氷の男『アイスマン』のヒーローアカデミア (揚げ物・鉄火)
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勘違い1 入学試験

書きたくなったので書きました。
他の小説で宣言した通り書きました。
映画やアニメ、漫画で見た氷系の技がカッコよすぎたので書こうと思いました。
では、どうぞごゆっくり。


雄英高校の入試の日

 

試験終了後のモニター室

そこでは、数人の男女、雄英高校の教師陣がとある中学校から送られてきた履歴書の写真を穴が開くほど見ていた。

その履歴書に貼られている写真の生徒は、整った顔立ちで水色の目に雪のように白い肌と髪をしている。

彼の履歴書とにらめっこしていると今年の春から雄英で働く予定の新人教師のオールマイトが「もう一度映像を確認しましょう」と発言したことで満場一致でもう一度…本日三度目の映像確認をすることになり入学試験実技会場の映像が流れる。

そこには、件の生徒と他の受験者達がスタート地点で待機していた。

 

 

 

 

試験会場にて

 

その生徒は、表情筋をピクリとも動かさず、ただ無表情で待機していた。

 

『はい、スタート!』

 

プレゼントマイクの声が会場に響き渡り受験者達が反応できずに戸惑っている中、()が一気に走り出した。

 

それに気づいた受験者達も走り出そうとした…瞬間。

 

「白き世界」

と一瞬だけ、囁くような、だが妙に透き通る声が聞こえた。

 

次の瞬間、試験会場中の温度が一気に下がり、あたり一面が真っ白になった。

そして目につく限りの倒すはずであった、仮想(ヴィラン)達が完全に凍り付き物言わぬ氷像となっていた。

 

「「「「……!!!??」」」」

 

受験者達は、何が起こったか理解できず固まっていると

 

パンッ!、と乾いた音が試験会場に鳴り響き受験者達は、正気に戻る。

音の発生元を見ると先ほど駆け出した受験者が、両手を合わせていた。

 

どうやら手を叩いたようだった。

呆けていると、次の瞬間。

 

ドドドドドーーーッ!!

 

凍り付いていた仮想(ヴィラン)達が次々と崩れ落ちて行った。

 

 

だが彼は、崩れていく仮想(ヴィラン)達に目もくれず会場の奥へと走って行った。

 

彼が、見えなくなったあたりで受験生達が仮想(ヴィラン)を求めて、慌てたように走り出した。

 

 

 

 

数分後

 

 

受験生達が、緊急で追加投入された仮想(ヴィラン)を倒しながら(ヴィラン)ポイントを稼いでいると。

 

 

 

ゴゴゴゴゴゴッ!!!

ズズウウゥゥゥゥン!!

 

 

 

突如台地を揺らすかのような大地震が起き受験生たちが戸惑っていると、ビルを破壊しながらビルよりも巨大な0P仮想(ヴィラン)が現れた。

 

それを見た受験生達は、我先と逃げ出し、中には、向かって行く者もいたが「どうせ、落ちるんだから記念に…」といった感じでさほどが諦めた表情をしていた。

 

だがそんな中、その生徒だけは、0P仮想(ヴィラン)を見て初めて感情を露わにした。

 

『…ッ!!』

その映像を様子を見ていた教師陣は、絶句した。

 

彼は…笑っていたのだ。

それも満面の笑みで…まるで新しいおもちゃを買って貰えた子供が見せるような無邪気な笑顔で…期待に満ち溢れた目で0P仮想(ヴィラン)を見ていたのだ。

こういう状況でなければ見とれてしまいそうな表情だった。

 

だがそこで変化が起きた。

今まで雪のように白かった彼の肌がどんどん色を失っていき最終的には、髪までもが透明に…まるで氷のようになった。

そのまま氷のようになった彼は、0P仮想(ヴィラン)の近くに誰もいないのを確認してから0P仮想(ヴィラン)に掌を向けて再び口を開く。

 

氷獄の檻(プリズン・コキュートス)

 

彼は、決してプレゼントマイクのような大きい声でもなければ、オールマイトのような逞しい声でもなく、ミッドナイトのような甘々しい声でもなく、ただ…落ち着いた静かな…だが、どこか威厳があるような。自然と平伏したくなるような、頭にではなく魂に直接、訴えてくるような透き通った声でそう言い放った。

 

次の瞬間、ビルをも超える大きさを持つ0P仮想(ヴィラン)を軽く上回るほどの、0P仮想(ヴィラン)よりも遥かに大きい氷塊が0P仮想(ヴィラン)を包み込んだ。

 

そのまま0P仮想(ヴィラン)は、凍らされたせいで動かなくなり。

 

『終ーーー了-----!!!』

プレゼントマイクの試験終了を知らせる声が響き渡った。

 

そのまま彼は、ケガで動けなくなった受験生達の手助けをしながら、試験会場を後にした。

 

 

 

 

 

 

場所は、戻ってモニター室。

 

『『『『『……』』』』』

ものすごく重い空気が、部屋を支配している。

 

そんな中、一人が口を開いた。

「このまま、黙ってていても何も進まないヨ?」

口を開いたのは、人…では、無く…ネズミ?いや、違う。雄英高校校長の根津校長(個性『ハイスペック』を持ったネズミ)である。

 

「確かに、それもそうですね…」

「それで?彼は、どうする気ですか?」

「ハッキリ言うと規格外すぎるぞ。」

「あまりにも危険すぎる。放って置くことができません。」

「確かにそれもそうだけどよ。あいつには、ヒーローとしての素質があるとおもうぜ?」

ほかの教師達も口を開き、各々の意見を言っていく。

 

「確かに彼の個性は、規格外にもほどがあるし危険すぎるかもしれない…いや、ハッキリ言ってしまうと彼の個性は、災害や天災そのものだ。」

根津校長の言葉を聞き納得してしまう。

 

「でも彼は、その個性をヒーローになるために使いたいと雄英(うち)に来たんだ。もしも彼の入学を拒否して彼が(ヴィラン)にでもなったら止めれる自信のあるものは、いるかい?」

根津校長の言葉に誰もなにも言うことが出来なくなってしまった。

それは、オールマイトも例外ではなかった。

 

「オールマイト。君は、どうだい?止められそう?」

「…かなり、難しいですね…そもそも彼に触れた時点でアウトなので拳の風圧で何とかするしかないでしょうけど…あれほどの氷を何度も出されては、手も足も出ませんね…」

「そうか…」

根津は、オールマイトの言葉を聞き小さく呟く。

 

「では、彼…いや、いい加減に名前で呼ぼう。」

「個性『絶対零度』を持つ、冷気 零の雄英高校入学を認める!異論のあるものは、今すぐ挙手!」

「…」

「いないようなので、冷気 零くんを1年A組の21人目として入学を認めます!」

そう言い、書類に『可決』のハンコを押す。

ちなみに、担任となるイレイザーヘッドこと、相澤先生は、(ああ、胃が痛くなってきた…)と帰りに胃薬を買いに行ったらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヤッホー。初めまして、冷気(れいき) (ぜろ)だよー!

いやー、びっくりしたよ。この世界に転生して15年。

ヒロアカ世界に転生したんだし、ヒーローになるしかないっしょ?的な軽いノリで、「雄英に行こう!」って思ってたら筆記が前世の記憶もあったので簡単だったけど実践で苦戦するかな~?って思いながらスタートと同時にぶっ放したら思ったよりも強くて他の受験生達にドン引きされるとは思いもしなかったよ。

それに、0P仮想(ヴィラン)を新技の実験台に出来ると思ってついつい笑っちゃたよ。AーHAHAHAHAHA!

いや、笑い事じゃねえな…第一俺が神様のミスで死んだことが納得できないし、てっきり『このすば』とかのファンタジー世界に転生させられると思って前々からって言うか、死ぬ前から氷系の能力ってかっこいいな~とかって思ってたから転生特典として「氷に関係する能力を無尽蔵にデメリットなしで使えて自分が生み出した、もしくは、他の人が召喚した氷を自分の意志で自由に操れる能力が欲しい!」って言ったらO.K!って返されて転生先を楽しみにしていたらなんで『ヒロアカ』の世界なんだよ!?

 

いや、いいんだよ…一応原作を中途半端にだけど知ってるから別にいいんだけどさ…せめて転生先くらいは、先に言ってほしかったなあ!

 

…ふう、今更文句言っても仕方ないか。

 

ヒロアカ世界に転生したことは、もうしょうがないと諦めるしかない。結構好きな方の作品だったからね。

 

だけどさあ…

せめてこれだけは、言わせてくれ…

 

なんで俺の表情筋がほぼ完全に死んでるんだーーー!!!!

 

意味わかんねえよ!おかげで前世から引っ張ってきたコミュ障と相まって余計ひでえことなってんじゃねえか!?

まさかこれが、転生直前に言ってた『体に起こるかもしれないデメリット』ってやつか!?

だとしたらひどすぎるよ!おかげでこの15年間まともにできた友達なんて数えるほどしかいねえんだよ!

しかも、一人を除いて全員他の高校行ったり雄英落ちたりしているから実質一人しか友達がいねえじゃねえか!

 

はあはあ…一回、落ち着こう。ではいい加減俺の合否の話へと移ろうか。

 

雄英の入学試験が終わってから一週間後、雄英から手紙が来た。

手紙を開けたら中からボタンの着いた変な機械が出てきてボタンを押すとオールマイトが投影された。

 

『HAーHAHAHAHAHAHA!私が投影されたーー!!!』

突然投影されたことに驚き、部屋を凍らせてしまった。

 

『なぜ、私が投影されたかだって?それは、私が今年の春から雄英の教師になるからだ!』

また驚いてしまい今度は、家全体を凍らせてしまう。

 

『では、結果発表といこう!君の(ヴィラン)ポイントは、134P!これだけでも十分合格だが、我々はもう一つ見ていた。その名も救出(レスキュー)ポイント!ヒーローたる者、人を助けてこそだ!君は、最初に他の受験生が動き出す前に仮想(ヴィラン)を一気に凍らせ他の受験生達を凍らせないように気を付けていた。そしてあの0P仮想(ヴィラン)に立ち向かい、他の受験生達を巻き込まないように凍らせた。そして最後にケガをしたほかの受験生達を運んで行った。最終的な君の合計救出(レスキュー)ポイントは…86ポイント!そして君の合計ポイントは、220ポイント!文句なしの歴代最高記録での主席合格だ!冷気少年雄英(ここ)が君のヒーローアカデミアだ!』

そこで、映像が途切れ俺は…

「…やった。」

と、一言だけ呟いた。




オリ主の個性は、『絶対零度』とされていますが実際は、『氷獄の王』と言う異形型の個性です。そのうち、バレます。
勘違い系の小説が好きなので自分も書きました。
人気が出れば続けると思います。
ヒロインは…どうしようかな…?(/ω・\)チラッ。

活動報告にてヒロイン募集します。
すでにコメントを書いた方には、大変ご迷惑おかけします。この場を借りて謝罪させて頂きます。m(_ _;)m


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勘違い2 個性把握テスト

投稿してから24時間後(18:30)…そう言えばお気に入り数とかどうなってんのかなぁ?
お気に入り102件
( ゚д゚)エッ ・・・
 
(つд⊂)ゴシゴシ
 
(;゚д゚) ヘッ⁉・・・
 
(つд⊂)ゴシゴシゴシ
  _, ._
(;゚ Д゚)ファッ …!?

そんなに面白かったんですか?
まだ一話ですよ!?
本当にありがとうございます!

あとヒロイン募集に関して、自分のミスでコメント欄に書くよう誘導した節がございますがコメント欄に書いた人に責任は、ございません。
全て私の責任です。大変申し訳ありませんでした!
現在、ヒロイン候補を活動報告にて募集中です。気軽にご応募ください。


雄英高校入学式の日

 

冷気 零は、雄英の廊下を歩いていた。

 

相も変わらず無表情のまま、歩いているので誰も話しかけられない。

 

彼が、1-Aの教室の前に着きドアを開けるとそこそこの人数がいた。

 

その視線は、一斉に彼のもとへと集まった。

 

((((((氷の人来た!)))))

実を言うと彼は、ほんの少しだけ(学校中が知っている)有名人になっているのだ。

そんな彼が席を探していると、後ろからヤンキーっぽい男子生徒が話しかけた。

「どけ、カス。殺すぞ。」

ただの、暴言である。

すると彼がわずかに怒気を込めながら、そして冷気を垂れ流しながら振り返る。

だが、彼らの間には、身長差と言うものがある。

その結果、奇しくも彼が上から見下ろし男子生徒が見上げながら睨むという図になった。

傍から見れば一触即発の空気。まるで冷戦を思わせる空気だった。

教室中が静粛に包まれる。

だがその静粛を先に破いたのは、男子生徒の方である。

 

「てめえか、入試主席ってのは?いいか、良く覚えておけ。俺は、必ずお前を超える。首を洗って待ってろ!」

 

男子生徒は、そう言って自分の席に着き机に脚を乗せた。

一方彼は、冷気を少し抑えた。

 

クラスメイト達は、ホッと胸を撫で下ろした。

 

次の瞬間、教室のドアが開きもじゃもじゃの緑髪の男子生徒が入ってきて「寒い!」と発した。

 

それを聞いた彼は、声のした方をゆっくり振り向いた。

 

「……は、初めまして…緑谷…出久…です…」

自己紹介した緑谷は、震えていた。

それは、寒さから来るものではなかっただろう。

 

「…」

彼は、何も言わず手をゆっくりと動かし始めた。

 

「!!?」

傍から見れば死刑執行を行う処刑人と囚人に見えただろう。

何人かの生徒が止める為に動こうとしたが、恐怖のあまり動けないでいた。

他人からしても動けなくなるほどの恐怖なのだ。それが、本人の視点からすればどれほどの恐怖だったのか誰にも想像出来ない。

 

「あー!その、もじゃもじゃ頭は、入試の時…の……あっ、どうも…」

突如ドアの方から女の子の声が聞こえてきたが次第に小さくなり最後は、小さく挨拶した。

 

彼は少しだけそちらを見て

「…どうも」

(((((喋った!!?)))))

と小さく返し自分の席に座りまるで氷像のように動かなくなる。

この一件以降、彼女はしばらくの間、A組の女神と呼ばれるようになるのは、また別の話。

 

その後もう一度少しだけ教室がざわつくが彼が入って来る前みたいにうるさくない。

 

「お友達ごっこがしたいなら他所へ行け。ここは、ヒーロー科だぞ。」

教室の入り口に芋虫みたいなものがいた。

 

(((((なんかいる!?)))))

クラスメイト達が驚いているとその芋虫みたいな動きをしながら教壇の近くまで移動し立ち上がる。

「はい、静かになるまで4秒もかかりました。君たちは、合理性に欠けるね。」

((((人?先生?))))

「君たちの担任になった相澤消太だ。今後ともよろしく。」

(((担任かよ!)))

寝袋から体操服を取り出す。

「では、全員体操服に着替えてグラウンドに集合しろ。効率よく動けよ。」

それだけ言って教室を出て行った。

 

後に残されたクラスメイト達は、彼が少しだけ動くのを見てまるで軍隊のように動き出した。

「…?」

彼は、疑問で仕方なかった。

 

 

グラウンドにて

 

個性把握テストをやることになり最下位は、除籍処分となるらしい。

皆が覚悟を決めた顔をする中彼は、少しだけ口角を上げ微笑んだ。

 

(普通ここで、笑うか?)

相澤先生が心の中でそう呟きながら大事な事(爆弾発言)を告げる。

 

「ただし、冷気。お前には、全員が終わってからやってもらう。いいな?」

その言葉を言った瞬間、クラスのみんなが一斉に振り向き、爆豪が睨み轟が観察するような目を向ける。

 

コクッ

彼は、なにも言わずただ頷いた。

 

(はあ、胃が痛い…)

相澤先生は、胃薬を飲んでもいいと思う。

 

数十分後

 

ボール投げの時にそれは、起きた。

 

緑谷が、一回目のボール投げで個性を消されたと聞き今まで様々な氷像を作っては、壊していた彼が興味を持った目で緑谷を見始めた。

 

「「「「「…!」」」」」

クラス中がそれに気づき、緑谷が一気に緊張した。

 

「…緑谷、とっとと二回目を投げろ。」

相沢先生が声を掛けると同時に彼も立ち上がった。

 

ゴクッ…

 

 

「SMASH!!」

ドンッ!

大砲みたいな音を出し空気を切り裂きながらボールが飛んで行く。

緑谷は、緊張しながらも思いっきりボールを投げ人差し指を犠牲にしながらも706.2mという好記録を叩き出した。

 

「先生…僕まだ動けます!」

(こいつ!)

緑谷がそう宣言し相澤先生が興味を持つと

 

「!」

 

彼が口を三日月の形にしながら狂気の笑顔でこちらに向かって歩いて来ていた。

 

「こらぁ、デク!どういうことだてめえ!?説明しやがれ!」

そんな彼に構わず爆豪が緑谷に向かって突っかろうとしたが

 

ピキピキピキピキ!

突如、氷の壁が爆豪の進行方向に向かって現れた。

 

「「「「…!?」」」」

突如起こったことに先生を含め、クラスの誰も理解が追い付かなかった。

(この間、約3秒!)

 

それだけの時間があれば彼は、緑谷まで十分たどり着く。

 

「…!」

緑谷は、初めて人に向かって自分の個性を使う覚悟を決めたが…

(か、体が動いてくれない!?)

体が言うことを聞いてくれなかった。

 

彼は、緑谷の肩に手を置く。

緑谷は、彼の背後に魔王を見たと、そしてこの間生きた心地がしなかったと後に語ってる。

「ひっ…!」

彼は、緑谷に対してほんの一言だけ口にした。

「…頑張れ」と

そして緑谷の折れた指を両手で包み込み、2秒で離すと緑谷の腫れていた指の炎症が収まっていた。

そのまま彼は、自分が先ほどまでいた場所に戻った。

 

「は、はい…」

緑谷は、体中の力が抜ける感覚を感じて膝を着き、ペタンと座り込んだ。

 

(何だったんだ…いったい?)

相澤先生も理解できない行動だった。

 

その後の持久走も終わり…

ついに彼の番になった。

 

 

 

 

 

 

今日から待ちに待った高校生活

 

楽しみにしながら無駄にでかい教室のドアを開けて自分の席を探してると

 

「どけ、カス。殺すぞ。」

後ろから誰かが声を掛けてきた。

驚き半分、怒り半分の冷気を纏いながら振り返ると

目つきの悪い金髪男子がいた。

 

(うわー、なんだよこいつ…めっちゃ怖いんだけど!?)

俺が黙っているとまた話しかけてきた。

 

「てめえか、入試主席ってのは?いいか、良く覚えておけ。俺は、必ずお前を超える。首を洗って待ってろ!」

 

それだけ言って自分の席に着き机に脚を乗せた。

 

(態度、悪っ!)

 

その生徒と眼鏡の人がバトル(口論)を繰り広げる前に後ろからまた声が聞こえた。

 

「寒い!」

そちらをゆっくりと振り向いた。

(ゆっくり振り向いた理由は、ただ単純に「迷惑かけてしまったなぁ~」と言う感情があったからだ。)

 

見ると緑髪でもじゃもじゃ頭の男子生徒(主人公、緑谷出久)が震えていた。

 

「……は、初めまして…緑谷…出久…です…」

自己紹介した緑谷がなぜか震えていた。

 

「…」

声を出そうと思ったが声が出なかったので握手をするために失礼にならない速度で手を出すと

「あー!その、もじゃもじゃ頭は、入試の時…の……あっ、どうも…」

教室のドアの近くにいた女の子が俺に挨拶をしてきた。

 

「…どうも」

なので小さくだが返す。

 

これ以上は、話せないと思い自分の席に着く。

今は、それよりも大事なことがある。

(女子としゃべっちゃった!)

※注、一応しゃべっています。

 

お前もかよって思った人、正座しなさい。

 

その後、教室中がざわつく。

 

数分後、なんか芋虫みたいな動きで寝袋に入った人、相澤先生が入って来て完結な自己紹介をした。

 

「全員体操服に着替えてグラウンドに集合しろ。効率よく動けよ。」

そう言って教室を出て行った。

 

(何だったんだ…いったい?)

疑問に思いながらも着替える為に動こうとしたら他の人達が軍隊みたいに一気に動き出した。

 

(みんなすごいな…俺も見習わなくちゃ。けど、どうして一気に動いたんだろうか?)

疑問に思いながらも更衣室に着替えに行く。

 

 

 

 

「「「「個性把握テストーーー!!?」」」」

クラスの全員が驚く。

 

(おいおい、まじかよ!いきなりかよ!?)

俺も内心、驚いていた。

 

その後も先生が喋り続け、さっきの金髪ヤンキーにボールを渡し個性を思いっきり使ってやっていいと言った。

 

(まじかよ!最高じゃねえか!)

(う~ん、作戦考えないとな…)

 

作戦を考えているとクラスがまた、ざわついた。

なにか、言ったそうだ。

だけど俺は、作戦が決まったことに内心喜びながら口角を上げると、なぜか先生にため息を吐かれた。

(解せぬ。)

 

「ただし、冷気。お前には、全員が終わってからやってもらう。いいな?」

先生がその言葉を言った瞬間クラスの人達がこっちを見た。

 

(ひどいな…まあ、いいんだけどさ…)

取り敢えず頷く。

 

また、ため息を吐かれた。

(解せぬ。)

 

 

数十分後

 

 

クラスメイト達が次々と好記録をだしていく中、俺は…

 

氷像を作っていた。

(お前最後だから、一人で準備してろって…ひどくね!?(´・ω`・)エッ?ナニコレ?いじめ!?ねえ、新手のいじめなの!?ひど過ぎない!?準備って何をすればいいの?暇だから氷像作ってるけど…絶対違う気がする!けど他にはなんにも思いつかないんだよね…)

 

そんな事を考えていると相澤先生の声が聞こえた。

「俺が個性を消した。」

(うん?緑谷?主人公か!あのシーンが見れる!立って見よう。)

 

ゴクッ…

(なんか知らんけど覚悟決めたっぽいな…)

 

「SMASH!」

ドンッ!

ボールがすごいスピードで飛んで行った。

 

それを見て思わず口角が吊り上がり一瞬だけ緑谷の指が腫れているのが見えたので応急処置に向かう。

 

「こらぁ、デク!どういうことだてめえ!?説明しやがれ!」

だが、金髪ヤンキーが歩いて来たのが見えた。

 

(邪魔だ…俺の楽しみを邪魔しようとするな。)

進行方向に氷の壁を作り出し、足止めをする。

 

ちなみにこの氷は、-126℃の氷で出来ていることを作った本人すら知らない。

 

緑谷のもとに着くとなぜか震えていた。

緊張しなくていいよの意味を込め、肩に手を置くと

「ひっ…!」

また恐れられた。

 

(どうしたんだろうか?)

この間ずっと狂気の笑顔。

 

「(これからの学校生活、勉強や実践訓練、友人関係なども大変だろうけど今は)…頑張れ。」

 

そして、緑谷の指を両手で包み込んで、指の炎症を冷やす。

 

(うん、これでいいかな。)

用が済んだので自分のいた所に戻る。

 

「は、はい…」

なにか聞こえた気がしたが気のせいだろう。

 

(なんか先生に見られているんだけど?俺なんかした?)

