狐な鎮守府の日常 (眠り狐のK)
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7月11日

どうもK.Kです
今日は弥生ちゃんの進水日記念に短編として書きました


 

「「「弥生ちゃん進水日おめでとう!!」」」

 

今日は7月11日、睦月型駆逐艦三番艦である弥生の進水日である

 

「これ、睦月からのプレゼントにゃしぃ!」

「もちろん、如月からもあるわよ♪」

「ボクからも!」

「あたしからもあるよぉ~♪」

 

こうして姉妹艦から次々とプレゼントが贈られる

 

「最後にうーちゃんからだぴょん!」

 

卯月から贈られたのはうさぎのぬいぐるみ

卯月らしい贈り物である

 

「みんな…ありがとう……♪」

 

相変わらず表情はあまり変わっていないがその様子は嬉しそうである

そこで執務室の扉が開いた

 

「おや?もう始めたのかい?」

「あ……司令官……♪」

 

入ってきたのは司令官だ

仕事の都合上今は海軍の制服を着ている

 

「ふふふっ、相変わらず似合ってないにゃしぃw」

 

睦月が笑いながら言う

 

「自覚してるんだから言わないの~」

 

そう言って睦月の頭を撫でる

 

「にゃ~♪」

 

睦月は気持ちよさそうに頬を緩める

 

「あ、ずるい!ボクも~!」

「あたしにもやって~♪」

 

それを見たほかの姉妹達もなでなでを要求してくる

 

「まぁまぁ、後でね~」

 

そういいながら引き出しの中から何かを取り出す

 

「さて、弥生ちゃん、進水日おめでとう♪」

 

そう言って司令官はプレゼントの入った箱を渡す

 

「ありがとう……司令官……♪

あの……開けても……いい……?」

 

「もちろん♪」

 

箱を開けると中身は三日月のネックレスだった

 

「ありがとう……大切にする…ね……♪」

「さて、プレゼントも渡し終わったことだしパーティをしようか♪」

 

司令官と睦月型一同は食堂に向かった

 

 

 

~食堂~

 

「さて、ついたよ♪」

 

そう言って食堂の扉を開ける

 

「「「「「「「「弥生ちゃん進水日おめでとう!!!」」」」」」」」

 

その言葉と同時に鎮守府の艦娘達がクラッカーを鳴らす

 

「ありがとう……みんな……♪」

 

弥生は嬉しそうに返す

 

「さて、みんな飲み物を持って集まろうか~」

 

艦娘達はそれぞれ飲み物を取りに行く

 

 

 

「さて、飲み物は持ったかな?じゃあ弥生ちゃんの進水日を祝って乾杯♪」

「「「「「「「「乾杯!」」」」」」」」

 

その掛け声の後、それぞれ用意された料理を食べだす

 

 

「赤城さ~ん、ちゃんとみんなの分も残してくださいよ~?」

「どの料理も美味しいっぽい!」

「ちょっ、夕立、そんなに急いで食べないでもご飯は逃げないよ 」

「хорошо、このボルシチは…いいな♪」

「このお魚さんも美味しいのです♪」

 

ワイワイ ガヤガヤ

 

 

 

こうして遅くまでパーティが続いた

 

 

 

時刻 ヒトマルマルマル

 

「あれ……司令官は……?」

 

ふと気付くと司令官の姿がどこにもなかった

 

「司令官?外ちゃうか?静かなのが好きってゆ~とったし」

「そう……」

「キミも司令官とケッコンしたんやしっ、司令官と二人きりで話してき~や♪」

 

そう言って背中を押される

 

「うん……♪」

 

弥生は司令官を探しに外に出た

 

 

~外~

 

 

少し探すと狐耳を生やし、寝転んでいる司令官を見つけた

 

「司令官……?」

「ん?弥生ちゃんどうしたの?」

「いや……司令官どこに行ったのかなって……」

「あぁ、僕はこうやって静かなところで星を眺めるのが好きでね~」

 

と、狐耳を動かしながら言う

 

「そうなんだ……隣……いい……?」

「うん、いいよ♪」

 

返事を聞き、司令官の隣に寝転がる

 

「この夜の風を浴びながらこうやって寝ながら星を眺めるのって好きなんだ~♪」

「うん、弥生も……好き……♪」

 

そして少しの沈黙が流れる

 

