいかねえし、できる限り手早く無力化しようとしたらどうしてもな」

「……朽木隊長をこちらへ。斬り落とした四肢も綺麗に並べて」

「うっす」

 

 背中に背負った四の文字。多分この人が護廷十三隊における最強の剣術家にして最恐の女、卯ノ花八千流だろう。見た目は優しげに見えるがそれはあくまでも見た目だけで実際には地獄の鬼すら泣いて逃げ出すような剣の鬼だと聞いている。あと、直接切り殺した数は恐らく現在の護廷十三隊の中ではトップ3に入るのは間違いないという話も聞いた。ちなみに斬り殺した数なら卯ノ花さんが上かもしれないが、純粋に殺した数なら間違いなく織斑さんの方が上らしい。生きていた頃に国を二つ三つ土地ごと物理的に消滅させたと言っていた。人間じゃねえ……おっと死神……いや生きてた頃だからやっぱ人間……?

 ともかく治療中に逆らってはいけない類の人間だという話は聞いていたので、言われた通りに白哉本人と斬り落とした腕と足を綺麗にくっつけて並べておく。なんかそれを見た卯ノ花さんがうずっとこみ上げた何かを抑え込んだような気配があったが、多分それに気付いてしまったらさらにうずうずされると思ったので流すことにした。対応自体は多分正解だと思うが、時々聞こえる鍔鳴りが超怖い。

 

「黒崎君!」

「井上? 早かったな。あと助かった」

「?」

「いや、気にしないでいい」

 

 本当に助かった。明らかに非戦闘員である井上が来てくれたおかげで鍔鳴りその他が収まったからな。マジで助かった。ここに井上大明神を祀る祭壇を立てよう。

 

「とりあえず、白哉を治してやってくれるか」

「え? !? わ、わかった!すぐやるね!」

「頼んだ」

 

 霊圧を考えなければ井上の回復術は死神たちの使う術よりだいぶ上っぽいからな。血が足りないとかそういうのはあるかもしれないが、これで少なくとも死ぬことはなくなるだろう。

 

「……素晴らしい術ですね。かなり特殊なようですが」

「らしいな。色々見て回ったけど井上みたいな術の使い手はいなかったし」

 

 さてと。それじゃあ俺は藍染って奴を止めに行くとしようか。できるかどうかはわからねえけど。

 




Q.なんで腹筋弾け飛びそうになってるんですかね?
A.ダイスの女神様大爆笑的な?

Q.一護君やりすぎこえてやりすぎすぎじゃない?
A.片腕斬り落として武器破壊して五分だと宣うくらいですからこのくらいするかなと。


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BLEACH~63

 

 side ■■■■明神

 

 時は遡る。私が行った世界への干渉が、いったいどのような物だったのか。それを辿るために。

 

 

 

 久し振りに私は目を覚ました。私の最初の探索者がしばらくぶりにこの尸魂界に戻ってきたのを感知したからだ。

 尸魂界内であればそこまで困るものでもないのだけれど、流石に尸魂界と現世ほども離れてしまうと私の意識は一時的に消えてしまう。本体ともいえる私の探索者の中にも私はいるけれど、やはり私はこちらだから仕方がない。

 

 賽を転がす。織斑一夏が壁を出るのと同時に壁が下りてくる幸運×6ロール……成功。

 賽を転がす。織斑一夏が面倒だからと皆殺しにしない幸運×8ロール……自動成功。

 賽を転がす。織斑一夏が修行を付けるかどうかを幸運×3ロール……クリティカル。いい感じにつけてくれます。

 賽を転がす。織斑一夏に精神世界で殺され続けた黒崎一護のSANチェック……失敗。5D6……22。発狂。

 賽を転がす。黒崎一護の発狂内容の決定……常軌を逸した四季崎ルキア救出への執着、加えて情動の一部欠如。

 賽を転がす。明日の十一番隊の夕食は極厚ヒレカツ定食おろしポン酢掛け。ごはんと味噌汁、漬物付き。希望者は有料で味噌汁を豚汁に変え、さらに豚汁にバターを入れるかどうかを選べる。

 賽を転がす。探索者に対しても修行が行われるか否か幸運×5ロール……失敗。錆落とし程度に収まった。

 賽を転がす。黒崎一護たちの平均的な成長度合いを1(1D3-1)……2。実力を瀞霊廷編から二つ進め虚圏編程度にまで。

 賽を転がす。織斑一夏がついてきてくれるかを幸運×0.1ロール……失敗。と言うか元々1%未満の事をできなかったからと言って私に当たられても困る。

 賽を転がす。黒崎一護が砲弾をちゃんと作れるようになるまでの時間を1D10……1。すぐできる。

 賽を転がす。瀞霊廷が黒崎一護の砲弾に気付いたかを幸運×1ロール……成功。藍染の幻覚でみんな見えてなかった。

 賽を転がす。今日の四季崎ルキアの夢はゲス顔Wピースな朽木白哉と愉快な仲間達(六番隊)のコーカスレース。

 賽を転がす。この状況の異常さに更木剣八が気付くかをINT×2ロール……成功。気付いた。

 賽を転がす。藍染の思惑に更木剣八が気付くかをINT×1ロール……失敗。気付けなかった。

 賽を転がす。この状況の異常さを更木剣八が誰かに伝えるか……自動失敗。戦い好きの更木剣八が伝えるわけなかった……。

 

 賽を転がす。侵入時に纏まって落ちることができるか幸運×5ロール……失敗。

 賽を転がす。探索者が砕蜂に捕まらない敏捷対抗ロール……自動失敗。捕まる。慈悲はない。

 賽を転がす。今回の怪文書はルイズコピペ。探索者の目が死んだ。

 賽を転がす。ちくわ大明神。

 賽を転がす。……はい、私です。

 賽を転がす。黒崎一護が落ちた位置にいる敵を設定……十一番隊第三席、及び五席。

 賽を転がす。黒崎一護が斬り倒した阿散井恋次を治せる四番隊員を都合よく見つけられるか幸運ロール……クリティカル。治せる上に味方になってくれる山田花太郎が迷子になっていた。

 

 賽を転がす。雛森桃が藍染惣右介の死体(?)に気付けるか……自動失敗。雛森桃にSANチェック。自動失敗からの10D3……18。発狂。

 賽を転がす。雛森桃の発狂内容を設定……殺人衝動。自身を含めた周囲の人間に斬りかかる。

 賽を転がす。目を覚ました雛森桃が自殺しないか発狂&幸運ロール……成功。目を覚ました時日番谷冬獅郎がいたため止められた。

 賽を転がす。瀞霊廷中にこっそり隠されていたパンジャンドラムの一部が戦闘に巻き込まれて誘爆、多大な被害を出す。ついでに本来茶渡が戦うはずだった八番隊の隊長はそれに巻き込まれて一時別の場所へ。

 賽を転がす。石田の戦闘カット。

 賽を転がす。なんかよくわからないがなんかなってなんか井上織姫と涅ネムが少し仲良くなった。

 

 賽を転がす。黒崎一護が四季崎ルキアを助け出す際に邪魔が入るかどうかの幸運ロール……ファンブル。朽木白哉参戦に加え、近くにいた浮竹十四郎、狛村左陣、東仙要までもが参加。なお蹂躙される。

 賽を転がす。藍染惣右介が次に見る夢はバニーガールな山本元柳斎重國五人に囲まれてお酌()や接待()される夢。ついでに寝起きに悲鳴を上げるかどうかも……上げないのか。残念。

 

 この後、私は実に百年以上振りに探索者に呼ばれることとなる。と言っても探索者は私の詳しい能力については知らず、賽子を振って出た目が小さいほどいい事が起こる、程度の認識であるようだが。

 ともかく私は世界を動かす。ただし、時折動かせない相手もいるのだが。

 例えば、寝ている織斑一夏。動かそうとすると間違いなく破壊を齎すし、その破壊はちょっとした広さではとてもとても抑えきれない、結局目的のためならば手を出さないようにするのが一番だ。あれは、無理。

 




Q.知らん事とか色々あるんですけど!?
A.ネタ度も高いね!グッピー殺し!

Q.一夏は若干扱いづらいとか書いてあるけど?
A.一夏だからね。仕方ないね。


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BLEACH~64

 

 side 黒崎一護

 

 双極の上に眼鏡をかけた優男が見えたのでとりあえず超遠距離から突きの月牙をぶち込んでみたんだが、片手で払われた。マジかよあいつ人間じゃねえ……あ、死神だったわ。

 月牙で俺の居場所がばれたようで俺に視線を向けたかと思うと嫌な予感がしたので即座にその場を離脱。すると直前まで俺の居た所をなんか異様に太いビームが貫いていった。多分鬼道って奴だろう。斬魄刀の能力にしては刀を向けるだとかそういう動作がなかったし、そのくらいならなんとなくわかるようになった。

 まああくまでもわかるだけであってそれに対処する方法とかはわからないんだけどな。真正面から撃ち落とすとかそういうの以外は。

 

 そんなわけで逃走―――しようとした瞬間再び嫌な予感がしたので斬月を背後に回す。するとそこにはさっき双極の丘の上に居た藍染が。瞬歩は慣れれば視界範囲内なら移動できるようになるとか聞いたことはあるけど俺も瞬歩で逃げてんのに余裕綽々で追いつくのかよ!?

