闇堕ち!一夏くん!~復讐したかったやつがまるで成長していない件について~ (嘘つき魔神)
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第0話:闇に沈むモンスター

 息抜き短編、故にすぐに打ちきりになるはず。


『は、離せ!--!というか、何でISを!?』

 

『うるさい兄さんだなぁ‥‥‥足をベキッとね☆』

 

『があぁぁぁぁぁ!?』

 

『うーん、もがく姿といい、ゴキブリみたい‥‥‥ま、今から殺す奴に何も言うことないけど』

 

『待て、殺すって、どういうことだよ!?』

 

『簡単に言ったら、兄さんのせいで苦しむ人がいるんだ、その人たちのために兄さんにはここで死んでもらうよ』

 

『やめろ、頼む、手を離さないでくれ‥‥‥』

 

『あはは!おっかし!原作で守るとか言ってる人の台詞じゃないでしょ!あはは!』

 

『何だよ原作って‥‥‥なぁ、--‥‥‥落ち着けって‥‥‥』

 

『やっぱり、ゴキブリに話は通じないね☆じゃ、さよなら!』

 

『うわあぁぁぁぁぁ!』

 

 

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「‥‥‥また、か‥‥‥」

 

 そう言い、ダンボールの寝床から這い出す、白髪の少年。もはや、彼は自分の名前さえ覚えていない。あるのは、誰に向けたものかも忘れた復讐心だけだ。

 

「最近変な夢を見る‥‥‥」

 

 そう溢し、ろ過した水を貯めてあるドラム缶の下に火をつけた新聞紙やらを入れる。最近見るようになった変な夢。そこに出てくる人物。名前も知らないのに、顔を思い出すだけでイラつかずにはいられない男。

 

「はぁ‥‥‥」

 

 だが、そのイライラは届かない。そもそも、そいつが誰かも分からない。自分には教養もないし、拠点もない。食い物はそこらの雑草。

 

「‥‥‥イライラする‥‥‥」

 

 最近になって、ずっとストレスを溜めている気がする。誰でもいいから殴りたい‥‥‥そんなことを考えていたときだった。

 

「復讐したいかい?」

 

「誰だっ!?」

 

 突如声が聞こえる。だが、姿は見えない。

 

「安心して、僕は君の敵じゃない。味方さ」

 

「‥‥‥顔も見せねぇ奴をどう信用しろと?」

 

「ふふ、そいつは失礼。でも、顔は見せれない」

 

 怪しい。彼が抱いたのは警戒だ。顔を見せないのに、何故か自分の味方と言う、怪しさてんこ盛りである。

 

「ふふ、君に力をあげるよ。復讐のための、ね‥‥‥」

 

「‥‥‥ゴクッ」

 

「ふふ、欲しいんだね?あげるよ、ほら」

 

 すると、虚空に光の玉が浮かぶ。それは、彼に近づき、入り込む。同時に、筆舌に尽くしがたい痛みが襲ってきた。

 

「ウグゥガアァァァァ!?」

 

「うーん、凄まじい悲鳴。僕じゃなきゃ聞き逃しちゃうね」

 

 謎の男が言うが、どうでもいい。痛い、痛い。

 

「はぁ‥‥‥はぁ‥‥‥終わったのか‥‥‥?」

 

「うん、お疲れ」

 

 十数秒ほどの時間、彼にとっては何時間もの苦痛は過ぎた。

 

「はい、これ」

 

「これは‥‥‥?」

 

「黒式(こくしき)。君の専用機だ。さぁ、どうする?自分を陥れたやつに、復讐、すりゅ?」

 

 その問いに、彼は狂暴な笑みをもって答えた。

 

「オーケーだ、君の復讐に幸があることを願うよ‥‥‥織斑一夏(おりむらいちか)‥‥‥いや、闇夜一夏(やみよいちか)くん‥‥‥」

 

 ここに、復讐を望むモンスターが生まれた‥‥‥




 黒式‥‥‥ドコカデキイタキガスルナー。


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