スタンド欲しいとは言ったけど俺がスタンドになるとは普通思わないだろ (弥生屋(イカ))
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まさか俺がスタンドになるとはな…

オリ主がスタンドになるの見ないから、ちょこっとだけ書いてみた。先とか一切考えてないため一発ネタという事で。
私が読みたいので、オリ主スタンド誰か書いて(他人任せの屑)


 やあ、俺だよ俺。スタンドだよ。

 何言ってるかわからない?ハハッ、俺もよくわからないんだ。逆に俺に一つ説明が欲しいよね。

 最後の記憶というと七夕の日に店前で短冊飾れるみたいだったから、ふざけて「スタンド欲しい」って書いたら、寝て起きたらスタンドよ。ハハハ、全然わからん。

 スタンド欲しいとは書いたけど、俺がスタンドになるつもりはなかったし、しかもスタープラチナじゃん。ハハハハ。ナニコレ?

 

 そして目の前には緑谷出久。ここヒロアカなの?え、なんでヒロアカにスタンドになって俺来ちゃったの?ハハハハ。もう笑うしかあるまいて。

 

 おや、目の前の出久くんが腰抜けて目見開いて顎外れてこっちに指指してきとる。ハハハハ、人に指差しちゃいかんて親に習わなかったのか?いや、俺スタンドだから人ではないか。ならよし。

 何かアクションを起こそうと思ったが、俺の表情筋は死んでいるみたいで友好的な態度が取れない。取れないから腕組んで上から見下ろしたろ。

 

 暫く見つめあって数分後。出久の方が先に白目になって後ろに倒れた。仕方ないからスタープラチナの素早さを活かして、頭をぶつけないように、出久の頭をそっと支える。

 さて、どうしようか。

 回りを見渡してみるとすぐ近くに見覚えのある家が。というか緑谷家じゃん。空を見ると、もう日が沈みそうな頃合い。ほーう、つまり出久くんは帰宅間近で俺に出会って気絶してしまったのか。悲しいかな。

 

 とりあえず、俺が悪いというか理不尽な運命が悪いというか。まぁでも出久くんを気絶させた実行犯は俺だし運ぶとするか。

 スタープラチナには軽い出久を両手で担ぐと、そのまま玄関へ。ドアが閉まっていたのでサクッと顔と手を通過させて鍵を開ける。スタンド便利だな、おい。

 

 ちゃんと鍵を閉め直すと、そのまま二階へGO。部屋へ突入。うわ、オールマイトのグッズばっかやん。こいつ本当にオタクなんやな。

 とりあえずベッドに放り投げて、そのまま家を探索。勝手に人の家を探索するのは罪悪感があるが、まあ、これから住むことになるし、ならなくても勝手に住むから探索しないとね。

 とりあえず部屋の床から下の階へと移動。親指立てて沈むことは忘れない。あいるびーばっく。

 

 スイーッと降りて1階を探索開始。と言っても特に目星い物は無く、一般家庭にあるような物ばかりだった。とりあえず冷蔵庫のリンゴを切ってウサギ型にカットしていく。それにしてもこの体の性能凄いな。5秒程度でウサギ型が一つ出来る。時間掛けるとリアルなウサギ型りんごが生まれる。はぇー、凄い。

 

 切り分けたウサギ型りんごを皿に盛り付けて2階へ。バーン!とジョジョみたいな感じにドアを開けると、起きていたのかビクッと身体を毛布で隠すようにする。そして「えっ?!えっと、誰っですか?!」と聞いてきた。聞かれたことには答えるのが大人と言うもの。今はスタンドだから大人かどうか分からんが、まあ心は大人だから行けるっしょ。

 

 さて、どう説明したことか。実はこの体喋れない。何でやろね。原作の最初では喋れてたのに。

 机にりんごを置くと、丁度よく紙と鉛筆を発見。スピードAと精密動作性Aを活かしてササッとスタンドの説明を書く。

 文字で埋まった紙をビビっている出久に渡し、机の側の椅子に腰を掛ける。…あ、スタンドの説明に「そばに立つもの」って書いたけど、これじゃあ「そばに腰かけるもの」じゃん。

 …出久くんがブツブツ言っててこっち見てないからセーフってことで。こっち振り返る前に立てばおけおけ。

 

 りんご一つ咀嚼してると、読み終わったのかこちらを見る出久くん。素早く立ち上がり、りんごを飲み込んでキメ顔をする。なんでキメ顔したんだろ?

「えっと、個性とは違う…スタンドって名前の超能力ってことでいいのかな…?」と聞いてきたので、コクリと頷く。するとまたブツブツ言い始めたので、その内にりんごを口へ放り込む。うむ、我ながらに美味い。

 

 

 それから少しして、知らない間に納得したのか、なんか考え事をしている出久くん。…なんか最後にくん付けるの面倒臭いな。出久でいいか。

 出久と一緒に下へ降りると、丁度出久の母が帰宅。俺の姿に悲鳴をあげない様子から、やはり俺の姿は出久にしか見えていない模様。隣の出久は説明では理解したけど、本当に自分以外には見えていない事実に驚いている感じだ。出久は俺に対して驚きすぎなのでは?笑えるんだが。

 

 出久の母が料理を始めたので、バレないように手伝いをする。俺の素早さならバレないように素早く動きつつ、料理するなどお茶の子さいさいだ。とりあえず一品増やしますね、お義母さん。

 

 食事始めたので、その間に残ってる洗い物を片付ける。ここに住むのだ、少しくらい手伝いしないと罪悪感でチョッピリ傷ついちゃうからね。

 呆けた顔で見てくる出久。ハハハハ、笑かすんじゃあない。ほら、お義母さんに怒られるぞ。ほーら、怒られた。

 

 台所で洗い物がないことに不思議に思っているお義母さんを横目に、スススーッと出久の隣へ。ビクッとする出久。もうそろそろ慣れてもいいんじゃない?

