蒼龍の物語(仮題) (そーりゅー)
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プロローグ : きっかけ

そこは くらいうみの そこだった

わたしに てをさしのべてくれたのは あおかみの じょせいだった

「PBY、10時方向より接近!」

「潜るよ!ダウン40度、急速潜航!!」

わたしが つぎに めをさましたそこは

せんすいかんだった


西暦2022年

 

それは突然の出来事であった

 

ハワイ諸島が奇襲を受けたのである。

 

第二次世界大戦前にはほとんど姿を消していた、

''深海棲艦''によるものであると国連は発表した(後述)

 

不幸中の幸いか、第7艦隊はインド洋へと中東での

作戦を実施するため展開中であったため難を逃れた。

 

米合衆国は深海棲艦によるこれ以上の侵攻を防ぐために

ハワイの放棄を決定、ハワイでの核使用を決定した。

 

直後、グアムよりB-2が緊急発進(スクランブル)

ハワイ諸島への空爆を実施する......はずだった

 

しかし、深海棲艦による侵攻は思った以上に早く、

深海棲艦の艦隊はグアム近海にまで進出していたのである

 

 

グアムは、艦隊による艦砲射撃や航空攻撃を受け壊滅

また、滑走路への進入待機をしていたB-2の弾倉へと

火の手はおよび......

 

案の定、核が誘爆したのである。

 

 

米合衆国はこの惨状に、非常事態宣言を発令、国連軍による事態収拾を国連に要請。

 

 

この時点で、ハワイの三軍の抵抗も虚しく、

ハワイ諸島およびグアム島は陥落したのである。

 

米合衆国から要請を受けた国連は直ちに国連総会を実施

事態収拾に試みた。

 

国連は、

「今も尚、侵攻を続けている不明武装勢力は現地情報から第二次世界大戦以前から存在し、当時はそこまで脅威ではなく、ここ数十年は姿を未確認だった

 

''深海棲艦''

 

によるものだと思われます。同勢力の目的などは依然不明であり、話し合いでの解決は不可能と判断し、国連総会での全会一致により、これ以上の同勢力の侵攻は世界へと多大な影響を与えるとして、国連軍による殲滅、そして同勢力によって占領されている、ハワイ、グアム両島の奪還を決定致しました。」

 

 

この決定には日本も勿論、例外ではなかった。

 

日本政府は三自衛隊に対し、防衛出動を発令。

横須賀より国連軍への合流のため、

戦後初、固定翼機を搭載した「いぶき」を含めた

第5護衛隊群を派遣。

 

 

国連軍の戦闘は散々であった。

深海棲艦の勢力は当初予測していた数を遥かに越えていたのである。

国連軍は物量の前に壊滅した。

第5護衛隊群も例外ではなく、多大な犠牲を払い、

 

国連軍による、第1次太平洋海戦は幕を閉じたのである

 

第1次太平洋海戦の結果から、国連は出し惜しみをせずに全戦力を注ぎ込むことを決定。

 

これが、深海棲艦との冷戦のきっかけとなる

''第2次太平洋海戦''である。

 

第2次太平洋海戦の結果は.....痛み分けであった。

国連軍による核攻撃によって深海棲艦側も多大な犠牲を払ったのである。

 

 

この海戦後、深海棲艦による侵攻は縮小したが、

ハワイ諸島の奪還は叶わず、これ以上の犠牲は、

無駄ということから、国連軍は冷戦に突入したと判断したのである。

 

 




\\\٩( 'ω' )و///

後半、集中力切れて、文才しんでるけど ゆるして




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Depth 01 : その艦の名は

国連軍による第2次太平洋海戦からはや、6年

1隻の艦は、新たな波乱へと呑まれていくこととなる。

その航海が....どう影響を及ぼすのか

今はまだ神のみぞ知る。


西暦2028年_初夏

 

その鯨のような1隻の(フネ)は、蒼い海面を切り裂き、東京湾を航行していた。

 

その艦の名は''そうりゅう''

 

SSN-521「そうりゅう」はその大きな船体を巧みに動かし、まもなく東京湾を抜けようとしていた。

 

彼女はセイルマストでポケーっと蒼い空を眺めていた。

祖母譲りの蒼い髪をした彼女...そうりゅうの

職種は艦長、階級は2等海佐である。

 

