ダンジョンでTSパルゥムが好き勝手するお話 (かんなさん)
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殺意から始まる異世界生活

 よお、俺名もなきロリ(♀)。ついさっきまで普通に日本人(♂)として生きてたのに神様に殺され愉悦され、殴る暇もなくどこか見知らぬ異世界に飛ばされた悲運の男だ。とりあえず神様は殺す。絶対殺す。何が何でも殺す。

 

 あなたを殺人罪と名誉棄損罪により殺します!理由は勿論お分かりですね?意図的に運命を操り、俺を殺しておきながら、謝る事すらせずに笑い転げていたからです!…畜生、今思い出しても胸糞悪い奴だぜ。

 

「はあ…」

 

 これからどうしたもんか。

 俺がいるのは、異世界のどこかの街だ。中央に塔がそびえたっていて、住民たちは明らかに人外が混じっているし、鎧や魔法使いのローブやらを着こなしている。

 それに加えて人目で一般人とは違うオーラを纏った人々も稀に紛れ込んでおり、俺は戦々恐々の気持ちで隅の方をウロチョロし続けていた。

 言葉は通じるようだが、正直話しかけたくない。だって俺は・イズ・インドア派。どちらかというと待ちの姿勢が多いナイーヴ系ロリ(元男)。話しかけられる勇気は、ぶっちゃけないのだ。

 

 仕方なく歩きゆく人々の話に耳を傾けつつ散歩をする振りをしている訳だけど、固有名詞が多くて何が何だか分からない。『レベル』だとか『ステータス』だとか『ダンジョン』だとか、ゲーム用語をよく耳にするのだが、多分俺が想像しているものとは別物だ。

 それから、神様って単語が何度も出てきた。どうやらこの世界には神様が普通に人々に交じって暮らしているらしい。もう、何が何だか分からない。どんな世界観なのだこの場所は。

 っていうか、俺が知るあの神様とは違うよね?俺を送り込んだクソの同類なら、俺はここでテロリストにでもなる覚悟あるぞ。奴のような胸糞悪い上位者はパリィからのモツ抜きをして殺してやらねばならないのだ。神殺すべし、慈悲は無い。

 

 …とはいえ、多分ここの神様達は別物だけどな。あの異様な雰囲気は一目見れば判別が付く。吐き気の催す邪悪って感じだから、すぐに分かるはずだ。

 

 …って、ん?

 

「…?」

 

 視線を感じて、ふと路地裏を見てみる。すると、そこには人形があった。

 

「…やあ」

「!?」

 

 違った、動いた。生きてるぞ、こいつッ!

 まじまじと見てみると、人形のように無表情ではあるもののかすかに血色もあるし瞬きもしている。かわいらしい黒髪ロングのロリだった。

 そして俺も今はロリである。君もロリ、俺もロリ。世界は今平和になった。

 

「…こっちに来て」

「ふぇ?」

 

 手を引かれ、俺は路地裏に引き込まれる。やだ、強引…。でも手のひらがとても柔らこくて大変癒される気分でした。控えめに言って最の高。

 そしてしばらく奥の方まで来ると、ぐいっと壁に追い込まれて、顔の横にダン!と手のひらを叩きこまれた。

 

 これは…まさか、噂の壁ダァン…!?

 

「…私の眷属になって」

「は、はい…!?眷属ぅ…!?」

 

 え、何それは…(困惑)。

 眷属って、なんの?

 

「私のファミリアに入って」

 

 言い換えてくれた。そういえばファミリアって単語も結構出てたな。俺的にはクラン的なものなのかなって考えてたけど、俺、今それに勧誘されてる?

 

「はあ、はあ…一目見た時から運命を感じていました。どうか私の為にお味噌汁を毎日作ってください…」

「ひえ」

 

 な、なんだこの子!?無表情なくせに鼻息荒いし顔赤らんでるし…身の危険を感じて寒気がするんだが!?

