こっちあっち…いや逆だ?!×名探偵コナン~新紺碧の棺・女海賊たちの宝物~ (Dr.クロ)
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DETECTIVE.Ⅰ~旅行の始まりと再会の英霊~

コナン達と旅行に行く事になった伊御達。そこでまさかの再会を果たす。


ゆらりゆらりと揺れる中、正邪は照りつける太陽を見て呟く。

 

正邪「あちぃな…」

 

つみき「暑いわね…」

 

ジュースを飲みながら同意するつみきの後に隣に猫を頭に乗せた伊御は良い天気でもあるよねと呟く。

 

榊「つか付いてきちゃったのかその猫」

 

バディア「と言うか今もカモメが来そうで来ない距離で伊御の近くを飛んでるな;」

 

そんな伊御の猫に榊は呆れ、バディアは周りを見ながら呟く。

 

確かに止まりたそうだが止まれない感じに羽ばたいてるカモメたちにどんだけだよとコナンは呆れていた。

 

元太「すげぇな音無のにいちゃん」

 

歩美「ホントだよね!出発する時だって猫さん達が見送りに来てたし!」

 

真宵「伊御さんの動物ホイホイスキルはEXランクじゃからね」

 

姫「あの時のは可愛かったれふ~」

 

蘭「姫ちゃん。鼻血が出てる出てる!!」

 

思い出して言う元太や歩美にそう言う真宵の隣で思い出し鼻血を出してる姫に蘭が慌てて介抱する。

 

園子「…うん。あんた等って本当にぶっ飛んでるわね。特に鼻血ブーしてる人とか」

 

京谷「あーやっぱりそう思うよなー;」

 

咲「まぁ、あれがつみきさんと姫ちゃんの特徴だし」

 

嫌な特徴よそれと冷や汗流しながら園子はツッコミを入れる。

 

阿笠「それにしても毛利君から君達も来ると聞いた時は驚いたよ」

 

針妙丸「私たちも驚きました」

 

佳奈「だよね~みいこさん経由で聞いた時は驚いたよね~」

 

海を見ていた阿笠のに針妙丸は頷き、佳奈も楽しげに言う。

 

さて、なぜ伊御達とコナン達がここにいるかと言うと3日前に遡る。

 

事の発端は小五郎が日売新聞の週一で載っている賞金が出るパズルを正解したのだ。

 

正確に言えばコナンがになるが…

 

とにかくそれによって得た賞金30万を使って小五郎は自分と娘の蘭とコナン以外に蘭の親友の園子に阿笠や少年探偵団の面々も一緒に旅行に行こうと提案した。

 

そこに紫からマリオネット事件での伊御達が世話になりましたと言うお礼のお金が振り込まれ、ならばとみいこ経由で伊御達も来ないかとお誘いしたのだ。

 

夏休みだったので伊御達はすぐさま受け入れ、全員でこうして目的の神海島行きの船に乗っているのだ。

 

真宵「にしても神海島ってどんな島なんじゃろうね」

 

正邪「確かに向かう観光先の島ってだけで調べてなかったな」

 

首を傾げて呟く真宵に正邪もそう言えば…と同じ様に気づく。

 

バディア「神海島か…」

 

その中でバディアだけは困った顔をする。

 

いかんせん、彼女は()()()()()()()()()()()()()

 

だからこそ起こる事態を知っている。

 

それにより困ったのだ。

 

知ってるからこそ起こる事態を回避はしたいが、その事態で亡くなってしまう相手が相手だけに困っているのだ。

 

しかも、今朝方、夢の中での神様のメッセージから転生者がいる事も聞いたのだ。

 

バディア「(やれやれ、大変な旅行になりそうだな…)」

 

うーむうーむ…とバディアは唸っていると歩美が声をあげる。

 

歩美「あ、島が見えたよ!」

 

光彦「あの島が神海島(こうみじま)なんですね!」

 

伊御達も見ようと前を見ておおとなる。

 

姫「自然豊かな島ですね!」

 

伊御「どんな動物がいるんだろうな」

 

榊「お前の事だから引き寄せ易そうだからフラグしか聞こえないな」

 

そう述べた伊御に対して言った榊のに確かにとコナン達も含めて頷く。

 

伊御「君達、俺の事をなんだと思ってるのかな?」

 

一同「動物ホイホイ」

 

伊御「おい;」

 

異口同音で返された事に伊御は大きく持ち上げ過ぎと返すが誰もがどんな動物も来そうだと思っている。

 

実際に海に潜ったら魚が沢山来そうだともバディアは思っている。

 

バディア「(まあ面白そうでいいけどな)」

 

そう考えながら一行は神海島に足を踏み入れた。

 

まぁ、そこでバディアの予想通りの事態があったが…

 

予想通りの事態、予約がないと言う。

 

針妙丸「別の所ってオチじゃないよね;」

 

榊「ん~どうだろうな…」

 

正邪「こんなに人が居るしな…」

 

針妙丸のに榊も困った様に顎を摩る隣で正邪は自分達と周りの同じだろう観光客を見て予約が届いてなかったのではと考える。

 

元太「野宿するのか俺達」

 

佳奈「野宿できる場所あるかなー?」

 

光彦「この島、亜熱帯ですから毒虫がいるでしょうし…」

 

姫「ど、毒虫ですか!?」

 

げんなりする元太と首を傾げる佳奈に言った光彦のに姫はビビる。

 

真宵「困ったことになったんじゃね…」

 

伊御「そうだ…ん?」

 

頷こうとしてふと、ある集団が目に入る。

 

と言うか色々と見覚えのある面々であった。

 

あれ?となった伊御に榊は?マークを浮かべる。

 

灰原「まぁ、なんとかなるんじゃない?ここは言葉の通じない外国じゃないんだから…」

 

光彦「…大人ですね、灰原さん」

 

つみき「…ねえ伊御。さっきの人たちって…」

 

灰原と光彦のを聞きながらこそこそと話しかけるつみきにつみきも見えたと伊御は聞いてこくりと頷かれる。

 

正邪達も気づいたのかこそこそ話しかけて来る。

 

正邪「あいつら、転生者だよな…」

 

榊「だよな…普通にFGOの鯖達がこんな所にいる訳ないもんな」

 

榊のにだよな…と伊御は頷く。

 

服装を変えてたり、サングラスをかけてたりしてるが普通にサーヴァント達であった。

 

絶対に転生者だと伊御達が思っているとその集団の1人である金髪の女性が視線に気づいたのか振り向き…顔を輝かせる。

 

女性「あらやだー!久しぶりね!!まさかこんな所で再会するなんて~」

 

元気よくそう言って伊御達へと駆け寄って来る。

 

いきなりそう言われてえ?となる伊御達と訝しげな針妙丸やバディアにコナン達を知らずに女性はそんな伊御達の反応にあら?となる。

 

女性「覚えてないの?土屋かムッツリーニって言えば分かる?」

 

京谷「あーもしかして…!」

 

咲「あのマンションの時の…!」

 

出て来た言葉にえー!?となる。

 

???「どうされましたアンナ殿?」

 

???2「おや、知り合いでもいたのかい?」

 

すると一緒にいた面々も近寄って来る。

 

最初に話しかけたのは風魔小太郎でもう1人は坂本龍馬だ。

 

アンナと呼ばれたのに偽名かと察する。

 

阿笠「おや、知り合いさんですかな?」

 

みいこ「私は初対面ですけど、弟の知り合いの様です」

 

榊「(な、なんでムッツリーニのサーヴァントたちが此処に居るんだよ!?)」

 

真宵「(なんか理由があるんじゃろうか;)」

 

聞く阿笠にみいこが返す中で榊と真宵は小声で話し合う。

 

他にも加藤段蔵や岡田仁蔵にお竜さんもいるので伊御達は戸惑っているとどーも、お待たせしました!と言う声に誰もが入り口を見るとメガネをかけた茶髪の男性が慌てた様子走って来るのが見えた。

 

男性「毛利小五郎さんですね?名探偵の…ぶへあ!?」

 

その直後に躓いてこける。

 

仁蔵「…大丈夫かあの男?」

 

誰もが呆気に取られる中で仁蔵が呆れた顔で呟く。

 

 

しばらくして起き上がった男性と共に受付から離れた場所で話す。

 

男性→岩永「すいません、観光課の岩永です!まさかもう一組の加藤様と一緒にいてくださったのは幸いでしたよ。いやぁ、今月に入って急に観光客が増えまして…どこの宿もいっぱいで嬉しい悲鳴をあげてる所なんです!!」

 

お竜「(だからと言って宿について伝え忘れてるのもどうかと思うぞ(ぼそり))」

 

龍馬「(まあまあお竜さん;)」

 

正邪「(報連相ってホント大切なんだよな…)」

 

つみき「(ホントにね)」

 

走って来たので汗を拭いながらそう言う岩永にお竜さんはジト目で見ながら小声で呟き、正邪とつみきは改めて報連相の大事さを噛み締める。

 

段蔵「岩永城児さんですか。私達の泊まる宿は毛利小五郎さんと同じ所なんでしょうか?」

 

岩永「あ、はい!なんとかあなた方も含めて皆さんの宿を確保しました。毛利小五郎さん達と一緒の宿になります」

 

以蔵「なんじゃあ、その言い方だと儂らはオマケみたいな言い方じゃけぇの…」

 

メアリー「ちょっと気分悪いね」

 

不愉快そうに顔を歪める仁蔵とメアリーにいえ、そういう訳ではと岩永は慌てて頭を下げる。

 

まあまあとアンと竜馬が宥める。

 

バディア「(まあ仕方ないだろうな…。毛利小五郎はこの世界で有名な探偵だ。一般人との扱いにはつい差が出てしまうからな)」

 

伊御「(けど、少しおかしい気がするな…)」

 

ふうと息を吐くバディアだが伊御は違和感を持っていた。

 

岩永がどこか小五郎のご機嫌を取ろうとしてる感じがするのだ。

 

伊御「(もしかして小五郎さんに何か依頼でもするつもりなのかな?)」

 

岩永「さあ、どうぞ!ご案内します!」

 

考えてる間に岩永がそう言って案内しようとし…

 

ドン!

 

岩永「おっ!?」

 

褐色肌の男が岩永とぶつかる。

 

岩永はよろける中で男は謝りもせずに仲間であろう2人と一緒に歩いて行く。

 

ぶつかった男は肩の所まで茶髪を伸ばしており、右側の男も同じ茶髪だがこちらは首の上位、左側の男はネージュ色のツンツン髪だ。

 

小五郎「なんなんだ、あいつ等…?」

 

小太郎「礼儀がなってませんね…」

 

咲「全くね。けど、何者かしら?」

 

ぶつかった事を気に留めずに喋ってる3人組に小太郎と咲はむっとしながら呟くと…

 

コナン「トレジャーハンターじゃない?」

 

龍馬「トレジャーハンターだろうね」

 

男たちを見ていたコナンと竜馬がそう言う。

 

コナン「お兄さんも分かったんだ」

 

龍馬「まあね、後、本坂(ほんさか)と呼んでね。んで彼は田岡さんね」

 

以蔵「ち…田岡じゃ…」

 

元太「なんだよとレジャーハンターって?水道工事の人か?」

 

ニッコリ笑って偽名を名乗る龍馬に勝手に決められたのが不満なのか不機嫌そうに名乗る岡田に怖い奴だなと思いながら元太がそう聞く。

 

段蔵「?どうして水道工事と?」

 

元太「トイレでジャーッとかするんじゃないのか?」

 

以蔵「くはっ!なんじゃそれは、おまん面白い事言うのう!」

 

真宵「元太くん、トレジャーハンターと言うのは遺跡でお宝を探したりする人のことじゃよ」

 

出て来た回答に先ほどとは打って変わってくはっと笑う以蔵の後に真宵が説明する。

 

灰原「でも、どうしてわかったの?彼らがそうだって?」

 

龍馬「ああ、彼らを見てみなよ。かなり日焼けしてるけど、手首から先の日焼けが薄くなってるでしょ?」

 

そう言われて元太達は男たちを見る。

 

確かに龍馬が解説した様に見えてる手首から先の肌が肌色にまだ近い。

 

姫「あ、確かに!」

 

佳奈「よく気づいたねコナンくん!」

 

コナン「説明の方は本坂さんにして貰ったけど、あれはいつもウェットスーツを着てるって証拠でもう1つ、髪の毛も海水で脱色しているのが潜っていると言う証拠になる」

 

褒める佳奈にコナンは苦笑してから付け加える。

 

龍馬「んでなんでただのダイバーではなくトレジャーハンターって言ったのかと言うとね…」

 

コナン「あんなポスターを見せられちゃ、そう思ってもおかしくないだろ?」

 

そう言って2人が見る方へと他の皆も顔を向けるとポスターがあった。

 

そのポスターには絵と共にキャッチフレーズとしてこう書かれていた。

 

-―――――――――――――――――――――――――――

 

神海島は海底宮殿の眠る島

 

あなたも古代の財宝を見つけに行きませんか

 

                 神海島村役場観光課

 

-―――――――――――――――――――――――――――

 

光彦「お~~~~~!」

 

元太「お宝!!」

 

榊「海底宮殿に眠る財宝…ロマン溢れる良い響きじゃねえか!」

 

興奮する3人にコナンは頷く。

 

コナン「榊さんの言う様に夢見てるんだろーぜ…海に眠る財宝ってヤツをな…」

 

アン「(まぁ、それは…)」

 

メアリー「(こっちも同じだけどね)」

 

ふふっと笑うアンとメアリーを見ながらバディアはこそこそと伊御に話かける。

 

バディア「なあ伊御。この二人ってもしかして…本物か?」

 

伊御「うん。しかも他の5人も本物…実はバディアと針妙丸と会う前に紫さんのお願いで別世界に行った事あるんだ。その時に俺達の様に仮面ライダーに変身するバカとテストの召喚獣の皆と知り合って…」

 

なんと!?と驚くバディアにまぁ、驚くよね…と思っていると…

 

龍馬「ま、僕達も2人の知り合いがここにいるのに驚きだったけどね」

 

そう言って割り込んで来た龍馬にバディアはギョッとする。

 

龍馬「すまないね。男女の会話に割り込んで」

 

バディア「いや、いい。それよりお前たちの目的と言うのはもしかして()()か?」

 

伊御「アレ?」

 

そう言ったバディアのに龍馬は少し驚いた顔をした後にふっと笑う。

 

龍馬「うーん、それについてはノーコメントで良いかな?お楽しみはネタバレしたら面白くないと思うしね」

 

バディア「む、そうか…」

 

口に指を当ててそう言う龍馬にバディアは確かにそうだと伊御達を見て同意する。

 

龍馬「ま、とにかく楽しもうじゃないか僕もそのつもりで来たからね」

 

バディア「うむ、そうだな」

 

案内しますと言う岩永のに歩き出すコナン達に続いて歩いて行く。

 

なお、人数が多かったのでみいことアンがそれぞれレンタカーを借り、伊御達はそれぞれ分かれて乗る事になった。

 

ちなみに龍馬と以蔵はそれぞれバイクに乗って付いて来ると言うのだが、それに伊御達はええとなった。

 

まず、龍馬のバイクがマシンフーディーで以蔵のが角のない黒い所を緑色に染めたマシンゴーストライカーであった。

 

歩美「うわぁ!カッコイイ!」

 

光彦「仮面ヤイバーのバイクに負けてませんね!」

 

以蔵「ヤイバーちゅうの知らんがワシのは当然じゃ!」

 

お竜「本坂のもだぞ~と言うか本坂のがカッコいい」

 

バイクを見て興奮する子供達の反応にかんらかんらと笑う以蔵に突っかかるお竜を見ながら伊御達は龍馬を見る。

 

はははと笑いながら龍馬はちゃっかりとある物、スペクター眼魂をチラッと見せてから仕舞う。

 

榊「あーなるほど…」

 

真宵「だからバイクがマシンフーディーなんじゃね」

 

ぼうとしてると置いて行かれるぞと言う小五郎のを聞きながら各々に乗る。

 

なお、乗ったメンバーはこうである。

 

みいこの方:伊御、つみき、正邪、榊、真宵、姫、佳奈、小太郎

 

アンの方:メアリー、バディア、お竜、京谷、咲、段蔵、針妙丸

 

ちなみに小太郎がみいこの方なのは京谷にお願いして変わって貰ってなのだ。

 

理由としては伊御達と話をしたいからとの事だ。

 

小太郎「すいません。変わって貰って」

 

京谷「いやいや、別にいいぜ。そっちこそ母親と一緒じゃなくて良かったのか?」

 

謝る小太郎に京谷は手を振って質問する。

 

小太郎「別に分かれる訳ではないですからね。話をしたかったのもあります…後、2人から聞きましたが咲殿と一緒の方が良いのではと思いまして」

 

京谷「ぶっ!?」

 

出て来た言葉に京谷は噴く。

 

2人と言うのでアンとメアリーを見るとピースサインで返された。

 

京谷「(あの二人ぃ!)」

 

咲「?」

 

顔を赤くする京谷に咲は首を傾げる。

 

 

 

 

出発して到着するまでの間、会話に話を咲かせる。

 

小太郎「ホントに偶然でしたね。アンさんが選んだ世界がかつて話を聞いた伊御さん達の世界だったとは」

 

真宵「こっちもまさかアンさん達がこの世界に来てるとは思ってもみなかったんじゃよ」

 

姫「ですね。小太郎さんはどうして一緒に?」

 

なぜ一緒にいたかの問いに小太郎はああと答える。

 

小太郎「母上、段蔵殿の新しい体の調子を確かめる小旅行を理由について来たんですよ」

 

榊「あーなるほどな」

 

正邪「? どういうことだ?」

 

答えられた事に納得する榊や伊御に正邪やつみき達は首を傾げる。

 

伊御「えっとね。段蔵さんの身体はからくり人形…ようするにロボットでね」

 

榊「んで今はサーヴァントして現界してる訳で…あれ?そういや肩の部分…」

 

言ってる途中でん?となる榊の後に伊御もあれ?と首を傾げる。

 

思い出す限り、段蔵は肩だしのワンピースを着ていたのだが…それにより露出している肌の部分が、普通に肌色であった。

 

その様子に小太郎はくすっと笑う。

 

小太郎「ええ、本来は段蔵殿はからくり人形なんですが…とある魔女殿がそんな段蔵殿の為に外出用の人の体を用意してくださったんです。今の段蔵殿は人間と寸法変わらない状態になっております」

 

榊「へー、そうなのか」

 

真宵「その人凄いじゃね…」

 

理由を言う小太郎に誰もが感嘆する。

 

小太郎「それと、コナン殿達の前では僕の事は風太と、段蔵殿は霧風とお呼びください」

 

つみき「…ええ、わかったわ」

 

正邪「そっちもアタシのことは蛇正(じゃせい)神那(じんな)で呼んでくれ」

 

分かりました神那殿と小太郎は笑って返す。

 

小太郎「所で…バディア殿と言いましたか…彼女は何者でしょうか?何やら普通の方とまた違う雰囲気を感じるのですが?」

 

その後に首を傾げて聞くのに伊御達はあーとなる。

 

伊御「バディアはちょっと色々とあってね…」

 

榊「そこは深く聞かないでくれないか」

 

小太郎「…分かりました。不躾でしたね」

 

すいませんと謝罪する小太郎にいえいえと返す。

 

小太郎「後…伊御殿は獣使いなのでしょうか?車に乗る前まで色んな鳥たちが来てましたね」

 

榊&真宵&正邪「動物ホイホイです」

 

伊御「まだ言う!?」

 

言うよと返されて困った顔をする伊御に小太郎はくすくす笑う。

 

佳奈「あ、笑った!」

 

小太郎「ホント楽しい人達だと思いまして」

 

そう言いながら会話は続く。

 

 

 

 

メアリー「(じーーーーー)」

 

バディア「な、なんだ…我をじーとみて」

 

一方でメアリーがバディアを見ていて、見られてるバディアはたじろく。

 

メアリー「……胸大きい」

 

バディア「む?」

 

出て来た言葉にバディアは首を傾げる。

 

メアリー「高校生って結構発育良い人がホント多いよな…」

 

京谷「(男子高校生としてこれは答えない方が良いよな…)」

 

咲「あー…」

 

落ち込むメアリーに誰もが困った顔をする。

 

針妙丸「え、ええっと…」

 

バディア「さ、サーヴァントだからこその悩みであるな;」

 

アン「ホント困ったわよね…薬に頼ろうかとも言ってたわよねメアリーは」

 

段蔵「すいません。段蔵には適切な助言が…」

 

困った様に笑うアンに段蔵も困った顔をする。

 

メアリー「羨ましいと思うよ。真宵と咲を見ると」

 

お竜「そうだな~お竜さんよりあるから分けて欲しいもんだ」

 

咲「そ、そうかしら?」

 

針妙丸「あ、分かる分かる!2人とも大きいもんね」

 

そう言ってワイワイ話し出す中で京谷は居心地悪く体を縮めて早く着く様に祈っていた。

 

京谷「(はやく宿についてくれー!!)」

 

 

 

 

しばらくして目的の場所に着いて、それぞれ背伸びする。

 

伊御「んーやっと着いた」

 

京谷「此処が俺達が泊まる宿か…」

 

げっそりとした様子だったが目の前の建物を見て京谷は他のメンバーと共にほうとなる。

 

目の前の建物は一軒家で全員が止まれる大きさなのは確かだ。

 

岩永「すいませーん、美馬さーん?観光課の岩永ですぅ!!美馬さーん!!いませんかぁ?」

 

元太「さっきのホテルとずいぶん違うな…」

 

光彦「ですね…」

 

呼びかける岩永の背を見ながら元太と光彦はそう漏らす。

 

以蔵「わしとしてはさっきの煌びやかなとこよりかは気に入ったぞ」

 

龍馬「確かにこういう民宿も一種の醍醐味だと思うよ」

 

佳奈「田舎のお爺ちゃんの家に帰ったみたいでいいよね!」

 

伊御「普通に落ち着ける感じで良いよね…けど、全員泊まれるのかな?」

 

ご機嫌に笑う以蔵に龍馬と佳奈も笑い、伊御は気になった事を呟く。

 

岩永「すいません。いないようですねぇ…電話しといたんですけど…」

 

???「なんじゃ騒々しい!!」

 

謝罪する岩永だったが別の声がした後に初老の男性が来る。

 

岩永「あぁ、美馬さん!さっき電話で話した毛利さん御一行に加藤さん御一行です…!」

 

美馬「……全く、ちゃんと人数を言え、流石にこの人数を全員、泊められんぞ」

 

呆れた様に息を吐いた後に美馬は左側のポケットを探り、そこから鍵を取り出して龍馬に近づいて手渡す。

 

美馬「1泊2食付きで5000円…それと左に見える建物…そこを貸してやる」

 

それだけと言ってから美馬は建物の中へと入って行く。

 

岩永「ちょ、ちょっと美馬さん!?」

 

小五郎「偉そうな奴だな…」

 

龍馬「そうかい?お客さんの事を考えて一件貸してくれるんだしさ」

 

姫「良い人ですね!」

 

真宵「ツンデレなおじいさんじゃね!」

 

コナン「(いやそれは違うんじゃね…;)

 

そんな美馬の態度にそう述べた小五郎へと龍馬は鍵を見せながら言い、真宵のにコナンは冷や汗を掻く。

 

岩永「すいません…良い人なんですがちょっと偏屈な所がありまして…」

 

以蔵「変に偉ぶるよりかはマシじゃけえの…おい本坂、さっさと休みたいから鍵かせい!」

 

龍馬「分かったよ田岡さん」

 

そう言って鍵を投げ渡された後に以蔵はそのまま隣の建物へと足を運ぶ。

 

園子「協調性ないわね」

 

お竜「それがあいつだからな」

 

そんな以蔵に園子は呆れる中でお竜は興味なさげに返す。

 

岩永「そう言えば毛利さん達に伝えたんですが、今宝探しゲームをやってるんですが、そちらの皆さんの中で参加される方はいますか?」

 

小太郎「宝探しですか…僕も参加したいです」

 

龍馬「暇潰しに良いかもね。僕も参加させて貰うよ。お竜さんは?」

 

お竜「んーのんびり海を泳ぎたいからパス」

 

思い出して言う岩永のに小太郎が参加を表明して、龍馬も乗った後に君達は?と伊御達に話しを持ち掛ける。

 

伊御「それじゃあ参加でお願いします。皆はどう?」

 

榊「俺も参加するぜ!」

 

つみき「伊御がやるなら私も…参加する」

 

姫「はひ!それなら私も!」

 

正邪「私も参加で」

 

針妙丸「私も宝探しするー!」

 

咲「私は止めとくわ。ダイビングしたいと思ってたから」

 

佳奈「私は参加するよ!」

 

京谷「俺は釣りをするから今回はスルーで」

 

バディア「我も咲と同じダイビングの方に行く」

 

みいこ「私はのんびりしようと思います」

 

真宵「あ、私は田岡さんの所に行くんじゃよ」

 

宝探しので伊御、榊、つみき、姫、正邪、針妙丸、佳奈が参加を言い、咲とバディアはダイビングで京谷は釣り道具を見せながらそう言い、みいこと真宵は宿に行く事にする。

 

真宵が参加しないのに珍しいなと呟く正邪に真宵はまあねんと返す。

 

小太郎「母上やアンナ殿達はどうしますか?」

 

段蔵「私はだいびんぐと言うのをやろうと思います」

 

アン「私達は観光館って所に行こう思ってるわ。ね、アリー」

 

メアリー「だから途中まで一緒だね」

 

予定を聞く小太郎に段蔵はそう返し、アンとメアリーは観光と返す。

 

歩美「あ、伊御さん達も一緒なら心強いね!」

 

光彦「そうですね!」

 

元太「俺達少年探偵団も参加するんだぜ!」

 

元気よく言う歩美達にコナンと灰原も参加するんだなと考えて本人達を見るとコナンのなんとも言えない顔から強制の様だ。

 

岩永「それでは加藤切風様達もお嬢さん達と同じダイビングですね」

 

段蔵「そうでしたか、宜しくお願いします」

 

蘭「いえ、私達も初めてなので」

 

バディア「全員初心者と言うことだな」

 

確認する岩永のに蘭たちへと頭を下げる段蔵へ蘭は慌てて手を振り、バディアもそう言う。

 

岩永「すぐに行かれるなら車でお送りますけど?」

 

蘭「お願いします!」

 

咲「んじゃ京谷、行ってくるわね」

 

気を付けろよなと返す京谷に咲は笑う。

 

岩永「お2人はどうされますか?お宝探しゲームも面白いですよ?」

 

阿笠「ワシはみいこさんと同じ様にのんびりするからご心配なく」

 

続けて阿笠と小五郎に対して聞く岩永に阿笠はそう返す。

 

岩永「毛利さんは宝探しに参加しますか?」

 

小五郎「いや、それよりもどこか地酒があって、美人女将のいる店を教えてくれ!」

 

笑顔で酒を飲む場所を聞く小五郎に岩永は呆気に取られる。

 

ただ、伊御はどことなく岩永が予定外な感じの反応に見えた。

 

伊御「(もしかして宝探しに小五郎さんを参加させたかったのか…?)」

 

なぜ子供の遊びに?と首を傾げる伊御だが岩永は気を取り直した様子で、で、では行きましょうと宝探しに行く者やダイビングに行く面々へと言う。

 

伊御達は知らなかった。

 

自分達があるお宝によって事件に巻き込まれる事に…




コナン「次回!ダイビングと事件の始まり!」


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DETECTIVE.Ⅱ~ダイビングと事件の始まり~

宝探しをする伊御達。だが、咲達に危機が迫る。


前回の後、早速ダイビングの準備の為に咲達は島唯一のダイビングショップ『グロット』にてオーナーの馬淵千夏と話していた。

 

馬淵「えーと、毛利蘭さんと鈴木園子さんに加藤霧風さん、崎守咲さんに……バディアさんね。一式レンタルで良かったのよね?」

 

蘭&園子&咲「はい!」

 

霧風「宜しくお願いします」

 

バディア「うむ!(参加したのは良いが…どうするか)」

 

確認する馬淵のに咲達が元気に答える中でバディアは表面上には出さず、内心かんがえあぐねていた。

 

それは勿論、この後の事だ。

 

バディア「(サメに襲われる奴を助けた方が良いのかそれとも…)」

 

そう、彼女を悩ませているのがそこだ。

 

バディアの知る歴史ではとある事で事件が始まるのだ。

 

しかも死ぬのは悪者確定の一味の1人だ。

 

だが、知ってるからこそ、簡単に命が散るのを見過ごす事が出来るのか?と言うのが彼女を葛藤させる。

 

バディア「(どうする…どうすればいい…)」

 

段蔵「大丈夫ですか?」

 

悩むバディアに段蔵が3人や馬淵に聞こえない小声で段蔵が話しかける。

 

バディア「……なあ、そちらは知っているのか?」

 

段蔵「………私は本坂殿やアンナ殿とメリー殿と違い、この体の調子を確かめる為に同行したので、あなたの心配事は分かりません…ですが、皆さんを守る為に力を貸す事は出来ます」

 

そう言った段蔵にバディアは感謝すると返す。

 

バディア「(……皆を守るか……)」

 

段蔵のに内心呟いてる間に馬淵が喜美子と誰かを呼ぶと保管室と書かれたネームプレートが張られた扉からはーいと返事が来た後にウェットスーツを手に持った女性が出て来る。

 

馬淵「彼女は貴方方と潜るダイビングインストラクターの山口喜美子よ。それで彼女達に合うサイズのあった?」

 

喜美子「ええ、皆さん、ウェットスーツはこれでいいかな?サイズはMで大丈夫だと思うんだけど…」

 

紹介してから聞く馬淵に頷いてから喜美子はそう言って手に持っていたウェットスーツを見せて確認する。

 

園子「はい!」

 

蘭「大丈夫です」

 

咲「ピッタリだわ」

 

バディア「こちらも……問題……ないな、うん」

 

段蔵「私も問題ありません」

 

喜美子「良かった…ウェットスーツの種類、あんまりないのよねウチ…」

 

大丈夫だと伝えた5人に喜美子は安心した様に笑って言う。

 

ちなみに彼女が持って来たウェットスーツの色は主に黄色とオレンジで、黄色が2着、オレンジが2着、緑色が1着だ。

 

園子「ええ、全然そんなことありませんよ!」

 

蘭「素敵なウェットスーツです!」

 

段蔵「はい、色も良いですし」

 

バディア「着心地も良いぞ」

 

咲「ホントね~」

 

5人の感想に喜美子は嬉しそうに笑う。

 

???「邪魔したな」

 

すると店の奥から朝に岩永とぶつかった男と一緒にいた男2人が通って来る。

 

喜美子「ちょっとあんた達、ちゃんと後片付けしてってよね!!」

 

男「フン…また来る…」

 

注意する喜美子にパンチパーマの男は鼻で笑って出て行く。

 

段蔵「マナーのよろしくない人達ですね」

 

咲「あれ、さっきのトレジャーハンターの人たちよね?」

 

バディア「宝探しするための準備でここにいたのだろうな」

 

呟いた段蔵の後にバディアは咲の疑問に対してそう返す。

 

蘭「今の人達、トレジャーハンターですよね?」

 

園子「一緒に潜るんですか?」

 

不安そうに聞く蘭や園子にううんと喜美子は首を横に振る。

 

喜美子「奴らにはエアーコンプレッサーを貸してただけだよ…」

 

馬淵「最近、あの手合いが増えて困ってるのよね…」

 

咲「原因は見つかったあの遺跡?」

 

そう言った2人に咲は聞く。

 

馬淵「それもあるけど、それに刑務所を脱獄したアンがこの島に宝を隠したって話も伝わっているしね…」

 

咲「アンって……もしかしかてアン・ボニーのこと?」

 

馬淵から出た名前に咲は驚いて聞く。

 

喜美子「あら、知ってるのね」

 

