歪みの戦士達 (龍蟹迅)
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キャラクター紹介

 

名前:龍蟹金

ヨミ:リュウカイ コガネ

性別:女

種族:人間?

怪人名:アナザーディケイド

出身:■■■■◼■■

好み:メロンパン

苦手:ナス

幽波紋:世界の支配者(ルーラー・オブ・ザ・ワールド)

 

 

【挿絵表示】

 

 

アナザー電王たちの前に現れた謎の少女。

可愛らしく元気で健気。しかし、やることなすことが恐ろしい。怒り具合によっては口調が荒々しくなる。

 

スタンド【世界の支配者(ルーラー・オブ・ザ・ワールド)

破壊力-A/スピード-A/持続力-A/射程距離-B/精密動作性-B/成長性-B

時間を司るスタンド。

『停止』、『逆行』、『消し飛ばし』、『加速』等と言った能力を持っているため相手からすれば非常に厄介な能力。

 

『DEUS』

SE:ERROR

装備:ナイフ×2000本

特殊武装:メモリーズ

ワームホールから風見鶏、コンパス、電球、懐中時計、天体望遠鏡、鍵盤を出現させ攻撃する。

 

―――――――――――――――――――――

 

名前:■■■■

ヨミ:■■■■ ■■■

性別:男

種族:人間

怪人名:アナザー電王

出身:■■■■■■の世界

好み:不明

苦手:不明

 

冷静だったり巫山戯たりと性格があまり定まっていないが基本的には冷静なアナザーライダー。

変身者は未だ不明だが、簪のみがその正体を知っている。

 

―――――――――――――――――――――

 

名前:月の夢

ヨミ:ツキノユメ

性別:女

種族:AI

怪人名:アナザークイズ

出身:不明

好み:なし

苦手:なし

 

アナザークイズの変身者(?)。

主にアナザー電王達のサポートをしている。

時折、オリジナルの仮面ライダークイズになる事がある。

 

―――――――――――――――――――――

 

クウガ〜ビルド+αまでのアナザーライダー達

電王、ディケイド、クイズ以外のアナザーライダー達でその全ての素体はマスカレイド・ドーパント。

 

―――――――――――――――――――――

 

名前:縞立款

ヨミ:シマタテ マコト

性別:男

種族:機械生命体(ロイミュード)

怪人名:パラドックス・ロイミュード

出身:ラステイション

好み:炭酸飲料、サラミサラダ

苦手:なし

幽波紋:ホワイトスネイク

備考:響歌の彼氏

 

 

【挿絵表示】

 

 

基本的に笑顔を絶やさず、物腰穏やかで人当たりのいい性格。仲間思いでもあり、仲間が大怪我を負うとその性格は一変し無慈悲な正確に変わる。その際変わらず笑顔は絶やさないが不気味な雰囲気を醸し出している。

響歌の事がとても大好きで一緒の布団で寝るほど。一緒に行動してることが多い。響歌の事しか興味が無い(恋愛的に)。

ラステイションでイカレ科学者に作られたが即座に沈めて旅に出る。

その後、響歌と出会い、鉄芭から【ホワイトスネイク】の力を貰い(ついでに何者かの記憶DISCも)、その力を利用して商売を行っている。

仮面ライダーダークドライブへの変身が可能。

 

スタンド【ホワイトスネイク】

破壊力-A/スピード-D/射程距離-B/持続力-A/精密動作性-C/成長性-C

特殊能力-記憶とスタンドのDISC化、及びそれの複製。ブランクDISCを用いた命令。

 

原作のホワイトスネイクと違うのは破壊力、射程距離、精密動作性、成長性のステータスが存在すること。複製が可能になった事(ただし、幽波紋DISCのみ)。

 

―――――――――――――――――――――

 

名前:縞立響歌

ヨミ:シマタテ キョウカ

性別:女

種族:アマゾン

怪人名:ウルフアマゾン

出身:不明

好み:肉、卵

苦手:レーズン

幽波紋:スケアリー・モンスターズ

備考:款の彼女

 

 

【挿絵表示】

 

 

とても冷静で口数の少ない。款以外の男性には一切眼中に無く、基本的に無視している。

『白蛇屋』で唯一の紅一点。

款に他の女性が近寄ると殺気を飛ばし、睨み付ける。

款の事が大好きで一緒の布団で寝るほど。

路地裏で彷徨っていた所、款が手を差し伸べ共に行動する様になった。

款と同時期に鉄芭から【スケアリー・モンスターズ】を手に入れた。

仮面ライダーアマゾンイグナイトへの変身が可能。

 

スタンド【スケアリー・モンスターズ】

特殊能力-自分を含め、生物を恐竜化する能力

 

虫やネズミなどの小さな生物から人間や馬などの大きな生物も応用する。恐竜のデザインは自由自在で、ランプスタンドや背景にあわせた保護色の形態に変身させることが出来るなど、応用が広い。自身を恐竜化する事で嗅覚や俊敏さなど身体能力を向上させる事が出来る。

 

―――――――――――――――――――――

 

コブラ型ロイミュード

『ネクストデコトラベラー』とデコトラを媒体にして生み出されたロイミュード。

アームドガイアメモリとスタンド【ストレングス】を所持。

 

スパイダー型ロイミュード

『ネクストビルダー』と建設車両を媒体にして生み出されたロイミュード。

コマンダーガイアメモリとスタンド【レッド・ホット・チリ・ペッパー】

 

バット型ロイミュード

『ネクストハンター』とパトカーを媒体にして生み出されたロイミュード。

ロードガイアメモリとスタンド【ホイール・オブ・フォーチュン】を所持。



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本編
p髏lォG


えぇ……リメイク致しました……
突然で申し訳ありません


 

「~♪」

 

とある列車の中、一人の少女が鼻歌を歌って目的地に着くのを楽しみにしていた。

少女の他に幾つかの人影があった。

しかし、それらは異形の存在ばかり。その異形の者達はそれぞれで暇を潰していた。

体半分がターコイズカラー、もう半分が黒の怪人と多少長いピンク色の髪を持つプレ〇ター似の怪人、頭が指輪のようになった魔法使い風の怪人にフードを羽織った白髪の怪人はババ抜きをして暇を潰していた。

身体の至る所に血管のような模様を付けた怪人と顔がステンドグラスの様な模様をした蝙蝠の怪人は別のトランプでポーカーをしていた。

鎧を纏った落武者のような怪人と骸骨を表したような忍者の怪人は将棋をしている。忍者の怪人がかなり押されているのか、唸り声を上げていた。それを橙色のマフラーをした緑色の怪人と所々にある赤い鱗がある龍を模した怪人が興味深そうに見入っていた。

赤と青の怪人と宇宙飛行士を歪めたような怪人は何かを作っていた。何かはわからないが。

巨体を持ち、肩と太ももなどの大きさがアンバランスなカブトムシの怪人と頭部の形状が戦国武将の鎧の兜の様になっている赤いカブトムシの怪人は何かの本を読んでいた。

目から山羊のような赤いツノを生やした怪人は珈琲を入れていた。近くでは頭が赤い鳥、上半身が虎のようなもの、下半身が飛蝗の様なもので形成され怪人が手伝っていた。

その近くで木をまとめられて作られたかの様な怪人と大破した車を模した怪人がまだかまだかと待っていた。

そんな異様な光景の中でも少女はものともせず、鼻歌を歌っていた。

 

「随分と楽しそうだな。」

 

するとそこへ、珈琲を入れていた怪人が珈琲を少女の目の前に置いた。少女は出された珈琲を手に取り一気に飲み干した。

 

「だって楽しみなんだもん。」

 

少女はカップを置くと珈琲を出してくれた怪人に向かって笑顔で言った。

しかし、その笑顔はただの笑顔ではなく悪意のある様な笑顔だった。

怪人はその笑顔を見て「おぉ、怖」とわざとらしく震え少女の近くの席に座った。

 

「〜♪」

 

少女は鼻歌を歌い続ける。周りにいる異形の怪人達はなんの反応も示さない。ただ、少女の鼻歌と列車の走る音が聞こえ続ける。ただ時間だけが過ぎていく。

その時

 

~〜♪

 

《!!》

 

突如として車内に音楽が流れ始めた。

彼らはそれに反応して各々のやっている事を中断した。視線を向ければ『間もなく目的地に到着致します』という文字が流れた。

 

「ようやく…キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!」

「アァ━━━━(゚∀゚)━━━━!!」

 

それを見て少女は思いっきり立ち上がり両手を上げて嬉しそうに叫んだ。それを見て宇宙飛行士のような怪人も立ち上がり両手を上げて叫んだ。赤いツノの怪人はそれを見てやれやれと言って立ち上がる。そしてその車内の窓から外の景色を除く。

 

「さぁーて、最初の世界はどんな世界かな?」

『どちらにせよ、私達に障害があれば全力で潰しますが。』

 

赤いツノの怪人がそう言うと頭部や胸部、両肩はビスやコードで脳が身体に取り付けられたような不気味な意匠を持つ怪人がどこからともなく現れた。ただ時折ノイズがかかりアバンギャルドなデザインをした姿になるが。

赤いツノの怪人は少女とノイズのかかった怪人を見て言った。

 

「あんましやりすぎんなよ?月の夢、金も。」

『分かってますよ。』

「もー心配性だなー。アナザー電王は。」

 

少女『龍蟹金』とノイズのかかった怪人『月の夢』は赤いツノの怪人『アナザー電王』に注意されるが2人は全く気にしないような感じで言った。

それを見てアナザー電王は1つため息をつくと立ち上がり列車『アナザーデンライナー』の出入口へと向かった。

それと同時に列車は止まった。それは目的地に到着したという事。

それと同時に金は出入口へと向かい忍者の怪人も立ち上がり鎧を纏った怪人にお辞儀をして出入口へと向かった。

そしてドアは開く。世界へと繋ぐドアが開く。

 

「いってきまーす!」

「あ、おい!?」

 

金は見るやいなや一足先に飛び出して行った。アナザー電王は止めようとするが既に行ってしまった。

アナザー電王と月の夢はやれやれと言うと忍者の怪人へと視線を向けた。

 

「それじゃあアナザーシノビ。偵察と情報収集、よろしくな」

「ゥゥ!」

 

忍者の怪人『アナザーシノビ』は頷くとアナザーデンライナーから出ていった。

アナザー電王はアナザーシノビを見送ると1度扉を閉める。

 

「さてと、俺達は……」

 

アナザー電王は視線をあるところに向けると考え始めた。周りにいる怪人『アナザーライダー』はアナザー電王へと視線を視線を向ける。やがて、アナザー電王顔を上げると腰つけられた武器を両手に持つ。そしてアナザー電王は声を大きくして言った。

 

「テロリスト共をぶっ潰すぞーーーー!!!」

『オオオォォォォォォォォォォ!!!』

『…………………………元気ですね……。』

 

最初にやる事がテロリストを潰すとはこれ如何に。しかし、既に彼らは行動に移した。最早、止める者などいない。彼らはテロリストいるであろう所へと向かった。

アナザー電王が視線を向けた先にはある事が表示されていた。

 

 

 

 

 

 

『無限の成層圏の世界』と。

 

 

 

おまけ

 

 

「な、なんだこのバケモン達は!?」

「こ、こっちに来るなーー!!」

「ちょ、ちょっと貴方達!何y「オルァ!!」きゃあぁ!?」

 

最早地獄絵図。テロリスト達は突如やって来た怪人たちに為す術もなく、殺られていった。

 

「テメェらぁ!!何しやがる!?」

「カ・チ・コ・ミじゃァァァァァァ!!!!」

『オオオォォォォォォォォォォ!!!』

 

最早謎のハイテンションで仕掛ける怪人達を止めることなどできない。更に上空にも何機もの兵器がそのテロリストを潰しにかかった。

 

そしてその日、その周辺にいた組織は壊滅した。




これからもよろしくお願いします


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女子校と男子と金

金side

 

……暇。物凄く暇。

この世界に来てから数ヶ月、私はある高校へ入学している。

その高校というのが『IS学園』と言う場所に入学している。

まず、『IS』とはなんなのか。

『IS』、通称『インフィニット・ストラトス』呼ばれている。意味は『無限の成層圏』と言うらしいが私はどうでもいい。

だって今ISは兵器として使われる事が多い。

今はスポーツ用となってはいるけどテロリストとかはそうじゃない。

まぁ……そのテロリストの一部はアナザー電王が潰したらしいけど。

このISは本来なら宇宙へ行くために造られたものだけど日本にありえない数のミサイルが撃たれたらしい。

それを撃墜したのが原点のIS『白騎士』。

その白騎士の圧倒的な力でミサイルを壊したらしい。

けど、ISにはある欠点がある。

それは『女性しか動かせない事』。

それ以来世界には『女尊男卑』という風潮が流れ始めた。

女性達(と言っても一部の女性は違う)は「女性こそが至高」「男性は女性の奴隷であるべき」と巫山戯た考えを持った女性(クズ)共が増えていっているらしいがな…。

おっといけない口調が。

まぁ、その後政府がアラスカ条約とやらを作ってISの兵器として扱う事を禁止しているみたいだけど。

けどそれでもアラスカ条約を無視する輩がいるけど。

そんなこんなで今では『モンド・グロッソ』というIS専用のスポーツ大会が開かれて、更にはISの操縦者を育てる学校を設立した。それがここ、『IS学園』。言わば女子校。

しかし、世界中を驚愕させる出来事が冬頃に起こった。

それは、『世界初の男性IS操縦者』が現れた事。

今、教室の先頭の真ん中に座っているのがその世界初のIS操縦者、『織斑一夏』。

現在、カチンコチンというぐらいに物凄く緊張してる。

女子校に男一人ってきついからね。

私は興味無いので窓の外を見ている。

いわば、物凄い暇。

 

「……面白いことないかなぁ……。」

 

一夏side

 

キツい……。何がキツイって視線がだよ!

