黒鉄の英雄簿 (kouti)
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1章 東を目指して
マイナスから始まる物語


8/28 修正という名の半改造


何も無い・・

いや、あるにはある・・

石造りの壁と鉄の檻

檻の外にある階段

薄暗く、ジメジメとしている

側に寄り添うのは金髪の女の子・・

私の双子の姉のアニマートだ・・

ここに来てもうどれ程の時間が経ったのだろう

ここに来てしまったのには理由がある

お姉ちゃんの狩猟に付いて行ったのが原因だろう

そもそも、体力の無い私が狩猟に付いて行くこと

自体まずかった・・

人間に見つかっても逃げ切るなんて不可能で、助け

ようとしたお姉ちゃんと一緒に捕まった・・

多分先は長く無い・・病弱で、やっと治ったと思っ

たらこれだよ・・

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

今日もパンひとかけらだけの食事・・水は垂れてく

るからなんとかなるけど、ご飯は少ないのはどうし

ようもない。ネズミがいればまだなんとかなるかも

だけど、ありんこ一匹いやしない・・

そんなことを考えてると、いつもご飯をくれる

小太りの男と・・初めて見る痩せている男が階段を

下りて来た・・

「へへ!旦那、だったらこの獣人の姉妹は如何です

か?今なら2匹で金貨3枚ですよ」

「うーむ・・片方はきつねだとして銀髪の方は寝癖

じゃないか?耳の下を向いてるし・・値下げは

出来るか?」

「無理ですね」

「他のを見せてくれ」

「はい、ではこちらの方が」

そう言って、階段を上って行った

きんか?なんだろう

「ん・・おはよう・・リテヌート・・」

「おはよう・・アニマート」

リテヌート、それが私の名前だ・・でもなぜか

違う名前な気もする・・なんだろう・・

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

最近は身体の調子はいいようだ・・

さっきこの檻をアニマートの魔法で壊そうとし

たがどうやら結界が貼ってあるらしい・・

流石に対策されてたようだ・・

また、小太りの男と・・今度は細っこい青年?

が階段を下りて来た。

青年の背中には見慣れないものを背負っていた

「ヘヘッ、旦那、これならどうです?2匹で

金貨 3枚ですよ?」

「綺麗な銀髪と金髪だな・・店主、きっかり

金貨3枚だ」

「お買い上げか・・」

ガチャ・・

鍵が開けられる・・

「リテヌート、下がって」

「うん・・」

どうしてかわからない・・けど、何か嫌な予感が

した・・逃げないと・・

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ふにゃぁ?」

目が覚めると牢屋よりマシなベットの上にいた

「おはよう、リテヌート」

「おはよう、アニマート・・ここどこ?」

「わからないよ・・気づいたらそこのベットにいた

もん」

もしかして・・気絶させられた?

まずは状況を理解しないと・・

床は木製の・・ツルツルしてる

壁はレンガ造りで窓が二つと、ドアが一つ

ベッドは二つで・・ここどこ?

「そういえば、さっきから潮の匂いがするね・・」

「そうだね・・」

窓の外を見る・・そこには・・レンガ造りの港町が

あった

「やぁお二人さん、お目覚めかい?」

「!?」

「あのときの・・」

そこには・・見たことある青年が立っていた

「まぁまぁ、そう構えんな」

「誰よ・・」

「おっと自己紹介を忘れてたな、俺は

オルガヌムって言う傭兵さ。そんなことより

これ・・」

そう言って紙を見せてきた

「なによ、それ・・」

「奴隷の契約書・・あんたらが気絶してる間に

済ませた」

「奴隷?嘘だよね・・」

奴隷?嘘だよね・・なんで?なんで・・全部

私のせい?私が狩りを見たいなんていうから?

「ほんとだよ・・ということで今日から俺が

マスターだ・・まぁ、奴隷だけどほとんど

お手伝いしてもらうぐらいだからな・・」

「あなた・・一体何を考えてるの?」

「さぁね?」

「何が目的なの!」

アニマートが声を荒げる・・そりゃそうだ・・

自分がこの後どうなるかわからない不安の中に

いるのだから。正直私だって不安だ・・でも

なぜか冷静でいる・・

「俺は、これから極東にあると言われる島に行く。

その際の船内でのお手伝いさんとして買った」

「だったら、男を雇うのが妥当じゃない?ましてや

獣人なんて・・」

そりゃ、荷物運びやらなんやらで力がある方がいい

ましてや獣人なんて様々な弊害になるだろう

「なんでもその島には獣人が最も栄えているらしい

だからだ・・獣人のが心許しやすいだろ?

あと敷いて言うなら、格安だからだな・・」

「安い?」

「そりゃ王都での奴隷の最低値が金貨2枚・・一人

あたりだ。お前らは二人で3枚・・安いだろ?」

「金貨ってなに?」

そうアニマートが聞いた

「今の一言で先行き不安になったぞ?まぁ船上で

ヒマなときに話してやる・・おっとそろそろ時間

だ、少し付いて来い」

なんだろう・・

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

緩やかな坂道・・私は今アニマートに背負われている

「おいおい・・なんで背負ってんだよ・・」

「私の妹はこの程度の距離で力尽きる可能性がある

からです」

「はぁ・・もっと先行き不安になった」

オルガヌムはそう言って頭を抱えた

「そういえば・・ここってなんて街なの?」

そう聞いてみる

「サウサプトン・・この国有数の港街だ・・」

「背負ってるのは?」

「おい待て・・さては質問攻めするつもりだな?」

「そうだけど?」

「はぁ・・これはAK-47っつう銃だ・・」

「銃って渡り人の装備の?」

渡り人・・・この世界以外から来た人の総称・・

様々な技術や力を持っている為、重宝されている

「いつの常識だよ・・今は一般装備だぞ?」

「!?」

「おっとそんなことより、見えて来たぞ・・あれだよ」

そう言って指が指す先には、船体が真っ黒でまるで

三段の階段のような形をした帆船だった

「輸送船 グローリーだ。これからしばらくの間

お世話になる船だよ」

「これで、東に行くのね・・大きいね・・」

そう言いながらアニマートは尻尾を振っている

千切れそうなほど・・

「まぁお古だけど・・大砲4基積んでるし大丈夫

だろう!」

「大砲?なんで・・」

「そりゃ海賊出たらどうするさ・・抵抗する

だろ?そのための大砲さ」

「へぇ・・」

どうやら 大変な事になりそうだ・・




こんにちは!koutiです!どうでしたか?
異世界転生なんて無双もん?いえいえそんな
事は全くありません!むしろこの話は・・
おっとそろそろ失礼します。では、またどこかで


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「栄光」の出航

「なぁ・・お前ら武器使えるか?」

突然オルガヌムが話掛けてきた

「突然ね・・」

「使えないけど?」

というか・・・武器自体触ったことがない・・

そんなんで武器を使えるはずがない・・

「私は弓だよ」

「・・・銃は?」

「触ったことさえ無いわ・・」

「はぁ・・とりあえず銃を使えるように・・」

「重いの持てない・・」

「関節攻撃が出来ないって聞いた・・あと真っ直ぐ

にしか飛ばないとも・・そもそもその銃?って

どんな矢飛ばすのよ・・」

「こいつだよ・・あと弾な・・」

そう言って見せて来たのは、手のひらに収まるほど

小さい金色の円筒形の物体だった

「まぁ見えてる5割以上は弾じゃ無いけどな・・」

「矢じりより小さいじゃない・・魔力容積少なそう」

魔力容積・・それは物体の体積に比例して、入る

魔力量の限界値である・・重量や密度は関係なく

単純に大きければ大きいほど入れれる魔力量が

増える。魔力量が多いと、より高度なものや

大規模なことができる

うっ・・歩く時の揺れで気持ち悪い・・

「そこは数で補うしかないんだよ・・」

「そんな高度な技術を必要とするものを使い捨て

なんて・・コストも悪そう・・」

「型取り知らないのか?」

「型取り?なにそれ」

「まじかよ・・ってリテヌート!お前大丈夫か?