園子「アン・ボニーって?」

 

段蔵「アン・ボニーとは歴史上で知られてる女海賊の1人です」

 

バディア「確かメアリ・リードの相棒だったな」

 

段蔵の後のバディアのにさらにハテナマークを浮かべる2人に行きながら説明するわと喜美子は笑って言った後、ダイビングスーツへ着替えてからワゴン車に乗り込み、潜る場所への船を止めてる船舶所へ向かう途中で説明を始める。

 

喜美子「さっき加藤さんとバディアさんが言った様にアン・ボニーとメアリ・リードは1730年ごろに活躍した女海賊なの。彼女達は、ジャック・ラカムって言う海賊の仲間だったの!!」

 

咲「確か西インド諸島で活躍したんだっけ?」

 

思い出しながら確認する咲にその通りと肯定される。

 

馬淵「だけど、イギリス軍の攻撃を受けるの。その際に他の男達が船倉に隠れていたのにも関わらず、2人で背中合わせになって勇敢にたたかったって話よ…」

 

バディア「ちなみにそれ二人が海賊になって一年ほどの出来事なんだぞ」

 

蘭「へぇ~!!背中合わせで迎え撃ったんですか?」

 

喜美子「ええ、背後の敵を相棒に任せて、自分は目の前の敵だけに集中する…信頼し合ってないとできない芸当ね…」

 

引き継いで言う馬淵とバディアのに蘭は感嘆して喜美子はまた肯定する。

 

咲「アンとメアリーはそれができるほどお互いを信頼できたってわけね」

 

園子「それだったら私の背中を任せられるのは蘭だけね」

 

蘭「園子…」

 

真剣な顔をからなんちって♥と園子は笑う。

 

園子「蘭は新一くんなんだよね?」

 

蘭「だ、誰があんなヤツ…」

 

バディア「咲なら誰に後ろ任せれる?」

 

茶化す園子と蘭の隣でバディアが咲にも話を振る。

 

咲「え、私?そうね…誰かしら」

 

バディア「京谷ではないのか?」

 

うーんと唸る咲にバディアは出す。

 

咲「は、はあ?何言ってるのよバディア。なんで京谷なのよ」

 

バディア「む?一番仲良さそうと言う意味で出したのだが?」

 

園子「ああ、確かに良くからかって遊んでるから分かるわね」

 

蘭「(内容が色々と酷い事があったりするけど;)」

 

慌てる咲にバディアはそう返し、それに蘭を弄っていた園子も乗っかる。

 

咲「べ、別に私は京谷は弄ると反応が面白いからからかってるだけだし…」

 

園子「(ううーむこりゃあ蘭とまた違う面白さね。色々と面白い子が多くて良いわ♪)」

 

蘭「(園子が凄く嬉しそうに見てる;)」

 

バディア「(やれやれ、どっちも素直じゃないな)」

 

段蔵「(楽しそうですね)」

 

ワイワイ話し合う様子に段蔵や喜美子、馬淵は微笑ましそうに笑う。

 

 

 

 

一方の観光館にいるコナンと伊御達は光彦、元太、歩美と共に榊と佳奈、ちゃっかり付いて来たお竜さんが解説ナレーションを聞いてるのを後目にカットラスとピストルを見ていた。

 

灰原「本物なのかしら、これ…」

 

コナン「さあな…もしそうなら大変な事にだぜ…」

 

龍馬「確かに歴史的発見になるかもね」

 

伊御「そう言えば皆知ってる?メアリーって実は軍人だったんだよ」

 

光彦「えー!?そうだったんですか!?」

 

カットラスとピストルを見て呟く灰原のにそう返したコナンと龍馬の後に伊御がそう言って、光彦たちは驚く。

 

メアリー「そうだよ。その時は男として入隊、少ししてメアリーは同僚と結婚してちょっとした騒ぎになったりして2人は退役してオランダで酒場を開くけど結婚した旦那は急死して酒場も畳む事になったんだ」

 

歩美「それ可哀そう」

 

姫「確かその後、他の国に行く途中で海賊さんに捕まってしまったんですっけ?」

 

解説するメアリーのに歩美は悲しそうに顔を歪め、姫が聞く。

 

メアリ―「補足するならオランダの歩兵連隊へ入隊したけど、戦争もなくて昇進の見込みもなかったから船に乗り込んだのが運命の転換で、ラカム一味に捕まって無理矢理海賊にされちゃったんだ」

 

元太「自分から海賊になった訳じゃないんだな」

 

榊「それが今や伝説の女海賊になっちまうとはなー」

 

付け加えるメアリーのに感嘆する元太の隣で榊は腕を組んで呟く。

 

コナン「詳しいんだね」

 

アン「そりゃあファンでもあるからね~憧れちゃうでしょ~」

 

龍馬「ははは…」

 

伊御「(まあ本人だからね…;)」

 

そんなメアリーの説明にそう言うコナンへと返したアンのに龍馬は苦笑し、伊御も冷や汗を掻く。

 

お竜「しかし遅いなあの観光案内…マップ探すだけなのに遅いぞ?」

 

龍馬「いやいや。流石に急かし過ぎだっておたきさん」

 

姫「あ、来ました!」

 

その後に呟くお竜を龍馬が宥めていると慌てた岩永が来る。

 

岩永「ごめんごめん!ずいぶん待たせちゃっうわ!?」

 

謝りながら走っていたからか最初に会った時の様にこけた。

 

コナン「(おいおい;)」

 

正邪「(大丈夫かよこのおっさん…)」

 

倒れた岩永にコナンと正邪は呆れるのであった。

 

 

起き上がった後、全員に宝探しマップを手渡した岩永は

 

岩永「ここ、観光館からスタートして、地図の中に隠されている5ヶ所のポイントでスタンプを押して、その謎を解くんだ」

 

小太郎「成程…」

 

つみき「まずは五か所のポイントを探さないといけないのね」

 

説明を聞いて誰もが納得した後に岩永は続ける。

 

岩永「まず最初のポイントはそこ!そこのスタンプを地図の下の余白にある数字の順番に押して、隣の宝箱の中から次のポイントのヒントカードを取ってね」

 

言われた通り、岩永の左後ろの木の宝箱の隣に置かれた台の上にあったスタンプを押すと赤色で上に10、下に12であった。

 

榊「スタンプは10と12…?」

 

佳奈「どういう意味なのかな?」

 

光彦「これが宝のありかを示す鍵ですか…」

 

その後に元太が宝箱の中にあったカードに書かれていたのを読む。

 

元太「次のポイントは、『夕日が落ちずとも、海賊は輝く』……?」

 

姫「何処なんでしょうか……?」

 

うーんと唸る中で伊御はそれにふむ……と岩永を見る。

 

伊御「(岩永さん…どうも何か隠してる感じがするな…)」

 

岩永「まぁ、頑張ってね!宝物のありかが分かったら特別なプレゼントがあるから!」

 

姫「は、はひ!がんばります!」

 

正邪「特別なプレゼントな…」

 

出て来た言葉に正邪はふうんとカードを見る。

 

元太「と、特別なプレゼントって食いモンか?」

 

光彦「すぐさま食べ物に結び付けるのはどうかと思いますよ元太くん;」

 

榊「島の名産品とかもあり得るよな」

 

目を輝かせる元太に光彦はツッコミを入れて、榊がそう言う。

 

岩永「それは正解した時のお楽しみだよ♪」

 

正邪「(お楽しみに…ねぇ)」

 

つみき「(そう言うのってなんとも言えないのだったりする時あるわね…)」

 

そう言った岩永に正邪とつみきはそう思った。

 

コナン「ねぇ、オジさん…この暗号ってオジさんが全部考えたの?」

 

岩永「え?………まあね」

 

龍馬「それは凄い。まるで()()()()()()()()()()と思っていたので脱帽しますよ」

 

するとコナンがそう質問し、答えた岩永は龍馬の言葉にビクッとなってからええまあと取り繕う様に返す。

 

伊御「(…もしかして元の暗号があってそれを解かせようとしている……?)」

 

そんな岩永の反応に伊御は裏がありそうだ…と思った。

 

岩永「そそ、そうだ!隣の役場にレンタル自転車があるから乗ってってね!歩いて回るのは大変だからね…」

 

光彦&元太&歩美&佳奈&姫「ハーイ!!」

 

元気よく返事する光彦たちに岩永は笑う。

 

榊「行こうぜ伊御」

 

伊御「ああ」

 

この宝探しをやっていけば分かるかなと思いながら伊御はコナン達に続く。

 

 

 

 

一方、魚釣りをする京谷は釣り竿を垂らしていた。

 

以蔵「ふわぁ…静かじゃのう」

 

真宵「そうじゃね~」

 

京谷「お前ら、何でここに居るんだよ;」

 

暇そうに見ている2人に京谷は問う。

 

以蔵「宿で壊れたとこ直した後は何もなかったからおまんのを見に来たんじゃ」

 

真宵「んで魚は釣れたのん?」

 

みりゃ分かるだろと言う京谷のに真宵と以蔵はバケツの中を見る。

 

真宵「空っぽじゃねぇ…」

 

京谷「このままじゃ崎守に笑われちまうから最低一匹でも釣らねぇと…」

 

以蔵「ああ、笑いそうじゃのう」

 

うぬぬと呻く京谷のに以蔵は興味なさそうにその手に眼魂をポンポンしながら呟く。

 

真宵「ところで今持ってるそれ何眼魂なんじゃよ?」

 

以蔵「あん?これか?ここに来る前にほむらっちゅう同じ顔が沢山おる所の博士っぽい小さいのから渡されたライダー眼魂じゃ。今来る場所と相性が良いと言っておったが…確かアクアと言っておったな」

 

気になったので聞く真宵に以蔵はそう返す。

 

京谷「あー確かに相性は良さそうだな」

 

真宵「確かに海の中で大活躍じゃね~そんで唐突に新発明!海の中を自由に見れるくん!」

 

そう言って真宵は双眼鏡を高らかに取り出して言う。

 

以蔵「ほ~変わったのを出すのう」

 

京谷「まあ真宵だからな」

 

試しに見てみます?と提案されて、遠慮なくと以蔵は双眼鏡を見る。

 

以蔵「おうおう!こりゃあ驚きじゃあ!?本当に海の中が普通に見えるげな!!」

 

真宵「もう1つあるよん」

 

京谷「おー、こりゃスゲェな…ん?あれは…崎守たちか?」

 

興奮する以蔵の隣で同じのを手渡されて覗き込んだ京谷は感嘆の声をあげた後に咲達に気づき…目を見開く。

 

以蔵「ん?どうした?」

 

京谷「さ、サメ!?あいつらの近くにサメが居るぞ!」

 

真宵「はい!?」

 

出て来た言葉に真宵は驚く。

 

 

 

 

時間戻り、船に乗って目的のダイビングポイントに着いた咲達はボンベに異常がないかなどを確認したりしてからBCジャケットを着用して準備していた。

 

バディア「(ついにここまで来てしまったか…)」

 

蘭と園子の準備を見ながらバディアは緊張する。

 

バディア「(だがここまで来たのだから覚悟を決めるしかないな)」

 

段蔵「どうしましたバディアさん」

 

これから起こる事に決意を固めていると段蔵が話しかけて来る。

 

バディア「うむ、これけら潜るから少し覚悟を決めていたところだ」

 

咲「覚悟ってそんなにする程じゃないと思うけど;」

 

大げさよと笑う咲だがバディアとしては大げさに出来ない事だ。

 

だがそれを言えないのが歯がゆかった。

 

バディア「(やれやれ、言えないのがこんなに辛いものとはな…)」

 

馬淵「それじゃあ…喜美子の指示に従って安全に楽しんできてね!」

 

変えたいけど言えない、言ったら崩れそうと言うのが本当に悩ませる間に馬淵がメンバーへとそう言った後にただし…と続ける。

 

馬淵「聞いてないと危ない目に遭うからね。特に、海にある宮殿の南側は気を付けてね…深く切れ込んでるから…」

 

園子「驚かさないでくださいよ;」

 

咲「確かに危なそうな場所ね…」

 

注意する馬淵のに園子は少し不安がり、咲もごくりと息を呑む。

 

喜美子「大丈夫よ!!あたしが付いてるんだから!」

 

馬淵「そうね……」

 

蘭&園子&咲「宜しくお願いします!!」

 

段蔵「お願いします」

 

バディア「お願いします(さて、覚悟を決めるか)」

 

それぞれ返事をした後にいよいよ海にダイビングする。

 

広がる海の中の景色と泳ぐ魚たちに目を奪われる。

 

咲「(すごーい!これが海の中なのね…)」

 

改めて泳ぐことと海の中を潜る事で見える景色に咲は感動する。

 

憂鬱気味だったバディアもその光景にほうと感嘆する。

 

バディア「(これは凄いな…まさかこんなに綺麗だとは)」

 

そのまま魚と戯れていると喜美子がメンバーを自分に注目させた後に自分の顔の前に左手で二本、指を立てた後に喜美子自身から見て右側を指す。

 

ちなみに最初のはハンドサインで二本指を立てたのは見てと言うのだ。

 

誰もが見るとそこには注目されている海中遺跡があった。

 

バディア「(あれが海中遺跡か。凄いものだな…!)」

 

それにバディアは感嘆した直後、誰かに押される。

 

押したのは段蔵で、他の4人も押された事に驚いた顔をした直後…段蔵をすぐそばをサメが通り過ぎる。

 

蘭&園子「!?」

 

咲「(サメッ!?)」

 

バディア「(くっ!やっぱり来たか!)」

 

現れたサメにバディアは呻いたがすぐさまハッとなる。

 

自分の知るのでは襲われるのは別の者達だ。

 

バディア「(何故サメがこっちに来る?こっちには血なんて無いはず…!)」

 

そう言って改めて観察して気づく。

 

段蔵の左胸部分から……うっすらと赤い液体が水に溶けてる様子に……

 

その後に段蔵へと襲い掛かるサメと新たに現れたサメたちに蘭と園子はパニックになりかけたが、喜美子の胸元に右腕を持って来ての落ち着いてのハンドサインに落ち着く。

 

落ち着いたのを見てひとまず上へと右親指を上へクイっとする喜美子に園子と蘭は心配そうに段蔵を見る。

 

バディア自身、変身して助けたいがバグラットを呼べない現状、喜美子の指示に従うのが得策だと考えて蘭と園子の肩を叩いて戻るのを促す。

 

咲も頷こうとし…何かに気づいて慌てて頭を下げる。

 

咲の頭の所を何かの腕が通り過ぎる。

 

その際、ボンベとレギュレーターを繋ぐラインが斬られる。

 

それをやったのは…人型のサメであった。

 

バディア「(あれはサメヤミー…!?まさかこれは全部転生者の仕業か!)」

 

ヤバいと思ってる間にサメヤミーは咲に再び腕を振るおうとして…横からの衝撃に吹き飛ぶ。

 

それをやったのは…水色の膜に包まれた仮面ライダー盾王であった。

 

驚いている間に咲に何かの光線が当たり、彼女も同じ様に水色の膜に包まれると先ほどまで息苦しかったのが消えた。

 

誰もがいきなりの事に驚いていると盾王の隣にまた別の仮面ライダーが現れる。

 

 

 

 

時間は、京谷が発見した時に戻る。

 

すぐさま盾王ベルトを装着する京谷に真宵は待ったをかける。

 

真宵「盾王は水中で戦えるようできてないんじゃよ!このまま行ったら京谷さんも…!」

 

京谷「だけど!あのままだと崎守達が!」

 

以蔵「……行ける様にすればええんか?」

 

行こうとする京谷に以蔵が問う。

 

真宵「そ、そうじゃけど……どうやって?」

 

以蔵「まさかいきなりこいつを使う機会に恵まれるとはのう……」

 

スタンバイ!

 

そう呟いて以蔵は左腕に変身アイテム、メガウルオウダーを装着して、先ほど2人に見せたアクア眼魂をセットする。

 

イエッサー!

 

ローディング!

 

音声の後に仮面ライダーアクアを模したパーカーゴーストが飛び出す。

 

以蔵「変身」

 

テンガン!アクア!!

 

メガウルオウド!!

 

音声の後に以蔵は仮面ライダーネクロムとなった後にアクアパーカーゴーストを身に纏い、ヴァリアスゴーグルに仮面ライダーアクアの顔が浮かび上がる。

 

フューチャーウォーター!!

 

ネクロム「ほれ、さっさと変身しいや!!」

 

京谷「お、おう!変身!」

 

シールドフォーム!

 

急かされ、京谷は盾王に変身した後に行くぞ!とネクロムに腕を掴まれた後に……海に飛び込む。

 

慌てる盾王にネクロムはその手から水色の光線を盾王に放つと盾王は水色の膜に包まれ、息苦しさが無くなる。

 

盾王「い、息苦しくなくなった…!?」

 

ネクロム「こいつの能力は数分だけじゃが水中でも動ける様に出来るとのこっちゃ。ほれ、時間は有限じゃ」

 

お、おう!と答え、ネクロムに引っ張られて行き、近づいた直後にネクロムに投げ飛ばされて、サメヤミーにタックルを食らわせた。

 

 

 

 

バディア「(京谷!それにあっちはネクロムか!?)」

 

驚くバディアや蘭達にネクロムは上を指した後にしっしっと手を振る。

 

早く行けと言うのに喜美子はすぐさま頷いて蘭や園子に促し、バディアも咲と共に海上へ向かう。

 

その際、少し離れた所で同じ様に浮かび上がるトレジャーハンター3人組が目に入る。

 

横顔は…ニヤついていた。

 

バディア「(まさかあの三人が…ッ!)」

 

そのニヤつきに今の状況になりうる様にしたのかと思ってる間に喜美子に早くと急かされて海上へと上がる。

 

そんな咲達が出たのを後目にネクロムと盾王はサメヤミーと対峙する。

 

ネクロム「さて、さっさとこいつを倒しちゃるか」

 

盾王「やい!このサメ野郎!よくも崎守に手を出しやがったな!絶対に許さねえぞ!!」

 

そう言って飛び出す盾王に暑苦しい奴じゃのう……とネクロムは呆れながら続く。

 

サメヤミーは向かって来た盾王に腕を振るうがデンガッシャーシールドモードに防がれる。

 

盾王「おりゃあ!」

 

ズドンッ!

 

そのままデンガッシャーシールドモードで殴り飛ばされた所をネクロムの蹴りが炸裂する。

 

一方でサメたちのを避けていた段蔵は蘭達の目が無くなった所でどこからともなく二丁拳銃を取り出し、それから銃弾を発射し、放たれた銃弾がサメ達に命中すると痺れた様な動作をした後に動かなくなり、段蔵はすぐさま海上へと向かう。

 

盾王「とりゃあ!」

 

追撃する盾王のにサメヤミーは距離を取って離れる。

 

それに逃げる気だと盾王は理解した後…

 

ガッ!

 

サメヤミー「!?」

 

逃げようとしていたサメヤミーの口に何かが引っかかると海上へと引っ張られる。

 

それに盾王は追いかける。

 

ネクロム「おりゃあ!一本釣りじゃあ!!」

 

海上に出ると何時の間にか海上に出てガンガンハンドからエネルギー上のラインの様なのを伸ばしたネクロムがサメヤミーを釣り上げてる所であった。

 

ネクロム「熱血男!決めるなら今だぞ!」

 

盾王「おう!」

 

フルチャージ!

 

ネクロムの言葉に盾王はセタッチした後にデンガッシャーシールドモードを手放ししてそれを足場にして飛び上がるとサメヤミーへとフリーエネルギーが収束した右足を突き出し…

 

盾王「ライダーキックッ!!」

 

力強く叫び、身動き取れないサメヤミーを貫く。

 

ドカーン!!

 

ネクロム「はん。きたねぇ花火じゃな」

 

起こる爆発と落ちて来るセルメダルを見ながらネクロムは呟くのであった。

 

 

 

 

一方、そんな事を知らない伊御達は島の一番西の場所の岩場に来ていた。

 

光彦「ヒントに夕日とありましたから…島の一番西に来てみましたけど…」

 

姫「宝箱、ありませんね…」

 

誰もが見渡す中でコナンと龍馬、伊御は柵で囲まれた穴を覗き込んでいた。

 

コナン「フ……」

 

龍馬「考えてるね」

 

伊御「確かに上手に例えてますね」

 

穴を見ながらそう呟くと分かりました!と光彦の声が聞こえる。

 

光彦「ヒントは『夕日が落ちずとも海賊は輝く』でしたよね?ズバリそれは…海面です!!」

 

榊「おお、なるほどな!……それで?」

 

理由はと聞かれてえ?となる光彦に元太が続く。

 

元太「海の上にスタンプあんのかよ?」

 

佳奈「あったとしてもながされちゃうんじゃないの?」

 

メアリ―「子供に優しくないよね」

 

メンバーの指摘にですよね……と光彦はハハハとから笑いする。

 

歩美「……ねぇ、あれ見て……」

 

すると横で話を聞いてた歩美が海を指す。

 

するとそこには太陽の光に反射している何かがあった。

 

アン「あれは…魚ね…」

 

正邪「いっぱい集まってるな」

 

元太「ウナギじゃねーの?」

 

それを見て呟くアンと正邪に元太がそう言う。

 

光彦「こんな所にいませんよ…」

 

メアリ―「ウナギ好きすぎでしょ…」

 

つみき「…あ、もしかしてそう言う事なのかしら」

 

そんな元太のにあきれ果てる中でつみきはひらめく。

 

コナン「成程な」

 

龍馬「なかなかうまい事を考えるよね」

 

伊御「皆、見つけたぞ」

 

そんな3人も下へ向かうルートへと歩いていた。

 

元太「成程って、何が成程なんだよ!」

 

光彦「何か分かったんですか!」

 

それに光彦たち3人も続き、正邪や針妙丸、つみきと佳奈も後に続く。

 

ピリリリリ!

 

最後に向かおうとした榊はなり始めた着信音に止まってスマホを取り出す。

 

榊「電話か?」

 

誰だよと通知を見ると真宵でどうしたんだ?と思いながら出る。

 

榊「もしもし、なんだよ真宵。今宝探しの…」

 

少し不満げに出た榊は慌てた様子の真宵から告げられた事に目を見開く。

 

一方で降りていた伊御達はコナンを先頭に下に向かっていた。

 

コナン「魚が集まってるのはどうしてだかわかるか?」

 

光彦「どうしてって…」

 

歩美「皆で遊んでいたのかな?」

 

姫「一緒にご飯でも食べていたんでしょうか?」

 

元太「あ、俺も思った!腹が減って皆でエサを食ってたんじゃないのか?」

 

龍馬「お、姫ちゃんと元太くん、察しが良いね」

 

コナンの問いに歩美と姫、元太が各々の考えを言い、龍馬が姫と元太のを肯定する。

 

伊御「それじゃあ魚のえさは何だか分かるかな?」

 

佳奈「えっと…なんだっけ?」

 

光彦「プランクトン……ですか?」

 

コナン「当たりだぜ光彦」

 

肯定した所で一番下までたどり着き、洞窟の様な穴があって、中を見ると水が入って中央が小さな池になっていた。

 

上を見上げると空が見えていて、先ほどいた場所の柵で覆われた穴だったんだと姫とつみきは思う。

 

その光景に光彦たちは感嘆の声をあげる。

 

針妙丸「うわ~綺麗…!」

 

正邪「なるほど、こういう事だったのか」

 

すると池の様に溜まっていた海水を見ていた針妙丸と正邪の声に誰もが彼女たちと同じように覗き込むと海の色とは別に青色に光る物があった。

 

光彦「あ、海ホタルですね!」

 

佳奈「そっか!これが『夕日が落ちずとも、海賊は輝く』なんだね!」

 

龍馬「そう言う事」

 

コナン「それであったぞ」

 

その言葉に何かを探していた龍馬と伊御、コナンの方を見ると宝箱があった。

 

姫「宝箱です!これで2つ目ですね!」

 

宝箱の中を見るとスタンプとヒントカードの束があり、早速スタンプを押すと青色で上は7で下は18であった。

 

歩美「『痩せた海賊は笑う』……だって」

 

元太「や、痩せてなくても笑うよな……;」

 

正邪「どういう意味なんだろうな」

 

次なるヒントに誰もが考える。

 

それをちょっと離れて見ていた伊御はおい伊御と小さい声で呼びかける榊のに疑問を感じながら近寄り、同じ様に気づいたコナンと龍馬が近寄る。

 

伊御「どうした榊」

 

榊「大変だ。崎守達がサメとサメヤミーに襲われた」

 

コナン&龍馬「!」

 

小声で告げられた事に目を見開いてすぐにコナンと伊御は駆け出す。

 

歩美「あ、コナンくん!」

 

龍馬「ごめんね皆。ちょっと用事が出来ちゃったから…風太くん、すまないが皆のお守りを頼むよ」

 

風太「!承りました」

 

お願いしてから龍馬も伊御とコナンの後に続く。

 

つみき「伊御…」

 

榊「ま、まあ俺達は引き続き宝探しをやろうぜ!」

 

灰原「あ、私も江戸川くん達の方に行くわね」

 

元気づけようとする榊の後にそう言って灰原も伊御達の方へと駆け出す。

 

光彦「灰原さんまで……」

 

正邪「なんだ?灰原居なくなって寂しいのか?」

 

それに面白そうに絡む正邪にいえ、あの……と光彦は顔を赤くする。

 

正邪「おー顔真っ赤にして…青春だねぇ」

 

針妙丸「正邪、ホント自分の以外だとイキイキしてるね」

 

ニヤニヤする正邪に針妙丸は呆れた顔をする。

 

アン「うふふ、そうなると神那ちゃんも弄られる覚悟ありなのね」

 

正邪「!」

 

くすくす笑うアンに正邪はしまったとなる。

 

 

 

 

一方、咲達は診療所にいた。

 

いる理由は段蔵の治療だ。

 

酷い怪我はないが、サメ肌や噛み付きを避けたが掠った事で出来た傷を診て貰っているのだ。

 

ガラッ!

 

扉が開いた音に咲達は振り返ると息を荒げた京谷と涼しい顔をした以蔵がいた。

 

咲「京谷!」

 

バディア「どうしてここに?」

 

理由は分かっているがそう聞くバディアにあーその……と京谷が答えようとして…

 

コナン「ら、蘭ねえちゃん!」

 

龍馬「おや、田岡さん」

 

伊御「皆、大丈夫だったか?」

 

その後にコナンと伊御達が来る。

 

蘭「コナンくん?それに哀ちゃんに伊御くんも」

 

コナン「真宵さんから聞いたよ。サメに襲われたって!」

 

バディア「ああ、そうだ。でも全員無事だぞ」

 

園子「そうそう!変な奴も現れたけど仮面ライダーが助けてくれたのよ!」

 

蘭「霧風さんが怪我して、今手当されてるの」

 

良かった……とコナンが安堵する。

 

小五郎「らぁぁぁぁぁぁぁぁん!!無事か!?」

 

お竜「うっさいぞ」

 

慌てた様子の小五郎の後に上にパーカーを羽織ったビキニ姿のお竜と真宵が来る。

 

お竜さんは泳いでいた所を真宵に呼ばれ、一緒に小五郎を呼びに行ってたのだ。

 

蘭「お父さん!」

 

小五郎「サメに襲われたと聞いたぞ!大丈夫か?」

 

慌てた様子で蘭に近づいて安否を聞く小五郎にう、うんと蘭は頷く。

 

それに頷かれると良かった……と小五郎は安心したのか安堵の息を吐いて椅子に座り込む。

 

伊御「それにしてもサメが出るなんて…」

 

真宵「なんでそんな危険があるのを解らなかったんじゃろう?」

 

喜美子「こっちもいきなりだったから……」

 

???「あの、名探偵の毛利小五郎さんですか?」

 

呟く伊御と真宵のに喜美子も困った顔をすると警察服を着た初老の男性が小五郎に話しかけて来る。

 

小五郎「いかにもそうですが……あなたは?」

 

喜美子「この人はこの島に駐在してる上平さんです」

 

聞いた小五郎に喜美子が変わりに答える。

 

上平「上平巡査です。噂はかねがね…それにしてもサメの被害なんてもう何年もなかったのに……」

 

喜美子「そもそも、あの辺りでサメなんか見たの初めてよ」

 

それを聞いて小五郎はふうむ……と顎を摩っていると手当を終えた段蔵が出て来る。

 

お竜「……うん?」

 

するとお竜が鼻をスンスンさせて段蔵に近づく。

 

段蔵「お、おたき殿、どうしました?」

 

お竜「………かすかだが、お前から魚の血の匂いがするな」

 

戸惑う段蔵にお竜はそう言う。

 

小五郎「魚の血の匂い?なんでそれが?」

 

バディア「それなんだが実は…」

 

首を傾げる小五郎にバディアは自分が見た事を語る。

 

小五郎「そうなると…BCジャケットに何か細工をされていたのかもしれないな…BCジャケットは?」

 

喜美子「それだったらオーナーが店に持ち帰ってます」

 

伊御「それなら店に連絡して確認してもらいます?」

 

いきさつを聞いて思案した後に喜美子へ問い、伊御のにそうだなと頷いてから上平へと顔を向ける。

 

小五郎「警察に連絡を、もしも彼女の話通りなら悪戯じゃすませられない。立派な殺人未遂です!」

 

上平「りょ、了解しました!」

 

敬礼した後に慌てて出て行く上平を伊御達は見送る。

 

お竜「おたきさんのお手柄だぞ~本坂褒めろ~」

 

龍馬「うんうん。おたきさん偉い偉い」

 

京谷「にしてもなんでそんなことを犯人はしたんだろうな?」

 

バディア「(そこだ……それになぜ()()()()()()()()()()()に気づけたのだ?)」

 

苦笑して褒める龍馬を見てから呟く京谷のにバディアも気になっていた事だ。

 

バディア「(最初は奴らが転生者で知ってたからと思ったが……どうも違う感じがする……)」

 

もしも自分を見たのならいない者達を見たら驚くだろう。

 

隠すのが得意ならそれだけの話なのだが、バディア自身は確信していた。

 

()()()()()()()()()()()()()だと……

 

 

 

 

馬淵「これです。霧風さんが使っていたのは……」

 

数分後、ショップに来た伊御達は早速BCジャケットを見せて貰い、失礼と小五郎が断ってからビニール手袋を手で調べて、左胸の裏側部分にあたる所を探ってBCジャケットの生地とは違う感触に眉を潜めてそれを引き抜く。

 

それは赤い血がうっすら残ったビニール袋であった。

 

鼻に近づけて嗅いだ小五郎は真剣な顔をする。

 

小五郎「こりゃあ確かに魚の血の匂いだ……こうなると霧風さんが死んでいたら計画殺人になりうるが……気になるのは……なぜ、霧風さんのBCジャケットに仕組まれていたのかだ……」

 

伊御「これっていつもは何処に保管してあるんですか?」

 

馬淵「それならそこの保管室に置いてるわ」

 

難しい顔をする小五郎に変わって聞く伊御へ馬淵はそう返しながら指さす。

 

小五郎「そうなると計画殺人以外に無差別殺人になりうる可能性もあるぞ……仕込める者は……」

 

咲「保管庫に入れる人は?」

 

馬淵「私や喜美子以外に使いたい人がちゃんと料金を払ってくれれば入れるわ……」

 

さらに難しい顔をする小五郎に変わって蘭達より早く着替え終えた咲が聞いて返された事にあ……と声を漏らすと同じ様に着替え終えたバディアが腕を組んで厳しい顔をする。

 

バディア「そうなるとかなり多数……いや、逆に無差別になれば海に潜る者は減る!」

 

コナン「ねぇ、お姉さん。夜はこのお店に誰かいるの?」

 

すると真宵と灰原と共に外を見ていたコナンが来る。

 

小五郎「お前、また勝手に……」

 

龍馬「まあまあ、コナンくんの聞きたい事は僕達にとっても知るべき事じゃないですか」

 

伊御「それでどうなんですか?」

 

