ブラックブレットの世界を使って。 (とくめいん)
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俺の過去
俺は、呪われていて、それでいて、完璧だ。


過去編でござる!
本編読むのもおすしおすし。







あ、どうぞ。




突如現れた謎の生命体、ガストレア。

彼らは人類を蹂躙し、世界の人口を20分の1にまで減らした。

 

世界中の軍隊が、自分の国を守るため、地雷、不発弾、人間程度なら瞬殺できるトラップなど、恐ろしい兵器を森に、林に、町に仕掛けた。

そして、ガストレアに対して有効であることが証明された【バラニウム】と呼ばれる物質でできた建造物、モノリスによって守られた街に国民を避難させた。

 

今、この世界で外に出るという行為は絶対の自殺行為であることが世界共通認識である。

 

 

 

 

そんな世界を無視し、未踏査領域内で会話をする、子供とその保護者が、そこにはいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「なあ、お前は、今までの怨みを晴らしたいか?」

 

「はい、師匠。」

 

「そうか、ならいこうか。」

 

「どこへですか?」

 

「あの 勇者どもを従える王様、イアソンを殺しに、な。」

 

「ピクシスの軍団のところですか?いいんですか!?」

 

「ああ、お前はそれなりに強くなったからな。殺ってこい、かたきを取ってこい。」

 

「はい。わかりました。やります。

 

作戦を練りましょう。」

 

 

 

☆☆☆☆☆☆☆

 

「厄介なのは、進行方向にいるタウリスの軍団ですね。」

 

「それは俺のイニシエーターを向かわしてある。頭を潰してこい。と言ったからきちんと処理するさ。」

 

「ありがとうございます。」

 

「礼はあいつに。そうだ。この任務が終わったら俺は、‘’ひとりで‘’好きなところで好きにやる。終わるまでの間、あいつを任していいか?」

 

「いつものですね。分かりました、師匠の望むままに。」

 

「いいこだ。任せるよ。さて、行こうか。君の復讐を見に。」

 

「はい。師匠。」

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

世界に突如表れたステージⅤ。

その中の一体は、ステージⅣを連れて、南アメリカを縦断し、その通り道にある都市9つを蹂躙し、メキシコ辺りで海に出ていった。

 

そのステージⅤの名前は、ピクシス。羅針盤座の名前がつけられている。

 

神話では、イアソンという王子が、自分の父、アイソンの国を乗っ取った叔父のペリアドからもう一度取り返すという物語の主人公。

彼は50人の勇者を連れて旅立つ。

様々な苦難を乗り越え、

王女メディアに助言をもらい、

イアソンは、無事に国を取り戻す。

 

そしてイアソンの乗っていた船は星となった。

 

そんな星であるが、彼の星の一部の名前がつけられたステージⅤ。

羅針盤というだけあって、周囲のガストレアを完璧に統制するその手腕と、イアソンの残虐性をあわせ持つこのガストレアの強さは、タリウスと同格、あるいはそれ以上。

一度測った調査によると再生レベルはⅢ。

 

ゾデアックの冠を持つ絶対王。

 

部隊を率いる統治者で、従うのは、ステージⅣのメディアを筆頭としたステージⅣ、その数50体。

ステージⅠやⅡ、Ⅲも四千という数を彼の手の中にいれる。

奴自身の戦闘能力は皆無。

 

だが、そいつは確実に世界を滅ぼす一端を担っていた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

俺が6歳のとき、仙台とメキシコのアカプリコの間で就学前児童長期交換留学があった。

 

僕はこの時、孤児院にいた。

2年前に長野から引っ越してきたその矢先に始まった第一次ガストレア大戦によって親を失ったからだ。

 

この頃は、塞ぎぎみでたしかに周りを見ることが出来なかった。昔からご近所さんだった幼馴染みが慰めてくれるようになって2年。

 

学校に行って、授業を受けて、帰る。これを機械のように行うようになっていた。

もはや健全な小学一年生ができないのは、誰の目から見ても明らかだったのだろう。厄介払いという意味もあったのか、僕はこのプログラムに参加した。

 

その時、その幼馴染みもいっしょに参加するといってくれたことが唯一の救いだったのを鮮明に覚えている。

 

現地に送られてから早一年。小学校に通うようになって誕生日も迎えた。もっとも、祝ってくれたのはその幼馴染みだけだったが。

 

その日、僕らは最悪な事態を迎えた。

 

忘れもしない。2022年8月16日、空が灰色に染まり、地面は深紅色で覆われていたことを。

 

手を繋いでいた幼馴染みがいつの間にか消えて、手には、さっきまでそこに存在した ほんのりとした温もりのある、人間の腕だけが存在したことを。

そして、僕の背中はあいつによって囓られたことを。

あいつに体液を入れられたことを。

 

 

 

絶対に忘れない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

よし、目が覚めた。やるか。

 

このガストレアたちの死角から攻撃して、頭を潰して逃げる作戦は、俺が要だ。

 

 

数千のガストレアは向かってくる敵を師匠と影胤が駆逐して、俺を守ってくれる。

 

ステージⅣに囲まれ進軍するそいつは、まさに『船』。

 

ノアの方舟は人の生を乗せて進む。だがこいつは、真逆。人の死を乗せて進む。

 

スコープ越しに奴を睨み付ける。今構えているのは

 

Der Walt Schlussel 50

 

こいつは、Der Walt Schlusselの改造型。

 

師匠の持ち物で、

バレルの長さが通常の3,5倍の長さをもち、銃の口径もノーマルの5,0倍。初速はマッハ5以上。

形が歪に歪んだこの特殊な銃は重さも通常の比ではない。

 

弾丸も特殊型の10番。

 

敵の体内で膨張、破裂する。

その爆風は秒速8000メートルを越えて更に、内部の物質を爆発物の一部に変えて、連鎖反応を起こす。

その爆発は小さな都市なら余裕で消し炭に変えることができるほど。

製造方法は特殊で1年で2発のみという超貴重な弾。

 

 

 

使用法が一つに限られていて、数もほぼない現世界最凶の銃弾。

 

この銃も地面に置かないと使えない、いわば固定砲台であるがゆえに世界で一挺しかない。ステージⅤのためだけの銃。

それは今、大地に三脚で固定され、俺の意思と同化している。

 

引き金に指を当てる。

 

息をゆっくり出しきり、そして止める。

 

 

 

今。

 

 

 

 

 

引き金を引く。

反動で手が痺れ、銃が大地を離れ、宙に舞う。

 

命中。表層の装甲部分に命中し、表面の一部を焼き払う。

 

だが最大威力の弾を撃ち込んでなお、奴は止まらない。それどころか反撃の指示を出すー俺にはそう見えた。

ステージⅣの首が一斉にこっちを向き、それぞれ、攻撃を行おうとする。

 

慌てずに2発目を撃ち込む。

 

今度は、クリーンヒットだったようだ。

初擊と同じところに寸分違わず当たり、内部にめり込む。内部で破裂したようで、目で見える部分が膨らみ、苦しみだした。

 

周りのガストレアは主を守ろうと、俺らに攻撃する。

だが、影胤の斥力フィールドによって、攻撃は無効化、師匠の剣の一振りでステージⅣのガストレアたちの攻撃は打ち消され、攻撃を仕掛けたガストレアが粉塵とかす。

 

俺の右肩は銃の反動だけで砕けそうだ。

 

3発目。胴体内で止まり、発火。

 

船で言うキールにあたる部分を砕き、奴はまっぷたつになった。

 

ガストレアたちは、攻撃の手を止めないのだが、師匠らは全てを無に返す。

 

もう俺の肩が限界だ。

それでも、もう一発。

 

だめ押しに撃ち込む。

 

自分の肩の骨が折れた嫌な音と共に、スコープ越しに見えた巨体は倒れ、地面に穴を空ける。

 

世界が壊れるような音が地面を伝い、俺らを揺らす。

 

爆発の余波は周囲の草木をなぎ倒して進む。

 

意外とあっけないな。王なんてこんなもんか。

そう思って周りのガストレアを見るとーー

 

 

 

ピクシスの周りにいたガストレアは、ボスの消失を知り、全ての攻撃を止めてボスの方へ向かい、心配するそぶりを見せる。

 

こうべを垂れる者、嘆く者、寄り添う者、死体に触れる者。

 

 

 

 

なんなんだ。

俺が抱いたのは、助かったという安堵でも、憐れみでも、ましてや同情でもない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

恐怖だ。

 

隣を見ると、師匠も、影胤も、俺と同じ顔をしている。

 

あり得ない。

 

ガストレアに同情や心配、愛情など存在しないのがこの世界の真理ーー

 

 

ーーーーーだと言うのに。これはなんだ?

 

 

右肩が壊れたまま、片手にバラニウム製のナイフを握り、特攻をかける。

 

3体、4体と屠るのにさほど時間はかからなかった。

 

師匠はもう20体は屠っている。

 

 

 

 

だというのに、なんで反撃しない?

 

一切の反撃がなく、頭を下げている。

 

殺すのに格好の的だ。

 

ーー殺してくれと懇願している?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あり得ない光景を、身体を動かすことで早く記憶から消そうとする。

 

ナイフをふるい、首を切り落とし、心臓を突き、絶命させる。

 

 

 

 

 

ーーー15時間もした頃だろうか、戦闘を仕掛けたのは夜明け前だったがいまはもう夜だ。

 

四千以上のガストレアは全て例外なく、俺と師匠と影胤に屠られていた。

 

無抵抗の状態を保って、首を落とされて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺が、俺達が戦っていたのは、戦っているのは、なんだ?

この世界は、なんなんだ?

 

 

 




続くぜ☆


どうでもいいけど、この世界って色々ヤバイよな。

そのぶん何でもあり、かな?


つぎもがんばる。ひょうかくれ。し、しぬ。


ぐはっ。あ、死んだ。


え、生きてるじゃん。

あ、ばれた。


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そして彼は感情を自覚する。
こんな美味しい世界は嫌い


思い付きで書いた。後悔しかしてない。


バラニウムの弾を宙にばらまく。10、20、30、、、、残弾が0を表す空撃ちの音とともに自分のもつ、戦場に落ちていた小銃のマガジンキャッチに手をあてがい、マガジンリリースを行う。戦場で何十、何百と行ったこの動作は、自分の命を助けている。それに感謝する時間も惜しんでリアサイト奴等に向かって構える。一体目、二体目、三体目。。。。また弾切れだ。マガジンを換えようと、腰のマガジンポーチに手を伸ばす、が、

「弾切れか。」

無意識にかすれた声が溢れる。

 

通常なら戦闘で弾切れはあり得ない。弾の有無は生死を左右するからだ。帰還するのが定石。

だが、ここでは帰れないのだ。帰れば俺は、人類は、陥落する。

 

三回もガストレア侵入を許した無能な官僚どもによって決定されたあの作戦は、もはや失敗も失敗。地獄のようだった、否、地獄だった。最新の戦車は派遣されたのだが、ほぼ使い物にならず、アパッチによる空爆も、掃射も、地対地ミサイルも、戦闘機の攻撃すら、数が"足りなさすぎた"そして、失った。だから【失敗】だ。

 

 

 

作られ、戦場に落ちていたのを回収したバラニウム製のナイフを抜く。刃渡り50センチ。鍔がなく、持ち手も布が巻かれているだけだ。ただの鉄の板のように見える。

 

無限ともいえるやつらの大群に息を飲む。先程までで殺した数を嘲笑える物量が、ここに押し寄せてくる。

ちっぽけなナイフ一本でできることなどたかが知れている。だけど

「をおおおおおおっっっっっっっっっっっ!!!!」

一体、二体と敵を屠っていく。弱点らしい目と心臓、脳味噌を丁寧に一撃で屠っていく。

奴等の攻撃を、寸分たがわず弾くもしくは1ミリ程度の距離で回避する。だが、俺の体力は確実に終わりに近づいている。それもそのはずだ。俺は嗤った。

 

 

ーー俺は人間なんだ。

 

ウスバカゲロウのような身体を持った生き物が俺の左腕を捉え、そのまま皮膚を抉る。

 

痛みに耐えかねて、回避行動を取る、が更に追い討ちがかかる。

二発目は右肩、三発目は胴体を切り裂いた。

かなりの量のとても明るい色をした赤い血が、身体中を濡らしていく。

 

「"まだ14歳で中学を卒業すらしていないのに"なんて、ただの言い訳か。むしろ、皆に会えるかな?」

 

血がたくさん出たからか、はたまた諦めたからなのか、彼は目を閉じて、そのまま意識を手放した。

 

目を開けたとき、そこはとても白くて、そして素晴らしい朝日の差し込む部屋だった。

 

 

☆☆☆

 

 

初めて奴等と出逢ったとき、日本の自衛隊は、通常兵器だけだった。だから、人口はかなり減り、ライフラインは絶たれ、僕らは恐怖した。

対抗策として、バラニウムが有効だとわかってからの、人類の行動は速かった。世界中のネットワークの再構築、都市部を守るモノリスの形成。僕らは安心した。未知が既知になり、まとめあげるリーダーが都市に現れ、攻撃も止み、愛しい人がもうこれ以上死なないことに。

 

だからといっても、愛しい人を喪った人が大半で、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今でも夢に出てくる。

 

お母さんを、お父さんを、兄妹を。友達を。先輩を。後輩を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

返せ。返せ。返せ。返せ。"返せ!!!!!"

 

 

 

 

 

☆☆☆

 

「うなされていたけど、大丈夫?」

声をかけられた。僕は、死んだのか?

「ここは?」

「病院よ。生きてるわ。」

 

............そうなのか。生きてるのか。

 

 

 

 

 

 

残念だな。そんな感情が、僕の心に広がった気がした。

 

 

「そうですか。ありがとうございます。」

「いいえ、あなた方のお陰で、ここは無事でした。ありがとう。」

そう微笑む看護師さんをみて、思った。どうして戦場に倒れていないのか。奴等は全滅したのか?

 

「どうしてここに僕はいるんですか、まだあいつらは居るんじゃないんですか?始末しないといけないじゃないですか、あいつらは俺が殺すんです。僕が殺して、奴等を消すんです。戦場にたたないといけないんですよ。僕の周りの、友達の、家族の仇は僕がとるんですよ。なのになんでここにいるんですか?こんなとこにいても仇は取れない戦場にいかせて下さい。絶対に一体でも多く屠って、あいつらに、奴等を消すんです。なのになんで僕はここなんですか、あいつらのとこが僕の所だ。奴等は僕に殺される運命なんです。さっさと外に出させてください、僕は、いかなきゃいけないんです!」

一息で自分の意見を吐き出す。初対面だろうが無視できる胆力は戦闘で養われたものだ。だが、

 

「無理よ。キミの怪我は全治一ヶ月、リハビリ三週間ってとこ、1週間は絶対安静よ。」

 

ふざけんな。それに『あれ』はーー

 

「まってくr「失礼します。」.....だれです?」

 

「どうも、誰かとは、言わなくてもわかると思うんだが?」

 

「いや、誰だよ。」

 

「私の名前は........」

 

失礼な奴だ、まじで知らんぞ、そんな奴。

 

「で、なんの用ですか?」

 

「キミを調べさせてもらった。5才の時に両親、兄弟を失い、そこから7才で戦闘を経験。その後戦場を渡り歩く。ついたあだ名はスモー「わかったから、なに?」」

 

こいつの目的はなんなんだ?

 

「これ、やっちゃいけないんだよ?君子供だよ?民警でもないし、民間人の危険行為はここ仙台では禁止。知ってたろ?」

 

「だから?捕まえるのかい?」

 

「いや、違う。君には世界を経験して、そして"普通"の生活を送ってもらう。」

 

「メリットがない。学校教育位は独学で行けた。今までも、これからも、必要ない。」

俺は嘘をつく。バレルだろうが今までの報告書は仮面を被るあの変態の手によるものだ。バレるまで時間はあるだろう。

 

「そうじゃないんだけど~。まあ、きみは大人とふれあい、戦闘していたかもしれない。だが、こことしては、キミを危険なところへおくるのはダメだと判断した。メリット?君が僕から捕まらずに自由に動けるってとこかな?」

 

「従わなければ捕まえるって?はっ、なめんなよ?」

 

「君には東京にいってもらう。きみは世界を経験するべきだ。」

 

「資金がない。世界は知ってる。向こうの生活の保証もないのにやってられるか!」

とんでもない。おれの人生はアイツらと共にある。

 

「お金については問題ない。君を民警の預かりにして、給料を出そう。勿論今まできみが殺してきた分を。」

 

よくわからんが、一番の疑問は、これだ。

「なんで俺なんだ?他にもいるだろ?」

 

「それについては、まあ、運か「で、実は?」..........かわいそうだったからかな」

 

あからさまな嘘。

 

「憐れまれるいわれはない。かえれ。」

 

「ここの治療費」ボソッ

 

要するに俺を救ったのは目の前の奴だということか。

・・・・金は正義。知ってる。

 

 

「..................わかった。」

 

本当に、うざいな。こんなことは嫌いだ。こんな駆け引きは俺の仕事じゃない。

 

 

 

 

 

 

 

 

西暦2028年。彼と変わったプロモーターが出会うまで、あと2年。

 

 




一部改編しました。9/2
内容、一人称の視点変更


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だから僕も君も嫌いだ。

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2029年 彼の手記より

 

5月17日 …■◇◆*■◇▽◇▼※**※◇▼…▽→△▽○

 

5月18日 いえをもらった4つへや●▼*■”◆◎▽※※がいないどうしよう

 

5月19日 みんけいをしーかいされたいにしえーたーというものがもらえるらしいいみわかんないしいらないといーといた

 

5月26日 テストをうけたなんのことかわからないあそこはたいくつ

 

6月1日 てんこうさせられて7にちよくわからないニンゲンにからまれたうざいどうせかかわらないからなまえをおぼえるきがない

 

7月18日

がっこうはしゅうりょうしき。

ナツヤスミというものがあるらしい。

ほんとみはりじゃまだ。

 

 

 

 

 

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とある研究者のレポート、日記より抜粋

 

 

レポート::被験者Ⅸについて

 

2029:5:17 被験者Ⅸを対象としたガストレアウイルス検査を実施。

 

調査の結果

 

ガストレアウイルスの体内侵食率00.00%。

筋肉量比●●.●●●●(average55)

知能指数●●●.●●●(average120)

人間に対する脅威度13(max30)

 

 

通常戦闘によって傷を負う、または体内にガストレアの体液が付着する場合、大抵はガストレアになるのが、項13p2024検査記録に記されている。

ー中略ー

この数値を見るに明らかだが、仙台エリアからの記録の通りなら、彼には、抗体が存在する可能性がある。よって、経過観察を実施する。期限は1年とし、彼の変化を見守ることとする。

 

 

 

日記::2029年ver.科学者

 

5月17日 変な人間が仙台から送られてきた。なんでも、ガストレアウイルスに対して完全抵抗があるようだ。本当なら、いや、数値上では本当だったから、彼には、希望を持ってみたい。

 

 

あいつらに終止符を撃ち込むモノとなって欲しい。

 

 

5月26日 彼の知識量をテストと言う形で調べた。学校の教育では、彼は小6位の知識量みたいだ。あのときのセリフはハッタリだったようだ。だが、ガストレアに対する理論では、彼はかなりのものだった(単語を除けば)。彼はこのままでも十分このエリアの最高戦力に匹敵すると知って、僕は今、歓喜に震えてる。口止めの誓約書書かされたけどそんな些細な事に構ってられない。もともと言う相手居ないけど。

 

6月1日 最近彼の事ばかり考えている。血清を精製するため日々、彼の血を四六時中みて、考えている。そろそろヤバイ奴になりそう。

 

もうすぐで、、、

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

退院の時となった。

 

 

 

 

 

 

 

勿論、知らんコイツはここに居る。

 

やはりなんかあったんじゃあ無いだろうか?

そんな心配は雲のようにかき消えた。

 

開口一番

「やあやあ、こんにちは。退院のときだね!じゃあ、早速だけど、飛行場に向かうよ~♪」

なんて明るいテンションだとついていけない。そもそもなんだが、うざい。こんなのだとめんどくさすぎてしぬ。

「ああ、わかってる」

 

「拒否権はないよ。」

 

「病院の支払いなら、別にバックレてたんだけどな。」

 

「ああ、そう。助けた恩を返してくれるということでいいのかな?」

 

「うちの親にそう教わったからな。ところでどんな風にあそこから連れ出したんだ?」

 

「車の中でお話ししよう。あと、民警のお出迎えがあるから東京は彼らの指示にしたがってね。」

 

ーーーーーー

 

ーーー話で聞くだけでも、凄かった。

そんな手段があったなんてな。機械は凄い。とそう思える技術がそこにあった。僕では真似できない、国の力。

逆らう選択肢を作らせない巧みな話術を披露するコイツも大概、ヤバイ奴なんだろう。

 

まあ、知ったこっちゃない。俺は、俺の意思で、俺の手で奴等を殲滅させてやる。

 

 

 

 

 

 

 

 

無事に飛行機に乗り、ここを後にする。残念。家族との思い出もあって、、、いいとこだったのに。復讐が遠くなるけど、見てろ。絶対世界から奴等を消してやる。

 

「....そう言えば、僕の家にあったモノは?」

 

「勿論危ないから処分した。別に拾い物だろう?」

 

「だったら新しいのを欲しいんだけど。あんたの胸ポケットのやつでもいいよ?」

あーあ、残念、頑張ったのに。

 

「それは無理かな~。自衛の為位の量ならいいよ。向こうに着いたら民警から、貰いなよ。口添えしないから、自力でね。」

 

うーん、おかしいな。なんでそんなにさせないの?

 

「..................鬼畜仕様なの?」

 

「持ってても、危ないだけさ。特に、"ふつう"の

学生は、そんな物騒なもの持ち歩かないよ。」

 

 

「。。。。。。。。。。普通、ね。」

 

「その年で達観を決め込むのはよくないぞ、少年。」

 

「あんたも「さあな」そうか。」

 

 

 

あんたも、俺と同じ同類か。そう言おうと、してーー

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

東京に着いてからなんだけど民警さんによるお出迎えは、あまり良いものではなかった。その日は寝てない。眠らしてくれなかった。

 

 

解放されて、僕は、自分の部屋を貰って、寝る。もう、疲れた。うん。

 

次の日、少年の観察用のみに雇われた民警、序列11万3679位のモブさんとその付き添いの赤毛の女児が迎えにきた。端的に言うと、民警の監視下にはいれとのこと。なんか高圧的だと思ったから、

 

「無理☆」

 

って言って断った。序列だけでもつけるんだ!と、うざかったので、一応登録してもらって、今日はおしまい。

おっと、

「武器欲しいな~」ウワメツカイ

 

って言ったら罵声とともに武器貰った。

なぜ罵声を食らったのか不思議すぎる。

 

ステージⅡをこの世から数十体は消して、自分の勘を取り戻そうと思ったのでモノリスの外、ガストレアの住む世界に足を運ぶ。

 

数時間が経過した。

モブさんに見つかって、戻された。

自分の命の応酬だと思って我慢する。

そんな俺に向けてこのモブはこう告げる。

「なにやってんだお前!死にたいのか!?」

 

メタル質のアーマーを身体中に張り付けて、金色に染めた髪の毛を手でぐしゃぐしゃにしている男に、俺は何故か怒りが沸いてきた。だから俺はこう言う。

 

「は?死ぬわけ無いだろ?バカなの?」

 

返事は一瞬だった。

 

「この先はステージⅡのガストレアが居るんだぞ、死ぬに決まってる!ただでさえあんたにイニシエーターがいないのに!」

 

そう叫ぶプロモーターの袖を怯えながら掴む女の子を尻目に、俺は、目の前に立つこの男にムカついたので言ってやった。

 

「別に要らない。人間は、僕らに何もしてくれない。皆を殺す。お前もわかってるんだろ、そんなこと。.........................邪魔だ。」

 

 

 

 

 

「、、、、これも任務だ。戻るぞ。ガキ。」

 

俺らはこの日を境に話さなくなった。

なんの利益も生まないから、

 

奴等に、ガストレアに与するヤツは、敵だ。消す。消して、殺して、殺してやる。絶対!!!

 

 




御指摘がございましたので、修正しました。9月2日。
一部会話及び一部の日記形式の場所。


読んでいただきありがとうございます。
これからもがんばります。若輩者ですがよろしくお願いいたします。


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だから僕は勉強も嫌いだ。

やっと原作とクロス!
原作っていっても、アニメに基本沿ってって、途中から
分裂するかもね。

これをクロスと呼べるのか。

ということで、どうぞ。


小学校を3年生になるまでは、きちんと学校に通っていた。俺自身、家族や友達を殺した元凶ー奴等をこの世から消すことの方が大事だと思ったから、高学年に上がってから、学校には不定期でしか行かなくなった。

進攻後に貰った仮設アパートにすら帰らないで、森の中、戦車の中、廃墟の中、木の上などの野外で睡眠をとって、食事も外ですることが多くなった。勿論武器を片手に。

 

こうなっていたので案の定勉強は疎かになる。

 

 

だから今絶賛勉強中です!もうかれこれ2年間。

ウェーイ♪

 

勉強やったことある人いると思うけど聞いて欲しい。

 

 

 

 

くそだるい。めんどくさい。眠い。

 

 

 

 

 

まだ、英語や国語、理科はいいよ。だけどさあ、算数?数学ってやつはめっちゃムズい。なんでそんなに覚える公式あって、やんなきゃいけないの?ガストレアを殺すのに関係ないだろ!!ーーーあ、そういえば、奴等の事を"ガストレア"と呼ぶらしい。なぜそういう名前になったのかは知らないが、人間だったものを言い換えるのに適した言葉だと思った。

 

とにかく、学校で一番辛いのは勉強。異論は認めたい。認めないけど。

 

次にめんどくさいのがトモダチ(笑)

なんか作戦で大人と対等にコミュニケーションとってたからか、幼稚に見えてしょうがない。ぶっちゃけつらい。例えるならあれだ。銃の重みを知らない奴が、知ってる奴にわいわいと騒いでガストレア殺すとイキってる感じ。え、わかんないって?、、、、、

 

 

とにかく、面倒くさい。しかもここは東京。人数が多い。モノリスの外縁部に居る"呪われた子供たち"と呼ばれているイニシエーターのような奴らは勉強を受けないらしい。最高じゃんと思ったんだけど、ガストレアウイルスとかなんやらですぐ死ぬらしい。死ねるのはいいことだと思うんだけどガストレアに負けた気になる。死ぬのは屈辱的だろうな。しかもガストレアになるそうだ。

 

ーーー初めて知った。

 

 

かといってなにかできるわけでは無いのだけど。

 

 

狩りは自由にはいけないし、飽きた。森に帰りたい。

 

「どっかからガストレア降ってこないかな~。殺してやるのに。」

 

一人寂しく呟く。

 

この言葉はフラグだったのかもしれない。

 

 

 

空気が変わった。

 

空気の変化に気づけるのは、ずっと戦場に立ち続けた人間だけだろうけど。

とっさに緑色に染められたブレザーと呼ばれる制服のボタンを外し、腰のホルスターに手を回し自分の愛銃ーベレッタPx-4のグリップを握り、もう一度辺りを視る。

ガストレアの気配と、濃厚な血の香りが鼻孔をくすぐる。久しいかな、惜しくもここでは味わえないモノだった。

 

「懐かしい匂いだ。」

 

 

奴がきた。

 

俺にとっての奴等は、復讐の礎だ。一匹たりとも逃がすわけにはいかない。

 

久々の獲物だ。逃がさない。

 

「待ってろよ!殺すのは俺だ!」

 

さっきから流れてくる匂いのした方へ歩を進める。どんどん歩みが速くなっていくのを自覚しながら、住宅街を突っ切る。通りを抜けて、路地を潜る。青のゴミ箱を飛び越える。

そうして、たどり着いた僕が見たのは、蜘蛛だった。

周りに何人か人がいるが、銃を持ってる。しかも手に。

 

彼らも同種の人間かと思ったが、違ったみたいだ。周りに展開しているが動きは対人戦の囲い方。あれは国家公務員、警察だろう。

 

 

そんな考察のあとすぐに戦場に流れる特有の硬直がとけ、戦闘が始まった。

お前らにはソイツは譲れない。と思ったけど、別に奴が死ぬのならいいかな、とも思ってたら、発砲してる人間に声をかけられた。

 

???「なにやってるあんた!?ここは危ないからきた道を戻れ!」

 

「断る。何をしようと勝手だ。」

 

おかしいな、こんなセリフ言うつもり無かったんだけどなー

その時、赤髪ツインテの女の子が、蜘蛛を屠る。

見てて気持ちいいね。

 

その後民警が警察?とお話して、イニシエーターの自己紹介みたいなものを終えていた。

奴が死ぬのをみて、帰る、筈だったが、案の定と言うべきか、銃を撃ってた人間に声を再度かけられた。

 

???「おいあんた。なんでここにきた?危ないだろう。高校生だし、そんくらいわかんだろ?今度から気を付けて行動しなよ。」

 

俺に対し上から目線の心配している声に反射的に言葉がでる。

 

「お前だって見た感じ高校生だろ。」

 

???「高校生でも立派な民警だ。あんたは一般人だろ。武器を持たずに対峙するのは無理だ。だから止めとけ。そんだけだよ。」

 

その時、赤髪ツインテロリッ娘が人間に声をかける。しかも覗き込みながら

 

???「れんたろー、タイムセールの時間は大丈夫なのか?」

 

???「え?あーーーーーーー!やべえ!」

 

モブッ「おい、もういくのか?」

 

???「モヤシが一袋6円なんだよーーーーーーー!」

 

。。。は?

 

モブッ「」

 

まあいいや。かえろう。戦えなかったな。何も見てない。

 

 

 

 

 

その日は、戦いたい気持ちが収まらず、家に帰ってから、民警所有の射撃訓練施設にいって、愛銃たちと遊んできた。

 

 

奇妙な少年と出会った。これが運命のいたずらだというのならーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーー僕は神を呪う。ついでに感謝する。

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

うちの民警の上層部の無能さにはずーーーっと呆れてきたが、もう我慢の限界だ。ここを辞めてやる!

 

 

 

 




続けるよー多分。




Px-4はただ単に僕がお気に入りなだけです。


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民警と狂気

あの会談(蛭子の名乗るとこ)のあとのとこすたーとでござる。

小説とアニメって結構違うというか消えてるとこ多いよね。

ブラックブレット新刊出てこないのは知ってたけど、ほしい。 でないかな?