 

「どこへ行こうと言うのかね?」

「剣八と同じかそれ以上にやばいと思ったから他の隊長格が集まる場所まで誘導しようかと」

「正直なことだ……できると思うかい?」

「やらないと死ぬなら無理でもやるさ」

 

 斬月を通して伝わってくる強さは、これまでで最高のもの。総隊長の流刃若火の炎が相手でもあそこまでの圧はなかった。まああれは零れただけの炎を相手にしていたからかもしれないが、まさか威圧感において剣八以上がいるとは思いもしない。織斑さん? あれは別格すぎて比較対象にならないから……。

 まあ、織斑さんより弱くても俺より弱いとは限らない。瞬歩と飛廉脚を合わせて全速力で走ってるってのに当たり前のようについてきている事からも藍染が今の俺よりも強い事が窺える。

 

「まったく、今回は僕の目的は達成されていたからこれで失礼しようと思っていたというのに、君のような血気盛んな若者に襲われてしまってはたぎりが抑えきれないじゃないか」

「あんた同性愛の気でもあんのかよ」

「ないよ殺すぞ」

「じゃあ戦闘狂の気でもあんのかよ」

「そっちはあるよ」

「あるのか」

「あるよ」

「じゃあ俺と本気で死合おうや」

 

 瞬間、俺と藍染の間に馬鹿みたいな霊圧が降ってきた。その直後、金属と金属のぶつかり合う音が耳元でダイナマイトでも鳴らしたかのような音量で響き渡る。何かが割れる音がした気がして空を見れば、そこには俺達が破ってきた瀞霊廷を覆う遮魂膜に入った巨大な皹。原因は―――間違いなく今起きているぶつかり合いによるものだろう。

 

「よう、藍染。殺しても死なねえと思ってたから敵になってくれて嬉しいぜ」

「ああ、貴方はそういう人だったね、更木剣八」

「お前も三割くらいはそうだろうが?」

「否定はしないでおこうかな……それで、いつから気が付いていたんだい?」

「あァ? んなもん織斑の奴が一月も長期休暇取って瀞霊廷の外に出たって時点で何か起こると思ってたぜ? 上の奴らは織斑の奴をできるだけ自分の目の届かないところに置いておきたくねえだろうってのは知ってた。だってのに突然長い休みを取らせたんなら……なぁ?」

「……なるほど」

 

 ……この状況じゃあ流石に手が出せない。と言うか出したら間違いなく剣八に斬られる。楽しい戦いのために俺を二度も見逃している剣八なら、そのくらいの事はやる。

 

「剣八! 他の隊長たちはどうした!?」

「あ? 大体斬ったぜ。一応殺さねえように加減してやったが……あいつらじゃあ百年経ってもそこそこしか楽しめそうにねえな」

「それはお前が強すぎるのが原因だと思うんだが……」

 

 つーかやべえなこの二人。一体何をどうしたらこんな風になるんだよ? 二人とも聞いた限りじゃ広域破壊系の能力を持つ斬魄刀は持ってねえらしいのに、剣の一振り一振りで瀞霊廷が揺らいで遮魂膜に皹が入ってやがる。流石に遮魂膜が崩れ落ちるとか言う頭のおかしいことにはなっていないが、皹が入ったまま振動が繰り返されるせいで遮魂膜同士が擦れあって上げる軋みが酷い。すげえ五月蠅い。こんなこと言ってる場合じゃないし、何ならマジで尸魂界全体の危機だってのもわかってるつもりではあるんだがそれでもうるせえ。

 そして、今の俺じゃあどうにもならないということはわかった。卍解に虚化を重ねてもどうにもならないだろう。この状況で滅却師の能力まで重ねる気にはならないからそれが限界だしな。

 

 なら俺にできることは、藍染と剣八の攻撃の巻き添えにならねえようにこの場から離れるだけ。そもそも俺の目的はルキアの救出だ。藍染の目的がルキアの中にあった崩玉とか言うもので、既にそれを取り出された後だってんならわざわざ藍染とこの場で戦わなければいけない理由もない。

 ……まあ、置き土産くらいは残していくけどな。

 

 仮面を出さずに一瞬だけ虚化し、卍解をしていない斬月を振るう。虚の霊圧を込められた月牙は黒く染まり、薄く薄く研ぎあげられて停滞する。

 その場に繰り返し全く同じように全く同じ場所に月牙を配置し、それらを全部まとめて藍染と剣八の戦っている戦場に見えにくくして設置する。これで準備は整った。

 よし、逃げるか。

 




Q.剣八察しが良すぎない?
A.ちくわ大明神のお達しですからね。仕方ないね。

Q.一護は何をしてるの?
A.ほぼ嵌め技?


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BLEACH~65

 

 side out

 

 更木剣八と戦う藍染を中心に、護廷十三隊の隊長陣が揃う。山本元柳斎重國。卯ノ花烈。傷を治した朽木白哉。狛村左陣。京楽春水。東仙要。日番谷冬獅郎。浮竹十四郎。これだけの数の隊長陣を相手にしては、いくら完全催眠の能力を持った藍染とはいえ勝つことはおろか逃げることもできるわけがない―――

 

「等とそんなことを考えていたのだろう? 私からすれば実にお笑いだ」

「……爺さん、あんたこんな弱かったか?」

 

 僅か五分。周囲への被害を考えていたとはいえ、更木と戦いながらの片手間で護廷十三隊の隊長陣はほぼ全滅。立っているのは藍染と更木、そして東仙の三人のみ。見事に蹂躙されていた。

 完全催眠と言われる幻術により、隊長たちの視界には全く別のものが見せつけられる。それは例えば匂いを視覚化したものであったり、口の中に広がる鉄の味が音楽として聞こえてきたり、指先で触れる物の感触が口の中に味として広がったり、それまで生きてきた中で全く経験のない状態に陥っていた。

 平衡感覚と位置覚が入れ替わり、聴覚が触覚と味覚の三つで入れ替わり……そのような状態でまともに動けるはずもない。致命的だったのは、霊圧知覚が痛覚と入れ替わったことだろう。藍染の霊圧を感じ取ろうとする度に痛みが走る。元から霊圧知覚をほとんど使っていない更木剣八を除き、その場にいたほぼ全員がその痛みに耐えられずにいた。

 

 今ここには初めから視覚を持っていない東仙要と鏡花水月を握る藍染惣右介、そして藍染惣右介の霊圧以上の霊圧を体内に押し込められ続けているために完全催眠に陥っていない更木剣八の三人だけが立っていた。

 

「何やったのかはわからねえが、やるな、おい」

「それはどうも」

「今の状況からして……そいつも敵ってことでいいんだよな?」

「そう。東仙要は僕の部下だ」

「そいつ弱いぞ。鍛えてやったらどうだ」

「鍛えてこれさ」

「……見る目ねえな」

「胸が痛いね」

「織斑の奴に任せてみたらどうだ? あいつなら三日あれば猫でも獅子にできんだろ」

「虫を竜にするくらいでなければ難しいと思うがね」

「そうか。まあ死ね」

「断るよ」

 

 会話の最中にも関わらす剣戟が飛ぶ。性に合わないからと一日足らずでやめた剣道ではなく、しかし戦いの中で手に入れた自己流でもないそれはまさに剣術。細かい技は面倒だと覚えもしなかったが、いくつかの使いやすく効果の高い技だけを織斑から勝手に学んだ。

 例えば、この技もその一つ。

 半歩にて音を超え、一歩の時点で敵に隣接し、二歩目で敵の足を踏み砕き、斬る。本来は一歩目にて接近し二歩目で敵の足を奪い三歩目で敵の頭を拳で打ち抜く三歩必殺だが、剣ならばそこまでの溜めも必要なく速度と勢いを殺さないままついた方が手っ取り早いという事で省略した技だが、はっきり言って剣八にとっては普段やっている事と変わらない。ただいつもより少し力が入りやすくなる程度の事だ。

 そしてそれを藍染は真正面から受け止める。ただ受けただけでは鏡花水月を折られかねないことを理解して、霊圧で覆い、強度を増した状態で。

 瀞霊廷中に響き渡るような金属音が波となって周囲を砕く。音そのものが衝撃波となって大気を揺らす。

 

 藍染は表面上余裕の笑みを浮かべていたが、ひっそりと冷や汗も掻いていた。自身は限定霊印を外していて、剣八は外していない。霊圧放出量を五分の一に抑えられてなお自身と剣で打ち合うことができるというのはあまりに驚きだ。限定霊印によって体内に抑え込まれ、濃厚になりすぎた霊圧のおかげで鏡花水月の完全催眠にかからずにいるのだから限定霊印は必須かもしれないが、その状態で自身と戦える者など一人しかいないと思っていた。

