異世界転移者の異世界見聞録 (清一)
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プロローグ
ここには北大陸と南大陸を繋ぐ転移魔法陣が設置されているセフィーロ島、異世界テラーナにある北大陸と南大陸の間にある群島その中でも一番大きな島である。3,000年前、まだ北大陸と南大陸が互いの存在を知らなかった時代、北大陸の南端のある漁村にすむ漁師が漁にでた時、嵐に遭って漂流し南大陸に偶然流れ着いたことがきっかけでお互いの存在を知ったのである。その後、島と北大陸そして島と南大陸を行き来する魔法陣が設置され北大陸と南大陸の交流が始まった、やがて島と北大陸そして島と南大陸を行き来する魔法陣とその周囲にそれぞれの大陸から来る旅人のための宿屋や食堂や商店などが出来たことにより島の南北に町が出来それを結ぶ街道が出来その間にいくつかの街ができたのである。
そんなセフィーロ島の中央部本来は鬱蒼とした森が広がっていたのだが、今はいくつかの建物がたちならんでいる。そして、その建物の側では何人もの魔族、人間、亜人たちが作業をおこなっている、建設中のこの建物群はこれからはじまるこの世界にあるすべての国と種族の代表を交えた重要な会議を行うためである。この世界の国々が魔王の支配から開放されてから人間と魔族の間にある嫌悪と憎悪、特に魔王デモニスが誕生し直接統治していた北大陸の一部の国々のなかにはもともと人間至上主義国家がいくつかありその国々は魔王デモニスが討伐された後、魔族への迫害が激しさを増していたため異世界から異世界転移者(ワールドウォーカー)となった加島亮太が彼らの調停役としてやってきたのである。
亮太は、調停会議の舞台となる建物群が完成していく様子を眺めながらここまでこぎ着けるまでの苦労を振り返り感慨深い思いを懐いていた、そしてこれまでの事を振り返っていたのである。
「次!加島亮太」
檀上から呼ばれた亮太は檀上に進むと卒業証書を受け取る。今日は神騎学園の卒業式である、加島亮太は異世界転移者(ワールドウォーカー)になるため学園に通い3年間の学園での訓練を終え晴れて異世界転移者として歩み始める、学園を後にしてこれから異世界転移の手続きをするため役所に来ていた。
手続きを行い転移許可証を受け取り転移魔法陣に向かうと転移の間へと転移する、すると目の前に綺麗な美女がいた、そして亮太に語りかける。
「ようこそ転移の間へこれからあなたには異世界へと転移していただきます、ただ本来なら転移先はランダムになるのですが、もし私の依頼を受けてくれるならあなたにはわたくしの管理する異世界に転移していただくことになります。」
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