彼女実は、特例措置によって入隊したため、まだ16歳である。その特例措置については後ほど。

 

 

このSSN''そうりゅう''は日本初の原子力潜水艦である。

 

第1次太平洋海戦後に、侵攻を拡大した深海棲艦によって、横須賀と呉が空爆を受けたのである。

水上艦への被害はそこまで出なかったが、

航空機への対抗手段を持たなかった停泊中の潜水艦への被害は大きく、横須賀・呉両基地の潜水艦隊の半数を失うこととなった。

 

それを受け、元艦娘であり、防衛庁長官を経験した戦艦''三笠''を主導とした日本初の原潜の計画が立ち上がったのである。

建造並びに原子炉の開発は三菱重工が請け負い、

順調に建造は進んでいたのだが.....

 

ここで問題が発生した。本来ならば彼女の母親であるSS-501「そうりゅう」が艦娘として乗艦する予定で進めていたのだが、空爆時に負った傷によって艦娘としての力を維持できなくなっていることが判明し、計画を主導していた三笠様の一声によって、当時11歳の娘の「そうりゅう」が乗艦することとなり、特例措置によって、

彼女は艦娘訓練学校へと投げ込まれることとなる。

このことについて三笠様はこう語っている。

「儂は、10歳で既に戦艦動かしていたんじゃ、何ら問題は無い」

 

ちなみに非核三原則についてだが、三笠様が、

「非核三原則の話し合いを国会でしてる間に我国は滅びてしまうわい」と豪語し、事後報告という形で計画が推し進められたのである。

 

こうして無事に建造を終えたSSN''そうりゅう''は事後報告という形で国民へと公表された。

まぁ....勿論国民だけではなく野党からの批判も凄まじくデモによる衝突も起こりかけたのであるのだが....実は、

原潜の発表だけでは、批判で済んでいたのだが....、同時に改いぶき型護衛艦、事実上の航空母艦の「きい」を発表したことにあったのである。まぁそれはまた別のお話。

 

実は、まだ隠していることがあった。これは、計画のメンバーでも数名しか知らず、三笠様からも箝口令が出ている内容であった。

SSN「そうりゅう」は公表上は、攻撃型原潜であり、ヴァージニア級米原潜を元にしたとなっているのだが、実際には、オハイオ級をモデルにした戦略ミサイル原潜であり、本来の艦種はSSBNであったのである。

 

そして場面は、東京湾へと戻る。

 

空を眺めていたそうりゅうだったが、唐突に隣へと居た副長妖精に問いかけた。

 

「副長、今回の追加の荷物どう思う?」

 

「SBUの事ですか?」

と副長は聞き返す。この副長、まだ未成年の彼女を補うために、母親の艦から異動になったのである。彼だけではなく、乗員の7割程度は新しいそうりゅうへと異動してきた乗員妖精達である。

 

話を戻すと''そうりゅう''は、米原潜に倣ったこともあり、海上自衛隊の特殊部隊、特別警備隊、通称「SBU」を運用できるようにしたのである。それで、本来ならば有事や作戦時にしか同乗しないのだが、定期哨戒任務に付いてくることとなった。

 

「定期哨戒任務なら、必要ないと思うんだけども....」

 

「確かにそうですね...でもまぁ命令書はあるんですし、良いんじゃないんですか?」

とタブレットに表示された電子命令書を確認する副長。

 

「(;-ω-)ウーン.....」

と唸るそうりゅう。

 

「そんなことより艦長、そろそろ湾を抜けますけど如何しますか?」

 

「(。-`ω´-)ンー....取り敢えず潜るかな、やっぱり潜水艦は潜らなきゃね、ダウン30度、深度40、潜航よーい!」

 

「復唱、潜航配置!ダウン30度、深度40」

と艦内通達を行う副長。

 

潜航配置がかかり、マスト左右で見張りをしていた隊員が艦内に退避し、副長、艦長の順番で艦内へと入っていく。

 

そうりゅうは発令所へと入り、艦長席へと着く。

 

「各部署配置よし、レーダーマスト、衛星アンテナ収納よし」

と副長が報告する。

 

「ダウントリム30度、深度40」

と操舵士が復唱し、船体が傾くのが感じられた。

 

やっぱ、潜水艦はこうでなきゃね、とそうりゅうは思った。

 

 

 

そして、SSN...改めSSBN''そうりゅう''は定期哨戒ラインを目指し潜航したのである。

 

 




\\٩( 'ω' )و///

沈黙の艦隊を最近2日で全巻読むってことして、
モチベが出来たので.........