それに怒ろうした小五郎を龍馬が宥め、伊御も続く。

 

馬淵「あたしは裏に家があるし、喜美子は港の近くのアパートに住んでるから夜は誰もいないわね……」

 

コナン「フ~~~ン……」

 

龍馬「成程、つまりBCジャケットに仕込むならそ誰もいない夜の間に……と言う事になるね。バディアちゃんの言った事をやる為の策の為に行動するなら」

 

京谷「確かにそれなら誰でもできそうだな」

 

告げられた事に誰もが納得する。

 

馬淵「それに、この島には泥棒がいないから、普段は鍵をかけたりしないのよ」

 

伊御「(それは色々とヤバいだろ;)」

 

そう返された事に伊御達はえぇ……となる。

 

流石の小五郎も目を点にして唖然とする。

 

楽しい筈の旅行で起きた事件。

 

待ち受けているのは……




お竜「次回、『情報集め』になるぞ~」


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DETECTIVE.Ⅲ~情報集め~

事件を捜査する伊御達、宝探しでとんでもない事態が……



コホンと咳払いしてから小五郎は気を取り直して質問を続ける。

 

小五郎「ちなみに昨日、店を閉めたのは?」

 

馬淵「ああ、それは喜美子です。昨夜に店の鍵をかけたのは」

 

伊御「その時周りに誰か怪しい人はいませんでしたか?」

 

そう聞かれて、馬淵は私は見てないけど……と呟いた所に着替え終えた蘭や園子と共に喜美子が来る。

 

馬淵「あ、喜美子、昨夜、店の鍵を閉める時に誰か見かけた?」

 

喜美子「え、見てないけど?もしかしてBCジャケットに細工されたのと関係してるの?」

 

龍馬「そう言う事です。後は……彼女達以外に誰かこの店に今日来てませんでしたか?」

 

そう聞かれて蘭や園子、咲があっと声をあげる。

 

蘭「いました!」

 

園子「そうそう!最初のホテルで岩永さんにぶつかったあの3人組が!」

 

咲「まさかあの三人が…!?」

 

すぐさまいたと言う3人だが、喜美子は申し訳ない顔をする。

 

喜美子「その、盛り上がってる所悪いけど、昨夜は確かに閉めて、朝はあたしが開けたけど、鍵をかけてないから誰でも忍び込めて細工出来ちゃうわ」

 

段蔵「……流石に島の外から人が来てる時に鍵をかけないのは不用心過ぎると思います」

 

京谷「だけどあの三人が怪しいってのは変わりないよな」

 

小五郎「確かに、トレジャーハンターならば是が非でも宝を手に入れたいだろうしな……とにかく警察が来たら事情聴取するべきだな」

 

困った顔をして言う段蔵の後に京谷が腕を組んで呟き、小五郎も同意でそういう。

 

とにかく、蘭と園子は段蔵と共にダイビングの代わりにショッピングに向かい、小五郎は警察の到着を待つまで他に怪しい者がいないか情報集めに向かう。

 

伊御達は宿に戻り、コナンが灰原に頼んで撮って貰っていたダイビングショップの裏手側の地面にあった足跡や自転車の跡などを博士に調べて貰っていた。

 

ちなみに灰原はファッション雑誌を見ていた。

 

京谷「(みんな、それぞれ色々なことしているな。それに比べて俺は…)」

 

その中で京谷はライダーパスを見て力不足さを感じていた。

 

確かに力と言う意味では相棒のアタックフォームがあるが、それは自分の力ではないと京谷はシールドフォーム以外のフォームが欲しいと思った。

 

京谷「(…ちょっと真宵に相談してみるか)」

 

灰原「どう?何か手がかりはありそう?」

 

京谷はそう考えていた所に灰原がコナンへと声をかける。

 

コナン「いや……今の所はまだ何も……」

 

伊御「でも怪しいところはいくつかあったよ」

 

そう返したコナンの後に伊御はそう言って写真を見ながら続ける。

 

伊御「この写真に写っている足跡に混じってある一本のタイヤ跡。怪しくないかな?」

 

そう言われて誰もが写真のタイヤの跡を見る。

 

龍馬「確かに、他の奴よりも新しく出来てる奴だね」

 

真宵「でもそれの何処が怪しいんじゃよ?」

 

以蔵「それ位あの店の店員たちが使ってるのじゃないのか?」

 

違うと思いますと以蔵のに伊御は首を横に振る。

 

伊御「足跡があった所は器具の海水を洗い落とす所だった。そんなところに自転車なんて置くかな?」

 

ディア「確かにそうだな。それに我々が車に乗る時あそこには自転車なんて置いてなかったぞ?」

 

な、成程と真宵は納得し、以蔵も興味なさげに眼魂を弄る。

 

ピピピ……

 

コナン「?どうした?」

 

すると探偵バッジから着信音が流れてコナンは出る。

 

元太『どうしたじゃねーよ、何やってんだコナン!!』

 

龍馬「お、この声は元太くんみたいだね」

 

伊御「もしかして宝探しに来ないから連絡してきたのかな」

 

聞こえて来たのに2人が呟いてる間に元太はまくしたてる。

 

元太『オマエや伊御のにーちゃんたちが来ねーと海賊のお宝が見つかんねーだろ!!』

 

佳奈『伊御くーん!ヘルプー!』

 

コナン「そっちには榊さん達いるだろ?知恵借りて自分達で解いて見ろよ」

 

歩美『榊さん達はともかく、アンナさんとアリーさんは私達だけで考えて見なさいなって聞かせてくれないんだもん』

 

そう返したコナンは歩美のにそれで充分じゃないかと思ったが……

 

榊『痩せた海賊っていったら居るのは墓場だろ?骨になるまで痩せてるから』

 

針妙丸『な、なるほど!』

 

光彦『榊さんは榊さんでマジかウソかのヒントなので分かんないんです』

 

何教えてるんだ榊……と伊御は顔を抑える。

 

苦労してるなとコナンはため息を吐いた後に渋々行く事にする。

 

コナン「今どこにいるんだよ?」

 

光彦『吊り橋に向かっている所です』

 

伊御「吊り橋?それって確か地図だと…」

 

バディア「此処だな」

 

確認する伊御にバディアが見せて指さす。

 

元太『だから早く来いよ!』

 

コナン「ヘイヘイ(ピッ)しょうがねぇな……灰原行くか?」

 

灰原「私はパス」

 

伊御「それじゃあ俺とコナン君に本坂さん。宝探しに合流しに行ってくる。二人はどうする?」

 

バディア「我は少しこの島を調べてみる」

 

京谷「あ、真宵、ちょいと頼みたい事がある」

 

真宵「私に?」

 

確認する伊御にバディアはそう言い、京谷に言われて行こうと思っていた真宵は自分を指さす。

 

そんな真宵にそうそうと京谷は頷く。

 

龍馬「んじゃあ僕も2人と一緒に宝探しゲームに戻るよ。田岡さんは?」

 

以蔵「わしゃあ寝る」

 

ごろりと寝転がる以蔵に変わんないねと苦笑してからほら行こうと2人に促す。

 

その後、バディアと別れ、3人は合流に向かう。

 

ちなみに龍馬はマシンフーディーに乗ってである。

 

龍馬「……2人とも、これからは気を付けた方が良いかもしれない」

 

コナン「!」

 

伊御「…うん、分かった。充分用心しておく」

 

途中、真剣な顔で言う龍馬にコナンと伊御は気を引き締める。

 

龍馬「大っぴらに言えないけど、今回は本当に厄介な状況になるのは確定だ。知ってる皆には警戒をしておいてもらった方が良い」

 

伊御「分かった。合流したらつみきたちにも伝えておく」

 

コナン「ああ……(今回もまた、コクーンなどの時の様に厄介な存在が現れる……なら俺も)」

 

2人が改めて引き締めた事に龍馬はフッと笑った後に声をかける。

 

龍馬「さて、真面目な話題はこれ位にして、皆と合流して宝探しを……おや?」

 

前を見た龍馬の声と共に3人は止まる。

 

行こうとしていた道が通行禁止にされていたのだ。

 

コナン「おいおい、なんだこりゃあ?」

 

伊御「通行止めのようだね」

 

自転車から降りて近づくコナンと伊御は他に道がないかマップを確認しようとした時だった。

 

???「おや、君達は?」

 

後ろからの声に振り返ると自転車に乗った岩永がいた。

 

龍馬「岩永さんじゃないですか、少し前ぶりですね」

 

岩永「ええ、もしかして上のつり橋に行く所ですか?」

 

伊御「はい。でも通行止めになっていて通れなくて」

 

龍馬へと向けて質問した事に伊御が変わりに答える。

 

岩永「ああ、実は先週の地震で土砂が崩れて道が塞がれちゃってね。もう少し先に進めば左に曲がる道があるからそっちから回ってくれるかな?」

 

それに対して岩永は自分が来た道の方を指しながら教えてくれる。

 

コナン「うん。ありがとう岩永さん」

 

伊御「ありがとうございます。それじゃあ行こうコナンくん」

 

龍馬「こけない様に気を付けてくださいね」

 

岩永「はは、おっしゃる通り、こちらも気を付けます;」

 

お礼を述べてから3人は言われた道へと向かう。

 

 

 

 

一方のつみき達はつり橋の前にいた。

 

元太「もうやめよ。もう分かんねえよ」

 

小太郎「元太殿、諦めるのは早いですよ」

 

榊「(ん~こりゃそろそろちゃんとしたヒント出した方が良いか?)」

 

しゃがみ込んでげんなりする元太に榊もそろそろ出すべきかと考える。

 

歩美「コナンくんが来れば大丈夫よ」

 

光彦「コナンくんがいなくても大丈夫ですよ!僕達でやりましょう」

 

メアリ―「おー、良く言った」

 

佳奈「それじゃあ私たちだけで謎を解こう!」

 

そう言った歩美に対して返した光彦のにメアリーは褒め、佳奈が元気よく言う。

 

歩美「あれ?吊り橋の向こうに何か看板が立ってるよ?」

 

針妙丸「ホントだ!なんて書いてあるんだろ?」

 

佳奈「私が走って見てこようか?」

 

じーと向こうを見て言う歩美に針妙丸も気づいて読もうとするが前ではなく横に置く形で置かれているので書かれてるのが分からず、佳奈がそう提案する。

 

光彦「いやこんな橋で走ったら危ないですよ。歩いて行きましょう」

 

小太郎「それが良いですね」

 

つみき「だから佳奈、走っちゃ駄目よ」

 

は~いと言う返事の後に橋を渡り始める。

 

元太「はぁ~もう腹減ったよ……」

 

アン「元太く~ん。置いてくわよ~」

 

正邪「にしても脆そうな吊り橋だな」

 

橋を渡りながら座ってるので最後になってる元太にアンは呼びかけ、正邪は橋に使われてる縄や木の板などを見てそう呟く。

 

ちなみに歩いてる順で歩美、光彦、小太郎、つみき、佳奈、姫、針妙丸、正邪、アン、メアリーである。

 

元太「あ、待ってくれよ!」

 

それに元太も慌てて追いかけようと足を踏み入れた時

 

ビキッ!

 

メアリ―「!皆走って!アンは私と戻って!!」

 

アン「え!?」

 

姫「ふぇ!?」

 

音に気付いたメアリーが叫んで、元太を押し戻し、アンも戸惑いながら戻る。

 

小太郎「ちょっとすいません」

 

光彦「え!?」

 

歩美「ひゃ!?」

 

続け様に小太郎が走って光彦と歩美を抱えて素早く橋を渡り切る。

 

その後につみきもわたり切る。

 

元太「な、なんだよいきなり……」

 

メアリ―「ちょっとね……」

 

戸惑う元太にメアリーはそう返してる間に小太郎は2人を降ろす。

 

小太郎「2人とも、すいません」

 

光彦「い、いえ……」

 

歩美「風太さん凄い!早く渡り切っちゃった!」

 

つみき「凄いわね…(さすが忍者…)」

 

謝罪する小太郎に光彦は目を点にしながら返す隣で歩美がはしゃぐ様子につみきは賞嘆する。

 

いえいえと返した後に小太郎は看板を見つける。

 

小太郎「これは……」

 

つみき「看板ね。えっと…『体重が40キロ以上の人の通行を禁ずる』?」

 

光彦「元太くん、今の体重は!」

 

元太「なんだよいきなり?39キロだぞ」

 

歩美「うそ!」

 

読み上げたつみきの後に橋に踏み入ろうとした元太へと光彦が叫んで聞き、返された事に歩美は否定する。

 

佳奈「そう言えば朝ご飯いっぱい食べてたよね元太くん」

 

姫「ですよね」

 

渡り切った佳奈と姫の後にホントは?と言う全員の視線に元太は目を逸らしながら答える。

 

元太「ちょ、ちょっと太って45キロ」

 

小太郎「アウトです;」

 

つみき「完全にアウトね」

 

告げられた数値に小太郎とつみきは無慈悲に返す。

 

光彦「この橋、40キロ以上の人が通ると落ちるんですよ!」

 

元太「ま、マジで!?」

 

正邪「だからさっき橋から変な音したのか]

 

針妙丸「…あ、ねえ正邪。もしかしてこれが謎の答えなんじゃ」

 

青ざめる元太を見ながら呟いた正邪に針妙丸がそう言う。

 

歩美「そっか!痩せた海賊は笑うってこの橋を渡れって事なんじゃない?」

 

光彦「そうですね!痩せてる海賊が笑うって事は太った海賊は泣くって事ですか!」

 

アン「光彦く~~~ん。後でグリグリ#」

 

メアリ―「流石にその言い方は怒られるね、うん」

 

それに歩美も察し、続いた光彦はアンのにうえ!?となる。

 

正邪「(いやまあ確かに言い方は悪かったけど…)」

 

つみき「(海賊と言う部分も来たのね)」

 

小太郎「あの、こちらで探しておきますので、3人はそこで待っててください」

 

話題を逸らそうと暗号のを探すと伝え、さ、行きましょうと言う小太郎に歩美と光彦も探しに入る。

 

佳奈「あ、あったよ!」

 

少しして宝箱を見つけ、その中のスタンプを押すと赤色で上が12、下が25であった。

 

そして次の暗号カードに描かれていたのは『海賊は泣かない』

 

歩美「何だろう?『海賊が泣かない』って……」

 

姫「海賊さんも泣きますよね…?」

 

光彦「もう4時ですね。続きは明日ですね」

 

小太郎「そうですね。遅くまでやったら心配されるでしょうし」

 

首を傾げる歩美と姫の後に腕時計で時間を確認した光彦がそう言い、小太郎も同意する。

 

針妙丸「ところでどうやって帰るの?」

 

正邪「一人ずつ渡ったとしてもギリギリ行けるか心配だな」

 

うーんと唸っているとおーいと言う声が向こうからして見ると伊御とコナン、龍馬がいた。

 

小太郎「本坂殿に伊御殿にコナン殿も」

 

歩美「コナンく~ん、暗号の見つけたよ~」

 

コナン「凄いじゃないかやるじゃん!」

 

伊御「何処にあったんだ?」

 

褒めるコナンの後に伊御が聞く。

 

榊「この橋の先にあったみたいだぜ」

 

正邪「だがこの橋、40キロ以上の人が渡ると落ちるんだとよ」

 

渡ってなかった榊が説明して、正邪が聞こえる様に声を大きくして言う。

 

龍馬「そう書いてあったのかい?」

 

光彦「いえ、正確には『体重が40キロ以上の人の通行を禁ずる』って書いてあって」

 

コナン「(成程、だから痩せた海賊は笑うって訳ね……)じゃあ大丈夫!渡って来いよ!この看板はただのヒント!40キロ以上の人なんて子供か女の人位だ!その人達だけに解けない謎なんて、ゲームとしてはありえないからな!」

 

メアリ―「(…だと良いんだけど、さっき聞こえた音は本物だったからな……)」

 

声を大きくしてそう言うコナンのにメアリーは疑問を感じる。

 

歩美「それじゃあ行こう!」

 

光彦「ですね」

 

頷いた後に小太郎を間に挟んで、姫とつみき、歩美と光彦は橋に乗る。

 

針妙丸「…あれ?なにこれ」

 

佳奈「どうしたの?」

 

同じ様に渡ろうとして、ヒントの看板の後ろを覗き込む針妙丸に同じ様に渡ろうとしていた佳奈が気づいて聞く。

 

針妙丸「ねえ正邪、これ…」

 

正邪「ん?何々……!?」

 

声をかけられて針妙丸が覗き込んでるのを見た正邪は目を見開く。

 

それは看板なのだが、そこに書かれていたのが問題であった。

 

正邪「『注意!この橋は近々修理する予定なのでそれまでは6人以上同時に橋を渡らないで下さい』だとぉ!?おい、お前らもどれぇ!!」

 

慌てて叫ぶ正邪だが遅かった。

 

さっきは10人も乗っていたのだ。

 

半分でギリギリセーフの5人でも、先ほどの負担が消えてなかったので……

 

ビキ!バキバキ!ブチ!ブチ!!

 

橋を作っていた木は壊れ、ロープが千切れる。

 

光彦「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

歩美&姫&つみき「きゃああぁぁぁぁぁぁ!?」

 

コナン「歩美!光彦!!」

 

伊御「つみき!姫!」

 

悲鳴をあげる4人にコナンと伊御が叫んだ時……

 

シップウニンジャ!!!

 

音声が鳴り響くと辺りに手裏剣の様に沢山のコインが飛んで行く。

 

戸惑う中で小太郎が忍術を使うニンジャの様に何かを構えてるのに伊御とコナン達は気づき……

 

小太郎「変身!!」

 

ガシャット!

 

何時の間にか装着していたベルト、ゲーマドライバーに持っていた物、ライダーガシャットをセットしてレバーを展開する。

 

ガシャーン!

 

レベルアップ!!

 

巻き起こせ風を!迸れ疾風!シップウニンジャ~~~!!!

 

鳴り響く音声の後に小太郎の姿は顔の左右の髪装飾を無くし、頭の髪部分が赤く染め、体のアーマーが伊御が知る小太郎の第三再臨姿のを模したのに変わった仮面ライダー風魔となる。

 

小太郎「忍法!影分身の術!さらに舞空(ぶくう)の術!!」

 

驚いている間に印を結ぶと4人になった後につみき達を抱き抱えて、飛んで行く。

 

バシャーン!!

 

橋の残骸が海へと落ちる音を背につみき達を抱えた小太郎は伊御達の前に降り立つ。

 

コナン「大丈夫か2人とも!」

 

歩美「コナンく~~~ん!」

 

光彦「死ぬかと思いました!!」

 

小太郎「ふう、間に合って良かったですよ」

 

声をかけるコナンに抱き着く2人を見ながら小太郎は息を吐く。

 

榊「ふぅ…ドキドキしたぜ」

 

伊御「まさか本当に橋が壊れかけていたなんて…」

 

元太「ってか風太の兄ちゃん、仮面ライダーに変身できるんだな!」

 

小太郎→真風魔「この姿の時は真風魔と呼んでください……それと……」

 

汗を拭う榊と伊御の後にすげぇ!と目を輝かせる元太に小太郎もとい真風魔はそう返してから印を組んで……

 

真風魔「忍法!橋作りの術!!」

 

地面を強く叩くと海から岩が橋の様な形となって飛び出してきて、先ほどまであった橋の代わりとなって正邪たちのいる所と繋がる。

 

龍馬「いやはや、結構なお点前で」

 

正邪「凄い忍法だなこりゃ…」

 

佳奈「まさしく忍者の仮面ライダーだね!」

 

笑って言う龍馬の後に渡って来た正邪が感嘆交じりに呆れ、佳奈も楽しげに言う。

 

真風魔「使ってるガシャットのゲームが様々な忍術を作り上げて任務をクリアして行く忍者ゲームですからね」

 

ガチョーン……

 

ガ・シューン……

 

簡単に詳細を説明してから変身を解いた小太郎はしかし……と厳しい顔をする。

 

小太郎「危ないですね。壊れかけの橋なのにこちら側に立ててないとは……」

 

龍馬「いや、どうやら人為的な行為があるみたいだよ」

 

針妙丸「これ、最近釘であの看板の裏に打ち付けたところがあったよって正邪が」

 

真剣な顔で言う龍馬に針妙丸も見つけたのを撮った携帯の写真を見せながら言う。

 

龍馬「それもそうだし……ここにもあったんだよ」

 

ほらここと指さした所を見ると確かに何かが突き立てられていた跡があり、周りを探っていた榊があったぞと声を上げて看板を持って来る。

 

書かれてるのは正邪たちが見つけたのと同じのであった。

 

コナン「誰かが集団で来た時に事故になる様に取り除いたんだね……」

 

榊「迷惑な事してくれるぜ」

 

アン「(()()()()()())」

 

メアリ―「(そうだね)」

 

渋い顔をするコナンと榊の後ろでアンとメアリーは小声で話し合う。

 

龍馬「とにかく宿に戻ろう。色々と疲れただろうしな」

 

元太「だな……俺腹減った」

 

光彦「元太君……」

 

つみき「確かに色々あったわね…」

 

針妙丸「疲れたのは確かだし、光彦君の言う通り帰ろうか」

 

それが良いと全員歩き出す。

 

伊御「……やっぱりこれも彼らの仕業なのか…?」

 

龍馬「どうだろうね……確かにこうすれば人が減るけど、下手すれば目を付けられるのは自分達だと示す切っ掛けになりかねない」

 

コナン「もしもあの3人組じゃなければ……考えたくないけど、他にも宝を狙ってる者がいるかもしれないって事だね」

 

皆の後ろで小声で呟いた伊御に同じ様に小声で龍馬とコナンは返す。

 

そう言う事と竜馬も真剣な顔で頷いてふうと息を吐く。

 

龍馬「どうやらこの宝探しは高難易度だね」

 

伊御「そのようですね。でも負けるわけにはいかないよね?」

 

コナン「うん、こんな事で負けてられないよ」

 

流石男の子だねと龍馬は笑う。

 

 

 

 

時間が進んだ夕方、バディアは1人、とある建物を離れた場所で見ていた。

 

その建物の入り口前では小五郎と岩永に上平が警察が来るのを待っていた。

 

バディア「お、来たな」

 

ババババババ

 

するとヘリが飛んで来るのが目に入り、小五郎たちより少し離れた場所で着陸する。

 

ドアが開くと中から目暮重三と部下の白鳥、佐藤、高木が出て来る。

 

それを見ながらバディアは小五郎たちの近くに飛ばせているバグラットの持ってる収音機から会話を拾う

 

小五郎『ご苦労様です警部殿!』

 

目暮『うむ』

 

バディア「(やはり目暮警部たちが来たか。ここまでは原作通りだな)」

 

駆け寄る小五郎に短く返す目暮を見てバディアは少しホッとする。

 

小五郎『しかし、わざわざ警部殿がいらっしゃらなくても……』

 

目暮『少々、気になる事があってな……』

 

バディア「(気になる事…やはり奴らの事か)」

 

小五郎的に来るとは思いもしなかったので戸惑ってるのに目暮はそう返す。

 

上平「け、警部!遠路はるばるご苦労様であります!」

 

目暮「うむ、まずは毛利くんが言ってた3人組から事情聴取だ」

 

緊張しながら敬礼した上平はりょ、了解しました!と返す。

 

その後をバグラットが追うのを見てからバディアは宿へと戻る。

 

バディア「(事情聴取の様子はバグラットに聞くとして、これからのを考えないといけないな)」

 

歩きながらバディアは考えるのは今後のと隠れている転生者の事だ。

 

バディア「(奴らが何が目的で行動しているか…それも探らないとな)」

 

???「や、何か情報を得られたかい?」

 

声をかけられ、バディアは顔を上げると龍馬が立っていた。

 

バディア「龍馬か。いやまだだ」

 

龍馬「その様子じゃあ次の感じはまだって感じだね……そうなるとありえそうなのは…今夜に起こる()()かな?」

 

誰もいないので本名を言ってからそう返すバディアに龍馬は肩を竦めながら呟く。

 

だろうなとバディアは龍馬のに同意する。

 

その反応に龍馬は苦笑する。

 

龍馬「この感じだと君は大体のを知ってるみたいだね」

 

バディア「…そう言うお前は一体…?」

 

ああ、警戒しなくていいよと龍馬は笑う。

 

龍馬「僕はカルデアで子供達と一緒に見た口だからだよ。それが切っ掛けで彼女達と来たんだ」

 

バディア「…カルデアだと…!?」

 

驚くバディアにあれ?と龍馬は首を傾げる。

 

龍馬「そんなに驚く事だったかい?」

 

バディア「それはそうだ。それで聞きたい?()()()()()()()()()()()()()か?それとも……()()()()か?」

 

後半のに龍馬は厳しい顔をしてから少し間を空けて口を開く。

 

龍馬「………前者だね。僕はその後に加わったからね。貴重な情報ありがとう……僕は僕で毛利さんと合流して彼のやっちゃう事のフォローをしないといけないしね」

 

バディア「…あーあれか。まあ頑張れ」

 

すぐさま苦笑する龍馬のにバディアはだからいるのかと納得する。

 

龍馬「それじゃあ皆に宜しくね」

 

バディア「ああ、分かった。伝えておく」

 

 

手を振って行く龍馬を見送ってバディアも歩き出す。

 

その後、宿に着いてから少ししてバディアはバグラットから送られて来たのに顔を顰めた。

 

容疑者として呼ばれた男たち、松本光次、伊豆山太郎、そしてバディアの知る奴では殺される筈だった男、田山(たやま) (ともよし)に小五郎たちは事情聴取を行った。

 

3人に増えた位で話しの内容はほとんどバディアの知ってるのだったが最後の部分が少し違った。

 

松本『あ、刑事さんよぉ、()()()()タバコは止めといた方が良いぜ』

 

高木『え?』

 

マッチを貸して欲しいと言われて貸した後にすれ違った際に高木へとそう言ってニヤニヤ笑って離れたのだ。

 

バディアが知る限り、彼がタバコに慣れてないと気づく事はなかった。

 

気になったのでバグラットが追いかけて耳を澄ませた所、こんな会話が入って来た。

 

松本『()()()()()()()()()()()()()()()()

 

伊豆山『だな、潜る前だって別のジャケットに変えてなかったら田山の奴がヤバかったもんな』

 

田山『ああ、ホントありがたやだな』

 

バディア「(あの女ども…どうやら協力者が居るようだな)」

 

しかも話からして転生者の可能性が高いな……とバディアは後で伊御達にも教えておこうと考えてから、バグラットに追跡は止めて、目暮の方の様子を随時知らせて欲しいと命令した後に夕食が出たよと伊御から教えられる。

 

バディア「おお、そうか。今行く」

 

伊御「何か調べてたの?」

 

立ち上がって、横に並んだバディアに伊御は聞く。

 

バディア「ああ。どうやらあの三人のバックには転生者が居るようだな」

 

伊御「やっぱりか…困ったものだね」

 

全くだと同意しながら、バディアは困ったものだとぼやく。

 

歩美「あ、バディアさんと伊御さん来た!」

 

元太「おせぇぞ!俺腹がペコペコだよ」

 

バディア「すまない。少し散歩してたら遅くなってしまった」

 

阿笠「これこれ元太くん。さあ、来た事じゃし食べよう」

 

はあいと元気な返事にアンも段蔵もくすりと笑う。

 

お竜「おお、なかなか美味いな、カエル料理がないのが残念だ」

 

以蔵「おまんはそればっかじゃな、明久の料理食べては文句言わん癖に」

 

光彦「か、カエルですか?」

 

園子「凄いの食べるわね;」

 

少し残念そうに呟くお竜に以蔵は呆れた顔でそう返す中でコナン達はお竜からカエルを食べる発言に少し引いていた。

 

榊「そういやテレビで食用ガエルとか言うのあったな」

 

伊御「ああ、この前やってたな」

 

コナン「そ、そうなんだ。竜さんの言ってた明久って人は料理が上手いんだね」

 

顔を引き攣らせながらコナンは話題を変えようとそう言う。

 

お竜「おう、あいつの料理はこのお竜さん自身認める程のだからな」

 

以蔵「何様じゃい……まぁ気に食わんがこいつの言う通り、あの坊主の料理はごっつうめぇだったぜ」

 

伊御「うん、凄く美味しかったよね」

 

真宵「ホント凄かったんじゃよ。まさに伊御さんとタメを取れるテクニックと美味しさ!」

 

元太「そんなになのか!ならすっげぇ美味い鰻重作れるのか!」

 

光彦「鰻重にする所が元太くんらしいと言えばらしいですが……」

 

むふんと胸を張るお竜に呆れながらそう述べる以蔵に伊御も思い出して同意し、ほっぺを抑えて言う真宵のに涎を垂らした元太に光彦は呆れる。

 

園子「へぇ、凄いのねその明久って子は」

 

つみき「…でも私は伊御の料理が好き」

 

姫「はひぃ、伊御くんの好きですよ~神那さんも」

 

感心する園子の後につみきがそう言い、姫も頷いて正邪に話題を振る。

 

正邪「ま、まあ確かに味の好みとしては伊御のが好きだな」

 

針妙丸「正邪、顔真っ赤だよ?」

 

顔を真っ赤にしながら返した正邪に園子はホント面白いわねと笑う。

 

阿笠「えー、そんな楽しく食べてる時になんじゃが……」

 

するとみいこと共に微笑ましく見守っていた阿笠がそう切り出す。

 

果たして彼が注目を集めた理由は……




正邪「次回はクイズと鳴かない海賊と強盗だ。嫌な予感がするな」


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DETECTIVE.Ⅳ~クイズと鳴かない海賊と強盗~

阿笠のクイズが終わり、暗号に関わり合いがありそうな場所へと案内される。その先で新たな展開が起こる事を知らずに……


夕食時に切り出した阿笠になんだろうと伊緒が思っていると歩美が楽し気に言う。

 

歩美「ダジャレクイズだね!」

 

針妙丸「ダジャレクイズ?」

 

京谷「…そう言えば前に遊園地でやってたな」

 

終わった後に何やら楽し気にしていたのを思い出しながら京谷は呟く。

 

阿笠「ハハハ……アタリじゃ!!」

 

コナン「(出たか……)」

 

元太「やっとかよ」

 

光彦「そろそろじゃないかと思ってました!」

 

つみき「…お約束なのね」

 

正邪「で、どんな問題なんだ?」

 

確認する正邪にでは……と前置きして阿笠は言う。

 

阿笠「海底遺跡の横にある魚の王国では、先代の王様の悪事がバレて、鯛が次の王様になりました……さて、先代の王様は次のうち誰?1……イカ、2……タコ、3……カニ!さあ、どれカニ?ちなみに子供たち優先じゃから伊御君達は終わった後でしておいてくれんか?」

 

伊御「わかりました」

 

榊「確かに子供たちに向けてのだしな」

 

問題を出してからそうお願いする阿笠に伊御達は頷くとわかった!!と考えていた元太が勢いよく言う。

 

元太「3のカニだ!」

 

阿笠「なぜカニ?」

 

理由を問う阿笠に元太は元気に返す。

 

元太「気に食わない奴の首をハサミで切った!!」

 

歩美「ええー!それひどい!!」

 

園子「こらこら;」

 

姫「それは怖すぎですよ元太くん;」

 

佳奈「うんうん」

 

出てきた理由に女性陣は非難し、阿笠も少々残酷じゃのぉ……と冷や汗を流してる。

 

元太「すいませ~ん……」

 

仁蔵「まぁ、カニならそういうことしそうじゃのう……そこの金髪、カニで面白いネタは1発かましてみたらどうじゃい?」

 

榊「そうだなぁ……っていきなり振られても出るわけないっしょ!!」

 

倒れる元太から榊へと話しを振る仁蔵に振られた榊はツッコミを入れる。

 

仁蔵「なんじゃつまらん。目隠し女から芸人と聞いてたから期待したんじゃがな」

 

