オリ主+ヘラクレスin第四次聖杯戦争… (茜崎オーウェン)
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Prologue

就職活動の現実逃避のために書いていたネタがある程度まとまったのでボチボチ書いていきます。

注意 私は型月厨ではありません。解釈の違い等あるかもしれませんが、これは二次創作です。温かい目でご覧ください。
またこれが処女作です。誤字脱字、わかりにくい表現等あるかもしれません。
その時は優しく指摘お願いします(__)

次回更新はまだ未定。 どうか黒歴史になりませんように。



1993年 7月 昼間の暑さが残っているが、海からふいてくる風も涼しくなる頃。正確には午前2時より少し前。

 

ここはかつて聖堂協会、魔術協会により地獄と化した南の島。アリマゴ島。そう呼ばれていた島だった。

現在この島には定住者はZERO。家や、森が焼けた跡はすっかりなくなり今ではただの無人島.....。

ではもちろんない。この島には魔術ともう一つの闇の力、本来秘匿されるべき力により周囲から存在は隠されている。そして、この地を拠点の一つとしているのが、本作の主人公である。

彼の本名を知る人は少ない。『Rogue』この名で各方面に通っている。

 

 

砂浜には絶えず波が打ちつけ、空を見上げれば満点の星空。海からの風が木々をゆらす。

 

 

この島に一つしかない明かりの灯る屋敷から人が出てくる。

とても大きな屋敷だ。玄関が異様なのが一目でわかる。扉の大きさが3メートルはあるだろう。

その大きな扉が開かれる。

三人の男女が大きな円柱状のものを肩に担いでいる。

よく見るとそれは、大きな石の柱であることがわかる。

 

 

「慰霊碑にぶつけるなよ」

 

 

石の柱を持つ人たちの後ろにいる男が、前の二人の女に呼びかける。この男が主人公ローグである。前の女二人は身長がだいたい同じだが、彼は二人よりは頭一つ分大きい。少しかがんでいる。

道の近くには大きな岩に『鎮魂』と書かれとぃる。

 

「はーい」

 

 

「わかっているよ」

 

 

返事が返ってくる。

これから今まで一番なにが起こるかもわからない戦場に行くというのに、いつもの通りの声が返ってくる。

やっぱり頼もしいな。そんなことを男は考えながら、舗装された道を進む。

 

 

といってもすぐに足元は土から砂に変わる。

 

 

 

「よし、ここに置いてくれ」

 

 

屋敷のすぐ目の前には砂浜が広がる。

そう男が言うと、ゆっくり砂浜へ置かれる石柱。

 

 

 

「あとの準備、任せたぞ。」

 

 

彼はそう言うと砂浜を歩きだし、近くの木によりかかる。

ポケットからラジオを取り出しスイッチをいれる。

 

『さて時刻は深夜1時50分 真夜中の~ミットナイト オカルト情報局のお時間です。さて今週は魔術王と呼ばれたソロモンを特集してきました。今日は彼が封印、使役したとされる、72柱の悪魔について解説しようと思います。そもそも・・・・・』

 

 

 

ラジオに耳を傾けながら、目を閉じ、気持ちを落ち着ける。

海からの風が弱くなる。

 

待つこと数分。

 

 

「ローグさん。準備できました。」

 

 

向こうから呼ぶ声が聞こえる。

 

 

 

砂浜には魔法陣が敷かれている。

「ここから先は引き返せない。皆の命、俺が預かる。」

 

彼に救われた女二人は無言でうなずく。

 

そういうと 魔法陣に向かい呪文を唱え始める。

 

 

 

「素に銀と鉄  礎に石と契約の大公

 

 

 降り立つ風には壁を 四方の門は閉じ 王冠より出て王国に至る三叉路は循環せよ

 

 

 閉じよ 閉じよ 閉じよ 閉じよ 閉じよ

 

 

 繰り返すつど五度 ただ 満たされる刻を破却する」

 

 