くそったれ。

 

雨が容赦なく顔に、身体に当たり、車によって跳ねられた泥水が服を茶色く染める。その茶色すら脱色する勢いの雨は、黒い雲と一緒に俺を閉じ込めていた。

 

なぜこんな目にあってるんだろう

 

、、、思い当たることはいくつもあるんだけど。

 

一番の要因であろう事の発端は5日前。

民警に銃弾の申請をバラニウム3割ましましコース(笑)を頼んだことだった。

俺の(一応)所属している民警は東京エリアでも有名かつ大きい会社だ。守秘義務も徹底しているかなりいい会社。ただ、悪いとこも在るのだ。例えば、銃弾は使わないとこはバラニウムを少ない割合にして、金属と混ぜて、活躍している人間に本命のバラニウムを注ぐ。

 

IISOも推奨しているやり方みたいだが、その比量があまりにもひどい。

これは経験からくる持論だが、バラニウム比率が50%を下回ると、ダメージが1/3以下になるし、弾も変形しやすく、軌道が定まらない。昔、不発弾と地雷だらけの森で、どこかの死体から拝借した銃"対人狙撃銃"と呼ばれる武器を使っていたとき、弾が全く意味のないことに気づいた。それは、削減用の狙撃弾、鉛45%、バラニウム50%、鉄5%でできた武器だった。作るのをさらに簡素化してソケットのように嵌め込むことで予算と手間を抑えさえる品物らしい。

 

これは東京に来てから知った。それまで知らなかったので本気で驚いた。

そんなことがあって以来、俺は銃弾のバラニウム割合を70%は越える弾を使っている。

戦場で何千人もの死体を拾い、武器、弾に良いものがあれば交換。仕掛けてある地雷や不発弾に含まれる火薬や鉄をきちんと分解して使えるようにする。大抵はパッケージや弾の薬莢にパーセンテージがかいてある。

これも、とある人物にならったのだが、まあここでは言う気はないので割愛する。

 

まあ、要するに危ないのだ。

ここは、初心者から上級者までとにかくいれるんだが、

とにかく上を極めるあまり、初心者が、知らずにモノリスの外に出て、殺されるという事件が幾度と繰り返されているのだ。更にそれを見て見ぬふりを永遠と繰り返す。

別に初心者が何人死のうと知ったこっちゃないが、ガストレア化する原理を解明して、その技術を専売にする。そして、ガストレアの完全制御を可能にして、ガストレアをさらに生み出すらしい。

あり得ないとは言い切れないのだ。この事を偶然知った俺は追い出されたって訳だ。

銃と服と財布は無事でございます。運があるのか、9桁に達するであろう貯金はほぼ無傷のまま、通帳(カード型)という形で財布に収まっているのだ!

 

と楽観的に思ってたんだが、銀行が開店してなかった。

 

一週間は休みだそう。理由は気分だそうだ。

 

 

 

とまあ

400円という大金を使って生きてきたのだが、いかんせん底を尽きた。

 

1日100円のご飯で食いつないでいたが、もう無理だ。

ここが森なら獲物を狩ったりするんだが、あいにくここは元首都、都会だ。

昨日からなにも食べてない。

奴等を殺す前に俺が死ぬ。それは受け入れたくない。

 

本気でどうしよう。

 

 

そんな時、となりの廃ビルから、銃声が聞こえた。一発なら、幻聴だと思えるのだが、それは2発、3発、4発

 

 

 

何が起きているのかわからないが、殺意のようなものは自分に向かっていなかったので、そろそろと現場を見ようと向かう。

 

 

 

そこに。

 

 

 

 

 

 

2人の警察官がいた。痩せ眼鏡と角刈り警官。

 

だが、彼等の目の前にはかなりの量の血に、幼女。

 

警官が助けたーーーー訳ではないことは一瞬でわかった。

 

撃たれている。と。

 

正義の味方ともいえる警官がこんなことしていいんだろうか。いや、良くない。

だが、全く関係ないし見捨てるか。

 

 

 

 

 

ーーーいや、警官脅して金をむしるか。

そう決めてからの行動は速かった。

凶悪な笑みとともに、俺は彼らの前に出た。

 

「おいお前ら。なにやってる?」

 

 

 

ーーーーーーーーーーー

 

 

「助かったよ。ありがとう。」

 

「いや、いいよ。君こそあそこで勇敢に立ち上がってなかったら、俺も動けてたか分からなかった。感謝するのはこっちの方だ。」

 

あの後、民警が出て来て、うちの人材による非礼、すいませんでしたーとほざいて、やられた奴を運ぼうとしてた。運び方があまりにも素人だったので、手伝ってやったら、感謝され、彼の家で夕食にありついている。

 

警官?モノリスの外へ物理的に左遷させてもらった。俺直々に引っ張ってやった。死んだかな。

 

ガストレアになったかもしれないし、なってないかもわからない。そしたらきちんと殺してあげるのが俺の役目だろう。

 

あ、そうそう

撃たれた奴は病院で治療を受けている。

 

とにかくラッキーだ。俺は飯にありつける。

幼女は生きていける。彼も動けた。あいつらの家族には悲しい出来事だろうが、警官らも左遷した。

 

 

そんないい出来事があったのに、目の前にいるコイツは、とても暗い顔をしていた。

なにがあったか聞くのはダメだというものだろう。

 

ここはおとなしく帰ろう。と戦略的撤退をするのは当たり前だ。

 

「ありがとな。飯、感謝する。」

 

「いや、いいさ。またこいよ。」

 

そうか。きっと、いかないだろうがな。

 

 

無事に7日を過ごし、預金を下ろして、銀行から家に帰るとこで、アイツを見つけた。飯をおごってくれて、なにかに怖がっている彼を。

 

だけど、彼は違った。からだがガストレアにとられたとかじゃあない。

 

 

空気、空間が歪んで見えるほどの圧倒的な"負"

 

 

 

不覚にも美しいと感じてしまった。彼の狂気が、彼の感情が。

 

 

そこからは、彼をストーキングした。言い方はあれだが、まあ、見てたのだ。

 

 

彼はパートナーを探しているのだと、そうわかった。自分の大切な人を失う痛みを、僕は理解している。

 

 

だからーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

これは、飯の借りを返すだけだ、

 

 

そう思って、彼の前へ出て、わざと声をかける。

 

 

「おい、どうした。イニシエーターは居ないのか?まえの赤髪ツインテは?」

 

「............」

 

、、、口出しは止めるか。

 

「いや、なんでもない。気にしないでくれ。じゃあな。」

 

こいつを尻目に俺は元来た道を引き返した。

 

彼は何処の所属の民警なんだろう。あれだけの狂気を飼い慣らす奴だ。ヤバイ奴だ。

 

そう思いながら。

 

 

 

だけど、気になったからーーー

 

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

 

キャバクラにゲイバー、裏で有名な闇金会社。

 

「ここって、なんの建物?」

 

 

 

 

 

 




バラニウムの比率は完全オリジナルです。


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民警に所属する意味

展開が早かったり読みにくかったり するかもしれないですね。ごめんなさい。

とりあえずどうぞ。


隣にあるコンクリートでできたボロい階段を昇る。

あまりにもお粗末な所なので、民警があるのかものすごく疑問に思ったが、住所はここの3Fになっていたので(2日間にわたって確認した)歩いてみる。

【天童民間警備会社】

こう書かれていた。ビンゴ!ということで、ノックしてはいる。電話番号は分からなかったので、アポなしだが、大丈夫だろうか?

 

 

 

 

 

 

 

コンコンコン

「すいませーん。少々御時間頂いても宜しいでしょうか?」

 

今思えば、たち呆けずノックと声かけをしておけばよかった。

上記のように。

 

 

 

 

ガチャ

 

 

 

誰もいなかった。いや、出てきた。というかぶつかった。

 

「うわっ!?」「きゃっ!?」

階段を転げ落ちる。あれ?もう一人は落ちてこないぞ?

 

 

 

あ、扉がぶつかっただけ?

 

 

 

受け身を取って、なんとか体勢を整えて、扉を見ると

なかから美人がでてきた。のだが、様子がおかしい。切羽詰まっているのだ。だから

 

「なあ、あんた、なんで急いでるんだ?」

と聞いた。

 

「里見君がヤバイの。ヤバイからヤバイの!」

 

ヤバイのはあんたじゃあないか?ごめんくらい言えよ。

まあともかく、里見君?これはあいつの家の表札に書いてあった名字?ということは、あいつに何かあったのか?

 

ご飯のお礼ができてない。

 

向かうか。

 

そう思って、彼女を見ると、もう階段を降りて、タクシーを拾って、乗り込んでいるところだった。

なので、

 

「よっと。」

 

そうしておれはタクシーに乗り込んだ。後部座席ーー彼女の隣に。

運転手に「お前さんは?」と聞かれたが、「同じく、なんの問題ない、彼女の連れだ。料金は出す。急いでくれ」

 

といったら、まあスムーズに出してくれた。

料金はいくらだろう。

 

隣を見ると、顔面蒼白、屍のような彫刻もとい人間がそこにはいた。

 

声をかけてみたが、うつむいて何か呟くだけで、何も見えていないようだ。

これは、深刻だな。知らない奴隣に座らせるって、大丈夫か?

 

☆☆☆

 

事態は思ったより重かった。

銃創をいくつも縫って、さらに落下の跡があって、かなり広い範囲で裂け傷が縫われていた。

程度で言えば、まだ軽度の方だが、出血を押さえられなかったのか、輸血がまだ行われていた。

きっとこの状態になれていなのだろう、天童?さんが慌てる理由も慣れだと思うが、もう2日はこうなっていたらしい。

 

犯人は、蛭子ときいて、ちょっとこいつを見直したのは別のはなし。

 

なぜかはわからないが、イニシエーターが布団に潜り込んでいるし、隣で美人が心配してるし、なんだよ。リア充かよ。まあ、どうでもいいや。

コイツも僕と同種の恨みを持ってそうだから、見に来たってのに、、、

つまんねえ。

 

 

また来るって言っといた。じゃあな。

ご飯のお礼って結構重いな。

 

 

 

 

じゃあ、やりますか。

 

 

 

 

☆☆☆☆☆

民間に所属するために、聖天子に呼ばれた人間を一人一人捕まえて、いれてくれと頼み込むことにした。

 

もともと所属していた三ケ島ロイヤルガーターに行く気はなかったので、あの笑顔を絶やさない太った社長のいる大瀬フューチャーコーポレーションに行こうとしたが

 

 

社長が死んでいた。

 

 

死因は蛭子影胤のイニシエーターによる刺殺。

首は丁寧に切られて、里見蓮太郎に届けられたとのことだ。

情報統制されて、あまりおもてに出てこなかったため、驚愕だった。

 

他の民警に入ろうとしたが、どこにも受け合ってもらえなかった。

 

 

天童民間警備会社は?

勿論行きました。ただ、留守でした マル。

 

ということで、里見のところへ向かう。

そうすると、病室のなかから、

 

「社長として命令します。影胤、小比奈ペアを撃破してガストレアのステージⅤ召還を止めなさい。ー里見くん、君は私のために今までの百倍働いて。私は君のために千倍働くから。」

 

「絶対止めて見せます。あなたのためににも!」

 

うん、なんでこう、感動のシーンになってるんだろう?

 

でも空気を敢えて読まずにここで僕は向かう。

 

「あのーすいません。天童民間警備会社の社長、天童木更さんですよね。そちらの民警に入れて頂きたいんですが。」

 

おいこらいい度胸だな。みたいな目がこっちを向く。やべえ。死にそう。

 

「あなた、だれ?」じゃま。かえれ

 

「あれ?どっかで会ったことない?」じゃま。かえれ

 

「君、名前は?」じゃまなんだよおら

 

「なんでここにいるのか教えてくれない?」シネ

 

もうやだ目が語ってる。帰ろう。出直せばいいや。というか最後には殺意になってるし

よし、そうと決まったら実行だ!

 

 

「かえりまー「まって!!」あい?」予期せぬ声が出た。

 

「いまは人手が欲しいの。あなたは元民警?」

「ええ、そうです。元三ケ島ロイヤルガーター所属(形のみ)でした。」

 

「じゃあ、まだ使えそうだわ。三ケ島のとこは、結構強いのがいるらしいわね。でも君では、彼に勝てないわ。情報処理を任せるのもあれだし、下っ派として使ってあげれば」ブツブツ

 

「戦場、それも最前線へ出たいです。武器の供給をお願いしたいのですが。」

 

「むりよ、君は里見くんより弱いわ。出すわけにはいかない。」

 

「天童社長、あなたの方がそこの彼より強いと思うんですけど。」

 

そういうとこを見抜けるくらいには強いよ。っていったんだけど、わかるかな?

 

「っっっ!?」

 

彼女は言外に悟ったのだ。彼の言うことを。だが、引かない。

 

 

なのでだめ押しに殺気を放つ。濃厚な殺気が病院を駆け巡る。

 

彼女は畏怖した。目の前の高校生に。

それを理解したので、おれは、

「じゃあ、お願いしますね。」

といって出てきた。

 

 

 

 

一体何者なのだろう?彼女は思ったが、答えはない。

 

 

 

「なにあの怪しい奴、なんでここにいるんだろもー!里見くん!あれ誰?」

 

「そう言えば、なまえ知らないな。」

 

「会ったことあるの?」

 

「ああ、6日前くらいに呪われた子供を助けてたから、お礼にまあまあな量の夕御飯をご馳走したよ。」

 

「、、、そんなお金どこにあったの?」

 

「、、、、、、、そこが疑問に思ったとこ?」

 

 

「そうよ、悪い?誘ってよ、6日前って飢えて倒れそうだったのよ!ねえ!里見くーん!」

 

「うわあああああ!!そこ!怪我してるとこ!!痛っっ!!!」

 

☆☆☆

 

 

民警にはいれば、武器がもらえる。殺しにいける。

ここら辺の死体はすべて回収されたりガストレアになったりで、武器があまりなかったのだ。そもそも携帯許可がいる。だから、入らざるをえなかった。

個人情報が漏れるかもとは思ったが、隠すことないし、いいや、と思った。

 

 

 

 

蛭子、あんたは凄いな。邪魔はしない。頑張れ。だけどな、ガストレアは俺の獲物だ。今度も負けてやらんぞ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

天童民間警備会社内では、

 

 

なんで木更さんは青ざめて震えてるんだろう。

 

「木更さん、これは?」

 

「あのよくわかんない奴の履歴書のようなものよ。見る?他人に話しちゃいけないけど、里見君なら大丈夫よね。」

 

「はあ、はい。」

 

「驚かないでね。」

 

「なんでそんなこというんですか?」

 

「みれば分かるわ。」

 

「普通の経歴じゃ無いんですか?これ、内容的に普通ですよむしろ「二枚目を見て、里見くん。」二枚目?」

 

 

 

 

 

その後、東京の一区画内に聞こえるような叫び声が聞こえたとか聞こえなかったとか。

 

 

 

 

 

 

 

 






まあ、適当に行きます。


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蛭子へ届かすために

集中続かねえ。



どうぞ。


午後9時

 

ジガバチのようなうなりを上げるローターの羽音を聞きながら、俺は、右隣に座って、眼下に広がる暗い森を睥睨している里見蓮太郎を見やる。一瞬彼の視線の先にある森に目を向ける。

聖天子直々に行われたブリーフィングを聞きそびれたのは、目の前のコイツも一緒だ。だが、ヘリの向かう方向によると元千葉県房総半島あたりだな。

あそこは、ステージⅡまでしか見かけないくらいつまらないところだったはずだが、罠が少なく、ガストレアの数も少ないため、潜伏。休憩。とするなら、いい場所のはずだ。

 

流石だな。いまは違うかもしれないが。

 

 

パトロン(後援者)とされる人間がいない俺に武器調達ルートは存在しないので、里見のパトロンを使ったルートで俺は武器を手に入れた。

 

対ガストレア用コンバットナイフ40センチモデル

 

Px-4 Strom 40口径モデル

 

マカロフ PM

 

司波重工2029年モデルサイレンサー付フルオートショットガン

 

SV-98(狙撃銃)

 

BDU-野戦服

 

ヘッドギア

 

抗弾ベスト

 

上の防御機構の装備はすべて司波重工のものだ。

彼のパトロンが司波なのはビックリしたが、それ以上にマカロフ、SV-98にあう口径の弾が日本に売ってないのにかなりの量貰えた。

 

 

マカロフは9×18ミリ マカロフ弾だし

それをバラニウムとかヤバイでしょ?

 

勿論その働きに見合う代金を支払ったのだが、それでも凄い。

そもそもロシアの武器がもらえるのは凄いことだと思う。

司波重工の力を見た。

 

とにかく、いいとこ見せればもっとあげる

 

 

らしいから、がんばろ。やることないけど。

 

「どうしたんだ。考え事か蓮太郎」

緑のフライトジャケットを着た彼のイニシエーター、延珠が彼の袖を引っ張っている。

 

「いや.......」

「そういや、お前未踏査領域に行くのはじめてか。」

延珠はうなずく

 

ふむ、こっちの蓮太郎は出たことがあるのか。じゃあ、本格的にやることないな。

 

 

「あんたは?」うん?

 

「あんたは未踏査領域に入ったことはあるのか?」

 

「ああ。ある。」

 

「そうか。」

納得したようだが、なにかあったっけ?

 

「作戦前だが、なにか聞きたいことあるか?」

 

「このヘリコプターの名前はなんて言うのだ?」

そう延珠に聞かれた蓮太郎は機内を見渡す。

 

「少し各部が改良してあるけど多分ブラックホークの日本版ってとこだな。」

 

「知ってるぞ!菫に借りたレトロ映画で2機も撃墜されていた弱っちい奴だな。蓮太郎、これもまっ逆さまに落ちるんじゃないか」

 

操縦士の顔が.......

 

蓮太郎が目でごめんなさいと言ってる。

 

もう考えるだけ無駄だな。そう思って、

 

「着いたら教えてくれ」

 

 

寝た。

 

 

 

今でも夢を見る。大切なものを喪うんだ。それも2回。

 

もういやだ。だれか助けてくれ。なんで目の前から皆消えるんだ。お願いだからーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー生きて。

 

 

 

「おい、おーい?もう着いたぞ!おーい」

 

もう着いたらしい。

 

「ああ、ありがとう」

 

お礼をいって立ち上がる。

 

操縦手にもお礼をいって降りる。

次にヘリに乗るのは、屍と言う冷たい荷物となってか、作戦が無事に終わったときだろう。

作戦を終え、帰投の途につくヘリコプターをみて、思うところはない。死ねれば楽になるかもな。夢を肯定できないのは、今も昔も変わらない。要するに俺はガキなんだ。

 

彼等はどう思っているのだろう。

 

我々が降りたのは広範な森の中だった。

鬱蒼としげる常緑樹によって視界は薄暗く、そして狭い。

先日の豪雨のせいでか、森全体が湿り、湿気とガストレアの濃圧な香りが俺の神経を逆撫でする。身体から汗が出そうになるのを耐えて、回りを見る。

ここのやつらのステージにⅣを越えている奴がいる。

 

 

 

 

狩場だな。

 

 

蓮太郎がブッシュナイフで道を作ってくれるので、その後に続く。

 

ああ、こいつに、ブッシュナイフより鉈の方がいいよって伝えるの忘れてた。

あと地図も役に立たないってことも。

 

音がなく、鬱蒼と茂る森に怯えたのか、延珠は蓮太郎の方へ寄り添っていく。

ガストレアの支配を受ける地域は、動植物の分布が滅茶苦茶になる。蓮太郎は知識だけで外を知っているようだった。

「延珠、ここを抜けて近場の町までいくぞ。」

 

「この周囲を探せって言われているんじゃないのか?」

 

「街まで行こう。こんなところに長居したいとは普通の人間は思わない。」

 

といって、延珠と向かおうとするのをしり目に、

 

「ここら辺もうちょっと探すわ。」

 

といった。ただ単に獲物を刈りたいのだが、何を勘違いしたのか

 

「そっちの方が効率良さそうだもんな。わかった。」

 

といいやがった。まあ、嬉しいんだが、

 

個人情報が漏れたな。

 

わかっちゃったよ、俺。

まっったく、うちの民警は情報統制がばがばだな。

だけど、納得する材料ともなったので、そこからは別に行動した。

 

16体屠ったところで、5時の方向から爆発音が聞こえた。

音に寄る習性のガストレアはおおいのだ。そっちに流れると困る。

そう思って、音源辺りへ向かうーー途中にバキバキと木が折れる音がした。そっちに目を向けると、延珠に担がれた蓮太郎がいた。と

 

その後ろに ドラゴン?と見間違うようなステージⅣガストレアがいた。

 

 

 

 

助けて殺るか。

 

 

 

 

ここから50メートル位の距離にある敵をターゲットに、SV-98を構えて一発。

サイレンサーによって減音された7.62×56mmNATO弾は寸分たがわず目に命中。薬室内の薬莢を排出し、次弾を装填する。この

ボルトアクション式は扱いが難しいが、今までの戦いで、"慣れている"。

 

こっちを向いた瞬間2発目をもう片方の目に撃ち込んで、木の間をぬうように接近して、木の弾性力をバネにジャンプして口から一発。ショットガンに持ち替え、落下しながら腹に一発。そしてもう一度宙に飛んで心臓部に一発。

その時にナイフも一緒に差し込む。敵の体を再生させないダブルアタックというこの技術は、叩き込まれてから一度も忘れたことがない。

 

 

これでコイツは絶命したはずだ。ステージⅣだろうが、

弱点は存在するのだ。ここまでに掛けた一連の時間はおよそ5秒。

 

油断大敵という言葉があるので、振りかえって睨んでいると10メートルを超えるような巨体が倒れた。これでコンプリート。

 

あいつらを探そうと後ろを見ると崖だった。

 

落ちたか?目を凝らし、100メートルはある崖を覗く。

 

 

足跡があって、木が折れているのが判る。わかったので100メートル以上ある絶壁を飛び降りて、彼らを追跡する。着地前に銃ーショットガンを使い、反動によって威力を幾らか打ち消す。

3発撃ってから銃を地面に投げ捨て、体を丸める。8点着地といって、ビルから落ちたときでも使える技だ。ただし痛い。

骨を一度任意で外し、身体をバネに変えて丸いボールのように着地する。そうして位置エネルギーを運動エネルギーに換えようとコロコロと地面を転がっていくようにして着地。

受け身をとって落としていた武器を回収する。ショットガンの弾がもうないことに気付き、ショットガンを捨てる。

 

SV-98を背負って、右手にマカロフを持ち、警戒しながら蓮太郎と延珠の足跡を辿る。

 

そのまま歩いていると突然声がした。

 

「動くな。」

 

 

その声と、2つの銃口が一斉にこちらを向いた。

 

 

 

 




もし投稿してないなら、疲れて寝てるのでよろしく。


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千寿夏世とヒーロー

やっと本作品ヒロインNo.1(仮?)が登場です!

えーと、ここはあまり面白くないです。



とりあえず、どうぞ。


「貴様はだれだ!」

 

 

 

現在 銃口にかこまれるセール開催中!

安いよ安いよ~!なんと今なら丁寧にバラニウム製の銃弾のおまけ付き!

きっと頭を貫通するよ!

さー買った買った!

 

ごめんなさい。

 

さて、

 

「おい、声で判るんだろ蓮太郎。なんで銃を向けてんだよ。」

 

「お、あんたか。」

 

「そっちのショットガン使い?手負いじゃそいつは長く構えられない。自分の健康のためにも下げろ。」

 

「.....お久しぶりです。」

 

「ああ、夏世だっけか。伊熊のイニシエーターだろ。蓮太郎のイニシエーターになったのか?」

 

「いいえ、いま里見さんのイニシエーターの延珠さんはは外でガストレアから私たちを守るため見張りにたっています。あなたのイニシエーターはどうしたんですか?」

 

知ってるくせに。

 

「いや、いないさ。いままでも、これからも。」

 

そうですか。と、夏世は悲しげな表情を見せた。

 

「そっちのプロモーターはどうした?」

 

「はぐれました。どこにいるんでしょうか。」

 

「いや、お前が聞くなよ。」

 

「なあ、夏世と知り合いなのか?よかったら手当てとか面倒を少しの間みてもらえないか?ちょっと延珠を見に行きたい。」

 

蓮太郎は延珠がすきだな。

 

 

 

.........失ったらどんな気持ちになるんだろう。泣くかな。叫ぶかな。それともーーー

 

 

いや、止めよう。それは俺の預かるとこじゃない。

 

「いいぞー。見てこいよ、未来のフィアンセをさ。」

 

「フィアンセって。」

 

「いいからいってこい。」

 

「ああ、ありがとう。」

 

去っていくのをみて、あることを確信する。

彼は義足、義手を。

目も目でなかった。片方は義眼だということをずっと前から知っている。これすら兵器だと言うのなら、きっと彼も蛭子と一緒なのではないだろうか。

考えのベクトルが違うだけで。

やはり、彼と蛭子は運命だったのかもしれーーーうん?

 

「どうかしたんですか?」

ずっと黙っていたからだろう、夏世が俺の顔を覗き込んできた。

 

「なんでもない。安全な所へ行こうか。」

 

すぐに話を変える。あまりいい話ではないから。

 

「それなら私知ってます。行きましょう。」

そういって行くのはいいんだけど、手を繋ぐのは、命取りでは無いでしょうか?なんでつなぐんだ?

 

俺はそう思った。

なのですっと手を離したら、夏世はまた悲しい顔をする。何をしたんだか。

危ないのに。

 

第一次関東大戦の名残、トーチカの中に入る。屋根がほぼなく、ただの壁に四方を囲まれているところだ。

手当ての器具が置いてあることから、さっきまで手当てをしていたのだろう。

「なあ、どれくらいダメージ食らったんだ?」

 

「侵食率が30%を超えるくらいの攻撃です。里見さん曰く、まだ大丈夫だそうです。」

 

50%を超えると個人差あれど、形象崩壊によってガストレアのなるはずだ。

今まで、僕は試していないけど、ガストレアウイルスの侵食率を抑えるもしくは減らす薬、というか液体を[知っている。]だが、そこまでするようなことはないし、副作用もかなりのものだ。

俺自身、自分の体の方がたいせつなのだ。

理論上は出来ても、彼女にもかけるというのは間違っているのでは無いだろうか。

だから

 

「そうか。まあ、大丈夫なんじゃないか。」

 

「はい。」

 

時計を見ると、午前3時。

 

少し寝るか、と思って、目を閉じる。

背中に感じるコンクリートの冷たさが、体をちょうどよく冷やしてくれる。

 

ーーーザーーーーーーーーザーーーーーザーーーーーービーーーーーー

 

 

ふと、無線のような音を聞いた気がした。

すると右腕にあった重たくも暖かい感覚がなくなり、冷気が右腕を覆う。

 

 

それと同時に低くくぐもらせ、それでいて声変わりをしていないであろう子供ー夏世ーの声が聞こえた。

回りを見ると、蓮太郎と延珠もトーチカのなかに居て、静かにと言うジェスチャーをしていた。

蓮太郎が地図を広げてなにかやっている。

きっと蛭子影胤を見つけたんだろう。

 

だが、それまでだな。夏世には悪いが、伊熊には死んでもらうしか、無いだろう。

 

 

彼では何万人いても勝てない。

 

電話を終えた夏世は、荷物をまとめる。武器、弾薬もきちんと整理して、マガジンに弾を込め、焚き火を踏み消す。

 

蓮太郎がなにかいっているが、夏世は聞く耳を持たないというか弾いていた。

 

「怪我は大丈夫か?」俺は聞いた。

 

「ええ」そして包帯を剥がして見せてくる。

完璧に治っていた。しかも笑ってた。え?怖い。

 

「わかった。でも出発は4時だ。夜目にならして、すべての装備を整えてからだ。」

 

皆おとなしくしたがってくれる。

 

 

 

ああ。また失うんだろうか。失う?ねえ。君たちは、僕を置いていくのかい?

 

頭を振る。

 

そうして俺は、装備を整え始めた。

午前4時、トーチカを出て、教えてもらった位置へ向かう。

蓮太郎を先頭に、延珠、夏世、俺、と続く。

 

しばらく歩くと、森は途切れ、見晴らしのよい平野に出る。

そこから道なりでいけば、数キロで街に入れるだろうが、あえて回り込むようにして、小高い丘を目指す。ばれないようにという蓮太郎なりの進みかたなんだろう。どんどん海に近付いているのだろう。海特有の香りが鼻孔をくすぐる。

途中、夜営の跡を見つけた。蓮太郎と夏世が、目に見えて焦り始めたので、前後を交替して進む。

もう作戦は始まっているのだろうか。

 

丘に登り街を見下ろす。三日月型に湾曲した港にボートがたくさん並んでいる。見た感じ人がいなさそうだが、

中央の協会に明かりがついている。

 

 

 

 

他にないのか確かめようとしたとき、音が、光が、戦闘を開始していることを伝えた。

 

同時に、後ろから来たガストレアを振り向き様に一閃、バラニウム製のナイフをふるい、右腿に留めてあるマカロフをドロウして、3発。

 

サプレッサーによって減音された弾が心臓、脳味噌、右足にめり込み、貫通せずに止まり、奴を絶命させる。

「あ、ありがとうございm「それは後だ。」」

 

「蓮太郎、いけ。」

 

「なん、お前の方が適任だろ!?」

 

「これのヒーローは俺じゃない。いけ!!」

 

「、、、、、、ああ、わかった。延珠!」

 

「わかっておる!」

 

 

「さて、どうする。向こう行く?夏世。」

 

「いえ、いきません。貴方をフォローします。」

 

「将監がきっと泣くぞ。」

 

「将監さんですもん。いいですよ。」

 

「そう..だな。では、ここを死守しようか。」

 

「はい!」

 

「おれ中衛、夏世は後衛、サポートするから思い切りやれ。」

 

「わかりました。」

 

さあ、ゴミども、楽しませてくれよ!

 

 

 

 




次結構自信あります(フラグ)

では、あでぅー


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私は思ってもみない時に告白する。+

結構自信あります。3000字越えました。頑張った。


あっ、どうぞ。


戦闘を開始して10分はたっただでしょうか。

もう20体は倒したでしょう。何回目かわからないリロードを終えて、スコープを覗きます。

 

100メートルほど隣では、あの人が戦ってくれている。

それだけで心が温かくなる。

安心できるんです。

 

集中しようと、気を取り直して敵を睨むと

スコープ全体が茶色で覆われていました。

 

 

なにかを振り下ろす音が聞こえて、後ろに跳ぶと、目の前を1本の鎌が通り過ぎました。

 

カマキリみたいな見た目のガストレア。

 

カマキリは鎌を2本持っている。ということを思い出して、さらにバックステップをします。

 

数瞬遅かったみたいですね。鎌は私の胴体を捉え、二薙ぎ。10cmくらいの量の肉を持っていかれて、物凄い量の血が吹き出ます。その傷口はカマキリからの粘液がこびりついていました。

とっさに傷口を押さえるんですが、それがいけなかったみたいです。追い討ちを誘いました。

 

2体目が、来た。計4本の鎌が私を捉えたのを見ます。

 

 

ごめんなさい。

 

目をつむって衝撃に備えるーーーーーが

 

 

いつまでたっても攻撃は来なかった。目をおそろおそる開けると、

 

目の前に右肩を、右腕を、抉られた彼の姿があった。

 

一瞬生きていたという安堵が、身体中に回るのですがそのあとに襲うのは罪悪感。

 

 

ごめんなさい そんな声が私の心を満たして来ます。

 

傷だらけ。もうこれ以上戦えない。二人とももう無理です。ごめんなさいッ。

 

だけど、これだけは言わせてっ

 

 

 

 

 

 

 

ありがとう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーあり得ない。だけどそれ以上に

 

 

 

美しい。そう感じる私はきっと正常です。

 

 

鬼神。彼を表す言葉はきっとこれ。

 

一度えぐられた肩や腕のハンデをものともせず突っ込んでいく。普通の人間なら自殺行為だ。

だが、彼はガストレアを相手に一発も食らわない。

彼は曲芸、いや神と言っても差し支えないであろう領域を

 

"魅せてくれている"

 

その姿に私は魅せられました。

 

戦闘前に性能としては物凄く劣るショットガンとSV-98を交換した時はなんでですかと思ったけど、納得です。

敵の特殊攻撃すら見ずによけて、一匹のガストレアを踏み台にして1発で急所の頭を撃ち抜き、すれ違い様心臓をナイフで貫きました。

 

ナイフをカマキリのガストレアから抜かずにそれを足場にして跳躍、ステージⅢやⅣのガストレアすら、両手で数えれる時間で始末する。普通であれば、百人位いても難しいのに。彼の数十倍は大きい巨体にすら挑む姿はオーラだけでガストレアをのみ込んでいます。

 

来る途中に仕掛けたであろうワイヤートラップでマッハ2に迫る速さの銃弾を左右より小型のレールガンから放つ。

致死性のそれすら囮に使って敵に綺麗な放物線を描いて武器を弱点に差し込んでいきます。

 

弾がなくなると左手でサイドウエポンのPx4を引き抜いて速射して、その間に肩に掛けてあるスリングと腰を使ってリロード。私には追い付かないくらいの努力の為せる技です。

目で追うだけで精一杯な訳ではなのです。赤い目ー因子を使っていれば、普通に見える速さなのです。ですが、体がついていかない。いえ、身体を動かすことを赦されていないようです。

ステージⅡはかなり強い部類に入るはずですが、それすら雑魚に思えるこの世界の劇場に、目を奪われ続けました。

 

 

 

 

 

彼を見た、いや魅せられたのは、2年前だったと思います。

 

 

その日私は将監さんに言われて、一人でガストレアを狩っていました。

まだ、私には技術がなくて、こけたり、転んだりで最悪でした。

 

ふと何回目かわからない前転をした時、ガストレアに肩を抉られて、そこからは、全部ガストレアの独壇場でした。

私も死を覚悟しました。もう、身体中痛くて痛くて、生きているだけでも不思議でした。

そこから先、私がどんな風に生き残ったのか。正直わかりません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

でも、隣に彼がいました。

 

ずっと待っててくれました。

 

優しい言葉を貰いました。

 

いたわってくれました。

 

ひとりの女の子として見てくれました。

 

励ましてくれました。

 

わがままも聞いてもらいました。

 

心を軽くしてくれました。

 

自分を肯定して貰いました。

 

安心させてくれました。

 

生きてていいんだって、そう思いました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いろんな幸福を私は初めて貰いました。

 

4日間、彼と一緒に戦いました。4日間彼と話しました。

4日間しかありませんでした。

 

でも、私にとっては、新鮮で、2度と味わえない時間でした。

 

 

 

 

だから私はーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

っpーー

 

 

ははははははじゃあはばばばあばばばあばばあばばばばあばばbqばばあばばjくぃくぃあいあかかまあなbhsvsjkっどどどflfmっrmrねんけいdんあほqpq9rhんdめpqーdんfjfkgmvんぎcldjんfcにおcjckcmcんcb、cmvkfkんbzjづdkclgkflhーごfkcmc

kdkdjdhdlglgkgーcjxlvlckvーvksudldywydjxbxjfiglvnkfu

 

どうも。絶賛狂い中です。

では、皆さん一緒に狂いましょう♪

 

 

 

 

やばい楽しいゴミの的撃ちっていう作業ゲー最高!!!