 

 

そのあとの持久走が終わりついに俺の番になった。

 

 

 

三人称視点

 

彼の測定をするに当たって「風邪を引いてもいいなら見てもいい」と相澤先生が言ったらクラスの全員(緑谷含む)が残った。

 

50m走

 

「では、始めるぞ。準備は、いいか?」

コクッ

先生の言葉に何も言わずただ頷く(無表情で)。

 

『よーい…』

測定ロボットがそう発した瞬間、スタート地点からゴール地点まで一気に凍り付いた。

 

「寒い!」

『ドン!』

誰かが発したと同時にロボットが開始の合図を出した。

次の瞬間、彼はゴール地点に居た。

 

ピピッ!

『0.09秒』

 

「「「「え…?」」」」

クラスの声が重なった。

 

それもそうだろうスタートとほぼ同時にゴールに居たのだから。

彼はそんな事を気にせず次の場所に移動した。

 

 

握力測定

 

腕を禍々しいものに変化させ思いっきり握る。

バキッ!

 

「…」

機器が壊れ相澤先生の方を見る。

 

「はあ、一応4.5トンまで耐えられるはずなんだが?」

「…?」(無言で首を傾げる)

「…測定不能。」

 

 

長座体前屈

 

彼が座り込み、自分の体を前に倒すと手から氷が出てきてどんどん伸びていき反対側の壁にたどり着き壁を凍らせながらさらに進んで行こうとする。

「…まだ伸びるか?」

「…」コクッ

「無限…」

 

 

幅跳び

 

「氷結怪鳥」

囁くような透き通った声で呟くと、彼の体を氷が包んでいき巨大な氷の鳥になる。

 

「…」

そのまま空を飛びながら無言で先生の方を見る。

「…無限」

 

 

高跳び

 

幅跳びと同じ

 

「…」

「…無限」

 

 

反復横跳び

 

「…」ピキピキ

床を凍らせる。

 

「なんであんなことやってんだ?」

「さ、さあ…?」

クラスメイト達が疑問に思っていると

『スタート!』

 

「!!?」

氷の上をとんでもないスピードで移動していた。

 

「は、早え…」

「お、おいら以上のスピードだと…」

 

ピピッ!

『記録、1826回!』

 

「なんじゃそりゃ…!?」

 

 

ボール投げ

 

彼がボールを手に持ち、投げようとしたとき相澤先生が声を掛けた。

「冷気。」

「…?」

「周りに重傷者がいると思ってやってみろ。」

「………」

コクリ

相沢先生の言葉に少し考え込んでから頷いた。

 

「凍結怪鳥」

今度は、ボールに氷が纏わりつき鳩の姿を持つ。

 

「…」

その鳩を離すと飛んで行き見えなくなる。

「…どこまで飛んで行く?」

「…?」首を傾げる。

「…無限」

 

 

持久走

 

『よーい』

氷河期(アイスエイジ)

ピキピキッ!

今度は、グラウンド全体を凍らせる。

『スタート!」

「…」

反復横跳びと同じ要領で氷の上を高速移動する。

ピピッ!

『記録、10秒36!』

 

「はぁ…冷気。」

相沢先生の方を振り向く。

「?」

「これ片付けておけ…」

グラウンドの氷を指さしながら言った。

コクリ

彼は、頷きなぜか両手を地面に付ける。

 

「「「?」」」

誰もが疑問に思っていると

 

ギュン!

パキパキ

 

「「「「!?」」」」

氷がどんどん吸収されていき元のグラウンドが残っていた。

 

 

「はい、じゃあ結果をパパっと発表するぞ。」

 

1位,冷気

2位,八百万

3位,轟

4位,爆豪

21位,緑谷

 

緑谷の顔が絶望に染まり始めていると

「ちなみに除籍は、嘘ね。」

その言葉を聞きクラス一斉に声を上げる。

「「「「「はあぁー!?」」」」」

「君たちの限界を引き出すための合理的虚偽…だから、冷気。その殺気を抑えろ。」

「…」

その言葉を聞き、今にも殺しにかかりそうなほどの殺気を抑え始める。

 

「はい。では、各自机の中にある資料うをよく読んでおくように。じゃ、解散。」

相澤先生は、それだけ言って戻って行く。

(かなり、やばかった…一瞬だけ自分の死を連想した。あれは、学生の出す殺気ではない…強いて言うなら、ヴィラン達が出すものだ…まったく、どうなるのやら…)

だが内心かなり焦っていた。

 

 

本人視点

 

帰り

 

(誰とも帰れない…)

誰かを誘おうとしたが皆、自分を見るなりそそくさと帰って行った。

(やっぱり、殺気を出したのがダメだったのかな?)

今日の事を思い出しながら歩く。

(仕方ないと思うよ…クラスメイト達が除籍の危機に陥ったんだから助けようと思ったんだ…まさか、それで怖がられるとはね…)

誤解が生まれてしまったようだ。

(また、明日頑張るか!)

 

気持ちを切り替えて、歩き出そうとすると…

「お~い、レイレ〜イ!一緒に帰ろ~!」

俺の事を唯一レイレイと呼ぶ人。

唯一残った友達が、話かけてきた。

 

「…ああ、一緒に帰ろう。」

久しぶりに声に出して言えた。

 




一話目を投稿してから48時間後
お気に入り件数どうなってんのかな?
お気に入り118件
(;'∀')ドユコト!?

感謝しかありません。

ちなみに体力測定の50m走、反復横跳び、持久走で使ったのは、氷の上もしくは、中を自由に動ける能力。
握力測定の時の腕は、異形型個性『氷獄の王』本来の腕。
氷結怪鳥は、自分に氷を纏わせて鳥になれる技(未完成)。
凍結怪鳥は、物に氷を纏わせて鳥のように動かす技(未完成)。
『氷河期』は、お気づきの方もいるかもしれませんが、『ワンピース』の『クザン』こと、『青雉』の技です。

最後に登場したのは、オリキャラです。
次回は、戦闘訓練!
…(戦闘訓練書き終わったら、体育祭直前まで一気に書き溜めしておこう。)
では、また!


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勘違い3 戦闘訓練 前編

3話を書き終えました。
お気に入り件数を見てめっちゃびっくりしました。
本当にありがとうございます。
今回は、戦闘訓練の前編。次話が後編になります。
どうぞごゆっくり。


雄英高校登校二日目

 

今日から普通の授業が始まる。

 

雄英の教師は、皆プロヒーローなので授業を目当てに入学しようとする受験生もいる。

(彼もその一人である。)

 

1,2限

英語

プレゼントマイク先生の授業。

 

「はい、じゃあ。この中で間違っている英文はどれでしょう?」

(((((普通だ!)))))

 

めっちゃ普通の授業なのである。

 

(クソ、つまんねえ…)

爆豪にとってはつまらない授業らしい。

 

(関係詞の場所が間違っているから4番!)

緑谷は、大真面目に受けている。

 

(うおー!マジでプロヒーローが先生やってる!?入学してよかったー!しかも英語がプレゼントマイクって…最高じゃねえか!?後でサイン貰いに行こう!)

彼は、相変わらず無表情のまま内心めっちゃ興奮していた。

 

「じゃあ、この問題の答えを…」(一瞬だけ彼と目が合う。)

「…緑谷!お前が答えろ!」(ゆっくりと目を逸らしながら)

「は、はい!」

 

(((((今、絶対避けたよな!)))))

クラスの心が一致した瞬間である。

 

 

昼休み

食堂にて

 

ここでは、クックヒーローランチラッシュの作った料理を安価な値段で味わえるのだ。

 

 

ランチラッシュと彼が対面していた。

「…」

「…」

「…ご注文は?」

「…白米、下さい。」

「はい!」

「……ありがとうございます…」

「やっぱり最後は、米に落ち着くよね?」

「…ええ」

どうやらランチラッシュは、彼が話せる数少ない人物の一人になったようだ。

 

 

(どこに座ろうかな?)

「お~い!レイレイ!こっちこっち!」

彼が席を探していると彼の唯一の友達が呼んでいた。

 

 

【挿絵表示】

 

(唯一無二の残された友達。上,学校での姿。下,プライベートの姿)

 

【挿絵表示】

 

 

 

「…」

「相変わらずの無表情だね。今日も白米だけ?」

「…」コクリ

「本当それ好きだね。」

「…」

「分かった分かった、じゃあ食べよう。」

「…」(無言で座る。)

「じゃあ、いただきます!」

「…いただきます…」

 

 

 

 

午後の授業

 

普通だったら寝てしまうだろうが皆は、寝ない。

なぜなら…

 

ガラッ!

教室のドアが勢いよく開く。

(((((来た!)))))

 

 

「わーたーしーがーーー普通にドアから来たーーーー!!」

ドアを勢いよく開けて入ってきたのは、一人だけ作画の違う筋骨隆々のNo.1ヒーローオールマイトだ。

 

「すげー、生オールマイトだ!」

 

「一人だけ画風が違う!」

 

「本当に雄英で教師やってんだ!」

 

「あれは、(シルバー)時代のコスチューム!」

 

 

「ヒーロー基礎学!ヒーローの素地を作るのに必要な科目だ!1年を通して一番単位数が多いぞ?さっそくだが今日は…これ!」

そう言いながらオールマイトが持ってきた箱に手を入れて1枚のカードを取り出す。

そのカードには、『BATTLE』と書かれていた。

 

「戦闘訓練!」

「それに伴いこれだ!」

そう言うと壁の一部が突き出て番号の書かれたケースが合計21個出てくる。

 

「入学前に送って貰った個性届と要望にそって誂えたコスチューム!着替えたら順次グラウンドβに集まるように!恰好から入ることも重要なんだぜ?少年少女たちよ!自覚するんだ、今日から自分達は…ヒーローなんだってな!」

 

 

 

 

皆がコスチュームに着替え終わってグラウンドに集合していた。

ただ…彼がいない。

 

飯田が若干イラつき始めたころに彼が来た。

 

カッ

 

コッ

 

カッ

 

コッ

 

カッ

 

コッ

 

 

「冷気くん!君は、もう少し時間を…!」

飯田が出しかけていた言葉を途中で止めたのは、目の前にいる人物が圧倒的上位者に見えたからだ。

 

飯田の前、及び皆の前へと姿を現した彼が着ていたのは、白い軍服。

 

白いシャツの上に白いジャケットを着て白いズボンを履き白いベルトを締めており足元には、白い軍靴を履き肩からワ〇ピースの海軍の将校たちが着ているコートを着用し『正義』の文字の代わりに『氷獄』と書かれている。

そして、階級章に目をやると星が五つ(すなわち元帥を意味する)に眼鏡をかけ頭には、白い軍帽を被り、胸には様々な勲章が付けられており両手には、白い指抜きの革手袋を付けている。

そのため身長と相まって歴戦の軍人にしか見えない(ただし軍刀は、持っていない)。

 

「お待たせしました…では、始めましょうか?」(中尾 隆聖さんボイス)

 

後にクラスメイト達は、彼が一瞬だけ魔王に見えたと語っている。

 

 

 

おかしい。

確実に何かがおかしい。

 

『遅刻してごめんなさい、早く始めましょう。』的な意味を込めて話したはずなのになんでか皆に恐れられている。

しかもその後のくじ引きで余った。

そのせいで俺が一人で戦うらしい。

なんでも、俺が入試主席だからと言うらしい…今は、自分を無理やり納得させ今モニターを見ている。

 

(たしか緑谷,麗日チームvs,爆豪,飯田チームだった気がする…なにか言い合っている、めっちゃ熱い!これ、いいな!っておい!天井ぶち壊しやがったぞ、緑谷!?うわー、腕がひでーことになってやがる…また冷やしに行かないとな…いやもう無理か…)

オールマイトの方を見ながら思う。

 

(てか、最後どんなことさせられるんだろうか?全く思いつかない…うわー、2対1とかやるのかな?絶対やばい…まあ、頑張れば勝てるかもしれないけどさ…)

 

この間彼から不穏な空気が出ていたことは、言うまでもない。

 

最後の一組の対戦も終わって皆(緑谷を除く)モニター室に集まった。

「では、最後に残った冷気少年の対戦相手だg「俺にやらせろや!」…いや、爆豪少年。そうじゃなくて冷気少年の相手h「俺にもやらせろ。」と、轟少年も…」

オールマイトが話し終わる前に二人とも声を上げたが許可できない。なぜなら…

「オホンッ!…冷気少年の相手は、A組の皆(緑谷を除く)に一斉にやってもらおうと思う。」

圧倒的なまでのハンデそれに驚かない者はいない。

「「「「はあー!?」」」」

「そ、それは、どういう…「オールマイト…どういう事だ?」

「!?」

誰かが聞こうとしたとき彼が先に声を上げた。

その声には、確かな怒気が込められていた。

 

「冷気少年…君が入学試験でやった事を思い出してほしい。」

「…」

「あれだけの事をやって2対1の許可が下りるとでも?」

「…チッ」

「19対1になるが君なら大丈夫。そうだね?」

「…」コクッ

「では、皆。悪いけどもう一度ルールを説明する。」

そう言ってオールマイトが新しいルールと設定を説明し始めた。

 

設定は、ある凶悪ヴィランがとある大量殺戮兵器の設計図を研究所から盗み出しそれをとある武器商人に売るらしい。だが、事前にその情報を手に入れたヒーロー達は、その武器商人を捕らえ取引の現場を聞き出した。だが、敵もこちらの情報を得て武器商人が捕まった事を知った。なので、周りを包囲し敵が逃げられないように包囲網を作り少数精鋭(A組)でヴィランを捕らえにいく。

と言う設定らしい。

 

正直さっきよりも設定がアメリカンだが突っ込んではいけない。

 

A組サイド

 

「では、作戦を決めるが…誰かいい案のある人はいるかい?」

 

「「「「「…」」」」」

飯田の言葉に誰も提案出来なかった。

「んなもん、真正面からぶっ飛ばせばいいんだよ!」

爆豪が相変わらずの提案をする。

「真正面からか…漢らしくていいじゃねえか!」

切島は、爆豪の案に乗る。

「やっぱり、回り込んだ方がよいのでは?」

そう提案したのは、八百万である。

「いや、けどここは、高火力で一気に攻め込んだ方がいいんじゃ」

「いや、ここは…」

皆も自分の案を言い出す。が…

 

 

『作戦タイム終了!では、訓練スタート!』

作戦タイムがいつの間に終了し訓練のスタートを知らせるオールマイトの声が聞こえた。

 

「よし、じゃあみんな一塊になって一斉に行くぞ!」

「「「「「おう!」」」」」

作戦が決まり移動しようとしたとき…彼の妙に透き通る声が聞こえた。

 

氷の領域(アイス・フィールド)

 

その声が聞こえた瞬間、地面やビルがどんどん凍って行き周りの温度が一気に低下した。

 

「なっ!?」

「こ、氷!?」

「やばい!温度が一気に下がった!」

「まさか、これほどとは…」

クラスメイト達が驚いているともう一度彼の声が聞こえた。

 

「スノードーム」

視界の端に突如氷の壁が作り上がって行き最後は、天井までも覆いつくす。

そして、上から白い何かが降ってくる。

 

「今度はなんだ!?」

「冷た!」

「ゆ、雪?」

「なぜ雪を…」

「はっ!ま、まさか!?」

クラスメイト達が困惑していると飯田が何かに気づいたように声を上げる。

「みんな!周囲を警戒しろ!」

「「「「「?」」」」」

皆、疑問に思いながらも周囲を見渡す。

とまた彼の声が聞こえた。

 

『ようこそ…我が世界へ。さぁ…俺を楽しませてみせろ!ヒーロー共!』

それは、完全なヴィランだった。

 

 

オールマイトサイド

 

そこには、雄英の教師陣がいた。

「まさか、ここまで出来るとはね…」

「完全に規格外…」

「もし彼がヴィランになった時の事を想定すると頭が痛くなりますね…」

「今は、見守るとしましょう。」

(冷気少年…君は、本当にヒーローを目指すんだね?)

 

モニターに映っている彼は、ビルの一室に氷の玉座とテーブルを氷で作り上げ近くに氷で作った兵士を待機させている。

 

『白狼』

彼がモニター越しでもわかる透き通った声を出す。

 

「またなにか召喚しましたね」

「あれは…狼?」

「やばいんじゃないのか?」

「いや待て特に問題なく倒していってるぞ。」

「じゃあ、なんで召喚したんだ?」

「まさか、実力を測るため?」

「考えてるな…」

 

『なるほど…40秒弱か…じゃあ、これでいいかな?』

 

氷の怪物(アイスモンスター)怪獣王(ゴジラ)…』

『せいぜい頑張れ…』

『さてと…何人来れるかな?』

彼は、新たに作った兵士とチェスをしながら待つことにした。

 

後にこの動画は、氷獄の王こと『アイスマン』の初対人戦闘として世に出回りヴィラン達に底知れない恐怖を与えることになる。

 




現在のオリ主は、若干イラついているのでA組に対して若干八つ当たりみたいな感じで戦っています。
ちなみに現在オリ主が使っている技『氷の領域』は、『氷獄の檻』並に強いです。
たくさんのお気に入り登録ありがとうございます。
ヒロイン候補は、大体決まっていて次回で発表する予定です。
では、また次回をお楽しみに!
感想待ってます!


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勘違い 4 戦闘訓練 後編

オリ主のコスチュームとオリ主の友だちの画像を投稿した次の日の朝、お気に入り登録者数を確認したら250から400になっていました…
かわいいの偉大さを感じました。そして今は、450…
本当にありがとうございます!
ヒロインは、後書きに書かせていただきます。
今回は、戦闘訓練の後編です。多少長くなっておりますがお付き合いください。
では、どうぞごゆっくり。


本人視点

 

今俺は、一人でビルの空き部屋に居る。そう…一人で(・・・)

 

(ふざけんじゃねえよ…戦闘訓練でペアになった人と友達になる俺の計画が台無しじゃねえか…しかも、(ヴィラン)役って…一番友達出来ないパターンじゃねえかよ。)

「はあ…」

 

(それにさっき貰った大量殺戮兵器(笑)の設計図って…ただの、冷蔵庫の取り扱い説明書じゃねえかよ…どこまでふざけてんだよこの訓練。)

 

(もういいやめんどくせえ…いい加減作戦でも決めるか。)

(設定上、相手は全員実力者…そして少数精鋭で俺を捕らえにくるらしい。さらに周りをプロヒーローの集団に囲まれているので逃亡は、不可能に近い。だがここに居ても捕まるだけ…だから向かってくるヒーロー達を倒す若しくは、足止めする方法を考えてその上で逃げないといけない…無理じゃね?)

(普通に無理っぽいんだけど!?えっ!?ど、どうしよう?…奥の手でも出すか?いや、あれは、危険すぎる。じゃあどうするか…)

 

「!」

思いついてしまった。

 

「相手をこっちの世界に引きずり込んでしまえばいいじゃないか…」

(そういう技は…あるには、あるけど…『白き世界』とか基本的に蹂躙、制圧用の即死系に分類される技だからな…威力を落としても強くてそれでいて俺が逃げられる技…『氷の領域(アイスフィールド)』と『スノードーム』を連続で使えば完全に俺の世界。これを突破できるヒーローは…プロにいないな。オールマイトとの闘いになったら氷の中を逃げればいいだけだし…エンデヴァーとかが来ても『氷獄の檻(プリズンコキュートス)』でも撃っちゃえばいいだけだし…強すぎやしないか?このコンボを突破できる奴なんて…(レイレーイ!)一人だけいるか…けど今あいつは、関係ない。相手は、あくまでもA組…つまりは、クラスメイト…友達出来なかったらどうしてくれるんだ!?オールマイト!)

作戦も決まり本気を出すため外で準備しているとオールマイトの声が聞こえた。

 

『作戦タイム終了!では、訓練スタート!』

 

(なにが『スタート!』だよ。この筋肉だるま!)

 

氷の領域(アイスフィールド)

 

心の中で文句を言いながらも両手を地面に付けてそう唱えると周りのビルや地面がどんどん凍っていき周りが氷付けになる。

(相変わらずとんでもねえな…じゃあ、次やるか!)

 

「スノードーム」

 

地面に手を付けたまま唱えると氷の壁がどんどん出来上がって行き最終的には、巨大なドーム状になり雪が降り始める。

(じゃあ最後は、(ヴィラン)役らしく…)

 

 

 

「ンンッ!」

「ようこそ…我が世界へ。さあ…俺を楽しませてみせろ!ヒーロー共!

俺の声は、俺が支配している領域…即ち『スノードーム』内の全てに俺の声が響き渡る。

 

A組サイド

 

「俺を楽しませてみせろ!ヒーロー共!」

彼の声が響き渡る。その声は、魂に直接響いてくるような透き通った威厳のある声だった。

 

「俺を楽しませてみせろ。だと?…ふざけてんのか!あの氷野郎!」

爆豪が彼の言葉を聞きぶち切れて今にも一人で飛び出しそうになる。が、それを切島が止める。

「おいおい、一回落ち着けって」

「うるせえ、赤髪!」

「ひど…くはないか?」

「君達いい加減にしないか!先ほど冷気くんが言ったことが本当ならここは、もう彼の世界だぞ!」

飯田が2人を止めようとするが爆豪は、一向に止まる気配がない。

 

そこで轟が声を上げる。

「飯田、さすがにそれはありえないと思う。」

「なんでだい轟くん?」

轟の言葉に飯田が当然の質問をする。

「それは…」

轟が理由を言おうとしたときもう一度彼の声が聞こえた。

 

「白狼」

 

「!?」

次の瞬間、周りの氷から20数匹の白い狼が出てきた。

そして、こちらを見て敵意むき出しに近づいてくる。

 

「白き獣達よ。座しなさい!」

すかさず口田が個性を使うが全く効果がない。

 

「飯田、さっきの話だが忘れてくれ…」

「と言うと…?」

「どうやらここは、すべてあいつの支配下にあるらしい…」

「「「「「!」」」」」

クラスメイト達に衝撃が走る。

「だが、なにかデメリットがあるはずだ…そうでなければこの量の氷が出せることに納得がいかない。」

「たしかにそれもそうだね…でもその前にこの狼たちを倒さないと。」

クラスメイトが各々の個性を使う準備をする。

 

「「「「「ガウッ!」」」」」

狼たちが一斉に飛び掛かり乱戦状態になりながらも40秒弱で倒す。

 

「なんだったんだ…今のは?」

「わかんないけど…もしかして捨て駒?」

「まさか…俺たちの個性を知るための捨て駒だったってのか?」

「ってことは、氷野郎は俺たちの個性を知ることが出来て今対抗策を作っているってことか…」

「「「「!」」」」

爆豪の言葉に皆が気づいた。

自分達は、罠に嵌められたのだと。

 

氷の怪物(アイスモンスター)怪獣王(ゴジラ)

 

「「「「!」」」」

もう一度彼の声が聞こえた。

 

「今度は、何を…」

 

ズウゥゥゥン!

「!な、なんだあ!?」

大地を震わせるほどの振動が起こる。

 

ズウゥゥゥン!

「なんなんだよ!いったい!?あ…」

峰田がパニックになりながら周りを見渡していると、ビルの間から出てきたそれを見つけた。

 

太い両足に巨大な胴体、背中には背びれのような物が二列に並んでいる。その体に不釣り合いな小さな腕を持ち恐竜を思わせる頭に体より長く太い尻尾を持った巨大な氷で出来た怪物。

ハリウッド版ゴジラ(うろ覚え+氷製)がそこに居た。

 

「「「「「…」」」」」

「…」

お互いが動かずにいたが氷の怪物が右足を上げたことでA組の面々が初めて反応する。

「!よ、よけろー!」

ズズウゥゥゥン!!