魔法陣からは光が漏れ、風が吹き荒れる。前に出した右手を支えるため、左手を添える。

 

 

「告げる

 

 

 汝の身は我が下に 我が命運は汝の剣に

 

 

 聖杯の寄るべに従い この意 この理に従うならば応えよ

 

 

 誓いをここに 

 

 

 我は常世総ての善と成る者 我は常世総ての悪を敷く者

 

 

 汝三大の言霊を纏う七天 抑止の輪より来たれ 天秤の守り手よ!」

 

 

最後の1節を唱えるとあたりは白い光に包まれる。魔力が持っていかれるのを感じながら目を閉じる。

 

目を開けると目の前には、灰色の巨人が立っていた。

 

 

「問おう、汝が我のマスターか」

 

 

 

身長2メートルは軽く超え、体は発達した筋肉に覆われている。腰のみに鎧を纏い、背中には大きな弓と矢筒を持つ巨人。

 

 

彼が俺のサーヴァントか。なんて考えながら答える。

 

 

「その通り。私が君のマスターだ。さて、まずはクラス名と真名を教えてほしい。」

 

 

「クラスはSAVER(セイヴァー) 真名をヘラクレス」

 

 

真名を聞き、後ろで見守っていた二人から歓声が上がる。ここまでは計画通りだ。

しかしクラス名で疑問がわく。召喚した本人はそれがイレギュラーであることは把握している。

 

「サーヴァントを召喚した以上、冬木の聖杯戦争に参加する。細かい打ち合わせがしたい。ついてきてくれ。」

 

 

 

そういうと男はサーヴァントに背を向け、屋敷に向かい歩き始めた。

 

 

 

 

こうして彼らの聖杯戦争が始まろうとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




感想まってます。


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打ち合わせ 前編

サバフェス始まりましたね。バイトもあって、中々進められないです。
頑張って進めつつ、小説も書いていきたいです。

お待たせしました。どうぞ!


屋敷に向かい歩く。玄関の前に立つと、扉が開かれ、中から女性が一人現れる。彼女を見たヘラクレスが一瞬身構える。しかし敵意を感じなかったらしく、視線のみ彼女に向けている。

 

 

「出迎えありがとう。応接室に話し合いの用意できてるか?」

 

 

「やっておいたわ」

 

 

彼女は一言つぶやいた。彼女は根っからの人間嫌い。確かに中国で最初に出会った時よりは、ましになったけど.....。なんて考えていると、

 

 

 

「なんか失礼なこと考えてなかった?」

 

 

 

 

「いいえ、なにも」

なかなか鋭いのが彼女である。

それでも彼女と長く戦場を共にしてきた。かれこれ40年の付き合いである。もっともその出会いは最悪と言っていいものであるが。

 

 

廊下を歩きながら、

「マスターは人外に好かれるようだな。」

ヘラクレスがそう言った。

 

 

確かにそうなのかもしれない。死徒なりかけに、半妖の血筋を引く者。おまけに真祖......。

 

 

「かもしれないな。俺はそんなつもり一切無いがな。」

軽口をたたく、そのマスター。

 

 

 

そんな話をしながら廊下を進む。やがてひときわ豪華な扉の前に立つ。

「入ってくれ。」

ローグがそう言うと、ヘラクレスは霊体化し、後ろの三人はドアをくぐり、部屋へ入る。

 

 

部屋の中は応接室のようだった。だが窓がない。四方の壁には天井まで届くほどの本棚が置かれ、その全てに本や、ファイルされた資料などがぎっしり詰まっている。

 

 

閉塞感も感じられるこの部屋の机に座る。机の上には数枚の資料の束が置かれている。

ヘラクレスを向かいに座らせ、自身の両脇に女性三人を座らせる。

 

「さて、会議を始めよう。まず最初にヘラクレス。君の聖杯にかける願いを教えてほしい。」

 

 

 

「我の願いは聖杯によっては叶えることができない。冬木の聖杯は明確な過程を省略して願いを叶える。我にとってはその過程が重要なのだ!」

 