さっきから静かだと思ったら顔色悪いぞ?」

「ダメそう・・」

そして・・気を失った

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「おい・・嬢ちゃん起きてっか?」

「ムニャァ?」

誰だろう・・白い髭と強面の顔・・めっちゃ怖い

・・なに!?海賊の人?

「た・・食べても美味しくないです!」

「何か勘違いをしてるようだな・・」

いや・・今にもひと襲いそうな見た目してるよ!?

「しかし・・嬢ちゃん、そこは危険だしそもそも

関係者じゃないだろ?」

周りを見てみる・・そこはグローリーと呼ばれて

いた船の目と鼻の先だった・・後ろには鉄球やら

紙切れが山のように積んであった。あれ・・これ

って荷物だよね・・もしかして荷物扱い!?

「おーい・・リテヌート・・ってゲェ船長何して

るんですか・・」

「おい・・オルガヌムも連れか?コイツ」

「そうだよ・・そんで・・」

どうやらグローリーの船長さんらしい

そしてオルガヌムと言い合って・・オルガヌムが

丸め込まれてるね・・あれ・・仲悪いのかな?

「ねぇねぇ!リテヌート見て見て!」

そう言って鉄の弓を見せてきた。

どうやら私が寝ている間、武器を買いに行った

らしい

「重そう・・」

「いざという時はこれで殴れるよ!」

やり方がなんとも脳筋だね・・うん・・

「はぁ・・ぐうの音も出ねえよ・・」

どうやら口げんかで完敗したらしい

まぁ、予想はついたけど

「とりあえず そこの紙切れと砲弾をグローリー

の船底に運んでくれ・・リテヌートは紙切れだけ

だぞ?」

「はい・・」

いや砲弾って・・多分この鉄球だよね・・重すぎ

て無理

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

大体5往復・・めっちゃ疲れた・・

紙切れしか運んでないけど・・

どうやらこの船は二階建てのようだ・・

そして、船底の貨物室がとにかくデカイ

満載してるけど。あと思ったより船内が普通に

木丸出しなのと、窓が多い

そして今・・グローリー甲板にいる。

なんでも出航時に全員を確認するらしい

総勢約50名ほどのさまざまな人達が集まっている

今いるところより少し高いところにさっきの船長

が立った瞬間に、賑やかさは消え静かになり、

全員が姿勢を正した

「我々は今より、東にあると言われる宝物の国に

向かう。途中4つほどの港を経由する予定だ。

長く辛い旅路になるかもしれない・・しかし

我々はいついかなる時も強くあらねばならない。

以上だ・・」

船上の人達から歓声が湧いた

「帆を張れ!錨を上げろぉ!」

船長のすぐ横にいた大柄の男が叫んだ

そして、3つあるマスト全てに白い帆が張られ

「うわっ!?」

「大丈夫?」

大きな揺れの後、港を離れた

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

あの後、とりあえず自分のベッドがある場所に移動

した。

「そういえば・・私達って何すればいいんだろう」

ふと思ったことを口に出す・・

「確か・・戦闘兼雑用だった気がする・・って

ベッドの作り雑ね・・」

そう言ってアニマートは壁に折りたたまれている

ベッドを見ている。まぁ木の棒に布貼った程度

だからね・・仕方ない

「リテヌート・・私達これからどうなるんだろうね

・・」

「まだ全くわからないけど、問題起きたらその時考

えよう・・」

「能天気だね・・」

ふと窓の外を見る・・さっきまでいた町はもう

小さくなっていた

「そうかもね・・」

ただそう返事をする



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更なる絶望

出航してから2日目・・

あのあと船酔いで倒れた

いやなんだろ・・牢屋の中の方が元気って

どうゆうこと!?

そして・・今オルガヌムに監視・・じゃなくて文字

を教えてもらいながら、文字の練習をしている

文字も知らなかった?そうだよ・・あの村文字なん

か使う機会ないし教わる機会もないもん・・

「おい、アニマート・・いい加減bとdを

間違えんな」

「いや・・反転してるだけじゃん・・

わからにくいわ!」

「アニマート・・」

「リテヌート・・そんな目で見ないで・・辛い」

涙目で見られても何も変わらないよ・・

オルガヌム曰く昔は色んな文字があったけど、

魔術が発展してその魔術で使われる言葉の方が

交易しやすいらしい。そのため、世界三大標準語

なんて呼ばれたりするらしい・・今学んでるのは

その中のイングランド語と呼ばれるものらしく私

達が喋っている言葉だとか・・ただ起源はわから

ないほど昔の事らしく、どこで生まれたかさえ

もわかっていないとか・・

「リテヌートは・・そこまだ教えてないだろ!?