 そういう旨を伝えてみると、「いや、急に出会って1日で慣れるのは無理が…」とか言った。おいおい、俺は人間の時も直ぐに慣れすぎて逆に気持ち悪いと言われた男だぞ。ちなみにスタンドになった事実は、スタンドになって3分で慣れた。人生諦めと慣れが潤滑油よ。

 

 部屋に戻ると、俺のことについてノートに書き始める出久。考察はいいんだが、ノートに半裸の青い男はないと思う。ちゃんと正式名称で…と思ったところで、スタンド名言ってないことに気づく。紙とペンを取って、紙に「スタンド名:スタープラチナ」と書く。それと序でに「個性として認識可」と書いておく。スタンド能力って言っても他人には分からないでしょ。暫くは個性で通そうか、と思って書いたんだが、出久が凄い勢いで泣き始めた。うわ、量。そんなに個性持つことが嬉しいのか。

 

 とりあえずうるさいので、首をトンとして気を失わせると、そのままベッドへ放り込む。

 

 おやすみだ、我がボディ。

 

 

 

 

 …あれ、俺外に出っ放しだけど、どうやって戻るんだ?というか、戻れるのか?

 

 まあ、いいか。漫画とかないかな。…オールマイトばっかだな!




反響次第では続き書こうかな、と思っておりますが…

うーん、現状では低評価多いですし、申し訳ありませんが続き無しの方向ですかね。

追記)前から書いてるヒロアカ小説の評価を、たったの7時間で越えられてゾッとしてます。
ゾッとしたので、エニグマに仕舞われてきますね(現実逃避)
再追記)何か知らないうちに短編の日間ランキングに4位入りしてました。

はい、書きます(正座)


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スタンドパワーッ!!

何か短編日間ランキングで2位になってる夢をみたんですよ。

え、夢じゃない?そんなぁ…(エニグマに収納される作者)


 スタンドって睡眠不要なんだね。完徹したんだけど特に眠気も来ないし、元気モリモリア○パ○マ○だし。

 後、スタープラチナの視力がチートレベルなんだが。いや、出久を起こすのは悪いなと思って電気を付けないで本を読み始めたんだが、昼間と変わらないレベルで読めてびっくりした。どれくらいビックリしたかというと座った状態からジャンプするくらいにはビックリした。…波紋の才能があるかもしれないな(ない)

 

 ちなみに夜の間は漫画とか物色していたんだが、なんだか漫画が少なくてスタープラチナ少し悲しい。多分ヒーローの登場でそういうのが少なくなったんだろうけど、漫画好きな俺としてはちょっぴり寂しい気分だ。

 そして出久が保有する書籍の大部分を支配していたのがオールマイト等のヒーロー関係だ。いやぁ、これだけの量があればヒーローに詳しくなるのもわかる。読む気にはなれなかった。まあ、その内ね、その内。

 

 という感じで夜を過ごしたんだけど、陽は沈めばまた昇る。6時、朝です。

 夜中の物色ついでに日付とか確認したんだけど、今日は土曜日なので無理に起こす必要は無いだろう。といっても出久の母は朝食の準備をしているようなので、ちょっと手伝いに行ってきます。まってろよ~出久~、また一品増やすからな~。

 

 台所にてお義母さんにバレぬように動きつつ手伝いをしていたら、慌てた様子で出久がダイニングへ入場。俺を見るなりほっとしたのか溜息を一つついた。そしてすぐに俺がまた手伝っていることに呆れたような目つきになる。いやぁ、出久の顔は朝から面白いな。ハハハハ。

 

 朝食に一品増やすことが出来なかったけど、目玉焼きの焼き加減最高だから許してヒヤシンス。

 と、出久と母が席に着いたようなので俺も出久の隣へ。昨日スタンドの説明に「そばに立つもの」って書いちゃったし、射程距離以外ステータスAの優秀なスタンドは嘘をつかないので有言実行する。

 俺の事が気になるようなのか、出久が俺を何度かチラ見してくる。…よし、ジョジョ立ちしてチラ見待ちするか。

 

 …?なんか箸止まってるな。どうしたんだろうか、風邪でも引いたのだろうか。と思ってたら出久の考えていることが何か伝わってきた。こいつ、直接脳内に…!?

 ………。

 ほう、出久は俺の事を母に伝えるかどうか悩んでいるようだ。んー、いいんでない?俺はスタンドで、出久は本体なんだから。本体のいうこと聞くのがスタンドでしょ。出久に近づき、親指を立てて肯定する。出久は俺の意図に気づいたのか覚悟を決めたように顔を引き締めた。

 

 …あれ、俺なんで出久本位に考えているのだろうか?

 …まあ、いいか。諦めと慣れが潤滑油、そんな些細なことは気にしない。

 

 と、出久が俺の事について話し始めた。俺が紙に書いたことをもっと分かりやすく噛み砕いて説明している。あれだな、俺のボディは先生とか向いているんじゃないか?

 そのまま話を聞いていると、まだ信じれないようである母が実演して欲しいという話になった。出久がまたこちらをチラ見してきたので、ずっと前から準備していたジョジョ立ちを披露する。どうだ、出久。この立ち方こそが俺たちに夢と希望とセンスとユニークさを与えてくれたジョジョ立ちだ。エジプト出発時のあれは笑いどころでしょ。実際笑ったもん。

 目を丸くする出久。何故だ。

 

 実演ということで、とりあえず食卓にあるコップを持つ。持ったついでにクルクル回してテイスティング。んー、これは麦茶!