 

 

 

「.......。なるほど? いや、意味が分からないぞ。結局願いは何なんだ?」

 

 

 

 

「我はお嬢様を助けたい。その為エクストラクラスSAVERとして汝のサーヴァントとなった。」

 

 

 

「ヘラクレスに縁のある人がいるのか?過去の聖杯戦争でヘラクレスが召喚された記録は見たことはないが。」

 

 

「未来の話だ。今より10年後の第五次聖杯戦争に我はバーサーカーとして参加している。その時の記憶も受け継いでいる。我はお嬢様が幸せに暮らせるようにしたい。」

 

 

 

「10年後に聖杯戦争だと。聖杯戦争は基本60年周期のはずだが。それにこの先ヘラクレスの言うことが全て叶ったとしたら、その『お嬢様』とは出会う未来も消える事なるのではないのか?」

 

 

「我はそれでも構わない。」

 

 

「その『お嬢様』の名前はなんて言うの?」

両脇で聞いていた女性陣が質問する。

 

 

「イリヤスフィール・フォン・アインツベルン。それがお嬢様の名前だ。」

 

 

 

アインツベルン。その名前を聞いて頭抱える女性が二人。

 

 

 

「アインツベルンってさ、御三家の一つで、確かケリィが今いる所だよね?」

 

 

 

「私を飛行機ごと爆破した後、アインツベルンに身を寄せているらしい。」

 

 

「ケリィ子供いたんだ....。」

そんなことを思わず呟くのが一名。

 

 

 

「なるほど。俺がドイツのアインツベルン城を訪れた際に面会したのがアハト翁というご老体だったが、切嗣は隠れて様子でも伺っていたのかな。確かアインツベルンは聖杯を用意するのが、御三家としての役割だったはずだ。ヘラクレス、第五次の時点では聖杯をどのように扱っていたのだ?」

 

 

「お嬢様の心臓が聖杯の機能を持っていた。第三次聖杯戦争の反省からアインツベルンではホムンクルスの心臓を聖杯としていたようだ。」

 

 

 

「じゃあ今回の聖杯戦争の聖杯って....。」

先ほど頭を抱えてない女性が口を開く。

 

 

それにヘラクレスが答える。

 

「お嬢様のお母さまだろう。正確にはその心臓だがな。後、お嬢様は衛宮切嗣のことを知っている。キリツグと呼んでいらしたからな。それとその聖杯にはサーヴァントの魂を集める。ある程度集まってくると身体に影響が出始めるそうだ。お嬢様はアインツベルンの最高傑作と言われていた。身体にはそれ程影響は出ていなかったが、お母さまがどうかまでは....。」

 

 

 

 

「つまりだ、サーヴァントをできるだけ減らさないようにして聖杯戦争を終わらせるようにしないといけないのか。それにサーヴァントも聖杯にかける願いが、あるのかもしれない。中々の難題だな。」

 

 

 

そうまとめるマスター。

ここでヘラクレスが無視できないことを発言する。

 

 

「アーチャーとして英雄王ギルガメッシュが召喚される。こいつはなんとしてでも討ち取らなければならない。」

 

 

「ヘラクレスはできるのか?」

マスターが問いかける。

 

 

「かの英雄王が慢心していても、我は敗北した。だがマスター。汝も只者ではないのだろう?」

ニヤッと笑うヘラクレス。

 

 

 

「流石だな、ヘラクレス。もう気が付くのか。だが詳しくは睡眠をとってからだ。いささか情報量が多すぎる。また明日、続きをしよう。」

 

 

 

「了解した。」

 

 

「わかりました」

 

 

「わかったよ」

 

 

「好きにすれば」

 

 

そう言うと女性陣は部屋から出ていき、ヘラクレスも霊体化する。

きっとこれから見るのはヘラクレスの過去の記憶。今時点では未来の話。

まあ、退屈はしないだろう。そんなことを考えながら。本棚の隠し通路からマイルームで移動して眠りにつくのだった。

 

 

 

現在午前3時半である。

 




なんでみんな第五次聖杯戦争について突っ込まないのか。
次回、しっかりふれますのでご安心を。

女性陣三人の名前わかってきたんじゃないですか?