どこで覚えた・・あっ・・」

「絵本って便利だね♪」

この絵本というのはとても便利だ:。絵で大体わかる

し、言葉もわかりやすい・・

絵本・・約1000年ほど前の「印刷」技術の登場に

より出来たものらしい・・その印刷技術の創業者が

渡り人と考えられているとか。

「そういえば渡り人って何?」

「なんだよ急に・・」

「あっ・・それ私も気になる」

「アニマートもかよ・・あんま聞いてて気持ちいい

話じゃないぞ?」

「聞きたい!」

「えぇ・・まぁ渡り人ってなはなぁ・・簡単に

言えば住む世界が違うんだが、色々な理由でこっち

にくる化け物さ」

「?人じゃないの?渡り人って言うぐらいだし・」

「あぁ・・人さ・・自分の常識と知識片手に神の

加護を受けた者さ・・」

「へぇ・・銃?とか印刷?とか考える辺り凄い

知識なんだね・・」

「ただ向こうの世界じゃ一般常識みたいなもの

らしいから・・うん・・まぁ・・」

「要するに渡り人は凄いってこと?」

アニマートが聞く

「いや・・そうでもない・・むしろ「脅威」で

あり存在自体危険な存在だ・・なにせ渡り人を倒

せるのは渡り人だけみたいなものだからな・・」

「弱点つけば・・」

「弱点があればなんとかなるんだよ・・」

どうやら渡り人は強いらしい・・なにそれ・・

「あとは・・神の加護がたまに暴走して人が

たくさん死ぬ程度か?」

「!?」

程度?程度で済まないよね?それ・・

「まぁとにかく危険な存在だと思えば大体合ってる」

「了解!」

とりあえずオルガヌムが言うなら危険な存在なん

だろう・・

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

うぅ・・もう夕方だよ・・4日目の・・

「まぁこんぐらいで・・.多分大丈夫だろ・・」

「文字見たくない文字見たくない」

アニマートはさっきからこの調子だ・・

「大丈夫?アニマート」

「大丈夫じゃない・・もうじっとしてられないよ」

オルガヌム・・スパルタにも程があるよ・・

この4日間でなんとか読み書きできると思うほど

にはできるようになった・・少しだけだけど・・

「敵襲!敵襲!総員戦闘配置急げ」

突如船内に響き渡る声・・

「敵襲?」

私は突然の出来事に首を傾げるしかなかった

「おいアニマート、弓と矢持って甲板出るぞ!急げ」

そう言われるとアニマートはベットの下からカゴと

弓、木箱を取り出して装備していく、木箱を開け中

に入っていた矢をカゴに入れた

「えっと・・よしこれで大丈夫・・準備できたわ」

「私は何をすれば・・」

「リテヌートは体力もねえから大砲に紙でも

貼ってろ・・あれ装薬用の紙だから」

「装薬?何・・」

「とりあえず大砲の装填手伝っとけ・・説明する

時間がない」

「了解・・」

そう言ってオルガヌムとアニマートは走っていった

「私も行かなきゃ・・」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

大砲のところにはすでに・・筋肉むきむきな

おっさんがいた・・

「これ・・紙です・・」

「おぉ・・オルガヌムのとこの姫か・・ありがとう」

「姫?どういう・・」

「そんなことはどうでもいい・・札・・その紙よこせ」

「ひゃいっ!」

なんでこの船の乗組員怖い人多いの?なんで・・

男はひったくるように私から紙を奪って鉄球と共に

大砲に入れた・・

ドォォォン

突如大きい音が鳴った・・

「何!?何の音!?」

「お前・・もしかして大砲撃つところ見たこと

ないだろ。そんなことより窓の外見て着弾観測

してみろ。手前か命中だけ言えばいいから」

なんかさっきから言われたい放題言われてるよ・・

はぁ・・そんなことを思いながら窓の外を見る

この船より遥かに大きい船が5〜6隻見える・・

そういえば海賊は基本的に帆の上に自分達の旗

を上げると昔村に来た旅人さんが言っていたような

「ねぇ・・青に黄色い槍が三つ描かれてる旗って

なんて賊?」

「青に黄色い槍三つ?・・!?メトロポリテーヌ軍

じゃねえか・・クソ、これじゃ俺たちが賊じゃ

ねえか!」

「メトロポリテーヌ?」

「そんなこと今はどうでも・・」

「急患!急患!」

一人の男が運ばれて来た・・

「確か見張りだよなオメェ・・」

「あぁ・・」

男はそう答えた

「テメェ騙したのか!?」

そう言って砲員はいきなり男の胸ぐらを掴む

「落ち着いてください!」

私が止めに入る

「待ってくれ・・俺にも訳が・・」

そう言って男は巻き物を出す

「それがなんだ!?」

「お前・・お袋が人質に取られて、やれって言わ

れたらやる・・ぐぁぁ!?」

男の悲鳴と共に彼の穴という穴から血を吹き出し

た。さらに巻き物も消えて行く

「証拠隠滅かよ・・これじゃほんとに賊じゃねぇ

か・・」

「まさか・・」

「あぁ・・俺たちはついに賊扱いだよ・・くそったれ」

どうやら・・奴隷だけでなく、犯罪者扱いに

なってしまったようだ・・




遅れた?察してください


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無邪気な侵入者

あの後、なんとか逃げ切れたらしい・・

「被害状況だが・・1発も撃たれてないから

無いな・・当然っちゃぁ当然だが・・‪‬」

そう言うのはオルガヌム

「だったら確認必要ないんじゃ・・」

「もし水中から静かに穴開けられてたり

したら沈むだろ?その対策さ」

「そうだよ!しかも動き回れる貴重?な機会

だよ!」

アニマート・・私動き回れる体力ないの忘れて

ない?

「もう暗いし、さっさと寝ろ」

「待って晩御飯・・」

「ある訳ねぇだろ!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ガサガサ

なんの音だろう・・

辺りは真っ暗で何も見えない

「誰?」

タッタッタッ

足音が遠ざかっていった

「?なんだろ・・まあいいや!寝よう」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「リテヌート・・早く起きて起きて!」

「?どうしたの?アニマート・・」

「昨日の夜にお化けが出たらしいよ!」

「お化け?」

「アニマート・・馬鹿な事言ってないでメシ

食うぞ・・そらっ」

このグローリーでは、船員それぞれがそれぞれの

場所で食べることになってる。要するにどこでも

食べていいといことだ・・

「おい!さっさとメシ食って甲板上がれ・・葬式だ」

「あれ?昨日人死んだっけ?誰も死んでないよう

な・・」

「死んだよ・・目の前で・・」

「さっさとしろ・・こちとら時間がいくらあっても

足りないんだよ」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

甲板には既に何人かいて、ハッチから一人ずつ

登ってきた。船の右側に布に包まれた物があった

おそらく中身は死体だろう・・ところどころ赤く

染まっている。やがて全員甲板に上がって、整列

し始めた。

ボチャン・・

「行く先に神のご加護があらんことを」

そう船長は言った

パァン

「!?」

突如大きな音が鳴り響く・・

一部の人が銃?を傾けている。その筒からは煙が

上がっていた。

「さぁ葬式もここまでにして、さっさと準備に

取り掛かれ」

静寂を壊したのは昨日の大砲の人

「おいスフォル・・準備ってなんだよ・・

聞いてないぞ?」

スフォル?大砲の人の名前かな?

「あっ・・まぁ一部の奴には伝えたし、問題無い

と思うが・・」

「おまえ、報・連・相も出来ないのかよ」

「わかったって、今度から気をつけるよ・・

とりあえず風の魔石持ってこい、説明は後だ」

「リテヌート!動き回れるよ!」

アニマート・・やっぱり脳筋?

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

知ってたよ・・どうせこうなるって・・

だからって嫌になるよこの作業

「704・・705・・706・・707・・計707個

あります」

隣にいるのはスフォル?さんだ

「なるほどな・・1日14個使えるのか。充分

だな。よし、野郎ども!こいつの帆に魔石貼って

けぇ!」

その掛け声に反応した上半身裸のムキムキの男達

が風の魔石を持ってマストを登り、魔石を帆に

付け始めた。

「マスト折れそうですね・・」

「大丈夫だ!きっと問題無い」

えぇ・・大丈夫なの?

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

いや・・やることないからってアニマートは無い

物探しに手伝わせるのやめてほしい・・

お化けなんかいるわけ無いのに・・

地味にパンが減ってるったって誰かがつまみ食い

してる可能性の方が高い。

べ別にお化けが怖いとかそんな理由じゃないよ!