 藍染が四十六室を殺害したのは、彼らがいては今回の計画が決して上手くいかないだろうということを理解していたのに加えてもう一つ。自身より間違いなく強いと言い切れる相手である織斑一夏を瀞霊廷の外に出すことで自身の計画から排除しようとした事に遡る。あと自身の限定解除を自由に行うことができるようにと言うのもあったがそれはほぼおまけのようなものだ。

 そうして藍染は十分な戦闘能力と自由に動くことができる状況、そして天敵ともいえる相手を一時的にではあるが排除することまでできるようになったために目的のために行動に出ることができるようになった。

 想定外だったのは黒崎一護の異常なほどの成長速度とそれによって四季崎ルキアが処刑前に奪われてしまったことだったが、それについても二番隊の隊員をそこそこの数催眠にかけてしまえば十分に取り戻すことができた。

 

 ……しかし、自身と同じように限定霊印で縛られ続けていた更木剣八がこうして目の前に立つことも、限定霊印を解除していないにもかかわらずこれほどの実力を持つことも予想できていなかった。藍染の背筋を伝う冷汗がそれを如実に語っていた。

 藍染の思考はすでにこの後どうやって更木から逃れるか、という点にのみ絞られていた。

 




Q.えっぐぅ……
A.まあいきなり匂いで物を見ろとか言われてもできるわけありませんからね。一番手っ取り早い方法です。

Q.ちなみにこれを考えたのは?
A.一夏です。


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BLEACH~66

明日の投稿は少し難しいかもしれません。



 

 side 織斑一夏

 

 ……うっせえな。

 

「あれ? どこ行きますん?」

「ちょっとうるせえのを黙らせてくる」

「さいですか。うちの子たちも寝てますんで、できるだけ静かに頼んます」

「おー。憶えてたらな」

 

 

 

 

 

 side 黒崎一護

 

 嫌な予感がする。と言うかなぜか嫌な予感が止まらない。具体的にはあれだ、精神世界で上下を含めた全周囲から月牙ぶち込んでもびくともしないパンジャンドラムが編隊を組んで飛んできた感じの嫌な予感だ。そう、多分回避不能って意味でもな。

 このまま全速力でここから離れたいが、そうするとここに仕込んだのが全部無駄に……いや、もしかしたら未来でいつか役に立つ時が来る可能性も無きにしも非ずか? 多分ないと思う、と言うか無い方がありがたいんだが織斑さんがいるからな……多分暴発したとしてもなんとかしてくれるだろ。

 

 既に状況は変わった。藍染と剣八の戦いは一旦終わり、藍染とその部下である東仙は空から差し込まれた反膜(ネガシオン)というものによって完全に守られながら空に昇って行っている最中だ。なんでもあの光はその中の物を完全に守り切るとか言う話だが、始解を使った剣八の一撃で皹が入っていた。皹が入ったとわからないほどの速度で修復されたが、どうやらあれは完全と言う訳ではないらしい。いや、剣八の始解レベルの一撃が必要ならあれはもう完璧と言っても―――いいやぱんじゃんどらむじゃないんだからかんぺきとはほどとおいそんなものはこうちゃをけいこうせっしゅしているだけのおれでもじゅうぶんにりかいできることであってわざわざれっせいされたほかのかたがたにうかがいをたてるまでもないかいてんがたりないんだよかいてんがあとしゅんじになおるのならばそれをりようしてしゅんじにばくはしてまわりにひがいをばらまくとかくらすたーのようになるとかざんげきにかぎらすこうげきをうけるときにかいてんしながらうけることによってひがいをへらすとかいろいろとできることはあっただろうにいったいあれのどこがかんぺきだというのかまったくわからないたぶんあれはかんぺきなどではなくただただかたいだけのおきもののようなものにちがいないちがうわけがないちがうなどということはありえないあれはおきものあれははりぼてゆえにきっとぱんじゃんどらむによってもじどおりもくずときえさるうんめいなのださあともにぱんじゃんどらむをたたえよぱんじゃんどらむをあがめよこうちゃをきめてまーまいとをおかずにすたーげいじーぱいでおまつりだわーいわーいおりむらさんやさしいやったーおりむらさんやさしいやったーおりむらさんやさしいやったーおりむらさんやさしいやったーおりむらさんやさしいやったー(発狂)

 

『目を覚ませ!』

 

 斬月のおっさんにひっぱたかれた。なんか嫌な予感がしたせいで一時的に発狂してしまったらしい。精神分析で何とかしたらしいが、俺が今みたいに発狂すると俺の心象世界に巨大なスターゲイジーパイが乱立して一つ一つが樹齢数百年近い樹木ほどもある魚の頭が星を眺めながら旧支配者のキャロルを唄いゼリーの泉を泳ぐ鰻が水音で歪んだ伴奏を付けるせいで中にいる斬月のおっさんや虚の俺も発狂しそうになるんだとか。

 ……なんか、わりい。

 

 なんだかんだしている間に藍染が浮き上がり、ゆっくりと割れた空に吸い込まれていく。そして光の中で藍染は眼鏡を握り砕き、言った。

 

「私が天に「ハイ失礼」ブベェッ!?」

 

 ……光の中にピンク色のドアが現れたかと思うとそこからすっげえ見覚えのある顔が出てきて藍染の顔面を地面に叩きつけた。浮いていた足場が藍染の頭で砕かれ、藍染と織斑さんが地に落ちる。

 

「お前さ、うるせえんだよな。わかる? うるせえの。ギャリギャリギャリギャリと馬鹿みたいに雑音たてやがって何様のつもりだオラ言ってみろ。と言うかさっきのなんだよ私天ってあれか臓物の天ぷらか食わせてやろうかヤギの臓物にヤギの臓物と体液詰めてヤギの油で揚げた奴をよ」

「ブヘッ!ベベェッ!?」

「安心しろ下処理はやってやる。イギリス式の下処理だから生臭さはそのままだし味もよくねえけどな」

 

 ……なんつーか、流石織斑さんだわ。俺達があんだけ苦労した藍染をああも簡単に打ち伏せるとか……今もなんとか浮き上がろうとしてる藍染の身体を何度も叩きつけてるし、流石だわ。

 いやその前になんで当たり前のようにあの中に入ってるんだ? なんか内側と外側は完全に隔絶されてるから無理だとか言って……ああいや剣八がぶち砕こうとしてたし完全に隔絶されているわけじゃないのか。それにそもそも内側と外側で会話が成立してるから完全な隔絶とは程遠い気もする。

 まあ、音や光が通るんだったらその道を通って織斑さんなら十分入れるな。どうやって入るのかは正直なところ全く分かんねえけど。

 

 まあきっとあれだぱんじゃんどらむだぱんじゃんどらむはすべてをかいけつするだってほらなんどもたたきつけられているあいぜんのあたまのきせきがぱんじゃんどらむのごとくえんをえがいているだからきっとあれはぱんじゃんどらむにちがいないぱんじゃんどらむならばなにがおきてもおかしくはないなぜならぱんじゃんどらむはぱんじゃんどらむでぱんじゃんどらむのぱんじゃんどらむにぱんじゃんどらむなぱんじゃんどらむゆえにぱんじゃんぱんじゃんぱんじゃんぱんじゃんぱんじゃんぱんじゃんぱんじゃんぱんじゃんぱんじゃんぱんじゃんぱんじゃんぱんじゃん

 

『目を覚ませ!』

 

 斬月のおっさんにひっぱたかれた。

 




Q.完全に発狂していらっしゃるんですが
A.一護は発狂していると前にどっかに書いた気がするんで今更ですね。

Q.どのあたりがパンジャンなの?
A.回ってればパンジャン?

Q.区分けが雑ぅ……
A.マーマイト茜ちゃんが言ってたから間違いないと思うんですけどね……。


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BLEACH~67

 

 side 黒崎一護

 

 自分一人が入ることはできるが他の奴を連れて出ることはできないらしい織斑さんは藍染を気が済むまで静かにさせてから思いっきり上にぶん投げた。大気摩擦か何かで着物がはだけてふんどし姿で飛んで行ったが、まあ見ている奴はそう多くなかっただろうから致命傷ではないだろう。多分。あっちでどういう風な扱いになるのかは知ったこっちゃねえけど。あの飛び方だとあっちで落ちた時車田落ちになるか犬神家になるかの二択だと思うけど。

 今の状況を言葉にして表すならば、気が付いたら全てが終わっていた、とでも言うべき状況だ。なにしろ夜一さんを除いた俺達と剣八以外は誰一人として立つこともできないまま倒れ伏していて、その俺と剣八は藍染が光の柱の中で織斑さんにマウント取られてボコられていくのを見てることしかできなかったのだからそう言いたくなる気持ちもわかってもらえるだろう。剣八は剣八で何十回も光の壁を切りつけ続けていたが、結果は大して変わらない。俺も俺で月牙を何千と重ねて圧縮して、ついでに不可視化して罠として置いておいた月牙も総動員して全部使って卍解して斬りつけてみたんだがそれでも剣八と同じかやや劣る程度の傷しか入れられなかった。

 

 で、織斑さんはさっさと帰って行ってしまったわけなんだが……俺はこの状況をどう説明すればいいんだ? 藍染が鏡花水月を解除したのか護廷の奴らは続々と起き上がってきているが、一応敵対関係は解消してる……ってことでいいのか? 俺は大分暴れまわった自覚があるんだが。

 まあ、最悪の場合かくかくしかじかでいいか。あと夜一さんに押し付けるとかな。正直技術的な面とかについては一番詳しいのは浦原さんで、浦原さんがここにいない以上は夜一さんってことになるんだろうし。

 

 井上に任せてきた以上、白哉や夜一さんが死ぬことはないだろう。それに四番隊の隊長さんもいたし、大丈夫なはず。隊長をやっている以上、霊圧の回復については花太郎よりずっと上なはずだしな。そもそも井上以上に回復がうまい可能性だって十分あるわけだし。

 それにもとはと言えばここの所属の藍染が原因だったわけだし、俺が悪くないとは言わないが主体は藍染だよな?