主人公設定もそろそろあかし始めますよ。


それでは次回をお楽しみに!
感想等、お待ちしています。


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打ち合わせ 後編

いつの間にかかなり時間がたっていました。すいません(__)

FGO4周年のイベントきましたね。福袋は謎のヒロインXでした。育成頑張りたいです。

さて最新話です。どうぞ


夢を見ている。

 

 

そう気づくのは簡単だった。これがヘラクレスの生前なのか、それとも座にいる本体に記憶された『お嬢様』との記憶なのか....。

 

 

視点はヘラクレスのようだ。自身の灰色の手足か視界に入っている。

 

 

 

季節は冬、場所は山の中なのだろうか。針葉樹の木々に雪がつもり、辺りは真っ白である。

イリヤスフィールに召喚され、初めて自身のマスターを見たとき、ヘラクレスはマスターを守り抜くと誓った。生前自身の手で殺してしまった子どものすがたを重ねてしまったのもあるのかもしれない。自身のマスターが聖杯戦争の為に作られた存在だと気づいたからなのかもしれない。

ヘラクレスはバーサーカーとして召喚されている。理性は失われているが、。彼の持つスキル心眼(偽)により本能が警鐘を鳴らす。マスターが危険だと。

 

 

 

自身を持て余したイリヤスフィールにヘラクレスは冬の森に見捨てられてしまっていた。ヘラクレスは知っていた。自身の存在自体がイリヤスフィールに大きすぎる負荷、負担をかけることを。それゆえヘラクレスは命令を聞かず、あえて動かなかった。しかしヘラクレスはバーサーカーである。本能でそのような行動をとったが、かえってさらなる負担をかけていることになっていた。またそれゆえイリヤスフィールもヘラクレスは手に負えないと判断して、見捨てたのだ。

 

 

 

 

自身とマスターを繋ぐ魔力のパスを頼りに、雪の中を進む。オオカミの遠吠えが聞こえる。

 

 

 

しばらく走っていると、オオカミに襲われているイリヤスフィールが視界に入る。ヘラクレスは覆いかぶさるように己がマスターを守る。

 

 

 

ヘラクレスはただ盾となっていた。襲ってくるオオカミには噛まれ続け、うなじからは出血もしている。

 

 

 

この時イリヤスフィールは己がサーヴァントが負担をかけないようにあえて動かなかったことに気づく。

 

 

 

『やっちゃえ、バーサーカー』

 

 

 

すぐにあたりにはオオカミの血と亡骸が転がった。

このときイリヤスフィールとヘラクレスの間に確かな絆がうまれた。

 

 

 

見ていた風景が暗転する。あたりが真っ暗になる。

次の場面がはじまる。

 

 

 

今度は城の中だった。ヘラクレスの記憶から冬木のあるアインツベルンの城だとわかる。目の前のは赤い聖骸布を纏い、白髪で褐色の肌の英雄が立っていた。ヘラクレスの命はすでにいくつか削られている。マスターからは油断なく殺せ。と命令が下っている。ヘラクレスの記憶から彼がアーチャーのサーヴァントと知る。赤い弓兵は自身の手から作り出した白い剣を照明に向かい投げる。あたりが真っ暗になる中、赤い弓兵は片膝をつき、最後の一節を唱える。

 

 

『Unlimited Blade Works』

 

 

満身創痍の赤い弓兵がそう唱えると、あたりの景色が一変する。空は夕焼けのように赤くなり、歯車が回っている。大地には無数の剣が突き刺さり、草木の一本すら生えてない。

 

 

 

『御覧の通り、貴様が挑むは無限の剣。剣撃の極致。恐れずしてかかってこい。』

 

 

 