いやほんとだからね?うん・・

そして今は船底の倉庫を探している。

「ねぇアニマート・・絶対いないって・・」

「夜聞いたのよ!足音を!」

「いや足音なったらその時点でお化けじゃないと

思うけど!?」

「細かい事はどうでもいいの!」

「えぇ・・」

ダメだ何言っても止まらない感じだよ・・はぁ…

「そもそも弓いらなくない?」

「いやいや・・お化けにあったらこれで捕まえるん

だよ!」

どうやらアニマートはお化けを撃ち抜くつもり

らしい。捕まえるつもりなのか倒すつもりなのか

わからない。

「リテヌート・・静かに!」

「?」

どうやらアニマートは何かに気づいたようだ

「そこの物陰に誰かいるから少し静かにしてね」

「?」

耳をすましてみると足音が聞こえる。そして

近づいてくる。

「よし!今だ!飛び掛かれ!」

「!?いきなり!?」

「ひゃっ!?」

アニマートは勢いよくまだ見えてなかった相手な

飛び付いた。

相手は見慣れないローブを着ている・・フードも

被っていて、まるで見られたらまずいかのように

布で全身を覆っていた。

「リテヌート・・この人知ってる?」

「ううん・・むしろ見た事も無い」

「じゃあオルガヌムに見せる?」

「そうだね・・」

というか気絶してない?いや・・確実にしてるね

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

[んで・・そいつが倉庫にいて気絶させて持って

来たと・・」

「うん!」

「叩き起こすか!」

あれ?もしかして私の周り脳筋だらけ?

「おーい起きろチビ」

「・・?」

髪の色は明るく茶髪、癖っ毛でショート

身長は私と同じくらい小さい

「あっ!フードがない!?」

どうやら相当混乱してるようだ。

「さぁテメェには色々聞きたいことがある

全て正直に答えろ」

脅迫だよこれ・・まぁ当然かな?

フードの子はコクコク頷いている

「まず名前」

「木の葉です・・」

「次どこから来た」

「昨日乗り移って・・」

「次にメトロポリテーヌかロイヤルオブブリテン

どっちか知ってるか?」

「知らないよ?」

怒涛の勢いで進んで行く・・

「はぁ・・とりあえずリテヌート、アニマート

こいつ監視してろ・・スパイかもしれないし

全くわからないからなぁ・・」

「ちょっと待って常に監視しろって?」

「そうだが?そもそもお前らが連れてきたのが

悪いってことでだ。頼んだぞ!」

なんだろう・・もうはちゃめちゃなことしか最近

起きないよ・・はぁ・・



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監禁されし役立たずと魔術士

出航してからはや10日

「ねぇ出してよ〜」

今木の葉の監視をしてるのだけど

「いつになったらここから出れるの?」

荷物を積み上げて、それを縄で固定して壁に

した中に木の葉と私が入ってる。

「この荷物倒れてきたら私死んじゃうから

お願いします・・」

「私の力じゃどかせないよ・・」

「いやドアもどきあるじゃん・・」

「私もここに入れられた時点で察して・・」

なぜこんなことになったかと言うと、こいつを

見つけた日まで遡る

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「とりあえず・・こいつの持ち物調べだな。

ローブ脱ぎやがれ!」

オルガヌムはそう言って木の葉からローブを

奪い取る。

「いやだ・・ローブだけは・・」

「いや、ローブ脱がないと持ち物隠せるだろうが!

いい加減にしろ」

今オルガヌムが木の葉?の持ち物検査をしてるの

だがこれ・・はたから見ると女の子襲ってるだけの

変態だよね・・うーん・・やり方

「うぅ・・」

「これ皮のポーチだよ!きっといいのが入ってるはず」

そしてアニマート・・言ってることが盗賊のそれと

同じなんだけど・・

「おっ?こりゃ面白い形のバックだな・・背負える

タイプじやねぇか・・これ宝物だぞ!・・

てか中にめっちゃ入ってるぞ・・」

「こっちには細長い紙しかないや・・」

木の葉?が涙目で慌ててるよ・・もうやめてあげて

「細長い紙?どれどれ・・札じゃねえか!?」

「札?なにそれ・・」

「初等の魔術媒体だよ・・魔力消費量えぐいくせに

大したことが出来ない奴だよ」

「まぁ明らかに魔力容積少なそうだもんね・・」

そうアニマートは返す

「とはいえ、この札・・桜で作られてるな。無駄

にいい紙だ」

「そうなの!?」

というか素材わかるの!?

「あぁ・・桜特有の固有魔力が感じられる」

固有魔力・・それは物体に含まれる既存の魔力

のことである。時にはその物体しか持たない

魔力などもあり、それで分かるとか

「しかも桜って確か燃やして燻製にするぐらい

しか使い道ないだろ・・」

「そんなことないよ!」

さっきから見てるだけだった木の葉がいきなり言う

「さっきから聞いてて、あなた達は札術の凄さを

全くわかってない!」

「はぁ?魔力消費量も洒落にならないほど消費して

出来ることと言えば魔法の保存か書かれた事の再現

だけだろうが!そこのどこが強いんだ?」

「書かれた事の再現のところだよ!」

「再現って・・あれ他の魔法とか使って再現した

方が札術の5割未満で済んだって結果があるぞ?」

差が大きすぎでしょ・・そんなんじゃ誰も使わない

よね・・あれ?

「大砲を撃つときに入れた紙も札術?」

「そうだが?まぁあれは魔力を先に入れてる奴だな」

「ほぇぇ」

アニマートは紙に書かれている文字を読もうとし

てるようでさっきから静かだ

「あー!もう読めないわ!」

どうやら諦めたようだ

「ちょっと返してもらうね」

そう言ってアニマートの持ってる札の中からを4枚

取る。少し選ぶのに時間が掛かってるようだ

「師匠にはやるなって言われたけど、あなた達に

札術の本気を教えてあげる!」

そう言って4枚の札を重ねたまま地面に置き手も

重ねる

「おい馬鹿!やめろ!札術は重ねると辺り一帯が

消し飛ぶの知ってるだろ!?やめろ・・」

「黙って見てなさい・・札術・・「広域」・・

「情報」・・「洗浄」・・「乾燥」」

突如おそらくこの船より大きい魔法陣が出来る

「こんなぶっとい魔法陣なんか初めて見たぞ!?」

「綺麗だなぁ・・リテヌート!」

「うん・・凄い・・」

その魔法陣は3色で幻想的な世界を作り出していた

次の瞬間一瞬だけ水に包まれた・・

「!?」

「なんだ今の・・」

「乾いてる!?」

周りを見渡すと、どうやらこの船自体が綺麗に

なったらしく、塵一つ落ちていない

木の葉を見ると、さっきとは違う魔法陣がいく

つも木の葉を囲うように出来ている

「なぁ・・「日本」って国に住んでた事はあるか?」

「あるけどなんで?」

甲板から何人か降りてくる

「どうした?オルガヌム」

「スフォル・・そこの奴・・おそらく渡り人だ」

「!?・・野郎ども・・倉庫に閉じ込める準備を

しろ!後その中に誰か・・おいオルガヌムの銀髪

の方!」

「リテヌートです!」

「リテヌート!そいつを監視しとけ!」

「!?」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

そして今に至る・・

「というか・・私も出れないんだよ・・」

「間抜け?」

「違う!」

ここに入れられた理由は簡単だろう

全く仕事が出来ない奴に誰でも出来る仕事を与えた

結果なのだから。わざわざ労働力を減らす訳には

いかないのだ・・

「札も取られたしやる事ないよ・・」

「何もないからねぇ・・」

「仕方ないなぁ・・」

そう言ってドアもどきの前に立つ。そしてドア

もどきに手を当てる・・するとそこにはちゃんと

したドアが出来ていた・・

「どう?錬金術」

「最初から使えばいいのに・・」

「いやいやここは穏便に行きたいからね!

