この世界に住む人間はいずれは死んでしまう。そんな人間達の中で最も恐れられている死因がある。老衰・・・?病死・・・?他殺・・・?溺死・・・?交通事故死・・・?自殺・・・?残念どれも違う。人間が恐れている死因は焼死だ・・・・・・
何故人々が焼死を恐れるようになったかそれは200年前に起きた
だがこの大災害の後突如人間が急に燃え出す現象「人体発火現象」が起きるようになり人々の生活を脅かした。そんな生活が続き「人体発火現象」により炎に包まれた人達を世間は焔人と呼び始めた。
焔人になってしまうと人間の頃の記憶以前に自我も失ってしまう。その為命が尽きるまで近くにある物や人を燃やしてしまう。それが大切な家族や友人でも・・・・・・
この焔人になった人達のことは第1世代と呼ばれるようになり、焔人とは違い特定の条件下で炎を自在に操ることが出来る人間達第2世代能力者が現れ更には自在に炎を操ることが出来る第3世第能力者までもが現れるようになった。
人類が突如発生する「人体発火現象」に脅える中ある特別な隊が設立した。その隊のとこを特殊消防隊という。特殊消防隊の任務は焔ビトの脅威に対応して一般市民を炎の恐怖から守り人体発火現象の原因と解決策を究明するという事だ。
そんな特殊消防隊は今では1~8の隊まで存在する。
「ハァハァ、クソっ!来ちまった!!龍時急げ!!」
「分かったよ、それよりお前足から
「えっ、やべぇ、つい」
「お・・・おい、前!!」
「えっ、前?」
「きゃ!!」
太陽暦百九十八年東京駅前。学ランに身を包んだ2人の少年が急いで駅に向かって行った。先を走っている少年
龍時はシンラの右足首から黒い煙が出ていることを指摘した。シンラは走りながら自分の右足首に視線を移した時前から歩いてくる女子高生にぶつかってしまいお互い転倒してしまった。
「すみません、ケガは・・・?」
「!?」
「あ・・・これは・・・ちが・・・」
「キャァァァ!!」
転倒してしまった女子高生にシンラは心配なり話し掛けた。すると弱い風が吹き女子高生のスカートが少しめくれてしまった。それを間近で見たシンラの口元は笑っていた。それを見た女子高生はシンラが止めるも叫びながら逃げて行ってしまった。
「ボウズ、そんなに嬉しかったのか、良かった」
「ちげぇよ!!」
「おい、シンラ。そんな所で痴漢してんじゃねぇよ」
「いや、痴漢じゃねぇし!!」
「ふーん、まぁいいけど。兎に角急ごうぜ電車が来ちまう」
「そ・・・それもそうだな」
近くに居たオヤジの言葉にシンラは否定のツッコミを入れた。そんな光景を見ていた龍時がゴミを見る目でシンラを痴漢扱いにした。シンラは「痴漢」を完全否定した。まぁそれもそのはずこれはただの事故なのだから。龍時は電車がもう来ることに気付きシンラに声をかけた。2人は東京駅に走って行った。
『東京行きが参ります。本日のアマテラスの稼働率は正常です』
「ふぅ~、何とか間に合ったなシンラ」
「あぁ、でも、
「そんなの、言ってもどうにもならないだろが、公道で能力を使うのは禁止されてるんだからさ」
ちょうど1本の電車が駅に止まった頃シンラと龍時は何とか東京駅に着いた。シンラは人混みを避けながらボソッと”能力を使えればなぁ”と呟いた。その呟きに龍時が反応した。
『ウォォォォン』
『当駅をご利用のみなさまにお知らせ致します。駒込駅~田端駅間の走行中の車両で火災発生!!該当車両は当駅に緊急停止いたします。係員の指示に従って速やかにホームから離れてください』
「お年寄りや小さなお子様もいます!!落ち着いて行動してください!!」
「おい、あれだろ火災発生してる車両って・・・・・・」
「あぁ、大炎上してやるがるよ」
その時突如駅のホームに警報が鳴り響いた。警報がなり終わると駅員が現れ駒込駅~田端駅を走行中の車両で火災発生した事を駅のホームに待っている人達に知らせた。そしてその該当車両はこの駅に緊急停止する事も知らせた。その駅員の話を聞きホームにいた人達は悲鳴を上げ駅員の支持に従いホームから離れて行った。
そんな中シンラと龍時はホームに残り緊急停止する該当車両を待った。するとこっちに向かってくる該当車両から炎が燃え上がり既に大炎上していた。
目次 感想へのリンク しおりを挟む
しおりを挟む
2話 火拳と悪魔
「”焔ビト”だ!!人体発火だよ!!いいからはやく降りろ!!」