結果、命を五個持っていかれたが赤い弓兵に勝利した。

 

 

 

また場面が変わる。

次の日なのだろうか。日が昇り、森の中での戦闘だ。といってもヘラクレスはすでに傷を負っていた。石の斧剣とそれを持つ腕は凍結しており、片腕は切り落とされている。セイバーのサーヴァントと、そのマスターには致命傷となる一撃を腹に受けている。

また近くに倒れている赤い服を着た若い魔術師には命を一つ持っていかれている。

 

 

 

セイバーのマスターである少年が作り出した剣。彼のサーヴァントが持っていた失われし『勝利すべき黄金の剣(カリバーン)

 

 

 

「ソレはその男が作り上げた幻想にすぎん。所詮はまがい物。二度とは存在せぬ剣だ。だが、しかし――その幻想も侮れん。よもやただの一撃で、この身を七度も滅ぼすとはな。」

 

 

 

そう言うとヘラクレスは消滅した。

 

 

 

ここで目が覚めた。窓からは光が差し込み、波の音も聞こえてくる。

時刻は午前九時。朝ごはんを食べるため、食堂に向かう。廊下を歩いていると、霊体化をといたヘラクレスが近づいてきた。

 

 

 

「おはようヘラクレス。早速だが、夢で見た赤い弓兵は何者だ?」

 

 

 

『無銘の英雄だと言っていたな。実際は我を七度殺したセイバーのマスター。彼が辿りうる可能性の一つだそうだ。』

 

 

 

「ifの存在ということか。神秘の薄れた現代で英霊となったのか....」

 

 

 

『かの弓兵とは、理性のある状態で戦いたいと思った。彼の剣術は実戦経験に基づくものだろう。存分に研技を競い合いたかった。』

心底残念そうにヘラクレスは答えた。

 

 

 

「青い服を着た騎士のようなサーヴァントもいたな。真名はわかるのか?」

 

 

 

『彼女はセイバーのサーヴァント。真名をアルトリア・ペンドラゴン。ブリテンの騎士王だ。』

 

 

 

「ブリテンの騎士王か。確かにセイバーとしてなら最強クラスだろうな。しかしアーサー王は女性だったのか。」

 

 

 

『しかも彼女はこの第四次聖杯戦争にも参加している。アインツベルンのマスター衛宮切嗣のサーヴァントとしてな。』

 

 

 

「切嗣に騎士王か。悪いが相性悪すぎるだろう。まぁ、切嗣がアサシンを召喚するのは避けたかったからまだいいのかな。しかしブリテンの騎士王は聖杯戦争に二連続で参加するのか。是が非でも叶えたい願いがあるのだろう。敵にまわすと厄介かもな。」

 

 

 

 

『一応だが、これらが間違いとなる可能性もある。我は第四次聖杯戦争に参加していない、またマスターのような魔術師もいたかどうかもわからないからな。それと我の聖杯戦争の記憶はまだあるからな。』

 

 

 

「パラレルワールドといったやつか。確かにヘラクレスから得る情報の鵜呑みは危険だな。まだ記憶あるのか。しばらくは早めに寝るかな。」

 

そんなことを話しながら進む。目の前のドアを開け食堂に入る。料理はすでにテーブルに並んでおり、女性陣座って待っている。

 

 

 

「おはよう」

 

 

 

「おはよう」

「おはようございます」

「ちょっと、遅いわよ」

 

三者三様のあいさつが返ってくる。テーブルについて、号令をかける。

 

 

 

「それでは、いただきます。」

 

 

 

「「「いただきます」」」

 

 

 

「食べながら聞いてほしい。作戦会議を開く。ヘラクレスにも共有しないといけない情報もある。そこれから聖杯戦争が終わるまで、この5人のチームで活動することになるのだが、まだ自己紹介していなかったな。」

 

 

 

「そーいえばそうだね。私はシャーレイよろしくね。」

 

 

彼女がそういうとヘラクレスは霊体化をとき、姿を現す。

 

 

 

 