 

殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺しまくる。痛みはそのための布石!!

 

最高のゲームだ。今までお預け食らってた身からすれば、お前らへの恨みは、誰にも負けない。そうだよ。俺はこうあるべきだったんだ。

 

 

そうだよ。死ねよ。お前らはいきる意味がないんだよ。

痛みなんてこいつの副産物だ!!!!!

 

 

 

 

死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね

 

 

 

もう何も考えられない。死ね。そんだけだ。もっともっと血を、肉を寄越せ!

まだ足りない。僕の大切な人間のための餞となれ!!!!!!!!!!!!

 

 

 

 

 

 

どのくらい時間が経ったのだろうか、辺りは明るくなってきて、夜明けまで後1時間程だろうか。

 

あははははははははははははははは

 

 

俺は、また生き残った。また生き残った。また

 

 

また

 

 

また

 

 

また

 

 

 

死ねなかった。

 

絶望と虚無が体をおそう。もう僕もとい俺は、人間になりたい。

 

もう。後戻りできない世界に足を突っ込みすぎた。

 

ああ、こういうことだったのか。

 

これが地獄かな?ふふふ。いいねえ。

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

「これでもまだ足りない!もっともっと多くの絶望を、願いを寄越せ!!!!!!!!まだ!まだ!もっと!僕を殺してくれ!死なせて!壊してくれ!!!!」

 

そう叫ぶ彼は悲壮に満ちていました。

 

私は声を出さなかった。いや、出せなかった。

 

彼の背負ってるものが。彼の思いが。気持ちが。

 

私を地面に縫い付けた。

 

だめ。そっちは。人の進むべき道じゃない!

 

私にはわかるの。

 

それは滅びへの道だって。

 

快楽じゃない。怨みでもない

 

それを進んだら。あなたはあなたじゃなくなる!

 

私にできることは、、、

 

貴方を止めて見せる!

 

これが私があなたに魅せる!!

 

 

一歩踏み出す。

 

圧がさらに重く強くのし掛かる。いきたくない。

 

そんな私ー人間としての、もしかしたらガストレアとしてのーの本能を無視して、更に踏み出す。

 

幸い傷はほぼ治っている。

 

歩ける。痛いけど、それでも、彼の痛みより私は痛くないから。

 

速く、早く。

 

気づいたら、走り出していた。

 

彼までの100メートルが、とても長く感じられた。

 

あと7メートル、4メートル、2メートル。

 

腰に手を回して抱きつく。

 

自分の中で変な感情が湧くのを自覚する。

 

痛みが。圧力が。私を襲う。

 

もう私の顔はぐちゃぐちゃだろう。

 

それでも、言わないと。

 

 

 

 

 

 

 

あなたはもうこれ以上いっちゃあいけないです。

だから、もういかないで、私のそばにいて、お願い。

 

 

 

 

 

 

 

 

「貴方が好きです!貴方を私に守らせてください!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

...............なんか違う台詞を言った気がする。

 

 

 

 

 

あれ?




ふう。一息。


どうでしたか?めっちゃ頑張ったんですけど。

好評化とか欲しい(笑)

マジで頑張った。



次もがんばります。


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やっと、人の道に来た。1

切りがいいので、少ないけど投稿します。すいませんね。
1019年7月15日に一部変更を行いました。

ガストレアに関して。
強さは
Ⅰ<Ⅱ<<Ⅲ<<<Ⅳ<<<<<<<Ⅴ
となると思われます。
原作上では、Ⅳが一国の軍隊程度となっていますが、
本作品では、Ⅴで2国分~5国程度の強さを保有していると考えています。
いろいろいたらないとは思いますが、これからも精進します♪


思い付きで書いた。何度も言うが、後悔していない。。。。。。。。。。。。後悔しかしてねえよ!


☆☆☆☆☆☆

 

 

 

 

数日後、

 

里見蓮太郎と天童木更は東京第一区Δ皇居Δに呼ばれ、受勲式があった。

 

あの時、蛭子は蓮太郎が倒したらしい。

ついでに‘’天の梯子‘’を使って、ステージⅤのガストレアを倒したとのこと。

公式の記録では、作戦は無かったことになり、死んだ民警ペア、もしくは片割れについては特殊措置がとられた。

蓮太郎が‘’たまたま‘’天の梯子のそばにいて、たまたま攻撃できて、たまたま殺したというのが公式の記録。

 

IISOの情報によると、この作戦で戦死/参加した

プロモーター数35/50

イニシエーター数38/50

 

作戦で見れば、全滅と同じだ。

戦力の半分を越えて死亡した。戦争では部隊の1/3の喪失は全滅と同義だ。だから、これは失敗だろう。

使い捨ての駒ならまだわかるんだが。

 

序列4桁でいろいろ変動があり、ロシア、アメリカ、中国に多いはずの4桁の人間どもが喜んでいるところまで簡単に予想できる。

 

 

日本の全体としての損害が著しいが、すぐに戻るだろう。

ステージⅤは世界中どこを探しても多く見積もっても50体程度で、更に好戦的なガストレアはその中の5%程度。

 

その好戦的なガストレアはロシアで始末したはずなので、もういないはずなのだ。

南極、北極にもステージⅤはいるらしいが、すぐ出会う訳ではないし、とこう考えると、東京に来たガストレアは結構希少だったのだ。

しかも海の上を移動するタイプは潜水するやつより強い。実際戦ったけど、潜水タイプは厄介なだけだった。

あのときはいろいろ試行錯誤して、浅瀬に追い込んで罠を使って殺したっけ。

まあ、蓮太郎は授業でやったんだろうな~

 

 

 

 

まあ、俺は受けとるものも、名誉もすべて秘密裏にもらったが、IP序列は1すら上がらなかった。そのことに気付けて良かったかもしれない。

 

 

 

 

 

そうそう、俺はあの時、全部を殺そうと思ってたんだ。

全てを壊して、無の世界に作り替えるのが必要だと思ってた。

 

だけど、後ろから来た純粋な心に、声に、ぬくもりに、俺は気づいたら、泣いていた。

 

簡単に言うなら僕は、救われた。どん底から、一気に人の道に。

まだこの世には、俺の守りたいものが有ったのか。

まだこの世は棄てれない。そう思った。

ただ何を言われたかは聞いてなかった。その時は聴覚を研ぎ澄ませて、元千葉中を探っていたんだよ。

だから耳が痛かった。音響地雷かと思った。

 

でも

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ありがとう。

 

 

 

 

☆☆☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

うわあああああああああああああ//////ゴロゴロ

 

うにゃあああああああああ///////ゴロゴロ

 

ふぎゃあああああああああ///////ゴロゴロ

 

「痛っ!」ドスン

 

ベットから落ちました。痛いです。

 

あれから帰って来て、検査を受けて帰ってきました。

 

私はいま非常に後悔しています。

 

そう、こんなふうに

 

むうううううううううう/////

 

後悔ではなさそうです。

これは恥ずかしい、そう、それです。

 

なぜあんなことを言っちゃったんでしょうか。

 

私は賢いです。まあ、そこまでいいとは言えませんが、、だから一字一句忘れられません。

 

とにかく、彼に会わせる顔が無いです。

 

どうしましょう。

 

 

 

それはともかく。将監さんは死んだそうです。

勝てないことは、知っていました。

あまり好きでは無かったですが、それでも、私の大切なプロモーターさんでした。

 

でも心は最悪...ではありません。

 

きっと彼が、こう言ってくれたからです。

 

「ありがとう。」

 

もうこの一言、とびきりの笑顔で、しかもどこか吹っ切れたような、最高の笑みー私にはそう見えましたーを私に向けてくれた。

 

「僕が、君を守るよ。君は僕を守ってくれるのかい?」

 

 

一人称が僕とかいま思うとおかしい気がしますけど、こういってくれました。

 

 

 

 

 

 

控えめにいってーーー物凄く嬉しいです。

 

そのせいでしょうか、将監さんの死が軽くなっている気がします。

これはイニシエーターとしてどうなんでしょうか。

 

 

 

 

あ、そういえば今日、彼と約束してるんでした!

 

パタパタと音をたてて廊下を走って、洗面所にいきます。

身だしなみは最低限しっかりしなきゃ!

 

 

ああああああああああああああ/////

 

 

 

 

 

 

 

 

☆☆☆☆☆☆

 

千寿夏世診断カルテ

 

担当医 ●●●

 

・ガストレアウイルスによる

体内侵食率四十五,三%

・形象崩壊予測値まで残り四,七%

・担当医コメントー超危険域。彼女には教えてありませんが、本人は否定するでしょう。本人へこのことを言うものは、誰であっても許しません。

もう戦わないでください。

 

 

 

 

 

 

 

 

ははっマジかよ。また失うのか?

ガストレアは、こうやって繁殖する。

一概にガストレアは悪と決めつけるわけにはいかない。

 

だけど、これは、あんまりだろ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

仙台だ。仙台に。

 

 

 

 

行かないと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

千寿夏世

 

 

 

 

 

 

 

なにもしない場合

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

形象崩壊まで340日

 

 




頑張ります。



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俺達の過去 千寿夏世編
千寿夏世との出逢い、それと4日の同棲(仮)その1


過去編。

4話完結目指す。

よろしく


2030年2月10日 その日は黒い雲が立ち込める、珍しい日だった。

 

俺は、最近新しく手に入れた武器,SV-98をテニスラケットケースに分解して入れて、モノリスの外へと歩きだした。

 

今日は学校が休みで、監視のおっさんも、羽を広げるための長期休暇をうちの民警のトップ、三ケ島さんに申請して、今オーストラリアでバカンスを楽しんでいる。

他の民警ペアも次々と休んでいるらしいが。

 

こんな監視のない自由な時間をそうやすやすと見逃したくなかったので、天気予報は雨だが、今日もアパートをでて、鍵を閉める。

 

こんな日でも、電車は動き、車は規則的に道を走る。

 

平和だと思いながらも、なぜ人間どもはこんなことをして生活を支えるのか、意味がわからない。

 

ガストレアという格好の敵をお前らは見逃している。

 

バカなやつらだ。

 

その、バカな人間を見ながら歩く俺はもっとバカだな。

 

ため息が宙を舞う。

都会の喧騒に、そのため息は吸い込まれていった。

 

「ここはだめだ。もっと奥にいかないと。」

 

そう呟いて、北側ゲートを目指す。

 

 

10分も歩いただろうか、見渡すと周りにはバラックのようなものが増えてー赤い目を持つ子供、それも全て女児ーが目立つようになった。

 

「ーー彼らは呪われた子供たちです。近づくと呪われますよ。近づいたり、食べ物をあげてはいけません。」

 

 

編入した時の中学校の教師の言葉がふと頭の中で再生される。

そんなことない。それは嘘だ。と言おうが取り合ってくれなかったあの教師。今年に入って、いつの間にか学校からいなくなっていた。

一説には、ガストレアになったとか。

 

 

過ぎたことだと思う。

頭の中から意識を現実にむけ、思考を止める。

 

周りにいた彼女らは、遠巻きにこちらを見ていたりするだけで、特になにもしないようだ。

 

ガストレアに対抗できる、ガストレア予備軍と言う名前の人間。

 

ガストレアを倒す戦力なのだ。なのにしいたげるなど、頭の可笑しいゴミのやることだ。

 

ガストレアに変わるなら、変わってから殺せばいいのだ。

 

だから俺はなにもしない。

 

そのまま道を進む。

 

途中で、大剣を担いだ黒スカーフ男を見つけた。

 

見たことがある。三ケ島社長のお側つきまで、剣一本でのしあがった実力者。序列が2000番台と、若干弱いが、この世界では強いのだろう。

 

こいつのイニシエーターはいないが、きっと一人の方がいいんだろうな。

 

このままいけば、きっと生身で3桁に入るんだろう。

そんなことを思わせる風格を身に纏うこいつは、俺に声をかけてきた。

 

「よう。。。クソガキ。」

 

「なんだ?死にたいのか?」

 

「ああン?」

 

「はなしがないならどけ。じゃま。」

 

「すまん。声をかけたのは、頼み事があるからなんだ。聞いてくれないか?」

 

彼との会話はこんな感じだ。一番始めに出逢ったとき、こいつの剣を木っ端微塵にしたから俺の方が強いと認識してくれたみたいだ。最近は喧嘩を吹っ掛けてこないので、俺の気分はいい。

 

「気分がいい。聞いてやる。」

 

「相変わらず上から目線だな。クソガキ。」

 

「やっぱ止める。」

 

「うそだろ!?すまない。だから待て。」

 

「早くいえカス。時間がない。」

 

「..カsだと。ゴホン。この先に千寿夏世というイニシエーターがいる。頼む。面倒を見てやってくれ。俺は今日から三ケ島さんについていって、博多の会合の護衛をしないといけないんだ。」

 

「つれていかないのか?」

 

「道具としてまだ未熟だ。まだ俺がふるって連れられるような強さがない。だからたのむ。」

 

「今日は気分がいい。そう言った。」

 

「いいってことかよ!?」

 

「戦闘の面倒まではみんぞ。」

 

「充分だ。ありがとう。」

 

「えらく下手に出るな。いつもなら感謝のかの字もでないくせに。」

 

「あいつは道具だ。俺の大切な。あんたにもいるんだろ?」

 

「そうか。」

 

「7日だ。7日で戻ってくる。それまで任せたい。宜しくな。」

 

「え?日帰りじゃないの?」

 

あいつはそこにはもういなかった。

 

速えよ。1日経ったら気分も変わる。しってんのか?

 

 

 

でも、借りが多いし、あいつのイニシエーターだ。

死んだら困る。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーしょうがない。やるか。飽きたら捨てる。完璧なプランだ。

 

 

 

 

黒スカーフ男と話してから更に歩いて6分。銃声が聞こえ、物体の質量のある音が聞こえる。

 

この音は、亀虫と蟻、バッタだろう。それぞれ2体ずつで、どれもステージⅠかⅡだ。

 

この量なら2000番台なら楽勝だと思った。だが、一向に攻撃の音が止まない。

 

俺はSV-98を組み立て、弾倉に銃弾を込めて、走り出す。何が起きてもいいように速度をセーブし、銃を構えながら丘を駆け上がりそこの光景を見る。

 

目に入ったのは金髪の女児が4体のガストレアに囲まれ、倒れたところだった。

 

彼女が千寿夏世。何度か面識があるだけの同業者。

そういうイメージだったが、今彼女は苦戦している。

 

弱いな。

 

確かに2000番台のプロモーターに付き添える実力があるとは思えない。

 

まあ、今危険なのは彼女だ。

 

試し撃ちに使う予定だったSV-98でいきなり正確に狙うのは出来ないので、腰からバラニウム製ナイフを引き抜き、接近する。

やつらまでの距離、60メートルくらいを一息で駆けてナイフをやつらの頭に一回ずつ突く。

 

全員のヘイトが集まったところで左腰に装着しているサイドアーム、Px-4をドロウして、一体一体に狙いをつけて引き金を2回立て続けに引く。2点バースト。師匠に教わった命中率重視の撃ち方。軽い音と同時に熱くなった薬莢が排出され、地面に軽い音をたてて転がる。

 

蟻の目に撃ち込んだ後、バッタの脚を切り落とし、亀虫固有の特殊攻撃の毒ガスを回避して誘導し、蟻に浴びせる。

 

そのままナイフでやつらの心臓、脳ミソ、首に差し込み、そのまま切る。

 

 

全員の息の音が止まったのを確認して、彼女ー千寿夏世に近付く。

 

顔、身体、足。

 

負傷していないところが無いくらいの傷つき様だった。

 

一応因子が発動していて自動回復を行っているが、間に合わないと判断したので、銃とナイフをしまい、彼女を抱える。

 

SV-98は拾わず、全力でモノリスの中に走りだした。

 

途中、うちの民警の所有している治療院を見つけて駆け込む。

 

現在休業中という看板がかかっていて、正面は閉まっていたが、窓の鍵が開いていたので窓を開けて、中にはいる。

 

俺に治療の心得はあるが、全て自分を治すためのみのスキル、だから一応いろんな薬品を用意はしたが何をしていいかわからない。

 

 

 

だから見よう見まねで

前に手術を受けたときのように麻酔を打って、傷口を縫合して、ガストレアウイルスに対する抗薬を撃ち込む。

 

彼女は何とか生きているようだ。

 

呪われた子供たちは回復力が異常。これは知っている。

だから、このまま様子を見る。

 

 

 

 

 

 

 

2時間後、彼女は目を開けた。

 

ほっとして、声をかける。

 

「大丈夫かい?」と。

 

 

 

 

 

 

 

 

これが彼女と僕の、初めての会話だった。

 




将監キャラ変わってます。少し。

夏世は気付かなかったみたいですが。

まあ、そんなことより次も頑張ります。


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千寿夏世との出逢い、それと4日間の同棲(仮)その2ー1

書いてたら長くなったので3つのパートに分けますね。

4話で終わらすと言っときながら、終わらないぺてん師の鏡。

とにかく、どうぞ。


「あなたは三ケ島ロイヤルガーターの社員ですね。こんなところでなにやってたんですか?」

 

「それはもう予想してるんじゃないか?」

 

「じゃあ、あなたが‘’ちょーつよい‘’ということですか?全然そうには見えません。なのでありがとうございました。ここからはひとりでやります。」

 

 

「そうか。じゃあな。」

 

 

「はい。さようなら。」

 

「、、、気を付けろよ。将監が悲しむぞ。」

 

「将監さんは悲しみません。私は道具なので。」

 

「道具じゃないさ。人間だろ。」

 

「それでもです。私は期待されてないので。」

 

「俺が心配する。では駄目か?」

 

「虚ろな目の人、嘘じゃ無さそうです。わかりました。気を付けます。」

 

じゃあ、今度こそ。と、彼女は動き始めて外に出る。

 

三ケ島さんに、ここの使用履歴書いて出さなきゃな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆☆☆☆☆☆☆

 

 

家に着き、武装を解除して日課のようにテレビを点ける。

そこでは、大阪エリアにいったためなのか、三ケ島ロイヤルガーターのことについて組まれた特集がやってた。

 

『三ケ島ロイヤルガーター、右腕の伊熊将監!』

 

見ていて楽しい造りになっていて、番組としてはよかったのだが、

 

『相棒のイニシエーター、雑魚過ぎて左遷!』

 

『彼のイニシエーターは使い物にならない!』

 

『伊熊将監の心の内はいかほど?』

 

など、批判内容が目立った。それもイニシエーター、千寿夏世に対してだ。

 

腹が立った。だが、俺になにかできる訳じゃない。

 

 

 

 

 

夜、俺はなぜか眠れなかった。

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

翌朝、俺は学校があった。制服に着替えて、バケツを引っくり返したような雨の中学校に向かう。

 

自分自身、最近は優等生やってる自覚がある。

だが、この日は授業に身が入らなかった。

 

 

 

学校での1日が終わり、帰途に着く。

だが、今日は家に帰る気にならなかった。

 

そのまま昨日の戦闘場所に向かう。

そういえばSV-98放置したままだったな。

あるかな。あったらいいけどなかったらヤバイな。

 

そう思いながら少し歩調を強めて自転車をこぐと、ようやくモノリスが見えてきた。

 

そのままモノリスの横に自転車をおいて、昨日のとこまで向かう。

 

ーーーもし彼女がいたらーーーーーー

 

 

いや、いいや。この大雨のなか戦うような馬鹿じゃない。筈だ。

 

 

 

 

SV-98を無事に確保して、振り向く。

 

銃が落ちていた。それも彼女の。あのイニシエーターの。

 

銃を捨てて帰るという選択肢は普通ない。惨めな敗走か、はたまたなにか別の要因があったのか。

 

ーーーーまさか、ね。

 

戦って死んだわけでもあるまい。

 

そう思って思考から外そうとした。だが、視界にはいった地面には似あわない白い腕が、身体とそこにはあった。

 

木の影にいたので、わからなかったのだろう。

 

そこには、雨宿りをしている少女がいた。

外傷はなかったので、最悪の事態で無かったことに安堵しつつ、彼女がずっと戦っていたことに驚いた。

ただ、顔が青白く、低体温症になっていた。

しかも意識不明というかなり重度な。

 

すぐに近付いてカッパを脱ぎ、彼女の身体をカッパで包み、彼女の服を脱がす。

下着はさすがに不味いので触れないが、僕の服を被せ、カッパでくるんだまま市内へと戻る。

 

何度も何度も世話を焼かせやがって。

将監の‘’お荷物‘’じゃねえか。

 

 

 

 

 

またもや診療所に行き、そこにいた医師に色々おこなってもらった。今回は医師がいて、助かった。

見つけるのがもっと遅ければ、いくらガストレアウイルスに侵されたからだとは行っても死んでいたらしい。

 

危ないというか。死に願望もちというか。

 

周りからの期待が、大人の醜い思考が、この少女を取り巻いているように見える。

 

 

 

 

 

 

ーーーーームカつく。彼女は道具じゃないのに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

道具にされた人間は、狂い出す。

影胤が、そんな非人道的行いをしていたのを思い出す。

あの時俺は、何も出来なかった。

 

 

産まれてから、洗脳という名前の教育を受けて、そして、全員が殺しあって、最後の一人が全てを斬りふせるまで、何も。

 

 

 

あれは、だめだ。復讐のために進むのが俺だが、あれは許容できない。

 

 

 

 

君と同じ少女を、破滅に向かった最凶にして最強を、知っているから。

 

もう、繰り返さない。

 

 

 

 

 

 

「先生、この子連れて帰っていいですか?将監に頼まれてたんで。」

 

「ええ、構いませんよ。ただ、身体を温め続けてあげてくださいね。」

 

「はい。ありがとうございました。」

 

 

老年の医者に感謝をのべて、お金を払って治療所の門をくぐって出る。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

自転車と、SV-98は彼女を医者に見せていた間に家に持って帰っていたので、彼女を抱えたままこのアパートの玄関に入る。

 

「ただいま。」

 

誰もいない部屋に、俺だけの声がむなしく響く。

靴を脱ぎ、濡れた傘をたたみ、彼女を覆っていた雨具を外す。

ベットと机とTVしかない部屋に彼女を運び、ベットに横たえさせる。

 

こうしてみると、ガストレアになんかならないと思えてくるが、れっきとしたガストレアウイルス保菌者。

 

可哀想だとは思わない。そういう運命だったと受け入れるしかない。

 

…TVを点ける。適当にニュースをえらんでチャンネルを変える。

 

変えたときに目についたCMでは、呪われた子供たちへの差別撤廃を掲げていた。

 

もう一つのcmでは三ケ島ロイヤルガーターの宣伝。

だが、イニシエーターは全く影すら見せなかった。

 

 

馬鹿げている。

お前らのせいで狂いかける人間がいるのに。

 

 

 

こいつを、いじめるな。

 

 

 

 

将監、鍛えるってそういうことなのか?

 

 

いいよって言ったし、何よりムカつく。

いいぜ。やってやる。復讐の前座と思えば軽いから、こいつには、イニシエーターの大切さをおもい知ってもらう。

 




つづきますね。


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千寿夏世との出逢い、それと4日間の同棲(仮)その2ー2

ふーむ。いやー最近は暑くて暑くて。



眠いですね(笑)
というか15歳という男子中学生が性的なことをあまり知らないって、舐めてると思いませんか?なんか書いてて疲れ、、、




あれ?主人公ってロリコn....気付いてないからセーフ
俺は気づいてるからアウト???





うん?ど、どうぞ。


40分もテレビを見ていただろうか。

ふと目を千寿夏世に向けたとき、彼女は目を開けた。

一瞬迷ったが、ここは声をかけてみる。

 

「大丈夫か?」

 

そうすると、彼女は布団からでてきて返事が返ってくる。

 

「貴方はどうしてここに居るんですか?」

 

「えっと、ここが俺の家だからだが?」

 

「...........そうですか。助けて頂きありがとうございました。では、さようなら。」

 

 

しっかりしてる。理解が速くて助かるが、それは流石に先読みしすぎだとおもう。

 

「なあ、あんた。」

 

「はい。お礼は後程三ケ島ロイヤルガーターより贈らせて頂きます。ではさようなら。」

 

「言いたいことが違えよ?」

 

「ならなんの用ですか?私は呪われた子供です。残念ながら、あなたの意に添うことはできません。お金ないですよ?」

 

手をパーにしてこっちに見せてくる。

お金ないですよ?ということだろう。

 

だが、しゃべっている間もモジモジというかソワソワしていて、何かに焦っているとしか思えなかった。

それの心当たりも先日見た。

 

あういうごみが、ガストレアになれば、消せるのに。

 

 

あ、そうそう。

 

「服を脱いで返してくれ。」

 

「、、、、、変態ですね。さようなら。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いや、俺のお気に入りの白地に茶色の四角の模様のついたセーターだぞ?

しかも俺、服をあまり買わないからそれ消えると困るんだけど?男物だし俺のだから大きいよ?

あと、変態とは何故だ?ハレルヤとかいうふざけセリフをはく奴のあだ名だろ?

 

 

「お気に入りだろうが知りません。仕方ないので私の服をあげます。どうせ持ってるでしょう、変態。私の裸体を見たんでしょう?死んでくださいとは言いませんから死んでください。」

 

ひでえ。おい、このイニシエーターやばくない?

心を読んだのだろうか。そういう特殊能力持ちなのか?

 

「察してくれ。あとお前の服は小さいから俺には着れない。というか今洗濯の音聞こえるだろ?お前の裸は見たけど別に”なんの問題もない”。それと死ねっていってるから。」

 

言いきる前にビンタが飛んできた。バックステップによって回避ーー出来ずにビンタをくらう。

 

「あなたは女性全般に対して言って良いことと悪いことが存在すると親に習わなかったのですか。」

 

目を見て、俺に説教をしてくる。だがな、

 

「親はいない。お前こそ親に、、、すまんな。」

 

師匠に聞いたことがある。イニシエーターたちは、親から捨てられた奴らだって。

 

「いえ、事実ですから。こちらこそ酷いことを言ってすみませんでした。とにかく、私は行きます。ありがとうございました。」

 

 

「おい、待てよ。まだ話しは終わってねえよ。」

 

パタン

 

扉の閉まる乾いた音とともに、駆け足でかけていくイニシエーターの髪の毛が舞うのが、玄関横の窓から見えた。

 

はあ。服を持ってくか。

 

 

彼女の向かう先はわかっていたので、洗濯した彼女の服が乾くのを待って回収、そして靴をはく。

 

「いってきます」

 

誰もいない。いつもの虚無感を感じながら、自転車にまたがる。

 

いつの間にか、あの激しい雨は止んだようだ。わずかな雲間から、光が差し込んでいる様は、なかなかきれいだった。

 

 

 

夕方だというのに、光は強く、俺を攻撃してくる。

 

手を上で組んで、背を伸ばす。なんというか間抜けな声がでて、体がほぐれる。

 

 

頭の中を、戦闘モードに切り替えて、彼女を追う。

 

顔に当たる冷たい風は、俺の心を研ぎ澄まさせてくれるらしい。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「ここから北に1キロ、東0,4キロの地点にステージⅡガストレアが2体。それくらいは感覚でわかるようになれ。行くぞ。」

 

「はい。」

 

未踏査領域といっても、国によってその性質を変える。

 

日本はもともと地雷などの対人殺傷兵器があまりあまり存在しない。だから、落とし穴や弓矢など、原始的トラップが多く用意されている。ここ数年で腐り落ちたり埋もれたり、と、自然に還ったものが多いのだ。

これがロシアやドイツでは違うのだが、再度言うとここは日本。

 

ぶっちゃけ、あんまり罠がない。

 

なので、未踏査領域のなかでもトップクラスの楽勝ゾーンなのだ。

 

更に言うと、、、ってそこら辺はいいや。

何が言いたいのかって言うと、ガストレアに集中できるので、練習場として最適なのだ。

かく言う俺も、大ケガを負った後、リハビリに、ここ日本で一ヶ月は戦った。

 

それだけ簡単なのだ。

 

だから今、俺は千寿を連れて未踏査領域に来ている。

 

夜だから、ガストレアを爆弾の音でたたき起こしてそこから戦闘。

 

一対多数の戦闘をからだに染み込ませると、一対一も意外と動けるようになるものだ。

 

師匠に教わった基本的なことを教えていくのは、案外楽しかった。

本人も、呑み込みが早くて、なんというか、すごい。

 

本人自身、強くなりたいというのもあったのだろう。

 

彼女が捌けない獲物は俺が素手でもらった。

 

そうして、無傷で戦いを続行していった。

 

 

 

 

 

 

この練習は、日が高く昇るまで続いた。

 

「帰るか。」

 

「はい。そうですね。疲れました。」

 

 

 

 

 

 

家に帰ってからすぐにお風呂を沸かし、ご飯の用意をする。

他人に料理を振る舞うのって楽しいよね。

 

美味しいとか言って貰えるとまじ嬉しい。え?そうでしょ?