榊「誰が芸人だ!つかお前が言ったのかよ真宵!」

 

真宵「てへ」

 

つまらなそうに鼻を鳴らす仁蔵に榊が叫んでから真宵を見て、見られた本人はごまかす様にテヘペロをする。

 

光彦「2番のタコではないでしょうか?」

 

阿笠「……ほう、なぜだね?」

 

次に元太を半目で見ていた光彦が名乗り出て阿笠は問う。

 

光彦「タコの王様は国の財産を独り占めしたんです!!タコの見た目を想像してください!!」

 

針妙丸「タコの見た目って言うと…足がいっぱい?」

 

つみき「…でもそれだとイカの方が多いわよね」

 

理由のにそう言う針妙丸につみきはそう返す。

 

光彦「ほら、ほかにもあるじゃないですか」

 

姫「他にもですか?」

 

伊御「…もしかして坊主丸儲けって言いたいのかな?」

 

首を傾げる姫の後に伊御が聞く。

 

光彦「そう!その通りです!」

 

灰原「ありえそうだけど、違うんじゃないかしら?」

 

咲「となると消去法で答えは一番のイカかしら?」

 

歩美「じゃ、一番のイカ~!!」

 

頷く光彦の後に否定する灰原のを聞いて呟いた咲のに歩美が真っ先に乗る。

 

阿笠「うむ、なぜかな?」

 

歩美「う~~~~~ん」

 

そう言われて理由を考える歩美だったがお任せくださいと倒れていた元太が手をあげる。

 

元太「今度こそ正解をお答えしましょう」

 

お竜「おお、敬語な所が気になるが自信満々だな」

 

京谷「でなんでイカなんだ?」

 

お答えしましょうと元太はその体制のまま言う。

 

元太「王様は……『王』と様……イカだと『イカ』と『様』……『イカ』……『様』……だから……イカサマだ!!」

 

蘭&園子「……」

 

阿笠「……せ、正解じゃ……」

 

姫「凄いですね元太くん!」

 

つみき「……なんか怪しいわね」

 

光彦「そうです。怪しいです」

 

正解した事に素直に褒める姫だが、つみきや他の面々は怪しいと感じ、チラチラと机の下を見ていたので同じようにのぞき込む。

 

そこには……『王様はイカと様。イカサマ、つまり悪事はイカサマだからイカサマ』と書かれたフリップをいつの間にか用意して指さしてるコナンの姿があった。

 

歩美&光彦「あ~~~~~コナンくん!!」

 

榊「これがホントの」

 

真宵「イカサマじゃね」

 

コナン「ははは」

 

小太郎「本当にイカサマでしたね」

 

仁蔵「なんじゃ!本坂の様ないけすかん感じがしたがおまんもやるのう!」

 

全員に見られて笑うコナンに仁蔵はかっかっかっと笑う。

 

コナン「(この人、毛嫌いしすぎじゃね?)」

 

伊御「(まあ色々あったんだよ;)」

 

呆れるコナンに伊御はそう返す。

 

 

 

 

夕食を終えた後、光彦達がやっているのを縁側で美馬と酒盛りしていた阿笠と共に見ていたみいこは見上げて綺麗に映る満月に感嘆する。

 

みいこ「綺麗なお月様ね」

 

阿笠「ホントに綺麗な月じゃのぉ……」

 

美馬「ああ……」

 

月を見ていた阿笠は美馬に顔を向けて気になっていた事を聞く。

 

阿笠「失礼じゃが、美馬さんはなぜ民宿を?」

 

みいこ「おひとりで民宿を経営しているなんて大変でしょうね」

 

美馬「……まぁ、1人暮らしだから漁だけでもなんとかなるんだがな……」

 

酒を飲んでからそう言って空になったお猪口に酒を入れる。

 

美馬「民宿は役所に言われてな……観光客を増やすんだそうだ……」

 

阿笠「……なるほど……ワシらはあなた達の暮らしの邪魔をしているのかもしれませんな……」

 

みいこ「トレジャーハンターたちと同じかしら」

 

それを聞いて複雑な顔でそう漏らしたみいこや酒を飲む阿笠にいやと美馬は否定する。

 

美馬「トレジャーハンターに比べたらマシな方……いや、あんな奴らであんた達を比べたらいかんな……」

 

そう呟いた美馬に阿笠は気になった事を聞く。

 

阿笠「トレジャーハンターと言えば、本当に宝はあるんですかな?」

 

みいこ「もしあったとして一体どんなのかしら」

 

美馬「……ハイエナは獲物のない所には集まらんよ……」

 

狙い通りの獲物とは限らんけどな……と阿笠とみいこにそう返した美馬のにコナンは気になった。

 

元太「わかんねーよ!海賊は泣かないなんてよぉ……」

 

光彦「もっと真面目に考えてくださいよ元太君!!」

 

姫「本当にどういう事なんでしょうか?」

 

佳奈「う~ん…」

 

そんな所に元太のぼやきが入り、佳奈達も唸っている。

 

美馬「おいボウズ!『海賊が泣かない』がヒントなのか?」

 

光彦「ええ、そうですけど……」

 

針妙丸「何か知っているんですか?」

 

そんな考えてる面々へとそう聞く美馬に針妙丸は聞き返す。

 

美馬「ヒントと関係あるか分からんが『海賊は泣く』、なら知ってるんだが……」

 

咲「海賊は泣く?」

 

京谷「問題と逆だな」

 

コナン「何かのヒントにはなりそうだね」

 

小太郎「そうですね。美馬さん、その『海賊は泣く』と言うのを教えてください。明日調べに行きたいので」

 

出てきた言葉に首をかしげる歩美達へとそう言うコナンの後に小太郎がお願いする。

 

美馬「いや、明日よりも今から行ってみる方が良いぞ」

 

佳奈「え?今?」

 

姫「今ってもう夜ですよね…?」

 

園子「ん?今からお出かけ?」

 

蘭「外が暗い中で歩くのは危ないから明日の方が……」

 

提案に誰もが戸惑う中で美馬はそれはよした方が良いと蘭に対してそう返す。

 

美馬「明日の天気は分からないぞ……」

 

園子「悪くなるってこと?」

 

咲「それなら確かに今行った方が良いわね」

 

うむと美馬はメンバーを見渡して言う。

 

美馬「南風が吹くと、ワシらは漁には出ない……大シケになるからな……」

 

伊御「大シケ…それってつまり」

 

榊「海が荒れる天気になるってことか」

 

光彦「生活の知恵ってやつですね」

 

その通りだと3人のに美馬は頷く。

 

蘭「じゃあ、みんなで行こうか?食事の散歩を兼ねて」

 

歩美&光彦&元太「お~~~~~~!!」

 

仁蔵「わしゃあ別のとこブラブラしてくる」

 

蘭の提案に元気よく答えた3人は仁蔵のにあらっとなる。

 

園子「いやここは一緒に行く感じでしょうが;」

 

仁蔵「わしはわしで動き回るんが好きじゃけぇ」

 

そう言って仁蔵は出ていく。

 

アン「ホント、自由奔放ね」

 

園子「わっかんないわねぇあの人」

 

榊「(やれやれだな…;)」

 

伊御「(ホント仁蔵さん。マスターの人のじゃないとあんまり聞く感じないな)」

 

呆れた顔で見送る園子と榊の隣で伊御は内心呟く。

 

気を取り直してコナンと伊御達は外に出て美馬が言う海賊は泣くの場所へと向かう。

 

バディア「綺麗な夜空だな」

 

針妙丸「ホントだ。東京のより星が見えるね」

 

外に出て、光が少ないので星が良く見える夜空にバディアと針妙丸は感嘆する。

 

榊「おー。確かにこりゃ綺麗だな」

 

真宵「星がはっきりと見えるんじゃよ!」

 

小太郎「都会では見られない貴重な光景ですね」

 

段蔵「そうですね」

 

各々に述べてる事に美馬は楽し気に見ながら最後尾を歩く。

 

アン「こけない様に気を付けてね」

 

歩美&光彦&元太「は~い」

 

お竜「素直だな~あいつもこうであれば良いのに」

 

京谷「確かになー」

 

咲「でも素直すぎる彼少し変じゃない?」

 

注意するアンに返事する元太達を見てそう言うお竜に咲はそう返す。

 

お竜「そうだな。言っておいてなんだが吐き気するな」

 

コナン「(ひでぇ;)」

 

蘭「す、凄く嫌ってますね;」

 

正邪「よく口喧嘩してるようだし…」

 

針妙丸「でも喧嘩するほど仲が良いって言うんじゃないの?」

 

しらっと嫌い宣言してるお竜に誰もが冷や汗を流す。

 

お竜「え、ないない、あいつとはおたきさんそう言うのないない。本坂はともかく」

 

佳奈「断言したね;」

 

つみき「したわね;」

 

嫌な顔で手を横に振るお竜にどんだけ……と誰もが冷や汗を流す。

 

お竜「まぁ、あいつの強さは小指の垢程度に認めてるけどな」

 

榊「凄い小さいな!?」

 

京谷「本当にちょびっとだけだな;」

 

なんで一緒に付いて来たんだろうとコナン達は心底思った。

 

 

 

 

仁蔵「へっくしょい!!誰かが噂しとるな……」

 

一方、仁蔵は人気のない森の中にいた。

 

鼻を摩った後に仁蔵は眼を鋭くさせる。

 

仁蔵「……で、1人になってやったんじゃ、()()()()姿()()()()()()()()()()?」

 

周りに聞こえる様に仁蔵が呼びかけると周りの暗闇から複数の瞳が輝く。

 

それに仁蔵は獰猛な笑みを浮かばせ、鍔の所に眼魂をセットするスロットが付いた刀を取り出して構える。

 

仁蔵「昼のじゃあ欲求不満じゃったからな……さっさと来いや!!」

 

その言葉と共に複数の瞳、サメヤミーの集団が襲い掛かり、仁蔵は斬りかかる。

 

 

 

 

そんな事を知らず、伊御達は岩場に囲まれた砂浜に来ていた。

 

針妙丸「うわ~、綺麗な砂浜!」

 

バディア「夜の砂浜もなかなか良いものだな」

 

歩美「ねぇ……海賊は泣かないってヒントの答えが此処なの?」

 

ゴミもない綺麗な砂浜に針妙丸とバディアは感嘆する中で歩美が聞く。

 

美馬「答えかどうか分からんが……泣くのはワシが知る限りここだ」

 

コナン「泣く……」

 

伊御「この砂浜に泣くもの…」

 

そう言った美馬にコナンと伊御は辺りを見渡す。

 

園子「この風なんじゃない?泣いてるように聞こえるけど?」

 

吹いてる風に耳を澄ませて園子が言う。

 

元太「お、ほんとだ」

 

姫「た、確かに泣いてるように聞こえます」

 

正邪「でもこれってここに来る前から聞こえてねぇか?」

 

光彦「ですよね」

 

指摘されたのが図星だったのか、わ、分かってるわよと誤魔化す様にそっぽむく。

 

灰原「ここの砂、だいぶ石英の量が多いわね……粒も細かいし……」

 

伊御「砂……」

 

その間に手に取って感触を確かめた灰原の分析に伊御は砂を見ながらふうむと顎を摩る。

 

コナン「………なるほどな」

 

見ていたコナンは何かに納得すると砂浜へと駆け出す。

 

元太「お、おいコナン?」

 

真宵「何か分かったようじゃね」

 

駆け出したコナンは良く聞いてろよと言って足踏みする。

 

キュッキュッ♪

 

元太「うわ~~~~」

 

佳奈「砂が鳴ってる!」

 

針妙丸「なんで鳴ってるの?」

 

光彦「あ、これ鳴き砂ですね!」

 

すると足音が違う音になっているのに気づき、光彦が変わった理由に気づく。

 

正邪「鳴き砂?」

 

伊御「簡単に説明すると石英を多く含んだ砂が急激な砂層の動きで表面摩擦が起きた時に音を出す現象の事だよ」

 

灰原「海岸はもとより内陸部にある沙漠や砂丘の砂でも鳴るものがあるわよ」

 

首を傾げる正邪に伊御と灰原が説明する。

 

光彦「そうか!これが『海賊は泣く』、なんですね!!」

 

メアリー「実に良い表現だよね」

 

つみき「上手く考えたわね」

 

美馬「後は自分たちで考えろ」

 

教えるのはこれで終わりだと言う美馬に分かってるよとコナンは返す。

 

コナン「(さてと……『海賊は泣かない』だったな……)」

 

針妙丸「ふふっ、面白い♪」

 

佳奈「面白いねー鳴き砂」

 

楽しむ面々のを聞きながら見渡したコナンは壊れた船を見つける。

 

コナン「あれか……」

 

伊御「あーなるほど。そう言うことか…」

 

目的のだと判断してコナンと伊御は駆け出す。

 

榊「伊御?」

 

正邪「何か分かったようだな二人とも」

 

それに榊と正邪も追いかけていると鳴っていた音が聞こえなくなる。

 

コナン「来いよ!こっちは鳴かないぜ!」

 

伊御「ここ等へんから鳴き砂じゃなくなっているぞ」

 

正邪「なるほど。それが海賊は泣かないか」

 

元太達が駆け寄る間にコナンは船を見る。

 

打ち上げられた漁船はヒントからすれば壊れて風化した海賊船だろう。

 

コナン「(ハハハ……いかにもって感じだな……)」

 

伊御「(テーマにピッタリだな;)」

 

それには2人は苦笑する中で駆け寄って来た面々と共に船に近づく。

 

壊れた船の底部分を覗き込むと宝箱がおいてあった。

 

小太郎「あ、あれですね」

 

元太「よっしゃあ!これで4つ目だ!」

 

真宵「これで残り一つじゃね!」

 

早速スタンプを押すと青色で上が5、下が18であった。

 

光彦「次は『海賊の魂は天に昇る』……ですか……」

 

元太「またワケわかんねーな……」

 

佳奈「天…高い所かなー?」

 

ワイワイ話し合う面々の後ろでコナンはカードを見ながら唸る。

 

コナン「よく考えるな、あの観光課長」

 

灰原「え?」

 

伊御「もしかして岩永さんのこと?確かに上手く考えられたクイズだよね」

 

ああ、そう言う事とコナンの呟きを灰原は理解し……

 

灰原「だってそれが仕事なんでしょ?彼の」

 

コナン「はは……感動のねえヤツ!……!?」

 

伊御「どうしたのコナンくん?」

 

出てきた言い分にコナンは呆れた直後に何かに気づいて立ち止まり、伊御が声をかけた後に駆け出す。

 

積み重なった岩に昇ってからメガネの左側のレンズにある暗視望遠鏡機能を使用してどこかを見る。

 

伊御「何か見つけたのか?」

 

真宵「ほい、暗視双眼鏡」

 

ありがとうとお礼を述べて、なんであるの!?と園子が後ろでツッコミをしてる間に同じようにみる。

 

すると見えたのはお昼に行ったダイビングショップで、中で馬淵が松本からお金を受け取ってる光景であった。

 

伊御「(あれって馬淵さん…。トレジャーハンターと何を…)」

 

コナン「(面白くなってきやがった!!)悪いけど、ボク寄る所が出来たから先に帰ってて!!」

 

見えた光景に伊御は眉を顰める中でコナンはそう言って駆け出す。

 

伊御「俺も行ってくる。コナンくん一人だと心配だし」

 

バディア「ああ、頼む伊御」

 

それに伊御も追いかける。

 

歩美「ちょ、ちょっとコナンくん……」

 

園子「団体行動の出来ないガキね……」

 

榊「まあ伊御も行ったし大丈夫だろ」

 

つみき「…うん。伊御なら大丈夫」

 

呆れる園子に榊とつみきはそう言っておく。

 

 

 

 

コナン「お前も見たよな伊御」

 

伊御「うん。馬淵さんとトレジャーハンターが何か話してたね」

 

向かいながら聞くコナンに伊御は頷く。

 

コナン「しかも見るからにお金を受け取っていた……蘭達が受けたサメのか、それとも別の為の取引の為の依頼料か……」

 

伊御「一体なにかは馬淵さんに聞けば良いとして……と着いたね」

 

呟くコナンのにそう返してからダイビングショップの前に来た2人は中を覗き込むと人の姿はなく、裏側かと裏手に向かうと車のエンジン音が聞こえた後にライトが見えて、慌てて隠れると車が丁度出てくる所であった。

 

青色の車で、運転席には松本が乗っていた。

 

伊御「何処に行くつもりなんだろう…」

 

コナン「追いかけよう」

 

そうだねと同意して右に曲がった松本が乗る車を後を追おうとして……

 

???「何してるの?」

 

後ろから呼びかけられて振り返ると馬淵がいた。

 

コナン「あ……散歩してたら道分かんなくなっちゃって……丁度伊御お兄ちゃんに見つけて貰ったんだ」

 

伊御「そうなんです。さあ帰ろうコナンくん」

 

咄嗟にそう答えるコナンに乗っかった伊御へうんと頷いた後に2人はその場から離れる。

 

そんな2人の背中を馬淵は無言で見ていた。

 

コナン「行く方向とあいつ等がトレジャーハンターなのを考えて、向かう先はもしかしたら観光館だと思う!」

 

伊御「と言う事は狙いはもしかしてアンとメアリーの…」

 

だと思うと返しながら2人は走る。

 

その内耳にジリリリリリリと言う音が入ってくる。

 

コナン「これは、非常ベルか!?」

 

伊御「まさかもう…!」

 

急いで向かう中で前を走っていたコナンは慌てて止まり、伊御もそれにつられて止まった後にどうしたの?と前を見ると先ほど見た松本の車があり、運転席に田山がいた。

 

今の所は気づかれていない様だが近づくのは厳しいだろう。

 

コナン「どうやら後の2人が盗みに行ったみたいだな」

 

伊御「残る一人が逃走の準備をしているのかな?」

 

小声で話し合う中でどうなるか見守っていると松本と伊豆山が道からではなく上から滑って降りて来る。

 

コナン「流石に飛び込むのは無謀だな」

 

伊御「今は様子を見ておこう」

 

だなと呟いたコナンが伊御のに同意しかけた、その時!!

 

ガウン!!

 

伊豆山「ぐわっ!?」

 

コナン&伊御「!!?」

 

銃声と共に伊豆山が左太腿を撃たれる。

 

慌てて2人は撃たれた方向を予測して顔を向けるとうっすらとだが銃を構える人物が目に入る。

 

コナン「また狙う気か!」

 

伊御「させるかっ…!」

 

それに伊御はどこからともなく取り出した串を狙撃者に投げ飛ばす。

 

グサッ!

 

投げられた串は襲撃者の腕に刺さったのか、銃声は鳴らず、その隙に松本は伊豆山を車に乗せ、自分も乗ると発進する。

 

コナン「……これ、はたから見れば俺達が逃亡犯の手伝いをした絵面に捉えられてもおかしくないなおい;」

 

伊御「…まあ人の命には変えれないから仕方ないね;」

 

見られない様に隠れながらそうぼやくコナンに犯罪者とはいえ無暗に命を奪われるのは良くないと返してから伊御は襲撃者のいた場所を見る。

 

とにかく襲撃者のいる場所へとコナンと伊御は目指して昇る。

 

そこには誰もいなかった。

 

コナン「ま、流石にあんな事されりゃあ逃げてるよな」

 

伊御「…あ、でもこの車輪の跡って…」

 

腕時計のライトで落ちていた空薬莢を照らして見ながら呟いたコナンに阿笠からどうせならと渡されていた腕時計型ライトで辺りを見ていた伊御がそう言って車輪の跡を見つける。

 

コナン「明日の朝に博士に調べて貰うか……」

 

伊御「じゃあ次は観光館に。何か証拠があるかもしれないし」

 

そうだなと頷いて車輪の跡を撮影した直後、車の走る音が聞こえ、2人は覗き込むと松本の車とは別の車が観光館へと来て、2人が駆け寄ると中から目暮達が出てくる。

 

目暮「ん?おお、君達!」

 

白鳥「どうしてここに?」

 

伊御「なんか騒がしい音がしたので何かあったのかって思ってきました」

 

気づいた目暮達に伊御はそう答える。

 

コナン「そう言えばさっき、坂の前の道で男の人達が車で逃げようとして、その内の1人が乗る直前に銃で撃たれてたよ」

 

高木「なんだって!?」

 

佐藤「本当なの!?」

 

伊御「はい。自分も見ました。男達はもう一度撃たれる前に逃げていきました。銃撃された方向は観光館の反対側の方でした」

 

まぁ、実際は撃たれかけたのを止めたけど……と伊御は内心呟きながら、銃撃犯のいた所を指指す。

 

目暮「よし、佐藤と高木は音無くんが指した所とコナンくんが言った坂の前の道を調べてくれ。白鳥くんはワシと一緒に観光館の中を見に行くぞ」

 

高木&佐藤&白鳥「はい!」

 

伊御「警部さん、自分も一緒に行ってもいいでしょうか?」

 

指示を出した目暮は伊御の言葉に暫し考え……

 

目暮「ああ、来て欲しい。君達が見た男達についても聞きたいからね」

 

コナン「分かったよ目暮警部!」

 

では行こうと目暮に促されてコナンと伊御は中に入る。

 

観光館の内部の明かりが付けられた後にアンとメアリーのピストルとカットラスが置かれていたケージを見るとガラスは割られ、持ち去られていた。

 

コナン「(やはり狙いは2人のカットラスとピストルだったか……)」

 

目暮「それで、2人が見た男達はどういう感じだったかね?」

 

伊御「トレジャーハンターの三人の中に居た二人でした」

 

白鳥「!それはもしや頭にバンダナを巻いた男を中心とした3人組かい?」

 

はいと白鳥の問いに伊御とコナンは頷く。

 

目暮「奴らか……見るからに展示ケースはバールで叩き割ったようだ……大胆だな」

 

そう呟いた後に目暮の右ポケットから着信音が鳴り響き、そこからスマホを取り出して見てから出る。

 

目暮「佐藤君か、どうだねそっちは?」

 

佐藤『ええ、コナンくんや伊御くんの言うように銃で撃たれてますね……車を止めていたと思われる場所に血痕が残ってます……』

 

確認する目暮に佐藤はそう返す。

 

目暮「そうか……現場保存はできそうかね?」

 

佐藤『ちょっと難しそうですね……なにせ道路の真ん中ですので……』

 

だろうな……と目暮も出来ないと分かっていたが確認しとかなければならなかったのでふうと息を吐く。

 

目暮「とりあえず、現場写真を撮ってからこっちへ戻ってくれ」

 

佐藤『分かりました。後、高木君が伊御くんが言っていた銃撃犯のいた所から空薬莢を見つけましたのでそれも一緒に持ってきます』

 

そうやり取りした後に目暮は通話を終える。

 

コナン「今の所、奴らが動かないと先が分からねえな……」

 

伊御「そうだね。それにしてもあの三人、一体何者なんだろう?」

 

だよな……とコナンも困る。

 

トレジャーハンターと推理しただけでそれ以外は全然わからないのだ。

 

するとそこに、岩永と顔を少し赤くした小五郎が来る。

 

岩永「カ、カットラスとピストルが……!!?」

 

白鳥「価値があるものですか?」

 

慌てた様子の岩永に白鳥はそう聞く。

 

岩永「海底宮殿から出た宝なんです……アン・ボニーのカットラスとメアリ・リードのピストルなんですから……」

 

小五郎「この私が来たからにはもう心配ありません……ヒック!」

 

困った顔をする岩永の後に小五郎が胸を叩いてからシャックリを出す。

 

目暮「ん?毛利くん……顔が赤いな……」

 

伊御「…もしかして毛利さん、何処かでお酒飲んできたんじゃないですか?」

 

気づいて指摘する目暮の後に伊御がジト目で聞く。

 

小五郎「え、あ、いや……」

 

龍馬「その通りだよ。岩永さんの紹介してくれた居酒屋で飲んでたんだよ。それで途中でこの事態に気づいて、ボクが毛利さんの分の支払いを済ませてる間に毛利さんは岩永さんと先に向かっていたのさ。あ、ちなみにボクはバイクで来たけど付き添いしてただけだから酒は飲んでないのであしからず」

 

誤魔化そうとした小五郎だが、上平と共に来た龍馬が答えて付け加える。

 

目暮「毛利くん……」

 

白鳥「あの後にどこに行ったかと思ったら……」

 

小五郎「す、すいません;」

 

伊御「(だから岩永さんも一緒だったのか……ん?)」

 

ジト目で目暮と白鳥に見られて謝罪する小五郎を見ていて服のお腹部分に何か黒い粒粒が付いてるのに気づく。

 

同じ様にコナンもある事に気づく。

 

コナン「(この匂い……)ねぇおじさん……美人女将のお店にいたんじゃないの?」

 

小五郎「……美人女将の店なんかじゃねぇ……ただのオバちゃんの店だ!」

 

伊御「(この匂いってもしかして…)毛利さん、服に何か付いてますよ?」

 

不機嫌そうに返す小五郎に伊御も気づく中で最初に気づいたことを指摘する。

 

小五郎「ん?なんだこりゃあ?」

 

上平「あ、そうそう警部殿!指紋照合の結果が届きました!!」

 

言われて気づく小五郎の後に上平が思い出した様にそう言って1枚の紙を目暮に差し出す。

 

目暮「お、おい!これは本当か!!」

 

伊御「指紋ってあのトレジャーハンターのですか?」

 

白鳥「ああ、高木くんが上手い事3人組の1人が使っていたマッチ箱を手に入れて、昔見た映画で見たという指紋を浮き上がらせる方法で出たのを照合して貰ったんだ……これは!」

 

驚く目暮の後に聞く伊御へと答えていた白鳥は受け取った紙に書かれていたのに驚く。

 

白鳥「松本光次……世界各地の遺跡、博物館より美術品、出土品などの強盗、並びに殺人……大物ですね」

 

毛利「あいつら……国際指名手配犯だったのか……」

 

伊御「何処がトレジャーハンターだこれ;」

 

龍馬「いや、トレジャーハンターだよ。それも質の悪い犯罪者と言う名のね……」

 

思わず言った伊御のに龍馬は真剣な顔で帽子を直しながら言う。

 

龍馬「奴らは自分たちが儲かれば良いと抵抗もなく人を傷つけたり殺すことを出来る。なんでも取ろうと言う意味では間違ってないだろ伊御くん」

 

伊御「ああ、確かに…でもこっちからしたら大迷惑ですね」

 

目暮「そうだな、伊御くんの言う通り、奴らを放ってはおけん」

 

岩永「くそっ……やっぱり狙ってたんだ!!アンとメアリの宝を……」

 

頷いた目暮の後に岩永が吐き捨てる様にそう言った。

 

伊御「(()()()()…?まるで前から彼らの事知っていたような言い方だな…)」

 

白鳥「狙ってるって……宝は盗まれたピストルとカットラスだけではないんですか?」

 

岩永「あ、はい……アン・ボニーとメアリ・リードは女海賊だったんですが300年前に活躍してた彼女達がこの神海島に宝を隠したという伝説があるんです」

 

出てきた言葉に疑問を感じる伊御だが岩永は白鳥の問いに慌てた感じにそう返す。

 

その際、岩永の右腕の袖からチラリと包帯が見えた。

 

伊御「(あの包帯…もしかして)」

 

小五郎「こいつらの宝が本当にあると?」

 

岩永「ええ……盗まれたカットラスとピストルが証拠です」

 

それに伊御がもしやと考える中で訝しげに小五郎は聞き、岩永はそう返す。

 

目暮「この島から出る方法は?」

 

上平「定期船は午後に1便だけですので、漁船ぐらいしかありません!!」

 

伊御「…いや、他にもあります。ダイビングに使う船が」

 

確認する目暮に答えた上平のに伊御は付け加える。

 

小五郎「!そうか、確かにダイビングに使われる船だって立派な逃走手段になる!」

 

コナン「それでね目暮警部、その松本って人、ダイビングショップのオーナーの馬淵さんになんかお金みたいなのを渡してたよ?」

 

伊御「もしかしたら馬淵さんの船を使う…いや狙っているのかもしれません」

 

目暮「ぬぅ、確かにそうだ。上平巡査は漁船を奪われない様に注意を呼び掛けてください」

 

ハッとなる小五郎の後にコナンと伊御が強盗前に見ていた事を言い、目暮は指示を出し、分かりました!と上平が出るのとすれ違うように高木と佐藤が来る。

 

佐藤「目暮警部!ただいまただ今戻りました」

 

目暮「ご苦労!早速でスマンがダイビングショップのオーナーに松本が接触したらしい……ダイビングショップの名前は?」

 

コナン「グロットだよ」

 

伊御「良かったら案内しましょうか?」

 

確認する目暮にコナンが答え、伊御はそう申し出る。

 

小五郎「いや、君は本坂さんとコナンと共に宿に戻っててくれ。俺が案内する」

 

目暮「よし、高木と佐藤は毛利くんと共にダイビングショップグロットへ向かってくれ……我々は松本達が宿泊してるホテルへと向かう」

 

はい!と答え、それぞれ向かう。

 

龍馬「それじゃあ僕たちも行こう」

 

コナン「うん」

 

伊御「はい」

 

龍馬の言葉に2人も岩永を後目に出ていく。

 

誰もいないのを確認して、龍馬は口を開く。

 

龍馬「と言うわけで、もう近くに誰もいないから出てきなよ田岡さん」

 

以蔵「ちっ、やっぱ分かっとったか」

 

その言葉と共に茂みから袋を抱えた以蔵が出てくる。

 

コナン「いたの田岡さん!?」

 

以蔵「おう」

 

伊御「なんか抱えてますけどそれは…?」

 

これか?と以蔵は袋の中身を見せる。

 

そこには大量のセルメダルがあった。

 

以蔵「襲い掛かって来たから返り討ちにしてやったわ」

 

伊御「セルメダル…ヤミーと戦ったんですか」

 

まあなと返した後に真剣な顔をする。

 

以蔵「そんなかで奇妙なヤツがおった。他のとちごうて腕もサメで雰囲気的にリーダー格と思われるのじゃ、仲間を倒されたらとっとと逃げ去りよった」

 

龍馬「ふむ、そうなると伊緒くんとコナンくんは運が良かったのかもね」

 

コナン「え?どういう事?」

 

伊御「…なるほど。俺達の邪魔をして逃げる犯人達の姿や撃たれる所を見れなくする。もしくは排除しようとしていたかもしれない。特に夜ならバレる確率も少ない」

 

龍馬の呟きに疑問に思ったコナンは伊御の言ったことにすぐさま理解する。

 

コナン「確かにそれなら……そうなるとその第三者の狙いが分からない」

 

龍馬「そこなんだよね……トレジャーハンターたちと違って何が狙いか本当に検討が付かないのが現状だからね」

 

伊御「一体何を企んでいるんだ…」

 

誰もが唸る中で以蔵はどうでも良さげにあくびする。

 

以蔵「そんなもん明日でええじゃろ。こんな所悩んだって出るもんなんて出ねえじゃろ」

 

伊御「以蔵さん…」

 

コナン「(確かに、現段階で彼の言う通り第三者の事は出てこない。松本達の事も明日にならないとわからない……ん?)ねえ伊御お兄ちゃん、今、なんて言ったの?」

 

そう言う以蔵のにコナンも同意しつつ、伊御の言った事に気づく。

 

問いに伊御はあ、となり、龍馬もありゃまと苦笑する。

 

伊御「(しまった。ついコナンくんの前で以蔵さんって言っちゃった……!)」

 

コナン「……そう言えば名前のを聞いてなかったね。以蔵さんって言うんだね」

 

以蔵「ああ、こいつが苗字のだけって言うからな」

 

龍馬「だから苗字ので通してね」

 

訝しげだったコナンは分かったと頷く。

 

伊御「(すみません、坂本さん。つい言ってしまって)」

 

龍馬「(ははは、まぁ、ボクじゃないだけまだましだよ。僕だったら彼はすぐに察してただろうし)」

 

小声で話しかけた伊御に龍馬はそう返す。

 