怪物が足を踏み下ろし振動で回りの氷がいくらか崩れるが再び凍っていく。

 

「なんじゃありゃ…」

「あんな物まで出せるのかよ…」

「勝てるわけねえじゃねえか…」

「はっ!みんな別に倒さなくてもいいんだ!冷気くんを捕らえる事が今回の勝利条件なのだから!」

「「「「「そうか!!!」」」」」

A組に希望が出来る。

 

「作戦は、機動力、高火力、殲滅力に向いた個性を持つ人たちで行く!幸い設定上彼がどこに隠れているのか分かっている。そこに行くぞ!」

「「「「おう!」」」」

飯田の言葉を聞きすぐに分かれる。

 

彼を捕らえに行くメンバーは、爆豪、轟、飯田の3人他のメンバーは、怪物の足止め役である。

「いくぞ!」

「おうよ!」

「…」

「俺に指図するな!」

3人は、彼が潜んでいるであろうビルに向かって走って行く。

 

 

オールマイトサイド

モニター室にて

 

彼が建物から出てきたあたりで肌と髪がどんどん色を失っていく事に誰かが気づいた。

「うん?透明になってません?」

「本当ですね。まるで入試の時のように…」

「入試と同じ事をする気なのでしょうか?」

「今回は、あの技を使ったら即敗北にすると言っておいたので大丈夫だと思いますが…」

 

氷の領域(アイスフィールド)

 

「…凍りましたね。」

「全部凍りましたね…」

「どこまで規格外なんだ?」

「ていうか…あれって絶対個性違いますよね?」

「たしか、彼の個性は『絶対零度』で登録されてるけど…」

「明らかにそれ以上のなにか…そう言いたいんですか?」

「ええ、そうね…」

「後で、聞けばいいだけさ!」

「でもそれは、強引すぎるんじゃ…?」

 

『スノードーム』

 

「またなんか使った…」

「後で聞けばいいだけさ!」

「そうですね…」もはや諦めた

 

 

 

本人視点

 

(やばい…八つ当たり気味にゴジラ召喚しちゃった。どうしよう…後で謝ろう…)

さきほど自分がやったことを後悔しながら前の兵士とチェスをする。

 

(そして、勢いに任せて変な奴まで召喚しちゃったし…隣の…ええと、たしか…氷河だったか?は、無駄に戦闘力高いし…明らかに過剰戦力なんだよな…)

隣に眉一つ動かさず微動だにしない兵士を横目に見ながら思う。

 

「なにかございましたか?」

俺の視線に気づき聞いて来た。

「…」ブンブン

首を横に振る。

「そうですか…では、なにかございましたら何なりとお申し付け下さい。」

それだけ言って元のポーズに戻った。

「げ、元帥殿。」

「…ん?」

「ひっ!げ、元帥殿の番で御座います…その…どうぞ…」

「…」

カッカッカッ

「…え?」

「…チェックメイト」

「なっ!?…ま、まいりました…」

「さすがですね!」

「…」(何だろうか?全くうれしくない…)

 

 

 

 

「おや?来ましたよ。」

氷河の言葉を聞き建物の階段付近を見ると飯田、爆豪、轟の3人がいた。

(3人…多すぎじゃね?え!なに!?ゴジラ突破されたの!?いや違うか…よかった。あれを突破されていたらさすがにやばかった…一回崩すか…)

 

「氷砕」

 

呟くように声に出すと外で戦っていたゴジラが崩れる。

 

「俺たちへの気遣いのつもりか?」

 

(やべー、轟がなにか聞いて来た!なんも聞いてねえ!なんか適当な台詞を…)

「まあ、そんなところだ。」

(氷河!?何勝手に喋っちゃってんの!?やばいよ!絶対あらぬ誤解を生みだしちゃってるよ!ほらー、なんか睨んできてるし!もうどうしてくれんだよ!?)

「…」( ´∀`)bグッ!

(( ´∀`)bグッ!じゃねえよ!このバカが!本当どうしてくれんだよ!?作戦?んなもんねえよ!時間切れまで待つつもりだったから戦闘の準備なんて全くしてねんだよ!)

 

「てめえは、俺が殺す!」

(なんか爆豪が切れてるんだけど!?やばいやばい、どうしよう!?)

 

「我が主に指一本触れさせぬぞ!」

「じ、自分もこの命に代えてでも元帥殿をお守りいたします!」

(…やべえ…惚れそう…氷河かっこよすぎだろ!バカって言ってごめんなさい…あと名も無き兵士…お前には、後で名前をあげるよ。)

 

(ヴィラン)よ!おとなしく投降して兵器の設計図をこちらに渡すんだ!」

 

(飯田までノリノリだ!俺もこの波に乗らないと…)

「ふん…欲しければ…俺から奪ってみろ!」(テンションMAX)

 

そしてついにヒーローと(ヴィラン)の闘いが始まったのである。(謎のナレーション)

 

 

第三者視点

 

爆豪vs.氷河

 

まず最初飛び出したのは、爆豪である。

「死ねやぁ!」

相変わらずの暴言を吐きながら彼に向かって行ったが氷河と呼ばれた兵士が割って入る。

 

「どけ!」

「シッ!」

思いっきり右手の大振りをしながら迫るが氷河は、軽く受け流す。

「ッ!?」

「はあ!」

爆豪が驚いている隙にがら空きの腹部に掌底を食らわせる。

「ガフッ!」

「せりゃあ!」

そして喉に回し蹴りを食らわせ壁まで吹き飛ばし気絶させる。

「グェッ…!」

 

「なかなかの戦闘センスだ…しかし、いかんせん隙が多い。隙を無くせればまだまだ強くなれる。俺みたいにな…しかし今の俺では、我が主に指一本触れる事すら出来ずに敗北するだろう…」(盛大な勘違い)

気絶している爆豪を見ながらそう呟く。

 

決着

勝者,氷河

 

 

飯田vs.名も無き兵士

 

この戦いは、筆舌に尽くしがたいものとなる…訳がない。

大した戦闘力を持たないチェスの相手として呼び出された兵士は、飯田の攻撃を真正面から受けては、破壊されるが『氷の領域(アイスフィールド)』内のため無限に修復されるという無限ループが起きる。

そしていつしか飯田のスタミナが切れ兵士が確保テープを巻くという納得いかない方法で決着がついた。

 

決着

勝者,名も無き兵士

(冷気ですら認めたくない勝利)

 

 

冷気vs.轟

 

「さあ…はじめようか?」

妙にテンションの高い彼が挑発するとともに轟が氷を出し彼を襲わせるが氷が当たる直前で轟の意に反して急に止まる。

「ッ!?」

「どうした?遠慮しなくていいんだぞ?」

「チッ!」

もう一度氷を出すがやはり彼に当たる直前で止まる。

「…どういう事だ?」

「答える気はない」

「そうかよ!」

今度は、自らが近接戦闘に向かう。が…

 

「はっ!」

パキパキ

轟の攻撃を先ほどまで轟が出した氷が止めた。

「なに!?」

「よそ見するな!」

「グッ…」

轟が驚いている隙を付き彼が顎に右ストレートを食らわせる。

「うっ…」

どうやらその攻撃は、轟の脳を揺らすために十分だったらしく轟は、膝を着いた。

(ただの偶然の積み重なりである。)

 

「お前…」

轟が彼を睨むが彼は、いつもの無表情に戻り轟を見下ろしながら手を翳し轟を凍り付かせる(死んでない)。

そこで轟の意識がブラックアウトした。

 

決着

勝者,冷気

 

「…なかなかに楽しかったぞ…」

 

 

『タイムアウト!(ヴィラン)チームWIN!』

オールマイトの声が聞こえた彼は、轟の氷を壊しモニター室に戻る。

 

「…」

だがその表情は、どこか悲しそうだった。

(やべえ…クラスメイト殴っちゃったよ…友達になりたかったのに無理っぽくなった…どうしよう…まあ別にいいか!)

訂正

彼は、結構元気だった。

 

その後モニター室で戦闘訓練の評価を受け彼は、すこし嬉しそうにしながら帰路に就いた。

 




ヒロインは…
同じクラスからは、耳郎、八百万。
B組からは、友達ちゃんが入るかもしれない。
先輩からは、ねじれ先輩がヒロインとして出てくる予定です。
ハーレムしないハーレム(出来ない)としてハーレムさせます。
たくさんのご応募、誠にありがとうございます!これからも氷の男『アイスマン』のヒーローアカデミアをよろしくお願いします。

お知らせ,
体育祭直前か体育祭終了ヒーローネーム決定直前まで一気に書き溜めするのでしばらく失踪(笑)します。
感想や質問等待ってます。
では、また次回!
シュバッ!


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勘違い 5 委員長決め

雄英高校体育祭編の第2種目あたりを書いていた時に思った。
「あれ?職場体験先どこにしよう」と…
そしてもう一つ思った。
「先にUSJ編を投降した方が後でデータが吹っ飛ぶような事が起きても安心できる気がする」と…

てなわけで大変長らくお待たせしました!「氷の男『アイスマン』のヒーローアカデミア」の投稿を(USJ編、脳無撃退まで)再開します!
結構短いです。
どうぞごゆっくり。


第三者視点

 

戦闘訓練が終わった次の日

 

雄英の生徒たちが学校に行く時間帯

 

雄英の校門の前に人だかりが出来ていた。

その人だかりの中には、マイクを持った女性レポーターやカメラマンなどが次々と生徒へと質問等をしていた。

 

この人達は、いわゆるマスコミだ。

 

その一人の女性リポーターが登校していた生徒たちにマイクを向けて質問する。

 

「オールマイトの授業風景は、どうですか?」

「えっ!?あ、僕保健室行かなきゃならないんで!」

 

別の女生徒にマイクを向けてまた同じ質問する。

「オールマイトの授業は、どうですか?」

「えっ?えーと、筋骨隆々!って感じかな?」

 

別の男子生徒(以下略)

「オールマイト(以下略)」

「日本最高の教育機関で教育を受けられる自分の身にこの上ない「はい、もう結構です。ありがとうございました。」

途中で切られた。

 

「オールマイトの授業は…って、あれ?君ってヘドロ事件の?」

「るっせー!」

 

「オールマイトに一言、貰えたら帰ります。って、あなた汚くないですか!?」

「今日彼は、非番なんで帰ってもらえますか?」

 

などとマスコミが雄英の生徒や教師を困らせていると…

 

彼がゆっくりと登校して来た。

 

彼は、ゆっくりとまるで散歩するかのように歩いて来る。

その姿は、絵画にも収まらない美しさだった。

 

「……」

 

何人もの人が息を飲み、時が止まったかのような静粛が続く中…彼は、マスコミを一瞬だけ確認して歩行速度を変えず校門を潜った。

 

 

冷気 零サイド

第三者視点

 

朝,

まだ日が昇る少し前

彼は、台所に一人で立っていた。

 

「……マジか……」

彼は、一つの袋の中身を確認してそう呟いた。

その声には、落胆の気持ちが感じ取られた。

「…信じられない……」

いったいどれほどの問題なのだろうか?彼がここまで言うのだかなりの問題に違いない。

 

 

 

「シリアルが切れてる…」

訂正,

かなりどうでもよいことだった。

 

(俺の朝の楽しみの一つだったのに…)

(まあ、いいか…帰りに買いに行けばいいだけだから…スーパーに行くのか…精神的に死ぬかもしれない。)

 

内心そんな事を考えながらも朝食を済ませ学校にいく準備をしながら忘れ物の確認をする。

(問題なし!全部揃ってる!)

 

「…行ってきます…」(ボソッ

 

「………行ってらっしゃい。」

そのまま彼は、自分の家を出て学校に向かう。

 

 

 

冷気視点

 

(ん?校門の前になにか人だかりが出来てる?なんじゃ、ありゃ?)

 

そう思いながらも近づいてみると正体が分かった。

(マスコミか…理由は、オールマイトの教師就任だろうな…まったく…不快な存在だ。)

だが、歩く速度を変えず校門に向かうとなぜか周りが静かになった。

(なんで急に静かになったんだ?不思議なものだな…)

 

そのまま特になんの問題もなく校門を潜りぬける。

(なんか聞かれると思っていたんだけどな…)

 

 

教室にて

第三者視点

 

教室ではすでに皆揃っておりいろいろと話していたが

 

ガラッ

「おはよう」

相澤先生が入ってきた瞬間一気に静かになった。

 

「昨日のブイを見させて貰った。」

「爆豪…もうガキみたいなマネすんな。」

 

「…チッ」

相澤先生の言葉に爆豪が舌打ちする。

 

「…そして緑谷は、腕一本やって一件落着か。制御が効かないからいつまでも誰かに助けてもらうってわけに行かない。だが…」

「使いこなせれば出来ることが増えるんだ…焦ろよ?緑谷。」

 

「…はい!」

相澤先生の言葉に緑谷が頷く。

 

「最後に…冷気。」

「…?」

「…お前は、少し加減を覚えろ。」

「…」コクッ

彼は、素直に頷いた。

 

「…さっそくだけど今日は、君たちに…」

相澤先生がそう言った瞬間教室がわずかにざわついた。

あの相沢先生の事だ。

何を言い出すかわからない。

 

「学級委員長を決めてもらう。」

 

「「「「「クソ学校っぽいの来たーーー!!!」」」」」

その一言で教室が一気に騒がしくなった。

 

 

「はいはい、リーダーやる!」

「リーダーやりたい!」

「おいらのマニフェストは、女子全員膝上30cmに…ッ!」

「こういうのこそ俺だろ、俺!」

 

彼以外のクラスメイト達が手を挙げた。

 

 

「静粛にしたまえッ!」

飯田が声を張り上げ

「多を牽引し導くこ大事な役職だ!それをただやりたいからと、簡単に決めていいはずがない!…今こそ民主主義に乗っ取り皆の信頼を得る真のリーダーを決めるためみんなで投票を行うべきだ!」

 

飯田がそう発案した。が

 

「そびえ立ってんじゃねえか!」

「なんで発案したんだよ!」

飯田の手が天に向かって伸びきっていた。ものすごくきれいな姿勢で手を挙げていた。

 

「だけど日も浅いのに信頼もクソもないわ、飯田ちゃん。」

「んなの皆自分に入れるに決まってらぁ!」

そう言ったのは、蛙吹と切島である。

「だからこそ!それでも選ばれた者こそが真にふさわしい者とは、思わないか!?」

飯田は、自分の提案を相沢先生に主張する。

 

「先生、それでよろしいでしょうか!」

 

「ちゃんと決まるなら何でもいいよ…早く決めろ。」

相澤先生が簡単に許可を出し寝袋に入った。

 

 

 

数分後

 

 

「えー!?僕四票!?」

「そんなバカな!俺に一票だと!?」

「…なっ!?」

「……」

緑谷に四票入っており飯田には、一票。そして爆豪にも一票だった。

そして彼は、0票だった。それもそのはず彼は、緑谷に投票したのだから。

 

「じゃあ委員長は、緑谷。副委員長は、八百万で決まりだ。じゃあ授業の準備をしろ。」

相澤先生がそう言って朝のホームルームを終わらせた。

 

 

 

昼休み

食堂にて

 

 

「今日も白米かい?」

「…」コクッ

「大盛りにする?」

「…お願いします。」

「はい、どうぞ。」

「ありがとうございます。」

 

彼は、いつも通り白米だけ注文して唯一の友だちが座っている場所に着いた。

 

「やっほーレイレイ。元気にやってる?」

「…まあまあかな…?」

「まあまあねぇ…戦闘訓練でやらかした…とか?」

「…そんな感じ…。」

「レイレイって昔っから手加減へたくそだからねー。どうせまた、演習場を凍らせて自分に有利なフィールドに作り替えてから迎え撃ったんでしょ?」

「…」コクッ

「そしてなんやかんやあって圧倒したと。」

「…テレパシーか?お前。」

普段の彼を知るものからすれば「彼がここまで話せるなんて!」と驚くことだろう。

 

「フフッ。何年レイレイの友だちやってると思ってんの?もう10年だよ。あの時助けてもらってから…

「10年…長いな…」

「うん!私が初めての友だちになってから10年…そろそろ恋人にランクアップさせてほしいな…なんちゃって!

「……なんか恥ずかしくなってきたから食べようか?」

「その割には、表情筋が動いていないけどね。」

「ぐっ…」

「じゃあ…いただきます!」

「…いただきます。」

 

2人とも食事を始めようとしたとき…

 

ビーッビーッ!

ビーッビーッ!

『セキュリティーレベル3が突破されました。』

『全生徒は、直ちに屋内に避難してください。』

『繰り返します。全生徒は、直ちに屋内に避難してください。』

警告音とともにアナウンスが流れた。

 

それを聞いた生徒たちは、一斉に避難し始め。出口がすぐにいっぱいになった。

 

原作では、なんとか解決しようと緑谷達が案を考えている間。二人は、と言うと…

 

「…」

「…」

静かに怒っていた。

「…ねえ、レイレイ。手加減はいらないよね?」

「…ああ。」

そのまま二人は、窓に向かって歩いて行った。

彼は、窓を凍らせてから割り。

彼の友だちは、窓に触れた瞬間窓が溶け出し二人とも外に出た。

 

炎の巨人(スルト)…」

彼女がそう呟くと体に炎を纏っていき燃え盛る炎の大剣を持った炎の巨人(スルト)へと姿を変えた。

「氷の女王…」

彼がそう呟くと体に氷を纏っていきドレスを着た女性へと姿を変える。

 

2人は、侵入者を撃退するべく各々の個性を発動させたが…

 

「…マスコミ?」

「…この場合は、マスゴミだけどな。」

侵入者が朝のマスコミだということに気づくと個性を解除し校舎に戻って行った。

 

「…」(マスコミごときに校門を突破できるのか?)

「拍子抜けだったわ~。てっきり敵が侵入してきたと思ったんだけどね~。」

 

「…」じーっ(ジト目)

「なによ?こっちは、久しぶりに思いっきり運動したいのよ。」

「はあ…」

「あー!何今のため息!どうせ私の事戦闘狂だって思ったんでしょう!」

「…違うのか?」

「違うわよ!私だって戦う相手くらい選ぶわよ!」

「…そうか。」

「ああ!その反応、絶対信じてないわね!」

「…」

「なんか言いなさいよー!」

2人は、仲良く校舎へと入っていき先生に叱られた。

 

 

 

「この門の破壊跡…普通のマスコミに出来ると思う?」

「普通は、無理でしょうね…」

「と言うことは、誰かが悪意を持って破壊したという事になるね。」

「警備を一層強化して警戒を強めましょう。」

 

この数日後、敵連合がUSJに攻め込んでくる事は、まだ誰も知らない。

 

 

 




お久し振りです!
どうでしたか?
色々と事情があるのでこれからも不定期更新になりますがどうぞご覧ください。

ちなみにオリ主の友だちの名前は、皇 未来火(すめらぎ あすか)です。
個性は、「煉獄の女王」です。
では、また次回!


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勘違い 6 迫りくる悪意

お気に入り登録件数が1000件を突破しました!
本当にありがとうございます!感謝しかありません!

…勝手ながらヒロイン候補をハーレムから一人だけに変更いたします。
理由としましては、自分が『自分がハーレムを書ける気がしない』のと『ヒロイン候補を募集したとき候補者が多すぎて誰を選べいいか分からず大量に選んでしまったから』です。
落ち着いて頭の中で整理した結果、一人だけにした方がストーリーも安定する+書きやすいと気づいたので変更することにしました。
作者の勝手のせいで申し訳ございません。
ヒロイン候補だった娘達とは、ある程度絡ませる予定です。
本当に申し訳ございません。

今回は、かなり短いです。
では、どうぞ。


マスコミが侵入してから三日後

 

クラスメイト達がバスの前に集まっていた。

 

「今日のヒーロー基礎学だが、俺とオールマイトそしてあと一人の3人態勢で見ることになった。」

寝袋に入ったまま相澤先生がそう言った。

 

「はい、質問です。今日は、なにをするんですか?」

「今日のヒーロー基礎学は、災害水難など何でもござれの人名救助だ。」

相澤先生がそう言った瞬間A組の皆が少しだけ騒いだが先生の睨みで静かになった。

 

「じゃあ、バスで行くから早く乗れ。」

 

「みんな!ここは、出席番号順に並んでバスに乗るようにしよう!」

そう言ったのは、委員長になった飯田である。

 

だが

「こういうタイプか~!」

「完全に無意味だったね。」

バスは、席が横についているタイプのものであった。

 

芦戸の遠慮のない言葉を食らった飯田は、膝を着き皆は、バスに乗っていく。

 

 

 

バスの中

 

みんな好きな席に座りいろいろと話していたそんな中

 

「緑谷ちゃん。」

「な、なに?蛙水さん。」

「梅雨ちゃんと呼んで。私は、なんでも思った事を口にするんだけど?あなたの個性ってオールマイトに似てるわよね?」

「えっ!?ええ!?そそそそ、そ、そうかな?僕の個性なんか全然だよ!」

「そうかしら?」

 

「そうだぜ、梅雨ちゃん!オールマイトは、個性を使う度に体を壊したりしないしパワーも全然違うぜ。」

助け船をだしたのは、切島だった。

 

「それにしてもいいよな緑谷みたいなパワー系は、派手で出来ること多いし。俺なんか硬化するだけの地味な個性だからな。」

「そんな事ないと思うよ。切島君の個性って便利だしプロでも通用するとおもうよ!」

「そ、そうか?」

切島は、少し嬉しそうにした。

 

「でも派手で強いと言ったら轟と爆豪、そして冷気だよな。」

 

「チッ…!」

「…」

「…?」

上鳴の言葉に爆豪が舌打ちをし轟は、僅かに顔を暗くし冷気は、疑問に思った。

 

「そういえば冷気ちゃんってなんの個性なの?」

「「「「「!!!?」」」」」

「…!?」

 

梅雨ちゃんが質問をした瞬間クラス中の視線が冷気に集まった。

「確かに気になるな…」

「演習場を一瞬で凍らせたりバカでかい氷の怪物を作ったりホントに意味がわからないよな…」

「確かに冷気君の個性って発動型みたいだけど発動型では説明がつかないほどの氷の量を出した。それにあれだけの氷を出していれば体の機能が低下するはずなのに全くそんな様子が見られない…そこから推測するに冷気君の個性は、複合型の可能性がある。だけどなんの個性を組み合わせれば冷気君のように大量の氷を生み出したり操ることが出来るんだ?ぶつぶつぶつぶつ……」

「…」

冷気は、緑谷の反応に少し引きながら自分の個性をどう説明するか考える。

 

「…俺の個性は…」

「個性は…?」

「…異形型だ……」

右手を氷に変化させながらそう言う。

 

「………え?」

「「「「「ええええ!!?」」」」」

「異形型なの!?」

「見た目完全に人間なのに!?」

「全然見えない!」

「そうか!異形型なら自分が個性そのものだから個性によるダメージを受けない!だから身体機能が低下しないのか!」

 

「おい、お前ら。そろそろ着くから静かにしろ。」

そんなこんなで少し騒がしくなるが相澤先生の一言で収まった。

 

(異形型の個性…つまり絶対零度は、本当の個性を隠すためのカモフラージュか…正式な名前を後で聞いておかなければな…)

相澤先生が心の中で考えたことである。

 

 

 

 

バスの外

 

皆がバスから降りるとでかいドーム状の施設があった。

 

森林、湖、山、倒壊した街、暴風吹き荒れる場所、火事、などなんでもあった。

 

「すげー!USJかよ!?」

 

「水難事故、火事、土砂災害etc……ここは、ありとあらゆる事故や災害を想定した演習場その名も――――ウソの災害事故ルーム(USJ)です。」

そう発したのは、宇宙服を模したコスチュームを身に纏ったヒーロー13号だった。

(((((USJだったー…!!)))))

