連載版:自称機械技師の備忘録 (アビャア)
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日記01 軍辞めた
主人公の設定だったりと異なる部分が多い為、活動報告を見てくれると嬉しいです。
おめでとう!この厳重なロックを解除したということは中々に凄い奴だな!
おっと、突然のことで驚かしてしまってすまないな。アンタが解いたそのロック、頭の発想力をフル回転しないと解除出来ない仕組みになっていてな。簡単なやつでも下手すりゃ二週間以上掛かるレベルなんだわ。
いやぁアンタ凄いわ本当に。
まぁ、そんなアンタにこの世界についての簡単に歴史をおさらいしておこう。
授業とかで習ったとしてもおさらいとして見てくれるのなら幸いだ。
先ずは、この世界が崩壊の一途を辿った原因の一つコーラップスについてだ。
1905年に各地で見つかった高度な文明を残した『遺跡』。そこから発掘されたものが『崩壊液コーラップス』と呼ばれる物質だ。
知っていると思うが、こいつは分子構造を崩壊させながら膨大なエネルギーを蓄える危険性があるが、その代わり特定の手順を踏んで物質を再構築すれば鉄から金へ、灯油から石油という錬金術に似たような技術が出来る夢のような物質。
こいつのお陰で様々な新技術の確立や恩恵を受けるようになった訳だ。その代わり世界各国の連中は裏で遺跡の奪い合いが始まったけどな。
しかし、コイツは上記の通り核の放射線よりも厄介でな、2030年頃だってか、中国・上海沖の北蘭島から全ての悲劇が始まった。
その時、とある中学生達が封鎖されていた遺跡に侵入してしまって、そこで何があったか分からないがコーラップスが大爆発を起こし遺跡が崩壊。その後コーラップスの粒子は対流圏まで巻き上げられてジェット気流に乗り全世界へと拡散しちゃって世界規模のバイオハザードが発生しちゃてねぇ、その粒子が降り注いだ地域は人間の生存が不可能なレベルにまで汚染、被爆した生命なんかは、E.L.I.Dっていう感染症に侵されて最悪ゾンビやミュータントとなって他の生物を襲うという地獄絵図が生まれた訳だな。
資料や映像しか知らないが俺の故郷の日本なんかは土地が完全汚染されてしまって滅んでしまったから悲しいもんだよ。
世界規模のコーラップス汚染による大量の人が死んだ最悪の事件『北蘭島事件』から15年間、汚染による人類が住める土地の激減によって各国に外交摩擦が頻繁に起こり初めちゃって最終的に第三次世界大戦が勃発、世界各国は大量の核兵器の使用という第二のやらかしを犯ちゃう訳だ。
全く土地が狭くなったというのに核を使うとか自殺行為だっていうのに当時のお偉いさんには困ったもんだぜ。
その戦争は2051年の6年間行われ、核兵器が多く使われた事による狭かった生存圏の縮小とEMPの頻発によってコンピューターに依存する空軍戦力と海軍戦力は虫の息。
白兵戦が主流となり少なくなった人類の数は激減したがどころがどっこい!人類は滅びなかったんだなぁコレが。
滅びなかった理由、それは『北蘭島事件』による人類の激減による労働力不足を補う為に作られた存在『自律人形』の存在のお陰でどうにかなったわけだ。
こいつらは、人間に近い疑似人格と人工的な生体パーツを使用することでほぼ人間と区別がつかない外見を与えられた人形達は、直ぐに人間社会に溶け込み社会に多大な貢献を与えたわけ、戦闘家事労働、夜の営みまで何でもござれな素敵使用なのだから当たり前か。
戦争が始まれば軍事目的で転用された戦闘用『戦術人形』が生まれ戦争でも大活躍!