今俺の周りには女子しかいない。

そして、俺の背中に視線が刺さる。

もう一度言う。キツい。

どうにかならないかと横を見れば見知った顔があった。

黒髪にポニーテールの大和撫子のような雰囲気。

間違いない、箒だ。

 

「(助けてくれ!箒!)」

 

そう視線で伝えるが。

 

「…………」フイッ

 

なんでだよ!?

幼馴染だろ!?

どうにかならないかと再び視線を後ろなどに目線を向ける。

 

「…………。」

 

なんか一番後ろにいるツインテールの娘が俺に興味なさげに視線を外に向けてるんだけど。

なんで興味無いんだよ。いや、それはそれで困るけど。

くそっ!どうにかなんねぇのか。

そう俺が悩んでいると。

 

【ガラッ】

 

扉を開ける音がして視線をそちらに向けると、教師らしき人物が入って来た。

その人は教壇に立つと自己紹介を始めた。

 

「皆さん、おはようございます。私は一年一組の担任、『山田真耶』と言います。よろしくお願いします。」

「よろしくお願いしま〜す。」

 

…なんか、回文みたいな名前だな、この人。

というかなんか見た目が中学生が無理矢理大人の服を着たって感じなんだけど。

ってか返事したの一人だけ!?

先生は返事が一人だけなのか若干涙目になってる。

 

「そ、それじゃあ自己紹介を始めますね。」

「は~い。」

『…………。』

「うぅ……。」

 

頼むから返事して上げろよ!ってかまた一人だけだし!俺も声出せねぇんだけど……。

てか自己紹介って何をいえばいいんだ?

箒は助けてくれそうにないし、周りの視線が痛いし。

 

「……ら君?織斑君!」

「は、はい!」

 

突然の呼びかけに俺は思わず立ち上がってしまった。

 

「ごめんね大声出して。『あ』から始まって今『お』なんだよね。自己紹介してくれないかな? 駄目かな?」

「いや、あの………そんなに謝らなくても…………」

 

ってかもう順番来てたのかよ!?

俺は気を取り直して後ろを向く。

……やはり視線がキツイ。

だが、自己紹介くらいしっかりしないと!

 

「織斑一夏です!よろしくお願いします!」

 

俺はできるだけ大声で自分の名前を告げるが、無反応。

な、なんか期待の目が向けられてるんだけど…。

 

「い、以上です!」

 

ガタガタガタッ

 

あ、あれ?おれ、なんか間違えた?

箒とツインテールの娘を除いた女子がコントみたいにコケてんだけど。

 

「お前はまともに自己紹介もできんのか。」

 

パァァン

 

「いってぇ!?」

 

なんか頭に物凄い攻撃が来たんだけど!?

俺が振り返るとそこには見知った顔がいた。いや、見知ったなんてものじゃない。何せその人物は俺の肉親の姉なんだから。

 

「げぇ!?関羽!?」

「誰が三国志の英雄か、馬鹿者」

 

パァァン

 

いってぇ!?またかよ!?

俺が頭を抑えてる間にその人物は山田先生と話し始める。

話が終わると教壇に立ち自己紹介を始めた。

 

「諸君、私が織斑千冬だ。君達新人を、一年で使い物になる操縦者に育てるのが仕事だ。私の言うことはよく聞き、よく理解しろ。出来ない者には出来るまで指導してやる。私の仕事は、弱冠15歳を16歳までに鍛え抜くことだ。逆らってもいいが、私の言うことは聞け。いいな?」

 

いや、どこの軍人だよ、それ……。

 

パァァン

 

「いってぇ!?なんでだよ!?」

「お前が余計なことを考えたからだ。」

 

いや、ニュー〇イプかエスパーかよ!?

 

 

千冬side

 

自己紹介を終えると黄色い歓声が響く。

………毎年、よくもこれだけの馬鹿者が集まるものだ。

私は思わずそれを声に出してしまったが帰ってくるのは相変わらずの黄色い歓声。

何だこの教室は、Mっ気のあるヤツらばかりなのか?

そう思って視線を教室の後ろ側を見るとつまらなそうにしている生徒が一人いる。

私はその女子生徒に向かって歩いていき、出席簿を振り下ろすが。

 

バァァァァァン

 

「な!?」

「えっ?きゃあ!」

 

出席簿は手刀で跳ね返され、遠くの女子生徒に当たりそうになる。

何かを呟いていた女子生徒はつまらなそうに視線を向けると。

 

「体罰は良くないですよ?千冬せんせー。」

 

そんな呑気な声で視線を外に向けるとまた何かを呟き始めた。

……自慢ではないが私の身体能力はオーバースペックだ。

それなのに目の前の女子生徒は何も問題無く弾き返した。

 

「あ、あの……。織斑先生。出席簿……。」

「あぁ、ありがとう。」

 

私は少し呆然としながら元の場所へと戻り自己紹介を再開させた。

そして、いよいよ例の弾き返した女子生徒の番になった。

女子生徒は呼ばれたのに気づくとゆっくりと立ち上がり、視線を前に……いや。

“なぜか私を見て”自己紹介を始めた。

 

「私は龍蟹金だよ。現在暇で~す。小柄で中学生に見えちゃうかもだけどよろしくね。自己紹介ちゃんと出来なくてごめんね。」

 

女子生徒、『龍蟹金』は自己紹介をすると私に向けてニッコリと笑った。

だが、私は思わず構えてしまった。

嫌な気配を纏ってる。それも、あの“天災”並に。いや、それ以上に。

 

「あ、後料理は苦手だよ?下手したら物体Xができちゃうくらいに。」

 

最後のはいらん。

 

 

金side

 

あれから時は流れても私は相変わらず暇。

もうほとんどが月の夢やアナザー電王が教えてくれたことばかりで正直言ってつまらない。

教室では一夏君がISの参考書を電話帳と間違えて捨ててしまったという事が発覚したり、金髪縦ロール『セシリア・オルコット』が一夏君に絡んだりとあったが、私は全くもって興味が無い。

 

「それではこの時間は、実戦で使用する各種装備の特性について説明する前に、再来週行われるクラス対抗戦に出る代表者を決めないといけない」

 

そんな会話が聞こえてくる。

曰く、生徒会の開く会議や委員会への出席等、言わばクラス長を決めるという話。曰く、一度決まると一年間変更はないからそのつもりで。自薦他薦は問わないという話だった。

うん、興味無い(即決)。

 

「織斑君がいいと思います!」

「私も!」

 

…なんで?

まさか、男だからという理由で決めたんじゃ……。

うん、決めてる。

 

(……織斑一夏も不幸だね。)

 

私は心の中で思う。

他の女子生徒が一夏君を推薦して行くと突如、ヒステリックな叫び声が聞こえた。

視線を向ければ先程一夏君に絡んできたセシリアちゃんが立ち上がってた。

その後、日本を島国と罵倒などをし始めた。

……一応、ISを開発したのは日本人の『篠ノ之束』なんだけどなぁ。

 

「イギリスだって大してお国自慢ないだろ。」

「なっ!?」

 

……馬鹿なの?下手したら国際問題だよ?いや、もうなってるか。

私は再び視線を外に向けると。

 

「“決闘”ですわ!」

「おう。良いぜ。四の五の言うより分かりやすい」

 

……“決闘”?

今……決闘って言った?

つまり、戦うって事だよね?

なら、参加せざるを得ない。

 

「千冬せんせー。」

「織斑先生だ。……なんだ龍蟹。」

 

千冬先生は何かを警戒して問いかける。

まぁ、私のせいなんだけどね。

 

「私もその“決闘”に参加してもいいですか?」

「…………………………良いだろう。お前の専用機のデータを取りたかった所だ。」

 

千冬先生が私が専用機持ちだということを告げると教室はざわめき始めた。

まぁ、ISに使われる『ISコア』が少ないから仕方ないよね。

…アナザー電王が見つけたらしいけど。

 

「あら?貴方も専用機をお持ちで?」

「そだよ〜。」

「まぁなんにしても私が勝つのは確定のことですわ!」

「うわぁ……。」

 

私が専用機を持っている事に肯定するとセシリアちゃんが高らかに勝ち誇っていた。……まだ勝負決まってないけど……。

 

「えっとぉ……いつにしますか?千冬先生。」

「織斑先生だ。……まぁ来週の月曜日月曜日に代表決定戦を行う。いいな?」

「あぁ。」

「わかりましたわ。」

「了解〜。」

 

千冬先生の言葉に私、一夏君、セシリアちゃんは返事をした。

来週が楽しみだなぁ……。あ、そうだ。

 

「セシリアちゃんセシリアちゃん。」

「なんですn

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RULER OF THE WORLD

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【ガガガガガガガガガガガガガガガガッ!】

 

『!!??』

 

私はセシリアちゃんの周りにありったけのナイフを投げつけた(・・・・・・・・・・・・・・・)

私は未だに大量にあるナイフを見せびらかすようにしてセシリアちゃんに向けて言った。

 

「あんまり調子に乗ってると痛い目みんぞ。」

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私はそう言うとナイフを回収(・・・・・・)して席に座った。

 

(面白くなりそう♪)

 

千冬side

 

私は何が起こったのかまるで分からなかった。

オルコットが最後まで言いきる前に突如として大量のナイフが現れ突き刺さった。

そして気づけば既にナイフを回収していた。

 

(一体何者だ?龍蟹金。)




金の力の一端を味わってもらいました

さて金は何をしたのか?


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神と青雫と白式

金side

 

あれから一週間。

私はワクワクして顔のにやけが止まらないでいた。

あの高飛車お嬢様の絶望に染まる瞬間を想像するとゾクゾクしてきた。

前は(・・)そんなの一回も見れなかったしねぇ……。

 

「たっぷりと見せてもらうよ?セシリア・オルコット……!」

 

私は月の夢から送られてきたセシリアちゃんの専用機『ブルーティアーズ』の詳細を見る。

念には念を入れてもう一度見て攻略法を思い浮かべる。

しばらくしてもう大丈夫だろうと思い閉じようとすると千冬先生から連絡が来た。

 

『龍蟹。織斑の専用機がまだ届いていない。先に試合を始めといてくれ。』

 

……やっぱりか。

絶対原因はあの天災兎こと篠ノ之束だろうなぁ。

「はぁ〜い、了解しました〜。『Chifuyu sister』。」

『…………?織斑先生だ。』

 

私は奇妙な言語を使えば千冬先生は何を言っているんだ?って顔をして通信を切る。

まぁこの言葉を簡単に理解しろなんて言えないですからねぇ。

じゃあやりますか。

 

「勝つのはこの私と『デウス』だぁあ!!」

 

 

セシリアside

 

「あら、まずは貴方からですの?」

「専用機の到着が遅れてるんだって(後、敵情分析かな?)。」

 

ツインテールを揺らしながら龍蟹さんは話しかけてくる。

私は彼女の動きを見逃さずにスターライトmkIIIを構える。

先日の様な不意討ちはもう受けませんわ!