(いろいろとアウトじゃないのか?)

心のなかで呟く。

 

そんな中相澤先生と13号先生が

「オールマイトは、どうしたんだ?」

「なんか活動限界いっぱいまで活動してしまったので今仮眠室で休んでいます。」

「まったく、不合理の極みだな…」

と小声で話していた。

 

「えー…始める前にお小言を1つ…2つ…3つ…4つ……」

((((増える…))))

 

「皆さんご存じだと思いますが―――」

その言葉から始まっ13号の説明は、今の超常社会の個性飽和の現状、個性の危うさそしてその個性をどのように扱うべきか考える必要があることなどを話した。

 

「ご静聴ありがとうございました。」

「素敵ー!」

「ブラボーブラボー!」

13号の説明が終わりクラスメイト達が拍手をしていると相澤先生が声を出す。

「んじゃそろそろ…」

 

「…冷凍ビーム。」

「ッ!なにするんだ、冷気!」

突如、冷気が個性を使ったことに相澤先生が声をあげる。が…

彼は、ゆっくりと手を挙げ噴水の方を指さす。

 

「…あれ。」

「…?」

彼が指さした方を見ると黒い靄が現れ、中から何十人もの敵が出てくる。

 

「ッ!一塊になって動くな!13号生徒たちを守れ!あれは、敵だ!」

それを見た相澤先生が叫ぶ。

 

 

「おや、おかしいですね?先日いただいたカリキュラムでは、ここにオールマイトがいらっしゃるはずなんですけどね…」

黒い靄で構成されたような(黒霧)が喋りだし

「どこだよ?せっかくこんなに大衆を引き連れてやって来たってのによ…」

手を大量に付けた(死柄木)が呆れたような声を出す。

 

「先日?ってことは、マスコミが入ってきたのは、敵共の仕業だったのか!」

「あの騒ぎを起こしたのは、今回の襲撃のためってことか!」

 

「いないんなら、呼び出すしかねえな…

 

 

 

生徒(ガキ)共を殺したら来るk『冷凍ビーム』ッ冷た!」

 

死柄木が喋り終える前に彼がもう一度、技を放った。

 

「そうか…さっきのビームは、お前の仕業だったのか…ならばお前は、後でなぶり殺しにしてやる。」

「…」

そう言って殺気を込めた視線で彼を見るが似たような視線を彼もぶつけるという異常な光景が繰り広げられる。

 

「…13号!生徒たちは、任せたぞ!」

相澤先生は、目をゴーグルで隠し、敵の中に一人で突っ込む。

 

「相澤先生の戦闘スタイルでは、不利です!」

と緑谷が叫ぶ。

だが…相澤先生は、武器を使いながらうまく立ち回り敵を圧倒していく。

「す、すごい!」

 

「緑谷!さっさと行くぞ!」

緑谷が少し見入っていたが声を掛けられたことで動き出した。

だが…

 

「おっと逃がしませんよ。」

霧状の敵が回り込んできた。

「初めまして我々は、(ヴィラン)連合。僭越ながらこの度ヒーローの巣窟である雄英に入らせていただきましたのは、平和の象徴であるオールマイトに死に息絶えて貰うたため…要するに殺害するためです。」

 

「!?」

その言葉にみんなが動揺し13号先生が個性を使う準備をする。が…

「その前に俺たちに倒される事を予想していなかったのかよ!」

「ダメです二人とも!下がりなさい!」

爆豪と切島が飛び出していた。

BOWN!

 

「おっと、危ない危ない…子供とは言えヒーローの卵ですからね。やはりあなた方は、散らしてからなぶり殺しにしましょう。」

そう言うと黒い靄が広がりA組を包んで行くが数人だけそこから投げ飛ばされる。

 

「なっ!?」

投げ飛ばされて来た方角を見ると彼がサムズアップしながら微笑みを浮かべ吸い込まれて行った。

 

「なるほど…またあなたですか…あなたは、後で確実に息の根を止めてやりますよ!」

「…出来るもんなら…やってみろ!」

吸い込まれた先からそんな声が聞こえた気がした。




今迷っていること
「オリ主の友だちにどんな技を使わせればいいのか」
どうしようかな?

では、また次回!


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勘違い 7 氷獄の王

今回は、勘違いの元凶が登場します。
最初から最後まで深夜テンションで作りました。

では、どうぞごゆっくり。

10月14日7話からのがっつり編集が終了しました。
大変ご迷惑をお掛けします。


本人視点

 

今日のヒーロー基礎学は、救助訓練らしい。

(原作なんて正直ほとんど覚えていないけど…(ヴィラン)連合が攻め込んで来たってことは、覚えてる…やばいなどうしよう?)

 

いつものコスチュームに着替えながら心の中でそう呟きバスに向かう。

 

バスに到着しみんなでバスに乗り込み会場へ向かう。

 

 

 

 

バスの中では、蛙みたいな個性を持った蛙水さんが緑谷の個性がオールマイトに似ていると指摘したら緑谷がめちゃくちゃ焦りだした。

なんでだろうか?

 

だがフォローするように切島が自分の個性が地味だと自虐ぎみに言ったが、緑谷のプロでも通用するという発言で少し嬉しそうにした。

(緑谷って、やっぱり結構いいやつだな。友達になりたいな…)

 

「……と爆豪、そして冷気だよな。」

上鳴がなんか言ったが聞いてなかった。なので

「…?」

首を傾げる。

 

「そういえば冷気ちゃんは、なんの個性なの?」

 

「!?」(えっ!それ聞く!?)

(個性の事は、出来るだけ聞かないでほしいことなんだよなぁ…あとなんか緑谷がぶつぶつ言いだしたんだけど⁉怖いんですけど!?)

 

(取り敢えず説明しておこう)

「俺の個性は…」

「個性は…?」

(なんだろうか?結構緊張するな…)

「異形型だ…」

(あれー?なんか思ったよりも威圧的になっちゃった!)

 

「えええええ!!!?」

(そんな驚く!?)

「異形型なの!?」

「見た目が完全に人間なのに!?」

「全然見えない!」

(わーお…息ぴったり。)

「そうか!異形型なら自分が個性そのものだから個性によるダメージを受けない!だから身体機能が低下しないのか!」

 

 

「おい、お前ら。そろそろ着くから、準備しろ。」

相澤先生の声を聞こえてきたので考えるのをやめた。

 

 

 

 

 

 

バス降りて皆がいる場所に集合したらドーム状の建物があった。

(わぁ…USJかな…?)

などと現実逃避してると

「略して―――ウソの災害事故ルームUSJです」

(USJだった…いろいろとアウトじゃないのか?)

とか疑問に思ったりもした。

 

(あれ?13号先生と相澤先生がなんか話してる。)

(あっ、呆れたような顔で相澤先生がため息ついた。)

 

「では、始める前にお小言を1つ、2つ、3つ、4つ、5つ…」

 

(どんどん増えて行ってる…)

その後、13号先生が個性飽和社会の現状そして個性の危険性について話した。

(危険な個性…俺やあいつら(・・・・)のことか…)

(ん?)

先生の話が終わったあたりで中央の噴水を見ると黒い靄が生まれていた。

「ッ!」

本能レベルで察した。あれは、『ヤバい(・・・)』と。

 

「じゃ、そろそろ…」

「冷凍ビーム」

相澤先生が喋り終わる前に技を放った。

 

「ッ!なにするんだ、冷気!」

「あれ…。」

「…?」

ゆっくりと靄に向かって指を向ける。

すると靄の中から何十人もの人間が出て来た。

 

(なんだあれ?まさか…)

「全員動くな!あれは、敵だ!」

(マジかー…)(ノ∀`)アチャー

(来ちゃったか…)

 

「おや、おかしいですね?先日いただいたカリキュラムでは、ここにオールマイトがいらっしゃるはずなんですが…」

(先日と言うと…マスコミが侵入してきた日の事か…)

 

「いないんなら呼び出すしかねえな…

 

 

 

生徒(ガキ)を殺したら来るk「冷凍ビーム」ッ冷た!」

 

敵が喋っている最中にもう一度技を撃った。

(悪いが先に終わらせるぞ!)

 

「そうか…さっきのビームは、お前の仕業だったのか…ならばお前は、なぶり殺しにしてやる。」

「…」

(やばい…どうしよう…)

(目がめっちゃ怖いんですけど!?)

ここまで怒るとは、予想していなかった。

 

「…13号!生徒たちは、任せたぞ!」

相澤先生が目をゴーグルで隠して敵の集団に突っ込んでいった。

 

「相澤先生の戦闘スタイルでは、不利です!」

緑谷が叫ぶが捕縛布を使って次々と敵を倒していく。

「す、すごい!」

 

「緑谷さっさと行くぞ!」

緑谷に誰かが声を掛けたことで動き出してみんなで出口に向かおうとしたが…

「おっと、逃がしませんよ。」

霧状の敵が回り込んで来た。

 

「初めまして我々は、(ヴィラン)連合。僭越ながらこの度ヒーローの巣窟である雄英に入らせていただきましたのは、平和の象徴であるオールマイトに死に息絶えて貰うたため…要するに殺害するためです。」

 

「!?」

(まじか…やばいな…)

その言葉にみんなが動揺し俺と13号先生が個性を使う準備をする。

が…

 

「その前に俺たちに倒される事を予想していなかったのかよ!」

「ダメです二人とも!下がりなさい!」

爆豪と切島が飛び出していた。

BOWN!

 

「おっと、危ない危ない…子供とは言えヒーローの卵ですからね。やはりあなた方は、散らしてからなぶり殺しにしましょう。」

そう言うと黒い靄が広がりみんなを包んで行くが、近くに居た数人をそこから投げ飛ばす。

「なっ!?」

 

(う~ん…見た感じダメージないみたいだな)

(けど…危ないって言ったあたり本体は、あるのかな?)

何てことを吸い込まれながら考えていると

 

「なるほど…またあなたですか…あなたは、後で確実に息の根を止めてやりますよ!」

(なんか切れてるんですけど!?)

「出来るもんなら…やってみろ!」

取り敢えず煽ってみた。(一時的な気の迷い)

そのまま俺は、黒い霧に吸い込まれていった。

 

 

スタッ

「…」

黒い靄から放り出されると周りは、岩だらけで斜面などがあったのでここが山岳地帯だと理解できた。

辺りを見渡していると少し遠くの方から誰かが近づいている音が聞こえた。

 

「…」パキパキ

なので両手に氷を纏わせながらアイアンマンポーズで待ち構えた。

 

「ワーッ!ちょっと待て!俺だよ俺!上鳴だよ!」

「上鳴か…紛らわしい…」

現れたのは、黄色い髪に稲妻のような黒い模様の髪をした男子生徒、上鳴 電気だった。

 

その後ろから八百万と耳郎が現れた。

「冷気さんもこちらに飛ばされていたんですね。」

「にしてもあいつらもバカだよな?こんなところに攻め込んでくるなんてよ!」

「いや…そうとも言えないよ。あいつらがここに攻め込んで来るタイミングが完璧すぎた…まるでかなり前から計画していたように」

八百万さんに心配されて上鳴が能天気に発言して耳郎さんが考察した。

(いろいろとカオスな状況になりそうなメンツだな…)

 

「向こうから誰か来てる!数は、20!」

などと考えていると耳郎さんが警告してきた。

「…俺が行く」

なのでこのメンバーの中で一番殲滅力が高い自分が向かう事にした。

「え?ちょっ!待ってよ!」

後ろで引き留めようとする声が聞こえたが無視しながら少し遠くに居た(ヴィラン)の前に立つ。

 

「なんだよ、男かよ!」

「けどこいつクソイケメンだな。」

「けっ、このクソイケメン野郎ぶっ殺してやる!」

「ぶっ殺して後から来る奴に見せつけてやる」

なんかよく分からないけど好き放題言われた。

おかげで最悪の気分になった。

 

「冷凍保存してやる…」

無の極致(パーフェクト・ゼロ)

技を放つとき腕が一気に氷に包まれた。

 

その瞬間、山岳地帯の温度が一気に下がり周囲の敵が一気に凍り付いた。

「俺を殺そうとした罰だ…甘んじて受け入れろ。」

「だが…安心しろ殺していない。氷を溶かせば元に戻れる…かもしれない」

 

 

 

 

「寒っ!」

「どうして急に温度が下がったの!?」

「冷気さんが個性を発動させたのでしょう!」

 

冷気を見送り万が一に備えて準備をしていた上鳴、耳郎、八百万の三人は、急に温度が下がった事に驚きながら寒さに耐えようとしていた。が…

「さ、寒くて…凍り付きそうだ…」(我慢しろ)

「私も結構やばいかも…」(まあ、分かる)

「さ、寒さのあまり…うまく創造できませんわ…」(完全にアウト)

やはり圧倒的に寒くかなりやばい状況だった。

そんな中

 

カッ

 

コッ

 

カッ

 

コッ

 

「無事…?」

殲滅が終わったので帰ってきた。

 

「ああ…冷気、お前…」

「冷気…なんとかして…」

「冷気さん…さ、寒いです…」

 

(やっぱりみんな寒いんだね…)

「そうですか…では」

ドスッ!

上着を貸そうと肩に手を掛けた

 

その瞬間、俺の胸を剣のような武器が貫いた。

(ほえ?)

「はあ…はあ…念のため防寒対策をしておいてよかったぜ…お前のおかげで他の奴らも簡単に殺せる!」

俺の胸を貫いたのは、どうやら隠れていたらしいかなり有能な敵だ。

(物理攻撃があまり効かないとは、言え…やっぱり地味に痛い…)

(けど動揺しちゃダメだ…ちゃんと対応しないと…)

 

「ふむ…不意を突いて死角からの攻撃…悪くない手だ」(あ、やべ)

「なっ!?」

「ただ…俺が相手では、その作戦も意味をなさない…俺に物理攻撃を当てた時点でお前の敗北は、決まった」

(まーた威圧的になっちゃった…いい加減どうにかしないとな…)

何てことを考えながら最後の(ヴィラン)も凍り付かせる

 

バキンッ!

体を無理矢理ひねり自分に刺さっていた剣をへし折って引っ張り出す。

「もったいない…」

コスチュームに空いた穴を確認しながらそう呟く。

 

「大丈夫…じゃない?」

耳郎さん達のところに向かい確認をとる。

 

「さ、寒い…」

「もう…無理…」

「…あの…傷は、大丈夫ですか?」

 

「大丈夫…解除」

パチンッ!

指を鳴らすと周りの氷が消えた。

 

「はい…」

取り敢えず自分の羽織っていたコートを八百万に着せて耳郎さんに自分の上着を着せる。

「あ、暖かい…」

「あ、ありがとう…」

「お、俺の分は…?」

 

「…」ぷいっ!

「お、おい!俺の分は、無いのか!?」

「もうない…」

「ひどい!」

「軍帽ならある…」

「そ、それでいいから貸してくれ。」

「…」無言のまま差し出す。

取り敢えず中央に向かって歩き出す。

(なんか知らんけど俺が先導してる…)

 

「この後どうするの?」

「あのデカブツを倒しに行く…」

「ええ!?し、正気なの!?」

「正気です…」

耳郎の質問に答えた。

 

「れ、冷気さんってそんなに喋れたんですか?」

「意外…?」

「え、えーと…いつも無口で無表情だからかなり意外とは、思う。」

「そうか…」

(意外なんだね…あんまり喋ってる感じは、ないけど…)

 

「…」

黙々と歩いていたら広場が見える位置まで着いた。

 

そこで見たのは、脳みそが丸出しの敵に捕まっているボロボロの相澤先生の姿だった。

「「「…っ!!?」」」

それを見た3人は、絶句した。

「…」

(まじか…名前忘れたけどめっちゃ危険な奴に相澤先生が捕まってる…どうにかしないと…)

(どうしよう…)

 

【クックックック…俺を出せば済むだろうよ…なぜ俺を出さねえんだ?ああ、冷気?】

(黙ってろ…お前を出すくらいなら俺が直接出向く…)

 

 

頭の中に響いて来た声の意見を無視しながら自分が向かうことにした。

【そうかそうか…せいぜい頑張れ、期待せずに待ってるぞ?】

(黙ってろ…氷獄の王(クソ野郎))

 




これは、あくまでも冷気くん本人が氷獄の王の力を引き出して戦っています。
次の話でもっと使う予定です。

次回は、脳無との激戦!
では、また次回!


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勘違い 8 冷気 零vs.脳無

今回は、タイトル通り脳無と戦います!
いろいろとアウトな気がしますが気にしたら負けです。

今回は、冷気くんが頑張ります!応援してやってください。
では、どうぞごゆっくり!


本人視点

自分の手から氷を出しながら本家アイスマンのように移動していく。

「行ってきます…」

出発する前に取り敢えず声を掛ける。

 

「え、う、うん…いってらっしゃい…?」

「む、無茶だけは、しないでくださいね。」

「し、死ぬなよ!」

 

「…」

三人共心配したような声で返してきたが振り向かず手をひらひら振るだけで済ませた。

 

(返事を返してくれた…うれしい…)

若干口角を上げながら先生を助けに向かう。

 

緑谷サイド

 

「やばいってどうすんだよ緑谷!?」

現在緑谷たちは、水難ゾーンに現れた敵達を倒し終えて相澤先生を助けようとここまで来たが敵の容赦の無さ、そしてプロヒーローである相澤先生が手も足も出せずに脳が向き出しの敵によってボロボロになった姿を見て動けずにいた。

 

「緑谷ちゃん…」

「まさかここまでとは…冷気君が2度も不意打ちに成功したから僕たちでも頑張ればいけると思ってしまった自分を思いっきり殴りたいよ…」

緑谷は、彼が二度も不意打ちに成功したのを見て『自分たちと同じ高校生だからもしかしたらいけるかもしれない。』と思ってしまった。

それこそが緑谷の最大の誤算である。

 

『冷気 零は、直接手を出した。だが不意を突いたのは、あくまでも氷獄の王の力を纏った冷気 零であった。』

これこそが真の答えである。

 

緑谷達が動けないでいると霧状の(黒霧)が手を大量に付けた(死柄木)の所に着いた。

 

 

「死柄木弔…」

「黒霧…どうなった?」

「13号は、再起不能に出来ましたが…生徒一名の逃亡を許してしまいました…」

黒霧のその言葉に死柄木の纏っていた空気が一気に変わる。

「…はあ?」

ガリガリガリガリ

「ああ、ああ、あああああ、クソが…黒霧、お前がワープゲートじゃなければぶっ殺してたぞ?」

「申し訳ございません…」

「あーあ、ゲームオーバーだ…さすがに何人ものプロを相手に出来ないしな…あの氷野郎は、殺しておきたかったけど…今日は、もう帰ろうか。」

 

 

「え?今なんて言った?帰るって言ったのか?」

「帰る…た、助かるんだ。おいら達助かるんだ!」

突如、死柄木が発した言葉に緑谷が戸惑い峰田が喜ぶ。

が…

「なんだか気味悪いわ、緑谷ちゃん。」

「うん、それは僕も感じてるよ。」

(あんなに騒ぎを起こしたのに不利になったらゲームオーバーで帰るなんてまるでゲームじゃないか!いったい何がしたいんだ…オールマイトを殺す気じゃなかったのか!?)

 

 

「だけどその前に平和の矜持を

 

 

 

 

少しでもへし折ってから帰ろう!」

そう言いながら死柄木が蛙水に向かって走って行き、手を当てようとした。

 

その瞬間だった…

 

「大氷壁!」

パッキーン!

 

突如、冷気の透き通るような声が聞こえると同時に特大サイズの氷の壁が現れ緑谷と死柄木を遮断した。

 

「な、なんだあ!?」

「特大の氷の壁…これは…」

「冷気くん!」

「冷気?さっきの氷野郎か!」

 

全員が気づき死柄木が冷気の予想以上の力に警戒する。

 

「脳無!こっちへ来い!」

死柄木の命令聞いた脳無は、相澤先生の拘束を解きすぐに向かったが…

 

「アイスハンマー」

透き通った声が聞こえた方角から飛んできた氷塊に吹っ飛ばされてしまった。

 

「は?」

その光景を見た死柄木は、間抜けな声を出し緑谷達がいる方を向くと顔面に白い『何か()』が迫って来るのを確認し…そのまま蹴り飛ばされた。

 

ドッゴーン!!

「みんな無事?」

質問をしたのは、いつの間にか緑谷達の所にたどり着いた彼だった。

 

「え…?れ、冷気…くん…だよね?」

緑谷が彼に声かける。

 

「ん?そうだよ…だけど今は…っと!」

緑谷の質問に答えようとしたとき、先ほど吹っ飛ばした脳無が攻撃をするが後ろに飛んで躱した。

 

「てめえ…絶対にぶっ殺してやる!」

ダメージのせいで脚をガクガクさせながら死柄木がそう言う。

「脳無!こいつを殺せ!確実に息の根を止めろ!」

脳無に命令する。

 

「…やばいかも」

彼は、そんなことを言いつつも少し微笑みながらメガネを外してから右手に四角いハンマー(ミョルニル)を作り出し左腕に円形の盾を作り出す。

「がんばるか…」

ぼそりと小さく呟いた。

 

本人視点

 

(さーてと、どうしようかな?)

一時の気の迷いでこっちに圧倒的なまでにヘイトが溜まって引き返せなくなっちゃった…もう笑うしかない…。

作戦通りでは、あるけど…

 

そんな事を考えていると…突然、敵がこっちに向かって走り出した。

(外せば死ぬ!外せば死ぬ!外せば死ぬ!)

そう自分に言い聞かせながら絶対に外せないという催眠を自分に掛けてお互いの攻撃が当たるであろう所で相手のパンチをギリギリで躱し…思いっきり右腕を振り上げて手に持っていたハンマーで(ヴィラン)の顎にアッパーを食らわせた。

 

(おっしゃ!いいの入った!)

(けど…気のせいか?あまり効いてないように見えるな…)

「そらっ!」

心の中で疑問に思いながらも左腕に持っていた盾をぶん投げた。

 

ガンッ!ザシュッ!