 

「ちなみに藍染を放置しておいたら色々とやらかすのは間違いないと織斑の奴は言っていたから俺とあいつの下である三席においていたのを四十六室の奴らが強制的に異動させたせいでもあるな」

「マジかよ……と言うかそれって何年前だ?」

「百年以上前だな」

「百年以上前から察してたのか……」

「織斑だからな」

「超納得した」

 

 織斑さんだからか。だったら納得するしかねえな。だって織斑さんだしな。

 

 

 

 

 

 side 織斑一夏

 

 遺憾の意。

 まあいいや。とりあえず静かになったし、もうひと眠りするとしよう。

 

「あら、おかえりなさい」

「おかえり~」

「おー。とりあえず暫くは静かになるだろうからもう暫く寝るわ」

「ほんっとよく寝るなぁ……まあここはあったかいしなぁ……」

 

 こいつらは本当にいつまでたってもお熱い夫婦だこと。今も膝枕してもらってるし。

 それに、子供たちも近くですやすや眠っている。原作では気に入った相手を丸呑みにするとか何とか言ってたやつが、平穏の中に身を浸しているとここまで丸くなるのか。乱菊の方も面倒臭がりではあるが結構家事とかも上手いし、酒もあまり飲まないようにしているようだし、変われば変わるもんだ。

 世界は多分原作のそれより多少は平穏だ。なにしろ原作では起こっていた滅却師たちの面倒事は滅却師が現世に残った一部以外に居なくなったおかげで起きていないし、それによって死神たちが一気に殺される千年血戦篇は多分起こらない。一応起こる可能性が皆無という訳ではないんだが、多分無いだろ。

 ……あ、これフラグか。一応備えとこ。無いといいなぁ。面倒だし。

 

 さてこれから俺は寝るんだが、その前に一応色々作っておこう。最近はパンジャンドラムばっかり作っていたからそろそろ別の物でも作ってみるか。

 

 そういう訳で自走するパンジャンドラムを安全確実に目的地まで運搬するパンジャン母艦を作ってみた。結果的にパンジャンに関係ないものを作ったから問題ないな。いや、タイヤは平和利用されたパンジャンドラムなんだったっけか? じゃあみんなパンジャンドラムってことでとりあえずパンジャンフォー。

 なお、パンジャン母艦の中では無限の材料によって超高速で作り上げられるパンジャンが編隊を組んで静かに並んでいます。発進するときにはパンジャン母艦の横と上が開いてパンジャンドラムが編隊を組んだまま空を飛んだり大地を疾走したり遥かなる蹂躙制覇しようと雷を纏ったらその瞬間爆弾に触れて誘爆したりするよ。爆発したら当然他のパンジャンにも誘爆するからカラダニキヲツケテネ!

 なお一回思いっきり誘爆して周囲が火の海になったが五分で元通りに直した。まあ燃えてる所を消して元の形に直せばいいだけだからな。これだから世界の創造とかそういう系の技術はめっちゃ便利なんだよ。直しついでにパンジャンドラムの胸像を作ってみたが後悔はしていない。実用できるしな。

 ん? パンジャンドラムの胸はどこか? 気にすんな。

 




Q.藍染はどう落ちたの?
A.砂漠に突き刺さるスケキヨっぽくなりました。

Q.パンジャン母艦とかお前……
A.パンジャンはボカン!(爆発)するものでしょうに何言ってんのやら。


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BLEACH~68

 

 side 織斑一夏

 

 一か月の間暇になるはずの予定だったんだが、上からの命令が藍染の出した偽の命令だったという事で一か月間の長期休暇はなくなってしまった。そういう決定を出してくれやがった総隊長の爺さんの自室にパンジャンドラムを転がしておいたので報復はこれでいいとして、後は色々と壊されていた建物なんかの修理をさっさとやっておく。

 霊子を使っているので一見普通の壁にしか見えないようにしたが、実はこれ内側が金属製なので俺の意思で爆破できる。初めのころは難しかったが最近は霊子の金属でも爆破できるようになってきた。いや、昔も単純にやりにくいだけだから全くできないわけでもなかったんだが、斬魄刀に触れたら爆破させるとかそういう感じに使ったら斬魄刀は折れるが目に見えるほどの爆発は起こせない程度だったからな。慣れって凄いわ。

 一応隊長である俺がさっさと動いて建物やら何やらを直してしまうので他の隊員たちもかなり必死に直そうとしているようだが、まあ追いつけんわな。だってわざわざ崩して基礎を組みなおして土盛って壁塗って……なんてやってる横でポンっと出すだけだもの。なお一部が崩れているだけの壁は滅却師の霊子集束を使って分解して組みなおしている。便利。

 

 さてそれはそうとして、藍染相手に文字通りに手も足も出なかった護廷十三隊の皆さんを相手になんでか俺が修行を付けてやる羽目になった。これも更木の奴が「なんかわからねえが光の柱の中に直接現れて藍染ボコってた」とか言ったせいだ。更木は一番に全身の関節を外して転がしてやった。意識はしっかりしたまましばらく呻いているがいい。

 ……呻いてろっつったろうがなんで少しずつ自分の筋肉の力で関節嵌めなおしてんだよ馬鹿か。

 

 さてまず最初に、俺はそもそも毒物とか幻覚とかそういうのが効きません。体質で。そのため鏡花水月とか俺の前では実質ただの剣です。だからまず体質改善から始めねえと俺と同じようにするのは無理だね。しゃーない。

 それから基本あれは初見殺しオブ初見殺しだからほんと気を付けねえと一発目で詰むから気を付けろよ。もう遅いが。どうしてもあれと真正面から戦いたいなら完全催眠に対しての対策をしておかないとな。もう無理だが。

 ……ん? 更木は耐えてた? あれは結構簡単でな。霊圧を自身の身体の中に限界以上にため込むことで催眠に使われる相手の霊圧を身体に入れさせないようにするからできるんだが、藍染の場合それを実行するのに必要な霊圧がそれこそ化け物レベルで必要になるし、そもそも藍染の霊圧自体がキチガイだし、放出量を五分の一に抑え込むということは即ち体内にため込まれる霊圧は雑な計算でもおよそ五倍程度にはなるわけだ。その状態で藍染と戦えるって自体おかしいからまず無理だぞ。更木はあれおかしいから。霊圧を五分の一にされたなら放出された後の霊圧をもう一度圧縮しなおして威力上げるのを本能的にやってるとかあれはまともな人間でも死神でもねえから。マジで。

 

 そういう訳でまずは人間をやめるところから始めようか。大丈夫、人間を辞めたところで死ぬわけじゃないし、そもそもお前ら死神であって人間じゃないから第一条件はクリアしてるしな。

 霊子体を強化するには意志の力が重要になってくる。少し考えてみればわかると思うが、護廷十三隊の隊長陣ってのはどいつもこいつもキャラが濃いだろう? それはつまりある程度以上変わり者でなければそこまで強い意志を持つのは難しく、そして強い意志を持たない物はそこそこまでしか強くなれないということを示している。だから強くなりたいのならば自身の目指すところを明確にし、そこに行くために必要な物を見つめ、なにがなんでもそれを手に入れるという感情を強く強く持つ必要がある。

 ちなみに俺の感情は『俺の睡眠を邪魔する奴を問答無用でブチ転がす』だ。そのために強くなったと言っても過言ではない。今のところそれができなかった相手は……ドラゴンボール世界には結構いた気もするが、工夫すればなんとかかんとかそいつらも殺せた。時間の存在しない空間に閉じ込めて永遠に放置するだけの簡単なお仕事だ。たまに止まった時間の中を平然と動き回ったりする奴もいたから面倒臭かったな。

 

 ちなみにどうやって人間やめるかと言うと、藍染の霊圧がどう頑張っても体内に侵入してこなくなるまで霊圧を高めるか体内に霊圧をため込めるだけため込んで鎧にしてもらう方法をとった。ちなみにこれを完璧にこなすと死神と言う時間の流れがめちゃくちゃ遅い存在の中にあってなお不老不死とか言われるくらいになれるぞ。俺みたいにな。

 これ要するにH×H世界における纏みたいなものだからな。ちなみに俺は念を覚える前から通常の生み出すオーラが多すぎて普通に念を使ってる奴らが見えてたとか言うね。股間おっ勃てて迫ってくる変態クソピエロが気持ち悪かったです。(小並感)

 

 ……冗談みたいな方法だが結構効率的なんだよ。と言うか多分これが一番効率的だと思います。

 




Q.大丈夫? 数時間後にもっと効率のいい方法見つけたりしない?
A.全員に鏡花水月の欠片を持たせておけば実際には万事解決したりして……。

Q.……え? じゃあその修行の意味は?
A.強くはなれますよ?