「どけぇ!!」
「落ち着いて!みなさん、落ち着いてください!」
大炎上する車両が駅に停止するとドアが開き次々と乗客達が降りてきた。そんな中乗客の1人が”焔ビト”が出たと叫んだ。
「ぎゃあああああああああぁぁあぁぁ!!ぐぐぐぐぐぐ!!」
「君たち!何やってるの!?早く逃げなさい!!」
「
「死にたくなかったら、下がっててください」
「え?」
車両からは苦しい悲鳴をあげながら焔ビトが降りてきた。直ぐに駅員が消化器を片手に持ち駆け付けた。駅員は未だにホームに居るシンラと龍時に逃げるように言った。だが2人は逃げるようともせず逆に駅員に逃げるように言った。
「龍時、俺たちの手であの人を楽にしてやろう」
「あぁ、そうだな」
「特殊消防隊だ!!道を開けなさい!!ほらっ!!どけどけ!!民間人は下がって!!ここは危険だから!!」
シンラと龍時が何かしらの行動を取ろうとした時ホームの階段から特殊消防隊第8隊が現れた。
「道をあけて!シスターが通ります!!」
「すみません・・・すみません・・・」
「がぁぁぁあぁぁぁ!!」
「”焔ビト"を確認!!各員、戦闘・鎮火体制!!」
「「「了解!!!」」」
「あ・・・」
「お・・・」
「君たち!!こんな所にいないで早くさがって!」
中隊長がシスターが通る為の道を作った。シスターは謝りながら中隊長が作った道を通って行った。隊長が3人に焔ビトの戦闘・鎮火体制をとるように指示を出した。そしてシンラと龍時に下がるように注意した。
「あれ?君たちは・・・」
「中隊長!!何をやっている!!」
「はッ、すいません!!」
中隊長がシンラと龍時を見て何かを言いかけた時隊長に注意された。
「シスター祈りを始めてください」
「はい!!」
「炎ハ魂ノ息吹・・・・・・黒鉛ハ魂ノ解放・・・・・・」
隊長に指示を出されシスターが隊員達の横で祈りを唱え始めた。
「特殊消火弾発射!!」
「コア殲滅用バイルバンカー用意!!」
シスターが祈りを唱え始め中隊長が援護をするかのように焔ビトに向かって狙撃した。そして隊長は焔ビトの弱点であるコアを殲滅する武器"バイルバンカ"を装着した。
「がぁぁぁあぁぁぁ!!」
「「危なっ」」
「炎をかき消した!?」
「すげぇな・・・・・・」
焔ビトは隊長に向かって炎を飛ばした。シンラと龍時が助けに入ろうとした時女の隊員が隊長の前出て炎を消してしまった。その行動に2人は驚愕した。
「灰ハ灰トシテ・・・」
「其ノ魂ヨ・・・」
「炎炎ノ炎ニ帰セ」
「「「「ラートム・・・」」」」
隊長は祈りを唱えながら焔ビトの懐に飛び込みコアを装着している武器"バイルバンカ"で貫いた。コアを貫かれた焔ビトはそのまま灰となり消滅した。
「すげぇな、龍時・・・・・・」
「あぁ、これが・・・俺達がやりたかったのは」
「「!!」」
シンラと龍時はあっという間に焔ビトを鎮火させてしまった第8隊に尊敬の眼差しを向けていると突如シスターの頭上にあった機械が炎により吊るされていた紐が焼かれ落下した。だがシスターは頭上から落下している機械に気づいていなかった。
「龍時頼む!!」
「分かったよ、お前もしっかりやれよ」
「火弾!!」
シンラは龍時に一言"頼む"と言い飛び出した。龍時は右手の指を銃のように構え指先から火の弾丸を機械に向かって連射した。そしてその隙にシンラが足から炎を出しシスターを救った。
「おい、シンラ、シスターに怪我は無いのか?」
「あっ、そうだ。シスターお怪我はありませんか?」
「あっ!はい!!」
「あぁ!また靴がおしゃかだ」
「俺も右手の袖が燃えちまったよ」
「すみません・・・・・・」
機械を狙撃した龍時はシンラの元に向かいシスターに怪我はないかと聞いた。シンラは思い出しようにお姫様抱っこのままシスターに怪我はないかと聞いた。幸いシスターは無傷ですんだ。シスターを降ろしたあとシンラは両足の靴が燃えたこと、龍時は右手の袖が燃えたことを互いにボヤいた。
「君たちは?」
「「はい、申し遅れました」」
「本日から第8特殊消防隊に配属されました。第三世代消防官森羅 日下部です!!!」
「同じく。第三世代消防官龍時 坂田です!!」
すると中隊長が近寄り2人に話し掛けた。2人は中隊長に敬礼に名前を述べた。
「あの子たちが噂の悪魔と火拳か・・・・・・」
隊長はシンラと龍時を見てそう呟いた。
目次 感想へのリンク しおりを挟む