盾が当たった所が切れた。

(よし!斬撃による攻撃の方がダメージがあるみたいだな。)

 

「はっ!」

そしてハンマーを剣の形に変えて右腕を振り下ろし、また斬りつける。

 

「くっ!」

だが相手もひるまずに殴りかかってきた。

が、その攻撃を一瞬で作った逆三角形の盾(カイトシールド)を地面に突き刺し自分の体を超える大きさにしてから受け止める。

 

「スピアシールド!」

盾から大量の針を出し相手に突き刺す。

 

けど…

「効いてない…いや…回復した?」

そうまるでダメージがないのだ。

 

「効いてないのは、『超再生』の個性だからだよ!」

手を大量に付けた敵がそう言った。

 

「なるほど…『超再生』か。じゃあ…殴りまくる!」

そう言って今度は、氷の剣をハンマーの形に戻し殴るが…

「効いてない…?どういうことだ?『超再生』じゃないのか…?」

 

「あー、それは『ショック吸収』の個性もあるからだな。対平和の象徴なんだ、それくらいあって当然だろう?」

疑問に思っていたら説明してくれた。

「優しいなお前…うん、戦法を変えよう…結構昔に大地の王(グランド・キング)の脳筋野郎に教わった方法で行こう…かな」

 

「お前…何する気なんだ?」

「簡単だよ…

 

 

 

 

 

ごり押しだ!」

 

 

第三者視点

 

「ごり押しだ!」

彼がそういった瞬間、両手に持っていた武器が砕け散り両腕部分の装甲がより分厚くなった。

そして、緑谷に向かって一言

「緑谷…逃げろ!」

そう言うと再び脳無に向かって突撃した。

 

脳無がパンチを繰り出しそれ(パンチ)に合わせてパンチを食わせる。

まさに脳無vs.冷気 零のパワー対決になっていた。

「は?脳無を相手にパワー勝負って…お前。頭が逝かれてんのか?」

案の定パワー勝負で押し負けして腕が水晶のように砕け散ったが…

すぐに新しい腕が生成されパンチの連続攻撃を行う。

 

「おいおい、言ったはずだぞ!脳無には、ショック吸収の個性があるってよ!そんな攻撃なんか効かねえんだよ!」

「黙って見てろ!」

そう言うと拳の先端部分が棘状の物に覆われラッシュのスピードが速くなる。

「無駄ァ!」

攻撃を再開すると先ほどよりもダメージが入ったように見えた。

 

「あんまり効いていない…だけど」

「お前の個性が『ショック無効』ではなく『ショック吸収』ならば限度があるはずだ!」(テンションマックス)

そう言うと片方の足を力強く踏み込んで両腕を自分の胸部でクロスさせゆっくりと息を吐く。

「つまりお前の限界値までダメージを与え続ければいいだけの話!(ヴィラン)よ!お前に感謝する!久々に新技を試せる実験台になってくれてよ!」

 

そう言った瞬間、両腕が消えた…ように見えただけだ。実際は、腕を動かすスピードが速すぎただけの話。

そしてラッシュが始まった。

(cv.子安)

「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!!!…無駄ァ!!!!!!」

 

超高速のラッシュ…それは、ある人気漫画のラスボスとその息子がラッシュをするときの掛け声と全く一緒だった。

 

ドッガ―――ン!!!

とげ付きの拳による高速ラッシュを食らった脳無は、全身穴だらけになりながら吹き飛び壁に激突した。

 

「ふぅん…超高速ラッシュでダメージを稼ぐと同時にとげ付きの拳で殴ることでさらにダメージを入れる…か。悪くないけどさ…所詮人間の拳による攻撃だよな?そんなんじゃ大したダメージ入んねーよ!それにお前、腕がぶっ壊れてんじゃねえかよ!」

 

「はあ…はあ…はあ…クソッ!」

彼の腕は、すでに砕け散りながらももう一度再生していた。

 

「脳無…殺せ」

ダンッ!

 

死柄木が命令を下すと吹っ飛ばされていた脳無が飛び出しパンチを繰り出そうとしていた。

 

「フ…」

彼は、少しだけ口角を上げ…そのまま殴り飛ばされた。

 

ドッガ―ン!

 

「冷気くん!」

緑谷が声を上げるが返事がない。

 

「やっと死んだか…じゃあ次は…」

死柄木が標的を変えようとしたとき突如、声が響いた。

 

「クハッ…クハハ…クハハハハハハハハハハ!アーハハハハハハハハハ!!最高じゃねえか!こんなタイミングで変えてくるなんてな…やっぱりあいつは、天才だよ!」

そう言いながら彼がゆっくりと立ち上がった。

 

「誰だ?お前は?」

死柄木は、突然復活した冷気を見ながら違和感を感じていた。

(さっきまでとは、比べ物にならないほどの力を感じる…こいつは、危険だ!)

 

「俺が誰かって?俺は、冷気の個性『氷獄の王』そのものだ。覚悟しろよ、クソ野郎共…俺は、冷気ほど甘くねえからよ。」

そう言って一歩踏みだすと周りが一気に凍り付く。

 

「さあ…第2ラウンドだ!」

氷獄の王は、口が張り裂けそうなほどに口角を上げ…満面の笑みを浮かべた。




う~ん…いろいろとキャラ崩壊が起きました…仕方ないということにしときましょう(現実逃避)。
氷獄の王の戦闘は、次回です。
お楽しみに!



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勘違い 9 氷獄の王vs.脳無

がっつり編集しました。
出来れば『勘違い 7』から読み直して下さい。
その方が絶対に良いです。

今回は、氷獄の王vs.脳無です!
どうぞごゆっくり。


本人視点(精神世界)

 

ラッシュの結果、腕がぶっ壊れ修復を行っていると突如として変な所に居たことに気づいた

(あれ?ここは…どこだ?)

周りを見渡すとそこが真っ白い世界だという事に気づく。

 

「どうしてこんなところに?」

疑問に思っていると出来るだけ聞きたくない声が聞こえて来た。

【よう冷気…久しぶりだな】

「まさか」と思いながら振り向くと案の定…奴が居た。

「…なんの用だ…氷獄の王(クソ野郎)!」

そこに居たのは、軽く50mは、超すであろう氷の巨人。

青白い肌に吊り上がった目をした芸術としか思えない顔立ちに蟀谷辺りから上に向かう角の生えた、俺のヒーローコスチュームのような軍服を無造作に脱ぎ捨てワイシャツ姿にネクタイを結びズボンを履いたまだ若さが残る男が座っていた。

 

「何の用で俺をここに呼んだんだ?言ってみろ!」

【おいおい、久しぶりの再会なのに随分とひでぇじゃねえかよ。】

「黙れ!こっちは、一秒たりともお前と話していたくねえんだよ!」

【クハハハ!相変わらずだなお前は!俺の何が気に食わねえんだ?ええ?言ってみろ!】

「…お前の存在自体だよ!俺の力だから仕方がないと自分に言い聞かせていた。だがな…お前のせいで俺がどれ程の迷惑を被ったか分かってんのか!?」

「今まで俺がお前のせいでなんど勘違いされたか分かってんのか!?このクソ野郎!」

【クハハハハハ!よく言うぜ!お前がコミュ障で無表情なだけだろうが!そんなことまで俺のせいにされても困るってもんよ!】

「とぼけるな!コミュ障は、仕方ないとして無表情は、どう考えてもお前のせいだろうが!」

【はあ?どうしてそう言い切れるんだ?証拠でもあんのか?】

「証拠では、ないが…実体験だ!お前が俺にあのロリ女神からの転生特典として取り憑いたとき俺の表情筋が凍り付きまともに動かせなくなった!そして喋る時なぜか緊張するとなぜか口調が威圧的になった!さらに言うとお前が俺に取り憑いた4歳のとき俺の頭の中から俺の持っていたほぼ全ての原作知識が一気に消えた!どう考えてもお前のせいだろうが!(暴論)」

【クハハハ!なんという暴論だ!久しぶりに聞いたぞ。だが、確かにあってるな…俺がお前にあのロリ女神の転生特典として取り憑いたときにお前の原作知識をほぼ全て凍らせた。だが、それを返してやることも出来るぞ?】

「なに…?」

氷獄の王の突然の提案に一瞬、間の抜けた声が出た。

 

「…条件は、なんだ?」

【は?】

「取引の条件は、なんだと聞いてるんだ!」

氷獄の王(こいつ)がなんの交換条件もなしに俺に原作知識を返してくれるとは、思えない。

何かしら要求してくるだろう。

【条件か…そうだな…】

「まさかとは、思うが…ないのか?」

【特になにか要求するつもりは、無かったからなんも考えてなかったが…強いて言うなら…】

「なんだ?言ってみろ。可能な限り叶えてやるつもりでいる…俺にとって原作知識は、それほどの価値があるからな。」

【なら…今すぐにでもお前の体を貸してくれ…あのデカブツ(脳無)をぶっ潰しに行く!】

「それだけか?」

【なに?】

「他にもっとないのか?と聞いているんだよ。」

【そうだな…なら、たまにでいいから俺も戦闘に参加させてくれ。お前の中にいると体が鈍っちまうからな。】

「分かった…善処しよう」

【善処って…お前叶える気あんのか?】

「変なときじゃなけりゃお前に任せるつもりだ。」

【そうか?わかった…じゃあ、最後に一つだけ】

「なんだ?」

【交換条件では、無く質問なんだが…何分くらい戦わせてくれるんだ?】

「何分くらい闘いたい?」

【5分で良い】

「長すぎる。2分だ!」

【はあ!?ふざけんなよ!短すぎるだろ!せめて4分にしろよ!】

「長すぎる!2分だ!」

【ふざけるな!4分にしろ!】

「2分だ!」

【4分だ!】

「2分!」

【4分!】

「2!」

【4!】

「ぐぐぐ…」

【ぬぬぬ…】

《間を取って3分で》(作者)

「【………誰だ今の!?】」

 

「三分でいいな?」

【いいだろう!】

「俺が合図を出す!その瞬間に出ろ!」

【任せろ!】

 

 

待機中

「……」

【…まだか?】

「もう少し待て…」

【そういえば合図は、なんにする気なんだ?】

「俺が口角を上げたとき…その瞬間に飛び出せ。そして…好き放題暴れろ!」

【…了解!】( ̄ー ̄)ニヤリ

 

 

精神世界の外で

『フ…』

少しだけ口角を上げた。

 

 

「今だ!出ろ!」

【よっしゃ来た!】

 

 

【あ?】

氷獄の王が飛び出した瞬間…脳無のパンチを顔面に食らった。

「あ…やべ…」

ただの事故である。

 

第三者視点

 

「さあ…第二ラウンドだ!」

彼がそう言って脳無に向かって走り出すと脳無も走りだした.

 

 

「オラァ!」

再び脳無と拳をぶつけあい再度パワー比べを行う。

 

「おいおい…いい加減分かれよ。脳無に打撃技は、効かねえよ!オールマイトの100%にも耐えられるように作られた最高のサンドバッグなんだよ!お前ごときじゃ倒すことなんt「パリンッ!」は?」

死柄木が自慢げに話していると突然なにかが割れたような音がした。

音のした方を見ると彼が拳を振りぬき、脳無の腕が凍り、砕かれ脳無が後ろに倒れていた。

 

 

「は?どうして…どうして脳無がパワーで負けてるんだよ!?オールマイトと互角のはずだぞ!」

死柄木は、思い切り取り乱していた。

 

なぜかと言うとその理由は、シンプルである。

「なぜかって?簡単だ…やっとまともに戦っているからだ!さっきまでの俺は、実力の1割程度しか出していなかった…だが今の俺は、全力の7割まで出せる!つまりどういうことかって?簡単だ!俺が1割しか力を使ってなかったときに殺さなかったお前たちのミスだ!」

 

「クククク…俺が氷獄の王として真の恐怖を味合わせてやる。覚悟しろ…」

そう言った瞬間、彼の放つオーラが明らかに変わった。

 

今までは、多少の怒気を孕んでいただけのオーラが一気にどす黒い底なしの闇を思わせるドロドロとしたオーラになった。

 

 

パンッ!

「氷獄界!」

彼が両手を一度合わせてから離し、手の平を(ハガレンみたいに)地面に付けると…

USJ全域が一気に氷に包まれた。

 

 

「「「「「は?」」」」」

「こっからは、俺のステージ(領域)だ!」

その場にいた全員が戸惑ったような声を上げ、彼が宣言した。

 

 

「クソ…やれ脳無!今度こそあいつを殺せ!」

死柄木がすでに復活した脳無にもう一度、命令を下すと脳無が彼に向かって走るが…滑って転ぶ。

 

「は?」

死柄木は、突然の脳無の痴態に戸惑いを隠せなかった。

「…脳無!殺しに行け!」

もう一度命令を下し今度は、彼の近くに黒霧がワープゲートを作り出し脳無がそれに飛び込むとすぐ真横に現れた。

 

「氷槍」

だが焦るそぶりも見せず一言だけ呟くと地面から無数の氷の槍がワープゲートから飛び出してきた脳無を串刺しにした。

 

「枝分かれ×2」

そう言うと地面から生えた氷の槍から新たに槍が形成され、また形成され最後にもう一度新しい槍が形成され脳無が動きを止める。

「そんなバカな…俺の脳無が…」

 

「あまり時間が残っていないから一気に終わらせるぞ?」

彼がそう言うと軽く脳無に触れ…一言だけ囁くような声で呟く。

 

凍てつく世界(フリーズ)…」

その瞬間、脳無の体を氷が覆って行き…完全に物言わぬ氷像となった。

 

「コレクションに追加だ…」

そして、完全に凍り付いた脳無を吸収してから相手の方を見る。

 

「さて…どうする?」

「「ッ!!?」」ゾクッ!

氷獄の王の質問に黒霧は、ワープゲートを開き死柄木は、じっと彼を見る。

 

「なるほど…お前は、危険すぎる。だが…いつの日かお前をこっち側の人間にしてやる…待ってろよ。」

それだけ言うと黒霧のワープゲートは、完全に消えた。

 

「…勝手にほざいてろ。」

ガクッ!

突如膝を着き

「ん?時間切れか…」

うつ伏せに倒れた。

 

 

 

ドッガ――ン!

「もう大丈夫…私が来た!」

扉を破壊しながら現れたのは、凍り付いた扉を開けるのに思ったよりも時間が掛かったオールマイトだった。

 

「みんな無事か!?」

オールマイトが緑谷達の所に着いて聞いた。

「ぼ、僕たちは、大丈夫ですけど…冷気くんが!」

「なに!?冷気少年!」

オールマイトが冷気の下に駆け寄ろうと体を動かしたとき。

 

「…」むくり

普通に起き上がった。

 

「れ、冷気君…大丈夫なの?」

これには、さすがの緑谷も困惑する。

 

「…」こくり

なんといつもの無口無表情に戻っていた。

 

「ケガとかない?」

「…」( ´∀`)bグッ!

「そ、そう…よかった…のかな?」

 

「冷気少年!」

「…」ビクッ!

「…?」クルリ

「私が来るまで他のみんなを守ってくれただけじゃなく。今回の侵入者たちの主犯格を追い返してくれてありがとう!私に出来ることがあるなら遠慮なく言ってくれ!」

「………」

少し考えてから

「…サインください。」

「…わかった!」

 

その後オールマイトからサインを貰った冷気が少し嬉しそうにしている姿が目撃された。

 

皆は、後から来た先生たちに無事救出されて怪我人は、先生達以外にいなかった。

そして、次の日は、臨時休校となった。

この(ヴィラン)連合による雄英襲撃事件は、マスコミに大々的に報道されたがしばらくしたら誰も気にしなくなる。

 

だがこの事件のせいで冷気 零が(ヴィラン)連合の主犯格をほぼ一人で追い返したことが知られいろんな意味で注目されるのは、また別の話。

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、そうだ。冷気くん、悪いけど明日校長室に来てネ!」

「!?」

 

そして後日、いろいろと聞かれるかもしれないことも別の話。




すみませんいつもより短いのは、単純に文章力がないからです。
氷獄の王と冷気くんは、喧嘩するほど仲がいいです!

ちょっと失踪してきます。
次回は、尋問回にしようか普通にデート回にするかめっちゃ迷っています。
では、また次回!


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勘違い 10 尋問?

えー皆さま…約2か月振りに投稿いたします。
そして今年最後の投稿です。

勝手に凍結にしてすみません。
特に言い訳は、ありません。本当に申し訳ございません。<(_ _)>

あとお気に入り登録者数がいつの間にか1400を突破していました。本当に…本当にありがとうございます!

今回は、タイトル通り尋問(?)です。
未熟な作者ゆえ勘違いさせることを優先してしまいました。
楽しんでくれたら幸いです。では、どうぞ!


敵連合がUSJを襲撃した次の日

何故か校長室に呼び出されていた。

 

(原作にこんなシーンあったかな?正直なかった気がする…)

襲撃が終わって家に帰ってから氷獄の王に原作知識を少しだけ返してもらった。

氷獄の王が言うには、「取り敢えず原作知識は、体育祭編直後、ステイン編が始まるくらいまで返すとしよう。原作知識を一気に返すとお前の脳が処理しきれずにオーバーヒートして死んでしまう可能性があるからな。お前と言う器が亡くなると俺の存在する場所も消えちまうから少ーしずつ返していくことにするぜ!お前の原作知識は、せいぜい…死穢八斎會編が終わって文化祭が始ま

るか始まらないか辺りで終わってるからすぐに全部戻せるさ。安心して待ってろ!クハハハ!」らしい…

 

(正直言って全然、安心できない…)

いつか返されるであろう原作知識の心配をしながら校長室に向か…「校長室どこだ?」

 

10分後

 

「疲れた…」

(肉体的にじゃなくて精神的に疲れた…)

水色髪の先輩に校長室までの行き方を聞こうとしたら逆に質問攻めにあった…

(なんで無表情なの?とか、どうして髪が白いの?どうして今日臨時休校なのに校長室に呼び出されてるの?教えて教えて!とか…もう少し距離感ってものを覚えて欲しいなあの先輩には…)

(結局最後は、なんかめっちゃネガティブな先輩とつぶらな瞳をした先輩に助けられたけど…早く帰って家でゴロゴロしたい…)

などと考えながら校長室に向かって歩いていく。

 

数分後

 

校長室の前に着いた。

(着いた…雄英広すぎだろ…2、3回くらい道に迷いかけたよ。ああ…早く家に帰りたい。家に帰ってゴロゴロしたい…)

 

ピロン♪

「メール?」

突然届いたメールを確認しようとするとなぜか嫌な予感がしたが、すでに開けてしまっていた。

『レイレイ今日の用事が終わったら午後から一緒に買い物行こ!

拒否権なんてないよ!

ついでにみんなをレイレイ主催のお茶会として呼んでおいたから欠席しちゃ駄目だよ!

もちろん来るよね?(欠席したら殺す)

 

 

by.未来火』

 

「俺の休日…」(´;ω;`)

【あーその、なんだ…ドンマイ】

休日が勝手に潰されたことを悲しんでいると氷獄の王が慰めてきた。

 

「もう、いいや…切り替えて行くか」グスッ…

(切り替えないとやってられない…うん、やってられるか!)

 

 

コンコン

「入っていいヨ!」

ドアをノックすると返事が聞こえてきたのでドアを開ける。

 

「失礼しま…す?」

ドアを開けるとなぜか校長室に校長先生を筆頭にオールマイト先生、エクトプラズム先生、プレゼントマイク先生、ミッドナイト先生、スナイプ先生、パワーローダー先生、ブラッドキング先生、セメントス先生などの雄英の教師陣に加えプロヒーローのベストジーニストが勢揃いだった。

 

「…」

バタン

 

なのでゆっくりと扉を閉めた。

 

 

「ふう…」

(なんだ今の!?)

(プロヒーローが勢揃い!敵からすれば地獄絵図!俺からしても地獄絵図!俺これからなにされんの!?拷問でもされんの!?なにあれ!やばいじゃん!めっちゃやばいじゃん!)

【スゲー面子だな…No.1ヒーローだけでなくNo.4ヒーローも居たしお前の弱点である音と煙が揃っているな…逃げるのであれば問題ないがお前が戦うとなると地味にキツイぞ…俺が変われば負けは、しないがな!】

(りありー?)

【おそらくだ…】

(わーお!)

【まあ死にはしねぇから安心しろ!】

(安心できねえよ!覚悟決めるか…)

氷獄の王の謎アドバイスのせいで無駄に覚悟を決めもう一度入室する。

 

「失礼します」

 

 

教師陣サイド

 

校長室には、雄英の教師陣が揃っていた。

さらには、No.4ヒーローのベストジーニストまでいた。

 

もし緑谷みたいなヒーローオタクがいれば泣いて喜び気絶するような光景だろう。

 

「すまないね。急に来て貰って」

大した説明もなしに来てくれたベストジーニストに根津が感謝の言葉を告げる。

実際ベストジーニストに届いた連絡は、一件のメールのみ内容は『緊急の要件あり!直ちに来たれり!by雄英高校』だけである。

よくこれで来たものだ。

「いえ、気にしないでください。母校からの緊急の呼び出しとなれば大抵の仕事は、相棒(サイドキック)達に任せて飛んできますよ。ところで要件は、なんでしょうか?」

「うん、実はね…これからたった一人の生徒を尋問するために君やみんなに集まって貰ったんだヨ」

ベストジーニストの質問に根津が本来なら絶対に言わないであろう台詞を言った。

これを聞いたベストジーニストは

 

 

 

 

「……え?」

少し間を開けてからそんな声を漏らした。

 

「うん、そうなるのはわかるけどね…一回これを見てもらえるかな?」

根津はそう言いながら机に置いてある端末の映像を見せる。

 

「こ、これは…!」

根津がベストジーニストに見せたのはUSJ襲撃事件の際に偶然(・・)撮れた防犯カメラの映像。

その映像に残されていたのは、冷気と脳無の戦闘。

 

「一回目の戦闘は、特に問題ないけど…いや戦闘していること自体が問題なんだけど。一番の問題は、2回目の戦闘の時に言った台詞とその戦闘力…口で説明するよりも実際に見てもらった方が早いネ」

そう言って二戦目も映像を見せる。

『俺は、冷気の個性『氷獄の王』そのものだ』

 

その言葉から始まった映像に再び驚愕する。

対オールマイト用に作られたと言われている脳無を相手に苦戦することなく瞬殺したからである。

「…なるほど。確かにとてつもない戦闘力ですね…それに先ほどの戦闘と台詞から推測するに全力を出していないと?」

「うん…冷気くんの個性は『絶対零度』で登録されているけど…冷気くんから出て来た何か(・・・・・・)は、自分の事を個性『氷獄の王』と言った。なにか隠したいことがあったのかもしれないけど…出来ればそれも含めて聞いていきたいんだ。協力してくれるかな?」

「分かりました。では、私は何をすれば?」

「うん、それはだね…

 

 

説明中

 

 

って感じだね。お願いできるかな?」

「分かりました。任せてください」

「そうかい。じゃあ後は、冷気くんが来るのを待つだけだn「コンコン」来たネ」

根津が『後は待つだけ』と言おうとしたら、ちょうどドアがノックされた。

 

「…」

「「「「「「「…」」」」」」」コクッ

根津が教師達の方を見て教師が全員頷いたのを確認して

「入っていいヨ!」

入室の許可を出す。

 

「失礼しま…す?」

冷気がドアを開け部屋を見渡すと

「…」バタン

そのままドアを閉めた。

 

「…警戒されてるね。」

「この面子を見れば当然のことでしょう」

「大丈夫ですよ。次は、成功させますから」

「もしもの時は、私が相手するから安心したまえ!」

「貴方が出るような事がないといいんですがね…」

先生達が話しているとまたドアが開いた。

 

ガチャ

「失礼します」

 

再び入ってきた冷気のその目は、覚悟を決めた男の目だった。(緊張してるだけ)

 

第三者視点

 

「やあ冷気くん。臨時休校なのに来てもらって悪かったね。君に幾つか聞いて置きたい事があってね…大丈夫かな?」

「…」コクッ

「では、そこの椅子に座ってネ」

根津の質問に頷き言われた通り部屋の真ん中にポツンと置いてあったパイプ椅子に座ると…

 

ガチャンッ!

ミッドナイトが目にも止まらない速さで冷気に手錠を嵌めて

キュッ!ピシッ!

ベストジーニストの個性で制服の繊維を操られ一気に拘束され

ガチャガチャンッ!

パワーローダーが持ってきた手枷と足枷を付けられて

ギュン!ガシッ!

ブラドキングが出した血液に腕と胸部を覆われ

ガシガシッ!