私がそう意気込むと同時にカウントが開始された。

 

第三者視点

 

 

《3》

 

「あぁ、それとセシリアちゃん。」

「なんですの?今度は?」

 

セシリアは自身の得物を構えると金が何かを思い出したかのように話し出す。

 

《2》

 

「私は戦いにおいて自分自身で大事にしている事が二つある。」

「………………。」

 

金は喋りながらナイフを取り出す。

それを見てセシリアは引き金に指をかける。

 

《1》

 

「一つ目は『無駄な事はしたくない』。もう一つは『残すのは結果のみ』。だから…………。」

 

《0 試合開始》

 

「………………ッ!」

 

カウントがゼロになったと同時に先手必勝とばかりに銃口を金に向け………………。

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(!?)

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「悪イナ……せしりあ。」

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RULER OF THE WORLD

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「あ……あぇ…………?」

 

セシリアは現在、状況を飲み込めないでいる。

今わかっているのは上空を見ている(・・・・・・・)という事。

何故そうなったのか、どうしてこの様な状況になったのか誰もわからなかった。

セシリアは全身に伝わる痛みをゆっくりと味わいながら意識が遠のいていく。

最後に見たのは風見鶏の矢印の部分がセシリアに向けられた瞬間だった。

 

 

金side

 

『勝者 龍蟹金』

 

「ぉわあっぶなぁっ!?」

 

私がセシリアちゃんにトドメをさそうとしたらそんなアナウンスが聞こえたのですぐ様攻撃を中断した。

危ない危ない、危うくオーバーキルする所だったよ。

私は落ちゆくセシリアちゃんを抱き抱えるとピットへと戻っていった。

 

「……結構やり過ぎたな。」

 

 

アナザー電王side

 

「やり過ぎだろ…………。」

 

アリーナの上で俺は金の戦闘を見ていた。

相変わらず何をやったのかはわからんが、始まって数秒でセシリアを叩きのめした。

もう一度言うがやり過ぎだろ。

 

「次は織斑一夏とだったか……またやり過ぎないといいけどな。」

「ほんとよねぇ。」

 

俺が独り言を呟いていると後ろから声が聞こえる。

後ろを振り向けばそこに居たのはこの学園の生徒会長であり、対暗部組織の当主『更識楯無』がそこにいた。

持っている扇子には『私、参上!』と書かれていた。

 

「俺のオリジナルかよ。」ボソッ

「オリジナル?」

「地獄耳かよ。……そ、オリジナル。あぁ、後、俺達は敵対とかしないから安心しろ。」

 

俺はそう言いながら金の次の試合を見る。

すると金は逆さま&バックで入ってきた。手を振っている所を見るに救護班にセシリア・オルコットの事をお願いしてるんだろう。

 

「俺達“は”って言うけどそうじゃない奴がいるの?」

 

俺が下方を見ていると更識楯無からそんな質問が来る。

更識楯無の言うそうじゃない奴は金だ。

金の事をなんて言えば良いのだろうか?

………………、まぁ強いて言うなら……。

 

「金は何を考えているのかわからんからな。突然現れて「ここに連れてって欲しい」って言ったきり目的を話してくれないからな。」

「……金って『龍蟹金』ちゃん?あの変わった苗字の。」

「そ。で、今試合待機中。」

 

そう言って俺はアリーナを指さす。

それにつられて更識楯無は下を見る。

今金は逆さまになりながらクルクルと回っていた。

………………何やってんだ(呆)。

 

「…………何をやってるの?」

「多分、技術の無駄遣い。」

「あ……そう……。」

 

更識楯無が反応に困るような表情で金を見ていた。

まぁ……そんな反応するだろうな……。

 

「それで?金ちゃんは何が目的なのかわかるの?」

「さぁ?わかってるのは『ISに心酔するヤツらをよく思っていない』って事だ。」

「そう…………。貴方達の目的は?」

 

そんな質問をしてくるので更識楯無を見ると多少睨みをきかせこちらを見ている。

因みに扇子には『疑心暗鬼』と書かれている。……ホントどうなってんだよその扇子。

 

「『ISを使用するテロリストの制圧』と『兵器としてのISを破壊する』事だ。」

「…………凄いことやろうとするわね。」

「知ってる。」

 

更識楯無は少し驚いたような顔をして俺を見る。

扇子には『びっくり仰天!』と書かれている。

…………そこまで驚いてねぇだろ。

 

「……ん。どうやら始まるみたいだぞ。」

「どれどれ?」

 

更識楯無は俺の近くに寄ってきて観戦しようとしてるので首根っこを掴んだ。

 

「観客席で見てこい。」

「いやん♡」

 

ウゼェ…………。

 

 

金side

 

クルクルと回りながら待っていると一夏君がやってきた。

その顔は怒りがこめれていた。

……何?まさかやり過ぎだろって言うつもりじゃn「やり過ぎだろ!」……ウソーン。

いや、単純すぎやない?自分?(関西風)

 

「何さ。私はルールに乗っ取ってやったんだよ?それに言ったじゃん「……結構やり過ぎたな。」って。」

「だからって!「だからって、何?」……え?」

「まさか私に勝とうっての?剣道しかやってない君が?」

「うっ…………。」

 

_____________________

アリーナ上では

 

「剣道だけってどうなの?」

「……詰んだな。」

_____________________

 

「それに。姉の貰い物、尚且つ素人にはピーキーな物で私に勝とうなんて…………片腹痛いね。」

「なっ……!」

「だってそうでしょ?使用するだけでシールドエネルギーが無くなっていくとか素人基初心者には宝の持ち腐れじゃん。」

「…………ッ!」

 

私がそう言ってのけると一夏君の雪片弐型を握る手が強くなる。

オマケに顔は更に怒りに染る。

…………やれやれだね。こんなにも口車(?)に乗せられるなんて、本当に馬鹿だね。

気が付けばいつの間にかカウントが始まっており、試合開始の合図が鳴る。

 

「ウオォォォォォォォォォォォオオオオ!!」

「あらヨット。」

《ドガアァァァアン!》

「グアっ!?」

 

一夏君が一直線に向かって来たので私はサラリと躱す。

そしてそこにミサイルランチャーを発射させて一夏君に当てる。

 

「くっ……!ウオォォォォォォォォォォォオオオオ!!」

「メーガトーン!」

《ドゴォン!》

「ぶごっ!?」

《ズドオォォオン》

 

一夏君は体勢を立て直すとまたしても一直線に向かって来たのでハンマーで叩き落とした。

ってか何その声www豚?www

というか顔面から行ったしwww

 

「ウオォォォォォォォォォォォオオオオ!!」

《ギイィイン!》

「……いい加減その猪突猛進飽きない?」

 

私は鉈を取り出して一夏君の攻撃を防ぐ。

防ぎながら一夏君に問いかけるけど……こりゃあ駄目だ、全く聞いてない。

 

「俺は!!《ギィン!》この力で!!《ギィン!》守るんだ!!《ギィン!》」

「………………………………………………………………………。」

 

…………………………………………。

 

「関わってきた!!《ギィン!》人達を!!《ギィン!》守るんだ!!《ギィン!》千冬姉から!!《ギィン!》貰った!!《ギィン!》この!!《ギィン!》力で!!《ギィン!》」

 

……………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………守ル…………ネェ……………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

I can not do it…………A hypocrite like you。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌

 

﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌

《ドゴオオォォォォォォォォオオン!!》

 

「ガアッ………………ァ……ッ。」

 

『勝者 龍蟹金』

 

…。

 

「…。」

 

……。

 

「……。」

 

……………………………………ア。

 

「データ取ルノ忘レテタ。……明日デイイカ。後、セシリアチャンニ謝ットカナイト、『ヤリ過ギテゴメンネッテ』ッテ。………………頭冷シテコヨット。」

 

 

アナザー電王side

 

「…………何?今の……。何が……起こったの?」

 

横で更識楯無が驚愕と混乱の表情を行き来している。

当たり前だ。一体何がどうなって織斑一夏に『ロードローラー(・・・・・・・)』がのしかかった状態になるのか、全くもって訳が分からない。

金はと言うと目からハイライトを失った状態で戻っていく。何かブツブツ言ってるがここからじゃ全く聞こえない。

 

「金ちゃんってああいう事する子?」

「まだ付き合いが短いからわからんが、少なくともああいう事をする感じではなかったな。……今のところは。」

「という事は一夏君が何か地雷を踏んだと見ていいのかしら?」

「だろうな。」

 

俺はそう言うと立ち上がり帰ろうとする。

 

「待ってちょうだい。一つ確かめたい事があるの。」

 

更識楯無から声がかかったのでそこで立ち止まる。

更識楯無を見れば真剣な顔でこちらを見ていた。

 

「貴方達が潰したテロリストの中には亡国機業も含まれてるの?」

「…………まだ支部の方だけだ。本部はまだ見つかってない。」

「…………そう。」

 

更識楯無の問に俺は思い出しながら答える。

俺の返事に更識楯無は少し苦虫を噛み潰したような顔(?)をしていた。

…………はぁ、全く。

 

「亡国機業の事もいいが早く妹の更識簪と仲直りしとけよ?」

「……えぇそうね……ってはい!?

「それじゃあな。」

「ちょっ、ちょっと待ちなさいよ!?なんで私と簪ちゃんの状況のこと知って……。」

 

更識楯無が何か言ってるが俺は無視してやってきたアナザーデンライナーに乗り込む。

 

「待ちなさいって言ってるでしょーーー!!」

 

知らんな。




次の話で金の能力を判明させます。


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AnotherDecade

金side

 

HELLO!HELLO!

あっ、それともBonjour?

龍蟹金デース!

今現在私はフランスにいまーす!

何故かって?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

デュノア社落とすに決まってんだろ?ついでに八つ当たり。

いやね、一夏君の発言に私意識がドス黒くなったから前々から気に入らなかったデュノア社を落とす事にした。

デュノア社の全社員を恨んでいるのではなくその夫妻。

ウン、beat to death。理由ヲ思イ出スダケデモ殺意ガワク。

ただ、それだけじゃつまらんので1週間前にタイムスリップしました。

って事で今私は今デュノア社の前にいます。

因みに私の服装はマゼンタのキャップ帽子(DIOのロゴ付き)に黄色のTシャツでその上に黒のコート。そして迷彩柄のショートパンツにスニーカー。うん、怪しさ満点。

 

「ま、姿を変えるから良いけど。」

 

私は帽子を深く被ると自分自身の姿を変える。

私の前に21枚のプレートが現れそのプレートが頭部に刺さり、幻影が前後左右斜めへと広がって行く。

姿が変わり終わるとそれはもう私の姿ではない異形で異質な怪物。

それは正しく『悪魔』を連想させる様な姿。 

仮面には歯が剥き出しになった醜悪な人面が見えており、「仮面を壊して素顔を露わにした」とも、「仮面が顔と一体化した」とも解釈できる様な仮面。シルエットはまるで双頭の鷲の様な顔。

腰には血走った眼球にも見える生物的な意匠をしたマゼンタ色のベルトがあり、その周囲にみられる爪や牙のような装飾はそれぞれ形が異なっている。

上半身には十字があり、その十字部分は真っ黒で三本のラインで構成されている。

右胸には蝙蝠の翼があり、そこに『Decade』と『2009』の文字が書かれている。

私のもう一つの姿、その名も…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Decade

 

 

『アナザーディケイド』。

 

 

 

私がアナザーディケイドになると周囲の人は私を見て驚き、恐怖し、逃げていく。

 

「さぁ〜てと……」パチンッ

 

私が指を鳴らすと背後にどデカい灰色のオーロラカーテンが現れ、そこから複数の人影が現れた。

それは2001年の時代に存在した装着者に死を与えるパワードスーツ。

その名も『仮面ライダーG4』。

それらがざっと…………えーとぉ?十数体以上?かな?

因みに装着者全員(私特製の)アナザーアギトとなった元人間達です。

私が右腕をあげるとG4軍団は一斉に多目的巡航ミサイル『ギカント』を構える。

そして……。

 

撃てぇえ!!!