龍馬「(とにかく、今は英気を養おう。明日が本番になりえそうだからね)」

 

伊御「(そうですね。明日は気を引き締めないと…!)」

 

龍馬の言葉に伊御は真剣な顔で頷く。

 

コナン「(以蔵……まさかな……)」

 

それぞれが思う中、翌日、それぞれ動き出す。




バディア「次回、調査/現れるWT。…絶対に奴等を見つける!」


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DETECTIVE.Ⅴ~調査/現れるWT~

滞在日二日目、各々に動く中で物語は進む。


前回から時間が経って翌朝

 

引き戸を開けて光彦と榊は外の様子を見る。

 

元太「どうだ天気?」

 

光彦「風は強いですけど、陽が出てますから大丈夫でしょう」

 

確認する元太に光彦はそう返す。

 

榊「んじゃ俺たちは行ってくるからそっちは任せたぜ伊御」

 

ああと最後のヤツへと向かう事にしてる榊にコナンや龍馬と共に調査をする事にした伊御は返してから自転車を調べているコナン達の元へと向かう。

 

どうして調べているかと言うと昨夜に見つけたタイヤの跡と比べて同じのか調べるためだ。

 

龍馬「お、丁度よく来たね伊御くん」

 

伊御「本坂さん」

 

阿笠と共に自転車を見ていたコナンと龍馬に伊御は近づく。

 

龍馬「丁度良かったね。今調べる所だよ」

 

伊御「そうでしたか。博士、どうなんですか?」

 

阿笠「今この跡のとこの自転車のトレッドパターンを拡大して見比べるからまっとくれ」

 

そう言ってパソコンを操作してコナンが取った昨夜の車輪跡を拡大する。

 

コナン「………トレッドパターンが全然違うな……」

 

伊御「じゃあこの自転車じゃないか……あれ?」

 

ふうむと呟きながら何気なく自転車の座席の下を覗き見てある物に気づく。

 

そんな伊御の反応にコナンも覗き込んでそれを見る。

 

コナン「これは……形状とか見た目的にGPSか?」

 

阿笠「何?GPSじゃと?なんで自転車に?」

 

伊御「レンタルしたのを置き忘れたとき探すのに…じゃないよな?」

 

見た目の形からそう推測するコナンに阿笠は首を傾げ、伊御は自分で言ったのを否定する。

 

だと思うぜと伊御のにコナンは顎に手を当てながら同意する。

 

コナン「自転車で行ける所なんて限られる。GPSをしなくたって島の住民なら大体の位置が分かる筈……それなのにGPSが付けられてるとしたら……」

 

伊御「…一応他のレンタルも調べてみようか」

 

そうだなと頷いた所でご飯よぉ~と蘭の呼んで来る。

 

龍馬「ま、それはご飯を食べてからだね」

 

伊御「そうですね」

 

苦笑して言う龍馬に伊御も苦笑してからコナンに続く。

 

元太「ったく、何やってんだコナンのヤツ!!それに本坂の兄ちゃんや音無の兄ちゃんもそうだしよ」

 

蘭「すぐ来るからもうちょっと待ってよ?」

 

つみき「…伊御、まだかな…」

 

真宵「まあまあ、蘭さんの言う通り……ほら」

 

ぶーたれる元太を蘭が宥め、そわそわしてるつみきに真宵が言った所でコナン達が来る。

 

コナン「お待たせ」

 

龍馬「ごめんね待たせて」

 

元太「おせーぞコナンに兄ちゃん達!腹減り過ぎちゃったぜ」

 

榊「あやうく腹と背中がくっ付くところだったぜ…」

 

謝る2人に元太と榊がそう言う。

 

お竜さん「くっ付くとどうなるんだ?」

 

榊「そりゃもちろん一反木綿みたいにぺらぺらに」

 

佳奈「ペーパー榊くんだね!」

 

その言葉に誰もがぶふとなる。

 

仁蔵「んで折り紙にされてさよならするんじゃな」

 

イメージ榊『無限の彼方へ、さあ行くぞ』

 

榊「そして空彼方へ…」

 

伊御「おい;」

 

仁蔵のにそのまま続ける榊にどこに行く気だと伊緒がツッコミを入れる。

 

歩美「ホント伊御お兄さん達は楽しいね」

 

光彦「確かに見てても飽きませんね」

 

正邪「だろ?いつも面白いんだぜ」

 

コナン「ははは……あれ?おじさんは?」

 

楽し気に言う2人と正邪のに半笑いしてから小五郎の姿がない事に気づいてコナンは聞く。

 

蘭「うん。朝から捜査会議だって言って目暮警部達のいる役場に行ってるわ」

 

コナン「フ~~ン」

 

伊御「大変ですね小五郎さん」

 

ホントじゃなと阿笠は伊御のに同意する。

 

蘭「それじゃあ皆揃ったから……」

 

元太「いっただきま~~~す!!」

 

一同「いただきまーす」

 

手を合わせて号令してから各々に食べ始める。

 

各々に話しながら食べる中でまだ手を付けていなかったコナンは歩美達に質問する。

 

コナン「なあ、吊り橋に行った時、岩永さんに会わなかったか?」

 

歩美「岩永さん?」

 

つみき「…ううん、会ってない」

 

伊御「そうなのかつみき?」

 

光彦「観光課の人ですよね?つみきさんが言った様に僕たちは会ってませんよ」

 

質問に首を振るつみきの後に光彦も会ってないと明言する。

 

小太郎「吊り橋のは自力で探した結果ですからね。誰にも話してません」

 

元太「そうそう、風太の兄ちゃんの言う通り。あそこは俺達が自分で探したんだぜ」

 

佳奈「うんうん」

 

姫「はいです。だから岩永さんには会ってません!」

 

続けての4人のにコナンはそうか……と呟く。

 

バディア「(やはり原作通りGPSで位置を知っていたか…)」

 

伊御「(そうなるとなんで岩永さんはあそこにいたんだ?もしかしてさっき見つけたGPSは……)」

 

話からバディアは宝探しゲームの流れは自分の知識のと離れてないのを確認し、伊御は岩永がどうしてあの場にいたかを考える。

 

そこに美馬が来る。

 

美馬「食事は足りているかな?」

 

蘭「ええ、大丈夫です」

 

みいこ「美味しいですよ」

 

確認する美馬に蘭とみいこが代表で答える。

 

美馬「そうか、ところで、今日も潜るつもりかね?」

 

園子「いえ……昨日あんな事があったから怖くて……」

 

蘭「でも明日はもう時間がないだろうから、ボートにでも乗ろうと思ってます」

 

バディア「まあ犯人たちが狙うかもしれないし気を付けるつもりだがな」

 

咲「それで念のためにだけどそのバッチ型発信機余ってるのあったら貸してほしいんだけどいいかしら阿笠さん」

 

阿笠「ああ、確かにそうじゃな。バッチはもしも他の皆のが故障した時や無くした時の為に予備を用意してあるから大丈夫じゃよ」

 

そう言って阿笠は少し待っとくれと立ち上がって取りに行く。

 

段蔵「それで私は風太達に付いて行こうと思います。大人がいた方が安全でしょうし」

 

真宵「なるほど。確かにそっちのが安全じゃね」

 

榊「真宵はどうするんだ?」

 

続けてそう言う段蔵に頷く真宵に榊は聞く。

 

真宵「ん~ちょっと京谷さんに頼まれたのを最終チェックじゃね」

 

京谷「お、出来そうなのか?」

 

そうじゃよ~と真宵はにょほほと笑って言う。

 

京谷「んじゃ俺も此処に残ってるぜ」

 

針妙丸「それじゃあ私たちは昨日に引き続き宝探しだね」

 

美馬「ならば早めの方が良いぞ。午後から海が大荒れになるだろうしな……」

 

昨日の夜にも言ってたので確かに雨に打たれながらなんて嫌だよなと榊は呟く。

 

歩美「じゃあ午前中に宝探ししなくっちゃ!」

 

光彦「そうですね。あと1つ解けば良いんですから!」

 

佳奈「でもそのあとこの暗号解かなきゃいけないよ?」

 

正邪「まあ大丈夫だろ。頭いい奴ら何人も居るし」

 

そう言って正邪は伊御とつみき、コナン達を見る。

 

コナン「あ、あー、ごめんなさいボク行く所あるから皆で探しといて;」

 

龍馬「僕も保護者替わりに付いて行くからごめんね」

 

伊御「俺も同じく」

 

謝罪する3人にええ……と歩美と光彦につみきはシュン……と落ち込む。

 

龍馬「(うーん、この申し訳ない感じ;)」

 

伊御「(ちょっと罪悪感が;)」

 

灰原「それじゃ、団体行動のできない誰かさん達をほっといて、私たちだけでお宝を見つけて山分けしちゃいましょ」

 

それに困った顔をする2人とコナンを見て灰原がそう言う。

 

元太「さんせ~~~~~!」

 

榊「一文も分けてやらないぜ!」

 

針妙丸「ようし!皆頑張ろう!」

 

おお~~!と元気良く返事する探偵団を見ながらコナンは苦笑するのであった。

 

 

 

 

朝食を食べ終え、早速伊御とコナン、龍馬は役場の駐輪場に来ていた。

 

来た目的はレンタル用の自転車にGPSが付いてるかだ。

 

龍馬「2人とも、そっちはどうだい?」

 

コナン「こっちの自転車にはGPSはなかったよ」

 

伊御「こっちのもありません」

 

確認する龍馬にコナンと伊御はないと返す。

 

龍馬「やはりGPSは借りた君達だけしかなかった様だね」

 

コナン「そうだね」

 

伊御「と言うことは付けたのはやっぱり……」

 

???「課長!低気圧の最新情報!!」

 

誰もがある結論に行きついた所で女性の声がして、顔を向けると職員と思われる女性が岩永に書類を渡してる所であった。

 

岩永「参ったなぁ……ちょっとした台風だよ……とにかく漁礁とホテルに連絡してください!」

 

女性「はい!」

 

指示を出してから参ったな……とまたぼやいて頭を掻く岩永を見てから次をどうするかと思うと上平が役場に入って行くのが見えた。

 

龍馬「どうやら次の情報を得られそうだね」

 

伊御「そうですね」

 

ならば早速と移動し、目暮警部達が見えたので気づかれない様に隠れつつ耳を澄ませる。

 

目暮「松本達3人はホテルに戻っていない……さらに島を出た形跡もないことから、どこかに潜伏しているものと思われる……」

 

龍馬「(どうやらまだ島を出ていない様だね)」

 

伊御「(やっぱり財宝を狙っているのでしょうか?)」

 

かもねと目暮のを聞いてそう考えた伊御に龍馬は肩を竦める。

 

白鳥「少なくとも1人はライフルで撃たれてる筈ですですから、その治療も必要でしょうね……」

 

高木「診療所に確認しましたが、そちらの方にも現れていません……」

 

伊御「(怪我……。なんだろう。なんか嫌な予感がするな……)」

 

続けての高木の報告に伊御は撃たれた所を見ていたのでそれで彼らが何か行動しないか不安であった。

 

次に馬淵についてので、彼女が松本と話していたのは逃走用の船の手配を頼まれ、その礼としてお金を受け取っていた。

 

そんな取引をした理由についてはダイビングショップの運営だけでは生活が苦しかった故であった。

 

龍馬「(まぁ、この島的に考えたらこの時期を除けばダイビングショップに来て海に潜るなんて早々ないからお金が苦しくなるのも仕方ないね)」

 

伊御「(そうですね。今回は相手が悪かった。馬淵さんはホントに……)」

 

そう述べる龍馬に伊御は馬淵に同情する。

 

小五郎「高木くんが回収したこの薬莢ですが、かなり古いものですから長い事保管してあったものでしょうね」

 

目暮「うむ、ライフルについては今、上平巡査が猟友会に連絡して確認して貰っているよ」

 

次にライフルの話になり、目暮がそう言った直後に扉がノックされ、どうぞと目暮が答えた後に上平と岩永が入って来る。

 

上平「失礼します!今連絡が入りまして、猟友会の峯尾さんの猟銃が無くなっているそうです!!」

 

目暮「そうですか……」

 

白鳥「その峯尾さんと言うのは?」

 

報告に出た名前に白鳥は質問する。

 

上平「1人住まいの老人でして、ダイビングショップを経営している姪の馬淵千夏さんが面倒をみているようです」

 

龍馬「(意外な繋がり、と言えるかな?)」

 

伊御「(人と人って意外とそういうので繋がっているの多いですよね)」

 

コナン「(確かに……)」

 

軽く言う龍馬にしみじみと呟いた伊御にコナンは半笑いで同意する。

 

なんたって色々とそう言う感じのに遭遇してるから笑いたくなるもんである。

 

目暮「!すぐに峯尾さんの話を聞いて来てください!それから馬淵さんには任意同行を!」

 

上平「分かりました!」

 

その間、目暮は白鳥と顔を見合わせ、彼が頷いた後に上平に指示し、指示された上平は慌てて出ていく。

 

岩永「盗まれたカットラスとピストルを取り戻してください!お願いします!!」

 

目暮「全力を尽くします!!」

 

頭を下げてお願いする岩永に目暮は力強く返す。

 

龍馬「(さて、2人とも、ボク的に彼は怪しいと踏んでるよ)」

 

コナン「(龍馬さんも?)」

 

伊御「(二人も同じ考えでしたか)」

 

そんな中で龍馬はそう言い、コナンと伊御も同じだったので頷いて言う。

 

龍馬「(まずはGPS。松本達が仕掛けたと考えると不自然過ぎる。なぜならバイクに乗ってるボク以外は彼らとそれ程出会ってもないし、自転車に仕掛けるメリットがない。逆に彼なら職員でもあるから近くにいても違和感ないし、仕掛けたのも迷子になった際に探す際にと言う言い訳も出来る)」

 

コナン「(彼にとってメリットはお宝の場所を知れる可能性が高まると言う事、小五郎のおじさんにゲームを進めたのもその可能性をより一層上げるためなら)」

 

伊御「(松本達を撃ったのもおそらくあの人でしょう。理由は宝を横取りされないため……)」

 

そうなれば昨日の夜の襲撃犯が誰なのかもうすうす予想できたので伊御が言ったのにコナンと龍馬も同意する。

 

コナン「(おじさんの腰に付いていた黒い粒々もライフルが古かったから手入れされてなかった事で出来た火薬の燃えカスで、撃った時が夜だったから腕に付着したのに岩永さんは気づかなかったんだろうね。火薬の匂いがしたから間違いないよ)」

 

それにあの腕の傷もねと言うコナンに伊御はあー……と思い出して困った顔をする。

 

佐藤「でも、私達がここにいるのに、どうして今盗みに入ったのかしら?」

 

話が一区切りしたからか、佐藤が自分が気になった事を呟く。

 

高木「確かにそうですね……普段ならこの島の駐在してるのは上平さん1人だけ……我々が島を出た後にすれば抜け出すのも簡単だったのに……」

 

白鳥「おそらく、もたもたして正体が発覚するのを恐れたんだろう……」

 

伊御「(という事は松本達は早く宝を手に入れたいはず……!マズイ!)」

 

それには高木も同意で白鳥の言葉に伊御は眼を見開く。

 

岩永「あのぉ……東京からの応援は?」

 

目暮「低気圧の影響でヘリも船も出せないそうです。我々だけでやるしかない……松本達を探し出す事も彼らの命を狙っている犯人を見つけ出す事もだ……」

 

全員を見渡して言う目暮のを聞いて3人はその場を離れる。

 

龍馬「(伊御くん、コナンくん。君達も気づいたようだね)」

 

コナン「(うん……)」

 

伊御「(…崎守たちが危ない……!)」

 

すぐさま向かおうとするが龍馬が待ったをかける。

 

龍馬「万が一を考えて、他の皆と合流しよう」

 

コナン「……確かに怪人の襲撃も考えると僕達だけなのも危険な可能性があるか……」

 

伊御「…そうですね。それじゃあすぐ皆に合流するよう連絡します」

 

そう言って連絡を取る伊御を見ながら龍馬は内心謝罪する。

 

龍馬「(ごめんね伊御くん。想定内であっても想定外があってもあの出来事はやっておかないとダメだと思うからね……)」

 

 

 

 

一方の榊達は見張り台の所まで来ていた。

 

今は光彦と榊が確認にマストを模した見張り台に上っていた。

 

上に着くとマストの柱部分の後ろに宝箱が置かれていた。

 

光彦「あっ!ありましたよ!!」

 

榊「最後の謎は意外と簡単だったな」

 

下にいた面々へと言った光彦は榊と共に下にいた面々へと言った光彦は榊と共に近づく。

 

歩美「やったー!」

 

元太「榊の兄ちゃんの言う通り最後のは簡単だったな~」

 

針妙丸「海賊の魂は天に上るだから島で高いところにあるなんてね」

 

正邪「まぁ、地図見た限りここしかないもんな」

 

喜ぶ面々は正邪と風太、暇で付いて来た仁蔵を除いて向かう。

 

風太「神那殿。気づかれてますか?隠れながら僕たちを見ている者達に?」

 

正邪「ああ。あそこから見ている奴らのことだろ?」

 

小声で問う風太に正邪は目を歩美達に向けながら返す。

 

仁蔵「どうやらワシらを見張っちゅー感じみたいじゃのう」

 

風太「人質にする為にか、もしくはお宝の場所が分かった時に抑え込む為かのどっちかでしょうね」

 

正邪「どうする?片づけるか?」

 

確認する正邪に小太郎は分かりづらいが首を小さく横に振る。

 

小太郎「いえ、ここでは光彦くん達を危険な目に遭わせる可能性があります。どうやら我々だけを見ているようですので」

 

正邪「そうか…ん?」

 

小太郎のに納得してた所に着信音がしたので携帯を取り出して見ると伊御からメールが届いていた。

 

正邪「伊御からか……!」

 

中身を見て正邪は眼を見開く。

 

書かれていた内容はこうであった。

 

《やつらが蘭さんたちを狙っている。一度みんなで合流しよう。》

 

正邪「(やつらってトレジャーハンターの事か。こりゃ忙しくなりそうだな…!)」

 

小太郎「皆さん。天気が悪くならないうちに帰りましょう!場所探しなどは時と場合によりますが諦める事になるかもしれません」

 

呻く正邪の後に同じ様に覗き込んで違和感ない様に帰る様に誘導する。

 

元太「えー、せっかく最後の見つけたのにかよ」

 

光彦「けど、確かに美馬さんも言ってましたね。午後は悪くなると」

 

榊「続きは家に帰ってからしようぜ」

 

佳奈「そうそう!家でも暗号は解けるし!」

 

不満げな元太を押しながら一同は美馬の民宿に戻る。

 

その中で正邪は榊、真宵、バディアへと伊御から送られてきたの他のメンバーには伝えるなと言う一文を付け加えて送る。

 

なぜ3人だけかは、姫と佳奈ではすぐに暴露してしまう可能性がある。

 

京谷は咲が襲われた前科があるのですぐさま向かおうとしかねないのもあるからだ。

 

その咲も伝えないのは襲われた事で慌てて伝えそうな可能性があるからだ。

 

こう言う所は口が堅い3人にだけ伝えたのだ。

 

見た榊は眼を見開いた後に正邪を見てこくりと頷く。

 

正邪「(よし。蘭たちの方はバディアと咲が居るけど……なんだこの嫌な予感は)」

 

不安に感じながら正邪は自分たちを見ている方をチラッと見てから歩く速さを上げる。

 

 

 

 

バディア「(…やはりこちらを狙うか…)」

 

一方でダイビングショップで海の調子を見てる間待っててと言われて談話していた所にメールが来たので少し離れたバディアは内容のに顔を顰める。

 

バディア「(ここはなんとかして阻止しないといけぬな)」

 

内心そう考えながら戻ったバディアに園子が話しかける。

 

園子「あ、バディアさん。メールのはどんな感じだったの?」

 

バディア「ん~気を付けろよっていう注意メール」

 

蘭「気を付けろって……トレジャーハンターの事で?」

 

当たり障りなく返したバディアは不安そうに聞く蘭にあ、やべとなった。

 

正邪のメールで伝えるなと書かれていたのに思わず返してしまったのだ。

 

あんまり不安になる様な事をさせない為にと言う配慮もあったのだろうがバディアはこれからの知識から思わず返してしまったのだ。

 

園子「まぁ、蘭がいるんだし平気平気」

 

蘭「園子……」

 

バディア「(確かに彼女は強いが人質を取られたら…)」

 

楽観的に言う園子にバディアは内心困る。

 

特に園子は蘭のアキレス腱になりかねないのだ。

 

園子「それに海荒れそうだから気を付けろってのもあるんじゃない?」

 

咲「あ~確かに怪しい雲が見えてるわね」

 

だから深く考えない方が良いってと園子は笑う。

 

そこにお待たせ~~と馬淵が来る。

 

咲「海の状態はどうでしたか?」

 

馬渕「ごめーん、やっぱり海に出るのはちょっと無理ね。波が高すぎるわ」

 

謝る馬淵にざんね~~んと園子はぼやき、しょうがないよと蘭が宥める。

 

喜美子「その代わり、静かな所で磯遊びしましょう!」

 

咲「いいわねそれ」

 

バディア「磯遊びか……」

 

それも良いかなと蘭達も思っていると扉が開けて上平が入って来る。

 

喜美子「あ、上平さんおはよう!」

 

バディア「(…馬渕さんを連れに来たか)」

 

馬渕「渋い顔して……何かあったの?」

 

問われて口ごもりかけた上平だが意を決して口を開く。

 

上平「……千夏ちゃん。ちょっと来てくれないか?目暮警部が話を聞きたいって……」

 

馬渕「!」

 

要件に馬淵は眼を見開いた後に自身的に思い当たるのか思いつめた顔をしている。

 

バディア「(…やはりなにかあるようだが、知識から考えて、猟銃関連であろうな……)」

 

皆は楽しく遊んでてと言って上平に付いて行く馬淵を見送りながらバディアは内心呟いてこの先ので憂鬱になる。

 

 

 

 

一方の伊御達は民宿に戻り、ある人の元へと向かっていた。

 

龍馬「さて、僕達も宝が眠る場所について検討を付けとかないとね」

 

伊御「それにはあの人に話を聞かないといけないですね」

 

コナン「だね」

 

そう話しながら3人は巻き割をしている目的の人物、美馬へと近づく。

 

コナン「おじさん」

 

美馬「ん?……なんだね?」

 

作業を止めて振り返る美馬に伊御が一歩前に出る。

 

伊御「……あのトレジャーハンターたちが何故観光館からカットラスとピストルを盗み出したんでしょうか」

 

美馬「………」

 

そう切り出した伊御は美馬が無言のまま続ける。

 

伊御「トレジャーハンターなら目的は宝探しの筈。なのにあんなものを盗み出したってことは…それが宝物を見つけるのに必要だったのではないでしょうか」

 

コナン「だからあの人達、もう宝の隠し場所に向かってると思うんだ。おじさん、どこだから知らない?」

 

前を向き、しばし無言だった美馬は少しして再び伊御達を見る。

 

美馬「……どうしてそれをワシなんかに聞くんだ?」」

 

龍馬「あなたも薄々分かる筈かと」

 

伊御「もしかして美馬さん…トレジャーハンターだったのではないですか」

 

確認する美馬へと返した龍馬の後に伊御がそう聞く。

 

美馬「!…………」

 

目を見開いた後に美馬は考える様に目を閉じ……

 

カッ

 

薪割りに使っていた鉈を土台としていたのに刺して立ち上がる。

 

美馬「仮にわしが昔トレジャーハンターじゃったとしても宝のありかを知っているとは限らないのじゃないかね?」

 

龍馬「確かに()()()()()は知らないでしょうが()()()()と直接ではないですがあなたは昨日言っていた」

 

伊御「『ハイエナはエサのある所には集まらん……狙い通りの獲物とは限らんがな』と言うからには隠されている何かをあなたは知っているんですね」

 

コナン「どうなのおじさん?」

 

言い逃れは出来ないと締め括るコナンを見てから美馬は歩き出し、すれ違いざまに来なさいと呼びかけ、3人は美馬の後に従う。

 

一方で榊達は集めた暗号を見て唸ってる光彦達を見ていた。

 

光彦「う~~~~~ん」

 

佳奈「どういう意味なのかなこの数字」

 

床に並べたハサミで分けた暗号のを見ながら誰もが首を傾げる。

 

ちなみに最後の暗号の数字はどちらとも15で上が赤で下が青色であった。

 

光彦「なんで赤と青の二色に数字が分かれているんでしょうか…?」

 

正邪「とりあえずはさみで数字を一つ一つ分けたが問題が二つあるな」

 

灰原「ええ。一つは青と赤に数字が分かれている意味。そして数字そのものの意味」

 

腕を組んで呟く正邪に同意しながら灰原が問題について言う。

 

光彦「数字は番地じゃないでしょうか?この島の」

 

安直過ぎるんじゃないかと言う榊にですよねと光彦も撤回した後に足音に気づいて振り返ると美馬と伊御達に気づく。

 

つみき「伊御。戻ってたんだ…」

 

元太「そうだ!おじさんに聞いてみようぜ!」

 

針妙丸「おじさんならなんか知っているかもしれないね」

 

なら早速と榊達は伊御達に続く。

 

 

 

 

一方の馬淵が上平と共に出て行った後、園子は空気変えようと咲に話題を振る。

 

園子「そう言えばさ、咲って西原くんと仲良いわよね~」

 

蘭「あ、確かにそうだね」

 

咲「まあ長い付き合いだからね小さい頃からになるね」

 

へぇ~と園子は楽しそうに笑う。

 

園子「まるで新一くんと蘭みたい」

 

蘭「あ、そう言われると……」

 

咲「蘭さんと新一くんは昔からお互い名前で呼び合ってるんでしょ?京谷ったら最近は苗字の方で呼ぶのよね……」

 

ああ、あるあると園子はニヤニヤする。

 

園子「こりゃあ新一君と同じかもね~」

 

バディア「確かにそんな感じに見えるな」

 

茶化す様に言う園子にバディアも思っていたからか同意する。

 

咲「こうやって話してると少しムカムカして来たわ……ああもう京谷ったら……!」

 

ドガッ!

 

???「ぐあっ!?」

 

苛立った顔で思わず後ろに拳を振るうと何かに当たる感触が感じると共に悲鳴が起きる。

 

咲「へ?」

 

思わず振り返ると倒れた田山がおり、園子の後ろに近づこうとしていて咲の不意打ちに近い裏拳で倒れた田山に驚いた顔の松本の姿があって、前を見ると悲鳴を聞いたからか伊豆山がいた。

 

伊豆山「お、おい田山!?」

 

松本「大丈夫か…」

 

いきなりの事で注意が逸れた2人に蘭とバディアが動いた。

 

蘭「はぁっ!」

 

松本「がっ!?」

 

バディア「ふんっ!」

 

田山「ぐおっ!?」

 

気合の声と共に蘭は松本の胸元にパンチを叩き込み、バディアは田山に接近して無謀な顎を蹴り上げる。

 

それにより2人は意識を失って田山と同じ様に倒れる。

 

喜美子「ふ、2人とも凄い」

 

園子「ホントホント!」

 

咲「意外とあっけなく片付いちゃったわね…」

 

バディア「…そうだな」

 

「全く。使えないトレジャーハンターね!」

 

倒れ伏したトレジャーハンター達を見て呟いた所、悪態付いた聞き覚えのない声が響き渡ったのでどこからしたのか見渡して建物の屋上へと顔を向けると1人の女性がいた。

 

バディア「(ようやく出て来たか…転生者!)」

 

カチャ

 

???「おっと。変なことはしない方が良いぜ」

 

直後、身構えようとしたバディアの頭に何かが突きつけられる。

 

固い感触と状況から考えて銃しか考えられない。

 

そんなバディアの背に何時の間にかバディアと同じ位の背の少女がいた。

 

バディア「!」

 

咲「バディアさん!」

 

誰もが気づかずにバディアの背後を取っていたもう1人に驚く中でバディアは苦い顔で手を上げる。

 

転生者A「ふふっ。それじゃあ行きましょうか。女海賊の宝が眠る場所に」

 

トレジャーハンターの三人を鎮圧したバディアたち。

 

だが突如現れた転生者二人により状況は逆転してしまい大ピンチに…

 

果たして転生者二人の目的は?バディアたちの運命はいかに…!




龍馬「次回、『現れた者達』。物語もクライマックスに近づいて来たね」


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DETECTIVE.Ⅵ~現れた者達~

コナン達が謎を解こうとしている頃、磯遊びを楽しもうとしていた咲達は近づこうとしていた松本達を撃破した所に女性2人組にバディアは背後を取られてしまう。



バディア「(転生者が裏で手を引いているとは思っていたがまさかコンビだったとは…)」

 

女性B「まさかロード・ディアーチェがいるとは嬉しいわね」

 

降り立った女性Aを見ながらバディアは呻く中で女性Bが楽し気に言う。

 

女性A「ああ。思いがけないお宝だね」

 

園子「ちょ、ちょっと誰よ!?こいつ等の仲間なの!?」

 

くすくす笑う女性に松本達を見てから怖い事に耐えながら園子は問う。

 

女性A「仲間と言うか協力者って言った方がいいかね?まあ、こう簡単にやられたらこうするしかないね」

 

そう言って最初に現れた女性はスイッチの様なのを取り出すとボタンを押す。

 

シャーク!

 

ハンマーヘッド!

 

ソーシャーク!