「司令官……ひとつ聞いても……いい?」

「ん?なんだい?」

「なんで弥生と……その……ケッコンしようと思ったの……?」

「ん~?」

「弥生は……駆逐艦の中でも弱くて……任務で活躍できないし……卯月と違って可愛くないし……そんな弥生となんでケッコンしようと思ったのかな……って……」

「そんなことないよ。弥生ちゃんはしっかりしてて書類の仕事とか手伝ってくれる優しい子だし僕は弥生ちゃんのこと可愛いと思ってるよ♪」

 

弥生の頭を撫でながら言った

 

「そう……」

 

弥生は少し恥ずかしそうに俯いた

 

「さて、あんまりいないとみんなが心配するから戻ろうか♪」

 

そう言って起き上がった

 

「うん……♪」

 

二人は食堂に戻るために歩き出した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「司令官……」

「ん?」

「大好き……だよ……♪」

 

弥生は笑顔でそう言った。

感情表現が苦手なためぎこちなくはあったが弥生のほとんど見せることのない笑顔はとても輝いて見えた。

それを月の光がさらに輝かしくする

それを見て弥生とケッコンして良かったと思う提督であった……。

 

 

 

 




ちなみに自分の鎮守府を元としているので実際に弥生ちゃんとケッコンカッコカリしています
こんな風に書きたい内容を書きたいときに書きますがどうぞよろしくお願いいたします。



最後に改めて弥生ちゃん進水日おめでとう!!!!!!!!!!!


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雪風と狐と夏の奇跡

雪風の水着グラが可愛すぎて衝動で書いてしまいました!
ほんとに可愛い!


「しれぇ!海に行きたいです!」

 

突然海に行きたいと言い出したのは雪風だ

 

「急にどうしたの?というか仕事あるし……」

「いいじゃんしれー!行こうよー!」

 

そう言い飛びついてきたのは時津風

 

「いや、そもそも海って、ここら辺はあまりいないとはいえ深海棲艦に襲われる可能性だってあるのに」

「そのことなら大丈夫よ」

 

そう言って執務室に入ってきたのは天津風だ

 

「大丈夫って?」

「大淀さんに聞いたのだけれど周辺に全く深海棲艦がいないっていう無人島があるらしいの」

「そうなの?でもデマって可能性は?」

「ないわ。それにもしデマだったとしてもあなたが守ってくれるでしょ?連装砲くんも連れていくわけだし」

「あぁ、うん。それならまぁ、行こうか~」

 

守ってくれるって、提督と艦娘の関係だと逆じゃないかな?と信頼されていることは嬉しいが少し複雑な気分だった

 

「そうそう♪連装砲ちゃんもいるからだいじょ~ぶ♪」

「ちょっと島風!なんであなたまで行くことになってるのよ!」

「いーじゃん!私も提督と泳ぎに行きたいのー!」

 

話に乱入してきたのは島風。天津風とは少し喧嘩が多いが仲はけっこういいみたいだ

 

「まぁ、いいんじゃないかな?」

「さっすが提督♪」

「まぁ、あなたがそう言うなら仕方ないわね」

 

天津風も承認し雪風、時津風、天津風、島風、僕の四人で海に行くことが決定した

 

「じゃあとりあえず今日は仕事もあるし君たちも色々準備とかあるだろうから一週間後とかでいいかな?」

「はい!」

「いいよー♪」

「えぇ♪」

「えー、もっと早くてもいいのにー」

 

島風はもっと早く行きたいようだ

 

「まぁ、2,3日くらい遊ぶかもしれないからその分の仕事はしておかないとね~」

「むぅー」

 

こうして一週間後海に行く約束をして解散した

 

 

~一週間後~

 

「てーとくおっそーい!」

「時間はたくさんあるんだからゆっくりいこ~」

「私は早く遊びたいのー!」

「雪風も早く遊びたいです!」

「あたしも~!」

「はいはい~」

 

こうして僕たち5人は噂の無人島に向けて船を出した

 

 

 

「へぇ、ここが噂の無人島か~」

 

風は気持ちよく砂浜は漂流物のない、誰かが掃除しているのではないかと思うほどにきれいだった

 

「てーとく!早く泳ごー!」

「ちょっと島風!まずは水着に着替えてからでしょ!」

「はーい」

「ふふっ、僕は外で待ってるからゆっくり着替えてきてね~」

 

