此処はとある名も無き森の中。
そこでは今、2人の男女が揉めていた。
男の名はアレス。オリュンポス十二神の1人であり狂乱の戦神と呼ばれる神である。
女の名はアテナ。これまたオリュンポス十二神の1人であり叡智と美の処女神である。
この2人は性格も在り方も真反対のため、よく対立しているのがよく見られている。しかし、今回はいつもとは違うようだ。
なんと、アレスが発情してアテナに襲いかかっているのだ。
アテナはアレスに身包みを剥がされたが純潔を守り通すために盾イージスで胸を守り、秘部は手で塞いでいる。それでもアレスは止まらず、素裸になって一物をアテナの股に挟み込ませようとする。
アテナは必死になって膝蹴りをするが、相手は同じ戦神のためそこまで有効打にはなっていない。逆にアレスの一物を擦っているため却ってアレスを興奮させている。
アテナは最終手段として秘部を守っていた手を離して全力でアレスの胸部を殴り込んだ。そのおかげでアレスから距離を取る事が出来た。
しかし、間に合わなかった。アレスは吹き飛ばされる直前に
そのため、アテナの股はアレスの精液塗れである。確かにアテナは純潔………処女膜を守り、処女神としてあり続けることはできる。
だが、秘部の守りを止めたせいか最後の最後で一物の先っぽだけが中に入ってしまったのだ。
処女神としての処女を失いかけた。その事実がアテナのプライドを傷つけた。
「貴様ァッ!!!!!!!!」
アテナは己の尊厳を踏み躙ったアレスに怒りに身を任せて殺しにかかった。
アレスはアレスで胸部を殴られたことの痛みと性処理出来た快感に浸っていたため、気付いた時にはアテナは目の前にいた。
結果、アレスはアテナに半殺しにされたのだ。
「がふっ…………」
「はぁ…………はぁ……………………」
アレスは気絶して未だ怒りの止まないアテナは何とか心を落ち着かせようと動かないでいた。
そして、アレスの精液が未だに股に付着していて処女膜手前にも残っているのに気付いたアテナは急いで手荷物にある聖水で身を清めた。
その時に奇跡が起きた。その奇跡とは、ポセイドンに贈られた聖水にアテナの中にあったアレスの精液が触れたことにより1人の赤ん坊が産まれたのである。
「んなッ!?!?!?」
流石のアテナも予期してなかったため、どう対応すべきか分からず慌てふためく。
そこにアテナと並ぶ処女神のアルテミスとヘスティア、アレスの恋人であるアプロディーテがこの騒動に気付いてすっ飛んできた。
「アレスッ!!!!」
アプロディーテはボコボコになって気絶しているアレスのもとに向かい、処女神2人はアテナのもとに来た。
「アテナ…………その子は?」
「…………………………ヘファイストスの二の舞だ。」
「あぁあ、ご愁傷さまぁ。」
「取り敢えず、アプロディーテはアレスを帰してやってくれ。僕達はアテナを連れて行くから。」
ヘスティアはアテナが手に抱く赤ん坊に目敏く反応し、アテナは素直に話した取り仕切る。アルテミスが同情しているがヘスティアはそんなことはせずにすぐに年長者として取り仕切る。
アプロディーテはアレスをボコボコにしたアテナを睨み付けながらもアレスを連れ帰って行った。
「それで?何となく分かるけど何があったんだい?」
「アレスに犯されかけたにすぎん。」
「ゼウスの血を引継いだらヤリチンになる呪いでもあるのかしら?」
「弟君のことは後でいいさ。今はこの赤ん坊をどうにかしなきゃね。この子、戦神と戦神の間で生まれたせいかポテンシャルが高過ぎる。1度アテナの神殿に帰ろう。」
ヘスティアに言われてからすぐにアテナ達はアテナの神殿であるパルテノーン神殿に帰って行った。
神殿に帰り次第アテナは赤ん坊をヘスティアに預けて自分は聖水で入念に身を清めた。
清め終えたら処女三神は揺籃で眠る赤ん坊を取り囲んで会話を続ける。
「ったく、ココ最近不運続きだぞ。」
「まぁまぁお茶でも飲んで落ち着きなよ。」
「同情せざるを得ないけどねぇ。それにしてもこの子はよく眠るねぇ。」
「はぁ、ほんと、どうしたらいいのよこの子。認めたくないけどどう見てもDNAが私とアレスのじゃない。エリクトニオスはまだヘファイストスのDNAだけだからいいけど…………はぁ。」
この赤ん坊はどの神がどう見てもアテナとアレスの間で出来た赤ん坊なのだ。処女神が処女のまま赤ん坊を産んだと言うことになるのだ。前代未聞も甚だしい。
そこはまだいいだろう。だが、問題は他にあるのだ。
「真っ先に出る問題はこの子の名前と他の神々からの対応だね。対応に関しては僕が弟くんに一言告げておけば口出しされないだろうけど………………」
「名前は貴方が決めたら?アテナお母さん?」
「バッ、やめろアルテミスッ!!!!」
ヘスティアは処女神が赤ん坊を産んだことによる問題を洗い出す様に独りごちる中、アルテミスにお母さんと揶揄われて赤面するアテナ。
「うん。ねぇアテナ、君はその子を育てる気はあるかい?」
「?…………そういうことか。ギガントマキアに備えなければならない故5歳までは私が育てよう。正直捨てるのは忌避感があるしアレスに渡すとどう育つのかがわからん。それに私は教養など門外漢だからこの子が5歳になったらケイローンに預ける。」
「賢明っちゃ賢明ね。ゼウスのお気に入りであるアルケイデスとも会えるし。どう育つのかが気になっちゃうわ。」
「ところで、この子の名は決まったのかな?」
「………………」σ(((;・ω・;;;)))ダラダラダラ
ヘスティアはアテナに子育てをする覚悟を問い、アテナは事情はあれど育てる覚悟を見せた。赤ん坊の今後の予定をある程度決めたことも言っておく。確かにケイローンのもとにいればこの戦神の子は力の使い方を覚え、神に匹敵する力を得るだろう。
そして、ヘスティアは肝心なことをアテナに聞いた。アテナは未だに決まってないのか汗をダラダラと流し始めた。
「……………レステナ。」
「ん?決まった?」
「あぁ、レステナにしよう。正直この子の父があの狂乱なのが気に食わないがそれでもこの子の父だ。戦神の名をあやかって名付けた。安易だろうが戦神の子だと知らしめ易い。」
アテナは己の子に戦神アレスのレスと戦神アテナのテナを合わせたレステナと名付けることにしたのだった。
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