 と、口をあんぐりと開けて目を見開いてコップに指を指す出久の母。やっぱ親子なんだな。出久と反応がそっくりだ。と、出久はそのまま話を進めるようだ。コップを食卓に戻し、さっきとは別のジョジョ立ちを披露する。俺のことが見れる出久は今話している最中なので、このジョジョ立ちを見てくれることは無いだろうが…俺がジョジョ立ちしたくなったんだから仕方ない。そのまま続ける。

 

 ジョジョ立ちも飽きてテレビを眺め始めて10分後くらい。話が終わったのか、食卓の食器等を片付け始めたので、俺も手伝うことにする。今日からバレても問題ないので超スピードで動かず、普通に手伝う。お義母さんも気づいたのか、「スタンドだっけ?便利なのねー」と言っていた。ハハハハ、もっと褒めて。褒めるとスタンドが成長して時を止められるようになるかもしれないぞ。

 あ、ちなみに時を止めることは出来なかった。夜の間に色々とやってみたんだが時を止めれなかった。確かスタープラチナの時止めって自分がめっちゃ速く動いて時の止まった世界にエントリーする感じだったから。多分、今の俺では速さが足りないのだろう。クソッ…速さが足りなかったか。

 

 台所の片付けも終わり、出久と母は、個性届を出しに行くため身支度とかを始めた。俺は特にやることもないので出久の隣に立つことにする。…どうやら俺が隣にいることが気になるのかソワソワとする出久。ハハハハ、何かわからんが面白いな。

 このまま眺めているのもいいか…と、してもいいのだが、俺はスタンドだ。本体が望むなら俺はその通りにしよう。あと、本体の中に戻るってどういうもんなのか知りたいのもある。

 と、いう訳で出久の身体に戻ってみる。えい!

 ……。

 おー。戻った時の予想何てしてなかったけど、何か予想外だな。視界は目を瞑った時のように暗いんだが、本体の気持ちが分かるというか、なんか出久を凄く近くに感じるのだ。

 おや、出久が焦っているようだ。あー、俺が消えたことに対して驚いているのかもな。とりあえず出久の肩から腕だけ出してみる。…お、安心したようだな。じゃあ戻すか…って、あれ?戻せない、何でだ?

 何で戻せないのか確認するため、顔半分出して覗いてみる。出久は俺の腕が重なっている状態に少し興奮しているのか、手をグーパーしている。…え、もしかして腕だけ出すと戻す戻さないの判断は本体に依存するのか?へー、初めて知った。他のスタンドもこんな感じなのかな?

 

 その後、散々グーパーした後、出したり戻したりも出来ると気づいた出久は、ずっと俺の右腕を出したり戻したりしていた。飽きないねー、俺1分辺りで完全に飽きてたよ。

 

 

 さて、個性届も終わり昼頃。出久は俺と対面していた。

 どうやら俺の能力について詳しく知りたいのか、実践してみてみたいらしい。…ウーム、ぶっちゃけると部屋で俺の全力をやると部屋が跡形もなく消えてしまう。パワーAは伊達ではない。そんな旨を伝えてみると、「じゃあ外の方がいいのかなぁ」と呟いてスマホの地図を開いて探し始めた。

 …あ!俺行ってみたいところあるんだけど!(観光気分)スマホの地図に指を指して伝える。そう、出久の修行場所にしてOFAの受け渡しをした場所、海浜公園だ。

 

 

 うーわ、ゴミしかないじゃんか。あ、今は出久と一緒に海浜公園に来ています。思っていた以上のゴミの山に出久と一緒に「うわぁ…」てなってます。

 うーん、こんなにも汚いとは。もう今からでも掃除始めたらどうだろうか。これ放置したらもっと増えるんでしょ?害悪じゃん。

 とと、それは一旦置いといて、だ。今は出久が所望している能力の把握のためにも、テキパキやろうじゃあないか。出久に進むように促すと、戸惑いつつもゴミ山の方へと近づいていった。

 

 …この廃車とかでいいんじゃない?おーい出久やーい、これどうよ。廃車に指さして聞いてみる。「え、えぇ!こんな大きいので試すの?」…何か卑猥だな。中学2年生である事実も相まって余計に卑猥だ。あ、出久は中学2年生でした。

 まあまあ、これでいいんだよ。これで。俺を信じるんだ。だから命令ぷりーず。

 命令を促すと、「う、うん」と一言、頷いた。

 

「えっ…と、ス、スタープラチナ!車を殴れ!」

 

 OK!

 

『オラァ!!』

 

 

ズドォォオン!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ふぃー、あれだな。本体に命令されての方が力が漲るというか、いやー清々しい気分だ。

 それで出久、俺の力はどうだったよ。とりあえず車のフロントは完全に潰れたけど。確か本来のスタープラチナって地面を余裕で抉れるほどの力だったから、もしかすると少し弱いのかも?パワーはAだけど、Aの中でも中間辺りのAだな。

 まあまあ、これから鍛えればもっと強くなるかもしれんし、まだまだ強くなれると思うぞ!

 

 …あれ、出久?

 …気絶してらぁ…。




次はかっちゃんにでも会いに行きますか。


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傍に立つものとしての覚悟

前回でかっちゃんと戯れると書いてたけど、予定変更することに。
かっちゃんを待っていた方、申し訳ねぇ…。

もしかすると修正するかも?