そういって外に出た

砂浜まで来てみたが近くで見ても小さなごみすらない

たまに見る無人島は少しでも漂流物があるので、本当は誰かが掃除しているのではないかと疑いたくなるほどの綺麗さだ

 

「しれぇ!」

 

少し考え事をしているうちに後ろから雪風に呼ばれる

振り向くと水着姿の4人がこちらに向かってきていた

 

「しれぇ!どうですか?」

「しれ~、あたしの水着どう~?」

「わ、私のは見なくていいからっ」

「てーとくー!私の水着も見てー!可愛いでしょー?」

「うん♪みんな可愛いよ♪」

 

そう伝えるとそれぞれ喜んでくれたようだ

 

「てーとくー!早く泳ごー!」

「うん♪そうだね♪」

 

それから僕たちはこの休みを目一杯楽しんだ

海で泳いだり、砂浜で色々な遊びをしたりして日々の疲れを癒していった

 

 

「しれぇ!このスイカ、すっごく美味しいです!」

「そうめんも美味し~♪」

「早く食べないと私が全部食べちゃうよ!」

「あ!島風それ私のお刺身!」

「まぁまぁ、まだたくさんあるから仲良くね♪」

 

こうして楽しくご飯も食べ一日目が終わった

 

「しれぇ♪おやすみなさい♪」

「しれ~、おやすみぃ~……」

「おやすみなさい♪」

「てーとくおやすみー♪」

「うん♪みんなおやすみ~♪」

 

 

 

~~~~~~~~~

 

 

気が付くと真っ白な空間にいた

 

「……い」

(え?)

 

なにか声が聞こえてきた気がする

 

「この……きけ…………かえ……い」

 

やはりなにか聞こえてくる

 

「このしまはきけん……だから……かえりな……さい」

(この島は危険だから帰りなさい?どういうこと?)

 

そこで意識は途切れた

 

 

 

~~~~~~~~~~

 

 

目を覚ますと小屋の中にいた

隣には四人が寝ている

 

「なにか不思議な夢を見た気がするな」

 

 

 

「しれぇ!おはようございます!」

「あぁ、おはよ~雪風♪三人もおはよう♪」

「おはよ~♪」

「えぇ♪おはよう♪」

「むぅー、提督より早く起きたかった~っ」

「あはは、まぁ、今日も一日楽しもうか」

「はい!」「「うん!」」「えぇ♪」

 

こうしてまた一日が始まった

 

 

 

「しれぇ!今日はこの島を探検しませんか?」

「ふむ、いいね~」

「いいわね♪」

 

雪風の提案によりこの島を探検することになった

 

「この島はちょっと広めだから二手に分かれていこう。僕、雪風、時津風の3人と島風、天津風の2人。これでいいかな?」

「はい!」

「まぁ、いいわよ」

「遅いと置いて行っちゃうからねー」

「それで迷子になるのは島風なのよ?」

「まぁまぁ、とりあえず何かあったらここに戻ってくること。怪我したら僕を呼ぶこと、いいね?」

「「「「はい!」」」」

「じゃあ行こう♪」

 

こうして探検が始まった

森の中は葉っぱの間などから入ってくる日の光がとても綺麗だったり木の実がたくさんついていたりととてもいいところだ

 

「しれー、この木の実食べれるかなー?」

「ふむ、大丈夫、これは食べられるやつだよ♪食べてみる?」

「じゃあいただきまーす♪」

 

時津風は躊躇なく木の実を食べる。「あま~い♪」といって頬を緩ませる

その姿は実に可愛らしい

こんなやり取りをしながらさらに奥に進んでいく

 

ガサッ

 

「ん?なにか聞こえなかった?」

「そうですか?」

 

ガサガサッ

 

「いや、しれー、何かいるよっ」

 

ガァァァァァァ

 

大きな雄叫びをあげて出てきたのは大きな熊が二匹

襲う気満々という感じにこちらをにらみつけている

 

「っ、ここは僕に任せて二人は戻って!」

「う、うん!行くよ!雪風!」

 

そうして二人は逃げる。しかし、逃げている途中、熊の一匹が追いかけてきておりはぐれてしまった

 