セメントスが操ったセメントで首から下を全て拘束され

カチャッ!

スナイプ先生に銃口を頭に向けられて

「ハァーッ!」

エレクトプラズムが出した分身体が冷気を囲む。

 

「冷気少年。動かない方がいいぞ?」

そして最後にオールマイトが拳を構えていた。

 

これぞ、根津が考え出した『冷気零捕獲用作戦』だ。

 

 

「冷気くん質問を開始していいかな?」

「…はい。分かりました」

一方の冷気は、眉一つ動かさなかった。

(やべーよ。完全に殺す気じゃん!どうしようどうしよう!ねぇどうしよう?!)

【知るか!?俺に聞くな!!】

だが内心めっちゃパニックになっていた。

 

 

(こんだけの拘束をされても動じないとは…途轍もなく肝が据わっているネ。いや、そもそもこの状況から逃げる方法があるから動じる必要がないのかな?)

根津は、冷気の個性と現在の表情などを見てとてつもなく的外れな考察をする。

「では、1つ目の質問は…冷気くん君の個性は『絶対零度』で登録されているけど…実際は異形型個性『氷獄の王』だね?」

「……ッ!」

根津の質問に明らかに動揺する。

「…やっぱりそうなんだね?」

「…なぜそれを?」

根津は冷気の個性が『絶対零度』ではない事だけを知っていた。

そして記録された防犯カメラの映像と意識を取り戻した相澤先生が語ったバスの中での冷気の発言から個性が『氷獄の王』なのではないか、と考察した。

だが、確信がなかったので鎌かけをしたのである。

その結果見事に冷気の動揺を誘い個性が『氷獄の王』だと確信出来たのである。

「…完全には、分からなかったサ。けど君のその反応を見てやっと確信出来たのさ」

「…そうですか」

 

「では、二つ目の質問…なぜ隠していたのかな?」

「…」

「出来れば答えてもらいたいんだけどネ?」

「…」

(どうしよう…『氷獄の王』の存在を隠していた理由が母さんが昔、間違えて登録したのを完全に忘れて中3の終わり辺りでやっと思い出して変更しようとしたけど入試や入学準備でいろいろと、どたばたしていたり、入学までの僅かな間もずっと修行つけられていたせいで忘れてしまったなんて言えるわけがない…そして何よりもこの個性の最大のデメリットがバレたら今後の俺の高校生活が「危険だから…」

 

「危険?それは、どういう事かな?」

「…」(え?声に出ちゃった?!)

【思いっきり声に出てたぞ。最後の「危険だから…」の部分だけな】

(おう…見事に勘違いされるね)

 

(なんとか言い訳を考えながらしゃべらないと…俺の今後の学校生活に大きく関わってくるに違いない!)

「…そのままの意味です。察して下さい」(奥義!時間稼ぎ!)

 

「ちゃんと説明してくれないかい?」

「…」

【しかし効果をなさなかった!】

(やかましい!早く何か言い訳を…そうだ!)

 

「…個性『氷獄の王』は、生まれついた瞬間からではなく、肉体が多少成長してから発現する個性です」

「そうか…それで?」

(あれ?意外とうまく行きそうだな…このまま乗り切ろう!)

「…成長するごとにこの個性は、強化されて行きある一定まで成長しきると力が完全に成熟されます」

「そうかい…ならなにが危険なんだい?聞いたところ特に危険は、なさそうだけど?」

(あ…ここだけ考えていなかった。どうしよう?)

【俺が出る!】

((´・ω`・)エッ?)

 

「まだ未完成の個性では、体に完全に定着していません。つまり個性が体から簡単に剥がれる状態になっています」

(そうなの?)

【適当】

(ひどいな)

 

「…それは、つまり?」

「他人の個性を奪う個性を持っている(ヴィラン)がいた場合…俺の個性は、奪われます。」

(お前消えんの?)

【大丈夫だ!全盛期のオール・フォー・ワンでさえ俺たち(・・・)を器から引っぺがすようなことは出来ないからな。たとえ出来たとしてもあいつ(オール・フォー・ワン)のような未完成な器では、力に取り込まれて死ぬだろうからな】

(へー…誰そいつ?)

 

「そうかい…わかった。では、最後に一つだけ」

「…?」

「この映像を見てくれるかナ?」

根津は、そう言いながらパソコンに保存された映像を見せた。それは、先ほどベストジーニストにも見せたものだった。

 

『俺は、冷気の個性『氷獄の王』そのものだ』

ピシッ!

その言葉が流れた瞬間、冷気の顔に亀裂が走った。

(怒っているのかな?)根津

(やべー、黒歴史確定じゃん…)冷気

2人は、まったく違う事を考えていた

 

「………」

(めっちゃ記録されてんじゃねえかよ!)

【あー、結構やばいな。よし!また俺が(させるか!引っ込んでろ!)うわっと!】

冷気は、再び出ようとした『氷獄の王』を無理矢理押さえつけ口を開く。

 

「冷気くん…この個性『氷獄の王』そのものは、誰か知ってるのかな?」

「(俺の事をさんざん勘違いさせるだけさせといて後は、俺に丸投げする奴の事なんて)知りません」

「そうかい…では、質問は終わりだよ。今日は、臨時休校なのにわざわざありがとう」

根津は、形式的に感謝の言葉を告げる。

「いえ…大丈夫ですよ。まだ集合時間の間に合いますから…」

「誰かと会う約束でもしているのかい?」

「ただのお茶会ですよ…」

(お茶会?会合の隠語かな)

 

「そう?じゃあ今拘束を外すから少しじっとしててね」

「いえ、お構いなく」

「え?」

「すでに外しておきましたから」

ピシッ…ピシッ!バキン!

そう冷気がそう言うとコンクリが割れすべての拘束を外し無傷の状態で出てくる。

 

そしてオールマイトの方を向いて一言。

「あと、オールマイト先生。」

「なんだい?」

「貴方じゃ俺は、倒せませんよ?」

「…そうか」

 

「では、失礼します」(*- -)(*_ _)ペコリ

そう言いながら退室する。

 

ガチャッ

バタンッ

 

 

 

 

 

 

扉の外で

 

「…ああああ!死ぬほど緊張した!」

「早く家に帰って着替えてショッピングモールに行かないと…未来火(あすか)に殺される…」

【頑張れよー。俺は、寝て待ってるからな?力が必要になったら起こせよ】

冷気は肝心な所で残念な人になってしまう。

 

校長室内で

 

「いろいろと、恐ろしい生徒でしたね…」

冷気が出て行った扉を見ながらベストジーニストが呟く。

 

「うん…けど、おかげで冷気くんの力の一端を見る事が出来たね。これは、思わぬ収穫だよ」

「物を凍らせ氷で浸食させその氷を取り込むことですか?」

根津の言葉にミッドナイトが質問する。

 

「うん、後は…オールマイト」

根津は、すでにトゥルーフォームになったオールマイトに声を掛けた。

「…ええ、冷気少年は、オール・フォー・ワンの事を知っているような口ぶりだった。奴にあった事があるもしくは、どこかで知った可能性がありますね」

「うん…これは、1度冷気くんの過去を調べないといけないね。」

 

冷気は、雄英の教師陣に盛大に勘違いされたことに気が付かないまま今後も学校生活を送っていく事となる。

 

 

 

 

 

 

「所で校長。誰がこの事をイレイザーに教えに行くんだ?」

「君に任せるよマイク!」

「ホワット!?」

 

やっぱり最後の最後まで締まらないのである。




はい、と言うわけで尋問(?)でした。

アンケートの結果、尋問回の方が多かったのですがオリヒロとのデート回を望む声も多かったので11話は、オリヒロとのデート回になります。

頑張ります!

皆さま良いお年を!


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勘違い 11 デート回のような何か

皆さまお久し振りです。
今回は、前回宣言した通りデート回になります。

最初に言っておきます…この二人は、まだ付き合っていません。
なのにこんな事になっています。

では、どうぞ。ごゆっくり!

オリヒロのデート時の服装です。

【挿絵表示】

結構可愛いでしょう?


はてさて、どうしたものか?

(未来火(あすか)と一緒に買い物に行くのは、別に初めてじゃないから特に問題ないけど…その後がいやなんだよなー)

買い物後のお茶会に来るメンバーは、別に悪い人達じゃないけど…なんと言うか苦手だ。

 

トップ20内のプロヒーロー2人に日本最難関大学の大学院生と世界最難関大学の現役大学生、マフィアのボスの娘さんに大企業の跡継ぎ…いつも思うけどすごいメンバーだな。

 

「そんなこと気にしても意味ないな…早く行かないと集合時間に遅れる」

実を言うと昔一回だけ遅れた事があるけどその時の未来火の怒りようは、凄かった。

 

(なんだよ『この星もろとも燃え尽きるがいい!!』って…10分遅れただけだろ!それくらい許…さなくてもいいから、せめて落ち着いて話しを聞いて欲しいもんだよ…)

「はあ…」

昔の事を思い出してため息を吐きながらも玄関に向かうと突然後ろから声を掛けられた。

「あら?レイ君どこか出かけるの?」

「…」ギクッ!

ギギギ…

 

「や、やあ、母さん…ちょっと買い物にね…」

「そうなの?ちゃんと夜ご飯までには、帰って来てね。あと、ついでに味噌と豆腐も買って頂戴」

「わかった…」

「最後に…未来火ちゃんに迷惑かけちゃだめよ?」

「わ、わかったから!行ってきます!」

「ウフフフ…いってらっしゃい」

「グウゥ…」

やはり母さんには勝てないな…

 

そのまま家を出て集合場所であるショッピングモールに向かった。

 

未来火サイド

「ふ~ん♪ふふ~ん♪」

今日はレイレイとの久しぶりの買い物!

(中学3年の時は、お互い忙しすぎて一緒に買い物に行けなかったし今日は、その分も取り返すぞ~!)

「一緒に回るルートの確認をしておかなくちゃ…!」

ショッピングモールの案内を確認しながらルートを確認していると後ろから声を掛けられた。

 

「お嬢ちゃんかわいいね」

「なあなあ俺たちと一緒に回らない?」

「え?」

声を掛けられた方を見ると二人のチャラい男の人が立っていた。

 

「いえ、結構です。待ち合わせしているんで」

「そんなこと言わないでさー」

「俺たちと行った方が絶対楽しいって!」

断っても意味をなさなかった。

 

「嫌です!私こう見えて彼氏いるんで!」

「なんだよ彼氏持ちかよ!」

「関係ねえだろ。こっち来い!」

咄嗟についてしまったウソも通用せず腕を掴まれ無理矢理連れて行かれそうになった。

 

(クッ!こうなったら個性を…発動しない?!どうして!?)

「あーそうそう、一応言っておくけど俺の個性は、炎系統の個性を一時的に使えなくする個性だ。どうやら相性がよかったみたいだな」

「そして俺の個性は、触れた相手を一時的に洗脳する個性だ。安心しな大人しくしていればケガしないぜ?」

「い、いや…離して!」

(武術で返せるけど面倒ごと起こしたくないから誰か気づいて)

 

 

「貴様ら…お嬢様を離せ!」

「あ?」

ドガッ!

突如、聞こえた男の人の声に私を連れて行こうとした男の1人が振り向くと同時に飛んできた拳に吹っ飛ばされた。

「ゲブァッ!」

「なっ、兄貴ー!テメー!」

「ハッ!タァッ!」

それを見たもうひとりの男は、殴りかかったが後ろ回し蹴りをまともに食らって気絶した。

 

「ふん!貴様らのような下種な人間共がお嬢様に触れる事はおろか話し掛けるなど1000億年早いわ!ボケが!」

「あ、ありがとうございます!不知火さん」

「いえ!お嬢様のためであればこの不知火、命を懸ける所存でございます!」

「そ、そう…無理だけはしないでね?」

「ハイ!」

そう返事をしてくれたのは、長い髪を後ろで一纏めにし黒スーツを着込んだ赤目赤髪の男性。

私の護衛の不知火 烈火さんだ。

 

 

「それよりもお嬢様」

「な、何?」

「いつの間に彼氏など出来たのですか?」ズイッ!

「えっ?!もしかして…聞いてた?」

「はい、バッチリと聞こえてましたよ『私こう見えて彼氏いるんで!』ってね。その彼氏さんとは、誰の事ですか?もしかしてもしかしなくてもあの氷使いの白髪の青年ですか?」

「あー、えーと…まだ彼氏では、ないけど…」

「まだ…と言うと彼氏にしたいもしくはお付き合いしたいというわけですね?」ズズイッ!

「え?…うん、多分そうなるね…」

「そうですか。それは、めでたい事ですね!では、早速旦那様に連絡しませんと!」(満面の笑み)

「えー?!ち、ちょっと待って!」

「では、お嬢様!冷気様との買い物(デート)を楽しんで下さいね!失礼します!」

「あっ、ちょっと!…行っちゃった。」

 

「…私レイレイの事好きなのにそれに気づいてくれない…私って可愛くないのかな?ううん、そんな事ないはず!私は可愛い私は可愛い!うん!絶対そうだ!私は「未来火は可愛いよ」っ!レイレイ!?」

「やあ来たよ」

「ち、ちょっと早くない?」

「うん、11:45。集合時間の15分前だね」

「ど、どうしてこんな早く。そして私の後ろに居て私の事を…その…可愛いって言ってくれたの?」

「時間より早く着いたから何か見てようかと思ってたけど未来火が見えたからこっちに来てみたら、未来火が何か呟いているのが聞こえて近づいたら自分の事を「可愛い可愛い」って言ってたから俺も可愛いって言っただけだけど?」

「じゃ、じゃあ私の事を可愛いって思ってないんだ…」

「なに言ってんの?未来火の事は、世界で一番かわいいと思っているし正直、嫁にしたいとも思ってるよ。」

「ほえ?」

「けど言うタイミングがなかなか見つからなくてね。まずは、恋人から始めたいんだけど告白するにも場所やタイミングとか重要だろ?だからもう少しだけ待っていて欲しいんだけど…って、あれ?聞いてないな」

 

レイレイの話しを聞いていたらとんでもない爆弾を落としてきた。

(私を…嫁に…つまりお嫁さんにしたい…レイレイと結婚…私の名前が(すめらぎ) 未来火(あすか)から冷気(れいき) 未来火(あすか)に変わる。えへ、えへへへ…悪くない…ううん、むしろ嬉しい。レイレイとの結婚生活…考えただけでも楽しい…一緒にヒーローになって、家を買って二人で幸せに暮らして…それで子供の数は「未来火、おーい未来火!大丈夫か?」へ?レイレイ?)

「無事か?」

「え?う、うん…大丈夫だよ」

(ち、近い…!)

少し浸りそうになっていた妄想から覚めるとレイレイの顔があと少しで触れられるくらいの距離にあった。

 

「ね、ねえ…レイレイ」

「うん?なに?」

「私ってレイレイにとってどんな感じなの?」

「どんな感じって…嫁にしたい人、初恋の相手、世界で一番大切な人、俺の身も心も捧げたいと本気で思える人、例えこの世の全てを敵に回してでも守りたい人、生まれ変わっても一緒に居たい人、一生を添い遂げたい相手、この人のためなら命を懸けてもいいt「わかった!わかったから!一回その口閉じて!」まだあるけどいいのか?」

「いいよ!そんなに言わなくても!」

私のした質問に真顔でさも当たり前のように喋り始めたレイレイの口を慌てて塞いだ。

(うう~っ、レイレイの気持ちを確認すると同時に少しからかってやろうと思ったのに…これじゃあ私だけ被害を受けてるじゃない!でも…やっぱりうれしいな///)

 

「えへへ…」

「どうしたんだ急に黙り込んだり笑い出したりして?熱でもあるの?」ぴとっ(額に手を当てる)

「えあ…?」

「熱が上がって来たぞ。本当に大丈夫か?」こつん(額に額を当てる)

「ほえ~…!」カァ~ッ!

レイレイが急にソフトタッチで額を触ったかと思えば直接額を当てて熱を確認してきた。

「大丈夫か?顔が真っ赤だぞ」ぴとっ(両手で頬を軽く触りながら)

「う~…!バカ!レイレイのアホ!女誑し!女の敵!天然!鈍感!コミュ障!無表情!私をこんなにした責任取れ!」

「責任なら取るつもりだよ?」

「っ~!!」ボッ!

「………!!!」ぽかぽかぽかぽか!

「どうしたの?未来火」頭ポンポン

レイレイに対抗するべく発した悪口も意味をなさずレイレイに対抗する術を無くし無言でレイレイ(想い人)の胸を殴り続けるしかなかった。

 

 

 

 

 

「相変わらず可愛いなぁ…」ヾ(・ω・*)なでなで

「……バカ///」

レイレイの呟きに私も呟いて返した。

 

 

 

~数分後~

 

「落ち着いた?」

「うん…」

「このまま買い物続ける?」

「うん…」

「どこか行きたいところある?」

「…出来れば服とか見に行きたいけど…一緒に来れる?」

「俺は問題ないけど…未来火は大丈夫?さっきみたいになったりしない?」

「あ、あれは…元を言えばレイレイが悪いから…急に私の事を可愛いとか言ったりするから!」

「事実、未来火は、可愛いし愛してるし嫁にしたいから特に変な事を言ってないけど?」

「っ~!!もう!ほら、そうやってまた!はあ…もういいや…一緒に服買いに行こ。こうなったら自棄買いよ!ついてきなさい!」

「はいはい…」

こうやって私とレイレイの買い物(デート)が始まった。

 

 

まず二人で入ったのは、服屋。

それもなかなかの高級品ばかり扱う高級店である。

 

「いらっしゃいませ!」

「どのような服をお探しでしょうか?」

入ると同時に店員の声が聞こえて来る。

 

「え~と、動きやすくて普段使いや出かける時、買い物する時とかに使える服ってあります?あったら出来るだけ多く見せて下さい」

「そうですねぇ…そうなりますとこちらの商品等は、いかがでしょうか?」

そう言いながら店員が見せたのは、ピンクのタイトスカートとベージュのフレアスカートだ。

 

「動きやすく軽く丈夫な素材なので結構長持ちしますし他の服とも合わせやすいですから…デートの時にも使えますよ?」

「デ、デート?!…って、違いますよ!わ、私とレイレイはデートなんて…してませんよ」

「そうなのですか?お連れ様は、先ほどからお客様に似合いそうな服を当店の者に相談しておられるようですが?」

「うぇ!?」

店員の声に振り向くといつになく真剣な顔つきで服を見比べていた。

 

「…レイレイ」

その様子を見て心が温かくなるのを感じる。

 

 

「どっちが彼女に似合うと思いますか?」

「そうですねぇ…こちらのワンピースの方が似合うと思います」

「そうですね…じゃあこれを一着下さい」

「ありがとうございます。こちら一点で1万8千5百円となります」

「一万…財布へのダメージがすごいな。2万からでお願いします…」

「はい二万円のお預かりですので、こちらお釣り千五百円となります」

「ありがとうございます…プレゼント用に包んでくれますか?」

「はい、かしこまりました」ガサゴソ

「はい、どうぞ」

「ありがとうございます…」

 

 

(出来ればちゃんと隠して買って欲しいなぁ…)

「お客様?いかがなさいますか?」

「あ、うん。えーと、取り敢えずこの二着とブレザーにワンピースあとは…ジーンズとシャツにジャケットとコートを見せて下さい」

「畏まりました。では、こちらへどうぞ」

そう言いながら店員に別の場所に案内された。

 

~20分後~

 

「はい、こちら17点で合計42万7800円になります」

「あら?意外と安い。これでお願いします」

「はい、43万お預かりいたしました。では、こちら2200円のお返しになります」

「あとこちら商品になります。ご自宅へお送りいたしますか?」

「いえ、このまま持ち帰ります」

「かしこまりました」

「また来ますね?」

「はい、またのご来店心よりお待ちしております」

「ありがとうございました!」

「「「ありがとうございました!」」」

 

思ったよりも早く買い物を終わらせて店の外に出るとレイレイが呆れた目で見て来た。

「…なによ?」

「相変わらずいっぱい買ったな…」

「いいでしょ別に私のお金で買ったものなんだから」

「はあ…半分持ってやるよ」

「…なんで?」

「手を繋ぎたいから…じゃ、だめか?」

「グフッ…!」ガクッ!

「大丈夫か…!?」

「う、うん…大丈夫大丈夫。気にしないで」

(ずるい…今の不意打ちは、ずる過ぎるよ…)

レイレイの可愛すぎる不意打ちに片膝を着いてしまった。

 

「じゃあ次どこ行く?」

「集合時間って何時だっけ?」

「3時くらいで今は、12時半」

「あと2時間半ね…映画でも見てく?」

「いいよ」

そのまま二人して映画館に向かった。

 

~映画館にて~

「…なに見る?」

「特に見たいものないから未来火が決めていいよ」

「う~ん、じゃあ…この恋愛映画は?」

「いいんじゃない?」

「じゃあチケット買ってくるね」

「うん…ありがとう」

(女性に奢られるのは男としてどうなんだろうか…)

【アウトなんじゃねえの?】

「……黙れ」

 

~映画館内にて~

「うっ…うぅ…」

「………」

「いい話だねぇ…ねえレイレイ?」

「………」ツー…

「うんうん、感動してるんだね」グスッ

「涙くらい拭け…」ス…

「うん…ありがとう…グスッ」

相変わらずレイレイは優しいなあ…

 

~映画終了後~

「いや~いい話しだったねー!」

「うん、なかなか悪くなかった…」

「結構泣いてたくせに何言っちゃってんのよ」

「それよりもそろそろ集合時間だぞ?」

「本当だ。あと10分じゃん急がなきゃ!」

言われて気づいたけど結構いい時間だ。

 

「じゃあ行こうか!」

「なあ…手、繋いでいいか?」

「グフッ!…うん、いいよ」

「……ありがとう」パァーッ

「ゴフッ!」

「…大丈夫か?」

「大丈夫大丈夫…これ以上はやばいけど…

「じゃあ行こうか?」

「う、うん…」

そのままレイレイが指と指を絡ませながら手を繋いできた。

いわゆる恋人繋ぎだ。

「うんふっ…このまま行こう」

恋人繋ぎのまま集合場所であるとある喫茶店に二人で向かった。




はい、てなわけで11話でした。

冷気くんのお母さんの姿は、アカメが斬る!のエスデス将軍が左腕を失い少し穏やかになったような感じです。
護衛の人は…ご想像にお任せします。

次の話は、お茶会の話になります。多分その次が体育祭前の宣戦布告の回になると思います。
勘違い要素が少なくなってきた今日この頃、他者様の作品を読み漁って勉強させて頂きます。
あと活動報告にて属性系の技を募集しています。ご協力いただけると嬉しい限りです。


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勘違い 12 最強達のお茶会(集い)

皆さまお久しぶりです。
12話が出来たので投稿しておきます。話は全くと言っていいほど進んでいません。
この回を読まなくても次話の前書きで大まかに内容を説明すると思います。

《注意!》オリキャラが大量に登場します。苦手な方はすぐにブラウザバックしてください。
あと文字数が今までの話の倍くらいあります。

それでもいいと言う方だけ…どうぞ。ごゆっくり!