さてと・・誰か・・うん!誰もいないね!」

そう言って出て行ってしまった

「待って!」

「やっぱりローブが落ち着くなぁ・・師匠の匂いも

するし・・落ち着く・・」

「出てきてる!?」

「あっ・・」

「むにゃむにゃ・・」

ちょっと待って!?木の葉寝てる!?

「寝てるなぁ・・ほんとにこの子渡り人なの?」

話し掛けて来た少年は真っ黒な髪と幼い顔立ちを

していた。

「オルガヌムが言ってたから多分・・」

「でも渡り人特有の臭い匂いが無いんだよ・・

もし渡り人なら最近来たんだろうし、でも匂い

がしないんだ・・」

「あれ?あなた・・」

「ファルでいいよ」

「ファルは渡り人と会った事が・・」

するとファルは何かに怯えるように震え始めた

「!?大丈夫!?」

「大丈夫・・です」

何か渡り人に関係することで怖いことがあるの

だろうか。もしそうだったらかなりまずいこと

をした・・

「ふぅ・・大丈夫ですよ?」

「ほんとに?」

「はい!」

どうやらこの船の乗組員は個性的な面子しか

いないのかもしれない。

でも渡り人特有の臭い匂いって何だろう・・

そんなことを思いながら私は寝ることにした



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不観測のクジラ

朝起きるとベット・・折りたたみ式の

ベットだった・・

「おう・・起きたか」

「オルガヌム?あれ?木の葉の監視は夢?」

「現実だよ・・そいつを事実上監禁できない

ってファルが言って来たなぁ・・ドア作る

とかもう対策方法がない」

「結界は?」

「この船に張れる人が居ない」

「出てきたら殺せば・・」

「そもそも簡単に出れるならすぐ出てるだろ?

でもあいつは全然出なかった・・まぁ魔力切れ

の可能性も捨てきれないけどな・・あと穀潰し

は減らしたい・・」

穀潰し・・私のことだね・・

「オルガヌム・・私でも出来る仕事無い?」

「うーむ・・あのジジイに聞くのは癪だが

聞いてくるか・・少しぶらついとけ」

「了解!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

意味は無いけど甲板に出た

そもそも船内暗いし、狭いし息苦しい快適な場所

を探した結果だろう

「おいリテヌート、これをやれってさ」

そうやっていきなり話し掛けて来たオルガヌムは

分厚い本を渡してきた

「これは?」

「この船の日誌、いつ何が起きたか書いていくん

だ、これなら体力無くても出来るだろ?」

「なるほど?でも重要なものじゃ・・」

おそらく歴史書とかみたいに大切なものじゃない

のかな?

「正直お前以外書いてる時間がある奴がいない」

どんだけ忙しいんだろう・・この船って常に人が

足りないとか言ってるけど、どうなってるの?

とりあえず、この日記って奴を書けばいいんだね

「あと注意事項として、あ〜面倒だから今日書く

時に見せろ・・細かく教えてやる」

面倒だからって・・まぁ教えてくれるしいいかな?

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

眠い・・というかもう周りが殆ど見えないぐらい

真っ暗・・オルガヌムって教えるの下手なのかな?

だって、説明がわかりにくい・・文章を固くとか

何言ってるのやら・・アニマートはすでに寝ている

オルガヌムも寝てる。そういえば木の葉はこの船の

速度を上げてるらしい、というのもとにかく早く次

の港に着かないといけないため、魔石で早くしてた

らしいけど、木の葉の魔法の方が速くなるとか

よくわからないけど魔力多い方がやっぱいいのかな

まぁ眠いし寝よ・・

その時だった・・

一面が真っ白になった。

いつものお日様の光とか、ロウソクの火じゃない、

明らかに強すぎる光・・影が異常に濃く感じた

「何!?」

アニマートは驚いて起きたかと思うと装備一式を

取り出し甲板に駆けて行った。

「リテヌート!行くぞ」

私はオルガヌムに引っ張られながら甲板に上がった

そこには・・この船の3倍はあろう巨大な黒い物体

があった・・そしてそいつはこの船を異常なほど

強い光で照らしていた

「おいどうなったんだ!?夜間組・・」

「いきなり現れたのよ・・」

あれ?木の葉昼もいた気が・・ローテーションで

昼と夜で人が入れ替わるはずなんだけど・・

「てかお前昼番じゃ・・」

「夜の照明役よ・・」

「寝なくて大丈夫なの?」

「平気平気!十日ぐらい寝なくても大丈夫だよ!」

どうなってんの!?

そこにファルも上がってきた

「・・アカシックレコード・・」

いきなりファルがそう呟くと

足元に小さな魔方陣が現れた

「わからない・・何も・・」

「ん?ファルは今何したの?」

そう聞くと、オルガヌムが

「世界に記録されてる物から探し出そうとしたんだ

ないらしいけどな」

といった。

「ねぇ・・あれは敵?それとも・・」

「わからねぇから攻撃すんな・・クジラか?にして

はでかいし、背びれも太い、しかも背びれにヒレが

付いてるなんて・・なんなんだ?」

すると「クジラ」はその強すぎる光を点滅させた

そしてその強すぎる光が消えた

「・・札術・・「照明」・・」

木の葉の周りに程よく明るい光が放たれる

しかし、「クジラ」はすでに潜ってしまったようで

そこには水面しか無かった・・

「なんだったんだよ・・」

その後10分ほど探したけど、見つからなかったため

昼番は全員ベットに戻った・・

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

12日目の朝

頭が痛い・・昨日寝るのが遅かったから?

わからない・・ちょうどアニマートが起きた

「おはよう・・リテヌート」

「おはようアニマート・・昨日のクジラ・・

いったいなんだったんだろうね」

「?クジラ?いつ見たの?」

「昨日の夜中に見たじゃん」

「いや・・昨日の夜は寝てたよ?夕方に寝たし」

どういうこと?話が噛み合わない・・

「あと・・リテヌート・・左目どうしたの?」

「?」

左目?どういうことだろう・・

「ようお二人さん・・アニマートどうした?硬直

してるぞ?」

「オルガヌム・・リテヌートの、左目が・・」

「リテヌートの左目?・・!?どうしたんだ?