 

私の合図と共にミサイルが一斉に発射されデュノア社に着弾する。

 

「よしよし。全員私に続けぇえ!!!」

 

私の号令と同時にG4軍団はバールやら刀やら鉈やらの近距離武器やショットガンやらガトリングやらの遠距離武器を持ってデュノア社に突撃する。

デュノア社に突撃すれば予想通りIS部隊がやってくる。まぁ倒すから関係ないけど。

IS部隊は私が出来る限り潰していく。

 

「くたばれぇ!!」

 

背後から私に攻撃してくるISもいるが私には関係ない。

なぜなら、私はアナザーディケイド以外の能力を持っているからだ。それは……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「【世界の支配者(ルーラー・オブ・ザ・ワールド)】ォ!!」

﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌

 

私のその叫び声と共に私の傍に人型の(ヴィジョン)が現れ、周りのものは一斉に止まる。

これが私の能力である『幽波紋(スタンド)』、【世界の支配者(ルーラー・オブ・ザ・ワールド)】。

その効果は『時間操作』。

今起こっている現象はその中の一つ、定番中の定番、『時間停止』。

まぁその他にも『加速』や『跳躍』、『消し飛ばし』や『未来予知』、『逆行』等バリエーションが豊富(余談だけど未来予知が使えた時「これも時間系統の能力なのか」と思った)。

1週間前にタイムスリップしたのもこのスタンドの能力。

ついでに私のスタンドは人型。つまり。

 

『無駄ァ!』

《ドゴォン!》

 

殴れる☆

って事で、せーのぉ

 

『無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァ!』

 

私は未だに止まっている襲いかかって来たISに無駄無駄ラッシュを決め込む。

あらかた殴り終え私は歩き出す。

あんだけ殴ったのだ。今はなんともなってないが時を再び動かせば。

 

「そして、時は動き出す。」

﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌

《バギャアッ!》

「ぶへァあ!?」

 

殴られた反動でISは後方へと思いっ切り吹っ飛ぶ。

気絶してる操縦者は無視して私は目的の場所へと向かう。

その間にもIS達が襲って来たので問題なく殴った。

 

﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌

[少女移動&戦闘中]Now Loading…

﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌

 

『無駄ァ!』

《ドゴォン!》

 

私は目的の部屋まで辿り着くとスタンドで扉を破壊する。

部屋に入ると一人の女が腰を抜かして怯えている。

分かる人には分かると思うがこの女こそがデュノア社社長夫人(名前?忘れた)。

 

「な、何なのよあんた!?」

 

社長夫人が何か言ってるが私は関係なく持ち上げる。もちろんスタンドでだけど。

私は社長夫人を上まで持ち上げると先程の質問に答えた。

 

「何って『悪魔』で『破壊者』さ。」

 

そう言うと社長夫人を上へと投げる。そして……。

 

『無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァアアアアア!!』

 

怒涛のラッシュを社長夫人に叩き込み殴り飛ばす。

そして社長夫人は落ちる途中、大きく歪み消えていった。

 

「ISが無きゃ無力だって事を覚えておけよ?」

 

私はそう言うと社長さんとシャルロット・デュノアを探しに行った。

…………あっ思い出した。あの女の名前リーズ・デュノアだ。

…………遅せぇかwww

 

﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌

数十分後

﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌

 

あの後、アベル・デュノア(さっき思い出した)とその娘シャルロット・デュノアを見つけ、少し話し合った後私はその場を去っていった。

ウンウン、予想通りアベルは娘思いだったよ。

会うなり「私の娘に手出しはさせない」ってシャルロットの前に立つんだもん。カッコイイやん、社長。

それとリーズを何処にやったと聞いてきたので別の時代に送っといたと答えたらしばらく放心状態だったね。

 

「さてと私は……。」

 

私は懐からアナザーウォッチを取り出す。

その絵柄はアナザー龍騎と似た顔をしたアナザーライダーの顔が描かれている。

 

「……誰の鏡像にしようかなぁ。」

 

候補としては四人くらいいるが結構迷ってる。

私は顎に手を当てしばらく考えた後、その人物の元へと向かう事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

元の時間に戻った次の日。

ニュースで人間の頭蓋骨らしき化石が発見された事に、騒がしいくらい話題になっていた。

あまり突然の事に思わず噴き出してしまった。被害者は布仏本音。

……ごめん、本音ちゃん。




って事で龍蟹金の能力です

余談ですがディケイドは自分が一番好きなライダーです


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更識簪の異常

誠に申し訳ございません
中々話の展開が思いつかなくって時間がかかってしまいました。

後、アプリゲームのイベントで遅れました。自業自得ですね(白目)

今回はアンケートの結果です


アナザー電王side

 

「……で?」

「ん?」

「どうして俺はIS学園の寮にいるんだ?」

「なんでかしらね~。」

「おい。」

 

俺がそう言うのも仕方ないと思う。

突然更識楯無が電話をしてきたと思ったら「相談がある」と言って一方的に電話を切るという流れになって仕方なしにIS学園の寮に来たという感じだ。

 

「ってか、なんで更識楯無が俺の電話番号知ってんだ。」

「駄目元で情報屋さん(実際は違うけど)に聞いてみたら知ってた。」

「なんでさ。」

 

何もんだよ、その情報屋……。

 

_____________________

 

『へっくち!』

「款、大丈夫?」

『大丈夫大丈夫』

_____________________

 

「それで?なんで俺は呼ばれたんだ?……まぁ大体察しはつくけど」

「簪ちゃんの事なんだけど……。」

 

そこまで聞いて俺は(やっぱりな……)と思い次の言葉を聞いた。

だが、次に言ったことは俺の予想とは全く違うものとなった。

 

「実は私の事そんなに嫌っていなかったみたいなの……。」

「………………は?」

「専用機に関しては「ただ運が悪かった」程度で済ませたのよ。」

 

……待て。少し整理させてくれ。

更識簪は距離を置いてるが、原因は更識楯無の発言ではなく全く別の事で、オマケに専用機の事もあまり気にしてないという感じで……?

 

「今、更識簪は?」

「入学してからずっと寮の部屋に引きこもったまんま。」

「引きこもったまんま!?」

 

おかしい。おかし過ぎる。

更識簪の過去の経緯や性格上、他者との距離をとることはあるが引きこもることなんてない。

何故、引きこもるなんて行動に出たんだ?

 

「会ったのか?」

「いいえ、扉越しにしか。」

「ほかの奴は?」

 

俺が聞くと更識楯無は首を横に振る。

色々とわけありみたいだな。

取り敢えず、何とか直接会って聞き出さないとな。

俺としてもそれは避けなくてはならない。

 

「所で……。」

「……言いたい事は分かるが一応聞こう。」

「なんで鬼の能面?」

「金にカウンセラー擬きに行くって言ったらさしだした。」

「逆効果よね……。」

「ソレな。」

 

﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌

 

俺と更識楯無は途中で何度か会話をはさみながら更識簪の部屋の前までやってきた。

更識楯無は扉の前に来ると一度俺の方を向き、視線を合わせた。

俺はそれを見て頷くと更識楯無はノックをした。

 

《コンッコンッ》

 

「簪ちゃん、いる?」

『…………何?』

 

……ヤベぇ。

声のトーンがやけに低い。

怒っているという感じではないが、かなり参っているって感じだ。

 

「えっとね……頼りになれる人を連れてきたんだけど。」

『……。』

「は、入るわね。」

『……。』

「………………。」(´;ω;`)

 

会話になってねぇ!!

更識楯無の発言に何も反応しねぇ!返事も!

そして涙目でこっちを見んな!

早くドアを開けろ!

 

「お邪魔しマース……。」

 

更識楯無はよそよそしくしながら、更識簪の部屋へと入って行く。

俺も一緒に中に入った……が。

更識簪の姿は何処にも無かった。

 

「……え?」

「……いない?」

 

いや、それはおかしい。

先程更識楯無がノックした時には中から声がした。

だからいないなんて事は無いはずだ。

 

「ど、どどど、どうしよう!?」

「落ち着け。さっきまで中で声がしたんだ、いないはずがない。」

「そ、そうよね……そうよね!?」

「…………。」

 

……ダメだこりゃ。

俺は更識楯無を無視して更識簪を探す。

流石にロッカーやバスルームは更識楯無に探させてるが……。

しかし、更識簪が一向に見つからない。

 

「か、簪ちゃ〜ん。何処〜?……グスッ」

 

更識楯無が泣き始めた……。お前生徒会長だろ(呆れ)

とはいえ、見つからないのは事実だ。

一旦部屋を出てまた改めるか。

そう思い、部屋を出ようとした。

 

「更識楯無、一旦出直すぞ。」

「で、でも〜。」

「早くし……。」

 

途端、視線を感じた。

視線を感じた方を見るがそこには誰もいない。

だが、確かにそこにいる。何故かは分からないがそう感じる。

 

「ど、どうしたの?」

 

俺は更識楯無を無視してゆっくりとそこに近づく。

 

《》

 

同時に何かが擦れる音がした。

やはり何かがいる。

そう思いそこに触れようとし……。

 

「きゃあ!?」

「!?」

 

途端に更識楯無が悲鳴をあげる。

その声に俺は反応し、更識楯無の方を見ると

 

 

 

 

 

 

 

 

 

更識楯無の顔が本の様にめくれていた(・・・・・・・・・・)

いや、顔そのものが本になっている。

そしてその本に何かが書かれていき、ひとりでに閉じていく。

 

「え!?ちょっ!?何!?」

「うおっ!?」

《ガキィン!!》

 

突如として更識楯無がISを部分展開して俺に手を延ばしてきた。

俺はあらかじめ隠し持っていた武器で何とか防ぐ。

更識楯無は何が起こっているかまるで分かっていない。

まさか、操られてるのか?

 

「おいどうした急に!!」

「分からないわよ!身体が勝手に動いてるのよ!」

「チッ、しょうがねぇ。」

『DEN-O』

 

俺は更識楯無の攻撃(?)を避け、アナザー電王に変身する。

 

「ふっ!」ゴッ!!

「あうっ……。」ドサッ

 

俺は短剣を操り、柄のところで更識楯無のうなじに当てる。

更識楯無はそれをモロにくらい、その場に倒れ気絶する。

なんとかなったかと思ったら今度は俺の右腕が本の様にめくれる。

 

「な!?(しまった!?)」

 

その状況を見て今度は俺の番かと思った……が。

 

「………………え?」

 

何も無い所から誰かの声が聞こえた。

その声は戸惑いを感じているような声だ。

 

「(今のうちに)ハッ!」ゴッ!!

「あうっ……。」ドサッ

 

その戸惑いの声に一瞬疑問をもつが、すぐ様短剣を操りその声の人物を気絶させる。

その声の人物はやはり更識簪だった。

……気絶する時の声が同じって。

とりあえず俺は変身を解き、更識姉妹をベッドに寝かせ起きるのを待つことにした。

 

﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌

 

「…………………………。」

「…………………………。」

「…………………………。」

「…………………………。」

「…………………………。」

「……お前ら何時まで黙っているつもりだ?」

 

あの後、数分ぐらいで更識姉妹は目が覚めた。

……まぁ当然の如く俺(主に仮面)を見て怯えているのか、シーツで隠れていた。

で、起きてからというもの、既に五分間も喋らずにいる。

何度か更識楯無が喋ろうとしたが言葉が出なかったのかすぐに口を閉じる。

 

「気まずいのはわかるが、いい加減話し合ったらどうだ?」

「「…………………………。」」

「………………ハァ……(ダメだこりゃ)。」

 

俺が更識姉妹に話を振っても更識姉妹は黙り込む。

俺はため息をつき、この部屋に入ってきた時に気になっていたこと(・・・・・・・・・)を聞く事にした。

 

「更識簪。」

「………………。」

「この部屋に入ってきた時に気になっていたんだが…………何故至る所に新聞紙や布が掛けられているんだ?」

「………………ッ!」

 

俺がその質問を投げかけると更識簪は体を震わせた。

俺が言った通り部屋の至る所に新聞紙や布が掛けられている。

窓ガラスは新聞紙で隠し、カーテンを閉めっきりにしていて、洗面台などの鏡は取り外されていて、布や新聞紙で包まれている。

食器は殆どがプラスチック製で包丁も子供用の包丁。

そして至る所の金属製は新聞紙で包まれている。

まるで、何かを拒絶するかのごとく(・・・・・・・・・・・・)……。

俺は問いただす用に更識簪を見る。

更識簪はそっぽを向くと次第に透明化していく。

 

「待て待て待て待て。」

 

俺は透明化していく更識簪を止める。

何消えようとしてるんだ。

それに気掛かりなのはそれだけではない。

その透明化の能力に先程の本の様にする能力。

俺の知っている限りでは更識簪にはそんな能力は持っていなかったはずだ。

 

「その力はどうした?」

「……手に入れた。」

「何処でだ?」

「……………………。」

「……ハァ。」

 

もう二度目の溜息。

やはり何処かおかしいと思考していると更識楯無が立ち上がった。

 