 気絶した出久を担いで帰路へと着くと、そのまま出久をベッドへ放り投げる。多分寝てれば次第に目を覚ますだろう。心配してるお義母さんを落ち着かせつつ、出久を気絶させてしまった謝罪的な感じで今日の晩御飯は俺が担当することになった。鶏肉があるので竜田揚げか親子丼だな。竜田揚げなら早めにタレで味を漬け込ませないとな。あとサラダとかあればいいんだが、野菜は高いしな。冷蔵庫と相談しつつ晩御飯の内容を決めよう。

 

 それから2時間くらい過ぎたあたりで、出久起床。すまんな、出久。今日の晩ご飯は竜田揚げに決まって、もうタレにつけ始めてしまったんだ。と伝えようとしたら出久が俺のいる台所に急接近してきた。おうおう、何だ何だ。え、「あんなにパワーがあったの!?」だって?おいおい、この俺の磨かれた(磨いた記憶はない)この筋肉が見えないっていうのかい?みたいなこと伝えたら、「だっていつも台所にいたから家事が得意なスタンドなんだと思って…」…そっか。それは、俺が悪かったな。

 

 その後、出久から俺の能力についてしつこく聞かれたため、面倒くさくなった俺は、懐に仕舞っていた紙と鉛筆を取り出して、スタンドパラメーターとその目安を記入して出久に渡す。これが俺のステータスだ出久。射程距離以外は全てAの素晴らしいスタンドだ。どうだ、すごいだろう出久。だから出久もこのジョジョ立ちを…と、ん?「スタープラチナってこの射程距離以上に動いているけど、本当に紙に書かれてるステータスで合ってるの?」だと?ハハハハ、何いってるんだ出久。スタープラチナの射程距離はCに決まって…。

 …ん?俺、余裕で射程距離外を移動しているな?

 

 …ファ!?ほんまやんけ!俺の射程距離伸びまくってるやんけ!こんなんチートやチート!

 

 この後、出久と話し合って細かいステータスを調べていくことになった。まあ、それは春休みに調べるとか何とかで。…ん?春休み?え、一週間後に春休み?え、出久ってもうすぐで中学3年生なの?え、原作いり早すぎない?え、え?

 さっきから「え」ばっかだな。今日から「え」禁止ね。さてさて、出久や。もうそろそろ竜田揚げの準備出来て揚げ始めるから、お皿の準備してくれないかしら?

 

 …そうか、春休みが終われば直ぐにも原作突入か。出久は春休みの間で俺を自由自在に操ることが出来るだろうか。スタンドっていうのは、本体と一心同体。「傍に立つ(Stand by me)」者であり、「困難に立ち向かう(Stand up to)」者でもある。出久が雄英高校に入ってから様々な困難に遭遇することになる。その度に出久は無茶して身体を少しずつ駄目にしてしまう。出久のスタンドとなった俺としては、出久に身体を無理させないで欲しいのが本心だ。だが、しかしだ。出久はその困難を乗り越えてこそ、力であったり、技術であったり、何より、掛けがえのない友と守るべき者と出会うことになる。それを俺が邪魔してもいいのだろうか。

 

 …………。

 

 …ん、油の温度も良くなったな。箸を入れると小さな泡が出ている。味付けされた一口大の鶏肉に片栗粉をまぶし、まぶし終わったものを次々と入れていく。ジュワっと音が聞こえ、揚がっていく様をぼうっと見続ける。…そういえば、この竜田揚げは母から教わった料理の一つだったな。

 …そうか、俺はもう元の世界に戻ることは出来ないんだな。スタンドになってから頭から離れていたが、俺はこの世界にスタンドとなって迷い込んできた異邦人だ。俺が動こうとすれば、俺の知っている未来から逸脱していくだろう。…どうするべきか、考える方がよさそうだ。

 

 出久から声を掛けられる。「スタープラチナ…?他に何か、手伝うこととか…」何か困ったような顔をして、俺の表情を窺うように近づいてきた出久。…どうやら、心配させてしまったようだな。手を透過させて、ついていた油を落とし、そのまま出久の頭へ手を持っていく。

 …出久は優しい。優しくて、根性もある。もし、出久がオールマイトから何も受けつがなかったとしても、出久はヒーローになると、俺は思う。誰よりもヒーローらしい精神をしたやつだ。

 なら、俺は…。

 

 

 竜田揚げも出来上がり、テーブルに料理を並べる。緑谷親子は喜色の笑みを浮かべて、俺の作った竜田揚げを覗いている。ハハハハ、そうだろう。何せ俺の得意料理の一つだ。この竜田揚げに関してはそこらの店より旨いと自負している。無論、味見もして美味しいことは確認しているので、味は確かだ。…え?スタンドって食べることが出来るのか?昨日の時点でリンゴ食べてたしヘーキヘーキ。あ、レモンは各自で掛けたいときに小皿に移して掛けるように。社会人になるとレモンのマナーでとやかく言われることあるからな。

 二人とも食べ始めたので、台所へと向かい洗い物を進める。スピードAと精密動作性Aの俺は油汚れなどシューティングゲームの一面に出てくる雑魚より少し強い程度の認識だ。でも、油がまだ熱いため手を付けることは出来ない。どうやら使い終わった油はヒーローが使うということで容器に詰めれば回収してくれるらしい。ふむ、流石は個性が一般となった社会、俺の元いた世界とは違うらしい。なんともデンジャラスね。

 

 

 ご飯も食べ終わったようで、食器の片づけを始める。食事している間に食器洗いはほぼ終わらせていたので、緑谷母の手伝いもあって直ぐに終わる。…ちょっとお義母さん、その手に持つポテトチップスは何ですか。あ、くそう。俺の姿が見えないせいか無視された。…ダイエット料理考えてみるか。