 

千寿も手伝うと言ってくれたが、

 

「君に手伝ってほしいけど、俺は君に俺の作った料理に美味しいって言ってもらいたいから手伝わす気はないよ。まあ、シンプルなものしかないけどね。」

 

といってお断りした。

 

お風呂に入ってもらい、その間に色々用意する。

彼女の下着類は帰って来る途中のお店で購入しておいてもらった。

 

乾かした彼女の服は、所々破れていたので、裁縫道具を出そうとしたが、料理中にそんなことはできないので、自分の服を出しておいた。

 

料理を作り終えたので、お風呂に俺も入る。

 

ささっと頭と体を洗って、体を拭いてでる。

 

どうやらもう配膳は終わっていたようで、机の片方の椅子に座っていた。

 

俺も席について、いただきます。を二人で言う。

 

米と野菜炒め、肉じゃがに味噌汁だったが、おいしかったです。ごちそうさまでした。と言ってもらって嬉しかった。

 

歯を磨いてくつろぎモードに移行する。

 

ふとー眠気が体を襲う。彼女も同じようで、うとうとしていた。

 

「ベット使ってくれ。」

 

「いえ、あなたが使うべきです。私はソファで。」

 

「いやいや、どうぞ。」

 

「いえいえ、あなたが。」

 

不毛な争いが勃発した。

この戦いの行方を皆さんなら想像できると思うが、一緒に寝ることで折り合いがついた。

 

 

 

 

限界。

 

 

 

かすかにのこる目覚ましのセット以外の記憶は、ない。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

目が覚めたとき、誰かの口が目の前にあった。

 

びびった。幼馴染みと会っていたら突然誰かの口が目の前にあるんだもん。

 

だが、俺の両目はこの誰かさんの唇(千寿夏世)に吸い寄せられる。在るだけで美しいこの造形美、外灯の明かりが照らす紅く染まったこの唇に。

 

何分くらい見ていただろうか。ふと脳裏に浮かぶ。

 

 

外灯が照らす?

 

 

がばっと起き上がり、時計を見ると、21時05分

 

目覚ましのセットは18時。

 

寝過ごしたらしい。

 

隣にいた千寿を優しく起こす。

 

起きたときには理解してないみたいだったが、目が覚めてくるにつれ全てを思い出したみたいだ。

 

朝ごはん、もとい夕御飯を食べ、支度をする。

 

服を軽装なものに替えて、遠出が出来るようにバックパックに食料とエマージェンシーキットを入れ、それを右手で持って背中に回す。

 

千寿は、寝る前にいっておいた「遠出する。」の意味がわからなそうだったが、言い付け通り軽装にはしてあった。

 

寝る前にわかってはいたが、どうやら信用は勝ち取れたようだ。

 

ただ、俺が千寿夏世に望むのは、信用でも信頼でもなく、戦闘スキルの上達。

 

「いくぞー!用意はいいかー?」

 

「はい。大丈夫です。いきましょう。」

 

そうして、今日もここをでる。

 

「いってきます」

 

今日は隣で聞いている人がいた。

 

「おじゃましました。」

 

「おう。」

 

 

それで、十分だった。

 

 

 

 

 

 

彼らが家の外に出た後、消し忘れてつきっぱなしのテレビに、こんなものが映った。

 

 

 

 

近年東京エリアの民警の質が落ちている。

それも新米が。

 

Q.1なぜそうなっているのか

 

A.1指導者が無能だから。指導者を有能にすればいい。

 

Q.2有能な指導者に必要なのは?

 

A.2圧倒的な力とリーダーシップ。

 

Q.3それは誰ですか?

 

A.3私だ。

 

頼もしいですね~。

 

まあな。序列280番の手にかかれば、強くなるに決まっておる。

 

ありがとうございました。

 

以上、博多エリアからの中継でした。

 

 

『我堂 長政』さん、ありがとうございました。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「さて、千寿、戦いにおいて意識することは?」

 

「味方の位置、敵の位置、そして罠の位置です。」

 

「そうだな。じゃあ千寿、やっていこうか。」

 

「はい。あと、千寿ではなく夏世でいいです。戦闘中にそれは邪魔です。」

 

「わかった。」

 

「では、いきますね。グレネードください。」

 

「あいよ。」

 

取り出したのはH&K HK69

 

1960年代後半、ドイツのH&K社が開発した単発式擲弾発射器。

ピストルグリップと伸縮式ストックを備え、アンビのマニュアルセイフティを有する擲弾発射器。

操作性と携帯性に優れる。

擲弾の排莢と装填は中折れ式。

撃発はハンマーによるシングルアクション方式だ。

 

それの中に証明弾をいれて彼女ー夏世に渡す。

 

 

昔、これで無双していた人がいたのを思い出して。

 

 

 

戦闘の始まりだ。ポンッという気が抜ける音を発しながら、空を飛翔して100メートル前に着弾し、派手に光と音を発し始める。

 

周りのガストレアは、たたき起こされてびびっただろうなーー

 

あとは夏世に任せて見る、見る、見る。

 

夏世の持つ銃、ウィンチェスターM1897は総弾数、重量、命中率、どれをとってもWW2(第二次世界大戦)位の性能で、あまり多数の対ガストレアに向かないのだ。

 

2挺持たせて突っ込んでいるが、接近戦専門のイニシエーターではないから無双はできない

援護をしないとな。

 

 

夏世の持っていた銃剣つきの一挺、パーカーホール M85を借りて手に持ち、前進する。

 

ドンッ、ドンッ、ドンッ。

 

銃弾がガストレアに当たるグチャッという音と共に夏世に撃たれたガストレアの息の根が止まる。

 

2体で5発入りの銃の弾が切れたらしく、二挺目に手を掛け、弾の切れた銃はこっちに投げられる。

 

まじか。

 

危なげにキャッチして、そいつに弾を込めることにする。

 

4発目をいれ終わったとき、彼女が帰って来た。

 

「すみません。最初がミス多かったです。次いくまで前衛お願いしてもいいですか?」

 

「任せろ。」

 

そう言って前にでる。

 

貸してもらったパーカーホール M85を槍のように使う。

 

やつらの頭部に銃身が埋まるまで差し込み、引き抜く。

引き抜くと同時に銃床で後ろの奴を殴打して、斜め右の奴に銃口を向け、引き金を引く。

寸分たがわず頭部に命中して、絶命させる。

もう一体の所まで接近したあと、銃から手を離し、ボルトハンドルに小指をあてがい、弾を薬室内部に装填しながら空いた手で敵の目を抉る。

銃が地面につく前に弾を薬室にいれ終えて、銃を重力から引っ張り、空高く上げる。

重力に引っ張られながら銃が落下する。

その落下速度を利用して奴の頭に打ち付け、破裂させる。

足で吹き飛ばしてミッション終了。

 

ふう。

 

周囲を警戒しつつ、夏世の元に戻る。

 

「終わった。」

 

「あ、ありがとうございます。」

 

なんか引いてる。どうした?

 

「えっと、強すぎて引いてます。まだ、リロードが二挺目に入ったばっかりだったのに。」

 

「このくらいで引くのはダメだぞ。あるイニシエーターは俺の10倍の速さがあるから。うん。」

 

「それって比べる相手間違ってませんか?まず人間ですか?」

 

「人間だよ。愚胤じゃあるまいし。」

 

「愚胤?」

 

「なんでもない。次いくぞ。」

 

「その話の逸らし方はどうかと思いますよ。」

 

うっせえ。おれもミスったんだよ。

 

 

そんな言葉を飲み込んで、次のポイントに向かう

 

次でも投擲弾を撃ち込んでガストレアを呼んでフルボッコにして、

寝るときは夏世と一緒にシュラフで芋虫になって寝てた。

ご飯はもちろん持ち出してきたものだったが、夏世はコンビーフが美味しかったらしい。

 

やったことある人は分かると思うけど、台形のコンビーフ缶は開けるときのあのくるくるするの楽しいよね。なんか心をくすぐられる。

全く関係ないけど、コンビーフは焼いて少し焦がすのも美味しいとおもう。

 

全く関係なかったわ。

 

なんかこのイニシエーターと、物凄く仲が良くなった気がする。どれくらいかというと戦闘中に目線だけでアシストできるくらい。

 

それはおいといて、戦闘スキルはかなり上がっただろう。

 

さあ、もっと行こうぜ!!高みを目指そう!

 

といったら、え????と言われました。

 

あれ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結局、家にもどったのは、将監に頼まれた7日のうちの5日が過ぎた頃だった。

 

 

 

 

 

 

 

あ、テレビつけっぱなしやん。

 

 

 

で、電気代大丈夫かな、、、、、

 

 

 

 

 




そういや探してたんだけどさあ、
ドールズフロントラインにstormシリーズ日本版未実装とかなめてないっすか?
しかもpx4がロリじゃないなんておかしい。断固抗議する。あのフレームにあの銃声、あのボディでどこが巨乳なんだーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!



え?関係ないって?しってる。

ごめん、つぎは物語が終わったら書くわ。
ここかくとネタバレ感ありそうだから


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仙台へ行こう!
空白の時間,first


この章はオリジナルなんです。99、3%は確実に。
なので、空白の時間(笑)

宜しく。


俺が仙台に行くことを決心して一週間。

俺は空港で、とあるものを見ていた。

 

 

 

 

飛行機、それも第二次関東大戦の遺物

黒光りするそれ

 

F-35B

それはアメリカ海兵隊を筆頭に多くの国の軍が所有している第5世代戦闘機。

 

VTOL機(垂直離着陸機)で、25メートル四方の土地があればどこでも降りることができる。

 

元アメリカ軍海兵隊がおいていった強襲揚陸艦ワスプのモノで、大戦を生き延びた機体の一機。

 

最大乗員2人、燃料を、30mm機関砲を両翼のハードポイントに取り付けて、片側500発、バラニウムの弾を装填する。

 

胴体の格納庫に司波重工製の対ガストレア用短距離空対空ミサイルを4発搭載する。

 

この機体は、俺らが元陸上自衛隊から借り受けたモノで、機体の整備はもう終えてもらっている。

まあまあ高かったけど、聖天子から貰った褒賞金の使い道があって良かったかもしれない。ちょっともったいないけど。

まあ、しょうがない。普通だったら10桁払って買うような軍事機密の塊だ。

ラッキー程度に思おう。

 

 

運転?もちろんできるよ。夏世が。

 

マニュアル(英語)を全てを覚えてもらって、さっきまでずっと、20時間くらいぶっ通しで試運転してた。

天候なども全て確認済み。

雲量3、予報上では一週間は雨は降らない。

 

万に一つ懸念するのは、ガストレアだ。空を跳ぶ鳥系のガストレアに注意したいので、高度Ⅰ万メートルを越えるといいと聞いた。今回こそは脱出装置を使いたくない。

 

だって うわーっ ってなって ぐわーん だよ。

 

落ちるとこに待ち構えているガストレアの群れ。

 

シートベルトで身動き出来なかったし。

 

もう2度と経験したくないんだよな~

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「hi.this is thirdbird.please allow us take off.」

 

「hi.this is control tower sky highline,l will allow you take off by15:00.so you go to 2 runway.」

 

「thank you.l'll go on.standby.」

 

「thirdbird,thirdbird,you have to take off now.」

 

 

「yach.thanks,sky highline,l will take off now.」

 

「thanks.」

 

「no problem.」

 

「change the control,please change your frequency to 235.78.」

 

「for sure」

 

「thanks.just finish this sounds.good luck」

 

「you too!」

 

 

流石夏世。英語使えるなんて!ということで全てを任せて前の座席に座る。

後部座席に夏世が乗っていて、運転もやってくれる。

 

電子制御やバランスコントロール、ガストレアの早期発見もすべてレーダーが行うみたいだ。流石軍用機。

 

ヘルメットも10年前のものだが、全方位の目標を見れるかなり時代の先端を進むものだということはわかった。

 

それについて文句はない。ただ、

 

「なあ、夏世~。ひまー。」

 

「はい、知りません。勝手に遊んでください。」

 

とか

 

「そっちに敵いないか?Gは大丈夫か?」

 

「はい。そっちでも見れます。うるさいです。」

 

とか、

 

とにかくなんか冷たいのだ。背中から冷気を浴びていると思う。たまらない。なにしたんだろう。

東京から、仙台までおよそ1時間。

 

歩いても4日。

 

 

気にすることをやめて

心地よくも悪いこの空間に身をゆだね、今は雲と一緒に流される。

 

何事もなく、仙台空港に着陸して、すぐに予約してあった格納庫に入れて機体に燃料補給を受けさせる。

 

7時間もあれば完璧にできるらしいが、他の機体もあるとのことで、整備には5日かかるそうだ。

 

了承して、税関?にいき、民警ライセンスを提示して仙台エリアに足を踏み入れる。

 

目標は、俺の研究所、【茱の木研究所】だ。

 

 

 

と、その前に、

 

「ありがとなー。今までよく頑張ったな。」お礼は言わないと。

笑顔でお礼をする。

 

「べつに、あなたのためじゃない、です。」プイッ

 

いや、ツンデレ?じゃないな。大方寝てたのに怒ってるんだろう。顔はなんか赤いし。

 

「まあ、行こうぜー」

 

「.................はい。」

 

夏世と一緒に研究所に向かう。気まずくも心地いい空間だと俺は思う。

おれってそういう趣味持ちなんだろうか?

 

 

「.......あなたはなぜ」

 

「うん?」

 

「私をここに連れてきたんですか?」

 

「言ってなかったっけ?ここに俺の研究施設があるんだよ。」

 

「え?どういうことですか?そんなにお金あるんですか?」

 

「まあ、ついてからのお楽しみ?」

 

「なんで疑問形何ですか。」ハア

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

とあるアパートの隣、細い路地を抜けて、その先にあったのは、小さなビル。3階建てで、周りは鉄で囲まれている。なにも寄せ付けない、そんな空気を纏っているこの建物。

 

俺の研究施設だ。

 

正確には、俺を調べようと暗躍している組織の一つ。

 

ここー茱の木研究所は、

存在する。

 

 

 

さてと。

 

ノックする前に夏世にホルスターから抜いたPx-4を渡して、戦闘準備をするように伝える。

 

なぜこうするのかという顔をしてたが、きっとすぐわかる。

 

俺も後ろ腰部分から護身用にと渡された銃P-230を引き抜き、ドアに向ける。

 

夏世もCQBの心得はあるようで、不思議な顔をしながら従ってくれる。

 

 

 

ゆっくりドアノブに手をかける。

 

刹那

 

 

扉が吹き飛んだ。

 

いつも通りの悪質トラップ。

 

外側に飛んできたので、俺たちは跳躍してかわすが、

上からネットが降ってきた。

 

狭い路地で空中。

 

逃げ場なく捕まりそうだったが、無理やりナイフを使ってワイヤー製ネットを切り裂く。

 

夏世のほうにも手をかけて切り裂く。

着地したとき、ドアの奥になにかが見えた。

 

俺が容赦なく引き金を引く。軽い音とともにスライドが前後に動いて薬莢を排出する。これを三回立て続けに行う。

一発目で夏世も反応して援護をしてくれる。

 

合計5発を撃ち込んだあと、前進して撃ったものを確かめる。

 

 

 

 

 

 

それは俺だった。

 

 

いや、正確には俺をかたどった精巧な人形。

 

悪趣味だ。 ふと、人間の気配がした。

 

夏世をみると、もう一つの扉に銃を向けて壁に寄っていた。

 

イルカの因子。これは、超音波で周りを感知しているのだろうか。流石は元序列1584位 か。

 

空いたドアから出てきたのは、知ってる人間だった。

 

2年前、俺を東京に送った人間にして、ここ、仙台エリアの元首の息子。稲生張玄がそこにはいた。

 

 

「やあやあ、久しぶり♪元気だった?」

 

「ああ、あんたも元気だったみたいだな。で?」

 

「なんでここにイルカって?イルカだけに?笑えないよ~♪」

 

「おい。」

 

「ごめんね~千寿夏世君。最近プロモーターを失ったばっかりなんだって?そんな子を連れるとか、、、、、、、幼女趣味?」

 

「うっせえ。」

 

「え?そうなんですか?襲いますか?」

 

「いや、キャラ崩壊してない?ねえ!?」

 

「まあ、たのしそうで何よりだよ~♪」

 

「本題に入ろう。出来たものはどれだ?」

 

「せっかちな男は嫌われるぞ~?」

 

「貴方のような人間も嫌われますよ。」

 

「千寿君、そういうのいっちゃあいけないぞ☆」

 

とまあ、うざかった。もうこれ仙台終わるだろ。

 

70くらいのじいさんが政治をして、その息子は40でこのうざさ。もう滅んでいいんじゃね?

 

というか夏世さーん もうこいつ撃っていいよ。

銃構えながら「え!そうなんですか!?」って器用だね君は。

 

閑話休題

 

 

出来たものー

 

 

ーそれは、対ガストレアウイルス抑制及び抑止、減少剤

 

ー略称、対ガストレア殺域剤。

 

まだ、完成には程遠いが、人類をガストレアによって形象崩壊したものを元に戻すことが出来るようになるという夢と希望を詰めたお薬。

 

俺の血液を元にデータ基盤を作り、ウイルスへの抗体を開発して分解、構成、再構築を行うことによってーーーーーーーうんたらかんたら。

 

 

まだステージⅠにすら効かないが、部分的に人間である、呪われた子供達への実験投薬によって、30%程度の体内侵食率が5%位になることが確認されている。

 

これを体内侵食率45%のこいつに入れたらどうなるか。

 

勿論20%位になるはずだ。実際の症例も存在した。

 

だが、これの副作用も存在する。俺が懸念するのはこれだ。

 

投与してから30分後、寒気と悪寒を感じ、血液が変化する。

これに対応できなかったマウスはことごとく死んだらしい。死ぬまでの30時間、とてつもない地獄を味わうそうだ。

 

そういって目の前の医者は、説明を初めてからの暗い顔を更に暗くして、目を俺から背けた。

だが、説明はしてもらった。

 

勿論成功した率の方が高く、死んだ症例は15回に2回。成功は12回。残りは変化なし。

 

モデル:ラビット モデル:ベア

 

が危険であることがわかった。また、1錠作るのにこの研究所だけで1ヶ月、また、1錠あたりのコストはサラリーマンが一年稼ぐ金と同じもしくはそれよりは多いくらいだ。

 

これを実用化するにはまだ程遠い。だけど、夏世には時間がない。

 

 

だからといって強制は出来ない。結局のところ、夏世に任せるしかないのだ。

 

だけど、俺は

 

いや、僕は

 

夏世を救いたい。

 

 

 

 

 

 




本当はこの前の一週間をいれたかったんです!

すいません。は?ってなりますよね。

ここまで夏世の心は動くのか

まあ、童貞の書くことだから(焦り)

f35もそんなに簡単に乗れないのも知ってますが、物語ですから(ーー;)

とりあえず先に進みます。後にthe afterみたいなの入れます。

英語苦手っていうか全く調べずに書いたけど、以外と描けてびっくり(笑)

すいません嘘って訳ではないですがまあ嘘です。
単語調べました。
ちゃんとは調べてない。
次回でお会いしましょう!読んでくださってありがとうございます。(^з^)-☆



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空白の時間, second+

今回は千寿夏世の目線かな~♪
仙台に関しての情報が7巻しかのってないような、、、、、

必殺、チョロインの術!!

ともかく、どうぞ。




あの時、誘われたことにうきうきして、そんな自分に嫌悪して、嫌悪できる自分が嬉しくて。

 

だけど、あなたが呼んだ理由は拍子抜けするものでしたよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

なんで戦闘機の飛行マニュアル読めなんですか

 

男が誘う頃と言ったらデートでしょうに。

 

なんで、戦闘機の飛行 マニュアル 読め なんですか!!!!!

 

おかしいです。前に読んだ本には男が誘うとき大抵は狙ってるって書いてあったのに何ですか。

 

あなたがおかしいんですか?

 

守るっていいましたよね?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戦闘機のマニュアルを読まされるんですか?

 

 

 

なんですか!!!!!!!!

 

 

 

きゃがらせなんですか!!!!?!?!?

 

 

 

失礼、嫌がらせなんですか?

 

 

 

 

 

はあ。起こる気すらありません。精一杯の抵抗はしてやろうと、一週間頑張りました。誉めてほしいのにです。

 

あなたは誉めてくれませんでした。

 

戦闘機の中に入ってからも、全く意味のわからないことしか言いませんし、そこから全くしゃべりませんし、

 

 

 

 

 

もう少しいたわって欲しいです。ねぎらってください。

 

誉めてください。構ってください。

 

 

 

 

 

 

 

 

幼稚だと思うでしょうか。

 

彼に嫌われたのでしょうか。

 

私は私が嫌になりますよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

もうヘイトがカンストしたでしょうか。

いつの間にか空港に着いていました。

 

指示にしたがって飛行機をコントロールします。

 

格納庫に入れます。

 

彼は降りて手を差し伸べてくれました。

 

だけど、私はとる気がありません。

 

誉めるまで徹底抗戦です!

 

そう思っていたのに。

 

あなたはずるいです。

 

拍子抜けしました。

 

ひどいです。気持ちを返してください。

 

降りてから、税関?まで何も話さなかったのに!

 

「ありがとなー。よく頑張ったな。」

 

 

もう!この言葉が欲しかったんです。

 

そのまま頭を撫でるとか、更にひどいです。

 

あり得ないです。乙女に触れるのはだめです。

 

でも、嬉しいです。幸福が私を包みます。

 

こんな言葉一つで喜べる私はバカなんでしょうか?

 

でも、ふと思ったんです。

 

こんな幸せが続くならーー

 

 

 

バカでもいいです。ーーーって。

 

 

 

依存でしょうか。いいえ、依存です。

 

誰からも人間扱いしてくれない中で、あなたと、延珠のプロモーターさん えーっとそう、里見さんだけが、私を人として扱ってくれました。

 

将監さんのイニシエーターのときも、あなたとの会話が、あなたの肌の温もりが、私を助けてくれました。

 

人を殺したときすら、あなたに申し訳なく思う以外の感情は出てきませんでした。

 

これを依存と言わずしてなんというんでしょうか。

 

きっとあなたに酷いことを言われたら、私はきっと死ぬでしょう。

 

あなたに嫌われたら、きっと生きていけない。

 

私はこんなに脆いんです。

 

だから、お願いです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私が死ぬまで一緒にいてください。

 

もしガストレアになりそうだったら、人のまま殺してください。

 

私を美しいままーーーー

 

 

あなたを想ったままーーーーー

 

 

 

 

死にたいから。

 




この物語って死ぬまでの過程が、大事だというか、信念とか、感情の機敏とか、そういうのが大切だって言ってるんでしょうか?

個人の見解です。


夏世ちゃんの気持ちは分からなくもない。

次回も投稿します!頑張る。


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空白の時間, third ver2.

すいません。納得いかずに消しました。
なので2作目ですが、読んでいただけると嬉しいです。
本当にごめんなさい。

量少なめ。





主人公サイドからです。
どうぞ。


そんなことってあるのか?ここ仙台で俺は呟いた。

 

 

 

 

仙台に来て2日。僕のからだに精密検査を行った。いろいろとまずい不具合がある部分を治すためにも、休息と手術を行った。

 

手術っていっても、体内に入ったままのガストレアの爪とか、破片とかカマキリの刃の刃こぼれしたものとかのそういうのの摘出なんだけどね。

 

痛みは今まで鎮痛剤でやってました。

 

その事を夏世に話したら殴られて、罵倒され、その後心配されるという謎ループにはいったが、てきとうになだめて、なんとか殴るのはやめてもらった。

だって元序列1584位だぜ?本気じゃなくても、ヤバイんだよな。

 

 

ただ、罵倒もやめてほしい。物凄い鋼のハート持ってる僕も死にたくなった。

ちなみに今まであまり怒られるということがなかったからよくわかんないけど、彼女の罵倒は過去最高レベルでした。

これはlQ210とかって言われてボキャブラリーが豊富でございました。としかいえない。。あれってどういう方法で調べるんだろう。

ホームズにやらせたら190くらいになるんだっけ?

そこれへんの天才も180.....

東大生で150くらい.......(ウィキペデ●ィアさん最強すぎ。)

 

 

夏世さん、あなた凄いんですね............

 

 

ともかく、絶対安静を言われて、稲生の息がかかった病院で手術をうけて、仙台エリアの中でもモノリスに遠い宿泊施設に滞在している。

理由はたくさんあるけど、夏世のガストレアウイルスの体内侵食率も原因の一つだ。体内侵食率が高くなると、モノリスの磁場を受けやすくなるからだ。

 

まだこの事は彼女にそれは伝えない。

勿論しかるべきときには知らせるが、傷ついた顔は見たくない。

 

それはそうとして、冒頭にあった通り、ヤバイことが起きた。

 

「夏世に罵倒されるのが癖になった。」

 

「じゃねえよ!?なんで心読んで来たの?あと口調もそっくりだしーーそうじゃない。今の電話聞いてた?」

 

「聞いていましたよ?」

 

「おい。」心読むスキル、イルカにあったっけ?

 

「ないですよ?」クビカシゲ

 

「はぁ。」あるじゃねえか。

 

「それで、どうしたんですか?」

 

ああ、それなんだがーーーー

 

 

 

ーーー東京エリアで聖天子様の襲撃。

 

 

 

 

この事について、里見蓮太郎が関わっているため、うちの民警、天童民間警備会社に仕事がたくさん来たらしい。

 

俺に頼むなよ。今休憩中だよ?休暇邪魔するとかブラック過ぎる!

 

 

ということだ。 」

 

「要するに働きたくないと言うことですか?それでもあなたは人間なんでs.....やめひぇくりゃしゃい。」

 

「働きたくない訳じゃない。そんなふうにおれが見えるか?」

夏世の口を引っ張ってくりくりする。伸ばしたり縮めたり、、、、、なにこれ楽しい。

 

「ぉもひぃます。とひゅうかやめりょ?」

 

ふっふっふっなに、、、クゥォ!!!!

 

「ねえ夏世サン?そこ縫ったばっかりなんですけど。」

 

夏世がすねたよ。やり過ぎた。ごめん。

 

殴られた。

 

 

また話が逸れた。戻そう。

 

とりあえず手伝いなら庶務作業くらいはできるだろう。

だから一度東京に俺は戻る。手伝うことが多いんだろうな。

お給料どれくらい出るかな~?そこまで欲しいと思わないけど。

 

その際、夏世はここ、仙台においていこうと思う。

プロモーターが死んだ状態のイニシエーターを連れていては、いざというときにバラバラにされるだろうし、何より所属している会社が違う。だから表だって俺の相棒などというと、llSOに消されちゃう。ここまでは建前。

 

こっちが本音だが、今回の襲撃は計画性があり、相当の強さを誇る人間、それも序列2桁くらいの次元の違う敵が来ている筈だ。

もしうち(天童民間警備会社)が関わっていることがわかれば、襲撃に来ることも容易に想像できる。

戦闘特化のプロモーターとイニシエーターほど厄介なものはステージⅤガストレア位だろう。それくらいヤバイのだ。夏世では相手にならない。瞬殺だと思う。

だから、置いていく。彼らー稲生らがいれば、ここで襲撃に遭うことはまずない。更に、薬について、夏世の知能があれば、今ここにいない天才の代わりにアイデアを出してくれるのではないだろうか。

もしかしたら、それが世界を救うかもしれない。

 

 

 

 

置いていこう。そうだな。そうしよう。

 

 

そう思って、彼女の方を見ると、何か決心したような顔をしていた。

 

 

「あなたは私を守るんですよね?」

 

「うん?なんだよ、藪から棒に。」

 

「私はあなたを守ります。」

 

そういって、彼女は僕の胸に飛び込んできた。

肩とお腹にある傷が痛む。だけど、それは気にならない。

 

ああ、心を読まれてたのかよ。

そこで言い切っちゃうのか。君はこの事態を甘く見ている訳ではない。最悪のケースも知ってるんだろう?

夏世、君はとっても強いよ。

 

僕とは全然違う強さを持ってる。

 

 

ぼくは君のプライドを、へし折ろうとしていたんだろうか。

 

 

 

君を置いていこうとして、僕自信に嘘をついて、

 

「ごめんな。」

 

 

「いいえ、大丈夫です。知ってますから。」

 

そういって微笑む彼女は、とても大人びていて、それでいてあどけない笑みを僕に向けた。

 

僕の守るべきものが、また、増えた。

感情を自覚するたび、夏世を愛しく思う気持ちが強くなる。いったいどこまで僕は脆くなるんだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

千寿夏世

 

 

 

なにもない場合

 

 

 

形象崩壊まで

 

 

 

 

あと330日。




うむ。なんとかかけた。

あっと、原作では形象崩壊まで←予測生存可能日数消費まで(4巻)って描いてありますね。まあ、いいや。


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空白の時間, fourth+

夏世ちゃんサイドです!




最近チョロイン化が進む.........

ごめんな。






どうぞ。


仙台に来て一日目。

 

ひどい目に遭いました。

 

銃をいきなり渡されて、そのまま怪しげな建物に入ろうとするんです。

 

トラップが発動したのが視えました。

 

だから回避します。簡単です。跳べば逃げれます。

 

遅いです。だから、罠だと思いました。

 

戦闘だけで言えば決して序列1000番台ではありません。

接近戦は、2000番台以下でしょう。

 

彼らは戦闘特化。勝ち目はありません。

 

話が逸れましたね。罠です。

 

上からワイヤーが降ってきます。射出式の対人間ワイヤートラップ。

 

前時代の遺物です。このまま破壊しようと、体をひねって壊しにかかります。

 

ーーーーーその前に彼が切ってくれました。

 

ワイヤーの直径は3ミリ程度ーイヤホンのケーブルくらいですーをぴったり切る彼の技量は凄いものだと更に思います。

 

そう言えば彼は、序列何位なんでしょうか。

 

あれだけ強いと、2桁に達するんでしょうか。前に出会った2桁のペアはどうなんでしょう。

何となくですが、彼は里見さんとは違う強さを使っている気がします。

 

いろいろな人の戦闘を見ておけば良かったです。

 

そうじゃないですね。その罠の後で銃を発砲しました。

 

その撃った物体は、彼ー彼の形をかたどったマネキンでした。

 

 

 

 

 

 

 

悪趣味です。死んでください。もしやるんなら制作者さんのマネキンの方がまだ撃ちたいです。

 

階段から足音が聞こえます。

 

コイツガカレヲツクッタノデショウカ。

 

はっ!いつもなら、こんなことを考えないのに。

 

そうですね。最近彼に犯されてます。

 

 

 

 

 

...............あっ、そう言う意味ではないですよ!口調とか、考えることがって言う意味です。勘違いしないでください!

 

 

・・・なんて、、、、幼女趣味?」急に話の矛先がこちらを向きました。

 

はっ?え、ふぃ?うぇ?急すぎるうえに、さっきまで変なことを考えていたせいで考えがまとまりません。パニックです。パニッコです!