 

すると音声が鳴り響いた後に倒れた松本達の懐からガイアメモリが飛び出して3人に刺さる。

 

トレジャーハンター「「「あ、ぎがぁぁぁぁぁぁぁ!?」」」

 

激痛に悶える様な声をあげた松本達はその姿をそれぞれ二足歩行で腕の生えたサメの様な姿をしたドーパントに変貌する。

 

田山が変貌したのは腕がトンカチの様になっていて、伊豆山は腕を一瞬剣の様に変えてから元に戻す。

 

そのままゆらりと立ち上がって女性達と同じ様に蘭達を囲む。

 

咲「…これ、ただのドーパントになったわけじゃなさそうだけど一体何したの?」

 

女性B「べっつに、ただのドーパントさ。ま、ちょちょいと細工してアタシ等の言う事を聞く人形になる様にしただけだ」

 

今の様に役立たずになったり裏切ったりした時のになと返すバディアを動けない様に銃を突き付けながらそう付け加える。

 

バディア「…お前らの目的はやはりアンとメアリの宝か」

 

女性A「それもあるけど、本命はこ・の・子・た・ち☆」

 

睨むバディアに最初の女性はそう言って蘭と園子を指す。

 

蘭「え?」

 

園子「わ、私達!?」

 

咲「……あー、まさか…」

 

女性B「そしてオマケでお前等もだ。ふふ、良い感じだよな」

 

戸惑う2人の後に咲やバディアは舌なめずりするもう1人の女性のに悪寒が走る。

 

女性A「まあまずはアンとメアリの宝からゲットしないとね」

 

そう言ってほら乗りなさいと車に促す最初の女性は思い出した様に名乗りだす。

 

女性A「ちなみにあたしの名前はロップで」

 

女性B「私がリスクだよ」

 

リスクが銃で威嚇しながら蘭達が乗り込んだのを確認し、上にドーパントとなった松本達がしがみ付くと動き出す。

 

バディア「(厄介なことになってしまったな…どうにかして伊御達に伝えなければ)」

 

銃を突き付けられながらバディアは呻く。

 

そんな連れて行かれている蘭達をバグラットは見ていた。

 

バグラット「こりゃやべえ!伊御たちに連絡しねぇと!」

 

慌てて伊御達の元へと飛んで行く。

 

 

 

 

一方、伊御達は美馬に案内されて彼の部屋へと足を踏み入れていた。

 

彼の部屋の壁には若き頃の美馬とその仲間や結婚している写真や地図が貼られていた。

 

早速美馬は机を部屋の中央に置きなおす。

 

針妙丸「美馬さん。何見せてくれるんですか?」

 

光彦「これ、見るからにおじさんはトレジャーハンターだったんですか?」

 

美馬「ああ、若い頃にな。アンとメアリーの宝を探す為にこの島にやって来た。そして居付いちまったって訳だ。島の女に惚れて結婚し、漁師を始めた」

 

光彦の問いに答えてから美馬は針妙丸の問いに対してのを机の引き出しからある物を取り出して答える。

 

それは古い地図であった。

 

美馬「300年前の物だ」

 

コナン「あっ!?」

 

見せられた地図を見てコナンは声を漏らす。

 

地図の4つの角と真ん中の左右に見覚えのある数字が刻まれていたのだ。

 

それにコナンは宝探しマップを取り出して並べる。

 

姫「あれ?この地図に書いてある数字って…」

 

佳奈「スタンプの数字と一緒だ!?」

 

美馬「まぁ、そういう事だ」

 

古い地図とほぼ同じ数字に驚く姫達に美馬は知ってる様に呟く。

 

コナン「この地図が元になっているんだ……!」

 

龍馬「やっぱり、元ネタありだったって事だね」

 

伊御「この地図って他にもあるんですか?」

 

ああと伊御の問いに美馬は肯定する。

 

美馬「観光課長の岩永はこれと同じ古地図を元に作ったのさ。まだ誰も解いたものがいない暗号をだったな」

 

コナン「300年前に考えられたんだ。それもアン・ボニーによって……」

 

正邪「ってことはこの地図の数字の暗号を解けば…」

 

榊「アン・ボニーのお宝に出会えるって訳か!」

 

そういう事だなと正邪と榊のに美馬はそう返し、少年探偵団と佳奈と針妙丸は興奮する。

 

伊御「(…あ、だから毛利さんも宝探しに参加させようとしたのか)」

 

そんなメンバーのを聞きながら伊御は頭に引っかかっていた疑問が解決する。

 

岩永がどうして小五郎に宝探しに参加する様に勧めていたのはいち早く謎を解決して欲しかったからだ。

 

伊御「(…あ、だったらあのGPSも…!)」

 

その後にGPSについても察する。

 

あのGPSは自分達が宝の場所に向かった場合、すぐに動ける様にと仕掛けたのだと……

 

伊御「(…まさか昨日の銃を撃ったのも…)」

 

自分がお宝を手に入れる為に発砲した。

 

そして使われたのは盗まれたと言う猟友会の峯尾さんの猟銃。

 

伊御「(でもこれはまだ推測…証拠がまだ…)」

 

彼がその猟銃をまだ持っているなら証拠になるが流石に疑われた状態で持ち続けるかと聞かれると弱くなる。

 

伊御「(…待てよ。確か昨日…)」

 

その後に思い出す。

 

自分は襲撃者に串を投げてそれにより、相手に怪我を負わせた。

 

状況から考えて腕に当たったのと岩永の腕にチラリと見えた包帯。

 

伊御「(もしかしてあの包帯の怪我は…)」

 

灰原「300年前って事は所や番地じゃなさそうね」

 

思考に入りそうだった伊御は灰原の言葉に我に返る。

 

とりあえずはこっちから解いておこうと切り替える。

 

コナン「一番ポピュラーな所でアルファベットか……」

 

姫「あ、アルファベットですか?」

 

つみき「……もしこの数字がアルファベットになるならこの15はOになるわね」

 

呟いたコナンのにつみきは15を見てそう言う。

 

光彦「それじゃあ5がEですね!」

 

歩美「7はGで、12は……A、B、C、D、E、F、G、H、I、J、K、L、M……?」

 

アン「12番目はLだから1つ行きすぎちゃってるわ歩美ちゃん」

 

針妙丸「18番目はえっといろはに…」

 

正邪「少名姫、それはアルファベットじゃなくていろは歌です;」

 

ワイワイ会話しながら光彦がマジックで書いて行き、それを美馬と龍馬はは楽し気に見ていた。

 

最後のを書き終えて光彦はマジックペンの蓋をする。

 

光彦「これで全部ですね。上は赤い番号、下が青い番号をアルファベットに置き換えたのです」

 

榊「こうして見ると並び替えたら単語になりそうだな」

 

出来上がったのを見て榊は呟く。

 

ちなみに赤と青のはそれぞれ以下の通り

 

赤:J、L、L、O、Y

 

青:E、G、O、R、R

 

歩美「名前かな?赤が苗字で青が名前とか」

 

メアリー「良い線なんじゃない?」

 

佳奈「ん~~~?」

 

どうなんだろうと考える。

 

小太郎「やはり、海賊に関連した名前でしょうか?」

 

榊「海賊に関連した名前なぁ…」

 

伊御「海賊…」

 

そう言われて伊御は気づく。

 

海賊で有名なのがあるからだ。

 

伊御「もしかしてこれってこうじゃないかな?」

 

そう言って伊御はそれぞれのアルファベットを動かしていく。

 

赤:JOLLY

 

青:ROGER

 

榊「ジョリー・ロジャー?」

 

元太「誰だそれ?」

 

光彦「有名な海賊ですか?」

 

並べられたのに元太と光彦は聞く。

 

つみき「……ジョリー・ロジャーは欧米での読み方でその意味は……海賊旗」

 

姫「海賊旗って……あっ!」

 

その言葉に誰もが地図の右上に描かれた海賊国旗を見る。

 

灰原「つみきさんが言ったの以外に直訳すると『愉快なロジャー』にもなるわ」

 

コナン「ジョリー・ロジャーって言うのは1700年頃に船乗り達が最も目にしたくなかったものでその名の由来は、赤い旗を意味するジョリー・ルージュとか、悪魔を意味するオールド・ロジャーとか言われている。だからこの地図に描かれた海賊国旗が暗号のジョリー・ロジャーの答えだな」

 

佳奈「じゃあこの髑髏に宝の隠し場所が!?」

 

針妙丸「…あれ?ねぇ、この髑髏の歯、なんかおかしな形じゃない?」

 

んーーーと海賊旗をじっくり見た針妙丸はそう指摘する。

 

言われて誰もがよーく見る。

 

コナン「確かにこの古地図に描き込んであるジョリー・ロジャーの骸骨の歯……文字に見える」

 

光彦「……本当だ……アルファベットに見えますねぇ……」

 

榊「ん~?上がD、O、Sで下がD、I、O、S、A、Sって感じか?」

 

針妙丸「それでなんて読むの?」

 

なんて読むんだろうと誰もが思っていると……

 

灰原「DOS(ドス)DIOSAS(ディオサス)。スペイン語で『2人の女神』っていう意味よ」

 

姫「二人の女神ですか…?」

 

美馬「それに関するのならば知っとるぞ」

 

灰原のに首を傾げた姫へとそう言うと美馬は立ち上がり、壁に付けていた写真の中で1枚とってコナンに差し出す。

 

写真に写っていたのは髑髏の様な島であった。

 

コナン「これは?」

 

美馬「300年ほど前、この島の沖合を通りかかったスペインの船に乗っていた船員が描いたものだ。その後、島は海に沈んじまった。メタンなんとかというガスが原因だと言われている」

 

伊御「もしかしてメタンガス?」

 

出て来た単語に伊御は聞くとそんな感じだったなと返される。

 

光彦「もしかしてこの沈んだ島って頼親島ですか?最初の宿に行く道中で岩永さんがメタンハイドレートで以前もっと大きく突き出していたのが起きた地震で海に沈んで今の頼親島の形になったって言ってました」

 

正邪「この島に財宝があるかもしれないのか…」

 

美馬「お前さん達が解いた2つの女神については当てはある」

 

誰もが言葉を漏らした美馬を見る。

 

小太郎「あるんですか?2つの女神のヒントが当て嵌まるのが?」

 

美馬「ああ、だが、使えないだろうな」

 

姫「使えないんですか?」

 

榊「ん?でもちょっとおかしくねぇか?それならなんでハンターたち海の中探してるんだ?」

 

使えないと言う言葉に首を傾げる姫の後に榊がふとそう考える。

 

美馬「先ほど言った使えないに繋がるからだ。頼親島には2つの女神の入り口と言う所があった。だが、昔の地震のせいで崩れてしまって大人では通れなくなってしまった」

 

小太郎「成程……」

 

そんな榊の問いに美馬は答え、それを聞いたコナンは松本達の強盗した理由を察した。

 

コナン「そうか……奴らは海の中で見つけたんだ。2つの女神の入り口とは別の入り口を、だから刑事達が捜査に来ていると言うのに危険を冒してその入り口を開くのに必要になるだろうあのカットラスとピストルを盗み出したんだ」

 

佳奈「あっ、なるほど~」

 

榊「…ん?でも今、遺跡の近くってサメが出てなかったか?」

 

続けて思い出す榊にコナンは眼を見開く。

 

コナン「やべ!いますぐあいつ等を追いかけねえと!!」

 

姫「ど、どうしたんですかコナンくん?」

 

針妙丸「追いかけるって……」

 

突如立ち上がったコナンは驚く伊御達へ言おうとしてそこに慌てた真宵と何かを抱えた京谷が来る。

 

真宵「大変じゃよ大変じゃよ!!」

 

正邪「どうした真宵!?」

 

つみき「…その抱えているのって…」

 

腕に抱えていたのはバグラットであった。

 

バグラット「た、大変だ。お前達の仲間がトレジャーハンターとその協力者に捕まった!」

 

榊「な、なんだってぇえええええ!?」

 

歩美「蘭お姉さんたちが!?」

 

コナン「くそ!やっぱりか!!」

 

告げられた事に誰もが驚く中でコナンが毒づく。

 

元太「お、おいコナンどういう事だよ?」

 

光彦「もしかしてさっきのサメに関わりがあるんですか?」

 

伊御「…まさか!」

 

戸惑いながら問う元太と光彦の隣で眼を見開く伊御に美馬もハッとなる。

 

美馬「まさか囮に使う気か!?」

 

龍馬「ありえそうですね。1人はケガをしましたからその仲間に襲い掛からない様に……」

 

姫「そ、それはマズいですぅ!」

 

京谷「早く助けに行かねぇと!」

 

誰もが慌てる中で哀がちょっと待ってと待ったをかける。

 

哀「何か聞こえない?」

 

針妙丸「え?」

 

言われて耳を澄ますと何かの音が聞こえて来る。

 

コナン「玄関からだ!」

 

伊御「行ってみよう」

 

誰もが玄関へと走る。

 

そこで目に入ったのに驚く。

 

仁蔵「おりゃあ!!」

 

襲い掛かるサメヤミーの集団を迎撃してる仁蔵の姿であった。

 

そんな仁蔵を見ていてコナン達に気づいたみいこと共に阿笠が来る。

 

阿笠「おお、皆無事じゃったか!」

 

姫「こ、これは一体どうなっているんですか!?」

 

驚いている間もサメヤミーは現れ続ける。

 

コナン「博士!何があったんだ!?」

 

阿笠「分からん!さっきみいこさんと話してたら急に現れたんじゃ!田岡さんのお陰で助かったんじゃ」

 

榊「まさかこいつら、俺達の邪魔をしに来たのか!」

 

京谷「こっちは急がねぇといけねぇのに……!」

 

襲い掛かってくるサメヤミーに歩美は涙目になると頭を撫でられる。

 

それをやったのは龍馬で、歩き出す。

 

龍馬「皆、ここは僕と田岡さんに任せて先に行ってくれるかい?」

 

正邪「いいのか?」

 

針妙丸「二人だけで大丈夫?」

 

お竜さん「おたきさんもいるぞ~」

 

苦笑して返すと龍馬は真剣な顔でサメヤミーを蹴り飛ばした仁蔵と並ぶ。

 

龍馬「さて、行っけえの仁蔵さん!!」

 

仁蔵「はん、偽名名乗りも飽いちょった所じゃ!遅るっな龍馬!」

 

アーイ!

 

イエッサー!ローディング!

 

その言葉と共に龍馬はゴーストドライバーを出現させてスペクター眼魂をセット、仁蔵はメガウルオウダーを装着してネクロム眼魂をセットする。

 

バッチリーミロー!バッチリーミロー!!

 

音声が鳴り響くと共にそれぞれパーカーゴーストが飛び出してサメヤミー達を薙ぎ払っていく。

 

龍馬&仁蔵「変身!!」

 

カイガン!スペクター!!

 

テンガン!ネクロム!メガウルオウド!!

 

続けざまにトランジェント状態になった2人はパーカーを纏う。

 

レディゴー!覚悟!ド・キ・ド・キ・ゴースト!!

 

クラッシュ・ザ・インベーダー!!

 

響き渡ると共にスペクターとネクロムはフードを脱ぐ。

 

光彦&元太&歩美「か、仮面ライダー!!」

 

コナン「(おいおい、やっぱり田岡さんは岡田仁蔵かよ……しかももう1人は坂本龍馬かよ)」

 

榊「スペクターにゴーストか!」

 

つみき「ネクロムじゃない?」

 

ここでも芸人を発揮すっとはたまげたのう!と言いながらネクロムは刀を取り出す。

 

ガンガンヤイバー!!

 

スペクター「さあ皆!早く!」

 

ネクロムがサメヤミー1体を切り裂いた所でスペクターの号令と共に小太郎と段蔵を先頭に駆け抜ける。

 

コナン「お前等、急いで役場に行っておっちゃん達に知らせてくれ!」

 

元太「分かった!」

 

榊「俺達も歩美ちゃんたちの護衛するために一緒に行くぜ」

 

頼んだ!と言うのにサムズアップして役場へと伊御と京谷を除いて榊達は向かい、段蔵も続く。

 

灰原「気を付けなさいよ……絶対に怪人がいるわ」

 

コナン「ああ」

 

その際に灰原の忠告にコナンは返した後に彼女も榊達に続き、真宵も京谷さんこれ!と袋を渡して走る。

 

コナン「おじさん!船を出して!僕達を頼親島まで乗せて行って欲しいんだ!!」

 

美馬「何っ!?この状況では危険過ぎるぞ!それに嵐も来るから島に取り残されてしまうぞ!」

 

伊御「それでもお願いします。仲間たちを助けないといけないので」

 

京谷「頼むよおっちゃん!崎守達を助けたいんだ!」

 

小太郎「お願いします!」

 

頼み込む伊御達に美馬も順孝してから分かったと了承する。

 

アン「なら全は急げよ!」

 

メアリー「そうだね」

 

伊御「それを言うなら善は急げ…って今はどっちでもいいか」

 

その言葉とコナンと伊御達は走る。

 

 

 

 

 

一方、咲達はリップとリスクによって船に乗せられていた。

 

その際に余計な物を持たせない様にとリスクの監視されながらビキニに着替えさせられていた。

 

咲もまた変身アイテムを服に紛れて置かざるえなかった。

 

咲「(まさかこんなのに着替えさせるなんて……)」

 

バディア「(余計な物を持たせない為とはいえ、こいつらの趣味も入っているな……しかし)」

 

運転してるリップと監視してるリスクとは別にいる松本達とは違う4体目のドーパントを見る。

 

そのドーパントはコマンダードーパントの様だが右腕がトリガードーパントの様なライフルと同化した腕になっているのであった。

 

バディア「(あの四体目のドーパント…一体何者だ?)」

 

松本達に取り入ろうとした者が2人いたがその2人はもう捕まっている。

 

そうなるとこの人物は誰なのかと疑問が出る。

 

バディア「(まさか三人目の転生者か?)」

 

とにかく油断ならないとバディアは警戒する。

 

咲「(なんとかビキニに隠してバッジ持ってきたけどこれで分かるかしらコナン君たち…)」

 

咲もまたなんとか隠し通したバッジのを我慢しながら祈る。

 

 

 

 

一方でコナン達は小太郎のお陰で襲撃を引けながら船に辿り着いていた。

 

その後にコナンはメガネの追跡メガネを起動させる。

 

コナン「……!分かった!咲さん達はやっぱり頼親島に向かってる!」

 

伊御「やっぱり目当ては財宝か…!」

 

京谷「んじゃあ急がねえと!美馬さん!」

 

美馬「急かすな!……良し」

 

反応と方角から言うコナンのに伊御と京谷が叫んだ後に美馬はエンジンを入れて動かす。

 

京谷「急げばまだ追い付くか…?」

 

美馬「奴らの行動の速さからしてもう1つの入り口へ着いている可能性がありえるな……」

 

焦る京谷に美馬も厳しい顔をして言う。

 

すると左右に背びれの様なのが出現する。

 

メアリー「どうやら妨害してくるっぽい」

 

小太郎「ここは僕が」

 

伊御「俺も手伝うよ」

 

そう言ってベルトを出そうとする伊御に小太郎は分かりましたとゲーマドライバーを取り出す。

 

小太郎「行きましょう伊御殿」

 

シップウ!ニンジャ!!

 

伊御「うん」

 

サイクロン!

 

ジョーカー!

 

スカル!

 

エターナル!

 

伊御がエクスドライバーの4つのスロットにスカル、サイクロン、ジョーカー、エターナルのメモリをセットする。

 

お互いにポーズを取ると共に……

 

伊御&小太郎「変身!!」

 

ガシャット!!

 

伊御はサイクロンメモリとジョーカーメモリを装填したスロットを展開して続けざまにスカルメモリとエターナルメモリのスロットを斜め下に展開し、小太郎はガシャットをセットしてレバーを引く。

 

ガシャーン!

 

サイクロン!

 

レベルアップ!!

 

ジョーカー!

 

巻き起こせ風を!

 

スカル!

 

迸れ疾風!

 

エターナル!

 

シップウニンジャ~~~!!!

 

エクス!!

 

音声が鳴り響き、伊御は仮面ライダーエクス、小太郎は仮面ライダー真風魔となる。

 

真風魔「真風魔もとい風魔小太郎参る!!」

 

エクス「仮面ライダーエクス。俺たちの壁となって立ち塞がるなら壊させて貰う」

 

手裏剣を構える真風魔とスカルマグナムを構えたエクスへとサメヤミー達が襲い掛かる。

 

真風魔「手裏剣嵐!!」

 

エクス「喰らえっ!」

 

ズダダダダンッ!

 

同時に投げられた手裏剣が瞬時に分裂して暴れ狂う嵐の様にサメヤミーをハリネズミにして行き、逃れたサメヤミーはエクスの銃撃に撃ち抜かれてセルメダルへと変えていく。

 

美馬「今時の若いのは凄いな……」

 

コナン「(と言うか風太さん。やっぱり風魔小太郎だったのかよ)」

 

京谷「また来たぞ!」

 

真風魔とエクスを見て言う美馬の前でコナンは半笑いする中で次のサメヤミー群が襲い掛かる。

 

向かって来るのにエクスは冷静にドライバーからサイクロンメモリを抜いてエターナルエッジにセットする。

 

サイクロン!マキシマムドライブ!!

 

音声が鳴り響いた後にエターナルエッジの刃が緑色に輝く。

 

エクス「はあッ!」

 

ビュオオオオオオッ!

 

勢い良く振るうとエターナルエッジから風の刃が放たれる。

 

放たれた風の刃はサメヤミー達を切り裂いてを倒して行く。

 

真風魔「忍法!|雷鳴斬光≪ザンダーサンダー≫!!」

 

続けざまに真風魔が残ったサメヤミーを雷の刃で両断して行く。

 

京谷「……それ、戦隊の技じゃね?」

 

コナン「!まだ来るよ!」

 

何パクってんだよと京谷がツッコミを入れてる隣でコナンが叫んだ直後、今度は本物のサメが複数飛び出してきてエクスと真風魔へ噛み付こうとする。

 

真風魔「斬撃忍法!」

 

それより前に真風魔が刀を手に持って素早く振るい……

 

チン!

 

真風魔「生け作りの舞」

 

鞘へと戻すと共にサメ達は瞬時に体が刺身へと切り裂かれ、何時の間にか用意されていた皿へと綺麗に並べられる。

 

京谷「サメがお刺身に!?」

 

エクス「なかなかの腕前で…;」

 

コナン「ってか忍法の幅広すぎやしませんかねぇ;」

 

驚く京谷とは別に冷や汗を掻くエクスとコナンへと真風魔があれを!と前を指す。

 

誰もが真風魔の指した方向を見ると1隻の船が揺れていた。

 

美馬「あれは、馬淵くんの所の船だ!」

 

エクス「なんであんなところに…」

 

メアリー「とにかく横づけしようよ」

 

良し!と美馬は船を馬淵の船へと近づかせる。

 

横に着くと早速コナンとアンが飛び乗るとそこには散乱した服が沢山あった。

 

コナン「これは……蘭姉ちゃん達が着ていた服だ!」

 

アン「どうやら着替えさせられて海に潜ったみたいね」

 

京谷「なら早く島に行かねぇと…!」

 

服を回収しながら呟くアンに飛び乗った京谷も服に隠されてる形で置かれていたジハドナックルとジハドベルトを回収しつつ戻ろうとし……

 

真風魔「!いけない!皆さん戻って!美馬さん!発進させてください!」

 

美馬「!」

 

何かに気づいた真風魔の叫びに3人は慌てて戻ると共に美馬が急発進させた途端……

 

ドカーーーン!!!

 

後ろで馬淵の船が爆発する。

 

メアリー「うわ、爆弾が付けられてたのか……」

 

エクス「おそらく俺達が見つけて近づくのを予想して仕掛けていたんだろう…」

 

うへぇと漏らすメアリーの後にエクスは危なかったと呟く。

 

アン「馬淵さんは大変ね。船が壊れちゃったし」

 

京谷「あー確かにな;」

 

船の残骸を見て呟いたアンのに京谷は同意する。

 

金欲しさに取引した相手が指名手配犯でしかも貸した船を爆破されてしまったのだ。

 

ダイビングする為の足がないと営業をし続けるのが難しいだろう。

 

エクス「確かに気の毒すぎる…;」

 

メアリー「ま、良い薬になったんじゃない?それよりも島までもう少しだよ」

 

頬をポリポリ掻くエクスにメアリーはそう言う。

 

美馬「しかし島まで行けたとしても2人の女神の入り口は地震で……」

 

真風魔「その時は僕の忍法で道を作ります」

 

コナン「ホント、忍術の幅広くない;」

 

エクス「広すぎるよね…;」

 

どんだけ……と誰もが思う中で真風魔は続ける。

 

真風魔「それと美馬さんは僕達を降ろしたらすぐに島から離れて神海島に戻ってください」

 

美馬「な!?それではお前さん達は戻れないぞ!」

 

エクス「まあそこはなんとかします」

 

京谷「もしもの時は嵐過ぎるまで安全な場所で待機していてくれよ」

 

渋る美馬だったが先ほどの状況を考えて彼らの邪魔になりかねないと判断して分かったと承諾する。

 

美馬「無茶をするんじゃないぞ!」

 

コナン「うん!」

 

アン「島に着くね」

 

美馬の言葉に答えた後に岩場に着く。

 

降りたメンバーへと向けて美馬は見える道を指しながら言う。

 

美馬「そこの道を進んで少し上がって行くと小さな祠があって、2体の女神像がある!入り口はその裏にある!」

 

エクス「わかりました!美馬さんも気を付けて!」

 

ああと美馬が答えた直後、辺りからサメヤミー達が飛び出して来る。

 

さらにその中には腕もサメの顔になっているのが1体いた。

 

コナン「腕もサメな怪人!」

 

エクス「進化系かな?」

 

驚くコナンはエクスに言う。

 

コナン「思い出せ!仁蔵さんが言ってたサメヤミーのリーダーみたいな奴!」

 

エクス「…なるほど。あいつがそのリーダーか。そして俺達を意地でも通さない気か……」

 

真風魔「皆さん。ここは僕に任せて先に進んでください」

 

呻くエクスに真風魔はそう言う。

 

京谷「いいのか?」

 

真風魔「ここで皆で戦っていれば咲殿達に及ぶ危険が高まります。この場では僕が最適です」

 

さあ、早く!と言うと共に真風魔は複数の分身を出現させてサメヤミー達を退かして道を作る。

 

コナン「行こう!」

 

エクス「小太郎くん、気をつけてね!」

 

作ってもらった道を駆け抜けるのを見届けた後に真風魔は美馬にも早く!と叫び、美馬は頷いてその場から離脱する。

 

サメヤミー?「ちっ、抜けられたか」

 

真風魔「!喋れるのか!」

 

するとリーダー格であろうヤミーから女の声が出て来て、真風魔は驚きながら攻撃を避ける。

 

サメヤミー?「まあいいわ。あなたから先に食べてあげるわ」

 

真風魔「否!食べられるのはそちらの方だ!風魔忍者!参る!!」

 

その言葉と共にサメヤミーの腕のサメと真風魔の刀がぶつかり合う。

 

 

 

 

走っていたコナンはロストドライバーとストライカーメモリを取り出す。

 

コナン「京谷、変身できる準備をしとけよ」

 

京谷「ああ、わかってる」

 

そう返しながらジュンオウベルトを装着する京谷から前を見ると石で出来た祠が見えて来て、中を見ると女性を模した2体の石像が祀られていた。

 

コナン「アン・ボニーとメアリ・リードか……」

 

エクス「ってことはこの辺に入り口が……」

 

呟いた後に左側に道が続いてるのに気づいて道なりに進むとひしゃげた金網で閉ざされていたであろう入り口が目に入る。

 

その入り口にコナンは疑問を抱く。

 

コナン「変だな……この大きさだと大人でも通れるぞ」

 

京谷「誰か広げたのか?」

 

エクス「……あ、もしかして…」

 

通れないと美馬が言っていたのに通れる広さなのに疑問を感じる2人にエクスは思い出して声を漏らす。

 

アン「どうしたの?」

 

エクス「もしかして先週の地震で穴が広がったんじゃないかな?ほら、岩永さんが…」

 

コナン「そう言えば言ってたな……とにかくここから変身して行こう」

 

ストライカー!

 

京谷「ああ。早く変身して行こうぜ」

 

敵が怪人を連れていると言うのは分かっているのと目の前で変身したら新一だとバレてはいけないのでこの場で変身態勢に入るコナンに京谷も同意してジュンオウベルトのボタンを押す。

 

アンとメアリーがいるが伊御達の知り合いだし良いかと若干諦め的なのも入っているので黙って貰おうと考えたうえでのだ。

 

コナン&京谷「変身!」

 

ストライカー!

 

シールドフォーム!

 

音声の後に京谷は盾王に変身。

 

コナンはその姿が元の姿の工藤新一になった後に光が纏わりついて足から変わって行き、仮面ライダードライブのカラーを赤い所を青に、ライダースーツを白に変え、胸部分を仮面ライダージョーカーの黒い所を青に、胸のラインの色を紫から白に変えた仮面ライダー、仮面ライダーストライカーに代わる。

 

ストライカー「良し!行くぞ!」

 

メアリー「あ、待った」

 

行こうとした3人はメアリーの待ったによろけかける。

 

ストライカー「なんだよ?」

 

盾王「なんかあるのか?」

 

これとメアリーはストライカーにある物を渡す。

 

それは全体が白でガイアディスプレイに●が増える様にCを描いていた。

 

メアリー「真宵から渡して欲しいって言われたコピーメモリだよ。なんでか分かんなかったけどこんな時用だったみたいだね」

 

ストライカー「コピー?」

 

コピー!

 

どういう効果だ?と思いながらストライカーはコピーメモリを起動させる。

 

するとコピーメモリは輝いた後に光が放出し、その光が形を成すとコナンとなる。

 

ストライカー&コナン?「ええ!?」

 

エクス「コナンくんが…増えた!?」

 

誰もがいきなりのに驚く中でストライカーがすぐさま我に返る。

 

ストライカー「けどこれはこれで好都合か、これなら工藤新一ってのがバレ難くなるからな」

 

盾王「適応早いな;」

 

お前等といたらそうなるよと疲れた口調で返すストライカーにコナン?もうんうんと頷いている。

 

アン「それじゃあ改めて行きましょう」

 

エクス「うん。行こう」

 

アンの号令と共に一同は洞窟へと突入する。

 

ストライカー「(蘭、園子。待ってろよ)」

 

盾王「(無事でいてくれよ……咲!)」

 

安否を願いながらストライカーと盾王は進む。

 

洞窟で待っているのは……




新一「次回『洞窟の中での戦い』、待っていろ蘭!」


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DETECTIVE.Ⅶ~洞窟の中での戦い~

転生者コンビ、リスク&リップに捕まってしまった咲たち
そして明かされる海賊の宝の正体とは?


少し時間を遡り、咲達は頼親島の近くまで来るとここから潜れと指示される。

 

コマンダードーパントの様なドーパントの銃口を突き付けられながら潜る準備を始める。

 

バディア「(こいつら、やはり我々を囮に使うつもり……ん?いや、その必要あるか?)」

 

自分の知識にある展開にするかと考えようとしてすぐさま否定する。

 

4体もドーパントがいるならばわざわざ自分達を連れて来なくても良い筈だ。

 

しかも血も漏れてないからなおさら囮の必要もない。

 

バディア「(じゃあなんで…?)」

 

疑問を感じながら準備を終えた後に海へと潜る。

 

そして驚く。

 

いる筈のサメが全然見えず、何もいない状態であった。

 

止まっていたバディアにコマンダードーパントの様なドーパントが先に行けとばかりに銃口で背中を押す。

 

バディア「(既にサメを片付けていたのか…)」

 

泳ぎながらバディアはさらに自分達を連れて行く事に疑問を感じる。

 

逃げるそぶりを見せた喜美子にシャークドーパントが真横を齧る動作を見せて逃がさないとアピールするのを見ながら見えて来た洞窟に入る。

 

咲「(あ、あそこに明かりが…)」

 

不意打ち防ぎの為だろうリップとリスクにシャークドーパントが先に上がり、その後に咲達が続き、最後に3体のドーパントが来る。

 

リスク「さあ、歩くんだよ」

 

咲「はいはい。分かってるわよ」

 

急かされて咲達は進んで行くとボンベや様々な道具が入った箱が置かれており、水が溜まっていた。

 

リップ「ここでしばらく待つわよ」

 

喜美子「待つって、この水、引き潮になるのね」

 

咲「どれくらい待てばいいのかしら」

 

初めて知ったと驚く喜美子と咲にコマンダードーパントの様なドーパントは余計な話はなしだとばかりに銃を突き付ける。

 

リップ「止めなさいコマンド。傷を付けたらいけないわよ」

 

バディア「(コマンド…それがこいつの名前か)」

 

そんなコマンドと呼ばれたドーパントを見ながらバディアは考える。

 

バディア「(先ほどの話し方…仲間と言うより雇い主と雇われた者の感じに見えるな……そうなると奴も松本達同様に提案に乗って操られている可能性もありえるのか?)」

 

だが、そうなると誰がなっているかだ。

 

正体は誰なのかを自身の知識元に振り絞って考える。

 

バディア「(誰だ…犯人である岩永だった場合、宝をやるからなどと言って唆された可能性があるが……他にも馬淵も可能性があるが上平巡査に連れて行かれたから可能性は低いが……)」

 

一方で咲は自分達を見るリップとリスクの目に悪寒を感じていた。

 

咲「(この二人の目に見られるだけでやな感じがするわね…これなら京谷と一緒に居た方が何倍もマシ……って何考えてるの私)」

 

思わず赤くなりそうになるがリスクの来たわねと言う言葉に水を見る。

 

すると先程よりも水が無くなり、穴が見えていた。

 

リスク「さあ、行くぞ。そこの子2人はこいつ等が用意したボンベを持ちなさい」

 

園子「わ、私達?」

 

そうよと言う言葉に蘭と園子は言われた通りにボンベを持つ。

 

その後は先頭をリップが、最後尾をコマンダーが務めて進んで行く。

 

穴を抜けた先の部屋で目に入ったのに蘭達は驚く。

 

壁に骸骨が描かれているのだ。

 

園子「ホントだったんだ……海賊の話」

 

咲「それじゃあこの先にアンとメアリーの宝が…」

 

そう呟いて前に進もうとしたのを待ちなとリップが止め、シャークドーパントに先に行けと言い、シャークドーパントはそのまま先に行く。

 

しばらくして戻って来たのを見てガスは大丈夫みたいだねと呟く。

 

バディア「扱いが随分と酷いな。ガスがあったらどうするつもりだったのだ?」

 

リップ「あら?こっちとしては助けてあげてるつもりよ?もしも奴だったらあなた達を先に行かせていたわよ」

 

ガスと聞いて青ざめる咲達を後目に睨むバディアへリップは肩を竦めて行くわよと促す。

 

そのまま進み……

 

園子「あぁぁぁぁぁぁぁ!!!?ホネ!ホネェ!?」

 

部屋中に散らばるホネとなった遺体に園子は蘭に抱き着いて絶叫し、喜美子を口を押えて青ざめ、咲は園子程ではないがヒッと悲鳴をあげる。

 

咲「(まさか本物を見ることになんてね…さすがにちょっとドキッとしたわ)」

 

バディア「(知識で知っているとはいえ、やはりきついな)」

 

散らばる遺体達を見て顔を歪める咲達にリップは行くわよとコマンドやソーシャークで脅して進ませる。

 

咲「(こんなにも沢山…一体何人が犠牲になったのかしら)」

 

バディア「(挑んだが良いがガス対策なども出来なかった者達の墓場と言う感じだな)」

 

進みながら倒れている屍を見てゾッとしている咲達を横目にリップとリスクはスムーズに進む。

 

蘭「?何あれ?」

 

しばらく進んでいると壁にもたれた屍が目に入る。

 

リップ「ここが宝への扉ね」

 

んで邪魔ともたれた屍を蹴り飛ばすと穴にはめ込まれていた枝を外す。

 

改めて見て壁だと思っていたのは扉で、穴は剣と銃を重ねたのが4つあった。

 

リップはカットラスとピストルを取り出した後にふと、何を思ったのかバディア達に振り返る。

 

リップ「そうだ。あんた達。ここで問題を出すからもしも正解出来たら私達の目的を教えてあげるわ」

 

園子「問題?」

 

咲「……もしかして何処にはめるのか当てろってこと?」

 

正解と返すリップのにリスクはやれやれと肩を竦める。

 

リップ「間違えれば罠として矢が飛んで来るタイプだから1発で当てれば良い。ただし2回目はなし」

 

蘭「……どうする?」

 

バディア「……よし、我がやろう」

 

そう言ってバディアが前に出る。

 

喜美子「あ、危ないわよ!」

 

バディア「大丈夫だ。えっと……確か剣がここで。銃が……ここか」

 

怯えながら言う喜美子にそう返しながらバディアは左上にピストル、右下にカットラスを入れる。

 

バディア「…かつてアンとメアリーは背中合わせに戦った。だからカットラスとピストルもお互いに背中合わせになる様に入れればいいのだ」

 

理由を述べた後に少しの揺れと共に扉が開いて行く。

 

リップ「正解よ」

 

リスク「さあ行きましょ」

 

その言葉と共に中へと入る。

 

そして目に入ったのに誰もが驚く。

 

喜美子「これは……!?」

 

咲「ふ、船…!?」

 

目の前に鎮座している船に誰もが驚いた瞬間、バディアはスプレーの様なのを向けているリップに気づいて慌てて、近くにいた蘭と園子を引っ張り、咲も慌てて下がって口や鼻を抑える。

 

ぷしゅーーー!!