リテヌート・・」

「二人ともどうしたの?」

「お前の左目・・真っ赤だぞ?目の真ん中のが」

「両目とも金色だよ!しかもオッドアイじゃない

よ!左目だけ真っ赤なんておかしい」

ちょうど木の葉が通り掛かる・・

「おい、木の葉・・鏡持ってるか?」

「持ってるけど・・」

「ちょっと貸せ」

「ほい・・」

そして鏡を見せられた・・そこには・・

確かに真っ赤に染まった左目が写っていた




どうもkoutiです。
怒涛の勢いでフラグ増えますね。
多分全部回収できるはず・・
ではまた!


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天に落ちる流れ星

山に囲まれた海・・

その海には、帆が無く全体が灰色の

船が何隻何十隻と浮いている。

私は道の端でそれを見ていた

「ほんと・・اکانےは船が好きじゃのう」

突如後ろから話しかけかられる

その姿は・・見たことも無い服装・・全体的

に茶色っぽい色をしている・・を着ている

老人だった。

「うん!大好きだよ!」

そう自分は言った

「これでاکانےが男ならば跡取りができたのにのう」

「大丈夫だって!女性だってڈیزائنرになれるよ!」

「そうか・・」

そう言ってその老人は私を撫でる

その顔はどこか悲しげだった

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「リテヌート!起きて!」

「ふにゃぁ?」

目が覚めると、そこはいつもの船内だった

「左目の次は右目もか・・」

そうオルガヌムは言う

昨日の朝オッドアイになったかと思うと今日は

両目なのか・・なんなんだろう・・この赤目

木の葉もわかんないらしいし・・

何より頭が痛い・・昨日のより痛い

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

頭痛が治まったのは一時間後・・

それとともに赤かった両目は元の金色に戻った

そういえば朝に、見た夢・・なんだったんだろう

どれもこれも見たこと無いものしかない・・

まぁただの夢だよね・・きっと・・・

そして今、釣りをしている。

なんでも食料が足りなくなって来たらしい

そして魚が釣れないとご飯抜きになるとか

「リテヌート・・釣れてる?」

「そこそこには」

むしろ今日のノルマはとっくに達成済みだ。

今も釣ってる理由は暇だからだ・・あと甲板に

いた方があちこち見やすいのもある・・船内

は見えないけど・・あと沈むときに生き延び

られる確率が上がるらしい・・とオルガヌム

が言ってた。

「あっ・・釣れた」

相変わらずそこまで大きくない魚が釣れる

「リテヌート・・一匹もらえる?」

「どうしたの?アニマート・・」

「一時間やっても一匹もかからない」

「釣れないじゃなくてかからない?」

「そ!引っ張られないの」

「まぁいいけど」

「やった!」

むしろなんでかからないのだろう

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

あとでアニマートの釣竿を見てみたけど、綺麗に

エサがなくなっていた・・そりゃ釣れないよね・・

今はオルガヌム指導の元、釣った魚をくんせい?に

してる・・なんでもそれをすると長持ちするんだと

か・・その間に日誌を書いてる・・

「どれどれ?見せてみろ・・」

そう言われて日誌を渡す

「ふむふむ・・なかなかいい感じだな・・これから

も調子乗らずに精進してくれ」

「了解です!」

「おっ!そろそろだな・・」

そう言って箱を開ける

「何この匂い!美味しそう!」

アニマートが尻尾を振りながら言った

「一気に食うなよ?保存食だからな?」

「わかってるって!」

これは全部食べそうだね・・うん・・多分聞こえてない

「ほらっこれだよ」

そう言って手のひらサイズのくんせいを投げつけられた

「リテヌート!これ美味しいよ!」

「へぇ・・ほんとだ!美味しい」

これまでがパサパサのパンばかりだったからさらに

美味しい感じる

「へぇ・・龍星か・・明日は雨が降りそうだな」

「龍星?なにそれ・・」

「あれだよ」

そう言って指を指した先には、登る流れ星が見えた

「なにあれ!?」

アニマートはそういう・・

「龍星・・あれが見えると明日は雨って言われてる

んだ。まぁ大体雨って感じだ」

「うーむ・・もっとよく見たいな・・」

「望遠鏡もないから無理だろ・・それにあれは・」

「スキル・・ズーム」

そうアニマートが言うと、アニマートの左目から、

金色の魔法陣が三重で現れた

「おいおい・・スキル持ってるのかよ・・って」

オルガヌムが叫んだ瞬間・・アニマートが倒れた

「アニマート!?」

「だからあれを拡大とかして見ようとすんなって

言おうとしたのに聞かないで・・一回突っ走ると

止まらないなぁ・・」

「アニマートは大丈夫なの!?」

「問題ない、少しの間寝てるだけだ・・」

見ただけで寝させられる?なんなんだろう・・

まるで見られたくない、隠すような。あの

クジラも隠すような・・考え過ぎかな?

あれ?なんでこんな事に考えてるんだろう・・

「おい、リテヌート・・休め、また両目真っ赤

だぞ?」

「うん・・」

私は自分のところに戻り、寝た・・いや、中々

寝付けなかった・・




どうもkouti です
さて!今回は短めでしたがどうでしたか?
さてさて、ネタギレがきついですね・・
多分どう頑張っても次回が一章最後ですね
まぁ長い長いプロローグもそろそろ終わり
を告げます!さて!またここ?で


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嵐の別れ

出航してから58日・・

あの夢以来一切夢を見ていない

天気は快晴だけど風がかなり強い

「おーい 釣れてっか?」

「全然釣れないよ・・」

風が強いせいでここ数日あまり釣れない

平穏な日々は長く続いていた

「風の魔石必要ねぇな・・強いて言うなら

マストがこの強風に耐えれるかが心配だな

まぁそうそう折れはしないだろうけど」

「とりあえず・・札術・・強化・・これで

大丈夫なはず・・」

「本当か?」

そんなスフォルと木の葉の会話が聞えて来た

「そういえばこの時期この海域は荒れやすい

って同僚が言ってたな・・」

そうオルガヌムは呟いた

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

59日目

天候が悪化して、昨日の天気と打って変わって

嵐になった。船体のあちこちからギシギシと

音がなっている。

「大丈夫かな・・この船・・」

「多分大丈夫だよ・・アニマート・・」

保証は出来ないし、現に船体に強い負荷がかか

ってるのも事実だ・・そういえば薫製は濡れても

大丈夫なのかな?

そんなことを考えてる時だった・・

ドゴーン

船内に大砲でも撃ったのかと思うほど大きな音がした。

「2番マストがやられたぞ!」

「おい!だれか負傷者は居ねえか!?」

「船体は大丈夫か!?」

「左舷中央部が大破・・浸水は認められず」

「2番マストを捨てろ、言わなくても勝手に落ちる

だろうが」

「こっちに一人骨折者が」

「おい・・こっちなんか潰れてるぞ・・」

船おあちこちから大声があげられる

「とりあえず負傷者を船内に連れ込め!急げ」

「もうやってるよ」

「おい、だれか代わりに出来る奴居ねえか」

「まだ飛んでくるぞ!?なんだこの風は・・」

ドゴーン

また大きな音がした

「今度は船内後部左舷に当たったぞ!?」

「大丈夫か?」

「とりあえず浸水は無し、人的被害もだれも居な

いため、無し」

「おい、こっちに飛んできた奴に当たった奴が!