その中でも強靭で頑丈な『イェーガーシリーズ』を手掛ける『鉄血工造株式会社』と高性能の人形『CSDシリーズ』を手掛ける『I.O.P社』の二社は世界にその名を轟かせ巨大な企業へと躍進していく訳だ。
そんで第三次戦争終了後、世界各国は話し合いの結果、正規軍を発足。国家運営が困難になるレベルまで衰退した国家は重要な都市だけを直轄管理し、その他の都市の運営を入札によって権利を獲得したPMCといった民間企業に任せるようになり今に至るってわけ。勉強になっただろう?
そんなお先真っ暗なクソッタレな世界を俺達は今日も生きている。
おっと名前を書き忘れてたな。
俺の名前は『丈二・ルキーチ・ニコフ』。こんな名前だがハーフではなく純日本人。俺が赤ん坊の時に両親が内戦で死んでしまってな、その時にロシア軍人の義父に拾われて今の名前だ。
灰色に近い黒髪が特徴的な無精髭がチャームポイント31歳。特技は機械修理や開発、終戦後に退役した元軍人で肉体を多少弄くった強化人間。
好きなものは機械弄りとコーラ。嫌いなものはスプラッタ系とサイコパスといったところだろか。
何でこんな詳細に書くかって?それはこの日記が俺のドックタグのようなものだからだ。
取り敢えず日記以外にも今まで培った技術や知識もある程度記載した小型タブレットも付属しているから、この日記がアンタの生きる希望になれば幸いだ。
この日記を拾って読んでよし、棄てるもよし、薪代わりにしても....いや燃やされるのは勘弁だな。
まぁ生きる糧として使われたら此方としては嬉しいものだ。
まぁ、強く生きろよ。人生案外どうにかなる。
2061年●月▲日『技師の備忘録:前書き』より抜粋
○月○日
天気:晴れ
三日前、俺を軍を退役した。
赤ん坊の頃、両親を内紛で失い義父に拾われ育てられそんな義父の背中に憧れて軍に入って十数年。設備班として働きながら特技兵として特殊部隊や戦場に駆り出された俺こと丈二・ルキーチだが、今はホテルのベッドでコーラを飲みながらだらけた格好で日記を書いている。
軍を止めた理由は、俺の事を目の上のたん瘤として扱っていた一部の上層部によって摘まみ出されてしまった。
まぁ前々から軍を止めたいと思っていたし、上の連中が動き出す一週間前には既に知っていたから彼等の思惑を利用して上手いこと軍を止めることに成功した。
いやぁ、止めたくても裏で兵器整備や電子情報の二つの部署のお偉いさん方によって止めれない状況だったからねぇ。今頃俺を嵌めた連中はこの二つの部署に責められて大慌てしていることだろう。いやぁ愉悦愉悦。
そんなこんなで行方を眩まして昨日、ホテルでチェックインしコーラを飲みながらベッドで寛いでいたのだが、やはり新しい趣味を持ちたいと思い立ちこうして日記を始めることにしたのだ。
毎日書くのは面倒なので気が向いたら書くことにしよう。
明日には、新しい街に移動し、辿り着いた街で傭兵と機械設備とかで活動する予定だ。
軍役時代に出会い一緒に行動していた戦術人形のティスはクアンには申し訳ないが暫く一人で活動することにする。彼女達は信頼出来る親友の会社に預けているから暫くは安全だろう。
取り敢えず最初の一ページは前書きを書くために開けておくことにして、日記のブックカバーと小型タブレットの改造案でも練っておくか。
×月×日
晴れ
ホテルを離れ自慢の改造3輪バイク『TRON-V』を走らせること三日。目的地である街に辿り着いた。
この街は強靭で頑丈な戦術人形『イェーガーシリーズ』を手掛ける会社『鉄血工造』が管理している街である。
この街は少々物価が高いが、珍しい機械の部品パーツが手に入りやすいエリアで前々から此処に住みたいと思っていたのだ。
ちなみに、この街から30分走れば鉄血工造の本社がある街に辿りつけれる。
俺が住む場所は少し寂れた場所にある二階建ての古びた小さな事務所で、一階が駐車スペースと荷物置き場であろう地下。二階の右半分には接客用のソファーや机が埃かかった状態で鎮座している少し狭い事務所、左半分が居住スペースといった所だろうか。
荷物は明日届く予定なので、少しこの事務所を掃除しておこう。
×月×日
この事務所の大掃除を済ました翌日、荷物が届いたので家具とか備品を置いていたのだが、その荷物の中に俺が使っていた複合兵装と同じヤツと、この二つのベースとなったオリジナルが手紙と一緒に梱包されてたのだが.....。
どうすれば良いんだコレ?