 

~~~~~~~~~~

 

 

皆さんこんにちは!雪風です!

熊さんに襲われてしれぇとも時津風ともはぐれてしまいました……

でもきっとしれぇがすぐに助けに来てくれるので近くで休めそうなところを探します!

 

雪風は森の中を探索していく

熊は撒いてはいるがまたいつ襲われるかはわからない

少し探索していると泉を見つけた

 

「泉です♪ここなら休めそうです♪」

 

グルルッ

 

ここで唸り声が聞こえてきた

さっき撒いた熊だ

雪風は急いで逃げようとするが木の根に足を取られ転んでしまった

何とか起き上がることはできたが熊が物凄いスピードで向かってくる

 

(しれぇっ!助けてっ!)

 

心の中で司令官に助けを求めながらしゃがみ込む

それと同時に大きな音が響く

 

(……あれ?)

 

しかし痛みもなにも襲っては来ない

目を開けると後ろで熊が気絶していた

どうやらしゃがみ込んだときに飛びついてきた熊を避け、熊は木に頭をぶつけ気絶してしまったようだ

 

「た、助かりました~……」

 

しかし熊が目を覚ますのも時間の問題だ

どうしようかと考えているその時

 

「雪風大丈夫かい~?」

「しれぇ!」

 

走ってきたのはしれぇだ

 

 

 

~~~~~~~~~

 

 

「雪風大丈夫?」

「はい!雪風は大丈夫です!」

「そっか、じゃあ早く戻ろうか~」

「はい!……あれ?」

 

そのとき雪風は何かに気づく

 

「し、しれぇ……」

「どうしたの?」

「しれぇに貰った指輪がありません……!」

 

雪風は泣きそうになりながら言う

 

「とりあえず落ち着いて、ポケットの中は?」

「ポケットの中にもありませんでした……」

 

雪風はさらに泣きそうになる

 

「まぁ、指輪より雪風が無事なほうが大事だからね」

 

そういって雪風を抱きしめて撫でる

 

「しれぇ……♪」

 

雪風は気持ち良さそうに頬を緩める

少しは元気になってくれたようだ

その時泉が激しく光った

気が付くと泉の中心に白いドレス姿の女性が立っていた

 

「私はこの泉の女神です。あなたが落としたのはこの普通の指輪?それともこのダイヤモンドの指輪?それともこのレインボーダイヤの指輪?」

(え~どういう状況~)

「雪風が落としたのは普通の指輪ですっ!」

 

雪風は即答した

 

「正直者のあなたにはこのレインボーダイヤの指輪をあげましょう」

 

しかし雪風は首を振る

 

「普通の指輪がいいです!その指輪はしれぇから貰った大切な指輪だから……」

「そうですか♪それほどそのしれぇという人が好きなのですね♪」

「はい!!」

 

雪風は元気いっぱいに答えた

 

(そのしれぇはすぐ近くにいるんですけど~)

「わかりました。では普通の指輪をお返ししましょう♪」

「ありがとうございます!」

「それから正直者の貴方には私からおまじないをかけてあげましょう♪」

 

そして女神は魔法を雪風にかける

 

「ありがとうございます♪」

「ではお幸せに~」

 

女神は泉の中に消えていった

 

「なんだったんだろ?」

「わかりませんけど優しい人でした!」

「そっか、まぁ、このことは秘密にしておかなくちゃね」

「なぜでしょう?」

 

雪風は首を傾げる

 

「女神って普通は出てこないしきっとこの島を守ってくれている女神だから言いふらさないほうがいい」

「そうなんですか?」

「うん、今回出てきたのはきっと優しい雪風が起こした奇跡なのかもしれないね」

「わかりました!じゃあこのことは雪風としれぇの二人だけの秘密ですね♪」

「うん♪じゃあそろそろ戻ろう♪」

「はい!」

 

そのときちょうど時津風、天津風、島風の三人が走ってきた

 

「しれー!!雪風ー!!」

「時津風!みんな!」

 

無事に全員合流することができた

 

「ちょっとあなたたち、熊に襲われたって大丈夫なの?」

「うん、僕も雪風も無事だよ~♪」

「そう、ならよろしい♪帰りましょ?」

「てーとく早く帰ろー」

「そうだね、帰ろうか♪」

「はい!」「「うん!」」「えぇ!」

 

 

こうして僕たちは戻り残りの時間を楽しんだ

そして一泊二日の無人島での楽しい生活が終わった

鎮守府に帰ってきてからはまたいつもの日常が戻ってくる

ただ変わったことといえば雪風がいつも以上に被弾しなくなりいつも以上に活躍するようになったこと

……そして

 

「しれぇ♪」

「な~に雪風?」

「呼んだだけです♪」(ぎゅー

「ふふっ♪可愛いことしてくれるね~♪」(なでなで

「えへへ~♪」

 

いつも以上に甘えるようになったことだろう




この小説の雪風はうちの鎮守府の雪風で性格とかは僕のイメージです
皆さんのイメージとは違うかもしれないですし可愛くも書けてないかもしれませんが小説も艦これも初心者なので皆さんの広い心で許していただけると嬉しいです

最後に一言
時津風、天津風、島風の水着グラもよろしくお願いします!運営さん!