 

彼が何かいっていますが、タイミングが悪くて耳に入ってきません。

 

「え?そうなんですか?襲いますか?」

 

変なことを聞いてしまいました。////

 

 

 

 

恥ずかしいです!彼から渡されたPx-4をアイソセレススタンスで保持したまま硬直しています。

 

顔を見られたくないので、腕で隠そうと、更に前傾姿勢になります。

 

あのよく分からない研究者風の身なりをしている人には、ばれてそうです。

 

なんか変なことを言っています。しかもこっちを見ながら。

ムカついたので反撃します。

 

「貴方のような人も嫌われますよ。」

 

「千寿君、そんなこといっちゃあダメだぞ☆」

 

やっぱり気づいてました。

 

 

 

 

 

殺しますか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いえ、それは彼が悲しみますね。

 

やめましょう。

 

 

どうやらお薬を頼んでいたみたいです。持病でもあるのでしょうか。

 

だったら、支えてあげたいです。そうじゃなくても支えます。

 

新たな目標です。些細な変化でしょう。

 

でも、今の私は、これで充分です。

 

もう幸せですから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幸せが(ある意味)ふりきれましたね。

 

ええ、知っていましたとも。

 

あの時、ステージⅢ、Ⅳのガストレアを消し炭にした貴方が、ダメージ食らってたこと、知っていましたとも。

 

ええ、そうです。知りませんでした。

言ってくれなかったですね。言わないのが悪いんです。

 

ムカついたので殴ります。

 

ムカついたので、怒ります。

 

もうそんなことしないでくださいよ。

 

私に‘’カクシゴト‘’をしないでください。

 

私は、あなたをもっと、ずっと知りたいです。

 

でも、気づける節はあったのでしょう。

 

来るまえ、ずっと怒っていて、あなたをよく見ていませんでした。

 

見ていれば、先に気付けたんじゃないかーー

 

私があそこで負けたのが、気を取られたのが悪かったんです。

 

わたしのせいですね。ほんとうに、わたしのーーーーーーーーーーー

 

 

 

涙が出てきました。

 

止めたいのに、止められないです。

 

今、彼が手術を受けていて助かりました。こんな姿見せられません。

 

ほんとうに、嫌です。こんな私はあなたのそばに居ない方がいいのではないでしょうか。

 

前に、ステージⅣは、倒すのに時間がかかるけど、

一対一なら無理やり瞬殺できるよ。

 

そういっていました。

 

瞬殺ーーー普通は無理でしょう。機械化兵士が2人で、一撃必殺で、しかも不意打ちで殺せる獲物、瞬殺は無理です。

 

彼は、やってのけました。

 

だから、安心していていました。

 

だから、だから、だから、だから、、、

 

あなたは怪我をしました。私なんかのために。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

謝罪をしても、意味はないでしょう。今は、ただ、祈るだけです。

 

 

 

神様、彼をーーーー生かしてください。

 

 

 

 

 

 

 

手術を開始してから、3時間が経過しました。正確には、3時間15分35秒ですね。

 

拍子抜けするくらい、彼は、けろっとして出てきました。

 

もう立ち上がって歩いています。超人でしょうか。

 

機械化兵士でしょうか。

 

でも、とにかくよかったです。

 

大事な人が、手術している場面は、とても緊張しませんか?

 

怖かったです。自分を赦せなくなりそうです。

 

 

 

ホテルにいくまで、何故かずっと頭痛がしていたのは、内緒です。

 

これ以上心配はかけれませんね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ホテル自体は何度も入ったことがありますし、将監さんと一緒の部屋で寝るときもありました。

 

なんでしょうか。そのときに感じた気持ちは、ザ、任務って感じだったので、こういう私的なことに使ったことはありません。

手続きをしてくれている彼は、慣れているんでしょうか。

 

こうやって女の子を連れ込むこと。。。。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

殴っています。ええ。もちろん言葉でも。

 

モヤモヤをぶつけているだけです。悪意はありません。

 

「どうしたんだ?」

 

「うるさいです。黙ってサンドバッグにされてください。」

 

彼は、この私の心を読めるのでしょうか。

 

そんなのはあり得ないと、頭の中で一蹴します。

 

この男にそんな対女性スキルがあるとは思えません。

 

この変態!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

殴り疲れました。100発位殴っていたら、彼が、私が彼を殴れない距離まで詰めてきますーーー

 

 

ーーーーすなわちハグですね。をして、こういいました。

 

「殴るのもいいけど、僕は君とおしゃべりしていたい。」

 

 

ーーーーーーこの変態。耳元で囁かないでください!抱きつかないでください!安心しますけど!殴られて喜ぶってマゾなんですか/////

 

そういえば、彼のことを最近理解してきました。

この優秀な頭を使って、考えていたら、「僕」という一人称を使うとき、本音をいっている気がします。

 

でも、私は、貴方にふさわしくないです。

 

こうやって、距離は近くても、あなたの隣には立てない。

 

 

 

 

 

そうです。私は要らない子です。

 

将監さんもいっていました。私は道具。任務に忠実なーーーーー

 

 

「なあ、夏世。」

 

なんでしょうか。何かあったんでしょうか。

 

「お前は僕にとって、とても大事な‘’人‘’だ。」

 

わかってるな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は、要らない子です。

 

 

「いいや。違うさ。少なくとも僕には絶対、必要な女の子だ。」

 

そうですか?

 

「ああ、そうさ。絶対に、夏世は俺に必要だ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

...............告白ですか。そうですか。

 

 

 

........................嬉しいですね。

 

 

いえ、とっても嬉しいです!

 

 

「私にとっても、あなたは絶対に必要ですよ。」

 

返事を絞り出すのにそこまで時間はかけていない。

 

なのに

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

寝ていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

プルプル

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふざけないでください!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この夜、ホテルに苦情が殺到したとかなんとか。

 

 

 




おまけ


殺到したとかなんとかの苦情の何通か紹介。


・寝れませんでした。もう少し防音をお願いします♪なにかしらの影響を受けたらどうするんですか?料金返せ☆

・うるさかったが、とても寝心地がわるかったよ。
だが、美しき声だった。かなりダメージが入ったよ。私は生きているッ。素晴らしきかな人生!ハレルヤ!

・ハアハア、もっとあの声に罵倒されたいです。お願いします!!
録音、販売化望む!



最後は誰だ?
え?俺?




次回もどうぞ。ごめん、過去編入れた。


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空白の時間, fivth

どうも~。今回は東京に帰る直前ですね。

序列がここで明かされます。

武器の説明してたら長くなった(笑)

色々進みます。

あと、影胤がでてくるぞ。


では、どうぞ。


東京に向かわないといけなくなってから、

稲生に、特ダネと引き換えにいろいろな便宜をはかってもらうことになった。

 

特ダネの内容は、東京エリアの聖天子様が、襲撃にあったことの内容の詳細を、リークすること。

 

向こうからの便宜は、武器、弾薬の補給、補充と、飛行機のチケット、借り受けたfー35の保管、

 

 

 

 

 

そして、必要量の薬。

 

これは、仙台と協力関係にあるロシア、フランス、ベラルーシ、チェコと共同で作られ、サイコパスどもに負けないくらいの労力が注ぎ込まれた、試験薬『プロミスⅤ(ファイブ)』。

前に見せてもらった薬品の市販薬化を行ったものだ。

 

これが、世界の最先端だと、稲生は自負する。

それだけ希少価値が高く、値がつけられないほどの高額商品。普通であれば、売ってもらうことすらかなわない。

 

それを、夏世のために貰う。

 

だが、試験薬というだけあって、下手をすれば、死に至り、効果が充分であっても、生涯にわたり、副作用に苦しむこととなる。

 

それでも、夏世を救える唯一の希望。

 

これ以外の希望は存在しない。

 

 

 

だから、僕は、夏世のため、いや、自分のために、これを夏世に飲ませるかもしれない。

 

 

 

 

たとえ一生苦しむことにさせても、失いたくないものがあるから。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

ちなみにこんなタイミングだが、渡された/所有中武器一覧。

ちょっと覚えていおいてほしい。

 

 

Px-4 Strom .40S&W ver.

 

←今回からは、いろいろと東京ヤバイから 弾大きめ。

 

所有者 主人公

 

 

Px-4 .40 S&W ver.

 

←同じく。

 

所有者 夏世

 

 

SV-98 (狙撃銃)

 

←狙撃銃に関しては、対ガストレア用にしてある。

 

所有者 主人公

 

 

Der Walt Schlussel 0

 

 

←完全オリジナル銃。

名前の意味は、ドイツ語で 世界の鍵 零(グーグル先生から引用)

ベレッタ社の特殊開発局によって2023年に発売。

ドイツ語の理由は、ガストレアによってベレッタ社がドイツに工場を移したためスポンサーが変わったから。

 

流通量が限られており、全世界でいまだ60挺程度しか存在しない。

リボルバーと、スナイパーライフルを組み合わせたような見た目で、火薬と電磁砲の両方によって、遠距離での精密射撃が可。

重心が後ろにバッテリー、前に銃口、中央に銃弾とバランスがよく、使いやすいが、弾の交換とバッテリーの交換が難しいため、撃ち終わったら使い物にならない。

蓄電量も多くなく、4発毎に交換しなければならない。

それでも世界の名銃Top5に発売以降ずっと載るというほど、優秀な銃。

カテゴリは、狙撃銃となっているが、接近戦も出来るようスコープの調整がワンタッチでできるようになっていて、550メートル~800メートルまでの自動照準器があるため一人で運用が可能。

4発の10,3mm対ガストレア特殊弾を装填可能である。

 

ステージⅣやⅤを倒すためだけに作られた。

超バラニウム合金製。

 

重さ 13,7kg

全長 1400,8mm

銃弾初速 1060m/s

有効射程 2,06km

口径 10,3mm

ライフリング 6条左回り

 

 

 

反動を殺すために両手で特殊な持ち方が存在するが、腕力がないため彼は出来ない。

 

主人公が11歳のとき、彼の師匠とも言われる人間に勧められ、そのまま14歳の頃まで使ってきた。

 

彼のガチめな相棒は多分これ。

それを知ってる稲生が保管していたものを返還した。

 

という設定です。

 

所有者 主人公

 

XM29R5

 

←XM29の対ガストレア用に色々改造された。オリジナル。

 

所有者 夏世

 

 

 

プラスチック爆弾各種。

 

対バラニウム共鳴器(詳細はたたかいの時に)

 

バラニウム弾 .40S&W 20000発

変更型特殊弾 10,3mm×100mm弾 100発

通常弾 .40S&W 100発

 

バラニウム製コンバットナイフ,全長56cm 3本

バラニウム製手榴弾 20発

バラニウム製コンバットナイフ,全長30cm 5本

お手製ドローン 1機

各種防具 4セット(ヘルメット、暗視ゴーグル、服の下に着込むverの防刃、防弾服、脚を守る為の特殊な繊維で編まれたズボン, など。)

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

これだけの物を用意してもらったが、向こうへのメリットが無さすぎるような気がしたが、稲生曰く、東京と大阪を脅すもしくは、信頼を得る物を手に入れるのだから、そのくらい安いものだ。とのこと。

億単位のものを渡しておいてこういえるのは、流石だとおもう。

 

 

☆☆☆

 

 

 

そんなこんなで、武器、弾薬を特注の黒いスーツケースの中に入れて、出発の時刻表を見る。

夏世も俺が手に持っている時刻表を覗きこもうと首を伸ばす。

届かないのだろう。足も伸ばして、俺の腕を掴んで見ている。

精一杯行っているであろうその姿に、少しイタズラをしたくなった。

 

少しずつ時刻表を上の方に上げてみる。

 

 

 

無理でした。腕をぐいーとひかれた。イタズラをばれるってなかなか残念な気持ちになるよね。

じと目で見ないで!ごめんなさい。

 

きちんと彼女の顔の辺りまで届くところまで時刻表を下げて、一緒に覗き込める位置に移動する。

最近は、一段と距離が縮まった気がする。

このくらいの距離で接することが多くなって、俺も嬉し

い。

 

最近は夏世が年相応の言動が多くなってきたのだ。

僕自身、感情を見せてくれて、とても嬉しい。ただ、その変化すら侵食率が関係している訳ではなさそうだが心配になる。

 

いま気にしてもしょうがないけど、

 

俺が僕であるためにも、もっと仲良くしたいな。

 

 

 

そういえば、今さらだがなんで将監は死んだのにここに要るんだろう?

 

通常パートナーがあの世行きだと、片割れはllSOに引き取られ、もう一度、違うパートナーのところへ送られたりするのだ。

夏世に理由を聞いたら、こう返ってきた

 

まだ、将監は生きている扱いになっている。

理由として、序列が高い人間が全員同時期に死亡扱いにするとマスコミが駆けつけるからだそうだ。

あと、今さらですか?遅いです。とも言われた。

 

ともかく、その口止めにいろいろな便宜が計られているから、何かするわけでもないとのこと。

 

さすが東京エリア。やり方が徹底している。

正しいやり方だ。

 

このことについて、夏世はこう話してくれた。

 

「将監さんがいないのは残念ですが、貴方がいるのでなにも心配していません。貴方は貴方の心配をしてください。」

 

こんないい子を将監が選んだのは、流石と言うべきなのだろう。かわいい。将監もそう思ってたんだろうか。

 

エリア外手続きを終えて、飛行機に搭乗する。

 

一番乗りなのか、機内には誰もいなかった。

 

座席は前から3番目、中央。

 

座席の奥側ー窓側に夏世を座らせる。そのあと、通路側を俺が陣取る。

10人乗り小型高速飛行機、s-21が、実用化されていることは、素直に驚いた。もっとも、名前は変わっているけれど。

 

出発まで時間があったので、鞄からおもむろに本を取り出してーー鞄のなかにしまった。

 

 

なぜなら、通路を挟んで向かいに座っている人物に気づいたからだ。

 

 

蛭子影胤と、そのイニシエーター、蛭子小比奈。

小比奈は寝ていたが、彼は気付いたのか、それとも気づくのを待っていたのか、彼は口を開く。

 

 

 

 

「やあ。久しぶりだね。‘’おとうと‘’よ。」

 

「久しぶりだね、‘’愚胤‘’。ここには旅行できたのかい?」

 

「いいや。傷の治療を受けてから、消息不明になるためにロシアに飛んで、そこからここまで飛んできたってだけさ。愚胤とは懐かしい。

ところで、そこにいるイニシエーターは君の『新しい』イニシエーターかい?」

 

「いや。まだあいつは死亡が確認されてない上にllSOとの繋がりもなくてね。まだ、契約は切れてないんだ。」

 

「契約か、破滅か、言い方は違えど最後に結果は同じになることが多い。特にあいつなら。気を付けるといい弟よ。」

 

「そうですね。肝に命じておきます。」

 

「里見蓮太郎という人物を知っているかい?彼はなかなか強かった。君も戦ってみるといい。」

 

「遠慮しておきますよ。」

 

「相変わらず口数少ないなぁ。弟よ。君はもう少し会話を続けようと努力しないのかい?」

 

「しない。したくない。」

 

「そうかい。大体君はそんなーーーーーーーー」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

うるさかったの顔を窓の方に向ける。

そこには、物凄く苦虫を噛み潰しましたよっていう顔をしている夏世の姿があった。

 

忘れてた。やべ。愚胤とかいっちゃった。

 

「どうした?」

 

「.....イニシエーターがいたんですか。いまも。」

 

ああ、その事か。影胤との関係じゃないのか。

 

「そうだな。だけどごめん。話せない。」

 

「何でですか?何となく予想はつきますが、貴方に聞きます。何でですか?というか隠すのやめてほしかったです。どうせ私になんか言えないような凄い関係に違いないです。でも話してくれたっていいじゃないですか。私は貴方がどんな事をしてても気にしませんから早くいってください。どうして、私をえらばないんですか。えらべないんですか。私はあなたのイニシエーターに慣れないんですか。どうなんですか。私は、要らない子。なんですか?」

 

息を絶え絶えにして、顔を青くさせ、涙を我慢しながら話す姿に、僕の心は罪悪感で胸を締め付けられる。

 

「なに、弟はイニシエーターを持っているわけではないさ。だから選べないと言うわけではないしこの愚弟のイニシエーターになるなら君は問題ないだろう?なんせ『うるさい黙れこの愚胤。』ふむ。なぜだ?」

 

「、、、、、、、、、、人が来たらどうするんだ。」

 

「ふふッそんなことを心配していたのか。それは心配ないよ。これは私のものだから。操縦士はコンピューターが勝手に行うし、人払いは済ませてある。問題ないさ。」

 

「......................そうか。」

 

「では、なんの問題もないね。この愚弟が‘’信頼をしているパートナー‘’に言わないようなので改めて言おう。」

 

 

そうやって影胤は俺の方を見る。仮面をしているので、どういう表情をしているのか俺はわかる。

 

どうせお膳立ては終わったぞ。言えよ。

 

だろ。

 

俺のことを理解してくれる唯一の人間をやめた人間。

流石だな。

 

いや、ウインクすんなよ仮面が歪むぞ。

 

 

.............................ありがとう、影胤。

 

「いや、俺が言う。あんたは黙ってて。」

 

今まで君に言わなかったのは、僕が君に逃げられるんじゃないかって、そう思ってた。

もしここで、お膳立てされなきゃ、君に言うことはなかっただろう。

 

こんな僕を受け入れてくれるか、そんなのはどうでもいい。

 

僕は、彼女を信じる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「かのステージⅤ・金牛宮(ゾデアック・タリウス)を下した、現時点で世界最高といわれているイニシエーター、それが俺の仮染めのペアだった。

 

....個人の最高序列は元10位。

 

 

 

 

『スモールチャイルド アンド ア コーラー 』

 

日本名ーー 呼び覚ますガキ

 

---それが俺だ。」

 

 

 

 




ここで序列出しちゃいました☆テヘッ
あれ片仮名ですが、英語だと
『small child and a caller』ですね。
日本名だと呼び覚ます、ですが、これだと呼ぶ
だけになっちゃいますかね。許して。


どうでもいいとは思いますが、ベレッタ社の92シリーズも結構いいんですけどいかんせん脆そうなのがねえ。
いや、好きですよ。蛭子が使ってなかったら出してましたもん!

グロックとかも使ってる人いたし、剣とか槍とかそういうのの人間は目立ってるらしいし、、、

序列に関してなんだけど、拍子抜けするくらいつまんない出し方だなあ。ほんとは最後に出そうと思ったんだけど、そのための布石みたいなものがほぼなかったし。ここから、どうやるかが、重要かな。
俺は天才、そう。て、天才、、、文才ないゴミ?


頑張る。拍子抜けした方ごめんなさい。
お気に入りと栞の数しだいでやる気なくすかも。って酷いな、ただのかまちょじゃねえか。おれは、ぼっちだ!!!いいえ、ただのハーメラーの一員です。

あ、やる気なくす気ないです。気にしないでください。




あと、いずれ影胤との過去編作るかも。
見たくないって?そうっすか。まあ書きますけどね。多分。

もう最近キャラがみんな迷走を始めるんだが?

あと、影胤らの師匠も出てくるんじゃないかな~(名前は多分ない。勝手に設定したった。2人ともキチガイだったし大丈夫だろ。)


次回から少し、夏世との絡み書きます。あと、既存の文章を変更する可能性微レ存。
そもそも夏世がかわいい
よろしくm(._.)m


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空白の時間, sixth

わーい(≧▽≦ヘ)♪
アニメ終わってから、人気なくなると思ってた。マジかい。

という事でだします。

数が多いのは今日、ぼくにとって特別な日だから。

という事でどうぞ。


「あんまり驚かないんだな。」

 

「ええ、想像よりちょっと違ったけど、思っていましたから。」

 

「引かないのか?怒らないのか?」

 

「なぜ引かないといけないんですか?」

 

「.....だって10位だったんだぞ。権限レベルもマックスで、こんなところにいちゃあいけない人間なんだぞ?命があってないようなものだし、こんな危ない情報を今まで君に隠してた。ここまでお膳立てされても、言うのをためらったんだぞ?」

 

 

「言ってくれて嬉しいですよ?」

 

だめだ。なにか違う。話が噛み合わない。

 

「なあ、呼び覚ますガキって知ってるか?」

 

「いいえ、わかりません。情報がなかったので。」

 

は?俺は核兵器よりも恐ろしい存在なんだぞ?知らないわけがない。

 

 

 

 

、、、、、もしかして、情報規制をllSOは行っていた。そういうことか??

 

 

「なあ、どういうことだ?愚胤。」

 

「ふふッ知らなかったのか!そうか、それなら渋ったのも納得だよ弟よ。まず序列が上のやつは情報が流れないのさ。それに君の情報を流したら、戦争が起きる。七星の遺産だって戦争の道具となるこの時代、君の価値は、とんでもない、そういうことさ。」

 

要するに?

 

「llSO本部と、君より序列高位、そして私たち。そのくらいしか知らないだろうね。」

 

なんだよそれ。聞いてないぞ。

 

「そんなにヤバイのでしょうか?」

 

「ふむ。そうだよ君。どうしてかわかるかい?ーーー」

 

 

夏世が愚胤に聞き、それに影胤が答えるという構図が完成していた。

影胤は影胤で心なしか楽しそうだし、夏世に至っては影胤の方へ座席を移動ーーーあれ?俺の席で彼女と影胤は離れていたはずなんだけど。

 

俺、かやの外。

 

しかもなんか影胤は国家機密まで語りだしてるし、それを夏世は追及しているし、ちょっと雲行きが怪し、かなり雲行きが怪しくなってきた。

 

外を見れば、もういつの間にか空の上だった。

太平洋上に出てきたのか、海と雲しか見えない。

 

いや、数匹の鳥型ガストレアも見える。

 

 

ーーーー今日も平和だ。

 

 

これ以上現実逃避をしていると、夏世が洗脳されそうなので、声をかける。

 

「なあ、もういいだろ。席につこうぜ。」

 

「いえ、情報は多い方がいいので。痛いって素晴らしいですよ。そんなことより貴方もどうですか?」

 

「」

 

だめだ。もう無理だった。

もう、あの一言で、こころが壊れた。

痛いのが素晴らしいのは、お前だけだよ。うちの純粋な夏世になにを吹き込んでんだ。死ぬ?シネ。

 

寝よう。

 

 

東京につくまでの一時間で、僕の幼少期の情報がほぼ流れたみたいだ。必殺技とか相棒のイニシエーターとの生活とか、とにかく色々。

本人は否定していたが。もう夏世に敵う気がしない。

 

「ねえ、お兄ちゃん!起きた?」ウワメ

 

なんて目の前でされたんだけど。

もうほんと、なんだよ。変な情報がめっちゃ流れてるじゃん。

もしかしたらもう大人の情報を吹き込まれたんじゃ?

 

 

こいつはこいつでめっちゃ笑ってるし。

 

 

 

くそ胤、ちょっとこい。消し炭に変えてやる。

 

 

「さて、東京だ。私たちは神奈川に行くが、君はどうするんだい?」

 

「民警ごっこにつきあわないといけないんだ。もうやめたい。もうずっと夏世とゴロゴロしてたい。」

 

「そうかい。じゃあ、これは提案なんだが、君の民警が序列2桁の人間にでも襲われれば、休みになるのではないかい?」

 

この時、影胤は彼の弟への皮肉としたが、まさか本当に序列2桁の他の人間に襲われるとは思っていなかった。

 

「へーへー」

 

「影さんの弟さんは、そんな事しません!」

 

「影さん、、、、だと?」

 

「え、嫉妬ですか?一生しててもいいですが、あなたのイニシエーターにしてもらってからがいいです。」

 

「、、、ああ、考えとく。」

 

「さすがロリコンだ。千寿くんに聞いた通り、君も進化していたのか!性欲0の変態がいろんな意味で変わっていて、兄としてとても嬉しいよ。」

 

「死刑と私刑、どっちがいいこの愚胤!!!!」

 

「おっと、ヤバイのでここでさようならだ。小比奈、挨拶なさい。」

 

「さようなら。変態ロリコンと可愛い夏世。」

 

「ええ、さようなら。小比奈。」

 

「小比奈とも仲がいいなんて!?というか小比奈と仲良くしてるイニシエーター初めて見た。」

 

「そうだね。親として、私も娘の成長がとても嬉しいよ。」

 

 

「じゃあ、な。愚胤、いや、影胤。」

 

「うむ。またあおう。弟よ。」

 

 

こうして、色々あったが、不都合な事実が俺らの心に残った。

 

 

「帰ろっか。」

 

「はい。」

 

 

 

 

☆☆☆☆☆

 

 

 

今日から俺は、東京人。という事でアパートに入り、

すぐ、武器を整備する。

 

『平和を望むなら戦いに備えよ』

 

というくらいなので、念入りに行い、それが終わったらすぐに身なりを整えてうちの会社に向かう。

もちろん夏世も一緒だ。

 

最初はこの部屋で待っててくれといったんだけどね。

 

何があったかは察して。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドアをノックして、部屋に入る。

 

「失礼します。3日しか休めなかった最高の社畜。ただいま帰還しました。」

 

「嫌みが言えるようなら仕事を増やさして頂きますね。」

 

「それは、すいません。」

 

「わかればよろs」そういってこっちを見て、口が止まる。

 

「その子は、どうしたの?確か伊熊さんのイニシエーターではなかったかしら?」

 

「そうです。元将監さんのイニシエーターの千寿夏世です。そしてここにいる彼の未来のイニシエーターです。」

 

「へえ。未来の?よろしくね。夏世ちゃん。」

 

「はい。よろしくお願いいたします。」

 

「じゃあ、早速取りかかってもらいたいものがあるの。」そう言いはなって、パソコンを取り出す。

 

そして、書類の束を取り出す。

 

量が半端じゃない。電話帳4冊はあるであろう厚みに思わず半歩下がる。

 

 

もう一歩。

 

更に一歩下がろうとして、後ろにいた夏世にぶつかり、

睨まれる。

 

ああ、無理。

 

書類の束を受け取って、金属製の机に移動して、机とマッチしている椅子に座る。少し硬いが、いい感じの椅子だ。ずっと座っていられるな。

 

こんなとこに金掛けんなよ。もっと給料を欲しいな。

 

「ダメですよ。」

 

おう。知ってる。

コンピューターに目を向けて、打ち込みを始める。

 

夏世ももともと慣れていたのか、俺より処理速度が速い。

 

これについては天童社長も驚いていた。

 

まあそんなこんなで早く仕事が終わったので、帰ってもいいと聞き、帰宅の準備をする。

天童社長はそのまま残って仕事をするそうだ。

 

 

その時、勢いよく扉が空いた。

 

「あなたが天童木更ですか?」静かで、それでいて洗練された殺意のこもった幼い声。

 

聞いた瞬間、身体が勝手に動いた。硬い金属製の机の中に夏世を抱えて飛び込み、身体を出口と夏世の間に滑り込ませる。天童社長は気付いていない?

 

刹那、銃撃音が部屋に木霊して、椅子が、机が、壁が、穴だらけになる。

夏世を見ると、

 

「この音はゼネラル・エレクトリック M134 ですね。マシンガンというよりは重機関銃です。重いですよ。あれ。なので侵入者は怪力の持ち主ですね。」

 

と、冷静に分析してくれた。こういうのは、彼女の独壇場だと思う。こういうペアはとても役に立つな。

と本気で思った。

 

「ありがとうございます////」

 

お、おう。よくわかったな。

 

「IQ210は伊達じゃないです。」

 

そうか。凄いな、

 

ところで襲撃はどうなった?

そう思って机から顔を出すと、刀が目の前を通りすぎていった。

 

危ない。そう判断してまた机の中に芋る。

 

3振り目で殴られる音が聞こえた。

 

ウーム出るべきか。いかないべきか。そう思考したところで、赤目になっていた夏世が、何か来ます。人間、男、機械系の義足をつけています。とそう言った。

 

蓮太郎だな。じゃあ、いいや。でないでおこう。

 

それでもいくのが男です。そう言われ、夏世といっしょにそとに出る。

 

そこで見たのは、華麗に空を飛ぶスカートと、それを追いかける蓮太郎の姿があった。

そのスカートの中に見えたモノの色はk

 

「痛い。なぜ殴る。」

 

「わかってるくせに。」

 

「ごめんなさい、すいません。」

 

最近、色ボケが始まりまして、今青春謳歌中なんです!

 

と目で訴えたが聞いてくれなかった。

 

ーーーーー床を切れ!」

 

物騒な単語が聞こえた気がした。

 

 

 

バシュッ

 

 

床が切れた。

 

嘘。

 

流石だな。彼女はどのくらい強いのか興味があるな。うん。今度はステージⅤに襲わせたい。

 

 

お?

 

 

「いや、勝ったんじゃない、逃げてくれたんだ。」

 

「知り合いだったの?」

 

「ああ。」

 

なんか会話してたので、警察を呼ぶ。

 

夏世によろしくとだけ伝えて周りを見渡す。

 

弾痕が激しく残り、机も使い物にならないくらいへこんでいた。

この高そうな机はこのためだったのだろうか。

それだったら無駄じゃないな。

そう思い、この机を買った本人を見ると、

 

 

ーーー倒れていた。

 

 

 

「夏世!救急車!!」

 

「はい、やってます!」

 

 

 

 

6分後、救急車が来て都内の病院に搬送されていった。

蓮太郎が、家族です。といって乗り込んでいったのが特徴的だった。人の生死の合間にこんなことを考えれる俺が、また嫌になった。

 

 

そうして、仙台への旅行は、なんの結果も残さずに終わった。




次回もお願いしますね。


評価もっと来ないかな~
え、むしろへるって?



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ティナとの邂逅

ふう。疲れたんです。
そういえばティナって人気ですよね。
髪型が夏世ににてる気が、やべえ、キャラ被った?

以上、送レ

どうぞ。


襲撃を受けたにも関わらず、聖天子の護衛を続行させると語る蓮太郎と、それを止めようとするうちの社長。

そして蓮太郎側について擁護している聖天子。

 

 

 

 

カオスだ。

 

 

 

 

ただでさえ銃撃の跡を修理したばっかりで、荷物が乱雑においてあるのに、そこに5人も聖天子の護衛だろ

 

 

帰れよ。まじで。

 

どうしてこうなったんだっけ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ことの発端は2日前。銃撃跡を直していた時のことだった。

 

ねえ、もう聖天子様の護衛を止めてゆっくりしましょう。

 

と、天童社長が呟いたことがきっかけで、火蓋が切って落とされた第一次聖天子まきこみ事件。

まじで生きた心地がしないこの会話。

もうかれこれ4時間は聖天子と話しているし、その前だって10時間くらい話してたし、その内容が理不尽な気がしたしで、壁や窓の修理をぶっ通しでやったのにそっから付き合わされて、もう64時間は寝てない。

 

 

 

死ぬ。眠い。

 

 

誰のせいだっけ?そう思って、記憶を探る。

 

出てこなかったので、ここはうちの自慢の暗記キャラ、夏世に聞こう。そう思い、さっきまでいたはずの場所に振り向いたがいなかった。

 

あわてて周りを見ると、窓の外に彼女が歩いているのが見えた。

 

(逃げやがったな!?俺も連れてってよ!!!)

 

思いが通じたのか、俺もこの場から逃げることができたので、窓から見えた方向へ向かう。

 

そこには、昨日のスカーt、じゃなくて、序列100番だった筈のイニシエーターがそこにいた。

 

何故か夏世は仲良くしてるのだが、見ていなかったのだろうか?

 

確認を取るつもりで近付く。

 

「なあ、夏世。なにやってんの~?」

 

「はい。寝てます。眠かったので。」

 

「え?会話してるんだけど?」

 

「イルカって寝るとき片側の脳は起きてるらしいです。」

 

「ほえー。そうか。俺も寝たい。」

 

「いまティナさんとおしゃべりしてるので帰ってもいいですよ?」

 

「隣いい?」

 

「聞いてましたか?」

 

ふっ。聞いていなかった。というか限界。許して。

そう言ってベンチの角、夏世の方に腰をかけてーーー

 

ーー俺の記憶は一旦ここで途切れた。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

記憶のあるところでは、朝だった筈だが、もう日が西の空に沈むところだった。

 

隣には、夏世が腕にもたれ掛かるように座って寝ていた。

 

更に隣には、夏世にもたれて寝ているティナがいた。

 

うん?おかしくね?