 く、いやでも待て。ここで突っぱねるのは簡単だが、俺は今現在ただの無職で肩書もなければ名前もない。そんな俺が生きていくためには後ろ盾と居場所が必要だ。そして、詳細は分からないがファミリアに所属すると最低でもその二つは手に入る可能性が高い。

 

「…く、詳しい話を聞こうじゃないか」

 

 俺は太ももに延ばされた小さな手のひらを掴み取ってから、慎重に話を切り込んだ。

 

 

 

――――――――――――――――

 

 

 

「驚いた。まさかファミリアやギルド、冒険者についてすら知らないなんて…どこから来たのかとか、それ以前に何故ここに来たのかが分からない…」

「はは、まあ…気が付いたらここにいたから…」

 

 場所はロリが借りてる部屋の中。ベッドに二人並んで腰かけている状態だ。あ、一応断っとくと俺じゃなくて黒髪の方な。

 

 黒髪のロリ―――トトの話をセクハラを防御しつつ聞いたところ、この世界…というか街では冒険者がダンジョンに潜り、魔物を倒して収入を得ている人が多いらしい。ファミリアのほとんどはそういった冒険者のファミリアで、そのほかは商業ファミリアなどがあるらしい。

 そんなファミリアには神が中心にいるらしく、神が与えるステイタスと呼ばれる恩恵を目的に人々はファミリアに所属するらしい。ステイタスを手に入れると、行動に応じた経験値を得ることが出来、偉業を達成するとレベルがアップする。現在、世界で一番レベルが高いのは猛者の二つ名を持つ男のレベル7らしい。

 

 ちなみにトトのファミリアは誰一人としてメンバーはいない。何せ最近地上に降りてきたらしい。

 

「…つまりもし入るとしたら俺が一番最初の眷属か…」

「ロリ俺っ娘キタ…尊い、尊い…」

 

 正直かなり迷う。今も抱き着いてきて太ももを触ろうとするこのロリの下に付くなんて、迷わない方がおかしい。

 だが、しかし、だ。

 

「冒険者かぁ…」

 

 冒険者…いいじゃない(ねっとり)。

 異世界転生モノが流行った世代に育ってきたから、ぶっちゃけ異世界での冒険者ライフっていうのにはかなり憧れがあった。自由気ままな冒険者ライフ。俺も送りてえよなぁ…。

 

「…分かった。俺、トトのファミリアに入るよ」

「本当?やった。ロリ一人ゲットげへへ」

 

 いや、お前もロリやがな。

 トトにほっぺチューされてロリロリされながら、この選択は本当に大丈夫だったのだろうかと遠い目を浮かべたのだった。




注意)作者はロリコンではありません(大本営発表)


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ステイタス

「はあ…はあ…なんて綺麗な背中…ちょっとだけ舐めていい?」

「駄目に決まってんだろ」

 

 そんなやり取りこそあったものの、俺は何事もなくトトにステイタスを刻んでもらう事に成功した。何故成功したなんて表現をするかというと、このロリは何を思ったのかステイタスを刻んでもらったら裸になれと言いだしたからだ。ジト目で睨みつけると白状した。どうやら上半身だけでよかったらしく、トトの頭にたんこぶが一つ増えた。

 それでも肩とか首とか色々と撫でられたけど…はあ、これって毎日続くのだろうか。

 

「それにしても、これは…」

「どうかしたのか?」

「…ううん。はい、これ。君のステイタスだよ」

 

 そういって紙を手渡されたので、素直に受け取り中身を見てみる。

 

 

 

名無し

Lv.1

力:I0

耐久:I0

器用:I0

敏捷:I0

魔力:I0

 

《魔法》

【ザ・ワールド】

・速攻魔法

【複製(イミタティオ)】

・武具限定の複製魔法

・複製された武具が破壊された場合、対象となった武器の耐久値が減る

・無詠唱魔法

《スキル》

【冒険者】

・ストレージ機能追加

・マップ機能追加

【魔力強化】

・魔力の上限をアップ

・魔力の回復量をアップ

・魔法に対する魔力使用量を減らす

【廃棄の遺伝子】

・成長する

 

 

 …うん、うん。なんだこれ。どうなんだこれ?