三人称視点

 

冷気と皇が手を繋いだまま辿り着いたのは、喫茶店『NATURE(ネイチャー)』。

ここは、個性『世界樹(ユグドラシル)』を持った大昔に現役を引退した元プロヒーロー(リカバリーガール世代)が一人(+少し前に入ったバイト)でこっそり営む隠れ家的な喫茶店。

 

自然との一体化をテーマにした店で落ち着きのある癒し空間が売りの喫茶店だ。

そんな店に二人が若干緊張した様子で入店した。

 

カランコロン

入り口のベルが鳴り二人の入店を知らせる。

 

「おや?いらっしゃい」

2人の入店を歓迎したのは、白髪の紳士。

白い髪をオールバックで纏め黒の紳士服を着用し深い緑色のネクタイを締めた年配の男性。

彼こそがこの店の店主(マスター)の神野 木樹さんだ。

 

「今日は、二人かな?それともお茶会(定例会議)の方かな?」

店主の声は、まるで森の中にいると錯覚させるような澄んだ穏やかな声だった。

「いえ…定例会議等ではなくただのお茶会です」

「ただのお茶会?ふむ、珍しいね。いつも定例会議をする席でいいかな?」(⌒∇⌒)

「…お願いします」

いつもと違う集会の内容に疑問を抱きながらも店の奥の九人掛けのテーブル(・・・・・・・・・)に案内する。

「では、ここで待っててくださいね?」

「…はい」

店主に案内され冷気と皇が席に着く。

「ご注文は?」

「ミルクティーをアイスで…」

「私は、アイスティーをお願いします」

「かしこまりました」

2人の注文を聞き終えたと同時にまた誰かが入店した。

 

カランコロン

「おやおや?いらっしゃい」

「マスターお久しぶりです」(cv.小野 大輔)

「久しぶりっすマスター」(cv.小林 裕介)

入店したのは、筋骨隆々の茶髪の男と中性的な顔立ちをした波打つような水色の髪を腰まで伸ばした男。

No.19ヒーロー グランドキング(本名.常陸(ひたち) 大地)とNo.20ヒーロー ポセイドン(本名.海神 水龍(みずる))の二人だ。

 

「定例会議の席でいいかな?」

「ええ、お願いします」

「助かるよ。あ、そうだ。ご注文は?」

「私は、カプチーノをお願いします」

「ウチは、氷水でお願いするっす」

「かしこまりました」

2人の注文も聞き終えて店主(マスター)が厨房に戻る。

そして二人が冷気と皇の座っている席の近くに座る。

 

「久しぶりだな…お二人さん」

「相変わらずイチャついてるっすねぇ…」

「あら?なにか問題でもあるのかしら?いい歳して独身のお二方?」

今来た二人とあまり仲が良くない皇がさっそく毒を吐く。

「残念ながら俺は先月結婚した!」

「ウチは、まだっすね」

「つまらん…だが一応祝福しておこう」

「冷気おめぇな…もうちょっと師匠を敬う気持ちはないのか!?」

「無い…」キッパリ

「なっ…!?」ガーン

「ひどいっすねぇ」

「クスクス」

それに常陸が精一杯の抵抗(?)をしたが冷気の冷たい態度の前に沈んだ。

 

 

「お待たせしました。ミルクティーのアイスとアイスティーにカプチーノと氷水です」

常陸が沈んでいるのを全く気にせず銀髪銀目のバイトの娘が時を止めたまま(・・・・・・・)注文した物を持ってきた。

「あー、ありがとうっす時子ちゃん」

「いえ、どういたしまして。あと店主(マスター)がケーキサービスって言ってました…どうぞ」

「あら、ありがとう。今日はなかなか太っ腹ね」

未来火(あすか)失礼だぞ…!」

「いえ、大丈夫です。気にしないでください」

時子と呼ばれた気が弱そうな大人しい少女がケーキを置き終えてからおもむろに常陸の方を見てから質問する。

 

「ところでグラキンさんは、どうしたんですか?」

「結婚報告をしたけど弟子に思ったよりも冷たい態度を取られて崩れ落ちただけだよ」

「そうだったんですか…お可哀そうに…」

「時子ちゃんも!?時子ちゃんも俺の結婚を祝福してくれないのか!?」

常陸の沈んだ理由を知って祝福よりも先に憐れみの言葉を掛けた事にさらなるショックを受けて泣きそうな顔を上げた。

「い、いえ!おめでたいと思いますよ!おめでとう…わー」パチパチ

「うわー!」(´;ω;`)

その言葉を聞いてついに泣き出してしまった。正直見苦しい。

 

「マ、マスター?!どうしましょう…!?」

「あー、そのうち泣き止むからほっといていいよ」

「ええ…」(困惑)

時子がマスターに助けを求めるがほっといて良しと帰って来た。

時子は困惑しながもフォローしようとしたが…

 

カランコロン

 

また誰かの入店をしらせるベルが鳴った。

「い、いらっしゃいませー!」

職業上そっちに先に反応してしまい常陸へのフォローを一瞬忘れるが気づいたら席に座って先ほど注文したカプチーノを飲んでいた。

「えっ!いつの間に!?」

「相変わらずこの店の淹れるコーヒーは美味しいですね…」

「途轍もない切り替えの速さっすね…ある意味憧れるっすよ」

「褒めても何も出ませんよ?」

「誰も褒めてないわよ!」

時子の事を気にせずテーブルは相変わらず賑やかだった。

ちなみに冷気はお手洗いに行ってる。

 

「お嬢ちゃん注文しいやいいかいな?」(cv.遊佐 浩二)

「えっ?はい!大丈夫です!」

いつの間に時子の横に緑髪糸目の男(神風 迅)が顔を覗き込んでいた。

「そやの?そんなら緑茶と抹茶パフェをお願いしはるよ。抹茶パフェが無ければ餡蜜をお願いでけるかいな?それも無ければチーズケーキやっけ?ほしてええよ」

「はい?あのもう一度ゆっくりお願いできますか?」

突然発せられた京都弁に戸惑い気味の時子にお手洗いから帰って来た冷気により助け舟が出される。

「げっ…神風」

「ん?なんや冷気やないか!げっ、て、なんやよ冷気久しぶりん再会やろ?もっと他にしゃべる事があるんではおまへんんか?」

「ない。あっても去年の今頃に貸した3万を返せって事くらいだな…」

「あんた本当によおそないなこと覚えていられへんな…ある意味尊敬しはるよ」

神風と呼ばれた男の興味が完全にそちらに移った。

「あ、あのー…ご注文は?」

完全に蚊帳の外にされていた時子が声を発する。

「ん?ほないつもの(・・・・)でええよ。店主にそない言うたらわかってもらえると思うよ?」

神風は、それだけ言って席に着いた。

 

「は、はい?では、失礼しまs『カランコロン』また!?いらっしゃいませ!?あれ、いない?!」

すでに濃すぎる面子が揃っていて許容限界が近いのにまた誰かが来たとなればさすがにキャパーオーバーしてしまいそうな時子は、それでも染みついた社畜根性で挨拶をしたが入り口に誰もいない事に気づいた。

「お嬢さん!注文をお願いしたいのだが!よろしいですか!?」(cv.三石 琴乃)

「ひゃい!!」

突如後ろから腹の底まで響いて来る声に驚き変な声が出た。

「む!怖がらせてしまったか?!もしそうなら申し訳なかった!私の個性の関係上どうしても声が大きくなってしまうのでな!」

後ろを振り向くと所々雷のような黒い線が入った黄色い髪と黄色い目をした大学生くらいの年の女性がいた。

「い、いえ大丈夫です!それよりご注文は?!」

「うむ!では冷たいレモンティーをお願いする!あとは、ハニートーストもお願いする!」

「は、はい!」

「では、失礼!」

女性はそれだけ言って席に座った。

時子も厨房に戻って行った。

「マスター!神風さんに緑茶といつもの(?)を!紫電さんは、レモンティーのアイスとハニートーストでお願いします!」

「はいは~い」

 

「久しぶりやね~雷化(らいか)。達者にやっとった?なかいなか連絡をくれやらんから心配しいやたよ」( ´∀` )

「うむ!久しぶりだな迅よ!元気にやってたか!?私は教授のクソみたいな研究に付き合っていたせいで連絡する暇がなかったのだ!ちなみに研究結果のせいで変な訳の分からない謎の生物が生み出されてな!それを討伐するのに思ったよりも時間が掛かり周囲を焼け野原にしてしまったのだ!ついでに言うと周囲一帯の電気系統を破壊しつくしてな!一か月の休暇を貰ったのだ!しばらくの間迅の家に泊まらせてもらうぞ!!」

「そないな事がおしたんやねぇ。別にええよー」

 

「それはそうと…冷気!お前のケーキ少し寄越せ!」

「断る!未来火(あすか)にならともかくなぜお前のような奴にくれてやらねばならんのだ!」

「やかましい!そのケーキを寄越さなければ着替える時に静電気がバチッ!って来る程度の電気を流してやる!」

「地味な嫌がらせ程度の攻撃って一番つらいっすよねぇ…」しみじみ

「あんたいい加減にしなさいよ!ケーキが欲しいなら自分で注文すればいいじゃない!ていうか多分サービスで来るから我慢してなさい!」

「別に良いじゃないか!あとでこっちもあげる予定だから!」

「良い訳ないでしょ!」

「まま二人とも落ち着け。そないな事で喧嘩どしたら「「あんたは黙っとれー!!」」えげつない!」

店主(マスター)カプチーノのお替りをお願いします!」

テーブルでは相変わらずカオスな状況が続いていた。

 

カランコロン

そんな空気を壊すかのようにまた入店を知らせるベルの音が鳴った。

 

「おやおや?これまた珍しい方ですね…いらっしゃいませ」

「お久し振りですねマスター…お元気でしたか?」(cv.森川 智之)

入店してきたのは、切れ長の黒目に漆黒の髪を纏め黒いスーツを着こなし同じく黒いネクタイを締めた若き紳士。名を闇乃 影薄(えいはく)

彼はどこか胡散臭い笑みを浮かべながら相手の心臓を鷲掴みしそうな声で話す。

 

だが店主(マスター)は、顔色一つ変えず注文を聞く。

「はははは…おかげさまで元気にやらせていただいておりますよ。所でご注文はいかがなさいましょう?」

「そうですね…では、チョコケーキとコーヒーをお願いします」

「かしこまりました」

「あと今日の新聞ってありますか?実はまだ読んでなくてですね」

「ええ、ございますよ。あちらからお取りください」

「ありがとうございます。では…」

闇乃もそれだけ言って新聞を取ってから席に着いた。

 

「お久し振りですね…皆さん」

「だーかーらー!あのヒロインは絶対死ぬって言ってるでしょ!なんで分かんないのよ!?」

「いや…しかしもし死んだらストーリーを構成する重要な人物が消えるじゃないですか!もしそうなったらどうなると言うのですか?」

「だからね大地君。そこにこの前登場した新キャラが関わって来るんすよ。恐らくあの新キャラがラスボスの側近か何かに違いないっす!」

「いや!それはおかしいと思う!もしその新キャラがヒロインの代わりになるとしてだ!主人公の成長のためとは言え!長い間連れ添った相手をいきなり消すのは少々酷ではないだろうか!」

「しかしかてそっちゃん方が話としいやも面白くなる可能性があるからヒロインを殺すと思うよ?まあ殺どしたとしいやも後で何やと理由を付けて生き返らせたりしはる可能性もあるし…第一かな監督ん事やから実は生きとった。とか死にかけたやけど冷凍保存みたいな感じで一命をとりとめたとか言いそないな気がしはるやけどな」

「「お前はちゃんと日本語喋れ!」」

「酷くへん!?ちゃんと大和言葉喋っとるよ!」

「大変お待たせしましたー!こちら緑茶とどら焼きセット、レモンティーのアイスとハニートーストで御座います。あとこちらカプチーノのお替りで御座います!ついでにケーキのサービスで御座います!」

「申し訳ない薄さん…今、放送中のドラマの話しで盛り上がっているせいで誰もあなたに気づいてないようだ…ただでさえ影が薄いからなこの状況では誰も気づかないのも無理ない」

「君も随分と毒舌だね…」ヒクヒク

闇乃の挨拶に唯一会話に参加していなかった冷気以外誰も闇乃が来た事にすら気づかずにいたが唯一挨拶を返した冷気でさえ中々の毒を吐きながら挨拶した。

 

「そ、そうだ。それよりも今日の集まりは『カラランコロン!!』「来てやったわ冷気!光栄に思いなさい!」うるさいのが来ましたねぇ…」

闇乃の質問を遮るように入り口の扉が乱暴に開かれ入店を知らせるベルが外れそうな程に揺れ動く。

そして入ってきた人物を見て影乃が盛大に顔を歪める。

 

入店して来たのは、金のブロンドヘアーをツインロールにした…幼女。

白いドレスのような服にウェディンググローブを嵌め茶色い革ブーツを履いた圧倒的幼女が入り口で仁王立ちの状態で突っ立ていた。

「いらっしゃいませマリアさん!」(時子)

「おはようマリア…久しぶりだね」(冷気)

「ふん!久しぶりね!マスター!は、いないみたいだから…そこのあなた!いつものをお願いするわ!あと冷気にも同じ物を頼むわ!」(マリア)

「はい!牛乳とチーズケーキですね!すぐお持ちします!」

かっこよく注文しようとしたマリアの気持ちも知らずに時子は、注文の品を口にしてマリアに恥をかかせた。だが結論から言うとそれが良かっただろう。

「言わなくていいいいのになぜ言うのかな?!ねえ!?」

「フフフフ…マリアにも意外と可愛い所あるんだな」

「なあっ…!?」カァ~ッ!

冷気の言葉にマリアと呼ばれた少女は、顔を真っ赤にしながらも冷気の隣の席(・・・・・・)に座る。

 

「おやおや…冷気の天然誑しが炸裂したようだね?」

「だ、黙りなさい!この影の薄い『闇の権化』め!あんたなんかとっとと浄化されなさい!」

「個性名で呼ぶな!『光の権化』め!お前なんかとっとと闇堕ちしろ!」

「…う、うわ~ん!零~!影の薄い陰キャ野郎が私の悪口言った~!闇落ちしろって言った~!」

闇乃のからかいに本気で対抗してカウンターを食らい沈黙し冷気に泣きついた。忙しい幼女である。

 

「はあ…よしよし」ヾ(・ω・`)

「ウ…ウゥ、グスッ!」

ため息を吐きながらもマリアの頭を撫でていると隣の席から赤黒い殺気のオーラが発生していることに気づく。

「どうしたんだ?未来火」

「…どうしたもこうしたも…ないでしょうが!!!!!」(大激怒)

「私以外の女の頭を撫でやがって…貴様死にたいようだな?

「お~い未来火ちゃん。煉獄の女王(本体)が出てきてるっすよー!」(;'∀')

皇がドスの聞いた声で呟き海神の言う通り皇の髪が炎のように揺らめきだししまいには本当に燃え始めた。

 

「出来れば死にたくないからその怒りを抑えてくれないかな?」

「…わかったわ……でも次は無いからね?」

「あいよ…」

冷気の言葉に皇が怒りを抑え怒りの炎が鎮火されかけたその時日に油を注ぐがごとき行為が行われた。

 

「ふふ~ん!…フッ」(マリア)

「おっと…!」(冷気)ヾ(・ω・*)なでなで

「なあっ…!?」(皇)

「へえ…」(海神)

「ほう…」(常陸)

「あらら…」(闇乃)

「よもやよもや!」(紫電)

「おやおや…こら修羅場確定やな」(神風)

なんとマリアが冷気の胸と腹部の辺りで頬擦りをしてから皇の方を見て嘲笑うような笑みを浮かべた。

冷気はまんざらでも無さそうにそのままマリアの頭を撫でた。

この行為に皇の鎮火しかけていた怒りの炎が再燃して一気に爆発した。

 

「な…な、ななな、何やっとんじゃーコラー!!!

「ふんだ!零は渡さないよ!零は一生私の物にするんだ!」

「ふざけんじゃないわよ!マリア!…もう良い…今ここで…あんたをこの一帯ごと…いえ…この街ごと消し炭にしてやるわ!!」

「ふん!やってみなさい!この…断崖絶壁が!」

「…」ピキッ!

「それは…あんたもでしょうがーー!!!!!」

「ふん!私はこれから成長する予定よ!成長しまくって零を私の魅惑でノックアウトしてやるのよ!」

「何十年後の話をしているのよ!その前に私があなたを物理的に(・・・・)ノックアウトしてやるわ!」

ついにマリアと皇の言い合いが大喧嘩までに発展した。

「やってみなさい!『戦乙女13姉妹(ワルキューレ)』!さあどうする!」

「舐めんじゃないわよ…『炎の騎士団(フレイム・ナイツ)』!」

実力が確かな者達を召喚したマリアに対し皇は数で勝負に出た。

 

「…やれ」

「潰せ…」

2人の召喚した者達が衝突しようとした…その瞬間。

「『時間停止(タイムストップ)』!危なっかしいですよお二人さん。喧嘩なら他所でやってくれませんか?お待たせしましたコーヒーとチョコケーキで御座います」

時子が両方の軍勢の時を止め闇乃の注文したコーヒーとチョコケーキを持ってきた。

「時子!零をこの阿婆擦れの魔の手から守らなくちゃいけないから邪魔しないで!」

「誰が阿婆擦れよ!このロリッ娘!」

「お二人さん…これ以上この店で問題を起こすと出禁になってしまうので今すぐ…仕舞え!

「「っ!?」」ゾクゥ!!

2人とも反論したが時子の全力の殺気と共に発せられた言葉で二人は己の出した兵を消滅させた。

「チッ…分かりました」

「確かに少し大人げなかったわね」

「はい!では失礼いたします」

2人が落ち着いたのを確認してから時子は再び厨房に戻って行った。

 

 

「そういえば…」

静かになった空気を乱すかのように海神が声を発した。

「影薄さんいつの間にか来てたんすね」( ゚Д゚)

「「「「あっ、そう言えば!」」」」

「やっと気づいたの?ドラマの話しをしていた頃に来たよ?」(´・ω・`)

海神の言葉によってやっと他の4人にも存在が認識された闇乃…泣きたくなる程の影の薄さである。

「そう言えばで思い出したのだが「俺の話ここで終わり!?もっとなんかあるだろ!?」皆誰か忘れてないか?」

「本当に終わりかよ!」

無視される闇乃。

「うむ!そう言えば誰か重要な人物を忘れているような気がします!」

「あれじゃない?ほらあのロr「誰がロリじゃ!この腐れ陰キャ野郎!」お前に言ってねえよピカピカ娘!ロリ女神の事言ってんだよ!」

言葉を遮られる闇乃。

「あー、居たっすねそういうの!」

「確か…冷気。あんたが一番連絡取っとったよな?なっと知らんんか?」

「最後に連絡来たのは、雄英の入試一週間前に『ちょっとサマーバカンスを楽しんでくるのじゃ!探さんでもええよ!連絡もしないでおくれやす!ばいな~ら!』…が突然頭の中に送られてきたくらいだからな。俺に聞かれても困る」

「うん…なんて言うか…おつk「大変だったのだな!冷気!私たちの為にすまないな!」今俺が喋ってるんだけど!?」

またもや話を遮られる闇乃…なんか泣けて来た。

「ほな結論やけしゃべるとそれからまるっきし音沙汰なしやので彼おなごがどないなっとるんかを知る由がへんちゅう事やな?」

「まあそうなるな…では俺たちは、これくらいで失礼させて貰おう。帰ろう未来火」ガタッ

「ええ、そうね。ご馳走様」ガタッ

「ふむ…今思えばまだパトロールが終わってませんね…この話の続きはまた後日で」ガタッ

「そう言えば私もまだ仕事中でしたね…これ以上抜けるとまた怒られてしまうので先に帰らせて貰うっす」ガタッ

「ほなわしもいぬわ。雷化、一緒に来はるか?」ガタッ

「うん!そうさせて貰おう!これから君の家で1か月程居候させて貰うからな!いろいろと相談しないといけないだろう!」ガタッ

「そうね。それじゃあ私も「お待たせしました。牛乳とチーズケーキでございます。ごゆっくりどうぞ」これを食べ終わってから帰らせてもらいます…」バクバクッ!

「そうか…じゃあ今日のみんなの分の勘定は俺がm「「「「「「店主(マスター)お勘定お願いします!」」」」」」なんで誰も聞いてくれないんだよ!」

闇乃は最後まで無視され続けながらお茶会は終了した。

ちなみにこの後、半泣きの状態でチョコケーキを食べる闇乃を慰める神野さん(店主(マスター))尻目に美味しそうにチーズケーキを頬張るマリアを見て鼻血を垂らす時子が目撃された。




一応言っておきます。
闇乃さんは、いじめられていません。普通にこういう損な立ち回りです。
でも本当はクッソカッコいいです。
特にオールマイトvs.AFO戦で乱入する時とかカッコいい!…予定ですゲフンゲフン!
多分次の話が本編に戻って体育祭前の宣戦布告になると思います。

では、また次回!


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勘違い 13 宣戦布告

どうもお久しぶりです。
ニ期をあまり覚えておらずどんな感じか思い出しながら書いていたのですが『ヒロアカ 公式』と言う神動画シリーズを見つけて一気に進みました。
公式さんありがとうございます。

前話のあらすじ。
冷気くんと皇さんがデート(買い物)をした後にチートオリキャラ達とお茶会擬きをした。以上。

今回は宣戦布告の回です。
微妙な描写満載ですがどうぞご覧ください。
では、どうぞ。ごゆっくり!