 さて、お義母さんは一旦置いておいて、出久。少し話があるから、出久の部屋で話をしよう。そう伝えると、出久はコクリと頷いた。

 

 出久、俺は君に話さないといけないことがある。俺の真面目な雰囲気に当てられたのか背筋をピンッと伸ばして聞く体勢?になる。そんな強張るようなことは…、いや、なるか。とりあえず話していこう。

 

 

 スタンドを持った者は、必ずと言っていいほど困難に遭遇することになる。『スタンド使いは惹かれ合う運命にある』…、そう言ったものもいた。

 出久、君が俺というスタープラチナを獲得することになった原因は俺自身分からない。だが、これから先、出久は数々の困難に出会う運命にあると俺は予想する。…いや、予想ではないな。確信だ。出久はこれから数々の困難に出会うと確信する。

 …出久。お前に、『困難へと立ち向かう覚悟』があるか、それを教えてほしい。

 

 出久は。少しの間、俺の問いが書かれた紙を見つめ、黙った。静寂が続く。基本喋ることの出来ない俺は、出久の回答を待つしかなかった。

 数分の間。考えていた出久は顔を上げると、俺に答えを言った。

 

「…僕は、小さい頃からヒーローになるのが夢で、強い個性で皆を助けるようになれる。そう、信じていたんだ。でも、現実はそうじゃなかったみたいで。僕には個性が無くて、ヒーローになるのは絶望的で。お母さんから言われた『ごめんね』が、とても悲しかったことは凄く覚えてる。

 スタープラチナ。君はこれから先、数々の困難に出会う、そういった。スタープラチナの真剣そうな顔から、これが真実だと僕は思う。

 ………。

 ヒーローっていうのは、その『困難』を取り除いて、皆に勇気と笑顔をあげる…、そんな存在だと思うんだ。

 僕は、ヒーローになりたい。オールマイトみたいなヒーローになりたい。そのためには『そんな困難』ッ!乗り越えてみせる!スタープラチナッ!僕はその困難に立ち向かう『覚悟』はとっくの昔に、出来ている!!」

 

 最初は静かな声だったのが、途中から大きな声になっていた。

 やはり、俺の本体は良い精神を持っている。誰に言われるでもなく、『ヒーローになるという覚悟』を出久は語ってくれた。ヒーローには困難は付き物だと。それでもその困難を乗り越えると、そう言った。

 …なら、俺も覚悟を決めないとならない。出久がその覚悟を持ったのなら、俺には何も異論などない。出久はヒーローになると、自らの意志で言ったなら、俺はその意志に従うだけだ。

 出久の傍に立ち、困難に立ち向かう覚悟は出来たッ!!俺は出久と共に最高のヒーローを目指す!!

 

 出久に拳を突き出す。出久は俺の意図がわかったのか、出久も拳をだして、俺の出していた拳へぶつける。

 この夜、お互いの覚悟を、ヒーローになるという覚悟を、誓い合った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 さて出久や。まず一つやることがあるんじゃがな。

 精神と身体を鍛える為にも、走り込みと筋トレ。明日の早朝から始めてくぞ?

 何故か出久の顔が真っ青になった。どうやら表情に「痛めつけてやろう」てきな表情が漏れていたみたいだ。がんばれ出久。まず最初の困難は“春の地獄特訓”を乗り越えることだ。

 頑張れ頑張れやれる!絶対できる!頑張れ、もっとやれるって!やれる、気持ちの問題だ!頑張れ、頑張れ!




出久の覚悟とスタープラチナの覚悟を固める回になりました。


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かっちゃんとの衝突

 ネタが一切思いつかなくて全然書けなくて唸ってたら、こんなにも期間が空いてしまいました。
 ユルシテ…ユルシテ…

日間ランキングに載っちゃった(白目)


 月曜日。学生にとっては憂鬱な日であり、社会人からしてみれば地獄のような、そんな曜日。俺はスタンドなので特に月曜日で気分が上下することはないのだが、本体の出久に関しては違う。

 

「あ…、あがが」

 

 あ、これ別の理由だな。月曜日の憂鬱な気分とは関係なさそうな酷く疲れた顔してる。まあ、出久をこんな顔にしたの俺が原因なんだけどね。

 昨日から出久とトレーニングを始めたのだが、思った以上に効いたようで今日の朝には全身筋肉痛になっていた。一応運動後に水分とプロテインを補給させて筋肉痛を和らげるようにしていたのだが…。

 

 ベッドから筋肉痛で抜け出せないのは学校に影響が出てしまうので、精密動作性AとスピードAによるスタープラチナ式ウルトラマッサージを行った。

 結果、マッサージを受けた出久は筋肉痛が大分和らいだ様子で、自分の足で立って歩ける程度には復活した。…が、登校したらまた痛みが再発したようで机に突っ伏して死んだような顔をしているという訳だ。

 …まあ、筋肉痛はそう簡単に収まるものでもないから仕方ないな。痛みに耐えろ出久。筋肉痛ということは、確実に筋肉が超再生して発達しているということだ。これから毎日筋肉痛で悩まされることになるが、頑張って乗り越えようぜ!