 

 時を止めて周囲にナイフを生やせばいいんですかね(困惑)。

 

「読みながらでいいから聞いて」

「う…な、なんだよ」

 

 後ろから抱き着かれて、動揺を隠しつつうっとうしそうに見るけどトトは顔色も変えずに言葉を繋いだ。

 

「あなたのステイタスは、異常」

「…そうなのか?」

「うん。とても変。普通は、魔法もスキルも現れる事は無い。それが二つ以上…スキルに至っては三つ以上も現れてるのは、明らかに普通とはかけ離れている」

「…」

 

 そうなんだ。これっておかしなことなのか…。

 

「そう、それと教えてなかったけど、ステイタスはこれまでの貴方の記憶や経験、思いが反映されることもある。魔法も、スキルも、どちらも…」

 

 う…。そ、それってつまり、俺が異世界から来た事も反映されるかもしれないってことか?いや、この冒険者っていうこれ見よがしなスキルは、もしかしたら俺の冒険者って職業へのイメージなのかもしれない。アイテムストレージが使えてなんぼとか、そういう風に思ってたのだろう。

 

「貴方の魔法はどれも変。速攻魔法ってだけでもおかしいのに、無詠唱魔法とか聞いたことがない。それにストレージとかマップとか追加するスキルとか聞いたことない。唯一普通なのは魔力っていうスキルだけ…でも、最後の一つは特に異質」

「…それは、確かに」

 

 廃棄。廃棄ねえ…もしかして、あの存在Xが関係してるのかね。俺は自分の事を廃棄されたなにがしだとか思ったことは一切ないし…だとすると、外因が原因なのは明白だ。そしてその原因は、存在Xが作ったこの身体にあるとしか思えない。

 

「貴方は、私に何か秘密にしてることがある」

「…まあ」

 

 なんだ、見抜かれてたのか…ただの変態ロリだと思ってたけど、割と見てるところは見てるんだな。正直、意外だ。

 

「私はそれを君の口から聞くことはしない。((ぼそっ)体に聞くから…)。でも、ステイタスの成長に補正をかけるスキルなんてものは聞いたことが無い。他の神々に見つかると、君は絶対に面倒ごとに巻き込まれる。あいつらは、クソみたいな性格をしてる奴が多いから」

「神様はどこでもそんなんか」

「私の事を見ながらそんな事言わないで」

 

 いやいや、聞こえてるから。普通に聞こえたから。最初の一言で全てが台無しだよ。ちょっと見直しかけたっていうのに。

 

「良い、ステイタスは原則他の人…たとえ、同じファミリアのメンバーにも秘密にするもの。だけど、君の場合はもっと慎重に、完全に秘密にしなければいけない。そうじゃないと、悔しいけど私では君を守れない。お願い、約束して…」

 

 …ったく、こんな時はそんな顔もするのか。

 

「分かってる。俺も面倒ごとはごめんだし、言われなくても誰にも教えないよ」

「ん」

 

 一応こいつは上司のようなもの。その上司が意外と俺の事を懸念してくれてるって分かって、良かったなと思う。

 

「それじゃあ、まず最初のファミリアとしての活動は、一緒にご飯を食べる…お互いにあーんし合って食べさせ合う…」

「えっやだけど」

 

 誰があーんなんかするか。そういうのはもっと真性ロリに頼むんだな。

 

「だめ…?」

 

 まあ、そこまで言うならいいけど(チョロ)。

 

 この後、めちゃくちゃあーんしあって、お金の関係で一部屋しか借りれなかったので一つのベッドで寝た。

 

 




TS流行れ(大本営命令)


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