 

気付いてなかったのか。

そう思って、ティナだけを起こす。夏世にはこれからの話を聞かせたくなかったしね。

 

「おい。大丈夫か?襲撃者さん?」

こう声をかけた瞬間、勢いよく起きて俺から距離を取る。

 

ーーこういう時、派手にアクションをとるのは素人だ。お前は絶対するなよ。というかしないように今からボコボコにするーー

 

師匠の教えによると、これは黒か。

流石の動きだ。かなり速い。戦闘スキルだけならステージⅣに匹敵するな。

さすがに戦闘はしたくないので声をかける。

 

「まあ、まて。俺は君に危害を加える気はない。」

 

「嘘ですか?知られた人間は消すようマスターに言われています。なので、お覚悟を。」

 

「聞く耳すら持ってないのか。流石雑魚、襲撃した目標一人も殺せないのにほざきやがって。」

 

「うるさいですね。死んでください。」

 

彼女に挑発してから、殺意が明確になった。ここで殺しに来ると夏世が邪魔になると思ったので、夏世を抱えてベンチから立つ。

 

「落ち着け、序列100位。」

 

「いまは97位です。適当なことをいわn」

 

彼女は口をふさぐ。戦闘屋ではないことに安心した。

 

というか2桁いってたんだ。すげえ。でもまあ、

 

これなら逃げるだけで勝てるかな?

そう思って、こう声にする。

 

「なんだ。誘導尋問に引っ掛かるようなチョロイ人、殺すとか言いながら一人も殺れないのか。」

 

とにかく煽る。初対面の人間だろうがここまで言われれば、流石に切れる。

 

 

「死んでください。」

 

その瞬間を待ってた。夏世の腰につけてあった音響グレネードはもうピンを抜いてある。

 

じゃあな。同類。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーのはずだった。

 

 

落とした音響グレネードは不発。

 

 

 

 

 

 

 

ふむ。二度あることは三度あるらしいな。

気を付けよう。

 

後ろで銃口を突きつけられた気がして夏世を抱いたまま斜め前に本気で前転する。

 

そして目の前にたっていた彼女の後ろに回り込む。

 

全く動じない彼女に、物凄くなめられている感じがしたので、声をかけてみる。

 

「おい、舐めてんのか?」

 

肩をビクッと震わせるのが見てとれた。

振り向く前に逃げよーッと。

 

「なめてんなら帰るわ、じゃあな。」

 

その時、もともと俺がいた所、ベンチの隣、彼女から見て前方10メートルの石畳が弾けた。

 

狙撃、それも2000メートル以上の距離から。

あぶねー。死ぬところだった。

 

 

 

「、、、どうして、わかったんですか?」

 

「君はもっと他にやることがあるんじゃないのか?人殺しなんて、役に立たんぞ。人を殺す前に自分を生かせよ。」

 

勘だよ?なんて答える気ないので、そのまま帰路に着く。

 

 

 

後ろで泣き崩れるような声と音がしたが、無視して顔に手を当てて、考え込もうとした

 

 

 

 

 

手を顔に当てる?両手で夏世を持っていたのに?

 

 

 

 

やべっ。忘れてた。

夏世は、彼女の隣に座っていた。

 

 

ふう。安心。

 

ここでは、俺の出番はないな。

そう思って、彼女らをただ立って眺めていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日が落ちてすっかり暗くなった頃、彼女は立ってどこかへふらっと消えていった。

夏世いわく、

「もう心配することはないです。こういうときに心理学って便利ですね。なぜか親近感湧きましたし。」とのこと。

 

 

夏世は彼女が纏っていた空気を知っているから。

ひとりでいることの哀しみを知っているから。

 

彼女は、どうかんじたのだろう。

 

 

☆☆☆☆☆

 

この日の夜

 

「おい愚胤、エイン・ランドにアポとれるか?」

 

「ふむ。グリューネさんに声をかけてもらうか?」

 

「ああ、いい案だな。頼む。」

 

「善処させてもらうよ。五翔会が邪魔になりそうだけどね。」

 

「そこら辺はちゃちゃっとやっちゃってよ。」

 

「むちゃを言うねえ。小比奈、いくよ。」

 

「任せた。」

 

「任されたよ。」

 

☆☆☆☆☆☆☆

 

 

第2回警護計画書が流れたとき、独断で車を替えて、警護計画書通りにやらなかったのが功をなし、会議までは死傷者0を達成できたが、遠隔モジュールによって出てきたところを狙われ、車が破損、運転手が怪我をしてしまった。

それなりに重態だったが、命に別状はないそうだ。

 

 

第3回警護計画書も流れてきたが、偽物を彼女に掴ませる狙いがあるみたいだ。

 

 

僕もそこへ立ち会うことになってる。さて、どうなるかな。

ティナ スプラウト。楽しめよ。

 

 





ふいー。うぇーい。


次も頑張る。


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ティナはそうして天童民間警備会社に所属する、僕は世界を改変しようとする。序章

なんか題名が長くなった。

眠いよおおおお(笑)

あっ、お気に入り二桁ありがとうございます。
今さらですが、評価くださった方々本当にありがとう。

愛してる!





え?きもっ。とならないよう頑張っていきます

あれっ、もうこうなってた?

とっ、とりあえず、どうぞ。


 

結果としては、こちらの完璧勝利だった。

 

 

偽物の第三回護衛計画書を蓮太郎が流して、大きな廃ビルにティナを誘い出して、そこで蓮太郎が「突撃したい」と言っていたのをなだめて(一番苦労した)エイン・ランドからティナを”勝手に使っても良いよね”と交渉して、所有権もらった。

 

彼いわく「二回も殺せと命じたのに出来なかったティナ・スプライトは必要ない。お前らに渡すことでティナ・スプラウトは死んだこととなる。」

 

だそうで。彼の冷酷な性格が我々に味方した。

 

その代わり、影胤は一度分解と整備をさせられるらしい。

 

マジ感謝。分解と整備(オーバーホール)はきついぞ。お前も超バラニウムの内臓つけてみろよ!と、影胤は電話越しに怒ってきたが、師匠直伝、謝ればなんとかなる!、を使って逃げてきた。

 

いやー、ドンマイ(笑)

痛いかどうかは知らないが、アメリカのガストレアは肉食の奴らが多いし、駆り出されるのは苦痛なんじゃね?知らんけど。

 

そういうことで、その偽計画書の狙撃ポイントでティナに接触をするために、あらかじめその廃ビルの階段に貼り紙をたくさん貼り、交渉用のスペースに来ることを伝え、そこで交渉という名の脅しと提案を行い、

「お前はお前のプロモーターに棄てられた憐れな奴。」とか言って、言葉でぼこぼこのぼこにして、

「そんなわけないでしょう。」と、前回同様夏世にティナの擁護にはいってもらう。

 

この作戦を

『北風と太陽だよ☆ティナを救おう大作戦』と名付けられた。

 

 

 

 

 

 

俺じゃない。このネーミングセンスの無さは夏世だ。

 

新たな夏世のチャームポイント(謎)を見つけたことに、ちょっと嬉しかったのは内緒。

 

とまあ、北風と太陽のお話を知っていれば分かると思うが、前回からのゴタゴタも相まって、太陽すなわち夏世が完璧にやってくれて、お仕事終了。

 

ついでに聖天子暗殺の件については、テレビやマスコミに会談の内容(蓮太郎が録音してた)を売って、大阪エリアヤバいな。と世間にばらす代わりにティナを不問にしてくれと、聖天子に持ちかけて、承諾を貰った。

ただ、蓮太郎にはこれからも聖天子様護衛任務が入るらしい。蓮太郎は嫌だーと言ってたが、そこは良かったなと祝福したった。

何が嫌だったんだろう?

 

ティナについてはもともと身寄りがなかったのと、殺人未遂で、llSO預りにもならず、序列剥奪と民警ライセンスの停止によって、武器の所持などの特権が没収された。

ただ、この免停の時効はmax10ヶ月。その間にプロモーターを見つけてくれば戻るそうだ。

 

影胤は120人位殺したから剥奪だったなあ。

 

あの頃が懐かしい。あいつは全く気にしてなかったな。

というか情状酌量があるって最高じゃん。

 

まあ蓮太郎と天童社長が色々と書類集めて、

「天童民間警備会社においでよ。」

という事で色々とあって、今、修復し終わったばっかりの事務所には、3人のイニシエーターと3人の高校生がいる。

 

どうだ、ティナ・スプラウト。楽しいかい?

君の知らない理詰めのやり方を知れて。

 

そういえばうちの事務所大人がいない。色々とやばくないか?

 

 

「やばくないです。私がいますから。」

 

そう言って、ほぼないであろう胸をはる夏世。

自信満々で何よりだ。

 

あ、ごめん。だから脇腹つつかないで。いたい。

 

☆☆☆☆☆

 

ティナがうちの事務所に来てから色々あった。

 

外周区の呪われた子供たちと交流を図ったり

東京エリアを夏世と隅々まで見て回ってとある穴場スポット見つけたり

夏世とショッピングにいって服を新調したり

ティナに嫌われているから仲良くなるために色々やったり

その場の勢いで一人で未踏査領域にいってトラップで遊んだり

その事が夏世にばれて怒られたり

呪われた子供たちに対して教えるなと言われていた地雷とか爆弾とかの知識を植え付けたり

またもや夏世にばれて怒られたり

夜の繁華街に蓮太郎と遊びにいったり

その事について天童さんと夏世にものすごく怒られたり

一日中夏世と遊んだり

一日中ゴロゴロして一週間堕落した生活を送ったり

みんなでピクニックにいったり

夏世がティナと一緒に遊びにいったり

そこの荷物持ち兼財布として駆り出されたり

夏世の”お願い♪”によって財布の中から諭吉が10枚くらい消えたり

延珠発案の鬼ごっこに夏世とティナ、俺、蓮太郎が付き合って、一回で力を使い果たしたり

よくわからん天誅ガールズのテレビを10時間にわたって見せられたり

 

 

結構怒こられてるような.......

 

 

勿論、すべてがふざけてた訳じゃない。

 

師匠のもとを訪ねようとデータの海の中を探したり

夏世に投与する可能性のある薬について研究したり

バラニウムに対抗できる新型ガストレアが出てくる可能性に対して論文を書いたり

呪われた子供たちがどうやって生まれたのかの研究をアメリカにいる影胤の所まで飛行機つかって飛んでいって一緒に研究したり

烏賊(イカのアバター)が動いて陣地を塗り、勝敗を決めるという昔のゲームで影胤にぼこされたり

やり返そうと、夏世を呼んで影胤、小比奈チーム相手に(夏世が)コールドゲームをかましたり

そのあと、影胤たちからゲームの恨み(物理)を受けて、モノリスの外で鬼ごっこしていたら古い街が7つくらい吹き飛んだり

ついでだしなーーーといってステージⅤに挑みにいったり(ぼこぼこにされて辞めた。)

 

 

 

 

 

 

 

めっちゃふざけてたな。

 

 

とにかく色々あった。

 

それはそうと、ティナは日の当たる世界を知れて良かったと本当にそうおもう。

俺も、夏世も他人から命令されて行った人殺しの十字架を背負って生きる苦しさを知っている。

そんな哀しい犠牲者は、もっと減るべきだ。

 

そうそう、夏世とティナと延珠が物凄く仲が良くなった。

彼女たちは彼女たちで思うところがあるのだろう。

 

俺は未だにティナに嫌われているが、今までの仕打ちからすれば当然だと思う。

 

 

 

 

こうして、ティナと色々あって、彼女はうちの一員となりましたとさ。

 

 

☆☆☆☆☆

 

東京エリア第三十九区第三仮設小学校

 

「えー今日からお前たちの先生をやることになった里見蓮太郎だ。趣味は昆虫観察、植物採取、微生物とかも好きだ。一応格闘技もできる。何か質問はあるか?」

 

「「「「「「はい!!はい!!はい!!」」」」」」

 

「ぅっ、、、、じゃあ、そこ!」なんかいろいらあったらしく、適当に蓮太郎は一人を指名する。だが、墓穴だったらしい。

 

「先生!先生は、延珠ちゃんと結婚を前提に同棲してるって本当ですか?」

 

「ほんとーだぞ。」周りは一斉に色めき立つ。

 

「そんなわけねーだろ!!居候だよ!」

 

おい、蓮太郎、むきになるのは、事実だと教えるようなものだぞ?

 

「本当、彼は成長しませんね。序列は結構上がったはずなんですが。」

 

そうなのだ。夏世が言ったように蓮太郎は聖天子から、これからの期待をかけられてlP序列300位まで引き上げられたのだ。

 

なにもやってないのに。

 

聖天子に好かれてて、蓮太郎は恵まれてるぜ。

そう言おうとしたのだが、延珠が「いってやるな。あの蓮太郎に、これくらいはまだショボいほうなのだ!」

 

といってくる始末。

 

まじで愛されてやがる。

 

話はすごくそれたが、今いるここ、

 

『第三十九区 第三仮設小学校』

 

に、我々は出向している。

 

頼まれたからって言うのもあるのだが、影胤との協議の結果、呪われた子供たちの生活レベルを調べ、知識量を見るという観察も行わなければいけなかった。

それともう一個理由はあったのだが。

 

いい機会なので同行しようと思い、ここまでついてきたが、思ったより東京エリアの呪われた子供たちは生活環境がよく、生活レベルが高かった。

マンホールチルドレンたちの所も訪れたが、指導者や、リーダー格の人間を筆頭に暮らしていた。

 

余談だが、下水道といっても3種類ある。

 

一つは生活排水用の下水道

もう1つは雨水などの水を流す下水道。

 

生活排水とは、手を洗ったりお風呂に入ったり、トイレで使う水を流すところだ。

こっちは臭くてすめないらしく、彼らは更にもう一個のほう、発電所の排水口辺りに暮らしている。

 

この下水システムはアメリカではもう使われておらず、新しい下水システムが存在するが、日本はまだ使用されている。

 

なので彼らによると、雨の日や、雪の日などでは、下水量が増えるので、命の危険があるそうだ。

 

日の光を浴びて暮らしたいという。

 

そんな彼らに未踏査領域内での小型モノリスの開発と資金提供、復興支援を行うことを約束し、夏世と良い地形を探したところ、栃木県小山市にいいところを見つけた。

東京から東北新幹線のレールを伝い、歩くこと20時間。

周囲に生える木々は熱帯の植物だったが、その量が少なく、ガストレアも少ない上に北側は農業もできるであろう土地が残っていた。

 

食料についても、ガストレアが少ない分、野生の動物も多く、食用植物も多いので数年であればなんの問題がないこともわかった。

 

モノリスについても小さいもの一個で街は余裕で守れるそうなので、聖天子様から各部署に頼み込み、小型モノリスを一個国費で作って貰えるそうだ。

 

小型とはいえ、建築費用がバカにならないから、政府要人は嫌がっていたそうだが、ガストレア新法の不成立及び呪われた子供たちの処遇について不干渉という事で折り合いがついた。

 

そんなモノリスができるまで、あと1ヶ月。

 

この時間は早いと思うが、要人どものはやくうやむやにしたいという思いが強いのだろう。

 

多分、東京エリアの外縁区も”人間”が使えるようになる。というメリットも効いたのだろうが。

 

 

 

 

 

とにかく、呪われた子供たちは、隔離という名前でこれから未踏査領域に送られる。

他のエリアの呪われた子供たちをどうするかーや未踏査領域の安全の確保ーなど色々課題は山積みだが、彼女らには、せめて、自由に生きていってほしい。

 

なので、ここ、第三十九区の小学校で、試験的に外の世界についての知識をいれることにしたのだ。

 

俺の知識を全て動員して作った簡易教科書をもとに

蓮太郎が教えて、天童さんが補助する。

周りの子供が質問して、それに蓮太郎が答える。

 

ここを預かっていた先生らしい人物もほくほく顔で授業を見ていた。

 

夏世とティナと延珠は、授業に参加している。

 

 

 

俺は後方2000メートル位の高台まで周囲の見張りという名で逃げてきた。

だってあそこの空気がやべえもん。

 

だれだよ。俺の自己紹介のあと「夏世ちゃんと毎日一緒のベットで寝てるって本当ですか?夫婦の営みって毎日やってるんですか?」と聞いた奴。

 

やってねえよ。

 

夏世は「本当はやってほしいんですけどね。」なんて顔を背けながら言ってくるし。

 

そのせいで蓮太郎と天童さんがこっちを見る目がめっちゃ変わったぞ。

 

 

蓮太郎は同士を見る目だったが。

 

 

 

 

そんなこんなで、日々は充実していたとおもう。

ティナと仲良くなるのには、まだ時間がかかるんじゃないかな。

そう思いながら、俺は南側に目を向ける。

 

 

 

一台の車が、砂埃をあげながらこちらに向かってきた。

 

 

 

運んできたのが、厄介事でないことを祈りながら、スコープを覗いてーーーーー

 

 

 

ーーー厄介事であることを確信した。

 

 

 

 

 

 

 

 

だって車に乗ってるのが聖天子だもん。

 

 

あの日々を返してよ。

 

 

 

 

 

ーーーーーー

 

 

 

 

 

千寿夏世

 

 

 

 

 

 

 

 

 

形象崩壊まで

 

 

 

 

 

 

 

 

あと250日

 

 

 

 




ティナーーーーーー!!


でした。
なんか簡単に終わった感じがする。

つぎも頑張る。


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ラスト章(アニメ回)なう。
俺の休日


ふう。オリジナル名前出てくる。よろしく。




まじで可愛いから見ろよ。アニメ見返せ。
価値あるよ。うん。
上から目線ごめん。なんでもするかry
なんのことかって?読んでくれ。

どうぞ。


『アジュバント』

 

 

聞いたことがあるものは居るだろうか?

 

日本で採用された、民警を自衛隊に組み込むための緊急措置。

1部隊の人数は10ペア程度までとされ、3ペアからのチームであり、軍隊システムの中隊に当たる。大隊として結成されるため、トップに軍団長をおく必要があるが、軍隊システムの延長となっている。

 

要するに、だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ボッチに厳しい。

 

 

 

 

 

ーーー俺は別にボッチじゃないがーーーーー

 

うちの社長とその下僕(笑)の友好関係が狭いだけだ。

 

そう。決して俺が戦闘狂だったから人間に興味がなかったとかじゃないし。

 

 

 

夏世は、なんか三ケ島さんのところで色々あったらしく、もう4ペアの所を見つけてきたらしい。

 

マジ夏世さん半端ねえーーーー

 

 

あ、そうそう。この際だし、llSOに掛け合って夏世とは『生涯契約』をしてもらう約束をした。

 

 

この時、夏世は麻薬をやったんじゃないか?と心配になるくらいの喜びぶりだったとだけ記しておこう。

 

まだ契約できないのには訳があるんだけど、割愛させてもらおう。

 

というか『生涯契約』ってなんだ?

 

 

 

話が逸れた。戻すわ。

 

俺の(全て夏世が集めた)アジュバントを紹介する。

 

 

 

リーダー

 

現序列2160番

 

我堂 英彦とモデル:ヘッジホッグ(はりねずみ)の鈴木 心音

 

主要兵装ーーーーーーー刀剣類及び弓

戦闘スタイルーーーーー前衛と中衛

 

 

 

以下部隊メンバー(仮)

 

 

現序列2350番

 

俺とモデル:ドルフィンの千寿 夏世

 

主要兵装ーーーーーー銃、ナイフ

戦闘スタイルーーーー中衛

 

 

 

 

現序列164670番

 

垣根宗三とモデル:インディアンパイソン(インドニシキヘビ)のパリィ・カーラ

 

主要兵装ーーーーー長槍、小銃

戦闘スタイルーーー後衛

 

ー作者の声ー

 

小説原作では、蓮太郎にボツにされた奴で、ボディーアーマーをびっしりと着けて体を重くしている。

原作で影胤に消された不運な奴。

名前は適当。

イニシエーターは中国から来た?感じで。

 

 

 

現序列115630番

 

志藤昌己とモデル:ウルフの浅野 紫

 

主要兵装ーーーーー大剣と二挺拳銃

戦闘スタイルーーー前衛

 

ー作者の声ー

 

アニメ版で、彰磨君があのお尋ね者(笑)を倒したあと、蓮太郎が駆け寄っていくところにいた黒白の縞模様の服を着ていた背の高い腕組みひょろすけ。

イニシエーターは金髪にショートスカートだったと思う。

あのイニシエーター可愛いから出したかった。

 

まじで可愛いから見返せる人は見返して!!!

 

 

 

以上。

 

 

え?蓮太郎?

あいつは「自分の力でアジュバント作れ」って聖天子が言ったもん。しょうがない。俺が蓮太郎に声をかけられなかったとか、そんなんじゃないから。

 

、、、、、、あいつ自分(天童民間警備会社)仲間(友達)くらい覚えろよ。

 

 

☆☆☆☆☆

 

いま、蓮太郎はアジュバント集めに精を出しているそうで、やることがなくなったので夏世とお出かけしようと思う。

 

同じ家から出るのに待ち合わせ場所、時間を決めて、そこに集まる。

 

夏世が言い始めたこのやり方だが、非生産的行動だと思う。

 

そう思いながら、その待ち合わせ場所へ向かう。

 

 

 

 

 

 

9時43分。

 

17分も早く着いたな。そう思いながら回りを見る。

 

ここ、お台場には朝から沢山の人で溢れている。

 

携帯をさわる人、

恋人と戯れる人、

ワンピース姿で誰かを待つ、いつも隣にいるような安心感を与える少女。

ボブカットの少女に『鬼八』と呼ばれる茶髪の男。

ロシア人っぽい背格好の子供と大人。

 

 

ティナと蓮太郎、

そして蓮太郎を尾行する二つの影

、、、なにやってんの?

 

 

 

 

 

 

今日も平和だ。

そう思いながらもう一度時計に目をやる。

 

10:02

 

 

過ぎていた。観察をし過ぎた。

 

焦ってまだ見ていない所に目をやるが、夏世はいない。

 

まだ来ていない。セーフ。

 

そう思って目を前に向け直す。

 

「うおっ!?」

 

目の前に先程のワンピースの少女がいた。

 

「遅いです。見つけてたのに声を掛けないなんてあなたは人間ですか?」

 

「いや、、」言葉に詰まった。

 

目の前に立った少女は、一言で表すなら美しかった。

白く光沢の輝きを見せるワンピースは、彼女を更に大人に見せる。

彼女自身が一回りも二回りも大きく見えるのは、きっと目の錯覚だ。

 

10歳そこらのはずなのに、夏世のもつ子供とは言いがたいオーラと重なり、何歳も大人になっている。

これが、非生産的行動によって産み出されるのだろうな。

 

夏世は可愛いうえに策士だ。

 

「、、、、なにか言うことは?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぁ、あぁ、綺麗だ。」無意識に声がでる。

 

「い、そうではなく、え?」

 

どちらからというわけでもなく顔を赤くして、目を逸らそうとする、が、目は彼女に固定され、動かなかった。

 

お互いに何分見つめ合っていたのだろう。

 

 

「行こうぜ。」//////

 

「はい。」//////

 

 

声を出して意識を外に向ける。

 

途端、五感が戻ってくる。音が、色が、匂いが、世界に一瞬で戻ってきた。

 

ああ、ヤバイな。戦場だったら死んでいた。

 

 

例えが検討違いだとわかっていながら、僕は前を歩く。

 

 

 

 

ーーー幸せが、もうないことを知っているから。

 

 

買い物をして、ご飯を食べて、雑談を交えて町を練り歩く。

 

楽しい時間はあっという間に過ぎるものだ。

 

 

気付けば夕方だった。

 

「これからどうするー??」

 

「そうですねー、映画借りて家で見ますか?」

 

「ああ、そうしようぜー。」

 

 

夜も楽しかった。

 

ホラー映画を見たり恋愛映画を見たり、学園物を見たり

夜だからといっていろんな遊びをしたり。

 

 

 

結局寝たのは次の日、太陽が昇り初めてからだった。

 

 

 

 

 

そろそろ、戦闘か。

 

 

なあ、夏世。

 

 

 

 

お前は

 

 

 

 

どうしたい?

 

 

 

 

 

生きたいか?

 

 

 

 

 

死にたいのか?

 

 

 

 

 

 

俺は

 

 

 

 

 

 

 

生かすぞ。

 

 

 

 

 

 

 

絶対に。

 

 

 

 

 




ふうううううううううう!!!!!



つぎもがんヴぁる。

そういえば死んだよね。青空教室の子供達。

未踏査領域って爆弾あったっけ?(つたわれ)

どうでもいいけどオリ要素強くなってる気がする。


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僕は運命を変えたい。

どうも。

どうぞ。




あなたは大事なものを守るときー

 

 

ーーーー闘うか。

 

ーーー逃げるか。

 

 

あなたは、どちらを選びますか?

 

 

☆☆☆☆☆☆☆

 

 

 

夏世と一緒に寝ている間に、32号モノリスの崩壊がメディアに発見され、そのことについての緊急会見が聖居で行われたらしく、外は騒然としていた。

ご近所さんの家は空っぽで、そこに住んでいた50過ぎの剥げたおっさんが、お気に入りだから傷一つでもつけたらコロスゾーと豪快に笑って見せてくれた自転車は、

ガレージの外で倒れて傷ついていた。

 

自分の住んでいたマンションはあまり繋がりがないのでわからないが、四軒隣まではもう空き家となっていた。

 

商店街では避難食料や、戦闘用の道具に群がる人間が沢山の犠牲を出しながら蠢いていた。

頭から血を流してお目当てのものを手に持つ人間は、狂喜か狂気か。

 

武器を選んで悦んでいる人間どもは、ガストレアより怖かった。

 

見ていられなくなったのもあるし、そろそろアジュバントとしての集合のお呼びがかかると思い、夏世と一度家に戻る。

 

仙台から帰ってから一度も空けていなかったスーツケースの鍵を空けて、仙台から持ち帰ったモノを組み立てていく。

夏世がマガジンに弾を入れ、俺が機関部と銃身部を結合させ、ただの鉄の塊が、バラニウムを撃ち出す殺傷兵器に変わるのにさほど時間はかからなかった。

 

一応大きいスナイパーライフルは釣り道具入れに入れて、迷惑にならないようにする。

 

夏世のアサルトライフルは、家に置いておく。

 

そうして俺の(・・)戦闘準備が終わったあと、呪われた子供達の住みかへ行って、武器を預かってもらう。

 

その対価として、全員に食べ物を10日分渡しておいた。

これが彼らを救いますようにーー

 

そんなことをしていたら、連絡が入ったのでアジュバントの仲間の所へ向かう。

 

 

「交通機関は麻痺しているから歩いて向かいましょう」

 

夏世の言うことは正しいと思っているので、指示に従って歩く。

 

夏世と手を繋いで歩くこと20分。

テントの群れを一望できる場所から見た光景は、思いの外きれいだった。

 

そうこうしていると、どこか気の弱そうな男、我堂 英彦のイニシエーター、心音が出迎えてくれた。

 

英彦は今彼の父に呼び出されているらしく、他のメンバーの中にも英彦の姿はないらしい。

 

心音に案内され、夏世と自分のアジュバントのテントに行く。

 

心音と夏世はお互いに友達みたいで、いつもプロモーターの愚痴を言ってるとかなんとか。

まじ?

 

心音に「いつも夏世からは愚痴じゃないモノばっかです。自重してください。」

 

と耳にコソッと言われてどう言うことか分からず思慮すること数分。

 

我々のアジュバントのテントに到着する。

もう『アルマジロ』と『キリン』はそこにいた。

 

「よう、アルマジロ、キリン。」

 

そういうと、キリンは「は?」アルマジロは「は?」

 

という反応をお互い示し、

 

イニシエーターたちが睨んでくる。

 

ーーーうぇ?

 

「いやいや、装甲で首筋までおおってる臆病者だからアルマジロ、お前は服がしましまだし背が高いからキリン、いい名前だろ?キリンこと志藤昌己。アルマジロこと垣根宗三。」

 

そう言って彼らを見ると、夏世より年下に見える金髪のイニシエーター、紫が肩を震わせ、チャイニーズっぽい子供、パリィは顔を伏せていた。

 

あ。反論できなくなった奴だ。怒るかな?

 

 

「「ワハハハハハハハ!!!!!!」」

 

「あたってる。あたってるヨ!!!!」

 

「本当ですね!!!夏世さんのプロモーターさんは夏世さんと違ってネーミングセンス抜群です!!!!」

 

おう?怒んないのか。よかった。

話題の張本人達は空けた口が塞がらないのか、口を大きくあけていた。

 

 

ふっ。よかったー。どやー

 

「どや顔やめてください。品位に関わります。」

 

お、おう。ごめん夏世。

 

そういう夏世の方もまた、”どやー”としてる。うん。可愛い。

 

分かる??この横顔の凛々しさとそこに入る子供の幼げな表情。そしてなにより”どやー”というこの擬音語が当てはまるこのフォルム。背伸びしてる感じがまた可愛い。

そしてーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

結論:夏世は可愛い。

 

おっと、別の世界で論文かいてたぜ。

 

というか、目の前のパリィと紫もかなり可愛い部類に入るのだろうな。そn

 

夏世サーン、なんでこっち見てるの?

 

夏世サンその青白いオーラ消して?

 

ごめん。

 

ごめんって。頬を膨らませないで!