まだ息はある」

「札術・・生成・・」

「おい、木の葉、それはなんだ?」

「もしこの船が沈んでも助かる可能性を1%でも

残すものよ」

「やけくそだな!?」

「とりあえずお前らは船体にでも隠れておけ・・

ここは危険だ」

そうオルガヌムは言った。

「わかった!」

「了解」

今は言われた通りにしよう・・

ドゴーン

また大きな音・・

「今度はどこだ!?」

「バウスプリットだ!」

「1番マストも倒壊・・推力を失いました・・」

「負傷者は!?いたら早く連れ込め」

「何人いるんだ!?一人絶望的だ・・」

「船首がえぐれてる・・浸水発生してるぞ」

「塞げ!急げ」

「なんとか浸水は最小限で済みました・・」

「リテヌート?大丈夫?」

「うん・・衝撃で転んだだけだから・・」

ドゴーン

さらに・・!?

「リテヌート!?」

「嘘だろ!?」

「右舷中央部が損傷・・浸水は認められず

尚・・」

一瞬過ぎて何が起きたかわからなかった・・

空いた穴から強風で吹き飛ばされたのかな?

アニマート・・先に・・

 

////////////////////////////////////////////

アニマート目線

 

「リテヌートが・・オルガヌム・・リテヌートが」

「アニマート・・落ち着け・・」

「こんな強風の海の中に落ちたら・・」

「諦めろ・・こんなの生き延びれるはずが無い・・

ましてやあいつの体力じゃ・・」

それは私が最も恐れていた事態だった・・最愛の妹

をこんなところで・・失ったしまうなんて・・

でも私は諦められなかった・・

「でももしかしたら・・もしかしたら・・」

「お前はこの荒海に飛び込むつもりか!?絶対に

生きて帰れないぞ!?」

「でも・・でも」

パァン

突如頬に痛みが走った・・でもそんなことは

どうでもよかった。

「助けにいかせてよ・ねぇ!?」

「くそ・・ビンタを食らわせれば落ち着くって

嘘かよ・・アニマート・・絶対に行かせないぞ・・」

「でも・・」

「無駄死にするつもりか?」

「それでも・・」

「リテヌートがそんなこと望むか?今は辛くても

生きろ!生きて生き延びて抗えよ・・逆の立場に

なってリテヌートに無駄死にを望むか?生きる

ことを望むだろ!?いい加減落ち着け」

「でも・・」

そこで私の意識はなくなった・・



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2章 極東から始まる世界改革
旭は登る


ここはどこだ?一面白い部屋

床は真っ白だけど、天井はごちゃごちゃ

している。見たことも無い魔道具?が

この部屋を照らしている・・

ふかふかの真っ白なベッド・・

ここが噂の天国かな・・

ガチャ

この部屋に一つしかないドアから

私より一回り大きい・・女性?男性?が

入って来た。その服装は見たこともない

服だった・・スカートじゃないし青年?

髪は真っ白でポニーテール、目は真っ赤だった

「अकाने-सान! बचानेवाला जाग गया!」

なんて言ってるんだろ・・声質的に女性かな?

「मुझे कुछ नींद की गोलियां दें」

今度は違う声・・こっちも女性の声だった

なんて言ってんだろう・・

そういえばさっきから頭が痛い・・なんでだろ

「私はこう・・よろしく」

「リテヌートです・・よろしくお願いします」

ようやく意味がわかる言葉だよ・・

「早速 お願い リテヌート これ 飲んで 

ほしい」

片言?

「あーとりあえずこれを飲んでってでअंग्रेजीで

なんて言うんだ!?全くわからん」

「えっと、これってなんですか?」

「!?俺の言ってる言葉わかるのか!?」

「はい・・」

ガッつきすぎだよ!?

「無理してअंग्रेजीでなんて話さなければよかったよ・・

とりあえずこの白いもの飲んでくれ・・」

そう言って小さな白い粒と透明な入れ物に入った水を

渡された・・

「あー一緒に飲むんだよ・・」

一緒に飲む

「そうそう!गोलीの飲み方も知らんとは・・」

「余計なことは喋んな」

またどこからか声が聞こえる

「どこから話してるんだろ?」

「てっきり転生者がやりたい放題してるからप्रसारण

ぐらい普及してると思ったら全然普及してないな」

あれ?なんか眠くなって来た・・もう寝よう

「じゃあな!」

そう言ってこうは部屋から出て行った

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

目が覚めた・・外も見れないせいで今朝なのか

昼なのかわからない・・とりあえず外に出よう

ガチャ

「なんとか間に合った!」

「えっとこうさん?いきなり・・」

「時計置いとくから・・ちょっと待ってて」

「え・・ちょっと・・」

こうは飛び出して行った

「時計?なんだろ・・見たこともない・・」

目の前にある時計は、針が無く、むしろ長方形

の箱に数字10桁の数字が浮かび上がっている

そして常に数が変わっていく

「どんぐらい待てばいいのかな?」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ごめん・・こんなんしか無くて」

そう言って温かいスープとパンを渡して来た

「温かいご飯久しぶり・・」

「まじか・・」

「パンも硬く無くて柔らかいし・・」

「普通じゃないのか?」

「?」

「まぁおつかれ様・・とりあえず食べ終わった

らこれ飲んだけ・・」

「この白い粒ってなに?」

「あー・・栄養取るための薬だよ・・気にす

るな!」

「あっ・・うんわかった・・」

気にするなって逆に気になるじゃん!

飲んだあと絶対調べてやる

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「おーい起きろ・・」

「・・おはようございます・・」

起きると部屋の様子は変わっていた・・

あちこちが錆び付いていて、丸い窓があった

窓の外には・・見たこともない街並みが

広がっていた・・全体的に地味だが、賑やか

だった

「とりあえず・・ようこそ!海神の街!須賀へ!」

「海神の街?」

「あぁ!このशिंटो मंदिरで祈ると荒波や嵐とかに

襲われても生き残りやすくなるとか」

「へぇ・・」

「別名は奇跡の社かな?なんでそう言われてるか

知らないけど・・ってちょっと待って!」

そんな言葉に耳を貸さずに外へ出る・・

さっきまでいた建物・・サビだらけで今にでも

壊れそうだった・・

「おーい待ってって言ったじゃん」

「これ・・船?」

なぜそう言ったかわからない・・

ただ何となくそう思ったんだ・・

「船?そう見える?」

「うん・・なんでだろ・・」

その瞬間・・気を失った・・

多分何者かに気絶させらた・・




こんにちは!kouti です・・いやぁ2話連続はやっぱきついっすね
さて!今話から2章です!さてさて本番が始まりますよ!