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BLEACH~69

 

 side 織斑一夏

 

 正直心底面倒ではあるが一応これでも護廷十三隊の隊長格の一人である以上は責任ってものがある。ちなみに一月の休みを取る際に旅禍の襲撃やらなにやら用の書類も用意しておいたせいで痛くもない腹を探られる羽目になったがこれは仕方ない。俺だってそんなものを当然のように用意されていたらそいつの腹を探る。

 ちなみに藍染に通じていたんじゃないかと言われたが、通じてはいないが多分いつかこういうことはするだろうと思ったし四十六室から俺への長期休暇の命令が出た時点で絶対事が起きるなと考えてできる準備だけはしておいたことは伝えておいた。毎度毎度四十六室からの命令とかが鬱陶しくてできることなら皆殺しにしたかったとかそういうことは心の中に秘めておいたからばれてないばれてない。よしんばばれていたとしても今の俺を相手に何か言える奴は存在しないから問題ない。ついでに俺自身は実行してないから何も悪くない。原作知っててまず間違いなく四十六室全滅するだろうことを知っていたけど俺は悪くない。

 

 なんでか罰は受けたけどな。俺は何もしてないってのに。何もしていないのが問題だとか言われたが、だったら今度から俺が必要だなと思ってそれをやっている最中に罰とか与えんなよと返してみたら黙った。でも罰は受けた。腹が立ったので一番隊の隊費で瀞霊廷を覆う瀞霊壁の改造を実行しておいた。瀞霊壁は円形なので、いいパンジャンになることだろう。

 

 さてそれは置いといて、今後藍染が何をしてくるかはなんとなくわかっているので現世組にもっかい修行しておくかと聞いてみたところ、全員修行を受けることに同意してくれた。主人公は今発狂中だから治しておいた方がいいだろうしな。

 そういう事で再びの修行パート。そこに早く死神の力を取り戻したいルキアともっと強くなりたい恋次、ついでに一護にぼっこぼこにされた隊長格であり、ついでに俺の修行も受けたことがある朽木も参加することになった。と言ってもやること自体は変わらない。方向性を定めてそれを説明し、そしてそれを伸ばしていくだけだ。

 

 まず主人公。発狂状態だがどうせこの修行でも発狂するのは確定しているのでこのまま行く。

 こいつが目指すところは万能の極地だ。虚と死神、そして滅却師の能力を同時に扱いきることができるようにすることで戦闘力を飛躍的に高める。なお、個人でそれをするなら挫折やら何やらを味わってからでないと難しいが、挫折の代わりに高い壁として俺がいる。こいつ以上に死神の力を持ち、こいつ以上に滅却師としての力を持ち、こいつ以上に虚の力を扱い、こいつ以上にそれら全てを上手くまとめ上げている。完現術についてはまだこいつは知らないから除外な。

 ……と言うか原作において最後の方の戦いで完現術は役に立ってなかった気がするんだよな。そもそもその存在そのものがほとんど忘れ去られていた気さえする。

 だが、こいつには虚の力がある。虚ってのは大抵の場合何かしら固有の能力を持つものだが、それを上手く使えるようになれば色々と便利なこともできるだろうからそれを目指していかせようと思う。

 

 お嬢ちゃんと茶渡の完現術組は新しい技術を与えるために猛毒刀与を行う。虚としての霊圧をもう一度魂に浸みこませることで別の能力の開花を目指していくわけだが、おそらく事前にある程度方向性の決まった完現術を発現している以上は似たような物になると思われる。お嬢ちゃんなら盾、茶渡なら鎧だな。恐らくだが。

 ただ、毒刀は俺の中の虚の力を使っているからはっきり言って結果が読めない。流石にこいつらの魂を食い荒らしたりはしないだろうが、修行時間についてわがままを言ったりしたら突如身体を乗っ取って全裸になり白目をむいて尻を叩きながらベッドを使った踏み台昇降運動を繰り返しつつ『びっくりするほどユートピア!びっくりするほどユートピア!』と繰り返し叫ぶ羽目になるかもしれないが、まあ修行時間の事をちゃんと伝えておけば多分大丈夫だ。多分な。

 

 滅却師であるモヤシは……完聖体にはならないだろうが代わりに俺から能力を与えておこうと思う。具体的には聖文字『A』だ。流石に全知全能は無理だが完全反立なら与えることができる。そういう能力を与えられる物質がこの世界に存在する以上、それを再現すれば同じようにすることは十分に可能だからな。まあ本当に再現してしまうとユーハーヴェーハの聖別で魂ごと持ってかれてしまう可能性もあるから基礎を俺の地にして再現するんだが。

 あと最終形態あるいは完聖体の安定使用を可能にするための修行だが、これに関してはもう慣れろとしか言えない。ただ俺に言わせてもらえれば霊子の集束力が人間の限界を超えるから滅却師の力を失うならば完聖体になることで霊子の隷属及び絶対隷属をやっているあいつらが能力を失わないわけがないのでやりようは間違いなくある。それに消えた能力を戻すこともできるしな。

 

 そして隊長陣だが……今回はこいつら主体でやってくことにするか。このままだとマジで藍染相手に何もできないまま十刃に殺されかねん。

 




Q.まだ強くすんの……?
A.最終的に原作終了時より強くなると思われます。

Q.白哉はどの程度強くするおつもりで?
A.一護と張り合え……ごめん無理。


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BLEACH~70

 

 side 織斑一夏

 

 修行だ修行。そういう事でまずは死んでもらいますね^^

 ……と言うのは流石に冗談としても、霊圧によって圧縮した時間にも限りはある。主人公は霊圧においてはかなりでかいが、それでも現状主人公以上にでかい霊圧を持つ奴は結構いたりするからな。藍染とかもその一人だ。

 

 まあそれはそれとして、今回の目標はとりあえず主人公が虚圏に行った時に死にかけることがない程度にまで強くすることだ。第六刃と第四刃に襲われてもなんとかできるようにするってこったな。可能不可能で言えば十分に可能だが、今の主人公ができるのは卍解と仮面だけの虚化、滅却師の動血装と静血装。ここから何をどう上げていくかによってここから先の能力値が大きく変わっていくことが予想できるわけだが……とりあえずは死神を基礎にして上げていった方が精神的にもいいだろう。

 じゃあどうするかだが、原作でもあった霊王スケールの修行を今付けることにする。ちょっと……ちょっと? 大分? 早いが、まあ何とかなるだろう。実際原作において当時のあいつはあの湯とかに対して全く意に介していなかったからな。今でも多少はきついだろうがしかし我慢はできる範囲だと思われる。服に関しては……知らん。適当に新しく出しておくくらいだな。

 

 ……こういう時には主人公が女体化とかしてなくて本当に良かったと思う。普通に考えてセクハラってレベルじゃねえもんな。サスケ? あいつはほら自分から言ってきたから……。

 そんなわけでまずは霊王スケールで傷を治し、霊王スケールで飯を食わせ、霊王スケールの服を与え、しっかりと体に力を蓄えさせる。その上で霊圧をガンガンかけて身体の強度を上げ、斬魄刀を虚と滅却師の力に分けで打ち直す。某一番いけてる零番隊士のようなことをしなくとも十分できる。と言うか状況を整えるだけなら不可能なわけねえんだよな。ここは俺の世界だし、ついでに言うならあいつのはあくまでも技術であって特殊な固有能力ではない。技術であるなら再現性がないわけがない。

 そんなわけで斬月は二振りになりましたとさ。主人公はマジビビりしてたが知ったこっちゃない。『えっ待ってなんで二振りになってんだ意味わかんねえファーーーwww』みたいな感じになってたがよくあることだ。慣れろ。

 

 あと二振りに分けたことで虚の力の制御も恐らくしやすくなったはずだ。問題は今まで大刀一つだったのが双剣になったことで使い勝手がかなり変わることくらいだが、最近は月牙を剣の形に固めて双剣もどきとかできてたはずだから大丈夫だろ。多分。

 虚の扱いがしやすくなったと言うか、そもそもこの主人公様の場合は死神の力と虚の力が完全に合一しているような状態だったから斬魄刀としてちゃんと打ち直しをしたことでユーハーヴェーハーに持ってかれちゃったせいで解けちゃった変身状態みたいなものにもなれるようになっていた。これでスペックの強化自体は十分だろう。

 そうなれば後は実践だな。スペックがいきなりクソほど上がったらそれにならすのが大変なのはよく知っているだろうから文句は言わせない。

 