 

 

 

 

 

 

 

ねえ、僕の依存できる人。

 

 

 

 

ーーーー俺は二度と失いたくない

 

 

 

 

思考を捨て、この世界に戻ってくる。

 

さて、まずは。

 

「はじめまして。現序列2350番のーーーー」

 

挨拶は大事。これマジで。挨拶できない民警はすぐに死ぬぜ。

 

「お、おう。よろしく。」

 

「は、はあ。こちらこそ。」

 

アルマジロとキリンは戸惑いながら挨拶を返してくる。

 

 

☆☆☆☆☆

 

 

「キリーン!!いこー!!。」

 

「キリンちゃん(笑)、どうです?。」

 

「キリンくん、僕にそれ、とってくれない?」

 

「だーーーーー!!!キリンキリンうるさい!!というかアルマジロ!!お前も呼ぶなよ!仲間だろ!?」

 

「僕はアルマジロ気に入ってるから!!」

 

「変な名前の仲間じゃなかったのかよ!?」

 

ワイワイぎゃあぎゃあしているプロモーター達はもともと面識がなかったらしく、今ではこうして会話できているが、前まで全く話さなかったと夏世に聞いた。

 

夏世がチームを作ったようなものだ。

夏世は人望も厚いらしい。

 

 

 

ーーーー本当に、夏世は優秀だ。

 

 

 

そういえば彼らと会話していたら、彼らはまだこの界隈にきて日が浅いらしく、戦いのコツなどを知りたいと言っていた。

 

「なあ。」

 

一斉に視線がこちらを向いたのでちょっとビックリした。

 

それはともかく。

 

「一度戦ってみない?」

 

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

 

 

モノリスの外で大岩相手に戦って貰ったが、結果は散々だった。

 

キリンは攻撃はいいがイニシエーターが有効に使えてない

アルマジロは踏み込みが浅いから攻撃力に欠ける。

途中から参加した我堂(息子)は戦闘能力が低い。

 

小学1年生だという紫は攻撃が、因子に対して遅いし弱い。

チャイニーズのパリィは敵に毒を入れる特殊能力に振り回されている。

 

戦力としては心音がこの中で一番強く、防御に限っては3桁上位に匹敵しているようだ。

多分影胤の斥力フィールド位の強度はあるな。

 

アルマジロには槍より銃を薦めておき、キリンには攻撃からイニシエーターへの連携を覚えてもらった。

 

我堂(息子)は指示のみやってもらい、心音は遊撃として戦術をたてることになった。

 

え?おれ?粉砕しといたよ。

 

ただ、周りは何が起きたか分かってなかった気がする。

 

夏世はやる気に満ち溢れていたのだが、、、

 

 

 

 

 

☆☆☆☆☆☆

 

 

 

 

 

既に医者には『伝えるべきだ』とずっと言われてきたことだが、ここで言うしかない。

 

このままいけば東京では大規模戦闘は必須。

師匠も影胤もいて、そこに師匠の能力で敵の頭を潰しにかかり、なおかつ相手が無防備の状態でも殲滅に1日かかるような数の敵が、統制をとって動いている。

個々のレベルは低くても、物量の前には勝てない。

それの指揮者が優秀なら数万倍たちが悪い。

 

対群攻撃手段が核兵器や「全ての爆弾の母」とも呼ばれる大規模爆風爆弾「GBU-43/B Massive Ordnance Air Blast(MOAB)]など、まわりの都市、東京を一緒に滅ぼすようなモノばかりなので絶対に使えない。

 

爆弾にも劣るような若手が多いこの東京では、かなり苦戦を強いられる。

結果として民間警備会社の連中はほとんどが死ぬだろう。

東京に構えていた民警を運用する上の人間は、予想より死体が多いことにビビるだろうな。

 

いや、もしかしたら彼らがやられたことすら知らずに、土に還るかもしれない。

 

ここでの戦いは俺一人で殲滅は無理だ。

かといって他に頼る人間は居ない。

 

大切な人を失わない保証はないんだ。

 

 

 

 

やるぞ。もう止まってはいられない。

 

振り向いて呼吸を整える。

おやつの時間だからか周りがとても静かだ。

 

空に浮かぶ太陽は、雲に隠れて見えなくなっていく。

 

生き物は皆息をひそめている。

 

だからだろう。後ろにいる夏世の心臓の鼓動が聞こえる気がする。

 

 

 

なあ、夏世。

 

 

 

「なあ、夏世。お前戦うの止めないか?」

 

「え?なんでですか?私は弱くないですよ。活躍できます。2年前とは違います。」

 

「いや、そうじゃないんだ。」

 

「じゃあ、なんでですか?納得できないです。」

 

「君を失いたくない。」

 

「大丈夫です。私は十分強いです。将監さんのお荷物なんかじゃなかったです。お荷物にはなりません。」

 

そう言って力こぶを作る夏世は哀しそうだった。

 

そうじゃないんだ。夏世。

 

「夏世のガストレア因子が「大丈夫です。医師には30パーセント越えとは聞いていますし、まだ行けます。」」

 

「君は死n「死にません。大丈夫です。あなたのイニシエーターですよ?」」

 

「s「うるさいです。行くと言ったら行くんです!」」

 

「,,,,,,,反論は?」

 

「受け付けません。」

 

 

 

 

沈黙が流れる。

 

ガストレアのうめき声がどこからか、風に流されて聞こえてくる。

 

その声は、誰かを心配して、心から絞り出したような魂の声だとその時の俺は思った。

 

 

 

ーーー敵対勢力(ガストレアども)に俺達の心配をされるなんて、なんと皮肉なことか。

 

 

 

その声が、俺達に迫る現実を、嫌と言うほど突きつけられる。

 

今言わないと後悔する。

 

言うんだ。俺。

 

 

 

「お前のーーー」

 

 

「何ですか。武器なら家からとってきますよ?」

 

 

 

「お前の、夏世のガストレアウイルス体内侵食率が、『45パーセント』を越えてるんだ。」

 

 

 

「嘘です。お医者様はそんなーー」

 

夏世はいいよどむ。なにか考えるところがあったのだろうか。

 

「ああ、そうなんですね。

 

 

 

あなたが私の医療記録の真実(データ)を持ってるんですか。

 

 

あなたが私のプロモーターをやってくれていて、とても嬉しいです。」

 

ですがーーーーと夏世は続ける。

 

 

「あまりに早すぎますッ」

 

「私の幸せって、こんな形で無くなるんですかッ?」

 

 

 

 

そんなの、あんまりですッ!!

 

そう言い残して夏世は去っていった。

 

 

もう、戻れない。

 

おれは立ち向かおう。夏世のために。

 

 

 

俺は、闘うことを、選択した。

 

 




展開早くてごめんなさい。


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モノリスの崩壊?よろしい、ならば戦争だ

えーっと

急に体を動かすと筋肉痛になることがわかりました。

どうも。とくめいんです。


では、どうぞ。


携帯が震える。

メールの文面は、

『しょうがっこうで、かよかくほ。あんしんして。せきにんもつよ』

 

どうやら呪われた子供達かららしい。

 

その文面を一瞥し、小学校へ行きたい渇望を無視するかのように視界から外し、まえを見る。。

今から行うのは、意思統一のための会議だ。

 

うちの部隊の隊長の我堂英彦が、今我々の前で一段高い所で注目を浴びている我堂長正の息子であるらしい。

 

我堂長正は『知勇兼備の豪傑』と呼ばれているらしく、確かに50歳を越えた老人とは思えない 姿勢、オーラだ。

 

「というか俺の二つ名ダサくね?なんで我堂長正はカッコいい二つ名なの?英語のせいだよな?」

 

そう夏世に声をかけようとしたが、居ないことに気づく。

 

 

ーー未練ばっかなのは俺じゃねえか。

 

夏世にウイルス抑止剤は渡してあるし、周りの子供達から無理矢理にでも投与される手筈になっている筈だ。

 

場所もモノリスからはまあまあ離れているし、万一の時に備えてヘリをチャーターしてある。

 

心配はなにもない。

 

 

 

 

 

 

なのに胸が痛いのは、きっと他の要因のせいだろう。

 

☆☆☆☆

 

「よくぞ集まってくれた勇者諸君ッ!」

 

大喝とともに始まった冒頭の出だしは、見事なものだった。

一癖も二癖もある民警の連中をまとめる彼、我堂長正の手腕は、俺から見ても凄かった。

 

『心を動かすのに必要なのは、相手と自分の利害を一致させ、明確化するのが必要だ。それができないと、交渉すら出来ない。』

 

師匠の言葉を借りるとこんな感じだ。

 

彼は、その筆頭例だろう。

恐ろしい才能か、経験か、或いは両方か。

 

おそらく後者だろうな。

 

ただ、作戦についてはダメだ。

 

現在三十二号モノリスを挟んで我々民警と自衛隊の混合部隊とガストレア達が睨み合っている。

戦闘の狼煙が上がるのは、モノリス崩壊と同時である。

 

ここまでは事実の確認だ。なんの問題もない。

 

だが、自衛隊我々民警の仲が悪いからか、用兵手段が杜撰すぎる。

 

民警には期待していないと言わんばかりの配置に、我堂団長の諦めが見える。

 

民警を軍隊などが嫌っている国はいくつかあるが、片手で数えるほどで、普通は受け入れられてきた。

だが、ここ日本は、そんな希少な片手のなかに入っていた。

 

自衛隊どころか国民からも嫌われる存在ー民警ー

 

 

日本に一桁のイニシエーターとプロモーターが存在する理由の一つも、この弱い国のバラニウムを守るための苦肉の策だと聞く。他にも理由はあるけどな。

 

めんどくさい国だな。

 

会議を聞く気を無くしたので外に出て、東京エリア側へ向かう。

 

東京エリアは混乱の中にある。飛行機、シェルター、船などの移動手段のチケットはモノリス崩壊予想日時まで全て売り切れ、シェルターに限っては東京国民の30パーセントしか入れないと告げたあと、抽選が始まり、それに溢れたおよそ70パーセントの連中は暴動を起こし始めた。

 

なんでもその30%に『呪われた子供たち』が選出されたとかなんとか。

 

そのせいもあって、外国の国々は東京に対していろいろな事業から手を引き始め、株価は暴落。

 

大戦後から始まった『ガストレアリスク』と呼ばれるこの現象はとどまることを知らない。

モノリス崩壊の報道からたったⅠ時間で株は最安値を叩きだし、ストップがかかり始めた。

 

実質東京壊滅である。

 

各国のイニシエーター機構は、各地に送り出したイニシエーターに対して東京への立ち入り制限を始め、プロモーターに対しても注意勧告を始めた。

 

理由に表向きとしては危ないからとなっているが、実際は自国の戦力の低下を防ぐためだ。

 

各国の官僚達は、リスクリターンの計算が得意らしい。

 

影胤と小比奈も東京へ来ている筈なのでもう一度アポを取ろうとして携帯を取り出し、

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーー殺気と同時に斬擊が飛んでくる。

 

これに覚えがある。振り向くと、そこに

 

「挨拶は丁寧に、だよ。小比奈。」

 

「はい、パパ。」

 

 

 

「やあ、殺しに来たよ。」

 

「殺すッ!」

 

 

 

ーーー彼らがいた。

 

 

 

 

「殺しに来たとはどう言うことだ?愚胤。」

 

 

 

「、、、君のイニシエーターはどうしたんだい。」

 

「小比奈は許さない。殺す。」

 

「二人なら拮抗できる。彼は化け物(人外)だから気を付けるように。小比奈、殺すよ。」

 

怒りを露にした一組の殺人鬼が、襲いかかってくる。

 

 

意味がわからないーーが、死ぬわけにはいかない。

 

 

 

 

 

 

 

 

突如始まった戦闘は、とても激しいものだった。

 

アジュバントたちの集まる陣地からわずか数キロ先で行われた戦いは、ソニックブームが生まれ、地面は吹き飛び、剣の斬擊による攻撃は陣地左側にあった線路のついていた丘を列車ごと吹き飛ばした。

 

アジュバントの陣地では、我堂団長のもと避難命令が出され、都市部への撤退を行った。

 

自衛隊陣地内も騒然としており、空気の気圧の急激な変化により上空から大気が文字の通り”降って”きて、気絶する人間が沢山でた。

彼らはガストレアによる攻撃だと思ったようだ。

いや、思う間もなく気絶した。

 

ガストレアとの戦闘でも起こらないであろう超高高度な戦闘は、常人にはほぼ見えず、都市部にも爆発と音が届くだけで、ただ砂埃が舞っているように見えるだけだった。

 

我堂団長の指示に従わず見に行こうとした民警は、爆発を見て、そしてそのまま小比奈の斬擊の余波によって息絶えた。

 

10キロ先からこの戦闘を見ていた人間は、後にこう語る程だった。

 

 

ーーーーステージⅤが現れた。

 

 

と。

 

 

 

その話題の中心の人間ども(人を棄てた化け物)は、戦うことに夢中だった。

 

仮面を剥ぎ取り、本気で闘う彼に、それを上回る純粋な打撃に、地面が抉れ、轟音が鳴り響くが、本人達はそれが予想通りと言わんばかりに出来た爆風を利用し、反攻戦に移る。

すべての打撃をかわし、いなし、反撃できる影胤の本気はさるものながら、彼の十八番、斥力フィールドはところどころしか使うことを許されなかった。

 

だが、そんな斥力フィールドを無視するかのような攻撃を繰り出し、ナイフを、銃を、爆弾を、多岐にわたる武器を最大に使い、攻撃は個人の最大値の絶対値を叩き出す。

 

隣に潜む蛭子の娘ー小比奈は、ドーピングをして、すべての力を上げる。

それでも戦闘に追い付くのが精々だった。

それを悟られないよう斬擊を飛ばす。飛ばす。飛ばす。

 

 

 

 

これは、おかしいのだが、彼らはそれを可能にする力を持っている。

 

 

 

これが元序列10位の本気。

 

このllSOによる序列には明確な差が存在する。

 

 

99位を越える時に一つ。人を辞めること。

 

これが世界共通の、権限を持たない人間に伝わっている力の壁だ。

 

 

そしてあと三つ、壁は存在する。いや、次元の差が存在するのだ。

 

 

10位と11位に一つの次元の差があり

 

5位と4位の間に更に一つの次元の差があり

 

2位と1位の間に強大な壁がある。

 

 

1位は言わずもがな単騎でステージⅤを刈れるような、個で群を凌駕する人間。

この世界の最強の、正真正銘の化け物である。

神すらも殺せるかも知れないほどの力があり、人々はこの人間を畏怖する。

 

2位から4位は2人もいればステージⅤは刈れる。

日本程度なら滅ぼせるであろう力を持つ。

 

5位から10位は、とても弱く、なんとかステージⅤを刈れる。

そこそこの強さはあるが、発展途上国くらいなら余裕で地図から消せるだろう。

 

 

上をみれば分かる通り、物凄い差が存在する。

 

 

ここには書いてないが、非公式にとある実力者が旅に出ていたことがある。

弟子を2人抱え、自分のイニシエーター達を使役して、ガストレアの謎を暴いていたらしい。

 

彼らの弟子。

 

彼らは師匠と直々に何度も手合わせを行い、2人とイニシエーターがコンビを組んだなら、傷を負わせるどころか対等に闘うことが出来たそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな世界を震撼させた弟子はいま、ここ、東京で本気の戦闘を交わしている。

 

ーーー喧嘩だ。

 

何万回と行った彼らの模擬戦は彼らの体に染み付き、次に何が来るか言わずと解る。

 

射撃からの次に右上段のナイフによる袈裟斬り。

 

影胤がここで斥力フィールドを使って反撃。

 

このタイミングで右足が飛んでくる。

 

一度空中に逃げて斥力フィールドを自分に(反転させて)かけて瞬間的に物理法則を越えた空中移動を行う。

 

そして裏拳を放たれるので小比奈のガードが入る。

 

モーションを見ずに銃をドロウして発砲。

 

ここで影胤は斥力フィールドを使って放たれた銃弾を予測攻撃位置に弾き、ベレッタを腰から引き抜き、一息で2発。

 

 

本気でやらないと一瞬で死ぬ世界。

 

一撃を致死ダメージでやらないと終わる。

 

何度も何度も打ち合わせてきたから分かる、相手の実力。

 

影胤は蓮太郎とやるときより、

小比奈は延珠と戦うときより、

そして俺はステージⅤを殺った時より、

昔の闘いのように、

 

 

強く、重く、賢く、頭をヒートさせる。

 

 

 

何が目的かを聞けるタイミングはここじゃない。

 

本気の戦闘中はお互いに話さない。むしろ話せない。

 

 

 

 

 

 

 

 

もっとはやく撃ち込み、もっと打ち込み、速く、速く、速く、あいつを殺す気で。

 

 

「をぉおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!」

 

 

脳を使い目を酷使して足を駆動させ、腕は己の指示のもと動く機械とし、弾切れを起こした銃のリロードすら行えない。

 

無駄な動作は死に直結するからだ。

 

 

 

何分経ったのかは分からないが、どちらからでもなく銃をおろし、戦闘を終わらせる。

 

小比奈の刀の一本は柄まで折れて、使い物にならなくなっていた。

 

影胤の銃も先端に付いているスパイクが削れ、格好が悪くなっていた。

 

かく言う俺もナイフが木っ端微塵になり、服が割けて肌が露になっていた。

お互いの身体中は血まみれで、あまり情操教育にふさわしくない様を醸し出していた。

 

俺らが立っていた場所にはクレーターが出来て、かなりの大きさだった。

 

戦闘が終わったあと、聞こうと思っていたことを口に出そうとする。

 

「なあ、いったいなんで「動くなッ!」ん?」

 

気付けば周りに東京エリアのむ民警がズラリと並んでいた。

 

「動くなッ!!私、我堂長正の名によって蛭子影胤、小比奈両名を確保するッ!やれッ!」

 

「おっと、お開きのようだ。連戦でこの人数は流石に難しい。一度去ることにしよう。小比奈、行くよ。」

 

「はい、パパ。あと変態、夏世を見て。じゃあね。」

 

「おいまてよ!夏世に何かあったのかッ?」

 

俺の放った声は空に虚しく溶けていった。

 

「おい、そこの人間。武装を解除して私についてきたまえ。。。。おいッ!!聞いてるのか?」

 

 

 

 

 

 

これからおこりそうなことより、夏世が大事なのはやはり依存しているからだろう。

 

夏世に何があったのか。なんだか胸騒ぎがする。

 

 

 

弱くて脆い人間になったな。

 

 

 

なんでこんな世界なんだろう。

人間は愚かだ。

本当に愚かだ。滅べば良いのに。

 

 




あれ?
物語のエンディングってどんなんだっけ?

と、書こうと思ってたシナリオが頭からすっぽり抜けまして、現在再構築しています。

すいません。
次も頑張る。


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エマージェンシー

すいませんこっちはエマージェンシーの古い方でした。
2作目とまったく違ったないようでした


本当に申し訳ないです。


物語を改稿します。後半。




私は自分の目を疑った。

 

50年余り生きてきたが、初めて見た光景が、私の目に映り込んできた。

 

そっちにいくなという制止を無視してソコに向かった男が、空気の振動と共に真っぷたつになった。

 

剣の刀身は見えず、所有者すら分からないが、音と、跳ねる土によりソレが戦闘しているのだと分かる。

一瞬身体が見えて、そして眼前から消える。

隣のイニシエーター、壬生朝霞に声をかけたが、彼女は縦に首を振り、声を出す。

 

ーーーーーイニシエーターと互角以上の力で人間が戦っている。そう告げたのだ。

 

イニシエーターの目で追いきれるのは一千五百分の一秒程度までとされている。

人間の動体視力は常人なら百分の一秒を越えれないそうだ。見て判断して脳が命令を下し、神経を伝って身体を動かすまでのタイムラグはおよそ0,2秒。剣道の有段者で0,1秒位と言われている。

 

そして、全ての動物は自分の動体視力を越える動きは出来ない。そうでなければ全ての動物は動けないからだ。

 

それをいやというほど思い知らされて、知っていたからこそ、私は目の前の出来事は理解できなかった。

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

取り調べを終えて何故かIP序列が上がったが、興味がないとばかりに俺は街に足を向ける。

 

勿論夏世と会って話をするためだ。

 

ここから匿われているであろう場所まで電車を経由して、大型ショッピングモールがあって有名な場所で電車を降りる。

 

ショッピングモールを通ってソコに向かおうと思った。

足早に通っていく。

 

途中、変な連中が2人の『呪われた子供たち』に暴行を働こうとしていた。ナイフ、警棒などを今取り出していた。そのまま暴言を吐いている。

 

無視しようと思って駆け抜けようとして、ソコにいる人間に見覚えがありすぎることに気付く。

 

千寿夏世

 

僕の探し求めていた相棒が、そこにいた。

 

「こんな目の赤いガキを庇うお前も目が赤いんだろ?死ねやッ!」

 

夏世はもう一人を庇って、前に出て手を広げていた。

因子を発動させず、そのまま前に立ちはだかり、壁になっているその姿は気高かった。

 

因子を発動させなくても夏世なら余裕で暴漢を殲滅出来るだろう。そう思って傍観に徹する。が。

 

 

ナイフが夏世の肩を貫き、胸、腹まで一本の赤い線が服に浮かび、赤い線が弾ける。服が赤くなっていき、夏世は前屈みになり、そして地面に伏した。

 

 

タオレルノヲミルマデボクハウゴケナカッタ。

 

赤い鮮血を見て怖くなったのだろう、変な連中は悲鳴を上げて我先にと外に逃げていった。

 

「ねえ、しっかりしてください!夏世さん!!!!」

 

「だ、誰か救急車!!!」

 

「お願いします!救急車を呼んでください!」

 

思わず駆け寄って彼女から夏世を奪い取るようにして抱く。

 

「夏世ッ!なんでこんなことをしたッ?」

 

目が覚めたのか、彼女は混濁した目を向けてくる。

夏世は驚いた顔をしたあと、不細工な笑みを浮かべてこう言った。

 

「痛くないので大丈夫ですよ。ただ、ちょっと眠いです。」

 

通常のナイフでは余りガストレア因子をもつ『呪われた子供たち』にはまったくといっていいほど効かない。

一瞬で再生し、もとに戻る。

 

今、夏世は再生を試みていたが、その速度はあまりに遅い。

 

夏世は再生力が低い方ではあったがこれは異常だ。

 

バラニウムのナイフなら話は別だが。

 

「夏世ッ!しっかりしろよ!すぐ救急車が来るから!」

 

 

声を何度も何度もかけて、彼女を抱き抱えていた。

 

救急車が来るまでの8分が1時間にも2時間にも感じられた。

 

夏世が救急車に入れられて、運ばれるようになってようやく世界の色が戻った。

ソコでようやく自分は何も見えていなかったのだと気づいた。

 

救急車に同乗し、夏世が庇っていた子供も一緒に載せて、救急車は、けたたましいサイレンと共に病院へ向かった。

 

聞き取りを終え、夏世が治療を受けている間の記憶はあった。

 

 

 

 

それ以降は記憶がない。

 

 

 

ただ、夏世にやったことを彼らにも受けて貰おうと思ったことと、血で濡れたフローリングを歩いていたことは何故か鮮明に覚えていた。

 

 

 




次、夏世サイドスタート


ぶっちゃけ迷走してる感が半端ない。


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私が生きる理由+

遅くなりました。

というかお盆短いですね。

あと350日くらい休み欲しいと思いませんか?

自動でお金降ってこないかなー。


ステージⅤ

 

恐ろしく強いガストレアにして、世界最恐の敵。

 

このガストレアも、死ねば人間に恩恵を与える存在となる。

 

イニシエーターに使う侵食抑制剤や、プロモーターに使う薬も全てステージⅤから恩恵を受けている。

 

だからこそ人類はガストレアによって進化を遂げていると考えるべきでは無いだろうか。

 

今までに駆逐されたガストレア、1番始めに屠られたピクシスを筆頭として21体。

 

彼らの犠牲に深く感謝しよう。

 

 

そして人類の敵になったのなら、迷わず屠れ。

 

 

by民警マニュアル第30条2項

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

私は知っていました。

 

私の中のガストレアウイルスの侵食率が40%以上あることは知っていました。

 

モノリスへの拒否反応、銃器のバラニウム弾への意識が変化し、なのに、それでいて、身体は戦闘を欲していました。

 

体は素直です。

 

お医者様が告げて下さらなかったのが残念極まりないです。

 

 

 

逃げちゃってごめんなさい。

 

私の心の大半はこう思っていました。

 

なぜ逃げたんだろう。

 

知っていたのに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ごめんなさい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

別れた後は、どこをどう歩いたなんて記憶にありません。

 

悲劇のヒロインになりたいとか、囚われのお姫様になって王子様に連れ出されたいとか、そんなどうでもいいメルヘンチックなことを、考えていたのが滑稽で、哀れだと、私は思いました。

 

 

だって外界からの接触を全て断ち、『千寿夏世』という檻に閉じ込め、そうして出来たのが今の現状だと知っているから。

 

そんなときでも体は素直です。

 

食事や排泄行為、睡眠をとることを忘れません。

 

本能、でしょうか。

 

でもなんでまだ東京エリアにいるんでしょうか?

 

もうすぐ滅びるであろうここ。東京。

 

フフッ。

 

思わず笑みが漏れました。

 

天文学的数値とか、そんな風に言われていようが興味ないです。

 

だって、あの、私を、皆を、護ってくれる、最強じゃないけど最強の、私の命、私の愛する、絶対のナイト様が護ってくれるから。

 

絆?信用?信頼?いいえ。これはそんなものじゃないですよ。

 

 

 

私はイニシエーターになる時に、イニシエーターであろうと思ったんです。

 

幾千の時が過ぎようと、私の心は変わりませんでした。

 

むしろ、あの人と会ってからもっとイニシエーターでありたいと、そう思いました。

 

イニシエーターでない自分。

 

それではあの人に恩返しが出来ないんです。

 

私の処世術は、やっぱりイニシエーターであることです。

 

そう、これはイニシエーターとプロモーターのみが分かる世界の価値観ってやつです。

 

 

私のプロモーターに嫌われたわけではないのを知っています。

 

だって、あんなふうに必死で、罪悪感に潰されて、自分を責めて私に、体内侵食率について話すんです。

 

きっと今ごろはここに向かってるんじゃないでしょうか

 

迎えに来ないのなら一生ここで生活、それも老人のように寝たきり。

 

ええ、それもいいですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なーんて。とっても傲慢です。

 

いつからこんな女に成り下がったのでしょう。

 

 

失礼、人であって人ならざるもの。

 

それが私です。

 

 

 

 

 

ーーー

 

ーーーー

 

ーーーーー

 

ーーーーーー

 

ーーーーーーーーーーーーー痛い。

 

お腹が痛いよ。

 

痛いな。

 

お腹が焼けるようです。

 

 

 

視界がぐらつきました。

 

平衡感覚を失うのは何度やっても慣れませんね。

 

 

 

 

なんで痛みが分かったの?

 

 

なんででしたっけ?

 

 

 

 

 

 

あれ?

 

 

 

このぬくもり、とっても安心しますね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もう、いいですよね?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




少なくてごめんなさい。


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夏世のライバルはこんなところで勝手に現れたりするんだ。初めて知った。

なんというか、遅いと思った。



では、どうぞ。


タイトルの通り、俺、今牢屋のなかなんだ。

理由は傷害罪。3人の若者の両手両足を折って、大事なところを攻撃して再起不能にしたからアウトらしい。

 

身体をぶっ壊したから傷害罪だけで済めばいいと思っている。殺してないし、情状酌量はあるだろ。

 

夏世は一命をとりとめ、傷の修復をガストレア因子に頼らずに治ったらしい。

7日後には退院できるとかなんとか。

 

牢屋のなかにいるから夏世に会いに行けないのが残念だと思った。

 

ここにはベッドと椅子、机にトイレがある。

片付けもしなくてもいいし、動かなくてもいい。

3食つきだし今はまだ裁判どころか起訴すらされてない。

 

めっちゃ居心地がいい。

 

 

そういえば蓮太郎が教師やってた所の子供達が爆弾を見つけて持ってきていたな。

ご丁寧に信管は抜いてあって、もう爆発しないようになっていたのでお土産だといって貰った。

 

『どこに爆弾をお土産にする女子小学生がいるんだよッ!』

 

という突っ込みはしておいた。

きっと俺がしなくても蓮太郎がやっていたんだと思うと、可哀想な気がしてきた。

爆弾を解体してたら中からバラニウム片がたくさん出てきたのでアメリカ式のものだと伝えたら「勉強になりました!」と言って出ていった。

爆弾はもちろん警察に無事回収されました。

 

 

天童さんは手ぶらだった。

 

しかも罵倒された。いやいや、知らんがな。

 

蓮太郎はお土産といって延珠から貰ったであろうCDを持ってきた。

 

どうやって視聴すればいいの?

 

それを聞いたらしまった!みたいな顔になってた。

しっかりしてくれよ、蓮太郎。

 

あれ?また誰か来たみたいだ。看守がやって来た。

 

「でてもらっていいっすか?面会っす。」

 

軽いノリで言われてもなぁ。

次は誰だよ。全く。

 

 

来たのは、思いもよらなかった人間だった。

 

目の前にある一メートルほどの机からひょっこりと顔をだす人物。

とても可愛らしい女の子だ。

物凄くうざい喋り方に反して、肌も髪も病的なまでに白く、それでいて輝いていた。

花柄のワンピースを着ていた彼女。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

元相棒の『彼女』だった。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

色々と『彼女』を通して聞いた話だとモノリスが崩壊したらしい。

 

 

戦争だよッ(*^▽^)/★*☆♪

 

だそうです。

 

それに伴って、俺も軍事裁判にかけられて、とある任務と引き換えに無罪とするらしい。

 

 

任務名、『プレアデス駆除作戦』

 

 

 

プレアデスはどんなやつかは分からない。全長数十メートル、身体能力は皆無。

攻撃は鉄砲みたいなもの。

 

オーケー。わからんがわかった。

 

 

 

さて、いきますか。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

戦闘が始まって1時間、自衛隊は全滅、民警も敗走寸前。そんな光景が目の前に広がる。

 

解放されて30分。アジュバントたちが戦う平野にやって来た。

酷い光景。酷い惨状。

そんな中で元の俺たちのアジュバントの姿を探すと、1100メートルくらい先、そこで半円形を保ってヒットアンドプロテクトを繰り返していて、互いの死角を互いに守りあっていた。

 

いつの間に加わったのか合計5組のペアによるアジュバントとなっていて、こちらの心配は要らないみたいだ。

夏世が要らないみたいで、ちょっと悲しい。

 

そんな心は押し込めて、戦場の中央を歩いていく。堂々と、突っ込むのは仲間に覇気をもってもらうため。というのはうそ。強要されたからだ。

 

腰のナイフは鞘の中に、拳銃は全てホルスターの中に。

 

手に持っている鉄パイプはバラニウム製のもの。

俺は鉄パイプとかそういうのは趣味じゃないけどしょうがない。

鉄パイプにはなんかキラキラした装飾がついていて、ふざけてるとしか言いようがない。

 

まあ、やるしかないか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その夜、光の槍すらを弾く一人の人間は、戦場を一人で蹂躙し、民警の士気をとてつもなく高くなった。

お陰で自衛隊、民警の死者数も当初予定されていた最悪数100をはるかに上回り、1250ほどとなった。だが、ほとんどの死者は最初の接敵時に殺され、彼が現れてからは死者数はほぼゼロとなった。

これは奇跡的なことであり、本来、このまま戦っていたのなら100人中90人は死んでいたはずだからだ。

 

 

神々しい武器を振るって敵を屠る彼の姿は、そこにいた民警たちの憧れとなった。

五体満足の者も、四肢がもげている者も、その姿は確かに彼らの目に焼き付いただろう。

 

これが、後に英雄の物語として語られたとか。

 

 

残念ながら戦場に立っていた本人の名前が分からず、一位のプロモーターじゃないかという憶測によって創られたらしく、その本人は彼自身が師匠と呼ぶ人に「お前は俺の数百分の一の強さもない!」と怒られたとかなんとか。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

プレアデスを撃破するために用いるのは己の肉体。

戦場を駆け、目の前にいたアルデバランを無視して高速で後方のプレアデスに向かう。

そこに奴はいた。

首をもたげ、5キロ先の陣地に向け無差別攻撃を繰り返し行っていた。

 

周囲にはプレアデスを守るようにステージⅣからステージⅡのガストレアたちがいた。

 

これは無理だ。

 

そう判断したので奴等の隙をつこうと尾行することにした。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

ミスった。

 

 

見つかった。

 

数十体ほどのガストレアはなんら恐くないが数百体となると話は別だ。

 

攻撃してくる知能をもった三次元行動可能な車が百台、二百台、三百台。しかも隠れても臭いでアウト。

そう考えてほしい。

 

勝てねえよな?

 

余力は残しながら逃げる。

 

罠を仕掛けながら東京とは真逆、山梨県の方に一直線に走り抜ける。

 

罠に引っかかるおとが聞こえるがあまり効果はないようだと思う。

 

とりあえず走る。

 

 

朝日が出てきたようで曇っている空が少し明るくなる。そろそろ大丈夫だと思って力をぬく。

そうしたら突如視界が開けて平原に出た。ここは盆地のようだな。そう気づいたとき、もう手遅れだった。

 

 

そこに赤い目が数百、いや、数千は浮かんでいた。

 

 

 

 

俺は夜目が効く。だからあえて言おう。

 

 

詰んだ。

 

 

左右に展開される様は軍隊よりも洗練され、ガストレアに知能がないという言葉を真っ向から否定されているようだ。

正面に見えるガストレアたちはきっとタウルス戦で生き残った残党。目が違う。

 

彼らは対人、それも多数対一の戦闘のノウハウを持っている。

 

 

 

とすると厄介だとおもう。

俺の師匠は一対多数の戦闘特化で生きてきた。

俺もまたしかり。

 

一度タウルスと戦ったイニシエーターは個が強かったらしい。

 

だからこそ、これはガストレアたちにとって戦いやすいだろう。

 

なんせ一度戦ったのは俺の師匠のイニシエーターだから。

 

 

 

俺より強いやつがいたなかで生き残っているのは敬服に値するな。

 

どんなふうに動くんだっけ?