 

喜美子「きゃっ!あ……」

 

気づくのに遅れてスプレーから出た煙を浴びた喜美子は力抜けて崩れ落ちる。

 

その後に寝息を出しているのからクロロホルムを吹きかけられたと判断する。

 

リップ「あら、素早い行動だ事」

 

バディア「いきなり何をする」

 

睨むバディアは怖いわねとリップとリスクは肩を竦める。

 

園子「そうよ!目的を答えるんじゃなかったの!?」

 

咲「…まさか、これがその目的なのかしら」

 

怒鳴る園子の後に咲が警戒しながら問う。

 

リスク「ええ、正解よ」

 

リップ「私たちの目的はあなた達。最初は毛利蘭と鈴木園子だけだったけど、まさか他にも綺麗な女の子がいてくれたのだからね」

 

くすくす笑いながら言った2人のにバディアは先ほどの悪寒から察する。

 

バディア「(こいつらやっぱりレズか!しかもヤバい方の!)」

 

後ずさろうとするバディア達だがドーパント達に阻まれて距離を離せられない。

 

咲「(っ、京谷…!)」

 

蘭「(新一……!)」

 

もうダメかと思われた時……

 

???「伏せろ!!」

 

その言葉と共に何かが来る音に咲とバディアは園子と蘭と共にしゃがみ込むとドーパント達をすり抜けてボールが飛んで来て、リップとリスクの手に握られていたスプレーへと炸裂する。

 

リップ&リスク「きゃっ!?」

 

痺れる手を抑える2人の後ろに転がって行くスプレーを見た後にドーパント達が前に吹き飛ぶ。

 

誰もが飛んで来た方を見る。

 

ストライカー「大丈夫か蘭?」

 

盾王「大丈夫か、咲!」

 

蘭「新一!」

 

咲「京谷!」

 

前に出て自分達を庇うストライカー、盾王、エクスに誰もが顔を輝かせる中でリップとリスクは驚いた顔で並び立つ面々を見る。

 

Cコナン「蘭姉ちゃん、園子姉ちゃん!大丈夫!!?」

 

蘭「コナンくん!うん」

 

園子「助かった!」

 

慌てて駆け寄って来るCコナンに蘭と園子は安堵の息を吐く。

 

リップ「か、仮面ライダー!?」

 

リスク「しかも見たことないのばっかり!?足止め役はなにしているのよ!」

 

苛立ち気に言うリスクにストライカーは前に出る。

 

ストライカー「話はさっき来た時に聞いたぜ。お前達に蘭を渡さねえ!!」

 

蘭「(し、新一///)」

 

園子「(こやつ、無意識に言うとるわ)」

 

盾王「てめぇら、俺の咲に手を出そうとしやがって!ぜってぇゆるさねえ!」

 

咲「京谷のくせにカッコいい台詞言うなんて……カッコつけ過ぎよ」

 

力強く言う2人に蘭は顔を真っ赤にし、咲はいつも通り茶化すが内心マッカッカであった。

 

リスク「男共がいい気になって…!」

 

リップ「私たちの力で全部奪ってやるわ!」

 

その言葉と共に2人はある物を取り出す。

 

メアリー「あれは……眼魂?」

 

バディア「一体どんな偉人の……!まさかッ!?」

 

2人はスイッチを押して自分の胸に埋め込む様に押し込むとその姿を変える。

 

その姿は歴史の教科書で見るアンとメアリーを眼魔にした様な怪人であった。

 

ストライカー「あの姿は!」

 

エクス「まるでアン・ボニーとメアリー・リード!」

 

驚くエクス達に楽しそうにボニー眼魔とリード眼魔は笑う。

 

ボニー眼魔「ええ、その通りよ」

 

リード眼魔「私たちこそ現代に蘇った女海賊。現代のアンとメアリーと言っても過言ではないわ」

 

メアリー「そうかな?お前達は海賊じゃないよ。もどきだ」

 

笑っていた2人の眼魔はメアリーの言葉に笑いを止めて殺気を出す。

 

アン「そうね……私達を前にそう言うなんて呆れるわ」

 

リード眼魔「は?私達を前に?」

 

ボニー眼魔「つか、あんたら誰?なんかゲームのキャラにそっくり………あ」

 

前に出たアンとメアリーに殺気を出していたが顔を見て戸惑う様にアンとメアリーを交互に見る。

 

メアリー「皆、この2人はボク達が相手を務めるからドーパントの相手を宜しく」

 

盾王「お、おう…」

 

楽し気に笑うメアリーはアンと共にある物を取り出す。

 

それはゲーマドライバーであった。

 

アン「ホント、ランスロットとティーチから念の為借りといて良かったわね」

 

メアリー「だね」

 

装着しながら言葉を交わした後に次にガシャットを取り出して起動させる。

 

バンバンカリビアン!!

 

タドルヴォエッジ!!

 

エクス「バンバンカリビアンとタドルヴォエッジ……海賊と航海?」

 

バディア「おい、伊御。あの二人はもしや…」

 

変身するのかと聞くバディアにいや、ならない筈とエクスが返してる間にそれぞれ構え……

 

アン&メアリー「変身!!」

 

ガシャット!

 

ガシャーン!

 

レベルアップ!!

 

同時にセットしてレバーを展開し、現れたパネル群の1つをそれぞれ蹴り飛ばして戻って来たパネルを潜り抜ける。

 

バンバンババーン!バンバンババーン!バン・バン・カリビア~ン!!

 

タドルメグル!海を渡れ!タドルヴォエッジ~~!!

 

音声の後に仮面ライダーとして姿を現す。

 

アンは海賊をイメージしたアーマーを装着し、海賊帽なヘッドアーマーを纏ったスナイプ。

 

メアリーは海賊イメージした黒マントを靡かせ、黒い船を模したアーマーを纏ったブレイブ。

 

メアリー→ブレイブ「メアリー・リード改め仮面ライダーブレイブヴォエッジゲーマー。フルスロットルで行くよ」

 

アン→スナイプ「アン・ボニー改め仮面ライダースナイプカリビアンゲーマー。本当の海賊の流儀を教えてあげますわ」

 

園子「嘘!?」

 

蘭「2人がアン・ボニーとメアリ・リード!?」

 

咲「あ~やっぱり驚くわよね;」

 

バディア「(しかもライダーアイテムも持っているとは…一体何処から来たんだ?)」

 

構えるブレイブとスナイプを見て驚く2人に咲はあははと苦笑する中でバディアはうーむと唸る。

 

一方でリード眼魔とボニー眼魔は後ずさりながらドーパント達に命令する。

 

リード眼魔「ど、ドーパント達!あの男性ライダーたちを相手して隙見て女たちを捕まえて!」

 

ボニー眼魔「私たちはあの二人を相手するから、男どもを殺してやりなさい!!」

 

その言葉と共にドーパント達はエクスたちへと向かう。

 

盾王「咲、危ないから離れてろ!」

 

咲「京谷、私のベルトは!」

 

言われて京谷はそうだったとジハドナックルとジハドベルトを取り出して投げ渡し、バグラットもバディアの元へ向かう。

 

バグラット「待たせたな主!」

 

バディア「バグラット。よくぞ伊御たちに連絡してくれた。2人はコナンと共に下がっていてくれ」

 

園子「わ、分かった」

 

バグラットを褒めてから園子と蘭へと言い、2人とも頷いた後にコナンと共に安全な所へ走る。

 

咲「今までの分、纏めて何倍にして返しに行くわよバディア」

 

バディア「うむ!行くぞ!」

 

その言葉と共に咲はジハドベルトを装着し、バディアもバグラットを噛ませてバグラットベルトを出現させ……

 

咲&バディア「変身!!」

 

フィ・ス・ト・オ・ン!

 

同時にセットしてジハドとバグラに変身する。

 

蘭「咲さんとバディアさんも仮面ライダー!?」

 

園子「マジか」

 

変身した2人に蘭と園子は驚く。

 

ジハド「仮面ライダージハド&バグラ。ここに参戦よ」

 

バグラ「今までの分、返させてもらうぞ」

 

その言葉と共にドーパント達は襲い掛かる。

 

それぞれストライカーとエクスはコマンドドーパント

 

ジハドはハンマーヘッドドーパント

 

盾王はソーシャークドーパント

 

バグラはシャークドーパントを迎え撃つ。

 

 

 

 

所変わり、スペクターとネクロムはサメヤミーの集団を一気に倒す所であった。

 

ダイカイガン!スペクター!

 

ダイテンガン!ネクロム!

 

オメガドライブ!!

 

オメガウルオウド!!

 

音声の後にそれぞれの背に浮かんだ紋章が2人の右足にエネルギーとして収束した後に同時に飛び上がり……

 

スペクター&ネクロム「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

同時にライダーキックを炸裂させて、殲滅する。

 

スペクター「はい、いっちょあがり」

 

ネクロム「肩慣らしにもならんのう」

 

手をパンパンさせるスペクターの隣でネクロムは肩を回しながら呟く。

 

 

 

 

また変わり、真風魔もまた決めようとしていた。

 

サメヤミー?「ばかな、この強化されたサメヤミーなのに!?なぜ圧倒される!?」

 

真風魔「あなたは戦闘の経験が少なかった。それだけです」

 

そう言って悪あがきに地面に潜るサメヤミー強化態だが、真風魔が印を組んで地面を叩けば強い振動が起きてそのまま引き摺りだされる。

 

ガチューン!

 

真風魔「我が切り札を魅せよう!」

 

そう言って抜いたガシャットをキメワザスロットにセットする。

 

ガシャット!

 

キメワザ!!

 

音声と共に真風魔を起点に地を走る炎がサメヤミー強化態と残っていたサメヤミー軍団の周りを一周して包囲すると真風魔の周りに忍者プレイヤーが現れる。

 

真風魔「即ち此処は阿鼻叫喚…大炎熱地獄!!」

 

シップウ!クリティカルストライク!!

 

響き渡る音声を合図に忍者プレイヤーと共に素早い動きで炎の輪で動けないサメヤミー強化態を切り刻んで行く。

 

真風魔「イモータル・カオス・ブリゲイドハリケーン!!」

 

最後に巨大なエネルギー刃で両断する。

 

会心の一発!!

 

サメヤミー強化態「り、リップ様!!リスクさまぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

ドカァァァァァァァァン!!!

 

断末魔と共に起こった爆発を背に真風魔は拝む様に両手を合わせ……

 

真風魔「南無阿弥陀仏」

 

そう呟く。

 

爆発が収まった後には気絶した女性だけが残り、真風魔は近づこうとする。

 

が、その前に地面から穴が開く様に現れ、女性はその穴に落ちる。

 

それに真風魔は驚いていると穴から先ほどの女性とは別の人物が現れる。

 

真風魔「あ、あなたは……」

 

現れた人物は警戒する風魔にニコリと微笑む。




Cコナン「次回!『海賊船浮上』!最後に出たのは誰だ?」


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DETECTIVE.Ⅷ~海賊船浮上~

ドーパント達と戦うエクス達。

その中で盾王は新たな力を見せる。



ストライカー「この!」

 

エクス「くらえッ!」

 

改訂洞窟でコマンドドーパントへと同時に攻撃を仕掛けるストライカーのボールとエクスの銃撃にコマンドドーパントは避けると右腕を構えて2人に向けて銃弾を放つ。

 

ストライカー「おっと!」

 

エクス「よっと」

 

飛んで来る銃弾を2人は走って避けたりしているとコマンドドーパントは撃っていた腕を抑える。

 

ストライカー「!隙が出来た!」

 

エクス「今なら…!」

 

ストライカー!!

 

スカル!!

 

その隙を見逃さず、2人はメモリを抜いて、ストライカーはベルトのマキシマムスロットに、エクスはスカルマグナムにスカルメモリをセットする。

 

ストライカー!マキシマムドライブ!!

 

スカル!マキシマムドライブ!!

 

ストライカー「いっけぇ!!」

 

エクス「決まれ…ッ!」

 

同時に放たれたエネルギーボールと髑髏型銃弾にコマンドドーパントは避けようとするがそれより早く2人の必殺技が炸裂する。

 

コマンド「!!?」

 

ドカァァァァン!!

 

爆発四散した後、2人は煙が晴れるまで警戒していると煙の中から現れたのは……

 

岩永「う、うう……」

 

呻き声をあげる岩永であった。

 

エクス「! 岩永さん。あなたがコマンドドーパントだったんですね」

 

ストライカー「やっぱりな」

 

呻き倒れている岩永に確信を得た様子でストライカーは近づく。

 

ストライカー「さっきの右腕が痛んだ様に動いたからドーパントにされてるのはこの人だってのは分かってたが、あの女海賊もどき達に騙されてドーパントにされちまったんだな」

 

エクス「とりあえず岩永さんを安全な場所に運んでおく?」

 

呆れた声で岩永の右腕を見ながら呟いたストライカーにエクスはそう提案する。

 

ストライカー「その方が良いな。俺が運ぶからエクスは他の奴の援護に向かってくれ」

 

エクス「分かった。気をつけてね」

 

そう言って肩に岩永を抱き上げるストライカーと分かれてエクスはメンバーの元へと向かう。

 

 

 

 

ハンマーヘッドドーパントと戦うジハドは苦戦していた。

 

地面を泳ぐ様に移動しながら攻撃を素早く仕掛けて来るハンマーヘッドドーパントに翻弄されているのだ。

 

ジハド「さっきから潜って攻撃、潜って攻撃の繰り返し…面倒ね」

 

ジハドマグナムで潜った所を攻撃してるが全然手ごたえがないのでジハドは仮面の中で眉を顰める。

 

ハンマーヘッド「!」

 

ジハド「っう…!」

 

続けて来たのに体のアーマーから火花を散らしながらホントどうすればと思った時……

 

エターナル!マキシマムドライブ!!

 

ハンマーヘッド「!!?」

 

鳴り響く音声の後にハンマーヘッドは体中から電撃が漏れ出して潜ること無く地面に滑る。

 

エクス「大丈夫か崎守さん」

 

ジハド「音無くん!」

 

駆け付けたエクスはよろめいて立ち上がるハンマーヘッドドーパントを見る。

 

エクス「奴のメモリの力を封じたからこれで好き勝手は出来なくなったよ」

 

ジハド「ありがとう。これでまともに戦うことができるわ」

 

今までのお返しと向かって来たハンマーヘッドドーパントにジハドは連続で殴り、続けざまにジハドマグナムでの銃撃を浴びせたりして行く。

 

ジハド「このまま決めるわ!」

 

その後に相手が逃げれない様に倒れた所をみつえながらマグナムフエッスルをセットする。

 

ジ・ハ・ド・マ・グ・ナ・ム・ラ・イ・ズ・ア・ッ・プ!

 

ジハド「ホーリ―ライズジハド!」

 

トリガーを引くと共に放たれた強烈な銃弾にハンマーヘッドドーパントは腕で防ごうとするが防げずに直撃し……

 

ドガーーーン!!

 

爆発四散する。

 

ジハド「ふぅ…音無君のおかげで勝てたわ。ありがとね」

 

倒れ伏した田山から目を外して言うジハドにいやいやとエクスは手を振る。

 

 

 

 

少し時間を戻してバグラはハンマーヘッドドーパントと同じ戦い方をするシャークドーパントに溜息を吐く。

 

バグラ「まるでゾディアーツのピスケスみたいな奴だな」

 

バグラ「(さてこの面倒なのをどう倒すかだが……ゴールドではないから苦戦はしないがこうも動き回れると必殺技を出しづらいし、下手な場所に当たって洞窟が崩れたらいけないからな……)」

 

攻撃を捌いたり、かわしたりしながら思案していると……

 

シャークドーパント「!!?」

 

動き回っていたシャークドーパントは火花を散らして地面に落ちる。

 

バグラ「む?これは…エクスの仕業か」

 

突然の現象を察した後にならばとウェイクアップフエッスルを取る。

 

バグラ「この隙にやるぞバグラット」

 

バグラット「了解!ウェイクアップ・ワン!」

 

音声の後に飛び上がると共に天井に足を付けてから勢い良くシャークドーパントへと向けて突撃し……

 

バグラ「アストラルブレイク!!」

 

エネルギーを収束させた右足で強烈なキックを叩きつける。

 

シャークドーパント「!!?」

 

ドカーン!!

 

バグラ「転生者と関わったのが運の尽きだったな」

 

爆発を背にしながらバグラはそう呟いた。

 

 

 

 

ソーシャークドーパント「!!」

 

盾王「おりゃぁあ!」

 

ソーシャークドーパントと戦う盾王は両腕を剣に変えて斬りかかってくる相手に防戦になっていた。

 

気合を入れてはいるが相手の猛攻で防御に回すしか出来ない。

 

……そう、()()が出来るまでの盾王ならばの話になるが……

 

ソーシャークドーパントの距離を取った盾王はジュンオウベルトのシールドとアタックの両方のボタンを同時押しするとベルトから光りが放出された後に盾王の手に集まって1つの盾となる。

 

それは電光超人グリッドマンに出るバリアーシールドの赤い所を紫色に変えて、上部分に収納スペースを追加し、ゼロガッシャーのボウガンモードの奴を持ち手を長くして槍を収納しているので盾王は取り出したライダーパスを槍の持ち手部分にあるスロットに差し込む。

 

ガーディアンフォーム!

 

音声が鳴り響いた後に盾王のアーマーが消えてプラットフォームになった後に足から紫色に染まって行き、体に電王ライナーフォームのアーマーの赤い所を紫色に変えたのが装着され、最後に顔に右側が剣、左側が盾をイメージした複眼になったデンカメンが装着されると共に複眼が光輝いて変身完了となった。

 

盾王「盾王・ガーディアンフォーム!喋れない奴相手にだが、試運転的な意味でも試させてもらうぜ!!」

 

その言葉と共にソーシャークドーパントは両腕を振るうが盾王が持っている盾で防ぐとソーシャークドーパントは仰け反り、盾王はそのまま盾を突き出して吹き飛ばす。

 

転がるソーシャークドーパントをみつえながら盾王は盾の強度や使い心地に感嘆する。

 

盾王「こりゃすげぇ!この強度なら…!」

 

先程やった事をもう1回して向かって来たソーシャークドーパントの胸元に炸裂させて吹き飛ばすのを見ながら真宵に最初に見せて貰った時のを思い出す。

 

真宵『と言う訳でこれが新兵器、ガーディバリアとアンランスじゃよ。一応変身と必殺技発動の要でもあるアンランスがメインウェポンじゃけど、ガーディバリアもアンランスに引けを取らない様に攻守を同時に出来る防具でもあり武器でもあり、フォームの象徴で盾王の名に相応しいのに仕上げてるから京谷さんも満足の逸品に仕上げれて良かったじゃよ……あ、呼び出し方はベルトのボタン2つを同時押しじゃよ』

 

盾王「(流石だぜ真宵。アダムに頼ってばかりじゃない俺の望んでいた攻撃もできる守る力!)」

 

そのままガーディバリアで攻撃し続けているとソーシャークドーパントは全身から火花を散らし、腕が元に戻る。

 

盾王「お、これもしかしてチャンスか。よし!」

 

それを見て決めようとする盾王にやられるかとソーシャークドーパントは飛び上がると鼻先の吻を突き出して急降下してくる。

 

盾王「おらあッ!」

 

それに盾王は慌てずガーディバリアを突き出して応戦する。

 

バキン!!

 

同時にぶつかり合った結果、ソーシャークドーパントの吻が折れて、ソーシャークドーパントは悶え苦しむ。

 

盾王「これでトドメだ!」

 

みつえながらアンランスにセットされていたライダーパスを抜いて再びセットする。

 

フルチャージ!!

 

音声が鳴り響いた後にガーディバリアの表面にエネルギーが収束して行き……

 

盾王「喰らえ!ブラストブレス!」

 

音声が鳴り響いた後にガーディバリアの表面にエネルギーが収束して行き、ガーディバリアを中心に壁を作り出した後……

 

盾王「喰らえ!ブラストブレス!」

 

壁の中心となっているガーディバリアをソーシャークドーパントへ向けて殴り飛ばす。

 

迫る壁にソーシャークドーパントは逃げようとするがそれよりも早く壁にぶつかり、そのまま洞窟の壁に挟まれ……

 

ドカァァァァァァァン!!

 

爆発四散する。

 

盾王「よしゃぁあ!」

 

喜びの声をあげる盾王へとエクスとジハドが駆け寄る。

 

エクス「京谷も勝ったんだな」

 

ジハド「って何よその姿!?」

 

驚くジハドに盾王はへへっと笑う。

 

盾王「おう、壁にべっちゃんこにしてやったぜ」

 

エクス「……え?壁に?」

 

聞き返すエクスに盾王は首を傾げる。

 

盾王「ん?どうしたんだ伊御?」

 

エクス「いや、ここって海の下にある洞窟だろ?洞窟の壁にそんな衝撃を与えたりしたら…」

 

あ……言われて盾王はソーシャークドーパントこと伊豆山のいる方を見る。

 

倒れた伊豆山の後ろの壁にひびが走っている所であった。

 

 

 

 

スナイプ「はあ!」

 

ブレイブ「それそれ!!」

 

一方でリード眼魔とボニー眼魔を相手に2人は余裕で追い詰めていた。

 

リード眼魔「つ、強い…!」

 

ボニー眼魔「これが本物のアンメアのコンビネーション…!」

 

変身してるとはいえ、そのコンビネーションに2体の眼魔は慄く。

 

ブレイブが接近して斬り付けてる隙を突こうとすればスナイプがそれを妨害し、スナイプを狙おうとすればブレイブが妨害する。

 

背中合わせでなくても相棒と的確に連携を取る伝説の女海賊達に蘭と園子は感嘆する。

 

ブレイブ「モドキにボク達が負けると思う?」

 

スナイプ「そういう事♪」

 

ボニー眼魔「モドキとは言ってくれるじゃない」

 

リード眼魔「モドキでも本物に勝てたりするのよ!」

 

ガシャーン!

 

そう言って向かって来るのをみつえながらブレイブとスナイプはガシャットを抜き……

 

ガシャット!!

 

ガシャコンウェポンのキメワザスロットにセットする。

 

キメワザ!!

 

ブレイブ「確かにそう言うのもある。けど、君達じゃあ無理!」

 

タドル!クリティカルアバランチ!!

 

鳴り響く音声の後にブレイブはリード眼魔とボニー眼魔へと連続斬りを浴びせて行き……

 

ブレイブ「アン!」

 

スナイプ「はいは~い」

 

バンバン!クリティカルスナイプ!!

 

最後にスナイプがライフルモードのガシャコンマグナムで狙いを定め……

 

スナイプ「バーン☆」

 

トリガーを引くと共に巨大な光弾が放たれて動けない2体の眼魔へと向かって行く。

 

ボニー眼魔「あ、これ…」

 

リード眼魔「ちょっとヤバ…」

 

迫る巨大光弾に2体の眼魔は呟いた後、光弾は炸裂して入り口まで吹っ飛んだ後……

 

ドカァァァァァン!!

 

爆発を起こす。

 

スナイプ「ミッションクリア……ってね♪」

 

ブレイブ「海賊をなめんなよってね」

 

そう呟いた後に2人は変身を解除した直後、地面が揺れる。

 

蘭「な、なに!?」

 

ストライカー「地震か!?」

 

盾王「あー…伊御。これってやっぱり…」

 

揺れに誰もが驚いていると盾王の技でひび割れた所から水が噴き出す。

 

ストライカー「やべぇ!」

 

エクス「早く脱出を…!」

 

ドーン!!

 

意識を失っている松本達と共に彼らを抱き抱えて行こうする前に入り口に落石で塞がれてしまう。

 

園子「入り口が!?」

 

ジハド「これじゃあ脱出できないじゃない!?」

 

誰もが驚く中でストライカーは何かが漏れ出すような音に気づく。

 

ストライカー「やべぇ!ガスだ!」

 

Cコナン「早く船に行こう!」

 

エクス「ってあ、そう言えば転生者の二人って…」

 

メアリー「丁度埋もれた入り口の方だから……運良く生きていると良いね」

 

それに気づいたストライカーとCコナンの後のエクスのにメアリーがそう言う。

 

とにかく喜美子含めた意識のない5人を船に運び終えると水かさが増して船が浮かび出す。

 

ストライカー「ヤバいな……このままじゃあガスもそうだし、水で満たされて窒息死しちまう……」

 

バグラ「だがどうする?どうやってこの海底の洞窟から脱出するのだ?」

 

増えて行く水を見ながら呟いたストライカーにバグラは周りを見渡しながら聞く。

 

同じ様にアンから回収されていた服をビキニの上から着た蘭と園子も不安そうに見ている。

 

しばらくすると水で付けられていた火が消える。

 

盾王「ゲッ、灯りも消えちまった」

 

エクス「かなり真っ暗になったな…」

 

誰もが焦る中でストライカーは天井を見ながら考える。

 

ストライカー「(ガスはおそらくメタンガスだから天井に溜まっている筈……そのガスを使えば……)皆聞いてくれ!ここから脱出する方法を考えた!」

 

ジハド「ホント!?」

 

バグラ「どんなアイデアだ?」

 

聞くバグラに頷いてからストライカーは説明する。

 

ストライカー「今天井にはメタンガスが溜まっている。そこに火種をぶつける事でガスを爆発させてこの船事脱出しようって奴だ。海水が流れ込んでるって事はここの岩の厚さはそこまでないから爆発させればこの船も通れる大きさに出来る筈だ」

 

盾王「おお、なるほど!」

 

エクス「でも爆発させて落ちてくる岩にこの船が耐えれるかが重要なところだよね」

 

蘭「そこは大丈夫なの?」

 

アン「ああ、大丈夫よ」

 

説明を聞いて納得した盾王はエクスのにそう言えばと気づき、不安に聞いた蘭にアンが問題ないと答える。

 

誰もがアンへ顔を向けるとアンは胸元を弄ってそこから数枚の札を取り出す。

 

ストライカー「それは?」

 

アン「この船を無傷で手に入れる為に知り合いの魔術王さんに頼んで作って貰った防護札よ♪」

 

エクス「知り合いの魔術王?」

 

バグラ「おい、話している時間は無さそうだぞ」

 

聞こうとしたエクスはバグラの言葉に水かさが増して天井に迫っている事に気づいてそうだねとアンから札を受け取ってメアリーとバグラと共に各所に張り付けに行き、ジハドと盾王は蘭と園子とCコナンと共に船室へと5人を運んで行く。

 

ストライカーは転がっていた鎖を手に取って天井へと蹴る場所へと角度を調整する。

 

ストライカー「準備は良いか?」

 

ジハド「ええ、OKよ」

 

盾王「準備ばっちりだぜ!」

 

確認するストライカーに船室の扉の前でジハドと盾王が答える。

 

ストライカー「行くぞ……!」

 

ストライカー!!

 

鎖をみつえ、ストライカーメモリをマキシマムスロットにセットする。

 

ストライカー!マキシマムドライブ!!

 

ストライカー「いけぇぇぇぇ!!」

 

駆け出してエネルギーを収束させた右足で鎖を蹴り上げると共に船室へと駆ける。

 

蹴り上げられた鎖は天井にぶつかり……

 

ドカァァァァァン!!!

 

ストライカーが船室へと入り、扉を閉めると共に船に張り付けられた札が輝くと船は光の膜に包まれて迸った爆風と衝撃から守って行く。

 

Cコナン「衝撃が来ない……」

 

メアリー「さっすが魔術王……女になってもその腕は変わんないね」

 

エクス「…ちょっと待て。今なんて言った!?」

 

ひゅ~と口笛を吹いたメアリーのにエクスは思わず聞く。

 

メアリー「ん?何か?」

 

盾王「今、とんでもないのを聞いた気がするんだが……」

 

エクス「魔術王が女になってってのを聞いたよな?」

 

え?と顔を見合わせる2人の隣でバグラも戸惑っており……

 

バグラ「(魔術王って言うとソロモンのことだよな?それが女性になったってどういった世界だ!?)」

 

心の中で思わず前世の口調に戻ってしまう程であった。

 

戸惑ってるライダー達に知らない面々は首を傾げる。

 

アン「その様子だと魔術王の事も知ってるのね」

 

エクス「あーうん。ちょっとね…」

 

困った様に返してる間、海上へと浮上するのを待つ。

 

 

 

 

一方、暴風雨が収まった事で美馬の運転の元、島へと向かう小五郎達に続く様にネオサメヤミーを倒して合流した真風魔が作った大型イカダに乗ってつみき達も向かっていた。

 

つみき「……まさかこんな大きなイカダに乗ることになるなんてね…」

 

真宵「色々と忍術凄すぎなんじゃよ;」

 

真ん中で仁王立ちしている真風魔を見ながら呟くつみきにある道具を持ちながら真宵は冷や汗を掻く。

 

段蔵「あの、真宵殿。それは一体?」

 

真宵「ん?あぁ、これは万が一の時に使おうと思ってる秘密アイテムじゃよ」

 

榊「秘密アイテム?」

 

なんじゃそりゃあと思っているとスペクターがおっ?と声を漏らす

 

スペクター「どうやら来るみたいだよ」

 

正邪「ん?来るみたいって…」

 

針妙丸「何も見えない…え?」

 

誰もがスペクターの見ている方を見て海しか見えないと思った時、水疱が出ているのに気づく。

 

バシャーン!!