冷気への尋問(?)とお茶会が終わった次の日、雄英にて

 

 

今日から普通に授業が再開される…が2日前の(ヴィラン)連合の雄英襲撃を切り抜けたA組はかなり話題になっていた。

その話題の中心となったA組は結構いつも通り…ではなかった。

 

「ねえねえ!昨日のニュース見た?」

葉隠が話を切り出した。

「うん」

「クラスのみんなが一瞬映ったでしょ?なんかあたし全然目立ってなかったね」

「確かにな…」

「あの格好じゃ目立ちようがないもんね」

葉隠の言葉に障子が肯定し尾白がフォローする。

 

「しっかし、どのチャンネルもかなりデカく扱ってたよな?」

「ビックリしたぜ」

「無理も無いよ。プロヒーロー排出するヒーロー科が襲われたんだから」

「あの時、先生達が来なかったらどうなってたか」

「やめろよ瀬呂!思い出しただけでちびっちまうだろうが!」

「うるっせぇぞ!黙れカス!」

峰田と爆豪の言葉に話が中断された。

 

そして砂藤が話を切り出した。

「けど驚いたぜ。まさか冷気があそこまで強かったとはな!」

「ああ!しかも漢らしく敵と真正面からの殴り合い!爆豪と轟にも勝ったって聞いてたけどやっぱり近接戦も強いんだな!」

「ああ感服した…あれ程の強敵を倒せるとはな」

だが話掛けられた冷気本人はと言うと

「……」(無言)

ずっと黙り込んでいた。

 

そして衝撃的な一言を発した。

「俺は…あまり強くない…」

 

「あまり強くないって…なに言ってんだ?」

「冷気ってUSJのあの怪物を相手に完封勝ちするくらい強いだろ?それのどこが強くないんだ?」

「そうね…確かにあの時、冷気ちゃんがいなければ私たちもかなり危なかったわ。正直冷気ちゃんがいなかったと思うと」

「みんな!朝のホームルームの時間だ!私語を慎み席に着け!」

冷気の言葉を聞いた数人が疑問を口にしていると飯田が話を中断させた。

 

 

「着いてるだろ~?」

「着いてねえのお前だけだ!」

その言葉通り飯田以外全員席に着いていた。

「くっ!しまった!」

「どんまい!」

そして麗日に慰められた。

 

「梅雨ちゃん。おっとと、今日のホームルーム誰がやるんだろ?」

芦戸は少し後ろに倒れながら質問した。

「そうね…相澤先生は怪我で入院中のはずだし…」

 

ガララ

「おはよう」

蛙吹が呟くと同時に扉が開き包帯だらけの男と水色の美しい髪を腰まで伸ばした美女が入って来る。

 

「「「「「相澤先生復帰早ええ!!」」」」」

「凄すぎる!」

入ってきたのは何故かすぐに復帰した相澤先生だった。

 

「先生無事だったのですね!」

「無事言うかな?あれ…」

飯田の言葉に麗日がひっそりと呟いた。

 

「俺の安否はどうでもいい…」

「相澤先生。あなたの安否はどうでも良くありません。ちゃんと療養しなくてはいけないのに貴方がどうしてもと言うのでしょうがなく出られたんですよ?リカバリーガールが許可するまで無茶な行動は避けるように!もし無茶した場合は貴方に『無の極致』をぶっ放しますのでご注意下さい」

「…分かってるよ」

相澤は一緒に入って来た女性に怒られた。

 

「相澤先生。そちらの女性は誰ですか?」

「またあとで説明する」

「それよりもお前ら休んでいる暇なんかねえぞ?戦いはまだ終わってねぇ」

相澤の言葉にクラスの空気が一変した。

「戦い?」

「まさか…」

「またヴィランが!?」

 

「雄英体育祭が迫っている」

「「「「「クソ学校っぽいの来たー!!」」」」」

 

「マジか…」

 

冷気視点

 

「マジか…」

先生の言葉に思わず呟いてしまった。

 

昨日の謎尋問が終わり未来火との買い物やあいつら(・・・・)とのお茶会も終わらせたのに今度は雄英体育祭か…。

(辛い…せっかく入学前の修行が終わったのにまた戦いの前の修行があるのか…)

 

「学校っぽいの来たー!」

「って待て待て!」

「ヴィランに侵入されたばかりなのに体育祭なんてやって大丈夫なんですか?」

「また襲撃されたりしたら…」

クラスの何人かが疑問の声を上げた。

事実自分も同じ事を思っている。

(まあ…運命はそれを許さないけどな…悲しいねぇ)

 

「その逆だ。開催することで雄英の危機管理体制が伴着だと示す機会らしい…警備も例年の5倍にするそうだ。何よりウチの体育祭は最大のチャンス。(ヴィラン)如きで中止して良い催しじゃねぇ…」

「うんうん」

相澤先生の説明に横に立っている女性が頷いた。

(あれって…氷人形(アイスドール)だよな?誰が作ったんだ?)

 

相澤先生の説明に峰田が恐怖し呟く。

「いや、そこは中止しよう?体育の祭りだよ?」

「えっ?峰田君、雄英体育祭見た事ないの?」

「あるに決まってんだろ。いやそういう事じゃなくてよぅ…」

 

「ウチの体育祭は日本のビッグイベントの一つ。嘗てはオリンピックがスポーツの祭典と呼ばれ全国が熱狂した。今は知っての通り規模も人口も縮小して形骸化した。そして日本において今かつてのオリンピックに代わるのが雄英体育祭だ!」

相澤先生が説明を終わらせた。

 

「当然、全国のプロヒーローも見るのですよ?スカウト目的でね!」グッ!

「知ってるってば…」

「卒業後はプロ事務所に相棒(サイドキック)入りがセオリーだもんな!」

「そっから独立しそびれて万年サイドキックってのも多いんだよね。上鳴、あんたそうなりそう。アホだし」

「うっ…」

耳郎の何気ない言葉が上鳴に突き刺さった。

 

「当然、名のあるヒーロー事務所に入った方が経験値も話題性も高くなる…時間は有限。プロに見込まれればその場で将来が開ける訳だ。年に一回。計三回だけのチャンス。ヒーローを志すなら絶対に外せないイベントだ!その気があるなら準備は怠るな!」

「「「「「はい!」」」」

相澤先生の言葉に全員が一斉に返事した。

 

「ホームルームは以上だ」

そう言いながら相澤先生はホームルームを終わらせた。

「職員室まで付き添います。ちゃんと栄養バランスの取れた食事も取らせますよ?」

「クッ…分かった」

水色髪の女性に言われて先生は悔しそうに頷いた。

 

~昼休み~

三人称視点

 

クラスメイト達のテンションが上がっている中冷気は人(?)を待っていた。

 

「みんな!!私頑張る!」

「っ!?」ビクッ!

「私頑張る!!」

麗日が急に叫び出し冷気は、少し驚いた。

 

ガララ…

「ん?」

「お待たせしました冷気さん。私になんの用ですか?」

教室の扉が開きホームルームの時に相澤先生と一緒に居た女性が入って来た。

 

「…」ガタッ

それと同時に冷気も立ち上がり女性と真正面から向かい合った。

 

「……」

「答えて下さい。なんの用ですか?黙っていては分かりませんよ?」

「いくつか質問したい…」

「…仮眠室へ行きましょうか?」

「ここで良い…」

「そうですか…」

二人の視線が交わり周りの景色が歪み始めた。

 

ゴゴゴゴゴゴゴ…

 

「お、おい!なんかあれヤバくねえか?!」

「今にも何か起こりそうな雰囲気じゃねぇか!」

「これを一触即発って言うんだね!」

「そんな事言ってる場合じゃないだろ!早く止めねえと!」

その光景を見たクラスメイト達は焦り出した。

 

 

だがそんな事を知らない冷気は謎の女性に質問し始めた。

「…名は?」

「答える必要が?」

「『氷獄の王』としての命令だ」

「はぁ…貴方のそういう所大嫌いですよ。名は氷華。性はありません」

「作成者は?」

「エスデス様」

「作成理由と使用目的及び期間は?」

「リカバリーガールからの依頼によりイレイザーヘッドの監視及び怪我が完治するまでの援助」

「お前の三原則は?」

「ロボット三原則と一緒」

「つまり?」

「人間への安全性。命令への服従。自己防衛。の三つ」

「そうか…なら、氷華!命令待機!命令を確認!」

「待機!命令を確認!…って何やらせるんですか?!」

「動くなよ?」

一通りの質疑を終わらせた冷気は氷華に命令を下し右手を氷華の頭に近づける。が…

 

バキンッ!

 

目にも止まらぬ速さで冷気の右腕を捥ぎ取った。

「…安全性はどうした?」

「自己防衛が優先です。それよりも女性の頭に気安く触って記憶を読み取ろうとしないで下さい。殺しますよ?」

「確かに俺が悪かった…すまない」

「いえ、こちらこそ」

冷気と氷華はお互いに頭を下げ謝罪しあった。

 

「それはそうと…命令の優先度は?」

「一位、エスデス様。二位、リカバリーガール。三位、イレイザーヘッド。四位、雄英教師。五位、冷気 零。です」

「そうか…分かった」

「質問は以上ですか?」

「いやあと一つだけ………お前の出生地は?」

「二ヴルヘイムです」

「そうか…ありがとう。質問は以上だ」

「そうですか。では、失礼いたします」

冷気が質問を終えると氷華が礼をし教室から出て行く。

 

「……白米食べたい」

冷気も後を追うように教室を出て行った。

 

 

「無事…なんだよな?」

「なんだったんだ?いったい…」

残されたクラスメイト数人は困惑した様子だった。

 

 

放課後

 

授業が全て終わりA組の面々が帰ろうとした時、教室の前に人だかりが出来ていた。

「うわー!何事だー!?」

「君達!A組に何か用が?」

「なんだよ出れねえじゃん!何しに来たんだよ!」

「敵情視察だろ雑魚。ヴィランの襲撃を耐え抜いた連中だもんな。体育祭の前に見ときてぇんだろ」

爆豪が扉に向かって歩き立ち止まり…

「そんな事しても意味ねぇから…どけモブ共!」

喧嘩を売った。

 

「知らない人の事をとりあえずモブと呼ぶのやめなよ!」

「…」ガシッ

その言葉に対し飯田がツッコミを入れ冷気が無言で肩を掴んだ。

「…離せ氷野郎」

「…言葉に気を付けろ」

「チッ…!」

 

 

「噂のA組…どんなものか見に来たが随分と偉そうだな。ヒーロー科に在籍する奴はみんなこんな(・・・)なのかい?」

「あぁ?」

人混みの中から出て来た紫髪の生徒の質問に爆豪がキレかけクラスメイト数人は首を横に振った。

 

「こういうの見ちゃうと幻滅するなぁ…」

「普通科とか他のってヒーロー科落ちたから入ったって奴結構多いんだ。知ってた?」

「あ?」

「そんな俺らにも学校側がチャンスを残してくれてる…体育祭のリザルトによっちゃヒーロー科編入も検討してくれるんだって。その逆もまた然りらしいよ?」

紫髪の生徒の言葉にクラスの空気が少し変わった。

 

「敵情視察?少なくとも俺は『いくらヒーロー科とは言え調子に乗ってっと足元ごっそり掬っちゃうぞ』って宣戦布告しに来たつもりだ」

(((この人も大胆不敵だな!)))

その言葉に仲良し三人組の心の声が揃った。

 

「話は…終わったか?」

「おうおう!隣のB組の者だけどよ!ヴィランと戦ったつうから話し聞こうと思ったんだけどよ!偉く調子付いてんちゃってんなおい!!?」

「やっほーレイレイ。来たよ~!」

冷気が話を終わらせようとした瞬間B組から一人の男子生徒と冷気の友だちがやって来た。

 

(((また不適な人来た…)))

「あんまり吠え過ぎってと本番で恥ずかしい事なっぞ!」

「…優しいな。お前」

「誰だお前!?って無視か!」

冷気に掛けられた言葉に驚き爆豪に無視された事に気づいたB組の生徒は叫んだ。

 

「待てコラ爆豪!どうしてくれんだ。お前のせいでヘイト集まりまくってんじゃねぇか!」

「関係ねぇよ!」

「あぁ?」

「上に上がりゃ関係ねぇ…」

それだけ言って出て行った。

 

「言えてんな…」

「シンプルで漢らしいじゃねぇか!」

「上ねぇ…」

「上か…一理ある」

「いやいやいや!騙されんな!無駄に敵を増やしただけだぞ!?」

「そうだそうだ!体育祭オイラ達が不利になるだけじゃんか!」

爆豪の言葉にそれぞれが別の反応を示す。

 

 

「関係ないよ…」

「冷気!お前もか!?」

冷気の言葉に峰田が反応した。

 

「ヒーローを目指すんだろ?これくらいで戸惑ってるようじゃプロにはなれないさ。それに…(試練)なんて真正面からぶつかって倒せば良いだけだ。そうだろ?」

そう言いながら前を向き言葉を続ける。

「お前達もだ。上がりたければ来い。俺は逃げも隠れもせず真正面から迎え撃ってやる!」

そう言って人混みを通り抜ける。

 

 

「レイレイもカッコいい事言うじゃん!スゴイよ!」

「…うるさい」

「アハハ!照れてる照れてる!可愛い!」

「未来火の方が可愛い…」

「…ほえ!?」

そのまま皇に揶揄われ揶揄いながら二人は帰宅した。

 

「爆ぜろ!リア充!」

 

 

 

そのまま時は過ぎて二週間後。

 

体育祭当日となった。




と言う感じでした。
次話は、体育祭が開催して轟のライバル宣言や冷気君による宣誓(一番苦労した)。そして第一種目まで行けるかなぁ?って感じです。

質問等がございましたら気軽に書いてください。
と言うか感想下さい。

では、また次回!


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勘違い 14 体育祭開幕

えーと、お久しぶりです。
今回は、雄英体育祭の選手宣誓と第一種目の始まりです。
勘違いは…微妙かな?

あと活動報告で色々募集しています。
遠慮無く書き込んで下さい。

それでは、どうぞ。ごゆっくり!


雄英体育祭当日の朝。

 

冷気宅

 

左腕を失くした銀髪の美しい女性が冷気のカバンの中身を確認していた。

 

「ジャージもあるしお弁当も水筒も完璧。念のため発信機も入れて置いてっと…よし!これで完璧!」

「レイく~ん?そろそろ起きる時間よ~!起きなさ~い」

女性が声を上げると奥の部屋から冷気が眠そうに出て来た。

 

「うん…おはよう…母さん」

「おはようレイ君。今日の朝ご飯は牛乳とシリアルにホットケーキよ!」

「俺の好物…ありがとう母さん」

「ううん、いいのよ。それよりも今日はしっかりやりなさい!父さんのように全て出し切って優勝するのよ!」

「…わかった!」

冷気は自分の母にそう返事をしてから席に着き朝食を食べ始める。

(あの人みたいに後悔のない人生を送りなさい…零。応援してるわよ)

 

~20分後~

 

「じゃあ母さん…行ってきます」

「頑張ってね!テレビの前で応援してるわよ!きっとお父さんも応援してくれるはずよ!」

「うん…そうだね。父さんのように全力でやるよ」

冷気はそのまま駅へと向かった。

 

 

 

(なんて大見え切ったけど…正直やばいなぁ)

A組控室の席に座りゲンドウポーズをしながら心の中で呟く。

 

もし体育祭が原作通りならまず選手宣誓で入試主席…つまり俺が喋る事になる。

ここからキツイ。

自分はあまり人前で喋る事は得意としていない。

かなり苦手な分野である。

第一コンビニの店員さんに「お弁当温めて下さい」すら言えないレベルだ。そのせいでコンビニのお弁当はいつも冷めた物しか食べた事が無い。

選手宣誓なんて無理に決まっている。

緊張が一周した場合は別だ。

緊張が一周すると自分でも驚くくらいペラペラ喋れる。

最悪『氷獄の王』の力を使って演説するように力強くやらなくてはいけない…

(というか氷獄の王(こいつ)まだ寝てるし…)

 

「はぁ…」

(例えそれを突破したとしても、その後の障害物競走で人混みに揉まれる可能性があるしトップ42に入った場合は騎馬戦で誰か組まなければならないし…)

「辛いねぇ…」

思わず呟いてしまった。

 

 

「みんな!準備は出来てるか?もうじき入場だ!」

扉を勢いよく開けて入って来た飯田の言葉に自分も立ち上がり腕を伸ばし固まった筋肉を解す。

 

「ふぅ…」

「冷気」

入場前の準備をしていると轟に話し掛けられた。

 

「…なに?」

何か言われる覚えないけど何故か真剣な目と声をしていた。

 

「客観的に見てもお前は俺より強い。お前は俺の目指す遥か高みにいる」

「そうだな…」

「否定しないか…だが今回の体育祭で俺はお前に挑みその上でトップを取る。だからお前も俺と全力で戦え」

「全力…」

その言葉を聞いて少し考え込む。

俺の全力と言えば地球にもう一度氷河期を再来させることが出来るほどの力だ…全力でやったら確実に大惨事確定。

だけど対人戦の全力…未来火との特訓で使う程度の全力であれば何とか…

 

「……いいよ」

数秒の思考を終わらせ了承した。

 

「おぉー?クラスのNo.2がNo.1に宣戦布告?」

「しかも了承したぞ!」

「こりゃ荒れるだろうな…」

クラスメイト数人の声が聞こえたが全力で無視する事にした。

 

「おい氷野郎」

「ん?」

そろそろドアに向かおうと考えてた時に爆豪にも話しかけられた。

 

「俺がてめぇをぶっ潰して完膚無きまでの1位を取ってやる!てめぇも全力で戦いやがれ!」

「…分かった」

爆豪にも似たような事を言われ轟とだけ全力で戦うのはいけないと思い爆豪とも全力で戦う約束をした。

あと轟が緑谷にも宣戦布告していた。

(あの胸熱シーンを見るチャンスだったのに見逃してしまった!)

 

「じゃあみんな!そろそろ行こうか!」

飯田の声が聞こえ全員出口に向かった。

 

(やれるだけやるか…)

『いいか零!お前も悔いの残んねぇような人生を送れ!立ち塞がる壁なんぞ真正面からぶち壊せ!安心しろ!お前は俺の息子だ滅多な事では死なねぇよ!』

「ふふっ…」

父の言葉を思い出し小さく微笑んだ。

 

 

三人称視点

 

雄英体育祭一年ステージ

本来なら三年間様々な経験を積み個性もしっかり鍛えられた三年ステージに人が集まるが今年は違った。

今年の一年ステージの観客席は例年と比べ物にならない程満席だった。

 

それもそのはず何しろ今年はヴィランの襲撃を撥ね退けた期待の一年生やNo.2ヒーロー エンデヴァーの息子が参戦していると言う話で盛り上がっている。

どのチャンネルの視聴率も例年とは比べ物にならない程に上がっていた。

 

それらの要因が合わさり観客は開始を今か今かと心待ちにしていた。

そして遂にその瞬間が来た。

 

『エブリーバディー!アーユーレディー??!』

『『『『イェア―――!!!』』』』

プレゼントマイクの声に会場全体が震える程の歓声が一斉に鳴り響く。

 

『刮目しろオーディエンス!群がれマスメディア!』

『今年もお前らが大好きな青春暴れ馬雄英体育祭!始まりエブリーバディーアーユーレディー!!』

プレゼントマイクが声高々に実況する。

 

『一年ステージ!生徒の入場だー!!』

その声と共にファンファーレが鳴り響き観客のボルテージと花火が同時に上がる。

 

 

『雄英体育祭!ヒーローの卵共が我こそはと鎬を削る年に1度の大バトル!』

『お前らどうせあれだろ?!こいつらだろ!?敵の襲撃を受けたにも関わらず鋼の精神で乗り越え挙句の果てに撃退した奇跡の超新星!ヒーロー科!一年A組だろ!!?』

 

その声と共にA組に面々が緊張した様子で入場し始めた。

 

「す、すごい人の数…」

「この人数の前で最高のパフォーマンスを発揮できるか…これもまたヒーローとしての素地を身に付けるられるかの一環なんだ!」

「めっちゃ持ち上げられてんな…なんか緊張すんな!なあ、爆豪?」

「しねぇよ!ただただ上がるわ!」

全員が様々な反応を見せる中、冷気は無表情のままで歩き続けていた。

(ヤバい…胃が死にそう…)

尚、彼の胃は悲鳴を上げていた。

 

『話題性では遅れを取っちゃいるがこっちも実力派揃いだ!ヒーロー科!一年B組!』

『続いて普通科!C.D.E組!サポート科!F.G.Hも来たぞー!そして経営科!I.J.k!』

A組の紹介を終えたプレゼントマイクは他のクラスを結構あっさりと紹介した。

『これで一年!揃い踏みだー!!』

 

全ての一年生が入場し終わりそれぞれの科別に分けられ並ばされていた。

 

 

「選手宣誓!」

バシーンッ!

檀上の上に立っていたミッドナイト先生が先のばらけた鞭を振るった。

 

「おお!今年の一年の主審は18禁ヒーローミッドナイトか!」

今年の主審を見たプロヒーロー達は別の意味で歓声を上げた。

「校長は?」

「校長は例年通り三年ステージだよ!」

 

 

「ミッドナイト先生なんちゅう格好してんだよ…!」

「18禁ヒーローが高校の教師やってていいのか…?」

「良い!」

一部の男子生徒達がミッドナイト先生の格好に疑問を持つ中、峰田はハッキリと言い切った。

清々しい程のクズである。

 

「そこ黙りなさい!」

少し騒いでいたA組男子達が注意された。

 

 

「選手代表!1-A!冷気 零!」

「…っ!!」

「「「さむっ!!」」」

ミッドナイトが指名するとともに冷気が緊張のあまり周囲一帯の温度を一気に下げてしまった。

 

「冷気くんが…」

「そう言えばあいつが入試主席だからな」

「凄かったらしいねぇ…」

「うん…凄かったよ…」(遠い目)

A組やB組の生徒達がいろいろ話ている間に冷気が檀上に上り終えていた。

 

「……」

「冷気くん?選手宣誓よ?」

ミッドナイトの声に反応した冷気フリーズ寸前の脳をフル回転させて『氷獄の王』の力を身に纏い可能な限り緊張を解し一つ深呼吸してから口を開く。

 

ふぅ…

『宣誓…』

(((((綺麗な声!!?)))))

(((素敵!)))

透き通るような静かな落ち着いたがどこか威厳のある声。

どう考えても学生の物ではない声を聞いた観客は心底驚愕し女性は頬を惚鬱させた。

 

そんな事を知らない冷気は緊張のあまり勝手に生み出された自分のコスチュームに良く似た氷製の軍服を身に纏いながら言葉を続ける。

『我々はスポーツマンシップに乗っ取り正々堂々と戦う事を誓います…』

そこで一つ区切ってからもう一度口を開く。

 

『ただし…俺が勝つ。1-A 冷気 零』

そこまで綺麗な声で言い切り氷製の軍服を吸収しながら檀上を降りる。

 

「れ、冷気…」

「お前…」

「…?」

クラスメイトの所に戻った冷気は瀬呂と上鳴に話しかけられ…

 

「なんであんなこと言うんだよ!?」

「余計ヘイトが集まっちまったじゃねえか!」

「…!!?」

胸ぐらを掴まれながら前後に振られ首をガックガク振られた。

 

 

「さあて!それじゃさっそく始めましょう」

「早速第一種目の発表と行きましょうか!毎年ここで多くの者が涙を飲む(ティア・ドリンク)!さて運命の第一種!今年はこれ!」

ミッドナイトの言葉にモニターのルーレットが回り始め障害物競争の場所で止まる。

「障害物競争…」

 

誰かの呟きを無視してそのまま説明を始める。

「計11クラス全員参加のレースよ。コースはこのスタジアムの外周約4キロ!我が校は自由さが売り文句!」

ジュル…

コースを守れば(・・・・・・・)何をしたって構わないわ!さあさあ位置に着きまくりなさい!」

鞭を構え説明を終わらせた。

 

 

冷気サイド

 

11クラスの生徒達が全員スタジアムの出口に集まっていた。

(圧巻の光景だな…)

心の中で呟きながら隣に立っている女性を見る。

「圧巻…って顔だね?」

「…」コクッ

何も言ってないのに未来火思っている事を言い当てられた。

 

「それでどうするの?どうやって障害物競争を乗り越えるつもり?」

スタジアムの出口を指差しながら聞かれた。

 

「人馬一体…」

「人馬一体…ああ、あれね!」ポン!

俺の呟きに未来火が理解したように手を叩いた。

 

「けど…これを乗り越える方法は?」

未来火の質問に答えるように未来火の方をジッと見てから小さく呟く。

「フェニックスを使ってくれ…」

「へぇ…いいの?」

俺の言葉に未来火はイタズラを思い付いた子供のような笑みを浮かべた。

「…」コクッ

「ニヒッ…!」

俺が頷くと未来火は嬉しそうに笑った。

 

 

ピー…

 

ピー…

 

ピー…

 

「スタート!」

カウントダウンが終わりミッドナイト先生が合図を出すと同時に全生徒が駆け出し

 

「フェニックス!」

未来火から熱風が吹き荒れが己の体に炎を纏わせ巨大な青い炎の不死鳥(・・・・・・・)へと姿を変えた。

 

「胃が痛い…」

それを見て胃のあたりを抑えながら小さく呟いた。




次回は、第一種目の話になります。出来るだけ勘違いが起きるようにしたいです。
ですがチート二人組が苦戦する様子が全く思い浮かびません。
頑張らせていただきます。
出来れば活動報告の方を覗いて行って下さい。

では、次回!


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