「か、簪ちゃん……えっと……その…………虚ちゃんと本音ちゃんが心配してたわよ?だから……え〜と……そろそろ授業にd「嫌。」ウゥ……。」

 

それだけは即答なのかよ。

やはり引きこもってる理由は周りの状況か。

……締め切ったカーテン、プラスチック製の食器、取り外された鏡、未使用の眼鏡……。

 

(……まさか。)

 

俺はこれらの物にとある共通点(・・・)がある事に気づいた。

だとしたらその透明化の能力はそういう意味だ。

成程、そりゃ引きこもるわけだ。

 

「そうか、それじゃ失礼する。行くぞ更識楯無。」ガシッ

「えっ!?ちょっと!?」

「悪かったな突然訪問して。」

「…………。」

「……また来るかもな。」

 

そう言って俺は更識楯無を引っ張って部屋から出ていった。

更識楯無はギャーギャーとわめいていたが当然無視した。

……どう対策しようか。

 

 

簪side

 

鬼のお面の人とお姉ちゃんが出て行くのを見て私はゆっくり立ち上がって窓に近づく。

……あの人は多分、理由が分かったんだと思う。

じゃなかったら出ていかないもん。

私は恐る恐るとカーテンを開け、新聞紙をどかす。

 

「…………やっぱり、映らない。」

 

私の姿が映らない(・・・・・・・・)窓ガラスを、見て私はため息をついて直ぐに新聞紙で隠す。

私はベッドの横で蹲ると何時ものように透明になった。

 

 

???side

 

相変わらず塞がった窓ガラスを、見て私はため息をついて一言呟いた。

 

「臆病者。」

 

本当に“あの子()”は弱虫だね。

さてと、私は他のところの観察と行くか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『リュウガ!』



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透明の記憶と天国への扉 前編

おまたせいたしましたああぁぁぁあ!(うるさい)

今回は更識簪の持つ能力の経緯を教えます


第三者視点

 

IS学園の脱衣所。

 

ガラガラガラッ

 

脱衣所の扉がひとりでに開く。

そして少しすると扉から少し離れたところでその人物は姿を現した。

水色の髪で赤い瞳。髪は内側にハネており、眼鏡をかけた少女『更識簪』。

更識簪がふぅっとため息をつくと服を脱いで風呂場へとはいった。

シャワーを浴びている間、簪は先程来たアナザー電王の事を考えていた。

 

(どうしよう。私、あの人の秘密知っちゃったかも……。)

 

簪はその事に少し困惑していた。

と言うのもその主な要因は簪がアナザー電王に向けて発動した能力【天国への扉(ヘブンズ・ドアー)】にあった。

天国への扉(ヘブンズ・ドアー)の能力は人の記憶を本(辞書とも言う)にして読むことの出来る能力。また、そこに書き加えることが出来る。

基本的に、身体の一部が薄く剥がれるように本になる。そして、その本にはその本にされた人物が記憶している人生の体験が記されている。

それを読むことによって相手の事を知る事が出来る。

簪はその能力を使って楯無とアナザー電王を本にした。

楯無には『近くにいる人物を気絶させて部屋を出る。』と書き加えた。

しかし、それはアナザー電王によって失敗。

ならばとアナザー電王を本にしてこの部屋から出ていかせようとしたがそこに書かれている内容に簪は戸惑ってしまい、アナザー電王に気絶させられた。

 

所で、なぜ簪がこの能力を持っているのだろうか?

それに加えあの透明化の能力は何処で手に入れたのか?

それはIS学園に入学する数日前に遡る。

 

―――――――――――――――――――――

 

簪side

 

 

「…………。」

 

私は自室で蹲って掛け布団を羽織ってパソコンをいじっていた。

私は数日前から自分の姿が映らなく(・・・・・・・・・)なっていた。

それ以来、私は怖くて姿が映るものには新聞紙や布で覆って隠していた。

時折、私の声が聞こえる事があるが見ようとは思わない。

見たら何か恐ろしいものが映るかもしれないから。

私は誰にも相談出来ることも無く自室に閉じこもっていた。

 

【コンッコンッ】

 

『簪ちゃん?』

「?お姉ちゃん?」

 

ふと、ノックが聞こえ扉越しにお姉ちゃんの声がする。

だけど、その声はどこか不安げだった。

 

『その〜…入っていい?』

「………駄目。」

 

本当はお姉ちゃんと一緒に話したいけど出来なかった。

姿が映らない私を見てお姉ちゃんが離れていくんじゃないかという恐怖があったから。

勿論、お姉ちゃんがそんな事するはずないと思ってるけどそれでも怖かった。

 

『や、やっぱりこの前の事…気にしてる?』

「?」

 

お姉ちゃんがそんな事を言い出したので私はなんの事かと思ったけどお姉ちゃんが次に言ったことで直ぐに理解出来た。

 

『この前……簪ちゃんに言った事……。』

「!」

 

この前言った事と言うのはつい先日のこと。

私の家『更識家』は対暗部用暗部と言うもので昔からテロリストとかに対抗していた。

勿論それは命に関わる危険な仕事。

お姉ちゃんはそんな更識家の当主になった。

それだけじゃなく、ロシアの代表にもなった。

そんなお姉ちゃんは私にこんな事を言った。

「貴女は無能のままでいなさい」っと。

普通なら酷い言い方だけど、私はそうは思わなかった。

それがお姉ちゃんなりの不器用な言葉だと言うことを理解出来た。

昔からお姉ちゃんは完璧にこなしてたけど、こう言う時には何かと不器用だと言うことを私はよく知っていた。

その証拠にこうして心配して来ているのだから。

じゃなきゃ、あんなにも中が良かったのに突然あんな事を言うはずが無かった。

……言ったことはちょっと酷いけど。

 

「あ、えっと……お、お姉ちゃんは悪くない!」

『……え?』

「私は気にしてないよ。お姉ちゃんなりの不器用な言葉だって知ってるから…。」

『ほ、本当?』

「うん……言ったことはちょっと酷いけど。」

『ご、ごめんなさい。』

 

お姉ちゃんに要らない心配をかけてしまったみたい。

私はお姉ちゃんが悪くない事を伝えたらちょっとは安心したみたい。

私の最後に言った言葉にちょっとへこんだ声がして小さく笑った。

 

『えっと…じゃあ何で部屋に閉じこもってるの?』

「そ、それは………。」

 

お姉ちゃんの質問に私は何も答えなかった。

これだけはいくらお姉ちゃんでも言えなかった。

 

「ごめんねお姉ちゃん。お姉ちゃんでも…相談出来なくて……。」

『そ、そう。』

「ごめんね、お姉ちゃん。」

『う、うん…大丈夫よ。』

 

そういった後、お姉ちゃんが私の部屋から離れて行く。

これ以上、お姉ちゃんに迷惑をかけられないと思い私はネットで解決方法が無いかと探し出す。

けど、やっぱりこういう事例は無いらしくどこを探しても見つからない。

 

(やっぱり、無理なのかな?)

 

そう思っていると奇妙な広告を見つけた。

その広告にはこう書いてあった。

 

『あなたに見合った特殊能力をお売りします。』

 

そう書かれてあった。…なんか胡散臭い。

そう思いながらも広告を開くとズラリとその特殊能力のリストが現れた。

一つ一つ見ていて思った事がある。

金額が思った以上に高い。

高い物で11万、安いもので2万もしていた。

高い理由に『特殊能力を扱っているため』と書かれている。

まぁ、当たり前だと思う。

正直見ていて胡散臭いと思っていたけど、もしこれで解決するならと私はそのサイトの下に書いてある電話番号をうった。

 

トゥルルルルットゥルルルル…ガチャッ』

 

『はい…白蛇屋です。』

 

しばらくすると本当に電話がかかり、女の子の声が聞こえた。

声の感じだと私と同い年ぐらいかな?

 

「えっ…と、サイトを見て電話をしました。」

『…お待ちください。』

『―、―――――。』

『―』『――?』

 

遠くから会話が聞こえるけど中々聞こえない。

しばらくするとまた、声が聞こえた。

 

『はい』『白蛇屋の店長だよ』『サイト見てくれたんだって?』

「……はい。」

 

次に聞こえてきたのは男の声。

けど、何だか喋り方に違和感がある様な…?

 

『いやぁ嬉しいなぁ』『まさか女子高生のお客さんが電話するなんて思わなかったよ』

『………………。』ギリギリギリッ

『痛い痛い痛い』『ごめんって』

 

店長と言った人が誰かに(多分さっきの人だと思うけど)つねられているのか、少し痛そうに言ってる。…付き合ってるんだ。

 

『痛た…』『それで特殊能力が欲しいのかな?』

「はい…。」

『うん』『それはどうも』『ただ』『配達じゃなくて直に店に来ないといけないからさ』

「……え。」

 

店長と言う人の言葉に私は困惑した。

出来れば誰とも会わずに用を済ませたい。

すると店長と言う人はそれを察したのか。

 

『あぁ大丈夫だよ』『準備が出来たらただ君のいる部屋のドアから出ればいいだけだから』『そしたら迎えに行くよ』

 

店長と言う人はそう言った。

ただ、言ってる意味は分からなかった。

それってドアから出るだけで店に着くってこと?

 

『取り敢えず』『物は試し』『騙されたと思ってね』

「…あっ。」

 

店長と言う人はそれだけ言うと電話を切った。

私は何が何だかわからず、取り敢えず必要なお金だけを持って、部屋のドアまで向かう。

……本当に店に着くのだろうか?

そう不安に思いながら思い切ってドアを開ける。

 

「…………………………え?」

 

私は目の前の光景を見て絶句した。

目の前に広がっていたのは一面の砂漠地帯。

暑くはない、だけど寒くもない。

私は振り返ってドアの先を見る。

ドアの先には私の部屋、再び前を見れば一面の砂漠地帯。

 

「ど、どうなってるの?」

 

私が目の前の光景に困惑していると。

 

【プワァァァァァァアアアン!】

 

「え!?」

 

驚く事に遠くから黒と水色のラインの入った新幹線の様なものがこちらに向かって来た。

よく見れば、その新幹線の目の前で線路が現れていた。

そしてその線路は私の目の前に来て黒い新幹線も私の目の前に来た。

黒い新幹線はゆっくりと止まって行き、一つの扉が私の前に来る。

私がポカンとしてるとその扉が開き蝙蝠のような顔をした怪物が現れた。

 

「よぉ、あんたが款の言ってたお客さんか?」

 

蝙蝠の怪物は私に言ってきた。

だけど私は驚きの連続で声がなかった。

 

「ん?おーい?」

「!?ひゃっ!」

 

蝙蝠の怪物が目の前で手を振ってきたので私は我に返ったと同時に尻もちをついてしまった。

蝙蝠の怪物はそれに驚き「あ〜。」と言いながら頭(?)をかいていた。

 

「まぁしょうがねぇか。ドアを開けたら突然砂漠地帯で目の前に新幹線が現れて怪物概要現れたんじゃあな。」

「あ!えと、ごめんなさい!」

 

蝙蝠の怪物が少し笑いながら言ったので私は慌てて立ち上がり蝙蝠の怪物に謝罪した。

蝙蝠の怪物はそれを見て「いいっていいって。」と言って扉の中に入っていく。

蝙蝠の怪物は「入りな。」という仕草をしたので私は入る事にした。

中に入るとそこは食堂のような場所だった。

たまに見る、電車の中で飲食の出来る車両の様なもの場所。

辺りを見渡すと蝙蝠の怪物の他にも、髑髏(?)の様な怪物とコブラ(?)の様な怪物がいた。

 

「やりぃっ!ロイヤルストレートフラッシュ!」

ぎゃああぁぁぁぁぁぁあああ!!??

 

髑髏(?)の怪物が五枚のトランプのカードを大きく掲げ、コブラ(?)の怪物は絶叫して頭を抑えていた。

それを見た蝙蝠の怪物はそれを見て二体の怪物に近づいていく。

 

『ROAD』

 

すると、蝙蝠の怪物は全く別の姿へと変わった。

『ROAD』って『道』って意味だよね?

……なんか道っぽくない。

 

「ふん!」ゴスッ!!!

「「ぐべらっ!?」」ガンッ!!!