 とりあえず持参したプロテインバーとココア味のプロテインを出久に吸収するように促して、俺はマッサージを始めた。

 

 

 

 

 出久に朝やったマッサージをしていると、続々とクラスメイトが教室に入ってきた。むぅ。マッサージは中断だ、ごめんな出久。

 クラスメイトの面々を眺めていると、見覚えのある顔が。あの薄金髪のトゲトゲ頭の目つきの悪い、クソを下水で煮込んだような性格っぽい子は…。出久、一旦離れるぞ。すると、「あっ…!あー、いたずらしないようにね?」 と、出久が小声で俺に注意してきた。むぅ、何故俺が悪戯しに行くとわかったのだろうか。もしかして出久は俺の考えていることが分かるのか…?いやいや、そんなわけ。

 先に釘を刺されては仕方ない。ササーと例の少年の下へと向かう。…うん、やっぱ彼…爆豪勝己くんだね。勝己くんはうちの出久には目もくれずに自分の席に着いた。

 悪戯するなと本体である出久から言われたので、仕方ないのでそそくさと出久の隣に戻る。出久は俺が何もしなかったことに安堵したのか、ホッとしていた。なんだ出久。俺のことがそんなに信用ならないのか。

 …出久の思考から疑惑の念が飛んできて少し悲しくなった。

 

 しばらくして。

 教壇に立つ先生らしき男が…って原作で出てた色々とダメな担任じゃないか。なんでか知らないが出久の志望校をクラスの皆の前で口にしたり、希望進路の用紙を宙にばら撒いたりと結構やべー人、もとい変な人である。この教師2年も同じ担任だったのか、知らなかったな。…またやらかさないだろうな?不安だ。

 朝会が始まり、担任が「欠席者はいないかー」と適当に出席確認を行う。その問い方は欠席者がいたとしても返事がないのでは?まあ、休むってなったら事前に連絡は来ているとは思うが。

 と、クラスを見回していた担任が、俺の本体である出久を確認すると「ああぁ、そういえば」と口を開いた、ってちょっと待て、凄く悪い予感がするというか、もう未来が見えたというか。こいつやらかすぞ。

 

 

「そういえば出久、個性が出たんだってな。先生、個性が発現したって連絡が届いた時びっくりしたよ」

 

 

『………は?』

 

 

 あーもう無茶苦茶だよ。

 

 

 

 

 朝会が終わった後、俺の予想通り出久は個性のことについて質問攻めにあっていた。四方からマシンガンのように来る質問に右往左往していた出久だが、質問を受けている間に個性が発現したことを再実感したのか嬉しそうにしていた。…ん、どうした出久?え、俺はどうなのか?人混みで酔いそうだ。

 と、クラスメイトに囲まれていると結構近くから「BoooooM!!!!」爆発音が響いた。うわ、何事だ。

 

「おい!デクテメェ!!個性が出たってどういう訳だァ!?」

 

 爆発音から分かってたけど勝己くん、いやもう君付けはいいか。勝己、教室で爆発させるのはどうかと思うんだが。

 爆発音にビビったのか、出久の机に包囲網を築いていた人たちはサァーと引き出久までの道を作った。勝己はその道をズンズンと進むと、そのままの勢いで出久の胸倉を掴んだ…って待て。流石に胸倉掴むのはいかんと思うんだが。出久にどうするか聞いてみると、直ぐにまだ何もするなと伝えられた。まあ、出久がそれでいいなら俺はいいのだが。

 

「無個性の木偶の棒のテメェが、個性だァ?寝言は寝てから言えやッ!」

「…っ、僕だって今でも夢なんじゃないかって何度も思ったよ!でも本当のことだったんだ!もうかっちゃんが言う無個性のデクじゃないんだ!僕だってヒーローになれるんだ!」

 

 なんか出久と勝己が凄い言い争ってる。…感想小学生かよ俺。

 大丈夫かしら。言い合いは存分にして構わないけど殴り合いに発展しちゃ駄目だぞ出久。スタープラチナは少し心配。

 

「あ゛あ!?無個性のデクが妄想垂れ流してんじゃねェ!それにヒーローだぁ?テメェみたいな能無しがヒーローになれる訳ねェだろうが!!」

「僕はもう木偶の棒のデクなんかじゃない!ヒーローを目指す『緑谷出久』なんだ!!」

「うっぜぇ…!デクのくせして調子乗りやがって…、なら自慢の個性でも使って見せろやァ!!クソデクがぁッ!!」

 

 勝己の手から爆炎が発生し、そのまま出久へと振り下ろされようとしていた。ってヤバーい!流石にコレは止めるぞ、良いな!?と聞こうと思った瞬間に出久の口が開いた。

 

「スタープラチナっ!!」

 

 

 勝己が振り下ろそうとした拳は空中で静止し、出久の顔面へと振り下ろされることはなかった。勝己は自身の動かなくなった拳を見て驚愕の表情を浮かべていた。勝己は今起きた事実を認めたくないのか「ふざけんじゃねぇぞ…」と小さく呟き、空中で静止している拳に力を込める。が、動かない。十数秒ほど爆発等させながら動かそうと試みる勝己だが、終ぞその拳を振り下ろすことは叶わなかった。

 

 …まあ、止めているのは俺なのだが。

 出久から命令?みたいのが俺の脳内に直接飛んできたのでその通り動いたら、いつの間にか勝己の腕を掴んでいた。どうやら射程距離範囲内で出久が強い想いで俺を動かそうとすると、俺の意識を無視して出久の命令を優先するみたいだ。…知らなかった。

 

 腕を固定された勝己は怒ってるのか悔しがっているのか、それとも両方合わせた感情なのか。そんな複雑な表情をしながら出久のことを睨んでいた。その視線に出久も答えてか睨み返す。そんなにらみ合いの状況が一分程続いたところで「キーンコーンカーンコーン…」と、少し雑音の混じったチャイム音がその睨み合いを終わらせた。

 勝己は「チッ」と舌打ちをすると出久に向いて前方に寄っていた体勢を戻した。多分席に戻るんだなと察したので、掴んでいた腕を離してやると、そのまま席へと戻って行った。

 

 なんだか熱い青春やってんなぁ…(他人事)

 …はっ。いかんいかん、出久が望んだとはいえ、出久と勝己の間に立たされた際の心労で意識が飛びかけていた…。気をしっかり持つのだ、俺は最強のスタンドであるスタープラチナなんだ。このくらい何てことないんだ…!