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この提督にしてこの秘書艦あり

電ちゃんパートを作ろうと思ってたら普通の日常パートになってしまいました
あとお久しぶりです


とある日のこと……。

 

「……」

 

「今度はこれで遊ぼぉ~♪」

 

 そう言ってボードゲームを出す文月

 

「今回はボクが勝つよ!」

 

 やる気満々の皐月

 

「レディの暁が一番に決まってるじゃない♪」

 

 そう言って胸を張る暁

 

「不死鳥の名は伊達じゃない。今回も、勝つよ」

 

 同じくやる気満々のВерный(響)

 

「アソブ!アソブ!」

 

 …そして一番はしゃいでいる北方棲姫

 

(なんじゃこりゃぁぁぁぁ!!)

 

 天龍は心の中で叫んだ

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

「これなのです?」

 

 そう言って電が一つのファイルを持ってくる

 

「うんうん、それで合ってるよ~。ありがとう♪」

 

 僕は笑顔でそれを受け取り、流れるように電の頭を撫でる

 

「えへへ♪」

 

 電は喜んでそれを受け入れ頬を緩ませる。

 電は僕がこの鎮守府の提督として着任してからの初期艦。この鎮守府をずっと支え続けてくれた一人で唯一ずば抜けて僕の秘書艦として手伝ってくれた子だ。

 

「さて、残りも片付けちゃうよ~♪」

 

「なのです♪」

 

 そうして再び仕事に入った。

 

 そこにドタドタと足音が聞こえてきた。

 

「提督!!」

 

 勢いよく執務室の扉を開けて天龍が入ってくる。

 

「そんなに慌ててどうしたの~?」

 

「どうしたの?じゃねぇよ!なんで北方棲姫がうちにいるんだよ!」

 

「何か問題あるの~?」

 

「問題しかねぇよ!あいつは敵だぞ!?」

 

「まぁ、害はなさそうだからいいんじゃない?」

 

「よくねぇだろ!?電も何か言ってやれよ!」

 

 そう言って天龍は電のほうに目を向ける。

 

「敵さんと仲良くできるのはいいことなのです♪」

 

 電は満面の笑顔でそう返した。

 

「お前もか!そんなんで何かあったらどうすんだよ!」

 

 その問いに対し

 

「「そのときはそのとき」なのです」

 

 と揃って返した。

 

「……どうなってもしらねぇからな!」

 

 そう言って天龍は執務室を後にした。

 そして僕達は仕事に戻った。

 

 出来事は3日前の夜。いつものように電と星を見に外に出ていた。そして気分で散歩をしていたその時、なぜか砂浜で倒れていた北方棲姫を見つけた。それを見つけた電は「早く治療するのです!」と僕に言った。僕はそれを聞いて急いで北方棲姫の治療に入った。

 普通の提督からすれば敵である深海棲艦を助けるのはあり得ないだろう。敵も助けたいと願う電と深海棲艦とも仲良くなれると思っている提督のタッグだからこそ下せる選択肢だろう。

 その翌日、北方棲姫は無事に目を覚ました。最初は敵でもある艦娘や提督である僕に怯えていたが次第に打ち解けていき、今では駆逐艦に混じって遊んでいる。

少なくともここまで敵意を向けられたことはない。

 

 天龍の言いたいこともわかる。友好的とはいえあくまで敵、襲ってくる可能性はなくはない。さらには、仮にも海軍に所属しているわけだからこのことがほかの提督に知れれば簡単には済まない問題になる可能性は高い。

敵だからとか恨んでるとかではなく僕自身のことを考えて言ってくれたのだろう。

 そんなことを考えているうちに最後の書類を書き終えた。

 

「お疲れ様なのです、司令官♪」

 

そう言ってコーヒーを持ってきてくれた。

 

「電ちゃんこそお疲れ様♪」

 

 こちらも労いの言葉を伝えてコーヒーを受け取る。

 