「あっ。」

 

蝙蝠の怪物(だったもの)は二体の怪物に思いっきり拳骨を食らわした。

二体の怪物はその反動で顔をテーブルにぶつけて気絶した。

 

「款……あ〜店長はその扉の向こうだ。」

 

蝙蝠の怪物(だったもの)は私の近くにある扉を指さした。

私は怪物達を後目に扉先へと向かった。

 

『やぁ』『いらっしゃい』

 

別の車両に入ると右側のカウンターにいる白髪に左眼にモノクルをつけた男の人が手を振って私を迎えた。

左側のソファと机の方には紫色の髪をして左眼に眼帯をつけた女の子が体育座りをしてこちらを見ていた。

後やっぱり男の人の喋り方に違和感がある。

男の人は『座っていいよ』といってソファに座るように促す。

私は男の人に言われるがままソファに座る。

 

『まず』『ようこそ!』『特殊能力移動販売店『白蛇屋』へ』『僕はここの店長『縞立款』だよ』『宜しくね』『そしてそこに座ってるのが僕の彼女の』

「…縞立響歌。」

 

白髪の人『縞立款』さんは自分の自己紹介と私の横(少し離れてるけど)にいる女の子『縞立響歌』の自己紹介をした。

…やっぱり付き合ってるんだ…。よく見たら二人とも右手の薬指に指輪をつけてる。

確かロシアだと指輪を付ける位置が左右逆になるんだっけ。

 

『君の名前を聞かせてくれるかな?』

「あっはい、えっと…更識簪…です。」

 

款さん(って呼んだ方がいいのかな)に言われて私も自己紹介をした。

すると款さんは一瞬だけキョトンとした顔をすると何か考え出した。

 

更識って確か対暗部用暗部の家系だったっけ?

 

何か呟いてるけど何を言っているのか聞こえなかった。

少しすると款さんは直ぐに笑顔で私の方を見た。

 

『さて』『君はどんな理由でこの白蛇屋に電話したのかな』

『良ければその理由を教えてくれるかな?』

『無理なら無理に言わなくていいよ』

「…………。」

 

款さんがそんな事は言って来たので私は少し迷った。

本当は言いたくないけど、言わなきゃ何も始まらないので私は款さんに教える事にした。



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透明の記憶と天国への扉 後編

簪side

 

『なるほど』『鏡に自分の姿が映らなくなったと……』

「……はい。」

「物凄い面倒な問題……。」

 

私は自分の身に起こった事を誠さん達に一から全て話した。

款さんは『成程成程』と頷いて響歌ちゃんは小さくため息をついた。

正直いって信じられない様な内容だけど二人の感じだと一応(?)信じてはくれてるみたい。

 

『正直』『鏡って時点で『マン・イン・ザ・ミラー』関連かと思ったけど』『どうやら違うみたいだね』

「まん・いん・ざ・みらー?」

『あぁ』『スタンドの一つだよ』

『と言っても』『いきなりスタンドって言ってもわからないよね』

「す、すたんど?」

 

な、なんかいきなりわからない単語が出てきた。

え、えっと…スタンドってマイクスタンドのスタンド?

 

『そろそろ僕達の仕事を教えておこうかな』

『ここがどんなお店なのかってね』

 

そう言って款さんは後ろの壁を下に下ろすとそこからDISCとUSBメモリメモリが現れた。

 

『僕達が扱っているのはその名の通り特殊能力』

『その中でも』『スタンドとガイアメモリを扱っているんだ』

「が、がいあめもり?」

 

またわからない単語が現れた。

 

『まずはスタンドからだね』

『スタンドというのは“超能力”の概念に(ヴィジョン)を与え、目に見える形で表現したもの』

『例えば』『「超能力で遠くの物を壊す」という描写が』『「スタンドの像が遠くの物をぶん殴る」という描写になるわけだ』

『名前の由来は『傍に立つ(Stand by me)』または『(困難に)立ち向かう(Stand up to)』からだよ』

『スタンドには基本的な定義があって』

『一つ目』『スタンドは一人につき一体又は一種類である』『外見上複数体存在する場合もあるよ』

『二つ目』『スタンドにはその持ち主である「本体」がいる』『殆どは人間だけど』『人間以外の生物』『さらには植物や無機物が本体となる場合もあるね』

『三つ目』『スタンドが傷つけば本体も傷つき、本体が死ぬとスタンドも消滅する』『気を付けてね?』

『四つ目』『スタンドは1体につき1つ特殊能力を持つ』『能力は本体の精神的才能に基づき、精神が成長すればスタンドも成長する場合がある』

『五つ目』『スタンドの姿はスタンド使いでなければ見ることはできない』『これはもう基本中の基本だね』

『六つ目』『スタンドは通常の物質をすり抜ける事ができる』『そのためスタンドでなければスタンドを攻撃できない』『これも基本中の基本だね』

『まぁこれらはあくまで原則』『例外も存在するからね』

「款、またカンニングしてるでしょ。」

『あ』『バレちゃった?』

「チラチラと下見てるから丸わかり。」

『あはは……』『前も言ったけど』『まだ、完全には理解してないからね』

 

響歌ちゃんの言う通り説明してる途中で款さんはチラチラと下を見ながら私に説明していた。

というか、よくあるんだ……。

 

『スタンドには外見も色々あって』『人型』『人間以外の生物、または人工物型』『物質同化型』『道具型』『群体型』『無像型』『装着型』

『また、パワーによる分類もあって』『近距離パワー型』『遠隔操縦型』『遠隔自動操縦型』

『こういった感じのがあるね』

『人型は基本的にスタンドが傷つけばそのまま本体の同じ箇所も傷つく』『特殊能力の他』『ラッシュによる格闘戦を行うものが多い』『中には「手で触れること」で特殊能力を発動させるタイプがある』

『人間以外の生物』『または人工物型は形状によって本体にダメージがフィードバックされたりされなかったりとまちまちあるね』

『物質同化型は現実に存在する物質・物体と同化しているタイプだよ』『そのためスタンド使い以外にも見えるし触れる事もできる』

『道具型は文字通り道具の形をしているタイプのスタンド』『これは基本的に本体が直接操るね』

『群体型は「複数の像を持つ1種類のスタンド」として存在するタイプだね』『数が多ければ多いほどスタンド1体あたりのダメージフィードバックは小さい』『しかも四方八方から攻撃できたり一度に多くの状況を把握できたりと強力』『ちなみにとある財団の調査によると』『このタイプのスタンドを持つ人間は精神面に欠陥があるらしいよ』

『無像型はスタンド像が無く』『能力だけが存在するタイプ』

『装着型は本体がスーツのようにスタンドを纏うタイプ』

『分類が難しいタイプは「その他」と分類されるね』

『近距離パワー型は岩や壁などを破壊できるパワーを持ち』『スピードにも優れる場合が多い』『パワフルな戦闘を行えるけど』『基本的に本体から数m程度しか離れられない』『だから本体も常にスタンドと動き回らないといけなくて』『それなりの運動能力が求められるから気を付けてね』

『遠隔操縦型はパワーは低く』『スピードや精密動作性も低い事が多いが』『代わりに長い射程距離を持っているよ』『その距離は十数m程度のスタンドからなんと数百㎞まで及ぶスタンドもあるんだよ』『これにより相手に気付かせず奇襲をかける戦法が可能だね♪』『本体と視聴覚を共有している場合も多いから』『偵察にもとても向いているんだよ!』

『遠隔操縦型は先程の二つと比べるとかなり毛色が違くて』『長所として本体との距離に関係無く破壊力抜群の攻撃を行える点』『スタンドへのダメージが本体へフィードバックしない点が挙げられるんだよ』『ただし、その分短所として』『一定の条件を満たした対象物を無差別に攻撃する事しかできなくて』『本体の細かい指示は受け付けられない点や』『感覚を共有できないから本体がスタンドの周囲の状況を把握できない所が挙げられる』『良くも悪くも本体とのリンクが薄いタイプと言える』

「え、えぇと。」

 

あまりの説明の長さに私は頭がパンクしそうになった。

響歌ちゃんはそんな私に紅茶をくれた。

私は紅茶を受け取り飲み干した。

 

(え……。一気に?)

『あはは……』『続けるよ』

『スタンドには基本的なパラメーターがあるんだ』

『スタンドの基本的な能力は』『A~Eの5段階表記で示されるね』

『評価の項目は「破壊力」「スピード」「射程距離」「持続力」「精密動作性」「成長性」の六つ』『まぁだからと言って評価が高くてもどんな敵や状況にも対応しうるとは限らない』『言わば適材適所ってところだ』

『破壊力は単純な攻撃力』『像によるパンチなどで起こせる破壊だけじゃなく』『スタンドそのものの特殊能力で起こせる破壊も含まれるよ』

『スピードはスタンドの動作速度』『移動速度や』『能力発動に必要な速度』『本体が操る能力である以上は』『本体の限界を超えて行動できるスタンドは存在しない』『例外のいるスタンドがいるけど』

『射程距離は本体から離れてスタンドが発動できる限界距離』『Eが2m以下』『Dが数m程度』『Cが十数m程度』『Bが数十m程度』『Aが100m以上』『といった基準になるよ』

『持続力はスタンド能力を発生させ続けられる時間だね』

『精密動作性はいかに正確かつ器用な動作ができるかを表すよ』『遠隔自動操縦型は精密動作性を犠牲に破壊力と射程距離を両立させたタイプと言えるかな』

『成長性はスタンド能力の伸び代で』『戦闘力とはあまり関係ないかな』『本体の精神力によってスタンド能力も成長することが推察されてるみたい』

「みたいってのは?」

「現に確認されてるのが一人だけ。他にもいるかもしれないけど、それが一番現れてるのが一人だけ。」

 

そ、そんなに少ないんだ。

他にもいるってことは他にもそのスタンドを扱ってる人っているんだ。

 

『さて』『スタンドに関してはこの位かな』

『じゃあ次は』『ガイアメモリに関して説明するね』

『ガイアメモリは地球に記憶された現象・事象を再現するプログラムが封じ込められていて』『ガイアメモリを挿してメモリに内包された「地球の記憶」を注入することで』『生物をドーパントに変えるメモリなんだ』

「ドーパントって何ですか?」

 

私はドーパントと言う言葉に疑問を持ち款さんに質問を投げかけた。

 

『よく聞いてくれたね』

『ドーパントとは』『使用者が自身の肉体にそれぞれのメモリを挿入することで変身し』『その記憶を宿した怪人となった者の総称だよ』

『ほら』『さっき見たでしょ』

 

そう言って款さんは私が入って来た扉の方を指差す。

それで私は先程蝙蝠の怪人が別の怪人になったのを思い出した。

あれがドーパントなんだ。

 

『ちなみに』『「ドーパント」という名前には「肉体に"地球の記憶"をドーピングした者」という意味が込められているんだ』

 

……なんか聞いちゃ行けない事を聞いた気がする。

 

『説明を続けるね』

『外見はUSBメモリそのもので』『大きさは掌に収まる程度』『それなりに力のある人間が握り潰せたり』『生身の人間が拳銃のグリップで強く叩いて破壊できるなど』『強度は高くないね』『メモリ下部に付いているボタン『ガイアウィスパー』を押すと起動されるよ』『その際メモリがその名称を叫ぶよ』『こんな風にね』カチッ

 

『NASCA』

 

そう言って款さんは棚に置いてあるガイアメモリのうち『N』と書かれたガイアメモリを取り出しガイアウィスパーと呼ぼれたボタンを押した。そして、『NASCA』と言う音声が聞こえてきた。

 

『因みに今僕が手にしてるのがナスカメモリ』『ナスカ文明を内包するガイアメモリだよ』

 

「…………」カチッ

 

『T-REX』

 

隣で響歌ちゃんが別のガイアメモリを取り出し、ガイアウィスパーを押した。

次に聞こえてきたのは『T-REX』と言う音声だった。

 

『今響歌が持ってるのがティーレックスメモリ』『ティラノサウルスを内包するガイアメモリだね』

『それと』『今僕達が管理しているガイアメモリは少ないけど』『実際にはかなりの数があるよ』『ガイアメモリの専門家さんに『空間を操るメモリっていくつあるの?』って聞いてみたら』『「153件が該当した。別次元に迷路を作れそうなメモリの総数だ」って言ってたね』

「そんなに!?」

 

あまりの多さに私は思わず立ち上がった。

空間を操るメモリだけで153件もあるなんて普通思わない。

 

『本来ならば普通の人間がガイアメモリを使った場合』『その力の強大さゆえに』『地球の記憶に飲み込まれたり毒素に精神と肉体を蝕まれたりして』『最悪の場合』『暴走したり依存症になったりしてしまう』『言い換えれば一種の麻薬といっても過言じゃあない』

「麻薬……。」

 