 

 ちらりと出久を覗うと、さっきまでの覇気はどこへやら。風船の空気が抜けたみたいに背もたれへと身体を預ける。いつもの出久じゃ考えられない感じの怒号だったもんなぁ。俺と初めて会った時の出久からは考えられないな。でもな出久、喧嘩は良くないんじゃあないか?後で菓子折りでも…。

 待て、俺は出久の何なんだ…?

 

 

 

 

 ちょいと時間が飛んで放課後。今日の授業が終わり、生徒達は部活であったり帰宅したりと、思い思いに行動を始めていた。

 勝己は仏頂面なまま直ぐに帰宅した。出久は勝己が教室から出ていく後姿を見届けると、ため息をついた。…やっぱり勝己のことが気になるのか?出久。そう聞いてみると出久は頷いた。

 出久はヒーロー、特にオールマイトのことを尊敬している。だが、其れとは別に、一番身近にいた出久にとってのヒーローは勝己だ。色々と思うところはあるのだろう。

 と、出久から思念が送られてくる。

 

(ねぇ、スタープラチナ)

 

 ん、どうした出久。

 出久の次の言葉を待つが、中々次の言葉が出ない様子だ。

 

(いや、何でもない。これは僕の問題だ。自分で答えを見つけて、解決するよ)

 

 そうか、出久。なら、それでいい。

 お前の力になることは約束するが、お前が自ら成長しようとしている所に横槍は無粋だろうさ。

 出久の頭をワシャワシャ撫でる。出久なら成長できる、そう思いながら頭を撫でた。




このスタンド実はお母さんでは…?


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オラァ!鍛えるぞ出久ゥ!!

なんか日間ランキングに載ってるぅー↑
なんでぇ?(状況に理解できていない様子)

評価並びに感想、本当にありがとうございます!!
感謝しかありません!
この感謝を伝えるには次話を投稿するしかないだろうと書きましたので、読んで頂ければ幸いです!




 時間は過ぎて春休みに入り、出久と俺ことスタープラチナのトレーニングが本格的に始まった。

 勝己に関してはアレ以降会話はしていない様子だ。まあ、そこら辺は雄英高校に行くことになれば会話もすることになるだろう。それに出久自身が解決すると言ったのだ。俺がやることは無い。

 

 俺がやれることと言ったら―――

 

 

「あ、あが、あばばば」

 

 

 ―――出久の筋トレくらいかな?

 

 

 

 

 春休みの間にはナヨナヨな出久を、春休み以降のキツい筋トレに耐えうるための必要最低限な筋肉を付けさせる。本当に辛いのはOFAを引き継ぐ為のトレーニングだからね。

 出久から「スタープラチナがいるからこんなに急いで筋トレする必要はないんじゃ…?」と、まあ出久からしてみれば至極当然なことを聞かれたのだが、近いうちにOFAを継承するからそのための身体を作っている、なんてことは言えず。とりあえずヒーローを目指すなら個性に頼り切りでいいのか、ヒーローは体が資本だぞ、と適当に丸め込ませた。急ぐ理由は言えないが、お前のためなんだ出久。頑張れ出久。

 

「ううぅ…、体力の無さを実感したよ…。これじゃあヒーローになるのも夢のまた夢じゃあないか。もっと頑張らないと…!」

 

 …なんか、某平和を愛する殺人鬼が通り過ぎたような?気のせいだろうな、うん。

 おう、頑張れ出久。さっき言ったことに関して、俺が本心から言ったことかと聞かれれば違うとしか言えないが、ヒーローには筋肉や体力が必要不可欠であることは本当だ。それに雄英高校の受験までもう一年なんだ。身体を作ることが損になることなどない。そう伝えると出久は「そっか、もう受験まで一年しかないのか…」と顔が引き締まっていた。うん、やる気が出てきたみたいだな。いいぞ出久、頑張れ出久。

 

 あ、でも今は筋肉痛で動きづらいだろう?無理して動かすと逆に筋肉が無くなるから別の事するぞ、出久。…ん?それは何かって?ではヒントをあげようか。まず出久は身体を動かす必要はない。そして筋トレと同じくらい戦闘力のアップに紐づいているぞ。

 

「んー…、あ!もしかしてスタープラチナも修行を?」

 

 うーん、違うぞ出久。確かに俺も鍛えれば強くなれるならやっているが、生憎スタンドの強さは本体の精神力の強さと繋がる。俺が鍛えてもあまり意味が無いんだ。

 まあ正解はと言うと、俺のパワーを上げるのではなく、『出久』が俺を操る際の精度を上げる訓練だ。

 出久と数日過ごしてみて分かったのだが、どうやら出久は、出久と俺は別であると思っているみたいだ。その証拠として俺に何かしてほしい時に出久は、俺に声を掛けて命令を出している。…勝己の時にはスタンド使いらしいスタンド操作をしていたが、あれはまぐれだろう。出久と俺が別であると考えているせいか行動が一拍遅れ気味なのは、戦いにおいては生死を分ける点であるのは間違いない。それを矯正するのが今回の目的だ。

 …俺が自由過ぎるのも原因の一つだと思うが、本来の『スタンド』とは本体の精神が具現化したもの。謂わばスタンドと本体は一心同体の存在だ。出久には俺を身体の一部として扱えるくらいにはなってほしい。

 

 まあ何が言いたいかっていうとだ。出久、俺に慣れろ。

 

 俺を身体の一部のように自然に扱えるように訓練するぞ、出久。

 目標としては命令で動かすんじゃなく、飛んできた弾丸も反射で俺を使って止められる程度にはならないとな。

 それとこの訓練で良い点としては、出久が身体を動かす必要が無いことだ。筋肉を休ませている間に訓練できるから、トレーニング後の手の空いた時間に出来るのはとても魅力的だ。

 …うむ、完璧な計画だ。出久、お前を立派なスタンド使いにしてやるからな!