 

大きな水しぶきと共にそれは海から姿を現した。

 

太陽を背に飛び出したそれはまるで自らを示す様に勇ましさを見せつける。

 

目暮「おお……」

 

美馬「あ……あ……」

 

高木「か、海賊船……」

 

姫「ふぇえええええ!?」

 

佳奈「なんで海から海賊船!?」

 

その雄姿に大人達は言葉が出ず、真宵達も驚きを隠せなかった。

 

すると海賊船の舷へ近寄る蘭と園子、変身を解いた咲にCコナンの姿が見えた。

 

小五郎「蘭!」

 

姫「園子さんも無事みたいですぅ!」

 

佳奈「咲ちゃんもだ!」

 

誰もが大丈夫だったのに喜び、蘭も手を振る後ろでストライカーは盾王とエクスと共にこそこそ話をしていた。

 

ストライカー「(で、この先俺どうするべき?このままの流れで付いて行くのはあんまな……)」

 

エクス「(隙を見てコピーコナンくんと隠れてからコピーコナンくんを消して、変身解いてみる?)」

 

盾王「(けどよぉ、船の中でやったら不自然にならねえか?しかも毛利さん、絶対に降りるまで近くにいる可能性高いぞ?)」

 

うーーーむと3人は困り果てた時だった……

 

ドドーン!!!

 

突如船の近くで大きな水柱が出来上がって揺れが起きる。

 

榊「うおっ!?」

 

正邪「な、なんだ?!」

 

突然の揺れに誰もが慌てて落ちない様にする中でCコナンが船の正面を見て叫ぶ。

 

Cコナン「あれだ!」

 

エクスとストライカーも船の正面から見て驚く。

 

見えたのは沢山の砲門を搭載した幾つもの帆がある戦艦であった。

 

ストライカー「おいおい、どこの犬のホームズの映画に出た戦艦だよ!?」

 

エクス「あれって…!」

 

驚きの声をあげるストライカーの後にエクスがまさかと思った後、高笑いと共に船に乗ったリップとリスクが現れる。

 

咲「あの二人、生きていたのね!?」

 

バグラ「ってことはあの戦艦は……やつらの転生特典か!」

 

驚いた咲はバグラのにん?となり、バグラは前世の口調が戻ってるのを誤魔化す様に咳払いする。

 

リップ「さっきはよくもやってくれたわね!ライダー達!」

 

リスク「これから何十倍にして返してあげるから覚悟しなさい!」

 

その言葉の後に現れた戦艦の後ろに向かうと船尾の一部分が開き、そこにリップとリスクの船が入る。

 

リスク『さあトレジャークイーン号!大暴れの開始よ!総員戦闘配置につきなさい!』

 

その言葉と共に砲門が一斉に動き、海賊船の砲を向くと火を噴いた。

 

榊「撃ってきたぞ!?」

 

真宵「ば、バリアフィールド!周辺に展開じゃよ!」

 

揺れてる中で真宵がそう言って持っていたのを使用すると辺りが不思議な膜に覆われる。

 

お竜「おお、何したんだ?」

 

真宵「この辺一帯をバリアフィールドで覆ったんじゃよ。前の事件のように周りに被害が出ないようにと島の人達に知られない様にする為に開発したんじゃな~」

 

佳奈「おお、凄いねそれ!」

 

真風魔「とにかくアン殿達の船に合流しましょう」

 

そう言って真風魔は分身の術を使って小五郎達の乗る船に乗り……

 

真風魔「浮遊の術!!」

 

術を発動すると船とイカダが浮かびあがり、小五郎達の船は甲板に降ろされ、イカダも甲板に置かれるとイカダだけ消えて、イカダに乗っていた面々はすこしよろけながら甲板に降り立つ。

 

小五郎「な、なにが起きたんだ?」

 

高木「浮かびましたよね今?;」

 

つみき「と言うか船どっちも浮かばせるなんて凄いわね…;」

 

エクス「忍法、凄いな…」

 

船から降りて呆気にとられる小五郎達と冷や汗を流すつみきを見ながらエクスはそう呟く。

 

ズドーン!ズドーン!

 

感嘆している間も砲撃は止まず、船の周りに水柱が噴き出す。

 

ストライカー「くそぉ、このままじゃあジリ貧だ……」

 

エクス「なんとかしてあの砲撃を止めないと…」

 

真宵「それならこれを使うんじゃよ!」

 

呻くストライカーとエクスに真宵はにょほほと笑ってスマホを取り出す。

 

真宵「ほいっとな」

 

そのままあるアプリを押すと扉の様なのが出現した後にそこから何かが飛び出してエクスの前に来る。

 

それはバイクでエクスには見覚えのある、真宵がエクスの専用バイクとして開発したエクスサイクラーであった。

 

エクス「これって…エクスサイクラー!」

 

空中をも飛行できるエクスサイクラーに確かにこれならとエクスは跨り、ストライカーも後ろに乗る。

 

ストライカー「俺も行かせて貰うぜエクス(それと、終わったらそのまま島に行ってくれ)」

 

エクス「(ああ、わかった)落ちないよう気をつけろよ」

 

小声も交えて言葉を交わした後にエクスはエクスサイクラーのエンジンを始動させて飛び上がる。

 

真風魔「では、自分も!」

 

その後に美馬の船を安全な場所へと忍法で移動させた真風魔も舞空の術で後に続く。

 

榊「俺達はどうする?船から援護でもするか?」

 

姫「で、でも、今警部さん達いますよ?」

 

見送りながら問う榊に姫は目暮達を見て困った顔をする。

 

正邪「確かに警察にバレると色々厄介だよな…」

 

針妙丸「…ねぇ、正邪。あっちの戦艦から何か向かってきてない?」

 

腕を組んで唸った正邪は針妙丸のに他のメンバーともども見る。

 

すると海からサメヤミー達が迫って来るのに気づく。

 

ネクロム「なんじゃ、まだ出っとな……ゴキブリん様にしつけとう……」

 

咲「確かに増殖系のヤミーって1体いたら30体は必ず居るって言うわよね」

 

バグラ「…言うのかそれは?」

 

呆れたように言うネクロムのにそう呟いた咲のにバグラは唸る。

 

スペクター「とにかくやるしかないようだね」

 

そう言って乗り込んできたサメヤミー達を見て、スペクターが構えると共にネクロムと盾王、バグラも構える。

 

高木「皆下がって!」

 

目暮「ライダー達に任せてばかりはいかん!我々も出来る限りの援護をしよう!」

 

白鳥&佐藤「はい!」

 

榊「……おい、どうする?」

 

真宵「これは……やるきゃないと思うんじゃよ」

 

だよな……と自分達を護る為に前に出て銃を構えた目暮達と蘭達を守ろうと前に出る小五郎達を見て榊は出し惜しみしてる場合じゃないと他のメンバーと頷いてベルトを取り出す。

 

正邪「あ~警部さんたち。ちょっとこれからあることするから驚かないでくれよ」

 

佳奈「あと他の人たちには絶対内緒でね!」

 

高木「え?」

 

白鳥「それは一体?」

 

戸惑う目暮達を背に榊達はそれぞれ変身アイテムを手に……

 

ベアー!

 

ピッ()ピッ()ピッ()ピッ(ENTER)!Standing by!!

 

レ・ディ!

 

榊達「変身!」

 

Complete!

 

HENSIN!チェンジ!ビートル!!

 

ベアー!! 

 

フィ・ス・ト・オ・ン!

 

音声と共に姿が変わる。

 

榊はアヌビス、つみきはアファート、真宵はベアー、姫はG3-DX(デラックス)、佳奈はボイム、そして正邪は反鬼になる。

 

小五郎「お、お前等!?」

 

目暮「なんと!?」

 

アヌビス「ああ。俺達が巷でウワサのライダーだったんだよ」

 

ベアー「機密事項なので情報漏洩しないようお願いするんじゃよ!」

 

そうお願いして向かって来たサメヤミーにアヌビス達は飛び出す。

 

最終決戦は始まった。




真宵「次回!『海上大決戦!』に続くんじゃよ!!」


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DETECTIVE.Ⅸ~海上大決戦!~

トレジャーハンターが操る戦艦との決戦

果たして勝利するのは…


エクスサイクラーに乗って飛び回るエクスとストライカーに戦艦は砲撃を放って来る。

 

エクス「うおっと」

 

飛んで来るのを避けながらエクスはさて、どうするかと考えていると真風魔が横に並ぶ。

 

真風魔「エクス殿、ストライカー殿!ここは砲台を破壊し続けるのはどうでしょうか?」

 

ストライカー「それが妥当だろうな」

 

エクス「うん。じゃあまずはあのデカいのから壊そうか」

 

その会話の後に接近を開始する。

 

リップ『近づけさせないわよ!』

 

リスク『これでも食らいなさいッ!』

 

バリバリバリッ!!

 

すると帆から電気が迸った後に3人へ向けて放たれる。

 

真風魔「!雷鳴反らしの術!!」

 

慌てて真風魔が忍術を使って電撃を反らす。

 

ストライカー「あんなのあるのかよ!?」

 

エクス「なんでもありだな;これじゃあ近づけないな」

 

電撃を避けながら呟いたエクスはどうするかと思案する。

 

リスク『奴らが考えているうちにどんどん攻撃するわよ!』

 

リップ『あんた達!どんどん撃ちまくりなさい!』

 

その言葉と共に砲撃も激しくなっていく。

 

ドドン!!

 

すると戦艦の近くに水柱が立つ。

 

アン「私達もいる事を忘れないで欲しいわね」

 

メアリー「海賊としての流儀を見せてやるよ」

 

放ったのはアン達が乗っている海賊船であった。

 

エクス「今の砲撃は海賊船からか。…でも誰が砲撃を?」

 

砲撃している海賊船を見て、エクスは疑問を呟く。

 

 

 

 

目暮「撃てぇぇぇぇぇぇ!!」

 

高木「なんと言うか、警察が海賊みたいに戦うって不思議な気分ですね」

 

白鳥「海軍で戦ってると考えれば良いんじゃないかね?」

 

佐藤「2人とも、手を動かして!」

 

小五郎「ぜえぜえ……」

 

蘭「お父さんしっかり!」

 

園子「いやこれ重いからねホント」

 

Cコナン「おじさん達頑張れ!」

 

A.彼らがやってました☆

 

 

 

 

ベアー「ほら、降りるんじゃよ!」

 

バグラ「海に帰れ!」

 

目暮達に攻撃をして貰っているのでバグラ達はサメヤミーたちを船からぶっ飛ばして倒したりしていた。

 

なお、ベアーが蘭にアクアメモリを渡していて意識のない松本達や喜美子に隠れる様に言われた美馬がいる船室を防衛して貰っている。

 

G3-DXとボイムは飛んで来る砲弾の中で命中しそうなのを打ち落としている。

 

ボイム「どんどん撃ち落とすよー!」

 

G3-DX「こ、来ないでくださーい!」

 

お互いにフォローしあいながら撃ち抜いて行くボイムとG3-DXにサメヤミーを自前の刀で両断しながらスペクターは感嘆する。

 

スペクター「いやぁ、なかなかいいコンビネーションだね」

 

アヌビス「うちの砲撃コンビだからな!」

 

バグラ「火力と言う意味ではトップだからな!」

 

蹴り飛ばしながらアヌビスとバグラはそう返す。

 

段蔵「しかし、真風魔殿達があの帆で攻めあぐねています」

 

ジハド「ならあの帆を砲撃して壊しちゃうのどうかしら」

 

痺れさせながら呟く段蔵にジハドがそう提案する。

 

盾王「お、そりゃいい考えだな。流石だぜ咲!」

 

反鬼「なら、姫!お前がやってくれ!」

 

ふええ!?と指名された事にG3-DXは驚く。

 

G3-DX「わ、私ですかぁ!?」

 

アヌビス「姫の火力ならあんな帆、マストごとぶっ壊せるぜ!」

 

頼んだジェイ!とサムズアップするアヌビスにG3-DXはわ、分かりましたと答える。

 

G3-DX「よ、よーく狙って……は、発射ですぅ!!」

 

GX-07グラフィアスを構え、ガトリングガンからミサイルの嵐のGXバーストを放つ。

 

ドガガガガガガガン!!!

 

リップ『な、なにあのミサイルの数は!?』

 

リスク『電撃を拡散させて防ぎなさい!』

 

慌てて電撃で防ごうとするがいくつか逃れたミサイルが直撃する。

 

それにより帆は火花散らしだす。

 

エクス「今だ!」

 

ストライカー「よし!」

 

ストライカー

 

ストライカー!マキシマムドライブ!!

 

真風魔「忍法!分身弾!!」

 

すぐさまストライカーがエネルギー弾を蹴り飛ばすと共に真風魔がそう言うと1つだったのが複数となって帆やいくつかの砲弾をぶち壊す。

 

リップ『ちょ、大ダメージじゃない!』

 

リスク『すぐに修理に取り掛かりなさい!』

 

慌てて修理に走らせようとするのに海賊船の砲撃がそうはさせないと戦艦を攻撃する。

 

エクスも放とうとしていた戦艦の砲台に銃弾を放って暴発させて破壊して行く。

 

バグラ「砲撃が少なくなってきたか」

 

アヌビス「エクスたちがどんどん壊しているみたいだな」

 

こちらに向かって来る砲撃が減ったのを感じてメンバーもサメヤミー達撃破に勢いが増す。

 

エクス「ストライカー、残っている砲台あと幾つ?」

 

ストライカー「甲板の所にある2門で最後だ!」

 

確認するエクスにストライカーはそう返す。

 

リップ『ちょっ、ほとんど壊されてるじゃない!?』

 

リスク『こうなったらあの海賊船だけでも壊すわよ!』

 

砲台を海賊船へと向けるリップたちにそうはさせないとストライカーとエクスは頷いた後に戦艦の前に来ると共にエクスはサイクロンメモリとジョーカーメモリを抜き、ストライカーもストライカーメモリを抜いてそれぞれのベルトのマキシマムスロットに装填する。

 

サイクロン!ジョーカー!

 

ストライカー!

 

マキシマムドライブ!!

 

ストライカー「壊すなんてさせねえ」

 

エクス「お前たちの攻撃もここまでだ」

 

その言葉と共に飛び上がる。

 

リップ『ちょっ、あれはヤバいんじゃ…』

 

リスク『なら食らう前にやるだけよ!目標、海賊船舵!発射!』

 

その言葉と共に砲弾が発射される。

 

ストライカー「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 

エクス「はぁああああああ!!」

 

そんな砲弾へとストライカーとエクスはキックでぶつかり鬩ぎ合う。

 

リップ『砲弾と拮抗してる…!』

 

リスク『か、返される前に追撃を…!』

 

慌ててもう一度撃とうとするリップたちにそうはさせないとストライカーとエクスの後ろに来た真風魔が印を組み……

 

真風魔「追い風の術!!」

 

強い風が吹くと共にそれを背に受けたストライカーとエクスは力が沸き上がるのを感じて押し返して行く。

 

ストライカー&エクス「これで決まりだ!」

 

同時に叫ぶと共に砲弾を貫き……

 

エクス&ストライカー「ライダー!ダブルキック!!」

 

勢いのまま戦艦を砲台事貫いた。

 

リスク『戦艦ごと貫いた…!?』

 

リップ『これ、やばくない?』

 

2人の焦り声が響く中で船尾からエクスとストライカーが飛び出した直後、戦艦は各所から爆発を起こし……

 

ドカァァァァァァァン!!!!

 

最後に爆発四散する。

 

園子&蘭「やったぁぁぁぁぁぁ!!」

 

ベアー「撃破完了なんじゃよ!」

 

アヌビス「よっしゃあ!」

 

誰もが喜びの声をあげる中でエクスとストライカーはエクスサイクラーに跨った後に島に飛んで行く。

 

蘭「あ、新一……」

 

園子「まーた行っちゃったわねあいつ……前もそうだったわよね。今度は音無くんも一緒に」

 

アファート「(……これちょっとマズイわね)」

 

ジハド「(伊御くん、後で話聞かれそうね;)」

 

寂しそうに見る蘭の隣で呆れた顔をする園子にどうしようと思っているとおーいと言う声とともに目暮達が来るのが目に入ると共に……目暮達は突然崩れ落ちる。

 

真風魔「忍法。睡眠の術」

 

え?と誰もが驚いていると静かに降り立った真風魔がそう呟く。

 

良く見ると蘭と園子もスヤスヤと眠っている。

 

ベアー「ぜ、全員眠っているんじゃよ!?」

 

盾王「おいおい、いきなりなんだ!?」

 

なぜこんな事をとアファート達が思っていると真風魔は佇んだまま……

 

真風魔「今、僕達と榊殿達+αを除いて眠らせる人は眠らせました。これで良かったのですよね?」

 

ー八雲紫殿ー

 

その言葉と共に真風魔の少し後ろでスキマが出現し、そこから紫が現れて眠ってる小五郎達を見て結構結構と肯定する。

 

紫「はあい、皆さんお元気」

 

ボイム「ゆ、紫さん!?」

 

G3-DX「ふぇええ!?」

 

優雅に挨拶する紫にどういう事と驚いていると紫は胸元から札を取り出しながら目暮達の元へ向かう。

 

紫「はいはい、変身を解いたら?もう終わってるんだし」

 

んでこいつ等ねとスキマを開くと意識を失ったリップとリスクが落ちて来る。

 

バグラ→バディア「転生特典は全て壊したし、普通に警部たちに逮捕してもらうか」

 

ふうと息を吐くバディアのに改めて終わったと認識して誰もが変身を解いて座り込んだり、背伸びしたりする。

 

紫「お疲れ様。まぁ、ちょいと警部達には記憶を少し書き換えさせてもらう事になるけどね」

 

龍馬「ま、妥当ですね。その判断は」

 

榊「だよなぁ。いくら警部たちがいい人たちでも上司の人に聞かれたら答えないといけないかもしれないしな……」

 

正邪「んでこの船はどうするんだ?」

 

そう言った紫のに龍馬と榊は頷き、正邪は足でコツコツしながら聞く。

 

アン「え、そりゃあ私達が持ち帰るだけよ?」

 

メアリー「その為に僕達ここに来たもんね」

 

針妙丸「あ、そうだったんですね」

 

姫「でもこんな船、どうやって持って帰るんですか?」

 

そこは秘密とウィンクするアンに龍馬は苦笑する。

 

龍馬「まぁ、とにかく僕達の事とか、君達が仮面ライダーだって言う事は忘れて貰う方が良いね」

 

正邪「そりゃいいけどちゃんと辻褄合うようにできるのか?」

 

榊「だよな。特にアンタラの部分」

 

肩を竦めて言う龍馬に正邪は問い、榊も気になっているので頷く。

 

勿論と龍馬は笑う。

 

龍馬「忘れて貰うと言っても名前をバラした後の歴史上の人物であると言う僕達の事であって、偽名のままで通していたにするだけだよ」

 

京谷「あ、なるほどな。この船のことについてはどうするんだ?」

 

何言ってるんだいと言う龍馬のに榊達が首を傾げる中でアンが自分を指さす。

 

アン「私を私の子孫と言う事で通してこの船を貰うって事」

 

バディア「その手があったか」

 

針妙丸「それなら行けそう」

 

美馬「確かに、アンの子孫ならば誰もが納得するじゃろうな」

 

おお!と誰もが感嘆する中で船室から美馬が出て来て、船を見上げる。

 

え、なんで起きてるの?と榊達は紫と小太郎を見て、小太郎は困った様に紫を見て、紫はふふと笑う。

 

そんな榊達を気にせず、美馬は船から見える海を見ながら語る様に呟く。

 

美馬「この船は後から脱獄して来る筈のメアリと2人で、再び7つの海に繰り出すのを夢見てアンが建造した船だったんだろう。しかし結局はメアリは獄中で病に倒れて息を引き取り、アンもメアリを待ち続けたまま亡くなってしまった」

 

真宵「そしてこの船だけが残っていたんじゃね…」

 

咲「そう聞くと、寂しかったでしょうね。自分へ乗ってくれる筈だった主達を待っていたんだから」

 

美馬の呟きに真宵と咲が代表で呟く。

 

美馬「じゃが、今その主達がこうやって迎えに来てくれた。この船は待ち続ける必要はなくなった」

 

Cコナン「うん。美馬さんの言う通り、だって、この船の海賊旗に刻まれてるからね。2人の証が」

 

その言葉に誰もが海賊旗を見る。

 

そこにはジョリーロジャーと共にカットラスとピストルが描かれていた。

 

佳奈「あ、ホントだ!」

 

バディア「まさに切れない絆の証であるな」

 

わあと目を輝かせる佳奈の隣でバディアはそう呟く。

 

仁蔵「用事終えたんなら戻った方が良かんじゃらせんか?」

 

アン「そうね。それじゃああなた達を島に戻したら私達はそのまま帰るわね」

 

姫「あ、ありがとうございます」

 

榊「とりあえず事件は解決だな……くあ~~~ホント疲れたし、ねみぃ」

 

欠伸する榊につられて針妙丸と佳奈も欠伸をする。

 

それにふふと笑いながら龍馬は締めとして言う。

 

龍馬「それじゃあ島に戻ろうか」

 

メアリー「りょ~かい」

 

つみき「…これで事件解決」

 

正邪「だな」

 

榊「それさっき俺が言ったんですけど!?」

 

ツッコミを入れる榊に誰もがドッと笑う。

 

何はともあれ、無事に事件を解決できたのであった。

 




正邪「次回は『後日談。そして暗躍する奴ら』だ。まあお楽しみにな」


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DETECTIVE.END~後日談。そして暗躍する奴ら~

事件は終わり。町へ戻ってきたコナンたち。

そんな裏では…


服部「ほ~~そんな事があったんかいな」

 

神海島の事件から2日後、阿笠邸で遊びに来た服部はお土産のお菓子を食べながら伊御達から聞いた話に感嘆する。

 

コナン「そんな事で収まれねえ事だったけどなホント」

 

伊御「ホント、大変だったな」

 

疲れた顔でぼやくコナンに伊御も事件で構ってあげられなかった猫のご機嫌取りをしながら同意する。

 

あの後、松本達は強盗や前歴のですぐさま逮捕、岩永は彼の自宅に隠されていた盗まれた猟銃が見つかった事での盗難と松本達の殺人未遂に加え、アンとメアリのお宝を横取りされない様に松本達が使う予定だったBCジャケットに魚の血を仕込んだ事を龍馬によって暴かれた事で殺人未遂で逮捕された。

 

岩永の不幸は松本達がリップの告げ口によってBCジャケットの仕込みを別の人に押し付けた事、慣れない猟銃で殺そうとしたが何者か(伊御)によって妨害させられた事で焦りがさらに積もった結果、リスクの甘い言葉に乗せられてガイアメモリを使ってしまって彼女達に好い様に使われた事だろう。

 

それとは別に馬淵は松本達との取引で渡されたお金を証拠物件として押収された他、船も壊されてしまったので踏んだり蹴ったりと頭を抱えていたのだが、昨日、彼女名義で船底から海の中が綺麗に見える最新の船が匿名で寄付されたとの事。

 

それにより冬でも海の中を見れるクルージングや漁も出来ると喜んでいたと小五郎を伝ってコナンから伊御達に教えられた。

 

喜美子は人質になっていた際ので病院で安定を取ってから休んで馬淵の所でまた働いているそうだ。

 

服部「しっかし驚いたな。ゲームのとはいえ、まさか歴史上の人物と遭遇するなんておまいらおもろい経験してるな~」

 

榊「確かに聞くだけじゃ面白い経験だと思うけどよ…」

 

真宵「個性豊か過ぎるのも考えもんじゃよ」

 

ケラケラ笑う服部に榊と真宵は頬をポリポリ掻いて呟く。

 

コナン「そうだぜ服部、いた中には人斬り以蔵がいたんだぞ。俺としてはヒヤッとしたぞ」

 

咲「ああ、そう言えば確かに怖いわよね」

 

京谷「でもゲームだと実際は気さくでお願いすれば渋々だけど手伝ってくれる人だからなあの人」

 

その人にお願いできる人はすげぇなとコナンはぼやく。

 

服部「かぁ~~~話を聞いてると俺もゲームの中でのとはいえ実物の英霊とあって見たくなるわ」

 

つみき「…ならまずは会う前にどんな英霊が居るのか知ってみたら?」

 

バディア「そう言えばこの世界にもあったな。FGO」

 

羨ましそうに言う服部につみきは提案し、バディアは呟く。

 

服部「……確認するけど、それ結構女の人出るんか?」

 

京谷「まあ出るな」

 

榊「有名なアーサー王、暴君ネロ、沖田総司も女性になってるしな」

 

恐る恐る確認する服部に京谷は肯定し、榊が付け加える。

 

女性にし過ぎじゃね?とコナンは空笑いしながら思った。

 

服部「あー無理やな。お袋はともかく、そう言う女の人が出るゲームに目を向けるとなぜか和葉が怒るし、親父からもあんまりゲームにうつつを抜かすんやないでと言われそうや」

 

佳奈「へーそうなんだ」

 

真宵「意外と厳しいんじゃね」

 

腕を組んで唸る服部に佳奈と真宵はありえそうと呟く。

 

服部「つーわけで、お前等がやってるの見せてもろてもええか?見るだけでも面白さありそうやしな」

 

伊御「勿論いいぞ」

 

榊「これがそのゲームなんだぜ」

 

お願いする服部に伊御と榊は早速自分のアカウントで見せる。

 

ほぉ、これはまた……と感嘆の声をあげている服部にやれやれとコナンはふうと息を吐いてからつみき達に問う。

 

コナン「そう言えば御庭達は親しかったから知ってたんだなあの人達の正体」

 

つみき「うん。前にある事件でであったの」

 

咲「あの時も面白かったわよね京谷」

 

京谷「俺はその時苦労させられたけどな咲」

 

笑って言う咲に対して疲れた顔で返した京谷にこの4人が反応した。

 

服部「なんや京谷。お前さん、いつの間に崎守の事を呼び捨てする様になったんや」

 

正邪「そう言えばいつの間に…」

 

榊「ほほう、これは気になりますな」

 

真宵「そうですな~」

 

目を光らせる4人に京谷はうげぇとなる。

 

京谷「まあ、色々あったんだよ色々と」

 

咲「そうそう色々とね」

 

はぐらかす京谷と咲に正邪もほうとなる。

 

正邪「どう色々あったのか詳しく聞かせてもらおうじゃねぇか」

 

くくくと笑う正邪に京谷は逃げられねえと感じ周りを見る。

 

コナン「お、このクッキーうめぇな」

 

伊御「みいこさんお手製のクッキーだ。榊が持ってきたんだ」

 

つみき「……美味しい」

 

姫「やっぱりみいこさんのお菓子は美味しいですぅ」

 

佳奈「おいし~」

 

巻き込まれるのがごめんとばかりに我関せずなコナンと伊御達、バディアも紅茶を飲んで無視する体制に京谷は呻く。

 

京谷「(くそっ、逃げ道がねぇ!こいつらに囲まれたら逃げ場がねえ!!)」

 

にじり寄る者達を見ながら京谷は心の中で絶叫する。

 

咲「(京谷ったらどうすればいいか悩んでいるわね。私も話すのはちょっと恥ずかしい…やだ、顔が赤くなっちゅう)」

 

平常心平常心と顔が赤くならない様に落ち着かせながら咲は思い返す。

 

 

 

 

神海島からの帰りの船の甲板で咲と京谷は神海島を見ていた。

 

咲「…ねぇ、京谷」

 

京谷「ん?なんだ崎守」

 

話しかけて来た咲に京谷は問う。

 

咲「…さっきの戦いの時私のこと、名前で呼んでくれたわよね」

 

京谷「! そ、それは…」

 

口ごもって顔を反らそうとする京谷に咲は顔を掴んで自分へ向かせる。

 

京谷「さ、さきも…」

 

咲「咲って呼びなさい昔のように」

 

強く言う咲に京谷は驚く。

 

咲「と言うかなんで名前で呼ばないのよ」

 

京谷「べ、別に良いじゃねえか」

 

良くないと咲はさらに詰め寄る。

 

咲「私は名前で呼んでるのに京谷だけ苗字なんておかしいじゃない」

 

京谷「ん、んじゃあどうするんだよ」

 

勿論決まってるわよと咲は腰に手を当てる。

 

咲「私のことを昔みたいに名前で呼べばいいのよ」

 

京谷「そ、そうか」

 

そうよと返され、京谷は頭を掻く。

 

京谷「じゃ、じゃあ……咲」

 

咲「それでいいのよ京谷」

 

ふふと笑って咲は歩く。

 

京谷「あ、おい待てよ咲」

 

追いかけて来る京谷に咲はふふっと笑う。

 

咲「(これで少しは気づいてくれるかしら京谷。伊御くんとはまた違った鈍さを持つわよね)」

 

その頬を少し赤くしながら思うのであった。

 

こうして、神海島での事件は終わった……

 

 

 

 

とある牢の中

 

リップ「あーあ、捕まっちゃったわねリスク」

 

リスク「せっかく転生したのに牢獄生活なんてヤになっちゃうわね」

 

牢獄の中でぼやくリップにリスクも壁にもたれながら同意する。

 

リスク「でも脱出したくても力がないしね…」

 

リップ「そうよねぇ…」

 

「力がほしいのかい?」

 

牢獄の外からの声に2人は顔を向けると女性が立っていた。

 

その見た目から監視の者じゃないのとどうやって来たのかに警戒しながらリップは問う。

 

リップ「誰よあんた」

 

女性「ああ、失礼。僕は女神アルトダ。ここにいるのは、君達にチャンスを与えに来たからだね」

 

女神とチャンスと言う言葉にリップとリスクは食いつく。

 

リップ「チャンスって何?」

 

リスク「もしかしてここから出れるの?」

 

勿論と笑ってからアルトダは懐から光の玉を2つ取り出す。

 

アルトダ「僕があげるのはここの脱獄とこの力を授ける事。脱獄した後は君達次第だね」

 

どうする?と問うアルトダにリップとリスクは笑う。

 

リスク「勿論もらうにきまってるわ!」

 

リップ「此処から出て奴らにリベンジしてやるんだから」

 

その言葉と共に光の玉を取ると光の玉は変化してスマホになり、2人の頭に使い方が入り込む。

 

アルトダ「使い方は今分かったよね?」

 

リップ「ええ、頭の中に入ってきたわ」

 

リスク「これは凄い力になりそう…!」

 

笑って言うアルトダに2人も笑い返した後にアルトダは牢獄の扉を開ける。

 

アルトダ「それじゃあ二人とも、これからその力でいろんな世界に行って僕を楽しませてね」

 

リップ「ええ、楽しみにしてて女神様」

 

リスク「そしてあの子達にリベンジよ」

 

お互いに笑いながらスマホを構える。

 

リップ&リスク「ソウルライド」

 

その言葉と共に光に包まれる2人を見ながらアルトダは笑う。

 

アルトダ「(さあこれから二人がどんな面白いことするのか楽しみだねぇ)」

 

光が晴れて現れた姿を見ながらアルトダは祝福する。

 

事件が終わった。

 

だが、彼女達とはまた戦う事になる事を、伊御達は知らなかった。



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