「そういう事で軽く千回ほど死んでもらいますね^^」

「千回はやばいだろ普通に考えて!?」

「あ、そうだね。増やすか」

「減らせよ!マジで千回とか俺の正気が持たねえよ!」

「当TRPGはなれの概念を採用しておりまして、一定以上同じ内容でSAN値が減ると同じ内容ではそれ以上減らなくなります。ガチャで言うと天井システムってやつだな」

「その表現は絶対的に何かが間違っているだろ!?」

「ところでここに1/1スケール剣八人形があるじゃろ?」

「おい待て嫌な予感しかしねえんだけど」

「大丈夫だ。動力はパンジャンだから殴れば自爆して止まる」

「なんでパンジャンを動力にしてんだよバッカじゃねえの!? あとその自爆って威力どのくらいだよ!?」

「瀞霊廷の中心で自爆させたら遮魂膜に遮断されて流魂街には被害がなんとか出ないくらい」

「瀞霊廷全域焦土になるとかやばすぎねえか!?」

「大丈夫だ。瀞霊廷全土を焦土にする程度なら総隊長の爺さんの卍解でもできる」

「同じことができる奴が他にいるからと言ってそれが大丈夫ってことにはならねえよ!?」

「大丈夫だ。ちゃんと生き物には被害が出ないように特殊な爆発を起こすようになっているからな。消えるのは服だけだ」

「それはそれでテロじゃねえか!?」

 

 まあテロだわな。ちなみにこういった服だけに被害を出す系統の爆弾はとある宇宙人が地球にやってきてうんぬんかんぬん系統のハートフルラブコメ漫画の世界で手に入れた技術だったりする。あの世界はもう本当に色々と馬鹿すぎたし、被害自体は出なかったから俺ものんびり寝られることも多かったんだが……時々出てくる地球崩壊規模の災害的存在はマジで面倒だから勘弁してほしいと思った。

 その世界の名前? 気にすんな。彩南高校とかがあったからそれで調べれば出るだろ。多分。

 

 それはそれとしてパンジャンフォー。

 




Q.あの……原作的には今の一護の強さはどんなもんですか……?
A.霊王との修行を終えた直後とほぼ同等です。

Q.では他の人たちもそのくらいまで……?
A.気分次第。


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BLEACH~71

 

 side 織斑一夏

 

 虚。それは人間の魂魄が変質したもの。要するに、人間であれば誰しも虚になることで強くはなれるわけだ。その強さが本当に本人の求めたものかどうかは意見が分かれるところだが。

 しかし実行して成功すれば強くなれると言うのもまた事実。失敗率はそこそこ以上に高い……と言うか、そもそも生きている状態で虚化ってどうやるんだとかそういう文句その他もいくらか聞かされることはあるが俺も知らん。俺にできるのは虚としての俺の霊圧を相手の魂魄に叩き込んで共鳴させることで相手の魂魄を虚に近しいものに変えることくらいだ。そもそもそれができる時点で色々おかしい? うるせえ山羊の血を山羊の腸に入れて蒸し固めたものを食わせるぞ。味付けもハーブも無しの奴な。

 

 さてそういう訳で、完現術組に新しく虚の力を突っ込むことにした。お嬢ちゃんの方は基本的にもう完成しているし、茶渡の方は未完成とは言ってもこのまま完成させるよりも新しく押し込んでから完成させる方が強くなれるだろうが成長速度自体はやや鈍る可能性もある、ということを話しておいたがそれでももっと強くなりたいってことだったんで実行。

 まず、鍍を出します。鍍に虚の霊圧を込めて、茶渡とお嬢ちゃんに渡します。渡されるとそこから虚の霊圧が流れ込んでいきます。

 結果。お嬢ちゃんの方は虚化に加えて新しい奴が二人追加され、茶渡の方は虚化はできなかったが虚としての力を完全に取り込んで自身の完現術をさらに進化させた。副次効果として霊圧もかなり上がったので時間の流れもより遅くすることができ、ついでとばかりに戦闘訓練……なのはあくまでも茶渡の方だけでお嬢ちゃんの方は自分の中の虚との対話や新しい能力の確認などに費やしてもらった。茶渡の方はもう完全に虚は消えてしまったようなので対話とかできないからな。暴走の事を考えればおそらく茶渡の方がいいんだろうが、出力の事も考えればお嬢ちゃんの方も悪くないんだよな。

 

 ……しっかし崩玉ってのは無茶苦茶だ。お嬢ちゃんの願いをかなえるためにその場にあったものからなんとかかんとか使えるものを集めて能力を作り上げたうえで付与するとか、色々とありえん。俺が他人に能力を与えるときにどれだけ苦労しているのかを考えると色々と馬鹿らしくなってくるな。

 虚となった兄に襲われ、その際の霊圧が魂魄に残っている間に起きた出来事だからこそ出来上がるまでの過程の似た完現術として現れた。完現術だから虚のそれに似ていて、しかしあこがれた対象が死神でもあったからこそ斬魄刀に似た形態として六の花弁が現れた。

 で、俺は今そこに新しく添えてやろうとしているわけだが……さて、どんな形で現れることになるやら。

 

 

 

 

 

 side 井上織姫

 

 誰かがいる。私の中。心の奥深く。思考と本能の狭間。霊圧の奥底に。

 私をゆっくりと変えていく。崩していく。食らっていく。私を私のまま私以外の何かに変えるそれは、きっとどうしようもなく私そのものなのだろう。

 弱い私が嫌だった。黒崎君を守れない、黒崎君に守られてばかりの私が嫌いで、黒崎君を守ってあげることもできない私をいっそ憎みすらした。

 私を変えていく私は、きっとそんな私にあの人が力をくれた結果なのだろう。虚としての力。六花を強くすることも、私自身を変えることもできるその力。そんな力を取り込んで、弱い私(憎い者)を喰らい尽くして変えていく。

 

 ……けれど、このまま全部変えられてしまう訳にはいかない。だって黒崎君は死神だ。私が虚になればきっと一番近くにいる黒崎君が私の事を斬らなければならなくなる。黒崎君はきっと迷って、それでもちゃんと私を斬ってくれるだろうけれど―――それじゃあ黒崎君の負担になってしまうから。

 もしも私を斬ってくれたのが黒崎君ならば、黒崎君はきっと私の事をずっと忘れないでいてくれるだろう。けれど私はそれから二度と黒崎君の隣には立てなくなる。今の私の力は六花たちの力。そして六花たちは私のヘアピンから生まれている。尸魂界には多分ヘアピンは付けていけない以上、私は戦う力も何もかもを失ってしまうことになる。

 

 それは、いやだ。

 

 私は私の前に立つ。私を食べ続ける私の前に立って、私と同じように私を食べル。

 虚の私が人間としての私を喰らうのと同じように、人間である私が虚の私を食べる。

 私の中に私が流れ込んでくる。私ノ思いが私の中に混ざりこむ。私は私だけれど、私と私は同じだけれど、それでも私と私はゆっくりと同じになっていくのがわかる。

 六花も私と同じように、黒い六花たチとお互いを食べあっている。食べあっていると言うより、少しずつ溶け合っていると言った方がいいかもしれない。私と私がお互いに食べあうほどに、六花たちはゆっくりと溶け合っていく。

 私と私は食べあって、食べあって、食べあって、食べあって食べあって食べあって食べあって食べあって食べあって食べあって食べあって食べあって食べあって食べあって。

 私と私は同じになった。

 

 私が言う。黒崎君と一緒にいるために、何でもしたい。

 私も言う。黒崎君と一緒にいるために、何でもはできない。

 私が叫ぶ。黒崎君のために、私はなんだってする。

 私も叫ぶ。黒崎君と一緒にいたい私のために、私はなんだってはできない。

 肯定と否定が溶け合って、思いと思いが混じりあって、明るい思いも暗い思いも軽い思いも重い思いも全部全部一つになって。

 

 私たちは、一つになった。

 

 目を開く。鎖で縛り付けられた身体が視界に入る。身体が痛いのは、多分このせいだろう。随分と暴れようとしたらしい。

 けれど私は私のまま帰ってこれた。元から持っていた六の花弁に加えて、私自身にも見ることのできない二つの花を携えて。

 

 それから私は私の力を学んでいく。超速再生とは言えない程度の、ただし人間としては異常に速いと言えるだけの速度の再生能力と、六花の力を私自身にも使うことができるようになったこと。今までの六花の組み合わせを変えてより強力な術を作り、新しく得た力を使って全く新しい技も得た。

 そして、虚の仮面を一時的にではあるけれど被ることによって霊圧を上げることもできるようになった。これに関しては盾で私を覆い、人間の部分を拒絶することで一時的に虚に変わり、虚の部分を拒絶することで人間に戻ることができる。私と虚が全く同じ存在であるからこそできる技なんだと思う。

 そして私が織斑さんの修行部屋を出たときには、ちょうどみんながでてくるところだった。

 

 私はちゃんと今まで通りに笑えているだろうか。

 私の笑顔は歪んでいないだろうか。

 私の思いを自覚して、私と同じになったことで二倍に膨らんだこの思いが、私の態度から表に出てしまってはいないだろうか。

 

 私は笑顔を浮かべながら、今まで通りに黒崎君に話しかけに行った。

 




Q.えっ……えっ??????
A.発狂からのダイスロール異常な物を食べたがる自分自身。結果的に虚の自分と精神世界で食い合って合一。やったね井上さん!強くはなれたよ!