 

「う、うん!何も喋らないからよく分からないけど、頑張ってみる!」

 

 …後で俺が何したいのかを紙にまとめておこう。あー何で喋れないのかしら。スタンドになってそれだけが不満だね。

 

 

 

 

………

 

 

 

 

 出久のトレーニングも終わり、お風呂に入り晩御飯も食べ終えた出久は、そのまま倒れるようにベッドへ横になると、数分もしないうちに眠りについてしまった。

 

 起こさないように優しくマッサージをした後、出久に内緒で購入した(出久ママに説得してお金を出して貰った)本を取り出す。俺が読んでいるのは医学書だ。それも、骨を中心に書かれたものだ。

 

 読んでいる理由としては二つ。

 一つは原作で出久がよく骨を折るからだ。原作の出久は、序盤のときはOFAを使う度に骨を折ってしまっていた。何度も何度も骨が折れれば骨が歪むのは当たり前だ。出久は拳での戦闘スタイルを改めることとなる。結果的には、拳での戦闘スタイルが出来ないからこそ、出久は脚を用いたシュートスタイルに気付く切っ掛けとなるのだが、出久のスタンドである俺としては怪我はして欲しくない。もし怪我をしたとしても後に残らないように努めたいのが心情だ。

 それで思いついたのがスタープラチナ式整骨術だ。もし出久の骨がバラバラに砕けたとしても、スタンドの物をすり抜ける能力と俺の精密動作性Aを用いて骨の位置を戻せば、元通りとは言えないだろうが後遺症は取り除けるのではと俺は考えた。出来るかどうかは分からないが、出来るようになれば出久のためになるのは間違いないはずだ。

 

 出久と共に生き、出久の進む道を共に進み、出久に立ちはだかる困難を共に打ち砕くのが、俺の役目だ。

 俺は原作を知っているから、出久の進む先に困難が待ち受けていることを、俺は知っている。困難に挑む度にボロボロとなる出久の姿を、俺は知っている。でも、今の出久には俺が付いているのだ。そんなことにはさせない。それが出久と共に進むと誓った俺の覚悟なのだ!

 

 …と心が熱くなっていても、現状は出来ることと言えば出久のサポートしかない。そして出久が眠って以降の時間が暇になってしまう。だからそんな暇な時間を有効活用しようと勉強を始めた。これが二つ目の勉強している理由だな。

 

 …え、じゃあ何で秘密で読んでいるのかって?それはお前、ここぞの時にやれば出久が驚きながら喜んでくれるかもしれないじゃん?俺はそれを見たいがためにこっそりと読んでいるのだ。

 そう伝えると、ベッドから顔だけ出していた出久が「へぇ~…」と少し照れた感じで相槌を打っていた。

 

 …………。

 

 …!?!?

 ちょ、マ!?起きてたのか、出久ゥ!!うわ、はっず!今すぐ記憶から消去しろ出久!というか俺の独白をどの辺から聞いていたんだ出久!おやすみじゃない出久!あ、布団被るな!わざとらしく寝息を立てるな!バレバレだぞ出久!

 

 出久ぅうう!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 時間はまたキングクリムゾンし、春休みが終わって出久も中学3年生になった。

 一か月の筋トレでは外見に大きな変化は見られないが、初めて出会った頃のナヨナヨ出久からまあまあな出久になった。それと、ほぼ毎日ランニングをさせていたのが功を奏して、体力は以前から見違えるように増えていた。これなら予定を繰り上げてスタープラチナのスタープラチナによる出久のための組手形式の訓練を始めてもいいかもしれないな。はははは。

 

 それと、スタンドの操作に関しては中々いいレベルに達しているのではと俺は思う。反復練習を続けさせていたのだが、恐らく才能があるのだろう。メキメキと上達させていき、試しに出久ママにお願いし、出久の虚を突いて卓球の玉を打って貰った(出久ママは卓球ガチ勢だったのか使い古されたラケットで本気のサーブを打った)のだが、出久は卓球の玉を認識した瞬間に俺の手だけ出して受け止めた。その時間、僅か0.19秒。反射神経の速度とほぼ変わらない反応をしてくれた。正直驚いたぞ、出久。

 褒めてやると困った様に「えへへ…」と笑った。可愛いかよ、出久。

 

 俺に関しては、春休みの内に市販で売っているタイプの医学書は読み終えた。そんな深く知る必要もないと考え、今は武道に関して勉強中だ。

 

 

 

 そんな感じで俺たちの春休みは終わり――

 

 

「あ!シンリンカムイだ!」

 

 

 遂に、原作が始まろうとしていた。




次回から、原作突入。




たまごんさん、毎回誤字報告ありがとうございます。
誤字の多い作者でごめんなさい。あとでママプラさんも謝りに行かせますのでご容赦を…うわ、ママプラ何をするやめ(オラァ!


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