「次は私か、ナタリア・カミンスキー。よろしく。」

 

コーヒーを飲み終えた彼女がタバコに火をつける。

 

 

 

「私は自己紹介なn『ぐっちゃんて呼んであげて。人間嫌いだから、大目に見t』余計な事言うな!」

 

若干キレ気味で答える彼女。

 

 

 

「最後は俺か。本名よりも通り名の方が有名だからな。昨夜言った通り、『ローグ』この名で通っている。呼ぶときはマスターとでも好きに呼んでくれ。さてヘラクレス、俺が異常なのはわかっているよな。」

 

 

 

『我がマスター。汝は受肉した英霊にそっくりだと思うのだが。』

 

 

 

「なるほど。半分正解だな。まぁ、見ればわかるさ。」

 

そう言って立ち上がる。途端に纏っている雰囲気が変化する。心なしか目が細くなり、隙のない立ち姿になっている。

 

 

 

「ギリシャ神話の大英雄か。お初にお目にかかる。縁あってこやつを依り代として、存在しているものだ。真名はのちのちお教えしよう。私は基本的には表には出てこないが、此度は聖杯戦争だ。私が表に出てくることもあるだろうな。いずれ主と戦ってみたい。。その時はよろしく頼むぞ。では御免。」

 

そう言うと雰囲気が戻る。

 

「まぁ、こんな感じだ。もう一人の自分もしくは、二重人格と世間から呼ばれるようだ。本来は二つの人格が合わさり、第三の人格になるそうだ。俺の場合、英霊との相性が抜群によかったため、英霊に精神を乗っ取られることもなく逆に俺自身が英霊に近い存在へ変化したようだ。老化も遅くなり、魔術回路の質も量も向上。おまけに回転数も格段に向上している。また俺を依り代としている英霊の宝具も使用できる。」

 

 

 

『中々得ばかりしているのでは?』

 

 

 

「それがそうとも限らないさ。身体の性能が良くなって、強力な力を得ても使いこなせなくては意味がない。事実この体に慣れるのに半年はかかったさ。魔力の操作や、加減も慣れるまで時間がかかったよ。宝具が使えるといっても真名解放はできないからな。何もない空間から武器が出るぐらいだな。」

 

 

 

『なるほどな。マスターも苦労したのだな。』

 

 

 

「さて、次の議題だ。ナタリア頼む。」

 

 

「さて私が調べてきたのはサーヴァントの触媒だ。現時点で裏まで取れているのは3つだ。」

 

・マントの切れ端

 

・コーンウォールで発掘されたもの

 

・最初に脱皮した蛇の抜け殻の化石

 

 

 

「最初に言った、マントはアレクサンドロス三世のものだ。古代ギリシャのアルゲアス朝マケドニア王国の国王。さらにエジプトのファラオも兼ねていたそうだ。またヘラクレスとアキレウスを祖先に持つとされているそうだぞ、ヘラクレス。」

 

そう言ってヘラクレスを見るナタリア。

 

 

 

『身に覚えはないのだがな。』

 

 

「仕方あるまい。真偽は今となってはわからないからな。話を戻そう。このアレキサンドロス三世は、{世界の果て}に到達するためインドまで侵略したそうだ。

 次にコーンウォールで発掘されたものなのだが、何が発掘されたのかまではわからなかった。あそこはアインツベルンの所有する土地だからな。裏は取れていないが聖剣エクスカリバーの鞘だという情報がある。そうなると呼ばれ英霊はアーサー王もしくはその周辺だろうな。」

 

 

 

「なるほど。その発掘されたものはエクスカリバーの鞘で間違いないだろう。ヘラクレスの記憶からアーサー王が第四次聖杯戦争に参加していることを確認している。問題は次のやつか。」

 

 

 

「その通りだ。最古の蛇の化石。これがどの英雄の触媒となるかが全く分からない。蛇自体多くの神話に登場しているからな。この触媒の調査は召喚されるであろう英霊を予想するために行っていたが....。」