Q.ダメだろこれ!?
A.どっちも最低一回結構やばい発狂している夫婦として有名になれるんじゃないですかね(鼻ホジ)


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BLEACH~72

 

 side 織斑一夏

 

 茶渡はお嬢ちゃんの方とは違って随分と荒れた。虚の力を取り込む方法が、お嬢ちゃんは食べることだったのに対して茶渡はと言うと戦いの傷から定着させるものだった。これが大抵の場合の適切な方法であってお嬢ちゃんの実行したお互いに食べあって共有した挙句に同化するとか言う頭のおかしい方法は実行しない方がいい。繰り返すがあれは頭のおかしい方法だからな? いやまあ多分一番安全だと判断したら俺も同じようなことをやると思うが。

 まあそんなこんなで戦って、そして戦っている間は俺が抑え込んで、いい感じに一見まともな成長をしてくれた。実際にまともかどうかは知らんし正直どうでもいい。強けりゃいいんだよ強けりゃ。

 

 出来上がった新しい完現術は、巨人の右腕悪魔の左腕に続いて龍の両脚と名前が付けられた。あれだな、どいつもこいつも神ではないが神と同等の力を持ち得る存在だ。巨人は北欧神話、悪魔は主にキリスト教、龍に関してはそれこそ世界各地に神としてあるいは怪物としてその存在が描かれている。なんで神って名前を付けないのかは知らんが、まあ神の名前を付けられまくってるのは虚ではなく滅却師の方だからおかしくはねえのか。虚の方だと考えると確かに結構な割合で物々しかったり毒々しかったりするしな。

 で、新しく出来上がった完現術だが、これは主に移動補助らしい。近づいて殴らなければいけない能力であるにもかかわらず、今までの茶渡には高速移動能力がなかった。手が届かないこともあっただろう。龍の両脚はそんな茶渡の意思を汲み取って作り上げられた能力じゃないかと思うんだが……まあ使えりゃそれでいいわな。

 

 新しい能力を覚えてすぐに実戦とかどう考えても頭がおかしいのでまずはその能力について色々と確かめてみることになった。

 一番わかりやすい能力は、移動の踏み込みの際に巨人の右腕や悪魔の左腕と同じように霊圧を発射して地面を強くけり出し、加速することができるもの。これに関しては言うことはない。蹴りでも踏み付けでも攻撃できるようになったとはいえ茶渡の場合は基本の攻撃方法が拳によるものだからな。大して変わらん。

 次に、動体視力の大幅な向上。これに関しては一見だけでは難しいようだが、両脚が発現した結果それを使えるようになるために動体視力がよくなったんじゃないかと思われる。何しろ自分が高速で動いた結果、周りが見えなくなって死にましたじゃああまりに格好がつかなさすぎる。笑い話にもなりゃしないだろう。だからこそ十分に使いこなせる下地として動体視力をなんとかする必要があったんだと思われる。

 そして最後に、破面の扱う高速移動術である響転を扱えるようになっていた。これに関してはあくまでも扱えるだけであって使いこなせるわけではない。脚だけは響転で動いているのに上半身がついてこれないのが原因だと見たから、上半身をついて行かせることができるように腹回りの筋肉でも鍛えておこうと思う。

 

 

 

 

 

 side 茶渡泰虎

 

 足腰を鍛えるためにと言われて始めたこの修行だが、思っていた以上につらい。

 突然現れたパンジャンドラムに追い回されて響転と言うらしい虚の使う特殊な歩法を使えるようになったのは良いんだが、響転を使いながら狙ったところに拳を打ち込めるように大量のパンジャンドラムに追いかけまわされながらパンジャンドラムの爆発しない部分に響転で近づいては殴り飛ばし、拳の貫通力を高めると言われて拳を打ち込む際の腕の使い方をいくつか教えてもらうことで今まで通りのもの以外に固い相手を撃ち抜くような攻撃の仕方も覚えた。ちなみに一点に威力を集中して貫通させるのを失敗すると周囲の爆弾に衝撃が伝わって爆発する。何度か死にかけたが未だ生きている。

 

 ……正直、一番うまくなったのは衝撃に耐えることと受け流すことだと思う。

 

 曰く、俺の戦い方と言うのは非常に単純なものだと言われた。それについては俺自身そう思うし、それ以外の事はできる気はしないから別にいい。近づいて殴る。それこそ俺にできる唯一と言ってもいい。だからこそその持ち味を生かすために全体の底上げをひたすらにやっているのだと言われた。

 

 俺の能力、完現術と言うのは最も自身の意思が強く出てくるものだと言う。意志が揺らげば完現術も弱くなり、強い意志を持てば同じように強くなる。

 強い意志を持って展開した右腕はより頑丈になり、左腕はより強力になる。両脚については未だわからないところも多いらしいが、それでもより強くなっていくのは間違いないらしい。

 それは井上の方も同じであるらしく、井上は更に強くなっているらしい。元の力の差を考えればある意味でだれよりも伸びているのが井上だとか。主に倍率の話らしいが……ちなみに次点が一護だそうだ。

 

 俺も負けてはいられない。俺は一護の隣に立つと決めた。だから、こんなところで立ち止まっているわけにはいかない。

 ……正直な話、爆発に晒され続けてだいぶ慣れてきたしな。

 




Q.……なんか思ったより普通だね?
A.迷いに迷った結果普通になりました。迷いすぎて昨日の更新に間に合いませんでしたごめんなさい。

Q.完現術ってそんな設定あったっけ?
A.原作には無いです。オリ設定と言う奴ですな。


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BLEACH~73

知ってますか? マーマイト茜ちゃんがまた新しいパンジャンを転がしていたんですよ!
ニコニコ動画で見れますからみんな見てみましょう!(ダイマ)


 

 side 織斑一夏

 

 最終形態を常態にできるようになった滅却師に教えることと言えば、正直これくらいしかない。霊子を隷属させることができるようになれば霊子に満ちたこの場所でおよそあらゆることができるようになるし、あとは発想の問題だ。発想に関してはあくまで個人のもの。できるできないという思い込みもまた個人のもの。俺は地の実力を上げさせてやるくらいの事しかできはしない。

 そういう訳でやっているのは霊子の綱引きだ。周囲の霊子をお互いに隷属させての奪い合い。今のところ俺の方が大分上手いようだが、少しずつ力が増してきているのを感じ取れる。ただ、あまり増しすぎるとせっかく慣れてきた霊子集束能力に身体がついていけなくなるのでそのあたりの事も考えないといけないな。マジで。

 それと、あのマジキチ科学者。あいつは自分と戦ったことのある相手の身体に監視用の菌を感染させる奴だからまずはそいつを分解しておく。虚圏で困るかもしれんが後でまた再現しておくから問題なかろ。あっても知らん。

 どうしても集束能力をもっと上げたいんだったらゆっくりやっていかねえと身体が持たずに滅却師としての力が焼き切れてしまうからマジでやめておいた方がいい。慣れるまではな。

 ついでに霊子集束しすぎて焼ききれそうになったモヤシの魂と身体を見ていて気付いたんだが、霊子集束をしすぎて大量にため込むと心臓の洞房結節右19mmの所に静止の銀が生成されるから滅却師は力を失うらしいな。多分霊子を集束した時に体内にある何かと結合してそうなるんだろうが、今度確かめてみよう。

 

 ……あ、そうなると一つ方法はないことも無いか。身体に直接収束するから集めた霊子の霊圧に身体が耐え切れなくなるのであって、身体以外に集束できるようにすることでそれは解決できる。具体的に言うならば、原作で言う完聖体の頭の輪に集めるように身体と繋がりを持たない場所に集めればいいわけだ。若干使い勝手は悪くなるがな。

 なお、俺の場合は身体が健康に保たれるのでそういった反動とかも全部無視できる。健康こそ俺の力の根源と言っていいかもしれないな。マジで。

 今言った自分以外の物を中心に霊子を集めることの欠点は、一回集めてから実際に使うまでの間にほんのわずかな物とはいえタイムラグができてしまう事と、集めている物の核が壊されると一気に集束能力が落ちることくらいだが、このくらいならば永遠に滅却師の力を失うことになると言うリスクに比べれば軽いものだろう。

 

 そういう訳で一応教えてみたんだが、滅却師十字を核にして見事に背中から生える翼を切り離して展開し、そこに霊子を集めることができるようになった。所要時間十二分。一回展開するまでにかかる時間は三秒、実戦闘では大きすぎる隙だわな。あと展開中はそっちの制御に意識を取られすぎるせいで使い物にならない。こういうのは集束力を高めるために表面積の大きい代わりに不安定な翼の形にするんじゃなくて、ちゃんと安定を求めて円形とかそういうのにするべきだと思うんだがね。