その言葉を聞いてゾッとする。

もしこんなものが世間に出回ったりしたら、あっという間に大変な事になる。

 

『メモリ直挿しの副作用による暴走の程度も人によって違うらしくて』『メモリの力を真に引き出せる人物なら』『毒素に呑まれることなくパワーアップも可能なようだね』

『まぁ正確に言うと毒素というより』『メモリの強すぎる力に心身が耐えきれず負けてしまっている……ということなのかもしれないかな』

『でも安心して』『僕達が扱うガイアメモリは』『そんな毒素は既に抜いてある』

「そう…ですか…。」

 

款さんの言ったことに少しほっとした。

 

『結構大変だっけど……』『徹夜連勤だったし……』

 

そう言った款さんの顔は少しだけ苦笑いになった。

……結構苦労したんだ。

 

『各メモリには使用者との相性』『言わば適合率があって』『入っている記憶に使用者の性質や願望などが近いほど』『メモリの力を強く引き出せれるよ』

『その中には相性が良すぎてメモリの力を過剰に引き出してしまう「過剰適合者」や』『ドーパントの能力を若干だけど変身前にも行使できるようになった「ハイドープ」なる者も存在する』

『ガイアメモリにも種類があって』『プロダクションモデル』『プロトモデル』『ゴールドメモリ』『シルバーメモリ』『次世代型メモリ』『T2ガイアメモリ』『といった物があるよ』

「款さん達が扱っているのガイアメモリは何ですか?」

 

私は款さんの説明にふと、疑問を持って聞いてみた。

 

『僕達が扱ってるガイアメモリ?』『んーと』『次世代型メモリとT2ガイアメモリの性能を持ってるから』『言うならば』『TIII(ティースリー)ガイアメモリかな?』

 

どうやら先程款さんが言った種類とは全く別の種類らしい。

 

『さて』『説明はもう終わりだね』『あぁそうそう』『これだけは言っておかなきゃ』

 

款さんが説明を終わらせようとしてふと、何かを思い出したのか少しだけ、真剣な顔になった。

 

『幽波紋DISCとガイアメモリはとても便利だけど』『同時に危険もある』『ノーリスクハイリターンなんてのは』『考え過ぎだよ』

『買う際にはちゃんと責任を持って買ってね』『何が起ころうと』『それは君自身の問題だ』『君が起こした問題だ』『僕達は悪くない』『お買い上げになる前に』『じっくりと考えてね』

 

そう言って款さんはニッコリと笑った。

確か、サイトには『特殊能力を扱っている為高額』と書いてあった。

 

『さて』『そろそろどういう特殊能力を選ぶか決めないとね』

 

そう言って款さんは『おいで』というジェスチャーをしたので私はカウンターに近づいた。

 

『君がさっき話した事を聞くあたり』『何とかまた自分の姿が映らないか』『それを解決したいんだよね』

「はい。」

 

私はその言葉に力強く頷いた。

款さんはそれを聞くと手を顎にあて、深く考え出した。

 

『中々難しいね』『けど』『解決するまでの』『時間稼ぎ程度なら』『出来なくは無いかな』

 

難しいという言葉に私は少し落ち込んだ。

やっぱり解決するという事は出来ないと思うと少し耐える。

けど、時間稼ぎ程度って?

 

『何も映らない自分が怖いんでしょ?』『なら』『自分も消えればいい』

「…………はい?」

 

款さんの言葉に私は思わず聞き返した。

いま、聞き間違えじゃなきゃ自分も消えればいいって言った?

そんな私に気にすることも無く棚から二枚の幽波紋DISCと『i』と書かれたガイアメモリを取り出した。

 

『オススメはこれかな』『メタリカに』『アクトンベイビー』『後はインビジブルガイアメモリかな?』

 

款さんは二枚の幽波紋DISCの内『メタリカ』と書かれた幽波紋DISCをケースから取り出し、私に差し向けた。

 

バチッ!!

 

「ひゃ!?」

『おっとっと』『ごめん』『相性が悪かったみたいだ』

 

幽波紋DISCが頭に当たると同時に静電気の様な衝撃が起こる。

どうやら相性が悪かったみたいで、款さんは私に謝罪するとメタリカの幽波紋DISCをしまい、今度は『アクトンベイビー』と書かれた幽波紋DISCを取り出した。

 

バチッ!!

 

「痛っ!!」

『おぉっと!?』『ありゃりゃ』『これも相性が悪かったか……』『ごめんね簪ちゃん』

 

また、相性が悪かったみたいで静電気の様な衝撃が起こる。

款さんは『となると』と言って『i』と書かれたガイアメモリを手に持つ。

 

『後はこれだけか』『響歌』『ちょっと手伝って上げて』

「分かった。」

 

款さんは響歌ちゃんに協力する様に促し響歌ちゃんにガイアメモリを渡した。

款さんは響歌ちゃんに渡すと後ろを向いた。ヘッドホンをつけて。

 

「ガイアメモリを挿す時って身体の何処かに『生体コネクタ』っていうガイアメモリを挿す場所があるの。額だったり、お腹だったり、手のひらだったり、胸元だったり。」

「え!?ちょ、ちょっと!?///」

 

そう言って響歌ちゃんは私の服を少しだけはだけさせてガイアメモリを渡す。

款さんが気を使って目を逸らしてくれてるけどそれでも恥ずかしい///

 

「押さないと意味ないよ」

「うぅ……///」カチッ

 

『INVISIBLE』

 

私は恥ずかしながらもガイアウィスパーを押すとガイアメモリひとりでに浮き私の胸元に挿さった。

ガイアメモリが体内に入っていくにつれ、私の体は段々と透明になっていく。

そして、完全にガイアメモリが入った時には私は透明人間になった。

……この場合、『インビジブル・ドーパント』って言えばいいのかな?怪人って言えるか怪しいけど。

 

「相性が良かった見たいだね。服着れる?」

「な、何とか。」

 

私は元の姿へと戻って急いで服を着直す。

響歌ちゃんは款さんの肩を叩いて終わったよと合図を送る。

款さんは『あ』『終わった?』と言ってヘッドホンを外し、私の方を見る。

 

『どうやらメモリとの相性が良かったみたいだね』

 

そう言って款さんは嬉しそうに言った。

…これで大丈夫暫くは大丈夫かもしれないけど、もしバレたらどうしよう。

…念の為にスタンドの方も買っておいた方がいいかも…。

 

「あ、あの…。」

『ん?』『どうしたんだい?』

「念の為に、スタンドの方も良いでしょうか?バレた時のために何とかしたいので。」

『成程』『確かに必要かもね』『そうなると…』

 

そう言って款さんは数ある幽波紋DISCの中から一枚の幽波紋DISCを取り出した。

そのケースには『ヘブンズ・ドアー』と書かれていた。

 

『このスタンドがオススメかもね』『結構便利だよ』『使い方はすぐにわかるよ』

 

そう言って款さんは幽波紋DISCを私に差し向けた。

またあの静電気が来るんじゃないかと思って目を瞑った。

けど、いくら経っても痛みが来ないので目を開けてみると款さんがニコニコと嬉しそうに笑っていた。

 

『どうやら』『そのスタンドとの相性が良かったみたいだ』『おめでとう簪ちゃん』『これで君もはれてスタンド使いだ』

 

今度は相性が良かったらしく無事入れられた(?)らしい。

と言ってもそのスタンド使いになったって言う実感が無かった。

 

『実感が無いかな?』『じゃあ』『これが見えるかな?』

「見えるってなにが………え!?」

 

私が款さんを見ると近くに何かがいた。

それは塩基配列の描かれた包帯状のラインが全身に走っており、顔の上半分と肩、腰の辺りに紫色の装飾品のようなもので覆われていた。

もしかして、これが款さんのスタンド?

 

『どうやら見えるみたいだね』『紹介するよ』『これが僕のスタンド』『ホワイトスネイクだよ』『この店の名前の由来にもなってるんだよ』

 

そう言って近くにいる款さんのスタンド『ホワイトスネイク』は「どうも」と言うように小さくお辞儀をした。

 

『スタンドのルールの一つ』『スタンドはスタンド使い同士しか見えない』『君もスタンド使いになったんだ』『だから僕のスタンドが見える』『君もスタンドを出してみなよ』

 

そう言って款さんは『どうぞ』と言うようにジェスチャーをする。

私は一度目を瞑り今私に宿ってるスタンドをしる。

スタンドのだし方、スタンドの能力、スタンドの発動条件を。

 

――カッ!!――

 

天国への扉(ヘブンズ・ドアー)!!」

 

私がそう叫ぶと目の前に白をベースに黄色淵で出来てる少年の様な容姿をした(ヴィジョン)が現れた。

帽子のシルクハットは黄色淵のみでそれ以外は何も無い。

……これが、私のスタンド『天国への扉(ヘブンズ・ドアー)』?

 

「これが……私の……スタンド?」

『だからそうだって言ってるでしょ?』『今日からそれが君のスタンドだ』

『あぁそうだ』『支払金額の事だけど……』

「!!」

 

その言葉に私は思い出す。

スタンドとガイアメモリを買ったからかなりの金額になってるはず。

それを察したのか款さんは『まぁまぁ』と制した。

 

『ゆっくりでいいよ』『いきなり高額を払えなんて』『中々無理だからね』

「で、でも……忘れちゃうんじゃ……」

『そういう時の君のスタンドじゃない?』

 

そういう使い方で良いのかと思ったけど、忘れないためにはその方が良いのかもしれない。

そう思って私はスタンドを使って忘れない様に書き記し『白蛇屋』を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

因みに、レシートに書かれてあった金額は13万円もした。

………払えるのかな?



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銀髪の少女と鏡像と夜中の戦闘

金「作者、座れ。」

ハイッ

金「遅れた理由は?」

中々話が思いつかなかった。

金「……本音は?」

アプリゲームやら小説やらで夢中だった!……ハッ!?

金「Guilty♪」ディメンションキック!!

ギャアアアアアアア!!!

金「……それでは本編をどうぞ♪」


〜回想を終え〜簪side

 

(13万……。)

 

私はスタンド【ベブンズ・ドアー】とインビジブルガイアメモリを手に入れた時の事を思い出しながら身体に着いた泡を流していく。

流し終わると私は湯船にゆっくりと浸かった。

やはりと言うか13万という額は中々高いもので払えるか不安になってくる。

 

(でも……款さんも「大丈夫だよ」って言ってたから……大丈夫だよね。)

 

その間に、鏡に映らなくなった原因とかを探さなきゃ。

そう思い、水面に映るであろう私の姿を見た。

けれど、やはりと言っていいように私の姿は映っていない。

私は深く溜め息をついた。

 

【ガラガラガラッ】

 

「!?」

 

途端だった。

脱衣所の方から扉の開く音がした。

ありえない。なぜなら今日は1年1組のクラス代表が決まった事でパーティーが開かれており、殆どの生徒がそちらに集中していたため大浴場に来ることはないと思っていたからだ。

けど、私はもう一つの可能性を思い出した。

 

(男子生徒を気に入らない人もいるんだった!)

 

今この世は女尊男卑の世界になりつつある。

そうでは無い生徒もいるけど、必ず少数派の女生徒は女尊男卑の思考だ。

私はその可能性を考えながらゆっくりと湯船から上がる。ついでに透明人間になる。

 

ガラッ!!ダンっ!!

 

やがて、大浴場の扉が勢いよく開かれた。

現れたのは銀髪で右目が紫で、左目が金色のオッドアイの小柄な少女だった。

 

(だ……誰?)

 

私は入学してから一回も教室に行っていないので現れた娘が誰か知らない。

 

「……はぁ。誰がアイツのクラス代表決定パーティーに参加しなきゃなんないんよ。」

 

その娘はそう愚痴りながら髪を洗い始める。

やはりというか女尊男卑の思考をもった娘なのだろうか。

 

「あんな甘すぎる思考を持つ奴が代表に務まるわけねぇだろ。現実を見ろよ。」

 

…………どうやら少し違うらしい。

しばらくしてその娘はひとしきり洗い終わると湯船に浸かった。

 

「はぁ〜……早く思考を切り替えねぇとな。いつまでもこんなんじゃ計画に支障をきたす。」

(計画?)