 

 

 

その場にいる者が食べる手を止め考えている中、ヘラクレスが口を開く。

 

『その触媒から召喚される英霊は英雄王ギルガメッシュだろう。』

 

 

 

「ウルクの王様だったよね?」

そうシャーレイが言う。それにヘラクレスが答える。

 

 

 

『奴はこの第四次聖杯戦争にて受肉し、第五次聖杯戦争に参加している。我もギルガメッシュを相手に無様に敗北している。第四次聖杯戦争において一番の強敵であり、例外的に倒すべきだと考えているサーヴァントだ。』

 

 

 

マスターが口を開く。

「ギルガメッシュには勝てるのか?」

 

 

 

『我一人では決して勝てないだろうな。英雄王は慢心することが多いがそれは彼が王であり、自身の実力もあるからだ。我が勝つには、その慢心を付き一撃で殺すしかあるまい。我かマスターが囮になり、その間に倒すしかない。真っ向勝負は危険だ。』

 

そうヘラクレスは答えた。しかし周りの女性陣はさらに頭を抱え、ため息をついている。

 

 

 

「そうか、強いのか。これは戦うのが楽しみだな。俺の力は英雄たちの王に通ずるのか....。最近は前ほど死徒たちも表立って活動していないからな。体がなまっていないか心配だよ。」

 

笑いながらそう答えるマスター。

 

彼は若干戦闘狂な一面がある。英霊に憑依されてから、彼の運動能力は格段に上昇した。また憑依された英霊に指導を受けながら、着実に力をつけてきた。そこで彼は自身の力がどれぐらいのものか試したくなり始めた。彼自身は謙虚であり、思慮深い性格である。しかし時々「戦いたい」と思うことがある。本人曰く「無性に戦いたくなる」とのこと。彼はそうなると基本イタリアへ一人で旅立つ。一週間で帰ってくることもあれば、三か月返ってこなかったこともある。帰ってきたときはスッキリとした表情を見せることが多い。

 

 

 

 

「英霊を甘く見てはいけないわ。戦いたいなら、ヘラクレスと戦えばいいじゃない。」

 

そう言うぐっちゃん。←ぐっちゃん言うなとツッコミが入る。

 

 

 

「まぁ、ヘラクレスの戦闘のよる消費魔力がどれぐらいかも知りたかったし、ヘラクレスに稽古をつけてもらうかな」

 

そう言って皿の料理を食べきるマスター。やる気満々である。

 

 

 

『仕方あるまい、少し現実を見てもらうか。』

 

あきれながらも自身のマスターを知る機会だと考える。また彼の実力に興味があったので以外に乗り気な、ヘラクレス。

 

 

 

 

「まだ聖杯戦争のマスターと成りうる人物の経歴等調べてはあるのだが....。」

 

ナタリアはそう言うが、既にマスターは自室へ向かい、ヘラクレスも庭から見えるビーチで体を動かしている。

 

 

 

「こうなるともう意味ないね。情報をまとめて後で渡そう。あと片付けしないと。」

 

そう言って皿などをキッチンへ運び出すシャーレイ。ナタリアも皿をもってキッチンへと歩いていく。

 

 

 

「ヒナコさんビーチの二人の面倒見てくださいね。」

 

キッチンからシャーレイの声が聞こえる。ダルそうに芥 ヒナコは立ち上がり、外へ向かう。

照りつける日差しから、今日も暑くなりそうだ。なんて考える。ビーチについて少しすると、マスターが訓練用の武器を持ってやって来る。

 

そして稽古という名の戦闘が始まった。




ちょっと補足。

主人公『ローグ』は擬似サーヴァントが受肉したものに一番近いです。しかしApocryphaのジークのような側面もあります。あそこまで外見は変化しませんが。




ついでに主人公の本名は「鑢 鍋之介」といいます。

次回で少しタグが増えそうです。

それでは次回をお楽しみに! 読んでくれたことに感謝を。感想お待ちしています。


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