TRON-V
黒色をベースにし、赤と黄色の二色をサブカラーとして塗装された3輪タイプ。
前輪に二つ、後輪に一つのタイヤがあるタイプでエンジンの強化やタイヤの変更等、細部のチューンアップが施されている。
その気になればかなりのスピードが出せるのだが、改造した本人曰くかなりのじゃじゃ馬らしい。
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日記02 傭兵始めました。
仕事が忙しく投稿が遅れてしまいました。m(__)m
一応エタらないように頑張るので応援宜しくお願いします。
▲月▼日
荷物もある程度片付き、今は荷物の中に紛れていた二つの複合兵器『オクスタンランチャー』とその廉価版として製作された試作兵器『オクスタンライフル』の軽いフィッテング作業をしている。
この武器は第三次世界大戦末期に開発された武器で、並の武器では倒しづらい化け物が多いE.L.I.D、装甲が分厚い戦術人形及び機動兵器相手に臨機応変に対応でき確実な致命傷を与えるというコンセプトで作られたのが『オクスタンランチャー』である。
こいつの特徴はビーム兵器と実弾兵器の両立させたことで、下部の銃身は高出力の小型荷電粒子砲。上部の銃身には対物ライフル用の特殊徹甲弾という縦に並べた二連式のライフル。
状況に合わせて実弾の『B』。ビームの『E』。同時撃ちの『W』。この3つのモードを切り替えて戦えるのだが、銃身が大人一人分と長く重い、実弾の射程が短く荷電粒子砲の反動が強かったり明らかに人間が扱える所か実戦で活躍出来るかどうか怪しい。生産コストや維持費が高いといった弱点が露呈しまった。
それを解決しようとしたのが『オクスタンライフル』。
こいつはランチャーの廉価版で、使える弾丸の種類を増やし荷電粒子砲の威力を下げる代わりに連射と照射の二種類を追加することで攻撃の幅を広くさせることに成功。
形状をシンプルにすることでコストや重量も削減。メンテナンスしやすくなったりと、ランチャーの欠点を補うことに成功した。
俺も軍役時代、化物相手に対してこのライフルを愛用する程には使い安かった。
しかし、そのの時には鉄血の上位の戦術人形。通称『ハイエンドモデル』の運用が本格化されていたり、コストの削減が出来ても生産費が未だ高く、一緒にするより別々にした方が安くね?という感じに進んでいってしまいその結果、ライフルは二丁しか生産されず計画自体も中止になり軍の倉庫に眠るはめになった悲しい過去がある。
ちなみに二丁作られたオクスタンライフルの一つを俺が軍を止める2ヶ月前まで運用していた。もしあの生物兵器との戦闘で壊れなかったら普通に持ち出してたかもしれん。
ってか丸太みたいな巨椀と戦車級のビーム砲を連発する怪物によく勝てたな俺.....。
そしてこの二丁を送ったのは兵器開発局の連中。俺にこの二丁のデータ収集を兼ねて餞別という名の押し付けをしてきたのである。
これをどうしろと.....