モチベが死なないうちに書きまくりたい(願望


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Depth 02 : 鯨

\\\٩( 'ω' )و///。
モチベが…!!


---小笠原諸島南東 600マイル---

 

深海棲艦の侵攻により陥落したグアム島を含む北マリアナ諸島、そしてほぼ対角線上に位置するミッドウェー諸島を結んだここは、国連が定めた哨戒ラインの一つとなっている。

 

この哨戒ライン手前まで、「そうりゅう」は近づいていた。

 

 

そのころ、''そうりゅう''はというと.....

艦長席で本を読んでいた。

 

「艦長、そろそろ哨戒ラインへと到着しますが....って今日は何を読んでるんですか?」

と、副長に問われ、そうりゅうは、

「んー.....今日はね、沈黙の艦隊読んでるの。出航前に''いよ''さんから貰ったの」

 

「ハエー...いよさんからですか.....艦長、たまに作品の影響で意味不明な言動ありますけど.....さすがに独立するとか言わないでくださいね。」

と副長。

 

「さすがに独立なんてしないよぉ。でもあれはやってみたいかな。''ワレ ゲンシリョクニテ コウコウチュウ''っていうの」

 

「ハハハ....国民の前でやったら叩かれそうですね」

と呟く副長。

 

ちなみに''いよ''さんとは、''そうりゅう''と同時期に発表され国民の更なる反感を買った、''改いぶき型護衛艦''の2番艦であり、現在船体は艤装作業中であり、近々就役の予定である。護衛艦と名乗ってはいるが、戦闘攻撃機を20機程度積んでいるので、実質空母である。

 

 

そんな一方、原潜の就役で叩かれた''そうりゅう''だが、国民にとっては、空母の衝撃の方がデカかったそうで、当時はそこまで叩かれなかったそうな。尚、建造を行った某重工は叩かれた模様。

 

当時の総理大臣は国民へとこう語っている。

「''いぶき''就役時にも同じように指摘されました。しかし今現在''いぶき''の就役により、他国からの侵略を抑止することが出来ています。F-15の空中給油機能も当時は現在のように、我国の防衛に大きく活躍するとは誰も予測していませんでした。今回の''きい型''そして''そうりゅう型''も今後、深海棲艦や他国への抑止として大きく活躍することを願っています。この先の未来がどうなるのかは誰も知らないのです。我国の未来はこれから自らの手で切り開いていくものなのです。」

 

 

「ところで、哨戒ラインへと到着しますが...如何しますか?」

と副長に聞かれ、

 

「水上警戒へと移行。潜望鏡深度まで浮上。」

とそうりゅうは返答し、副長は復唱を行う。

 

「水上警戒配置。潜望鏡深度、浮上。機関微速。」

 

「深度10、機関微速、ヨーソロー、アップ20度。」

と操舵士が答える。

 

「レーダーマスト上げます。対空、対水上警戒。」

 

そしてゆっくりと鯨のような大きな船体は深度10へと浮上し、潜望鏡を上げたのである。

 

「周囲に対空、対水上目標なし。衛星に若干のタイムラグが出てます。故障などを確認中。」

と通信士が報告する。

 

「水上目標、目視でも確認なし」

と潜望鏡を覗いた副長からの報告。

 

「気象庁から受信。3マイルほど先に突発的な低気圧とのことです。予報にはありませんでした。衛星のタイムラグから2分ぐらい前です。」

と通信士からの報告。

 

「ということは...実質的な現在の距離は2マイルぐらいか。」

とそうりゅうは呟き、

 

「まぁ潜ってしまえば一緒ね。水上警戒を3分後に終了。その後、潜航警戒配置へと移行。」

潜望鏡を覗きながらそう指示を出す。

 

「ねぇ、副長。手前に見える雲さ。どこかで見たことあるんだよね。」

とふとそうりゅうは副長へと呟く。

すると副長は.....