 ……ああ、なるほど。だから完聖体の霊子の集束器は円形なのな。

 

 よし、それじゃあちゃんと使えるようになったら祝いに聖文字でもくれてやろうか。俺式のだけどな。

 

 

 

 

 

 side 石田雨竜

 

 死にます(チーン)。

 ……いや、死んでたまるか。そうそう簡単に僕は死なないぞ。それに死にそうになったら止めてもくれるみたいだしな!(ヤケ)

 

 しかし、本当にあの人の発想はすごい。自分の身体に霊子を大量に取り込むことで滅却師の力を失うのなら、自分の身体から少し離れた場所に霊子集束をすればいい。確かにその通りだ。今まで思いつかなかった自分が馬鹿だと思えるほどに。

 それに、最終形態を使う事でなぜ滅却師の力を失うことになるのかと言うメカニズムまで解明して見せた。静止の銀と呼ばれるそれが滅却師の能力を失わせる鍵となっているなど全く知らなかった。お爺様なら知っていたかもしれないが、僕にそんなことを教えてはくれなかったからな。

 

 ただ、教えてもらった方法は制御があまりに難しい。最終形態のように翼の形に展開してみたのだが、揺らぐし集まってくる霊子の量が多すぎて安定しないしで本当にきつい。いい感じに制御する方法はやはり慣れるしかないようだが……これに慣れるのはかなりきつい。

 仕方ないので集束力よりも安定性を求めた形に変えていくことにする。流体を制御するのに安定した形と言えばやはり円形しかありえない。翼を丸め、先端と付け根を融合させて二つの翼を一つの円に変える。そうすることで収束した霊子の流れを一つの方向に向け続けることができるので制御がこれだけでかなり楽になった。

 後はこれに集めた霊子を使う分ずつ引き出していく方法を……は、簡単だ。流れている霊子の一部を分割して流れを手元に持ってくればいい。これに関しては最終形態の翼から手元に霊子を持ってきて矢を作るという経験が生きた。矢を作って弓で打ち出すのではなく、弓に直接番えた状態の矢を作り出して打ち出せば連射能力も上げられるだろう。霊子の流れの勢いを利用すれば即座に撃ち出すこともできるかもしれない。

 

「一応言っとくが一番早いのは相手の体内に直接矢を作り出すことだからな」

「えげつなさすぎるだろうそれは!?」

 

 だめだ勝てない。

 




Q.石田をこれ以上に強くできんの?
A.まあ、やろうとすれば。(やるとは言ってない)

Q.具体的には?
A.未来でも見せればいいんじゃないですかね?


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BLEACH~74

 

 side 織斑一夏

 

 覚えているだろうか。一応他の隊長格も俺の修行に参加していると言うことを。主人公をほんの一日程度で現隊長格の殆どを圧倒できるまでに鍛え上げた俺の手腕に頼ってきたと言う訳だな。

 そういうことになっているのでどんどん強化していくことにする。一番隊の隊長と副隊長、四番隊の隊長、五番隊の副隊長、十二番隊の隊長と副隊長、十一番隊の隊長と副隊長は不参加だが、他の隊長格は大体参加している。一番やる気があるように見えるのは、今回良い所がまるでなかった六番隊の副隊長だろうか。ちなみにこういう時には真っ先に参加してきそうな更木が不参加なのは、更木は修行だってのにガチで俺に襲い掛かりに来て面倒臭いからだ。更木だからね。仕方ないね。

 

 まあそういうのは置いておくとして、流石に純粋な死神たちを勝手に虚化させるのはまずいので死神として強化させていくことになるんだが……卍解とかは本人たちに任せるとしてとりあえず基礎スペックを上げていくことにした。死神の力を失ったルキアが霊子に満ちた尸魂界でのんびりすることで死神としての力を取り戻すことに成功しているんだから死神をたっぷりの霊子漬けにしてやればそのスペックも多分上がるだろうと言う事で、場所を区切ってそこに大量の霊子を集めてやった。霊王宮よりなお濃い霊子の海に溺れてみなと。

 なおルキアは流石にまだ早いと思ったので霊王宮より少し薄い、虚圏程度の霊子濃度に抑えておいた。それでも瀞霊廷にいるよりよっぽど回復は早いだろうから構わんだろう。

 それから技術開発局の奴らは藍染の完全催眠に対抗できる方法を模索している最中だ。更木が自身の霊圧を五倍に圧縮した結果藍染の霊圧の侵入を阻止して催眠を弾いたって事から霊圧による催眠防御をしようとしているようだが、はっきり言って更木のあれは俺も正直予想外の力技OF力技だからな。再現するにしても更木と同程度の霊圧を時間をかけて体中に浸みこむまでため込み続ける、とかそんな感じの条件になりそうな気がする。まあ霊圧の増幅器とか言うのも存在しているはずだから不可能ではないかもしれないが、原作において出てきた増幅器は結構なサイズがあったから難しいかもしれないな。

 

 ……あと、俺の斬魄刀はあくまでも千の顔を持つ英雄を使って作ったものであって本物ではなく、色々と改造だのなんだのができるようになっているんだが、この度いくつかの完成系変体刀に新しい能力を付け加えることにした。『そういう能力を持ったこういう形の刀』として出せば出せちゃうから本当にやばいよな。

 そういうわけで新しく能力が追加されたのが、王刀・鋸と毒刀・鍍の二振りだ。鍍は相手の魂魄を強制的に虚化させ、王刀は相手の魂魄を虚から整に戻す。勿論オンオフは可能にしておいた。じゃないと主人公との模擬戦で虚が消えなかった理由に説明ができなくなるからな。

 なおサイレント修正で銓には相手の心象世界や夢に入り込む効果を持たせてみた。大して使い処が無いのがある意味一番の問題かもな。

 

 とにもかくにもこれで多少出力は上がるだろう。多少出力が上がった程度であの全感覚シャッフル催眠に耐えきれるとは思わねえけどな。だって普通に考えてみ? 当時は視覚と聴覚とか嗅覚と平衡感覚だとか触覚と味覚だとかそういう感覚を入れ替えられてただけだったが、もしも全感覚を痛覚に入れ替えられたらどんだけやばいと思うよ? 目で見たら痛い、そしてその痛みで風景を察知しなくちゃいけないのに加えて耳で聞いた音も痛みとして伝わり、口を切ってしまい口内に広がった血の味も痛みとして、剣を握る皮膚の感覚も痛みとして、霊圧知覚すらも痛みとして感じ、それら全ての痛みが全部混じりあった状態で戦えるか? 無理だろ?できるんだったら俺は割と本気でそいつを尊敬するぞ?いやマジで。 全感覚を痛覚に変えられるってことはつまり呼吸して肺が膨らみ切ってこれ以上は入らないって感覚とかも痛みになるわけだし、まあ普通に考えて戦闘不能とかそんなレベルの話じゃ済まされんわな。ある意味生殺与奪を握られてるわけだ。平衡感覚が痛みに置き換われば身体の傾きもわからんし、血圧が上がってくらくらするのも痛みに変わればもうほんとどうすればいいのかと。

 だが、確かあのあの斬魄刀、鏡花水月は個人にのみ催眠をかけると言うのはできなかったはずだ。催眠をかけたら即ち全員に同じものが見える。そうなっていたはずだが……あくまで原作だからな。もしかしたら今は違うかもしれん。

 もし違うのであれば、間違いなく自分たちの兵である十刃達には催眠をかけないままこちらにだけ催眠をかけてくることだろう。戦場は大荒れとかそんなレベルじゃないことになりそうで笑える。パンジャンでも生やすか?

 

 

 

 

 

 side 四季崎ルキア

 

 霊圧が身体に纏わりつく。尸魂界のそれよりはるかに濃厚な霊子の圧力に魂がきしみを挙げているような気さえする。

 ただ、そのおかげで私の身体に眠っていた死神の力が少しずつ回復してきているのも実感できている。なるほど、霊子の多い場所にいれば死神の力を取り戻せると言う事ならば、こうして尸魂界よりもさらに霊子を濃くすればより早く死神としての力を取り戻せると言うのはある意味では道理なのだろう。ただ、私には何をどうすれば霊子の濃度を操れるのかはわからないが。

 ……周りでは私に被害が出ないように結界で区切られてはいるが、義兄様や恋次たちが織斑様にジョイヤーペシッペシッペシッペシッペシッペシッペシッペシッジョイヤーされている。確か……田植え、と言ったか? よくわからんが。義兄様は姉さまの名を叫びながら小パンで吹き飛ばされたが、恋次は恋次で『認めねえぞぉーっ!』とかなんとか叫んで小パンで飛ばされていた。流行っているのか?

 もしや、私も同じように何か叫んで吹き飛ばされなければならないのだろうか……?

 




Q.パンジャンって生えるもんでしたっけ?
A.紅茶を決めればパンジャンは生える。庭があったらやってみたらいかが?

Q.うちプランターしかないんですが……。
A.大丈夫、パンジャンドラムは場所を選ばない。


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