 

そんな風に脳内の思考をフル回転させて必要な情報をしぼりだす。

 

そんな間にも奴等は距離を詰めてくる。

 

そして

 

 

突如響いた爆発音によって戦闘開始の合図は切って

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーー落とされなかった。

 

 

 

何故なら、『彼女』がいたから。

 

 

 

『彼女』はガストレアの包囲を抜けてここに来た。

包囲を包囲としない一歩の跳躍。

おおよそ500メートル先から一歩で飛んできた。

その証拠に跳んだであろう箇所は地盤が変化し、いつの間にか出てきた朝日に照らされて高層ビル並みの高さまで土煙が上がっていた。

それでいて着地は音がしなかった。砂がふわっと浮いたのが精々だったのだろう。跳ぶより降りるときの力の制御の方が格段に難しいが、それをなんなくやりとげる様はまさに天使。

人間には勿論、イニシエーターのなかでもあり得ない力を持つ『彼女』は僕の隣でこう語る。

 

『じゃーあー、殺っちゃおっか♪』

 

 

戦場に似合わない表情で喋る彼女は、そう言うと目の前から消えた。

遅れて物凄く大きな破裂音と土の塊が跳んでくるので身体をひねって寸前で回避する。発生した衝撃波は地上を伝い周囲の生き物をただの肉の塊にする。

 

数十秒で目の前の平原は荒れ野となった。

後ろにいた奴等は『彼女』の『ゾーン』に怯えて動きを止めていたが、どんどんと撤退している。追おうとしている『彼女』を止める。

 

 

 

 

彼女はイニシエーターでイニシエーターでなかった。

 

世界で2番目の『ゾーン』到達者にして超々高位序列ペアの中で唯一誰にも縛られていない自由な人間。

 

否、人間ですらない正真正銘『化け物』。

 

 

いつの間にか目標であったプレアデスははるか後ろで塵になっていた。そこら辺の雑魚と化していた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「はい、どーもー♪」

 

笑顔で血の付いたレイピアを振り回す。

身体中に超小型ナイフを装着してあり、確実に超々接近戦闘主体だと分かる。

服装は昨日と違い、対ガストレア用に作られた迷彩色の布をまとっている。

 

「なにしにきた、ナステャ。」

 

「えー♪そんなこといっちゃう?いっちゃうの?」

 

「なにしにきたんだよ。」

 

「あいぼーの危機にくるのはふつーだよー♪」キャハッ

 

「おまえは幽閉されてたんじゃないのか?」

 

「僕がそんなものに縛られると思う?思う?」

 

マジで思わない。こいつ専用の牢屋とか数百メートルくらいの厚みのバラニウムの板すら物足りないからりモノリスより建造費がかかるとおもう。

 

だからこんなところにいるんだとおもう。

 

「なあ、ナステャ。お前今アフリカじゃなかったっけ?」

 

「ふふふー♪僕は空を駆けてあなたの元へ来たのです☆これもナステャたちの絆?愛ですよー♪」

 

「本音は?」

 

「なんか新しいイニシエーターを契約したとかでムカついたのでー、与えられたお仕事を頑張って終わらせてきました。お陰で数万人は巻き添えになっちゃったんだ。だけど僕のために我慢してもらいました!」

 

「なあ、ナステャ。」

 

「だー?なーにー?」

 

「人を殺すのはもうやめないか?」

 

「きゃはっ!変なことを言うようになったの?なったね?げいいんはあの子?」

 

「じゃーあー」

 

そう続けて、彼女は言った。

 

 

 

 

 

 

 

あなたのイニシエーターを殺してくるね。」

 

 

そういって彼女は駆け出した。

 

 

東京エリアへと進みだした。

 

 

 

 

 

数百キロの道のりを彼女なら60分もかからないだろう。

 

夏世のいる病院は都市部の最深部だ。被害はとてつもないだろうし、確実に夏世は死ぬ。

 

俺も持てる限り最速の距離で駆け出した。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー夏世!!

 

 

 

 

 

 

 

そう思ったのがそもそもまちがっていたらしい。

 

 

 

 




次、夏世死亡説



では。また。


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夏世って絶対頭のネジ外れてる。

ふうふう。はあはあ。

外いきたくなーい。引きこもって寝ていたーい。

どうも、とくめいんです。


どうぞ。


全くの杞憂というわけではなかったが、結果はナステャの一人相撲。

僕が夏世の病室にたどり着くまでに夏世と話をしていたら意気投合したっぽい。むしろ主導権が夏世になってる。

 

うん?

 

 

なんでこんな簡潔に終わるんだ?

 

どうしてこうなってる?

 

「僕の因子がマヌルネコ♪夏世ちゃんの因子はイールーカー♪」

 

「白い髪がとっても綺麗ですね♪」

 

「でしょー!アルビノ?って言うんだって!」

 

「そうなんですねー♪触らしてもらってもいいです?」

 

「いいよいいよー!!どうぞー♪」

 

「じゃあ遠慮なく!」

 

「ふわあああああああああッ!」

 

「うわっ!凄いッ癖になりそうですねー♪♪♪♪」

 

「にゃでるのうまいにゃー」フニャー♪

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・思考を放棄して扉にもたれ掛かる。

 

今までナステャと全力で鬼ごっこはよくやったが、ここまで疲れたのは初めてだ。

心がパンクする。目の前の事象に頭がついていかない。

 

 

 

そんな目の前の惨状から逃げていたら、夏世はこちらに気付いたようだ。一瞬固まってから口を閉じて目線を反らして、超々高位序列者もビックリの速度で布団に潜り込んだ。

ナステャは来たときから気づいていたみたいでさっきから殺気が飛んでくる。

お陰で両隣の個室にいた患者さんがどちらもナースコールしてたぞ。謝っとけよ。

 

それはともかく

 

「お腹大丈夫か?夏世。」

 

「大丈夫です。ですからちょっとこないでください」

 

「うん?なんで?」

 

「あなたは平気ですが私は無理なんです。」

 

「なにが?」

 

「何でですか?嫌がらせですか?近寄らないでください!」

 

反応が過剰すぎると思ったのでこんな状態を引き起こしそうな元凶の人間に声をかける。

 

「ナステャ、なんかしたのか?」

 

「僕?夏世ちゃんとお喋りしてただけだよッ!なんで疑うのー?ダメじゃないか、『相棒』を疑うなんてー♪」

 

お喋りの内容をきいてたんですけど?そう思ったけど口には出さない。

したいけど夏世がめっちゃにらんでる。

 

怖い。何故かは分からないけど『浮気者め』というあの絶対零度の視線だよあれ。

逃げたいけどここはやり過ごす。

 

「とにかくッ、元相棒命令だ。ナステャはモノリス外警備。対人戦闘は許可しない。死体処理のてつだいみも行うこと。以上。かかれッ!」

 

「りょーかい♪・・・・ってなんでー?」

 

「邪魔だから。」

 

「は?」

 

上の階でもナースコールがなりはじめた。ごめんなさい。

 

「・・ナステャを信頼してるから。」

 

「しょうがないなー♪いいよー♪いってくる!」

 

「そうそう単純で助かったとか思ってるんだったら間違いだよ僕はご褒美期待してるからしょうもなかったら僕が君をプレゼントにするねあなたに拒否権ないんだよ」

 

あいつのマジトーンの声を一切無視して夏世に向き合う。あいつのマジトーンは今までの経験からろくなものじゃないことだと知ってる。

 

 

さて、夏世と何から話そうか。

 

「後でまた来てください。そして出てってください。」

 

「え?」

 

「出てってくださいッ!」

 

 

 

開始ゼロ秒、追い出されました。

 

嫌われたのかな?泣いていいよね?グスン。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

心の傷を埋めるべくナステャを探して合流するため町を歩く。

夏世が刺されたショッピングモール。

 

その前の歩道橋に、一人の少女がいた。

 

彼女は目を包帯で巻き付けており、盲目であることが分かる。

ケープをまとったその少女はいましがた俺が出てきた病院を一心に見つめていた。

 

無視して鉄橋をわたる。目下に映る幹線道路は車が一台もなく、戦時中とは思えない静けさだ。道路を転がるプラスチック片がとても寂しそうだった。

 

「あのっ!!」

 

ケープを被った少女が声を掛けてきた。

 

「千寿さんのお知り合いの方ですよね?はじめまして、あっ、二回目なので先週ぶり、ですかね?」

 

そういって微笑む少女に見覚えはなかった。

 

「どこかでお会いしましたか?」

 

「千寿さんに命を救われました。」

 

あのときの夏世の隣にいた少女だとやっとわかった。あのときは夏世しか見てなかったしな。

 

「千寿さんは無事ですよね?あの、面会したいんです!、、、やっぱりダメ、ですよねすいません。変なことをいって。聞いてくれてありがとうございます。夏世さんに伝えて下さい。さ、さようならッ!って。」

 

は?さようならって、この世からって意味かよ!?待て!はやまるな!!!!

バラニウム製のナイフを彼女はどこからともなく取り出して自分の首に刺そうとしたので、とっさにナイフを振り上げていた方の腕を掴む。

 

なにやってんだばか野郎!それじゃあ夏世のやったことを不意にするぞ!

 

「おい、なにやってんだ。それじゃあ「お姉ちゃん!ナニやってるの!?」!!??」

 

なんか来た。

 

しかも幹線道路から歩道橋まで高さだけでも10メートルはあるが、跳躍してだ。結構な脚力を持ってるなとおもう。証拠に橋が揺れた。

だが、急いだからなのか息が荒い。そこは減点。

採点していたら話がややこしくなっていた。

 

「えっと、千寿さんは私のせいでッ、だから、その、あれ、あれだよッ、罪の償いみたいなあれ、えっとー」

 

「そんなの私許さないよッ!」

 

「ごめんね桐華許してッ。もうお姉ちゃんこんなことしないから。」

 

「そんなの当然でしょ!次は首じゃダメだよ!即死じゃないから苦しいでしょ!もしもう一回やるんだったら心臓かこめかみだよ!」

 

無視して鉄橋を降りようと、元来た道に引き返す。関わったら最後、めんどくさいことに巻き込まれる。

 

俺の勘がそう告げる。

 

「ほらッ、そんな酷い自殺未遂を見せちゃったし謝って!ってあれッ?お姉ちゃん、あのアホ毛の人は?」

 

「あほげ?」

 

「なんでもない。手を繋いでいたあの男の人は?さっき話してた。彼氏?」

 

「あれッ!いない!でも大丈夫!後で()()()して謝罪するから!」

 

 

「聞いてよお姉ちゃん!、って全く。お姉ちゃんはそんなんだからーーー」

 

 

ナニも僕は聞いてない。

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

アナスタシア、そう呼んでやってくれ。

 

そういって青年は5歳に満たなさそうな女の子を俺に見せてきた。

俺は『それ』がガストレアウイルス保菌者だと知っていた。

 

だから銃を向ける。

 

放つ。

 

たったそれだけ、0,02秒という人間の反射限界を上回る時間。当時の自分の最高速度でホルスターから抜かれた銃は音速に近い速度でバラニウムの塊を『それ』に向けて射出する。

 

驚いた。師匠よりも速い。ほんの数メートルしか離れていないから知覚した後で避けることはできない、はずだった。

それを避けた。

 

『それ』は銃弾を避けて、笑顔でこういった「みにゃー ざぼーと アナスタシア♪」と。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

ナステャを見つけて合流する。

 

「はやいねー♪」

 

と言われたので、夏世に振られたんだよ、静かにしてくれって返したら「僕ならいつでもかんげーだよ!イエスロリータ、イエスタッチ!だよ♪さあカモーン♪♪」

と言われた。強いな。

 

32号モノリスは崩壊していて見る影もなかった。

周りには死体や灰が落ちている。

たまにバラニウムの武器が落ちているので拾う。

ナステャも同じ事をしていたので無視して回収する。

死体は袋にいれる。

 

ふと、周りを見渡すと6ペアのイニシエーターとプロモーターが俺たちと同じようにここの死体回収作業に従事していたのに、今見える範囲で動いている人間がいない。

固まっているのだ。

 

何かあったのだろうか。

誰かに聞いてみようと思って近くにいる民警ペアに声をかける。

彼らは腰を中腰にしたまま硬直していた。物凄い筋力だとおもう。

 

一歩一歩近づくにつれて怯えている表情をさらに歪ませる。

だが、彼らはその場から一歩たりとも動かなかった。

 

「何かあったのか?」

 

目の前にいる30代に見えるの女性を庇うように俺と女性のあいだに戦場には似合わない可愛らしい服を着た少女が身体を入れようとして、こけた。

 

「大丈夫か!?」

 

駆けよって身体を起こさせると怯えが絶望に変わったのかイニシエーターの身体が一気に重くなった。

 

気絶。

 

「、、、、、ぇ。」

 

彼女の太もも辺りから出てきた液体は地面に暖かい水溜まりを作った。

 

あ、なんかごめん。

 

身に付けていたスカートを濡らして気絶しちゃった少女のプロモーターらしい女性も立ったまま気絶していた。他のペアを見渡す。

 

他も同じような反応を示した。

 

なにが起きたのか全く分からなかったが、ガストレアの精神攪乱系のガスのよるものと結論付け、女の子をちょっと離れたところで横にしてナステャを呼んで一緒に風上に向かう。

 

モノリスの外100キロを探したが、特に何もなかった。

ただ時間をロスしただけだった。

 

なにがあったんだろう。

 

 

ナステャに聞いたけどわかんないらしい。なんだろう。

 

 

 

 

嫌な予感がするな。ガストレア以外に強大な敵がいる。そんな予感が。

 




ロシアでは名前の他に愛称があってそれを使うらしい。

アナスタシアだとナステャとか

アンナだとアニャ

プーチン大統領だったらプーチン・ヴラジーミロヴィッチ・ヴラジーミルさん→ヴァロージャとかと呼ばれているとか。
よくわかんねえ。
みたいな感じらしい。

ちなみに
『それ』は銃弾を避けて、笑顔でこういった「みにゃー ざぼーと アナスタシア♪」と。

→『それ』は銃弾を避けて、笑顔でこう言った「僕の名前はアナスタシアだよ♪」と。

となるみたいですね。
ちょっとロシア語はわかんないです。

ここまで読んでくれてすぱしーば。


今までの文章に少しおかしな点がありましたら教えて頂けると嬉しいです。
おかしな点については予告なし(今までも特になかったことは御詫び申し上げます)で変更させて頂きます。
お付き合いいただけると幸いです。

では、また次回。


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我輩は羅針盤である。しがない一体のステージⅤである。名前はもうある。

聞いてくださいッ!アンチコメきました!
やばい超嬉しい。
どうしよう。

注:この作者はMではないです。

普通のコメの方が何倍も何倍も何億倍も好きです!!!
いままで(機会がなくて)言うことがありませんでしたが、コメントをくださった皆さんありがとうございます。

お気に入りも何故か数が倍になっていたし、、、

皆様ありがとうございます!!!(2回目)

この作品もあと少しでアニメパート終了です。
もう少しお付き合い頂けると幸いです。

では、どうぞ。


ナステャと出会ってから3日。

ガストレアは何の動きも示さなかった。

 

「僕がいたから来なかったんだよ!だから誉めて♪」

 

という俺の脳内で造り上げた能天気なナステャは無視して、この場所【回帰の炎】で足を止める。

 

自衛隊や民警の生き残り、総勢5520のうち、怪我や精神ダメージによって戦えるのは5100ほどとなった。

 

指揮系統は依然として自衛隊側にあったが、戦術的支援は全て自衛隊が行うそうだ。

目の前でガストレアに味方が殺されたのが随分と心にきたらしい。彼らの戦意は0に等しかった。

 

それとは対照的に民警の士気は異様に高かった。

死者を除き民警は誰一人として戦場を離れなかった。

指示は団長を通して細部まで行き届き、増援がないと言われてなお戦う闘気は削がれない。

むしろ戦う意志は強固になっていた。

 

一刻ほど前、森に轟いた悲痛な叫び声は、ここら一帯を覆い尽くしてガストレアを蜂起させた。

 

その声を聞いてから俺達はこの数瞬の間に作戦を練り、民警の連中は自衛隊と合同で先陣を切り、敵のラスボスめがけて突っ込み、雑魚は左右から挟撃するというこの【対ガストレア第三陣形】通称【クワガタ作戦】を遂行することになった。

 

戦力に余裕がないのでここで決めたいと団長は言った。

だが、余裕がないのはガストレアも同じだ。俺とナステャによって千体以上は消えたからだ。

ここら辺が最終決戦だろうと、僕らは予想していた。

 

 

 

 

 

さて、もうすぐでここに来るのだろうガストレアの鼓動を森から感じながら周りを見渡す。

 

俺の任務は残党の『殲滅』。

 

出番は最終局面までない。

 

 

じっくりと戦いを見ることができるこの位置は、いつになっても慣れないものだなと思った。

 

 

 

 

 

ナステャとタッグを組む前に彼女はここを出ていった。

 

彼女いわく、「飽きちゃったから僕の居場所に帰るねッ♪」だそうだ。

 

いつも通りマイペースで、それでいてどこまでも人間な彼女は十五少年漂流記で出てくる元となったニュージーランドのとある島に向かった。

 

マゼラン海峡のハノーバー島じゃないのかって?俺も初めて知ったよ。ニュージーランドにモデルの島があったなんてな。

 

何故そこに向かったのかは知らない方がいいとおもう。

 

そんな彼女より目の前の方がよっぽど大事だ。

 

気配が変わり、銃弾の飛び交う戦場の香りが鼻孔をくすぐる。

 

始まる。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

「おい!アルマジロ!そっちに行ったぞ!」

 

「任せろ!いくぞッ、パリィ!」

 

「もっちろん!」

 

戦場を駆ける一つのアジュバントに元気な声が響く。

周囲には複数の炎とガストレアの死骸が散乱していた。

 

「陣形が崩れてきているから心音はそっちへ指示だして!」

 

リーダーらしい男はそう叫んで、強化スケルトンのアーマーを使った一撃を、目の前のガストレアに撃ち込んだ。

酸性の液体だろうか。なにかを空気中に撒き散らしてガストレアに浴びせた。

ガストレアはどんどんと溶けていった。

 

「わかりました、きりんさん下がってください、『水原、紅露ペア』前へ。陣形を維持しつつ下がります。タイミングは合わせてッ!」

 

「もうちょっとやらせろよ!」

 

「悪態つくの止めましょうよ。一緒に下がろ?」

 

「おう、っじゃあ水原!任せる!」

 

「もちろん。火垂ッ!」

 

「はい、鬼八さん。援護します!」

 

「よしっ、アルマジロッ!そっちの援護いくぞ!」

 

「キリン!きてくれ、カマキリタイプだが難しい!!」

 

「おうッ!紫、いくぞ!」

 

 

「左右に展開、陣形b(ブラボー)を維持しつつ後退、後方アジュバントと10分後に切り替わる!!」

 

「「「「「「了解(です)(だよ)!!」」」」」」

 

 

「リーダー!右のアジュバント崩壊してます!どうしましょう!!」

 

「助けるぞ!敵の罠のケースに注意して右に移動だッ!」

 

「紫とパリィ!頼む!」

 

「任せてッ!」「頑張ります!」

 

「キリンとアルマジロは周りに注意。水原はそのまま屠ってくれ。心音。もうちょっと前線へ行くよ。新しく作った薬品を試してみたい。」

 

「はい。いきましょうか。」

 

リーダーと呼ばれた男は、指示を的確に出していく。

ここにいる誰かの放つ火薬の音が甲高く森に木霊して空に溶けていく。

 

彼らのアジュバントの半径100メートルの中に動いているガストレアがいなくなったころだろうか。彼らは後続と変わり休憩を取りに、東京エリアの方へ戻っていった。

 

「千寿さんたちがいないと完成しないんだよな。アイツらどうしてるんだろうな。」

 

「分かるぞキリン、俺もそう思う。捕まったってどうしてだよ。大方、千寿ちゃんになんかしたんだとおもうね!」ハハハハ

 

「いやいや、逆ですよアルマジロくん、ここは夏世っちのせいなのは間違いないとしたら、襲うのは夏世っちですね!わかりましたか?ワトソンくん。」フフン!

 

「ワトソン?」

 

ふと思い付いたかのように呟かれるワード。

そこに反応したのは意外にもこのなかで最も年下の紫だった。

 

「え?シャーロック・ホームズ知らないの?助手のワトソン。」

 

「知らねーや。教養ないから。」

 

学校は潰れ、親は居ず、学費もない。食事を考えればそんなことに時間を使いたくないと考える。

キリンこと志藤昌己は、そんな社会に適合できなかった被害者の一人。

今年20だがガストレアによって作られた地獄を彼は歩んだのだった。

10年前、彼の目の前で親を失ってからいままで、彼は身体を売ることで彼自身と彼の姉をささえ続けたのだった。

美男子ともいえる造形を持ち産まれた彼は、童貞も処女も見知らぬ人間に捧げて自分の姉を守り通したが、それは決して日の目を浴びることはないであろう記憶であった。

 

そんな彼の過去を知るものはもう誰もいない。

 

 

「そんなんだから捕まったりするんだ。そう思わないか?キリン。」

 

「アルマジロがよく言うよ。その顔で。」ハハッ

 

「リーダー!?俺は前科ないですよ!!!」

 

「、、、、、、、、、、、、え?」

 

「リーダー!真顔!表情失ってますよ!?」

 

「フフッ、冗談ですよね?、、、、」

 

「アハハッ、え?、、、」

 

「アルマジロ、さすがに嘘はよくないぞ、、、」

 

「「「、、、、、え?マジ?」」」

 

「信じてないのかよ。。。」

 

 

「楽しそう。仲がいいアジュバント。そう思いませんか、鬼八さん。」

 

赤い目をした女の子の中で最も背が高く大人びている少女は隣にいるプロモーターに声をかける。

彼女は両手に持っていたベレッタm92を両方ホルスターに、男はなにかをポケットに収めた。

 

「うん、そうだな。何でそんなに仲がいいのか不思議だよ。火垂。」

 

「東京に帰ってきて良かった。東京が消えてたら困ってしまいます。」

 

「だから頑張るのさ。火垂。」

 

彼らを遠目から見ると、兄妹のようだったと人は言った。

 

「お話の最中すみません。お茶です。ペットボトルですが宜しければどうぞ。」

 

 

「おー!心音ちゃん気が利くね~!ありがとう!」

 

「キリンのぶんはないです。自分で持ってきてください。」

 

「、、、、、、心音ちゃんに嫌われてる。だと!?」

 

「気づいてなかったの?キリン。バカ?」

 

「紫、言って良いことと悪いことがこの世には存在する。それは言ってはダメなやつだ。」

 

「えッ。ごめんなさい。知らなくて。」

 

「これから気を付けてくれればいいよ」

 

 

「今度から遠回しにディスります!」

 

 

「「「ヴェ?」」」

 

ディスってたのは否定しないこの言葉に驚愕しない者は居なかったとか。

キリンの相方も相当の過去を持っていたのだが、それは別の話。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

作戦名、【対ガストレア第三陣形】は結果だけで言うと失敗した。

 

戦力はこちらもあちらもあまり大差がないほどまで減らせた。

ガストレアも数万の大群は数千まで減り、戦闘の優位もこちらが終始握っていた。

 

だが、二つの事実が、二つの悲報が、戦場に立つ全ての人に敗北の二文字を告げる。

 

それは、

 

【我堂団長の死亡】

 

そして

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

倒した筈の

 

ステージⅤガストレア【ピクシス】の襲来

 

だった。

 

 

 




ちょっと更新期間開きます。多分。


ではまた


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お薬を処方したセンセー

どうも。
今回は戦闘中の東京から離れた所にいるある人間のお話です。



ではどうぞ


2027年

茱の木研究所

 

ここでは、対ガストレアウイルス用のワクチンを製造している。

 

ガストレアウイルスを保持している人間、保菌者。

彼等は後天的ガストレアウイルス感染者だった。

 

ガストレアウイルスを生まれつき保菌している人間、通称、呪われた子供たち。

先天的に産まれ持つ世界のシステムは、彼女らにも運命として受け入れさせていた。

 

この枷は外れない。

 

彼らに対して効果のあるワクチンを造るのは我々の使命だ。そう考えて、数年前から発足した機関の一つ。

我々の願いは一つ。もう愛する人を奪われないこと。

 

それがこの茱の木研究所の立ち位置だ。

 

 

対して。四賢人が一人、

アルブレヒト・グリューネワルトという人間は

 

 

ガストレアになった人間をもとに戻すこと

 

を基本コンセプトとして活動していた。

 

 

そんな彼が今、目の前にいる。

どんな冗談だよ。彼は世界の科学者の頂点の人間。僕らの憧れなのだ。

 

いやいやいや、おかしすぎるだろ?ここジャパン。ここ仙台だよ?

しかも俺は学会から追い出された身。

彼と関わることなんておそれ多いどころかできない。筈だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

めっちゃ胃が痛い。

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

薬には、いくつかの効果がある。良いこともあれば悪いことは必然的にくっついてくる。

 

悪いことの例を挙げれば、眠くなったり、怠くなったり、めまいがしたり。

 

この薬の悪いことは、【死】が付与されていることだ。

 

身体には神経が張り巡らせてある。

ガストレアにも同じように神経があり、痛みが感じられるそうだ。苦しんだり、怒ったりするのは神経があるからだから。

呪われた子供たちにも神経があり、交感神経、副交感神経、運動神経、感覚神経、中枢神経系の脳。

そして、ガストレアウイルスに侵食されるのはガンの病巣のようなものからだと思われている。

神経は全てを司る司令塔。だからこそここに糸口があるのではないかと思ったのだ。

理由は長くなるので話さないが、形象崩壊するとき、痛み、聴覚、視覚、触覚などが無くなっていくのは神経に何らかの作用を行っているからだと調べがついている。

 

だからこそ、その症状が発生するものを最初から取り除けば、ガストレアウイルスに侵食されても拒めるのではないか。むしろ促進作用がガストレア因子を使うことならむしろガストレア因子に直接命令できるこの神経を飛ばせばいいのではないだろうか?

 

その理論を元に、神経に作用し体内に対ガストレアウイルス用のホルモンを造り出してもらえばあとは完璧に作用して、ガストレアウイルスに太刀打ちして、因子を抑え、減らし、そして普通の人間にできるという理論を成立させた。

 

もちろん学会に発表した。

 

だが賞を貰えた訳ではない。

 

理論は理論で、裏付けがとれていないから。

実験はモルモットだけ、ガストレアウイルスを無理に投与した擬似保菌者では結果が正しいことにはならないと。

それどころか、批判に加えて学会を追い出された。

 

『役に立たない結果を発表しやがって。』

 

と。

 

だが、今考えると、実験さえ出来れば認められたということだ。

だけど、学会の規定では、人体実験は認められていない。

 

『学会から追い出された身としては、規定を守らなくていいということだ。

 

これは、世界のためだ。』

 

そう彼は言った。人間に詳しい蛭子影胤というイカれた殺人者、いや、殺戮者を呼んで、いい方法を模索したし、ガストレアを捕まえてもらって殺しまくった。

解剖もしたし、【殺された】呪われた子供たちをわざわざ世界中から取り寄せて解剖し、薬の投与も行ったし。

安全性の確認できていた範囲で臨床試験すら行った。

 

ただ。足りなかった。

 

理論と結果には、足りないものがあった。

 

血清。

 

ガストレアウイルスにたいして血清などないと言われてきたが、有ることを証明した人がいた。

 

IP序列一位。一人で軍を滅ぼせるくらいの精神力と戦闘力、そして、知識。

 

人外の風貌を醸し出していた【あれ】は『有る』といった。

 

 

 

だがそれは嘘だろうと、そう思っていたのだ。

 

これを見るまでは。

 

 

僕の、僕らの頑張りは、無駄でなかったと、そうわかったときから目標を確実に捉えていた。

彼の血を手に入れてから数ヶ月。僕らは予想していた進捗を遥かに上回る結果を叩きだし、臨床までありつけた。

最も確実で安全性の高い薬を目指して。

 

だが時間が立つにつれ、彼にたいしての疑問は募るばかり。

医療に従事してもう十一年。ベテランではなく、まだ新米ともいえるこの立ち位置では見える世界が決して広いとは言えない。

 

だが、そんな僕からみても彼は異常だ。血清といっても未知のウイルスであり、神為的に作られたようなDNA配置をしているこのウイルスを、たかが人間が乗り越えることができるはずないのだ。

 

彼は人でないのかもしれない。

 

 

次に出会えるのなら、薬ができたときがいい。

 

即ち『薬ができるまで会いたくない。』

 

そんな考えの裏を読んだかのように彼等は現れた。

 

 

ーーーこう言うしかないじゃないか。

 

 

 

 

「やあやあ、久しぶり♪元気だった?」

 

ってね。当たり障りないこと以外は言えない。 これ以上に言う事があるなら、それは懺悔位さ。だって、医者は人間を生かすと共に殺す役割があるのだから。

 

「ああ、あんたも元気だったみたいだな。で?」

 

彼はそういった。僕は話をそらす。 

 

「なんでここにイルカって?イルカだけに?笑えないよ~♪」

 

 

 

「おい。」

 

まだ足りないのだろうか? 

 

「ごめんね~千寿夏世君。最近プロモーターを失ったばっかりなんだって?そんな子を連れるとか、、、、、、、幼女趣味?」

 

「うっせえ。」

 

 

 

「え?そうなんですか?襲いますか?」

 

 

 

「いや、キャラ崩壊してない?ねえ!?」

 

 

 

「まあ、たのしそうで何よりだよ~♪」

 

 

 

「本題に入ろう。出来たものはどれだ?」

 

 

 

「せっかちな男は嫌われるぞ~?」

 

 

 

「貴方のような人間も嫌われますよ。」

 

 

 

「千寿君、そういうのいっちゃあいけないぞ☆」

 

 

会話をしていて、感じたことがある。

 

彼はパートナーに生かされていることを

 

会話する前から感じることがある。

 

『千寿夏世』の体内細胞のガストレアウイルス侵食率が、かなりの域に到達していることを。

 

 

 

ガストレアを解体して数年。

 

僕は彼を捨てたくはなかった。

人柄に、いや、その化け物の人間性に引かれたからかな?

 

 

だからだ。

 

人間として最低な。

やってはいけない行為を僕はやった。

僕は嘘つきだ。

偽りの説明は医療に従事している者として絶対やってはいけない禁忌。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれは神経を一本一本ちぎっていって、身体をガストレアウイルスに使わせないためだけの欠陥品。

分泌されるホルモンを生命維持以外に使わせないように縛る鎖。

身体中のあらゆる事柄を代償に、身体中のあらゆる細胞の陳謝代謝を活性化させて身体を焼き、ガストレアウイルスを殺す悪魔の所業。

 

 

身体を植物人間状態まで仮死化して身体中の細胞を人間のまま、今の状態を維持するためだけの、人間を人間ならざるものに変える、最悪の薬なのだから。

 

 

 

 

 




次も頑張る。。。。かも


一応伏線みたいなの拾ったよね?
→空白の時間first
の最後の方にある医者の表情。うん。いいよね?


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