「私は見たことないですし....何かの作品で見たのでは?」

と答えると、そうりゅうは

「あー......思い出した。米空母がタイムスリップしちゃう映画で見たんだ。よく似てるなぁ....。」

 

「ハハハ....さてそろそろ時間ですね。では指示出しますか?」

と軽く苦笑いをし、次の指示の確認を行う。

「そうね。」

と軽く返答し、艦内通達のためヘッドセットを取るそうりゅう。そして、

「艦内通達。水上警戒から潜航警戒配置へと移行。各マスト収納。ダウン30、深度60。」

と指示を出す。

 

深度60までダウンする間、そうりゅうは若干船体が横に傾いていることに気が付き、

「操舵士どうしたの?船体若干、横に傾いてるわよ。」

と操舵士へと聞くと、操舵士は、

「船体が何かに掴まっているようです。傾斜を平行に戻せません。」

と返答される。

 

「何とかしなさ.....キャッ」

指示を行おうとした瞬間船体が突然大きく傾く。立って指示していた副長は転び、発令所の水密扉へと叩きつけられる。

 

「どうしたの!?状況報告!」

とそうりゅうは報告を求め叫ぶ。

「船体が水流らしきものに飲み込まれています!操舵が効きません!現状の維持がやっとです!」

と操舵士からの報告を受ける。

 

船体は大きく揺れ、席に着いていた乗員もなげだされそうになっていた。その時、

 

バヒュゥゥゥゥゥゥン という音と共に艦内の電源が落ちる。どうやら機関が緊急停止したようだ。直ぐに非常電源に切り替わる。

 

「原子炉緊急停止!主電源ダウン!」

と機関士からの報告が入る。

「推力ダウン!現状維持出来ません!」

と操舵士から悲痛な叫び声の報告が入る。

 

そしてどれぐらい時間が経過したのだろうか。

そうりゅうはふと目を覚ます。

 

「ん.....いつの間にか意識を...」

目を覚ますと、そこは艦内の医務室だった。

近くには衛生長が居た。

「艦長、大丈夫ですか?」

と衛生長に聞かれる。

「えぇ...まぁ...それよりどうなったの?」

と、そうりゅうは現状報告を求める。

すると衛生長は、

「はい、先程の揺れの後、私も含め全員意識を失ったようで...気がついた頃には船体は懸垂状態で止まっていました。現在、水雷長が発令所で指揮を執っています。」

と報告する。

 

「水雷長が指揮を?副長はどうしたの?」

とそうりゅうが聞くと、

「はい、揺れの時に水密扉へと思い切り叩きつけられたようで...傷を手当しましたが、右腕を軽く捻挫していたため、安静にと。」

と衛生長は答える。

「そう....。じゃあ発令所に行くわね。」

とそうりゅうは答え、発令所へと向かった。

 

そして発令所。

「水雷長、現状は?」

と水雷長へと報告を求める。

「はい、現在本艦は深度10で懸垂中。各システムおよび機関への損傷はなし。詳しく確認できないのであれですが....モニター上では船体の損傷もありませんでした。」

と水雷長は報告し、付け加えるように、

「負傷者ですが、副長の捻挫以外全員唾を付けとけば大丈夫な程度の傷です。」

 

「現在の位置情報は?」

とそうりゅうが聞くと、水雷長は、

「衛星アンテナを上げ、確認したのですが、衛星の応答がありませんでした。故障も確認しましたが...問題はありませんでした。」

と報告する。

これにそうりゅうは...

「衛星が効かないとかまさにジパングじゃないの...( ´•ω•` )。」

とそうりゅうは呟き、頭を抱えた。

 

「どう致しますか?艦長。」

と頭を抱える艦長を横目に尋ねる水雷長。

 

「そうね.....海図を頼りに小笠原諸島海域まで反転。状況把握を優先するわ。」

 

「了解。針路反転。目的地、小笠原諸島海域。機関微速前進。」

と水雷長が復唱する。

 

 

「.....(これからホントどうしよ.....)」

 

 

そして、1隻の大きな鯨は小笠原諸島を目指す。

 

 




次は殆ど考えてないため気が向きつつ。
(*´ω`*)

<余談>
28DDGの艦名は''はぐろ''でしたね。
次のDDHは''きい''か''いよ''辺りが良きかな
(((o(*゚▽゚*)o)))


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