「それよりも天龍さんには何も言わなくてよかったのです?」

 

「うん、大丈夫さ~。あの子はああ見えて面倒見のいい子だから、うまくやっていけるさ~」

 

 執務室から外を見ながらそう言う。

 

「そうですね♪」

 

 電も同じく外を見る。その先にはかっこいいだろ?と言わんばかりに剣を掲げてる天龍とそれを見て目を輝かせている北方棲姫がいた。

 

 

~2日後~

 

 

 今日もいつも通り執務室にて仕事を始める。ちなみに秘書艦は同じく電。

 秘書艦は基本は立候補でたまに僕の気分で決まっている。ただ、立候補だと電が早く来ることが多い。これが初期艦パワーなのだろうか?(何を言ってるんだろう)

 

「提督!」

 

 そこに慌てた様子で大淀が入ってくる。

 

「どうしたの~?」

 

「深海棲艦が砂浜のほうから向かってきています!」

 

「ふむ、数は?」

 

「それが……港湾棲姫一隻のみです!それで、提督を出せと言ってるのですが……どうされますか?」

 

「行ってみようか~」

 

 そうして僕は電を連れて砂浜のほうに向かった。

 

 砂浜に着くと港湾棲姫が海辺で律儀に待っていた。問答無用で襲いに来ないあたり話し合いに来たのだろうか?

 

「オマエガテイトクダナ?ホッポヲカエセ!」

 

 僕と目が合うと主砲をこちらに向けてそんなことを言ってきた。

 主砲を向けられた瞬間隣にいた電が即座に主砲を撃とうとしたがそれを手で制しついでに頭を撫でておいた。そのとき「はにゃ♪」なんて言って幸せそうな顔をするからそこがまた可愛い。っとそんなことを言っている場合ではなかったね。

 

「ほっぽというと北方棲姫ですか?」

 

「ソウダ!オマエガラチシタ!」

 

 拉致とは人聞きの悪い。というかうちの索敵をどうやってくぐり抜けて来たんだろう?というかなぜに一隻だけなんだろう?とかツッコミどころはたくさんあるがとりあえずは誤解を解くことにした。

 

~数十分後~

 

「ソウカ……ソレハスマナカッタナ」

 

 事情を説明すると案外すぐに理解してくれた。てっきり「ニンゲンノコトバナンテシンジルモノカ!」なんて言って撃たれたりするかと思ったが案外北方棲姫と同じ友好的な深海棲艦なのかもしれない。

 

「とりあえずせっかく来てくれましたしお茶でもいかがですか?」

 

「イタダコウ」

 

 こうして港湾棲姫は僕が作ったお菓子をほっぽちゃんと仲良く食べたり駆逐艦に囲まれて遊んだりして帰っていったのであった……。

 

 

 

 

ーー後談ーー

 

 今日も平和な鎮守府

 

「次はこれで遊びますよ!(>▽<)」

 

 そう言ってゲームを出す漣

 

「ったく、仕方ないわね!」

 

 そう言いながらもやる気満々の曙

 

「今度もうーちゃんが勝つぴょん♪」

 

 調子に乗っている卯月

 

「弥生も…負けない……!」

 

 いつも通り表情が硬いながらも楽しそうにする弥生

 

「ゲーム!タノシイ♪」

 

 相変わらずはしゃいでいる北方棲姫と

 

「ソウネ、オモッタヨリタノシイ♪」

 

 その隣でゲームに夢中の港湾棲姫

 

「……」

 

 

~~~~~~~~

 

 

「提督!!!」

 

 勢いよく扉を開けて天龍が入ってくる。遅れて龍田も入ってくる。

 

「どうしたの~?」

 

「なんでまた北方棲姫がいるんだよ!というかなんか増えてるじゃねぇか!」

 

「まぁまぁ、いいじゃないか~♪」

 

「だから全然よくねぇだろ!?」

 

 そう言って電のほうに視線を向ける。

 

「なのです♪みんな仲良しが一番なのです♪」

 

「お前らなぁ!!」 

 

(うふふ♪この親にしてこの子ありならぬこの提督にしてこの秘書艦ありね~♪)

 

 この光景を見て龍田はそう思ったのだという……。

 

 

 

 お し ま い 




久しぶりの投稿なので内容はかなり薄めの少なめとなっております
まぁ、軽く読めるほのぼのパートですね


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