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白き遺跡

「おーい・・大丈夫?」

「うーん?」

起きるとさっきの錆びついた部屋だった

「起きたの」

ドアからさらに人が入ってくる。

黒髪のツインテールで男装している

私達より少し身長が高い・・

「早速で悪いけどお使い頼まれて・・」

「あかねさんいきなり過ぎますよ・・だったら

あかねさんが行けば・・」

「あそこの結界には入れないの」

どうやら黒髪ツインテールはあかねという名前らしい

「だったら俺だけで・・」

「はいはい俺言わない私と言いなさい・・しかも

貴方一回戦闘に入ると引かないじゃん・・」

「うぐっ・・」

もしかしてまた脳筋?

「攻防考えてやってるし、無傷で終わらせてるじゃん」

「そりゃ貴方強いからね・・ただかなりの長期戦

でも引かずに突っ込んでたじゃん・・ましてや

魔力切れで」

「うぐっ・・」

「通常の札術士にも火力で押し負けてるし、しかも

使える術も一つじゃすぐに弱点つかれるよ・・」

うわぁ・・全力で論破されてる・・

「じゃあこいつだけで・・いや無理か・・その体で

戦うなんて・・小麦色に焼けてるけど・・あちこち

細っこいし・・」

「もしかしたら戦えるかも知れないよ?」

「いやもし戦えなかったら俺がこいつを守らないと

いけないじゃん・・」

「大丈夫大丈夫!宝物殿だから」

宝物殿?何だろう・・

「はぁ・・わかったよ・・こいつ連れて行けば

いいんだろ?リテヌート?ついて来い・・」

「えっと・・宝物殿って何ですか?」

とりあえずわからない事は聞いとくべきだよね

「ダンジョン・・ってわかるか?」

「えっと財宝が隠されているけど、モンスターや

トラップとかの危険な物が仕掛けられた古代遺跡

ですか?」

「まぁそれの財宝が古代遺物そのもので、大切に

保存されてるけど、あっても簡易的なトラップしか

ない初級者向けのダンジョンだよ。まぁ基本

見つからないけど」

「見つからないのかよ・・」

「そこに行った冒険者か早4日戻って来ないのよ」

あれ?でも確かダンジョンは2週間から一か月は

中ぐらいならかかるって言ってたし普通じゃ?

「普通じゃないのか?」

「宝物殿はどんなに大きくても2日で隅々まで

探索出来るし、宝物殿の結界は大体直径100mほど

の球体よ・・.これより大きいことも無いしこの結界

内は中に入って変えないと変化しない、できても

結界無いから外へ干渉出来ないとか複雑なのよ。

要するに4日戻ってこないのはおかしいってこと」

「わかったよ・・リテヌート?いくぞ」

「わかった・・」

どうやら拒否権は無いようだ・・

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ったく、あかねさんは人使いが荒いなぁ・・」

こうはそんなことばかりさっきから言っている

「そういえばその腰に付けてるの剣?」

なんか空気が気まずいので、どうでも良さそうなこと

を聞いてみる

「これ?刀ってんだ・・正直剣より使いにくい」

「へぇ・・あっ!ここだよ!あかねさんが言ってた

場所」

「ここが・・宝物殿・・なのか?」

山の麓と言われたけど、入り口どころか遺跡っぽい

すら存在しない。

「ここだよな?木札も立ってるし・・」

「これ・・もしかして・・」

「直進するぞ!」

そう言ってこうは山に思いっきり走りぶつかる

っと思った瞬間消えた・・

「まって!」

そう言って私も飛び込む

「ほぇぇ・・真っ白なんだな」

「おお!」

中は明るく、そして真っ白な道だった・・

一面真っ白・・

「何だこれ・・」

そこには「第・4・木・・・・ター」と書いてあった

「あちこち消えてるな・・何だろ」

「先行こうよ!」

「おう!そうだな」

進んで行くにつれて光が、点滅してバチバチといい

始めた・・

「流石に遺跡なだけあるか・・あちこちガタが

来てるな・・」

そうこうは言う・・

さらに進むと今度は広場に出た・・

「広いな・・えっとあかねさんは確か広いところ

が宝物庫って言ってたけど・・」

「何もないね・・」

「最初から無かったか、誰かが持って帰ったか・・」

「でもまだ道が続いてるよ!もしかしたらここは

違うかも知れないし」

「そうだな・・てか目が痛くなるな・・」

さらに進む

灯も消えて真っ暗になる・・

「もうないんじゃ・・」

「ほらあそこに光が見えるだろ?あそこがきっと

宝物庫だよ。さっさといくぞ・・」

「実は怖かったりしない?」

「ばっそんな訳ないだろ!?」.

あ〜たぶん怖いんだろうな・・

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「やっとゴール・・って外かよ・・どおりでここら

辺が苔だらけなのか・・」

光の正体は外だった・・大体察してたけど・・

「ほらリテヌート、手ぇ貸せ」

「んっ」

こうに引っ張り上げられる・・

そこには・・広範囲に広がるガラクタ達に地面は

初めてみる石でできた場所だった・・

「すごい・・」

「یوکوسوکا شپ یارڈ?・・いや関係ないか・・」

何だろ・・よくわからない単語だけど・・

「!?・・リテヌート目瞑れ」

そう言ってこうは私の目を覆い隠した・・

「なんですかいきなり・・」

「こりゃ見たらダメだ・・グロ過ぎだろ・・

おいリテヌート・・ここはやばそうだ。さっさと

逃げ・・」

「やぁやぁお嬢さん方。こんなところに来ては

行けませんよ?」

突如男の声が聞こえてきた・・

「お前誰だよ・・」

「それしかは答えられないし答えても意味ないな」

「何言ってん・・」

パァン

軽い大きな音が響く

「なかなかやるなぁ・・」

「当然だろ・・リテヌート・・お前は逃げろ

振り返るな・・急げ!」

「うん」

ただ駆け出した・・

「逃がさないよ」

「おっと相手はこの俺だ・・この先には一歩も

進ませないぞ」

「おっと・・そうか・・」

声も聞こえなくなってくる

ただひたすら走った

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

入り口に着いた・・

「はぁ…はぁ…流石にここまでは来ないよね・・」

「リテヌート!避けろ」

「ふぇ!?」

ドォォォォン

こうと長身の男が飛んで来た

こうの方はボロボロだ・・

「グァッ・・」

「この程度か・・」

「まだだ・・」

「はいはいそこまで!」

「あかねさん!?なんでここに!?」

「正直大丈夫だと思ってだんだけど強力な魔力反応

があったから・・心配で」

「新手か・・うーむこれはやばそうだ・・さっさと

撤退しよ」

「札術・・爆破」

その瞬間強力な爆発が起きた

「チッ・・逃げられたか」

「流石あかねさ・・」

「あんた相手の力量も把握できないの!?馬鹿?」

「いやだってあれは戦闘不可避じゃん。理不尽だよ」

「うぐぐ・・」

「仲良いですね・・」

「良くない!」

息ぴったりで言われても・・

「とりあえずこう・・こっちきなさい」

「はーい」

「札術・・回復・・よし」

「よし!これで・・」

「暫くは安静にしなさい」

「はい・・」

そういえばアニマートは大丈夫だろうか・・

今は生きてることを願うばかうばかりだ




追加ありて有りですすいません


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