返そうにもこいつ等は表向きで"廃棄処分"されているので返せないし、データ収集による報酬金も悪くない。
扱い辛いが性能はかなりのものなので渋々だが貰っておこう。
しかし、ライフルは使いなれてはいるがランチャーは試射以外実戦で使ったことがなかったからどうしたものか。
●月▲日
オクスタンランチャーとライフルをギターケースを大きくした専用のケースに収納しそれを背負い、バイクに乗って少し離れた場所にある傭兵達が集う『Monday』という酒場に赴いて傭兵登録をした。
その酒場は荒くれ共の喧騒で賑わう酒場なのだが、それなりのマナーとかはちゃんとしていて何より酒とつまみが美味しい。
店主はスキンヘッドにグラサンという如何にも歴然漂う大男、通称『マスター』と自律人形数体とグラマスで執事服を着た二人で切り盛りしているのだが、ウェイトレスにセクハラしようなら完膚なきまでに打ちのめされて外に捨てられるから恐ろしい。
俺が見る限り自律人形達は軍用に勝る程に改良されているが、ウェイトレス二人の方が遥かに強い。
青色の服の女性『ウィタリオ』は如何にも元軍人漂う黒髪ストレートで周りの野郎共から姉御呼ばれされているが、『ベッキー』という欠伸をしている赤色の服を着た茶髪の女性なんて片手で痴漢しようとした酔っぱらいの男の腕を折っているからね。
するつもりはないが、まじで逆らわないにしよう。
@月@日
『Monday』で傭兵登録してからはや数日、依頼を受ける日々をおくっているがとても暇だ。
仕事がないよりかはマシだがとても暇だ。
辺境の化物退治やらチンピラレベルの盗賊達の討伐やらやっているがなんというか張り合いがない。
というよりオクスタンライフルを使う前に終わってしまう。
...いや此が普通の傭兵生活だろう。俺が対峙してきた化物って大抵、軍で要注意されているレベルの奴等ばかりだったし。
なにかないかコーラサワーを飲みながら、最近少しだけ仲良くなったベッキーに話し掛けた所、面白い依頼を持ち込んできた。
それは盗賊の討伐なのだがこの盗賊団、少数ながら全員がサイボーグ化をした連中で、基本的にはバギーに乗って輸送している車両を襲うのだが軍用でも容赦なく襲う命知らずらしい。
奪ったものの中には最新鋭の兵器や装備も当然あり、それらを用いて自分達を強化し続けているらしく次第に手に負えなくなってきている。
そんな彼等を殲滅させるのがこの任務で輸送車に偽装した車両に隠れ一気に殲滅する。そして相手がサイボーグなのでメモリーを読み取りアジトを探し当て、そこを襲撃するという任務だ。
どうやら軍事企業も参加する予定らしくやや規模の大きい作戦になるらしい。
その作戦が面白そうだったので喜んでその任務を受けた。
明後日には●●●という場所で顔合わせとブリーフィングをするらしいのでそれまでに装備を整えておこう。
●月●日
今日、トロンベを走らせて目的地について中に入ったのだが其処にいたのはかつて新兵時代にお世話になったクルーガーさんと、彼が立ち上げた民間軍事請負会社『G&K』に所属する戦術人形部隊『AR隊』が其処にいた。
うわぁ....めちゃくそ逃げたい。
マスター
女性型の自律人形数体と自分を含めた三人の従業員で経営している小規模の傭兵ギルドである酒場『monday』のオーナー。
スキンヘッドにグラサンをかけた元軍人で傭兵達を纏める技量と力を持っているが根はしっかりとした優しい人物で差別を嫌い、従業員として働いている自律人形にもちゃんとした給料や休暇を与えている。
従業員のひとりであるベッキー曰く、以外とお茶目らしい。
ベッキー
『monday』の従業員。
茶髪と赤を基調とした服を着た女性。特徴的な基本欠伸をしているおっとり系だが、その実態は鍛えられた男性の骨をへし折る裏ボス的存在。
自分や従業員達に危害を加えなければフレンドリーである。
ウィタリオ
ベッキーと同じく従業員。
黒髪ストレートで青を基調とした服を着た女性。
きりっとした鋭い目付きが特徴的で物事をハッキリ言うタイプだが、かなりの苦労人でもある。
元軍人らしく、マスターの後輩らしい。
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