 

何やら聞いては行けないような台詞が聞こえた。

物音を立てずにゆっくりと扉へと向かっていく。

……その時だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そうだね〜。早く思考を切り替えてくれないと計画に支障を来たしちゃうよ〜?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その()に私は思わず足を止めた。

ありえない。その声が聞こえる事は絶対にありえない。

私は震えながらゆっくりと声のした方に視線を向ける。

それはゆっくりと()から現れた。

内側にはねた水色の髪、赤い瞳。

間違えないあれは……。

 

 

 

 

 

 

 

私だ。

 

────────────────────────

 

簪(鏡像)side

 

「そうだね〜。早く思考を切り替えてくれないと計画に支障を来たしちゃうよ〜?」

 

私はそう言いながら鏡から出てきて、金の元まで歩み寄る。

 

「…………なんだリュウガか。」

「そうだよ〜。ディケイドに生み出された更識簪の鏡像のリュウガだよ〜。」

 

リュウガと言うのは私の……まぁコードネームみたいな物かな。

そしてディケイドというのは金のコードネームみたいな物。

 

「ここに戻ってきたって事は頼み事は終わったの。」

「それなんだけど、ちょっとお願いがあるの。増員増やして☆」

「?なんかあったの?」

「……うん、あったよ。ヤベーイのが。」

 

私は金に聞かれて、私は遠い目をする。

それを見て察したのか金は頭を抑える。

 

「わかった、取り敢えず『ナベリウス』に伝えとくから、それで良いよね?」

「ありがとう。じゃあ私は行くね。」

 

そう言って私は鏡の中(ミラーワールド)に戻って行った。

 

────────────────────────

 

簪side

 

信じられなかった。

何せ私と同じ姿をした者が現れたのだから。

 

(な、なんで…………!?も、もしかして。)

 

彼女は自分のことを私の鏡像と言った。

つまり、今まで私の姿が写らなかったのは彼女のせい?

だとしたらなんで私なの?

 

「やっほーナベリウスの隊長さん。お元気ですか〜?」

 

私が考えてるとお湯に浸かってる娘が電話をし始めた。

恐らく、増援を呼んでいるんだろう。

 

「リュウガに頼んでたやつなんだけどね。あっ、リュウガと会った事あるっけ?…………そう、良かった。それでね、そのリュウガから増援のお願いがあって。行ける?…………そうわかった。それじゃ、おねg…………え?何かがいた?…………わかった。私が確認しとく。じゃ、お願いね〜。」

 

そう言って、その娘は電話をきる。

そして、湯船から上がってそのまま大浴場から出ていった。

 

(た、助かった…………。)

 

と、取り敢えず、タイミングを見計らって私も大浴場から出ないと。

 

────────────────────────

 

第三者視点

 

IS学園には一人の少女が来ていた。

 

「なんで私がまた(・・)IS学園(ここ)に来なきゃならないのよ。」

 

少女はそんな事を呟いた。

それはまるで、一度ここに来た事があるかのような言葉だった。

無論、彼女は()に至るまでに一度もIS学園に来たことは無い。

 

(まぁ、やる事はやらないと……やりたくないけど。)

 

心の中で愚痴りながら受け付けへ向かうとする。

 

「……………………?」

 

ふと、物陰に何かが動いた気がした。

少女は素早く近くの木に隠れ、動いていた方を見る。

 

「……ここか?」「……ここだな。」「……ここだ。」「……ここだぜ。」「……ここだね。」

 

それはモグラに似た顔をしたコートを来た怪人がいた。

モグラの怪人達はコソコソと物陰に隠れながら移動をしている。

 

(……何してんの?アイツら?)

 

少女はモグラの怪人達に気付かれないように尾行した。

移動しながらもモグラの怪人達は話し続けた。

 

「IS学園に侵入して。」「適当な奴等に取り付き。」「そして契約を適当に交わして。」「過去に行って。」「滅茶苦茶に壊してやる。」

「「「「「この世界の滅亡に向けて。」」」」」

(…………なるほどね。)ボォオ…

 

少女はモグラの怪人達が何をしようとしているのかを察したと同時に紫の炎に包まれた。

尾行を止め、モグラの怪人達へと近づいて行く。

 

「ん?」「どうした?」「!?なんだ!?」「気づかれたか?」「…………。」

 

モグラの怪人達も紫の炎に包まれた少女に気付き身構える。

少女はそんな事を気にせずに炎を振り払う。

中から現れたのは“鬼”だった。

日本の古典芸能の面を思わせるデザインの顔。また、後ろには頭髪らしきものがある

鋭い牙が特徴的な口元はよく見ると、その中にもう一つ口元が存在しており、まるでお面をつけているように見える。

肩には羽衣が掛けられていて、更には鬼瓦がついており、その姿はまるで仁王像をイメージさせる姿である。

胸の中央には『HIBIKI』、背中には『2005』とそれぞれ縦書きで書かれている。

 

 

 

HIBIKI

 

 

『アナザー響鬼』

 

 

少女のもう一つの姿で、金や簪(鏡像)と同じアナザーライダーだった。

 

「悪いけど、今暴れてもらうのは勘弁なのよ!」

 

アナザー響鬼は棘棍棒を持つとモグラ怪人達『モールイマジン』へと攻撃を仕掛けた。

 

「くっ!」

 

モールイマジン達も素早く避け、迎撃体制に入る。

よく見れば、それぞれ左手が全く違う形状になっていた。

モールイマジン達はアナザー響鬼に考える隙を与えずに連携して攻撃を与える。

 

「ふっ!はっ!」

「ぐあっ!」「ぎゃあ!」「ナニッ!?」「ぐほっ!」「がはっ!」

 

しかし、アナザー響鬼はその連携攻撃を避け、棘棍棒に纏った炎を周りのモールイマジン達にぶつけた。

モールイマジン達はその反動で後ろへと吹っ飛ぶ。

アナザー響鬼は一番近いモールイマジンに向かって火球を放つ。

 

「オラァ!」

 

しかし、その一番近いモールイマジンの左手は斧。飛んできた火球を真っ二つにした。

そうしているうちに他のモールイマジンがアナザー響鬼に特攻を仕掛ける。

アナザー響鬼はそれに気づき攻撃を防ぐ。

躱す、防ぐ、斬る、殴る。

そんな攻防を繰り返しているとアナザー響鬼の後ろから別の影が現れる。

 

「!!」ギィィン!

 

アナザー響鬼はそれに気づき、すぐ様防ぐ。

視線を向ければ紫色の装甲を纏った戦士がいた。

 

「「「「「兄貴!!!」」」」」

「お前ら、早く行け。」

「「「「「おう!」」」」」

「な!待ちなさい!」

「おっと!こっから先は通行止めだ。」

 

モールイマジン達から「兄貴」と呼ばれた紫色の戦士『ネガ電王』はアナザー響鬼の前に立ち塞がった。

ネガ電王はネガデンガッシャーソードモードをクルクルと回すとアナザー響鬼へと攻撃を仕掛ける。

 

「チィ!」ガギィィン!!!

 

アナザー響鬼はネガ電王の攻撃を防ぐが力負けして押される。

 

(うっそでしょ……。)

 

いくらなんでも強すぎる。

そう思ったアナザー響鬼は口から鬼火を放ってネガ電王から距離をとった。

 

「アッッッツゥウ!?」

 

鬼火を放つとは思わなかったのかネガ電王はその熱さに思わずころげ回る。

アナザー響鬼は少し離れた所でネガ電王をどう倒すか考える。

恐らく、正面から向かっても負けるだろう。そう、アナザー響鬼は予想する。

だとするならば、先程の様に突然の行動で隙をつくのが良いだろう。

そう、考えていた時だった。

 

『Full Charge』

 

「!?」

「てんめぇ…………!」ガァァン!!

 

熱さが収まったのか、ネガ電王はネガデンガッシャーガンモードにフリーエネルギーをチャージしてアナザー響鬼に向けて【ネガワイルドショット】を放っていた。

考え事をしていたせいで回避するには遅すぎる。

 

(しまった……!)バッ

 

アナザー響鬼は防御の体勢をとり、これから来る衝撃に耐える。

………………が。

 

ドゴォォォォォォオオオン!!!

 

「何!?」

「へっ?」

 

アナザー響鬼の前に灰色のオーロラカーテンが現れ【ネガワイルドショット】を防ぐ。

やがて、徐々にオーロラカーテンが動いていき、その中から一人の戦士が現れる。

左目が戦艦、右目が戦闘機を模した独自のデザインになっている仮面。

装甲は戦闘機や爆撃機に似た装甲になっており、まるで戦闘機や爆撃機が人の形をとったかのような姿になっている。

右手にはドリル状の剣が握られていた。

 

「仮面ライダー……だと?」

「…………そうだ。」

 

ネガ電王を謎の戦士の姿を見て呟くと謎の戦士は答えた。

 

「俺の名は……ファントムビルド。」

 

『ガタガタゴットン!ズッタンズタン!ガタガタゴットン!ズッタンズタン!』

 

「ッ!!」

 

『Lady Go!!』

『【ハザードフィニッシュ】!』

 

「ハァア!!」

 

謎の戦士『ファントムビルド』は自分の名前を名乗るとすぐ様『ビルドドライバー』の『ボルテックレバー』を回し始める。

ネガ電王はそれに気付くも既に遅く、ファントムビルドは回し蹴りを放つ。

それと同時に履帯状のエネルギーが発生し、ネガ電王に直撃する。

 

「ガァァ!!!」

 

しかし、それだけには留まらず、ファントムビルドはネガ電王に向けてミサイルを一斉に放った。

放たれたミサイルはネガ電王に向かって外すこと無く爆撃していいく。

 

「ガアアァァァァァァァァァァァアアア!!??」

 

 

ドゴォォォォォォオオオン!!!

 

 

もちろん、防ぐ事が出来なかったネガ電王は大ダメージを受け、地面に転がり回る。

すると、ネガ電王から何かがが現れ何処かへと消えていった。

途端、ネガ電王の変身が解かれその姿があらわになった。

 

「なっ!?(お、織斑千冬!?)」

 

なんと、ネガ電王の正体は織斑千冬であった。

アナザー響鬼はネガ電王の正体が織斑千冬である事に驚愕した。

しかし、直ぐに理解した。

何者かが織斑千冬に取り憑き、ネガ電王に変身していたのだろう。

何せ先程のネガ電王の声は男の声だった。

そして、先程のモールイマジン達もネガ電王の事を『兄貴』と呼んでいた。

それならばあの力量も納得が行く。

アナザー響鬼がそう納得していると。

 

「早く織斑千冬を助けて受付に行ったらどうだ?」

「!誰!?」

 

アナザー響鬼がその声がした方向を向くと何者かが木に寄りかかっていた。

その人物はアナザー響鬼の問いかけには答えず、喋り続ける。

 

「さっきの爆音で人が寄ってくるかもしれないからな。」

「……ッ、そうねそうするわ。」

 

アナザー響鬼はその人物に肯定すると変身を解いた。

それを見送ると木に寄りかかっていた人物はその場を離れた。

 

「気を付けろよな………………“鈴”。」

「!?」

 

突然呼ばれた事にアナザー響鬼……『凰鈴音』は驚きを隠せずにいた。

しかし、凰鈴音のあだ名を呼んだ人物は気にすること無く去っていった。

気づけばファントムビルドも去っており、残っているのは織斑千冬と凰鈴音のみ。

 

(何でアイツ…………私のあの呼び方を知ってるの?しかも怪物になってたから分からないはずなのに。…………けど……。)

 

凰鈴音はそんな疑問を持ったが、何故か悪い気はしなかった。……何せ。

 

「なんか……懐かしい感じがした……。」

 

まるで、そう呼ばれる事を……もう一度呼ばれる事(・・・・・・・・・)を望んでいたような感じがした。

 

(…………まさかね。……でも、もしそうなのだとしたら。)

 

凰鈴音は去っていった方向を少し見た後、織斑千冬の元に行き起こし始める。

 

────────────────────────

 

金side

 

(さっきのはアナザー響鬼……しかも、私が開発した(・・・・・・)特殊な物の一つ。)

 

私は先程の戦闘で見たアナザー響鬼を見てそう思った。

鈴は一体どこであのアナザーウォッチを手に入れたんだ?

……もしかして、ナベリウスの部隊にいるあの二人(・・・・)と同じ経緯?………………!?【バッ!】

 

「…………あれ、いない。……………………気の所為かな?」

 

今、殺気を感じた気がしたけど。

 

────────────────────────

 

???side

 

………………間違いない。さっきのオーロラは、■の獲物を横取りしたやつのだ。

そうか、あいつが………………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

絶対ニ許サナイヨ?




今度は…………早く出せるように…………しま……すガクッ

金「遅れた時はその時だね♪」

(((((((( ;゚Д゚)))))))ヒィィィィ!!


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